外務委員会 第2号
- 発言数
- 8 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1977/03/03
会議録
○委員長(寺本広作君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る一月二十八日、寺田熊雄君及び和田静夫君が委員を辞任され、その補欠として上田哲君及び小野明君がそれぞれ選任されました。 また、去る一月二十九日、増原恵吉君が委員を辞任され、その補欠として藤田正明君が選任されました。 また、去る一月三十一日、小野明君が委員を辞任され、その補欠として久保亘君が選任されました。 また、去る二月二日、藤田正明君が委員を辞任され、その補欠として二木謙吾君が選任されました。 —————————————
○委員長(寺本広作君) 委員の異動に伴い、理事一名が欠員となりましたので、この際、その補欠選任を行います。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺本広作君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に大鷹淑子君を指名いたします。 —————————————
○委員長(寺本広作君) 次に、国際情勢等に関する調査を議題といたします。 昭和五十二年度外務省関係予算並びに今国会に提出予定の法律案及び条約について、概要の説明を聴取いたします。松永官房長。
○政府委員(松永信雄君) お手元に配付いたしました昭和五十二年度外省務予算重点事項について御説明を申し上げます。 まず、一番上の欄外にございますように、五十二年度外務省予算は総額千七百七十六億六千万円が計上されておりますが、これは前年度に比しまして百九十九億九千万円の増加で、一二・七%の伸び率となっております。 第一の外交実施体制の整備のうち、外務省定員につきましては、本省及び在外公館を含め百五十名の増強を図ることとしておりますが、このうち二十五名は他省からの振りかえ分、三十四名は業務量の増加に伴う振りかえ分、三十名は五十二年度の定員削減分となっております。 機構につきましては、本省の大臣官房に総務課、条約局に海洋担当の書記官を新設することとし、また、在外公館については、在ウガンダ大使館、在ペナン総領事館及び在エンカルナシオン領事館の新設を要求いたしております。 次に、瘴癘地、すなわち主として中近東、アフリカ地域に見られる勤務環境の厳しい地域に存在する在外公館の職員の勤務条件の改善につきましては、館員住宅の整備、健康管理、福祉厚生の改善のための予算が大幅な増額を見、十一億二千六百万円が計上されております。 第二の国際協力の拡充強化につきましては、経済協力関係予算は外務省予算中最大の比重を占め、総額九百四十七億八千六百万円が計上されておりますが、その重点といたしましては、水産関係援助を含む二国間無償資金協力を推進するほか、技術協力拡充のため国際協力事業団交付金を大幅に増額することとしております。 第三の広報文化活動の推進につきましては、国際交流基金に対する五十億円の追加出資のほか、外国人留学生のため、国際学友会の日本語学校改築に補助金を交付することとしております。また、対外広報活動につきましては、シカゴに新たに広報文化センターを開設することとしたほか、啓発資料の作成等の充実を図ることとしております。 第四の海外子女教育の充実強化につきましては、海外在留邦人の同伴子女の教育の充実強化を積極的に推進する見地から、アルジェその他の五都市に全日制日本人学校を新設することとし、また教員の増員、その待遇改善等をもあわせ行うことといたしております。 以上が五十二年度外務省予算案の重点事項についての簡単な御説明でございます。 次に、国際農業開発基金への加盟に伴う措置に関する法律案について御説明申し上げます。 本法律案は、別途御説明いたします国際農業開発基金を設立する協定に基づくわが国の同基金への加盟に伴い必要となる措置を定めるものであります。 わが国は、同基金に対し、国会の承認を得た後、三年度にわたって五千五百万ドルの拠出を行うことを予定しておりますところ、この法律案においては、かかる拠出を行うための措置としまして、政府は同基金に対し、予算で定める金額の範囲内において本邦通貨により拠出することができること、同基金に対する拠出に充てる国債の発行権限を政府に付与すること及び同基金が保有する本邦通貨その他の資産の寄託所として日本銀行を指定することができることを定めております。 以上が今回提出いたしております法律案の概要であります。 さらに、次に在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について御説明いたします。 まず、改正点の第一は、在外公館の設置関係であります。昭和五十二年度予算政府原案において、在ウガンダ大使館、在ペナン総領事館及び在エンカルナシオン領事館の三公館の設置が認められておりますが、このうち在ウガンダ大使館の設置はすでに本法律に規定されておりますので、今回の改正においては、在ペナン総領事館と在エンカルナシオン領事館の新設を規定しております。ペナン周辺地域はわが国民間企業の進出が急増し、これに伴う在留邦人が激増しており、また、エンカルナシオンには従来より日系人移住者が多数あり、これら両地域の邦人進出企業並びに在留邦人の指導、保護、各種案件の処理に遺憾なきを期するためには、可及的速やかに在外公館を新設する必要があるものであります。 次に、兼館として認められましたものは、在アンゴラ及びセイシェルの両大使館であります。アンゴラは一昨年十一月、セイシェルは昨年二月にそれぞれ独立し、わが国は昨年の二月及び六月に両国をそれぞれ承認いたしましたので外交機関を設置する必要があるものであります。 改正点の第二は、在外職員の在勤手当関係であります。 まず、新設の在外公館の職員の在勤基本手当の基準額を定めるほか、子女教育手当につきましては、一名につき月額一万二千円を一万八千円に増額いたしております。 住居手当につきましては、特定の在外公館に勤務する次席館員の住居手当の月額の限度額を一〇%引き上げることといたしました。これは、その職務の特殊性から、その外交領事活動を遂行するにふさわしい住居の確保を保障する必要があるためであります。 改正点の第三は、既設の一部公館につきまして、国名の変更、首都名の変更がありましたので、これらに伴う所要の改正を行うものであります。 以上が、本法案の改正の概要であります。
○委員長(寺本広作君) 次に、提出予定条約について村田条約局参事官に御説明を願います。
○政府委員(村田良平君) それでは、続きまして、今国会に提出を予定しております条約に関しまして御説明申し上げます。 お手元の資料にございますとおり、総計で二十五件の提出を検討をいたしておりますが、その中で二十件が提出予定、あと五件は検討中ということでございます。 まず最初は、日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の両協定でございます。 この二つの協定は、昭和四十九年一月三十日にソウルで署名が行われたものでございます。このうち、北部の境界画定協定は、日韓間の大陸だなの北部における境界線を定めるということを内容といたしております。また、南部の共同開発協定は、同じく日韓間の大陸だなの南部の一定区域を両国の共同開発区域といたしまして、両国の開発権者がこの区域におきまして石油資源を共同して探査、採掘するということを定めておるものでございます。 この両協定は、第七十二回国会、第七十五回国会に提出されまして、七十六、七十七、七十八回各国会で審議されましたが、結局審議未了、廃案となったものでございまして、この両協定は今国会にすでに提出済みでございます。 二番目が、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とルーマニア社会主義共和国との間の条約でございます。 この条約は、ルーマニアとの間で所得に対する租税に関する二重課税を回避するために、昭和五十一年の二月に署名されたものでございます。 この条約は、基本的には日本とルーマニア相互間で外国税額控除方式をとって二重課税を回避するための措置を定めております。 主要点は、企業の事業利得については、支店等の恒久的施設に帰属するものに限り課税するということ。さらに、国際運輸業利得については、相互に免税とすること。三番目に、配当・利子等の投資所得に対しまして源泉地国での課税限度率を定めるということを内容といたしております。 この協定は、わが国が社会主義国と結びます最初の租税条約でございます。基本的には、いわゆる租税に関するOECDのモデル条約にのっとっておりますけれども、若干相手国が社会主義国であるということを勘案した規定が入っておるものでございます。 この条約は、第七十七国会に提出されまして、七十八国会で審議未了、廃案となったものでございます。 三番目が、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とブラジル合衆国との間の条約を修正補足する議定書でございます。 わが国とブラジルとの間には、すでに昭和四十二年に発効した租税条約がございますけれども、近年ブラジルが行いました税制改革及び最近の日本とブラジルとの間の経済関係の伸展ぶりといったものを勘案いたしまして、現行条約を修正補足するために昨年の三月に署名されたのがこの議定書でございます。 主たる内容は、配当・利子及び使用料に関します源泉地国での課税率を若干引き上げたこと、及びブラジルにおける経済開発に寄与するために、いわゆるみなし税額控除という制度に関する規定を整備したことでございます。 この条約も、先ほどのルーマニアとの租税条約と同じく、第七十七国会に提出、継続審査になり、さらに七十八国会で審議未了となって廃案となったものでございます。 四番目が、日本国とオーストラリアとの間の友好協力基本条約でございます。 豪州との間には、すでに通商、租税、原子力の平和利用、漁業、文化、航空等、諸般の協定がございますが、近年の日豪関係の画期的な進展にかんがみまして、両国間の基本関係を律する条約をつくろうではないかという話し合いが行われたわけでございます。その結果、昨年六月十六日にフレーザー豪州首相が訪日いたしました際に、三木総理とフレーザー首相との間でこの友好協力基本条約が署名されたわけでございます。 条約の主たる内容は、広範な分野におきまして日豪両国関係を拡大強化すること、公正かつ安定的な基礎の上に立って貿易を発展させること、出入国、滞在、事業活動等に関しまして、公正かつ公平で第三国無差別の待遇をお互いに与え合うこと等でございます。 なお、この条約には幾つかの附属文書がございますが、その中で非本土地域に関する附属の交換公文がございまして、これはこの基本条約を適用する地域に関する合意でございますので、これも国会承認の対象といたしまして、条約と並んで一括御承認をいただきたいと考えておるものでございます。 五番目が、経済協力に関する日本国とモンゴル人民共和国との間の協定でございます。 モンゴルとわが国の間には、過去においていろいろな経緯がございましたが、一九七二年に外交関係が開設されたわけでございます。その際、あるいはその後も、モンゴル側からわが国に対して強く経済協力に関する要請が行われましたので、これを踏まえまして話し合いました結果、わが国もカシミヤ及びラクダの毛の加工工場の建設のために、一定の金額を四年間にわたって贈与するという無償経済協力の形で先方の要請に応ずることとしたものでございます。この交渉はなお継続中でございますが、現在最終段階にございますので、近く妥結するというふうに考えております。 六番目は、日本国とカナダとの間の文化協定で二ございます。 これは、昭和四十九年に当時の田中総理がカナダを訪問されました際に、田中総理とトルドー・カナダ首相との間でこういった協定をつくろうという合意が行われて、その結果、交渉を行ったものでございますが、昨年十月トルドー・カナダ首相が来日の際に、この協定の署名が行われました。 これは、わが国として締結いたします第十六番目の文化協定でございまして、その内容は、わが国が従来各国と結んでまいりました文化協定と基本的に異なるところはございません。文化、教育等の分野におきまして両国間の文化交流を促進するということを規定しておるものでございます。 七番目が、投資の奨励及び相互保護に関する日本国とエジプト・アラブ共和国との間の協定でございます。 昭和五十年十一月に行われました当時の木村外務大臣のエジプト訪問の際に、この協定の締結交渉を行うということが合意されまして、その後の交渉の結果、本年一月二十八日に東京で、この協定の署名が行われたわけでございます。 この協定は、わが国が締結いたします最初の包括的な投資保護協定でございまして、将来わが国が各国と締結するであろうと思われます投資保護協定のいわばモデルとなるものであると考えております。 主な内容は、投資の許可に関する最恵国待遇、事業活動、出訴権、送金等に関する内国民待遇及び最恵国待遇、収用、国有化等の場合及び戦争等によって被害を受けた場合の補償措置等でございます。 次に、八番目が日本国とカナダとの間の小包郵便約定の改正、九番目は日本国とフィリピン共和国との問の小包郵便約定の改正でございますが、一括御説明申し上げます。 この双方の改定は、一九五六年に締結されました日加小包郵便約定及び六三年に締結されました日本とフィリピンとの小包郵便約定をそれぞれ改正するものでございまして、万国郵便連合の小包郵便物に関する約定が改正されましたことに伴いまして生じました不均衡を是正するためのものでございます。 この両協定につきましては、目下案文につき交渉中でございますが、かなり問題点がございますので、この両協定に関しましては、提出予定といたしておりましたけれども、本国会に提出できるかどうか、若干困難になったのではないかというふうに見ております。 十番目が、わが国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の郵便為替の交換に関する約定の改正でございます。 これは、一九六五年に締結されました現行の日英間の郵便為替約定を改正するものでございまして、為替業務徴収料金の割り当て率等につきまして改正を施すものでございますが、目下交渉中でございます。 十一番目の日本国とバングラデシュ人民共和国との間の郵便為替の交換に関する約定は、同じくわが国とバングラデシュとの間の郵便為替の交換に必要な事項について規定するためのものでございますが、これも目下交渉中でございます。 次に、多数国間条約に入りまして、十二番目が、核兵器の不拡散に関する条約第三条1及び4の規定の実施に関する日本国政府と国際原子力機関との間の協定、通常保障措置協定と呼ばれておるものでございます。 この協定は、わが国が昨年六月八日に核兵器不拡散条約の締約国になりましたことに伴いまして、同条約の第三条に基づいて国際原子力機関、IAEAとの間に締結するものでございます。 わが国の平和的な原子力活動にかかわるすべての核物質に関しまして、その核物質が核兵器その他の核爆発装置に転用されていないことを確認することを目的といたしまして、国際原子力機関の保障措置を適用することについて定めたものでございます。 その内容といたしましては、わが国の原子力平和利用に関しまして、設計情報の提出であるとか、記録の保持であるとか、あるいはIAEAへの報告であるとか、さらに査察等について定めておるものでございまして、基本的にはわが国みずからの手によります保障措置、これを協定上は国内制度と称しておりますが、これを原則といたしまして、IAEAがわが国の独自の査察に重複することなく、これを補完する形で保障措置を行うというものでございます。また、ユーラトムその他との差別がないように配慮を加えたものでございます。 なお、核兵器不拡散条約の規定上、この協定は締結交渉開始後十八カ月以内に結ぶこととなっておりまして、本年の十二月四日までにこの協定を発効させる必要があるものでございます。 十三番目は、千九百七十二年の海上における衝突の予防のための国際規則に関する条約でございます。 海上における船舶交通の安全を図るために、わが国初め各国とも従来国際的なモデル規則を参考として、各国がそれぞれに国内法を制定してきたわけでございますが、近年の海上交通の非常な増大とか、大型船の発達とか、あるいはレーダーを使用するといったような新しい事態に備えまして、この条約のモデル規則を国際条約にしようという機運が高まりまして、一九七二年にこの条約が作成されたわけでございます。 この条約は、いま申し上げましたように、レーダーの使用を義務づけるとか、あるいは分離通航方式というものを海上交通において採用するといったような新しい点を加えまして、近時の海上交通の事情に即した内容のものとなっております。 わが国といたしましては、海上における船舶の交通を容易かつ安全にするめに、この条約を速やかに締結する必要があるわけでありますが、実は、主要海運国がすでにこの条約を締結しておりまして、本年七月十五日にはこの条約の効力が生ずるということになっておりますので、今国会においてこの条約に関して御承認をいただくとともに、国内法、海上衝突予防法でございますが、これの所要の改正法が提出されるという予定でございます。 十四番目が、国際農業開発基金を設立する協定でございます。 この協定は、一九七四年の世界食糧会議における決議に基づきまして、開発途上国の農業開発、特に食糧増産のために緩和されました条件による資金供与、これは貸し付けと贈与と二つから成っておりますが、かかる資金供与を行うことを目的とした国際農業開発基金という基金を設立するために、一九七六年の六月に採択されたものでございます。わが国は、本年の二月十一日に署名を終わっております。 この基金は、その資金として当初約十億ドルを予定しておりまして、先進工業国が約五億七千万ドル、産油国が約四億四千万ドルを拠出し、さらに、その他の産油国でない開発途上国が約九百万ドル、これは主として現地通貨でございますが、拠出するということになっております。産油国が非常に巨額の拠出を行うという点がこの基金の一つの特色でございます。 なお、先ほど官房長から説明いたしましたように、この協定に関しましては国内法が必要なわけでございます。わが国は、五千五百万ドルを拠出するという予定でございます。 次の十五番目が、がん原性物質及びがん原性因子による職業性障害の防止及び管理に関する条約でございます。 この条約は、一九七四年のILO第五十九回総会で採択されたものでございまして、昨年の六月にすでに発効いたしております。 その内容は、労働者が職業上さらされるがん原性物質、これは主として化学的なもの、俗に言う発がん物質と言っておるもので、たとえば染料の中間体等でございますが、かかる物質及びがん原性因子、これは物理的なものでございまして、たとえばエックス線というふうなものでございますが、そういった因子に関しまして、それぞれの有害性に応じた規制を実施し、もって労働者の健康障害を防止するということを目的としたものでございます。 十六番目が、千九百七十一年七月二十四日にパリで改正された万国著作権条約及び関係諸議定書でございます。 万国著作権条約は、著作権を保護する条件として、納入等の方式を要求をする国と、無方式で保護する国との間の橋渡しを行うものとして一九五二年に作成されたものでございますが、このパリ改正条約は、翻訳権及び複製権に関しまして開発途上国のための特別の便宜を図るということを内容といたしております。 なお、この条約には、それぞれ国会の御承認をいただく必要のある附属議定書が二つついておるわけでございますが、そのうちの一つは、無国籍者に関しても著作権を保護するという内容でございまして、もう一つの附属議定書は、国際連合あるいは国連の専門機関等の著作物に関しても、締結国の国民と同じような著作権の保護を与えるということを内容といたしております。 次が国際海事衛星機構、インマルサットに関する条約でございます。 政府間海事協議機関は、一九六六年以来衛星通信技術の導入により海事通信の混雑緩和、品質改善のための方策について検討を行ってまいりましたが、その結果、昨年九月につくられたのがこの条約でございます。 この条約は、衛星を利用いたしまして世界的な海事通信サービスを提供する国際海事衛星機構というものを設立いたしまして、これを運営することを定めております。 十八番目が、子に対する扶養義務の準拠法に関する条約でございます。 この条約は、各国が子に対する私法上の扶養義務の準拠法として子の常居所地の法律を採用することとして、共通の国際私法の規則を定めるものでございます。近時、わが国国民の関係する渉外的な親子間の問題がいろいろ法律上の紛争となる事例がふえてくる傾向にございますので、今回この条約を締結したいというふうに判断した次第でございまして、その内容は、子が扶養を請求し得るか、あるいはだれに請求し得るか、また、請求する場合にどの程度の金額まで請求し得るか、あるいは請求を申し立てるのはだれかというふうなことに関しまして、すべてその子の常に住んでおります、まあ俗に言えば住所の法律を基本としてこれを適用するという内容でございまして、親子間の関係、たとえば認知とかそういったことには関係のない条約でございます。 十九番目が、税関における物品の評価に関する条約の改正でございます。 現行条約は、税関における物品評価の方式を統一いたしまして、もって国際貿易を容易にすることを目的として一九五〇年につくられたものでございますが、基本的にはいわゆるCIF基準で物品の評価をいたしております。今回の改正は、できる限り多くの国がこの条約に加入することができますように、新規加入国に限りましてはCIF方式にかえてFOB評価方式をとっておる国についてもその採用を認めるというものでございまして、これによってFOB方式をとっております、たとえば豪州のような国が現行条約に加入してくれることが期待されるわけでございます。 最後が、アジア・太平洋電気通信共同体憲章でございます。 この憲章はESCAP、かつてのECAFEでございまして、国際連合アジア・太平洋経済社会委員会でございますが、ESCAPを中心として推進されてまいりましたアジア電気通信網計画が徐々に完成に近づいておりますことに伴いまして、この計画を完成し、さらにその後有効な運営を行うために、地域的な機関といたしまして、この電気通信共同体というものを設立することを目的といたしております。昨年の三月二十七日にこの憲章が採択されまして、この共同体の目的、任務、組織、経費の分担等について定めておるものでございます。 なお、お手元の資料の最終ページにございますように、その他に検討中の条約として五件あるわけでございますが、この中で上から二つ目の、アメリカ合衆国の地先沖合における漁業に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定、これはいわゆる日米漁業協定でございますが、この協定は、米国が本年三月一日からいわゆる二百海里の漁業専管水域を設定いたしまして、昨年の同国の定めました一九七六年漁業保存管理法に基づく規制が行われるということになりましたので、これに対応いたしまして、わが国が米国と交渉の結果、去る二月十日に仮署名を行ったものでございまして、近く署名の運びとなる予定でございますが、本協定の重要性及び緊急性にかんがみまして、この検討中の条約の中に入っておりますけれども、ぜひ提出をいたしたいと考えているものでございます。 なお、この検討中の条約の中にも入っておりませんけれども、目下国際的に漁業問題というのが非常に流動的でございますので、今後の事態の推移によりましては、漁業に関する二国間あるいは多数国間条約を今国会に御提出する可能性があるということをこの際申し添えさせていただきます。 以上でございます。
○委員長(寺本広作君) 以上をもって説明は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時三十四分散会 —————・—————