予算委員会第五分科会 第4号
- 発言数
- 130 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/03/15
会議録
○稻村主査 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。 昭和五十二年度一般会計予算中経済企画庁所管について説明を聴取いたします。経済企画庁長官倉成正君。
○倉成国務大臣 昭和五十二年度の経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。 総理府所管一般会計歳出予算のうち経済企画庁の予算総額は百十五億九千八百四十万円となっており、これは前年度予算額に比べて一億九百七十万円の増額となっております。 また、財政投融資計画につきましては、海外経済協力基金に係る分として九百八十億円を予定しておりますが、海外経済協力基金の事業計画としては、この財政投融資計画分のほかに、一般会計からの出資分七百六十億円を含む自己資金等一千六百三十億円を原資として総額二千六百十億円を予定しており、この事業計画は前年度に比べ三百四十億円の増額となっております。 以下、重点事項につきまして、その内容を御説明申し上げます。 まず、第一は、国民生活行政の拡充、物価行政推進のための諸対策の強化に必要な経費でありまして、五十五億八千八百万円を計上しております。 まず、国民生活関係の予算といたしましては、国民生活センターについては、商品テスト及び研修の事業を拡充するため研修・テスト施設を設置するなど、国民生活に関する情報提供等の事業をさらに推進するための経費として二十億三千八百万円を計上するとともに、地方消費者行政の推進、総合社会政策体系の開発推進等、総合的な国民生活行政の積極的な展開を図るための経費として三億五千三百万円を計上しております。 また、物価対策のための予算といたしましては、各省庁に広く計上されているところでありますが、当庁におきましても、物価の安定が引き続き経済運営の重要課題であるという観点に立ち、物価対策を十分効果的に推進するため、生活必需物資等の価格、需給動向の監視、生活必需物資等の安定的供給対策及び物価情報の提供等を実施するための経費として国民生活安定特別対策費三十億円を計上するとともに、物価対策基礎調査、生活必需物資等の価格動向調査の実施等のための経費として一億九千七百万円を計上しております。 第二は、経済計画の推進及び基本的経済政策の企画運営業務の充実を図るために必要な経費でありまして、一億四千七百万円を計上しております。 この内訳といたしましては、流動的な内外諸情勢に即応しつつ、経済計画の実効性を確保するため新しい政策手段の検討を進める等、その整備充実を図るための経費として一億一千百万円を計上しております。 また、最近の内外経済諸情勢の変化に適切に対処するため、経済見通し作成方法の改善強化を図るための経費として三千六百万円を計上しております。 第三は、経済社会に関する総合的調査研究の充実に必要な経費でありまして、二十四億四千百万円を計上しております。 この内訳といたしましては、まず、内外情勢の変化に即応した政策立案に資するための基礎的調査分析等の充実を図るための経費として一億九千七百万円を計上しております。 また、各省庁の経済政策の推進に当たって、その総合的な効果を確保するために必要な調査等のための経費として一億四千万円を計上しております。 さらに、複雑な行政的諸課題に対応するため、総合的な研究開発を一層促進するための研究及び新しい国民経済計算体系の整備促進を図るほか、国民のすぐれた頭脳を結集して総合的な研究開発を推進するため、総合研究開発機構の機能をさらに強化するための経費として二十一億四百万円を計上しております。 最後は、海外経済協力の拡充強化に必要な経費でありまして、海外経済協力基金に係る財政投融資計画といたしまして九百八十億円を計上しております。海外経済協力基金の事業計画は、この九百八十億円のほかに、一般会計からの出資分七百六十億円を含む自己資金等一千六百三十億円を原資として、二千六百十億円を予定いたしております。 この事業規模は、前年度に比較して三百四十億円の増額でありますが、これは、わが国の国際的地位の向上とその果たすべき国際的任務の増大に即応し、アジア諸国等に対する海外経済協力の拡充を図るための計画拡張であります。なお、その内訳は直接借款二千四百十億円及び一般案件二百億円であります。 以上、経済企画庁の予算及び財政投融資計画について、その概要を御説明申し上げました。 何とぞよろしく御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○稻村主査 以上をもちまして説明は終わりました。 —————————————
○稻村主査 質疑に先立ち、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局に申し上げます。 質疑時間が限られておりますので、答弁は的確に要領よく簡潔に行われますようお願いいたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。湯山勇君。
○湯山分科員 経済企画庁の非常に重要な任務は、長期経済計画の策定の推進と、それからさらに、基本的な政策を企画、立案するというような使命があることは申し上げるまでもございません。そういう経済企画庁のやっておられる長期計画なり、あるいは基本的な政策の中で、食糧の問題、あるいは農業の問題というものは非常に重要な位置を占めるものである、それは国の安全保障という大きい立場からも、あるいは国民生活の安定という立場からも、非常に重視しなければならないというように私は考えておりますが、長官はどうお考えでしょうか。
○倉成国務大臣 お話しのとおり、経済の安全の確保の見地から、農業、食糧問題というものはきわめて重要な問題だと考えております。御指摘のとおりだと思います。
○湯山分科員 これは倉成長官にお尋ねするのが適当かどうかということには問題がありますけれども、お立場上やむを得ず質問させていただきたいと思いますことは、そういう長官の御認識であるにもかかわらず、五十一年度の年次経済報告、あるいはまた五十年度の年次経済報告を拝見いたしますと、いま長官のお答えになったような、食糧、農業を重視しなければならない、長期計画においてはきわめて重要であるという御意図が、どうも見られないのではないかという感を強くいたしておりますので、白書の問題を通じて、私はその点をきょうはただしてまいりたいと考えます。 そこで、五十一年度年次経済報告を見ますと、これには食糧が重要だという指摘はしてございます。世界的な食糧需給の基調が変化する中でわが国の農業が見直されつつある。こういうことはそれとして、「最近、世界の食糧需給がひっ迫基調に変化し、これに対応して、国内における食糧自給力向上が国民的な課題の一つになっているおりから、農業における生産性の問題が改めて注目される。」という指摘の後、しかし、いまは機械化の推進や畜産、園芸の進展等によって全体として生産を拡大してきたという指摘があります。 果たしてそうかなと思って昨年の白書を見ますと、全く逆な指摘がしてある。「農業生産は停滞」という指摘が五十年度にはしてあります。そしてわが国農業の自給率は、「穀物ではもっとも低い国のひとつであり、また各国の上昇傾向に対して、わが国では低下傾向にある」と指摘しております。さらに、農業全体のところでは、昨年の白書の百四ページですが、情勢の見出しのところに、「農林水産業」「農業」と大きな見出しがあって、ゴジックで「農業生産は停滞」と書いて、以下その説明があります。 このように見てくると、昨年とことしでそんなに生産が変わったのかどうか。それから、五十一年のものですから、五十年度に企画庁が指摘してこれに書いてあるように、一体わが国の農業生産は全体として拡大してきておるのかどうか、これはどのように見ておられるのか。長官でなくて結構でございますから、ひとつその点、説明を願いたいと思います。
○岩田(幸)政府委員 御指摘の点でございますが、五十年度の経済白書に指摘してありますのは、これは御承知のように、五十年度の食糧生産ということで指摘してございます。 御承知のように、日本の農業生産は、四十年代に入りましてから、基調としては、畜産物が非常に伸びる、野菜あるいは果実が増加する、さらには米の生産力も上がるということで、四十年代の初めは年率にいたしまして二・四%ぐらいずつ生産が伸びてきた。ただ、四十五年以後、畜産物の需要が伸び悩むとか、あるいは米の生産調整が行われるとかいうことで、五十年度の白書で指摘しましたように、特に四十八年度、四十九年度あたりは、年率にして〇・三とか〇・四というように生産が停滞をしてきたということを指摘したわけでございます。 しかし、五十一年度の方で、全体として生産は拡大してきたと申しますのは、四十年代を通じまして見ますと、全体としてやはり諸外国にも劣らないくらいの生産拡大を続けているし、また、これから先を仮に考えましても、農業就業人口の減少率も、恐らく経済の成長率の低下に伴ってそれほど減少をしないだろう、農地の壊廃もこれからはそれほど大きくはないだろうということを一つの基調としてながめますと、生産力はやはり拡大をしてきているし、そういう基調に乗っている。ただ、一時的な需要の変動あるいは天候の変動によって波はございますから、そうした意味で四十年代下期がやや停滞をしてきたんだというような指摘をしておるわけで、決して矛盾してものを書いておるとは思いません。
○湯山分科員 やはり停滞ですか。五十一年度で指摘しておるように、生産を発展拡大してきたということですか。結論的に言えばどちらですか。
○岩田(幸)政府委員 結論的に申しますと、四十年代を通じまして、基調としては生産は拡大を続けてきたということであります。
○湯山分科員 五十年の方が間違っておる、停滞というのは間違いだということですか。
○岩田(幸)政府委員 間違っているということではございませんが、先ほど申しましたように、四十年代後半は、一時的な需要の減退であるとか、あるいは天候の関係であるとかいうことで停滞をした、しかし基調としては拡大をしておるというように考えております。
○湯山分科員 倉成長官はよくおわかりですが、一体、日本の農業は、いま言ったように、四十年度後半に発展してきたと長官は認識しておられますか。
○倉成国務大臣 どういう角度から発展なりあるいは拡大ということを考えるかということではないかと思います。たとえば畜産が伸びたと申しましても、輸入飼料が非常にふえてきたという、そういう竹馬の形での生産の伸びということをもう少し本質的に日本の農業という立場から考えると、必ずしもそれは拡大とは言えない。そういうことも考えられましょうし、また、農業を支える農家の経営が兼業所得で非常に大きな現金収入を得ているという形でのものであれば、やはりこれは健全な形とは必ずしも言えないとか、いろいろそういう見る角度によって異なるのじゃなかろうかと思います。岩田局長からのお答えはそういうことではなくして、全体としての生産という点だけを表から見ての説明じゃなかろうかと思います。
○湯山分科員 おわかりになっておる長官に申し上げるのはおかしいようですが、決して言われるように伸びていないのです。農林省のこれをごらんになればよくわかります。四十五年を一〇〇として、これで四十六年九五・何がしが、四十七年一〇一・六、四十八年一〇二、四十九年一〇二・二、五十年は一〇五・一で、この年だけです。これはどうしたか。これは例の米の豊作です。米は指数の上では一万分の三千八百八十一に見ています。だから、ここでは米が上がっておりますから、米が五%上がれば大体四割が生産のこの指数に来ますから、米の五%は全体として二%上がるということになります。ですから、五十年は確かに上がっているようですけれども、これは特殊な一時的な現象であって、決しておっしゃるような状態にはなくて、農業生産がそんなにここで発展してきておるというような指摘、そういう状態にはないということを申し上げて、そしてまた、それを大きな経済計画の基調に置くということには問題があるということを指摘しておきたいと思うわけです。 時間がありませんので次へ参りますが、その次に書いてあることです。その次に書いてあるのは、「二種兼業農家」で、これが非常に大きなウエートを占めているが、二種兼業農家の生産性と専業農家の生産性とでは非常にいろいろな点で大きな差がある。これは私も同感です。 そこで、次の問題ですけれども、食糧増産を図っていくためには、あるいは資源の有効利用を通じて農業生産の増大を図っていくためには、初めて出てきた言葉ではないかと思うのですが、「専業的農家」という言葉が使ってありますが、その専業的農家の育成確保を図るということが大事だ、同時に、年間就業のためには農業経営の複合化を進めていくことも重要であろうというように後は濁してありますけれども、そこで長官は、「専業的農家」という「的」というのを、いままでにごらんになったことがありますか。
○倉成国務大臣 「専業的農家」というのは私はよく存じませんので、局長からお答えいたしたいと思います。
○湯山分科員 いや、結構です。私は後で聞きますから。 農業に非常にお詳しい、私どもが尊敬しておる倉成長官も、初めてごらんになるような「専業的」という表現がしてある。これは説明を見ますと、いわゆる専業農家と第一種兼業農家を合わせたものを「専業的農家」と書いてあるように私はこの文章から判断したのですが、それで間違いごごいませんか。 それと、「専業的」といっても、「的」を見落としまして、ひょっと専業農家というふうに感じがちですが、どうしてこういうなじまない表現を企画庁はお使いになったか。その二つを伺いたい。
○岩田(幸)政府委員 私どもも農業の専門家ではございませんので、的確なお答えができるかどうかわかりませんが、専業的農家という言葉を使いましたのは、御指摘のように、一つは第一種兼業農家と専業農家とを合わせたという意味がございます。 それでは、なぜ第一種兼業農家と専業農家とを合わせて一つの表現にしたのかということでございますが、今回の白書の農業のところで一貫した考え方として言っておりますことは、日本の食糧自給力を向上するというためには、やはり、限られた資源である土地とか水とか資本とか労働力とかいうようなものを、できるだけ効率的に使っていく必要がある。その効率的に使う一つの農業の形態として、もちろん専業農家というものは、第二種兼業などと比べて非常に効率的であるということと同時に、一つは、これから新しい形として出てくるかもしれませんけれども、たとえて申しますと、借地農家であるとか、あるいは受託経営をやる農家であるとか、こういうものもかなりこうした資源を効率的に使える農家ではないだろうか。「専業的農家」という言葉でくくりました意味は、そうした資源を効率的に使えるような農家経営の形という意味で使っているというふうに理解をしております。
○湯山分科員 いまの説明で、お使いになった意図も、それからその意味もよくわかりましたが、さて問題は、わが国の農業生産の増大を図っていくためには、専業的農家の育成、確保を図り、そしてこれを拡大していかなきゃならないということなんですけれども、そういうことが一体可能なのかどうなのか。これも長官が一番よくおわかりですから、お答えは長官にいただきたいと思うのですが、いまの日本の農業政策で、専業農家を拡大していき、一種兼業農家を拡大していくというようなことを長期の目標にして、果たして可能なのかどうなのか。また、そういう対応をする構えがわが国の農政にあるのかどうか、このことをお聞きしたいわけです。と申しますのは、そうなれば私もいいと思いますし、おっしゃるとおり、専業農家あるいは専業的農家が拡大するということになることは望ましいのですが、残念ながらそういう傾向をとっていません。 というのは、専業農家で見ますと、小さい数字は省きますが、四十五年が八十四万、四十六年は減って七十九万、四十七年は七十四万、四十八年は六十万台に落ち込んで六十八万、四十九年は六十三万と一路低下の傾向で、毎年五万以上ずつ少なくなっていっておることは、統計上おわかりのとおりです。では、それが一種兼業農家の増加につながっておるかというと、それもそうじゃなくて、四十五年に百八十一万あったのが、四十六年は百五十六万と大きく減っておりますし、四十七年は今度は百四十万、四十八年は百四十万が百三十一万に、四十九年は今度はまた百二十三万にと、専業も毎年五万近い減少を続けておりますし、言われる第一種兼業は約十万近い低下の傾向をたどっております。 こういう状況にありながら、わが国の食糧自給を高めていくために食糧問題は重要な課題だ、そして生産を伸ばしていかなきゃならない、そうすることが新たな発展への基礎固めだ、そしてこの専業的農家を育成してこれの確保を図るのだということをこの白書の中心に据えて、果たしてそれが可能なのかどうなのか。また、それが可能になるような政策がとられるのかどうなのか、その辺は長期的な観点に立ってどうかということですけれども、これはこの白書の文句を離れて、長官の御意見を伺いたいと思うのです。
○倉成国務大臣 農家の戸数そのものがだんだん減ってきておることは御承知のとおりでございます。その中において、専業農家の数も、ただいま御指摘のようにやはり減ってきており、また、第一種兼業の農家の戸数も減ってきておるということで、白書で言っておりますように、専業農家と第一種兼業を含めたものを専業的農家と呼ぶとすれば、これはだんだん減少してきておるのは統計の示すところでございます。 そこで、これは一つには、高度成長の中において農業というものをどう位置づけていくかということと非常に関連するわけでありまして、高度成長の中で農業政策というものが十分機能しなければ、所得を多く求めるという形において、どうしても第二種兼業が非常に大きくなってくるということは否めない事実ではなかろうかと思うわけでありまして、恐らくこの白書で書いておりますのも、将来の方向としてはそういう専業農家ないし第一種兼業農家を多くしていくのが望ましいという願望を含めて、書かれておるのではなかろうかと思うのでございます。
○湯山分科員 経済企画庁の、しかも最も科学的でなければならない、こういう「新たな発展への基礎がため」という白書の内容が願望というようなことではいかぬのではないか。もっと的確な指摘をして、そして国全体の経済の長期計画というものを、それに合わせていかなければならない。それは、今日の状態で第一次産業が停滞しておりますから、農業生産だけから言えば一〇%にも足りますまい。しかし、そうだからといって食糧問題を軽視することは許されないということは、長官が最初御答弁のとおりです。ことに、今日、領海の問題、経済水域の問題等々から考えますと、これは非常に重大な問題であると言わなければなりません。そういうことから見ていきますと、経済企画庁の食糧問題、農業あるいは水産業も含めてですが、それらに対する構えがどうも不十分なのではないかということを私は痛感いたしました。そこで、倉成長官が御就任になって、そういうことのよくおわかりになっている長官の時代ですから、長期にわたる日本の食糧をどうするか、そのためには、日本の農業をどうしていくかということの位置づけを日本の長期経済計画の中でしていただかなければならないということを痛感いたしまして、あえてきょうここで取り上げてお尋ねしたわけです。 そこで、もう時間も余りございませんが、なおいろいろお聞きしたい点はあるのですけれども、今日の日本が当面している食糧事情それから省資源の経済をどうしていくかということになれば、農産物の輸入というのは大きいと思います。輸入総量の一三%程度は食糧の輸入になっております。そうなってきますと、一体今後の食糧政策をどうしていくか。これは農業の問題でもあるし、経済全般の問題でもある。 そこで、端的にお尋ねいたしたいのですが、今日政府の方で、食糧の自給率は七十何%というように申しておりますけれども、これも長官がおっしゃったように、えさの問題を考えれば純粋な本当の自給とは言えない。真の自給、オリジナルカロリーという言い方もあるでしょうし、あるいは穀物自給という見方もあるでしょうが、ともかくも四〇%そこそこである。先進国中最低だということもよく御理解になっておられると思います。そこで、わが国の本当の自給率はどの辺に持っていかなければならないか。今後、新たな発展への基礎固め、あるいは安定軌道における日本の食糧生産はどの程度、これは願望でもいいと思いますし、あるいはこうなければならないというお考えでもいいと思うのですが、あらゆる施策を集中していって、少なくともわが国の食糧自給率は本当の自給率で、あるいはオリジナルカロリーで、あるいは穀物生産で、どれでも結構ですが、どこまでは持っていきたい、いかなければならない、そういうことをひとつ長官からお伺いいたしたいと思います。
○倉成国務大臣 世界の食糧供給が非常に不安定化しているということで、産業の食べ物であるエネルギー、それから人間の食物である食糧というのは一番大事なものでございます。そこで、長期計画の中では、価格ベースで考えた食糧、農産物の総合自給率というものを七五という見通しをつけておるわけでございますが、湯山分科員仰せのように、オリジナルカロリーあるいは穀物の自給量という形で一体何%かという最終的な計算は私どもしておりませんけれども、ここで出ておりますのは、それぞれの品目について、お米では一〇〇%、小麦では九%、大裸麦では三六%、大豆は九%、うち食用大豆は六〇%云々というふうに、各品目別の一つの見通しは立てておるわけでございます。しかし、いま仰せの点の趣旨は恐らく、もう少し突っ込んで、食糧の供給がとだえた場合に果たしてどの程度の期間日本の食糧というものが自給できるか、そういう問題を含めて自給率というものをもう少し真剣に考えたらどうかという御趣旨じゃなかろうかと思うわけでございます。そういう点については、私自身問題意識を持っておりまして、前期経済計画もいろいろ取りまとめをいたしておりますけれども、本当にこれが魂の入った、そして国民に説得力のあるようなものにするにはこれからどうしたらいいかということで少し掘り下げてみようということで、計画局にも関係の人たちにも指示をいたしておるような次第でございます。
○湯山分科員 いまの段階でございますし、短い時間でございますから、長官の御答弁に大きな期待を持って質問を終わりたいと思うのですが、最後に、ぜひひとつ御要望申し上げたいと思いますことは、いま私が指摘いたしましたように、記述も非常にあいまいですし、それからとらえ方も必ずしも的確ではないということなのです。企画庁ですから、むしろいま長官が御答弁になったような程度ではなくて、農林省の計算も、生産は価格ではありません、四十五年の量、それを補正してやっておりますから、この生産の上昇とか停滞とかというのは、これは量でもあるし金額でもあるし、それらを総合したものなのであって、そういうとらえ方が企画庁でできないということはございません。そういう専門の方はたくさんいるわけですから、それを的確にとらえて、そして本当の日本の国土というもの、それを踏まえて、そこでどれだけの物がどう生産できる、あるいはこれだけつくらなければならないというようなことは、私は長期経済計画の一つの大きな柱でなければならないというように考えております。たまたま倉成長官が御就任になったので、一体農業をどう書いているかなと思って拝見しておりましたら、全くどうも驚くべき内容であって、昨年はどうかと思ったら、昨年はもっとひどい内容でしたので、これでは一体日本の農業、食糧は大変だということを感じましたから、いまのようなことをお尋ねしたわけです。長官の御答弁は、よくわかっておられる長官ですから、この白書はどうでもいいとしても、実際にそういう経済政策が、もっと食糧、農業というものを、ことに今日の国際情勢を踏まえて重視され、それがひいては日本の安全、国民生活安定に本当に寄与するような政策が生まれる、そういう政策をぜひ進めていただくように強く要望いたしまして、質問を終わります。
○倉成国務大臣 先ほどちょっと大事なことを一つ落としました。 やはりこれからの日本の農業を考えていく場合に一つ大事なことは、食生活の問題、わが国の風土に適した食生活のあり方ということをもう一度再検討してみることが必要ではなかろうか。そしてこの消費生活に適応した農業のあり方ということも、これは水産業を含めて考えてみる必要がある、そういう問題意識を持っていることをつけ加えさせていただきたいと思います。御趣旨の点はまことにごもっともで、これから大いに勉強してまいりたいと思っております。
○湯山分科員 では、終わります。
○稻村主査 これにて湯山君の質疑は終了いたしました。 次に、谷口是巨君。 〔主査退席、宮崎主査代理着席〕
○谷口分科員 私は、長崎県選出国会議員として、このたび二度目の大臣就任をなさった先輩議員であります倉成先生に対して、まず敬意を表したいと存じます。 あなたの大臣就任に当たりまして、地元では大臣就任の祝賀のパーティーまで開いて、長崎県としては大きな期待をかけておるのが実情でごごいます。その大きな期待をかけておるゆえんは、あなたの政治力と見識と、また長崎県に対する郷土愛、こういういろいろな意味があると思うのでございますが、その期待を担ったあなたの責任はきわめて重大でございます。 そういう立場から、改めて大臣としての抱負、決意なりをひとつ簡単に要領よく御説明を願いたいと思います。
○倉成国務大臣 わが国経済は、いまオイルショックの後立ち直りを見せておりますけれども、しかしまだ幾多の問題を抱えております。物価の安定、あるいは雇用の問題、あるいは企業の先行き、そういう問題を抱えております。現在、日本の経済の前途に対して、企業も個人も必ずしも十分な確信を持っていない。いわば自信を喪失しているというのが今日の姿ではないかと思うわけであります。日本の経済というのはまだ若い経済であるし、労働力も非常に優秀な労働力があり、よく働く。また、社会資本が非常におくれているということは、逆に申しますと投資の機会があるということでありますので、日本の将来というのは、やりようによってはまだ明るいものが十分あるのだということを私は確信いたしております。したがいまして、そういうことを国民の皆様と十分話し合いをしながら、また、国民の皆様のお力を得ながら、参加していただきながら、これからの行政を推進してまいりたいと思うわけでございます。 また、長崎の問題につきましても、谷口先生同様私の出身地でもございますし、特に離島、僻地をたくさん抱えておりますので、これらの問題が、ひとつ十分地域の特性に合った形での発展ができますよう努力してまいるつもりでございます。
○谷口分科員 大臣の決意を聞いたわけでございますが、物価安定あるいは雇用問題、いろいろと重要な問題が山積しておるわけでございますが、いまのような決意をもってひとつ邁進をしていただきたいと思いますし、さらに地元といたしましても、四十数%が離島にいまも暮らしておるわけでありまして、そういうことから考えて、ひとつお力をうんと尽くしていただきたいと思って、これから先の質問に入りたいと思います。 まず私は、大臣の政治的な姿勢についてお伺いいたしたいのです。 いま長崎県では、非常に大きな問題として原子力船「むつ」の問題が起こっているわけであります。このことについては、もう大臣もよくおわかりでございますが、地元経済浮揚のために賛成をするという意見もございますし、また、そのためには条件いかんだという条件つきの賛成も多数あるわけでございます。また、そういうことではけしからぬ、われわれとしては断じて容認できないという相当強い動きも、数はどうであるか知りませんが、あるわけであります。あるいは漁連あたりは、もし入港してくるならば一千隻の漁船を動員して阻止するんだ。あるいは被爆団体、労働団体、相当大きな反対の機運が巻き起こってきておるわけでございますけれども、その中で佐世保の市長は積極的な賛成の意見をあらわしておるわけですね。知事は、現状ではまだ明確な姿を示しておりませんが、いずれにしても間もなく決意を表明するでございましょう。 そういう立場に置かれたときに、長崎県民の間には、大臣の意見がどうも明確じゃない、もっと明確にしてほしいという意見がかなりあるわけであります。非常にお答えしにくい問題かもしれませんが、原子力船「むつ」の佐世保修理港要請についての大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
○倉成国務大臣 この問題につきましては、いま内閣では科学技術庁長官を中心に検討を進めておるところでございますし、また、地元では長崎県知事を中心に地元の意見を取りまとめておるところでございますので、私がここで賛成か反対かというような短絡的な意見を申し上げることは適当でないと思うわけてございます。 私は、基本的には、わが国のエネルギーの確保という点から、原子力を平和的に利用することは必要であると考えております。しかし同時に、長崎のような特に被爆県、世界で広島とともに唯一の被爆県であります県民の感情ということも、また無視することはできないと思うわけであります。やはり原子力の安全という面に焦点を当てて、そしてこの安全ということについての理解を得ることが何よりも大切なことである、そう考えておる次第でございます。
○谷口分科員 大臣の答弁はまことに優等生の答弁でございまして、それがいまの段階では最も妥当な答弁であろうと思います。しかし、これはどうしても避けて通れない問題でございまして、やはり態度は明確にすべきであろうと私は思うわけでありますけれども、ここはそれを論ずる場ではございませんからこれくらいにいたしますが、私は、長崎県出身の大臣として、最後の段におっしゃいました被爆県としての県民感情、札束でほっぺたをたたいて納得させていく、こういうふうな従来政府がとられた態度で来られたのでは非常に困るのではないか。政治の本質からいってもこれはよくないし、また、県民が一番強く感じておるのはこの点であります。何かあればとにかく札束でたたけばよろしい、こういう気持ちで来る、それが非常に大きな問題ではないか。 最後に指摘しておきたいことは、本当に政治を理解する立場であれば、安全か安全でないかという問題よりも、すでにその前の問題として、被爆県の長崎県として、また現在被爆をした方々、家族たちがまだ苦しんで解決されてないいろいろな問題を抱えておる段階において長崎県を選んだという、きわめて無神経なこういう考えに対して、私はどうにも深い憤りを感ずるわけでございますけれども、重ねて大臣の答弁を願いたい。
○倉成国務大臣 先ほど申し上げましたとおりに、いまそういう県民感情を踏まえて、地元の代表である知事が諸般のことを取りまとめて、そして国に対する回答をいたそうという時期でございます。その時期に私がこれ以上のことを申し上げることは適切でないと思いますので、その辺の答弁はお許しをいただきたいと思います。
○谷口分科員 しつこくなりますけれども、じゃもう一つだけこの問題で伺っておきますが、知事が三月七日の県議会で質問の議員に対して、一般質問でございますけれども、核燃料棒抜きならば「むつ」受け入れはいいのじゃないか、こういうような発言をしたようでございます。これはいわば一応拒否の意見がそこに出てきたというふうに私たちは考えておるわけですが、大臣は、核燃料棒抜きならば問題はないじゃないかという知事の考え、どのようにお考えになりますか。
○倉成国務大臣 久保知事とは私まだお目にかかってよくお話を伺っておりませんので、十分そのニュアンスなりいろいろお伺いしてみたいと思います。こういうことは、単なる文書とか単なる言葉ではなくて、やはりよく話し合いをして、間違いのないようにしてからやるべきことではないかと思いますので、そのような意味で御理解をいただきたいと思います。
○谷口分科員 県選出の大臣でございますから、この問題について、十分に県民の納得のいくいろいろな手段を尽くした後の行動に出られることを強く要望したいと思うのです。過去に原子力空母のエンタープライズの問題がありましたように、あれは過激派学生がかなりおりましたけれども、今度は過激派ではなくて、本当に思慮分別のある人々の行動というものがかなり憂慮されるわけでありますので、これは強く要望しておきたいと思います。 次に進みますが、いま全国的にもそうでありますが、長崎県としても非常に大きな不況問題が問題でありますけれども、その不況問題について、特に造船問題について伺いたいわけですが、大臣が非常に努力をされたと言われております船舶解体業の助成補助金でございますが、これは長崎県に二ヵ所の個所づけというふうになっておりますけれども、その個所と、それから予算と、それによって大体作業できる人数というものがおおよそわかれば、お知らせいただきたい。
○倉成国務大臣 ただいまの点は、私、手元にいま数字を持ってきておりませんけれども、大体、船舶解体事業というのは、いままでは台湾その他の国々で行ってまいっておりまして、これは一つは、労賃が安い、それから環境問題があるということで、日本の国内には相当のそういうスクラップが要るのでありますけれども、全部外国でこれをいたしておる。そして輸入しておる。そういう状況であったわけです。したがいまして私は、やはり今日の造船不況で一番しわが寄ってくるのは中小企業である、したがって中小企業の労働力が失業しないようにするためには、小さいものを積み重ねていくことが必要じゃないか。具体的に五十人でも百人でも二百人でもという、そういう小さいものを積み重ねていくことが実際役立つのじゃなかろうか。大きな政策で網を張りましても、なかなか現実に非常に苦しんでいる中小企業まで潤ってこない。そういう認識のもとで、船舶の解体事業を日本でやってみたらどうかということで、試験的に香焼でやってもらったわけでございます。したがってまだ赤字が出てくるわけです。大体、一船を一万五千トン程度として、三船、四万五千トン程度までは赤字が出てくる。そこで、それ以上になればいろいろ技術も進んできて、少しまあ何とか、もうけとまではいかなくてもペイすることができるのじゃなかろうか、そういうことで計画しているのが今回の協同組合方式による船舶解体事業でございます。 ただ、それでも問題は、そういう中小企業が仕事をする場合には、親企業が場所を貸してやるとか、いろいろそういう条件があるわけでございまして、これを完全な商業ベースでやろうとしたら、これはとても引き合わないということでありますので、やはり親企業の協力、場所の提供であるとか、いろいろな技術協力であるとかいう、そういう協力がなければならないということで、その辺のところで、なかなか必ずしもすぐスムーズにいくというわけにはいかない問題を抱えておるわけでございますので、いませっかくその間の調整を各地でとっていただいておるというのが実情でございます。したがいまして、細かい資料については、また運輸省の方から必要があればお届けいたしたいと思います。
○谷口分科員 この仕事については、先輩委員の各位が一生懸命努力してきた結果がここに出てきたと私たちは理解をいたしますが、私の聞くところによりますと、実際に一つの作業場で、たとえば長崎であれば長崎で、そこに使える方々、働ける方々の数というのが、何か百名前後ぐらいに聞いておるわけでございます。これは事実かどうかよくわかりませんが、その人数からいきますと、現状のままでは非常にまだまだ不十分だということはもう論をまたないわけで、ひとつどしどしこういう問題も不況業界のためにカンフル剤として推進をしていただきたいと思います。 そのことにつきまして、実は大臣が、過般、報道関係の取材に対してお話しになったと報じられておるわけでありますが、造船界の不況について自分はホームランを準備しておるんだ、そういうふうな意味の発言があったと私は聞き、また報道を読んだわけでございますが、いかがでございますか。
○倉成国務大臣 船舶解体事業の船舶下請業者が、親企業の協力を得て協同組合をつくって行う船舶解体事業を軌道に乗せるために、解体用の船舶の購入に関する補助金ということで、五十二年度の予算が一億四千六百二十五万円でございます。造船業に対する不況ということにどういう対策を考えるかという問題でありますけれども、御案内のとおりに、百万トンドックというのが三菱重工初め各地にできておりますし、また中小の造船と申しましても、かなり大きな生産力を持っておるわけでございます。たとえば大島造船所を一例にとりましても、これは恐らく、関係の方々、特殊な人以外には名前を知らない造船所でありますが、これは溶接でなくして、ここの船台でどれだけの大きな船ができるかということを、私、視察してさましたら、七十万トンの船ができるというわけでありまして、中小造船、名を知られてない造船でありましても、かなり大きなキャパシティーを持っているということでございます。したがって、少々の仕事をここにやりましても、胃袋が大きいものですから、これはおやつぐらいにしかならない。百万トンドックにかなり大きな橋梁の建設をお願いしましても、これはもう数日でつくってしまう。したがって、これだけ大きなものを動かすためには、やはりナショナルプロジェクトで少し大きなものを考えなければならないのじゃなかろうかということで、そういう大きな二十万トン、三十万トン、四十万トンタンカーにかわるようなものはないであろうかということで、いろいろ検討をいたしておるところでございます。その詳細については、まだ申し上げる段階ではございませんけれども、しかし、少なくとも海を利用し、あるいはいろいろな船舶にかわるべき構築物をつくるもの、そういうものがないだろうかということで、いろいろな面から検討いたしておるという状況でございます。
○谷口分科員 大臣のおっしゃるように、現在の船舶解体作業の内容からいくと、巨大な能力を持っておるその現状からいきますと、ほんのおやつぐらいにしかならないという非常にうまい表現だと私思いますが、いまお話を聞いておりますと、ナショナルプロジェクトとしてもう少し大きなものを考えておる、海を利用して、そしてまた船にかわるような構築物、よく私たちは理解できませんが、地元においては、この大臣のホームランを打つというような表現に、非常に大きな期待を実は寄せているわけであります。その期待が、いつごろになったらホームランがかっとばされるのか、時期的に明確でないものですから、もう少し中身をはっきりしてもらいたい。あるいは現在もうすでに進行しているのか、あるいはまだ頭の中の状態なのか、そのホームランという言葉に皆非常に大きな期待を寄せているわけでありまして、その内容については、時期的な問題だとか、いま計画がどのようなものか、許せる範囲内でひとつ形をあらわしてもらいたいと思いますが、いかがでしょう。
○倉成国務大臣 私がどういう表現を使ったか、またどの場所のことをおっしゃているのか、私に明らかでございませんけれども、私はやはり、ああいう大きな施設が稼働するためには、尋常一様の手段ではいかない、したがて、これについてはかなり本格的なことを考えていかないといけないという意味のことを申したと思うのでございます。私自身としては、もちろんそういうことを申す場合に、いろいろの点での検討なり、いろいろな方面でのことを頭に描きながら申し上げておるわけでございますけれども、そう簡単なものではございません。そしていつどうなるということをここで申し上げる段階のものではないということでございますので、またこれらの問題については、こういう委員会を離れて御懇談をする機会があろうかとも思います。
○谷口分科員 県民の期待が非常に大きいわけでございますから、その点はひとつ国民あるいは県民を失望させないように今後お願いを申し上げたいと思います。 時間がだんだん迫ってまいりましたが、先般、大臣は離島に行かれましたね。離島の方では非常に喜んでおりました。非常に物価高でわれわれは非常に困るのだ、経済企画庁長官がおいでになって実情はわかったのだから、今度いろいろなことをやっていただけるだろうというふうに非常に喜んでおった状況でございますが、その物価の問題につきまして、大臣は行かれたんだからよくおわかりだし−もっとも常日ごろからおわかりでございますが、いま県が調べました資料からいきましても、相当本土との差があるわけです。お持ちだと思いますけれども、キャベツにしても約四十数%高いんです。バレイショにしても六四%くらい高かったり、あるいは九五%高かったり、ほとんど倍値というふうな値段も実際にあるわけです。あるいは肉類についても鶏肉は約二八%高い。あるいは鶏卵は約二〇%高い。加工品について見ましても一、食パンなんかは約二〇%くらい高いわけです。あるいは通産物質にしても非常に高いのを挙げますと、螢光灯なんか三〇%以上高いわけです。そういうふうなことで、年間を通じて見ますと、たとえばキャベツなんかは、本土との差が年間平均六一%くらい高いわけです。またバレイショは、先ほど挙げましたように、平均九〇%以上。この問題については、たとえば運賃にしても、あるいは手間賃にしても、本土に比べて値が高過ぎると思うのですが、大臣としては、どういうところに原因があるとお考えでございますか。
○倉成国務大臣 離島においては、対馬のみならず、やはり生活関連物資の大部分を本土に依存している。そのための輸送コストが割高であるというのが一番の原因じゃなかろうかと思うのでございます。ただ、私は率直に申しまして、やはり島の自助努力でやれる点もまだ相当あると思うのです。ただいまお述べになりましたようなキャベツあるいは卵というのは、やろうと思えば離島で生産できるわけです。したがって、そういう努力も一方においてやっていくということが大切じゃなかろうか。これは対馬の問題だけではありません。全国の離島に通ずる問題でありまして、私はしばしば関係の方々と御懇談したときに、やはりやれることはひとつ自分でやるという努力をやっていただきたい、しかしどうしてもやれないものがある、そういうものについてどうするかということをお互いに考えていきましょうということを申しておるわけでございます。
○谷口分科員 私は大臣の答弁を聞いておりまして、私に言わせると少し消極的ではないかなという感じが実はするわけです。現在の物価の問題というのは非常に大きな問題でございまして、しかも行政官庁の中で、物価対策に対して物価局という局まで持っているのは経済企画庁だけですね。もっともっと強い姿勢あるいは積極的な態度で取り組んでいかなければならないと私は思うのです。 時間がございませんので、私、一つ提案をいたしますが、ある離島に渡ったときのお話でございましたけれども、ある町長さんがおっしゃるのには、自分たち町としてはできる限りの手を打っている、運賃についても助成金を出しているんだ、そういうところは比較的物価の差が少ないんだ、だから離島の物価を考えるならば、長官が行かれて積極的なことをやられるであろうけれども、自分たちの目から見ると、現在の離島航路の赤字助成金みたいな、何か離島に対する全般的な運賃の助成金みたいなものを出さない限り、非常に効果的な手は打てないのじゃないかという積極的な意見が実は出されたわけであります。非常にむずかしい問題だと思いますが、こういう問題について大臣の見解をひとつ伺いたいと思います。
○倉成国務大臣 率直に申しまして、私は県の企画室長をやったりした時代から二十数年、この離島問題に取り組んでおります。したがいまして、離島の実情、そして問題点については、生意気を言うようでありますけれども、ある程度は承知しておるつもりでございます。そしてまた真剣にこの問題に取り組んでまいりました。離島問題については、単なる補助金を出せば済むというような簡単なものではございません。そういうことでただ問題を解決していこうとすることは、私は本当の離島問題の解決ではないと信じております。離島問題については、やはり後進性を除去していくということで、離島振興法をつくったときには、基礎的な条件の改善、産業基盤の整備ということを目標といたしまして、当初は、漁港であるとか、道路であるとか、港湾であるとか、あるいはその他の問題を考えてまいりますし、また農業や林業の振興、漁業の振興を図っていく。そして漁業の構造改善事業をやり冷凍冷蔵施設をやる。農産物については、荷さばき所や出荷倉庫などの整備をずっと進めてくるというようなことで、やはり基礎的な条件をしっかり整えていくということ。そして島民自体が、これらの問題をみずから解決するという意欲を持つということが基本である。しかしそれでもどうしても解決できない問題がある。これについて国なり県なり市町村なりが手を差し伸べるというのが筋合いじゃなかろうかと思うのでございますので、消極的であるという御批判は、大変恐縮ですが、返上申し上げたいと思うのでございます。
○谷口分科員 最後に要望でございます。いま長官言われたような、返上するような意気込みでひとつぜひがんばっていただきたいと思いますが、離島振興法ができてもうすでに二十何年を経過しておるわけです。いまだにこういう問題が解決できないということは、もっともっと本腰を入れなければいけないと私は思うわけですね。したがって、先ほどのホームランの問題といい、あるいは離島問題といい、もっともっとお力を尽くしていただきたい、このように要望をして私の質問を終わります。
○宮崎主査代理 これにて谷口君の質疑は終了いたしました。 次に、村山喜一君。
○村山(喜)分科員 私は非常にマクロ的な問題の質問になりますが、経済の見通し等の問題も含めて、昭和五十年代前期経済計画の問題を中心に質疑を行ってまいりたいと思っております。 そこで、まず第一に、「「昭和五十年代前期経済計画」の推進に関する昭和五十一年度報告」、これは経済審議会が出したものでございます。その中で、「計画の初年度としての昭和五十一年度経済は、需要項目によって多少の差はあるが、総体としては、ほぼ計画の見込みどおりの結果になると予想される。」、経済審議会は非常に甘い価値判断を行っているわけでございますが、経済企画庁長官は、五十一年度は順調であった、こういうふうにごらんになっていらっしゃるのでございますか。それとも、そういう経済審議会の発表はあるけれども、自分としてはもう少しシビアに問題をとらえているのだということでございましょうか。まず第一点、このを倉成長官にお尋ねをしたい。
○倉成国務大臣 五十一年度の経済につきましては、この推進報告の中にもありますように、需要項目の中の出入りは、われわれが当初予想したよりも輸出が伸びたことが一つではなかろうかと思うのでございます。それからもう一つは、設備投資あるいは政府の固定資本形成が若干思うように伸びなかった、あるいは個人消費、そういう点があろうかと思うのでありまして、必ずしもこれが順調であるというふうには思っておりませんけれども、マクロで見ますと、私どもが当初想定した実績の見込みの五・七%程度の成長はできるのではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。
○村山(喜)分科員 そこで、五・七%というのは、これは実質経済成長率の問題でございますが、初めのげたが高かったために五十一年度はできた、そういうことなんでしょうが、その中でいま大臣は、輸出が案外期待以上に伸びた、あるいは民間の設備投資なり政府の資本形成が多少落ち込んだとか、あるいは個人消費の伸び悩みがあったということには触れられましたが、経常収支、これは一月の段階で二十一億ドル程度だろう、こういうふうに皆さん見ていらっしゃったものが、実際は三十一億二千六百万ドル、十億ドルの違いが出てまいっておりますね。そうなると、これは経常収支でもそういう状態にあるということは——貿易収支は初めは四十億ドルという黒字の見込みを立てていらっしゃったのですが、この計画を策定をされましたときに八十八億ドルと改定をされました。一月の末で経常収支においても十億ドルの違いがある。二月はどうだろうかということで最近の状態を調べてみると、これまた貿易は非常に好調ですね。こういうことから言えば、三月の末には、年度末においては、経常収支の黒字はもっと大きくなるのではないだろうか、私はこういうふうに見ざるを得ないと思うのですが、その点はいかがですか。
○倉成国務大臣 経常収支は当初の二十一億ドルよりふえるであろうということは予想されるわけでありますが、これがどの程度になるかということは、もう少し経過を見ないとわからないと思います。
○村山(喜)分科員 一月末で十億ドルの食い違いがあるということは確認されていますね。
○倉成国務大臣 そのとおりでございます。
○村山(喜)分科員 そこで財政の問題ですが、財政の長期見通しは、租税収入で五十二年度は二十兆見込んでいらっしゃったのじゃないですか。それがことしは税収においては十八兆二千億円。違いますか。
○宮崎政府委員 経済計画をつくりましたときに比べまして、お説のように落ちております。
○村山(喜)分科員 それと公共投資ですが、これは見込み違いが五千億円ぐらい出てきているのじゃございませんか。
○宮崎政府委員 政府資本形成全体といたしまして、当初の見込みに比べまして、当初の伸びの見通しが一四%でございますが、実際には九・六%の見通しになっております。
○村山(喜)分科員 一四%の見込みが九・六%になったということは、金額で見た場合には幾らになりますか。その原因は一体どこにありますか。
○宮崎政府委員 当初の見通しに比べますと、政府支出全体でマイナスの五千五百億でございます。そのうち資本支出だけについて見ますと五千億でございます。 この原因はベースになりました五十年度の土台が変わったという多少技術的な点もございますけれども、その後の予算の成立がおくれた、あるいは国鉄、電電の料金改定がおくれたというようなことが現実的に響いております。また一部には、地方財政も当初の予想よりは悪化してきたというようなことが原因かと思われます。
○村山(喜)分科員 そこで、経済計画をつくります際に、社会保障の長期計画というのはきわめて重要なファクターだと思うのですが、それがおくれております。 それから、成長との関係においてどうしても欠かせないのはエネルギー政策ですが、これの長期エネルギー需給計画を見直しをしなければならない。初め六十年であったものを六十五年に延ばすということを総合エネルギー対策推進閣僚会議で決めておりますね。その点は大臣どうですか。
○喜多村政府委員 仰せのとおり、長期エネルギーの需給関係につきましては、総合エネルギー対策閣僚協議会におきまして、六十年までを決めております。(村山(喜)分科員「六十五年まで延長したのでしょう」と呼ぶ)私どもの長期経済計画をつくります過程において、基準といたしましたのは六十年度でございます。
○倉成国務大臣 六十五年までにするということは、まだこの閣僚会議では決めておりません。
○村山(喜)分科員 これは三月五日の新聞ですが、「総合エネルギー対策推進閣僚会議(座長・福田首相、八閣僚で構成)の第一回会合を開き「昭和六十年度をメドとした長期エネルギー需給計画」を見直すことを正式に決めた。見直すおもな項目は(1)昭和六十年度の目標を六十五年度までのばす」、これは決まっていないのですか。あなたは出席をしていませんか。
○倉成国務大臣 五十五年までは、個々のエネルギーを石油換算して五億六千キロリットル、これは原子力を含めて何とかいくだろう。六十年になりますと、この中で原子力などが多少むずかしいのじゃなかろうかということで、この中身をもう少し検討してみようということになりまして、私からは、もう少し石炭というものを世界的に考え直していいのじゃなかろうかという発言をいたしたことを記憶いたしておりますけれども、六十五年という数字はちょっと私は記憶いたしておりません。六十五年まで展望するということは議論が出たと思いますけれども、これを六十五年の計画に変えるというところまでは、まだ私として記憶いたしておりません。
○村山(喜)分科員 経済閣僚であります経済企画庁長官が出席をされたのもこの記事に出ておりますから、出席をされた当人がそうおっしゃるのですから、新聞の方が間違いだ、発言の内容からはこういうふうに受け取るわけですが、しかしこの目標達成は、現在の状況から見ると確かに延ばさなければならないような状態に来ている、そのことをまず頭の中に置きながら経済計画という問題は考えていかないと狂いがくるのではないだろうかという意味で、私はどうも五十一年度というのは順調であったとは見られない。経済審議会の方では非常に甘い見方をしているようでございますが、総体としてはほぼ計画の見込みのとおりの結果になる、こういうふうに受け取っていいだろうか。私はもっと厳しく受けとめて今後の問題の展望を明らかにしていくというのが必要ではないだろうかというふうに考えるわけでございまして、その点をまず申し上げておきたいと思います。 そこで、先般OPECの石油の値上げが、サウジアラビア等は五%ですか、イラン等十一カ国は一〇%の値上げをするということで決定を見ているわけでございますが、その値上げをいたしました原油が一月から日本に入ってきているというようなことで、その新価格はいままでの価格の七%ないし八%の値上げになるであろうということが言われております。これは五十二年度の経済の見通しの中では、ファクターとして入れて計算がしてございますか、ございませんか。
○藤井(直)政府委員 五十二年度の経済見通しの中で物価の見通しを立てておりますが、その中では、輸入物価の上昇の中にOPEC値上げの影響を織り込んで計算いたしてあります。
○村山(喜)分科員 そのときのいわゆる為替レートは幾らで見込んでいらっしゃいますか。
○藤井(直)政府委員 全体といたしまして、経済見通しを作成する段階のレートを見込んでいるわけでございます。経済見通しを作成する段階、したがいまして年末のレートでございます。
○村山(喜)分科員 そういたしますと、この五十年代前期経済計画の中の八表ですね。九十二ページにございますが、国際収支表の中で一ドル二百九十九円ということで換算をした、こういうことですね。大体そういう価格を一つの基礎としてこの前期計画というのは練られておるわけですね。そういたしますと、年末のころの価格というのは二百九十七円ですか。これで計算していらっしゃるのですか。
○宮崎政府委員 五カ年計画につきましては、先生御指摘のように、第八表にございます二百九十九円で換算してございます。それから五十二年度の経済見通しの場合には、輸入につきまして、その年末におけるレートでございますので、二百九十八円になります。
○村山(喜)分科員 きょうの新聞によりますと二百八十一円ですね。私は、今後そういう円高基調というのはずっと推移していく、こういうふうに長期的には見通しをつけるべきだと思うのですが、これは余りにも経済の実勢から見て円高過ぎると長官はお考えになっていらっしゃいますか。
○倉成国務大臣 為替相場はここ最近は二百八十一円から二百八十二円ぐらいで推移しております。為替の相場は何で決まるかということになりますと、短期的には為替の需給関係で決まるということでございます。したがって貿易の動向で決まるわけでございますけれども、また為替銀行の借り入れ等の問題で決まってくるということになるわけですが、同時に長期的に見ますと、やはり二国間の卸売物価というのが一つの基準になるのじゃなかろうか。もっと正確に言いますと、両方の国力ということになろうかと思いますが、端的に示す資料として卸売物価ではなかろうかという感じがしておるわけでございまして、これがこれからどういう経過をたどっていくかという問題は、もう少し事態の推移を見守る必要があるのじゃなかろうかと思っております。
○村山(喜)分科員 私は、この為替レートという問題は、注目をしていただきたいと思うのです。レートが二百九十八円で計算をする場合と、二百八十二円か三円で計算する場合とでは、これは原油の輸入に関連をする為替差益というものも非常に大きなものがありますね。レートが十円上がったら八百四十円ぐらいの為替差益が出てくるわけですね。そういうような点から、OPECの値上げ分は織り込んだとおっしゃるのですが、二百九十八円の為替レートをもとにして値上げ分を織り込んで、物価の上にそれだけの影響があるであろうという計算をされるのと、二百八十三円の価格で計算をするのでは、物価の上昇に及ぼす影響というのは大きな差が出てまいります。そのことを計算をされて、そのことが、経常収支の上やあるいは経済成長率の上に、どのような影響をもたらしてくるであろうかというところの計算は、五十二年度の経済の見通しの中ではしていらっしゃいますか。 物価の問題は計算の基礎に入れたとおっしゃるのだけれども、私がそれをお聞きするのは、ヨーロッパのECでは、一〇%値上げをしたら物価が〇・五%アップする。経済成長率は、イギリスの場合は三%と見ておったものが二・五%に下がった、イタリアの場合には一・六%が〇・八%に下がるであろう。しかも経常収支においてはイタリアは四億ドルのマイナスになるであろう。こういうような見方がされているわけですよ。そこで、日本の場合の経済の見通しの上においては、そういうような影響はどの程度考えられるのかということを経済見通しの基礎の中に置いて分析をして、的確に見通しをつけるべきではないだろうか、このことを私は言いたいわけです。それがどの程度なされているのか、承りたいと思うのです。
○宮崎政府委員 五十二年度の経済見通しを作成いたします際は、先ほど申し上げましたように、為替レートについては、作成時点における相場をとったわけでございます。したがいまして、五十二年度を通じて平均的な数字を使っておりますので、お説のような計算はいたしておりません。為替相場と申しますのは、言うまでもなく日々、月月変わるものでございまして、その変わるということを前提にして経済見通しというのは、従来ともつくっておりません。
○村山(喜)分科員 その作業の過程はそうでしょう。しかし現実には、円高基調というものが続くという長期的な見通しがあれば、その立場に立って、経済の見通しという問題は、やはり整合性のあるものとして出さなければならないのではないかと思うのです。それは私の意見として申し上げておきます。 そこで、来年度の経済見通しが六・七%というGNPの実質伸び率を計算をされているのですが、これは初め六・六%であったのに、いつの間にか福田総理が〇・一%を加えて六・七%にしたといって新聞では報道しておりました。六・七%を達成できるか、できないかという見通しの問題は、それにはそれだけの基礎的な数字がなければむずかしいと私は思うのです。それで、一体どういう基礎的な算定を行って六・七%というものをお出しになったのか。資料としてわれわれがいただいておりますものだけでは判定ができませんので、この中の賃上げ率、あるいは雇用者所得の伸びというものの中の賃金の引き上げ率とか、あるいは企業の経常利益の伸び率の問題なり民間設備投資は出ておりますが、果たして二十五兆円も民間設備投資が伸びる可能性があるのか。 〔宮崎主査代理退席、主査着席〕 一二・二%も本年度よりも伸びる、こういうような伸びは一体どこから算出をされているんだろうか。そのためには、いまの政府固定資本投資の増大を図るとか、財政支出によって景気を引っ張っていくという政策はとられているわけですが、そういう問題のほかに、いわゆる公定歩合の引き下げ政策というものがこの前とられました。しかしながら、設備投資を刺激するだけの公定歩合の引き下げではない。とするならば、そういう金融政策の面からどの程度までてこ入れをしたときに、その可能性が生まれてくるのか。いろいろ政策手段というものがあると思うのですが、その点はどういうふうにお考えになっているのですか。大丈夫ですか。
○倉成国務大臣 最初六・六を六・七にしたのは、鉛筆をなめたんじゃないかというお話ですが、これは別にそういうことじゃなくして、公共事業をどの程度組むかということが最初まだ固まっていない段階で、公共事業を積み増すことによって〇・一弱ふえたということで六・七になった経過がございますので、これは御報告いたしておきたいと思います。 それから、明年度の国民総生産実質六・七%というのは、それぞれの需要項目、個人消費、民間設備投資、あるいは在庫、住宅、それから政府の財貨サービスの経常支出と資本支出、それから輸出というようなものを積み上げたものでございます。 そこで、いまのお話の点は、民間の設備投資が、いま各機関の発表している数字が非常に低いから、果たして政府の一二・二%の名目の伸びができるかどうかというお話じゃなかろうかと思うわけでありますが、大体、民間の日銀、あるいは日経、その他開銀等のアンケート調査によります設備投資の見通しについてのカバー率と申しますか、これは全体の大体三分の一程度だろうと思います。したがいまして、製造業については、確かに現在企業マインドが非常に冷えておりますからあれですが、非製造業を含める、それから中堅企業等を含めてまいりますと、いまはちょっと企業間の心理が冷えておりますが、企業間の心理というのは多少揺れ動いておるわけでございますので、前途に対する自信を得れば、この程度の設備投資はできるんじゃなかろうかということを実は考えておるわけでございます。 それから賃上げ率の問題は、雇用者所得は非常に広い概念でございますので、直接の関係はございません。
○村山(喜)分科員 時間の関係で最後になりましたが、産業構造の転換と経済援助政策、この問題について私は資本形成勘定をこの中で見てまいりました。それによりますると、海外に対する債権の純増が、五十年度は赤でありますが、五十五年度は四十億ドルということで大体計算をしております。しかし、資本収支の関係から見てまいりますと、対外的な経済援助というものも含めて六・七%のGNPの伸びを図るために、恐らく、これは口にはしていらっしゃらないが、インドネシアのプロジェクト投資の問題や、ブラジルのあの大規模工業開発プロジェクト援助の問題なり、あるいはイラン等におけるところのエチレン工場の建設開発の問題なり、そういうような対外投資によりましてGNPを伸ばしていくという方向の中で問題が検討をされているのではないだろうか、こういうふうに考えるわけです。 そこで、外務省の方からも見えておりますから、ことし、海外におけるそういうようなプロジェクト投資がどういうふうになっているのかという点を、時間の関係で大まかに説明を願いたいと思います。 それと関連をいたしまして、一月末で経常収支が三十一億二千六百万ドルもあるのに、来年度は経常収支において七億ドルのマイナスになるという積算をされたその根拠は、一体どこにあるのか。そういうふうにするためには、長期資本を海外に投資をするという形の中で操作をするつもりなのかどうかですね。資本のいわゆる海外投資の問題との関係があるのかどうか。その点だけお答えをいただいて、私の質問を終わりたいと思うのです。その点を説明を願っておきたいと思います。
○中村説明員 ただいまの御質問の点につきまして、御説明申し上げます。 昭和五十二年度の政府開発援助予算は、外務省で仮集計いたしましたところ、総額約五千四百八十五億円、そのうち、円借款及び投融資といたしまして、協力基金が二千四百十億円、それから輸出入銀行六百五十六億円、国際協力事業団によります投融資額が百七十二億円ございます。また、今後、この借款あるいは投融資の額を、地域的にあるいはプロジェクト別にどういう形で配分していくかにつきましては、今後、関係省庁とも協議の上、実施してまいりたいというふうに考えております。
○倉成国務大臣 いまのお話の経常収支は、貿易収支と貿易外収支とのものですから、資本収支とは直接関係がないと思います。
○村山(喜)分科員 いや、それにしても三十一億ドルも黒字になっておるのに、なぜ七億ドルに急減するのですか。
○倉成国務大臣 二の基本的な考え方は、世界の貿易も鈍化するので、日本の輸出も少し減ってくるだろう。一方、景気の回復に伴って輸入がふえてくるであろうという貿易収支の黒字の問題と、それから貿易外収支がやはりこれから少しふえてくるということで、差し引き経常収支が七億ドルの赤字、こういう計算をいたしておるところでございます。
○村山(喜)分科員 終わります。
○稻村主査 これにて村山君の質疑は終了いたしました。 次に、兒玉末男君。
○兒玉分科員 きょうは、国土庁、環境庁並びに経企庁の関係についてお伺いをしたいと思います。 まず、長官にお伺いしたいのですが、五十二年度の経済見通しの中で、特に物価の上昇率を八%、そして本年度は、医療関係あるいは交通関係等、また電電を含め、最近では石油の値上げも言われておるわけでございますが、この中に公共料金の寄与する率は二%以下に抑える、こういうような方針が言われているわけでございますが、これについて長官の見解を承りたいと存じます。
○倉成国務大臣 御案内のとおり狂乱物価時に公共料金を非常に抑えました。したがって、そのつけが五十一年度にかなりやってきたということで、物価上昇に対する公共料金の役割りが非常に大きかったと率直に思います。五十二年度におきましては、予算の中で見られます公共料金というのは、電電の積み残し、それから国鉄の九月からの一九%のアップということで、両方で〇・八%というのが予算の中の大体公共料金の値上げでございます。そのほか、いろいろ各公共料金ございますけれども、これはいまから、一体お米がどうだ何がどうだということを想定するわけにはまいりませんので、一概に申すことはできませんけれども、総じて言えますことは、五十一年度よりは五十二年度の方が、公共料金の押し上げる要素は少ないというふうに考えるわけでございます。電力とかガスとか、そういうのも一巡いたしておりますので、そういうことも言えるのではなかろうかと思うわけでございます。
○兒玉分科員 長官に重ねてお伺いします。 先般、日石のキロリットル当たり二千円の値上げ案というものが新聞で報道されておりますが、石油の値上げが及ぼす影響というのは特に交通機関関係を含めて非常に大きいわけですが、これらの値上げについては、どういうような対策を講じようとされるのか、この点お伺いしたいと思います。
○倉成国務大臣 原油値上げは一〇%と五%でございまして、平均して七、八%ということになろうかと思うわけでありますが、卸売物価には、直接が〇・三%、間接を入れますと〇・七、八%の値上がりになろうか。消費者物価には大体〇・三%程度のアップ率になるということになるわけでございますが、当面、為替の円高もございますし、これは民族系と外資系とで大分採算が違うようでございますけれども、とにかく灯油というのが、いまちょうど需要期に入っておりますから、需要期については灯油の価格が値上がりしないようにという行政指導を、通産省の方でしていただいておるという状況でございます。
○兒玉分科員 長官も十分御存じだと思うのですが、現在たとえば、東京都の地下鉄、あるいはバス関係で関東ブロックの百六十社が平均一九・四%、それから関西の近畿ブロック六府県が平均二二・四%、こういうような値上げがすでに申請をされていることは御存じかどうか。
○倉成国務大臣 承知しております。
○兒玉分科員 この申請がもし認可をされますならば、自分たちが調査したところでも、引き続き、たとえば東海、北陸、羽越、中国、四国等二十六県においても、そのような比率で値上げの動きがあることが報道され、さらにまた北海道なり、あるいは九州の場合でも、その例外ではないと思うわけでございます。このような交通機関の値上げは、直接庶民の生活に重大な影響を与え、言われている公共料金関係の寄与率を二%以下に下げることはきわめて困難じゃないか。また消費者物価指数の上昇率の八%目標もきわめて困難じゃないか。 先般の共同通信による世論調査でも、大多数の国民が物価の抑制に対する期待をしていることが報道されています。その点からも、これらの交通機関関係の対策について、特に経済閣僚として物価関係の主管大臣として、どういうふうな見解をお持ちなのか、お伺いしたいと思います。
○倉成国務大臣 ただいまお話しのように、交通関係の運賃の値上げが国民生活に非常に重要な影響を及ぼすということは、御指摘のとおりでございます。そのことを踏まえまして、これらの申請に対しましては、十分国民生活への影響度を考えながら、また同時に、余り長く企業の赤字をほっておくということになりますと、かえって将来大幅な値上げをしなければならないということにもなりますし、企業の健全な運営が損なわれる。国鉄が一番いい例でありますけれども、そういうことになりますので、そういうことを勘案しながら対処してまいりたいと考えておる次第でございます。
○兒玉分科員 まだ審議に入っていませんけれども、今回国鉄の法定制緩和の問題が提起をされまして、もしこれが通りますと、少なくとも二五%までの値上げについては大臣の認可制、こういうことになりますれば、今後、国鉄運賃制度について、利用者への安易な負担ということが行われるのじゃないか。これが与える国民生活への影響というものは、きわめて重要なものと考えますが、長官としてはどういうふうにお考えか、承りたい。
○倉成国務大臣 国鉄の経営が非常に破局的な状況に達しているという現状を考えてまいりますと、臨時的な処置としてただいまのような処置がとられることも、やむを得ないんじゃないかと思いますが、これはあくまで臨時的な措置ではなかろうかという感じを持っております。
○兒玉分科員 これは長官の所管ではございませんけれども、やはり経済企画庁として、今後の総合的な交通政策、並びに先ほどエネルギーの問題も指摘がありましたが、限られたエネルギー資源であり、原子力の問題、石炭の問題等にしてもなかなか容易ではない。そういう時点から考えますならば、やはり貨物なり旅客等の大量輸送機関に対する抜本的な対策を講じること。できるだけわずかのエネルギーで大量輸送できる国鉄、バス、こういう大量輸送機関に対する国の積極的な施策がこの際強く要望されるのではないか。エネルギー資源の関係を含めて、再度、長官の見解を承りたいと思います。
○倉成国務大臣 省エネルギーという見地から、産業面での問題、また生活面の問題、特にまた、いま御指摘のように、交通面から省エネルギーということをもう少し基本的に考え直したらどうかということになりますと、総合交通体系の問題になろうかと思うわけでございます。政府といたしましても、石油ショック前の時点において総合交通体系の一つの提案をまとめたことはございますけれども、石油ショック後の総合交通体系というのは、政府としてまとまった意見が今日まだないという状況でございます。したがいまして、御指摘のように、省エネルギーという立場からこれからの総合交通体系をどう考えていったらよいか、その中で国鉄などをどういうふうに位置づけたらよいかということを、やはり早急に考えなければならないのではなかろうかと思っておるわけでありまして、いろいろな御提案やいろいろな考え方がすでに出ておりますので、私どもでもその勉強をいまいたしておるところでございます。
○兒玉分科員 これは長官か局長でも結構ですが、先ほど寄与率について長官から若干の御説明がありましたが、経企庁としては、総体的な二%の内容についてもし発表できましたならば、ここでひとつ説明を願えれば幸いだと思っております。
○藤井(直)政府委員 ただいま公共料金の来年度の見通しについて大臣が御説明したわけでございますけれども、実は公共料金は全体として、申請に応じて査定をしていくというたてまえをとっておりますので、予算関係の主なもの、国鉄とか電電等を除きましては、明確にその積算を申し上げるということはできないわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、五十一年度に二%強ということでやってきたのは、主体となる国鉄、電電等については、五十二年度には値上げ率がかなり低くなりますので、その面での公共料金からの物価引き上げ要因というのは落ちてくるだろう。それから電力その他もなくなるわけですから、そういうことを考えて、二%強というのは大体二%程度になるのではないか、そういうふうに考えております。
○兒玉分科員 いまの御説明では、国鉄、電電以外の場合は、その寄与率の算定が不可能というのじゃなくて、なかなかむずかしい、こういうふうに理解をするのですか、どうですか。
○藤井(直)政府委員 非常に予測が困難だということでございます。
○兒玉分科員 一応、今後の要望として、できるだけこのような国民生活に与える影響というものを考慮しながら、特に公共料金関係の対策については、ひとつ前向きの姿勢で取り組んでいただくことを要望いたしまして、経企庁に関する分を終わりたいと思っております。 次に、国土庁と環境庁にお伺いするわけですが、まず国土庁にお伺いしますが、現在、鹿児島県が、宮崎県との境界にあります志布志湾の、いわゆる志布志湾開発計画というものがああるわけでございます。この新大隅開発計画というのは、特に志布志湾を約一千百六十ヘクタール埋め立てをし、これに対しまして、総費用は約一兆四千億、しかも世界一の規模と言われるCTS、石油精製基地にしたい。そして日産三十万バーレル、約五万トンの巨大な石油精製工場を設置するということが報道されておりますが、これは特に地域においては大変な問題でございまして、四日市の例が示しますように、環境破壊であり、しかもこれが及ぼすところの影響は、沿岸漁業等は壊滅的な状況に至るというのが、いままでの具体的な資料でも指摘をされておるわけでございますが、国土庁としては、この問題については、いまどのような対応を考えているのか、お伺いしたいと思います。
○富永説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘の新大隅開発計画につきましては、昨年の六月に鹿児島県が新大隅開発計画案という形で発表をいたしまして、私どももその案の説明を受けたわけでございますが、新大隅開発計画の案が発表されました当時、鹿児島県と宮崎県と協力いたしまして環境面の調査というのを実施しておったわけでございますけれども、その調査の結果につきましての取りまとめというものが、昨年六月の段階ではまだはっきりしてなかったわけでございます。その調査の結果の取りまとめが明らかになりました段階で、鹿児島県と宮崎県との間で協議を進め、その中身につきまして検討を加えた上で、合意に達することにつきまして十分検討していこうというふうに話を聞いておりますので、私どもといたしましては、その協議の結果がどうなるかということも踏まえて、関係各省とも十分協議をしながら、この計画をどう取り扱っていくかということを検討したい、そういうふうに考えているわけでございます。
○兒玉分科員 再度、国土庁にお伺いしますが、現在これで最も被害をこうむる隣接の串間なりあるいは日南、南郷、こういう自治体関係は、いずれも反対の姿勢を示しているわけです。ですから前の国会の場合でも、やはり地域住民の同意がなければこれは絶対に認めない、こういうようなことが再々言われているわけですが、これらの点についてはどういう見解か、お伺いします。
○富永説明員 お答え申し上げます。 鹿児島県の計画を拝見いたしましても、計画の中では、今後の環境調査の結果を踏まえまして、宮崎県と十分連絡調整をとりながら計画をして決定する、そういうふうに書かれておりますし、私どもも、県の方からそういうふうに伺っておりますので、その調査の結果、宮崎県と十分御協議をいただいた上で、その結果を踏まえて検討していくということでありまして、その両県の協議が十分整わないうちに私どもとして、この計画を位置づける、あるいは基本的な方向を考えるというような考え方は持っていないわけでございます。
○兒玉分科員 いま三全総が策定の中にある、こういうことを言われているわけですが、いまの御答弁は、このようなすべての条件が整わなければ新しい総合計画には入れない、こういうように理解していいのかどうか、お伺いします。
○富永説明員 現在、三全総につきましては策定の検討を進めている段階でございますけれども、三全総策定の過程におきましては、新全総の策定後の経済情勢の変化でございますとか環境問題の重要性、そういったことを十分考慮に入れまして、それからそれぞれの地元のコンセンサスを十分得た上で開発計画を進めていく、そういう考え方に立ちまして見直しをやっているわけでございますので、十分地元のコンセスサスを得たものについて検討を進めていくということになろうかと思うわけでございます。
○兒玉分科員 これは富永さん、作業を進める主体は鹿児島県にあるわけです。実際にこれによって住民が非常な被害を受ける。いわゆるもらい公害と言われているわけですが、これは宮崎県側にあるわけですね。それで鹿児島県側の進め方は、県議会でも反対請願等を強引に押し切って決めたといういきさつがあるわけです。しかも第一回目の計画は、両県の徹底的な反対でこれが実現を見なかった。それで前金丸知事が、今度は再度練り直しをして、大変強引なやり方でこれが実現している。そうしますならば、やはり私は、被害を受ける宮崎県側の意向というものが最も尊重されてしかるべきだ、こういうふうに考えるわけですが、その辺の関係はいかがですか。
○富永説明員 お答え申し上げます。 現在、行われております環境面の諸調査におきましても、四十七年以来、宮崎県と鹿児島県の間では、いろいろ連絡調整をとりながら進めてこられたというふうに伺っているわけでございますが、いわば両県が協力して調査をやっておられるというふうに伺っておりまして、その調査の結果を十分踏まえて、両県が合意に達しられるような御努力をなさっているというふうに伺っておりますので、私どもといたしましては、そういった地元でのコンセンサスが得られるということにつきましては、十分期待申し上げ、それを見守っている、そういう状況でございます。
○兒玉分科員 再度お伺いしますけれども、約一千二百ヘクタールという広大な海水面の埋め立てですが、公有水面の埋め立てというのはどこの認可事項になるわけですか。所管はどこでございますか、お伺いします。
○富永説明員 いま現在計画にのっております千二百ヘクタールの地域は、もし港湾地域ということになりますれば、運輸省の所管ということになろうかと思います。
○兒玉分科員 次に環境庁にお伺いしますが、すでに地元から再三にわたり長官にも陳情やら署名の提出もあったと思うのですけれども、環境庁としてこの問題は大変な問題でございまして、少なくとも環境破壊ということは、どのように公害防止の面が強調されましても、全く公害がないという保障はあり得ないと思うわけですが、この大隅開発について、環境庁としての立場について見解を承りたいと思います。
○大塩説明員 現在、環境庁といたしましては、新大隅開発計画に関与いたしておりませんけれども、将来この計画が具体化されるという段階におきましては、環境庁といたしましては、徹底した環境影響調査を行い、いわゆる環境影響評価を実施して、関係者の意見を聞いた上で計画を決定すべきであるというふうに考えております。
○兒玉分科員 環境庁にお伺いしますが、現在の開発規模による、特に三十万バーレルの精製工場の場合に、いわゆるこれが与える影響でございますね。これは恐らく私は科学的にデータはあると思うのですが、たとえば、タンカーからの廃油なり、あるいは精製過程における海水の汚染、いろいろな科学的な反応なり、あるいは大気汚染ということは、絶対に避けられないと思うわけでございますが、このような規模における石油精製基地においての自然環境への破壊度といいますか汚染、そのようなものをどのように検討されているか、お伺いしたいと思います。
○大塩説明員 先ほど申し上げましたように、環境庁といたしましては、新大隅開発計画の内容について県から資料の送付を受けている段階でございます。この中に記載がございますが、石油精製あるいは石油備蓄、あるいは食品加工とかいうような業種は想定されておりますが、具体的な規模等については今後の調査結果によって決める、このように承知いたしております。 環境庁といたしましては、当然、従来各地域におきまして、既存のこうした業種で問題がなかったというわけにはいきませんので、そういった過去の前例を十分参考にいたしまして慎重に検討したい、このように考えております。
○兒玉分科員 いまの環境庁のお話では、具体的ないわゆる規模というものは、まだ十分に承知をしてない、こういうふうな御説明ですが、国土庁にお伺いしますが、もうすでに新聞の報道でも何回となく報道されておりまして、鹿児島県側のいわゆる開発規模というものは、もう詳細にできているものと私は理解しているわけですが、その辺はいかがですか。
○富永説明員 お答え申し上げます。 昨年六月の段階におきまして県が発表しました新大隅開発計画案という中での工業開発につきまして、その計画を拝見いたしますと、若干の業種あるいは埋め立ての規模、そういったことについての記述はございますけれども、県の計画案の中には、工業開発につきましてのアセスメントを行った上決定するというふうに述べられておりますので、この計画案の数字がそのまま今後決定していく、そういうふうには考えておりません。
○兒玉分科員 環境庁にお伺いしますけれども、いま富永参事官から説明がありましたように、現在の県の開発構想というのはもう決まっているが、最終的にどう落ちつくかはまだ今後の問題だ。とするならば、申し上げているように、三十万バーレルの精製の規模であるということは、はっきり数字が出ているわけですね。そうするならば、このような巨大な精製規模であるならば、これがこの海域に与える影響、あるいは大気汚染への影響ということは、恐らく科学的に分析し、その数量から割り出すことは、既成のいわゆる石油基地の例から見ても大体の数値は出ると思うのですが、その辺の作業を進めながら、やはり関係の住民が十分理解できるような統計的な数字を示すことが、私は住民に対するところの理解を深め、あるいは今後のこのような公害なり環境破壊を防ぐところのきわめて重要なポイントをなすものではないかと考えるわけですが、現在、鹿児島県が進めている構想に対応する環境庁側の姿勢というものを明らかに示すことが住民への善意のあり方じゃないか、こういうように理解しますが、いかがでございますか。
○大塩説明員 先ほどお話し申し上げておりますように、環境庁といたしましては、この新大隅開発計画が、政府としてどのように今後の手続、位置づけを行うかということが決まりますれば、昨年むつ小川原の総合開発計画の策定に先立ちますアセスメントを、環境庁といたしましては青森県に対して指針を出してございます。この指針の中で、先ほどございましたような業種を想定したどのようなアセスメントを行うかという細目を指示してございますので、私どもといたしましては、そういう段階になれば、三十万バーレル、これはわが国では現在のところ最大規模の容量でございますので、そういうことを前提にして細目の調査が行われるように、あらかじめガイドライン等を指示していきたい、そのように考えております。 なお、私どもも、むつ小川原の場合でもそのように述べてございますが、調査した結果につきましては、公開して意見を求めるということが必要でございまして、そういった場合、当然、関係住民の意見も聞く手続をとるべきである、そのように考えております。
○兒玉分科員 時間が参りましたが、最後に、この志布志湾というのは、この一帯が国定公園に指定されております。この場合、その大前提は、開発行為を行う場合は当然この指定解除がなされなければいけない。その指定解除のいわゆる権限はどの所管になるのか、最後にお伺いして終わります。
○大塩説明員 御承知のように、この地区は国定公園の区域でございます。この公園の中あるいは隣接して開発が具体的に行われる規模によって、環境庁としての関与の仕方が若干変わるということも考えられますが、基本的には自然公園法に基づきまして環境庁長官に協議があるというのがたてまえでございます。
○兒玉分科員 では終わります。
○稻村主査 これにて兒玉君の質疑は終了いたしました。 次に、竹本孫一君。
○竹本分科員 私は、きょうは質問ということではなくて、私が最も信頼をしておる経済に明るい経済企画庁長官に、経済政策のあり方について少しお願いをしておきたいということであります。 私は、日本の政治あるいは経済というものには、政治性と科学性が足りないと思うのです。ステーツマンシップと科学的なデータに立った施策が足りない。政治性と科学性が足らない。京都の哲学者田辺博士の本に「政治と科学の間」という本がありますが、政治も政治性、科学も科学性、ともに足りぬのではないかという点を、いつも心配をいたしておるのです。それが経済運営の面にはどういうふうにあらわれておるかという点について、私は前から日本の政治あるいは政府・自民党の政治のあり方について、こういうふうに言っているのです。第一はツーレート、常に打つ手がおくれている。第二はツーリトル、常に小出しに過ぎる。第三はトーンが低い、ツーロー。この三つが日本の経済政策の悪いマイナスの特色だというふうに考えておる。そこで経済運営の中軸におられる倉成さんにお願いですけれども、ぜひひとつ、今後の経済政策を考えられる場合に、ツーレートではないか、ツーリトルではないか、ツーローではないかという点を頭のどこかに入れておいて御判断を願いたい。 きょうのお願いはそれだけなんですが、若干の私の意見を申し上げさせていただくならば、第一のツーレートは、これはインフレの過程において、その対策を講ずる場合にも、最近のように経済不況になるときのその対策を講ずる場合にも、常に半年おくれている。大きいものは一年おくれている。私がこの前ドイツのある友人に会いましたときに、彼は物価政策、物価対策等についてドイツは常に日本より半年前に行っておるということを非常に誇らしく私に自慢しておりました。なるほど、これは偶然の一致だ、私は常に半年おくれていると言っているんだから、あなたと同じ内容だと言って笑ったことがありますが、インフレに対策を講ずる場合も、デフレに対策を講ずる場合もツーレート、少なくとも半年はおくれているということでありますが、長官はどういう感じを持っておられるかということです。その点からひとつ御意見があれば伺いましょう。
○倉成国務大臣 ただいま非常に貴重な御意見をいただきましたが、私はやはり、いろいろな対策を考える前に、現状がどういう状況にあるかということを的確につかむことがまず大事じゃなかろうか。認知をどういう形でやるかということではないかと思います。この点に関しまして、それぞれの政府機関のそれぞれの手段を通じてやっておりますけれども、率直に申しましてまだ不十分であると思っております。したがって、経済の現状を的確にどういう手段でつかむかということを、これから工夫していかなければならないということを、企画庁の中でも関係の局長諸君といろいろ相談をいたしておるところでございます。
○竹本分科員 私はインフレ対策についてもそうだと思いますが、ヨーロッパに行ったときに、スイスの国立銀行の総裁に会ったことがあるんですね。そのときに彼が、経済政策で一番大事な問題はタイミングである、タイミングがおくれては何もならない。インフレに対する手の打ち方がよその国は大体おくれておるということを非常に厳しく言っておったのが印象に残っておるのですけれども、インフレ対策もタイミングが大事だ。もちろん長官の言われるように、データも十分集めて現状認識も正確にしなければならないし、関係官庁との連絡もとらなければならぬでしょうけれども、最終的な手を打つタイミングがおくれてはどうにもならない、こう思うのですね。 事実を言えば切りがありません。時間もありませんが、たとえば今度の公定歩合にしても、〇・五の問題は一応後で申しますが、とにかく心理的に新鮮なショックを与えようというのが、ぼくは公定歩合を下げる心理的効果だと思うのですね。ところが、たなざらしになったように、だれもかれもが、もう秒読みの段階だと言うようになるほど時期おくれになって、みんなが催促をし、証券界も催促をして、やっとやるというようなことで、これは日本銀行の問題かもしれませんけれども、今度の公定歩合の引き下げでも半年おくれておる。そういう意味において、とにかく、すべてタイミングがおくれ過ぎはしないか。次の手を打つときには、ぜひひとつ、その点を十分考えていただいて、ジャスト・イン・タイムになるように、間に合うように手を打ってもらいたいということが、まず第一の要請であります。 第二番目の問題は、ツーリトル、すべて小出しに過ぎるという問題であります。日本の公定歩合の引き下げは今回五回目ですか、例を見ればわかるように、最近公定歩合がありましたから公定歩合で言いますが、〇・二五、〇・二五というような調子でいく。それはある意味においては慎重だということになると思いますよ。しかしながら、政策手段を講ずる場合の目的は何かと言えば、これによって、一つの心理的なショックというか、刺激というか、それを与えようというのであれば、刺激を与え得る程度のものでなければ、ぼくは意味がないと思うのですね。今度は〇・五。これも一%はやれという人もあるし、中には二%というはでなことを言う人もおります。これもいろいろあるでしょう。あるけれども、やはりツーリトルのそしりは免れない。福田さんのごときは、翌日でしたか当日でしたか、機動的に考えるというので「もう次のおねだり」と新聞の見出しがついておりましたけれども、次の公定歩合の引き下げはいつやるのだ、今度は幾らやるのだということを催促をする、注文をつけなければならぬような程度しかやらないのですね。そういうことでは、せっかくの公定歩合引き下げの心理的効果も幾らも出てこない。減税だってそうだと思うのですが、これはインフレの問題が別途ありますから。しかし、いずれにしてもツーリトルでも、これはまた効果がないのではないかという点も、私は政府が手を打たれる場合に常に感ずるものです。その点についても、長官のお考えがあれば承っておきます。
○倉成国務大臣 タイミングとあわせて、政策が効果があるように心理的な面を十分考えろというお話でございます。私も全く同感でございます。最近の経済が、論理的に動くというよりも、ある意味においては心理的な要素が非常に大きい。企業家の心理にいたしましても、個人の消費性向にしても、そういう感じがいたすわけでございます。そういう心理的な要素で経済が動くということを頭の中に入れながら政策というものは考えていかなければならないという点は、竹本先生のお考えと私全く同じ考えを持っております。
○竹本分科員 マーシャルであったと思いますが、経済は経済心理学であると言った言葉がある。要するに、最近の不況というものは、不況になるんだということで必要以上に萎縮して、必要以上に不景気を招き寄せている。この点では私は、経済企画庁で出された前期経済計画といいますか、あれの閣議了解を得た五十年の一月ですか、それから閣議決定をした五月。この二つを見て驚いたのですけれども、一番言いたいことは、一月の閣議了解の中には書いてあるのですね。それは、いまの経済は企業も個人も将来に対して非常な不安感を持っておる、そして全然確かな見通しがない、それがためにみんなが萎縮して経済は悪循環をしておるということが書いてある。私はいままさにそのとおりだと思うのですね。しかもその一番大事なところが、どういうわけか知らぬけれども、閣議決定の方には、ほかの形で文章がちょっと書いてあるところがありますけれども、大体その節は消えちまっているのですね。しかし、いま一番大事な問題は、マーシャルは別としても、その萎縮心理である。これに活を入れなければならぬということで、以上のことを申し上げたわけであります。 第三番目の問題は、ツーローと言っておりますが、私が勝手につけた単語ですから、それこそ科学的じゃないかもしれませんが、調子が低いということは別の言葉で申しますと、改革の意図と改革の戦略がない、こういうことなんですね。福田さんは、資源有限、連帯と協調ということを言われた。まさにそれはそのとおりでございますから、卓見であると思います。そして私は、福田さんにも倉成さんにも、そういう線でひとつ大いにやってもらいたい、こう思うのです。そして坊大蔵大臣の施政方針演説の中には、油ショック以後の構造変化にいかに対応するかということが一番大きな問題である、こう書いてある。それも言やよしですね。そのとおりなんです。資源有限そしてこの客観情勢の変化に対応する構造変化が要るんだ、あるいは構造変化に対応する構造改革が要るんだ、こう書いてある。しかし、これは悪口を言うわけではなくて、お願いをするわけですけれども、われわれは、政府・自民党さんの御努力を評価する面は評価しておりますが、じっと見ておって、それではいま、この政府は何をどの程度まで改革をしていこうとしておるのかということについて、強い印象が何もないのですね。一生懸命やっておられるなということは感じますけれども、何をどうしようとしておるのかということについて、全然われわれにはわからない。ぼくらにわからないのだから、国民にはなおわからないと思うのですね。それでは政治も本当に生きた政治にはならぬ。資源有限だ、だから何をどうしようというのか、いつまでにどうしようというのかという点が、何も明確に示されていない。そして言葉はありますけれども、この戦略判断というものがない。 きょうは減税論争をやるわけでもありませんから、ただ私が、あの一兆円減税について非常に熱心に今度やったつもりなんですが、そのやった理由を簡単に申し上げます。 それは、いまの経済の現状は、政府が考えておられるよりも、より深刻だとぼくは思っておるのです。これではもう絶対景気は出てこない。いつか、それこそ経済企画庁の次官ですか、宮崎さんという方でしたか、小島だったか忘れたが、次官が、景気はこれでよくなりそうだ、回復基調に乗ったようだと言って何か大きく新聞に出た。詳しく読んでみると何も根拠はないです。十一月の鉱工業生産が二・二%ふえたというのと出荷が三・五%ふえたという程度が根拠になっておって、経済全体の動きについて何の分析もない。何言っているんだとぼくは思っていたら、その翌月からだんだん経済また危なくなってきた。そこで私は、この不況というものの認識が、経済が非常に深刻だということが、どうも政府に本当にわかっていないのではないかという心配を一つ、している。その深刻な経済現状の認識がないために、受けとめ方がきわめて平板で事務的になり過ぎている。どういうふうにこの経済を受けとめていくのか。 私の結論を申しますと、私は、日本の経済はそれこそ、いま油ショックの大きな構造変化に対応するように、根本的に、それこそ福田さんの言われる出直し改革をやらなければだめだと思うのですね。構造改革をやらなければだめだと思うのです。しかしそれには戦略判断が要る。たとえば、これは大蔵省の問題になるかもしれませんが、中期五年間の財政の収支試算を見ると、五十二年度のやつはこれで別として、五十三年度は五十二年度の十八兆円の税収にさらに二七・四%ふえるという計算になっている。そして五十五年には公債をなくしようという。気持ちはわかりますが、そうなっている。 私は、野党同士が今度の一兆円減税を論ずるときも、企業に増税をするというやり方は反対だ、私は反対だということをはっきり言った。それは景気を刺激しなければいかぬ、刺激しなければならぬ段階において、あれもこれもと増税をぶっかけていけば、企業はますます萎縮してしまう。だから、景気浮揚という根本の目的と合わないから、書いておくことはまあいいけれども、本当は私は反対だということを、みんなの政審会長会談でもはっきり言った。ところが、政府の方の計算では、五十三年度は二七%も五十二年度よりも増税をしなければならぬということで書いてある。何をやるかは書いてありませんけれども、しかし、どこから取るかは別として、取らなければ増収にはならないのですね。ところが、いまのような不況の中で、来年度二七%税金をふやすという方法は一体あるかということですよ。 私は本当のことを言えば、増税をやるためにこそ減税を一遍やらなければいかぬ。それが戦略判断。私は一歩後退、二歩前進ということをずっと言い続けておるのです。一歩後退して国民に活を与える、心のゆとりを与える、そういうことを一遍やって、ちょっと、息を抜かせなければ——もしやるのならば、本当は石油ショックがあった、そのときにやるべきなんです。あのときに大号令を出して、日本は大変なことになった、昔で言うならば経済国難、国会決議案をやったことがありますが、そういう決議案でも出して——ぼくは中曽根通産大臣のやり方に非常に不満を持っておったのですけれども、たとえば石油ショックだと言って、長官よく御存じのように同じく二億七千万キロリットルくらいの石油を買うのに、四十七年ごろは四十億ドルでしょう。いまは二百億ドル超えたでしょう。そうすると百六十億ドル、同じ量の支払いをするのにドルが、それだけよけい要るのですよ。だから私は、みんなにわかりやすく百六十億ドルというのは簡単に言えば、日本の自動車の輸出の全部と鉄鋼の輸出を全部合わせたものだ。したがって石油ショックがいかに重大であるかということを考えるには、日本のつくった自動車と鉄は全部太平洋に投げ込んだと同じだ。それだけわれわれの生活水準を下げるか、それだけわれわれの生産性を向上させるか、それしか方法はないのです、対策は。ちょっと銀座の街灯、ネオンを落として消してみて、それから石油が入るから大丈夫だといって、またもとへ戻したでしょう。どこに構造変化に対応する気魄と政策があるかということですよ。ネオンをちょっと消して、またつけただけでしょう。だんだん中曽根さんの話なんかを聞いてみると、石油入らぬと思ったけれども入るから、まあよかったというだけなんです。 しかし、経済政策から言えば、百六十億ドルの過重の負担を、どう国民が消化するかという問題がなければ、経済政策にならぬでしょう。そういう意味の国民にわかるような経済政策なり対応というものが全然ない。もし資源有限、節約第一というならば、福田さんが言うのは、私に言わせれば、石油ショックを受けたときに、ドライブレス、ヒートレス、暖房もやめましょう、ドライブもやめましょうとアメリカは言って、フォード自身ある得度やったでしょう。あのときに日本も本当に生活程度は五%下げるのだということを国民に訴えるべきですよ。そんなときには何にもしないで、そしてもう石油が入ったから——入るのはあたりまえですよ。向こうは売らなければ食っていけないのだ。物理的に入るということと、経済的支払いがうまくいくということは別問題です。それに対して政府の経済政策は何にも説明しなかった。何の対応もしなかった。そういう意味で、石油ショック、資源有限、これはこれからの日本の経済を、下手をすれば五年、十年の長きにわたって、新しい情勢に対応するように、ソフトランディングとかなんとかうまいことを言っていますけれども、本当に構造改革をやらなければだめなんですね。したがって、構造改革に耐え得るような国民経済の体質と、構造改革に耐えていこうという国民の気魄と精神のあり方を変えるという大きな政治が、ここで必要だと思うのですね。それがどうも何にも感じられない。それを私はツーロー、こう言っているのです。 私どもは、減税の財源なんかも、いま言ったように、法人税をかけろとかなんとか言わないし、退職金をどうしろとか言わないし、減価償却をどうしろとも言わないけれども、行政機構の改革は、民間だっていま減量作戦をやらなければ立っていかないようになっているのだから、この際役所だって減量作戦をやるべきだというふうに私は信念を持っている。そういうことから考えまして、とにかく、この構造改革という、産業の重化学工業中心のあり方、あるいは設備投資主導型の高度成長のあり方を根本的に変えなければいかぬでしょう。大変な荒療治なんですよ。その荒療治をさせるためには、一つは福田内閣の支持率が二八%なんということではやはりだめですよ。ここで減税をやるか何をやるかは別として、国民にもう少しぐっと支持を得るような政治姿勢に変えなければ、そんな大改革はできませんよ。 言いたいことがたくさんあるのであれこれ申し上げましたけれども、基本は、内外の情勢から見て五年、十年にかかる日本の産業の大改革をやらなければいけないんだ。いま、やらないで、仕方がないから輸出に中心を置いている。 倉成さんは勉強家だから御存じかもしれませんが、今度の三月四日号ですか、「エコノミスト」を見ると、アグリー・ジャーマンという言葉が出ている。そしてその説明としてアローン・アット・ザ・トップと書いてある。ドイツひとり高いところに立っておって、周りのEC各国はみんな失業とインフレでまいっておる。自分ひとり高いところにとまっている。そういう醜いドイツをヒースリッヘン・ドイッチェンと書いてある。そんなものはいやだ、ごめんだと書いてある。ドイツ記事として読めばそれでわかる。しかし次は日本に来ますよ。日本に来てアグリー・ジャパニーズということになったら、これは反撃はもっと深刻でしょう。しかし、国内の生産力が一〇%以上成長したままにいま来ているのですから、それが七%もむずかしい、六%が危ないというような状態になれば、輸出によってはけ口を見出す以外にないじゃないか。しかも借金でやっている日本の経済だから走らなければどうにもならぬ。そういうことを考えると、輸出中心になるなといったって、ならざるを得ないようにできている。その国内市場を充実するということの切りかえの一歩として私ども減税を言ったのです。単に、人気取りとか、そんなでたらめを言っているんじゃない。私は本当に真剣に考えて言っているつもりなんです。 そういう意味で、構造改革をやるには何年間かかかるが、その何年間かの大改革に耐え得るような体質と耐え得るような政治信頼を獲得しなければならぬ。そのために大きな政治がなければならぬと思うのですね。そういう意味から言いますと、いまの政治には国民にそういう意味での大きな力強いアピールがない。これは私は非常に残念に思います。そういうステーツマンシップといいますか、大きなアピールのない政治というのは、ただ行政の事務の積み重ねであって政治にはならぬ。それをロートーンでなくて格調の高い政治に持っていくように、国務大臣としての倉成さんにぜひ御検討を願いたいと思うのですが、どうでしょう。
○倉成国務大臣 大変次元の高いお話をいただきまして、傾聴いたしました。私は、日本の社会で、明治以来欧米に追いつけ追い越せというのは国民的な目標であり、コンセンサスを得られたと思います。また同時に、中ではいろいろ議論がありましたけれども、高度成長のもとでそれぞれの自分たちの生活をよくしていくという意味では、国民的なコンセンサスがあった。さればこそ池田総理の所得倍増計画というものが国民にアピールした。また、過密過疎というような点で日本列島改造論というものが、今日ではいろいろ批判がございますけれども、一つの国民の共感を呼んだということがあるわけでございますけれども、現在は減速経済下に入った。この減速経済下の中でわれわれが将来にどういう夢を持ち得るか。特に、国民の意識が多様化しておりますので、このコンセンサスを得るということは、言うことはやさしいけれども非常にむずかしい。所得倍増や日本列島改造に対応するような大きな目標を掲げるということは大変むずかしいことだと思っております。 ただ、それでもまだ日本の経済というものは若い経済でございます。労働力を見ましても、日本の労働者ぐらいよく働き規律の正しい労働者はまだないわけでございますし、また、ストックが乏しいということは、逆に投資の機会があるということでもあるわけでございますし、考えようではないか。したがって、少し資源が足らなくても、たとえば多くの材料を使って料理をすることはだれでもできるわけでありますが、少しぐらい材料が足らなくても、これに工夫を加えてまた心のこもった形でやればいい料理ができるわけでありますから、そういう形でこれからの日本の経済をどうやって料理していくかということをひとつ考えてみたいと思っておるわけでございます。 先ほどお話にございましたように、心理的なものというか、やはり単なる物的なものだけではなくして、もう少し違った形で、物事を悲観的に悲観的にと見ないで、もっと明るい面でこの困難に挑戦していこうということが、これからの日本の経済政策としては大切なことではないかと思っております。いろいろそういう面についての勉強を関係の方々といまやっておるところでございます。 きょうはいろいろ貴重な御意見を賜りましたけれども、今後もいろいろ御鞭撻をいただきまして、国民的コンセンサスを得られるような目標をこれから打ち出すために、ひとつ御協力を賜りたいと思うわけでございます。
○竹本分科員 私は、日本の国民あるいは日本の労働者は、いま長官の言われるように、非常に優秀だと思うのですね。私は世界でアメリカを余り高く評価していなかったのですけれども、ドイツ人は科学的にもあるいは芸術的にも非常に高く評価しておった。しかし私は、この前ドイツ社民党に呼ばれまして行って、一カ月一緒に生活をしてみて、やはりドイツ人より日本人の方が優秀ではないかという気持ちをいま持っている。そのくらい優秀な日本国民、日本民族であるけれども、戦後の敗戦ぼけで相当さびがきてしまった。最近、松下さんの二十一世紀の何とかいう本をちょっと読んでみると、日本人は非常に優秀だということが書いてあるが、同時に、玉みがかざれば光なしと書いてある。この玉をみがく意味の、本当の意味の教育改革をやらなければならぬというのが私の持論なんですけれども、それは別としましょう。精神的なそういう努力のほかに、やはり政治で一番大事なことは舞台装置ですね。環境整備、これをやらなければいかぬ。 そこで、私は最後に長官にお願いするのですけれども、三木内閣ができたときに、本会議だったか予算委員会だったか、私は代表質問をやりましたときに、いわゆるドイツの経済安定法というものに見習って日本も経済の基本法をつくりなさいということを強く言いましたが、これはいまの福田総理が非常に熱心なんですね。それで私には、おれの代で必ず実現したいとまでおっしゃった。だから、長官、ひとつ福田さんと話してもらいたい。企画庁におられるときにもいろいろ資料を集めておられたと思いますが、この間、外国から帰ってきたある新聞記者に私は会いまして、日本の経済をいろいろ見ておって感じることは何かと聞いてみると、経済の基本法がないということだと言ったのです。ちょうど私の考え方とぴったり一致しておる。日本の経済には基本法がないです。そしていま百三十万からの企業体が勝手に走る。自由競争原理によって走る。マルクスに言わせれば、生産の無政府状態が必ず来る。事実そうなっておる。その全体を整合性を持たせて一定の方向づけをするという経済基本法がない。私どもは、経済安定・計画化基本法という、ちょっと長い法律を出そうということで実は用意しておりますけれども、ドイツの経済安定法という訳もちょっと間違っておるとぼくは思うのですけれども、とにかくそれは別として、政府で経済基本法をつくってもらいたい。 たまたま今度国鉄が、法律で一遍一遍運賃を上げるのは大変だから、自由裁量を行政当局でできるようにしてもらいたいということで、法定主義を緩和するとかなんとかいま言っていますね。しかし、国鉄以上に大事な問題がある。それは先ほど申しましたように、本当の構造改革をやろうと思えば、社会の経済はいまいろいろ大きな波を打っておりますから、そしてフロート制ならなおさらその波が大きくなりますから、そこで、とにかく経済安定基本法というか、経済基本法というものをつくって、これに十分対応ができをような姿勢を整えなければいけないのではないか。そういう意味でぜひ経済の——国鉄が赤字が出たということで、それを一々国会に相談していたのでは間に合わなくなるからということと同じように、あるいはそれ以上に、これからは増税だって、タイミングをそれこそ失わないように、ある場合には減税をし、ある場合には増税をしなければならぬ。国会の同志から言わせるとしかられるかもしらぬけれども、私はそうすべきだと思うのですよ。それはドイツの基本法によっては、御承知のように、所得税、法人税、投資調整税について、ある場合には一〇%上げる、ある場合には一〇%下げることができるでしょう。そういうような基本的な経済の計画的運営に関する体制を整備することを考えていただきたい。 御意見を承って、終わりにいたします。
○倉成国務大臣 これからの時代を展望してまいりますと、内外ともに非常に不確定な要素が多いと思います。まあ極端に言えば何が起こるかわからない。そういうことに機敏に対応していくことが必要であろうかと思うわけでありまして、ただいまお話しの経済安定法というような問題は、わが方でも内野審議官を中心にいろいろな勉強を進めまして、かなりの資料の整備ができておるところでございます。 しかし、同時に、ドイツの場合には、第一次大戦、第二次大戦後のインフレに対する恐怖と申しますか、そこから生まれたところの、何よりも物価を安定するのが大事だという物価安定のマインド、アメリカであれば独禁法というものがあらゆる政策に優先するという独禁法マインド、こういうものがなければいかに法律をつくっても魂が入らないと私は思うわけでございまして、やはり、その安定法と同時に、非常に時間のかかるむずかしいことでありますけれども、国民の間にそういうコンセンサスを得るような努力を政治家としてやってまいることが必要であろうと思っております。
○竹本分科員 終わります。
○稻村主査 これにて竹本君の質疑は終了いたしました。 昭和五十二年度一般会計予算中経済企画庁所管に関する質疑は終了いたしました。 以上をもちまして本分科会の審査はすべて終了いたしました。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 分科員各位の格段の御協力によりまして、本分科会の議事を終了することができました。ここに厚く御礼申し上げます。 これにて散会いたします。 午後零時四十三分散会