運輸委員会 第4号
- 発言数
- 117 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/04/12
会議録
○委員長(上林繁次郎君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 御質疑のある方は御発言願います。
○瀬谷英行君 この法案の内容そのものについては、特に取り立てて私の方でとやかく言うことはございません。しかし、特に昨今、漁業問題、二百海里問題等が日本だけの問題でなくなってきております。海上保安庁そのものの業務も、これからかなり多岐にわたるのではないだろうかということが懸念されるわけですね。アメリカではコーストガードというのが海軍とは別の性格でもってこういう領海内における漁業の監視、あるいは取り締まりといったようなことに従事しているようでありますけれども、日本もこの二百海里問題が人ごとでなくなってくるということになると、いままでのようなやり方ではなくなってくる。つまり海上保安庁そのものの任務が変わってくるんじゃないかという気がいたしますが、その点は所管の大臣としてどのように考えておられますか。その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 仰せのとおりでありまして、海上保安庁の今日までの構成は、現在までの日本の領海の状態に対応してまいりました。ところが領海十二海里、あるいは二百海里時代というような時代になりまして、やはり保安庁の船艇、航空機等を増強しなければなりません。特にその特徴としては大型化しなければいけないだろうと、このように存じます。 現在巡視船艇は三百十隻でございます。航空機等は三十四機であります。一応これだけの勢力でございますから相当の仕事はできると存じますけれども、先ほど申し上げましたように大型化を図り、また増強をしていかなきゃならぬ。で、実は昭和五十二年度のいま御審議願っております予算案の中でも、保安庁がお願いしております予算の主なものを申し上げますと、ヘリコプター搭載型巡視船一隻、三十メートル型高速巡視艇二隻、大型飛行機、これはYSでございますが、YS11型一機、中型ヘリコプター、これはベル212型でございますが、これが一機、これを整備増強することにいたしておりますとともに、美保航空基地を新設する計画になっております。五十三年度以降も、新海洋時代にわれわれが対応して、国民の皆さんに御安心願うためには相当思い切った増強をしていかなきゃならぬと、そういうことで、目下保安庁長官に命じまして今後の計画を作成させておる最中でございます。
○瀬谷英行君 いまのところの海上保安庁の船の主たる任務というのは何になっておりますか。
○政府委員(薗村泰彦君) 御承知のとおり、海上保安庁の庁法の二条で海上保安庁の任務というものは決められているのですが、法令の海上における励行、それから海上の犯罪の予防鎮圧、それから海難救助、それから海上交通安全、それから海洋汚染防止もございますが、それとちょっと別の意味で、航路標識、これは灯台でございます、それから水路業務ということがございまして、それをすべて総合して、海上における安全の確保の仕事というのが海上保安庁に与えられた現在の任務でございます。 御承知のとおり、率直に申しまして、二十四時間勤務で毎日仕事をしていることの一番関連の多いのは海難防止でございます。大体、五十一年、去年一年間の数字でざっと二千六百六十件ぐらいの要救助海難がございますので、これに四六時中出動態勢を備えて航空機、船艇の運用でやる。二十四時間寝ずの番の通信ということはもちろんのことでございます。それから海洋汚染防止の方は、五十一年で申しますと、少しこのところ海洋汚染の防止に対する意識が高揚しまして、千八百件ぐらいの海洋汚染防止の確認件数がございます。それに対して監視取り締まりをやるという仕事が日常の仕事でございます。 そういう仕事のやりくりでございますが、この領海の十二海里と二百海里の問題というものが出てまいりますと、それでは現在の領海警備のその関係の仕事はどういうふうにしているかということでございますが、それにつきましては、主としてわが方が取り締まりを行いまして、外国の漁船の不法操業に対して取り締まりをして犯罪としては逮捕すると、こういうことが日常行われておりますのは対馬近辺の対韓国漁船の問題でございます。これは一年間に、最近の実績で申しますと四百件ぐらいわが領海の中に入ってきて不法操業するという韓国漁船がございます。それに対して、一番軽いものにつきましては、その領海内で不法操業している韓国漁船に対して警告をして領海外に去るようにということを命じますが、それが四百件のうちざっと三百七十件ぐらいというものがそういうことで処理をしております。 その次に、その不法操業の状態などがだんだん悪質になってまいりましたりいたしますと、臨検をいたしまして警告書を出すということでございます。この警告書は何のためかというと、実は一番近くで申しますと、対馬でありますと厳原に保安部がございますし、比田勝に保安署がございますが、特に厳原の保安部では累犯、悪質のものを厳重に取り締まるということで、警告書を出したらその船名等はブラックリストに載せてもうちゃんと備えておくということでございます。それから次に悪質なものは、警告書を出して、相手方の、韓国は海洋警察隊でございますが、その海洋警察隊に連絡をして領海のところへ引き取りに来させるということで向こうに引き渡しをするということで、これは韓国側が連れて帰って向こう側で処分をするということで、かなり厳重に処分を向こう側でやっているという実態でございます。一番悪質なものは、こちらが逮捕いたしまして、厳原において検察庁に送って裁判をするということで処理をしております。 それが韓国漁船の拿捕の状況ですが、あとは台湾漁船の侵犯というものは、やはり一番石垣島、与那国島の近辺、それから尖閣列島の近辺にございますが、これはそういまのところ悪質なものはないので、荒天避泊かどうかというようなことを調べました上で領海外に退去を命じるということでございます。一方北の方では、御承知のとおりの根室周辺におきまして拿捕件数がございます。これは実は、相手方に拿捕されている実績が五十一年で申しますと三十五隻、人数は百九十八人でございましたが、そういうのについては、日本船で領海侵犯その他で相手方に不法操業で取り調べられないように、拿捕されないようにということをこちらで注意をいたしますと同時に、不幸にして拿捕されますと、色丹島のアナマ湾というところへ、昨年の実績で申しますと十三回にわたって拿捕された船員をこちらへ引き取りをしたという実績でございます。 それが領海警備の実態でございますが、まず先生お話しのように、二十四時間ということでやっている主な仕事は海難救助が一番大きいと思います。
○瀬谷英行君 いままでのたとえば海難救助にしても、あるいは犯罪予防にしても、これから領海二百海里の問題に伴う漁船に対する操業指導といったような問題にしても、船が外洋に出ればよたよたしているような船じゃ間に合わなくなるんじゃないかなという気がするんですよ。二、三百トンの船が多いようですが、もう少し大型でスピードの出る船をそろえるという必要性は出てこないのかどうか。いま、たとえば「むつ」なんてのは行きどころがなくて、あの大きなずうたいでもってふらふらしているというのはもったいない話だと思うんですな。ああいう役にも立たない船をあっちこっち浮かばしておくくらいならば、むしろ保安庁の方で引き取って巡視船に改造でもしてみたらどうかなという気もするんですけれどもね。これは所官がいろいろあるからそうはいかないかもしれないけれども、しかし、現在のところ、自衛隊の船に比べると一回りも二回りも小さい船ばっかりです。それで港でもってわれわれが一足かけただけでぐらぐら揺れるような船ばっかりでしょう。こういう船でもってそんな気のきいたことがこれからできるのかどうかというと、はなはだもって疑問が多いと思うんですよ。 そこで、新しい体制に対応できるような質の改善ということも必要になってくるんじゃないでしょうかね。そうすると、要員の問題もこれは当然現在どおりでは間に合わない。どうせ独立採算制でやっているわけじゃないんだから、こういう船そのものの質も改善をするならば、要員の問題もそれに対応できるように措置をするということが、これからの時代に備えて必要になってくるんじゃないかという気がいたしますけれども、その点、大臣の方でどういう心づもりでいらっしゃるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(薗村泰彦君) いま船の大きさの話が出ましたんで、ちょっとだけお話しいたしたいのですけれども、御承知のとおり、まず一番大きい船というのを十隻私ども持っているんですが、一番大きな船は「宗谷」でございます。南極探検にも行きました「宗谷」で、これは昭和十三年にできた船でございますのでもう三十八年というのですが、南極探検にいきますときにかなり大改造してありますのでいままで使用に耐えておるわけですが、これが一番大きくて三千八百トン。それからその次には、マリアナ海難が頻発いたしましたときに、その対策としてつくりました二千トン級の船が「いず」「みうら」と申しまして、これが二隻ございます。これは横浜に置いてございます。 それからあと七隻は千トン型と申しますもので、これは「さつま」「むろと」というようなことで全国に配備をしてございますが、これはなかり大きな船と思っていただいていいと思います。これが十隻ございます。その次になりますと実は四百五十トン型という船が十九隻ございます。これがかなり多少古くなってきましたので、来年度ぐらいからは代替を行っていかなければならぬと思っております。 それから三百五十トン型というのが次にございまして、これが三十八隻ございますが、これは実は古い二百七十トン型というものをつくり変えて逐次まいりまして、五十二年度の予算案で五隻計上していただいておりますが、これで全部代替が終わります。で、ちなみに三百五十トン型といっておりますが、一番初めつくり出すときは三百五十トン近かったのでそういう名称にいたしましたが、現在は七百トンぐらいございましてかなり船型を大きくしてございます。ということで、大きな船もどの程度大きいということではございませんが、かなりありますということでございます。それから実際、先ほど申しました対馬、それから根室等で拿捕防止、あるいは相手方の漁船の拿捕ということをやりますのに実際働いておるのは、大きな巡視船ももちろん必要でございますけれども、二十三メートルの巡視艇というのが働いておるんでございます。 そこで、先ほど大臣から申し上げましたように、本年、五十二年度の予算案でお願いしておりますのは、大型といたしましてはヘリコプター搭載の巡視船を一隻つくりたいということでございまして、これはちょうど「宗谷」と同じような型で三千八百トンぐらいの船でございますが、それにベル212を載せますので多少甲板の幅などが広くなるというような設備を設けまして一隻、「宗谷」の代替としてヘリコプター搭載の巡視船をつくりたい。それから根室、対馬にございます二十三メートルの巡視船だけでは不十分でございますので、ぜひその任務に当たるように三十ノットの高速の出る巡視艇をつくりたいということで、これを二隻予算案に入れていただいてありますので、それぞれ根室と対馬用に充てられるということでございますので、逐次そういう任務に応じて大型の巡視船もつくっていきたいと思いますし、それから高速の巡視艇もつくっていきたい。 それからプラスして航空機の増強を図りたいということで、航空機の方はこれも先ほど大臣から御説明申し上げましたが、YSをわれわれの仕事に合うように改造いたしまして、両方にトンボの目玉みたいに見張り窓を突き出すというようなことで、すぐ下が見えるというようなことで改造を行ってYSを一機と、それから日本海側が非常に手薄でございます。日本海側でもいろんな問題が起こってくると思いますので、美保の航空基地と、それに置くベル212を一機ということで用意をしているのが五十二年度の予算案の内容でございます。
○国務大臣(田村元君) いま長官が申しましたことで一応尽きておるわけでございますけれども、私、瀬谷さんと同じ意見なんですよ。二百海里時代というものを迎えるということになりますと、妙に遠慮をして中途半端な船をつくるよりは、やはり思い切ったものをつくった方がいいんじゃないか。また飛行機だって同じことだと。ただ、全部を大きくするわけにはまいりません、これは近海のことも必要でございますから。けれども、十二海里程度ならまだしものことでございますけれども、二百海里ともなれば船足も早くなければならぬ、行動半径も大きくなければならぬ、これはもう当然のことだと思います。でありますので、これからもちろん小型、中型にも鋭意意を用いなければなりませんが、大型化するという点においても十分の配慮をなされるべきものだと、このように考えております。
○三木忠雄君 まず最初に、海上保安官に協力援助した者等の災害給付、こういう実態を資料でいただいているわけでありますけれども、実際に過去五年間に七名しかいない、こういう実態を私の資料でいただいているわけでありますけれども、この少ないというのは実態が掌握できないからなのか、それとも実際にこの法律が知らされていない、あるいは知らない点があって実際に給付を受ける人が少ないのか。この点についてはどうですか。
○政府委員(間孝君) この法律に基づきまして給付を受けました件数、最近五カ年間に。ただいま御指摘のございましたように七人でございます。この数は確かに感じといたしまして非常に少ないんではないかというふうな印象をお持ちになられると思います。しかし、私ども海上保安庁は、沿岸での海域におきます海難についての救助の実態は、それぞれ私どもの現場を通じまして把握いたしておるわけでございまして、海上保安官が現場におりまして、それに協力した者がわかるのはこれは当然でございますが、海上保安官が現場にいない場所においての海難救助でございましても、これはそういう場合に災害が発生いたしますと、それは私どもの現場、海上保安部あるいは海上保安署、これらの方で通常は把握いたすことができるわけでございまして、そういうふうな事態が把握されました場合には、私どもの方の出先におきましてそれぞれ被害を受けられました方に対しましてこういう制度がございますということで、この法律に基づきますところの給付をお受けになるようにお勧めをしておるわけでございます。 そういう形でこういう申請が出てまいるわけでございますので、私どもはこの実績の七人というのは数としては確かに少ないのでございますけれども、この法律によるところの制度がよく知られていないために給付が行われていないというふうなことはないというふうに思っております。
○三木忠雄君 これは災害の給付が少ない方が非常に結構な話なんです、本当は。しかし、現に海難による具体的に救助船舶というのは大体どのくらいあるのか、過去五年間に具体的に掌握されておればその数を知らしてください。
○政府委員(間孝君) 最近の五カ年間にわが国の沿岸海域で発生いたしました海難件数でございますが、昭和四十七年には二千六百五十七隻、四十八年が二千六百十五隻、四十九年が二千四百八十九隻、五十年が二千四百二十一隻、五十一年が二千六百六十五隻発生をいたしております。
○三木忠雄君 そのうち海上保安庁で実際救助に当たった数はどのくらいありますか。
○政府委員(間孝君) 海上保安庁は、御承知のようにこういう海難が発生いたしますと、いろいろな救助手配をいたしまして、付近に航行しておる船に対して現場に急行するように要請をするなどをいたしまして、海上保安庁以外の方々に対しましても救助の要請をしておるわけでございますが、そのほかに海上保安庁みずから巡視船を出し、あるいは航空機を派遣いたしまして直接に海難救助も行っておるわけでございます。 そこで、このただいま申しました海難の中で海上保安庁の船、あるいは航空機が直接救助に当たったという数字を申し上げますと、四十七年が七百九十隻、四十八年が七百九十二隻、四十九年が七百十八隻、五十年が六百五十二隻、五十一年が七百隻というふうになっておりまして、比率で申し上げますと、全体の海難に対しまして約三〇%前後というところになるわけでございます。しかし、先ほど私申し上げましたように、これは海上保安庁の船あるいは航空機が直接にみずから救助したというものでございまして、そのほかにいろいろと通信による手配などによりまして、こういう海難の救助には海上保安庁は大きく関与をいたしておるわけでございます。そういった海洋状況を考えてまいりますと、この救助に対する海上保安庁が関与しておる状況というものははるかに大きくなるわけでございます。
○三木忠雄君 もう一つ数字的に、今度のたとえば領海十二海里までの海難救助の保安庁の実績はどのぐらいですか。つかんでませんか、距離数で掌握しているのがあれば……。
○説明員(久世勝巳君) 大変申しわけございませんけれども、ただいまその資料を手元に持っておりませんので、あとで……。
○三木忠雄君 参考にあとで資料で一遍、いまでなくてもいいですから……。私は別な資料でちょっと見たところ、保安庁で実際五百海里以上のデータが出ておるんですが、七十隻しか実際ないわけです。 私なぜこれを聞くかと言うと、距離の遠い問題については、先ほど瀬谷さんから質問があったように、やはり船や飛行機が余り役に立たない、海上保安庁のものが。緊急に間に合わない、こういう点で私は海上保安庁の海難救助に対する何というか、劣勢というか、こういうものがうかがわれると思うんですね。ちなみに、海上自衛隊に海上保安庁が要請した数はどのくらいあるでしょうか。
○政府委員(間孝君) 海上保安庁は、こういう海難が発生いたしまして、特にそれが規模が大きい、あるいは事態が急迫しておるというふうな場合には、自衛隊に対しまして部隊の派遣を要請をすることになっておるわけでございますが、最近の三年間の実績数字を申し上げますと、四十九年に六十五件、五十年に六十五件、五十一年に六十一件というところでございまして、ほぼ毎年同じ程度の件数の防衛庁の出動を要請をいたしております。
○三木忠雄君 防衛庁いますね。——この私のもらった資料でいくと、これは件数はちょっといまの海上保安庁との実績が合わぬですね。これは何か食い違いがあるのですか。
○説明員(長谷川宏君) 御説明いたします。 先生の方に御提出いたしました資料は、海上自衛隊が海上における災害派遣として行いましたもののトータルを書き上げておりますが、これは何と申しますか、いまお話しのございました、要請を受けて行ったもの——これは要請がありますれば全部おこたえし、応じておるわけでございますが、それ以外に、事態に照らしまして特に緊急を要し、要請を待ついとまがないもの、これは自衛隊法八十三条の二項のただし書きによりまして、みずから自主的な派遣ができることになっておりますが、海難の場合には特にそういう緊急的な措置が必要でございまするので、そういうものも含んでおるわけでございます、非常に少いのでございますけれども。そこでちょっと数が多くなっておる、こういうことでございます。
○三木忠雄君 数が少ないんだよ。たとえばいま海上保安庁が五十一年に例をとりますと六十一回の要請があるわけですよ。しかし、この海上自衛隊が災害派遣をしているのは三十三、少なくていいだろうと私は思うのですよ。そうすると、その差の三十数件は海上保安庁から要請があって、実際海上保安庁の手では間に合わないから災害派遣を自衛隊に要請したわけでしょう、そこらの問題。
○説明員(長谷川宏君) 先生に御提出いたしましたのは海上自衛隊の派遣実績でございまして、実際には航空自衛隊の方が少し多い件数をこなしておりますので、で、航空自衛隊を足しますると私どもの方で行いました過去の実績は二年間について御説明しますれば、五十年度は六十二件、それから五十一年度はこれは二月末までの数字で恐縮ですが、六十件というふうなぐあいでぴったり合っているわけなんであります。
○三木忠雄君 そういう資料は事務的に早く出せばいいんだよ。一つ一つ名前を変えて自衛隊というのはもう秘密文書みたいに、こんな数はこれはちゃんと出せばいいんだよ。航空と海難救助なんだから。航空も海上も同じこっちゃ。そういう問題はどうも数が合わないからおかしいなおかしいなと思っていた。こういう資料は防衛庁もう少しはっきり出してもらいたい。何もこんな隠すことじゃない。人命救助の問題で、海上保安庁のどうしても間に合わないところを実際に防衛庁で派遣をしているわけなんだから、その実情を私たちはこの法案に関して知りたいわけだから、その点をひとつよろしくお願いします。 それでね、実際にたとえば五十一年、海上自衛隊に限ってみましても、件数が二十五件で千五百九十五名の派遣を行っているわけです。実際にこの海上自衛隊で、あるいは航空自衛隊を含めてこの災難救助に当たって、何か事故があったり、あるいは自衛隊法でいろいろ適用されるんでしょうけれども、この保安官に相当するような援助協力したような形で災難に遭った人はどれぐらいいるんですか。
○説明員(長谷川宏君) 私ども過去の件数を全部調べたんでありますが、純然たる海難と申しますか、あるいは船舶や積み荷が航海中に受ける危難といいますか、そういうものに関連しての私どもの災害派遣、これに際しましての殉職者というものはおりません。しかしながら、海難と言えるかどうかちょっとあれですが、航空救難といいますか、実際に洋上において航空機が遭難し、それを助けに行ったケースというのが幾つかあるんでございますけれども、それの一つの場合といたしまして、四十七年に一件ございます。これは、少し詳しく御説明いたしましょうか。——そのケースは、四十七年の八月八日に宮崎の東南四十マイルの海上でアメリカの海軍機が墜落した、航空救難ということでございますけれども、これに準ずる事故で、捜索通信、緊急信号を受けました私どもの方から飛び立ちました。飛び立ちました航空自衛隊のバートル107というヘリコプターがいわば二次遭難に遭いまして、夜間の洋上での非常に困難な海難救助だったんでありますが、四名の自衛官が殉職されております。
○三木忠雄君 海上保安庁から自衛隊に要請をしているわけでありますけれども、実際に要請しなけりゃならないというのは、やはり海上保安庁の実情から見て救難体制が十分ではないと、あるいは自衛隊に要請しなきゃならないほどの何といいますか機材が足りないとか、そういう点がやはり大きな問題点になっているんではないかと私は思うんですけれどもね、その点についてはいかがですか。
○説明員(久世勝巳君) 海上保安庁が防衛庁にいろいろ出動要請をお願いいたしまして、一番どういう点でお願いしているかということでございますが、先ほど申し上げましたように、大体年間約六十件前後でございますが、その出動の内訳はほとんどが航空機でございます。御存じのとおり当庁の航空機、大型飛行機が二機でございますので、いろいろ公害監視等、その他の業務に従事しておりますので、海難救助等につきましては若干足りないところがございますので、大体航空機を主力に防衛庁の方にいろいろお願いをしているということでございます。
○三木忠雄君 これは大臣ね、この問題で細かく詰めませんけれども、やはり海難救助の一つの問題にしても、先ほど来、領海二百海里になりますけれどもね、この問題等を含めて、やはり航空機の機材が、YS11を二年間で購入するんですか、衆議院でも議論があったように何か大分古いのを買わなきゃならぬような状態になっているんですね。こういう点から考えると、やはり海上保安庁の予算的の措置というか、本年度要求しているような予算、あるいはこれから二百海里になる、これに当然含まなきゃならない予算、こういう点を考えますと、海上保安庁は非常にお寒いような状態ではないかと私思うんですね。したがって、海難救助の問題が、たとえば自衛隊に絶えず要請しなければならないような実情になっていると思うんです。 その一つの端的な例が、私は去年ですか、第六管区に視察に行ったときにPS1ですか、あれは海上自衛隊にはあるわけですね。確かに自衛隊法のいろんな問題点が私はあろうと思いますけれども、ああいう飛行艇みたいなものが海上保安庁に一つか二つあれば遠距離の海難救助、こういう問題が私はうまくいくんじゃないかという話を現場で働いている人たちから意見を聞いたわけです。自衛隊はいいのを持つけれども、保安庁はこういうのは持てないんだ、こういう一つの問題点があるわけですね。したがって、やはり人命救助の立場から、北の方であるとか、あるいは南の方であるとか、そういう重要なところにはそういうものを配備すベきではないか。そういう予算はしっかり取るべきではないか。いわんや経済水域二百海里になってきますとそういうような点が必要ではないか、こういうようにも考えるんですけれども、この点についてはいかがですか。
○国務大臣(田村元君) 私事にわたって恐縮ですが、私はちょうどまる二十年ほど海上保安庁のお世話をしてまいりました。まあ過去のことでございますから、私が申し上げることをひとつ厳しくお取り上げになることはお許しを願いたいんですが、私がずっと今日まで——今日までというか、以前ですね、保安庁のお世話をしておりますときに、どうもやっぱり運輸省の予算要求の態度が最後のぎりぎりになりますと国鉄だ、港湾だというようになりましてね、保安庁に対する力点といいますか、薄らぐという現象がなかったと言えばうそになると思います。ところが今日では、保安庁は二百海里時代を迎えまして、一躍運輸省の寵児に、時代の寵児になってきた、こういうことでございますが、いま三木さんおっしゃったように、私は人命救助の点から言ってもなお、現在の保安庁の持っております機能で相当十分に稼働できるのではありますけれども、なおいまひとつ適切な施設といいますか、機具といいますか、そういうものがあれば一層の効果を上げ得るがなあというふうに実は私個人としては今日まで感じております。 でありますので、実はちょっと不謹慎な発言になったんですが、私は予算委員会でうっかり私のその本音を吐いてしまいまして、そう言いますのは、予算委員会で保安庁の今後の増強計画というものを説明しろという御質問がありました。実は私こういう答弁をしたんです。保安庁長官はそれに対して大分悪戦苦闘をしたんですが、私はこういう答弁をしたんです。いや、実は私のところへ説明に来ましたと、来ましたが、これじゃだめだと、もっと吹っかけろと、こう私は言って戻しましたと、こう言いましたら爆笑されたんですけれども、私の偽らざる心境はそういうことなんです。 でありますので、これから計画を立てますのにもちろん財政当局というものとの絡みはございますけれども、財政当局に対して哀訴嘆願するということより、これを堂々の説得をして、りっぱな装備をしていくということはどうしても必要かと存じます。でありますので、私は五十三年度予算編成に際しての作業は、保安庁の増強ということに運輸省としての最重点、一つの最重点としてこれを置いていきたい、このように考えております。
○三木忠雄君 具体的に先ほど話をされたあの程度で、経済水域二百海里の警備体制は十分だろうかということが非常に私は不安なんですね。これから漁業問題でちょっと一、二聞きたいと思っておりますけれども、やはり一番心配は漁民ですよね。ソ連はどんどんこの二百海里のところへ大型船持ってくる、拿捕される心配が、これからいろいろ危惧を感じているわけですね。海上保安庁の人員構成見ても海の方が少ないわけでしょう、むしろ。おかにいる人が多いような実態でね。実際に警備とかそういう点に対しては非常に力が弱いのではないかという点を考えるわけです。したがって年度間の運輸省に対する、あるいは海上保安庁の予算の枠組みがいろいろあるでしょうけれども、やはりこの二百海里を迎えるに当たって、この法案のいろんな問題点で私はむしろ一番被害を受けるというか、海上保安庁じゃないかと思うんですね。その点でやはりしっかりした予算をつけて、そうして沿岸で働く漁民の人たちが不安のないような形をしなきゃいけないと思うんです。 これは一つは、海上自衛隊の問題、防衛庁の問題云々するのは、ここで私は防衛論議はするつもりはありませんけれども、余りにも国民から見て、機材は防衛庁の方は遊んでいるわけですよ、海上保安庁の方は足りなくて実情どうにもならない。それが悪く言えば、コントロールする意味で災害出動という名目のもとで海上自衛隊の方の出動しやすくするような形で何かやっているような感じも、皮肉ってみれば感ぜられないわけはないんですよね。私は一番心配なのは、やはり海上保安庁で現場で働いている人たちが、船が古い、機材がだめ、こういう実際、海難救助に当たろうと思っても当たれないような実態、こういう点を早くなくさなければ、これは本当に働く意欲がなくなってくるのじゃないかと、こういう点を私は非常に心配するわけですね。こういう点についてのやはり取り組みをしっかりやっていかなきゃならない。 海上保安庁長官は予算の方で非常にシビアに見て、運輸省全体のバランスを考えているのかもしれませんけれどもね。やはりこの二百海里時代を迎えた海上保安庁の体制をここで一挙に、大臣の吹っかけるという言葉はいいか悪いかは別問題にして、やはりそのぐらい真剣になって海上保安庁が考えなければ、強力な海上保安庁の警備体制というのはできない、あるいは海難救助体制はできないのじゃないかと、この点についての保安庁長官の意見を聞いておきたい。
○政府委員(薗村泰彦君) お説全くそのとおりでございます。 それで、先ほど大臣から申し上げました数字は五十二年度の予算案に盛られている数字でございまして、私ども正直申しまして、ちょっと言い過ぎになるかもしれないのですけれども、三年ぐらいの計画で、後に五十三年度がくる、五十四年度がくるというつもりで二百海里の対応策というものを考えておりました。ところが、非常に速いスピードで二百海里の時代が到来しましたので、これからどういう事態が出現するか、正直に申し上げまして私どもも任務を果たすのにかなり責任を感じております。そこで、その三年程度の計画をもっと早くやっていかなければいかぬということをいま感じておる次第でございます。 それから、全体の運輸省の枠との関係につきましては、いまちょっとお話ございましたが、実は去年の八月の予算要求の事態ですと、まだちょっと海上保安庁はあわて者じゃないかと、ニューヨークの会議の結論も出ないのに二百海里と言ったってちょっとおまえはあわて者だと、省内で海上保安庁がそんな空枠をとっていくのかとまで、ちょっとそういう御意見もあるくらいの実態でございましたが、これも言葉は悪いのですが、ある程度山をかけて、船艇の予算で申しますと五十一年度はたしか六十二、三億、船艇、航空機全部でございましたが、五十二年度は先ほどの数字を全部入れますと百三億ぐらいになりますんで、運輸省の中の予算としては伸びはかなり認められてきたということでございますが、先ほど申し上げましたようにこれでは追っつかないということを、装備の面からも行動の面からも痛感しておりますので、できるだけ努力をさせていただきたいということでございます。
○三木忠雄君 二百海里の趨勢がやはり速いわけですからね、この点は海上保安庁として手抜かりのないように私は強く要望しておきたいと思うんです。私たちもこの問題については応援してまいりたいと、こう思うんです。 それから水産庁にお伺いしたいのですが、ソ連漁船による漁具、漁船の被害状況というのは大体どの程度あるんですか。
○説明員(吉国隆君) お答え申し上げます。 日本の近海におきますソ連漁船の操業によります漁具被害でございますが、これに関しましては先生御案内のとおり、一昨年の十月に日ソ漁業協定が発効いたしておりますが、これが発効いたしました後……
○三木忠雄君 件数だけでいいよ、件数どのぐらいあるか。
○説明員(吉国隆君) 最近で申し上げますと、昭和五十年度においては被害件数三百二十七件、昭和五十一年度に……
○三木忠雄君 金額と言ってよ、大体見積もった。
○説明員(吉国隆君) 金額は約八千九百万円でございます。これはもちろん日本側の被害漁業者の申し立て金額でございます。五十一年度につきましては、ことしの三月末までに報告のございましたもので三百八十四件、金額は約一億四百万円という報告を受けております。
○三木忠雄君 この漁船の被害の実態はどういうふうにして水産庁の方に統計が来るんですか、あるいはこれはどういうふうな認定が行われているんですか。
○説明員(吉国隆君) 被害の報告につきましては、被害を受けた漁業者の方からできるだけ早く水産庁の方に報告をいただくように体制をつくっておりまして、おおむね速やかに報告をいただく形になっております。 被害の認定につきましては、先ほどちょっと申し上げかけました操業協定で一応日ソ間のルールづくりが行われておりまして、共同の被害処理委員会というものが東京及びモスクワに設けられる、それを通じまして審理を行い被害の認定を行うと、こういう考え方で進めております。
○三木忠雄君 この漁船の被害に対して、たとえば二年間でどのぐらいの被害の実態を海上保安庁として見ているのかどうか。
○政府委員(間孝君) 御承知のように海上保安庁は、こういうソ連船の操業する海域に巡視船を常時派遣いたしまして、現場での注意喚起等を通じて被害の防止を図るとともに、そういう実際に被害が発生いたしました場合には、それの現場におけるところの確認をやっておるわけでございますが、実際に海上保安庁がそういう被害の現場に居合わせましてこれを確認するということは、全体的には非常に少数でございます。私どもが最近において確認をいたしておりますのは、昭和四十九年の一月六日に発生しましたのが一件、昭和五十年の二月の十三日に発生しましたのが一件、同じく五十年の二月の十五日に発生いたしましたのが一件、この三件について現場においてその現認をいたしておるわけでございます。
○三木忠雄君 私は具体的に聞く時間もありませんけれども、水産庁にたとえば三百何十件のいろんな報告が来るわけですね。これは実際に漁民から報告が来る分はいいですね、ところがそれ以外のものが相当私はあるんじゃないかと思うんですね、まだ。泣き寝入りしているようなものが。どうですか、その点は。
○説明員(吉国隆君) 私どもの方でいまお尋ねの点についての実態は必ずしも把握しにくい点がございますけれども、大きな被害についてはかなりのものがそれによって報告が来ておるのではないかというふうに推測をいたしております。
○三木忠雄君 たとえばこの日ソ漁業損害賠償処理委員会ですね、これには大体どのぐらいの件数がいま申請されているわけですか。
○説明員(吉国隆君) 本年の四月十一日現在で申請を受理いたしました件数は七百五十二件となっております。
○三木忠雄君 金額はどのぐらいですか。
○説明員(吉国隆君) 金額は約六億円に達しております。
○三木忠雄君 その処理状況ですね、それはどういうふうなぐあいに進行しているんですか、いま。
○説明員(吉国隆君) ただいままで実質審査に入っておりますものが三十三件、これは被害の件数にいたしますと延べ八十一件になりますけれども、金額で約一億五千四百万円、これが現在の審査が進行中のものでございます。ただいま申し上げました数字は日本側の委員会におきます審査の状況でございます。
○三木忠雄君 実際にこの漁業交渉等を私たちはマスコミ等で見、聞いておって感ずることですけれども、この処理委員会で果たしてこういう日本側が認定した実態が、ソ連が賠償請求をして実際上応じているのかどうかという、たとえば漁民から直接水産庁に申請した分だけでしょう。だれもわからないわけですな、どれぐらいの損害があったのかどうかということ。たとえば海上保安庁なら海上保安庁、あるいはどっかの機関がしっかり認定すればまだわかるわけですけれども、水産庁がそのまま報告を受けて、そのまま実際上処理委員会にかけているという実情でしょう。果たしてこの問題がスピーディーに、そして漁民の納得するような損害賠償が取れるのかどうかということですね、この点についてはどうですか。
○説明員(吉国隆君) 御案内のとおり、東京の委員会におきましては被害の申し立てがございましたときに審査をいたしまして、その審査結果をモスクワの委員会に送るという協定になっております。モスクワの委員会でさらに審理を行いまして、その結果に基づいて当事者間の解決ができる限り円満に行われるように、かつスピーディーに行われるようにすると、こういう考え方で現在の協定ができ上がっておりますので、私どもそういう考え方に立ってできる限り解決の促進が図られるというふうにできる限りの努力をいたしたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
○三木忠雄君 保安庁と関係があるんで一点だけちょっと聞いておきたいんですけれども、漁業被害者から実際申請書を受けますね、この補正に対しては、たとえば海上保安庁とか、あるいは水産庁とかが応ずるという形になっているんですね、この文章からいきますと。しかし、海上保安庁が現に認定できるというような問題は、先ほどの一件か二件しかないわけですね。この点から考えますと、私は漁業の処理委員会というものは非常に問題ではないかという点を痛切に感ずるわけです。これは本年末、あるいは来年等の問題で、どのくらい処理状況ができたかどうかということもこれから検討しなければならない問題でありますけれども、こういう点を考えますと、日本の漁民はソ連の漁船にいろいろ被害を受けて泣き寝入りをしなきゃならぬような点が私は非常に多いのではないかと、こういう点を非常に憂うるわけです。 したがって、この問題は外交交渉等も含めて相当強力にやっていかなければなかなか損害賠償なんか取れるものではないと、こう思うわけです。その点で、やはり海上保安庁が警備体制、あるいはそういう漁船に対する注意といいますか、そういう問題を強力にやっていかなければ、日本の漁民が泣き寝入りをしている実態というのがあからさまに出てきているわけですね。こういう問題に対してやはり水産庁と海上保安庁との関係ですね、これらの問題をもう少し連係動作をよくしていかなければ、漁民のこの問題を保護していくことはできないのではないか、こういう点を私は非常に感ずるわけです。 この点について、やはり海上保安庁の先ほどの警備と重なってまいりますけれども、この漁民に対する、特に漁船ですね、予算等の問題に対して具体的にどういうふうに手を打っていくか、その点についての手順を海上保安庁長官から伺っておきたいと思います。
○政府委員(薗村泰彦君) 水産庁とは特にこういう十二海里の問題が出てまいりまして、非常に密切に連絡をとっておるつもりでございます。現に三月の末に、日本の漁船がやむを得ずソ連の水域から撤退してこなきゃならぬというときに一つ山があって、われわれも無事にこちらの水域に戻ってくるだろうかということを非常に心配して、それで水産庁で押さえておられるのは、それぞれの漁業の魚種に応じてその許可をとっておられるような隻数をもとにして実績をつかんでおられます。それをいただいてわれわれはまたそれぞれの港で、実際に出ている隻数を押さえて、それが無事にこちらの水域にまで出てくるということに備えて、いまで申しますと根室近辺に二隻、それから襟裳岬をはさんで東側に二隻、西側に二隻、それからオホーツク海に一隻、稚内に二隻というようなことで配備をして、そのときどきの漁船の動きと対応してわれわれが仕事をやるように、絶えず心がけておるつもりでございます。 先生のお話のように、確かに漁具の被害がそういうことでわれわれの現認件数と違っているという点はございますが、恐らくもうこの夏から十二海里ということになりますと、今度はいままでの三海里ではなくて十二海里の線で日本の漁具との関係がどうなるかということでございますので、私どもも水産庁からよく実情をもらいます。で、その十二海里の境界線に日本の漁具がいかにあるかということの実態をよくもらって、その辺の警備の重点事項にしていきたいと思っております。
○三木忠雄君 最後に、この従来の管区体制ですね。海上保安庁の。これはこのままで二百海里水域になってもやっていけるのか、あるいはその管区体制を変えるのかどうか、そういう点についての意見を伺って質問を終わりたいと思います。
○政府委員(薗村泰彦君) 御承知のとおり、一管から十一管までございまして、現在は一番北の端と申しますと稚内の保安部、東の端は根室の保安部、それから西南の端は実は一緒になりまして石垣の保安部、先ほど韓国の関係で申しますと、かなり西に近い地位で対馬の厳原の保安部というようなところがございますが、全部で保安部が六十五と、それから保安署が五十一ございます。かなり全国的に分散して配備をしておるつもりでございます。それからそれをまとめておる管区本部で申しますと北の第一管区から、沖繩復帰に伴いまして南に新設されました十一管区までございます。いまのところ十二海里になりましても、二百海里時代になりましても、一管から十一管までの管区本部、それから百十六の保安部署の位置は守っていける、現状のままでいけると思います。 その間に、それから航空基地は十二基地ございます。で、ただ一つ日本海側には新潟の航空基地だけで山陰方面にございませんでした。ところが不審船の取り締まり、それから日本漁船の大和堆などへ行きます場合の保護、それから遺憾ながらその施政が及んでいないという竹島近辺のその日韓の関係というようなものについて、どうしても山陰地方に十三番目の航空基地を置きたいということで、美保の航空基地を五十二年度新設するということを考えましたが、そういう体制でやっていきたい。船と航空機の配備なぞは適時適切に考えていきたいということで、それぞれそのときの重点的な配備を要するところに船艇、航空機の配備は考えていくということでございまして、現に先ほど申しました北海道の領海警備でも二管から一隻と九管から一隻、酒田と伏木から一隻ずつ北海道に応援に出してありますが、そういうことでやっていきたいと思います。
○安武洋子君 先日、四月の六日ですけれども、釣島水道でタンカーと貨物船の衝突事故がありました。この海難救助のために、海上保安庁が協力を求められた協力者はありましたでしょうか。それから、その中で災害を受けられた人があったでしょうか、お伺いいたします。
○政府委員(間孝君) 先日の「アストロレオ号」と「幾春丸」との衝突事件に際しまして、海上保安庁といたしましては、この事故が発生後直ちに、まず海上災害防止センターに対しまして、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律第四十二条の三十七の規定に基づきまして、この流れました油の防除の指示をいたしました。海上災害防止センターはこの指示を受けまして、直ちにその傘下にあります防災事業者に出動を求めて船艇が六隻これに出動いたしております。そのほか、これは海上保安庁が要請をしたのではございませんが船主側——この事故を起こしました船主側で手配をいたしました民間船が十三隻出動をいたしております。また、この現地におきます中島町の消防団員が約八十名、これも自発的な出動協力をいたしております。こういう民間の方々の協力を得まして、この災害の防除に当たったわけでございます。幸いにいたしまして、この民間の関係者の中には負傷などの災害は発生をいたしておりません。
○安武洋子君 いま出ました海上災害防止センターですね、これ指示をなさったというふうに聞きましたけれども、この海上センターが設立されて初めての指示だったと思うわけですが、どういう作業をしたんでしょうか。
○政府委員(間孝君) この今回の事故につきまして、海上保安庁長官が災害防止センターに対しまして行いました指示の内容は、オイルフェンスの展張、流出油の回収、それから流出油の処理剤によるところの処理という三つの点について指示をいたしたわけでございます。このうち海上災害防止センターは、まあ当時の状況から考えまして、実際にはオイルフェンスの展張、それから吸着材によるところの回収は、これは用意はいたしましたけれども、実際にはこれらを使用するに至りませんで、結局油処理剤の散布によりまして流出油の処理を行ったということでございます。
○安武洋子君 いままでこの法の適用を受けられた人がおられるわけなんですけれども、どういうふうなことをしてこういう適用を受けられたのか。主な例、簡単にお述べください。
○政府委員(間孝君) 先ほどもお答えを申し上げましたが、最近におきまして、海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律に基づきまして給付を受けられた方七人おられるわけでございます。これらの方は、いずれも沿岸において発生いたしました船の海難、あるいは海中に転落された方の救助、これらに当たられて、その際に負傷をされたという方でございます。若干具体的に一、二の例を挙げて申し上げますが、たとえばこれは一番新しい例でございますが、昭和五十一年に発生いたしました例では、北海道の襟裳港で操業中の漁船が航行不能になりまして、それを付近に操業中のほかの漁船が救助に当たりまして、これを港に向けて曳航しておりましたときに、その曳航索が切れまして、その船に乗っておられた方が体にその曳航索が巻きついたために転倒して負傷された、こういうケースが、一番新しいケースでございますが発生をいたしております。
○安武洋子君 事故に戻りますが、釣島水道というのは潮の流れが大変速いところだと聞いております。操船が非常にむずかしいところ、こういうふうに言われておりますけれども、ここは海上交通安全法による指定航路になっておりましょうか。
○政府委員(間孝君) この海域は指定航路になっておりません。
○安武洋子君 なぜなっていないんですか。
○政府委員(間孝君) 現在、海上交通安全法によりまして十一の航路が指定されておりますが、これらの航路はその海域が比較的狭くて、しかも交通量が非常に多いというところを指定をいたしておるわけでございます。この釣島水道はそういった点から考えますと、比較的海域が広くて、船舶の交通上から見ましても特にこれを指定航路に指定をする必要がないというふうに判断されたからでございます。
○安武洋子君 当日は風雨波浪注意報が出ておりましたけれども、両方の船とも最高の十五ノット近いスピードで走っていたと、こういうふうに聞いておりますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(間孝君) この本件の事故原因につきましては、ただいま取り調べを行っております段階でございますので、いろいろと新聞その他に報道はされておりますけれども、現在捜査中の段階の問題でございますから、私の口からお答えするのはちょっといまの時点では差し控えさせていただきたいと存じます。
○安武洋子君 「アストロレオ号」といいますのは、これは飯野海運がチャーターしたパナマ船籍のタンカーです。これは八万トンの原油を積んでいたと、こう聞いているわけですけれども、八万トンの原油っていいますのは、あの水島で三菱石油の事故がありましたけれども、あのときの流出した油の倍を超えるわけなんですね。ですから、あの事故が起こったときに私たちはみんな水島事故の再来ではないかというふうに心を寒くしたわけなんです。一体、水島事故の被害総額というのはあれは幾らになったんでしょうか。そしていま事故原因というのがおっしゃれないというふうなことでしたけれども、大体のこの事故の原因はどういうふうにつかんでいらっしゃるんでしょうか、大体で結構なんです。
○説明員(久世勝巳君) 先ほど次長がお答え申し上げましたとおり、現在捜査中でございますけれども、当日の気象状況では小雨、北西の風五メーター、波浪が三、視程が約一・五マイル前後と、このような状況でございまして、夜間でございまして、そんなに極端に視界が悪かったとはわれわれは判断しておりません。ただその後、霧警報がかかりましてすぐ視界が悪くなったと現場から聞いております。 この原因でございますけれども、両船の衝突位置とか、そういうのはいろいろな両者のいま船長以下関係者を調べておりますけれども、いろいろな点でまだ今後問題点がございます。したがいまして、現時点におきましてはどのような理由によったと、両船のいずれかが悪い、あるいは両方が悪いというふうなことを断ずるわけにはまいりませんが、いずれにしても私どもが一応海難調査等というような一般的な事件の解明から推察するところによりますと、運航の操船の誤りではなかったかと、このように考えられます。 水島の事故の、ちょっといま金額につきましては、これは確かには実は私ども把握しておりませんけれども、大変こういうところで新聞情報で申し上げるのは恐縮でございますけれども、約五百億というようないろんな数字が出ておることを聞いております。
○安武洋子君 五十一年の七月、「海上保安の現況」、これによりますと、海難事故のうち外国船舶の一万総トン以上ですね、要救助船舶の七一%、これが外国船舶になっております。そして特に貨物船では八九%を外国船舶が占めております。このことは海難事故件数っていうのは、船舶が大型になればなるほど外国船舶が圧倒的に多い、こういうことを示していると思いますけれども、これはいかがでございましょう。
○政府委員(間孝君) 確かに御指摘のような数字が五十年の実績として出ておるわけでございます。さらにこれを私ども五十一年について数字が入りましたのでこれも御参考までに申し上げますと、全体の救助を要する船は二千六百六十五隻ございまして、そのうち外国船が百七十四隻でございました。さらに、その中で一万総トン以上の海難だけを取り上げてみますと、全体で三十六隻ございますが、そのうち外国船の海難がやはり二十六隻、パーセンテージで申し上げますと七二・二%を占めておるわけでございます。 こういう点から見まして、やはりわが国の沿岸海域で起こっております海難の中で、特に大型船について見ました場合には、外国船の海難が非常に多いということは確かに御指摘のとおりでございまして、これらの原因については私どもいろいろと常日ごろ検討を加えておるところでございますが、やはり考えられますことは、外国船の船長その他の操船に当たる人たちが、わが国の周辺の海域での海の状態、あるいはわが国の海上交通に対する規則、こういったものによく熟知していない点があるのではないかというふうに考えられるわけでございまして、こういった点が私どもの外国船に対しまして特に気をつけて指導をいたしておるところでございます。
○安武洋子君 海上保安庁は海の汚染調査をなさっていらっしゃいますが、この海洋汚染のうち油によるもの、これは全体の件数のうち何%を占めておりましょうか。
○政府委員(間孝君) 昭和五十一年の汚染件数について申し上げますと、全体が千八百六十八件でございまして、そのうち油によりますところの汚染件数が千五百一件でございます。パーセンテージで申し上げますと八〇・四%でございます。
○安武洋子君 そのうち船舶からの排出ですね、それから投棄、これは何%に当たりましょうか。
○政府委員(間孝君) この千五百一件の中にはその排出源がはっきりいたさない、いわゆる原因者不明といったものが若干ございますが、はっきりと確定いたしておるものが千十三件でございまして、そのうち船舶によるものが九百三十六件となっております。
○安武洋子君 外国船舶による汚染ですね、これは入港総数に比例した汚染発生率、これで見ますと、日本の船舶の八倍以上、非常に異常な高さなんですね。これは数字は間違いございませんですね。
○政府委員(間孝君) 数字そのものは間違いございません。ただこれにつきましては、注意いたさなければなりませんのは、これは対象にいたしております日本船は、小型のいわゆる漁船のような小さな船から、貨物船のような大型船まで全部含めておるわけでございます。これに対しまして外国船は、その対象になっておりますのがわが国の港に入る船でございますから主として外航船、大型船であると、そういったところから、同じ外国船の中での発生率というものを取ってみました場合には、日本船の発生率に比べましてかなり高くなるのは、これはまあやむを得ないことかと思います。しかし、八・四倍という数字そのものはこれは事実でございます。
○安武洋子君 圧倒的にこの統計を見ますと海難事故も多いと。それから海洋汚染も外国船舶が多いというふうなことは、これはもう実態がそのとおりになっていると思うんですね。ですから、私はやはりタンカーのような大型船舶に対して安全対策、そして海洋汚染防止対策、これがいま求められていると思うわけなんです。 海上保安庁が五十年十月から十二月にかけまして、外国船舶に関して、直接入港した船舶とか、あるいは用船会社とか、あるいは運航会社代理店、こういうところに対して調査を行っておられますけれども、一体この調査の目的は何なのか。それから問題点はどういうところなのか、このことをお伺いいたします。
○政府委員(間孝君) 外国船が近年わが国の周辺で海難に遭遇する例が非常に多いというところから、私どもはいまお話しのございましたように、昭和五十年の十月に約二カ月程度をかけまして、わが国の港に入港した外国船につきましての実態調査をいたしたわけでございますが、その目的は、これらの外国船について、今後海難の防止対策を進める上においてどういった点に問題があり、どういったところにその指導の重点を置いていったらよろしいか、そういった点を把握するために行ったものでございます。 この対象になりました船は約千五百隻でございまして、これらの調査から見まして一般的に申せますことは、これは率直に申し上げまして、私どもがかねてから予想しておりましたよりかは、これらの外国船の側においていろいろなわが国の海域についての情報はよく知られておるというふうな印象は受けたのでございます。ただしかし、個々の船を見てまいりますと、相当にわが国周辺のこの海域の自然条件、海象条件、あるいは海上交通の法令の状況その他についてよく周知されていないという点がございます。したがって、それらについて一層情報の周知徹底を図るという必要があるというふうに考えられるのでございます。 それともう一点、そういう情報の周知をする場合に、どういうルートからこれらの外国船が情報を得ているかといった点もわれわれの関心事であったわけでございますが、この調査の結果から見ますと、日本にありますこれらの船を運航しております取扱会社、たとえば代理店などがそうでございますが、これらを通じて情報を得ておるというのが圧倒的に多いのでございます。 そこで、私どもはこういう外国船に対する今後の指導を行うのには、日本にありますそういう外国船の取扱会社を通じて積極的に行うことが有効ではないかというふうに考えまして、実は昨年から日本のこの主要港において外国船を取り扱っております会社に対しまして、これは港ごとに外国船舶安全対策協議会という協議会をつくらせまして、そこでこの協議会を通じて海難防止に関する指導を徹底をするということにいたしておるのでございます。現在、この協議会は全国ですでに三十三カ所設置されまして、大体私どもが考えております主要港についてはほぼ設置が完了しておるというふうに考えております。
○安武洋子君 浦賀水道を含む東京湾の海上交通安全対策についてお伺いしたいと思います。 ことしの一月一日から、一万総トン以上の船舶につきましては水先人の乗船、これが東京湾では義務づけられている、こういうふうに思うわけなんですけれども、これはお間違いございませんですね。
○政府委員(間孝君) そのとおりでございまして、本年の一月一日から東京湾におきまして、一万総トン以上の船につきまして水先人の乗船を義務づけております。
○安武洋子君 五十年の四月三十日に海上安全船員教育審議会、この中間答申が出ておりますけれども、これを受けて東京湾は強制水先区になったというふうに思うわけなんです。同じ答申で瀬戸内海についても強制水先区にするか否か具体的に検討せよというふうなことが出ておりますけれども、これを受けられまして瀬戸内海についても調査をなさったらしいんですけれども、瀬戸内海全区について強制水先区にするおつもりなんでしょうか。
○政府委員(間孝君) この水先制度の問題につきましては、運輸省といたしましてはこれは所管の問題でございますが、船員局の方が実は所管をいたしておりまして、私ども海上保安庁は直接これ所管でないわけでございますが、この水先人の強制の問題は、東京湾に限らず他のふくそう海域、たとえば伊勢湾あるいは瀬戸内海等についても今後強制措置をできるだけ広げていくということが必要であるということについては一般に理解されておるところでございまして、私ども承知しておるところでもこの運輸省の船員局におきましてもそういった方向でこの問題は検討がなされておるというふうに理解をいたしております。
○安武洋子君 調査をされたということですから、瀬戸内海全域を強制水先区にするということで調査をされたというふうに受け取らしていただいていいんですね。
○政府委員(間孝君) ただいまの点、実は私どもよく存じておりませんので……。
○安武洋子君 では、私はこの瀬戸内海というのは、強制水先区に全域やはりしていただかなければならないというふうに思うわけなんです。先ほど調査をなさったというふうなことで調査の目的をお伺いいたしましたけれども、この中にも問題点として出てきておりましたが、やはり東京湾とかそれから伊勢湾、瀬戸内海、こういう三つの海域における巨大船の調査の状況から、航路の交通ルール等が十分だと思わないというのが四二%もあるわけですね。それから、三海域の航海がむずかしいというのが、これが四八%あります。それから、日本語が通じない船舶というのが全体で五六%、オランダ、フランス、デンマーク、西ドイツの船というのはほとんど日本語が通じない、こういうふうに報告されておりますね。それで、日本版の海図を持っていないのが一七%ある、こういうふうにもなっているわけです。 ですから、いま情報を周知するんだというふうなことをおっしゃいまして協議会もできたんだと、こういうふうにおっしゃいますけれども、それだけではやはり私は万全ではないと、どうしても水先案内をつけなければならないと、こういうふうに思うわけです。何か所轄の方がおいでになっていらっしゃらないらしいですので、これはひとつ大臣にそういうことで検討をするということをお願いいたしとうございます。
○国務大臣(田村元君) 大変不勉強で申しわけないんですが、まだ具体的にこの問題、私知識を持っておりません。いまお話しのありました御趣旨を体して十分に私自身も勉強し、検討もさしたいと思います。
○安武洋子君 東京湾では海上交通情報機構の整備と、こういうことでやられていることがあると思うんですけれども、どういうことをおやりかお伺いいたします。 〔委員長退席、理事三木忠雄君着席〕
○政府委員(間孝君) 東京湾の海上交通情報機構は、御承知のように東京湾の海上交通が大変ふくそうしておりまして、これの安全確保が緊急の課題となってまいりました。そこで、この安全対策といたしまして、海上保安庁といたしましては、東京湾を航行する船に対しまして海上交通に関する情報をできるだけ多く提供をすると同時に、この航行する船についての航行管制を行う、こういう二つの計画を立てまして、実は昭和四十五年度からこの関係のシステムの整備を進めてまいったわけでございます。このシステムはすでに、まず第一着手といたしまして京浜港の川崎区と横浜区につきまして整備を行いまして、この二つの港の区域におきましては、ここを出入りする船についてレーダー、それからテレビカメラによりましてこれを常時把握いたしまして、必要な航行の管制を、指示を与えておるわけでございます。 それと同時に、ただいまのは港の中の一部の問題でございますが、一番いま問題になります浦賀水道についてのシステムを昭和四十七年度から建設を始めまして、このシステムはことしの二月に観音崎に新しいレーダー局ができましたので、その施設を利用いたしまして浦賀水道を通過する船舶に対しまして必要な情報の提供、それから一部交通の管制を始めたわけでございます。現在ここで行っておりますのは、この海域を通航する船に対しまして、この湾内におきますところの大型の船の動向とか、あるいは航路の混雑状態とか、あるいは気象の、海象の状況とか、こういった情報の提供を行いますとともに、先ほどの港の中の交通管制と結びつけまして、東京湾の中についての一部航路の管制が行われることになったわけでございます。今後この制度をさらに進めまして東京湾全域についての情報の提供と、それから航行管制を行うということを計画をいたしておるわけでございます。
○安武洋子君 これはやはり総量規制のために総合的な監視、それから情報管理、こういうシステムだと思うわけなんですけれども、このために投ぜられた資金というのは五十億円と聞いております。先ほど私は水島事故の被害総額をお伺いいたしましたけれども、大体五百億です、事故が一つ起こりますと大変なお金が要るわけなんですね。ですから私は、こういうことに投じられる資金というのは決して多くないというふうに思うわけなんです。東京湾では「第十雄洋丸」と「パシフィック・アリス号」の衝突事故も起こっておりますし、これも被害がたくさん出たというふうに思うわけなんです。 続けてお伺いいたしますけれども、毎年七月から八月にかけて三日間、一日平均の通航船舶総数の観測調査、これおやりですけれども、五十年の調査で一日平均浦賀水道を通航した船舶数、これはタンカーはどれくらいかということをお伺いいたします。
○政府委員(間孝君) 百五十七隻でございます。
○安武洋子君 じゃ、明石海峡を通過したタンカーはどれぐらいでしょう。 〔理事三木忠雄君退席、委員長着席〕
○政府委員(間孝君) 百七十六隻でございます。
○安武洋子君 浦賀水道の旅客船、カーフェリーは何隻でしょう。
○政府委員(間孝君) 二十八隻でございます。
○安武洋子君 明石海峡の同じく旅客船、カーフェリーの通過数は。
○政府委員(間孝君) 二百四十五隻でございます。
○安武洋子君 浦賀水道に比べまして明石海峡の旅客船のカーフェリー、これは八・七倍なんです。明石海峡、瀬戸内海、これは浦賀水道と比較しましても非常にカーフェリーの通船数が多いわけですね。ですから、非常に問題の多い地域だ。潮の流れも速いし狭いしというふうなことなんです。ですから、東京湾のような私は対策をやるべきだというふうに考えますけれども、この点、いかがでございましょうか。
○政府委員(間孝君) おっしゃるように、確かに明石海峡はわが国の海峡の中で最も交通量の多い海域でございまして、その安全確保という観点から、東京湾と同じような安全システムを導入するということについては、これは私どももそういったことが望ましいということは考えておるわけでございます。 ただ、現在は、東京湾の情報機構自体につきまして、昭和五十五年を完成を目途といたしましてこれに全力を注いでおる段階でございますので、今後これが完成いたしました後の問題といたしまして、他のふくそう海域、伊勢湾、それから瀬戸内海——その中にはいまの明石海峡あるいは備讃瀬戸、そういった問題も入ってくると思いますが、そういう時点においてこの問題についての対策も考えてまいりたいというふうに思っております。
○安武洋子君 私は七日の当委員会で、姫路地先のLNG基地の問題を取り上げました。そのときにアセスメントの数字が全くでたらめだというふうなことを申し上げまして、アセスメントをやり直さない限り、アセスメントをやったというふうなことにはならない。兵庫県とか、それから姫路市の地方議会がたとえ決議をしたものであっても、ああいうでたらめなものをうのみにされて審議を進めてもらっては困る。あれが本当に正しいものかどうか、それを判断するのは私は大臣だと思うわけなんです。ですから、私はあのアセスメントのでたらめさを申し上げるとともに、LNG船舶が明石海峡を通過するということを申し上げたいわけなんです。これは根本的に私はやっぱり問題があると思うわけですけれども、特に播磨灘液化天然ガス輸送問題研究特別委員会、ここがLNG船の航行について注意事項を出しておりますけれども、明石海峡通過の注意事項というのはどんなものでしょうか。
○説明員(酒見尚雄君) ただいま御指摘のように、この委員会でもちましていろいろ検討いたしておるわけでございますが、特に明石海峡につきましては次のような点が提言されております。 第一点といたしまして、通航に当たりまして「見張りを強化し、進路警戒船一隻、消防船一隻を配備して航行すること」、それから第二点といたしまして、「航行速力は、十二ノット程度とすること」、第三点といたしまして、「視界一マイル以下の場合は、航路に入らないこと」、第四点といたしまして、「緊急時の投錨準備をしておくこと」、第五点といたしまして、「ファイヤーワイヤーを船首尾に各一本ずつ用意すること」。 以上でございます。
○安武洋子君 今度の釣島水道の事故でも、これだけのことをしておれば事故は起こらなかったと、私はこう思いますけれども、いかがでしょうか。
○説明員(久世勝巳君) 御指摘のとおりだと思いますが、釣島水道につきましては、先ほど冒頭に御説明したとおり、船舶の交通量から見ますと、他の航路に比べまして格段と少ないということでございますので、特に航路にしていないし、また特に当該貨物船はグロストンで約五万トン弱ということでございますので、いわゆる巨大船の下の方だと、このように考えられます。しかし、いずれにしても十分なる手当てをしておけば、いろんな意味で事故が起こらなかったということはそのとおりだと考えております。
○安武洋子君 危険船はLNG船だけではないわけです。危険物積載の大型船、私はすべてこれぐらいのことはしなければならない、明石海峡通過のこの六項目です。危険は同じはずなんです。ああいう瀬戸内海で事故を起こしますと、何も海上だけで事故が終わるというふうにはならなくて、陸上にだって大きな影響を与えるというふうなところで、過密地帯でもあるわけです。海岸地帯に大企業が林立もしているわけです。民家も密集しているわけです。 ですから、私はここに「海上保安の現況」というのを持ってきましたけれども、ここの中にも海上保安庁自身がおっしゃっておりますね。読んでみますと、「石油コンビナート等が多く立地する東京湾、伊勢湾及び瀬戸内海には、大型タンカーの入湾隻数が、今後も増加することが考えられる。このためタンカー事故の防止対策としては、これまで講じてきた安全対策を更に推進するほか、基本的な施策として、臨海工場の再配置、中継基地・パイプラインによる原油輸送システムの整備等と合わせて、巨大タンカーの入湾を規制することが要請されている。」、こうも書いてございますし、さらにはここのところで「業務執行体制の整備」の件ですが、「危険物の海上輸送の増加に伴い海上災害が発生するがい然性が高まっているにもかかわらずそれに対する防災業務は、海上の事故の中では経験的な裏付けの少ない新分野であり、その体制はなお未整備といわざるを得ない。」、こういうふうになっているわけです。 私はやはり、対策はなお未整備の分野を残し、巨大タンカーの入港、入湾を規制することが望ましい。こういうふうな中では、瀬戸内海に大型船、危険船を入れるべきでないというふうに思いますし、せめて瀬戸内海というところは東京湾並みに総量規制を行うべきだ、こういうふうに思いますけれども、大臣いかがお考えでございましょう。
○国務大臣(田村元君) 巨大タンカー等が船舶交通のふくそうしたところとか、あるいは地形、水深等の制約のあるような内湾、内海、そういうところを航行することは、確かに海上交通の安全の上からいって好ましいことではございません。ただ、日本の場合、太平洋ベルト地帯と言われるところに、つまり東京湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内海と言われるところに工場地帯が密集しておるということから、直ちにタンカーを一切入れないということは、現実の面からいってやはりそぐわない点があろうかと存じます。そういう点から今後は十分の交通安全上の配慮をしながら、可能な限りの注意を払っていく、そういう施策をとっていくということであろうと存じます。一番いいことは、それは工場分散をすることでございましょうけれども、これは運輸大臣だけの発言でどうということでもございませんから、あくまでも現実を無視することもできませんから、現実を踏まえながら十分の注意を払っていきたい、このように考えております。
○安武洋子君 大臣も瀬戸内海のようなところに巨大船、危険船が入ることは好ましいことではないというふうにおっしゃっておられるわけです。私は、巨大船全部をいますぐに瀬戸内海に入れるなというふうには言っていないわけです。せめて瀬戸内海に東京湾並みの施設をつくるように、総量規制をするようにと、こういうふうなことを言っておりますので、ぜひそういう点を考えていただきたい、前向きに検討していただきたい。このことを申し添えまして、私の質問を終わります。 —————————————
○委員長(上林繁次郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、黒住忠行君が委員を辞任され、その補欠として宮田輝君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(上林繁次郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上林繁次郎君) 御異議ないと認め、質疑は終局いたしました。 岡本君から委員長の手元に修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。 この際、本修正案を議題とし、岡本君から修正案の趣旨説明を願います。岡本君。
○岡本悟君 ただいま議題となりました修正案につきまして、まず案文を朗読いたします。 次に、修正案の趣旨を簡単に御説明申し上げます。 原案の施行期日であります本年四月一日がすでに経過しておりますので、これを公布の日に改めるとともに、改正後の法律の規定は四月一日にさかのぼって適用しようとするものであります。 以上でありますが、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(上林繁次郎君) ただいまの修正案に対し質疑はありませんか。——別に御発言もないようですから、これより原案並びに修正案について討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上林繁次郎君) 御異議ないと認め、これより採決に入ります。 まず、岡本君提出の修正案を問題に供します。岡本君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(上林繁次郎君) 全会一致と認めます。よって、岡本君提出の修正案は可決されました。
○委員長(上林繁次郎君) 次に、ただいま可決されました修正部分を除く原案全部を問題に供します。修正部分を除く原案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(上林繁次郎君) 全会一致と認めます。よって、修正部分を除く原案は可決されました。 以上の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上林繁次郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 運輸大臣から発言を求められておりますのでこれを許します。
○国務大臣(田村元君) ただいまは、海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案について、慎重御審議の結果御可決をいただきましてまことにありがとうございました。 海上保安官に協力援助していただいたために災害をこうむられた方々に対する災害給付につきましては、本委員会における審議の内容を十分尊重いたしまして、今後とも遺憾なきを期する所存でございます。どうもまことにありがとうございました。(拍手)
○委員長(上林繁次郎君) 本日はこれにて散会いたします。 午後六時三分散会 —————・—————