予算委員会第六分科会 第1号
- 発言数
- 330 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/03/11
会議録
○始関主査 これより予算委員会第六分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査を務めることになりましたので、よろしく御協力をお願い申し上げます。 本分科会は、文部省及び運輸省所管について審査を行うことになっております。なお、各所管事項の説明は、各省審査の冒頭に聴取いたします。 昭和五十二年度一般会計予算及び昭和五十二年度特別会計予算中文部省所管について、政府から説明を聴取いたします。海部文部大臣。
○海部国務大臣 昭和五十二年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、文部省所管の一般会計予算額は三兆一千四百五億七千八百万円、国立学校特別会計の予算額は九千五百八十七億八千七百万円でありまして、その純計額は三兆三千六百五十九億一千九百万円となっております。 この純計額を昭和五十一年度の当初予算額と比較いたしますと、四千五十三億五百万円の増額となり、その増加率は、一三・七%となっております。また、一般会計予算額の増加率は、一三・八%であります。 何とぞ、よろしく御審議くださいますよう、お願い申し上げます。 なお、時間の関係もございますので、お手元に配付してあります印刷物を、主査におかれまして、会議録に掲載せられますよう御配慮くださるようお願い申し上げます。
○始関主査 この際、お諮りいたします。 ただいま海部文部大臣から申し出がありました文部省所管関係予算の主要な事項につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○始関主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔海部国務大臣の説明を省略した部分〕 以下、昭和五十二年度予算において取り上げました主要な事項について御説明申し上げます。 第一は、初等中等教育の充実に関する経費であります。 まず、教員給与の改善につきましては、昭和四十八年度以来、いわゆる人材確保法に基づく計画的改善を実施するため、すでに、第一次及び第二次の改善措置を講じてきたところでありますが、昭和五十二年度においては、既定方針に従い、第三次第一回目分の措置に連続して第三次第二回目分の改善措置を講ずることにより、人材確保法に基づく教員給与の改善を完結させるという考え方に立って、それに必要な経費として、二百二十九億円を計上いたしております。 次に、義務教育諸学校の教職員定数につきましては、まず、児童・生徒数の増加に伴う教職員定数の増を見込むほか、昭和四十九年度を初年度とする第四次の教職員定数改善五カ年計画に係る教職員定数の増、養護学校及び特殊学級の増設に伴う増等を合わせて、一万五千七百六十二人の増員に必要な経費を計上いたしております。 次に、教員の現職教育の充実につきましては、教員の処遇の改善と相まって資質の向上を図るため、昭和五十二年度においては、新たに、新規採用教員の全員と、教職経験五年の教員全員に対し、実践的な指導力の向上を図るための研修を実施することといたしております。また、教員の海外派遣につきましても、引き続き、五千人を派遣し、その視野を広めることを期待いたしております。 幼児教育の普及充実につきましては、父兄の経済的な負担を軽減し、幼稚園教育の普及に資するため、幼稚園就園奨励費補助につき、特に生活が困窮している世帯に重点を置いて、その保育料等の減額免除の限度額を引き上げる等、充実を図るとともに、引き続き、幼稚園の増設を計画的に進めることとし、施設整備の促進を図ることといたしております。 特殊教育の振興につきましては、前年度に引き続き、年次計画による養護学級及び特殊学級の増設を推進することとし、特に、昭和五十四年度からの養護学校教育の義務制実施に備えて、政令指定都市に係る養護学校小・中学部の新増設の補助については、都道府県に係る場合と同様に取り扱うこととするとともに、重度・重複障害児のための訪問指導員及び介助職員の増員、特殊教育就学奨励費の拡充等を行うことといたしております。 次に、学校給食の整備充実につきましては、米飯給食の導入を一層推進するため、米飯給食関係の施設設備の整備を大幅に拡充することといたしております。 学校保健の改善充実につきましては、新たに、心臓・腎臓に係る児童・生徒の健康診断体制の整備と、小学校児童のう歯予防をねらいとした歯科保健活動の推進を図ることといたしております。 公立文教施設の整備につきましては、校舎等建物の新増改築事業について、事業量の増と補助単価の引き上げを図るとともに、急増指定要件の緩和等の改善を図ることといたしております。 昭和五十一年度から新たに実施いたしました高等学校新増設建物補助につきましては、事業量を大幅に増加し、また、児童生徒急増市町村の公立小・中学校建設用地取得費補助についても、事業量の拡大を図ることといたしております。 これらの施策に対する補助金として、昭和五十一年度に対して二〇・二パーセント増の、三千七十九億円を計上いたしております。 以上のほか、学習指導要領改訂に伴う趣旨徹底、義務教育教科書購入価格の改訂、要保護及び準要保護児童生徒援助の強化等、各般の施策につきましても、所要の経費を計上いたしております。 第二は、高等教育の整備充実に関する経費であります。 まず、高等教育改革の推進につきましては、大学入学者選抜方法の改善を図るため、国立大学共通第一次試験を昭和五十四年度入学者の選抜から実施することを目途に、昭和五十二年度には、大学入試センター(仮称)を設置し、これを中心として、八万人を対象とする試行テストの実施及び具体的な諸準備を進めることといたしております。 また、放送大学については、教材を作成し、放送教育の試行を行う等、その創設準備を進めることといたしております。 このほか、教員大学院大学について、その創設準備等をさらに進めることとし、また、筑波大学について、第三学群を設置し、大学院研究科を増設する等、その整備を進めるとともに、技術科学大学についても、昭和五十三年度の学生受け入れに備えて、所要の整備を進めることといたしております。 国立大学の整備充実につきましては、医歯学教育の拡充を図るため、福井、山梨、香川における医科大学の創設推進のほか、琉球大学医学部について創設準備を行うこととするとともに、鹿児島大学に歯学部を設置して、昭和五十三年度に学生、を受け入れることとし、また、岡山大学及び長崎大学について歯学部の創設準備を行うこととしております。 さらに、群馬大学及び名古屋大学について医療技術短期大学部の設置を図るほか、医科大学等の付属病院についても、新設の医科大学等の付属病院の創設・創設準備とともに、既設付属病院の救急部の新設整備等、その充実を図ることといたしております。 教員養成につきましては、引き続き、小学校教員、幼稚園教員、特殊教育教員及び養護教諭を養成する課程等の新設拡充を図るとともに、付属養護学校の新設等、その充実を図ることといたしております。 以上のほか、岩手大学人文社会科学部の設置、広島大学政経学部、富山大学文理学部及び高知大学文理学部の改組等、地方における国立大学を中心に学部・学科・課程の整備充実を図って、大学学部及び短期大学部の学生入学定員を総数二千十人増員することとし、また、図書館大学の創設準備のほか、信州大学経済学部の創設準備等を行うことといたしております。 次に、大学院の拡充整備につきましては、九州芸術工科大学、大分大学及び琉球大学に新たに大学院を設置することとするほか、研究科の新設・改組、専攻の新設・整備等により、七百四十六人の入学定員増を行うことといたしております。 また、国立大学等の教育研究条件の整備を図るため、基準的経費の充実、施設設備の整備に努めるとともに、必要な分野について教職員の増員を図ることといたしております。 以上の諸施策等に要する国立学校特別会計の予算といたしましては、昭和五十一年度の当初予算と比較して一千百二十九億円増の、九千五百八十八億円を計上いたしております。その歳入見積額は、一般会計からの受け入れ七千三百三十四億円、借入金三百九十一億円、自己収入その他一千八百六十三億円であり、歳出予算額は、国立学校運営費八千八十六億円、施設整備費一千三百九十二億円、国債整理基金特別会計への繰り入れ等百十億円となっております。 次に、公立の医科大学、看護大学に対する助成を初め、公立大学の助成についても、引き続き、充実を図ることといたしております。 育英奨学事業の拡充につきましては、まず、日本育英会の学資貸与について、高等学校から大学までのすべての貸与種別にわたって、私立学校の学生・生徒に対する貸与月額を増額するとともに、大学院の学生に係る貸与月額の増額と貸与人員の増員を行うこととする等、その拡充を図り、このために必要な経費として、政府貸付金を四百三十一億円計上し、返還金と合わせて、昭和五十一年度に対し六十二億円増の五百十三億円の資金で、学資貸与を行うことといたしております。 また、私立大学の奨学事業に対する資金援助については、新たに、入学一時金の分納制を実施する場合についても、必要な資金を融資することとする等、その改善を図ることといたしております。 第三は、学術の振興に関する経費であります。 まず、重要基礎研究に係る大型プロジェクト研究につきましては、引き続き、核融合、原子力、宇宙科学、加速器、地震予知等に係る研究の推進を図ることといたしております。 また、生命科学研究の推進を図るため、愛知県岡崎市に生物科学総合研究機構(仮称)を設置することといたしております。 科学研究費につきましては、これが、わが国学術の基礎を培い、科学者の独創的、先駆的研究を推進するための基本的な研究費であることにかんがみ、すぐれた研究活動の育成を図るため、総額二百二十九億円を計上いたしております。 特殊法人日本学術振興会への援助につきましては、従前の事業に対する補助に加えて、新たに、必要な学術情報を提供する体制を確立するための準備調査費を計上いたしております。 第四は、私学助成の拡充に関する経費であります。 まず、私立大学等の経常費補助につきましては、専任教職員給与費、教員経費及び学生経費を拡充するほか、新たに、厚生補導費に対する補助を行うこととする等、その充実を図り、昭和五十一年度に対して二四・四パーセント増の、一千六百五億円を計上いたしております。 また、私立高等学校等の経常費助成拡充のための都道府県に対する補助につきましては、補助単価を引き上げて大幅な増額を図ることとし、昭和五十一年度に対して六六・七パーセント増の、三百億円を計上いたしております。 日本私学振興財団の貸付事業につきましては、引き続き、政府出資金十億円を計上するとともに、財政投融資資金からの借入金四百八十五億円を計上し、自己調達資金と合わせて、昭和五十一年度に対して八十八億円増の、六百三十八億円の貸付額を予定いたしております。 次に、私立学校教職員共済組合の補助につきましては、長期給付の改善を図るため、補助の拡大を行うことといたしております。 第五は、社会教育の振興に関する経費であります。 まず、社会教育事業の助成につきましては、生涯教育事業の充実を図るため、国の助成の体制を整備するとともに、成人大学講座、PTA地域活動等についても、新たに補助を行うこととし、また、社会教育主事の給与費補助について、員数の増と単価の引き上げを行い、指導者層の充実を図ることといたしております。 公立の社会教育施設の整備につきましては、特に、公民館の整備について重点的に配慮し、所要の経費を計上いたしております。 次に、国立の社会教育施設の整備につきましては、まず、かねてから建設工事を進めてまいりました国立婦人教育会館(仮称)について、昭和五十二年度には、これを文部省の付属機関として設置し、事業を開始する運びといたしております。 また、計画的設置を進めております国立少年自然の家につきましては、長崎県諌早市に国立として第三番目の少年自然の家を設置し、事業を開始することとするほか、計画中の他のものについても、引き続き、所要の施設費、創設調査等の経費を計上いたしております。 第六は、体育・スポーツの振興に関する経費であります。 体育・スポーツの普及奨励につきましては、まず、体育・スポーツ施設の整備を進めるため、体育・スポーツ施設に係る補助金の単価の引き上げと基準の改訂を行うとともに、学校体育施設の開放を一層促進することといたしておりますが、それとともに、昭和五十二年度においては、新たに、スポーツクラブ育成の事業を行い、地域住民の日常生活の中で行われるスポーツ活動を、積極的に促進し、スポーツの日常化と明るい地域社会の形成に資することといたしております。 以上のほか、日本体育協会の補助、国民体育大会及び学校体育大会の助成等、各般の施策につきましても、所要の経費を計上いたしております。 第七は、芸術文化の振興と文化財保護の充実に関する経費であります。 まず、芸術文化の振興につきましては、新たに、文化活動に対する地域住民の積極的参加を促進するため、必要な助成を行うとともに、高等学校の文化活動に対する補助を行うこととするほか、移動芸術祭の拡充、地方文化施設の整備等、各般の施策につきましても、引き続き、所要の経費を計上し、地方文化の振興、一般国民の文化活動の促進を図ることといたしております。 また、芸術家の創作活動等の助成についても、新たに、芸術家の国内研修の制度を設けるほか、芸術関係団体補助の増額等、所要の経費を計上し、その充実を図ることといたしております。 次に、文化財保護の充実につきましては、無形文化財、民俗文化財等の保護に留意し、重要無形文化財保持者に対する特別助成金の増額、重要無形民俗文化財保存団体の助成の拡充、文化財保存技術の伝承者養成補助の拡充を図ることとするほか、地方歴史民俗資料館の整備を進めることといたしております。 また、史跡買上げ補助の増額等、文化財の公有化を促進するほか、埋蔵文化財調査、建造物修理等の諸施策の充実についても、引き続き、所要の経費を計上いたしております。 国立の文化施設の整備につきましては、国立国際美術館(仮称)及び東京国立近代美術館工芸館を開館する運びとするとともに、国立歴史民俗博物館(仮称)及び国立演芸資料館(仮称)の建設工事に着手するほか、第二国立劇場(仮称)及び国立能楽堂(仮称)の設立準備を更に進め、また、新たに、国立文楽劇場(仮称)の設立についても準備調査を行うことといたしております。 第八は、教育、学術、文化の国際協力の推進に関する経費であります。 まず、国際交流の推進につきましては、研究者、教育者、芸術家等の人物交流を推進するとともに、留学生制度の充実を図り、ユネスコ協力事業等の多国間国際協力事業や、文化協定等に基づく二国間協力事業の活発化を図ることとしております。また、国連大学への協力体制を整備し、第十九次南極地域観測を、引き続き、推進することといたしております。 次に、海外子女教育の推進につきましては、引き続き、海外子女教育振興財団を助成するほか、帰国子女に対する教育の実施のため、新たに、私立高等学校の設立について特別の助成を行うとともに、国立大学の附属高等学校の学級増を図ることといたしております。 以上、昭和五十二年度の文部省所管の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。何とぞ、よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。 —————————————
○始関主査 以上をもちまして、文部省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○始関主査 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局におかれましては、答弁はできるだけ簡潔明瞭にお願いいたします。 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。中西啓介君。
○中西(啓)分科員 和歌山一区の中西啓介でございます。まだ三カ月の赤ん坊みたいな代議士なものでございますから、ひとついたわるようなお気持ちで御答弁をお願い申し上げます。 いま「青春時代」という歌が盛んにヒットしている昨今でありますが、私は乱塾時代についていろいろとお伺いしてまいりたい、そんなふうに考えております。 まず、現在の塾のはんらんぶりがいろいろと取りざたされておるわけですが、塾の現在的な意義を文部省はどのようにとらえられておるか、その辺からまず聞いてまいりたいと思います。
○海部国務大臣 学習塾の問題についての御指摘でありますが、私どももいろいろな、たとえば新聞の投書であるとか雑誌の論調であるとか、塾がどのような形で学校教育に関連を持ち、また社会的にもどのような形で存在しておるのか、正確な実情をきちんと把握をして、それに基づいて学校教育あるいは学習塾のあり方に対する資料をまず得なければならぬ、こう思いまして、文部省は全国的な学習塾の実態調査をいたしました。これは近々のうちに結論が出てまいります。ただ、東京都が都内を対象に行われました学習塾調査がございますが、それによりますと、最近東京都内では小学生の約四分の一、中学生の約半数の者が学習塾に通っておるということであります。 学習塾と申しましても、入学試験を対象にして、言葉は悪いかもしれませんが、受験術と申しますか、何か受験のための技術を習うようなつもりで行く学習塾から、あるいはおけいこごとのような塾から、あるいは学校の授業の補完のような意味の補習塾とかいろいろさまざまあるようでございまして、一概にいいとか悪いとかいう意見はもう少し実態をきちんと調査してからにさせていただきますけれども、いずれにしても、過熱状態になっておったり、世の批判をさまざま受けるような塾のあり方というものは、そのもとになる学校教育そのものがきちんと姿勢を正して責任を果たしていけば、両々相まって、そんなに社会的問題にはならないのではなかろうか、こんなことを私個人としては理想の姿として描いておりますので、そういうような方向で、いま実態を全国的に把握しょうと思っておる最中でございます。
○中西(啓)分科員 それでは、塾は必要であるか必要でないかということはまだいまのところ結論が出ていない、そういうことでございますね。
○海部国務大臣 これは実態が正確にわかりませんから、必要であるとかないとか断言いたしかねる現在であります。しかし、これはそれぞれの塾の形態によって、たとえばおけいこごとの塾とか補習のための塾というのは必要があって発生し、多くの人がそれを利用していらっしゃって、それに対して特に著しく正義に反するような問題が起こっていないとすれば、これまでいけないと言い切ることは非常に慎重を要すると思いますし、それから進学塾の問題が特に話題になるようでありますけれども、それは、現在の入試制度そのものに対してあるいは改善しなければならぬところがあるのではなかろうか、いけない面があったら変えなければならぬのじゃなかろうか。 たとえば、いま大学の入試改善に国立大学協会と文部省は御相談しながら取り組んでおりますが、どこに、どの面からスポットを当てるかというと、中西さんよく御承知のように難問奇問という言葉があります。高等学校でいかに誠実に勉強しても、それ以外の試験問題が出る。難問奇問。難問奇問を解くためには、学校では教えてくれないから専門の塾へ行こうというようなことになっておるとすれば、統一一次試験の方で難問奇問は出ません、高等学校の学習課程の中で誠実に勉強しておればその中から出ますという保証が与えられれば、受験技術を覚えるためにいろいろ時間を割いて塾へ駆け込むといういま批判されておる一面は、少なくとも過熱状態はなくなってくる、こう考えますので、いろいろな問題と相対的な関係がありますから、文部省としては、そういった制度そのものの中に欠陥があるならば、それを是正することによって、塾が批判をされておる過熱状態というものも是正されていくのではなかろうか、こういうことを期待しながらやっておるわけです。
○中西(啓)分科員 塾の実態調査がまだ完了していないということであれば、いろいろ私も何項目かを挙げてきておるわけですが、なかなか満足の得られる回答が期待できないということになるわけですが、それでは、塾の実態調査をされるまでにひとつ文部省の方で、こういうふうな点でいろいろと調査をお願いしたいと思うわけです。 まず、塾がなぜいま盛況になっているかという点ですね。そうすれば、教育行政の欠陥、いろいろなものが浮き彫りにされて対比されると思いますから、そこら辺をまずひとつ十分研究していただきたいと思います。 それから、塾が要らなくなるということになれば、それにかわるどのような教育施策が必要であるかということもひとついろいろと明確にしていただけたら、そんなふうに思います。 それと、塾と大学入試との関連、これをどんなふうに位置づけるか、把握しているかということになるかと思いますが、それから塾に現職の教師が非常に参加していることに対するいろいろな論議があるわけですが、こういう論議がある中で一応是認されているわけです。この風潮について文部大臣はどんなふうにお考えでございますか。現職の教師が塾に参画しているということに対して。
○海部国務大臣 先ほど私の申し上げ方が言葉が足りなかったとしたら、これは訂正させていただきますが、実はもう調査はすでに行ってしまいまして、その集計の結論が本当に近々に出るわけです。ですから、いまそういういろいろ御指摘になったような調査項目を加えてというよりも、むしろそういうような意向等も踏まえた何段階かの質問をいたしまして、その調査の結果がもうすぐ出ますので、恐らくその結果を発表しますときには、そういう委員の御指摘の意向、どうして行ったのかとか、なぜ必要と思うかというようなことについての集計も出てまいると思っております。 それから、よって来る原因は何かと言われます、と、私も余り、専門学者じゃありませんから間違っておるかもしれませんが、私の考えでいきますと、やはり入学試験の制度というものがいま言われるように非常に難問奇問であるとか、むずかしいとか、学校で習うことよりもほかに塾へ行って勉強した方が合格しやすいのじゃないかというような傾向とか心理状態等もあって、それで進学塾なんかはあると思います。それから、塾の中には落ちこぼれといったらいいのか、落ちこぼしといったらいいのか、とにかく学校教育の段階でどうしても理解不十分な人が補習の意味で行く塾というものもあって、その塾の実態はどうなっておるのだろうか、あるいは習字とかそろばんとか歌とかピアノとかいうようなおけいこごとみたいな塾はどうなんだろうか、それぞれにその要請なり必要性があってできておるものだと考えるんです。 ただ、私どもは、その過熱状態になっておるあるいは乱塾時代を何とかしろといういろいろな角度からの御批判には謙虚に耳を傾けて是正していかなければならぬと思いますが、これを直ちに白か黒か、いいか悪いかで割り切って、じゃやめろ、やめるなという角度の発想よりも、むしろその過熱状態のよって来る原因、たとえば入学試験の制度について、これを改善していったならば、それとの関連で塾の過熱状態というもの、世の批判を受けるような状況というものは少なくとも是正されていくのではなかろうかということを考え、願いながら施策をやっておりますので、どうぞそれは御理解を持ってお見守りいただきたいと思います。 それから、塾へ現職の先生が行かれることは、できるかできぬかという権利義務の関係からしかつめらしい議論をしますと、上司の許可を得て兼務してもらえばそれは道としては残っておるんですが、率直に申し上げまして、私は、好ましい、望ましい姿ではないと残念ながら言わざるを得ません。そういうために、学校教育に当たっていただく義務教育の職員の方々には人材確保法を国会で成立させていただき、できる限りのその処遇改善をいたして責任を負っていただく、専門職としてがんばっていただきたい。そのためには、できるだけ処遇の改善もして、心も目もどうぞ子供の方に向けてくださいとお願いしておるわけですから、希望をあえて言わせていただくなれば、余り望ましいことではない、こう申し上げざるを得ません。
○中西(啓)分科員 それじゃ塾は受験戦争を激化させる要因になっているかどうか、そこら辺どんなふうにとらえられておりますか。
○海部国務大臣 どうでしょうか。中西さんと鶏と卵の論争をする気は毛頭ありませんけれども、塾が受験戦争を激化させたのか、受験戦争というものが塾を過熱させたのか、その辺のところはやはりもとの受験制度というものに焦点を当てて問題の解決を考えるのが筋ではなかろうか、私はこう思うのですけれども、しかし、そういう進学塾というものかあって、受験戦争に対して——戦争という言葉を使うのは私もいやなんですけれども、そういうようなより激しいものにしていくための一つの刺激といいますか、踏み台といいますか、全く無関係だったとは言えないと思います。
○中西(啓)分科員 それじゃ塾に対する学校側と父母の意識について調査したようなデータがございますか。
○海部国務大臣 文部省の方はまだ答えは出ておりませんが、東京都側のことについて政府委員からわかる限り御説明をいたします。
○諸沢政府委員 ただいま大臣からお話がございましたように、これは東京都について調査をしたものですけれども、子供の学習塾、進学教室、家庭教師の経験、動機、意向ということで、動機は家族が勧めた、子供が希望した、わからない、というような部類で調査をしたわけですけれども、この調査では余りはっきりしたなにが出ておりません。先ほど大臣が申しましたように、文部省では全国的な調査をいたしまして、それには、どういう理由から子供を塾へやっておるかというその理由づけについて、塾に子供をやっている世帯の調査をいたしておりますので、近日それが発表になりましたら、ひとつごらんをいただきたいと思います。
○中西(啓)分科員 それでは、それはまた発表されたときに見せていただくとして、特に塾に通う生徒と通わない生徒のいわゆる学力差、そこら辺もひとつ明確にしていただきたいことが一点。それから二点目は、塾は学習能力を確実に向上させておるかどうかという点です。それから塾の学習技術と学校の学習技術の上下を比較していただきたい。ここら辺、一遍その資料の中からやってみてください。だから、そういうことでこの塾の質問に関してはしばらく時間を待たせていただきます。その資料が出てからまた改めてお伺いをいたしたいと思います。 それでは次に、過疎対策についてはいろいろと十分論議はされていると私も感じるわけですが、過密教育、この問題についてまだ十分議論がなされていないような感じがいたしておるわけです。大体、小学校や中学校の適正規模は一校につき六百三十人ないし八百二十人ですね。ところが、私の選挙区である和歌山市などにおきましては、千人を超す小学校だけでも大体十三校あるわけです。中学校だけでも九校ございます。こういう過密教育を解消するための具体的な、たとえば過密対策特別措置法というようなものを提案されるお考えはないか、そういった点についてひとつ文部省の見解をお伺いしたい、そんなふうに思います。
○海部国務大臣 過密対策に対しましては、これはいろいろな具体的な施策を予算的にも講じまして、何とかその周辺の皆さんの教育の機会均等という御要望にこたえていかなければならぬ、そういう立場できょうまでも施策を続けてまいったわけでありまして、小中学校の建物の補助率を過密区域だけ特に高めておるとかいろいろな細かい施策をしておりますので、御必要とあれば具体的には政府委員の方から項目を挙げて御説明をいたさせます。
○犬丸(直)政府委員 先生御指摘の急増地域の公立学校施設の問題につきましては、かねてから重点的に文部省の施策として遂行してまいりまして、ポイントだけまず最初に申し上げますと、三点ございます。 第一は、もともと義務教育の施設につきましては文部省は力を入れてまいったわけでございまして、二分の一の費用を国庫負担ということでやってまいりましたが、特に急増地域につきましてはまず第一に昭和四十六年度から用地取得につきましての補助を開始いたしました。補助率三分の一でございます。本来的には土地というものについて補助はしないというのがいままでの原則でございました。しかしその原則を破りまして四十六年度から用地取得につきましての補助を開始いたしました。 それから第二点は、これは四十八年度から始めましたことでございますが、補助率の引き上げをいたしております。地方の負担も大変でございますので、本来二分の一というものを特定の急増市町村につきましては三分の二の補助率を適用する、そういうことでございまして、その三分の二の補助率の適用になります市町村は一定の要件で指定をいたします。その指定要件を緩和するというような措置を逐次やってきております。大体そのようなことで措置をいたしております。
○中西(啓)分科員 ひとつよろしくお願いを申し上げます。 それからちょっと地元の問題に触れたいのですが、過密教育に関連しての質問でございますが、いま和歌山でも高等学校をあと二、三年以内に少なくとも二、三校はつくる必要があるであろう、こういうふうに言われておるのですが、なかなかいろいろな問題があって進展しない。そして、和歌山にも駅弁大学がございまして、和歌山大学という国立大学があるのですが、教育学部と経済学部が全く違う場所に存在しておりまして、校舎等も全国でも最下位の施設であるというふうに言われておるわけであります。そこでそういう過密高等学校の問題とも関連して、この和歌山大学の移転、統合の際に付属高校も設置してほしい。付属中学校、付属小学校というのはあるのですが、付属高校がないわけです。その付属高校を設置してほしいという要望と、専管二百海里時代を迎えたわけですから、水産学部もあわせて設置してみてはどうであろうかというふうな要望が地元でも相当強く起こっているわけです。そういうことで知事あたりからも文部省にも強く御陳情は申し上げておると思うのですが、そこら辺の見通しをお聞かせいただけたら大変ありがたい、そんなふうに思います。
○海部国務大臣 ただいま高等学校の急増対策と大学の整備充実の二点について御発言でございましたが、最初の高校の方は、文部省といたしましても、現在合格率が九八・四%になっておりまして、能力のあるすべての方がいま進んでいっていただく。しかも人口構造の変化を見ておりますと、今年度から五年の間に満十八歳という高校進学適齢者が百五十万人以上ふえるということはわかっております。和歌山県では御指摘のような数いるでしょうが、全国で申しましても四百校を超える、文部省の計算では四百三校くらい高等学校をつくりませんと、九八・四%という合格率の、希望する、能力のある人がほとんど進んでいただくという状況が維持できなくなるといけませんので、緊急対策として一定の要件のもとに高等学校の建物にも国の建設費補助を出していこうということで、きょうまでややもすると県だけにお任せをして地方交付税財源で処置をしてもらっておったのを、直接補助をしてこの高校の生徒の急増に対処しよう、こういう心構えで今年度から予算措置をしておりますことは御理解願っておると思います。 それから大学の問題につきましては、これは高等教育懇談会の方でもこの五年間は量を拡大するよりも質を充実せよという大きな方針がございます。しかし学校間格差の是正とか地域間における学術の格差の是正というものを大きな旗印にして努力をいたしておりますので、ただいま先生御指摘になった和歌山大学の問題がどうなっておるかということをちょっと私具体的な状況をいまつまびらかにいたしませんので、御質問の意向は整備充実という点にあろうと思いますので、御趣旨を体して今後検討をさせていただきますので、御了承をいただきたいと思います。
○中西(啓)分科員 ぜひひとつよろしくお願いをいたします。 それからもう一つ地元の問題なんですが、実は勤評闘争、いまから二十年ほど前の事件でございますが、その勤評闘争に絡む問題で日教組側と和歌山県の教育委員会とが和解した問題があるわけです。この間、実は党の方へ私も呼び出されまして、おまえがぼやぼやしておるからそういうふうな和解をしてしまったのじゃないか、何をしておるかということで大分つるし上げられたわけです。県会議員が仲に入ってやったのですが、その和解した人たちの意見を聞きますと、いまからずいぶん昔の問題でもあるし、そういうことで県教組なんかとやっているよりも、現実的にこの問題を解決するために対処した方がベターであるというふうな判断で和解をしたんだ、こんなふうに言っておるわけです。そこら辺文部省は、今後各地にそういう問題が波及していくと思うのですが、これからどういうふうな態度で対処されていかれようとしておるのか、ちょっとお伺いをしたいと思います。
○諸沢政府委員 公立学校の先生方が昭和三十年の後半、いわゆる勤評闘争等でストライキ参加をした。そのゆえをもって各種の処分を受けた。最高は懲戒免職ということでありますが、その免職処分をめぐって裁判があった。その裁判が長期にわたった。そこでただいま先生御指摘のように、非常に長期にわたるそういう裁判をいつまでも続けるよりは、現実的に結着をつけた方がよくないか、こういう考え方であろうかと思いますが、私どもの立場といたしましては、この処分をいたしましたことは、それ自体法律によって禁止されておりますストライキをやったということに対する処分でありますから、その処分の可否をめぐって法廷で争うということは、これは両者の立場をはっきりさせるものでありますから、したがってその処分のはっきりしないうちに和解をする、その和解の具体的内容は過去にさかのぼってその処分がなかったことにするとか、あるいはより軽い処分であったようにするとか、そういうふうなことに聞くわけでございますが、それは法治国の立場として私はよろしくないことだというふうに考えております。したがいまして、今後ともそういう例が起こりそうな場合には、私どもといたしましては軽々に和解をしてもらっては困るというふうに指導をいたしたいと思っております。
○中西(啓)分科員 それは非常によくわかるんですが、結局最後に犠牲になるのは教育を受ける子供たちである。その点についてはどんなふうにお考えになりますか。
○諸沢政府委員 教育の場にそういう紛争を持ち込むという意味で、子供に教育上おもしろくない影響を与えるということはわかりますけれども、しかしそれだからといって安易に和解をするというようなことは、日ごろ子供に法律を守れということを教えることを私どもは望んでいるわけですから、その趣旨にはなはだ反するわけでございまして、それはやはりきちんと守っていただくことがよろしいと考えます。
○中西(啓)分科員 よくわかりました。むしろ力強さを感じます。 それでは、私もこれからまた地方行政委員会でも関連質問をやらなければいかぬものですから時間が余りございませんが、最後に一点だけお伺いいたします。 六・三・三・四制度がしかれて大変久しいわけですが、この六・三・三・四制度を今後とも持続していくのか、あるいは適当な時期に改革する必要性があるか、そこら辺文部省はどんな見解をお持ちでございますか。
○海部国務大臣 六・三・三・四制は、御指摘のように三十年たっております。その間、各界の方々からいろいろな御指摘も受けております。たとえば幼児教育の重要性の面から義務教育年齢をもっと下げたらどうか、幼小学校の構想等も出ております。あるいは先ほども少し御議論がありましたように、義務教育の中学校、それから三年間それに続く高等学校、この三・三を一貫教育にしたらどうか、こういう角度の御議論も出ております。あるいは大学の四年間という区切り方自体にいろいろな角度からの御意見が出ておることも承知いたしております。 文部省といたしましても、この制度そのものの中に基本的な欠陥なりあるいは是正すべき点があるとするならばどういうことなんだろうか、実験、研究のための資料を得るために学校を指定して特別な研究をしてもらったり、あるいは問題点があるとすればどんなことなんだろうかという研究は絶えず繰り返し行っておりますが、何しろ制度の基本に関する問題でありますから、いま直ちに、あるいは、私どもがいま考えております政策の中で六・三・三制の基本を変えていこうという考えは当面ございません。それよりもむしろ、現在六・三・三・四の中に持っております問題で、現在の制度はそのままにしながら改革していくことができる問題は何であろうか。前大臣から私が受け継ぎました改革の四つの柱も、初等、中等教育においては教育課程の改善の問題、これは学習指導要領の改定ということで具体的に現在進行いたしております。また大学の入学試験の問題等も、いま改革に手をつけております。あるいは高等学校の問題につきましても、たとえば職業高校の三年間というものがきちっとありますけれども、ほかに高等工業専門学校のように五年間という区切りをつくったものもございます。その次の受けざらとして、技術科学大学という新しい構想の大学ができたことも御承知のとおりであります。また、専修学校の制度というものを充実していこうという考え等もございまして、六・三・三・四の中で短い目盛りと長い目盛りで検討し改革を続けておる、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○中西(啓)分科員 大変ありがとうございました。
○始関主査 これにて中西啓介君の質疑は終了いたしました。 次に、井上泉君。
○井上(泉)分科員 文部大臣はいわば将来のある政治家でありますし、この文部大臣としての任期の中における発言というものは、やはり将来にわたって責任を負わねばならない発言だ、私はそう認識をし、質問も申し上げたいと思うわけです。 いまも、塾の問題で、論議をされておる中で、私は聞き漏したのでありますけれども、塾の実態については調査をされており、間もなくその全貌を明らかにすることができる、こういうふうな見解を表明されたように聞いたのでありますが、そのとおりでしょうか。
○海部国務大臣 文部省といたしまして、全国的な規模で、学習塾の実態がどうなっておるかということを調査いたしまして、近々のうちにその結果を皆様方にも御報告することができると思います。
○井上(泉)分科員 一昨年、この分科会の席で永井文部大臣に私がその塾の問題で質問をしたことに対して、なかなか調査ができないような、調査するような体制がないようなことをずいぶん言われて、文部当局ものらりくらりと答弁をされておったわけですが、どういう体制でいま調査をなされておるのか。それから調査の内容はどういうふうなものを中心としてやられておるのか、その点をお伺いしたい。
○海部国務大臣 時期といたしましては去年の七、八月ごろから調査を始めました。どういう項目でどうなっておるかという具体的なことにつきましては、政府委員から答弁をさせていただきます。
○諸沢政府委員 調査の具体的な中身は大きく分けまして二つございまして、一つは、塾に子供を通わせておりますところの世帯調査でございます。その世帯に対して、塾に子供を通わせたことがあるかないか、あるいは、通わせた場合はどういう動機で通わせているのかというような調査をいたしました。 もう一つは、塾そのものに対する調査でありまして、塾の規模、教員の数あるいは教えている内容の程度といったようなものを具体的に調査項目をつくりまして、各県の教育委員会の協力を得て調査を実施したわけでございます。
○井上(泉)分科員 それでは、それは初等中等教育局でやっておるのですか。
○諸沢政府委員 調査そのものは官房の調査統計課でやっております。
○井上(泉)分科員 そこで、文部大臣に見解を承るわけですが、今日、小中学生のいわば半数が塾に通っておる。その塾の中には、大臣も言っておるような、あるいは習字だとか音楽だとかいう特殊のおけいこごとに属するものもあるけれども、その大半が学習の補完的な役というか、そういう性質を持った塾であるということ、これは認識をしておるでしょうか。
○海部国務大臣 その実態を正確に知りたいと思いまして、全国的にわたって調査をしたわけでございますが、先生おっしゃるように、おけいこごと関係の塾、それから補習塾のようなもの、それからもう一つは、やはり進学塾と申しますか、受験を目当てにいろいろな角度から勉強を教える塾と、そんなような種類に分かれておると私は思っております。
○井上(泉)分科員 それで、その塾の規模が一つの企業化したような塾の状態もあるということは、今日常識として言われておることであるわけですが、こういう塾が発生することについての原因というものについては、今日の学校教育というか、つまり義務教育に対する行政の措置の不十分ということがあってこそこういうものが生まれるのであって、学校教育が充実しておったら、私はこの塾なんというようなものは必要ないのじゃないか、少なくとも小学校あたりの子供に塾へ通わせて詰め込ましていくというようなことは、これは教育の本来の姿から、もう間違っておるのじゃないか、こういうように思うわけですが、その点についての大臣の見解を承りたい。
○海部国務大臣 義務教育段階が本来の使命を果たして、と申しますか、きちんと行われておれば、こういった塾の問題は起こらないのではないかということは、私も全く同じような気持ちがするわけでありまして、いろいろな角度からの御批判や御指摘の中で、学校教育の場における教科内容といいますか教育課程というもの、これが非常に多くてむずかし過ぎる、したがって、その中から基礎的、基本的なことをしっかり身につけてという本来の目的からはずれて、落ちこぼれとか落ちこぼしとかいうのが存在するのだ、学校教育の段階で、もっとそれはきちんと片づけるべきでないか、私も実は本当にそう思うわけでございます。ただし、それにはいまの制度のままでそういうことだけ言っておっていいのだろうかということを顧みますと、たとえば教育課程審議会から昨年いただきました答申の中にも、内容をもっと精選をして、そして本当に基礎的、基本的なものに精選をして、ゆとりのある充実した学校生活が送れるようにしろ、こういうことがありまして、学習指導要領の中で基礎的、基本的なことは一体何なんだろうか、義務教育段階できちんと身につけてもらう基準というものは何だろうかということで、いまの学習指導要領の改定作業を行っておるさなかでありますから、そういったことが是正されるということも公教育が一つの責任を果たすことになると思いますし、あるいはまたこの間、槇枝委員長にも私は対談で申し上げたのですが、槇枝委員長の書いていらっしゃる本の中で、自分の教え子の中に、国語はわかるけれども数学のわからない子がいた場合は、どうしてわからないのだろうか、その子供の家庭の環境とか、自分の教え方の反省とか、あるいは別の角度から教えたら覚えられるだろうとか、いろいろ子供のためを思って、たとえば授業時間後居残って、心を向けて教えてやるというようなことが教師としては大事なことだと書かれておったのですが、私は、そういうように身も心も子供に向けた姿勢で学校教育が行われていけば、そういった道が確立されれば補習塾とか進学塾という方も、いま批判を受けるような過熱した状況というものは少なくともなくなっていくのではなかろうか。ですから、あらゆる角度からそういったことに施策を進めていかなければならぬ、こう考えております。
○井上(泉)分科員 私も大臣の見解等注意深く勉強しておるわけですが、その中にもいま大臣の言われたような見解も出されておるわけですが、私なんかいわゆる大正の教育を受けておるわけですし、大臣は新しい教育を受けておるわけですけれども、少なくとも小学校、中学校という義務教育というものは、これは貧乏人であろうが金持ちであろうがみんな行く学校だから、みんな受ける教育だから、その受ける子供の能力によって、あるいは数学が得意な者があれば国語が得意な者もある。だから、その得意なものがあるし能力の関係もあるから、算術がだめだから算術の塾へやらなければいかぬ、国語がだめだから国語の塾へやらなければならぬという形の学校教育ではなしに、子供というものは、中学校はともかくといたしましても、少なくとも小学校くらいは、一日くらいは学校教育から解放された、伸び伸びとして子供が遊ぶような時間帯というものを教育としてはつくるべきである。その点から考えても、少なくとも小学校段階においては、学習塾へ通わせなければならぬような教育のあり方はぜひ改めるべきでないかということを強く考えるものですが、その点、大臣の御見解いかがでしょう。
○海部国務大臣 小学校、中学校、特に御指摘の小学校の段階は人間形成にとって非常に重要なときでありますし、同時にまた先生おっしゃるように、私たちもよく学びよく遊びということで育てられてきた記憶を持つのですが、もう少し人間性豊かな国民を育成していくためには、先生おっしゃるように伸び伸びと遊ぶ時間というものもこれはやはり必要なわけでありまして、今度の学習指導要領の改定の中におきましても、教科を精選しますとともに、ゆとりの時間といいますか、学校の創意工夫によって使っていただく時間を、毎週数時間ぐらいになると思いますが、そういったものを設けて、例示としては体育の時間なんかに使われたらどうかという例示がなされておるようでありますけれども、やはりそういうときに子供と教師との心の触れ合う時間とかあるいは子供同士がどろんこになって遊び回って人間関係を深めていく、そういったような時間が義務教育の中に持てることはすばらしいことだと私も思っておりますので、先生の御指摘になった問題は方向として全く正しい方向だと私も理解をいたしております。
○井上(泉)分科員 そういうように理解をしておられるなら、そういう方向に文部大臣として文部行政というものを推進をしていただきたいということと、そしてそのことはやはり高校の進学ということと関係があるが、少なくとも今日の段階では高校くらいは全員入学、つまりこれは槙枝委員長も言っておったですけれども、少なくとも準義務教育的な高校教育のあり方にすべきではないか。それから、前段申し上げましたように、だれもが行く義務教育、このだれもが行くところの、通うところの小学校、中学校の学校施設に格差のないような体制を、格差のないような条件を与えてやるというのが、これは義務教育としての私は国の大きな教育行政上の責任ではないかと思うわけですが、その点について大臣の見解を承っておきたいと思います。
○海部国務大臣 最初の御指摘の高等学校の準義務教育化の問題でございますが、先生も御承知のようにもう九二・六%の人が進学をいたします。ところが、やはり高等学校へ進学をするという進路をみずから選択しない中学卒業生がいることも事実でございますし、それから専修学校を整備したりあるいはその他多様な要請にこたえていくためには、やはりいま直ちに高等学校を義務化にするということは、これは慎重であらねばならぬと思います。しかし、せっかくここまで高まってきておりまして、能力のあるすべての人が高等学校へ行かれるように——ですから、義務教育ではございませんが、わが方の心構えとしてはもう義務教育に近い心構えで、同世代の子供さんの数が今年度から五年間だけ見ましても百五十万もふえる、こういうことは人口構造の移り変わりでわかっておるわけでありますから、合格率、進学率をいまの高いレベルで維持していこうとしますと、やはりこの五年間に四百校を超える高等学校をつくらなければならぬということもわかっておりますので、わかったならばやろうというので、地方の財政だけにお任せをしないで、国が高等学校の建物補助の制度を一定の条件のもとにこの五年間新たに始めましたのも、そういうすべての能力ある人が希望すれば高等学校の教育が受けられるような体制はきちんと整備していこう、こういう心構えのあらわれでございますので、その点は御理解をいただきたいと思うのでございます。 あるいは後段の御質問の、地域による教育設備の格差を是正せよとおっしゃいますのは、これはやはりわれわれも理想を言えばそうでありますから、公立文教施設の整備費というものは予算折衝のときにも十分意を砕いて取ってきたわけでありますけれども、全国的に見ますとまだまだ、たとえば校舎の鉄筋化もずいぶん進んでおりますが、まだ残っておるところもあるし、プレハブで授業を受けておるという実態等もございますので、こういったものが解消されるようにできるだけの予算措置をして進めていきたい、こういう決意で仕事に取り組んでおる次第でございます。
○井上(泉)分科員 若い文部大臣ですから、若い生き生きとした、教育に明るい展望を与えるような教育行政というものがぜひ生まれることを私は期待をするものです。 そこで、高校というのは準義務教育的にほとんどの者が進学を希望しておるわけですが、大学の問題になりますと、私は自分が大学も何も行っていないので別段大学をどうこう、自分が卑屈になって大学教育の問題を言うわけではないですけれども、同じ金があるならば、金の使い方というのは、小学校、中学校という義務教育の方にやはり重点を置いてやるべきではないか、そういう考えを持っておるものですが、そこで大学の問題でお伺いをしたいのですが、この数年来、各地域に一県一校というような式で国立の医科大学創設がなされておるわけであります。わが高知県においても五十一年度その創設が認められて五十三年度開校、こういうふうなことが言われておるわけですが、その五十三年度開校になるような準備体制というものが進められておるのかどうか、その点、ひとつ文部当局から実情を承りたいと思います。
○佐野(文)政府委員 高知、佐賀、大分の三大学につきましては、御指摘のように五十三年四月学生受け入れを目途に、現在教官の公募等による教官組織の整備、あるいは必要な用地の整備、あるいは工事の準備等を進めておるところでございます。高地医大の場合も、五十三年四月の学生受け入れについては、他の二医科大学と同じように現在支障なく進んでいるというふうに考えております。
○井上(泉)分科員 それは五十二年度の予算案の中ではどういうふうになっておるのですか。私も詳しく予算の中身を見たのですけれども、五十三年度に生徒を受け入れるとするならば校舎の建築なりなんなりしなければいかぬわけですが、そういう予算措置というものは五十二年度の予算の中に計上されておるのですか。
○佐野(文)政府委員 五十三年四月に学生を受け入れて教育を実施する場合には本校舎を建てまして、そこで教育を実施をするわけでございます。そのための工事の発注は本年度の三月中に実施をしたいと考え、それに必要な予算は来年度予算で計上をいたしております。
○井上(泉)分科員 五十二年度予算の中に計上されておるのですか。それでお伺いするわけですが、その中には用地費も計上されておるのですか。
○佐野(文)政府委員 用地費につきましては、県の方でまず先行取得をいたしまして、そして医科大学の方で使用する部分につきましては当面有償で借り上げるということで予算措置をしているわけでございます。
○井上(泉)分科員 有償ですね。——当面ということは、ある時期を限ってということになるわけですが、こういうふうな用地の取得については自治体が相当用地費の立てかえをしておるわけですが、有償というのは大体どの程度の有償で借り受ける予算になっているのですか。
○佐野(文)政府委員 従来は相続税課税標準額の百分の二ということで予算の積算をいたしておりましたけれども、五十一年度からこれを用地取得価格の百分の二ということで、約七〇%程度の積算上の増額をいたしております。そういう形で借用をいたしまして、将来、必要に応じまして、たとえば他の国有地との交換等の問題も含めまして国が取得をするということも考えているわけでございます。
○井上(泉)分科員 取得する場合に国が積算をしておる基礎、借り入れする条件としては、県が買い入れた価格そのままが文部省の借り入れの対象の積算の基礎になるのですか。
○佐野(文)政府委員 取得額とそれから土地の造成に要した経費等を見込みまして、それを基礎として借用する場合の計算をいたすわけでございます。
○井上(泉)分科員 そうなると、校舎も三月に発注するということになれば、もうすでに積算はされておると思うわけですが、一体どれくらいに積算されておるのですか。
○佐野(文)政府委員 現在なお検討を加えているところでございます。
○井上(泉)分科員 検討と言うけれども、建築発注するというじゃないですか。文部省が建築するのに土地の検討なんというのはおかしいじゃないですか。はっきりしなさい。
○佐野(文)政府委員 まず借り上げをする面積を確定いたしましてから借料の計算をするわけでございますが、建築に伴いまして、まずどれだけの面積を借り上げるか、そこのところの確定がなお終わっておりませんので、金額が出ていないということでございます。
○井上(泉)分科員 借り入れする金額はどれだけと言うが、医科大学を設立するためには最初これだけの用地がなければいかぬということであなた方は県の方と話し合って用地を買ったのでしょう。だから、どれだけのものを借り入れする必要があるのかというようなことを今日言うのはおかしいじゃないですか。
○佐野(文)政府委員 高知医科大学の準備しております用地は二十二万一千平米でございます。ただ最初から二十二万一千平米を全部借り上げるわけではなくて、大学の工事の進捗状況あるいは教育研究における使用の状況に伴いまして、使用する部分について逐次借り上げていくという体制をとっているわけでございます。
○井上(泉)分科員 使用するだけを借り上げていくということは、それまでの間は県が取得した用地費用というものは全部県が立てかえておらなければいかぬ、こういうわけですね。
○佐野(文)政府委員 御指摘のとおりでございます。
○井上(泉)分科員 そこで大臣、この医科大学の敷地の問題は、私は高知県だけの例じゃないと思うのです。高知県だけであれば、これはなおさら問題として私は究明しなければならぬと思うわけですが、これは地方自治体に莫大な財政負担を与えておるわけです。これに対しては文部省は、地方から要求のあったことだから、おまえのところが負担するのはあたりまえだ、地方財政がどうあろうとも、そんなことはお構いなし、こういう見解でお考えになっておるのかどうか、ひとつ国務大臣としての見解を承りたいと思います。
○海部国務大臣 ただいまの先生とのやりとりを拝聴しておりましたが、ほかの医科大学に関しましても、全部そういう方式で事務を行っておるということでございますので、この点につきましてはいま直ちにここでどうこうしますと言うわけにはまいりませんので、御理解いただきたいと思うのです。
○井上(泉)分科員 それはみな陳情して、あなたにもずいぶん陳情されたと思うわけですが、いままでこうした形でできた国立医科大学は何校あるのか、ことしの三校をのけて、去年、五十一年度までに何校あって、その用地関係がどうなっておるのか、その点……。 あなたは聞いておるのですか。まじめに聞いてもらわなければ困りますよ。ぼくがどう言って質問したかわかるのですか。まじめに聞いていなさい。 国立医科大学でこうした高知県のようなケースの学校というものは今日まで何校設立をし、五十三年度開校に至るのか。すでに開校しておるものもあると思うが、そして、その用地関係はどうなっておるのか。そういう点についてこれ以上承っておると時間がないので、私はその資料をぜひ提出していただきたいと思うわけですが、いかがでしょう。
○佐野(文)政府委員 これまでに創設をいたしました医科大学は十二校でございます。用地の関係はいずれも一その創設の進捗状況によりまして借り上げの面積等には相違がございますけれども、基本的には同様な考え方に立って処理をいたしておりますが、資料は提出させていただきます。
○井上(泉)分科員 これはいま大臣もすぐどうという話はできないということでありますので、私はいまここで大臣にどうこうとは言わないわけですけれども、要するに国立医科大学を設けたいという要求はどこの自治体でもあるわけでございます。ところがその自治体の要求があるのをいいことにして、おまえのところでこの用地を買え、その用地を買った分については、大学が借りる分だけ借地料を払うのだ、その借地料にしても、造成費プラス購入費のいわゆる原価で借り入れすればそれはまだしもですけれども、恐らく原価で借り入れるようなことはないと思うのです。それでこういうふうな大きな財政負担というものをさせておるわけですから、一方においては、県は当然なさねばならない高校だとかあるいは義務教育とかいうものに財政のしわ寄せがいくでしょう。特にそういうだれもが行かねばならない義務教育に対する施設等においても不十分である。私は、その辺の文部行政のあり方というものを厳重に再検討して、大臣としてもこうした医科大学の実態というものを再検討し、地方財政に負担をかけないような方向をひとつ見出していただきたいと思うわけですが、その検討の用意があるのかどうかを承りたい。
○海部国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、できるだけ地方の財政負担を軽くするような意味で、高等学校の建造費補助とかいろいろなことを今年度から文部省は行っておるわけでございます。 御指摘の医科大学の件につきましては、私も、土地の借り上げのやり方とか順番のことにつきましては、正直申し上げて、いま初めて御議論を聞いたわけでございますので、帰ってからいろいろ研究をさしていただきたい、こう思います。
○井上(泉)分科員 私は、時間がありませんので質問を終わるわけでありますけれども、もういわば老骨の大臣なら、検討しますあるいは調査しますということで、国会では往々にしてそうした言葉で逃げるわけですけれども、あなたは若いのですから、そう言ったことは逃げるわけにはまいりませんので、また次の機会に、その検討の結果におけるあなたの見解を承ることにいたしまして、私の質問は終わります。
○始関主査 これにて井上泉君の質疑は終了しました。 次に、中村重光君。
○中村(重)分科員 文部大臣に質問を二、三してみたいと思います。 お互いに一緒に国会に出てきておるけれども、長い間最も親しい友人としてのおつき合いをしてきました。私は、文部大臣は最重要閣僚と評価をしておる。その重要閣僚にあなたが就任をされるということは、あなたの手腕、力量からいっても、感覚からいっても当然である、そのように考えて、喜びと同時に大きな期待を持っているわけです。この前の日曜も、槇枝さんとあなたが対談をしておったのですが、忙しい時間にもこれだけは聞かなければいかぬと思って、実は私はしばらく聞いていた。あなたの教育に対する熱意、考え方ということを評価できる点もあるわけです。 ただ、あなたに希望をするのは、できるだけ構えないで、そしてお互いに話し合うという態度、あなたの頭は古いんだとかなんとかというきめつけ方ではなくて、やはり体制側とこれを改めていこうとするものの考え方というものには違っている点もあるわけです。しかし、それをお互いに吸収し合っていくということでないと、私はいい政治というものができないだろうと思う。なかんずく教育効果を上げるということについては、この労使関係というものが一番重要なことであるというふうに考えております。したがいまして、あなたに、教育効果を上げるために一番大切なことは何なのかということをまず一点聞いてみたいというように思うのです。しかし、三十分という限られた時間ですから、一問一答する時間的なものはないのですが、私はこの際、いろんな越えがたい壁もあるだろうけれども、思い切って越えなければならぬ点もあるのではないか。 たとえば、主任制なんかの問題にいたしましても、これは管理職ではなくて指導職だ。組合側はあくまでこれは管理職と言っている。私も、自分の子供が学校へ勤めていて主任の地位にあり、実態をよく知っているつもりなので、観念的なことで物を言おうというようには思っていない。正直に言って、主任になったらほかの先生方の協力も得られなくなるという点を私の子供も心配をしているぐらいです。いわゆる協力をし合っていくというところによさというものがあるのではないか。ですから、この点についても、実際問題として考えていかなければならぬだろうし、また、主任手当というようなものは要らない、これを教育効果を上げるために使ってほしいというように教組側も言っているわけですから、本当にそういうことにも耳を傾けて、教育効果を上げるためにはどういうことが必要であろうかというようなことに思いをいたすということも私は大切だと思います。 それで、日教組がやっておる教育研究集会、これも二十数回やっているので、相当な効果というものを上げていると私は思うのです。これを、組合側がやっているんだということで一方的に片づけないで、いつまでも年休扱いということにしないで、これに理解と協力を示していくというくらいの態度が必要ではなかろうかというように考えます。 もう一つは、ストに参加した者は、おまえは校長にも教頭にもなる資格がないのだというようにきめつけて、管理職になる試験すらシャットアウトするというようなやり方はいかがなものだろうか、私はそう思います。実際知って言っているのですから、決してないことを私は言っておりません。プロ専ならいざ知らず、組合の幹部をしても、五年以上になると現場に戻る。組合の執行部なんかになる連中というのはやはり能力も相当たけておる。こういう連中も管理職にするということは、私はよりいい効果を上げていくだろうとすら思うので、シャットアウトするのではなくて、管理職の試験なんかを受けさせて、教頭にも校長にもしていくということ。このままでいきますと、今度は恐らく主任にだってしないということになっていくのじゃないか。そういうことは少なくとも教育効果を上げることにつながってこないと私は思う。 まだいろいろお尋ねしたいこともあるのだけれども、そういった点について一応お答えを伺ってそしてまた別に質問したいと思います。
○海部国務大臣 まず私の基本の考えについて御質問でございますけれども、長年中村さんにも先輩として御指導をいただいたように、いろいろな場合に対話と協調、協調と連帯ということでやっていかなければならないと私は考えておりますし、前文部大臣から職務の引き継ぎを受けましたときも、現在の文部行政が取り組んでおります学制改革の四つの柱について説明を受けますとともに、基本的な姿勢はお話し合いを通じてやっていかなければならぬ、また御協力を願わなければ、いろいろな物事がうまく成り立っていかぬわけでございまして、その基本だけは私もきちんと守っていこう、こう思っております。 まあテレビの討論会の御注意等もございましたが、御注意として謹んで拝聴をしておきます。 それから主任手当のことにつきましても、実は永井前大臣から引き継ぎのときに、考え方について詳しく御説明を聞いたのですけれども、主任というものは教育効果を上げていくためにということで、昔から必要を認めて学校にもあったわけでございますし、それから教育でいろいろ連絡したり指導したりするためには、主任という制度があった方が校内活動が生き生きとしてくる。永井さんは、これは何もえらい人をつくって管理者にして、そこに線を引いて、管理と非管理という形でやっていこうというものではないのだということも、私に内容をるる御説明いただきまして、文部省が制度化いたしましたそのねらいも、いかにしたら教育効果が上がっていくか、こういう立場から考えているんだという物の考え方等も、私はきちんと受け継いだつもりでございまして、先生おっしゃるように、そういったようなことにつきましても、いろんな角度から、またいろんな方々のお話を聞きながら施策を誤りなく進めていきたい、こう考えております。
○中村(重)分科員 姿勢はいいけれども、具体的な問題を私が幾つか挙げたから、たとえば主任制度とかスト参加者の問題なんかは。
○諸沢政府委員 現実に主任の制度化をめぐってどういう人を主任にするかというようなことから、ただいまお話しのストに参加した者は管理職にしないというようなことはどうかという御指摘でございますが、私も大きな目で見ました場合に、学校の運営に必要な人材というものは、いたずらに過去にこだわって、昔ストに参加したことがあるから管理職に絶対にしないのだということでなしに、その人の現在における能力なり識見なりあるいは信望なりというものを見きわめてするということが必要だと思います。ただそれは、あくまでもストに参加したこと自体は、これはよろしくないのだということで、そのけじめをはっきりつけないでやりますとこれはまた人事行政を乱ることになりますから、そこでそういうけじめをつけた上で、抜てきすべき者は過去にこだわらず抜てきするということも必要であろうというふうに考えるわけでございます。
○中村(重)分科員 あなたのおっしゃる、ストに参加したことに対するけじめということが何かということになる。たとえば長崎県では、過去一年間だけは参加していないということで管理職の試験を受けさせるのですね。あなたの言うけじめということになってくると、結果は同じことになってしまって、やはりよくないですよ。そういうことじゃなくて、ストに参加したということをもってこれに人事差別をするということはおやりになってはいけない。そういうことでは労使関係というものはうまくいくものではありません。文部省としては、ストというものは違法ストだ、こう言っている。組合側としては、憲法に保障されたものであって、これを制限したこと自体が間違いなんだという主張。やはりそれぞれ主張があるわけなんだね。だから、そういうことについてはお互いに耳を傾けていくということ。また、時代がずっと進んでいます。自民党絶対多数の中における状況のときと現在とは、今度の一兆円減税の予算修正でも、かつて自民党が夢にも考えていなかったようなことが今日実現をしているということ。やはりそういう勢力というものがどうなったかということは、国民は教育問題に対してが一番敏感ではないでしょうか。そういうものに対する一つの国民の回答というようなことにも受け取っていく必要があるだろう。少なくとも新しい感覚を持つ海部文部大臣は、そこらについてはどの大臣よりももっと鋭敏にそれを吸収していくということが必要ではなかろうか。その点で、あなたに対する文部大臣としての期待というものも非常に大きいものがあると思う。 それから、先ほど申し上げた教育研究集会、これをいつまでも年休扱いにしておくということは間違いである。これに理解と協力を示していくということが必要ではないでしょうか。 この二点については、大臣からもひとつお答えください。
○海部国務大臣 お答えをいたします。 各地方によっていろいろ行われておる行政の実態については、私もつまびらかにいたしませんので、過去にストに参加したとかしないとかいうことがどう扱われておるかは、初中局長から後ほどまた詳しく聞いてみようと思うのですが、ただ一点、これだけは中村先生にも御理解賜りたいことは、学校の教育の場というものは、やはり教育基本法に基づきまして心身ともに健全な日本国民を育成するためにあるわけでして、先生などの見解、あるいは組合の見解かもしれませんが、ストを禁止する法律があっても、それは憲法違反の疑いもあるし、そんな法律はというようなことが、もし認められるといいますか、そういう考え方が許される、肯定されるようなことになってきますと、これはやはり一番国民として守らなければならない法律を守るという基本的な立場に対する認識が崩れてくるわけでありまして、私どもも人間でありますから、私どもがいま現在の法律が一〇〇%未来永劫に正しく変わらざるものであるなんということは言いませんけれども、しかし、逆にこの法律が憲法に違反しておって、この法律でストをやることは法律違反だときめつけることは間違いだという主張をなさるときは、その主張をなさる場と法律的な手続があるわけでありまして、それが、理屈を言おうとは思いませんが、憲法八十一条が憲法の中に書かれておる精神でございますので、そういう場を通じて——この法律は憲法違反でストをやっても違法ではないということにならない限りは、やはりストに参加するということは、これは厳重に慎んでいただかなければならぬ問題であって、むしろそういう教頭、校長になっていただくような能力と資質に恵まれておる方はみずから立場を自戒していただいて、自粛自戒、みずから積極的にストなんかには参加しない、こういう姿勢をとっていただきたいということを心からお願いしたいと思いますが、だからといって、一切の差別をしないで、現在のその人の資質、能力が管理職にふさわしいかどうかということを現在の時点に立って判断したいという先ほどの諸沢局長の答弁は、私はまさにそれでよかろうと思いますが、しかし、ストに参加されても結構でございます、ストに参加することは別に法律違反でも何でもございませんというような認め方は、これはどうしてもするわけにはまいらぬと思います。 それから後半の、教育研究集会を年休扱いにしておるのはいかぬとおっしゃいますが、これもひとつ対話と協調でこちらからのお願いも聞いていただきたいのですけれども、やはり学問、教育内容だけの研修にきちんとするのだというようなことも、ひとつ組合側の方もきちっと守っていただくということがこういったことを話し合いしていく出発でございまして、ほかの政治目的とか、あれはけしからぬ、これはこうだというような政治問題の方に発展してまいりますと、今度はそういう政治活動そのもの、特定の政党を支持したり特定の政党に反対したりするようなことはよろしくないのだということになっておる、その大きな方向からいってもいささかどうかという感じがいたしますので、これもひとつ対話と協調ですから、どうしたらそういったものをお互いに考え直し、自粛自戒すべきところはどこなんだろうか、文部省の側といたしましても、私もこれからいろいろ考えてみますけれども、本当の義務教育というものがあるべき姿に戻って、子供のために教育効果が上がっていくようになっていくためにはどうしたらいいか、その角度からの議論、話し合いが進むことができますように、これは心から期待もいたしますし、またいろいろと御協力もお願いいたしたいと思います。
○中村(重)分科員 憲法八十一条の問題に触れられたけれども、それを議論する時間の余裕はありません。ただ、あなたのお答えの中にと言えばいいのか、意見と言ったらいいのか、校長や教頭になる者はストにも参加しない、こういうようなことであってもらいたいのだと言われた。しかし、なぜにストをやらなければならないのかということ、これをやはり考えていって問題を解決をしていくという努力があなたにないと、いままでの文部大臣と海部文部大臣もちっとも変わらないということになる。あなたにはそうした問題の解決、前進的なもの、それを期待されている。それをやはりお考えにならないといけないのです。一方的に文部省のやっていることは正しいのであって、組合側のやっていることが悪いのだというきめつけというものは、全然あなたも変わらない。いままでのからの中にあなたも閉じこもっておる。少なくとも私が期待しておる海部文部大臣はそういう人物ではない、こう私は思っている。だから、からに閉じこもらないで、いままでの問題をあなたは見直してみて、ここはこの点がいけないのだ、それを解決するのが自分に与えられた任務なんだという態度で取り組まれる必要がある。いまの教育集会の問題、それもあなたは観念的なんで、あの教研集会の中でこの政党はいけないのだなんていうことは、いま研究はしていません。本当に真剣にやっている。しかも父母と一緒に対話をして、そういうような話をしている。 それから、母と女教師の会なんというのは、私どもは政党人だから、政党人にだってあいさつの機会を与えないというくらいやっている。だから、あなたはやはり偏見なんだ。そういう偏見を直して、本当に中に入っていってその実態を知るという努力をおやりにならないといけない。それは後で触れられたのがそれを意味してのお答えだったのだろうと思うから、そういうことで理解をいたしますが、そういうことで取り組んでいただきたいということを希望します。 それから広域人事の問題。これは長崎であったことですが、お互いに構えてなかなか話が進まなかった。私も教育長と会うし、それから知事側とも会うし、教組側とも会って、とにかく何とか話し合いで解決をしてほしい。この人事交流の問題で、ストで力の対決というものはよくない。やはりいままで管理者側、教育長としてもずっと確認書によってこれを認めてきた。一挙にこれを解決するということは無理なんだから、余り形式にとらわれないで、教組側もただ希望だけではいけない。エゴばかり言って転勤を拒む者に対してはやはりこれを強制的に転勤をさせなければならぬという態度を教組側も示すというような、教育長側からとれば百八十度の転換もされた。そういうようなことで、一応ストの批准もできておりましたけれども、これを倒して話し合いに入っているのですが、それから先が具体的な問題になって一向進まないでいる。 こういうことなんでして、だからこういうことにもよく調査をされて、やはりこの人事というものは、管理運営の問題であって、交渉事項ではないのだというかたくなな形式的な態度だけでは問題の解決にならない。それはそれだけれども、円滑にやるためには十分意見を聞かなければならないし、その意見も生かしていくということでなければならないという、形式にこだわらないで、より効果のある人事というものが、人事交流がなされるような努力が必要であろうというように思います。しかしこの点は、教育長も教組側も本当に前向きで精力的に取り組んで、そういう話し合いの場が持たれたということは私は評価をいたしたいと思っていますから、具体的な問題についてスムーズに前進をして、問題が本当に解決をするように適切な指導もしていただきたいということを要請をしたいと思います。 それから大臣、離島に先生方が行くことをいやがるのは無理もないのですよ。余りにも生活環境が悪いのですね。住宅なんというものもない、物価は高い、文化は低い。それからお医者さんが第一いないでしょう。私のところの県の対馬なんかは眼科がない、精神科もない。これは精神科はめったにないのでしょう。それは精神科にお世話になるような人がいないことが一番いいのだけれども、ない。歯医者さんなんかもあるのだけれども、まだ少ない。一週間も十日も痛いのをがまんしなければいけない。それで六千円も幾らも金かけて、飛行機に乗って福岡県なんかに行って歯の治療をしなければならぬという実態。こういうところには健康と生命の問題があるから行きたがらない。こういう問題の解決というものが必要だろう。そのためには、やはり住宅をつくっていくためには事業量を増大するとか補助単価を引き上げるとか、用地取得に対する起債措置を充実するとか、こういうことを抜本的におやりになる必要がある。それから大臣、国立大学をおつくりになって、そこへやはり総合病院的な性格を持たせて、お医者さんをそこで確保していく、こういうことが私は必要であろうと思う。こういうことでないと、この広域人事という問題、人事交流という形式だけで押しまくっていくというようなことでなくて、いやがらないで、先生方がそういうところにも本当に喜んで行くような環境をつくっていくということが必要であろうと思います。 まずこの点に端的にお答えをいただいて、それからまたやります。
○海部国務大臣 僻地の教育の問題につきましては、中村委員御指摘のような大変な御苦労やいろいろな問題があろうかと、私もそう思います。僻地に勤務していただく先生にはどういうことをしておるか、いろいろな手当のこととかあるいは御指摘の住宅宿舎の建築の手当てとかいろいろなこと等につきましてはきめ細かく処置をしておるわけでありますので、後ほど詳細は政府委員から御説明いたします。 それからもう一つ、いまお医者さんのことは、これは直接私の管轄ではございませんが、たまたまこの間厚生大臣とこのことで話したことがございますが、要するに僻地へ勤務していただくことを一定期間了承を求めるために何か奨学金のような制度がいま行われているところもありますので、そういったような制度を通じて僻地に対する医師の派遣、赴任を義務づけるような、そして医師の適正配置ということを考慮する必要がある。これは厚生大臣とも私が話したことでございますけれども、そういう方向で、なるべく僻地の方へ行かれてもそういったいろいろな文化とか医者の面で御不自由がないようにいろいろな機会を通じて私も前向きに考えていきたい、こう思っております。
○諸沢政府委員 簡単に申し上げますが、僻地の教員に対しては、御承知のように、本俸について八%から二五%までの僻地手当、あるいは新たに僻地に参ります場合の赴任手当、それから僻地に多い多学年学級担当教員手当、あるいは全国的にほぼやっておりますが、僻地教員についての特別昇給の制度というような給与上の各種の手当、それから僻地教員宿舎の建築費の補助というようなことを予算上は措置しておるわけでございますが、おっしゃるように、僻地の人事を円滑にするためにはわれわれとしたしても常にそういうきめ細かい施策について努力をしていく必要があろうかと思います。
○中村(重)分科員 私どもは離島振興法を改正して、これの中に教員住宅をつくるのを入れたのです。だけれども、やはり補助単価が、高率にしたけれども依然として低いし、予算単価と実勢単価というものが合わないのだ。どうにもならない。それから用地の取得で大変なんだから、そういうものをもっと拡充しなさいというのが私の主張なんです。 次に、後でお答えをいただきますが、時間の関係があるから、身障児の教育について、これは五十四年から就学免除とか猶予というのは廃止されるということになるんだと思うのですけれども、これに対する対策を進めているのかという点が一点。 それから身障児教育になってくると学習、治療、訓練というものを含む統合教育というものが重視されるんだろうと思うのです。このためには養護学校というようなものが中心にならなければならぬということになるのでしょうが、養護学校ももっと整備、拡充をしていくということでないといけないのでしょうし、ともかく身障児というのは通学するのにも、私の車の運転手の子供さんも実は身障児なんで、お母さんが学校に行くときも帰るときも、五年生なんだけれどもついていかなければいけないのですよ。そういう大変気の毒な状態なんで、だからこの身障児の子供さんに対するそういうきめ細かい配慮が必要である。それから自閉症児の子供なんということになってくるとものすごく手がかかるので、だから学級の編制というものは余り形式にとらわれないでやるということが必要なんです。それから副担任なんというようなことも考えていかなければ教育効果を上げることにならないと私は思うので、この身障児教育の問題もお答えいただきたい。 それから私学振興の問題、これは大臣、御承知のようなことで一応経常費の助成の道も開くことは開いたけれども、これとても非常に少ない。それから施設整備の方も、申し上げた実勢単価と予算単価が違うので、二分の一とか三分の一の補助がそのとおりになっていないという実態。それから経常経費というようなものももっと大幅に引き上げていくということでないと、幼稚園なんかの就園奨励金もこの一つなんだけれども、これも低所得に限定している。これもやはり全世帯に及ぶように配慮していくということが必要であろうし、それから地方自治体なんかで、全部の子供、いま対象は五六%なんですけれども、これをもつと地方自治体で広げていこうとすると、今度は経常費に手かげんをして、これを抑えていこうとする国の態度があるように伝えられている。そういうことではいけないと私は思うので、そういうことも改めていく。ともかく幼稚園で公立の場合は二万円、私立になると十三万六千円なんです。こんな大きな格差では話にならない。やはり格差を解消するということに格段の取り組みが必要だろうというように私は思います。 それから、専修学校の位置づけ、これをどう位置づけていこうとしておるのか。将来、施設整備とかそれから経常経費に対する助成の道でもやらなければならぬというふうにお考えになっておられるのかどうか。いま専修学校に対する期待というものが非常に大きいので、いままでの各種学校をただ専修学校に引き直したということだけでは話にならないと思いますので、そういうことに対する考え方というものもひとつお答え願いたい。 それから、私は今度の離島振興で国立の大学病院のことを言ったのは、大学病院はあなたの方の所管なので、これに対して先般来看護婦の夜勤手当と通勤手当というようなこともようやく今度開かれることになってきたわけなのです。これもまだ煮詰めができていなかったので、これがどうなっておるのか。長崎病院は新しい病棟になりましたが、看護婦が非常に足りない。だから非常に労働過重になるだけでなく、足りないために手術なんかのときに非常に困っているという現状です。こういうことに対しての対策も考えてもらわなければいけない。 時間がありませんので、総まとめで質問しましたから、それぞれお答えをいただきたいと思います。
○海部国務大臣 御質問がいろいろ項目がございましたが、まず最初の特殊教育の問題につきましては、これは先生御承知のように、昭和五十四年度から義務化にいたしまして、そのための校舎の整備とかいろいろな教育課程の編成とか、どうしたらその人の能力に応じた教育ができるかという、いろいろな実践研究等を重ねておるところでございます。現在、十九万六千六百二名の人が特殊教育を受けるに至っていらっしゃるわけでして、これらの人々に対して、教育の機会均等の立場から、能力に応じた教育ができるように十分配慮をしてやっていきたい、こう考えておるところでございます。 それから、私立学校の助成の制度に関しましては、これは基礎は私学振興助成法でございまして、考え方は、国公立と私学との間の教育費の父兄負担の格差を何とかできるだけ是正したいという角度からやっておるわけでありまして、今年度計上しております予算額も、私立大学関係で千六百五億、高等学校以下で三百億、そしてこれはどの辺のところまで経常費の助成でいくかと申しますと、大体二七%の線までだ、こう考えます。ですから、われわれが願っておりますものは、本当にそう言えばもっと多く、法律に示してありますように二分の一以内となっておりますから、二分の一に近いところまで、できれば持っていきたいし、また持っていかなければならぬと思って、大臣折衝等でも一生懸命努力するのですが、御承知の国の経済情勢の厳しい折に、今年度の予算と比べますと、大学に関しては二四・四%、高校以下に関しましても六〇%を超える伸び率を示しましたので、でき得る限り財政上の許す限り、この助成の枠は当然拡大していかなければならぬと思いますし、またこれだけで片づくとも思いませんので、私学振興財団の方からの融資の問題とかあるいは奨学育英資金の中で、私立大学や私立高校に通う生徒には、国公立へ行く人よりも貸付金の枠を増額するように今年度も措置をいたしましたし、また先生御指摘の、幼稚園のお話は、まだ幼稚園も義務ではございませんけれども、しかし入園を希望するすべての五歳児をまず当面五十七年までには全部入ってもらうようにしよう、そのためには私立が、御指摘のように七五%の幼稚園教育の責任を負ってもらうわけでありますから、ここに対する国のいろいろな助成とか、あるいはお話に出ました就園奨励金もことしは五十五億円というところまで予算措置をすることができまして、さらに、これも方向として間違いない方向でありますから、全力を挙げて拡大をさせていって、でき得る限りの国公私立間の親の立場の負担の格差を是正する方向に、いま許されますいろいろな施策を通じて全力を挙げてやっていきたい、こう思うわけでございます。 それから専修学校のことにつきましては、専修学校を位置づけさせていただいて、また最近の報道等によりましても、専修学校の卒業生というものが就職問題等においても非常にいい成績をおさめていらっしゃる。私はやはり人間のいろいろな能力の中において専修学校のコースを選ぶ人が年々ふえてきておるという実情等を考えましても、それぞれの立場で能力を開発した人が社会に貢献してもらうわけでありますから、こういったものについてもいま直ちにこれを将来どうこうするという青写真は、正直言ってまだございませんけれども、これがより充実されて前進していきますように、専修学校の将来というものについては関心を持って施策を進めていきたい、基本的にこう考えております。
○佐野(文)政府委員 夜間看護手当につきまして、夜勤の看護婦が通常交通機関を利用できなくて、タクシー等で出退勤をする場合の定額の加算の問題につきましては、予算上の増額計上はおかげさまでできたわけでございますが、具体的な支給の方法あるいは額については、なお人事院において検討中でございまして、決定に至っておりません。
○犬丸(直)政府委員 僻地教員住宅の点の御質問でございましたけれども、五十一年度には六百十七校をつくっておりますけれども、五十二年度におきましても、この充実を目指しまして六百二十七校を予定しております。 それから御指摘の単価の点につきましても、ブロック造で八・七%、鉄筋造では七・四%のアップを図る、そういうふうなことで、それから建物自体従来のような余り狭いものでは困るというような要請もございますので、建物面積も大きくするというようなことで、全体としてその充実を図っておる次第でございます。
○始関主査 これにて中村重光君の質疑は終了しました。 次に、上原康助君。
○上原分科員 私は主に沖繩の教育問題について、分科会でもありますので、お尋ねをしたいのですが、その前にちょっと大臣にお伺いしたい点は、いまも中村先生とのやりとりも少し聞いておったのですが、またこの間、日曜日の教育討論会を大臣がやっておられるのを私も聞きまして、確かに大臣に就任されて教育問題に非常に意欲的に取っ組んでおられる、あるいは従来の文部省の教育行政というか教育政策と、われわれの方から見るとより開かれた方向に、あるいは民主的な教育行政というか、教育政策を確立をしていかれようとするという意欲を非常にうかがうわけですが、それにしてもなお一つの枠というものは絶対崩してはならぬという原則を持ち、これもわからぬわけではありませんが、特にスト権の問題などについて、いまもありましたが、教頭になられるとかあるいは校長に将来なる方はストなんかに参加しないで、もっと教育本来の専門に取っ組むべきだ、専心すべきだ、これもわからぬわけではありませんが、しかしそう画一的にきめつけるのもわれわれとしては納得いかないわけです。その点はもっと柔軟な姿勢というものをとっていただくのが、むしろ現場の教育に当たっておられる方々の御要望なりあるいは要求に対してこたえることになるんじゃなかろうか。私は、ストライキに参加する先生が必ずしも悪いと決まっていないと思うのですね。教頭にしても校長さんにしても、ストライキに参加しないでこそこそする人よりももっとりっぱな期待されている教員である、教師であるという方がたくさんいらっしゃると思うのですね。そこいらはどうも納得いきませんので、もう少し大臣の見解というものを聞かしていただきたいと思うのです。
○海部国務大臣 私は誤解を招くといけませんから申し上げたいのですけれども、校長、教頭になる方はストに参加しないでほしいとは申し上げておりません。先生たる者はすべてストに参加しないでもらいたい、これが基本でございます。 なぜそんなことを言うかといいますと、やはりこれは将来の日本国民を心身ともに健全に育てていただくのが私は教育者の一番大きな使命だ、こう思っております。それだけに教育者の地位は高く、教育者が負っていらっしゃる責任は重いわけでございます。しかも、いま国民がとこうおっしゃいますが、どうでしょうか、国民の皆さんも、学校の先生はストをおやりになるのがいいか悪いかと言ってみたら、私におっしゃる方は、ストはしてもらわぬ方がいいなという方の方が多いわけですし、なぜかというと、それは法律に書いてあって違法ストだからいけませんということまできちんと割り切って皆さん物を言っていらっしゃるのかどうかということまではわかりませんが、みんながとにかく先生はストをやってもらわないで、そんな時間があったら子供をきちんと教えてもらいたい、こういう願いが私はやはり国民の皆さんの願いだろうと思うし、またわれわれの立場から申し上げれば、これは理屈を言い合うつもり毛頭ありませんけれども、やはりいま法律でストは禁止されておるわけでありまして、これはよくないことだという自粛自戒のけじめをきちんとつけていただきたいという全体の願いを申し上げたわけで、だから今度はストに参加されたという経験が一遍でもあれば管理職にするとかしないとかいう問題については、先ほど初中局長がお答えしましたように必ずしもそんな画一的に決めつけてだめだと言って運用しておるわけではない、こう申し上げましたけれども、私はもっと別の次元から、すべての先生方がストなんかには参加されないことを心から願っておるわけでありますので、どうぞ御理解をいただきたいと思います。
○上原分科員 私も、何もこのスト論議をしようと思いませんし、またそういう準備ももちろんしていないわけですが、ただ申し上げておきたいことは、確かに教師とは何ぞや、あるいは教育者とはという教師像の議論をするといろいろ意見のあることも私もわかります。しかし、なぜじゃそういう行動をとらざるを得ないかという教育環境のあり方とか社会の背景とか、そういうものもよく理解をした上で、スト権の問題とかそういう教師の皆さんがやむにやまれぬ立場で行動を起こすという場合に理解をしていただかないといかない問題があるという点だけ指摘をしておきたいと思うのですね。 特に、なぜ私がこの点を少し触れたかといいますと、永井さんが文部大臣をしておられたころ内閣委員会でも少し触れたのですが、私は沖繩の出身ですから沖繩の立場から言いますと、沖繩県民がやはり日本国民としての希望というかあるいは立場というものを堅持をし得て今日の段階まで曲がりなりにも来たということは、私は教育の力だと思うのですね。バックボーンになったのは教育の力、これは屋良前県知事を先頭にいろんな面に御苦労いただいて、やはり日本国民としての教育をした。もし教育者が、いま大臣がおっしゃるようにストをするのはいけないことだ——父母の皆さんも、それはできればそういうことないのがいいですよね。そういうことで権力者に対して従順な戦前のようなことであったならば、私は今日の沖繩の事態というものは現状の段階までも来れなかったと思うのですね。それが、そういう社会環境を私なりによく理解しているがゆえに、やはり教師といえども振りかかってくるいろんな不当な行政なり制度なりあるいは権力の介入に対しては反対をする自主性、主体性を持って日本国民としての教育というものを教育基本法にうたわれているように守っていく、その精神というものまで阻害をしていく、あるいは締めつけていくというあり方はいかないのじゃないのか。今日までの文部行政というものはそういうこともあったがゆえに、言われているように教育問題が非常にかみ合わない、あるいは私は、そういう言い方は悪いと思うのですが、不毛の論議とかいろいろなことが指摘されている。そのことを指摘しておきたかったがゆえに少し申し上げましたが、やはり海部文部大臣のいまのお答えを聞いても一定の限界が、この方も一定の限界を持つのかなという、私にすればいささか期待外れの御答弁だということを申し上げて、これ以上このことは触れません。 そこで、いま教育環境のことも申し上げたのですが、一体、たとえば小学校とかあるいは中学校の適正規模、学校の適正規模というものは、生徒数をどういうふうにとらえておられるのか、少しお聞かせをいただきたいと思います。
○犬丸(直)政府委員 一応十二学級あるいは十八学級程度が適正な規模であろうかと思います。
○上原分科員 その場合の生徒数はどのくらいを適正と見ておられるのですか。
○犬丸(直)政府委員 一学級四十五人を原則といたしますと、約八百人くらいまでが適正規模であろうかと思います。
○上原分科員 それは文部省の資料でも大体そういうことになっておると私は思うのですが、そこで学級の生徒数の問題にしても、いろいろ現場の方々から絶えず要求が出ている。現在四十五人あるいは四十人前後ですが、本当に親身な格差のない教育をやって指導していくにはもっと生徒数を少なくしていかなければいかぬということが非常に強調されているわけですね。これと同時に、学校全体としても言えると思うのですね。 たとえば小学校にしましても一応八百名ないしせいぜい千名程度だということになると、それ以上の生徒数を抱えるとなるとそれだけいろんな面でしわ寄せが波及するわけですからね。なぜ私がこのことを——すでにお気づきと思うのですが、那覇市の例などをとってみても、実に三千名以上の小学校というのがあるわけですね。中学校にしたって千七百名以上というのがある。これではいまおっしゃったように心身ともに健全な教育を幾らやりなさいと言ってみたって、なかなか担任の先生方にしてみれば負担が過重だ、思うようにいかぬという面があると思うのですね。こういう学校運営というもの、学校環境というものを私はやはり早急に改めていかなければいかぬと思うのですね。これは私、以前も取り上げたことがあるのですが、もちろん復帰をして非常によくなったという県民の評価というものは、教育関係施設、文教行政だというその評価は私もやりますが、しかし実際問題として、新しい学校をつくるとかあるいは校地を購入するとかいうことになると金がかかるものですから、予算がかかるものですから思うようにいっていないわけですね。こういう沖繩の教育施設の実態について、政府、文部省としてはどういうふうに把握をしておられて、いま一、二例挙げましたが、このマンモス校の解消というものをいつまでにどのような方向で是正をしていくお考えなのか、お聞かせを賜りたいと思います。
○海部国務大臣 方向といたしましては、本土の施設水準に引き上げるということを目途にして、その方向でやらなきゃならぬのは当然のことだと思いますし、それから昭和四十九年から、先生御指摘のような大変な過大校の分離を行う場合の用地費の助成ということも行っておるようでございますが、大規模校解消のためのきょうまでの経過といまの考えについては、政府委員から御説明をいたさせます。
○犬丸(直)政府委員 ただいま大臣がお答え申し上げましたように、沖繩の大規模学校につきましてはやはり土地の取得が問題でございますので、その用地費の補助を四十九年から始めたわけでございます。それで、いままでに四十九年度においては三校について——これは三校全部じゃございません。年次にわたっておりますのでダブる面がございますが、四十九年については三校分、五十年度についても三校分、五十一年度も三校分というふうに措置してまいりまして、大体分離予定されておる那覇市、沖繩市、浦添市、宜野湾市の学校、その中で五十二年度に予定されているものが三校ございます。それについてはまたそういうことで措置してまいりたいと思っております。 さらに、私どもの把握しておりますところによりますと、那覇市の三つの小学校が五十四年度には分離したい、あるいは一つの小学校は五十三年度に分離したいというようなことが見えておりますので、これは予算の規模等も考えまして、逐次できるだけ措置してまいりたいと考えております。
○上原分科員 大臣、ぜひ沖繩にも行かれて実態をごらんになると同時に、教育関係者ともひとつ意見交換や御指導もやっていただきたいという御要望も申し上げたいのですが、先ほど御答弁がありましたように、那覇市だけでも、小学校で一校大体八百名規模の平均在籍数にすると、小学校にして二十校、中学校にして八校、約二十八校不足していると言われているのです。まあそれほどまでに平均化というか、あるいは是正するということは必要でないかもしれませんが、数字の上からはじくとそのぐらいのマンモス校というのが現にあるわけですよ。これは大変な状況で、今後も人口増に伴って、いま御説明がありましたように、浦添市あるいは豊見城村、沖繩市、宜野湾市のあたりもこういう傾向というものが出てきている。さらに人口一万人当たりの生徒数にしますと、四十九年五月一日の文部省のお出しになっている資料にしても、幼稚園の場合は全国平均が大体四十七名で沖繩県が百七十四、実に三・七倍、小学校が全国平均八百九十八名で沖繩が千二百三十七名、中学校は全国平均が四百二十四で沖繩は六百八十。まあ中学校の方はまだこの比率はわりかし少ないようですがね。特殊学級の場合だって全国平均五で沖繩が十、高校の全日なんかも全国平均が二百四十三で沖繩が四百二十三、これもやがて倍ぐらいにいくのですね。高校定時制も全国平均が二十五で沖繩県が六十、これも非常に高い。こういうような状況で、すベて倍かあるいはそれ以上のインパクトというものがあるわけですよね。これなどを解消していくには、いまおっしゃいましたように年度計画でやっておられるということはわかりますが、そのテンポだけではちょっと遅いんじゃないかと私は思うのです。 確かに校地購入の助成措置などもやっておられるようですが、那覇市の実例を挙げますと、学校用地も、本来ならばこれは公用地でなければいけないと思うのですね。公用地として買い上げておかなければいけないと思うのです。しかし県有地は八・八%、私有地が五六・四%、借地というのが三四・八%もまだあるわけですね。そこで、年間大体一億二、三千万の借地料を支払わざるを得ない状態にいま置かれている。それだけまた教育費に負担がかかってくるわけですね。そこでこういう校地の購入については、やはり国の責任においてこの際何らかの形でやっていただかなければいけない問題だと私は思うのですね。この点についてどのようにお考えになっておられるのか。より積極的に解決していく立場でひとつ御努力をいただきたいと思うのですが、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○犬丸(直)政府委員 用地の取得費につきましては、義務教育費一般の問題でございますが、特に生徒急増市町村につきましてはこれを補助の対象とするということを始めたわけでございますが、沖繩地域につきましても、その関係の予算につきましては大幅に増額をすることにいたしまして、五十二年度には五十一年度の事業量の、面積にいたしまして二・四倍の六万三千平方メートルというものを計上していただくようにしておるわけでございます。 なお、沖繩の特殊事情といたしまして、いまちょっとお話にありましたことと関連すると思いますけれども、基地の提供施設にかかわる代替借用の校地の問題につきましても、特にそのために特別な補助金を用意しておりますけれども、それにつきましても五十一年度より八九%増というかなり大幅な増で、三万八千平方メートルというものを計上いたしております。このようなものの運用によりましていまおっしゃったような問題点の解決を図りたいと考えておる次第でございます。
○上原分科員 それと、いま御説明ありましたが、那覇市の場合学校敷地がそれだけやはり窮屈である、あるいはなかなか求めがたいということとあわせて、軍用地が、現在では市の面積の二七%ぐらいに少し減っておりますかね、一応三〇%程度、三分の一は軍用地が占めておるわけですね。しかもその軍用地内にいまおっしゃったように旧校地、学校敷地がある。それがなかなか代替地としてとれない、ほかに求められないという悪条件がまた重なって今日この状態になっているわけですね。そのことも私たちは何回か要請をし、要望をして、ようやく国庫補助というものが認められるようになっているわけですが、まだまだ二分の一の国庫補助とか、あるいは人口急増市町村の場合の対象面積に対して六五%の三分の一ですか、いま補助しているのは。その程度ではこれはどうにもならないと思うのですね。この状態では市町村の対応費が捻出できないのですよ、これだけの不況と地方自治体の財政問題もあってですね。大臣、これはもう単なる行政サイドの問題じゃなくして、いわゆる国民教育をどうするのか、教育施設はどうするのか、義務教育というものは国の責任においてやらなきゃいけないんじゃないかというまさに政治判断の問題だと私は思うのですね。こういった実態についてはもう少し積極的な財政措置がなされてしかるべきじゃないか。この点は、今度五十二年には間に合わないかもしれませんが、次年度あたり、いま私が指摘したようなことを含めて、何らかの形で早急に、いま少しこういった実情を解決をしていくという国の積極的な財政措置を伴う御配慮がなければいけないと思うのです。この点、前向きに解決するように御努力いただきたいと思うのですが、御見解を承っておきたいと思います。
○海部国務大臣 最初申し上げたように、沖繩のいろいろな特殊な条件等もございましょうが、本土の施設並みに一刻も早くしたいということをめどにして努力をしておるわけでありまして、今年度の予算措置の中でも沖繩県公立文教施設整備予算が百二十七億円計上されておるということやあるいはできるだけの努力は方々でしておりますが、御指摘のように、それでは不十分ではないかということになってまいりますと、なるほどこれで十分だとは申せませんので、ただ、現在ほかに地方債の措置とかいろいろなことでなるべくその地方自治体の負担を軽減するような措置を文教予算のみならず自治省関係の方でもやっておるわけでありますが、この次の予算を編成しますときにも、沖繩の問題につきましては、特に関心を持ってさらに一段と折衝に努力するようにいたします。
○上原分科員 その点は特段の御考慮をお願いをしておきます。 次に、公立幼稚園の職員給与の問題についてちょっとお尋ねをさせていただきたいのですが、最近の教育は幼児教育だと、大臣も非常に口癖のようにおっしゃっているような感じを受けるのですが、私も、やはり小さいころからそれなりの指導というものが環境を含めて必要だと思うのです。これは指摘するまでもなく、沖繩だけに限ったことじゃありませんが、沖繩の場合ですと、復帰前は公立幼稚園の職員、先生方の給与は半額は琉球政府が負担しておったのです。したがって、各市町村の教育委員会に補助という形で出して、給与にアンバランスがなかったわけですね。たとえば、財政のちょっとゆとりのある方は給与が高いとか、そういうものをなくしていくために県が半額補助しておったのです。しかし復帰と同時にこれが切られてしまって非常にむらが出てきたわけです。そうなりますと、僻地とかあるいは離島とか、そういう面の公立幼稚園の給与は非常な財政的な問題になってきている。だから、私は、先ほどの中村先生とのやりとりの中でもありましたが、やっぱり幼児教育を重視するということであるならば、私立の幼稚園に補助を出すのも大変結構なことですが、公立幼稚園で働いている教員の方々、教師の方々、職員の皆さんの給与も国で全部めんどうを見て予算化していくということが大事だと思うのです。その点どういうふうにお考えになっておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○海部国務大臣 詳細にわたりましては、私もいま手元に資料を持ち合わせておりませんけれども、ただいま御指摘の問題は交付税において現在は措置をしており、それは小中学校の職員の俸給表に準じて取り扱いをしておるというふうに理解をしております。
○上原分科員 確かに、いまおっしゃるように、交付税対象になっているという点も私も聞いております。しかし、それだけではやはり不十分な面があって、いろいろ支障を来している。これは恐らく文部省にも要請が出ていると思うのですが、せめて復帰前のように半額は国庫補助でやってもらいたいというのは、これは長年の要求として出ていると思うのです。この点、もう少し御検討いただいて、措置をしていただきたいということ。 時間がありませんので、次に、琉大医学部の設置の件については、これはたくさん申し上げる必要もないと思うのですが、今度ようやく五十三年を開設めどにしてやるという方向が出たわけですが、先ほど厚生省管轄でも沖繩の医療問題や社会福祉の問題も取り上げてみたのですが、やはり医療施設、医療行政が大変おくれをとっているということは、お医者さんの数が絶対的に不足をしているということあるいは公的医寮機関というものが非常に不足をしているというのが一番大きな原因になっているわけですね。この点はもう長年の県民の要求でもありましたし、また、亡くなられた佐藤元総理が最初に沖繩に行かれたときに、たしか四十年ですか、初めてこのことを言って、あれからもう十何年という日時が経過してしまったのですね。このことは、おくれることのないように医学部設置を進めていきますね、改めて御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○海部国務大臣 琉球大学の医学部は、今年度創設準備に入りまして、おくれをとらないように進めていきたいと思っております。
○上原分科員 開設のめどはいつになりますか。
○宮地政府委員 ただいま大臣から御答弁のございましたように、創設準備を進めるということでございまして、準備の進展状況に応じて創設をするということに相なりますので、創設時期については、現段階では未定ということになろうということでございます。
○上原分科員 これは、もちろん県側の受け入れ体制なり大学当局の準備などもあると思いますが、大臣、ぜひおくれることのないようにひとつお願いしたいと思うのです。 時間が来ましたので、いま一つ、沖繩の復帰に伴う国家公務員等退職手当法の適用の特別措置に伴ういわゆるみなし退職者の措置について、ぜひ御配慮をいただきたいということ、これはどうなっているのか、時間が来ましたから、ひとつ御検討をいただくということで、よろしいですか。
○海部国務大臣 まことに申しわけありませんが、突然の御質問でございまして、ちょっと私いま、みなし退職者の問題、どうなっておるのかわかりませんので、後刻、検討して、上原委員の方へお返事をいたさせます。
○上原分科員 これで終わります。
○始関主査 これにて上原康助君の質疑は終了しました。 この際、午後二時三十分まで休憩いたします。 午後零時十分休憩 ————◇————— 午後二時三十九分開議
○始関主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。井上一成君。
○井上(一)分科員 まず文部大臣に、現在、人口急増地域の自治体が一番困っているのは義務教育施設整備で、とりわけその中で占める超過負担が莫大な額になっているわけなんです。そういうことがその地方自治体の財政にとっては大きな重荷になっているという今日的な実情についてどのように御認識をしていらっしゃるか、お尋ねをしたいと思います。
○海部国務大臣 人口急増地帯がただいまいろいろな面で公立文教施設の整備のために負担を願っておる実情等につきましては、私もいろいろな立場の方から御意見を拝聴しておりまして、これはできるだけ地方自治体の財政負担を軽減するような方向で努力をしなければならない、こういう基本的な認識を持っておりまして、人口急増地帯に対する補助率を高めるとかその他いろいろな施策を細かく考えてできるだけ御期待に沿うようにしなければならぬ、こう考えております。
○井上(一)分科員 そこで、私は具体的な事例を挙げてひとつさらに文部大臣のお考えをただしていきたいと思うわけです。 大阪の高槻市、過去十年いわゆる昭和四十二年から五十一年までの十カ年の間に小学校が二十四校、中学校が九校、合計三十三校を新設をいたしたわけであります。これに対しての国の負担金あるいは補助金は建設費、用地費を含めて総額の約二〇%なんです。残りのほとんどはいわゆる自治体の借金ともいうべき地方債で賄ったわけです。その結果は、その高槻市の財政にどのような結果をもたらしたか。いわゆる義務教育関係の起債残高が昭和五十一年度末で三百三十一億円に達しているわけです。しかもこの起債のうち金融引き締め等のあった時期のいわゆる金利の高い縁故債というものが多いわけなんです。現実には九%以上の縁故債がその半分を占めておるというのが実情であります。そのような結果は、またさらに昭和五十二年度のいわゆる市の予算の中では元利償還が四十七億円にも達した。これは高槻市の昭和五十二年度の市税収見込みがざっと百六十九億円あるわけでありますから、その約二八%が超過負担等を伴った過去の過年度分の義務教育施設に投じてきたいわゆる借金に充当せざるを得ないというような現実になっておるわけであります。ちなみに、同市の公債費比率は昭和五十年度ですでに二一・五%となり、さらに昭和五十二年度は恐らく三〇%を超える状況になるであろうと言われる予測がされるわけなんです。 このような実態について先ほど御答弁がありましたけれども、さらに文部省としてはどのような対策をお考えになっていらっしゃるのか、あるいはどのようにこのような地方財政の危機を救う策をお持ちなのかどうか、重ねてお伺いをいたしたいと思います。
○海部国務大臣 具体的に御指摘の高槻市の実情等につきましては、先日も井上委員から詳しく実情を私はお聞かせいただいたところでありますけれども、超過負担を是正するために今年度の予算措置では七・三%の単価アップをしたりあるいは門とか囲いのための補助を出したり、土地の取得に当たってもいろいろ問題がございますことは重々私どもも理解しておりますので、いろいろな角度で対策をとっておりますので、細かい具体的なことにつきましては政府委員の方からお答えをさせていただきます。
○犬丸(直)政府委員 基本的には、ただいま大臣からお答え申し上げましたとおりでございます。いわゆる超過負担の解消のためにいろんな角度から私どもも検討いたしておるわけでございますが、まず単価の点につきましてかつては非常にいろいろ御不満が多くて、予算単価が低いことがいわゆる超過負担の原因になったわけでございますが、その点につきましては数次にわたり調査を行いました。昭和四十二年度、四十九年度と各省合同で実態調査を行いまして単価アップ、その結果に基づいて補助単価の改善を図ってまいりました。大体四十九年度以降には物価の上昇を上回る単価改定をしてきたのではなかろうかと私ども考えております。先ほど大臣からお答え申し上げました五十二年度に予定しております。三%のアップも、現在予測されております物価の上昇率が五・四%と聞いておりますので、それをやや上回っておるのではなかろうかと思っております。 ただ、この単価につきましては、これは平均単価でございまして、地域によってはいろいろ差がある。したがいまして具体的の場合に、実際にかかった事業費をカバーし切れない面もあろうかと思いますので、実際の運用に当たりましては全国を八つの地域に分けまして、それぞれに応じた予算の範囲内で単価を用いております。それからさらに、特別な浄化施設というようなものが必要な場合に、ある程度の幅の中で運用上それをカバーするという努力はいたしております。
○井上(一)分科員 いまの御答弁で、いわゆるこのような人口急増、とりわけその典型的な高槻市の場合等については、運用の面で良識ある判断を文部省としてはなさる考えがあるというふうに理解をしてよろしゅうございますか。
○犬丸(直)政府委員 当然予算上の制約等ございますので、その幅の中で全面的に御要望に応じ切れるかどうかわかりませんけれども、検討を進めたいと思っております。
○井上(一)分科員 前向きな形でその解消策に善処したいという答弁を得ましたので、さらに私はなぜ超過負担が起こるのか、あるいは政府自体、文部省自体の取り組みに少し建設的な意見も加えながら質問をいたしたいと思います。 いわゆる人口急増地域の自治体が義務教育施設の用地取得には大変苦しんでいるわけであります。これに対して国の補助は、予算の枠内という形の中で非常に少額補助の現状であります。私は、現在国が用地費に対して〇・七、三分の一が形式上の補助なんですけれども、実質的には交付率が〇・七が守られない結果、予算の範囲内という形の中で実際には一割程度の補助しかなされておらないということも事実であります。そういうことで、建設費の上にさらに用地費が地方自治体の負担になるわけでございますので、私自身は用地と建物とは本来一体のものである、そういう考えの中で、用地も建物も補助対象として当然一体化した中で考えていくべきだ。そういう中から、国の方では土地というものは自治体の半永久的な所有になる、資産になる、だからいままではその補助対象に取り組まなかったというような答弁を常にしているわけですね。 そこで私は、何もその用地を自治体だけの所有にすることのみにとらわれたくない。そうすることが地方財政をさらに苦しめるとするならば、より地方財政の危機を救うためにもここで少なくとも義務教育関係の用地については、国と自治体とが応分の負担をして共有をする制度をつくったらどうだろうかという考え方を持っているわけです。そのことが地方財政の圧迫を少なくすることにもつながるし、共有の財産にしてお互いの義務的負担を確認をし合うということの意味においても、私は学校用地、義務教育施設の用地についての共有制度を提唱したいのですが、このことについてはどうお考えでございますか、お尋ねをいたしたいと思います。
○犬丸(直)政府委員 特に義務教育の施設のために必要な土地につきましては、従来の原則を破りまして補助ということに踏み切ったわけでございますが、なお需要が非常に多いので、その補助金額の増大、事業量の増大、あるいはその裏側の自治体の負担分についての起債措置、そういったものにつきまして努力いたしておるわけでございまして、いましばらくこの施策を続けていくということがいまの段階では至当ではなかろうかと考えております。先生のおっしゃるような共有制度というようなことも一つのお考えではあろうかと思いますけれども、少し検討させていただきたいと思います。
○井上(一)分科員 超過負担の中で、先ほどは単価差の解消に努力をしてきたというお答えをいただいているわけです。私はさらに単価差のみが超過負担ではないと思う。いま申し上げたように、交付率の基本的な取り決めにそぐわない、いわゆる基本的な取り決めとはおおよそかけ離れた実情、これは御認識をいただけますね。三分の一に対する〇・七の予算の枠の中で実際にはそれの半分以下になっておるという、いわゆる交付差も超過負担の対象になっておるということをお認めになられますね。
○犬丸(直)政府委員 特に土地関係につきましては、従来非常に予算の枠が小そうございまして、実際の配分の場合に御要望になかなか沿い切れなくて、ある程度圧縮せざるを得ないという状況はおっしゃるとおりでございます。それで来年度におきましては、事業量において三五・一%の増ということで大幅な増を見込んでおりますので、その辺の事情は多少好転することを期待いたしておるわけでございます。
○井上(一)分科員 一応今後の交付差解消の努力を期待したいと思います。 さらに私は、対象差というものが超過負担の一つの要因になっておる、この点についてはお認めになられますか。
○犬丸(直)政府委員 対象が従来校舎そのものあるいは屋体そのものだけであって、それに付随する施設をどうしてもつくらなければならない場合にそれが超過負担になるという御主張がございましたので、これにつきましても、五十二年度予算におきましては、囲障、門というようなものにつきましては対象にいたしますように予算計上をいたしたわけでございます。
○井上(一)分科員 超過負担の中で、いま私が申し上げたように単価差、交付差、対象差がある。それで、いまのお答えの中で、門やへいが五十二年度に全国ではすべて含めて十四億九千七百万予算計上されているわけなんです。五十一年度までは、門やへいは学校施設として認めてこなかったという事実、これについて、門やへいは学校施設として、義務教育施設として必要ないものなのかどうか、お答えを願いたいと思います。
○犬丸(直)政府委員 もちろん教育のために必要な最小限度のものは校舎、屋体でございますけれども、その学校に門がなくてもいい、あるいは囲いがなくてもいいということではないと思います。ただ、国庫補助の対象といたしましては一番重点的な部分をまずやる。まあ、その点につきましてのいわゆる不足坪数が非常に多いものですから、それを先に解消いたしてまいったということでございます。それで、門、囲障等につきましては全般的に交付税措置が一方で行われておりますので、そういう自主財源による自治体の措置に任せておったわけでございます。しかし、そういうことでありますといわゆる超過負担がふえるということで、五十二年度からそこへ補助を出すことに踏み切ったわけでございます。
○井上(一)分科員 あえて生徒児童の安全対策上必要であるということをいまお認めになられたわけです。また、それを過去において自治体固有の財源で賄わせておったということもいまお認めになられたわけです。そういうことが積もり積もったのが今日の地方自治体の財政危機を招いた原因の一つであるということはお認めになられますか。
○犬丸(直)政府委員 自治体の財政窮乏と言われております事象の原因はいろいろなものがあろうと思います。それで、いまの学校施設につきましての措置の不十分だけが原因であろうとは思いませんが、それもある程度関係があるということは認めざるを得ないと思います。(井上(一)分科員「関係があるんじゃない。超過負担は地方自治体の財政危機の要因の一つかどうか」と呼ぶ)超過負担と言われる中にも、いろいろな施設につきましてのいろいろな面があろうかと思います。それで、その一部分として学校があるということは認めますけれども、その要因ということの意味でございますけれども……。
○井上(一)分科員 それでは、私はさらに御質問を続けたいと思うのですが、門やへいは必要であったけれども五十一年度までは対象にしなかったという事実、それでは、生徒の机、いすは義務教育の施設の中の必要なものとして当然挙げるべきだと私は思うのですが、それに対する国の負担というものはないわけですね。これについてはどうお考えですか。
○犬丸(直)政府委員 義務教育に必要とされる費用はすべて、半分は国で持たなければならないという原則は考え方としてあり得ると思います。しかし、本質的には学校というものは市町村の設置すべきものであるし、それから都道府県もある責任を持っているわけでございますので、個々の費目についてその負担区分をどうするかということは個々の法律によって決められております。たとえば教員給与につきましては、法律に基づいて県が半分負担し、半分は国が負担するという原則がございます。建物につきましては、義務教育諸学校施設費国庫負担法という法律がございます。それに基づきまして負担しているわけでございまして、法律的に申しますと、いまの設備につきましても、机、腰かけにつきましても、国が二分の一負担すべきであるということはいまの段階では言えないと思います。
○井上(一)分科員 私はおかしいと思うのですね。門もへいも当然対象にしていきたいんだということで五十二年度からなされた。この点については、おくればせだけれども一歩前進だ、遅いけれども取り組んだということについては認めていきたいと思うのです。ところが机、いすについては認めないわけです。厚生省の保育行政の中では、摂津訴訟を契機に初度調弁費というものがたしか昭和四十九年からつけられているわけですよ。文部省はなぜ机、いすを補助対象の中に入れないのか。さらに学校の給排水、いわゆる校外の給排水については補助対象になっておらぬわけです。 そこで、余りにも自治体に対する締めつけあるいは押しつけあるいは負担が大きいということを解消してもらうために、あえて私はここで文部大臣にお答えをいただきたいと思います。人をつくることに地方自治体が一生懸命に真剣になって貴重な自主財源を投資してきているわけです。投下してきている。そういう苦しい実情の中でがんばっているのだから、文部省の方もそれにこたえるべき姿勢が見られなければいけないわけです。私は、そういうことについて文部大臣が、今後このようなことをより早い機会に対象差を解消する用意があるかどうか、お考えを承りたいと思います。
○海部国務大臣 全体の考え方としましては、これは国と地方公共団体とがもうできるだけ協力をして、充実したいい施設にしていかなければならぬということは当然のことだと思いますし、もちろん、おくればせながらということにはなるのですが、門やへい、そういったものを対象としたことも、これは姿勢としてはいい方向に向いてきたろう、私はこういうふうに考えておりますので、さらにその他の問題につきましても、この苦しい財政状況ではございますが、その壁だけで逃げないで、私どもは、その範囲は限度はあるかもしれませんけれども、少しでもそういったものを進めていくように、そして地方の自治体のそういった努力がきちんと効果を上げていきますように、国として、できるだけのことをやれる範囲内においてやっていかなければならぬ、こう思っておりますので、どうぞ今後とも見守りをいただきたいと思います。
○井上(一)分科員 さらに実態を明らかにしたいと私は思うのです。 大臣、十分人口急増地域の義務教育施設の財政的投資は御認識をいただいておるわけです。そして、対象差も含めて超過負担解消に努力をしたいという御答弁があったわけですが、国が建てた小学校についてはすべて国費で賄っているのです。フェンスもそしていま私が指摘したような対象になるものはすべて国費で賄っているわけです。もっと極端なことを申し上げれば、学校を建てるためにくいを打ちますね。その基礎ぐいを打つくい打ち工事、それ自体、本体以外のくい打ち工事すべての額を国は負担しているのです。地方自治体が公立の義務教育施設をつくるときに、フェンス、門はおろか机、いすまで、その基盤をつくるくい打ちすらまことに微々たる補助対象にしかしておらないというこの実態。国の建てる建物は国立だからすべて国が負担をするんだ、そんな答弁はナンセンスだと私は思うのです。国が建てる学校も地方自治体が建てる学校も等しく同じ条件の中で学校建設がなされてこそ初めて文部省の義務教育施設に対する取り組みの正しさが証明されると思うのです。この点についてお答えをいただきたいと思います。
○犬丸(直)政府委員 公立学校の補助単価の中には、先生いまお話しになりましたくい打ちですね、それから暖房費を含んでおります。五十一年の例で申しますと、平米当たり八万七千四百円の中で八万四千六百円が建築工事分で、くい打ち工事は二千百円、暖房工事は七百円、これは平均単価でございます。こういうふうに組まれておりまして、国立だけにくい打ち工事分を見るというようなことはございません。国立の場合にも同じ単価で実施いたしております。
○井上(一)分科員 少し答弁を明確にしていただきたいのですけれども、私は、いま指摘をした国立の学校、国が建てた学校については、フェンス、屋内給水、屋外給水、それから電気工事——電気工事については公立の場合も対象に一部なっているわけですけれども——擁壁、それらはすべて超過負担はない、全額を国が負担をしているということを担当から聞いているわけなんです。いまあなたがお答えになられた、公立についても、くい打ちについては、部分的に、ごく一部負担をしている。全く一部です。それがさらに超過負担の対象差になっていっているということを指摘したまでであって、全く公立のくい打ちを補助対象に認めておらないという指摘をしたのじゃないわけです。フェンスも含めて、国立と公立との違いを私は明確にしていただきたい。
○犬丸(直)政府委員 国立学校につきましては、これは国が責任をもってすべての措置をしなければならないわけでございますので、フェンスその他につきましても国費で見ております。ただ、公立学校の場合には、いままで補助対象になっておらなかったということで、五十二年度から補助対象に加えるということにしたわけでございます。
○井上(一)分科員 国がやる場合でもやはりそれは必要だということでしょう。必要だから国費を投じてやったのでしょう。さすれば、公立で地方自治体がつくる場合でも必要であるということを十分認識しなければいけないし、なぜそれを対象に認めなかったのかということです。率直に私はお答えをいただきたい。認める必要が五十二年度から起こったのか、以前からすでに認めるべきであったけれども認めなかったのか、どちらか。
○犬丸(直)政府委員 先ほどもお答え申し上げましたが、学校に門や囲障は要らないということは考えておりません。したがって必要であるということはわかっております。前からわかっておったわけでございます。しかし、これを、どの部分を補助対象にするかという点につきまして、いままではそこまで及んでおらなかった。もちろん、交付税措置等もございますから、自治体の自主的な御努力で、自主的な財政でもってやっていただくということを前提にしておるわけでございますけれども、その中で、やはり義務教育につきましては、できるだけ多くの部分を義務教育施設費国庫負担法の精神に基づいて拡充してまいろうということで、今回囲障にまで及ぶことになったわけでございます。
○井上(一)分科員 この問題は、さらに委員会を改めて私は質問を続けたいと思いますが、ともあれ、あらゆる形で超過負担というものが地方財政を苦しめたということは、十分御認識をいただいているわけです。さらに今後超過負担解消のために一層の努力をしていただくことを私は特に期待をしたい。そして、国が建てるものも、自治体が建てるものも、私は、同じような見方で対応していくべきだ、それが文部省の行政の姿勢だと思うのです。いままでが、誤った取り組み、誤った姿勢であったからこそ、今日の地方自治体の財政危機を招いた。私は、全くすべての財政危機が文部省の責任だとは申し上げませんけれども、いわゆる大きな要因になっておるということを強くここで訴えておきたいと思います。 そういうことで、御承知の山口県の下松市では、昨年の十月に、市立の花岡小学校の新増築事業に係る超過負担千七百二十万円について、これは国の不当利得であるから、いわゆる下松市に対して返却せよとする住民訴訟が山口地方裁判所に提起されているわけです。いわゆる地方財政を苦しめてきたから、このような住民訴訟が提起されてきたわけなんです。私は、深く文部省は反省をした上に立って、この問題についてもどう対処されるのか、お伺いをしたいと思うわけです。
○犬丸(直)政府委員 下松市の件につきましては、いま訴訟中のようでございます。またいろいろおっしゃられる言い分等も伺った上で具体的には措置していかなければならないと思いますけれども、全般といたしましては、先生御指摘のように超過負担がないように一層の努力をするということは当然だろうと思います。
○井上(一)分科員 最後に、私は文部大臣に、特に新しい、いわゆる国民的発想の中で文部行政をより強く推し進めていただくことをお願いをして、私の質問を終えたいと思います。
○始関主査 これにて井上一成君の質疑は終了しました。 次に、岡本富夫君。
○岡本分科員 私は学校災害について若干質問をいたしますけれども、海部文部大臣は、私も約十年間おつき合いをして、もと商工委員会では非常にごりっぱな見識を持っていらっしゃった。したがって、今度文部大臣になって、文部行政と申しますか、これからの時代を背負うところの青少年の育成に力を尽くされるのではないかと非常に期待をいたしておる一人でございます。 そこで、もうすでに御承知と思いますけれども、こういう投書があります。「学校災害救済をぜひ」ということで、 今年、もっとも打ち込んだのは学校災害から子供を守る運動。学校安全会から五百円以上の見舞金を受けた児童・生徒だけでも年間八十二万人、何と二百五十人もの子供たちが半身不随の後遺症に悩まされています。それなのに救済の方法は全くありません。しかも学校では、なるべく表に出したくないとほおかぶりするケースが非常に多いのです。親は相談するところもなく、泣寝入りという現状です。何とかして救済制度を作らせたい、と痛感した年でした。 こういうような投書が毎日新聞にありました。私の知り合いも学校の教師をしておりますけれども、学校で自分の受け持ちの子供がけがをした、まず一番最初に聞くのは、どこでしたのかということですね。家へ帰ってそれからけがしたのだと言ったら、ああよかった。子供がけがしてよかったという、要するに自分の責任範囲でなくてよかったと言わなければならぬ教育者のこの現状を考えますと、やはり子供たちを安全にしてりっぱに教育をしていく、その責任というものは文部省にあるわけでありますから、これについてどのようにお考えになっておるのか、まず大臣からひとつお答えをいただきたい、こう思います。
○海部国務大臣 基本的な物の考え方といたしましては、これはもう学校における生徒児童の事故が起こらないように十分配慮しなければならぬというのはまず当然のことでございまして、文部省といたしましては安全管理、安全指導を適切に進めるということを重点に置いて、指導の手びきなどを作成して周知徹底するように指導はいたしておりますけれども、先生御指摘のようにいろいろな形の事故も起こるわけでありまして、学校側に事故に関する責任がありますときは、これはいろいろな法律もあることでございますし、設置者がその責任を負って救済する、児童生徒の救済に十分配慮する必要があるということは御指摘のとおりでありまして、私どもは現在、日本学校安全会の給付内容の改善を図るということに当面の努力目標を置きまして、昭和五十二年度においては廃疾見舞い金二百四十万円を四百万円にする、死亡見舞い金二百万円を三百万円に引き上げる、こういうようなできるだけの努力をいたしまして、不幸にして事故の起こったときにはそれに対処していこう、こういう二段構えの方法で考えておるところでございます。
○岡本分科員 額が少し多くなったということでありまして、海部文相になってからどうも基本的な改革——特にあなたは三木内閣の重鎮であったわけですが、御承知のように憲法二十五条、ここには生存権、国民のすべては健康にして文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。それからまた二十六条には、教育を受ける権利、これが保障されておるわけですね。それから教育基本法三条、全部読み上げることはできませんが、これを受けて、私の解釈では、教育機関においては、学校管理下において事故もしくは死亡によって教育が受けられなくなった場合、児童の社会的身分は保障されねばならないというように考えられるわけですね。 そこで、いままでもあなたおっしゃったように学校安全会、こういうものでいろいろとやっておりましたけれども、額も非常に少ない。そういうことで、私が調べたところによってもところどころで裁判が相当起こっておるわけです。こういった次代の子供たちの補償といいますか救済、あるいはまたそういった義務というものを国が持たなければならないのに、それを裁判で争わせる、これはまことにいかぬと思うのですよ。したがって、学校側と父兄側、子供との争い、トラブル、こういうものをなるべく私は防がなければならぬと思うのですが、こういうことを考えますと、学校安全会ですか、こんなことで果たしていいのであろうか、こういうふうに考えるのですが、これも基本的な問題だから大臣——まあ事務当局からでもいいからまず……。
○安養寺政府委員 学校管理下の事故につきましていろいろ議論がございますことは、大変古くまた新しい問題でもございます。いろいろ考えました結果、昭和三十五年に、学校側の責任のあるなしにかかわらず共済給付の制度でこのような事例をカバーしていこうというようなことで、日本学校安全会が創設され、その給付の制度が始まったわけでございます。現在も、先ほど大臣からお答えいたしましたように、学校側の責任のある場合とない場合というものについての現行法制はそれなりに整ってございますので、われわれとして現実的にこの問題を最もよく処理できるのは、学校安全会の給付をだんだんに充実をしていくことであろうかというぐあいに考えて今日までやっておるわけでございます。
○岡本分科員 ところが、たとえば全国町村学校管理者賠償責任保険制度を創設して、これに全国で二百六十町村が参加をしておる。すなわち、七〇%だと聞いておりますけれども、児童を守るときにこういうような保険制度を創設しなければならぬということを考えますと、決してこの安全会がこれで全部救済ができるということはとうてい考えられない。そこで、いろいろいままでの経過をたどりますと、ずいぶん裁判の結果地方自治体が負けて千八百万だとかあるいは千六百万、それから千百五十万、千二百万、こういうのを見ますと、ずいぶん地方自治体の負担が、何と申しますか、結局裁判によって払っているわけですね。それをフォローするためにこういう保険制度をつくったのではないかと思うのですけれども、これは私は、基本的な物の考え方、すなわち教育基本法、こういうことから考え、また先ほど申しました憲法の精神から見ますと、やはり国でもっと抜本的な対策をここで打ち出さなければならないのではないか、こういうように考えるわけなんです。 そこで、余り時間がありませんから、私の方でも何とか、この学校の無過失責任制を導入したところの補償法、学校災害補償法というようなものをつくったらどうかという案も出ているわけなんですが、大臣、いますぐというわけにはなかなかいかないと思うのですけれども、いろいろ今後の方向づけといたしまして、こういうことを考えたらどうだろうか。安全会だけに固執せずに、もう少し抜本的な改革をひとつ検討をしていったらどうか、こう思うのですが、どうでしょうか、この方向づけは。
○海部国務大臣 いろいろな角度から御議論のあることは私もよく承って承知をいたしておりますが、この学校安全会の制度、これが発足しましたときにやはり学校災害を何とかして生徒の立場に立って救済をしていこうという考えでつくったものであり、当面は、災害の起こらないことをもちろん念頭に置きつつ指導しておりますが、不幸にして起こった場合には、現在ありますこの制度を給付内容の改善ということによって少しでも救済できるようにしていきたい、こういう考えでありまして、全く別の新たな角度から学校災害補償法というものを考えろ、これは先生のせっかくの御提案、御意見でございますから、十分承らせていただきますけれども、いま直ちにここで将来の方向としてどうかこうかということに関しましては、いましばらく慎重に検討をさせていただいて、それからのことにいたしたい、こう思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
○岡本分科員 三十五年ですか、あの学校安全会は。十年一昔と申しますけれども、十年以上たっているわけです。それで時代が、御承知のように自賠責にしましても、当時は三十万から出発して五十万になり百万になり百五十万になりしてどんどん変わってきておるわけですね。現在では千五百万、これもいよいよ総理府の方では検討しなければならぬというような時代に来ておるわけです。また医寮費にしましても、このごろ相当かさむようになりました。一人介護人をつけましても前の介護人とは全然値段が違う。大体このごろだったら四千五百円から五千円くらい出さなければ来てくれない。こういうことを考えますと、当時のみみっちい考え方をここでやはり抜本的に考えなければならぬ、そういう時期が来ておると思うのですよ。それで、私はあしたからあるいはまた来国会からと、そういう早急なことは申しません。 したがいまして、せっかく若き大臣ができたときです。アメリカもカーターさんになって大分変わっておる。だからひとつ、その面は一遍取り組んでみよう、できる、できないということは二の次としまして、ひとつ取り組んでいってみようという姿勢があなたにここでないと、どうしても私はぐあいが悪いと思う。これをひとつ要求したいと思うのですがね。取り組んだからすぐできるとは考えられませんよ。考えられませんけれども、いろいろと制約もあろうし、また、あのうるさい大蔵省がまた何かかんか言うかわかりませんけれども、しかし、この問題に取り組んでいこうという大臣の強い熱意がここになくては、これはいつまでたっても二百万円が三百万円になったとか、二百四十万が四百万ですか、なかなか一千万台に上がりませんね。しかも植物人間みたいになった人、こういう子供たちの介護、また、こういう人たちの家庭の悲惨さ、これを一遍よく——これまた五年ほどで打ち切ってしまうのでしょう。そういうことを考えると、別に清水の舞台から飛びおりたと思わぬでもよろしいから、ひとつ一遍考えてみようというようなお答えはここではできませんか、どうですか。
○海部国務大臣 先ほど申し上げましたように、岡本委員のせっかくの御提言でございますので、私としては十分御意見を拝聴して、また、いろいろな制度の根幹にも触れる問題でありますから、慎重に検討はさせていただきます。しかし、といって当面これでほうっておるわけでございませんで、お言葉を返すようで申しわけありませんが、今年度におきましても、疾病の見舞い金二百四十万円を思い切って四百万円にということでありますし、死亡見舞い金も二百万円を三百万円にということで、現在あります制度の枠内でできるだけの措置をして、お金だけで片づく問題ではないではないかと言われれば、それはそれだけでございますけれども、しかし、この問題に前向きに取り組んで一おる一つのこちらの態度のあらわれとして、できる限りのことはしたいと思って、こういうふうに金額等も引き上げて、少しでも児童生徒の救済に配慮しておるという心構えでございますので、御意見につきましてももちろん十分に考えさせていただきたい、こう思っております。
○岡本分科員 それで、教育基本法あるいはまた学校教育法、これを見ますと、義務教育では保護者に子弟の就学義務が課せられております。そして学校教育については、教師は児童生徒に命令し、また指導し、これに従わなければ懲戒することもできるというような、何といいますか公権力と申しますか、こういうものもあって、すなわち学校やあるいは教師側は児童生徒に対して優越的な関係を持っておるということになりますれば、今度はそれをまた担保して補償していくと申しますか救っていくと申しますか、こういうものも、まあ必ず裏があれば表がなければならない。旧憲法と大分違うわけでございますから、その点を考えますと、この学校安全会法も御承知のように父兄からこうしてわずかずつのお金を集めておるわけですけれども、どっちかというと、少しは補償しているけれども、保険みたいなものですね。私はいまも申しましたように、決してすぐやれとか、いや来国会からとか言うのではなくして、ここらでそういった学災補償、賠償というようなものを考えてみる時代に来たのではないかということをあなたに提案しているのですよ。せっかくだけれども根幹に触れることであって絶対にだめだ、これはそっちにいらっしゃるお役人がそうおっしゃるなら私はなるほどなと思う、よけいなことを言ったらまずいものね、退職金に影響する。だからそれはわかりますけれども、少なくともあなたは政治家なんです。ですからやはり政治的な配慮をここでしていこう、そうして検討しょうというぐらいの一歩出た考えがなくては、お話にならぬと思います。少なくとも海部さんという人はもっとすごい人だ、特に文部行政については改革していこうという意欲があることを、あなたの所信表明で聞いておったのです。 それが一つと、もう一つは、もう少し充実できるような保険制度と申しますか、これはある方からいろいろ意見があるわけですけれども、保険制度を導入して相当な補償ができるような検討をしなければならぬ時代に入った。文部行政をいままでつかさどっておった、大臣をやった人ですが、そういうことも聞いておる。その方は文部大臣をやっておったわけですが、この学校安全会だけではどうにもならないと自分が大臣をやって痛感しておるわけです。あなたもいまの答弁では案外前へ進みませんが、しかし恐らく、一つ一つの事例を見たり、あるいは子供たちのいろいろな姿を見たときに、あるいは廃疾されたような大変な家庭の子供を見ましたときに、何とかしてあげなければならぬなというお考えがあるだろうと思うのです、私たちもそう思うのですからね。それがたくさんあるものでもないということを考えますと、もう一歩出たところであらゆる角度から再度考慮しようという考えは起こりませんか、どうですか。これは賢明なる文部大臣の御意見をひとつ承りたい。
○海部国務大臣 このことは先ほどから私が申し上げておるのですけれども、当面はそういったものが起こらないようにすることはもちろんのこと、不幸にして起こった場合は、現在は学校安全会の制度があるわけでございますので、この中でできるだけの増額をして手厚い救済配慮をすべきだという基本的な形で給付内容を改善することによって少しでも救済していきたい。しかし、先生のせっかくの御提言でもございますし、私もいろいろな方面からそういった実情も承っておりますので、この問題は制度の根幹には触れることですからいまここで手のひらを返したようにこうします、ああしますとはなかなか申し上げかねますが、私としては十分考えさせていただきたい、こう考えておりますので、頭からこれは問題にならぬからいけません、やりませんというようなことを申し上げておるわけでは決してありませんが、現在もまた、せめて現在ある制度の中でできるだけのことは配慮すべきではなかろうか、こういう取り組みをやっておりまして、学校安全会で、これですべて完全無欠でございますというような、そういう受け取り方、考え方はしておりません。これをできるだけ充実したいということに努力をしておるということでありまして、先生の御意見は十分に私もただいま拝聴いたしておりますし、これは私の将来の問題としていろいろな角度からまた考えてみたい、こう思っております。
○岡本分科員 なかなかバリケードはかたいですね。学校安全会だけを、この給付内容だけを何とかしていってということでは、これはもうだめですよ。本当にこれは当座の、ないよりはある方がいいと申しますか、何もなかったところに対して一つ新しくつくったということで、それが続いておるみたいなものです。だから抜本的にこの給付内容をよくしようとすると結局何が必要かというと、父兄負担を多くしなければならぬ、そのうちの半分を国からと、こういうことですからね。ですから、それでは私は本当の補償ではない、こう考えられるのが一つ。それからそういう補償ないし救済法と申しますか、そういうものに移行する前にできれば保険のようなものをひとつ、これは地方自治体でちょこちょこやっておるわけですから、これもそれができるまでの措置としてですね。なぜ私がこんなことを言うかと申しますと、学校の先生方は本当に毎日子供の、まあこれはけがをさせる方が悪いんだと言いますけれども、あの時代にはやはり飛んだりはねたり若干けんかもする。あなたはおとなしかったかもしれませんけれども、ぼくらはよくけんかしたものですがね。また、そのくらいの元気がなかったら子供は育ちませんよ。そして馬力のある、将来国を引っ張っていこうというぐらいの気持ちの出るような子供は出てこない。ですから、それを今度はきちっと安心できるように守っていくというのが私は文部省の役目ではないかと思うのです。 だから大臣、あなたはこの学校安全会という一つの枠を出た考え方を今後して、検討しよう、こう考えられておるのか、この枠を一歩も出ないというように考えられるのか、そこの微妙なところでありますけれども、この点だけを政治的な配慮からひとつ承りたい。
○海部国務大臣 それはちっとも微妙なことではないわけでありまして、私は現在の安全会の枠の中で許される範囲の給付内容の改善はもうきょう現在できる問題ですから全力を挙げてやっておりますし、また今後もやっていかなければならぬと思いますが、その枠を乗り越えた発想で新しい制度を考えよとおっしゃる岡本委員の御意見も私は十分拝聴いたしましたので、そのことにつきましては私もいろいろな角度から考えてみたい、こう申し上げておるわけでございます。
○岡本分科員 ひとつよくお考えいただき、できれば審議会などもつくって、またあなたのシンクタンクみたいなものをつくっていろいろ検討していただければなお幸いだと思います。 そこで最後に、高校入学が本年で九二・七%ですか、ほとんどが高校入学を希望されるようになってきました。したがって私はここで少なくとも高校生も義務教育、義務化を行わなければならぬ、こういう時代に来たのではないかと考えられるのですが、この点について大臣の御意見を承り、できれば将来の方向として義務化をしていこうという考え方をお述べいただいて終わりたいと思うのですが、いかがですか。
○海部国務大臣 御指摘のようにただいま進学率はたしか九二・六%と思いますが、しかしその中学卒業の段階でまだなお高校進学という道を選択しない生徒がいることもこれまた事実でございまして、希望する人の今度の合格率はたしか九八・四%であったと私は記憶しております。要するにいま能力のある、そして希望する人のほとんどが高校には進んでおる実情である、こういうふうに理解をいたしております。 そこで高校の義務化の問題につきましては、これはいろいろな角度から御議論がありまして、直ちに義務化に踏み切るわけにはこれはまいりませんけれども、心構えといたしましては、たとえば今年度から昭和五十五年度まではベビーブームの第二期の余波を受けて人口構造の移り変わりを見ておりましても五十万人ぐらい五年間に高校生該当年齢児がふえるわけであります。そうしますと、全国でざっと計算をしましても四百校を超える高等学校というものがつくられませんと現在の進学率、合格率というものが維持できないようなことになるわけでありますから、心構えとしては、せめて現在のそういったいい状況を維持していくためにと思いまして、五年間の緊急措置で高等学校の整備の方にはお金も出るようにしてそういう対策を講じております。 なお将来の問題としてどうかという仰せでありますが、高等学校の三年間の区切り方というものにも一つ問題がありまして、高等専門学校、五年制の新しい姿も始まっておりますし、それから専修学校の制度というものも整備されてまいりました。多様な進路を希望する幾多の青年がいらっしゃるわけでありますから、それらにどうしたら一番適切に能力や個性を生かして教育を受けてもらうことができるかという角度から考えておりますので、いま直ちに義務化の方向を打ち出せとおっしゃっても、これまた大変せっかくの御提言で申しわけありませんが、直ちに義務化とは申し上げられませんが、心構えとしてはそういうことで、とりあえずはいまの合格率、進学率というものを落とさないように維持していく責任を果たしていこう、こう考えて取り組んでおりますので、お見守りをいただきたいと思います。
○岡本分科員 なぜ私そう言うかと申しますと、なるほど九二・六ですか、七ですか、相当な人たちが行けるようになった、ところが御承知のようにもう小学校時代から中学と受験勉強で、あの塾のはんらんを見てごらんなさい。あの時代はもっともっと情操的な、本当の人間の人間らしいつき合いができるようなそういう情操が一番大事なときなんですよね。もうこのときに試験のため、受験勉強のため、これは日本の国は、この人たちが大きくなったらもう競争ばかりですよ。人間らしいおつき合いというものは全然なくなってくる。非常にさみしい日本の国になるんではないか。こういうことを考えますと、私は日本の国の将来を考えたときにこれは少しお金を出してもあるいはまたいろいろなところを削ってもそういうところに、文部行政というものは大事だ、そこにひとつ目をつけていただいてせっかく一つ前進をしていただきますよう重ねて要望いたしまして、終わります。どうもありがとうございました。
○始関主査 これにて岡本富夫君の質疑は終了しました。 次に、西宮弘君。
○西宮分科員 文部行政について若干お尋ねをいたしたいのでありますが、そこで私も少しばかり資料をあさってみましたけれども、最近教育に対する関心といいますか、熱意といいますか、それが非常に高くなってまいりまして、あらゆる面で進学率等が向上していることは大変結構なことだと思うのであります。たとえば幼稚園等につきましても幼稚園の就園率が六三%、これは二、三年前の統計でありますが、そういう数字が出ておりまするし、ちょうど昨年は幼稚園の制度ができて百周年になるというので、そのときの幼稚園の園の数あるいはまた園児の数、さらにはまた該当児童の就園率というのが大変に向上しているというようなことを見たわけであります。文部省としても、やがてはこの適齢の児童を全員幼稚園に収容する、こういう計画、そういう目的のもとに四十七年からですか、十カ年計画というのを立てておるという話を聞いておりますが、ただしかし、これとても内容的にはいろいろたくさんの問題があると思います。 さらに小中学校の問題、義務教育ですね。これは読んで字のとおり義務教育でありますから、文部省なりあるいはまた公共団体等の責任においてこれが遂行されていくというふうに私ども期待をいたしておりますけれども、ただ昨年の国土庁の発表によりますると、首都圏だけで昭和六十年までには百五十万人の児童生徒がふえる。したがって千五百校を増設する必要があるというようなことを発表いたしておりまして、これはなかなか大変なことだと思う。首都圏だけでそうでありますが、そのほかに中部圏なり近畿圏なり、同じような傾向にあること、もとよりであります。 いま申し上げたことに対しましても何か御意見等があれば後でお聞きをいたしますが、私は実は高校の問題を少しお尋ねをしたいと思うので先に進みます。 高校の問題もこれまたなかなか大変な問題でありまして、これは全国知事会あるいはまた各都道府県の教育委員会等から、今後の見通しを立てた資料が出ておりますが、それを見ましても、いずれも大変な問題。たとえば知事会等では、五年間に六百八十七校ふやす必要があるということを言っておりまするし、あるいは教育委員会等では四百五十二校ふやす必要がある。その中で特に人口急増の首都圏あるいは近畿圏だけでも三百十二校だ、こういう数字を出しておるわけでありますが、私はこういう中にあって当然に考えなければならぬ問題は私学の問題だと思うのでありますが、この私学振興というような点について文部省としてはどういうふうに考えておられるのか、まず質問の第一をそこから始めたいと思います。
○海部国務大臣 私学振興をどう考えるかということでございますが、私はやはり全体として私学が教育の中に負っております分野といいますか、使命は非常に大きいものである。特に私立の大学が学生の数からいいますと圧倒的多数を教育しておるわけでございます。高等学校にいきますとこれが三〇%ぐらいと理解しておりますが、いずれにいたしましても、日本の教育の中において私学を抜きにして論ずることはできませんが、一つの問題はこの私学の教育費。逆に言いますと、国立、公立と私学との間の教育費の格差が非常に目につきまして、父兄の負担の上から言っても公平を欠くのではないか。こういう考え方から、先年国会で審議成立を願いました私学振興助成法の精神を体しまして、できるだけ私学には国が助成をしなければならぬ、こういう基本的な方向を定めまして、御承知のように今年度予算におきまして大体私立大学の方は経常費の二四%まで国の助成で賄えるようになっております。五十二年度の予算措置におきましては千六百五億円、これはやはり二七%ぐらい経常費の補助ができるのではないか。これだけで必ずしも満足ではございませんから、たとえば私学振興財団の方から長期、低利の融資の制度を考えるとか、あるいは私学の学生個々を相手に見ました場合には、育英奨学資金を出しますときは、国公立よりも私学に通う生徒に対する貸付額を多くするようにするとか、いろいろな角度から国公立と私立との教育費負担を何とか是正するとともに、私学における教育が、親の負担の上から言って、できるだけ緩和されていくようにしたい。私学に対するこういう方針と姿勢で取り組んでおるところでございます。
○西宮分科員 一番問題になりますのは、いま大臣も言われたけれども、経費の負担の問題ですね。そういう点に父兄として大きな問題があるわけでありますから、ぜひそれを解決してもらいたいと思います。 いま申し上げたように、たとえば首都圏、近畿圏等は人口の急増に伴って高等学校の増設ということが焦眉の急務だと言われながらも、それでなおかつ相当数の学校に定員を充足できないという高等学校が私立の場合かなりある、こういうことでありまして、これはいずれも経費の負担にたえないということからそういう現象が出ておる。これは全く矛盾もはなはだしいわけであります。こういうことでありますから、どうしても私学を経済的な面で助成をしていくということは当然の必要だと思う。あるいは例の大阪でいま起こっておりますいわゆる私学訴訟と俗に言われておりますあの訴状などを見ますると、父兄の負担は公立に比べて四十三倍に当たるというようなことを言っておるわけです。計算の仕方で、この数字が必ずしも妥当かどうか、私もよくわかりませんけれども、もしそういうような開きがあるというようなことであれば、これはまさに教育を受ける権利が大きく圧迫をされ、制限をされていると言って差し支えないと思うのであります。したがって私どもとしては、どうしてもそういう面を国の施策によってカバーしていかなければならないということを痛感するわけでありまして、ぜひそういう点を考えていただきたいと思います。 それからもう一つ、これはきわめて実際的な問題でありますが、主としてやはり人口急増の密集地帯でありますが、私学のあるところに公立の学校がすぐ隣近所に建って、それがために訴訟に訴えてでもこの問題は断固阻止をするというようなことが行われておるというようなことがあちこちで新聞等に報道されておるのでありますが、こういうことはまことに望ましくないので、当然これは、公立と私立との間でバランスをとるべきだと私は考えるわけですが、そういう点についてはどうですか。簡単に一言お答え願いたいと思います。
○海部国務大臣 これは先生御指摘のとおり、私どもも考えておりまして、特に私学と公立との高等学校の配置の問題とか、建築計画のときの配慮の問題とかいろいろありますので、これは都道府県を通じて、公私立高等学校協議会と言いましたか、そういうものをつくって、両者で十分話し合いをして、そして将来の計画等も立ててもらいたいというように指導いたしておるところでございます。
○西宮分科員 要するに公立高校と私立高校のバランスをやはり考えていかなければならぬということが大事な点だと思うので、ぜひそういう点も、十分考えておられましょうけれども、改めて注意を喚起しておきたいと思います。 私は、その次に心身障害児の教育問題についてお尋ねをしたいと思うのです。 これは五十四年から義務制になる、こういうことでございまして、私はそのことは大変結構なことだと思う。現に、ある医学者の統計などによりますると、就学しない障害児の方が死亡率が高いというような数字なども発表されておって、私は、ぜひ心身障害児が普通の生徒と同じように就学できるようにしてほしいということを念願するわけです。文部省でも、たとえば養護学校の設置の七年計画であるとかあるいはまた特殊学級の設置の十年計画であるとか、あるいは特殊教育諸学校の幼稚園部設置の十年計画であるとかというようなものがそれぞれ立っておるようでありますから、そういう計画に従って逐次実行されつつあるのだと思いますけれども、五十四年を前にして、非常に大事な問題でありますから、伺っておきたい。 それから特に私がいま質問したいのは、これに障害児を入学させるのに一番望ましい姿は何なのか。つまりそういう特定の学校をつくって、養護学校なりそれ専門の学校をつくる、あるいはまた普通の学校の中に特殊の学級をつくるというような考え方もあるし、あるいはまた普通の学校の中に、文字どおり普通の子供と同じようにして就学をさせるというようなやり方もあろうと思うのだが、一番望ましいのはどういうふうに文部省としては考えておられますか。
○海部国務大臣 ただいま御指摘の養護学校の設置の計画も、七年計画をつくりまして、大体のところ計画どおりに進んでおりまして、あと五十二年、五十三年度の分を残しておりますが、義務教育スタートとともに、支障を来さないように、建物とかあるいは教員とかいうような方の準備はしておるようでございます。 なお、事柄がきわめて専門的になりますので、詳細につきましては政府委員よりお答えをさせていただきます。
○西宮分科員 時間が十分ありませんから、そういう大原則についてだけ伺いますから。 そこで私は、収容というか教育の仕方について、どういうやり方で、つまり私さっき三つの例を申し上げたけれども、そういうやり方について、どれが一番望ましいと文部省ではいま考えておられるか、それではその点だけ、局長でも大臣でも結構です。
○諸沢政府委員 御承知のように、現在障害の一番重い子供は各種の養護学校で教育する、障害のそれほどひどくない子供については特殊学級、それからごく軽い者は普通の学級で一般の子供と一緒にということが実態だろうと思います。 そこで私ども気をつけなければならない点は、一つは、子供が学校へ上がるに際して、その障害の実情から見て、この子供は特殊学校にやるべきかあるいは特殊学級で教育すべきかというような就学指導という面で十分配慮をして、本当にその子供に必要な施設に入れるという指導をする点が一つございます。 それからもう一つはやはり仮に特殊学級へ入って教育をしたという場合でありましても、その子供の障害の程度、実情等によっては、普通の子供とある程度教科の内容によっては交流して教育をさせるということが非常に教育上効果があるということを言われておりますので、つまり入った後の教育の仕方というその二つの点に着目しながら、それぞれの学校設置者あるいは学校関係者等が配慮してもらうように指導しておるわけでございます。
○西宮分科員 父兄の希望から言うと、かなり重度の障害児でも普通の学校に入れて全く同じように扱ってもらいたい、あたりまえの教育をしてもらいたい、こういう要望が非常に強いわけです。これは文部当局としてはいろいろ御意見もあろうと思いますけれども、そういう要望が強いし、また現に、たとえば幼稚園などでさえもあたりまえの幼稚園に入れて、それがために健康児の刺激を受けて大変生き生きとしてきたというような実例なども報告されてきている。私は、できるならばぜひそれでいきたい。今度は養護学校等がいろいろできていって、どこで教育するかということを判定する際に、とにかくめんどうくさいから養護学校に送っておけというようなことで簡単に振り分けをされてしまうというようなことになると、これは新しい差別ということにもなるわけだし、選別ということにもなるわけだから、そういう点は十二分に留意してもらいたいということを私は痛感するのですが、どうですか。
○諸沢政府委員 ただいまの御指摘の点は、一つは障害を持つ子供の発達段階、それに対応して幼稚園なり学校で何を教えるかという問題とも関連するわけでございまして、たとえば幼稚園相当の幼児教育でありますと、これは身体に障害があっても、あるいは知能的に多少おくれておっても一般の子供と一緒に交流して教育をするということがかなり可能でございます。しかしながら、これが小学校に上がり中学校というふうに、学校段階が上がって教育内容が知的面に重点が置かれるようになりますと、障害の重い子供さんにとっては、特にその障害が精神面に障害があります場合には、やはり一般の子供と同じように教育するということは無理な面もあるわけでございますから、そういう点については、文部省としてもそれぞれの子供の父兄の理解を得ながら、それぞれの本来の目的に従った養護学校等で教育をしてもらうという方がよろしいかと思っております。
○西宮分科員 この問題は議論をすると大変にむずかしい問題でありまして、限られた時間ではとうてい議論もできませんので、角度を変えて、せっかく五十年に義務化するというならば、それに伴っていろいろな問題を解決して、それまでに解決しなければならぬという問題がありますから、私は数項目を個条書き的に羅列をいたしますから、そのうちでできるもの、できないものについて簡単に御返事を願いたいと思います。 たとえばスクールバスの設置、あるいはまた学校ないしは寄宿舎等を不燃性の建物につくりかえるという問題、あるいはその障害の程度にもよりましょうけれども、付添人が行かなければならぬという問題等もありましょうから、その際には付添人の交通費あるいはまたさらにできるならば、その付き添っていく父母はそれぞれ仕事を休んで、商売を休んでいくわけでありますから、それに対するいわば休業補償的なものを考えることができないかという問題、あるいは義務教育の学齢をすでに超過してしまったもの、そういうものが五十四年のときに相当数あると思うのですが、そういうものに対しては措置がとられないのかどうかということ、それから当然教育に当たる先生を確保しなければなりませんが、そのための訓練養成とかあるいは労働条件の確立とか、そういう点が当然問題になると思うのですが、こういうのが私の思いついた義務化に随伴して起こる問題ではないかと思うのですが、それについて、これは文部省だけではできない、むしろ厚生省等で考える問題もあるかもしれません。だけれども、それらができるかできないか、簡単に一言だけ御返事を願いたいと思います。
○犬丸(直)政府委員 いまのお話の中で、まず建物の不燃化の問題でございます。これは先ほど大臣からお答え申し上げました新増設計画につきましては、もちろんこれから新しく建てますものは鉄筋でつくってまいるわけでございます。ただ既存の木造のものにつきましては、目下のところ義務化を控えて各県とも新増設の方に力がそがれておりますので、なかなかそれの改築まで手が回っておりませんが、少なくとも危険建物老朽化建物につきましては優先的に鉄筋化するように努力、運用上も配慮してまいりたいと思います。
○諸沢政府委員 御指摘のうちスクールバスの設置と付添人の交通費の問題でございますけれども、スクールバスにつきましては現在も予算に計上いたしておりまして、これは今後とも要望にこたえてやってまいりたい。それから付添人の交通費につきましても予算に計上いたしておりますので拡充してまいりたい。ただし休業補償というような問題になりますと、これはちょっと教育の見地からだけの問題ではないかと思いますので検討させていただきたいと思います。 それから学齢超過者の措置でございますが、御承知のように義務教育というものは十五歳までというのが法律のたてまえでございまして、したがいまして現実に現在でも学齢を超えた子供さんでも学校へ行っておるというようなケースもないわけではございません。これは当該学校の余裕があるなし等にも関連することでございますが、制度として学齢を超えた者についても必ず収容するということについてはちょっとむずかしかろうかと思います。 最後に特殊教育関係の教員の待遇の問題でございますが、この点につきましては現在も特殊学校の教員、それから特殊学級担当教員につきましても、いわゆる調整額を八%つけておるわけでございまして、そういう意味で処遇をしておる、こういうことでございます。
○西宮分科員 大臣、この問題について一言要望をしておきたいと思うのですが、これは文部省だけで片づかない問題等ももちろんあると思うのです。ですから、それはそれぞれ厚生省なりあるいはまたときには労働省なり関係の省と十分協議しながら、協力しながら問題の解決に当たってもらいたいと思います。 私は戦後母子衛生というようなものはかなり改善をされて、特に乳幼児の死亡率などが非常に目立って低下をしたということは非常に結構なことだと思うのですけれども、ひとりいわゆる精神薄弱児の問題は、せっかく母子衛生等が進歩しているにもかかわらず減らない、あるいはむしろ逆にふえているのじゃないかとさえ思うわけです。これはいま時間がありませんから、詳しいことを議論する時間がありませんけれども、やはり相当社会的な責任に属する問題がかなりあると思うのです。ということになると、こういう子供たちに対する施策というのは、それを行うということは社会の責任だ、あるいは全国民の負うべき責任だというふうに考えるので、ぜひそういう考え方のもとに、さっき申し上げたように、関係の省庁と協力しながら解決に当たってもらいたいと思います。 最後にもう一つ、別な問題でありますが、残った短い時間で大臣の基本的な御認識だけお尋ねをしたいのでありますが、それは、これは法務省の所管でありますが、いま少年法が改正されようとしているわけです。これに対して教育を預かる大臣としてどういうふうに見ておられるか、お考えがあったら聞かせてください。
○海部国務大臣 最初の問題でございますが、養護の義務、これは御指摘のように関係省庁と連絡協議をいたしまして、せっかく義務化に踏み切っていくわけでございますから、やはり皆さんに喜んでいただけるような制度そして運営を心を込めてやっていかなければなりませんので、御相談をさせていただきたいと思います。 それから、青少年の問題につきましては、これは私ども健全育成というのが一番大きな旗印でございますが、具体的な問題につきましては政府委員からお答えいたさせます。
○西宮分科員 ちょっとお待ちください。それじゃ、大臣に私の方から注文をつけておきたいと思うのですが、いま法務省の方では少年法を改正しようとしているわけです。ところが、われわれの認識する限りでは、この少年法の改正は教育の面が欠落していると考えるわけです。私は、少年の非行の問題はもっともっと教育の面が重視をされなければならないと考えるわけですけれども、そういう点が非常に希薄であるというところに問題があるわけですから、そういう点についてぜひ文部大臣も、所管が違うかもしれないけれども、重大な関心を持ってもらいたい、こういうことが私の言いたい点であります。 つまり、今度の少年法改正によってさらに警察、検察、そういうものの介入が前面に出てくる、こういうことになるわけです。少年の非行は警察や検察の立場から言うと、何をやったかということが問題だと思うのだけれども、教育的な立場から言うならば、なぜそういうことをやったか、あるいはどうすればそういうことをやらずに済んだかというようなことを考えるのが教育の立場だと思うのだけれども、そういう点について残念ながらいまの警察あるいは検察、そういう治安を担当する官庁が前面に出てくるという点に問題があるわけです。 私が持ってまいりましたこれは朝日新聞社で発行しております教育の雑誌でありますが、その中には「中学校生活指導主任一年間の記録」という、かなり長いスペースを費して文字どおり一年間の記録が出ておるわけです。これを見ると、これを書いた先生は奥多摩の先生でありまして、きわめて平凡な学校だ、暴力学校でもないし、あるいは特に受験に熱中するという学校でもなしに、きわめて平凡な学校だということをみずから言っておるのでありますが、それでいて中学生の非行のケースはきわめて多いわけですね。私はそれを見て全く愕然としたわけでありますけれども、こういう非行というのはいわば現代社会の反射鏡であるとか、あるいはまた病める社会の検温器であるとかというようなことが言われておりますけれども、全くそのとおりだという感じがいたしまして、特に生活指導に当たっておられる先生などは大変な苦労をしているということがこれを見ただけでもわかるわけであります。いままで文部省の所管でないということで関与しておられなかったと思うのだけれども、閣僚の一員としても、そういう立場でも少年法の改正という点についてはぜひ関心を持って発言をしてもらいたいということをお願いしたいと思うのであります。すでに少年法改正についての部会の中間報告が出ているわけですから、いま言ったような点にもっと教育的な面を大きく前面に押し出すということについてぜひ発言をしてもらいたいということをお願いして、それに対して一言だけ返事を伺って終わりにいたします。
○海部国務大臣 最初申し上げましたように、文部省といたしましては健全育成の面を受け持って、社会教育施設を充実するとか、各地域のサークル活動、スポーツクラブ等をつくって、健全育成に全力を挙げておりますが、御指摘の少年法の改正の問題につきましても、私も関心を持って、それを一遍よく私なりに考えてみて、今後関心を持って対処していきたいと考えます。
○西宮分科員 終わります。
○始関主査 これにて西宮弘君の質疑は終了しました。 次に、馬場昇君。
○馬場(昇)分科員 私は文部大臣に学校の統廃合の指導方針といいますかそういうものについてお尋ねをいたしたいと思います。 昭和四十八年に文部省はこの学校統廃合について通達を出しておるわけでございますが、その中で、学校規模を重視する余り、無理な統合を行い、地域住民との間に紛争を生じたり通学上著しい困難を招いたりするようなことは避けなければならない、なお、小規模校として存置し充実する方が好ましい場合もあることにも留意しなければならない、こういう趣旨の通達が出ているわけでございます。この指導方針というのは現在も変わっていないのかという点と、学校統廃合につきましては、ややもしますと行政面が重視されて教育面が軽視されるきらいがないわけじゃないのですが、少なくとも学校の統廃合というのは行政面重視じゃなしに教育的見地から考えるべきだと私は思うのですけれども、この学校統廃合指導の基本方針について文部大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○海部国務大臣 御指摘のありました学校統廃合の基本的な方針については現在も変わっておりません。やはりその目途といたしますところは、教育に適正規模という言葉が当てはまるかどうかわかりませんけれども、小規模な学校が統合されてそれによって教育効果が上がるように、生徒がお互いに切磋琢磨していい教育ができるようにしていきたいという願いがあることも、これは事実でございます。
○馬場(昇)分科員 私はさらに聞きたいのですけれども、この中で、無理な統合を行って地域住民との間に紛争を起こしたり、通学上著しい困難を招いたりすることを避けなければならない、こういう指導方針は変わっておりませんか。
○海部国務大臣 これはもう当然のことでございまして、地域の住民の皆さんとよく話し合って理解を得て、せっかくそういう効果をねらってやるのですから、それによって何か地域に変なことが起こらないようにすベきであるということは当然の指導方針でございます。
○馬場(昇)分科員 そこで、この指導方針が生かされておるか、どう生かすかという立場において具体的事例を挙げまして具体的な指導方針をお尋ねしたいと思うのです。 熊本県の球磨郡球磨村、これは球磨川の沿岸にあるわけでして、全村の八七%くらいが山林の村でございます。ここの中学統廃合問題で大きいトラブルが起こっておるのです。これはもう大臣も御承知と思いますけれども、中学校四つありますけれども、これを統廃合して一つにする、こういうような統廃合が行われておるのです。そこで、その一つに渡地区というのがございます。渡中学校というのがあるのですけれども、そこの住民が統合中学は無暴だ、子供と住民を犠牲にする、そういう意味において渡中学校というのは存続してもらいたい。あくまでも渡中学校を廃止して統合するのは阻止するんだ、こういう目的でもって先日登校拒否を実は行いました。これは五十一年十二月十八日に登校拒否が行われまして、その渡地区に渡小学校というのと渡中学校というのとありますけれども、その渡小学校は四〇%に及ぶ、二百十五人の生徒のうち八十三人が同盟休校で休みました。中学校は高校入試の関係もあるわけでございますけれども、それでも百四十七人中二十二名、小、中合わせまして百五名が同盟休校、登校拒否をいたしました。さらにことしになりまして一月の二十五日、二十六日に第二回目の登校拒否が行われまして、小学校七十六名、中学校十八名、計九十四名が登校拒否をしたわけでございます。そして、ことしの一月十五日にはそこで住民大会というのが開かれまして、百五十名ぐらいの人が集まりまして、村当局が統合を強行するならば今後もさらに同盟休校といいますか、とにかく登校拒否を続けるんだという決議もしているわけでございますし、一月二十四日には七十名ぐらいの人が役場に押しかけまして座り込みをやった、こういうこともありますし、さらに最近では、強行するならば中学校廃止処分執行停止といいますか、裁判闘争をやるんだ、こういうことで、物すごく紛争が実は起こっておるわけでございます。私はここにそれを報道しましたような地方紙の新聞記事の切り抜きを持っていますが、物すごい問題にもなっておるわけでございます。こういうことは、多分県の教育委員会から文部省にも報告がされておるのじゃないかと思いますが、こういう紛争を起こしておる、これをどう解決するかということにつきまして、熊本県の教育委員会に対してどういう御指導をなさっておるかということをお伺いしたいわけでございます。
○犬丸(直)政府委員 お話しの熊本県球磨郡球磨村の中学校統合問題につきましては、かねてから私どもも実情をいろいろ聞いておるわけでございますが、やはり私どもの基本方針は、先ほどおっしゃいました通達の趣旨に従って、地元との話し合いのもとに円満に解決するという方法でやっておりますが、何せこういう問題になりますと、賛成側、反対側、かなり対立した状況になってまいります。 それで、形式的に申しますと、一応町議会において議決したという手続をとっておるわけでございますけれども、実質的にこのような反対が出てまいっておる、このような状況でございまして、私ども遠隔の地におりまして具体的な実情を判断するのがなかなかむずかしい事情もございます。したがいまして、できるだけ地元の県の教育委員会と相談いたしまして、県の教育委員会が地域の実情あるいは教育の状況等判断して最良と思う方法ということで、それにもちろん私どもの判断を加えますが、県の教育委員会の意見というものを尊重いたしまして処理していく、その県に対する指導といたしましては、先ほど申された通達の線でできるだけ円満に話し合ってやってくれ、こういうことでございます。
○馬場(昇)分科員 紛争が起こっておるのは事実ですから、その紛争が起こらないように円満に話し合いをせよ、こういうような指導を県教育委員会になさっておるわけですね。
○犬丸(直)政府委員 事前の措置としては、できるだけその計画を立てるときから文部省へ申請して来る前に事前に円満に話し合いをするということが一番望ましいわけでございます。不幸にしてこういう事態が起こりましたことは、まことに残念でございますけれども、この段階におきましては、その処理につきまして十分地元の納得を得るように努力してほしい、こういう指導をいたしております。
○馬場(昇)分科員 文部省も指導されておるようでございますが、その紛争の解決の兆しが現在ないんです。そこで、このことは文部省は事前からずっと知っておられるわけです。というのは、昭和五十年度の助成の問題で、四校を統合するから統合中学の助成金を出してくれというような話が県教委を通じてありましたときに、もうその一地区が反対をしておるということがわかっておったものですから、そういうことがあって統合ができない、補助金をまた返さなければならないようなことがあってはだめなんだ、そういうことで、五十年度は話し合いをしなさいということでもりて統合の助成をなさっておられないわけなんです。そして、六教室分の危険校舎の改築という補助が五十年度に行われております。さらに、五十一年度に四校を統合するんだという形でまた助成金の申請があったわけでございますけれども、このときにもとにかく三校統合分ということで、前に危険校舎で六教室分補助があっておるわけですから、もともと十二教室か十三教室要るのですけれども、だからその中でプラス三教室と管理費と、これは三校統合分だ、あとの一校分は話し合いをしなさい、補助対象にしていない、こういうようなことで五十一年度も対処してきておられるわけです。ところが、村当局は、三校の統合中学の補助金しかないのに、村独自の経費でもって実は六教室分つくっている、こういう状態が現在あるわけでございます。 そういうことでございますので、やはり私はこれを見た場合に具体的に指導していただきたいと思うのは、そんなに紛争を起こしておるわけですから、三校統合をやって一校話し合いを続けなさいという補助方針を出しておるわけですから、ここで少なくとも、この四月に四校統合を強行するのじゃなしに、一校は話し合いを続けるという意味で三校でやってはどうか、こういうような具体的な指導というものを従来やってきておられたのですが、今日このことでもって紛争を解決するというような指導をなさる気持ちはないかどうかということをお尋ねしておきたいと思います。
○犬丸(直)政府委員 この学校統合の問題につきましては、一方ではそういう反対が起こる場合があるわけでございますが、他方では、この県の場合でもそうでございますけれども、進めてほしいという声も一部には非常にあるわけでございます。それで私どもといたしましては、両者の立場をどこに本当の真実があるのかということで非常に悩むわけでございますが、その間にあって県の判断を聞きつつ処置してまいったわけでございます。 いまおっしゃいました件につきましては、その辺のところで、一方において統合を進めるということ自体、その政策自体は望ましい政策でございますし、町当局も議決をしているという線がございますから、無理のない範囲内ではできるだけ進めた方がよろしい、そういう考え方のもとに、五十年度は、いまおっしゃいましたように危険校舎改築ということで六百三十二平米、これはその中身の話し合いがその間について、どちらでもいけるようにということでとりあえず補助をしたわけでございます。五十一年度におきましても、三校を四校ということではなくて、その辺の話し合いがどちらにでもいけるように、望むらくは円満に解決してさらに先に進めるようにということで、さしあたり千六百五平米の補助をいたしたわけでございます。
○馬場(昇)分科員 ちょっといまの話を聞いていますと、大臣にお尋ねしたいのですけれども、指導方針というのは紛争の起こらないような統廃合をしなさいというのが指導方針でしょう。それはさっき大臣が認められましたですね。ところが、いまの話をしていますと、事実、あんな紛争が起こっておるのに、この統合は望ましいんだということを局長はいま言われたのですね。それは指導方針と違うのです。そして私さっき説明いたしましたけれども、従来は一つの学校が反対しているんだから、そこに対して助成はやらない、まず最初は統合の助成じゃなしに危険校舎でやれ、その次には六教室分の申請が来たのに、話がつかないから三教室分しか認めないのだというような形でやってきているわけですよ。そういう意味で、こういう紛争が起こる統合こそ統合の指導方針に違っているんじゃありませんか、大臣。紛争が起こっているんじゃないですか。それをいま望ましいなんて局長が言うでしょう。 それからもう一つの具体的な問題には、何ら紛争を解決するような具体的な指導方針をしていない、そうでしょう。だから聞きますけれども、県教育委員会とどういうことでこのトラブルを解消する話し合いをいまやっておるのか中身を聞きたいし、問題は、大臣にきちんと、あなたの指導方針といま好ましいなんかと言ったのとは違うじゃありませんか。
○犬丸(直)政府委員 一般的に申しまして統合というものが好ましい政策であるということを申し上げたのでございまして、ただ強行することは、もちろん好ましくないことは当然でございます。その点につきましては、最初から大臣の申されたことと同じでございます。それでこの件につきましても強行することのないように、いまの段階において県と相談いたしました結果、一番妥当な範囲といたしまして千六百五平米の補助をいたしたわけでございます。今後円満に話し合いをして解決するように県を指導いたしておるわけでございます。
○馬場(昇)分科員 さっき私が読み上げましたのと違うのですよ。これは大臣に聞きますけれども、統合は好ましい。これにはきちんと小規模校として存置して充実する方が好ましい場合もあり得るということを留意しなさい。統合が好ましいんだということは書いてないのですよ。存置して小規模でも充実する方が好ましい場合もあることを考えなさい、だから統合は必ずしも好ましいということを指導していないのですよ。そういう紛争が起こっているという問題、そういう統合は好ましくないということ。 それから、最初大臣が認められましたのと、いま局長が答弁をしているのが違いますので、大臣、きちんと最初認められましたとおりだと言うかどうかということを最高責任者から聞いておきたいと思うのです。 それがら問題は、いま私は具体的に質問したのですが、これは県と話し合う必要があると思いますけれども、こんなにトラブルが起こっているのだったらやはり問題があるわけですから、指導方針とも違っているのですから、一年間ぐらい話し合いをしなさい、だから強行してはいけませんよ、こういうことを出して指導してはどうかということです。
○海部国務大臣 私が最初に申し上げたとおりでございまして、それは教育効果が上がるために適正規模と申しますか、いろいろなものを考えるわけでありますが、その中で地域住民との間に紛争を招くことは当然好ましくないわけでありますから、具体的にどういう状況になってどうだということは、私は残念ながら報告文書を通じて知るだけでございますので、実態についてやや外れたところがあるかもしれませんけれども、そういった方針が村の議会で議決され動き出しても、なおかついま御指摘になるような紛争が厳然とそこに残っておるならば、強行することは好ましいことであるとは私は思いませんので、そういう方面の指導もきちんとするようにいたします。
○馬場(昇)分科員 いま大臣が言われましたように、強行するのは好ましくないということで円満に解決するように指導するとおっしゃったから、ぜひそうしていただきたいと思うのです。 ところがもう一つ、その前の教育的段階でまた質問したいと思うのです。 たとえば問題を起こしていないあと三校の問題です。私は学校を見に行ったのです。ところが六教室は確かにでき上がっております。ところがあとの六教室は建設の途中にありまして、それが二学期以降でないとでき上がらないという状況にあります。そういたしますと、今度四月に統合を無理やりやりましたならば危険校舎の中の七教室を使わなければ授業ができないのです。危険校舎を使わなければならぬ。その危険校舎の隣は——大臣、具体的な問題でなしに一般論として聞かれても結構だと思うのです。その隣十四メートルのところに危険校舎が二つ並んでいまして、その一つはいま取り壊す最中なんです。物すごいトラックなんか学校の中に入ってきてやっているのです。その十四メートル離れたところの危険校舎の中の七教室を使わなければならぬ。運動場へ行きましたらまだ整備されていない。でこぼこなんです。そうして、体育館もつくっていない。プールもつくっていない。家庭科の教室もない。こういうところで、整備されますのは二学期以降になるのではないかと私は見てまいりました。ところが、現在あるあとの三つの学校あるいは四つの学校はきちんと運動場もあるし、校舎もあるし、プールも体育館もある。そこでいまきちんとした授業を受けている。 ところが村当局はそれをやめてしまって四月から建設途中のでき上がっておらぬところに持ってこようとしている。そして、朝早く汽車で通学する人は七時ごろにはそこに来て遊ばなければならないという通学状況もあるわけです。できていないところに条件のいいところから持ってきてなぜ無理やりに押し込まなければならないか。あとの三校もでき上がるまで待つべきではないか、これが教育的じゃないか、私はそう思いますけれども、どうなんですか。
○海部国務大臣 具体的な事実というものを最初申し上げましたように私は文書で読んだだけでございますのでいけませんが、先生の御指摘のような実情にあるとするならば、それを押して強行することは待って、十分理解を得るように話し合いをしたらどうかという指導をいたさせたいと思います。
○馬場(昇)分科員 これは大臣が直接熊本県とやられるということも必要においてはしていただきたいと思うのですが、具体的には局長あるいは課長なりがやられると思うのですけれども、四校統合に反対し登校拒否をしているようなところはやはり強行せずに統合に対しての話し合いを要請され、それからまた四月一日に持ってくるということについては賛成しておるところでも教育条件が非常に悪くなる、そういう建設途中のところにいいところからむりやり持ってくる必要はなかろう、そういう点でぜひ熊本県を御指導していただきたいと思いますが、局長どうですか。
○犬丸(直)政府委員 よく実情を調べまして、ただいま大臣が申し上げました方針で処理いたしたいと思います。
○馬場(昇)分科員 私も地元でございますものですから、実際中学校の生徒も受験前に、まあ受験がいい悪いは別としまして、こういう登校拒否なんかの状態が学校に起きて大変生徒もきつかったのじゃないかと思いますし、さらには登校を拒否した人としていない人がいるということで、生徒間の教育的な問題も多かったのではないかと実は非常に憂慮をしておるわけです。 ところが局長なんか知っておられると思いますけれども、村は一遍議決したから何としてもメンツにかけてやりたい、片一方の方は絶対にやらせないということで、非常に膠着状態があるのです。幸い、いま来年度の教育配置をどうしなければならぬかという、差し迫って判断をしなければならぬところにきているのです。そういうこともあるものですから、いまが文部省が県を指導され村を指導されるには非常にチャンスじゃないか、一日も早くこういう生徒を巻き込んだようなトラブルが解消するようにぜひ御努力をお願いいたしたい、こういうぐあいに思います。 これにかかわって大臣に、この事実を例にとりながら、統合が行政ベースであってはならぬ、教育ベースでなければならぬということについて御見解を聞くためにもう少し具体的に申し上げてみたいと思うのです。 これは昭和四十八年に村の教育委員会、議会が統合を議決しておるのです。そのときに地域住民には何ら知らされていない。地域住民の意見も聞いていないのです。そして村が、教育委員会、村議会で決めた。この辺から実はトラブルが起こっておるのです。ここは非常に保守的なところでございまして革新の議員なんか一人もいない村会でもあるものですから、そういうことはここの議論のあれではありませんけれども、そういうぐあいで実は最初から了解をとるようなことが行われていなかった、こういう問題がございます。 もう一つは、先ほど言いましたように、この村は八七%が実は山林なんです。そして球磨川をはさんでずっと長く続いた、奥行きが非常に長い村でございまして、統合いたしましたならば通学距離が十二キロぐらいになるというところがたくさん出てくるような村でございます。そしてまた球磨川沿岸でございますものですから、ここは台風の常襲地帯でもございますし、がけ崩れの常襲地帯、山からの洪水の常襲地帯、ものすごく条件が悪くて落石とか——二、三日前も列車が転覆しましたし、去年でしたか高知か徳島でスクールバスが転落をしたという事故もございましたが、そういう危険性が十分予測されるような地域でございます。 また実に驚くべきことには、統合いたしますと四百七十五名くらいの規模の中学校になるのですけれども、徒歩通学をするのが九十一名、二〇%にも満たないのです。そして寄宿舎に入らなければならないような生徒が五十四名、そのほかは列車通学、スクールバス通学、バス通学、自転車通学、こういうような状況になりまして、このような通学形態になるのに無理をして統合するというのはやはりおかしいのじゃないか。こういう通学形態になるような統合というのは全国にもそう例を見ないのじゃないかと私は思います。 ところが一方、村当局の最近の言動を見てみますと、実は至れり尽くせりでございます。たとえばスクールバス四台買いましょう、そして送り迎えをいたします。民間バスに乗って通学する人には全部無料のパスを買って差し上げます。自転車で通学する人には全部自転車を買って差し上げます。至れり尽くせりの状況でございます。こんなことをしてその村当局の財政というのはもつのかどうかとさえ実は私は思うのですけれども、まあ至れり尽くせりのことをいまやっておられます。しかしこれは実際長続きするものでもないと私は思うのですが、そういうことで、この統合計画そのもの自体が私は教育的でないと判断せざるを得ない、こういうぐあいに思うわけでございます。そういう意味で、先ほどから局長が、村当局も議決してやっておるんだ、こういうことだからと言うんでそれがすべて間違いでないようにおっしゃいましたけれども、教育的に見て私がいま言ったような統合というのが、これは大臣どうなんでしょう。そういうことこそ、やはり指導方針の中で最初触れましたのに触れるんじゃないかと思うのですが、いかがでございましょう。
○海部国務大臣 これはお話だけ聞いておりますと、なるほどなと思って聞いておるのでありますが、最初から申し上げておるように、私は現場を具体的には存じ上げませんので、それに町の議会も議決をされ、そしていろいろな話が進んできたという経過等も見ればやはり統合した方がいいという御意見があったことも事実だと思いますし、また御指摘のように登校拒否をするというような現実の動きが起こってきておるということになれば、これはもう住民紛争がそこに起こっておるということもこれまた事実でありますので、私がさかのぼってそれがいいことであったかどうかということをちょっとここで意見を個人的に述べることは差し控えさせていただきたいと思いますが、現在起こっております事象は確かに教育的ではないような感じがいたしますので、強行したり何かしないで、できるだけ誤解があったら解くように、至れり尽くせりのことも、みんながそれでいいんだとおっしゃるならばそれも一つの方法でございましょうし、これはよくないということにまたなれば、それも一つの御議論でございますから、やはりいろいろな角度から話し合ってそして納得を得て、理解を得た上で行われますように、とりあえずは強行だけはしないように理解を得るための努力をされるべきだ、これが私のいまの率直な感じでございます。
○馬場(昇)分科員 くどいようでございますけれども、事教育に関する問題でございますので、そしてまたそこにはきちんと生徒というものもまたおるわけでございますので、そして私がいま言いましたようなことは、大臣は現地を見ておられませんから私が一方的なこととお考えになるかもしれませんけれども、私は事務当局は県の報告なんかを聞いてよく知っているんじゃないかと思うのです。しかしもう村当局、県当局もいろいろ決めたことだから文部省がそれをどうこう批判するのは行政としておかしいという考え方もあるんじゃないかと思いますけれども、そういうことは抜きにして、本当に教育的じゃないいまの状態、経過はもうそれでいいですから、いまの状態は教育的でございませんから、ぜひこの問題が円満に解決しますように、強行しないようにくれぐれもお願いを申し上げておきたいと思います。 以上で質問を終わります。
○始関主査 これにて馬場昇君の質疑は終了いたしました。 次に、伏屋修治君。
○伏屋分科員 私は、岐阜大学の学部が統合されまして移転する問題についてこれから何点かお尋ねしたいと思います。 まず、大学局長にお尋ねしますけれども、岐阜大学のように学部が統合して移転するような大学事例がこの最近の間にあったかどうか、お尋ねしたいと思います。
○佐野(文)政府委員 国立大学の移転統合につきましては、戦後の新制大学の発足の際にいわゆるタコ足大学と言われているような校地の分散の状況がございましたので、それを解消するために、大学の御要請、御希望に沿いまして逐次統合の取り進めをいたしてきたところでございます。現在移転統合が進行中のものといたしましては、福島大学、東京工業大学、横浜国立大学、新潟大学、岐阜大学、大阪外国語大学、大阪教育大学、広島大学、琉球大学等がございます。
○伏屋分科員 そういうもう移転完了したケースというのはございませんか。これからの計画でなくて、いままでに一番最近のところでそのような学部統合移転の完了したところはございませんか。
○佐野(文)政府委員 移転統合を完了したものが、宮城教育大学、群馬大学、埼玉大学、静岡大学、愛知教育大学、三重大学、大阪大学あるいは神戸大学、鳥取大学、山口大学等々の例があります。
○伏屋分科員 すでに統合移転の完了したその各大学の跡地利用の問題についてですが、その跡地利用がどのように処理されたのかということをお尋ねいたしたいと思います。
○宮地政府委員 移転跡地につきましては、それぞれその地域での利用計画に従いまして処分を行うことになっておりますが、個々のケースにつきましては、ただいま手元に資料を持ち合わせてございません。
○伏屋分科員 個々の資料についてはわからないわけですか。一大学でも結構ですから。
○宮地政府委員 たとえば山口大学の場合で申しますと、跡地の一部につきましては山口県において利用するということで山口県に有償で譲渡するというようなことが行われております。
○伏屋分科員 岐阜大学の学部統合移転の計画はどのように現在進んでおるのか、その推移をお尋ねいたしたいと思います。
○犬丸(直)政府委員 岐阜大学はただいま四学部が三カ所に分かれておるという、いわゆるタコの足的な状態にあるわけでございますが、それでは教育、研究上の支障があるというので、医学部及び付属病院を除く三学部、教育学部と工学部と農学部を岐阜市黒野地区へ移転するということで新敷地を獲得すべく仕事を進めておるわけでございます。それで、そこは川が流れておりまして多少低い土地でございますので、そこで河川改修というようなことが建設省所管で行われております。それが終わりましてから施設整備にかかるというようなことで現在着々と進めておるわけでございます。
○伏屋分科員 大体どれぐらいの規模の面積をいま所有したわけですか。
○犬丸(直)政府委員 用地面積全体で約五十二ヘクタールでございます。
○伏屋分科員 私の聞くところによりますと大体五十三年にその大学が建設予定だと聞いておるわけですけれども、現在取得いたしましたその土地の面積はどれぐらいなんですか。
○犬丸(直)政府委員 そのうちの約七・三ヘクタールは、ごく一部でございますけれども購入済みということでございます。
○伏屋分科員 五十二ヘクタール中の現在非常にまだ小規模な面積の取得でございますけれども、それで五十三年の建設が予定どおり進行するのかどうか。
○犬丸(直)政府委員 建設省の方でお願いいたしております河川改修の結果によるわけでございますけれども、それが順調にはかどりますれば、五十三年度以降予算要求してまいりたい、こういう状況でございます。
○伏屋分科員 先ほど山口大学の例をお話しになったわけですけれども、山口大学の場合は、土地を先行取得する場合に地元にどれくらいの負担があったわけですか。
○宮地政府委員 山口大学のケースについての具体的な資料はただいま手元に持ち合わせておりません。
○伏屋分科員 岐阜大学の移転取得用地に対する地元の負担がどれくらいかかっておるか、御存じでしょうか。
○宮地政府委員 岐阜大学の用地につきましての、金利を見込みましての移転統合に要する土地購入費はおよそ九十億と想定しております。
○伏屋分科員 九十億は先ほどもお聞きしたわけですけれども、地元の河川改修あるいは取りつけ道路等に対する具体的な地元負担額はどれくらいかとお尋ねしたいわけです。
○宮地政府委員 河川改修その他の工事にかかわりますものは建設省所管事業として行われておりますので、ただいまこちらに資料を持ち合わせておりません。
○伏屋分科員 私の聞きました範囲におきましても約八億程度の河川改修負担あるいは取りつけ道路の負担を地元が持っております。このような地元負担に対しまして、跡地利用をする場合に国の方としてはそういうことを考慮に入れるかどうか、これをお尋ねしたいわけです。
○宮地政府委員 跡地の処理につきましては、岐阜大学の移転統合全体に要する経費の所要財源となるべきものと考えておりますので、国立学校特別会計全体の処理方針といたしましては有償で処分をするという考え方で臨むわけでございます。
○伏屋分科員 それは有償で払い下げるという意味ですか。
○宮地政府委員 国立学校特別会計といたしましては、原則としては時価で処分するという考え方でございます。
○伏屋分科員 時価で払い下げるということは、先行取得をするために地元に大きな負担をかけ、またさらに河川改修、取りつけ道路その他の負担をかげながら、そのことは考慮に入れないということですね。
○宮地政府委員 跡地の処理の問題につきましては、大学、県等の間で話し合いをこれからいたす問題になるわけでございまして、今後の具体的な実務の処理としては今後の推移を待って決めたい、かように考えております。
○伏屋分科員 地元の方々の気持ちというのは、そこへ大学を誘致するに当たって、非常に急迫した地元財政の中にもかかわらずそういう負担を積極的に負担しておるということは、返して言うならば、将来その残された跡地を有利に使いたいという意思があると私は思います。そういう面におきましてさらにもう一度お尋ねするわけですけれども、そういう地元負担を考慮に入れながら時価よりもさらに安い価格で、有償で払い下げるという意思があるかないかということをお尋ねします。
○宮地政府委員 今後の案件でございますので、その具体的な処理といたしましては、今後の県並びに大学当局の折衝過程を経た上で決まるものでございますが、国立学校特別会計の原則的な処理としては、時価で処分をするという考え方でございます。
○伏屋分科員 その跡地の利用でございますけれども、建設計画がまだ明確に地元の方にもわかっておりません。したがって、その跡地を所有する地方自治体においては、その跡地を今後どのように市のために使っていこうかと考えておるわけです。いつごろにそれがはっきりしてくるのか、そこら辺をお尋ねしたいと思います。
○宮地政府委員 私どもも、跡地の利用につきましてまだ具体的な案を承知いたしておりません。大学当局からもまだ伺っておりません。ただ岐阜大学の移転跡地につきまして、購入をするとすればその跡地の処理について、先ほど来申し上げておりますような時価処分という考え方に沿った方針で臨むわけでございますが、具体的な計画としては、地元での跡地利用の計画が今後検討されるもの、かように考えております。
○伏屋分科員 現在予定されておりますところの黒野地区の移転予定地でございますけれども、その土地は、過去長い歴史の間ずっと取得しておった方々にとってみると、非常に貴重な資産であります。そういう資産を手放して大学に提供いたしました。そして今後さらにまた広い面積が手放されていくわけでございますけれども、そこに将来総合大学が建設されたときに、その周りの地価が上がることは間違いございません。そういうときに、その土地を大学に提供した方々に対してどういうような処遇を考えていくか、お尋ねしたいと思います。
○宮地政府委員 御質問の趣旨がちょっとつかみがたいのでございますが、将来移転統合が行われますれば、その大学の整備に伴いまして、その周辺の地価については、御指摘のような地価の上昇ということも見込まれるかと思うのでございますが、具体的にそれらについてどういう処置をするかという点につきましては、私どもとしては、大学用地の取得について先行取得を県にお願いしております。それについて対価を支払いまして大学用地を取得するというところまででございまして、それ以後における周辺の地価問題ということになりますと、具体的にどう対応するかということについては、ただいまのところ具体的な対応の仕方については一応考えておりません。
○伏屋分科員 今後の交渉いかんという御回答でございますし、またいまのような問題につきましても、その取得によって今後起こってくる問題だという御回答でございますけれども、きめ細かい土地取得ということを考えていけば、やはりその土地を手放した人々に対しましてもその次に打つべき手を考えながら先行取得をしていかなければならない。ただ県の自治体の方に任せて土地を先行取得するだけである、そのような、どちらかと言いますと冷たいやり方ではなくて、もっときめの細かい考え方で配慮していただきたい、このように私はお願いしたいと思います。 その問題はそれだけにしまして、次の問題へ入っていきますが、年々高まる大学進学率によって職業高校というものが非常にあおりを受けて、現在定員すら満たされないというような学校もあるやに聞いております。現在職業高校と普通高校に進学する比率はどのような推移をたどっておるか、お尋ねしたいと思います。
○諸沢政府委員 現在職業課程へ進学する子供と普通課程へ進学する子供の割合を全国的に見ました場合に、普通課程六五、職業課程三五というふうに大体つかんでおります。
○伏屋分科員 職業高校から大学を希望する方々もあると思います。 〔主査退席、住主査代理着席〕 現在、非常に高くなってまいりました大学進学率によって、親から非常におしりをたたかれながらいやいや勉強して大学を受けようという人もおりますし、また職業高校のように非常に困難なハンディキャップの中にありながら、しかも向学心を燃やしながら大学を望んでみえる生徒もおると聞いております。そういう人々に対しましてどのような配慮があるか、そういうことをお伺いしたいと思います。文部大臣にお尋ねします。
○海部国務大臣 一般的なことを申し上げますけれども、職業高校は御指摘のように専門科目を履修するということがその立場上当然になってまいりますから、普通高校と全く同一の条件で試験を争うということになりますと、日ごろ勉強しておる科目によって大変不利益があるのではなかろうか、これはよくわかることでございます。そこで、きょうまでやっておりますことは、たとえば受験科目の中の代替科目の制度とか推薦入学の制度とかいうようなものもとって、できるだけ職業高校の生徒が高校で専門科目の履修に時間を割いていることの不利益を何とかバランスをとるようにしたいという制度がございますが、なおこれも十分だとは言えませんので、今後はそういったことについては指導を重ねていきたいと思います。 それから、昨年十月に発足しました技術科学大学におきましては、これは工業科の卒業生に対して行き届いた配慮をいたしておるわけでございます。
○伏屋分科員 前にも文部大臣からお話をお聞きしたわけですけれども、推薦入学というような枠がある、四十七年から行っておるということですが、実数はどれくらいあるかということをお尋ねしたいと思います。
○佐野(文)政府委員 推薦入学の方式を採用しております四年制の大学は年々増加をしておりまして、五十二年度の入試におきましては国立が三十三、公立が三、私立が百八十大学で推薦入学の方式をとっております。私立の場合では、三百七校の総数の約半数を超える五八・六%のものが推薦入学の方式をとっているということでございます。短大の場合にはもっとこの率は高くなります。
○伏屋分科員 現在、非常に入試地獄と言われておるのは、一つにはやはりこれだけの経済不安な状態の中で、学費の負担を少しでも軽減しながら学校へ進学したい、こういう気持ちから公立、国立大学へ殺到するところに一つの大きな受験地獄というものも醸し出されておると私は思います。そういう面におきまして、職業高校で本当に真摯に勉強を積み重ねながら向学心を燃やし大学へ行きたい、そういう人々に対しまして、いまお話を伺った範囲におきましては公立、国立の枠が余りにも少ないんではないか。私立大学の枠というのはかなり大きな数字が出ておるようでございますけれども、そのような人たちに対する国立、公立の大学の推薦入学というようなものを、今後枠を広げていく意思があるかどうかお尋ねしたいと思います。
○佐野(文)政府委員 推薦入学の方式というのは望ましい方式でございますから、できるだけ拡大いたしていきたいというふうに考えております。ただ、一般的に申しますと望ましいのですけれども、個々の事例の中には推薦入学のやり方についていろいろと問題も出てきておりますので、そういった点の検討、指導をあわせて考えながら、方針としてはもっと広げていきたいというふうに考えております。
○伏屋分科員 現在私立大学、特に医科歯科大学等の多額な入学金ということで問題になっておるようでございますけれども、それは別といたしまして、高等学校以下の方々のそういうような入学金、医科歯科大学と比べれば微々たる入学金かもしれませんけれども、高等学校へ進学する、私立の高校へ進学する生徒、進学が決定しなくても現在行われておるような入試のシステムからしますと、公立高校を受ける前に私立高校をまず受けてみる、そしてそこで試験なれをしてはずみをつけて公立高校を受験しようというのが大方のいまの行き方でございます。それを見ていきますときに、一応私立高校を合格した者は入学金を納める制度になっております。しかも公立高校の願書の締め切りとか、あるいは公立高校の受験日とか、あるいは公立高校の発表日にそれぞれ私学に合格した生徒を集めるということにおいて私学は入学人員を把握する、そういうようなシステムをとっておるようでございます。そうすると、現在の高校を受験する子弟というものの数からすると、かなり膨大なお金が入学金として私学の方に入っていく。このような非常な不況で生活が圧迫されておるときに、たとえ二万でも三万でもそのように全然返ってこないというお金が取り扱われておることに対しまして、文部省の方としてはどのような指導をされておるのか。
○犬丸(直)政府委員 国公立学校と私立学校と併願いたしまして、そして最後には国公立学校に行くというケースは、大学の場合と同じように高等学校でもあるようであります。大学の場合につきましては通達を出しまして、そういった場合にはできるだけ返すように、あるいは返さないまでも取る時期を試験が終わったらすぐ取るというのではなくて、ほかのところが決まるまで待つというような措置をとるように通達いたしまして、ある程度実効を上げております。高等学校以下につきましてもある程度そういうような必要があろうかと思いまして、私ども府県を通じまして同様な指導をいたしております。まだ、現在どうなっているかというような的確な資料はいま手元にございません。
○伏屋分科員 私の娘がちょうどこの三月に高校を受験するのですが、公立高校の受験日がこの十六日でございます。すでに私立の高等学校の受験は終わりまして、そして入学金を私に納めてくれるかどうかと迫られたわけでございますけれども、冗談半分に私はそんなことはやらぬぞ、そう言っておきましたけれども、そういう事実がございます。この入学金というものは、公立高校へ入った場合、あるいは公立高校を受験しそれに進んでいこうとするならば、これは返ってこないことは事実でございます。そのような実態をいまどれくらい文部省の方で把握されておるのか。県によっては、入学金が返されるようになった県もあるように聞いております。その実態がどれくらいあるかということをちょっとお尋ねしたいと思います。
○犬丸(直)政府委員 入学時納付金にもいろいろございまして、入学金というものがございます。それから入学時に納める一年間の授業料、それから施設設備費というようなもの、大体そういう三つに分かれます。そのうちの入学金につきましては、一種の私契約で言えば手付金のようなものでございまして、私学側といたしましても入学の意思がいつまでも確定しないというのでは困るわけでございますから、入学金を返せということは実は言っておりません。そうではなくて、最初の年の施設設備費とか授業料、これを取ってしまうのはおかしいじゃないかということで、そういう指導をいたしておるわけでございます。そういう意味において授業料などを返すところは、現在的確な数字はございませんけれども半数以上、大部分のところでは授業料とか初年度の施設設備費というようなものは返すようにしておるというように聞いております。
○伏屋分科員 最初の授業料とか施設設備費、そういうものは返すように指導されておるそうですけれども、その手付金に当たるようなお金というものに対する指導はどのようにされておるのか。私のこの資料によりますと、それは大体一万五千円から二万円という入学金になっておるようでございますけれども……。
○犬丸(直)政府委員 私どもの全国調査、五十二年度の資料はまだございませんが五十一年度の平均によりますと、入学料は高等学校の場合七万二千百九円になっております。これにつきましては、入学金につきましては返せという指導はいたしておりません。
○伏屋分科員 今後、その入学金に対しても返済するような指導をなさる意思はありますか。
○犬丸(直)政府委員 その点につきまして幅広く父兄の中に不平があるとか不満があるというようなことがもしございますればもう一遍考えてみたいと思いますけれども、やはり私立学校側にいたしましてもある程度確定する必要がある。それから法的に考えましても、一種の私契約の手付金みたいなものではなかろうかということで、いまのところは返すような指導は考えておりません。
○伏屋分科員 確かにいまおっしゃったとおり、現在私立高校はどれだけ実入学人員が来るのかということを掌握できない、そういうことだからお金を取るということではなくて、もっとほかに、お金を取らなくてもそういうことが進められる方法を指導していただく中で、入学金を納めない、手付金に該当するようなお金を納めないという方向に持っていかないと大変なことだと私は思います。私立高校を見ますと、Aコース、Bコース、そういうようなコースで私立高校を受ける。いわゆるAコースというのは私立一本で行く生徒、Bコースはかけ持ちでというような形で、その配分もAコースに非常に有利なようになっているということも聞いております。その辺も的確につかんでいただいて指導していただきたい、こういうふうに思います。
○犬丸(直)政府委員 もし入学金なるものが妥当な手付金的な性格のもの、入学手続料として適当なものを逸脱して、それが不当に高いとか、そういうものを取っておいて返さないということがあるとするならばそれはよろしくないと思いますので、その点についてはよく取り調べて必要があれば指導いたしたいと思います。
○伏屋分科員 これは文部大臣にお願いでございますが、私立高等学校がこのような手付金に当たるようなものを取って、そして実入学人員を掌握するというようなやり方を考え出してきたのも、やはり一つには私学の経常経費の不足、私学の苦しい台所、そういうところにもあるのだと私は思います。いま盛んに私学に対する助成ということが言われておりますけれども、やはり何と言いましても、子供さんが自分の能力に応じた学校に行くことが教育的には一番妥当だと私は思います。よしんばそれが私立であろうと公立であろうとどこであろうと、その子供さんの能力に合った学校に行くのが一番妥当だと考えるならば、そこで一番ネックになるものはやはり経費負担にあるのではないか。親にしてみればそのことを認めていきたい、しかし経費の安い方へ行かせたい、そういうところから勢い自分の子弟をむち打たざるを得ない。そして公立へ公立へと門を狭くしている、これが実態ではないかと私は思います。そういう面におきまして、私学助成に対する文部大臣の一層の御熱意を示していただきたいということを御要望申し上げまして質問を終わります。
○住主査代理 これにて伏屋修治君の質疑は終わりました。 次に、川口大助君。
○川口分科員 大臣にお尋ねをいたしますが、せんだってテレビの討論で槙枝委員長とやっておりましたが、その中で、私が文部省に入ってから文部省の流れが変わったんだというような御発言がありましたが、その真意がちょっとわかりかねますので、どういうことを意味するのか、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○海部国務大臣 ずいぶんいろいろなことを議論いたしましたけれども、その中の一つは、まさにいま流れが変わりつつある、芽が出始めておる、それは初等中等教育における学習指導要領というものをいま改定のさ中でございますが、これは教育課程審議会の答申をいただいて、その中に書いてありますこと、たとえば教育科目を精選しろとか、あるいはゆとりのあるしかも充実した学校教育をするために創意工夫をしてもらう時間を学校につくったらどうか、いろいろなことがございまして、それも私は大きな流れの変わりだと思っておりますが、あの討論のやりとりの中で私がそのように触れたのは、実はもうちょっと次元の違う問題で、たしか文部省は学歴遍重の総本山で、東大法学部ばっかりを大事にしてけしからぬということを槙枝さんが言われましたので、いやそれは違います、私が文部省へ行ってこの二カ月ずっとながめておっただけでも、人事のときに上級職試験をとっていなかった方でも、能力を発揮して職場の中で認められておった人が審議官に何人もなっていらっしゃるし、東大法学部卒業でなくても上の方の地位で仕事をしておられる人もあるし、今度の新規採用も十八人採用しましたが、うち八人が東大で十人は地方国立大学、私立大学ということで、これが流れが変わったのですから、こういう流れの変わりも認めてくださいというようなときにたしかそういう言葉を使った、こう記憶しておりますが……。
○川口分科員 わかりました。私は教育は国の礎だと思っているわけです。ですから、政治も経済もやはり教育いかんによっては変わるんだ、こういうふうに思います。そこで、幾らりっぱな制度、仕組みがありましても、それを運営するのは人でありますから、人こそ宝だ、こういう意味で、私は大臣にひとつ大いにがんばっていただきたいという意味を込めながらお尋ねをするわけであります。 教育効果を測定するということはなかなか困難であります。そこで一つの例でありますが、日本の教育の一つのあらわれとしてこういう結果が生まれておると思うのであります。それは大臣もごらんになったかどうかわかりませんが、ここにごみを捨てるな、ここに落書きをするなというのがよく目につくわけであります。ここにという、そこが私はどうも気にかかるわけでありまして、そこに私は、日本の教育の一つの問題点が含まれておるのではないか、こんなふうに思うわけであります。この点について私は大臣に伺いたいのですが、日本の教育の中に何か論理に欠けた、哲学を持たぬ、現象面にとらわれた、そういう指導の傾向が強いのじゃないか。そのために、どうも日本人は活字に弱いあるいは批判力が足りない、こういうふうなことがよく言われるゆえんじゃないかと思うのでありますが、大臣の御見解をまず承りたいと思います。 〔住主査代理退席、主査着席〕
○海部国務大臣 確かにいま先生御指摘のこと、ごみはやはり捨てるべきところへ捨てるべきであって、ここにと言わずに、どこでもごみは捨てちゃいかぬということでしょうし、そういう意味で何が一番基礎的、基本的に大切なことなのか、人間として何と何をきちんと身につけなければならないのかということにまさに重点を置いて教育というものはされるべきだ、私も率直にそう考えます。
○川口分科員 それでいまの教育の基本といいますか目標は知、徳、体ですか、こういうものに重きを置いて教育指導があるようでありますが、どうもそれだけでは足りないのじゃないかと私は思うのです。特に小学校教育の場合は、学校の先生の人格が一つの教育だ、こういうふうに言われる場合もあるわけであります。現に私ども、小学校の先生というものはいまでもやはり先生でありまして、何か小学校教育で受けた教育というものは終生私どもの魂の中から離れないというふうな感じがあるわけであります。そういう意味で、先ほど大臣もお話がありましたが、いまの学習指導要領ですか、これがどうも少し画一的にすぎないか、こういうふうに思うのであります。たとえば体操の例をとりましても、私は、太った人とやせた人は体操の仕方が違ってもいいと思うのです。太った者は太った者なりの体操、やせた者はやせた者なりの体操があっても決しておかしくない、その方がむしろ適正じゃないかというふうに私は思うのであります。いまの学習指導要領は余りにも画一的に過ぎる、そこがむしろおっしゃるとおりゆとりのない学習になっているのじゃないか、こういうふうに思いますが、いかがですか。
○海部国務大臣 これはやはり画一的でなく、一人一人の児童の能力とか適性に応じて教育指導は適切に行われなければならぬ、私もそう思うわけでございまして、現場の先生の御苦労といいますか、どうやって一人一人の多様な能力や資質を持っておる子供に合うような教育をするかということにはずいぶん御苦労もあろうかと思いますけれども、そういう現場における創意工夫というものも十分に配慮していかなければなりませんし、また御批判のように、学習指導要領が画一的でかたくなでという御批判があったのではいけませんので、現在改定作業をやっておりますけれども、その中では、基礎的、基本的なことに精選をいたしますとともに、やはり創意工夫を加味してやっていただけるようなゆとりといいますか、すき間といいますか、そういったものも考えながら基本的な基礎的な身につけてもらわなければならぬ一定の基準をきちんと示すように、そういう方向で現在作業を進めておる最中である、こういうふうに御理解いただきます。
○川口分科員 どうも時間が限定されておりますので思うようにお話しできませんが、たとえて例をとりますと、体操をやる場合に、校庭でやるわけなんですが、校庭にたくさん草が生えているわけですね。草むしりをするのも私は一つの実際的な体操だと思うのでありますが、そういうものはいかぬのでありまして、初めから指導要領に基づいた体操をやらないと体操にならぬ、こういうわけですな。そうしますと、自分の勉強の場の環境も整えることができない。極端に言うと掃除もさせられない、草取りもさせられない、そういうようなことで、本当に生きた教育というものができるだろうか。教科書だけに頼ったような、そういう教育で一体人間になるだろうかという疑問が私あるわけです。 簡潔にやっていただかないと時間がございませんが、ひとつ御意見を伺いたいと思います。
○海部国務大臣 私は、やはり草むしりも掃除も実物教育でありますから、みんながそういったことをしていい環境をつくり、そしてそこで体操する、勉強する、そのための実際の作業をするということもこれは評価していいと思うのですけれども……。
○川口分科員 それがいまでは教科にならぬのです。極端に言うとやってはならぬということですから、PTAのお世話になったり、あるいはまたそのために余分な人件費を払うというようなことをやっておるわけです。これは大臣御存じないと思いますが、そういう実態なんです。でありますからして、私はそこに一つの、原因はいろいろあると思うのでありますが、かつて教育委員というのは選挙で選んだはずであります。現在は教育委員は議会の任命制であります。そして、ほとんどこの指導要領をいかに守らせるかという、極端な言葉でありますが、いわば文部省のお目付役的な権限よりないのであります。でありますから、今後ゆとりある教育ということでいろいろ進めようとしましても、本当に地域に合った、その学校に合った教育を地方教育委員会がやろうとしてもやれない仕組み。でありますから、私はいまの市町村教育委員会にもっと本当にゆとりある、ゆとりというのは時間だけじゃないわけですから、その教科の内容に豊かさ、ゆとりある教育ができるような仕組みに地方教育委員会の権限というものを強化できないか、こういうお尋ねであります。
○海部国務大臣 私は、実践の場のことを余り知りませんのでいけませんが、しょっちゅう草むしりばかりやっておったんじゃそれはいかぬでしょうが、そんなに草も生えないと思いますので、そこらのことは帰りましてから担当者と一遍話をし、議論してみたいと私も思いますが、また、地方の学校教育の現場というものに対してある程度の創意工夫のすき間があってもいいのじゃないか、それがゆとりというものではないか、こう考えますし、それから教育課程審議会からの答申の中で、ややもすれば詰め込みに偏っておるのじゃなかろうかとかあるいはもっと教科を精選しろというような結論を出されたのも、実は言葉を変えて言えば先生おっしゃるような意味のねらいもあるのじゃなかろうかという感じもいたしますので、これはひとつ私がいろいろこれから自分でも納得のいくように研究し、考えますから、宿題としていただいておきたいと思います。
○川口分科員 そこで、この教育委員会ですが、いま教員の異動の時期に入ってまいりまして大変問題がありますのは、地方教育委員会には先生の服務の監督権限があるわけです。しかし、任命する権限は県教委なんです。したがって、教員を配置する場合には市町村教育委員会から内申書をやりまして、その内申書に基づいて異動をやるわけですが、どうもそれがしっくりいかない。そこで、場合によっては県教委から天下り的なものがあったりあるいは押しつけの配置があったりして市教育行政の中で円滑さを欠く、こういう例があるのです。この点をどうにか緩和するというか調整するというか、そういう方法がないかどうか伺いたいわけです。
○海部国務大臣 これはやはり適材適所といいますか、一定の地域の中からいろいろ先生の異動等も考え、判断をし、県教委がやっていらっしゃるのだと私は考えますけれども、さらに専門的なことになりましたら、初中局長も参っておりますので、初中局長からお答えをいたします。
○諸沢政府委員 先生御承知のように、公立学校の先生の身分を全く市町村に置く、給与も市町村が負担するということになりますと、これまた過去の例に徴しても非常に処遇にでこぼこができる、あるいは非常に狭い範囲で人事をやるから適切な人事ができないというようなことで、給与は県が負担する、そのかわり任命権も県が持つということでございますから、そこで県と市町村の間に円滑な機能が働かないと、おっしゃるような問題があることは私もよく承知しますけれども、そこはやはり県と市町村が十分連携をとってやりますならば、これは私は現在の小中学校の実態から見てもその方が適切であるというふうに考えるわけでございます。
○川口分科員 それから、これは学校の先生の資格と定数の問題と思うのですが、いま四十三人対一人の先生、たしかこういうふうになっておるというふうに聞いておりますが、特に、私は秋田県でありますが、秋田県のように過疎の県の場合は、先ほどもいろいろお話がありましたが、学校統合にいたしましても、距離の関係でどうしても統合できないような学校が出るわけです。そうすると、過疎の学校になりまして一学年一学級という学校が出ます。ですから中学校で三学級よりない、こういう場合には校長先生を含めまして八人の配置になっているわけです。校長は授業を持ちませんから七人であります。ところが教科は九科目なはずであります。ところがその男女別の技術あるいは体育、こうなってまいりますと、十一教科になるわけです。十一教科を七人で担当するというふうになってまいりますと、どうしてもこれはできませんから、やむを得ず県の方では仮免許状というものを与えて、そして何とかかんとか切り抜けておるというのがいまの実態なんです。でありますから、こういうふうな過疎の県に対する定数の配置、こういうものにつきまして特段の配慮をお願いできないものかということが一つ。 それからもう一つは、最近における教員の登録資格といいますか、こういうものは試験で一般公募をやりますから、たとえば大学を出ましたような場合は、ほとんど国語とか社会の一単位を持った人が登録されるというわけでありますから、学校配置の場合に、専門科目でありますからなかなか思うようにいかない。特にひどいのになってまいりますと、小学校に至りましては、つまり教員養成大学以外は、共通科目というのですか何というのですか、全体の教科を担当できるという資格は、そういう学校以外にないわけであります。どうしても偏ってしまいまして女の先生だけが多くなる。これは女の先生が決して悪いというわけじゃないですが、先ほど言ったとおり、やはり小学校の義務教育の中では先生の人格が生徒に映るわけでありますから、少なくとも半々ぐらいの教員の配置が必要じゃないか、こんなふうに思うわけでありまして、この資格と定数の問題で、ひとつそれらの問題を解決するような御意見を賜ればありがたいと思うのです。
○諸沢政府委員 先生の定数の問題につきましては、現在五カ年の年次計画をもって、その五カ年の間に一定の改善目標を立てて逐年改善をしていくということで、現在は四十九年度に始まりました五カ年計画の進行中、こういうことでございまして、この中におきましていま御指摘のような過疎地における小規模中学校における教員の配置につきましても、現在のように三学級ないしは二学級のところで八名というのは、現在の改善でこれはこういうふうに持ってきたわけでございまして、おっしゃるようにそれでも中学校の全教科をそれぞれ専門の方を頼むとすれば足りないという実情はわかりますけれども、前の五カ年に比べますと、その点、一歩改善を進めたものであるという点を御認識いただきたいのと、またこの問題については今後も引き続き改善の方向で検討してまいりたいということでございます。 それから、その資格の問題でございますが、現在のような開放性の教員養成制度をとっておりますと、特に中学校以降の、中学校、高等学校の先生は、大学のそれぞれの学部で修得しました専門の科目についての教職免許状を取るということで、非常に専門がそれぞれ分かれますので、過疎の小規模学校等につきましては、先生を採用するに当たって、よくよく先生の担当専門教科の内容というものを考えて採用していただくということが必要かと思います。 それから、女子教員の問題でございますが、現在、小学校では、全国的に見ましても女子教員が五五%ぐらいにはなっておるはずでございます。このことはいま御指摘のように、女子教員がよい悪いにかかわらず、世界的な趨勢であろうかと思うわけでありますから、そういうことを前提として受け入れながら、教員構成なり学校の運営の改善ということを図っていくように努めなければならないのではなかろうか、かように思います。
○川口分科員 次に、学校建築の件ですが、いま改築の場合は、これは補助がたしか三分の一であります。ところが、増築、新築の場合は二分の一になっていますが、どうして改築の場合は二分の一にできないのですか。
○宮地政府委員 校舎の新増築等につきましての補助率の問題でございますが、危険改築につきましては、これは過疎離島等につきましては、補助率の問題について改善を逐次図ってきておりますが、新増築については、特に急増地域等で校舎の新増築の地方負担が、一時的な負担が大きくなるというようなことも勘案いたしまして、補助率を新増築に関しては高くしてあるものと考えております。
○川口分科員 それでは急増地区の場合、校舎は三分の二になっているのです。ところが、体育館は二分の一になっている、これはどういうわけですか。
○宮地政府委員 従来の経緯から申し上げますと、特に急増市町村では、ただいま申しましたように、校舎の新増築に大変追われるというような緊急課題というような観点もございまして、まず校舎の方から補助率を引き上げたというような経緯がございまして、特に体育館等については、もちろん校舎、屋内運動場、いずれも学校教育のために必要な施設でございますが、とりあえずまず校舎の確保を図るというような観点から、そのような補助率の差があるものと考えております。
○川口分科員 これは大臣、体育館も校舎も一体の教育の場なんです。区別をつけるのはむしろ不思議、おかしいのでありまして、どうですか、できるだけ早目に同じような補助率にするお考えありませんか。
○宮地政府委員 急増市町村におきます校舎の不足は、なお全国的に見て大変量も大きいわけでございまして、当面それの整備が緊急を要するという課題であろうかと思いますから、その問題は将来の課題としては検討される課題かと思いますが、当面は現行の体制で校舎の整備をとりあえず図るという考え方で五十二年度予算も考えておるところでございます。
○川口分科員 それでは当面というのは急増対策がいつになったらなくなるというのですか。
○宮地政府委員 小、中学校の児童生徒数の全国的な推移等を見れば、なお人口の都市流入等は今後当分続くものと考えられますので、当面はいまの体制で臨むという考え方でございまして、その時期がいつかということは、ちょっとただいまのここで特定した時期を申し上げられる段階ではないと思います。
○川口分科員 ということは、体育館については見込みがないとおっしゃるのですか。
○宮地政府委員 五十二年度予算におきましては、現行体制で臨むということでございまして、なお負担率の問題は、地方財政の問題その他全般的にかかわる問題でございますので、課題としては将来の検討課題というぐあいに考えておるところでございます。
○川口分科員 それからいま一つですが、私どもは対象差と言うのですが、対象になる面積、それから対象になる場所ですね、たとえば渡り廊下とかそれから用務員室のようなものは対象差に入っていないのですね。ですから補助の対象になっていない、十分な補助の対象になっていない、こういうことなんですから、結局その分は超過負担を解消したとしても、学校の希望でどうしてもそういうものが必要なものでありますから、その分についての市町村の超過負担分はどうしても解消できない、こういうことになるのです。この点についてはどういうふうにお考えなさっていますか。
○宮地政府委員 補助対象のとり方の基準の問題であろうかと思いますが、御案内のとおり、校舎、屋内運動場等は補助対象として取り上げておるわけでございまして、五十二年度予算におきましては、それらの問題の一つの前進といたしまして、たとえば従来補助対象に入っていなかった門であるとか囲障、囲いでございますが、そういうようなものはこの際補助基準の中に加えるということで改善を図ったわけでございます。 なお、御指摘のような点は、これは校舎建設全体にある問題でございますが、当面五十二年度予算としてはそういう改善を試みたというのが内容でございます。
○川口分科員 大臣に今度お伺いしますが、大臣、ゴキブリ、ばい菌というのは何のことか知っていますか。
○海部国務大臣 ゴキブリというのは、台所に出てくる虫のことと私は理解していますが……。
○川口分科員 これは恐ろしいことに、青少年の暴走族の名前なんです。われらゴキブリなり、われらばい菌なりという旗を立てて走り回っている暴走族なんです。ところがその実態を調べますと、中学の二年生から高校三年生までが一番多いのです。そうしてそのバイクはマフラーのしんを抜きまして音を高くする。それからハンドルを高くする。これは全部違反です。ですから、これは運輸省かどこかの担当でしょう。しかし文部大臣として、一体そういう中学生や高校生に、極端な話になりますが、乗り回すような機会を与えるようなことがいいのかどうかということを、私は文部省の立場でお考えになっていただきたいと思うのです。いまは自由でありますから、金さえあれば買えるわけでありますが、これは十八歳になると免許をもらえる。バイクは何歳か私はちょっとわかりませんが、そういうものについても、場合によっては文部省の立場から一つの規制なり制限を加えるような、そういう意見を出してもいいのじゃないか、こういうように思うのです。 さらに言いますと、一つの都市に、大きいところは三千人から四千人おるということであります。なかなか数はつかめないのです。ですからその仲間に入っていかないとこの実態はつかめないのですから、大変教師もめんどうでしょう。しかしこれはこのままに放置しておくということは、とても私は許されることではないと思うのであります。 時間がないから一気に申し上げますが、学校教育の中でPTA活動をやっておりますが、社会教育の取り組み方について、もう少し積極性があってもいいのじゃないか。昔から、三つ子の魂百までもということがあるわけですから、小さいときからのそういうものに対する善悪をわきまえる判断力といいますか、そういうふうなものを社会教育の中で、地域全体の共同生活の中における一人一人の立場というものがよく理解できるような社会教育のあり方、そうしてまた、常に与える教育じゃなしに、やはり求める社会教育、こういう考え方に立った社会教育のあり方、先ほどおっしゃいましたが、ただ単にレクリエーションの場とかそういうものだけでは解決つかないものがあると私は思うのであります。これはむしろ文部省の方が専門家でありますから、そういう角度で一つの学校教育とともにそういう年代に対する社会教育のあり方につきまして、もっと積極的に取り組んでいただきたい、こういうふうに思うのでありますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○海部国務大臣 御指摘の暴走族の実態等につきましても、ああいった年代の人が徒党を組んで、しかも許された基準を超えたオートバイなんか乗り回して、市民の交通とか平安に対して迷惑をかけておるということは、これは事実でありますから、全く好ましいことではございませんので、そういったエネルギーを善導することができるなれば社会教育の場でもっと前向きに考えたらどうか、これは御意見全くそのとおりでございますから謹んで承りますし、また学校教育の中においてもそういったようなことをすることはよくないことだという心構えといいますか、これは人間としてやはり当然持っていなければならぬ大事な資質の一つだと考えますので、そういったようなことも道徳の時間等を通じて周知徹底していくようにさらに指導をしていきたいと思います。
○川口分科員 次に、言葉の教室、どもりですね。これは意外に多いのです。大体四人に一人ぐらいいるんじゃないか、こう言われておるのです。ところがいまはどもりの教室を設けようとしても指導者が足りないのです。どもりを矯正する指導者が足りないのです。これは一つお願いになりますが、ぜひひとつ——私は自分の体験から言うと、どもりの言葉の教室をつくりましたが大変効果があるのです。ですから、どうぞひとつ言葉の教室、どもりを治す先生ですね、指導者、そういうものの養成に力を入れていただきたい、こう思います。 時間がありませんから最後であります。 先ほどから学校問題で、いろいろほかの方々もお尋ねがあるようでありますが、私学であれば何でもいいという考え方、私、東京都内の青山学院の例をとりますが、大臣のお子さんは青山学院にいらっしゃるという話でありますが、どうです。小学校の四、五年で飛行機に乗って和歌山へ海水浴に出かけるとか、ある即は飛行機に乗って九州修学旅行に行く。こういうことは私は、小学校の教育の中で、金があるから何やってもいいということではないと思うのであります。この点について大臣、おたくのお子さんも入っているようでありますが、いかがお考えですか。
○海部国務大臣 私の子供も行っておりますが、実は飛行機に乗って修学旅行には私の子供は参りませんでしたけれども、それは中学校から入ったわけでありますから当然でありますが、小学校の自主的な御判断でどういう旅行をするかということをお決めになるんでございましょうから、ここでいまそれがどうとかこうとかはちょっと申しかねるのですけれども……。
○川口分科員 じゃ意見だけ申し上げます。 いま私学に対する助成の問題、いろいろあるわけであります。ですから、私どもはそういう私学の助成という問題といま言うようなお話を聞きますと、何か私学も反省をするような面もたくさんあるではないかと思うのですよ。ですから、どうか今後指導の面で、やはり日本の子供は皆同じはずでありますから、余り子供に変な思いをさせるようなそういう偏ったことのないように、差別のつかないような教育にぜひひとつ心がけていただきたいということをお願いしまして終わります。どうもありがとうございました。
○始関主査 これにて川口大助君の質疑は終了しました。 次に、吉浦忠治君。
○吉浦分科員 このたび海部文部大臣が就任をされまして国民の一人として、大変福田内閣における目玉とも言えるし、私ども最も期待を持って大臣の就任を喜んだものの一人でございます。何か前向きの姿勢でやってくださるだろう、文部行政というのは国家百年の大計で、最も大切な未来の国民の養成でございますので、そういう点から、私は海部文部大臣に大きな期待を持っているものの一人でございます。 前向きの御答弁を期待しておりますが、大変長い時間でお疲れだと思いますけれども、三十分の時間でございますので、どうかよろしくお願い申し上げます。 私は、戦後三十年続いてまいりました学校給食の問題についてお尋ねをしたいわけでございます。 小学校では大体一〇〇%の普及率を持っておりますし、学校給食の体験者は四千万とも言われております。したがいまして、国民の三人に一人が大体戦後のあの厳しい時代の脱脂粉乳からスタートした学校給食を食べて成長された方々でありますが、この急成長に伴いましていろいろ問題がいま起こっている、私はこう思います。それはセンター方式でありますとか、先割れのスプーンでありますとか、また食器に代表されるようないわゆる問題の食器でありますとかあるいは食器を洗う合成洗剤の問題でありますとか食品添加物、そういうことで給食汚染とまで言われる声が高まっているわけでございます。私は、いい面を見てこの学校給食はぜひとも続けてまいりたいと思っておりますが、この三十年間の学校給食の果たした役割りについて文部大臣の御意見を伺いたいと思います。
○海部国務大臣 三十年学校給食の果たした役割りをどう思うかという御質問でございますが、私は顧みまして、戦後の混乱期に学校給食というものが児童生徒に対して、あるいは直接健康保持の面とかあるいは体位の増強の面とかいろいろございましたし、何よりもかによりも大変物資の乏しい戦後の一時期に学校で皆が同じものを食べながら学ぶことができたということは、心に与えた面からもあるいは体位向上という面から与えた効果も、これは正当にやはり評価すべきだ、こう考えましたし、それから先生御指摘のように、いまでは法の整備あるいは予算的、制度的な措置等も積み重ねてまいりましたので、小学校ではすべて、中学校でも八三%という普及率を見るに至ったわけでありまして、これはやはりそれなりに学校給食の果たしてきた役割りを私は評価したい、こう思っております。
○吉浦分科員 いま文部大臣がお答えになりましたけれども、学校給食法というのが昭和二十九年に施行されておりまして、昭和三十三年の小学校の学習指導要領の改定に際しましても、学校行事等という項目がございます。この中に明確に位置づけられているわけでございます。その学校行事等の中、また昭和四十三年の改定に当たりましてはさらに前進をせられて、特別活動の領域という中でいわゆる学級指導という明確な位置づけで学校給食が学校教育の一環として位置づけられているわけでございます。学校教育の中で学校給食の果たす役割りというものが生徒の指導上大きな意義があるから位置づけられたわけでありまして、私ども公明党がいわゆる学校教育は無償化しなければいけないということを終始一貫こうして唱えてきたわけでございます。憲法の第二十六条に「義務教育は、これを無償とする。」という一項がございますが、文部大臣、この公費負担の問題についてどういう考え方をお持ちか、お尋ねしたいと思います。
○海部国務大臣 義務教育の段階において、やはりこれは無償で義務教育は行うという立場でございますから、学校給食に関しましても、学校給食に必要な経費、これは施設設備及び人件費、それは設置者が公費で負担をいたしまして行うべきものであるし、また現に行っておる、こういうふうに理解しております。
○吉浦分科員 私はいまの文部大臣のお言葉を返すようでございますけれども、教育の一環として望ましい人間関係を育てなければならないということでちょっと私の御意見を申し上げたいと思いますが、お昼休みになりますと、一般の学校給食が行われなかったときの子供の様子というものは非常に複雑なものを示しておりました。たとえば弁当のおかずを広げながらこれ見よがしに食べるお子さんもおります。またふたやひじで隠しながら、その弁当の様子を見られないようにひっそりと食べる子供もおります。この弁当時間になるというと、急におなかが痛くなったと言って教室から出ていくお子さんもいらっしゃるわけであります。このように親のもろもろの背景を如実に物語っているのがお昼の弁当の時間ではないか、このように私は教師として大変胸を痛めてその背景を見ていたわけでありますが、いまの学校給食が開始されてからというものは、お昼の休みの時間は全く平和で、しかも楽しい時間に、その楽しさがまた横溢するような時間に生まれ変わっているのは事実であります。また学校全体の姿もそうでありまして、同じ場所でしかも敬愛する先生と一緒に食事をするし、児童もその安心感に満ち満ちた姿があふれている。その状態を見ますときに、その準備から後片づけまで一緒になって解決をしていく、人間関係を育てていくという時間の最も大事な時間が私は給食の時間である、こう思っております。 そういう面から、いま教育の一環としてとらえますといろいろな問題もありましょうが、何としても無償化にならないものか。二、三日前の新聞に、給食費が約五年間で二倍になっているというふうに言われておりますけれども、ぜひとも文部省で将来給食は無償にしよう、そういうお考えはないかどうかをもう一度お尋ねしたいと思います。
○海部国務大臣 御指摘なさった点は私も全く同感でありまして、学校給食の果たした、子供の心に与えた影響ということを最初に私お答え申し上げましたが、それはまさに先生おっしゃるようなことを私も頭の中に描きながらお答えを申し上げたわけであります。したがいまして、なるべくこの制度が充実していいものになっていくように願う気持ちは全く同感でございまして、ただこれから先一点、無償にしろと。先ほど私はいろいろと施設とか設備の問題、これは全部設置者でやっておりますと申し上げましたが、現状では食材料費と申しますか、それは無償でなく実費をいただくようになっておりますが、しかしその中でも、政府といたしましては、保護者の負担すべきものの中からでも牛乳とか小麦粉等に対する助成とかあるいは都道府県の学校給食会に対して安い物を安定的に供給できるように補助をするとかできるだけの助成をしてまいりましたが、直ちに無償にはならないかもしれませんが、こういう助成の制度、方法等を充実しますことによって御父兄の負担が軽減していくような方向で今後も努力を重ねてまいりたい。現在のところはそう考えております。
○吉浦分科員 またお言葉を返すようであれでございますが、調べてまいりますと、学校給食を地方自治体で無償にしている地域がございます。 参考のために私ちょっと話をさしていただきたいと思いますが、青森県の十和田町、ここで実は全額公費負担で実施している例がございます。これはこれからの学校給食を考える点で大変参考になるのではないかというふうに私は思います。ここでは約十二年前から学校給食を行ってまいりましたが、同時に公費負担の可能性はないかといって探り始めたわけであります。昭和四十年に設立をしました学校給食センターでは、人件費、燃料費を全額公費負担にしてきた実績があります。そして四十九年四月からは材料費も公費負担にすることを決定して実施をしている町でございます。週五食のうちに三食は全額公費負担で町費で賄っております。残る二食は米飯給食をいたしております。御飯だけは父母負担ということになりますが、副食物、牛乳などについては公費負担という仕組みをとっているわけでございます。つまり週に二回米だけが父母負担でありまして、その町における財政の圧迫もいまのところはないように私の調査では思いました。この給食費の公費負担の実現が行政側の姿勢次第では可能ではないかということを私は思いました。文部省でできなければ各地方自治体において少しでもそういう方向へ進めていこうという市町村があることをぜひひとつ私は参考にしていただきたい。 なお、この助役さんの言葉が大変私は気に入りました。義務教育は無償が原則だ、したがって給食も教育の一環である限り無償に近づけるのが当然だ。そして父母負担軽減によってその余った金を将来の奨学なり育英資金として備蓄しておこう。高校の義務化も近いのだから、地元の産物を食べることで農業、畜産業の振興も図れるし、一石二鳥、一石三鳥の効果を期待しているという助役さんの言葉も聞きました。 このように、苦しい中からも地方自治体において公費負担をしている町村等もあるわけでございますので、どうか一歩なりとも前進する姿で学校給食を考えていただきたい。 立ったついでで話をしているわけではありませんけれども、一つの事例でありますが、できなければ牛乳一本の代金でもどうにかならないのかな、これはまあひとり言のようなことを言っておりますけれども、牛乳の一本の代金、五円八十銭は農林省等からの補助があるようでございますが、これがいろいろ各自治体において、四十銭負担したり全然負担しなかったり、そういうことでまちまちになっておりますので、せめて牛乳一本ぐらいは、一本といってもそれは大変な数になりますけれども、何とかならないものか、文部大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○海部国務大臣 お話しになること、よくわかるのです。そうして一歩でも理想の姿に近づけるように努力をしないかとおっしゃるお気持ち、私もよくわかる。ただいま具体的にどんなことをしておるか、文部省のみならず農林省その他においても大体三百億円ぐらいのお金は出しまして、少しでも安くなるように努力しておるわけでありまして、ただいまの牛乳のお話は、これは農林省がやっております補助でございますが、百七十三億五千六百五十万円というのが計上されているように私は理解しておりますけれども、今後もこれは農林省とも一遍お話をいたしまして、一歩でも二歩でもそういった方面に近づいていけますように、これはまた予算の裏づけをきちっととりませんと効果が上がりませんので、大蔵省とも話をしなければならぬことになると思いますが、私どもといたしましては学校給食がより充実した、そして理想的なものになっていきますようにできるだけの努力はしていきたい、こういう決心でおります。
○吉浦分科員 一つだけにこだわっていると時間がございませんので、五十一年四月から学校給食に米飯が導入されたのは文部大臣も御承知だと思いますが、この米飯が導入されて大変お子さん方が喜んでいるということもありますし、各地方自治体においては逆に財政面でお困りになっていらっしゃるところもあるようでございます。設備の点等でもお困りの様子のところもありますので少しお尋ねしたいと思いますが、私はお願いする立場でありまして、決して文部大臣をやっつけているわけじゃありませんけれども、この米飯給食が行われるようになった五十一年四月からの教育的な意義についてお尋ねをしたいと思います。たとえば栄養学的に米飯を導入なさったのか、または食糧の需給関係から週に二日ずつくらいの米飯導入がなされたのか、その点をお尋ねしたい。
○安養寺政府委員 学校給食で米飯を使用するという試みが昭和四十五年から実験学校という形で導入されまして、以来その範囲を広めながら五十年度まで実施いたしてまいりました。いろいろとその間に、実際それを実施するに当たっての利点といいますか、まためんどうな点、そういうものを検討したわけでございますが、他方、いろいろお米の生産量もふえていく、世界の人口問題、食糧問題日本の国の国民の生活なり食糧事情というものをどういうぐあいに認識していくかというような問題も入ってまいりまして、五十一年度から文部省におきましても必要な法令の手当てをいたしまして、米飯導入ということに踏み切ったわけでございます。 いまお話しのその意図というのは、これはいろいろ実態調査もいたしました。そういうようなことも踏まえまして、やはり米飯を導入するということは食事の内容にいろいろ変化を与える、多様化を図っていく。これは一方では大変めんどうな仕事が入るわけですが、多様化を図る。栄養を配慮して新しい学校給食を展開しようではないかというようなことを踏まえまして、他方わが国の食糧事情というものを考えて米飯を使うようにしたわけでございます。
○吉浦分科員 学校給食の長い間のパターンというものが、パン、ミルク、おかずというふうなパターンで来ておりました。それが今度は御飯といわゆるみそ汁とお新香というふうなパターンも起こってきやしないか、こういうふうに思います。私が非常に心配するのは、いろいろ費用の面もありますけれども、栄養学的にいまの国民の食糧というものを考えますときに、お米を導入することは大変私は結構ですが、栄養学的な見地からこれはどういうふうになるだろうという点を少し心配をいたしておるわけでありまして、そういう点はおわかりならばお知らせいただきたいし、私はその米飯を導入することによって、特に児童の家庭の食事というものをこれから配慮しなければいけないんじゃないかというふうに思っております。パンも長い間定着をいたしてきましたけれども、朝お子さんが起きて学校へ駆けつけるまでの間に簡単なミルクとパンで過ごしてきているあるいは食べないで学校へ来ているようなお子さんもいるようでございます。それが御飯をいただくというと非常に喜びに変わっておりまして、こういう姿を見ますときに、やはり私どもが考えてまいりました昔の御飯とみそ汁、お新香というふうなパターンは、これはいまは栄養学的にどうだろうかという点でちょっとお尋ねをしたいと思います。
○安養寺政府委員 パンの給食と比べまして、米そのものというものは栄養上さほどの格差はないそうでございます。ただし、パンはいわゆる源泉混入といいまして、栄養分を、たとえばビタミンの強化とかいろいろなことが細工しやすい。そういうことで、実際口に入れるときには相当なプラス分が入っておる。米はその点が大変めんどうであるというような点から、米飯給食に当たりましては栄養の点を特に留意するようにというように、文部省にございます学校給食分科審議会なりその他の関係の方々からも注意をいただいております。われわれといたしましても、強化米でございますとか強化精麦というようなものの使用を極力お勧めをする。また米飯給食をします際に、栄養のことを考えたおかずのつくり方ということを考えていただく。こういうことがひいては米の三五%値引きというようなことにも及んでおるわけでございますが、御指摘のようにこれは十分留意してやらなければならないことだと考えております。
○吉浦分科員 栄養学にこるわけじゃございませんけれども、文部大臣に私がお願いしたいことは、現状から見ますと、学校で力を入れているのはほとんど大半が進学に注がれている教育に偏重しているわけであります。私は、ここで、やはり戦後三十年たったところで考えなければならぬことは、学校給食を含めてという意味じゃございませんけれども、学校教育の曲がり角ということで、栄養に関する基本的な知識の教育というものがいま一般的に関心が少ない、また減らされている現状じゃないかと思います。いわゆる小学校、中学校、高等学校と、もしも学校給食の枠から外れたときに、果たしてその中で、そういうように育ってきた方々が栄養学的な面なりについて十分考えるだけのものを持ってきたかどうか。ただ通り一遍に過ごしてしまうような、そういうようなものがなきにしもあらず。追われているのは試験にだけ追われていた、こういうことになっては申しわけない、こういうことで私はあえてこの問題を提起しているわけでありまして、その中において十分その実際の指導を生かしながら、栄養学的な面も栄養士やなんかの御意見等も学校で生かされるような形態をつくっていただきたい、私はこう思っております。 続きまして、学校給食の時間というものについて私は非常に心配をいたしておりますが、お昼休みの時間は、学校の枠の中で、教育の枠の中で大体四十五分間、長くて五十分だろうと思います。これは、米飯を導入してまいりますと、どうしても盛りつけとかあるいは運搬とか後片づけとかいう時間に食われてしまいまして、文部大臣が就任早々に審議会で出ましたいわゆるゆとりある教育というので学習の中の教科等は一割ぐらい削減して、学校行事等ゆとりある教育をしようというふうに、大変望ましい行き方を示されておりますけれども、このお昼休みの時間が、米飯を導入すると目いっぱい表へ出て遊ぶとかいうようなことはほとんどできないような状態になりはしないかという点で心配をいたしておるものでございますが、文部大臣の御意見を伺いたいと思うのであります。
○海部国務大臣 おっしゃるように私は、業間時間をできるだけ有効に使ったらいいということは、これは基本でありますから、現在のお昼休みの時間というものが必要にして十分なものではないということになれば、この米飯給食の導入に伴ってそこらのことは学校においてそれぞれ変えることができるのではないかと考えますが、この教育課程の基準の改善についての答申の中にも、学校の教育活動というものは「ゆとりがもてるようにする」、その中に「給食指導・休憩の時間を含む」とちゃんと出てきておりますので、そういったようなことは現実に即して支障がないようにいろいろ指導助言をしていきたい、こう考えます。
○吉浦分科員 時間がなくなってまいりましたので、米飯給食の実施によりまして、その多様化によりまして、施設設備の点についてお願いをしたいと思います。 これは、各自治体等においていま非常に老朽化しておりまして、その施設設備の整備の必要性に迫られている自治体が多いわけでございます。この給食費の設備に対しては国の助成措置が講ぜられてはおりますけれども、その補助基準が、面積においてもまた建築単価においても現実には相当低いものでございます。したがいまして、市町村においては超過負担を余儀なくされているのが現状でありまして、国においてもそれらの地方自治体における実情を調査されて、補助基準の再検討をするとともに超過負担にならないようにぜひとも図られていただきたい、こういうふうに私は思うわけでございます。いかがでございましょう。
○海部国務大臣 基準につきましてはできるだけ許される範囲で上積みしていかなければならぬという姿勢を持っておりますし、米飯給食の施設の補助基準につきましても、昭和五十二年度におきましては設備は三十三万一千円から六十五万三千円に、それから四百人規模の学校での施設は八平方メートルを十二平方メートルに、それぞれ引き上げるような措置をいたしておりますけれども、なお、これは明年もできるだけこの方向で進めていきたいと思います。
○吉浦分科員 ちょっと急ぎますけれども、学校におけるミルクの使用でございますが、これは牛乳を使用しておりますけれども、この場合の容器の心配をいたしておるわけでございます。いまはほとんどが牛乳びんによって容器は詰められておりますけれども、これをパックに切りかえて、パックの容器を使用しているところもあります。びんも重たいし、また終わってもそれを運ぶのにけがをしたり、破損したり、事故のもとにもなりますし、できることならば、このパックの使用の方が扱いもしやすいし事故もないし、あらゆる面で安全ではないか、こういうように思っておりますし、これは、地方自治体においてそれぞれの指定のところへお願いをする形になりましょう、文部省から直接に指令なり何なりを出す筋合いのものじゃありませんけれども、こういう点を私は考えまして、ぜひとも、安全な立場でパックの使用の方がいいのじゃないか、こういうように考えておりますので、ちょっと御意見だけ聞かしていただきたいと思います。
○安養寺政府委員 実は、牛乳はもっと大きな容器でもっとたくさん飲めと生産者の方々からいろいろの要請を受けておるわけでございますが、いかんせんびんの方がそれに追っつかないというジレンマがございます。一部、お説のようなことで使用しておる向きもございますけれども、それはやや高くつくというような難点もございます。今後、食品の衛生管理というのは大変重要な問題でもありますし、ミルクをうんと飲むということも必要でございます。私は余り専門的な知識はございませんけれども、また専門家の意見も聞いて検討させていただきたいと思います。
○吉浦分科員 時間がなくなりましたので、御要望だけして終わりにさせていただきたいと思いますが、最後に、学校給食の場合に、いまセンター方式か自校方式かというふうに言われております。小学校の方では自校方式も多いようでございますが、中学校の方はまだセンター方式の方がかなりの数でありまして、いろいろ問題が起こっているのはセンター方式の方にあるようでございます。私は、給食調理人の方々と生徒との心の触れ合いと申しますか、できたもの、温かいものを早く食べていただこう、また、子供の顔を想像しながら給食作業員の方々が従事できるというような自校方式の方が望ましいのではないか。センター方式はいろいろ、きょうは問題を提起いたしませんけれども、いわゆる簡単なものを、温めればいいとか、揚げればいいとか、あるいは半冷凍物を使っているとかいうことで、いわゆる食中毒等の問題等も起こる可能性は多分に含んでいるわけでありまして、そういう面からいたしますと、自校方式——学校の敷地やいろいろな面の制限もございましょう、設備の点のお金のかかることもございましょうが、できる限り心温まるような方法で、自校方式に奨励なり話なりをしていただけるように要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○始関主査 これにて吉浦忠治君の質疑は終了しました。 次に、大成正雄君。
○大成分科員 新自由クラブの大成正雄でございます。大変長時間にわたりましてお疲れのところを申しわけございませんが、よろしくお願いいたします。 私は、学校災害事故救済に関する事項に関しまして、以下、ひとつ御意見を承らしていただきたいと存じます。 私が、十五、六年前でございましたですか、県会議員当時、私の友人の子供が、深谷在の、たしか明戸の小学校でしたが、一人息子でしたけれども、学校の校庭で、国旗掲揚塔の玉が頭の上に落ちまして、それで死んでしまいました。本当に嘆き悲しんでおったわけでありますが、その当時教育委員会からたしか七十万ぐらい見舞い金か何かが出たと思っております。その後、教育が活発化するに従いまして、全国各地でこういう学校災害が発生しておるわけでございまして、私どもの地元の大宮におきましても、廃疾になった子供の問題をめぐりまして、全国自治体に呼びかけて、いまこの学災法の制定といった運動を展開していることは、大臣も御承知のとおりでございます。 そこで、直近の統計によりますとこの学校災害というものの発生件数はどのぐらいあるのか、その中で死亡、廃疾といったものがどのぐらいあるのか、承りたいわけであります。 なお、お許しがいただけるならば、事故発生時間による分類あるいは事故発生の場所による分類、あるいは事故の形態による分類、あるいは事故の被害内容による分類、こういった分類をした資料としていただければ、ありがたいことと思いますが、まずその辺からひとつ承らしていただきたいと思います。
○安養寺政府委員 私どもの方で、日本学校安全会の事業を通じて知っておる数字で申し上げます。 昭和五十年度におきまして、負傷、疾病、廃疾、死亡、このすべてを合わせた件数が八十九万五千七百四十五件ございます。このうち廃疾が五百六十八件、死亡が二百四十七件、残余が負傷、疾病ということになっております。 小、中、高等学校、幼稚園と、いろんな子供を対象にしての事業でございますから、いまお話しの幾つかの御質疑に若干大ざっぱにお答えいたしますと、負傷発生の場所を比較的に申しますと、小学校の場合は、休憩時間中の事故が一番多い。高等学校の場合には、一番事故の多いのは特別活動の時期だ。やはり部活動だとかいろいろなことがありますので、そのようなことになるのではないかと思います。教科の時間あるいは登下校の際の件数もあるわけでございます。 それから、負傷の種類で申し上げますと、全体的に、通じますと骨折が多うございます。それから捻挫、挫傷、こういうようなものがだんだんに、共通的にどの学校でも多い方の部類に属しておるわけでございまして、それからこれはちょっと極端な比較になりますが、死亡の死因等の調べがございまして、二百四十七名の統計のうち心臓性の疾患で死亡いたしました件数が八十七件、頭部外傷によりますものが七十四件、溺死が二十五件、その他、こういうぐあいな種類になっておりまして、いろいろな事案が該当として出ておるわけでございまして、大変大ざっぱでございますが、とりあえず御説明を申し上げました。
○大成分科員 ただいま御報告がありましたような状況からしますと、大変な数の事故が毎日毎日教育の現場で起こっていることがわかるわけであります。したがいまして、いつどこで何が起こるかわからぬといった状態であります。 そこで私、仮定の質問で大臣には御無礼とは存じますが、大臣に一つ承りたいと思うのですが、大臣も一御父兄でございます。また子供を学校にゆだねておる立場でもあられますが、これは仮定の話ですが、ある日もし自分の子供が事故に遭った、その結果が死亡、廃疾といった重大な事故であった、よくその内容を調べてみたら先生の不注意であった、あるいは学校の施設設備に瑕疵があったとかいう学校側に落ち度があるということがわかった、こういう事故例だと仮定した場合に、大臣として、一父兄の平均的なサラリーマンであるという前提に立ってでございますが、学校当局や担当教師に対してどのような対処をなされるでしょうか。また、学校設置者に対してはどのような対処をなされるでしょうか。また賠償、見舞いといった、とられた給付内容に満足してこれ以上どうこうしてもしようがないといったような泣き寝入りの態度をおとりになられるかどうか、あるいはこの過失責任を追及して裁判に持っていくかどうか。本当にこれは仮定の話で御無礼でございますけれども、個人的なお立場からして、一父兄として、父親としてどんな心境でございますでしょうか。
○海部国務大臣 幸いにしてそういう不幸な出来事が私の周辺にきょうまで起こっておりませんので、あくまでいまの御質問を聞きながら感じた直感でございますけれども、やはり学校においても教師は悪意を持っていろいろなことをされるわけでは決してありませんので、悪意とか手落ちを責めるという心境には私としてはなかなかなりにくいんじゃないかと思います。それから、裁判を通じて白黒を争うかどうかということでございますが、これもいま幸せにも経験していないからこういうきれいごとが言えるのかもしれませんけれども、子供の命というものは金で買えるものではございませんので、私はそういう方法に訴えないだろうというのがいま本当の直感でございますが。むしろそれよりも、この問題の議論を通じていつも感じますことは、具体的な例でいろいろお話を承りますと、本当に心痛むわけでございます。また、私の最も信頼しておる同僚、先輩議員がお子さんを柔道の時間に亡くされたときのあの悲しみぶりというのは、私いまでも思い出すにつけても胸が締めつけられるような気がいたします。大前提はそういったことが起こらないように、安全指導の手引きをつくって指導したり、いろいろお願いすることでありますけれども、どうしても人間社会のやっていることですから限度がございます。ですから、私たちは事故が起こらないような指導を一生懸命大きな旗印としてやっておりますが、現に起こっております問題については、学校の教師に責任があるとかないとか、管理者の側に責任があったかどうかということを追及するのは、やはり事柄の性質上非常にいやなつらい場面に立たされるものでありますから、そういう意味でせっかくできております学校安全会の制度というもの、これも給付の内容、額等においてきわめて不十分だという御指摘がずいぶんございますけれども、さはさりながら、せめて現在ある体制の中でできるだけの給付改善はしていくべきである、こういう姿勢で当面は取り組んでおるところでございます。
○大成分科員 ただいまの御答弁ごもっともだと思いますし、一般的にはそういった対処をなされる方が現状においては大方であろうと思うわけでございます。 そこで、学校安全会の現状についてでございますが、御承知のとおり安全会の給付内容というのは単なる見舞い金といった制度でございまして、ただいまも御指摘のとおり死亡においても二百万といったきわめて低い金額でございます。いわば憲法第二十六条に言う教育を受ける権利、こういった保障から言うならばいわば人権を無視しているのじゃないか、こういったことも否めないような状態でございます。 そこで幾つかの問題点について申し上げますが、いまの学校安全会の見舞い金のあり方はもちろん十分でないというお考えではございますが、ある程度これは努力、カーターじゃございませんけれども「ホワイ・ノット・ザ・ベスト」、こういった気持ちからすれば、もっと何とか子供の人権を保障するといったことに足りる数字になるのじゃないかと思うのですが、この点をくどいようでございますがもう一回お聞きをいたします。 それから、いまの学校安全会の制度はいわゆる過失責任が問われておらない、いわば共済給付方式ということになっておるわけでございまして、今年度の文部省予算で約十二億予算化がなされておりますが、これは運営費の助成でございます。また同時に、この共済給付方式の契約は父兄が直接契約者でありませんので、ただいまのお話にもありましたように、とかく子供を学校に人質にとられているといったような立場において、いわば泣き寝入りといったケースが多いと思うのですが、この点についても、この共済給付方式といったあり方についての御意見はどうでしょうか、伺いたいと思います。 次に、学校安全会の見舞い金でございますけれども、負傷、疾病あるいは廃疾いろいろあるわけでありますけれども、実際問題として廃疾あるいは疾病等については多額の療養費がかかります。一般的なサラリーマンの家庭においては、子供の健康回復あるいは廃疾に対する医療費の負担というものはとてもたえられるものではないわけでございますけれども、そういった場合に、一般的にはいわゆる父兄の社会保険の適用がなされるわけであります。しかしながら、国家の義務と責任において行われておる教育の事故救済が、父兄の負担や他の社会保険制度におぶさっておるといった現状が果たして正しいことなのかどうか。同時にまた、各種保険制度に格差があることは御存じのとおりでありますが、教育基本法第三条には教育の機会均等の原則というものがうたわれておるわけでありまして、また憲法の精神から言いましても、この社会保険制度の格差のもとに学校災害の事故に遭った子供たちの療養がゆだねられているといったことはいわば不平等だと思うわけでありますけれども、この点に対する考え方を承りたいわけであります。 その点、先にひとつお伺いいたします。
○海部国務大臣 全体として感じを申し上げますと、昭和五十年度においても八十九万六千件発生しておる。そして死亡、疾病にそれぞれお見舞い金を差し上げてきたわけでありますけれども、泣き寝入りというようなことがないように、せっかくこういう制度がございますから、これは広くすべての方々に、不幸にしてこういった災害に遭ったときには、これは配慮して救済をしなければならぬ、当然その方向でございますし、それから、いまのいろいろな事情で壁はございますけれども、昭和五十二年度におきましては、廃疾の見舞い金は二百四十万円から四百万円、死亡の見舞い金は二百万円から三百万円にそれぞれ引き上げる予定でございまして、こういう当面できる努力は当面積み重ねていくということをしていかなければならぬと思います。
○大成分科員 今年度見舞い金の額が死亡の場合に、そのようにたとえわずかでも引き上げられた努力に対しては敬意を表したいと存じます。しかしながら、今日他の労災あるいは交通災害等に対する補償の内容からすればまだまだ人権を保障するということに足るものではないわけであります。そこで、最近学校災害事故の賠償を求める裁判事例が非常に多くなっておるわけでありまして、幾多の事例を私ども拝見いたしますと、その判例からして賠償責任を肯定しまして過失の存在を認定するといった事例が非常に多いわけでございます。 そこで、まず第一には、大臣の最近のお考えの中には、進学によって身も心も痛められておる子供に対して、どろんこになって元気に思う存分暴れ回るような心身ともに健全な、元気な子供の教育ということを期待しておられる、まことに結構なことだと思うわけでありますけれども、学校災害補償が不備であるからして、教育の現場を預かる教師たちが、もし事故があったらどうしよう、こういうことで萎縮してしまう。飛び箱も飛ばせない、鉄棒もやらせないとかあるいはスポーツ、体育あるいはクラブ活動、いろいろな面において教師が消極的な立場に立つ、あるいは理科実験等においても実験体験を深めない、当然教えなければならない実験も控えてしまう、こういった事例が多いわけでありますが、教育の現場がそれがために萎縮してしまうというようなムードに対して大臣はどのようにお考えでございましょうか。もっと無過失責任体制を確立して、そして教師も教育の現場において安心して、勇敢に立ち向かえる、そういった体制に持っていくことの方が正しいのじゃないだろうか、こんなふうに考えるわけでありますが、いかがでしょう。
○海部国務大臣 私も基本的には学校の場をもっと生き生きとしてもっと伸び伸びとしたものにしていきたい。われわれ子供のころはよく学びよく遊べと教えられたものでありますが、やはりどろんこになって遊ぶ時間も子供の一段階には非常に必要な、大事なことだと思っております。ですから、いまお話のように、現場の先生方が逆に萎縮をされてそういった雰囲気をだんだんなくしていかれるようなことになったらわれわれの考えておる理想の姿と遠のくわけでございます。そこにはいろいろ問題もあろうし、いろいろな立場からの改善策等もございましょうけれども、もしそれがどうしてもこの制度との絡み合いで学校の先生方がそういうことになっていらっしゃるとすれば、これもやはり十分考えなければならぬ一つの問題点の指摘でございます。現在の学校安全会のこの制度で、じゃ、との程度まで——お金で物を決めてしまうのはいかぬかもしれませんが、どの程度まで努力してかさ上げしていったらいいものなのか、あるいはそれの限度、壁があってできないものなのか、いろいろな角度の議論がございますけれども、先ほど来の先生の御意見、私、十分拝聴させていただきまして、私自身の考えておる学校のあるべき姿というものもあるわけでありますから、いろいろな角度からさらに考えさせていただきたい、こう思います。
○大成分科員 そこで現在の学校安全会の制度が、努力は認めますけれども、体制的には不備であるということは、これは認めざるを得ないと思うのでありますが、私どもの考え方として、このような体制を改善する方途として幾つかが考えられるわけであります。私は、専門の学者の先生方のいろいろな御所論等も参考にしながら、五つの解決方法を申し上げたいと思うのです。 一九五六年に社会党が衆議院に提案したことがございますが、国立及び公立の義務教育諸学校の児童及び生徒の災害補償に関する法律、こういった学校災害補償法とも言うべき特別立法を考えることが一つ。二番目には国家賠償法を無過失責任主義の方向に改正する。すでに先進国では、ドイツを初めそういった方向に国家賠償法を改正しておりますが、国家賠償法の中に無過失責任というものを入れていく。それから三番目には、現在の学校教育法第五条第二項に無過失責任主義による災害事故補償を行うという一項目を挿入したらどうだろうか。四番目に、現在の日本学校安全会法及び関係法規を無過失責任主義に改めて、現行の見舞い金を国の予算措置によって賠償制に改正していく、こういった考え方が一つ。五番目には、学校災害損害保険制度とも言うべき、いわば労災保険制度に対応するような保険制度を創設したらどうか。解決策として法制上とり得べき措置としては、予算を伴うことは別問題といたしまして、五つの解決策があるわけでありますが、現在文部省におかれましてこの制度の改正に当たってはどのような方向がベターであるとお考えになっておられるか。これは私見でも結構でございますから承らしていただきたいと存じます。 以上申し上げたいずれもとり得ない、こういうことであるとするならば、先ほど大臣がお述べになりましたように、見舞い金の額を引き上げる、あるいは死亡、廃疾その他それぞれの等級別の見舞い金を引き上げるといったこともあり得るわけでありますが、少なくも児童生徒の人権に見合った制度の拡充まで持っていっていただく。今年度ではもう間に合いませんけれども、大臣の情熱を傾けていただいて、来年度予算にでもさらに一段と画期的な躍進が遂げられるような方途はとれないか、こんなふうに考えますが、いかがでございましょうか。
○海部国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、この問題につきましては、私どもは現在はあるがままの制度の中でどうしたら少しでも救済することができるであろうかという考え方に立って安全会の見舞い金の額の引き上げということに努力してやっておるわけでございますが、いま大成委員から御指摘いただきましたせっかくの五項目でございますが、私も初めてお聞きするテーマでもございますし、またこれらのことにつきましてはそれぞれ一遍私自身も納得できるようにそれぞれについて研究をし、私の考えもまとめてみたい、こう思いますので、ただいまの御指摘いただいた五つの方法につきましては、いずれも先生の御意見として十分承って、私が研究をする宿題とさせていただきます。 なお、現在の心構えとしては安全会の制度の中で少しでも見舞い金の額を上げてとりあえずの処置をしていきたい、こういう心情でございます。
○大成分科員 最後に、災害事故予防対策について、これは希望というか、承らしていただきたいのですが、現在の学校安全会法には、この見舞い金の給付といったことだけでなく、いわゆる予防としての安全教育あるいは予防としての教育条件の整備が法定されておるわけであります。現在の学校安全会の運営状況を見ますと、どちらかといえばこの安全予防あるいはその条件整備といったことに対しては、熱心にやっておるあるいは力を入れているな、こういった状態ではないと思うのでございますけれども、年間八十九万からの学校災害が発生しているといった事態に対して、労働省の工場の安全衛生と同じように、この教育の現場においても安全教育あるいは条件整備というものに対して大臣から強く御指摘をいただく、特に安全会の役員人事に関しては大臣の権限でもございますので、どうかひとつこの点強く措置されることを希望いたしたいと思います。 二、三分残っておりますが、これに関しまして何かお考えがあれば承りたいと思います。
○海部国務大臣 文部省としてでき得る限りの安全確保のための指導をしなければならぬということは、最初に私が申し上げましたように、こういった不幸な出来事は起こらないようにまずするというのが第一歩でございまして、ただいま文部省がしておりますことの粗組みだけを申し上げますと、小学校、中学校、幼稚園、それぞれに適応した「安全指導の手びき」というものを配っておりますし、それから安全指導の講習会あるいは学校安全研究会、こういったものをやりまして、これはやはり教員を対象としたり、あるいは校長さんを対象としたりの講習会でありますし、あるいは交通事故防止、水泳事故防止あるいは体育活動とか修学旅行とか理科の際の薬品取り扱い上の事故防止等につきましては、文部省でしかるべき手引きをつくったり、通達を出したりして、安全が確保されるように事前の通達を行っておるわけでございます。 なお、学校安全会そのものに関しましても、それぞれの研究指定校の設定とかあるいはPRのための図画とか作文の募集とかまたいろいろな実際に起こった死亡例の災害事例等を配付いたしまして、前車のわだちを二度と繰り返さないような注意を喚起するとかできるだけのことはしておるようでございます。 なお、人事のことにつきましては御注意を十分守って取り組んでいきたい、こう考えます。
○大成分科員 ありがとうございました。終わります。
○始関主査 これにて大成正雄君の質疑は終了しました。 次に、塩谷一夫君。
○塩谷分科員 大臣、お疲れのところを大変恐縮でございます。 現在のわが国の教育が大変論議されております。そして、その学校の荒廃状態というものはゆゆしい問題だと言われておりますが、それはもう多くを論ずるまでもなく、知的教育、知育偏重ということに対して体育なりあるいは道徳なりその他情操等々いろいろ専門家の中で論ぜられております。したがって、この解決はもう余り長い時間を要さない。海部文部大臣の御就任によって画期的な姿勢を示していただきたいということは私どもの期待であり、希望であります。その中で、先日の放送討論会で大臣が私どもの期待しておりますとおりの御議論をなさっておられて、特に、教育は人である、人間教育だ、人間形成だということを力説しておられたわけでありますが、これは世界共通で、いずれの国でも人間形成ということは教育の基本だと思います。 そこで私は、かって「期待される人間像」というような文部省の恐らく記録的な研究の成果があったと思いますが、特に日本人としての特徴というものをどこに求めておられるか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○海部国務大臣 やはり日本人としての特徴といいますか、これは、このみずからの国を愛し、みずからの国を大事にしようという心情を持つ者が日本国民であって、そういう立場に立って、細かく言えば、人間性豊かで、心身ともに健全で、勤労と責任を重んずる、そういった一人一人の国民に育っていただきたい。知育、徳育、体育がともに調和がとれておらなければならぬことは言うをまたないところでございます。
○塩谷分科員 まさしくそのとおりだと思います。いま申しましたように世界共通の真理だと思います。しかし、おのずから世界の中にそれぞれの人種があります。民族があります。そこにはそれなりの成り立ち、伝統というものがあります。この伝統が伝えられるというところには、それなりの価値があるわけでありますが、特に、日本人としての特徴というものを私は武道の中に見出しておる一人であります。 特に体育がいろいろ国際的に競技も盛んになり、日本人はオリンピックに行きましてもほとんど全種目に出場するというような器用な国民であります。しかし、その中で、まだ採用されておりませんけれども、日本においては国技とされております相撲があり、あるいはまた剣道もあるわけでありますが、柔道が国際的に非常に普及され、最近剣道も非常に普及されてまいりました。しかし、おのずからそこに、その源流は日本にあるんだということは、外国で盛んになればなるほど、求めている一点だけはただ単に技術ではないということの発見をするようであります。それが日本的な一つの特徴とするならば、これは大事にしなければならないことは言をまちません。 そこで、これは昨年の十月七日の読売新聞に、教育課程審議会の研究になる、今後の教育を現状からさらに混乱を避け、また学校、学園を豊かにするために授業量というものを全般に削減をして、各教科、特に体育に至りまするまで削って、そして生徒児童の豊かな学園にしていきたいということが出ておりましたが、これは非常に一理あり、また現状のままの状態を見るとそうすべきであるというふうに考えるわけでありますが、その中で、スポーツのゾーンの中で種目別にいろいろ分けます。そこで対人的競技という領域を新たにつくりまして、従来ありました格技という言葉がなくなっております。 この格技という言葉も必ずしも古くからあった言葉ではありませんけれども、御案内のとおり戦争に負けてから、昭和二十四年でありましたか、柔道が復活し、二十六年に剣道が復活し、そして関係者が真剣に陳情をしまして、過去たしか二回にわたって教科の中に入れてくれという切なる願いをして、それが取り入れられまして、結果、現行はきわめて関係者が満足するところにあります。それは武道という言葉は抜けておりまするが、格技として剣道、柔道を、男子の選択ではありますが、必須、必修課目として、そうしてきわめて伝統を守り、日本の特徴あるスポーツであるということで領域を設けております。それが今度の改定案なるものを見ますると、格技という言葉がなくなって、対人的スポーツということの中に入っておりますから、当然これはテニスにしましても、卓球にしましても、バドミントンにしましても、同じ人間同士の相手のある勝負でありますから、その中に入る。決してこれは剣道、柔道が優位なものであって、卓球、テニスあるいはバドミントンを軽視して申し上げるわけではございませんが、やはりおのずからそこには格技として守り抜いてきた、またその領域を認めていただいた過去のいわゆる伝統あるスポーツとして、文部省は、それを採用していただいた。今度またそれをさらに改定して、その格技というものがなくなり、同時に一律削減という一つの機械的な時間数をもってして現行のいわゆる選択、必修まで崩れてしまうようなことになると、これはまことに私ども関係者としては残念に思いますし、ゆゆしい問題だと思っておるわけであります。果たして、発表されたような作業を進めて、これから先教科課程の改定が行われるものかどうか、この点を伺いたいと思います。
○海部国務大臣 先ほど私が日本国民の大事な資質の一つは、日本を愛し、日本が好きだということだと言いましたけれども、その日本には、おっしゃるように古来からの伝統もあれば、文化もあれば、それを受け継いでさらに後輩に伝えていくという大切なものもございます。 いま先生御指摘のように相撲とかあるいは柔道とか剣道というものは、まさに日本古来の一つの——昔は武道と言われた、最近は格技と言われておる、いま先生から承ったわけでありますけれども、私は、これは学習指導要領がいかに改定になりましょうとも、それからいかにゆとりのある教育といいましょうとも、それは学校教育によって必要な基礎的基本的なことはきちんと教えてもらいたい。ゆとりのある、しかも充実した学校生活ができるようにしなさい、こういう審議会の答申の趣旨を受けて、ただいま学習指導要領は改定作業の最中でございます。最中でございますが、ここで申し上げておきたいことは、中学校の段階においては、日本古来の国技とおっしゃいました相撲、それから柔道、剣道、そのうちのどれか一つを選んで履修するように指導いたします。それから、高等学校の方では柔道、剣道のうちどれか一つを選んで指導することにいたします。そして、古来日本固有の伝統を受け継いできた、こういったものを教育の場においてきちんと受け継いでいくように指導していきたいと思います。
○塩谷分科員 非常に明快に守っていただくということをおっしゃっていただいて非常に安心をいたしました。 ただしかし、まだそのお言葉の陰に、事務的な作業を進めていく場合に、格技ということの領域を明確に残していただかないと、対人的スポーツという中に入れてもらいたくない、これはしつこいようでありますが、ぜひお願いしたいということであります。こんなことは釈迦に説法で大臣に申し上げることではございませんし、大臣自身も合気道をやられて身に武道をおつけになっておるわけでございまするが、私どもは、やはり先般のオジンピックのときも世界的な客を招いて、そうして天覧で柔道、剣道は前日に武道館で披露いたしております。そのことそのものがすでに武道というものを一応尊重してもらっているという現実があるわけでありますから、この現実から一歩でも後退しないようにお願いしたいわけであります。 そこで、よくスポーツ関係者と私ども議論いたしたことがあります。議論いたしますと、スポーツに変わりはないじゃないか、柔道も剣道も、それからバドミントンもテニスも変わりはないじゃないかということで、そうして特に教育者の側の方々は、時間数とかいろいろの制約等のお話がありまして、その差別はできないということを強調されます。私はあえて差別をしていただきたいということのお願いであり、またその必要性を強調したい。ちょうど吉川英治が「宮本武蔵」を戦後再版しようというときに、三年間悩みに悩み抜いたそうであります。その結果アメリカナイズされていくであろうこれからの教育あるいは日本の資質というものをどう守り、かつ生かしていくかということで非常にいい言葉を吐いております。これは宮本武蔵が最後に徹した、例の五輪の書その他に書かれているものの中に、究極は無刀である、刀を持たない、これが剣の真随であるということを言っております。要すれば人間形成とかあるいはその過程においてはいろいろの方法、手段を講じて修練をいたしますけれども、何のためにやるかということは、要すれば刀を持たないのが剣の真随である。昔から言われているように、もののふというものは「文を止める」と書きますが、矛をとめることが武士の真随である。したがって、戦争とか忌わしい経験を持ちましたけれども、敗戦したからそこに達したのではなくて、武蔵そのものは、あの剣の道の中に、すでにそれに達しておったわけでありますから、すごい軍国主義だ、あるいは武道そのものが、いわゆる他のスポーツと違うと同時に、また逆説的に言えば武道は少し意識過剰だ、国技が何だというのはおかしいというような論がありますが、私はあえて日本固有のものとして、これだけはひとつ守ってもらいたい、守り抜いてもらいたい。その領域が大切なんだ、時間数とかあるいは指導要領の方法論じゃなくて、その扱い方が大切なんだ、そのことを大臣はひとつぜひ——いろいろの権威者あるいは専門家が寄って答申なるものができたにいたしましても、私ども武道関係者はその作業に当たって数次にわたって陳情も申し上げ、またそれなりの理由をつけて主張をしてまいったのでありますが、どうも先般の読売新聞の記事によりますと、対人的競技ということの中に入ってしまって、一番心配している事態になったように思うわけであります。あれは確固たるものとは思いませんけれども、どうぞ海部文部大臣は、この時期このときにこうした改定をなさる場合に、本当にくどいようですが、全国の武道家のみならず、民族の心としてこれをぜひ守り抜いていただきたい。もしできなければ、武道館に全員集めまして、海部文部大臣に抗議集会をするかあるいはまた感謝の会になるかわかりませんけれども、ぜひひとつこの点だけはお願いいたしたいと思います。
○海部国務大臣 おっしゃること私もよくわかるのですけれども、こういうことじゃないでしょうか。相撲とか柔道とか剣道という、この三つのものは昔は武道と言われ、この間までは格技と言われ、そしてそれが必須科目として教えられてきた。今度の学習指導要領の改定で変えてしまっては困るぞ、まずこれを実際は残せということでありますから、これはやはりこのうちの一科目を選んで指導するようにきちんと残します、このことはお約束を申し上げました。 それから、言葉の問題でバドミントン、バドミントンというのはよく出てきましたので、念のために何かと思いましたらこういうことじゃないでしょうか。要するに、男子には相撲、柔道、剣道のうち一科目をやる、女の子には相撲とか柔道とかを必須科目にするのはいささかいかがかという角度から、この教育課程審議会の委員の皆さん方は女子が対人スポーツとしてやはりこの中から選んだらと言って決めたのがテニスであり卓球でありバドミントンと、こういうことになりました。そしてそれぞれの仕分けの仕方が従来のように陸上競技とか水泳とかスキー、スケートというような分け方ではなくてそういうのは個人スポーツである。それからバスケットボールとかバレーボールとかサッカーなんというのは、これは集団的なスポーツである。それから、いま申しました男子が必須としてやる相撲、柔道、剣道というもの、そして女子がやるテニス、卓球、バドミントンというもの、これが対人的スポーツである、こういうふうに大きく仕分けをした。仕分けのときに、たまたま新しくできた対人的スポーツというグループの中に、これは女子が選ぶべきものとして決められた中に確かにテニスとかバドミントンもございます。 しかし私はここでひとつ御無理な相談かもしれぬけれども名実きちっと分けていただいて、相撲、柔道、剣道というものは、これは日本男子として中学校、高等学校の学習の段階において一科目はきちんと選択をして習い、覚え、伝えるべきだという、従来やってきました態度、方法というものは変えないできちんと改定される学習指導要領の中にも生かしていくということはお約束申し上げますので、これと一緒のグループになった、男性と女性の特質の違いからこういう表現になってきたんだ、こういうふうに御理解いただけぬでしょうか。
○塩谷分科員 それが非常に危険なものだと私は思いますので、あえてお願いをするわけでありまして、いわゆる理屈の上では分け方もそのとおりだと思うのです。ところが、理屈以外のものを求めているのが伝統でありそうしたものであって、結局格技という言葉、それで最後の牙城を守ろうということなんですね。 たとえば、いまのお話のようなことになりますと、よくファイト——女子の生徒がファイト、ファイトなんて応援のときに応援しますね。確かにそれは英語で言えばファイト、闘志ということになりますけれども、私ども剣道などには使わない言葉であります。また、言葉は言わない、武道の中では声援してはならないということになっております。そこがほかのスポーツとの違いであります。たとえば気力という言葉はありますけれども、気魄となると、私ずっといろいろ調べてみると、これはやはり武道以外にないのですね。はっと何だということなんですな。それがやはり同じスポーツの中にないものなんですね。そういう意味で、分類したりあるいは論理的にいろいろやればおっしゃるとおりのことではありますけれども、格技としての領域でさえもようやくがまんした、武道としていただきたい、要すれば矛をおさめた武道ということにしていただきたいのでありますが、いまやそう復活することもなんですから、せっかくいままで格技としての領域の中で一生懸命でやっておるのに、いわゆる分類だからと言って対人スポーツということになりますと、おのずからそこに特徴がまた薄れていくということでありまして、私どもはこれはなかなか容易に納得しかねる、そういうことを申し上げるわけであります。 恐らくこれは気持ちの上ではわかっていただけると思いまするが、いわゆる論理的とかあるいはいま言うように個人と集団、分ければそのとおりだ。しかし、格技としての特性というものだけはもう少し尊重してもらいたい。必須科目にして選ばせればいいじゃないかと言うけれども、おのずから名は体をあらわす。やはりバドミントンやそういうほかのスポーツとの違いを人格の格と解釈いたしておりまして、単に体格の格と思っていない、武道家は。そういう意味でいわゆる古い人間がそろってはおりますけれども、新しい指導者あるいは新しい道を求める人間もたくさんおります。その意味で、武道だけが優位性ということでありませんが、独特の領域というものを、ひとつ表現そのものも残しておいていただきたいというお願いであります。
○海部国務大臣 教育課程審議会の答申によりますと私がいま説明したような分類となり、そういう表現になっておりますが、私は改定作業の中においても最初名実ともに分けてと申しましたように、従来やってまいりましたいわゆる格技と称され、昔武道と称された日本固有の三つのうち一つを選択科目として中学校、高校には残す、これは明白にお答えを申し上げておるわけでありますが、なお、それをひとつ女性の対人スポーツのことを分けて格技という名で残せ、理屈はないのだ、そういうものだ、こういうような御質問と承るのですが、これはいまここで直ちに——この答申を実は尊重しろという質疑を受けてその答申を尊重しながら、また塩谷委員の御質問の内容も精神も考え方もきちんと生かしてやっていこうということでぎりぎり申し上げたのでありますけれども、男子の方がやるべき相撲、柔道、剣道、このものを格技という言葉で表現できるのかどうか、これはちょっといまここで直ちに何とも申し上げられませんので、そういったことを審議会の答申を生かしながら作業していくわけでありますので、じゃ一体、女子の方につけておるこれをどういうふうな名前にしてどういうふうに分けてしまうかということ等も、どうなんでしょうか、これを見る限り非常にむずかしい問題がたくさんあるとは思いますが、とりあえずきょうのところは内容、実質はきちんと守ってまいります、対人スポーツという分け方を格技という言葉へ戻せと、こうおっしゃることにつきましては、難問、奇問とは申しませんけれども、大変むずかしいいろいろな影響がございますので、ひとつ宿題として私に考える時間を与えていただきたい、こう思います。
○塩谷分科員 本当にまじめにお答えいただいてありがたく思いますし、宿題というお言葉が出ましたからこれ以上しつこく申し上げません。もう私の言いたいことはわかっていただけると思いますが、実は行政といいますかあるいは現場といいますか、そういったものの中に非常に危険なものがある。惰性に流れるということがあるのです。その惰性というものを食いとめるためにも格技という言葉の必要性を私は確信を持っておる。 というのは、道場という言葉がございます。別に道場と言わなくてもいいのですが、道場という。これを剣道をやる部屋、柔道をやる部屋ということにすればそれは間違いない。コートと言ってもいい。剣道コートあるいは柔道コートと言ってもいい。しかし道場と言って伝統を守り続けてきたその精神とその領域というものは尊重願いたいと同じように、格技という言葉の意味するものは、そういう意味で敗戦この方立ち上がってきた民族の知恵であり、またこれからも守るべき真髄だと思うわけであります。したがって学者諸君やあるいは評論家が言っているものとおのずから違ったものがあることを私はあえて強調して、これだけは何としても、海部文部大臣は伝統を守り、人間形成を大事にする大臣でありますから、名は体をあらわすという言葉がありますが、その名前を取り除かないように——女子で、必須でなくても剣道や柔道が非常に盛んになっておりまして、ちまたでは女の子なんか少なからず道場に通っております。これの是非は別としまして、なぜそうしたものに通うかと言えば、聞いてみますと、礼に始まり礼に終わるということだけが私の好きな道であるなんということを本人がわりあいに素直に言っているような姿があるくらい、ほかのスポーツと違った選び方をしているように私どもは思うわけなんです。 そういう意味から言って、日本人の特徴というものを、あらゆるスポーツは平等でありましょうし、同じようなスポーツの訓練をしましょうけれども、最初に申し上げたように、日本人はどういうところに特徴があるかということの御質問を申し上げた中に、伝統の武道によって得るものが少なからず大きな特徴になっておるということだけはおわかりいただけると思いますので、その武道にかわるのに格技で守ってきた。その格技が対人競技という言葉に、間違いはありませんけれども薄れていくことは間違いないと私は思いますので、現場の崩れ方、そうしたものを想定いたしますと、ここでがんばっていただきたいというお願いでございます。 時間がありませんので、一応のお願いと、ぜひこれを守り抜いていただきたいということを申し上げて、大臣の大臣たるところをお示しいただかんことを御期待申し上げまして、質問を終わります。
○始関主査 これにて塩谷一夫君の質疑は終了いたしました。 次回は、明十二日午前十時より開会し、文部省所管について審査を行います。 本日は、これにて散会いたします。 午後七時十二分散会