ロッキード問題に関する調査特別委員会 第2号
- 発言数
- 254 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/03/14
会議録
○委員長(大谷藤之助君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る一月二十八日、栗原俊夫君及び対馬孝且君が委員を辞任され、その補欠として安永英雄君及び佐々木静子君が、二月二十三日、黒柳明君及び桑名義治君が委員を辞任され、その補欠として塩出啓典君及び相沢武彦君が、また一昨十二日、神谷信之助君が委員を辞任され、その補欠として小巻敏雄君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(大谷藤之助君) 委員の異動に伴い理事が一名欠員となっておりますので、この際理事の補欠選任を行います。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に塩出啓典君を指名いたします。 —————————————
○委員長(大谷藤之助君) ロッキード問題に関する調査を議題といたします。 福田法務大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。福田法務大臣。
○国務大臣(福田一君) 昨年二月、米国上院外交委員会多国籍企業小委員会における証言に端を発したいわゆるロッキード事件につきましては、東京地検は、警視庁及び東京国税局と緊密な協力の上、ロッキード社の航空機売り込みに関し、わが国に流入した資金をめぐり発生した事犯の刑事責任を追及し、昨昭和五十一年三月十三日から同年九月三十日までの間に、田中角榮元内閣総理大臣等国会議員三名を含む計十六名を受託収賄、贈賄、外為法違反、議院証言法違反、所得税法違反等の罪名で東京地裁に公判請求しました。その経過は、同年十月十五日第七十八回臨時国会の衆参両院のロッキード問題に関する調査特別委員会で稻葉前法務大臣が行いました中間報告のとおりであります。 その後、東京地検は、児玉譽士夫の脳血栓後遺症の病状が依然好転せず、主治医立ち会いのもとに休憩をはさみ一回一時間程度しか同人の取り調べを行うことができない等の障害のもとで同人の一在宅取り調べを続行しました。一方、昨年十一月四日衆議院予算委員長から国際興業株式会社社主小佐野賢治に対する議院証言法違反の告発が最高検察庁になされ、東京地検は同年十二月八日同容疑による国際興業本社等五カ所について捜索差し押さえを実施するとともに、同人の冠不全及び高血圧症の病状が好転せず、主治医立ち会いのもとに休憩をはさみ一回一時間ないし二時間程度しか取り調べを行うことができない等の障害のもとで同人の在宅取り調べを続行しました。 東京地検としては、本年一月下旬から丸紅及び全日空関係の公判が開始される関係上、それまでに容疑のある事実はすべて処理する方針で鋭意努力し、去る一月二十一日、児玉については、昭和五十年三月四日ごろから同年七月二十九日ごろまでの間前後三回にわたり、クラッターからロッキード社のためにする支払いとして二億九千九百五十万円を受領したという外為法違反の事実のほか、昭和五十年度分の所得税約一億九千六百万円を免れたという所得税法違反の事実、また、小佐野については、昨昭和五十一年二月十六日衆議院予算委員会において証言を行った際、昭和四十七年九月中旬ごろコーチャンからロッキード社製造のL一〇一一型航空機を全日空に購入せしめるよう尽力してもらいたいとの懇請を受け、そのころ全日空副社長渡辺尚次に対し同社が毛航空機を購入するよう慫慂したのにかかわらず、コーチャンから頼まれ、あるいは自分の立場で、全日空の何人にも右航空機を買ってやってくれないかというような話をしたことは一切ないなどと虚偽の陳述をした議院証言法違反の事実により、両名を東京地裁に公判請求しました。 現在、東京地検は、すでは公判請求した田中元内閣総理大臣ら十七名の公訴維持に全力を挙げ、公判廷における立証活動を通じて昨年二月以来継続してきたロッキード事件の捜査結果を順次明らかにすることに努めており、去る一月二十七日の丸紅ルートの第一回公判及び同月三十一日の全日空ルートの第一回公判において、それぞれ詳細な冒頭陳述を行い、今後検察当局が証拠により証明しようとする事実の全貌を明らかにしたのであります。 なお、これまで検事が取り調べた参考人の数は約四百六十名、児玉の取り調べ回数は七十回、小佐野のそれは二十一回、押収捜索場所は百四十三カ所、このうち検察庁が実施したのは百五カ所、押収物件は約六万六千八百点に上っております。 小佐野を含むいわゆる児玉ルートの関係については、重要参考人が国外に居住する外国人であるほか、本人らが長期にわたり病床にあるなど種々の悪条件が重なったため捜査は難航しましたが、検察当局としては、最大限の努力を尽くした結果、昭和四十七年以降ロッキード社から顧問料、手数料として児玉に流入した約十七億円に関しては、その留保状況及び使途関係につき、一部不明な点があるものの、相当程度の解明をしており、その内容は、同人に対する所得税法違反及び外為法違反被告事件の公判において逐次明らかにされるものと考えます。また、これまでの捜査の結果、いわゆるPXLの選定問題を含め、去る一月二十一日までに処理を終えた以外に犯罪の容疑を認めるべき資料は得られなかったとのことであります。 しかしながら、東京地検としては、なお捜査本部を存続しており、今後、ロッキード事件についての国会の国政調査等事態の推移に関心を払うことはもとより、将来、関係人の病状が回復し、あるいは米国証券取引委員会の調査結果を入手するなど特段の事情の変化が認められた場合には、さらに解明のため必要な措置をとるものと考えます。 なお、この種事犯の再発防止対策としては、問題が政治、行政、経済など広範囲にわたるものでありますので、関連する各分野において広い立場からの検討がなされるべきものと考えますが、さしあたり当省の所管に属する事項としては、現在、収賄罪の法定刑の引き上げを内容とする刑法の一部改正と引き渡し犯罪の種類の拡大を目的とする日米犯罪人引渡条約の改正を図りたいと考えており、いずれもそれが実現した暁は、再発防止対策の一環としてそれ相当の貢献をなすものと考えます。 以上、昨昭和五十一年十月十五日のいわゆる中間報告以後におけるロッキード事件の捜査処理の経過等につき御報告申し上げた次第であります。
○委員長(大谷藤之助君) それでは、これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○矢田部理君 私どもは、今国会におけるロッキード特別委員会をスタートするに当たって、かねてから福田内閣総理大臣の出席を求めてきたのでありますが、残念ながらきょうも出席をしませんでした。そこで、かわってさしあたり官房長官にお越しをいただきましたので、官房長官に対して福田内閣のロッキードに対する取り組みの基本姿勢、こういうことから伺ってまいりたいと思いますが、福田内閣としてはロッキード疑獄をどのように受けとめ、真相解明のためにどういう基本姿勢で臨もうとしているのか、その点からまずお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 総理大臣から衆参両方の本会議並びに委員会でしばしばお答えをいたしておりますように、ロッキード事件は偶発的に起こったものではない、いろいろ原因があって根っこが深い、この究明に当たっては前内閣の方針を踏襲をして徹底的に解明をする、と同時にこういう事件が起こった再発の防止に全力を注ぐ、こういう方針でございます。
○矢田部理君 一つ一つ伺っていきたいと思いますが、本院でロッキード問題調査特別委員会をスタートさせるに当たって最初に約束をしたことは、当時の井出官房長官に理事会に出席を求めて、今後ロッキード委員会の審議に当たっては、総理を初め関係閣僚の出席を他の委員会に優先して行うと、こういう約束を政府はしたわけでありますが、その点、福田内閣はどう考えておられるのか、まず伺いたいと思います。
○国務大臣(園田直君) そういうお約束に基づいてできるだけそのようにいたしますが、本日は先ほど申し上げたとおり、さしあたり長官が出席をいたしております。
○矢田部理君 重ねて関連して伺っておきますが、総理はそうしますといつごろなら——私どもはできるだけ早い機会に当委員会に出席をして、ロッキード問題解明の基本問題について論議をしたいと考えているわけでありますが、いつごろならば総理は出席できるのか、その点はどうでしょうか。
○国務大臣(園田直君) できるだけ時間をやりくりをして出席したいと思っておりますが、いまのところは日米会談が終わって帰りまして、報告をした後、時間をやりくりをして出席するようにしたいと考えております。
○矢田部理君 日米会談が終わって、戻ってきたらできるだけ早い機会に出席をさせると、こういう趣旨のように受けとめられますので、次の質問に移りたいと思いますが、去る二月二十四日、衆議院のロッキード問題に関する調査特別委員会で、後でいろいろ追及をしたいと考えておりますが、福田法務大臣が次のように答えています。これは例の灰色高官資料を国会に出すことをめぐっての論議があるわけでありますが、「法務省へは出さないという約束をして、そうして法務省の方は出したんでありますから、それを出されましたから、今後そういうものを出せと言われても、法務省としては、私は出す意思はございません。これ一ははっきり明言しておきます。」、「私は法務省の責任者であります。責任者の言うことは、これが法務省の見解であります。」、先ほどあなたが福田内閣の基本姿勢をかいつまんで述べられましたけれども、こういう法務大臣の発言、福田内閣としてどうお考えになりますか。
○国務大臣(園田直君) いま御指摘のような発言がありましたが、その後政府内の統一を図り、法務大臣からさらに発言があって、その問題は御了承を得たと思いますが、詳細な御質問があれば、法務大臣からお答えをお願いしたいと考えます。
○矢田部理君 私は法務大臣から、後、時間がありますのでゆっくりお尋ねをすることにいたしますので……。 ロッキードは三木内閣のやってきたことを踏襲して真相解明に努力するんだと言ってるにもかかわらず、あなたの内閣のロッキード問題に対する中心的な閣僚である法務大臣が後で、事後の処理はいろいろあったにしても、こういう不届きな発言をしている。細かい内容は結構ですが、内閣としてやっぱり大変けしからぬ発言だというふうにお思いになりますか。
○国務大臣(園田直君) その件については、衆参両議長の裁定があったことでございまするし、法務大臣もその後自分の信念を吐露されて了解を得た点でありますから、詳細は本人からお聞き取りを願いたいと思います。
○矢田部理君 詳細を聞いているんじゃないんです。こういう出方、物の考え方、正式な場で発言をしたことについて、内閣としてどう思っておられるのかと、こう伺っています。
○国務大臣(園田直君) 法務大臣の最初の発言は、誤解を与えるおそれがありますから、総理と法務大臣と相談の上、後のような発言があり、了承を得たわけでございます。
○矢田部理君 これ、いま文章を私は正確に読み上げたんです。誤解を受けるような文章じゃないんですよ。「私は出す意思はございません。これははっきり明言しておきます。」、どこにも誤解の生ずる余地はありません。誤解を受けるようであれば訂正するというような質のものではなくて、ずばり言っているわけですから、これについて内閣の考え方を明らかにしてください。
○国務大臣(園田直君) 法務大臣の発言は、法務大臣としてそれを言う意思はないと言われたことではなくて、事件の捜査、刑事訴訟法の精神にのっとってさわりがあることは発言ができない、という趣旨の発言をされたものと私は了解をいたしております。
○矢田部理君 いま私読み上げたでしょう、官房長官の言った趣旨とは違うんですよ。灰色高官関係の資料はもう出しませんと、私が法務省の責任者であり、法務省の見解として明言すると、断固として言ってのけた。こういう態度はやっぱりよくないならよくないとはっきりおっしゃるべきじゃありませんか。読んで字のごとくでありますから、そう誤解を受けたり、こういう趣旨と理解するなどという理解の仕方をされるような文言ではないんです。
○国務大臣(園田直君) 法務大臣も、いま読まれたとおりに、その発言そのものがそのようにとられるおそれがあるから、後で発言を訂正し、了承を得られたものと考えております。
○矢田部理君 くどくなるのはあなたの答弁がまずいからだと私は思っているわけでありますが、後で手直し、訂正、取り消し等の措置もとったわけですから、また異例の戒告決議まで受けているわけでありますから、率直に内閣としてやっぱりよくない、内閣の意思とは違うんだということを言うべきじゃありませんか。どうですか。
○国務大臣(園田直君) 戒告決議がされたように、その発言はとかくの誤解を受ける発言であったとは考えております。
○矢田部理君 したがって、よくない。 そこで、大変歯切れの悪い答弁しか得られませんけれども、後でこの問題は福田法務大臣と直接いろいろやりとりをすることといたしまして、福田法務大臣のとった、一連の言動、そしてまた戒告決議まで受けた状況、こういうことに照らして内閣としてはどういう責任を感じておられるのか。内閣は国会に対して連帯して責任を負うということになっております。一福田法務大臣の発言としてだけではなくて、その発言は内閣自体が基本的に責任を負うべき性質のものだというふうにも考えられますので、その認識、責任についてのとらえ方等について伺いたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 内閣としては本事件に対する究明が前内閣よりも後退をしたとか、あるいは不当にかばうというような印象を与えるようなことがあってはならぬと考え、そのようなおしかりや批判を国民や国会から受けないように、今後内閣並びに法務大臣も含めて全力を挙げてこの解明に当たりたいと考えております。
○矢田部理君 簡単に伺いますが、内閣として福田法相の発言に注意か何かされましたか。
○国務大臣(園田直君) 私は立ち会っておりませんけれども、総理と法務大臣と相談の上あのような発言があったと、後の発言があったと思います。
○矢田部理君 私が伺っているのは厳重に注意したかどうか、戒告まで受けている法務大臣に対してどういう措置をとられたか。法務大臣と総理が相談して決めるような性質のものじゃないでしょう。
○国務大臣(園田直君) 閣僚が戒告を受けるという事態は内閣としては大変なことでありますから、総理から御注意があったと思います。
○矢田部理君 本来ならば——特にやっぱりいま日本の民主主義にとってロッキード疑獄の解明というのはきわめて重大な課題、これについても大変な発言しているわけですね。しかも、戒告決議まで受けたということであるならば、これは率直に言って辞職ものですよ。福田法務大臣自身も記者会見で言っているじゃありませんか、きょうの発言を取り消すぐらいなら私は首を差し上げるよというような発言までしたと伝えられている。注意をしたと思いますという程度のものじゃどうも、私、納得できないんですが、部内ではかなりいいかげんにあいまいに処理してしまったということでしょうか。
○国務大臣(園田直君) そのようなことはございません。いま法務大臣の辞任問題が出ましたけれども、法務大臣は本事件を徹底的に究明することによって責任を果たされるべきであると考えております。
○矢田部理君 その法務大臣が、先ほど官房長官もお聞きになっておられましたように、第二次中間報告なるものを国会に提出をいたしました。この報告を聞かれて官房長官はどういう感想を持たれますか。
○国務大臣(園田直君) 御承知のとおりのような諸般の情勢でロッキード事件の解明がなかなか進展が困難であると、こういうふうに感じました。
○矢田部理君 書いてあること自体を聞いているんじゃなくて、こんな報告でいいんですかということなんです。かつて三木内閣の時代に第一次とも言われるべき中間報告がなされました。そのときにもいろんな問題指摘や論議がございました。しかし、少なくともあのときには、捜査をした内容、後で問題になった灰色高官の人数等々も含めて幾らかプラス要因があった。こんな報告、いま聞いたような報告を何も改めてしてもらわなくたって、もう周知の事実になっている状況じゃございませんか。これはもう各社の論説などを待つまでもなく、報告の名に値しない報告という指摘が大方なされているわけでありますが、今後、政府が国会の国政調査に協力をするというのであるならば、この種報告についての基本姿勢がさらに問われなけりゃならぬと考えておるわけでありますが、あなたとしてはどういうふうにお考えになっていますか。
○国務大臣(園田直君) いまの法務大臣の報告は、正直に言いますと、どの内閣がやっても、どの法務大臣があらわれても、今日の状況ではなかなか新しい究明を報告することは困難であって、いまの法務大臣の報告は、その困難の中になお究明を続けていきたい、何らかめどを求めたいというこの熱意に報告の価値があると考えております。
○矢田部理君 これは表題にもありますように、法務省の報告——捜査報告であります。かねてから問題にされてきたのは、ロッキード疑獄究明というのは捜査や犯罪責任の追及だけじゃないだろうと、行政がいろんな工作やお金の流れによってどう曲げられてきたのか、行政のどこに弱点があったのか、今後それをどう正せばいいのか等々も含めていろんな問題点が実は出されているわけですね。そういうことについて行政府としても基本的にやっぱり究明をして、行政上の責任をみずから明らかにすべきではないか。そしてそのためにも、そういうことを含めて、税金の問題もあるでしょう、政治資金規制の問題もあるかもしれませんし、総体的な政治報告——法務大臣報告ではなくて政府報告がなされるべきではないのか、という主張や要求がかねてからあるわけでありますが、この点についてはどうお考えになっていますか。
○国務大臣(園田直君) 法務大臣の報告では、やはり法の捜査に重点を置いて報告すべきであって、いま矢田部委員の御指摘になったようなことは、これは国会の御協力も願い、政府全体として考えなきゃならぬことでありまして、全般にわたる法律の改正あるいは究明等がはっきりわかりましてからやるべきことであると考えております。
○矢田部理君 そこで、行政府としてみずからの行政上起こったいろんな問題点について、直接福田内閣は調べておられるんでしょうか。
○国務大臣(園田直君) 捜査もまだ最後までいっていないわけでありますから、捜査が最後の段階にいったときに結論は出るわけでありますけれども、中途におきましても、このような事件をどのように再び起こさないようにするかということについては、政府としていろいろ研究をいたしております。
○矢田部理君 このような事件を再び起こさないためにどうするかの前に、なぜこのような事件が起こったのか、このような事件というのは行政上どんな問題点があったのか、対策の前にその内容を深く詰めることが大事なんじゃありませんか。その作業がどうも福田内閣の手によって行われているというふうには私ども印象として受けないものですから。捜査だけじゃないはずなんです、国税の調査だけじゃないはずなんです。運輸行政上の問題点がきちっと詰め切れていないんじゃありませんか。そんな点も含めて、福田内閣としてどう取り組もうとするのか。現に何をやっているか、対策ではなくて、対策の前提としての問題点についての把握がきわめて不十分、調査点検が行われていない。この点についての取り組みの状況なり、今後の見通しについて改めて伺いたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 御意見のとおりでございまするから、許認可事項を初め行政のあり方、行政と政党とのあり方、そういう点は十分ただいま検討中でございます。
○矢田部理君 これもすでに衆議院でも問題になっているわけですが、エアバス導入の延期について三木内閣時代、木村運輸大臣は事務当局独自の判断でやったものであって、ロッキード社のあれこれの工作とは関係がないという説明をしておった。したがってまた運輸行政上誤りはないとも言っておった。ところがどうですか。先般の冒陳では橋本登美三郎から事務次官が指示をされ、その意を受けて事務当局が動いたんだと、明確に運輸省の調査なり国会答弁と対立した見解が冒陳で指摘をされている。私たちはこのことをかねてから問題にしてきた。なぜ運輸行政が曲げられたのか、どういう政治的な圧力なり工作が行われたのか、検察庁と運輸省との見解が真っ向から対立をしているわけであります。これについてどう考えられますか。
○国務大臣(園田直君) 事件は調査中でございまして、全貌が判明しつつある段階ではありますが、決定的な段階ではまだございません。しかし、かと言ってその決定的な段階を待って検討しようとは考えておりませんので、いろいろ間違いのないように行政上のいろんな検討をいたしております。
○矢田部理君 検察庁と運輸省という行政部内の問題ではあっても、少なくとも検察庁はかなり綿密な捜査をやって冒陳を書いた。いずれ証拠の裏づけも今後の公判でしてくるはずであります。それと従来の運輸大臣の答弁が真っ向から明白に対立をしておる。違うということになれば直ちにこれは行政自身の責任の問題として調査をし、その真偽を明らかにすべきではないのか。いずれはという問題ではないように思うんですが、どうですか。
○国務大臣(園田直君) いずれはと申しましたのは、このような事件が起きないように、またどのようにして起きたかという行政上の検討をしておるということでありまして、事件そのものは検察当局に渡った以上は検察当局の捜査を待ってやりたいと考えております。
○矢田部理君 捜査で出てきた、あの冒頭陳述で検察が主張していることと、従前運輸大臣がここで答弁をしてきたこととが違うんですよ。なぜ違ったのか。検察庁の言い分が正しいということならば、運輸省はでたらめを言っていたということになるわけであります。少なくとも検察庁と運輸省が同じ政府の機関でありながら食い違った答弁をしているとき、どっちが真実なのかを緊急に調査するのはあたりまえじゃありませんか。直ちに調査して次回のロッキード委員会には明らかにする、どこが、だれがごまかしたのか、だれがいいかげんな調査をしたのか、そのことも含めて緊急に明らかにするという約束ができませんか。
○国務大臣(園田直君) 行政府として責任上いろいろ検討するのは当然でありますけれども、すでに事件になったものは捜査当局の結論を待ってからやるべきことで、その中途で決定的な、確定的なことを詰めて政府がやることは間違いが起こると思いますので、なかなか直ちに次の委員会で返答申し上げることはお約束は御勘弁を願いたいと思います。
○矢田部理君 事件になった事件の詰めは検察庁なり裁判所でやることになるでしょう。しかしそれと明白に違った国会答弁は厳然として残っているわけです。木村運輸大臣、元運輸大臣の答弁等があるわけでありますから、これは捜査の進行状況やあるいは裁判の結論を待ってというわけにはいかぬのじゃありませんか。それでは行政の姿勢正す、過ちについて明確にしていく、それに基づいて対策を立てる、こういうことだって大きくおくれることになりゃしませんか。その点を含めて少なくとも緊急に調査をするという約束だけはしてほしいと思うわけであります。
○国務大臣(園田直君) 御指摘でございますけれども、事件になったものを、運輸大臣とそれから検察当局の意見が違っておるかどうかということは解明をされてからわかることでありまして、責任上これを検討し、あるいは事後の問題を研究することは当然でありますけれども、どちらが正しいかなどということを政府がやりますことは、これは検察とそれから政府との関係に間違いを生ずると思いますので、その点を御了解願いたいと思います。
○矢田部理君 ちょっと問題点の正確な把握ができていないんじゃありませんか。運輸大臣が答弁してきたことと違う内容のことを冒陳で検察側が主張していると、どっちが正しいかじゃなくて、とすれば検察庁はそれなりに厳密な裏づけ捜査等もやってお出しになったものと少なくとも一般的には理解されますから、そうだとするならば、かつて運輸大臣がここで報告をした内容、そのための調査過程に問題や過ちはなかったのかどうか、この点について内閣としては再調査を指示する、緊急にもう一回検討し直してみると、こういう態度をとるのはあたりまえじゃありませんか。
○国務大臣(園田直君) そういう問題のことでは法務大臣が閣内の閣僚の一人でありますから、法務大臣と政府と連絡をとりながらやるべきことで、重点はやっぱり検察庁の方でやるべきことだと考えております。
○矢田部理君 時間がないから繰り返ししたくないんでありますが、検察庁は検察庁の責任でやるんですよ。これは犯罪捜査です。行政府なり国会というのは犯罪捜査をやるわけじゃないんですよ。しかし行政上どっかに欠陥がなかったのかどうか、政治上の責任はどこにあるのか、これを追及する、明らかにするのが国会なり行政府の役割りでありましょう。その行政府自体に起こった問題について私たちもいろんな調査や追及をいたします。しかしみずからの部内に起こった問題について政府としても、従来運輸大臣が言ってきたことと違う有力な議論、問題提起が検察側からなされた以上は、検察の捜査は捜査として、裁判の進行は進行として、みずからの責任でもう一回再点検をしてみる、再調査をして、従来の運輸省が報告してきたこと、調べたことに誤りがなかったかどうかを吟味するのはあたりまえじゃありませんか。その努力をするという約束ができませんか。
○国務大臣(園田直君) 私の答えていることも矢田部委員の御指摘とほぼ似たようなことでありますが、私の方では黒白、責任の追及はできませんけれども、このような事件が起こらないように検討をすると、こういうお約束をしておるわけであります。
○久保亘君 官房長官の御出席の時間内にちょっとお尋ねしておきたいと思いますが、今度の日米首脳会談の中でアメリカ政府並びにアメリカ上院に対して、ロッキード事件、なお、いま問題となっております日米韓にかかわる汚職の問題等の解明に対して積極的に協力を要請をされる御予定がおありかどうか、それが一つであります。 もう一つは、FBIが小佐野賢治のアメリカにおける経済活動並びにロッキード社から受け取ったと思われる金の流れ等について捜査を開始したと報ぜられておりますが、このFBIの捜査に対して日本政府として協力を求められている事実があるかどうか、なお、今回の首脳会談においてこれらの問題についても話題となるのかどうか、その点についてお尋ねしておきたいと思います。
○国務大臣(園田直君) ロッキード事件については、すでに日本の捜査に対する協力その他は前内閣から引き続いてやっているところであります。現在言われておる日韓その他の問題についてもそれぞれ在外公館を通じそれぞれの係と折衝をしてこれの解明を急いでおります。 FBIから日本の政府が調査協力を依頼されておるという事実は、いまのところございません。
○久保亘君 後で外務大臣の御出席を求めておりますから、その際に日米首脳会談におけるこれらの問題についてはさらにお尋ねしたいとも考えておりますが、ただ、従来そういうことをやってきたからということでありますが、少なくとも前内閣であります三木内閣の首班はサンファン会議の帰途わざわざフォード大統領に会ってこのロッキード事件の解明に対する積極的協力を要請をされた事実があります。そのことは前回の中間報告にもわざわざ報告事項として取り上げられている問題なんでありますが、いま福田内閣もその姿勢に変わるところがないとするならば、今度の日米首脳会談においては当然にこの現在なお解明を継続中の事件に関して相互の協力といいますか、特に日本側からの協力要請というものをこの福田内閣が、相手方も新しい政権でありますから、なされる必要があるのではないか、こう考えるのですが、従来やってきたからその問題には今度は触れないんだと、こういうおつもりですか。
○国務大臣(園田直君) 先ほど申し上げましたとおりに、捜査の協力については両国とも双方意見が一致をして協力するところでありますが、御意見は十分承って向こうに参ります。
○久保亘君 後でまた外務大臣にお尋ねします。
○峯山昭範君 官房長官の時間が非常に短いものですから、簡単にお伺いします。 本日は、従来ならば私たちは総理の出席を求めて本委員会を開いて、それで本院が特にPXLの問題について基本的に取り組んでまいりました、そういうふうな意味で、この問題についての基本的なお考えをただす予定でありました。本日は総理御出席でございませんので、官房長官にかわってお伺いをいたします。 特に私たち参議院でいろんなこの今回の問題について相当取り組んでまいりましたが、ただ単にこの犯人を捜すというようなあれではなくて、今回のロッキード事件がいわば単なる汚職事件という形ではなくて、わが国の政治構造の上にかかわる重大な問題としてこの問題をとらえるとともに、この事件が起きたその背景、あるいはいかなる政治構造に欠陥があってこういう問題が発生したのか、そういうようないわゆる政治構造の上からも解明しなければならない。さらに将来日本のいわゆる民主政治の基盤を盤石にしていく上にもこういうことをはっきりさしていくということは非常に私は重大な問題であると、こういうふうな考えを持っているわけであります。そういうような考え方からこの問題に取り組んできたわけでありますが、まず福田内閣はこういうふうな問題について、ロッキード事件に対する基本的な考え方は、これはかねがねから本会議等では聞いてまいりました。ただし、もう少し詰めてこの問題についてどういうふうにお考えであるのか、お伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(園田直君) お答えをする前に、皆さんの発言なり御指摘は十分総理に申し伝えておくことをお約束をいたします。 先ほどから申し上げましたとおり、前内閣の方針を踏襲をしてロッキード事件を徹底的に解明をする。解明するだけではなくて、なぜこのような事件が起こったかということから、再びこのような事件が起きないように防止に対する対策を逐次早急に始めると、こういう考え方でございます。
○峯山昭範君 その徹底的に解明する場所ですけれども、これは刑事的な責任というのは当然先ほどから答弁に出てまいりますように司法当局でやればいいことでございますが、実際問題われわれがやる政治的あるいは道義的責任、こういうような問題は当然われわれ国会に課せられた使命である、私こういうように考えております。そこで官房長官おっしゃるように、徹底的に解明するというからにはやっぱりその場所である国会というのが大きな場所になりますね。そういうふうな意味で私は特に本院がいまこの問題に、事態解明のためにあらゆる角度からがんばっているわけですけれども、まあきょうから今国会始まるわけですけれども、政府としてはわれわれ議会側のあれに全面的にやっぱり協力をする、こういうふうな立場になければならないと私は思うんですけれども、どうでしょう。
○国務大臣(園田直君) この事件の解明のための政治的道義的なことになってまいりますると、これは単に法務省だけの責任ではなくて、政府全体、そして特に立法府である国会議員の各位の御支持、御協力を得て解明をしていかなきゃならぬと考えております。
○峯山昭範君 いま官房長官おっしゃっているそのとおりだと思うんですけれども、ただ単にそれは言葉だけでは困るんで、現実に具体的な問題としてこれから八点申し上げます。簡潔で結構ですから御見解をお伺いしておきたいと思います。 まず第一点として、先ほどの質問にもございましたが、三木内閣といわゆる福田内閣、これはやっぱり国民が見るところロッキード事件に関する姿勢、これは私はずいぶん後退をしておる、こういうぐあいに現実に国民は見ているわけですね。これはもう先ほどからの法務大臣の答弁や、いろんな徹底究明と片方では言いながら、同じ徹底究明を三木内閣も言っておったわけです。しかしながら、先般の問題と絡み合わせて考えてみますと、やはり国民は後退したんじゃないかという印象を現実の問題として受けておりますね。これに対しては官房長官どうお答えされますか。
○国務大臣(園田直君) 前内閣と福田内閣と事件の解明に対する方針は一歩も後退はいたしておりません。ただ解明するに当たって今後の問題であるとか、あるいは政治的道義的の問題になってくると国会の御協力を願わなきゃならぬし、一番大きな問題はこの事件の中心である二人の児玉、小佐野、これが病気で捜査が非常に困難をきわめておる、したがって、どの内閣でやっても、どの法務大臣がやってもなかなか困難であるので、そういうことが後退という印象を与えておるのかもわかりませんが、断じて一歩も後退はいたしません。
○峯山昭範君 いや、そのことは国民も知っているわけですよ。お二人が病気だということは前国会から同じでございましてね。そのことで後退の印象を受けているんではなくて、現実に福田法務大臣の発言やそういうような中身から国民は後退していると見ているわけですね。これは要するに、いや後退してませんということだけじゃなくて、やはり国民が納得するためには、具体的に答弁しないとこれは国民は実際問題納得しませんよ。 そこで、さらにその具体的な問題の中身として灰色高官の公表という問題がありますね。この問題については福田内閣は基本的には福田内閣の姿勢としてこれはどうお考えなんですか。
○国務大臣(園田直君) これは法務大臣からもしばしばお答えをしていると思いますが、灰色というものについての定義、それからこれを公表するについては人権あるいは刑事訴訟法の精神、こういうものを踏まえてやっていただきたいというお願いを政府はしておるわけでありまして、そういう点が後退したという印象を与えておるかもわかりませんが、断じてさようではございません。
○峯山昭範君 いや、それもありきたりのあれじゃなくて、踏まえた上で、当然私はそういうことは踏まえて物を言わないといけないと思うんですよね。それは踏まえた上で公表するのかしないのか。これはもちろん国会がやらなくちゃならない問題もありますね。これは当然です。それは踏まえて私は言っているわけですけれども、基本的に福田内閣がどういう姿勢であるのか。国会がこうすればこういうようにするとか、いろいろあると思うんですがね。そこらのところはやっぱりはっきりしていただきたい。これはもう後で答弁いただきます。 それから三番目の問題として、これもあわせて答弁いただきたいんですが、国会議員を含む証人喚問ですね。これは当然前々から私たちこの問題を主張して、特にこれから私たちが問題にするPXLの問題についてはもう国会議員以外の証人あるいはそれに関連する人たちはほとんど終わったわけですね。国会議員だけ終わってないわけです。ですから、少なくとも国会議員及びそれに関連する人たちの証人喚問というのは重要な問題であります。この問題については基本的にどうお考えか御所見をお伺いしたい。
○国務大臣(園田直君) 言葉を言うわけではありませんけれども、事件の進展につれて国会の方と法務大臣の方とで相談の上、国会に報告することは考えられまするが、公表ということはいまの法体系上はこれは無理なことではないかと考えております。証人喚問については国会でお決めになれば、それはもう国会でお決めになったようになさることか当然であると考えます。
○峯山昭範君 やっぱり官房長官、後退ですね。やっぱり基本的にはそういうあらゆる条件を——私は細かいことをきょう時間がございませんから議論はしてないんです。ですから、細かいことは言いませんけれども、その公表という問題についても公表はしないというのが結局は基本原則ですね。ということになりますと、前の三木さんときの官房長官の発言あるいはこの問題についての取り組みからすれば私はずいぶん後退だと、そういうぐあいに判断せざるを得ない。 さらに第四点目としましてね、PXLの問題についてどういう点に問題があると官房長官はお考えなのか、これ基本的に——もうすでに官房長官になられてずいぶんなりますし、どういうふうにお考えであるか、PXL問題についての基本的な認識をお伺いしたい。
○国務大臣(園田直君) PXLの問題は、いまのところまだ事件にもなっておりませんし、捜査の対象にもなっておりません。ただ、いろいろ情報が流れてきておりまするので、内々政府では注意深く検討いたしております。
○峯山昭範君 いや私は、官房長官ね、わざとPXLの問題をきょう持ち出したのは、時間ございませんから議論しませんが、これは少なくとも官房長官の管轄なんですね。PXLの問題がいま問題になっているのは、要するに従来から防衛庁が進めてまいりましたPXLの問題がどうしてあの国防会議の席上で白紙還元になったかと。それは田中前総理の一言でなったというのが大きな問題になって、もうそこだけなんですね。そこが結局どうしてああいうふうな事態が起きたのかと。さらにその後のいろんな児玉の契約書、丸紅の契約書がありますが、そこが大きな問題になっているわけです。これは国防会議をちゃんとするという意味からも、いま捜査の対象になっていないとおっしゃってますけれども、そうじゃなくて、やっぱり現在PXLの問題についてはいろいろ捜査をやってきたけれども犯罪の容疑はなかったと、こういうふうにわれわれは聞いているわけです。しかし、犯罪の容疑がないとしても、官房長官が管理している少なくともこの国防会議の行政上の問題というのは私は残ると、そう思うんですよ、実際問題ね。この問題についてはどうお考えですか。
○国務大臣(園田直君) 政府も先ほど申し上げましたとおりに、いろんな情報がございまするから注意深く検討しておりまするが、いまのところは犯罪を構成するようなことはまだ政府にはわかっておりません。 ただし、国防会議その他については、こういうこと等も勘案をして、十分国防会議のあり方、こういうものの決定のあり方に政府は検討する必要があると思って、せっかくただいまそういうように国防会議のあり方を逐次指導しあるいは変更を加えつつあるところであります。
○峯山昭範君 ですから官房長官ですね、犯罪の容疑がなかったとかそんなことについては、それはね、これは刑事当局、法務当局でやることでございましてね、ですからその点についてはいいわけですよ。しかしながら、行政当局としてはこれは行政手続の上からも国防会議そのものについていろんな問題が提起されているわけです。当委員会でも相当いろんな角度から提起をされました。現実の問題としてわれわれ児玉のあの契約書、それから丸紅の契約書からも現実にこのPXLの契約が出ているわけですね。したがって、このPXL問題というのは、その疑惑というのは払拭されてはいないわけです。犯罪容疑はないにしても払拭されていないことは事実なんです。したがって、捜査そのものが私は児玉あるいはもう一人、小佐野ですね、二人の病状からも犯罪捜査そのものは停滞している。けれども、やっぱり国会議員の証人喚問等も含めましてその問題と、それから国防会議のこの何と言いますか、中身ですね、これについては行政当局としてやれる問題ですね。ですからやれるところはどんどんやっていくと、そういう姿勢でなければいけないと思うんです。 そこでさらに、時間ございませんので重ねてもう申し上げますが、一つは国防会議の運営の問題です。この問題については、PXLの問題の反省として、私は一つは多少改革しようという意図は見られますね。しかしながら、もう少し私は国防会議の中身、これはもっと具体的に言いますと、たとえば国防会議の中の会議の議事録とか、そういうようなものを公開するとか、あるいは中をきちっとすると、そしてそのものが後々まできちっと残ると、そういうふうな体制でなければならないと、こういうふうに思うんですが、この点がまず第一点。 それから今回の事件にかんがみて、特に運輸省とかああいうところでは行政の総点検とか、あるいは倫理規程というようなものをつくってやっておりますけれども、私はここでもう一つの問題点として指摘されている問題があるんです。それは、これは官房長官御存じだと思いますが、臨調答申で、これは昭和三十九年に、臨時行政調査会でその答申の中にあるんですけれども、与党が行政に関与し過ぎてはならないというのがあるんですよ。これは答申の中にこういうのがあるんですけれども、これは確かに今回の事件も私はいわゆる政府・自民党がこの行政に非常に癒着していると、こういう印象をわれわれも受けているし、国民も受けているわけです。そういうような意味では行政との癒着を断ち切る、あるいはいまの行き過ぎを是正すると、こういうふうなけじめですね、これはどうしても私必要じゃないか、そういうぐあいに思うわけです。これは何も私が言っているんじゃなくて、国民もそう思っていますし、また第三者機関であるこの臨調の答申の中でもこういうけじめはきちっとすべきであるという答申があるわけですね。そういうような観点から、この点もやっぱりきちっとすべきじゃないかと、こういうふうに考えておりますが、この二点あわせて御答弁をいただきたい。
○国務大臣(園田直君) いまの御意見の中に、国防会議の議事録を公開できるかどうかということは、その問題次第であって、場合によっては数年後の公開、後は全部御指摘のとおりに同感でございまして、そういう方向に検討を続けております。
○峯山昭範君 じゃ、以上でございます。
○橋本敦君 官房長官はロッキードの解明について、福田内閣も三木内閣もその姿勢には相違がない、こうおっしゃった。福田総理もロッキードについてはあまねく疑惑その他を徹底究明するとこうおっしゃった。そこで私は官房長官に二点について政府の姿勢をただしたいと思います。 まず第一点は、この中間報告でもこれまでPXL問題については犯罪の疑惑はなかったとしています、だがしかし、この国会でもそしてまた多くの人が語るように、PXL導入に関して重大な疑惑が依然として存在しておるし、捜査本部もまだ継続的に捜査をするという姿勢にあると私はこう考える。そこで官房長官に伺いたいんですが、かつて三木総理はこの委員会でも、あるいは坂田防衛庁長官もこの委員会で、次期PXLの選定については、これまで伝えられているロッキード事件のP3Cをめぐる疑惑、これが解明されない限りはこれの選定をやらないということを言明されているんですが、福田内閣としてもその姿勢に変わりはありませんか。
○国務大臣(園田直君) いま御指摘のような約束を三木内閣でされておるかどうかはわかっておりませんけれども、いまの事件についてもロッキード事件を参考にしてやりたいと考えております。
○橋本敦君 速記録を改めて検討して、いずれ、防衛庁長官に後で小巻議員も伺いますよ。伺いますが、少なくとも三木総理は、これだけの大きな疑惑のある事件ですから、国民の納得のいくということを抜きにしてはPXL選定をやらない、坂田長官もそういう趣旨でおっしゃっているんですよ。その点について福田内閣の姿勢が後退するかしないか、これは重大問題ですよ。いま官房長官がおっしゃった参考にして云々というのはどういう意味ですか、参考にして云々というのは、現状のままでこの中間報告がなされた、犯罪の嫌疑はないと、P3Cについては出てきたと、PXL選定作業を政府として、国防会議としてこれはどんどん進める。そしてことしの八月までに決着をつける、こういう姿勢ですか、はっきり答弁していただきたい。
○国務大臣(園田直君) 国民の疑惑を晴らすべきということは政府が当然やらなきゃならぬことだと考えております。
○橋本敦君 だから具体的に、いいですか、いままだ捜査本部は解散されていない。そして児玉−小佐野ルートもまだ困難である。そしてさらに、この中間報告でも米国証券取引委員会の調査結果を入手するなど、こういう特段の事情の変化が認められた場合には、解明のために必要な処置をとると法務大臣は報告されているんですよ。証券取引委員会の調査報告は、私は一月にアメリカへ行ったときにヒルズ委員長とも会いましたが、近々報告が出る、具体的には三月十四日という期限で、きょう出るという可能性もあるんですよ。これを見ないうちに選定作業を進めるということも、一つはこの中間報告で言っていることと矛盾しますよ。この証券取引委員会の調査結果、これは日米司法取り決めに基づいて当然要求をして入手し得る資料であることは間違いない。だからここにこう書いてあるんですよ。これを見るまでは——いまあなたがおっしゃったロッキード事件を参考にというのは、こういうことも見た上でなければPXLの具体的な選定作業は決着つけないと、お約束していただけますね。
○国務大臣(園田直君) いまの三月ということは延びまして五月になったそうでございますけれども、詳細な点は法務大臣からひとつ答弁をさせていただきます。
○橋本敦君 いや、法務大臣じゃなくて、五月でもいいです。五月でもいいから、この結果を見なければ、この中間報告の趣旨からいってもPXL選定作業は国民の疑惑を招かない形でやれないと、こう考えるのが福田内閣の姿勢でなければならぬではないか、その答弁を求めているのです。
○国務大臣(園田直君) それはそのとおりでございます。
○橋本敦君 そのとおりですね。 法務当局に伺いますが、小佐野に対する偽証の起訴状の中で、ロサンゼルスで四十八年十一月ごろに二十万ドルをクラッターから受領したという事実が記載されている。この二十万ドルはそっくり持ち帰られて児玉に渡されたのか、小佐野自身が海外で投資もしくはその他に使用した疑いがあるのか、私は疑いがあると見ていますが、この点についてはいかがですか。
○政府委員(安原美穂君) 橋本委員御指摘のとおり、二十万ドルがロサンゼルス空港で児玉譽士夫の受け取るべきものの金額の一部として小佐野賢治に渡されたということは偽証の内容をなすものとして公判請求書に、起訴状に書いてございますが、その金の処分等につきましては恐縮でございますが、これから始まる公判の過程において明らかにしていくべきことと思いますので、いまこの段階で申し上げるのは控えさしていただきたいと思います。
○橋本敦君 この中間報告には、児玉に入った金は一部の不明を除いてほぼ全面的に解明をしたと、こうある。この二十万ドルは一部の不明の中に入るのか、それとも解明された中に入るのか、この報告書自体の問題ですからこの点ははっきり述べていただきたい。
○政府委員(安原美穂君) その報告書にもお願いをいたしておりますように、約十七億の金がロッキード社から児玉に流入したと言われており、そして、その報告書に書かれておりますように、それらはいずれも外為法違反の起訴事実の内容をなすものであり、あるいは脱漏した所得の内容をなすものでございまして、そういう意味におきまして、しかも、その報告書には相当程度は解明したと、一部不明はあるものの、ということでございまして、言葉の字義どおり相当程度解明したわけでございますが、これまたどちらに入っているかということ自体これから相当所得税法違反、あるいは外為法違反の冒陳、あるいは立証の段階でいま御指摘のことがどちらに入るかも明らかになってくると思いますので、いましばらくお待ちを願いたいと思います。
○橋本敦君 この程度のことがこの報告書にかかわらず言っていただけないということについては、私はきわめて強い不満を持つのですが、これをお伺いする趣旨は、私がアメリカに行ったときにも、司法省のキーニー刑事局長補佐官とも会い、ヒルズ委員長とも会ったのですが、小佐野のこの二十万ドルについてということは特定しませんが、米司法省も日本に関するロッキード事件の捜査はアメリカ内部でまだ続けてやっておるんだということをはっきり言明されておるんですよ。いいですか。だから、そういう関係でこの小佐野の二十万ドルが、これが仮に日本にそっくり持ち帰られたならば、こんなものはドルでそのまま持ち帰るということは、これは不法ですよね。仮に、そこで投資され、何らかに使われたとすれば、これは何のためであるか。果たして児玉に渡す一部の金なのか、小佐野にやっぱり児玉から渡す約束の金なのか、いろいろ問題があるわけですね。ここらあたりの捜査はいまアメリカでも司法省は続けている、私はこう理解をしている。 そこで、この点について刑事局長にもう一遍伺いたいんですが、いまアメリカ内で行っている日本に関連をするロッキード事件の捜査ですね、司法省並びにFBIが関連をします、それに絡んで、この小佐野関係もアメリカにおいて捜査中であるという情報は得ておられますか。
○政府委員(安原美穂君) 橋本委員は御理解いただいておりますように、この日米司法共助と申しますか、司法取り決めは、お互いに資料、情報の交換をするが、それはお互いに捜査、裁判のためにのみ使用するんだというお互いの約束があるわけでございまして、いまお尋ねのことは御関心の深いことかと思いまするが、私どもからそれを知っておるか、知っておるとすればどういうことかということは申し上げるわけにはまいりません。
○橋本敦君 きわめてわかりにくい御答弁ですね。 そこで、官房長官、時間がありませんからお伺いをするんですが、事ほどさようにロッキード事件は、いま検察も全面的に、私の簡単な質問でも明らかにされないように、一つは公判の進行、一つはアメリカ側のアメリカ自体の捜査にも関連をするし、まだ進んでいるんですね。いいですか。そこで、福田内閣が本当に余すところなくこれを解明するという姿勢に立つならば、いま国内で調査をしてきた児玉−小佐野ルートの困難さ、これは書いてありますよ。しかし、さらにアメリカでも捜査が進んでいるんですから、いま刑事局長がおっしゃったように、日米司法取り決めに基づいて公判に必要な資料の交換がなされると、こういうことですが、現に、日本で起訴されたその限定内にとどまらず、これからまだ小佐野−児玉ルートについて捜査の必要はあり、捜査本部はあるんですから、捜査に必要な情報交換をもっと積極的にやるように、あなたは、日米首脳会談が近くあるんですから、その席でもこの点について特段の協力をアメリカ側の司法当局に行うという姿勢に立って私はしかるべきだと思います。この点について官房長官の見解を伺います。
○国務大臣(園田直君) 先ほども御意見が出たとおりでございますが、首脳会談の議題になるかどうか別として、この機会にそういう点に協力を求めたいと考えております。
○橋本敦君 いま言ったような全面的なあらゆる情報について、積極的な意見交換を行うという日米間の定期的な協議ルートを確立すべきだ、そうお思いになりませんか。私はそのことを要求している。これで質問を終わります。定期的な協議をすべきだ。
○国務大臣(園田直君) 御趣旨の点をよく相談をしてみます。
○橋本敦君 検討される……。
○国務大臣(園田直君) はい。
○橋本敦君 時間が参りましたから終わります。
○久保亘君 外務大臣に御出席いただきましたので、最初にお尋ねしておきますが、きょうこの委員会に報告されました報告書の中にも、現在は東京地検として捜査は一応とまった状態になっているような意味で書かれて、将来SECの調査結果を入手するなど特段の事情の変化が認められた場合には、さらに解明のために必要な措置をとると書かれております。そのことは、そういう捜査上の難点がありまして、それでSECの調査結果を新たに入手するというようなことになるか、あるいは児玉、小佐野などを新たに取り調べる状況が出てこない限りはこれ以上進めない、特にPXLなどについてはそうだというような報告なのであります。そこで、日米首脳会談に随行されると思いますが、外務省のサイドでは、このロッキード事件等の解明について、アメリカ政府並びに上院等の協力をさらに今後も要請をするために今度の首脳会談に当たって協議をされる用意があるのか。いま外務省レベルの話し合いではそういうことが進められているのかどうか、その点についてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(鳩山威一郎君) ロッキード事件関係につきましては、ただいま公判が進行中でございます。で、米側で得た資料につきましては、司法取り決めによりまして提供を受けることになっておりますので、いま外務省におきまして進めております準備の中には、さような点は一切触れておりません。
○久保亘君 それが福田内閣はロッキード事件解明に関する姿勢は一歩も後退していないと言われることと大変矛盾してくるのではないかと思うのです。司法取り決めが五月に行われた後、六月に三木総理大臣をわざわざサンファン会議の帰りにワシントンに寄ってフォード大統領にこのロッキード事件の解明について今後もさらに協力をしてもらいたいということをわざわざ要請をされて、それは政府が国会に対して報告されたんです。今度はもうこの問題は幕を引いてしまったんだからなるべく触れないでいこう、そういうことで福田政権が動いているのではないかという気持ちが非常に強くしているわけであります。特にいま新たな問題としてロッキード事件を上回る汚職事件に発展をする可能性のある日米韓を結ぶ問題がアメリカにおいていろいろと調査が進められているというときに、これらの問題に対して政府がアメリカ政府に対して積極的な協力を求めるということは必要なことなのではないでしょうか。それをもういま外務大臣としては今度の首脳会談にはそのようなことは全く必要ないと、こうお考えになっておるんですか。
○国務大臣(鳩山威一郎君) 事件の捜査関係になりますと、やはりこれは法務省の御所管でございますので、私ども法務省の方から積極的な依頼がありますれば、それは当然検討すべきことと思いますけれども、現在までのところそのような状況に至っておらないというのが率直なところでございます。
○久保亘君 総理大臣が御出席ですと、総理のお考えとしてお聞きすれば一番いいんですが、法務大臣、法務省として報告書の中にも、今後「米国証券取引委員会の調査結果を入手するなど特段の事情の変化が認められた場合には、更に解明のため必要な措置をとるものと考えます。」そのためになお捜査本部を存続しておると、こう書かれておるんです。だからアメリカ側からの資料提供等について今後も引き続き協力を要請してもらいたい。特に新たにまた問題となっているようなことについても、これは三木総理がフォード大統領にあてられた書簡を見れば、日本政府の考え方というのは非常にはっきりアメリカ側に示されておるわけです。サンファン会議の帰りに寄られたときも、ただ協力を要請されただけではなくて、わが国のこの問題に対する決意を伝えて協力を要請したと、こう報告されている。だから当然法務省としては、今日までのアメリカ側の協力に感謝の意を表することもあるいは外交的に必要なのかもしれませんが、あわせて今後の協力を求めるということは、当然日米の新たな首脳がお会いになるのでありますから、そのことについては当然要請さるべき問題じゃありませんか。
○国務大臣(福田一君) この問題は、これは総理がどうお考えになるかということによって決まるべきものだと思っております。ということは、法務省から言いますと、十分に日米間において資料の提供その他が行われておる段階であります。いまだかつて向こうで調べられて、われわれが必要とするものを断られたことはございません、入手を断られたことはないんであります。いまもその段階でございまして、この間においては何ら損はないというか、不便を感じておらないわけでございます。二国間においてそういう話し合いを決めまして、そしてそれが順当に行われておるんですから、あえて法務省としてそういうことを要請しなければならないという事情はないと私は考えております。
○久保亘君 資料を必要なだけアメリカ側から提供されているということで、もう別に改めて協力を要請する必要はないと、こういうようなお考えですか。
○国務大臣(福田一君) 今後も新しい資料がアメリカにおいて入手されますならば、必ずわれわれの方に提供されるものと私は信じておるのでございます。
○久保亘君 なお資料の公表についても両国間で一協議すべき事項となっているものがあると思うのでありますが、それでこの資料の公表などについてもさらに積極的にアメリカ側と法務省としてはその協議をしなければならない問題もあるのではありませんか。
○政府委員(安原美穂君) いわゆる取り決めの第六項によりますと、当事者いわゆる日米両国の法執行機関は、「この手続に基づき提供される資料を使用しようとする刑事上、民事上及び行政上の裁判又は審理に関する手続を開始する前に、その旨を事前に通知するものとする。」と、通知をするという約束で、協議の必要はございません。
○久保亘君 日米間の取り決めはいまのようになっております。そうすると、他の二国間の取り決めの場合には、公表についてそうなっていないものもありますね、違った形で取り決められているものもありましょう。
○政府委員(安原美穂君) 西ドイツとアメリカとの間の協定には特段の定め、別段の定めがあれば公開、公表するということも許されるというようなことになっておるようでありまするが、調査したところによりますと、ドイツ、アメリカの間で特別の定めはないようでございますし、私ども内内外務省を通じてサウンドしてもらったところによりますると、現在アメリカにおきましても、先ほど橋本委員御指摘のように、アメリカのSEC等におきましても、ロッキード事件の調査中でございますので、調査中の段階において公表などということをいまは考えておらないという御意向のように聞いております。
○久保亘君 時間がありませんから、その問題はまた他の機会にお尋ねをいたしますが、私は二月二十四日衆議院に、それから本日参議院に報告されました法務大臣の報告の内容についてお尋ねしたいと考えております。 まず第一に、この報告は捜査の終了を報告をするという立場でやられているのではないかということが第一であります。それはなぜかと言いますと、十月の十五日に前三木内閣の法務大臣によって報告されましたその報告から、昨年三木内閣が退陣をいたしますまでの間の取り調べのテンポと、あなたに法務大臣がかわってから、総理大臣が三木から福田へかわってからの取り調べのテンポは非常に変わってきているのであります。 具体的に申し上げますと、児玉、小佐野に対する取り調べは、十月十五日の段階で児玉が五十回、小佐野が十数回と報告されております。昨年の十二月の二十二日の参議院決算委員会における報告では、児玉が六十数回、ほぼ七十回、小佐野が二十回になんなんとする取り調べであると報告されております。そして、いま二月の二十四日、それから二カ月たちましたあなたの報告で、児玉の取り調べは七十回、小佐野の取り調べは二十一回に及んだと、こう書いてあるのでありまして、少なくとも昨年三木内閣から福田内閣にかわった後、児玉、小佐野の取り調べのペースは非常に落ちた、このことは事実でありまして、そして、その間もうほとんど取り調べはなかったというような状況ではないかと思うのでありますが、このことはやっぱりロッキード事件に関する内閣の対処の仕方というものを非常に端的にあらわすものではなかろうか、それが一つであります。 それから、「田中角影内閣」と福田内閣を呼んでおりますね。田中の角の影の内閣という呼び方をしている人たちもありますが、それに非常にふさわしいような形で——十月十五日に報告されましたときには、少なくともこの中で田中角榮を呼ぶに当たっては「前内閣総理大臣田中角榮」と書かれてありました。しかし今度の報告では、「田中角榮元内閣総理大臣」と、肩書きを下へ持ってくることによって、日本の慣習に従えば敬称を付するような形で今度は報告されております。しかもその他の民間人に対しては、すべて呼び捨てであります。このことも、この福田内閣のロッキード事件に関する姿勢をあらわす一つであると私は考えております。また、小佐野賢治の議院証言法違反による起訴に関する報告の中でも、故意に田中が触れられてありません。少なくとも安原刑事局長が国会に報告した段階では、小佐野を偽証罪で取り調べるその中心は、ロサンゼルス空港において二十万ドルを受け取ったというそのことが国会においていかなる金も受け取っていないという彼の証言に反するものであるということを述べられております。 もう一つは、冒頭陳述にも明らかなように、小佐野が全日空の渡辺副社長に対してトライスターを購入するよう慫慂したということの前段として、田中・ニクソン会談に基づいて、田中が砂防会館に小佐野を九月の初めに呼んで、そして全日空に対してトライスターを買うように君からも勧めてくれという依頼をした、その依頼を受けて九月中旬に彼は渡辺副社長に対してトライスターを購入するよう慫慂したのが偽証なのであります。ところがこの報告の中では、ロサンゼルス空港における金銭の受け取りも書かれてありませんし、田中角榮と小佐野との関連についても全く触れられていないのであります。このことは、この報告が私は文字どおり、角榮におびえる報告書になっているのではないかと、大変不満な点であります。 こういう点から見てまいりますと、この報告は、これをもってロッキード事件の幕引きを目指すきわめて反国民的な意図を持った政治的報告である、このように思うのでありますが、この点について法務大臣の率直な見解を承りたいと思います。
○国務大臣(福田一君) 私たちは、今回の報告におきましては前の稻葉法務大臣の報告について述べられたことにはこれは触れないで、新しい事実をできるだけ入れたいと思っておったわけであります。そういう意味で報告をいたしておりますが、御案内のように、二人が非常に病気で、なかなか取り調べが進まなかったわけであります。したがって、本来ならばこういうようなものは起訴をいたしますというと、これはもう捜査本部というのは解散をするのでありますけれども、私はこの事件は、病気でもって取り調べが進んでおらないというこの事態を踏まえて、従来の慣例に従うわけにはいかない。したがって捜査本部は、これを存続すべきである。ましていわんやSECにこのロッキード社からの資料が近く提供されるという説もあり、もしそのSECについて、SECに出されたこのロッキード社の調査によって新しい事実が浮かべば、これは当然また調べなければならないし、さらにまた両人の病状回復の問題等も考慮して、病状が回復するということであればまた一応この取り調べもせねばならないということを踏まえて、そうして捜査本部を解いておらない、捜査本部を解いておらないというところにわれわれの姿勢を十分におくみ取りを願いたいと思うのであります。
○久保亘君 いや、それじゃ私がお尋ねしたことに具体的に答えてください。 少なくとも去年の暮れ、内閣が交代してから後、児玉、小佐野に対する取り調べは大変スローテンポになったということは間違いありませんね。
○政府委員(安原美穂君) 取り調べというものは、進むに従いまして取り調べる事項が少なくなってまいりまするとおのずから御指摘のようにスローテンポになるというのが事柄の自然であるようにも思われますし、それと先ほど久保委員は、二月二十日現在ということで、回数——テンポの比較をなさったように理解したのでございますが、報告書にもございますように、一月二十七日に丸紅関係及び三十一日に全日空関係の公判が開かれる、それまでに容疑のある事実はすべて捜査を終えるつもりで検察当局はタッチしたということでございますので、いわば一月二十一日以降は端的に言えば、それまでに調べるのは調べた、それから以降は容疑がすべてあるものは処理した段階でございまするから、容疑のある状態でないといたしますと、おのずから一月二十一日以降はスローテンポになる、あるいは病状等も考えて取り調べを何回やったかどうか別といたしまして、スローテンポになるというのは事柄の自然であろうと思いまして、決して大臣がかわられましたから検察の捜査のテンポが落ちたなどということはもう絶対にございません。これは検察の名誉のためにも申し上げたいと思います。
○久保亘君 それじゃ大変おかしいんじゃありませんか。いまの日付のことは私は二月二十四日の報告という意味です。それは結構です。 しかし、それならば一月二十一日をもって一応この両名に対する取り調べが終わったかのような言い方をされるのですが、法務大臣はそう言われるのですよ。なおその取り調べを今後もやらなければいかぬから捜査本部を残してあるのだ、こう言われておるわけです。しかし、表向きは今後も捜査本部を残して、徹底的解明に努めるのだと言いながら、検察当局としては一月二十一日でもって容疑に関する取り調べは一応終わったと、こう言われるんだったらはなはだ矛盾するんじゃありませんか。 それから、一体この捜査本部は今後も取り調べを続けるということでありますが、この捜査本部の陣容はどの程度で残されておるのですか。
○政府委員(安原美穂君) 大臣の申されることと矛盾はしていないわけでございまして、一月二十一日までにその段階において容疑のある者はすべて処理したということであり、その後は本人の病状の変化、あるいは特段の事情の新しい資料の入手等によって容疑が認められればさらに解明に努力するということも大臣の仰せられているとおりでございます。そのことのために、ただいま捜査本部が存続しておるわけでございまして、検事五名、事務官十二名でございます。
○久保亘君 これは現在開かれております公判維持のための本部とは全然別のものでありますか。
○政府委員(安原美穂君) 検事五名はいま御指摘の公判のことについての中心的な準備をやるとともに、その他の資料、情報の収集、分析ということに特捜資料課の事務官を使って資料、情報の分析、収集に努めておるわけでございます。したがって公判と捜査どちらもということになります。
○久保亘君 検事五名で捜査本部を残されておりましても、事実上はこれは公判の維持がその主力とならざるを得ない、こう思うんであります。私は、その捜査本部の陣容に照らしても、すでにこの現内閣はこの報告にありますように、「国会の国政調査等事態の推移」、あるいは関係人の病状の回復、SECの調査結果の入手など特段の事情の変化が認められない限り、今後新たな捜査の展開は期待できない、こう考えるわけであります。だからその点についてはこの現内閣のロッキード事件の国民の期待にこたえる解明という点については、姿勢が私は一歩も二歩も後退したと言わざるを得ない、こう考えております。特に今後この問題を新たな解明の展望を切り開いていくためには、国会の国政調査等事態の推移に関心を払わなければならぬということでありますから、国会の国政調査に対して当局が積極的に協力するということなしには解明の新たな展開は期せられない、こういうことになってくるわけでありまして、その点では法務大臣が先般戒告決議を受けられるに至りましたあの発言並びにこの発言を貫いておりました姿勢は、はなはだ遺憾と言わなければなりません。この点について法務大臣も深く反省をされているようでありますから、その反省の上に立って、国会の調査に対しては積極的に国会のこの意思に基づいて最大限の協力を続ける、そしてこの事件の解明に政府としても国会に十分な協力をするんだということについては、ここではっきり言明をいただけますか。
○国務大臣(福田一君) 私は、きょうも本会議でも申し上げたところでありますが、議長裁定というものを尊重し、そうして議長裁定の四項にありますように、国政調査権の問題と刑事訴訟法の立法の趣旨とを踏まえながら、国政調査権に協力を申し上げるということを言っておるわけでございます。この前に問題になった点は、私の発言のうちにいささか、たとえば公表はいたしませんというようなことを言っておりますけれども、実はあなたも御存じのように、この委員会においても三木さんも稻葉さんも公表などということはできないということを皆さん方の、委員の御質問にお答えをいたしておるわけであります。ただし資料の提供はいたします、まあ秘密会での資料の提供をいたしますというので、公表はいたしませんということを言っておるわけでありまして、私は三木内閣当時と同じような姿勢、三木内閣と同じ姿勢でロッキード問題に取り組んでおると言うておるのでございまして、稻葉法務大臣あるいは三木総理がおっしゃったと同様の意味において御協力はいたさなければならないと考えておるわけであります。
○久保亘君 そうすれば具体的に、国会が秘密会でなければ出せないと言われるなら、そのことは国会が決めることでありますから、それはそれとして、灰色高官と呼ばれた、俗に灰色高官と呼ばれた人たちの問題について、残念ながらすでに公になりました議事録にも残っております司法当局の報告によれば、この名前の明らかになった人たちは、いずれもロッキード社にかかわる金員をロッキード社の航空機の売り込みに尽力したかどにより受け取った——言葉は正確でありません——そう認定をしたという報告がなされているわけであります。ところがそれらのことについては、私、裁判のことよくわかりませんが、この公判の冒頭陳述の中では、これらの金銭の授受については一切触れられておりません。残念ながら公判の過程でもその事実は全く明らかになってこないわけであります。とすれば、当事者がその責任もその事実も完全に否定をされ、国民に対してもいかなる事実もない、全くのでっち上げで、われわれは著しく名誉を傷つけられ人権を侵されたという立場で主張されてきているのであります。そうすると、この政治的道義的責任ありと断定して国会が資料を提供させたこれらの問題について、国会としては決着をつけなけりゃいかぬ、その決着をつけるに当たって必要な資料は当然に提供されなければならぬと思うのであります。そうしなければ、これらの人たちの人権を本当に守ることはできない。事実があるならば守るべき人権は存在しないんであります。事実は事実として明らかにしなければならない。その事実は事実として明らかにするということは、この両院の決議並びに三木総理大臣がフォード大統領にあてた政府首班としての書簡によっても、これらのものは一切隠蔽さるべきでないという立場が貫かれておるのであります。だから、そういう点について国会の要請があれば、法務省としては積極的に御協力をいただけるものと解してよろしゅうございますか。——法務大臣、いやいや法務大臣に聞いている、事務当局の考えじゃない。
○政府委員(安原美穂君) その点につきましては、先般衆議院の予算委員会におきまして社会党の楢崎委員からお尋ねがございましたのでお答えをいたした次第でございますが、いま御指摘の三十ユニット関係の方々の関係の資料等は、橋本、佐藤両被告の収賄事件と密接に関連をしておる事柄でございまして、調書その他不可分のものでございますので、いまの段階において提出することはいたしかねますというお答えをしたわけでありまするが、現在もそのとおり考えておりまして、現段階においては出すわけにはいかない。これは国政調査もとより尊重いたさなければならない立場にございますが、捜査、裁判の公訴の維持ということ、これまた司法権のために必要なことでございますので、書類の保管者である検察庁といたしましては、いまの段階では調書を出すわけにはいかないというお答えをいたしたわけであります。 なお、冒頭陳述におきましても氏名は明らかにしておりませんけれども、三十ユニット関係で橋本、佐藤両名のほか五名にというのが、まさに三十ユニットの例の公表された方々の五名でございます。
○久保亘君 では、それは公判の過程において、その事実も氏名もすべて明らかにされてくるものと理解してよろしいのですか。
○政府委員(安原美穂君) 中間報告にも出ており、また冒頭陳述にも出ておりますように、橋本、佐藤両被告人の収賄の関係は、まさにこの五名の方々と不可分の関係の動機、背景において出されたものでございまするから、私の推測ではございますが、冒頭陳述の述べていることは、証拠をもって立証しようとして検察官が冒頭陳述で言ったわけでありまするから、おのずからその関係の事実の立証が行われるものと思います。
○久保亘君 公判において明らかにされてくるということは、それはそれといたしまして、しかし国会は政治的道義的責任の存在をここで明らかに宣言をした上でその資料を提出をさせたわけでありますから、当事者が政治的な名誉にかけてもこれらを完全否定されている以上、そのことに対して国会としても決着をつけざるを得ない段階にあると考えております。そのことに対して決着をつけるに当たって必要な資料の提供については、委員長において本委員会の意思を取りまとめてぜひ要求をしていただくようお願いを申し上げておきます。 最後に、すでに一部報道をされております田中角榮の収賄金に対する国税の追徴に関連をいたしまして——国税庁見えておりますか——お尋ねをいたしますが、これを単純な脱税として時効三年で処理されております理由。国民の一般的常識としては、これぐらい不正で偽りの脱税はない、当然国犯法に基づいてこれは処理されるべきものである、こう考えるのでありますが、その点について国税当局の見解を承っておきたいと思います。 なお、この収賄に対する追徴の実態についても御報告をいただきたいと思います。
○政府委員(山橋敬一郎君) お答えいたします。 田中元総理が受領をしたと言われておりますところの五億円につきましては、税務処理上必要な実態を調べた上、所要の処理を行う所存であるということを従来から国会でお答えしておるところでございますが、このほどその線に沿いまして適正に処理を行ったところでございます。 先生御指摘の、なぜそれではいわゆる脱税ということで処理をしないのかというお話でございますが、脱税犯としての告発の要否は、個々の事実の内容に即して検察当局とも協議の上判断をいたすということになるわけでございますけれども、本件につきましては、別途公訴提起をされておりますところの収賄罪の有罪が確定をいたします場合には、必要的追徴没収の定めによりまして、収受いたしました利益は全額没収追徴される、こういうこととなるわけでございまして、検察当局とも十分協議をいたしまして、逋脱犯としての告発は行わないというふうに方針を決めたわけでございます。 なお、課税の処理の個々の内容につきましては、まあ一般課税事案ということでございますので、詳細については御勘弁をひとつお願いしたいと思います。
○久保亘君 詳細な報告はできないということでしょうか。すでに報道されているところでは、その追徴の内容についてもかなり詳細な内容が明らかになっております。私は、この問題については、これらの問題について政治家の責任を国民に明らかにするという立場でも隠蔽されされるべきものではない、今後にまたこういう問題の根を——今後におけるこれらの発生の根を絶つという意味においても明確にして処理されるべきものであると考えております。したがって、国税当局としてはこの問題に対する処理を明確にすべきだと思います。 それからもう一つ、この田中角榮に対する追徴については当然不服審判を申し立ててくることが予想されるわけでありますが、この税金の確保について、差し押さえ等の措置は、一定の必要な期間を過ぎれば、もし納入されない場合には国税庁として当然に行われると思うのでありますが、そのようなお考えですか。
○政府委員(山橋敬一郎君) お答えいたします。 特別な事案であるので、その内容について具体的に中身について明らかにすべきであるという御趣旨かと思いますが、確かにそういうお考え方もあるかと思いますが、私たちの立場といたしましては、一般課税事案というものにつきましては、これはその人の身分その他にかかわらず、一般的にわれわれとしては守秘義務という観点の義務を持っておりますので、一般課税事案の中身につきまして詳細に具体的にそのお話をすることは御勘弁願いたいというふうに考えているわけでございます。 また、二番目の差し押さえその他のいわゆる徴収保全の問題でございますが、課税をいたしますれば、当然一般の人と同様に徴収保全の措置を考えるのは当然でございます。
○矢田部理君 法務大臣にお尋ねをしたいと思いますが、至る三月五日の夜、衆議院予算委員会で異例の戒告決議を受けたわけですが、法務大臣、この決議をどのように受けとめておられますか。
○国務大臣(福田一君) 両院の議長裁定がございまして、ロッキード問題の政治的道義的な追及に当たっての国政調査ということについては、刑事訴訟法の立法の趣旨を踏まえて十分に協力をしなければならないと、こういう御趣旨がありまして、その趣旨に基づいて前内閣においても協力をされたわけであります。またこの内閣においても三木内閣の方針を踏襲するということでございますから、前三木総理あるいは前稻葉法務大臣と同様の立場に立って私たちは処理をいたしておるのでありますけれども、その間におきまして、この前の衆議院のロッキード特別委員会で特に私の発言のうちでその趣旨に反するものがあると認められた。たとえば灰色の公表などということは、これはいたしませんということをはっきり言ったわけであります。これは三木さんも言っておったし、稻葉さんもこの委員会で言っておられたと私は速記録で拝承いたしております。そういう意味で、しかしあのときの衆議院のロッキード特別委員会の空気がいかにもそのようなものも含めて全部出すような、公表をして、表へ出せと、こういうような意味の感を、私がそういう受け取り方をいたしたということにおいてはっきりそれを断った。そこいらが非常に問題があったと思うのでありまして、私はその他の委員会におきましても、予算委員会におきましても、三木さんとあるいは三木内閣の方針を踏襲してやりますと、こういうことを言っておるのでございまして、いまでもその方針には変わりはございません。
○矢田部理君 そこでその決議の前提となった法務大臣発言等について確かめておきたいし、その後の取り消し、撤回の状況等についても確認をしておきたいわけでありますが、法務大臣としては、衆議院のロッキード特別委員会が公表する必要ありと判断をして公表した措置は誤っていたと、間違いだったと、こういう認識でしょうか。
○国務大臣(福田一君) 衆議院のロッキード特別委員会において公表したとは考えておりません。
○矢田部理君 法務省から、いわゆる灰色高官三十ユニット分についての資料が提供されて、それを基礎にして衆議院のロッキード委員会は五名の氏名を明らかにしましたね。この措置が誤りであった、適切でなかったという判断ですかと聞いているんです。
○国務大臣(福田一君) 資料として秘密会で提供をしたというのが法務省の立場であったと考えております。
○矢田部理君 それは結構ですが、それを受けて衆議院のロ特が氏名等を明らかにした措置は誤りだったという判断なのかと。
○国務大臣(福田一君) 国会においてお決めになることについては、これはわれわれ政府が国会の立場を尊重していかなければなりませんから、誤りであるとは申しておりません。これは、それについては私は異議がないということを言っておるわけであります。
○矢田部理君 五名の氏名等を公表したのは誤りではなく、それについては異議がないという態度であったと。 もう一つ、発表の手続について何らかの問題があったというふうに考えておられるのでしょうか。
○国務大臣(福田一君) 誤りがあったと言うと間違いになると思うのでございます。法務省はその場合においても資料は提供いたしますが、その資料については国会の責任において十分にその審議をなされまして、そして国会の責任においてこれは発表されるという手続をとっていただきたいと、まあこういう強い要望をいたしておったことは前の稻葉法務大臣も同様の趣旨のことを新聞記者会見等々においても述べられておりますし、そういう意味合いであったと思うのであります。それがまあ直に公表されたと同じような形になったような印象をわれわれは受けておるのでございまして、その間における間違いといいますか、受け取り方が違っておったと、こういうことだと私は理解をいたしております。
○矢田部理君 ちょっと明確にしてほしいのですが、法務省が資料を提供した、その提供した資料をもとにして十分な審議を尽くしてほしいというのが願いだったと、そういう願いに衆議院のロ特はこたえずに、つまり十分な審議をせずに公表してしまった、だから、法務省の出した趣旨とは違う、手続上問題があると、こういう態度なんですか。——いや、法務大臣ですよ、法務大臣の発言について言っているわけですから。いや、ちょっと待ってくださいあなたの態度が問題にされているんじゃなくて、法務大臣の態度が問題にされている。
○委員長(大谷藤之助君) 安原刑事局長。
○矢田部理君 ちょっと委員長、勝手に変えないでください。法務大臣の発言に関連して、その態度、考え方を聞いているわけですから。
○委員長(大谷藤之助君) 当時のいきさつもあるようですから、安原刑事局長答え、その上にまた法務大臣の見解も重ねて求めるということでいいんじゃないですか。
○矢田部理君 いや、委員長待ってください。当時のいきさつを聞いてるんじゃないですよ。今回、法務大臣が安原刑事局長の答弁を越えて、押しのけて独自の発言をしておられる。その発言の根拠、問題点をもう一回私はしかと確かめておきたいので伺っているんで、刑事局長をもって代弁せしめ得るものではないというふうに思いますので、大臣から答弁求めます。
○国務大臣(福田一君) 当時の事情をまず刑事局長から答弁をいたさせます。
○矢田部理君 当時の事情なんか聞いてませんよ。
○政府委員(安原美穂君) その点につきましては、矢田部委員の御質問にもいつかお答えしたことがございますし、衆議院でも楢崎委員の御質問に対してお答えをしたわけでありまするが、要するに、たびたび申し上げておりますように、検察当局としては灰色高官、いわゆる灰色高官の氏名をみずからの責任において発表するわけにはいかないと、しかし、国会において灰色の基準をお決めになって協力せよとおっしゃれば、議長裁定の趣旨を踏んまえて、この際、刑事訴訟法四十七条のただし書きの公益上の必要があって、相当と認められる場合ということに該当するやり方として、秘密会に御判断の資料は提供いたします。つまり灰色であるかどうかの判断は最終的には国会で御判断いただく資料を提供いたしますからということを申し上げるとともに、そういう資料の取り扱いについては、刑事訴訟法四十七条は直接には国会御当局を拘束するものではないにしても、法治国家としては四十七条の趣旨にのっとって慎重な取り扱いをお願いしたい、つまりはそれを資料といたされまして十分に事実の真否を確かめた上で事実の在否と公表の可否は国会の御当局で御判断いただきたいことでございまして、われわれが介入することではないが、希望としては秘密会をお願いする趣旨からいってさような取り扱いをお願いしたいと存じますというようなことを数回申し上げてきたのが過去の経緯でございます。
○矢田部理君 そんな経緯を聞いているんじゃないんだ、私は。そういう法務省の要請にこたえて十分な審議をすることなく衆議院のロ特は氏名等を公表したと、したがって、手続上問題があると、こういう見解に立っているのかと、こう聞いているんですよ。後段の質問なんですから、前段の経過は聞いていないのです。
○国務大臣(福田一君) 私は法務省として希望を述べておったと、その希望を述べておったのでありますけれども、これがまあ直に公表されたような形になったということではわれわれの希望は入れられなかったと、しかし、たとえ希望は入れられなくても院でお決めになることについては、私たちはこれを不法とか不当とか申し上げることはできないと、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
○矢田部理君 何か十分な審議をしなかったのみならず議決もしないで表に出してしまった、公表したということまで問題にされているようですが、そういう認識ですか。
○国務大臣(福田一君) 重ねて申し上げますが、ただいま刑事局長が申し上げたような希望を持っておったということでございます。その希望はまあ入れられておらなかったのではないかと、かように私は申しておるのでございますから、行政府が立法府に対して希望を述べたからといって、これは不当だとは私は考えておりません。しかし、希望があったということだけは御認識を賜りたいということを申し上げておるのでございます。
○矢田部理君 そこで、次の質問でありますが、そういう希望に衆議院のロ特は沿わなかったから今後資料はロ特に出す意思はないと、出せません、これははっきり明言しておきますと、こういう衆議院ロ特の答弁になったわけでしょうか。
○国務大臣(福田一君) 私の申し上げたことは、灰色高官の公表についてはという前提がございます。ひとつ速記録をお読みいただきたいのですが、その公表についてはこれはいたしませんと、こういうことを申し上げたのでありまして、資料の提供は一切お断りするということを言ったわけではございません。
○矢田部理君 公表について法務省は公表せいという議論じゃないでしょう、ここは。つまり法務省が公表してもらっては——外にロッキード特別委員会が出さないという約束で、そこで法務省は秘密会に提供したのに、これ読んでごらんなさい。外に出してしまったから、こういうものを今後出せと言われても出す意思はありませんと、こういうふうに言っているわけですよ、議事録そのものは。この発言はあなたは撤回をしたんですか、取り消したんですか。
○国務大臣(福田一君) いま矢田部さんがおっしゃったような意味で私が一切資料も出さないというような意味の発言をしたとすれば、これは三木内閣の方針とも違うんでございますから、その意味で私は取り消しということを申し上げておるのであります。
○矢田部理君 そうすると、このロッキード特別委員会、衆議院でありますが、における法務大臣の発言は間違いであった。したがって、取り消し、撤回をしたんだと、こういうふうに伺ってよろしゅうございますか。
○国務大臣(福田一君) 資料の提供はいたしますと。したがって、私の発言が、資料の提供までも拒むような発言になっておったならば、これを取り消しいたしますと、こういうふうに申し上げておるのであります。
○矢田部理君 そうすると、今後の問題としては、従前どおりいろいろ条件がついていること自体も私たちは問題が残るというふうには思うわけでありますが、秘密会でロ特が資料を出してほしいと要請をすれば協力をするにやぶさかでない。その出された資料に基づいて、ロッキード特別委員会独自の判断でさらに国民に公表するかどうかは、ロッキード委員会自体の問題で、政府が容喙すべき問題ではない、こういうふうに受け取ってよろしゅございますか。
○国務大臣(福田一君) ただいま仰せになったとおりでございます。ただ、私は秘密会でという希望を持っておるという点を申し上げておるのでございます。秘密会で出しますという、その秘密という言葉の意味にもなると思いますけれども、十分そういう点も御配慮を願いたいということを言っておるのであります。私は、しかしそれだからと言って国会において独自の判断でおやりになったことをとやかく申し上げる権限はないと、こう言っておるのであります。
○矢田部理君 そこで次の質問をしたいと思いますが、先ほども久保委員が触れましたように、三十ユニット分の捜査資料については公判で使用する可能性がある。橋本、佐藤らの公判と証拠上不可分のものであるから出せないんだという趣旨のことを述べられました。従前は捜査の秘密とか、人権とかいうことを問題にされておったようでありますが、事実上捜査は終わって公判段階に入ってきた。今度は、公判を盾に出さないという言い方に変わってきているようでありますが、公判で使用するということになるとどうして出せないんですか。四十七条ただし書きは、公判で使用すると否とを問わず、公益上の必要があり、かつ相当と認めたときは出せるという規定でしょう。公判前でも出せるという規定でしょう。当然に公判だから、公判で使うんだから出せないんだという説明だけではきわめて不十分なんだ。具体的に公判にどういう支障がある、どういう問題があるかということをより説得的に説明をしなきゃいかぬということと、仮に公判上の支障が生じたとしても、公益上の必要なりが上回れば、相当性の判断という問題が残りますけれども、これは出せない性質のものではない。その点、安原刑事局長の答弁はきわめて不正確、不十分、当を得ていないと思うわけでありますが、どうでしょうか。
○政府委員(安原美穂君) もう矢田部委員は御専門でございまするから、四十七条が本文において守ろうとする法益が何であるかは、御承知のとおり、人権の保護、それから捜査、裁判への不当な影響の防止ということが公判前における書類の公開を禁じておる趣旨でございます。そして、御指摘のように、それであっても国政調査その他公益上の必要があって相当である、つまりそういう四十七条本文の守ろうとする法益にまさる法益があるとすれば、それは公にしてもよろしいんだというのが四十七条のたてまえでございまして、先ほど来私が申し上げておるのは、本文の法益でございます。公判前に証拠書類として出そうとするものの書類の内容がほかの場所で公になるということは、それは裁判官に対して恐らくは予断を与えるであろうし、それから被告人側に証拠隠滅の機会を与えるということもあろうというようなことから、それは広い意味での公判に対する不当な影響の防止、公訴の維持という法益の保護ということが、国政上の調査の必要はわかりまするけれども、なお司法の利益が優先するという判断を検察官としてはしておる。そしてこの判断権は、何と申しましても書類の保管者である検察官の判断が優先するものだというふうに考えておる次第でございます。
○矢田部理君 そういう議論、一般論を述べておったら、ただし書きが適用される余地というのはまずないんじゃありませんか。予断を与える——これは予断を与えるかどうかは問題ですよ。マスコミでこれだけロッキード情報は報道されているわけです。そんな情報に裁判所は一々予断を持っちゃいかぬのです。裁判官というのは公判廷にあらわれた証拠に基づいてのみ判断をすべきことなんであって、公判外のあれこれの事情に影響されないというのがこれは裁判の基本的な裁判官としての立場であり、態度でなきゃならぬわけでありますから、一般的に表に出れば予断を与えるんだという議論が通用するとすれば、四十七条ただし書きは実際上は使われない法律、こういうことになってしまう。問題は価値判断の問題ですよ。つまり、この国政調査の必要、ロッキード疑獄解明の重要性、その価値をどう見るかと、そこにすべてがかかっていると考えるのが常識なんで、単に公判に出す必要だとか、表に出れば裁判に予断を与えるというのはきわめて一般論じゃありませんか。その議論が通用するなら、ただし書きの適用の余地は全くなくなってしまう、こういうことになりはしませんか。
○政府委員(安原美穂君) 四十七条ただし書きを適用する場合であるという判断をしたから秘密会にいわゆる五名の方々の名前をお知らせし、それの認定の根拠を明らかにしたわけであります。四十七条ただし書きは現にこの国政調査に生きて働いておるわけでございます。 それから、なるほど情報、新聞、雑誌の報道等に職業裁判官が惑わされるという意味での予断のおそれは、私は、わが国の職業裁判官についてはないと思いまするけれども、いまお尋ねの調書のような内容、将来法廷に提出される可能性の十分にある調書とか、証人になりそうな人の証言の内容というようなものは、職業裁判官に対してでも予断を与えるおそれがあると私どもは考えておりますし、なおこの調書はまだ弁護人の側にも開示をしていない調書でございまするから、そのものが公開の委員会に提出されますならば、関係人において証拠隠滅をはかられるおそれがある、ひいてすべて公判の維持に不当な影響があるということでございます。そして、なるほど矢田部委員のおっしゃるように価値判断でございますが、この場合に判断権は書類の保管者である検察官にあるということは紛れもない当然の法律の解釈の帰結でございます。
○矢田部理君 時間がありませんので、この点の論議は留保して、あと一、二点だけ最後に質問しておきたいと思いますが、一つは四十八年から五十年にかけての国会議員の海外渡航者名簿、資料が入管局にあろうかと思いますが、その日付や渡航先等々を含めて出してほしい。 それから、それが非常に量が多くて出しにくい、作業が大変だということであるならば、問題になっている元政務次官であるとか、運輸委員という肩書きの人たちの渡航状況の資料でも結構だと思いますが、この点どうか。海外渡航者リスト等についてはすでに小佐野、コーチャン、趙重勲などについては出しているわけでありますから、少なくとも秘密ではないはずでありまして、出せない性質のものではないと考えますが、この点どうか。どうしても出せないとすれば、私の方から個々の名前を挙げればその人については出せるのかどうか。その点を含めて答弁をいただきたい。これは理事会でもいま議論しておりますが、理事会で要請すれば出してもらいたいと思いますので、その点の答弁をお願いしたいと思います。 それから、もう一点だけ、時間が来ておりますから簡単に質問しておきますが、PXLについての捜査概況です。全体として第二次中間報告でも、参考人の数とか、押収捜索場所とか、押収物件とかということで点数を、あるいは数を挙げられておられますが、これはPXL関係の捜査も含んでいるのか。含んでいるとすれば、PXL関係で調べた参考人等は何人であったのか。集めた資料は何点であったのか。さらに、PXL関係については、当然のことながら後藤田、相澤氏などの取り調べを必要とする、少なくとも事情聴取はあったと思われるが、その点一体どうなっているのか。さらには、PXL関係で集めた資料——容疑の線は浮かんでいないということであるならば、人権の問題も起こらないはずでありますから、その関係の資料をぜひ国会の国政調査に資するために提出をしていただきたい。 以上、二点について質問して終わります。
○国務大臣(福田一君) 渡航者の問題につきましては、きょう、いま入管局長を御要望かなくて呼んでありませんから、後刻よく聞いた上でお答えをさしていただきたいと思います。
○矢田部理君 秘密じゃないんでしょう、入管資料は。
○国務大臣(福田一君) 秘密でないと思います。
○矢田部理君 それじゃ出せるはずですね。
○国務大臣(福田一君) それはまだ、大変膨大な数ですから、そう簡単に私がここでお受けする……
○矢田部理君 でも、私は段階を幾つか追ってお願いをしているんで……
○政府委員(安原美穂君) 中間報告にも出ておりますように、官庁関係者ということで五十人を取り調べておるという中に含まれておりまするが、PXL関係が幾らで運輸省関係が幾らという数字までは詳細に把握しておりません。これは別に秘密じゃございません。把握しておらないから申し上げるわけにいかぬということであります。 それから、資料の問題でございますが、児玉譽士夫の関係で押収しておるものは、児玉譽士夫はPXLの関係についても手数料の契約をしておる、顧問料ですか、そういう契約をしておるというようなことがありまするから、PXL関係だけの資料というものがどれだけあるかは、私ども不可分のものもあろうかと思いますので、点数別に分けるということも調べればわかることでございますが、いまわかりません。 それから、それを出せるかどうかということにつきましても、いま直ちに私では判断いたしかねます。結局、四十七条の精神にかんがみて、検察当局がどういう判断をするかということでございますので、十分に当局と協議いたしましてお答えを申し上げたいと思います。
○矢田部理君 じゃ、念のために伺っておきますが、いまだ把握をしていないので、これはトライスター関係、これはPXL関係、これはどのルートということまでの内容は出せないが、それは秘密でも何でもないので、いずれ正確にして明らかにすると、こういう趣旨に伺ってよろしゅうございますか。 それから、PXL関係で集めた資料等の提出要求については検討させてほしいと、こういうことですね。その確認だけで結構です。出す方向で検討してほしいと思います。
○政府委員(安原美穂君) 秘密でも何でもないがというのはやや誇張でございまして、やはり検察がどれだけのものを調べ、どれだけの人を調べ、どれだけのものを押収したかということ自体、やはり全然オープンにしていいことであるかどうかは若干問題はあると思いますけれども、せっかくの国政調査に御協力するという意味において、わかる範囲においてお知らせをしたいと、かように考えておるということでございますし、証拠書類等の提出につきましても、四十七条との関係で、そう容易なことではないと思いまするが、検察当局が判断者でございますので、よく検討するようにお願いをしておきたいと思います。
○矢田部理君 以上で終わります。
○秦野章君 最初に、法務大臣の報告に関連して二、三お聞きしたいと思います。 まず第一は、児玉、小佐野の病状ですね。これは確認をしておられるわけだと思うんだけれども、確認の方法といいますかね、確認の方法、これは刑事局長で結構ですから、児玉、小佐野の病状の確認の手段、方法ね。なぜそんなことを聞くかというと、二、三日前にアメリカの週刊誌のニューヨーカーの記者が来て、児玉という人はもう大方治って町を歩き回っているそうだがどうかと言って私のところへ聞きに来た。私はそんなことを知りませんから、そんなことはないだろう。ひとつ検察庁も、国会でも、前に国会がみずから選んだ医者で診断をしてもらったりしているからということを聞いたんですけれども、この病状の確認、客観的な手段で確認をしておられると思うんだけれども、この二人についてそのことをちょっと最初にお聞きしたいと思います。
○政府委員(安原美穂君) 児玉、小佐野の病状につきましては、国会でも御指摘がございましたが、従来この主治医であられる、児玉につきましては喜多村孝一医師、それから小佐野につきましては順天堂の北村和夫医師、山口三郎医師といういわゆる主治医の方々の診断によりまして、それを検察当局としても信頼すべきものとの判断の上で、勾留、拘禁等には耐えられない、長時間の取り調べに耐えられないということを判断してきたわけでありまするが、御指摘のように、いろいろ病状ということが、いろいろな意味で、何と申しますか、疑惑の対象になっておるという事実もございましたので、できる限りやはりそれを客観的に裏づけるというか、裏づけるか裏づけないか、いずれにしてももう別の医者に見せるということも必要であろうということで、いわゆる病状の確認の方法といたしましては、当国会から証人喚問のときに診察に当たられました東京慈恵会医科大学の上田泰医師らに児玉、小佐野の病状についても診断をしてもらいました結果、全くこの喜多村医師あるいは山口医師の判断と一致しておったというのがこれまでの確認の方法でございました。 〔委員長退席、理事平井卓志君着席〕 それから、現在、いま秦野委員御指摘のように、児玉の病状はどうなっているかということにつきましては、最近の診断の結果によりますると、脳血栓による脳梗塞後遺症であり、現在の病状は従前に比して好転はしてきつつあるということでありまするが、依然としてまだそんなに外に出歩くというような病状ではないということでございます。
○秦野章君 その次は、米国の証券取引委員会の調査結果の報告というのがいつあるかという問題、先ほど五月ごろというお話がありましたけれども、この通報というか、この報告が五月なら五月に来るということの確認の具体的な方法という二のはどういうことでおやりになっていますか。
○政府委員(安原美穂君) 結論的には、ニュースソースは外務省在外公館からの情報の提供でございます。 内容でございますが、御案内のとおり、ロッキード社に設けられました特別調査委員会から米国の証券取引委員会に対しまして行われる調査結果の報告は、ただいま本年の三月三十一日までにこのロッキード社に設けられた調査委員会からロッキード社の役員会に報告書が提出されて、その後一カ月ぐらいの間にロッキード社から証券取引委員会に提出されるとのことでございまして、これが報告書が公開されるのは恐らく、今後何らかの予定の変更のない限り五月一日以降であろうということの情報を得ております。
○秦野章君 その次に、法務大臣の報告に関連するんですけれども、やはりこの種事犯の再発防止の対策につきまして、刑法の収賄罪の法定刑の引き上げが論議になってるわけですね。これは自民党もいま法務部で結論は出していないかと思うんだけれども、いずれにしてもこういう方向で政府も検討しておられると思うんだけれども、三年を五年にするとか、五年を七年にするとか、そういうような方向で検討されるんだと思うんだけれども、この再発防止ということについて、刑罰を引き上げるということはわからぬではない。一つの方法かもしれない。しかし、新しく罪をつくって刑罰を適用する、あるいは刑罰を引き上げるということで犯罪の再発がどの程度防止できるかということがちょっと疑問な点があるんですよね。これ、三年を五年にしたらこういうものがなくなるんだということは多分余りないだろうという感じもする。しかし、ないよりはあった方がいいということになるのか、その辺はちょっと疑問なんだけれども、これは大臣もすべて御案内のとおり、刑法の改正というものは全体の体系の中ですでに長年にわたって論議をされ、やがて国会の問題に登場してくると思うんですけれども、この分だけをちょっとつまみ食いしていこうという発想は、政府としても現在お持ちなわけでしょうか。
○国務大臣(福田一君) 実はロッキード問題につきましては、再発防止について、福田総理を初め法務大臣の私もでありますけれども、何かひとついい工夫がないかということで、内閣官房を中心にいたしまして、いまいろいろ調べをいたしておるのが現実の事実でございます。私の方といたしましては、法務省といたしましては、いま御指摘があったように、刑法の改正というのは四年前にもう案ができておるんでありますが、今日までなお行われておらないというにはいろいろの経緯がございます。そこで、収賄罪の刑を引き上げるということによって時効の時期も引き上げられるということになります。そうすれば、そのいま御指摘のように何がしか犯罪防止に役立つ、また取り調べにも役立つのではないかというような点も含めて、さしあたりこれをやっていただきたいということを申し上げました。実は自民党の法務部会においては了承を得ておるわけでございますが、これについてまた執行猶予期間中の者が立候補するとか、選挙活動、政治活動をするというのはおかしいじゃないかという議論も出まして、これはまた法務省、私の担当ではございませんので、自治省を中心にして研究をしていただいておる。それから許認可事項の問題は、これはいろいろ問題がございますので、運輸省関係で調査をしていただいておると私は思っております。どのようなやり方をされるかということはまだ聞いておりませんが、どうしたらいいかということで調査を進めておられるということは承っておるのであります。そのほか何かこの再発防止についていいことはないかということになりますと、たとえば日米犯罪人引渡条約というのがございます。その引渡条約に新しい引き渡しの要件として何かつけ加えて、こういうふうな事件が起きたときに、あのような協定を結ばないでも本人を日本へ呼んで取り調べができるようなことができないかというようなことも、いま一つの課題としてただいま外務省が中心になって検討をいたしておるということでございます。いろいろあるんですけれども、なかなか実はいい知恵が余り出ないのでございますが、これは私は政治家というもの、この問題の根本は政治家が姿勢を正すということであり、そしてまた一般法律で問題を処理するというよりは、これは私これまた意見を述べておしかりを受けるかもしれないんで、困るのですけれども、私はやはり議員がこういうことをしてはいけないんだというような議員同士の一つの、あるいは議員の特別立法があるとか、何かそういうようなこともひとつ考えていただくのがいいんではないかというふうな考えも持っておりますけれども、いずれにしてもこれは院の問題としてお考えが願えれば非常に幸いである、まあ私はそのような感想も抱いておるわけであります。
○秦野章君 やはりなんですね、再発を防止するというその一つの対策として刑罰を引き上げたり、処罰規定をつくるということが先行することは、実は後進国的発想だと思うんですよね。やっぱりそれ以前の問題があるんだと。それ以前には、だから国会で法律をつくったらいろいろあるのかというと、やっぱり法律主義だけでもない。うまい法律がありゃ法律をつくってもいいかもわからぬけれども、何かやっぱりそういう問題ではない問題が非常にあるんで、それらのところはひとつ法務省としても自分のところがしょえる問題ではないんだという私は姿勢も必要だろうと思うんですよね。まあ大変よけいなことのようでございますけれども、そういう感じがいたします。 それから、いまお話のあった、この報告にもある「日米犯罪人引渡条約の改正を図りたい」と、これは「再発防止対策の一環としてそれ相当の貢献をなすものと考えます。」と、これが実現すれば。こう書いてあるんですけれどもね。この犯罪人引渡条約の改正というものを、大体輪郭としてどんなようなことを改正したら相当貢献するというふうにお考えになっているのか、その辺のところをちょっと聞きたいと思います。
○政府委員(安原美穂君) 日米犯罪人引渡条約は明治十九年に締結されまして、同じ三十九年に一部改正がなされたのみで今日に至っておりまして、いわゆる引き渡しする犯罪の種類が非常に限定されておりますので、今日相当頻発しておりますたとえばハイジャックのような逮捕監禁とかいうような罪については引き渡しの対象になっていない。それから、今度のロッキード事件では、関係から言いますと、贈収賄という罪が引き渡しの対象になっていないというようなことで、罪種が、今日のように交通が頻繁になっておるに比較しまして非常に限定されておるので、そういうように贈収賄を含めて罪種、引き渡しをする罪の種類を広げれば、いわゆる捜査、裁判に非常に益するんではないかということを考えておるというのが一番大きなねらいでございます。そのほかはいわゆる刑法の国外犯、日本国内で起こされた罪でなくて日本国外の罪でも刑法の対象になるという罪がございますが、こういうものについても引き渡しを求めることができないかと、あるいは自国民の不引き渡しの原則というのが国際法上は原則になっておりますが、こういうことについても、双方で引き渡しができることが自由裁量でできるような約束をはっきりさせていきたいというようなことが主なねらいでございます。
○秦野章君 犯罪人引渡条約というのはどこの国とも結んでいるわけではないわけで、日本とアメリカの条約の問題で、日本とアメリカは交流も深いし、それから国柄もある程度制度その他が似たようなものだから、こういう条約を結んだその中身を広げるということはある程度効果的だろうと思うんですけれども、この内容を広げる場合にどういう罪を入れるかということは、これはやっぱりお互いに独立国で風土が違い、歴史が違い、国民感情も違うわけですから、よほどこれ慎重にやらなきゃいかぬと思うんですけれどもね。行政犯はこの中に入れるかどうか。たとえば為替管理法だとか何とかという行政犯がいっぱいありますね。これはどういうふうに考えておられますか。
○政府委員(安原美穂君) 秦野委員御指摘のように、とにかく条約を結びますと、引き渡し犯罪につきましては、わが国の主権を行使して、それを拘禁して引き渡すというようなことでございまするから、おっしゃるとおり、どういう罪のものを引き渡しの犯罪にするかということはきわめて重大な問題でございます。そしていま御指摘の外為法違反などのような場合、入れるかどうか、これはいまだ交渉中でございまして、結論を得ておりません。
○秦野章君 私は今度の、誤解があってはいけませんが、ロッキード事件というものは究明をまともにやらなきゃいかぬと思うのですね。真っ当にやらなきゃいかぬ。これはもう当然のことだと思うけれども、そのロッキード事件に、この起きたということに関連して、あんまりあわてふためいて条約、法律をいじくるというような結果になることを私はちょっと心配する。なぜならば条約にしても、たとえば行政犯を、仮に折衝中だと言うけれども、行政犯というのは時の流れとともに変わるわけですよね、変化するわけですよ。一遍条約を結んで相手国との関係でそれを一つの守っていかなきゃならぬということにする場合には、その辺のところもやっぱり考慮しなきゃならぬだろうと思うんですね。それから犯罪の種類にしましても、さっき申し上げましたけれども、これよほど慎重にやらぬと、大体その一国の犯罪というものは属地主義といいますか、その国が自分のところで片づけると、どうにもこれはハイジャックのようにやっぱりよその国の協力を得なければならぬであろうという、世界人類が納得するというようなものに限定されるんだろうと思うんですね。それはもうやむを得ないことではないかという感じがしますので、これは意見として申し上げておきたいと思うのでございます。 以上、この報告について二、三の点を伺ったわけでございますけれども、なお関連して、報告そのものではございませんけれども、まず一つは、公職選挙法の中に公民権停止の問題があるわけですよ。これは自治省の問題になりますけれども、この公民権を、犯罪を犯して有罪の判決を受けた、それが確定したという場合に、公民権を停止する、どの部分を停止し、どの部分を停止しないかという問題は、公職選挙法ができたときに、それ以前と以後とが違っていったような話ですが、その辺のところちょっと説明してくれませんか。
○政府委員(佐藤順一君) お答え申し上げます。 選挙犯罪を除く一般犯罪により選挙権、被選挙権を有しない者の範囲から執行猶予中の者を除きましたのは、昭和二十五年公職選挙法制定以来のことでございます。それまではどうであったかと申しますと、昭和二十二年の衆議院議員選挙法の改正によりまして、それまでの制度よりも、国民の参政権の拡大の一環といたしまして、いわゆる刑余者が欠格者の範囲から除外をされたのでございますが、なお執行猶予中の者は依然として欠格者のままとされておったものでございます。それではそれよりももっと前はどうであったかと申しますと、戦前におきましては、六年以上の懲役または禁錮に処せられた者は終身公民権を停止されておった。そしてまた刑法犯のうち特定の犯罪を犯した者で六年未満の懲役に処せられた者は、その刑期の二倍に相当する期間公民権が停止されておったものであります。このように見てまいりますと、戦前はこのように非常に選挙権、被選挙権の停止の範囲が広かった。それを昭和二十二年、衆議院議員の選挙法の改正に当たりまして、参政権拡大の一環といたしましてこれを緩やかにした。しかしなお、執行猶予中の者については、依然として欠格者のままとなっておった。これをさらに、昭和二十五年の公職選挙法の制定の際に現行法のようにいたした、このような歴史を持っている次第でございます。
○秦野章君 いま議論になっておりますのは、贈収罪で、たとえば執行猶予になったら、これまた公民権停止にした方がいいんじゃないかという意見がかなり有力のように思うのでございます。その機会にやっぱりこの問題にさわるときに、たとえば贈収賄ならば執行猶予で公民権停止になる。強盗とか人殺しをやっても、執行猶予ならこういうのは公民権停止にならぬと。それは確かに参政権と強盗や殺人は関係が薄いかもしれぬ。参政権じゃないのだけれども、参政権だということにこだわってものを考えますと、何かこの日本の社会を構成する、社会参加は全部しているわけですから、その辺が多少問題じゃないかと思う。私は公民権に対して大変結構だ、贈収賄結構だけれども、贈収賄だけをいま何かやるというようなことじゃなくて、もっと広くやっぱり検討した方がいいんじゃないかと。確かに参政権の拡大ということは大事でありますけれども、同時に、しかし選挙も、やはり量も大事だが質も大事だということを考えていかなければならぬ時期にきている、質をやっぱり重視していくという、そういうまあ一種の戦後民主主義社会の発展の経過の中で、そういう角度が重視されてきておりますから、そういう意味においては参政権をそれでは縮小するじゃないかという議論はたぶん出ないのじゃないかと、これは私はそう思うんですが、こういう考え方に対してはどうですかな、選挙部長。
○政府委員(佐藤順一君) お答え申し上げます。 ただいま私説明の中で、参政権と一くくりに申しましたが、御指摘のとおり、選挙権は参政権、権利でございますけれども、被選挙権は、権とは申しておりますけれども、これはむしろ権利ではなくて権利能力である、被選資格であるというふうに学説上も言われておりますので、この点は御指摘のとおりでありまして、いろいろと論議ができると思います。したがいまして、本問題を検討していきます場合に、一体停止する対象は、選挙権、被選挙権ともなのか、いずれも停止するのか、それとも被選挙権だけに限るかとか、あるいは罪の範囲をどうするかとか、あるいは行為をした人の範囲をどう考えるかなど、いろいろと問題点があるわけでございます。
○秦野章君 その問題点があるという中で、私が言ったような考え方というものをあなたたちはどう思っているかということをちょっと意見を聞きたいんだ。
○政府委員(佐藤順一君) お答え申し上げます。 この罪の範囲をどこまでと考えるかということは非常にむずかしい問題でございます。まさにこれがこの問題の検討事項であると思う次第でございます。
○秦野章君 そういう意見があることはよくひとつ大臣にも伝えてもらって、やはりこういう機会に一遍洗い直して、戦後の公職選挙法の改正のときの問題を考えてもらうという——ロッキードだけ考えるというのはちょっと情けないような気もするんでちょっと申し上げているわけです。 それから最後に、いろいろいままで質問が出ました問題なんだけれども、これ、大臣、例の公表問題というものはまあずいぶんこれやっさもっさやってきたわけですよね。私はロッキード事件でずっと初めから出ておったんですけれども、三木内閣のときに、アメリカから資料を持ってきたら全部公表するんだというような発想から、公表問題というものがきわめて安易に公表されるという印象を一般に与えたことは事実ですね。そしてその後、起訴、不起訴の問題、捜査の問題に入っていって、具体的に捜査に入っていった中で、いわゆる灰色高官という問題が出てきた。これもできるだけやっぱり公表するんだという発想がちょっとあったんですよ。記者会見その他、これ記録見るとわかるんですけれどもね。そこで私は、委員会で一遍三木さんに質問したことがあるんです。公表できるとおっしゃるならしたらどうですかと言ったんですよ。そうでないとうそになっちゃうから。ところが、私の質問の趣旨というものは、一体そうおっしゃるように簡単にできるのであろうかという実は気持ちも一方においてあるわけです。といいますのは、この刑事制度というものを考えてみますと、そう簡単ではないということはだれでもわかると思うんですけれども、この問題をちょっと私は論議したいんです。論議をしたい。 刑事訴訟法の四十七条というのは、不起訴の処分という問題は、不起訴処分の内容を公表するとかしないとかという問題と直接は関係ないんでしょうな。どうでしょう、これ。
○政府委員(安原美穂君) 刑事訴訟法の四十七条は公判開廷前に訴訟に関する書類は公にしてはならぬということになっておりますので、結局不起訴処分にしたというような場合にも、訴訟に関する書類の問題は内容を公にしてはいかぬということですから、不起訴処分にした場合においても、それは書類という形で内容になっておるわけでありまするから、そういうことについても四十七条の規定はかぶるんだというふうに私ども考えておるわけであります。
○秦野章君 それじゃ不起訴の場合も四十七条がかぶるということだということならば、こういう問題があると思うんですね。起訴の場合だったら公判維持の上でもって非常に問題があるということが言えると思う。で、不起訴の場合は公判がないんですから、もっぱら人権になるわけですね。起訴の場合は人権と公判と、あるいは両方かもしらぬ。不起訴の場合は恐らく私は人権の問題だと思うんですけれども、それ以外に何かありますか。
○政府委員(安原美穂君) 不起訴の場合にそれが単独なものでありますれば、人権の問題ということが大きくクローズアップされますとともに、やはり不起訴の内容の公表の仕方によっては、いわば捜査密行ということで、協力してくれた者に対して、何でもそれが公になるということでは捜査に協力できないという意味において、将来の捜査あるいは検察運営に支障を生ずるというようなマイナス面もあるということが言えますが、さらに不起訴の場合でも、今度の三十ユニットというようなことになりますると、同じ動機、背景から出てきて、片一方は、不起訴になり、片一方は起訴になっているというような場合におきましては、不起訴の中身について資料等を明らかにすることは、ある意味じゃ公判に影響するというようなことにもなるというので、いわばケース・バイ・ケースで、四十七条は保護しようとする人権と捜査、裁判への影響ということの法益に支障を生ずる場合が不起訴の場合にも出てくるということだと思います。
○秦野章君 確かにおっしゃるとおりだと私は思います。そこで、人権とか捜査を担保するためにできているということはそうなんだけれども、ひとつ人権の問題を取り上げて考えた場合に、不起訴処分で人権の問題を考えた場合に、いわゆる今度の灰色高官なんかの例を見てみますというと、灰色高官で不起訴処分になった者について公表された者が、わしはもらっておらぬ、もらっておらぬといったような場合に、人権じゅうりんだといったような場合に、これを救済する手段がない。救済する手段がないようなことは、これは人を殺したり、強盗しても、やっぱり救済手段はあるんで、民主的な制度というものは必ず、人権の侵害と思われるようなものに対しては救済手段を考慮するというのが制度の一般的な法則だと思うんですね。ところが、まあ本人が灰色高官で認めておれば、わしはもらっておらぬと言うわけないんだけれども、全然もらったことないと、こうやっちゃっていると、これを本当にもらってないんなら確かに気の毒な話ですね。ところが、本当にもらったかもらわないかは、国会へ材料持ってきて審査すればはっきりするといってもしないんですよ、これ。まだ国会はそれだけの事実認定を権威を持ってやるようなシステムもないし——ないんですね。だからそこらに、私どもは非常に問題をどういうふうに考えていくかということでいろいろ考えているんですけれども、私は、一つはさっき刑事局長おっしゃったように、三十ユニットの問題で公判になっていけばおのずから明らかになるであろうと、こう期待をされますけれども、しかし、これも検事の立場でそうおっしゃるんであって、裁判官はまた別なんですよ。これは人権に関するから、起訴もされていないから余り触れられないみたいなことになることがないとも言えないと思うんですね、何%か。 要するに、裁判じゃなくて検事の考えというもの、検察の立場の一考えというもの、検事が調べたことは全部正しくて、一〇〇%間違いないんだという前提に立つことが、われわれ国会としてはちよっと問題がある、検事は非常に正義の味方で一生懸命やってくれた、その御苦労は感謝する、しかし、やったこと自身が全部間違いないんだ、だから検事の材料を持ってきてくれれば、そのままこれはぴしゃっと判決と同じように、国会が判こ押せば、それが不起訴処分であってもそれをごてごて言わさない、事実だよと認定する能力が私は国会にあるだろうかというと、これ、ないような気がするんですよ。だから資料をお出しになって国会が審議をする、論議をするということはあるでしょう。論議をした結果、国民から見てあんなこと言っているけれども、やっぱりもらったんかもしれぬ。どうのこうのと言うて、言うならば選挙や何かで道義的裁判をやりますわね、国民が。道義的判決は私は選挙だと思うんですよ。なぜならば、国会はその事実認定のちょっと能力を検事以上に持つということは無理だと思うんですよ。そこで私はひとつ、検事のやったことは、警察とか検事のやったことはときどき間違ったこともやるんだという前提に立たなければいけない。裁判ですらときどきやり損なうんですから。まあ裁判にいけば再審制度があって、大分もんで結論を出すからいいけれども、やっぱり検事、警察というものはそういうものなんだという前提に立ちますと、四十七条の規定というものをあんまり簡単にこれ扱っちゃいけないんで、特に不起訴処分の場合は、私はこれはまあ大臣はこの間いろいろ問題提起されましたけれども、私、気持ちがわかるような気がする。というのは、少なくともわれわれは、国会の政治家としては、検事はよくやってくれた。しかし、間違いがありゃせぬかという監視の目というものも必要なんで、両手を挙げて賛成するという、何でもいつの場合でも賛成するわけにはいかぬわけですから、そういう意味において四十七条含めて刑事制度、いまの刑事訴訟法の制度、この制度というものは、ロッキード事件というものにとらわれないで考えたときに、かなりりっぱな、捜査と人権との調整という角度からはかなりうまくできた制度だと、これは学者もそういう評価をしているわけですよ、だから、この御度を狂わせるようなことをしちゃいけない。この制度は憲法、法律がつくった、憲法、法律そのものですから、この制度は、政府はまさにこれは守っていかなきゃならない。国会が法律でもってそれを改正するんだということになってきたらこれは別ですわな。そうでない限り、制度は守るというような政府の憲法上の責任でありますわな。義務であります。 だから、そういう意味において、私はまあ野党の諸君なんかとちょっとそこが違うんだけれども、資料が、秘密会なら大丈夫だと言ったって秘密会がさっぱり秘密守れないんですよ、正直言って。この間もはっきり例を示しちゃった。そういうところがわかり切っているのに、秘密会なら出しますよなんというのは、これは政府もややごまかしなんですよ、これ。気の毒な話なんです、そもそも。私はもっとしっかり制度を守るということが実は捜査の方向を守り、人権を守るということになるのであって、制度を守ることがいかにも捜査をいいかげんにするんだということにはならないんだと思うんですね。その制度そのものに人権の保障と捜査を達成するための方法というものをうまくつくり上げて、仕組みの中に入っているんですから、 〔理事平井卓志君退席、委員長着席〕 その仕組みを守りさえすれば人権もほどほどに守れるし、捜査も達成できると、こういうまあ物の考え方でなければいけないだろう、こう思うんですよ。 そういう観点に立ちますと、灰色高官の問題については、まあ大臣のように出さないと言っちまうのはいささか問題かもしらぬが、出すこともあるが出さないこともある。それはケース・バイ・ケースだと。秘密会ならいいとか悪いとかという、そういう具体的なことまで言えるかどうか。私はちょっとそこらが疑問なんですよ。確かに灰色高官なんかで金をもらったと言って調書にでもちゃんと、不起訴処分でもはっきり言っていれば、そうしてまた、もらってるが時効になりましたとちゃんと納得してれば、これはやっぱり政治家ですから、公表した方がいいと思うのですね、常識論として。これはまさに四十七条のただし書きの適用に私ははまってくると思う。ところが、もらったこともないと言ってがんばる人は、本当にもらってないんならこれ、気の毒なんで、そういうクエスチョンマークが残ってますからね。これを救済する制度を何か開発されたのなら、政府が。この不起訴処分の中のそういう問題が起きたときにこれを救済というか、解決するという制度を別個に新しく訴訟手続の中で設定をする、そういうものを開発していくということがあるのなら、これはこれでいいと思うんです。 ところが、司法ではやらない。司法以外でどういう開発があるかということになると、やはりこれは行政の領域ですから、不起訴処分は。行政の領域だから、やっぱり行政がそういう制度を編み出すことができるであろうかどうかという問題があるんで、この辺のところは法務大臣に私は、これは私の意見だからおまえさんの意見と違うとおっしゃればそれも、その意見も伺いたいんだけれども、よほどしっかりと、制度を守るということは政府の憲法上の義務であり、議長裁定があっても、議長裁定は法律じゃありませんからね。あの趣旨にかんがみてそのニュアンスを、政府が議長裁定の趣旨をくんで解釈される程度はいいんだけれども、あれは法律じゃないんですよ。議長裁定なんです。憲法、法律から言やたかが知れているんです、正直言って。そういうような毅然たる——これは法務大臣は非常に毅然たる御姿勢をしばしば示されるけれども、行き過ぎたことはいかぬけれども、やっぱり私はそこらがいささかこのロッキード事件というのはずいぶん、徹底究明は当然のことながら、日本人なり日本文化の特徴ですけれども、大きく揺れて、こういうふうに揺れて、やっぱり揺れ過ぎちゃいけないなあという配慮もやっぱり必要なんですよね。その配慮の中にこの問題が私はあるような気がするわけであります。制度を守ることが実は人権——制度を忠実に守りさえすれば人権も守れるし、捜査も達成できるんだという、これが私は結論だと思うのです。あんまり具体的にこの灰色を出すとか出さないとかいうことでやっさもっさやっても、これは本格的な論議はお留守になっているという、そういう感じがいままでの経過から私はするわけですが、法務大臣、どうですかね、この私の所見に対して。
○国務大臣(福田一君) いま仰せになった御意見、私としては重要な参考意見として、また共鳴すべき分もあると思いますが、余りそういうあなたのおっしゃることを取り入れますと、また一体議長裁定をどう考えておったのかという御意見やら、あるいはまたいろいろその間の言葉のやりとりでもって真実が出てこない場合があるんですね、言葉のやりとりで。私はこの前の衆議院のロッキード特別委員会では、私が行政官というものは立法府でおつくりになった法律を守るのが任務でありますと、そうしてその法律を守るというのは私の任務であり、そこで、その場合に議長裁定というものがあるが、これはもうロッキード問題の解明という国民的な要望から見ればすべて明らかにするということも大事であるけれども、一体行政官として立法府でお決めになった法律以上のことをしていいのかどうかということに非常に疑問を覚えると。それからあなたのお話がございましたからですけれども、秘密ということをしばしば言っておったが、それは守れなかったということ、守っていただけなかったというような印象をわれわれは受けておるのでありますけれども、しかし、実際に秘密会なら出しますと言ったそのこと自体が、一体、政府として法律を守るという責任を十分果たしておったのかどうかということは、実は参議院の速記録であなたが盛んにその点をついておられることがありますから、十分私も理解をいたすところでありますが、しかし一方において、やはり国民が、これだけロッキード問題は大変な日本とアメリカにまたがる問題であり、また世界的な今後起きるであろう弊害を伴った一つの行為であるから、これは徹底的に究明しなければいけないという国民の要望ですね。この気持ちは私はやはり尊重してしかるべきではないかと。 まあそうしますというと、一種の妥協になるのでございますけれども、まあ秘密会で十分に審議をしていただいて、そしてその審議の結果、お出しになるのならば資料は提供いたしますということは、議長裁定という特別のことが今度行われたわけで、いまだかつてこういうことはあったわけじゃないんです。私は今後もこういうことが二度あるかどうか問題だと思っております。初めてのケースであります。そしてそれだけ重視をされておるのであるから、ひとつ何とか資料だけは提供すべきではないかと、こう法務関係が考えたこともまた無理からぬ面があると私は思っておる。その法務が考えた無理からぬ面があるのにかかわらず、私は公表しないということは言ったんですけどね。資料を出さないということは言ってないんですよ、それは。公表というのは、あのケースのうちでは、ある人の、おれは全然もらってないんだと、もらってないんだが、なぜそのもらってないのについてもっと事実を明らかにしないんだと、こういうことが実は議題になったわけです。あなたもちょっとお読みになったか、あるいはその当時の事情をお考えくださればわかるんです。おれはもらってないんだと。そうすると、質問者から言うと、もらってないと言ってるんならその人の人権を守るというのがこれは当然なことではないか。なら、その資料を出すべきじゃないか、調書も出せ、こういうことにあったわけで——ところが、結果においてそういうことになりますとなかなかここが非常にむずかしい面がございますので、私が言ったことが一種の誤解を与えたとすれば、これは取り消しをいたすべきである、こう私は申し上げておるのでございまして、その点は、あなたの御気持ちは十分わかりますけれども、ひとつ御理解をしていただきたいと思っておるわけであります。
○秦野章君 秘密会が秘密が守れないという点については、もう国会は前科一犯であります。だから、これは国会自身が痛烈なやっぱり反省というか、私はそれは必要だと思う。秘密会と言った以上は秘密を守らなきゃいけない。ところが、ついこの間前科一犯を犯したから第二犯もまた犯す可能性は非常にあるでしょうね、これ。というのは、その間の反省の措置というものはとられておりませんからね。そこで秘密会なら出すということは、漏れなきゃ出すということでしょう、国民に。漏れちまうなら出せないということでしょう。私は、これには法務大臣、やっぱり職責をかけても守るべきだと思いますよ。憲法上の制度を守るということについては天に恥じない政治家の責任だと私は思うのですね。どうかひとつ、その辺は案外細かいような問題だけども、今日の議論の中には私はやっぱりそういう筋というものを全うするという、そういうところが必ずしも出ていないような気がする。これはもう憲法、法律、特に権力機関に関する憲法、法律というものは、法治主義というものは、これは厳格に守らなきゃいけない。権力機関でない分については、まあ権力機関ほど厳格でなくても、コモンセンスというか条理というか、そういうものがかなり働いて運用されなければ、今日の複雑な先進工業国のようなところになると運用できないと思うけども、この権力機関については、権力が働くという部面については法治国の面目を遺憾なく発揮することなくしては、私は法治国たるゆえんが泣くんだろうと、こう思うわけです。したがいまして、これ以上言ってもしようがありませんけれども、その辺のところは、私は政権を持った自民党なんてものは非常に責任があると思うのですよ。これは百万人といえどもわれ行かんといったような面もなきゃいけない。そこらの点は十分ひとつ心していただいて——私はロッキード隠しなんか夢にも言っているんじゃない。やっぱりこの制度の運用ということについては、根本的な問題なら、なるほどこれはもう厳格に運用していかなければならぬ、こういう意味でいろいろ申し上げたわけでございます。まあ、これは答弁はもう結構でございます。 以上で終わります。
○塩出啓典君 二月二十四日の衆議院のロッキード事件以来今日までいろんなことがあったわけであります。きょうは参議院のロッキード委員会としては初めての委員会でございますので、原点に立ち返って私の疑問に思う点を質問をしたいと思うのであります。 そこで、法務大臣は、二月二十四日のロッキード委員会における発言というものを、最後にこれを、まあ訂正というか、これは新聞によっても発言撤回とか、いろんなニュアンスの違いがあるわけでありますが、その点、先ほどいろいろ秦野委員とのやりとりを聞いていますと、余り二月二十四日の時点とお考えは全く変わっていないんじゃないかと、そういうような気がするんでありますが、正直言って、法務大臣の考えは二月二十四日の時点と現在とは変わっているのか変わっていないのか、その点どうなんでしょうか。
○国務大臣(福田一君) 先ほど私が秦野さんに申し上げたように、この問題については議長裁定がございまして、そして国政調査権を踏まえての——国政調査権を行使するに当たっては刑事訴訟法立法の趣旨を踏まえて協力をいたすべきである、こういうことがあるわけでございます。そこで、私は、前内閣におきましても、実はこれを直に出すということは非常にちゅうちょをされたようでございまして、この委員会においてもしばしばこれは論議されたわけでございますが、公表ということは政府の責任で公表したらいいではないかということも御発言があったし、またすべきであるというような御発言もございました。しかし、公表というものはその刑事訴訟法立法の趣旨から考えてできませんということを強く三木さんも、法務大臣もおっしゃっておったと、私は実は委員会に出ておりませんけれども、速記録を全部読んでみまして、そういうことははっきり出ておるわけでございます。 そこで、そのときに法務省がどういう態度をとったかというと、やはり外へ出る、直に出るようなことはひとつできるだけ差し控えていただきたいという強い希望を持っておったことだけは、これは間違いないと思うんでありますが、しかし結果におきましては、公報にもその他にも皆出たわけでございまして、実は法務省の希望することは入れられなかったという事実があるわけであります。ところが、この間の衆議院のロッキード、あなたのおっしゃる二十四日のときには灰色高官五名というのは出たじゃないか、そのうち一人、二人の人は、絶対おれはもらってないんだということを言うておるんだ、そのもらっておらない人は、その人の人権は一体どうして守るんだ、これは調書であろうが何であろうが出して、そしてこういうわけだから出したんだということをはっきりすべきではないかという意味の御質問があったわけであります。そうしますと、先ほど来刑事局長も言っておりましたけれども、実際にはそれは公訴の維持という意味から言っても非常に困るし、あるいは検事が取り調べをするという意味から言っても非常に困る。だから、その人がそういうようなことを言っておられるのであっても、一方においてそういうことを、もらったと言う人があるんであるし、まあいずれはこれが公判に使用されるであろう、その調書というものは。その段階において黒白を明らかにされるということにしていただきませんと、いまの段階でそういうことは言えないんだという気持ちが強いわけでございます。法務省としてはそういう気持ちであります。 そこで、私は、まあそこが私の言い過ぎでありますが、そういうわけであって、そういうことを出すというと公表と同じことになるので、まあ灰色高官の公表ということになるから、そういうことについては今後は私は出せないんだと委曲を尽くして説明すればよかったと思うんでありますが、その点の説明が足りなかったということは、私のこれは言葉不足であり、ある意味で不徳でございます。そこで、そういうような点がございましたならば、おわびをするというか、取り消しをいたしますと、こういうことを申し上げたわけでございまして、いまあなたのおっしゃったのは、そのときの気持ちといまと違わないかと、何ら反省がないのかということになりますというと、私が言葉の表現において真意を尽くさなかったという意味では、これは反省をいたすべきであると考えておるのでございますが、それでは今後どうするのかということになれば、やはり先ほどもちょっと秦野さんにも申し上げたところでありますが、いろいろ御議論もありましょうけれども、このような議長裁定などというような歴史的なもう事実があった以上は、やはりできる限り協力するということでございます。したがって定義をひとつ、今後出せという人はどういうものだということになれば、そういう定義をはっきりさしていただくとかいうことがまず第一要因になるわけでありますが、それがまずあるかどうか。そうした場合には、これはやはり前と同じような形で出さざるを得ないのではないかというんでありまして、私は、その意味では少しも態度は変えておらないつもりであり、三木内閣と同じような考え方に立っておると御理解を願いたいと思うのであります。
○塩出啓典君 時間もありませんので答弁はひとつ簡単でいいわけでありますが、二月二十四日の場合は、いわゆる秘密会と言いながら秘密を守らなかったではないかと。こういうところへは私は出す意思はございませんということははっきり言っておるわけですね。私は、しかし、最終的にはこれは法務省としての希望は秘密であってもらいたい。けれども、出した後それを公表するしないということは、これは法務省の関与すべき問題ではないと。だから、今後国会なりあるいは委員会が総意をもって、どうしてもこういう資料が必要であると、この範囲を出せと、そういうときには法務省としては出すと、このようにとっていいわけですね。これは三木内閣の姿勢もそうであったと思います。
○国務大臣(福田一君) お説のとおりでございまして、委員会の総意でもってこういうものは出すべきだとお決めになれば、これは資料として提出することはいたします。
○塩出啓典君 先ほどちょっと秦野先生の質問にございましたが、たとえば、法務省あるいは検察当局としては、先般の灰色と言われる人たちについてもかなり確信を持って——いいかげんなものではなかったと思うんですね。出した検察当局の立場としてはかなり確信のあるものを出したと思うんです。それに対して、実際に本当にもらってない人がいた場合にはそれを救済する道がないじゃないかと。けれども、この場合はどうなんでしょうか。私は、たとえば刑法の名誉棄損によって、もし本当に自分がもらってないんであるならば、これは検察当局なり、あるいはそれを公表した国会に対して、あるいは委員会に対してやはり名誉棄損で訴えるということは、これは法的にはできるんではないかと思います。その点はどうなんですか。
○国務大臣(福田一君) 私は名誉棄損という立場から訴えることはできると思います。
○塩出啓典君 それから、これも確認をしておきたいと思うわけでありますが、議長裁定あるいは衆参両院の決議というものがございますが、この決議とそれから法律というものをどちらを優先すべきか非常に問題であると。だから、今回の衆参両院の決議というものを、ロッキード問題に対する決議というものを守ることが、法務大臣として法律を守らなければならないという義務と違反をするようにここでは答弁をしておるわけでありますが、これはどういう意味なんですか。
○国務大臣(福田一君) 私が申し上げたのは答弁で申し上げたのではないので、公表はいたしませんということについて非常に議場が騒然といたしましたので、その気持ちのことを、どういうわけで公表しないかといったことについてこれは申し上げたんでありますが、その点について誤解を与える面があればこれは全部取り消しますと、もうすでに申し上げておるんでございますから、これ以上ここでお答えをしない方がいいと思っておりますけれども、先ほども秦野先生も言われたように、議長裁定と法律との関係はどう考えるかという一つの考え方もあるということだけは御理解をしていただきたいと思うのであります。
○塩出啓典君 この点私は、衆参両院の決議というものは、法務大臣が法律に違反をしてそしてやれと、そういうことを決して言っているわけではないわけでありまして、衆参のロッキードに関する決議というものと、それとやはり日本の国の法律を守りながらそしてこのロッキード問題についてのいろんな資料を公表していくと、公開していくと、こういうことは両立できる問題であって、何かこっちを守ればこっちが守れない、こちらを守ればこっちが守れないと、そういうものでは決してないと思うんですけれども、その点どうなんですか。
○国務大臣(福田一君) 私はお説のとおりだと思うんでございまして、議長裁定もその点を明らかにしておるので、国政調査権の立場というものを尊重すると同時に、刑事訴訟法の立法の趣旨も踏まえて、極力、できるだけ協力しなさい、こういうことでございますから、一応両立するという考え方で裁定を下していただいておるのだと思うのであります。そこで、われわれとしては、資料として提供いたしますと、こういうことで態度を明らかにしておるわけでございます。
○塩出啓典君 いま刑事訴訟法の立法の趣旨というようなお話がありましたが、いわゆる四十七条では「公判の開廷前には、これを公にしてはならない。」と、こういうことが書いてあるわけで、この意図については先ほど刑事局長から、これは公判の維持、それから個人の基本的人権の保障、こういう二つの理由からこういう立法の趣旨があるように私は判断しておるわけでありますが、そこで、このただし書きにある「公益土の必要その他の事由があって、相当と認められる場合は、この限りでない。」と。原則的には公にしてはならないけれども、まあ公益、特別に公にしてもよろしいという、こういうただし書きがあるわけでありますが、率直に言って、このただし書きの内容というものは、これはどのように法務当局としては理解をしているのか。
○政府委員(安原美穂君) 法務当局と申しますか、内閣の法制局の意見でもございまするが、政府の見解でございますけれども、いま塩出委員御指摘の、原則で守ろうとする法益と、それから公益上その他の事由という法益、たとえば国政調査権の行使という法益と比較考量して、後者が優先するというような場合が相当と認める場合ということに相なるわけでございまして、今度の場合におきましては、灰色高官の定義が決まったという段階におきまして、国政調査に協力するという意味で秘密会においてその資料を提供するということは、そのやり方を含めて相当であるという判断のもとに資料を提供したという、まさにこれは刑事訴訟法四十七条ただし書きの「公益上の必要」としての国政調査の必要があって相当と認める場合として、私どもは訴訟の書類に関する内容でありまするところの灰色高官の氏名と、その認定の理由を秘密会という場に——これは塩出委員に御理解をいただきたいのですが、秘密会という名前でございましても、訴訟の書類の保管者である検察官が、検察官以外の第三者に開示することは、すべてこれ第四十七条ただし書きの「公」でございますから、この秘密会という形式におきましても、第三者である国会に出したということは公にしたということでございますので、ただし書きのまさに適用例ということで御理解をいただきたいと思うのでございます。
○塩出啓典君 そうしますと、そういうどちらがまさるかという判断は、これはだれが最終的な判断をするのか。
○政府委員(安原美穂君) これは訴訟書類の保管者、今度の場合は検察官、それから弁護人が持っている場合は弁護士が判断します。裁判所に提出された書類になりますると、これは裁判所が判断すると、こういうことになるわけでございまして、書類の保管者が判断権を持っておるということでございます。
○塩出啓典君 その場合、たとえば国会がどうしてもいわゆる政治を正し——衆参両院の決議にあるように、この問題を国民の前に明らかにすることがこれはやはり日本の政治の根幹にかかわる問題であると、そういう点で国会の意思とそして検察当局との意思が食い違った場合は、その場合はどうなるのか。
○政府委員(安原美穂君) 食い違うことはあり得るわけでありまするが、先ほど申しましたように、判断権を持つ者は書類の保管者でございまするが、今度の場合は検察庁の判断が優先するものと考えております。ただし、さようなことのないように極力その調和を図るという意味で、今回のように秘密会に資料の提供という措置に出たわけでございますので、法律論で優先権があるとかないとかという、法律論ではなくて、実際のわれわれの対応の仕方においてわれわれの意のあるとこを御理解いただきたいと思います。
○塩出啓典君 最終的には検察当局が判断をするということは一応認めたとしても、しかし、検察当局としても、当然やはり国民の代表である国会の意思というものを十分これは配慮をしてやっていかなければならない、そういうことは言えると思うんです。その点はどうですか。
○政府委員(安原美穂君) 御指摘のとおりでございます。
○塩出啓典君 そこで法務大臣にお伺いしますが、私は、最終的に国会はぜひ公表すべきであると、しかし、検察当局は、これはやはり四十七条の趣旨から言ってそれはだめだと。しかし、私に言わせるならば、やっぱり検察当局というのは狭い範囲の法体系の考え方であって、やっぱり優先すべきは、国全体のより大きな立場というものは優先されなければならないと思うのであります。そのために私はやはりいわゆる指揮権、検察庁法に言うところの、法務大臣はやはり検事総長を指揮できると、これはかっては悪い方向に使われたわけですけれども、やはりそういう点において法務大臣が、国会議員、内閣の一員という立場において、これをやはり公表すべきであると、それをたとえばロッキード委員会に提出すべきであると、こういうことを検察当局の反対を押し切ってやったにしても、これは決して私は法律違反でも何でもない、ちゃんと法律にある処置を行ってやったことでありますから。私はそのように思うんですが、その点どうなんでしょうか。
○国務大臣(福田一君) 私はそれは可能であると存じております。しかし、これにはまたいろいろの意見があることも御理解をしておいていただきたい。ということは、政府が政府の考え方で何か犯罪捜査をやった場合に、そこへ出てきたものを全部公表するような悪例が起きたら大変だと思うんです。それは今度の場合は議長裁定というのがあるんでありますから、それを踏まえてやるんだからそういうことはございませんが、そういうこと、いわゆる独裁政権がいわゆる検察を使って何でもやれるようなことになっては大変だということも一部にはあるわけなんです。その点も十分考慮しなければなりませんが、今回はすでに議長裁定というのがあるんでありますから、私はその意味合いにおいて、われわれとしてはできるだけの御協力を申し上げることは当然だと考えております。
○塩出啓典君 だから法務大臣ね、やっぱり国会が、たとえばロッキード委員会に私個人がこれは要求しろって言った場合は、これは厳密に言えば国政調査権として言われるかどうかの問題あると思うんですけれども、たとえばロッキード委員会の総意として、あるいは衆参の総意としてそこに出されたものはやっぱりこれは優先されていかなきゃならないわけでありましてね。その国会の総意というものが何でも出せというような変な方向にいくとするならば、これはもう大変な問題でありましてね、その点はやっぱりわれわれ野党といえども、まあ公判の維持に必要であるといえば、やっぱり裁判が済むまで待てばいい問題ですから、その点はひとつ御理解をいただかなくちゃいけないと思うんですがね。 そこで、議院証言法におきまして、まあ公務員もやはりここに証人として出席をし、証言することができると、そういうときに、公務員というものは秘密に関するものを証言する場合には上司の許可が要ると、まあこういうようなことが第五条にいろいろあるわけでありますが、これはもちろん過去の例からいっても、公務員の中にはたとえば検察当局が出席をすると、まあこういう場合も当然過去にはあったと思うんですよね。含まれると考えていいわけですか。
○政府委員(安原美穂君) 証言法の解釈でございますが、私どもの解釈としても証人の中に検察官も入り得ると、解釈上は入り得るというふうに思います。
○塩出啓典君 で、もし証人として出席をして、まあいろいろなことを証言を要求した場合に、最終的には私は、国家の重大な利益に悪影響を及ぼす旨の内閣の声明があった場合のみこれは提出しなくてもいいという、こういうようになっておるわけですね、これはまあ法律でありますが。その趣旨から言えば、結論的に、国会が幾ら要求しても、委員会が要求しても、そういう内閣の責任のもとにおいて国家の利益にもう重大なものを及ぼすと、こういう判断の場合には、最終的には内閣の方がもう優先するわけですね。しかし、そうでない場合は、やはりいわゆる国会や当委員会の要求というものが優先をせざるを得ないと。もちろん国会はそういうむちゃなことを——全体で決めるわけですから、そういう一方的な偏った判断はできないわけでありますが。まあしかし法の上から言えば、やはり国会の総意あるいは委員会の総意というものがこういう資料を出しなさいということを、たとえば検察当局に要求しても、それはやはり法体系としては出さざるを得ないんではないかと、それが筋であると、私はそう理解してるんですけどね。その点どうなんでしょうか。
○政府委員(安原美穂君) 一般論といいますか、仮定論として、検察官が証人として証言を求められた内容において、何か捜査の内容を話せというような証言を求められたということに相なりました場合において、最終的にそれが国会の総意であっても、証言をお断りする理由、根拠といたしましては「内閣の声明」でございます。御指摘のとおりでございます。
○塩出啓典君 だから法務大臣ですね、私がきょうまあ言おうとしたことは、結局今回はロッキード事件の真相を解明をして、そして日本の政治というものをお互いに根本から反省していこうではないかと、まあこういう考え方がやはり原点にあるわけでありまして、そういう立場で、まあ多少はそれは人権を、それは出された人にとっては人権は阻害されることになるでしょう。しかし、それ以上にやはりもっと大きな、日本の政治をよくしていくという、こういう大目的があるわけですから、だから、院の求めに応じて灰色高官の資料を出したからといって、これは決して私は法務大臣として法律に違反したわけではない、法律をきちっと守る範囲内でこの衆参両院の決議を守る道があるんだと、まあこういうことを私は主張したいわけですけどね、その点は認めますか。
○国務大臣(福田一君) 私は、その点では仰せのとおりだと思っております。事実、こういう問題が両院の議長裁定まで出るような、同じ刑事事件であっても議長裁定でも出るようなというようなことは、もう全くレアケースだと思うのであります。そういうことでございますから、われわれとしては、やはりこの立法の趣旨を踏まえながらも、できるだけ御協力は申し上げるべきである、こういう考え方には立っております。
○塩出啓典君 それから、いわゆる人権の問題ということがしばしば問題になるわけでありまして、刑事訴訟法四十七条の趣旨もその人権を守るということにあると言われておるわけでありますが、しかし、人権問題について、いわゆる一般の一国民の人権とそれからまたこういう公職にある国会議員、多くの人の選挙によって当選してきたそういう議員の人権というものについては、当然おのずから差がある。その点はやはり私は当然じゃないかと思うのですけれどもね。
○国務大臣(福田一君) 私はお説のとおりだと思っております。したがって、こういうたとえば議員なら議員というものは、また別に、こういうことがあったときにはこういうふうに重くこの問題を考えて自分自身を処せなければいけない、また社会の制裁を受けてもやむを得ないのだというような意味の申し合わせとか、何かそういうことができれば、いわゆる政界浄化という意味でも役に立つのではないかと、こう私は思っております。
○塩出啓典君 これからわれわれも、このロッキード委員会そのものが今回の事件の刑事的責任の追及ではなしに、いわゆる道義的政治的責任を追及していく、こういうことで今日まで来ておるわけでありますが、これは今後もロッキードの裁判とはまた関係なしにわれわれは推進していかなければならないと思うわけであります。 そういう意味で、当然アメリカ側から持ってきた非公開の資料、こういうものもやがて時期が来れば——いまは向こうの捜査に支障を来す、そういうようなことで日米司法協定に基づいてこれは非公開になっておるわけでありますが、やがて時が来ればこういうものもぜひ公開をするようにすべきであると、私はそのように考えておるわけでありますが、法務大臣の見解はどうでしょうか。
○国務大臣(福田一君) それはやはり司法協定を結んでおるのでございますから、その司法協定では裁判にしか使用しない、捜査にしか使用しないと書いてありますから、その日米間の司法協定を何とか直さないうちは公開することは困難だと思います。
○塩出啓典君 まあ、この司法協定の問題については、もう時間もございませんのでまた次の機会に譲りたいと思いますが、最後に、先般のこの中間報告では、PXLについては、これは犯罪を構成する要素は見当たらないと、こういう結論になっておるわけですね。で、これはどういうことであるのか。実際はいわゆる対潜哨戒機の輸入というところまで物事がいかなかったわけで、そういう点で後の後半がないわけですね。そういう意味で、もしこれがこのままずっといっておれば罪になるところであったけれども、そこまでいかなかったから何ら罪になるものがないのかどうか、この点はどうなんですか。
○政府委員(安原美穂君) 塩出委員御指摘のように、PXLについてはロッキード社のP3Cを買わなかったから犯罪がなかったのではないかというお尋ね、ごもっとものようでございますが、買っても買わなくても犯罪が成立する場合もあり得るわけでございまして、いずれにいたしましても、PXLの売り込みに関連、P3Cの売り込みに関連してはいかなる犯罪の容疑も現在の段階では見出していないということで御理解いただきたいと思います。買ったか買わぬかが関係があってないということではございません。
○塩出啓典君 結構です。 以上で終わります。
○小巻敏雄君 福田法務大臣に中間報告に関連をしてお伺いをします。 これまでの捜査の結果、児玉ルートはおおよそ解明されたと、一部を残すだけであると、こういう考え方に立っておられるのか。それとも、なお不十分な点はあるけれども、いまの段階でこの処分に踏み切ったと、こういうことであるのか、いずれであるのかをはっきりとお伺いをしておきたいと思うんです。なお、児玉、小佐野の病状が回復をすれば、さらに必要な措置をとると、こういうこともあるわけですけれども、さらに必要な措置というのは一体何を調べようとされるのかと、PXLという問題はその中に含まれて調べの対象になるのかどうか、これらについても簡潔にお答えを願いたい。
○政府委員(安原美穂君) ロッキード事件の捜査の目的は、要するにロッキード社から流入した約二十六億の金の流れの過程において犯罪行為があるかどうかということを究明することで発足して、そこに国民の期待はかけられておるわけでございまして、いまお尋ねの最後から、さらに解明のために必要な措置ということになれば、それは犯罪の嫌疑を生ずれば被疑者と目される者から事情を聴取するとか、証拠物の差し押さえをやるとかというようなことでございまして、まさに犯罪捜査のために、または調査のためにというような嫌疑を抱く前の調査ということもあるわけでありまするから、そういう意味で、関係人から事情を聞くというようなことによって犯罪の嫌疑に発展する場合もある。いろいろな意味においての所要の措置を言うわけでありまして、なおお尋ねのPXLの問題につきましても、ロッキード社の売り込みという関連から言いますならば、そこに何らかの犯罪の容疑を見出すならば、やはり解明のために必要な措置をとることはもちろんのことでございます。
○小巻敏雄君 いまの安原刑事局長の答弁では、やはり現時点ではおおよそ捜査に一段落しておるという観点に立っての御答弁のように思いますので、もしあればということに立って、主体的に捜査当局から、さらに児玉、小佐野の病状が回復すれば何をやるのだというようなことが明らかになっていないと思うわけですね。やはり処分で一決着つけて、まあ他力を待っておるというような答弁になっておると思います。一面で十七億の使途を相当解明したと言っておりますけれども、この使途の解明、相当というのですから大部分ということかと思いますが、金の流れと人の動きと渡した相手と依頼内容、こういうものについて具体的に明らかになっておるのか。全体として児玉の果たした役割りというものはわかっておるのか。P3Cの中から犯罪容疑が立件できていない、容疑がなかったというふうに言っておりますけれども、P3C絡みの流れ、動きというようなものはなかったのかこれについてお伺いをします。
○政府委員(安原美穂君) 先ほど大臣のなさいました報告にもございますように、十七億の金の使途及び留保状況という言葉があったと思いますが、要するに留保状況というのは、流れてない、留保されておるという意味においてそれが相当程度解明されておるということでございまして、その内容につきましては、先ほど橋本委員のお尋ねにも申し上げましたように、児玉の公判の過程において冒頭陳述あるいは立証という過程で明らかにされていきましょうから、それまでひとつお待ちをいただきたいと思います。 なお、念のために申し上げますが、私ども捜査当局からの報告によりますと、その使途、解明された使途に関する限り、いわゆる国会議員らに金が渡されておるという事実は認められないということでございます。
○小巻敏雄君 中間報告は、前稻葉法相時代の第一次の中間報告に比べても今度の中間報告というのははなはだ見劣りするものである。国民的に見ても失望を禁じ得ないというのが、これが大方の受けとめ方である。これは天下そうなっておると思うわけであります。 P3C問題につきましては、れっきとした児玉契約書というようなものもあり、昭和四十八年の七年二十七日に膨大な報酬を内容としてこれが天下の前に存在をしておる。また、昨年の二月にわが党の橋本敦議員が訪米をいたしまして、コーチャンと会見をしたわけですが、そこでも、かなり信憑性の高いコーチャン——不思議にP3Cに触れるところは少ないのでありますけれども、会って話を聞けば、P3C売り込みについては十年前から児玉を使ってやってきたんだ、こういうふうに、昭和四十四年以来販売戦略については謀議を重ねたということをみずから語っておるわけでありまして、傍証というものはもう完全に灰色の疑惑の中にP3Cは包まれておるわけです。本委員会において一年にわたって調査をした調査内容でも一そのことは濃厚な疑惑となって上がっておる。しかるに今回の調査は、病状回復すればという部分は、これは捜査当局の主体的な調査意欲ということとかかわってこなければなりませんけれども、SECの問題とか、あるいは国会調査の進行を注目するとかいうようなわけで、主体的にはもう一段落ついて、立件をしてしまったので、おおよそ解明されたものというような取り扱いになっておるわけであります。今度の報告書では、この大きな構えを持ったP3C問題について贈収賄の立件もない。受け取り側の姿もこの報告書の中では浮かび上がってこない。P3Cは影もない。まことに第一次中間報告の中で全日空、丸紅に関して、職務権限の問題や時効の問題で直接刑事犯罪に当たらなかった者の姿も登場をする、一定の範囲で。こういう姿に比べても、はなはだ貧弱なものである。これが福田内閣の姿勢であるのかという率直な国民の声があることは大臣も御存じだと思うんですね。こういう状況で、少なくとも児玉ルートですね、大部分の解明を終わったと言うことができるのか。私はとうてい言えないと思うわけであります。多くの部分はまだ捜査の陰に取り残されておるというふうに思うのですけれども、大臣いかがですか。
○国務大臣(福田一君) 児玉ルートについては相当部分の解明はしたけれども、まだ残っておるということは私も報告の中で述べておるところでございます。まあ、あなたが仰せになった、前の報告と今度の報告とでは、非常に簡明で簡素であるというようなお話でございますけれども、両名が病気をしておるということと、丸紅とそれからこの全日空関係は前の報告で大体尽きておるわけでございまして、その後は児玉と小佐野の問題の解明に尽きるわけでありますが、その両人が病気をしておりますんで、なかなかこれを十分に検査をというか、捜査をすることができなかったという事情があることは御理解を賜りたいと思うのでございます。
○小巻敏雄君 私は簡素であるなどとはとうてい言えない、貧素であると、こういうふうに申し上げておるのであります。稻葉法務大臣は、十月十五日のあの中間報告を受けた際に、本委員会でも大切な児玉ルートを解明できていない、こういう中で中間報告をすることはまことに遺憾千万、まあ粘り強く鋭意捜査をいたしまと、国民、国会の期待にもこたえて、調査に協力し得る、もっと調査が進むこともあるんだ、P3Cにも関連をして、そういうふうに言っておるわけです。まあ福田法務大臣も、いままだ残っておるというふうには言われておるわけでありますけれども、これは決しておおよそ解明をしたものでなく、ごく一部の解明をもって、特にこの二つの小佐野と児玉について、経済事犯とそれから偽証という姿で処分に踏み切られたものであって、今後の解明を待つものが多いんだと、そういうふうに思いますが、福田法相、今後の解明に待つものが多いという認識について、再度お伺いしておきたいと思うわけです。——いや大臣にちょっと決意を聞いておかなくちゃいけませんな。
○政府委員(安原美穂君) ロッキード事件の捜査の目的は、たびたび申し上げますように、ロッキード社から流れ込んだ金の使途を究明して、そして使途と言うか、流れを究明して、そこに犯罪の存否を見出すということに目的があったわけでありまして、そういう意味におきまして、児玉に渡りました全日空、丸紅につきましては、おおむねその解明はできたとわれわれは思っておるわけでありますが、十七億の児玉につきましてもいずれ公判廷で明らかになりますが、相当程度は、使途、留保状況が明らかにされたという意味におきましては、ロッキード事件の捜査の目的の相当程度はその目的を達しておるのではないかというふうに考えていいと思うのでありますが、なお一部不明な点があることは事実でございます。そういう意味において捜査本部が継続して存置されておるわけでございます。 なお、小巻委員いろいろ御指摘でございますが、検察当局としては、その報告書にもありますように、最大限の努力を尽くして、結局そういう次第でございまして、これは決して捜査意欲の乏しきにかかわらず、最大限の努力をした結果がさような段階にありまするが、なお解明を要する点が残っておるということも事実でございます。 なお、検察当局は、何と申されましても、単なるうわさや推測で犯罪を認定したり捜査するわけにはいかないという刑事訴訟法の原則に基づいて捜査をし、調査をするものであることについても十分な御理解を賜りたいと思います。
○小巻敏雄君 いまの刑事局長の答弁、金の流れを調べるわけですけれども、犯罪を立証しようとするわけでありますから、これは渡した相手、そうしてその際に依頼をした内容、これらの問題は全体としてこの公判の中で明らかにするということを言われておるわけですか、どうなんですか。
○政府委員(安原美穂君) 解明のできている部分については、所得税法の違反とか、あるいは外為法の違反というものの関連事実として立証されていくであろうと考えております。 なお、かように検察当局では、現段階においては、犯罪の容疑を持っている者はないということで、ある者はすべて二十一日までに処理したということでございます。そのゆえに検察当局としては、全体の解明のためには国会における国政調査の推移等にも関心を持っておるということは、むしろ解明のために国会の国政調査の成り行きの中から何かヒントを得るものがあるかないかということを注視しておるということでございます。
○小巻敏雄君 解明をされたと言われる部分についても、この中間報告の記述というものは非常に抽象的なものでありますから、この中では、いずれ公判の中で一定の部分を出すと言われているわけですけれども、解明をされた部分、この動きを通じて対象に上がってきた中で、刑法の適用は免れたけれども、この中で深くかかわったという多くの動きがあることは当然想像できるところであります。国会の動きにも関心を払う、こういうふうに言われるわけですが、その点については、国会の方でも調査の必要上それらについて国会の要求によって資料の提出を求める、こういうことがあった際には、法務大臣、これらを提出をして国会の調査に協力をされる、こういうことでありますか。
○政府委員(安原美穂君) 先ほど来申し上げておりますように、検察当局としては犯罪の容疑を認める資料を持っていないわけでありまするから、提供すべき資料もないということになるのではないかと思います。
○小巻敏雄君 それは今日、いずれ公判の中にあらわれてくる者について、それは訴追をされた者だけが調査の対象になっておるわけではないでしょうから、それらの問題について、いずれ国会においても、調査、研究の上で法務大臣の方に要求を上げることになろうかと思いますけれども、先ほどからの御答弁では、その点には十分にこたえる用意がある、こういうふうに、秘密会ならさまざまな資料を出します、こういうふうに言われているわけですね。大臣、どうなんですか。
○国務大臣(福田一君) 刑事局長が申し上げておりますことは、PXLに関係のある部分については、いわゆる捜査調書、その他そういうものがないということを言っておるわけであります。したがいまして、今後の事態によりまして新しくそういうものが出てくる、また捜査をした上で出てくるということがありますれば、これはその場合に院の方で当然これは出してもらいたいという全会一致の御希望があれば、これはわれわれとしては御協力を申し上げないわけにいかないかと思うのであります。
○小巻敏雄君 さらに質問をいたしますが、一月二十七日、田中角榮ら丸紅ルートの第一回公判、検察冒陳の中で田中角榮が小佐野に働きかけた場面、若狭、渡辺と会見した場面、二度にわたってハワイ会談においてニクソンからロッキード社のトライスターを頼まれたと、こう言っておるわけですね。ハワイ会談こそP3Cを含む真相解明、全容解明のロッキード事件の重要なかぎを含む会談であります。この内容を明らかにしておるのか、今後調べるのか、その点についてお伺いをします。
○政府委員(安原美穂君) この点は、先般衆議院の予算委員会でもお尋ねを受けたことでございますが、要するに検察官として冒陳で立証主体として述べたことは、田中元総理の請託収賄につきまして、いかなる請託があり、そしてそれについてどのような働きかけをしたかということが立証の中心でございまするから、このニクソン会談につきましては、田中氏が小佐野あるいは若狭氏に対してハワイ会談でトライスターを買ってくれればいいんだがなと言ったという、その言ったというそのこと、働きかけたということそのことが問題なのでありまして、働きかけをして言った言葉の内容が真実であるか否か、そういうことがあったかどうかということは検察官の立証としては直接必要なことではないというふうに考えられるわけでございます。したがいまして、捜査当局の報告によりますと、田中・ニクソンハワイ会談によってそういう話し合いがなされたかどうかということについては直接必要のないことでございまするから、捜査はしていないというふうに聞いております。
○小巻敏雄君 していないし今後する気もないという御答弁だと思うんですが、それがおかしいと思うわけですね。まあ、もともと冒頭陳述というのは、そこで述べた事実は証拠でもって後で証明をすると、これをやるのが冒頭陳述である。てきめんに、田中角榮の方でも先立って罪状認否の際に、ハワイでニクソンに依頼を受けたというような事実はないと極力強調しておるわけであります。国民の注目の焦点であるということと同時に、公判維持にも私は大きな影響のある問題だと思う。これが、田中角榮がちょろっとハワイ会談と言ったのは作り話だなどということは検察の威信にも関係すると思うんですね、こういうことは。これについてはハワイ会談が作り話でも何でもいいというようなものをわざわざ冒陳に採用するというようなことは、これは裁判長の心証についても、公判維持にも影響甚大だと思う。ここのところでハワイ会談を避けて通るという姿勢に私どもはP3C隠しというふうに言われる大きな不満を感じるものであります。また、この発言自身が真実であるなら、この田中発言の内容も当然事実でなければならぬ。ニクソンから頼まれもしないのに作り話を言うはずがないというのが、これが国民の常識であります。それに加えて、背後には幾つかの問題がすでに明らかになっておる。ロッキード社の競争相手のグラマン社、チータム証言というのがチャーチ委員会において行われておりますが、これに関連して、同じくこのハワイ会談の中で田中・ニクソン会談の作業メモというようなものがグラマン社の中に保存されておるというようなことも読売新聞報道にも報じられ、外務委員会の中でも、外務省の関係者からさような話は聞いておりますというような状況もあるわけです。さらにインガソル駐日大使、こういう人の記者に対する談話をながめましても、九月一日のあの会談というのはプライベートミーティングであると、非常に奇妙な会合であった。漠たる議題の中で詰めて行われたものであって、まあその中ではあり得たことだというような心証が語られておるのであります。国会調査でも、コーチャン証言でも、このハワイ会談というのはロッキード社の売り込み工作の中心眼目になっておるわけであります。 こういう背後の事情を明らかにすることなく調べておったら、大魚を取り逃がすのは、私はまあ当然の理ではなかろうかと思うわけであります。こういう状況ははなはだ遺憾千万である。まあ今後の捜査本部の捜査過程の中では、まあ今後もこの口特委の中で追及をいたしますけれども、検察も姿勢を正してこれらの国民の要望にこたえてこの捜査を進めてもらう必要があると申し上げておきます。 まあ、ここで委員長にお願いしますが、わが党として田中角榮と、そして大平さん、牛場さん、証人出頭を以前から求めておりますけれども、こういう状況下ではどうしても本委員会自身がこれらの証人について調査をすることなしに核心に迫ることができない。この点をよろしくお計らいを願いたい。委員長よろしくお願いします。
○委員長(大谷藤之助君) ただいまの御要望の点は、理事会において十二分に検討していただきたいと思います。
○小巻敏雄君 三原防衛庁長官にお伺いをするわけです。 まあ、すでに坂田前大臣も、PXLの選定につきましては国民の疑惑を招いておりますから、この解明をした上で国民の納得のいく形において、まあ機種選定は決めていくんだというふうに、たしか一度ならず明言をされておる。本委員会でも他の場所でも言われてきておると思いますし、おおよそそれは三木内閣以来の方向であったと思うわけです。今日のPXLの選定問題について、現防衛庁長官である三原さんの御所見を承りたい。
○国務大臣(三原朝雄君) お答えいたします。 坂田前長官の考え方、姿勢は私も継承してまいる所存でございます。 そこで、一言申し上げさせていただきたいと思いまするが、いまも論議があっておりましたように、ロッキード事件の問題で、P3Cの問題につきましては、一応いま司法当局からお話がございましたように受けとめておりますけれども、国会においても、審議が継続をいたしておりまするし、また捜査の段階におきましても残された部面があるということも踏まえておるわけでございます。したがいまして、これから先は今後の推移を見守りながら対処してまいろうということでございます。特に国民に疑惑をもって見られておるというような状態につきましては、再びこういうようなことのないように全力を尽くして機種選定等については努力を払ってまいる所存でございます。
○小巻敏雄君 本委員会の冒頭にも園田官房長官の出席を求めて、わが党の橋本委員からも、中間報告にも出てまいりますSECの、これのロッキード特別調査の報告が五月にずれ込んでおるというような状況も受けて、その間、当然疑惑の解明について遷延しておるのだから、その間は機種選定の問題等は選定作業全体としてストップされるべきだというのには、お説のとおりと答えておられるわけであります。聞くところによれば、来年度の概算要求には間に合わすようにというようなことで作業が進んでおるやに聞くわけですけれども、当然これらの作業は疑惑解明の後に開始されるべきものと考えますが、それでよろしいか、三原長官。
○国務大臣(三原朝雄君) いま私の答弁が足りなかったと思うのでございますが、もちろん事態の推移を見守りながらこれに対処していくわけでございまするけれども、一方、機種選定につきましては、純防衛的な立場、技術的な立場でひとつそうした調査検討だけは進めさせていただきたいということでおるわけでございます。しかし、機種を決定をするというようなことは、いま申し上げましたようにそれらの事態の推移によって決定をせなけりゃならぬと思いまするが、まだ機種決定もいたしておりません。そういう段階でございまするので、調査検討だけは進めさしていただきたいと思うのでございます。この点は、坂田長官の私は議事録を数カ所見せていただきましたが、その線は外れていないなあという判断を、受けとめ方をいたしておるのでございます。
○小巻敏雄君 解明なくして選定なしという原則は変わらぬわけですね、いいですね。
○国務大臣(三原朝雄君) はい。
○小巻敏雄君 それじゃ、その件をもって大臣に対する質問を終わりますが、最後に委員長にお願いをいたします。 本委員会が昨年五月に発足して以来、PXL問題をめぐる疑惑を中心にして証人喚問など数多くの審議を重ねてまいりましたが、この間委員長初め同僚議員の努力と調査によって多くの重大な事実が明らかとなってさまざまな疑惑が定着をされ、深められてきておる、このことはまあ御承知のとおりでございます。にもかかわらず、法務省の第二次中間報告は、PXL問題について犯罪の容疑なしというようなことで片づけられておって、疑惑の解明というのはまだその片りんさえも示していないわけであります。こういう中にあって当委員会は何をなすべきか、これは委員会として大変重要な問題であります。当委員会独自の立場から調査を進めていくという上で、これまでの審議の結果、到達点、問題点、あるいはそこから来る政府への要望と、これをいまの時点でまとめて明らかにすることは国民の期待にこたえる上でも、今後の調査を進める上でもまことに重要なことである、私どもはそう考えるわけでございますが、これについて委員長の前向きの検討を心からお願いをいたします。よろしくお願いをします。
○委員長(大谷藤之助君) 承知いたしました。 以上をもちまして本日の質疑は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時五分散会 —————・—————