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80回国会衆議院1977/03/12

予算委員会第四分科会 第2号

発言数
488
登壇者
35
会派数
6
開催日
1977/03/12

会議録

伊東正義自由民主党

○伊東主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。  昭和五十二年度一般会計予算及び昭和五十二年度特別会計予算中、通商産業省所管について、まず、政府から説明を聴取いたします。田中通商産業大臣。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 一言ごあいさつを申し上げます。  昭和五十二年度の予算案等の予算委員会第四分科会における御審議に先立ちまして、その概要を御説明申し上げます。  現下のわが国経済は内外の厳しい環境下にありまして、多くの困難な問題に直面いたしております。  国内的には、景気は昨年初来石油危機後の長期にわたります低迷状態からようやく脱して、上昇過程にあったものの、昨夏以降、設備投資、個人消費等の内需の不振等によりまして、再び足踏み状態に陥り、楽観を許さない情勢にございます。  他方、わが国を取り巻きます国際経済環境も、世界的景気の停滞、日米、日欧間の貿易上の摩擦、依然流動的な国際資源エネルギー情勢等困難な問題を抱えております。  このように、内外の情勢はまことに厳しいものがありますが、われわれは、たくましい国民のエネルギーと英知を結集いたしましてこの難局を打開し、協調と連帯の精神のもとに調和のとれた安定成長路線を切り開いていくべきであると存じます。  私は、こうした認識のもとに、国民福祉の一層の充実と国際社会への貢献を目指して、通商産業行政を積極的に展開してまいる所存でございます。  昭和五十二年度の通商産業省予算案及び財政投融資計画の作成に当たりましても、このような基本的方向に沿いまして、産業政策、対外経済政策、中小企業政策、資源エネルギーの安定確保対策、技術開発の促進、産業立地と環境保全対策等の重点施策を中心といたしまして、一般会計予算三千百七十四億九千九百万円、財政投融資計画三兆七千七百二十七億円等を計上いたしております。  以下、この通商産業省関係予算案等の重点事項につきましては、お手元に資料がお配りしてございますが、委員各位のお許しを得まして説明を省略させていただきたいと存じます。  何とぞよろしく御審議のほどをひとえにお願い申し上げます。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 この際、お諮りいたします。  ただいま田中通商産業大臣から申し出がありました通商産業省所管関係予算の重点事項の説明につきましては、これを省略して本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊東正義自由民主党

○伊東主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     〔田中国務大臣の説明を省略した部分〕  次に、重点事項別に、予算案及び財政投融資計画の概要を御説明申し上げます。  第一に、安定経済成長下における産業政策の新展開につきましては、一億六千二百万円の予算を計上しております。  主要な項目としましては、まず、適切な産業組織政策の推進に資するため、前年度に引き続き、産業組織の実態について、業種別、テーマ別に調査、分析を行うとともに、産業組織政策のあり方を明確にすることとし、そのための経費として千九百万円の予算を計上しております。  また、産業構造政策の推進につきましては、これまでの長期産業構造ビジョンに即して政策の検討、立案を進めるとともに、各地域における産業構造政策を充実するため、前年度に引き続き、地域別産業構造ビジョンを作成することとし、あわせて四千七百万の予算を計上しております。  このほか、的確な景気調整のためのシステムの確立、産業と社会の対話の推進等のための施策を推進することとしております。  第二に、国際経済の安定的発展に寄与する対外経済政策の推進につきましては、百八十二億九千百万円の予算を計上するとともに、日本輸出入銀行の貸付規模を大幅に拡充し、一兆二千八百三十億円とすることとしております。  まず、経済協力につきましては、大規模経済協力プロジェクトをはじめとする発展途上国に対する技術協力の一層の推進を図るため、国際協力事業団に委託して実施する鉱工業開発計画に関する事前調査等を一層拡充することとし、十七億九百万円の予算を計上しておりますのを初め、海外技術者受入等研修事業費補助十七億五百万円、海外コンサルタンティング活動振興事業費補助一億七千四百万円、アジア経済研究所事業運営費二十億八千四百万円等の予算を計上しております。  また、我が国貿易の健全な発展を図るとともに、国際貿易の安定的発展に寄与するため、日本貿易振興会事業運営費の拡充等を行うほか、国際的企業活動の適正化を図るため、多国籍企業の実態調査の拡充等を行うこととし、三千六百万円の予算を計上しております。  さらに、貿易構造の高度化及び経済協力の推進等に寄与するプラント類の輸出、海外建設工事等を促進するため、輸出保険特別会計において、輸出保証保険を創設することとし、五十二年度の契約限度額を四千億円としております。また、同特別会計は、歳入歳出とも千三百四十八億九千四百万円を計上しております。  第三に、中小企業政策の充実につきましては、対前年度比一一・八%増の千三百四十四億千八百万円の予算を計上するとともに、財政投融資計画につきましては、中小企業関係金融三機関の貸付規模を対前年度当初比一八・三%増の三兆六千七十八億円とするなど、施策全般にわたり大幅な充実を図っております。  中でも小規模企業施策を強力に推進することとしており、まず、小企業等経営改善資金につきましては、貸付規模を三千五百億円から四千七百億円へと大幅に拡充するとともに、貸付対象企業を小企業から小規模企業に拡大する等貸付条件の改善を行うため、予算二百四十五億四千三百万円、財政投融資千五百七十六億円を計上しております。  また、経営指導員等の大幅増員及び待遇改善等のため、小規模事業対策費として、二百二十六億八百万円の予算を計上しております。  さらに、中小企業振興事業団の高度化資金融資事業、研修事業等に要する経費として六百四十五億円、中小企業への資金供給の円滑化を図るための資金として、商工組合中央金庫出資金五十億円、信用保証協会基金補助十億円の予算を計上しているほか、小規模企業共済制度の拡充のための経費二十七億六百万円、中小企業指導事業強化費三十九億七千四百万円、組織化対策推進費十九億三千六百万円、下請企業振興対策費四億六千三百万円、中小企業分野調整対策費三千六百万円等の予算を計上しております。  第四に、資源エネルギーの安定供給の確保につきましては、原子力発電所の安全確保等の原子力政策を強力に推進するため、発電用新型炉等実用化調査費等の原子力関係予算を大幅に拡充して五億九千九百万円を計上しておりますのを初め、非鉄金属輸入安定化備蓄対策費七億三千八百万円、資源開発協力基礎調査事業費十四億七千七百万円、工業用水道事業費二百億千二百万円等、合計三百六億四千二百万円を計上しております。  また、財政投融資計画におきましても、日本開発銀行の貸付計画のうち資源エネルギー枠として千百八十五億円を確保するとともに、電源開発株式会社、金属鉱業事業団の事業の拡充等を図っておりますが、特に、金属鉱業事業団におきましては、産業投資特別会計からの出資金十億円により、深海底鉱物資源の探査専用船の建造に着手することとしております。  次に、石油対策及び石炭対策につきましては、石炭及び石油対策特別会計におきまして、歳入歳出とも、他省分も含めまして、千八百八十億八千八百万円を計上しておりますが、それに必要な財源を確保するため、原重油関税を昭和五十二年度から二年間、暫定的に原油一キロリットル当たり百十円引き上げることとしております。  そのうち石油対策分は六百八十一億四千万円でありまして、石油備蓄の増強を図るため、共同備蓄会社への出資の拡大、備蓄原油購入資金に係る利子補給幅の引き上げ等を行うこととし、二百四億二千五百万円を計上しているほか、石油開発公団が行う探鉱等投融資のために必要な出資金四百三十二億円等を計上しております。  また、石炭対策分につきましては、石炭鉱業の合理化安定対策、鉱害対策、産炭地域振興対策等を引き続き推進するため、千百九十九億四千八百万円を計上しておりますが、このうち、特に、幌内炭鉱の災害復旧対策を行うための経費として四十五億五千七百万円を計上しております。  さらに、電源立地の促進、原子力発電所の安全確保等を図るため、電源開発促進対策特別会計に、歳入歳出とも、他省庁分も含めまして三百七十四億八千二百万円を計上しております。  第五に、技術開発の促進につきましては、七百六十九億九千五百万円の予算を計上するとともに、日本開発銀行の貸付計画のうち技術振興枠として九百二十五億円を確保しております。  まず、サンシャイン計画につきましては、四十八億千七百万円の予算を計上するとともに、新たに、大型実験プラントによる開発研究を推進するための中核的機能を電源開発株式会社に果たさせることとし、その本格的な推進を図ることとしております。  また、大型工業技術研究開発費等として百四十四億八千四百万円の予算を計上し、引き続き研究開発の推進を図るとともに、新たに超高性能レーザー応用複合生産システムを大型プロジェクトに追加することとしているほか、特許等工業所有権制度拡充強化費百四十一億八千九百万円、医療福祉機器技術研究開発費七億六千五百万円等の予算を計上しております。  さらに、技術集約型産業の育成強化を図るため、次世代電子計算機用大規模集積回路(超LSI)開発費補助を八十六億四千万円と大幅に拡充し、その研究開発の促進を図るとともに、情報処理振興事業協会において、八億五千万円の予算を計上し、我が国独自のソフトウェア生産技術の開発を一層推進することとしております。このほか、次期民間輸送機(YX)の開発を推進することとし、それに必要な事業費を確保することとしております。  第六に、国民生活の安定向上につきましては、三十七億八千五百万円の予算を計上しております。  まず、消費生活改善対策費として三億四千三百万円を計上して商品テスト事業の大幅な拡充等を行うほか、高圧ガス保安協会の行う液化石油ガス消費者保安センター事業を充実する等消費者行政の充実を図ることとしております。  また、新たに主要な基幹物資について、需給価格動向に関する実態把握を行うこととし、それに必要な経費として千六百万円を計上しているほか、大規模小売店舗の進出に伴う紛争の円滑な調整を図るための対策費として五千二百万円の予算を計上しております。  さらに、国民生活関連産業の振興を図るため、繊維工業構造改善対策、伝統的工芸品産業振興対策を引き続き推進するとともに、良質、低廉で、しかも多様なニーズにこたえ得る総合的な工業生産住宅供給システムの開発を一層推進するため、二億二千九百万円の予算を計上しております。  第七に、産業と国民生活との調和につきましては、百六十九億七千百万円の予算を計上しております。  まず、工業再配置促進対策事業費として百十億二百万円の予算を計上するとともに、三大湾、瀬戸内海沿岸の既存工業地域における集中を抑制するため、同地域における新増設等に係る過密影響評価を行うこととしております。また、工業団地の安定的供給の確保及び質的向上を図るため、中長期的な工業団地供給計画を策定する等工業団地総合政策を推進するとともに、長期的展望に立った立地政策を展開するため、超長期の工業立地基盤対策の検討を行うこととしております。  さらに、金属鉱山等の蓄積鉱害防止対策を強化するため、休廃止鉱山鉱害防止工事費を二十六億八百万円と大幅に拡充するとともに、金属鉱業事業団鉱害部門の業務を充実することとし、七億八千百万円の予算を計上しているほか、融資枠二十四億円を確保しております。  このほか、新たに亜炭鉱の放置坑口の閉そく工事を実施する等の保安防災対策、環境保全対策及び廃棄物の有効利用、再資源化促進対策について、引き続き施策の充実を図ることとしており、財政投融資計画におきましても、日本開発銀行の公害防止枠を千五百五十億円と大幅に拡充しております。  以上の一般会計及び資源エネルギー関係、輸出保険関係の三特別会計のほか、アルコール専売事業特別会計は、歳入二百六十一億六千七百万円、歳出二百四十億七千九百万円、機械類信用保険特別会計は、歳入歳出とも四十二億九千六百万円を計上しております。  以上、通商産業省関係予算案及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明いたしました。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。     —————————————

伊東正義自由民主党

○伊東主査 以上をもちまして通商産業省所管についての説明は終わりました。     —————————————

伊東正義自由民主党

○伊東主査 この際、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間はこれを厳守していただき、議事進行に御協力賜りますようお願い申し上げます。  なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は要領よく簡潔に行われますようお願いいたします。  それでは、これから質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。保岡興治君。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 このたび予定されている日米首脳会談でも重要な議題の一つとされておりますし、また原子力開発にとって重要な部分として、最近国際的にも国内的にも非常にクローズアップされてまいりました核燃料再処理のわが国の基本的な考え方、またこれまでどのように推移をしてきておるか、その点についてまず政府にお伺いしたいと思います。

石渡鷹雄科学技術庁長官官房参事官

○石渡説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘のように核燃料の再処理の問題は今後のわが国の原子力開発にとってかなめになる問題でございます。輸入いたしましたウラン資源の有効利用という観点から、使用済み燃料を再処理いたしまして、回収したウラン及びそこからとれますプルトニウムを再び燃料として利用していくというのがわが国の今後の原子力開発利用の基本的な方針でございます。したがいまして、そのためにわが国に適した核燃料サイクルを確立していこうというためには、国内における再処理を実行するというのがかなめになるかと存じております。このために、まず第一に動力炉核燃料事業団におきまして再処理工場を建設を終了いたしまして、現在試運転中でございます。五十三年度に操業に入れるという予定になっております。しかしながら、それだけではとうていわが国で発生いたします使用済み燃料の再処理を賄うことができませんので、できるだけ早い機会に第二再処理工場を建設していこうという方針を持っております。  第二再処理工場につきましては、すでに昭和四十七年、原子力委員会におきます原子力開発利用長期計画におきまして、第二次再処理工場は民間に期待するという基本的な方針が出ているわけでございます。その線にのっとりまして電力業界におきまして、昭和四十九年、濃縮再処理準備会を発足いたしまして、再処理に関する技術等の検討を進めてきております。また第二次再処理工場の今後の進め方等につきましては、原子力委員会の核燃料サイクル問題懇談会というものを設けまして、そこにおきましても電力を中心として民間で建設をしていこうという基本的な方針が確認されている次第でございます。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 そうすると、いまお話しの第二工場というものの建設のための調査その他準備期間がどれくらいかかるのか、あるいは着工をどの程度にめどを置いておるのか、完成はいつごろをめどとしているか、その点についてお伺いしたいと思います。

武田康資源エネルギー庁長官官房審議官

○武田政府委員 第二再処理工場は現在の段階、民間で建設することを私ども期待しておりまして、現在民間の計画が完全に固まっているわけではございません。ただ、建設の準備に入り、立地を選定し、それからもろもろの手順を整え、かつ運転を開始するという段階までには十数年を要するかと考えております。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 いまの御答弁で一括されて十数年とこう言われたのですが、質問は、その調査それから着工の時期、完成の時期と分けてそれぞれ伺ったのですが、その辺はまだはっきりしないということでございますか。

武田康資源エネルギー庁長官官房審議官

○武田政府委員 まだ完全に正確に固まっていないのが民間の現状でございますが、調査に三、四年、建設に五、六年、現在私ども聞いております限りでは運転開始というのが一九九〇年前後を目標というようなかっこうでございます。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 いまの御答弁で基本的な考え方、これからの計画、構想というものは大体わかりましたけれども、実は昨年の十一月に、「日本工業新聞」という業界紙ですが、お手元にも差し上げてありますが、ここに「通産省は原子力発電所の使用済み燃料をシステム的に再処理するため、再処理工場などバック・エンド事業を“核燃料パーク”として共同立地する構想を推進しているが、その具体的な計画内容が固まった。それによると」ということで、第三点として「この核燃料パークは入口の少ない過疎地に立地させることとし、奥尻(北海道)、徳之島(鹿児島)などの離島を最有力候補に、来年度から立地調査、建設準備に入る」など決めた、こういう趣旨で記事になっております。そして、その記事の中で「通産省はこのパーク構想を推進するため、とりあえず来年度予算では、技術性、経済性などの面から最適と考えられるパークのあり方を検討するためのアセスメント費(一般会計一億三千七百万円)、立地候補地点での気象、海象などの環境影響調査費(電源開発特別会計一億円)をいずれも新規要求、大蔵省との折衝に全力をあげる構えだ。」こういう記事が掲載されておるわけでありますが、これによりますと、具体的に、私の選挙区が、徳之島が入っておるわけですが、ここで気象調査などの具体的な調査ですね、立地準備調査というものが始まる、こういう内容になっておるわけなんです。この記事と相前後いたしまして、実は日本工業立地センター、これが五十年の三月に徳之島を核燃料再処理工場立地の適地としていろいろな調査をして、その結果をまとめてMAT計画調査というものをつくっておる。それが時期が少しずれましたが、この前後に公にされてきたというようなことがありまして、現地徳之島においては、国が直ちに候補地として決めて具体的な調査に入るというような認識のもとに、急に降ってわいたような話で大混乱になっておりまして、こちらではちょっと想像がつかないような、自警団をつくるとか毎晩部落で会合を開くとか、あるいは何かブルドーザーで工事をしておりますと、調査が始まったのではないかというような懸念で議長や町長がすっ飛んでいったり、あるいはすでに建設している港湾や道路、そういったものがこのMAT計画の構想にのっとって建設が始まっているのではないかというような危惧から、行政的にも民生安定という点からも大変危惧されるような状況になっておるわけであります。  そういう観点から、いま指摘しました記事の内容の、通産省が予算を組んで具体的に候補地を徳之島に定めて調査をするという点について、日本工業立地センターについては後でまたお伺いをいたしますので、まずその点についてどうなっておるのか、御答弁をいただきたいと思います。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 まず、ただいま御指摘の新聞記事につきましては、資源エネルギー庁長官の私的な研究会といたしまして核燃料研究委員会というのがございます。そこで検討した内容が伝えられておるという意味で、パークの計画内容はそういった意味では正確でございます。  それから予算要求につきましても後刻追加説明をいたしますが、その数字は正確でございます。  ただし、具体的な地名につきましては全くの推測記事でございまして、当方としては関知しておらないところでございます。  それから予算の点でございますが、お話しのように二億四千万円の要求を昨年いたしております。それは項目が二つございまして、一つは、民間事業者が土地手当てを行うことを前提といたしまして、当該地域について国としても環境調査等クロスチェックをするという意味合いにおきまして一億の要求を出しております。それから二つ目の方は、再処理施設等、これは日本では初めて——当然のことでございますが、そういった意味から技術的な特性とかコストとかいろいろ調査する必要がございます。そういう意味合いにおきまして一億四千万円の要求をいたしたわけでございますが、前者の土地に対してのクロスチェックにつきましては、民間事業者におきまして土地の手当てをする段階まで至っておらない、そこまで進捗していないということで見送っておるわけでございまして、後者の技術的調査につきましては約七千三百万円が予算案として計上された、かようになっております。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 まずその特別会計の一億円についてクロスチェックという御説明がありましたが、これは具体的にはどういうことなんですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 再処理にかかわりませず、核燃料に関しましては環境保全あるいは安全性の確保ということが非常に重要になってまいりますので、民間としてもいろいろの環境調査をやるであろうと思いますが、国としても、さような場合やはり気象条件あるいは海象条件、地質等につきまして詳細な調査をする必要がある。要するにカウンターチェックというような立場で国としても安全性を確保する、こういうたてまえでございます。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 それは今度は認められなかったわけですね。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 認められる、認められないという前の段階といたしまして、民間事業者の計画がそこまで進捗しておらない、時期尚早である、こういうことでございます。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 それから技術的な調査費として七千二百万円認められたということでありますが、これは具体的な候補地について何かチェックをしたり調査をしたりという意味のものではない、一般的な単なる核燃料再処理の技術の問題の机上調査というのですか、研究調査というものですか、そういった性質のものとして理解してよろしゅうございますか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 御指摘のとおりでございます。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 そこで、先ほどの日本工業立地センターの調査結果でありますが、これは聞いておるところによりますと、民間の土地開発関係の一企業が調査を依頼したということになっておるかに聞いておりますが、この日本工業立地センターと通産省との関係をまずお伺いをしたいと思います。

斎藤顕通商産業省立地公害局長

○斎藤(顕)政府委員 工業立地センターでございますが、これは通産省が認可いたしました財団法人でございます。この業務は、広く工業立地に関する調査、コンサルティング、広報、指導活動等を事業としておる財団でございまして、同センターは収益事業といたしまして、国、地方公共団体、民間企業等から、年間数十件の依頼を受けて調査を実施しておるというふうな実情でございます。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 収益事業として委託を受けてやっておるということでありますけれども、その内容については、通産省はどのようにタッチをされたり、関与されるわけでありますか。

斎藤顕通商産業省立地公害局長

○斎藤(顕)政府委員 立地センターの業務につきましては、これらの調査契約は、地方公共団体、国、民間企業等と随時の契約をいたしておりまして、特にその内容について通産省が指導するというふうなことはございません。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 そうすると、その報告を受けたりするようなことはありますか。

斎藤顕通商産業省立地公害局長

○斎藤(顕)政府委員 これは公益法人でございますので、毎事業年度に通産大臣に事業計画を提出するということでございますけれども、事業年度終了後にまた報告書を提出するということも同時に定められております。しかしながら、当初に計画を提示いたしましたときは、概括的な計画でございまして、その年次におけるいろいろな今後の契約等につきましては、まだ未知の部分もたくさんございまして、特に内容について細かく至るというふうな性質のものではございません。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 そうすると、このMAT計画調査結果については報告を受けておるのですか。

斎藤顕通商産業省立地公害局長

○斎藤(顕)政府委員 契約時におきましても、また、調査報告書が民間企業に提出された段階におきましても、私ども特別に報告は受けておりません。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 そうすると、概括的なことは報告を受ける余地のあるようないま御答弁だったので、確認をしたわけでありますけれども、報告も何も受けていないということは間違いないわけですね。——それは先ほど御答弁いただいたから結構ですが。  そこで、この調査結果を一読してみたのですが、この基本は、環境調査を主としておりまして、核燃料再処理工場そのものについての内容の部分はごくわずかではあるのです。さっと一読してみても、これから第二工場を建設するには、ちまたで聞くところによっても予算が相当必要で、調査や建設準備にかからなければならぬということで、これから国が、あるいは民間がこの第二工場の構想を推進するに、この調査結果というものが利用される余地があるのか、参考になるのか、このような調査が先行していることが、徳之島を具体的な候補地にすることについて何らかの要因になるのか、その点について率直に、簡明にお伺いをしたいと思います。

斎藤顕通商産業省立地公害局長

○斎藤(顕)政府委員 最近私ども同センターから事情の説明を受けまして、その調査内容を知ったわけでございます。この調査は、核燃料処理工場について特に専門的に調査したというふうなものではございません。徳之島の立地条件、同島への立地の可能業種、工業立地に関する港湾、道路、住宅、社会福祉施設等について、広く一般的に、概括的に、工場立地の技術的見地から調査したものでございまして、特定のプロジェクトを対象に調査したというふうな性質のものとして受け取るわけにはいかないというのが私どもの現在の判断でございます。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 この日本工業立地センターには、核燃料第二工場を建設するに必要な原子力についての、あるいは再処理についての専門家がおるのでございましょうか。

斎藤顕通商産業省立地公害局長

○斎藤(顕)政府委員 センターにはそういうスタッフはおりません。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 そうすると、先ほど御答弁があったこととあわせて考えてみるに、専門的な調査としてはほとんど役に立たない、このように理解をしてよろしゅうございましょうか。

斎藤顕通商産業省立地公害局長

○斎藤(顕)政府委員 むしろ専門的というよりも、一般的な、概括的な、いわゆるゼネラルな工場立地についての調査というふうに理解する方がよろしいかと私ども判断しております。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 そこで、先ほどお話ししましたとおり、この再処理工場がどういったものかということが、田舎なものですから全然よくわからないという不安もあって、先ほど申し上げたような混乱、むしろこちらではとても考えられないような状況になっておる。  そこで、確かめたいのでありますが、第二工場の立地に当たって地元の合意というのですか、その点についてはどのように処理していかれる方針であるか、伺いたいと思います。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 再処理にかかわりませず、原子力開発に当たりましては、当然国民の合意のもとに、理解と協力のもとに進めるべきであると思います。したがいまして、地元の意見を十分徴した上でないと実行に移すべきでないというのが、われわれの立場でございます。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 そうすると、原子力発電所などの並びから言って、県それから当該町村といったものの少なくとも合意がない以上、国が一方的に計画を推進するとかいうようなことはない、その辺は安心して、地元でそのような合意があるかないかということについて、国も県と十分相談をしながら進めていく、そのように理解をしてよろしゅうございましょうか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 地元の意見をどういうふうに聴取するかということにつきましては、やはり計画が具体化する過程で検討すべきだと思いますが、少なくとも地元の意向を無視して建設を強行するということはできないと考えております。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 その点、大臣にもちょっと明確にしておいていただきたいと思うのでありますが、地元といっても、先ほど私が申し上げましたとおり、県、少なくとも町村の合意がなければならないというぐらい、最低限度、事実上の措置として理解を得てもらわないと困る、このように私は思うのでありますが、いかがでございましょうか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 ただいまるる申し述べましたごとく、この経緯というものは以上のようでございまするが、原子力の開発に当たりまして国民的な合意のもとに進めることが最も重要な問題でございまして、先般の新しい機構におきましてもまずこれを取り上げておるような次第でございます。なかんずく再処理工場の立地に当たりましては、もちろん地元の深い御理解と御協力を得た上で進めるべきである、かように存ずるものでございまして、地元の御意向を無視して建設を強行するようなことはとうていできないことでございますし、また考えてもおりません。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 地元の意向を無視しないということは、また無用な混乱を引き起こさないということに通ずるわけでありますから、いま大臣がお述べになった姿勢をきちっと守っていただきたい、こう思うのでありますけれども、私の質問に若干具体的に触れられておらないので、事務的な問題も含んでおると思いますから長官で結構でありますが、先ほど私が指摘したような、県や町村の合意というものが少なくとも事実上なければ推進できないというふうに理解してよいかという点について御答弁願いたい。

石渡鷹雄科学技術庁長官官房参事官

○石渡説明員 お答え申し上げます。  地元の合意を得る具体的な手順といたしまして、先生御指摘のように、当該の県あるいは県議会あるいは市町村あるいはその議会の同意を得るというのは、具体的に考えまして現実的な方法であると考えております。しかしながら、本件につきましてはまだ具体的な計画の段階になっておりませんので、その計画の進捗に伴いまして、ただいま申し上げましたような手順を現実的に考えてまいりたい、こういうふうに進めていくのが妥当ではないかと思います。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 よくわかりました。まだ具体的にその現地調査をしたりする段階でもないから、もう少しそういうことが詰まると同時に、いまお答えのあったような地元関係の市町村あるいは県の合意というものは十分考えて、また事実上そうなるだろうということは考えられるけれども、いままだ具体的な段階でないから、はっきりした方針として述べることは差し控えたい、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

石渡鷹雄科学技術庁長官官房参事官

○石渡説明員 御説のとおりでございます。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 次の問題に移りますが、奄美大島に瀬戸内町というところがあるのですが、そこで「むつ」を誘致しようという動きが出てきておるわけであります。そこで、「むつ」の定係港についていまどのように政府は考えておられるか、この点について簡単にお答えいただきたいと思います。

石渡鷹雄科学技術庁長官官房参事官

○石渡説明員 原子力船「むつ」の定係港でございますが、現在は青森県むつ市にあるわけでございます。二年半ほど前の放射線漏れの事故に伴いまして、四者協定ということで近くその定係港を撤去することになっているわけでございます。その放射線漏れの原因となりました遮蔽の欠陥の修理のために、現在、長崎県佐世保市においてその修理と点検を行うということで交渉を進めているわけでございますが、その修理のめどがつき次第、新定係港の選定に入りたい、こういう手順で現在進めている次第でございます。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 そうすると、修理というものに大体どれぐらいの期間がかかるのでございますか。

石渡鷹雄科学技術庁長官官房参事官

○石渡説明員 修理及び原子炉回りの点検を含めまして約三年を計画いたしております。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 そうすると、母港については現在のところ全く白紙だというふうに御答弁がありましたが、これも地元でこれからいろいろ議論を呼ぶことだろうと思います。  そこで、先ほどの再処理工場と同じような質問になるわけでありますが、地元の合意の手続というものは、あらかじめできるだけ明確、詳細にして、十分安心のいく、ゆっくり考えて地元の意向が明確になっていくということが、ある意味では国策を円滑に推進するための重要な要素だと思うのです。そういった観点からお伺いするわけでありますけれども、この「むつ」の母港化についても当該町村、県の同意、地元においては安全性その他十分に考えて合意が得られるまで、国として無理押しをして進めるというようなことは決してないと考えてもよろしゅうございましょうか。

石渡鷹雄科学技術庁長官官房参事官

○石渡説明員 新定係港の問題につきましては、地元の御理解と御協力を得るというのが大前提と考えておりますので、先生の御理解のとおりであるとお答え申し上げます。

保岡興治自由民主党

○保岡分科員 原子力開発の必要性あるいはそれにまつわるいろいろな国際的な問題もあって、政府も御苦労だと思うのでありますけれども、またそういった政策の推進に当たっては地元の同意が非常に重要であるということはいま申し上げたとおりで、これについてきちっとしたことをしないと、かえって混乱になる。適地、候補地などについては事前に十分お話をなさって、地元の合意というものをはっきりさせてから計画を推進していただきたい、このように希望いたしまして、私の質疑を終了いたします。ありがとうございました。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 保岡君の質疑は、これにて終了いたしました。  次に、小川省吾君。

小川省吾日本社会党

○小川(省)分科員 わが国の繊維産業は、戦後いち早く他の業種に先駆けて復興して、あの混乱をした戦後の世相の中で国民の衣料を確保して、輸出の増進によってわが国の経済自立に大きな貢献を果たしてまいったわけであります。しかし、いま繊維産業をめぐる情勢は非常に大きな変貌を示して、発展途上国の追い上げや、あるいはまたさまざまな要因と相まって、その産業としての基盤をすら揺るがせられているのが実情だというふうに思っています。そこで、いま繊維産業の直面をしている緊急な課題の幾つかについてお尋ねをしてまいりたいと思います。  発展途上国の追い上げや、あるいは内需の不振等によって業界が厳しい不況にあることは御承知のとおりでありますが、構造改善事業資金や、あるいは臨時繊維産業特別対策等の融資の返済すらきわめて困難だというような状態になっているわけでありますから、これらの借入金の返済猶予やあるいは返済期間の延長についてどう取り組んでいただけるか、まずお伺いをしたいと思います。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 いま御指摘のとおり、繊維関係は大変苦境にあるわけでございますが、特に中小企業に関連いたしましては、繊維関係の制度融資の返済猶予につきまして、従来から個々の実情に応じてきめ細かく配慮いたしておるわけでございます。さらに最近のお示しのような不況状況にもかんがみまして、政府関係の中小企業金融三機関等に対して、改めて先般通達を出しまして、個々の中小企業者の実情に応じまして返済条件の緩和、それからいま御指摘のございました最終期限到来時における期限延長等に関しましてもきめ細かく配慮するよう指導をいたしているところでございます。

小川省吾日本社会党

○小川(省)分科員 きめ細かい指導をやられておりますので、安心をいたしました。  市中在庫が増大をしている現況ですから、いまやはり操短を実施をして、市況の回復を図る必要が何としてもあるのではないかと思っています。取引の改善やあるいは不況の回復のために操短を実施をするとなりますと、長期低利の融資、いわゆる金がたくさん必要でございますので、この長期低利の融資等についてもその通達の中には含めて、今後の金融の円滑化ということについても御指導をなさっておられるのかどうか、お伺いをいたします。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 いま申し上げましたのは三機関の既往の累積債務に関しまして、返済猶予ないしは返済期限が到来しましたものについての処置についての通達でございますが、いまお話のございました在庫金融といいますか、運転資金の金融というふうな面につきましてはちょっと対象も異なりますし、また態様も異なりますので、通達の中には含めておりませんが、在庫凍結に対する金融ということを含めまして、これは個別な方法で指導してまいりたい、このように考えております。

小川省吾日本社会党

○小川(省)分科員 特に私は、やはりいまの不況に対して操短の実施によって景気の回復を図るということが何としても必要ですから、その意味では、多額の資金を要しますので、個別の指導によってということですが、ぜひひとつそういう意味で強い指導をなさって、業界が立ち直れるきっかけをつくっていただきたい、こういう点を強く要望しておきたいと思います。  そこで、繊維産業というのはやはり体質そのものを改善をする必要に立っていると思うのであります。四十九年六月制定の繊維工業構造改善臨時措置法でありますけれども、私どもははたでながめておりまして、法制定の趣旨に沿って構造改善事業がどうも余り順調に進行しているのかどうか、ちょっと疑わしいといいますか、進行していないのではないかというふうにも考えておるわけであります。どうも構造改善事業を熟知をした、熟達をした指導者が不十分で、趣旨の徹底が期されていないのではなかろうかというふうに危惧をしておるわけでありますが、この辺はどうか。  それから、円滑に進めるための財政的な措置が不十分ではなかったのかというふうに私は思ったわけでありますが、この点については通産の方で実はむしろ金が余っておるということでありますから、実際には実施がおくれる、実施がやられていない、そのため、予算が余ってきているのが現状なんだと思いますが、その点についてはいかがですか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 四十九年に制定されましたいわゆる構造改善の新法でございますが、これの構造改善が進み方が遅いのではないかという御指摘でございます。確かに今度の構造改善、法律で目的としております構造改善はやはり従来と少し違っておりまして、現在の繊維産業のある状態を踏まえまして、垂直的な構造改善ということを、異業種間、異工程間の結合を含めまして、垂直的な構造改善ということを目的といたしておりますので、従来の観念を少し変える必要もございますし、業界の実態から言ってなかなか困難な面があったように思います。また、たまたまちょうど不況状況に逢着いたしまして、その中での構造改善の推進ということでございますので、その点でも確かになかなかむずかしい面があったように思います。そういうことで、四十九年制定以来、必ずしも順調に進んでいなかったというのは事実でございます。  そういうことを踏まえまして、実は一昨年の暮れから、繊維工業審議会の方で構造改善を推進するにはどうすればいいかということで一年ばかりかかりまして検討いたしまして、昨年の暮れに至りまして、構造改善の推進に絡めまして繊維工業審議会の提言ということが行われたわけでございまして、この中で諸般の問題を提言されております。私どもその提言に沿いまして、今後五十四年六月までの期限内にできるだけの努力をいたしまして構造改善の推進を図りたい、このように考えております。したがいまして、資金面から言いまして、おっしゃいましたように、用意いたしました構造改善の金融、財投で食いましたもの、十分に消化していなかったということは事実でございまして、財政面からは十分な手当てが現在できておると私どもは考えております。

小川省吾日本社会党

○小川(省)分科員 いまもおっしゃったように、五十四年の六月でありますから、これは何としても必要なことでありますから、いま御答弁のようにお進めをいただきたい、このように思っておるわけであります。繊維産業としては、どうしてもいわば見込み生産方式といいますか、これがつきまとうわけでありますから、そういう方向に切りかえていく必要があるわけでございます。繊維産業の持つ古い体質から、流通面でのいろいろな改善が必要だと思っています。消費者のニーズに沿った企画や、技術開発あるいはマーケッティングリサーチ、あるいは生産などが一貫をしたそういう体制づくりの指導を強めていかなければならないと思うわけでありますが、どんなふうにやっておられるのか。あるいは卸売価格が下落をしているのにもかかわらず小売価格が上がるというのはやはり流通構造に問題があると思っておりますし、流通改善というのは繊維産業の構造的改善の中できわめて重要な要素の一つではないかと思いますが、その点いかがですか、流通問題について。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 繊維の流通に関しましては、先般やはり繊維工業審議会の提言におきましても、その複雑性、迂回した流通構造、返品問題と取引の前近代性が指摘されているわけでございます。おっしゃいましたように、繊維の今後の構造改善に当たりましては、その流通構造の改善ということが非常なポイントであろうかと思います。異業種、異工程間の垂直的連携を中心といたしました新しいこの繊維構造改善法によりますところの構造改善事業の推進を通じまして、流通の迂回性とか複雑性というものを克服し、生産、流通体制の総合的な効率化を推進してまいりたい、このように考えております。  不当な返品の排除とか決済条件の健全化といった取引の近代化に関しましては、実は昨年繊維取引改善委員会というものの報告が出まして、これに基づきまして、昨年の秋、繊維取引近代化推進協議会というものができまして、ここにおきまして鋭意そういう検討をやっておるわけでございますが、本年繊維取引憲章というものの制定を一応した段階でございまして、今後さらに標準契約書の作成とか、その普及等の事業を積極的に推進してまいりたい。そういうふうな方向で、相当時間がかかるかと思いますが、取引の近代化ということに努めてまいりたい、このように考えておる次第でございます。

小川省吾日本社会党

○小川(省)分科員 また大きな問題として輸入規制の問題があります。蚕糸事業団による生糸の一元輸入は、農業と産業との調和ある発展という意味で必要だと思っています。しかし、最近では大変輸入価格も国内価格にしわ寄せをされてきているのが現状だろうと思っています。そこで、まず一元輸入をされた糸を、実需者に必要な数だけ直接大量に配給するような方法はとれないものかどうかという点であります。  昨年の八月十九日ですか、大蔵と、農林と、通産とで絹業安定緊急対策としての了解事項としての4の中に「輸入生糸については、日本蚕糸事業団からいわゆる実需者売渡方式により糸価安定及び」「速やかに実需者に渡るよう生糸一元輸入制度を運用する。」こういうふうにありますが、そのように実需者に速やかに渡るようにやっていっていただけるのかどうか。それから、生糸一元輸入を定められた後、二国間協定等によった以降、特に生糸じゃなくて撚糸や絹織物による繊維輸入が激増をして、絹業を圧迫をしている状態にあるわけであります。いわゆる二〇%の関税カットというのは昨年の段階で取りやめたわけでしょうが、関税をさらに上乗せをするとか、あるいは輸入業者を規制をするとかというような方法によらなければ、生糸以外の撚糸や絹製品の輸入によって国内業者がますます圧迫をされるということになるわけですから、生糸以外の輸入について、規制を何としても強めていく必要があろうというふうに思いますが、その点についてはどういうように取り組んでいただけるわけですか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 最初に、生糸の実需者割り当ての件でございますが、昨年の夏、三省覚書をつくりまして、なるべく生糸の一元輸入制度下におきまして、絹織物業者等が必要といたしまする輸入生糸を安価に安定的に入手できるようにということで、実需者割り当てをなるべく推進する、こういうふうに取り決めたわけでございますが、五十一年度におきましては、一応一万四千俵を二回に分けましたが、一万四千俵が実需者割り当てで行われたわけでございます。  来年度、五十二年度につきましては、実は農林省と相談中でございますが、生糸の輸入可能量によります契約がございますが、実需者の計画的引き取りにつきまして、四半期ごとに、あらかじめ両省で期別の数量を定めまして実施いたしたい、このように考えておるわけでございます。  次に、一元輸入に伴いますところの絹製品の輸入増加にどういうふうに対処するか、こういうお話でございますが、生糸、絹織物につきまして、最大の供給国でございますところの中国、韓国との間で、昨年二国間協定を結びまして、輸入の秩序化に努めてまいったわけでございます。そのため、一応両国間におきましては、安定的な状態になっておりますが、あわせてこれを実効あらしめますために、貿管令に基づきます事前確認制を含む各種の措置を講じておりまして、大体現在のところ秩序ある輸入という体制になっておるかと思います。  なお、現在の国内の繊維業界の窮状、需給の不均衡等を考えますと、来年度につきましても現在の輸入管理体制は維持しなければならぬと考えておりますし、かつ、二国間協定も締結せざるを得ないというふうに考えております。現在、韓国と交渉中でございますが、中国ともあわせて交渉をいたしまして、十分目的に沿えるようにいたしたい、このように考えております。

小川省吾日本社会党

○小川(省)分科員 生糸以外の絹製品については、ぜひ排除といいますか、規制をして、日本の綿業を圧迫しないようにしていただきたい。同時に、昨年はいわゆる実需者売り渡し方式で一万四千俵やったと言うのですが、ことしはぜひひとつ計画的にということですが、大量に実需者の手に渡るように取り組んでいっていただきたいというふうに思っています。  最近、アパレル産業といいますか、そういう部門がかなり伸びてきているようであります。しかし、そう歴史を持っていない部門ですから、未成熟な面がありまして、集約化や専門化等を、自立強化を図りながら、消費者の需要が非常に多様化をし、高級化をし、個性化をしてきているわけでありますから、そういうものに対応していくというか、即応できるようなアパレル産業の体制づくりというのが必要だというふうに思っております。  通産の行政指導は、そういう点、何か業界任せというような感が、構造改善事業の面でも業界に任せ切りというふうな面もあるような感じがいたしますので、ぜひひとつ指導を強めていかなければ、生産業自体が非常に危険な時期に当面をしておりますので、行政指導というものをもっと強めていっていただきたいというふうに思うわけです。  たとえば、国内に一億一千万の需要があるわけですから、そういう点では和装等についても需要の開拓であるとか、あるいは情報部門等は当然通産省が行政指導の面で担当をしていってもいい部門ではないかというふうに思っています。先ほどの三省了解事項の中の三項でも「絹製品に関する新商品及び新技術の開発並びに需要の振興に資するため、昭和五十二年度において必要な施策の充実を図る。」というふうになっておるわけでありますから、そういう面での行政の指導というのが非常に重要になり、ウエートを占めるというふうに私は思っていますが、どんなふうに施策の充実を図っていかれるお考えですか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 アパレル産業が将来の繊維産業の中核として構造改善を進めてまいるための一つの戦略的部門であるというふうに私どもも考えておりまして、従来、確かにこの部門につきましては行政の手が非常に伸びていなかったということはおっしゃるとおりでございまして、本年度あたりから特にこの辺には強力にてこ入れをしていきたい、このように考えております。  昭和五十二年度におきまして、アパレル産業に関しまして初めて、金額はそう大きくございませんが、その調査審議等のためにシステム化対策費として金額を計上いたしております。  また、先ほどお話のございました絹業振興対策といたしましては、絹業振興のための費用といたしまして、構造改善事業協会に一億円の出資をいたしまして、これを運用いたしまして絹業振興のために万般の措置を講じてまいりたい、このように考えておる次第でございます。

小川省吾日本社会党

○小川(省)分科員 三省了解事項の中でも、五十二年度は施策の充実を図るというふうにうたっておるわけでありますから、ぜひひとつ腹を据えて取り組んでいただいて、繊維業界の浮沈にかかわる問題に対して力点を置いていただきたいというふうに思っています。  ずっと局長にお答えをしていただいたわけでありますが、最後に大臣に一言お伺いをいたしたいと思うのです。いずれにしても、現在二百七十万の繊維産業に働く者がおって、その後ろに一千万人ぐらいの繊維産業に関連をした国民がいるわけであります。繊維産業がそういう厳しい国際競争の中で、国民経済の中でその位置を保っていくためには、消費者の需要に沿いながらも、良質で、しかも安い製品をつくって供給できる、そういうように業界をしていかなければならぬし、そのために生産流通体制等も早急に整備をしていかなければならないと思うわけであります。個人企業の創造性や活力というものも十分に生かしていかなければなりませんし、とにかく一億一千万の内需もあるわけでありますから、情報の処理や需要の喚起、そういうような面については積極的な通産の行政指導が要請をされると思うわけでありますが、大臣の決意のほどを一言だけお伺いをしたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 御指摘のとおりに、今日、わが国の繊維産業は、長期にわたりまする不況の影響に加えまして、国際競争力の低下でありますとか、国内需要構造の変化等への対応の遅い等の構造的な要因によりまして非常に不況に陥っておる次第でございます。しかしながら、繊維産業が衣料品等の国民生活に不可欠なものを供給するものといたしまして、国民に安定した就業機会を提供するという重要な使命を持っておる次第でございます。このような国民生活産業につきましては、安定と繁栄がきわめて重要な課題でありますことはいまさら申し上げるまでもございません。このために、短期的には不況からの早期脱却を図りますとともに、昨年の十二月に行われました繊維工業審議会の提言の方向に沿いまして、知識集約化を目指した構造改善を従来にも増して徹底して推進いたす考えでございます。発展途上国との競合の度合い、また高付加価値分野に重点を移しまして、消費者需要に適応した製品を十分に供給できまするような産業へと発展させることが最も肝要であると存じます。  今日、日本の当面いたしました幾多の困難な経済状況の中におきまして、この繊維工業に関しまする対策というものが、通産行政といたしましては最も重要な問題である、かように心得ておる次第でございます。

小川省吾日本社会党

○小川(省)分科員 大臣のただいまの御答弁のような対処でぜひひとつ行政を進めていっていただきたい。私は、この面の行政指導がいかに強かろうとも国民から反発を受けることはないと思いますし、ぜひ、業界全体の浮沈にかかわる問題でありますから、重ねて強く要望をして、私の質問を終わります。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 これにて小川君の質疑は終了いたしました。  次に、上田卓三君。

上田卓三日本社会党

○上田分科員 今日、全国の中小企業者は、地域社会に密着し消費者に直結した努力で国民生活の向上に重要な役割りを果たしております。ところが近年、大企業が資本力をかさに着て、直接あるいは子会社などを通じて、中小企業の分野に進出をしてきております。中小企業者の存立基盤を大きく脅かしておるわけであります。このような状態に対して、中小企業事業分野確保法の早期制定運動が全国的に進められておることはすでに御承知のことだと思います。  そこで、通産大臣にお聞きいたしますが、中小企業分野調整法案の要綱が出されておるわけでありますが、それによりますと、同法の適用範囲には、中小企業の三分の二に当たる約二百万店近い中小企業が除外されているが、それはどういうわけか。また、業種指定を行わず、進出について事前チェックもできず、その規制においても勧告の域を出ないなど、また命令、罰則の規則も定めていないなど、中小企業の願いとはほど遠いものと思われるが、どのようにするのか御見解をお伺いいたしたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 分野調整法は御案内のとおりにまだ正式の提案はいたしておりません。たまたまドラフトが新聞に出ましたのでありますが、いまだ各省庁間の調整の段階にある次第でございますが、政府としましては、先般の中小企業政策審議会の意見具申を尊重いたしまして、法案を提出すべくただいま鋭意努力いたしております。  この意見具申にも述べられておりまするとおりに、小売商業における分野調整問題は小売商業の特性に即応し、地域的な調整を活用する方向ですでに大店法及び商調法が制定せられておりますので、その体系にゆだねまして、分野調整法は小売業を除きました以外のあらゆる業種を対象としてその法律を位置づけておることはごらんのとおりでございます。  かような次第で、それを除くと申すよりも、小売関係の商業関係は大店法、商調法、これにゆだねまして、その他の分野におきまする調整をいたす、こういうのが法の本題でございます。

上田卓三日本社会党

○上田分科員 分野調整法から、いわゆる中小企業の分野法と言いながら、中小企業の圧倒的部分を占める小売店舗を除外しているということに対して大いに不満であります。  いま通産大臣から、小売については大店法あるいは商調法の運用の改善とか、あるいはいわゆる小売業者と大企業や大型店舗との紛争の調整を進めるというような御趣旨のようでありますが、しかし、今日大店法の規定によるところの千五百平米の規制ではどうにもならないという現状が各地区に起こっておることもすでに御承知のことだというふうに思うわけであります。各自治体においても大規模小売店転出協議要綱などを作成しておるわけでありますが、これらに対して一体基準となるべきものを必ず示す必要があるというように思うわけでありますが、その点についてお伺いしたいと思います。

織田季明通商産業大臣官房審議官

○織田政府委員 いま基準とおっしゃいましたのは、基準面積ではなくて、要綱等についてのお話でございますか。

上田卓三日本社会党

○上田分科員 そうです。

織田季明通商産業大臣官房審議官

○織田政府委員 御承知のように、いまお話がありましたが、各地方自治体におきまして基準面積以下の部分につきまし要綱あるいは場合によっては条例をつくっておるところがございます。  私の方といたしましては、千五百未満につきましても行政指導をすることとしておりますが、地方自治体がそれに協力する意味におきまして要綱あるいは条例等で行政指導を行うことについて余りかれこれ言うこともないし、また地方の実態に即した行政指導を行うことでございますから、これという指導も行わなくても一番地方の実態に即したようにやってくれるというふうに考えておりますが、ただ、熊本条例のように罰則を加えて、あるいは大店法以上に厳しいような規定を設けた条例につきましては、妥当性を欠くものとして好ましくないという考えを持っております。  繰り返し結論的に申し上げますと、要綱とかあるいは罰則のつかないような行政指導に近いようなものにつきましては、適当な相談に応じながら地方の実情に即して運営していくのを見守っていきたいというふうに考えております。

上田卓三日本社会党

○上田分科員 熊本の条例などによりますと罰則規定があるわけでありまして、それに対して遺憾だというような考え方でありますが、私は当然のことではないか、こういうように思っておるわけであります。それだけじゃなしに、大阪では、東大阪なりあるいは堺、豊中等においても、罰則規定はありませんがやはり一定の規制を加えるべきだということで行っておるわけでありまして、こういうものについてもやはり大店法なり商調法がなまぬるいあるいは適用されていないということから来ているものではないか、こういうように思うわけであります。  さて、もう一点お聞きしたいわけでありますが、建築基準法の建築確認などの事実が先行いたしまして、そのために紛争がこじれ、大店法の調整の実際的な効力がますます乏しくなっておるわけであります。調整が完全に完了するまでは建築確認を許可しないなど、大店法と建築基準法をリンクすべきではないか、このように考えておるわけでありますが、これについての御見解をお伺いいたしたいと思います。

織田季明通商産業大臣官房審議官

○織田政府委員 建築確認の問題は建築法の問題でございますし、大店法は御承知のように別の体系をとっているわけでございますが、地方自治体におきましては、建築部と商工部あるいは関連のところが事実上連絡をとって、相互の関係を緊密にしながらやっているところがあることは事実でございます。  しかしながら、法律的に考えまして、御承知のように、大店法は届け出を出しまして一定の期間たったら商売ができるという仕組みでございますから、建築がどうのこうのということと無関係な形で法律ができているわけでございますので、この間の体系を変えるというのは容易なことではないといいますか、なじみがたい話でございまして、御質問にこたえていないわけでございますが、これはまことにむずかしいのではないかというふうに考えております。

上田卓三日本社会党

○上田分科員 そこに大きな問題があるわけでありまして、各地域においていろいろ紛争が起こっておるわけであります。そういう点で、私はいまこそ思い切って大店法を改正することが最も必要ではないか、こういうように考えるわけであります。  特に改正すべき要点につきましては、まず第一に、規制対象面積を現在の千五百平米からやはり千平米ぐらいに引き下げるべきではないか、こういうふうに考えるわけであります。二点目には、何といってもこれらの問題については地方自治体が非常に実情に詳しいわけでありますから、また多くの関心を持っておるわけでありますから、地方自治体の規制措置がやはり一番大事なことではないか、こういうようにも思っておるわけであります。三番目には、商調協における審議基準をぜひともつくる必要があるのではないか。先ほど私はその点について申し上げたわけであります。四番目には、新増設は商調協結審後に建築確認申請を行うこととするという形で明らかにする必要があるのではないか。五番目には、中小企業が共同して行う共同店舗改造に対する助成強化などを行う必要があると思いますが、その点について明確にお答えを願いたいと思います。

織田季明通商産業大臣官房審議官

○織田政府委員 初めの基準面積の点でございますが、御承知のように、ただいまは政令都市で三千平米以上、それ以外の都市で千五百平米以上でございますが、この点につきましていろいろ御議論のあることは承知しておりますが、ただいまのところ、千五百平米以下につきましては小売商業調整法によるあっせん、調停等によりまして、また行政指導によりまして対処することとしているわけでございます。また、消費者のことを考えますと、消費者利益の保護ということが大店法の法目的の一つでございますので、千五百あるいは三千平米を改正して下げるということは慎重に考えなければいけないことではないかというふうに考えている次第でございます。  第二番目の地方への権限の委譲でございますが、流通の近代化あるいは流通対策というものは、全国的に整合性のとれた行政政策を行うべきであるということから考えまして、現在のように大きな部分については国が統一的にやるのが適当ではないかというふうに考えておりますが、ただお話がありました地方の者が実情を一番よく知っているのではないかという点につきましては、私の方もいろいろ意を配りまして、現在商調協におきまして地方自治体の職員が参与として参画をしておりますし、また届け出がありましたらその届け出の内容は地方自治体にもすぐ送付しておりますし、そのほか緊密な連絡をとりながら、地方自治体の意見が大店法の運用に反映されるよう十分配慮しているところでございます。  第三番目のルールの点でございますが、現在私のところで審査指標というのを作成しておりますが、これは必ずこれでやれという基準のようなものではございませんが、地方の実情によりまして、役所がいろいろ画一的なものをつくっても、実際の地方の実情に適合しない場合もありますが、しかしながら、一定の指標、メルクマールのようなものがあればいろいろ便利なところもあるし、また商調協の運営がスムーズにいくということも考えまして、現在鋭意そういう指標をつくることを急いでいるわけでございます。  あと、最後の点につきましては長官の方から答弁させていただきます。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 最近、小売商の問題に関連をしましていろいろの問題が起こっておりますことは私どもも十分承知をいたしております。紛争の円満なる解決ということも一方の問題でございます。それと同時に、やはり小売商は力を合わせてこれらに対抗する力をつけていくということが重要な課題であると私どもも思っておるところでございます。  その意味におきましていろいろの手段を講じておりますが、いまお話がございました中小企業者が集まって、寄り合い百貨店あるいは寄り合いスーパーのような形で消費者に喜ばれる店づくりをする、これは私どもとしても大変重要な課題であると受けとめておる事項でございます。このような形態につきましては、従来から中小企業振興事業団の助成を行いまして、非常に安い金利でしかも長期に資金を提供いたしまして、こういった寄り合い百貨店あるいは寄り合いスーパーづくりを応援をしてまいっております。  私、いままでの実績を見ておりまして感ずることは、幾つかのお店が集まって一つの建物の中に入るというだけでは問題が解決しないのでございまして、そのお店に入っておる小売商の方々が一緒に力を合わせて、そのお店全体の機能をいかに発揮するか、こういうふうな面で努力をするということが特に大切なように思います。したがいまして、私どもは、こういった寄り合い百貨店、寄り合いスーパーの建設に至るまでの段階で十分指導をし、また、できてから後もその運営について相談にあずかる、こういうった点に今後とも特に力を入れていきたいと思っております。

上田卓三日本社会党

○上田分科員 時間もございませんので、本当に、通産省なり中小企業庁の考え方に対してはやはり不満であります。やはりいまこそ大店法を思い切って改正すべきだ。運用でやっていくという気持ちはわからぬこともないですけれども、やはりそれでは小売業の皆さん方の期待に沿うことはできない、このように思うわけであります。別途機会を持ってこの問題については追及してまいりたい、このように思うわけであります。  次に、勤労国民の生活と食卓にきわめて重要な魚資源の問題につきまして二、三御質問申し上げたい、このように思います。  米ソの二百海里水域で最も深刻な打撃を受ける業種あるいは魚種は何か、お答え願いたいと思います。

塩飽二郎水産庁漁政部水産流通課長

○塩飽説明員 御指摘の日米交渉、あるいは今後三月十五日から東京、モスクワで行われます日ソの漁業交渉、これらの漁業交渉におきまして、わが国の漁獲量に最も影響があるのじゃないかというふうに私どもが予想しておる魚種としては、数量からいいましてスケトウダラあるいは場合によってはサケ・マス等にも影響が及ぶのではないかというふうに考えております。

上田卓三日本社会党

○上田分科員 外国の二百海里水域内でのわが国の漁獲量の八〇%、いわゆる二百八十万トンがスケトウダラと言われておるわけであります。このスケトウダラは、国民の食生活に重大なる影響を与える戦略的魚種として理解してよいか。またスケトウダラの用途をあわせて説明をしていただきたいと思います。

塩飽二郎水産庁漁政部水産流通課長

○塩飽説明員 御指摘のように、昨年で二百八十万トン程度の水揚げ量を日本の漁業がスケトウダラについては行っております。確かに、スケトウダラの用途といたしましては、すり身をつくりまして、それを通じて最終的にはかまぼこその他の練り製品の消費に向かう、それからミールの形にしまして畜産の重要な原料になるというような意味合いにおきまして、国民生活あるいは加工業界の原料として非常に大きなウエートを占めておる魚種でございます。

上田卓三日本社会党

○上田分科員 日米漁業交渉では、スケトウダラはこれまでの漁獲実績の一六%減になっているわけでございます。当然、十五日から始まるところの日ソ交渉でも同じように何%かの減が見込みされるわけでございます。最近のスケトウダラの価格動向は、こうした入荷減少を見込んで暴騰しているわけであります。最近の生産地市場価格はどう推移しておるのか、お答え願いたいと思います。月間平均値だけではなしに、ことしに入っての各月の高値もあわせて説明をしていただきたい、こういうように思います。またさらにすり身、ミールの値動きについても同時に説明をしていただきます。時間の関係がありますので、ひとつ簡単にお願いいたします。

塩飽二郎水産庁漁政部水産流通課長

○塩飽説明員 おおむね昨年の同期に比べまして八割程度の値段で推移しておると私どもはつかんでおります。それからすり身につきましては、昨年の同期に比べまして二〇%ないし三〇%程度のアップというふうに見ております。

上田卓三日本社会党

○上田分科員 スケトウダラは昨年の三月に比べてことしの三月では約二倍ないし三倍になっておるわけであります。たとえば去年の三月は四十九円であったわけですが、この三月に入って平均して百円前後になっている。この一月では釧路では五十六円、八戸では五十四円、二月に入りますと釧路で七十二円、八戸で七十四円ということでありまして、今日、百円前後と言いましたが、その日によっては百三十円から百五十円というような高値を呼んでおるわけであります。こういうような実態はいわゆる異常な高騰ではないか、こういうように考えるわけでありますが、その点について見解をお聞かせ願いたいと思います。

塩飽二郎水産庁漁政部水産流通課長

○塩飽説明員 御指摘のスケトウダラの値段の上昇については確かに事実としてそういう事実がございますけれども、スケトウダラの加工の重要な行き先といたしましてタラコがございます。タラコの値段が昨年の秋ごろから非常に高騰いたしておりまして、需要が高いということからタラコの価値がスケトウダラにも反映しているという面が一つあろうかと思います。それからもう一つは大豆かす、これは畜産のえさの原料といたしまして非常に重要な原料でございますけれども、これが、アメリカにおける大豆の作付面積が昨年かなり減少したというようなこともございまして、世界的にたん白質のえさの値段というものは上昇している。そういうことを反映いたしまして日本国内における魚かすの値段がかなりアップしておるというようなことから、スケトウの製品の値段の上昇がスケトウダラに反映をするというような面は否定できないのではないか。それから、去年に比べますとかなりいい魚体のものがとれているというような事実もございまして、先生の御指摘になりましたような非常に投機的な要素が入っているのじゃないかということ、そういう要素も若干ないとは言えないかと思いますけれども、いま申し上げましたような要素が基本的な要因ではないかと見ております。

上田卓三日本社会党

○上田分科員 それは非常におかしいと思うのです。いわゆる水揚げ量は、過去半年あるいは一年間見ましても、特に去年の三月の時点で十一万トン水揚げがあった、ことしの三月は十四万トンということで、約三万トンふえているのですね。あるいはことしに入ってからも三〇%、四〇%というように水揚げがふえているにもかかわらず値段が三倍も四倍も上がっているということは、私はいまあなたが説明した理由で国民は納得しないのではないか、こういうように思っておるわけであります。特にあなたがおっしゃったように、品物が少しようなっているとかいろいろな理由を出されておると思いますが、この問題については、特に異常な価格の上昇というものは、加工業者への買い付け資金を供給をしているんじゃないか、本当にそういう意味では大商社とか大手の水産業者が背後で価格操作をしているじゃないかという疑いを持っておるわけでありますが、その点についてもう一度お答え願いたいと思うのです。

塩飽二郎水産庁漁政部水産流通課長

○塩飽説明員 御承知のように現在の揚がっておりますスケトウダラは北転船等によって釧路等の水揚げ港に揚げるわけでございますけれども、揚げた直後に産地の市場で競りないしは入札の形で取引が行われておりまして、そういう市場に対しては、卸売市場法に基づきます都道府県知事の監督のもとに置かれた市場でございまして、一応そこでの取引は公正な需給事情を反映するような形になっております。ただ、先ほど冒頭に先生おっしゃいましたように、今後予定されております交渉等によりましてはスケトウダラの漁獲量にかなりの影響が出るのじゃないか。その影響の度合い等につきましてはかなりの不確定な要素がなお残っておりますので、そこら辺がスケトウの需要者である加工業者等の不安、そういうものが売買の際にかなり影響しておるのじゃないかというふうに私どもは見ております。

上田卓三日本社会党

○上田分科員 二倍、三倍と言いましたが、ちょうど一九七四年に比べますと五倍ぐらい上がっておるわけですね。これは異常と言わざるを得ないと思うのです。これはやはり二百海里水域の問題を見越して、大資本が加工業者に対して資金を提供するなどして相当価格操作しておるということで、いわゆる買い占め、売り惜しみの徴候が大いにあるというふうに言わざるを得ないというように思うわけであります。特に釧路、八戸などの産地にあるところの冷凍倉庫をあけてみればはっきりとこのことが裏づけられるのじゃないか、こういうように思うわけであります。こうした買い付け投機の張本人が一体だれなのか特定することがはっきりとできるというふうに思います。そういう意味で、倉庫に満杯のスケトウダラを三回、四回と転がして金もうけをしておるという実態があるわけでありますが、これについて究明する意思があるかどうか、ひとつお聞きしたいと思います。

塩飽二郎水産庁漁政部水産流通課長

○塩飽説明員 先ほど申し上げましたように、価格の高騰の要因といたしましてはそういった特定業者の投機的な動きも若干あるかと思いますけれども、(上田分科員「若干じゃないですよ」と呼ぶ)先ほど申し上げたような要因もございますので、そこら辺も勘案いたしながら関係の業界に対していろいろ調査も進めてみたいというふうに考えております。

上田卓三日本社会党

○上田分科員 冷凍倉庫の中をあけて調べてくれるのですね。買い占めの実態というものを明らかにしてくれるのですね。答えてください。

塩飽二郎水産庁漁政部水産流通課長

○塩飽説明員 現在までのところ、すり身の需要者でありますかまぼこ業者等から買い占め等のために原料の入手が著しく困難になっておるというような事情は私どもは聞いておりませんけれども、必要があればいまおっしゃったようなことについても検討いたしたいと思います。

上田卓三日本社会党

○上田分科員 検討じゃなしに、私が業者からそういう訴えを聞いておるからそれを代弁して言うておるのですからね。そういう業者からないというような形でお茶を濁すべきでない。だから、そういう事実があると言っておるのですから冷凍倉庫をあけてください、調べてください。必ず買い占めしておるのですから。だからそういう事実を私は言っておるのだから、やはり検討というのじゃなしに調べます、こうお答え願いたいと思うのです。

塩飽二郎水産庁漁政部水産流通課長

○塩飽説明員 御指摘のような方向に即しまして対処いたしたいと思います。

上田卓三日本社会党

○上田分科員 スケトウダラは国民の食生活全体にとってきわめて重要な基礎的品目に数えられるものであります。かつまた、これらが二百海里ショックに便乗する形で悪質な投機買い占めの対象となっており、国民生活にもまたしても被害を及ぼすという恐れは十分である、このように思うわけであります。この際、単なる調査などというものでなく、調査すればはっきりするわけでありますから、そういうことの前提に立って一つ申し上げたいわけでありますが、四十八年にいわゆる商社によるところの買い占め、売り惜しみということで異常な高騰があった折に、いわゆる生活関連物資の買い占め、売り惜しみに対する緊急措置に関する法律が制定されましたですね。その法律に基づいてスケトウダラを品目指定をして、そしてそういうような法的な背景でもって倉庫の立ち入り調査など、政府が買い占め、売り惜しみの防止に積極的に乗り出す必要がある、このように考えておるわけでありますが、その点についてひとつお聞きしたい。

塩飽二郎水産庁漁政部水産流通課長

○塩飽説明員 スケトウダラ等、水産物につきましては、原則といたしまして産地市場、先ほど申しましたような卸売市場法の適用を受ける市場におきます競りその他の取引が行われている物資でございまして、値段の高騰がありました場合にも一応第一義的には卸売市場法に基づく監督指導のもとに置かれておりますので、いまおっしゃった法律の関連等につきましては今後さらに検討をいたしたいと思います。

上田卓三日本社会党

○上田分科員 調査をして、そういう買い占め、売り惜しみという投機的な形でやられているとするならば、このいわゆる緊急措置に関してスケトウダラについても品目指定をするということは私は当然のことだと思うのです。だから、もしかそういう事実があったら品目指定をしていただけますね。答えてください。

塩飽二郎水産庁漁政部水産流通課長

○塩飽説明員 卸売市場等本来の水産物に関連いたします法案との関連、それからいまおっしゃいました法律の要件等を十分検討いたしまして、事情に応じましてはそういう場合もあり得るというふうに考えております。

上田卓三日本社会党

○上田分科員 そんなのんきなことじゃなしに、非常に逼迫した状況でありますから、早急にひとつ全組織を挙げてこの実態の調査、解明に当たってもらいたい。そんなのんきな構えをしておったら、あなた方自身がそういう買い占め、売り惜しみに加担しているのではないか、犯罪行為に対して手をかしているのではないかと言わざるを得ないと思いますので、その点についてひとつ篤と善処していただきたい、こういうように思います。  それだけじゃなしに、いま韓国産のワカメあるいはマグロの一船買い等についても大きな問題になっているわけでありますが、時間が来たようでございますから別な機会にこの問題について明らかにしたい、このように思っておりますので、最後にひとつ通産大臣の方からいまのことについて若干所見を述べていただきたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 流通機構の問題、なかんずく農林水産関係の流通の関係につきましては、通産省といたしましても農林省とよく連携をとりましてその改善に努めたい、かように思っております。

上田卓三日本社会党

○上田分科員 どうもありがとうございました。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 これにて上田君の質疑は終了いたしました。  次に、和田一郎君。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 私は、特に中小企業の人たちのことについて三つばかり質問したいと思います。  特に中小企業というのは御承知のとおり、そちらから出た資料でございますけれども、国民経済における地位は事業所数で約九九%、それから従業員数で七二%、とにかく物すごく大きなウエートを占めておりますし、また特にその中でも小規模企業といいますか、それが約八割強、こう言われております。いまのこの不況で中小企業自体がもう必死になって生きている、そういう現状でございますので、私もつぶさにそういうことを見てまいりまして、御質問申し上げたいと思います。  まず第一点は、小企業の経営改善普及事業で資金の融資制度がございます。これは非常に利用されておりまして、特に商業、サービス業で二人以下、それから製造業で五人以下の方々で、商工会または商工会議所等の経営改善の指導を受けた人たちが無担保、無保証での融資を受けておるわけでございます。非常にこれは有効に使わせていただいております。ただし、だんだん、だんだんと経営規模も中小企業また小規模企業とはいえ上がっております。ですから、商業、サービス業で二人以下、それから製造業で五人以下といういままでの枠ではちょっと実情に合わない、そういうような実態でございまして、何としてもこれは幅を広げてもらいたい、そういうような要望がございます。恐らく商工会または商工会議所の連合会等からも通産省に対しては強力な要請が出ていると思いますけれども、そのことについての今後に対する施策をひとつ御説明願いたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 お答えをいたしますが、ただいま御指摘のとおりに、中小企業なかんずく小規模企業におきましては、いろいろな施策の手が講ぜられます中で一番重要なのは金融の問題でございます。さようなことから、政府といたしましては、特に民間の一般の金融機関に依存いたしておりまする方々に対しまする信用補完制度といたしましていろいろつくっておりまするが、さらに直接の零細企業に対しまする資金といたしましては、御案内のとおりに国民金融公庫を中心といたしました無担保、無保証の零細企業を対象の資金を用意してございますが、これに対しましては約四千七百億という相当の枠を用意いたしたのでございます。そのほか政府管掌の三機関全体の枠も三兆六千億というようなわけでございまして、少なくとも金融の資金の面におきましては全力を挙げてこれが整備を整えておる次第でございます。  なおまた、信用保証協会その他の民間からの金融機関に対しまする信用補完制度につきましては担当の政府委員から詳細にお答えをいたし、和田先生の御意見も十分に拝聴いたしたい、かように考えております。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 いまお話しのございましたいわゆるマル経資金は四十八年に発足をいたしましたが、お話にもございましたように大変中小企業から喜ばれておりまして、それを背景に毎年事業規模を拡大してまいりました。それに伴いまして、いままでお話しございましたように、従業員が製造業であれば五人以下、商業、サービス業であれば二人以下というような制限を少し緩和してもらいたいという声が強く出てまいりまして、私どもも実態を見ておりますと、五人以下の層も五人以上の層も中身としてはやはり同じように経営が苦しいという実態にあるということも承知をいたしておりますので、何とかいたしたいと思いまして、実は来年度の予算編成におきましてこの対象を製造業であれば二十人、商業、サービス業であれば五人というところまで広げるべく大蔵省と折衝いたしました。ようやく予算の原案におきましてはそのような形が認められるところまで来ております。明年度になれば、いまお話しございましたような方向に沿ってこの制度が運営できるのではないかと期待をいたしておるところでございます。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 明年度になれば、予算が通る通らないという問題がございますけれども、そういうふうに拡大する。  そこで、その貸付対象者だけじゃなくて、次の質問は貸付期間の問題ですけれども、現在の貸し付けの設備資金は三年以内、それから運転資金は二年以内、このようになっておりまして、これまたちょっと忙しい、もう少し延ばしてもらいたいという声がずいぶんあるのですね。この点について、貸付対象を広げたのですからそちらの方もがっちりと広げてもらいたい、こういうことです。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 対象の拡大と同時に貸付条件の改善についても私どもいろいろ苦労をいたしておるところでございます。明年度の予算におきましては、従来設備資金につきましては三年までということになっておりますのを、据え置き期間を含めて三年半まで延長するということで大蔵省と合意を見、そのようなラインに沿って予算案を取りまとめていただいておるところでございます。これはやはり設備資金というものが設備を据えましてからそれが動き出して売り上げにつながってくるというまでに若干の期間がかかるというようなことを考慮いたしまして、従来の三年に加えて、六カ月の据え置き期間を含めて合計三年半という形にしたわけでございます。運転資金の場合には、いま申し上げましたような懐妊期間という考え方がなかなかとりにくいものでございますから、とりあえず従来どおりの二年で来年運用いたしたいと思っております。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 運転資金は全然変わりがないのですけれども、理由はどういうことですか。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 制度の改善につきましては、少しでも条件を改善していきたいということが当然受ける側の中小企業の希望であろうかと思いますが、やはり制度全体の改善というのは順を追って一番重要なところから改善をしていく必要があろうかと思いまして、実態を調べて見ましたところ、やはり貸付期間につきましては、設備資金が現にかなり上限に張りついておるというような事態を見ました上で、やはりここに特に重点を置いて来年度予算においては改善を図ろう、こういうことで、とりあえず設備資金についての改善を行ったわけでございます。運転資金につきましても、今後なお運用の実態を見ました上で、必要があれば改善を図っていきたいと思っております。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 次は、その貸し付けの限度額でございますけれども、現在は設備資金二百万でしょうか、運転資金が百五十万ですね。その方の限度額の枠の拡大はどうでしょうか。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 設備資金につきましては、いまお話しございましたように、従来の限度額は二百万でございますが、来年度におきましては、これを二百五十万まで上げるように準備をいたしております。最近の利用状況を見ますと、設備資金の貸し出しが平均して百四十五万円になっておりますので、大体限度が二百五十万であれば十分中小企業の期待に沿えるのではないかと思っております。  なお、運転資金につきましては、まだ平均の実績が百万円以下でございますので、これは従来どおり百五十万で運用いたしたいと思っております。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 これは、現実に借りたいという人たちの希望ではぜひこれも幅を上げてもらいたい、商工会議所の方の連合会等からもやはり運転資金を二百万、それから設備資金を三百万、このように大きく出ておりますので、今後ひとつ努力をしてもらいたいと思うのです。この点につきましての質問は時間がございませんので、これでとどめておきますけれども、ひとつ大臣、本当に何といいますか、小企業といいますか、この方々が本当に喜んでいるという制度、これをもっともっと育ててもらいたいということで、ちょっと大臣のこれからの抱負をお願いいたします。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 ただいま対象の拡大の問題、あるいはまた貸付枠に対しまする原資の問題をお話しいたしましたが、先般も商工会議所の会頭さんたちと懇談がございました際に、この小規模企業に対しまする無担保、無保証の問題は非常に皆さん方に喜んでいただいております。私はこの制度というものが、やはりこの平穏な日本経済の基盤をなしておりまする中小企業、ことに企業数から申しましても全体の九九・七というような中小企業の方々の無担保、無保証の問題につきましては本当にお役に立つことができる、いま先生の御指摘のとおりに、なお一層この問題は手厚くきめ細かく考えてまいりたい。御注意まことにありがとうございます。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 次は質問を変えまして、先ほども上田先生の方から質問がございましたけれども、大規模小売店舗の問題です。  これは各地で大変な騒ぎを起こしておりまして、私の選挙区なんかももう商工会の方々が白はち巻きで反対運動をやっておるという状況なんですね。私は、重複するかもわかりませんけれども、この問題について、ひとつまず大臣のお考えを聞きますけれども、いわゆる大型スーパーがどんどん進出してくる。まあ大都市とか中都市ぐらいになりますとそれほど心配はない、と言っては語弊があるかもわかりませんけれども、他のところからお客さんを引っ張れるという利点があるのですね。しかし、いわゆる町だとか村だとか、そういう小さい自治体の中心の、何と表現していいのですか、町並みのところにスーパーが出てくる。そうしますとその辺の商店は完全に売れなくなってしまう、こういうことなんで大変な問題です。また中都市なんかにもどんどん大型スーパーが出てくるということで、既存の小売店なんかは大変な神経をとがらしておる。そして法律では、売り場面積が千五百平米までは一応まあ規制ということですか、話し合ってやっていくということになっておりますけれども、千五百以下はこれは何でも構わないということになっておりますので、千四百五十ぐらいのものをつくって、そして一切法律に関係なくどんどん出てくるという実態がある。それからもう一つは、千平米以下ぐらいのをたくさんつくるのですね。そしてお客様をどんどん引っ張るというやり方、これは現実にあるわけです。しかし半面、消費者から考えれば非常に便利で、いいわけですよ。その点で非常にむずかしい問題だと思いますけれども、まず大臣はこの問題についてどう考えておられるか、ひとつお願いします。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 和田先生の御指摘の、ちょうどお話が出ました千四百五十という数字を今朝、役所におきまして私、話題にしたのでございます。しかしながら、いま御指摘のように、非常にお客様を引きつける力を持っておりますこの大規模小売店舗というものは周辺の小売業に影響を与えますことから、大店舗におきましては一応の基準というものを設定いたして、これが調整の対象といたしておるような次第でございます。  基準面積未満の小売店舗につきましては、小売商業調整特別措置法に基づきました都道府県知事のあっせん、調停、勧告の活用と、必要に応じた行政指導によりまして対処することといたしておりますが、これらの措置によって紛争が生じた場合も十分に対応できるものと考えておるのでございます。また一方、消費者利益の保護ということにも意を配ってまいる必要がございますので、現在、基準面積の引き下げをするということは適当でないのではないか。いまお話しのような千平米くらいなものをたくさんつくるとか、千四百五十のぎりぎりの線のものの進出とか、こういうふうなこともございましょうけれども、一応われわれは大規模店舗法の場合は通産大臣の所管としてこれに対する厳しい規制を与え、また商調法の関係では地元の県知事以下、地元の方々との密接な調整の運用の妙によりましてこれを解決してまいりたい、かように考えております。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 いま売り場面積の基準の引き下げを考えていないとおっしゃいましたけれども、これは県知事には一応指導を任せる、しかし実際問題として県知事も現在困っておるのです。ぜひこの法律の千五百というのを千平米に下げてもらいたい、これはもうあちらこちらで聞くのですね。この問題は、何とか千平米に下げられませんか、どうでしょう。

織田季明通商産業大臣官房審議官

○織田政府委員 ただいま大臣からも御答弁申し上げますように、現在のところ、千五百、政令都市においては三千平米が基準面積になっておりますが、その面積につきましては、消費者の保護あるいは地元小売商の営業機会の確保とか流通の近代化とか、その他いろいろなことを考えて設けられた基準でございまして、このもとにおきましてこれ以下の点につきましていろいろ問題が起きれば、先ほど大臣が答弁いたしましたように、小売商業調整法の調停、あっせん、勧告あるいは行政指導による調整等を通じまして対処していきたいと思っておりまして、ただいまのところ改正する気持ちはございません。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 ところが、店ができちゃうとどうしようもないのです、はっきり言って。やめろと言っても、これは大変な問題ですしね。ですから、やはりもう少し下げてもらって、そして地元の既存の商業者とよく話し合いができるという措置をもう少し強化してもらった方がよいと思う。たとえば大きな店舗を持ってくる、大体この辺で七千平米ぐらいに落ちつくだろうと見越して一万五千ぐらい申請するわけですよ。そしていろいろ話をして下げてやるという形が多いわけですね。ですから、これはいい悪いということは私はわかりませんけれども、やはり既存の商店を守る、中小企業を守るということも大事だと思うのです。千平米に下げてもらいたいという声がずいぶん多くございますので、時間がございませんからこの点はこれで終わりますが、今後ひとつよく検討してもらいたいと思うのです。  次に行きます。私、選挙区が栃木県なものですから、足利方面、両毛方面の繊維地方を抱えておりまして、現在、繊維の業者の話を聞きますと、全然動かないというのですね。ぴたっと購買力がとまったきりで全然動かない。どうなるか本当に不気味である。最近、脳溢血という言葉がはやっているそうです。いつどこの会社がころっといくかわからぬというのですね。それに対しての関連倒産は一体どうなるか。その中で細々と息づいておりますし、最近大きな問屋ががたっと倒れている例が多い、こういうのが現在の繊維の実情でございます。先ほども小川先生が質問されておりましたけれども、まず当面の繊維に対する不況対策、これについてひとつ御答弁をお願いいたします。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 繊維の不況につきましては、いま先生御指摘のように、私どもも大変頭を悩ましておるわけでございますが、全般的に申しますと、確かに需要が落ち込んでおるというのが一番大きな問題でございまして、一日も早く景気回復をいたしまして全般の需要の増進ということが基本的に必要かと思いますが、当面いろいろ非常にむずかしい問題が起こっておりまして、特に金融問題で既往債務の返済問題ということと在庫金融といいますか、運転資金金融という問題が当面の問題になっております。  そこで、既往債務の償還延期の問題とそれから既往債務の償還期限が来ましたものの措置につきまして、先般、当面の対策といたしまして中小企業庁の方と大蔵省の担当課長の通達をもちまして、一応政府関係三機関の既往債務につきまして、従来もきめ細かな償還延期措置をとってまいっておりますが、さらに事態に即応した態勢をとるようにという通達を出してもらったわけでございます。なお、償還期限の延期につきましても、期限が参りました時点におきまして、これもまたきめ細かい指導をするようにというふうな通達を出したわけでございます。  在庫金融といいますか、運転資金の金融につきましては、在庫が非常に累積する傾向もございますので、在庫凍結ということも考えまして、それを担保にいたします金融ということも個別に実態に即した方向で指導してまいりたい、このように考えております。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 対策に苦慮されておるのはよくわかりますが、どこか大きなところが倒産しますと、それに関連して、先ほど議論になったいわゆる小規模企業の人たちが大変なんですね。連鎖倒産、がたがたっとくる。この連鎖倒産に対する防止策、これは考えているどころじゃなくて、びしつとつくっておかなければならない問題だと思いますけれども、その点についてお願いいたします。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 連鎖倒産の防止につきましては、やはり政府系の三機関による融資制度及び信用補完制度を活用いたすというふうなことによってこれに対処してまいりたいと思っております。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 この問題はどうなんでしょうか、中小企業信用保険法に基づく倒産関連特別保証制度ですか、これは一つの保険のような形で倒産した企業に対して救済をする、こういうふうに思うのですが、ちょっとこのことについて、もしわかれば御答弁をお願いいたします。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 中小企業に対する信用補完制度として、いまお話しございましたように、信用保証協会を各府県に設け、それを中央においてバックアップするために信用保険公庫が設けられておりますが、その活動の一環といたしまして倒産対策を実施いたしております。  やり方は二つございまして、一つは不況業種の指定というやり方でございます。それから他の一つは倒産企業を指定いたしまして、それの波及といいますか、連鎖を防ぐというやり方でございます。これらの指定を受けますと、一般の保証のときの限度に加えまして特別に限度を高めた保証が行われる。したがって資金繰りが特に苦しい、たとえば連鎖倒産などの場合には、親からの手形が不渡りになるというような場合に、資金繰りをとっさにつけなければならない、こういうときに保証協会に行けばある程度別枠で保証をしてもらい、それをもとに金融機関から金融を受けられる、これによって連鎖倒産を免れる、こういうことがいまの制度として用意をされておるわけでございます。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 措置の内容として普通保険五千万であるとか無担保保険八百万ですか、このように具体的に出ておりますけれども、これは繊維の方はそれに指定されておるのですか。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 この倒産業種の指定は、昨年は実は景気が多少上向きになってきましたことを背景に逐次見直しをしまして、いま業種数がかなり整理をされてきております。手元にございます資料では、繊維はまだ対象になっておらないのが現実でございます。ただ私どもは最近の倒産状況を見ておりまして、当初予想しておりましたよりも非常に不況が深刻である、しかもごく最近に至っては逆に倒産がふえつつあるという傾向にある、こういった事態を非常に憂慮いたしておりまして、従来からの倒産関連業種というものをもう一回見直しをしてみる必要があるのではないかと思っておるところでございます。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 見直しの中にぜひひとつ繊維をつけ加えてもらいたいと思うのです。  それから、今後の繊維政策の進め方について、それから見直しの中に入れるかどうかについて、大臣の方から責任ある御答弁をお願いいたします。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 この繊維の問題につきましては、御案内のとおりに当面いたしました一番大きな問題でございます。ただいま御指摘のように不況業種の指定の問題等まずもって考えていかなければならないことと存じます。  同時にまた、繊維は、たとえば織機の廃棄の問題でありますとか、いろいろ事業団の問題でありますとか、そういうふうな別途な対策をそれこそ本当にきめ細かく推進いたしております。ことに銘柄が多種多様でありますし、業種間の利害の相錯綜いたしております業界でございますので、私ども今後なお一層御趣旨を体しまして十二分に配慮いたしてまいります。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 先ほどの御答弁がちょっと私には納得できなかったのですけれども、繊維の業種を指定するかどうかという問題、信用保証協会の方の貸し付けじゃなくて倒産関連特別保証制度というか、この中に繊維を入れるかどうかという問題でございますので、その点についてもう一遍局長の方から答えてください。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 先ほど申し上げましたように、倒産に関連をしましては、不況業種を指定するというやり方と倒産企業を指定するというやり方と二種類あるわけでございます。倒産企業の方は大きな倒産が起こればその都度指定するということでございますが、倒産業種の方はいろいろの物差しをもって業種の実態をはかりまして、必要に応じて指定をするというやり方になっております。私どもも、もう一度いままでの業種の指定の状況というものを振り返ってみまして、それとごく最近の企業経営の実態を加味いたしまして、もう一度全般をどうするかということについて勉強いたしてみたいと考えておるところでございます。

和田一郎公明党・国民会議

○和田(一)分科員 終わります。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 これにて和田君の質疑は終了いたしました。  次に、大橋敏雄君。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋分科員 私は産炭地域に関する問題を伺いたいと思います。  産炭地域は、これまで振興対策によりまして大規模な工場団地が造成されたりあるいは幹線道路の建設が進むなど、やや明るさを取り戻してきているということは認めるわけでございますが、一方中へ立ち入ってみますと、多数の失業者あるいはまた膨大な残存鉱害、老朽化した炭鉱住宅そして疲弊した地方財政、とにかく深刻な問題がまだまだ山積みされているわけでございます。これが現状でございます。  そこで、地元の皆様は、政府のこれに対する対応の仕方についてはきわめて敏感でございまして、現在通産省では産炭地域対策の抜本的な見直しがされている。今回二つの法律案が提出されているわけでございますが、それによりますと、昭和五十六年度ないしは五十七年度で打ち切ってしまって、その後は関係市町村の自主的な浮揚策に待つのだ、このような話が地元では流れているわけでございますが、まず初めにこの点について確認をしておきたいと思います。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 御指摘のとおり、現在産炭地域振興審議会の産炭地域振興計画改定専門委員会におきまして、振興計画の見直しをしていることは事実でございます。大方の調査を終わりまして現在原案作成の段階にございます。ことしの五月か六月ごろに審議会の意見を聞きまして計画の改定を終わる、こういうことになっております。ただいま申し上げましたように、現実に即応するための計画の見直しでございまして、そういった立場において産炭地域振興をさらに強化していこうということでわれわれとしては努めておるわけでございます。五十七年に打ち切りとかいったような問題はまだ議論には入っておりません。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋分科員 石炭鉱業合理化基本計画の目標年次を五十六年度に置かれているということ、それから石炭石油特別会計の五年延長、これは五十七年になりますね、このことは今回の法律改正で出てくるわけでしょう。どうです。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 御指摘のとおりでございます。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋分科員 そうしますと、産炭地域振興と当然炭鉱鉱害の問題もあわせて、五十七年度をめどとして集中的にこれを処理してしまう、このように考えていいわけじゃないですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 法律の期限につきまして、それぞれ目的に照らしてやるわけでございますが、今回のは一応五年間ということで、むしろこちらの産炭地域振興は五十七年度までということになっておるわけでございまして、その間においてできるだけの努力をするということは当然必要かと思います。ただ、その時点において目的が達成できたかどうかということを判断して対処すべきでございまして、現在、そこで時限が切れておるからそのまま、その後は終わりであるということには必ずしもならないということであろうかと思います。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋分科員 それではここで大臣に御発言を願っておきたいと思います。  いまお話がありましたように、一応法律の上では五十七年度が期限となっているけれども、決してそれまでに産炭地振興対策は終わるものではないのだ、実情に応じてまだまだ続いていくことは当然だ、こういうお話でございました。大臣のお口からその点を明快に答えていただきたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 お答えいたします。  ただいま先生の産炭地におきまする鉱害の残存の問題でございますが、私も福岡の隣の山口でございまして、全部閉山いたしまして惨たんたる被害を生々しく目の前に見ておる次第でございます。この産炭地振興対策の鉱害の問題は、五十六年度末前後を目標達成の期限といたして関係諸施策の遂行に努めておるところでございますが、これを目途に全力を挙げて、これまでの間に残存鉱害をなくそうという努力をいたしておるような次第でございます。  しかしながら、ただいま改善の努力をいたしておりますが、この五十六年度末の目標達成を期限といたしまして、ただいまエネルギー庁長官が申し上げたとおりに残存の問題につきましては別途考えまするが、しかしこれは、その期間までに全力を挙げて復旧に努めよう、こういうのでございます。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋分科員 大臣からはっきりと五十六年、七年が来ても打ち切るのではないのだと言っていただきたいわけです。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 御趣旨わからないわけではございませんが、法律上一応期限が期定されておるわけでございます。それまでに全力投球をする、長引けばいいというものではございませんから、その間にできるだけ早く産炭地域の振興の実を上げた方がむしろいいということもあるわけでございます。したがって法律に明示されている期限までに最大限の努力をし、その過程におきまして、なおその後、いかなる対策を必要とするかということはその時点で考えるべきことでありまして、いまの段階でそれ以降やらないということを申し上げるわけではございませんが、そういう趣旨として御理解いただきたいと思います。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋分科員 私がこのようにくどく申し上げるのは、現地の皆さんの感覚としては産炭地域振興はようやくその軌道に乗ったところだ、こういうことなんですね。そして、五十六年、七年に集中的になされるとなれば、年間の予算額も大幅に引き上げられなければならぬはずなのに、その予算額というものは従来とそう変わるものではない、そういうところに懸念があるわけです。仮に五年間で集中的にその処理を終わろうとすれば、現在の年間六百億円程度の予算ではこれはとうてい及ぶものではございません。しかしこの産炭地域の対策というものは、一度に多額のお金をつぎ込めば解決できるという性質のものでもないことも知っております。さらに地方自治体がこれに肩がわりをしてでき得るものでもないことは皆さんも御承知のはずでございます。言うならば、産炭地域に関連している市町村、この財政難が大変な問題になっているわけでございますが、その大きな原因が、こうした石炭産業が閉山をして失業が多発する、生活保護者が続発する。そして鉱害復旧、本来国がやるべき仕事を市町村がそれに肩がわりしてやってきた。大変な財政難に陥っているわけです。それだけにこうした法律の改正の期限というものに対して敏感にそれを受けとめて心配もしていたわけです。しかし、必ずしもそれで打ち切るのじゃない、残れば必ずやそれは国が責任を持ってやるのだ、このように理解しろということですから、これはこれでとどめておきます。  それでは、残存鉱害量というものはいまどのくらいになっているのか。全国ではどうか。また筑豊関係ではどうか、お示しを願いたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 残存鉱害量でございますが、四十七年十二月、鉱害復旧の長期計画の策定に当たりましての残存鉱害量の推定は千七百億円、これは四十七年度の価格表示の時価でございます。かように推定いたしておりますが、地区別その他の詳細にわたりましては政府委員からお答えいたします。

島田春樹資源エネルギー庁石炭部長

○島田政府委員 全体の数字はいま大臣からお答え申し上げましたが、この長期計画に基づきまして私どもとしてはいま鉱害復旧に努力をしておるわけでございますが、四十七年度以降の復旧の実績、それから復旧費の上昇分というようなものを加味いたしまして、五十一年度末現在の残存鉱害量というのを試算しますと、おおむね二千七百億円程度ではないかというふうに思っております。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋分科員 先般倒産しました貝島炭鉱、これは無資力認定されたわけでございますが、この農地、家屋、公共施設はどの程度ですか。

島田春樹資源エネルギー庁石炭部長

○島田政府委員 貝島炭鉱につきましての残存鉱害量ですが、賠償義務を有する残存鉱害量、これは福岡通産局の試算したところでございますが、五十一年三月末時点で復旧費ベースで約二百三十二億円程度かと思います。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋分科員 大臣いまお聞き及びのとおり、先般倒産した貝島関係だけでも、福岡通産局の推定では五十一年度で二百三十二億円であるということでありますが、仮に五十七年度をめどにその処理を終わろうとすれば、少なくとも年間五十億程度が必要になるわけですね。ところが、五十二年度の見込み額を見てまいりますと、これも福岡通産局のヒヤリングの内容でございますけれども、九億九千七百三十万九千円というのが計上されておりました。ということは、十億円にも満たない金額であるわけですね。こういうことでは、仮に集中的に行うと言われていましても、とても理解できない内容であるわけですね。このような姿でいきますと、それこそどこまで続くぬかるみぞと心配せざるを得ません。  さらに農地の鉱害復旧につきましても問題があるわけでございますが、その前に、いま申し上げました五十二年度のいわゆる予算ですね、これがこれでとどまるのか、まだ増額される見込みがあるのか、お尋ねしてみたいと思います。

島田春樹資源エネルギー庁石炭部長

○島田政府委員 いまのお尋ねの五十二年度の鉱害復旧予算の配分の問題でございますが、鉱害復旧事業の資金の補助金の地区別の配分につきましては、現状は、現在各通産局で関係者からの要求額というのをいろいろ聴取をして調整を行っている段階でございます。したがいまし、一応の配分額が決定いたすまでにはまだ若干時間がかかるものというのが現状でございます。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋分科員 さらに、農地の鉱害復旧についてもお尋ねするわけでございますが、この地域に飯倉地区、本城地区、鶴田地区とあるわけでございますけれども、これが、飯倉地区が四千六百五十八万円、本城地区が一億八百五十五万円、そして鶴田地区が六千八百七十八万円と、合計二億二千三百九十一万円という要求に対しまして、見込み額として出てきているのは、飯倉地区がわずか四百万円、本城地区が五千六百万円、鶴田地区五千万円ですね。合計しますと一億一千万円ですから、すでに少ない要求額にもさらに一億一千三百九十一万円が不足することになるわけでございますが、こういうことでは私は、いま言われたような集中的な対策であるとは理解しがたい、こう思うわけですが、どうでしょうか。

島田春樹資源エネルギー庁石炭部長

○島田政府委員 五十二年度のその予算の配分につきましては、いまお答え申しましたようにまだ調整中でございまして、決まっていないわけでございますが、予算の配分の考え方と申しますか、私どもといたしましては、従来からその地区別、地域ごとに総合的かつ均衡のとれた計画的な復旧を進めていかなければならないと考えておりますし、また地区間のバランス、均衡と申しますか、復旧の均衡をとっていくということをも考えなければならないというようなことで、ある一定の限られた予算というものを前提にして、これをいかに効率的、公平に運用するかということで努力をしておるわけでございます。そういうかっこうで本年度も考えていきたいというふうに思っております。     〔主査退席、二見主査代理着席〕

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋分科員 要するに、この予算額がまだ未定額である、本決まりはまだ後にやるのだ、これ以上に予算額がふえる可能性もあるというふうに私は理解いたしました。  予算的な問題もさることながら、このいま申し上げました地域の中に、当然鉱害地域として認定されていなければならないと思われるのに、いまから申し上げる地区は認定漏れというかっこうになっております。鳴谷地区の約四町歩、猫谷地区の一町歩、徳丸地区の二町歩、これは認定漏れということです。さらに鶴田地区内にも尾勝地区というのがあるのですが、これも認定漏れしているということでございます。当然これは総合的な対策の中ですから認定していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

島田春樹資源エネルギー庁石炭部長

○島田政府委員 いまお尋ねの件につきましては、石炭採掘と被害との因果関係あるいは過去のこの問題に関する経緯等いろいろありますが、十分検討いたしまして早急に処理を図りたいと考えております。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋分科員 これは当然、会社がまだ活動しているときに通産局に申請しておらねばならなかったはずの地域でございますけれども、会社の怠慢といいますか、何かの都合で忘れられたやに聞いております。これはぜひとも早急に、また地元もその気でもうすでに正規の手続をとっているはずでございますので、よろしくお願いしておきます。  それから、いま申し上げましたように産炭地域の振興というものは総合的に進められていかねばならぬわけでございますが、幾ら農地が復旧されましても水が確保されなければこれは無意味だと考えます。そこで、そのような考え方からひとつ質問をしたいのは、ため池の整備問題というので、当該地区には徳丸地区と天王寺地区それから鳴谷地区に三つのため池があるわけでございます。ところが、この徳丸地区はもともと七十万トンを入れるだけのものであったわけですが、これがやはり鉱害の被害を受けましてすでに五十万トンに下がって、二十万トンがもう不足をしているわけでございますが、この不足分についての補充、代替といいますか、そのため池を現在の鳴谷ため池のすぐ上に新しくつくっていただきたい、これは地元の強い要請でもありますし、大体県やあるいは地元の方との話し合いもできているやに聞いております。     〔二見主査代理退席、主査着席〕 五十三年度から本格的な復旧作業に入っていくわけでございますので、少なくとも五十二年度の予算の中でこの調査費ぐらいは必ずや組み込んでいただきたいということですが、いかがですか。

島田春樹資源エネルギー庁石炭部長

○島田政府委員 本年度の予算は先ほど申しましたようにいま検討中でございますので、その予算の検討の中でいろいろ検討してまいりたいと思います。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋分科員 これは水の確保がなされなければ、先ほど言ったようにせっかく農地が復旧をいたしましても無意味でございますので是が非でもこれを実現していただきたい。  では次に露天掘り跡地の問題でございますが、五十一年八月この露天掘りの排水をとめた時点ではマイナス五十二と言われておったのが、五十一年の十一月ではマイナス二十九に上がってきております。当時私は保安監督局に参りまして心配だったからこのことを尋ねてみましたところが、マイナス二十五程度までならば心配はありません、安全でございますという話を伺ったわけでございますが、つい五十二年の二月二十二日の日に私現地に参りましてこれを調べましたところが、マイナス八という数字になっておりました。話によりますと、一分間に湧水、これは雨水も含むわけでございますが、二十二トン、一日に三センチの増水がある、こういうことで大変な心配がなされているわけでございますが、厳重なるチェックとその対策を要求したいわけでございますけれども、この点についてはいかがお考えですか。

斎藤顕通商産業省立地公害局長

○斎藤(顕)政府委員 貝島炭鉱で露天掘り採掘しておりました時点におきましては、旧第二大之浦炭坑の第一立て坑、第二立て坑に配置したポンプで毎分二十二トンの揚水を行い、古洞水が露天掘り作業場に流入することを防いでおりました。現在増水量は毎分十トン、水位上昇は先生御指摘のとおり一日当たり三ないし六センチ程度でございます。第一立て坑に毎分十九トンの揚水能力を持つポンプが設置されておりまして、必要に応じて稼働されることになっておりまして、現在のところこれで十分対応できるという体制になっておろうかと思います。  なお、先生御指摘の、マイナス二十五メートルなら安全だ、福岡監督局でそのように申したということでございますが、その安全というのは、露天掘り採掘をしておる時点における作業場における水位ということを指したものでございまして、現在のように終了時における水位のことを申し上げたのではないのではないかというふうに私ども理解しておるわけでございます。  なお、現在の水位から判断いたしまして当面特に問題が発生するというふうには存じておりませんけれども、今後十分監視体制を整えていきたいというふうに考えております。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋分科員 要するに作業がなされているときの状態と現在とでは違うので、いまのところ心配はない、注意はしていくけれども、まず心配ございませんということですね。私はあなたのその言葉を信じて地元の皆さんにも伝えておきます。  それから、時間の関係で次に移りますが、鉱害住宅の復旧についてですが、五十二年度要求としましては町としてはどうしても百五十戸はやっていただきたいということだったわけですけれども、ヒヤリングでは百二十戸になり、最終見込みは百戸ということで、予算七億円ですか、これがつけられているわけでございますが、この点も、先ほど申されているように予算はまだ固まったものではないから、百戸ということがあるいは百二十戸できるかもしれない、あるいは百五十戸要求どおりできるかもしれないと理解してよろしいですか。

島田春樹資源エネルギー庁石炭部長

○島田政府委員 先ほど申しましたようにまだ調整中でございますので、ふえるとかなんとかいうことはちょっといまのところ申し上げられません。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋分科員 少なくとも減ることはないでしょう。ふやしてくださいよ。お願いします。  それから、これは炭住の問題ですけれども、炭鉱住宅がもう大変に老朽化してスラム化しております。現在宮田町だけでも三千七百戸あるのですけれども、その中の二千戸を使って千七百五十世帯の人が生活をしているのです。一世帯で二軒持っている人もかなりいるという計算になるわけでございますが、他は見るからに哀れな姿でいまようやく建っているというだけの状態なんです。環境的にもきわめて悪うございますし、地域住民の安定と町自体の再建のポイントはここにあると思いますので、住宅改良の問題としてこれは建設省の問題になろうかと思いますが、現在宮田町としては千七十戸、県で千戸を分担して改良しようじゃないかというぐらいの話が内々進みつつあるわけですけれども、問題は財源がないわけですよ。何とかこれを特別措置で配慮していただきたいと考えるのですが、いかがでしょうか。

島田春樹資源エネルギー庁石炭部長

○島田政府委員 いまのお話につきまして、炭住改良の問題ですが、御承知のように住宅地区改良法の補助事業としていまやっております。さらに、御案内のように、この事業に対しまして産炭地域振興臨時措置法の十一条、それから産炭地域振興臨時交付金制度、いわゆる臨交金によりまして補助の上乗せという制度がございますので、私どもとしましては、本件について具体的にどうということではございませんが、こういう制度を活用しまして炭住問題に対処していきたいと考えております。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋分科員 次に炭鉱用地の開発対策についてでございますが、宮田町の全体の面積の八%この貝島の所有地があるわけです。これは宮田町全図でございますが、この赤で塗りつぶされているのが貝島関係で八%ある。更生計画では約百七億円が見込まれておりまして、これを売却して債務弁済に充てるということになっておりますけれども、これが切り売りされたりあるいは放置されたりしますと虫食い状態となりまして地域振興上きわめて憂慮すべき事態である、こう考えるわけでございますが、宮田町としましては跡地利用基本構想というものをすでにもう立てておりますので、そうした構想が実現できますように、国の方でこの貝島の社有地の処理について具体的に一括して何か対策がなされないものかどうか、お尋ねしたいと思います。

島田春樹資源エネルギー庁石炭部長

○島田政府委員 市町村の開発事業につきましては、やはり地元の地方公共団体が中心になって進めるということが基本であろうかというふうに考えております。ただ、その事業を実施していく場合に、その事業の内容に応じまして国でも可能な範囲で協力し得るものがあろうかというふうに思いますが、いまの段階、まだ宮田町の開発基本構想というのがさらに今後具体化されていくであろうというふうに考えておりますので、一般的には私どもそういうふうに考えております。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋分科員 これは宮田町としては最大の関心事でございますので、これはもう十分私の意を配慮されまして、どうか善処していただきたいことを強く要求しておきます。  時間の関係で最後に行きます。  閉山水道についてでございますけれども、現在貝島関係の水道で月に八百万円程度の経費がかかっていて、この前の寒波のときなどは数カ所亀裂を生じて大変な問題になっておったわけです。いずれは町への移管が考えられるわけでございますけれども、その整備の費用が約四億円かかると推定されているわけでございますが、四億円もの金を町が負担していくということはとても考えられるものじゃございません。この点についても特段の配慮がなされないかどうか、お尋ねいたします。

島田春樹資源エネルギー庁石炭部長

○島田政府委員 御案内のように、閉山水道と申しますか、炭鉱が設置した水道で市町村の管理に属するようになったものにつきましては、その改造あるいは布設がえの場合に、その事業費について国庫補助が行われておりますし、それからまたさらに産炭法の十一条、それから臨交金による財政援助措置というのがとられておるわけでございますので、私どもとしてはそういった措置で対処していきたいというふうに考えております。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋分科員 いま申されたように、現在閉山炭鉱に対しては補助制度があるわけでございますが、五十四年度にはそのかさ上げが行われるんだということを内々聞いておりますが、その点はどうですか。

島田春樹資源エネルギー庁石炭部長

○島田政府委員 かさ上げですか。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋分科員 補助率のかさ上げが行われるということですけれども……。

島田春樹資源エネルギー庁石炭部長

○島田政府委員 いま御説明した現在の措置でやっておるわけでありますが、五十四年度にかさ上げをするとかなんとかということにつきましては、私どもいまのところまだ考えておりません。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋分科員 もう時間が参りましたので、これはこれで終わりたいと思いますが、この産炭地域振興、なかんずく貝島の閉山による地域住民の被害は大変なものでございます。大臣も一度は現地を視察していただいて、適切な対策に乗り出していただきたいと強く要望します。  最後に大臣のお気持ちを聞いて終わりたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 一言最後に申し上げますが、私も戦時中終戦まで石炭局でずっと石炭にかかわっておりました。貝島の炭鉱の現場もよく承知いたしております。なおまた、産炭地での閉山後の処理、これはもう大変なことでございまして、私も就任いたしました以上、産炭地の後始末の問題につきましては一層責任を持って対処いたしたい、かように考えております。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋分科員 終わります。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 大橋君の質疑はこれで終了いたしました。  次に細谷治嘉君。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 私は二点についてお伺いいたしたいと思います。  最初に公害問題についての通産省の姿勢をお尋ねいたしたいのであります。  いま日本の工業製品、たとえばサッカリンの問題が大変な問題になっております。あるいは塩化ビニールあるいは塩化ビニリデン等々、通産省関係の工業生産物というものが、工場における労働災害あるいは食品公害、いろいろな形で問題になっておるわけであります。これに対して具体的にお尋ねしたい点は、かつて水銀問題、水俣病から出てまいりまして、有明海にもそれが波及いたしまして、水銀汚染問題というのが大きな問題になりました。その際に、水銀というのは申すまでもなく食塩電解、その工場からいろいろな形で自然界を汚染している、こういうようなことでございますから、通産省としてはこの水銀法による苛性ソーダの生産を転換しようということに方針を決めまして、五十年九月までに現有設備の三分の二を水銀法以外の方法、主体は隔膜法ということになるわけでありますが、それに転換をする。それから、五十三年の三月まで残部についてはこれを水銀法から他の方法に転換する。したがって、一〇〇%五十三年三月までに転換を終わる、こういう方針を決めたわけであります。それが現在どういうふうになっているのか、まず現状からお尋ねしたいと思います。

天谷直弘通商産業省基礎産業局長

○天谷政府委員 水銀法の苛性ソーダ製造法を隔膜法に転換することに関しましては、昭和四十八年十一月十日に環境庁を事務当局とする十二省庁から成るところの水銀等汚染対策推進会議におきまして、いま先生がおっしゃいましたような方向で転換をするということが決定されております。この中には、まず第一番目にクローズド化を進めるということでございますが、このクローズド化につきましては、現在ほぼ完全な措置がとられておりまして、残存する水銀法苛性ソーダ工場からの有害な水銀の排出は、〇・〇〇五ppm以下という環境庁が決めました環境基準以下に確実に抑えられております。  第二番目に、隔膜法への転換につきましては、おおむね三分の二の工場が隔膜法に転換を終わっております。残り三分の一が水銀法で現在なお操業を続けている、こういう状況でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 そうしますと、五十三年三月末までに残りの三分の一、一〇〇%転換できますか。お約束できますか。

天谷直弘通商産業省基礎産業局長

○天谷政府委員 これから申し上げますような事情によりまして、転換はきわめて困難であろうというふうに考えております。  と申しますのは、第一番目に、現在苛性ソーダを使っておる種々のユーザーがあるわけでございますが、このユーザーのうち化繊、スフでございますが、化繊産業を中心にいたしまして、隔膜法から出てくるソーダの品質が悪いために、隔膜法から出てくるソーダでは使えない、こういうふうな産業が大体八十万トン、全ソーダ需要の約三割、これくらいのものが使えないわけでございます。したがいまして、現在残っておる三分の一の苛性ソーダ、水銀の苛性ソーダ工場を隔膜法に転換した場合に、転換してもそれから出てくる苛性ソーダの売れる見込みがございません。売れないものをつくる工場を建てるということは無意味でございますから、したがいまして、隔膜法に転換させるということは困難ではなかろうかというふうに考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 いまあなたがおっしゃったこと、水銀法、これは純度のいい苛性ソーダができる、これはもうあなたの方も技術屋がおるのですから決まり切った問題ですよ。ですから、その方針を決めるときに、これを隔膜法にかえる、いま問題になっておりますイオン交換隔膜を使う、イオン交換でいく、これはこれからの技術の問題であります。水銀法をやめるのならば、もとに返って隔膜法に移る以外にないわけです。隔膜法にいったら、これはNaCl、塩化ナトリウムが含有量が多くなるということはわかり切ったことですよ。わかり切ったことで、しかもそういう食塩が入ったものについては化繊等の原料としての苛性ソーダとしては悪いということはわかっておったわけですね。そういうことがわかっておりながら、五十三年の三月と言いますとあと一年しかないわけです。一年しかないこの時期に来て、わかっておるにもかかわらずあなたの方はそういう方針を決めたわけでしょう。あなたの答弁では説明になりませんよ、これは。どうですか。

天谷直弘通商産業省基礎産業局長

○天谷政府委員 四十八年十一月にどういう経過によりまして、どういう議論によりまして、あの決定がつくられたのか、必ずしも私はつまびらかにいたしておりませんけれども、想像いたしまするに、現段階で考えればやや過剰防衛ではないかというふうな考え方もできるかと存じまするけれども、当時の情勢下におきましては、やや過剰とも思われるような措置を講ずる、全面転換というやや現段階から見れば過剰防衛とも思われるような措置を講ずるということが、国民の健康を守る上でやむを得ざる措置であるというふうに判断されて、ああいう決定ができたのではなかろうかというふうに考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 これはやはり大変重要なんですよね。あなたは当時責任ある局長のポストにはおらなかったわけでしょうけれども、環境庁なりあるいは通産省なりいろいろ集まってこの方針を決めた、しかも技術的には水銀法から隔膜法にいけば純度が悪くなりますよ、化繊等には適格な苛性ソーダになかなかなりませんよ、コストも三割か五割ぐらい上がりますよということはわかっておったわけですよ。そういうものをソーダ工業会にも了解をさせて、そしてあの方針を決めたわけです。そして、第一期はほぼ若干おくれておるようであります。たとえば五十年の九月というのが、私の承知している範囲では半年ちょっとおくれて大体六割、三分の二に到達したようであります。三分の二というと六六%でありますが、六一%ぐらいにいったようでありますからほぼ目的は達成いたした。問題は残りの三割ですよ。この問題は、私は申し上げたいことは、ちょうどそれから不景気が来たわけですね。赤字のソーダ会社ができた。転換しようとしても、資金の手当てをある程度してやっておりますけれども、資金上の問題がある。できた苛性ソーダが使いものにならぬと言うと問題がありますけれども、使いものになるようにするには、さらにコストを高くしなければならぬ。こういうようないろいろな問題があるわけですが、今日この段階になって、あのときは過剰防衛だ——公害問題については過剰防衛ぐらいの決意で取り組まなければだめなんですよ。特に通産省が、製造さえすればいいんだ、環境破壊などは構っちゃおれぬと、こういう姿勢では困るわけでありますから、あなたの方からはやや過剰防衛と言われても、政府全体で決めておるのならば、当時あなたが局長でなくても行政の継続性という責任ある立場からいきますと、そういうことは許されませんよ。まことにいまの答弁は遺憾であります。

天谷直弘通商産業省基礎産業局長

○天谷政府委員 いま申し上げましたことは、現段階において考えればあるいは過剰防衛かと思われるような措置であっても、当時の四十八年十一月の情勢においては、国民の健康を維持する上で必要やむを得ざる措置と判断して、ああいう決定がなされたものと推察いたしますということを申し上げたわけでございます。あの当時としては必要やむを得ざる措置であるという判断があったものというふうに推察をしておるということでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 お尋ねいたしますが、あなたはことしの一月六日の日に、東京大手町の経団連会館で開かれた日本ソーダ工業会の新年賀詞交換会で、業界を監督する立場にある天谷通産省基礎産業局長は、「全面転換期限の五十三年三月末という時点について「個人的意見としてはシャクシ定規にやるのは適切ではない」と述べ、転換期限延長もあり得ることを示唆した。」そしてさらに読んでみますと、「同業界では現在「水銀法」から「隔膜法」など非水銀法への転換を総生産能力の六〇%強まで完了している。」まあ計画どおりいった。「しかし残り四〇%分については技術開発の遅れやコスト高になること、さらに最近の不況で新たな設備投資負担にたえられない企業も多いことから「五十三年三月末までの全面転換は不可能」との声が業界内に強い。天谷発言はこれにこたえたものとみられる。」が、延期となれば公害行政の後退との批判も予想され、論議を呼びそうである、こういうふうに当時の新聞は伝えております。ことしの一月の年賀で、あなたがどういうふうに言ったか知りませんが新聞はこう伝えております。これは大変重要です。  私が申し上げたいことは、技術の責任ある省であるにかかわらず、生産の責任ある省であるにかかわらず、公害行政に前向きで取り組む、そして五十三年の三月までにはこの問題を一〇〇%転換して苛性ソーダの問題で環境汚染ということは完全に後を絶ちたいと決意したのが、あと三分の一、四〇%ばかりのところにいって、いまのようなことになるということになりますと、これは公害行政の後退だと言われることは申すまでもないと思うのです。問題があると思うのですよ。こういうことを述べたんですか。個人の見解ということでありますけれども、個人の見解といっても、局長であるあなたというのは、これはもう個人ということは許せないわけですから、どうなんですか。

天谷直弘通商産業省基礎産業局長

○天谷政府委員 一月七日のその場所において申し上げましたことのごく一部が新聞には報道されております。その当時、そのとき私が申し上げたことを、時間をとって恐縮ですが言わせていただきますと、五十三年三月という転換の期限が迫っておるわけでありますから、未転換の企業は転換に全力を挙げていただきたい、通産省としては行政指導方針があることでありますから、その指導方針に従ってお願いせざるを得ない。しかしながら、行政指導は法律によって行うものではございませんから、その行政指導が実情に合わないということであれば、その行政指導を強行するということは困難になる。  ところで、この四十八年十一月の行政指導をそのまま遂行するということは現状において合理的であるかどうか、その判断は一にかかってイオン交換膜法という技術が十分に使えるかどうかということの判断にかかっておる。しかるに、残念ながらイオン交換膜法の開発が当初考えたとおりにうまくいっていないために、いまのところではまだすぐイオン交換膜を使えるという判断ができない。で、この判断は十分客観的、科学的に行われる必要がある。その判断がおくれるために転換が進まないとすれば、その場合には五十三年三月という期限については弾力的に考えることもやむを得ないであろう、こういう趣旨のことを申し上げたわけであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 私も技術屋出身ですから、しかも隔膜法の苛性ソーダ製造については直接ではありませんけれども関係したことはあるのです。そして、そこから出てくる苛性ソーダというものが特殊の用途の場合には不適であるということは、もうこれは既定の事実なんだ。しかし、苛性ソーダをつくるのに水銀法をやめて隔膜法に全面転換するということは、これは技術的に可能である。しかし、特殊な用途については問題がある。コストは高くなる。しかし、通産省の行政指導に積極的に協力したところはもう計画どおりやりました。積極的に協力をしないいろいろな事情があるのはやってないということになります。行政の不公平ということも起こる。業界の内部でこれはありますよ。まともに指導を受けてやってみたら、やっていないところがいま得しているというような業界の声もありますよ。  そこで大臣、もう時間がありませんから、私が聞きたいことは、いま局長の言葉を聞きますと、とてもじゃないが残りの三分の一、四〇%ばかりというのは、苛性ソーダの品質上の問題から言って——景気がどうのとか、そんなような問題ではありません。品質上、用途の問題としてどうしても使いものにならないんだ、こういうことであるとするならば、そして期待しておったイオン交換による製造というのがまだ技術的に確定しないということであるならば、環境を汚染しないような完全なクローズドで水銀法をやって、完全なクローズドで問題が起こらないように対応して、同時に技術開発を進めていく以外にないと思うのですよ。そういう客観的な、科学的な技術を示して、そしてこういうことだ、ただじんぜんとして、ちょっと不景気だからできないとか、あのときの認識は誤ったとか、あるいは環境庁から押されたんだ、世論から押されたんだという形のふらふら腰では、これはおさまらないと思うのですよ。大臣、どうなりますか、これ。かちんとしていただかないと……。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 まことにごもっともな御主張で、ことに細谷先生、ずっと古い商工委員でおられて、しかもエンジニアで、このことは百も御承知であろうと存ずるのでございますが、いま本当に微に入り細をうがって適切なお話を承るにつけましても、本件は速やかに何とか処置をしなければならぬという客観的な段階に来ていると思うのでございます。  それで、いまお話しのように、ことに化繊関係のようなことになりますと塩度を非常にきらいます。品質の問題もございますし、反面また、イオン交換樹脂のあれもなかなかまだ技術的にもコスト的にも進んでおらない関係から非常に困った状態になっておりますが、大変適切な御指示のように、本件は通産省といたしましてもなかなか一存でも決めかねるものでございますので、この点は今後なお環境庁その他関係方面とも話し合い、同時にまた、現実の技術上の問題でもございますので、この調整を速やかにいたさなければならぬ、かように存ずる次第でございます。  はなはだ歯切れの悪い御答弁で申しわけございませんが、いまの段階におきまして承る限りにおきまして、さように心得る次第でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 時間がありませんから、これ以上深追いをいたしません。深追いをいたしませんが、やはり来年の三月まで、現実に局長のところに行くと、科学的にもできないということであるならば、それに対応する対策というのが立てられなければならないと思う。業界の内部の不満というものも、これは行政官庁としては解決してやらなければならぬと思うのです。私は、どういう対応方策を政府として出すのか、それをひとつ見守りたいと思いますので、きょうはこれ以上申し上げません。  もう一つの問題点は、ここ数年来、私の選挙区にも、中小ではありませんで大企業の部類に入るゴム履物産業というのがございます。このゴム履物産業というのが労働費が安いという形で労働力集約型の工業だもんですから、台湾とか韓国に合弁会社をつくって、そこに投資をいたしまして、そこの安い労働力を使ってゴム履物をつくった。それが日本へどおんと安い値段で逆輸入されたという形で、日本のゴム履物産業というのは大変な危機状態に入って、そのために関連企業、関連の下請企業あるいはそこにおる労働者というのはかなりの大量の合理化、首切りというあらしにさらされておるわけであります。  そこで、時間がありませんから近況をかいつまんで申し上げますと、五十年度にはこのゴム、プラスチック履物が二千二百万足輸入されておったわけでございますけれども、五十一年度はどうかと言いますと三千四百二十九万足、五六%ふえておるわけです。これがいまゴム履物産業界に非常に大きな一つのショックになっておるわけですね。国内需要がいま大体一億七千二百万足ぐらいだと思うのでありますが、そうしますと輸入ものがおおよそ二〇%近い数字になります。この輸入もののうち、半分はゴム履物産業をやっているところとは関係のない商社が輸入するわけです。ですから、全体としては、ゴム履物産業の方で生産を、ある程度コントロールしても、とにかくどんどんと商社の方が輸入をしてくるという形で、需要と供給とのアンバランスというのが起こっております。さらに東南アジアの方から入ってくる場合、特恵関税制度というものがありますが、こういうような問題についても幾つかの問題点がございます。  そこで、こういう事情で産業構造審議会でも、その中における生活用品部会で三年にわたりまして、昭和五十一年度でも「産業構造の長期ビジョン」というかなり掘り下げた答申もあります。それを読ませていただいたわけでありますが、やはりこれを守っていただかなければならぬ。そしてやはり日本の産業の中における、あるいは生活用品産業の中におけるおよそ四%程度のウエートを持っておるゴム履物産業というのは、今後、韓国なり台湾等でつくるものよりももっと品質のいいものをつくらなきゃならぬという、高級品化への道をたどらなきゃなりませんけれども、そういうものを踏まえながら、やはりこの産業を守っていただかなきゃならぬという喫緊の問題が一つあります。  それからもう一つ、私がこの問題で憂慮しておる点は、ことしの八月に、アメリカの業界がカーター大統領に対してタリフクォータということについて要請しておりまして、これが近く決定されるという見込みだと伺っております。その問題点は、韓国のうちの生産量の相当部分というのはアメリカに輸出されるわけであります。そのアメリカに輸出されておるものは、非ゴム履物という形で実はゴム履物でありますけれども、非ゴム履物という名で、したがって関税をくぐって米国に輸出をされておる量が相当ある。ところが、今度はそういうくぐったのを抑えるわけでありますから、韓国としては逃げる道は、そういうことも克服して依然としてアメリカに輸出していくのか、逆に日本に相当切りかえて輸出をしてくるという懸念が十分にございます。特に韓国の生産と輸出の状況を見ますと、五十一年度は、これは私の資料では一月−五月の生産が七千二百万足、これは年間で推計いたしますと、一億七千二百万足ぐらいと推定をされるわけであります。この韓国の生産の一億七千二百万足のうち、実に輸出した量が一億三千七百万足、圧倒的な部分というのは輸出ですよ、韓国の生産というのは。そうなってまいりまして、しかもそれが多くの部分、この輸出の一億三千七百万足のうち、一月−五月の実績を見ますと、七千二百万足の生産のうち、五千七百八十万足がアメリカに輸出されておる、日本には千八百八十五万足輸入されておる、こういうことであります。そうだといたしますと、この五千七百八十万足というのがどっとアメリカの方から切りかえて日本の市場に入ってくるということになりますと、これはまた業界は大混乱を来すのではないか、こう思います。こういう点についてどういう対応を考えておるのか。時間がありませんから二点にしぼって、私の方がしゃべることが多かったわけですけれども、通産省のお考えをお聞きしたいと思います。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 いまお話がございましたがゴム履物に関しまして、数字を細かく挙げて御説明いただきまして、大体おっしゃいますとおりの実態でございます。輸入につきましては、全般といたしましては確かにおっしゃいますように商社の輸入も相当多いわけでございまして、総輸入の中でメーカーの輸入しておりますのが大体六〇%、商社の輸入しておるのが四〇%ぐらいというふうに私どもは見ておるわけでございます。  ゴム履物は、元来日本の輸出産業でありましたものがどんどん減りまして、むしろ非常に輸入量がふえてまいったという逆転状況を来しておりまして、今後の方針といいますか、その置かれました日本産業における位置というものにつきましては、先生いま御紹介になりました調査報告等によりまして、高級化、多様化というふうなことで対応していくよりほかないと思うわけでございますが、輸入の問題につきましては、これは厳重に注視をしてまいりたいと思っておりますが、直接輸入制限ということはなかなか困難ではなかろうかと思っております。  それから第二点のアメリカのITCが大統領に対しまして、非ゴム履物の輸入につきまして五年間にわたって関税割当てを導入するように勧告した、これは二月八日に勧告をしたようでございますが、これはこのとおり行われますと確かに相当の問題がございまして、先生のおっしゃいましたように、それが全量日本の方へ流れてくるというふうなことになれば、大変なことになるわけでございます。ただ、現在私ども見ております限りにおきましては、そこまで——品質その他の問題もございまして、国内の競争力というものも今後さらにつけてまいりたいと思っておりまして、当面その増加状況というものを厳重に注視してまいりまして、輸入サイドにつきましては行政指導を強化してまいりたい、このように考えておるわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 時間がありませんので、最後に大臣、私は産業構造審議会の生活用品部会等が検討されておる際に、この問題で火がついておりましたから、局長さんなり担当の課長にも何遍かお会いして、産業構造審議会の中でこの問題をぴしゃっとひとつ位置づけしていただきたいということで、かなりの御配慮をいただきました。しかし、これは作文であってはなりませんから、やはり何といってもそういう国際的な環境も厳しい中で、日本の国内における厳しい状態もあるわけでありまして、何としてでもゴム履物産業を守っていくということが必要である。言葉をかえて言いますと、日本の産業構造の長期ビジョンの中にきちんとこの問題を位置づけていくということが私は大変必要であろうと思うのであります。これについて通産大臣の御決意なり御所見を伺って、私の質問を終わりたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 通産省といたしまして、この答申に示されました考え方で、ゴム履物業に対しまする施策の展開をしてまいらなくては相なりませんが、ただいまお話を拝聴いたしました限りにおきましてもまことに重大な問題でございまして、今後も慎重にこの点につきましては対処してまいりたい、かように存じております。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 細谷君の質疑はこれにて終了いたしました。  午後二時再開することとして、暫時休憩いたします。     午後一時八分休憩      ————◇—————     午後二時一分開議

伊東正義自由民主党

○伊東主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  通商産業省所管について質疑を続行いたします。安宅常彦君。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 通産省にお伺いいたします。  酒田におけるいわゆる酒田共同火力、これは東北電力と住軽アルミの共同出資の、発電所をつくるためにつくられたものなんですが、この共同火力発電所というのは——酒田地区の電力の供給関係、それに伴う送電線、こういう問題について私はずっと関与してきたものですが、理解できない点が相当多くなっているのです。そのことできよう私はお伺いしたいのです。  この間、酒田市の公害対策審議会が開かれました。これは七日ですね。そこに、参考人として出席した東北電力の有磯一郎企画室長という人が、県内で年間五十三万キロワットを消費し、そのうち酒田地区は約半分の二十万キロワットを使っている、これに対して、山形県内の発電量は最大出力二十五万キロワット、平均十五万キロワットにすぎず、約三分の二は他県からもらっているのが現状です、それで新設される共同火力の七十万キロワットのうち、一月十七日、本格的に操業を始めた住軽アルミは、当面九万トンの精錬工場の稼働の予定しかなく、十八万キロワットしか必要としない、計算上残り五十二万キロワットは不足する一般県内需給用に回されるので、消費の伸び率を年間一〇%と見ても当分は大丈夫だ、こういうことを言ったのですね。これが大問題になりまして、これはどういうことかといいますと、大臣、よく聞いていただきたいのですが、電調審でこれは非常に問題になるんじゃないかと私ら当時予想をしておったのですけれども、酒田市長が市民に対して約束していることは、共同火力の電気の供給というのは、北港の背後地に限る。住軽アルミに使うものと背後地で使うものに限るということを条件にして、この誘致というものを市長がやった。こういうふうに言い切って、それが当時、四十七年の二月二十三日に酒田市議会が決議をしているのです。したがって、酒田市長もそのつもりでおったのですが、私ら、どうも臭いというので、いままでずっと追及してきたのですよ、議会で取り上げたことはありませんでしたがね。こういうふうにあっさり言い切られたために、酒田市長を初め——市長は驚かないのかもしれません、裏を知っているから。よくわかりませんよ。だけれども、市議会の側あるいは公害審議会の側が茫然としたのですね。こういうことについて、通産省は共同火力を認可するとき、一体どういうことが地元から要請され、どういう話があってできたのか。しかも、東北電力側は、先ほど言ったように、住軽アルミで使う分並びにあの辺の北港の背後地の工業にそれを使うものだということを盛んに宣伝し、そういうことを基本にして、住民に対する土地買収であるとか、送電線を建てさせてくれとか、それから酒田市民に対しては、何か火力発電所のでかいものができれば公害や何かでひどい目に遭うだろうという世論を抑えるためというのでしょうか、了解を得るために、印刷物をたくさん出しています。きょうは分科会だからそういうものを持ってきませんが、こういうふうになっておったのに、去年、送電線のあっせん案みたいなのが出て、農家が送電線を通すことにオーケーを出した。その後になってこういうことを言われたので花然としたんだろうと思うのですが、こういうことについて、東北電力が言っていることと通産省が認可をするときの条件と食い違っているのではないかと私は思うのですが、このことについてどなたか知っている人があったら答弁していただけませんか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 御指摘の酒田共同火力発電所でございますが、三十五万キロワット二基ということで、五十三年に七十万キロワットの能力を持つということでございますが、ただいま先生御指摘のように、アルミ精錬の方が九万トン一系列ということでございまして、これは電力に換算いたしますと十八万キロワットということになります。それから酒田地域の一般の需要でございますが、アルミ以外の需要といたしましては二十五万キロワットが五十三年度に見込まれるわけでございます。両方足しまして四十三万キロワット。したがいまして、七十万キロワットとの差額二十七万キロワットにつきましては、確かに余裕のある電力ということになるわけでございます。  それで、その二十七万の余裕についてどうするかということでございますが、当初電調審の場合には、アルミ精錬の計画を見きわめて認可を行うということで認可を行ったわけでございますが、その後の計画の実現の状況から言いまして、いまのように若干時期のズレもございまして、二十七万キロワットの一時的な余剰が生ずる。ただ、これも今後アルミの二系列目の九万トンの計画が実現化しますと、一般需要の伸び率と合わせまして、大体酒田市内の需要とこの共同火力発電所の供給力とが見合うということでございます。したがいまして、それまでの間におきましては、地元の理解を得ながら市外と申しますか、もちろん山形県の中でございますが、主として山形県の中で利用されるということに相なろうかと思うわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 おかしいじゃないですか。それは九万トンというものがまだできてないですものね。それから九万トンの段階でもうすでにそれだけ余る、二十何万キロワット余るということでしょう。それから背後地というのをごまかして、あなた県内でと言ったけれども、何も県内のことを約束したことはないのです。ようござんすか。そういうことは、県と約束したんだから酒田市は構わないという意味なんでしょうか。電調審は酒田市とそんな約束をした覚えはないので、県の意見は県内全部に回すということを初めから考えてそういうことを言ってきたものと理解したのか、どういうことですか。酒田の市長がどういう意見であったか、どういう意図を持っておったかなんということは、重々その当時から知っていたはずですよ。それを知らなかったという意味でしょうか。背後地というものと県内というのはどういうふうに違うのですか。その二つを答えてください。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 まずアルミ製錬の稼働の問題でございますが、五十二年の一月からすでに稼働に入っているわけでございます。もちろん九万トンのフル生産ではございませんが、五十二年の一月からすでに稼働に入っているということでございます。  それから、四十七年の三月に酒田の市議会の議長から知事あてに、酒田共同火力につきましては住軽アルミ及び酒田の後背地の必要な需要を賄う電力を限度とするという文書が出されておるというふうに聞いているわけでございます。先ほど御説明いたしましたように、需要と供給の関係から申しまして、いわゆる酒田の後背地だけではそれだけの供給に見合った需要がついてこないというのが現状なわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 だから、三十五のやつを二基にしなければ、発電所というのはそれは困るでしょう、オーバーホールがあったりいろいろあるから。それが二つ一緒に壊れたなんというんだったら、そんな発電所はつくらなければいいので、そのことを考えてどんな理屈をこねても——時間がないから簡単に言いますが、要するに背後地というのは、酒田市長が言うのは酒田周辺のことを言っているのであって、県内のどこかに売電するなんてさらさら考えていない、そういう申し入れだということは、あなた理解できると思いますが、どうなんですか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 御指摘のように、背後地というのは酒田周辺ということだと理解しております。ただ、先ほど申しましたように、需要と供給の関係から申しますと、やはり後背地に限らず県内の需要というのを一時的というか経過的に賄う、ということに相なるということでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 そんなよけいなことは要らないよ。  だから、相当大きなものをすでにこれだけ住軽アルミ並びにその背後地に供給する電力に限ると市長が言っていることは、大体七十万キロワットでそれぐらいになるだろうという説明を受けて、その辺ならばと思っておったんだと思うのですが、この共同火力だけでそれだけ余るんだ、そういうものをつくってしまった、こういうことに理解していいんでしょうな。それが一つ。  もう一つは、あなたは九万トン、九万トンと言うけれども、九万トンの製錬を開始するのはいつごろだということになっているのですか。いま四万五千トンのはずですけれどもね。

天谷直弘通商産業省基礎産業局長

○天谷政府委員 来年の春ごろと聞いております。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 聞いておりますというのはどういうことでしょうか。どういう手段で、どういうふうにして、どういう手続でどこから聞いたのですか。ただ、彼氏のうわさによれば来年三月彼女は結婚するはずだということを伺っておりますという程度ですか。

天谷直弘通商産業省基礎産業局長

○天谷政府委員 会社の経営者から聞いております。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 どういう手続で——詳しく言ってください。法律的なことがある。それから指導的なことがある。そういうことを必要として聞いたのか。ただぽかっと聞いたのか。それをびしっと。私は必要があるから聞いているのです。

天谷直弘通商産業省基礎産業局長

○天谷政府委員 会社から一般的な情報として聞いただけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 当初の計画、これは認可するときにはどういうふうになっておったのでしょうか。

天谷直弘通商産業省基礎産業局長

○天谷政府委員 基礎産業局の方といたしましては、認可はいたしておりません。ただ、当時のアルミニウムの需給状況からいたしまして、九万トンにつきましては五十二年操業開始というようなことで、通産省としてはそれが妥当であろうというような了解をしております。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 それはうそでしょう。五十二年操業開始なんてなっていないのじゃないですか。これはあなた方——認可したのはもちろん基礎産業局ではないけれども、そういう資料というもの、電力の供給なり、それからアルミの製錬、なぜ日本において酒田で必要かという問題なりいろいろ検討された中でやったのですから、住軽アルミが五十二年操業開始なんということにはなっていないはずですよ。

天谷直弘通商産業省基礎産業局長

○天谷政府委員 昭和四十七年六月十五日の「酒田計画に対する対処方針」という文書によりますと、「酒田の九万トンにつきましては五十二年度完成、五十三年度操業とする」というふうになっております。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 それでは、今度公益事業部長の方に聞きますが——ちょっと待ってください。公益事業部長に聞く前に、ただいまの方針というもの、これは資料として出していただけますね。

天谷直弘通商産業省基礎産業局長

○天谷政府委員 わかりました。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 それじゃ、公益事業部長に聞きますが、送電線をつくるとかいろいろなときに東北電力が説明したのといまの月日と全部符合しているというふうに、あなた、言い切れますか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 アルミ関係の計画につきましては、当初の計画と変更があったというふうに聞いておりますので、私、確認いたしておりませんが、電力会社の説明の時期と、それから現在御説明している時期とは若干のずれがあるのではないかというふうに考えられます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 若干とは何カ月か、何年ぐらい。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 アルミの計画につきましては、先ほど、完成の時点を基礎産業局の方からお答えいたしましたが、その完成の時点については計画の変更はないというふうに聞いております。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 そうしますと、共同火力というのは、操業開始とは関係なしに発足するというか発電可能になるということを予想してやったのでしょうか。基礎産業局のそういう方針に合わせたのじゃなくて、それとは別に、初めからどこかに売電するという計画でもあって、もっと早く完成させるつもりだったのがおくれて、偶然にも五十三年からだか何かのと合ってしまったということになるのでしょうか。どういうことなんですか。違うんじゃないですか、初めから計画が。ちぐはぐじゃないですか。どうなんですか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 酒田共同火力といたしましては、住軽アルミの需要というのがやはり需要の大宗を占めるということでございますので、そのアルミの計画にある程度合わせまして発電所の計画をつくっておる。ある程度と申しましたのは、実は着工の時点からかなり作業が進みますと、途中で中断というのもなかなか経費的な問題もございますので、相当の段階まで建設が進んでまいりますと、発電所の計画は以後も続行してやるということに相なるわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 そうしますと、何か反対運動があったからおくれたみたいな話だけれども、そうじゃないのですね。あなたの方で具体的に——おくれた理由というのは、私ら論議の途中ではっきりしていますから、後であなた答弁——一つうそをつくと百うそをつかなければならなくなるんだ。きょうは時間がないからこの程度にしておきますよ。よござんすか。これは重要なことですから。  つまり、早く発電を始めるという、そういう計画でつくったんですから、片一方は五十三年なんだから、その間、そうすると……。ああ五十二年と言いましたか、ちょっと基礎産業局、五十三年と言いましたか。

天谷直弘通商産業省基礎産業局長

○天谷政府委員 五十二年度完成、五十三年度操業でございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 だから、五十三年からやるんだね。大変違うのですよね。ですから、その間は、目標は住軽アルミだけれども、もう少し先につくっておいて県内やどこかに売電もしておこうじゃないか、計画されたときはそれも兼ねて計画された、こういうふうに理解していいかと聞いているのです。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 住軽アルミの完全操業は、先ほど基礎産業局長からお答えしましたように五十二年度末でございますが、五十二年一月から一部操業が開始されておりまして、九月時点では四万五千トンの操業ということ……

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 そんなこと聞いていませんよ。初めから基礎産業局は、五十二年度までに完成して五十三年度から操業を開始するつもりだと言っているのでしょう。だから私は、これは資料として出してくださいと言っているのですよ。よござんすか。一部操業されていますとかなんとかということは関係のないこと、初めの計画のときにはどういうふうにしたのですかとぼくは聞いているのです。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 酒田共同火力の運転開始……

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 初めの計画はいつだったのですか、それじゃ。はっきり聞きます。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 酒田共同火力の一号機の完成時期は五十三年三月、それから二号機の完成時期は五十三年十月ということで計画を立てていたわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 本当ですか。初めから……。何回も変更になっているはずですがね。さっき、若干のずれが出てとあなた自身が答弁しているでしょうが。早くなったなんていうことはない、遅くなったことこそあれ。初めからそういうことだったのですか。じゃその資料も出してください。よござんすね。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 ちょっと手元に、当初何年何月完成予定という資料を持ってまいっておりませんので、後ほど資料で提出いたしたいと思います。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 資料は、いまのはちゃんと出してもらえばいいですか。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 いいですよ。  そうすると、それは前からの計画じゃないようだね。いまの説明は、いま現在こうなっているということにすぎないね。そうですね。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 先ほど申し上げました、五十三年三月一号機完成、五十三年十月二号機完成という時点につきましては、現在といいますか、五十一年度の施設計画をつくる際の計画でございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 はい、そのとおりです。その施設計画は、計画されたときから毎年毎年三月だと言っているわけですから、いいですね、これはあなたえらいことになります、さっきの御答弁は。それを含めた資料を出していただきます。よござんすね。  それで、そんなところばかり時間をとっていたらえらいことになるので……。私は、非常に不思議だと思うのは、行政不服審査請求というのがここで出ていますね。それに対して、あなたの方では答弁書を一時出していますね。そして、その後不服申請を出した人から反論が出ていますね。その後何ら音さたなしなんです。これはどうして出さないのでしょうか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 御指摘の行政不服審査請求は五十年三月七日に提出されておりまして、これは送電線につきまして、二十七万ボルト設計に対しまして十五万ボルト設計で十分ではないかという趣旨で地元から出された不服審査請求でございます。現在これは内部で検討中でございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 それで法律的にいいのですか、返事を出さなくても。期限はないの、十年後だってかまわないの、そのあれは。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 ただいまの行政不服審査請求につきましては、市議会で解決についてのあっせんをされたというふうに聞いておりまして、不服審査請求そのものの処分についてはまだ済んでいない、こういうことでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 いやいや、なぜ返事を出さないかと聞いているのだよ。中村さん、一生懸命カンニングさせて、だめじゃないの、わからないのに。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 あっせんがございましたので、近々その処分をいたしたいというふうに考えております。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 行政不服審査の請求は、その問題に限ってじゃなくて、たくさんありますよ、あなた。何を言っているのだ。そんなうそを言っては困るよ。  これは具体的に私言います。  その時点で返事を出せなくなった理由は、五十年九月九日、東北電力側の総務課で出した文書があるのですよ。これは「酒田問題に関する建設省よりの情況聴取(報告)」となっておって、期日が九月九日、十時四十五分から十一時十分、場所は建設省計画局総務課、建設省側は亀本土地収用係長、それから当社、東北電力ですね、支社総務課穴沢、両方とも判こを押しています。それで、主要な問題点は何かというと、  要するに、プロパーを通産省が明らかに出せる  なら、その理由でもって認定できるし、それが  だめなら、北港まで共火線を作っておいて、北  港から羽後幹線まで再申請するかの方法しかな  いのではないか、といっておいた。また項を改めて、  安全率の説明では、技術課の見解では、鉄塔  を大きくする理由がない、といっているのだ  し……  再申請となると、またもう一度作り直してやら  ないとだめか。  まあ、それは今後の課題となろうが、必らずし  も作り直さなきゃだめ、ということでもないだ  ろう。  行服(行政不服審査請求のこと)が解決しない  と、事業認定しないというようなことを伺った  が?ということが書いてあって、メモですからね。行を改めて、  いや、それは内部の見解として、そういう声も  出るかも知れないということだ。  だから、今後の問題として、プロパーを出す  か、あるいは北港まで作っておいて再申請する  か、どちらかだろう。                   以 上それからまた、   酒田問題に関するエネ庁水力課よりの情況聴  取(報告)  期日 九月九日 一一時三〇分〜一一時四五令  場所 エネ庁(資源エネルギー庁のこと)水力課  相手方 水力課平田総括班長  当社 支社総務課穴沢両方とも判こを押しています。非常にこの中では重要なことが書いてありますが、  先日建設省と打合せが行われたそうですか、号  の時の内容をお聞かせ願います。回答は、  一応、現状の認定申請書を使うという前提で、  次の三案が話しあわれた。   建設省では、安全率での解明がだめなので、通  産に対し別途意見を求めるものとして、次の三案を検討することとした。  (第一案)  通産省がプロパーを認めて表面に出す方法。これはどういうことかというと、共同火力だけではなくて一般のもう一つの発電所のことを言っておるのです。それは表向き出さないでいる住民を説得したのですから、それを表に出す方法が一つある。   すなわち、電力の方では「用地は既に確保してある」と言っているのであるから、先行投資を承認するのはプロパーを出さざるを得ないのではないか、ということ。 それを含めなければ土地収用法の問題はできないのだという意味ですよ。それで(第二案)としては、  共火線の鉄塔を設計変更すること。   すなわち、事業認定申請どおりに二七万設計でなく、一五万に設計変更すること。 が(第二案)だ。(第三案)は、  共火線を四一条の工認(工事認定のこと)をし、工事を着手して、北港から羽後幹線までの事業認定をし直すこと。   すなわち、早速工認し工事を着手して、共火線は既成のものとして いまからつくるのだけれども前からあるものと仮定して、  事業認定には関係ないものとして扱うという方法。  以上三案でもって、今後検討することになった。 こう書いてあるのですね。いろいろ書いてありますが、ついでだから、時間ありますから読みましょう。  その他の問題として、建設省側から行政不服問題が解決しない内は事業認定はできないというようなことをもらしていた(安田課長補佐から雑談的に話が出、それから急用で退席した。) つまりもらしていたので、  これを今後詰めなければならない。 △というのは、判こを押したというのじゃなくて△印で書いてあるのを言ったので、さっきの判こを押したというのは間違いですから訂正しますが、電力側は、  どういう風に詰めるのか? と聞いたら、建設省側は、  すなわち、行服が終らないと認定できないということでは、工事の日程もあるし、そういうことではまずいので、行服と関係なしに認定を進めてもらうよう詰めようと思う。 会社の方では、  会社としても行服が終ってからということでは問題なので、よろしくお願いします。 これは土地収用法の関係で謀議をしておるのですよね。謀議という言葉がおもしろくないならば、相談をしておるのですよね。補足というところがありまして、  〔プロパーに関して〕  (現時点での潮流図をみながら)  羽後幹線方面から北港までもってきて、北港から酒田共火を通って住軽アルミの方へ流れるのは、共火線以降は需要がないのだから、二七万は必要でなく、一五万で間に合うのだから、逆に酒田共火PSから羽後幹線方面に流す必要があるため二七万にしなければならないということになる。   従って、それを裏付けるには、プロパーを出さざるを得ない、ということ。                  以 上 それで、問題なんですが、さっき言ったように共同火力というものだけでも、もうすでに背後地に供給しても余るほど電力がある。  ところがもう一つ、これは昭和四十六年の十二月二十二日付で当時の安孫子県知事が酒田市長に対して、東北電力株式会社の火力発電所誘致建設協定を結びたいという申し入れをしています。これは非常に重要なことなんです。これから火電基地というものが論争が起きて、そして、はっきり言うならば、先ほどのメモに書いてあるように共同火力の発電所の敷地のほかに、当時海の中にあった土地、土地と言うのでしょうかね、海の中ですから。その分まで買い求めて、つまり二つの発電所をつくる土地が、そのときから買われているのであります。それがわかったということになっている。いま酒田市で問題になっている共同火力の分は、背後地と酒田の住軽アルミだけでたくさんだから、後は発電所はつくらないということをきちっと約束しておりながら、こういう裏で共同の発電所ではなくて東北電力だけの発電所をつくる計画が進んで、いま土盛りをしているわけですね。余った砂でどんどん土地をつくっているんです。こういうことが行われているんですが、そのことは通産省は認めるでしょうね。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 いま御指摘の酒田共同火力以外のプロパーと言いますか、新しい発電所の建設につきましては、私ども施設計画のヒヤリングを現在五十二年度分及び五十三年度分について行っておりますが、その段階では電力側から説明がございません。したがいまして、われわれとしては承知していないところでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 そういう答弁をしたらおかしくなりませんか。すでに五十年の九月九日に東北電力と建設省側が話をし、同じ日に時間をずらして資源エネルギー庁と東北電力の穴沢という総務課の人間がメモまで交わした会談が行われているではありませんか。このメモは、あなたの方でも河本さんが大臣のとき、こういうことがあったんだと言われて、そのメモが、そういうことがあったことが、当時国会では論議にはならないけれども、私らがいろいろ話している中では認めているのです。このメモを私は持っているのですが、どうなんですか、こういうことが行われたことは全然認めないし、そういうことはなかったというふうにあなたの方では答弁なさるつもりでしょうか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 いま御指摘のメモにつきましては、私ども承知しておりませんので、先ほど申しましたように、正式ないわゆる新しい発電所についての施設計画というのは聞いていないということでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 そうすると、当時の建設省の亀本という土地収用係長並びに資源エネルギー庁の水力課の平田総括班長、この人を呼んで、これは証言でも求めなければならないということになりますね、東北電力の穴沢という人。あなた方承知してないところでやったのですか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 結論を得ますまでの段階で、建設省あるいは私ども、それから東北電力等の当事者の間でいろいろと議論があったことは承知いたしておりますけれども……。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 では、酒田市にそのプロパーの発電所の敷地を東北電力に売っている事実は知っていますね。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 存じております。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 だから、このメモと関連をして重要なことです。ことしのヒヤリングのときにはまだ出ておりません。ことし出なくたって三年前出ているんだからしようがないじゃないですか。この問題を表に出すか出さないかで論議したメモが残っているのですから。これは印刷になったものですけれども、原文コピーしたものを私は持っているのですけれどもね。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 御指摘のメモの内容につきましては、私どもとしても事情を調べてございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 これはさしずめ予算委員会の総括質問になったら参考人として一度呼べということになるのです、本当は。いいですね。何かの機会にこれは商工委員会か何かで、これは分科会の主査に言ったって仕方がないから、そういう手続をとらしていただきます。  それでわかりましたが、その前の四十六年の八月十二日、これは「財界」の四十六年の十月十五日号に載っていたんですけれども、さっき言った八月十二日に住友金属工業の社長の日向方斉という人、これは電調審の委員ですね。この人と東北電力の社長の若林さんという人が話し合っているということがはっきり載っておりますから、この四十六年の十月十五日の問題とあわせて、後で私はその事情というものを明らかにしていきたいと思っております。いまのうちから言っておきますから、あなたの方で対抗手段があったならば、いまのうち一生懸命頭をひねって対抗手段を講じてもらっても結構であります。これだけは言っておきましょう。  それで、事実土地を売っているのですから、市民は知らないことになっているのですよ。だけれども鋭敏な市民は知っている。もう一つ巨大な発電所ができるということを知っている。いままでたとえば九万トンの生産を始めたとあなたは言っていますが、そうではありません。住軽アルミは四万五千トンの生産しかまだできていませんから、さっきの数字よりもっと余るのです、電力は。市民はそれでさえも多い、たくさんだということで、この間酒田の公害対策審議会に出た有磯という人がそこまで言い切ったので、年間一〇%の伸び率を見ても五十二万キロワットというのは不足する、一般の県内需給に回されるのだというふうに言い切っているのですから。それで、これは一般売電ですから、この約束と違うので騒然となっているわけです。このことを踏まえてあなた方は考えてもらいたい。そして電調審の当時の条件がありますね。それはアルミの需給ですか、アルミ精錬業界の動向に合わせて、言うなれば事業の認可や工事計画の認可などの措置をとるという条件がついているのですね。したがって、こういうものは後で発電所は必要でない、こういうことにならざるを得ないのです。もし、九万トンになってもそうですから、十八万トン最終的にやるんだと言うんだったら、これまた別ですよ。そういう計画が一体どうなっているのかということも今後当然審議していかなければなりません。  それからついでに聞いておきますけれども、これはここでアルミの一貫工場として認可されているわけですよ。電調審はもちろんのこと、すべてあなた方の許可、認可はそれをつくるということになっているのですが、一貫工場じゃないですよ。精錬だけで圧延は全部手つかずですね、これは。どう思いますか、条件が違うのじゃないですか。

天谷直弘通商産業省基礎産業局長

○天谷政府委員 御指摘のとおり、当初の計画によれば、精錬から圧延をやることになっておりますけれども、昨今景気が予想以上に非常に不景気でございまして、圧延工場の操業度も非常に低いような状況でございますので、いまのところ会社はまだ圧延工場を建設する決意ができていないものと考えております。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 現在ではまだ決意ができてないというのじゃなくて、住軽アルミや住友金属工業、そういうところの幹部のいろいろな発言から言って、もうすでに圧延は必要としない、こういうことを言っている発言があちこちにありますから、あなたの方ではそこをきちっと踏まえておいてくださいよ、事情を聞いて。正式な発言としてどうなるのかということについて私に文書回答していただけますか。

天谷直弘通商産業省基礎産業局長

○天谷政府委員 住軽アルミの方がそういう決意を通産省に対して表明いたしましたならば、それはお伝えいたします。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 表明しなければそのままもう圧延はだめなんだと思っている、いまの回答はこういう意味ですね。

天谷直弘通商産業省基礎産業局長

○天谷政府委員 表明できない状態であれば、それは決定はさらに将来に延期されるという意味と考えます。(安宅分科員「えっ」と呼ぶ)決定は、現段階ではできないということでございまして、将来また進出するのかしないのかという決断を先に延ばしたということかと存じます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 だから、そういうことを条件にして認可され、許可されたのですから、率直に言うと、それはうそだった、だまされたということになるわけですよね。だから、これは非常におかしな企業進出であり、それに伴うおかしな電力計画であったということにならざるを得ないのですが、初めの方は私に勢い込んで、五十三年度から住軽アルミは動き、それから共同火力も従ってその年度あたりに動くということに現在なっていますという答弁でしたでしょう。圧延は条件から抜けてしまって、もうあなた方お役人さんは、なるほどな、やめたかなんということになっているのでしょうか。そんなずさんなものなんでしょうかね。どうなんです。

天谷直弘通商産業省基礎産業局長

○天谷政府委員 酒田に対する進出の計画につきましては、われわれとしましては、当初、アルミニウムの需給のバランスを崩さないようにというような配慮から、五十三年に九万トン操業するというような計画を一応聴取しておりますけれども、それは一応の計画の聴取でございまして、それによって企業を拘束するというようなことは考えておりませんでした。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 重要な発言です。そうなりますと、そういう余りでかいものは、公害をいっぱい起こすような企業はいやだと地元では言っているのですよ。だから制限をして、電力なんかもこういうふうにしようと市議会で決定までして、市長はそれを了承しましたと言っている。あっせんが行われたと言っているけれども、そのときは市長も片一方ではちゃんと別な方に、それを限度とするということは、別なプロパーはつくらないんだということを相馬大作市長は判こを押しているのですよ。企業側のことはあなたは考えるけれども、住民の側は考えないのですか。住民の側はどうなっても構わないのですか。重要な発言ですよ、いまのは。企業はつくると言いながら予定どおりつくらなかった。しかも、予定どおりつくられるどころか、予定をずらしてもつくるかどうか決意もしていない。それを見逃しておいて、向こうから発言があったときはどうのこうのなんて言っている。住民の側はそれが一番大事なところなんですがね。住民側を向いた行政でないということがそういうところではっきりするのです。大臣、どうですか、感想は。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 エネルギーの問題につきまして、先般も申し上げたごとくに一番大事なのは国民の深い御理解と御協力でありまして、これが前提でなければいろいろな計画をつくりましてもその遂行はできない。そういう点でいまの地元の御協力、御理解とそれから資金、この二つがエネルギーの二大柱だ、私はかように考えます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 一般論は大臣の言うとおり。けれども、あなたの部下はそうでないことをやっているから感想はどうかと聞いているんです。それはややずさんなところがあるようだ、こういうことについては改めていかなければならない、こういうふうにあなたがおっしゃるかと思ったのでございますが、どうなんですか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 さかのぼって何年前になるかわかりませんが、エネルギーの供給ということの重要性、それからまたアルミの精錬の必要性、これは地元の方々も当然当時におきましては深い御理解があったもの、かように存ずるわけでありますが、しかし、ただいまお話を承ってみますと、その間にはいろいろ行き違いやそごがあったやにお話によって思ったわけでございます。しかしながら、これにつきましてはどうかひとつよろしく御調整のほどをお願いいたします。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 大臣の答弁は答弁として聞いておきましょう。  それで、さっきの問題に返ります。そういうメモは調べてみますとおっしゃいましたが、そういうメモがあっていろいろ返答ができないからあなたの方では行政不服審査請求をやった方々に対して、反論に対する弁明書というんですか、答弁ができないのじゃないですか、そういういろいろなことがあるから。そうじゃないんですか。とにかく妥結する前にとか、送電線に限っては一部二十七万のところを十五万にしたりして、そうして県議会があっせんをして——あの人たちもよくわからないのだ。わからないからあんな政治的な解決をしたけれども全部残っておりますよね。だから、その前にだって本当はすでに答弁をしてなければならないのに答弁しなかったのですよ。そこを言ってはいけません。妥結したからどうのこうのなんて理由にならないので、答弁ができなかったのはそういうメモがあって、これはまいった、そういうメモがばれたんじゃ答弁しようがないというので、頭を抱えて出さなかったんじゃないですか。それだけははっきりしておきましょう。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、メモの存在それからメモに書かれている内容につきまして承知いたしておりませんので、よく調査をいたしましてその内容についてはお答えをいたしたいと思います。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 そんなことはないのです。答弁書を出さないのはなぜかと聞いている過程でいろいろな問題が出たのです。いいですね。メモを初め、そういう事情があったから、だからあなたの方では答弁できなかったんじゃないですかと、もとに返る質問をしているんだと私、ちゃんと断わって質問しているんだから、質問に答えてください。あと時間がないから、お願いしますよ。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 不服審査請求につきましてはできるだけ円満な解決を図りたいということで、先ほど申しましたように地元のあっせん案によって解決するという……

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 だからその前にだって出さなければならなかったのじゃないですかと、私は条件つきで聞いているんだよ。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 それまでは政府部内あるいは県等あるいは市とも相談をしなければいけないという事情もございまして、そういう関係で時間が経過したわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 うっかりしてきょう法律を調べてこなかったのですが、答弁書は何日までに出さなければならないという何かあるんじゃないですか、住民もぶん投げられたらかなわないから。それはあるんでしょう、どうなんです、何月以内とか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 原則として三カ月ということになっております。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 だから、おかしいではないかと聞いておるのです。いいですね。そんなことをやってずるずる住民側には返事を延ばしておいて、東北電力ではまだ一生懸命いま工作中だ、通産省に義理があるから。やめてくれや、取り下げてくれやと一生懸命来ておるのだよ。それが成功するまで待つつもりでございますか。そんなばかな話はないでしょう。それはおかしいと思いませんか、どうですか。おかしいと思うでしょう。返事を出さなかった当事者としてどうですか。おかしいと思うか思わないかだけ。時間がもう三分しかない。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 いろいろ検討に時間がかかりましたので解決がおくれたわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 おかしいと思うか思わないかをおれは聞いておるのだよ。やはりおかしいな、質問されてみればと。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 原則として三カ月ということでございますので、なるべく早く解決を図るべきだということは御指摘のとおりだと思います。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 そんな答弁だから。当事者としてもおかしかったなというふうにあなたは考えるか考えないか、聞いておるのですよ。これはあなたのときじゃないでしょう。ずっと前の話でございますからね。それはおかしかったなとなぜ率直に言えないのですか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 先ほども御答弁いたしましたように、できるだけ早く解決をしたいと思っております。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 何ですか、あなた。原則として三カ月、じゃ何年たっているか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 確かに御指摘のように一年半余りたっておりますので、それは至急解決を見なければいかぬというふうに考えております。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 おかしいと思わないかとか何か言ったら、申しわけないぐらい言ったらどうですか。言えませんか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 解決まで長時間かかったということについては遺憾だと思います。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 申しわけないとは絶対に言いたくないのだね。遺憾だとか——遺憾というのは何それ、漢字でどう書くの。遺憾というのは謝ったことにならないの。それはいいわ、苦しそうな顔をしているからそういう質問はやめますが、ただ私どもは、今度これは最上幹線というものと関連がある。最上幹線は、結局、酒田の共同火力線を本楯地区を経て羽後幹線に結びついたところに直接結ぴつける計画なんですね。最上幹線というのはそうですね。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 そのとおりでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 あなたの方では、足りなくなったとき、機械がこわれた場合に仙台やどこかから持ってくるためにつなぐのだと言うかもしれないけれども、それはいまでさえ余って売電しなければならないのですから、ましてやプロパーのやつなんかできたら、煙だけはもうもうと酒田に落として、後きれいな電力はさっと宮城発電所まで将来持っていくという構想があって最上幹線というものはつくるのだ、こういうふうに私は理解しますが、どうなんですか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 最上幹線は山形県と宮城県の連係を強化するというためにやるわけでございますので、将来の基幹系統の一部として長期的な観点から行う、それは山形県の供給の安定にもつながる話である、こういうことであります。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 そんなことは聞いてないのだ。山形県の供給の安定なんか聞いてない。供給安定するなら別なところで発電所をつくってもらっても一向差し支えないのですから、何もそこへ強引に、売電するのじゃなくて、地元だけのものとして市議会で認めるものを山形県内の供給バランスをとるために必要だなんということはない。いわゆる電力の新幹線と言われている、仙台を通って青森の例の問題になっておるところを通って、そして苫小牧をずっと通る新幹線に結びつけるということだけはあなたの答弁でわかりました。そうでしょう。そのとおりでしょう。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 そのとおりでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 はい、わかりました。  それでもう時間がありませんから、いろいろ妥結をするときの説得の仕方や何かというのは、県議会の人が来たり電力からいろいろな人が来て、農家の人は徹夜でそんな急ぐことはないじゃないかと言う人を説き伏せて、そして強要とは言いませんけれども、それに近いいろいろなことが行われましたよね。そのときは、みんな農家の頭にあるのは、圧延工場ができたら地元の雇用なんというのも相当あるんじゃないかと思って、そういう一縷の望みを託して送電線に関する限り判こを押したという人も相当いるのでございますよ。しかし、今度窒素酸化物だとかその他火力発電所ができたために起こるいろいろな公害、このことを心配している市民はもっともっと多数いるわけですね。一つでたくさんなのに、余っているのにもう一つつくるということが極秘裏に——私がさっき証言して後で具体的に言いましょうと言いましたね、そういう問題を含めて、たとえば両社長が、住友金属と東北電力の社長が会った日にちも言いましたし、それから安孫子知事から酒田の市長に東北電力の発電所に関するところの誘致の申し入れ、こういうことも日にちも言いましたね。そうして実際に県は東北電力に対して、海の中の土地、幽霊みたいな土地をもうすでに売約済みであったということもあなたの方で認めましたね。そういうことを総合しますと、全部だまされたとしかこの人たちは考えないのです。私も考えませんよ。雇用の安定だとか、中小企業の人々が大企業と連絡をとりながら、うまく酒田の発展に協力しましょうなんて幾ら言ったって、背後地には工場一つ来るわけじゃあるまいし、住軽アルミそのものが圧延工場を建てる意思がない。何のために酒田市民は表向きは一つの発電所をつくる、そういうものに同意したのか。そのほかにもう一つ隠れたものが、巨大なものが隠されておったということになれば、もうかっかきてとさかにくる。そういう行政を通産省はやっておったということははなはだ遺憾。私から言わせればこれこそ本当に遺憾。謝ったときの遺憾と大変違う意味の遺憾であります。こういうことが逐次明らかになっていきますけれども、いまの時点で私が申し上げたことが、なるほどそういうこともあったのか、これは計画そのものを再検討しなければならないのではないかということを含めて、大臣がこの問題に取っ組んでみるということを答弁することはできないのかどうか、大臣にひとつお願いします。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 地元の方々とよくお話し合いを深めていなかったことはまことに残念でございますが、公害と申しますばかりでなくまた公益の事業でもございますので、どうぞよろしくお願いします。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 それで最後に大臣、今度環境アセスメントの法律も出てくる、それから実際プロパーの発電所をどんどんつくるたびに土地が造成されつつあるのですから、その問題を含めて、こういうときには非常に慎重に市民と相談をしてといま言った話は、そういうことを含めて、市民とよく相談をして計画をやるというふうに理解していいわけですね。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 今後のエネルギー対策の中では最も私は重要なことだと思います。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 いやいや、相談をするという意味は、具体的に私が言いましたもう一つの海の中につくられようとしておるプロパーの問題や、それから公害の問題やそういうことを含めて、市民と相談をして計画を進めていくというふうに理解していいかと言うのです。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 これからの建設その他の問題につきましては、当然地元の方の御了解も得なければなりません。

安宅常彦日本社会党

○安宅分科員 わかりました。  以上です。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 これにて安宅君の質疑は終了いたしました。  次に、鍛治清君。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治分科員 鍛治でございます。今国会初めてでございますので、御迷惑をおかけするような質問もあるかもわかりませんが、明快な御答弁をお願いいたしたいと思います。  私は産炭地域の鉱害復旧それから地域振興対策について若干お尋ねをいたしたいと思います。  この施策は従来から遂行されておるわけでございますが、私も福岡県の出身でございまして、この鉱害問題、地域の振興問題には地元の皆さんの大変深刻な状況がございますので、この席でいろいろとお尋ねをいたしたいと思いますので、ぜひとも前向きの御答弁をお願いいたしたいと思います。     〔主査退席、二見主査代理着席〕  御承知のように、この昭和二十年代まではエネルギー、この中で石炭の占める位置は大変重要なものでございましたけれども、その後エネルギー革命によりまして産炭地域は衰亡の一途をたどってきたわけでございます。そういう中で、もうこれは理屈抜きに地元の方々は産炭地域の振興それから鉱害の復旧ということに対しては真剣な取り組みをやっておるわけでございますが、この問題につきましていま一番地元の人たちが心を痛めておりますのは、ともすれば中央の方からこの石炭関係のいろいろな国の施策が打ち切られていくのではないか、縮小されていくのではないか、こういう話が伝わってまいりました。一昨年もそういう話が伝わってまいりまして、福岡の特に田川市町村の関係は、郡、市を挙げて大挙国の方に陳情しなければいかぬと大騒ぎになったことがございまして、大変敏感にそういった問題を受けとめているわけです。またこちらに参りまして、国会での質疑の中で、これは前の大臣その他政府委員の方でございますけれども、読んでおりますと何となく心配になるような答弁が出てまいりました。確かに、当面進めてまいります、しかし慎重に検討もいたしながらというふうな前置きが往々にして入ってくるわけです。そういう意味で、確かに地元の不安というものも私は一理あるし、うなずけるところだというふうにも思うわけでございますが、こういったことを含めて産炭地域の鉱害復旧、それから地域振興の対策について最初に大臣にお考えをお伺いいたしたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 鍛治先生も福岡の御出身でございますが、私もお隣の山口県、産炭地でございまして、全部閉山をいたしましたその後の鉱害並びに産炭地振興に取り組んでおるような立場でございます。ただいま御指摘の産炭地振興対策、鉱害対策などの現行関係法令は、五十六年度の末を政策目標達成の期限といたしまして関係施策の遂行に努めることと相なっておるのでございますが、当該期限内に目標達成すべく最善の努力をいたす所存でございます。と申しますのは、この時期までに何とかして鉱害の復旧に全力を尽くしたい、こういうことでございます。もちろん法律が時限法でございまする以上、一応のこの目標に対しましては全力投球、こう申してもよろしいような感じで受けとめていただきたいと存じます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治分科員 石炭及び石油対策の特別会計の中で、石炭勘定に振り向けられております財源措置というものは、原重油関税の中でその比率を見てまいりますと、昭和四十七年には七九・五%、それから四十八年には八〇・四%、四十九年には七六・四%、五十年には六八・七%、五十一年度は七三・九%、こういうふうになっておるわけでございますので、それがやはり横ばいないしは下降線をたどっておるというような意味で、非常にこれから——いまおっしゃいました、正確には昭和五十七年の七月三十一日までが期限になっていると思いますが、それまでの政府の施策の進め方についてぜひともこれは八三・三三%、こういった当初の線を維持してもらいたい、こういう意向が大変強いわけでございますが、これは私もぜひその立場でこの石炭関係の予算を確保していただきたいと思うのですが、これについてお伺いをいたします。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 御指摘のように、石炭、石油特別会計から石炭対策費を出しておるわけでございますが、石油につきましても、備蓄だとか開発だとか非常に多額の、しかもリスキーな資金を必要とする段階になってきております。この財源は御承知のように原重油通関関税に依存しておるわけでございますが、昨年来この財源不足問題でいろいろと検討した結果、本年度はキロリッター当たり百十円の関税アップによりまして対処いたしたい、かように考えておるわけでございますが、いずれにいたしましても、石炭、石油その他のエネルギーを含めまして、巨額の資金を必要といたすわけでございますので、今回総合エネルギー調査会の中の基本問題懇談会におきまして、資金対策を中心にいたしまして、どのようにその財源を確保していくかということをも検討いたすことになっておりますので、その一環として御指摘のような問題も検討いたしたいと思っております。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治分科員 これは石炭そのものが日本全体の立場から見ますと地域が大変に限られております。そういう意味で、石炭を大変かつて掘って掘って掘りまくった地域の私が、特定地域のことで押すということについては若干やはり気持ちの上でいろいろ抵抗もございますが、それ以上に現地というものは大変に苦しい状況がございます。同時に、いま大臣からも大変に前向きの御答弁は一応いただいたわけでございますけれども、現地でのたとえば鉱害復旧量そのものをとってみましても、国の方で推定されているのと若干違った考え方を持っておるようです。どちらが正しいかこれはわかりませんが、鉱害復旧だけを限ってみましても、福岡県下で見てみますと、特に福岡県下は、御承知のように石炭を掘りましたときに農地やら住宅が建っておるその下を掘って掘って掘りまくっている。こういう形で、大変予算の中でもこの福岡県、特に筑豊地域、こういったものに予算が行っておるということも承知はいたしておるわけでございますけれども、福岡県の中で総鉱害量は、金額にいたしまして大体三千五百二十四億円程度ある。その中で現在までに千二百八十七倍円というものを投資されまして復旧というものがなされた。これで、おかげで農地で六三・六%、家屋で六〇・五%、こういう鉱害復旧がなされておるという一応の形にはなっておりますけれども、実際にこの残存鉱害量というものは金額にいたしますと二千二百三十七億円、まだ残っておる量の方が大変膨大である、こういう推定がなされるわけでございます。そういう意味合いを含めまして、あと、いまおっしゃいました昭和五十六年度末までにこの残存のものを含めて、これは日本全国にわたると思いますが、必ずこの量については鉱害復旧をしていただきたい、そういう予算措置もしていただきたい、こういう点につきまして、再度ひとつ御答弁をお願い申し上げたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 御指摘のとおりに、最大の努力を払うつもりでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治分科員 いまの御答弁で、さしむき石炭関係の予算措置等につきましては後ろ向きになることはない、こういうふうに理解をいたしますので、そのとおりにひとつお進めを願いたいと思います。  個々の問題に多少入ってまいるわけでございますが、いま産炭地域で問題になっておりますのは二次鉱害というものがございます。これは昭和三十二年から四十年ごろまでに閉山の過程で売山処置、こういった中で打ち切り補償。金銭に対する賠償や復旧事業で一応復旧が完了した、こう思われておる家屋と農地がございますけれども、これがその後昭和四十五年ごろ、またそれ以降にも鉱害が再びまた進行してきている、こういうようなところもたくさんあるわけでございますが、こういう点についてもぜひとも早急に対策を講じていただきたい、こういうふうに思うわけでございますが、この点についてお伺いいたします。

島田春樹資源エネルギー庁石炭部長

○島田政府委員 いまお尋ねのありました問題でございますが、一たん復旧を完了いたしました物件につきましては、鉱業法における損害賠償が消滅いたしておりますので、原則として再復旧は行わないことにしている次第でございます。しかしながら、たとえば圧密沈下だとかあるいは地下水の上昇など、やむを得ない特別の事情がありまして、すでに行われた工事の持っていた効用回復効果が不完全となっている農地につきましては、現在追加工事によりまして一部再復旧を行っておるわけでございます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治分科員 これは原因がまたいろいろ調べていかなければならないと思いますが、いろいろな実情に合わせて調査をいただきながら、ぜひともひとつ再復旧についての適用をしていただきたい、前向きで進めていただきたい、これはお願いいたしておきます。  それから、通産当局や鉱害事業団等で鉱害を認定している地域がございますが、その地域外にもやはり鉱害だとはっきり思われるような、そういう鉱害があらわれておるわけでございますが、こういう点についてはぜひとも地域指定をしていただきたい、こういう要望が大変強いわけでございますが、この点についてお伺いいたしたいと思います。

島田春樹資源エネルギー庁石炭部長

○島田政府委員 いまお尋ねの問題は、恐らく鉱害としてまだ認定されてないケースがあるという御趣旨だろうと思いますが、そういう鉱害で認定するかどうかにつきましては、その採掘との因果関係あるいはいろいろな事情等を十分調べまして認定をいたすということになっておりますので、私どもといたしましても、そういうケースがありましたら、よく実情を調査しまして処置をいたしたいというふうに考えております。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治分科員 これも実情に合わせてひとつ前向きでお進めを願いたいと思います。  それから、ボタ山の処理について若干お尋ねをいたしたいわけですが、これは福岡県下でも三百十九あるわけでございまして、これも有資力、無資力の地域の問題もございますが、これがいまほとんど撤去等の処理がなされておりません。そういう関係で、雨が降りましたりいろいろありますと崩壊の危険がございましたり、田畑、農地に非常に損害を与えたりというふうな現象が出てまいりますし、ところによっては火が出ておるのではないかというようなことで煙が上ったりというふうなところもございますが、これは一日も早く処置をし、産炭地の復興の一つにしなければならない、こういうふうに思っておりますが、この点についてお伺いをいたしたいと思います。

斎藤顕通商産業省立地公害局長

○斎藤(顕)政府委員 ボタ山の崩壊、流出による災害を防止するために、昭和三十九年度以来ボタ山災害防止工事費補助金制度を設けまして、防災工事を実施する義務を有するものが無資力または存在しないものにつきましては、県に対して補助金を交付し、災害防止工事を実施してまいりました。さらに、四十九年度からボタ山を完全排除するために市町村を間接補助事業者とする制度を新たに設けまして、防災工事に努めてきておるところでございます。また、ボタ山対策を推進するために、四十八年度から五十年度にわたって実施しました廃止ボタ山実態調査の結果を踏まえまして、現在ボタ山対策委員会におきまして今後の対策について検討中でございます。今後とも災害防止について努力してまいりたいと思います。また、鉱山保安法が適用されるボタ山につきましては、定期的に監督検査を実施しておりまして、災害の防止に努めておる現状でございます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治分科員 これは、先ほど大臣もおっしゃいました、昭和五十六年度末までぐらいには同時進行で処理をしていただきたいという要望が非常に強いわけですが、こういう見通しについてお伺いをいたしたいと思います。

斎藤顕通商産業省立地公害局長

○斎藤(顕)政府委員 現在、御指摘のようなボタ山が百一ございます。先ほど来大臣初め御答弁いただきましたような精神にのっとりまして、できるだけ努力してまいりたい、このように存じております。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治分科員 そこでもう一つ、炭鉱関係で重大な問題に実は炭住の問題がございます。これも当局においては御承知のことと思いますが、炭車街が地域の環境悪化ということに大変影響を与えておる。中にはいろいろな雑草などが生え茂りまして、青少年の非行化の温床になっておるというようなところも出てきております。しかもまた、この炭住というのは、大体大正の終わりから昭和の初め、中期——戦後建てられたのが若干ございますが、中には明治時代から建っておるというふうなものもございまして、大変危険なわけです。福岡県下に例をとってみましても、炭住の総数が三万六千三百十三戸あると言われておりますが、これは五十一年の四月一日現在の数字でございます。     〔二見主査代理退席、主査着席〕 この中で修理が不可能である、どうにもならないという住宅が三千六百二十戸ある。それから大修理をしなきゃならないというものが七千二百二十戸あります。さらに、どうしても手を加えなければ大変だという家屋が二万六十二月、合わせまして三万九百一戸という戸数でございまして、全戸数の八五%というものが大変危険な状態に追い込まれております。  私も、現地を何回となくあちこち見さしてもらってきましたけれども、住んでいる方にはこういう言い方をしますと大変失礼な言い方でございますが、およそ人が住むような住宅としては、現在のような世界に冠たる日本の中で、大変これはおかしい、あるべからざる状況ではなかろうか、こういうふうに私は理解してまいりました。これの改築についてはいち早くしなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでございますが、これについてのお考えを承りたいと思います。

島田春樹資源エネルギー庁石炭部長

○島田政府委員 炭住の改良問題につきましては、住宅地区改良法による補助事業というのがございます。私どもの方は、それにさらに産炭地振興臨時措置法十一条に基づく措置、それから産炭地域振興臨時交付金制度というものがございますが、こういったものによりまして補助の上乗せを実施しておるわけでございます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治分科員 私の地元のことばかり例にとって大変申しわけないんですが、田川市というのがございます。これは現在、炭住の戸数が六千戸ございます。これは、田川市内に住んでいらっしゃる方々の全戸数の約三分の一、しかも場所が大変に市街地の中心部にございますけれども、これは高いところから見るとわかりますが、町自体がそういう意味で大変に陰気な感じを与えるし、そういう意味からでもいち早く建てかえられなければいけない、こういう状況にあるわけですが、幸いに、田川市においても今回は意欲的に改築をしていこうという腹を据えたようでございまして、これから進めていこうという段階でございますが、こういう具体的なところにつきましても、現在の炭住改良というものが住宅地区の改良法、いわば収用法の流れをくむものだと思いますが、そういう形で改良が行われているということで、建てる戸数にも制限がございますし、ただいまお話のございました交付金につきましても枠があるようでございます。一戸当たり二十万円ですか、戸数にして、今年度の予算の中からは、五十戸ふやして百五十戸にする、こういうふうなことで計上されておるようでございますが、この戸数では、いま田川の例をとりましても約六千戸ございます。いままで改築されたものがほとんどございません。そういうことからいきますと、大変な年数がかかっくるということにもなるわけです。これは地方財政の困難な折から、地方のやりくりというものが大変でございますので、こういう地方公共団体等で、また地域の盛り上がりの中で、炭住改良をどんどんやっていこう、こういう意欲が出たときには、法の弾力的運用等いただきまして、ひとつ戸数については最大限国の方で援助をしてやるぞ、こういうふうな構えをぜひやっていただきたいと思うのでございますが、こういった点についてお伺いいたしたいと思います。

島田春樹資源エネルギー庁石炭部長

○島田政府委員 臨時交付金の限度の問題でございますけれども、いまお話しございましたように、現在本年度まで交付限度枠は百戸相当分二千万円ということになっておったわけでございます。私どもはこれに対しまして、五十二年度からこれを百五十戸相当三千万円に引き上げるということにいたしておる次第でございまして、今後とも炭住の改良というものを推進していくという考え方でございます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治分科員 炭住の改良事業は先ほども言いましたように、炭住改良のための法というものの制定がございませんので、大変隘路があるように思うわけです。特に現在、五十戸以上でないと住宅地区改良法というものの適用がされてないというようなことが、これも一つ隘路になっているわけで、これは五十戸以下でも適用できるというような法改正というものができないものだろうかというふうな考え方をわれわれは持っておるわけでございますが、ここらあたりのお考えをお聞かせ願いたい。

片山正夫建設省住宅局住環境整備室長

○片山説明員 炭住改良につきましては、その整備を緊急に実施することが必要であるということは十分私ども承知いたしておりまして、現在のところは、住宅地区改良法に基づきまして事業を実施しておるところでございます。  ただ、現行の住宅地区改良法は基準が四つございまして、そのうちの一つに五十戸というものがございます。それがネックになっておるということでそういう御質問があったんであろうと思いますけれども、その五十戸の基準が土地収用法の関連によりまして改正がなかなか困難でございますので、現在のところは五十戸以上のものについて実施しているわけでございます。現在、その基準に該当いたしますものにつきましては、これは建設省といたしましても全面的に優先採択をするということにつきまして、従来実施しております。また、地方公共団体の具体の内容につきましても、十分配意いたしまして実施いたしております。なお、基準未満のものにつきましては、これは検討を要する課題と考えております。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治分科員 この問題も実情がさまざまであると思いますので、こういう問題について地方公共団体等からの要望等ございましたときには、ひとつ弾力的に、いろいろと前向きでぜひとも御援助をいただきたい、これはお願いでございます。  最後に、企業誘致の問題でお尋ねをいたしたいわけでございますが、企業誘致は団地造成から始まって、造成が済みますと当然企業が誘致されるという段階で、これは地元の地域振興ということに役立ってくるわけでございます。  ところが、福岡県下でも大きな工業団地はいま四つございます。一つは宮田の方ですか、これは現在進行中のようでございますけれども、この団地造成ができた後の企業誘致というものが、この団地、いま挙げました四つの団地、庄内、宮田、白鳥、飯塚、この四つございますけれども、必ずしもうまくいってないようです。飯塚の方はまあまあのようですが、白鳥団地、これは田川市内にございますけれども、日産の刈田町の進出に伴って、下請関連企業をぜひともたくさん引っ張りたいというような考えもあったようですが、やはりいろいろな立地条件等の関係で思うに任せておりません。庄内等についても、思うように進んでないようです。こういう関係について、地元はもちろん、地域の住民の方々、それから市町村の当局、地方公共団体ですね、そこらあたり、それから県知事等含めて一生懸命走り回って、何とか公害のない企業が引っ張れないものかということで大変熱意ある動きをされているということについては承知しておるわけでございますが、どうもわれわれはその中で、ひとつ国の方がもう一つ強力に口添えなり、紹介なりというものをやってもらえないだろうか、どうもそういう動きというものがはっきり私自身もつかみとれませんし、こういったところにも一つの隘路が出てくるのではなかろうか、こういうふうに思っておるわけでございますが、こういった件について強力に推し進めていただきたいという希望もございますので、この件についてのお答えをお願いいたしたいと思います。

島田春樹資源エネルギー庁石炭部長

○島田政府委員 企業誘致対策の問題が産炭地域振興対策の一つとしてきわめて重要な問題というふうに私どもは考えております。  御承知のように、現在の地域整備公団の造成した団地の譲渡につきましては、低利、割賦で譲渡する措置をとっておりますし、また進出企業に対して長期、低利の融資を行う、あるいは地方税の減免、あるいはそれに対する減収補てん、特別償却等の税制上の措置というようないろいろな措置をとりまして、企業が産炭地に進出しやすいようにいろいろな対策を講じておる次第でございます。また、できるだけ進出してまいる企業に対するPRと申しますか勧誘と申しますか、そういうものにつきましても、特にこれは地域整備公団におきまして産炭地域のPRをやる。あれは商工会議所とタイアップしてやっておるようでございますが、そういった問題、あるいは視察団の派遣等、いろんな誘致活動を行っております。  私どもといたしましては、今後もさらにこういった施策を強力に推進してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治分科員 最後になりましたが、産炭地域の問題についていろいろお願いなり実情なりをお話を申し上げたわけです。これはぜひとも昭和五十六年度末までに残存鉱害ないしは地域振興について鉱害復旧が完了し、また地域振興が十分できるような形で今後強力にお進めを願いたい。さらには、ひょっとすれば五十六年度末で残る問題、また二次鉱害の問題等が出てくる可能性もあるかと思いますが、そういった面を含めて完全なる鉱害復旧と、それから産炭地域の振興という施策を推し進めていただきたい、こういう御要望を含めて、最後に一言だけ大臣の決意をお聞かせ願って、私の質問を終わりにさせていただきます。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 ただいま鍛治先生の産炭地振興、特に閉山地域に対しまするあるいは炭住の問題あるいは工場誘致の問題、その他いろいろきめの細かい御施策を御注意いただきましてありがとうございます。私もともどもに、ひとつ御一緒にこの問題について取り組みたいと存じますが、同時にまた、エネルギー対策というような積極的な面におきまして、わが国の石炭二千万トンの確保というような問題も一方においてはございます。これらの問題につきまして、この産炭地の閉山いたしました消極的な後の処理に全力をいたすと同時に、今度は積極的な面におきます石炭鉱業の維持、さらに増産対策、こういう面におきましてもくれぐれも御協力のほどをお願いいたすと同時に、関係二法案を御提案申し上げておりますので、これが御審議のほどをどうぞよろしくお願いいたします。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治分科員 それでは質問を終わります。ありがとうございました。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 鍛治清君の質疑はこれにて終了いたしました。  次に、高橋高望君。

高橋高望民社党

○高橋分科員 冒頭でございますけれども、ただいま故池田禎治の民社党葬を済ませてまいりました。生前故人の賜りましたいろいろの御友誼等に対し、厚くお礼を申し上げさせていただきます。ありがとうございます。  それでは、きょうは下請代金支払い遅延防止、この辺についての二、三のお尋ねをいたしてみたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。  このところ御承知のように不況が長期化また深刻化してまいりまして、まずお尋ね申し上げたいのは、親企業の下請企業に対する代金支払いが、下請側から見れば一段と不都合なことが多くなっているように思われますが、まず、最近このところの状況について御説明をいただきたい、かように思います。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 下請企業は、日本経済の中でも非常に大きな役割りをしておるように私どもも思っておるところでございます。ただ、その役割りにもかかわらず、最近の不況の影響を受けまして、経営の面ではいろいろ苦しい思いをしておるようでございます。私どもも、下請企業の実態につきましては定期的に実態調査をいたしております。  その内容を見てみますと、仕事の量は少しずつふえてきておる、しかしながら値段の方はなかなか改善しない。その結果、経営の方は依然として苦しい、あるいは多少悪化の傾向すら一部には見受けられる、こういう状況かと思っておるところでございます。ただ、下請関係が健全に育っていきませんと、やはり日本経済全体の歯車がうまく回転をいたしませんので、私ども、その実態については今後ともよく気をつけてまいりたいと思っておるところでございます。

高橋高望民社党

○高橋分科員 細かなことになりますが、最近、支払いの現金と手形の比率、あるいは手形のサイトなどは、どんなふうな変化がございましょうか。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 支払いの状況につきましては、毎月約三千六百の下請企業を対象といたしまして実態の調査をいたしております。それを見てみますと、まずお尋ねの第一点の現金比率の問題でございますが、私どもの調査対象からの結果を平均をいたしてみますと、四十九年で四四・二%、五十年で四二・五%、五十一年四三・八%、一番新しい調査でございます今年一月では四五%、こういう形で推移をいたしております。  それから、あわせてお尋ねのございました手形サイトでございますが、同じアンケート調査によりますと、平均をいたしまして四十九年で百十九・三日、五十年で百二十三・四日、一番長かった期間が五十年二月、三月であったかとも思います。それ以後、多少ではございますが改善をいたしまして、今年一月で百二十・一日というように報告をされております。

高橋高望民社党

○高橋分科員 もうすでに十分御承知のように、品物を納入してから六十日以内に支払うことという法律になっておりますし、またこのことは比較的守られているかと思います。しかしいま瞬間伺いましても、下請代金支払遅延防止法で申しますと、たしか繊維産業が九十日、その他の産業が百二十日以内で処理するというふうにただいままでは運んできているかと思いますが、いま伺っただけでもすでに百二十日ぎりぎりということがまずここでわかります。この辺につきまして、私、ちょっと外国の例をお聞きして大変失礼かと思いますが、アメリカなどにおいて中小企業の支払い状況はどんなふうでございましょうか。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 私、手元に資料を持っておりませんし、またそれについての体系的な調査はないようでございますが、ただいろいろ話を聞いておりますと、外国の場合には手形取引による決済というような形ではない決済方法が一般的でございますし、それからその場合にも、納品から決済までの期間というのは日本に比べると恐らく短いのではないかと思います。

高橋高望民社党

○高橋分科員 それじゃ、それは私から御説明申し上げたいと思いますけれども、おっしゃるように、下請代金に対して親企業が手形を払うという商慣習はほとんどございません。御承知のカンパニーチェックを切る、日本で言うと銀行振り込みになりましょうか、メールを使ってのカンパニーチェックを切るというのがほとんどでございまして、この状況については私たちと極端に違うと思います。しかも、日本のように六十日以内に支払うというのではなくて、三十日以内に支払う。逆に申しますと、一月に二回支払いをしている。細かなことで恐縮でございますが、一日から十五日までに納品したものをその月の月末に払う。それから十六日から月末までの分は翌月の十五日に払う、月に二回の支払いをしているというのがアメリカにおける大体すそ野の大きな親企業の支払い状況であろうと思います。この辺から勘案してまいりまして、今日の日本の状態の六十日の支払いというのをそろそろお考え直しいただく時期が来ているんではないか、このように思いますけれども、長官、いかがでございますか。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 日本では代金の支払いについて、現金のほかに手形を用いられるケースが非常に多い、しかもその期間がかなり長期化しておる。このこと自体は、いわば日本の金融のあり方にもつながるいろいろむずかしい問題があるのではないかと思っておるところでございます。ただその中で、零細な下請企業を守るためには、少しでも現金比率が高く、あるいは手形期間が短くあるように持っていきたいというのが私どもの希望でもございますし、また従来もその方向でいろいろ努力をしてまいったところでございます。  お話しの支払い期日の問題につきましては、支払代金遅延法によりまして納品後六十日以内にということで一つのルールをつくり、せめてこのくらいは一生懸命守るようにしようということで努力をしてまいりました。私どももその移行状況につきましては定期的に調査をいたしまして、違反が見つかりますと厳重にそれを是正する措置を講じてきておるところでございます。ただ、納入後六十日と申しましても、実はその背景には、月に一回締め切って翌月支払いをするというようなやり方が一般的な慣例としてある。そのことを頭に置いていまの物差しができているのではないかと思います。十五日なら十五日に締め切りをし、翌月十五日に支払いをする、それで一番長い場合は六十日になり得る、こういったことが制度の念頭にあったのではないかと思いますが、それで一番長い場合をカバーしますと、一番短い場合は三十日ということになりまして、平均をしてみれば大体四十五日ぐらいでいっているのではないかと思っておるところでございます。それをさらにいまお話しございましたように、月二回締め切りあるいは三回締め切りというようなことにしますためには、これはよほど世の中全体の物の考え方が変わらなければ一朝一夕にできるものではないと思います。私どもとしては、せめていまある制度が確実に守られるようにするということをまず第一の目標としてやっていきたいと思っておるところでございます。

高橋高望民社党

○高橋分科員 それは大企業の方がとかくお考えになることと似ているのですが、やはり手形が金だと思っておられる方と手形は紙切れだと思っている、この二つの違いが大きくあると思うのです。中小企業の立場に立てば恐らく手形は紙切れだと、大変言葉は汚うございますけれども、紙だと思っている。というのは即金にならないので、どうしてもいろいろな金融機関へ持っていってこれを割り引いてもらうという必要が出てまいりますから、どうしてもそこである場合には減収、形を変えた値引きが起こってくる。現在の国の方向あるいは社会慣行だからと一口におっしゃいますけれども、手形の問題に対してどれほど公正取引委員会並びに中小企業庁がうるさく大企業に臨んでおられるかということの一つの例がここにあるのです。御承知の公正取引委員会の「下請事業者等の取引に関する調査」という調査書類の中で「手形支払いの場合は、下請事業者が割り引くのに支障のないよう何らかの具体策をとっていますか、とっている場合はその具体策を書いてください。」こうある。このこと自体、すでに手形というものをお金として考えているところがまだまだ官庁の方におありになる。私はこれが何よりもあらわしている一つの証拠だろうと思う。下請業者の立場に立てば、どうしても現金が欲しい、手形では困る。この辺グレシャムの法則ではございませんけれども、悪貨が良貨を駆逐するようなことのないようにお考えいただいて、現金こそ取引の条件である、こういうふうに基本的にお考えいただきたいと思いますけれども、その辺いかがでございましょうか。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 確かに仰せのとおり、手形でもらいましても、それがすぐ割れないというようなことでは紙切れと同じでございます。私どもも極力現金の比率を高めていく、また仮に手形で受け取る場合にも、割引可能な手形ということで支払われるように気をつけていきたいと思っておるところでございます。いまの金融の実情からしますと、この辺についてはよく気をつけておきませんと、手形をもらってもそれがすぐ現金化できないというケースも出てきかねないので、私どももこの辺の金融のあり方については今後とも気をつけてまいりたいと思います。

高橋高望民社党

○高橋分科員 割引可能ということなので、瞬間考えられるのは、振出先が安定した一部上場あるいは二部上場、その他振出先の企業が社会的に名前があり、あるいは内容的に豊かな会社であると割引可能とお考えになりますけれども、もう十分御承知のように、手形を割り引くのに必要な条件というのは、もう一つ受け取った裏書きをする方がある程度の信用がなければ割ってもらえない。  そこで私は重ねてお尋ねしたいのですが、一たん受け取った手形を中小企業は、あるいは下請業者の立場に立った場合には、神だなに置いておくわけにはいかないから、割り引かなければならない。割り引く場合の金利を何かお考えになることありますか。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 割り引く場合にはやはり相当の金利がかかるわけでございますし、特にある程度期間が長くなればそれだけの金利負担がふえてまいります。一体これをだれがどう負担するかという問題は、私どもとしても考えておかなければならない大きな問題だと思います。中小企業庁の立場からしますと、こういった割引料が要る場合には、やはり振出人と申しますか、発注する親企業の方で負担するような体制というのが好ましいことであろうかと思いますが、現実にそういうふうにやっておる例もありますものの、そうでない事例もたくさんあるということでございます。私どもそのような実態を踏まえながら、いまの問題について少しでも下請企業の方に有利な形で今後改善が進められるように、これは私どものこれからの宿題かと思っておりますが、研究いたしたいと思います。

高橋高望民社党

○高橋分科員 いまのお話なんですけれども、現実にお認めのように、一部の業種にあっては、この手形の割引率を支払いの手形に乗せて払っている業種もあると思います。御存じでいらっしゃいますか。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 確かにお話のとおり、一部の企業においては親企業の負担と申しますか、これを正式に割引料という形で原価計算の上に乗せておる場合がございます。

高橋高望民社党

○高橋分科員 長官、原価の中に乗せるのではなくて、私が申し上げるのは、仮にそれじゃ原価の中にいまのように含まれているという価格構成をお考えになったら、金融情勢が変わって親企業の手形の率がふえたときに価格が自動的に上がりますか。そんなことは私はないと思う。そうすると原価の中に入っているというのは、まあ失礼ですが、その立場の方あるいは親企業の方の言い分であって、それがスライドして上がるのであればようございますけれども、現実にはそういう状態にはなってないと私は思いますが、いかがでございましょう。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 契約の中に割引料という形で明記されております場合には、そのこと自体が問題になってまいります。それから下請代金の中に込みになっております場合には、一体どう扱われたのかということが問題になろうかと思います。お話しございましたように、それがはっきりしておって、しかも手形サイトが変わった、そうすれば当然割引料負担が変わってくるはずだということが明白に言える場合もまれにはございましょうが、一般的にはそうでない。しかるがゆえに親企業の発注あるいは契約の方式全体の問題として私ども今後考えていかなければならない問題ではないかと思っておるところでございます。

高橋高望民社党

○高橋分科員 長官、実は中小企業の方あるいはいわゆる下請企業の立場に立たれると、一番困るのはこういうことなんですね。法律でいろいろ優遇策を講じたりあるいは補助をお考えになられても、わりあいと届かない。最も日常的なことというのは、やはりお金がちゃんともらえるか、あるいは何日の手形がもらえるか、こういうことが下請業者にとっては一番問題でございまして、そういう立場に立つと、私はここである種の御提案になろうかと思いますが、今後いわゆる親企業と称せられる方、特に後段申し上げますが、同じ親でも一番上の親というとおかしいのですが、実は中間もございますから、下請であって親と申しましょうか、親であって下請の方もあるわけです。ですから一番上の親企業の方は、少なくともこの手形に対してプライムレート、日本では公定歩合に〇・二五足すのが一つの線になっておるようでございますけれども、この辺は手形の金利の上乗せをして支払われるという方が筋じゃないかと思いますが、いかがでございましょう。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 金利の率自体はまた別の問題もあろうかと思いますが、やはり割引料はなるべく親企業が負担するようにということで今後とも指導してまいりたいと思います。そのときに割引料だけ別に計上されておる場合にはわりあいに問題に対応する対策がとりやすいわけですが、一般的にはいわばそれも含めて下請代金が決定されるという形式が多うございます。そうなりますと、むしろ今度は下請代金自体の適正さということが問題になってまいりまして、実際問題としてこれを判定するのがなかなかむずかしいケースが出てまいろうと思います。  ただ、いずれにせよ下請代金につきましては、親企業が不当に地位を利用して悪い条件を押しつけるというような形になっては大問題でございますので、私どももこの問題についてどう考えるべきか、私どもなりにこれから勉強させていただきたいと思います。

高橋高望民社党

○高橋分科員 いまのお話で将来の問題というふうにお答えがございましたけれども、実は将来の問題でございませんで、今日ただいまの時点のことで、これが本当の意味での下請事業に対する政策的というか、政治的な親心じゃないかと私は思うのです。もうどなたもおわかりのように、商売の世界というのは古いと言ったら言葉が悪いかもしれませんが、日本の国のいろいろ変わってきた社会慣習の中で、商売における親企業と下請ぐらい古い形がそのまま残っている形態はないと私は思う。これを支えるというか、これに何らかの意味で合理性あるいは公平さを取り戻していくのにはどうしても行政面あるいは政府でのいろいろの御配慮が必要になるんじゃないか、こう思いますので、この辺につきまして、大臣、ちょっと御所感をいただきたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 まことに具体的な、しかも大事な御指摘をいただきましてありがとうございます。特にわれわれ行政をいたしておる者は、とかく経済のこういうふうな実態、なかんずく慣行等につきましてはうとい面がございまして、それが同時に、特に雰細な冷え込んでおります下請の対策としましては重大な問題である場合も多いのでございます。高橋先生のこういうふうな御注意に対しまして厚くお礼を申し上げると同時に、どうぞ今後ともにいろいろと御指導いただきとうございます。ありがとうございました。

高橋高望民社党

○高橋分科員 大臣のお話をいただいたところで一区切りさせていただいて、実は公正取引委員会にちょっとお尋ねをしたいことがございます。  公正取引委員会は、ありがたいことにこのところ下請代金の支払い防止法の展開に伴っての調査を大変まめにやっていただいていること、これはまず下請の業者の方が非常に喜んでおられることの一つでございます。  ところが、どうしてもこの法律の持っている融通のなさと申しましょうか、こういう例が私のところへ届きました。それはある良心的な下請企業がある。この下請企業は親企業でもあるわけです。自分のところで二十社近くの一千万以下の下請さんを抱えている親企業でもある。いわばその中間にあるわけですね。公正取引委員会は、この業者に対する何か別な見方というか、新しい観点をこの辺にお考えいただくことはできませんでしょうか。いままではただ単に一本化した親企業という言い方で処理をされておられるのですけれども、この間というか中間にある業者、この辺について何か別のお取り扱いをする御意思はございませんか。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○長谷川政府委員 お答えします。  現在の親事業者あるいは下請事業者の定義が、資本の額一億円あるいは一千万円という形で線を引いてございますので、実際的にはなかなか実情に必ずしもそぐわない点もあるかと思いますし、一方におきまして下請取引の関係というのは非常に複雑でございまして、先生の御指摘のございましたように、ある場合には親になり、それが同時に上の段階においては下請である、またその親が下請でありながら、次の段階に対しては親になるという関係で、その関係が非常に複雑であることもよく存じております。  われわれの運用におきましても、結局そういうふうに幾重にも下請関係がついております場合には、下請の支払いの改善のためにはまずもとの方の、より上の方の下請取引の改善を何よりも図らなくてはならないということは、われわれもよく認識しております。したがいまして、運用におきましては、まず調査対象の選定におきましては、大きなものを優先的にやる、そして大きなものは極力漏れなくやるということで、まず調査対象の選定におきましてより大きいものから優先して調べるという方法をとっております。  さらに、万一下請法に違反するような行為があるんじゃないかというふうな場合でも、実際的な運用におきましては大きいものに対してはかなり厳しく、下のものに対しては緩く、と言うのはちょっと語弊があるかと思いますけれども、下に対してよりは上に対してかなり厳しくやっております。たとえば、私どもは、下請法に違反の疑いがあるんじゃないかというふうなことが見つかった場合にも、下の方に対しては極力口頭その他によって改善を求める、しかしながらある規模以上のものにつきましてはすべて文書によって改善を求めるというふうなかなり上に厳しい運用の仕方をいたしておるつもりでございます。

高橋高望民社党

○高橋分科員 いまの公正取引委員会のお話でいみじくもおっしゃっておられるのですが、五十年度においてすら勧告をなさったのはわずか六件だと思います。間違いございませんか。よろしゅうございますか。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○長谷川政府委員 そのとおりでございます。

高橋高望民社党

○高橋分科員 勧告の程度はこんなものですか。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○長谷川政府委員 勧告はそのとおりでございますけれども、別に五十年度におきましては九百八十五件に対して行政指導という形で処理しております。

高橋高望民社党

○高橋分科員 こういう大企業が一番こわいのはいまは下請さんじゃないのですね。世間なんです。ということは公表されることが非常にこわいわけです。この点について勧告ですら六件、恐らくこれは公表とイコールじゃないと私は思いますけれども、公表をもっとなさっていただきたいと思うことがあるのですが、これはいかがでしょうか。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○長谷川政府委員 お答えします。  現在の法律のたてまえとしましては、勧告を行いましてそれに従わなかった場合には公表するという形になっておりますので、一応従った場合には公表しないという形で運用しております。これは、一つは下請法をつくったときの考え方によるかと思いますけれども、下請取引というのがかなり特殊な取引である、親子——親と下請事業者の関係というのを余り手荒に扱うことはかえって下請事業の真の意味の保護にはならないという配慮からこういうふうな法律の立て方になっておるのではないかとわれわれは思っております。

高橋高望民社党

○高橋分科員 ただ、やはり勧告、公表の基準をもう少し拡大して、いままでのような枠ではなしにもっと大きな枠で勧告並びに公表していっていただきたい。これがやはり現在の親企業に対する悪い意味での刺激といいましょうか、一番の刺激だろうと私は思うのですね。ですから、どこまでやったら勧告か、どこまでやったら行政指導か、いろいろ程度がおありになると思う。これを五十一年、五十二年にかけて少し枠を広げるというか、要するに親企業側に対して、恥をかかされたと思えるような方向へ拡大していただきたい、そのように考えるのでございますけれども、いかがでございましょう。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○長谷川政府委員 現在も行政指導という場合におきましては、比較的大きい親事業者に対してはすべて文書による行政指導という形をとっております。先生のおっしゃいますことはよくわかりますので、勧告の制度をより積極的に活用してまいりたいと思っております。

高橋高望民社党

○高橋分科員 時間がございませんので、本来お尋ねしたいことができないのですが、実はもう一つ、次の課題として研究をしておいていただきたいと思うことがあるのです。  それは、下請業者が獲得したパテント問題などに対して親企業がどういう拘束、どういう利用の仕方をしてしまっているか。下請が一生懸命考えて研究をして、ある場合には親企業の方と一緒に研究したかもしれませんけれども、獲得したパテントとか実用新案、これに対して親企業の人がどういうふうな押さえ方をしているか、この辺も近くまた機会を与えていただいてお尋ねをしてみたいと思います。きょうは時間もございませんのでいわば予告ではございませんけれども、お願いを申し上げて、ぜひひとつお調べになっておいていただきたい、かように思います。  最後に大臣に、土曜日で大変恐縮でございますが、重ねて御決意を伺いたいと思います。  下請業というのは、いまも如実にお話が出てまいりましたように、とかく商売という場で言いたいことも言えない、世の中で不合理だと思われるようなことものみ込んでしまう、こういう意味では宿命的なものじゃないか、こう思います。しかし、そうであるからといって、社会的な不公平ということからいえばやはり十分に改善していただかなければ困ることでありましょう。そこで、とにかく力によって合理性を押しつぶすというような商慣習、これだけは行政のお力でひとつ何とか取り除くようにお願い申し上げたい。お答えいただく時間もございませんので、御要望をさせていただいて私の質問を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 これにて高橋高望君の質疑は終わりました。  次に、柴田睦夫君。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)分科員 自動車の割賦販売手数料問題について伺いたいと思います。  通産省に確かめたところ、全国でディーラーが約千五百、取扱店は約二万ということでありました。そして自動車の割賦販売は契約全体の約五割ということでした。たくさんの取引が行われるわけですが、この場合に、ディーラーがユーザーに対して法定の手数料をオーバーしたものを不法に取っている例があります。これはある調査によりますと、この自動車だけで年間数十億円に上るといわれる大問題であるわけです。  そこで、まず大臣にお伺いしますが、割賦販売法が昭和四十七年に改正されて、その法律の第一条に購入者の利益を保護する、このことが新しく加えられたわけです。通産大臣は主務大臣として、消費者の保護を図る責任の問題についてどのように考えておられるのか、まずお伺いしたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 ただいま御指摘のような事例が実際にございますれば、まことに遺憾なことでございまして、今後ともにこれらのことがございませんように十分行政指導もいたしたい、かように考えております。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)分科員 通産省としては、割賦販売に関して消費者を保護するという立場から、販売条件の遵守状況などについて調査を行っていると聞いているわけですが、自動車の割賦販売についてどんな調査をしているのか、自動車の割賦販売手数料は法律に従って正確に取られているかどうか、その実態調査を行っているのか、これは関係があります通産省と運輸省にお伺いしたいと思います。

熊谷善二通商産業省機械情報産業局長

○熊谷政府委員 自動車の割賦販売について、標準条件の遵守状況につきまして調査をいたしております。これは標準条件が設定されております頭金、それから割賦期間の遵守状況の調査に関するものでございます。割賦販売法十条の勧告の必要があるかどうかということを目的とした調査でございます。

犬丸令門運輸省自動車局整備部長

○犬丸(令)政府委員 ただいま通産省から御説明がございましたとおりでございまして、この実態調査は運輸省は通産省と協力して一緒にやっているものでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)分科員 そうしますと、標準条件の遵守状況は調査した、しかし割賦販売手数料、これをきちんと通産省令で決めた計算式に従って出した数字を守っているかどうか、そうしたものについてはいままで調査したことがない、こういう答弁になると思うのです。そういう調査状況、単に頭金だとか割賦の期間だとか調べる、それだけでは消費者保護の責任を全うしているということは決して言えないと思うのです。現実にユーザーの方が法定の手数料以上に支払いをさせられている実例がたくさんあるわけです。そうなる原因の一つは割賦手数料率の計算式が非常にむずかしくて、素人にはわからないということがあるわけですが、私はここにメーカーの部内資料のコピーを持っているわけですけれども、それに従ってたとえば日産の例で言えば、これは東京都内のある日産サニー販売店の売上台帳及び手形台帳、これは資料として差し上げておりますので見ていただきたいと思うのです。  これを見ますと、Aという印のついているユーザーの場合、昭和五十年の六月十三日にダットサンサニー一台を十二回払いの割賦で購入しているわけです。割賦元金は六十一万五千円、開示された実質年率は一八・五%、賦払明細を見ますと、同年八月五日に二十万円、九月から十一月までは各月末に各一万円、十二月三十一日に三十万円、昭和五十一年一月から六月までは各月末におのおの一万円、七月三十一日の最終回は九万五千六百八十八円となっております。この人の場合、開示された実質年率で割賦手数料を計算いたしますと、四万五千六百十円になるのですが、実際には七万六百八十八円も払わされているわけで、二万五千七十八円を余分に取られております。  Bというユーザーの場合を見てみますと、ダットサンサニーセダン二台を昭和四十九年の四月二十日に十七回払いで購入しております。割賦元金は九十一万七千二百円、開示された実質年率は一八・五%、賦払明細を見ると、昭和四十九年五月末日から昭和五十年九月末日までの十七カ月間にわたってそれぞれ月末に六万二千六百円払い込んでおります。このユーザーの場合、開示された実質年率で計算した手数料は十三万四百九十七円になるのですが、実際には十四万七千円を支払わされている。一万六千五百三円を余分に取られている。  Cというユーザーの場合は、これも同じようなやり口ですけれども、三万一千二百九十三円余分に取られております。  こうした事例がこの会社だけで昭和四十九年の三月十五日から昭和五十年の六月までの約一年間に百五十件以上も出ております。超過請求額が千円を超えているものが七十九件あって、その総額は約五十三万円に達しております。その中には二万円とか三万円を超えるものがかなりあるわけです。  ユーザーユニオンの協力を得まして私が調べたところでは、この超過請求、つまり手数料の取り過ぎについてはディーラーの方はすでに知っていると見られるわけであります。知って取っておれば、これは場合によっては詐欺罪にも該当する性質のものであるわけです。この台帳の中に三角印がつけられて、これは会社がつけたわけですけれども、これが取り過ぎたものについて三角印がつけられているわけです。取り過ぎがわかっていても、ユーザーに対して返そうという態度はとっておりません。こんなことが許されていいものかどうか、通産省はどういう態度でこういう場合に臨むのか、大臣の所見をお伺いしたいと思います。

熊谷善二通商産業省機械情報産業局長

○熊谷政府委員 ただいまお示しいただきましたこのリストでございますが、私どもよく内容を検討いたしまして、その上で妥当でない内容がございますれば指導してまいりたいと思います。いま御指摘のような返還措置等を含めての指導をいたしたいと思います。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)分科員 内容を検討してということでありますけれども、ここに台帳のコピーがあるわけで、これはまさにその販売店の方でつくった台帳であるわけです。  実はこの質問に関連いたしまして自販連の企画部長を呼んでこの問題を話しましたら、これは不当だということを言っておられました。ですから、単に調査してというだけではなくて、これは事実であることはこの資料で間違いないわけですから、調査するということですが、そこで、それはいつまでに調査ができるのか、調査をした結果取り過ぎがあるということがわかれば、取り過ぎた分をユーザーに返すようにちゃんと指導するのか、そのあたりをお伺いします。

熊谷善二通商産業省機械情報産業局長

○熊谷政府委員 私ども超過、とりわけ取り過ぎという問題につきましては従来例を聞いておりませんでしたが、本日こういった資料をお出しいただきまして、具体的な資料でございますから、これをもとにいたしまして関係者からよく事情を聴取し、内容を精査いたしまして、ただいま先生御指摘の取り過ぎ等の問題がございますれば、それは当然是正措置を講じるよう指導いたしたい、かように考えております。  なお、早急にこの措置をとりたいと考えております。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)分科員 実はいまは日産の例で言いましたけれども、こうしたことは日産だけではないわけです。トヨタもやはり同じようなことが言われております。それから三菱にしても本田にしても、みんなこんな状態で不当な手数料の取り過ぎを行っております。これを最初に言いましたように、全国のディーラーで集計してみますと、その額は数十億円に上る、そのように推定される、そういう性質のものであるわけで、いまは一つの例で言いましたけれども、全国的にそういうことが指摘されるという中で、責任官庁である通産省と運輸省はこうした実態をどう思っているのか。全然聞いてないということではないと思うのですけれども、いま私が指摘しましたようなそういう実態が全国的に行われている、その場合に、これをこのままにしておいては消費者保護の責任は果たせないというように考えますので、どう考えているのか伺いたいと思います。

熊谷善二通商産業省機械情報産業局長

○熊谷政府委員 先ほども申し上げましたように、本件につきましてはよく内容を精査いたしまして、もしここに先生御指摘のような取り過ぎ等の問題がございました場合は、これは大変遺憾なことでございますので、先ほど来申し上げておりますように早急に是正措置を講じたい、かように考えております。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)分科員 通産省と運輸省はこの責任官庁として割賦手数料の不法、不当な徴収、そうしたものがあってはならないわけですけれども、そうした徴収の実態について全国的な調査を行う必要がある。それをやってもらいたいと私は要求したいと思うのです。そうして調査の結果について、その実態をやはり国民の前に明らかにして、この不法、不当に取り過ぎているもの、こうしたものについては販売店が自発的にユーザーに返すように、そういう徹底した行政指導を行うことを要求したいと思うのですけれども、そういう全国的な調査、そうしたものは考えられるのかどうか、この点についてお伺いします。

熊谷善二通商産業省機械情報産業局長

○熊谷政府委員 先ほども申し上げましたように、私どもは従来こういった例につきましては聞き及んでおりませんでしたが、今回のこういった資料等もございますので、この問題が御指摘のように全国的な問題になっているのかどうか、その辺もよく実態を調べました上で、その必要があると判断いたしました場合はそれに応じた対策をとりたい、かように考えております。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)分科員 通産省の場合はそういう段階を追って調査をして、そして一応調べて、それから全国的調査をする必要を認められればやるというお話のようですけれども、それは本格的に早急に進められるのか。そしてまた、これは調べれば必ず全国的に出てきます。その全国的な調査に早く入れるのかどうか、そこもお伺いします。

熊谷善二通商産業省機械情報産業局長

○熊谷政府委員 こういったたぐいの問題につきましては私どもじんぜん手をこまねいていることはできませんので、早急に対策を講じたい、かように考えております。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)分科員 次は手数料の料率計算式の問題ですけれども、この料率の計算式に従って計算するというのは、平たく言えば、銀行業務と同じようなことをやることになるわけです。しかも銀行業務と同じであるだけではなくて、一八・五%というように銀行の金利以上に高い手数料を取ることになるわけですから、これは素人が計算したのでは間違いができる。正確な計算ができない。そういう意味では銀行業務と同じように専門家にやらせる必要がある。そうしなければこういう間違い、あるいは意識的に間違える場合もあるかもしれませんけれども、そうした間違いが生じるわけですが、そういう意味で、この計算について計理士あるいは会計士といった専門家にやらせるようなそういう指導をする考えはないのか、お伺いします。

熊谷善二通商産業省機械情報産業局長

○熊谷政府委員 確かになかなかむずかしい計算でございます。実際問題としましては、実質年率早見表といった実務上の早見表がつくられておりまして、それをベースにしてやっておりますが、消費者保護という観点からいたしますれば、もちろんこれを取り扱う人たちが本件につきましての熱練した知識と経験が必要であろうというふうには考えております。しかし何ぶん多数の消費者相手の問題でもございますので、やはりこういった実務的な処理というものを常に考えて対処しなければいかぬだろうというふうに考えております。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)分科員 いま早見表が基礎にと言われましたけれども、この定型の場合は早見表で合う場合があるわけですけれども、いま幾つか私が言いましたように、夏とか暮れにまとめて払うという場合早見表で間に合わない。計算はむずかしい。そういう意味で、やはり専門家が正確に計算をする、そういうことを検討すべきであると要求しておきたいと思います。  また、その段階に至らなくとも、少なくともこの割賦販売業者に対して、割賦手数料の計算の明細書を作成して購入者に渡す、それも交付することを義務づける、こういうようにする措置をとる必要があると私は考えておりますけれども、こういう点についてはどのように考えておりますか。

熊谷善二通商産業省機械情報産業局長

○熊谷政府委員 消費者に対しましていやしくもそういう間違いがあるということは望ましいことではございません。先ほども申しましたように、できるだけ知識、経験のある取り扱い担当者が行うべきだ、そういった人の養成等は企業側におきましても十分用意をすべきことであろうと思いますし、そういう面で指導してまいりたいと思います。  それから第二の明細書の問題につきましては、私どもできるだけ消費者に対する利便という観点から、ただいま御指摘のような明細書交付という点につきまして指導してまいりたいというふうに考えております。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)分科員 やはり明細書をちゃんと交付されておれば、自分で払う場合にそれによって、あるいは専門家に見てもらって、多いかあるいは取られ過ぎじゃないか、そういう調査ができるわけです。たまたま私はこの資料のコピーを手に入れたためにこうした具体的な問題が出てくるわけですけれども、この明細書をちゃんと交付しておけば、進んで自分たちの手で計算するということができて、そういう指摘しておりますような不法、不当な支払いを防ぐことができる。そういう意味でぜひ実現していただきたいというように考えます。  それから、この割賦代金を期限前に完済したりあるいは解約した場合、その場合の手数料が非常に高い、そういうことからトラブルが発生しております。こうした問題について私も幾つか聞いているわけです。  一つ例を挙げますと、東海日産モーター扱いの遠藤さんというユーザーの例ですけれども、五カ月分を一括払いをして期限前に完済した。そうしたところが、一括払いするわけですから本来は金の返還があっていいわけですけれども、実際は、組みかえ手数料とかあるいは書類の作成費用というようなことで取られて、戻し利息が返ってくるどころか逆に不足分を請求された、こういうように訴えてきておられるわけです。こうしたトラブルを解消するためにやらなければならないことは、一つは、この手数料の引き下げ、この高過ぎるそうした組みかえ手数料などの引き下げを指導することが必要であると思うのですけれども、一つは、やはり契約のときに、この契約の内容をはっきりと提示して詳細な説明を実施する、そういう指導が主務官庁としては必要であると思うのですけれども、その点については、こうしたトラブルが生じているということを聞いておられるか、また、そうした問題に対してどう対処するのか、お伺いしたいと思います。

熊谷善二通商産業省機械情報産業局長

○熊谷政府委員 割賦販売契約にかかわります約定そのものは、これは当事者間の契約でございますので、これにつきましての直接的な指導はしておりませんが、その額が不当に高額であるといったような場合には御指摘のような問題も生じますので、よくその点は実情調査の上で必要な指導を行ってまいりたい、かように考えております。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)分科員 自動車の割賦販売できょうは質問いたしましたけれども、割賦販売は自動車だけではない。きょうは主として乗用車などについて出しましたけれども、たとえばトラックになれば乗用車のそれこそ十倍ぐらいの値段のものがある。そうしたやり方でやっていれば、二万円、三万円という例を出しましたけれども、二十万、三十万よけい払わされる例が出てくるわけです。それから自動車だけではなくて、割賦販売というのはたくさん行われて、むしろ会社の方では割賦販売の方がもうかるからそれを奨励する、現金払いは余り歓迎しない、こういうことも言われているのが現状であるわけです。そういう意味で、私は、通産省がこの問題を重視してしっかりと調査をして、正しい処置をされることを要望して、この問題については終わりたいと思います。  実は、運輸省の方に下取り車にかかわる自賠責返戻の保険料、これも本来はユーザーに返すべき性質のものをディーラーがそのまま取ってしまうという事例があって、この問題について尋ねたいと考えておりましたけれども、きょうは時間がもうほとんどなくなりましたので、幸い来週運輸の分科会で質問できるようになっておりますので、その点、そのとき取り上げて、きょうはこれで終わりといたします。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 これにて柴田睦夫君の質疑は終了いたしました。  次に、平石磨作太郎君。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石分科員 エネルギー資源としての石油の重要性ということは論をまちませんが、四十九年のあの石油ショックによって、今後石油の備蓄ということが焦点になってくると思うのですが、その備蓄について大臣にお伺いをしたい。将来の備蓄目標と、大体何年度ぐらいをめどにしておるか、そして備蓄に要する、いわゆる備蓄基地はどの程度全国で構想の中にあるか、これをひとつ明らかにしていただきたいと思う。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 御質問の点につきましてお答えいたします。  目標年度を五十四年度末に置きまして、その時点までに九十日備蓄を達成いたしたい、こういうことでございます。これに要する資金は一兆五千億、敷地は千六百万平米ということになるわけでございまして、備蓄量は二千六百万キロリッター、それに要するタンクの量は三千三百万キロリッターというのが計画の内容でございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石分科員 大体わかりました。ところで、個所としてはどういうところを予定しておるか、それもあわせてひとつお伺いします。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 現在考えております備蓄はいわゆる国家備蓄ではございませんで、個々の企業が備蓄をする、こういうたてまえになっております。そのためのやり方として二つございまして、企業が個々別々に必要とするタンクを設置するケースと、複数の企業がいわゆる共同備蓄会社をつくりまして共同で基地を設定し備蓄をする、この二つの方法をとっておるわけでございます。具体的にはそれぞれの企業なりあるいは共同備蓄会社が地域を選定するということになっておりまして、あらかじめどの地点あるいは何カ地点といったものではございません。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石分科員 大体私がこの間ちょっと調査したところによりますと、新潟とかあるいは沖繩とかあるいは鹿児島県の喜入とか、こういったようなところで増設ないしは新設で備蓄を進めていくということをお聞きしたことでしたが、こういった民間企業で行うという備蓄について、国としてはこれに相当——あるいは計画の中に民間企業がその上へ乗った形において、それぞれやっていくというようなことになるんではないかと思うのですが、特に高知県の場合に、もう御案内のことだと思うのですが、西南地域、宿毛湾を中心とした地域に原油基地を設置するというようなことがここ二、三年来大きく報道され、地元民としては非常な危惧を持っておる。そういうことで、ここの基地については通産省としてはどういうように考えておられるか、その点ちょっとお伺いしたいと思います。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 ただいまのお尋ねの点でございますが、具体的には伊藤忠あるいは竹中工務店のグループといった企業が、備蓄基地をつくりたいという計画を持っておるということは承知いたしております。ただ、私たちの立場といたしましては、先ほど申し上げましたように、国が備蓄を直接やるわけではございませんので、民間企業が備蓄体制をとるに当たりまして、資金面等においてこれを助成するという形をとっておるわけでございます。したがいまして、そういった具体的なプロジェクトを持っておる企業が地元の十分な理解と協力を得まして、その計画をまとめてきたものでないと、当方では取り上げないと申しますか、助成の対象にいたさない、こういうたてまえで臨んでおるわけでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石分科員 ところで、いまのお話によりますと、全く企業サイドだというように受け取れるわけですが、備蓄について国がある程度の大筋というもの、行政的に考えたときにどうするかというような構想は先ほど御答弁にあったわけです。そうして今年度、五十二年度において誘導行政的な助成措置が予算の上に盛られた。そういった形で国もそのことを奨励をし、誘導をし——これは国として当然のことだと思うのです。ところが企業がそういう形で行われることについては地元に反対がある、だから国は余りこれに手をつけてはどうもというような懸念があって、いまのような御答弁が出たんじゃないかと思うのですけれども、私は、そういうことはやはり国の方においても、周りからずっと舞台装置をつくるというような形でどうもいっておるんじゃなかろうか。それから高知県において特に知事さんの方も、これは白紙であります、そして西南地域の総合開発の調査を進めて、その調査の結果によってCTSをつくるかどうか結論を出すのでして、これをねらいとしたものではないと、こうおっしゃっておられる。こうおっしゃっておられるけれども、やはり地元民としては、いま御答弁にありましたように、一部企業が昨年の十月に通産に計画を持ってきたとか、あるいはいろいろと動きがある、そういったようなことを見ますと、やはり潜在的には、国とそして企業との間でずっと進んでおるのではないかというような非常な危惧を持っておるわけです。それでこの総合調査について、私はこの間ちょっといろいろと調べてみましたが、このことは国土庁の所管だ、こういうことを聞きましたので、国土庁の方にお伺いをいたしますが、この総合調査について知事さんから話が上がっておるかどうか、このことをお伺いしたい。

多田宏行国土庁計画・調整局調整課長

○多田説明員 調査費の関係につきましては、まだ伺っておりません。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石分科員 いまの御答弁でわかりましたが、今後県の方から話が上がってきたら、これは国土庁としては総合調査に手をつける、こういうことになりますか。どうですか。

多田宏行国土庁計画・調整局調整課長

○多田説明員 調査費と申しますのは、国土総合開発法に基づきます全国総合開発計画、そういったような計画を推進するために、開発を推進するために実施する開発保全の事業のための調査でございます。国の公共事業であり、かつ所管省庁二つ以上にまたがるというところの調査を対象とするものでございまして、通産省からは——通産省に限りませんですけれども、関係省庁から要望があって判断する、そういうような性格のものでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石分科員 それではいま御答弁でわかりましたが、いわゆるその国土庁の行う総合調査調整費というものについては、国の公共の、しかも施設について、その事業についてのみ使われる予算なんだ。民間企業がやることについて、助成その他で県に協力するというようなことはないということですね。

多田宏行国土庁計画・調整局調整課長

○多田説明員 これはもう公共事業にかかわる調査でございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石分科員 それでは、高知県知事さんは、総合調査については、国土庁のそのお金とそれから通産省の持っておられる調査費、石油備蓄基地安全対策調査費補助金、これが通産省が備蓄について調査をするという経費だと思うのですが、この二本立てで総合調査をするというようなことをお聞きしておるのですが、いまの国土庁の御答弁の国土庁の方の総合調査にかかわる経費については、これは対象外だということが明らかになったわけですが、そうしますと、この通産省の持っておられる調査、これはもう基地そのもののずばりの調査になってくる。これに対する安全対策の調査、こういう形になってくるわけですが、通産の方は知事さんから調査についての申し入れ、これが来ておるかどうか、ひとつお伺いしたい。

古田徳昌資源エネルギー庁石油部長

○古田政府委員 高知県の方から参っておりません。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石分科員 これは補助金ですから、調査主体は県になるのじゃないかというように思うのですが、県が主体として行う調査についての補助をする、通産の方はいわゆる助成をする、こういうことになろうかと思うのですが、そうすると、県が計画をしておられる総合調査というものは日の目を見ないことになる。通産の方へCTSを云々ということそのものは言うてきてないかもわかりませんが、何らかの調査を行いたい、こういうことは言うてきておりますか。

古田徳昌資源エネルギー庁石油部長

○古田政府委員 参っておりません。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石分科員 そうすると、県の方からは何の話し合いもない、こういう御答弁ですが、巷間では、何かそういうパイプの中で、いわゆるたてまえはそうであっても、裏からその仕事がずっと調査が進むような動きがあるのじゃないか。また、そういった動きが感ぜられるようなことが間々出てきたわけです。ここに住民の不安と危惧がある。だから知事さん自身としても、総合調査そのものを行うことについても地元の協力が得られない。いわゆる白紙でもって、おっしゃるように総合調査を行うということ、これすら協力を得られないというほどに地元は基地についての不安感、拒否、こういう姿勢が非常に強いわけです。だから、今後このことを進めるということについては、あるいは知事さんの方から何らかの話が上がってくるかもわからない。だが、いまお話がありましたように、総合調査はもうできないんだ、そうすると、通産と対において直通でそういった調査がなされるということが考えられます。やはりあそこには、南には非常にりっぱな漁場がある。二百海里という現時点を控えた場合に、どうしてもあそこの漁業をつぶしてはならない。さらに、高知県のあの景観といいますか自然というか、さらに国立公園もすぐサイドにあるわけでして、そういったところを汚し、そして死の海にするというようなことは高知県民は考えておりません。そういう意味で、ひとつ今後この計画というものが——昨年の十二月段階において知事さんが通産へ来ておるはずです。いろいろなことの申し入れの中で、勝手に企業が動いて非常に困る、だから通産の方は、そういったようなことがあるのなら県へも連絡をとってほしい、県の関知しないところでそんな動きがあったら困るという申し入れを知事さんがしておる。知事の知らぬところでそんなことをしてもらったら困ると知事さんはおっしゃるけれども、住民は、住民の知らぬところでそんなことをやられたら困ると言う。この点、ひとつ十分御理解をいただいて、きょうのところはこれで終わらしていただきますけれども、また後々、こういった動きその他の情勢を見て、ひとつ詳しく御質問申し上げたい、こう思います。  それじゃ終わらしてもらいます。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 これにて平石君の質疑は終了いたしました。  次に、加地和君

加地和新自由クラブ

○加地分科員 私は、数年来、かなり大きな問題になっておりますところの国外絹織物の輸入反対問題あるいは生糸の一元化輸入反対問題につきまして、京都府下のちりめん産地の丹後織物業者あるいは西陣織物業者、あるいはまた埼玉県の絹織物業者の方々の立場を踏まえて質問させていただきます。  まず第一に、わが国は、二国間協定というものが、わが国と韓国、それからわが国と中国、この二つの国とのみ行われておるのでございますけれども、聞きますところによりますと、昭和五十二年度の日本と韓国との絹織物の輸入問題等につきましての外交交渉が昨日までソウルで二、三日間行われたと聞くのでございますけれども、どのような交渉経過で、また、五十二年度はわが国としてどのような方向に持っていこうとする努力がなされておるのかということをお尋ねしたいのでございます。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 生糸、絹織物の輸入に関しまして、昨年四月と五月に中国、韓国と二国間協定を結んだわけでございますが、五十二年度の輸入の問題につきまして、いま先生お話がございましたように、いまちょうど韓国と交渉中でございます。きのうで一応第二回目の交渉が終わったところでございまして、詳細についてはまだ報告を受けていないわけでございますが、国内の絹織物業は非常に不況でございまして、ことしは減産をしなければならないだろう、こういう状態でございます。したがいまして、私どもといたしまして、輸入につきましては非常に厳しい態度で臨まざるを得ない、こういうことでございます。そういうことでございますので、韓国との交渉に当たりましては、昨年度実績を下回る量で交渉を妥結したいという交渉方針で臨んでおるわけでございます。一方、韓国側は、昨年度実績よりも数%ないし一〇%とか二〇%とか言っておりますが、その上乗せした要求、こういうことになっております。  これは、通常の通商交渉として、前年度実績を切り込む交渉というのは非常に異例なのでございますが、私どもとしては、国内事情その他を勘案いたしましてまことにやむを得ないということで、五十一年度実績を下回る数量ということで交渉に臨んでおるわけでございます。したがいまして、そういうことでございますので、実は二日ばかり非常にハードな交渉になったようでございますが、今回、第二回目の交渉はやはり物別れということでございまして、結論に到達することができなかったようでございます。したがいまして、さらに四月に入りまして再度第三回目の韓国交渉、こういうことになろうかと思います。

加地和新自由クラブ

○加地分科員 日本と韓国とのいわゆる協定数量というものは、昭和五十一年度につきまして、五十一年の十二月ごろの輸入実績からいきますと、三月の末までには協定量を相当上回った輸入が行われるのではなかろうかという新聞記事等が出て、わが国の業者は非常な不安に駆られていたのでございますが、現在のところでは、三月の末までの韓国からの輸入見通し、これは協定は守られそうでございましょうか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 絹織物に関します限りは、協定量を若干下回るのではないかという感じでございます。

加地和新自由クラブ

○加地分科員 それから、わが国の業者の方では、韓国との協定内容については生糸と絹織物の二つに分けると、総数量が同じとすれば、むしろ生糸の方にウエートを置いて絹織物の量を非常に少なくしてほしいという要望、陳情等が通産省の方へも連日のごとく行っているのじゃないかと思うのですけれども、このことについては通産省はどのように把握し、交渉に臨んでおられるでしょうか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 御承知のとおり、なるべく原料に近いもので輸入をしたいというのが基本方針でございまして、糸につきましては、なるべく絹糸よりは生糸の方でということでございますし、全体から言いますと絹織物をなるべく減らして糸の方でというのが私どもの基本的な考え方でございます。

加地和新自由クラブ

○加地分科員 四月に三回目の交渉が行われるとのことでございますけれども、ずばり言って見通しはどうでございましょうか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 今回の交渉の経過からしますと、やはり相当難航すると考えざるを得ないかと思います。

加地和新自由クラブ

○加地分科員 いろいろな経過を踏まえまして去年の八月十九日付で、「絹業安定緊急対策(大蔵省、農林省、通商産業省了解事項)」というものが七項目にわたってつくられております。このつくられたその後の地元での反応、実績等について御質問をさせていただきます。  まず第一項目に「絹ねん糸製造業及び絹織物業の過剰設備の廃棄を促進するため、中小企業振興事業団の設備共同廃棄事業の活用を図る。なお、この場合、融資条件の緩和及び残存者の実質的負担のかなりの程度の軽減により事業の推進を図るもの」このように定められております。ところが、たとえば京都府の丹後はちりめんの日本国内での有数な産地でありますけれども、生糸の一元化輸入のために外国相場よりも六割も高い生糸を使わなくてはならず、また生糸そのもの以外の絹織物は、輸入についての強力な規制がないために、韓国などからの安い絹織物の輸入のため売れ行きが悪くなり、非常に困っております。  この丹後地域におきまして、絹織物業雇用従業者の解雇状況について見ますと、昭和四十八年八月から四十九年十二月までに七百五十四人が解雇、首になっております。五十年につきましては百二十六人が首になっております。五十一年については三百七十七人が解雇されておるという状態でございまして、出血生産を続ける機業者が、最低の工費を確保するための緊急対策としては減産以外にはない。三年にわたる不況、それから減産により、産地全体が資金的に苦しい中で、さらに厳しい減産を続けるため行き詰まりを生ずる業者の多発が予想されるので、長期、低利の大幅融資をお願いしたいと言っております。  現在、丹後の現有機業台数が四万六千台でございまして、そのうちの三〇%に該当する一万三千八百台が過剰台数と思われます。それで、そのうちの五千台を共同廃棄し、八千八百台を長期凍結する、このような方針を立てておるようでございますけれども、国の方からの融資として、十カ年返済それから三・五%の低利でございまして、一台について百万円ほどの融資をお願いしたい、このような陳情等が盛んに、熱心に行われておるのでございますけれども、この融資の問題についてはどのような見通しでございましょうか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 絹織物業の設備の共同廃棄の関係だと思いますが、中小企業振興事業団の事業の中に、設備共同廃棄事業というのがございまして、これで組合の中で残存者負担方式ということで、設備の共同廃棄を推進していきたい、このように考えておるわけでございます。条件は一応二十年返済ということで、振興事業団から金利二分六厘のお金を出す、こういうことでやることになっております。

加地和新自由クラブ

○加地分科員 私が聞いておりますのは、何か四年据え置き、十二年間の均等償還であるけれども、残存業者が返していかなければならないという方式でありますけれども、発展途上国からの追い上げが非常に厳しい中で、十六年間も絹業が続くかどうか危ういという空気が出ております。残存者負担方式というものについて再考される考えはないでしょうか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 先ほどのお答え、ちょっと訂正いたしたいと思いますが、共同廃棄残存者負担方式の場合、無利子で四年据え置きの十六年償還、こういうことでございます。あくまでも残存者負担方式により共同廃棄をします趣旨は、残存いたします業者がその後もいい成績で事業は継続していくということでございまして、追い上げによって消滅をするという前提ではございませんで、要するにいま多過ぎますものを処理をいたしまして、残ったものは事業を活発に行っていける、こういうたてまえでございますので、それを長期にわたる無利子融資で賄う、こういう考え方でございます。

加地和新自由クラブ

○加地分科員 それではその次の、先ほどの三省了解事項に書かれておる問題に「絹製品の需要振興、生産技術開発」という項目がございます。その中には「絹製品に関する新商品及び新技術の開発並びに需要の振興に資するため、昭和五十二年度において必要な施策の充実を図る。」と書れております。まずどのような施策が考えられるのでしょうか。また実際に一億円を出していただけると聞いておりますけれども、その内容は構造改善協会に出資し、その果実、利息で運営をしていけとの御方針のように聞いておりますが、仮に年七分の利回りといたしましても一年間七百万円の果実でございます。これでどのような宣伝が果たしてできるのでございましょうか。業界の立場から言えば、せめて毎年一億円ずつでも出してくれてもいいのではないかという声が大きいのでございますが、どのようにお考えになりますか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 需要振興につきましては、関係業界におきまして絹製品需要振興協議会というものを設置したわけでございまして、一体となりまして、需要動向調査とかあるいは求評会の開催とかあるいは需要開拓等の事業を行うことになっております。それの事業を推進するために、いまお話のございました事業協会の振興資金に一億円を出資いたしまして、これによりましてこの果実をもってその趣旨に充てたい、こういうことでございます。  なお、生産技術の開発につきましては、このほか中小企業技術改善費補助金というふうな助成制度も別途にございますので、この辺も積極的に活用してまいりたい、このように考えております。

加地和新自由クラブ

○加地分科員 絹製品の需要を喚起するための宣伝費として一年間に七百万円という金額は、これで十分とお考えになりますか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 その宣伝費ということでございますが、いわゆる品物の宣伝費というふうなものとちょっと違う感じでございまして、実際に需要振興のための基礎的な需要動向の調査とかあるいは求評会の開催というふうな事業の補助をしていく、こういう考え方でやっておりまして、いわゆる商品の宣伝費という感じでは仰せのとおり全然足りないかと思いますが、いま申し上げたような趣旨の事業活動のための補助としましてこれを有効に使いたい、こういう考え方でございます。

加地和新自由クラブ

○加地分科員 しかし、七百万円といいますと、いろいろ調査するにしても、ちょっと気のきいた方お一人分の給料と、それからいろいろな資料代ということだけに終わってしまうんじゃないでしょうか。やはり非常に苦しい中で絹織物業者が悩んでおる時代に、まあたとえばの話ですけれども、一人しか実際に動けないような経費というのは、やはり常識には相当外れているのじゃないでしょうか。もっと増額されるお考えというのはさらさらないのでしょうか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 仰せのとおり、こういうふうなお金、それはあればあるほどいいということであろうかと思いますが、現実には需要振興協会を設置するに際しましては、業界の方々も、われわれ自身のことであるのでわれわれもお金を出しますということでございまして、その呼び水としてぜひ有効に働いてほしい、こういうふうな御要望も私どもは聞いておるわけでございます。さらにこの辺につきましては、単に従来の絹製品のままではございません。洋装品の拡大の可能性というふうなことも大いに研究して、この方面にも需要を拡大することが必要であろうか、このように考えております。

加地和新自由クラブ

○加地分科員 その次に、実需者に対する輸入生糸の売り渡しの問題についてお尋ねします。  先ほどの三省了解事項には「輸入生糸については、日本蚕糸事業団からいわゆる実需者売渡方式により糸価安定及び絹業の経営安定を配慮し、可能なかぎり多くの数量が輸入価格に所要の経費を加えた額で速やかに実需者に渡るよう生糸一元輸入制度を運用する。」と定められております。ところが、五十一年度につきましては、第一次分として中国からの六千俵の生糸の輸入のうち、京都府下の西陣には六百八十俵の割り当てしかございませんでした。西陣の消費量は一年間に約八万俵の生糸を消費いたします。そうしますと、この六百八十俵というのは一年分のわずかに三日分にしか該当いたしません。それから第二次の分といたしまして中国から六千俵、韓国からの二千俵のうち、西陣へは九百十俵という状態でございます。もっと多く実需者にこの生糸が渡るようにすべきではないでしょうか。それからまた五十一年度の第三次分についてはもう手当てが終わったのか、まだであるとすれば、どういう予定であるのか、これをお答えいただきたいと思います。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 仰せのとおり、五十一年度につきましては、十月に六千俵、十一月に八千俵の実需者売り渡しを行ったわけでございます。確かにこれを産地別に割りますと、お話のような数になろうかと思いますが、輸入数量からいたしますと、いろいろな生糸の全体の輸入量とのバランスからいきますと、五十一年度は大体この辺でやむを得なかったのではないかと思っております。残りのものにつきましては、現実には五十一年度は間に合いませんので、これで五十一年度合わせて一万四千俵で終わりということでございます。五十二年度につきましては、先般来農林省の方といろいろ相談をいたしておりまして、実需者売り渡しの趣旨に沿いますように、四半期別にあらかじめ大体数量を決めまして、計画的に需要に応ぜられるような方法でやっていきたい、このように考えておる次第でございます。

加地和新自由クラブ

○加地分科員 五十二年度につきましては、総量として大体何日分ぐらいの消費生糸がこの実需者売り渡し量として回ることになるでしょうか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 実は、五十二年度の輸入数量自体につきまして、目下韓国及び今後中国とも交渉をしてまいるわけでございまして、総数量がまだ決まらないわけでございまして、総数量が決まりました上でないと、ちょっといま数字を申し上げることはむずかしいかと思うわけでございます。

加地和新自由クラブ

○加地分科員 総数量は、いまの予定ではいつごろ決まるのでしょうか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 できるだけ早く交渉を妥結いたしたいということでございますので、できれば四月じゅう、少なくとも五月いっぱいぐらいまでには交渉を終わりたいというふうに考えております。

加地和新自由クラブ

○加地分科員 その割り当て総量を決めるときには、いわゆる業界の声というのは十分にしんしゃくされる方法でお決めになるのでしょうか。それとも役所の方で一方的にどっと、こうお決めになるのでしょうか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 もちろん、決めます際には、全体の需給バランスを見なければなりませんので、需給バランスをつくります際に、最近でも常にお話は伺っておりますので、それぞれ産地の御事情その他十分に勘案することになるかと思います。

加地和新自由クラブ

○加地分科員 この実需者売り渡しの際に、日本蚕糸事業団はキロ当たり二百五十円の手数料を取っておられます。これは伝票を書くだけの手間でございまして、第一次分だけで一億円の手数料収入があったかと思います。この一億円の金というのは、絹織物業界のためにはどのように使われたのでしょうか。

池田澄農林省農蚕園芸局繭糸課長

○池田説明員 いわゆる実需者売り渡しは、生糸の実需者への円滑な供給を目的といたしまして、生糸の実需者が要望します種類あるいは繊度、こういったものを事業団が輸入いたしまして、通常の価格水準といいますか、需給が通常であればそのまま直ちに実需者に渡るよう配慮しているものでございます。幸いにいたしまして、いろいろと意見はございますけれども、基本的には実需者の希望に沿って運営されてきているのじゃないかと思っております。  この運営に当たりまして、いま御指摘の、事業団が生糸一キログラム当たり二百五十円を徴収いたしております。この内容は、生糸の輸入あるいは売り渡しにおきまして、日本蚕糸事業団が一般に要します経費と、それからもう一つは法律の規定によりまして、国内の糸価が悪い場合には実需者売り渡しといえども販売できないということに相なっております。そういう場合におきましては、事業団が一時調整的にこれを保管しなければならないということになっておりまして、その場合のコストはあらかじめいただいたこれで事業団の方で負担する、こういう仕組みになっておるわけでございまして、これを含んでこの経費が計上されておるわけでございます。  確かに、昨年行いました実需者売り渡しにおきましては、一時心配されましたけれども、調整保管をするという事態にはならなかったわけでございますが、しかし年間を通じますと、かなり需要の変動というのは、非常に複雑な時期になっておりますので、そういう危険は十分に考えられるのじゃないかと思います。そういう意味で、年間を通じて確率的にこの経費をいただいておるわけであります。  もしこれによりまして利益が出るといいますか、要するにそういう予定のコストがかからなかった、こういうものが出てまいりますれば、これにつきましては、法律の規定によりまして、利益の処分また助成事業への活用、こういったものを考えていきたいと思います。その場合、助成事業の内容といたしますれば、繭業あるいは蚕糸、こういったものがともに受益いたします需要増進事業などにも十分活用してまいりたいというふうに思います。

加地和新自由クラブ

○加地分科員 業界の方の受け取り方は、暴落防止のための、買い支えるためであるとか、あるいは倉敷料、金利等が要るとの理由でこの一億円というのは取られるのだ、こう聞いておるけれども、いわゆるこの実需者売り渡しというのは、保管も要らない、いわゆる伝票を切るだけのワンタッチ方式というような、とにかく名前だけそちらのお世話になったということで、一億円がぽんと取られるというのは、制度の本来の趣旨から言ってもおかしいのじゃないかという声が強いのです。まあ第一次分について取られたのだから、これは仮に百歩譲って仕方ないとしても、五十一年度について、第二次についてももう買い支えというか、心配がなかった、また倉敷料も要らなかった、金利も要らなかったとなれば、いわゆる第二次分は取らないようにするとか、あるいは五十一年度のいわゆる実績を見て、五十二年度についての手数料については、やはりこの苦しい絹織物業界の実情を勘案して、いわゆる親心のあるところを国の方も見せていただく必要があるんじゃないかと思うのですけれども、どうでございますか。

池田澄農林省農蚕園芸局繭糸課長

○池田説明員 生糸は非常に高価な繊維でございますために、それを調整保管いたしますると、御存じのとおり非常にコストの、金利、倉敷が思ったよりといいますか、非常にかかるものでございます。そういう意味で、このコストの算定をいたしておりますけれども、一定の確率といいますか、そういう事態が発生するであろうというようなことを予想いたしまして、一定の確率でこれを算定しております。そういう意味では、あるかなりの長期にわたってこれが起きないのか起きるのか、様子を見ていかなければいかぬのじゃないかというふうに思っております。いずれにいたしましても、初めての試みあるいは事業でございます。そういう意味からいきまして、何回かやりまして、かなりの長期にわたって様子を見ながら、この問題も今後検討していったらいいんじゃないかというふうに私は思います。

加地和新自由クラブ

○加地分科員 それから、生糸の一元化輸入ということで、国内でどうしても高い生糸を買わなければならないということであれば、外国からの絹と名のつく製品は全部とめてほしい、こういう声が非常に大きいのです。現状では、韓国は絹製品として出してくる、そして二国間協定も日本と韓国、日本と中国のみでございます。このほかにイタリアなどからは絹製品のネクタイというものが野放しの状態で入ってきて、わが国のネクタイ業者が困っておる。あるいはまた撚糸という形であれば、いわゆる規制するものがないために、いままで余り活況でなかったところの香港とかアメリカあたりの撚糸業者というものが非常に忙しくなってきて、撚糸の形でアメリカ、香港あたりから日本へたくさん入ってくるということなどが言われておるのでございますけれども、この点についてはどうお考えになりますか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 中国及び韓国とは二国間協定での規制をいたしておりまして、その他の地区につきましても貿管令の輸出確認制度によりまして、事前に一応チェックをいたしておるわけでございます。

加地和新自由クラブ

○加地分科員 最後に通産大臣に……。  私がつたない言葉で述べたのは、絹織物業者の切実な声の一端でございます。通産大臣は、絹織物業界の深刻な現状について今後どのように対処していかれるおつもりでございますか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 ただいまもあらゆる問題に対して、先生から大変具体的なお話をるる伺いました。また、先日来私のところにおいでになりましたお客様も、もうほとんど繊維関係で、当面絹の問題、また商工委員会におきましても同様でございまして、この深刻さというのは私はひときわひどいものがあると存じますが、これに何とかして取り組んで、少しでも業界のために道を開きたい、ともに祈るような気持ちでこれからもっと取り組んでまいろう、このように覚悟いたしております。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 これにて加地君の質疑は終了いたしました。  次に、川崎寛治君。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 ただいまの加地委員の質問と関連をしてまいるわけでありますが、私は、きょうは大島つむぎ、そして韓国産の輸入物、これらの問題に関連をしで、限ってお尋ねしたいと思います。  ソウルで行われておりました日韓の繊維会談というのは、新聞の報道によりますと、絹織物は妥結、そして生糸と絹撚糸は四月東京会談、こういうふうになったようでありますが、絹織物の方が妥結をした理由、生糸、絹撚糸の方が妥結しなかったのは理解できるのでありますが、絹織物が妥結をした理由について御説明願いたいと思います。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 昨日、一応第二回の会談が終わったわけでございますが、絹織物について妥結いたしておりません。これは何か先生ごらんになった新聞がもしそうであるとすれば誤報であろうかと思いますが、わが方の前年度実績を下回りたいというのと、先方の前年度実績よりもふやしたいというのが対立したままでございまして、まだ妥結に至っておりません。したがいまして、絹織物につきましても四月に入りまして再度交渉をやり直す、こういうことになろうかと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 それならよくわかります。つまり前回の自主規制を約束した二国間協定というのと今回の会談の中における状況認識というものについては明らかに違う、日本の国内の状況というのが大変厳しい、こういうことで日本側の主張は続けておると、こういうふうに理解してよろしいのですか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 そのとおりでございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 大臣にお尋ねしたいと思うのでありますが、韓国産の絹織物というのは、日本の村山なり十日町なり、そしてさらに大島つむぎと片っ端から食いつぶしつつあるわけです。そして基盤が崩されつつあります。  そこでお尋ねしたいのは、大島つむぎというのは、これは日本国民しか使わないんです、使用しないわけですね。現在の日本国内における生産力というもので国内の需要を賄い切れないと思うのか、輸入が必要だというふうにお考えになるかどうか、伺いたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 私は細かい需給の統計はいま手元にございませんけれども、しかしながら、つむぎのようなものはぜひとも日本の伝統的なものとしても、私はぜひ確保しておかなければならない、こういうふうに思っておりまするが、御案内のとおりに奄美大島のいろいろないままでの経過を考えまして、後発開発途上国であります韓国が今日のように、つむぎに対して非常な侵食をしてまいったということはまことに残念なことでございますが、少なくとも最後の牙城は守っていかなければならぬ、こういうふうに考えております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 その気持ちはわかりました。それじゃ国内の生産力で日本の国内の需要を賄い切れないとお考えになるのか、それからもう一つは、大島つむぎというのは日本国民以外が使用するというふうにお考えになるのか、その点を伺いたいと思うのです。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 数量等の問題でございますので、(川崎(寛)分科員「いや、数量じゃないですよ」と呼ぶ)なおまた、一方におきましては、つむぎの需要というものも逆に落ち込んでおりますから、昔のように大島をみんなが着るような社会状況じゃないと存じますが、なお詳細は政府委員からお答えいたします。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 その需給上から、大島つむぎのようなつむぎ類について、国内で全部賄えるかどうか、こういう御質問だと思います。これは需要と価格とのバランスの問題でございますので、絶対に国内産で賄えないということも言えないかと思いますけれども、また、ある意味では、ある程度の輸入をする方が需給上いいということも考えられるかと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 きょう一城落ち、あした一城落ちというぐあいに落とされてきておるわけですよ。落とされてきておって、だから輸入が必要なんだというのは、これは私はへ理屈だと思うのですよ。だから現在の、つまり何百年来続いておる伝統産業の今日の生産力というものが、日本国内の景気、不景気にかかわらず、よしんば好景気だとしても国民の需要を賄い切れない、国内の生産では足りないんだという事態はないと思うのですよ。だから、要するに、やむを得ないんだということでやってくるからどんどん侵食をされてきておる、こう思います。その点は押し問答してもしようがありませんから、それ以上続けませんが、そこで、その自主規制、二国間の協定の自主規制というものの内容を、絹織物に関して、大島つむぎに関してひとつ具体的に説明願いたいと思います。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 大島つむぎの輸入につきましては、通関統計におきまして、つむぎ織物という区分がございませんので、必ずしも実績が明らかではございませんが、昨年一月以降の輸入インボイス統計の集計によりまして、いわゆる本場大島つむぎ、村山大島つむぎ、十日町つむぎ等、つむぎ類の合計で、昨年一年間で約三十七万反が輸入されたものと考えられます。このうち本場大島つむぎの輸入につきましては大体、価格等から判断いたしまして三万八千四百反程度ではなかろうかという感じでございます。国内の年間生産九十七万反の約四%程度ということになろうかと思います。  自主規制のやり方でございますが、これは韓国側でビザを発行いたしまして、それを確認をするという形で実行いたしております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 その自主規制の数量というのはどうなっているのですか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 自主規制の数量におきますと、五十一年の四月から十二月までで二万九千五百五十反でございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 それは守られているとお考えでしょうか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 全く正確とは言いがたい点があるかもしれませんが、大体守られていると考えております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 正式ルートを経ていない形で、日本の国内にいま言われた数量以上のものが入っているとお考えですか、入っていないとお考えですか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 いわゆる旅行者の持ち帰りというふうな形で若干のものが入っておるというふうには考えております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 それだとしたならば、自主規制として約束し合った数量以外のものが、それを超えるものが、これは業界に言わせれば十万反というふうな言い方もしておりますが、そういうものが入っているとしたら、明らかに自主規制の約束の枠を破っている、こういうふうに理解していいんじゃないですか、いかがですか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 自主規制の対象はいわば正常の貿易取引によって入るものでございまして、いわゆるみやげ品として携帯して入ってきますものは、これは商取引の中に入るものではございませんで、一応自主規制なり何なり、協定の外の問題だと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 では何のために自主規制するのですか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 いま申し上げましたように、正常な取引といいますか、商取引上これだけのものを輸出し、輸入する、こういうたてまえの自主規制でございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 自主規制というのは、要するにそれだけ規制をしなければ国内の伝統産業の存立が危ない、だからその数量で抑えましょうというのがお互いの問の約束、つまり業界は輸入制限をしなさい、禁止をしなさいという要求に対しまして、いや自主規制でやるのです、それでなければいけないのです——自由貿易を目指している日本としては、こういうことであなた方は自主規制というのを進めてきたわけです。そうしましたならば、自主規制というものの数量の枠外に、いまお認めになられたような貿易品ということで不正常な形でどんどん入ってきておるという事実をお認めになられるとしたならば、そのことが、自主規制ということによって国内のつむぎ業界を守ろう、生産者を守ろうといったものは崩れておるというふうに理解できるんじゃないのですか。そういうふうに考えざるを得ないのじゃないですか。いかがですか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 いま申し上げました自主規制以外に入ってまいります旅行者のおみやげ品などは、正確を期するために申し上げたわけでございますが、全体の数字から言えばきわめて少量のものでございまして、いわゆる商取引というベースに乗るものではございませんので、本質的に自主規制を破るものというふうには考えられないと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 だから、そこが生産者団体との理解というか認識の大変大きな違いになるわけですね。今日担ぎ屋と称される者までおって、十五反であるとか三十反とか担いで持ってくる、あるいは観光客が持ってきたやつを通関後に集めて、それを日本の国内で流しておるという状態がある。あるいは税関でも厳しい税関と厳しくない税関というものをちゃんと知っていて、そういうものを通りながらくぐり抜けてきておる。そういうことが常態化しておるということが絶えず指摘をされながら、つむぎのそういう観光客によって持ち込まれてきておる実態なりというものを十分に把握してない。それを、正式の輸入のルートにおいてはちゃんと守られておるのだということで済ましておるとしたら、このことについては何年来生産者団体が訴えておるわけでありますし、また現地から韓国に実態調査に参りますと、韓国ではそういうことは公然の秘密というのですか、あからさまのこととして言われておる。担ぎ屋ということまで言われておるし、みやげで相当なものが出ておるということについても言われておる。  では、現在韓国につむぎの織機というのがどれくらいあるというふうにお考えですか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 韓国の大島つむぎ類似品に関します生産能力でありますが、韓国政府から得ております情報によりますと、韓国のつむぎ類の生産能力は、七五年現在におきまして年産約三十六万反でございました。その後政府は韓国政府と協議を行いまして、大島つむぎ類似品の設備を増設しないよう約束を、七五年二月でございますが取りつけたわけでございます。さらに累次の折衝の結果、本場大島つむぎ類似品につきましては四万反の範囲内で韓国政府が輸出自主規制を行うことになったということから考えましても、その後生産規模等は余り変化してないと思われますので、年産約三十六万反程度の生産能力ではなかろうか、このように考えます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 それは大島つむぎですか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 つむぎ類全般でございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 それをずっと見ますと、大島つむぎ、村山、十日町というのは大体どういうふうに分類されますか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 七五年の計測でございますと、大島つむぎの生産能力が大体十三万四千反ぐらいでございましょうか。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 約十四万反ぐらいの生産能力があるわけですよ。大体六割ぐらいの稼働だというふうに見られていますね。そうしましたら、それでもやはり八万反ぐらいは生産されているということになる。そうすると明らかに、四万反が正常のルートだとすると、あとの四万反は、韓国で消費されないのでしょう、韓国で消費されないとしたら、それは日本に入ってきているわけですから、通産省が理解しておる十三万反が一〇〇%フル回転だということになれば、十三万反入ってきておる。しかしそれが六割だというふうに見ても八万反でしょう。だから七割稼働だとしてみても九万反でしょう。それが日本の国内に入ってきているのですよ。だから、それを少量だというふうにあなたが言われるのはおかしいじゃないですか、私はこう言わざるを得ないのですよ。  そうしますと、自主規制ということで正常の輸入のルートの中で議論をされ、枠をはめられておっても、不正常な形で入ってきておるものが明らかにあるわけなんですから、それを含めて議論をしなければ意味がないのですよ。それをどう規制するかということ、それでなければ、つまり自主規制というのは単なる韓国産つむぎ防衛のための隠れみのにしかすぎない、私はそう言わざるを得ないと思うのです。だから不正常な形で数万反が入ってきておるということをお認めになりますか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 いまの自主規制以外の携帯輸入量につきましては、私ども実はなかなか突きとめることは困難なんでございますが、実は十二月などはわりあいにおみやげなども多い時期かということも感じまして、昨年の十二月一カ月間、税関にお願いいたしましてチェックをしたわけでございます。これによりますと、本場大島つむぎ類似品ということで入ってまいりますのが大体五百二十八反だそうでございます。したがいまして、いまおっしゃいましたような大きな数字というふうにはちょっと考えられないのでございますが……。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 考えられないと言ったって、生産力はあるというのでしょう。それなら、四万反とすれば約三割ですよ。三割以下か二割六、七分ですよ。現在、韓国における生産稼働の状況が三割以下というふうに理解できますか。これはそんなものではない。だとしますならば、これはもっと厳密に、生産者団体と政府と一緒にでも実態調査に行くなどしなければ自主規制は意味がない。私はもうそう断定せざるを得ないと思うのです。だからいまの十二月にやられた五百何反だなんというのは、それもつまり、みやげ品として不正常な形で、あるいは担ぎ屋が担いで持ってくる、そういうもの全体の実態というものを把握はしていない、こう思います。だからその実態をどう今後把握しようとされるか、もう一度そこの点を、ひとつ大変厳しい状況にありますだけに、お尋ねしたいと思います。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 向こうの生産可能量といいますか生産量と、それから日本に入ってきますものの差し引き勘定ということになりますと、確かに仰せのようなことになるわけでございますが、向こうの生産量ないしは在庫量あるいは日本その他への輸出の可能性、いろいろ要素はございますので、そのまま引き算して入ってくるというふうにはちょっと考えられないわけでございますが、自主規制以外のいわゆる携帯輸入の数量につきましては、一月調べました点は、非常に厳密にやりましたので間違いない数字だと思っております。ただ、携帯輸入につきましては、これを調査いたしますことは非常に困難な問題でございますので、これを常に継続してやるということにつきましてはいろいろ難点のあることであろうかと思っております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 昭和五十年の七月四日並びに五十一年五月二十四日の商工委員会で「繊維関係伝統的工芸品産業の安定に関する件」あるいは「絹業安定対策に関する件」ということで大変強い特別決議をしたことは御存じですね。そういたしますと、その決議は、政府はこうすべしという強い決議になっておるのでありますけれども、政府はこの決議を実行してきておるというふうに言明できますか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 可能な限り誠実にやってきたと思っております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 それはしかし先ほどあなたが指摘しておる点からしますと、明らかに生産力、それからその自主規制の中で入ってきておる輸入のルートと、それ以外のものというふうに考えますと、私は実行してきているというふうには思えません。でありますから、この点についてはより厳しい規制というものを、日本国民しか使わないつむぎ類でありますから、この点については厳しく願いたいと思うのです。  そこで、具体的に厳しくしますためには、たとえば表示の問題にしましても、一匹の二反でありますから、その真ん中には鹿児島の日の丸の表示を織り込んである。外側には韓国産としてある。それで輸入して入ってさましたら外側だけ切ってしまって、一匹を二反に切るわけでありますから、切った中は本場大島、こういう形で国内に出ておる。そういうことも行われておるわけですね。そうしますと、これはもう少し厳しくしてまいりますためには、輸入品だけでなくてみやげ品についてもやはりそういう表示については責任を持ってもらう。だから、不正常な形で入ってきておるという実態については日韓の会談においては厳しくやってもらいたいと思うのです。そうして、もしそれを向こうが守るというならば、こういう表示の問題については絶対に約束を守らせる。守らぬならば輸入禁止、輸入制限、そういうことでいかなければ私は守られぬと思うのです。だから、そういう表示の問題についてインチキをさせないことについて約束をさせられるかどうか。それから、製造工場名をその織物の中に織り込むということについてもひとつ要求してほしい、こう思いますが、いかがですか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 仰せのように、非常にいろんな不正行為に類するような表示があることは事実でございますが、実は韓国側ばかりを責められるかどうかという点につきましては、なかなか日本側にも問題がある点が実はあるわけでありまして、もろ刃のやいばというふうな点もございますが、極力御趣旨に沿うような方法を講じてまいりたいと思っております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 そこで、日本側にけしからぬやつがおることはそのとおりだと思うのです。そこで、それならば原料の輸出を禁止する、韓国向けの原料の輸出は禁止、つまり向こうで加工して逆輸入になるわけでありますから、それについては貿易管理令で禁止するということをやれば、出す方も入れる方も抑えることができます。だから貿易管理令の改正をやってほしいと思うのですが、いかがですか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 実はその原料の輸出の問題につきまして、再々それぞれ産地の業者の方からもお話を伺っておりまして、そもそもそれぞれの産地なり何なりにおいて自主的にそういうことにならないように、原料を出すということは非常に問題を生ずるわけでございますので、組合なり何なり自主的にひとつその辺はやっていただけないだろうかということをかねて申し上げておる次第でございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 韓国側も原料については国内一貫体制でいきたいというふうに言っているらしいですね。それならば、日本から原料を出してくれるな、こう言っておるのですからいいじゃないですか。日本から出るものは出さない、そのかわりそれに加工して入ってくるものは入れない、こういうことはきちっと貿易管理令を改正できないのですか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 貿易管理令という強権を使いますよりは、やはり自主的に、それぞれ自分の分に返ってくる問題でございますので、それぞれの業界で自主的にやっていただきたいというのが私どもの希望でございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 いずれにしましても、そうした点については、これは四月会談があるわけですから、不正常な形でたくさん入っているという実態については、ひとつ厳しくやっていただき、規制してもらいたい。そうして輸入のルート以外のみやげ品にしろ何にしろ四万反を超えさせないということについては、ひとつ断固たる措置をしてもらいたい、こういうふうに思います。  伝統的産業振興法というのは振興なんですね。振興という場合には市場の拡大なり生産拡大なり合理化なりと、こういうものを進めて拡大、振興するわけですが、残念ながら民族伝統産業の場合には、日本から今度は外に輸出ができないわけです。他に市場を求められないのですよ。そうしますと、日本の国内だけの限定された市場の中で生きていかざるを得ないわけですから、振興ということは入ってくるものを防ぐということが一番大前提であるわけですね。その点でひとつ今日の経済全体の不況というものと構造的な危機、そういうあれでありますから、大臣には後でもう一つ総括的なお尋ねをしますので、その前に局長の方に、こういう構造的な不況の状態がありますから、不況突破、危機突破、そういうものについては十分に資金対策を伝産法に基づきめんどうを見ていただけるかどうか、その点めんどうを見ていただきたい、こう思います。いかがですか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○藤原政府委員 御承知のとおり、本場大島つむぎは伝産法の指定になっておりまして、振興計画もできつつあるわけでございますので、その点に沿いまして、その振興を極力図ってもらいたい、このように考えております。  また不況に関しましては、政府三機関等につきましてもいろいろきめ細かい援助をするように指導いたしてまいりたい、このように思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 最後に、通産大臣は今回ガットのロング事務局長とも会談され、東京ラウンドの七七年終結の完成の問題等についても話し合われておる。日本の産業構造全体の問題を先進工業国としていろいろと議論されておるわけです。私はその中で、先進工業国として貿易を進めていかなければならない日本でありますけれども、世界経済の中でそれを進めれば進めるほど今日特定の地域にはいろいろのしわが寄ってくるという現実なんですね。鹿児島を見ますと、いまの大島つむぎは韓国産に痛めつけられておるのです。マグロは日本の商社が中古船を出して韓国の漁民にとらせて、それを今度日本に輸入しておるわけですね。これまた大変な打撃を受けておるわけです。サトウキビ、これは後で質問します。上原君の沖繩も大変苦しいわけでありますが、これも国際商品として鹿児島なり沖繩なりが一生懸命やっても、これも国際的な中で苦しんでおるわけですね。それから、鹿児島の特産でありますカンショ、サツマイモです。これは今度はトウモロコシでやられておるのです。それから暖地でありますからポンカンをやれば、これは台湾産のやつにやられるのです。それからお茶はまた台湾産や中国産のやつにやられるのですね。それからさらに、ECとの問題が進みますと、イタリアの葉たばこがどんどん入ってくるとか、あるいはIQをAAにするとかいうふうなことで、葉たばこもまた鹿児島は特産地でありますが、これがまたやられてくる。そういうぐあいに、国際経済の自由化というものが進めば進むほど、それからもう一つ二百海里の新時代の中で、先ほど言いましたマグロに加えまして今度はカツオも、たとえばパプア・ニューギニアなどにしましても二百海里をぼんとやってきますし、大変厳しいわけです。そうしますと、こういう事態の中で特定の地域は、それが進めば進むほど、部分的に関税で防いでみたりあるいは何らかの措置をしてみたりしても、どうにもならない波が全地域に及んでいる、全産業に及んできておる。こういう中で、こういう問題にどう対処していけばいいか。これは簡単に一言でお答えできる問題ではないと思いますけれども、通産大臣としまして、これらの問題について自民党政府としてはどう考えられるか、最後に伺いたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 久しぶりで川崎先生とお目にかかってきょうは非常にあれですが、しかし、いまの話は非常に真剣な問題であると同時に、この間ガットのロングさんにもお目にかかって、自由貿易と申しますかガットの精神というものは、特に東京ラウンドというものを考えた場合に、やはりそこには秩序ある一つの自由貿易でなければならぬ。この秩序というところにはやはりガットの一つの哲学というものが貫かれておるというようなことで、いろいろな、繊維の問題も特に取り上げまして、日本の場合におきましては、一方において対米繊維の問題を考えると同時に、また、後発途上国から追い上げられてまいっておる繊維の状況もつぶさに話しまして、そこにやはりガットの秩序あるという一つの何物かが貫かれていなければいけないんだ。話がまことに哲学論みたいになりますけれども、やはりそこには守るべき線は守ってまいる。また同時に、そこには日本の伝統でありますとか、あるいはまた特にこれからの厳しい国際環境に向かうわれわれの一本筋の入った考え方が必要であろう、かように考えております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)分科員 終わります。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 これにて川崎君の質疑は終了いたしました。  次に、上原康助君。

上原康助日本社会党

○上原分科員 私は、当面している中小企業問題などとの関連で、特に海洋博後の沖繩の経済状況、それとの関連における不況あるいは中小企業の倒産の実態などを例に挙げながらお尋ねをさせていただきたいと思います。  最近の企業倒産というのは全国的な問題であると同時に、ますます深刻の度合いを増してきているわけですが、一応通産省としても、昨年の秋以降、暮れにかけて特に中小企業の倒産防止対策という面で一定のてこ入れもなさってきたのも、補正予算等の面でも出てきております。しかし、現実問題として景気がなかなか回復をしないという状況下で、企業倒産はますます多くなってきているという現状で、五十一年を見ましても、負債総額一千万円以上の倒産というのは全国で表に出ているだけでも一万五、六千件、それ以上のものがある。一千万円以上がそういう状態ですから、下請、孫請というそれ以下の最もこの不況下で痛めつけられている零細企業に至っては、ますます倒産件数も多いと見なければならないと思うのです。こういう状況で、一体政府としてあるいは通産省として、この中小企業の倒産というものを防止をしつつ、景気の浮揚策を考える。これは単に企業側だけの問題ではなくして、企業倒産が相次ぐということは、それだけ雇用面にも影響していくし、経済全般について非常に深刻な打撃を与えているというのは指摘をするまでもないと思うのです。  そこで、お尋ねしてみたい第一点は、今後三月ないし四月の決算期に向けてますます企業倒産はふえるのじゃないのかという見立てが、いろんな調査資料を見ましても、あるいは専門家の御指摘の面などにも出ているわけですね。どういう傾向にあると診断をしておられるのかというのが一つ。また、これからの防止対策として、どうすればこれ以上企業倒産がふえずに景気の浮揚策といいますか、言われている安定経済政策に定着をさせていくことができるとお考えなのか、そこいらの基本的な姿勢といいますか総合的な対策というか、その面についてお聞かせをいただきたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 基本的な問題といたしまして私から冒頭お答えいたしますが、御案内のとおりに景気の状態というのはもう少し早く上向くと存じておったにもかかわりませず、横ばいの状態を続けておりまして、昨年の十二月の倒産件数は最も多く千六百八十五件でありまして、一月がちょっと減って千二百八十五でございますか、二月になりましてこれが千三百五十ぐらいになったのではございませんか。そのすそのはっきりした計数は私ちょっとうろ覚えでございます。しかし、何はともあれ本年に入りましてからもなおいま言ったような横ばいの状況であります。  これに対します景気浮揚策といたしまして、もちろん全体の経済が正常に回り始めなければ相ならぬのでありますけれども、しかし何と申しましても政府資金の散布量というものがフィスカルポリシーとして一番大きな影響を持っております。昨年の暮れの国鉄、電電の関係の予算が通過いたしましてから、二、三カ月後の約七千に及びます関連企業のその動きというものは、若干上向いてまいりました。それから、いわゆる補正予算が通りまして、さらに本予算が一日も早く通るということが、景気対策の上から申すならば最大の問題でございます。そこの間に、特に投資効果の多い公共投資ということを中心といたしました予算、さらにまた野党の皆様方の非常に御心配になっておられた減税の問題、こういうふうな各党挙国的な姿において、この景気の上昇を真剣に考えていただいておるわけでありますが、そのいまの予算の執行によります膨大な資金散布量というものは、中央政府、地方政府、公団、公庫を通じまして、私は相当刺激をするものだと考えます。  わが通産省関係だけにおきましても、五十一年度、五十二年度の御案内のとおりの電気関係の発注の繰り上げというような問題もいたしました。景気対策は、昨年十一月十二日の七項目、それに今週の金曜日の四項目にわたります閣議の景気浮揚対策というふうなものによって、さらに推進いたさなくては相ならぬのでございます。  これらのほかにもう一つ、プラント輸出の問題やら大型プロジェクトの問題がございます。これは、いままで各国に対しまして公約をいたしたのでありますが、ほとんど先生御承知のとおりに、日本は約束だけして一向に実行に移らないという非難もこうむっておったのでありますが、その原因は何かと言うならば、輸出に対します保険制度ができ上がっていなかったということであります。でありますから、いろいろなプラントの発注でありますが、これにつきましても、今回のボンド保険の通過によりまして、やはり私は大きなプラスになるだろう、かように考えてまいりますと、政府の考えておりました六・七という目標はほぼ達成でき得るのではないか。つまり、言いますれば、これからの景気がだんだんと上向いてまいる、こういうことを、希望的な観測をいたしておる次第でございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 確かに新年度予算が通過をする、あるいはついせんだって通過しました補正の支出効果によって、いま大臣がおっしゃるようなメリットというのは出てこなければならないと思うのですが、いずれにしましても政府の打ってきたこの手だてといいますか対策というのは、余りにも後手、後手であったということは指摘せざるを得ないと思うのですね。減税問題にしてもなかなか応じていただけなかった。それだけに予算審議というものもかえって時間的に長引いてしまったという結果にもなりかねないし、まあ、そういう議論をしている時間はございませんので、ただ、公共投資をいろいろ考えておっても、全体的に見てやはり中小企業なり需細企業に与えているインパクトというものははかり知れないものがあると思うのですね。そこをどう救済措置を講じていくかということは、いろいろ新聞などの報じているところを見ますと、もう景気の回復をひたすら期待する以外にないんだというようなことで、通産省の幹部の皆さんもそういうお気持ちだというような言い分もあります。しかし、それではいかないのでありまして、一体今後の主に中小企業対策としては、果たしていま大臣が御説明いただいた、御答弁のありましたような方向で、春先ないし五、六月、そういう時点まで倒産傾向は食いとめて景気浮揚の方向にいわゆる芽が出るのかどうか、そういうお見立てなのか、そこいらをもう少し明らかにしていただきたいと思います。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 倒産の件数が依然として高い水準にあるということについては私ども非常に、心配をし、これはできるだけの手を打っていかなければいけないと思っておるところでございます。  原因を見ますと、約四割が売れ行き不振という要因によっておりますし、また一割余りが関連企業の倒産の影響を受けたというようなことをいわれております。やはり景気の動向というものが企業の倒産に非常に大きな影響を与えておるということがうかがえると思います。その意味におきまして、景気のこれからの振興ということに大きく期待をしておるわけでございますが、それだけではなくて、やはり中小企業政策としてもやれるだけのことをやっていきたいと思っておるところでございます。特にいまの中小企業はこれだけ長い不況を何とか今日まで生き延びてきた企業でございますので、これが倒れずに次のいわば推進力になっていくところまで持っていきたいと思っておるところでございます。  対策としましては、政府系金融機関による融資あるいはそれを補完するための信用保証制度の充実等々の対策を講じておりましたが、いわばそれらをもう少し体系的に進めていくという意味合いから、先般通産局に対して新しい通達を出しまして、これらの体制づくりを支援をすることにいたしたわけでございます。  内容としましては、通産局ごとに財務局、あるいは政府系金融機関の出先あるいは日銀の出先、こういったところが集まりまして懇談会を設けて絶えず情報を交換をして、機動的に対応策が打てるようにする、問題が起こったときには機動的に対策を打ち出していく、こういう体制をつくること。同じく府県におきましても同様な組織をつくることなどによりましてまず体制づくりを強化したいと思っております。  それから第二番目には、国の政府系金融機関の融資に加えまして、県の制度融資をこの際大いに活用していきたい。また、そういったことをうまく活用していく府県に対しましては、国としても応援をしていきたい、こういう体制を考えております。  さらに第三番目としましては、仕事のあっせんの問題でございます。企業が倒産をいたしますと早速下請企業の仕事が問題になります。こういった場合に対応しまして下請振興協会の活動を活発にすると同時に、単に一つの府県の活動だけではなくて広域的な仕事のあっせんということを強力にやっていきたい。これらの諸点を先般通達をいたしまして、現在通産局を中心に府県とそれの具体化をいま急いでおる段階でございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 そういった行政的な措置あるいは各都道府県などとの連絡といいますか、連携を密にしたいわゆる連係プレーといいますか、やっているというのはわからぬわけでもありませんが、しかし、それにしてもなかなか容易に回復の兆しはないというのがいまの現状かと思うのです。  そこで、そういった全国的な対策の中に特に沖繩関係の中小企業というものがどう位置づけられているかという点、そして端的にお伺いしたいのですが、通産大臣なりあるいは通産省としては、一体沖繩海洋博というものはどういう経済効果を沖繩県民の生活に与えたとお考えなのか、また海洋博後の相次いでいる企業倒産等についてどういう実態把握をしておられて、いま御答弁ありましたような全国的な政策の中にどう位置づけて特に配慮をしている面があるのかどうか、そこいらのことについてお答えを賜りたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 沖繩の経済につきましては、御案内のとおりに、私も総務長官といたしまして沖繩の復帰について御一緒にやった者でございますが、他の府県と違いまして、まだ沖繩の場合にはその県政としての軌道になかなか乗っていない面もありますし、それからいろいろな系統、組織も不備な点もあるように思うのでございます。そこで、沖繩海洋博が行われましたときにも、沖繩のためには結構なことだとは存じますけれども、それが後にどのように継続的にいまの繁栄を持続できるかということよりも、その逆に反動がありはしないかと存じまして、私も非常に心配をいたしておったのでございます。承りますところによりましても、またわれわれの方の調査によりましても、あの海洋博の後のいろいろな倒産その他の問題が深刻に出ておるということを聞きまして、それに対する対策をいろいろ省内におきましても相談もいたしてまいったのでありますが、しかし、何分にもいろいろときめの細かい施策をし、ただいま局長も申しましたように、県あるいは通産局を通じましていろいろな中小企業に対するごあっせんや何かをするにつきまして、やはり沖繩の県庁におきまして、よほどひとつ相呼応して御尽力もいただかないといけないのじゃないかということを考える次第でございます。  なお、担当の政府委員から自余のことにつきましてはお答えいたします。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 沖繩の倒産の動向を見ておりますと、やはり去年になりましてから非常にふえております。事業所の数、沖繩はもともとそう多くない。その中で意外に件数が多いという点は、私どもとしてはやはり特に注目しておかなければならないことだと思っております。またほかの統計を見ておりますと、雇用状態も非常に問題があるというふうに感じております。  実は私、昨年の秋に、先生も御出席になりましたが、中小企業団体の全国大会が沖繩で行われまして、いろいろ限られた時間でございましたが、実情も見てまいりました。やはり沖繩の中小企業、これからひとつ元気を出してやっていただくためには、私どももできるだけの応援をしなければいけないと思っておるところでございます。こういった意味合いから、従来とも沖繩県の中小企業に対しましては他の府県の中小企業よりもある程度進んだ応援の手段を用意をいたしておりまして、御承知かと思いますが、近代化促進法の指定業種、特定業種の指定におきましても、他の府県では適用しない業種をかなりふやしております。またそれらが近代化を進めあるいは構造改善を進めるにつきましては、特利を用意いたしまして応援をするというような制度であるとか、あるいは税制面で償却についての特別の制度を用意する、こういったことで従来とも応援をしてまいりました。私どももこういった制度に加えまして、先般申し上げました倒産に対する対応策、これらをうまく生かして今後とも中小企業問題の解決のために努力をいたしたいと思います。

上原康助日本社会党

○上原分科員 こういう場の御答弁ですからそういうお答えにならざるを得ないと思うのですが、しかし実際にそう効果を上げていないわけでしょう。  そこで時間もありませんから、では、沖繩総合事務局に中小企業課ですか、中小企業対策室ができたのは皆さんいつだとお考えなのか、そういろいろやっているとおっしゃいますが。御答弁ありますか。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 沖繩総合事務局に中小企業課八人が設けられましたのは、五十一年からでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 そうでしょう、五十一年の四月ですよね。本来なら、いまおっしゃるように構造改善あるいは近代化を本当に進めていくというのであるならば、復帰と同時にこういうことこそ設けて積極的に制度面をなじます指導を、経営診断を含めて、企業診断を含めていろいろやらなければいかない。同時に、金融措置についてもやらなければいかないと思うのです。しかし企業倒産がばたばた起きて、海洋博後遺症がどうにもならないという段階でしか、大臣、こういう中小企業対策室というのも実際設けなかったんですね。それ以前はもう海洋博オンリー、あるいはわずかに企業問題として積極的にてこ入れをしたのは、きょうは時間がありませんが、CTS誘致の問題、石油立地、産業立地の問題、この二つだったのです。これがある面では今日の事態を招いているということをぜひ御反省をいただいてやっていただかなければいけないという点も指摘をしておきたいと思うのです。  そこで、県の方でもいろいろ事業計画などもつくって組織化の問題なども進めているわけですが、実際問題として、経営指導員の問題とかあるいは中小企業関係の中央会の指導員、協同組合等の設立の促進化というような面でも、いわゆる構造改善、近代化を促進していく面での具体的な基礎づくりというものは、目標と現況とはかなりおくれをとっているんですね。せいぜい五〇%ないし六〇%程度しか進捗していない。ここにもやはり海洋博後遺症があると同時に、その予算の裏づけ、指導員の問題等がおくれをとっているということを指摘をしておきたいと思うのです。  さらに企業倒産件数にしましても、いまございましたように、復帰前の四十四年あるいは四十五年、四十六年というのは、年間の企業倒産といっても三件ないしせいぜい五、六件だったんですね、一千万くらいの負債を出して企業が倒産をするというのは。また復帰をした段階もいろいろな復帰ブームなり土地買い占め、そういうにわか投機的な面があって、四十七年、四十八年というのはなかった。海洋博関連工事がピークだった五十年段階、五十一年になって、まあ四十九年ごろがら次第に出てきておりますね。こういうことを考えた場合に、政府の国策によって進められてきた海洋博の後遺症としてこれらの問題が露出をした以上は、大臣は総務長官もやられて沖繩にはなじみの深い方でもありますし、私はここで単に全国的な中小企業対策ということだけに位置づけずに、本当に沖繩の経済実態というものあるいは現状の実態を掌握すると同時に、今後どういうてこ入れをすればこの企業が立ち直れるかということについては、開発庁長官とも御相談の上で早急に対策を立てるべきだと思うのです。そのための指示をいま直ちに通産大臣がイニシアチブをとってでもやっていただきたい。そういう御決意がございますね。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 沖繩開発庁、つまり総務長官とも寄り寄り御相談をいたしまして、ぜひひとつ落ち込んだ沖繩の経済の浮揚のために努力をいたしたいと考えております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 沖繩開発庁、来ていますね。一点確かめておきたいのですが、開発金融公庫が債権者となっている倒産企業に対して、いわゆる那覇地裁の和議再建集会で、再建に確信が持てないということで公庫が反対に回っているという事実があるわけですね。しかしほかの市中銀行などは、これは本土企業との提携があるようでそのてこ入れがあるならば十分再建できるんだということで、結局そういう和議が成立をしたということのようです。いろいろ事情はあると思うのですが、いま言いましたように、極端に倒産企業がふえて金融措置をやらなければいけない状態において、開発金融公庫がむしろ積極的に手だての手を差し伸べなければならないにもかかわらず、なぜそういう措置をとったのか。この件については、県民感情としてもきわめて批判的に受けとめられている。いろいろ皆さんの理由はあると思いますが、私が余り好ましい態度ではないと思うのです。もう少し金融の手だてをすれば倒産に追い込まれないで何とか再建できるというところは積極的にやるべきだと思うのですが、なぜそういう措置をとったのか、この際明確にしておいていただきたいし、また、伝えられていることにもし誤りがあれば、誤りだという指摘もしておかないと、特に企業倒産がふえている段階において問題がありますので、御答弁を願いたいと思います。

山本哲夫沖繩開発庁総務局調査金融課長

○山本説明員 いま御指摘のようなことを最近の新聞で拝見したのでございますけれども、詳しい実態についてはまだ十分に報告を受けてはおりませんけれども、いままで報告を受けておりますところでは、やはりそういうことで、ある企業が倒産をして、そして和議の手続に入ったということでございますけれども、決して金融公庫だけが反対したわけではないということでございまして、地元の間で三金融機関もある程度関係しておるのでございますけれども、このうち二つの金融機関も実際上は出席をしなかったということで、それで事実上反対のようなことになっておるのでございます。  いずれにしましても、いま先生がおっしゃられましたように、私どもとしてもそういう進め方で、倒産しかかっている企業であっても十分再建の可能性のあります企業については金融公庫としても十分協力していくように、今後ともいろいろ指導していきたいと思っております。今後とも引き続き実態を聞きましてやっていくつもりであります。  この件につきましては、一応そういうことで和議の手続の段階で若干反対したものもあったのでございますけれども、実際は和議の方に進んでおるというのが最近の状況でございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 あと一点だけ。ちょっと自信のないような御答弁だが、もう少し実態を直ちに調査をしていただいて、そういうことのないように配慮しますね。

山本哲夫沖繩開発庁総務局調査金融課長

○山本説明員 はい、わかりました。十分実態を把握しまして、今後とも引き続き指導していきたいと思っております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 ちょっと二、三分お願いします。あと一点、これも通産大臣に御要望をしておきたいのです。開発庁ども関係いたしますが、復帰後の沖繩の官公需の公共事業はほとんど本土から行った企業がやっているのですよ。もう七、八割はそうですね。それがゆえにますます地場産業、いわゆる沖繩の中小企業というものが受注できないという面で、ますます不況と企業の倒産を、特に建設関係企業にはもたらしているんですね。私はやはり官公需に対しては地元産業を優先するという行政指導——法的規制はできないかもしれませんが、そういうことも積極的に県なり開発庁との協議の上でやっていただかないとどうにもならないと思うのです。たとえば五十年度、私の方で例を挙げますが、県外が二百二十六件、県内は三百六十三件、件数からしますと多いのです。しかし、二、三千万から五千万以上の請負になると、もうほとんど県外企業と言っても過言じゃないですね。この件数は県内が三百六十三件、県外が二百二十六件で少ないのですが、しかし契約高にしますと県外が八十五億円で、県内は七十一億円なんですよ。半分以下になっているのです。こういうところにも端的に沖繩の中小企業に対する圧迫というのが出てきておる。したがって官公需の請負、そういうものについては行政指導的な面で、幸い山田事務次官が何か事務次官会議で、余りひどいのでそういうことのないようにひとつ各省庁連絡をとって行政指導をやっていただきたいという発言をなさったという報道もなされておりますが、ひとつ先ほどの倒産問題に対してのてこ入れと同時に、あわせてこの種の問題についても——私はかねがね言うのですが、沖繩関係についても連絡閣僚会議ぐらい持つ意欲でやらないとどうにもならないと思うのです。ひとつ通産大臣、そういうのを含めて閣内でよく御検討いただいて、金融措置を含めて積極的なてこ入れ対策を講じていただく、そのことなくして海洋博をやった価値もないですよ。いつまでも海洋博の後遺症ということでいやな議論をしなければいかない結果になると思いますので、いま一度大臣の積極的な、単なる形式的なものでなくして、本当に誠意を持った対策を講じていただくという決意をお伺いして、質問を閉じたいと思うのです。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 中小企業対策、なかんずく建設業関係の中小企業の中におきまして地元の業者の方を使うということは、これはもう最も重要なことでございます。大体年度ごとに閣僚会議を開きまして、中小企業向け官公需の割り当て、クォータを決めておるわけでございますが、いま少なくとも官需公需というものは三四%中小企業に確保しよう、こういう中でございます。  いま率直なことを言えというお話でございますから、ちょっと一言申し上げますと、やはり私どもの県なんかでも同じように中央の大業者の人たちの地方への進出、それに対して役所の方では県なんかでも地元の業界を使おうと思って相当いろいろと努力いたしております。そのときに一番問題になりますのは、建設業等々になりますと資格のある人が少ないということがございまして、それで思ったような地場の地元業者を使えないといううらみがございます。そういう点は先生もう一番よく御承知のとおりでございます。  しかしながら、特に沖繩の場合におきましては他の場合と違いまして、一日も早くよその県並みにレベルを上げていかなければならないような特異なところでございますから、また総務長官、開発庁長官ともよく相談をいたしまして、いまの沖繩の官公需の場合においては格段の措置を講ずるということについて相談をいたしたい、かように考えます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 どうもありがとうございました。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 これにて上原君の質疑は終了いたしました。  次回は、来る十四日月曜日午前十時より開会し、農林省の所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時三十一分散会

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