沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 16 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1977/03/10
会議録
○委員長(稲嶺一郎君) ただいまから沖繩及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動につきまして御報告をいたします。 一月二十八日、戸叶武君及び野田哲君が委員を辞任され、その補欠として吉田忠三郎君及び森中守義君が選任されました。 また二月二十二日、森中守義君が委員を辞任され、その補欠として喜屋武眞榮君が選任されました。 また本日、川村清一君が委員を辞任され、その補欠として青木薪次君が選任されました。 —————————————
○委員長(稲嶺一郎君) 理事辞任の件につきましてお諮りいたします。 鈴木美枝子君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(稲嶺一郎君) 御異議ないと認め、辞任を許可することに決定いたします。 つきましては、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(稲嶺一郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に対馬孝且君を指名いたします。 —————————————
○委員長(稲嶺一郎君) 次に、沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題といたします。 昭和五十二年度沖繩及び北方問題に関しての施策並びに予算に関する件について政府より説明を聴取いたします。 まず、総務長官兼沖繩開発庁長官より所信を聴取いたします。総務長官。
○国務大臣(藤田正明君) 所信を表明いたす前に、一言ごあいさつを申し上げさしていただきます。 去る旧臘の十二月二十四日に新しい福田内閣が発足いたしました際に、沖繩開発庁長官並びに総理府総務長官を拝命いたしたものでございます。当委員会におきましても、担当の大臣といたしまして、委員長を初め理事の先生方、そしてまた各委員の先生方の御協力と御鞭撻を得まして重責を果たすべく一生懸命にやってまいる所存でございますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 続いて所信の表明をさしていただきます。 初めに、沖繩の振興開発について申し上げます。 沖繩が本土に復帰してから早くも五年を経過しようといたしております。この間、政府としては、沖繩県民のこれまでの多年にわたる御労苦に報いるため、沖繩振興開発計画に基づき、速やかに本土との格差を是正し、明るく豊かな沖繩県をつくるよう努力してまいりました。 本年度は振興開発計画の五年目にも当たりますので、政府としましても、これまでの成果と今後の見通しについて検討を行ってまいったところであります。その結果、前期五カ年において、道路、港湾、文教などの公共施設の整備はおおむね順調に進展し、県民所得も国民所得の伸びが停滞していた中にあって相対的に高い伸びを示し、本土との格差は縮小に向っていると考えられます。しかしながら、事業によってはなお本土とかなりの格差を有するものがあり、また、沖繩の社会的経済的諸情勢にはなお厳しいものがございます。 そのため、政府としては、沖繩の当面している諸問題の解決と今後の振興開発のためとるべき具体策を十分に検討いたしまして、後期五カ年において、目標達成のための努力をさらに続けてまいる所存であり、今後とも引き続き各種社会資本の整備、産業の振興、保健医療の充実等に総合的な努力を結集してまいりたいと存じております。 この見地から、明年度予算案においても、沖繩の振興開発事業については、引き続き他地域以上の投資規模を確保することとし、農業基盤を初めとする産業基盤整備、水資源開発、教育振興、生活環境施設整備等に一段と努力を傾注いたしてまいる所存であり、特に離島におけるこれらの施策の推進に当たっては、十分にきめ細かい配慮を払ってまいります。 また、本年五月に期限切れとなります復帰特別措置の取り扱いにつきましては、かねてより県知事を初めといたしまして地元から御要望のありました項目を中心として、復帰後の沖繩県の社会経済情勢の変化等を配慮しつつ慎重に検討を進めてまいりましたが、県民生活及び関連産業に与える影響が大きいと考えられるものについては、本邦の諸制度に円滑に移行できるよう必要な延長を図ることといたしまして、沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を今国会に提出し、御審議をいただくことといたしております。 政府としては、今後沖繩の振興開発と沖繩が抱えている種々の問題の解決のため全力を傾け、この上とも格段の努力を払ってまいる所存でございます。 次に北方領土問題について申し上げます。 北方領土、すなわち歯舞、色丹、国後及び択捉の四島は、申すまでもなくわれわれの祖先が血と汗で築き上げてきたわが国固有の領土で、その復帰実現は全国民の悲願であります。 この問題を解決し、日ソ平和条約を締結することは、わが国最大の対ソ懸案であります。 政府においては、従来からの一貫した方針であるこれら北方四島の一括返還を実現すべく、今後とも粘り強く対ソ交渉を続けてまいる考えであります。 このため、私は、国民すべての方々に北方領土問題に対する関心と認識をより一層深めていただくよう啓発広報の充実に力を尽くすとともに、関係諸団体との連絡提携をより緊密にし、全国各地において活発な運動が盛り上がるよう努力してまいる所存でございます。 また、北方地域元居住者等に対しましても引き続き援護措置を講じてまいりたいと存じます。 ここに、沖繩及び北方問題に関する所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を切望する次第でございます。
○委員長(稲嶺一郎君) 以上で藤田総務長官兼沖繩開発庁長官の施策についての説明は終わりました。 この際、國場沖繩開発政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。國場沖繩開発政務次官。
○政府委員(國場幸昌君) このたび、再度沖繩開発政務次官を任命を受けました國場でございます。 委員長を初め委員の先生方の忌揮のない御意見を賜りまして、御指導と御鞭撻いただき、長官の補佐役として一生懸命がんばるつもりでございます。今後よろしくお願い申し上げます。
○委員長(稲嶺一郎君) 次に、沖繩開発庁並びに北方対策本部の予算について、順次説明をお願いいたします。沖繩開発庁亀谷総務局長。
○政府委員(亀谷禮次君) お手元に御配付させていただきました昭和五十二年度沖繩開発庁予算につきましての概要を御説明申し上げます。 昭和五十二年度におきましては、本年度に引き続きまして、沖繩振興開発計画に基づき、沖繩と本土との各面にわたる格差の是正を目指しますとともに、沖繩の地域的特性を生かした振興開発を図ることといたしておりますが、このほか、特に明年度におきましては、沖繩における現下の社会的、経済的諸情勢にも対処するよう配慮いたしております。 以下、その内容につきまして、具体的に御説明申し上げます。 第一は、沖繩振興開発計画を実施するため、社会資本の整備を中心とする公共事業その他の振興開発事業に必要な経費を沖繩開発庁に一括計上し、これらの事業を積極的に推進することといたしております。 その総額は、一千百六十六億七千百万円で、前年度当初予算に対し二百二十三億五千八百万円、二三・七%の増となっており、ことにそのうちの公共事業関係費は約九百九十六億円となり、前年度当初予算に対し二四・六%の増と、本土のそれよりも高い伸び率を示しております。 この振興開発事業費の主な内容は、次のとおりでございます。 第一点は、道路整備事業費三百八十八億五千万円、下水道環境衛生等事業費二百四億六千九百万円、港湾整備事業費百六億六千万円、農業基盤整備事業費九十八億五千二百万円、空港整備事業費五十億六千八百万円、公営住宅建設事業費三十九億九千九百万円等を内容とする公共事業関係費九百九十六億四千百万円であります。 その第二点は、公立学校施設整備費百二十二億二千二百万円のほか産業教育施設整備費、学校給食施設整備費、体育施設整備費等を内容とする沖繩教育振興事業費百三十八億六千三百万円であります。 第三点は、公的医療機関等の施設整備費五億八千八百万円のほか、無医地区に対するものを含めた医師の派遣等経費二億三千百万円その他を内容とする沖繩保健衛生等対策諸費八億三千万円であります。 第四点は、糖業振興費二十億五千八百万円及び植物防疫対策費二億七千九百万円を内容とする沖繩農業振興費二十三億三千七百万円であります。 第二に、これら当庁に一括計上される事業費以外の諸経費について申し上げます。 まず第一点として、沖繩の産業開発を促進し、沖繩県民の営む事業及び生活のために必要な資金を融通するため設けられている沖繩振興開発金融公庫に対し、その事務の円滑な運営に資するための補給金として五十四億三千四百万円を計上いたしております。 なお、同公庫の昭和五十二年度における貸付計画といたしましては、現下の県経済の諸情勢に対処するための措置として、中小企業等資金や住宅資金の拡充に配慮して一千二百億円の貸し付けを予定いたしておりますが、その原資として資金運用部資金等からの借入金八百二億円を見込んでおります。 次に第二点として、前年度に引き続き、沖繩の離島地域における伝統工芸産業振興のための共同作業場、製品検査室等を備えた共同利用施設の建設に要する経費として三千八百万円、さらに離島の産業及び社会教育、生活改善、保健・福祉、情報管理等の多目的な機能を有する離島振興総合センターの建設に要する経費として七千百万円を計上し、これら離島振興のための特別施策として合計一億九百万円を計上しております。 その第三点として、境界不明土地の調査費、不発弾等の探査発掘費、対馬丸遭難学童遺族給付経費及び首里城久慶門復元整備費等として合計二億八千九百万円を計上いたしております。 さらにその第四点として、国営沖繩海洋博覧会記念公園の維持管理業務を国の委託を受けて行う財団法人海洋博覧会記念公園管理財団に対する出損金として前年度に引き続き一億円を計上いたしております。 このほか、沖繩開発庁所掌の一般行政経費として四十一億一千七百万円を計上するとともに、沖繩振興開発に関する基本的計画の調査に必要な経費として六千四百万円、沖繩振興開発事業の指導監督に必要な経費として五千五百万円を計上いたしております。 以上述べました沖繩開発庁計上経費の総額は一千二百六十八億四千万円となっており、前年度当初予算に対し二百五十三億六千万円、二五%の増となっております。 以上概略御説明を申し上げました。
○委員長(稲嶺一郎君) 次に、北方対策本部の予算について説明を願います。北方対策本部永山審議官。
○説明員(永山貞則君) お手元にお配りいたしました資料をもとにいたしまして、昭和五十二年総理府所管の北方関係予算案について、その概要を御説明申し上げます。 昭和五十二年度北方関係予算として三億五千八百五十二万円を計上いたしております。前年度予算額三億二千百三十九万四千円に比較いたしまと三千七百十二万六千円の増加となり、対前度比一一%の伸び率となります。 この内容を申し上げますと、(1)が北方対策部に必要な経費であります。これは北方対策本部の人件費及び一般事務費でありますが、新規事業といたしましては都道府県職員現地研修を計画しております。これは、各都道府県で北方領土問題を担当している職員を北方領土問題の原点である根室市に参集させまして現地研修及び現地視察を行い、北方領土問題に関する知識を深めてもらい、地方行政を通じ世論の啓発を図るための経費を計上いたしました。 (2)が北方領土問題対策に必要な経費で三億一千六百八十六万九千円でございます。その内訳は、四項目ございまして、まず1北方地域総合実態調査、2北方領土問題解説資料の作成頒布等、3北方領土問題説明会に要する経費でありまして、以上三項目は北方対策本部が、その事業として行うために要する経費でございます。 次が、4の北方領土問題対策協会の補助に要する経費で、この補助金は三億一千二十八万三千円で北方領土問題対策経費の大部分を占めておりますので、これにつきまして若干御説明申し上げます。 北方領土問題対策協会は、御承知のように昭和四十四年十月北方領土問題対策協会法に基づきまして設立された団体でございまして、北方領土問題に関する世論の啓発及び調査研究等のほかに、北方地域旧漁業権者等に対する低利の事業資金、生活資金の貸し付けを含めた援護の事業を担当しております。この補助金の内容について申し上げますと、事務費が五千九百十一万円、事業費が二億五千三十九万一千円、予備費七十八万二千円となっております。事業費補助はさきに触れました協会の業務に応じて啓蒙宣伝、返還運動、推進委員の活動、団体助成、調査研究、援護及び貸付業務補給等の関係費であります。 まず、啓蒙宣伝関係費について申し上げますと、総額一億二千四百五十万二千円で、その事業内容は、新聞、週刊誌等への広告、テレビ放送の実施等あらゆる広報媒体を活用して啓蒙活動を行う経費でございます。 次に、返還運動関係費でございますが、特に地方における住民運動の盛り上がりを図ることといたしまして、県民集会の開催、県内キャラバン隊の派遣等に要する経費として、二千九百六十九万二千円を計上いたしております。 次に、推進委員関係費につきましては、昨年地方における復帰運動の推進役として各都道府県に推進委員を設置いたしましたので、これら推進委員が県下の各団体に対し啓発活動を行うために必要な資料及び器材等の経費三千六十七万二千円を計上いたしております。 次に、団体助成関係費でございますが、これは地方における団体活動の指導者を東京に集めまして、領土問題に関する認識を高めてもらうための全国指導者会議を開催するに必要な経費と、各団体が刊行している機関紙に北方領土問題を掲載いたしまして各団体組織の内部に浸透させるための掲載料あわせて一千八百二十九万四千円を計上いたしておりますが、この推進委員関係費と団体助成関係費は新規事業等の経費でございます。 調査研究関係費及び援護関係費につきましては、それぞれ四百三十万八千円と三百四十二万三千円を計上いたしております。 最後に、貸付業務補給費について御説明申し上げます。この経費は協会が北方地域旧漁業権者等に対する融資事業を行うため必要な資金を金融機関から長期の借り入れをしておりますが、借入利息と貸付利息との不足分を国が補給することといたしておりますので、そのための利子補給費三千三百二十九万六千円と、もう一つは従来協会の貸付業務に伴う人件費、事務費等の管理費は、さきに国から交付いたしました基金十億円の運用によって、賄われてきたところでございますが、近年人件費及び物件費等の高騰により円滑な運営が困難となってまいりましたので、昭和五十一年度から国が管理費の一部を補給することとしてきておりますが、本年度は六百二十万四千円を計上いたした次第であります。 以上をもって説明を終わらさせていただきます。
○委員長(稲嶺一郎君) 以上で、予算についての説明は終わりました。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(稲嶺一郎君) 速記を起こして。 ただいま外務大臣がお見えになりましたので、これより大臣から所信を聴取いたします。鳩山外務大臣。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 私昨年の十二月二十四日に、本当にはからずも外務大臣の責任を負うことになりました。もとより、もう皆さん方御承知のとおり浅学非才の身でございまして、また、外交関係につきましては本当の素人でございます。しかし、命ぜられました上は、皆様方の御指導、御鞭撻によりまして、日本の国のために全力を尽くしたいと思いますので、どうかよろしく御指導のほどをお願いいたします。 きょうは、当委員会におきます外務省の所管事項につきまして、その概略を御説明いたします。 まず、北方領土問題につきまして政府の所信を申し述べたいと思います。 日ソ関係は、昭和三十一年に外交関係を回復して以来、貿易、経済、文化等幅広い分野において順調な発展を遂げておりますが、両国間の最大の懸案であり、かつ小笠原、沖繩の祖国復帰が実現した現在、わが国にとり唯一の戦後処理の問題となっている北方四島の返還が実現せず、そのためにいまだ平和条約が締結されていないことは、きわめて遺憾であります。 ソ連との間の平和条約交渉について申し上げれば、昭和四十八年十月の日ソ首脳会談において、北方四島の問題が日ソ間における第二次大戦のときからの未解決の問題であることが確認され、また、この未解決の問題を解決するために平和条約交渉を継続することが合意されました。その後、この合意に基づき、昭和五十年及び五十一年の二度にわたって日ソ両国の外相レベルでの交渉が継続されましたが、四島の一括返還を求めるわが方の強い主張にもかかわらず、この問題に対するソ連側の態度は依然固く、遺憾ながら解決への具体的な前進を見るに至っておりません。一方、ソ連側はかねてわが国の北方領土返還運動を指して、一部の者の根拠のない不法な主張とか、外部からの教唆によるものであるとの主張を行っております。全国民の一致した悲願のあらわれである北方領土返還運動に対するこのような主張は事実を著しく歪曲した不当なものであり、かかる主張に対しては必要に応じ、外交ルートを通じ、これを反駁しております。 このような状況のもとに、国交回復二十周年に当たる昨年六月、参議院外務委員会の現地視察が行われたのに引続き、九月には宮澤外務大臣が現職の外務大臣として初めて現地を視察され、四島一括返還が政府の首尾一貫した態度であることを再確認するとともに、旧島民や漁業関係者から直接事情を聴取いたしました。政府としては、わが国の今後の対ソ折衝にこれを生かしてまいりたいと思います。 しかしながら、昨年九月末ニューヨークで行なわれた小坂外務大臣とグロムイコ外相との会談においては、先方は厳しい態度で臨み、ソ連側は平和条約締結の問題につき話し合う用意はあるが、北方領土問題を解決した上で平和条約を締結するという考えはないとの態度を示しましたが、これに対し、小坂大臣より改めて北方領土問題に関するわが方の基本的立場を明確にいたしました。 以上にかんがみ、私といたしましては、昨年一月のグロムイコ外務大臣訪日の際の日ソ共同コミュニケの合意に従い、機会を見てできる限り早い時期に訪ソし、平和条約締結交渉及び外相定期協議を行いたいと存じます。 次に、安全操業問題、未帰還邦人問題、北方墓参問題等についての現状を申し述べます。 先ず、安全操業問題については一九七三年の首脳会談の合意に基づき、北方水域における拿捕という不幸な事件をなくすため、人道的見地から本問題の早期解決に努力してまいる所存であります。 未帰還邦人の問題については、人道的見地からその早期実現方をソ連側に強く要請しており、外相会談においても繰り返し善処方要請しております。 また、北方地域への墓参については、昨年ソ連側から北方地域を含むすべての墓参に際しては有効な旅券とソ連政府の査証を取得すべき旨申し越し、結局中止のやむなきに至りました。その際、わが方は、今回のソ連側の措置が北方四島のソ連領帰属を認めさせようとする意図に基づくものであり、とうてい容認しがたいとして、ソ連側に抗議いたしました。わが方としては、今後とも人道的見地から長年にわたり確立されてきた慣行に従い、北方地域に対する墓参を実現すべく最大限の努力を行っていきたいと存じます。 なお、ソ連は昨年十二月十日、二百海里の漁業水域を設定し、さらに本年二月二十四日にはソ連邦大臣会議の決定としてオホーツク海、太平洋等における漁業規制実施規則を発表いたしましたが、その対象とする具体的水域には、わが国固有の領土であり、政府が平和条約交渉においてその一括返還を求めている北方四島の周辺水域が含まれているので、翌二十五日、政府はかかるソ連側の決定を認めることができない旨の官房長官談話を発表し、さらに二十六日在京ポリャンスキー・ソ連大使を通じソ連政府に抗議いたしました。他方、わが方は先般領海の十二海里への拡大を決定いたしましたが、これらの問題に関し、政府としては、北方領土がわが国固有の領土であるとの基本的立場を損なうことのないよう対処してまいる所存であります。 また、日ソ漁業問題については、先般モスクワにおいて鈴木農林大臣がイシコフ漁業大臣と協議された結果、新たな長期協定を締結すること及び一九七七年の日本側の漁業の条件及び方法を定める暫定取り決め交渉を三月十五日から三十一日までモスクワにおいて行うことが合意され、同時にソ連側二百海里水域内における日本漁船による操業は、サケ・マス・ニシンを除き、三月末までこれを継続することにつき合意いたしました。さらに、サケ・マス・ニシンについては日ソ漁業条約に基づき三月十五日から東京において開催される第二十一回日ソ漁業委員会において話し合うことが確認されました。 十五日から始まるこれら交渉の場においてソ連側が厳しい態度で臨むことは十分予想されますが、わが方としては日ソ双方にとり満足のいく解決を図るべく最大限の努力を傾注する覚悟であり、特に領土問題との関連では、漁業問題は領土問題とはおのずから次元の異なる問題であるとの基本的態度にのっとり、北方領土問題についてのわが方の基本的立場に影響を及ぼすことのないよう対処してまいる所存であります。 隣国たるソ連との間に良好な関係を一層発展させることは両国の基本的利益に合致するものであり、わが国の外交にとってきわめて重要であることは論をまちません。政府としては、このような日ソ関係を真の相互信頼に基づく関係へと発展させるためには、まずもって四島一括返還を実現し、北方領土問題を解決し、日ソ平和条約を締結することが不可欠であると考えており、今後ともかかる基本的考え方に立って北方領土問題の解決に向かってなお一層の努力をいたす所存であります。 次に、沖繩問題につきまして、政府の所信を申し述べたいと思います。 政府としては、わが国における米軍施設・区域の存在は、わが国の安全を含め、極東の平和と安全に寄与しており、その安定的使用を今後とも引き続き確保することは、日米安保条約の目的遂行のために不可決であると考えております。 他方、米軍施設・区域の密度が高い沖繩県においては、その整理統合を求める声が強いことは十分承知しておりますので、安保条約の目的達成との調整を図りつつ、このような沖繩県民の要望にこたえるよう努力を傾注してまいりました。その結果、第十四回、第十五回及び昨年七月の第十六回安保協議委員会において、米軍施設・区域の整理統合計画が了承された次第であり、今後とも右計画の実施に全力を傾注してまいる所存であります。 以上、外務省所管事項につき概略御説明いたしました。 委員各位の御理解と御支援をお願いいたします。 ありがとうございました。
○委員長(稲嶺一郎君) 以上で鳩山外務大臣の施策についての説明は終わりました。 本日は、この程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時四十八分散会 —————・—————