予算委員会第一分科会 第1号
- 発言数
- 328 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1977/03/11
会議録
○木野主査 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査を務めることになりましたので、よろしく御協力のほどお願い申し上げます。 本分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府及び法務省並びに他の分科会の所管以外の事項、なお、総理府につきましては経済企画庁及び国土庁を除く所管について審査を行うことになっております。 昭和五十二年度一般会計予算中、内閣、総理府、ただし経済企画庁及び国土庁を除く所管について、政府から説明を求めます。藤田総理府総務長官。
○藤田国務大臣 昭和五十二年度における内閣及び総理府所管の歳出予算要求額について、その概要を御説明申し上げます。 内閣所管の昭和五十二年度における歳出予算要求額は、八十九億五千四十一万七千円でありまして、これを前年度歳出予算額八十四億九千四百十一万八千円に比較いたしますと、四億五千六百二十九万九千円の増額となっております。 次に、総理府所管の昭和五十二年度における歳出予算要求額は、三兆八千九百二十八億八千四百六十九万三千円でありまして、これを前年度歳出予算額三兆四千百六十九億一千五百二十一万円に比較いたしますと、四千七百五十九億六千九百四十八万三千円の増額となっております。 このうち、経済企画庁及び国土庁に関する歳出予算要求額については、他の分科会において御審議を願っておりますので、それ以外の経費について、予定経費要求書の順に従って主なるものを申し上げますと、総理本府に必要な経費一兆六百七十六億五千八百十一万円、警察庁に必要な経費一千百二十三億二千百八十二万円、行政管理庁に必要な経費百六十三億七千四百七十七万八千円、北海道開発庁に必要な経費四千三百八十六億六千百三十六万六千円、防衛本庁に必要な経費一兆五千三百四十九億三百一万九千円、防衛施設庁に必要な経費一千五百四十九億一千四百二十三万三千円、科学技術庁に必要な経費二千二百四十二億六千三百三十九万六千円、環境庁に必要な経費三百五十五億五千四百九十二万一千円、沖繩開発庁に必要な経費一千二百六十八億三千九百九十三万九千円等であります。 次に、これらの経費について、その概要を御説明いたします。 総理本府に必要な経費は、総理本府一般行政及び恩給の支給等のための経費でありまして、前年度に比較して一千三百五十二億六千百五十八万九千円の増額となっております。 警察庁に必要な経費は、警察庁及びその付属機関並びに地方機関の経費及び都道府県警察補助のための経費でありまして、前年度に比較して百七億一千八百十三万九千円の増額となっております。 行政管理庁に必要な経費は、行政管理庁一般行政及び国の行う統計調査事務に従事する地方公共団体職員の設置の委託等のための経費でありまして、前年度に比較して十四億四千四十一万一千円の増額となっております。 北海道開発庁に必要な経費は、北海道における農業基盤整備、漁港、沿岸漁場整備、住宅、下水道、公園、林道、造林等の事業の経費及び治山、治水、道路整備、港湾整備等の事業に充てるための財源の各特別会計への繰入金等の経費でありまして、前年度に比較して六百八十一億一千三十四万五千円の増額となっております。 防衛本庁に必要な経費は、陸上、海上、航空自衛隊等の運営、武器車両及び航空機等の購入並びに艦船の建造等のための経費でありまして、前年度に比較して一千六百四十一億六千五百七十八万二千円の増額となっております。 防衛施設庁に必要な経費は、防衛施設周辺地域の生活環境の整備等を一層拡充することにより、関係住民の生活の安定、福祉の向上に寄与するための経費並びに基地従業員対策の充実及び駐留軍施設の整理統合等のための経費でありまして、前年度に比較して百三十三億九千九百二十三万三千円の増額となっております。 科学技術庁に必要な経費は、原子力開発利用、宇宙開発及び海洋開発の推進、防災科学技術の振興、重要総合研究の推進並びに科学技術振興基盤の整備等のための経費でありまして、前年度に比較して二百八十一億一千八百四十七万一千円の増額となっております。 環境庁に必要な経費は、大気、水質、土壌等に関する公害規制基準の強化、公害監視設備の整備、公害健康被害の補償、公害防止事業団の助成、国立公害研究所、公害の防止等に関する調査研究等の公害対策に必要な経費及び自然公園等の維持管理、交付公債による特定民有地買い上げ、自然公園等の施設整備、鳥獣保護等の自然環境の保全整備対策のための経費でありまして、前年度に比較いたしまして五十一億五千三百四十八万一千円の増額となっております。 沖繩開発庁に必要な経費は、沖繩における教育振興、保健衛生対策、農業振興に要する経費並びに沖繩開発事業に要する海岸、漁港、住宅、環境衛生施設、都市計画、土地改良、造林等の事業の経費及び治水、治山、道路整備、港湾整備、空港整備の事業に充てるための財源の各特別会計への繰入金等の経費でありまして、前年度に比較して二百五十三億六千三十八万一千円の増額となっております。 また、以上のほかに、継続費として、防衛本庁において六百八十九億九千五百六十八万二千円、国庫債務負担行為として、総理本府において百十三万九千円、警察庁において百二十四億三千六百五十三万円、北海道開発庁において百八十四億五千百七十四万一千円、防衛本庁において三千六百二十四億四千六百二十九万六千円、防衛施設庁において百八億五千八百七万一千円、科学技術庁において九百七十一億一千二百二十万円、沖繩開発庁において三十四億五百七万円を計上いたしております。 以上をもって、昭和五十二年度内閣及び総理府所管の歳出予算要求額の概要の説明を終わります。 よろしく御審議くださるようお願いを申し上げます。
○木野主査 これにて説明は終わりました。 —————————————
○木野主査 環境庁に関する事項について審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。馬場昇君。
○馬場(昇)分科員 私は、環境庁に御質問を申し上げます。 水俣病センターについてだけにしぼって御質問を申し上げたいと思うのですが、まず最初に、水俣病センターの建設の進捗状況はどうなっておるかということですが、私も概要を知っておりますので、五十三年にオープンできるのか、その内容の主なポイントはどこにあるのか、その完成までの総工費はどれだけか、そういうところにしぼって進捗状況をお知らせいただきたいと思います。
○野津政府委員 水俣病研究センターの進捗状況につきましてのお尋ねでございますが、御案内のとおり、五十年の十二月に関係者によります基本的な構想が決まったわけでございまして、昨年の三月からそれぞれの専門家の方々の御意見をいただきながら、一応建設の基本的な構想を決めたわけでございまして、現在、御案内のとおり、水俣市の大字浜に約二万三千平方メートルの土地を取得いたしまして、敷地の造成工事中でございます。 建物の規模等につきましては、一応本館といたしましては地下一階、地上四階の鉄筋のつくりでございまして、延べで約三千五百平方メートルのものを計画いたしまして、工事契約につきましては、五十二年の三月四日に入札が完了いたしまして、近く建築工事に着工する予定になっているわけでございます。 ただいま御指摘ございましたように、この建物だけでは仕事ができないわけでございまして、その中にいろんな機器が必要でございます。また、特に優秀な研究者が集まっていただくということが非常に大事なことではないかと考えているところでございます。 また、中身といたしましては、いわゆる研究を中心とした形で進めていきたいと考えているところでございまして、研究の中身といたしましては、大きく分けますと、臨床的な研究とそれから基礎的な研究というものを考えているところでございます。その中身につきましては、臨床研究の中にリハビリテーションの研究も含めていくという点もございます。また、基礎的な研究の中には、病理学的な研究あるいは生化学的な研究、さらには疫学的な研究というふうなものを含めまして、従来まで蓄積されました水俣病に関します各種の資料の集積も行うということと同時に、疫学的研究を通じまして、地域の人々に対します健康の管理という形ができるということを期待しているところでございます。 また、予算でございますけれども、昭和五十年度に不動産購入費等で一億五千二百万ほどの予算を消化したわけでございますが、五十一年度、五十二年度にかけまして、五十一年度におきましては施設整備費等で約二億五千五百万、五十二年度におきましては同じく施設整備費等で約四億四千二百万の予算を計上して、ただいま御審議をいただいているところでございます。
○馬場(昇)分科員 五十三年にオープンできるのかということにはお答えなかったのですが、後でお答え願いたいと思うのです。 いまの答弁を聞いておりますと、この水俣病のセンターというのは研究部門を中心としたセンターだ、こういう御答弁でございますが、今度は長官にお聞きしたいのですけれども、水俣病にたくさんの問題があるのはもう御承知のとおりでございまして、先般も質問したんですが、認定促進の問題、これがはかどらないということで多くの人人がもう不安動揺をしておるというふうな大変な問題もありますし、さらに補償をもらった人でもまたもらっていない患者でも非常に生活が苦しいという状況もあるわけでございますし、さらにはいままた世界的な事業と言われますヘドロ処理というものも着工しなければならないという段階に来ておるわけでございまして、たくさんの問題があるわけです。それらは皆重要ですけれども、患者さんたちの一番の願いというのは、認定をしてもらうことでもなしに、あるいは補償金をもらうことでもなしに、何と言っても水俣病を治療をしてもらって、治りたいというのが最大の願いなんですよね。 私の郷里でございますが、私の教え子にも実は患者が大分おります。その中の一人に木下礼子さんというのがおるのですが、これは私が教えましたときにはものすごいおてんばで元気がよかったのですけれども、いま水俣病になりまして非常に苦しんでおるのです。その子供さんが、多分田中総理の時代じゃなかったかと思いますが、母親の苦労、苦しみを見かねて総理大臣に手紙を出したのです。そして、お母さんの水俣病を治してください、そして子供ですから、世界中の偉いお医者さんを集めてお母さんの病気を治してください、そういう手紙を田中総理大臣に出しまして、田中さんはそれに、そういたしましょうという返事を出したというのが新聞等にも載りました。このことでもわかりますように、一日も早く治りたいというのが患者の願いですから、そういう点から考えますと、この水俣病センターというのは、いま研究中心というぐあいに言われましたが、私はその願いにこたえて、三木さんもつくる約束をしたときに、治療をやるんだ、だから治療を中心にという、そこにウエートを置いたようなセンターにすべきだ、私はこういうぐあいに思うのですけれども、それは研究中心になっています。その点についての長官のお考えを端的にお伺いをしておきたいと思うのです。
○石原国務大臣 私も馬場先生のお考えに同感でございます。ただ、これだけの多人数の人たちが多量の水銀に汚染されたというのは人類の一種の処女体験でございまして、現行の医学ではこれを効果的に治す方法がなかなかないということで、水俣病の本拠地でございます水俣に研究センターを置きまして新しい治療法というものを研究するということが主眼と思いますので、何らかそこで研究が実りまして、効果的な治療法が発見されましたならば、これはもう現地のお医者さんそれぞれ御苦労になっていると思いますけれども、センターが中心になって新しい研究の成果を踏まえて患者の積極的な治療に乗り出すべきものだと思います。
○馬場(昇)分科員 中身についてちょっと申し上げたいのです。 治療面の充実というのは長官も私も同じ考えで結構でございますが、実際問題として研究が主で、臨床とかその他の治療というのは研究部門の付属機関みたいなセンターになってしまっているのです。たとえば具体例を挙げますと、入院施設なんかも全然つくらないのです。私はやはり入院施設なんかもつくる必要があろう、こういうぐあいにも思うわけでございますし、それから、いますぐ治らなくても、はりとかきゅうとかで患者さん方が一時的に非常に気持ちがいいとか心が安らぐとかいうので、もっぱらはり、きゅうなんかもやっておられるのですよ。そういう施設もつくらない、こういうかっこうになっているのですが、これは部長でも結構ですけれども、入院施設をつくるとか、はり、きゅう部門をつくるとか、そういう考えはないのですか。
○野津政府委員 地域におきます医療機関の分布状況などから見ました場合には、必ずしも病床数を必要とするという形にはなっておりませんし、特にこの研究センターの非常に大事なことは、地域の各種の医療機関あるいは福祉関係の機関というふうなもの、あるいは保健衛生関係の機関というものと有機的な連携を保つことによりまして初めて国立の研究センターの効果というものが出てくるというふうに私ども考えているところでございます。したがいまして、病床につきましてはこのセンターには設置いたしませんで、むしろ地域にあります数多くの病床との十分な連携を保つことによりまして、特にこのセンターの機能が地域の中に溶け込んで仕事を進めていくのではないかというふうな考え方でおるわけでございまして、現在の段階では病床を持つということは考えておらないところでございます。 また、はり、きゅうの問題でございますけれども、これは私どもも、現在の水俣病に対してのはり、きゅうの効果というふうなものに対してのいろいろな研究などはないかということでいろいろ尋ねてみているところでございますが、現在の段階では、はり、きゅうが直に水俣病の治療に役立つというふうな効果というものは、現在の研究の中身では出ていないという点があるわけでございます。先ほど申し上げましたように、この臨床研究部門の中にはリハビリテーションの部門が含まれておるわけでございます。したがいまして、もし必要であれば、そのいわゆるリハビリテーションという中での効果というものを前提としました治療研究も当然そこで進められるべきであろうと思っておりますし、いま御指摘ございましたはり、きゅうもその中に含められての研究という形で当然進められるべきではないか。ただ、御指摘ございましたように、現在患者さん方は非常にはり、きゅうの効果というものを感じておられるようでございます。ただ、現在のところでは、どうも直に、私どもいろいろ探してみましても、はり、きゅうが直に効くというふうな形での研究の成果がないということは、実態と若干研究がかけ離れているところがあるんじゃないかというふうにも思っておりますので、一つの治療研究の中でのはり、きゅうの効果というものの研究も当然進めるべきことではないかというふうな考えを持っております。
○馬場(昇)分科員 部長のお答えを聞いておりますと、そんなこと、患者に対して非常に冷たく聞こえますし、さらに、四十八年、三木さんが水俣に来てあの悲惨な状況を見て、政治をやっておる者の責任を痛感するという言葉の中から実は約束された事項と食い違っているのですよ。そのときの三木さんは何と言われたかといいますと、水俣病のこのセンターは、研究、治療、リハビリ、作業などを行う総合センターをつくります、公害の原点の水俣に世界に通用するようなりっぱな施設をつくります、総合のセンターをつくりますと、こういうことを患者さんたちに、心から政治家の反省を含めて約束を実はされたわけですよ。そういうセンターにしては、いまの答弁では、どうしても患者さんたちも現在納得しておりませんし、私も三木さんと一緒にその場所におって聞いた一人としては、約束と違うじゃないか、こういう感じもいたすわけでございます。 そこで、長官にお尋ねしたいのですけれども、先ほどからいろいろ問題があるのは御存じのとおりでございますし、いま私が読み上げました三木長官の約束というものを踏まえたならば、今日の問題にどう対応するかということと、三木さんの約束を守るという立場から言いますと、このセンターというのは総合的でなければいけない、世界に通用するようなりっぱなものでなければならないということですが、まず具体的に言いますと、患者がもう底知れずまだおるわけです。この発掘作業というのをやはり国の手、県の手、行政の手でやらなければならない。この発掘作業に対してこのセンターがどう貢献していくかというような問題、それからいま問題になっているのは検診の体制にこのセンターがどう協力しておるか、認定医の問題、これの促進にどうこれが協力していくか、こういうような問題を含めて、ここで、医者が少ないのですから、専門医師をどうやって養成していくかという問題、そういう問題を、やはり機能を持たせる、充実させるということが必要じゃないかと思いますし、三木さんは行かれたときに、患者に対する生涯のセンターだということも言われたわけです。そういうことから言いますと、患者さんたちの、胎児性水俣病を生む可能性があるわけですから、出産の問題、育児の問題、それから、この間若い人たちが、まだ働ける人たちがチッソに向かって職を与えてくれというような交渉もなさったわけですよ。そういう問題、職業訓練の問題、就職のあっせんの問題、こういう生涯の指導、生活の指導、福祉の面、あらゆるものを包含したような水俣病センターに充実強化していかなければ、約束も守れないし、現在の実情に合わないんじゃないか。そういうことでございますので、私ば、いま第一期工事という形で進んでおると把握します。だから、この工事の上にさらに第二期工事を、いま言ったような観点から拡充強化といいますか、それを第二期にまたやるんだという形でもってこのセンターを拡充強化すべきだ、こういう見解を持っておるわけでございますけれども、長官の御見解をお尋ねしたいと思います。
○石原国務大臣 いろいろな御提案があったわけでございますけれども、私も、第一次計画の中にいろいろ入っておりますが、足らない部分もあるいはあるかと思います。これは、まず第一次計画を運営してみまして、できるだけ早く運営の段階で足りない部分を発見し、その上で、第二次計画を考えるべきものがあれば積極的に考えるべきだと思います。 それから、いま部長が答弁いたしましたけれども、決して、患者のためのベッドは原則的には置かぬということではなくて、やはり現行の医学で根治できないこの難病というものをできれば根治する新方法を発見するというのが主眼でございますから、そのためには、決して動物実験だけではなしに、患者さんに来ていただきまして、医者が考えつきました治療法を患者さんに施してみまして、あるいはその期間入院いただくとかいう方法もあると思いますし、いずれにしても、患者さんの御協力で、これは新しい、新規の方法というものを発見することが主眼だと思いますし、そういう意味では、必要に応じては入院の施設もとるということは当然出てくると思います。 それから、いま先生おっしゃいましたように、私も非常に強い関心ございますのは、不全性の胎児性患者、これはもう完全に胎児性のお子さんたちは、まあ社会復帰というのは非常にむずかしいと思いますけれども、不全性の人たちが、やはり働こうとして働けない、そういった問題も、単に医療の面だけではなしに、このセンターの中に一つセクションを置いて積極的にそういうアレンジメントをするということもすべきではないかと思います。 いずれにしても、私、現地に赴きまして、いろいろな声を聞き取りまして、第一次計画に加えるべきものは何であるかということも積極的に検討したいと思っております。
○馬場(昇)分科員 長官もまた行かれる問題について、後でちょっと希望を申し上げておきたいのですけれども、本当に生けるしかばねのようなあの患者はたくさんおられますし、たとえば、もう生けるしかばねですから、言葉は悪いのですけれども、植物人間と言われて、これは使ってはならないと思いますけれども、そう言われておるのですが、茶わん一ぱいぐらいの重湯を入れると、吸引力がないものですから、一時間も二時間も自然の落下で生きているというような人がおりますし、それは意識がないのですけれども、意識のある人は一日じゅう泣いているのですよ。私のような大きい体の漁師の人なんか、日に五十回も六十回もけいれんする。まさに生き地獄なんです。だから、そういう中で、やはり治療というものは何としても確立していただきたいと思いますし、さっき私が言いましたようなもろもろの問題でここで議論する時間もないのですけれども、たくさんの希望なりあるいは要求があると、その基盤には、また政治家は約束を守ってくれ、三木さんの約束はどうなるんだというようなこともございますから、いま長官の答弁で私もある程度納得したのですけれども、ぜひやはりセンターを充実拡充するという中で、必要があれば第二次というような、こういう強化のための建設工事も行うのだ、検討するのだということを、再度、私ということじゃなしに、期待をしております水俣病の市民とか患者に、念を押すようですけれども、お答えいただきたいと思うのです。
○石原国務大臣 いずれにしても、私、現地に赴いて事情を視察させていただきますが、第一次計画が運営されました上で、第二次計画の必要がありましたならば、当然積極的に第二次計画を立ててセンターの拡充に努めるべきだと思います。
○馬場(昇)分科員 部長にお聞きしたいのですけれども、さっきお答えがなかったのですが、五十三年オープンはいいかどうかということは後でお答え願いたいと思うのです。 そこで、私はまあ五十三年オープンになると思いますが、その前から必要だと思うのですけれども、どんな施設をあそこにつくりましても——明水園というのがいまあります。これは患者の人たちに評判が悪いのですよ。牢獄に入ったような感じがするとさえも言われて、余り入りたがらない、こういう状況もあるわけでございます。 そこで、このセンターの運営の問題なんですけれども、三木さんが四十八年に水俣に行かれたときに、私も横におって聞いておったのですが、とにかく水俣病の行政というのは患者の協力、理解なしには何にもできないんだ、だからこういうものをつくるという建設に当たっても患者を含む地元の代表、それに学識経験者、こういう者を含む建設のための委員会を環境庁につくります、そして患者の理解と協力を得ながら建設を進めていきます、こういう約束が実はあったんです。これは非常にいいことだと私は思いましたし、患者さんたちも喜んだわけですけれども、実は私は何回となく建設委員会の中に患者の代表を委員として入れなさいということも委員会でも主張いたしました。ところが、とうとう約束を破って入れられなかったわけです。途中で、御意見は聞きますということで意見を聞かれたのは私も知っておりますけれども、その建設段階で委員に入れられなかった、約束が破られたといういきさつがございます。 そこで私は、これは長官にお聞きしたいのですが、この運営については当然患者あるいは地元の行政、そして地元の医者、そしてもちろん熊大なんかも協力するでしょうが、そういう民主的なセンターの運営委員会、そういうのをつくって、そしてその運営の中で、つくったものをどうよく運営するか。そうすると、さっき言われました第二期工事、充実強化にどう発展させるか、そういうことも研究するというようなことで、その運営委員会というようなものをもういまからでもつくる必要があるんじゃないか、こういう点についての御見解をお尋ねしておきたいと思います。
○野津政府委員 センターの設置につきまして、ただいま御指摘ございましたように、患者さんのためにつくる施設でございますから、当然患者さんの十分な意向を反映することは大事だというように考えておったわけでございますけれども、実態の問題としましては、建物の関係につきましてそれぞれの医学の専門家の御意見をお伺いするというふうなことの方が先行するという考え方がございましたし、また患者さん方の場合に非常に多くの方がこれに参加したいという御希望もあったわけでございまして、これにつきましては数多い方々がおられるわけでございますので、私どもその段階に応じましていろいろと御説明を申し上げ、また患者さん方の御意向も聞き取るというふうな形をとっていま建築に入っているところでございます。 また、運営の問題でございますが、この運営につきましては当然私ども国が責任を持って行うということが一番大事なことでございまして、その具体的方法、国がどういうふうな責任を持って運営するかということにつきましては現在検討中であるわけでございます。ただ、御指摘いただきましたように、当然これは患者さんのためになるセンターであるべきであるという前提をもって考えますと、この機能が十分発揮されるというためには、当然患者さん方の意見が十分反映される必要があるだろうというふうな考え方を持っておるわけでございまして、その患者さん方の御意見を反映させるということと、それから国が責任を持って運営をするということとの間をどのような形で調整するかということが一番大きな問題ではないかというふうに考えているところでございます。当然私どもの前提としましては、患者さん方の意見が反映できるという形で運営をするわけでございますけれども、その運営に当たりましては、当然国立の機関として国が責任を持って運営していくということを前提として考えていきたいと思っております。
○馬場(昇)分科員 国立でやるわけですから——途中では責任放棄というような形で、何か国が直接運営するんじゃなしにどこかに委託して運営しようかなんという案が出たことも私は知っておるのです。責任逃れをしようとなさったことも知っています。注意したこともありますが、責任は国でやってくれということは当然でございますけれども、問題は民主的な運営がどう行われるかということなんです。 そこで、責任は国で結構なんですけれども、たとえば国が行うにしても患者さんとか地域の住民の人とか行政とか医者、そういう人たちの意見を取り入れなければならないわけですから、取り入れますと言ったってやはり何かつくらなければだめなんです。そういう意味において、たとえば諮問機関でもいいと思うのです。そういう意味において、たとえばこのセンターを国が中心に運営するならば、その諮問機関として患者さんたちを含めた何らかの機関をつくってはどうか、こういうことでもいいのですが、長官どうでしょう。
○石原国務大臣 国立の施設でございますから、運営の責任は国にございます。いま官房長から聞きましたけれども、五十三年度の一つの課題として、この研究センターが果たして環境庁の所管になるかならないかというのはまだ決まってないようですけれども、これはそのように努力いたしまして御協力願いたいと思いますが、私は環境庁にも中公審というものがございますように、センターに関しましても、運営委員会ですと問題がございましょうけれども、運営に関する審議会と申しましょうか、諮問機関はあってしかるべきだと心得ます。
○馬場(昇)分科員 五十三年オープンの予定は全然答えないけれども、後で答えてもらいたいのです。 最後に長官に、これはちょっとセンターと関係ないのですけれども、長官、四月に水俣に行きたいということをたびたび表明なさっておるわけでございますが、この調査に当たっても、私地元で、三木さん行かれました、大石さんも行かれました、行かれたときに私もずっと一緒に調査に立ち会っておるのです。そういう中で感じたこと、あるいは患者さんの意見、地元の意見ですけれども、常に環境庁長官が調査に行かれると、県とか市でスケジュールを決めちゃうのですね。そして、まず市役所に行って意見を聞く。さあ明水園というところに連れていく、さあ百間港、いろいろなところに連れていく。患者さんのところをちょろちょろと一、二見る。はい、これでおしまいです、記者会見、終わり、こういうような調査が多いのです。そしてさらに、ぞろぞろと大名行列みたいに、あの悲惨な状況の中で大名行列なんかそぐわないのですよ。そういうことがございます。ですから、私は、行かれるときに、いま長官もいろいろ研究なさっておるそうですけれども、患者さんとかいろいろな団体とかに、調査に行くから、どういうところを見てもらいたいと思うのか、どういうことを調査してもらいたいと思うのかという、アンケートというのは語弊がありますけれども、一々できませんけれども、門戸を開いて、こういうところを見てくれということはどんどん言うてきてくれ、そういう調査をするに当たっての患者なり住民の意見を聞いて、その意見を取り入れた調査、行動をする、そういうことをぜひやっていただきたいということでお願い申し上げておきたいのです。 もう時間もございませんけれども、とにかくあすこはこの間も言ったのですけれども、世界の公害の原点と言われるところでございますし、有機水銀中毒症という病気、水俣病、本当に水俣は五万人以上おったのがいま三万何千人に人間も減っているし、そしてその中で住民の対立があるし、患者を白い目で見るという状況もあるし、いわゆる社会的水俣病と言われるようなもう一つの病根があるのです。そういう意味において、水俣病自身も深く広いのですが、その社会的水俣病と言われるものも物すごく深く広い問題がございます。だから、そういうところの公害の原点といいましょうか、その深い広いところをどうやって見るかということが私は大切じゃないかと思うのですが、具体的には、行くに当たって多くの関心を持っている人たちから調査に当たっての意見を聞きなさるつもりはあるかどうかということについて、ぜひお答えいただきたいと思うのです。
○石原国務大臣 まさにそのことが私、懸念している問題でございまして、いわゆる県なり関係の役所が決めました観光ルートをたどるだけの視察はしたくないと思っております。また時間に制限もあるようですけれども、先に官房長官にも念を押しまして、重要な案件のない閣議をひとつ欠席させていただいて、できるだけ長期の期間、たびたび行けないと思いますので、私の納得のいく形の視察をしたいと思いますし、できればお役人あるいはその他あすこにいらっしゃる記者諸君も含めて、大名行列じゃない自由な取材、視察のできるような形をとりたいと思います。そして、またそういうことに対して地元の先生方にもいろいろ御助言もいただきたいと思いますし、決算委員会で申しましたけれども、私はやはり先生のおっしゃるように、日本人がみずからに投じた原爆の被爆地と申しましょうか、それに近いような、一つの公害のメッカという言葉が当たるかどうか知りませんけれども、そういう視点でこの問題をとらえたいと思いますし、社会的な水俣病とおっしゃいましたけれども、確かに水俣病というものをさまざまな形で支え、規制している周囲のいろんな状況というものもできるだけとらえて、その立体的な構造の中でこの問題に取り組みたいと思っております。
○野津政府委員 先ほど答弁漏れまして、大変失礼いたしました。 五十三年度中に開設すべく現在建築を続けておるところでございまして、私ども五十三年度中に開設する予定で仕事を進めておるところでございます。
○馬場(昇)分科員 いま長官の視察に当たってのお考えを聞いたのですけれども、私がここで言うたのは、誤解のないようにお聞きしていただきたいのですが、決して非公開にせよとか、秘密でやれとか、タカ派的な調査をしろとか、こういう意味でなかったことはぜひ理解をしておいていただきたいと思います。 これで終わります。
○木野主査 次に、中村茂君。
○中村(茂)分科員 私は、ビーナスライン美ケ原線と南アルプススーパー林道について、特に自然を守るという立場から若干の質問をいたしたい、こういうふうに思います。 私がきょう長官に質問したいというふうに思いましたのは、前提があるわけです。それは過去において二回、このような分科会で私は質問しているのです。前総理の三木さんが長官のとき、それから小沢長官のとき、二回実は質問しているのです。その二回の質問とも、やはり自然を守るという立場でこの問題は対処します、こういう回答を得ていたわけであります。ところが、自然を守るという立場ではなしに昨年建設許可になったわけでありますけれども、そのときに私は何か裏切られたような、自然保護という立場で考えると環境庁というものはどういうものかという疑問を実は抱いたわけなんです。したがって、そういう前提で長官にお伺いしたいというふうに思うのです。 過去の経過、そう細かく申し上げる必要がないと思うのですが、このビーナスラインという美ケ原線は自然保護上問題があるということで、昭和四十六年にここのところへ建設しようとしている有料道路建設が凍結になったわけであります。その後五年間あらゆる角度から御審議をいただいて、昨年五十一年に、条件つきで建設、凍結になっていたのが解除になった。ですから、この経過の中で非常に不審に思いますのは、自然環境保全審議会、特に審議をいただいた自然公園部会で意見が一致しなかった、賛否両論併記ということで諮問に対して答申がなされたはずであります。ところが、環境庁は、条件つきということですけれども建設を許可した。こういう諮問に対して賛否両論併記というのを何で環境庁は許したのか、その点についてお伺いしたいというふうに思うのです。
○信澤政府委員 先生よく御存じでございますので、くどくど申し上げませんが、四十六年に当時の大臣が現地をごらんになって、これはだめだと仰せになりましたのは、扉峠から茶臼山を経まして台上に至るあの道路の建設はいけない、こういうことをおっしゃったわけでございます。 今回私どもが審議会の御意見を聞きまして決めましたのは、いわばそれの代替案、俗に和田回り案と申しておりますが、これについて議論いたしたわけでございまして、お話のように、いろいろ議論があったことはございます。少なくとも私ども審議会では全会一致で事を運ぶということを従来やってまいりましたけれども、どうしても意見が一致しないという場合には、やむを得ず多数決で決めるというようなこともやっているわけでございまして、そういう意味から申しますると、いろいろのお立場からのいろいろの御議論はございましたが、あの審議会が終わった後、部会長が記者会見等で仰せられたように、建設認めてしかるべしという賛成の方がやや多数であった、こういう言葉で表現されておりますように、大方の御理解をいただいた。なお御反対をされている方々もいろいろな御意見がございますから、それについては、いまお話しのように、条件としてこれをつける、こういうことで、そういう経過を経て決定をしたということでございます。
○中村(茂)分科員 その経過は私も知っております。しかし、頂上の方に直接行くのはまずい、したがって、ルートを修正したらどうだ、その面が修正の問題として論議になってきたわけですね。環境庁というのは自然を保護する、いわゆる環境の保全を確保していくということが中心でありますから、そういう場合に、道路というのは途中で切れているという道路はないわけですよね。やはりどこかへ続いていなければ道路の役目を果たさないわけです。そういう任務を持っている環境庁が、この線はいけないからこちらの線を環境保護の立場でこれから審議をお願いしていく、修正変更したときに何で扉峠まで、途中まで道路を許可しておいて、その向こうは直接公園になるしということで、環境という全体の問題を討議する場合に、道路を途中まで許しておいて、その向こうだけと言ってみたって、既成事実というものが生きてくる。いま、いろいろ意見があって、賛成の方が少し多かったと言うけれども、そういう環境庁の行政のあり方というものについて私は反省願いたいというふうに思うのですよ。そういう意味で私は言っているのです。もうそういうふうになってしまったのはどうにもならないですからね。だったら初めから途中までつくらせないでおいて、そこを含めて環境の問題について十分に審議していただいて、それで工法を変えたり、こういうところを直していけば建設してもいいという結論になったら、ここから許すべきだ。ところが、途中までつくっておけ、この向こうだけだというから既成事実が生きてきて、賛否両論というが、まあ半々だというふうに私は思うのです。そういう意見の一致を見ないものを建設許可してしまう、こういうふうになると思うのです。その点は、これからの問題として十分考えていただきたいと思うのです。 そこで、こういう賛否両論の中で意見が出ていたわけですけれども、そのときに反対の意見としてこういう意見があるわけですね。和田回りルートがビーナスラインとしてずっと行って県道和田線に接続する。当然それを通していくわけですから、ビーナスラインとしての役目を果たすには、ここのところを改良していかなければだめだろう。しかし、その改良自身も相当自然を破壊する、そういう反対の意見があったはずです。ところが、このビーナスラインが、昨年許可になっていま計画しているわけでありますけれども、問題になったこの県道和田線のところに接続して、なお県道を改良して、そしてその終わったところから、これはもう前に計画があったところですけれども巣栗線まで続ける。前にはこのところはいろいろ問題にはなりましたけれども、ビーナスラインとして改良して通すという計画はなかったはずなんですよ。接続のところまでだった。問題になったところをなお改良する、こういうことについては、一たん出してしまったものについては環境庁はチェックできないのですか。
○信澤政府委員 若干事実関係を申し上げさせていただきたいと思いますが、審議会でこういう道路のあり方ということについて非常に高い立場からの御検討もございました。しかし、個々の問題について、いわば各論的な部分については、四つの問題があったと思います。一つは、台上の整備でございます。一つは、いま先生御指摘の扉峠から美ケ原−和田線に接続する道路のつくり方、それからいまの県道から台上に至る部分の修復の問題、それからお話しのように、台上を通って巣栗林道に抜けるところ、いわば大まかに申しますと四つの部分があったわけでございます。したがって、小委員会等で御議論されました場合には、県道改修については当然議論いたしております。お話しのようないろいろな問題がございますが、現状は余りに荒れているわけでございまして、自然環境保全の面もございますが、交通安全の面からも問題がある。したがって、交通安全の面から考えれば相当拡幅しなければならぬ。しかし、環境保全上はそれは困るというようないろいろな御意見がございましたが、ともかくできるだけ環境保全に留意しながら県道の補修をする、同時に緑化、修景等の措置も講ずる、こういう御議論をしたわけでございまして、この間の事情等はよく長野県に伝えてはございます。
○中村(茂)分科員 これは道路ですから、それで県がやるわけですが、お聞きしますと有料道路の無利子を建設省に申請しているということですから、当然建設省へはこの建設の許可というか内容が来ると思うのですね。その際、建設省と合意というか、全然、その際も、一たん出してしまえば環境庁というのはノータッチですか。その辺。
○信澤政府委員 私どもは、いわゆる公園計画の変更をいたしたということで終わっているわけでございます。あそこは国定公園でございますから、公園法上の認可といいますのは知事の権限でございます。したがって、今回の場合は、県が県知事の認可を受けるという形になるわけでございます。 しかし、お話のように、反面道路の問題としては、従来茶臼山を通って台上に至るあの道路について建設省の認可をいただいておるわけでございますから、当然計画変更ということが起こってまいるわけで、そこで私どもといたしましては、実は答申をいただいたのは昨年の九月でございますが、実際に告示をしたのは十二月でございます。その間何をやっておったかといいますと、いろいろ県とお話をしたという面もございますが、一つは建設省に、認可が上がってきた段階でよくわれわれと御相談いただきたい、いままでの経過も十分御説明してございますので、そういう経過を踏まえて建設省の御認可の際に御配慮いただきたい、できればわれわれにも相談をさせていただきたいということで処理をすることで両省庁意見が一致しております。
○中村(茂)分科員 ですから、先ほど県の方に伝えるということですが、伝えてもらうのはもちろんでございますけれども、そういう場合には十分前の経過、そういうものを踏まえて、きちっとチェックしていただきたいと思うのです。 それに関連してやはり問題になるというふうに思いますのは、あの県道和田線を改良して向こうまで続けるということは、ビーナスラインが接続地点よりも距離が長くなるということですよ。それで、しかも途中が切れないということです。そういうふうに計画を順に変更してきたということは、有料道路ですから、収益上できるだけ自動車を多く乗り入れさせて、したがって収入を上げていまの赤字のやつを回収していこうという採算の面からそうきているわけですね。そうなっていくと、こういう公園内を通る道路というものは、道路建設そのものも自然を破壊するし、工法をいろいろ変えても破壊するし、それからできたものに自動車が多く乗り入れるということは、特にあそこは原生林のところです、行けば行くほど排気ガスが多く出る。それを収支上、問題のあったところを改良して多く通すようにして、自動車を多く入れようということになると、これは自然を守っていこうという立場からすると逆行していることですよ。それをやろうというわけなんです。そういうことを考えていくと、マイカー規制というようなものを、しかも何回か言うように、自然を守るということに賛否両論あった、それをなお問題のあるところを改良して多く自動車を通すようにする。それは一方収支の状況だけでそういうことをやっていく。こういうことで果たして自然が守れるか、環境が守れるかを考えてみた場合に、こういうところこそ、いろいろあるにしたって、マイカー規制というような問題を真剣に考えてみたらどうだ、こういうふうに思うのですが、そういうことはどういうふうにお考えですか。
○信澤政府委員 環境庁の立場が自然保護であるということは、先生のおっしゃるとおりでございます。ただし自然公園につきましては、保護を図ると同時に、その利用についても適切な配慮をするということがやはり公園行政の一つの柱だと思っております。そういう意味でビーナスラインは、いわば公園利用のための道路ということで考えられてきた経緯があるわけでございます。あの国定公園はたしか昭和三十九年でございますから、したがって当時の社会事情等から、おっしゃるようなああいう道路をつくるという計画が出てきたわけで、今日から見ますれば恐らくああいう発想は起きてこなかったであろう、いわばそういう過渡期の問題の処理をしたという形になっている、率直に私そう考えているわけでございます。したがいまして、県の中にもいろいろな立場がございますので、いわゆる企業局関係と申しますか、そういう立場では、お話のようにどんどん車を通して採算を図る、これは当然だと思います。しかし反面、同じ県の中にも、自然保護を考える部局もあるわけでございます。したがって、今後、国定公園でございますので、私どもが直接いろいろ申すことは必ずしも適当ではないと考えますが、工事の進捗に応じ、あるいは利用の実態を考えながら、いまお話しのように車制限の問題等も将来考える必要があるのではないか、このように考えております。
○中村(茂)分科員 将来考える必要がある。それでずっといままで経過を申し上げましたように、環境庁という立場で環境行政を考えて、確かに高度成長のときにつくれつくれ、その途中で環境庁ができて、それを今度はチェックするようになってきた、こうちぐはぐになっている問題はあるのですけれども、しかしこの問題の処理をずっと見ていくと、既成事実に押されて環境行政がますます後退してきているという印象を私は受けるわけなんです。どうしても受けるわけです。ですから、今度そういう過程があってできたにしても、できるだけ自然を守っていこうという立場に立てば、特にいまの規制というような問題については、私は真剣に考えてみる必要があると思うのですよ。 だから、そういういままでの経過のことを一つと、それからもう一つ指摘しておきたいと思いますのは、扉峠から和田線の接続点に至るまでのところは水源地帯なんですね。そこから水源を取ってずっといっている。しかも、そのところ全体は水源涵養の森林になっている。したがって、工法を十分考えていただくと思いますけれども、相当工法を考えなければ、水源地帯でありますから大変なことになるのじゃないか、こういうふうに思うのです。漠然と、工法を研究してやればそう自然破壊しないということを私も新聞記事では見ましたけれども、そこら辺のところは、重点的に考えておられるのですか。
○信澤政府委員 先生御指摘の点がまさに一番重要なところだと私ども考え、それなりに検討をさせていただいたわけでございます。道路の工事については私ども素人でございますから、建設省その他と御相談をいたしているわけでございますが、特に県道へ取りつく部分、いまお話しのように水源涵養林でもございますから、したがって当初から県も百メートルぐらいの橋梁を考えておったようでございますが、その橋梁をさらに大きくするとか、あるいはその取りつけ場所を工夫するとか、こういう点について建設省の方でもすでに御指導をされているやに伺っておりますので、いま御指摘の点は、私どもも私どもなりに十分監視をしていきたい、こういうふうに考えます。
○中村(茂)分科員 もう一つ南アルプススーパー林道について若干御質問して、最後に、全体的なものを取りまとめて長官にちょっと意見を聞きたいと思うのですけれども、このスーパー林道も、中身は若干違いますけれども、経過からすると、このビーナスラインと同じだと思うのです。つくれということで九〇%もできてしまっている。そのところに持ってきてこの環境問題が起きてきてどうするか、これは同じだと思います。しかし、この中身は相当違うのですよ。 その違うまず一つは、いまつくってあるその道路そのものが非常に自然を破壊も破壊、もう決定的に破壊してしまっている。いま修復するといって、していますけれども、そう簡単に直るものじゃありません、徹底的にしていただきたいというふうに思いますが。それと、道路そのものがまず夜などとても乗っていけるものじゃないのですね。荒れている、道路そのものが。しかも、冬など一つ越すと相当な個所を大量に直さなければいけないというほど粗雑な道路なわけなんですね。そこのところが前のビーナスラインと決定的にまず違うということ、しかも相当頂上の方へ来て、まだ両方つながっていないということ。しかし、そういう状況の中で、林野庁はほんのわずか二百三十メートルについてルートの変更を出しているようですけれども、これは二百三十メートルぐらいのルートの変更、まあどういうふうに環境庁としてお考えですか知りませんけれども、そういう問題が出てきていますね。 それと、もう地元負担金について納入する第一回の時期に来たわけでありますけれども、関係している長野県と山梨県当局は、開通が前提だから、まだ開通していないで途中で負担金というふうに言われても支払うことはできませんというふうに言って、拒否しているわけですね。しかし、環境問題を守っていかなければいけない。中身としてはこういう問題が起きてきている。これについては、これからどういう取り扱いをしていくお考えですか。
○信澤政府委員 ビーナスラインと南アルプススーパー林道、いろいろ違う点があることは先生御指摘のとおりで、私どもは私どもなりに現地を見ておりますので、よく存じております。特に私どもの立場から申しますと、先ほどのビーナスラインは公園利用のための道路ということでございますが、あのスーパー林道の方は公園利用と全く関係ないわけであります。ただ、いわゆるスーパー林道というのは多目的に使うということで、観光ルートとしても地元その他お考えのようでございますが、私どもの立場では、あれは公園利用の道路と考えておりません。したがって、おのずからこれに対する考え方が違うわけであります。そういう意味で、これまた審議会でいま御審議をいただいておるわけでございますが、すでに一昨年には現地視察もやっていただき、その後も数回議論をしていただきました。 それから、いま御指摘のように、昨年十二月には林野庁から、いま先生二百メートルとおっしゃいましたが、大体七、八百メートルだと思いますが、ちょうど峠部分の重要なところでございますが、ここにつきまして従来の林道規格の二車線の幅員のものを一車線に変えるという形での変更案の御説明があったわけでございます。したがって、今後はこれを基礎にして御審議をいただくわけでございますが、そういうことで、率直に申して、林野庁なり森林公団もそれなりの対応というものをお示しになるような形になってまいったわけでございますので、さらに御審議を急いでいただくということを考えてございます。 それから、地元負担金云々の話、私直接ははっきり県から聞いておりません。ただ、地元の新聞等にそういう話が出ておることは承知しておりますが、この処理は森林開発公団なり林野庁でお考えいただくべきことではないかというふうに思っております。
○中村(茂)分科員 ですから、地元負担金というのは、全体の状況の中でこういう問題が起きてきているということを認識しながら、この問題を処理していけばいいのじゃないかということで、この措置についてどうこうと言っているわけじゃありませんから。 特に、私はこのスーパー林道というのは、修復の問題をやはり徹底的に見定める必要があると思うのですよ。ひどいですからね。行ってみれば、これがよくスーパー林道と名前がついたものだというふうに思うくらい、私がいろいろ言うまでもないのですが、毛利長官が前、行かれたようですけれども。ですから、私はこういう問題については、何らかの結論を出すときには、やはり石原長官も見た方がいいと思うのです、この破壊というものはもう想像以上ですから。 いまビーナスラインとスーパー林道、この二つの問題を取り上げたわけでありますけれども、先ほどから言っておりますように、確かにこういうものをどんどんつくれつくれという高度成長の中で環境問題が出てきて、環境庁ができてこれをチェックするという段階でずれがあるわけですけれども、それだけにやはり環境庁は自然を守るという立場で真剣に取り組んでいただきたいというふうに私は思うのです。そうでないと、環境庁がもう環境行政を放棄したという印象を私は受けざるを得ないので、そういう全体的な問題を含めて、長官から最後に御意見を承りたいというふうに思うのです。
○石原国務大臣 先生おっしゃいましたように、高度成長から安定成長へちょうど変革期でございまして、それに従って大衆、国民の意識も変わってまいりまして、したがって違う価値観が大きくクローズアップされてきたわけでございますので、かつての時代に是とされたものが是とされないという状況が起こって、行政もそういう点で非常に遅滞したり混乱しているわけでございますが、道路の問題に限って見ましても、自然保護というのは確かに環境庁の重要な問題の一つでございますが、しかし自然を全く手をつけずにほうっておくということだけで行政がすべて済むというわけにもいかないと思います。先ほど局長もお答えいたしましたが、公園なら公園をいかに利用するかということのために道路をつける場合もあると思いますけれども、ビーナスラインについて私つまびらかにいたしませんが、これから環境庁として決断を迫られておりますスーパー林道の問題にしましても、あくまでも私は現場主義で、現場に行って判断をしたいと思っております。 ただ、その前によけいなことを言うと、かえっていろいろ誤解を受けるかもしれませんが、写真等で見ました限り、何としても荒涼たる破壊が行われておりまして、この道路が性格的にビーナスラインとは違うということも存じておりますが、それにしても地域の人たちから、これは野党の先生を含めていろいろな陳情も受けておりますけれども、地域の方々にはそれなりの有効性もあり、必要性もあると思います。同時に、自然保護という大局的な見地から見れば、地元の言い分だけを聞いて進ますことのできない問題もあると思いますので、そこら辺の兼ね合い、あくまで現地に参りまして、先ほどビーナスラインについても車の規制の新方式というようなことをおっしゃいましたが、それを持ち込み得る場であるかどうかもまだわかりませんが、現地を視察いたしまして、そういったことを勘案しての判断をしたいと思っております。
○中村(茂)分科員 終わります。
○木野主査 次に、池田克也君。
○池田(克)分科員 いまの予算の編成の中でいろいろ議論が出ております公共事業かあるいは一兆円の減税かという問題が取り上げられたわけですが、公共事業を強く政府は推進されているわけでございます。道路あるいは下水道等、これからこういうような工事をどんどん始めていくにつれまして、当然公害の問題が出てくると思います。 きょう私は、下水道とかその他の問題は別にして、大きな道路、この問題に焦点をしぼってお伺いをしたいわけであります。 膨大な予算を組んで、これから公共事業が始まってまいります。この道路ができていくその周辺の住民の苦しみ、全くこれは言語に絶する、もう長官も、政府特に環境庁も関心をお持ちでございましょう。この公共事業を重点的にやっていくという施策を新しく始めていくに当たって、環境庁として、建設省あるいは都道府県等に何らかの基本的な、開発あるいは道路を進めていくに当たっての考え方、方針を打ち出していらっしゃるかどうか、その辺からお伺いをしたいと思います。
○石原国務大臣 道路を含めまして、ある規模を超えます公共事業に関しましては、公共事業というのはたいがいそれに該当するわけでございますけれども、あくまでも環境に与える影響の評価というもの、つまりアセスメントをした上で計画立案し、着工するように強く要請しております。
○池田(克)分科員 環境庁長官が所信表明の中で、「自動車、航空機、新幹線鉄道などに起因する各種の交通公害対策の拡充強化に努めるとともに、」云々、こういうような表現をしていらっしゃる。いまアセスメントの話が出ましたが、先ほどの中村委員の御質問等を伺っておりましても、正直言って環境庁のおやりになる力に限界があるんじゃないか。われわれ住民あるいは国民の率直な気持ちとして、環境庁に期待するものは大きいわけです。四十五年の公害国会と言われたそれ以来環境庁ができてきたわけですが、アセスメント、いわゆる評価をする、ここはこうだと基準をお決めになる、こういう方向はわれわれもわかっているわけですが、その後それが守られているかどうかという問題についてチェックができるのか、あるいはそれはできないのか、何らかの方策があるのか、その辺についてお伺いをしたいと思うのです。そうでなければ環境庁の仕事は、体温計行政みたいに、体温がどのくらいであるか、どうなっているのか、状況だけ、基準を示す、それについて医者は適当にやれ。われわれとしては、環境庁というものは基準を示すと同時に、その対策も何らかの力を持っておやりになれる、そういうものでなければその値打ちがないんじゃないか、率直に言って、環境庁不信という先ほどの話も出ましたけれども、それはいかぬ、やはり何らかの方向を示されて、石原長官が就任をされた、前向きの活動というものがあってしかるべきじゃないか、こう思うのですが、率直な御意見を伺いたいと思っております。
○石原国務大臣 御存じのように、日本の行政の機構というものは非常に縦に系列化されておりまして、所管外のことになかなか関係省庁といえども口をはさむと申しましょうか、意思を強く述べるということが不可能な構造になっております。おっしゃるとおり、私も環境庁に入ってみまして、非常に大事な使命を持っている役所でありながら、その権限の少なさに非常に懸念、不満を抱く者の一人でございますけれども、勧告権というものがございまして、伝家の宝刀と言われてもおりますけれども、どれほど切れるものかわかりませんが、過去に前任者たちがどういうケースでこれを行使されたかつまびらかにいたしませんけれども、これから起こってきます事態に応じて、与えられましたそういった権限をフルに行使して、環境庁の国民の世論を背にした主張というものをできるだけ強く述べていきたいと思っております。
○池田(克)分科員 いま勧告権の問題が出ました。長官詳しく御存じないということであれば、政府委員の方でも結構なのでありますが、いままで道路の騒音、振動に関して伝家の宝刀と言われる勧告権というのが何回出されているのでしょうか。
○橋本(道)政府委員 いまの大臣のお答えになりましたのは、今後道路公害に重点を置くということでございまして、現在まで環境庁が勧告権を発動いたしましたのは、新幹線と空港でございます。現在四十三号線の問題はきわめて大きいということで、長官御自身も現地に出られまして、長官の強い御指示で私、各省を歩いておる最中でございまして、道路につきましてはまだ勧告権という形ではございません。規制基準、環境基準を決めていく、こういう段階でございます。
○池田(克)分科員 道路について勧告権がまだ出されていない。伝家の宝刀というものをお持ちなのですから、この切れ味を長官の時代にひとつ試していただきたいと思うわけなんです。 私、きょうお伺いしたいのは環状七号線の問題でございます。 もうすでにマスコミにも取り上げられ、環状七号線は東京都内でございまして、これは都道です。しかし、いま供用地域が四十七キロ、ほぼ東京の中央部とはいえないかもしれませんが、最近の需要の意味からいけば、まさに東京の動脈ともいえるような状態の道路でございます。この道路の巻き起こす公害、特に甲州街道と交差している大原交差点における大気汚染の問題であるとか、きょうは大気汚染の問題はまた別の機会にさせていただいて、騒音と振動、こういう問題についてのお伺いをしたいわけでありますが、勧告権を使ってなくても、この環七の公害について、環境庁としては何らかの行動をいままで起こしていらっしゃったのかどうか、その辺できれば長官の認識はいかがでしょうか。私は、長官は選挙区も環七が通過している地域でございますし、恐らくはさまざまな形でお通りになっていらっしゃる、初めて環七を選挙区に持つ長官だと思うのでございますが、そういう意味でその認識を最初にちょっとお伺いをしたいのでございます。
○石原国務大臣 私と池田先生は選挙区が隣り合わせでございまして、そこをまたいで環七が走っているわけでございますが、本当にこれは四十三号線とはまた違った意味で非常に地獄絵図に近い様相だと思います。しかし、この道路に関します行政の主体者はあくまでも東京都でございます。私事で申しわけございませんけれども、たとえばああいった環状七号の今日の混雑の状況というものを回避する案というものは、多摩川沿いに四車線の三多摩あるいは東京の郊外に通じます道路を与野党一致して決議し、予算をつけたものを、現在の知事が一部の人たちの反対があるということでばさっと切ってしまった。これが実現しておれば七号線なり八号線の状況も違ってきたと思うのですけれども、とにかく東京の第二区、第三区、あるいはその先の環七沿いの地域の状況というものを、東京都は東京都の施策で十分緩和できる立場でありながらしていないといううらみはあると思います。私たち環境庁の立場で、直接の所管でございませんけれども、そういった問題について、これから先ある時点で指導すると申しましょうか助言をすると申しましょうか、そういうことはやはりすべきではないかと心得ております。 〔主査退席、瓦主査代理着席〕
○池田(克)分科員 いま長官の御意見を伺ったのですが、何らかの手を打ったかどうかという問題について、政府委員の方からお伺いしたいと思います。
○橋本(道)政府委員 何らかの手を打ったかという御指摘でございますが、公害行政として道路公害に取り組んだ最初は環七問題でございます。大原の問題から取り組みまして、きょうは騒音の問題という御指摘がございましたが、大原の測定データは明らかに改善されてきております。ただ、これから問題が騒音、振動になってくるということでございまして、現在までの環境庁の努力は、主として立法と基準ということに注がれてまいりまして、自動車の発生源の騒音規制というところに非常に努力をいたしまして、もともとの基準を五十年九月に厳しくし、また長期目標として第二段階、第三段階と三ホンずつ厳しくする長期目標も決めまして、これは規制基準としてはまず当分の間、十年やそこらはこの目標であるというところまで追い込みました。 それからもう一つは振動の方でございますが、環七の方々からの振動公害の陳情というのがいろいろございました。そういうことで、振動に関する取り組みをつくる必要があるということで、振動規制法というのを昨年の国会で初めて御審議いただきまして、通過いたしまして、現在その施行に取りかかっているところでございますが、その振動規制法の中に交通振動関係の規定がございまして、交通規制に関しては公安委員会に、また道路補修につきましては道路管理者にということがやられるようになったわけでございます。そういうことで、これらの問題は実はすべて環七の問題から端を発したということは御理解をお願いいたしたいと思います。 環七の問題は東京都の道路でございますので、国が直接どういうところに関与するかという問題点はございますが、いま申し上げましたような問題は環境行政が推進力となってできてきたものでございます。また、そのようなことを契機といたしまして、これは建設省の行政としてグリーンベルトやあるいは防音工事というものが始まり、そのうちのグリーンベルトは建設省の補助事業としてやれるようになってきたという点、あるいは交通規制につきましては、これは排ガス対策を契機といたしまして、総理府に排ガス対策協というのができまして、現在はもうこれは解消しておりますが、その中で交通規制のグループがございまして、それは総理府の交通安全対策室が中心になっておりましたが、そこの中で行われました交通総量一〇%カット、あるいは東京都の警視庁のノイズダウン作戦というようなものは、これは非常に大きく環七対策ということも頭に置きながらやられたものというぐあいに信じております。
○池田(克)分科員 確かに立法措置は結構だと思うのです。しかし、法によって果たして状況が改善されて住民が喜んでいるかどうか。これは、いまお話がありましたように、道路管理者あるいはまた地域住民を預かる、東京の場合、東京都あるいは区でございます。その行政の担当者が非常に頭を痛めている。確かに法律はできた。しかし、これが効果を生むということについては、やはり積極的なフォローをしていかなければならないと思うのです。私、先ほど、環境庁は体温計行政みたいじゃないかというふうに、感じたままをお話しをしたわけですが、基準をつくり、法律をつくるだけでは足りない。やはりそれを円滑に推進をしていくために、環境庁としては手足を持たなければならないと私は思うのです。しかし、この問題については、時間がありませんので余り深く議論はできませんけれども、どうなんでしょうか、環境庁として法律をつくった。それを所管しておりますけれども、それがちゃんと実施され、住民が満足しているかどうかということについて、何らかのチェックというものはしていらっしゃるのでしょうか。
○橋本(道)政府委員 環境庁は何らかのチェックをしているかという御指摘でございますが、一つは、道路わきの騒音の常時測定データを毎年整理をいたしまして、それを見ますと、遅々たる歩みでございますが、確かに少しずつよくなっておるということは事実でございます。それからもう一つは、やはりこれは大気保全局だけではなく環境保健部と組むことでございますが、これは環七ではございませんが、沿道調査というものをいたしまして、汚染と影響というものについてのチェックをいたしております。あとは、自治体の人たちと会議を開いて議論をするとか、あるいは今後の対策としての持っていき方で、いろいろ自動車に関しましての騒音と排気ガスの両方の総合的な対策の進め方として、三年計画で現在やっておりまして、これは道路の構造、交通の条件、規制の条件あるいは車の条件等を非常に細かく解析をしながら、この三年のものが整理されますと、もう少し客観的に指針として出してくるのではないか。そのほかは、やはり苦情処理、住民団体と接して話をするということでございまして、私自身も環七の沿道の住民組織の方々とは、年に一、二回でございましょうが、おいでになったときには十分お話し合いをしておるつもりでございます。
○池田(克)分科員 遅々たる歩みでチェックはしていらっしゃると、こういう状態なのですが、住民の感情は、非常にやりきれないという状況でございます。 そこで、東京都が世田谷区からの要望を受けて、住民を何とかして騒音、振動から守ろうということで提案をしたことがございます。これは東京都が、特に道路交通に関する所管である警視庁の交通部が昭和五十年の七月に建設局長あてに要望をいたしまして、道路構造の改善をして、そして、騒音、振動から住民を守ろうじゃないかと、こういう提案をしているわけでございますが、この事実について環境庁は御存じでございましょうか。
○橋本(道)政府委員 いま仰せられた事実につきましては、存じております。
○池田(克)分科員 その内容は、十四カ所、環七のわりと幅の広い地域につきまして歩道を広げる、車線が狭まることになるわけでございますが、広いわけでございます。何とか交通の方もやっていけるという判断を警視庁がいたしまして、そこに樹木を植える、あるいは何らかの対策を講じて、住宅あるいは店舗と道路を走っている車との距離を置く、こういうことによって緩和しよう、こういう方針を打ち出したわけでございます。ところが、十四カ所東京都は予算をつけたわけでございますが、補助金がどうしても厳しい財政の中で必要だということで、十四カ所の予算折衝を、これは建設省でございますが、されたそうでございますが、どうしても予算がうまくいきませんで、五十一年にやろうとした十四カ所中三カ所しかこれができていないという状態でございます。この辺の事実関係だけ、建設省いらっしゃったらお伺いをしたいと思います。
○渡部説明員 お答えします。 おっしゃるように、十四カ所の要望がございました。それに対して、私たち東京都とよく相談をしまして、先ほど長官が申されたように、外環とか通称中環と言っておりますけれども、高速道路とか、そういう関係の将来の建設テンポがどうだろうかと、それによって交通配分上環七の負荷が下がるだろうかということを見定めて善処したいという考え方を持っておりまして、その後、私たちの努力もあるし、あなた方の努力と一緒になりまして、実は沿道環境整備という問題が非常にクローズアップされまして、五十二年度から、いわゆる緩衝性建築物とか住宅の除却だとか区画整理区域内の環境施設帯に対応する先買い問題とか、そういう新しい制度が誕生しました。そういうことを踏まえまして、やはり植樹をする場合でも、相手が生き物でございますから、二度も三度も移設させるわけにはいかない。いわゆる手戻りのない形でやりたいという形で、慎重に協議した上で三カ所をまずやってみようということにしたわけでございます。
○池田(克)分科員 十四カ所もうぎりぎりのところを東京都が提案をした。環境庁としては手足を持たないと言われる。最後の勧告権がおありなんでしょうが、都と協議をしておると橋本局長さんもおっしゃっておられました。協議をしてといっで、都がぎりぎりいっぱい案を出した。しかし、建設省がそれは適当じゃないと——木を植えたり何かするということは、これはいろいろな議論がありましょう。しかし、都が出した案という、いま目いっぱいの状況でございましょう、当事者として、警視庁が道路を狭めるなんてことは、私は異例なことだと思うのです。本来なら道路を広げてと言いたい警視庁がぎりぎり出した案について、建設省はそれに対して渋っておられる。この間に割って入って、いや、そう言わないで、住民の声はこうなんだといって調整をされるのが私は環境庁の仕事じゃないかと思う。 この問題について、後からまたいろいろな事実についてお話しをしますが、局長さんで結構ですが、調整をして、住民の声を代弁して建設省に説得をする、あるいは推進をするという、こういうお考えはないかどうか、お伺いをしたいと思います。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘のございました件につきましての、都の建設局からわれわれ得た情報では、十四カ所、七・四キロの中での問題でございまして、五十一年度から三年計画で建設省は二分の一補助ということでやり始めておられるやに私どもは承知をいたしております。調整をするということでございますが、やはりこれは財源問題でございまして、財源のところに至るまでストレートに環境庁が調整を及ぼすわけにはなかなか、事実大蔵省という強大なお役所がございまして、そこで全体に財政的に苦しくなっているというような状態の中でございますから、いま長官は、四十三号線のときでも非常に努力をしておっしゃっておるわけですが、やはり道路対策の財源問題を新たに努力をしなければいけないんじゃないか、ガソリン税等もあるからということで、非常に強くおっしゃっていただいていることを私どもはバックにしながら、今後の世論の盛り上げ等に努力をいたしたい、こういうところでございます。
○池田(克)分科員 財源のお話が出ましたので、私が聞いた話では、約三億に近い予算が当初ついた。それが指定変更になって、一億三千万に変更されている。つまり、予算が削られたというようないきさつがあるそうでございますが、その事実があったかどうか、建設省の方からお伺いをしたいと思います。
○渡部説明員 お答えします。 東京都からは、いろいろな要望がございました。その中に先生おっしゃるようなものがございました。全国的な街路事業につきましては、事業量で見ますと……
○池田(克)分科員 事実関係だけ聞かしてください。三億が一億三千万に減ったと言われる、そのことがあったかどうか。
○渡部説明員 それで、全国のブレークダウンがなくちゃいかぬものですから、それをちょっと説明したいんですが。
○池田(克)分科員 時間がないので、それがあったかどうかだけ聞かしてください。
○渡部説明員 それで、いま言った全国約に事業量が十年前よりさらに減っていると言われたりしている中で、東京の中でプライオリティーをつけまして、相互協議した上でもっとやるべきところに回した、こういうことでございます。
○池田(克)分科員 ですから、指定変更したんですか、しないんですか。
○渡部説明員 要望はたくさん出るわけでございます、予算の枠以上に。
○池田(克)分科員 それに関しては。
○渡部説明員 要望はございました。
○池田(克)分科員 それが指定変更したんですか。
○渡部説明員 指定変更じゃなくて、私たちの財源を考えた中でもっとプライオリティーの高いところに回したというふうに御理解願いたいと思います。
○池田(克)分科員 時間がありませんので、この問題余り詰められませんけれども、長官お聞きのとおり、ぎりぎりいっぱい十四カ所何とかしたいという都の案に対して、もっとほかがいいと言う。これは議論がおありでしょう。確かに環七を緩和するためには、外郭環状線を整備した方がいい、こういうお考えもあると思うんです。しかし、新しい道路をつけていくについては、住民はおそれを持っている。また環七みたいになるんじゃないか、こういう感じを持っている。ですから、環七の問題を少なくとも状況を緩和し、少しずつでも住民の声を聞いて改善していかなければ、どんな計画を持っても新しい道路は反対されてしまう、できないと思うんですね。そういう住民感情というものをこじらしたり、金額からいっても、三億が一億三千万になった。金額からいけば、私は少ない金額だと思います。七・何キロを全部つくったとしても十二億、そのうち国は半分の補助ですから六億、六億の金でそれができる。それを一億三千万に削る。私は、こういうことを繰り返していくと、長官さっき御主張のように、ほかの道をつけて道路の混雑を緩和するとおっしゃるけれども、ほかの道はつかないと思うんですね。やはりいまある道路というものの状況を緩和していかなければ、新しい施策、これは長官のお考え、これは知事選挙もおやりになっていろいろと御議論になったところでしょうけれども、できない。私どもの考えは、現場の住民の苦労というものを少しでもくんで、完璧じゃなくてもそれは仕方ないと思います。そういうことをひとつ環境庁として積極的な姿勢で建設省ともあるいは大蔵省とも折衝されてくみ取っていただきたい、私こういう気持ちを持っているんですが、いまのお話をお聞きになって、その所信おありになりましたら伺わせていただきたいと思います。
○石原国務大臣 環七に限らず、東京都に限らず、幹線道路の周辺にはこの種の問題が起きているわけでございまして、環七の部分的な補修に関します予算を御要望のとおり回すことができずに、建設省の判断でほかへ回したということは、これはやっぱり建設省、専門家の決めたプライオリティーの問題だと思います。私自身も都民でございますし、自分の地域の問題でもございますが、環七にも非常に強い関心を持っております。先ほど局長も御説明いたしましたが、東京都の道路行政に環境庁が関与したときに、環七がその一つの象徴的な存在であったことにかんがみまして、これからも時期を見つけまして、環境庁の立場で問題の解決に努力したいと思います。 ただやはり、私は過去のことを申すわけではございませんけれども、将来の問題にもなると思いますが、多摩川沿いの外郭環状線は、現在の非常に貧相な道路がありまして部分的に使われております。あれをむしろ整備することの方が私は有効な道路行政になると思いますし、あの場合、たしか立川の方面の多摩川の緑を守る会という本当に小人数の方々の反対で、都下において与野党一致した計画というものを知事が独断で切ってしまう。これは私は知事を批判するわけでございませんけれども、明らかに先見性を欠いた間違った処置だと思います。こういった問題も、ひとつ都下におきます与党の方々に再考願って、環七の問題を解決するものに付帯して、東京全体の道路とそれからその周辺の環境の問題の整備のために、ひとつ積極的に御再考願いたいと、環境庁の長官の立場でも、都知事選のためいろいろ都の道路行政を勉強し直した人間として、よけいなことかもしれませんけれども、ひとつ付言させていただきたいと思います。
○池田(克)分科員 これは重大な長官の御発言でございます。外郭環状線につきましては、いろいろと議論もあります。私、先ごろから申し上げているのは、住民感情という問題、これはこれからの環境行政をやっていくのにどうしてもくみ取っていかなければならない重大な問題だと思うのです。私が申し上げているのは、いま通っているこの既存道路について状況を改善しない限りは何もできない、この問題なんです。 時間がありませんので一つだけ問題提起をさせていただきますが、環七がまだ全通しているわけではございません。その先に水戸街道に至る青戸地区というところがございます。ここに葛西城祉、遺跡でございます。この遺跡が発見をされました。確かにこれは文化財ですから、これをどうするかという問題は議論のあるところでございましょう。これをやはりバイパスが上を越えて道路をつける計画が発表されております。周辺の道路をつけ、りっぱな改修をするんでしょう、わずか一キロでございます。この一キロに五十億の金を投じ、しかも三分の二の補助を国がつけて、これから工事をやっていこうという計画でございます。 こういう事実を私伺いまして、沿道住民が苦しんでいる状況を約七キロ工事をして直していく。全長の中で約六分の一でございます。十分じゃございません。しかし、わずか一キロに五十億の金を投じ、その三分の二を国が持つ。一体どっちが大事なんだろうか。前にも予算委員会の一般質問で社会党の小川さんから、成田空港と関西新空港の問題が出されました。これからやるところについては大変な配慮をされる、お金もかけられる。しかし、いままでできているところについては、どちらかと言えば財源がない、ほかへ持っていくというような状況であれば、ますます住民の不満というものはつのり、新しい施策が進んでいかないと思うんですね。私はそういう意味で住民の声を聞き、このわずか、金額がわずかと言っては語弊がありますが、一億何千万カットされました、この建設省の予算の配分には不満でございます。 これについて私、最後に長官のお考え、また建設省に対して働きかけられるおつもりはないか、長官と局長のお考えをお伺いをして終わりたいと思います。
○橋本(道)政府委員 いまの環境庁の、特に私どもの局の今後の方向として、道路公害の解決ということに重点をシフトしてきております。 〔瓦主査代理退席、主査着席〕 そういう観点から、私ども努力をぜひともいたしたいと思いますが、特定のいまおっしゃった問題につきましての財源問題ということになりますと、私ども一般的な形での推進ということはいたしたいと思いますが、無責任なお約束はできませんので、お許しを願いたいと思います。
○石原国務大臣 私自身、選挙区の問題でございますので、受け取られ方に誤解があると困りますが、やはり環七の部分的な手当ての分がどこへ建設省として回されたか、私つまびらかにいたしませんけれども、東京都に限って申しますと、環七というのはやはり最も状況が悪いものの一つだと思います。そういう意味で、東京都あるいは日本全体の道路周辺の環境問題の一つの代表的なケースとしてとらえ、先生のおっしゃった線で積極的に努力するつもりでございます。
○池田(克)分科員 終わります。
○木野主査 次に、村山喜一君。
○村山(喜)分科員 私は、石原長官に二点ほど具体的な問題で質疑を行いたいと考えております。 まず第一点は、鹿児島湾北部の水銀汚染の問題についてでございます。 この問題は、長官も御承知のように、五十年の四月に、鹿児島県が環境調査を行いました報告書を出しているわけでございます。これの調査結果は、「総合的考察」といたしまして、魚介類の高濃度汚染の主たる原因は、火山活動に伴う水銀の排出によるとともに、湾奥のいわゆる閉鎖性水域であることの結果から生まれたものであろう、こういうふうに考えるのが適当であるという判断の基礎を示しているわけでございます。 それに対しまして、五十一年三月、文部省の総合研究班の東京工大の小坂丈予先生がいろいろな角度から調査を行いましたその結論は、海水中の水銀を含めた他の重金属は、外洋に比べれば若干高濃度であるとはいうものの、異常に高濃度のものは発見されていない。これは一年間の総合研究の結果であるけれども、そのようなわずかの期間の中では十分の成果を上げることは困難である、したがって、今後の調査研究に待たなければならないのだが、潜水によって海底火孔の状況等の調査を行うならば、より効果的な判断ができるのではなかろうか、こういうようなことで、これは断定をいたしておりません。 ことしの予算の中で、環境庁の水質保全局の方と水産庁の方、それに文部省の予算、こういう形で予算がそれぞれ計上されております。 そこで長官、小坂先生の報告書によりますと、潜水船を入れて火孔の状態等を調べてみたらどうだろうかという提言がございました。地元の方でもこの問題は非常に重大な関心を持っております。というのは、特定の魚種でありますが、その水銀汚染魚は、とりましても市場に出すことはできません、捨てなさいということになっております。漁業で生活をしている人たちもおります。沿岸の住民は非常に不安を感じている。第二の水俣病になるのではないだろうか、その原因は一体どこにあるのだろうか。この問題の解決を科学的に処理するのは、当然国の国民に対する一つの責任でもあろうということで、科学技術庁に「しんかい」という潜水船がありますので、これによって海底噴気の状態を調査してみたらどうかという投げかけをしたわけです。 ところが、長官も御承知だと思いますが、この「しんかい」は七年間使いまして、ことしの三月末でもう任務を終了する、後は解体をして、これから二千メートル級の潜水船をつくるんだというので、ことし二億ほど予算がついているようでございます。じゃ、ほかにそういう潜水船があるのかと調べてみたら、国の所有物はないのです。「はくよう」という六トンの小さな船が特殊法人にございます。それでも活用をして調査をしてみたらさらに的確な結論が出るのではないだろうかと私は考えているわけです。六トンの小さな潜水船でございますから、前の「しんかい号」に比べたら持ち運びもきわめて軽易でございますし、そういうような立場から利用をするならば、「しんかい号」であれば四千万円くらいかかるであろうと言われておりますが、「はくよう号」であればその十分の一くらいの金で済むのではないだろうかと私は思うのです。 これは環境庁の任務、分野でございますから、環境庁と水産庁が——魚体にそういう有機水銀が蓄積をされる過程というものは水産庁で調べるとして、そういう湾の奥が汚されて水銀汚染魚がとれるような状態、水質汚染、環境汚染という問題は、環境庁長官の方でそういう住民の期待にこたえて真相究明を願う、これがことしの予算の中でできるであろうかということについて若干の懸念を持っておるのです。あれは七百数十万だったと思いますが、限られた予算の中でどの程度のものができるのか、そしてまた、この真相究明にかける長官の熱意をひとつお聞きをいたしたい、私はこういうふうに考えておりますので、事務当局の方から事務的に説明をしてもらった後でも結構でございますが、長官の取り組みの意欲的な姿勢を明らかにしてもらいたい、こう考えるわけです。
○二瓶政府委員 鹿児島湾の水銀汚染関係のことでございますが、環境庁の方といたしましては、現在御審議いただいております予算の中に、底質調査の関係の予算といたしまして二千二百万ほど計上をいたしております。この経費のうちから鹿児島湾の底質調査の経費に向けたい、こう思っております。これは前年度よりふやすことは可能、ふやそうと思っておりますが、まだ御審議いたされている段階でございますので、どの程度ということは申し上げかねるわけでございます。 それからもう一つは、やはり水質の調査の関係がございます。これらの面につきましては、水質の常時監視のための補助金等相当額ございますので、この範囲の中で鹿児島県の方にも配分をしたい、かように考えておるわけでございます。 なお、ただいま先生からお話がございましたように、水産庁の方におきましても七百万円程度の調査費を計上しておるようでございます。他方また文部省におきまして研究費を相当額、これは枠予算になっておるわけでございますけれども、この中からひとつ鹿児島湾の水銀汚染の原因究明のための研究というものをぜひ取り上げてほしいということを環境庁の方からも文部省の方に強く要請をいたしております。 なお、ただいまお話ございましたように、科学技術庁の方で従来「しんかい」という潜水艇といいますか、持っておったわけでございますが、ただいまお話しのとおり、これが今年度で廃船になるというようなふうに聞いております。 なお、民間で持っております「はくよう」、これは六トンほどということでございますが、これを使って調査したらどうかというようなお話がございますが、これらの面につきましては、現在申し上げましたように、環境庁の方での既定の計上しております予算といたしましては水質、底質、この関係の分を考えておりますので、現在すぐ予算措置をどうということについては、検討はいたしますが、なかなか困難ではないか、かように考えております。
○石原国務大臣 日本は水俣病で水銀に関しましては非常に痛々しい大きな体験をいたしまして、水銀に関しては国民全般が非常に重要な関心を抱いておると思います。調査の結果ですと、何か海底の火山活動による可能性が非常に強いということでございまして、そうなりますと、これは公害じゃなしに自然汚染ということだそうでございますが、しかしそんなことを云々します前に、やはり海洋国であり、また世界有数の火山国といたしまして、こういった水銀の汚染が火山活動で海に非常に広く及ぶということは、これは日本に限らず世界全体にとっての非常に重要な知見になると思いますので、これは積極的に関係省庁と協議いたしまして、できるだけ早い機会に一つのチームをつくるなりして調べてみたいと思います。 ただ、「はくよう」という潜水艦が果たして当地の二百二十メートルという水底までもぐる能力があるかどうかということを私つまびらかにいたしませんが、技術庁の持っております潜水艦はどうも年限が来て、部品の摩耗とか疲労ということで限界に来たようでございまして、これをことしあえて使用するということも非常に危険もあるかと思います。できるだけ早くりっぱな潜水艦をつくってもらいまして、あるいは「はくよう」というものが役に立つならば、それを使用してでも調査をすべきものと心得ます。
○村山(喜)分科員 私も「はくよう」の性能がどの程度のものであろうかというので聞いてみましたら、二百メートルは大丈夫だということでございます。大体海底噴気の場所等は二百メートル程度のところの地域にあるわけですから、どういうような形で噴気していくのか、それを水中カメラ等でとったり、あるいは潜水夫を入れたり——潜水夫は無理ですが、あるいは潜水調査をやったりするようなことによって調査をすれば、その原因の究明がなお確実なものになるのではないかという提起もいただいておるわけですね。 そこで、やはりいまある技術、そういうようなものを最大限に活用して、潜水船ができるのは、二千メートル級の潜水船をつくるというのですが、これは四、五年先のことなんです。それまで待ってもらえなどということになれば、とれた魚はぜひどこか国なりに買ってもらわなければならないというようなかっこうになりかねませんので、一日も早くそういうような問題は真実を究明してそれに対応する対策を立てなければ、水銀汚染によります不安というものは解消しないわけですから、いま長官が言われたように、「はくよう」によります調査船の性能等も考えて、活用できるものであるならばそういうようなことでやってみたいということを期待いたしておりますので、ぜひ御推進を願いたいと思うのです。 先ほど局長の方から説明がありました底質調査、これは単に鹿児島の湾奥の調査だけじゃございませんで、阿賀野川水銀の調査まで含めた予算であるというふうにも聞いておりますから、環境庁だけの金では足らない場合には、これは水産庁なりあるいは文部省なり、あるいは足らない場合には予備費でも、そう大した金がかかるわけでもございません。したがいまして、ことしはぜひそれを長官が在任中に処理を願いたいということを要請申し上げたいと思いますが、長官の決意のほどをひとつお聞かせいただけませんか。
○石原国務大臣 県とも相談いたしまして、ぜひ早期にそういう調査が実現するように積極的に努力いたします。
○村山(喜)分科員 次に、エネルギーの問題でございます。 先般、総合エネルギー閣僚会議を開かれて、エネルギーの昭和六十年の長期見通しについては六十五年にこれを変更するということを御決定なされたように新聞で聞いております。私はそういうような問題を予算委員会で追及をいたしまして、田中通産大臣からエネルギーの需給の見通しについては見直しをいたしますということの言明をいただいたわけでございます。 そこで、エネルギーの消費の増大と環境の保全という問題は、やはり長期的な視点で考えなければならないというように考えるわけでございます。で、すでに長官もごらんになったと思いますが、「長期エネルギーの戦略の選択」というので総合研究開発機構の向坂正男さんが発表していらっしゃる資料を私もここに持っております。この中に、SOxやあるいはNOxの問題が、いまの日本の平地面積当たりのエネルギーの消費の密度から見て、将来をながめた場合には、現在アメリカの九倍の密度になっているのがさらに三倍の状態になるであろう。その場合には、単に重油脱硫だけではなくて排煙脱硫もとる必要がある。あるいはNOxの場合には、さらに固定装置であるボイラーに全部排煙脱硝装置を取りつける必要がある。それでもなお環境保全は現在の基準をオーバーしてしまうであろう、こういうような非常にショッキングな発表がなされておるわけでございます。 そういう立場から、環境庁長官は、このエネルギー消費の増大という問題と環境保全の問題をどういうふうに今後とらえていこうとしていらっしゃるのか。これは長期的な課題でございますから、やはり長官はまだお若いわけですから、未来にこれからさらに発展をされる立場にある人だと思いますがゆえに、私はそういうような長期展望を踏まえながら問題を考えていただきたいと思うのでございます。その点から、環境影響評価法案が今国会に提案をされるのに当たりまして、通産省あたりからなかなか同意が得られないということで、まだ今国会に提案の手続に至らない、そういうようなことでございますが、これにかける長官の決意のほどをお伺いいたしておきたいと思うのです。
○石原国務大臣 関係省庁との話し合いも大方煮詰まりまして、通産省も反対ではなしに、反対とは言わない、きわめて消極的であるという態度までどうも変化したようでございます。でございますから、できるだけこれから早い機会にそういった関係省庁の意向を整理いたしまして、いまの第二のドラフトを完璧なものにし、今国会に提出するつもりでございます。
○村山(喜)分科員 いつごろ提出の見込み、見通しになりますか。
○柳瀬政府委員 一応は三月の二十二日の閣議までに、提出を予定している法案はその日までに提出をしてもらいたいという内閣の方からの要請があるわけでございますが、このアセスメント法案は関係省庁が非常に多うございまして、ただいま協議をしているのが二十一省庁、全省庁に協議をしておるわけでございます。また、そのある一省庁につきましても一つの局とか二つの局じゃなくて、たとえば建設省で言いますと、ほとんどの局、課に関係がありますので、この調整に大変手間が取れる予定でございまして、そういう点で若干日にちがおくれるということはやむを得ないことだというふうに思っておるわけでございます。
○村山(喜)分科員 三月の二十二日までには必ず提出されるであろうというふうに思っているわけでございますが、これはやはり二十一省庁にも関係がある。それは関係があるはずでございます。そういうようなのがこのアセスメントの問題の今後の非常に重要な国民的な関心事でございますから、ぜひ環境庁長官が中心になって督促をして、必ず今国会に間に合うように提出を願わなければ、環境庁の存在そのものが疑われることになるであろうと私は思うのです。その点は特に長官に要請を申し上げておきますが、長官よろしゅうございますか。
○石原国務大臣 しかと承りまして、必ず御期待に沿うように努力するつもりでございます。
○村山(喜)分科員 最後に、私は新大隅開発計画の問題についてお尋ねをいたしたいと思うのでございます。 第二次試案が昨年の六月にできてまいっておりまして、この内容を見てまいりますと「「緑につつまれた 活力ある しあわせな地域社会づくり」を進めることを目標とする。」ということでございます。目標そのものについては、われわれも賛成でございます。ところが、その中で、どういうふうにしてこれを達成をするのかという中身の問題が問題になるのでございます。前に環境庁長官をしていらっしゃったと思いますが、小山長規前代議士を初めとする宮崎県の漁民の人たちが長官のところを訪れた。その訪れたときに長官とお会いをされたそのことについて、小山さんが記者会見をされた発表の記事も見ました。この問題は単に鹿児島だけではございませんで、宮崎の問題に関係があることは長官御承知のとおりでございます。昨年の六月の九日に参議院の決算委員会で社会党の久保亘君の方から当時の小沢環境庁長官に対しまして質疑をいたしましたときに、この問題は宮崎県に及ぶ問題であるので十分に宮崎県側の意見を聞くというのは当然である、こういうような答弁をされておりました。 私は、石原長官も現地を見るなどいろいろな角度からこの問題については検討をされる必要があると思うのですが、事務局の方から現在の進行状態について、環境庁なりあるいはその他通産省なり国土庁なりが現在の状態の報告を受けた後、長官はこの問題についてどういう角度から取り組みをされるお気持ちであるのか、それをお伺いいたしたいと思うのでございます。と申し上げますのは、現在の原油の輸入が二億八千万キロリットル程度でございますが、昭和六十年にはこれが四億八千五百万キロリットルになるであろう。その時点においてこの工業立地の問題を考えました場合に、果たして志布志の新大隅の地域に石油コンビナートをつくる必要があるのだろうかという基本的な問題が、省資源、省エネルギー政策の今後の推進の中で問われている問題だと私は思っておりますので、そういう立場からいま問題を詰めているのでございますが、それらの状況判断の上に立って最後に長官の御答弁をいただきたいと思いますので、事務レベルの方で簡潔にそれぞれ説明を願いたい。
○柳瀬政府委員 新大隅開発計画につきまして現在どうなっているかということでございますが、先ほど先生おっしゃいましたように、新大隅開発の第二次の試案といいます計画案が昨年の六月に金丸知事の方から発表されまして、その後県内で調整を現在している。宮崎県知事の方からも環境調査が完了しない間に鹿児島県で発表したのはまことに遺憾だというような御意見もありまして、今後鹿児島県、宮崎県はよく調整をとってやっていこうというようなことにもなっておりますが、まだそういう調整もとれておらないわけでございまして、いま案の段階でございまして県の正式な計画ということになっておりませんので、政府の方にはまだこの計画が来ておらない段階でございます。
○富永説明員 ただいま柳瀬局長から御答弁になりましたことに若干補足させていただきますと、昨年の六月に鹿児島県から新大隅開発計画の案が出まして、私どもその内容につきましては県の方から説明を受けておりますが、いま御指摘の宮崎県との関係でございますけれども、昨年の六月の段階ではまだ明らかになっておりませんでした環境調査がございますが、その結果が明らかになりました段階で宮崎県側と鹿児島県側が十分協議をするというふうに聞いております。したがいまして、私どもそういった地元での両県の話し合いといったもの、それから関係の省庁と十分相談をいたしましてこの新大隅開発計画を今後どう持っていくか、どう取り扱うかということにつきましては慎重に検討していきたい、そういうふうに考えているわけでございます。
○有岡説明員 通産省の方の立場について御説明申し上げます。 新大隅開発につきましては、先ほどから御説明のとおり、まだ県の正式計画が決定されておりませんので、通産省といたしましても県の計画が正式に決定いたしましてからこれを受けて検討いたしたい、かように考えております。しかしながら、一般的に臨海工業基地の整備の必要性ということについて申し上げますと、今後わが国の経済が安定的成長を遂げますためには、石油等基礎資材の安定供給というのは非常に重要な課題でございまして、産業構造審議会の長期ビジョンにおきましても、六十年までの十年間に相当程度の生産規模の増加が見込まれております。海外立地につきまして、当分これに大きく依存できないといたしますと、やはりある程度の臨海工業基地の整備が必要ではないか、かように考えております。 それからまた、装置産業でございましても、地元雇用の拡大、地域財政への寄与という点でも効果がございますので、この計画が環境基準に適合し、地元のコンセンサスを完全に得ているといたしますと、やはり前向きに考えるべきではないか、基本的にはかように考えております。
○村山(喜)分科員 いろいろな考え方がそれぞれ省庁によってあるようでございます。しかし、われわれは、住民の意思が大事であり、環境保全が大事であり、そして二度とそういうような環境を汚染してはならないという立場で、漁業に対する影響であるとか、立地条件の整備の問題であるとか、市場の問題であるとか、あるいは労働力吸収の問題であるとか、いろいろなファクターも考えなければならないとは思いますが、環境を汚してはならないという基本はどんなことがあっても確認をしなければならぬと思うのです。 そういうような意味から、私は、やはり長官が現地を一遍訪れる、そしてその中で自分の目で見て、どうすべきだという判断を下されることが必要だと思うのですが、そういうようなお気持ちがございますか、最後にお尋ねいたします。
○石原国務大臣 実は私、大分以前でございますけれども、二度ほど内之浦から宮崎県にかけまして志布志湾を訪れたことはございます。その後にあそこにそういう開発の計画があると聞きまして、ある強い印象を受けました。それは何であるかは、立場がございますので申し上げませんが、先ほど企画調整局長からもお話しいたしましたように、環境庁としていまここで判断をする段階に来ておりませんので、その段階になりましたら改めてその立場で私もう一度現地を訪れ、判断の基準になるべく自分自身の目で見、耳で聞いて勉強したいと思っております。
○村山(喜)分科員 終わります。
○木野主査 この際、暫時休憩いたします。 午後二時三十分再開することといたします。 午後零時三十三分休憩 ————◇————— 午後二時三十七分開議
○木野主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 ただいま新東京国際空港公団副総裁町田直君及び理事角坂仁忠君に参考人として御出席いただいております。 参考人の御意見は、委員からの質疑によってお述べ願います。 質疑を続行いたします。小川国彦君。
○小川(国)分科員 最初に環境庁長官にお伺いしたいわけでございますが、先日の閣議におきまして、福田総理大臣が、本年度内の成田空港の開港、こういうことを目標として閣議を持たれたその中で、各関係閣僚がこの開港に対してどういうように対処していくかということを御論議になったそうでございますが、その際に環境庁長官は、この成田の開港という問題についてどういうような御所見を持ち、また閣議でどういうような御意見を述べられたか、お伺いをしたいわけでございます。
○石原国務大臣 いろんな閣僚が発言されましたが、成田空港に関しましては私は別に何も申しませんでした。ただ、羽田の空港が今日非常に危険な状態にあるので、できるだけ早くあの過密を取り除くために成田空港をあけるべきではないか、そのためにぜひ羽田の非常に危険な過密状態を運輸大臣にも御視察願いたいということは申しました。
○小川(国)分科員 私は、その辺の長官の御認識から変えていかなければならないんじゃないかというふうに思うのですが、先般来、これは運輸省もおいでになりますが、運輸省は、羽田が過密だから成田を早期に開港させなければならない、こういう言い方で言ってこられたわけであります。最近、私が出しております質問主意書に対しては運輸省の考え方は変わってきておるわけですが、その点、運輸省からちょっと御答弁願います。
○松尾説明員 お答えいたします。 現在における羽田空港につきましては、全体の便数が四百六十便でございまして、そのうち国際線が百五十便入っております。現在の環境対策上、羽田につきましては、いろんな問題から便数規制をしているような状況でございますので、できるだけ早期に成田空港を開港いたしまして、そういった問題について解決をしてまいりたい、かように考えております。
○小川(国)分科員 それでは運輸省に伺いますが、便数規制はどのくらいなさっていらっしゃるか。それから、各国から新規の利用の申し入れはどのくらい出てきているか。
○松尾説明員 現在、先ほど申し上げましたように、四百六十便に規制いたしております。年間にいたしまして、不定期なんか入れますと、約十七万五千回の処理能力になっております。 それから、国際線関係でございますが、三十二カ国新しく乗り入れを要望してまいっております。
○小川(国)分科員 いまの運輸省の答弁にはちょっと疑問の点があるのです。羽田の過密ということについてのとらえ方はいろいろあると思うのですが、過密であって危険である、運輸省は従来こういう言い方をしていたんです。過密であるかどうかということは、過密で危険であるということになりますと、それを放置していた運輸省の責任が当然出てくるわけで、その点では運輸省はこれを適正規模に抑えている、こういう言い方が正しいわけでありまして、それに対して、規制という言葉を使っているが、実際、上回っている数字はどのくらいあるのか。いまの経済状況から見て、これはいろいろ問題があるわけですが、その点の規制のやり方とか新規の申し入れの問題については、これは一概にそのことをもって過密であるという表現は適切でないし、あなた方の答弁書でも、過密で危険という表現は最近は変わってきているわけです。この点は改めてまた来週運輸省を取り扱う分科会の中でただしていきたいと思います。 そこで、環境庁長官が成田空港の問題について、羽田が過密である、こういうようなとらえ方で成田空港を見られたわけですが、環境庁長官として成田空港のこの環境問題、先日も田村運輸大臣にただしましたけれども、関西新空港の環境問題に対して相当な配慮を払うということを福田内閣の方針として打ち出してきているわけですが、その点について環境庁長官は、私が先般申し上げたように、やはり成田空港周辺の住民も同じ国民である、しかも同じような環境問題で、関西新空港ができた場合に悩む人たちの悩みも、これから十一月にもし仮に福田内閣が強制開港した場合に悩む住民の問題もこれは同じであるはずです。そういう点について環境庁長官としては、これらの成田空港周辺の対策についてどういうふうにお考えになっているか、長官の所見を伺いたいと思います。
○石原国務大臣 成田空港も、現在、十分なアセスメントをしてから実現化するというたてまえで検討しております関西新空港と同じような環境基準に、これはすでに空港そのものができた後でございますけれども、これから開港まで環境庁が要求しております基準にかなうような整備をすべきものと心得ます。
○小川(国)分科員 その場合、長官は、関西新空港で考えられる環境対策というものと成田が同じように行われるべきだ、こういう点についてはどのようにお考えになりますか。
○石原国務大臣 成田もでき得る限り関西新空港と同じような条件に、これは一種の後追いになるかもしれませんけれども、整備されるべきだと思います。
○小川(国)分科員 成田空港の方が先行をしている空港であって、関西新空港はまだ泉州沖というようなことで位置が決められただけで、環境対策、社会条件の対策一切これからということなんですが、そういう観点から言うならば、成田は後追いするんじゃなくて、むしろ成田の問題を先行すべきじゃないかというふうに考えるのですが、その点は長官はどのようにお考えになりますか。
○石原国務大臣 後追いと申しましたのは、関西空港に対する後追いではございませんで、すでに空港そのものがアセスメント云々というものが今日のように重視される以前に計画され、着工され、ほとんどでき上がっているわけでございます。でありますから、その周辺の環境整備についてこれからの努力というものの必要があるわけでございますので、そういう意味で後追いということを申し上げたわけです。
○小川(国)分科員 大変結構な御答弁をいただきまして、私ども長官の、そういう問題を適切な形でとらえられて対処していく、こういう方針については私どもも賛同するところであります。 そこで、ひとつ具体的な問題に入りましてお伺いをしたいわけですが、「新幹線鉄道騒音に係る環境基準」というので昭和五十年七月二十九日に環境庁が告示された環境基準というものがございます。これは大臣も御存じのところと思いますが、環境基準というものを今後、主として住居の用に供される地域では、第一の類型の地域では七十ホン以下に基準値を抑えていく、こういう環境基準というものを決められているわけであります。その環境基準の達成する期間、改善目標、こういうものが定められているわけでありますが、その中で成田空港の環境基準の取り扱いでございますが、これが残念ながら新東京国際空港については既設飛行場と同じ区分の中に入れられているわけなんです。新設の飛行場は騒音の環境基準を七十ホン以下に直ちに達成するように、こういうことになっているわけですが、どういうわけか、成田空港については十年以内に目標を達成すればいい。いわゆる昭和四十八年にこれが設定されて、五十八年までに七十ホン以下に抑えるという目標が達成されればいい、こういう基準がつくられているわけなんです。 私は非常に不思議に思いますのは、成田空港は一体既設の空港なのか新設の空港なのか。この既設というものはもうすでにでき上がっているものでありまして、残念ながら成田空港は福田内閣がことし相当の予算をかけて交通アクセスをつくり、あるいはまたジェット燃料の輸送体制をつくり、諸般の体制を整えなければ開港できないという状況で、成田空港はまだ工事中でございます。したがって、これはまだ未完成であります。これは長官も普通、新設という言葉をどういうふうにお受け取りになるか。長官は文学なり文章なり言葉の使い方については非常に厳しく御認識の方でいらっしゃいますから、新設という場合には、未完成のものは新設と言うのではないか、こういうふうに思うわけなんですが、この未完成のものを新設と言わないのかどうか、この点ひとつ長官の御所見を承りたいと思います。
○石原国務大臣 役所と申しますところは非常に不思議な言葉遣いが慣例となっているところでございまして、われわれ常人ではよく理解できないこともございますが、成田空港の場合、どういう発想に基づいてこれが既設の空港になったかということは私よくつまびらかにいたしません。そのいきさつについては私、存じませんので、必要とあらば政府委員から答弁いたしますが、そういう意味で、いわゆる政治の世界で使っております言葉の概念をここに持ち込んで判断いたしましても、それが行政の上になかなか反映できません節がございますので、そのように御了承願いたいと思います。
○橋本(道)政府委員 いま大臣から文章としての通常の考え方をおっしゃいましたわけでございますが、この法律の中で、環境基準の告示の中でどうしてそうなっているかという御質問に対しましてお答えいたしたいと思います。 最初の成田空港の開港目標は四十六年四月、それが一年ずれたのでございますが、四十七年六月とまたずれた。現在まだそこになっていないという事実が一点ございます。 それから、滑走路を完成したというのが私どもの理解では、もしも誤っておれば運輸省から正していただきたいと思いますが、四十八年三月にできまして、ですから四十八年三月には少なくとも滑走路はでき上がった。そこで、環境基準を決めましたのは四十八年十二月でございます。四十八年十二月に環境基準を決めまして、それではそのときに新設と言うかというには、私どもの役所的な考え方で新設と言うには、これは全く無理でございまして、新幹線の場合もごらんになっていただきますと、既設の新幹線と工事中の新幹線というのがございます。この中で工事中といいまして、新潟の方へ走る新幹線などはまだ実際の工事が行われていないところでも工事中の新幹線という形になっておるわけでございますが、この成田の場合には、ものはほとんどできておる、しかしまだ一部に残っておる。そういう意味で、開港目標は早かったがまだそれができていないということでございますので、新設として扱うのにはこれは私はまったく無理な話である、こういうように思います。 それからもう一つは、環境基準の適用の期間の中に、この起算は環境基準を設定した日から起算をするという形になっておりますので、それが四十八年十二月にできますと、五年以降となりますと五十三年十二月でございます。そういうことで、この環境基準で十年と書いてありますが、その中間的な目標は、たとえば五十三年に開港したとしますと、五十三年にはこの目標に到達しているということがこの決めた環境基準の努力目標になっており、それが到達していない場所におきましては、屋内が六十五になるような防音工事がされていなければならないというのが、この環境基準を設定した趣旨でございます。
○小川(国)分科員 長官も非常に不思議だと言われたのですが、私もいまの環境庁の役人の方々の考え方は非常に不思議だと思うのです。飛行場というのは滑走路ができたからそれで完成したというふうにお考えになっているが、飛行場の無線誘導装置もなければ、あるいはまた離着陸に必要な誘導灯の装置もできていない。これは予算委員会でさんざん議論されておることで、いま工事中である、あるいは買収中であるということは、これは長官も御存じだろうと思うのです。空港というのは、公団法や航空法に言うまでもなく、必要な諸施設というのは定められているのですよ、環境庁の方。そういう定められたものが全部そろっていないわけです。そういうような形で未完成、滑走路ができただけで完成されたというふうに考えられるのは、恐らくあなただけじゃないかと思うのですよ。飛行場は滑走路ができたら完成というのは、これはきわめて無謀な考え方で、飛行場に必要な諸施設というのは、これは航空法にもあるいは公団法の中にも定められているわけなんで、そういうものがまだ整わない段階で飛行場が完成したと考えるのは、これは環境庁の大変な過ちではないか。 それからもう一つ、これは大臣にもう一遍念を押して尋ねたいのですが、私はよく新築祝いに招かれますけれども、大体、新築祝いに呼ばれたときの家というのは完成しておるのです。それから、この新築祝いに人を呼ぶときに、まだ玄関ができていなかったり、トイレができていなかったり、台所がなかったり、そういう状態では新築祝いというのに人を呼ばないと思うのです。それはもう大臣もそういうふうにお思いになると思うのですが、そういう新築祝いというのは完成した段階で新築と言われるので、私は新設も意味は同じではなかろうかというふうに思うのですが、これは長官、どういうふうにお考えになりますか。
○石原国務大臣 一般社会の概念ではそのとおりだと思います。いま先生の御質問に関して速成のレクチャーを官房長から受けましたところ、環境法関係では、あくまでもこれから着工するもののみを新設とし、すでに何らか部分的に既成の事実が物理的にあるものに関しては既設と、一種線引きして新設、既設を区分けするようでございます。そのよって立つところは何だか私、詳しくいたしませんけれども、つまりそういうことだそうでございます。
○小川(国)分科員 これは私は長官に厳しくやってもらいたいと思うのですが、そういう役人の考え方で日本の国の政治をやられたのでは国民はたまったものではないということだと思うのですよ。常識の世界で通用することが、官僚の世界、行政の世界では通用しないということなんですよ。何と言いくるめようと、どう考えたって成田空港は既設のものではないですよ、飛行場が開港できる要件というものを備えていないわけですから。燃料の輸送施設だって完成していませんし、交通アクセスだって完成していませんし、あるいはまた航空管制も完成していない。完成していないことだらけの中でこれを既設の中にはめ込んで、そうしてその対策は十年先でもいい、十年かかってもいい、こういう後退したやり方というものは、大臣が先ほどおっしゃった後を追っていくという考え方からいくならば、私は、まさに成田空港は新設のものという考えで、開港が十一月ということなんだから、直ちにこれは環境基準を守らせる、こういう積極的な姿勢が環境庁になかったならば、住民の環境問題というのは守れないと思いますよ。既成事実をつくらして、その上で後を追っかけて対策をやるというのでは、これは大臣の答弁にも反すると私は思うのですが、その点どういうふうにお考えですか。
○橋本(道)政府委員 いま大臣が若干補足してお答えになりました。私は、完成と、もしも言い切っておったら訂正いたしたいと思います。既設ということを申しておりまして、もうすでに多くの工事が行われ、投資が行われ、それから、先ほど申し上げましたように、ほとんどのものができているがまだ開港に至っていないということを申し上げたわけでございます。 そういうことで、環境基準を決めるときには、やはりものがもうすでに投資されて、相当なものができ上がってそこにあるというときには、先ほど申しましたような既設という概念で扱ってやっていく。しかしながら、できてからまた五年間という形ではなしに、環境基準を決めたときから五年間、中間目標は四十八年から五年。飛行場をまだ開いておらないと言っても、それはもうちゃんと起算の中に入ってくるという形をとっておりますので、先生のような御批判はあろうかと思いますが、この考え方は政府のやり方としては私は間違ってはおらないというように考えております。
○小川(国)分科員 私はどう考えても——新設という飛行場の欄がなければいいですよ。あなた方、新設の飛行場は直ちにということを言っておるので、じゃ、いま私が言ったことはあなたはどう考えますか。家を新築された場合、新築して玄関がないとか台所がないとか便所がないとか、そういう状態の中で、あなた、建築祝いのお祝いをやりますか。ひとつ参考に聞かしてもらいたい。
○石原国務大臣 いま橋本局長が申しましたが、ちょっとお言葉を返すようですけれども、私も成田空港は新築ではないと思います。つまり、新築中と申しましょうか、現在完成中ということで、新設という範疇からは外されたのだと思います。
○小川(国)分科員 残念ながら長官、新設中というのは区分にないのですよ。新設か既設か、新設飛行場か既設飛行場か、二つに分けるのです。その二つに分ける場合は、未完成のものは、また新設中のものは当然新設の中に入るのですよ。そうでしょう。まだ新築中のものを既設とは絶対に言わないと思いますよ。これはもう一度その点、大臣の常識的な判断を聞かしてもらいたいと思うのです。
○石原国務大臣 先ほど局長が申し上げましたように、成田そのものは非常に長い時間かかっておりまして、その途中の時点から環境問題というのがやはり非常に意識の中に大きな比重を占め、それに対するアセスメント等の技術というものも開発され、アセスメントそのものが非常に重要視されてきたわけでございまして、いわば社会全体の意識の変革の途上に非常に長い時間かかって飛行場が建設され続けてきたということで、こういう食い違いが起こったと私は思います。ですから、これは言葉を常識的に割り切って判断してもどうなることでもございませんが、確かに先生おっしゃられますように、一般の常識、概念からすれば、微妙に納得のできない点は多々あると思いますけれども、しかし、やはり行政上便宜そういうふうな割り切り方をしたことは、私、これまたいたし方ないのではないかという気がいたします。
○小川(国)分科員 あなたはその新築のやつだけ答えてください。どういうふうに考えているか。
○橋本(道)政府委員 新築概念につきましては、先生と全く同じ考えでございます。 ただ、もう一点だけ申し添えたいのは、環境基準といいますのは維持されることが望ましい、空港の条件としては非常に望ましい状態というのを長期目標として置いております。そういうところの観点も御考慮に入れていただいてお考え願えればというぐあいに存じております。
○小川(国)分科員 だから、そういう答弁になってくるのですよ。あなたは望ましいと言う、私はこの七十ホンの基準自体すら問題だと思っているのですよ。たとえば、小学校の教室の中で生徒が勉強するのに一番ふさわしい範囲というのは五十ホン以下、小学校の一つの教室で先生の話し声が聞こえて、生徒が本当に勉強できる条件というのは五十ホン以下でなければならないというのです。あなた方の基準は、七十ホンというのはそれにも及んでないわけです。それにも及んでない基準を決めながら、しかもそれを建設途上の成田空港にも適用できないという、そういう後退した姿勢で環境対策ができるのかということなのです。 それから、いま成田空港の一番大きな問題は、空港そのものだけじゃなくて、いままでは空港公団や運輸省が、空港さえつくればいいということでやってきた、しかも決定当初から住民に何も事前の相談も話し合いもなくて、だましにだまして今日までやってきた、だんだんそういう闘いの中で住民が目覚めてきた、気がついてみたら国の役所がやっていることはみんな住民をだますことばかりだ。成田空港について、開港後に騒音問題で必ず大阪のように第二の訴訟問題が起こるだろう、騒音訴訟が起こることは私は必然だと思っていますよ。あなた方もそういうことを予想したならば、これは成田空港が開港しない以前に環境庁は毅然たる態度を持って、そういう環境基準の達成できない空港は開港すべきでない、そのくらいの信念をあなた方が持たなければ、こういうふうにごまかして、妥協して、そうして開港を現実のものにして、その上で住民は泣いてもついてこい、だまされてもついてこい、そういう姿勢でやっていったのでは、日本全国、先ほど来申し上げたように、住民の反対闘争が最後まで続いていく、拡大していくということはこれは必然なのですよ。 そういう点から言うならば、この環境基準というものも、先ほど長官が言ったように、後追いだけれども、追いついていこうという姿勢を持つならば、これは当然私はこの区分を改めるべきじゃないか、こういうふうに考えるのですが、大臣、ひとつそういう方向に向かって努力してみる、取り組んでみる。こういう常識がやはり通用する政治の世界に、行政の世界に取り戻さなければいけないと思うのですよ。その点について、どういうふうな御所見をお持ちですか。
○石原国務大臣 成田が開港しました後に、先生おっしゃられますように、騒音に関しての訴訟が起こったりするようなことになるならば、これは非常に重大な事態でございますし、そういう可能性があるのかないのか、私、現地をまだ見ておりませんし、一回私自身現地に赴いて確かめて、こういった問題に対処したいと思います。
○小川(国)分科員 これはもうぜひ大臣に現地をごらんになっていただいて、成田空港を取り巻く地域環境、社会環境、そういうものを十分把握されて、私は、大臣のこれからでも遅くない、そういう決意には共鳴しておりますから、ぜひひとつこの環境問題に取り組んでいただきたいと思います。 それから、さらにこの問題に関連しまして——まだ時間ございますか。——それでは、ちょうど時間のようでございますから、これで終わりたいと思います。
○木野主査 次に、河村勝君。
○河村分科員 私はきょう、箱根のような国立公園の自然保護とそこに長年住んでいる住民の生活、その環境保護と住民生活とのかかわり合いについて少し質問をいたします。 初めに環境庁長官に、こういう箱根のようなところは自然環境と景観を保護するというのが環境庁の役目ですね。それは大いにやってほしいし、これからもやってもらわなければなりませんが、環境を保護するというのは人間を離れてあるべきものではないので、外部からのいろいろな開発によって環境が破壊されるのを防止するのが役目であろうと思う。だから、そこに長年住んでいる人間は、長くそこに平穏無事に住んで、いわば自然と共存しているわけです。そういう古くからいる住民の生活が侵されるような規制をされてはならない、そう思っているのですけれども、一体この自然環境の保護と地域住民との関係について、基本的にどうあるべきものだとあなたはお考えになっているか、それを伺いたい。
○石原国務大臣 保護されるべき自然環境の中にすでに住んでいらっしゃる住民の方々は、何らかの形でその環境というものを利用して生活していらっしゃると思いますけれども、そういう生活のたつきと申しましょうか、それを無視して行政は行わるべきではないと思います。同時にまた、そういう方々が、そこに住んでいるのだからということだけで、そこを年に何度か訪れるかもしれぬ一般の国民のためにならぬような環境破壊というものもこれまた許されるべきでないと心得ます。
○河村分科員 ですから、その環境保護のために一定の規制をする。規制をするということは結局私権の制限につながるものですね。ですから、それはただ一方的に制限するだけではいけないのであって、それに対する補償があるか、あるいはそこに住んでいる人たちがいままで環境を破壊したりしない範囲でその地域を利用している、そういうささやかな生活のための利用、そういうものまで制限するというのは私は行き過ぎであろう、そう思います。大臣も恐らく同じ考えであろうと思いますが、いかがですか。 〔主査退席、瓦主査代理着席〕
○石原国務大臣 そのとおりでございます。
○河村分科員 そこで、少し具体的にお伺いしますが、昭和五十年の五月に環境庁が、自然環境保全審議会の答申に基づいて、箱根地区について新たに地域の変更をやり、かついろいろな計画の変更をやりましたね。これの目的といいますか、いきさつ、目標というものは一体どういうものであったか、それを伺いたい。
○信澤政府委員 お話のような事実があるわけでございますが、先生御案内のように、箱根の地区と申しますのは大変古い国立公園でございまして、昭和十一年に指定をされたわけでございます。したがって、それについての保護あるいは利用の計画というものも大変古い時代のものがそのまま残ってきた、こういう状況でございます。その後、あの地区につきましてはいろいろ社会的条件あるいは自然環境の条件等も変わってきているわけでございますので、そういった条件の変化に応じて公園のあり方というものを見直す、こういう作業は実はほかの公園についてもやっているわけでございます。 たまたま箱根につきましては、いまのような観点から、たしか昭和四十四、五年のころから神奈川県あるいは箱根町、小田原市、こういった関係地方公共団体とも御相談いたしまして、いろいろ地元の御意向を聞きながらいわゆる保護計画、利用計画というものを大幅に改めた、これがその五十年の改定の主たる内容でございます。
○河村分科員 私は地域住民からいろいろな話を聞くのですけれども、その計画そのものあるいは区域の指定そのものが悪いということではなくて、そうした規制を行うに当たってのやり方が、とかく自然保護なら自然保護という方にばかり夢中になってしまって、それで平穏無害に長年そこに暮らしてきた人間の立場を考えない、これじゃ人間を離れてただ自然だけあればいいのかというような、そういう苦情がいろいろな面で出てきているのです。 きょうはあれこれ言うのではなくて、ちょうど箱根の中の芦ノ湯という、獅子文六の「箱根山」で有名な芦ノ湯地域で二子山という非常に景観のいい山がある。これがたまたま私有地なわけです。これが第一種特別地域に指定をされたことによって、固定資産税などが多少軽減をされるというような恩典はあるようだが、一ヘクタールについて年一万円かな、何かそういう一ヘクタールで年一万円だから本当に鼻紙代みたいなものですが、その程度の恩典は与えられているようだけれども、その反面、従来環境破壊などというものとは縁の遠い山の自然、山のいろいろな草木木石、そうしたものの使用収益、あるいはそこに登山道などもあって、それで自然の中を人が歩けるようになっている、それも使えなくなるというような規制を受けている。それに対して国の方はちっとも何とも考えておらぬようだというような苦情ですね。こういう規制は一応法律には決まっておるけれども、一体どの程度の規制を受忍すべきものと考えてやっておられるのか、その辺のところを聞かせてもらいたい。
○信澤政府委員 先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、他人の土地を公園に指定するわけでございます。そういう意味から申しまして、自然公園法自身にも所有権その他財産権の尊重について配慮すべきだという規定もあるわけでございます。したがって、私ども規制をいたします場合に、やはり私どもの感覚でまずそれなりの考え方は当然持つわけでございますが、その原案に固執するということを必ずしもやっておりません。 先ほど申し上げましたように、箱根地区について申しますれば、かなり長い期間、四十四年から五十年でございますから約六年かかっているわけでございますが、六年の間に先ほど申し上げたように県あるいは地元の町といろいろ御相談をし、そして、おおむねこれが町としてもよろしいではないか、こういうような経過を経て決めてまいってきているわけでございまして、一方的に私どもの立場からのみことはこうあるべきだというようなことは事務の処理上実際問題としてやっていないということでございます。
○河村分科員 そうしますと、決めた過程についても私の聞いた話とは少し違って、住民には何のあいさつもなしに一方的に指定された、そういう報告を聞いているのですが、それはもう済んだことだからいまから議論しても仕方がありませんが、法律では工作物の新築、増築はいかぬ、木竹の伐採はいかぬ、土石の採取はいかぬ、土地の形状を変更することはいかぬというような項目がありますね。そういうのはやはり一切守らせるという方針でやっているわけですか。
○信澤政府委員 たまたま先生例にお挙げになりました芦ノ湯ですね、あのあたりは先ほどお話しのように第一種の特別地域ということになっておるわけでございますが、私どもの規制のやり方は、その一番厳しいのは特別保護地区というものであります。これにつきましては、いまお話しございましたように原則として落葉、落枝も採取させない、ほぼ自然状態に保全をするという考え方でございます。それから、特別地域については一種から三種までございますが、いずれにいたしましても、先生いまお挙げになりましたことは、一般的には禁止事項になっております。ただし、環境庁長官の許可を得ればできる、こういうことになっておるわけでございまして、いわばその許可を与える態様のかなり厳しいものが第一種、それからややそれより緩やかなものが第二種、それから第三種と申しますのが主として農林業との調整を図る、こういう形で運用してまいっているわけでございます。
○河村分科員 環境庁の許可を得ればよろしい、こう言うけれども、実際問題として細かなやつを一々許可を得られないわけだね。ですから、従来やっておったのが、たとえばその辺に転がっているかっこうのいい石を持ってきて庭園用に使うとか、あるいは竹を切ってきてかきね用の竹材に使うとか、あるいは竹細工に使うとか、あるいは山菜を取ってくるとか、そうした日常生活、いままで長年やっていたそういう慣行に類すること、そういうものまで事実上だめになっているのだな。そういうものをやろうとすれば、やはり箱根何とか管理事務所を通じて環境庁長官の許可がないとできない、こういうことになっておるわけですか。
○信澤政府委員 法律のたてまえから申すとそういうことになっておりますが、これはまた法律的に根拠があるわけでございますが、一部は都道府県知事にその権限を委任いたしているわけでございます。先生よく御存じのはずでございますが、あそこに私どもの管理事務所がございます。同時に県の管理事務所もあるわけでございまして、いまお話にお挙げになりましたすべての項目が認められるということは言いがたいかと思いますが、たとえばいまお話に出ました山菜取りに山に入るということまでも厳格に規制をしているかどうか、私、箱根の実情はよく存じませんが、ほかの地域については少なくとも山菜取りに入るのまでを一つ一つ許可にかかわらしめているということはやっていないと思います。ただお話に出ました、あそこに竹細工に使う竹がございますが、業者の方が大量にこれを採取するというような場合には、これはやはり許可を受けなければできない、こういうような規制を行っているのじゃないかと思います。 それからもう一つ、いまお話しの地点については、これは同じ二子山の中の上二子、下二子と分けておりますが、下二子の方は特別保護地区になっているわけでございます。お話しの地域は、実は私どもの原案から申しますと、当時特別保護地区にしたがったと聞いております。しかし、お話しのように民有地でございますので、そこまでの規制というのはなかなか土地所有者の御了解も得られないだろうということで第一種にした、こういう経緯があるようでございます。
○河村分科員 この地域は歴史的にはなかなかおもしろいところでして、本当に昔風の登山道があって、これは明治の中ごろに地域住民がつくったものがあって、大正四年の七月十六日には皇太子さん、皇太子さんといってもいまの天皇陛下がお成りになって、そこに登って楽しまれたというような歴史もあるのですね。ところが、そういう素朴な登山道まで、これは第一種規制区域になったのだから使ってはいかぬというので、それは手をつけてはいかぬということで事実上なくなってしまう。こういうような事実があることを知っていますか。
○信澤政府委員 あそこにハコネコメツツジという大変貴重な植物がございます。恐らくそういう意味で、あそこを特別保護地区なり第一種特別地域にしているということの主たる理由はそこにあったと聞いております。 いまお話しの登山道のことでございますが、たしかおっしゃるように登山道が昔あったようでございますが、戦後アメリカ軍があの二子山の上の方に無線の中継地でございますか、そういうものをつくったときに若干改修して、ジープぐらいが通れるような、そういう道路にした。さらに現在は電電公社が電話の中継基地に使っている、こういうことのようです。無人基地でございますからほとんど人が入らぬわけでございますが、時たま保守のためにあの道路を使う。そして、あの道路をあけておきますと、先ほど申し上げたような非常に貴重な植物がとられる、こういうような事情がございますので、その道に門をつけた、そのために住民の方が自由に出入りできなくなった、こういうことをおっしゃっておるという話は聞いたことがございます。
○河村分科員 そうなりますと、環境庁の許可があればいいとかなんとか言っても、事実上いままで平穏無事に使っておった使用の仕方というのは全くできないに等しくなる。現にそういう状況にあるわけですね。そうであるならば、これはもう本来国で買うべきものなんですね。買う道も開かれているはずであるけれども、現実にはなかなか買わない。それは一体どこに問題があるのですか。
○信澤政府委員 環境庁ができました当初、神奈川県なり箱根町からあそこをひとつ公有地にしてもらいたい、こういうお話があったように伺っております。そういうようなお話が各地にございますので、昭和四十七年度からいわゆる民有地買い上げ制度というものを設けたわけでございます。これは先生御案内のように、特別保護地区は十分の十、それから第一種特別地域については、国が八割持ちまして県に二割持っていただく、いずれも十年元利償還の交付公債で買い上げをする。同時に税制上の特別措置等もあるわけでございますが、そういう制度ができたわけでございます。 たまたまそういう制度ができましたので、当時県は買い上げる方向でお話を進め始めたようでございます。これは先生よく御承知のように、あの地域は土地の所有者が大変細かく、たくさんございます。特に箱根町に住んでない、たとえば東京にお住まいの方とか他府県にお住まいの方というのが多いわけで、なかなか話をつけにくいというようなことで、作業が難航しておった。たまたまその後県財政も悪くなって、今日ではむしろ財政上の理由から一時断念、こういうような形になっておるということでございます。
○河村分科員 そんなぐあいにして延びている間に、持ち主が亡くなったりしますね、そうすると当然相続税がかかる。これは規制されて自分たちは全然使うこともできない、だけれども持ち主が亡くなれば相続税もかかる。そういう場合、一体国はどうするのですか。
○信澤政府委員 ただいまの場合、国として特別の措置をとることにはなっておりません。
○河村分科員 なってないでしょう。
○信澤政府委員 はい、なっておりません。
○河村分科員 環境庁長官、これは無責任だと思いませんか。いままでどおり環境を破壊するような使い方は地域住民はしていなかったわけです。それが、し始めたから規制をしたというのではなくて、平穏裏にずっとやっておったけれども将来のことを考えて規制をしたわけですね。そして、そうした平穏な使い方ももうできなくなってしまった。どこの財政が悪いとかいいとかいう問題はあるにせよ、そのままほっておいて、そして持ち主が死んだら税金だけは取られる。これは不合理でしょう。何か方法はないものですかね。
○石原国務大臣 確かにお聞きいたしまして不合理と申しますか、本当に持ち主の方、それを相続される方にはお気の毒だと思います。これはやはり何かそういう不満をなくす、つまり国がそれを買い上げ得ない場合にどういう措置をするかということを、少し検討さしていただきたいと思います。
○河村分科員 この指定は国でやるわけですね。国がやっておいて、八〇%を国が持つ、二〇%の部分を県の事情で金がないからといってほったらかしておくというのは、これはどうも国としての責任を果たしたことにはならないですね。特別保護地区は一〇〇%だから、これは国でできるわけですね。それで、第一種特別地域の場合には八〇%というのは、これは法律で決まっているのですか、政令ですか。
○信澤政府委員 予算措置で実行上の問題としてそういうことを決めておるわけでございます。
○河村分科員 それであれば国と自治体との関係がどういうふうになるのか、そこのところに多少の問題はあるけれども、やはり国として責任を果たす義務があるでしょう。果たせないんだったら何かほかの、制限をもっと緩和をしていままでどおり使わせるようにするとか、あるいは相続税は免除するとか、そうしたかわりの措置を講じないでそのままにしておいて、相続税は取られても仕方がありませんというのじゃ私はおかしいと思うんだな。それは何とかなりませんか。
○信澤政府委員 非常に具体的、個別的な問題についてのお尋ねでございますので、御答弁いたしにくいわけでございますが……
○河村分科員 いや、これは一般論として、例として挙げたので、別段ぼくは二子山の住人の代理人としてここへ来ているわけではないんで、何もここに限ったことではないので、一般的な問題としてそういう条件に該当するものはどう考えるんだと聞いているのです。芦ノ湯のことだけを私は議論しているつもりはありません。たまたま例として言っているのですから誤解のないようにしてください。
○信澤政府委員 先ほど来大臣も御答弁申し上げておりますように、やはり自然保護を進めるということになれば、それによってある意味では受忍をされる、そういう義務を結果的に課せられるという方がたくさん出てくるわけでございます。したがって、そういう多くの人の受忍の上に立ってある自然環境というものを、片方ではまたそれを利用する方もあるわけでございます。いわばその両者の負担の公平というものは当然考えなければいかぬ大きな問題だと思います。 その点、大臣からも今後検討するというお話がございましたが、実は私どもも自然環境保全審議会というのがございまして、そこにこの問題についてどういう考え方をしたらよろしいかということを御諮問いたしております。たしか昨年の一月か二月でございますが、一応考え方の骨子となるような、そういう中間報告はいただいております。いまその中間報告のいわば肉づけを事務的にするという作業をやっているわけでございまして、そういう中でいま先生御指摘になりましたような、たとえば相続税の軽減あるいは免除とかいうような問題をどう考えるかとか、あるいは利用者に逆に負担をしてもらって、それを配分をするとか、いろいろな考え方があると思いますが、そういう肉づけをいたしておりますので、いまのお話を十分心に置きながら今後さらに検討さしていただきたいと考えます。
○河村分科員 国に予算がないというわけじゃないのですね。その点はどうなんです。
○信澤政府委員 国に予算があるわけでございますが、先ほど申し上げたような条件で使うという前提で国会の御審議もいただき、予算化されておるわけでございます。
○河村分科員 いや、私が聞いたのは、国としてこの買い上げの予算を持っているかどうか。もともと国の方に八〇%に相当するものもなければ話にならないわけで、その点の国の方の財政事情はどうかということを聞いたのです。
○信澤政府委員 制度ができまして以来、枠といたしましては毎年度六十億でございます。来年度もまた六十億で御審議をいまお願いしておるわけでございますが、その枠の中で、いま全国的に私ども聞いておる範囲では、仮にお話が出まして具体化いたしました場合でも実行可能というふうに考えております。
○河村分科員 長官、お聞きのような事情でありまして、私は、それは無理に買えとかなんとかいうことを言っているわけではなくて、それは規制をやってもいままでどおり環境を破壊しないような状態での使い方が認められるというのならそれでもよろしいし、それもなかなかむずかしくて、いろいろな規制があるようですから、それならやはり買うのは国家の義務であるし、いろいろな事情でなかなか買えなければそれに対応する措置がなければなるまい。そうした全体のバランスを見て措置していただけばよろしいわけで、私はたまたまきょう、私の地元でもあるからこの箱根の芦ノ湯を一つの例として挙げましたけれども、他にも恐らくこういう問題があると私は思うので、ひとつ総合的に考えて対処をしていただきたい。大臣のお考えを最後に聞いて終わります。
○石原国務大臣 確かに国から一方的に特別の地域として指定される、これは持ち主にとってある意味では名誉なことかも存じませんが、しかしその後私権が著しく制限され、しかも国が本来買い上げるという方針であるものが予算、いろいろの事情でそう全面的に買い上げてもらえない。最後は先生おっしゃったように、相続するときに過重の負担がかかるということになりますと、これは明らかに不公平でございまして、相続税に関する同様な措置がとり得るか、私、何らか考慮されるべきと思いますので、大蔵省ともできるだけ早く話し合ってみたいと思います。
○河村分科員 終わります。
○瓦主査代理 瀬野栄次郎君。
○瀬野分科員 石原環境庁長官は、去る二十六日の当予算委員会で私が質疑を行った際、四月にみずから水俣市を訪れ、ともかく現地を見てからあらゆる方向で検討したい、こういうふうに答弁されましたが、聞くところによると四ないし五日の日程で行くというような御意向を述べておられるようでありますが、四月のいつごろを予定されるのか、予算委員会も十八日ごろにはおおむね上がるだろうということが大体めどが立ってきておりますが、現地でも大変期待いたしておりますので、めどはいつごろになりますか、お答えいただきたい。
○石原国務大臣 予算が終わりまして、その他の重要な案件が一応片づきましたならば、あるいはその間隙を縫いまして、できるだけ幅広い時間がとれるタイミングで伺うつもりでございます。
○瀬野分科員 必ず行くということは、間違いなく確約できますね。
○石原国務大臣 必ず参ります。
○瀬野分科員 熊本県及び熊本県議会は、去る二月の十日に、石原環境庁長官に対し、四項目の回答を求めておるところであります。熊本県は三月二日から三月二十九日まで県議会が開かれており、この回答を三月の二十日までに環境庁見解を取りまとめ県執行部に連絡をする、こういうふうに約束していただいておりますが、この件については間違いなく期日までに回答できると思いますが、その点どうですか。
○野津政府委員 熊本県から、あるいは知事あるいは熊本県議会議長から御要望がございましたのは二つございまして、当面の対策とそれから抜本的な対策と二つあったわけでございまして、この問題につきましては、現在鋭意検討しておるところでございます。 特に三月二十日ということでございますけれども、これはいま御指摘ございましたように、現在県会が開催中でございまして、その県会におきます公害対策特別委員会の日程というふうなものを踏まえての一応のめどとしましての三月二十日でございますけれども、私どもとしましては、現在それぞれの問題につきまして鋭意検討を行っているところでございます。したがいまして、これにつきましては、できるだけ早く当庁の意見というものを伝えたいと思います。 ただ一つには、特に当面の問題につきましては、県と十分の意を尽くしておく必要がある、実行上の問題もあるわけでございますので、その辺につきましても十分、現在県とも連絡をとりながら、実際に実行できる形で処理をすべきであろうという考え方でおるわけでございますが、私どもとしましては、一刻も早くこれらの意見がまとまり次第伝えたいというふうに考えておるところでございます。
○瀬野分科員 熊本県は、この回答の内容いかんによっては、去る二十六日の当予算委員会でも申し上げましたように、水俣病認定業務の機関委任事務を返上する決議をあえて行うという重大な発言をいたしております。そこまで大変深刻に、また限度いっぱいに来ているということが言えるわけでございます。 そこで、いま野津部長から答弁ありましたように、三月二十日までに回答がなされるとしますと、長官が四月に現地を視察していただく、こういうふうになりますと、長官の視察の結果によっては、さらに三月二十日の回答を大きく変更するという重大なことが起きてくると私は思うわけです。なぜかなれば、恐らく長官が行かれて、先ほども成田空港を見て自分みずから確かめるということをおっしゃいましたが、まことに長官は積極的に現地を見て、自分で確かめてはだで感じて対策を講ずる、結構なことであります。われわれもそう期待しております。 そこで、恐らく現地へ行かれますと、百聞は一見にしかずと言われますように、実に想像を絶する気の毒な状態を見届けられるであろう、かように思います。そうすれば、当然長官もまた見られた結果によって大きく考えも変わってくるのじゃないかと思いますが、その点は長官はどういうふうにお考えであるか、御見解を承っておきたい。
○石原国務大臣 まさに百聞は一見にしかずでございまして、そういう意味で、私ぜひ現地をできるだけ早い機会に訪れたいと思っておりましたが、何分予算という大事な仕事もございますので四月になるわけでございますが、すでに水俣の何人かの関係者に東京でも会わせていただき、また書面や電話等で、その後、お目にかかったときに得ました新しい情報なり知見なり御意見に後追いの調査もいたしております。しかし、そういうものを幾ら持ちましても、やはり現地に行かなければ、そういう形で収集しました情報も不確かなものでございますので、本来なら、県議会が開かれます前に伺えればこれにこしたことはないと思いますけれども、残念ながらそういうタイミングでございます。現地に赴きますことで、いろいろな形で機が熟していると思いますので、何らか新しい局面が打開されるのではないかと期待を込めて私も現地に赴くつもりでございます。
○瀬野分科員 石原環境庁長官は、三月一日の衆議院公害対策並びに環境保全特別委員会で、違法な不作為状態を早急に直すべく努力をする、こうおっしゃっておられますが、熊本県は裁判の結果、敗訴したわけであります。そこで、水俣病は原爆と同様の惨事であるとして対処をしていきたい、かようにもおっしゃいました。当然であると思いますが、認定作業を促進するためには、現行制度を改正して新しい方式をできるだけ早く見出すよう努力したい、かようにも答弁されております。 そこで私は、四月に水俣視察が終わった後に恐らくなるのであろうと思いますが、少なくとも今年じゅうには新しい方式を見出す、こういうふうに理解していいのか、その点どうですか。
○石原国務大臣 大体そのように努力するつもりでございます。幾つかいままでいろいろな方にお目にかかって集めました資料を現地で確かめまして、夏前までぐらいに案のようなものをつくりまして、それに皆さんとさらに討議することで修正を加え、でき得ればことしじゅうに事態が積極的に動き出すというような努力をしたいと思っております。
○瀬野分科員 ぜひともことしじゅうに事態が動き出すように、長官の御答弁のとおり、よろしくお願いしたいと思います。 そこで、せんだって、二十六日に当予算委員会でお尋ねしました際に、私は、多数の申請者を迅速に救済するためには、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律及び原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律においてとられている原爆手帳方式を水俣病認定業務に導入していただきたいということを申し上げたら、環境庁長官は、個人的な見解ということを前提として申されて、水俣手帳を発行したらどうかと思う、こういうふうな答弁がございました。私もありがたいことだと思っております。恐らく、長官が現地を見られて、またその結果いろいろ検討もされると思いますが、ぜひとも原爆と同じ扱いをしたい、こういうことを前段も申されておられますように、地元も、いろいろ私は個人的に当たってみましたが、もう大変喜んで、これに対する期待というものは絶大なものがございます。ひとつぜひとも長官の時代に一日も早くこの水俣手帳、これは名前は仮称であっても、こういったものを発行して、御承知のように、定期健康診断とかいろいろなことができますように最大の努力をしてもらいたい。これは切なる願いでございますが、長官からまた改めて当分科会でお答えをいただきたいと思います。
○石原国務大臣 先般申し上げましたように、原爆方式をそのまま全くなぞらえるということは、いわゆるPPPという原則が崩れるおそれもございますが、いずれにしても、原爆方式というものを非常に参考にいたしまして、何らか積極的な新しい方式というものを水俣の方々のために講ずべきだと思います。
○瀬野分科員 ぜひともそのような方向で前向きに検討していただいて、患者が安心して治療もできるようにまた期待しておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 そこで、水俣病の審査認定基準については、せんだっての予算委員会でもいろいろお尋ねしてまいったところでありますが、その際明確な答弁を得ませんでしたので、改めてこの点をお伺いしますけれども、昭和四十六年のいわゆる事務次官通知の「否定し得ない」ということについて具体的内容が明らかでないために、地元では審査認定業務をめぐる混乱の原因となっております。このことをどう判断するかということで、物差しがはっきりしていないために混乱をいたしております。当局も十分御承知だと思いますが、この「否定し得ない」ということは具体的にどういうことか、この席でぜひひとつ明確にお答えをいただきたい。混乱を防ぐためにも御答弁をお願いしたいのであります。
○野津政府委員 事務次官通知で「否定し得ない」という言葉が使われているわけでございますけれども、その考え方といたしましては、水俣病に関します高度の学識と豊富な経験を基礎として見まして、医学的に見て水俣病の蓋然性が高いということにつきまして事務次官通知では述べられているところでございます。 また、特にこの具体化の問題につきましては、先般来三地域におきます認定審査会の委員の先生方、またそれぞれの専門の先生方にお集まりいただきまして、この面につきましてのいろいろな議論を続けているところでございまして、これらの議論を踏まえまして、さらに具体的に明らかになってくるということを考えておるところでございます。
○瀬野分科員 環境庁長官にもう一点お伺いしておきますが、財政援助の問題について御答弁いただきたいのですが、熊本県は水俣病の認定業務等で大変財政が逼迫していることは、しばしば陳情もし、また長官もよくお聞きになっているところでございましょう。県財政の負担がきわめて重くて、今後水俣病対策に要する費用がますます増加していくことはもう当然であります。現在でさえも未認定患者からの申請が三千五百五十件もあるわけでございますが、県財政の負担を何とかひとつ抜本的に援助していただきたい。これは切なる県の願いでもありますし、われわれもまたさように思うわけです。 そこで、今回水俣に行かれるわけでありますが、県とも十分協議をして、この県の財政の窮状を踏まえて格段の御援助をいただきたい、かように思うのですが、長官からの御答弁をいただきたい。
○石原国務大臣 来年度の予算につきましても、環境庁なりに格段の配慮をいたしたつもりでございますが、現地に赴きましてまた現地の実情を拝見し、そのような努力を今後もするつもりでございます。
○瀬野分科員 それでは、時間の関係もございますので、水俣問題については以上で一応終わりにいたしまして、伊豆・小笠原諸島の自然保護問題についてお伺いしたいと思います。 伊豆七島は、東京より南南東百キロの太平洋上に所在する伊豆大島を初めとして、利島、新島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島、青ケ島の諸島より成っております。いずれの島々も風光明媚にして、国立公園に指定され、特に近年観光地としてクローズアップされ、多数の観光客の来島でにぎわいを呈していることは御承知のとおりでございます。いわば東京の奥座敷、私は日本のハワイ、こういうふうに言っているわけですが、こういった風光明媚な島にここ数年来観光客が殺到いたしまして、ずいぶん島が荒らされつつあります。そこで、目に余るような自然環境破壊が多くなってまいりましたので、私は改めて、数回この問題を取り上げてまいりましたが、長官にいろいろと質問をいたすわけであります。 この伊豆七島の自然保護については、民間人でまことに熱意を持っておられる伊豆小笠原諸島自然保護協会会長の本間春雄氏が、四十六年九月十一日に協会を設立されまして、環境庁を初め各関係省庁、東京都及び各関係者に要請を行って、数々の実績を上げ今日に至っておりますことは、環境庁もよく御承知のとおりでございますが、まずこの島に対して、たくさん問題がございますけれども、時間の関係で、はしょってお伺いしてまいりますけれども、この全部の島を全面禁猟にしたらどうか、こういうように私は提案をしたいわけであります。伊豆七島の中でも特に三宅島は、世界的な珍鳥のカンムリウミスズメなど、約二百三十種類もの野鳥が生息しております。容易に得がたい、もう絶滅に瀕する野鳥もおるわけです。別名バードアイランド、こういうふうに言われておりまして、伊豆七島でも指折りの鳥の宝庫とされております。そういったことで禁猟区をつくっていること自体がこれはナンセンスである、全部の島を禁猟区にすべきである、かように思うわけです。農家の人がよく散弾銃で負傷したり、人身事故も数年前に何件もございました。そういったことで、この伊豆七島の全諸島を全面禁猟にするということですね。いま直ちにはできないにしても、そういう方向でぜひ検討をしていただきたいと思うのですが、環境庁のお考えをお聞きしたいと思います。
○信澤政府委員 現在、先生御存じのことと思いますが、伊豆七島につきましては九カ所の鳥獣保護区を設定いたしております。そのほか銃猟禁止区域を六カ所、それからキジだけの捕獲禁止区域を八丈島に一カ所、このように一応設けておるわけでございます。それから、小笠原諸島につきましては、硫黄島を除く全域を鳥獣保護区にしたいということで、目下東京都の御協力を得ながら、地元との調整を図っておるわけでございます。 現状はそのようでございますが、お話のようなお考えは、従来からたびたび承っておりますところでございますので、さらに検討させていただきたいと思います。
○石原国務大臣 大変いいことを言っていただきまして、伊豆七島、小笠原は私の選挙区でもございますが、かねてから同じ意見を持っておりまして、いわば日本の真珠の首飾りのような島でございまして、あんなところに行って猟をするハンターの数は知れていると思いますし、これは先生の御意見を拝しまして、全面的にそういう形のとれるように私も努力してみたいと思います。
○瀬野分科員 ぜひ、長官からの御答弁のようにひとつ努力していただきたい。そして、ぜひ全島を守っていただきたい、かように思います。 それで、さらにお伺いしますけれども、入島税、この島に入る税を実施して、自然保護監視員の常設を図ったらどうか、こういうわけです。経費もないものですからこういうことを提案するわけですが、御承知のように、観光客の増加に伴いまして自然破壊が進んでおるわけでございますが、その摘発をする指導体制が全然ないと言ってもいいわけでございます。東京都には四十八年六月に都知事から委嘱された緑の監視員制度がございますが、しかし、これは権限が全くないわけです。また自然保護監視員を設けて、これに何らかの権限を与えるようにしなければ意味がございませんので、こういった監視制度を設けるために、熱海とか伊東あたりの温泉地に見られますところの入湯税、発音は同じ「ニュウトウゼイ」であってもお湯に入る税、これと同じような考えで、島に入る意味の入島税、こういったものを設けて、そして、こういった自然保護監視員というものを強化して権限を与えてチェックをする、そうして自然破壊を防ぐ、こういうようなことも一つの方法ではないかと思うのです。他にいい方法があれば、これは結構ですけれども、なければこういったことも考えていかないと、放っておいたのでは、だんだん破壊される。これはいまからずっと観光客はふえるばかりですから、その点、一つの提案として申し上げますけれども、当局の考え、また対処方針はどういうふうにしておられるか、お答えをいただきたい。
○信澤政府委員 先ほど河村先生のお話の際にも申し上げたわけでございますが、やはり一つの問題として、自然保護とそれを利用する方々との負担の公平、こういう議論が一つあると思います。そういう観点から、現在審議会の中間報告の中で、たとえば上高地とかあるいは十和田湖とか、やや閉鎖的な地域を限定しまして、いまお話しのように、人がたくさん入ってくる、それに対応する措置をとるための、いわば入山料というようなものを考えたらどうか、こういう御提案もあるわけでございます。いま伺っておりますと、先生の入島税も、いろいろお使いになる目的も御指摘がございましたけれども、考え方としてはやや似ている点があるのじゃないかと思います。したがって、実はそういう審議会の御提案に基づいて、本年度予算で四カ所程度、そういうことが実行可能かどうかということを研究いたしております。たまたま小笠原についてはやっておりませんので、すぐそのまま適用できるかわかりませんが、やはり一つの大変有益な御提案として検討させていただきたい、こういうふうに思います。
○瀬野分科員 入島税については十分御検討いただきたいと思います。 それから、これは水産関係の課長にお尋ねしますけれども、この伊豆七島の禁漁区の設置の問題ですが、時間の関係でたくさん申し上げませんけれども、伊豆・小笠原諸島付近は、三大漁場の一つでもあり、漁業資源が豊富であることはもう御承知のとおりです。年々増加する釣り愛好家等によって、無制限な乱獲、または釣り糸とか釣り針が海底にひっかかったまま、相当海底が汚れてきております。こういったことで海の中の自然も破壊されつつある。禁漁区を設けて自然保護、増殖に当たるべきじゃないかと思うが、どうですか、その点は。
○平井説明員 ただいま先生のおっしゃったとおり、われわれとしても漁業資源を守って、それを増大させていくととは非常に大事なことだと思っております。したがいまして、これは漁業法という法律がございまして、その六十五条に、いま先生のおっしゃいましたように、資源保護その他漁業調整のために制限することができるという規定がございまして、これは通例は各県でそれぞれ規則をつくりまして、ここではこの魚をとってはいけないというふうな、それぞれ魚の指定をしまして禁止をすることになっております。現に、先生のいま御指摘になりました伊豆七島でも、委員会指示ということで、イシダイとかあるいはイシガキダイあるいはカンパチ、ブリ等の稚魚につきましてはとってはならないというふうになっておりますので、さらに島ともよく相談をいたしまして、その必要があればそういうふうに指導してまいりたいに思っております。
○瀬野分科員 なお、水産関係でちょっとあわせてお伺いしておきますけれども、島の周辺で水中銃が最近大変多くなってきておりまして、人身事故も起きておりますし、この取り締まりをぜひ強化してもらいたいということですが、伊豆七島、小笠原では、東京都の漁業調整規則で水中銃は全面禁止、こういうふうになっているわけです。ところが、近年これがだんだんふえてきております。この厳重な取り締まりをしていただきたい、かように思うわけです。 それともう一つは、三宅島の大路池に、ブラックバスという淡水魚でありますけれども、アメリカから輸入した魚ですが、これが異常繁殖をしている。この大路池には、特殊な天然記念物に指定されたタイロモというのがあるわけです。北海道の阿寒湖の場合のマリモみたいなものですが、このタイロモがこのブラックバスという魚によって食べられて、絶滅に瀕しております。天然記念物ですけれども、これはぜひ守っていただきたい、かように思うわけです。そのほか、ワカサギ、コイ、スッポン、いろいろなものが全滅に瀕しているという問題があるわけですけれども、島で離れておりますが、水産庁としても十分対処してもらいたいと思うが、この二点についてお答えいただきたい。
○平井説明員 最初の水中銃の問題でございますが、これはいま先生から御指摘がありましたように、東京都では全面的に禁止をいたしております。したがいまして、われわれとしましては、その禁止が十分守られますように、遊漁者団体とかあるいは漁業者とか、あるいはその乗っていく汽船の中とか、あるいは波止場とか、そういうところによくわかるように標識を立てるとか、あるいは十分に普及をしてまいるとともに、警察によって取り締まりをやっていくということを今後とも一生懸命やっていきたいと思っております。 それからもう一つは、タイロモの関係でございますが、これはわれわれ五十年度に全国的にブラックバスの問題として調査をいたしたわけでございますが、たとえば芦ノ湖というのがございますが、ここでは非常に必要な、ぜひつらしてほしいということで、貴重な資源となっておるわけです。地区によって違いますので、東京都からは、特に問題はないというふうな形で報告が来ておりますが、御指摘がありましたので、三宅島の大路池につきましては十分調査をいたしたいと思いますが、ただ、これは生物学者の意見では、ブラックバスはモは食べないということになっておりますので、どこに原因がございますか、よく調査をいたして、適切な措置を講じたいというふうに考えております。
○瀬野分科員 それで、これは環境庁長官にお尋ねしますけれども、いまいろいろ申し上げましたように、伊豆・小笠原諸島というのは得がたい資源であるので、海洋公園に指定したらどうか、こういうふうに思うのですが、そういったことは全然検討の御用意はないのですか、お答えください。
○信澤政府委員 大臣の御答弁の前に、ごく事務的なことを申し上げますと、現在の自然公園法で海中公園地区という制度がございますが、いまのお話のようなことは制度的にはございません。
○瀬野分科員 次に、通産関係についてちょっとお尋ねしますけれども、実は伊豆・小笠原諸島で、写真を後で見ていただいてもいいですが、大島、三宅島、八丈島におけるポンコツ車の投げ捨てによる自然破壊というのが大変問題でございます。風光明媚な島の至るところにポンコツ車を捨てております。離島であるということと、交通機関はどうしても車に頼らなければならないというのが一つありますし、全国で五指に入る自動車の普及率を誇っております。そういうふうに普及率が多いわけですが、塩害なんかで損耗率もものすごく早いわけです。だから、地元の人たちは中古車を買って二、三年で買いかえるというようなことはできないわけで、二、三年で乗り捨てにする。新車はなかなか買わない。中古車を買う。したがって、中古車であるがゆえに損耗も早い。だめになったら下取りに出さずにほうり散らかす。下取りに出しても東京まで運賃をかけて運んだのでは値段が折り合わないということで、島の至るところにポンコツといいますか、廃車になったものが赤くさびただれて無数にあるわけです。こういつたことでは、風光明媚な島を全部汚してしまいます。写真も撮ってきておりますが、そういったことで、何とかこの自然破壊問題を守ってもらいたいと思うのですが、これはどうですか。
○中沢説明員 御説明申し上げます。 一般のユーザーが廃車いたします廃棄車につきましては、ユーザーがスクラップ業者あるいは販売業者に申し出ていただければ、系列の販売店につきましてはそれをスクラップ化することに協力する体制を四十九年三月からとっておるわけでございますけれども、先生御指摘のような独立の中古専売業者の場合には、その趣旨がまだなかなか徹底してないきらいがあるのではないかということは私ども推察しております。ただ、すでに廃棄されておりますポンコツ車につきましては、市町村の方からその廃棄につきまして協力要請がございますと、関係の業界四団体がつくっております廃棄車回収協力会という協力会が指定のスクラップ業者等をあっせんいたしまして、その費用の面につきましても協力をして、回収あるいは廃棄をする体制が整ってございます。したがって、私どもといたしましても、先生の御指摘でございますので現状をさらに調査してみたいと思いますけれども、一応四十九年からそういう体制を業界としてはとっておるわけでございます。
○瀬野分科員 時間が参りますので国土庁にもひとつお願いしておきますが、野生化したヤギの問題です。 米国の統治下にあった小笠原諸島で、四十三年六月に返還されたわけですが、その際、飼育していたヤギをそのまま放置して、いまそれが野生化して異常発生しております。父島だけでも三十平方キロのところに千五百頭、これが植物を荒らし、農作物を荒らして、自然破壊の元凶となっております。この捕獲が大変むずかしいのですけれども、どう対処するか。 時間が参りますので、簡潔にお答えください。
○宮腰説明員 お答えいたします。 野生化したヤギが異常発生をいたしておりますことは御指摘のとおりでございます。したがいまして、小笠原の農作物にも非常に被害を与えておりますし、それから固有の植物の植生にも非常に被害を与えておりますので、島民からも強い要望がございまして、東京都からも要望がございましたので、国土庁といたしましては、五十一年度からヤギ対策の予算を計上いたしておるわけでございます。 ただ、とりあえず父島で実施をいたしておるのでございますけれども、御承知のように、父島は山も多うございますので捕獲することはできませんので、いろいろ検討いたしました結果、やむを得ず射殺をするしかないということで射殺をいたしております。五十一年度は中間報告では大体六百頭くらい駆除いたしたということでございます。五十二年度も引き続いて対策を講じていきたい、そう考えております。
○瀬野分科員 最後に、環境庁長官、いまいろいろお聞きいただいたとおり、伊豆七島、小笠原諸島等、長官もよく御承知のようでありますが、自然破壊が大変進んでおりまして、長官もここのところ、おいでいただいたのだろうと思います。 このほか数点質問したいのですけれども、時間が参りますのでこれは省略しますが、新島の前浜の海岸についても、砂浜が二キロにわたって砂利乱掘をされまして、大変砂浜が傷んでおります。これではもう復元がむずかしいということになっておるので、規制を図ってもらいたいという問題もありますが、やはり伊豆七島にも自然保護の関係から長官もぜひ一度出向いていただいて、いわば東京の奥座敷、日本のハワイとも言うべきこれを守っていただくために最大の努力をしてもらいたいと思うのですが、最後に長官のお考えを聞いて、質問を終わりたいと思います。
○石原国務大臣 視察に行けと言われて私一番うれしいし、行きたいところは伊豆七島でございまして、そのように心がけるつもりでございます。 それから、先ほど先生おっしゃいました伊豆七島と小笠原の観光資源を守る協会の会長さんのお話が出ましたが、ぜひ御紹介いただきまして、そういう方とじっくりお話をしてみたいと思います。
○瀬野分科員 以上で終わります。 ありがとうございました。
○瓦主査代理 森井忠良君。
○森井分科員 「わが国のみならず世界においても比類のない美しさを誇る景勝地として、また、国民にとって貴重な漁業資源の宝庫として、その恵沢を国民がひとしく享受し、後代の国民に継承すべきものである」これは瀬戸内海環境保全臨時措置法第三条の文章の一つであります。私は、ずっと幼いころから瀬戸内海の潮風にはぐくまれて大きくなってまいりました。 〔瓦主査代理退席、主査着席〕 現状はもう御案内のとおり、瀬戸内海はうんと汚れてまいりまして、何とかしなければならない。これは私個人でありませんで、沿岸住民ざっと二千万人でしょうか、それから海で漁業をして暮らしている方々ざっと九万人、まさに国民的な課題として瀬戸内海をもとの海に返そう、そういうことで瀬戸内海環境保全臨時措置法ができましたのが四十八年の八月でございます。施行は同年の十一月であります。これは三年間の時限立法でございますから、去年の十一月で一応期限切れになりました。申し上げるまでもなく、三年間のうちに後継法をつくるという最大の命題を環境庁は背負わされたわけでありますが、きわめて残念なことに、とうとう期限内には後継法ができませんで、御案内のとおり、去年の十一月から二年間この法律は延長されました。率直に申し上げまして、失望を禁じ得なかった者の一人であります。しかし、そうはいいますものの、何とか早く後継法をつくってほしいという声は満ち満ちておりまして、すでに先ほど申し上げました昨年の国会で延長されましてから年がかわったわけでございますが、率直な感じを申し上げますと、またぞろ二年来て延ばされるのではないかという懸念がございます。 まず、事務当局にお伺いをいたしたいのでありますが、その後の作業状況をかいつまんで御報告を願いたい。
○二瓶政府委員 ただいま先生からお話ございましたように、昨年の通常国会で二年間期限の延長をしていただいたわけでございます。したがいまして、私たちといたしましては、この延長いたしました二年内に基本計画を策定し、また後継法案を策定いたしまして御審議を願う、こういう心組みで現在作業を進めておるわけでございます。 作業の進捗の状況ということでございますが、一つは、基本計画を立てます際に、その基本的な考え方、これを詰めておきませんと支障が出るということで、瀬戸内海環境保全審議会に諮問いたしまして、昨年の十二月一日、基本計画の基本となるべき考え方、これにつきまして答申をいただいたわけでございます。それとともに諸調査、いろいろな現状把握あるいは将来の展望というものも必要でございますので、そういう現状把握等の諸調査を精力的に五十一年でもやっております。他方また、先生御存じのとおり、昨年の十一月でいわゆる産業系排水に係りますCODの二分の一カットというものも大体達成するということで進めておりますので、その辺の達成したかどうかというふうな調査もやっておりまして、その辺も踏まえて、基本的考え方というものをさらに具体化したかっこうで基本計画をなるべく早く詰めたい、そして、それとの関連においてまた後継法を早急に固めて、期限内に後継法が成立をする運びにしたいという心組みで現在鋭意取り組んでおる、こういう状況でございます。
○森井分科員 あと二年ないわけでありますが、期限内に達成をしたい、こういうことでありますが、石原長官にお伺いをしたいわけであります。 先ほど申し上げましたとおり、三年間の時限立法の間にとにかくマスタープラン、基本計画そのものができなかった。その間、たとえば当時の三木総理に対しまして経団連の方々が陳情されたりいろいろなことがあったと私は思うのでありますが、とにかくできていない。二年延長したが、果たして今度は本当に後継法ができるのだろうか、そういう懸念があるわけでございます。いまの答弁でいきますと、物理的に計算をしてみますと、もう国会は来年一回しか通常国会はないわけであります、具体的に申し上げますと、五十三年の十一月までですね、いま五十二年ですから。五十三年の十一月までには後継法ができていなければならぬという計算になります。そういたしますと、通常国会はもう一回しかない。したがって、来年の通常国会にはもろもろの、いま申し上げましたマスタープラン等も含めまして必ず提案をなさる、こういうように理解をしていいかどうか、この点につきましては長官からひとつお答えをいただきたいと思います。
○石原国務大臣 審議会からの答申をいただきまして、今年度中に基本的な計画をつくりまして、それにのっとってできるだけ早く原案を作成し、何としても五十三年の通常国会に提出するつもりで積極的に努力するつもりでございます。
○森井分科員 アセスメント法一つとってみましてもあれだけ紆余曲折があったわけですから、私は非常に心配をしておりますが、いまの長官の御答弁で来年の通常国会にはかけるということでございますので、ぜひともお願いをしておきたいと思うのです。 そこで、具体的なお尋ねをするわけでありますが、話がありましたように、CODの汚濁負荷量を御承知のとおりとりあえず産業排水についてのみ規制をいたしまして、四十七年当時の、つまり千三百四十五トンという計算になりますけれども、家庭排水を除きましたものですけれども、三年間でこれの二分の一にするということでございました。先ほどの答弁ですと、この達成状況については環境庁としてはまだ把握をしておられませんか。
○二瓶政府委員 これは昨年の十一月でその目標を達成するということで関係十一府県におきまして上乗せ条例を制定いたしまして、その線で進めておるわけでございます。 そこで、問題はその十一月時点で果たしてそのとおりになったかどうか、これを現在関係県に照会をして取りまとめをやっておる段階でございますが、最後的にまだ取りまとめは終わっておりません。近々確認できるかと思っております。
○森井分科員 そこで、CODのこれからの問題ですけれども、三年間で四十七年当時の二分の一にするという目標、このこと自体は決して十分じゃないわけですね。本当はもっと縮めていきたいという当然の要求があるわけです。もともとCODを二分の一にしたところで、これは家庭排水、生活排水は除いてありますから、したがって、もとの海に返る目標値じゃないわけです。私は、先ほどおっしゃいました瀬戸内海環境保全審議会の答申をざっと見せていただきました。このことについては残念ながら触れられていないのですね。これからどうする、つまり、もっと規制を強めるか強めないかということについては触れられていない。これはどうするのですか。
○二瓶政府委員 基本計画の基本となるべき考え方ということで、御答申を昨年の十二月一日いただいたわけでございますが、その際の排水規制のあり方、これにつきましては、瀬戸内海にふさわしい所要の排水規制を実施するというような、やや抽象的な表現での答申をいただいております。 問題は、このふさわしい所要の排水規制というものを具体的にどういう形でやるか、それから、現在やっておりますただいま先生申されました産業系排水に係りますCOD二分の一カット、こういうものの成果も見定めながら、この辺の具体的なやり方を今後詰めていきたい。その際も、あくまでも考え方としては瀬戸内海の水質を保全する、こういう観点に立って規制を考えていきたいということで、寄り寄り検討を進めておる、こういう段階でございます。
○森井分科員 寄り寄り検討しているということですが、先ほどの石原長官の答弁からいけば、あなた方は少なくともこの夏までにはすべての作業を終わっていなければ、予算の概算要求だってこれは八月でしょう。そうすると、CODは先ほど申し上げましたとおり四十七年の二分の一なんというのは、まだ要するに海の汚れを是認した上での数値なんです。当然マスタープランでは私はもっとこれは規制を強化すべきである、こういうように思うのです。規制をするのですか、しないのですか、もうイエスかノーだけ、ちょっとはっきりしてください。
○二瓶政府委員 先ほども御答弁いたしましたように、瀬戸内海の水質を保全するという観点に立っての検討でございますので、規制は厳しくするという方向でございます。 ただ問題は、先生からもお話しございましたように、現在は産業系排水だけやっておりますが、さらに家庭からの排水等の生活系排水、こういうものをどう扱っていくか、下水道の整備の促進というような問題もございますけれども、他方また総量規制の導入という問題もございます。その辺の関連等も検討を進めておる、こういう意味でございます。厳しくする方向で考えておる、こういうことでございます。
○森井分科員 その場合、私は目標になるものが何か要ると思うのです。これは四十七年の二分の一というこれまでのものはきわめて大ざっぱな数字でして、それは議員立法という性格もありましたし、冒頭に読み上げた、とりあえずみんなのコンセンサスを得て瀬戸内海の位置づけを明確にするというふうなことから始まったわけでありますから、そういう意味では大ざっぱでしたけれども、これからの規制については、私は何年の何分の一にするというのは一概には言えませんけれども、やはり五カ年計画なら五カ年計画というふうなものを立てて、順次減らしていく、そういう形をとらなければならないと思うわけです。これはむしろ環境庁の方が私はおくれていると思うのですけれども、大阪府が、これは四十八年の九月、あの瀬戸内海環境保全臨時措置法ができた明くる月ですけれども、環境管理計画というものを立てていますね。これを見ますと、大阪の場合、四十五年はCODが五百九万トンだった。それを五カ年計画で、ほぼ五カ年計画でありますが、五十一年にはこれを四五年の六四%減の百八十三万トン、それから五十六年には百四十二万トン、これは四十五年から見ますと七二%の減であります。さらに六十年には百二万トン。四十五年に五百九万トンあったものを、六十年には百二万トンに落とす。したがって、これは七八%の減であります。こういうふうな府県の段階でもちゃんと年次計画を立てて、CODの汚濁負荷量を減らしていくという動きがあるわけでありますから、これに注目をしてもらいたい。いかがですか。
○二瓶政府委員 先ほど総量規制の問題等まで触れて申し上げましたが、これは瀬戸内海環境保全臨時措置法の十八条にも、量規制の導入について検討せよというのがございますので、その辺についても詰めておるということを申し上げたわけでございます。 なお、ただいまの、大阪におきまして環境管理計画というものを立てて計画的にCODの削減をやっておるというお話でございますが、関係府県が十一県ございまして、それぞれその県のサイドに立ちまして、具体的な、計画的な削減というようなものを考えておられるということで、その点は非常によい方向に進んでおるということでわれわれも参考になるわけでございます。 問題は、先ほども申し上げましたように、今後瀬戸内海にふさわしい排水規制をやるという際に、これを具体的にどうやっていくかというのが問題になる。先ほどのは基本的考え方でございますから、ああいう抽象的な話になっておるわけでございますけれども、これを今度具体的に基本計画におろしていく、あるいは基本計画を今度決めました際も、それをブレークダウンして行政的に運用していくという際に、そういう計画的なものを取り入れたような形で極力やりたい。ただ、関係県は十一県もございますので、その辺の足並みの問題もございますので、その辺は審議会等においても十分検討してもらったりしながら進めていきたいということでございます。
○森井分科員 産業排水とともに頭の痛いのは、生活排水ですね。これは法成立のころに三百五十万トン余り出ているわけですが、この対策はどうですか。
○二瓶政府委員 生活系排水につきましては、一番大きな対策としてはやはり下水道の整備だろうと思っております。これにつきましては、所管は建設省ということではございますけれども、水質の保全なりそういう角度からいたしまして、環境庁としても重大な関心を持っておりまして、建設省とも連携をとりながらやっておるわけでございます。 現在、第四次下水道整備五カ年計画が五十一年度から五十五年度までということでスタートいたしております。五十二年度はその二年目に当たるわけでございますが、現在、当予算委員会において御審議いただいております予算におきましても、下水道の面につきましては、事業費がベースで前年対比三八%、国費ベースで二八%の伸びということで、相当重点を置いたかっこうでやっておるわけでございます。その際に、そういう瀬戸内海の環境保全とかいうような観点から、極力瀬戸内海の方にも重点を配分してもらおうということで、建設省の方ともいろいろ打ち合わせをして進めておるというのがその状況でございます。やはり何といいましても生活系排水対策につきましては、下水道のウエートが相当多かろうと思いますので、これを強化していきたいということでございます。
○森井分科員 わが国の下水道の普及率につきましては、もう先進国の中では一番おくれていると言ってもいいくらいでありまして、いまの答弁で落胆をするわけでありますが、下水道が完備をしなければ生活排水についてはもう手の施しようがない、こう受け取れるわけですね。当面は特に、この法の趣旨から言っても、先ほど言われた下水道の普及については、これは環境庁所管ではありませんけれども、私はきょう建設省を呼んでおりませんから、よく連絡をとって、重点的に配分するように環境庁からも側面的な応援をしていただきたい。 そこで、いまあなたが言われたように、下水道が仮に完備をされましても、一番の問題はやはり窒素と燐でしょう。これは終末処理をいたしましても、当然のことでありますが窒素と燐は残るわけであります。瀬戸内海環境保全審議会の答申の中にも、窒素と燐のことは触れられています。しかし、これは現実の問題としては具体的にどうするということはないわけであります。もちろん技術開発もおくれておるわけでありまして、ある意味で無理もない点もあるわけでありますが、あなたが言われるように、何もかも終末処理をすれば瀬戸内海の汚濁の問題は消えるというものじゃない。特に赤潮が一番問題でありますけれども、窒素、燐は赤潮の最も大きな原因の一つだと言われているくらいでありますから、したがって、窒素、燐の対策をこれからどう進めていくのか、いまあなたの方で作業してい害やることについて明らかにしていただきたい。 時間がありませんから、簡単に。
○二瓶政府委員 瀬戸内海のような閉鎖性水域におきましては、赤潮等が出ております。これのメカニズムは、いろいろ問題はございますが、要因の一つとして、ただいま先生のお話のございましたような窒素、燐等によります富栄養化といいますか、こういうものがあるわけでございます。したがいまして、瀬戸内海につきましてもこの富栄養化及び赤潮対策というものを強力に進めていきたいというふうに考えております。 そこで、具体的には窒素と燐と二つございますけれども、いまわれわれが進めておりますのは、窒素の方が除去対策が技術的に非常にむずかしいという問題もございまして、さしあたりねらいを定めておりますのが燐の方でございます。これにつきましては、環境基準をつくったらどうかというような話もあるわけでございますが、一挙にまいりませんので、ただいま、専門的な方々のお知恵なども拝借しながら、クライテリアというものを策定しよう。これはやはり利水目的に応じた燐のレベルでございます。許されるレベル、これをいま詰めております。特に瀬戸内海のような海域の場合には、やはり水産の面から見てどこまで燐が許容されるのかという、これは学問的なレベルでございます。その線をこの春にでも出してもらおう。それに対しまして、さらにいろいろな技術的な除去技術がどうか、またそれにはどのくらいの経費がかかるかという問題もございます。そういう面も検討を加えた上で、行政的なガイドラインといいますものを何とか年内には出そうかなということで、いま精力的に詰めておるというのが一つでございます。
○森井分科員 運輸省の港湾局長にお伺いしたいのですが、広島県の海田湾に太田川東部流域下水道の計画がございますね。これはいまあなたの方で審査をしていらっしゃるわけでありますが、これが仮に完成をすれば——まあ海田湾の問題につきましては改めて別の分科会で質問したいと思っていますが、この浄化センターが完成をすれば、一体窒素、燐はどの程度の数値で海に流れてくるのですか。
○大久保政府委員 ただいまの御質問でございますが、私、御質問の内容としてそういうような点が出るということを事前に存じませんもので、その点の用意をしてまいりませんでした。CODの負荷についてだけ数字を持ってきてございます。
○森井分科員 答弁要りません。 海田湾の埋め立てと関連のあるものについて質問するという通告はしてあるわけです。いまの御答弁はきわめて不見識でありまして、私は残念でたまりません。しかし、時間の関係がありますから、この問題については改めてまた運輸省の分科会で御質問いたしますが、こういう形になっているんですよ。 結論から言うと、実験室でやっても、いまどんなに性能のいいいわゆる三次処理まで行っても、やはり四割から五割という数値が出ています。ここで問題なのは、最近の流域下水道というもの、特に広島県が計画をしておりますものは、産業排水も一緒に流すのですよ。したがって、先ほどの産業排水のCODの規制がありますが、ある意味ではこれをごまかすことになる。いままで産業排水のCODの規制は当然ありまして、その規制を受ける企業がたくさんあるわけでありますけれども、今度の流域下水道というのは、いま申し上げました太田川流域下水道というのですけれども、これは産業排水も一緒に流す、こういう形になっているわけです。 これは、産業排水をいま申し上げました広域流域下水道で処理した場合に、CODの規制はどうなりますか。つまり、生活排水と見るのか、産業排水と見るのか。流域下水道から海へ流す水です。
○二瓶政府委員 現在、水質汚濁防止法の面で排水規制をやっておりますが、その際に、個々の工場、事業場、これを特定施設として指定をしてやっております。その際に、下水道の終末処理場も特定施設ということで指定をいたしておるわけでございます。したがいまして、下水道の終末処理場で処理される原水、これにつきましては、家庭用排水なり中小の工場等の産業系の排水も一緒に排出されておるというのが現状でございまして、終末処理場は水質汚濁防止法の特定施設ということでとらまえておる、こういうことでございます。
○森井分科員 時間がありませんので、最後に一問だけ石原長官にお伺いしたいのですが、豊後水道というのがございますね。これは太平洋から毎秒十万トンと言われる新しい水を運んできて、言うなれば瀬戸内海の生命線です。ところが、そののど元の高知県はこの瀬戸内海環境保全法の対象地域になっていないのです。あるいは、たとえば琵琶湖の滋賀県あるいは京都府、そういったところの水は瀬戸内海に河川を通じて流れるわけでありますが、これも瀬戸内海環境保全法の対象地域になっていないというまことに大きな矛盾があるわけでございます。したがって、後継法については、いま申し上げました瀬戸内海に水を流している関係の府県はすべて対象にすべきである。したがって、これも先ほど申し上げました環境保全審議会の答申に出ていないのでありますけれども、そういった対象地域の拡大についても、ぜひそれが入るように検討していただきたいと思いますが、長官のお考え方を伺いたいと思います。
○石原国務大臣 瀬戸内海の問題が主に水質の汚染ということでありますならば、その主要な原因になっている京都府なり滋賀県というのは当然組み込まれるべきだと思います。 それから、高知県でございますけれども、概念的には豊後水道は瀬戸内海に入っておりませんが、たしか瀬戸内海臨時措置法ではかなり南の部分まで、高知県のある部分まで瀬戸内海という形の指定の中に入っていたのではないかと思いますけれども、それももう一度確かめてみたいと思います。
○二瓶政府委員 いまの長官の答弁を補足いたします。 現在の瀬戸内海法によります範囲といたしまして、常識的に言われる瀬戸内海より広いわけでございますが、ただいま先生から御指摘のありましたように、高知県の関係は入っておりません。
○森井分科員 宮崎もあるし、鹿児島もあるから、十分検討してほしいということなんです。 ありがとうございました。
○木野主査 次に、松本善明君。
○松本(善)分科員 環境庁長官、窒素酸化物の規制問題はこの国会でもたびたび取り上げられているわけですが、この問題について長官や関係者の考え方を伺いたいと思うわけです。 環境庁が三年前にNO2についての環境基準を決めて、五年後、五十三年の五月までに五年地域については環境基準の達成、それから高濃度汚染の八年地域については中間目標値を達成すべきもの、こういうふうにしたわけです。もう目の前に切迫をしておるわけですが、このNO2の汚染の問題というのはまだなかなか解決をしていない、こういう状況であります。この問題については従来から、規制対象の業界であります鉄鋼業界とか電力業界とか化学工業界などが猛烈に抵抗している、こういう経過があります。ところが、最近環境庁が排煙脱硝技術の開発状況等の評価、それから複合大気汚染健康影響調査というような調査報告を発表されて、これを見ますと、やはりいままでの企業側の主張は根拠がないということが明らかになったというふうに思うわけであります。今日、こういう大気汚染防止行政の中で、窒素酸化物の規制問題というのは、全国の四万七千人を超える公害認定患者だけではなくて、非常に広い範囲で国民の生命と健康を害しておる、この問題を、汚染原因者であります鉄鋼とか電力とか化学とか、そういうような大企業の言い分に妥協しないで国民の健康を守るということは非常に重要だと思うのですが、この際、長官がこの問題についてどういう姿勢で取り組まれるかということをまず最初に伺っておきたいと思います。
○石原国務大臣 人間の生活を豊かにする、充足する要件はいろいろあると思いますが、私は、何と申しましても健康がトッププライオリティーを持つべき問題だと思います。その観点に立って窒素酸化物の問題も対処していくつもりでございます。
○松本(善)分科員 先ほど述べました窒素酸化物についての複合大気汚染健康調査は現在の環境基準の妥当性を補強する、こういうふうに私は考えますけれども、この調査について環境庁としてはどういうふうに考えているか、お考えを聞かしていただきたいわけであります。
○野津政府委員 複合大気汚染健康影響調査の結果でございますけれども、御案内のとおり、四十五年度から五年間にわたりまして、三府県六地域におきます各種の調査につきましてのものを統計的に実は取りまとめたところでございます。 御案内のとおり、この要旨といたしましては、六つの地域につきましての大気汚染の程度がいろいろ差があるというふうな形でございますけれども、経年的に見ますと、硫黄酸化物、浮遊粉じん、降下ばいじんは低下傾向を示したわけでございますけれども、窒素酸化物につきましてはこのような傾向は見られなかった。また、健康影響調査でございますけれども、この六つの地域のせき、たんの有症率について差が見られまして、経年的に見ますと、女子について低下の傾向が見られた。また、いろいろな汚染物質とせき、たんの有症率の関連につきましては、幾つかの組み合わせにつきましては統計学的に有意ではございましたけれども、大部分の組み合わせにつきましては、統計学的には有意ではなかったというふうな結果が出たわけでございます。 この状況につきましては、この調査結果につきまして、現在専門の学者におきまして研究班を設置いたしていただきまして、学問的あるいは専門的な見地からさらに詳しく解析、評価をお願いしているというふうな段階でございます。
○松本(善)分科員 ちょっと確かめるわけですが、窒素酸化物の空気の汚染と呼吸器症状の有症率との疫学的関連は、私どもは明らかになったというふうに考えているのですが、その点ではどういうふうに考えているわけですか。
○野津政府委員 せきあるいはたんあるいは持続性のせき、たんという形での症状をとったわけでございまして、また、それに各種の汚染物質につきましての状況というものとの相関関係を統計的に見たわけでございます。それにつきましては、各年度におきます汚染物質と有症率の相関、すなわち、たとえば四十五年度の大気汚染の状況と四十五年度におきます有症率というものの相関というもの、さらには、経年的な面を見るために、昭和四十五年度の大気の汚染の状況と四十九年度の有症率の相関というのを見たわけでございますが、その相関には一定の傾向は出ていない形をとっております。ただいま御指摘ございました窒素酸化物と、たとえば持続性のせき、たんの相関につきましては、昭和四十九年度の大気汚染の状況と四十九年度におきます持続性のせき、たんの有症率につきまして、有意の相関があったわけでございますが、その他の年次につきましては、昭和四十五年度の大気汚染と昭和四十五年度の有症率の関連では一酸化窒素につきまして、また、四十八年度の大気汚染の状況と四十八年度におきます持続性のせき、たんの有症率の関連につきましては、同じく一酸化窒素につきましてという形で、そのほかの部分につきましては有意の相関がなかったというのが統計学的な見方の結果でございました。
○松本(善)分科員 ちょっとさっきの質問に戻りますが、現在の環境基準との関係ではどういうふうに見ておりますか。
○橋本(道)政府委員 いま保健部長の方から調査そのものにつきましての客観的な、科学的な所見というものがまとめられたわけでございますが、私どもは大気汚染を防止するという立場でございまして、この補償問題とはまた違った、予防をしていく観点がございます。そういう観点からどういうぐあいに見ておるかということでございますが、疫学的調査というのはあくまでもまだ因果関係が出ておるわけではございません。ただ、四十九年のデータに高度の相関が見られたということは、防止の対策の上からは、これは注目すべきことであるということでございますので、いままでのデータよりも若干、一歩確かさを増したという程度以上には評価はできないということが一点でございます。 それからもう一点の問題は、このばいじんとSOxが下がってNO2の方が若干上がりぎみか水平のときに有症率が非常に下がりぎみの傾向を示したということでございますが、この関係で見てみますと、あの調査した範囲内のところにおいては、このNOxの汚染があの程度の場合に有症率をひどく悪くするというような可能性は余り考えられないのではないかと、そういう意味で、長期の視野に立って防止対策を打つことは必要でございますが、現在のレンジにおいては急迫したものであるとは受け取れないという一応の仮説をもって防止行政をいたしております。そういう意味で、環境基準のデータに一つを加えたというところだと思います。
○松本(善)分科員 私はその評価にはいろいろ異論があるわけですけれども、この問題についての要望というのは非常に切実になっておりまして、いまの答弁でいきますと、何か切実でないかのように考えておるが、現状は決してそういうものではない、私は、そういう点では環境庁が考えていることと関係住民が考えていることとの間に相当な開きがあるように思うわけですが、長官に伺いたいのですが、固定発生源の第三次規制というのがやられることになっておりますが、これはそうすると、いまの状況ではいつ、どのくらいの削減率でやるというふうに考えておられるか、ちょっと聞かしていただきたい。
○橋本(道)政府委員 固定発生源につきましては、一次が四十八年、二次が五十年十二月にやりまして、いま第三次規制の最終の作業を進めておるところでございます。これは、技術評価の資料が五十一年度分が出ましたので、その成果に基づいて実施したいということでございまして、現在この作業を進めておるところでございますが、できるだけ早く決定いたしたい。 どの程度のカット率になるかということでございますが、現在の段階ではまだ定かにどの程度のカット率に一律になるかということは申し上げられませんが、基本的な方向といたしましては、大型の施設について相当厳しくできるようになってきているのではないか。また、もう一つは、対象規模をもう少し広げることが、種類においてもあるいは規模においても広げることができるのではないか、あるいは新設のものに脱硝の適用の可能性を増したというように考えておるわけでございます。
○松本(善)分科員 できるだけ早くというのは、いつごろをめどですか。
○橋本(道)政府委員 まだ時期的にはっきり申し上げることはできませんが、少なくとも二カ月か三カ月はかかるのではないか。できれば一カ月以内にまとめ上げたいと思いますが、いまお約束いたしかねます。
○松本(善)分科員 環境基準の達成期限は最初に申し上げましたけれども、それから高濃度汚染地域についての中間目標の達成期限は来年の四月末ということになっているんですが、いまのままでいきますとこれはなかなかむずかしいんじゃないか。全国での測定局六百六十六局のうち現在五十四局、八・一%しか基準を達成してないという状況のようでありますが、これは一体達成できるのかどうか、どういう見通しであるか。いまのような態度でありますと私は大変不安を感ずるわけですけれども、一体これについてはどう考えておるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○橋本(道)政府委員 御承知のように、環境基準の〇・〇二というのは、まだ不確かなところもございますが、非常な安全性を見て設定した数字でございます。十分安全な数字ということをまず御理解願いたいと思います。それから、長期目標としての問題で、五年地域においては五十三年五月に、八年地域においてはさらに五十六年というところで達成する努力期間を設けておりますが、その中の中間目標の達成状況は、五年地域におきましては、五十年度のデータを見ますと六七・六%、八年地域におきましては二一・四%が中間目標をクリアーいたしております。これは年々増加をしてきております。 そういうことで、それでは達成の目標をどう思っているかということでございますが、残念ながらこの当初の目標どおりに達成することはまず不可能であるということでございます。これは非常に残念なことでございますが、その点につきまして私どもは告示で期間を決めておりますから、その期間内に最大の努力をするということは当然続けていくという厳しい姿勢で対応しているわけでございまして、その後の問題につきましては、この秋から具体的な対応策というものにつきましての選択議論をやろうということで現在準備をいたしてございます。 ちなみに申し上げますが、中間目標値を達成するためには東京、大阪では約七〇%前後のカットをしなければならない、環境基準を達成するためには九十数%のカットをしなければならないということでございまして、正直に申し上げまして、東京、大阪、神奈川の真ん中において〇・〇二に到達するということは、私はなかなかその期限というものはむずかしいというぐあいに考えております。
○松本(善)分科員 十分安全な基準だというふうに言いますけれども、環境庁が設定した目標なんで、それができないということでは困ると思いますし、先ほど上げたのは両地域についての五十年の統計ですが、いま答弁にあったように決してまだまだ十分な状況ではないわけで、一層の努力をしてもらいたいというふうに思うわけであります。 それで、この窒素酸化物の基準の問題に、さらに補償の問題でありますけれども、この補償の問題もきわめて重要であります。先ほどの話で言いますと、四十九年度の調査では、疫学的な関連性が、窒素酸化物とそれから呼吸器症状の有症率との関係であるということがとにかく環境庁の調査でも出てきておるわけなんで、非常に控え目な言い方ではありましたけれども、その関連性を認められたわけであります。これからその評価はいろいろ出てくると思うわけでありますが、この問題について長官は過去のことからいろいろ調べておられるかもしれませんけれども、そもそもこれはもうずっと前からの問題なんで、延び延びに——環境行政としては非常に怠慢なものの一つであるというふうに私どもは思うわけです。 それで、この際、その経過をちょっと振り返ってお話をしておこうと思うわけでありますが、四十八年の九月から私たちの党では取り上げておりまして、四十八年九月十九日の参議院の公害対策特別委員会で沓脱議員が質問をして、当時は審議官であった橋本さんが「ここ一、二年の間に早急に窒素酸化物を積極的に取り入れるという観点で、指定地域の基準を新たにそういう観点から洗い直していくということでございます。」ということをはっきり答弁をしておるのですね。そして、さらにその後、四十九年の十一月二十五日の中公審の答申でも「窒素酸化物及び浮遊粒子状物質と呼吸器症状有症率の関係を量的に検討」し「地域指定要件等の見直しを行う必要がある」こういうふうに言っておるし、五十年の十二月十七日の参議院の公害対策特別委員会でも沓脱議員に対して、窒素酸化物と呼吸器疾患との疫学的関連性をはっきりさせた上で対応を考える、目途としては年度内に調査結果をまとめ、来年度のできるだけ早い時期に中公審にかけて審議していただく、こういうわけです。この約束は結局一年以上も実行がおくれておるわけです。 私は、いろいろ科学的な研究も必要ですけれども、それはやはり住民の健康を守るという観点からやるわけで、いつまでたってもまだ調査中だ、まだ影響は小さいというようなデータだけ並べて、そうして一日延ばしに何年も何年も延ばしていく、こういうやり方はこの際はっきり打ち切らなければならぬ、そういうふうに思うのですけれども、この点について長官の考え方を、決意をお聞きしたいわけであります。当然に中公審に早期に結論を出して諮問をして、地域指定の要件にこの窒素酸化物を入れるという方向で検討されるかどうか、伺いたいと思うのであります。
○石原国務大臣 これはまことかどうか知りませんけれども、最近ある学者から、OECDの環境問題に関係するある高官が、どうも日本のジャーナリズムの環境問題に対する姿勢は少しエモーショナルで、ある意味でアンサイエンティフィックで、場合によってはどうもイグノラントなものがあるような気がすると言ったそうでございます。私はこれは非常にゆゆしき発言だと思いますが、ただ、この間の複合大気汚染のデータに関しましても、新聞紙上その論評をごらんいただいたと思いますけれども、かなり意見がばらばらでございます。私もあれを初めて見ましたときに、次官に、どうもこの資料だと環境庁が言い出した基準値というものを産業側に納得させるにはやや迫力に欠けるんではないかなという自分の印象を話しました。こういう物事はできるだけ科学的に対処すべきだと思いますので、環境庁もそういう知見を集めるためにいろいろ努力をしてきたわけでございます。 私は、この間、松本先生に率いられた陳情を受けましたときにも、自分の個人的な体験として、自分自身の健康のある意味での悪化といいましょうか変化、つまり東京に移り住んでSOxの問題がほとんど解決された現況の中で、排気ガス等の窒素酸化物というものの影響は個人的な体験としては実感するということを申し上げましたが、しかし、それだけでどうなるものでもございません。特に〇・二けたの数値を日本の場合に一番強い厳重な姿勢で出しておりますので、こういったものを実現していくためには技術的にも非常に負担がかかると思います。また、無益な投資は、これはやはり避けるべきでしょうし、そういう意味で科学的な知見にはっきり裏づけされれば、先ほど申しましたように健康がすべてに優先する問題でございますから、これは世界に例を見なくてもそういう数値を環境庁が指導することにやぶさかではございませんけれども、つまり数値がデリケードでその実現が困難なだけに、できるだけ、特に産業側を納得させるデータを集めるべく時間を費やしたわけでございます。 そういう意味で、なお先般のあの資料を統計の専門家にさらにより科学的に分析する依頼をしておりますし、そこで得られました報告を基調にこれからの問題を考えていくつもりでございます。
○松本(善)分科員 長官が個人的な体験としてもやはり影響があるんじゃないか、窒素酸化物が健康に影響があるんじゃないか、こう思われているというのは、これは事実として非常に重要なんですね。東京都二十三区の中で杉並、練馬、世田谷、中野が指定になっていませんけれども、その中で都が十八歳未満の大気患者への医療費助成措置をとっているのは御存じのとおりですが、それが一月末現在で合計三千七百四十九人という認定患者になっているわけです。この四つの区の区長も、二月十九日に長官に陳情に行ったと思うのでございます。これを全区地域指定にしてくれ、これはもう保守的な立場の区長もそれから革新的な立場の区長も共通ですね。そして、区議会では各党派共通して要求をしている。私は、科学的な研究結果がこうなってこうなってということが具体的に証明されるまで措置を引き延ばすということでは、これは住民の要求には応じ切れないんじゃないか、それでいいんだというふうにはいかないんじゃないか、こう思うのですけれども、この点について昨年五月に質問主意書で聞きました。そうしたら、この地域指定の要件に窒素酸化物を具体的指標として加える問題との関連で検討するということと、それから大気汚染状況等の資料の再提出を各区に求めておって、提出され次第、必要な検討を行うということになっているわけですが、いま私が申しました東京の四つの区の指定の問題については各区長も要請をするということになってきておるわけですけれども、これについてどのように対処をしようとしておられるか、伺いたいと思います。
○野津政府委員 ただいま御質問ございましたように、四区につきましては現在指定されていないわけでございまして、先ほど来御質問の中にございましたように、大変強い要望としまして、区長を初めといたしまして区会議員の方々、また住民の方々も直接私どもの方にお見えになりまして、ぜひ指定をという御意見が大変強く出ているところでございます。ただ、現在の状況としまして、先ほど来御指摘ございますように、現在の地域指定の要件というふうなものに窒素酸化物が指定の要件という形で入っておりません。また、特に中公審におきましても、御指摘ございましたように、窒素酸化物あるいは浮遊粉じんというものにつきまして注意を引くべきだという考え方は持っておるわけでございますけれども、具体的な物差しというものがないわけでございます。 現在の状況といたしましては、いろいろな御要望を踏まえていますけれども、ただ現在いろいろいただきました各四区におきます大気汚染の状況というものを拝見いたしますと、どうも現在の指定要件というふうなものからは指定要件を満たしていないというふうな状況があるわけでございます。したがいまして、私どもは、先ほど御説明申し上げました複合大気汚染の結果も一つの要因になるかと思いますけれども、これの解析を踏まえると同時に、さらには疫学的な調査あるいは動物実験、特に硫黄酸化物の場合には臨床的ないろいろなデータもあったわけでございまして、そのような臨床のデータというふうなものを踏まえながら、窒素酸化物がどのような形で地域指定の物差しになるかということを早急に詰めていく必要があるというふうに考えているところでございます。
○松本(善)分科員 長官、やはり事実を尊重しなければいかぬと私は思うのです。すべての例を挙げることはできませんので言いますと、杉並に久我山というところがありますね。ここの年平均値は〇・〇七二PPm、指定になっております大阪の西淀川は〇・〇七九PPm、ほとんど同じなんです。それから尼崎が〇・〇六七、それよりも高いのですね。あるいは日平均の最高値でも同様です。いまの西淀川や尼崎よりも久我山の方がむしろ高いのです。こういうことが実際に窒素酸化物について起こっており、現に病人が出ておる。ここでの議論で環境庁の係の方はいろいろ言われるけれども、しかし病気になっている人には通用しない理屈のように私は思います。これは窒素酸化物を指定要件に加えてないからなんだというふうに言われればそれで終わりかもしれませんけれども、しかし、物事はそういうものじゃないんじゃないか。これは早急に入れるということについて積極的に長官が努力をしなければ、本当に抜本的に変えなければならぬというふうに私は思うのですけれども、この点について長官のお考えをぜひ伺っておきたいと思います。
○石原国務大臣 ですから、先ほど申しましたように、環境問題に対するいろいろな判断というのはできるだけ科学的に行いたいと思っておりまして、いまそういう知見を収集している最中でございます。しかし、その一方、先生御指摘のようなそういう事態があることも承知しておりますが、SOxベースのいまの指定、それからそれにNO、を取り入れた場合の有症率との関連性というものをもう一度事務方から聴取いたしまして、判断の参考にしたいと思っております。
○松本(善)分科員 時期的にも早く進めていく。一方では病気が出ているわけです。これは調査結果を早くつくって、そして中公審にも早く、たとえば沿道調査結果はまだ出てないようですけれども、これも早くさせるとか、そして中公審に諮問を早くする、そういうようなことでスピードアップをしなければならない。環境庁のこれらの計画については、みんな初めに言っていることが、たとえば沿道調査にしても一年以上もおくれている。そういう怠慢が山のようにあるわけです。これは人間の健康の問題ですから、私は、科学的な調査をやっているのだ、ゆっくりやっているのだ、慎重にやっているのだということでは済まない問題だと思うのです。これは督励をして早める、こういうことがどうしても必要だと思うのです。なぜこんなにおくれているのか、これを一体どうするのかということを事務当局にお聞きしたいのと、それから環境庁長官には、こういう問題について大体どういうスケジュールで、いつごろどういうふうにやって、いつごろ安心した結論が聞けるのかということをお答えいただきたいのです。私は、調査の結論は、たとえばこれは窒素酸化物ではないのだ、それじゃどこに原因があるのだ、そして、ほかに原因があるからこうするのだというところまで結論を出さなければ、無責任きわまりないことだと思うのです。そういう点について、事務当局と長官のお考えを伺いたいと思います。
○野津政府委員 これらの調査を行いましたまとめが非常に時間がかかったということは、私どもとしましては、いま御指摘ございましたように、できるだけ早くというつもりでいろいろな専門家の御意見などを聞きながら対処してきたところでございます。特に複合大気汚染の結果につきましては、一応のまとめ、各府県におきますまとめだけをまとめればという考え方で出発したところではございましたけれども、実際問題といたしましては、約一万五千にわたります個票全部につきましてチェックをし直し、またそれをコンピューターに入れ直すというふうなことを実施いたしまして、できるだけ正確な資料を出したいということを考えておりましたために延びてきたというのが実態でございます。 私どもこういう結果につきましてはできるだけ早く出すべきであるということにつきましては、先生のお考えと全く同じでございます。私も努力しながらやっているわけでございますが、いろいろな条件がございまして延引していることにつきましては、私ども大変遺憾に思っているわけでございますが、できるだけ現在ございますいろいろな障害を排除しながら、急いでやっていきたいと考えているところでございます。
○石原国務大臣 いま部長もお答えいたしましたが、沿道調査はすでに終わって、そのデータの整理をしているようでございます。そういう新しい知見をもとにいたしまして、つまり、それも科学的な判断の材料にいたしまして鋭意検討したいと思います。いま橋本局長にも確かめましたけれども、SOxが低くてNOxが高いというところも有症率が、補償ということに踏み切るには他の例に比べて資料的に、統計的にまだまだはっきりした数値に至っておらない、そういう現況のようでございます。また、それに加えまして、沿道調査の資料を勘案して、改めて積極的に検討したいと思います。
○松本(善)分科員 まだそういう数値に至ってないということだけでは、やはり足らない。病人が出ているわけですからね。それじゃ、それは違うなら何なんだ、現に病人がいるわけですから、そういうことまで出して、そして救済をする必要があるならばするというまで責任を持って結論を出さなければ無責任だ。要望していることについては、いや違うとはねのけているだけの行政、そんなことだったら、私は役所というものは要らぬのじゃないかと思うのです。 そういう意味で、積極的にいつごろまでにやらなければだめだということで長官が督励されなければ、私はできないと思うのです。それについての結論のめど、いつごろまでにやるという考えでいるか、いまもし答えられなければ、その計画をいつまでにつくるかということでもお答えをいただきたいと思うのです。
○石原国務大臣 沿道の調査の整理を待ち、それから先ほどの複合大気汚染の専門家によります統計的な分析を待ちまして、できれば今国会中に、いつまでにどれどれのことをするかという基本的なラインを出したいと思います。
○松本(善)分科員 終わります。
○木野主査 次に、草川昭三君。
○草川分科員 私は、伊勢湾の汚濁防止の問題を中心にいろいろとお伺いをしてみたいというように思います。 先ほども瀬戸内海の現状がここでも論議をされておったようでございますけれども、瀬戸内海環境保全臨時措置法は三年間にCOD、BODをそれぞれ三分の一とか二分の一にカットするということでできたわけでありますが、いまのお話を聞いておりますと、そのような措置法ができましても、現実的には港あるいは閉鎖港の改善はなかなかなされていないというお話が出ておったようでございます。 伊勢湾の場合は閉鎖港であります。完全な閉鎖港で、しかもまだ総合的な対策、総量規制ができてないわけでございますので、汚染の度合いは年年かなりひどくなってきておるのではないだろうか、私はこのように思うわけでございます。特に伊勢湾における有機物の汚濁指標であるところのCODの数値は、名古屋港の中あるいは名古屋港の外、それぞれ甲、乙と地域指定があるわけでございますけれども、どの程度になっておるのか、若干なりとも下がっておるのかどうか。地元のいろいろな新聞報道等によりますと、コンブというのですか、海草類が出て多少はきれいになったというようなことが出ておりますけれども、まず、この数値からお伺いしたいと思います。
○二瓶政府委員 伊勢湾は閉鎖性水域でございますが、この伊勢湾の水質の関係がどうなっておるかというお尋ねでございます。 そこで、伊勢湾は海域でございますので、これはA類型、B類型、C類型というふうに三つの区分がございます。ございますが、一応全般的に伊勢湾全体でもって数値をお答えいたしたいと思います。 まず、A類型の方でございますが、これは伊勢湾全体といたしまして、五十年度はCODが四九%の達成率でございます。前年が五四%。B類型が六〇%、前年が六三%。それからC類型が九三%、前年が九六%ということで、この数値を見る限りにおきましては、前年に比較いたしまして若干適合率が低くなっておるという姿でございます。
○草川分科員 若干よくなっておるというのですか、進んでおるというのですか、言ってお見えになりますけれども、先ほども出ましたが、赤潮の発生率等を私ども見ておりますと、伊勢湾の海域の中においても非常に多いわけでございまして、水質の富栄養化が進んでおるからだと思いますし、特に北部の方では大名古屋という大変大きな都市があるわけでございますから、当然生活汚水に窒素や燐が多く含まれて発生する周年的な傾向も多くなってくると思うのです。 これは少し前になりますけれども、昭和四十五年に魚の大量の斃死事件があったわけです。その当時かなり騒がれたわけでございますが、最近伊勢湾では一部の漁業組合が漁業をするという状況もあるのです。魚をとりつつあるという状況もありまして、かつて四十五年に斃死事件があったにもかかわらず、魚が最近ふえたからといって船が出て漁をするということがあるわけでございますが、私どもも非常に心配があるわけですね。とることはいいわけですけれども、本当にそれが安心かどうか、またそれを一々調べているわけではないわけでございます。 そこで、最近の赤潮の発生回数はどのような状況になっておるのか、ちょっとお答えを願いたいと思います。
○二瓶政府委員 伊勢湾における近年の赤潮の発生件数でございますが、愛知、三重両県の計で申し上げますと、四十九年度が百十五件、五十年度が百九件、五十一年度が、四月から十二月までしかまだわかっておりませんが、四月−十二月で百二十一件発生をいたしております。 ただ、漁業被害の方につきましては、特に被害ということで数字を挙げるほどのものは出ておらない、かように聞いております。
○草川分科員 いまの赤潮発生のお答えは、三重県を含めての話ですね。
○二瓶政府委員 さようでございます。
○草川分科員 漁業の被害についてはないというお話でございましたが、その被害がどのような数字になるかが問題なのでございますけれども、昨年、伊勢湾で、有毒プランクトンというのですか、貝類の毒性化という問題が三月に出ておるわけでございます。伊勢湾の水産試験場の観測のデータによりますと、赤潮が発生し、三重大学の安達六郎という先生の調査等によりますと、これは非常にむずかしいのでございますけれども、モの中に赤潮というのですか、ゴニオラックス・カテネーラという種類が発見をされた。このゴニオラックス・カテネーラは、アサリガイ等二枚貝が餌としてこれを取り込むと、大変な毒化をするおそれがある。これを食用に供した場合には、もちろん致死のおそれもある、非常に猛毒だという報告も出ております。これは最終的に結果がわかっておりませんけれども、環境庁の方で先生方とのお話し合いを何回かされてみえるというお話も聞いておるわけでありますが、御報告願いたいと思うのであります。 マウスユニットという一つの単位、これは体重二十グラムのマウスが十五分で半数以上死亡するという毒物量で、人体における最小致死量は三千MU、アメリカにおける貝類の捕獲の指導基準には、むき身一グラム四MUという一つの数値もあるわけでございます。このような数字も昨年出ておるわけでございますので、この有毒プランクトンの貝類の毒性化については、別に伊勢湾だけではなくて、全国的にもぜひ慎重な対応策を立てていただきたい。何も危険でないものを危険だ危険だと言う必要はないわけでございますし、そういう立場ではございませんけれども、やはり正確なデータは随時把握をしておいていただいて、そういう問題提起があるならば、半年なら半年、一年なら一年後にも、何も要求がなくても安心できるようなデータの発表だけはぜひやっていただきたい。これは私、要望として申し上げておきたいと思うわけであります。 最初に説明したことについてちょっとお答え願いたいと思います。
○二瓶政府委員 ただいま先生からお話がございましたように、昨年の春にゴニオラックスが伊勢湾において発生いたしました。この点につきましては、貝類の毒化の問題があるということでございますが、その発生環境がどうか、あるいは毒性がどういうものであるかというような点につきましては、まだ非常に未解明な部分が多うございます。 そこで、急遽これにつきまして、五十一年度の研究促進調整費という経費がございますので、その調整費を使用いたしまして、厚生省、水産庁それから私ども環境庁ともども、これに関する調査研究を現在進めておるところでございます。まだ結果が出ておりませんけれども、この調査研究の結果が出ますれば当面、ただいまお話ございましたように、この資料は公表いたしたい、かように考えております。
○草川分科員 伊勢湾の貝類の生産量はハマグリが二千六百八十二トン、アサリが八千三百一トン、その他五千八百トンというぐあいに大変な生産量でございますので、ぜひこれが安全であるように環境庁の方からも対策を立てていただきたいと要望申し上げておきます。 そこで問題は、汚濁防止対策の実態であるわけでございますけれども、今後の対策をお聞かせ願いたいわけでございますが、実はこの伊勢湾というのは、愛知県と三重県と二つの県にまたがっておるわけです。両県ともそれぞれ国の排出基準に上乗せをして濃度規制を実施しておるわけでございますが、この三重県側の方は一日に五百トン以上の排水をする工場を指定し、対策を立てておるわけでございますが、愛知県は実は四百トン以上になっておるわけです。だから、同じ閉鎖の港で両県の取り扱いが違うわけです。何も一緒に、必ずしも同じということを言うわけじゃございませんが、規模によりますし、それから工場の生産をする質にもよりますから、ただ単なる排水トンだけで物を言うつもりはございませんけれども、それにしても、やはり片や四百トン、片や五百トンというような取り扱いというのは、やはり私どもにとりましても納得しがたいものがあるわけです。ここは先ほどの質問者に対する長官からのお答えもございましたけれども、遠慮なしに、やはり基準は基準、そして中身は中身、別に説得する必要はないわけなんで、やはり住民にわかりやすい行政というものをやっていただく。そのことが特に環境問題にとっては住民側が一番安心をする結論というものが出てくるわけでございますので、排水する水質指定工場に対する四十九年度の汚濁負荷量の、平均して愛知の場合は二五%を若干割るカットをしておりますけれども、両県にわたる調整が必要だと私思うのです。この調整の必要があると思いますけれども、その点についてのお考えを御説明願いたいと思います。
○二瓶政府委員 ただいまお話がございましたように、三重県と愛知県におきまして、三重県は日量五百トンあるいは愛知県の方の場合は四百トンという差がございます。 問題は、やっておりますこの規制は、条例でもってやっておるということでございます。水質汚濁防止法の規定によりますと、二十九条の規定で、条例でもってやることを妨げないという規定がございまして、いわゆる上乗せ基準という話ではございませんで、われわれが言っておりますのは横乗せと言っておりますが、そういう角度の量規制のものを愛知県と三重県でやっておるということでございます。その際に、愛知県の方におきましては、対象地域等を非常に広くとってやっております。三重県は、四日市の港の中だけということでやっておるわけでございます。それから、このCODを下げます際のその規制基準を算定いたしますやり方、これも愛知県と三重県とそれぞれやり方が違ってございます。そういうようなこともございまして、対象工場、事業所につきましては、ただいま先生からお話ございましたように、愛知県の方は日量排水量四百トン以上、それから三重県の四日市港の関係でございますが、これが日量五百トン以上、こういうのが対象になっておるということでございます。 問題は、これを、そう違っておるというのは調整を図るということが必要ではないかというお尋ねでございますが、伊勢湾と言いましても非常に広い海域でございまして、それぞれやはりその土地の地先水域の水質のあり方なり、そこに立地しております工場等の汚濁発生源のあり方、こういうものもそれぞれ違うわけでございます。したがいまして、そういう実態を踏まえて、愛知県なり三重県におきましてこういうものをつくった、かように思っておりますので、いま直ちにこれを調整するということはどうかなという感じでおるわけでございます。
○草川分科員 いま上乗せではなくて横乗せだというお話がございましたけれども、それはやはり物の言い方でございまして、片や四日市という内港だ、片や川から流れてくるものだという違いがございますし、確かに化学工場とその他の繊維工場だとかという排水の質の違いはありますけれども、私は先ほど申し上げましたように、水というものに対する取り組みは、やはり科学的な数値もさることながら、行政の姿勢というものに対する住民側からの批判というのは強いわけですよ。そういう点では明らかに数値が違うというものはいずれかで調整はしなければいかぬのだろう、私はこう思うのです。これはひとつ要望申し上げておきます。 それで、今後の要望になりますけれども、総量規制の拡充というものが今後の水質汚濁防止の最大の戦略になると私は思うのです。この総量規制というものに対する取り組みをしてもらいたいわけでございますけれども、一つこの汚濁のメカニズムというのがあると思うのです。そして、この実態に対する基礎的な調査研究、これは私は現実にはやられておると思いますけれども、さまざまに違うと思うのです。各地域によって、港によって、あるいは気温によって全部違うと思うのですね。ぜひそういうような基礎的な研究調査をやっていただきたいと思いますし、それからもう一つは、生活汚水対策としての公共下水道の整備、それから規制に伴うところの財政措置というものの総合的な対策がどうしてもこれは必要になってくると思うのです。こうしたことから、国が積極的な役割りを果たしていただきまして、特にこの総合的な法体系というものをぜひ打ち立てて、その総合的な法体系のもとで統一的に強力な施策というものをぜひ実施をしていただきたい。また、現実に三重県にしても愛知県にしても、県段階で、これは国に対する働きかけをしておるわけでございますので、ひとつその早期の実現をお願い申し上げたいと思いますけれども、御見解をお受けしたいと思います。
○二瓶政府委員 総量規制の導入についてのお尋ねでございますが、現在の水質汚濁防止法、これは先生御存じのとおり、濃度規制でやっておる、それでは不十分だということで、大分総量規制の導入については強い要請を受けておるというのが現状でございます。 そこで、この伊勢湾のような閉鎖性水域につきましては、総量規制の導入の方向で、ただいま先生のお話もございましたような基礎的な研究等もかねてからやってまいっております。なおさらに、そういう基礎的なものだけでなしに、総量規制を実施する際の具体的なやり方、そういうものについての研究等にも着手をいたしております。そういうことで、伊勢湾のみならず東京湾等閉鎖性水域につきまして、この調査結果を踏まえまして、早急に成案を得て実施に移したい、かように考えて目下努力中でございます。
○草川分科員 いまのお答えにありますように、これは早急に実施をしていただけるようお願いを申し上げておきたいというふうに思います。 最後になりますけれども、地盤沈下問題についてぜひ御見解を賜りたいとお願いをするわけでございます。 実は、地下水の過剰なくみ上げという問題が全国的に話題になっているわけでございますが、非常に深刻な地盤沈下現象が起きております。特に、尾張地域工業用水道事業というものが先回発足をいたしまして、今回の予算の中でも五千万円の復活が決まったところです。これはいろいろと問題があったわけでございますけれども、しかし、これは非常に広範囲に影響を与えておりまして、尾張地方の地盤沈下というのは特に深刻でございます。 名古屋のちょっと西の方になりますけれども、海部郡というのがございます。その周辺では、四十九年一年間で約二十一センチも地盤が沈下をしておるという数字が出ておるわけでございます。これは愛知県の調査なんかも調べてまいりますと、五十年度におけるところの海抜ゼロメートル地帯は、二百五十二平方キロメートルという非常に広い、尾張全域の約一四%に達する地域が地盤沈下をしておるわけでございまして、まさしく沈み行く濃尾平野になっておるわけです。 この原因は、御存じのとおり、この地方における工場の地下水のくみ上げにあるわけでございますが、現在この地域で工場が使っております地下水は、七百余の事業場で一日当たり約九十一万八千トンと推定されております。それをやめればいいのですけれども、そうはまいりません。そこで、当然工業用水ということの要望が出ておるわけでございますが、それはまた別の機会に申し上げるわけでございます。 現在、県でも防止条例でくみ上げ規制をいたしておりますが、対策として、この工業用水構想というのは非常に重要になってまいります。国庫補助率七五%というものを地元の方は陳情しておるわけでございますが、これもいずれにいたしましても、地盤沈下についての総合的な法律をつくってもらわないと、これはもう個々の実情を訴えておっても限界があると思うのです。 そこで、最後に長官の方から、地盤沈下防止についての総合的な御見解を賜って終わりたいと思いますけれども、よろしくお願いします。
○石原国務大臣 先生のおっしゃるとおりでございまして、既存の工業用水法、それからビルのための地下水の規制に対する法律だけでは、すでに沈下の起こった自治体だけの対処でございまして、未然防止にはなりません。そこで、総合的な立法を考えておりましたが、関係省庁いろいろ抵触する部分もありまして難渋してまいりましたけれども、通産省も非常に姿勢に変化がございまして、今国会中には関係省庁と話し合いをつけて、総合立法として国会に提出するつもりでございます。その線でいま積極的に努力をしておりますので、そのように御了承賜りたいと思います。
○草川分科員 以上で終わります。 どうもありがとうございました。
○木野主査 次に、春田重昭君。
○春田分科員 石原環境庁長官、長官になられましてから初めての国会でございますので、そこで長官の環境行政に対する所信の一端と自然保護に対するお考えをまずお伺いしたい、このように思っております。
○石原国務大臣 公環特でも所信表明いたした際に申し上げましたが、一たん破壊されました自然環境というのはなかなか蘇生、修復することがむずかしゅうございまして、後になってほぞをかむよりも、これを未然に防止する姿勢で、そしてまた、単に自然を放置するだけではなしに、加えるべきものには手を加え、これを保全して私たちの子孫に伝えていこう、そういう姿勢でこの問題に取り組みたいと思います。
○春田分科員 環境庁がこのたびアセスメント法案を、九日ですか、第二次案として発表されたのは、私自身としても非常に評価するわけでございます。しかしながら、遅きに失した、こう言っても決して過言ではない。と申しますのは、すでに乱開発によって自然破壊が非常に進んでいる、そういう例が枚挙にいとまがないわけでありまして、私が住んでいる地元の北生駒山系についても、その顕著な例ということで過去にも相当取り上げられた問題があるわけでございます。したがって、私は、この生駒山系の自然破壊すなわち乱開発の問題について質問を展開してまいりたいと思います。 この問題につきましては、環境庁の方も御存じだと思いますが、わが党の参議院の峯山議員より過去四十八年そして五十一年ですか、決算委員会でそれぞれいろいろなデータを出しながらその対応策を迫ったわけでございまして、若干改善はされたと私は思っておるわけでございますけれども、一向に抜本的な改善がなされていない、そういう現況を踏まえて私はここであえて質問を繰り返していきたい、このようなことで質問を展開しますので、それを御承知の上でどうか御答弁願いたいと思うのでございます。 そこで、長官も当時とおかわりになっておりますので、若干時間をいただきまして、今日までの経過をまず石原長官に知っていただきたいと思いますので、触れてみたいと思うのですが、この北生駒山系は、大阪と奈良県にまたがる非常に風光明媚な個所でありまして、老若男女を問わず多くの府民、市民が、家族連れまた若者のグループが訪れて、かつてはハイキングコースということで非常ににぎわった地域なんです。そういうことで、昭和三十三年には金剛生駒国定公園ということに指定されましてその名を全国にとどろかすまでになったわけでございます。法的にも、自然公園法にいう環境体制の強化、森林法にいう保安林の指定地域、砂防法にいう砂防指定地域、これらの法的な指定を受けて、本来なれば緑を守り、自然を守っていくための体制は整っていくのが本当でございますけれども、現実は法の規制のみで、その実態はまさに驚くべき状況になっている。 なぜかと言うと、この山地では良質の真砂土が取られているわけでございまして、昭和三十五年ごろから、新幹線また万博の工事が開始されましてそれに頻繁に使用されるようになりまして、それ以外にも公共事業ということで建築の基礎材料として非常に有用ということで、現在に至ってもその採取は業者の手によって一方的に進められて、十トン車で一日大体二百台ないし三百台ということで二千ないし三千トンの土砂が採出されているわけでございます。 〔主査退席、上原主査代理着席〕 山全体で約一千二百二十ヘクタールありますが、現在約二割強がはげ山化している、こういう現況でございます。したがって、その土砂の採出によりまして緑は完全に消えて、本当に西部劇で見るような山はだがむき出しになりまして、その山の裏からアパッチが出てくるような感じもする地域もございます。また、そういうことで地形にも大きな変化を及ぼしまして、工事が近隣の住民に大きな不安と動揺を与えている、こういう現況もありますし、こういうことで住民からは、この無秩序な土砂採出の即時停止と治山治水の回復を求める声が年々高まっている、こういう現況でございます。 そこで、酷な質問かと思いますが、この実態につきまして、長官はいろんな引き継ぎ等もあったと思いますが、御認識されているかどうか、まずお伺いしたいと思います。
○石原国務大臣 お聞きしておりますけれども、私自身現場を存じませんので、先生がおっしゃるような実態を確かに把握しているとは申し切れないと思います。
○春田分科員 それでは、局長の方で御認識だと思うのですが、局長の方から御答弁願いたいと思います。
○信澤政府委員 ただいま先生お話しのような経緯で国定公園に指定されている地域でございます。国定公園の中の採石状況は実は私どもよく存じておりまして、現在許可を与えておりますのは六件でございます。全体の面積二十一ヘクタール、年間の採石量大体平均しまして三万トン、こういう状況でございます。 しかし、問題はその公園の地域外にもあるわけでございまして、そういう状況については、先ほどお話ございましたように、四十八年以来峯山先生からいろいろ御指摘があり、それに関連いたしまして私どもも必要な調査をし、その指導をするというふうなことを過去いたしてきた経緯がございますが、これは先生よく御承知のことでございますので、詳しくは申し上げません。
○春田分科員 この乱開発の原因は直接どこにあるのか、まず局長にお伺いしたいと思うのです。
○信澤政府委員 要するに、需要あるところ供給ありという、いわば一種の経済原則が働いていると思います。お話しのように、土砂としては大変有効に使える、そういう良質のものであるということはお話のとおりでございまして、恐らく万博その他いろいろな大きなプロジェクトがあったわけでございますが、そういう面に使われるというのが主体であったのではなかろうかというふうに考えております。
○春田分科員 建設省の方お見えになっていると思いますが、この地域は砂防指定地域ということで聞いておりますけれども、全山の何%が砂防指定地域になっているのか、まずお伺いしたいと思います。 とともに、土砂の採石業者においては、砂防法で言う条件があると思うのですね。この条件というのはどういう条件なのか、お示し願いたいと思います。
○大工原説明員 先生御指摘のように、あの地域につきましては砂防法に基づきます指定地がございます。その中での行為につきましては、砂防法四条によりまして規制をするということでございますが、その規制の内容につきましては、さらに砂防法の施行規程によりまして砂防指定地取締規則というのを大阪府の規則で決めております。その許可に当たります条件といたしましては、一般的には許可の期間であるとか、あるいは着手に対します届け出、あるいは各管理者いわゆる土木事務所長でございますが、それらの指示監督を受けること、あるいは作業の終了時点におきます検査を受けるとか、あるいはこれらの工事に先行して実施いたしますいろいろな設備の問題、そういったことを条件といたしまして許可をいたしておるところでございます。さらに、それらの義務履行違反等につきましても、関係地元の意見を含めました許可でございますので、それらに対しましては後で強く指導をしておるところでございます。 中に、告発等も一部にはやっておりまして、それらの問題につきましても、現在大阪府の方から一部事情は聞いておりますけれども、現在の段階では、それらの砂防指定地の管理につきまして、建設省といたしまして、五十一年の九月二十日付をもちまして砂防指定地管理の強化の徹底ということで河川局長通達を流しまして、管理の徹底を図っておるところでございます。
○春田分科員 面積はどのくらいですか。
○大工原説明員 生駒山系の中におきます指定地面積は六千六百七十二ヘクタールということでございます。
○春田分科員 いま何点かの条件が示されたわけでございますけれども、この条件を完全に守っている業者はあるのかどうかということを聞きたいわけでございますけれども、建設省としてはその点把握しているかどうか、お聞きしたいと思うのです。
○大工原説明員 お答え申し上げます。 砂防法によります規制といいますのは、一応、治水砂防上の見地から、その流出土砂による災害を防ぐというのが主眼でございます。したがいまして、沈砂池をつくるとか、そういった意味での第三者に対する土砂害、それを主体にした規制をやっております。 現在、大阪府から聞いています範囲におきましては、一応、昨年そういった通達も流しておりますので、管理の強化の徹底につきましては厳重にやっておるというふうに聞いておりますが、詳細な実態につきましては、私は完全に把握しているとは申し上げかねると思います。
○春田分科員 実を言いますと、私、きょうは資料を持ってきたわけでございますけれども、ほとんどその条件というものが守られてないわけです。この地域にはいろいろな法の網がございまして、先ほど言いましたように、砂防法の問題、自然公園法の問題、また森林法の問題、いろいろな法が手かせ足かせ、約二十七ぐらいの法律で規制されているということを聞いておりますけれども、現実はそのようになっていないということで、ちょうど今月の初めに撮った現場の写真がここにあるわけです。この写真を、これは当然建設省とか通産省の方も見ていただきたいわけでございますけれども、一番その中心的な環境庁長官にこれは見ていただいて、そうして認識を新たにしていただきたい、こういうことでここに何点か持ってきておりますが、いま砂防法でいう遊水池、これはつくらなければならないことになっておりますが、ここにある写真は、遊水池があるわけです。あるけれども、一部の業者だと思うのですけれども、この遊水池をつぶしてしまっているのですね。 〔上原主査代理退席、主査着席〕 それから、河川がありますけれども、この河川も土砂で埋まってしまっております。また、無許可、無認可の業者がとっている写真もあります。三番目の写真は、府営住宅があるのですね、そのあたりの地域をこういう無許可の業者が勝手に掘ってとっているという現況です。保安林内の採出においてもいろいろな条件がございますが、これも守ってないという写真です。それから、土砂を採出する、そして運搬する、大阪市内や遠方に運んでいくわけでございますけれども、その帰りに地下鉄の土や産業廃棄物、またヘドロ等を積んでこの山地に捨てている、こういう写真もあります。これは色が変わっているからはっきりわかると思うのですけれども、これは長官、一回見ていただきたいと思うのです。先ほども言ったように、四十八年、五十一年の峯山議員の質問でもそういう写真が一部提示されたのじゃないかと思うのですけれども、それはもう一番新しい写真でございまして、当局としてもずいぶん努力をされておるように思いますけれども、一向に改善されてないというのがその現実の写真なんですね。 こういうことで、過去にも当時の環境庁長官でありました三木長官や小沢長官等も、よくわかった、よく認識した、環境庁設置法の第三条にもうたった国民の健康で文化的な生活を確保するためにも自然保護については全力を挙げると、このような答弁がありました。しかし、いま示したような悲惨な状況に今日までなっております。 そこで私、石原長官に、特に長官はやり手の長官であるということでお聞きしておりますので、かわった段階でございますので、ぜひ四条畷の生駒山系の自然破壊、乱開発をじかに自分の眼、自分のはだで見て、そして新しい環境行政に向かって進んでいただきたい、このように提案するわけでございますけれども、忙しい長官でありますので、時間の点等もやりくりが大変だと思いますが、地元では長官のおいでになることを待っておるわけです、何とか石原長官にこの段階で歯どめしていただきたいと。過去にもいろいろなそういう意見があったけれども、一向に直ってない、そういう現況を踏まえて、ぜひ長官に四条畷、地元に来て、見ていただきたい、こういう地元からの相当きつい訴えもあるわけでございますけれども、長官、現場へ行く意思があるかどうか、お尋ねしたいと思うのです。
○石原国務大臣 私は環境行政というのは現場主義で行うべきだと思いますので、折を見ましてぜひ現場を視察さしていただきたいと思います。
○春田分科員 いまの長官の御答弁、私初め地元の住民も期待しているんじゃないかと思います。ぜひ早急に現地へ行っていただきたい、このように思うわけでございます。 それで、今後の対策でございますけれども、私は、抜本的な対策と応急的な対策があると思うのですけれども、結局、結論から言えば、このような違法行為が行われるというのは、先ほど言ったように、全部の業者とは言いませんけれども、やはり一部のそういう悪どい業者がこういう行為を犯してこの自然の破壊が進んでいっているということが言えるんじゃないかと思うのです。そういう点で、当面の対策として、業者の指導監督といいますか、そういう監査というものは書類上では一応チェックされているわけです。ところが、何ぼ書類でチェックされても、現場は相当な広い面積でございますので、一々とるところまでなかなか目が届いてないのが現況じゃないかと思うのです。私も地元へ行きまして、また大阪府にも行きまして、いろいろな意見を聞きました。現在何名くらいパトロールがいるんだということで問いただしたところ、確かに以前よりは進んでいると思いますけれども、全体で八名おります。ところが、それは東大阪とかそういう大阪府全体のパトロールであって、専属的なパトロールはこの地域には二名だけでございます。大阪府としてもどうしようもないと、こういうことを言っているわけですね。地元の四条畷においても、係の方が随時行っているみたいでございますし、国の方からも年に四回くらいですかおいでになったことは確かに聞いておりますけれども、これではもうどうしようもないわけです。その合間を縫って悪どい業者が土砂の採出をやっておりますので、私はここでまた提案するわけでございますが、どうしてもこれは業者のチェックをしようと思ったら、現場に監視センターを設置する以外ないんじゃないかということを、地元の人の意見も聞きながら、また地元の人の要望も聞いてそういうことを判断したわけでございますけれども、これに対してどうお考えになっているか、お答え願いたいと思います。
○信澤政府委員 先ほど来お話出ておりますように、峯山先生の御指摘たびたびいただいたわけでございますが、特に昨年六月御指摘をいただいた後、実は関係省庁御担当者に集まっていただきまして、現地調査を共同でもいたしました。その結果、府の方では土石採取行為指導会議というものをおつくりになって、従来個々ばらばらにやっておりました許認可の関係を一元的にいま合同審査をするというような体制をとっていただいているわけでございます。と申しますのは、いずれにしても、いろいろな法律がございますが、先生御案内のように、すべて府知事に権限がおりている、こういう問題でございますので、第一義的には府でやっていただかなければならぬ。そこで、さらに追いかけるようにして、私ども昨年九月にそれぞれの省庁の担当局長の名前で通知を出しております。その中にいま先生お話しのような定期的な監視、巡視、パトロールと申しますか、こういうものをやるようにということを指示しておるわけでございます。そのことにつきまして、実は今週の月曜日、大阪府の方から人が参りまして、これまた各省にお集まりをいただきまして実施状況等を伺いました。私どもの直接の関係でございます農林部の自然保護課の方では、北大阪自然保護事務所というのでございますか、三島の府民センターにあるようでございますが、そこで職員を一名増員した、それから、少なくとも毎月できるだけ巡回の措置をとっているというようなことで、事実、いろいろな指導あるいは違法行為、また採石に関係のないような別の問題もあるようでございますが、かなりの効果を上げているというふうに聞いておるわけでございます。したがいまして、いま大変新しい御提案でございますが、一応そういうかっこうで進んでおりますので、できますれば府を交え、関係の各省の方にもお集まりいただきまして検討さしていただきたい、このように考えます。
○春田分科員 大阪府としても、そういうかっこうをとらざるを得ないんじゃないかという考え方を基本的には持っているんです。ただ、どうしても監視センター等をつくれば予算の問題がございますから、これでは大阪府だけではどうしようもないので、国の援助を仰がなくてはいけない、こういう基本的な考え方を持っておりますので、どうかその辺のところを踏まえて前向きな態勢をひとつとっていただきたい、このように思っているわけでございます。 合同監視センターというのはあくまでも応急的な問題でありまして、私は、やっぱり抜本的に解決しようと思えば、何とかこれを、砂防法か、いろいろな法で全面禁止するか——ところが民有地がかなりありますのでむずかしいということも聞いておりますけれども、もしそれができなかった場合においては、この私有地を国で買収して計画的な採出を行うか、その跡地を整地して地元に開放するか、または将来ここに一大遊園地、公園地をつくっていったらどうかということも地元の意見としては出ているわけです。この沿線には百十万人の人口があの本当に狭い面積に住んでいるわけですね。そういう点で、こういう施設がほとんどありませんので、一挙両得という面があるので、これはいますぐというのにはむずかしい問題があると思うのですが、将来に向かってそういう構想も立てていただきたい、こういう考え方があるのです。この点についてどうお考えになっておるか、ひとつよろしくお願いいたします。
○信澤政府委員 関係法律がいろいろありますので、それぞれの立場から規制をいたしているわけでございますが、お話しのように、もっと一元的にやったらどうかというのは当然あり得る御意見だと思います。特に、先般、府の方が見えまして、ここ数カ月の経験から言いますと、どこか場所を特定してそこに集中的にやった方がいいんじゃないか、そうすれば土地の利用もあらかじめ考えておいて、いまのお話のように修景をするとかあるいは人造湖にしてしまうとか、いろいろ考え方があると思いますが、そういう方法はとれぬかというような御提案がございました。各省庁もそれぞれお持ち帰りいただき、御検討いただいておりますので、そういうようないまの先生の御提案、お考えも含めましてなおよく研究させていただきたいと思います。
○春田分科員 先ほども申しましたが、アセスメント法案が一応第二次案という形でこのように発表になったわけでありますけれども、いずれにしても対象事業が限定されておりますが、この採石事業も対象事業の中に含むとされるのか、この点だけちょっとお聞きしたいと思うのです。
○柳瀬政府委員 現在検討しておりますいわゆるアセスメント法案につきましては、その対象となる開発行為の事業の種類とか規模とか、こういうものは関係の各省庁といま寄り寄り協議をして詰めていこうという段階でございまして、まだその結論は出ておりません。 〔主査退席、瓦主査代理着席〕 いろいろな事業がございますので、国の段階で取り上げるのは相当大規模な事業になると思うのでございますが、鉄道とか道路とかあるいは工業開発地域とか、いろいろな問題がありますので、それとの横並びでどの程度のものを国の関係のアセスメント法案に盛り込んでいくかということをいま検討中でございます。 それから、このアセスメント法案と関連いたしますが、都道府県におきましてもいろいろと条例なんかを真剣に検討しているところがたくさんあるわけでございまして、これは国との関係におきまして、どこまで国がやり、どこまで条例でやるというような問題の振り分けというものも出てくるものと思います。 あるいはそういう法律、条例でやるのか、あるいは個別の規制法の中で対策を強化していくのか、そういう点、私どもも十分検討していきたいと思っております。
○春田分科員 このアセスメント法案の中に採石事業もぜひ入れていただきたい、こういう要望をいたしまして、質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○瓦主査代理 権藤恒夫君。
○権藤分科員 私は、大気汚染と公害健康被害補償制度について質問したいと思います。 先般環境庁からも「複合大気汚染健康影響調査」という報告書が提出されましたけれども、これにつきまして環境庁長官はどのように評価されておるか、お尋ねしたいと思います。
○石原国務大臣 詳しい所見は政府委員から答弁させますが、いずれにしましても気管系の病気との相関性というものについて、決定的とは申しかねますが、いままで考えられた相関性について一歩前進と申しましょうか、それを暗示する資料として評価されると思います。
○権藤分科員 私も読ましていただきましたけれども、いま長官おっしゃっておりますように、大気汚染と呼吸器症状有症率との関係については、調査の初期では降下ばいじんでありますとかあるいは浮遊粉じん、それから黄硫酸化物との相関が見られております。後期では窒素酸化物との非常に高い相関が見られる、こういうふうに報告されておるようでございます。 そこで、お伺いしたいのでありますけれども、この地域指定の要件として従来SOx、それからばいじんというようなものの関連性から指標として使われておりました持続性のせき、それからたん、それをいまや複合大気汚染という立場から、同法制定後、車の台数が一・二倍にふえておる、そういうようなことから考え合わせまして、今後NOxを含めた大気汚染による呼吸器症状の指標として見直す必要があるのではないか、私はこういうふうに思うのです。またこの際、浮遊粒子状物質、これも含めて汚染物の指標として見直すようなお考えがおありかどうか、それについてお答え願いたいと思います。
○野津政府委員 ただいま御指摘ございました複合大気汚染の健康影響調査の結果についての問題があるけでございますけれども、現在の公害健康被害補償法の中におきまして地域を指定します際に、一つの指標としまして硫黄酸化物が使われておるわけでございます。ただそのほかの、ただいま御指摘ありました窒素酸化物あるいは浮遊粒子状物質につきましての正確な、あるいは明確な物差しというものが、現在の知見では得られていないという実態があるわけでございます。特に私どももこの複合大気汚染健康影響調査のまとめを行ったわけでございますけれども、その結果につきましての評価あるいは解析につきましては専門家にお願いしていく必要があるのではないかということでございます。ただ、いま御指摘ございましたような各年次におきましての相関は統計的にあるわけでございますけれども、直ちにそれが生物学的な因果関係を示すものであるかどうかということは非常に大きな問題が含まれておるのではないかと思っておるわけでございます。したがいまして、この窒素酸化物を指定要件という形にするためには、一つの資料にはなるわけでございますけれども、汚染物質と健康被害というふうなものとの相関じゃございませんで、因果関係と申しますか、もう少し密接な関係が必要ではないかというふうに思っておるところでございまして、当然、ただいま申し上げました評価、解析と同時にやはり疫学的な検討も必要でございます。 また、特に硫黄酸化物につきましてはいわゆる臨床的な実験もあったわけでございまして、私どもも臨床面あるいは動物実験の結果というふうなものを詰めていくことによりまして、窒素酸化物あるいは浮遊粒子状物質につきましての一つの物差しとなり得るかどうかというふうな点につきましては、やはり十分詰めた上で考えていくべきではないかというふうに考えておるところでございます。
○権藤分科員 いま御答弁ございましたけれども、早急にその結果を出してほしい、こういうふうに強く要望しておきたいと私は思います。 また同じく地域指定要件におきまして、大気の汚染の影響による地域を指定しますその調査の対象が、現在四十歳代、それから五十歳代の男女、こういうふうになっておるわけでございますけれども、中公審の答申にもございますように、やはり大気汚染の影響を受けやすい者は抵抗力の弱い子供、それから体力の弱ったお年寄りということが言われると思うわけでございます。したがいまして、全面的にこの調査の対象に入れる必要があるのではないか、また地域指定要件のそのような見直しを図る必要がある、こういうふうに思うわけでございますが、そういうお考えがおありかどうか。
○野津政府委員 御指摘ございましたように、確かに弱い方というのは子供であり、老人であるかと思うわけでございます。ただ現在、地域指定の健康調査を行います際に、一応、中央公害対策審議会の答申に基づきまして、イギリスで行われておりますいわゆるBMRCの呼吸器症状質問票というものを用いまして問診を行っておるところでございます。これはいわゆる中年以上の慢性呼吸器疾患を対象とした調査票になっておるわけでございますが、ただ、この調査の方法は、国際的にもあるいは学問的にも認められた方法であるわけでございます。したがいまして、これを一つの有症率を出しますための調査という形で私ども使わしていただいておるわけでございます。ただ、子供の場合あるいは年寄りの場合とは若干状況が違ってくるところは御指摘のとおりだと思うわけでございますが、ただ子供を対象としました呼吸器疾患用の質問票とか、あるいは調査方法というふうなものが、現在のところ確立されてないわけでございます。ただ私ども、千葉大学の先生にお願いいたしまして、一応子供に対します調査票などにつきましても研究をしていただいたところでございますが、それがいわゆる学問的にもあるいはBMRCのように国際的にも認められた段階に至りますためには、相当な実際の状態に合わせた形での実施をしてみる必要があるのではないかというふうに考えているところでございます。また、お年寄りの場合ですが、これはもう御指摘ございましたように、大気の汚染あるいはいろんな汚染物質に対します影響というのは非常に強い方であるかと思いますけれども、ただお年寄りの場合には、むしろいわゆる老化と申しますか、高齢になられたための影響というものが出てまいりまして、それを中から、いわゆる大気汚染の影響というふうな形をもって抽出すると申しますか、その方の指標というのは非常にむずかしい面が若干ございます。したがいまして、この老人の方は呼吸器も弱いというふうな実態があるわけでございますけれども、これを一つの有症率を見つけるための調査というためには、非常に多くの因子が絡まり過ぎているのではないかというふうに私ども考えておるところでございます。
○権藤分科員 これは先般来−先般来と申し上げましてもことしの二月から三月にかけまして、福岡県の大牟田市で岡山大学の衛生医学教室が千二百人を対象にして調査をしたわけでございます。私、幼児とお年寄りを対象にする必要があると言うのは、ここにもデータがございますけれども、地域を指定しているその内と外とに分けて調査をやったわけでございますが、外の方で、地域外の方で五十五歳、六十歳という高齢者にかなり症状が多く見られておるわけであります。それも単なるたばこの吸い過ぎであるとかということではなくして、明らかに大気汚染の影響によるんだというような結果も出ておるわけでございます。そういう意味で申し上げておりますので、よくひとつ検討してほしい、こういうふうに思います。 それから、先ほどの調査報告によりますと、窒素酸化物と呼吸器症状との相関性が一応明らかになったわけでございますが、NOxにつきましては光化学スモッグ等の元凶であることはもう御承知のとおりであります。それで、SOxよりも二倍も厳しい一日平均〇・〇二PPm、こういうふうに規定されておるわけであります。ところが、全国の年平均のNOxの推移を見てみましても、四十七年の〇・〇二三、それが四十九年〇・〇三、それから五十年がやはり〇・〇三と、こういうふうに増加してきておるわけであります。したがいまして、このままいきますと、SOxによる汚染よりもひどい、いわば危険な状態にある、こういうことが言えると思うわけであります。したがいまして、SOxと同じように、企業につきましてもNOxも総量規制方式の導入と排出規制の強化を図るべきじゃないかというふうに私は思うわけでございますが、これについて御答弁願いたいと思います。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘のございました大牟田地区におけるNO2の汚染の動向というのは、確かに上昇のきみをたどっております。これに対する対応ということは私ども非常に大事なことだと思っておりますが、一点御理解をお願いいたしたいのは、この〇・〇三二という年平均の程度というのは、非常によろしくない、危ないという程度にまで考えるものではないということも御理解願いたいと思います。 私どもは四十八年に第一次、五十年に第二次のNOxの規制をしまして、第三次を近くやろうとして現在準備中でございます。これは昨年度いたしましたこの技術進歩の状況の結果に基づいてやろうとしておりますが、これはいろいろ地域の順番があろうかと思いますが、御指摘の総量規制の問題は五十三年度以降に手がけたいということで鋭意準備を重ねておりまして、昨年の十一月に、現在の時点でどのような問題と見通しであるかというところを出したところでありますが、現在努力中でございますので御了解をお願いしたいと思います。
○権藤分科員 〇・〇三二のNOxが危険じゃないということでございますけれども、ただそれは単一的に考えてみますとそうであるかもわかりません。けれども、やはり降下ばいじん、浮遊粉じんでありますとか、それからSOxの量、そういうことが複合的に何らかの影響を与えているということはもう事実でございますので、やはりこれもひとつ真剣に取り組んでほしい、こういうふうに思います。 次に、地域指定の線引きの問題でございますけれども、やはり大牟田市に例をとって申し上げたいと思うわけでございますが、同市は四十八年の八月に補償法の指定を受けております。そして、現在市単独の市条例によりまして、これは私ども通常落ちこぼれ患者と申し上げておりますが、その方五十五名を含めまして六百三十人の人が認定を受け、医療費の支給を受けておるわけであります。しかしながら、この指定地域というものが市中心部の十七平方キロメートルで、大牟田市のわずか二二・四%ぐらいしかないわけであります。そうして、その地域の指定のあり方が、小さな道路あるいは小さなみぞといいますか、河川とまではいきません、みぞという程度でしょう、そういうところを一つの区切りとしてあるわけであります。ところが、先ほども岡山大学の話を申し上げましたが、衛生医学教室が調査を内外、要するに線引きの内外でもって調査をいたしましたところが、かなり公害病と認定されるべき症状、これは明らかに公害病であるというような人が、千二百人を対象に約十一人ほど出てきたわけなんです。ところが、いわゆる福祉行政ではないんだ、公害行政なんだというようなことから、非常に厳しい状態の中で見捨てられておるというほどの厳しい生活をしているわけであります。したがいまして、こういう実情をひとつよく再調査をして線引きの見直しをすべきではないか。昨年の十月には、ほんの何メーターしか離れていないところで、内外というところでですよ、一人亡くなられまして非常にかわいそうでございました。また、寝たっきりでやはり治療費もなく苦しんでおる人も数多くおるわけでありますから、そういうこともひとつ理解していただきたい。 そこで、地域指定をする場合、一体どういうような地点で線引きをなさったのか、あわせてお伺いしたいと思います。
○野津政府委員 この制度は、御指摘ございましたように、指定地域であるということと、それからその中での暴露要件と、それから指定されました疾病にかかっているかということが一つの制度の割り切りとして出発したところでございます。したがいまして、基本的には御指摘ございました地域指定というのは非常に大事な問題になってくるわけでございます。ただ、私どもの地域指定は、中公審の答申にもございますように、現在のところでは物差しとしまして硫黄酸化物を中心といたしまして、その硫黄酸化物の濃度の状況によりましてのいわゆる大気汚染の状況というものを中心としまして地域指定を行っているわけでございます。ただ、その場合に、いろいろな線引きをしなければいけないという前提があるわけでございますものですから、私どもはできるだけ幅をとった形で、一定の濃度内におきます地域で一つの目標となりますような道路等を中心としまして線引きを行っているという形であるわけでございまして、大牟田の場合でも、御指摘ございましたように、一つの線引きをしたという、この法律の制度の中での線引きの内と外という問題が一つの大きな問題になっておることも私どもよく存じ上げておるわけでございますけれども、ただ一つの制度で指定地域であるということは暴露要件である、あるいはその病気にかかっておるという形が一つの前提になっておるわけでございます。特に現在、大気系と言われております非特異性の呼吸器疾患は、全国どこでもある疾病であるわけでございます。必ずしも原因が大気汚染とは限っておらないわけでございます。したがいまして、私ども地域指定をします際には、大気汚染の状況というものを中心としまして線引きをするということを実施しているわけでございますので、勢い、この制度の一つの問題点かと思いますけれども、線の内と外という問題が出てくるということはやむを得ないことではないかと思っておるわけでございます。
○権藤分科員 そうであります。しかしながら、これは地域指定のところから約七百メートルほど離れた高岡病院というところがあるわけです。ここで測定されましたものが一・七〇ミリグラムでございますから、これはPPmに直しますと約〇・〇七ということになろうかと思います。また、一・九キロ離れました荒尾の保健所でございますけれども、ここも、これは冬場だけでございますが、一・六八ミリグラム、PPmに直しますと〇・〇五PPm以上というものが観測されておるわけなんです。しかし、ここは地域指定外であるわけですね。こういうところからも患者が出ておるわけです。ですから、皆さん方がそういうふうにおっしゃることはよくわかるわけでございますが、実情からして再度検討する必要があるのじゃないかというふうに思うわけであります。そういうことについて何か計画がおありかどうか、ひとつ再度答弁願いたいと思います。
○野津政府委員 大牟田市あるいは福岡県あるいは大牟田市の商工会議所等から、いま御指摘ございましたような点につきましての御要望をいただいておるわけでございます。ただ、私どもとしまして、現在得られる限りのデータを集積して見ているわけでございますけれども、このデータに関する限りは、ただいま高岡病院あるいは荒尾保健所の数値をお示しいただいたわけでございますけれども、私どもの持っておりますデータにおきましては、現在のところでは調査発動の要件に該当するかどうかということを判断するような状況になっていないというのが実態でございます。 大牟田市からもいろいろな御要望をいただいておりますので、できるだけ数値をいただきたいということも大牟田市にはお願いしているわけでございますけれども、現在いただきました状況では、まだ調査の発動要件に至ってないような状況でございますが、ただ二カ所ほどそういうお話がございましたので、さらに県にもあるいは市にも通知いたしまして、その辺のデータをとってみたいと思っております。
○権藤分科員 その点、よろしくお願い申し上げます。 それからさらに、データはなくとも、被害補償法第二条の第一項の規定を受けて中公審が答申を出しておりますが、その地域指定発動要件の中で、大気の汚染に関するデータが得られない場合は、発生源の存在、汚染物質の排出量、住民による健康被害その他を参考として地域指定調査の必要性を判断する、こういうふうに言っておるわけでございますが、中公審の答申を尊重なさるのかどうか、それもあわせてお伺いします。
○野津政府委員 私ども、その中公審の答申を尊重いたしまして、現在の調査などを行っておるところでございます。
○権藤分科員 次に、汚染負荷量の賦課金についてお伺いしたいと思います。 先般、環境庁は中公審の環境保健部会に対しまして、補償法に基づき企業が支払う費用負担制度の算定料率について地域別に見直す改正案を諮問いたしております。これは従来の地域収支のアンバランスを前向きに検討するということで、一応評価をするものでございます。 これは、大牟田市内の三井金属というところがございます。これが五十一年の四月にSOxを大量に排出する電気製錬工場というものを閉鎖しました。なぜかと申し上げますと、もう公害負担金が多くて会社の経営がうまくいかないというようなことです。これがすぐ労働者の首切りにつながってきておるわけです。そうして、何回もやはり是正の必要があるというような意見も述べられたと思うわけでございます。ところが、現状に至っているわけですね。したがいまして、この現状が改革されないというところで、またことしの三月を目標に、やはり三池製錬所でございますけれども、鉱滓処理工場というのがあるんです、これは従業員が六十人くらいおる、これも閉鎖してしまえというようなことになっておるわけですね。 大牟田というところは、人口わずか十七、八万の小さな都市でございますので、企業がないと都市そのものが成り立たないというようなところでございます。非常に大きな問題となっておるわけでございます。そういう意味で、この検討するということは、私どもは評価しているわけでございます。 しかしながら、依然として地方の負担分が都会へ回るということは変わっておりません。現在大牟田、福岡、北九州、合わせまして約三十五億くらいが都会へ回っておる。福岡や大牟田で確かにSOxは出している、けれども東京や大阪に飛んでいくということはないじゃないか、こういうような不満の声もあるわけであります。また、それだけの他都市に流用される金であるならば、やはり直接被害を受けていらっしゃる地元の方々が解決するように使いたいというような意見もあるわけでありまして、そういうところもひとつよく考えていただきたい。 今回の料率も、また倍率の算定にいたしましても、指定地域外負担分、これが都会ブロックに引き当てられております。この資料にあるとおりであります。本来PPPの原則からいたしまして、今後も検討をする必要がある、こういうふうに思います。したがいまして、年々これを見直して改正していく考えがおありかどうか、またPPPの原則から本来どういったかっこうが望ましいのか、そういうことについてお尋ねしたいと思います。
○柳瀬政府委員 この健康被害補償制度は、先生おっしゃいますように、いまのような問題が起こっておるわけでございますが、これは汚染者負担という原則を踏まえながらも、これを汚染者の集団としてとらえて企業の共同責任ということで出発しておりますので、したがって地域の収支ということが考えられておらなかったわけでありまして、この制度が実施されましてから二年半たってまいりますと、そういう矛盾が非常に目立ってまいったわけでございます。そういう点で、私どもも、もとの考え方ももちろん捨て去るわけにはいかないわけですが、何らかの補正をしなければならぬということで、五十二年度から地域指定の賦課料率につきまして格差を設けまして、やはり汚染の煙を出す量に応じてというだけじゃなくて、給付の額とか人数とか、そういうものも加味しまして応急的に地ならし是正をやっていきたいということで、五十二年度からそういう考え方で応急的なあれをやるつもりでおるわけでございます。
○権藤分科員 最後に、長官にまとめて質問したいと思います。 先ほどから、私は現場主義だというようなことでございましたので、現在指定してあります地区につきましてもう一回よく現地というものを見ていただいて洗い直しをしていただきたい、こういうふうに強く要望をしたいと思います。 また、先ほどの調査報告にありますように、NOxの量というものがかなり影響があるということが大体わかってきたわけでありますから、この固定発生源とそれから移動発生源の企業負担の割合、これも今後見直す必要があるのではないかと思うわけであります。そうして、多くの人の要求にこたえられる、せっかくこういういい制度ができたわけでございますから、落ちこぼれであるとか、また患者の人が集団で交渉しなければ事が解決しないというようなことではなくして、やはりこの制度というものが有効に救済の措置が適用できるように改善をしていただきたい。その決意のほどを長官に最後にお伺いしたいと思います。
○石原国務大臣 指定地域の視察でございますけれども、これはもう全国あちこちにたくさんございまして、いかに現場主義とはいえ、どうもくまなく視察するというわけにはなかなかいかないと思いますので、特に問題点の出てくる地域には私は足を運ぶつもりでおりますから、先生の御指摘のところに参ります。しかし、あちらへ来い、こちらへ来いということで、これはどうも少し際限がなくなるおそれがございます。 それから、企業負担の問題でございますけれども、先般発表いたしましたその見直しの修正は、現段階ではごく妥当な数値ではないかと思いますが、これを続けることでまた問題が出てきましたときには、状況に応じましてこの制度を有効に運営するための見直しというのを再度する必要がありましたら、それを行うことは決してやぶさかでございません。
○権藤分科員 以上でございます。 〔瓦主査代理退席、主査着席〕
○木野主査 三谷秀治君。
○三谷分科員 環境庁の任務は「公害の防止、自然環境の保護及び整備その他環境の保全を図り、国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するため、環境の保全に関する行政を総合的に推進する」こういうふうに規定されております。また、環境の保全に関する基本的政策の企画、立案、推進、関係行政機関の環境の保全に関する事務の総合調整が所掌事務とされております。 そこで、長官にお尋ねしたいのですが、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の改正によりまして、廃棄物処理体制の整備、基準の明確化、違反に対する行政処分、罰則に関する法改正が行われました。最終処理場に対する規制も強化されました。 ところが、現在、大都市とその周辺におきましては、最終処分場の設置そのものが困難な状況になっている。たとえば大阪府下で申しますと、最終処分場を持てずに業者委託でごみの残灰などを処分しております自治体が六団体です。現在使用中の最終処分場が利用限度に達して、新しい処分地の用地確保に奔走しております自治体が五団体ございます。最終処分地を確保しましたけれども、用地を手に入れましたけれども、住民の合意が得られないままで処分場の設置ができないものが四団体あります。埼玉県の大宮市や川口市でも処分場の見通しが立っておりません。東京都の二十三区の埋め立て処分場もあと二、三年で利用限度に達する、後の見通しはないと言っております。三多摩の立川、三鷹、武蔵野など九市でつくっております東京都市廃棄物処分場管理組合の羽村の処分場は、裁判所から使用期限は本年五月までという命令を受けておりますから、六月以降の処理の見通しば全く立っておりません。 そこで、最終処分場を持たぬ大都市周辺の市町村は、業者委託によって処分している、いずこともなく運び去っておるのであります。これが環境の破壊に通ずることは言うまでもありませんから、今回の法改正というものは重要な意義を持つものでありますが、しかし今度の法改正によりまして、市町村は業者に処分の場所及び方法を指定しなければなりません。処分場を持てぬ市町村は一体どうすればいいのか、これに対する環境行政上の対策をお尋ねしたいと思います。
○二瓶政府委員 ただいま先生からお話がございましたように、昨年の通常国会におきまして廃棄物処理法の一部改正が成立をいたしております。この法律の施行につきましては、九カ月を超えない範囲内で政令で定めるということで、この三月の十五日がぎりぎりでございます。そういうことで、主管省の厚生省とも連絡をとりながら、いまこれの施行に関します政令あるいは総理府令、厚生省令等の整備を急いでおりまして、近々公布をしたい、こういう心組みでございます。 そこで、ただいま御指摘のお話でございますが、この廃棄物処理法の関係におきましては、環境庁が直接所管をいたしておりますのが、埋立処分等の場合におきます処分基準、これは従来から環境庁が所管をいたしております。それから、今回の改正によりまして、従来の処分基準の中で構造基準なり維持管理基準という要素も入っておったわけでございますが、これは別建てにいたしまして、厚生省令と総理府令の共同省令でもって最終処分地の構造基準及び維持管理基準をつくるというふうに法律上なっておりますので、いまこの面を詰めております。 問題は、結局この廃棄物がそういう構造基準等を定めませんで不法投棄等されますと、公共用水域なり地下水を汚染したり、あるいは悪臭を放つというようなことで環境を汚染するということになりますので、そういうおそれのないように、今回も構造基準あるいは維持管理基準というものにつきましては、具体的なしっかりした基準にして、環境汚染のないように措置したいということでございます。
○三谷分科員 どこからどこまでがどの省でなんということをおっしゃいますと、政府として一体的に問題の受けとめをしてもらう場所がありませんから、それで先ほど環境庁の組織法ですか、読んだわけです。これによりますと、関係行政機関の環境の保全に関する事務の総合調整だとか、あるいは環境の保全に関する基本的政策の企画、立案、推進となっておりますから、環境庁にお尋ねしたわけです。 それで、おっしゃいますように、いろんな不法投棄によりまして環境が汚染をする、破壊をされる。これは非常に深刻な状態になっておりますから、当然何がしかの規制措置が要るわけなんです。しかし、規制するだけでは、それじゃ一体どこにほるのかという問題が起きてくる。つまり排せつをとめても食事をとめるわけにいかないという、そういう矛盾が出てきている。これを抜きにして規制だけで物を解決しようとしてもできっこない。 それで、今日多くの地方自治体がごみ処理場の設置に困っておりますことはさっき申し上げましたが、そこで業者委託をやっている。この業者委託が、私有地と言っておりますが、とにかくトタン囲いしたようなところに有毒質の残灰をどんどんほってきておる。大阪の場合で申しますと、岡山県、奈良県、京都府、兵庫県、この山間部に大体投棄しておる。これが月間にしまして五十四万トン投棄されております。よくないことですが、そうする以外にごみ処理の手段がないのです。ごみといいましても、焼きました残灰でありますけれども、処理する手段がない。ここに問題の深刻さがあるわけであります。それで、この処理をとめてしまいますと、これは火野葦平の「糞尿譚」ではありませんが、石原長官、「じんかい譚」が生まれてきますわ。結局、都市化地域の住民はごみの海の中に生活することになってしまう。ですから、業者に処分地を指定することのできない市町村ですね、政令はそうなっていくのでしょう、処分地を持つことのできない市町村はどうすればいいのか。これに対する環境庁の方針をお示しいただきたいと思う。
○二瓶政府委員 現在、大都市周辺の市町村におきまして、埋立地の設置が困難だというような話があるわけでございますが、五十年三月現在では、厚生省に照会をいたしましたところ、全国で約二千四百カ所の埋立地があるというふうに聞いております。まあ全国的に見ますと、十年以上のまだ残存容量があるということに計算上はなるそうでございます。ただ、大都市圏というところに焦点を置きまして、首都圏とか近畿圏とか、それぞれの圏域で見ますと、まあ残存容量は数年程度かというようなことでございます。ただ、またさらにその中の個々の市町村というところまでブレークダウンしてながめますと、御指摘のような埋立地に困窮が生じておるというような事実もあるというふうに厚生省から聞いております。 私たちといたしましては、こういう面の所管省の厚生省の方とも十分連絡をとりまして、こういうような埋立地の最終処分場の確保につきましては、確保できませんと、先ほど申し上げましたような環境汚染の問題が出るということにもつながりますので、その辺の確保については努力をいたしたい、指導を進めていきたい、こう思っております。
○三谷分科員 廃棄物処理法の最終処分場に関する基準は、環境問題として水質汚染を重視されております。そうして、処分場の構築基準によりまして水質汚染を排除する、こういうたてまえに立っております。 このことも非常に重要なことでありますから、これは促進をしてもらわぬといかぬことでありますが、しかし、それだけではどうにもならない。三月十五日にもう施行されるのでしょう。三月十五日になりますと、市町村は業者に対して処理の方法や処理場を指定しなくちゃいかぬ。そんなものはありやしません。そうすれば、一体どうするのだ。ここのところを抜いて基準だけつくればいいというふうな考え方では、ごみの問題は解決しない。そこで、この施行令の第三条の二項でありますか、生活環境の保全上支障を生ずるおそれのない最終処分場をどうしてもつくらなくちゃいかぬです。しかし、これはもう市町村任せではあきませんがな。できっこありません。 最終処分場をめぐります紛争は、大阪だけでも四件起きておりますわ。たとえば吹田市、これは御承知でしょう。有名なことになっている。寝屋川市もそう。茨木市もそうです。泉佐野田尻町組合もそうなっている。宝塚市でも訴訟問題が起きてストップをしている。ですから、いろいろ努力していますが、努力したところほどデッドロックに乗り上げてしまった。 たとえば寝屋川市でありますが、これは三十キロ圏内で最終処分地を何とかして確保しようとして探しました。ようやく最終処分地を決定、購入しましたが、これがまただめなんです。地元が承知しない。それで長官、ちょっと参考までに見てください。この寝屋川市といいますと、大阪の北部にありますけれども、処理場をつくりますためにどれだけ苦労したか。この赤丸が全部処分地として探したところなんです。四十二カ所、どれもだめなんです。ですから、こういう状態で非常な苦労をしまして、処分場を探しております。良心的な自治体ほどそういう苦労をしておるわけです。 ところが、これがなかなか話し合いがつかないという状態に置かれておるのです。これは市町村任せではどうにもなりません。どうしても国の方で適切な方法を考えてもらわなければ、ごみはもうふん詰まりか、暮夜ひそかにそこらじゅうにまき散らすか、それ以外には方法がないわけです。しかも、この最終処分場の設置に取り組みました自治体ほど大変な損害をこうむっています。 たとえば吹田市の話は御承知と思いますが、亀岡市で五十五万平米の用地を買いましたが、地元の反対でどうにもなりません。四十八年三月に十三億二千六百万で買いましたけれども、工事にかかれませんから、金利が毎日毎日五十万ずつついていくわけです。今日、利息だけで五億円に達しました。それでも処理場ができません。 寝屋川市は、これは枚方市の穂谷というところに二万九千平米の用地を買いましたが、これも地元の了解が得られなくてだめ。四十八年の十二月に五億千三百万円で買いましたが、今日、金利が一日十四万円ずつついている。もうすでに利息額は一億一千五百万に達しました。どんどんかさんでいくのです。 茨木市も、これは市内の忍頂寺という谷間に六万七千平米買いましたが、四十八年に三億円で買いましたが、これも地元が承知しませんから、一日十万円ずつ金利を払いまして、利息の額だけで二億円になった。 つまり、一生懸命で処理場をつくろうとして努力している市町村ほどどうにもできない状態に追い込まれてきた。これはもはや市町村の仕事では及びがつかぬ。このごみ処理場は市町村の事務というふうに事務分担では決まっておりますが、それで国の方が市長さんがやるだろうとお考えになっておりますと、これはできないという状態が、もう事実明確になってきておりますが、こういう事態に対してどういう処置をおとりになりますか、これをどう打開するのか、これは環境行政の問題として考えてもらわぬといかぬと思うのですが、長官、どうでしょう。
○石原国務大臣 もともとこのごみの処理の問題の大部分は厚生省の所管でございますが、先生御指摘のように、これは環境に非常に重大な影響を及ぼす案件でございまして、私は、そういう点からも、在来ございましたごみの処理の問題は、厚生省からむしろ環境庁へ一元化するという案に非常に共感するものでございますけれども、現在の時点では、これはやはり関係省庁でございます厚生省と密接に連絡をとり合いまして府県を指導するというような形で問題の解決に取り組みませんと、先生おっしゃるように、地方自治体単位、市町村単位でやりましたら、やはりそれぞれの地方自治体にはそれなりの個性もエゴもございますので、ほかの町、ほかの市の厄介なものを自分のところへ持ち込むということは、恐らくどこの市町村でも拒否反応を示すと思いますので、その調整をやはり環境庁と厚生省が連絡し合いまして、都道府県を指導することで解決すべき問題だと思います。
○三谷分科員 今日のごみ問題は、市町村という小さい行政の範囲では片がつかなくなりました。広域的にこれは解決しなければどうにもなりません。そうしますと、府県域の範囲あるいは府県域を越えた対策が必要になってきます。そうしますと、国の介入が必要になってくるわけです。ですから、基準をつくるだけではどうにもならない。基準さえ守れば処分場ができるのであるならば、これは結構でありますが、どんなりっぱな基準をつくってもらいましても、肝心のそれができないわけですから、つくりました基準というものが効果を発揮しない。ですから、この基準に伴ってその問題、その解決策、これをどうしても考えてもらわないといかぬと思いますが、ごみの最終処分というものは、都市計画の中に総合的に組み入れる必要がありはしないかというふうに私は思いますが、長官どうでしょう。
○石原国務大臣 同感でございます。
○三谷分科員 ヨーロッパの諸国におけるこの廃棄物の広域処理の問題はどのような状態でしょうか、お調べになっておりますか。
○国川政府委員 お答えいたします。 諸外国の場合でございますけれども、内容を十分熟知されているわけではございませんけれども、一般的に申しますと、土地事情がわが国とは根本的に違うというような点もございまして、特にアメリカ等におきましては、そういう埋立処分地の確保は困難というような事情はないようでございます。それからまた一般的に言いますと、土地事情の違いからか、そういう埋立地については、かなり用意されているというように承知いたしております。
○三谷分科員 諸外国における廃棄物の広域処理の状態というものは、広域的な処理の方法を法定しております国は西ドイツとフランスがあります。それから、国の調整的な介入ですね、これは国が裁判所のような役割りを果たすようでありますが、これはスウェーデンがあります。それから、フランスでは、国も参加した特殊法人によりまして廃棄物の回収、処理を行っておる。いずれにしても、国家的な行政としての位置づけをしなければごみの問題はどうにもならないということが明らかになっております。 そこで、三月十五日からこれが施行されますと、さしあたり市町村は、いま言いましたように、ごみのほうり場の指定をしなくちゃいけません。処理の手段も指定しなくちゃいけませんが、ない市町村はどうするのでしょうか。
○国川政府委員 お答えいたします。 廃棄物の対策の問題の中で一番最後に——最後といいますか、一番大きな問題として残されておりますのが、いま御指摘のありました埋め立て、特に最終処分地の確保問題でございます。 先ほど来先生からのお話ございましたように、幾つかの場合がございまして、非常に行き詰まっている市町村、地方公共団体があるのも事実でございます。ただ、全般的に申しますと、先生も御承知のように、かなりゆとりのあるもの等もございますけれども、特に大都市やその周辺都市では確かに行き詰まっている問題がございます。私どもといたしましては、今回の政令改正で、まずもってその構造基準なり維持管理基準をきちんとしたものにしたい。と申しますのは、それをもちまして埋立処分地の確保が可能になるという端的な話よりも、ともすれば従来の埋立処分地等がいわゆる二次公害的な発生源になるというようなおそれもなきにしもあらずというような問題がございまして、そういうことをきちんとすることによりまして埋立処分地を設置しようとする予定地域の住民の方々の御理解を得るよすがの一つにもなるという判断もございます。 そういうことで、当面の緊急の課題にはなっておりますが、私どもといたしましては、一つの市町村の内部でできない場合には、広域的な共同事業的な対応がぜひとも必要であるというように思っておりまして、従来もそういう方向で指導はしてまいったわけでございますけれども、特に都道府県の用地のあっせんあるいはその新しい技術を用いることによりますきちんとした処分地の造成、そういうことを一層強化しまして埋立地の確保に努力いたしたいというように考えております。
○三谷分科員 いろいろごもごもおっしゃっておりますが、このごみは広域的に処理している。まあ広域的と言いましても、要するに自治体が共同して組合をつくってやっている。これはずいぶんあります。ありますが、それでもなかなか追っつかぬのです。それで、まあいろいろおっしゃいますけれども、隔靴掻痒の感があって、いま当面した事態に対してどうするのか、一つも明らかでない。三月十五日実施するのでしょう。施行令をしくのでしょう。施行令をやれば、業者に対して処分地指定をしなくちゃいけません。処分の方法も指定しなくちゃいけません。それ、できません。その事態に対してどうされますのかという当面の問題をいま聞いている。それに対して、何か基準をつくって、それによって住民の気持ちをある程度緩和するとか、あるいは理解を得るとかしてやっていくなんということを言ったって、それはもう何年先かわかりはしません。しかし、法律はもうすでにこの三月十五日施行するのでしょう。その段階で一体どういう事態が自治体で起きてくるのか、その起きてくる自治体に対してどういう責任を持つのか、これを聞いている。
○国川政府委員 新しい処理業者に今後委託する場合には、まさにそのとおりでございますけれども、現在継続中のものにつきましては、一応法律的には従前どおりという扱いになっております。しかし、それでいいというわけではございませんので、私どもとしましては、一日も早くそういう対策を全面的に講じたいと思っております。 それから、先ほどもお話ございましたように、まさにこの埋立処分地の確保問題といいますのは、いわゆる土地利用計画と申しますか都市計画、そういう中身で全般的に位置づけて取り組まなければならない問題だというふうに思っております。私どもは厚生省だけですべてが可能だとは思っておりませんが、関係方面の十分御協力を得ながら、その対策の万全を期していきたいというように思っております。
○三谷分科員 そうしますと、現在行われております業者の投棄、大阪で申しますと、さっき申しましたように、大体四府県でありますが、ここにどんどん投棄している。そこから水がわいて下流に流れていっている。これは環境庁は特に今度重視されているというのでありますが、それはほったらかしておくのであって、新しい業者だけを規制するということなんですか。法的な不平等が生じてきはしませんか。
○国川政府委員 いわゆる環境汚染のおそれはないのかという先生の御指摘の問題かと思いますけれども、それにつきましては、そういうことのないように私どもとしては万全な指導をしてまいりたいと思っております。
○三谷分科員 そんな抽象的な答弁で物事はおさまりゃせぬ。 長官、いまお聞きのとおりなんです。それで、処分地の指定や確保、あっせん、それから生じます補償問題、さらに関連施設整備問題など、この問題には難題が山積しております。どれをとってみましても、市町村の手には負えやしません。ですから、これは長官がこの深刻な事態を認識していただきますならば、環境庁、厚生省あるいは国土庁あたりでプロジェクトを組んでもらって、この問題について真剣に取り組んで、対策を出してほしいと思うのです。もうすでに法律の施行期日が迫っておりまして、そこでそういう矛盾が極端に表面化するという事態にあるわけでありますから、これは早急にそのような抜本的な処置をお願いしたいと思います。これはチャイムの問題なんというのと全然質が違います。これはチャイムで静かな町は結構ですが、しかし、こういう状態をどうしてもこれは解決してもらわなければいけないと思うのです。御所見を承りたいのです。
○石原国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、よけいな雑音は消えてもごみがはんらんしたのでは快適な環境とは申せませんし、いまの政府委員の答弁を聞いておりまして、私もいろいろと感じるところがございましたので、早速関係省庁、この問題について協議させます。またその結果、必要ならば、関係閣僚で話し合いをいたしまして、できるだけ早期に問題に取り組むつもりでございます。 その前に、この間視察いたしましたのですが、堺沖の大阪府がつくられた要するに廃棄物の処理公社、ああいうものをもっと拡充し、あれが都道府県単位でできていくような指導も一つ大きな効果のある解決法じゃないかと思います。
○三谷分科員 時間でありますから、終わりますが、厚生省はもう少しこの問題に真剣に取り組まぬとあきませんぜ、このことだけをお願いしておきます。
○木野主査 以上で総理府所管中環境庁に関する事項についての質疑は終了いたしました。 次回は、明十二日土曜日午前十時第一分科会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時三分散会