予算委員会第三分科会 第1号
- 発言数
- 509 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1977/03/11
会議録
○笹山主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。 私が第三分科会の主査を務めることになりましたので、よろしくお願い申し上げます。 本分科会は、昭和五十二年度一般会計予算及び昭和五十二年度特別会計予算中厚生省所管及び自治省所管について審査を行うことになっております。 本分科会の審査日程につきましては、お手元に配付いたしております日程表により審査を進めてまいりたいと存じます。御了承をお願い申し上げます。 昭和五十二年度一般会計予算及び昭和五十二年度特別会計予算中厚生省所管について、政府から説明を求めます。渡辺厚生大臣。
○渡辺国務大臣 昭和五十二年度厚生省所管一般会計及び特別会計予算案の概要について御説明申し上げます。 昭和五十二年度厚生省所管一般会計予算の総額は五兆五千九百四億五千七百十四万七千円でありまして、これを昭和五十一年度当初予算額四兆七千三百九十一億八千九百七十七万四千円と比較いたしますと八千五百十二億六千七百三十七万三千円の増額、一八・〇%の増加となっており、国の一般会計予算総額に対し一九・六%の割合を占めるに至っております。 申し上げるまでもなく、最近におけるわが国の経済情勢及び財政事情はまことに厳しいものがあり、明年度予算はこのような状況のもとに編成されたものでありますが、厚生省予算は、各方面の絶大な御理解と御協力によりまして前述のとおりの結果を見るに至りました。この機会に各位の御支援に対し衷心より感謝申し上げますとともに、責任の重大さに思いを新たにして、国民の暮らしと健康を守る厚生行政の確立になお一層力を尽くす決意であります。 昭和五十二年度の予算編成に当りましては、社会保障に関する各種施策について優先度の厳しい選択を行うとともに、真に施策を必要とする分野に重点的、効率的で、かつ、きめ細かい配慮を加え、その質的向上を図ることといたしましたが、この際、私の特に留意した点を申し上げたいと存じます。 第一は、国民の健康の保持増進を図る保健医療の基盤整備の推進のため、現下最も必要とされる救急医療体制についてその飛躍的な充実強化を図るほか、母子保健、循環器疾患対策の拡充、看護婦等医療従事者の養成確保と処遇の改善、医療保険制度の充実を図ることとしたところであります。 第二は、老齢化社会への対応を着実に進め、老後の生活の安定を図るため、各種年金額等の改善、老人医療費支給制度の無料化継続、老人の生きがいを高める施策の充実等老人福祉対策を総合的に推進することとしたところであります。 第三は、低所得者階層、心身障害児・者等社会的経済に弱い立場にある人々に対する福祉施策の推進のため、生活扶助基準の引き上げ、社会福祉施設運営の改善、在宅福祉対策の拡充を図るほか、福祉の心と社会連帯の精神に基づくボランティア活動に対する助成の強化措置を講ずることとしたところであります。 以上のほか、国民各層の期待にこたえるため、生活環境施設の整備、医薬品、食品等の安全確保対策、原爆被爆者、戦争犠牲者のための対策等についても、その推進を図ることとしております。 なお、昭和五十二年度予算に関しては、先般の与野党の合意により、社会保障施策について所要の予算修正措置を講ずることとなりましたので、近日中にこれが予算修正案を提案すべく準備を進めております。 以下、主要な事項について、その概要を御説明申し上げるのでございますが、委員各位のお手元に資料を配付いたしてございますので、お許しを得て、説明を省略させていただきたいと存じます。 何とぞ、本予算案の成立につきましては、格別の御協力をお願いいたす次第であります。 以上でございます。
○笹山主査 この際、お諮りいたしたいと思いますが、ただいま渡辺厚生大臣から申し出がありました厚生省所管関係予算の主要な事項につきましては、その説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○笹山主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ————————————— 〔渡辺国務大臣の説明を省略した部分〕 以下、主要な事項につきまして、その概要を御説明申し上げます。 第一は、生活保護費であります。 生活扶助基準につきましては、五十二年度経済見通しにおいて見込まれる個人消費支出及び物価の動向等を総合的に勘案し、前年度当初に比し一二・八%引き上げることといたしましたほか、教育、出産、生業、葬祭等の各扶助につきましても所要の改善を行うこととし、生活保護費として七千百八十四億六千三百万円余を計上いたしておりますが、これは前年度予算に比し八百五十二億九千五百万円余の増額であります。 第二は、社会福祉費であります。 心身障害児・者の福祉につきましては、特別児童扶養手当及び福祉手当につきまして額の引き上げを行いますとともに、いわゆる盆暮れ払いを実現するための支払い期月の変更、国立の総合リハビリテーションセンターの設置の推進等従来からの施策の充実を図るほか、新たに在宅障害者の社会適応訓練事業及び精神薄弱者の通所援護事業の助成制度を創設することといたしており、また、重症心身障害児・者のための施設につきましては、その整備にあわせて特に入所者の介護体制の充実に意を用いた次第であります。 母子の福祉につきましては、母子福祉貸付金の増額など貸付制度の拡充、児童扶養手当の額の引き上げ、支給年齢の延長を行う等従前の施策を充実するとともに、新たに心身異常の早期発見のための一歳六カ月児の健康診査、先天性代謝異常検査、家族計画特別相談事業を実施することといたすほか、市町村における母子保健事業についてこれを統合の上メニュー方式による実施体系に改めるとともに、その拡充強化を図ることといたしております。 老人の福祉につきましては、追って申し上げますが、老齢福祉年金を月額一万三千五百円から一万五千円に引き上げるとともに、老人のための明るい町推進事業の拡大、老人就労あっせん事業の強化、福祉電話の増設、老人健康診査の充実等生きがいある老後を実現するための施策を推進することといたしております。 社会福祉施設関係費につきましては、特別養護老人ホーム、心身障害児・者施設、保育所等を中心にその整備を進めるとともに、補助内容について所要の改善を行う等の措置を講ずることといたしております。 また、福祉施設の運営については、給食体制の整備等に必要な職員を増員いたしますとともに、入所者及び職員の処遇についてきめの細かい改善を図ることとし、所要の経費を計上いたしております。 このほか、地域社会におけるボランティア活動に対する助成の拡充、世帯更生資金貸付金の大幅な増額を行うとともに、児童の健全育成対策、同和対策等につきましても所要の措置を講ずることといたしております。 以上申し上げました社会福祉費の総額は九千五百五十億二千万円余でありまして、前年度に比し一千六百七十二億三千五百万円余の増額となっております。 第三は、社会保険費であります。 まず、社会保険国庫負担金でありますが、厚生保険特別会計及び船員保険特別会計への繰り入れに必要な経費として七千二百八十六億一千八百万円余を計上いたしております。 このうち、厚生年金保険につきましては、物価スライドによる給付改善の実施時期を本年十一月から八月に繰り上げるために要する経費を含めて三千二百五十四億二千九百万円余を計上いたしております。 政府管掌健康保険につきましては、傷病手当金の支給期間を六カ月から一年六カ月に延長する現金給付の改善を行うとともに、財政の健全化を図るため、標準報酬等級の上限の改定等にあわせて、定額百三十億円の特別国庫補助を導入することとし、これらに要する経費として三千百三十三億六千二百万円余を計上いたしております。 また、船員保険につきましては、厚生年金保険及び健康保険に準じて改善を行うことといたしております。 次に、国民年金国庫負担金でありますが、国民年金特別会計への繰り入れに必要な経費として一兆八百二十六億四千七百万円余を計上いたしております。 このうち、拠出制国民年金につきましては、物価スライドによる給付改善の実施時期を明年一月から本年九月に繰り上げるために必要な経費をも計上いたしております。 また、福祉年金につきましては、年金額を引き上げるとともに、本人所得制限及び恩給等との併給制限の緩和を図るほか、支払い期月を変更することとして、所要の経費を計上いたしております。 国民健康保険助成費につきましては、療養給付費補助金など総額一兆四千七百四億二千八百万円余を計上いたしておりますが、このうちには、法定国庫補助金のほか臨時財政調整交付金等の特別助成費一千百十八億円、助産費の補助基準額の引上げ等に要する経費が含まれております。 以上申し上げました社会保険費の総額は三兆三千五百九十五億五千五百万円余でありまして、前年度に比し五千三百七十一億八千五百万円余の増額であります。 第四は、保健衛生対策費であります。 先ず、救急医療対策につきましては、救急医療体制の体系的整備を図ることとし、初期救急医療として休日夜間急患センターの大幅拡充と当番医制の普及定着化を図り、新たに病院群の輪番制、共同利用型病院等による第二次救急医療体制を確保し、さらに第三次救急医療として重篤患者のための救命救急センターを大幅に拡充するとともに、新たに広域救急医療情報システムの整備を行うこととして、救急医療対策の飛躍的な強化を図ることとしておりますが、これらに要する経費と関連予算とを合わせて総額百一億七千万円余を計上しており、これは前年度予算の約四倍程度の額となっております。 次に、循環器疾患対策でありますが、国民死因順位の首位を占める脳卒中、心臓病等の循環器疾患について、検査項目の拡大等健康診断の内容充実を図るとともに、循環器疾患に関し専門的な治療研究研修を行う中枢機関として国立循環器病センターを開設することといたしております。また、新たに国際保健対策として、ラッサ熱等特殊感染症の病棟整備を行うことといたしております。さらに、がん対策、僻地医療対策、公的病院等の助成策についても所要の推進を図ることといたしております。 難病対策につきましては、調査研究及び治療研究の推進、専門的治療を行う医療施設の整備を図るとともに、精神、神経、筋、発達障害に起因する難治性疾病について総合的研究を行う神経センター(仮称)を開設することといたしております。 原爆障害者対策につきましては、健康診断について検査項目の拡大を行うとともに、特別手当、健康管理手当等の各種手当につきまして、額の引き上げ、所得制限の緩和を行う等の措置を講ずることといたしております。 予防接種対策につきましては、予防接種の対象疾病の拡大を行うとともに、予防接種事故救済給付に関する各種手当額の引き上げ、予防接種による健康被害者に対する保健福祉相談事業の助成等を行うことといたしております。 看護婦確保対策につきましては、看護婦等貸費生貸与金の額の引き上げ、養成所の整備促進、養成所運営費補助の拡充、ナースバンクの拡充を図ることとし、また、看護婦の処遇改善といたしましては、夜間看護手当の引き上げを図るほか、新たに深夜通勤加算制度を設けることといたしております。このほか、看護婦の資質向上対策の推進のため、看護研修研究センター(仮称)を開設することといたしております。 このほか、結核、精神等の対策費を含めて、保健衛生対策費は総額三千二百三十一億八千六百万円余でありまして、これは前年度に比し二百七十五億三千五百万円余の増額であります。 第五は、戦傷病者戦没者遺族等の援護費であります。 戦傷病者戦没者遺族等に対する年金につきましては、恩給法の改正に準じた額の引き上げ、対象範囲の拡大を行いますとともに、戦傷病者、戦没者等の妻に対する特別給付金及び戦没者の遺族に対する特別弔慰金の対象範囲の拡大等を行うことといたしております。 また、遺骨収集、戦跡慰霊巡拝の実施、さらに沖繩に戦没者墓苑を建設する経費のほか、引揚者生活指導員を新設して中国等からの引揚者に対する援護措置の拡充を行うこととし、戦傷病者戦没者遺族及び留守家族等の援護費として合計九百三十三億五千五百万円余を計上しておりますが、これは前年度に比し百十九億七千三百万円余の増額であります。 第六は、環境衛生施設整備費であります。 まず、水道施設整備関係費につきましては、水源の確保、水道事業の広域化を促進し、また、簡易水道について補助内容の改善等を行い、これら事業に対する助成の強化を図ることとして五百五十一億円余を計上いたしました。 また、廃棄物処理施設の整備につきまして、引き続きその整備を進めるとともに、補助単価の大幅な引き上げを行うほか、新たに廃棄物総合処理資源化事業の開発費について助成を行うこととして三百四十二億五千三百万円余を計上し、環境衛生施設整備費は合わせて総額八百九十三億五千四百万円余となり、前年度予算に比し百八十七億七千八百万円余の増額となっております。 以上のほか、日常生活の安全確保対策でありますが、食品、家庭用品及び医薬品の安全性確保という見地から、調査研究費の増額、監視、情報収集体制の強化、試験検査体制の整備等について所要の経費を計上するとともに、医薬分業の推進、麻薬、覚せい剤対策の強化などに要する予算の確保にも努めたところであります。 また、医薬品については、その特殊性から開発時において予見し得ない副作用があり、このような副作用による被害に対する救済制度の創設のために各種の調査を進めることとし、所要の予算を計上いたしております。 以上、昭和五十二年度厚生省所管一般会計予算案の概要を御説明申し上げました。 次に、昭和五十二年度厚生省所管特別会計予算案の大要について御説明申し上げます。 第一は、厚生保険特別会計についてであります。 一般会計から七千八百三十五億四千五百六十八万二千円の繰り入れを行い、各勘定の歳入歳出予算をそれぞれ計上いたしております。 第二は、船員保険特別会計についてであります。 一般会計から百六十五億四千九百二十七万八千円の繰り入れを行い、歳入一千九百二十三億六千四百五十一万二千円、歳出一千六百五十三億三千八百七十八万円を計上いたしております。 第三は、国立病院特別会計についてであります。 一般会計から六百八十四億五千三百一万四千円の繰り入れを行い、各勘定の歳入歳出予算をそれぞれ計上いたしております。 第四は、あへん特別会計についてであります。 歳入歳出ともに十三億八千八百六万八千円を計上いたしております。 第五は、国民年金特別会計についてであります。 一般会計から一兆八百二十六億四千七百十七万円の繰り入れを行い、各勘定の歳入歳出予算をそれぞれ計上いたしております。 以上、昭和五十二年度厚生省所管特別会計の予算案について、その大要を御説明申し上げました。 —————————————
○笹山主査 以上をもちまして厚生省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○笹山主査 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑の時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局におかれましても、答弁はできる限り簡潔明瞭にお願いいたしたいと思います。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上一成君。
○井上(一)分科員 福祉元年が叫ばれて以来、はや四年たつわけであります。福田総理も福祉の心を強く施政方針の中で訴えられているわけなんですけれども、ここで厚生大臣に改めてお聞きをしたいと思うのです。 生きる希望をなくするような方々がいらっしゃるいまの暗い社会、私は、何としてもそのような社会を政治の力で変えていく、そして本当に生きがいの持てる社会、ただ物や金を与えるだけだという、そういうことだけで解決するのではなく、どうしても人間が人間として尊重されるような社会、すなわち、すべての国民が生きることの権利を保障されていく、そういう政治こそ福祉社会実現への原点だと考えるわけであります。そういう点、大臣の福祉についての基本的な概念をまずお聞きいたしたいと思います。
○渡辺国務大臣 御承知のとおり、自由社会におきましては、自己の個人生活というものは自分の責任で安定と向上を図っていくというのが原則であろうと存じます。それはどうしてかと申しますと、自由社会では、職業も自由でございますし、旅行も自由でございますし、もうけた金を一遍に使ってしまってあしたから寝ているのも自由でございますし、一日働いて三日休もうが一週間全部働こうが、それは全部自由でございますから、人によってその使い方、生活の仕方、これはまちまちであります。そういう意味において、自由社会においてはだれにも強制されないのですから、自分の力で自分の生活の安定向上を図っていく、それが原則ではないだろうか。しかしながら、何と申しましてもそれは自分だけでは生きられないようなことがあるわけでございますし、また事故その他の問題によって疾病その他いろいろな、自分の力ではなかなか抑え切れないようなものが世の中にはたくさんあります。そういう者はお互いに連帯と協調の精神で助け合い、もたれ合い、励まし合っていくということが私は福祉の根本的な物の考え方ではないだろうか、かように考えておるわけであります。
○井上(一)分科員 大臣、自由というものを強調されたわけなんですけれども、いわゆる福祉というものは、社会的弱者、何らかの形で障害を持つ国民、その人々に対して、いま私が申し上げたように、生きることへの希望、あるいは生きることの権利を保障していくことが福祉の事業なんですね。だからそういう観点から考えれば、自由だから、自由の中ではどうしておったっていいんだというような考え方でなく、自由であればあるほど、社会的弱者、社会的に障害を持ったそういう国民に対して、より温かい施策を講じることが福祉社会を目指す、あるいは福祉国家を目指す日本の政治のあり方ではないか、こういうことなんです。 それで重ねてお聞きをしますが、私は最後に提案をしたい、提唱をしたいと思ったのですけれども、わが国において社会目標が明確にされておらない部分があるわけなんですね。ここで最初に、すべての国民が福祉にかかわり合いを持つという社会目標を持つということについて厚生大臣みずからが提唱し、あるいは提議するお考えがあるかどうか。厚生大臣みずからがその先頭に立って、福祉にその政治的情熱を傾けるんだという意気込みをお持ちなのかどうか、重ねてお聞きしたいと思います。
○渡辺国務大臣 私が先ほど申し上げましたのは、それは普通に健康な立場にある方は当然自分で生きるのですよ。しかしながら、そういう方でも病気することもございます。まして先天的に身体障害があったり、あるいは別な病気があったり障害がある場合があるわけでございますから、そういう者についてはみんなで社会の人がいたわり合って、それは国費でいろいろなめんどうを見るということは、これはやはり国民一人一人が税金を納めているわけですから、みんなでそれは助け合っていくということと同じことである、私はかように思います。したがって、いま井上さんがおっしゃいましたように、そういうような弱者の救済というようなことについては、一番福祉の中でも大切な項目でございますから、それは私は情熱を持って先頭に立ってやっていきたい、かように思っております。
○井上(一)分科員 そこで私は、世界のすべての大人たちが、自分たちのむごい行為、戦争というむごい行為から大いなる反省をもとに、すべての児童に対して健やかな成長を願うのだという形の中で児童憲章というものがつくられたわけです。とりわけわが国の児童憲章は、日本国憲法の精神を十分生かした、他の国よりはむしろすぐれた児童に対する取り組みを明記しているわけなんです。国の宝は子供たちである、あるいは次の世代を担ってくれる子供たちに対する大人のいわゆる願い、そういうものを十分生かしていくことが児童福祉の取り組みだと思うのです。そういう意味で、児童福祉に対する基本的な取り組みについての大臣のお考えをひとつ聞かしていただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 御承知のとおり、わが国の人口もかなり急速に老齢化が進んでおります。そういう中で、今日やはり次の社会を担っていく人は児童でございますから、その児童の健全な育成ということと資質の向上を図っていくということは、これはわれわれにとって非常に重大な問題でございます。 しかしながら、現在この児童を取り巻く社会的な環境というものは非常に複雑でありまして、一面においていろいろと悪化をしておるところもあるわけであります。いろいろな問題を提起しておるところもございます。このように多様化をする児童福祉の需要に適切にわれわれは対応をして、そして児童福祉行政に課せられた使命というものを果たしていく必要がある、こういうように考えておるわけであります。私どもはこの使命を達成するためには、先生がおっしゃいました児童憲章というようなものも尊重しなければならぬし、また、児童福祉法第一条または第二条に規定されている精神にのっとりまして、国、地方公共団体、もう一つは児童の保護者、この国と地方公共団体と児童の保護者というものが、三者が一体になって協力し合って児童の健やかな育成というものに努めていくことが非常に大切ではないか、かように考えております。したがいまして、どういうことを先にやるかということについては、いろいろな諸条件を勘案して、その中から一番時宜に適したものを選んで優先順位をつけまして、それから実行をしていきたい、かように考えておる次第でございます。
○井上(一)分科員 さらに、私は児童福祉について、現在国が取り組んでいらっしゃる重立った政策について、局長からでも結構ですからお聞きをしたいと思います。
○石野政府委員 ただいま大臣からお話し申し上げました基本精神にのっとりまして、特に五十二年度につきましては四つの柱を実は設けて進めてまいります。 第一は母子保健対策の強化の問題でございまして、御存じのとおり、心身障害の発生防止という観点からこの母子保健対策は非常に重要な施策でございます。したがいまして、五十二年度には特に新しく一歳六カ月児の健康診査という制度を設けることにいたしました。また、従来の先天性の代謝異常の検査につきましても、新方式によりますガスリ一法の採用ということもいたします。さらに、従来タブーでございました遺伝問題等につきましても、これは新しく家族計画相談事業といたしまして出発させることにいたしたわけでございます。母子保健につきましてはそういうもののほかに、特に市町村でやります事業が非常に多うございますので、市町村におきます地域の母子保健施策というものの事業を統合整理いたしまして、メニュー化によって効率を図っていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 第二の柱は心身障害児者の福祉対策でございます。これは御存じのとおり、施設の整備をさらに進めてまいらなければなりませんけれども、それと同時に、従来おくれておりました在宅の福祉対策、これの強化を図ってまいりたいということで、来年度新たに精神薄弱者の通所援護事業を実施したい考えでございます。さらに、重度障害児を抱えております親に対しまして特別児童扶養手当、あるいはさらに超重度のための福祉手当、こういうものも引き上げを図ってまいりたいわけでございます。 第三番目の柱といたしましては保育対策でございます。特に保育対策につきましては経済的基盤の弱い母子家庭、これの福祉を増進しますために、第一は母子福祉貸付金の原資を大幅にふやすという形で、五十一年度十億というものを十三億五千万というふうにいたしたわけでございます。さらに児童扶養手当なり母子福祉年金についてもこの引き上げを図ってまいりたい。 最後の四番目の柱といたしましては児童の健全育成対策でございまして、これは何といっても児童館を大幅に整備しなければなりませんので、それについての対策の強化を図ってまいりたい。 大体、以上の趣旨によりまして五十二年度予算案に計上いたしておるわけでございます。
○井上(一)分科員 先ほど大臣も児童福祉法の精神を尊重して児童の健全育成に努力をする、いま局長からいわゆる厚生省としての施策の取り組みをお答えの中でいただいたわけであります。とりわけその三点目の保育対策については、ただ整備充実という形の中でなく、いわゆる乳児保育も含めて、保育内容についても十分努力をしたい。とりわけ母子家庭に対する取り組みを強調されたわけであります。 そこで、私はあえて申し上げたいわけでありますけれども、全く保育に欠ける児童、その児童の生きる権利を保障していくことこそ福祉対策の原点だ、改めて申し上げるまでもありませんけれども。おくれがちであった福祉行政の中で、とりわけ保育所行政に厚生省が建設について大変努力をなさってこられたということについては、一定の私なりの評価はしたいと思うわけでありますけれども、まだまだ中身については十分考えを改めていただかなければいけないわけであります。とりわけ、福祉政策を推し進めていく上において地方自治体と相協調した中で、車の両輪のごとき関係にあるんだということを福田総理も施政方針の中で言われているわけなんです。ところがその両輪の地方自治体に対する財政的負担が非常に大きい、そういうことがひいては地方自治存立の危機すら招いておるんだという御認識を持っていただきたいと思うのです。そういう中から、地方自治を守る立場、そしていま申し上げた保育に欠ける児童の生きる権利を保障していこうとする一つの問題提起が摂津訴訟であるわけであります。 この摂津訴訟については昨年の十二月十三日にその判決があったわけですけれども、その判決には私は重大な問題が含まれていると思うわけです。すでに四十九年の当時の厚生大臣との話し合いの過程で、当時の齋藤厚生大臣が、摂津市の提起した問題、いわゆる摂津訴訟ですが、を含めて、問題提起はもっともであるとして、それまでの保育所に対する国庫負担金のつけ方が児童福祉法の規定から見て問題があったことを認めていらっしゃるわけなんです。今回の第一審判決では、児童福祉法の規定は単に国の抽象的な負担義務を定めたものだとしているわけですね。これはむしろ大変な誤りであって、国会における立法権をいわば行政権の下位に位置づけているという判断を私はしているわけです。 この判決に対しては、直ちに原告の摂津市が控訴し、いずれ第二審においてこの判決の誤りは正されると思うわけでありますけれども、厚生省はこの判決を理由に、先ほど申し上げたようにいわゆる抽象的な負担義務を定めたものだ、努力目標だ、法律というものは努力目標なんだというようなことを理由に、保育所の超過負担の解消に及び腰になることはないのかどうか。決してそうあってはいけないわけですけれども、ここで改めて、保育所の超過負担の解消に及び腰になりはせぬだろうかと危惧の念を持って、ひとつ御質問を申し上げるわけであります。
○石野政府委員 ただいま井上分科員の方からお話がございました超過負担問題に対する対処の仕方でございますが、おっしゃるとおり、摂津訴訟が起こる前の段階というのは、非常に保育所の予算の補助額というのは低かった、これは事実でございます。その後年々努力してまいりましたけれども、まだまだ十分ではなかった。たまたま四十八年に摂津訴訟が起こされ、それを契機といたしましてその後大幅に改善をいたしまして、現在では少なくとも施設整備の面につきましては超過負担はほぼ解消した、こういうふうに私どもは考えておるわけでございます。お尋ねのように、いまの訴訟の判決があったからといって厚生省の方はその超過負担の解消に怠慢なのではないか、こういうお話でございますけれども、私どもは、裁判所の判断というのはこれは国の主張を認めたものでございますけれども、判決は判決でございまして、やはりその超過負担の解消というのは行政的に解決しなければならない問題でございますので、判決のいかんにかかわらず、私どもはさらに騨尾に付しまして十分この超過負担の問題については対処してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○井上(一)分科員 保育所の超過負担は摂津訴訟を契機に年々解消されつつあるということについては、私も建設費については私なりにその努力の過程は認めるわけであります。が、しかし、建設費のみではないわけであって、保育所運営費、いわゆる保育所を運営していく上においての費用というものもこれまた大きいわけであります。そういう意味で、とりわけ保育に従事をしていらっしゃる保母さんの配置基準を速やかに改善する必要があると思うわけでありますけれども、そういうことについての厚生省の考え方をお聞きしたいと思います。
○石野政府委員 運営費につきましても毎年相当の額をつぎ込みまして改善をしてまいったわけでございます。特に五十年度、五十一年度につきましては、休憩保母の確保という形で約七千人の増員を図ったわけでございます。 問題は、いまの配置基準が適正であるかどうかという問題だと思います。確かに一部の市町村におきましては国の配置基準以上に人を配置しているところもございます。またそうでないところもございます。現在の保母の配置基準というのは、実は中央児童福祉審議会というのが私ども政府下にございまして、そこの意見具申に基づきまして決めたものでございます。もちろん、これを決めましたのは三十七年の答申だったと思いますけれども、三十七年の答申を実際に実現しましたのは四十四年度でございまして、それ以来現在の配置基準になっているわけでございます。問題は、この配置基準が妥当かどうかの認定の問題でございますけれども、一つの例といたしましては幼稚園との関係がございます。幼稚園の場合、教諭でございますか、幼稚園教諭の配置基準というのは一学級大体四十名でございまして、四十人に一人ということでございますので、保育所の配置基準でございます三十対一、二十対一というのは、その点から見ますと必ずしも不合理じゃない。かたがた中央児童福祉審議会の御意見も、現在の基準というのはベストではないけれども、まあまあこの線でいいのではないかというのが大体の意見でございます。
○井上(一)分科員 さらに児童福祉、とりわけ保育所の建設並びに運営については地方自治体に過酷な超過負担を押しつけないように十分御配慮をいただくように、私の方からお願いをしておきたいと思います。 もう一点、さっきの大臣の説明にもありましたが、老人が生きがいの持てる社会ということで、夜遅くあるいは休みの日に老人が体が悪くなった、ぐあいが悪くなった、そんなときに素早く対応のできる医療施設というものはいまないわけですね。いわゆる救急医療施設の充実ということになるわけですけれども、このことについて大臣は基本的にどうお考えなのか。制度的なものとして厚生省が十分真剣に取り組む必要があると私は思うのでございますけれども、大臣はどういうふうにお考えでいらっしゃるか、お聞きをしたいと思います。
○渡辺国務大臣 老人の問題も含めて、救急医療の問題は非常に重要でございます。したがって、よく世間に言うたらい回しというようなことがないように、本当に急に病気になった人がすぐに医者にかかれるという状態にしなければならぬというようなことから、今回は国の予算も救急医療関係に二十六億円から百一億円と、四倍にふやして、いろいろな制度を設けてその解消に実は努めようとしておるところでございます。
○井上(一)分科員 最後に、特に厚生大臣に、福祉社会を目指すんだ、先ほども私が提起いたしましたけれども、この際、福祉社会を実現することが国家目標であるというくらいの厚生大臣としての意思表示が当然必要な時期ではないだろうか。なされていい時期ではないだろうか。社会をつくっている人々が一人残らず幸せであるんだ、そのようなことを理想、目的とする社会、そういう社会をつくることが国家目標であるということを厚生大臣みずから広く訴えられる御意思があるのかどうか、私はお聞きをしたいと思います。
○渡辺国務大臣 福祉社会を充実させていくというために最大限の努力をいたしてまいります。
○笹山主査 よろしゅうございますか。 次は、上原康助君。
○上原分科員 まず最初にお尋ねしたいのは、一昨日報道になりました例のサッカリン使用の問題について、ちょっと大臣なり関係者の御見解だけ賜っておきたいと思うのです。といいますのは、これは私の記憶でも、去る四十八年ころわが国でも消費者関係の皆さんからかなり問題が提起をされまして、たしか厚生省の方でも環境衛生局なりで相当検討された経緯があるのじゃないかという記憶がございます。そこで、米国、カナダが再び発がんの可能性が非常に強いということで使用禁示を改めて発表したということが報じられております。当然その影響はわが国にも出てくると思いますし、また四十八年前後のいろいろな消費者関係あるいはメーカーの方からも問題が持ち出されるのじゃないかという気がいたしますので、これに対してどういう対処をするおつもりなのか、御見解だけ承っておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 私の方も突然のことでございまして、いますぐこうやるということは決まっているわけではありません。きのうまで知った情報というのは、いま先生がおっしゃったように、米国のFDAが三月九日にサッカリンの使用を禁止する方針であるということを発表した。この提案は三十日以内に正式に提示されるということも言われております。提示後六十日の間の猶予期間を置いて、この間に業界などの意見を聞くこととしておる。その意見を聞いた上で規制をするか否かを決定することになるが、正式に規制をする場合には改めて告示するというようなことのようであります。 そこでわれわれとしても、詳しいことがわからないものですから、アメリカ、カナダなどのサッカリンの規制に関する情報をそういうようなことで得ましたので、早速アメリカ、カナダ両国の政府に対して、厚生省としては外務省を通じて、どういうふうに具体的に規制をしようとするのか一その内容、その根拠となった動物実験のデータなどをひとつ教えてもらいたいという照会をいたしておるところであります。そして、わが国といたしましては、その動物実験データを入手し次第に、これは非常に専門的な問題でございますから、専門の学識経験者に検討を依頼いたしまして、向こうのやり方等も見ながら今後の方針については検討をしてまいりたい、目下そういう状態であります。
○上原分科員 私も別にこの件で詳しく調べたわけではありませんが、いずれにしても消費者の皆さんに不安を与えるというのはよろしくないことでありますし、いま大臣おっしゃるように、早速資料を取り寄せて政府としても御検討なさる。また、新聞報道によりましても、全面禁止をするにしても若干の猶予期間を置いて七月一日ころからになるのじゃなかろうかということですから、ぜひ、過去の経緯もありますので、消費者の皆さんに不安のないように早急に手を打っていただく、手抜かりのない対策を講じていただく、こういうことで理解してよろしいですか。
○渡辺国務大臣 これは学問的な問題でございますから、早速向こうの実相を調べまして、専門家の意見を聞いて、専門家がそういう疑いがあるということだったら消費者に心配をかけないようにすることが大切なことですから、早速そういたします。
○上原分科員 そこで次は、限られた時間で、また分科会でもありますので、私は主に沖繩の医療問題についてお尋ねをさせていただきたいと思うのです。といいますのは、厚生大臣は、大臣に就任されてからの、救急医療の問題や社会福祉、医療行政について意欲的な御見解なり、また予算委員会での御答弁を聞いても、かなり積極的な御発言などもしている点に私も関心を持っているわけですが、長い間米軍の支配下にあったということと、本土から距離的に非常に離れているといういろいろな悪条件が重なって、沖繩の医療体制は私が指摘をするまでもなくきわめておくれをとっている状況であります。 そこで、私たちが一番期待をしたのは、復帰をした段階において、医療問題あるいは社会福祉ということについては本土との格差の是正ということがより積極的に進められていくのじゃなかろうかと考えておったのです。もちろん外的な要因などもいろいろ重なって、なかなか思うようにはかどっていないというのが現状じゃないかと思うのですね。これは指摘をするまでもなく、たとえば医療従事者を類似県と比較をしましても、全国と対比をしてもきわめて低い。病院の数にしましても少ない。特に一般病床の数などはもう本土の半分以下という実態なんですね。そこで、沖繩振興開発計画の上からもこの格差是正ということには相当文章上は力を入れているわけなんですが、現実問題としては、もちろん医療行政、医療従事者というのが専門的な能力なりを満たさなければいかないというハンディもあるわけで、なかなか容易でないということは理解いたしますが、いずれにしても格差の是正ということにはまだまだおぼつかない状況なんです。そういうふうに遅々として進まない原因は一体どこにあるとお考えなのか。では県なり関係市町村なりはどういう面を克服すればもっと格差の是正が進んでいくのか、あるいは国としてやろうとしてもなかなか思うようにいかないその原因、背景はどこにあるのか、そういった面はどのように分析をしておられるのか、総合的な医療問題、福祉行政を厚生省としてはどのようにとらえておられるのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
○石丸政府委員 沖繩におきます医師数の不足は他の本土の無医地区に比しても非常に顕著でございまして、五十年末で人口十万対五十八・七人というような数字になっておるものでございます。この十万対五十八・七という数字が非常に低いわけでございますが、この主な原因といたしまして、沖繩県の内部におきましてもまた非常に格差があるという事実を否定できないと思うわけでございます。このように非常に低い数字になっておりますのは、沖繩本島以外の地域におきます医師不足ということが非常に顕著な現象でございまして、そういったところが県全体の医師不足というような数字になってまいっておるところでございます。この格差是正のために、われわれといたしましてもできるだけの御援助をするように努力いたしておるところでございますが、一気にこれがなかなか解決できないというような状況にあろうかと思うわけでございます。 まず、医師不足の大きな原因といたしましてわれわれが考えておりますのは、医師という特殊な職業でございますので、研究から遠ざかるということが医師にとって非常に心細い条件になっておるわけでございまして、特に沖繩県におきましては医学の研修研究の機関が少ないということがあるわけでございます。そういった原因を取り除くために、県立中部病院を臨床研修指定病院として指定いたしまして、今後さらにその病院の機能を高めることによって医師の研究意欲を満たしていく、かようなことで、中部病院の機能強化をいたしまして、教育病院としての整備を図ってまいりたいと考えておるところでございます。さらに僻地におきます医師をその土地に安定させるためには、診療所等の整備も必要でございまして、そういった整備につきましても今後努力してまいりたいと考えております。 さらに基本的な問題といたしまして、医育機関の在存ということが必要になろうかと思うわけでございまして、この点につきましては文部省の方とも相談をいたしまして、琉球大学の医学部というような点につきましても今後努力を払っていく所存でございます。
○上原分科員 いまの点はこれまでも非常に議論をされてきたことで、私も何回かお尋ねもしてきたわけですが、ぜひ大臣にも御理解いただきたいことは、沖繩の医療施設で、本土に比較して、よいというよりも数が多いのは、精神病院と、らい関係なんです。これは私、沖繩の社会のいびつさをある面では非常にあらわにしていると言っても過言でないと思うのです。また、米軍施政権下において、確かにアメリカもそういう関係についてはかなり強制的に隔離といいますか、そういうものをやるという面で先行さしていった面があるわけです。むしろここに医療行政の貧弱性を象徴していると言っても過言でないと私は思うのです。しかし、いま御説明がありましたように、一般病床は類似県と比較をしてみても何とわずかに二一・二八%、これは五十年十二月末の厚生省がお出しになった資料じゃないですかね、そういう実態なんです。どうしてそういうふうに一般病床が少ないかということになりますと、やはり公的医療機関が少ないからなんですよ。そこは長年アメリカの施政権下にあったということと、医療問題には多額の予算を伴わなければどうにもならないという長い間の積弊がそういう実態になっていると思うのです。ですからそういうことを、根本的に一気にというわけにはいかないでしょうが、やっていくにはそれ相当の国の助成策がない限り本土との格差の是正ばおぼつかないと私は思うのです。 そこで、これも私は前に内閣委員会でも取り上げて、四十八年の七月ですが、あの当時は海洋博をどう何とか切り抜けるかということで医療問題が非常に大きくクローズアップした時期なんですね。現在政府が国立の総合病院という、将来そういう構想に持っていくということで宜野湾市に建設を進めている病院というものも、当初の予定よりは非常におくれているのですね。しかも、総合病院ではなく、これも結核療養患者と小児関係の慢性疾患、筋ジストロフィーの治療施設にする、この二つが優先をされているようですが、全体的な一般病床を含めての総合病院にはなっていないわけですね。なぜおくれたかということと、いま建築中のこの病院をどういう方向に持っていかれようとするのか。当初は六百床ぐらいの規模に持っていくというのが、現在わずかに半分、三百五十前後しか達成できないような状況に置かれている。これではますます県民の期待に沿えないし、いま申し上げたような格差の是正ということにはならないで、むしろ拡大をされる懸念もあるわけです。ここいらの点はもっと積極的に推進をしていただかないといけない問題だと思うのですが、この件についての確たる御見解を賜っておきたいと思います。
○石丸政府委員 沖繩におきます一般病床の不足、これは非常に顕著でございまして、ただいま先生の御指摘のような状況でございます。特に国立機関につきましては、先生御指摘のように精神とらいが非常に完備いたしておりますが、そのほかの一般病院につきましては厚生省の所管する国立はないわけでございまして、そのほかに琉球大学保健学部の付属病院が国立としてございます。 今後の計画でございますが、こういった病院を建てましても、建物が建っても中に働く医師が不足いたしますと運営ができないということで、医師補充対策と関連いたしましてこういった整備を考えていかざるを得ないと思うわけでございます。 それで、先生御指摘の、金武村に所在しております金武保養院を宜野湾市に移転しまして、一般診療機能をあわせ有する国立療養所沖繩病院として新たに整備することといたしまして、現在建設を進めておるところでございます。ただ、先生御指摘のように、これが結核、小児慢性疾患を主たる対象にいたしておりますのは、現在結核患者がそこに入院しておる関係上、この患者さんの収容ということをまず第一に考えておりますのでそういう結果になっておるわけでございますが、今後の計画といたしましては、やはりできるだけ一般の診療機能を有するような性格づけに持っていきたいというふうに考えておるところでございます。 この建設がおくれましたのは、これは五十一年末までに完成する予定で工事を進めておったわけでございますが、いろんな原因がございますが、やはり石油ショックによります建設費の高騰ということが大きく響いているわけでございます。それと、現在閉鎖しておりますが、宜野湾市に新しくつくりました移転先の病院の方は、海洋博開会中救急診療所といたしましてこれを使用いたしたわけでございまして、この間約半年間そういった応急の状態で使用いたしました関係上、その間建設工事がストップをしていた、こういうような原因でおくれているわけでございますが、今後鋭意その建設につきましては早く進むよう努力いたしてまいりたいと思います。 さらに、一般病床の整備につきまして、国立以外につきましては昭和五十二年度におきまして那覇市立病院を新設いたしまして、五十四年度までの三カ年計画で三百四十五床を整備することといたしておるわけでございます。先ほど申し上げましたようにいろいろ問題が複雑でございまして、特に医師不足が顕著でございますので、今後本土からの医師派遣等も考慮しながら順次整備してまいりたいと考えております。
○上原分科員 私も別に、結核療養のための施設が多過ぎるとかあるいはそれは要らぬということで申し上げておるのじゃないのです。余りにも際立って、らいと結核関係が多いというよりも、本土よりもぬきん出ておって、そのほかはどっと低い、少ない。これは沖繩のそういった社会構造なり医療機関の貧弱さというものをある面では浮き彫りにしている一つの証拠として申し上げた点でありますので、御理解いただきたいと思うのです。 そういたしますと、おくれてはおっても当初の総合病院に持っていくという構想は変わっていない。できるだけ一般の療養機能を持つ医療機関として宜野湾に現在建設されている病院は持っていく。その完成めどはどのくらいを見ておられるのですか。
○石丸政府委員 一応の目標でございますが、今後宜野湾につくります病院につきまして、その診療内容につきましてはできるだけ一般の診療機能を有するような整備を進めてまいりたい。ただ、これを国立病院にするか否かにつきましてはいろいろな問題がございますが、診療機能としては一般病院の機能を有する病院として整備を進めてまいりたいと考えております。 それで、今後の見通しでございますが、一応五十三年六月をめどに整備を進めておりますが、現在の状況で申し上げますとそれより少しおくれまして、五十三年十月からこれを開設できるというふうに考えております。
○上原分科員 できるだけこれ以上おくらさないように特段の御配慮を賜りたいと思うのです。 それと、先ほども僻地医療の問題などいろいろお触れになりましたが、きょうは開発庁は来ていらっしゃらないかと思うのですが、私は、医療問題に力を入れておるというわりには予算の裏づけが非常に少ないと思うのです。沖繩開発庁関係で保健衛生対策費として、五十二年度、今年のいま審議されている予算まで入れて、私の資料、ほぼ間違いないと思うのですが、正直申し上げて、約六カ年間で三十一億一千四百万円にしかすぎないのです。これでは格差是正ということは……。もちろんそのほか厚生省関係のものもありますのでそれだけでは言えませんが、医療関係の予算という面では余りにも少な過ぎるような感じがしないでもない。さらに僻地医療の面についても、これは厚生省と開発庁を含めての数字ですが、まずその前に、今年度は僻地医療対策費は厚生省関係ではどのくらい割り当てられることになりますか。
○石丸政府委員 僻地医療対策関係費といたしまして、厚生省の方で来年度予算に計上いたしております数字が一億三千八百五十九万八千円、かような数字になっております。
○上原分科員 一億三千万というのは全国的な僻地医療対策費ということですか、沖繩関係だけですか。
○石丸政府委員 沖繩関係だけでございます。
○上原分科員 それを入れても、大臣、お聞きになっていただきたいと思うのですが、昭和四十七年が八千一百万、四十八年が八千六百万、四十九年が七千七百万、五十年が一億、五十一年が九千六百万、いまおっしゃった五十二年が一億三千万。四十近くの有人島の離島を抱えて僻地医療ということに非常に力を入れているわりには、今度の予算を入れても六年分で五億七千万くらいにしかならないのですね。もちろん、予算さえつければ私はすべて解決するとは言いませんが、しかし、一応の目安として言えるのは、大体そういう面からもどれだけ政府なり関係者が熱意を持っておられるかという一つのバロメーターにはなるわけですね。そういう点で、いま少しそういった予算措置についても十分関係者と御協議をいただいて御配慮を賜りたいということ、これが一つですね。 もう一つは、中央病院の施設を充実させていきたいということでしたが、幼児の心臓手術の問題で、これまで本土に送り出して手術をしておったわけですね。しかし、医療技術としては、中央病院などは多くの関係者が指摘をしておられるように非常にすぐれている。むしろある面では本土の公的医療機関よりもりっぱだという評価さえあるわけですね。そこで、この心臓病手術も集中治療センターさえ完備をすれば、主に手術後の看護の問題、集中看護の問題が看護婦さんとかそういう面であるようですが、やれば十分沖繩の中央病院でできるということを専門のお医者さんの方々が言っておられるわけですね。そしてまた、不幸にしてそういう子供さんをお持ちの方々も非常にそのことを要望しておられる。このことは早急に実現をしていただきたい。 いまの二つの点について事務当局の御答弁をいただいて、さらに、冒頭申し上げましたように、これだけ医療問題が多くありますので、ぜひひとつ厚生大臣としても沖繩の実態というものを御理解をいただいて、積極的な対応策というものを講じていただきたいということについて所見を賜っておきたいと思うのです。
○石丸政府委員 まず事務的な御答弁を申し上げたいと思います。沖繩の中部病院につきまして、その整備——この沖繩中部病院はアメリカのシステムを取り入れた、ある意味においては本土の病院よりはるかに進んだ病院でございまして、特に救急医療については非常に大きな実績をおさめている病院でございます。そういう意味におきまして、特に心臓外科の設備の問題というふうにとったわけでございますが、ICU、CCU、そういった特殊な機械設備の整備につきましては、今後県当局の方と相談をいたしまして、できるだけの御援助を差し上げてまいりたいと考えております。
○渡辺国務大臣 沖繩復帰後、開発庁等もこしらえて、沖繩に対しては内地以上に、いろいろな御要望があり、おくれておるところもございますから、政府全体としても力は入れております。入れておりますが、それでも不備である、確かにそう言われる点もございましょう。ございましょうが、今後ともできるだけそれは立ちおくれの解消に努めてまいりたいと存じます。
○上原分科員 時間が来ましたので終えますが、そうしますと、いまの中央病院で心臓疾患小児の手術をできるような手だてを政府としても関係者と御協議の上でやっていく、この点はそういう方向で御検討いただくということで理解してよろしいですね。
○石丸政府委員 そのとおりでございます。
○上原分科員 これで終えますが、大臣、できるだけ努力をしていかれるということですが、前厚生大臣も沖繩現地に出向いて、なるほどこれだけいろいろ問題があり格差もあったかということをしみじみお述べになった経緯があるわけですね。ぜひひとつ現地の実態なども国会の合間を見て視察をされて、私がいまさき時間の都合でたくさん申し上げられませんでしたが、少なくとも人間生活にとって不可欠な医療問題あるいは社会福祉、そういったことについてはぜひひとつ政治の場で芽を出させるように特段の御配慮を改めて要望して、質問を終わりたいと思います。
○笹山主査 次は、有島重武君。
○有島分科員 虫歯の問題を取り上げます。 お手元に表を差し上げたのですけれども、これは社会問題として新聞等にももう取り上げられているわけでございますが、昭和二十年代には大体小中学校のお子さん方の四〇%が虫歯であった。ところが昭和四十八年をピークといたしまして九〇%を超えて九五%になろうとしておる。これは、小学校の学童は五十年の調べですと一千三十六万四千八百五十五人いらっしゃるそうです。中学校の方は四百八十一万、高校が四百四十万ということで、約千九百万を超える方々の九五%、これは大変なことであります。 そこで、もう一つの図の右の方を見ていただきまして、これは農林省からいただいた砂糖の消費量でございます。昭和二十五年、これが一年間に国民一人当たり砂糖の消費量三キログラムまでになった。それ以前は戦後でもって、砂糖なんというのはほとんどお薬のような貴重品であったわけですけれども、これがぐんぐんとふえまして、昭和四十八年には二十八キロを超えました。私どもは、大人は余りお砂糖を食べないと思うのです。そうすると、これは国民平均でございますから、やはりお子さん方の方がたくさん砂糖類は食べておる。これを見ますと、ほぼ自分の体重に相匹敵するほど砂糖類を食べておる、そういう実態があるわけです。 ところで、私はこの問題に注目して、去年も文教委員会でもって取り上げました。ところが、いままでの政府の御見解では、砂糖のことに関する限り、これは糖分が多いということではなくて、歯の間に糖分が沈着する、腐食しやすいようなものがそのままになっておる、そういう御見解をとっていらっしゃる。それは私よく承知しております。厚生省の方もそういった御見解でいままで虫歯の予防に努めていらっしゃったと思います。その点は間違いございませんね。虫歯については、これは歯に沈着する糖分、この影響である、こういった説をずっととっていらっしゃるわけですが、そういった説はいつごろからとっていらっしやったのか、まずこれは事務当局から承りましょう。
○石丸政府委員 虫歯の発生の機序につきましては、いろいろ学界でも問題になっておるようでございます。(有島分科員「時間がないから簡単に。いつごろからですか」と呼ぶ)戦後間もなくのことのようでございます。
○有島分科員 次に歯ブラシと歯みがきの表が出ておりますけれども、そういう説に立って文部省の方もあるいは厚生省の方も努力なさったにもかかわらず九五%に達しました。それ以後はその御努力が実ったのかどうか知らないけれども、グラフが横ばいになっております。これは別に、横ばいになったのは手柄というよりは、一〇〇%以上は出ないわけですから、これは御努力がかなったのかどうか知らぬ。 そこで、砂糖の消費量と虫歯ということについての調査は全然なさってないというお話なんだけれども、厚生省は全然なさったことがないわけですか。
○石丸政府委員 厚生省の調査としては、そういった調査結果は存じておりません。
○有島分科員 厚生大臣、なぜやらぬのだろう。私は、二千万近くの虫歯のお子さん、生徒さん、学生さん、この方を代表して厚生大臣に、いままで戦後三十年にわたってやってこられた、歯に沈着する、その説に基づく歯ブラシ、この予防というもの、これも私はあながち全部が全部だめだとは申しませんけれども、結果はこのようなありさまでございますから、ぜひとも砂糖、糖類の摂取量と虫歯、こうした関係について調査をしていただきたい、これをお願い申し上げたいわけであります。いままでは厚生省も文部省もその種類の調査を全然してなかったわけです。なぜしてなかったということはいまここでは問いません。だけれども、厚生大臣、これはお願いなんだ、お約束をいただきたいわけです。
○渡辺国務大臣 御質問の趣旨は、そうすると砂糖のなめ過ぎだから虫歯が多いのじゃないかという心配ですね。結局、歯に沈着するということよりも、体内に砂糖を余計とるから、だから歯の弱い子供ができるのじゃないか、そういうものの調査をしろと。非常に学問的なことでよくわかりませんが、世界でそういう学説があるかどうか、それは一遍調べさせてみたいと思います。
○有島分科員 調査をそれじゃしていただく。 それじゃこれもお願いです。主査にも特にお願いですけれども、だれに頼んで、どういう調査をいつから開始するか、その経過を御報告いただきたいわけです。文献による調査ということもございましょう。世界にどんな学説があるか。世界に学説がないから、だからやめましたというわけにはいかないでしょう。また、実験に取りかかれば一年、二年というわけにもいかないかもしれません。しかし、これは調査すべき事項ではないかと私は思うわけです。いま幸い力ある厚生大臣がお約束いただいたのですから、私どもは大変期待を持って臨みますので、主査、厚生当局ないしはまた別なところにわたるかもしれませんけれども、いつから、だれに依頼して、どういうふうに調査するか、そのことをひとつ予算委員会を通じてお願いいたします。
○笹山主査 承知いたしました。
○有島分科員 その次に、日本の国はたくさんお薬をつくっているというお話なんですけれども、大体年間どのくらいのお薬がつくられているか。厚生大臣は御承知であろうと思うのでございますが、昭和五十一年は二兆一千六百十八億円、この数字に間違いはないでしょうか。
○八木政府委員 ちょっと薬務局長がおりませんので、私どもで知っている限りお答え申し上げたいと思いますが、昭和五十年におきます生産金額につきましては約一兆八千億でございます。五十一年につきましては一月から九月までの数字しかわかっておりませんが、一月から九月までで一兆五千八百億ということでございます。
○有島分科員 それではもう一遍伺います。二兆一千六百十八億、この程度であろう、二兆一千億から二兆二千億の間くらいであろう、そうした推計はあながち見当外れではございませんね。私は、薬事工業生産動態統計年報、これに基づいていま申し上げているわけです。この推計について、これは全く有島さんのでたらめやということにはいきませんね。その点はどうですか。
○八木政府委員 五十一年の一月から九月の数字を申し上げましたが、大体その程度であろうというふうに思っております。
○有島分科員 いま一兆円減税で大変騒いでいるわけでございますけれども、そのうちどのくらいの薬が本当に使われているのだろうか、どのくらいのお薬が捨てられているのだろうか、そういうことにつきまして、内閣総理大臣官房広報室から医療に関する世論調査というのが出ておりまして、これを拝見いたしますと、あなたは医者にかかって医者からもらった薬を、平均して、使いますか、残りますか、かなり残りますか、そんなようなアンケートがございます。これによりますと、全部使って飲むというのは三九%の方々です。あとの方々は薬を大部分残していらっしゃるということでございます。これはアンケートです。渡辺さんのおうちにもお子さん方や御家族の方がいらっしゃるわけで、やはり医者にかかることもあるでしょう。お宅でも恐らくもらってきた薬が残って、あっちこっちにおありになるということはあるでしょう。ここにいらっしゃる事務担当の方々も皆、御家庭に帰ればその覚えがおありになると思うのです。 そうして、これは私はある専門家、名前を言うわけにはちょっといかないのだけれども、かなり権威のある三人の方に別々に伺いました。それで、いま捨てられている薬の総量は、今年推計五千億から六千億の間であろう、そういう結論でございました。この推計がでたらめなものであるか、あるいは別な推計があるならばそれを言っていただいてもよろしい。いかがでございましょうか。
○八木政府委員 非常にむずかしい問題でございますけれども、確かに先生御指摘のように、総理府で行いました世論調査の数字というのがございまして、これはある意味では、アンケートということでケーススタディー的なもので、正確かどうかという点もあるかと思いますけれども、その場合に、御指摘のように、全部使う、ほんの少し残るというのが六五%でございまして、三分の一残る、半分残るというのが二七%ぐらいでございます。(有島分科員「簡単に、推計のオーダーが違うかどうか」と呼ぶ)そういう推計はございません。そこでただ、病状等によりましていろいろ違いますし、それからいろいろな意味で問題がございますのは、お医者さんが予期した以上に早く治ったという場合もございます。それから飲み残したという場合もございます。そのほかいろいろな要因があろうと思いますけれども、現実にはそういう面については把握しておりません。
○有島分科員 私がいろいろ承った、身近なところで数十人の方々、あるいは百件以上に上るかもしれません。いろいろな方、団地に住んでいらっしゃる方だとか、あるいは農村地帯の方だとか、いろいろな方から私は個別にいろいろ聞いてみたいのです。それで、専門家がおっしゃるのは、五千億から六千億であろう、三分の一程度であろう。もっと大きな数字を言われた方もいらっしゃいましたけれども、捨てられているものは少なくとも百億のけたではない、千億のオーダーであるということは、私の調査の上では出ているわけです。それを、そうではないという根拠を厚生省はお持ちになっていらっしゃらないわけです。これも何らかの調査をなさるべきじゃないかと思います。それが一つです。 それで、ここは予算委員会でございますから、厚生大臣から、このような警告があった、あるいは報告があったと、——このことは大蔵大臣にとっても、六千億のお金というのは小さな金額ではないと思います。必ず厚生大臣から大蔵大臣にこのことはお話ししてください。そして、大蔵省の方でもって、それではこういった問題については本当に調査しなければならぬかもしらぬ、あるいは何らかの手を打たなければならぬかもしらぬ、あるいはこれはしようがない問題なんだ、薬というものはそういうものなんだというならば、そういった御結論をしかるべき根拠をもってお出しいただかなければ、これは国民のだれもが、こんなことでいいのかしら、こんなにお薬をもらってきていいのかしら、ただでもらえるからと思うけれども、結局はこっちが払っているんじゃないかしらというふうに心配していることでございますので、ぜひともひとつアクションを起こしていただきたい。大蔵大臣とも御相談いただきたい。お願いいたします。どうですか。
○渡辺国務大臣 薬の問題は二つあると思うのですね。一つは、あなたが御指摘になったように、必要にして十分な量を医者がくれるはずなんだけれども、その中で要らないというか、余っちゃっている薬があるんじゃないか。だから、必要以上の薬を与えられているむだがあるのではないかということが一つだと思うのですよ。もう一つは、捨てられるべくして捨てられる薬もあると思うのですよ。言うならば、家庭常備薬のようなものは、これはいざというときのために買っておくわけでありますから、買ってはおいたけれども余り長いこと使わないということになると、、果たしてこれは毒になるかどうかもわからぬから、余り古い薬は捨てちゃって別に新しい薬をまた備えておこうかということもあります。したがって、当然捨てられるべくして捨てられる薬もある。しかし、その薬はむだと言えばむだだけれども、むだを承知で、本当は使わない方がいいわけです、病気にならずに済んじゃったんだから。それは別として、医者の投与する薬について、要するに過剰投与があるかどうかということについては、これはなかなかむずかしい問題ではあるけれども、何で過剰投与になるかという原因を少し考えていく必要は大いにある、私はこう思っています。
○有島分科員 いまのは厚生大臣のお立場であろうかと思うのです。六千億という金額は、大蔵大臣としては見逃しにならない金額であろうと思うのです。ですから、その理由はいろいろおありになるかもしれない。その理由をどのように調査するかということば今後の問題で、私は専門家でないから、どういう理由でそうなるかということはわかりませんけれども、調査すべき問題ではないか、こう御提言申し上げるわけです。大蔵大臣と御相談いただけますか。そしてお答えをいただけますか。
○渡辺国務大臣 大蔵大臣と相談をするというよりも、実態的にどれくらい、投与された薬、もらってきた薬でむだが出ているかということは、これはもうよくそういうことを言われているわけですから、金頭がどの程度になるかわからぬけれども、私は実際のところかなりあると思うのです。何らかの形でそいつは調べるように、正確な調査ができるかどうかわかりませんが、非常に関心を持っていることでございますから、何らかの形で概算的にもわかるような工夫はしてみたい、こう思っています。
○有島分科員 そうすると、大蔵大臣とは御相談なさらないと言い張るのですね。
○渡辺国務大臣 大蔵大臣と交渉といいますか、相談をする前に——私がすぐいまから大蔵省へ行って、大蔵大臣、ともかく薬が五千億余っているというんだけれども、これを調べることをうまくやろうじゃないかと言ってみたところでこれは始まらないことですから、まずわれわれの省の中でそういうことを一遍検討してみたい。非常に関心を持っておりますということです。
○有島分科員 このことは関心を持ち続けてずっと数年来きたわけですよ。しかし、この六千億というお金はやはり大きなお金だから、ひとつ金額の問題としてお考えいただく。それでほかの細かい問題については厚生大臣が役所を使って調べよとおっしゃればいいわけじゃないですか。このことは厚生大臣としては、こういった話が出ちゃったよ、だからということをとにかく報告しましたというところまでは私も報告をいただきたい。いかがですか。
○渡辺国務大臣 それは大蔵大臣とは週に二回閣議で、私のすぐ隣ですから、実はこの間の予算分科会でこういう話があった、公明党の調査によるとともかく五千億も余っているそうだ、確かにそういう話は世間でも聞くから、これはひとつどうなんだと言えば、大蔵省の方はもっと関心を持つと思いますよ。だけれどもそれは君の方で調べてくれという話に決まっているんだから、実際の話が。どうして調べるのか、大体の下話もしないでは……。ともかく私が大蔵大臣に言うのは言いますよ、それはすぐ隣ですから。
○有島分科員 じゃ、主査にお願いいたします。大蔵大臣の方から、この話は確かに聞き届けた、そして厚生省とも相談して一つのアクションを起こすという話である、その辺のところまではひとつ御報告をいただけるようにお取り計らいいただきたい。お願いいたします。
○笹山主査 承りました。
○有島分科員 そこで、次の問題です。 消防士とお医者さんは仕事が多いのは自慢にはならぬですよね。ところが、もし消防士が点数に換算いたしまして、便所は幾ら、流しは幾ら、押し入れば幾ら、天井は幾ら、何点、何点と、こうしたとするのですよ。そうすると、これはいろいろな変な話ができてくるのじゃなかろうか。あるいは放火魔と結託する、ということはないと思うけれども。お医者様の方は点数を何点、何点というふうにしないと、これは生活できないわけですね。それで何点、何点というのは、まさに薬を幾ら使ったかということが大部分入っている、こういつたことはあるわけです。そこで、いまお医者さん自身、町医者さんがどのくらいの時間を点数表記入に使っていらっしゃるか、厚生大臣は御存じでしょうか。事務量……。
○八木政府委員 いま、皆保険でございますので、すべて診療報酬は請求明細書という形で、審査も支払いもそれで行われているということで、確かに先生御指摘のように、お医者さんの請求事務にかかる時間というのは大変であるということはわかりますけれども、具体的に現実にどの程度ということは承知しておりません。
○有島分科員 私たちとしては、お医者様は一生懸命勉強してもらって、あるいは少しでも長く診療してもらって、そして疲れたような顔をしないで、いつもこちらが見ても信頼が持てるような顔をしていてもらった方がいいわけですけれども、大体一カ月に患者数が二千人程度のところ、カルテの枚数が六百枚程度のところでもって、この処理事務に百六十二時間はかかっているそうです。そのうち医師自身がタッチしてやっておるのが三十三時間、それから医師の研究時間というのが三十時間、これは学会に行くのの往復の時間なんかも入っている。これは一例でございます。大分まちまちでございまして、医師の事務時間が一カ月十時間程度という方もいらっしゃいます。それからひどいのは六十時間程度使っているのもいらっしゃる。こうした実態をひとつ御承知いただきたいわけです。 そこで、医師の点数制ということについて、これはどうしても矛盾があるんじゃないだろうかと、私は素朴に思うわけです。お医者さんもそう言っておる。だけれども、これはそれよりうまい方法が見つからぬからこれをやっているということになろうかと思いますよ。厚生大臣も、この点数制というものには制度自体に矛盾がある、さっきの消防の話じゃないけれども、確かにこれは点数制自体に矛盾があるということをお認めになるかどうか。矛盾があるからすぐやめろとは私は言いませんよ。これよりかいい方法というのがなければしょうがないけれども、その矛盾点ははっきりと見きわめないと、これはちょっと使えない。使えないというか、使ったときに弊害の方が多過ぎるということがあるわけです。点数制の矛盾点はこれとこれとこれだ、これさえ注意していればまあまあ無難に使えるだろうというような話ならばいいわけです。これが矛盾ございませんということになりますと、これはもう危ないということになるのですけれども、厚生大臣としても、ぼくの話は素朴な話で恐縮だけれども、この点数制自体に矛盾点が確かに認められるとおっしゃるかどうか、いかがでございましょうか。
○渡辺国務大臣 これは自由社会の中で一つの、統制経済じゃないけれども、価格を規制して日本国じゅう同じ値段でやらしているわけですから、そういう意味においては、それは矛盾というかどうか、不満もあるんですよ。上手な医者にかかってやってもらった場合も下手な医者にかかってやってもらった場合も料金は同じだというような点で。それは同じ値段しか取れないわけですから。だから、すし屋だったら、あんなにすしを食べたのをどうして覚えているんだろうと思うと、顔色を見て取ってしまえばいいわけだからね。あれはすしが高くたって、顔色で、そんなに覚えているわけないじゃないかと思うくらいのこともできるわけですよ。自由社会、高ければ行かなければいいんだからね。しかし、医者の場合は、やはり公費をもって支払うという保険制度というものがございますから、それを守っていくためには多少のそういうような矛盾というものは、これは全体から見たらばやむを得ない、かように思っております。しかし、できるだけ解消できるものがあればそれは解消するように講じていきたい、こう考えます。
○有島分科員 これで終わりますけれども、矛盾があるということはお認めになっているわけですから、どういった点、どういった点、どういった点が矛盾なんだ、その中でもって一番大きい影響力を持つ点はこの辺だろう、こうだろうということをひとつ分析をなさって御報告いただきたいと思います。これは厚生省でできることです。お願いいたしますけれども、いかがですか。御報告いただきたい。これも宿題です。
○渡辺国務大臣 これは余り細かいことまではわかりませんけれども、いま言ったように、それは老練な大学の先生をやっていた人にかかっても同じ点数だし、きのう学校から出てきたお医者さんにかかっても同じ点数だというのはいいんだろうかという素朴な、矛盾というより素朴な疑問と言った方がいいのかしらぬが、そういうこともありましょう。薬価基準にしても、いままでは高い薬を買おうが類似した安い薬を買おうがそれは同じ点数だというようなのもそうでしょう。それから手術等においても、同じ病気の場合、少し手おくれぎみのやっと早期発見のやっと同じ点数でやるという場合等も一つの問題点でしょう。だから、そういうようなことはある程度のことは書けると思います。調べられます、そんなむずかしいことじゃありませんから。
○有島分科員 ここで承っていると時間が長くなりますので宿題にしておきますから、これもひとつ御報告をいただきたいと思います。お願いいたします。 ありがとうございました。
○笹山主査 次は、柴田健治君。
○柴田(健)分科員 私はハンセン氏病に関連をしてお尋ね申し上げたいのだけれども、いろいろ種目はたくさんあるわけですが、特にこの施設整備に関連をしてお尋ねを申し上げたいと思いますが、いまこの施設整備の状況はどうなっておるのか。現状は、昨年は施設整備費十五億円の予算措置をした。五十二年度予算では十九億五百万円という予算措置をしておられるようですが、この予算措置で今後何年かかるのだろうか、この点ひとつはっきりしておいていただきたい、こう思いますので、お答え願いたいと思います。
○石丸政府委員 国立らい療養所の施設整備につきましては、従来からいろいろその整備に努力いたしておるところでございまして、その整備につきましては、やはり必要度に応じて順次これを実行している段階でございます。それで、重症病棟について申し上げますと、おおむねすでに整備を完了した状況になっておろうかと考えます。現在、不自由者病棟を中心にいたしまして整備を進めている段階でございまして、この不自由者病棟について申し上げますと、昭和五十一年度末までに約七四%の整備が完了するという状況でございまして、残りの部分につきましても引き続き整備を進めてまいりたいと思っております。 それから、重症病棟、不自由者病棟以外のところにつきましては、いわゆる軽症者病棟あるいは職員宿舎その他の部分につきましては、これは保安度、老朽度等を考慮いたしまして、予算の範囲内で、緊急度の高いものから逐次整備を進めている、こういう段階でございます。
○柴田(健)分科員 不自由者病棟が七〇%ぐらい完成をする、こう言っておるのですが、われわれの見るところではそこまで行ってないのではないか、こう思うのです。いま全国にらい患の療養所が十三カ所あるわけですが、十三カ所で五十一年度、五十二年度、五十三年度、三カ年計画を立てておるようですが、この三カ年でこの施設整備費がどれだけ要るのか、厚生省はどう把握しておられるのか。
○石丸政府委員 不自由者病棟につきましては、特に最近患者の老齢化が目立っておりまして、従来の計画から申し上げますとただいま御説明申し上げましたように七四%という数字になっておるところでございますが、なお今後そういったいろいろな状況の変化等も考えてまいりたいと考えておるところでございます。それで、五十二年度予算におきましての不自由者病棟の整備でございますが、本土につきましては四百三十八ベッド、それから沖繩分につきまして百ベッド、計五百三十八ベッドの整備を考えておるところでございまして、この五十二年度以降に整備を必要とするベッド数で申し上げますと、本土分が千四百、沖繩分が二百二十、かような数字になっております。
○柴田(健)分科員 施設ということになれば、種目が大分あるわけですがね。老朽化しているし、先ほど言われたように保安上非常に危険性の高いいろいろな施設、そしてまた排水施設もあるし、水道施設もあるし、職員の宿舎、また管理棟の改善等、たくさんあるわけです。いま管理棟でも非常に悪くなって、もう話にならないくらい老朽化しているところもあるわけです。これらの改善は後回しだ、こういうことで、とにかく患者の方を急ぐということで不自由者病棟の方へ全力を挙げた。その点は理解できるのですが、しかし、いまのわれわれが確認をしておるこの施設改善整備費というものはおよそ百億ぐらいかかるだろう、こう思っておるわけですね。特に十億以上かかるというのは、多磨全生園というのはもう十三億円ぐらいもぶち込まないとやれないのではないだろうか。また大島の青松園にしても十一億四千万円ぐらいかかるのではないか。また長島愛生園、これも十億円。菊池の恵楓園でも十二億円以上かかるのではなかろうか。われわれはこういう確認をしているわけですが、この点で各園ごとの施設整備費がどの程度要るというふうにいま厚生省では確認をしておるのか、ひとつ園ごとに説明願いたい。
○石丸政府委員 いま、らい療養所は非常にたくさん、十数カ所あるわけでございますが、その各園の必要整備額というものをここに持っておりませんし、また、必要度というものの算定にはそれぞれまたいろいろな考えがあろうかと思うわけでございまして、そういった点につきまして現在われわれは数字を持っておりませんけれども、このらい療養所の施設が老朽化している現状にかんがみまして、今後鋭意その整備に努力してまいりたいと考えております。
○柴田(健)分科員 局長、非常に無責任というか、やはりそれぞれの園の現状把握、価額評価をして十分把握しておらないと、特に大蔵省との折衝ではその都度その都度思いつきの折衝になるし、そしてまたつまみになってくる。そういうつまみ配分方式のような折衝になるということは、患者にとっては非常に理解できないし、割り切れないという気持ちを持つのではないだろうか。長い間虐げられて、そして押し込められて、施設整備がもう何としても緊急課題だとして、われわれ議員懇談会としてもこの施設整備に全力を挙げて、厚生省にもお願いをして大蔵省折衝をやって、毎年それを繰り返しておるわけです。ところが、その肝心かなめの局長が各園ごとの施設整備費がどのぐらい要るという数字を確認していないというのはおかしいので、私が質問することはわかっているはずだから、もうわれわれでもわかっているわけだから、確認をとってほしい。局長がそれを確認していない、資料も手元に持ってきていないというのはおかしいのですね。それはどういうわけですか。
○石丸政府委員 らい療養所あるいはそのほかのいろいろな医療施設につきまして、その整備計画をそれぞれやっておるわけでございますが、やはり、らいにつきましてただいま先生御指摘のような特殊事情があることはよく存じておるところでございます。ただ、やはり限られた財政の中でいかに効率的にこれを整備していくかという問題になるわけでございまして、結核あるいは精神、そういった療養所に比べますと、このらいにつきましてはわれわれも重点的に従来から整備費を要求いたしておるところでございまして、今後ともそういった面につきまして努力してまいりたいと思います。各園からわれわれの方に申請の出ております整備計画の額につきまして、これは五十二年度の数字をとっておりますが、一応各園ごとの数字はございますが、非常にたくさんの項目に分かれての要求でございまして、総額で申し上げますと、各園から出ておりますのが四十五億というような数字になっております。
○柴田(健)分科員 私たちはいま当面、五十一年、五十二年、五十三年、三カ年で約百億ほどぶち込んだら、大体ある程度の要望が達成できるのではなかろうかと思う。こういう施設整備計画の目標額というのを確認をして、その線に沿うて予算要求というか、ぜひ五十二年度ではこれだけ組んでもらいたい、こういう要望を強くお願いをしてきたが、大蔵省の査定なり厚生省の折衝のぐあいを見ておると、努力はしておる、その努力に対する敬意は表さなければならぬ、感謝はしておるのですが、どうも査定の段階で非常に低く抑えられるというのは、基礎的な数字というものを厚生省が十分理解していないのじゃないか。それぞれの園には園長という責任者がおって、管理者がおって、もう年じゅう三百六十五日苦しんでおられて、どこを改善する、どこを改築するというように、毎日ながめておるその管理者がおるわけでしょう。その管理者から本省の方に報告をして、それを基礎に置いて予算折衝をする。それがなされておるのに、なぜこういうふうに低く抑えられるのだろうかということです。ただ、他の省、他の事業、他の公共事業、そういうものの均衡論で抹殺されてしまうのではないか。この予算については他の予算との均衡論では解消できない。他の省が何%伸びたから厚生省が何%、厚生省の中でもこのほかが何%伸びたのだからこのらいの方は何%でしんぼうしなさい、そういう均衡論で予算措置をすると、これは何年たっても改善しない、こう思うので、私は均衡論をとるべきではないと思うのですが、大臣、この点についてどうです。
○石丸政府委員 まず事務的に申し上げたいと思いますが、われわれもこのらい療養所の施設整備につきましては非常に努力を払っておるところでございまして、先ほども御答弁申し上げましたように、他の医療機関に比べますと非常に大幅な要求をしておるところでございます。したがいまして、われわれも均衡論で論じておるわけではないわけでございますが、今後とも各園のそういった希望を取り上げまして、できるだけ各施設の要望に沿えるよう予算獲得に努力してまいりたいと考えております。
○渡辺国務大臣 この国立療養所の中で、らいとか結核というようなのは非常に少なくなってきておるわけですよ。そのために、少なくなってきているものだから施設を持て余しているというようなところも実際にはある。私のところにも実はあるのです。そういうようなところが積極的に、どういうふうにこれから病院を変えていくのかどうかというしっかりしたことが決まっているのかどうか私は知りませんが、そういう点で手おくれがあると思います。現に私のところにもあるのですから。ですから、それは病院の性質を一部残しながら一部変えるか、あるいは別なものに変えていくかというようなことは、全体としてこれはよく研究をしていきたい。そして、放置されるということが少なくともないようにそれはしていきたいと思っております。
○柴田(健)分科員 この問題は均衡論で予算措置はしてもらいたくないというわれわれの気持ちがあるわけですから、この点については今後も十分配慮してもらいたい、こう思います。何としても施設整備は最重点的に今後も努力して改善をしてもらわないといけないという気持ちでお願いを申し上げておるのです。 それから、患者は減ってくるという。減ることは非常にありがたいことだと思うので、これはふえたら大変なことなんです。とにかく看護職員なり医師について厚生省が努力をしておられることはよく理解できるのですが、この充足をどうする、補完をどうするかということです。患者は老齢化してくるし、目が悪い、耳が悪い、いろいろ複合的な病気が出てくる。これらの治療についてはそれぞれの専門医が必要なんですね。らい患であるからといって、らいの専門医だけで治療できるものではない。それらの専門医をそれぞれ派遣をする、職員をふやしていくということは並み大抵のことではないけれども、一方では救急業務でいろいろなチームワークをとって、夜間だとか休日だとか、病院を指定していろいろ対策を講じていこうとしておるわけですね。だから、らいでも、ハンセン氏病患者の対応策についても、医師なり看護職員が十分でないとするならば、別の何らかの方法でいつでも診療ができるような、そういう対応策はとれないものだろうか、こういう気持ちをわれわれ持っておるのですが、これらについて新しい対応策というものを厚生省は考えておるのかどうか。一番好ましいことは医療職員をふやしていくことだけれども、そう簡単にふえない。ここに弱さがある。ふえなければどう対応していくか、その新しい構想があれば聞かせてもらいたい、こう思います。
○石丸政府委員 国立のらい療養所におきます職員の増員の問題でございますが、これは大きく分けて二つの職種に分かれるのではないかと思います。医師とそれからそのほかの職種とに分けて、大分様相が違うというふうに考えておるところでございます。 医師以外の職種、特に看護婦の増員につきましては、やはり患者の老齢化に伴っていろいろな必要が生じてきておるわけでございまして、そういった患者の介護、あるいは患者付き添い、あるいは患者作業の切りかえ、そういったことに伴う増員につきましては従来からも大いに努力いたしておるところでございまして、この方の増員についてばある程度計画的に進めてまいっておるところでございます。 ただ、医師の増員につきましては、定員を幾らふやしましても現実にはなかなか医師を得られないというような状況で、現在、五十二年三月一日現在の数字で見ますと、定員百二十九名に対しまして百十一名というような数字にはなっておりますが、これは医師の確保がなかなか困難であります。特に現在のらい療養所におきます医療を考えてみました場合には、従来のようならいの医療ではなくて、らいは治ったけれどもいろいろな後遺症を持っている、そういった後遺症に対する治療、一般の医療が必要だというふうに考えるわけでございまして、こういった医療に対しましては、従来からもやっておるところでございますが、外部からそういった専門医を派遣する、来てもらうということ以外には現在のところ方法がないのではないか。これは、同じ国立でございますから、患者を他の国立病院に移まして、そういったいろんな整形外科の手術等をやることも考えておるわけでございますが、偏見をなくせと言っておりましてもやはりまだいろいろなそういった社会的な制約があるわけでございまして、われわれといたしましては、従来からとっております他の医療機関かららい療養所に医師を派遣して治療を行う、こういう方向を今後さらに強化してまいりたいと考えております。
○柴田(健)分科員 医師も老齢化しておることは御承知のとおりですね。それから敏速な行動というか、場所が場所でなかなか口では言えない弱さというものがあるわけですね。それらをどう補強していくかということが厚生省のいま当面の重要な課題だと私は思うのです。医師が現場で充足できない。できなかった場合には、他の国立病院がいろいろあるわけですから、日赤でもいい、そういう病院から専門医、たとえば耳鼻科を何日に行かせるとか、眼科医を何日に行かせるとか、内科の専門医を行かせるとかということで、やはり当番医というか、そういうものを選定して、委嘱して、毎週いてもらうというように何らかの対応策を講じてやらなければいけないのではなかろうか。これらについての経費が要るわけですね。ところが、その経費がまことに十分でないから現地の園長は苦労しておるのです。たとえば岡山県の場合を見ても、長島愛生園は非常に不便である、交通が悪いものだからなかなか医師の派遣ができない。お医者さんもそう簡単にちょっと行ってくるというわけにいかない。国立病院がありながら、国立病院のお医者さんの応援というものが十分してもらえない。体制としてはできておるけれども、現実の問題としてそれに対応できるような医療、治療ができない、そういう弱さがあるのですね。それらをどう克服していくかということをもっと真剣に考えてやってもらいたい、こう思うのですが、局長、この点についてはどうですか。
○石丸政府委員 ただいま先生から御指摘がございましたように、他の医療機関から医師を派遣するという方法をとらざるを得ないわけでございますが、特に国立の療養所間の問題でございますので、他の国立病院あるいは国立療養所からそれぞれの専門医を派遣することについては、今後ともさらに努力してまいりたいと考えております。
○柴田(健)分科員 特に今後十分、施設改善とともにひとつ重点的に考えてもらいたい。 それから、いま賃金職員というのが数多くおりますね。これは安い賃金で気の毒なんですが、これも均衡論で、ほかの省にもそういうのがあってやむを得ないんだ、こう言われますけれども、地域手当がいろんな面であるわけですが、こういうらい療養所で賃金職員として働いておる、要するに臨時要員ですが、これは特別に考えてやらなければいかぬのじゃないか。ほかの省と同じような考え方ではこれは解決しないと思うのですが、局長、この点はどうですか。これは大臣とよく相談して、特別手当というような制度をつくってやったらどうかと思うのですが。
○石丸政府委員 従来から、らい療養所の職員につきましては、らいという特殊性で、他の医療機関の同種の職種の人たちよりはいろんな点でその処遇の改善に努めておるところでございます。ただ、賃金職員につきましてはそういった面でも他の職員に比べまして非常におくれていることは先生御指摘のとおりでございまして、今後ともわれわれ努力してまいりたいと考えておるところでございます。ただ、また余りこの格差をつけますとそちらへ集まったり、いろんな問題が生じようかと思うわけでございます。やはり、余り特殊性を強調するということも、こういった特殊な医療機関でございますのでどうかと思うわけでございまして、今後いろいろ園の方とも相談しながら、その対策の充実に努めてまいりたいと考えております。
○柴田(健)分科員 この賃金職員は、特にいろいろ歴史論を言うていくとまた問題が、あなたが言われるような意見も出てくるかと思うけれども、しかし実態面、原則論と実態論といろいろ考えてみなければならぬわけですが、とにかく今度予算措置で二千八百二十円ですか、非常に安い。話にならぬではないか。本当に優秀な人が来てくれない。園長さんは非常に困っておられると思うのですね。これは明年度の予算でぜひ改善をしてもらいたいということを強く要望しておきたいと思います。この問題についてはぜひ改善策を、大臣もひとつ十分踏まえて、渡辺さんがいつまで大臣をやられるかわかりませんが、ひとつやる限りは全力投球してもらいたい、こうお願いしておきたい。 それから、長島愛生園、この間十七号台風では非常に苦い経験で、われわれ消防の方でおしかりをこうむったのですが、あそこに橋がないものだから、緊急に海上保安庁の応援要請——警察無線施設もないし、有線は皆切断されてしまった。電話施設が全部水害で埋没して、電話も一週間も通じない。警察無線が全然ないものだから困ったのです。ああいう場合に、災害は予測しない災害が起きるわけですが、予測しない災害のために救援態勢がとれなかった。自衛隊も要請したのだが、自衛隊も行かない。最後は消防団にお願いをして派遣をしたのですが、その時分に船は動かないし、どうにもならない。橋がぜひ必要だということで、長年の懸案なんですが、あそこに橋をかけてくれ、四億か五億ぐらいの金だろう。ただ、厚生省が管理する国有財産なんですから、行政財産ですから、市や県が勝手に橋をかけるわけにはいかない。この架橋問題については長年の懸案だった。たまたまその十七号台風で非常に問題が大きく浮かび上がって、地元の要望も強くなった。これに対応してやるのが厚生省の一つの責任ではないか、こう思うのですが、この架橋問題について厚生省は当面どういう考えを持っておられるか、ひとつお答えを願いたい。
○石丸政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、現在らい療養所の施設整備につきましては、患者の生活の場としての、あるいは医療の場としての施設整備に重点を置いて整備を進めておるところでございまして、不自由者病棟等もまだ三〇%も未整備で残っておるというような状況でございますので、われわれといたしましては、現段階におきましては施設整備の重点をそういった患者関係の施設に置いておるところでございます。 邑久と長島とを結ぶ交通網といたしましては、現在療養所の船舶によってこれを行っておるところでございまして、昭和五十一年度におきましても大型の船舶を購入しておるところでございまして、現段階におきましてはそういった方法でやらざるを得ないというふうに考えておるところでございます。ただ、その架橋のことは、やはりいろいろな意味におきまして患者の福祉にもつながることでございます。これは国有地の云々の問題、ただいま先生からございましたが、やはり海峡そのものがそういった公有地というような問題もございまして、地元邑久町あるいは岡山県の方に、その実現方についていろいろ相談をしているという、かような現状でございます。
○柴田(健)分科員 時間がもう幾らもないのですが、とにかく調査費くらいは、本当に誠意があるとするなら、もう長年の懸案事項ですから、調査費くらいはことし五十二年度で厚生省が何ぼか見るだろう、こうわれわれは期待をしておったのですが、その期待も外れてしまった。厚生省が誠意を持って、責任を持ってその調査費を幾らかつけたということになれば、県も町村もそれにこたえていく態勢づくりというものを、また県も調査費を何ぼか組むであろう、こう私は思うのです。県の方にも連絡をとってみると、厚生省の方が調査費を幾らか組んでくれれば県もそれにプラスアルファで調査費を組みましょう、こういうところまで話はしてあるのですが、とにかく厚生省が調査費も組まずに、ただ机上論だけでいろいろな理屈を言うておるだけだ。誠意があるとするなら調査費を組むべきじゃないか、こう思うのですが、ことしは間に合わなければ明年度は調査費を絶対組む、どの程度調査費を組むか、調査費にもいろいろ額がありますけれども、せめてささやかな調査費でも明年度組みます、こういう答えがほしいのですが、この点、局長かもしくは大臣、ひとつお答え願いたいのです。
○石丸政府委員 いろいろあると思いますので、実はこの問題につきましてはわれわれ、建設省の方ともいろいろ相談はしておったところでございますが、なお地元の方とのいろいろな話を進めてまいりたいと考えておりますが、来年のことで、ここでお約束することはちょっとむずかしいかと存じますが、できるだけその実現に努力してまいりたいと考えます。
○柴田(健)分科員 来年のことを約束せいというのは無理かもしれないけれども、来年度までには、たとえば町村にはどういう呼びかけをするとか、県にはどういう、建設省との話はどうするとかいう大体の努力目標というものがなければ誠意があるとは言えない。どういう努力をするのか。日程をどう組むのか、明年度、五十三年度の予算までには、調査費を組むまでにはこういう詰めをやりますよ、こういう答えをお願いしたいのです。一言だけ……。
○石丸政府委員 ただいまここでその日程等をお話しするのにはちょっと用意が足りないわけでございますが、先生の御質問の御趣旨を体しまして、今後できるだけの努力を重ねてまいりたいと考えております。
○柴田(健)分科員 終わります。
○笹山主査 次は、野坂浩賢君。
○野坂分科員 厚生大臣にお尋ねをいたします。 一番初めに保育所問題についてお尋ねをしますが、厚生白書を読んでみますと、保育所の整備については、四十六年度に保育所緊急整備計画を策定をして、積極的にその施策を進めてきた結果、五十年度末には一一〇%の整備を行ってきた、こういうふうに述べられております。しかし、既婚婦人の就労が盛んになったので、また保育所の設置が偏在をしておる、適正に配置をされておるかどうかが非常に問題として残っておる、こういうふうに書かれて、五十一年の七月に実態調査をする、こういうふうに書いてありますが、今日その集約が大臣の手元に、あるいは局長の手元に参っておるのではなかろうか。まだ承知をしておりませんので、その結果を御発表いただきたいと同時に、ことしはたしか七百五十二ですか、七百五十六ですか、ちょっと途中から来たものですから書類を持っておりませんが、その程度の予算が今日出ておるわけですから、それはその結果を踏まえての要求ではないか、こういうふうに私も承知をしておりますので、どのような集約をされておるのか、まずお伺いをしたいと思います。
○石野政府委員 五十一年の七月に保育需要実態調査というのをいたしまして、現在実は集計中でございますので、その結果についてはできるだけ早い機会に発表いたしたいと思っておるわけでございます。 なお、五十二年度の予算におきまして七百六十カ所の整備をしたいという形で予算案には計上されておるわけでございますが、実は四十六年度から五十年度の五カ年計画につきまして、いまお話がございましたように一〇〇%以上の整備を行ってきた。しかし、よくよく見ますと地域によってかなり偏在がございますので、これを修正する意味と、それから特に都市部につきましてはかなりの不足がございますので、それを重点という意味で七百六十カ所の整備を来年行う、こういうふうにいたしたわけでございます。
○野坂分科員 まだ集約がされていないということですが、小さな子供ですから動き回るし、一人当たりの建築の平米は若干広くなったのですけれども、建築の基準単価が違いますね。五つに分かれておりますか。大臣の御出身のところは三番目ですね。真ん中のところですね。私のところは四番目なんですよ、鳥取は。第一の場合と第五の場合、第四の場合、違うというふうに係官はおっしゃって微細にやっておられるのですけれども、私たちが聞く範囲ではそう大きな差はないじゃないかというふうに思って、これはできれば高い方に寄せた方がいいのですから。栃木県の場合も東京都とはずいぶん違うなというふうには大臣もお考えになっているんじゃないかというふうに思っておるのですけれども、これはやはりこのように広げなければならぬものですかね。もうちょっと縮めたらどうですか、上の方に向けて。
○石野政府委員 従来の保育所の建築補助単価につきましては、実は三区分であったわけでございます。これにつきましては実は各地方の方からいろいろな要請がございまして、各県ごとの物価も違いますし、それから労務費等も違いますし、そういう意味でもう少し細分してほしいという非常に強い要望があったわけでございます。そこで実は今回、五十一年度でございますけれども、三区分を五階級に分けたわけでございますが、その際に一番私の方が参考にいたしましたのは実は文教関係の施設でございます。これは内容も大体似ておりますものですから、そこでその文教関係を見ますとむしろ六区分になっておりまして、上は百五から下は八十九・五というようになっているわけでございます。ところが保育所の場合はこれをもう少し、百に近づけたいという趣旨もございまして、財政当局とも折衝いたしまして、ようやく百五から九十二・五という五段階に分けたわけでございます。したがいまして、いまの鳥取の例を申し上げますと、文教関係になりますと実は九十二・四ということになるのですが、私の方は九十五という形でやや有利になっておる、こういうことでございますので、よほどの事情がない限りこの方式は私は合理性を持っている、こういうふうに考えているわけでございます。
○野坂分科員 合理性はあるでしょうが、厚生省は厚生省、文部省は文部省、建設は建設というかっこうで、あっちにいったりこっちにいったり、いろいろということになりますと大変ですから、政府部内としてはできるだけ統一をして、引き上げる方に、厚生省の方がいいのですからそれでいいということではなしに、今度は文部省を引き上げるという方向でぜひお願いをしておきたいと思うのです。 次に、私が一番思っておりますのは保母の定数の基準の問題でして、地方からも非常な要求があって、零歳児といいますか、未満児が六人に一人というのを、低所得者の場合は五十二年から三人に一人ということになっておりますね。この点と、三歳児は二十人に一人、四歳児は三十人に一人、たしかこういうことになっておったと思うのです。五つ子が生まれても育てるのに大変だということは全国民が認識をしているわけですが、低所得者の子供さんに限らず、その制限を取ったらどうか、こういうふうに思うのです。 それから、局長は地方からの意見を十分に集約をしてそれを善処していきたいということですが、三歳でも二十人に一人というのは、地方からの吸い上げをされた場合にはちょっとこういう集約にはならぬだろう。ただ、財政というものが一つの壁になる。だから一番の六人に一人のところを三人にということにしたんだという議論があろうと思いますが、この二十人というのも下げていくというのが、経験と体験と実績の上に立って全保母の皆さん方の要求となってあらわれておるということは大臣もよく御承知だと思うのですが、これについては、やはりその地方意見の吸い上げとそれの善処、具体化という意味では善処をしてもらわなければならない時期に到来をしておる、こういうふうに思います。理屈を言えばいろいろありますが、時間がありませんから、端的にその辺の考え方、これからの展望を踏まえて御答弁をいただきたい、こう思います。
○石野政府委員 御質問は二つあったと思いますが、一つは、保母定数の現行基準の問題、一般的な問題でございます。実は保母の定数につきましては、私どもに中央児童福祉審議会というのがございまして、そこでいろいろ議論をした上で意見具申をしていただいているわけです。その中でも、いまおっしゃったように保母定数につきましては三十対一あるいは二十対一、こういう、年齢によりまして区分をいたしておるわけでございますが、それを完全に四十四年から実施いたしたわけでございます。果たしてこれが一番正しい姿かどうか、これはいろいろな御意見もあろうかと思います。しかし、ほかの施設とのバランスの問題、あるいは同じような幼児教育をやっております幼稚園というような問題を考えてみた場合に、たとえば幼稚園で申しますと幼児四十人に対しまして一人、こういう配置基準になっておるわけでございます。そういうことを考えますと、私は現在の三歳児について二十対一というのが必ずしも合理性がないというふうには言えないと思うわけでございます。ただ、これで未来永劫にいいかとなりますと、これは確かに問題もありますので、今後さらにいろいろ専門の機関で御検討も願いますし、私どももよく実情も調査しながらさらに検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 それから第二は、乳児保育の問題にお触れになりまして、特に乳児保育特別対策の中で低所得者だけに限定しているのはおかしいのではないか、こういう御意見であったかと思います。問題は乳児をどう見るかということなんでございますが、御存じのとおり、乳児というのは疾病なり事故というものに対していわば非常に無力の存在でございますし、かたがた母親によります、スキンシップによります情緒の安定というような問題もあります。いろいろなことがございまして、私は、乳児というのはできるならば母親の手みずからで育てる、こういうことが必要じゃないかと考えておるわけでございます。ただ、問題になりますのは、母子家庭でございますとか、あるいはそのほかいろいろな特殊な事情の方がございます。そういう方につきましては、どうしても母親が働かなければ生活ができないということもございますので、そういうものに特別対策をやるべきだ、こういう考え方で実は整理しておるわけでございます。したがって低所得者に限る、こういうふうになっておるわけでございます。
○野坂分科員 審議会で二十人がいいか十八人がいいか、いろいろありましょうけれども、体験者である保母さんは、二十人は大変だよ、こうおっしゃっておるのです。私も見ておって、そうだな、こう思うのです。審議会では保母さん等も相当入ってやっておられるかどうか、私はよく承知をしておりませんが、どこに参りましても保母さんの場合は、二十人に一人なり三十人に一人というのはきつい、こういうことで、ちょうどいいと言う保母さんはありませんね。私はそういう意味で、厚生省としては審議会待ちではなしに、よく調査をされたらどうだろう、こういうふうに思うわけでありますが、さらに御検討いただいて善処の方向に向けていただきたいと思うのです。 私は保育所の最後の問題で、事業費ですね。措置費の中にいろいろ分離されておりますが、事業費の中には、三歳児は副食だけ、それからいろいろと折り紙とか画用紙とかクレヨンとか、そういう買うものがございますね。それ全体が、三歳児以上の場合は五十一年度は一カ月当たり二千五百八円だったのですね。来年度は二千八百三十八円、たしか要望されております。副食の場合は千八百二十六円だと思いますが、私たちは通常、日曜日はお休みなんですけれども、二十五日で割らないでこれは二十二日で割った計算をされておるのですね。二十二日というのはどういう根拠なのか。それからおろす場合は、一カ月二十二日として計算しておろすのかということと、副食は一日当たり、五十一年度の場合は八十三円ですか、五十二年度の場合は一食当たり九十二円ですか、それをちょっとお聞きをしておきたい、こう思うのです。二千八百三十八円という全体のものは、いろいろ維持費もありますから、それと副食と分けると、千八百二十六円が副食で残りの約七百円がそういう事業費といいますか、ガスコンロとかくみ取り料とか、そういうものに使われておるように私は承知をしておりますが、そのとおりでしょうか。
○石野政府委員 この事業、一般生活費と私の方は申しておりますけれども、第一に二十二日で割りましたのは、もちろん日曜日を除きまして、あと実際上子供さんが休まれる場合もかなりございます。それの平均の実績を出してみますと稼働していますのは二十二日、こういうふうになりますので二十二日を使用している、こういうことでございます。 それから、五十一年度、今年度の三歳以上児の給食費、保育費合わせまして約二千五百円、こういうふうになっておるわけでございますが、その中で保育費をどういうふうに使うかということにつきましては、園のいろいろなやり方がございますので、全部任せておる、こういうことになっております。できれば来年度も、一般の生活保護世帯の引き上げがございますので、その基準に準拠してこれも引き上げていきたい、こういうふうに実は考えておるわけでございます。
○野坂分科員 大まかに割りますと、五十一年度は八十三円と三十二円ということですよ。今度八十三円が九十二円になっておるのですね、一日当たりが。アップは一三%です。犬の場合は、警察犬の場合は三十七円八十三銭が五十六円四十八銭になって、一五二%にもはね上がっているのですよ。厚生省は警察庁とは違いますから。しかしまあ今日の物価高と生活費の上がり方、それに合わせておるのだということですが、九十二円で給食の副食をとっておやつをとっていくとどうなるか。任せておるということは、なかなか分けにくいから任せておるのです、あなた方は。そうしなければなかなか理論がかみ合ってこない。残りが三十円なり四十円、大体五十一年が三十二円で五十二年が三十六円になるのです。三十六円でやりますと、便所の場合ですけれども、水洗でないところはくみ取り料が月に大体三万円要っているのです。それからガスを購入します。それから折り紙、画用紙でしょう。筆、絵の具、クレヨン。これだと二十二日は平均でしょうけれども、現地だとこれは二十五日出てくるのですから。画用紙なんか買いますと一枚十七円かかります。 私がこの間参りましたら、大臣、元気のいいのは画用紙なんか破っちゃうわけです。先生が、ミチヨさん、だめですよ、そんなおいたをしちゃ、こういうふうなかっこうになりまして、そういう元気なのもたくさんおるわけです。そこで大変に変な筆を持っておるものですから、何ですかそれは、下さい、と言ってもらってきたのです。これなのです。(資料を示す)金がないと言うのです。それでいまごろわらをたんぼに行って拾ってきて、先生が針金で巻いてみんな生徒に使わしておる。特に元気のいいのにはこういうものでやらなければならない。コーヒーなんかを出しても、いや、これはとてもしわ寄せが大変ですから私たちの給与の中から出すのです、こういうかっこうで、ろくろくお茶も飲めません、町村財政はいまの段階きわめて圧迫しておりますから。もうちょっとゆとりがないと現実に保育は大変だ。おやつも含めて来年度九十円でやれ、これでは厚生大臣、よく週刊誌等であなたのものを読んだのですけれども、そういう実態から見て、犬と人間との違いというものも考えて、これは抜本的にある程度の引き上げをやってもらわなければくみ取り料で終わってしまう。色紙はできない、画用紙はきのうは表、きょうは裏というようなかっこうでは、子供たちが嬉々として保育園の中で陽気にやれるということはない。できないということになれば親に負担をかける、ということになるとこれまた政治の意味がないわけですから。こういうのが非常に多かったという、私、これはもらってきたのですけれども、そういう実情からお考えいただいて、この事業費といいますか、措置費については配慮をしてもらわなければならないと思いますが、この点は大臣としてはどうお考えでしょうか。
○石野政府委員 細かい数字がございますので、私から御答弁させていただきますが、そういう御意見もありまして、五十一年度に実態調査を実はいたしました。それによりますと、確かに三歳以上児と三歳未満児には大きな差があるのですが、三歳未満児は、はっきり申しますとむしろ余っている。三歳以上児については、副食を含めましてやはりやや不足している、こういう実際数字が出ております。そういうこともございますので、保育単価というのは一本でございますから、これをどのようにするか、いま検討中でございますけれども、少なくとも実態調査の実情に合うようにこの事業費の中身については改善をしていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○野坂分科員 いま局長のおっしゃるのは、五十二年度の予算はこれで枠が決まる。乳を飲む子供さん方はしょっちゅう飲むけれどもそれだけ要らぬだろう。一カ月五千円もあるからいいだろう。こっちの方は足らぬからということで操作をしよう。しかし、ほとんどの田舎の保育園というのは、なかなか手が回りかねるので三歳未満児というのはわりに少ないのです。そうすると全体を平均してもそうしわ寄せはこないわけです。だから基本的に変えていかなければだめです。局長も歩いてみられたと思うのですけれども、私たちもよく歩いてみますが、そういう点については、それをこっちにはね返してもほとんどの効果はない。特に便所なんかのくみ取りをやっておるところではがさつといきますから、ほとんど措置費の中の事業費、維持費というものは非常にないというのが現実なんです。そういう点については、一つのどんぶりに入れてかきまぜていいようにやれということでは親切な厚生省ということにならぬから、単価を何とか全体的に措置をしなければならないというような状況です。これから日本を背負って立つ子供たちが全部なのですから、そういう点については十分配慮をしてもらう必要があろうと、こういうふうに思いますが、大臣は善処をしていただく方向で御努力いただけますか。
○渡辺国務大臣 大変実情に詳しいお話を承って参考になりました。ことしの予算はもう決まっちゃったことでございますし、予算の一部修正も終わって手打ちができたところでございますから、ことしの予算は何ともいたし方ございませんが、将来、そういうような点で不合理のあるところがあれば、極力そういうものについては善処をするようにしたいと思います。
○野坂分科員 次は、建設国民健康保険の問題についてちょっとお伺いをしておきたいのですが、この建設国保というのは、御存じのように、従来擬制適用で日雇い健保に加入しておったのですね。中途からこれを抜け出した。日雇い健保の場合はたしか給付補助率が三五だと思いますが、建設国保の場合は二五%だ。それは雇い主がないということが条件でそういうことになったのだと。いままで年金なり共済の問題等いろいろ話すときに、ある程度その一本化なり二本化をしたらどうかという話がよく議論に出ますが、政府の答弁というのは大体歴史的背景なり伝統とか、そういうことを主に前に出していろいろと議論をされる。そういう意味では、一遍入ってそういう権利を持っておった、しかしそういう都合で出た、これが今度はたしか二五%ということになっておるが、それに合わせてもうちょっと引き上げをしてほしい、こういう運動は非常にあなたのところにも多い。五十一年度は大体百四十億で、五十二年度はその臨時調整整備金といいますか、そういうので百七十億がついておる。だからお申し越しのように大体四〇%になっておるのじゃないか、こういうことに御答弁もあろうかと思うのですが、そういうそのときそのときの情勢で、ある程度固定化したのですから、この辺で、言われるように実際の率というものが四〇%になるということであれば、そういう例年のような厳しい陳情をしなくても、法制化をすれば安定をするわけですから、その方向をとった方が今日的な段階としては安心をして働ける。しかも、このごろはハウス55とかいろいろなものが出てきて、なかなか仕事もなくて大変でありますから、そういう諸君たちを守っていくように、六十万も七十万もおるわけですから、ぜひ期待にこたえるような方向で、政府にとっても実害はないという現状なのですから、ぜひ善処をしてもらいたい、こう思いますが、その方向で御検討をいただけますか。
○八木政府委員 先生御指摘のように、特に擬適廃止後の新設国保組合につきましては国保組合の補助率が二五%である。一方市町村は四〇%であるということから、四〇%に定率化すべきではないかという御意見につきましては、国会を初め各方面から出ておることにつきましては十分私ども承知しているわけでございます。ただ、非常にむずかしい問題がございますのは、現在百八十を超えます国保組合があるわけでございますけれども、この国保組合の財政状況というのは非常に千差万別であるわけでございます。確かに、新設国保組合の場合には非常に体質が弱いというようなことから、かなり重点的に考えなければいかぬという国保組合が増す一方、一方では非常に財政がいいということで、そこまで国庫補助を考える必要がないという組合もあるわけでございます。したがいまして、一律に定率化というのは非常にむずかしい問題であるわけでございますので、従来から臨時財政補助金ということで、特に体質の弱い、財政力の基盤の弱い組合に対しまして重点的に国庫補助を行っているということで、御指摘のように新設の国保組合につきましてはすでに四〇%を超える線というのを確保しているわけでございまして、特に五十二年度におきましては百四十億を百七十億ということで、かなり重点的にこの助成措置を講じているわけでございます。確かに新設の国保組合だけ見ますと御指摘のような法制化ということも可能かとも思いますけれども、国保組合もいろいろあるわけでございますので、そこまでいってないところもありますし、またそこまで定率制の補助というものは必要でないという組合もあるわけでございますので、御指摘の問題を含めまして、国保組合の国庫補助の助成のあり方というものにつきまして、十分さらに研究さしていただきたいというふうに思っています。
○野坂分科員 確かに局長がおっしゃるように国保組合にはいろいろありますね。しかし、建設国保といわれる、大工さんなり工務士の皆さん方は非常に明確に組織化もされておる。そして日雇い健保の中に入っておったという実績もあるわけですから、それは抜き出してでもやるとか、例年ああいうような運動をしなくてもおっしゃるように四〇%は確保するというものを何らかの方法で打ち出すことの方が、きわめて安心をし、安定をするので、建設国保というものに例年のような動きがなくても常にそういうことが約束されるということの何らかの法制化なり明言といいますか——それでは建設国保は将来も率として四〇%は確保すると、こういうふうに考えてもよろしゅうございますか。
○八木政府委員 現在、弱い国保組合に対しまして特に重点的に配分するというようなことから、御指摘の建設国保につきましては、ここ一、二年の実績を見ましても四〇%というラインをすでに確保しているわけでございまして、私どもも今後ともそういう方向をできるだけ確保していきたいというふうに考えておる次第でございます。
○野坂分科員 それでは、時間もないですけれども、一言だけ厚生大臣にお願いをしておきたいと思うのですが、年金の受給年齢もばらばらですし、共済なり厚年なり国年なり考えてみましても、五十五、六十、六十五と、こういうふうになっておりますし、受給金額もばらばらですね。不公平の是正というのも何回か言われてきましたし、特に民間の企業等の問題で、私はおととしの予算委員会で、厚生大臣は田中正巳さんだったと思うのですが、退職即年金ということが一番望ましいという御答弁をいただいたわけであります。その方向で厚生大臣としてはこれからの閣議でも強力に発言をして実現をしたいと、こういうお話があった。ところが、五十五歳で定年の民間がたくさんですから、特にこのごろは不況ですし、六十歳から厚年をもらう、五年間で大体退職金は終わっちゃうということで、六十歳からの年金受給のときには悠々たる生活ということがなかなかできにくい。だから、退職即年金という姿、言うなれば、退職年限を六十歳に引き上げる方向だというふうに当面はおっしゃるかと思うのですけれども、こういうふうな失業者の多い時代ですから、なるべく年金の受給というものをある程度おろして、そして新陳代謝もやるということもまた必要だと思うのです。どっちにしてもこのばらつきをできるだけばらっかないように、あるいは歴史的な背景なり伝統なりいろいろな問題が理屈としてはありましょうが、国民から見て、そういうふうな受給金額というのが大きくばらつきをしないように、その方向が望ましい。とりあえず退職即年金というかっこうを進めてもらいたいというふうに私は思うのですが、大臣なり局長はどうでしょう。
○木暮政府委員 定年制の実態でございますが、御指摘のように、五十五歳の定年制をしいておるところは一番多うございます。四七%ぐらいになっております。あと六十歳のところに一つの山がございまして、三二%の事業所は六十歳の定年というふうなことになっておりますが、いずれにしろ五十五歳の定年制をしいているところが一番多うございまして、厚生年金の場合には六十歳が老齢年金の支給開始でございますので、その間にギャップがあるということは事実なわけでございます。ただ、労働省の統計によりましても、定年が次第に延長の方向に向かっておりますし、また再雇用の機会も少しずつはふえておるように見えるわけでございます。私どもの方の厚生年金の支給開始年齢も、昨年の最低の実績によりますと六十二歳ということになっておるわけでございます。一方、諸外国の例を見ますと、六十五歳というのが国際的な水準でございまして……
○笹山主査 本会議がありますから、簡単に願います。
○木暮政府委員 そういう意味では、なかなか現在の六十歳の支給開始年齢を引き下げるのは困難ではないかというふうに思っておる次第でございます。
○野坂分科員 いずれまたの機会を得まして議論をさせていただきます。
○笹山主査 午後二時三十分再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時四十二分休憩 ————◇————— 午後二時三十九分開議
○笹山主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 厚生省所管に関する質疑を続行いたします。神田厚君。
○神田分科員 私は、渡辺厚生大臣に、大臣が日ごろ積極的な、非常に前向きな姿勢で老人福祉、救急医療、年金制度、さらに医療保険制度の充実に力を入れて、国民の健康と福祉の増進に努力をしたい、こういうふうなことを記者会見などで申されておりますことにつきまして、深い敬意を払うものでありますけれども、この国民の健康につきまして非常にゆゆしい問題が現在起こっております。その点につきまして厚生省当局の御見解をお尋ねしたいと思うわけであります。 第一点は、いわゆるにせ医薬品、偽造医薬品の問題でございますけれども、この偽造医薬品の問題につきまして、厚生省当局の対処の仕方が非常に甘いといいますか、行政指導がなってないというふうに考えておるわけであります。 そもそもこの偽造医薬品の問題につきまして、これが明らかになりましたのは、今回の平川といういわゆる札つきのこの男のやっております問題は、すでに四十六年に厚生省によりまして処分を受けているはずでありますが、さらに、この男の白状からグルタチオン錠というのが約四千万錠以上、正確には四千五百七十六万錠が日本の国じゅうに出回っている、そしてそれと同時に、リゾルチームという、これは消炎酵素剤、日清製薬でございますけれども、これにつきましても、相当数のにせ医薬品が同じ商名で出回っている、こういうことにつきまして、厚生省はどの程度この事実をおつかみになっておりますか。お答えいただきたいと思います。
○上村政府委員 まず、グルタチオン錠偽造事件でございますが、去年の八月に東京都から通報を受けまして、そこで、東京と愛知と大阪と福岡の四都府県につきまして、とりあえず調査をいたしましたら、これは全国的に流通しているという事実がわかったのでございます。そこで昨年の九月、各県に対しまして偽造医薬品の発見と回収について指示を行いました。 それから、リゾルチーム錠の問題でございますが、これは昨年の十二月、一部の報道が端緒になったわけでございますが、そこで、正規製品の製造元である会社の社長から事情を聞きまして、そういうものが出回っておるという事実を確認いたしましたので、直ちに各都道府県に対しまして、その発見と回収について指示を行ったのでございます。
○神田分科員 直ちにというお話でございますけれども、このリゾルチームにつきましては、厚生省が「偽造医薬品についての調査及び措置について」というので十二月二十四日に通達を出しているわけでありまして、しかも、それも報道機関からの情報の入手でこういうふうなものをやっているということは、私は非常に問題だと思うわけであります。 それで現実的に、まずグルタチオン錠につきましても、厚生省の通達ではグルタチオン錠一〇〇東亜に限定されておりますけれども、グルタチオン錠のにせ医薬品は、私は東亜だけじゃないというふうに考えておりますが、どうでございますか。
○上村政府委員 グルタチオン東亜のほかにグルタチオン錠一〇〇純薬というのがあったということが、そういう通達を出しました後わかりました。
○神田分科員 そうしますと、このグルタチオン錠一〇〇純薬についても、回収の通達を出しているわけでありますか。
○上村政府委員 特に改めて通達を出しませんでしたけれども、回収の過程でそういうものも含めて回収されるように指示しておるわけでございます。
○神田分科員 時間がございませんので、突っ込んだ話はできませんけれども、そうしますと、回収について努力をしている、こういうふうな御報告だろうと思います。九月三十日をもって報告をしろというふうなことが、ここに出ているようでありますけれども、現在どの程度の回収をされているのか。
○上村政府委員 グルタチオン錠につきましては、東京、大阪、福岡など二十四都道府県の七十七の販売業者から、総計約三百四十万錠発見をして回収いたしました。リゾルチーム錠につきましては、現在まで発見されておらないのでございますが、正規品の製造元であるメーカーにおいて二百三十万錠ないし二百四十万錠を回収して廃棄したというふうに聞いております。
○神田分科員 そもそもこのリゾルチーム錠のいわゆるにせ医薬品のメーカーがにせ医薬品をつくっているというのは、捜査の過程で厚生省に何らかの話がきているはずであります。神奈川県警ではやったわけでありますけれども、それをその時点で手を打っておけば、このグルタチオン錠につきましても、もっと的確な捜査なりあるいはその防止なりができたわけでありますけれども、その辺につきましてはどうでございますか。
○上村政府委員 神奈川県警が内偵をしましたのは、四十九年二月だったというふうに聞いておりますが、私どもこの事実を知りましたのは、先ほど申し上げましたように、昨年の十二月の初めでございます。
○神田分科員 そうしますと、リゾルチーム錠そのものにつきましては、どういうふうな薬品か、つまり、どういう現物か厚生省は知らないわけですね。
○上村政府委員 にせの方の現物は承知いたしておりません。
○神田分科員 これは大変な問題であります。大体現物がわからなくて、そして毒性があるいはあるかもしれないというものが、ちまたのうわさでは三千万錠ともあるいは二千万錠ともいわれるのがこの日本国内に流れている、それをメーカーの回収に任せていたような状況は、私は、やはり厚生行政の怠慢であるというふうに考えておるのですが、その辺についてはどう思いますか。
○上村政府委員 こういった無許可医薬品なり不良品を取り締まるために薬事監視員の制度があるわけでございまして、各自治体の衛生部においてやっておるわけでございますが、こういった偽造医薬品を発見すること自身はきわめてむずかしゅうございます。と申しますのは、こういった偽造医薬品というのは、相当悪質で計画的な犯行であると思いますし、それから外観は正規の製品とほとんど同じと言っていいと思うわけでございます。したがいまして、こういった偽造品を早期に発見しますためには、正規の製造業者でありますとか販売業者からの通報なり協力を得ることが必要であるというふうに思うわけでございますが、今回の事件の場合には、正規の医薬品を扱っておりますメーカーが、そういうことを知りながら取引上の理由から行政機関への通報を怠った、また販売業者の方でもそういった偽造品というものを見逃すという点で発見がおくれたわけでございまして、その点は非常に残念なことであるというふうに思っております。
○神田分科員 残念だけではこれは済まない問題であると思うのです。何らかの処分がやはりされるべきだというふうに私は考えますが、どうでございますか。
○上村政府委員 いま申し上げました医薬品の偽造事件に係ります企業につきましての行政処分については、目下検討中でございます。
○神田分科員 それから、二十四都道府県で八十八業者から回収した、これはグルタチオン錠になりますけれども、これにつきましては、どこのどういう医療機関から回収をなされたのか、この点についてお尋ねしたいと思います。
○上村政府委員 薬務行政上回収を命じましたのは販売業者を通じてでございまして、医療機関につきましては、その医療機関において偽造医薬品が使われることのないように保険局の医療課から注意を喚起したところでございます。したがいまして、私どもに入ってまいりますのは販売業者の名前でございまして、販売業者がさらにその偽造品を納入した医療機関についてまでは把握し切っておらないというのが現状でございます。
○神田分科員 これも販売業者で押さえれば、販売業者の在庫を押さえれば——販売業者から先の病院なり医療機関に行ったということは、これは大体確実であるというふうにわれわれは考えているわけであります。したがいまして、いわゆるその販売業者を押さえたらば、その病院先までちゃんとやはり見ていかなければいけないのじゃないでしょうか。
○上村政府委員 繰り返しになりますけれども、グルタチオン錠の発見、回収というのは販売業者を通じまして行いましたもので、その販売業者が医療機関に売っていることは間違いないと思うのでございますが、販売業者が医療機関から回収をし、さらに卸しの方には戻してきている、そういうところを把握しておるわけでございます。
○神田分科員 そうすると、販売業者に回収を全部任せているわけでございますか。
○上村政府委員 こういうものをどこに幾ら売ったかということを把握しておりますのは販売業者でございますから、やはり各県ごとに、その各県の販売業者を集めまして、にせ医薬品があって、これはこういう特徴があるから回収するように指示をして、回収させておるわけでございます。行政庁みずからが回収をするということはいたしておりません。
○神田分科員 私は、そこに一つ問題があると思うのでありますが、行政庁みずからが、その問屋なり販売業者を押さえたらば、それから先の流れた病院について、いわゆる薬事監視員というのがありますならば、そういう人たちを動員して、たとえば四千万錠も流れているその薬について、あるいはりゾルチームなんというのはどういう薬か、まだその現物さえも、にせものもわからないというものについては、やはりもう少しきちんとしたもので監視して指導してもらわなければ困るのじゃないでしょうか。
○上村政府委員 医療機関で問題になりますのは、偽造された医薬品が患者に投与されないように措置をすることがまず肝要でございます。 そこで、さっき申し上げましたように、保険局を通じまして、各医療機関ににせ薬の特徴と思われるものを指摘して使わせないようにする。それから同時に、販売業者が売った先をよく承知しておりますから回収をする。お話しになりましたように、薬事監視員というのは、医薬品の監視に当たる、不良医薬品、無許可医薬品の監視に当たるものでございますので、それを動員して回収をするというのは、なかなか手が回り切れないというふうに思うわけでございます。
○神田分科員 薬事監視員は、やはり保健所の方のものと、専任だけでなくて兼任の方もおるわけでございますから、そういうふうな意味で——では具体的に、その保健所なら保健所を通じて本当に各病院に対して、こういうふうな医薬品がどういうふうに流れているから、どういう注意をしろというようなそういう通達は出したわけでありますか。 この各都道府県薬務主管部局長殿というふうな厚生省の薬務局の監視指導課長から出ている通達の範囲は、一体どの辺まで出ているわけですか。
○上村政府委員 まず、各県の薬務主管部局長あてに厚生省の担当課長から出し、それから薬務局長の名前で各知事あて、それから関係団体あて出しておるわけでございます。それを受け取りました各県は、それぞれその必要とするところに流しておるものであるというふうに期待するわけでございます。医療機関につきましては、先ほど申し上げましたように、保健行政のサイドを通じて各医療機関に周知を図るようにしておるわけでございます。
○神田分科員 私どもの調べでは、各病院——病院、医院、診療所ですね、確実にこれが病院に流れている、百五十以上の病院にこのにせグルタチオンが流れているというような情報が入っているわけであります。そうしますと、現実にこれが入っておるということになりますと、これはいわゆる保険請求の問題やいろいろ複雑な問題も絡んでくるわけでありますけれども、大体におきまして回収そのものが非常に熱が入ってないというか、四千万錠のうちのわずか、さっき言った程度の数字しか回収されてないということ、しかも回収されたものをその業者に任せているから、大阪の病院長の事件のように回収されたものがまた横流しされるという、そういうふうなものが出てきているわけであります。ですから、その辺のところを、回収したのはどういうふうにして処分するのか、廃棄処分にするのを見届けるのか、あるいはそういうところまできちんとしなければ、業者に回収を任せてそのままにして置いたのでは、これはどうにもならないのじゃないですか。
○上村政府委員 回収されました偽造医薬品の廃棄処分というのは、薬事監視員が立ち会いまして行わせているわけでございます。ただ問題は、こういった薬の行政なりあるいは医療の行政というのは、薬剤師なり医師という専門職の者がそれぞれ管理するという、その専門職の判断の上に立って構築されておるわけでございますので、行政が手とり足とりをするというところまで行うということは事実不可能でございます。
○神田分科員 これは私、薬に対するいわゆる日本人の過度の信用、まあ薬を信用しながら飲んでいるわけでありますけれども、そういうものに対する不信感を植えつけると同時に、薬務行政が非常に怠慢であるということを如実に示した事件だというふうに考えているわけでありますけれども、それに行政が手とり足とりできないというような答弁では満足できないわけでありまして、もう少しきちんといわゆる回収後の処分について見届けて、あるいは今後の再発防止策はそれならばどうするのかというふうなことについて、どういうふうに考えておりますか。
○上村政府委員 実際にある人間がある薬のにせのものをつくろうとして周到に計画されて売られました場合に、これを見つけ出すということは、正直申し上げまして容易でございません。今回の場合のように、ある問屋から通報があったとか、そういったことが端緒にならない限りなかなかつかまらないわけでございます。したがいまして、こういった医薬品を売り買いする販売業者なりあるいは医薬品を管理する薬剤師というものに、このことについて十分注意を払ってもらうように期待をするというふうに考えるわけでございます。
○神田分科員 販売業者や医療関係者のモラルに期待をするというだけでは問題は解決しないのであります。そんなことで問題が解決するならば、こういうふうな問題そのものが起こらないはずであります。ですから、それについてやはりきちんとした監督指導するのが厚生省の働きであるというふうに私どもは考えるわけでありますけれども、とにかく時間がありませんので、まことに残念でありますけれども、これは後で本委員会の方で詳しく追及していきたいというふうに考えておりますが、やはり今後の再発防止策については、もっと具体的に誠意をもって当たってもらいたい。現実に流れている薬だけでも四千万錠以上のにせ薬が流れている。さらにリゾルチームについては何千万錠か流れているという疑いがある。これに対する回収あるいは回収後の処分、これはもう少しやはりきちんと誠意をもってやってもらわなければいけないというふうに私、考えるわけであります。 薬価にしましても、これは全部合計額にすれば何十億という金額になるわけであります。それで今度は、使った病院あるいは診療所、これらにつきましては、これがわかっているというふうな場合には、もしこれで保険を請求した場合、グルタチオンで保険を請求した場合は、これはどういうふうになりますか。
○上村政府委員 この問題は、私自身の直接の所管ではございませんが、買ったところが、これがにせであるということを承知して買いまして、そして患者に投与をして正規のものであるかのごとき請求をすれば、これはその保健医療機関としての責めを果たさなかったということになると思うのでございます。ただ、本件について考えますのに、偽造品と本品との違いというのはほとんどわからないわけでございます。
○神田分科員 私は、それはちょっと局長、ごまかしていると思うのです。にせ薬品である、使った薬がにせであったということになって保険請求をした場合には、当然これは保険に対していわゆる還付しなければならない、薬品でないものでありますから。薬品でないものを薬品だという形で使ったということは、それで保険請求が成立するというのはおかしいんじゃないですか。それは医者の問題じゃないですよ。良心的な医者はそれをにせ薬だと知らないで使いましたから、それは問題ないのです。だから、そういうふうにお医者さんの問題ではなくて、にせの薬品だということがわかっていて使ったものについて、保険請求がそのまま通るなんというそういうおかしい話はないんじゃないですか。それじゃうどん粉だって何だって保険請求で通るということになってしまいますよ。
○上村政府委員 私、申し上げましたのは、にせと知りながら買って、そして投与をして請求した場合には、保険医療機関として責任が問われるべきであるというふうに申し上げたわけでございます。
○神田分科員 私が言っているのは、モラルの問題ではなくて、にせであるとないとをその医者が知っているとか知らないとかじゃなくて、現実に警察や何かの証明でその使った薬がにせであったということがわかれば、それで保険請求されたものは、当然、保険あるいは共済なり何なりに還付されるべきだ、そういうふうに考えているわけですが、どうですか。局長でわからなければ、所管の関係の方に答えてもらってください。
○笹山主査 保険局来ておりますか。
○上村政府委員 保険局は来ておりません。
○神田分科員 私が聞いた範囲では、これは保険請求にはならない、したがって還付すべきである、こういうふうに聞いております。したがいまして、この問題で局長が答弁できなければ、後でそのことについて明確にお知らせ願いたい、そういうふうに考えております。 時間がありませんし ほかの問題もありますので、いまの問題につきまして、厚生大臣、いまの私と局長とのやりとりの関係から、いわゆる医薬行政の問題につきまして大臣の考えを、非常に簡単で結構でございますから一言お聞かせ願いたいと思います。
○渡辺国務大臣 大変いい参考になる話を聞かせてもらったわけでございますが、何せ人手も限りがあるし、医薬品の方は保険だけでも一万数千種類あって、日本国じゅうにばらまかれておる、そういうような点からうっかり気づかずにおるということもあろうかと存じます。しかし、そういうことがあってはいけないことでございますから、もっと警察等とも連絡をしたり、すぐに耳に入るようなことをいろいろ工夫させていきたい、かように思います。
○神田分科員 これは大変根の深い問題でありまして、この短い分科会だけでちょっと論議し尽くせない問題でございますので、後で本委員会の方でひとついろいろと細かい御質問を申し上げたいというふうに思っております。 次に、お話し申し上げておきました、いわゆる厚生白書などによりますと、死亡原因が循環器系統の病気が非常に多くなってきている、こういうふうな関係の中で、循環器系統に対する——いわゆるがんセンターなどは非常に整備されましたけれども、そうではなくて、脳溢血とかあるいは心臓病とかそういうものに対しまして、診療、医療あるいは研究のセンターといいますか、あるいはそういうものの新たな設立なり、それからその行政なりがどういうふうに進んでいるのか、簡単で結構でございますから、ひとつお伺いいたします。
○石丸政府委員 わが国の人口の老齢化現象に伴いまして、先生御指摘のように循環器病、特に心筋梗塞等を中心といたします心臓疾患が非常に増加しておるわけでございまして、そういったわが国の疾病構造の変化に対応いたしまして、医療機関あるいは研究機関の整備を行っておるところでございまして、循環器疾患の診断、治療、研究並びに医師の研修を総合的に行うわが国の中枢施設といたしまして、病院、研究所、それと運営部門の三部門をもって構成いたします国立循環器病センターを、昭和五十二年度におきまして入院施設といたしまして二百二十床、それから外来といたしまして二百六十人の規模で四月一日に創立をいたしまして、七月一日から診療を開始するという準備を進めております。
○神田分科員 それはやはりナショナルセンターというような形で一番大きな中心的なものでございましょうが、私、農村部などを歩いておりますと、いわゆる寝たきりになっている病人が非常に多いのであります。それで、一人でほっておかれているようなものがありますが、そういうものにつきましては、いろいろ各市町村で介護人をつけたりなんかしているようでありますけれども、そういうこととは別に、やはり各都道府県なりあるいはそういうふうな患者の多い地区につきましては、今後県やあるいはそういうものと相談をしまして、もう少し積極的にこの循環器系統の予防あるいは治療につきまして対策を進めていただきたい。 これは大臣なども非常に積極的な救急医療のあれがありますから、そういうようなことで進めていただきまして、さらにいわゆるかかった者の後のリハビリテーションの施設、これが非常に貧弱でありまして、作業員もなかなかそろわない、したがいまして、やはり家庭に帰ってうちで放置されているというのが現状でありますから、こういうものの充実をお願いしたいというふうに考えておりますが、大臣いかがでございますか。
○渡辺国務大臣 大変いい御意見でございまして、早速やりたいと言いたいところでございますが、御承知のとおり、ただいま局長の言ったように、国はナショナルセンターとして循環器病センターを発足させる。国でがんセンターをこしらえまして、それが中心になって各県等にもいろいろがん対策の施設ができてきたわけです。ですから、まずこれを発足させて、それからやはりあなたのおっしゃるようなことにも力を入れていく必要がある、こう思いますから、そういうつもりで考えてまいります。
○神田分科員 大変前向きなお答えをいただきましてありがとうございます。これは非常に切実な問題でありまして、これからも食生活が変わっていく中で、やはりこういうふうなものが大変必要になってくる、こういうことでございますので、鋭意この問題について御努力をお願いいたしたいというふうに思うのであります。 最後に、原子爆弾の被爆者援護法につきまして、この認定患者の問題につきまして、大臣栃木県でございますが、私も栃木県のある人たちから陳情を受けているわけでありますけれども、栃木県の場合は認定患者がゼロである。これにつきまして、聞いてみますと、やはりいろいろ事情はあるようでございますけれども、この問題について大臣はどういうふうにお考えでございますか。
○渡辺国務大臣 実は、この間も十数名かの人の陳情を受けたわけです。栃木県の場合は原爆被爆者数が二百七十三人である。群馬あるいは茨城、福島よりも多い。しかし各県に認定患者がいるのに栃木県にいないのはどういうわけなんだという御質問だと思いますが、本当はいないことが一番いいわけなんです。しかし実際に、本当はいるのかいないのかということになると、これはおるのに認定されないという人がおったのでは、なお気の毒なことでございますから、実は神田議員の地元の方も何かその方の世話人をやっておるそうで、その方からも話を聞きました。それで一遍、診察その他いろいろな方法で、本当にいなければ結構なんだけれども、いた場合には困るから、うまい知恵を出してくれということで佐分利局長にも言ってありますから、詳しいことはひとつ佐分利局長の方から説明をさせます。
○佐分利政府委員 栃木県はもともと認定患者の申請の少ない県でございまして、四十年から現在まで三件しか申請されておりません。また、その三件も原爆医療法の要件を満たしませんで全部却下されております。ただこれは、ただいま大臣も申し上げましたように、たまたまいま認定患者が一人もいらっしゃらないということでございますので、地元に認定疾患の指定医療機関も二つございますし、その他の一般疾患の担当医療機関も三十ぐらいあるわけでございますから、そのあたりにもよく指導をいたしまして、本当に認定患者のような方があるかないか捜していただいて、必要があれば申請をしていただく、あとは原爆医療審議会で厳正に判定をさしていただきたいと考えております。
○神田分科員 大変前向きなお答えをいただきましてありがたく思っているわけでございます。原子爆弾の被爆者援護法は、現在まだ継続審議中で、国会に出ている問題でありますので、ひとつそういうふうな形で今後よろしくお願いいたしたいと思います。 大臣、厚生、医療は大変な問題をたくさん抱えておりますけれども、どうぞひとつ国民の本当の健康と福祉のために力いっぱいの前向きの御奮闘をお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○笹山主査 石田幸四郎君。
○石田(幸)分科員 年金の問題についてこれから若干伺うわけです。 大臣も御存じのとおり、年金についての国民の意識というものは非常に高いものがあるわけであります。したがって、その給付水準の問題とかあるいは財源の問題については、非常に数多くの議論が闘わされておるわけでございますけれども、きょうは年金の支払い期日の問題、支払いのやり方の問題について若干伺いたいわけでございます。 私どもから見ますと、年金の給付のやり方ですが、三カ月とか四カ月とか二カ月とか、そういうふうないろいろ各種の違う形で支給が行われておるわけでございます。二カ月、三カ月、四カ月というふうになっているというのは、それなりの経過があると思いますけれども、非常に不統一な形で行われているように思いますけれども、まず何の年金が何カ月に一遍であるか、また二カ月、三カ月、四カ月というふうに変わってきた、それぞれの年金が食い違っている理由について、まずお伺いをしたいと思います。
○大和田政府委員 年金の支払い時でございますけれども、厚生年金それから拠出制の国民年金、これが年四回の支払いでございます。それから福祉年金、これが年三回の支払いでございます。それぞれ厚生年金、国民年金につきまして支払い期月が、厚生年金が二、五、八、十一、国民年金の拠出制が三、六、九、十一、福祉年金が現在一、五、九ということになっておりますが、拠出制の国民年金、厚生年金が違いますのは、郵便局におきまして支払いが殺到される、それを避けるというような意味合いがございます。それから福祉年金の三回、これは所得制限の審査というようなものがございまして、所得の審査の期間がかなり日数を食うわけでございまして、支払いをいたしました国民年金の証書を引き揚げまして、それに支払い金額を打ち込んでいくということがございますので、どうしても年三回払いというようなことになっている、こういうような経過でございます。
○石田(幸)分科員 いろいろな事情はよくわかるのでございますけれども、いままで私たちが年金受給者からいろいろ話を聞いてみますと、実際に年金の受給者ですから、もうかなり高齢の人がほとんどでございます。そうしますと、この年金が生活の一つの柱になっておるわけですね。しかしながら、毎月このように物価が上がっていくという状況の中にありまして、そういった生活を支えるためには、三カ月に一遍、四カ月に一遍というような受給ではもうかなわぬ、そういう声が非常に高いわけです。 これは前に新聞に載りました繊維労連の委員長さんの投稿の中の文章でございますけれども、若干読んでみますと「被保険者にとって年金受給権は生存権保障の一部であり、基本的人権の内容をなしています。」そして憲法二十五条の精神から言っても、年金の月一回払い、そういうものは当然政府がやるべきではないか、こういうような意味の投稿をしていらっしゃるわけなんですね。しかも年金給付財源のうち国庫負担は、国家、地方公務員、公共企業体職員の長期給付には、年ごとに拠出額の一五%、厚生年金は給付額の二〇%、国民年金は納付保険料の五〇%、免除保険料の約三分の一と老齢年金、通算老齢年金、死亡一時金の給付額の二五%、こういうものがいろいろあるわけですけれども、いずれにしても、被保険者の方を対象に考えてみれば、これは労使折半であるというような形が原則になって保険料は徴収されているわけですね。徴収される方は毎月取られるわけでしょう。支給される方はそういうように隔月になっている。これは事務の繁雑というようなこともありましょうけれども、いま申し上げたように、給付を受ける人たちの生活状態というのは、年金以外にアルバイトをやっても、そう毎月毎月高額のアルバイト料が入るわけでもない。そういう状況を考えますと、これは長い間の一つの慣習で行われているわけですけれども、ここら辺でどうしても改善をする必要があるのではないのか、こういうふうに思うわけでございます。 〔主査退席、林(大)主査代理着席〕 なぜこれが技術的にできないのか、そこら辺も含めて、また、いま申し上げましたように、これは単なる事務的技術の問題だけではなくして、受給者の生活を擁護するという角度から問題を見詰めていかなければいけないわけですから、大臣、どういうふうにこれを改善をしようとなさっていらっしゃるのか、あるいはこれは大臣の英断で、そこら辺を最低限二月に一遍ぐらいのところまで前進させることができないのか、ここら辺をひとつ事務当局と両方からお答えをいただきたいと思います。
○大和田政府委員 実は、先生おっしゃいましたように、技術的に非常にむずかしいということでございます。その理由でございますけれども、現在六百万という受給者がございまして、これも昭和四十年には六十数万、近々十年の間に約十倍も受給者が伸びてきておる、さらに毎年百万以上の受給者がふえていく、こういったような状況でございまして、現在それらの受給者に対しまして、支払い通知書といったようなもの、あるいはその他の通知書、これを年間約四千万件も発送しておるというような状態でございます。実は、年四回払いでも非常に大変です。どうやってこれを維持していこうかというようなところが、正直偽らざるところでございますが、これを毎月払いということにいたしますと、先ほどの件数だけでも三倍、一億二千万というようなことにもなります。こういったように、私ども事務的に対処をするのが非常にむずかしい。それと同時に、郵政省の方も、やはり郵政官署の取り扱いの関係でむずかしいということでございます。そういったようなことで、私ども現在の支払いを何とか維持したいということで精いっぱいということなのでございます。そういう技術的な問題がございます。
○石田(幸)分科員 事務当局はそういうふうにおっしゃいますけれども、金融機関は何も郵便局だけじゃなくて、やり方はまだほかにあるんじゃないですか。 外国はどうなっていますか。
○大和田政府委員 外国の制度でございますが、これは郵便局それから銀行、こういったようなものを使っております。私どもの方も銀行と郵便局を使っておるわけでございます。外国におきましても、金融機関につきましては、おおむね私どもの方と同じような方法をとっておる、こういうふうに考えております。
○石田(幸)分科員 いや、方法だけじゃなくて——じゃ、外国の方で三カ月、四カ月置きというふうになっていますか。
○大和田政府委員 外国の方では毎月払いが原則になっております。これにつきまして、なぜ外国では毎月払いが原則になっているかということでございますが、一つは、日本に比べまして年金の歴史が非常に長うございます。かなり長期間にかけまして年金が成熟しているということがございます。それから技術的には、わが国に比べまして、例の口座振替あるいは小切手制度というのがわが国よりかなり普及している、こういうことが言えるかと思います。そういったようなことで、外国ではかなり前から年金の成熟が非常に長期間行われておりまして、その間毎月払いを実施してきておる、こういうふうに私どもは聞いております。
○石田(幸)分科員 ですから大臣、外国では行われているわけですよ。外国の方が年金の歴史も古いとか、あるいは小切手等の金融の扱いについて市民がそれになれているからということもありましょうけれども、しかし、もう日本だって世界の一流国じゃないですか、そういうようなことは、かなり一般の国民だって手なれてきたわけでございますから、わが国だってそこに近づけることが技術的にできないことはないのじゃないですか。 いずれにしても、これが生活する方にとって四カ月に一遍しか収入がないというようなやり方では、生活を守ることは非常に困難ですよね。そこら辺も考慮に入れてもらって、事務当局のむずかしさ、六百万人からの受給者でございますから、それは大変だと思いますが、しかし、それはそれなりに、一遍にはできないにしても、たとえば老齢福祉年金から始めようとか、いろいろ重要性に応じた対応の仕方もあると思うのです。たとえば障害年金だとかそういうような問題から手をつけるとか、そういう一つの長期ビジョンを示しながらやることは、決して不可能ではないと私は思うのですけれども、そこら辺について、大臣の見解を伺いたいと思います。
○渡辺国務大臣 実際、実務的にはいま保険部長が言ったようなことだと思うのです。これは十何年間で十倍にふえた。六十万が六百万になって、毎年百万ずつふえて、取り扱いの人間はそんなにふやしているわけじゃありませんからね。 もう一つは、確かに郵便局に年金の支払いが片寄っているという点もあるでしょうね。一種の労働問題ですから、窓口事務が一遍にわっとふえるということは、なかなかいまの労務関係からしてもむずかしい。ですから、これはやはり将来の問題としてはコンピューターをかなり普及させて、年金の登録といいますか、受給者の登録をぴしっとさせて、自分はどこの銀行とかどこの郵便局とかあるいはどこの農協とか、受給者の申請によってコンピューターに全部組み込んでしまうというような体制ができれば、それは私、できるのじゃないだろうかと思います。 これには、なかなかむずかしい政治問題もあるし、労務関係の問題もあるしするのでむずかしいでしょうけれども、将来はやはりあなたのおっしゃるような方向にいかなければならぬ。私は、ヨーロッパでもどこでも、とにかくコンピューター方式でみんな登録番号でやっているんじゃないかと思いますよ、詳しいことは知らぬけれども。ですから、やり方次第でできないことはないと思うのです。しかし、これには難関はありますよ。背番号登録は困るとかなんとかという話もあるかもしらぬ、しかし、合理的に割り切っていけば、日本の国力をもってしては決してできないことはないのじゃないか。しかしそれには、実務上いろいろな政治問題や労務の問題もある。だから、皆さんの協力を得て、政府としてはなるべくあなたのおっしゃるような方向でやれるようなことを前向きに検討してまいりたい、そう思っております。
○石田(幸)分科員 いま大臣のお話もあったわけでございますので、事務当局にも研究してもらいたいと思うのです。これは受給者にとっては本当に切実な問題なんです。私らはお年寄りとの懇談会等をいろいろやりますけれども、まず二回に一回はこの話が出てきます。そのくらい切実な問題です。確かに六百万人からの受給者を一遍にやれといっても、これはなかなかできないと思いますよ。しかし、その重要性にウエートを幾らかかけて順次やるとかいうような方法ならば、私は、できるんじゃないだろうかと思うのです。この点は、ひとつぜひ御研究いただきたい、これだけ申し上げておきます。 それから、小児専門病院の問題についてお伺いをする前に、救急医療の問題についてお伺いをしたいわけですが、本年度の予算によれば、救急医療対策費は関連を含めて総枠百一億円に上るということで、この面の大きな前進があったわけなんですけれども、救急医療病院の実態を見てみますと、その経営者等に会っていろいろ話を聞いてみますと、かなり大きな病院でも、その病院の善意に基づいて救急医療が行われているという感じなんです。私がある経営者に会って話を聞いてみますと、一年間に大体三千万から三千五百万ぐらいの赤字が出るというのです。それでも私のところは総合病院だからやらざるを得ないということでやっていらっしゃるわけです。この百一億円の対策費をつけたわけですけれども、そういった対策費は、一体この救急医療病院の赤字に対してどの程度貢献できるのか。アバウトの話で結構ですけれども、お知らせいただきたい。
○石丸政府委員 救急医療を取り扱う病院の収入の点でございますが、やはり救急医療におきましても、その医療行為に対する対価は、総診療報酬点数で算定いたしました点数でこれを支払っておるわけであります。ただ、わが国の社会保険診療報酬点数は行った行為に対してのみ支払いが行われるわけでございまして、そういう点、救急医療というのは待機の時間が非常に多いわけで、現在の支払い体系ではなかなかこれに対応できない、すなわち不採算な医療にならざるを得ないという運命を持っているわけでございます。 これに対してどう対応するかということでありますが、これは二つの面からこの対応を行っておるところでございまして、やはり基本的には社会保険診療でございますので、そういった実態に合うような点数の改正というようなことを、担当の部局の方にわれわれもお願いしておるところでございまして、すでに時間外加算あるいは深夜加算等の対応をやっておるところでございます。 しかし、現時点においてはどうしても対応できないような点があるわけでございまして、そういった点、これは平均的な計算を行っておるわけでございますが、平均的な医療機関において救急医療を行い、その診療報酬点数でどうしても赤字になる、そういったものについてわれわれが来年度予算において赤字を補っていこう、こういう考えで平均的なものとして計算をいたしたわけでございまして、一応計算上は赤字を生じないようにということで現在計算は行っておるところでございますが、なお今後、その推移を見ましていろいろ充実を図ってまいりたいと考えております。
○石田(幸)分科員 そうしますと、この百一億円の対策費で、一応現在の点数制度下における救急病院の赤字は大体解消される、そういう解釈でよろしいですか。
○石丸政府委員 ただいま説明をしなかった部分が、さらに救急医療に対してあるわけでございまして、従来から公的医療機関に対しまして特殊診療部門助成費というものが組んであるわけでございまして、これを合わせまして、ただいま先生御指摘のような赤字解消が一応できるという計算をやっておるところでございます。
○石田(幸)分科員 この診療点数制度のもとでは、これはなかなかうまくいかないわけですね。救急医療ですから、夜中の患者に対応しなければならぬというようなことになりますので、そういった時間外のいろいろの手当とかいうものは、結局病院の給付ということになりますので、こういう体制では赤字は解消しないわけで、いま鋭意そういう研究を進めておるとおっしゃっておりますが、そういう面での対応策というのは、いつごろまでにめどがつけられますか。
○石丸政府委員 システムといたしましては、昭和五十二年度を初年度といたしまして三カ年計画でわが国にこの制度を整備するということで五十二年度予算要求をしておるところでございます。ただ、その運営費の問題につきましては、今後疾病構造等の変化等もあると思いますし、いつ完成するかということは、非常にお答えにくいと思います。やはりその時点、その時点で最善の努力を重ねていく以外に方法がなかろうかと考えております。
○石田(幸)分科員 これは大臣も、内容についてはもうよく御存じのとおりでございますが、お医者さんに対してもかなりの犠牲を強いておりますし、経営的にも非常に圧迫しておる、したがって、これはそれぞれの病院が善意の上で対処しなければならぬというような方向になっておるわけでございまして、これでは救急医療を積極的にやろうという姿勢にはなかなかなりません。これは各県の医師会等が相談をしながらやっておるわけですから、いわばやむを得ずやっておるというような感じになっておりまして、これでは緊急のいろいろな事態の発生には対応できませんので、ぜぜひひとつこの点の改善をしていただきたい。これは普通の病気とは全く違うわけでございますから、突然発生するわけでございますので、どうしてもどこかの医療機関でめんどうを見てもらわなければならぬわけでございます。ですから、いわゆるこの医療対策費の配分の上においても、十分これは考慮をしてもらわなければならぬ。ある程度救急医療をやることによって、もうからぬまでもまずまず赤字が出ないのだというようなところまでもっていかないと、大都会を中心にしてこれから非常に問題が発生するのではないか。たらい回し事件というのがしょっちゅう新聞に出ておりますけれども、そういった点、お医者さんをいろいろ待機させておけば、それだけ人件費もかさむわけでございますから、どうしてもやりたがらないというところにつながってくると思うのです。これに対する大臣の所見を伺いたいと思います。
○渡辺国務大臣 大体仰せのとおりでございますが、これは救急な医療のことでありますから、国でも助成はいたしますが、やはり患者の方の負担の問題も、一律、同じということでいいのかどうか、これらのことも考えて、どっちも泣いてもらうというようなことでなければ長続きしないのじゃないか、私はこう思っております。 したがって、そういう報酬の問題、国の助成の問題、それからどういうふうに有効に地域の中でどの病院をあけるかというようなこと、患者が来ないのに三軒も四軒も店開きしても困る、そこで情報システムでどこがあいているのかすぐわかるようなことも含めて一緒にしてひとつ検討してみたい、そう思います。いずれにしても、赤字ばかりでは、やれやれ言ったって長続きしません。ですから、長続きするように仕組んでいきたい、そう思っております。
○石田(幸)分科員 これは名古屋等ではTACCという制度をつくって、動く診療所というようなスタイルで大きなそういう車をつくってやっているわけですけれども、アメリカ等においては非常に制度も進んでおるようでございますので、ひとつ研究していただいて、来年度あたりは何かもう少し制度的に前進できるようにお願いをしたい、こう思っております。 それから、小児専門病院について時間の範囲内でお伺いをするわけでございますけれども、これは小児医療センター整備計画によりますと、各県一カ所というようなことで設備はだんだんと整備されてきているわけでございますが、まだ整備されていない都道府県が十四県ですかあると伺っておるわけでございます。これはもちろん自治体の熱意にもよるわけでございますが、やはり医療の中心となるのは、年齢層の低い方とそれから高い方というふうに集中的に症状があらわれてくるわけでございますので、きょうは小児医療センターの全国的な整備、特に愛知県なんかにおきましては豊橋の方にそういうのをつくったらどうかというような話が出ているようですけれども、これは一番端っこでありますし、つくるにこしたことはないのですが、しかし、やはり県の最も中心部にそういうものを設置していかなければならないわけでありますが、自治体に金がないというようなことでは事は済まされないわけですので、そこら辺の指導方針等もあわせて伺いたいと思うのです。
○石丸政府委員 小児医療につきましては、ただいま先生御指摘のように、一般の医療機関とはまた別に専門的な設備が非常に必要になってまいっているのが現在のわが国の状況ではなかろうかと思っております。したがいまして、小児専門の医療機関というものの整備をいろいろ計画的にやっておるわけでございまして、まず国全体の問題といたしましては、国立小児病院、これは東京の世田谷にございますが、この国立小児病院を整備拡充いたしまして、わが国の小児医療の中枢となる小児専門医療機関とすることで現在いろいろ整備中でございます。そしてこの国立小児病院を中心といたしまして各都道府県に、現在のところそれぞれ一カ所の小児医療センターを整備する方針で昭和四十六年以来この整備を推進しておるところでございまして、すでに二十九都道府県でこの整備が行われたわけでございまして、未設置県が十八ということに現在なっておりますが、その設置につきまして促進するよう、さらに都道府県に対しまして指導してまいりたいと考えておるところでございます。 ただ、この設置につきまして相当の経費を必要とするところでございますので、われわれの方といたしましては、公的医療機関の特殊診療部門に対する助成、すなわち公的医療機関のうちで小児医療という特殊な診療機能に注目いたしまして助成を行っておるところでございます。昭和五十一年度におきましては、全国のうち五カ所施設整備に対しまして補助を行っておるところでございまして、五十二年度におきましても、今後それぞれの府県の計画に応じまして対応してまいりたいと考えております。 なお、先生御質問の愛知県の例でございますが、先日、県の衛生部長が参りまして、知事が新聞発表されたというようなそういったことも聞いておりますので、なお今後、県の方といろいろ相談をしながらできるだけの御援助を申し上げたいと考えております。
○石田(幸)分科員 時間がありませんので、御要望として申し上げておきますが、この小児専門病院というものについては、一つには単なる子供の疾患に対する治療ということだけではなくして、わりと若い母親に対するそういう社会医療教育的なことも積極的にやらないと、何でもかんでもちょっと熱を出すと医者にかつぎ込んでくるというようなことでは、これは人間教育の上から言ってもよくないので、そちらの方もひとつ大いに力を入れて啓蒙、指導をしていただきたい。私たちは、小児専門のお医者さん方に出ていただいて、たまにそういった児童の健康に関する相談会をやっておりますけれども、それを聞いておりますと、もうほとんど子供に対する問題ではなくて母親の子供に対する態度、子供の病気に対する態度、そういうところに問題が数多く発生しておるわけです。この点はひとつぜひまたいろいろな角度から御研究をされ、社会教育の一環としてお願いをしたい、これだけ申し上げまして、時間でございますので終わりにします。
○林(大)主査代理 横路孝弘君。
○横路分科員 実は先日、広島、長崎の被爆の人たちの話をちょっと聞く機会がありまして、政府の政策が、制度的にもあるいはすでにある制度の運用の面でも、どうも十分じゃないということをそのとき感じたものですから、その辺のところを、少し基本的な問題だけにしぼって、先ほども何か認定の問題で議論があったようでありますけれども、お尋ねをしたいと思うのです。 核の問題というのは依然国際的に大きな問題ですし、来年は国連の軍縮総会もあって、その中でもこの核の問題は大きなものになります。それだけに唯一の被爆国民として対外的にも大きな発言をこれからしていかなければならぬときでありますから、そのためにもとにかく国内でこの措置が十分でないということではならぬわけです。 そこで、福田内閣にかわって初めてなのですが、ことしの広島、長崎の、八月六日が広島ですが、これには政府としては総理大臣などが出席するお考えなのかどうなのか、これについてはどのようにお考えでございますか。
○佐分利政府委員 広島、長崎の原爆慰霊祭は毎年行われておりまして、その都度、総理の御都合に応じて、出席なさることもあれば、また代理の大臣がいらっしゃるということもございまして、ことし総理がいらっしゃるかどうかはまだ決まっておりません。
○横路分科員 それは日程の都合だけで出たり出なかったりしていると、こういうことですか。
○佐分利政府委員 そのとおりでございます。
○横路分科員 厚生大臣、日程の都合で出たり出なかったりといったって、やはりこれは基本的な姿勢の問題ですよね。歴代の総理大臣、昨年は三木さんが出られたわけですけれども、これは被爆された人たちからすると、政策が十分に行われているということでもない状況の中で、やはり現在の状況というのを見てもらう、つまり、これは原爆の問題について国がどの程度の責任があるのかという問題ともかかわり合いがあるわけでありますけれども、私は、やはりきちんと総理大臣が出席をすべきだというように思います。ですから、これは日程の都合でなどということではなくて、基本的な方向の問題でありますから、厚生大臣、それはあなたが説得をして出席をさせるつもりがあるかないか、いや、出なくていいということにするのか、やはりこれはその点のところの政治的な判断の問題じゃないですか。いかがでしょうか。
○佐分利政府委員 これまで出席なさいました総理は、佐藤元総理とそれから三木前総理でございます。その他の歴代総理もできるだけ出席するように御努力はなさいましたけれども、国内の問題あるいは国外の問題等が山積しておりまして、実現されなかったわけでございます。したがって、ぜひ総理が広島、長崎に出席をすべきである、また出席するということは、内外の情勢から一概に言えないと考えております。
○横路分科員 ちょっと厚生大臣どうですか。これは政治的な問題ですよ。事務当局の日程の調整の問題じゃないと思うのです。国際的にやはり核の問題というのは、いろいろな面で大きくなってきているんですよ。原発なんかの問題、つまり核の平和利用という問題を考えますと、この被爆という問題も、また新たな問題がこれから出されてきている状況なわけです。そんな意味で、国際的に大きな発言をこれから日本がしていかなければいけない。その日本の政府の責任者が広島、長崎に参加するかしないかということは、これはやはり姿勢の問題だろうと思うのですが、これは厚生大臣はどう考えていますか。事務当局じゃなくて、厚生大臣はどうしたいと思うのか、それは実現できるかできないかは別にして、方向性というのはやはり大臣から伺いたい。
○渡辺国務大臣 私も、できたら行ったらいいと思いますが、なかなか行けなかったというのが実情でしょう。したがって、都合が悪いから行かないとか行ったとかいうのじゃなくて、まあ何年に一遍とか何十周年に一遍とか、むしろそういうふうに決めるのなら決めた方がいいんじゃないかと、そう思っています。
○横路分科員 ことしはどうするんですか。
○渡辺国務大臣 ことしはまだ相談を受けておりませんからよくわかりません。
○横路分科員 これは厚生大臣の方からやはりできるだけ、福田さんも総理大臣になって今度初めてですから、出席するという方向で話されたらいかがですか。つまり厚生大臣のお考えはどういうことなのか。
○渡辺国務大臣 まあ何回忌とか、やっぱりいろいろななにがありますからね、こういうふうな式典なんというものは。そういうふうなことも考えて、総理大臣にぜひ行ってもらいたいというような場合には、私からも強く進言をいたします。
○横路分科員 それじゃ、その議論はもう一度後でまた行います。 ちょっと数字を確認したいのですが、現在、被爆者健康手帳を持っている人というのは、一番新しいところの数字で何人ですか。
○佐分利政府委員 少し古くなりますけれども、昨年の三月末現在で三十六万四千人ということでございます。過去一年間にどれぐらいふえたかという数字につきましては、従来の経験からいたしますと、大体五千人前後おふえになるのじゃないかと考えております。
○横路分科員 これは傾向は毎年毎年ふえていっているんですね、手帳を持った人が。そうですね。
○佐分利政府委員 そのとおりでございます。
○横路分科員 認定被爆者は大体何人で、全体の何%ぐらいになりますか。
○佐分利政府委員 現在生存していらっしゃる認定被爆者は、約四千二百名でございます。
○横路分科員 そうすると、これは何%かな、一%ちょっとぐらいですか。そのうち医療手当を受けているのは何人ぐらいですか。
○佐分利政府委員 約半分の二千人でございます。
○横路分科員 健康管理手当と介護手当はどうですか。
○佐分利政府委員 保健手当は、明年度の予算案では約五万人を予定しております。これはすでに五十年の十月から実施しておりますけれども、ほかの手当をもらっていらっしゃらない方に支給しておりますので、保健手当をもらっていらっしゃる方が、省令で定める十種類の病気のどれかが出てまいりますと、健康管理手当の方へお移りになるわけでございます。そういう関係で保健手当の受給者は若干減るような傾向にございます。 また、介護手当は、これは毎月必要に応じて申請されてまいりますので、人数というような表現はできにくいのでございますけれども、年間で五千件ということになっております。
○横路分科員 認定被爆者の数はどうなんですか。ふえているんですか、大体変わりないんですか。
○佐分利政府委員 先ほど申し上げましたが、少しずつふえているのでございます。従来約八千八百人の申請がございまして、そのうち七千六百人程度認定されているわけでございます。認定率は約八四%ということになりますが、そのうちお亡くなりになった方もございますので、現在は四千二百人ということでございまして、毎年若干ずつふえております。
○横路分科員 大臣もお聞きのように、一応この特別措置があっても、現実に認定されている人が一%を超えているぐらい。申請者の数との対比で認定率が高いという話がありましたが、手続が非常にむずかしくて、窓口で実はあきらめてしまっている人がずいぶんたくさんいるわけです。 そこで問題は、昨年の七月に判決が出ました石田原爆訴訟ですね。広島地裁の五十一年七月二十七日の判決ですが、これは控訴しないで判決そのものが確定していると思うんですけれども、この控訴しないで認めたということはどういうところにあるのか。確定させたその理由について政府としてお答えをいただきたい。
○佐分利政府委員 結論から申しますと、石田さんの現時点における要医療性を、判決の申しますように認めるということでございます。ただ、その過程は判決とは違うのでございまして、判決で申しております古い、固定した原爆白内障にタチオン等の薬物療法が効くかもしれないということは承認することはできません。また、石田さんの最近起こってまいりました老人性白内障が原爆放射線の加齢現象によって起こったものだということも承認することはできないわけでございます。しかしながら、石田さんの場合には原爆白内障と、また最近起こってきた老人性白内障が合併しておりますので、その併合作用を総合的に勘案いたしますと、要医療性ということが認められるということで、控訴をしないで判決に従ったわけでございます。
○横路分科員 判決の効力というのはいろいろ議論のあるところなんですけれども、もちろん具体的な処分については、結局は厚生大臣の却下処分というのは、いろいろの問題があったということになったわけですね。問題は、医療法の八条の問題なわけですけれども、ただ、そこに至る、つまり却下したのは間違いであるという結論を導き出していった論理の構造というものがあるわけです。 いま一応、一つずつその辺のところを詰めて議論をしたいなというように思うわけですけれども、まず、その認識の問題ですけれども、この判決文を読んでみますと、原爆の被害というのは、単なる肉体的な側面ばかりじゃなくて社会的な側面、医学的な側面というように、かなり広く見て経済的、肉体的、精神的破壊という総合的な被害なんだということをきちっと位置づけているわけです。特に社会的側面から見た被害というのは非常に重要だと思います。「原子爆弾による被爆者は、一般空襲による被災者と違って、おおむね放射能による永続的な身体障害を受けているため、労働能力に大なり小なり影響を受け、労働能力を失なった者はもとより、失なわないまでも、その減退により就職に困難をきたし、職を得た後も休職、転職、失業の繰返しを余儀なくされ、生活に深刻な苦しみを訴える者が少なくない。」そして手帳の数がどんどんふえているというのも、いままで差別されてきてなかなか申請すること自身がちゅうちょされていた、それがいろいろな運動の中で出てくるとか、あるいは病気になって困り果てて出てくるとか、いろいろな形があると思うんですけれども、毎年、毎年ともかくふえているというこの事実をわれわれどう見るかということが非常に大事だと思うのです。 それで、いまちょっとお話ししたこの判決の、つまり被爆者というのは一般空襲の被災者とやはり違う、そうしてこういう意味での社会的な被害というものを受けて、貧困と障害ということの悪循環を重ねているのだ、そういう人たちが、先ほどのお話ですと、三十六万四千人もいるということになるわけなんですが、この判決のここのところ、基本的なここのところはどうなんですか。皆さんとしてここにも何か問題がある、こういうことなんですか。
○佐分利政府委員 現行二法も、その判決と同じような立場に立ちまして、被爆者は原爆の放射線を多量に浴びて、いまなお心身ともに苦労していらっしゃるというところに着目して、被爆者の健康と福祉の向上を図るための措置を講じるために現在の二法で原爆対策を運用しているものでございます。
○横路分科員 その三十六万四千人のうち認定患者が四千二百人、一%ちょっとなわけですね。つまり特別措置の恩恵というのは、先ほど言ったようなものがあるわけですけれども、制度としては。現実にその恩恵を受けている人というのは非常に少ないという現状なわけですね。毎年、毎年健康手帳の人がふえているというのは、これはどういうように皆さん方は判断しておるのですか。一%ちょっとだというようなことで十分な行政を行っているというようにお考えになっているのですか。やはり認識が皆さんの方は違うのじゃないですか。一般の社会保障でやればいいというような考え方じゃないですか。どんどんふえているあたりと今日置かれている社会的な状況というのを、厚生省はどういうふうに認識されているのですか。
○佐分利政府委員 被爆者手帳の所持者がふえておりますのは、すでに長い歴史もございますけれども、被爆地域の地域拡大をやってきたというような問題が一つございます。また、そのほか先ほどお話しのように、被爆者も高齢化してまいりましたので、これまで辞退しておりました者がだんだんと申請なさるようになったということもあろうかと思います。そういう関係で被爆者の数がふえているのでございますけれども、認定患者は、これは近距離で非常に多量の放射線を浴びた方々の中で起こる問題でございます。したがって、これまで原爆医療審議会で、ほかのこのような障害の認定の審査会などと歩調を合わせながら厳正に認定をしてきたわけでございますけれども、皆様方の立場から見れば、認定被爆者の数が非常に少ないようにお考えになるかと思いますけれども、原爆放射線障害の特殊性から見ますと、過去累積で七千六百人、また現在生存認定被爆者で四千二百人という数は、それほど小さな数ではないと思うのでございます。
○横路分科員 もう一つこの判決の基本的な側面は、いわゆる原爆医療法の性格なわけです。この原爆医療法を社会保障法などと同一の性格であるということについては疑問があるというのが、この判決の趣旨でありまして、これは前の福岡高裁の五十年七月十七日の判決をさらに発展をさせた内容になって、そのことが実は、この判決の結論を導き出す一番の骨格をなしているのじゃないかというように思います。 幾つか判決の中を——もう皆さんは御承知だろうと思いますけれども、この原爆はもちろんアメリカ軍による投下なわけですけれども、それは結局「わが国がその権限と責任において開始した戦争により招来されたらのであり、被爆者個々人の責任によるものではない。そして原爆医療法は、原子爆弾被爆者の身体的被害の特異性、悲惨さ、しかもそれが個人に責任のない戦争によって生じたものであるといった事情から、特に被爆者のみを対象として制定されたものといえるのであって、戦争犠牲者としての被爆者救済を目的としたもので国家補償法としての側面をも有する。」ということが、この判決の中で明確にされているわけです。 実は、ここのところが特別措置法と、それから私たち毎国会、被爆者援護法という形で新たな法制度の要求をしているところとの実は基本的な物の考え方の違いになるところなわけですけれども、この判決を、皆さんの方で控訴されないで、確定をされた骨格のここの部分については、これは厚生省としてはどうお考えになりますか。
○佐分利政府委員 石田判決におきましては「国家補償法的な側面をも有する。」という表現をとっております。厚生省といたしましては、そのような表現をとったことはないのでございますけれども、数年前から歴代大臣が国会答弁等で、現在の原爆二法は、たとえば三十二年に医療法を上程したとき、四十三年に特別措置法を上程したときには純粋な社会保障法である、社会保障制度であるというような説明をしたけれども、しかしここ数年、たとえば医療法で見ますと、四十九年の十月から特別被爆者と一般被爆者を一本化して、だれでも医療がただで受けられるようにいたしましたし、また特別措置法では四十九年十月から、それまで健康管理手当に年齢制限がかかっておりましたものを撤廃しております。また先ほども御説明いたしましたが、五十年の十月からは、爆心地から二キロ以内の多線量直接被爆者につきましては、たとえ健康であっても保健手当を差し上げるというような制度ができております。さらに所得制限につきましても、数年前には適用率が八〇%ぐらいでありましたものが、明年度の予算案では、普通の方で九五%、認定患者では九六、七%というように緩和されてまいっております。 そういった関係から、現在の原爆二法は、国家保障制度と社会保障制度の中間的な性格を持つようになってきたのじゃないかと言われているわけでございます。そういう意味で、その判決の御趣旨とわれわれの運用しております原爆二法の現在の性格、さらにその運用の方針といったものは余り違わないのではないかと考えております。
○横路分科員 大臣にちょっとお尋ねしたいのです。原爆の問題について、やはりこれは日本国の政府、日本国の国家にその責任があるのだということ、これはどうなんですか。厚生大臣はどのようにお考えになっていますか。つまりこれは、法律の立法趣旨はまた別にして、法律の解釈でそれが変わってきたわけですよね。いま言われた社会保障的、立法制定当初のそういう説明から、現実の運用の中でそれはそうじゃない。なぜ変わってきたかというと、原爆というものについてどういうぐあいに認識するかという認識がやはり変わってきたということでしょう。国に責任があるのかないのかという点をはっきりさせなければいかぬし、それがまさにこの石田判決のある意味で言うと画期的な意味だったのではないかと思うのです。 厚生大臣、これはともかく三十二年たっておるわけですよ。そしてみんなだんだん年をとる。被爆二世、三世なんという問題も出てきて、こういう問題も、これはもう確かに新しい分野でありますけれども、いろいろな研究、そのほか非常におくれているんですね。ようやく出発したばかりと言ってもいいぐらいなんですよ。したがって原爆の問題は、その医療の問題にしてもその他の政策にしても、基本的にはやはり日本の国にもこの問題については責任があるのだという観点に立たぬ限り政策が前進しないわけです。そこのところの厚生行政の頭の切りかえというものが今日、この石田判決は去年の判決でありますが、問われているわけです。 実態は、もう本当に私ら話を聞いてみてびっくりするような実態で、戦後は、特に占領下においては、この問題というのは余り表に出ることがなかった。いわばアメリカ軍の秘密であったというようなこともあって、非常におくれていますね。法律自身ができてきたのが、ほかの関係に比べて非常におくれてきているわけです。しかも制度自身の運用も、非常に硬直な運用がなされている実態でありますので、その辺の頭の切りかえ、基本的に変えなければいかぬのじゃないかと思いますが、厚生大臣どうですか。
○佐分利政府委員 戦争に関する国の責任につきましては、これは一概には言えないと思うのでございます。いろいろな意見があろうと思うのであります。また、もし一部の責任があるという立場をとった場合も、たとえば原子爆弾も焼夷弾のじゅうたん爆撃も同じようなことでございまして、そういう意味で一般戦災者の問題が起こってくるわけでございます。したがって、これは法理論的にも非常にむずかしい問題であるので、諸外国、先進国を見回しましても、この問題がいろいろ論議はされているけれども、一つのまとまったような形になっていないのじゃないかと思うのでございます。
○横路分科員 この判決の一番最後のところにこういうことを裁判所で言っているわけです。「被爆者に対する法律としては、原爆医療法だとか特別措置法がある。そしてその一定の制限のもとに特別手当とか健康管理手当とか医療手当などを支給することを定めているけれども、その対象範囲及び額において十分な施策が講じられているとは言いがたい。被爆者が老齢化の一途をたどり、今後の生活における不安が懸念される現在、国においても、この置かれている実態というのを把握しながら対策の改善に努めることが要請されるとともに、いわゆるこの二法の運用を初めとする被爆者行政に当たっても、かかる被爆者の立場を十分に理解し、適切な指導、措置を講ずるよう配慮することが望まれる。」 いろいろ裁判所で調べてみた結果、行政そのものがきわめて不十分だ、こういう結論をして、裁判そのものは個別的な事件ですから、個別的な事件については厚生大臣の却下処分を取り消したということになっているわけです。そして、それをめぐっていろいろ皆さん方との間にやりとりがあったわけですね。まさにここで裁かれたのは何かというと、この石田さんの事件を通しながら、いままでの原爆医療行政そのものなわけですよ。この判決が出たのが去年の七月なんです。したがって、その判決を受けとめてどうやって変わっていくのかというその変わっていく方向性というものが、いまの御答弁だと全然出てきてないわけですよ。 したがって私たちは、やはりこれは新しい立法が必要だということで、やがて各野党まとまりながら援護法を国会に出す予定でありますけれども、しかし、その立法措置が講ぜられれば、もちろんそれで一番いいわけですが、その前提として、行政が硬直した行政では幾ら法律ができても、これはやはり運用でだめなわけですね。その辺のところの頭の切りかえ、こういう原爆医療行政についての認識ということが現実に裁判所から指摘をされているわけですから、この指摘をどう受けとめるかという姿勢が、いままでの御答弁だとどうも余りうかがわれないのではないかというように思うのですが、これは厚生大臣どうですか。
○渡辺国務大臣 それはいろいろ議論のあるところだと思います。しかしながら、厚生省としては、原爆二法というものが、最初は社会保障的な考え方でスタートしたのだけれども、最近、裁判官の言うような側面というものも考慮をして、そうして社会保障的な面のほかに一部国家保障的な意味合いもあるのかなというような運用がされておる。やはり完全な国家保障の体制にしろということについては、先ほど公衆衛生局長からも言ったように、他の戦争被害者との公平の問題という問題もございます。ですから、完全な国家保障に持っていくということはちょっと私は考えられない。その中間みたいなところ、しかし、一般の社会保障よりも、めんどう見るというのは語弊がありますが、給付や何かで分厚くしておるということは事実なんでございます。したがって、こういうことは、物の考え方ですから、横路さんのような考え方もございましょうが、しかし、もっと多くの障害者とか戦争犠牲者とかいうものを考えると、やはりこれだけを取り上げて国家保障に持っていくというところまでは私どもは踏み切っておりません。
○横路分科員 私が指摘をしたのは、要するに判決の内容を紹介をしながら——この判決は皆さん方控訴しなかったんですよ。判決として確定しているわけですよ。そしてこの判決、いわば処分を取り消したというその取り消しに至る過程が、原爆医療法というものをどう位置づけるか、原爆というものをどう位置づけるかという、そのきちんとした位置づけの中から、私が先ほどから議論をしている二つ三つの点を柱にして、いわゆるその認定の問題について、要件の充足の程度についてはどういうぐあいに考えたらいいだろうかという医療法八条一項の物の考え方、先ほど言った二つの点、原爆というものの持っている特殊性、それからその持っている社会的あるいは医学的な悲惨な被害の現状というようなもの、しかも原爆ということについての日本国家の責任というようなことを柱にしながら、八条一項の解釈について、たとえば要件の充足の程度については、原子爆弾による障害、放射能障害の特殊性、このことを考慮して制定された医療法の立法目的や性格を踏まえて、一体それに起因するかどうかという問題だとか治療方法の存否についでの医学の解明度や将来にわたる研究の必要性を配慮しなければいけないという、ずっと流れの中でこの処分というのは取り消しになった。そして皆さんの方は控訴しなかったわけです、裁判に従っているわけです。 ですから、従っておきながら、なおかつその物の考え方は承服できないなんて、そんなばかなことはないですよ。それは確かに実際の事件そのものですけれども、しかし、それが全く一般的効力がないとか行政はそれを参考にしなくていいとかなんとかいうことになったら、これは三権分立の趣旨を全然わきまえていないということになりますよ。司法からの指摘ではあるけれども、やはり従来の行政の問題をその物の考え方に従って指摘しているわけですから、全くそれは関係ない、そういう考え方もあるのだということではないですよ。裁判所の決定には全く従わない、こういうことですか。
○佐分利政府委員 確かに判決の論旨等個々に当たってまいりますと、政府との見解の相違は非常に多いのでございますけれども、結論としては判決の趣旨に従ったわけでございます。つまり石田さんを認定患者として認定する、また石田さんと全く同じようなケースの方が過去にあり、あるいは将来出てくれば、やはり認定するという結論は全く同じにしたわけでございます。 また、石田さん御本人にしても、被爆者団体等等の方々にいたしましても、国に対しては控訴しないようにという強い御要望も一方においてあったわけでございます。したがって、このような形になったわけでございます。
○横路分科員 時間が来ましたので、これで終わりにしますけれども、三十年たってこういう状況であるということで、問題はまだまだたくさんあります、法律の問題を含めて。これは、いずれ援護法を国会に出したときにでも、また、この判決そのものに従って議論を行っていきたいと思います。 時間が来ましたので、これで終わります。
○林(大)主査代理 津川武一君。
○津川分科員 きょうは酒などアルコール飲用、それの実態を少し明らかにして、アルコール飲用によって起こるいろいろな障害に対して、精神衛生面から若干の質問をしてみたいと思っております。 そこで、国税庁にお尋ねいたします。酒の税金の額がどのくらいになっていますか。四十八年度、四十九年度、五十年度の実績、五十一年度の見込み額、五十二年度の予算案、これを明らかにしていただきます。
○吉田説明員 酒税収入でございますが、四十八年度は八千二百二十六億円、四十九年度は八千四百六億円、五十年度は九千百四十億円の実績がございます。五十一年度と五十二年度につきましては、歳入予算による数字でございますが、五十一年度は一兆七百十億円、五十二年度は一兆五百八十億円となっております。
○津川分科員 それだけの酒税を国民が払っておるとすれば、国民の飲んでおる、酒のために使ったお金は総額どのくらいになっていますか。それを国民一人当たりにするとどのくらいになっていますか。四十八年度、四十九年度、五十年度について明らかにしていただきたいと思います。
○吉田説明員 国税庁におきましては、国内の酒類の製造業者が消費者に売った数量、それから国内の販売業者が消費者に売った数量ということで、各年度につきまして酒類の消費数量を押さえているだけでございます。国民が幾ら金額を支払ったかということにつきましては、正確な調査はございません。(津川分科員「推定で結構です」と呼ぶ)ただ、消費数量の中身はわかっておりますので、それを代表的な銘柄で売られた、こういうふうに計算してみますと、おおよその見当でございますが、酒類の消費金額は、四十八年度で二兆一千五百億円前後、四十九年度で二兆五千億円前後、五十年度で二兆八千二百億前後、このように推定されます。 これを人口一人当たりで割ってみますと、四十八年度におきましてはおおよそ一人当たり二万円、四十九年度では二万二千九百円、五十年度では二万五千四百円程度になろうかと存じます。
○津川分科員 国税庁の方ありがとうございました。もう結構でございます。 そこで、国務大臣の渡辺さんにお伺いします。 これだけの税金、これだけのお金を国民は酒のために使っている。二兆八千億円というと、お米の消費に匹敵するくらいだと思います。一人二万幾らかとなってくると、一家五人にすると一年に十万円。これだけの税金を取って、これだけの酒を飲ませるために、新聞、テレビのマスコミ宣伝にこれひたすら努めて、その結果国民がどんなことになっているか。かなりの夫や父が大酒飲みで暴れる乱酒家になって、そのためにお金を使って一家で十万、特定の家になってくると二百万、三百万。このために一家が貧乏のどん底にたたき落とされてしまっています。もう一つは、父や夫のこういう大酒飲みによって子供が崩れてしまって不良化する。おやじが酔っぱらって電信柱あたりに小便している。子供はお父さんに学校のPTAに来てくれるなと言う。子供はお父さんをきらうようになって不良化していく。また、そんなことのために夫婦が別れ別れになる例が非常に多くて、毎日の新聞の人生相談欄をにぎわせている、こういう形で大変なことになっております。これに対して国が必要な施策をしないものだからどんな結果になっているか。一家にとって、子供にとって妻にとって母にとって、この酒の暴れん坊ほど困ったものはない、邪魔者はない。そこで邪魔者は殺せです。 最近、新聞をにぎわせている幾つかの例の中から、たとえば私のこのノートの中に読売新聞の二月二十五日、仙台市で高校二年生の女の子が、酒で乱暴して襲いかかろうとしたお父さんを、そこにあったステンレスの包丁で身を守って殺しています。もう一つ、二つ挙げますと、三月七日、横浜の戸塚で、酒好きの夫が暴れて、妻がバットを持ち出して自分を守ったところ、今度は夫がハンマーで妻を殺しています。三月八日、千葉県印旛郡四街道町下志津新田、むこの妻と妻の母親が、むこが酒を飲んで暴れるために二人でこのむこを、母にとってみれば養子、妻にとってみれば夫を、自分たちを守るために殺してしまいました。本人は死んだ。妻と養母はいまつながれておる。子供たちは路頭に迷って、そういう子供を入れる施設に収容されております。結果は、国がなすべきことをなさなかったから。 したがって大臣、国務大臣としてこういう状態をどう見ているのか。この実態を速やかに調査して、全的に把握して必要な対策を打たなければならないと思うのですが、いかがでございます。
○佐分利政府委員 確かに御指摘のように、最近、アルコール中毒によりますいろいろな犯罪事件とかあるいは刑法事件、こういったものが目立つようになってまいりました。そこで、私どもといたしましては、今後さらにアル中対策全般について総合的に力を入れてまいりたいと思うのでございますが、ただいま先生がおっしゃいました最近における日本のアルコール中毒の実情、実態といったことにつきましては、明年度予算案でお願いしておりますように、調査研究費も新たに計上いたしましたので、久しぶりでございますが、調査をいたしてみたいと考えております。
○渡辺国務大臣 酒害の問題は、大変な社会問題だと思うのです。酒害をなくすのには酒を全部禁止してしまえば一番いいのでしょうけれども、とてもそういうことは言うべくしてできる問題じゃない。問題は飲み方。薬によく似ているのじゃないかという気がするんですよ。酒は百薬の長で、飲み方によっては非常に薬になるけれども、程度を超せば害になる、これも事実です。だから、程度を一律に決めて、一人一合以上飲んではいかぬ、こう言っても、一合では水ぐらいにしか思わない人もあるし、一合飲んだらひっくり返って、あしたは病院へ行っちゃう人も出てくるし、これは個人差がうんとあるわけです。ですから、これはなかなかむずかしい。本当に事前に防止するには、飲む場合は適量に飲めというような宣伝でもするか、何かそのほかまた、やけ酒を飲まなくてもいいような環境をつくってやるとか、これもやはり一つだと思うのです、実際問題として。しかし厚生省としては、どうしたって酒を飲んだ後の方の始末ですね、正直のところは。ですから、アルコール中毒の臨床医の職員をもっと研修させて、アルコール患者を早く治すようなことにもっと金を使うとか、アルコール中毒患者の社会復帰について、そのいろいろな施策を講じてやるとか、アルコール中毒の専門病院の病床の整備を図るとか、そういうようなことがわれわれにできそうなことではないか、そう思っております。
○津川分科員 実はこの質問、厚生省の担当のところでやるか総理府のところでやるか迷ったのです。いま厚生省ではアルコール中毒の調査をやると言う、これはよろしい。しかし問題は、アルコール中毒の前なんだ。何でもない人が飲むと暴れてしまって殺されている。これはアルコール中毒ではない。子供たちがぐれていっているのもアルコール中毒でない。夫婦げんか、離婚もね。 したがって、そういう状態を国務大臣として全体的に把握することを閣議で提唱していただきたい、このことをひとつ約束してくださいますか。
○渡辺国務大臣 私は、別に所管争いをする気持ちは何もありませんが、厚生省で把握するということはなかなかむずかしいでしょう。しかし私も、閣僚でございますから、そういう悲惨な状態が統計的にどれぐらいあるのか、あるいはとってあるかもわからぬし、それはよく調べてみたいと思います。しかし最終的には、やはり先ほど言ったように、アルコールは薬と同じで、なかなか全面禁止というわけにはいきませんよ。アラビアあたりの国でどこかでやっているそうだけれども、それだって、死刑になるといったって隠れて飲む人があるというんですからね。だから、非常にむずかしい問題だが、これは宗教家だったら飲まなくなることが一番確実なんだけれども、国が特定の酒を飲まない宗教を奨励するわけにもいきませんし、非常にむずかしい問題、教養の問題とも絡んでおりますが、その実態については私の方でも調べてみます。
○津川分科員 厚生省はアルコール中毒は調査すると言う。ところで酒を法律でとめて禁酒をしている国が一番悪いんです。 そこで、どうして酒に走るかということになってくると、職場に行って上官と合わない。うちの中にいやなことがある。同僚と仲が悪い。破産する。離婚する。出かせぎ者、親子夫婦離れ離れになってきたない宿舎でいる。そうすると飲む。私が出かせぎ者の飯場に行ってみると、まずあるのは酒なんです。こういう点で、飲み助の心持ちの悪いことが一番の原因です。きちんと飲めば一番いい。だが、日本の現実の生活はそこにいっていない。そこでは余りにも酒を飲ませるものがある。 したがって、これを守ろうとすれば、どうしても精神衛生面が必要になってくる。今度、精神衛生面の中でアルコール対策が十分かというと必ずしも十分でない。そこで、精神衛生におけるアルコール対策の位置づけをはっきりして厚生省が乗り出す必要があると思うのです。先ほどアルコール中毒を調査してみると言う、いい。そこで、こういう考え方で精神衛生を見直さなければならないというようになったと思うのですが、いかがでございますか。
○佐分利政府委員 確かにアルコール中毒も、先ほど来お答えしておりますように、いろいろな問題が目立つようになってまいりました。しかしながら、わが国におきましては、民族的な体質が強いと申しますか、あるいはお酒の種類とか飲み方が違うというような点もあるかもしれませんが、諸外国に比べるとまだ少ないと思うのでございます。 そういう意味で、新しい精神衛生の問題も、いわゆる一般ノイローゼの問題だとか、あるいは老人の精神障害の問題だとか、そういうふうなものがまず数多く控えておりますので、私どもの第一線の保健所を中核にいたしました地域精神衛生等におきましても、そういった総合的な精神衛生対策の一つとして、アル中の対策にも逐次力を入れていくということになるのではないかと考えております。
○津川分科員 私は、昨年度もこの委員会でこれをやっているのです。アルコール対策として研究費が五百万出た、それがふえただけなんだよな。だから、ここのところは、やはりアルコール対策を精神衛生の面で一つの部門としないで、かなり重要な部門として国を挙げて取り組むべきだ、こういうことなんです。大臣いかがでございます。
○渡辺国務大臣 アルコールの中毒患者対策については、やはり厚生省だけでなくて——諸外国と比べて日本がどの程度あるのか私、よくわかりませんけれども、いまあなたが指摘したような悲惨な例のあることは、それはときどきあるんですよ、私も聞いたり見たりしたことありますから。ですから、それはやはり国を挙げて取り組むことは必要だと思います。
○津川分科員 そこで、予防のために精神衛生の部門の中にアルコール対策をやる。いま保健所にアルコールの専門医の嘱託医がいる。保健婦を講習している。そしてそのために特別に教育もしている。生活相談員もある。これは私、覚えている。ところが、どこの保健所に行ってみても、精神衛生のアルコール専門の嘱託医が一日七千五百円なんだな。国家公務員でならまだ行くよ。普通の開業医で、いま病院を捨てて一日七千五百円では行く人がないんだ。だから、対策を強めなければならないとぼくは言っているのです。ここのところをやらなければ保健所は進まない。さあ保健婦に教育をする、どのくらい教育をするかというと、一日のうちに二時間ぐらい精神衛生をやって、その中に十五分アルコール対策が入っている。それでも保健婦は喜んで来るが、保健婦はほかの仕事がいっぱいで、この習ってきたことをやる暇がない。生活相談員の免状をもらってくる、ところが保健所に帰ってくると保健婦なんだ。保健婦の仕事ばかりやらされていて、この精神衛生とかそういうアルコール対策の相談を受ける暇もない、出て行く暇もない、事件が起きても見に行く暇がない。 だから私は、この体制ではいかないと言っている。局長、口で言うことはいいよ。実態はそうなんだ。もっと端的に言うと弘前保健所だよ。りっぱな天下の名医の人がいるが行けないのだよ。嘱託の名前はあるのだ。そこいらの実態を見て精神科の特にアルコール対策を考えておる嘱託医の待遇、意見、周りを整備してあげる、教育を受けた保健婦にそのことをやれるような保障をしていく。特に生活相談員には、保健婦の仕事をやめて生活相談員としての仕事をきちっと分掌、仕事を分化してあげて、そこで専念的にやらないと、いまのところ進んでいません。 私は、このために東京やあちこちの保健所を若干調べてみましたが、全部だめです。厚生省に来るとやっていると言う。したがって、このためにアルコールの対策を、ここでくっきり一つの仕事として抜き出して対策を打たなければならない。ですから、その方針を聞いて、来年またここでこのことをやりますので、来年はどのくらい進んでいるか——は落選したくない、どうしても帰ってきてこういうことをやりたいと思う。(笑声)方針を聞かせてください。
○佐分利政府委員 まず、保健所の精神衛生の嘱託医の制度でございますけれども、明年度の予算案では百カ所保健所をふやす、七百五十七になるということでございます。また、その諸謝金につきましても、先生はひどい単価だとおっしゃいましたけれども、ほかの循環器疾患とかあるいはガンとかそういった方の専門医とのバランスもございまして、そう精神衛生だけ特別に上げるわけにもまいりません。しかし、全部毎年幾らかは改善をしているところでございます。 また、精神衛生相談員でございますが、この制度はすでに十年近くの歴史がございますので、全国としては四千名近い方を認定講習会で認定していると思うのでございますが、保健所にいる方は……(津川分科員「保健婦が六千人だよ、それで四千人」と呼ぶ。)いいえ、これはいまから御説明いたしますが、保健所には二百六、七十名しかいらっしゃらないのでございますが、町村保健婦の中に精神衛生相談員の資格を持った方がずいぶんいらっしゃる。また地域によっては、そういった町村の、国保の保健婦が中心でございますが、やはり地域精神衛生活動に協力をしてくださっているわけでございます。 そういうことで、確かに先生の御要望から見れば、現状はほど遠いのかもしれませんけれども、もう一つ、まだ歴史は新しい、ここ二、三年の歴史でございますが、社会復帰の指導相談特別対策をやります保健所、これも来年は二百十二カ所でございましたか、五十八カ所ふやすというようなこともやっておりますし、ほかの施策に比べますと、地域精神衛生対策とかあるいはアル中対策というのは、かなり私どもとしては力を入れているつもりでございます。ただ、医務局の施設整備が一応終わりましたので、金額としては少なくなったような印象を与えるのではないかと思っております。
○津川分科員 名前はある。だから、精神衛生相談員として仕事をつくる体制をつくって、精神衛生相談員として保健所に置く、保健婦でなく。精神衛生相談員の資格はあるけれども、保健婦として雑務で仕事をしているからできてないという実態。したがって、保健婦としてその人を任命するのじゃなく、精神衛生相談員としてはっきり位置づけてやるのを何人かつくって、それで誇りを持って来年ここで報告していただきたい。現状は、あなたが何と言ってもそういう状況です。 もう一つ、政府のそういう体制に対して民間が、たとえば断酒会だとかキリスト教関係の人たちとか、日本ではアルコール問題協議会があって、ここいらの人が非常に一生懸命やっておる。これに対して厚生省が、十分にその人たちの仕事を尊重して、その人たちが全部仕事が展開されるように援助をする。政府自身がそういうことをやって成功した例は国際的に余りない。成功しているアルコール対策は、民間人がやったときに成功している。日本にあるこの民間団体に対してもっともっと指導を強めて、もっともっと厚生省が仕事を頼んで、もっともっと厚生省が連絡していく、こういう体制が必要だと思うのです。残念ながら、そういう民間団体に対しては、いろいろな理由があるのでしょうが、必要な補助も援助もされてないという実態。精神衛生連盟を通じていくけれども、そこのところに、そういう団体に国が直接援助してあげればもっともっと育つと思うのです。この点はいかがです。
○佐分利政府委員 特にアル中対策については、御指摘のとおり民間団体がりっぱになり、力が強くならないと成功しないということは、各国の歴史ではっきりしております。ただ日本の場合には、あのようないろいろな種類の団体があり、しかも法人ではなくて任意の団体であるというようなものに補助金を国が出すという慣習がないのであります。しかし、大きな都道府県では、すでにそういった団体に県単独の予算を計上していろいろな補助をいたしております。日本におきましても、アル中事業の特殊性から見て、将来そのような方向に進むものと思うのでございますけれども、これが一年、二年のうちに先生がおっしゃるような形に進んでいくかどうかはまだ疑問があると思います。やはり日本の従来の慣習からすれば、精神衛生連盟等を通じまして、地域のそういった団体の指導者の教育訓練とかあるいは啓蒙普及活動、そういったものを間接的に助成するというような方法しか、しばらくの間はないのかもしれないと思っております。
○津川分科員 直接的な援助が一番いいけれども、間接的なものでも結構ですが、うんとやはりふやしていく必要があると思うのです。 そこで私は、かなり注文をつけて、かなり否定的な面を指摘したりしましたけれども、最近やはり久里浜で研究をやったり、研修したりしてかなり進んだ面もございます。それは私、認める。ところが、久里浜の仕事が、まだ日本の精神衛生関係の人に、市町村の段階のところには必ずしも届いてない。いま久里浜の皆さんが予算を突っ込んだの、どうなっておりますか。
○佐分利政府委員 久里浜病院をアル中対策の国の基幹施設とする計画は、すでに三十八年度から始まってきたわけでございます。それによって一般的な建物、設備の整備もいたしましたし、アル中病床四十床も整備いたしました。しかし、先生からの御指摘もこれまで何度もございましたので、五十年度、五十一年度に特に研修棟、研究棟、さらにその備品の整備費を計上して整備をしたわけでございます。 そこで、一般的に申しますと、まだ研修機能とそれからモデル的な診療機能しか発揮いたしておりません。研究機能を強くするのはこれからではないかと思っておりますけれども、他のたとえば武蔵療養所その他の十五アル中の専門病院が全国にございますので、そういったところとの連携も強化いたしまして、診療についても、研究についても、研修についても、御要望に沿えるような中核的な施設にしていくように努力したいと考えております。
○津川分科員 これ一問でもう終わりますけれども、久里浜のやっている仕事をもっと全国に紹介して、宣伝して、あそこがそういうセンターに、武器になるように厚生省もやはりやってほしい。ところが、実態は二百三十五ベッド、専門医が八人、これではやはり十分な研修もできないので、こういうスタッフの充実も必要だと思うのです。自分たちのことを言っては恐縮ですが、私のところでも二百四十で、専門医が六人です。久里浜が二百三十五ベッド持っていて、治療していて、研修するというのは、ここもやはり研修がどうしても十分にいかないので、思い切って久里浜を拡張していく。そして、それでもまだ足りなければ、その十五の精神病棟を持っているところにももっと援助もするし、精神病棟もふやしていく、こういうことを要求して私は質問を終わります。
○林(大)主査代理 長田武士君。
○長田分科員 まず私は、保育所の問題についてお伺いをいたしてまいりたいと思います。 私が住んでおります練馬区では、要保育児童数が昨年七月末現在で九千三百七十七人、これに対しまして保育所に入れる児童数はわずか四千四百六十七人しかおりません。これをパーセンテージで申し上げますと、練馬区では要保育児童で保育園に入所できる者は四七・六四%、残りの五二・三六%の児童は入所できないということで、これは東京二十三区の中でも最低であります。しかも要保育児童の出現率は、昨年の七月末の時点では一七・三%と高く、これは年々増加の傾向を示しておるわけでございます。大体、東京二十三区にありながら五〇%以上もの児童が保育所に入所できないのは練馬区だけでございまして、他の区では実に九〇%以上の児童が入所できるところもございます。日本の未来を担う幼い子供たちにまで、こうした政治のひずみ、不公正を与えてよいものかどうか、当局の御見解をお伺いしたいと思います。
○石野政府委員 東京都二十三区内の保育所の状況につきましては、御指摘のとおりでございます。 国が保育所全体についてどうするかという問題が実は基本にあるわけでございますが、国の政策というのは、やはり全国的な視野で、各都道府県全体の需給のバランスがとれるかどうか、こういう観点から整備をしなければならぬわけでございます。 そこで、全国的な視野から見ますと、たとえば東京都全体の普及率、学齢前児童数に対します保育所定員というのが普及率になるわけでございますが、これが一〇・九%という数字になっております。ところが、これよりもかなり低いものが実はたくさんございまして、たとえば隣の神奈川県でございますが、これを見ますと、普及率は五・八%、それから、さらに隣の埼玉県では六・九%、そのほか大阪、北海道、千葉、宮城は、実はかなり東京都の普及率より下回っておるわけでございます。 したがいまして、私の方は、そういう全国を県単位で見ますけれども、地域的なアンバランスをできるだけ是正するという意味で、特にその普及率の低いところに対しまして保育所の整備予算を重点的に出す、こういうことでいままでやってきておるわけでございます。 御指摘の二十三区内の練馬区自身の問題については、私どもよく承知しておりませんけれども、少なくとも東京都自身が、二十三区を含めまして全体の普及率というのをよくながめて、そしてやはり重点的に整備するように計画を立ててもらう、これが一番大切だと思います。そういう計画を立てた上で、御協議があれば、私の方は、これに対してできるだけ助成をしていきたい、こういうことでございます。
○長田分科員 そうした各県の状況を伺いましたが、東京の中でも人口の急増地区、そこが非常に立ちおくれておるという数字もいま申し上げたとおりであります。 そこで、私が申し上げたいのは、当局といたしましても、この行政指導というものを積極的にやられたらどうか、そういうことを私は要望するわけであります。 そこで、こうした保育施設の立ちおくれを何とかしようということで、区でも努力をいたしておるわけであります。練馬区では、御存じのとおり年々人口が増加しておるし、区全体としても限られた土地の中でございまして、ただ単に保育所だけを建設をするということはきわめて困難な状況であります。そこで、区といたしましては、保育所と児童館あるいは敬老館などを併設いたしまして、総合的な社会福祉施設の建設を希望いたしております。ところが、これが財源の関係上、二年あるいは三年にわたるという建設事業になってしまいます。これでは国庫補助の対象にはならない。それは単年度優先ということから来ているわけであります。したがって、地域での強い要望があるにもかかわらず、保育所の問題は一向に解決されていないというのが実情だろうと思っております。 そこでお伺いしたい点は、国庫補助が単年度優先という当局の方針でございますが、地方自治体が責任を持って、たとえば一つの建物を建て、併設をさせる児童館あるいはいろいろな福祉施設、そういうものを責任を持って二年ないし三年以内に保育所の建設を完了させる、それならば国としても国庫補助を出そうじゃないか、そういうような弾力的な処置をとられるお考えがあるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○石野政府委員 御存じのように、施設整備費につきましては、すべて単年度予算主義をとっております。したがいまして、その計画全体をつくるときにも、むしろその練馬区内の全体の保育所の整備計画をどうするということをまずお決め願って、それについて順次補助をするということならよろしゅうございますけれども、一つの保育所についてことしは一階から二階まで保育所、三階は来年児童館、こういうことはいまの財政方式ではできない、こういうことでございます。
○長田分科員 そうなりますと、勢い、たとえば単年度ということになりますと、併設ということが建築上非常に困難な状況に追い込まれていくと私は思います。経費の面でも地方財政がこのように非常に逼迫をしております関係上、ものすごいロスがあるということも実情でございます。この点どうでしょうか。
○石野政府委員 たとえば五十二年度で保育所と同時に児童館を全体計画の中で単年度でやる、こういう場合でございますと、いろいろ状況によって判断できるわけでございますけれども、その場合でも非常にむずかしいわけでございまして、このはりの分は保育所、これのはりと柱の部分は児童館、こういうふうな形になるわけでございまして、非常にむずかしい問題だと思います。むしろやはり各県の方でいろいろやっておりますのは、たとえば保育所の上に児童館をつくるという場合でも、あらかじめそういうことを、将来増設し得るようなことも考えてやっている例は一、二あると思います。
○長田分科員 大臣にちょっとお伺いします。 保育所の問題でちょっとお尋ねを申し上げたわけでありますが、具体的に申し上げまして地方財政も非常に逼迫しておりまして、たとえば土地の取得も大変でございます。そういう意味で併設ということを地方自治体でも当然考えておるわけですね。 そこで、たとえば五十二年度に国庫補助を出す、しかし、それは三年の間に建設すればよろしい、そしてもしか地方財政が許さなくてそれがだめになる、そういう場合においてはそれを引き揚げるとか、そういう弾力性を私は希望しておるのですが、この点大臣、いかがでしょうか。
○石野政府委員 お気持ちはわからぬことはないのですが、いまの予算の立て方、補助の仕方、そういうものにつきましては、これはもうあくまでも単年度主義を貫いておるわけでございますので、三年後につくればこれはよろしいというわけにはいかない、現在の制度はそういう形で運営されているわけでございます。
○長田分科員 それでは、時間がありませんから、次の問題に移りたいと思います。 次は、OPPについて大臣にお伺いしたいと思いますが、アメリカから輸入されるレモンやグレープフルーツなどに、かびの防止剤としてOPPを認めるよう要請があったということが伝えられておりますが、この点いかがでございましょうか。
○松浦政府委員 おっしゃるとおり、OPPを防かび剤として柑橘類に塗りたいという要望は聞いております。
○長田分科員 ところで、このOPPについてでありますが、日本の学者の間では、その研究によりますと、きわめて強い毒性を持っておる。たとえば大豆油に一、二%溶かし、これをえさといたしましてネズミに食べさせる、それを続けると死んでしまうという結果が出ております。またネズミの皮膚に塗ってみますと、見る見るうちに赤くなりまして出血する、腐乱状態になってしまう。しかもこうした毒性の強いOPPは、アメリカでは食品添加物には禁止をされておるわけであります。こうした強い毒性を持つOPPに対しまして、当局はどのような見解をお持ちでいらっしゃるか。
○松浦政府委員 まず、先生ただいまおっしゃいましたそういった毒性の研究データということでございますが、こういうふうな添加物の毒性につきましては、厚生大臣の諮問機関として食品衛生調査会という諮問機関がございますが、こちらの中に毒性部会というのがございまして、そこに専門の学者の方で御議論をいただく、こういった食品添加物を指定する場合には、法律に基づきまして食品衛生調査会へ諮問し、その答申を得て行うということになっておりますので、そういった毒性は内外の文献をそういった専門家が御検討になって御結論をいただけるものと思います。
○長田分科員 去る二月十六日でございますが、某日刊紙におきまして、政府がOPPを使用したレモン、グレープフルーツ、オレンジなどの柑橘類をアメリカから輸入することを認める方向であると報道されておりますけれども、これは事実でしょうか。
○松浦政府委員 新聞に出ておりますことにつきましては、私どもは一切関知しておりません。
○長田分科員 次は、大臣にお伺いしたいのですけれども、農政に非常に堪能でおられますので、日本青果物輸入運営協議会について御存じでしょうか。
○松浦政府委員 存じております。
○長田分科員 この協議会が、OPP、TBZなどの有害性について、財団法人残留農薬研究所に対して調査依頼を行った事実がございますが、その点を御存じでしょうか。
○松浦政府委員 そのような事実はございます。
○長田分科員 この研究所が昨年十月に学会におきまして、研究論文といたしまして、OPP、TBZは無害である、安全であるということを発表した事実は御存じでしょうか。
○松浦政府委員 OPPについて発表いたしたことは存じておりますが、TBZについては発表していないのではないかと思います。
○長田分科員 この資料について資料要求をしたいのでありますが、いかがでしょうか。
○松浦政府委員 資料と申しますと、どういうことでございましょうか。
○長田分科員 この研究論文のいわゆる無害であるという発表がなされて、四項目についてたしかなされておるようですが……。
○松浦政府委員 現在私どもが存じておりますのは、その学会で発表いたしました抄録が印刷されて実際に出ておりますので、それでよろしければお届けさせていただきます。
○長田分科員 結構でございます。 では、この研究発表を御存じだそうでありますが、この発表についてどういう御意見でしょうか。
○松浦政府委員 その研究発表は、毒性の中の遺伝毒性の研究でございまして、一つは微生物を使いました変異原性の試験でございます。それからさらにもう一つは、培養細胞を用いましたやはり同じく変異原性の試験、それからもう一つ、優性致死試験という試験でございますが、これらの結果、私どもがその研究発表の抄録で見ております限りにおきましては、特に遺伝毒性があるというようには見られないというふうに感じておりますが、その詳細な分析は、先ほど申し上げました食品衛生調査会において専門の学者の間で御検討いただけることになろうかと思います。
○長田分科員 その研究論文では安全であるということを言っておるようでございますけれども、これは日本の学者間では非常に大問題とされておる。毒性があるというような意見と、分かれておるようであります。 そこで、このような消費者の大ぜいの人も反対いたしておりますOPPの問題でありますが、この点については大臣いかがでございましょう。私は、一機関ではなくて、公的あるいは民間機関でも結構ですけれども、もっともっと研究を重ねて、消費者が納得できるような研究というものは必要じゃございませんでしょうか。
○渡辺国務大臣 御承知のとおり、OPPは世界じゅうで使っておりますし、それで日本では認めておらないわけですが、これは学問の問題でございますから、私が政治的に介入する気はありません。専門調査会の意見を、将来必要があれば、それは学者ばかりの集まりですから、そこで差し支えないと言うか、ちょっと待てと言うか、どう言うかわかりませんが、そういうような何かをする場合は、それは当然そういうところで専門家の意見を十分に聞いて、それに従います。
○長田分科員 それでは、現在この研究所で発表されました無害であるというような研究発表、この残留農薬研究所の研究内容ですね、これについて厚生大臣は諮問される御計画はございますか。
○渡辺国務大臣 厚生省では法律で決まっておる学者の専門調査会がございまして、もし厚生省がそれを使うというような場合は、それは民間の団体へぽこぽこ頼むというわけにはいきません。厚生省は厚生省で法律で決まった食品衛生調査会というのがあるわけですから、そこに学者、専門家がずらっといるわけですから、そこで検討をしてもらうということになります。したがって、私の方は民間団体どこへでも頼むというようなことはいたしません。
○長田分科員 私の伺ったのは、食品衛生調査会に、厚生省の諮問機関ですが、そこに、この研究の無害であるという、それを諮問されるかどうかということなんです。
○松浦政府委員 諮問いたしますのは、もし諮問いたすようなことになったといたしますれば、無害かどうかということを諮問いたすのではございませんで、こういうようなものをこういうものに使うということについて調査会はどのようにお考えですか、こういうふうな聞き方をいたすことになろうかと思います。
○長田分科員 それでは、三月二十一日、二十二日に予定をされております日米首脳会談にこのことは当然論議になるのではないか、このように考えられますが、厚生大臣のお立場からどのようにこれに対応されるか、お伺いをしたいと思います。
○渡辺国務大臣 議題については聞いておりませんから、何とも申し上げられません。
○長田分科員 この問題につきましては、生命にかかわる重大問題でございます。そういう意味で、私は、疑わしきは使用せずという原則をどうかひとつ厚生省でも貫いていただきたいということを要望いたします。 次に、先ほど社会党の上原議員からも質問があったようでございますけれども、サッカリンの問題でございます。 一昨年、消費者の猛反対を押し切りまして使用基準が緩和されました。この人工甘味料のサッカリンでございますけれども、アメリカやカナダ政府では、動物実験の結果発がん性が判明した、こういう理由でもってその使用を近く禁止する、こう報道されております。これに対して大臣はどういうお考えでいらっしゃるか、お伺いをしたいと思います。
○渡辺国務大臣 私も、新聞で見ただけで、まだ内容はよく聞いてないのです。ただ、厚生省で調べたところによると、米国のFDAというところが三月九日サッカリンの使用を禁止する方針だと発表したということ、この提案は三十日以内に正式に提示をされる、提案提示後六十日間の猶予期間を置き、この間に業界等の意見を聞くこととしている、その意見を聞いた上で規制するかどうかを決定することとなるが、正式に規制をする場合は改めて告示するというようなことが出たということであって、直ちにいますぐ規制するのだというようにはいまのところ聞いておりません。 〔林(大)主査代理退席、主査着席〕 そこで、厚生省としては、三月の十日アメリカ、カナダ両国政府に対して、外務省を通してどういうふうに規制をするのか、規制の具体的な内容、その根拠になった動物実験のデータ等について照会をいたしました。そしてわが国としては、動物実験のデータを入手し次第、学識経験者等専門家に検討を依頼して、それからどうするかということはしようと思っております。いまのところ、全然内容わからぬものですから、そのデータ等をまず取り寄せてみたい、こう思っております。
○長田分科員 昭和五十年七月には、国立衛生試験所で発がん性なしという試験結果を報告していますけれども、厚生省はこれを受けて使用基準を再び緩和いたしております。四十八年十二月の時点よりも三、四倍という使用基準の大幅な引き上げを行っておるわけでありますが、今回のアメリカ、カナダの使用禁止措置から見て、衛生試験所の実験結果を再チェックすると同時に、再テストを行う必要があるのではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
○松浦政府委員 これは先ほど大臣から申し上げましたように、実際にこういった発がん性の実験というのは、非常に微妙な実験でございますので、わが国で実際にそういった発がん性の実験に十分堪能な、そしてよく御存じの先生方に、いまここでカナダで行いましたその実験というものの内容をつぶさに見ていただきまして、その上でどのようにするかということを決めるのが妥当ではなかろうかと思います。
○長田分科員 また、国立衛生試験所での再試験の結果が判明するまで、そういうような——アメリカでも研究の結果が出ておるわけでありますから、日本といたしましても使用禁止の措置を講ずるべきであると私は考えるのですが、その点いかがでしょうか。
○渡辺国務大臣 専門家の意見に従います。
○長田分科員 もちろん私も、その細かい専門家じゃございませんので、当然厚生大臣もそうお答えになったとは思いますけれども、やはりアメリカ、カナダでそのような研究結果が出た。日本ではその資料を取り寄せて十分研究をしよう、それに対応しようということだろうと思いますけれども、そういうことじゃ対応としては、生命を尊重するという立場ではやはり立ちおくれるのではないか、そのように私は考えるのですけれども、その点いかがでしょうか。もう少し前向きな御答弁をいただきたいと思います。
○松浦政府委員 現在、アメリカから入っておりますFDAの考え方の中の一つに、このサッカリンの今回の実験に用いた量というのは、人間に換算いたしますと、いわゆるコーラ、清涼飲料水のびんを一日に八百本毎日飲んで一生涯飲み続けたという量で起こった現象である。よって、これが直ちに非常に重要な害が国民の間に及ぶとは考えないというのがついておりますので、アメリカ自体も、先ほど申し上げましたように、三十日以内に規制の提案を行い、さらに、そこから六十日間、各方面のコメントを聞いて、そしてその結果によって決定するということを言っおるわけでございますので、それほど物すごい、急激に大変なことになるということではございませんので、十分検討してから処置いたしたいと思います。
○長田分科員 その点どうかひとつ前向きに結論を出していただきたい、このように考えております。 ちょっと時間前ですけれども、以上で終わらしていただきます。ありがとうございました。
○笹山主査 次は、工藤晃君。
○工藤(晃)分科員(新自) 新自由クラブの工藤晃でございます。 本題に入る前に、私いままで職業は医師でございましたので、その立場からちょっとお聞きしますけれども、この部屋の空気が大変濁っていると私は思うんですよ。それで、朝からこの部屋に換気をされたかどうかちょっとお聞きをしたいのですが、どうでしょう。——それじゃ結構です。私それを質問いたしましたのは、精神身体医学の上から、委員長を初めとして大臣も大変お気の毒だと思うんですよ。というのは、朝早くからこうやって、私はいつも一番最後なものですから参りますと、大変熱心に質疑されておられる。しかし人間の能力には限界がございますし、そういう意味においては、空気も大変濁っておるようでございます。そうしますと大脳の働きも悪くなりますし、大臣の生命の維持のためにもあるいは人権のためにも、これは余りいい条件の中で質疑はされていない、そういうように私は思うんです。やはり国民に対して最もよき条件のもとで質疑がなされることが肝要だろう、こういうように思いますので、この国会の中で行われますいろんな質疑応答、この運営のやり方について、やはり生きるという人権が尊重された形で円満に運営されるように、これは医師の立場として常に考えておりましたので、冒頭に時間を割いて私の考え方あるいはそういう面において最も有効な形で質疑応答がなされていい結果が生まれますように、そういうことを指摘したかったものですからそれを申し上げました。それは冒頭に、余談でございますけれども、委員長にお許しいただいて発言したわけでございます。 きょうは、この間三月四日の予算委員会の一般質問で私が大臣に健康保険制度についていろいろと質疑をいたしました続きといたしまして、医療の荒廃と健保制度の矛盾点の関連について幾つかの質問をいたしたいと思います。 その前に、この間も冒頭質問いたしましたけれども、スモン病患者の原告団が、東京地裁の第一次和解調停案に応じてほしいと言って、何か聞くところによりますと、厚生省の前で座り込んでおられるようでございます。まことにお気の毒でございますし、政府も一日も早くその原告の希望をかなえられていただきますように再度強く要望いたします。同時に、再びこのような悲劇が繰り返されないようなふうに何とかならないものかということを心に祈念しながら、きょうの質問に入らしていただきます。 大臣にお聞きしたいのですが、スモン病の発生がどういうところから起きてきたかという点について、大臣のもし御所見ございましたら、最初にお聞きしたいと思います。
○佐分利政府委員 スモンにつきましては、現在訴訟係属中でもございますし、また和解勧告も出されるというような状況にございますので、その原因だとか考え方についていま意見を述べることは差し控えさしていただきたいと思います。
○工藤(晃)分科員(新自) それじゃ私の方から一応自分の考え方を述べてみたいと思います。 確かに、スモン患者に対していろんな補償をしていく、あるいは救済する、重要なことでございます。しかし一方においては、なぜそういうものが起きてきたかということを真剣に考えることもより必要な条件じゃないか。それを国民の前で私どもがともに十分考えて、もし誤りがあれば反省していく、そういう姿勢こそ国民に対する義務だというふうに感じるから質問したわけでございます。私自身はそれについてこう考えるわけです。だれが悪いとかかれが悪いとかという論議を抜きにして、そういうスモン病患者が多発した原因はやはりキノホルムという薬の服用によって起きてきたことはまず間違いのないことだと現在言われておるわけでございます。そうすると、薬の副作用によってもたらされた一つの悲劇だというふうに考えるわけでございますが、その副作用ということについてやはり問題があるのではないかと考えるわけです。 それは、まず第一番に、そのキノホルムというお薬を長期にわたって投与したということに一つは原因がございます。それからまた、それを長期にわたって服用したという結果がございます。また、そういう薬をそういう形で認めてきたという国の責任もございます。それを平たく言います。と、診療担当者が、薬というものは効果だけを期待してはいけない、必ずその反面に副作用があるのだということを常に忘れないで投与していかなければいけないという姿勢が、何かなれた、一つのなれによって注意を怠ってきたのじゃないかということが一応考えられるわけであります。それからまた一つは、日本の国民性の中に薬を大変好む国民性、そういうものもあったと思うのです。何でも治療イコール薬の服用というふうな考え方がやはりあったのじゃないか。それからまた、そういうものに対して国が事前に十分チェックしていくという姿勢が欠けていたのじゃないか。そういうものすべての総合された結果にスモン病という一つの薬公害によって起きてきた悲劇が生まれてきたというふうに私は考えるわけであります。 そういう薬公害という一つの事象に対しまして、ではどうしてそういうものが起きてきたのだろうというふうに考えますと、どうしてもそこに現在の健康保険制度という制度の上に起きてくる矛盾点がそういうものに拍車をかけていたのじゃないか、あるいはそういう制度というものの公害、健康保険制度公害というものの中に診療担当者もあるいはまた国民すなわち患者もとっぷりつけ込まれてきたのじゃないか。そうしてそういうなれというものの中から生まれた一つの結果だろうというふうにも類推するわけでございます。 いまここでなぜこういう問題を私が提起したかと申しますと、この間ちょうど大臣に私いろいろお聞きしましたときに、健保制度の構造上あるいは財源上の矛盾点を指摘いたしました。それに対して大臣から、本年度中に医療の問題点を含めて抜本改革をするという明確なお答えをちょうだいしたわけでございます。これはまことに賢明で勇気のある発言だというふうに私は意を強くしたわけでございますけれども、きょうは、そういう構造上の問題あるいは財源上の問題の矛盾点と別に、医療の最もとうとばれなければいけないのは何かという問題について指摘したいと考え、一つの事例としてスモン病を出したわけです。これは医療の一つの荒廃と言って間違いのない事例だと思うのですが、そういう医療の本質というものに触れる一つの事例でございますので、そういうものを一つの事例として出しながら、よりよい医療をどうしたら求めていくことができるのか、あるいはまたより深く医療の本質というものを国民の前に理解していただけるかというような点を含めてきょうの質問をしたい、こう思ったからでございます。 そういうことでございますので、ひとつそういう面を含めて、問題は、医療の本質というものに合致した制度をどうしてもつくらなければいかぬ。ところが、医療の本質とは一体何だといえば、やはり国民に対する最も重要な公的サービスというものは、一つの社会資本の蓄積という意味も含めて、このサービスの向上というものに重点が置かれなければいけない。すなわち人命が尊重される医療というものがどうしたら行われるかということを考えていかなければいけないと思うのです。そういうことになりますと、やはり形のあるものだけに対価を認めて、無形のものに対しては非常に価値を認めないというような欠点がいまのこの医療制度の中にあると思うのです。そういうものがあるいはこういう問題を今後ともに惹起していくのじゃないかという危険を非常に感じるわけでございます。そういう意味でやはり一つのサービスである以上は、無形のものに価値を認めていくという制度に抜本的に改正していただきたい。そうしなければ人命の尊重という意味における正しい方向づけをされた医療制度にはなっていかない。すなわちそこに医療制度公害というものが今後ともに存続するであろうという危険を感じるわけでございます。そういう意味を含めまして、きょうは大臣に改めて抜本改正に対する決意をお聞きしたい、こう思うのでございます。
○渡辺国務大臣 医療制度の問題については、先生の方がお医者さんですから、お医者さんの方がそれは私より詳しいはずですよ。それは非常に含蓄の多い話がたくさんいままで入っているわけです。確かに先生の言わんとするところは、保険制度の中で薬でたくさんもうかるようになれば、どうしたって薬をよけいに出すような因果応報になるのじゃないだろうかということが一つだと思うのですね。したがって、これらの問題は当然大きなファクターとして検討しなければならぬ問題だと私は思います。 そのほかに、いろいろな組合間の給付のアンバランスというようなものもございましょう。この前の先生のお話でも、健保組合とあるいは国民保険の組合との話等も出ておりました。したがってこれらの問題についても、これはいろいろな意見があって、日本医師会かどこかで出ているように、合併した方がいいというような御意見もあります。一本化した方がいいという意見もあります。しかしながら、長い歴史があるから、なかなか一本化と言ったってそこまでいかないのじゃないか。だから、それならば退職医療というようなもので見たらどうだという意見もある。いや、そうじゃない、老人だけは各部分から全部引き抜いちゃって、老人医療というものは別なものにしたらどうだという意見もある。いろいろあります。いろいろありますので、私は、いまどれをどうするという結論には達しておりません。おりませんが、そういうような専門家の意見をみんな聞いて、そうして本当にあるべき姿はいかにあるべきかということについて国民の合意も取りつけ、国会の中でも自民党だけで押し切ってしまうわけにいかないですから、国会議員の中からもどんどんいい意見をひとつ出してください。あなたからも出ておるし、大原さんや小林さんや、それから公明党の大橋さんや、いろいろな方からいろいろな意見が、かなりドラスチックな話も出ているのですよ。これが総論賛成、各論反対になったのでは何にもならないことなんで、やはり全部そういう貴重な意見なので、そういうような御意見についてはそれぞれの党内のコンセンサスが得られるようにまたひとつお願いいたしますということも私申し上げているのです。ですから、根本的な考え方はどうだと言えば、こうだと方向はないが、それは一遍洗い直しを必ずやりたいということの決意だけば披瀝を申し上げます。
○工藤(晃)分科員(新自) それでは、皆さんがやれなければやれないということになってしまいますと、いままでの歴史を見ますと、永久にやれないという形が出てまいろうかという心配も起きてまいります。 ところで、そういうことが出ましたので、また幾つかの別の矛盾点を指摘したいと思います。 今度の健保法の改正の中で一番問題になりますのは、やはり政管健保のボーナスから二%の徴収をするということが一番重要点になろうかと思います。しかし、これはこの前にも御指摘いたしましたように、大変不公正を拡大いたしますので、賛成いたしかねる意見だと思います。これは社労委でも今後どんどん詰めていかなければいけない論議になろうかと思います。ただ、この前質問いたしました中で、大蔵大臣が日本の健康保険制度をどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、こう質問いたしましたら、本質的には保険なんだ、一〇〇%国民皆保険になり強制しておるので、赤字のところには政府が補助をしておる、こういうたてまえになっているというようなお話でございました。しかし、保険と保障では全く性格が違うのでありまして、その相入れないものを保障と保険でお互いに助け合うというよりも、逆にそういう形が足を引っ張り合うということにもなりかねないところでもあるので、そういう点は指摘しておきたいと思う。そして、ここまでは保険で、ここまでは保障なんだというようなところをもっと明確にしていかなければ矛盾点は拡大すると思います。また、そういう意見のもとに立って物を考えましても、今度の医療の中の言えば問題点、財源の問題になりましょうけれども、保険料の値上げ、こういう問題についても、やはりそこにそれに関連した矛盾がたくさん出てきているように思います。 まず第一番にお聞きいたしますけれども、今度の健保法改正の中に、医療費が足かけ二年にわたってまだ改定されないというようなこともございまして、医療サービスその他について、診療担当側は何とかひとつ医療費を上げてもらいたいという要求が強く出ております。ところが、今度出てまいりました法案の中にそれが含まれているものやら含まれてないのやら、そこら辺のところをひとつはっきりとお聞きしたいと思います。
○八木政府委員 診療報酬の問題につきましては、足かけ二年というお話がございましたが、一番直近の引き上げにつきましては、医科につきましては昨年の四月でございます。それから歯科につきましては昨年の八月でございます。 なお、今回の政府管掌健康保険は、昭和五十二年末におきまして千六百億円の収支不足が見込まれるということで、財政対策を主眼にしました当面の緊急措置という改正法案をお願いしているわけでございますが、今回の千六百億というものにつきましては診療報酬の引き上げという要素は入っておりません。
○工藤(晃)分科員(新自) 私がそう申し上げたのは、実は四月に改定になったのは、その前の年の十月に改定されなければいけないものが、歯科診療の問題その他で延び延びになって四月になったということを指摘したかったから申し上げたわけです。含まれてないという前提に立ちまして物を考えたいのですが、時間がございませんので、私、自分の方の主張を先に言ってしまいます。 単年度一千六百二億を、一挙に累積赤字を解消しようということでございますので、その中の一千二百六十五億、その数字は約八〇%のウエートを占めると思う。それが組合の方のあれには強制されない。片一方、政管健保の方は強制されるというところに大変大きな問題点があるように思うのです。たとえばほかの条件すべてが変化しないというふうに考えて五十三年度の医療費を考えますと、政管健保のボーナスで浮いた財源はある程度は黒になってまいると思います。これはすべて同じ数字になるかどうかわかりませんが、ほかの条件をイコールと仮定した場合には、それだけ黒字になってくるわけです。そうすると、それに伴って、また逆に言えば、片一方では医療費が値上げになってくる、これも仕方がないことだろうと思うのです。そうしますと、政管健保の、要するに中小企業の経営者あるいは従業員によって、一方で強制されて徴収されていた保険料というもので、今度は医療費が値上げになった分は、組合の方も同じようにその恩恵を受けるという形になるわけですね。要するに、片一方から徴収した費用によって、それについて全然負担しない側まで保障してしまう、賄ってしまうという矛盾が生じてまいります。これも、逆に言えば、弱者を救済するような形で矛盾が生ずるならこれはあえて賛成もいたしますけれども、逆に組合の方が社会的に見て強者でございますから、弱者の方のふところから持ってきた財源で強者を救済するということは、これはどうしても許されないものじゃないかというふうに考えるわけです。 そうすると、逆に言えば、最初大蔵大臣がおっしゃいましたように、基本的に保険だということになると、今度は赤字の政管健保の診療報酬と、それから黒字で黒字でどうしようもないほど黒字になってきている組合の診療報酬というものが、常にイコールでなくちゃならないという理由はないじゃないかというような大変困ったような論議が生まれてきても、それに対して否定できないんじゃないかというふうな感じも起きてまいります。そういう意味におきましては、そういう論法というのは、逆に言えばそういう困った論議にも発展しかねない要素を含んでいると思うのです。 そういう意味において、やはり常に人の命は平等でとうといんだというたてまえに立ちますと、そういう矛盾を避けて通れない、そのように私は感じるわけでございます。私自身も考えてみましたけれども、今度の厚生省のおつくりになった原案は大変まずい原案だと思うのですが、私が考えてもやはりそういうことしかできないんじゃないか。その部分を避けて通ろうとすれば、その矛盾点にどうしても到達せざるを得ない。だから、そういう意味においてもやはりどうしてもこれは抜本改正という前提に立たなければ、医療の改定そのものすら否定されなければいけないような形になってしまうんじゃないか。保険料の改定そのものも意味がなくなってしまうんじゃないかという気がいたしますので、そういうものを含めてひとつこの際に、ただコンセンサスを得られればというような条件じゃなくて、英断をもってしていただきたい。皆さん不公正の拡大については反対されるはずでございます。まして、弱い者にしわ寄せがいくような形の不公正というものは拡大されちゃならない。そういう立場に立てば、コンセンサスを得られないわけはないと思いますし、またそういう努力も私どもはしていかなければいけないと思います。しかしながら、得られなければできないんだということじゃなくて、やるんだという決意で、日本の医療というものを本当の正しい人命尊重に結びついていくような医療制度に改革することが何はさてあれ大事なことだと思うので、その原点に立って、ひとつ大臣にもう一遍勇気を持って、それをおれが旗を振ってやるんだというふうにおっしゃっていただきたいという希望を強く持つわけでございます。ひとつ……。
○渡辺国務大臣 私は、その具体的方法論についていま私がこうだという結論は申し上げられません。しかしながら、あなたのおっしゃるような矛盾やいろいろなものがございます。それについてはもちろん皆さんのコンセンサスが得られなければできないんですよ。だから、得られるようにわれわれも努力をするし、最大公約数のところでどこまで得られるか、そういう努力はこれは大いにやりますよ。やりますし、それは組合健保というものについて、黒字で黒字で困り抜いているかどうか知らぬけれども、やはり有利な状況にあることは間違いない。政管健保の方は赤字になっておって保険料も上げるという状態だから、政府としてもそれは三千億円も補助金を出しているわけです。ですから、そういう点は非常に違うわけですよ。政府が補助金を出してバランスをとっている。それでも政管健保の方は体質がまだ弱いではないかと言われればそうかもしらない。ですから、さらにもっとよくするためにはどうするか。少なくとも給付の面等における格差の是正ということは、これは私はやはりやらなければいかぬ、こう思っておりますから、それらの方法論等についてはもう少し勉強さしてもらって、それで御提案を申し上げますから、ぜひとも御賛同をいただきたいと思います。
○工藤(晃)分科員(新自) ぜひそういう面において具体的に強力に推し進めていただきたい。そういうことについては私どもも協力することにやぶさかではございません。 最後に、きょうは一つの問題点を指摘するだけで終わりますけれども、総括いたしまして、やはり構造上の矛盾あるいは財源上の矛盾、あるいは医療の本質というものを見失ってしまう人命軽視につながる医療制度を今後ともに続けていくということはここでどうしても避けなければいけない問題だろうと思いますし、そういう意味において十分大臣が心得ていただけたというふうに解釈いたしますので、今後とも努力を惜しまず私どもも一緒になってやりたいと思いますから、ぜひひとつその点の推進方をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
○笹山主査 次は、土井たか子さん。
○土井分科員 まず大変気になることを私はお伺いしたいと思うのですが、報道されたところによりますと、アメリカとカナダがことし七月をめどにいたしまして人工甘味料サッカリンの使用禁止を決めたということであります。これでわが国においても影響は絶大だと私は見るわけであります。かつて私は、五十年の六月十三日に社会労働委員会において、また続けて六月二十四日には公害対策並びに環境保全特別委員会において、それぞれサッカリンの規制緩和に関する質問をいたしておりますが、ひとつきょうはこれから日本の厚生行政の中でサッカリンがどのように取り扱われようとするかという問題をお尋ねをしなければならない、このような気持ちであります。 まずお伺いしたいのは、サッカリンは食品添加物でございますか、どうでございますか。
○松浦政府委員 食品添加物でございます。
○土井分科員 食品添加物でございますと、かつてこういう添加物について四十七年に食品衛生法の一部改正がなされておりますが、そのときに衆議院においても参議院においても附帯決議が出ていることを大臣はよく御承知だと思います。この附帯決議の中身を読むまでもございませんかもしれませんが、その附帯決議の中の「四」という個所に「食品添加物については、常時その安全性を点検し、極力その使用を制限する方向で措置すること。」というのが実は衆議院の方の附帯決議です。そうして参議院側も同じく附帯決議の「五」の場所で「食品添加物の安全性については、その時点における最高の科学的水準により常時点検を強化するとともに、食品添加物の使用は極力制限する方向で措置することとし、」云々とございます。この点は大臣としては御確認のところでございましょうし、この附帯決議に従って厚生行政をお進めになるということである、これは疑いのない事柄だと私は思いますが、疑わしきは罰せずというのは刑法の大原則でございますけれども、安全性という点からすると、疑わしきは使用せずというのがやっぱりこの安全性確認の原則だと思いますが、ひとつこのところを御確認をまずいただきたいと思います。いかがでございますか。
○松浦政府委員 先生御指摘の添加物については、その安全性を点検するということはきわめて重要なことでございまして、全くそのとおりだと思います。ただ、疑わしきは罰するということでございますが、疑わしきというところがなかなか微妙な問題でございまして、何が疑わしいということになるかということの判断が大変むずかしい問題であろうかと思います。そういう意味から、一言に疑わしきは云々と、こういうふうになかなか言い切れない問題ではなかろうかと思います。
○土井分科員 疑わしきは罰するではないんで、疑わしきは使用せずでございます。そうでしょう。その点はひとつお間違いのないように確認をしておいて、次に進みたいと思うのです。 ところで、日本におけるサッカリンに対して取り扱われてまいりました経緯というのは、いまさら大臣に御説明を申し上げるまでもないことだと思いますけれども、しかしこれは順を追って一応この節少し確かめておきたい点が実はございますので、ここで申し上げたいと思うのです。 それは、四十八年の四月に厚生省は御存じのとおりサッカリンの一般食品への使用を全面禁止いたしました。そして栄養改善法の許可を受けている特殊栄養食品に限ることとその節したわけでございます。ところが、その後、同じ四十八年の十二月になりまして、厚生省は、食品衛生調査会の毒性・添加物合同部会でサッカリンの発がん性については十分その疑いがありこれを否定する決定的な結論を出し得ないという状況があった中で、この一部全面禁止をしたことに対して解禁措置をとりまして、決定的な結論を出し得ないと言いながら、片や人工甘味料の必要性という観点から暫定的な使用基準を設けて、これを、ずっと私も調べてまいりますと、食品衛生調査会の議決機関である常任委員会に諮ることがないままに、再びサッカリンの使用を許可した、再許可がここであったというかっこうになったわけであります。 これが四十八年の十二月段階なんですが、大臣御承知のとおりで、食品衛生法の第六条の規定を見ますと、「人の健康を害う虞のない場合として厚生大臣が食品衛生調査会の意見をきいて定める場合を除いては、食品の添加物として用いることを目的とする化学的合成品並びにこれを含む製剤及び食品は、これを販売し、又は販売の用に供するために、製造し、輸入し、加工し、使用し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。」こううたってあるわけですね。こういう点からいたしますと、この四十八年の十二月の解禁については、消費者やそれから第一子供を持つ母親の立場からすると、大変どうもおかしい、まだこの節食品衛生調査会の合同部会の中には十分その疑いがあり、これを否定する決定的な結論を出し得ないと言いながら解禁された、これはどうも私たちとしては安心できないというふうな趣でこの時点ではこの問題を見て、そしていろいろな申し入れを当時盛んに厚生省に対してなされたことは御存じのとおりでございます。 ところが、その後さらに五十年の四月になりまして、すでに四十八年十二月の食品衛生調査会毒性・添加物合同部会においてサッカリンに発がん性がないとの結論が出しがたいという評価の根拠とされておりました文献、それは池田良雄国立衛生試験所毒性部長の報告内容であったわけですが、これは十一編から成る実験報告でございます。その内容で、腎臓、膀胱以外の増殖性変化については今後検討するということがございましたのに、それについては全く検討がなされないままに、同じこの資料が再度出されたかっこうで、四十八年の十二月にそれ以前の暫定使用基準の平均五倍という大幅緩和の意見具申が取りつけられてしまったというかっこうになっていったわけでありまして、それからいたしますと、いろんな動きの中で、安全性の確認がまず第一だ。安全性が本当にだれの目から見ても鮮やかにわかるような確認の仕方を消費者や母親の立場からしたら求めます。この要求に対して十分なこたえ方をしないでおいて、いままでこういう規制緩和がなされ、さらに大幅緩和がなされてきた。したがいまして、この背後には、たとえばサッカリンを大量に使用するつけもの業界であるとか、その他いろいろな業界からの圧力があったのではないかという問題も一部この五十年四月の規制緩和のときには大変大きく取り上げられたわけであります。厚生行政と言ったら人の命を預かる仕事が中身なんでございますから、事こういう問題に対して業界の圧力に屈したとか、あるいは金銭的取引がその中にあったとかいうふうな疑惑がこの中にあるということ自身非常に残念であるし、厚生行政としては、もしそういう事実がありとするならもってのほかだということになってくるわけでありまして、やはりこの節、サッカリンについての規制緩和ということがはっきり安全性の確認の上に立ってなされたのであるということが消費者やお母様方の立場からすれば納得し得るようなものでないと、食品衛生法であるとか、あるいはそれ以前のこの一部改正のときのあの附帯決議等々にこたえるゆえんではなかろうかと思うわけであります。大臣はこのサッカリン規制のいきさつについて御存じでいらっしゃると思いますけれども、これについて何らかお考えがあるならば、ひとつここでお聞かせいただきたいと思うのです。いかがでございますか。
○渡辺国務大臣 あなたのように詳しくいきさつを知っておりません。知っておりませんが、詳しい人がおりますから、政府委員からそれは答弁させます。 しかし、あなたのおっしゃったように、それは人の命に関する問題ですから、圧力やまた変な形で動かされるというようなことは絶対にあってはならないし、いままでもなかったと信じます。
○松浦政府委員 先ほど先生がずっと過去の経緯をおっしゃられまして、おおよそ私どももそのように理解しておるわけでございますが、ただ、その一番最後のところで、たしか五十年四月の改正に当たりましては、池田良雄先生の発がん性の実験ががんを誘発しないということであるという論文がございまして、それに基づいてこれが行われた、当時私おりませんでしたが、そのように聞いております。
○土井分科員 ただ、いまお答えになったその部分が実はいま大問題になっているのじゃありませんか。四十八年のときに提出されたデータ、国立衛生試験所の池田良雄毒性部長の出されたこのデータの中にございます発がん性について述べてある部分が、五十年の例の規制大幅緩和のときには発がん性を否定するデータとして使用された。同じデータがですよ。かつて、四十八年のときに発がん性について触れて書いてある部分が、五十年のときには削除されたという一件があったのじゃありませんか。それが証拠に、名前を申し上げれば、当時の責任者だと思いますが、いまの医務局長の石丸さん、宮沢食品化学課長がただいま告発を受けまして、検察庁によって調査が進行中ということを私は聞いております。この事実は大臣は御存じでいらっしゃるでしょうね。
○松浦政府委員 二つの問題でございますが、前段の問題で、先生突然の御質問で、前もって御質問いただかなかったものですから、細かいことを調べておらなかったのでございますが、記憶するところによりますと、四十八年のときに池田先生はやっていらっしゃる実験について中間報告的な形で話題に提供になって、そこで話し合いを行ったけれども、これはまだファイナルなレポートではないので、中間的なものとして参考程度に聞きおくということでとどめられたというふうに聞いております。 それから……
○土井分科員 ファイナルなレポートではないとおっしゃることについては、私は大変におかしいと思うわけです。池田先生は国外においてもうすでに昭和四十八年当時、国際人工甘味料シンポジウムというのがございますが、ここで検討資料として、後に出てくる原文をはっきりと英訳されたものをちゃんと発表されているわけであります。御存じだと思います。四十八年の十二月十八日にこれが英文で検討資料として出てきているわけでありまして、そこには副腎と皮下組織に対して発がんの危険があるということがはっきり明示されている資料であったはずであります。したがいまして、ファイナルな資料というものは受け取っておらない、ファイナルな資料というものは当時なかったとおっしゃるのは少しおかしいのじゃないでしょうか。もうすでに国際会議において発表されていた文献であり、しかも発表内容であったわけですよ。いかがですか。
○松浦政府委員 確かにそういった英文の先生の原稿があったことは事実でございます。ただ、その中をごらんになるとおわかりと思いますが、たしか肉眼所見だけであって病理組織学的な検査はまだ行っていない段階であったかと思います。そういうふうな意味で中間的な所見でございまして、最終的なものは、その後昭和五十年に実際に病理組織学的な、顕微鏡的な検索をした上で御発表になっていると聞いております。
○土井分科員 その資料について、五十年当時規制大幅緩和に当たって発がん性の部分を否定するデータとして使用されたといういきさつについて、五十年の四月三十日に告発された中身が正式に受理されて、ただいま検察庁の方で調査中であるということは、事実問題として進行中の問題であります。したがいまして、これはやがて検察庁の方からも結論が出るであろうかと思いますが、告発が受理されるという事実関係からいたしますと、やはりそれなりの問題があるわけでありまして、その辺はだれの目から見ても疑いのない、だれの目から見てもすっきりと安全性の確認に対して厚生省が邁進をしているとはちょっと言えないような事情がこの間にあったのではないかということを十分に疑わせるような事実だと言わざるを得ないと私は思うのですね。特に先ほど大臣は、いろいろ金品の授受であるとか、あるいは業界の圧力などに屈してこういうことが規制緩和の方向で取り扱われたなどとは考えられない、そういう事実もないであろうと思うという御発言でございました。ところが、それならばお伺いしたいことが一つございます。四十八年の十二月のあの解禁をして、一ミリグラムパーキロという暫定使用基準を決めたあの当時、食品衛生調査会の答申が人工甘味料の必要性という観点からサッカリンの使用を許可するということになっているのは、安全性の問題とはちょっと違うのじゃないかと思います。安全性の問題については、先ほど申し上げたとおり、食品の添加物として用いることを目的とするサッカリンについては、なおかつ「決定的な結論を出すことが困難であり、さらに各種の実験を追加して行いその結果を待って再検討を行う必要がある。」と非常に歯切れが悪い。大丈夫だというお墨つきも出ていないわけであります。にもかかわらず、その当時「人工甘味料の必要性という観点もあり」という点に重点を置いて、一たん使用禁止されたことに対して解禁をされたということは、私は、安全性ということを追求する立場からするとお門違いのことに重点を置いた規制に対しての解禁措置であり取り扱いであったのではなかろうか、このように考えますが、大臣、どのようにお思いになりますか。大臣に私はお尋ねします。
○渡辺国務大臣 きわめて専門的なお話でございますし、私はその事実を知っておりませんから……
○土井分科員 いや、これは専門的ではないのですよ。
○渡辺国務大臣 突然の御質問で、知っておりませんから、いきさつを知った政府委員から答弁をさせます。
○土井分科員 だけれども、それは必要性の問題と安全性の問題は違うのですよ。大臣、その辺をもうちょっと……。
○渡辺国務大臣 ちょっと一遍聞いてください。
○松浦政府委員 御承知のとおり、食品添加物は、その必要性それから安全性という両方の観点から審議いたしまして、こちらの審議に当たりましても、添加物部会というところではその添加物の必要性ということも同時に考え合わせて結論を出すわけでございまして、この時点においてやはり食品にとってサッカリンというものが必要だという判断がなされてこういうふうな結論になったというふうに聞いております。
○土井分科員 いまの御答弁ではやはり釈然としませんですね。必要であるならば安全性が確認されなくても使用していいですか。そういうことにはならないと思います。必要性の問題と安全性の問題は違うでしょう。幾ら必要性があっても、安全性が確認されない以上は使用してはならないというのが原則でしょう。そこのところですよ、問題は。ですから、そこのところ、安全性が十分に確認されていないにもかかわらず、なおかつ検討する必要があるとはっきり言っているにもかかわらず、必要性があるとして、その必要性に重点を置いて規制を緩和したという行き方は、食品衛生法から考えて、一体所管大臣である厚生大臣はどういうようにお考えになりますかということを私はお尋ねしているので、厚生大臣、これは専門的ではないのですよ。だから、原則論で結構ですから、原則としてこういう問題に対する取り扱いはどのように考えたらよいのであるかということをひとつお答えいただけませんか。
○渡辺国務大臣 それは、安全性と必要性をはかりにかけたら、やはり安全性の方が優先するというのが常識ですよね。しかし、それはまた必要性がなければ安全性の問題は議論をされないことも事実ですからね。ですから、やはり必要性の問題もいろいろな調査会その他では検討されるのは当然だ。だから、安全性の問題というのはやはり、安全であるということと、それからもう一つは、安全であるということを裏返しにすれば、何ら毒性が発見されないという問題も含まれるのではないか。したがって、そこから先の話になると、きわめて専門的な問題になるので、専門家をしてお答えをさせます。
○土井分科員 問題は、きょう私は技術的な問題について質問を展開しているわけではございません。専門的なそういう知識を駆使してしか考えられない問題ではございません。 食品衛生法の第六条には「人の健康を害う虞のない場合として厚生大臣が」以下等々を考えていくという、こういう問題でございます。「人の健康を害う虞のない場合」というふうに書いてあるわけでありまして、必要な場合ということはどこをどう押しても出てこないのです。したがって、食品衛生法からすると、これはやはりどこからどう押しても人の健康ということを考えることが第一だ、人の健康を損なうおそれがあってはならない、このことを追求する立場でこういう食品添加物等々に対する取り扱いを要求しているのが食品衛生法の中身ではないでしょうか。だから、そういうことからしますと、四十八年当時もそうでありましたし、五十年当時もそうでありましたが、消費者の方々がいろいろと専門家の意見も聞き、しかし何よりも自分たちがはだで感ずる生活の直感として、いま規制緩和になるということが果たしてどういうことなのか、私たちにこれは安全です、大丈夫ですということがよくわかるような決め方でなければ、私たちとしては安心できない、こうおっしゃるのは当然でありまして、その問題に対して再三再四、これは何度厚生省に対して申し入れをされたり、こういう問題に対して納得がいくような説明を聞きたいというふうに来られたか私はわからないと思うのですよ。しかし、それでもそのことに対しては釈然としなかった、それが今日の姿であります。 そこにもってきて、今回アメリカとカナダで来る七月をめどに人工甘味料サッカリンの使用禁止ということを決めたという報道がまいりました。いまアメリカとカナダから資料を取り寄せられているということでありますけれども、この資料はいつごろ届く予定でございますか。
○松浦政府委員 これは昨日向こうの方へ要求いたしたものなのでございますので、ちょっといまのところいつということはお答えできません。
○土井分科員 大体のめどはわかるでしょう、いつごろ来るかというのは。これはやはり外務省を通じて要求されているのでありましょうけれども、大体こういう文書は通常要求したらどれくらいかかって来るかということは、これはもう役所の仕事ですよ。わかっていると思います。どれくらいかかりますか。
○松浦政府委員 実はこのデータはカナダでございまして、いままでアメリカにこういったデータの要求をした場合には、大体一カ月ぐらいで入手したわけでございます。これは一つには、アメリカには大使館に厚生省のアタッシェがおりますものですから、そういう面の話が非常にうまく通ずるので、一カ月ぐらいで入るのでございますが、今回カナダの場合ですと、カナダ大使館にはアタッシェはおりませんし、さらに初めての経験でございますので、ちょっとどのくらいかということは申し上げられないので、お許しいただきたいと思います。
○土井分科員 非常に歯切れの悪い答弁なんですが、これはアメリカとカナダにおいて七月から禁止されるという報道でありますので、いまおっしゃったアメリカにおいては日本の大使館に厚生省のアタッシェがいらっしゃるはずであります。そのアタッシェを通じてこの事情についての問い合わせ、これはあると思いますが、なされておりますか、どうなんですか。
○松浦政府委員 実は、今回の措置につきましてアメリカはカナダの実験のデータによっているというふうに報道されておりますので、アメリカ自体における実験ではなくて、カナダにおいて行われた実験に基づいておるわけでございます。そういうことで、そもそもこの実験のオリジナルのデータというものはカナダにあるわけでございますので、アメリカが一体このデータをどこまで入手しておるか、あるいはそれをまたよその国に渡すかということは、ちょっと私どもとしてははっきりとお答えできる問題ではございませんので、どうしても一義的にはオリジナルのカナダということで考えざるを得ないと思います。 なお、アメリカの措置につきまして、いまわれわれが聞いておりますのは、アメリカとしては、通常アメリカのFDAのやり方でございますが、まず最初に提案をいたします。こういうような規制をしたいという提案をいたしますと、それを三十日以内に行うであろう、こういうふうに聞いております。
○土井分科員 カナダのデータによってアメリカがそういう措置を今度カナダと同時にとるようないきさつであるような御答弁でありますが、それは御答弁のとおりで、カナダでサッカリンに関する実験をずっと続けているということはすでに伝えられていたわけですね。恐らくは、今回こういうふうな措置がとられるということは、カナダでのサッカリンに関する実験結果というものが黒と出るといった、こういうことが根拠になっているのではないかとわれわれは考えるのでありますが、そうしますと、厚生大臣、やはりこの節、消費者であるとか、お母さん方や主婦の方々から、従前より、サッカリンについては規制緩和のときから、われわれはどうもこれはもう一つ納得がいかない、疑惑があるのではないかと思ってきた。この節アメリカやカナダからこういうふうないきさつがあり、そして七月から使用禁止ということになっていくという、この問題はこれは重大だということで、厚生大臣の方にもいろいろな申し入れが相次いでいると思います。 そこで申し上げたいのは、消費者の方々や主婦の方々はこれに対して全面禁止ということを言われていると思いますが、私はいま即刻全面禁止ということを大臣に申し上げても、恐らくは、さあそれはちょっと考えさせてもらいたいという御答弁しかこれは返ってこないだろうと思いますが、ひとつ大臣、全面禁止ではなくて、当面、カナダからのデータが届き、それに対して分析を加え、日本においてどういう措置を講ずるかということを決定されるまでの間、暫定措置として販売、出荷に対して一時停止をするという問題はいかがでありますか。つまりサッカリンを使用した製品に対して、特にたくあんなんというのはもうつける期間が終わっている時期だと思いますが、出荷について、これはどうしたらよかろうかというのでずいぶん迷いがあるということも私はいま聞いております。したがいまして、これはやはり販売、出荷禁止、停止という問題、これを暫定措置として少なくともいまとっておいていただくというのが、どうしても私は必要最小限度大事な措置だと思います。いままでのサッカリンに対する取り扱いについて厚生省が重ねられてきたいきさつから考えまして、私は、この節出直すようなつもりで渡辺厚生大臣時代に、渡辺厚生大臣がひとつこの問題に対してははっきりだれにも納得ができるような線でサッカリン問題も取り扱っていきたいというふうなお気持ちでこれに対処していただきたい、こういうふうな意味を込めてこの問題を申し上げましたが、いかがですか。
○渡辺国務大臣 せっかく土井さんの御質問ですから、すかっとお答えをしたいところでございますが、なかなかそうはいかない。それは、サッカリンはもう八十年近く使っておるわけですから、そしてつい最近になって、やれ禁止だ、解禁だというふうな話になって、アメリカの方も、FDAというのは、私の方で調べたものだと、結局禁止する方針だということは言ったが、この提案は三十日以内に正式に提示する、提示後さらに六十日の余裕期間を置いてこの間に関係者の意見を聞く、その結果規制するかどうかを検討するんだということらしいのですよ。ですから、ちょっと風が吹いたからといってあわてて戸締まりを始めるということも、これは影響力が大きいだけに、サッカリン、これはもう毒性とかなんとかということはぴちっとはっきりしているわけじゃいまのところないわけですよ。ですから、いますぐここでたくあんストップと私が蛮勇をふるってやるほどの蛮勇もないのですわ、そこまでは。ですから、もう少し検討させていただきたい。
○土井分科員 検討さしていただきたいという御答弁でありますけれども、四十八年四月当時、日本でサッカリンの使用全面禁止ということがなされたあの当時、蛮勇をふるうまでもなく、使用禁止ということをやることが適切だということで行政措置として講じられたわけなんです。だから、いまそれは渡辺厚生大臣、大臣のいろいろな問題に対しての認識からすれば蛮勇じゃないですよ。大臣にしてみたら、これはやはりいま今日ただいま考えてみていただきたい必要最小限度の問題だろうと思います、私がきょう最後に申し上げたことは。やはりいままでのいきさつについていろいろと問題点があった、ひとつ出直すようなつもりでこういうことに対して取り上げてみたいというふうなお気持ちを披瀝されるためにも、また何といっても一番大事なのは人間の健康を守るということですね。国民の健康に対して本当にだれが見てもよくこの問題は安全性の確認の上に立って進められているということが納得できるようなものであってほしいという問題ですね。そこのところを考えますと、いまやはりちょっと大事な問題だと思いますよ、これは。それこそ専門的な問題については私はわからないと大臣はおっしゃるかもしれませんけれども、社会労働委員会や公害対策並びに環境保全特別委員会で質問をしたところを大臣も議事録に目をお通しいただきまして、いま善後策として必要最小限度なすべきは、私が最後に申し上げた出荷停止、販売停止という一時的な暫定措置ということにしろ、おとりになる問題が大事じゃないか、このように考えます。再度再考を促して、私は終わりにしたいと思います。いかがですか。
○渡辺国務大臣 答弁を保留させていただきます。
○土井分科員 答弁保留というのがあるのですか大臣。おかしいな、それは。大臣らしくないですよ。何かはっきりおっしゃってくだすったら、私はそれで終わりますから……。
○渡辺国務大臣 当然検討はいたします。
○笹山主査 次は、鍛治清君。
○鍛治分科員 鍛治でございます。国会に参りまして初めての質問でございますので、御迷惑をおかけする点があるかもわかりませんが、誠意ある御答弁をお願いいたしたいと思います。 私は、持ち時間の中で、精神障害者と視力障害者——視力障害者の問題につきましては、もし時間がありません場合は省略をさせていただきますが、この二つについてお伺いをいたしてまいりたいと思います。 近年、福祉政策が大変進んでまいっておるわけでございますが、その中で忘れられたと申しますか、取り残された施策の一つに精神障害者の対策があると私は思っております。この対策、すなわち精神衛生行政になると思いますが、現在行われております国の行政のあり方につきまして簡潔に御答弁をお願いいたしたいと思います。
○佐分利政府委員 国の精神衛生対策は精神衛生法に基づいて行われておりますが、まず自傷他害のおそれのある方は措置入院して、費用の持てない方には全額を公費で負担をするという古い制度がございます。また最近は、外来治療の医療費の二分の一を公費負担するという制度ができておりますし、特にここ十年、精神障害者の社会復帰が強く要請されるようになってまいっておりますので、精神障害回復者の社会復帰施設の整備とか、あるいはデーケア施設、つまり中間指導施設の整備といったことも進めております。また、第一線の地域で活躍いたします保健所の精神衛生対策の機能の強化も図っておりまして、明年度の予算案では、七百五十七カ所の保健所に精神科の嘱託医を置くことにいたしておりますし、また、ここ二年ばかり始めております特別な社会復帰の指導相談事業を行う保健所の数を、明年度の予算案では百五十四カ所から二百十二カ所にふやすというような措置も講じております。
○鍛治分科員 そこで、心身障害者対策基本法というのがございますけれども、これは精神障害者の御本人を含め、特に家族の方からの御要望が強いわけでございますが、この心身障害者対策基本法の中でのいわゆる心身の心というものは精神薄弱者を指定してあるのみである、精神障害者は除外されているのだというようなことで大変不満が多く、ぜひこれに精神障害者も加えてもらいたい、こういう意見が強いわけでございますが、こういうことについてどのようにお考えになりましょうか。
○佐分利政府委員 精神薄弱者以外の精神障害者も全く除外されているのではございません。症状が鎮静、固定した者はその中に含まれていると解釈しております。しかしながら、医学的にも社会的にも精神障害が鎮静、固定したという判断はなかなかむずかしいわけで、その対象が限られているために問題があるのではないかと思っております。しかし、これはある意味では一種の社会の偏見にも基づいてそのようになっているわけでございますから、その辺の偏見も除去しながら、また医学の進歩を受け入れながら、御期待に沿えるように順次拡大してまいりたいと考えております。
○鍛治分科員 時間の関係もございますので、突っ込んだ議論ができないのが残念でございますけれども、これは精神薄弱者等というようなことで法の中では一括されている。要するに対等な立場では扱われておりません。現実には、いま御答弁の中にもあったと思いますが、非常に差別的な扱いを受けているのではないか、こういうふうに思いますので、ぜひいまおっしゃった方向で強力にこの精神障害者の対策をお考え願いたいと思います。 続いてお尋ねをいたしますが、精神障害者の治療の最終目的、これはどういうところに置いてやるのか、これをお伺いいたしたいと思います。
○佐分利政府委員 たとえばノイローゼのようなものでございますと、そういった精神障害を完全に治すというところに目的があろうかと思います。しかしながら、固定的なたとえば分裂病のようなものでございますと、現在の精神医学では完全に治すということはなかなか困難なように思われます。したがって、症状を非常に軽くして、しかもその症状を鎮静固定させて、さらに生活能力、社会活動能力をつけさせて社会適応を得させるというところに大きな目標があるのではないかと思います。
○鍛治分科員 いまの御答弁で、最終的には社会復帰というものがやはり最重点になるというふうに理解してよろしいのでしょうか。
○佐分利政府委員 当然そのように理解されるものと思います。
○鍛治分科員 そこで、私、この質問につきまして前もって資料をお願いをして、いただきました。その中で、精神衛生対策費の推移という過去三年間にわたっての予算をいただいたわけでございますけれども、この推移を見ておりますと、この全体の枠の中で措置入院費というものが、率で言いますと昭和四十九年が九五・七%、それから五十年が九五・三%、五十一年が九四・五%、それから社会復帰関係の費用が、いただいた資料では四十九年が三・三%、それから五十年が三・〇%、それから五十一年が三・八%という割合になっているわけです。これはいまおっしゃった趣旨から判断をいたしますと、数字の上だけですから厳密には言い切ることはできないかもわかりませんけれども、少なくともこれは従来からわが国が措置入院というものの対策を重視して社会復帰関係が大変おくれているというふうな、この精神障害者の治療の流れの中で大変そういう点があるということを裏づけておる。さっきおっしゃったことを若干これは違った数字としてあらわれているのではないか、こういう気がするわけですが、この点についてのお考えをお聞きしたいと思います。
○佐分利政府委員 そのように比較なさいますと、確かに社会復帰対策費用は少ないというような印象をお受けになるのかもしれませんが、やはり健康に関する政策を進めていろいろ経験することでございますが、医療費の公費負担というのは非常に大きなお金がかかるわけでございます。ところが、疾病の予防対策というのはその百分の一とか百分の五ぐらいで済むというような本質的な問題がございます。そういったことのほかに、過去の施設の整備状況を見ていただきますと、社会復帰施設やデーケア施設もだんだんとふえている。ここ一、二年は地方財政が悪うございますので少しストップしておりますけれども、だんだんふえている。しかし、そういった社会復帰施設だとかデーケア施設というのは言ってみれば一つのモデル的な施設でございまして、精神障害者の社会復帰というのは病院から真っすぐ社会に復帰する者が大部分でございます。そこで、病院の社会復帰病棟の整備だとか、あるいはリハビリ施設の整備、そういったものが一番大切になるわけでございまして、そういったことをやはり過去二十年、三十年と続けてきたわけでございますので、決してさっき先生がおっしゃったように社会復帰対策とか予防対策に三%程度しか使っていない、非常に貧弱であるとは一概に言えないと思っております。
○鍛治分科員 それでは、そうおっしゃったことが本当であるかどうかの裏づけとして、社会復帰関係の施設について現状をお聞かせ願いたいと思います。
○佐分利政府委員 精神障害回復者社会復帰施設とデーケア施設両方合わせまして、まだ五カ所でございます。しかし、これは先ほど申し上げましたようにモデル的な施設でございます。その代表的な国になっておりますイギリスにおいても、こういう施設はそうたくさんはないのでありまして、やはり中心になりますのは精神病院の社会復帰病棟だとか、あるいはリハビリ施設とか、そういったものが中心になって精神病院から真っすぐ社会に多くの患者がお帰りになるわけでございますから、そういうふうな角度から見ていただきたいと思います。
○鍛治分科員 これは国が補助をして各県等でいまの五カ所もつくられているようでございますし、いま全体的に世界の治療の流れも、また国内における家族の皆さん方の御要望、病気になった方のお話を聞いてみましても、ぜひともこの社会復帰の施設というものを拡充し、各地に設けてほしいという声が非常に強いわけです。そういう意味合いから、これは国で補助金を出して各地方につくらせる、県につくらせるということでは、いまお話があったように、県の財政、また各市町村の財政等も大変厳しい折でございますし、またそういう観点からも国においてひとつこれはモデルと言ったらいいのか悪いのかわかりませんけれども、がっちりとしたものをおつくりになって、そしてつくるにつきましてはひとついろいろ優秀な人材を集めて、そしていわば治療の試行錯誤をなさらなければならない点がずいぶん多いと思いますけれども、この点について標準的治療法といいますか、そういうかっちりとしたものをつくり上げていく、こういうふうなお考えはぜひやっていただきたいと思うのですが、これについてお聞きしたいと思います。
○佐分利政府委員 公衆衛生局の関係では、千葉の国府台に国立精神衛生研究所という施設がございますが、そこでデーケア施設のモデル的な実演をやっておりますし、また社会復帰の調査研究もしているわけでございます。明年度から二カ年計画でさらにそういった社会復帰関係の施設の整備費を計上することにいたしております。国立精神衛生研究所の隣には医務局所管の国立国府台病院というのがございまして、これは二百床程度の非常に大きな精神部門を持っておりますが、そういうところとも連携をとってやっております。また、純粋な医務局の施設では国立武蔵療養所という施設がございまして、ここでもいろいろな実験が行われておりますし、現在全国の国立療養所で精神を取り扱っておりますものが十三療養所になったと思うのでございますが、そのそれぞれにおいてリハビリの機能を高める、社会復帰の機能を高めるという努力が行われております。
○鍛治分科員 正確に言えば本格的な施設というものはないんじゃないかというふうに私は理解しておりますので、そういう点について、これはひとつ強力に推進をしていただきたい。 それから、これはやはり地方でも地域におられる患者の家族の方々の声が強くて、これは私の出身であります北九州でございますが、県には衛生センターがあるようでございますけれども、社会福祉施設として北九州市でも何とかつくりたいというふうな考えもあるようであります。こういった形で県の中に一カ所でも二カ所でも三カ所でも積極的なそういう動きがあるところに対しては十分国の方でめんどうを見、施設をつくっていくというお考えをしていただきたいわけでございますが、北九州市の場合と、それに類するような要望等が出てきた場合、どんどんそういう施設をつくっていこう、補助していこうというお考えがあるかどうか、お聞きをいたしたいと思います。
○佐分利政府委員 北九州市等からそのような計画が出れば、十分御期待に沿えるように補助金等を差し上げたいと思っております。
○鍛治分科員 続きまして、時間もございませんので端的な点にしぼって御質問いたしますが、精神障害者の方々の入院措置の解除の件、これは強制入院をさせる措置がいま法で設けられておるわけでございますが、この解除の件でお尋ねをいたしたいと思いますが、これにつきましても実は資料をお願いをして、いただきました。半ページの資料でございますが、「精神障害者入院措置解除数」という形で、昭和四十六年が一万六千四百七十八名、四十七年が一万六千三百十九名、四十八年が一万七千百七十五人、四十九年が一万五千百二十八人、五十年が一万二千六百八十一人、こういうことで資料をいただいたわけです。実は私、この解除については、御承知のように精神衛生法の二十九条の五、一、二に基づきまして解除のやり方がございます。したがって、その内容、内訳を実はお聞きしたくて資料をお願いをいたしたのでございますけれども、残念ながら、この資料で注とございまして、その二番目に「解除区分別数は統計がないため不明」だということで資料をいただいているわけです。これは実際にはわからないのでしょうか。改めてここでまたお伺いをいたしたいと思います。
○佐分利政府委員 全国的なものはわかっておりません。
○鍛治分科員 全国的なものはわかっていないということは、地域地域が重なって全国になるわけでありまして、これは大変、変な御答弁だと思いますが、地域地域の実情もどうもいまの御答弁ではおわかりになっていないんじゃないかというような気が実はいたしております。 ここに行政管理庁から昭和四十八年十月に「精神衛生に関する行政監察結果に基づく勧告」ということを受けていると思います。これは当然御承知だと思いますが、この点にはちょっと触れるという前もっての話をしておりませんでしたので、正確なあれがおわかりにならない点があれば、それはそれでいいと思いますが、私、この写しを一応持ってきております。 この中で、御承知のように(3)の「措置入院者に対する病状の審査及び措置解除の積極化」という項目の中で、数点にわたって内容的に立ち入った指摘を受けながらの行政管理庁の方から改善勧告が出ておると思います。この点について、改善措置はその後どのようになされておるのか、これをちょっとお聞きいたしたいと思います。
○佐分利政府委員 措置解除は精神障害者の人権にかかわるきわめて大切な問題でございますので、その後、通知を発出いたしましたり、また毎年一、二回行われます各都道府県の部長会議とか担当主管課長会議とか、そういう席で措置の解除について繰り返し要望をしているところでございます。
○鍛治分科員 そこで、先ほどいただいた資料、それから局長の御答弁と絡み合わせて私は大変重大な問題だと思いますが、こういう一資料について細かいことを言うとお思いになるかもわかりませんけれども、私は当局の姿勢が問題だ。それはこういう資料の一片にも出てくる、こう私は思いますので、あえて申し上げておるわけです。 この「解除の積極化」という中で書かれておりますが、恐らくお持ちにならないと思いますのでこちらで読み上げてみますと、「措置入院者に対する都道府県の病状審査の実施状況をみると、病状報告書の机上審査にとどまっているもの、鑑定医の精神病院への派遣が計画的でないもの、更に鑑定医が精神病院に赴いても患者の病状審査を実施していないものがみられた。一方、精神病院について調査した結果では、自傷他害のおそれが消失していると病院側が認めている者や単独で院外の事業所の作業に従事していて措置解除が可能と認められる者が措置入院を継続している事例がみられた。」こうあるわけです。これほど明確な指摘が五項目にわたってやられているわけですが、いまお伺いしますと、その後の措置はいろいろ文書通達や会合のときに話をした、こういうふうにおっしゃっております。ところが、本当の意味でこの精神障害者の人権を考え、またこの対策を講じようとするならば、その実情をやはり、こういう具体的な指摘があっているわけですから、各県や知事あたりのところにこういう申請が来ているでしょう、書類もあるでしょう。これを厚生省の方で真剣に一つ一つチェックをしながら内容の報告を求める、これは私は当然のことだと思う。それであってこそ私は真の行政であろうかと思うわけです。ところが、その内訳すら知らない。全国的にはわかりません。それでは地域でわかるのか。地域の積み重ねが先ほど申したように全国的な集計になるのでしょう。こういう大切な重大な行管の勧告を受けておるにもかかわらず、これは誠意がない。これをやろうという誠意がなかったのじゃないか。ただ紙切れ一枚の通達、それから会合のときに行って話をする、それはだれだってやるのです。極端な言い方かもわかりませんけれども、言い過ぎがあったら失礼でございますけれども、本当にそんなのだったら、たとえば二十円のはがきで子供だってやることじゃないか。こうしなさい、こういう勧告を受けたからこうしなさいよ、これじゃまるで交通整理で、本当にこういう方々を何とかよくしていこう、何とか人権を守っていこう、こういう姿勢が、一片の資料ではございますけれども、残念ながら先ほどの答弁の中に少しも見られないのじゃないか。私は大変に遺憾に思うわけでございます。一つの資料だけでこういうふうに申し上げて大変言い過ぎる点があるかもわかりませんけれども、私も患者の方々、家族の方々にお会いをいたしました。その中で、大変な苦労をなさっている、そういうことを身にしみて感じてきているだけに、大変に私は残念に思うわけです。そういう意味で、この福祉の行政ないしこういった関係の精神衛生行政というものは大変な努力といろいろな積み重ねが要ると思いますけれども、私はあえてこの一点を指摘いたしまして、こういう社会に見放されたような方々に対する厚生省の根本的な姿勢というものが本気になっていないのじゃないか、そういう点を大変残念に思います。全部じゃないかもわかりませんけれども、そういう点でこれは私きょう指摘をさしていただきたいと思う。今後こういうことのないように、かっちりとした形で行政をお進め願いたいと思います。 次いで、これは患者本人もさることながら、精神障害者の方々、家族の方々の心労というものは、これまた大変なものがあるわけでございます。こういった精神衛生行政も世界の流れの中で日本も大きな一つの曲がり角に来ているのじゃないか、抜本的に考え方をさらに変えながら、真剣な行政というものが打ち立てられていくときではないか、こういうふうにも思っておるわけでございますが、この点について、精神障害者関係については最後にお伺いをいたしたいと思います。 そして同時に、家族の会が各地で一生懸命活躍をしていらっしゃいますが、やはりこれは、行政当局もさることながら、われわれ政治家としても当然責任を感じますし、力を合わせながら、こういった家族の会の方々にも温かい手を差し伸べなければならぬだろう、御意見も聞いていかなければならぬだろう。そして、経済的にも大変無理をする中で出し合っておやりになっているようです。補助金等の行っている団体もあると思います。また、国だけじゃなくて、地方の県、市、町村等での補助金の関係ということになるかもわかりませんが、こういった面についても温かい配慮と、そういう地方に対する行政指導等もやっていただきたいと思いますが、この点についてお伺いいたしたいと思います。
○佐分利政府委員 最初に、先ほど強く御指摘のございました措置解除の問題でございますが、本年度は一千万円、明年度の予算案では三千五百万円解除のための審査の費用の補助金を増額いたしまして、非常に力を入れているところでございます。先ほどお読みになりました行管の勧告はいささか象徴的な表現になっていると思うのでございますが、この問題につきましては、非常にむずかしい問題もございます。と申しますと、措置入院でございますと大体全額医療費を公費負担されるわけでございますが、措置解除になりますと自分で持たなければならない、少なくとも健康保険や国民健康保険の自己負担分は持たなければならない、そういった問題がございます。そういった関係で、本人とか家族が措置解除を希望しないというような場合もあるわけでございます。したがって、日本の措置入院は若干医療保障的な面も持っておりますので、諸外国の措置率よりも日本は高いのじゃないかと思っております。 次に家族会の助成等でございますが、これは私どもといたしましては、もう十年、家族会法人をつくりまして、自転車振興会にお願いして、毎年引き続き補助金を出していただいております。また、国は直接出しておりませんが、大きな都道府県では家族会に対してかなりの補助金を出しております。国も今後とも財政的な援助も強化いたしますし、また家族会のいろいろな御要望に沿えるように、事業面でも特別な配慮をしてまいりたいと考えております。
○鍛治分科員 時間もありませんので最後の質問になりますが、いまのお話、とにかく前向きにお進めを願いたいと思います。そういういろいろな経済的な問題の事情というものもよく承知をしておりますが、それだけに実情把握というものはやはりおやりいただく必要があるのじゃないか。その後のちょっとした締めを見ていくところから、また逆に原点に返っての対策というものも進めていかれるのじゃないかというふうにも思っております。同時に、措置入院の方につきましては、都道府県知事のところに恐らくは家族から申請が出たものをやるという形になるわけでしょうから、その分についてだけでも早く手を打たなければならないはずですし、そういうことについての把握もなされてないというようなことで、時間がございませんのでこの程度でとどめますが、そういった御認識の中でひとつ温かい形でこの行政をぜひお進めを願いたい。われわれもこういう点については全力を挙げて応援もしていこうというふうにも思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 最後に視力障害関係ですが、二点だけ御答弁いただければそれで終わりたいと思いますので、よろしくお願いします。 一点は、視力障害の盲人の方々についてでございますが、盲人の方のガイドヘルパー派遣費用、これをもっと増額してほしい。外でお歩きになるのに、どうしても盲人の方は付き添いの方が要る場合が多いわけです。そういう意味で他の障害者の方と違った形のものがございますので、この点についてどういうお考えか、ぜひお伺いしたいと思います。 それからもう一つは、盲人の方の職業というものは、大体あんま、はり、きゅうといったようなことで職業が限られているわけでございますけれども、やはり盲人の方の中で、ほかのいろいろな職業の開発もぜひやりたいし、努力したい、そういったことについて厚生省等でもぜひ助力をいただきたいというふうな声も上がっておるわけでございますが、こういった二点についてひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○曾根田政府委員 二点ございますが、第一点の盲人ガイドヘルパーの派遣関係でございます。ヘルパー派遣も含めました身体障害者の地域活動促進事業につきましては、逐年予算面でも増額を図ってまいりまして、五十二年度も前年度の約一億一千万から一億四千万というふうに増額を図ることといたしておりますけれども、今後ともこの事業の充実については努力をいたしてまいりたいと考えております。 それから盲人の職業でございますが、現在盲人の就業率は約三三、四%、三分の一でございまして、その中で御指摘のように伝統的なあんま、はり、きゅう、これがその三分の一を占めておりますが、最近ではこれ以外の職業分野への進出もかなり見られておりまして、特に私どもとしましては、たとえば盲人の電話交換手、これは四十四年度から、それからキーパンチャーとかコンピューター要員の養成、これは四十八年度以降でございますが、最近では五十年度から盲人カナタイプ利用による録音タイプの速記事業、そういった新しい分野へも開拓をいたしておるところでございまして、今後ともさらに努力してまいりたいと考えております。
○鍛治分科員 ありがとうございました。最後に大臣から一言だけ、いまお伺いしました件で御決意をお伺いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 極力やらせていただきます。
○鍛治分科員 ありがとうございました。
○笹山主査 次は西宮弘君。
○西宮分科員 厚生省の行政について若干お尋ねをいたします。 大臣、数年前に元号が改まって福祉元年、こういうことになったわけですが、あのときから数えると、ことしは福祉何年になりましょうか。
○渡辺国務大臣 四年ですかね。
○西宮分科員 大変に皮肉なお尋ねをして恐縮でしたが、しかし大臣も政府委員とお打ち合わせをしなければお答えができなかったところを見ると、いささか心細い感じがいたします。四年といいますか五年といいますか、昭和四十八年でしたね、福祉元年と言ったのは。あれから数えて、あれを元年とすると、ことし五十二年は五年に当たると思いますけれども、いずれにしてもあのまま継続していれば、この辺で日本は大変な福祉国家になり得たはずでありますが、残念ながら福祉元年は元年だけで終わってしまった。二年からむしろ福祉の見直し論なんというのが盛んになりまして、逆戻りしてしまった。福祉の見直しであるとか、あるいはまた高福祉高負担であるとかそういうふうに変わってしまいました。ことしはその福祉四年ですか五年ですか、とにかく相当の実績が上がらなければならなかったはずの五十二年でありますけれども、ことしの予算編成が終わってからの新聞記事などを見ると、たとえば「庶民切り捨て予算」であるとか、あるいは「中身はさっぱり負担はたっぷり」「光ささぬ重度身障者」とか、そういうふうな新聞記事等が多くて大変残念だと思うのであります。まず日本の経済はパイを大きくして、それをみんなで分け合うのだ、そのとき初めて福祉は実施できるのだ、こういうような議論が福祉第二年ごろから盛んに言われるようになったわけでありますが、その点については大臣のお考えはいかがでしょうか。
○渡辺国務大臣 結局、福祉と申しましても、しょせんは金のかかる話でございますから、だれかが金を出す。個人が出すか税金で出すか、二通りしかないと私は思うのです。ですから、パイを大きくするということは国の補助、そういうようなものをふやすのにはという意味のことを含んでいるのじゃないだろうかと思います。
○西宮分科員 大臣の言われることもわかりますけれども、ただ先進国の例を見ますと、イギリス、アメリカ、西独あるいはフランス、これらの国々は一九五〇年代の終わりごろから一九六〇年代にかけて、ちょうど低成長の時代でありましたけれども、その低成長時代の中で大変に福祉政策が増進をし向上したわけです。いま申し上げたようなこれらの国々は、国内では依然として不況と失業に苦しんでいる、そういう状況の中にあって福祉が広範に拡大した、こういう実績があるわけです。それが今日、西欧の国々が福祉の問題ではかなり先進国になっている、日本などとうてい及ばない、そういう福祉の水準を維持しているという点が確保されていると思うのです。したがって単にパイ理論でいわば経済水準と福祉水準を直結する、つまりあくまでもこの二つは連動して短絡的にそれによって影響する、動かされる、こういうものであってはいけないと思うのですが、いかがですか。
○渡辺国務大臣 まあヨーロッパではそういう点もあったかもしれませんが、そのためにイギリスなどは税金もふえる、非常に負担も多い、そのかわり福祉の面も向上した、こういうことも言えるだろうと存じます。なるべく簡単にお話をいたしますが、ヨーロッパの国民所得に対する社会保障費負担等は日本の倍以上あるわけです。だからヨーロッパのような行き方がいいのか、日本のいままでやってきたような行き方がいいのかという考えの分かれ道じゃないだろうかと私は存じます。
○西宮分科員 いま大臣が言われたようなことは、かつて、特に前回の地方選挙の際だったと思いますが、自民党の皆さんは、特に自治体のやり方に対して、先取り福祉であるとか、ばらまき福祉であるとか人気取りの福祉であるとか、そういうことを言って、盛んに自治体のやったやり方を攻撃したわけですね。それとよく似た御意見、あるいはそれと全く同じような根拠に立つ御意見だと思うのだけれども、私はその点はいささか残念だと思うのです。 たとえば昭和五十年に企画庁の出した経済白書でさえ、成長は元来福祉社会建設の手段であって目的ではない、戦後の高度成長が余りにも成功し過ぎたために、いつしか成長の目的を軽視したきらいがある、こういうふうに言っておるわけです。だから、いわゆる経済成長なるものはあくまでも手段にすぎないので、目的は福祉にあるのだ。戦後三十年、自民党の政策のおかげで経済が成長したということを大変声高らかに宣伝するわけですね。そしてその陰に福祉の問題などは影を隠してしまっている、こういう実態ですね。私はこの点は大変残念だと思うのだが、これに対する大臣の所見を一言だけ聞いて次に移りたいと思います。
○渡辺国務大臣 私も成長は手段で、福祉のために成長があると思うておりますのは同一でございます。しかしながら、先ほど言ったように福祉にはお金がかかるのですから、そのお金はどこから出すかという議論を続けてしなければこの話は実を結ばないと思います。
○西宮分科員 これ以上時間がないから繰り返しませんけれども、要するに、そういう経済成長に幻惑をされて、福祉が影が薄くなってしまっている実態を私どもは非常に残念だと思うのです。特にいままで、自治体はそういう意味では先駆的な役割りを果たしてきたと思うのです。それを頭からこきおろすというような自民党の従来の姿勢には、私は強い抵抗を感ずるので、その点だけを繰り返しておきます。 次にお尋ねしたいのは心身障害者の問題であります。これは私の見た資料によりますると、昭和四十一年で五十万五千百人おったのが、昭和四十六年で三十五万六千三百人になっていると、かなりの数減っておるわけですが、本当にこんなに減ったのでしょうか。
○石野政府委員 恐らく精薄児者の実態調査のことかと思いますけれども、実はこれは四十四年でしたか実態調査をやった数字で初めて出てきたわけでございます。第一回のときには、やり方等もかなりいろいろ問題がございまして、当時はいろいろな意味でラフな形でございましたので、一番新しい数字は四十四年の数字というように考えております。
○西宮分科員 それで大体私どもの常識と一致をするわけですが、五年間に大変減ったというようなことを政府の資料で書いているものですから、私はどうもそれは実態ではないのじゃないかという気がしたわけです。 そこで、戦後、母子衛生はかなり進歩した。特に乳幼児の死亡率というのは目立って低下をしたわけですね。これは非常に結構なことだと思うのです。にもかかわらず精神薄弱児の問題は一向に減らない。むしろ、統計の数字はともかくとしても、次第にふえているのじゃないかという感じさえするわけですが、どうしてこれをもう少し減らすことができないのか、せっかく母子衛生ということはかなり充実をしてきたにもかかわらず、精薄児が減らないというのはどういうわけかということを簡単にお答えください。
○石野政府委員 医学の進歩によりましてかなり乳児死亡率なんか減ってまいりました。これは母子保健対策の推進の成果だと思いますけれども、同時に、いままで死亡にあらわれた者が、一応死亡しないで済んだけれども、逆に障害を残すという場合がかなりございます。原因がどこにあるか明確ではございません。そのために、実は心身障害の発生のための研究をいろいろいたしているわけでございますが、個々のケースによって違いますので一概に言えないと思いますけれども、逆に医学の進歩が若干そういう面に作用している面もあるのじゃないか、こういうふうに考えております。
○西宮分科員 大臣御承知でしょうけれども、この精神薄弱児童が昭和五十四年から義務的に就学をすることになるわけですね。それで私は二、三お尋ねをしたいのは、それに関連をして厚生省がいわゆる福祉の立場で協力をしなければならぬ、あるいは、これは厚生省のプロパーの仕事かもしれませんけれどもやらなければならぬ、そういう問題がいろいろあるのじゃないか、それに対する厚生省の御用意はいかがですかということをお尋ねをしたいのです。 今度そういう障害児が学校に入ることが義務化されるということは大変結構なことで、ある医学書の統計などを見ましても、不就学児童の方が死亡率が高いというような例があったり、特にそれが就学年齢に達した直後の年齢で、本来ならば、普通の人間ならば一番死亡率の低い時代にそういう人が死亡するというような例などがある、こういうことを、私はこれは全くの読みかじりでありますけれども、ある専門書で読んだわけであります。そういうのを見ると、何としても医学が、医療がまず真っ先に大事だということになるわけですけれども、就学が義務化されるのに伴って医療対策などはどうでしょうか。
○石野政府委員 障害児の義務教育を完全実施するために、厚生省サイドでどういうふうな協力といいますか、援助ができるのかということであろうかと思いますけれども、一つは、たとえば在宅の心身障害児の場合でございますけれども、この人たちが実際に学校に入るあるいは養護学校に行くというような場合につきまして、慢性のある非常に重い疾患、そういう場合には、小児慢性特定疾患対策という形を始めまして、一応保険で見る費用以外に、残りの部分を公費負担で見ているという制度が一つございます。これによって医療費の援助をしておるわけでございます。それから、施設へ入っておりまして学校に通うというような場合もございますけれども、これにつきましては、措置費でその必要な費用を全部見ている、こういう形になっておるわけでございます。
○西宮分科員 その医療あるいはリハビリテーション、そういうのを十分拡充しないと、せっかくの義務化に対応できないということになると思うのです。 それから、そういうふうに学校に入るということになると、恐らくは父兄、父母、そういう人がだれかついていかなければならぬ、こういうことになると思うのですが、そういうのに対する付添人の、たとえば交通費の問題であるとか、あるいはさらにできるならば、これは仕事を休んで、商売を休んで行くわけですから、その休業に対する援助をする、こういうようなこともぜひ必要だろうと思うし、あるいはまた在宅児に対するホームヘルパーであるとか、そういう問題もあるだろうと思う。ホームヘルパーというのは現在でもありますけれども、それをもっともっと拡充する、こういうことが当然に必要だと思うのだけれども、そういう点については見通しはどうですか。
○石野政府委員 在宅の障害者に対します助成の道というのは、厚生省サイドから申しますと、いまのホームヘルパー制度、これの拡充が一つの大きな問題であると思います。 それから、学校に通う場合の保護者の交通費とかいう問題になりますと、これは御存じのとおり、特殊学級の特殊教育の就学奨励助成金というのが文部省から出ておりまして、それによって、全額ではございませんけれども、一応本人並びに保護者の交通費なりあるいはそういう必要な経費について見ている、こういうことになっております。 それから施設から学校へ通うような場合につきましては、これは当然施設の職員が連れていくわけでございますので、この費用はもちろん措置費の中に入りますけれども、そのほかに、学校に入りまして必要な経費がいろいろございます。そういうものにつきまして、全部措置費で見ているわけでございます。 それから、最後の方にお尋ねございました、保護者が休んで行く場合の休業補償の話でございますけれども、これは厚生省というよりも、むしろどちらかというと労働省に近い話なので、私の方としてはこれについて休業補償という問題はちょっと考えられないのではないか、こういうふうに思っております。
○西宮分科員 かなり金額も必要な問題でありましょうから、即答できないのは当然だと思いますけれども、しかしやるとすれば、労働省の労働対策、労働行政ではないのですから、むしろ仕事を休んで生活が困っているという問題なんだから、性格的には厚生省でやるべきだ、あるいは厚生省でやって少しもおかしくない問題だ。したがって、これは今後の課題として申し上げておきたいと思います。 あるいは、現在収容施設、通園施設、そういうものもともに少ないし、そういう点の拡充も必要だと思いますけれども、いずれにしても、この問題は、たとえば一九六八年の精神薄弱児の人権宣言であるとか、一九七一年の精神遅滞者の人権に関する宣言であるとか、こういうことで精神薄弱児の問題はいわば国際的な大きな問題として取り上げられてきている問題でありますし、あるいはまた、心身障害者対策基本法等には、個人の尊厳にふさわしい処置をしろ、こういうことが明確にうたってあるわけですから、そういう点を十分含んで、大臣もこれに対処してもらいたい。特に児童の就学義務化に伴って、もう一遍この問題を検討してもらいたいということを申し上げたい。いかがですか、大臣。
○石野政府委員 ちょっと私先ほど申し忘れたのですが、実は在宅の障害児者に対しまして、特別児童扶養手当というのを、実はこれは法律がございまして、年々拡充しておるわけでございます。こういうことによって、もろもろの問題、全部とはまいりませんけれども、やはり一つの手助けになるのではないか、こういうふうに感じております。 なお、おっしゃるとおり、心身障害児、特に精薄者の場合については、大変基本的な大きな問題がございます。私どもいままでもいろいろ努力してまいりましたけれども、あらゆる角度から五十四年度の義務化に向かいまして、厚生省でできる最大限の努力はいたしたい、こういうふうに考えております。
○西宮分科員 注文をしてもなかなか大臣はお答えにならないので、三番目の問題はまず大臣にお尋ねをいたしますが、生活協同組合を助長するという問題が厚生省の所管であるということを大臣御存じですか。
○渡辺国務大臣 知っています。
○西宮分科員 それを聞いて大変安心いたしました。生活協同組合を助長、育成するということは厚生省の設置規定に設けられた厚生省の行政なんですね。ところが、私どもが外部から見ておる限りでは、どうもこの問題が非常に小さく扱われているのではないかという感じがしてならないわけです。いま国民の全体が物価高に非常に苦しんでいるというときに、せっかくこういう制度が厚生省の所管事項として規定されているわけですけれども、厚生省として、厚生大臣として、これに取り組む取り組み方が少ないのではないか、私はひがみかもしれないけれども、そういうふうに見るのですが、それでは大臣は、せっかく法に定められた、厚生省の所管事項として決められたこの仕事に対して、今日までの生活協同組合のやってきた実績について、どのように評価をしておられますか。
○渡辺国務大臣 私は農林関係を長くやっておりましたが、いろいろな物価対策その他において、生協とかスーパーには、ある時期には大変お世話になってまいりました。これは運営の仕方で非常によくもできますし、また場所によっては余りうまくいっていないところもあります。いろいろです。
○西宮分科員 もちろん人間のやっている仕事ですから、うまくいったりいかなかったり、いろいろありましょうけれども、全体として物価の抑制、特に石油なんかの場合はそういう威力を発揮したと思うのですが、それともう一つ大事なことは、食品等で有害食品を排除して、あくまでも安全食品を供給する、こういう点については私はその任務を果たしてきているというふうに思うのだが、大臣いかがですか。
○渡辺国務大臣 そういう点もあろうと思います。
○西宮分科員 生活協同組合の重要なる問題はいま私が申し上げた点にあるわけですから、ぜひそういう意味でこれの育成のためにさらに一層努力をしてもらいたいと思います。 なお、所管の局長で結構ですが、私がいま指摘をしたような一般の物価の抑制、あるいは有害食品の追放というような点について果たしている生協の実績について、局長はどういうふうに見ておりますか。
○曾根田政府委員 大臣からもお答えいたしましたように、物価対策あるいは国民生活安定の点で消費生活協同組合の果たした役割りというものは非常に大きなものがあると私自身は評価いたしております。
○西宮分科員 いまの局長の答弁は私どもの認識と全く一致をするわけですが、昨年閣議で決定をされた「昭和五十年代前期経済計画」この中には次のようにうたわれているわけですね。「国民の消費生活の安定向上のためには、消費者側における努力、対応を通じて、社会的対抗力としての消費者の地位が確立されることが重要である。このため、消費生活協同組合等の消費者による自主的組織活動を一層助長する」こういうふうに述べられているので、これはここにもあるように、あくまでも自主的な活動、家庭の奥さん方が集まって、みずから生活の防衛をしよう、あるいは食品衛生等で自分たちの命を守ろう、こういう自主的な運動であるわけでありますから、ぜひそういう点をさらに一層認識をして、一層の助長、発展を図ってもらいたいということをお願いしておきたいと思います。厚生省設置法の第四条には「国民生活の保護指導」ということがうたわれているわけで、いわゆる国民生活の保護ということになると、いま申し上げたような、私が指摘をした生協の問題等はまさにその国民生活の保護に該当する、私はそういう立場からいままで意見を申し上げてきたのです。 これは所管事務としては厚生省ではなく、経済企画庁ではないかと思うのですけれども、昨年こういう中間報告がなされましたので、これは厚生省も十分関心を持ってもらいたいという立場から問題を指摘をするわけです。それは、総理大臣の諮問機関である国民生活審議会で消費者被害救済制度、こういうことを昨年の十一月に中間報告をしておるわけです。これは要するに、いま私が申し上げた被害補償制度とか、あるいはまたメーカーの立証責任、挙証責任の転嫁の問題であるとか、そういうことを内容にしている答申でありますけれども、そういう中間報告がなされている。したがって、これは消費者の立場でいろいろ悪い品物を買わされたとか、あるいは有毒な食品を買わされたとか、そういうことによってその被害を受けた場合には、これを救済する、そういう制度をつくれということを政府に対して報告しておるのです。これは国民生活の保護ということを任務とする厚生省としてはかなり重大な関心を持ってもらわなければならぬ問題だと考えるわけですが、この点について大臣何かお考えになったことありますか。
○曾根田政府委員 消費者保護の一環として生活上のいろいろな事故と申しますか、そういったものに対する補償、これは広く解釈しますと関係各省にまたがるわけでございまして、公害問題あるいは食品、薬品、いろいろ問題があるわけで、それぞれすでに制度化されておるものもございますし、目下検討中のものもございますけれども、厚生省は厚生省の立場で消費者保護のさらに一層の充実を図るために関係各省庁とも十分協議の上検討してまいりたい。 消費生活協同組合について申し上げますと、先生御承知のように、かねてから共済事業を通じまして、そういう共同の生活上のいろいろな特定の事故でございますけれども、そういうものに対する備えを行っておるということでございます。
○西宮分科員 私は、生活協同組合の問題もさることながら、ぜひ一層の進展をお願いしたいと思いますし、さらに、申し上げた消費者被害救済制度、その実現方についてもぜひ、これは所管のいかんにかかわらず、国民生活保護という立場で強い関心を持ってこれに取り組んでもらいたい。特に大臣などは閣員の立場で、閣僚としてもそういう問題についてぜひ発言をしてもらいたいということを要望いたしまして、終わりにいたします。
○笹山主査 次は、小宮武喜君。
○小宮分科員 厚生年金について質問いたします。 厚生年金は、五十二年八月から、現行の九万円が五十一年度の物価上昇率の九・四%の見合いをとりまして九万八千円程度になる、こういうように言われておりますが、この九万八千円の年金受給者は大体全体のどれくらいか、また既裁定年金者の平均はどれぐらいになるのか、まずこの点をお聞きします。
○木暮政府委員 モデル年金はどのくらいの受給者がいるかということでございますが、昨年の法律改正後の新規裁定で申し上げますと、六千九百十四人のうち二千九百十六人の方が該当いたしておりまして、パーセンテージにして四二%でございます。いま申し上げましたもの、昨年の既裁定、全部を含めまして申し上げますと、六十九万七千人の中で十二万八千人、一八%の人が該当いたしておるわけでございます。
○小宮分科員 その九万八千円の年金をもらえる人は、大体全体の一八%ぐらいということですか。
○木暮政府委員 いま申し上げましたのは、昨年の改正でモデル年金九万円ということで設定をいたしまして、その率が実績でいまのような数字でございます。今度スライドをいたしまして九万八千円になりますけれども、その実績はもちろんまだ出ておらないわけでございますが、恐らくこのパーセンテージと同様な結果になるのではないかというふうに考えております。
○小宮分科員 その既裁定年金者の平均はどれぐらいなんですか。
○木暮政府委員 昨年の九月末現在で六万八千百七十四円でございます。
○小宮分科員 それは昨年の年金改正のときに私、質問して、その答弁は出てきておるわけです。だが実際、今度その後の変動もあっておるだろうし、だから既裁定年金額も上がっておるのじゃないかというような判断をしておったわけですが、実績はもちろんないでしょうけれども、しかし予算編成をする以上はやはりそれだけの見込み、大体の概算はやっておるはずですね。
○木暮政府委員 今度の物価スライドをいたしました後、大体七万七千円になるのではないかというふうに見ております。
○小宮分科員 大体九・四%掛けて……。 それから、厚生年金は退職前所得の六〇%ということを言われておるわけですが、六〇%に抑えた理由、六〇%でなければならないという理由はどこにあるのですか。
○木暮政府委員 今度の五十一年度の大改正で、年金の水準をモデルで直近の標準報酬の六〇%ということに設定をいたしたわけでございますが、これはもう先生御承知のように、四十八年にもそういう水準にいたしたわけでございます。四十八年にいわば非常に思い切って上げましたのを、五十一年で踏襲をいたしたわけであります。この六〇%を一つのめどといたしましたのは、国際的に見ましても、大体この水準ということが先進国の水準でございますので、そういうことを勘案いたしまして、年金の水準としては妥当なものではないかというふうに考えた次第でございます。
○小宮分科員 外国は賃金も高いし、同じ六〇%のパーセンテージを掛けてもやはり受給する額が多いのですね。だからそういった意味で、外国との比較もそれは必要だろうと思うけれども、私が考えておるのは、やはり改善をしていって、六〇%のものは一挙にいかぬでも六五%に上げるとか、あるいはまた余裕がつけば七〇%に上げるとか、私も一〇〇%そのままということは申しませんけれども、大体退職前の八〇%ぐらいまでは将来の目標として持っていくべきじゃないのか。特に厚生年金の財源を見ても、この前の質問の中でも明らかにされましたように、今月末で十四兆円もあるわけですから、そういった意味では財源がないとは言えないわけですね。だから、厚生省も毎年毎年努力をしておることは認めますけれども、六〇%でこれがもう固定してしまうという考え方でなくて、財源も許せば、許すはずですから、これを六五%に上げていくとか、いまの六〇%という数字を将来少しでも上げていくという考えにお立ちかどうか。また、そういうこともやはりあるべきだ、そうすべきだというように考えておられるかどうか。
○木暮政府委員 現在のモデル年金の水準が標準報酬の六〇%でございますが、これは先ほど申し上げましたように、国際的に見ましてもかなり高い水準だというふうに考えておるわけでございます。現在、西ドイツ等でも大体同じ水準でございますけれども、年金の受給者がふえまして、特にまたオイル・ショックの後などでは財政的に非常に困難をいたしておるわけでございます。そういう点を考えますと、年金の基本構想につきましては、専門家にお集まりいただきましていろいろ検討していただいておりますけれども、六〇%の水準というのは今後も妥当なものではないかというふうに考えております。
○小宮分科員 特にこれは大臣にも聞いてもらいたいのですが、厚生年金受給者が非常に不平また不満を持っておるのは、確かにいまの金額の問題もありますけれども、一番問題にしているのは、いわゆる在職者老齢年金の支給制限の問題ですよ。いま言われるように、二十年間保険料を納めておればまだ厚生年金の受給資格がある。しかしながら、厚生年金に限っては六十歳でなければ支給しない。それも六十一歳になっても、全額支給されるかということになれば、ほかに働いて所得があれば、十一万円以上の人はこれは無支給、それ以下の人も三ランクが設けられて、八〇%とか二〇%とか五〇%、みんなカットされているわけですね。この問題を私たちは一番重く見ておるわけです。だから、金額の六〇%を六七にするのか八にするということはさることながら、この問題はやはり十分考えていただきたいと思うのです。特にそういった意味では、もういまごろは厚生年金はみんなよく知り尽くして、いわゆる公務員の共済年金との比較の問題がいつも出てくるわけです。彼らは五十五歳でもらっておるじゃないか、そうして、たとえば役所をやめてほかに移っても、ほかで働いても、所得が三十万あろうと百万あろうと年金をもらっておるじゃないか、何でわれわれの厚生年金だけが六十歳にならなければくれぬ、六十歳になってもらおうとすれば、おまえは働いておるからだめだと言う、こういう不合理な話があるかということが一番訴えられておるわけですね。したがってわれわれは、支給制限を撤廃しなさいと言いたいんだ。また、実際われわれは主張してきたわけです。ところが、そう一挙にいかぬでも、これを大幅に緩和していくとか、たとえば上限だって十一万円というのを、十一万円が妥当かどうか、私はこの前、社労でも委員会におるときやったわけですが、私はあの時点でも、少なくとも十五万円ぐらいに上げるべきだという主張をやってきましたけれども、やはり毎年その規制を少しずつ緩和して、幾らかでも皆さん方が救われるような方策を考えてもらいたいし、また、そうあるべきだと思うけれども、今度の場合は、年金法の改正の場合も厚生年金のこういった問題は一つもないわけですね。だから、一挙に撤廃しろと言ってもなかなか無理だろうし、だから、やはり年々少しでも、十一万を十五万に上げていく、そうして下の方も押し上げていくということで支給率をだんだん上げて、皆さん方恩恵を受ける人が、特に低所得者の場合も恩恵を受けられるような制度に変えるべきだということを考えて、私は毎年このことを主張しておるのです。しかしながら、今回の場合は、在職者の老齢年金の支給制限については全然上限も引き上げられておらぬし、そのままになっているわけですね。そこらのところはもっと前進的に考えてもらうべきだ、こう思うのですが、大臣、どうでしょうか。局長からでもいいが、大臣からも答弁してください。
○渡辺国務大臣 それは非常に大事な話でして、年金制度の基本に触れる話なんですよ。高度経済成長から低成長に移るというときに、それは考えさせることが非常に多い。仮に掛金だけで全部やるのじゃなくて、その給付に対する補助ももちろん伴うわけですから、これは大きな問題なんですよ。よく外国の例がいろいろ出ますけれども、では外国で何百万だ、何千万だという退職金を出す国がどこにあるのか、これも一つの考え方なんですよ。それじゃヨーロッパで五十五歳で年金を出している国はどこにあるのか。みんなほとんどが六十五歳でしょう。六十歳というところがところどころあるけれども、大体六十五歳だ。そうすると、日本は五十五歳というのはいつつくったものなのか。人間の寿命が、人生わずか五十年ではなくて、七十年か七十三年かになってきたわけだから、そうすると、この問題は当然定年制の問題とも関係がある問題だと私は思います。ですから、何も五十五で首を切らなくたっていいんで、ちゃんとほかにもやることがあるでしょう。年寄りにやはり生きがいを感じさせなければならぬ。そういうようなときに、現実には五十八とか五十七でやめる。そのために、公務員の方はやめても五十五から若年停止じゃない。厚生年金の方は会社から会社へしか行かない。つながっているじゃないかというわけです。民間から公務員になる人は余りないですからね。間違ってたまにあるかもしれないけれども、それは間違いだ。公務員から民間に行く人はかなりある。ですからそれはぎらつくわけですよ。ですから、こういう問題はすべて基本に触れる問題なので、時代の変遷とともに一遍検討し直したらいいじゃないかと私は思っておるのです。ですから、いますぐにそれじゃどういうふうにするんだと言われましても、こうするということを私は立場上申し上げられませんが、あなたの言うことは、私もそれは全くそうだなと思っている節が非常に多いのですよ。ですから、これは大きな検討課題です。
○小宮分科員 局長、何かありませんか。
○木暮政府委員 大臣の申し上げたことにつけ加えることはございませんけれども、昨年の改正で、七万二千円でございましたのを、いろいろ先生からも御意見をいただきまして、十一万円ということで、大幅に引き上、げたわけでございます。その結果、かなり利用していただく人の数もふえているようでございますが、なお実態を見きわめまして今後検討してまいりたいと思います。
○小宮分科員 皆さん方は都合のいいときには、いま年金の基準というのも退職時の六〇%だ、外国もそうだ、こう言うわけですね。そうすると、いま大臣が言われたように、向こうは六十歳でも六十五歳でも働いておる、その後もらうという問題の相違もある。そういった都合のいいときには外国の例を引いてくるが、実態は違うわけです、いま大臣が言われたように。いまの民間の厚生年金受給者の中には、そういうような問題が非常に渦巻いておるわけです。周囲にたとえば学校の先生をやめられて、わりあい余裕のある生活をしている人もいる。こうして、定年退職者の問題もきょうの本会議で質問したわけですけれども、やはり五十五歳というのがまだまだ一般的で、大臣も言われたように、これは人生五十年と言われた時分の遺物ですから、いまはもう男子は七十一・四九歳で、女性の場合は七十六・四五歳ですから、そういう人生七十年になってきた場合に、定年制の問題は確かに一考も二考もしなければならない問題があります。そういうようなこともありますけれども、それはいま大臣が、これは根本的に政府も何か検討するとか、厚生省の中にそういうようなことを検討する機関を設けたとか、いろいろ言われておりますけれども、その結論だって、それぞれの年金制度には歴史がありますから、そう簡単にはいかぬと言うのです。それで、この場合でも、下の方にそろえるわけにいかぬわけだから、どうしても上の方にそろえなければいかぬわけだから、そういった意味では、それならそれまで皆さん待ってくれということを大臣が言われても、やはりその間に少しでも努力をしていくべきだ。私は一つも無理なことは言っておりませんよ。民社党はいつもそういうような無理なことは言わぬのですから。いまの上限でも、それは十五万円ぐらいに持っていかないと……。具体的な金額まで去年も私は言っている。だから、撤廃するとしても問題はあるんだか、そういうようなことで徐々に改善していってもらわぬと困る。特に六十五歳以上の在職者の場合も、あれは一律に全部二〇%カットされている。しかしようやく、去年の改正ですか、あれで、十一万円までの人は全部支給する、十一万円以上は二〇%カットするということになったわけですけれども、そういうふうに徐々にしてやれば、政府も本当にわれわれの民間の厚生年金についても十分意を用いてくれているんだなということをみんなわかるのです。ところが、何にもしないと、われわれが働いて、これはもちろん厚生年金ですから経営者も納めておりますけれども、十四兆円もある。またこれは、たとえば五年後には十八兆円とかになるわけです。それは全部資金運用部に行って財投なりに行っておりますけれども、そこまでいろいろ言いませんけれども、やはりこういった問題は、一遍にいかぬでしょうから、少しずつでも改善してもらいたい。この問題、六十五歳以上の人たちの問題についても、いまの十一万円を十五万円に上げるとか、こちらの方を上げるとか、そうして少しずつ改善した跡が見受けられれば、ああ誠意があるなということをわれわれも感じますけれども、いまのようなことでは、われわれとしても、ただ外国との比較ではこうだと都合のいいときだけ外国の例をひっぱってきて比較してもらったって困るのですよ。そういうような意味で、大臣も私の主張に対して共鳴しておるようですから、これは来年度やれとは言いません、無理でしょうから。五十三年度あたりにはこういった法律改正をしてでも引き上げていくということをやってもらいたいと思うのです。本来ならばそういうようなことで撤廃したいのだけれども、一挙にはいかぬので、少しずつでも改善してくださいということを特に申し上げておきます。 念のため、もし在職者の老齢年金の支給制限を撤廃した場合幾らの給付増になるのか、説明してください。
○木暮政府委員 ただいまの制限を撤廃いたしますと、約四千三百億円ぐらいの増になります。
○小宮分科員 特に税金の非課税の問題ですが……
○木暮政府委員 ちょっと訂正させていただきます。 全部の制限を撤廃いたしますと、五十一年度で計算をいたしますといま申し上げました約四千三百億でございます。(小宮分科員「六十五歳以上の人も含めて」と呼ぶ)はい、純増が二千六百七十億ぐらいになるわけでございます。全部かかる経費が四千三百億ぐらいでございますが、いまやっておりますので、純増する部分は二千六百七十億、こういうことでございます。
○小宮分科員 それから、厚生年金とか国民年金あるいは船員保険等による老齢年金あるいは通算老齢年金は、現行制度では、老齢者年金特別控除によって、六十五歳以上の老人が受ける公的年金だけが七十八万円まで非課税になっておりますね。この非課税の限度額にしても、これは去年もそうです。これも全然動いていないのです。こういうようなものについても年々少しでも改善していくことが必要だ。ほかの公的年金の場合も非課税の限度額なんかもほとんど皆上がっておるわけです。だから、こういった厚生年金についても非課税の限度額を上げていく、私に言わせれば、六十五歳以上の人たちだけでなくて、六十歳以上の人たちも恩恵を受けられるように非課税の限度額を上げていくということを検討してもらいたいと思いますが、どうですか、局長。
○木暮政府委員 老齢年金に対します課税でございますが、ただいま先生の申されましたように、六十五歳以上の方には老齢者の特別控除がございまして、七十八万円ということで、これは私どもも努力をいたしましたけれども据え置きになったわけでございます。ただ、各種控除も上がりまして、来年度で、夫婦の場合を申し上げますと二百九万円までは税金がかからない、こういうことになるわけでございますが、これは今後とも努力をしてまいりたいと思っております。
○小宮分科員 所得制限の問題は、厚生省はかなり努力しておることは私も知っております。しかしながら、大蔵省の厚い壁に当たって、どうも押し返されてしまうということで、その点、皆さん方の御努力に対しては敬意を表するものです。 ところで、五十二年度予算で、七十歳以上の老人に支給される無拠出の老齢福祉年金、これは一万五千円に上がりました。私も、いまさら、一万五千円の福祉年金は少ないとか、もっと上げろとか言ってみたってしようがない。それは、二年ぐらい前にも二万円年金ということがいろいろ論議されておったので、それから比べれば上がり幅が非常に少ないという不満もありますけれども、そのことはここでは触れません。ただ、所得制限が、今度の場合は夫婦で年収百五十三万円から百六十四万円に引き上げられておるわけですね。したがって、話によれば、これによって恩恵を受けられる人は全然いないということなんですが、そうですが。
○木暮政府委員 老齢福祉年金の本人所得制限は、先生のお話にございましたように、百五十三万から百六十四万に上がったわけでございます。この考え方といたしましては、福祉年金も十五、六年にわたる歴史を持つようになったわけでございますけれども、国民皆年金の一翼を担う年金でございますので、安定的かつ継続的に支給をされるということが必要であろうというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、昨年支給を受けられた人が支給を受けられなくなってはいけないということで、停止率を維持をするという考え方でスライドをしたわけでございます。
○小宮分科員 それでは、扶養義務者の所得制限は、六人世帯の場合、現行の八百七十六万円そのまま据え置かれておりますね。これはどうして据え置かれたのですか。
○木暮政府委員 扶養義務者の所得制限は、八百七十六万円でございますのを来年度も据え置くということになったわけでございます。私どもといたしましては、本人所得制限と同様に、国民皆年金の一翼を担う福祉年金でございますので、いままで支給を受けられた人が受けられなくなるということがあってはいけないということで、支給率がその水準を維持できますように、九百三十四万でございましたか、そういうふうにしたいという考え方を持っておったわけでございます。一方、これも先生御承知のように、税金で出しておる福祉年金でございますので、八百七十六万円以上の方に支給をするのはどうであろうかという議論もございまして、いろいろ予算折衝の過程でいきさつがあったわけでございますが、来年度につきましてはこれを据え置く、こういう措置をとった次第でございます。
○小宮分科員 そうしますと、本人所得制限の場合は、百五十三万円から百六十四万円に上げられたことによって、従来どおりの人が支給を受けられる、そういうような人が出ないように配慮した。今度は、扶養義務者の所得制限の方は据え置いておるということは、結局それを、先ほど言われたようにいろいろ努力はされたのでしょうけれども、据え置かれたということは、そのことによって福祉年金の支給が受けられなくなる人が出てくるということですよ。それはどれくらいおりますか。
○木暮政府委員 今度の据え置きによりまして、約七千人の方が支給を受けられなくなるというふうに見込んでおります。
○小宮分科員 これは、私特に大臣に聞いてもらいたい。特に、本人の所得制限というのをわれわれは撤廃してもらいたいという気持ちはまだ非常に強い。しかしながら、本人がそれ相当の所得があればこれはまあまあやむを得ないとしても、扶養義務者の所得制限を受けることによって支給されないということは、これはやはり問題があると思うのですよ。特に、たとえば七十歳以上の人が子供さんと同居しておるとか、あるいは別居しておっても構いませんが、おまえの所得が八百七十六万円以上あるので、おれは老齢福祉年金をもらえぬ、だから、ひとつその分だけおれにくれぬかということは子供さんに言われぬですね。それで、お年寄りの人が言っておるのは、やはり自分が気がねなしに使えるお金を持ちたいということを、ほとんどのお年寄りの人が言っておるわけです。幸い、支給日については、私も前々から大分主張しまして、ようやく今度は、十二月支給と言ったけれどもそれが十一月になったのです、実質的には。しかし十二月にもとれるということであればそれでもいいわけですけれども、やはり自分の自由に使える金が欲しいというのがお年寄りの考えなんですよ。そうすると、扶養義務者の所得制限までされたら、それなら子供さんが気をきかして、その分だけ毎月やろうということに、そういうような息子さんばかりおればいいけれども、やはり親から子供さんに、ひとつ一万五千円小遣い銭をくれぬかということは、そう毎月は言えるものじゃないですよ。だから、そういうような意味では、やはり少なくとも本人の所得制限は、本人がある程度所得が多ければしようがないとして、この扶養義務者の所得制限だけは私は撤廃してもらいたいと思う。これは大臣、どうでしょうか。
○渡辺国務大臣 これも議論のあるところでしてね、扶養義務者の中には家族の場合と配偶者の場合とあるわけですよ。配偶者の場合は八百七十六万、おやじさんは会社の重役とか、あるいは自家用車で毎日送り迎えしてもらっている、あるいは農家の場合もあるでしょう。そこの奥さんは、だから今度は制限に引っかかるか引っかからないかという話なんで、ちょっと恵まれ過ぎるんじゃないかというのが大蔵省の言い分なんですよ。だから、少なくとも、同じ家族といっても、おやじさんが八百万円もある場合と、子供らのものを合わせて八百万円ある場合とは別じゃないかという議論も、公平論というところからいってそういう議論もある。 それからもう一つは、この福祉年金というのは、私は予算委員会でも言ったのですが、これは財産に関係ないんですね、所得の制限はあるけれども。ともかく三億円がとこ山を持っていたからといって、売らない限りは所得にならないわけだから。だから、家の周りに、練馬の農家の人がもう三千坪持っていたら、実際は大変な金だよ、これは。だけれども、これは売らない限りは所得にならないし、三千坪ぐらいじゃ、農作物はとても八百万円も取れないからね、これは。東京は土地がいいから一坪で米一俵取る、そんなことは絶対にないから。そういうふうな問題が一つあるわけです。ですから、公平論というとなかなかむずかしい問題がいろいろあるので、大蔵省がそんなことを言って切り飛ばすと言うから、このどさくさ紛れにそれはだめだ、予算編成のどさくさ紛れに。それは年金の洗い直しの問題をやるときに一緒に考えることにして、今回はだめだよということで据え置きにしたというのが実は真相なのです。それはいろいろあるのです。
○小宮分科員 時間も来たようですから、最後に原爆被爆者の問題で一、二点質問します。 五十二年度予算では、被爆者団体があれだけ切望しておったところの地域拡大については全然配慮がなされておりませんね。この問題については、公衆衛生局長の佐分利さんに、昨年の七十八国会でも、法律案が出たときも、私の質問に対して局長はこういうようなことを言いましたね。残留放射能の調査をいま行っております。広島は八月ごろまでに大体調査が終わります、長崎は十二月ごろまでに大体調査結果が出るようになります、それで、最終的には十二月の予算の大臣折衝までぐらいには何とか間に合うだろうと思います、こういう答弁を佐分利さんはしておったですね。ところが、今度の問題で何ら予算に盛られておらないというのはどういうことなのか、その調査結果がどうなっておるのか、いろいろ詳しいことはまた原爆被爆者の特別措置法が出た場合に社労でやりますけれども、もう時間がありませんから、この問題だけについてひとつ局長の答弁を求めます。
○佐分利政府委員 原爆対策の地域拡大につきましては、その地域がどの程度放射線の影響を受けたかということを慎重に検討した上で決めなければならないことでございます。そのために本年度残留放射能の調査をしたのでございますけれども、端的に申しますと、長崎の西山地区以外は残留放射能の影響はないようであります。しかしながら、広島についても長崎についても、一、二、とんでもないところに若干高いところがございます。これは諸外国における水爆実験等の影響が考えられるわけでございますが、そういった点を確かめるために若干時間をいただきたいと考えております。
○小宮分科員 これで私の質問を終わります。
○笹山主査 次は、田中昭二君。
○田中(昭)分科員 大臣も委員長も皆さんも、遅くまでどうも御苦労さんでございます。 政府当局のいままで行ってきました産業優先の高度経済成長のひずみというのが至るところに出ております。それが人類の生存を脅かし、国民生活の環境破壊とともに生命の尊厳まで侵されておる。その事実の中の一つの例としまして、きょう私はアルコールによる中毒関係者の増大という問題を取り上げてみたいと思います。 そこで、まずわが国の飲酒人口、それから大量飲酒者数、そしてアルコール症といいますか、これは病気だそうでございますが、アルコール症並びにアルコール精神病者、肝硬変、この患者数を昭和四十三年から四十九年までまずお聞かせ願いたいと思います。
○佐分利政府委員 まず飲酒人口でございますけれども、研究グループの報告によりますと、男子は成人の九〇%、女子は成人の四五%と推定されております。これをもとにわが国の飲酒人口を推定いたしますと、四十三年には約四千四百十万人でございましたが、四十九年にはこれが約四千九百八十万人となります。このうち問題の大量飲酒者は、一日平均百五十ミリリットル以上のアルコールを飲む方々でありますけれども、WHOの推計方式でこれを試算いたしますと、四十三年は百九万人、四十九年は百四十八万人となるものと考えられます。さらに、アルコールによるはっきりした障害者の数でございますが、厚生省の患者調査によりますと、昭和四十三年のアルコール精神病患者数は千七百二十人、アルコール症患者数は一万三千人、肝硬変患者数は三万二千六百人で、合計四万七千三百二十人でございますが、四十九年にはアルコール精神病患者数は千九百人、アルコール症患者数は一万四千四百人、肝硬変患者数は六万七千百人でございまして、合計八万三千四百人に増加しているものと思われます。
○田中(昭)分科員 次に大蔵当局の方から年間の酒の消費量と酒税収入、これを四十三年から四十九年まで——五十二年までお願いしましょうか、実績と予定で。
○吉田説明員 酒類の消費量でございますけれども、千キロリットル単位で申しまして、四十三年度が四百二十四万六千キロリットル、四十四年度が四百六十二万二千キロリットル、四十五年度が四百九十万一千キロリットル……(田中(昭)分科員「四十九年へ飛んでください」と呼ぶ)四十九年度は五百八十三万五千キロリットル、五十年が五百九十七万八千キロリットル、こういうことになっております。 それから酒税の収入でございますが、四十三年度で五千七十九億円でございます。それから四十九年度が八千四百六億円、五十年度が九千百四十億円、かようになっております。
○田中(昭)分科員 大臣、細かい数字をいま読んでもらいましたが、最初の大量飲酒者数というのは、いま推定百四十八万とおっしゃったのですが、現在約百五十万近い。それとアルコール症患者でございますけれども、これが四十三年が四万七千人ぐらいのところが八万四千人ぐらい、大体倍近くになっていますね。お酒の消費量も、倍までいきませんけれども、酒税の税収から見ると倍近い数字、こういうことになっております。こういうように大体倍になったという認識で間違いなかろうと思います。 そこで、アルコール患者にかかわる社会的な問題、大変な悲劇が数多く出ておるようであります。幾つかの事実を新聞報道等から見てみますと、見出しを読んで大臣の御認識を得たいと思いますが、一つは「母起訴、兄弟も送致、酒乱の父殺し」また「アル中患者タライ回しで死亡」次に「アル中患者の刑務所入り」、これはアル中を治したいために自転車どろぼうを働いて逮捕されたということなんですが、こういう問題が続発をしておるわけです。 そこで、まず第一番目のは、アル中患者の父親が職もなく泥酔状態を毎日繰り返す、そこで肉親の妻と子供がその酒乱の父を殺した。この殺された父親の場合ですけれども、この人でも医療を受ける最低の権利はあったはずであります。正しい根気強い医療が施されておるならばりっぱに立ち直れたはずであります。さらにこの事件は、アル中という病気による人間の限界状況にあったときの不幸な出来事でございます。このような事件は未然に防止しなければならないし、また当然防げたはずであると言われております。私ももっともなことだと思いますし、私なりに理解することができますが、大臣いかがなものでございましょう、いまの実例を聞いてどういう御意見をお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 アルコールも薬のようなものでありまして、本当にそういうふうな人もあれば、一杯やらなければ眠れないという人もあって、本当に悲惨な状態があるのですけれども、禁酒をするということは言うべくしてできない。アル中患者とかの弊害というのは逆に禁酒した場合の方が多いというのです。ですから、そういうような深酒を飲まないにはどういうふうにしてするかということが根本だろうと思います。私なんかも大酒飲みの方だから百五十万人の中に入っているのかもしれませんけれども、いずれにしても、病気になってしまった者は厚生省、しかし病気になる前に何とか、宗教をやれば本当は一番いいんだろうけれども、政府が酒を飲まない宗教を応援するわけにもいかないし、非常にむずかしい問題がたくさんある。競輪をやって悲惨な状態になった、競馬をやってなった、これはアルコールばかりじゃないのですよ。競輪だって、競輪場へ行ってみると、きょとんとした目で、すってんてんになって出てくるようなのがいる。やはり同じような事件がある。大きな社会問題ですよ。ですから根本的には厚生省だけではどうしようもないことですけれども、厚生省としては、ともかく精神衛生の問題とか、あるいは肝硬変を治す施設をつくるとか、医者をつくるとかも問題ですが、それ以前の大きな問題ではないかと思っております。
○田中(昭)分科員 そういう事実を見ていますと、笑い事では済まないような悲惨な状況があるということをぜひひとつ深く認識してもらわなければいけないと思うのです。 そこで、実例をもう少し申し上げますと、二番目の、アルコール中患者が倒れておって、パトカーで救急病院に回した、どこもここも受け付けてくれない、とうとう七軒目の病院で手当てをしたけれども、手おくれで二人とも死んでしまった。それからアル中の病気を治すために、自分ではどうすることもできないで、とうとう行き詰まって自転車どろぼうを働いて、刑務所に入った。また悲惨なものは、精神病院に強制入院させられて廃人同様になってしまった、家族も崩壊してしまつた。こういう現実は、言葉では簡単に言えますけれども、厚生省だけの問題ということでなく、国務大臣としても、厚生省の立場は厚生省の立場で、余分なことは結構でございますから、ひとつ率直に対策なり何なりについて大臣の御所見を聞きたいと思います。
○渡辺国務大臣 これは国務大臣の立場からすれば、総理府で余り大酒を飲まない運動でもやらせるか、そんなことしか私はないんじゃないかと思っています。
○田中(昭)分科員 大変いまの大臣の御答弁は私はまじめでないと思うのですよ。病人がアルコールに酔って、先ほど言いましたように患者がそういう悲惨な目に遭っているわけでしょう。時間も制約されておりますから次に進みますけれども……。 次に、このアルコール患者に対しましては、世界の先進国ではいろいろな対応策ができております。これは道義的にも医療の上からも財政上からも当然の対応がなされておる。その現状について当局の方からひとつお聞きしまして、できれば感想も添えてお聞きしたいと思うのですが。
○佐分利政府委員 諸外国は非常にアルコール中毒患者が多うございまして、入院患者の三割ぐらいをアルコール中毒患者が占めております。そういった関係でいろいろと特別な配慮をいたしておりますけれども、日本と同じように精神衛生法一本で対策を講じているところもございます。特に目立ちますのはアメリカの最近の制度でございまして、一九七〇年に上院議員のヒューズさんが法案を上程して、アル中の対策法をおつくりになったのでございますが、これはアルコールの乱用とか中毒の予防、治療、リハビリテーションまでを含めた総合法典でございまして、世界で一番新しい画期的な制度ではないかと考えております。
○田中(昭)分科員 もう少しそのヒューズ法の具体的内容を……。
○佐分利政府委員 ヒューズ法におきましては、まず国がアル中の中央研究機関をつくるということを義務づけておりますし、また連邦政府だとか州政府が常勤、非常勤の公務員のアル中の防止だとか、あるいは治療とかリハビリについて計画を立てることを義務づけておりますし、そのほか各州だとか郡市が行いますアル中対策について補助金を交付することを決めております。
○田中(昭)分科員 その補助金は最近どのくらい出ておるか御存じですか。
○佐分利政府委員 昨年の模様でございますが、約一億九千万ドルと聞いております。
○田中(昭)分科員 大体一億九千万ドルということは五百七十億ぐらいになりますか、六百億ぐらい出しておるというようなことですが、いまの日本の、わが国のアルコール患者に対するいろいろな当局の立場について、こういうふうに言う人がおるのです。政府当局は、アルコール対策に限って言えば、酒税の増収だけきゅうきゅうとして財政の数字だけ合わせようとする大蔵官僚、その言いわけとして健康保険への補助でアルコール症患者の治療費は出されておるというふうに言っておるが、これは百五十万の患者を正しく立ち直らせる目的ではなく、肝臓だけを治してまた酒を飲めるようにするなど、かえって患者を再生産するようなもので、税金の浪費の上に悪徳病院を太らせる悪循環を繰り返してきただけである、こう言っておりますが、これに対して、政務次官お見えになっておりますが、厚生大臣の方もひとつこれをどういうように思われますか、お答え願いたいと思います。
○渡辺国務大臣 先ほどお話があったように、これは厚生大臣としては、予防と言っても、なかなか実際患者になっちゃってきちゃった人を始末するだけでなく、それ以前に飲ませないことですから、一番問題は。酒を飲ませない、大酒を飲ませないということをやることが根本だと思うのですよ。それでないとやはり、大酒飲ましておいて病気になる、病気になったら治してやってまた飲めるようにしてやるということを繰り返せば、私はいまのような御批判が出るのだろう、こう思っております。
○高鳥政府委員 ただいま田中委員御指摘のアル中の問題につきましては、私どもきわめて重要な重大な問題であることを十分認識をいたしているところでございます。特に、ただいま厚生省から数字で発表のありました障害者の数が非常に増加をしておるということはゆゆしい問題でもあると思いますので、今後ともアル中対策につきましては真剣に検討させていただきたい、このように考えておる次第であります。御承知のように、基本的な調査などもまだ十分にできていない点もあるようでありますので、今年は特に学者のグループに診断基準等をつくっていただくための研究委託費を厚生省でお考えになっておるようでありますので、これらを新規に認めるというようなこともいたしておるわけでありまして、今後とも御鞭撻をいただきながら一生懸命やってまいりたいと考えておる次第であります。
○田中(昭)分科員 大臣は細かいことは御存じないようでございますから、当局の方にお尋ねしますが、このアルコール患者にどういうことをいままでやっておりますか。
○佐分利政府委員 戦後間もなくから始めておりまして、精神衛生法の対象の中にも含まれているわけでございますけれども、特に力を入れ始めましたのは四十四年度からでございまして、アル中予防の思想普及費を計上いたしますと同時に、精神病床の増床とか改築について、特にアルコール病床の増床とか改築に力を入れるという政策を打ち出しております。また、その後五十年ごろからでございますが、アル中の専門医の研修事業を始める、また各県に酒害予防団体がございますが、そういった民間団体の指導者の方々の教育訓練とかあるいは再教育を始める、また各県のそういった団体の場を通じまして、講演会とか講習会をやって酒害予防のPRをするというようなことをやってまいりました。なお特に医務局の国立の施設においては、四十八年ごろから国立久里浜病院において中核施設としての計画が進められてきたわけでございますが、その詳細については、必要があれば医務局長からお答えいたします。
○田中(昭)分科員 いまるるお述べになりましたけれども、そんなことを厚生省はやってないのです。やっていると言うなら、それでは幾らアル中患者のために金を出していますか。いつから、どのくらいの金を出しましたか、言ってください。
○佐分利政府委員 思想普及費を計上したのは四十四年度からでございますが、明年度の予算案では二百三十万円となっております。またアル中の専門医の養成、訓練でございますが、明年度の予算案では三百八十万円でございます。またアル中予防の民間団体の指導者等の研修あるいは思想普及等の費用でございますが、これは三百八十万円でございます。そのほか、新年度は五百万円の調査研究費を新たに計上したわけでございますが、従来から、たとえば明年度でございますと、三億八千万円の先ほど申し上げました施設整備費がございますけれども、そういったものも従来どおりアル中の病床の整備、改築等に重点的に使いたいと考えておりますし、また先ほど先生からもお話がございましたけれども、アル中の入院患者の一部の方々については、措置入院という形で医療費の公費負担が行われております。また、外来の方方には、二分の一でございますけれども、費用の半分を公費負担いたしております。
○田中(昭)分科員 大臣、いまお聞きになったように、お役所は上になるほど、こういう国会の場で答弁することは、その場だけ適当にやっておけばいいというようなことのようです。いまおっしゃったことは全部議事録が残っておりますから、また詳しくやりますけれども、私が前もって聞いておることと全然違うのですよ。仮にそれをそのまま認めても、四十四年からやっておると言うけれども、ことしでも二百万か三百万、五百万じゃないですか。そして、厚生省が監督するこの医療行政というのは何ですか。先ほど私が言ったように、薬をどんどん売らせておって、酒を飲んだ病人でも、どんな治療をしているのですか。かえって病人をつくっているじゃないですか。もう細かくは言いませんけれども、厚生省の広報費用だけでも一億五千万使っておる。政府の全体の広報費だけでも百七十億から使っておる。そういう問題まで全部私は、いまの大臣の御答弁なり局長の答弁を、これは本当に本気になって分解して国民に知らせていきたいと思うのです。きょうはそういう答弁では私は本当に納得できませんから、最後に私は大臣にもう一回、このことについてはこれではもう聞く必要はないようですね。だけれども、そのままではいけませんから……。 日本のアルコール患者は百五十万とか二百万とかと言われておりますけれども、このアル中の発生というのは、やはり個人所得の増大というようなことも影響しておるようです。社会の、家庭内の個人の位置が不安定になる。そういう不安定な状態がふえる。それは大都市に多い。だから大都市にアル中患者がたくさん発生して、アメリカではもうこれは社会問題になって、先ほど言うように年間六百億も七百億も補助までしている。わが国はどうですか、厚生省は。五百万とか一億とか設備費をかけたとかというような程度でしょう。保健行政の立場からいっても、私は適確な対応はできておらないと思うのです。これに対してひとつ大臣の最後のお考えを聞いておきたい。
○佐分利政府委員 いま的確に金額でお答えはできませんけれども、先ほど来申しておりますように、アル中病床の整備もしておりますし、また、アル中入院患者の医療費の負担もしておりますし、外来医療費の負担もいたしております。したがって、先生がおっしゃるような一千万とか千五百万程度のものではないと思います。
○田中(昭)分科員 大臣、答えられますか、最後にアル中患者について。
○渡辺国務大臣 アル中患者の問題については、かなりやはり専門の機関やなんかをこしらえてやっているはずです。
○田中(昭)分科員 時間のむだですから、先ほどから言うように、また後でゆっくりやりましょう。 そこで、もう時間がありませんから、最後に糖尿病のことで聞いておきます。 現代病の一つだという糖尿病の対策でございますが、いままでは中年以上に糖尿病が多かった。最近では若い人たちにもそういう病気が出ておる。一体この実態はどういうふうになっておるか、特に小児糖尿病についてはどういうふうなことになっておるか、お調べになっておりますか。
○石野政府委員 小児糖尿病の実態でございますが、これは部分的な実態の調査の中から推計いたしたわけでございますが、小児糖尿病に関する研究報告を見ますと、全国で約千三百人程度というのが大体通説になっております。大体二万五千人に一人という発生の頻度でございます。 この対策でございますけれども、十八歳未満の糖尿病に罹患しております子供に対しては、小児慢性特定疾患対策というのをやっております。この糖尿病の方は、厚生省といたしまして、五十年度で実績を見ますと、千二百十人に給付いたしておるわけでございます。非常に発生頻度は低うございますけれども、五十二年度からさらにこれは乳児の健康診査、あるいは新設いたしました一歳六カ月健康診査、そういった場で尿検査が行われるような措置をいたしておりますので、今後ともこれに対する措置についてはさらに進めていきたい、こういうふうに考えております。
○田中(昭)分科員 どうも実態も余り把握してないようですね、千三百人とか何かおっしゃっておりますけれども。この十五歳未満の小児糖尿病に対しては、治療はインシュリン注射によってやられておるようでございますが、重い人になりますと、注射を朝と夕食の前に打たなければならない。これは一度でも欠かしますと昏睡状態になるそうです。それで死んでしまう。このためには通院はまず不可能である、子供ですからね。こういう患者は、医師の指導により自宅でインシュリンの注射をして苦しい状態であるとの実情を聞いておりますが、この実情は大臣は御存じですか。
○渡辺国務大臣 つまびらかにいたしません。
○田中(昭)分科員 こういう状態がございまして、この医療費に対しても厚生省は明確なものがないようでございますね。この場合、医療費は無料というふうになっておるはずですが、五十一年の八月にインシュリンの自己注射の保険給付ができなくなった。現実では自己注射をしなければ生死にかかわることで、患者の費用負担は大変なものになっております。そこで、この子供の患者の生死にかかわる重大な問題でありますが、以前はそれに対応する処置がなされておったと聞いておりますが、当局はこのインシュリンの自己注射について、その保険導入についてはどのように考えておりますか。
○八木政府委員 国民皆保険でございまして、医学的に必要なものはすべて保険に取り込むということでございます。インシュリンの注射の問題につきましては、糖尿病につきましては非常に医師の厳格な管理のもとに実施するということが必要であるわけでございまして、そういう意味で従来からも保険給付には取り込んでいるわけでございます。ただ、自己注射という問題になりますと非常にむずかしい問題があるわけでございまして、この辺は学術専門家の方々の御意見を待たなければならないということで、医学的に必要であるという専門家の御意見のあるものについては保険に取り込むというたてまえでございます。
○田中(昭)分科員 大臣、私はこの質問をする前に、よく当局ともお話も聞いて、大臣にもよくお伝えしてくれと、こういうことを言っておったわけです。そういうことをお聞きになっていないので、知らぬとはっきりおっしゃるからそれでいいにしても、いずれにしても、アル中の患者についてもこの小児糖尿病についても、厚生省の取り組みは、はなはだ私は満足できない。その実態の把握も、また対応、こういうものもなされておらない。明確でありません。こういうかわいそうな子供がインシュリンを一遍でも打たなければ昏睡状態で死ぬというような状態ですから、これはやはり患者の身になり、その立場に立っての対応を望んでおきます。 きょうは最後に一つ問題提起だけしておきますが、ヨーロッパでは小児糖尿病については医師の指導のもとに自分でインシュリンの注射をするということが許されておりますし、適当な処置が法的にも認められておる。そこで、わが国でもこの自己注射ということについては当然対応がなければならない、こう思うのですが、当局と大臣の最後の決意をお聞きしたいと思います。
○石丸政府委員 インシュリンの自己注射につきましては、インシュリンの注射というものが、先ほど先生御指摘のように、毎日決まった時間にこれを実施しなければならないというような、非常に患者に対する負担が多い点があるわけでございます。また同時に、医学的に見ました場合に、やはり血液中のブドウ糖の量をはかりながら、その量をかげんしていかなければならない、そういった医療についての非常に微妙な問題を含んでおるところでございまして、いずれにいたしましても、そういった問題を踏まえまして、日本糖尿病学会で今後の検討を行っておるところでございます。近く結果が明らかになるというふうに聞いておりますので、その結論を踏まえまして今後われわれの方で検討を進めてまいりたいと考えております。
○渡辺国務大臣 局長が答弁したとおりでございまして、専門的な問題でございますから、専門家の意見に従います。
○田中(昭)分科員 最後に要望しておきます。ぜひひとつこういう問題に真剣に厚生省挙げて取り組んでもらうようにお願いしておきます。以上です。
○笹山主査 次は、岡田利春君。
○岡田(利)分科員 ラストでまことに恐縮ですけれども、しばらくでありますのでおつき合い願いたいと思います。 私は、古くてなお現代の問題である僻地医療の問題について若干お尋ねをいたしたいと思うわけです。 私はまず冒頭に、厚生省で言う僻地医療の僻地とは一体どういう定義づけをしておるのか、お伺いをいたしたいと思うわけです。
○石丸政府委員 一定の距離の範囲内に医師が存在しないところでございますが、当該地区の中心的な場所を起点といたしましておおむね半径四キロ以内に医療機関が存在しない、そういうところを無医地区という定義を下しております。
○岡田(利)分科員 高度経済成長時代に過密過疎が物すごく急速に進んでおりますから、それだけに、昭和二十年代あるいは昭和三十年代の前半の時代と今日の地域の状況というものは私は極端な変化があるだろうと思うわけです。しかも今日、農林漁業の問題については、食糧や資源の立場から、民生の安定はきわめて重要な段階に入っているわけです。私は、そういう意味で特に人間の健康に関する僻地医療の問題は新たな観点で取り上げなければならないのではないか、こう思うわけです。 厚生省は、いままで第一次から第四次の僻地医療対策を進められておりますけれども、特に第四次は昭和五十年度を起点として進められておるわけですが、厚生省自体、ではこの僻地の医療の関係のいままでの政策の総括、そうして実態を統一的に把握されておるのかどうかお伺いしたいと思うのです。
○石丸政府委員 この僻地医療対策につきましては、ただいま先生御指摘のように第一次から第四次まで順次やってまいったわけでございまして、第一次が昭和三十一年から三十七年までの間でございます。第二次がその後四十二年まで、第三次が四十九年まで、その後第四次といたしましてただいま五カ年計画を実施している、かような状況でございまして、それぞれの年次の五カ年計画におきましてそれぞれの施策を行ってまいったわけでございます。 第一次の僻地医療対策といたしましては、診療所を設置して、とにかく場所をつくろうではないかということで、診療所の設置を図ってまいったところでございます。第二次におきましては、患者輸送車とかあるいは巡回診療車等の機動力の強化を図ってまいったところでございます。第三次の五カ年計画におきましては、親元病院と僻地医療地域の連携対策というものを主として行うと同時に、僻地勤務医の確保対策といたしまして修学資金の貸与というようなことを第三次で行ったわけで、現在この僻地中核病院を整備いたしましてそこから医師を派遣する、かような方策をとっておるわけでございまして、従来のこういった諸施策、いろいろ評価はあろうかと思うわけでございますが、いずれの方法をとってみましても、その一つの方法でこれが十分な効果をあらわすというものではないようでございまして、現段階におきましては、ただいま申し上げましたように第一次から第四次までのいろんな施策を並行して行って、特に現在は僻地中核病院の整備ということに重点は置いておるわけでございますが、今後ともこれらの諸施策をそれぞれの地域の実情に合ったように運営してまいりたいと考えております。
○岡田(利)分科員 その経過は私は知っておるわけです。私が聞きたいのは、厚生省として、これだけ系統的に政策を進めてきた、時代は変わってきて、いま新しい局面にいどんでいる、この政策の総点検が行われ、総括がきちんと行われておるのか、そういう資料がありますか。私は国会図書館でもずっと調べてみたのですけれども、残念ながら系統的なものは何らないわけです。恐らくないと思うのですが、いかがですか。
○石丸政府委員 ただいま先生御指摘のように、まとまったものはございませんけれども、やはりこの無医地区の状況というものも時々刻々変わってまいっておるわけでございまして、そういう意味におきましては、先ほど無医地区の定義として申し上げたようなことも、道路網の整備とか、いろんなことで変わってきているというふうに考えておるところでございまして、そういった意味におきまして、時系列的に見ましたまとまった資料というものは先生御指摘のように持っておりません。
○岡田(利)分科員 厚生省は昭和五十年の医療設備調査結果の概要と、医師、歯科医師、薬剤師の調査について概括的なものをまとめてあるわけですね。これはこれでいいわけですけれども、私は少なくとも、僻地で苦労している実態の把握、政策の点検、そして見直し、実情に合っているかどうか、こういうことがやはりきちんと行われなければならないと思うわけです。ぜひこの第四次施策までの総括を早急に行ってほしい。そうして実情をきちっと把握してもらいたいと思うのですが、大臣いかがでしょうか。
○石丸政府委員 昭和四十八年に実態調査は行っておるわけでございますが、その後いろいろな情勢の変化等もあるわけでございます。そういったいろいろな社会情勢の変化等に対応する僻地医療対策を今後確立していくためには、やはりその計画樹立の基本となる実態の把握ということが必要だと考えておりますので、今後とも実態把握には努力してまいりたいと思います。
○渡辺国務大臣 ただいま局長の答弁したとおりでございます。
○岡田(利)分科員 今年度の僻地医療対策予算として四十二億九千八百万円計上されています。ところがこれは、内容を見ますと、僻地中核病院の整備及び僻地診療所の機能の強化、この合計額が三十一億程度になるわけですから、予算の大要はこの二つに支出されている、こういう内容になっておるわけです。 そこで私は、目玉商品でありますこの中核病院の整備について、実はこれは厚生省にお伺いして北海道の実態について聞いたわけです。そうしましたら、北海道には七カ所の中核病院、二分の一の補助がなされている。これは檜山、留萌あるいは紋別、北空知、日高、富良野、後志、三カ所は道立病院、あとは一つは市立病院で、あとは団体病院、こういうことに実はなっておるわけです。私はなぜ実態把握を十分にせよと言うかというと、どうもこれ自身が北海道の実態に合っていないのではないか、こう言わざるを得ないのです。 その例を申し上げますと、北海道における医師の配置状況というものをずっと見てまいりますと、全国の医師の配置は十万人当たり百十八・四人ですね。そうして北海道は三十一位で百六・七人、これを支庁別にずっと見てみますと、最も医療の過疎化はどこかといえば根室なんです。これは四十四・五人、県別の最低沖繩が五十九人です。それに対して根室支庁は、これは市もあるわけですけれども四十四・五人の配置なわけです。そうして内陸四町村がある。北海道の中でも概して東北海道は非常にこの医師の配置が低い、そして地域は広大である。北海道の面積の四割あるわけです。そこで北紋だけに配置されて、私に言わせると、道立病院が自分で二分の一出して、あとの二分の一を国からもらっておるような感じがするわけですね。自治体病院は含まれていないわけです、一カ所も。こういう実態が現実の問題として数字で出てまいりますから、だから私は、僻地医療をやっておるけれども、そういう実態把握は厚生省がしていないという証左ではないか、こう思うわけです。こういうところまで把握するとすれば、末端の市町村の保健所までいかなければ実態把握ができないというのが現状ではないでしょうか。感想を聞きたいと思います。
○石丸政府委員 いま先生のおっしゃったことごもっともでございまして、やはり無医地区をいろいろな計画を策定いたしますには、それぞれの地域の積み上げが必要だというふうに考えるわけでございますが、やはり僻地中核病院は、われわれといたしましては、広域的な医療圏を設定いたしまして、その医療圏の中で該当するような病院を選ぶという方策を従来とっておるわけでございます。もちろん僻地医療といたしまして、その僻地の中核病院をぜひ設定したいというような地域がございましても、やはり人的な問題等でそういう適当な病院がないというような場合があるわけでございまして、今後の問題といたしましては、そういう地域にどうやって中核病院を建設していくかという問題になろうかと思うのですが、現在の段階におきましては、従来からある病院を利用いたしまして、そこに医師、看護婦等をプールして僻地に派遣をする、こういう方策をとっておるところでございます。
○岡田(利)分科員 まあ同じく根室を見ましても、各町村、町立病院があるわけですよ。それで、医師の状況はこうなんですね。まして開業の診療医というものはほとんど少ないということを証明しているわけです。問題は面積を考えなければいかぬわけですよ。何でも人口当たりでいくでしょう。面積を考えなければいかぬ。別海という町は香川県の離島と屋島を切っただけの面積があるわけです、一つの町で。先ほど言ったように、東北海道の四割の面積ということは青森、秋田、岩手三県より大きいわけですから、単に人口当たりだけで考えても大間違い。僻地医療を考える場合には、そういう面積を考えると、その二倍ないし三倍近い医師が派遣されなければ本当に充実した医療ができないということをきちんと頭の中に入れなければならぬと思うのです。全国で一番悪い沖繩の場合には離島が多いわけですから、私はこういう数字が出るのは当然だと思うのです。北海道全般で言えば、北海道の面積というのは東北六県プラス新潟、南で言うと九州、四国、山口県プラス沖繩の面積が北海道の面積なんです。だから私は、人口当たりで数字を挙げているのですけれども、これに面積を勘案してみた場合に、一体北海道の医療状況というのはどうなっているのかということも把握されるし、理解されるだろうと思うのです。だから、これから政策を進めるには、もう一度新しい、こういう時代の変化に対応して僻地医療の総見直しをすべきだ、そうしてその僻地の民生の、まず医療の安定というものを図るべきだ、こう強く訴えているわけです。ぜひこれをやってください。どうでしょう。
○石丸政府委員 やはりいろいろな医療システムをつくります場合には、医療というものが地域住民の生活に密着したものでございますので、ただいま先生御指摘のような点、今後十分考慮してまいりたいと考えますが、そういった意味におきましては、それぞれの地域で計画を策定いたしまして、特にこの僻地医療対策等につきましては、県が、北海道の場合は道庁でございますが、道が全体計画を立てまして、その計画に基づいてわれわれの方にいろいろな相談が参るわけでございますので、今後県ともそういった点を十分踏まえまして、いろいろ相談をして計画を策定してまいりたいと思います。
○岡田(利)分科員 沖繩の無医地区の医師派遣は、これは沖繩開発庁予算に組まれて、この補助率は四分の三であります。しかし、僻地中核病院の補助率は二分の一です。北海道は御承知のように土地が広大であるということで、あらゆる制度が北海道の特別の補助率を採用しているわけです。北海道がこの程度でとどまっておるというのは、それだけ個所を多くしても、二分の一は負担しなければならないわけです。しかも個所が多くなると、財政規模からいってむずかしい。そういう意味では、一律の二分の一の補助については考慮を払われなければ、こういう制度を全国的、画一的にやるということには問題があるのではないか、こう思うのですが、いかがですか。
○石丸政府委員 これは財源配分の問題になりますので、非常にお答えしにくい問題でございますが、やはり国といたしましては、余り都道府県間のでこぼこがないようにという配慮があるわけでございまして、沖繩につきましては、特にそういった僻地医療対策がおくれておる関係上、特別の補助率を用いておるわけでございます。ちょっと北海道について特別の補助率を設定するという点につきましては、非常にむずかしい問題があろうかと考えております。
○岡田(利)分科員 僻地医療対策というのは、総論でいくわけにはいかぬのですよ。個別対策ですね。いろいろな実情があるのですから、海あり山ありですから。土地の狭隘なところもあるでしょうし、広大なところもある。ですから、やはりきめ細かくいかないと、幾ら制度をつくっても実効が上がらないのですよ。だから実効が上がる方法を考えて、真に医療を待望している地域に医療の手が伸びるということで初めて僻地医療対策ができるのだと私は思うのです。厚生省はめんどうくさいからさっと総論でいきますけれども、各論をやらなければだめですよ。それしないで僻地医療対策できると思いますか、いかがですか。
○石丸政府委員 やはりきめ細かい対策を講ずるには、それぞれの地域の特性に応じた対策が必要かと思っておったときでございまして、そういう意味におきまして、先ほど申し上げましたように、それぞれの計画というものを各都道府県できめ細かな計画を立てていただきまして、それに対応してわれわれが対策を講じておるわけでございます。ただ、そういった対策そのものにつきましては、今後とも都道府県と十分連絡をとりながら地域の実態に合った方策をとってまいりたいと考えておりますが、その財政対策といたしましての補助率の問題につきましては、いろいろな点でなお検討を要する点があろうかと思っております。
○岡田(利)分科員 わが国の医師は、医師一人当たり八百四十五人の人を診る、こういう数字になっておるわけですが、厚生省が目指す医師一人当たりの人員は何を基準にいたしておりますか。
○石丸政府委員 現在、われわれは医師養成に当たっての目標値を定めておるわけでございますが、これは、昭和四十五年にわが国の今後の推移を勘案いたしまして、人口十万対百五十名という数字を設定いたしたわけでございます。この昭和四十五年に作成いたしました際、欧米諸国の例を参考といたしまして、それと同時に、わが国の今後の医療需要と申し上げましょうか、疾病量を推測いたしまして、こういった数字を設定いたしたわけでございます。このため現在大学の医学部の入学定員を六千名とすることを策定いたしておる。これは人口十万対百五十人を確保するためには入学定員六千名ということを計算いたしまして、この計画に基づきまして文部省の方に申し入れておるところでございます。
○岡田(利)分科員 そうしますと、その場合は医師一人当たり何名なんですか。
○石丸政府委員 十万を百五十で割ればいいわけでございますが、六百六十程度になります。
○岡田(利)分科員 いまの欧米の水準はどの程度になっておりますか。
○石丸政府委員 われわれが当時参考にいたしました数字で申し上げますと、これは人口十万対の数字で申し上げますが、アメリカが百六十、西独が百八十四、フランスが百四十一、イギリスが百三十一、スウェーデン百四十七、こういう数字になっておるところでございます。
○岡田(利)分科員 そうしますと、医師の配置の状況は、いまわが国はベネズエラ、ユーゴスラビアと並んで二流国であるという認識はお持ちなんですね。
○石丸政府委員 現在医師が不足をしているという点につきましては、ただいま先生御指摘のようなことでございまして、そういった意味におきまして昭和四十五年に目標をつくりまして、無医大県の解消等、医科大学の新設の措置が講じられておるところでございまして、大体この計算でまいりますと、昭和六十年にはこの目標値を達成できるとわれわれ計算いたしております。
○岡田(利)分科員 しかし、戦後充足が不十分であったという意味で医師の老齢化の現象も急激な面があるわけです。そういう点を考えますと、あながち六千人になったからといって、人数だけそろえれば質的に十分だということにはならないと思うのです。 そこで私は、時間がありませんから、北海道の特に僻地医療、一般的な医療も含めて、どういう医師の充足になっているかということを大臣にぜひ聞いてもらいたいと思うわけです。北海道の医師対策協会という百三十三市町村と道でつくった窓口機関があるわけです。昭和五十一年度中に充足できたのが三十八人、そしてそのうち日本人医師が二十六名、外国人医師が四名であります。歯科医師八名のうち全員台湾人医師であります。昭和四十七年から発足以来いままで充足した特に歯科医師は五十四名おるわけですが、そのうち七割は台湾人と韓国人であります。北海道にこういう医師が派遣されておるということは年齢がわかるでしょう。日本語を知らなければ勤まらないのですから、わかるでしょう。実はこういうのが北海道の実情なんです。 そしていま医師にどのくらいのお金を払っているかと言うと、札幌の、道央部の近いところで手取り、税抜きで一千万台、道東、道北の僻地では税抜きで一千三百万から一千四百万円、離島に至る、あるいは極端な僻地は約二千万近い。それでも学会の出席あるいは国内、国外への旅行づきのケースが目立っておるわけです。税抜きです。こういう形で四苦八苦してやっていてもなおかつ医師が充足できず、いま言った大量な外国人の医師に頼っているというのが実情なんです。そして特に問題なのは、こういう状況でありますから、二年たったら医師が引き揚げていきます。老齢化している医師が来ているわけですから、安定性がないわけです。最近、同協会が調査した内容では、五十五市町村からぜひ百名の医師を充足してほしいという要請があるわけです。非常に深刻な状態にあるわけです。もちろんそういう自主的な努力をしているのですが、私がいま北海道の実情についてお話を申し上げたわけですけれども、それでも医師の配置に関する政策といいますか、それはいままでどおりでいいという考えか、やはりこの機会に何らかある程度思い切った施策をとらなければならないと思うか、感想を聞かしてもらいたいと思うのです。
○石丸政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、わが国の人口対医師数というものは、欧米各国と比較して、近い将来ほとんど同じ線に並ぶと考えておるところでございます。現状におきましても人口対の医師数としてはそう不足はしていないと考えておるところでございますが、やはり地域的な分布が大きな問題になっているのではないか。すなわち、都市部に非常に集中しておりまして、僻地に医者が行かない、こういう状況が現在のわが国の僻地医療に大きく影を落としていると理解いたしておるわけでございます。 それでは、なぜそういったふうに医師が偏在をするかという理由でございます。これにはいろいろな理由があろうかと思います。もちろん給与の面といった面もございますが、給与の面につきましては、ただいま先生御指摘のように、それぞれの市町村が非常に苦労している、こういう現状にあるわけでございます。他の職種に比べれば相当いい給料を出しておるわけでございますが、それでもなおかつ都市集中が起きるということは、医師という特殊な職業でございまして、学問の進歩におくれないようにということが非常に強く作用しているわけでございまして、やはりそこには僻地に行っても絶えず新しい医学を吸収できるという施策が必要だと思うわけでございまして、そういう意味におきまして僻地中核病院をつくって、そこで絶えず新しい医学を吸収しながらなお僻地に派遣して医療に従事する、こういう方策をとろうとしたわけでございまして、今後ともわれわれといたしましては、この僻地中核病院の内容を充実いたしまして、医師のそういった研究意欲を満足させるような方策をとってまいりたいと考えております。
○岡田(利)分科員 中核病院のあるところ自体が僻地なんですから大変なんですよ。 そこで、いま述べられましたけれども、厚生省は全国自治体病院協議会が緊急提言したことを御存じでしょう。知っていますか。
○石丸政府委員 つい先日の提言につきましては存じております。
○岡田(利)分科員 この中では、一つは、わが国の医療費に占める薬価は三七・三%、外国の二倍近いですね。同時に、保険医の地域転移制を設けなければだめではないか、結局、医師の集中、医療の集中が行われる、そういう思い切ったことをやらなければいかぬではないかという提言に対して感想はいかがですか。同時に、いま述べられておるように、僻地に派遣されておる医師がそれぞれ自分の医学の技術を研究する、そう考えてまいりますと、これだけの僻地問題、医療問題があるということは、統一的にセンター病院を都市につくって、順次交代ができる、そのような制度をつくらないと、幾らうまく答弁しても実効が上がらぬではないか、こう思うのですが、この点についてもお聞かせ願いたいと思います。
○石丸政府委員 医療費中に占める薬品費の割合につきまして一つの提言があったことはよく存じ上げておりますが、これは所管が保険局でございまして、私から答弁するのはいかがと思いますが、やはり総医療費の計算の仕方、そういったものが国によって非常に違うわけでございます。また薬品費の計算も国によって違っておりますので、外国の資料と必ずしも直接には比較できないというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、必要最小限の医薬品の使用を行うということは必要だ、むだな投薬や注射というものは従来も行われていないというふうにわれわれは考えておるところでございます。問題は医師の地域的な偏在をどういうふうにして解消するかという点だと思うわけでございますが、先生御指摘のように制度的な問題もあろうかと思いますが、従来からわが国は自由開業医の制度をとっておるのでございまして、それを何らかの形で義務づけるということはわが国の制度としてはなじまないのではないかというふうに考えておるところでございまして、われわれといたしましては、僻地にも勤務するようにという誘導策をとる、そういう政策をとっておるところでございまして、僻地に勤務する医師の処遇の改善、並びに、先ほど申し上げましたように、僻地に勤務しても学問の進歩におくれないような対策をとることによって僻地に勤務する医師を誘導していきたい、かように考えておるところでございます。
○岡田(利)分科員 あと二問ぐらいでやめますので、よろしくお願いします。 いいでしょう、そういうふうに一応聞いておきますけれどもね。ただ、僻地だから、待遇をよくしても誘導策をとっても、なかなか行かないのですよ。行けるようなシステムをつくらなければだめなんですよ。だから、僻地のセンター病院を、ただ東京につくってはおかしいように思うかもしれないけれども、そういう体制をつくって、巡回的に派遣ができる、また研究を帰ってきてできる、そういうような一つの制度ができないと、これは解決できないのですね、だれが考えてみても。そういうことを希望する人はこのセンター病院に勤務ができて、それから僻地を回る。五年も十年も僻地にいろといったって、なかなかむずかしいわけです、若い人は特に。そういう点をやはり思い切った発想を考えなければ、この問題は解決しませんよ。何ぼうまく答弁しても実際的じゃないということをまず指摘しておきます。 次に、文部省からも来ていただいているわけですけれども、一問だけ申し上げます。 すでに無医大県の解消計画による医大の設置、これは十二校が設置されて、これから創設の推進、準備、そして福井、山梨、香川、沖繩の四県が未設置県としてこれが設置されていく。こうなってまいりますと、現在国立が三十五校ありますから、合計五十一校になる、こういう計画を私も承知をいたしているわけです。しかし、国立医科大学は、医師の養成を図るとともに、医学の研究水準を高める、また地域の医療水準を高めるために寄与する、そういう側面を持っているのだと私は思うのです。先ほど申し上げましたように、北海道は偏在型でありまして、人口も偏在しておりますから、そういう点でどうもそういう配置についても偏在している。先ほど申し上げましたように、東北海道というのは、青森、秋田、岩手三県分もある。そういう点から考えると、単に一つの県として県単位で見るのではなくして、もちろん北海道には国立医科大学が今度は二つ目になるわけでありますけれども、北海道はそういう意味では、一つの県として見るのではなくして、そういう地域性を考慮すべきではないか。北海道第三期計画では二つ目の国立医科大学の設置ということもすでに閣議で計画が決定されておるという内容もあるわけです。こういう点について、文部省の所見を承っておきたいと思うのです。
○五十嵐説明員 お答えいたします。 ただいま先生の御指摘にございましたように、私ども文部省といたしましては、厚生省の先ほどの人口十万人に対しましてお医者さんを百五十人程度の規模で養成するというターゲットに向かいまして、現在その養成を進めておるところでございます。そういう意味で、先ほど先生のお話にございましたように、昭和四十八年度以来十二校すでに設置しております。続いて五十二年度におきましては、福井、山梨、香川三県につきましてやっておる……(岡田(利)分科員「それはぼくが言ったからいい」と呼ぶ)それから、琉球大学の医学部について創設準備に入ることにしております。それで、先生御承知のように、このような医科大学を非常に急ピッチで文部省がやるというのは非常に異例なことでございまして、そういうために財政負担も非常に大きいということでございます。 それからもう一つは、これは先生を確保しなくてはいけないということがございます。特に基礎医学の先生につきましては確保が非常にむずかしいということでございます。そういう意味におきまして、私どもはこの計画に向かいまして全力を挙げているという段階にございます。 それから、先生のお尋ねの北海道の件でございますが、北海道につきましては、北海道大学及び旭川医科大学の二校がございます。国立の医科大学が二校ございますのは、東京を除きましては北海道だけでございます……
○岡田(利)分科員 わかっている、そんなことは。わかっていることを言っているだけだ。まあいい、あなたに聞いてもしようがない。 北海道第三期計画というのは閣議決定しているわけですよ。それで、そういう位置づけがあるからどうなんですかと言っている。文部省は知らないなら知らない、これでいいのですよ。そういうことなんですよ。まあいいでしょう、もう時間がありませんから。 大臣、教育立国とかいろいろ言っておりますけれども、医学立国という考え方もあるのだと思うのですが、大臣と一緒に外国を回ってきて、いまでも日本の経済協力平和部隊というのは、柔道の選手が行っているところがありますね。柔道も結構だけれども、しかし、いま発展途上国に行ってわれわれが痛切に感ずるのは、医師の問題です。たとえばザンビアとザイールの国境地帯まで行って、コッパーベルト地帯に日本の医師が、朝日新聞に出ましたけれども、鈴木さんという医師が一人いる。大変な、神様のような扱いですよ。子供が生まれれば、スズキ、スズキとたくさん名前をつける。これからわが国が資源がない国で、経済協力、特に人間の生命、健康、保健に関する協力を積極的に展開するということは、きわめて重要な課題だと思うのです。だから、国内の医師の充足も大切だけれども、いま台湾や韓国から医師を求めなければならない、こういう地域がたくさんある。私は、これからの日本の資源小国の立場から言えば、むしろ医学援助、医療援助、あるいは医学的なものをどんどん派遣して協力をしていく、これが最も血の通った政策であると思うのです。そういう広い視野に立って医師の養成もしなければならないし、またそういう位置づけもしなければならないし、そういう意味で、亜寒帯から亜熱帯まで日本列島というのはあるわけですから、ヨーロッパのドイツやイタリアと違うわけですから、そういう地域性も考慮して、制度的にも雄大な展開をすべきだ、こう思うのですが、大臣の所見を承っておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 構想としては非常に結構なことだと思います。
○岡田(利)分科員 これで終わりますが、最後に厚生省に優生保護法について一問聞いておきます。 これは私、三十年代に質問したのですけれども、その当時百万人ぐらいの件数があって、大体それと同数の百万人は、これは厚生省登録のないものだ、こういう説があったわけです。当時は、一に整形——整形というのは美容整形です。二に堕胎、三、四がなくて五に金冠、こういう言葉が大流行しておって、まだその傾向は続いておるわけです。 そこで私はお尋ねをしたいのは、前に厚生省は優生保護法について改正の意図も示したわけですが、今日七十七万程度の件数が報告をされ、把握をされておるようでありますけれども、今後厚生省としてはこの問題にどう対処されるのか、一応の考え方だけを聞いておきたい。
○佐分利政府委員 厚生省といたしましては、諸外国の動向とか国民の世論とか、その他いろいろむずかしいものがございます。たとえば中絶を自由化するというような場合、あるいは逆に厳しくするというような御意見もあるわけでございますが、そういった場合にも、国民の所得だとかあるいは家庭事情あるいは教育事情、そういったものから始まりまして、家族計画や受胎調節がどういうふうに普及しているか、そういったことも影響してくるわけでございます。したがって、そういった問題をよくよく総合勘案した上で今後の方針を決めてまいりたいと考えております。
○岡田(利)分科員 終わります。
○笹山主査 次回は、明十二日土曜日午前十時から開会し、自治省所管について審査いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後八時四十八分散会