予算委員会第三分科会 第2号
- 発言数
- 100 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/03/12
会議録
○笹山主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。 昭和五十二年度一般会計予算及び昭和五十二年度特別会計予算中自治省所管について、政府から説明を求めます。小川自治大臣。
○小川国務大臣 昭和五十二年度の自治省関係歳入歳出予算につきまして、概要を御説明申し上げます。 第一に、一般会計予算でありますが、歳入は二千九百万円、歳出は五兆八百四十九億四千六百万円を計上しております。 歳出予算額は、前年度の予算額四兆六百六十三億八千八百万円と比較し、一兆百八十五億五千八百万円の増額となっております。 また、この歳出予算額の組織別の額を申し上げますと、自治本省五兆七百十四億九千百万円、消防庁百三十四億五千五百万円となっております。 以下、主要な事項について、委員各位のお許しを得まして説明を省略させていただきたいと存じます。 よろしくお願いをいたします。
○笹山主査 この際、お諮りいたします。 ただいま小川自治大臣から申し出がありましたとおり、自治省所管の関係予算の主要な事項につきましては、その説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○笹山主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔小川国務大臣の説明を省略した部分〕 以下、この歳出予算額のうち、主な事項につきまして、内容の御説明を申し上げます。 最初に、自治本省につきまして、御説明を申し上げます。 まず、地方交付税交付金財源の繰り入れに必要な経費でありますが、昭和五十二年度は四兆六千二百二十億七千百万円を計上いたしております。 この経費は、昭和五十二年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額の合算額四兆五千五百億八千万円に昭和五十年度の地方交付税に相当する金額のうち未繰入額五百九十五億九千百万円及び過年度特別措置に係る昭和五十二年度の加算額百二十四億円を加算した額に相当する金額を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費であります。 次に、臨時地方特例交付金の繰り入れに必要な経費でありますが、一千五百五十七億円を計上いたしております。 この経費は、地方財政の状況等を考慮し、昭和五十二年度の特例措置として交付税及び譲与税配付金特別会計を通じ地方交付税交付金として交付する財源の同特別会計への繰り入れに必要な経費であります。 次に、借入金等の利子の財源の繰り入れに必要な経費でありますが、一千五百四十八億四千六百万円を計上いたしております。 この経費は、地方交付税交付金に係る借入金及び一時借入金の利子の支払財源を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費であります。 次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金に必要な経費でありますが、百二十七億円を計上いたしております。 これは、いわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し、助成交付金を交付するために必要な経費であります。 次に、施設等所在市町村調整交付金でありますが、四十億円を計上いたしております。 この経費は、特定の防衛施設が所在することに伴い税財政上特別の影響を受ける施設等所在市町村に対し、調整交付金を交付するために必要な経費であります。 次に、交通安全対策特別交付金に必要な経費として、六百七十七億九千九百万円を計上いたしております。 この経費は、交通安全対策の一環として、反則金収入に相当する金額を道路交通安全施設に要する費用に充てるため、都道府県及び市町村に対し交付するために必要な経費であります。 次に、新産業都市等建設事業債調整分の利子補給に必要な経費につきましては、七十六億九千五百万円を計上いたしております。 これは、新産業都市、工業整備特別地域等の建設、整備の促進を図るため、建設事業債の特別調整分について利子補給金を交付するために必要な経費であります。 次に、地方公営交通事業再建債の利子補給に必要な経費でありますが、四十一億五千万円を計上いたしております。 これは、地方公営交通事業の再建を促進するため、再建事業を経営する地方公共団体が起こす再建債について利子補給金を交付するために必要な経費であります。 次に、再建公営路面交通事業のバス購入費の補助に必要な経費でありますが、二十六億二千万円を計上いたしております。 これは、再建を行う公営路面交通事業を経営する地方公共団体に対する当該事業のバス購入費の補助に必要な経費であります。 次に、公営地下高速鉄道事業助成に必要な経費でありますが、百三十一億八百万円を計上いたしております。 これは、昭和四十六年度末における公営地下高速鉄道事業債に係る支払利子に相当するものとして発行を認める企業債の利子相当額について、地方公共団体に助成金を交付するために必要な経費であります。 次に、公営病院事業助成に必要な経費として、六億二千四百万円を計上いたしております。 この経費は、昭和四十八年度末における公営病院事業の不良債務の範囲内で発行を認めた公立病院特例債の利子について、地方公共団体に対し、助成金を交付するために必要な経費であります。 次に、公営企業金融公庫の補給金に必要な経費でありますが、三十四億六千百万円を計上いたしております。 これは、公営企業金融公庫の水道事業、下水道事業、工業用水道事業、交通事業、市場事業、電気事業及びガス事業に係る貸付利率の引き下げのための補給金を同公庫に交付するために必要な経費であります。 なお、このほか、同公庫につきましては、出資金を増額するための経費十億円が大蔵省所管産業投資特別会計に計上されております。 次に、参議院議員通常選挙に必要な経費でありますが、百八十三億三千五百万円を計上いたしております。 この経費は、昭和五十二年度における参議院議員の通常選挙の執行に必要な経費、参議院議員通常選挙の開票速報に必要な経費、選挙人に対する参議院議員通常選挙の啓発の推進をするために必要な経費であります。 次に、選挙に関する常時啓発に必要な経費でありますが、十二億円を計上いたしております。 この経費は、選挙をきれいにするための国民運動を展開するとともに、常時、選挙人の政治常識の向上を図るための啓発に要する経費について、地方公共団体に対し補助する等のために必要な経費であります。 以上が自治本省についてであります。 次に消防庁についてご説明申し上げます。 まず、消防施設等整備に必要な経費として、九十一億九千七百万円を計上いたしております。 この経費は、一般火災・コンビナート火災・林野火災等の消防に関する施設及び装備の科学化、高度化を計画的に推進するための、消防ポンプ自動車・防火水槽・化学消防車及びはしご付消防車等の整備に対して補助するのに必要な経費であります。 次に、大震火災等防災対策に必要な経費として、二十七億八千八百万円を計上いたしております。 この経費は、大震火災の発生時における避難の安全、初期消火及び延焼拡大防止を図るために必要な施設等の整備、空中消火試験の実施及び防災知識の啓発等並びに消防防災無線通信施設の整備を推進するために必要な経費であります。 次に救急業務対策に必要な経費として、一億二千万円を計上いたしております。 これは、救急業務協力推進費及び救急医療情報収集装置整備費を補助する等のために必要な経費であります。 第二に、特別会計予算につきまして、ご説明を申し上げます。 自治省関係の特別会計といたしましては、大蔵省及び自治省所管交付税及び譲与税配付金特別会計がありまして、この特別会計の歳入歳出予定額は、八兆七千九百億九千四百万円となっております。歳入は、地方交付税交付金及び借入金等利子の財源に充てるための一般会計からの受入見込み額、地方道路税の収入見込み額、石油ガス税の収入見込み額の二分の一に相当する額、航空機燃料税の収入見込み額の十三分の二に相当する額、自動車重量税の収入見込み額の四分の一に相当する額、特別とん税の収入見込み額等を計上いたしております。 歳出は、地方交付税交付金、地方譲与税譲与金及び借入金の償還財源等の国債整理基金特別会計への繰り入れ等に必要な経費であります。 以上、昭和五十二年度の自治省関係の一般会計及び特別会計予算の概要を御説明申し上げました。 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 —————————————
○笹山主査 以上をもちまして自治省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○笹山主査 これから質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹内猛君。
○竹内(猛)分科員 私は、特に自治省の関係の問題として筑波研究学園都市に関する財政上の問題について質問をしたいと思います。 第一の問題は、筑波研究学園都市内における土地の価格は、十数年前に反当四十万円前後で買い上げられました。当時の町村長はこの土地を買収するために日夜努力をして、多くの人々が過労で倒れていった経過があります。それほど努力をした土地が、同じ地続きの土地が現在反当六百万円という形で非常に値上がりをしている。現に、通産省が買い上げた工業技術院の価格は六百万円。当時四十万円の土地価格を複利で計算してみても、この十数年の間に六百万円になるとはとうてい考えられない。それくらいに値上がりをしておるわけでありますから、この農民に対する犠牲というか不公正を直すために、政府としても毎年特別な交付金を出して、昭和六十年までに五億円の金を関係町村に出して環境整備をやっている、こういう形になっておりますが、この周辺整備計画と、その金の性格と配分というものはどういうことになっているのか、これからまず先に御質問します。
○石川説明員 いま先生の方から御指摘ございました政府が地方公共団体に筑波の建設の対策といたしまして支出いたしておりますものは、筑波研究学園都市対策特別交付金、こういう形で出しておるわけでございまして、その性格を先生の方から御指摘を受けておるわけでございますが、この性格といたしましては、第一番目には公共公益施設、つまり現在筑波につくっておりますいろいろな公共公益施設がございますが、これの維持管理の円滑化を図るということが第一点でございます。 第二点は、この筑波の新都市をつくるのと同時に、その周辺の整備ということが非常に重要な問題になっておりまして、その周辺開発地区の整備に資するためにお金を支出しておるわけでございます。 お金の支出の仕方でございますが、これは茨城県が関係町村に助成費を出すわけでございますが、それに対しまして国が茨城県知事に交付しておるものでございます。 そのお金の内容でございますが、これはすでに先生から御指摘のように、昭和五十一年度において初めて五億円という金を支出いたしております。その内容でございますが、これは関係町村、先ほど申し上げました周辺整備の場合におきましてはこの関係町村が共同して行うという条件が加わっておりますので、この関係町村が共同して行っております集会施設、ごみ処理施設それから消防施設といったようなものの建設費に対する助成を行っております。そのほかにつきましては、当初目的の方で申し上げましたように、関係町村の公共公益施設の維持管理というものの費用に充てるべく支出いたしております。 昭和五十二年度の予算政府原案におきましても、同額の金を計上いたしております。
○竹内(猛)分科員 そのように進められている事実は承知しておりますが、そこでこれは午後の質問になりますが、研究学園都市は五十四年には完成をするということがすでに以前から予定をされていることでありまして、五十四年に完成をするということになると、現在日本住宅公団がこの地域内に民間と同様に固定資産税を支払っている土地がかなりある。完成後は一部の土地を残して固定資産税の徴収ができなくなる。これは日本住宅公団の所有している土地が研究機関、公務員住宅等で事業が済めば、当然公団所有の必要もなく、各省庁がこれを買い取ることになるのでありまして、そうしたら現在一億五千万円の固定資産税が入っているこの六カ町村は財源が大きな穴があく。この穴があくということについては、これは当然そういうことになると思うのですけれども、自治省の方はどういうふうに考えられますか。
○首藤政府委員 現在支払われております固定資産税が、その土地が国有になるというかっこうで入らなくなる、これはそういうことがあろうかと思います。その場合には、先生御案内のように地方団体の財源付与のかっこうには地方交付税がございますが、その交付税の計算をいたします際の基準財政収入額、これが減ってくるということになりますので、簡単に申し上げますと税金のかわりに交付税が交付をされる、制度的にはそういう仕組みになってまいります。
○竹内(猛)分科員 そのとおりだと思うのですね。 そこで、前の自治省を介して出している十年間の六十年までの五億円の金、これは六十年でおしまいになる。それからもう一つは、五十四年に完成をすると一億五千万円程度の固定資産税が減る。この二つが大体見通しがついているわけですが、そこでいま自治省から説明があったように、固定資産税が取れなくなった場合には別な方法で考えられると言っているわけですが、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律というようなものは適用されることになるのか。後の方ですね。前のことについてはまた別に質問します。
○森岡政府委員 いま御指摘の国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律に基づきますいわゆる国有資産所在市町村交付金の制度は、固定資産税が非課税になっております国有財産の中で、使用しております実態などが、私人の所有する固定資産と同じようなもの、たとえば公務員宿舎であるとか、あるいは収益事業用に使うのに貸し付けております資産とか、そういうものが対象でございます。そして純粋の公共財についてはこの交付金制度というものは適用いたしておりません。また一方、学校とか研究所というものは、私立のものについても固定資産税は課税していないわけでございます。そういうことでございますので、現在の交付金制度というものをこの筑波学園都市の学校とか研究所とかに適用するということはできないと考えております。
○竹内(猛)分科員 できないわけですね。それはそういうことで一応聞いておきます。 それでは次に、研究学園と大体同じころに進められた同じ県にある鹿島工業開発については、これは商店なり工場という形で固定資産税やその他が入って、地元はかなり潤っているわけですね。ところが、同じときに出発した筑波研究学園においては、そういうわけにいかない。この財源が枯渇してしまう。ところが、入ってくる人々はいろいろな要求をされるわけですね。だから、内部の方々については、それぞれ国が責任を持った形で処置をされているけれども、在来の住民の皆さんには同じような手当てをしなければ差別ができる。こういう差別ができるために、何とかしてこれに財源を与えていかなければいけないのじゃないかという感じがするわけですね。そのときに、一つの考え方として、仮に六十年で五十億の金が、年五億、そして固定資産税が取れなくなる。そうしたときに、先ほど言ったように別な形で交付がされるという話もあるが、鹿島と同じように建物、学校、研究所、こういう機関がたくさんできるわけですから、そこに一つの仮定をして、これを工場と見積もった場合にどれくらいの固定資産税なりそういうものが考えられるのか、これを想定をして、この分だけ国が特別に交付金なりそういうものをつくっていくということについてはどうか、この点はどうですか。
○首藤政府委員 御事情、御主張はよくわかるわけでございますが、実際問題として、学園がもし工場その他であったならば幾ら税金が上がるか、こういうことを計算をして、それを基礎にして財源措置をやっていくということは事実問題として大変むずかしかろうと考えております。 いま先生御案内のように、学園都市に対しましては特別交付金の交付とか、住宅公団やそのほかの立てかえ支弁とか、それから国庫補助率のかさ上げとか、こういった財政援助があるわけでございますが、個別の市町村におかれて、この学園が来たことによっていろいろな財政需要が出てくる、ないしはその周辺の市町村においてもいろいろ財政需要が出てくる、こういうことは理解ができますので、当該市町村の財政の実態に応じてそこがいろいろお考えになる各種の長期計画、そういったものにつきまして、県とも十分相談をいたしながら私どもとしてはできる限りの援助措置、たとえて申しますならば、地方債の配分であるとかあるいは交付税の需要算定の場合の問題であるとか、こういうことで実情に沿った措置、こういうことを考えていきたいと思っております。 なお、この特別交付金は御承知のようにいま一応六十年まででございますけれども、この問題、その時期になってなお所要の需要が続く、こういうような状況であれば、また国土庁そのほかとも十分相談をしてみたい、こう考えておるわけであります。
○竹内(猛)分科員 国が特に要請をして、そうして筑波研究学園都市の促進立法という特別立法までつくって、ここにあれだけの学園都市をつくっているわけだから、これは普通の、通常の法律だけに頼っておったのでは、あの地域はやはり差別というものは免れない。もしそういうことが依然として続くとすれば、ほかに同じようなものを計画しても、これはなかなかやりにくいことになるであろう。やはり一つのモデル地区として、先例地区としてここに対する財政的処置というものは今後ますます重大になるだろう。学園内の二千七百町歩にわたるところのその内部の問題については、やはり相当手厚い処置がとられていると思う。ところが、その周辺の長い間その土地で生活をしてきた皆さんが差別をされる、差別を受けるということは、これは上下水道にしても、あるいは集会場にしても、道路にしても、学校にしても、病院にしてもそうです、すべてそうですか、これはやはり同じところに住む者としてどうしても許されない。 そこで、一つの提案として、これは後の委員会でも提案をしていきたいと思うのですが、一つの提案は、特に桜村のごときは二千七百町歩の中でその三分の一の九百町歩というものが桜村から土地が提供されている。そこで、農地が減るわけですね。いままでそこから上げていた固定資産税もそれだけ減るわけです。いまの話では、研究学園からはそれはなかなか取りにくいということだ。そうすると、税金も入らない、農地も減ってしまった、こういうところに新しく転入の皆さんが入ってこられて、そして前からいた人との間に、対立関係は、ないわけですけれども、あってはならない。それをやわらぐために農地をうまく利用する、土地利用計画を立てて、そうして新しく入った皆さんと古くからおられる農家の皆さんとの間で交流をして、そこに観光農園であるとかあるいは貸し農園というような形でお互いに話し合いができるような、和ができるようなことをやっていこう。現在青空市場なんというものをやっていますが、そういうことでいくために、これは自治省だけの話じゃありませんが、建設省なり国土庁なり農林省も含めた一つの計画を立てて、何とかそこで収入が上がるようにしていかなければならない、こういうことをここで考えておるわけですが、これについてはすぐここで答弁ということにはなりませんが、そういうことについての努力をしてほしいということを申し上げたいのですが、これはどうですか。
○首藤政府委員 御指摘のように、周辺の市町村あるいは特に桜村等はそうだと思いますが、生活の実態がかなり変わってまいりますので、御指摘のような振興方策、こういうことをお考えになって今後に対処していく、これは至極ごもっとものことだと私ども考えております。その具体的な事業の内容がどのように決まってまいりますか、いま御指摘のように建設省や農林省や国土庁も関係があると思いますが、私どもといたしましてはそのような財政需要にさらされておる桜村そのものの財政のあり方、財政の長期的な計画、こういうものについてはそれを十分尊重しながら、具体的には茨城県ともよく相談をいたしまして、できる限りの援助をしていく、こういう気持ちは十分持っております。
○竹内(猛)分科員 次いでもう一つただしておきたいことは、先般、この桜村が中心でありますけれども、現在一万八千人ほどの人口が、やがて六十年の段階には七万六千名になる。そこで、現在の村の役場が狭いということで、これを増築をしよう、こういう要請をしたところが、これがけっ飛ばされてしまった。こうなると、このけっ飛ばしたということは、明らかにふえることがわかっていて増築がされないということになると、何かこれには裏があるだろうということになると、関係町村は三郡六町村にまたがる地域でありますから、非常に細長いわけでありますが、これに対する行政上の指導として合併を促進するとかなんとかというような考え方があるのではないか、いずれはそういうことを考えているのじゃないか、この点についての考え方があるかないか、これはどうですか。
○山本(悟)政府委員 御質問の六市町村につきましての合併はどうだということでございますが、基本的には一体化された段階におきましてそういうような事態というのも考えられないことはないと存ずるわけでございますが、何と申しましても合併の問題というのは地元の町村の自主性というものによってお決めいただくことでございまして、国の方からどういう方針ということを押しつけるべきものではないというぐあいに存じておるわけでございます。具体にその地域におきましては現在は一つの広域市町村圏ということで、いろいろのごみ処理、消防その他の事業も共同でやっておるというような実態もあるわけでございまして、当面といたしましてはこの方針をさらに推進をして一体性を持つようにだんだんと積み上げていくということが適当なことではないかというように存じております。
○竹内(猛)分科員 自治体が中心になって考えるのは当然だと思います。ですけれども、やはりあの細長い地域で、桜村とか谷田部というのはかなりそれに加わっておりますが、筑波とかあるいは大穂とか茎崎というようなところは必ずしもそう多くそこに入っているわけではありません。非常に長いところで行政がやりにくいところでありますから、人口がふえてきて、やがて二十万になるようなところ、そこのところを広域事務組合、こういう形で処理をしていくということは必ずしもいい形ではないだろうと思う。だから、ただ任せるということではなしに、もう少し研究をして、どういう形にしても住民が納得ができるような形で処理をしていかなければならぬだろうということを私は申し上げておきたい。 続いて交通関係の問題について質問いたしますが、現在筑波研究学園に関する問題の一つとして、学園内の交通の問題、こういう問題は大変大きな問題であって、陸の孤島と言われていて、朝から夜の終車までの間はこの問題がいろいろありますが、これは別なところで質問をすることにいたします。 そこで、東京と筑波研究学園との間の交通については、やはり毎日千人ぐらいの者が行ったり来たりしなければならないという重要なことになっている。ところが、これは前から質問しているけれども、常磐線の複々線というのは電流の関係で非常に困難だ。だとすればこれに別の路線を直線のものを考えているかどうかということについて、ときどき話が出るのですが、関係者はこれに対して、そういう計画があるかないかということについてお答えいただきたい。
○高橋説明員 お答えいたします。 ただいま国鉄では、常磐線を強化するということは考えておりますけれども、いま先生の御質問のように、新しく線をつくって輸送する、そういう計画は持っておりません。
○竹内(猛)分科員 そこでもう一つ質問しますが、大正十一年の国鉄の敷設の付表によりますと、土飯線というのが出ております。土飯線というのは、土浦から埼玉県の飯能に結ぶ線でありまして、もうすでに五十五年ほど前の話ですが、この間に何遍か地元からの要請があり、その敷設の運動が行われております。ことしもすでにそういう集会がありましたが、この土飯線の可能性について、見通しについて、これはどうですか。
○田中説明員 いま御質問のございました土飯線についてでございますが、お話にございましたように、大正十一年に鉄道敷設法が制定されておりますけれども、その中で別表の四十三号に法定されている路線でございます。土浦から水海道、境、久喜、鴻巣、坂戸、飯能と全長約百十キロくらいの路線でございます。現在これにつきまして運輸省といたしまして調査あるいは工事路線といたすという計画は持っておりません。
○竹内(猛)分科員 二月二十三日の新聞によると、ついこの間まで国鉄に在職をしていて、過去において水戸の鉄道管理局長、そして最終段階では国鉄の船舶局長を務めて、なおその間に鉄道建設公団の管理官等も経験をして、十分にこのことについては承知をしているはずの三村勲という人が今度自民党から新たに参議院地方区候補になった、そのときの談話の中で、いまも言われたように不可能であるということがわかっていながら、本人が在職中にもそのことができないにもかかわらず、今度あたかもこれができるように宣伝をしている。これは自治大臣にお聞きしたいですけれども、選挙法上において、七月に選挙があるというのに、五十年間もかかって、しかもあれだけの運動があってできないのに、国鉄の重要な責任にあった者がやめて出る、そのときにそういうことを言うことは、これは少なくとも不見識だ。自分が知っているのです。これは農林省やあるいはその他の省にいた者がそういうことを希望として言うならわかる。百も知っている者がそういうことを言うというのはどういうことだ。これについてひとつ自治大臣、しっかりした答弁をもらいたい。
○小川国務大臣 私はただいまのお話をこの場で初めて承ったばかりでございまして、実情について全く存じませんけれども、きわめて一般的な問題といたしましては、選挙区の中の特定の具体的な問題について云々をするということになりますると、公職選挙法上、いわゆる利益誘導ということになろうかと存じます。
○竹内(猛)分科員 この点についてはよく地元の調査をして、新聞なとをよく読んで——ある新聞にはそういうことは書いてないと思う。そういう紛らわしい問題についてはわれわれは黙視できない。いままであれだけの金をかけて茨城県、栃木県、埼玉県など関係団体が運動をしてきて、なおさっき答弁があったように非常にむずかしい、国鉄の財政も困難だ、しかしその土飯線を利用しようとする者は百万人に達しているという。われわれはこれを非常に必要だと思って努力をしてきた。それができないという段階で、いままで国鉄の中にいて百もそういうことを知っている者が、やめて選挙に出るということになったら、今度はそれがあたかもできるように宣伝をするというのは大変な利益誘導であり、いけないと思う。これは許せないですね。だから、この問題はなお私は今後も追及します。これは自民党に属していますから、大臣は自民党の大臣だから、しっかりそのことについては監視をして注意をしてもらいたい。これはこのままで黙っていない、またいずれ別のところで問題にしますから……。 続いて電波障害について質問をしたいと思います。 最近非常に高層建築やあるいは建物ができるたびに関係地域には電波障害が出て、テレビ等々を見ることが著しく困難になっている。これに対してもかなり努力をしているとは思いますけれども、一番ひどいのは何と言っても高層気象台の二百十三メートルに及ぶあの高い鉄塔、それ以外に高エネルギーにしてもあるいは無機材にしても、その他たくさんあります。地域的に言えば谷田部町の小野川、館野、榎戸、赤塚、こういうところにあるし、それから桜村では大角豆あるいは妻木、倉掛、こういうところはひどいですね。この問題は初めから計画のときには予見をされたことだ。もし予見をされてなかったとすれば全くこれは困ったことであって、これに対する対応はかなりしているけれども、なお不満が続いております。これをどういうふうに処理をされるか。
○高野説明員 いま先生のおっしゃいましたように、学園都市では大分テレビ障害が発生しております。われわれのところでは研究機関について建設を鋭意進めておりますが、施設の建設が進むにつれまして各所でテレビの電波障害が発生していることが陳情などによってわかりましたので、受信障害状況の調査を行いまして、障害防除の方法等についてそれぞれの地区の住民と十分に協議し、御了解をいただきまして、必要な障害防除対策を逐次実施しているところでございます。今後建設が進むに従いましてさらにまた問題が生じました場合には、その都度必要な障害防除措置を実施する予定でございますので、よろしくお願いします。
○竹内(猛)分科員 この問題も建設が進むにつれてさらに拡大をするというおそれがありますので、ぜひ注意をしてもらいたい。 最後に一問だけ質問しますが、聞くところによると、特にこれは県の方からの話が中心になっていますが、第二学園都市というものをつくりたい、こういうことでいま動いているようです。昭和四十九年に県西地域総合開発計画というものが公表をされた。それらと結びついてみると第二次計画というものがあるやに思われますが、自治省関係なりその他関係省庁はこの第二次学園都市というものについてどうとらえているのか、その点について伺いたい。
○近藤政府委員 茨城県当局の方で第二次学園都市計画というものが現在あるというふうには私どもまだ承知いたしておりません。それから、ただいま先生御指摘の四十九年の茨城県の県西地域総合開発計画というのは、昨年の九月に新しく茨城県民福祉基本計画というのに改定されたそうでございまして、その中にブロック別にいろいろな計画が載っておりますけれども、その計画の中にもこの第二学園都市というようなものは現在まだ盛り込まれておりません。
○竹内(猛)分科員 これで終わります。
○笹山主査 次は、薮仲義彦君。
○薮仲分科員 私は、防災という観点から、それに関連する問題等、いわゆる地震に問題点をしぼって質問させていただきます。時間の関係もございますので、答弁は要点のみ簡潔にいただければまことに幸いでございますので、よろしくお願いいたします。 初めに、昨年は東海大地震ということが非常に叫ばれまして、特に東海地方、なかんずく静岡県なども大変大きな影響を受けたことは事実でございます。そこで私が伺っておきたいのは、専門家の皆さんが地震学会等で自由な研究の成果を発表し、論ずることは当然であり、これは必要なことだと思います。ところが、地震という問題は国民に非常に大きな影響を及ぼしますので、地震についての正確なといいますか、的確な行政上の判断がどうしても国民の側にとっては必要であり、要求される大事な点だと思うのであります。すなわち、昨年国民の側で、いろいろ学会の発表等の先生の話の中からどういう受けとめ方をしたかといいますと、地震があすあっても不思議じゃない、あすあるかもしれない、またしばらくたってからは、三十年先かあるいは六十年先かもしれないというようなことで、きょうあるかもしれない、こういう不安に駆られました。そういうようなことで、この意見については、多少おっしゃった方の意思に反する不正確な面があったと思うのでございます。 そこで私は、確認というよりも明確にしておきたいのは、政府の関係機関には、文部省に測地学審議会、また国土地理院が事務局になっております地震予知連絡会、そして内閣には地震予知推進本部等のあることは十分理解いたしております。さしあたって行政上の正式な地震予知というものは、いわゆる三カ月に一回開くという地震予知連絡会の報告があると思うのでございますが、地震予知連絡会として、あすあるかもしれないというこの認識、これと地震予知連絡会の正式な見解とは多少食い違いがあるのではないか、こういう点をこの際明確にしていただきたいと思うのでございます。この点は要点だけ簡潔に御答弁いただければ結構です。 それから、この問題に関連しまして、非常にこれから大事な点は、予知連絡会の報告に基づいて予知推進本部がどのような形で、またいつごろ、地震の予知に対する判定組織というか、判定部会を確立するか。これはやはり関係都市においては非常に重要な判断の基準になりますので、どのような判定組織、部会をつくられるのか、それがいつごろになるか、この際明確にしていただきたいと思うのでございますが、国土地理院か科学技術庁の御見解を承っておきたいと思います。
○原田説明員 地震予知連絡会では昨年の十一月二十九日に総会が開かれまして、それまでに種々の学術的な観測や調査、古文書等の研究、そういったものをすべて総合判断いたしまして、東海地域には将来地震が発生する可能性があるということは全員一致で確認いたしました。しかしながら、当該地域には種々の観測装置が現在施設されておりまして、また将来にわたってさらに多くの観測施設が施設される予定でございますが、それらの観測施設がいま示している現象によれば、あすという言葉で表現されるほど差し迫って地震が発生する時期を迎えてはいない、そのように判断いたしまして、「現在までの観測結果によれば発生時期を推定できる前兆現象と思われるものは見出されていない。しかし、現在の観測態勢は充分とは言えないので、駿河湾周辺を含む東海地方の観測を更に強化し監視を続けて行く必要がある。」かような統一見解を発表いたしました。
○佐伯説明員 ただいま先生、判定組織についての御質問だと思いますが、東海地域に関します判定組織につきましては、測地学審議会から昨年の十二月十七日に建議がございまして、現在地震予知推進本部におきまして、昭和五十二年度のできるだけ早い機会に実現させるということを目途として準備中でございます。そして、この判定組織は、現在、地震予知連絡会の下部機構として設置する予定でございまして、委員数名で構成されて、その事務運営につきましては気象庁において処理するという方向で準備を進めております。
○薮仲分科員 あすあるかもしれないということについての正確な判断はただいまのことでよくわかりました。ありがとうございました。 もう一点、五十二年度のできるだけ早い時期というのは、もう少し明確におっしゃってください。
○佐伯説明員 現在、先ほど申しましたように五十二年度早期ということで進めておりますが、予算の関係もございまして、新年度暫定予算となりますとなかなか経費が使えないというような面もございますので、その点、できるだけ早期にということで進めております。
○薮仲分科員 大体二、三カ月先というような理解の仕方でよろしゅうございますか。
○佐伯説明員 もっと早い時期を考えております。
○薮仲分科員 次に、同じく静岡にとっては、伊豆半島方面の伊豆沖地震というもの、地震の種類いろいろありますが、直下型と言われるこの地震に対してはやはり同じような不安がございます。この点についても、地震予知連絡会の正式見解をこの際伺っておくことは県民の不安を解消するのに非常に大事でございますので、伊豆沖地震についての地震予知連絡会の正式な見解がわかっておればこの際明確にしてください。
○原田説明員 伊豆半島では伊豆半島沖地震に引き続きまして、五十年秋ごろから伊豆半島の東部、中部で微小群発地震が発生いたしました。その後地殻の異常な隆起も観測されました。したがって、関係機関が協力いたしまして、鋭意この地域の調査観測を進めてまいったところでございます。その結果、現在までの調査によりますと、五十一年八月以降は、土地の隆起がそれまでに隆起した状態をそのまま保ってストップしました。それから微小地震も驚くほど少なくなりました。地下水の水位、またラドンの濃度等も観測しておりますが、これらのものには変化がありません。そのような諸般の情勢を考慮いたしまして、今後も諸観測をずっと継続して現象の追跡に当たりますが、この地域のいわゆる地震活動はこのままだんだん静穏化に向かう公算がきわめて強い、このようにことし二月二十一日に開かれました地震予知連絡会の総会で統一見解を確認するに至りました。
○薮仲分科員 ただいま非常にありがたい御答弁が出まして、われわれとすれば、二、三カ月より早いということは一、二カ月くらいかと思っておりますが、できるだけ早い機会に判定部会をつくっていただきたい。 そこで、どのような判定が出るかは専門家に任せるといたしまして、この判定が出たことに対してどういう対応をとられるのか、これは非常に大事な点だと思うのです。特に中央防災会議の関係閣僚である自治大臣にも確認しておきたいのでございますが、特に国民の皆さんに対して大事だと思いますのは、台風とかそういうものの警報に対しては慣れております。しかし、地震の予知というものは、いろいろ専門家の方の御意見にもあるとおり、非常にロングタイムの予知であり、あるいはときには非常なショートタイム、数時間の予知というものしかないわけです。こういうようなことからして、下手な予報というものは国民に不安を与え、あるいは国民経済に非常に大きなマイナス面もございます。これは必要な措置であろうと思いますが、大臣としてどのような形で国民に注意を促し、警報を出すのか。また現在それが明確でなければ、どのような考えでいるのか。そしてまたそれを出す責任者は一体だれなのか、だれが国民に対してそういう警報を出されるのか、伺っておきたいと思いますし、その判定部会が判定した結果に対して中央防災会議はどのような形で連動するか、要点のみ明確に御答弁願います。
○小川国務大臣 警報が事前に出されますると、直ちに被害を最小限度に食い止めまするための諸施策が講ぜられるわけで、このことは申すまでもなくきわめて望ましいことだと存じますが、これは専門家の領域に属しまするので、私はそういう方々のお話を承るだけでございますが、地震の予知そのものの正確さと申しますか、精度という点にも今日問題があると聞いております。そういう警報を発したことに関連して出てくるだろうと予想されるいろいろな社会的あるいは経済的な混乱にどのように対処していくかということの検討、これは非常に大事なことだと存じまするが、これもまだ十分進んではおらないと聞いておりまするので、それらの点が今後どのようになってまいりまするかということとも関連させまして、ただいまの御提案はきわめてごもっともなことでありまするから、前向きに研究をしていくべき問題だ、こう考えております。
○薮仲分科員 これは自治大臣にのみ責任を負わせる問題ではないと思うのでございますが、これは非常に真剣に取り組んでいただきたい。地震予知は、私もいろいろな方の話を聞いて非常に困難なことはわかります。しかし、ある意味では非常にショートタイムの、いわゆる予報というものが数時間後ということならばあるいはしなければならないかもしれないという御意見の方も関係省庁の中にはいらっしゃいます。ロングタイムで予報したならば、当面あるいは新幹線をとめるということになればどれほど経済ロスになるかわかりませんし、パニックも起きます。だから国民の側に、台風とは違うのですよ、地震の予知というものはこういうものだということを、正確に予知の対応策を理解させておきませんと、後で申し上げたいが、関東大震災の例を引いて私は御指摘したいことがある。やはり国民に、地震予知に対してふだんからそれだけの理解、勉強といいますか、正しい判断の仕方をやっておきませんと、台風の予知と地震の予知とは違います。しかもこれは非常に大事です。 いま明確な御答弁がなかったのですが、また次の機会に聞きますけれども、一体中央防災会議でだれが国民に警報ないしは注意を促すか。中央防災会議議長である内閣総理大臣がおやりになるのかどうか。いま判定部会ができるというお話でございますが、単に判定部会ができても何にもなりません。部会と中央防災会議の連動と、だれがその判断を下すかはこの次の機会にまた伺いたいと思いますので、よろしく御検討のほどをお願いしておきます。 次に、防災について伺っておきたいと思うのでございますが、防災は非常に大事でございます。予知も大事でございますが、こういう地震国に住んでいるわれわれは、いずれ地震が来るということを覚悟していなければならないと思うのです。そういう意味でこの防災については非常に大事な面ですが、一面はハードな面、いわゆる不燃あるいは防震の都市づくり、いわゆる安全都市であり、人間中心の文化都市づくりというのは、日本の国にどうしても要求されるこれからの未来の都市づくりだと思うのでございます。他の一面はソフトの面といいますか、国民一人一人の心構え、地震に対する正しい防災意識の高揚というのは非常に大事だと思います。 そこで私は、まず建設省に伺っておきたいのは、こういう防災都市づくりのために必要な措置としてどうしてもやっていただかなければならないことがございます。その一つは、不燃化建築を促進するということが大事なことでございますので、不燃化建築にするための貸付金制度のようなもの、あるいは不燃化を推進するために何らかの助成金制度を検討しておられるかどうか、この点を伺いたい。また、危険物を取り扱うような中小零細企業が非常に過密な状態に多くございます。こういう中小零細企業は、防災のために金を使えといっても非常に困難です。こういうものを防災の見地から移転させる、その場合の移転補償制度、あるいは防災対策を促進するための貸し付けを行う、いわゆるこういう都市づくりのための制度についてどのようなお考えか、建設省の御見解を伺っておきたいと思います。
○杉岡説明員 お答えいたします。 地震の場合の火災対策につきまして、建設省といたしましてはかねてから防火地域の指定あるいは市街地再開発事業、こういったような不燃化に対する事業を進めてきておるわけでございます。特に避難地あるいは避難道路、避難地の周辺あるいは避難道路の沿道、こういったところの対策につきまして、これは防火地域の指定等で進めておりますが、さらに耐火構造、こういった住宅をつくっていくということで、現在は住宅金融公庫等の貸し付け等で進めておりますけれども、さらにこういったものを進めるという面で助成策を検討してまいっておるわけでございます。
○薮仲分科員 建設省としては、いま私が御提案申し上げたようないろいろな、個人並びに中小零細企業に対しての防災に対する貸付金ないしは助成策は検討しておる、このように理解してよろしゅうございますね。 では次に、続けて自治大臣に伺っておきますが、防災の面で先ほどハードな面を申し上げましたけれども、もう一つ確認しておきたいのは、いわゆる国全体の施策として確認しておきたいことがございます。それは、被害を想定した場合、特に東海地方というものを想定したときに、被害県があるわけです。そうすると、幸いにして被害をこうむらなかった隣接の近県があるわけでございますが、地震になったときの近県からの救援体制というのは非常に大事で、国全体の施策として取り上げてほしい。いわゆる被害県に対する近県の、あるいは自衛隊も出動されると思いますけれども、援助体制の確立、また救援物資、いろいろな救援資材、こういういわゆる近県からの救援体制について、しっかりとした体制の確立をぜひともお願いしたい。特に医療問題でございますが、私が特に心配するのは血液ですね。血液の確保は一体どういうふうな形になるのか。また近県からの医療班、医薬品等の救援体制というものの確立というのが非常に大事じゃないか。もちろん食料、救援物資等入ります。 特に、防災といいますか、地震のときに非常に大事なのは正確な情報をどうやってつかむか。いわゆる流す方はあってもニュースソースを集める側のネットワークができていらっしゃるのかどうか。特にハムなんかに対してどういう形でそれを進めるか。どっちへ逃げなさい、先ほど避難道というお話があったけれども、これは後ほど消防庁にも伺いたいが、逃げるという点についてはいろいろな懸念、危惧もございます。やはり正確な判断をもとにして逃げなければ、関東大震災のように逃げたことによってかえって被害が大きくなる場合も考慮されます。そうしますと、正確な情報のニュースソースをどうやって集められるか。 いま申し上げたいわゆる隣接県からの応援体制、正確な情報のネットワーク、そういうものについての自治大臣の見解、中央防災会議の一員として伺っておきます。
○小川国務大臣 被害県に対する救援の体制を確立いたしまするために、ただいま御指摘のあった諸点をあわせて総合的な対策をいまから確立しておくことは非常に大事なことだと存じます。この問題につきましては、関係各省が協力して総力を挙げなければならないことになると存じます。御指摘の諸点のうちには自治省の所管を越える問題もあるわけでございまするが、いずれにいたしましてもきわめて大切な問題でございまするので、ただいまから鋭意研究を進めてまいらなければならないと存じます。 自治省の所管に関係のあります部分につきましては、政府委員から答弁いたさせます。
○林(忠)政府委員 中央防災会議で昭和四十六年に大都市震災対策推進要綱というものを一応決定しております。これは静岡よりもあるいはむしろ関東大震災のことを主に頭に置いておったかも存じませんが、それによって事前の対策、それから緊急対策、それから事後対策ということで、ある程度事細かに大綱を決めております。その中でいま御質問にありました情報の収集、伝達体制ということにつきまして、一応の体制の早期確立、収集すべき情報、情報処理といったようなことで細かく決めておりまして、現在の情報の収集体制が完全なものであるかというと、まだとてもそこまではいっておりませんけれども、たとえば電源その他が全部切れた場合に非常電源を使った無線というのは中央と各県間は全部完成しております。それから県と各市町村の間はいま推進をしておりまして、これは四十七県のうちでいま二十七県ほどは完成しておりますが、来年度の予算でも新規にお願いし、これらの完成を進めております。そういった手段を使い、先生の御示唆もございましたハムの活用とか、あるいは民間のテレビその他の活用とかいうことにつきましてもさらにこれを補助するものとして十分体制を進めてまいりたいと存じております。
○薮仲分科員 ここで自治大臣だけに無理な御質問をする気はございませんけれども、中央防災会議というのは何か事がないと発動しないというものではないとは思いますが、ただいま私が指摘さしていただきました隣接の県を含んだ救援体制というのは、被害を想定した場合には、被害県においては非常に深刻な問題であり、これは一県だけではどうしても解決できないので、国全体の施策の中で、仮に静岡県が被害を受けたら至近な県からどこの県がどういう形で救援するとか、あるいは神奈川県が受けたらどうするかとか、そういうような想定のもとに国全体の救援体制の確立はぜひともこの際伺っておきたいと思いますし、そして中央防災会議の一体どこがそれを具体的に推進なさるのか、次の機会に改めて確認をさせていただきたいと思います。きょうのみならず、私は地震についてはねばり強く、体制が確立するまで何回もお願いをしたいと思っておりますが、どうか早急にそういう体制が確立することを望むと同時に、できましたらまたお教えいただきたい、こう思っております。 次に、これは特に消防庁関係になりますが、防災についてもう一歩突っ込んだお話を伺いたいのです。 関東大震災は、地震にとっては非常に学ぶべき点が数多くあると思うのでございますが、どうしてあのように多くの方が亡くなられたのだろうかということは非常に大きなこれからの教訓になると思うのです。その最大の原因は、当時の東京市民には地震に対する備えがなかったからじゃないか。十万人亡くなりましたけれども、家屋の倒壊で亡くなった方は大体二千人前後と言われております。このようなことからはっきりしておりますことは、一つは備えがあればということ、もう一つは火事さえなければということ。また避難場所——あそこは被服廠の跡ですが、四万人ほど逃げてそのうち三万八千人の方が焼死なさったという痛ましい事実がございます。避難場所で亡くなってしまった。また消防隊が何ら役をなさなかった。いろいろな問題もあろうかと思いますが、大体以上のようなことについて私は伺いたいのでありますが、こういうようなことが指摘されております。 そこで私は、備えあればという正しい防災知識をここで明確にしていただきたいと思うのです。私はきょうは時間がないので余り細かいことを申し上げませんが、いろいろな都市の防災の手引をもらってあります。そこで地震のときにぐらっと来たらどうするかという想定に対しての理解の仕方が多少ずれている面があるのじゃないか。たとえば、ぐらっと来たら何をするか。ある県で出しているパンフレットには、身の安全を、とまず最初に書いてある。その次に火のことが書いてある。その他の都市では、まず執念で火元を切ろう、こういう見出しがついておりまして、はってでも火を消せ、というのが一番最初に出てくる。まず身の安全をと、はってでも火を消しなさいと書いてある防災のパンフレットがあります。わずかな差ですけれども、ぐらっと来たときに自分はどうするかということについて日ごろ思っていることで、まず身を守ろうと机の下に隠れる人と、はってでも火を消しに行こうとする人が出てくる。いまは大した差はないとおっしゃるかもしれませんけれども、とっさの場合の判断としては、あるいはその後の被害の結果については、このちょっとの差が非常に大きな原因になるのではないか。そこで消防庁の、ぐらっと来たときの正しい対応策、簡単なことですが、一番のポイントをきょうは明確に伺っておきたい。 それから避難場所ですね。これはもっと詳しくやりたいのできょうは簡単に聞いておきますが、避難路、避難場所へ集中的に多くの人が集まることはかえって非常に危険じゃないかという想定もあります。そのような意味から、ある地域は避難した方がいいけれども、地震では全然避難しなくてもいいところがある。たとえばたんぼの中にあるようなおうちの場合です。どちらも同じパンフレットが配られているわけですけれども、地域によっては地震では避難しなくても大丈夫ですと言う方が正しい理解の仕方じゃないか。いわゆる地震になると、ぐらっときたら火の始末とか身の安全とかありますが、その次に大体逃げるという発想がとかく多くの人の理解の中にあることは否めない事実です。このことについてどうお考えか。 それから、火を消せとおっしゃいますけれども、マグニチュード八ぐらいの地震ですと、われわれが生活慣習の中で火を消そうとすると水道をひねろうという意識があるが、しかし、地震のときには水道管破裂で水道から水が出ないのです。ということは、水のない状態で火を消すんですよということが非常に親切なことで大事なことだと思うのです、水が出ないのですから。 それと消火器、この消火器どこに置くんですか。この置き方にもいろんな考え方があるのです、火のそばへ置けとか。大体火を見るとぱっと人は逃げます。逃げて胸をなでおろしてまた戻ってきたときに、火のそばへ寄れなくて消火器が使えないという事例も数多く聞いております。じゃ消火器はたとえばどういうところに置くか。火に近くて一番とりやすいところ、こういう抽象的なこともありますけれども、そういう抽象的なことでは非常に迷うのです。たとえば玄関、この玄関ならば、大体生活慣習で危なければわれわれは玄関に逃げていきます。また入ってきます。入口から。大体生活慣習というのはそんなものですから、玄関に置けというような考え方は正しいのか正しくないのか、その辺の見解。 それから、時間がないので最後にプロパンですね。特に中小都市においてはプロパンの使用者というのが非常に多いのです。ところが、このプロパン等は、いわゆる火元を消しても、表のプロパンボンベの口が締まってないわけです。ですから、そのプロパンのボンベが、いわゆる地震が来たとき遮断されるような装置を検討していらっしゃるかどうか。また、この装置をつけろといったときに、簡単にすぐ業者の方や使用者の方に負担をおっかぶせるのではなくして、業者の方は中小零細企業ですから、苦しめないように助成をするとか、あるいは使用者にのみ利用者負担ということのないような方法を考えていらっしゃるとか、その点を最後に伺っておきたいと思います。
○林(忠)政府委員 大変御示唆に富む御見解を拝聴いたしました。 パンフレットでまず身の安全、それからはってでも火を消せというこの微妙な相違、おっしゃるように、個々人の頭の中に入りましてとっさの行動に差異ができるということは、確かにそのとおりであろうと思います。ただ、その二つのパンフレットが言わんとしていることは、私は気分的には全く同じであるということがわかります。というのは、震度六、七のような場合は、まず立っていられない。はっても動けないという状態もあるかもしれません。それが大体どんな大きな地震でも、それだけの揺れ方をするのは長くて一分だということを言われております。ですから、あるパンフレットでは、その一分間だけはとにかく上から屋根でも落ちてつぶされないように安全なところへ逃げろ、こういうことだろうと思いますし、そのはってでも火を消せというパンフレットの方では、仮にはってでも火を消せといっても、その一分間だけは恐らく動けないだろうから、何よりも早く動けるようになったらはって火を消せ、こういうことで、おっしゃるように、日本の地震の場合は、火事による被害の方がはるかに大きいわけですから、とにかく火を消すということに重点を置けという意味で、二つのパンフレットは恐らく共通しているのではあるまいか。 それで、われわれの地方に対する指導といいますか助言も、そういった感覚でやっておりますが、われわれは大体まず身の安全をということを一応言っております。それは身の安全をやって火を消すのは二の次でいいのだという意味ではなくて、とにかく次にははってでもというぐらいの気持ちをそこであわせておるつもりでございますので、それの受け取り方によってパンフレットの表現が多少違っていると思いますが、伝えるという気持ちではそれは恐らく同じ気持ちを言っていると思いますし、パンフレットに対する表現の順番その他まで統制するというのもなんでございますが、とにかくそうしたら一番いい、とにかく大きく揺れている間はつぶされないように身の安全を図り、それからおよそ歩けるようになったら、歩けるといいますかはえるということになったら、とにかくまず火を消してほしい、それが地震の被害を抑える一番重点であるということで今後も続けてまいりたいと思います。 それから避難は、確かにおっしゃるとおりでございまして、われわれも避難が必要だと言うのは市街地でございまして、たんぼの中の一軒家のような場合は、まず自分のところの火さえ出さなければあと全く心配ございませんから、避難する必要はないわけです。そういうところまでとにかく避難しなければならないという気持ちを植えつけるようでは申しわけないのでございますけれども、何しろ大きな災害というのは、そういった人家密集した都市的な地域に起きるもので、そういうものに対する指導としては、避難というのを挙げておりますけれども、ただ、これもおっしゃるように場合、場合によってはなはだ異なりまして、たとえば津波の発生が心配されるようなところでは、何よりも先に避難ということがまずこなければならない。それから同様に山崩れの危険があるようなところ、これもまず真っ先に避難を考えなければいけない。しかし、それ以外の地域では、まず避難よりも先に火を出さない。これは市街地の話でございますが、火を出さないということを心がけなければいけないので、揺れがとまった後、隣近所同士で共同してでもあらゆる火元を全部消すということに専心していただく。 それから、不幸にして火が出ても、初期消火をも共同して心がける。そして初期消火にも失敗して延焼が始まるような場合に、初めて避難を考えなければならない。しかしその避難も、関東大震災のときに見られるように、手おくれになってしまう。火元が非常に多いという場合には、とっさの判断に頼るわけにもいきません。避難路あるいは避難地ということも常々頭の中に置いておくように考えておいてほしいということは、事あるごとにPRをしておるわけでございます。 ただ、被服廠の例をお引きになりましたが、おっしゃるように、大火災で火域が非常に広い場合は、必ずしも広場は安全ではないわけです。それによって起こった火のたつまきで、被服廠の場合も、あれだけ広いところに避難をされておられた方がたくさん犠牲になられた。しかも、あのたつまきが偶発的なあのときの気象条件によるたつまきではないらしいという説も最近拝見しております。 つまり広い区域に火が燃える場合は、その上昇気流でもって必ず大なり小なりたつまきが起きる。あるいは起きる公算が非常に大きいということであれば、現在それぞれの都市が指定している避難地さえもさらに考え直さなければならないという点もございますので、そういう点なお突っ込み不足ではございますけれども、今後さらに研究を続けてまいりたいと思います。 それから、最後はプロパンですが、プロパンについては、実は所管が通産省でございますけれども、最近パンフレットその他によって、揺れが来た場合に、一定以上の揺れの場合は外のボンベの入り口をすぐ締めてしまうという装置も開発されているようでございまして、すでに商品化されているようでございますが、これにつきまして公費でつけるとか、あるいはつけたものに補助をするという制度は、現在まだないようでございますけれども、プロパンがこれだけ普及しております今日、やはりそれについても相当積極的な展開をしなければいけないのではないかと思います。よく通産省ともさらに打ち合わせまして、そういう面についても進めてまいりたいと思います。
○薮仲分科員 どうもありがとうございました。
○笹山主査 次は、井上一成君。
○井上(一)分科員 私は、今日の自治体が財政に非常に逼迫しておるという時点から、いわゆる地方自治体の財政対策について特に御質問をいたしたいと思います。 政府は、地方財政対策として社会党その他の要求している交付税率の引き上げを見送って、地方交付税法の一部改正を行ったわけでありますけれども、当面不足しておる不足額の一部を資金運用部からの借り入れ、あるいはそれに対する返済は将来国の一般会計からの繰り出しによって行うという、いわゆる地方交付税法第六条の三の2の規定を無視しておるこの取り組み、あるいは超過負担をすべて解消しないというそういう姿勢、あるいは今年度の赤字が二兆七百億円という多額に上るにもかかわらず、国が今回措置をいたしましたのは、わずか臨時地方特別交付金として九百五十億円、まことにもって少額であるわけであります。いろいろとそのような問題点が含まれておるということをまず冒頭に指摘をしておきます。 そこで、交付税というものは、本来地方の固有の財源であるわけであります。そういう観点から、その総額及び配分方法の決定については、地方自治体の意向が十分反映されるという制度的な保証が私は必要であると思うのです。そこで、交付税法の第四条に、少なくとも総額の見積もり及び各団体へ交付すべき額の算定については、地方自治体を代表する者との協議の規定を設けるべきだと考えるものですが、いかがお考えでございますか。
○首藤政府委員 御指摘のように、地方交付税は地方団体の固有の財源であると私どもは理解をいたしております。これの総額の決定につきましては、御案内のとおりの交付税率があるわけでございますが、最近はその額では不足をするという事態が続いておるわけであります。この総額の所要額を策定いたしますのは、御案内の地方財政計画、こういった手法をもちまして、想定をされます地方団体の総需要額、総収入額、こういうものを推定し、その差し引きということで所要の総額を算定する。この地方財政計画を策定いたします場合には、事実問題としては六団体等とも大変密接に連絡をとっておりまして、意見等も十分参酌をいたす、むしろ私ども六団体とともに検討する、こういう立場で策定をいたしておるわけでございます。 それから、個別の団体への配分でございますが、これは、やり方は法定をされておりまして、単位費用掛ける数値、それに補正係数、こういったやり方で需要額を算定いたすわけでございます。これは非常に技術的なことになりますので、補正係数そのほかの扱い等につきましては、毎年地方団体側からも建設的な意見を承っておりますし、それに基づいて逐次若干ずつの改正をいたしております。なお、具体的な決定に当たりましては、自治省に地方財政審議会という機関がございまして、これに学識経験者及び府県代表、市代表、町村代表、この方々の御審議を賜りまして本式の決定をする、こういう手法をとっておるわけでございます。
○井上(一)分科員 さらに私は、交付税率の引き上げについて、法の趣旨に従って制度改正をすることが、いまのお答えの趣旨に従うと思うのです。いまのお答えの趣旨というものは、地方自治体の自主財源を必要な額だけ確保していくのだということなんです。そういうことから考えれば、今回、私が冒頭に申し上げた地方財源確保の一策である交付税率の引き上げが行われなかった、部分的な手直しに終わったということは、全く法律違反であり、いまのお答えに反する取り組みであったと思うのです。 それで、私はここで、国の財政の厳しさということも理解をして、含んで、ひとつ過去の——初めて国債を発行したのは四十一年だったと思います。その折に法の趣旨にのっとって交付税率を現行の三二%に二九・五%から引き上げたわけなんです。そういう事実があるわけでありますから、本来なら制度改正をするのが当然だと私は思うのです。しかしながら、国債を発行しなければいけない国の財源のこの現実的なことをあなた方は理由に、私の税率引き上げの質問に、国も財源がないのだということを、あるいは国税三税が非常に低成長期で少額なのだということを答弁なさると思うのです。それじゃ、百歩譲って私は、赤字国債の一定割合を国税三税と同じようにして交付税に繰り入れる方式をとるべきではないか、このように思うのですが、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○首藤政府委員 御指摘のとおり、国の国税三税が十分ございまして国が赤字国債を出さないで済む事態にあっては、国税三税の三二%の交付税がかなりの額にある。しかし、赤字国債発行の事態になると、その分交付税の総額が減ってくるという事態が起こりますことは、全く御指摘のとおりでございまして、かつても、このような国債発行の事態に対応いたしまして、発行された国債の額の一定比率を交付税にリンクをしたらどうかという議論が地方制度調査会等で議論をされたことがございます。その当時から、大蔵省との間におきましてもいろいろそういう面の折衝もいたしたわけでございます。かつて、国債発行額を基礎にいたしますと、それを含めた額の、これは逆算率になりますが、二三%程度の額があればそれでいいのではないかという、こういう説のあったことも事実でございます。ただ、その後の具体的な問題といたしましては、そういった国債発行につきましての償還費の取り扱いの問題をどうするのか、それから国債発行の額ということになりますと、国の財政状況によって非常に変動いたしますので、そういった変動に交付税がひどくさらされるのじゃないか、むしろそれよりも地方財政計画の手法によりまして必要と見られます必要な財源、これを何としてでも確保する、こういった方策をとった方がいいのではないかとかいう御意見がいろいろございました。その後、地方制度調査会等の御意見も、国債発行額にリンクをするというやり方については、もう少し慎重に検討する必要があるだろうと、こういうふうなことで、そのままになっておるわけでございます。 いずれにいたしましても、先ほど御指摘ございましたように、私どもとしては、所要の財源は何としても地方団体のために確保する、これが第一義でございます。そのために、でき得べくんばことしも交付税率のアップがあれば最も望ましかったわけでございまして、私どももアップを要求してまいったのでございますが、御案内の諸般の事態、特にただいまのような非常に変動いたしております経済情勢のもとで長期的な率を固定していくということがむずかしい、こういったような問題もございまして、これにかわるべき措置として、御高承のようないろいろの苦肉の策も含めてでございますが、財源補てん策を講じた、こういう次第でございます。
○井上(一)分科員 私は、あえてここで重ねて大臣にお考えを承りたいと思う。 私は、基本的な問題として、いま指摘をしたように、地方自治を守っていくのだ、確立するのだという意味から自主財源の確保に努力すべきだということ、その具体的な一例として交付税率の引き上げを当然制度改正をすべきだということ、もしそれが万一不可能であるというならば、あえて国債をその中にリンクすべきだと、こういうことを申し上げているのです。この考えについて、自治大臣は、原則として基本的に正しいとお考えなのか、誤りと考えるのか。一言で結構です。
○小川国務大臣 交付税を国債にリンクさせるべしというお考えは、確かに一つの御見識であると考えておりますが、実行に踏み切れない理由につきましては、いま財政局長からるるお話を申し上げたとおりであります。筋として、そのお考えを私は一つの御見識であると思います。したがいまして、そのような議論も従来から出ておるわけでございます。考え方の筋といたしましては、私は、これは絶対に問題にならぬお考えだなどと申すつもりは毛頭ございません。確かにこれは一つの御見識だと、このように考えます。
○井上(一)分科員 苦しいお答えなんですけれども、要は、私の提唱する、あるいは質問をさしていただいたことは正しいというふうに理解をしてよろしゅうございますね。
○小川国務大臣 正しいと申し上げますと、具体的な御提案を私が賛成を申し上げたということになりますので、なかなかそう割り切れないわけで、確かにこれは一つのお考えだと考えております。その御提案の根本にあります思想というものは理解できるということです。
○井上(一)分科員 それでは、次にお尋ねをしたいのですが、私は、起債というものは、基本的には自由化すべきであるというように考えているわけなんです。特に住民が直接引き受ける住民債ですね、この住民債については、すべての地方自治体に自由な発行を認めるべきであると思っておるわけなんです。この点についてのお考えを聞かしていただきたいと思います。
○小川国務大臣 地方債を消化いたしますための資金の総量がきわめて潤沢であれば、これは問題はないわけでございますが、資金の総量はなお十分だと申せませんから、やはりこれを公共部門と民間部門にどう配分するか、公共部門のうちにおきましても、府県市町村にどのように分けていくか、これはやはり客観的な必要性に応じて配分をする必要があると存じますし、これをやりませんと信用力の弱い地方公共団体にはなかなか賄えない、力の強いところが幾らでも借りほうだい借りるということになるおそれもございますので、やはり起債というものは当面許可によらしめていくほかはない、このように考えておるわけでございます。
○井上(一)分科員 私は、さらに一歩前進をして、完全な自由化までの一つの過程として、いわゆるいま一件審査の対象にしている部分もあるわけなんですけれども、そういうことも考え直さなきゃいけないわけですけれども、一定の総額でもって認めていくというようなことがその前段で可能ではないだろうか、こういうふうに思うのです。そういうことについては自治省としてはどういうふうにお考えでしょうか。
○首藤政府委員 基本的にはお説のとおりでございまして、全般的に地方債の許可制度がなお必要だというのは、大臣からお答え申し上げたとおりでありますが、それを具体的に許可をしてまいります場合には、できるだけ地方団体の自主性を尊重する、または煩瑣な手続を省く、こういう方法をとるべきだと思っております。現にただいまでも、一般公共事業関係でございますとか、市町村分の単独事業関係でございますとか、こういうものは、先生御承知の枠配分方式というものを使っておりまして、府県に一定の枠を配分して、その具体的な配分は地方団体に任せるという措置をとっております。資金の内容がいろいろあるとか、それから対象事業の制約がいろいろあるとか充当率の問題があるとか、こういう事業費日ごとに扱わざるを得ないわけでございますが、できる限り枠配分の方式は拡大をしていく、こういう方針であります。
○井上(一)分科員 さらに現在、人口急増地域の自治体は公債費の膨張に非常に苦しんでおるわけなんです。とりわけ、その中でも最も大きなウエートを占めているのは、義務教育施設整備に伴う起債の元利償還であると思うのです。 私は、ここで一例を挙げたいと思うのでありますけれども、大阪の高槻市の場合は、地方債残高の五七%が義務教育施設分であるわけであります。公債費率は昭和五十二年度で約三〇%に達する見込みであります。学校の施設及び用地は、御承知のように長期利用のできる資産であるわけでありまして、鉄筋校舎の場合は耐用年数はたしか六十五年だと記憶いたしております。一方、起債の償還期限は最長で現行二十五年であります。このことは建物のいわゆる耐用年数との関係から見ても不合理であるし、あるいは自治体が元利償還を負担していくことがそれだけ大きくなっているわけなんです。 そこで、学校のように長期にわたって住民の用に供される資産の取得あるいは建設にかかわる地方債については、外国ではすでに九十年、百年債というものがあるわけですけれども、そこまでいかなくても、耐用年数六十五年だという建物の関係からも、もっと合理的に五十年とか六十年という超長期起債を認めるべきであると私は考えておるわけですが、そういうことについての自治省のお考えを聞かしていただきたいと思います。
○首藤政府委員 地方債の償還年限を耐用年数に合わせていく、この基本的な考え方は先生おっしゃるとおり正論だと思います。具体的な問題として、ただいま御指摘のように、政府資金が償還年限二十五年でございますので、できるだけこれを延ばしていく、それが基本的には望ましいと思います。 ただ問題は、先生御指摘のように、償還年限を延ばしますと、資金総量がたくさん要るわけであります。ただいま政府資金そのものが非常に枯渇をいたしておりまして、地方債総額も昔は六〇%もあったのでありますが、はなはだ額が減ってきておる、こういう事態に無理をして延ばしますと、資金総量がなお総量として減ってくる。そこで、どこを折り合いにするか、こういうことだと思うわけでありまして、二十五年という年限を、将来できれば延ばしたいと思いますが、なかなか大蔵省方面とも意見が一致しない、こういう状況でございます。 しかし、と言って、それだけの人口急増地帯等で義務教育の起債が多いのに、それをそのままほうっておいていいということにはならないと思いますので、私どもとしては、人口急増地帯の義務教育施設、これの起債の償還費は、交付税に一定の額を算入いたしまして、償還財源を生み出してあげる。それからまた、御指摘がございましたが、公債比率が非常に高くなりますと、起債の制限等が起こりますけれども、そういう場合には、交付税で元利負担を見た税額の起債については、その公債比率にカウントしない、そういう具体的な措置をとることによって、人口急増地域の教育施設の整備にマッチをしていきたい、こう考えて現実に対処しておるわけであります。
○井上(一)分科員 五十二年度からの、とりわけ義務教育施設のいわゆる全額政府資金運用ということについては、私も一定の評価をするわけであります。さらに、いまのお答えの中でもありましたけれども、地方債の元利償還金の交付税算入についてはより強化を図っていただきたいというふうに考えるわけであります。 もう一つは、人口急増の自治体では、過年度分の地方債、公債がいわゆる縁故資金の占める割合も非常に大きいわけでありまして、それらについては高利率であるわけですね。これらの縁故資金の政府資金への借りかえを過年度分について早急に手だてをすべきではないだろうか、こういうふうに私は考えるわけなんです。この点についてのお考えを聞かしていただきたいと思います。
○首藤政府委員 でき得べくんば、過年度分の高利のものを低利のものに借りかえていく、これが望ましいわけでございますが、この点も政府資金で借りかえるということになりますと、やはり政府資金の枠との関連がどうしても出てまいります。借りかえる分だけ枠がへこみますから、ただいまのこの急増対策に対処するため、ことし御指摘のように、全額政府資金を充てるということで大幅に増加をいたしましたが、そういう措置との関連が出てまいりますので、実際問題としては、過年度分を借りかえていくということは、非常に技術問題としてむずかしい、こう思います。ただ、縁故資金同士で、いままで非常に高かったものが安い縁故資金に借りかえられる、こういう可能性等がありますれば、借りかえについては具体的に御相談に応じたいと思います。そういう状況でございます。
○井上(一)分科員 縁故資金についての政府資金への借りかえ措置が現状では非常にむずかしいのだ、望ましいけれどもむずかしいというようなお答えなんですけれども、もしその方向づけとして望ましいのだということであれば、急場の措置として、借りかえ措置を講じるのが困難であるとするならば、縁故資金に対する利子補給を速やかに実施する方法も一つの対策ではないか、私はこういうふうに思うのですが、この点についてはいかがですか。
○首藤政府委員 そのような必要性もございますので、先ほど申し上げましたように、交付税の算定の際にその公債償還費を一定率算入をしていく、事実的に言えばこっちを交付税で利子補給をしていく、こういうかっこうでございますね、そういう措置をとるわけであります。 なお、それでは交付税総額が足りなくなるのではないか、こういう御質問が続いて出ようかと思いますが、この点は政府資金が六〇%あったと同様の額まで——いま六〇%ございませんか、その差額については国が利子の差額を持つ、こういう約束をしておりまして、臨時特例交付金で交付税の総額にそれだけ加算をしてくれます。こういう制度をとっておりますのは御承知のとおりでございます。
○井上(一)分科員 私は、そこで、それらの問題を解決することへの一つの提案をしたいと思うわけです。 いま、絶対数というか、絶対的な政府資金の枠が云々されているわけなんですね。そして、その原資をどこに求めていくかということなんですね、そうでしょう。私は、公営競技納付金の納付率を大幅に引き上げたらどうだろうか、いわゆるギャンブル収益ですね、そしてその一部をもって賄うことにしたらいかがでしょうか、こういうことなんです。これは、公営競技収益金の均てん化についてはすでに衆参両院の地方行政委員会において附帯決議がつけられているわけなんです。昭和五十年七月の地方制度調査会では「収益金の均てん化の方策を強力に実施」すべきであると、これまた答申をしているわけである。これらの趣旨にも合致するわけなんです。納付金の大幅引き上げに伴って、これらの関係法令の改正を直ちに行い、公営企業金融公庫の融資対象を拡大するとかあるいは別途に、いま申し上げたような利子補給の原資に充当することは可能である、私はこういうふうに思っておるのです。その点についてお答えをいただきたいと思います。
○首藤政府委員 これも御趣旨は全く私も同感でございます。非常に結構だと思います。現に、公営ギャンブルの益金につきましては、いままで公営企業金融公庫に売上額の〇・五%ですか、納入をしてもらいまして、これを公庫が集めました資金の利下げに使う、公庫の資金を特利で安く貸し出す、こういうことに使っておったのでありますが、この納付率を引き上げることにいたしておりまして、五十二年度は〇・八%まで、〇・三ですか、引き上げることにいたしております。なお、これはこれでやめませんで、五十四年度までにはぜひさしあたり一%まで持っていきたい、そういう措置をもって公営企業金融公庫の融資をいたします金利の引き下げに活用したい、このように考えております。 なお、将来ともこういった方策についてはその充実について検討してまいりたい、このように考えております。
○井上(一)分科員 さらに私はお聞きをしたいのでありますけれども、同和対策事業については法の第七条で、三分の二を国が負担するあるいはまた補助することになっているわけなんです。あるいはその残額の三分の一については、地方負担額は地方債で充当する、そしてその元利償還については法第十条の規定によって、元利償還に要する経費の千分の八百を基準財政需要額に算入することによって、地方債の元利償還金の増大が地方自治体の財政を圧迫することのないように取り計らった法律があるわけなんです。ところが、実際はその法律が守られておらない、そのために地方自治体は膨大な超過負担を押しつけられておるというのが事実であります。ちなみに、私は、大阪府下の市町村、昭和四十九年度で同和関係普通建設事業費二百八十九億一千七十二万円、これに対して国の補助額は三十七億二千三百五十七万円、補助率にしてわずかの一二・九%にすぎないわけなんです。本来なら国は当然負担をすべき百五十五億五千万円余りを超過負担という形で地方自治体に押しつけているわけであります。こういう実態をどういうふうに自治省は考えていらっしゃるのか、ひとつお聞かせをいただきたいと思うのです。
○首藤政府委員 御指摘のように同和対策事業の中でいわゆる国庫補助の特例、これに当たります補助対象にします事業が実際の事業量に対しまして少ない、こういう実態がございます。これは補助金の額が事業実施の実態に比べて非常に少ない、いろいろ原因があろうかと思いますが、そういう実態から出てきておるものだと思うわけであります。したがいまして、御指摘のように、同和対策事業債の許可状況から考えてみましても、四十九年度あたりでは総額五百数十億許可をいたしましたが、その中で十条債分が百十億余りである、その後五十年、五十一年、その比率は若干ずつ上がってまいってはおりますが、四十九年度で二〇%ぐらい、五十年度で二四%ぐらい、五十一年度では大体三三%、三分の一ぐらい、こういう状況でございます。したがいまして、御指摘のとおり、こういった起債の償還が地方団体の財政に非常に負担になってきておる、こういう実態があることは事実でございます。 そこで、私どもといたしましては、これは御指摘の同対法によりまして十条指定分、これの比率を高めていく、こういう措置をやはりどうしてもとっていかなければならぬと考えるわけであります。したがいまして、これは毎年でございますが、予算編成の場合に各省に国庫補助の特例の対象にするように、それから補助単価も適正なものに直してくれるように、そういうようにお願いをしておるのでありますが、この拡大に伴いまして、十条債の対象拡張をしてまいりたい、このように考えております。
○井上(一)分科員 さらに、私は、四十九年度の大阪府下の市町村の同和対策事業にかかわる地方債、いわゆる事業債、これが五十六億一千百九十五万円、法第十条指定はこのうちのたった三億七百五十四万円という、全体からいけばわずかに五%余りなんです。残りの九五%に近い地方債はすべて非指定になっている。こういうことは、同和対策事業債の元利償還金のいわゆる法十条適用の状況の中で非指定が余りにも大きいということがどのような結果をもたらしておるかということですね、どのように波及をしているか。自治省はそういうことについて御承知であろうか。いま地方自治体の財政負担を強いておる、財政負担になっておるということはもうお答えの中でありましたね。さらにもっと角度の変わった形で、このような法を守らない国の地方自治体に対する政策が誤った結果をもたらしておるということを御存じなのだろうかということを聞きたいのです。
○首藤政府委員 十条指定分は、御承知のように国庫補助の特例に当たりましたその事業の裏負担分、こういうことに法律上相なっておりますので、これが非常に少ない、こういう実態は私どももよく存じております。そこで先ほども申し上げましたように、これを修正する方法は国庫補助の特例の対象を広げていく、なおかつ広げるだけでなくて、その補助単価そのほかの補助のあり方も超過負担がないように実態に即したやり方をやっていく、こういうことしかないと思うわけでありまして、先ほど申し上げましたように、各省にもこれを強力にお願いをし続けておる、こういうのが事態でございます。
○笹山主査 時間が大分経過しておりますから……。
○井上(一)分科員 もう一言。私は、地方自治体に財政圧迫を加えておるという事実と、さらにそれは誤った認識の中で新しい差別、逆差別意識をつくり出している大きな要因をもたらしておる、これを国は十分認識しなければいけない、こういうふうに思うわけです。 さらに御質問をしたいわけでありますけれども、限られた時間ですので、ともあれ、いまの税配分だとかあるいは交付税率だとかあるいは起債等のいまの国の仕組みが現状にそぐわない、地方自治体の実情に即したものでないということを強く指摘し、そして地方自治体の実情に即した制度改正こそ地方自治を守ることであるし、それが福田総理の、国と地方自治体は車の両輪のごとき相協調した形の中で政治を推し進めるのだという基本的な姿勢ではありませんか。そのためにもここで抜本的な制度改正を私は強く要求し、地方自治を守ることにさらに強い信念で御努力をいただくことをお願いを申し上げまして、質問を終えたいと思います。
○笹山主査 次は、清水勇君。
○清水分科員 限られた時間ですから、主として豪雪対策に関連をして、自治大臣初め大蔵当局等にその見解をただしたい、こういうふうに思います。 御承知のようにことしは異常な豪雪である。マスコミにこれが喧伝をされておりますが、しかし実際に常襲豪雪地帯とも言われる地方地域の場合には、ことしに限ったことではなしに、もう毎年豪雪に苦しんでいるというのが実態なんです。それに対する自治体の財政的な対策というものが時によれば一般財源をも食い込む、こういうような問題をしばしば惹起しているわけでありますから、そういう点では、かねて地方団体がいわゆる必要財源を普通交付税において賄うべきであるとか、あるいはそれをもってカバーのできない部分については特交を通じてこれをカバーすべきである、こういうことを強く要求をしているわけでありますが、現実にはまだ必ずしも救済をされていない、こういう状況があるわけでありますから、そういう見地から若干の質問をしたいと思うのであります。 まず第一に、私は豪雪は災害ではないか、豪雪は災害であるというふうに国が認めるべき時期に来ているのではないか、こう思うわけであります。たとえば、御承知のように今日の災害救助法あるいは災害対策基本法等によれば、人的災害あるいは家屋の倒壊等がなければこれを災害と見ないというような見方があるわけですけれども、しかし、多量の積雪のためにそのまま除雪をせず放置しておけば家屋が倒壊に至ることはもう理の当然なんです。現に人手がなくて屋根の雪おろしができない、こういう家屋が次々に倒壊しているという事例もある。そういう点から言えば、いわゆる除雪というものは防災上いわば緊急避難行為とも言うべきものであって、そうした除雪に要する費用をいわゆる被害と見るというのは当然なんじゃないか。この辺について雪の余り降らない地域との比較で考えてもらえばすぐわかる。ところが依然としてどうも豪雪を災害と認定しない、除雪等の費用を被害と認めない、こういうような状況が続いているわけでありますから、まず基本的に豪雪を即災害と認定すべき時期に来ているのではないか、この点を最初にただしておきたい。 一つの例を申し上げると、長野県飯山市等の場合には、雪に埋もれた道路を通行する通行人が電線につまづいて屋根に落ちてけがをするという例がある。こんなことは豪雪地帯以外では想像のできないことなんですけれども、それほど大変な積雪量なんです。そういう点で、まず自治大臣の基本的な認識を、自治大臣も幸い長野県ですから、その辺の実情はよく御存じだと思うので、お聞かせをいただきたい。
○小川国務大臣 いまお言葉にありました飯山市の実情等については、私もかねて聞き及んでおります。いまの御発言の御趣旨は、私も御同感でございます。
○清水分科員 そこで大蔵省にお聞きをしたいわけでありますが、いま自治大臣のそうした見解が披瀝をされているわけでありますが、いま私が申し上げたように、防災上緊急避難行為とも言うべき屋根の雪おろし等の除雪に要した費用、これについて今日所得税法上何ら控除の対象にされていない。たとえば四十九年に災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律、こういうものが施行をされております。これによれば、たとえば火災であるとか水害であるとか、あるいは地震等の場合には、その所得税法上の七十二条の雑損控除と匹敵するような意味での特別な税の減免措置を規定いたしておりますが、しかしその他これに類似をする災害、当然その中に豪雪による災害というものが含まれてしかるべきであると思うけれども、現実にはまだ含まれていない。 そこで、私はそうした状況の中で、いま申し上げた四十九年施行の法律もしくは所得税法七十二条等の適用を行うことによって、そういう緊急避難行為とも言うべき防災対策のために要した費用、これを災害認定とのかね合いで認めるべきではないか、こういう点についてどのように考えておられるのか、お聞かせをいただきたい。
○田口説明員 先生御指摘の点について、国税庁から御説明いたします。 私ども国税当局といたしましても、豪雪のあった地帯の納税者の方々が豪雪のために大変な苦労をしておられる状況、実情というものを十分理解し、納税者の身になってきめ細かく対処していかなければならないという基本的な立場をとっております。個人が除雪費を支出した場合に、先生先ほど御指摘もございましたように、所得税法上の扱いがございます。 分けて申し上げますと、一つは所得税法三十七条の必要経費に当たる場合と、もう一つは、先生の御指摘にもございました七十二条の雑損控除の制度でございます。前者につきましては、たとえば自営業者であるとか農家のように事業を営んでいる方が店舗であるとか倉庫の除雪をするというような場合、これは事業経営上の必要な除雪費を支出したということになるわけでございますから、その雪よけ費用は、金額の多寡にかかわりなく、その全額が所得計算上必要経費になる。それで税額も低くなっているということになります。 雑損控除の制度につきましては、御承知のところかと思いますが、住宅や家財に損害を受けた場合に、その損害額がその方の年所得の一割を超えるときに、その超える部分をその方の所得から差し引くことによって税を軽減しようという制度でございます。雑損控除の対象となりますのは、資産そのものの損失額のみではなく、御承知のところかと思いますが、所得税法七十二条に、災害に関連して、「居住者が政令で定めるやむを得ない支出をした場合を含む。」というふうに規定されております。このやむを得ない支出につきましては、所得税法施行令で、二百六条でございますが、「災害により当該資産を使用することが困難となった場合において、」「土砂その他の障害物の除去をするための支出その他これらに類する支出」と規定されております。豪雪の場合を考えてみますと、家屋そのものに仮に被害かなくても、被害を防止するためにはどうしても、先ほど先生のお話にもございましたように、雪よけ費用、雪を運ぶ費用というものを支出せざるを得ない大変な状況になるわけでございますので、そのような除雪費をも施行令二百六条の規定による支出に含まれるものと私どもとしては弾力的に解釈いたしまして雑損控除の対象にするようにしておるわけでございます。 なお、つけ加えて御説明いたしますと、除雪費用の実際の雑損控除の適用に当たりましては、支出が確実だということであれば領収書のようなはっきりしたものがなくても認めるようにするなど、豪雪地帯の納税者の立場に立って温かな配意をするよう第一線の指導をしているところでございます。
○清水分科員 いまの説明によりますと、現に雑損控除の対象として第一線の指導に当たっている、こういうことでありますが、現実にそれが行われていますか。たとえば長野県の飯山を含めて今度六市町村が災害救助法の発動の対象になっている地域ですけれども、一般勤労世帯等の場合に、いま言われているようないわゆる雑損控除の対象には残念ながらなっていない。そういう手続、取り扱いが行われているということを聞いていませんが、どうですか。
○田口説明員 先生に先ほど御説明申し上げましたように、雑損控除という税法上の制度が所得の一割を超える場合でございますので、お気の毒だと思いますが、そこまでに至らない場合は適用にならない。なお私どもは、豪雪地帯であるとか何か特殊な災害の対象になったとか、何か別の面での豪雪という規定の中に入るところでなければいけないなどという縛りは全くございませんで、どういう地区であろうとたくさんの除雪費用がかかったという場合には雑損控除の対象になるという扱いにしております。ただ所得の一割を超える場合でなくてはいけないという点の制度上の制約はございますが、その中で私ども第一線に精いっぱい十分そういうようなことを指導いたしまして、遺漏なくやるように指導しているつもりでございますが、先生御指摘のようにもし不十分な点があれば、なお一層気をつけて第一線を指導したいと思います。
○清水分科員 それじゃ確認をいたしておきますが、所得額の一割ということは私もよく承知をしております。そういう点も含めて、これが必ずしもいま言われるように適用されていない、こういう状況でありますから、いま言われるように温かい配慮をしているのだ、こういうことであれば、いわゆる第一線の指導普及等の面でこの控除の恩典というか適用を得られる程度の認識をまだ知悉してないというところに一つは問題があろうかと思いますので、早速私もこの点は関係方面に明らかにしながら、これが適用を正しく受けられるようにやりたい。それから同時に今後の取り扱いの面、これは法改正にもつながるわけでありますが、豪雪地帯はえてして過疎地帯でありまして、平均的な所得もどうしても低い。だから、災害、つまり雪害に苦しむ世帯というものは一般的に非常にみじめな境遇にあるわけでありますから、今後必要な問題については重ねてこうした機会その他の機会を通して申し上げるつもりでありますから、ひとつあらかじめ十分に対応していただきたいということを希望しておきます。 さて、時間がなくて先へ進まざるを得ないわけでありますが、次に自治大臣にお尋ねをしたいのは、最近、新潟県あるいは長野県等含めて災害救助法の発動を受ける地方団体がふえてきている。これは当然のこととはいいながら一歩前進の姿だろうと思うのでありますが、そうした場合に、御承知のように一般除雪費用については基準財政需要額でこれを見て普通交付税に算入をしておられるけれども、融雪災害まではこれを見ていないという実情だと思います。 融雪災害というのはどういうことかというと、一つの例を申し上げると、最近消雪パイプなどがかなり普及をされております。そして主要道路等の雪が消雪パイプによって融雪をされるわけですけれども、しかしその周りは全部大変な積雪ですから、どうしても車はチェーンを巻いて走らざるを得ない。そのためにチェーンが道路を削る。戦争中焼夷弾が落ちた跡のように道路がでこぼこで歩行にたえない。そこで緊急に補修もしなければならないし、全体の雪解けの後にも本格的な補修をせざるを得ない。一つの例を申し上げると、人口三万程度の小規模な長野県飯山市等の場合でも、いわゆる融雪災害にかかわる道路の補修費が少なくともことしは三千万円ほど必要とするのではないか、こういうことでありまして、これは毎年のことですから、当然この種のものも普通交付税に算入されてしかるべきじゃないか、これが一つ。 それからいわゆる特別豪雪地帯の指定を受けているような地域、団体の場合には、年々豪雪債等を多額に受けて、これが実はかなり自治体の財政上のネックになっておる。そこでこうした豪雪債の元利償還金についても普通交付税における基準財政需要額の中に算入をすべき時期に来ているのではないか、こういうふうな感じがするわけであります。 大臣も御存じのように豪雪地帯等の自治体では、国の交付金が少ないために現実に一般財源を食い込んでいる。たくさんの数字を必要ならば、私は資料として持っておりますからお見せをしてもいいのでありますが、そういう状況ですから、この際に、たとえば救助法の適用を受けているような地域、及びその適用は受けるには至らないけれども特別豪雪地帯などの指定を受けているような地方団体等に対しては、当面特交等でこれが必要な額を傾斜配分する、こういうような措置をしてしかるべきものというふうに考えているわけですが、その辺の御見解をお聞かせ願いたいと思います。
○首藤政府委員 御指摘をいただきましたように、積雪寒冷地帯につきましては普通交付税でかなりの補正扱いをいたしておるわけでありまして、維持管理費関係で、全国で大体四百二、三十億であったかと思いますが、そのくらいの追加がしてございます。その積算の基礎に、ただいま御指摘がございました道路の路面補修費でございますが、これも一応入っております。そういった面も一応入っております。ただ、御指摘のように今回のような大変な大豪雪になりますと、通常入れました普通交付税の算定の額では当該団体は賄い切れない、こういう事態が生じますので、そこで特別交付税が出動するわけでありまして、所要となりました経費、それから普通交付税の場合に見込みましたそのような維持管理費を差し引きました残りの額、これについてできる限り特交で措置していく、こういう措置をとるわけでございます。今回もこれから三月の末に特別交付税の配分をいたしますが、その場合にこのような積雪地帯における除雪費その他の経費につきましては十分配慮をいたすつもりでおります。それからなお、災害救助等が発動になりますと、災害救助費も当然特別交付税の対象にいたします。
○清水分科員 次に、これは自治大臣にぜひ承っておきたいと思うのでありますが、いわゆる積寒地帯に級地の区分を通じて財源の補正をされておられるわけでありますけれども、私は級地の区分について疑問を持っているのです。 たとえば、これは一つの例なんですけれども、長野県の栄村という新潟県境の村がございます。これはよくマスコミなどにも伝えられておりますように、半年間雪に埋もれているというような全国屈指の豪雪地帯と言われております。ところが、川一つ隔てた新潟県の津南町の積雪についての級地が八級地であるが、栄村は七級地である。そしてそのお隣の飯山市は六級地である。国の試験地はいま栄村にはございません、飯山市にあるわけでありますが。そして津南町にもある。そこで何を根拠に、たとえば栄村の級地というものを区分しているのか。非常に俗な言い方なんですけれども、津南町がある、ここに飯山市がある、それぞれの試験地がある。線を結んで、津南よりも栄村の方が少し南だからというような意味合いで、中をとってたとえば七級地などというような区分を仮にしているとすれば、これは実態を無視するもはなはだしい。現に津南町自身が、栄村の方が積雪量が多いあるいは豪雪地帯があるということを少なくとも客観的に見ておる。にもかかわらず、級地の面においてこれが下回っているというようなことは一体どういう根拠でなされているのか理解に苦しむ。あるいはこれも比較をして申し上げた方がわかりやすいと思いますが、長野県に野沢温泉村というのがございます。ここは過去四カ年間の平均降雪量は十五メートルに達しております。これは大変な豪雪地帯なんですが、同じような条件にある新潟県の妙高高原町、ここが八級地である。ところが野沢温泉村は六級地である。あるいはいま申し上げた妙高高原町と境を接しておる信濃町は五級地である。こういうような著しいアンバランスが最近特にうかがわれる。そこで関係自治体からしばしば級地是正、その引き上げというものを自治省にも求めているところだと思いますが、これはいま一つの例を申し上げただけでありまして、全国的にもそのような不公平あるいはアンバランスというような状況が現に指摘をされておるわけです。 そこで、一つは、積雪量の観測点、つまり試験地の置き方にも問題があろうと私は思います。だから、そういう問題があるとすれば、これをやはり適正に配置をする、こういうことがなければなりませんし、また同時に、いま申し上げたようなアンバランスがある場合には、これを再検討の上是正をする、そして低い級地、これを他の正当に評価をされている高い級地の自治体と同様な水準に引き上げる、こういうことがなければならないと思うのです。まあ自治省等の見方でも、級地が一級地上がったからといってそれほど交付税には大きな差はございませんよという説もございます。しかし、等しからざるを憂うるということをまず念頭に置いてもらわなければならないと私は思うのです。そういうような意味合いで、いま申し上げた点についてどのように今後再検討し、あるいは是正をするか、お聞かせをいただきたい。
○首藤政府委員 御指摘のように、最近積雪寒冷地の級地の指定について地方団体からいろいろ意見も出てまいっておりまして、承っております。御承知のように補正係数をつくります基礎はあくまで客観的な公平なデータ、こういうことでなければならぬのは当然でありますので、いまつくっております級地指定の地図は、気象庁の過去二十年間の積雪データ、これを基礎にいたしまして、地形、風向き等を考慮して、これは財団法人の気象協会でございますが、ここに委託をしてかいてもらった地図、これも私ども気象的なあれはわかりませんものですから、それを基礎にしてつくっているわけでございます。それについて最近いろいろ御意見があるわけでございますが、これは昭和二十五年から四十四年までのデータでございまして、それで最近また特に豪雪状況等の分布も若干変わってきているのじゃないか、こういう状況もございますので、私どもとしては近々にそういった新しい資料をも取り入れて、もう一遍この図面について所要の手直しがされるかどうか、こういうことを委託をして研究をしてみたい、こう考えておるわけであります。 御指摘のように、観測点なんかの問題もあろうかと思いますが、これはちょっと私どもの方で観測点を動かすというわけにもまいりませんものですから、最近のそういう新たなデータを使ってもう一遍新たな地図をつくってもらう、こういうことについて検討を開始いたしたい、こういうことでございます。
○清水分科員 時間もなくなってまいりましたから、もう一つ、大蔵当局にお聞きをしたいことがございます。これは固定資産税に関係することなんですが、御承知のように、豪雪地帯の場合にはいわゆる耐雪構造という形でかなりしっかりした、がんじょうな建築の手法を取り入れざるを得ない。そこでそのために家屋の建築費が平均三割方高い実態になっている。ところが、固定資産税が算定をされる際、家屋の評価が高いものですから、それだけ固定資産税そのものも高く見積もられるというような不合理が起こっておりますので、これは近い将来具体的に検討をしてみる問題点ではないか、こういうふうに思いますので、特に具体的な御答弁が得られなければ、これは今後検討してもらいたい、こういうことを申し上げておきたいと思います。 それから最後に私は、小川大臣に重ねて要望を申し上げ、所信をお聞きしたいと思っておるわけでありますが、まあいずれにしても、積雪寒冷地帯と言われる地域あるいは豪雪地帯と言われるような地域は、率直に言うと、太平洋沿岸ベルト地帯などと比較をすると、ある意味で経済的にも産業構造的にも不遇な地帯であるというふうに見ていいのではないか、そのことを反映をして地方自治体の財政規模等についてもいま非常に困難を来すというような状況であることは指摘をするまでもないわけなのでありますから、そこで、この際、関係地方団体が切実に要望されている豪雪にまつわるさまざまな財政援助、先ほど私が指摘をしたのはその一端でありますが、この点については単にこの委員会でのやりとりということではなしに、真剣に取り組んでいただきたい。地方団体が必要とする需要額については基本的にはこれを普通交付税で賄う。しかし賄い切れない部分については、あるいはことしのような異常なケースについては特交でかなり思い切った傾斜配分を行う、こういう措置を確実に進めていただきたい。 また加えて、先ほど級地の問題についても申し上げたわけでございますが、観測点の置き方一つによって級地の区分が変わってくる。あるいは一部の声では平均的にどうも新潟県の級地が高いというのはどういうことだとか、それは君、よっしゃというだんながいるせいだよというざれ言葉が出るようでは政治に対する不信というものは払拭できないのではないか。私は、誠実である小川自治大臣にそういうものをしっかり受けとめてもらって、この際そうした地域住民の要望にこたえていただくように努力を願いたい。最後に一言だけ決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。
○小川国務大臣 雪害地の実態に関連して出てきておるいろいろな問題につきましてお教えをいただいて私も大いに蒙を開いていただきまして、現行制度をフルに活用いたしまして対処してまいりたいと存じますし、改善を要する点がありますれば、これから鋭意改善を図ってまいるつもりでおります。
○笹山主査 次は、永原稔君。
○永原分科員 永原でございます。 先ほど来お話を承っておりまして、問題が重複するようですけれども、観点を変えて御質問申し上げたいと思います。 地方財政の問題につきまして本当に御心配いただいておりますけれども、地方自治体の立場で考えてみますと、国家財政はやはり公経済の原則がまだまだ貫かれていると思います。しかし、地方自治体の財政はやはり私経済的な運営しかできないのが現実でございます。そういう中で、どうしても中央依存とかあるいは中央集権とか批判はあるにせよ、地方団体とすると、自治省にいろいろお願いして財源確保をしなければなりません。そういうような状況の中で、少し私は自治大臣に甘えてみたい、おやじとしてぜひ地方自治体の立場を考えていただきたい、こういうつもりで御質問を申し上げます。 いま地方財政の基本をなしている地方交付税法、これを振り返ってみまして、昭和二十二、三年ごろ分与税と配付税の点でいろいろ地方の財源が調整されておりましたけれども、この当時をまず思い起こします。 あの当時は、これは独立財源ではありましたけれども、調整機能は十分ではございませんでした。シャウプ勧告によって平衡交付金制度ができましたけれども、このときは新しく導入された基準財政需要額、基準財政収入額、その不足を平衡交付金で補おうということで、これは独立財源ではなく、むしろ地方財政を調整する財源であった、こう思います。 そういう中において、これは平衡交付金法の一部改正でございますか、地方交付税法ができたときの塚田国務大臣の趣旨説明を拝見しましても、国と地方団体の争いが絶えず、勢い政治的な解決によらざるを得ない状態になっているということを指摘していらっしゃいます。これを解決するために、ただ単年度でなく長期的な立場に立って地方の財源を保証しよう、そうして、しかも独立財源としての性格を付与しようということで地方交付税が生まれたように私は記憶しております。 ところがそういう中で、第六条の三第二項でございますか、あの中に示されていますように、大きな変化があったときには地方財政制度あるいは地方行政制度の改正をする、またそれに続いて交付税率の改正ということも規定されておりますが、こういう中で、その条文を尊重しながら、昭和二十九年以来毎年のように交付税率は上げられてまいりました。あるいは国税が減税されますとそれを補てんするための措置としても上げられ、あるいは財政が窮迫したときにもその補てん措置として交付税が上げられてまいりました。二〇%から始まって毎年のように、三十年二二%、三十一年が二五%、三十二年は二六%、こういうように上げられて、その法律の趣旨は守られていたと思います。ところが先ほどお話がありましたように、四十一年に建設公債が発行されるようになってから、この三二%まで上がった税率は据え置きになっております。 そういう中で、地方財政はやはり非常に窮迫をしつつ、財源確保のために自治省の皆様方が非常に御苦労なさって、むしろ地方交付税ではなく制度の変わったような意味の財源補てん制度をおとりになっている、こういうのが実態だろうと思います。こういうような状態を見るときに、やはり長期安定独立財源を与えるというこの思想を貫いて、まず税率の改正に取り組むべきではないだろうか。この考え、先ほどいろいろ結論は出していただいてはおりますけれども、なお私はこういう点に疑問を持っております。そういうようなことについても今後十分お考えいただきたい。このことが第一点。 それと、基準財政需要額と地方財政計画との関連でございますが、地方財政計画で二兆七百億の財源が不足する、その半分は交付税、半分は地方債というような措置になっております。この交付税一兆三百五十億、そのうち臨時の交付金が九百五十億ということで、あとは借入金によって補っていらっしゃいますけれども、こういうような一兆三百五十億というものが基準財政需要額にどういうようにはね返っていくだろうか。むしろそうして与えられた総枠によって基準財政需要額を算定する単位費用を改定する後追いになるんではないだろうか、こういう気がしてならないのです。地方財政計画で教員の増一万四千五百四十四人、文部省のいろいろな予算要求を見ますと一万五千を超えるような数字になっております。昨年の欠員分が含まれているんだという文部省の説明でございますが、こういう裏負担について本当に基準財政需要額の単位費用の改定によって賄い切れるだろうか、警察官二千五百名の人件費の算定も賄い切れるだろうか、こういうところに疑問を持ちます。 三千数百に及ぶ地方団体、独立した団体の財政を一括して計算する地方財政計画でございますので、非常にむずかしいということは十分承知いたしております。先ほどの級地の問題にいたしましても、それぞれ特色がありますので、共通の視点で共通点を求めるということは非常にむずかしいことも承知しております。しかし、余りにも基準財政需要額の算定が精緻になり過ぎたのではないだろうか、そういう気がしてなりませんが、こういう点で地方財政計画と基準財政需要額との算定にどういう関連性をお持ちになって単位費用を直しておいでになるのか、そういう点をお伺いしてみたいと思います。
○小川国務大臣 お答えいたします。 交付税率の引き上げを実行することができなかったのはまことに残念なことに存じております。このことにつきましては、もう再三にわたりまして御批判をいただき、おしかりをいただいておるわけでございますが、ただいまのような一つの経済の転換期、変動期におきまして、申すまでもなく、交付税率を変えるということは、国と地方の財源の配分を長期にわたって固定をすることになると存じます。一切が流動的であり、経済の前途も見きわめがたいという今日の時点でこれを実行することは全く困難でございましたので、これにかわる措置といたしまして、御高承のような方法によらざるを得なかった。これは決して胸を張って申し上げられるようなことではないのでございまして、先ほど財政局長から申し上げましたように、いわば苦肉の策、やむを得ざる策としてひとつ御理解をいただきたいと思っております。 地方債の償還につきましては、毎年度の地方財政計画の策定に際しまして歳出に計上をして措置いたしまして、地方財政の運営に支障がないように、これから先も必ず責任を持って実行してまいる所存でございます。 御発言の後段の問題につきましては、ただいま財政局長から答弁を申し上げます。
○首藤政府委員 地方財政計画を策定いたします場合には、基準的な考え方で各費目ごとに明年度の財政需要の所要額というものを積算をいたしまして、それに対応する歳入をはじいて、その結果ことしは二兆七百億という大きな財源不足が出ましたので、それをともかくも完全に補てんをするということに最大の重点を置いたわけでございます。したがいまして、その歳出をはじきます場合に、たとえば御指摘がございました教員の増とか、それから警官二千五百人の増というものはすべて増加要因に含んで計算してございます。それを平均単価で計算をした場合にどのくらいの金額が所要か、こういうこともはじき合わせまして所要額が計算してあるわけでございます。 そういった計画のあり方に基づきまして、交付税にこれを移しますときには、御指摘のように単位費用の算定をするわけでございますが、この単位費用の算定をいたします場合も、たとえば人件費等におきましては、単価面においてはベースアップでございますとか、あるうは平均の昇給率でございますとか、こういった増加を見込んでおりますし、それから現実の問題として、たとえば教員の場合等においては政令で増加をされました増加数、これが数値になりますので、単位費用とそれを掛け合わすことによって基準財政需要額に正確に反映をしてくる、こういうやり方をとっておるわけでございます。 交付税のやり方が精緻に過ぎるのではないかという御批判がございましたり、あるいはまた実情に合わすようにもう少し精緻にしてくれというお話がありましたり、いろいろ現在の算定のやり方については御批判等もあることは十分承知をいたしておりますが、できる限り地方財政運営の実態を正確に反映するように、こういうことを一番基点に置いて、各地方団体からの毎年の意見も承りながら作業をいたしておるわけでありまして、今後ともそのような考え方で進めてまいりたいと思っております。
○永原分科員 地方税源の性格は少しずつ失いつつあるということは否定できないと思いますが、それはそれとして次の御質問を申し上げます。 これは今度の措置でも見られますけれども、地方交付税の特別会計の借入金が非常に増額してくる。これはすでに五十年で一兆一千二百億、五十一年で一兆三千百四十一億、五十二年が九千四百億です。この九千四百億については、四千二百二十五億という財源措置が見られておりますけれども、三兆三千七百四十一億に及ぶ特別会計の借入金が将来地方財政の圧迫にならいだろうか、このことが一つ懸念されますけれども、これをどういうような計画で借入金を償還なさるのか、その点が一つ。 それから、起債残高が五十年の決算の資料によりますと、普通会計において都道府県、市町村合わせて十一兆三千七百五十七億という数字が出ております。地方財政計画の減債額、これも私も拝見しましたけれども、新たに五十一年の一般会計債、五十二年の一般会計債を合わせますと十六兆四千億。もちろん五十一年に一兆三千億からの償還があり、五十二年も償還がありますのでどのくらいになりますか、十四兆近くになるのではないかと思いますけれども、そういう起債が本当に地方財政を圧迫する。国はいろいろ減債制度をもうけていらっしゃいます。先ほどもお話が出ましたが、地方債は縁故債、これは上下三%償還、こういうのが行われておりますが、一年間六%でございます。政府債については、予算措置はおおむねどの県も五%償還ぐらいの措置をしていると思いますけれども、国の減債計画の中で六十年を基礎に置いた百分の一・六というような償還計画を立て、あるいは繰越金の二分の一を下らない額、こういうようなものがとられ、また借りかえというような措置がとられておりますけれども、地方においてこういうきちんとした減債制度をお示しになられていないような気がいたします。地方自治法においては繰越金の問題は取り上げられておりますけれども、財政運営上なかなかこれがそのまま守られないというのが現実ですが、こういうものがやはり地方の個々の自治体の財政を非常に苦しめていくのではないだろうか。こういう減債制度についてどうお考えになるか。またこれだけ多額になった起債の償還についてどういうように御指導になっていくか、その点をお伺いしたいと思います。
○首藤政府委員 まず交付税特別会計における借入金でございますが、いままでいろいろ措置をとりましたのを合計いたしますと三兆三千億余りに相なります。これが償還期に入りますのは五十四年度ごろから償還が出てまいりまして、少ないときで二千億ぐらい、一番ピークでは、五十九年、六十年ぐらいでございますか、四千億を少し超える、こういう状況に相なってまいろうと思います。 この償還額につきましては、基本的には地方財政計画の策定をいたしますときに、この償還所要額を財政計画の中に盛り込んで財源不足額というものを正確に計算したい、こう考えております。その盛り込んだ結果についての財源不足額あるいは所要額を適確に処置をするならば、当該年度ごとの地方財政の運営には影響を来さない、このように考えておるわけであります。 それから第二番目は、最近非常に増加いたしました地方債の償還でございますが、これもミクロとマクロと両方あれがあろうかと思いますが、マクロでは、この伸びました地方債の毎年度の実質償還額をそっくりそのまま地方財政計画の公債費に計上する、こういうことで所要財源額をはじきますれば、地方団体全体としてはマクロとしてそれに対する償還費の財源が確保される、こういうことになろうと思います。ミクロの場合では、個別の地方団体にとってですが、これは去年あるいはことしあたりやっております。いわゆる公共事業の起債の充当率を引き上げる等によりまして財源振りかえをしましたその起債、いわゆる特例債でございますが、その償還費を個別の地方団体の交付税の算定をしますときの基準財政需要額に盛り込む。今度の交付税法改正で特例債の費目を基準財政需要額を算定する際の新たな費目として起こしておりますが、そこに算定を仕込むということで計算をしますれば、個別の団体の償還費は交付税を通じて確保をされる、こういうことに相なろうと思うわけでございまして、最近このような財政困難の時期のために交付税会計及び地方債両面において借金がかさんでおるわけでありますが、その償還費については以上申し上げましたような措置で将来適切な対応策をとる、こういうつもりでおるわけであります。
○永原分科員 次に、特交の問題に移ります。 先ほど豪雪のことでいろいろ承りました。静岡県にも一つの問題がございまして、東海大地震の問題でございます。これは非常に人心を乱しておりますので、自治体としては当然これに対する措置を講じなければなりません。本当に、消防庁の長官がおっしゃったように、火災というのが一番心配されますので、防火貯水槽の設置などについて非常に多くの金を使っているわけです。静岡県の本年度の予算、私も調べてみますと、八億八千万に及びます。これは一般財源で計上している分ですけれども、こういうような特別の財政需要について、これは陳情でございますが、ぜひ特交要因としてお考えいただきたいし、めんどうを見ていただきたい。また静岡県は構造線の通っている地質の悪い地帯がございます。そういうところで国道が静岡の海岸沿いにずっと走っております。百五十号線、こういうところに長大トンネルをつくって道路の崩壊を防いでいかなければならない、そういう工事が進行しておりますが、二千二百メートルに及ぶような長大トンネル、これは知事管理の国道でございますけれども、その維持、補修費は全額地元負担になっている、県費負担になっているわけです。いまの道路法の趣旨からしますと、こういう維持、保守については国の補助制度がございません。こういうようなものについて六、七千万に及ぶ経常費が必要になってまいりますので、特交要因として将来お考えいただきたい、こういうようなお願いでございます。 と同時に、静岡県はまた七割近くが山でございます。海岸線にわずかな平野が残っているというような地形でございまして、駿河という言葉は読み方を変えれば速い川というように読めるわけです。非常に急流河川が多いところ、しかも中小河川がそれに付随しておりまして、集中豪雨による災害が非常に多うございます。そういう中で昨年度から設けられましたいわゆる激特、この事業が集中的に行われております。全国で適用になっているのが十五件、そのうちで四十八河川が対象になっておりますけれども、静岡県はそのうちの六本をちょうだいしているというような状況で、この財政投資が集中的に行われますために、地域住民にとっては非常にありがたいことですが、おんぶでだっこのようなお願いになりますけれども、それだけに地方財政が窮迫してくるわけです。一般の河川改良費と同じように、一級河川については三分の二、また二級河川については二分の一、こういうような補助率でございますが、やはり財政指導をしていただく自治省の立場でぜひこういう補助率のアップについての御支援をお願いしたい。いま補助残については特例債のお話を伺いましたけれども、九五%の充当率を見ておりますが、通常のペースに戻ったときにはこの河川の起債の充当率は二〇%になってしまいます。まだここ数年特例債というのが続く財政状態だとは思いますけれども、特にこれからも制度として残るであろう激特の地方負担についてお考えいただき、こういうような特例債だけでなくて、こういうような集中的に行う事業の財源について公債費償還には特に御配慮をいただきたい、交付税などで御心配いただきたい、こういうようにお願いしたいと思いますが、お考えはいかがでしょうか、お伺いいたします。
○首藤政府委員 前段の地震対策費あるいは長大トンネル対策費等々地理的条件等に絡みまして特殊の財政需要が出てくる、こういうことは当然特別交付税の要素として考慮をしたいと思います。もちろん特別交付税でございますので、そういった状況も考慮をしながら、財政状況等々にらみ合わせて所要の措置を講じていく、こういうことであろうと思います。 それから後段の激特の裏負担でございますが、これはことしは御指摘のように九五%という高率起債充当をいたしますので、さしあたり事業実施は円滑にいくものと考えております。なお、補助率の引き上げ等については、これは関係各省に十分なお働きかけてまいりたいと思っております。 それからこの償還費につきましては、やはり集中をいたす大きな事業でございますから、一定の率を交付税算入をしてまいりたい、こういう考えでおります。 それから将来特例債がなくなった場合の充当率のダウンの問題でありますが、これは御指摘のように、やはり激特事業がいわゆる災害関連の事業でございますし、大きな事業がまとまる、こういうことであれば、他の一般公共事業のように一般財源に振りかえて充当率を下げるということは非常に困難だと思いますので、なお今後の状況に応じて検討してまいりたいと思っております。
○永原分科員 最後に、これはお願いですけれども、まだ国保の問題とかいろいろ超過負担の問題があります。国保についても市町村の財政を圧迫している大きな要因になっておりますので、こういうものの改善についても、一番最初に申し上げましたように、おやじの立場でめんどうを見るというようなつもりで関係各省と強く折衝もしていただきたいし、また財政的なめんどうも見ていただきたい。いろいろ力関係で押しまくられるならば、私どももお力添えをしながらぜひ地方自治体のために財源獲得のためにがんばりたいと思いますが、今後ともよろしくお願いしたいと思います。 いろいろなことを申し上げましたけれども、これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○小川国務大臣 いろいろ御鞭撻をいただいて、まことにありがとうございます。御要望のありました諸点は、ひとつぜひ前向きに研究をいたしまして、御期待に沿うように努力いたしたいと思います。
○笹山主査 次回は、明後十四日、月曜日、午前十時から開会し、自治省所管について審査いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十八分散会