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80回国会衆議院1977/03/11

予算委員会第四分科会 第1号

発言数
361
登壇者
31
会派数
6
開催日
1977/03/11

会議録

伊東正義自由民主党

○伊東主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。  私が本分科会の主査を務めることになりましたので、よろしくお願い申し上げます。  本分科会は、昭和五十二年度一般会計予算及び昭和五十二年度特別会計予算中農林省及び通商産業省所管について審査を行うことになっております。  本分科会の審査日程につきましては、お手元に配付してあります日程表によりまして審査を進めてまいりたいと存じますので、あらかじめ御了承をお願いいたします。  なお各省庁所管事項の説明は、各省庁審査の冒頭に聴取いたします。  まず、昭和五十二年度一般会計予算及び昭和五十二年度特別会計予算中農林省所管について、政府から説明を聴取いたします。鈴木農林大臣。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 昭和五十二年度農林関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  最初に、各位の御協力を得て御審議いただくに当たりまして、予算の基礎となっております農林水産業施策の基本方針について御説明申し上げます。  最近における国際的な食糧需給の動向とわが国農業の体質の脆弱化の状況にかんがみ、わが国農業の生産体制を整備し、総合的な食糧自給力の向上を図りつつ、国民食糧の安定的供給を確保することは、いまや国政の基本課題となっていると考えております。  このため、昭和五十一年度から実施してきている総合的な食糧政策の一層の充実発展を図るとともに、わが国農林漁業をめぐる内外の厳しい諸情勢に対応した諸施策を積極的に展開してまいる必要があります。  まず、農業生産基盤の整備については、立ちおくれている農業生産基盤の整備を促進するとともに、近年高まっている農山漁村の環境整備の要請にもこたえるため、また昨年の冷害、風水害等により停滞傾向を示している農山漁村の経済振興にも配慮し、各種事業の積極的な推進を図ることとしております。  次に、主要農産物の振興対策については、まず、米について、最近、稲作復帰志向が強いこと等によりその過剰基調は再び強まっており、一方、米以外で増産を要する農産物が少なくないこと等にかんがみ、米の消費拡大に努めるとともに、水田総合利用対策の強化を図ることとしております。また、この措置とあわせて、米麦一貫生産の推進を図るための諸施策を推進することとしております。  また、麦、大豆、飼料作物等今後増産すべき作物については、生産振興奨励措置を一層強化することとしております。  このほか、畜産物、野菜、果実等については、それぞれ、生産、価格、流通の諸施策を強化することとしておりますが、特に、畜産、野菜、てん菜、養蚕につき、それぞれの作目の特性に応じた複合経営あるいは輪作経営の定着を図るための事業を実施することとしております。  これらの諸施策により国内農産物の生産強化を図る一方、海外に依存せざるを得ない農林産物については、これを安定的に確保するため、備蓄制度を拡充するとともに、海外農林業開発協力の促進等を図ることとしております。  また、今後のわが国農業の発展のためには、以上申し述べました諸施策の推進とともに、農業生産の優秀な担い手の育成と後継者の確保を図ることが重要であります。  このため、新たに農業者の自主性と創意工夫により、地域農業の総合的な推進方策を定めるとともに、農用地の確保と有効利用の推進、小規模の土地基盤整備等を行う地域農政特別対策事業を実施することとしております。  また、農業後継者の確保を図るため、後継者グループの活動を促進するとともに、研修施設の整備、金融措置の拡充等を図るほか、農村婦人対策を強化することとしております。  以上の施策とあわせ、農山漁村における生活環境整備のための施策を大幅に拡充し、農山漁村のおのおのについて緊急対策を実施するとともに、山村振興対策等を充実し、農山漁村の福祉の向上に努めることとしております。  また、卸売市場の計画的整備等生鮮食料品の流通の改善及び消費者保護のための施策の充実を図ることとしております。  農林漁業金融については、農林漁業金融公庫の貸付枠の拡大を初めとしてその充実に努めております。  次に、森林・林業施策については、森林の持つ木材生産機能のみならず、国土の保全、水資源の涵養、自然環境の保全形成等の公益的機能の維持向上の上からも、その役割りは、きわめて大きいものがあります。  このため、森林の持つ公益的機能への要請にこたえつつ、わが国林業の安定的発展を図るため、各種施策の拡充強化を図ることとしております。  まず、新たに第五次治山事業五カ年計画を策定するとともに、林道、造林等林業生産基盤の整備を推進することとしております。  また、林業構造改善の推進、林産物の流通加工対策等を推進するとともに、特に間伐促進のための諸施策の充実を図るほか、松くい虫対策については、新制度を創設して、松くい虫の防除に万全を期したいと考えております。  水産業については、アメリカ、カナダ等に加え、ソ連やEC等による漁業専管水域の設定が相次ぐなど国際漁業環境にはきわめて厳しいものがあります。  このような情勢に対処して水産物の供給を確保し、漁業経営の安定を図るため、生産、流通、価格経営対策等各般の施策を強力に推進することとしておりますが、特に外国沿岸二百海里内における漁獲を確保するため、漁業外交の強力な展開を図るとともに、遠洋漁業対策を強化し、あわせてわが国二百海里水域対策を推進することとしております。  また、第六次漁港整備六カ年計画を策定し、漁港の重点的、効率的な整備を推進するとともに、沿岸漁場の整備開発等を推進することとしております。  以上、申し述べました農林水産業に関する施策の推進を図るため、昭和五十二年度農林関係予算の充実に努めた次第であります。  昭和五十二年度一般会計における農林関係予算の総額は、総理府など他省庁所管の関係予算を含めて二兆六千四百億円であり、前年度の当初予算額と比較して九・四%、二千二百七十億円の増加となっております。  以下、この農林関係予算の重点事項につきましては、委員各位のお許しを得まして説明を省略させていただきたいと思います。よろしく御審議くださいますよう、お願いを申し上げます。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 この際、お諮りいたします。  ただいま鈴木農林大臣から申し出がありました農林省所管関係予算の重点事項の説明につきましては、これを省略しまして、本日の会議録に掲載いたしたいと思いますので、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊東正義自由民主党

○伊東主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————     〔鈴木国務大臣の説明を省略した部分〕  以下、予算の重点事項について御説明いたします。  第一に、国民食糧の安定的供給の確保に関する予算について申し上げます。  まず、農業生産に不可欠な土地と水の保全、開発及び高度利用を図るための農業生産基盤の整備については、工期が長期化している状況にかんがみ、灌漑排水事業、農用地開発事業等の各事業の進捗を図るとともに、主として小団地の耕地について、農道、用排水施設等の事業を一体的に進める土地改良総合整備事業、土地改良施設の維持管理の適正化のための事業等を創設するほか、農林地一体開発のための調査に着手することとしており、これらを含めた農業生産基盤整備費として、総額五千三百五十四億円を計上しております。  次に、主要農産物の振興対策について申し上げます。  まず、昭和五十一年度から実施してきている水田総合利用対策については、これを強化することとし、新たに一定の要件を満たす転作及び土地改良の通年施行について特別加算を行うこととしており、九百八十二億円を計上しております。  また、水田の有効利用等を図りつつ麦の生産振興を推進するため、新たに、水田裏での麦の作付の障害となっている土地条件及び営農条件の整備、営農指導の強化等を行う麦生産土地条件整備事業及び麦作集団育成総合対策事業を実施することとしております。  なお、麦、大豆、飼料作物等の生産振興については、助成内容を改善しつつ、引き続き生産奨励措置を講ずることとしており、総額三百十五億円を計上しております。  次に、畜産の振興対策について申し上げます。  まず、飼料対策については、農林地の一体開発を図る観点から林間放牧等を安定的に促進するための基盤整備等を行う林地放牧利用促進事業を新たに実施するなど草地開発事業を推進するとともに、既耕地について作物等の生産振興奨励、緊急粗飼料増産総合対策事業等の生産対策を講ずるほか、配合飼料価格安定対策を推進することとしております。  また、酪農、肉用牛、豚等の各部門についても、新たに中堅飼養農家層に重点を置いた畜産団地整備育成事業を実施するなど各般の施策を推准するほか、家畜導入対策、衛生対策の充実にも努めております。  畜産物の価格、流通加工対策についても、引き続き加工原料乳に対する不足払いを実施する等その充実を図ることとし、これらを含め、畜産振興対策として、総額千二百二十七億円を計上しております。  野菜対策については、野菜の生産、供給の安定を図るため、野菜指定産地を中心とする集団的な野菜産地の育成強化対策を進めるほか、新たに、連作障害等に対処して合理的な輪作体系の導入、定着を図るための事業及び園芸用廃プラスチック適正処理推進対策事業を実施する等施策の充実を図ることとしております。  野菜の価格対策については、指定消費地域の拡大保証基準額の引上げ等価格補てん制度の改善、都道府県段階で行われている特定野菜の価格安定事業の対象品目の拡大等野菜価格安定制度の拡充を図ることとしております。  これら野菜対策として、総額二百八十八億円を計上しております。  果樹農業の振興対策については、温州ミカンにつき、改植等促進緊急対策事業の計画年次を繰り上げて実施するほか、果実生産出荷安定基金を活用して、流通、加工等にわたる総合的な対策を講ずるとともに、加工原料用果実の価格安定事業を強化することとしております。また、リンゴ、桃、ナシ等の落葉果樹については、新たに、生産集団の育成と出荷組織の整備を一体的に行う落葉果樹生産集団総合整備事業を実施するとともに、おうとう、パイナップル等の特産果樹についても施策を強化することとしており、これらを含めた果樹対策として総額六十六億円を計上しております。  また、養蚕対策については、蚕糸業をめぐる内外の厳しい情勢に対処して、養蚕近代化促進対策事業を拡充強化し、新たに、山間地における養蚕複合経営モデル組織の育成等を推進することとし、甘味資源作物については、新たに、てん菜作付奨励補助金を交付するほか、主要畑作地域において、てん菜を基幹とする輪作を推進すること等を内容とするてん菜輪作営農団地育成特別事業を実施するとともに、サトウキビ生産合理化緊急対策事業等を実施することとしております。  以上のほか、農業機械の安全対策、農薬の安全使用対策等についても、その推進を図ることとしております。  次に、輸入農林産物の安定確保対策について申し上げます。  国土資源の制約等から海外に依存せざるを得ない農林産物について、その安定的な供給を確保するため、大豆、飼料穀物及び木材の備蓄対策を強化することとし、総額四十九億円を計上しております。  また、開発途土地域等における農林産物の生産の安定と拡大等のための開発協力を拡充強化することとしております。  第二に、農業構造の改善と地域農業の振興等に関する予算について申し上げます。  まず、新たに、農業者の自主性と創意工夫により地域農業の総合的な推進方策を定めるとともに、農用地の確保と有効利用の推進、小規模の土地基盤整備等を行う地域農政特別対策事業を実施することとし、五十億円を計上しております。  また、農業後継者の育成確保を図るため、新たに県の農業者研修教育施設における研修教育を農業改良助長法の改正により協同農業普及事業として位置づけ、その充実を図るとともに、地域農業後継者対策特別事業を実施することとしております。これらの施策とあわせて、農業後継者育成資金についても、貸付枠の拡大とともに、貸付条件の改善を行うこととしております。  次に、農地の流動化と農用地の開発を促進し、経営規模の拡大等に資するため、農地保有合理化促進事業を推進することとしております。  また、第二次農業構造改善事業については、これを計画的に推進するほか、今後における農業構造改善対策の調査研究に資するとともに、農業生産の担い手の確保と農用地等の高度利用を図るため、高度農業生産モデル地域整備実験事業に着手することとし、農業構造改善対策費として総額五百六十二億円を計上しております。  第三に、農山漁村の福祉の向上対策について申し上げます。  まず、農山漁村の生活環境の改善と福祉の向上に資するため、農村総合整備モデル事業を拡充するとともに、次期対策を発足させることとしております。また、農村基盤総合整備事業を推進するとともに、その一環として、新たに農業集落排水処理のための事業を試行的に実施するほか、林業及び漁業集落の環境条件を総合的に整備するためのモデル計画を樹立することとしております。  更に、農業、林業、沿岸漁業構造改善事業の実施地域について、事業効果の一層の増大を期するため、生活環境整備に重点を置いた地域整備の緊急対策を新たに講ずることとしており、各構造改善事業費の一環として総額六十五億円を計上しております。  また、農山漁村における就業構造の改善に資するため、農業就業改善総合対策の推進に努めるとともに、山村振興対策等についても事業の推進に努めることとしており、所要の経費を計上しております。  更に、農村婦人対策についても、新たに農村婦人セミナーを開催するとともに、農村婦人の家の設置につき助成するほか、農村婦人のグループ活動を助長することとしております。  また、生活改善普及事業についても、その充実に努めることとしております。  第四に、食品流通加工の近代化と消費者対策の充実等について申し上げます。  食料品を安定的に供給するため、先に申し述べたように、畜産物、野菜、果実等についての生産、価格、流通加工対策を拡充強化するほか、生鮮食料品の流通のかなめである卸売市場の整備について、百五十七億円を計上しております。また、小売業の近代化、新流通経路の開発等生鮮食料品の流通の近代化、効率化を図ることとしております。  また、消費者の食糧、農業への理解と親しみを深めるための総合的啓発事業を新たに実施する等消費者対策を強化するとともに、食品産業等農林関連企業対策についても施策の拡充を図っております。  第五に、農林漁業金融の拡充について申し上げます。  まず、農林漁業金融公庫資金については、新規貸付計画額を五千五百七十億円に拡大するとともに、融資内容の充実を図り、同公庫に対する補給金として六百六十二億円を計上しております。  次に、農業近代化資金について、貸付枠四千五百億円を確保するほか、林業改善資金、漁業近代化資金について、それぞれ三十億円、九百億円と貸付枠の拡大を図っております。  また、農業改良資金については、貸付枠を三百億円に拡大するとともに、農業改良資金助成法の改正を行い、貸付条件の改善を図ることとしております。  第六に、森林・林業施策に関する予算について申し上げます。  まず、林業生産基盤の整備については、林道事業として四百四十七億円、造林事業として二百五十六億円をそれぞれ計上し、事業の推進を図ることとしております。  国土保全対策の充実については、総事業費一兆二千億円の第五次治山事業五カ年計画を策定し、同計画の第一年度として八百七十八億円を計上するとともに、森林開発公団による水源林造成事業を実施するため出資金七十二億円を計上しております。  次に、間伐の推進を図るため、林業改善資金を拡充するとともに、間伐林道の創設、間伐材の安定的流通の促進、需要の開発等の諸施策を総合的に実施することとしております。  また、林業構造改善事業については、百五十六億円を計上して、事業の推進を図るとともに、新たに、入会林野等につきその整備と活用を促進するための入会林野等高度利用促進対策事業を実施することとしております。また、中核林業振興地域の育成対策、林業労働力対策についても、所要の経費を計上しております。  更に、森林の多角的機能の維持増進については、森林計画制度、保安林制度等の充実強化を図るほか、森林病害虫等防除事業の推進を図ることとし、特に松くい虫の異常な蔓延を防止するため、松くい虫防除特別措置法を制定し、広域薬剤防除を重点とした計画防除制度を創設することとしており、総額四十一億円を計上しております。  また、木材の備蓄対策、林産物の流通消費改善対策等についても所要の経費を計上しております。  第七に、水産業の振興に関する予算について申し上げます。  まず、二百海里水域対策として、遠洋漁業の実績が確保されるよう強力な漁業外交を展開することとし、新たに官民一体となった使節団の派遣等を内容とした海外漁場確保緊急対策事業等を実施することとしております。  また、遠洋漁業対策の強化を図るため、国際漁業振興協力事業、新漁場開発調査事業を拡充することとし、総額九十八億円を計上しております。以上のほか、我が国二百海里水域の設定に備えて、資源調査、指導取り締まり体制の強化等を図ることとしております。  次に、沿岸漁業については、沿岸漁場整備開発事業に七十五億円を計上して、その推進を図るほか、沿岸漁業構造改善事業に四十二億円を計上しております。  また、栽培漁業の推進を図るため、サケ・マスふ化放流事業の拡充を図るとともに、新たに北日本海域における栽培漁業の拠点として北日本栽培漁業センターを設置することとしております。  漁港施設の整備については、総事業費一兆四千五百億円の第六次漁港整備計画を策定するとともに、同計画の第一年度として漁港関連道を含めて九百四十億円を計上するほか、漁港法の改正により第三種漁港の修築事業の国庫負担率等について、その一部の引き上げも含めて、調整することとしております。  さらに、水産物の価格、流通加工対策については、引き続き流通加工施設の整備を推進するとともに、水産物調整保管事業についても対象品目を追加する等拡充強化を図っております。  また、漁業経営対策について、漁業経営維持安定資金の貸付枠六百億円を確保するとともに、漁業公害対策についても所要の経費を計上しております。  以上のほか、農林漁業施策の推進のために重要な予算といたしましては、試験研究費として六百七十五億円を計上するほか、農業、林業、水産業の普及指導事業及び生活改善普及事業について、総額三百九十一億円を計上しております。  また、農業災害補償制度の実施について、千八十四億円、農林統計情報の充実整備に八十六億円を計上しております。  次に、昭和五十二年度の農林関係特別会計予算について御説明いたします。  まず、食糧管理特別会計については、国内米、国内麦及び輸入食糧につき食糧管理制度の適切な運用を図るとともに、国内産芋でん粉の価格の安定並びに飼料の需給及び価格の安定を図るため、所要の予算を計上しております。  なお、学校給食における米飯導入の促進、米の新規需要の開発その他米の消費拡大のための施策を拡充実施することとしております。食糧管理特別会計への一般会計からの繰入れ額は、調整勘定へ六千九百七十億円、国内米管理勘定へ三百三十億円、農産物等安定勘定へ十八億円及び輸入飼料勘定へ二百七十九億円を計上しております。  また、農業共済再保険特別会計については、一般会計から六百五十七億円を繰り入れることとしたほか、森林保険、漁船再保険及び漁業共済保険、自作農創設特別措置、国有林野事業及び特定土地改良工事の各特別会計についても、それぞれ所要の予算を計上しております。  最後に、昭和五十二年度の農林関係財政投融資計画については、農林漁業金融公庫等が必要とするもの等総額五千九百八十二億円の資金運用部資金等の借り入れ計画を予定しております。  これをもちまして、昭和五十二年度農林関係予算の概要の御説明を終わります。  よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。     —————————————

伊東正義自由民主党

○伊東主査 以上をもちまして農林省所管についての御説明を終わったわけでございます。     —————————————

伊東正義自由民主党

○伊東主査 質疑に先立ちまして、分科員の各位にお願い申し上げます。  質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力賜りますようにお願い申し上げます。  なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は的確に要領よく、簡潔に行われますようにお願い申し上げます。  これより質疑に入ります。石野久男君。

石野久男日本社会党

○石野分科員 大臣にお尋ねいたしますが、いま予算の説明等についての大臣のお話がございました。その中でもお話がありましたように、経済水域二百海里の問題は、いまわが国の漁業にとって非常に重大な問題である。大臣は先般、ソビエト政府との間にこの問題についていろいろな御交渉をなさってまいられました。また昨日の本委員会におきましても、特に二百海里水域問題について日ソの関係を特別な扱いをするんだというような御意向の御説明があったやに聞き及んでおりますが、この間の事情について、大臣のソ連政府との折衝、今日政府がとっておる考え方等について御説明いただきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 去る二月の二十八日から三月の三日まで四日間、ソ連のイシコフ漁業大臣とモスクワにおいて、ソ連が先般設定をいたしました二百海里海域内における日ソの今後の漁業関係につきまして、長期的な展望に立ちまして隔意ない意見の交換を行い、今後の日ソの漁業関係の相互の利益に合致するような基礎の上に立って隔意のない意見の交換をいたしたわけでございます。  私の最大の関心事は、ソ側が三月一日からこの二百海里専管水域を実施する、そういうことでございますので、現にわが国の漁船が千数百隻、この北洋の海域で操業いたしておる現状からいたしまして、まずその安全操業を確保する、これが最大の問題であったわけでございます。しかしこのことにつきましても、ソ連の二百海里というものを認めるという前提の上に立って長期の協定を締結をしよう、その長期の協定が、わが国において国会の承認、批准の手続を了するまでには相当の時間を要しますので、その間は暫定取り決めによって漁業を行っていく、そういう基本的なことにつきまして両国の意見が一致をいたしましたことを前提として、三月中の操業については従前どおり操業の安全を保障するということを取りつけたわけでございます。  したがいまして、暫定取り決めにつきましては三月の十五日から三月三十一日までの間に暫定取り決めを了する、そしてそれまでの間は従前どおりの操業ということでございますが、四月一日からはこの暫定取り決めによるところの操業の体制に移行する、こういうことでございます。この暫定取り決めは一九七七年中の取り決めでございまして、私はその点について、日本の国会の事情その他からいって、日ソの基本協定ないしは条約というものが国会の御承認を得て発効するのは、どうしても通常ベースで参りますと一九七八年の五月末になる、であるから、この暫定取り決めは基本協定が発効するまでの間の暫定協定にしたい、こういうことを強く求めたわけでございますが、イシコフ大臣は、自分は最高幹部会議の方から一九七七年の取り決めだけの権限しか与えられていない、こういうことでございまして、そのようなことを踏まえて今後に対処していきたい、こういうことでございます。

石野久男日本社会党

○石野分科員 その暫定取り決めと本取り決めとの間に、二百海里問題、具体的にソ連政府の二百海里宣言があったということに対応するわが国の姿勢というものはどういうふうになさいますか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 これはアメリカの場合でもそうでございましたが、二百海里ということを認めないということになりますと、一切その海域に入れない、もっと極端な場合におきましては、域外への退去あるいは拿捕等も覚悟せざるを得ない、こういう状況下に置かれておるわけでございまして、私どもはアメリカに対すると同様に、二百海里を一応認めるという前提の上に立って、今後の日ソの漁業関係を長期にわたる安定的なものに再構築していきたい、そういう基本的な考えで臨んだわけでございます。

石野久男日本社会党

○石野分科員 それはソ連の二百海里説を認めるということでありますが、日本の立場はどういうふうになりますか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 私は、かねてからわが国政府としては国連海洋法会議の結論を待って態度を決める、こういう一貫した方針で来たわけでございますが、しかるところ、世界のリーダーであるアメリカ、カナダ、それに続いてソ連、ECその他の国国も、海洋法会議の結論を待たないで専管水域の設定をしておりますことは御承知のとおりでございます。そういうようなこと等もございまして、五月の国連海洋法会議の動きというものを見きわめる必要があると思いますけれども、わが国としてもわが国の国益を守るという観点から、近い機会にわが国も二百海里専管水域を設定すべきだ、こういうことを考えまして、イシコフ大臣との漁業交渉におきましてもそういう日本の考え方を私は述べたわけでございまして、これは往復の書簡の中に記載されることになったわけでございます。

石野久男日本社会党

○石野分科員 いま、イシコフ大臣との間の往復書簡の中に二百海里を認めるということの書簡の交換を行います——それは日本の全世界に対する宣言と見てよろしいのでございますか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 それは、日本も近く二百海里漁業専管水域を設定する方針である、こういう方針を示したわけでございまして、これが現実のものになりますためには、政府の決定、そして国会への二百海里法案の提出、国会の御審議と御承認を得た上でこれが現実のものに相なるわけでございまして、これから日ソ間の漁業交渉をやります場合にも、一方においてはかねてお示しをいたしております領海幅員十二海里、そして漁業専管水域二百海里、こういうソ連と同じような条件のもとに、同じような土俵の上で交渉することがこれは相互主義の立場からいっても国益を守るゆえんである、私はこういう観点で方針を示したわけでございます。

石野久男日本社会党

○石野分科員 ただいまのその方針は、ソ連との間の相互主義における外交交渉としては妥当なものになると思います。と同時に、海洋法会議前に、日ソ間におけるところの相互主義に基づく双方の意思表示というものが、他の諸外国に対して、たとえばアメリカとかあるいはECとかカナダとかというような、すでにその国々が二百海里宣言をしておるところに対しても、やはり同じような政府の姿勢として具体的に折衝するという内容になるものなんですか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 これは石野先生も十分御承知のことでございますが、日本が二百海里の専管水域を設定をした場合、これは時期はこれからのことでございますけれども、設定した場合に、直接関係が出てまいりますのは一衣帯水の間にある韓国であり中国である、ソ連である。アメリカとかECとかノルウェーは日本の近海に遠洋漁船団を派遣して操業している実績もございませんし、現にそういう状況にもございません。だから現実の問題としては近隣諸国との関係が生まれてくると思うわけでございます。

石野久男日本社会党

○石野分科員 具体的なそういうような問題が中国とかあるいは韓国との間に出てまいります。そういう問題についての政府の対応というものはどういう判断でおられますか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 もとより具体的に、閣議でわが国の方針を決め、国会に法案の提出をし、御審議をわずらわすというその具体的な意思決定をいたします前に、事前に近隣諸国にはわが国の考えを具体的に示しまして、そして理解を求める、こういうことをしていきたい、こう思っております。

石野久男日本社会党

○石野分科員 諸外国との間の折衝についてはこれからの外交交渉に待たなければなりませんから、時間もございませんのでこれでおきますが、少なくともそういうような情勢になってまいりますると、わが国におけるところの近海並びに沿岸漁業というものに対する漁業政策としての問題が非常に重要になってくると思います。特に沿岸、近海漁業に対して、この際農林省としてどのような点に焦点を合わせた施策を展開していきますか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 こういう海外漁業をめぐる情勢はきわめて厳しくなっておるわけでございます。強力な漁業外交を展開して、できるだけ実績の確保ということに努力をいたしますけれども、どうしても実績一〇〇%確保するということは、これはなかなか言うべくして困難な問題でございます。そういたしますと、海外の漁場における漁獲量がある程度減るということは、これは避けて通るわけにはいかない。それを補いますためにはどうしても日本列島周辺の沿岸、沖合いの漁場の開発整備、資源の増強、そして積極的に育ててとる漁業、そういうものの振興を図って、そしてその削減されました、減った分の補いをしなければならない。そういうことでございますので、沿岸漁場開発整備事業あるいは予算にも関連あります漁港の整備あるいは沿岸漁業振興対策、そういうようなものを積極的に今後進めていかなければならない、そういう方向に施策の重点を向けていこう、こう考えております。

石野久男日本社会党

○石野分科員 私は列島周辺の日本の漁場を整備強化するということは非常に大事だと思います。そういう意味で、GNPの伸びがだんだんと二次生産が多くを望めないというような事情のもとでは、一次産業としての農業、水産というものに非常に大きなウエートがかかってくる。そういうことから、列島周辺の海というものを漁場として整備することは非常に大事だ。ことに東海岸で鹿島灘沖合いというものの漁場のなにが非常に大きい意義を持っていると思うのです。あの付近で、私、茨城県ですけれども、あの射爆場跡地の流通港湾構想などというものをときどき耳にいたします。しかし私は、あの沖合いの漁場というものを守る意味においては、相当にやはりあの沖合いに対する、特に養殖漁業とかなんとかというにはかっこうな場所じゃないだろうか、こう思ったりしておりますが、政府の中で水戸射爆場の跡地流通港湾構想というものが前にあったように聞いておりますが、現在そういうものが構想として出ておるのでしょうか、どうでしょうか。あるいはまた、あの地域に対する漁場整備等についてどのような考え方を持っておられますか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 水産庁長官から……。

岡安誠水産庁長官

○岡安政府委員 水戸射爆場の跡地利用につきましては茨城県庁でもいろいろ構想があるようでございます。それも、御指摘のとおり流通港湾として整備していくという考え方もあるやに聞いておりますし、また国土庁におきましても、首都圏の基本計画というようなプランの中ではそういうようなことも検討されているというように伺っておりますけれども、私どもまだ具体的に、港湾管理者としてどういう計画であそこを整備するかということを実は伺っておりません。したがって、そういうような管理者の具体的な計画ができ上がる過程におきましては、私ども当然あの周辺の沿岸漁業整備には関心のあるところでございますので、よく計画の調整を図りたいというふうに思っております。

石野久男日本社会党

○石野分科員 私は鹿島灘沖合いにおけるところの魚族、あるいはまたあの地域の漁場としての確保という点は非常に大事なことだと思っております。養殖漁業というものがやはりこれから相当大事な課題になるだろうと思いますので、あの付近に対する政府のそういう方向に対する所信がもしあれば聞かしておいてもらいたいと思います。

岡安誠水産庁長官

○岡安政府委員 実は私も茨城県におりましてあの辺の事情をよく知っているつもりでございます。確かにいままで重要な漁場でありましたけれども、必ずしも地元、県等におきまして、あそこを充実した漁場にしようという考えが十分だとは言えないというふうに考えております。しかし、現在におきましては、私ども構造改善事業をあの辺一体に広くすでに実施をいたしまして、大体五十二年度終期に一応の計画が終わるという事業を現在持っております。さらに射爆場近辺におきましても、魚礁等を大幅に設置いたしまして、あそこの漁場を造成するという計画が、現在調査中でございますが、そういう計画もございます。したがって、そういうような計画を私どもは進めておりますけれども、あそこの射爆場跡地につきましての流通港湾構想が具体化すれば、当然調整はしてまいりたいというふうに考えております。

石野久男日本社会党

○石野分科員 これは全然また違いますが、大臣のきょうのお話の中にもございました松くい虫の問題は、非常に各地に被害を大きく与えておりますが、現状、松くい虫の被害状況というのは非常に広がってきておって、特にだんだん北の方へ及んできておるようでございます。これはことし新しい法案、特別措置法もつくられることになっておりますから、対応の策をとっておることは私はよくわかっておりますけれども、しかし虫害はどんどん進んでいっておりますので、これは緊急に処置をなさらないと困る。北関東にもずいぶんとその被害が大きくなってきておりますし、茨城などでもその被害の状況というのはもう毎日のように広がってきている実情でございます。茨城の場合でいきますと、たとえばこういうふうにほとんど半分ぐらいやられてしまって、赤いところはきついところで、もうほとんど全域にわたって、その虫害のないところはほとんどないという状況になっております。  私は、この際、法案ができるまでの間にどのような処置、対応をしようとしておるのか、ひとつその点をちょっとお聞きしたいし、それから本予算案の中にもそのための予算が相当組まれているように思われます。虫害対策としまして、ことし約八〇%以上の増額をなさっているようですね。これはほとんど皆松くい虫のためのものなのかどうなのか、そういうような点についてもひとつ御説明を願いたいと思います。

藍原義邦林野庁長官

○藍原政府委員 初めに松くい虫の被害状況について簡単にちょっと御説明しておきたいと思います。  松くい虫につきましては、戦後一時飛躍的に被害が増大したこともございましたけれども、一時衰微いたしまして、最近また非常に激化いたしております。  現在、昭和五十一年度の見込みで推定いたしますと、材積で大体百八万立方メートルくらい全国で被害が出るんじゃなかろうか。それから面積では四十五万ヘクタールの被害区域になるのではなかろうかというふうに推定されております。そうして、この被害が出ております都府県が大体三十六都府県に及んでおりまして、面積は、その三十六都府県におきまして松林が大体二百八万ヘクタールございますけれども、その大体二一%ぐらいが被害を受けておるというのが現状でございます。  そこで、この松くい虫が非常に激化してまいりましたので、私どもは昭和四十三年から四カ年間、国立の林業試験場のもろもろの研究者をまとめてプロジェクトチームをつくりまして、どうしてこういうふうに松くい虫が激化し蔓延するのかということを研究いたしまして、その研究成果が出ましたので、その研究成果に基づきまして、昭和四十八年から五十一年まで航空機によりまして薬剤を散布することを、重要な松林についてやってまいりました。その結果非常に効果があるということで、ただいま先生おっしゃいましたような特別措置法を国会に提出いたしまして、従来の法律もございますけれども、五十二年度から特に緊急に松くい虫の被害を終息させようということで、五カ年間の時限立法という形で法案の審議をお願いしておる次第でございます。

石野久男日本社会党

○石野分科員 全国的にそういう事情がありまして、特に法案の設定を本院としても、各党とも急ぐことになると思いますし、われわれもそうしなければいけないと思っておりますが、われわれがそれを実施するまでの間にもどんどん進んでいくという事情がありますから、そういう具体的な問題に対応する策、特に茨城のような場合は、いまこういうふうに、ごらんになればわかるように、非常に被害が大きく、現に進行しているところでございますので、こういうところに対して特に特別な指示を与えておられるのか、あるいは県からの要請に対して何か対応の策を講じられる用意があるのかどうか、その点をちょっと……。

藍原義邦林野庁長官

○藍原政府委員 答弁を一つ申し落としまして申しわけありませんでした。  松くい虫の被害と申しますのは、先生十分御存じかと思いますけれども、マツノマダラカミキリが松の枝条を、われわれは後食と言っておりますが、食べることによりまして材線虫を中へ運び込むということで松が枯れるというふうに、先ほど申し上げました研究成果が出ております。その時期が大体五月の十日前後から始まるわけでございまして、私どもとすれば、ただいま国会に提出いたしております法案をその期間に間に合うような段取りで通していただければ、五十二年度はその法案で対応できるであろうと考えております。また、それでやっていただきませんと、これだけ蔓延したものにはなかなか対応できないのではなかろうか。また薬をまきます時期が五月の中旬ごろから大体六月、七月上旬ごろまでという形になっておりますので、ぜひその間に対応する必要があるということでございます。

石野久男日本社会党

○石野分科員 立法措置がそれまでの間に間に合うようにということは、各党とも恐らく努力されると思います、実害がよくわかっておりますから。もしいろいろな都合でそれが間に合わないような場合の措置としまして、どういうような対策をなさるか。特にもう具体的に出ている茨城のような場合に対しては、どういうふうになさいますか。

藍原義邦林野庁長官

○藍原政府委員 私どもといたしましたら、何とか間に合うように法案を御審議いただいて、この新しい法案で実行したいと考えておりますけれども、ただいまのところ、この新しい法案とは別に、従来からございます森林病害虫等防除法に基づいてやってきたわけでございまして、万一、私たちがただいま御提案申し上げております法案が通らない場合には従前どおりの方法でやる形になりますけれども、それではなかなか蔓延を防げないということでございますので、やる方法はございますけれども、やはり何とかして五十二年から新しい法案で対応してまいりたいと考えております。

石野久男日本社会党

○石野分科員 一つだけ最後に聞いておきますが、もう被害の状況は大体わかるわけですね、それから予測もできると思うのです。予算の問題とかいろいろありましょうけれども、大体被害がこのくらい出るなというふうに思われるときには、指示を与えて、それが全域に及ぶような対策をとられるのか、予算がないから半分ぐらいにしておこうというふうなやり方をするのか、その方針をひとつ聞かしてもらいたい。

藍原義邦林野庁長官

○藍原政府委員 松くい虫の防除には、いま申し上げました薬剤の空中散布のほかに伐倒駆除あるいは地上からの散布等、いろいろございます。したがいまして、そういうものをいろいろ調和をとりながらやってまいりますが、さしずめ五カ年間で終息させるためには、重点的に重要なところから対応してまいりたいと考えております。来年度の予算書にも載っておりますけれども、来年度一応空中散布をしようとしておりますのは約九万ヘクタールという形にしております。したがいまして、来年度まけないところも一部出ますけれども、大体、松くい虫の被害が発生いたしましてから中害地程度のものが激暑地になるのに二、三年かかるというような従来の調査も出ておりますので、激害地で重要な松林からまず重点的にやりまして、五カ年間ですべてが、われわれが言っております平常程度の被害、立木にいたしまして一%ぐらいの被害が出るのは平常的であるというふうに見ておりますので、大体それ以下になるような形に五年間でおさめていきたいという段取りにいたしております。

石野久男日本社会党

○石野分科員 私は茨城の場合で陳情をずいぶんと受けているわけですよ。事実上、非常にあちこちで大変な問題があるので、いまのような御答弁でございますと、茨城の場合などには大体全域にわたって処置ができるというように見てよろしいのですか。

藍原義邦林野庁長官

○藍原政府委員 単年では無理なものもございますけれども、五年間では対応いたします。

石野久男日本社会党

○石野分科員 終わります。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 これにて石野君の質疑は終了いたしました。  次に、鈴木強君。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 ただいまの石野分科員の日ソ漁業交渉の問題に関連しまして、若干大臣にお尋ねします。  十五日から東京におきまして日ソの交渉が持たれるように聞いております。けさ私、七時のNHKのニュースをかけましたら、ソ連側では二百海里専管水域内における日本の漁獲高というものは五十万トシないし六十万トン、それは根拠として、ソ連が逆に日本の近海においてとっておる漁獲量が五十万トンないし六十万トンであるから、相殺しようというような趣旨でございました。これはとんでもない話でありまして、わが国の実績を見ましても、百六十何万トンでございましたか、そういうのでありますから、交渉に臨むに際しまして、わが日本国政府が、特に北洋に出漁しております漁船は零細の方が多うございますので、日本の国民のたん白資源の確保もさることながら、同時に漁民の方々の生活を守ることが大事だと思いますから、毅然たる態度でひとつこれはやっていただきたい、そういうことを私はいまの質疑の中で感じましたので、大臣の御所見を承っておきたいと思うのであります。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 鈴木先生の御意見と私全く同じ考えを持っておるわけでございまして、この二百海里体制という中には漁場原則というのが一つございます。と同時に、また実績の尊重、こういう二つの柱があるわけでございます。わが国は、このソ連の海域におきまして約百七十万トン近い漁獲実績を多年にわたって持っておるわけでございます。これは一年や二年の新しい実績ではない、もう戦後長きにわたってそういうことをやっております。一方、日本近海におけるソ連漁船の実績というものは、データ等定かでない面もございますけれども、私は、もっと吟味してみる必要があると、こう考えておりますし、一年限りの漁獲量というものをいわゆる実績として評価すべきかどうかという問題も一方においてございます。そういうことが一つの問題点にこれからなるわけでございますが、もう一つは、実績尊重という場合におきましては、いままでの実績について、資源に見合って、また、当該二百海里を設定した国の優先的な漁獲量というものとにらみ合わせて実績を何%程度に抑えるかということは、これからの協議になるわけでございます。対米交渉におきましては、御承知のように削減率は二%、百十九万一千トンというようなぐあいに相当大きな実績というものを尊重してくれた、こういうことになっておりますが、したがいまして私どもは、日本近海でソ連側が幾らとるから、それと見合って、いままでの日本の実績いかんにかかわらずそれしか与えるわけにいかない、これは私は、国際的に通用する論理ではない、このように考えております。したがいまして、私はモスクワにおいても主張いたしてきたのでありますが、お互いにその実績というものを正しく評価をして、それから、そのうち実績をどの程度認めるかということは、八〇%認めるのであるか九〇%認めるのであるか、その削減率については同じような削減率でいくというのが、これが一番妥当な方法ではないかということも私申し上げてきておるわけでございますが、いずれにしても私どもは、いまお話がありましたように、関係漁民あるいはそれにつながる中小加工業者等々、この北洋の漁場に依存して生活をしておる者並びにそれに従事する従事者、労働者の諸君も大変多いわけでございまして、経済のみならず雇用問題等にも深刻な影響があるということを私十分承知をしておりますので、実績確保につきましては最善の努力を傾けたい、こう考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 大臣の決意のほどを伺いまして、労働側も何かソ連の方に代表を派遣しておるようですが、ひとつぜひ前向きで、これはもう党派を超えて協力に協力をしなければならぬ問題だと思っておりますから、御健闘をお祈りしておきます。  次に、細かいので恐縮でありますが、昨年山梨県で冷害がございました。特にスモモは、山梨県は日本の全生産量の八割を生産している県でございまして、それがもうほとんど壊滅をいたしました。ところが、残念ながら、果樹共済が長い間の懸案でやっとでき上がったのでございますが、その対象になっておらなかったということからして、本当に天を仰いで泣いておるこれらの被害を受けた農民の方々に対して施すすべを知らなかった。私も現地におりましてともに涙を流した者の一人でございますが、ぜひひとつスモモを果樹共済の対象にしていただきたい。同時に、果樹共済はまだ誕生して日が浅いのでございますが、その内容につきましても非常に不満足の点がございますので、それらの点も含めまして、ぜひひとつ果樹共済の内容の充実改善等についても格段の御配意をいただきたい。このことに対してひとつ農林当局のお考えを聞かしていただきたいと思います。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 お話しのように、スモモを果樹共済の対象果樹に加えることにつきまして、特に山梨県等の主産県におきまして強い要望がございますので、私たちは昭和四十九年度から、主産県であります山梨と山形の二県に調査を委託しまして被害率等の基礎調査を行っているところでございますが、御存じのように、スモモはやはり地域的な果樹で危険分散がなかなかむずかしいという問題がございます。それから第二番目に、収穫変動が非常に大きいために基準収穫量の適正な設定ができるかどうかという問題が二番目にございます。さらに三番目に、損害評価の方法をどうするのかという問題がございます。そのようないろいろな問題がございますので、私たちは四十九年から調査をいたしておりますが、さらに被害率等の算定のための調査を進めます一方、共済需要を見きわめた上で、共済の対象にすることにつきまして検討してまいりたいと考えておるわけでございます。なおまた、第二点の果樹共済の内容の改善につきましても、その改善の方向で鋭意今後とも検討を続けてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 いろいろ、三点を挙げられまして、対象にするにはむずかしい問題があるんだということでございます。それはそれなりに私たちもよく理解できますが、問題は、四十九年から御調査をいただいているわけですから、できるだけ早くその結論を得て、ひとつこれらの農民の方方が——これはもう農業は天候次第でございまして、どうにもならないわけでございますね、人為的なものではないのでありますから、万難を排して、ひとつやっていただきたい。  それで、めどを一体いつごろに置いているのですか。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 通常の場合と申しますといかがと思いますが、たとえば麦でありますとかあるいは家畜共済のようなものを設定いたします場合には、通常五年程度の調査をいたしますとめどがつくわけでございまして、果樹共済あるいは家畜共済の場合におきましても、通常五年ぐらいな調査をいたしまして実施に移したわけでございますが、こういう地域農作物になりますと、保険を仕組みます場合の被害その他の要素となるべき見きわめが果たして五年でできるかどうかということについては、必ずしもまだ私たち自信がないのですが、しかし、そういうことを除きましても、できるだけ早く調査を進めてその保険の要素の確定に努めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 ひとつベストを尽くして、一日も早く結論を出して適用していただくようにお願いします。  それからその次に、山梨県は御承知のように桃やぶどうの産地でございますが、一つ困りましたのは、桃のせん孔細菌病というのが発生いたしまして、これはもうバクテリアが、菌はバクテリアだそうでございますが、すでに福島県とか山形県とかその他の県にもございまして、いままでもいろいろ検討していただいておるのでございますが、これはなかなか農家にとりましては強敵でございまして、一たんかかりますといまだにこれを防除する薬剤等についても決定的なものがないということで、大変困っている問題でございます。昨年山梨県におきましても、御坂町、一宮町、八代町、ここらを中心にいたしまして、桃の産地でございますが、大量にせん孔細菌病が発生をして、収穫はほとんど皆無というような大変な被害を受けているのでございます。これはいま始まったことではございません。したがって、農林省としてはこのせん孔病撲滅対策に対して、今日までどのような御検討を加えていらっしゃるのか、そういう点をひとつ明らかにしていただきたいのです。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○堀川政府委員 桃のせん孔細菌病の発生につきましては、近年大体二千三百ヘクタールぐらい全国ベースではございまして、作付に対する比率は一三%程度でございます。本病の発生の態様を見てまいりますと、地域的に申しまして、傾斜地にあります果樹園で、土壌の流亡だとか地力の減退が起こるといったときには、これは樹勢が衰えてまいりますので、そういうときにかかりやすいという傾向が見られます。それからまた、風当たりの強いようなところでは、やはり菌の侵入しやすい傷ができるというようなことから、やはり発生が多いようでございます。  これに対します対策といたしましては、関係の県等とも随時相談をしながら進めてきておるわけですが、先ほどのような実態にかんがみまして、まず土壌改良を行う。これは堆厩肥を突っ込むとか、そういうようなことが主でございます。それから、土壌の流亡の防止などを行いまして、適切な栽培管理を行うということがまず基本になるだろう。  それから、第二点といたしましては、薬の問題の御指摘がありましたけれども、発生予察情報に基づきまして適時的確な薬剤の散布を行うということで、ある程度食いとめられるということがございます。また、罹病した枝は切り取るということ、それから、果実にうつらないように袋かけの早期実施を行う、これらの施策を総合的に講ずることが必要ではないかということで、所によりましてかなり被害が出るところがあるわけでございますが、県の防除体制を動員して指導をいたすということにしておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 いま御説明を伺いましたが、私は二年半ばかりゲートルを巻いて農家を回ってみましたけれども、実際に農林省の言っていらっしゃる対策というものが農民の気持ちにぴんと受けてないですね。もう少しこの問題についても真剣にやってほしい。実際にせん孔病にかかりましてばたばたと落ちてくる商品価値を失った桃、せっかく汗水たらしてつくりましても、そういうふうな結果になる。これは大臣、ちょっと参考に見てください。昨年私らがとってきた写真です。木がこういうふうになっているのです。  ですからもう少し、たとえば土づくりが一つ挙げられましたね。土壌の改良はやはりやらなければいかぬと思います。ですから、百姓はそれなりに一生懸命やっているのですね。しかし、農業改良普及所あるいは県段階、そういうところにいろいろすがりたいような気持ちでおるのですけれども、なかなか適切な指導がしてもらえない。  それから、たとえば薬剤の問題についても、これはバクテリアが病原体ですから、当然休眠期にはボルドー液を使うとか、発芽の直後にはストマイ剤を使うとか、あるいはその後亜鉛石灰液等を使うとか、そういった工夫をして農民の方々はいろいろな手を考えてやっているのです。これは自分が一番被害を受けるのですからね。そういうものに対して、もう少し国が強力な指導をしていただきたい。ただ単に農業組合だけにやらせるような姿というのは、私はちょっとおかしいと思うのですよ。ですから、そういう点について国がもしやっているとすれば——県なりその下における指導性というものがいつの間にか薄まっていっているのですね。そうであれば、たまにはひとつ現地に駆けつけて、それ以下の指導についても積極的に農林省が乗り出してほしい。幸い御坂町では全黒農協というのがございまして、そこで対策委員会をつくって真剣にやっているのです。ところが、限られた人間ですから、知恵もなかなかわかない点もある。ですから、わらをもつかみたいようなそういう気持ちにあるわけですから、私は、現地もそういう対策を立ててやっておりますから、本省からも一遍ぐらいは現地へ行って、それらの人たちの実態をよくつかんでいただきたい。要するに、あなた方が、本当に土にまみれてやっている農家の人たちの気持ちになってやれるかどうかということです。そのためには実態を把握することです。机上の論争ではだめですよ。もっと皆さんが中に入って、そして農家の人たちと話してみてくださいよ。そういう意味で、一遍現地へ行って、よく現地の意見を聞いてほしいと思いますが、どうですか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○堀川政府委員 私どもこの問題は非常に大事な問題であると考えております。先生御指摘のように、技術的な問題もまだ残されておりまして、私どもといたしましては、関係県の試験研究機関とも十分連絡をとって、先ほど先生の御指摘になりましたような防除方法についても一応の確立は見ておると思うのですが、まだ残された問題も多々ございますので、一層その面の検討を深めたいと思っておりますのと、それからなお防除体制を万全にするように私どもも現地に出かける等、適宜な方法によりまして実態を把握いたしまして、対策を講じてまいりたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 理解のあるお話で結構でございますが、それで大臣、やっぱり農薬ですけれども、なかなかこのバクテリアというのはしぶといのです。ですから、冬眠期に木の皮についているらしいのですね、そのときにやっつけると一番いいと思うのですけれども、なかなかそれでもうまく取れないらしいですね。ですからやっぱり薬剤散布のようなことをやっておりますけれども、効き目がないのです。ですから、何かもう少し強力な、もちろんいろいろな周囲に対する被害もありますから、ひとつ関係の向きともよく御相談いただいて、適切なせん孔病撲滅のための農薬というものを開発していただくように格段の御配慮をいただきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 まだ問題も残されておるようでございますから、さらに研究を深めまして万全の措置を講じたい、こう考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 それでは、時間がありませんのでどうも本当に細切れになって済みませんが、その次に、養蚕振興対策でお伺いしたいのですが、これも山梨県は大変な養蚕県でございまして、一生懸命養蚕農家の方々は苦労されておりますが、何としても繭の値段が安くて採算がとれないということで非常に前途に希望を失っておるわけです。七百グラムくらい扱っている農家に行ってみますと、せっかく息子がおやじの跡を継いで、高等農林を出て養蚕をやろうとしてもそこにお嫁さんが来ないといったような状態が出ております。時間がありませんからいろんなことは申し上げませんが、とにかく繭の価格の安定をしてほしい、これが実際異口同音に願っておる気持ちでございます。今度、繭糸価格引き上げに対する全国養蚕家の大会も三月十六日に九段会館で持たれるようでございます。そこでも基準糸価一万四千六百円、それから基準繭価二千百円、これを最低にしてほしいというような要求も出るようでございますけれども、何とかひとつ繭の価格、繭糸価格を安定して、将来に向かって養蚕農家の方々が生産にいそしめるような、そういった施策をつくっていただきたいと思います。養蚕の近代化の面についてはいろいろと御苦労いただいておりますが、問題は値段が安くちゃだめなんですよ。どんなことをやってもだめだ。だから値段の安定ということですね。これに対してひとつどうしたらいいのか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○堀川政府委員 養蚕振興のために繭値の安定が必要であることは私ども十分承知をしておるところでございますが、この繭値に影響いたしますのはやはり糸価でございます。ところが生糸、絹織物の需給の実態というのを見てまいりますと、世界的に非常に過剰基調にございまする上に、国内におきましても大変に絹製品の消費が伸びない、伸びないどころか落ち込んでおるというような状況で、機屋さんに倒産が続々と続出するというようなぐあいで、大変な困難な状況にあるわけでございます。そういう中にありまして、やはり糸値がどういうふうに推移するかということが繭価に影響するわけでございまして、私ども現在のところは糸値の推移はかなり安定した推移を見せてきておるのではないかというふうに認識をしております。これにつきましては生糸の一元輸入の実施、その運営というものが影響を与えておる、その結果であるというふうに評価をしておるわけでございますが、私どもといたしまして、そういう措置を継続をし、できるだけ糸価の安定を図っていく、それから国内の需給の実情というものも考慮して適正な、たとえば基準糸価等の行政価格を決定していく必要があろうというふうに思っておるわけでございまして、御案内のように基準糸価等につきましては、生産条件なり需給事情、その他の経済条件を参酌して決めるということに相なっております。  私どもといたしましては、いずれにいたしましても養蚕農家の立場も考えながら、その他の事情にも配慮をいたしまして、今月末に適正な行政価格としてこれを決定をしてまいりたいというふうに考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 いまのお話ですと、過剰生産になっているということですね。そうですね。それで、生糸の消費が減っておるというところにまた外国から生糸を輸入をしているという、こういうのはどういうわけなんですか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○堀川政府委員 需要全体といたしましては、国内生産では足らないということになるわけでございます。したがいまして、昨年の暦年で見ましても、生糸換算で十五万俵程度のものが外国から入ってきておるわけでございますが、それは国内の利用の約三分の一ないしはそれよりも少し上というふうに私どもは認識をしておるわけでございます。したがいまして、国内の繭生産そのものが過剰であるというふうには思っておりませんが、全体的な輸入等も含めました中で見たときに、これは世界的にも過剰でございます。わが国といたしましては、輸入も考えましたときになかなか大変な事情にある、それから国内の消費が伸びないというか落ち込んでいる、ここに一つの大きな悩みがあるということを申し上げたわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 それで最近、生糸の輸入について規制をしてほしい、まあ二国間協定なり何なりで、そういうふうな要望が強いわけでありますけれども、最近どんなでございましょう、ここ二、三年の間の輸入の状況は。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○堀川政府委員 お話のように、生糸の日本に対します大きな輸出国でございます中共と韓国があるわけでございます。これにつきましては、昨年から二国間協定を結びまして秩序ある輸入をできるだけ図りたい。これは糸ばかりでありませんで、糸の加工品でございます撚糸、それから織物も含めての話でございます。私どももこれは年度でやっておりますのでまだ締めておりませんが、糸類について言えば、まず五十一年度の計画としては当初見込んだものとほぼ近い線にいっているのではないかというふうに思っておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 大臣、大変恐縮ですけれども、時間がありませんので、この後に私はワインの輸入の問題について何かの工夫をこらしていただきたいという考え方があります。もう一つは豚ですね、豚肉、牛肉の外国からの輸入の問題について、これは養蚕の問題がございますが、それ三つ合わせまして、確かにこれは政治的な立場で論じませんと、事務当局ではちょっと無理だと思うのです。ですからわれわれは、農家の人たちがよりよい生活をして日本の農業のためにがんばっていただくということも大事なことですから、これはやらなければならない。同時に、一方国民から見るとなるだけ安い物を買いたい、これも当然のことですね。だからして、その上に立って輸入というものを考えないといけないと思うのですね。輸入をどんどんやりますと、どうしてもブドウの値段も醸造用のものはもうまるっきり下がっちゃって、もうブドウ農家の人たちが醸造のためのブドウはやめようというところまで山梨あたりは来ているわけですね。ですから何とかこのワインの輸入に対して一つの規制的なものをしてほしいという強い願いがあります。これは肉の場合もそうだと思います。ですから、これらの問題について、いまの生糸の問題を含めまして、十分配慮していただいていると思いますけれども、なおひとつ、現状私は農民の方々からよくお話を聞くわけですけれども、それらの点を踏まえて大臣として最高の御配慮をいただきたいと思いますが、いかがでしょう。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 この機会に私のそれらの問題に対する基本的な考え方を申し上げておきたいと思うのですが、農産物あるいは農産加工品等の海外からの輸入の問題についてでございますが、私は基本的には総合的な農産物の自給力を高めるということを基本の政策にいたしておりますから、まず国内の生産を増強する、そういう施策を総合的に進めて自給率をぜひ高めていきたい。ただ、足らざるところは、やはり消費者である国民の生活の問題もございますから、これは補完的に私は輸入も認めざるを得ない、こう考えております。したがいまして、ECその他から最近、対日本との貿易関係で大変なアンバランスが出た、その穴埋めに農産加工品等の輸入を迫ってくる、そういうようなことは私は受け入れるわけにはいかない。やはり国内の農業、農産物、そういうものを基本に考え、その自給率を高める方向で育成をしていく、そして足らざるところを補完的に入れる、そういう基本的な考え方で対処していきたい、こう考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 ぜひひとつお願いいたします。  それから、時間がありませんので、例の農村総合整備モデル事業の問題ですが、これは大変期待を持って各地方が受け入れておりますけれども、問題は計画どおり予算がついてこない。そういうことでもって非常に不満を持っておりますが、時間がありませんので、基本的なところだけちょっと、どうしてそんなにおくれているのか。聞くところによると、当初の四カ年計画というものが七カ年計画に変更せざるを得ないというような事情でもあるようであります。しかしこれは約束違反ですよ。ですから、決めたことは決めたようにちゃんと国も予算をつけて、そうしてそのモデル事業が完成するようにひとつ努力をしていただきたいと思います。  それで、後で山梨県の御坂町、高根町等における当初計画、それと実行がどういうようになっておるのか、その辺をひとつ資料としていただくことにしまして、基本的なところだけちょっとお答えいただいて終わりたいと思います。

森整治農林省構造改善局長

○森(整)政府委員 御指摘のように、農村総合整備モデル事業につきましては、工期が大変おくれて、大変申しわけがないと思っております。当初、団体営として出発した関係上、標準工期四年ということで出発したわけでございますが、御承知のように四十八年からこの事業は開始されておりますけれども、四十九、五十という、例の総需要抑制政策と、非常な物価高、石油ショック、この両方が重なってまいりまして、ただいま御指摘のような事態になっておるわけでございます。  ただ、その中でも、まあほとんど倍近くこの事業につきましてはわれわれとしても配慮をいたしておるつもりでございまして、当初八億、十五億、三十九億、七十八億、来年度百三十七億ということで相当な配慮を払っておるつもりでございます。しかしながら、先生御指摘のような事態はなお回避できていないということはまことに残念でございまして、今後ともこの事業につきまして、われわれとしても相当な努力をして、残工期の回復ということに最大の努力を払ってまいりたいというふうに思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 どうぞよろしくお願いいたします。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 それでは資料は差し上げてください。  これにて鈴木君の質疑は終了いたしました。  次に、草川昭三君。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 公明党・国民会議の草川であります。  私は、愛知用水の問題にしぼって、大臣あるいは構造改善局長にお伺いをしたいわけであります。  愛知用水は、御存じのとおり、昭和二十四年ごろ当初の構想がございまして、非常に干ばつに悩む知多半島を中心といたしますところの尾張東南部の農業用水として計画をされまして、非常に大型なプロジェクトになりまして、御存じのとおりアメリカの方からのいろいろな技術導入もございまして、国際復興開発銀行の融資を受けて、世紀のプロジェクトと言われた非常に大きなものであったわけでございます。工事は昭和三十年度から開始をされまして、三十六年の九月に通水をいたしまして、総事業費は四百二十二億と伝えられておるわけでございますけれども、東海地方の発展に非常に大きな寄与をしたのではないだろうか、こう私は思っております。しかし、事業着手、それから通水後もう約二十年間になるわけでございまして、施設の老朽化は覆うべくもない。あるいはまた補修、手直し、特に私どもも、いま話題になっておりますところの東海大地震のようなことがもし起きたとするならば、非常に重要な問題になってくるわけでございますので、いまこそひとつ全般にわたっての総点検の必要がある、こう思うわけです。特に、愛知用水は丘陵地帯を中心に走っておりますので、水路の型式というのがオープン式の開水路になっておるわけでございまして、これが全体の約六〇%を占めております。ところが大名古屋の周辺でございますので、非常に都市化現象が出てまいりまして、丘陵地帯の水路の近くにたくさんの住宅地もできまして、一部工場なんかもできておるわけでございますが、水難事故だとか、それから雨水の流入、のり面というのですか、専門用語では法面というのでしょうか、そういうところの災害が最近非常に多発をしておるというように聞いておりますし、私どもも現地を調査しますと、県道だとか国道との平面交差の場所が非常に多いわけでございまして、そういう維持管理についても大変阻害をされているのではないだろうか、こう思うのでございますが、水難事故だとか、のり面の被害等についての調査をなされておるのかどうか、まずお伺いをしたい、こういうように思います。

森整治農林省構造改善局長

○森(整)政府委員 先生御指摘のように、確かに愛知用水通水以来、長年たっておるわけでございますが、その間に台風、集中豪雨、五回にわたりましてのり面の崩壊等がございます。われわれの調べでは、八十五カ所、約二億八千万円の被害をこうむっております。それからあと、いろいろ水難事故につきましても、われわれの調査では約六十件発生をしておるということでございますが、もちろん、基幹施設は水資源開発公団が管理をいたしておる関係で、災害につきましては、通水の障害のある個所につきましては必要な応急工事を行いました。年度内に災害復旧工事を行って通水の万全を期しておるということでございます。  また、先ほどの水難事故といいますか、そういうものの危険のある個所につきましては、安全施設を設置いたしまして事故対策に努めておるわけでございます。  それから一番最後に御指摘の、幹線水路に県道、国道というようなものが交差をいたします個所が六十六カ所に及んでおるわけでございます。こういう場所でいろいろな不法投棄等を防止するために、公団側としましては毎日水路の巡視、パトロールを行っておる。また七カ所の浄水場がございますが、直接幹線水路から取水いたしますその浄水場では水質の検査を常時実施いたしまして、未然に、そういういろいろな事故が起こらないように一応の体制をとっておるつもりでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 特にいまおっしゃられましたように、メンテナンスというのですか、平面交差がいまのお話で六十六カ所もあるわけでございますし、最近の凶悪犯罪というのですか、本当に道路と面しておるわけですから、そこへたとえばトラックが落ちても大変な被害になると私は思うので、ひとつ十分な管理の維持をお願い申し上げたいと思うわけであります。  愛知用水の周辺が非常に都市化をしたということを私、先ほども申し上げたわけでございますが、都市用水の需要というものも急激に増加をしておるわけでございますし、そのために年間の安定供給を行うことが非常に必要になってくると思います。もちろんこれは水利権の権利の問題がありますから、非常にむずかしい問題もあるわけでございますが、これはもし地震等の災害があって、サイホン等もたくさんあるわけでございますが、たとえばの話ですが、サイホン一つ地震によって欠けたとしましても、水道用水の影響は約百万人の人口に影響するわけでありますし、農業用水の灌漑も約一万五千ヘクタールという灌漑用地があるわけでございますし、御存じのとおり、知多半島には新日鉄を初めとします非常に大型のコンビナート地帯がございまして、工業用水の影響も年間約七千億円の生産高に影響する工業用水が出ておるわけでございますので、これは本当に重要な問題なところでございますので、繰り返し申し上げますけれども、愛知用水というものが非常に平面交差で流れておりますけれども、この見直しということをぜひ考えていただかなければいかぬ、こう思います。  同時に、いまも触れましたように、水の需要というものが非常にふえておるわけでございますので、都市用水ばかりではございませんし、農業の場合でも、最近ちょっと需要面積というものは減っておりますけれども、最近また農業の機械化あるいは大規模の圃場整備等、畑地の灌漑が非常に進んでおりまして、水源の転換等の質的な変化から水需要というものが非常に増加をしておりますので、新規の水需要というものが六〇年代から展望してどの程度ふえるのかという展望等について、関係当局の方々の水需要等の見通しがございましたらお聞かせ願いたいと思います。

森整治農林省構造改善局長

○森(整)政府委員 前段の見直し問題につきましては、確かに先生御指摘のような問題があるとわれわれも考えておりまして、農林省では四十九年と五十年にかけまして、先ほど御指摘の水路の周辺の環境が変化してきている、そういうものに対します安全度を確保する等の対応の必要性についての調査を実施いたしました。その結果を踏まえまして、五十一年度から国営土地改良事業の地区調査を始めておるわけでございます。先ほど御指摘の地震に対しましても、当然安全性というものを配慮いたしました設計に基づきまして施設が建設されておりますけれども、万一の場合に備えましても一応の体制をとれるように、万全の措置をとっておるわけでございます。  そこで、第二に御質問になりました今後の水需要の見込みでございますけれども、ただいまわれわれが把握しておりますのは、確かにいろいろ土地利用が変わってきておる。その中でも、なおまた御承知の、いわゆる都市近郊型農業というものが非常に進んでまいっております。それから、そういう面と、都市化が非常に進んでおりますので、水源の汚濁が進行しておる。そこで、水源を転換をしなければいかぬというような問題も出ておりまして、まあそれらを含めまして農業用水の増加という必要性があるというふうにわれわれも判断をいたしておるわけでございます。  それから、御指摘の都市化、人口の増加、産業の発展ということから、都市用水も大幅に増加するという見通しを持っております。現在までの調査では、愛知用水の水域でのいま申し上げました農業用水と都市用水とを合わせましての新規需要量は、七十年目標で毎秒約七トン程度と見込まれておるわけでございます。その中で、今後の計画いかんによりますけれども、一応五・三トン程度は愛知用水で供給が可能なのではないか、そういうふうな見込みを立てておるわけでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 いまお答えがございましたように、大体七十年を目標に毎秒約七トンの水需要を見込んでみえるということでございますが、これも率直に申し上げて大変なことだと思うわけです。私は、一つの問題提起ではございますけれども、対策として愛知用水の施設全般にわたっての点検を行えということは先ほど申し上げたわけですけれども、高度利用ということをぜひ考えて、約七トンという増加量にこたえるということを御検討願いたいと思うわけでございます。現在の水路の構造というものは、専門用語では薄いライニング水路というのですか、ちょうどオープンカットの上が広がる水路になっておるわけでございますけれども、これを鉄筋コンクリートのフルームタイプの暗渠構造に改良をしていくことが必要ではないか。そして暗渠構造にしますと、私が先ほど申し上げましたように六十六カ所の平面交差もそれで防げることになるわけでございますし、また、フルームタイプになりますとそれだけ断面積が広がることになるわけでございますので、高度利用ということになると思うのです。そうして地区内における、ため池というものがいま非常に問題になっておるわけでございますが、あわせてため池を有効利用、活用して新規の水源を確保をして、そしてこれに対策を当てていったらどうなんだろう。私の一つの計算ではそれだけでも毎秒二トン前後ぐらいは確保されるのではないだろうか、こう思うのですけれども、その点についてのお考えをお伺いしたい、こういうように思います。

森整治農林省構造改善局長

○森(整)政府委員 先生御指摘のような考え方でいろいろ調査をただいまやっております。  具体的に申し上げますと、確かにいまの体型、こういう断面から長方形の断面に変える、そういうことによりまして相当の通水量を確保することができるということが一つでございます。  それからもう一つ、いま先生も御指摘になられました独立した既存のため池があるわけでございます。このため池を整備をいたしまして、これとただいまの幹線水路を連結いたしまして、それを調整池にして、それによりまして木曽川の放水時の余剰水をそれに入れまして、施設全体の高度利用を図っていくということの方向で調査も進めておるわけでございます。  それからもう一つは、これはなかなか大変なんですが、木曽川上流に水源ダムをもう一つ築造するというなどの方向で水資源開発を行う、そういう必要もあるという判断で、これについても調査を進めておるところでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 ぜひそういう形でこの愛知用水のさらに高度利用、それから知多半島が発展をする基幹水路としてまた御努力をお願い申し上げたいと思うわけでございます。  時間がございませんので最後になりますけれども、ぜひ要望があるわけでございます。  先ほども局長の方からお答えがございましたように、国は四十九年度から五十年の約二年間で国営土地改良施設機能整備対策の調査をやられたわけです。そして引き続いて五十一年から国営土地改良事業計画調査として愛知用水第二期地区を実施をしてみえるわけです。農林省はこの調査を踏まえて、私どものお伺いするところでは五十四年以降になると思いますけれども、事業を具体的に計画をされると思うのです。でございますから、ぜひこの具体的な事業についての将来構想についてお伺いをしたいと思うわけです。  さらにいろいろと地元の方からも要望があるわけでございますけれども、水道用水、工業用水では施設改良に対して国費の補助がないわけでございます。県独自ではとても施設改良の費用を全部持つということについても、再投資は私は無理だと思うのです。そこで新規用水、約七トンぐらいになるのではないかと言われておりますが、施設費そのものについての国庫助成はあると思うのでございますけれども、既得用水、すでに持っておるところの約十五トンに相当する施設に補助がないわけでございますので、施設改良についても国庫補助を要請申し上げたい、こういうように思うわけであります。  それからさらに、用水は愛知県と岐阜県との共用施設になるわけでございますので、ぜひ次の愛知用水の改良事業の実施に当たっては、岐阜県側の理解も得られるように、いろいろな意味でのひとつまた行政的な指導なり配慮をお願い申し上げたいと思うわけであります。  さらに地元の農家の方は愛知用水が実施をされたときの例にならいまして、幹線水路から末端までの全体の見直しの事業を一体としてこれを施行されるよう非常に強い要望があるわけでありますし、同時に、その負担のことについても、事業完了後支払いを開始をしてもらいたいという要望があるわけでございますので、そこらの点についての将来構想について、ぜひお伺いをしたい、こういうふうに思っておるわけであります。

森整治農林省構造改善局長

○森(整)政府委員 先ほど私お答えしましたのと重複するかもしれませんが、ただいまのような問題から、五十一年度から国営事業の調査地区といたしまして、愛知用水の施設の見直しを行っておるわけでございます。通水量を増大させる、御質疑にもございました安全度を向上させる、そういう観点も含めまして幹線水路の改築なり分水施設の改良、それから用水の高度利用のための調整池の整備、いま三つ考えておるようでございますが、それから新規需要というものに対応するための水源ダムの築造ということについて調査を進めておるわけでございます。ただいままだお話しするような時期ではないかもしれませんけれども、相当事業費がかかるようでございまして、ダムを除きまして、都市用水を含みまして約九百億程度、いまのところ総事業費としてかかるのではないか。そのうち農業用水事業といたしましては約三百八十億というようなことでございます。これはまださらに詰めませんと正確な数字が出てまいらないと思いますが、大体その程度のものというふうにお考えをいただきたいと思います。  そこで、そういう場合にいろいろ施設の改造について国庫補助があるのかという御質問がございました。これにつきましては水源ダムなり調整池、いまの幹線水路の基幹施設の建設当時にかかります費用につきましては、農業用水と都市用水とでアロケートをいたしまして、そのうち農業側が負担すべきものにつきましては土地改良事業として、通常の基幹施設につきましては国営あるいは水資源開発公団営ということで事業を実施しますし、支線の水路につきましては県営の土地改良事業ということでそれぞれ国が負担をし、または補助をするということでやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。当然、施設改良につきましても全体の中であわせて措置をしていくということになろうかと思います。  それから岐阜県との調整問題、これは当然やらなければならない問題でございまして、両県の意見を尊重しながら国としては必要な調整を行ってまいるということは当然のことだというふうに思っております。  あと負担関係につきましては、いまの基本的に農業と上工水、それぞれのアロケートをしながら、適切な負担金の配分を行って、管理費等も負担をしていただくということに相なろうかと思います。いずれにいたしましても相当大規模な事業となるものでございます。なるべく早く調査を完了し、地元の要請にこたえてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川分科員 いまいろいろと御答弁がございましたように、非常に大型のまたプロジェクトになると思いますけれども、まさしくこれは日本の基幹産業なり日本の基幹的な地域の発展に寄与するわけでございますので、早急にひとつ具体的な行動に移されるよう要望して終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 これにて草川君の質疑は終了いたしました。  次に佐藤敬治君。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)分科員 この間は大臣はるばるソ連まで漁業交渉に行ってまいりまして御苦労さんでした。だけれども、残念ながらなかなか状況がうまく進展しないようで、逆に、大臣が行ってきたら、何かわかりませんが、二百海里決まったつもりのものが追い出された、そういうような事件が起きておるようでありまして、これから非常に厳しい環境が出てくる、こう思います。いわゆる二百海里時代にこれから入る、こういうことになるわけであります。ソ連、アメリカ、さらにまたアフリカの沿岸でも二百海里設定する、こういうふうなことになりまして、非常に厳しい状況になる。特に日本人は魚を非常によけい食べますので、これは大きな食糧問題としてこれから考えていかなければいけないわけです。私は、こういうふうに海が狭くなってまいりますと、沿岸漁業というものがいままでよりももっともっと重視されてこなければいけない、こういうふうに思いますが、大臣はいかがですか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 佐藤さん御指摘のとおり、二百海里時代というものが現実のものになってまいりまして、日本の遠洋漁業はもとより、その影響を受ける沿岸漁業、日本の漁業全体について大きな重圧になってのしかかってきておるわけであります。非常に厳しい状況下にあるわけでございます。  私がソ連に参りましてイシコフ大臣と会談をした際、一番最初にどうしてもこれは処理しなければならないというのが、暫定取り決めなり基本協定ができる間、現在あの海域に千数百隻の漁船が操業しておりますので、その安全操業をまず確保する、そしてその上に立って暫定取り決めなり長期の基本協定を結ぶ、こういう考えを抱いて参ったわけでありますが、幸いにして理解と協力を得まして、暫定取り決めができる間、三月中は安全操業を認める、こういうことに相なったわけでございます。もとよりその間、ああいう国でございますから、末端までの指示が十分徹底しなかったうらみもあったと思いますけれども、数日間監視船によって域外に退去せよとかいろいろ警告を受けたとか、そういう事態もございました。しかし、ようやくそれが事態も鎮静をして、とにかく安全操業を現にやっておる、こういう状況下にございます。  さて、そういう海外の漁業は、われわれの今日までの実績の確保ということに向かって強力な漁業外交を展開するにいたしましても、一〇〇%の実績の確保ということは、これはそう簡単に各国が認めることではない。そうすると、結局失われた分というものは日本列島周辺の沿岸、沖合いの漁業を積極的に開発、振興して、それによって不足分を補完していく、補っていくということが必要であり、またイワシ、サバ等、大衆、多獲性の魚族、こういうものを高度に加工利用し、保蔵し、そして食用に供するように進めていく、こういう対策を当然やっていかなければならない、このように考えております。そのために沿岸漁場開発整備事業あるいは漁業の基盤施設でありますところの漁港の整備、そういうものにつきましても私どもは今後予算の面におきましてもいろいろ積極的な施策を進めてまいりたい、こう考えておる次第であります。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)分科員 いま大臣のお話で、これからは沿岸漁業、沖合い漁業、これを積極的に進めていかなければいけない、こういうお話で、私もそのとおりだと思います。  ところで、いままでの日本の漁業のいろいろな施設の整備状態を見ますと、どうしてもやはり沿岸漁業よりも遠洋漁業に中心が置かれておった、こういうふうに思います。それで、たとえば日本海と太平洋岸の漁港を比較して考えてみますと、そういう意味で遠洋漁業の基地となっている太平洋岸の漁港は非常にりっぱなものがあります。特に大臣の本家本元である三陸海岸などには、私も何遍も行きましたけれども、非常にりっぱな漁港が整備をされて、うらやましい限りだ、こういうふうにいつも思っておるわけです。たとえばこれは漁港だけではなくて、気象庁なんかの測候所の整備などを見ましても、気象台じゃなくて、いま測候所が大体百カ所ぐらいあります。その三分の二くらいがほとんど太平洋岸に設置されておる、これは遠洋漁業のいろいろなあれのためだろうと思いますけれども、そういうふうに非常に太平洋岸の漁業基地というものは整備されております。しかし逆に日本海岸の方を見ますと、これはまたまことに貧弱な状態になっておるわけです。  そこで、これからの漁業が、遠洋漁業ももちろんやらなければいけませんけれども、沿岸漁業が非常に大切になってくる、このこれからのことを考えますと、漁港の整備については日本海岸の漁港の整備を早急にやることが非常に大切ではないか、こういうふうに考えますけれども、いかがですか。大臣で結構です。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 わが国の漁業政策の基本に触れたお話が一つございました。これは私ははっきり申し上げていいと思うのでありますが、水産庁の予算その他を見ましても、沿岸漁業、また日本を基地とする沖合い漁業、これに対する施策が予算の面からいっても重点が置かれておるわけでございまして、大手会社中心の遠洋漁業等に重点を向けておるというような考え方は、これは現実にそぐわない御意見であるわけでございます。海運あるいは大型漁船というものが戦災をこうむりまして、大分撃沈をされたり沈没をしました。戦後その復興に当たって、海運につきましては相当手厚い国の復興策というものがとられたわけでございますが、漁業面につきましては何らの助成措置も講じていなかった、しかし自力でとにかく日本の遠洋漁業というものは立ち上がってきた、こういうことでございます。北洋のサケ・マスの母船式漁業一つとってみましても、母船こそ大手会社が出しておりますけれども、それに付随する漁労船、キャッチャーボートというのは、みんな東北、北海道の中小漁船を動員をしておる、こういうようなことで、私は今後のわが国の漁業政策というものも、沿岸及び沖合い漁業中心の施策をますます強化していく必要がある、このように考えております。  なお漁港の問題につきましては、第五次の漁港整備計画の実施五カ年の年次の間に、不幸にして石油ショックが起こりまして、総需要抑制政策をとったというようなこともございまして、進捗率は半ばにしかいかなかった、こういうことを私は率直に認めざるを得ないわけでございます。しかし、その後における漁業情勢等の変化等も考慮いたしまして、新たに、新しい情勢に対応する第六次の漁港整備六カ年計画、一兆四千五百億というものをつくりまして、五十二年度から積極的に漁港の整備に力をいたしていきたい。  なお太平洋岸と日本海岸との漁港の問題について佐藤さんお触れになりましたが、佐藤さんは秋田県でいらっしゃいまして、私の隣り組でございます。私も秋田県には御縁があってしばしば参りまして、そうして秋田県の漁港の整備につきましては、私も個人的にもあとう限りの御協力を申し上げておる。しかし、おくれておりますことは御指摘のとおりでございますので、今後日本海の漁港整備につきましても十分配慮してまいる考えでございます。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)分科員 私は、大規模の漁業会社のために国が一生懸命やっているからああいうふうにりっぱになったんだ、こういうことを言っているんじゃないのですよ。これはやはり日本としては遠洋漁業をどんどんやっていかなければいけない。そのために、いま助成措置なんか一つもしてないという話ですが、いろいろな助成をしてもいいと思うのです。どんどんやっても結構だと思いますが、それと同時に、こういうような時代になってきますと、沿岸漁業の小さい港、こういうのも整備していかないと、だんだん遠洋漁業が漁場が狭くなってくると困るだろう、こういうことを言っておるわけでありまして、いまお話で秋田県もうんとやってやる、こういうことで、まことにどうも私としてはありがたいお話であります。  しかし、いま大臣もお話しになりましたように、四十八年からの第五次の整備計画を進めておりますが、石油ショックがあるとかいろんなことがありましたでしょうけれども、実際にはまあ半分いったかいかないか、半分いったとは言っていますが、半分いってないところが非常に多い状態で、このままでは、これは百年河清を待つまでとはいかなくても、大体二十年ぐらいはこのままでいくとかかるんじゃないか、こういうふうに思いまして、いまの整備計画でやってもとても間に合わない、こういう状態になると思います。  一例を申し上げますと、これはまた自分のことを言ってまことに恐縮ですが、大臣は秋田音頭を知っていますか。これは有名なうたですからだれでも知っていると思います。秋田音頭の冒頭の文句に「八森ハタハタ男鹿では男鹿ブリコ」という文句がある。だれでも知っているのです。だから八森というのはどんなりっぱな港であるかと、天下に有名な港になっておりますが、この八森漁港というものはまことにお粗末な状態で、原始の漁港といっても過言でないような状態なんです。しかもこのハタハタというのは冬の海の一番荒れるときの漁なので、すぐ岸におりながら毎年毎年死人が出たり、事故がしょっちゅう出ているのです。こういうような状態なので、これからの沿岸漁業というものが非常に大切にされるとすれば、大きなところに比べれば幾らも金がかからない、こういうような漁港というものが急速に整備されていかなければいけないのではないか、こういうふうに考えます。  ついでですから、八森のことを申し上げますと、四十八年の当初の計画では二十億七千万ぐらいあればできるのだそうですけれども、これはこのままのぺースで現在二〇%くらいしかできていない。これでいくと十年かかります。ところが四十八年の二十億七千万がいまでは四十億ぐらいかかる、倍もかかるのですよ。そうすると明らかに、十年じゃなくて二十年かかるのです。どうもこの状態では……。地元でも第五次の整備計画に非常に大きな期待をかけましていろいろやってきましたけれども、いつまでたってもできない。地元の要請もあったようですが、船を着けるところは岸壁はつくりましたけれども、風方向の防波堤が一年に二十メートルか三十メートルしかできない。せっかくできた岸壁が使われないというような状態がいま現出しているのです。これを水産庁に言いましたら、いや、先にこの岸壁の方をつくれと言ったのだからそっちができた。なるほどそのとおりですけれども、これは期待からいきますと、こんな二十億ぐらいのものであるから、岸壁を先につけても、次の年か次の年あたりにはもう防波堤もできるだろうという期待のもとにやっているのです。ところがいつまでたっても、岸壁だけできて防波堤ができないので船が着けられない。着けると風方向の防波堤ができてないので船がぶつかって壊れるということがしょっちゅう起きているので、何とかしてこれを早くつくってもらいたい、こういう非常に強い要望があるのです。  そのほかに、私のところにはたとえば第二種では金浦がありますし、第三種では椿、第四種に北浦、こういう漁港がたくさんある。ほとんどこれが整備されないで毎年事故を起こしているという状態であります。そこで、私いま申し上げましたけれども、こういうような小さい漁港というものを急速に整備するためにどういうふうな考え方でどうやろうとしておるのか、その点をひとつお聞かせを願いたいと思います。

岡安誠水産庁長官

○岡安政府委員 御指摘のとおり、現在漁港として登録といいますか認められておる港が全国で約二千八百ありまして、秋田県はそのうち十九港ということになっております。確かにいままでの整備がおくれていたことは事実でございまして、私どもは現在の第五次の整備計画、これは四十八年から発足しておりますけれども、そのとき以来特に秋田県につきましては大幅な整備計画をお持ちになりまして、私どももそれに取り組んできたわけでございます。  ちなみにちょっと言いわけのようになりまして恐縮でございますけれども、全国的に申し上げますと、四次と五次の整備計画の事業量の拡大は、全体で三・三倍であったわけでございますけれども、秋田県が四次とそれから五次に持ってこられました事業計画を比較いたしますとこれが八・八倍になっております。いまお話しの八森漁港でございますけれども、四次と五次との計画の差は二十二・五倍という、いわば大幅な整備計画でもって、秋田県、また八森港につきましては第五次計画を発足させたわけでございます。私ども五次計画につきましては、先ほど大臣からも申し上げましたように、いろいろ努力をいたしましたけれども、経済情勢の変化等もありまして、総需要抑制の影響等を受けまして現在約半ばの達成率でございます。秋田県それから八森等につきましては、残念ながらその達成率は確かに半分以下でございまして、秋田県が四〇%程度、八森につきましては三〇%程度というふうに落ちておりますが、私どもは、毎年の事業費の獲得につきましては、四十八年度以降全国平均で大体一二一%の伸びで漁港予算がついておりますけれでも、秋田県に対しましては一四六・七%という伸び率で予算を配賦いたしておりますし、八森におきましては、平均で一八三・四という倍くらいの伸びの予算を私どもはつけて進捗を図ってきたつもりでございます。なお、それでも御指摘のとおり非常におくれておることは認めざるを得ないのでございますので、私どもは六次の計画におきましてはそういう事情を十分勘案をいたしまして、この種の漁港の事業の進捗については十分配慮をしたいというふうに考えております。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)分科員 大変な予算のつき方で、まことにびっくりしたり不思議に思ったりしたのですが、こんなにたくさん予算をつけてあんな状態では、何というか非常にちぐはぐな感じを受けるのですね。こんなにたくさん予算がついていて、状態を見るとあんな状態だ、これは一体どこからこういう矛盾が出てくるのか。一つには、かけてもかけてもかけ切れないぐらいに初めが非常に悪かった、放置されておったということですね。それから水産庁の漁港整備の予算というものが非常に少ないので、幾らふやしても大したことがないのだ、恐らくこういうことだと思うのですよ。五次の計画を見まして、大変いい計画になっているけれどもできたのが半分。八森の話ばかり言っていてまことに恐縮ですが、三〇%しかできていない。これは非常に哀れな話なので、せっかく鈴木さんという大変な実力者が大臣になっているのですから、ひとつ予算をうんと取って、漁港、特に足りない小さい漁港を早急にひとつ整備をしてもらいたい、こういうふうに思うのです。  そこで、ちょっとお伺いしたいのですけれども、六次の計画というのは、その概要をちょっとお教え願いたい。

岡安誠水産庁長官

○岡安政府委員 六次は五十二年度から発足いたしたいということで、現在整備計画を国会において御承認の手続をとっているわけでございますが、大体全体の総枠といたしましては一兆四千五百億円、六カ年間でこれを達成いたしたいというふうに思っているわけでございます。  その中で修築事業の対象にいたしたいと考えておりますのは、約四百五十港でございます。現在の五次計画で四百二十港を対象といたしまして、大体四港ぐらい完成をいたしますので、その残りと、さらに新規の漁港を採択いたしまして対象工事としていきたいということが一つと、それから改修事業につきましては大体八百二十港、これぐらいを対象にいたしたいということで、現在考えているわけでございます。  これによりまして、私どもは大体岸壁充足率と言っておりますけれども、必要な岸壁の延長、船の数等を考え合わせまして、大体五〇%程度はこれで完成ができるものというふうに考えております。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)分科員 一兆四千五百億というとかなりの大きな数字ですが、いま言われますところでは六カ年で一兆四千五百億をやりまして、岸壁の充足率が五〇%になる、それだけをお話しなんですけれども、いま私がお尋ねしているように、大きな港ではなくて八森みたいなああいうクラスの小さい港は重点的にこれで整備されていくのか。たとえば一つの例で、いませっかく八森が出ましたから八森の例を聞きたいのですけれども、これでいきますと八森港は一体いつ、どういうふうなかっこうになりますか、具体的にひとつ教えていただきたい。

岡安誠水産庁長官

○岡安政府委員 八森港につきましては、現在イカつりの大型漁船の利用が中心でございまして、現在水深三メートルの係船用岸壁をしたものでございますが、これをもう少し、大体水深四メートルぐらいの大型漁船が利用できるようなかっこうにいたしたいということを計画いたしまして、先ほど御指摘の岸壁の整備並びに防波堤等の整備をいたそうというのが第六次の主要内容でございます。  先ほど申し上げましたように、全体の予算規模、これは大体決まっておりますけれども、まだそれぞれの港に対します六カ年間の事業量の配分はこれからでございますので、先生の御要望等も十分勘案いたしながら、この実施につきましては細部を確定をしてまいりたいというふうに思っております。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)分科員 何か八森のことばかり言って、八森つけろ、八森つけろみたいに言うのですけれども、私はたまたま八森のそばにいるのでお聞きしたので、決して八森だけではなくて、冒頭に申し上げましたように、厳しい二百海里時代に突入していくのだ。となれば、これはやはり沿岸漁業というのは非常に重視されなければいけない。いまの状態を見ますと、まことにさびしい状態にありますので、この一兆四千五百億という予算でありますが、大きなところにどんどんつぎ込むと、金額が大きいから、小さいところがやはり取り残されていくと思います。だから、これでも全部できない、岸壁の充足率が五〇%だと言っておりますので、でき得べくんば、いままで見捨てられた小さい漁港、これは少しの金でりっぱにできるのですから、これにひとつ重点的に金をつぎ込んで、そうして沿岸漁業の基地としてりっぱに働けるように御配慮をお願いいたしたい、こういうふうに思いますので、大臣からひとつ最後に御所見を……。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 先ほども申し上げましたように、二百海里時代を迎えて、沿岸漁業の振興に特に力を入れなければいけない。そのためには栽培漁業、ただ取る漁業でなしに、育てて取る漁業というようなものを大いに育成をしていく必要がある。それには大きな漁港もさることながら、小さな港がたくさん必要になってくるわけでございます。私は、そういう意味で今後小さな、増養殖等に利用されるような、また沿岸の小型漁船が利用できるような漁港の整備ということに力を入れていきたい。特に局部改良事業の事業を一億円に引き上げるとか、あるいは改修事業を六億に引き上げるとかいうような形で、修築事業でなくとも、改修並びに局改事業で小さな漁港もどんどん整備ができるような仕組みも実は考えておるわけでございます。御趣旨に沿うような方向で私も考えておりますので、今後、秋田県下の漁港の整備につきましてもできるだけの配慮をしてまいりたい、こう考えます。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)分科員 どうもありがとうございました。  終わります。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 これにて佐藤君の質疑は終了いたしました。  次に、板川正吾君。

板川正吾日本社会党

○板川分科員 若干、農林大臣と厚生省関係について質問いたします。  私の質問の結論は、先に申し上げますと、厚生省令を改正して、低脂肪牛乳を認めて、酪農振興を図る、こういう立場から若干質疑をいたします。  まず第一に農林省に伺いますが、昭和五十一年度における生乳生産の状況についてお答え願いたい。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 本年度に入ってからの牛乳生産の状況でございますが、昨年の四月からことしの一月までの生産は非常に順調でございます。対前年度同期に比べまして一〇七・一%というような高い水準で推移してきておる。ことに最近この二、三カ月の伸びが非常に高くて、たとえば北海道を例に申し上げますれば、北海道は十二月、一月、それぞれ前年に比べまして一八%というような非常に高い水準で生産が推移しておる、こういう状況でございます。

板川正吾日本社会党

○板川分科員 史上最高の増産だと聞いておりますが、この加工原料乳については不足払い制度が御承知のようにありますが、五十一年度の予算では前年同様百三十八万トンを加工原料乳として引き取り、保証限度を三百二十六億円というように限度があるようでありますが、この限度をオーバーする予想でありますか。そしてオーバーした場合に、その分をどういうふうに処置される考えでありますか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 生乳の生産は、先ほど申し上げましたように、対前年同期比一〇七・一%というような非常に高い水準で推移しているということを申し上げましたが、一方、需要の方の飲用乳、われわれ牛乳として飲む飲用乳の消費が、伸びてはおりますが、残念ながら生産の伸びほどには伸びていない。具体的に申し上げますと、前年同期比一〇一・九%であったかと思いますが、そういうような状況でございます。片一方が一〇七・一、片一方は一〇一・九でございまして、ずれがあります。その分がしたがって加工乳の方に向けられる、乳製品の原料である加工乳の方に向けられるということになりまして、加工乳に向けられる数量が非常にふえてきている状況でございます。  現在までのところ、先生御指摘になりましたように、加工乳の限度数量は全国で百三十八万トンというふうに決まっているわけでありますが、五十一年の四月から五十二年の一月にかけまして、発生数量は百二十六万トンというぐあいになっておりまして、大体限度数量に対して九一・六%というぐあいに消化している状況でございます。これは対前年同期に比べますと、大体一二%強、一三%弱というような伸び率になっておりまして、今後の見通しとしてはいまの段階では確たることは申し上げられませんが、しかし、かなり十数万トンぐらい限度数量をオーバーすることは見込まれるのじゃないか、かように見ております。

板川正吾日本社会党

○板川分科員 十万トンないし十二、三万トン、オーバーするのじゃないかと予想されるわけでありますが、その場合に保証限度を超えたものをどういうふうに扱われるつもりですか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 いま畜産局長から御説明申し上げましたように、飲料乳は長雨だとか低温だとか、そういうような影響もありまして、予想したよりも伸びなかった。伸びてはおります。一〇一%というようなことで伸びてはおりますが、しかし、生乳全体の伸びが大きいものでございますから、いま申し上げたように限度数量をオーバーしておる。こういう状況で、これを何とかひとつ不足払いの制度を適用——適用ということはなんですが、何らかの配慮をしてほしい、こういう御要望のありますことも私、承知をいたしております。私といたしましても、できるだけのお世話をしなければならないと考えておりまして、目下関係方面ともいろいろ話し合いをしておる段階でございます。

板川正吾日本社会党

○板川分科員 加工原料乳については、いま申し上げましたように限度がありますね。そうして、増産されたものをこれから消費するためには、飲用乳を拡大していかなければだぶついてしまうということになります。飲用牛乳を拡大するために一体政府はどういうふうな考え方を持っているか、伺いたいわけでありますが、日本の国民一人当たりの年間牛乳飲用量は生活様式の違いもありますけれども、外国から見て非常に低い。これをもっと国民一般に飲んでもらうようにしなければならないと思いますが、この点についてどうお考えですか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 私から飲用乳の消費の実態を、いま先生が御説明になりましたように国際的に見て少ないのじゃないか、こういう御指摘がございましたが、若干簡単に御説明申し上げておきますと、国際的にかなり高いのはイギリスでございます。飲用牛乳の年間一人当たりの消費量をイギリスで見ますと、百四十六キロということでございまして、日本は二十八・四キロでございますから、約五分の一ぐらいの水準になります。それから、欧米諸国の中でも比較的低い西独をとりますと、五十三キロ程度でございますが、これに対しましても日本は二分の一というようなことで、かなり低い。これはもちろん、いま御指摘になりましたように食生活にいろいろ違いもありますから、一概にそれだけで断定はできないわけでございますけれども、欧米諸国等に比べましてまだまだ低いし、これからいろいろ日本の食生活の変化、高度化、多様化ということに伴って需要は伸びていくと思いますけれども、なお一段と今後、消費拡大のための努力をする必要があるというふうに思っております。  具体的には、私ども学校給食事業、これは百七十五億というようなかなりの財政支出を毎年いたしておりまして、これで飲用牛乳の約一七%を支えている。かなりの普及率になっておりまして、児童数あるいは学校数にいたしましても九〇%を超えているような状況で普及しております。そういった学校給食事業を今後とも継続する、あるいはまだいろいろ今後工夫のしようによっては、たとえば調理用等にして牛乳を飲んでもらう、そういった余地もかなりあろうと私は思います。そういった工夫をするためのいろいろの宣伝をするとか、それから、学校給食のことで申し上げましたが、実は学校給食は現在は月曜から金曜までしか実際教室では飲ましていないというような実態でございます。土曜日はいろいろ学校の教育の関係で飲まれていないのが実態でございますが、日曜とか祭日にも飲ませたらどうか、あるいは夏休みにも飲ませたらどうか、こういう御意見もございますが、そこに行く前に、土曜日にもまず飲んでもらうというような形で、ごく最近文部省といろいろお話をいたしまして、そのための御努力を先生方にもお願いするという形で通達を出したところでございます。

板川正吾日本社会党

○板川分科員 学校給食をできるだけ拡大するという方針も結構でありますが、国民全体が牛乳をもっと飲むようにならなくては当面の問題は解決できないのじゃないかと思うのです。そこで私は農林省、厚生省に伺いたい。  わが国の飲用牛乳の規格は、昭和二十六年十二月二十七日の厚生省令、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令で、飲用の牛乳はいわゆる牛乳と脱脂粉乳と加工乳——加工乳というのは、フルーツ牛乳だとかあるいはコーヒー牛乳のことですが、この三つに規格化されて、その成分もはっきりしておるわけですね。この成分規格には、外国でいま一般に売られております低脂肪牛乳という成分規格がない。西欧諸国では国民が栄養過剰ぎみで肥満体が多い、あるいは心臓病が多い、こういうことのために、低脂肪牛乳を一般に飲用する風習があります。ところが、わが国では低脂肪牛乳という規格がないために、低脂肪牛乳として売れない。こういうところに、日本の酪農業者がせっかく増産をしたにかかわらず消費がふえないという点があるのじゃないだろうか、こう思うのです。ですから、省令を改正して新たに低脂肪牛乳という規格成分を認めていくべきじゃないだろうか、こう思いますが、まず農林省から伺います。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 まず農林省の考え方を申し上げます。  いま御指摘のありましたように、欧米で牛乳の中の脂肪を一部カットして、低脂肪の——ローファット牛乳と言っておりますが、そういったものがかなり普及されてきております。結局低脂肪、高たん白を好むということであろうと思います。わが国におきましても最近そういった傾向が出てきておりまして、牛乳から乳脂肪をカットしたものとかあるいは牛乳と脱脂乳を混合したもの、こういうものは欧米でつくられておるわけでございますが、それにさらに脱脂粉乳を加工する、こういった形で脂肪率を相対的に下げる、あるいは脂肪以外の成分を添加する、こういうような形のローファットミルクというものは逐次普及されてきております。これはいろいろ食生活の変化に応じて、肥満を避けるということから牛乳の飲み方もいろいろ多様化してくる、バラエティーに富んでくるということの一つの方法としてそれなりに私は評価をしていいのじゃないかと思うわけでありますが、しかし、やはり一方におきまして牛乳というものは生乳で飲むべきだ、加工した形で飲むのはやはり本筋ではない、そういう嗜好の問題もございますし、あるいは生産者等からも、フレッシュ牛乳という形で生産、販売というものは定着している。こういったこともありますから、この問題につきましてはいろいろな方々の御意見を伺ってコンセンサスを得ながら処理していった方がいいのではないかと思っております。  それから先生御指摘になりました乳等省令の改正の問題につきましては、乳等省令は御承知のとおり脂肪三%以上ということになっております関係上、牛乳という形の分類には入りませんで乳飲料という形に入っているわけでありますが、この問題をどうするかということは品質の問題ということと——これは厚生省の所管で厚生省の御判断をおまちしたいと思っておりますけれども、それだけではなくて、先ほど申し上げました牛乳の飲み方はどういうのが一番いいのかという問題と実はかかわってくる問題でありますから、皆さんの御意見をよく伺って処理していきたいと思っておるわけであります。しかし、一つの形としてそれなりに評価はあるし、逐次定着する傾向は、やはり欧米でもかなり普及しておりますから、日本はまだ〇・一%で非常にわずかでございますが、逐次増大する傾向にはあると思いますけれども、そういった考え方で処理していきたいと思っております。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 先生御指摘のように、牛乳というものはいわゆる乳等省令で規格基準を定めてあります。  それで、いま農林省からもお話がございましたように、牛乳というものが生乳をそのまま殺菌しまして飲めるようにしたものが一番理想であるというようなことから、この成分といたしまして脂肪三%以上あるいは乳固形八%以上ということで規格を決めておるわけでございます。  それで、それに関連いたしまして、生乳だけで飲用牛乳が賄えないというような観点から、いわゆる加工乳というものが、乳製品を原料にいたしまして牛乳と同じような成分にしたものということで加工乳というものがあるわけでございます。これにつきましても従前からいろいろ議論があるところでございますが、現在この飲用牛乳のカテゴリーといたしまして牛乳と同じ成分を有するということにいたしておるわけでございます。  それで、先生御指摘のいわゆる脂肪を抜いたものにつきましても、現在の省令では脱脂乳ということで、生乳を基盤といたしまして、これから脂肪を除去いたしましたものは脱脂乳の範囲と私どもは解しております。しかしながら一方で、乳固形分を補強するというようなことから粉乳等をまぜるということになりますと、先ほどの私どものカテゴリーの中から考えますと加工乳の範囲に入るわけでございます。したがいまして、加工乳というものが生乳で賄うべき飲用牛乳の補完的なものであるということから、加工乳につきましては乳脂肪三%以上ということで牛乳と同じ成分規格を定めておるわけでございます。したがいまして、現在生乳から脂肪をカットいたしましたものにつきましては、そのまま脱脂乳の範囲で運用ができると考えております。  なお、その他の乳製品を加えましたものにつきましては、現在の考え方といたしまして加工乳の範囲であると考えております。

板川正吾日本社会党

○板川分科員 脂肪が多いと言うなら脱脂乳を飲んだらどうだ、こういうことでしょう。しかし、国民の需要の中には、牛乳としていい分もひとつ半分取って、脱脂乳のいい分も合わせて、その中間を取りたいという希望があることは事実ですね。それを低脂肪牛乳という規格づけをしているわけであります。  外国では、アメリカでも二〇%ぐらいが一般飲用牛乳の中で低脂肪牛乳になっておる。ソ連でも一六%、西ドイツで一三%、カナダでは三九%、フランスで二二%、こういうように——イギリスでも去年から認めたそうでありますが、カルシウム分をよけいとりたい、太らないためにというなら脱脂乳を飲めというのじゃなくて、その中間をつくって、そして国民のニーズに応じていくという必要があるんじゃないだろうか、こう思うのです。  厚生省で発表いたしました昭和五十年度を目途とした日本人の栄養基準量表というのが「これからの食生活」という本に実は載っておるのですが、これを見ましても、いまの日本人の栄養摂取量は、脂肪はややとり過ぎである。そしていわば栄養が過多時代になって、カルシウム、ビタミンA、ビタミンB2、こういうものがやや不足ぎみであって、これはちょうどヨーロッパの食生活に似てまいったんですね。  日本の人口の老齢化あるいは平均寿命の伸びが世界でAクラスになったわけですから、それは所得が向上したり食生活が変化を来したりしておって、肥満体が多くなり、心臓病患者が死亡の上位を占める。こういう時代になったんですから、昭和二十六年に決めた成分規格では、そうした時代の要請にこたえられないのではないだろうか、こう思うのですね。  御承知のように、ことしは史上空前の生乳の大増産、私はこの機会に省令を改正して、新しい規格で低脂肪牛乳というのを認めて消費を拡大することが、酪農農民の増産の努力にこたえる道じゃないだろうか、こう思うのですが、大臣はどうお考えですか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 これはもっぱら厚生省所管の問題になるわけではございますが、先ほど来大場畜産局長から申し上げたように、低脂肪のこの牛乳の問題は、いろいろ評価すべき点もございます。今後国民的なコンセンサスを得ていくことが大事なことだ、こう考えております。また一方、農協、系統団体におきましては、御承知のように生乳の消費を拡大する運動というものをいま強力に展開をしておるわけでございます。そういう関係団体等とも十分連携をとる必要もございますし、なお厚生省の所管の事項でもございますので、政府全体としても総合的にいろんな角度から判断をした上で対処していきたい、こう考えております。

板川正吾日本社会党

○板川分科員 昭和二十六年のあの戦後の時代に決めた規格というのは、ぜひひとつ、国民のニーズにも応じられるし、また酪農農民の努力にもこたえられる、こういうためにひとつ成分規格を再検討するように、農林省としても努力をしていただきたい、こう思います。  もう一つお聞きいたしたいのですが、近ごろローファットという名称で飲料用牛乳が市販されております。横浜、札幌、高知その他でローファットという名前で飲用牛乳が売られているわけですが、ローファットとは低脂肪という意味です。ですから、事実上低脂肪の牛乳が売られておるのですね。ところが、厚生省の方では、白い牛乳で売られると一般の牛乳と間違えられるから、ローファットという飲料乳はカロチンで色をつけなさい——ですから、それならまあ見逃しておこう、こういうことらしいのですね。だから、その低脂肪というやつをローファットと言い、一般の白い牛乳とまぎらわしいから色をつけなさい、これなら売ってもいいというのは、どうも全くおかしい論理じゃないかと思うのですね。最近は、御承知のように牛乳は紙パックの中に入っているのですよ。色をつけたって外から見えないですね。それで、色をつけて、名前も外国語を使えばまあ低脂肪牛乳を認めようというこの考え方は、ちょっと今日の時代に応じられない官僚の頭の古さじゃないかと思うのですが、大臣、これはどうですか。

岡部祥治厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○岡部説明員 先ほど御説明申し上げましたように、牛乳というものが生乳を基本とするというような考え方、それに対しまして、それを補うための加工乳という整理をいたしておりまして、それ以外の嗜好飲料的なものということで乳飲料というものがその加工乳以外のものを言うのだということになっておりますので、現在そういう取り扱いをしておるところでございます。  それで、先ほど来御指摘のございますように、いま二、三のメーカーでそういうかっこうで販売されております。それからもう一つは、ローファットと言わなければ売らせないというようなことはやっておりませんで、これはまた別の問題でございまして、私どもといたしましては、一応、牛乳、加工乳という並びのものとそれ以外のものとを区別して考えておるということでございますので、その点は御了解願いたいと思っております。

板川正吾日本社会党

○板川分科員 この生乳はなるべくできたてを早く飲む、それは結構ですね。しかし、それはたとえば、野菜をいまいろいろ加工して長期的保存にたえ得るようにして——確かに野菜はできたてを食べれば一番いいわけですが、しかし、それはなかなかできない場合がある。そのために長期的保存にたえるように加工して一般に売っているのじゃないですか。だから、昭和二十六年のときには生で飲ませるという原則は国民の支持を受けておったと思うのです。妥当な考え方であったと思うけれども、今日ではやはり時代の変化に対応して変えていくのがあたりまえじゃないでしょうか。厚生省では、色をつけないで売ったならば発売停止をさせたと言うのですね。カロチンとかなんとかで色をつけなさい——これはもう自然じゃないですね。自然で飲めるやつをわざわざ色をつけて、しかもローファットという名前で売るならよろしいというのは、時代の要請に応じられない古い考えじゃないか。昭和二十六年のときはそれはそれで妥当な規格であったと思う。今日はこれを再検討して変えるべき時期に来ているのじゃないだろうか、それが酪農農民の増産の努力にこたえる道じゃないだろうか、こう思うのです。色をつけて紙パックの中で売られてローファットという名前をつければいいというのじゃ、頭隠してしり隠さずというか、耳を覆うて鈴を盗むならよろしいというのと同じような論理ですね。ぜひ御検討を願いたい。これは農林省にも厚生省にも要望いたします。  あと二分だそうですから、最後にこれは農林省にお伺いいたしたいのですが、ロングライフ・ミルク、LL牛乳というのが最近いろいろ論議をされておる。長もちをする牛乳だというらしいのですが、反対の声もあることも承知いたしております。農林省は、このLL牛乳に対して生産流通対策としてどのようなお考えを持っておられるのか、農林省の考え方だけを伺っておきます。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 私どもは、LL牛乳は長くもちますから、長期輸送に耐え得るという意味で生乳を広域的にわたって需給調整をする手段としては非常に有効である、それからまた離島だとか遠洋航海用の船舶、そういったところにも需要を支えるというメリットは多分にあるというふうに理解しております。あるいはレジャー等の部面におきましても、牛乳を維持するというような面もあるということで、それなりの効用はあると私は思います。  しかしながら、それも盲目的に秩序なしにやりますと、いろいろな摩擦を出すことも事実でございまして、たとえば北海道の酪農家と内地の酪農家とが相争う、北海道の牛乳が無秩序に内地に流れてくるということになりますと内地はあふれてしまう。こういうふうな南北戦争という話が俗にあるわけですが、そういった問題も起こりかねない。それから中小乳業者がそういったLL牛乳の施設をやるには金がかかりますから、なかなかそのメリットに浴し得ないという問題もあります。それから、小売業者に与える影響ということも実はあるわけでありますから、そういったものを無秩序にやっていいということでやりますと社会的摩擦も起こりますから、そこら辺のところはお互いにやはり理解をしながら、どういうルールでやるかということをやはりコンセンサスを得ながらやっていくのが正しいやり方ではないか。全部反対というのも正しくないし、一切これは時代の流れだからすべて話無用というかっこうでやるのも正しくない。やはり話し合いのテーブルに着いて、そこで一定のルールというものを見つけながらやっていくというのが正しいルールだと思っております。そういうような形で現在両方、生産者あるいはメーカーの方々を含めましてテーブルに着いていま話をしているというところでございます。

板川正吾日本社会党

○板川分科員 終わります。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 これにて板川君の質疑は終了いたしました。  次に、小宮武喜君。

小宮武喜民社党

○小宮分科員 一つ農林大臣に質問します。  昨年の二月十日、政府が原子力船「むつ」の修理港として長崎県及び佐世保市に対して要請をしているわけですが、このためにやはり地元では両論が相対立して、非常に険悪な事態にまで発展することが予想されておるわけです。     〔主査退席、片岡主査代理着席〕 そういう中で、いよいよ四月十四日を迎えておる。こういう中で、いろいろまだまだ問題がたくさん残っておりますけれども、その反対運動をやっておる中に漁業団体が入っておるわけですが、大臣はこういうような漁業団体が反対しておるということについて、いわゆる漁業、水産の所管大臣として、あるいは閣僚の一人として、どういう態度をとっておられるのか、まずこの点から質問します。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 私は、原子力船「むつ」の問題につきましては、漁民の諸君が大きな関心を持っており、また生活の問題としてもとらえておるということで、このことを重視しておるわけでございます。と同時に、御承知のように二年前に原子力船「むつ」が青森県沖合いで漂流状態に陥りました際に、事態収拾のために私が政府の特使として参りましてあの事態を収拾をしたというようなこともございまして、この問題につきましては特別な関心を持っておるところでございます。  関係漁民の諸君が、佐世保湾内におきましても一部賛成をし、一部反対をしておるという状況も聞いております。また、対馬その他の漁民諸君も反対をしておる、そういう状況下にあるわけでございますが、まず基本は、一体「むつ」が放射能によって船体が汚染されておるのかどうか。これは専門家、学者等の検討会を青森県において二回にわたってやりまして、「むつ」は船体のどこも汚染をされていない、また原子炉を作動しないようにしておく限りにおいては心配がない。さらに、補助エンジンによって回航等の場合運航するわけでございますから、そういう点からも心配がない、こういうことを確認をいたしてはおります。しかし、長崎県下の漁民諸君は、なおいまだそれに対して疑問を投げかけておる、心配をしておる、こういう状況でございます。この点をあらゆる角度から漁民諸君に安全性について安心を与えるということがまず基本であろうか、こう思っております。  なお、関係漁民につきましては、私、直接接触はいたしておりませんが、全国漁業組合連合会等漁業団体を通じまして漁民諸君の意向というものは逐次報告も受けております。つまり、大きな関心を持って、これが関係漁民の理解のもとに、平和裏にこの問題が処理されることを心から期待をいたしておるというのが現在の心境でございます。

小宮武喜民社党

○小宮分科員 それでは大臣の姿勢は、原子力船「むつ」を佐世保港に修理に入れてもらうということについては、閣僚の一人として賛成という立場に立ちながらも、安全性の問題あるいはいろいろな問題について重要な関心を持って、いろいろ漁業団体の方々とも接触しておるということですか。漁業団体が反対しておる最大の理由というのはどこにあると思いますか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 漁民団体の直接の代表と私まだ会っておりません。     〔片岡主査代理退席、主査着席〕 会っておらぬということは、私に会うことをむしろ避けておると言う方が正しいかもしれません。ということで、反対の主なる原因が一体どこにあるかということを私は的確に判断できる段階ではございませんけれども、うわさ等によって魚価の低落等を来すおそれがないか、放射能によって汚染等の被害が出ました場合におきましては、これは原子力法によりまして国が全額賠償の責めを負うことに相なっております。ただ、うわさ等による場合におきましてはそれができないわけでございますが、そういう際に魚価安定等の対策について十分な配慮がなされるであろうかどうかというようなことも、一つの具体的な漁民諸君にとっては問題点であろう、私はこう考えておるわけでございます。と申しますことは、青森県の陸奥湾であの事態を収拾する場合にもその問題が最大の問題になりまして、それにつきましては三億円の魚価安定基金というものを私は設定することにいたしました。うわさによってホタテガイ等の魚価が低落をした場合には、この安定基金によって十分救済の措置がとれるという措置を講じた経験からいたしまして、そういうような感じがしておるわけでございます。

小宮武喜民社党

○小宮分科員 大臣は、大臣が言われたように、あの「むつ」騒動のときは政府特使として青森へ行って、一応あそこで四者協定を結んで、いまあそこに「むつ」がおれるわけですけれども、そういう立場から四者協定の中に入って大臣もいろいろ努力をされて一応事態がおさまったわけです。しかしながら、やはり四月十四日までという一つのタイムリミットがあるわけですから、それに対していまの大臣の答弁では、何か漁業団体とも接触はしておるようだけれども、その点について特に大臣はその責任が非常に重いわけですから、ああいうことを決めてさえしてもらわなければ長崎は何も心配することはなかったんで、ああいうようなことを決めるものだから長崎は迷惑する。しかしながら、そういう立場から言っても、いまの説明を聞いておるとどうも漁民の立場から、もっとそういうようないろいろな不安な問題があれば魚価の低落を来すのではないかとか、あるいは放射能の問題とかあれば、大臣の「むつ」における体験から言って、政府の方針だから閣僚の一人としてもっと積極的に漁民団体と接触をして理解を求めるような努力をすべきではないのか。「むつ」の問題は科学技術庁だから、おれは農林大臣だから関係なかというようなことでは——大臣は特に四者協定の直接の責任者ですから、そういうような意味ではもっと積極的にこの問題に取り組むべきではないのか。こう考えますけれども、どうもいまの答弁では、まあさわらぬように何か消極的な態度が見受けられますけれども、どうですか。積極的に取り組む意思がありますか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 小宮さんがそういうぐあいに私の答弁を受けとめたとすると、それはいささか違うのであります。私はいまお話があったようなことで、一日も早くこの「むつ」問題が円満裏に解決することをこいねがっておりまして、そういうようなことで、科学技術庁長官や運輸大臣とは違いまして、関係閣僚ということにはなっておりませんが、しかし私はこの関係閣僚の諸君には、ときたま出席をし、学識経験者として招かれましてこの対策には随時相談にあずかっておりますし、私の体験を通じての適切な助言も積極的にやっておるわけでございます。特に自民党の方でも特別委員会をつくりまして、根本龍太郎君がその特別委員長になって党の立場からもいろいろお骨折りを願っておるということで、根本特別委員長とも随時御相談に乗っておるわけでございます。と同時に、漁民諸君の問題につきましても、先ほど申し上げましたように、向こうは私に会いますと何か取引をしたのではないかといって下部から突き上げを食うということ等もありまして、県漁連、信漁連の会長等も私に会うことを避けておるような状況にございますけれども、全漁連等を通じまして漁民諸君にもあらゆる問題についてアドバイスもいたしておるところでございます。  また、具体的に魚価安定対策等について心配があるんだ、それをこうしてもらいたいとか、そういう漁民諸君の要望等があれば、私はむしろそれを十分踏まえましてできるだけの力添えをする、こういう考えを持っております。

小宮武喜民社党

○小宮分科員 大臣の考え方は大体わかりましたけれども、これはいよいよ今月いっぱいがもう大詰めなんです。そうすると、このことで一つの結論が出たとしても、これは依然として反対運動はやはり残っているわけですから、これは佐世保では血の雨が降るかもしれませんよ。そういう状況の中で、それだけ大臣が決意をしておれば、この問題はやはり出かけていってでも、こちらの方に来た場合は大臣とは向こうが避けて会わないようにしておるようですけれども、ほかの団体まで大臣が行くというわけにはいかぬでしょうけれども、少なくとも漁業団体あるいは水産団体、これに対してはやはり大臣が出かけていってでも説得するという努力をすべきじゃないのか、こういうふうに考えます。  そこで、いまのたとえば魚価の低落の問題等いろいろありましたけれども、大臣にもはっきり聞いておきますけれども、「むつ」でホタテガイの養殖に実際の漁業被害が直接あったのかどうか。それは直接被害がなくても、入港したということだけでも魚価が低落するという問題も起こり得るかもしれません。しかし、それは別として、直接「むつ」でホタテガイの養殖に被害があったのかどうか、その点をひとつはっきりおっしゃってください。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 直接被害は皆無でございます。ただ、あの入港反対運動のために仕事を放てきして、五十日余りにわたって漁民諸君が不安の中に仕事をやれなかった、そのために稚貝の手当てであるとかあるいは養殖施設の管理であるとか、そういう点が手抜かりになって若干稚貝等の死亡を来した、こういう点はありますが、直接被害は全然なかったということでございます。

小宮武喜民社党

○小宮分科員 これは長崎はもう大変なんです。だからこの問題は政府を挙げて、少なくともそういうような漁業団体も数百隻の船を並べて入港阻止をするということを大々的に宣伝しておるし、そういう状況の中で非常に不穏な空気が醸成されておるので、やはり農林大臣は直接漁業団体との関係が深いわけですから、所管大臣としてもそういう立場で、そういった血の雨が降るような事態を避けるためにも、この問題についてひとつ最大の努力をしてもらいたい。そのためには必要によっては長崎まで出かけてでも、こちらの方で会わぬなら押しかけていりてでも説得するという積極的な態度を示してもらいたい。以上、要望しておきます。  それからもう一つ、今度は林野庁に質問しますけれども、いま林業労働者にとって一番大きな課題は振動障害、白ろう病の対策の問題ではないか、こういうふうに考えます。したがって、白ろう病の発生についても、新聞報道によれば、こういう欠陥機械を導入した責任は、死者まで出したという責任は林野庁に大きな責任があるということで、林野庁の歴代の長官あるいは営林局長、署長に対して告訴、告発をした組合もあります。一方では、そうかといって昨年の四月十五日付の週刊新潮を見れば、これまた「林野庁作業員の半数が「ニセ白蝋病で給与タダ取り、山でバクチ」の真相」という見出しで、これは内部告発とも言えるような記事が出ておるわけですが、これはどっちかにしても、週刊新潮の記事が事実かどうかはわかりませんけれども、また一方では告発しておるというような問題を考えた場合、この問題はいずれにしても大きな問題だと思うのですよ。これに対して、いわゆる週刊新潮に記載されておったようなああいう記事に対して、たとえば長官としての見解はどうですか。

藍原義邦林野庁長官

○藍原政府委員 例の振動によります振動障害の問題につきましては、私どもといたしましても非常に重要な問題であるという気構えで現在取り組んでおります。先生ただいま御指摘になりました一部患者の療養中の行為につきまして、私どもといたしましては医者の診断によりまして、その結果に基づいて公務上の疾病であるかどうか適正な認定をしておりますし、療養中の管理につきましては、医師と十分連絡をとりながら適正な療養管理ができるような指導をしておるわけでございますけれども、一部に行き届かない点が確かにあったという点もございましたので、昨年の四月、林野庁長官名で療養中の生活管理等を含めまして遺漏ないような指導をするよう通達を出して、私どもとしても今後そういうことのないように十分対応しておる次第でございます。

小宮武喜民社党

○小宮分科員 時間がございませんので、駆け足で行きます。  いろいろ質問したいことがたくさんあるのですが、いわゆるその認定の基準というのはどうなっておるのか。たとえば国が指定した病院で診断をして認定しておるのか、みんなそれぞれの病院に行って、それで行った先の病院で認定された者は、うんよし、これは白ろう病だ、それですぐ林野庁自体が認定する仕組みになっておるのか、その点の認定基準の問題。  もう一つは治癒基準の問題、これもやはりどうなっておるのか。時間がございませんから、認定基準の問題、どういうふうにして認定しておるのかということを、その基準があるのかどうか、治癒基準はどうしているのかということをひとつ御答弁願いたい。

藍原義邦林野庁長官

○藍原政府委員 認定につきましては、先ほど申し上げましたように、医師の各種診断の結果を私どもいただきまして、その結果に基づきまして適正な認定をいたしております。  それから治癒基準につきましては、現在の医学ではなかなかまだむずかしい問題、解明されていない問題がございますので、私ども人事院等にも早くこの治癒基準等を解決していただくようにお願いしてありますし、ただいま労働省、厚生省、林野庁、三者で協議会を設けまして、その中でも十分早くそういう問題が解決できるように協力していただいて、努力していただくようなお願いをいたしております。

小宮武喜民社党

○小宮分科員 もう時間がございませんからやりとりする時間がありませんけれども、労働省来ておりますか。  労働省として、いろいろ小さい質問のやりとりはできませんけれども、たとえば先進林業国のこういうふうな職業病の実態はどうなっておるのかということと、調査されたことはないのか、あったら私はやはりその調査結果を報告してもらいたいということと、やはりそういった実態調査というものをやっていなければ早急にやるべきだということと、もう一つ、私はほかの産業に働く人たちとの比較の問題を聞きたいのだけれども、時間がないけれども、いわゆる振動工具というものを使っておる業種は林野庁のチェーンソーだけではない。チェーンソー以上に振動工具を使っておる業種は、鉄鋼だって造船だってどこでもありますよ。たとえばニューマチックを使う、あるいは削岩機を使う、これはチェーンソー以上の振動工具なんですよ。こういうふうなところにそれら振動病、職業病として白ろう病が発生しておるのかどうか。以前は造船関係でも、三十五、六年まではすべて船はリベット、ニューマチックを使う。これほどの振動工具はないのですよ。だからそういうようなものに対して労働省として調査したことがあるのかどうか。そういうふうな振動工具を使う業種を——たとえハンマーを振るうにしたって、これは振動工具なんです。それこそチェーンソーどころじゃないですよ。だからそういった業種の振動工具を使って作業しておられる人たちにそういうふうな白ろう病、振動障害というものはどういうふうに発生しておるのか、現状どうなっておるのか。また、そういうようなことを調べておらなければ調べてもらいたい。そうしなければやはりわれわれが公正な判断を下すということについてもちょっと無理がありますから、労働省にはもう時間がないからそれだけ聞いておきます。

溝辺秀郎労働省労働基準局補償課長

○溝辺説明員 諸外国に振動病がどのような状態で発症をしておるか、それを国としてつかまえているかというお話でございますが、私ども、先ほど林野庁のお答えのように、認定基準、それから治療基準などをつくっておりますが、この中で諸外国事例もできる限りのものをつかまえつつ仕事はいたしております。しかし、限られたものでございますからすべての国についてはわかっておりませんが、わかっている国もあるということを御答弁申し上げておきたいと思います。  それから林業以外のものにつきましては、林業のほかに鉱業、それから採石業、建設業その他に出ておりまして、昭和五十年度におきましては百三十二件ばかりを認定をいたしております。

小宮武喜民社党

○小宮分科員 やりとりはちょっと時間がありませんから、また戻って林野庁に。国有林野事業に従事する人たちのいわゆる定員外職員の常勤化の問題が出ておりまして、これは私も経過をよく知っておるのですけれども、四月一日から実際は実施ということになっておるはずですね。しかしながら、実施するにしても、いまの三万二、三千おる中で二万人ぐらい常勤化しようということですが、その常勤化するに当たってのいわゆる常勤化の基準というものをどのようにお考えでおられるか、その点いかがですか。

藍原義邦林野庁長官

○藍原政府委員 ただいま先生お話ございました常勤制度に切りかえる問題につきましては、ただいま労使間で鋭意検討を進めておりまして、まだ具体的にどういう基準でこの制度を発足させるかというところまで詰まっておりません。

小宮武喜民社党

○小宮分科員 決まっておらぬなら、私は一言意見を付しておきたいと思います。というのは、やはりこれは公務員ですから、それで特に国有林野の優秀な基幹要員としての資格を有しておらなければならぬことはもう当然なことですね。そういう場合に、いやしくも公務員として、たとえば刑事事件だとかあるいは破廉恥行為のあった者、あるいは違法ストでも反復してしょっちゅう行っておる者、こういうような人の立場で、全部その優秀な基幹要員として資格があるかどうかということについていささか疑問を持つものです。したがって、そういうような点について、これは大臣も聞いておってもらわなければいかぬけれども、いわゆる民間の企業、あるいは民間の普通の刑事事件を見ても、たとえば初犯までは情状酌量の余地はあっても、同じ刑事犯にしても累犯を重ねていけば、これは刑は重くなるのです。それが官公労働者の場合は、みんな訓戒、厳重注意ということで、五回でも六回でも繰り返しておるわけです。こういうあり方にも問題を感ずるわけですが、少なくとも戒告以上ぐらいの人は資格から、対象から外すべきだ、こういうふうに考えます。最近の違法ストをやった場合の処分の仕方を見ておると、どこでもなるほど数は一万人やった、二万人やったと言っているけれども、中身を見れば、みんな格下げで、厳重注意だとかそういうことの数が多くて、実際の具体的な処罰的な対象になっている戒告以上の人たちは案外少ないのです。だから、これでは本当にいまの国有林野事業はこれから——すでに国鉄、電報、米、三つに加わって国有林野事業、いま四件やっておるわけでしょう。いまはもう毎年毎年借金でしょう。そういう中でまずやはり姿勢を正してもらわなければ困りますよ。そういうことで、私の意見を申し上げましたけれども、いま労働組合との関係いろいろあるというのは、意見がまとまらぬというのは、大体そういうような点で問題になっておるのじゃないですか。そういった場合に、やはり林野庁としても毅然たる姿勢をとってもらいたいということを要望いたしますから、長官も何か意見があれば言ってもらう。大臣からは、特に私がいま言ったような常勤化の問題、白ろう病の問題含めてひとつ所見を言ってください。

藍原義邦林野庁長官

○藍原政府委員 先ほど私、まだ基準が決まっていないと申し上げましたのは、労使間で決まっていないということでございまして、当局といたしましては、当然、経営合理化の進展の中で基幹的な要員について、さらに林野の中心的な仕事をやる人、また年齢も一定基準以下というような考え方で折衝しておる段階でございます。  また先生のおっしゃいました任用に当たっての問題でございますけれども、当然、基準をつくることと任用とは別問題になりますけれども、公務員でございますので人事院規則等に照らし合わせまして、成績の悪い者を任用するということについてはやはり問題があるということで、その辺については今後慎重に対応し、他省庁との関連等も十分見ながら対応してまいりたいと考えております。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 この常用化の問題は、国有林野事業運営の基幹要員の身分を安定させよう、こういう問題で、非常に重要な問題でございます。したがいまして、いま長官からも申し上げましたように、この問題はできるだけ早期に解決をしたいということで前向きで取り組んでおりますが、具体的な問題はこれから十分慎重に、適正に処理してまいりたい、こう考えております。

小宮武喜民社党

○小宮分科員 われわれもこの問題については非常な関心を持っておりますので、今後とも推移を見守っていきたいと思いますけれども、きょうは時間がございませんから、いずれまた農林水産委員会あたりでこの問題はもっと掘り下げてひとつやりたいと思いますので、私の質問はこれで終わります。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 これにて小宮君の質疑は終了いたしました。  午後二時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。     午後一時二分休憩      ————◇—————     午後二時三十七分開議

伊東正義自由民主党

○伊東主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  農林省所管について質疑を続行いたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。権藤恒夫君。

権藤恒夫公明党・国民会議

○権藤分科員 私は、ノリの養殖の経営安定、それから漁場の保全その他につきまして質問したいと思います。質問が多いようですから簡単に要旨だけ申し上げたいと思いますので、よろしく御答弁をお願いいたします。  最近のノリの養殖業でございますけれども、近年冷凍網の技術革新によりまして、かなり生産が過剰になっておるんじゃないかというふうに考えられます。そのためにノリの価格が非常に不安定で、またその反面、生産資材がかなり値上がりをしておりまして、そのために水産庁は生産目標数量を設定して、各漁連を通して指導をしてあるというふうに聞いております。けれども、やはり生産を上げなければ生活ができないというふうな状態の中で非常に厳しい、これが現実であります。政府はノリの価格の安定とノリ業者の経営の安定のためにこれらの対策を今後どういうふうに講じていかれるお考えなのか、それについてお伺いしたいと思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 ノリの養殖事業は、沿岸漁業者にとりましては非常に重要な養殖事業でございます。政府としても、できるだけノリ養殖事業を今後安定をさせてまいりたいという考えを持っておりまして、そのためには権藤さんのお話にもございましたように、技術革新によって相当生産が伸びてきております。その反面、また価格の面で若干不安な面も出てきておるわけでございます。そのようなことから保管のための倉庫等の施設、そういうものがどうしても必要になってくるわけでございまして、これは沿岸漁業構造改善事業等によりまして助成をしながら、ノリ保管倉庫を整備をしていくということが第一点でございます。  第二点は、調整保管等を季節的にもやりまして、どうしても価格の維持安定を図るということが必要でございますから、全漁連等漁業組合系統団体による共販事業を育成をするというようにいたしておりまして、系統団体による調整保管事業というものによって価格の安定を図るというのが第二点でございます。その調整保管に当たりましては、当然金利とかあるいは倉敷料とか、そういうものがかかるわけでございますが、また場合によれば、調整保管をしたものが放出の際に値下がりをするというようなこともございます。したがいまして、価格安定対策の指定品目に指定をいたしておりまして、調整保管に対して価格安定制度による措置を講じてまいる、こういうことにいたしておるところでございます。

権藤恒夫公明党・国民会議

○権藤分科員 大臣はこの水産業につきましてはかなり力を入れておるようでございますので、どうかこれら零細な方々が困らないように、ひとつ今後とも一層の尽力を賜りたいと思います。  次に、昨年の十月ごろからことしの一月にかけまして、有明湾のノリが大変な被害を受けておるわけでございますけれども、この原因についていろいろと言われておりますが、被害状況、またその原因等につきまして、ひとつ調査してあればそれを伺いたいと思います。

岡安誠水産庁長官

○岡安政府委員 お話のとおり、有明海沿岸のノリは、最近大分被害を受けたようでございますが、特に福岡県の沿岸寄りの被害につきましては、これは福岡県の水産試験場等の調査によりますと、ツボ状菌の付着による、それが原因になりまして非常に減収を来たしているというふうに私どもは考えております。御指摘のとおり、十二月の生産量は前年対比二二%ぐらいという非常な減産をいたしたわけでございますが、その後私ども冷凍してあります網の交換等を指導いたしまして生産の回復に努めました結果、二月の生産は前年対比一二九というように回復をいたしました。したがって、今後もなお生産が若干続くわけでございますけれども、最終的には前年対比七〇%程度の生産、いわば三〇%くらいの減産にとどまるのではあるまいかというふうに考えております。

権藤恒夫公明党・国民会議

○権藤分科員 いまおっしゃるとおり七〇%ぐらいには回復できるのではないかと思います。けれども、これはトータルの問題でございまして、個別にいきますと生産皆無というところが約百四十戸ぐらいは出るのではないかと思います。でございますから、今後とも実態をよく調査していただきまして、こういう方々が再生産されるようなそういう援助をぜひともとっていただきたいというふうに思うわけでございます。  それに関連しまして、一番問題になってまいりますのは、やはり金融の問題だと思うわけでございます。私が調査しております範囲では、大体十七億ぐらいの減収だと言われておるわけでございます。したがいまして、このような被害漁民に対してどのような救済措置をお考えになっておるか、それをひとつお伺いしたいと思います。

岡安誠水産庁長官

○岡安政府委員 それでは、大体順序によりまして私どものすでにとってきた施策、それから今後考えられる施策について申し上げたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、やはりツボ状菌が付着いたしました網の交換ということを指導いたしたわけでございます。それによって生産が相当回復しておりますが、その網の購入等につきましては、近代化資金の貸し付けというものを指導いたしまして、それによってまず対処いたしておるわけでございます。  それから、経営が非常に困難な方々がおられますので、それらの方々に対しましては、現在県単の融資というものが行われておりまして、それによっても救済が行われております。  それから、やはりこのノリ養殖は漁業災害補償法に基づきます養殖共済の対象になっておりますので、大体まだ共済期間が三月の半ばぐらいまででございますが、その共済責任期間が終了いたしましたならば、直ちに被害状況を調査いたしまして、早期に共済金の支払いというものをいたしたい。まだはっきりはいたしておりませんけれども、概算二億円前後の共済金が支払われるのではあるまいかというふうに、これもまだ推定でございますが、そういうことを考えております。  なお、そういうような措置をいたしましても、なおかつ返済資金等でお困りの方があるやに聞いておりまして、それらにつきましては、すでに近代化資金の償還期限の延期といいますか、一月中に償還期限が来た方々に対しましては六カ月間、次期の償還期限までこの償還を延期するという措置もすでに行われております。さらに今後いろいろ資金の必要な方々には、経営維持安定資金とか公庫にございます経営安定資金等の融資もいたしたい、かように考えております。

権藤恒夫公明党・国民会議

○権藤分科員 おっしゃるとおり、県の方が応急措置といたしまして、約二億ほどの融資をして急場をしのいだわけですが、共済金の支払いが五月の査定ということでございます。したがいまして、この査定を早急にやっていただいて、支給を早めてもらうようにぜひともひとつ措置をしていただきたい。  それから、安定資金の方でございますけれども、このようになってまいりますと、ことしの生産の準備にかからなければならない。ですから、上がりました若干の収益からそれに充当することは困難でございますので、県の方からも昨年並みの約九億の融資枠はぜひともひとつ確保してほしいという要請があったわけでございます。水産庁の方にもその旨はもう御連絡があったと思いますけれども、昨年の枠を拡大をしてでも救済をしてほしい、こういうふうに強く要望したいと思います。  それから、漁業災害補償制度についてお伺いしたいのですが、同法の百二十三条によりますと、赤潮の被害は共済の免責事項となっておるようでございます。そういう意味で、赤潮につきましては別途同省令の規定によって赤潮特約、これを設けて、特約料率三分の二を国が持ち、三分の一を自治体が負担するということになっておるわけであります。そうして漁業被害を救済しておりますが、このツボ状菌がどのような状態の中で発生するかというような現状が把握されておらない今日におきまして、私はこのツボ状菌も赤潮と同様な措置が講じられないかどうか、このことについてお伺いしたいと思います。

岡安誠水産庁長官

○岡安政府委員 まず経営維持安定資金につきましては、五十二年度におきまして本年度と同額の六百億円の融資をいたしたいということで、いま予算の御審議をお願いしておるわけでございますので、その配分に当たりましては、当然本県のそういう実情等も十分勘案いたしまして配分を決定いたしたいというように考えております。  それから二番目の、今回のツボ状菌による被害を赤潮特約並みの扱いはできないかという御質問でございます。これは先生御承知のとおり、養殖共済におきましては、自然原因によるということを共済事項の対象にいたしておりまして、これは自然原因以外の場合には免責事由に該当するということで共済金の対象になり得ないということになっております。私どもは、先ほど申し上げましたとおり、福岡県の水産試験場の調査によりまして、これはツボ状菌の付着ということで自然原因であろうということになっておりますので、私どもそういうつもりで共済金の支払い対象になる共済事項として扱いたいと思っております。  なお、このツボ状菌の生育状態、その他生理関係につきましては、不明の点なお御指摘のとおりございます。そこで、五十二年度におきましては、国の水産研究所におきまして、この病気の原因、また、これは伝染性のようでございますので、それらの経路等につきましては、さらに研究を深めたいと思っておりますが、いずれにしろ、これは自然原因であろうと思っております。赤潮は、これも先生御承知と思いますけれども、大体通常のもの以外は、特に異常な赤潮は海水の富栄養化によりまして発生するということが定説でございまして、これは工場排水なり家庭排水の多量の流入によりまして、富栄養化が異常な限度まで達した場合にこれは自然現象として発生をいたします。原因は、これは人為的な原因であるというふうに私どもは考えまして、従来共済事故その他の対象にいたしておらないわけでございますが、やはり異常な赤潮の特殊性にかんがみましてこれは放置できない。原因者が工場排水なり家庭排水であるといたしましても特定ができないということもございまして、これはまさにそういうような赤潮の特性からして私どもは特約という制度を設けまして、その掛金等につきましては国と地方公共団体が負担をいたしまして漁業者に負担をかけないという特別の制度を設けているわけでございます。したがって、御指摘ではございますけれども、ツボ状菌の発生による減収につきまして、赤潮と同じような扱いはちょっと困難ではなかろうかというふうに思っております。

権藤恒夫公明党・国民会議

○権藤分科員 有明海の汚濁というものは、もう私が申し上げるまでもございません、御承知のとおりでございます。ですからツボ状菌がどういう状態の中で発生しているかということをひとつ研究していただいて、生産意欲をそぐことのないような体制をとってもらいたい。そういう中で考えられることがあるならば、赤潮特約と同じような、そういうこともひとつ検討してもらいたいということを申し上げておきます。  次に漁業共済の不漁準備金制度の創設につきまして若干お尋ねしたいと思います。最近のように、特に有明におきましては、生活排水、工場排水等によってかなり汚濁しておるわけであります。またそのほかに、潮流の問題や海象現象等の変化によりまして漁業変動がかなりあるわけであります。そこで、漁業者が好漁の際に数年分の共済掛金を前払いをして不慮の不漁に備えていっている、これまた私は当然考えていかなければならないことだろうと思うわけでございます。こういうことを考え合わせまして、本制度に不漁準備積立金というものを認めたらどうかというような提案でございます。そしてこれを非課税というような措置をとっていくことも私は今後のこのような漁業者に対していい措置ではないかと思っておるわけでございますが、この考えについてはどういう御意見でございますか。

岡安誠水産庁長官

○岡安政府委員 御指摘のとおり漁業共済の中の漁獲共済というのは、不漁の場合に備えましてあらかじめ掛金を納入して不漁に対する共済金の支払いを受けるという制度でございますが、先生の御指摘は不漁年になかなか共済金の支払いも十分円滑に行われがたいので、あらかじめ豊漁の年に掛金を前払いといいますか積み立てておいて、それで支出の平準化というものを図ったらどうかという御指摘、確かに私どももそういうようにいたしますれば、加入の促進にもなるし、また漁業者に対する支払い負担というものを軽減するお考えだというふうに思っております。  そこで、私どもも十分今後の漁獲共済の運営につきましては、そういう税金の免税といいますか軽減の御指摘もございましたけれども、そういうものもあわせましてひとつ検討させていただきたいというふうに思っております。

権藤恒夫公明党・国民会議

○権藤分科員 この制度はひとつぜひ前向きに検討してほしいと思います。  次に漁場問題につきましてお伺いしておきたいと思います。とにかく有明の養殖ノリは全国で一、二というような実績を上げておるわけでございます。ところがこの有明に最近有明炭鉱が開発されまして、毎分三十トン、一日約五万五、六千トンの炭鉱の排水がなされておるわけでございますけれども、これはいままでアカガイでありますとかタイラギ、また雑魚、有名なムツゴロウという雑魚がおるわけでございますが、このようなものがとれないようになっている。したがいまして、やむなくノリに転向しておるわけでございます。そういうようなノリ漁民がこの炭鉱排水でかなり脅かされておるわけでございます。そういうこともひとつぜひ解決するように努力をしてもらいたい。  そこで環境庁にお伺いしたいのでございますが、この排水の水質、それから排水の温度、また排出されました排水による海水の比重、こういうことについて調査をされておるかどうか、お聞きしたいと思います。

島田隆志環境庁水質保全局水質規制課長

○島田説明員 有明炭鉱の地先海域につきましては、福岡県の測定計画に基づきまして測点を置きまして、従来から公共水域の水質の監視を行ってきておるわけでございますが、被害がございました直後にも測定しております。それから有明炭鉱の排水はどうなっているかという点につきましても、問題になりました直後福岡県が立入検査をやりまして調査をしております。  その結果、国で決められております環境基準項目あるいは排水基準項目についてはすべて満足しておる状態でございます。決めておりません塩分ですとかあるいは温度ですとか、そういうものにつきましても測定を行っておるわけでございますが、一応いまのところはまだ、温度ですとか塩分ですとか、そういうものにつきましては基準を決めていないわけでございます。おおむね通常の状態で温度は二十四度というような報告を受けております。これは炭鉱の方でございます。  それから公共用水域につきましても、国で定めている基準としましてはPHとか溶存酸素、CODだけでございますが、そのほかに水温、大体十四度前後ということでございます。そのほか塩素濃度も調べております。

権藤恒夫公明党・国民会議

○権藤分科員 その温度なんですけれども、いま排水の規制の中に温度が規制されていないわけです。ですから、御承知のとおり非常に遠浅でございまして、その海岸からずっと一帯ノリを養殖しておるわけですが、その中に二十四度、高いときは二十六度の水がどんどん放水されているわけでございますから、これはノリの養殖にはかなりの影響がある。ただそれの調査が困難であるということだけでありまして、影響があっていることは、私はもう事実だと思うのです。ですから今後近郷に好漁の漁場があるというような条件のところでは、やはり温度の規制をするというふうに考えるべきであろう、こういうふうに思うわけであります。それから総量規制といいますか排水の量の規制、そうしませんと、一方では莫大な財政資金を投入して漁場を確保している、一方ではどんどん漁場を荒らしている。だれが一体被害を受けるかというと国民であり、その有明海を生活の根拠として働いている漁民であるわけであります。そういうところは、ひとつ今後環境を保全するという意味からも、また漁民の生活を守るという意味からも、私は明確にしていっていただきたい、こういうふうに強く要求しておきます。  次に、調査をされて排水基準内である、こういうふうにおっしゃっておりますけれども、事実私も県の方と一緒に調べておりますので、よく承知しております。しかしあの有明炭鉱は海底を掘っておるわけであります。その漏水を防ぐためには特殊なセメントを使っております。そのセメントの成分が酸化カルシウムであるわけです。これが複合して、そしてノリの生育に最も必要な炭酸ガスを吸収している。それが光合成を妨げてノリの育成に大きな障害になるということも言われております。したがいまして、ぜひともこの排水を灌漑用水として使用できるくらいのものにして、そして海へ放流するというようなこともぜひとも考えていただきたい。しかしながら、これは莫大な資金がかかることでございますので、炭鉱独自でやれと言っても無理だと思います。国の助成なんかも講じて、少なくとも灌漑用水に利用できるくらいに浄化をして放流をするというようなことをぜひともひとつやっていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。

島田隆志環境庁水質保全局水質規制課長

○島田説明員 温排水につきましては、特に最近、原子力発電所ですとかあるいは火力発電所あたりで非常に大量に冷却用水として使いましたその温排水が、先生御指摘のとおりいろいろな水生生物なんかに影響を及ぼすというようなことも指摘されております。従来から、中央公害対策審議会の中で基準を早期につくるべく方向で検討もしていただいております。ただいかんせん、生物等の温度との影響だとかまだ科学的に解明されていない問題が非常に多いということでいまだに基準をつくるまでに至っておりませんが、その方向で調査検討を進めております。今後とも努力していくつもりでございます。

権藤恒夫公明党・国民会議

○権藤分科員 早急に実現していくように努力をしていただきたいと思います。  それから、陸上におきましては地盤沈下、これはかなり規制されておるようでございますけれども、海底の地盤沈下は何ら法的規制がないわけでございますが、海で生活をしている人にかなり影響を来しておる、こういうふうに思うわけでございますが、今後そういうようなことを考えるお考えがあるかどうかお聞きしたいと思います。

清滝昌三郎通商産業省立地公害局石炭課長

○清滝説明員 お答えいたします。  海底下の石炭を採掘いたします結果、海底が陥没するという現象が懸念されるわけでございますけれども、これを防止いたしますために鉱山保安法で海底の特別掘削計画というものを立てさせまして、海底が陥没しないような方法を実は採掘法としてとらせておるわけでございます。また現在は採炭をいたしましてからまだ日が浅いということで、現状ではまだそういった証拠は十分把握されておりません。しかし今後の問題といたしまして、そういう状況につきましては関係方面と十分協力いたしまして調査をさせようというつもりでおります。

権藤恒夫公明党・国民会議

○権藤分科員 大臣、以上のとおりでございますが、かなり厳しい状態の中で一生懸命に生産を努力をして続けております漁民に対して温かい措置を講じていただきますようにぜひともひとつお願いしたい。  それから、八女地方がやはり本年の雪害におきまして、お茶がほとんど全滅しました。三年間は生産されぬだろう、こういうふうに言われております。こういう方々に対しましても、やはり東北で災害救助法が適用されておりますが、そういうような中で農家の方が再生産できるように、意欲を持ってやれるように、ぜひともひとつ温かい救済措置を講じていただきますようお願いしたいと思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 いま実情につきまして詳細な御説明がございました。私ども、それらのことを踏まえましてできるだけの措置を講じてまいりたいと考えております。

権藤恒夫公明党・国民会議

○権藤分科員 以上で終わります。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 これにて権藤君の質疑は終了いたしました。  次に、久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 私は、農業者の農作業の安全対策あるいは労働災害の問題、そういう問題についてだけお伺いしたいと思うのです。この問題は農林水産委員会でもたびたび問題になったことだと思っておりますが、施策の方は必ずしも前進していないようにわれわれは思うのであります。  そこで、農業機械による災害でありますが、農林省の調査に見ますと、重傷と言われる者だけでも、これは推測でありますが、約四万人くらい年間あるようです。というのは、集落を抽出しての調査で、これは二百五十分の一の抽出でやった調査でありますが、その四十九年度のところで見ますと、重傷というのは御承知のように一週間以上休業したものですが、これが百七十六になっています。これを簡単に二百五十倍しますと、四万ですね。軽傷と言われる者が、これも約百あるわけです。死亡が、この調査でも三人あるわけです。こういうものを見ますと、軽傷なんというのは、農家のことでありますから、記憶をたどっての調査では忘れたものもあるだろうし、ということでありますから、いろいろ考えますと、十万近く、機械というかそういうものだけで事故に遭っている、あるいは事故を受けているというふうに思うわけであります。片方、農薬によるものの調べでありますが、これは死亡と中毒でありまして、これは正確なのだろうと思うのでありますが、調査の中では、死んだ者だけでも、五十年はちょっと少ないようですが十二人、中毒が二百三十九いるわけです。そのほかに農作業中に機械や農薬以外に事故に遭っている、たとえば転落したとかというようなことを考えますと、かなり問題が深刻だと思うのです。私の選挙区はゴボウの特産地があるのですが、ゴボウを掘るのには、もともとゴボウ掘りの機械ではないのでありますが、みぞ掘りの機械であるトレンチャー、これを使っていたわけです。最近までこれには覆いをつけておらない。もっともみぞ掘りの場合は余り問題ないのでありますが、ゴボウ掘りに使う場合は、みぞの両側にゴボウがあるわけでありますから、それをとろうとして穴の中に足を踏み込む、そこでトレンチャーのカッター部にひっかかるということで思わぬ大けがをするわけですね。最近農林省は、昨年予算をとりまして、一応農業機械安全装備基準というのを設けて、やはりトレンチャーには覆いを——いまごろと言ったら失礼かもしれませんが、いまごろになって覆いをつけることになったのでありますが、これはつけることになったから遅くてもいいと思うのですが、そういう事故がたくさんあるわけなんですね。かたがた御承知のように農業災害に対しては労災の特別加入制度がありまして、これで多少の加入があって労災の適用を受けている。しかしこれは加入がちっとも伸びていないのですね。だからこれは労働省の制度に、言うならひさしを借りているようなもので、労働省にすれば本業というか、自分の守備範囲ではなくて、ちょっと制度の片端貸してあげましょうという程度だろうと思うのです。そういう問題を考えますと、ここで何かせなければいかぬという感じがするわけです。  そこで、まずさしあたりお伺いしたいのでありますが、農林省として、いま農業の機械あるいは農薬、これはそれぞれの法律がございますが、農薬については農薬取締法がありますから、多少これは厳しいというか、取り締まりというか、安全のこともこれは言及しているわけです。ただし、これは使用の安全なんですね。農業機械化促進法というのは、機械を導入するについて性能のいいものを導入するというのが中心のようなんですね。だから、使用について安全という問題は中に隠れているわけです。先ほど申し上げた農業機械安全装備基準というのも基準で、指導要綱と言ったらちょっとなんですが、そういうものをつけているものについて、たとえば農業施策の中での助成金あるいは補助金というか、そういうものの対象になりますと言って、言うならば間接的な導入なんですね。それで、言うならば、くつを隔てて足をかくという感がなきにしもあらずなんですが、農林省としてはこういう問題についてどういうふうに考えておられるのか。  それからもう一つは、労働省からも審議官来ておりますね。先ほどぼくが申し上げたように、労働省としても非常にやりにくいのではないかと思うのですね。この農業者に対する特別加入制度についていまどういうふうに考えておられるか、お答えいただきたい。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○堀川政府委員 農作業中に農業者が事故に遭わないで所期の作業が進められるということが非常に重要なことであることはかねて私どもも認識をしておるところでございまして、御指摘の農業機械によります事故の多発の傾向というようなことは大変悲しむべきことでございます。農業機械によります死亡事故が、若干数ではございますが近年少し増加しておるというような状況でございます。  農薬の方は死亡事故はそれほど多くございません。それから障害とかその他農薬によります中毒等入れますといろいろな事故があるわけでございまして、このため私どもといたしましては、農業機械につきましては二つの側面があると存じます。  一つは、農業機械化に伴いまして、それを使いますところの使用者側、農業者側の知識なり操作技術というものの向上を図りまして、農作業が安全に遂行できるようにするという側面と、もう一つは農業機械自体が、いろいろの装置等に工夫をこらしまして安全な性格を有するということにする、こういう二つの側面があるかと思います。その他使用上の種々の環境条件がいろいろ違うものですから、そういう問題も広く言えばあるかと思いますが、主要な点はその二つの点ではなかろうかと思います。  そこで私どもとしては、都道府県に補助を行いまして、都道府県には機械化研修施設等が四十四道府県にもうすでにあるわけでございまして、かなり多くの農業者の方々等が研修を受けておられます。こういう施設における研修の実施あるいは技能の認定の実施、その他安全の知識、技術の啓蒙、普及というようなことにつきまして助成を行ってやっておる。あるいは、先生いま御言及になりました農業機械の安全装備基準を四十九年の秋に策定をいたしまして、これに従って機械メーカーも安全な装備を備えた機械をつくるように指導すると同時に、農業者の側におきましても農作業の安全の基準を守ってやってほしいということで、機械を用いる作業の安全基準を通達をいたし、それを普及所その他関係機関に流しまして、安全な機械の使用に努めるということにいたしておるわけでございます。  なお、農業機械化研究所がございまして、ここにおきまして農機具の型式検査をしておるわけでございますが、この型式検査の中に安全性に関する項目を加えまして実行しておるほか、五十一年度からは型式検査のその安全項目の部分を抜き出しまして、対象機種も主要な二十二機種を対象にいたしまして、これはこの機種の生産額に対しましておよそ九五%程度が受検をされるというふうに思っております。つまり大部分の主要機種のものが受検されるというふうに考えておりますが、この二十二機種を対象にしたところの安全鑑定ということを実施しておりまして、先ほど申しました型式検査なりあるいはこの安全鑑定、これに受かったものでないと国の制度融資や助成の対象にいたさない、先生おっしゃったようなことでございますが、そういう態度で指導をいたしておるほか、農業機械化研究所におきまして基礎的な農作業の安全性に関する調査研究も進めておるわけでございます。  農薬の関係につきましては、これは御案内のように、農薬の登録に当たりまして、なるべく低毒性の農薬を使っていただくという趣旨で、毒物相当以上の毒性の強い農薬につきましては登録申請しないように行政指導をしておるほか、毎年農薬の使用が多くなる六月ごろから、全国的に農薬の危害防止運動を厚生省、都道府県と共同主催で農林省が加わりまして展開をしております。ここで農薬の適正使用等の啓発宣伝なり講習会の開催、あるいはところによりまして健康管理までやっておるというようなことでございます。  また、農薬の販売業者、防除業者というような取り扱いの業者に対しましても、関係法令のほか農薬の保管管理なり適正使用に関します研修を実施しておる。あるいはまた農家の防除組織の育成というようなことを通じまして、農業者が適正な農薬の保管管理を行い、使用後の容器等の始末もきちんとやるというようなことを指導をいたしまして、危害の未然防止に努めておる次第でございます。  なお、御言及のございました農業機械による事故災害に対しまして補償制度の関係でございますが、これにつきましては御案内のように四十年の十一月から、特定の農業機械を使用して農作業を行う農業者なりあるいは自営農業者等につきまして労働者災害補償保険法による特別加入の制度の道が開かれており、これにつきましては現在事業主等の関係で二万六千人、指定農業機械作業従事者の関係で二万五千人という加入者の状況でございます。制度が始まりましてかなりたつわけでございますが、目下のところ加入者が少ないというふうに私ども考えております。その原因、いろいろ考えてみておるわけでございますが、どうも格別保険料が高いというふうにも思えないわけでございまして、やはりこれは基本的には農業者に対します私どもの啓蒙、普及が足らないのではないかというふうに思うわけでございます。その他の事情もいろいろとあると思いますので、検討を続けていきたいというふうに思っておりますが、今後ともPRを徹底いたしまして、できるだけ多くの方にこの制度の御活用を願うようにしたいというふうに考えておるわけでございます。  なお、農薬の関係につきましては、まあ農薬の関係は死亡事故が少ないということと、事故がございました場合、中毒を含んででございますが、そのほとんどが農薬散布者の不注意に起因するものであると、私ども都道府県からの報告を分析をいたしますと、さような結果になっておりますので、散布作業者等の適正使用の指導徹底によって事故を回避するということが基本ではないかというふうに考えておるわけでございます。

松尾弘一労働大臣官房審議官

○松尾政府委員 先生御指摘いただきました労災加入でございますが、いま御説明もありましたように、昭和四十年に特別加入制度を認めることにいたしましたが、その後新しい災害を発生しやすい機械の増加、そういうようなものも加えてまいりますとともに、また一方、お手伝いといいますか自己作業のみならず、他の農村の応援に出かけるという場合も適用を図るなどやってまいっておりまして、結果的には、いまありましたように、団体数で言えば三百八十七、適用対象農業業従事者約四万というふうに相なっております。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 お話がありましたが、一々折り返しお尋ねする時間もありませんから、二、三重ねてお伺いするのですが、いま農薬の事故はほとんどが使用上の不注意によるものである、こう言ったのですが、これは不注意というのは、不注意があれば事故になるということでは、逆な言い方をすると安全ではないと思うのですね。しかも、こういう農薬のようなかなり劇物、毒物というか、そういうものに非常に近いものは、不注意といっても、注意してもなかなかそう簡単にはいかない。しかも、これは屋外で、気象条件の変化につれていろいろな問題が出てくると思うのですね。たとえば、風の向きがいまちょっと前までは南に吹いていた、ところが今度はそうではなくて、別な方に吹いてきたというようなことで、散布上によるところの被害が出てきたりする。そういうものも注意すればできるのだと言えばそれまでの話でありますが、広い、しかも屋外で気象条件の変化が微妙にあるところで、非常に注意をしなければならぬような農薬を扱うというのは、それ自身問題だと思うのですね。だから、本来なら農薬というのは、毒物、劇物というかそういうものに近いものでないものを開発してもらうというのが理想だと思うのです。これはそう言ったってなかなか簡単にいかないと思うのです。しかし、それができないとするならば、やはり防護措置というか、これはもう少し考えなければいかぬ。  それからもう一つは、効率がいいからといって、安全性に欠けるものを使うことは大変だと思うのですね。効率が多少悪くても、やはり安全性を基準にしてやっていく。だから農薬の登録については、そのいう基準をもっと厳しく再検討しなければいかぬと私は思うのです。  それからもう一つは、死亡事故は少ない、薬のことですから直ちに死ぬような薬はもちろん使っておりません。しかし、中毒というのがあるのですね。中毒というのは慢性的に出てくると思うのです。こっちにお医者さんがいるから……。そのうちにだんだん別な病気が出てくるということで、原因不明ということで農薬ではないというふうになるのかもしれぬ。だから、そういう点を考えるというと、これは登録に当たってもう少し厳格にやるべきだと思うのです。そういうことでなくて、ただ不注意であるということだけで片をつけていくことは、農業者のためにもならぬし、間違いではないかというふうに私は思うのです。  それからもう一つ、農業機械の問題でありますが、これは農業機械研究所が鑑定するということですね。鑑定はまあいいと思うのです。それから御説明によれば、安全についても——私が持っている法律はちょっと古いのかもしれませんが、安全についての鑑定の基準は別に載っていない。これは後から改正されたのかもしれませんけれども、当然機械というのは安全が先になる。性能が先の問題じゃないのです。ところが、あなたのところにある法律は、農業機械化促進法というのは、性能のいい機械をひとつ開発し導入しようということがねらいなのです。だから、やはりそれは逆だと思うのですね。でありますから、安全についてももう一遍農業機械化促進法は見直したらどうか、見直す時期である。それから、間接的に安全を奨励するような、助成の対象にならぬ、対象になるためにはこういう基準でやらなければだめだというのは、私は少し話が逆だと思うのですね。それ以外のものはもちろん余りつくらぬから心配ないと言えばそれまでの話ですが、これは少し公正なやり方じゃないと思うのですね。農業者の安全、使用者の安全ということを考えれば、これは当然です。機械そのものが安全であるかどうか。それによって登録をしていく、やはりそれぐらいの責任がなくてはいけないと思うのですね。  それからもう一つは、この安全装備基準をおつくりになりましたが、古く売られた機械は、いま使用中の機械は、この基準によって安全を確保する装置をつけなくてもいいことになっているんですね、これは全然法律も制度もありませんから。しかし、実際はまだ使っているわけだ。四十九年の秋にこれができたのでありますから、四十九年の秋以前に導入された機械にはこの安全装置がないんですよね。これはやはり現実に使っているのでありますから、これに対する対策は当然つくらなければいかぬと思うのです。これをやるべきだと思う。  時間がありませんから先に行きます。いずれにしても、この農業機械化促進法というのは改めて見直した方がいい。  それからもう一つ、労働省も歯切れの悪い小さい声でお答えになっているのでよくわかりませんでしたが、これは農林省の責任ですから、おたくの責任でないというような感じを持つのは当然だと思うのです。そこで、政府という立場からいくならば、どっちが所管しようとも同じなのですが、これはなかなかそう簡単にはいかない。そうだとするならば、これは農林省がやはり新しい制度を確立する時期だと私は思うのです。間借りしている時代ではもうないと思うのですね。しかも、これは十年以上たっているのにちっとも加入者はふえないんですよ。何でふえないかというと、加入の基準が非常に厳しいですね。それから手続や何かというのがむずかしい。また、入るのには組合とか団体とか事務組合をつくらなければだめだ。農業共済という制度が片方にはあるんだ。農産物には何かあったときには補償します、ところが働く者には補償の制度が厳し過ぎて入らぬというのだから、これは逆なんじゃないですか。農林大臣、どうでしょう。これは、きょうすかっとした御答弁をいただけると思って私、来たわけでありませんで、問題提起にきょうは来たのですが、農業の労災制度をやはり一遍確立するために、新しい年度では検討すべきだと私は思う。そうでなければ、農業の後継者なんかできませんよ。しかも、いまは農業従事者は老齢者が多いでしょう、婦人が多いでしょう。だからしょっちゅう事故があるのです。だから、機械や農薬ばかりじゃなくて、農作業中に起きるところの災害、こういうものの安全と並んで、やはり救済制度を確立することが先決だと思うのですが、いかがでしょうか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 農業者の災害事故の補償制度の問題でございますが、この問題は保険制度として成り立つかどうかという問題が一つの要件であろうかと思うのであります。いま労働者災害補償保険制度、これに特別加入という道が開かれておるのでありますが、久保先生がおっしゃるように、手続等がむずかしいために加入者が少ない、四万人程度にとどまっておるのか、また全体として、加入はしたいんだけれどもどうも手続その他で加入がむずかしい、こういうことなのか、それらの原因等もせっかく調査を進めておるわけでございますから、また、意識調査等も十分やりまして、そして独自の補償制度をつくった場合に、相当多数の方が入っていただきませんと保険料等も高くなる、危険負担もできない、こういうことになるわけでございますから、そういう点も総合的に調査等もした上で相互勘、案をして、この制度について検討してみたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 農林大臣からせっかくな御答弁がありましたので一応了承しますけれども、制度の伸びないというのは、いまの制度が実情に合っていないという一語に尽きると思うのですね。手続がむずかしい、あるいは加入者が限定される、補償のメリットがあるのかないのかわからぬ。ただよくわかるのは、農業者の災害というのはかなり多いことは事実なんですね。しかも、これで困っていることも事実なんですね。だから、いま大臣のお話では、果たして加入してくれるだろうか、あるいは負担の問題もある、それはそうだと思うのですね。負担の問題があるが、これは最近ばかりじゃありませんが、食糧の自給というのは大きな命題でありますから、そうなればやはり生産する者の命は守るというのはあたりまえな話だと思うのですね。これはこういう制度ができて、それはおまえらで保険制度としてやったらいいということではないと私は思うのですね。新たな発想で、国の責任あるいは農業団体の援助、こういうものも含めて、あるいはメーカーの責任、こういうものも含めて大きくやるべきだと私は思っているんです。そういう意味でぜひ御検討をいただきたい。  それから、局長に申し上げますが、いま言った農業機械化促進法、これも労災制度と同じように見直しを図るべきだと思うのですが、これはどうですか。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○堀川政府委員 先生から問題の提起というふうにおっしゃられたわけでございますが、私ども機械化促進法の中で、その農業機械の安全性をどのように確保するかということを一つの課題として取り上げまして実は制度改正の検討をしてきたわけでございます。現段階では、農業機械でございますから、使い方が、通常の工場に装置されるような機械と違いまして、農業者が多くはそれを畑なり圃場で使うということから、その過程で事故が起こる、あるいは途中の道路上で事故が起こるというのが多うございまして、そういう事故発生の要因が普通の機械とは少し違うように思うわけでございます。  それともう一つは、安全と性能と申しますか、能率といいますか、あるいは、場合によればそれはコスト、したがって価格ということに関係をしてまいりますが、人命の尊重ということは当然でございますけれども、そういう角度で考えましても、あるいはその障害の防止という角度で考えましても、どういう防護装置なり安全装置、どういう程度で特定の農業の作業に合ったものということに考えるか、この辺に実はまだまだ私どもとして勉強の足らない点がございまして、それらの点については、なおもう少し検討を深め、論議も広範囲の方にしていただいて結論を得たいということで、安全性の問題、それから御指摘のございました中古品の問題も一つの大きな問題として私どもも意識しております。これは整備工場のあり方等との関係も出てまいります。したがいまして、そういった問題を総合いたしまして、私どもは農業機械化審議会の特別部会で今後審議をしていただくということで、この間お集まりいただいたときにお願いをしたわけでございます。今後具体的に、そういうところでのお知恵も拝借しまして、検討を深めてまいりたいというふうに考えております。  それからなお、その前に先生御指摘になりました、農薬の不注意によるものが多いからといって農薬自体の持つ性格としての安全性というようなものをもう少し考えるべきである、それはわれわれも全く御趣旨のとおりと考えておりまして、これは三十年に比べまして、四十九年の数値でございますが、特定毒物の農薬の比率といいますか、これは生産金額の比率で全体を一〇〇としていっておりますが、二八%程度でありましたのが四十九年には〇・二%、毒物は二〇・二%でございましたのが一・七%、逆に普通物は四二・七%でありましたものが六割を超えるというふうにいたしまして、登録をいたしまして使います農薬自体の毒性をできるだけ低めていくというふうには私どもも考えて指導しておるわけでございます。  今後ともそういう方向で、農薬それ自体の安全性というものについて配慮してまいると同時に、先生御案内のように、農薬取締法に人畜に対する被害の関係で登録保留基準を設けまして、その基準に合わないものは登録をしないという仕組みがとられております。これは環境庁が基準をつくるわけでございますが、私ども十分そういった関係の省庁と連携を密にいたしまして、一層農薬それ自体の安全性を高めるということに努力をしてまいりたいと考えております。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 質問を終わりますが、局長のところの機械や農薬を扱う部局、これをもう少しやはり拡充して、いま大臣からもおっしゃったような問題を本腰を入れて検討する必要があると私は思うので、強く要望しておきます。  以上で終わります。ありがとうございました。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 久保君の質疑はこれで終了いたしました。  次に中村茂君。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 私は、同和対策事業というのがあるのですが、特に農林関係についての同和対策事業として、これは全体的な問題ではなしに、特に長野県の問題としていま新しく出ている問題はナメコの栽培施設について、この同和対策事業としてやりたい、したがって、その施設の設置についてもうすでにそれぞれの関係方面から陳情が出ているというふうに思いますけれども、実は新しい事業になるわけであります。そうして、いまその部落では、不況という中で、解雇された人も非常に出てまいりまして、そうかといって仕事はない、特に女子労働について、付近の中小企業の工場へ行っていたけれども仕事がなくなっていまうちにいる。そこで、いま申し上げましたこのナメコ栽培の施設をつくって、そこのところでこの雇用問題の解決にひとつ当たっていこうではないか、したがって、新規でありますけれども、この五十二年度の中で採用してもらいたいというのが要求している一点であります。  それから二番目として、このナメコが、いままでいろいろ研究されてきたわけでありますけれども、実は非常に優秀なナメコができるわけであります。しかし、その施設が大変でございまして、一つに五千万円もかかるという施設でありますから、簡単に単御心きるというわけにはいかない。したがって、同対事業の一環としてやってもらいたいという要求であります。いままで研究されてきておると思いますけれども、その内容、ことしから採用できるのかどうか、その点についてひとつ御回答をいただきたいというふうに思います。それで、これをちょっと大臣にひとつ見せてくれますか。

森整治農林省構造改善局長

○森(整)政府委員 先生いま御指摘のナメコの生産施設の整備に対します考え方でございますが、先生御承知のように、長野県下の同和関係農家の方が私どもの次長のところに、先生と御一緒だったのですがお見えになりまして、その事情はよく承っておるわけでございます。  そこで、確かに御指摘のような観点から考えますと、そういう農業生産の一助として共同利用のナメコの栽培施設を設置するということにつきましては、必要なことであろうというふうにただいまのところ判断をいたしております。  そこで、その具体的な実施につきましては、現在共同管理施設ということでシイタケの不時栽培施設というのがございます。これに準ずるものとして扱えるのではなかろうかというふうに考えておりますので、今後県とも十分協議をいたしまして、御要望に沿うように善処してまいりたいというふうに考えております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 要望に沿うということは、いままでの審議の中で五十二年度の中で、恐らく申請は十地区、個所については十二カ所ぐらい希望が来ておると思いますけれども、まあその施設全部というと億になる金ですから大変ですけれども、大体五十二年度の中で取り上げていただけると、こういうふうに理解してもいいのですか。

森整治農林省構造改善局長

○森(整)政府委員 施設の数につきましては、まだはっきりしたことは申し上げられませんけれども、先生おっしゃるように取り上げるということを考えておるわけでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 その数の問題で希望を申し上げておきたいと思うのですけれども、これは恐らく三分の二が国、三分の一が市町村ということで、これだけの大きい事業、十二カ所ぐらいになると、県ともある程度協力していただかなければ、ここ二、三年と言ってみたところで——そうかと言って五年計画でこれはそこにやりますと言ったら価値がないわけでありますから、特に先ほど申し上げましたように、不況という中で雇用事情が悪くなってきた、これを一つつくることによって女子労働については相当救済できるのです。そういう面の解決にもというのが非常に大きな目的になっていますから、これはもうできれば二年ぐらいで解決してもらいたいというのが私の希望であります。  したがって、今年度も県も加えて、これは同対事業そのものでいけば、なかなか決まっていますからあれですが、これはもう一つの大きい農産物の生産にもつながってくる問題でありますから、一つの政策として取り上げてもいい内容が含まれているわけであります。したがって、そういうところまで含めて、相当数希望が出ているのを五十二年度で取り上げることによって、わずかな年限で生かすことができるのじゃないか、こういうふうに思いますので、そこら辺のところの意気込みをもう一つ……。ツルの一声ではありませんけれども。

森整治農林省構造改善局長

○森(整)政府委員 いま先生の御要望になったのを、この二、三年で一遍にというわけにもいきませんかもしれませんが、ともかく、ただいま御質疑のございました点はよく念頭に置いて対処をいたしてまいりたい、県とも十分相談いたします。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 まあよろしくひとつ取り組んでください。  それから二番目には、やはり地方の問題で申しわけないのですが、長野県の浅間山ろくの広域農道、正式にはもっとむずかしい、長い名前のようですけれども、広域農道ということで言わせていただきたいと思いますが、もう事業が始まっておりまして、私が申し上げるまでもなく建設省と農林省の共同の事業になっているわけですね。いまの状況を見ていきますと、同じ道路が所管が違うために、建設省の方の所管になっているところは歩道がついているのに、農林省の方の所管は歩道がついていない。ですから、道が歩道があるところは広くなる勘定ですし歩道がないところは狭くなる。その割り振りを私はどういうことで一番先にしたものか知りませんけれども、皮肉にも歩道の必要なところについてどうも農林省の所管になっていまして歩道がつかない道路が進んでいる。それから、山間の方に行きまして、まあここら辺のところはそう歩道が必要じゃないというところについては建設省の所管になっていまして歩道がついている。これは農林省の方はどうしても歩道をつけるというわけにはいかない性格になっているのですか。

森整治農林省構造改善局長

○森(整)政府委員 私どもでやっておりますのは、いわゆる広域農道、要するに農産物の搬出等に便利にということでございまして、恐らくこれは県道にくっつけましてやっておるわけでございますが、そういう事柄の性格上、一応たてまえを申し上げますと、規模なり構造につきましては、事業主体でございます都道府県で作成をされます土地改良事業計画をもとに決定をいたしておるわけでございますが、歩道につきまして全然つけられないかと言いますと、そうではございません。一応われわれが扱っておりますのは学校への通学路でございますとか、保育園あるいは老人ホームの近接区間等で歩行者が多くて交通安全上必要があるという場合には設置ができるという扱いをいたしておるわけでございます。  ただいま御指摘の事業の地区につきましては、もちろん現地の実情に応じまして、県からそういう必要があるということで申請がございますれば、われわれも十分その必要性があるということであれば、歩道をつけるということにつきましては別にやぶさかではございません。要するに個別個別の扱いとして認めておるというふうに御理解をいただきたいと思います。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 農林省の方は歩道がない、建設省の方は歩道がある、それを一つの事業として区間を担当してやって一本の道路というのですから、地元の人は非常に不思議がっているのです。ここのところは別に農林省でやっているという看板が立っているわけでもなければ、こちらの方は建設省でやっているという看板が立っているわけではない。しかし、たてまえがそういうふうになっていますから、実際には、建設省がやっている方は歩道がついてさっと道になってきて、農林省のところへ来たら歩道がないというのですから、現地の人はどうしてこういうことになるんだろうと非常に不思議がっております。しかし、できるということでございますから十分検討していただいて、必要なところはまたお願いする、こういうふうになっていくだろうと思います。  そこで、全体的な工事が非常におくれているわけでありますけれども、特に農林省所管のところについて墓がございまして、そこを割るのかトンネルにするのかということでいろいろ地元でも問題になってきたわけでありますけれども、先祖代代のところを掘るわけにはいかない、あくまでもトンネル、こういう希望で恐らくトンネルということで作業が進んでいるんでないかと思います。ところが、トンネルにするために相当金もかかる。しかし早くやっていただかなければいけない。その向こうが橋になっているわけでありますけれども、その橋も相当大きい橋だということで、このつながりと、トンネルという問題と橋という問題の中身を簡単に説明していただいて、何年ぐらいかかって橋とトンネル両方の工事ができるという予定にいまなっているのですか、それをお伺いしたいと思うのです。

森整治農林省構造改善局長

○森(整)政府委員 まず橋の方から申し上げますと、結論から申し上げますと、五十二年度、一応上部工も含めて完成ができるのではないかと予定をいたしております。  それから問題は野竹トンネルというところでございますけれども、御指摘のように、当初の予定路線がいろいろ地元の反対もございましておくれておるわけでございますが、それを結局トンネルの工法に計画を変更いたしました。そこで今度はそのトンネルの問題でございますが、土かぶりが薄いということで墓地へまた影響があるんではないかというような問題がございまして、長野県では来年度、設計の細部について技術的な検討を行うこととしておるわけでございまして、その結論を待って事業を実施するというふうにしてまいりたいと考えておるわけでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 橋の方はわかりました。トンネルは検討してということになると、相当おそくなるということでしょうか。その検討がもうじき終わるような段階で、五十二年度も工事ができるような形で予算が見積もられているというような段階にあるのでしょうか。そこら辺のところはどうなっているのですか。

森整治農林省構造改善局長

○森(整)政府委員 ただいまのところ着工は五十三年になるんじゃないかと考えております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 農道について私がそういうふうに言うのは趣旨からいけば本末転倒のようですけれども、実はここのところをバイパスが計画されているわけですが、土地買収等おくれていてバイパスの着工がいつになるかわからないというような状態なんですね。したがって、このトンネルができ、橋ができて、もうわずか行くと今度県道につながるということで、非常な交通停滞の中、これができると幾分でも緩和されるという交通事情に実はあるわけです。ですから地元全体としては、これは一日も早くこのところを何とか、真田に行く県道ですけれども、そこまではつなげてもらいたい。ところがいまお聞きしますとトンネルの問題はなお検討中で、五十二年から着工して、大体幾らぐらいの予算になる予定なんですか、トンネルの方は。

森整治農林省構造改善局長

○森(整)政府委員 五億程度の予定をいたしております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 そうすると、その程度のトンネルというものはいままでの例からいくと着工してどのくらいでできるのですか。

森整治農林省構造改善局長

○森(整)政府委員 一年程度でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 一年程度でひとつお願いします。  また新しい問題ですけれども、やはり長野県の上田市の東部地区の農村総合整備モデル事業、すでに始まっているわけでありますけれども、上田の地域は五十年度から始まった事業で五十二年度に三年生になる、こういう事業でありますけれども、総体的には十一億五千万円ということで始めたわけでありますけれども、いままでの予算のつけ方からいくと八、九年かかるじゃないか、場合によれば十年ぐらいかかる。ところがこの事業は四年ということで出発したはずなんですね。それが倍以上も完成にはかかるということでは大変だ。したがって、この種問題についてはどういうような進捗状況になっておるのか、そしてこの上田東部地域については完成というものはどういうかっこでいくのか、予算のつけ方等についてはどんなかっこうでいくのか、ひとつ計画を明らかにしていただきたいというふうに思うのです。

森整治農林省構造改善局長

○森(整)政府委員 御指摘のように、農村総合整備モデル事業につきましては非常に工期がおくれておりまして大変申しわけないと思っておるわけでございます。若干経過的なこともございまして、特に四十八年から事業を始めておるわけでありますけれども、しょっぱなから、四十九、五十と総需要抑制、石油危機に伴います物価高騰という問題にぶつかりまして工期が大幅におくれておるわけでございます。これは確かに団体営の事業を最初に考えた経過から標準工期四年ということで始まったわけではございますが、ただいまのところ進度が非常におくれております。  御指摘のいまの上田東部地区を、お聞きにならないのにこういうことを言ってはあれでございますが、いまの五十一年度の予算ベースでやりますと十年以上になるということでございまして、とてもそれではいけないということは私どももよく認識をしておるわけでございます。全体的なこの事業の進度を申し上げますと、四十八年度に着工いたしましたのが五十一年度末で三六%ということでございます。この事業は五十年度から始まっておりますけれども、来年、再来年と相当事業費をつけていかなければいけないのではなかろうかというふうに考えております。ただ、いずれにいたしましても、私ども全体としましては、四十八年が八億でございまして、四十九年が十五億、五十年が三十九億、五十一年が七十八億、五十二年度が百三十七億というふうにほぼ倍増に近い形でふやしてきておりますけれども、何せ新規の地区が大分、国土庁の農村総合整備計画ということでマスタープランを立てておりました。毎年八十地区、農林省に回ってくるという実情でございます。そこでそれをこなしていかなければいけないということと、五十一年で二百五十四地区の継続地区を抱えております関係で予算を相当伸ばさなければいけない。そうなるとまた総枠という話に戻ってまいりまして、この辺非常に悩みでございますが、この二、三年、もうしばらくごしんぼうをいただければ、工期を大幅に縮めていくことができるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。ただ、いずれにせよ、早くしなければいけないということは当然でございますので、何とか今後もその工期の短縮ということには最大の努力を払ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 五十一年度の予算づけで延ばしていくと十年かかるということですが、そういうふうにいま言われたということは、いま私が指摘しております上田東部地域というのも十年かかるからひとつしんぼうしてくれ、こういうふうに言われたのですか。もう少し——もうこれは三年生になったわけですけれども、言えば五十三年の予算で全部完成しなければいけないということで出発したのですよ。ところが五十二年度の予算づけが少ないからもっと早くやってもらいたいということを私は言っているわけなんです。もう二、三年たてば予算づけも多くなる、こういうふうに言われるのですが、具体的にいま私が指摘しているのは、もう三年生になったのだけれども、これは何年で完成するという、全体の計画の中でお考えなんですか。

森整治農林省構造改善局長

○森(整)政府委員 ただいま私が申し上げましたのは、現在の時点で残事業というものをいろいろ見てまいりますと十年かかってしまうということを申し上げたので、私がそれでがまんをしてくださいということを申し上げたわけではございません。それほど私どもも意識をして、もう少しそれを短縮する、十年をもっと早く仕上げるということで努力をいたしますということを申し上げたつもりでございます。その点言葉が足りなかったかもしれませんが、ひとつそういうふうに御了承をいただきたいと思うわけでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 十年というふうに言っていたのだから、もう少し縮めるというと八年ぐらいでできるというふうに考えていけばいいのですか。

森整治農林省構造改善局長

○森(整)政府委員 私どもここでお約束はできませんけれども、私どもの頭の中ではもちろんその程度のことで仕上げなければなるまいというふうに考えておるわけでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)分科員 八年では不満なんですよ。これは少なくも六年ぐらいで、四年と言うのだから、六年ぐらいで完成を頭の中に置いてもらいたいというふうに私は思うのです。確かに全国的に見ると新規がどんどん出てくるし、予算を倍にしてもらっても——その事業は地元でも確かに出費がありますから、全部が賛成ではないのですよ、反対の人もいますよ。しかし私は、農村をいろいろな角度から環境をよくしていくというには非常にいい制度だと思うのです、金はかかるでしょうけれども。特におくれているこの農村地帯をこういう事業を通じて環境をよくさせていく。ですから、思い切って金もふやしていただいて、これはいまのペースでいけば十年かかるけれども、まあ八年程度ということを頭に置いても、それでようございますというわけにはいきません。私は六年ぐらいで何とか完成できるように御努力をお願いしたい、これはもう農村の全体的な環境のためだ、こういうふうに思いますので、強く希望を申し上げて、全体的に終わりたいと思います。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 中村君の質疑はこれにて終了いたしました。  次に、安田純治君。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 私は、農林補助金の問題、時間がございませんので特にいわゆる食肉流通センターの問題にしぼってお伺いをしたいと思うのでございますけれども、旧来の屠場法に基づくいわゆる屠殺場ではなくて、肉がパックになって出てくるようないわゆる食肉流通センター形式のものが最近あちこちに建設されておるようでございますけれども、こうした流通センター形式のものに国の補助金を出すようになった時期はいつごろから始まったのか、畜産局長にお伺いしたいと思います。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 屠場だけではなくて、同時にそこで屠殺もするし、それから解体して枝肉としてあるいは部分肉として出荷する、場合によっては冷蔵施設を持って保管する、そういった施設を食肉センターと称しているわけでありますが、農林省では昭和三十五年ごろからその補助事業を開始しております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 その補助金を出すいわば根拠法規といいますか、これはどういうものでございましょうか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 法律に基づく補助事業ではございません。いわゆる予算補助でございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 そうしますと、いわば農林省設置法に基づくいろいろな農林省の任務といいますかございますね。それに従って補助を出しておるというふうに伺っていいのですね。補助金それ自体が単独の根拠があるわけではない、こういうふうに伺ってよろしいのですか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 農林省の使命の一つに畜産振興というのは当然あるわけでございますが、その畜産振興上必要な事業という形で予算を獲得して、それに補助をしているということでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 国の補助金を受けた食肉流通センターの実態についてお伺いしたいわけでございますけれども、現在補助を受けているセンターの経営主体、これはどんなものがあるのでしょうか。たとえば株式会社とかいろいろ考えられると思うのですが、実際はどんな種類がございますか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 食国センターといいましても、大きいものから小さいものといろいろあるわけでございますが、従来補助しております食肉センター百十八カ所のうち、都道府県、市町村、組合、これは組合というのは一部事務組合でありますが、そういった地方公共団体で直接営んでおりますのが約五〇%、その他が約五〇%というような割合になっております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 市町村が直接営んでおるものじゃない場合に、株式会社形態のは幾つありますか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 ただいまのは小型、大型を含めての数字を申し上げたわけでありますが、最近いわゆる大型の総合食肉センターというものを実施しておりますが、現在着工中のものが六カ所ございます。直接地方公共団体が実施しておりますのが三カ所、株式会社形態でやっておりますのが三カ所、こういう状況でございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 大型の流通センターだけで結構でございますけれども、過去に補助金を受けて建設をしているところでもうでき上がったところはあるのでしょうか。もしあるとすれば、その営業開始した結果、どのような経営状態になっておるかということを伺いたい。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 今年度中にでき上がるというものはございますが、現在時点で完成しているものはございません。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 この六カ所はどことどこでしょうか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 北海道の斜網畜産事務組合、札幌畜産公社、福島畜産公社、松阪畜産公社、それから宇都宮市のもの、大分県公社、そういったところでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 いま、株式会社系統のやつが三つあるとおっしゃいましたけれども、いま伺うと、公社がほとんどのふうになりますけれども、どうなんでしょうか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 公社と申しましたが、これは株式会社、公社という名称で株式会社というのがあるわけでございますが、福島と札幌と、それから大分県、この三社が株式会社であります。  それからなお、株式会社形態をとっておりますけれども、補助の要件としては、地方公共団体あるいは農協、そういった生産者団体が半分以上を占めているということが補助の要件になっております。  それで実際問題として、公社形態をとっておりますが、大部分の出資が地方公共団体あるいは生産団体である農協の出資となっておるものが多いわけであります。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 現在、補助申請中のところは何カ所ございますか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 新設のところでありますが、五十二年度でまた三カ所予算要求をいましておりますけれども、また具体的にはっきりした形で出てきているものはございません。ただ、いろいろ事前に私どもの方の課に非公式に話が来ているところはかなりございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 さっき、この食肉流通センターの補助の始まった時期について伺いましたけれども、先ほどのお答えは、小規模のものをまぜての昭和三十五年ごろからということになるのですが、大規模な流通センターに補助が出るようになってからはどのくらいになりますか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 大型事業につきましては、五十年度から補助事業を創設しております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 五十年度から毎年どのくらい申請があって、どのくらい認められているかということはどうでしょうか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 ただいま具体的な申請の数は私も記憶しておりませんが、いろいろ各地から要望があったというふうには聞いております。  それで具体的には毎年三カ所ずつ新設の地区を採択しておるということでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 そうしますと、五十年で三カ所、五十一年で三カ所で六カ所、五十二年以降はまだわからぬ、こういうことで六カ所になるわけですね。申請がどのくらい来ているかは、大体の数字でいいですが、どうでしょうか。つまり非常に希望が少なくて、一年三カ所で、三カ所しか希望がなければ、希望すれば全部補助金をもらえるわけですけれども、いわば相当競争が激しいかどうかという……。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 大体倍以上は毎年申請といいますか、希望が出ているというふうに聞いております。ですから競争率はかなり高うございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 そうしますと、申請の数よりも認められる数が少ないとすれば、何かの基準でその年その年の建設する場所を選んでいるのだろうと思うのです。その基準についてお伺いしたいのですけれども、どのような基準で——倍以上申請するうちから半分セレクトするのだろうと思うのですが、これはどうでしょうか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 何と言いましても、結局、地元の熱意が一番大事なことだ。それから体制ということももちろん判断の一つの重要な要素にはなりますし、それから地元の畜産業の密度の問題だとかあるいは流通の形が現在どうなっているかというような問題だとか、そういったことを総合判断してわれわれは優先序列を決めておるということでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 体制や密度、それから流通がどうなっておるかということはわりかし客観的にはかれると思うのですが、一番先に挙げられました地元の熱意というのはどういうことではかりますか、申請が来たときに、こっちの方が熱意があるとかないとかということを。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 これは別に、直接機械的なバロメーターというのはもちろんございません。ございませんが、われわれがいろいろ折衝する過程におきまして、物によっては、初め非常に手を挙げておったところも、だんだんやはり熱意が薄くなるということもございますし、最後までどうしてもやりたいというようなところもございますから、おのずからそういったものは折衝過程において判断できるということが常識でございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 そうしますと、地元の熱意、体制、それから畜産の密度、流通、こうしたものを総合して、いわば必要度の強さに応じて認めるというふうに伺ってよろしいでしょうかね。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 必要度の強さに応じて認めているということでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 福島県の食肉流通センター株式会社が申請をし認められたのは、昭和五十年度と聞いておりますが、そうしますと、この大型の食肉流通センターに補助を始めた初年度に福島県には補助がついておる、こういうように伺ってよろしいですね。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 そのとおりでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 そうしますと、福島は、そういう意味では地元の熱意、体制、畜産の密度、流通の問題、諸般の事情を勘案して必要性がきわめて高いというふうにおたくの方では判断されたと伺っていいですね。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 そのとおりでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 今度は福島県に起きていることについて若干伺いたいのですが、実は、御存じかもしれませんが、この福島の場合には、郡山市の郊外の石筵というところに食肉流通センターをつくるということで地元住民の反対があって、いま大変難航しておるように聞いております。新聞の報道によりますと、機動隊が待機しておって、いわゆる強行着工といいますか、着工まではしていないのですけれども、食肉流通センターが請け負わした工事会社がブルドーザーをもってその予定地まで来た。ところが入り口で住民がピケットラインを張っておって、そこで押し問答になって、現在着工できない。機動隊が二百名ばかりふもとの町に待機をしておるという新聞の報道もございましたけれども、こうした事態を御存じでしょうか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 県等を通じて、若干は存じております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 現在この福島県の食肉流通センター株式会社についている補助金の経過についてでございますが、昭和五十年度に補助金がついた。ところが、いまもって着工できないで、新聞の報道によると、いまもめておる、こういう状態でございますので、この五十年から五十一年に繰り越した経過はどうなっておりますでしょうか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 これは昭和五十年度に補助金の交付決定をいたしたわけであります。約一億五千万円の補助金になりますけれども。地元のいろいろ意見調整ということに県が慎重な態度をとられまして、そうして、結果におきましては五十年度におきましては着工せず、したがいまして着工延期いたしまして、五十一年度にいわゆる明許繰り越しという形で繰り越しております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 この明許繰り越しの理由は、福島県で農林省の方にはどういう報告をされているのでしょうか。ある程度着工したけれども——着工といいますか、相当準備はできているのだけれども、五十一年中にやりたいということで繰り越したのだろうと思うのですが、実際問題として、新聞報道その他を見ますと、繰越明許してみたって、とても五十一年度には着工できそうもない諸条件が、後からちょっと質問しますけれども、あるようなんでございますが、この辺について、福島県当局あるいは流通センター株式会社が農林省の担当の方にはどういう報告を——五十年度中に着工できなく、そして繰り越しせざるを得ないという理由ですね、どういう報告を上げているか、お伺いをしたいと思います。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 ただいま御説明いたしましたように、五十年度に着工しようとしたわけでありますけれども、地元の意見調整という形で慎重を期して一年繰り越した、五十一年度にはどうしても着工したい、また着工できる、そういう判断を県から聞いております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 そうしますと、繰越明許をするときに地元の意見の調整という中身については報告を受けておりますか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 一部のところで一部の住民につきましてはまだ十分に納得が得られていないという報告は受けております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 ところが、私どもの調査によりますと、一部の反対ではなくて住民の大部分が反対をしておる。しかも、新聞では百十戸反対しているように出ておりますけれども、百数十戸しかない部落ですから、ほとんど九〇%以上反対のように見えます。  それと同時に、実はこの石筵というところは非常に自然環境のいいところでございまして、ここにかつて福島県の道路公社——理事長が木村守江、当時の県知事でございます。これが理事長をやっている道路公社が県営の有料道路をつくったわけであります。この有料道路をつくるときに、やはり住民の反対やいろいろの条件、要求がありまして、このいま流通センターの敷地にしようとしているところは県営牧場なんでございますけれども、これに対して住民に覚書を出しておるわけであります。  これはどういうふうな覚書かといいますと、ちょっと読んでみますと、「酪農振興のための旧石筵牧野(県有地)を払下げることについて」「乙は、」——「乙」というのは県というか、道路公社のことです、「甲の要望に対し、」——「甲」というのは部落住民です、「その歴史的事実により判断して正当なものと認められるので、これが要求実現のため全面的に協力する。」とあります。歴史的事実により判断して正当なものと認めたというのは、つまり明治時代に、この部落の共有地が国に取り上げられて、牧場でなくする場合は返すという約束があった、いまは文書は残っていないようでございますけれども。その後大正から昭和にかけて、当時の合併前の旧町村などが、その明治時代の約束を守れという払い下げ申請を何遍も出しておる。それに対する当局の答えも、そのうちにということで、決して約束がなかったと否定するような経過はなかった。そうして、そういう歴史的経過から判断して、乙は——これは県の道路公社で理事長は知事が兼任しておりますが、その歴史的事実により甲の払い下げ要求は正当なものだと判断した、だから、この要求のために全面的に協力するということが、昭和四十九年十一月二十五日付の覚書で住民に出されておる。このことについては御存じですか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 聞いたことはありますが、詳しいことは私ども存じておりません。地元のことでありますので、私どもよく知りません。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 こういう覚書が現実にありまして、土地の返還の訴訟も起きておりまして、これは証拠として出ておるようでございますが、こういうふうにして、一方では道路をつくるときに地元住民のためにその牧場の払い下げに協力をする——「協力」という言葉は、道路公社の理事長として覚書を出したので「協力」という言葉になる。しかし、自然人としては県知事が兼任しておるわけです。払い下げるのは県知事であり、それを全面的に協力するのも県知事である木村守江さんが理事長として協力するのですから、この覚書というのは一般的に考えれば非常に強い力がある。単なる希望的観測や協力ではなくて現実性があるというふうなことで、有料道路をつくるのに地元住民は協力したわけであります。  ところが驚くことに、四十九年十一月二十五日に覚書を取り交わしておるのですから、すでに五十年度の予算要求でここを食肉流通センターにするということが福島県として並行して計画されておったと言わざるを得ないのです。こういう覚書を一方において地元住民に渡したわけですから、これは五十年度に着工できなくても、じゃ、繰越明許すれば五十一年度にできるのか、これだけの覚書を出しておきながら。となると、この覚書を白紙にでもしない限りは地元住民は一般的に納得しそうもないですわね。こういうことを繰越明許をするときに農林省の当局としてはこの覚書の存在について認識しておったかどうかお伺いしたい。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 一般的に補助は相手方が行う事業に対しまして、これを助成、奨励するという意味での財政的裏づけをするということでございまして、いま御指摘になりました事業につきましては、結局補助事業者である福島県当局あるいは事業主体である福島県の食肉流通センターが、地元の畜産の実態だとかあるいはその公共性だとか、そういったことを判断して自分の判断で実施なさることだというふうに思うわけであります。一々地元の詳しい実情につきまして私どもで容喙するとか、あるいはそれについていろいろとやかく批判を加えるということは、実態がわからない私どもとしては避けるべきだ。地方公共団体である、補助主体である県が、地元の収拾の責任がある県がやはり自分で実施すべきである、また、実施可能であると言ってきたら、農林省としてはそれをやはり信頼するというのが筋道だろうと思っております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 一般的に信頼するのは結構だと思いますが、私が伺っているのは、具体的に福島県の場合にこういう一札が一方において入り、同時にまた、そこを払い下げじゃなくて食肉流通センターを建設するという矛盾した案が県の中にあって、住民に空手形かどうか知りませんけれども覚書を出している、こういう具体的なことを認識されておったかどうか、認識してもなおかつ福島県がやることだからできるだろうとして繰越明許に手をかしたのかどうか、このことを伺っているわけです。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 そういう細かな地元の個々の問題につきましては、私ども認識しておりません。聞いておりません。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 そうしますと、繰越明許するときには地元の一部の反対でという抽象的なことしか聞いていない、それ以外には聞いてないと伺ってよろしいですか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 こういう事業は屠畜場とか食肉を処理する場所でありますから、大小を問わずそれぞれの地域におきましてもトラブルが起きているわけです。それをそれぞれ実施しておりますところは県が責任を持って地元調整して実施しているというのが実態でございますし、そういう意味で県が、トラブルがあるけれどもそれは調整するということを言えば、それは県の能力なり責任というものを信頼してやるというのが筋道だろうと私は思うわけであります。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 だから、トラブルがあるという中身なんですよね。相当具体的に住民が、ただああいう屠殺場的なものを持ってきてもらっては困るという感情的なことだけの反対なのか、相当合理的根拠があって、その土地に対する権利主張が住民にある、そういうような場合とは質が違うと思うのですね。もし客観的に相当根拠のある反対があった場合は説得できるのかどうかということについておたくも、補助金は国民の税金ですし、当然農林省設置法に基づく補助だとすれば、補助金というのは農林省の任務を遂行するための手段でしょう。目的が遂行されないで手段だけ与えれば、後は野となれ山となれというわけにはいかないはずです。あくまでも補助金というのは手段であって、ある特定の目的を達するための手段なんだ。農林省の設置法を見ますといろいろ畜産審議会なんか書いてございます。これを実現するための補助金なんですから、一たん補助金をつけたら後はどうしようが、県を信頼して任せるんだというわけにもいかないような気もするのですが、どうでしょうか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 県がいろいろ、地元の大部分の方々が熱意を持ってこの事業をやってほしい、それから地元の畜産業の実態からしてもこの事業を建設することは急務である、一部につきましてまだ意見調整が未済であるけれども、これは何としてもやりたい、調整したい、そういう形で熱意を示したときには、やはりわれわれとしてはそれを信頼する以外に方法はないと思います。それ以上立ち入って具体的な地元のことについて容喙するのは私は適当ではないと思います。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 容喙はしなくても説明ぐらいは求めてしかるべきですね。なぜ五十年度に着工できなかったのか、単なる一部のトラブルというふうにしか聞いてないのか、ある程度は詳しいことを聞いて、しかしこれもうまくやるというふうに言われたのか、どっちですか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 一部にトラブルがあるというような若干の説明はもちろん聞いております。それは明許繰り越ししたわけですから。しかし、それ以上詳しく立ち入って説明は聞いておりません。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 時間がございませんので簡単に聞きますが、現実には農林省の御認識なり立場なり願望と違って、機動隊が二百名出て、いまや農民とその請負会社との間ににらみ合いが行われている現地の状態が八日からずっとあるわけでございます。このような対立している農家も地元の畜産農家でございまして、こういう意味で、機動隊に守られながら、こうした株式会社が経営するところの食肉流通センターができるということは、少なくとも好ましいことではないということはお感じになりませんでしょうか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 もちろんそれは円満にやることにこしたことはないわけであります。ですから、県もそういう努力を現在なさっておるというふうに聞いております。  それから、株式会社といまおっしゃいましたが、参考までに申し上げますが、出資割合五億のうち、農協が約半分の二億五千万、それから県が一億、市町村が五千万、畜産振興事業団から期待しているのは八千万というようなことでございまして、いわゆる通常の株式会社というものとは形態が全然異なりますので、いわば公共性が非常に高い機関でやっているということでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 県が株式会社持っていたから直ちに公共性が高いかどうかは、また議論は別だと思うのですが、それはともかくといたしまして、時間がございませんので、県の説明ではなぜ強行着工、つまり警察官を連れてきてまでやろうとしているのかという説明では、年度内に着工しないと国の補助金が流れるからやるのだ、こういうふうに言っておるわけですが、着工さえすれば補助金を流さないのか。その場合に着工というのはどの程度の着工をいうのだろうか、この辺についても非常に疑問なわけでございます。  三月三十一日までわずかしかありませんし、現場には雪が、少ないところもありますが、吹きだまりのところは五尺くらいある。ですから、そういう中でちょっと雪を掃いてくいでも打てば、着工として来年度に繰り越せるのかどうか。その点はどうでしょうか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 一回明許繰り越しをしておりますから、今度繰り越しするとなれば事故繰り越しになるわけでありますが、事業が年度内に完了しない場合には、例外的に事故繰り越しの手続が認められるということになっております。この繰り越しが認められるかどうかということにつきましては、着工しておくれた原因につきましてそれ相応の理由があるということで、これは大蔵省ともいろいろと相談しなければならないということでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 私が聞いているのは、着工というのはどの辺のところを言うのか。くい一本でも申しわけに打てばいいのか、請負契約をすればいいのか、どの辺で決まるわけですか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 これは施設の実態なり地域の実情に応じて、一概にくい一本打てばとかいうような機械的な議論はできませんが、やはり実態に応じて、ケース・バイ・ケースに応じて判断することでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 実態に応じてというのは、いま私が具体的に言っているのは石筵でございますから、あの二十数億の流通センターの全体の青写真が全部おたくに行っていると思うのです。ああいう建物の建築をする場合、予算の規模もわかっているわけであります。こういう場合にどの程度やったら事故繰り越しの認められる着工に当たるのか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 いま予断的に、この程度になったらということは、大蔵省との話し合いもありますので、断定的にはできません。やはり末になりまして、その実態に応じて判断いたしたいと思います。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 とにかく今年度じゅうに着工しなければ補助金が流れるということを言っておるのです。もし万一、補助金が流れて、新たな場所を選定して再申請した場合、福島県の場合どのくらいセンターの実現がおくれることになるのかということについて若干伺って終わりにしたいと思うのですが、これは全く新たな申請として取り扱うのかどうか。つまり、前に流したことがあるという前科を、懲罰的な意味かどうか知りませんけれども判断するのか。それとも全く新たな申請として、前のことは白紙にして考えるのかどうか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 流れるという前提で私は話したくはないわけでありますけれども、仮定の話として流れたということでありますが、それは別に過去に流れたとかということとは一切関係なしに、その時点においてその仕事の緊急度というものを判断し、それから他の県にも当然要望が多うございますから、それとのバランスも考えて判断するということになると思います。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田分科員 そうしますと、福島県は一番必要度が高いので、補助が始まった五十年度に最初に認められたのですね。だからそういう必要性について、地元の住民の反対があったから必要度が少なくなったというはずはないのであって、これはたとえ流れても、五十年度の最初に認められたくらい必要度が高いのですから、ますます必要度が高くなるとも低くなるとは思えないわけですから、万一そういうことが不幸にしてあった場合でも、そういう点では食肉流通センターの問題について農林省でお考えいただきたいということで、時間が来ましたので、補助金行政一般についてもう少し伺いたいところがありますけれども、これで終わりたいと思います。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 安田君の質疑はこれで終了いたしました。  次に斎藤実君。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)分科員 私は農林大臣に二百海里問題に関連をいたしまして、日本の水産漁業に対する基本的な問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  二百海里漁業専管水域という海のなわ張りがいまや世界の至るところに引かれつつありまして、自由な海は遠い過去のものとなったと言われております。また大国主導によって、海洋法会議で国際法上の正当な手続を経ないままに海洋分割が実現されているという事態はきわめて私は遺憾だと思います。日米交渉に続いて今月初めに農林大臣が訪ソをされまして、漁業関係閣僚、さらには十五日からモスクワ、東京で具体的な交渉が始まるわけでございます。ソ連はすでにEC、アメリカ、カナダとの漁業交渉で失う漁獲の穴埋めを北方での対日交渉に持ち込む意図が明らかであると私は思います。そして三月中のサケ・マス、五十二度以南のニシンの禁漁となってまいりました。またその上に私が心配するのは、新たに規制魚種をふやしてくる心配を私はしているわけでございます。今回の日ソ交渉は、日米交渉とは比較にならないほど複雑で困難なものになるだろうと私は思います。したがって、政府もあらゆる場合を想定して、具体的な提案をもってこの北洋の権益確保に全力を尽くすべきではないかと私は思います。  そこで大臣、訪ソされまして書簡を交換したわけでございますが、大臣とイシコフ会談の評価といいますか、農林大臣としてこれをどう見ておられるのか、その評価と、もう一点は、十五日から始まる日ソ交渉に臨む大臣の基本的な姿勢についてまず最初にお尋ねをいたしたいと思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 二百海里時代が現実のものになってきた、非常にわが国にとっては厳しいものである、これは斎藤さんの御認識と全く同様でございます。  日ソ漁業交渉、イシコフ漁業大臣と私との間でやった結果についての評価をどう見ておるか、こういうことでございますが、私はモスクワに参りますに当たりまして一番心配をし、是が非でもこれは打開しなければならないと考えておりましたのは、第一点は、イシコフさんの日程の都合で二十八日から会談に入るということで、ソ連側が二百海里を実施するのは三月一日からであるというわずか一日前にイシコフさんに会うわけでございまして、その時点では御承知のようにわが国の漁船が、あの海域におきまして千二、三百隻の大小の漁船が操業中でございます。もしも話し合いがつきませんと、ソ連の設定した二百海里の域外に退去を命ぜられる、あるいはそれに応じなければ拿捕等の不祥事態も起こる、これは大混乱になるわけでございます。どうしてもこれは話し合いをつけまして、そして現在操業中の漁船の安全操業の確保を図る、これを取りつける、これが最大の難事であったわけでございます。私はイシコフさんに、戦後における日ソ漁業の伝統的な友好関係、いかなるむずかしい問題も話し合いによって処理してきたという、このよき慣行というものに立って、この事態の打開について、イシコフさんの理解と協力を要請をしたわけでございます。幸いにして、この問題が解決を見まして、そして時間をかけて基本協定を結び、その基本協定が発効するまでの間は暫定取り決めでひとつつないでいこうという、こういうレールが敷かれたわけでございます。その間に三月中のニシンあるいはサケ・マスの操業を中止せざるを得なかった、こういう点は私は残念に思っております。  この経過につきましては、日ソ漁業条約によりまして漁業委員会というのが毎年行われてきておったわけでありますが、両三年前からソ連側から繰り返し繰り返し強く日本側に迫ってきておりましたことは、当該年度のサケ・マス及びニシンの漁獲をこれから話し合って、資源の評価なり、その上に立っての漁獲の条件、方法、漁獲量、こういうものをこれから決めようとする会議の結果を待たないで日本がもう三月から操業を進める、こういうことはルール違反ではないか、こういうことを強く迫られておったわけでございます。わが方としては、漁期の関係もこれあり、そうかたいことをおっしゃるなということで押し返して今日までやってきたわけでございますが、今回は二百海里という専管水域を設定した、情勢は全く変わってまいったわけでございます。  サケ・マスにつきましては、日本海の小型の漁船からスタートするわけでございまして、大体三月中はソ連の今回設定した海域の外、日本近海で操業がなされておりますから、実害はございません。しかし、ニシンの場合におきましては、樺太の西海岸の海域でございまして、もし日本側がこれを拒否して強行出漁をいたしますれば拿捕とかいろいろなトラブルがそこに発生をする、そして今後の日ソ漁業交渉全体にも悪影響を及ぼす、こういうようなこと等から大局的な判断をいたしまして、そして三月中の出漁を見合わせた、これは私としては非常に残念なことと思っております。しかし、このサケ・マス、ニシンは、一方において二百海里時代になりましても、いま日ソの漁業条約というのは生きておるわけでございますから、三月十五日から約束どおり東京で会議を開き、そこで科学的、学問的な資源の評価等を根拠にして五十二年度のサケ・マス、ニシンの操業をここで交渉する、こういうことも約束を取りつけたわけでございます。  私としては、東京を出発するに当たりましていろいろ考えておりましたことが、大体、日ソの将来に向かっての長期安定した北洋の漁業の新たなる枠組みの設定、それができるまでの暫定取り決め、そして暫定取り決めができるまでの間、三月中の安全操業の確保、これは私は考えておったとおりでございましたけれども、しかし、いまのサケ・マス、ニシンの三月中の操業ができなかった、これは私は非常に残念に思っておる。  私の率直な評価はそのようなものでございます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)分科員 大臣、問題は以南ニシンの全面禁漁なんですね。あの北方海域における漁民の長年にわたって開拓をしてきた場でございまして、この三月中に恐らく百七十数隻の漁船が操業できないということで、ある組合では一そう当たり七百万の準備資金を貸し付けて、とにかく資材を積み込みあるいは人を集めて、ことしもまたやれるだろうという準備をしてきた、この経済的、精神的な打撃というのはきわめて大きいですね。これが三月中は操業中止になりましたが、果たして以南ニシンが四月一日から操業できるようになるのかどうなのか。このままずるずると全面禁漁ということになるのか、あるいは四月から出漁ができるようになるのかというのが、これは命を的にして働いている、日本のたん白源五一%を供給しているこの漁業関係者、これらの最大の関心事でございまして、この辺はどうごらんになっていらっしゃるのか。大臣ひとつお答えいただきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 私は、三月十五日から東京で開催されますシャルクの場におきましては、漁期が切迫をしております関係もございますから、ニシンの問題をまず優先して交渉の場にのせて、そして早期にこの問題の決着をつけたい、こういう腹構えでおるわけでございます。ただ、それがどこまでわれわれの、この漁民諸君の切なる願いの上に立ってのわが方の要求、これがどこまで実を結ぶか貫けるかということは、相手のあることでございますし、なかなか予断を許さない。斎藤先生もよく御存じと思うのでありますが、ニシンの資源というのは世界的に非常な危機的状況にあるようでございます。北海におきましてもあるいは北大西洋におきましても、ニシンの資源というものは非常に落ち込んでおり、もう商業的にも成り立たぬというぐらいのところまで落ち込んでおる。こういう状況下にございますし、ソ連はニシンを非常に珍重する国柄等からいたしまして、ニシンの資源に対する考え方というものは日本人が想像する以上に厳しいものを持っておる、こういうふうに私は判断をしておるわけでございます。しかし、北海道その他の零細な中小漁業者が長年このニシン漁によって生業を維持してきておる。そしてその背後には加工業者等多数の者が生活をしておる、こういう実態は私はよく認識をしております。こういうことでございますので、私としての最善を尽くしてこのニシンの問題には取り組んでいきたい、こう思っております。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)分科員 大臣からいろいろと御答弁がございましたが、率直に言いまして、まあここで勘ぐったり疑ったりする気持ちはありませんけれども、大臣がイシコフさんとモスクワでお会いになって全面禁漁、これはもう永久に——ソビエトとしても、ソビエトの漁業政策の上からいっても二百海里という新しい時代を踏まえて当分だめだぞ、これは勘弁してくれ、しかし一遍にそういうことを言うとまた大きな問題になるから一応三月中ということでどうだろうという、腹を大臣に打ち明けたかどうか知りませんけれども、ソビエト側にしてみればまあニシンは勘弁してくれ、こういうような気持ちがあるのではないかと私は危惧するわけですが、その辺の感触はいかがですか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 向こうがどういうことを考えておるかはっきりくみ取ることは困難でございますけれども、とにかくニシン資源が世界的に非常に危機的な状況にあるということはるる言っておりまして、しかし筋論から言いましても、このニシンとサケ・マスというのはシャルクの場において学問的、科学的な資源評価の上に立って当該年度の漁獲量というものが決定さるべきものでございます。私は特に東京でこのシャルクの会議を三月十五日から始める、これを強く求めて了解をさせたわけでございます。そういうようなことで、すべてをこの十五日から始まるところの東京の日ソ漁業委員会、これに実はかけておるわけでございます。したがいまして、関係漁民の諸君も恐らく代表その他東京においでいただくと思うのでありますが、そういうニシン漁業者の窮状、国民的な背景、そういうようなものと相まちましてこの難局を打開していきたい、こう考えております。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)分科員 大臣の交渉に臨む決意のほどはいましかと承りました。これはもうぜひとも日本の漁業者の権益を守るという意味でひとつがんばっていただきたいと思うし、またそこで問題になるのは、御承知のように相当な数が操業中止あるいは引き揚げてきたり——恐らく百七十七隻といいますと、一隻には従業員あるいは家族を含めて大体九十人と言われております。そうすると一万六千人ぐらいになるわけですが、これらの人たちが三月中操業できなかったことにより、いままでかけた経費なりあるいは生活費なり、これはもうどこからも収入がないわけですから、設備もニシンにしてしまったということでほかの漁には出ていけない。まあ相当無理して体制を整えてきたわけでございまして、先ほど申し上げましたように、あらゆる金融機関あるいは漁業組合等が乏しい金の中から金を出して設備をしておる。こういう操業できないためにこうむる被害といいますか、これについて政府として一体どうされるのか、この点をひとつ私はお尋ねいたしておきます。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 いまはっきりしておりますことは、三月中の操業ができなかった、こういうことでございます。斎藤さん御指摘のように、この三月中の漁獲を目当てにして、そして第一回の漁をして帰ってくればこれだけの収入がある、それで金融を受けておった先に対しても金も返せるだろう、手形を振り出しておればその期日には落とせるだろう、こういうことであったと思います。そういうことでございますので、当面私はその融資等の手当てをいたしまして、そしてこの三月十五日から始まるシャルクの交渉の結果で全体としてのニシンに対する最終的な結果が出るわけでございますから、その時点で全体の救済措置、そういうものを考えたい。当面は三月中出漁できなかったということに対する融資の措置をやっておきまして、そしてシャルクの場で全体の結論が出た際におきまして全体的な救済の措置を講ずる、こういう二段構えの考えで対処していきたい、こう思っております。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)分科員 大臣、融資というお話がございましたが、これは漁業関係者には全く責任がない問題でございまして、外的な要因によってこういう全面禁漁というものが起きた。したがって、私は融資とかなんとかというんじゃなくて、やはり全面補償という形がこの場合適当ではないか、こういうふうに私は考えるわけでございます。いろんな交渉の経緯等も見なければこれはわかりませんことでございますが、仮に融資としても四月から果たしてそれが操業できるかどうかということはまだ未確定、しかも全面禁漁になるかもしれない。では金を借りても仕事がないためにそれじゃどうして返すかという問題も出てくるわけでございまして、これはひとつ十分漁民の立場に立って御配慮をいただきたいというふうに考えております。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 斎藤先生、ちょっと私の説明が不十分であるのか、御理解がいっていないように思うのですが、三月中とりあえず融資をして、それで手形の決済その他あればそれをやっていただいておって、そして三月交渉の最終的な結果を見て、どれだけ出漁できるのか、あるいは全部の船が出漁できないのか、どういう事態になりますか、その結果を見まして、そして最終的な救済措置を講じよう。その場合、もとより三月中の融資は救済の措置の中で処理さるべきものである、こういうぐあいに私は考えておるわけでございます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)分科員 日ソ漁業交渉についてはひとつ特段の御努力をお願いをしておきたいと思います。  次に、魚の輸入秩序のことについてお尋ねをいたしたいと思います。  日米交渉あるいはアメリカの二百海里等も含めて、魚の量が非常に削減をされることはもう目に見えているわけでございます。そこで非自由化品目の魚を、ある一部の商社あるいは大手の漁業会社などが政府の交渉に先駆けて輸入しようという動きが活発だというふうに伺っておるのですが、これは非常に問題があるので、この点についてどう把握されておりますか、お尋ねいたします。

岡安誠水産庁長官

○岡安政府委員 御質問のように、私どもも、具体的ではございませんけれども、一部の商社におきまして原魚の買い付け、バーターというような話があるやに聞いております。一般的なお話ということでお答えしたいと思いますけれども、一般的には関係国との漁業交渉が行われている、また行われる前に、相手国の取り分になるようなものにつきましてあらかじめ先駈けて輸入その他の商談が進むということは、必ずしも好ましい話ではないというふうに考えておりますので、関係者には注意をいたしておるわけでございます。ただ何と申しましても、日米の交渉は終わりましたけれども、今後ソ連との交渉等を控えまして、ある程度の漁獲量の削減ということが当然予想されるわけでございまして、削減された魚がたまたま配給品目であるという場合もあり得るわけでございます。そういう場合には、当然、私どもは漁獲量の削減によりまして製品の値上がりということを来すことのないようにいろいろな手当てをしなければならないと思います。しかし、手当てをする場合には、なるべく自国産の魚を使う、やはりみずから自給をするということでなければならぬと思いますけれども、消費者の需要によりましてはどうしても当該の魚を確保する必要がある、そういう場合には当然、国内におきます需給状況、それから生産者、加工者等の立場を十分考えながら、輸入につきましては今後検討し、措遣をいたしたいというように思っております。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)分科員 仮に需要が強くなりまして魚が少なくなったという場合、将来の問題としてスケソウなどの配給品目を輸入するような状態になった場合に、二百海里時代に一番影響を受けるのは沖底、北転船等の零細な漁民であるわけでございまして、そのことを十分配慮して、その系統組織に輸入割り当てを与えるべきではないかと考えるのですがね。大手の商社にほとんど枠を与えるということは問題だろうし、私は零細漁民を救済するという意味からも系統組織に輸入割り当てを与えるべきではないかと思うのですが、いかがでしょう。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 これは今後の政策にかかわる問題ですから私から申し上げておきますが、二百海里時代になりまして、日本の総漁獲量に相当の削減が起こる可能性があるわけでございます。そういうようなことで、消費者である国民の皆さんのたん白食糧の確保という面からその不足分をどうするかという問題がございます。また加工業者の業界に対しても同様の問題があるわけでございます。  私は、第一義的には多獲性の魚族、イワシであるとかサバであるとかサンマであるとか、そういうようなものをできるだけ高度加工をする、付加価値を高める、そして国民の食ぜんに上せるようにしたい、そういう加工、保蔵、流通の面に力を入れてまいりたい、こう考えております。  それから第二は、どうしても外国から輸入をせざるを得ない場合におきましては、いままでもやっておりましたが、全漁連の系統であるとかあるいは北海道等の生産者団体あるいは加工業者の団体、そういうようなものを十分頭に置きながらやってまいりたい、こう考えております。  なお、後進地域の国々も二百海里を大分あっちこっちで設定をいたしております。こういう国々は日本からも技術援助を与えたりいろいろなことで漁業の振興を図るように援助してやらなければならぬわけでございますが、そういう開発途上国の漁業ということになると、結果的に沿岸性の魚が多くとれる。そういうものにつきまして余裕があって日本に入ります場合は、日本の沿岸漁業の漁獲物と競合をする種類のものが入ってくるわけでございます。そういう点につきましても今後十分な配慮をして、そのために国内の沿岸漁業者が圧迫を受けないような措置を講じなければいかぬ、私はこういうことをいろいろ考えておる次第であります。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)分科員 以上で私の質問を終わります。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 斎藤君の質疑はこれにて終了いたしました。  次に、永原稔君。

永原稔新自由クラブ

○永原分科員 永原でございます。  私は、最初に農業に関する基本的な考え方について、農林大臣に二点にわたってお伺いしたいと思います。  第一点は、福田総理大臣が施政方針演説の中で「農林漁業者が誇りと働きがいをもって農林漁業にいそしめるよう、その体質の強化を進め、食糧自給力の向上を図ることを長期にわたる国政の基本方針」とするようにお話しになっております。私は非常にりっぱな考えだと思いますし、それに賛成いたします。しかし現実を見ていきますと、日本はこの狭い国土でありながら、耕地の利用率が一〇〇%に落ち込んでおります。五割増も二倍にも回転してほしい耕地が、そういうような状況になっております。休耕田の対策などが一つの問題点であったとは思いますけれども、そういうものを反省しながら新しい食糧対策を考えよう、こういう総理の姿勢に対して、それを受けとめながら農林省がどういうようにお考えになっていらっしゃるんだろうか。特に、でん粉質の食糧から動物性たん白質の食糧に転換しつつあるときに、迂回生産であるだけ飼料作物の生産に非常に難渋するのではないだろうか。そういうカロリー換算をした食糧の自給率をどの辺まで持っていこうとなさるのか、その点をひとつ伺いたいと思います。  第二点は、やはり福田総理は、開発途上国との関連において、特に第一次産品の問題について積極的に取り組む、こういうことをおっしゃっていらっしゃいます。これも連帯と協調というようなお考えを非常に強く打ち出していらっしゃる総理ですから、国内だけでなく対外的な姿勢においてもそれが必要でございますし、恐らくこれを貫いていかれると思います。  そういう中で、いま農業の置かれている姿を見ますと、工業製品によって得た貿易の黒字のしわ寄せが一次産業にきている、こういうことを私は指摘したいと思うのです。農家の方が働きがいのある農業にいそしんでいるだろうか、このことに非常に疑問を持ちます。  そういう中で総理大臣が渡米なさる。そのときに抱えている問題としてオレンジや果汁の自由化、輸入の拡大、そういう問題とか、OPP、防ばい剤の使われたいろいろな果実の輸入の緩和、食品衛生法に関連する問題ですので、十分お考えになっていらっしゃるとは思いますけれども、こういうようなものについて農家の方が非常に心配している。また、落葉果樹の害虫に影響があるというアメリカの桜桃の輸入の問題、こういうような問題についても、総理大臣の渡米の中で話題になったならば、日本の農家の方々の立場を考えてできるだけ阻止していただきたい、こういう気持ちで私は農林大臣に訴えたいのです。そういうことについての農林大臣のお考え、この二点についてまず最初に伺います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 御承知のように世界的な食糧事情、近年若干生産が安定しておるような状況でございますけれども、なお食糧の世界的な在庫水準は低位にございます。私どもは、この食糧問題というのは予断を許さないほど重大な問題である、こう認識をいたしております。  国内におきましても、戦時中から戦後へかけ、また高度成長の中におきまして、農地の壊廃あるいは農村の生産労働というものが他産業に流出をしておるということで日本の農業の体質が脆弱化しているということ、これも否めない事実でございます。  そういうようなことで、食糧の自給率がなかなか思うように向上しないということであったわけでございます。したがいまして、食糧の自給率を高めるように日本農業の体質を強化する。生産体制を整備する。特に、土地改良等の基盤整備の事業を積極的に行って、そして足腰の強い日本農業というものを育てていかなければいけない。  また、農業は何といっても土地の問題と人の問題でございます。農業従事者、優秀な後継者の育成、確保、こういう人の問題につきましても今後一層の力を入れていく必要がある、そういうようなことで総合的な食糧の自給度を高めてまいりたい、こう考えております。  現在、御承知のように食用に供されております穀類の自給率は七四%くらいございます。     〔主査退席、片岡主査代理着席〕 現在、米につきましては余剰米が二百六十万トンございますが、それを差し引きましても七二%程度の自給率に相なっております。しかし、御指摘の家畜の飼料等を含めますと自給率は五〇%にも満たない、こういう状況にあるわけでございます。  なお、たん白食糧の面につきましても、畜産の方は着実に伸びていってはおりますけれども、需要の面もこれまた年々拡大をしていっておるわけでございます。  一方、たん白食糧の五一%以上を供給しておった水産物、この方も二百海里時代を迎えてなかなか厳しい状況に相なっておるわけでございます。これも実績の確保に向かって漁業外交を強力に展開をしようということで、総力を挙げて取り組んでおります。と同時に、また日本としては未開発漁場の開発の問題、あるいは日本列島周辺の沿岸、沖合いの漁場の開発整備、資源をふやし、さらに栽培漁業等を盛んにして、海外で失う漁獲を日本列島周辺の漁業で補うような施策を今後強力に展開をしなければならない。また、イワシやサバ等の多獲性の魚族の加工、保蔵、流通の問題を十分改善をし、合理化をいたしまして食ぜんに供するようにする。そういうような施策を今後総合的に展開をいたしまして、全体としての食糧自給率の向上を図っていく。この目標に向かって私どもは今後の農政を着実に展開をしていかなければならない、こう考えております。  なお、資源の関係あるいは国土その他の条件等からいたしまして、どうしても完全に自給できないようなものもあるわけでございますから、これにつきましてはやはり安定的な輸入というものを考えなければならぬわけでございます。  私は、農林省に課せられた仕事は、生産者である農林漁業者の繁栄、農林漁業の振興、所得の向上等生活の安定を図ると同時に、消費者である国民の皆さんに食糧の問題に関する限りはいささかの不安も与えてはいけない、これが大きな責務である、こう考えておりますから、いま申し上げたようなことで取り組んでまいる考えでございます。  なお、そのためには、せっかく自給率の向上のためにいろいろな施策をやっておるわけでございますから、先ほど御指摘がございましたように、無秩序な貿易の結果としてアンバランスが出た、その穴埋めに農産物、農産加工品を輸入するのだ、そういうようなことは私は断じて許すわけにはまいりません。あくまで、国内の自給率を高めてその不足分を補完的に海外から食糧の輸入を安定的に求めていく、こういう基本の上に立って進めてまいりたいと考えております。  なお、防ばい剤でありますとかいろいろな薬品の問題等、柑橘類や桜桃等の輸入問題につきましては、技術的な問題もございますから局長の方から答弁をさせます。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○堀川政府委員 いま具体的に品目を挙げられました果樹につきましてお答えをいたしますと、オレンジ、果汁の自由化の問題につきまして、私どもオレンジにつきましては四十八年以来、ずっと割り当ての量も変更しておらないわけでございますし、国内柑橘への影響が大きいということで、果汁ともども自由化は考えておらないわけでございます。また、具体的にそういう話が起きておるというふうには思っておりません。  それからサクランボの問題は、米国からかねて来、サクランボを日本へ輸出できるようにしてくれという話がございました。これにつきましては植物防疫法上、輸入を禁止しておるわけでございます。禁止の理由は、米国のサクランボ生産地帯においてコドリンガというガがこのサクランボにつく、これがサクランボについたままで日本に輸入されますと、植物防疫法のたてまえからいたしまして、国内にそういうコドリンガが憂延するということになれば非常にぐあいが悪いので禁止をしておる、かようなことでございます。これにつきましては、米国といたしましては、一定の方法で完全な殺虫ができるのではないか。そこで何回か完全殺虫を目指した試験を繰り返してきておるわけでございまして、そのデータ等をわが国に送ってきておるわけでございます。  私どもといたしましては、事は技術的、科学的に判定さるべき問題であるという立場から専門家にこの検討をゆだねておるわけでございまして、まだ現段階で結論が出ておるわけではございません。一部新聞等ではもうすぐ解禁かと受け取れるような報道をした向きがございますけれども、私どもとしてはそのような決定をしたことはございません。  それからもう一つ、柑橘類に使われるOPPの防ばい剤の問題でございますが、これにつきましては、事は食品衛生法に基づきます食品に添加を許される物質であるかどうかということでございまして、従来日本の食品衛生法の体系ではこれを認めておりませんでした。おりませんでしたので、そのOPPがついておったものが輸入をされて、ついておるということがわかった時点で大騒ぎになって、廃棄をするとか、それに伴い輸入が減少いたしまして、価格も高騰するというようなことがあったわけでございますが、その後こういう薬剤を使用せずに日本に輸入が行われております。一時レモンでございますとかグレープフルーツがかなり減少いたしましたけれども、現在では薬のついていない状態で、ほとんど前の水準の輸入に戻っておるわけでございます。  ところで、このOPPを使うことを許すかどうかの問題は厚生省所管マターでありまして、厚生省がどのように処置をされるかということでございます。これは人の健康に関する問題でございますので、厚生省において慎重に御決定になるであろうというふうに思っております。

永原稔新自由クラブ

○永原分科員 いろいろお考えを伺いましてありがとうございました。  農林大臣がおっしゃったように、食糧で国民に不安を与えないようにというように胸を張っておっしゃった、そのお気持ち、ぜひ受けとめて施策に反映していただきたいと思います。  そのほか、私、農作物の価格について伺いたいと思いますが、米のほかは農作物の価格は安定しておりません。特に需要と供給のバランスの中で価格が決定される、こういう資本主義経済の原始的な面が一番残っているのは農産物価格の決定の場合だろうと思います。そういう中で、私は、不安定な農産物価格を見まして、農家の人たちが非常に先行き不安を感ずる、そういうような状況を見聞きしておりますので、こういう点についてやはり抜本的に考えを改めて対策を立てるべきだと思いますけれども、その例として私はミカンを挙げたいと思います。  あの高度経済成長時代、所得弾性値の高い作物、特に選択的拡大の名のもとに、ミカンのようなものが増産、増植を奨励された。これは事実でございます。私自身が地方開発の計画に参画しながら、その農林省の御指示も受けながら推進した一人でございますので、その実態をよく知悉しているわけですけれども、その結果、米に次いで自給率一〇〇%を超えるようなミカンの生産状態になってきております。しかし、四十七年に暴落して以来、ミカンの価格は回復しておりません。  これに対して、農林省のいろいろな指導方針と申しますか、改植あるいは高接ぎによって当分の間の減産を図る、あるいは他作物への転換、さらに緊急対策としては摘果、そういうことで生産調整を図っていらっしゃいますが、これも一つの方策だとは思います。  しかし、その中で、特に緊急を要するものとして取り上げられた改植につきまして、五十二年度で一応事業認定を終わり、五十三年度予算で補助を打ち切ってしまう、こういうふうに伺っておりますけれども、二万六千ヘクタール、この面積は自力でやる分も含んでおりますが、これを実現するのに農家の実態は非常に規模が小さいというようなこと、あるいは種苗の確保に非常に難渋している、混乱している。こういう実態を見ますときに、果たして五十二年度で事業認定を終えてしまっていいだろうか。やはり改植についてさらに続けていく必要があるのではないか、そういう感じがいたします。  そういう観点に立って、やはり各産地がそれぞれ品種改良に努力しておりますけれども、これには時間もかかりますので、五十三年度認定を続け、さらに五十四年度補助というような、さらにこの補助制度を続けるというお考えがないかどうか、これがまず一点。  それから、いま触れました種苗対策でございますけれども、それぞれ各地域がある一定量を確保いたしませんと広域的な出荷量として適当でございません。統一した品種をつくるために統一した種苗を得なければなりませんが、これについて、いま種苗センターのようなものが設立されていない。こういうものでもって優良品種を提供して、各産地ごとのオリジナルな産物、そういうものに転換していく必要があるのではないか、こういう気がいたします。種苗センターの設立についてのお考えというような点について伺いたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○堀川政府委員 いま先生お話しのように、温州ミカンから需要のある他の柑橘類への転換を進めておるわけでございます。その際、温州ミカンの生産地もいろいろございまして、地域によりましてこの改植等の転換への取り組みの体制にいろいろ遅速の差があると申しますか、熟度の差があると申しますか、さようなことはあろうかと思うわけでございます。こういった仕事はなかなかむずかしい仕事でございますので、でき得る限りその現地の生産者の実情等よく勘案をして進めるべきものというふうには思うわけでございます。苗木の問題につきましても、どういうやり方がいいかというようなことは、それぞれ現地に即して検討さるべき問題だというふうに思うわけでございます。  そういったことはございますけれども、私ども、団体の強い要請もございまして、五十三年度新規着工まで当初の計画としては持っておった計画を、五十二年度に繰り上げ施行ということで、できるだけ早期に温州ミカンの需給均衡の実現を図りたい、かような気持ちで団体の御要望等にも沿いました形で一応予算を組んでおるわけでございますので、さしあたりは、とにかくその実行に全力を挙げるというのが筋ではなかろうかというふうに思います。  その後の問題につきましては、このプロセスでどういう問題が起こってくるか等の話もございますので、よく検討いたしまして今後の問題については考えてみたい、こういうふうに思っておるわけでございます。

永原稔新自由クラブ

○永原分科員 いまその後の問題について進捗状況を見ながら検討するというお答えをいただきましたので、ぜひ前向きで検討していただけるようにお願いいたします。  さらに、ミカンの価格のことでございますけれども、いまの政策は、改植など生産調整部門が主でございます。しかし、このミカンが国の政策によって奨励されたのも私は否定できない事実だと思います。そういう中でミカンの価格を見てまいりますと、東京都の中央卸売市場の年報による価格ですけれども、昭和四十五年の価格を一〇〇とした場合に、五十年の価格がやはり一〇〇に横ばいになっております。リンゴとか桃とかナシあるいはブドウ、カキというような、これは落葉果樹で質は違うと言えばそれまでですけれども、こういうものが二倍以上になっている。そういう中で、消費者物価指数一・七二倍、それから農村の物価指数を見ていきますと一・六九倍、こういうような上昇が見られるわけでございます。そういう中でミカン農家が意欲を失ってしまった。先行き非常に不安を持って、後継者を養成しようとしてもこれに対する対策いかんというようなことで、なかなか積極的な姿勢が見られないようになっております。     〔片岡主査代理退席、主査着席〕 もちろん人生は金ではないというようなことも教育しております。そういう中で生きがいを求めなければいけないという精神的な教育はしておりますけれども、現実にはやはり人間ですので、かすみを食っているわけにはいかないわけです。そういう中で、他産業との所得格差が余りにも大きくなり過ぎている。こういう現実を見るときに、やはり各自治体においてはこの価格対策というのに頭を悩ませているのが実態です。  そういう中で、特殊な県においては所得保障的な共済制度を考えているようなところがあるようでございますけれども、いまの果樹共済制度に私は所得保障制度がなじむとは思いません。しかし、そういうような苦労をしながら各地方団体がこの問題に取り組んでいる。そういうときに、農林省としてもこの価格維持対策に何かお骨折りをいただきたい。特に何かのお考えがあれば、その点も伺わせていただきたいと思います。  時間が余りなくなりましたので先を急ぎますけれども、同じような問題がお茶についても出てくることが予測されます。  お茶は、一人当たり一年間で一キロ消費はいたしておりません。しかも、四十八年度、四十九年度あたりから横ばいになっているという現実がございます。そういう中で、現在の生産量は消費に見合うぐらいの生産量でございますので、お茶の農家は価格が安定された中で経営が維持されておりますけれども、昭和六十年時点において国の長期見通しでは十二万九千トンになる、こういうようなお考えですが、しかしここ数年、各県の数字を寄せ合わせてみますと、それをさらにオーバーするような実態になってまいります。すでに二万トン以上も生産過剰が見られる。こういうようなことが予測されるわけですけれども、ミカンの二の舞にならないように、この点についてやはり生産調整も必要ですし、また輸出の振興あるいは国内需要の拡大、こういうようなことも必要だろうと思います。そういうことについて何か特別のお考えがあれば伺わせていただきたい、こう思いますが、よろしくお答えをいただきたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○堀川政府委員 御案内のようにミカンは加工がきくわけでございます。ああいう天候の影響を受けやすいものにつきましては、ある年に相当なり、その次の年にはならないということで生産量の不安定ということもあり得ます。その加工のきくという利点を利用いたしまして、果汁なりあるいはかん詰めなりということで加工用に一定のものをある状況のもとでは回しまして、そして総合的な価格の安定といいますか、所得の確保を図ることが適当だという考え方に立ちまして、私ども加工原料用果実価格安定対策事業を実施しているわけでございます。そういうことで、今後もこれらの施策の実施を通じて農家の所得の安定に寄与したいと考えておりますのが一つ。  なお、基本的には需要に見合った計画的な生産ということで、先ほど申し上げましたような改植その他の措置も講じていく必要があると考えておるわけでございます。  それから、お茶でございますが、お茶につきましては収益性が高く、価格も近年高水準に推移していることからしまして、栽培面積、生産量とも近年急にふえてきているわけでございます。最近伸び率がやや鈍化してまいったということで、このお茶につきましては、これも今後の方向といたしましては計画的生産の方向を強める必要がある。私ども長期見通し等を持っておりますが、現時点で直ちに過剰というふうに判断しておるわけではございませんけれども、個々のいろいろなプロジェクトを見てまいります折に、その辺は相当気をつけてやってまいる必要があるのではないかと思っておるわけでございまして、お茶につきましても従来の生産対策に加えまして、五十年度から茶の生産流通安定対策事業を実施しているところでございますが、いま言ったような需要面の問題もございますので、五十二年度にはさらに本事業を拡充いたしまして、茶の消費状況調査というものを加えまして、需要のあり方、将来の見込み予測はどうなるのかということも十分見直せるような調査もやってみまして、そしてお茶の今後の生産が需要の方向にマッチできるように持っていきたいと考えておるわけでございます。

永原稔新自由クラブ

○永原分科員 いまお答えのありましたミカンのジュース化の問題ですが、このジュースに使うミカンの価格は非常に安いのです。買いたたかれているのです。これに回して本当にミカン農家の所得がふえるとは思えません。こういう点で、ジュース工場をつくっていくことに農林省は非常に力をお入れになりまして生産量は確かに上がってきておりますけれども、それによって価格が維持されるとは思えないのです。そういうような中で価格維持政策を別に新しくお考えになる余裕はないでしょうか、そういう点についても伺いたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○堀川政府委員 直接的に価格支持等の政策をとる考え方は目下のところございません。むしろ価格安定対策事業、それから先ほど申しましたように基本的には需給の調整のための生産の転換対策等、その他生産振興の施策を拡充していくというようなことで対応してまいりたいと考えております。

永原稔新自由クラブ

○永原分科員 結論を急ぎます。自由主義経済体制、これは人間の能力を発揮する上においては非常にすぐれた体制であると思うのです。しかし、こういう生産過剰に悩む農家の姿を見るときに、国の行政指導の中で、もっと計画生産的に強力に指導する必要があるのではないか。農林省の政策で主産地形成というような考えを打ち出されたときがございました。ああいう構想も一年か二年でつぶれてしまったと思いますけれども、ああいうような構想によって計画生産ということがスムーズに行われていく必要があるのではないか、こういう気がするのですが、そういう考えはいかがでしょうか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 農林水産物、畜産を含めて総合的な自給率を高めていく、それを基本として考えてまいります場合に、やはり価格の問題が非常に大きなウエートを持ってくるわけでございます。国で主産地形成、適地適産、そして全体として必要な農産物ができるようにということを目指していろいろの施策をやりましても、やはり受けとめる農家は米をつくった方が有利であるということになりますと、どうしても米復帰、稲作復帰の志向というものは改めることはできない。そこで私は、農産物の価格の面におきましても相対価格の是正が非常に大事な問題だ、こう考えております。いろいろ物によりまして生産費所得補償方式もありますし、パリティ計算によってやっておるものもございます。あるいは安定帯価格をつくって価格の安定を図る制度もございます。しかし、いずれにいたしましても国の振興助成政策とあわせまして、どの作目のものを選んでも農家の実質所得は余り変わらないというような環境、条件をつくってやることによって、適地適産もまた円滑な転作等の政策もスムーズに進めることができる、やはりそういう環境と条件をつくってやることがまず必要だ、こういうぐあいに私は考えております。  そういう観点に立ちまして、いま農林省の中では農産物価格政策検討委員会というものを設けまして、私も就任いたしましてからさらに馬力をかけていま検討を進めておる段階でございます。そういう方向でやってまいりたいと考えております。

永原稔新自由クラブ

○永原分科員 ありがとうございました。せっかく御努力をいただきたいと思います。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 これにて永原君の質疑は終了いたしました。  次に、清水勇君。

清水勇日本社会党

○清水分科員 今日、日本農業をどう見直すか、こういうことが大きなテーマになっておるわけですが、そうした点については別な機会、農水委員会等の場を通して私なりの所見を述べながら本格的にお尋ねしたいと思っておりますし、なお養蚕振興対策等についても触れたかったのでありますが、短い限られた時間でありますので、私はごく小さな問題一つだけにしぼってきょうのところはお尋ねをしたい、こういうふうに思うわけであります。  私が、きょうだだしたいと考えておりますのは、エノキダケ栽培にかかわる電力料の問題でございます。  御承知のように、長野県でも、いわゆる豪雪地帯であるとかあるいは山村地帯等の場合には、御多分に漏れず従来、農閑期、冬場等はこぞって県外に出かせぎを求めざるを得ない、こういう状況であったわけであります。しかし、出かせぎ労働のもたらすたとえば一家離散といったような問題、あるいは全体として農家経営の不安定な状況、こういうものをもっと総合的あるいは恒久的に打開をしなければいけないのじゃないかというところから、個別農家の努力もさることながら、たとえば県の農政当局にしても、あるいは農協中央会等にしても、いわゆる出かせぎに頼らざる形で安定的な農家経営の確保の道はないか、こういうところから、御承知のようにエノキダケ栽培という新しい農業を生み出し、これが今日、少なくとも長野県の北部地帯では定着をし、そのことを通して、ほとんど出かせぎ労働に頼らなくてもよろしい、こういう形態を生み出し、ある面で農家経営の基礎を固めるという意味で有効な、農業の一翼をなしているわけなのでありますが、そうした面の努力を農林当局としても高く評価をされてしかるべきなのではないか、私は常々そういうふうに考えているわけであります。いま申し上げたように、全体として、かつては農閑期における出かせぎ対策の一環として生まれ、そして副業的な存在でしかあり得なかったのでありますが、最近は、たとえば国民の消費指向が変化をする、あるいは生産農家の努力等がだんだんに実るというような状況の中で、少なくとも長野県の北部地域における農民にとっては、エノキダケはイノチダケと言われるように、農家経営を支える重要な幹になっている。そういう形でこれが定着を見ているわけであります。  ところが、たとえば昭和四十九年の電気料の大幅な引き上げ、二年後の昨年八月からの電気料のさらに大幅な引き上げ、これらが実はエノキダケ栽培というものに重大な支障を今日もたらしている。こうしたことの認識について、農林省はどのように見ておられるのか、まず最初に所見を承りたいというふうに思うわけであります。

藍原義邦林野庁長官

○藍原政府委員 エノキダケの栽培につきましては、ただいま先生の御指摘がありましたように、最近では農山村の農林家の短期収入源として年々生産量も増加する傾向を示しておりますし、生産額におきましては、大体二百億を超えるのではなかろうかというふうに推定されております。そういう生産量の増加というものは、食用キノコの中でもシイタケに次ぐものというような地位を現在占めておるような状況でございます。また、エノキダケの消費につきましては、びん詰めだとかあるいは生で食べるものだとか、いろいろ利用法も出ておりまして、食生活の面でも非常に需要がふえておるという実態でございます。  農林省の中で林野庁といたしましては、構造改善の中で、こういうものの施設その他の設備に対して構造改善事業の一環として取り上げておりますし、さらには、今後これに限らず、特用林産物的なものの推奨というものには積極的に対応してまいろうという姿勢でおります。

清水勇日本社会党

○清水分科員 そこで、私は一つの例を取り上げて申し上げてみたいと思います。  長野県の北部に、約三万そこそこの中野市という小さな都市がございます。この中野市における五十年度の農業総生産高は百四十三億円と言われておりますけれども、実はエノキダケがこのうち六十億円を占めているのであります。そして、同地区の農家一月当たりの生産高を県下トップという水準に押し上げた。そういう意味で大きな役割りを果たしております。ところが、実はそれだけの成果を生み出すためには、もう並み大抵な努力では済まないという背景がございます。御承知かと思いますけれども、エノキダケ栽培は文字どおり年中無休。私もしばしば直接見ているわけでありますが、大みそかといわず元日といわず、まさに労働を重ねなければならない、こういうような状況がございますし、一日平均十二時間あるいは十三時間というような長時間就労をせざるを得ない。また手が非常にかかるわけでありますから、受験期の子供にまで稼働を求めざるを得ないというような、いわば苦汗労働というものがその裏づけをなしているわけであります。しかし、そうした苦労を伴いながらも、農閑期の余剰労働力、つまり出かせぎ対策という面での労働力の吸収ができるとか、冒頭に申し上げたような一家離散などといった不幸な事態を解消し得る、あるいは不安定農家を徐々に解消しつつある、こういう点では非常に大きな効果を生んでいると私は思うわけであります。  さて問題は、実はこのエノキダケ栽培に要する使用電力のことなのであります。これは長野県中野市の農協の調査なのでありますが、平均的エノキ専業農家での生産コストに占める電力料金の割合は、一四・八%に達しております。これを金額であらわすと、約二十トン生産という通年栽培の農家で、五十年度の年間使用料が幾らになっているかというと、実に六十二万三千四百七十円に達しております。そして電灯料が十万五千三百九十八円に及んでおりますので、トータルして七十二万八千八百六十八円という、実に多額な金額になっているわけであります。それで、先ほども触れましたように、昨年八月に約二二%の電気料金の再引き上げが行われたわけでありますから、その後の使用料というものは金額的に見て、推定をすると年間で約十六万円くらいの負担増になるのではないか。これが当然コストアップにつながっていかざるを得ない、こういうふうに考えられるわけであります。  そこで私が申し上げたいことは、こうした余りにも大きな電力料の負担、そのことを通して結局苦労が報いられない、つまり割りが合わないというような感覚が生じて、たとえば生産意欲が減退をするとか、あるいは直接農家経済を圧迫をする、こういうようなことはどうしても防止をしなければならない、こういうふうに私は考えているわけでありますが、そのためにどうするのかという御所見を承りたいと思うのであります。  それで、私は具体的には、一つの方策としてエノキ用電力に対して農事用甲電力という適用を与えるべきではないか、こういう形によって大幅な農家負担の軽減を促進をする、割りの合う生産関係というものを確保する、こういうことが必要ではないかというふうに考えるわけでありますが、この点いかがでしょうか、お聞かせいただきます。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○堀川政府委員 エノキダケの生産に使用します電力料金の問題でございますが、これにつきましては、先生も御承知だと存じますが、各電力会社の電力供給規程によりまして適用範囲が決められておるということになりまして、細部につきましては各社運用で若干ずつ違っているのが現状のようでございます。これは、各電力会社の電力の需給状況やコスト事情等にいろいろ差があるためというふうに説明を聞いておるわけでありますが、エノキダケの生産用の電力ということになりますと、いわば分類で言いますと、農事用電力の中で育苗温床用の電力ということになろうかと思うわけでございますが、現在全国で東北電力、北陸電力、中部電力、四国電力というのがそれを適用しておるわけでございます。ただこの場合の適用の電力は、分類で言いますと農事用電力乙ということになっておると承知をしております。  そこで、農事用電力甲は灌漑排水用ということで設けられたかなり歴史の古いものでございますが、これとの比較で言えば、確かに農事用電力の乙を使った場合契約電力が非常に低い。たとえば五キロワット以下で定額制供給という場合に、しかも短期間使う、たとえば一月というようなことでありますと、これはどうも農事用電力甲よりも低い。しかし一日超えるごとに加算がついていくということがございまして、電力料金体系が、基本料金と電力量に即応する従量制の料金と、それから一日につきふえていくというような料金体系というようなものの組み合わせになっておりますので、そこらが体系として非常に複雑であり、具体的に長野県のごとく周年生産をするというような場合には、とてもこの農事用電力の乙の——契約電力が多い場合には従量制供給の場合にはかなり高くつくわけですが、それよりも低電圧の電力料金というのが別にございまして、それを使用した方が有利であるということから、長野県の場合には、かなり多くの方が低電圧料金の方を使用するということで契約を結んでいるのが実態だというふうに思うわけでございます。  この問題は過去いろいろと問題になりまして、先生がおっしゃる農事用電力の甲を適用せよというのも一つの解決の方向ということで、生産団体から御要望があったことを十分承知しておるわけです。農林省といたしましては、電力料金の値上げのあるような都度、通産省ともいろいろと話し合いをやってまいったわけですが、残念ながら現在まで解決をしておらないというのが実態でございます。先ほど先生もおっしゃったように、いまの料金体系でまいりますとかなりの生産費の負担になるということも事実でございますので、この点につきましては今後通産省とよく相談をいたしまして、どういう解決方法が妥当なのか、料金体系が非常に複雑でございますけれども、相談をしてまいりたいというふうに思っております。

清水勇日本社会党

○清水分科員 いま、たとえば灌漑用というお話がありましたけれども、確かに農事用甲は歴史的に見ると、季節に限って、田植えであるとか稲刈りであるとか灌漑用であるとか、こういうような電力に限っていたという経過がございますが、しかしいまも局長がいみじくも述べておられるように、いわゆる運用を通して、最近では各般の電力についてこれがかなり適用をされるという傾向になっているわけなんです。たとえばリンゴだとかミカンだとか野菜であるとか、こういうものの冷凍用の電力なども、いずれも運用を通じて農事用甲という形でこれが認められている。  ことに私が問題にしなければならないと考えているのは、たとえばいま申し上げたようなリンゴやミカン等の電力が農事用甲である。ちなみに申し上げておくと、これは中部電力の調査なんですけれども、平均的エノキ農家での低圧電力の料金がどういう契約になっておるかというと、大体十ないし十五キロワット、その基本料金がキロ当たり八百円、メーターはキロワット当たり十円強である。ところが農事用の甲は御承知のとおり非常な割り安になっていて、基本料金が三百円、メーターがキロ六円、約半額なんです。そこでそういう安い電力を使って、実は最近、一つの例を申し上げると和歌山県などのミカン栽培農家がエノキの栽培に乗り出す、こういう状況があらわれているわけです。これは長野県内のリンゴ農家の場合にも、一部割り安の電力でエノキの栽培に乗り出すというようなケースが目立ってきているわけなんであります。私は、農家がそれぞれの最善の努力を通じて全体として付加価値生産性を高める、そのことを通してコストダウンを行いながら消費者へのサービスを拡大していくということは、これは求められていい方向だとは思うのでありますけれども、しかし、生産コスト中一四・八%というような大きな割合を占める電力料が、その出発点にあって二対一というような大きなギャップをしょったままでは、いずれにしたって割り安の電力で栽培をする農家と割り高の電力で栽培をする農家との間にどういう結果が起こるかということは、これはもう私が云々する必要はないと思うのです。競争原理から言っても、割り高の電力を使っているエノキ栽培農家は必然的にいわば経営の行き詰まり、こういうような状況に陥っていくことはもう間違いのないことなんです。そうだとすれば、当然のこととして、単に生産農家からの要請がございましたので通産当局とも打ち合わせたという経過を説明される程度ではなしに、少なくともこの事態を深刻に受けとめて、この際、運用を通じてでも農事用電力甲が使えるような方策を立て、そのことを通じて、歴史が浅いとは言いながら、営々辛苦今日を築き上げることを通し、その成果が全国的に広まって、いい結果になろうとしているわけなんですけれども、そういう努力がさらに報われ、助長されていく、こういうことを特に私は要望申し上げたい。  そこで、いまお話しのように、電力会社にはいろいろの事情がございまして、こういう御指摘でございます。しかし、現にいま申し上げたような運用を通しての幾つかの実例があるわけでありますから、私が重ねて申し上げる点についてひとつお答えをいただきたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○堀川政府委員 実は先生から御指摘になるまで、うかつでございましたが、他の地域で農事用電力甲がエノキダケの生産に使われているという実例を私ども承知しておりませんでした。よく事情を調べてみまして、とにかくおっしゃるような点、私どももどうも不合理に思う点もございますので、事実とすれば、そういう事情をよく調査した上、今後通産省とも話し合って解決に努めたいと思っております。

清水勇日本社会党

○清水分科員 なお念のために承りたいのですけれども、私の承知している限りでも、最近の例で言えば昭和四十九年の電力料の引き上げの際、また昨年の引き上げの際、生産団体等はもとより関係地方団体等も、いま私の申し上げている点についてはるる農林当局にも強く注文をされているところであります。そこで、局長のお話によれば、再々にわたって通産当局とも相談してみたが、なかなかむずかしいんだ、こういうふうに言われているわけでありますが、これまでにどの程度の折衝の経過があって、どの辺にネックがあるのか。差し支えがなければお聞かせいただきたいと思います。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○堀川政府委員 過去の事情、最近二回ほどの事情についてでございますが、生産者団体等から御要請がございますので、それを通産省の方へ口頭でお伝えをいたしまして、何とかなりませんかということで折衝をしたわけでございますが、先ほど申し上げましたように、灌漑排水というのは主として食糧増産ということから認められた歴史の古い制度であるということが一つ。それから各電力会社のそれぞれの電力需給ないしコスト事情が違うので、そういうことで、乙まで認めるのは、各電力会社によって認めておるのはあれですが、甲まではむずかしいのではないかということで実現しなかったというふうに承知しております。

清水勇日本社会党

○清水分科員 最後に私は、ただいまの問題について農林大臣はどのような所見をお持ちか、この際率直にお聞かせいただきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 私も詳細な御事情を伺いまして、大変いい勉強になりました。事務当局を督励し、私も通産大臣とも直接話をいたしまして、御趣旨に沿うように努力をしてみたいと思います。

清水勇日本社会党

○清水分科員 最後に農林大臣から決意のほどを伺いましたので、ぜひ実るように御努力をいただき、これがいい結果を生み出すことを希望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 これにて清水君の質疑は終わりました。  次に、堀之内久男君。

堀之内久男自由民主党

○堀之内分科員 最初に大臣にお伺いいたしますが、私は、過去十四年間地方行政に携わってまいりましたので、住民の気持は最も理解いたしておるつもりであります。特にきょうは、最初大臣に尋ねる予定ではなかったわけですが、昨日、党の農林部会の皆さん方と話しておったときに、せっかくだから大臣の意向を聞いてみろ、こういうような先輩の御指導もありましたから、大変お疲れのところで申しわけありませんが、二、三だけお願いをいたします。  実は米の問題でありますが、いまから十四年ぐらい前はまだ米が足らなかったわけです。私はその当時村長をいたしておりましたが、県庁では農林省の皆さんが非常に督励をして、畑も全部水田にしようというぐらいでやって、しかもできれば早期水稲をつくれ、早くつくってくれと言ったのがいまから十二、三年前だ。しかし、事情が変わってまいりまして、米が余裕ができるようになりました。私は、これは非常に喜ばしいことだと思うのです。ところがこれを余剰米という。どうも最近は、米をつくるといかにも国民の敵みたいなふうに消費者が言う、あるいはまた国自体もそういうような理解があるような気がする。これは私の錯覚かどうかわかりませんが、米作農家自身も米をつくっておるということに余り誇りを持てないような昨今の世論であります。ところが私は、こういう余裕があったればこそ今日の日本の繁栄があると思うのです。実は、昭和四十八年、あの大石油ショックがあったときに、上がらなかったのは米だけなんです。いろいろな物があれだけ不足をし、特にいままでは小麦も安い、大豆も安いと言っておったのがみんな四倍になった。ただひとり米だけが主食として安定をしておった。これは食管の非常なおかげだ。だから国民は安心して生活ができたと私は思っておる。しかしそのあらしが一たび去ると、また米が余るとかそんなこと。これは米が余るのではなくて、農民の努力と農林省の多年の力、努力というか、技術の向上がこうした結果につながった、非常に喜ばしい現象であった。いまよく食糧自給と言われますが、一つだけは日本の力で解決ができた、こういうように私は理解すべきだと思うのですが、大臣はどういうようにお考えになっておりますか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 堀之内さんがおっしゃるとおり、米は何といっても日本国民の主食の中の大きな柱でございます。私は、食糧問題全体を考えます場合に、米づくり、稲作という農業は何といっても日本農業の基幹である、柱である、こういうぐあいに考えておるわけでありまして、今後とも食管制というものの根幹を維持いたしまして、稲作農業の安定、そして国民に対する食糧の安定的な供給の確保、こういうことに、今後とも農政の中心課題として取り組んでまいりたい、こう考えております。

堀之内久男自由民主党

○堀之内分科員 大臣の非常に力強い御答弁をいただきまして大変うれしく存じます。  そこで、これからの米というものは技術の進歩とさらに農家の努力によってどんどん増産をされると私は思う。これを幾ら抑制しましても、恐らく末端の市町村長、知事は大変突き上げを食らっておるわけです。そこで、私はここでいろいろなものを見てみましても、先ほど申し上げるべき事例であったと思いますが、四十九年、五十年あたりには、高い小麦を買って安く払い下げて、いかにも外国のパンとかうどんは安いのだというような印象を与えておるのですが、あの当時の二年間で、一般会計からは四十九年が大体千四百億、そして五十年が八百四十億という国民の税金をもって高い小麦を買って安いパンを食わしておるわけです。しかし、今日の国民の食糧の嗜好から言って、これもやむを得ないと思う。あるいはまた食用大豆等においてもまたしかりであります。  そこで、いままでは米に非常に重点を置いて農業試験場で品種の改良、そういうものもなされたと私は思うのですが、今日も一応麦の品種あるいはまた大豆の新しい品種等の開発についても努力をされておる、こういうように承りましたけれども、今後も米が百万トンぐらいの豊作米が出てくるとするならば、いま二百六十万トン、来年また百万トンぐらいの余裕が出てくる。私は余剰米とは言いたくない。豊作はやはり汗の結晶ですから、余剰米と言うと、余ったものと言うと非常に悪い言葉に聞こえますので、これは使いません。いずれにしても、余裕米が百万トンぐらいずつふえてくるとすれば、五年か六年たちますとまた七百万トン。これを以前処分するときに、一兆円かかって飼料に払い下げたということです。そのときの米価というものはまだ安かったから一兆円で済みましたが、仮にいま百万トンを飼料に処分するとすれば、恐らくトン四万円ぐらいだろうというから、三十万円でも二千六百億ぐらいのいわゆる払い下げ損というか、価格損ということになりますから、こういうことが起こってくるわけです。後から追いかけ追いかけして、どうにもならずにこれの処分をして国民の批判を非常に農民が受ける。政府も受けるが、その反面、これは農家が非常に批判をされる大きな原因になってくるわけです。  そこで私は、将来そういうことが起こらないようにするためには、この百万トンという米をこの時点で——それは農林省の方では転作あるいは代替植えつけのいろいろな指導をされております。しかし現在のあの方法では、米作が安定をし、また所得も多いから、どうしても農家がそれに従ってくれない、これが実態なんです。そこで、先ほどもちょっと申しましたように、日本の場合も当然必要な麦、小麦ですね、あるいは大豆というものも当然必要なんです、だからそれに置きかえるような価格政策で、その二千六百億の将来捨てるであろうという金を先にここで使わせてもらう。これは事務当局でこの折衝というのはとてもできないだろう。やはり政治折衝で、特に鈴木農林大臣はわが党の大物でもありますし、この際、鈴木農林大臣ができなければ、ほかの大臣がなったってできぬだろうと昨日先輩が言われましたから申し上げますが、ここで春まきの麦とか春まきの大豆というものをやらせてもらう。いま日本の麦といえば裏作だけを奨励しているものだから、したがって価格も安い、それより出かせぎに行った方がましだ、こういう形になってくるわけでありますので、この際思い切って反当奨励金を七万円か八万円、麦一俵は一万五千円くらいというような形で、私は価格は大体のことを申し上げただけですが、農民が米をつくって十二万円取るのだったら、小麦をつくっても大豆をつくっても十一万円になるのだ、米と大体同じになるのだという方向で、これを思い切ってできないか。これは発想の大転換です。いままでのベース論では考えられない。しかし将来はいわゆる余剰米、余裕米というものを処分するためには、そのときには二兆円から必要になる。そのときに捨てるかいま捨てるかということになるのですが、この場合は前向きの農政になりますので、私はこの際、北海道なり東北地方なり、冷害の常襲地帯と言われるそういう地域に、思い切ってそうした農家が植えてくれるような方向で考えられないものかどうか、大臣のお考えをお聞きいたしたいと思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 堀之内さんの御指摘のとおり、何といっても稲作農業は食管制度に恵まれており、生産費所得補償方式というようなことでどうしても稲作が有利であるというような状況にあるわけでございます。麦であるとか大豆であるとか、その他食糧としてぜひ自給力を高めていかなければいかぬ作目というものがあるわけでございますから、これらの主要作目につきまして、どの作目を選んでも、特に適地適産としてその地域に適する作目としてこれをひとつわれわれはつくりたいという場合において、所得の面におきまして格差のないように、そういう条件を整えてやらなければいけない、こう考えております。  そういうようなことで、農産物全体の価格の見直しをしたいという考えで、省内に農産物価格政策検討委員会というものを設けまして検討を続けておるわけでございますが、私は就任以来、特に早くひとつ結論を出そうではないかということで督励もいたしておるところでございます。ただ価格政策一本でやっていけるかというと、いけないものもあるわけでございます。いまお話にありましたような麦等の場合におきましては、耕作面積等の非常に大きい北海道の場合と、内地の場合とにおきまして条件も違います。そういうようなことでございますので、振興助成金であるとか、あるいは構造政策の問題であるとか、いろいろな問題を総合的に対策を進めまして、全体として稲作をするのも麦作をするのも、所得の面においてはおおむね格差のないような条件を整えてやる。また複合経営等の政策も進めなければならないと思っておりますが、堀之内先生がねらっておられるところの方向、これは私はそうなくてはいけないと思いますので、私どももそういう方向で努力をしてまいりたい、こう思っております。

堀之内久男自由民主党

○堀之内分科員 時間がありませんので、次に移らせていただきますが、また価格の問題になりますが、次に野菜についてちょっとお尋ねいたしたいと思います。  野菜生産出荷安定法というものが制定されまして、野菜生産農家の保護という形で取り組んでいただきましたことは、大変農家も喜んで、安心して野菜の生産に励んでおるわけでありますが、これについて指定消費地というものがあるわけでございますが、この辺について、この指定消費地の拡大ということを農家団体等が大変望んでおりますが、この点についての農林省としての考え方について局長にお尋ねをいたします。

杉山克巳農林省食品流通局長

○杉山政府委員 御指摘のように、最近の野菜の需給関係は、条件がいろいろ変わってまいっております。かつてのように大都市だけでなく、地方都市におきましても野菜の消費量それから入荷量は増大傾向にございます。地方都市において、その関係で遠隔地からの野菜供給を安定的に確保するという必要性が高まってまいっておるわけでございます。従来指定消費地域につきましては、人口の集中が著しい大都市及びその周辺の地域ということで要件が限定されておりましたが、昨年の野菜生産出荷安定法の改正におきまして、「野菜の消費上重要であり、かつ、相当の人口を有する都市及びその周辺の地域」というふうに要件が緩和といいますか、対象地域を拡大するように改正されました。これによりまして昭和五十一年度も行ったのでございますが、引き続き五十二年度におきましても、青森そのほかの五地域、都市の数にしまして七都市を新たに指定都市として指定することにいたしております。それとともに、従来指定地域でありますが、その中の都市で、既存地域に編入する都市を拡大するということにいたしております。その結果、昨年まで二十地域七十八都市ということでございましたのが、五十二年におきましては二十五地域百都市に拡大されるということになっております。先生御指摘のように、私どもも、今後におきましても各地域の野菜の需給事情等を十分考えまして、必要に応じて積極的に対象地域を拡大するという方向で進めてまいりたいと思っております。

堀之内久男自由民主党

○堀之内分科員 大変前向きな政策で大変喜ばしい限りです。恐らく生産農家はまた大変喜ぶだろうと思います。  さらに最近嗜好というものが多様化してまいりまして、また技術の向上というものによってメロン、イチゴとか、そういういろいろなものが出てまいりますが、こうした指定品目の拡大についても大変大きな要望があるようです。この点についてのお考えはどうでしょうか。

杉山克巳農林省食品流通局長

○杉山政府委員 都道府県の行います価格安定対策事業、これに対しましては基金から助成をするということになっております。その場合の対象となる野菜、いわゆる特定野菜でございます。これは昨年までは十四種類ということでございましたが、五十二年度におきましてはこれを拡大いたしまして、スイカ、イチゴ、露地メロンを追加するということにいたしております。今後におきましても、消費と生産の動向、それから地域の要請、意見、これらを踏まえて逐次追加を検討するということにいたしております。

堀之内久男自由民主党

○堀之内分科員 大変前向きな政策で大変うれしく存じますが、さらに最も大事な問題は価格の設定だと思うわけであります。保証基準価格の設定について、現在までとってこられた経過についてお願いをいたします。

杉山克巳農林省食品流通局長

○杉山政府委員 考え方といたしましては趨勢値、いわば実績価格をベースにいたしまして、これに対して一定の割合をもって保証基準額とするという考え方をとってまいっております。四十一年にこの価格保障の制度が確立されまして、当初はその趨勢値価格の三分の二ということでございましたが、その後逐次これの改善を行いまして、七五%、八五%、それで現在では趨勢値の九〇%までを保証基準額として見るということにいたしております。

堀之内久男自由民主党

○堀之内分科員 私どもが聞いておるのは、昭和四十一年から四十九年までの相場で、その中から三カ年の移動平均価格というのですか、何か非常にわからない価格ですが、十カ年の中をとって趨勢値を決める。こういう価格で果たして保証基準価格というものが実際にマッチしておるのだろうか、かように疑問を持たざるを得ない。趨勢値というと、豊作でたくさんつくってしまえばどんどん値段が下がる。将来はそれが趨勢値の基礎になってくるわけですから、とんと上がってこないという形が将来生まれてくる、あるいは趨勢値がちょっと下がってくるという現象が出てくる。その趨勢値もでしょうが、少なくともプラス生産費くらいはできないと——ほかの農産物は大体生産費というものが考えられておるわけです。それを全然しない。市場の相場だけでいくんだ、しかも過去十年間のでいくんだ、こういうような価格であれば、私はこの保証基準価格というのはとても農民が納得するはずがない。私も、最初わからなかったけれども、非常に不満がある。しかもそれの九〇%、こういうことでますます下がるわけです。だから保証基準価格というもので果たして賄えるものかどうか、お尋ねします。

杉山克巳農林省食品流通局長

○杉山政府委員 わかりにくいものですから簡単に趨勢値価格ということで申し上げましたが、要するに、過去十年、来年になりますとこれが過去十一年ということになりますが、その中を三年ごとに区切りまして、その三年の間の移動平均価格、これを各三年ごとのものを並べて、その間を一つの算式によりまして、一次回帰式ということで先の見通しを立てるわけでございます。そして五十二年なら五十二年の予定価格を立てまして、これに対して九〇%を保証基準額として見るということにいたしております。この考え方は、確かに過去の実績価格をベースにしておりますが、それが趨勢的に上がってまいる、伸びてまいるということでの五十二年価格ということになるわけでございます。先生御指摘のように、下がったときは下がった価格が確かに反映されることになりますが、下がるときだけでなく上がるときもあるわけでございまして、三年平均をとり、さらにそれを趨勢でもって伸ばすことによって妥当な将来価格、保証基準のまたもとになる趨勢値価格を出すという考え方をとっておるわけでございます。  ただ、御指摘のようにそれが実際の生産費とどうかということになりますと、特に石油ショックのありましたあのころ、そういう趨勢値価格をもってしては必ずしも十分に生産費をあらわし得ないというような事態がございました。そのときは別途の算定を行いまして、これにそういう生産費の動向を加味するというような改善を行っております。  それから、保証基準額の率でございますが、趨勢値価格に何%掛けるか、この率につきましては、趨勢値の動向そのものともにらみ合わせまして、先ほど申し上げましたように逐次改善を行ってまいったわけでございます。

堀之内久男自由民主党

○堀之内分科員 この前石油ショックのときば趨勢値価格に生産費を加えたのだということですから、やはり今後もそういうような考え方をしないと……。恐らくあなた方がいままでやってなかったからことしは一五%予算措置したのだろう。ことしの農産物で一五%上がるものは恐らく何もないですよ。いままであなた方がやってなかったということなんです。幾ら農民団体が要求しても、ほかの農産物でことし一五%上がるものは何もないと思う。いままでの野菜が余りにも安かったということをみずから認めたことになる。だから、その辺はいろいろ言わずに素直にやっていただかないと、ちょっとおかしな結果が出てくるのであります。  そこで、キャベツは一〇〇%払う、キュウリとかトマトは八〇%しか払わない。また何でそう差をつけなければいかぬのか。これも、いまでは趨勢値の九〇%、そのまた今度は八〇%、七二%しか払わなかったことになる。だから農民には、せっかく安定基金をつくってくれた親心というものが、実際の運用面であだになっておるわけです。この点を理解いただきまして、ぜひとも一〇〇%、できるならばキャベツと同じような価格で少なくとも前向きに御検討いただきたい。私いろいろ調べてみますと、基金も相当積んだわけですから、基金も相当余裕ができたようですから、この際、この辺である程度出してもいいのだという自信があるのじゃないかと思いますが、この点についてお尋ねします。

杉山克巳農林省食品流通局長

○杉山政府委員 確かに、私どもも、野菜行政を担当しておる立場からして、保証基準額は必ずしも十分だというふうには思っておりません。その観点から、昨年におきましても一二%ちょうど、それから五十一年度予算におきましては一五・二%の引き上げを行って、かなり改善を図ったつもりでございます。  それから補てん率の問題でございますが、現在一部重要野菜については、計画出荷の奨励ということから一〇〇%、十割の補てんを行うこととしております。私ども、重要野菜の計画生産をさらに奨励していく、対象の野菜をどのように広げていくかということについては、現在前向きの方向で種々検討しているところでございます。

堀之内久男自由民主党

○堀之内分科員 たくさん欲張っておりましたが、時間がありませんから、次にミカンについてお尋ねいたします。ミカンの保証基準価格を見ますと、どうも私はミカンだけだと思うのですが、日本の農産物で各県ごとに決めてそして差をつけておる。こういうものは私はあり得ないと思うのです。宮崎県のミカンは二十五円、鹿児島県のミカンは二十四円、長崎県のミカンは二十三円でしたか、そして愛媛のミカンは三十五円、神奈川のミカンは二十七円と、何で各県ごとにそんなばかな価格を決めなければならぬのかどうか。いろいろ聞きますと、先発のジュース工場があったところが高い。だから、私どものところ、宮崎県のように、あるいは九州のようにジュース工場がおくれたところは、いままで愛媛県あたりのジュース工場から買いたたかれて持っていかれておったから安かった。その安い価格を基準にして、過去四年間、三年間のやつをその中庸をとると書いてあるようですが、果たしてこれが妥当だと局長は思っておられますか、お尋ねします。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○堀川政府委員 御指摘の点につきましては、結論から申しますとおおむね妥当ではないかと思っているわけでございますが、その理由といたしましては、第一に、生果でございますミカンの市場価格は、それぞれ産地を異にするにつれまして市場価格の差があるのが現実でございます。このような生果の市場価格がまた加工原料の価格に影響をいたしまして、加工原料の価格それ自身の形成がそういった産地間格差を反映をするという現実があるのが一つでございます。  第二点といたしましては、加工原料の果実の産地間に、加工向けに向けられる場合の品質等の格差が製品に与える影響というものも現実に存するわけでございます。  主としてこの二つの理由から、画一的に全国一本の保証基準価格を設定するというのは、価格安定対策事業の仕組みになじみにくいのではないかということから、各府県別の取引価格の実勢というものを、具体的に申し上げますと、過去四年のうち中庸二カ年の平均というものを基礎にいたしまして、府県別に補償金の価格を設定しておるということでございますので、おおむねこの考え方は他の考え方に比べまして妥当ではないかというふうに考えておるわけでございます。

堀之内久男自由民主党

○堀之内分科員 これは同じミカン農家なんですよ。農林省が指導して植えさせたミカン農家なんです。生果のことは言ってないのですよ。ジュース工場にいく原料が、愛媛のミカンは三十五円でよろしい。ジュースにしてしまえば、酸いのは砂糖でもちょっと入れれば甘くなるのです。だから、それだけ品質の悪いところの産地の農家というのは非常に困っておるのです。しかも、ジュース工場のなかったときの買いたたかれた値段を基準にしてやっておるからいかぬというわけなんです。あなたのいまおっしゃるような答弁でいけば——五十一年産のミカンを、愛媛のジュース工場は、経済連は、宮崎県のミカンを三十五円でどんどん買っていったわけですよ。ところが、宮崎県のジュース工場はまだつくって二年しかなっておりません。実際はもう三十円が精いっぱいだと言って買えないのをどんどん買っていって、そして十六万トンぐらいのジュースを愛媛ではつくっておる。実際に宮崎県の産地のものは安い。それを安く買わないで、自分のところのミカンと同じような価格で、しかも商人を使って買っていっておるわけですから、運賃、手数料を入れたら四十五円ぐらいについておるだろうと思う。そういうことをやっておるわけですから、局長がいまおっしゃるそれは違うのですよ。ジュース工場を昔から持っていたところは率がよかったということです。だから、ミカンというものはやはり一律に、同じような工場の原料にいくミカンですから、そういうものは同じような価格をやっていただかなければいかぬと思う。今後予算の編成の段階で、われわれはみんな知らなかったから、五十三年度予算編成あたりでは十分これは監視して、今度はざっとは許さない、かように考えております。局長の考えをもう一回聞きます。

堀川春彦農林省農蚕園芸局長

○堀川政府委員 いま問題になっておりますのは、価格安定対策事業における保証基準価格のレベルとしてどれが妥当かということでございます。現実に集荷をするときの原料の購入価格がどこのものがどうだということと直に対比をしまして御議論がございますと、それはやや観点が違うのではないか、こう思うわけでございます。  ただ、先生のおっしゃることにつきまして、この制度の歴史はそんなに古いわけじゃございません。私どももいろいろ改善を要すべき点があろうかと思います。なおまた、補てんの実質を上げることが必要だということは私どもも考えておりまして、五十一年には先生も御案内のとおり、果汁原料の温州ミカンにつきまして保証基準価格を引き上げておりますし、それから五十二年度からは、かん詰め原料のミカンにつきまして保証基準価格の引き上げ並びに補てん率の引き上げというようなことを計画をしておるわけでございます。さようなこともあわせ並行的に考えていくべきであるというふうに思っております。

堀之内久男自由民主党

○堀之内分科員 もう時間がありませんので、これでミカンは終わって、最後ですが、私は農産物価格で一番優等生は畜産物だと思う。これは私は畜産局の皆さんの非常な努力の結果だと思いますが、おかげで非常に生産性も伸びてきましたし、国民の要求するたん白資源の確保について生産者の農家も意欲的に取り組んでおりますことは、大変喜ばしい限りであります。  そこで一つお願いいたしますのは、せっかく生産意欲が出てきましたおかげで、今度牛乳において、不足払いの限度数量が百三十八万トンに対していよいよ十数万トンぐらい余るであろう、補給金が足らないだろうということですが、この点についてどのようにお考えになっておるか。この点を一つ。  さらに、いわゆる畜産物価格安定法によっていよいよ価格の設定が今月中になされます。そのときに、つい二、三日前、四、五日前、一週間ぐらい前でしたか、畜産局長のお話が農業新聞に出ておりました。これはどうも最初から、上げる環境は一つもない、こういうように書いてあります。ところが、きょうはまた農林省の大先輩であられます農林中金の理事長の片柳先生が、これは畜産物審議会の会長なんですが、価格というものは、生産費を補い、そして今後生産意欲を増すような価格でなければならない。これはまことにやはり名理事長、名会長の談話だなと思って、私はきょう感心して見ております。これは、私は農蚕園芸局長も食品流通局長も皆聞いてもらわなければならない。農産物は畜産物だけではないのです。片柳先生という皆さんの大先輩が、いみじくも一番最初にこれを言っておられます。そういう意味で、今回の畜産物価格の決定についても前向きの考えがあるだろうと思うのですが、局長のお考えをまずお聞きしてみたいと思います。  さらにもう一点、私もかねがね申し上げておることですが、子牛の安定基金であります。現在二十一万三千円であるということですが、それぞれ県によってはちょっと違うようですが、しかしいずれにしましても、平均実態は三十万円か二十七、八万円するわけです。だから、二十一万円したらもう和牛はやめなさいという価格なんです。少なくとも生産意欲を将来とも持たせ、あるいは安心感を与えるためには、そこに二、三万のアップをこの際見ていただければ払うことはないですよ。仮に二十五万に上げてもらっても、もうこれを補給しなければならないということはあってはならない。あるような肉の輸入操作をしてはいけない。そのためには、安心感を持たせる価格まで上げる考えはないのかどうか。  この三点についてお尋ねをいたしまして、質問を終わります。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 第一点の問題を私から申し上げますが、限度数量をオーバーした分についての不足払いの問題をどう解決をするか、こういうことでございますが、この五十一年度は非常な寒冷あるいは長雨というような異常気象等の影響もありまして、市乳の伸びが私どもが当初予定したよりも伸びておりません。一〇一%程度ということになりまして、原料乳に回らざるを得なかったという特殊事情がございます。私は・限度数量というものはやはり一つの歯どめである、原料乳と市乳との間の一つの秩序を決める大事なものだ、軽くは見ておりません。しかし、そういう特殊な事情がことしはございましたので、限度数量をオーバーした分につきましても前向きでこれが処理をやりたいという気持ちで、いませっかく財政当局を、なかなか渋っておるのでありますが、財政当局を督励をいたしまして、この処理を前向きでいたしたい、こう考えております。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 畜産物価格は今月の末に決定という運びになるわけでありますが、私どもといたしましては、いずれにいたしましても牛乳なり肉の再生産が確保可能になるように、そういった形で価格を決めたいと思っております。目下鋭意検討中であります。  それから子牛価格の安定基金の価格水準の問題でありますが、これは先生御存じのとおり、五十一年度にかなり改定したわけであります。従来は十八万五千円であったものを二十一万三千円に上げまして、さらに畜産振興事業団の助成事業として一万円を上乗せする、こういったことをやって改善はしております。これは釈迦に説法でございますが、いわば保険的なかっこうで、一定期間をこういうかっこうで決めるということが原則になっておるわけでありますから、毎年毎年変えるということは必ずしも想定しているわけではございません。しかし、実態にそぐわなければ、それは改定しなければならないということもありますので、この改善につきましては、今後いろいろ皆さんの御意見を聞いて検討していきたいと思っております。

堀之内久男自由民主党

○堀之内分科員 前向きな御回答をいただいてどうもありがとうございました。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 これにて堀之内君の質疑は終了いた  しました。  次に、愛知和男君。

愛知和男自由民主党

○愛知分科員 私も初めて質問をさせていただきますので、農林大臣、お疲れのところ恐縮でございますが、よろしくお願い申し上げたいと存じます。  私は、二百海里漁業専管区域の指定の問題、大変世の中をにぎわしておりますが、これに関連して幾つかの質問をさせていただきたいと思います。  わが国の国民の、いわゆる動物性たん白のうち半分以上の五一%は水産物からとっているということでございますので、この問題はまことに大変な問題でございまして、本日の分科会でも何度か質問が出たやに伺っておりますが、日本の漁獲量は一千万トン、その中で、いわゆる外国の二百海里内の依存度というのは四百五十万トンと言われております。大臣も東北でいらっしゃいますからよく御承知かと存じますけれども、私の出身でございます宮城県も、その漁獲量だけから申しましても、全国でも四番目に位する、こういうことで、大変漁業の盛んなところでございます。しかも、ここで問題なのは、全国平均で漁獲量のうちの約四五%がいわゆる外国の二百海里内からとってきているということでありますが、宮城県だけとってみますと、半分以上の約六〇%が二百海里内からとってきている、こういうことでございます。したがいまして、ことのほか重要性があるわけでございまして、この先行きといいますか、大変多くの県民が不安を持っておるわけでございます。  この漁獲量から言いましてもそうでございますし、またたとえば漁業に従事している者から言いましても、宮城県は約三万人がこの漁業に従事をいたしておりまして、その中でも約半分近い四八%くらいの人たちがいろいろな関係からこの二百海里に関連をしている人でございまして、そういう点から言いましてもいろいろと影響が波及することが考えられるわけでございます。  そういう意味から、この二百海里問題に関連をいたしまして幾つかの質問をさせていただきたいと思うわけでございます。  まず第一に、二百海里の指定ということは世界の趨勢になっておりますけれども、そういう中で、わが国がその対策といいますか、講じなければならないことは幾つもあると思いますけれども、まず第一に何が大切かといいますと、いかにして漁獲量を確保するかということが一番大きな課題ではなかろうかと思うわけでございます。  そこで、その問題につきまして、大臣に見通しと申しますか対策と申しますか、お示しをいただきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 二百海里を現実に迎えまして、わが国の漁業は非常に厳しい状況下にあるわけでございます。お話しのように、日本の総漁獲量一千百万トン前後、そのうち海外の漁場でとっていますものが四百五十万トン前後、約四割に相当するわけでございます。特にその四百五十万トンのうち、北洋においてアメリカ、カナダの関係、ソ連の関係合わせまして約三百万トンの水揚げを上げておる。そのうちソ連の二百海里海域等におきまして約百七十万トン前後の漁獲を上げておる。こういう状況でございまして、この実績の確保ということが、一体どの程度われわれの要求が実現をするかということが日本の漁業に対する大きな影響になってくるわけでございます。  そこで、強力な漁業外交を展開をするということで、水産庁はもとより、外務省の御協力も得まして、総力を挙げてこれに取り組んでおるわけでございます。  対米交渉におきましては、幸いにして日米の長い友好関係の基礎の上に立ちまして、日本の立場というものをよく理解願って、そして実績の約八九%、約百十九万一千トンという漁獲量を確保することができたわけでございます。今度はソ連の関係でございます。  愛知さんは宮城県の御出身であって、宮城県の漁業の北洋に対する依存度というものは非常に大きいということを私は承知をいたしておるわけでございます。そこで、これからの対ソ交渉、特に三月の十五日から始まりますところのモスクワにおける暫定取り決めの交渉、東京におけるサケ・マス、ニシンの交渉は非常に重要な交渉でございます。  私は、先般イシコフ大臣とお会いをいたしまして、世界の二大水産国である日ソが世界のそれぞれの国に対して、沿岸国に対して、できるだけ実績を認むべきであるという要求をしておるお互いの立場として、余り漁獲割り当てを相互に削減し合うということは適当でない、外に向かってこれから割り当て量の実績の多くを要求していく立場にある両国が、日ソの間では漁獲量を互いに大幅な削減をするというようなことは考えなければならない問題だということの話し合いもいたしまして、大局的立場に立って今後これからの漁業交渉を、私は日ソの伝統的な関係の上に立って両国の利益に沿うように解決をしたい、こういう気持ちでこれからの交渉に臨んでおるわけでございます。  魚種につきましても、スケトウダラを初めといたしまして、主要魚種全般に恐らく割り当て量等の交渉が行われることと相なるわけでございますが、国民のたん白食糧の五一%以上を賄っておりますこの漁業のことでございますから、国民経済の面からいっても、また関係漁業者、それに連なる加工業者等の問題を考えましても、私は全力を挙げて実績のできるだけの確保にあたりたい、こういうふうに考えております。

愛知和男自由民主党

○愛知分科員 漁獲量の確保のために、大臣が先頭に立って強力な漁業外交を推進しておられますことに対して、大変心から敬意を表するものでございますが、この漁業外交につきまして、たとえば予算におきましても、五十二年度の予算の中には相当多くの予算が見込まれているわけでございます。その内容をちょっと見てみますと、たとえば使節団を派遣をするとか、あるいは顧問を設置するとか、あるいは外国に対していろいろ日本の事情を説明、PRするための広報事業だとか、そういうものが漁業外交の中に柱としてうたわれているわけでございますけれども、私はそういうようなことを幾ら充実いたしましてもやはり外交にとっては十分ではないと思うのでございます。  そこで、大臣は、いまの日本では特に水産に詳しい大臣でもいらっしゃいますし、鈴木農林大臣ほどいまこの時点で農林大臣を務めるにふさわしい方はほかにいらっしゃらないと思います。一方、ソ連のイシコフ漁業相はそのポストにすでに三十年も座っている。こういう人を相手にする漁業交渉でございますから、さぞ大臣も御苦労が多いのではないか、私はこう思うわけでございます。やはり外交というのは理屈ではなくて人対人のやりとりでございますから、そういう点から言いますと、ソ連と日本は社会体制が違いますから、日本では大臣が三十年も同じポストを務めるというわけにはいかないまでも、日本ではたとえばお役所の担当者の方も、日本の社会システムによりまして次々に交代をされるという現実でもございますので、そういう点で本当に日本が強力な漁業外交というものができるものかどうかということを私は不安に思うわけでございますが、この点につきまして率直なところ大臣いかがでございましょうか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 私は、漁業外交を展開いたします場合に相手側との人間関係ということも確かに大事だと思っております。しかし、結局外交の力というのは、国民が事態をよく認識されまして、国民全体が国民世論としてこの日ソ漁業交渉に立ち向かっていく。漁業業界はもとよりのことでございます、官民一体ということはいまの御時世ではどうかと思うのでありますけれども、とにかく魚で日本は今日までたん白食糧を確保してきた国民でございますから、これがいま重大な局面に立っておるということの認識の上に立って、国民的バックの上にこの交渉を進めていくことが非常に大事なことだ、こう考えております。

愛知和男自由民主党

○愛知分科員 多少私ごとになるかもしれませんけれども、私の父が外務大臣をやらせていただきましたときに、沖繩返還交渉をやらせていただいたわけでございますが、父から聞いた話を覚えておりますのですが、まず、いま大臣がおっしゃいますように、大事な交渉事のときには国民的な合意が何よりも大切であるということはそのとおりでございまして、いろいろな要素があるかもしれませんけれども、最後は、やはり当事者同士の人間関係がいかにでき上がっているか、いかにお互いに信頼をし合えるような関係にあるかということが大変大事なものだということを聞きました。その一つとして、当時のアメリカの相手がロジャーズという国務長官だったわけですが、何とかしてその人と親しくなろうということで、ときにはお酒を飲むとかいろいろなことをやった。その中でこんな例を言っておったことを思い出しますが、日本にロジャーズがやってまいりましたときに、大変ゴルフの好きな人だったわけでありますが、ゴルフをよく一緒にした。そしてゴルフをするだけでしたら普通あることでございますが、ゴルフが終わってから、日本のゴルフ場でございますから大きなおふろがある、そこへ一緒に入ろうというわけで、ロジャーズを引っ張って、二人だけで文字どおり裸のつき合いをしてやったのだというようなことを言っておりました。アメリカの場合とソ連の場合ではいろいろ事情が違いますから、なかなか親しくなるということもむずかしいかもしれません。国民性やいろいろ社会風習が違う。だから、むずかしいだけによけいそういうことが大変大事な要素になるのではないか、こんなふうに思うわけでございまして、大臣もいろいろ御苦労が多かろうとは存じますけれども、ぜひそんなようなこともお含みおきをいただいて、強力な漁業外交を推進していただきたいと思うわけでございます。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 お話のとおり、確かに人間関係というのは外交の場合非常に大事なことだと考えております。私もイシコフさんとは責任ある立場で先般はテーブルに向かいましたけれども、その以前におきましては、イシコフさんが日本に参りますればしばしば懇談をしておった旧知の仲でございまして、そういうことが先般モスクワに参りました際に非常に役立ったことだと私は思っております。ただ、ああいう国柄のことでございますから、基本方針といいますか大きな原則といいますか、そういうものはもっと上の方でがっちり決まってきておる、そういう枠組みの中でしかイシコフさんは動けない、こういう事情もあるわけでございます。これはよく認識をしておかなければいけない問題だ、こう思っております。  また、ソ連も日本と同じような遠洋漁業国でございますが、アメリカ、カナダ、EC、ノルウェーその他の国々でも、やはり日本と同様に二百海里時代を迎えて、相当苦しい局面に立っておる、こういう事情もわかるわけでございます。そういう事柄から言いまして、イシコフさんとの個人的な交友関係が前にあるなしにかかわらず、日ソ漁業交渉というものはなかなか厳しい環境の中に今後行われるというぐあいに、私は厳しく受けとめておるわけでございます。

愛知和男自由民主党

○愛知分科員 大臣のいままでの御努力に重ねて敬意を表しますとともに、なお一層の御健闘をお祈り申し上げます。  ただいまの漁業外交の問題とちょっと外れるかもしれませんけれども、ソ連では、漁業省と言うだけに、漁業が一つの独立した行政機構になっているわけでございますが、日本の場合には農林省ということで、大臣の管轄しておられる中の一部であるわけでございますが、そんなようなことにつきまして、日本でもいつかは、たとえば漁業省というようなものをつくって徹底的に、重点的にやる必要があるかどうか、そんなような必要性をお感じになりますかどうか、私見をお伺いさせていただきたい。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 この問題につきましては、いろいろな角度から検討してみる必要があると私は考えております。  今日では食糧問題が非常に大きな問題になってきておりまして、総合食糧という観点からいたしますと、現在の農林省というような体制の中で、農畜産、水産、総合的な食糧政策を進めていくというような有利な面もあるわけでございます。しかしまた、イシコフさんのように漁業専門で、この二百海里折衝でも飛行機を駆ってどんどん飛び歩ける、こういう利点も向こうにはあるわけでございます。この際、漁業省をつくらなければいかぬということがいいか悪いか、これは総合的な、大局からの判断が必要だ、こう考えておるわけでございますが、いずれにしても、私は、農林行政全般の中で、いまこの重大な転機に当たりまして、二百海里時代を乗り切るためのこの問題は、農林大臣としても最も重点を置いて取り組んでいかなければならない課題である、こういうぐあいに心得て努力をしておるわけであります。

愛知和男自由民主党

○愛知分科員 時間も余りございませんので、今度は多少細かい問題になりますが、水産加工業の問題につきましてちょっと幾つか御質問さしていただきたいと思います。  私どもの宮城県も大変水産加工業の盛んなところでございますが、水産加工業は、いろいろ歴史的な経緯があると思うのでございますけれども、一般的に大変零細企業が多いわけでございます。そういう意味でも、大変行政の助成というものが必要とされている産業だと思うわけでございますが、一方、現実はどうかと申しますと、たとえば行政の面でも、ともすれば水産行政と通産行政の谷間にはまってしまいまして、日が当たらないという感じがあるわけでございます。  いろいろ例があるわけでございますけれども、たとえば金融の面で申しましても、農林漁業金融公庫からの融資が加工専業者であれば受けられない、こういうような事実があるようでございます。このような現状でございますが、今度の二百海里時代、新しい時代になりまして、この水産加工業もいろいろな面から多くの影響を受けると予想されますけれども、今後の水産加工業に対する助成というものを行政当局としてどのように考えておられるか、お聞かせいただきたいと思います。

岡安誠水産庁長官

○岡安政府委員 おっしゃるとおり、加工業の重要性は、水産業界においてこれほど重要なものはないと思っております。たとえば、わが国の漁獲量のうち約七割は加工向けであるということを考えましても、今後、私どもは、この加工業のあり方、その振興につきましては十分力をいたしたいというふうに思っております。ただ現状は、おっしゃるとおり大部分が非常に零細な企業でございます。そこで私どもといたしましては、この企業のまず経営の近代化、合理化、これをぜひ進めたいというふうに考えております。いま通産省と農林省の谷間にあるというようなお話がございましたけれども、水産庁といたしましては、従来からもそのために必要な助成措置は、十分でないかもしれませんが、重点的な助成をしてきたわけでございます。たとえば水産物産地流通加工センター形成事業その他をとりましても、それぞれ必要なところに計画的な助成を相当な量でやってきております。ただ私どもは、それだけでは十分ではない、経営の近代化、合理化のためには団地化が必要であるというふうに考えまして、こういう助成事業につきましても、団地化を条件とするというような指導もいたしております。私どもも、今後ともそういう方向で助成をいたしたいと思っております。  ただ、御指摘の金融につきましては、確かに農林漁業金融公庫からは、加工業者だけの団体等につきましては金融の対象になっていないという問題がございます。私どもも、この点につきましては将来の課題といたしまして、ぜひ農林漁業金融公庫からもそういうところをカバーができるような方向で今後、検討いたしたい、かように考えております。  なお、加工業者の原料の確保等につきましても、私どもは今後の需要とも考え合わせ、加工業者が成り立つように、そういう方向でいろいろお世話したいと考えております。

愛知和男自由民主党

○愛知分科員 ぜひ前向きでよろしくお願い申し上げたいと存じます。  時間もそろそろでございます。最後に、いまの水産加工業の問題につきまして、私どもの宮城県も加工業が大変盛んなところでございまして、特にかまぼこなどは有名でもございますことは御承知のとおりでございます。その水産加工業に従事している人も相当多いわけでございまして、約一万五千人、企業経営体としても約七百軒ぐらいある、こう言われております。その大変多くの部分がいわゆるスケトウダラを原料とするかまぼこであるというようなこともございまして、現在約四十四万トンほどの生産量を上げておるわけでありますけれども、これが二百海里時代になって、二百海里から全然それがとれなくなってしまうということを考えますと、およそ三分の一にまで減るんじゃないか、こういうような予想がされているわけでございまして、大変大きな不安というものがこの関係の業界に広がっているわけでございます。そういう意味から申しまして、このような事態に対してどのような対策を考えておられるかということをぜひ聞かしていただきたいわけでございます。同時に、もしできましたら、県内には水産加工地の塩釜とか石巻とか女川、気仙沼というところがあるわけでございますけれども、そういった水産加工関係のいろいろな助成等につきましても、いまどのようなことを考えておられるか、お聞かせをいただきたいと思います。

岡安誠水産庁長官

○岡安政府委員 まず最大の問題はやはり原料の確保だろうと思います。アメリカとの関係で先般交渉がまとまりましたけれども、スケトウにつきましては、前年対比一七%ぐらいの減ということになっております。日ソにおきましても、現在ソ連の二百海里内で最大の漁獲を上げておりますのはスケトウでございまして、それらはすべておおむねかまぼこその他の練り製品の原料になっている。で、それらの漁獲量が減りますと非常に問題があることは十分承知いたしております。  そこで私ども考えたいと思っておりますのは、やはり漁獲の減少はやむを得ないというところでまず歩どまりをもう少し上げるということ、これは価格の問題その他がいろいろございますけれども、原料不足に対処するにはまず歩どまりの向上をいたしたいということと、それから、従来は何もスケトウだけが練り製品の原料ではなかったわけで、消費者の需要の動向その他によりましてほとんどスケトウ一色になってきたという経緯もございますが、在来の魚種にもとへ戻るといいますか、ほかの魚種を原料とするような技術の再開発といいますか、それもぜひ進めてまいりたいというふうに思っております。それ以外の点で需要との関係でアンバランスが起きる、加工業者が成り立たないということになれば、私どもといたしましては輸入も考えざるを得ないし、その辺につきましては、秩序ある輸入ということで需要にこたえ、また加工業者の生産を持続できるような方向を検討いたしたいと思っております。  助成につきましては、先ほど申し上げましたとおり各種の施設のほかに、流通の点におきましても、大型冷蔵庫等を宮城県の気仙沼、石巻、塩釜の三地域を中心といたしまして従来からも助成してきておりますが、現在継続中の事業もあり、今後もぜひ重点的に継続はしてまいりたい、かように考えております。

愛知和男自由民主党

○愛知分科員 来週からいよいよまたソ連を相手に厳しい交渉が始まるわけでございますけれども、最後に大臣及び関係の方々の御健闘をお祈りをいたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 愛知和男君の質疑はこれにて終了いたしました。  次に、金子みつ君。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 私は、きょうは酪農の政策に関して二、三お尋ねをし、そして農林省のお考えを聞かせていただきたいと考えておるわけでございます。  申し上げるまでもございませんけれども、私たち日本人の生活というのは大分様式が変わってまいりました。ことに衣生活なんというのはがらり変わったと言ってもいいくらい変わりましたし、住生活についても、住宅は大変困窮いたしておりますけれども、しかしこれもかなり西欧諸国の風潮を取り入れてきているようでございます。中でも、衣食住と言われますその食の部分でございますが、食生活というのは、ほかの生活部門に比べましてどうも旧来の習慣から逃れ切っていないと申しますか、旧来の習慣が非常に根強く入ってきているというふうに考えるわけでございます。そしてそういう食生活をずっと続けておりますということが、いわゆる牛乳とかあるいは乳製品の需要の低さというものにつながってきているというふうに考えられるわけでございます。  そこで、この牛乳及び牛乳を主体とする乳製品の効率なんというものはいまさら申し上げなくても十分御了解のことでありますから、その功罪をここで申し上げようとは思いませんけれども、その需要の低さにつながってきているそのことが日本人の食生活の問題にも関係するし、同時に酪農の行政にも関係しているのではないだろうかというふうに考えられるわけでございます。それで、そのことは言葉をかえれば、日本の酪農が大変におくれていると言ってもいいんじゃないかというふうに考えられます。  そこで、まず伺いたいと思いますのは、現在の日本の酪農の状態を踏まえて、将来のお見通しとしてはどういうふうな方向へ持っていこうと考えていらっしゃるのか、酪農政策というようなものですね。まあ、大きな問題ではございますけれども、かいつまんでポイントをぜひお示しいただきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 金子さん御指摘のように、国民の食生活も多様化してまいっております。でん粉食糧の摂取量がだんだん減ってまいりまして、たん白、脂肪の食糧を多く求める、こういう傾向にもなってきておるわけでございますが、これに関連いたしまして、牛乳であるとかあるいは乳製品でありますとか、あるいは肉類の消費も着実に伸びてきておるわけでございます。わが国は、国土資源の関係からいたしまして、今日まで酪農先進国に比べて立ちおくれを見ておるところでございますが、しかし生産の方も、近年はほかの農産物に比べまして、これも着実に成長を遂げておるところでございます。それで、たん白食糧の需要なり重要性というものが高まっておる際に、一方において二百海里時代を迎えまして、五一%以上を賄っておった水産物が相当の漁獲量の削減も避けて通れない、こういう状況下にあるわけでございますから、今後は農林省としても酪農の振興を大きな柱として重点を向けてまいりたい、このように考えておるわけでございます。そのためには価格政策の問題もございます。あるいは飼料対策の問題もございます。あるいは生産対策、構造対策、いろいろな総合的な政策を進めまして、そして酪農の振興を図ってまいりたい、このように考えております。  また、国民の需要にこたえますために、国内の生産と見合いまして肉類等の安定的な輸入の確保、こういうことも考えなければならないと思うわけでございます。まあ、農林省の行政としては生産者である酪農民の所得の向上、生活の安定、そういうことも一方の大きな目的として私ども努力をいたしておるわけでございますが、消費者である国民に対しても、安定的に肉類であるとか乳製品等の供給もしなければならない、こういう役割りも担っておるわけでございますから、そういう立場を踏まえながら今後の酪農政策を進めてまいりたい、こう考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 牛乳だけの問題ではございませんけれども、いま大臣がお話しのように、酪農政策を振興させていくように努力するとおっしゃっていらっしゃいますので、二百海里の問題もあることですし、そうでなくてもたん白質のとり方の少ない私たち日本人の食生活でありますから、それからいきますと、牛乳のように完全食品と言ってもいい、こういう貴重な食品は、ぜひもっともっと増大させていくようにしなければならないというふうに考えますので、いまの政策は一層進めていっていただきたいと考えます。  続けて質問させていただきます。  それとの関連もあることでございますけれども、実はいま申し上げましたように、牛乳が完全食品で、そして大変すぐれた食品価値を持っているということは言わなくてもわかっている問題でありますが、ただ一つ欠点があるわけです。それは変質しやすいという欠点を持っております。平たく申し上げれば、腐りやすい、こういうことでございます。そういう欠点と申しますか弱点と申しますか、そういうものがあるために、もっともっと広く使われていいはずだと思いますのに使われていないというような実情もあるわけでございます。ところが、最近のヨーロッパの技術革新で新しい開発として、常温で長期保存のできるロングライフ・ミルクというのが出てきたわけでございます。このロングライフ・ミルクのことについて少しお尋ねをさせていただきたいと思うわけでございます。  冷蔵庫にも入れないで、常温で、しかも、牛乳の保存期間は大体一週間くらいありますが、それが一週間どころではない、数カ月間保存できるというようなミルクがあらわれてきたということに対しまして、これは便利だ、こんな便利な牛乳があるのかということでございますけれども、そうかと言って、便利な牛乳にすぐ飛びつくということにはなかなかなっていないのが現状でございます。私どもも便利だなと思うことはございます。ですけれども、これにすぐに賛成できないという点が幾つかあるわけでございます。その幾つかありますものの理由の一つとして考えられますことは、もしこれを奨励するようなことがあるといたしますと、いままでの農林省の行政のあり方として、不足分について、あるいはそうでなくても、価格の関係その他いろいろ考えられるのだと思うのですが、安いLL牛乳を外国から輸入してくるというようなことが行われるおそれがあるということを考えるわけです。そうでなくても生産基盤の弱い日本の酪農でございます。それを崩壊させてしまうのではないかという不安が生産団体には非常にあるわけです。このことはただ単に生産団体の不安だけでなくて、消費者団体にもそれが広がって、御承知と思いますが、昨年の五、六月ごろには反対運動が大きく盛り上がりました。何か日本じゅうにLL牛乳が出回ってしまったみたいな騒ぎになったのを私も記憶いたしております。実際にはもちろんそんなにあるわけではありません。そこで、そういうような反対運動が起こった理由でございますが、すでにおわかりとは思いますけれども、私はこういうことじゃないかと思うのです。  農林省は輸入割り当て制度というものを持っているから、それをとっているから心配はないんだ、輸入なんかしないよということをあちこちの集会でおっしゃっていらっしゃるようでございます。それはおっしゃっていらっしゃるのでございますけれども、それを直ちに信用しないという実態があるわけです。それはなぜかと申しますと、そうは言いながら実際にはECから乳製品は輸入していますし、オーストラリアから肉も安く入れていますし、というような事実があるわけです。そこで、そういう事実があるものですから、どうしても信頼感がうせてしまうわけです。そして疑わしきをもって、農林省は入れないから大丈夫だと言われるけれども、しかし本当だろうか、こういう事実もあるじゃないか、この事実が広がってくるのではないだろうかという不安はぬぐい切れない。私はもっともだと思うのです。そういうことがありますから、この輸入割り当て制度に関してどれぐらい確固たる政策をお持ちになっていらっしゃるのか、その意思表示を明確にしていただきたいと思うのです。あちこちで御発言になっていらっしゃることは私も伺っておりますけれども、きょう私は、そのことについて、この場でぜひはっきりと確認をさせていただきたいわけです。もし農林省側に裏心が——ちょっと言葉がきつうございますが、裏心がなくて、純粋に輸入はしないんだとお考えでいらっしゃるのなら、そのことは私は明確に表明していただきたい。それを私はぜひ確認させていただきたいと思いますので、大臣から一言おっしゃっていただきたいのです。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 輸入の問題がございましたが、私ども、畜産物につきまして、これは農産物についても同じことだと思いますが、できるだけ国内で自給体制を高めていく、足りないところは輸入していく、こういった方針で対処しておりますし、そういう方向を今後も貫いていきたいと思います。  お尋ねのLL牛乳の問題でございますが、これは御存じのとおり割り当て物資になっております。この輸入の問題につきましては、先生御存じのとおり、いままでかなりヨーロッパ等では普及しておりますけれども、わが国に輸入という問題が起きたことはございません。それから私どもも輸入するということは、現在、現在と言いますか、輸入することは考えておりません。日本の飲用牛乳というものは一〇〇%国内で自給する、もちろん乳製品も自給自足を高めていくという方策をとっておることでありますから、やはりLL牛乳の輸入というものは考えておりません。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 いまはそういうお考えを持っていらっしゃるということはわかりました。  将来そういうことが起こり得ると考えていらっしゃるでしょうか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 一昨年政府が策定いたしました六十年の長期見通しにおきましても、飲用牛乳はもちろん一〇〇%国内で自給する、それから乳製品の自給率もほぼ完全自給に近いようなラインまで引き上げていく、こういった見通しを持っているわけであります。ですからそういったことから考えましても、LL牛乳の輸入というものは考えておりません。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 飲用牛乳は当然のことだ、乳製品についても国内で賄っていくつもりだとおっしゃっていらっしゃいますが、乳製品についてはいま現に輸入していらっしゃいますよね。いまの時点でも輸入していらっしゃいますよね。そうすると、もし需要が高まった場合に、国内生産だけで賄うということを言い切れるものなのでございましょうか。そうだったら、生産力をもっと上げなければならないということになると思いますが、その辺はいかがでございますか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 確かにいま乳製品を輸入しております。輸入しておりますが、私どもの考えは結局三つに分類できるわけです。  一つは、大ざっぱに言いまして、国内の需要はあるけれども国内の生産がそれに対応できないもの、そういう乳製品を輸入しております。それからもう一つは、たとえば学校給食用の脱脂粉乳とかあるいは畜産農家が使うえさ用の脱脂粉乳、そういった特定の政策目的あるいは福祉政策とか、そういった目的のために安価な海外の乳製品を入れるというのが第二の範疇であります。それから第三は、人間の食用に供する脱脂粉乳とかバター、こういった問題でございますが、この輸入につきましては畜産振興事業団が一元的輸入をしておる。もちろん割り当て制をとっているわけでありますが、そういった形で、国内の需給に悪影響を及ぼさないような形で輸入しているということでございます。  先ほど申し上げましたように、現在の自給率はかなりの乳製品につきましては完全自給というところまでいっておりません。八割内外のところでありますが、それをさらに六十年度には高めていきたいという方向で努力を進めている最中であります。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 その辺わかりました。  このLL牛乳のことでございますけれども、お考え方をひとつ聞かせていただきたいのは、いま輸入はしないということはわかりました。輸入しないのはわかりましたが、では、国内でこれを育てていくと申しますか、助長させていくというような計画あるいは御方針をお持ちになっていらっしゃいますでしょうか、どうでしょうか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 LL牛乳は、先生御指摘になりましたように、長期保存がきくわけでありますから、そういう意味で生乳の長期輸送ができる、生乳の広域にわたる需給調整用として非常に有効である、こういったメリットがあります。それから離島だとか船舶用ですね。船舶なんかに積み込んで、そういった特殊事情を維持するメリットがあるわけでございます。あるいはレジャー等の分野におきまして需要を開拓するというメリットもある。場合によっては店頭売りというような形で置くこともあるわけでありますから、かなりメリットがあると私は評価しております。しかし、また同時に、それを無秩序にやりますといろいろな弊害が出てくることも事実でありますから、そのところはいろいろな段取りなり手だてといったものにつきまして、いろいろみんなの意見を集めて、どうしたらいいかということを意見を交わしながら、お互いの了解し合った中で進めていくべきものだというように私は思っております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 実際問題として、私なんかも地方へ参りまして、地方、田舎のことですからいろいろなものを売っている雑貨屋さんですね、そこで牛乳も売っているわけですね。ところが、酪農県であっても数キロ離れたところに行きますともう店で牛乳は全然売ってないんですね。牛乳は売ってないのに、いわゆる何とかジュースというジュース類、かん入りのジュースあるいはびん入りのジュース、そういうものは山のように置いてあるわけですね。これはLLシステムですよね。それで、置かれている。それを見ると本当に腹が立つのです。どうしてここに牛乳がないのだろうと私はいつも思うのです。  そういうようなことも考えますと、ここにはししがあったらいいんじゃないかという人もあります。あるいはいろいろと防災計画などのための備蓄品であるとか、いま局長おっしゃいましたように、いろいろなメリットもないことはないんだと思います。ですけれども、そういうふうに考えていきますと、この問題についてはさまざまな意見がいまあるわけでございますから、どういうふうになっていくかかいもく見当がつきませんが、この点について、農林省ではどういう指導をしようとお考えになっていらっしゃるか。農林省の腹決まりと申しますか、その指導のあり方でこの問題も方向が決まっていくんじゃないかと考えられるのですけれども、その辺はどのようにお考えでいらっしゃいますか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 これは、いろいろな方々からいろいろな意見があるわけであります。先ほど私がメリットを申し上げましたけれども、無秩序にやりますと、北海道の牛乳が内地にオーバーフローして内地の酪農と衝突するということすら起こりかねないということだってあるわけであります。それから、中小乳業の経営という問題もあります。これはかなりな投資を要しますから、このメリットをエンジョイできるのは大企業だけということになりかねませんから、中小企業がその点については非常に心配をしているということも事実であります。それから、牛乳を配達している小売店の経営の問題も非常にありまして、LL牛乳で全部市場を席巻するというようなことになりますれば、彼らの経営の存廃問題ということにもなりかねないわけでありますから、いろいろな心配があることは事実です。そういったいろいろな心配を解きほぐしながら、こういうやり方でやればメリットが十分生きるしデメリットも最小限度で防げる、そういった話し合いは必要じゃないか。そういった話し合いを必要なしにやるんだという態度はとるべきではない、また絶対反対だというようなかたくなな態度もとるべきではない、こう思っております。結局は話し合いの中でどういうぐあいにLL牛乳というものを位置づけていくか、ルールづくりをしていくことが大事じゃないかということで、私ども行政が直ちに予断をもってやることが果たしていいかどうかということにつきましては、慎重な態度をとりたいと思います。  具体的に私どもがとっております行政といたしましては、生産者、乳業者、相反する意見があったわけでありますが、なかなか話し合いのテーブルに着いてくれなかったわけでありますけれども、やっとその話し合いのテーブルに着くようなことができたということで、いま、これは実は喧騒な環境では余り話をしても実はないわけでありますから、落ちついた雰囲気の中で頭を冷やしながら議論をしてルールをつくっていくことが必要だということで、いまテーブルに着いて話をしていただいている、そういう最中であります。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 大変むずかしいことのように承りました。確かにそうだろう、そういうふうにおっしゃるよりかしようがないのじゃないかというふうに思いますけれども、それを実現なさるのは何と困難なことだろうというふうに私は想像するのでございますけれども、御苦労なことだとも思ったりいたします。しかし、それは、きちっとやっていただかないと大変に混乱すると思います。  そうしますと、もう一つ聞かせていただきたいのですが、いま全体の市乳の中でどれぐらいLL牛乳の生産が占めているかということも聞きたいのと、農林省では、せめてこの辺までは持っていこうなどというようなお考えがおありになるのかどうかです。何%ぐらいまでだったらいいだろうというふうな考えを持っていらっしゃるかどうかということも聞かせていただきたい。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 現在は、月産で約七百トン弱であります。ですから、飲用牛乳の消費量の〇・二ないしは三%程度ということで、ウエートとしてはきわめて少ないわけであります。これは、欧米、イタリア等に比べれば、四〇%ぐらいやっていますから、まだそれに比べれば非常に微々たる存在であるということでございます。  それから、何%まで持っていったらいいだろうか、こういうお尋ねでございますが、そういった点につきましては、私どもは、いま……(金子(み)分科員「持っていったらいいだろうかじゃないのです、農林省はお考えになっているかどうかということです」と呼ぶ)どうも失礼いたしました。何%というお尋ねがございましたが、それにつきましては、現在私ども、はっきりした、そういうパーセンテージという形で考えているわけじゃございません。どういうルールでやったらいいか。要するに、輸送手段としては有効に使えれば非常に酪農なり牛乳の飲用の消費のために貢献されるわけでありますから、それを最高限度にどういうような形で使っていったらいいかと、結局は使い方の問題ですね、そういったことについて、それを決めることが大事だというふうに思っているわけです。パーセンテージという形では考えておりません。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 そういうふうに承っておきます。LL牛乳に関しては農林省では積極的にどういう意見を持っているということではない、使い方の問題だというふうに考えて、みんなの意見を聞きながらしょうと思っているのだというふうに理解しておいてよろしいわけでございますね。  いま一つ、もう時間もございませんので、最後にこれは伺いたいことが一つございます。一つ一つ申し上げると時間がかかりますから申し上げませんけれども、日本人の食生活も大分変わったと先ほど大臣おっしゃっていらしゃいまして、まさしくそれはそのとおりでございますけれども、牛乳の消費量というのはまた日本はすごく少ないですね。これも御承知だと思います。たとえば一日一人当たりの牛乳の消費量というのは、日本は百四十四・九グラムですから、一本にもなりませんね。ところが、御承知のように、その次に低い国がイタリアですが、五百八十五・五ですし、西ドイツにいきますと千四十七、イギリスは千百六十七、ニュージーランドにいけば千六百七十九グラム、こういうふうにまるでけたが違うぐらい一人一日の消費量が違っているということがわかります。ですから、四倍から十倍ぐらい違う。ということになりますと、まだまだ日本の消費量というものは、もっともっと増加させていかなければならないというふうに考えるわけなんです。  そこで、時間もございませんので、これが最後の質問になりますので、大臣にお答え願いたいのですが、酪農政策の中で、生産を増大させるということは非常に重要なことだと思います、いろんな意味において基盤になりますから。ですから、いままでは生産拡充あるいは増大ということのために御努力をなさったのだと思いますけれども、さらに生産を拡大するためには、消費が拡大しなければ生産は拡大しないわけでございますね。そこで、政策の中に、消費を拡大することを積極的に取り込むということが必要じゃないかしらというふうに考えるのでございますが、この点について私は強く御要望をしておきたいと思いますけれども、農林省のお考えとしては、その点について、どのようにこれを高めていこうとお考えになっていらっしゃるか。あるいは具体的な方策がおありになりましたら、お示しいただければありがたいと思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 金子先生おっしゃるように、消費が拡大しなければ生産は伸びない、酪農は伸びない、そのとおりであると思います。現在なかなか消費が伸びておりませんで、ことしなんかは低温寡雨というようなこともありまして、飲用乳が思ったほど伸びなかったわけでございます。そこで加工原料の方に大部分が回った、限度数量をオーバーして加工の方に回った。こういう状況でございまして、私どもは生乳を国民に多く飲んでもらうということに今後とも力を入れてまいりたいと思っておりますが、それには学校給食をせめて土曜日を一日追加してこれをやりたい。ところが、これがまた文部省といいますか、あるいはまた学校のお世話をなさっている先生方といいますか、なかなか時間がない、土曜日に給食をするとなかなか大変だというようなことで、まだその辺が十分理解と協力を求めるところまで至っておりません。一つの例でございますけれども、農林省としては消費を伸ばすということに今後とも努力をしてまいりたい、こう考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 いまのお話は、一つの考えとして学校給食を一日だけふやすということですね。結構だと思いますが、さらにそのほかに、そういうふうに考えれば幼稚園もあることでございますし、あるいは保育園というものもございますし、そういった集団に牛乳を飲ませることを奨励することはわりあいにやり方としてはやりやすい。それも大事だろうと思いますけれども、私は一般家庭における消費を高めるということは非常に重要だと思っているのです。そのことが直接日本人の栄養にもあるいは健康にも影響することでございますから、学校給食結構だと思いますが、一般家庭の消費量を高めるということについて、もっと積極的にPRなりあるいは指導なりの方策を立てていただきたいと思うのですが、そのことはお考えになったことはないのでしょうか、学校のことだけでしょうか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 消費を伸ばすということは全体として考えております。学校給食の場合は非常に安く飲ませるということでございまして、一日ふやすことでもなかなかいろいろな抵抗があるというようなむずかしさを私は取り上げただけのことでございますが、農林省としてはできるだけ国民各層に多く飲んでいただくという方向に持っていきたい、こう考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 ありがとうございました。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 金子みつ君の質疑はこれにて終了いたしました。  次に、坂口力君。

坂口力公明党・国民会議

○坂口分科員 大臣、大変お疲れでございますが、私がラストバッターだそうでございますので、いましばらくよろしくお願いしたいと思います。  二百海里の経済水域の問題が世界的にも非常に大きな問題になりまして、外交上もまた経済的にも非常に大きな話題を呼んでいるわけでございますが、大臣にもソ連との漁業交渉等に大変御苦労をおかけいたしておりますことをよく承知いたしております。こういう中でまた改めて、とる漁業よりもつくる漁業と申しますか、古くて新しい言葉でございますけれども、また再び盛んに言われ出したわけでございます。養殖には、特にハマチ養殖を初めといたしましていろいろのものがあることは私も承知をいたしておりますが、私ども全国あちこちの漁村を歩きましたときに、特に、ハマチ養殖をなすっている皆さん方からお話をお伺いすることが多いわけでございます。その中でいつもお伺いしますのは、初めのうちは養殖をなさる方もそれほど多くなかったからよかったわけでありますけれども、だんだん小さな漁港の中と申しますか、湾の中にハマチ養殖をなさる方の数がふえてまいりまして、過密になってきた。したがって、そこでいろいろなアクシデントもまたよく起こるということを最近言われるわけでございます。そういった皆さん方が、それではというのでいわゆるハマチ共済といったようなものにお入りになっているところも多いわけでありますけれども、しかし、そのハマチ共済についていろいろまた御不満も多いわけです。  その一つは、せっかく入りたいと思うのだけれども、ところが、へそ曲がりとは決して申しませんけれども、中にはその趣旨に賛同しかねるということで、一、二お入りにならない人がある。そういたしますと、その地域で全部の人がお入りになりますとその共済組合に入れるのだけれども、入らない人がある。そうすると、みんなが共済に入ることができない、こういうシステムになっている。この辺をもう少し考えてもらえないだろうか。一〇〇%と言わずに、せめて九〇%くらい加入すればそこに共済が成立するというくらいには考えていただけないだろうか。一〇〇%というのは余り厳し過ぎやしないか。こういう話があるわけでございますけれども、その辺いかがでございましょうか。

岡安誠水産庁長官

○岡安政府委員 おっしゃるとおり養殖共済のうちのハマチ共済につきましては、これは法律の規定によりまして、単位の漁場区域内の全員の養殖業者が加入するということが条件になっております。  まず、その理由をちょっと申し上げたいと思いますけれども、そういうような制度をとっておりますのは、損害評価に当たりまして漁場単位で損害の評価が行える、それで公正に損害の査定ができるということが、まず第一番目の理由でございます。二番目には、やはり災害が起こりますと、共済とか保険には往々にしてモラルリスクというのが起こりやすいものでございますけれども、全員が入っているということによりまして、そういうリスクを防ぐことができるというのが、一番技術的な理由でございます。もう一つは私どもやはり無視できないと思いますのは、共済の運営につきましても、これは漁協の系統運動の一つとして取り上げられてきた。だからなるべくみんなが相助け合って一緒に入ろう、そういうことを共済の加入運動を通じてもやっていこうという趣旨もあったかと思っております。ただ、現実に運営してまいりますと、おっしゃるとおり二、三やはりへそ曲がりがいるということもないわけではない。現実には余りないようでございますけれども、理論的にはあり得るということでもございます。ほかの共済の場合にはたとえば三分の二の同意でもって義務強制といいますか、そういうような制度もないわけではございません。これも結果的には全員入っていただくようなそういうシステムにはなりますけれども、発足におきましては三分の二の同意でいいという制度もないわけではございません。私ども今後この制度の改善等の検討に当たりましては、おっしゃるようなところも十分踏まえまして、検討はしてみたいというふうに思っております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口分科員 おっしゃる御趣旨は私もわからないではないわけであります。先日もいろいろ説明を受けまして、それぞれやはり理由のあることも実は承知をしたわけでございます。考え方もなかなか多種多様になってまいりました昨今でございますから、一〇〇%、全員その意見をまとめるということはなかなかむずかしい場合がある。そういう場合はそうないということをおっしゃいましたが、回ってみますとやはりあちこちにそういう例がございます。     〔主査退席、片岡主査代理着席〕 ぜひその辺のところを検討してほしいという意見が多いわけでございまして、これは法改正の問題も絡んでまいりますので、大臣これはこれからの問題でございますけれども、その辺のところを若干お考えを緩めると言っては失礼でございますけれども、もう少し検討の対象にしていただいて、御検討いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 坂口先生の御質問は、三分の二の多数の同意があった場合には全員が義務加入をする、そういうぐあいに制度を変えたらどうだろうか、こういう御意見でございますか。——そういう御意見でありますれば、私どもも今後十分検討をしてみたい、こう考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口分科員 ありがとうございます。  それからもう一つ、このハマチ共済でよく質問を受けましたり御陳情を受けるのは、共済に入っておる人の中でたくさん魚が死ぬ、ハマチが死ぬというわけですね。一五%以上が同一原因において死んだときにはその対象になり得るということになっておりますが、ところがかなりたくさんの魚が死にましても、それが漁民の皆さん方にとりましては、同一原因であるか否かということが非常に判定しにくいわけでございます。たくさん死んだからこれは対象になるだろうと思って調べてもらうと、いやこれは原因が二つある、こう言われると漁民の皆さん方ではそれがよくわからないと言うわけですね。そしてそのときに、そのことについて詳しい説明があればいいのですけれども、説明がない、こうおっしゃる。多分、私考えますのに、漁業組合の幹部の皆さん方等には恐らく詳しい説明もあるんでしょうけれども、その説明が末端までなかなか行き渡りにくいという、そういうことも中にはあるんだろうと私は思うのですが、しかしそれにいたしましても、あちこちでよく聞く話でございます。いわゆる査定と申しますか、認定と申しますかされますときに、どういう人がこれを調べるのかということがございます。中には、たとえば連鎖状球菌なんかがつきましてこの病気になるというようなそういう病気もあるようでございますし、そのほかの細菌によるものもあるようでございますし、専門的に調べなければなかなかわからない場合があるわけでありまして、その辺のところは一体どういうふうになっておるか、御説明いただきたいと思います。

岡安誠水産庁長官

○岡安政府委員 先生御指摘のとおり、現在の制度は同一原因による、たとえば魚の病気の場合、同一原因による事故というもので私ども運用いたしております。しかし世の中には、複合原因というものがよくあるわけでございます。これがはっきり複合原因である場合には、私どもも簡単にわかりますし、また共済に加入している漁民の方々もよくわかるわけでございますけれども、問題は複合原因なのかそうでないのかという判定が非常にむずかしい場合、これらにつきましては、そのことによって共済の事務を停滞させることは私どもは考えておりませんので、従来のケースでいけば関係の研究機関に判定をお願いしまして、その判定によって処理するということにいたしております。それにいたしましても、そういう判定をお願いしたり処理をする時間がよけいかかりますと非常に御迷惑をかけることになりますし、また判定の結果等につきましてもこれを速やかに組合加入者に周知徹底いたしませんと、制度の維持そのものもおかしくなると考えております。御指摘のとおり、従来必ずしも私どもの指導が十分徹底してなかったうらみもあろうかと思いますが、今後はそういうことのないように、迅速かつ徹底につきましては配慮いたしてまいりたいと考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口分科員 人間の病気でも、たとえばインフルエンザがはやってまいりますと、A型がはやってきたかと思いますとまたB型がはやってくる、両方一緒にやってくるというようなことも中にはあるわけでありまして、一度にたくさんのハマチが死にましたときに、それが一つの原因なのか二つの原因なのか、これは率直に申して非常にむずかしい問題だと思うわけでございます。また、ほかに何か別途な原因があって、そしてその結果として次の、たとえば何々菌による病気あるいはまた違う菌による病気というように、一つの原因があってしかる後に第二次的な原因がまた二つ出てきて、それによって起こっているということも考えられるわけです。これこれの菌によって死んでいる魚、これこれの菌によって死んでいる魚がある、だけれども他方では、それぞれの菌を増殖せしめる原因というのはもう一つその後にあるのかもしれない。そういうことを考えますと、これはなかなか実はむずかしい問題だと私も思うわけであります。ですから私がお願いしたいと思いますのは、調べた結果こういうことである、こうだからこうだという、そのところを共済に加入しておいでになる皆さん方にぜひひとつ納得のいくように話をしてあげてほしい。そうすれば共済についても、また入るという人がふえてくるわけであります。ところが、そういったことがなおざりになっておりますと、先ほどの話のように、いや掛けておったってそれ見ろだめじゃないかというような話になって、中には一人なり二人入らない人が出てくる。そうすると、ほかの人も入れない、こういうことになってまいりますので、ぜひそこのところはお願いを申し上げたいと思います。  それから、これはちょっと変わったことを大臣にお聞きをするわけですけれども、牛だとか豚だとかというものの飼育に対しましては獣医さんというのがあって処理してきたわけでありますけれども、魚の場合には魚医さんと言うべきかどう言うべきかわかりませんけれどもそういう人はないわけで、そういう養殖をたくさんするということになればこれからまたいろいろ病気も出てくるだろう。その共済等のことがだんだん発達をして、あちらにもこちらにもそういう問題が起こってこれを検査しなければならないということになれば、やはりその専門職というものも、これは養殖漁業が盛んになればなるほど将来の問題としては必要になってくる問題じゃないかと思うわけであります。したがって私は、何もかも獣医さんに任しておくというわけじゃなしに、魚の場合も専門的なそういうことをなさる資格というものも将来検討すべきではないかと私はかねがね思っている次第でございます。あわせて大臣にお答えいただけたらと思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 前段の問題でございますが、どういう原因で斃死したか、それが複合原因であるのか単純な原因であるのか、その結果をはっきり分析をし調査をして、それを加入者に十分説明をする、周知徹底をする、これがこの養殖共済を普及する一番いい効果のある道でもございますので、今後ともそういうことが徹底されるように指導してまいりたい、こう考えております。  次の問題は、長官から申し上げます。

岡安誠水産庁長官

○岡安政府委員 おっしゃるとおり養殖共済が普及をいたしまして、共済事故が魚の病気によるものが非常に多くなっている。また、いま御指摘のとおり、その病気の原因が同一であるかどうかの認定も必要であるということになれば、家畜に対する獣医と同じような立場の人間の確保というものも当然必要だと思っております。現在は、大体大学その他国の研究機関にそういう専門の方々がおられるという状態でございます。今後さらに養殖がふえまして、また共済の立場からもそういう方々の需要も多くなってくると思いますので、そういうことに備えまして、私どももそういう方々の養成確保につきましては心がけてまいりたいと思っております。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 いま水産大学等におきましては、魚病学という学科もあるのです。それで増養殖の科を専攻する諸君は、魚の病気につきましても相当勉強をしておるわけでございます。そういう諸君が試験場等に参りましてさらにいろいろ研究を深めておるわけでございますが、これから二百海里時代になり、沿岸漁業の振興を図り、さらに栽培漁業等の振興も図らなければいかぬということになってまいりますと、その問題は非常に重要になってまいりますので、私も前向きでひとつそういう制度について研究をしてみたい、こう考えておるところでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口分科員 ハマチの問題が出ましたついでに、ハマチにつきましてもう一、二お聞きをしておきたいと思うわけであります。  ハマチに対するいろいろ困難な条件というのがございます。それは一つは、先ほどから出ておりますいろいろな病気の問題もございますが、そのほかに、えさが非常に高くつくというようなことで、ハマチの養殖をしている人たちが、最近たくさん死ぬということも含めますとそれほど養殖のメリットがなくなってきたということをかなり言っているわけです。えさ代の方が高くつきまして、えさ代にどうしても多くのお金をとられて、都合によるとえさ代の方が高かったということにもなりかねない情勢にある。こういったことで、中には、県段階の農林水産部あたりの指導を受けると、ハマチはかなりえさにイワシだとか何だとかというようなものが要る。二百海里時代になったら、それこそイワシは人間が食わなければならぬものだから、そうそうハマチに食わしておるわけにはいかぬので、ハマチ養殖は、タイだとかほかの魚の養殖に変えることも検討しているというような話も出るようでございます。  しかしながら、これだけハマチ養殖を政府も奨励もされ、また補助金もときには出され、そして推進もしておみえになったわけであります。えさ代が非常に高くなる、あるいはまたイワシが大事になってきたということもよくわかりますけれども、すぐまたほかのタイだとかあるいはエビの養殖だとかいうようなことに急に転換をされるということも、水産界の方針としていかがなものかと思うわけであります。また、遠洋漁業等に出ておみえになった皆さん方の中でも、これからハマチ養殖等を新しく始めたい、こう思われる方もかなりあると思うわけでありますが、現在もうすでにおやりになっている方は将来に対してかなり不安を持っておみえになるわけであります。  この皆さん方が不安になっておみえになりますもう一つの原因は、えさをたくさん与えるために、そのえさが海の底にかなりたまってくる。それを一体だれが取り払ってこれを解決していくのか。もうこれはあと十年も十五年も続かないのではないか。だから、自分たちの海を犠牲にしながら一年一年を送っている。恐らく十年なり十四、五年すればこの養殖はできなくなるのではないか。しかし、それを取り除くだけのこともようやらないというわけでありますね、金もかかることでありますし。実は、その辺のところを心配をしながら、このハマチ養殖に従事しておる方がたくさんおいでになるということをお知りをいただいて、全然心配は要らないとはいかぬでしょうが、その人たちの将来の心配の幾つかを取り除いていただくような方針をぜひひとつ打ち出していただきたいと思うわけでございますが、いかがでございますか。     〔片岡主査代理退席、主査着席〕

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 ハマチ養殖業者の諸君にも、将来のことを展望して、いまからいろんな研究をやっていただかなければならないし、政府関係機関においても研究をしていく必要があるということは、やはりえさの問題でございます。七倍以上のイワシなりコウナゴなり、そういうえさを食わして、そしてハマチに姿を変えて、高級魚として食べていける時代、これが一体いつまで続くのか、こういう問題が一つございます。これからイワシとかサバとかそういう多獲性魚族を国民の食糧に供するようにしなければならない、厳しい情勢下に置かれておるわけでございます。だから、そういうものにかわる飼料、えさというものの開発研究というものを、研究機関におきましても、また関係業界においても研究をする必要があるのではないか。これはいますぐの問題ではございませんけれども、長い目で見れば、七倍以上のえさを食わして養殖しなければいかぬというようなことは、食糧政策の上からもやはり考える必要があるのではないか、こう考えております。  それから、投餌したえさの余ったものが海底に蓄積する、腐敗をする、悪いガスが発生する、そういう問題もございますし、魚粉等でいろんな汚染がされるということもございますが、これは過密の関係でありますけれども、こういう問題につきましては、沿岸漁場開発整備事業の中で漁場の再開発等の問題も処理できる道もございますので、こういう点はいまは直接やっておりません、もっと投石とかつきいそとかいろいろなことをしなければいかぬものですから、いまはやっておりませんが、そういう面につきましても今後考えていかなければならぬ、こう私は思っておるわけでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口分科員 もう一つだけ簡単にお答えいただきたいと思います。  それは、新しくハマチ養殖等をやられる方のために、あるいはまたすでにやっておみえになる方でも、途中でもう少し拡大をしたいというような人のための融資の問題でございますが、この人たちは、国民金融公庫だとか中小金融公庫だとかいうようなものを使いたいと思いましても、ハマチ養殖の人たちはなかなか使えないらしいですね。その市なりあるいは村なりの商工会等には入っているんだけれども、ところが、そちらの方は入っていながら融資は受けられない。そういたしますと、農林中金でございますか、こちらの方にお願いをしなければならぬわけですが、こちらの方も、たとえば中部地方でありますと、名古屋には支店はあるけれども、そのほかのところにはもうないというようなことで、一々他の県まで出ていかなければこれができないというようなこともあるということで、非常に融資の面でお困りになっていることもあるのです。これは大蔵委員会等でもお願いしなければならない問題だと思いますが、その辺のところの融資の問題。融資に相談に乗っていただけるところというものをぜひ積極的にお進めをいただきたい、これをひとつお願いをしておきたいと思います。

岡安誠水産庁長官

○岡安政府委員 恐らくは、現在でも融資のルートは農林中金なり県の信漁連なり系統はあると思いますけれども、資金量の関係、相当膨大な資金需要でございますので、そういう関係で問題があるのではなかろうかと思いますので、それらは県庁等を通じまして御相談があれば、私どもがごあっせんをいたしたいと思います。

坂口力公明党・国民会議

○坂口分科員 共済が出ましたついでというと大変失礼でございますけれども、農業共済の方でも一つだけお聞きをしておきたいと思います。  共済の内容にも幾つかあることを承知いたしておりますが、時間がございませんから端的に申しますけれども、その中でお茶を共済に入れてもらえないかという話が大分あるわけでございます。御承知のように、これから春先になりましてから霜等がございまして、一晩のうちに急にやられるというようなことがよくございまして、ファンを回しましたりあるいはまたビニールの覆いをしたりとか、いろいろの工夫はしておるようでございますけれども、それでもうっかりしてやられてしまうということが間々あるということでございまして、ぜひ共済の中に入れてもらえないかという声があるわけでございますが、いかがでございますか。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 お尋ねの、お茶につきまして共済制度を仕組めるかどうかということを検討いたしますために、数年前から地域の特産物の保険制度の調査対象品目に取り上げまして、農家の意向でありますとか、あるいは被害状況の基礎的な調査を行っているわけでございます。これまでの調査結果を見てみますと、お茶に対します共済事業は、調査年度また地域によっていろいろ格差がございますが、全体としてはわりあい低い状況にございます。たとえば静岡、京都、鹿児島について五十年度に五百戸程度でございますけれども、共済が必要であるかということを調査いたしましたところ、必要であるあるいはあった方がいい、そういうグループは大体三五%くらいで、あとはなくてもいい、どちらでもいい、そういう動向を示しておるわけでございます。  共済事業ということはどういうことかといいますと、共済の基本的な、危険分散ということに関係するわけでございます。したがいまして、一つは農家の共済事業を十分に見きわめることが必要であるということが第一点でございます。それから第二は、お茶は他の作物に見られない非常に特殊な複雑な問題を含んでおります。たとえばつみ取る時期でございますとかあるいは価格の変動でありますとか、そういう他の作物に見られない特性がございます。したがいまして、共済金額の設定をどういうふうにしたらいいかという共済設計上の問題がございます。しかしながら、私たちといたしましては、五十一年度から新たに保険技術上の問題点を明らかにいたすための試験調査を実施いたしております。これは御存じのように、金銭の授受は伴いませんけれども、一応基準収穫量を決めまして、それから損害評価をいたしましてペーパーテストをいたしておるわけでございますので、今後この試験調査の結果を待ちますと同時に、先ほど申し上げました共済事業の動向を十分見きわめまして、お茶の制度化の問題を今後とも十分検討してまいりたい、かように考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口分科員 いまお聞きいたしますと、必要性を訴える人が三五%くらいだというお話でございます。私どもが聞いておりますのは、あるいは必要だとおっしゃる方のところをより多く歩いているということもあるわけでございまして、皆さん方が全体におとりになったその数というものは恐らく正しいのだろうと思います。しかし、中には非常に必要性を強く訴えておみえになる方もあるということを御認識をいただいて、ぜひ今後の問題としまして継続的に御研究をいただいて、でき得れば取り入れていただきたいと思うわけでございます。  遅くまで本当にありがとうございました。

伊東正義自由民主党

○伊東主査 これにて坂口力君の質疑は終了いたしました。  次回は、明十二日午前十時より開会し、通商産業省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後八時十三分散会

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