予算委員会 第22号
- 発言数
- 178 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1977/03/10
会議録
○坪川委員長 これより会議を開きます。 昭和五十二年度一般会計予算、昭和五十二年度特別会計予算及び昭和五十二年度政府関係機関予算、以上三件を一括して議題といたします。 この際、理事会の協議により、委員長から申し上げます。 去る三月二日、本委員会理事会において野党各党から減税案が提示され、速やかに誠意ある回答を求められておりましたが、理事会におきましては連日協議を重ねる一方、七日に減税問題について集中審議を行いましたところ、政府の積極的な意思の表明がなかったので、委員長の判断で議事を中断し、本日に至りました。 先刻の理事会において、ただいま審査中の予算について政府は修正を行うべきであるとの各党の合意を見たのであります。 この際、改めて、政府は修正を行う意思があるかどうか、明確なる御答弁を求めます。まず、福田内閣総理大臣。
○福田内閣総理大臣 与野党折衝の結果、一つ、三千億円の追加減税を行う、二つ、年金、恩給等の改善時期の二カ月繰り上げ等を実施することとし、このため政府において予算修正を行う等の合意がなされましたが、政府といたしましてはその合意内容を尊重して対処する所存でございます。 詳細は大蔵大臣から補足いたします。
○坊国務大臣 昨日の与野党の合意を受けまして、政府としては次のような方針でまいりたいと思います。 一つ、減税。一、三千億円の追加減税を行う。二、方式は税額控除方式を採用する。三、所要の法案は一年限りの議員立法とし、詳細は大蔵委員会にゆだねる。四、これに伴う財源措置については、政府において対処する。 二つ、社会保障。一、福祉年金、恩給等の改善時期を二カ月繰り上げる。二、生活被保護者、各種社会福祉収容施設の入所者及び失業対策事業対象者についても、上記一に準じた措置を講ずる。三、以上の措置に要する経費約六百三十億円については予備費の修正減額により賄うこととし、予算を政府修正する。 以上でございます。
○坪川委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武藤山治君。
○武藤(山)委員 二日間ばかりの間に与野党の政治折衝が進められ、すでに報道機関を通じて全国民が承知のように、政府は、ただいま政府見解のありましたように、三千億円の追加減税を実施する、こういう声明がなされました。私は、政党政治の立場から、いまだかつてない政党間の話し合いによって実効あるこういう措置がとられたということは大変好ましいことであり、総理は、協調と連帯を強く行動の規範として訴えてきた立場からも、私はこの政党政治の実が上がったことを喜んでいるのではないかと思いますが、総理のまず心境をひとつ承りたいと思います。
○福田内閣総理大臣 私の心境というお話でございますが、余りそういうことはお聞きになっていただきたくないのです。要は、私がしばしば申し上げておりまするとおり、国会の運営もまた協調と連帯でいかなければならない、その協調と連帯の実が上がったということを高く私は評価しております。
○武藤(山)委員 ただいまの大蔵大臣の見解表明によりますと、三千億円の減税の方式は税額控除方式を採用する。これは私ども野党五党が与党に折衝の際にも提案をした税額控除方式であります。 そこで一番問題になるのは、その税額控除をどういう方法で行うのかということを国民は知りたがっているわけです。一体いつをめどにして、一回で小切手で戻すのか、それとも月々五百円あるいは千円というように六カ月間であるいは十二カ月間で減税をするのか、その中身をまだ詰めてないわけです。そういう点は、戻し税的な、一時に一挙に支払いをした方が景気対策上は好ましい。しかし、手続的なことをいろいろ考えると、事業所に依頼をして税額から毎月月給からその分だけ減額をする方があるいは手続的に容易かもわからぬ。しかし、景気の面からいったら、一時に六月かお盆あたりを目当てにばっと減額をする方が効き目はあるような気がする。どちらを選んだ方がいいなと専門担当大臣としてお感じになっていますか。
○坊国務大臣 武藤委員のお話のごとく、これにつきましてはいろいろな行き方があろうと思います。ただ、実は今日は、きのう与野党間の話し合いで決まったばかりのことでございまして、今日政府として何か具体案があるかという御質問でございますが、具体案については今後大蔵委員会において詰めてもらうということであるので、その際事実上大蔵省に対して御相談がある場合に備えまして、政府といたしましても早急にこれを詰めてまいりたい、かように考えております。
○武藤(山)委員 それから第二には、大体今度の三千億の追加減税によって、これは一年限りですね、一年限りの税額控除ですが、三千億円をいまの納税者の頭数なり階層別に大蔵省の試算をすると、納税者一人幾らで、扶養家族、妻一人幾らくらいに大体なる見当になりますか。
○大倉政府委員 三千億円という前提で大ざっぱに試算いたしまして、野党の御提案の、本人二に対して配偶者、扶養親族は一だという割合のままで推計いたしますと、大体本人六千円、年額でございます、それから配偶者、扶養親族は三千円ということで、ほぼ三千億ではないだろうかと思っております。 ただ、ただいま大蔵大臣に御質問のありました具体的な返し方を、五十二年分の納税者の方で考えるか、五十一年分の納税者にまとめて還付するということで考えるか、それによりまして具体的な計数は若干変動してまいるかと思っております。
○武藤(山)委員 第三に、現在一人で昨年の実績で六千円以下の納税額だった納税人員というのは一体どのくらいあるのか。それから標準世帯で一万五千円以下の納税者の数というのはどのくらいあるのか。まるまるこの減税が作用する階層でありますが、それはどのくらいありますか。 それからもう一つ、野党が当初決めた案の中には、所得八百五十万でこの減税の影響は受けられない、いわゆる高額所得者にはこの恩典は与えないという考え方だったわけです、われわれの考え方は。所得八百五十万というと、大体収入で一千万ぐらいの層になりますが、それ以上の人には及ばないという考えですが、新聞報道によると、そういう頭打ちは全然考えていないような報道なんですね、ほとんどの新聞が。いわゆる青天井で、所得三千万の人も二千万の人もみんな一万五千円の恩恵を受けるような報道ですね。これはどちらにすべきなのか。これは結局大蔵大臣に担当責任大臣として考え方を聞く以外にないと思うのでありますが、高額所得者にもこういう恩典を与えるべきか、一千万円以下ぐらいで一応しぼるべきなのか、その辺の御見解についてはどうでしょうか。
○坊国務大臣 実はこの問題につきまして、野党の御提案によりますと、確かに初めのうちは武藤さんの言われたような頭打ちということがありましたが、しまいの方にはちょっとそういうことが落ちておったかのように思います。この問題につきましては、これは非常に大事なことでございますので、今後大蔵委員会なりあるいは国会でひとつ勉強していただいて詰めてもらうというふうに、いまこれでいくんだということを考えては——まだそこまで至っておりません。
○武藤(山)委員 それから主税局長、先ほどの数字ですね、ちょっと説明してください。
○大倉政府委員 ただいまの武藤委員の御質問に的確にお答えできる資料が税務統計上ないのでございますが、給与収入なり所得の階層別は出ておりまして、それで百万円以下でございますと、五十年分で二百六十四万人というような計数はあるわけでございますが、なお今後、仮に六千円、三千円ということに決まりました場合に大体何人ぐらいがそこまでいっぱい税額がないということになるのか。私どもわかります限りの調査をいたしてみたいと考えております。
○武藤(山)委員 それはひとつせっかく御調査いただいて、後で御報告を願いたいと思います。 次に、大蔵大臣、この実施時期でありますが、目減りを補償すると同時に、景気対策にも役立てたい、そういう野党の一応の目的があるわけですね。だとすれば、もう税額控除でいこうということが決まったんですから、問題は、三千億の金を用意して、去年の納税額に応じて戻してやる、小切手で戻してやる、あるいは年末調整でやる、あるいは臨時に六月か八月に年末調整と同様な調整を一回六月の賞与の後でやる。そこで戻す。そうなれば、購買力になるのがまとまってそこでばんと金が出る、そういうようなことについての配慮を、政府としては何か希望なり期待なり持ちませんか。これ、総理大臣どうですか。これから与野党で詰めるのでありますが、もしどちらの方がよりいいと思う総理の期待があるとすれば、当然そういうものも参考にして話し合いができると思うのですが、いかがですか。
○福田内閣総理大臣 これは大蔵委員会で話し合いが具体的には行われるわけでありまして、そこで決めていただく問題だと思いますが、こういう調整案ができたという趣旨、いきさつなんかを顧みますと、早く支給するという方法が可能であるかどうか、その辺はよく相談してもらいたいものだ、こういうふうに考えております。
○武藤(山)委員 細かい点は、やるからにはできるだけ効果のあるような、少しでも景気浮揚にも役立つ、そういう配慮をしながらやるべきだと思いますので、これは与野党の話し合いの中で十分社会党の考え方を述べることにして、もう一つ財源の問題であります。 三千億円の財源をどういう方法でやりくりをするのか。財政をわずかながら、大蔵委員会でいままで議論をしてきた一人として、この財源問題について、こういう処理はいいんだろうか、こういう処理はまたいけないのではないかとか、いろいろ私なりに自問をしている段階であります。財政法をずっと読んでみると、予算というのは一応事前議決主義の原則だ。執行する前に必ず事前に歳入歳出というものはここで議決をすべきものである。あるいは予算は総計主義であって、歳入と歳出というものは単年度内において必ず過不足が余り生じないような、均衡がとれる、そういうものでなければならない。そういう予算総計主義をずっと日本の財政法は堅持をしてきた。さらに予算というのは公開の原則がある。国民が主権者でありますから、予算は歳入も歳出もすべて国民の前に明らかにする必要がある。公開の原則がある。この三つの従来の財政法の思想から見ると、やはり三千億の減収が立つとなれば、当然歳出に支障を来すわけでありますから、その三千億円の歳入も明らかにする必要があるのではないか。それを年の途中でやってみてどうにかしなければならぬだろう、そのときに補正を組めばいいではないかという考え方は余りにも安易な考え方であり、財政法の原則にもとるのではないのかという疑問を、断定はしておりませんが、私なりに抱いているわけであります。その辺の見解は、大蔵大臣、いかがでございますか。
○坊国務大臣 三千億円の追加減税をする以上は、これはお説のとおり、どうしたって財源について考えていかなければなりません。しかし、ただいま何を財源にするかというふうに聞かれましても、実は具体的にこれだということを申し上げる段取りまでは成っておりません。しかし、この五十二年度の予算を、これを実際運営はしてまいるわけでございますが、その際に歳入、歳出ともに、その運営に際しましてよくそれを考えまして、政府としてはこれはもうどんなことがあってもその財源というものはつくってまいらねばならないし、またまいる、かように考えております。
○武藤(山)委員 大蔵大臣、いま大変重大な発言をなさいましたが、法案ができた段階でといまおっしゃいましたね。いわゆる減税法案が与野党で一致してできた段階で三千億の財源問題も考えるというのですね。そうじゃなくて、いまの私の聞き違いですか。たとえばこれから三千億減税法案が、たとえ一年限りの臨時立法であっても与野党で決まる、決まった段階で、三千億円の財源はこれとこれとこれが考えられますという政府の財源措置を明らかにするという意味なのか、それよりもっと先へ行ってから明らかにするというのか、その時期はどうなんですか。
○坊国務大臣 もう一遍お答えをさせていただきます。 現在のところ、具体的な財源措置のめどが、先ほど申し上げましたとおり、ついているわけではございません。しかし、今五十二年度の予算の運営に当たり、歳入、歳出両面を通ずる努力によって対処してまいりたい、かように考えております。
○武藤(山)委員 そうすると、主計局長、法律は、一応減税法案は与野党で大蔵委員会で仮に可決した、しかし可決した時点では財源はまからない。何月ごろになれば、大体これとこれとこれを節約するなり、あるいはこれを減額するなり、あるいは自然増収がこの程度伸びそうだという、そういう目鼻がつくのは何月ごろを大体想定したらいいのですか。
○吉瀬政府委員 これは私だけの判断ではなかなかむずかしいわけでございますが、いまの御質問にお答えいたしますとすれば、やはり武藤委員の御指摘のとおり、三千億の歳入欠陥があるわけでございますから、それを抱えまして年度の末まで何らの対策を立てないということには相まいりませんので、第三・四半期ころには何か物事を判断しなければいかぬ時期に迫られております。
○武藤(山)委員 第三・四半期ごろ何らかの、まあ情勢をいろいろ勘案してめどが立つということになると、景気対策として一時期に減税の恩恵を与えてやろうという一時払いは不可能だという感じが私にはしてきますね。 そこで、そういう収入面は考えないで、一時大蔵省証券のやりくりで、一時借入金の二兆六千億円の枠を使って、その中から三千億円短期借り入れをすれば、一時に減税することも可能でありますね。そして大蔵省証券を、三・四半期あたりになってから足りない分を考えるという措置も技術的にはできるわけですね。それはどうですか。
○吉瀬政府委員 歳出全体の実行にかかる問題でございますので、これが一・四半期、二・四半期にどういうような歳出が出ていくか、それからその間における一般の税収がどうであるか、ということの判断で大蔵省証券にかかるかどうかということになると思いますが、もし武藤委員御指摘のように、減税の還付あるいは一時払いを早期にやるということが大蔵委員会で合意された場合には、そういうような措置で何とか賄っていきたい、こう思っております。
○武藤(山)委員 そういう方法ででき得るなら、これは福田総理の御意見を承りたいのでありますが、でき得るならば、一時で三千億円いまの大蔵省証券でやりくって減税を一挙にばっとお盆あたりにやる、あるいは福田内閣も野党と一緒にやったなという減税恩恵を参議院選挙前あたりにばんと交付する、そういう方法が可能だ、いま事務段階では、やろうと思えば大蔵省証券でそういうことはできます。こうおっしゃっておるのですが、総理大臣の御見解いかがですか。
○福田内閣総理大臣 この問題は多分に技術的な側面を含んでおりますので、的確にどうするというようなお答えができませんけれども、気持ちといたしましては、早期にかつ一時に還付する、こういうことが今回の与野党合意の趣旨から見て妥当である、そういうふうに考えます。
○武藤(山)委員 これは坊大蔵大臣と論じなければならぬ問題点はたくさんあるのでありますけれども、いろいろ政治的な決着の経過などもこれあり、余り議論をすべきではないと私、感じますので余り深い議論はしないのでありますけれども、やはり財源の三千億円というのを、いま主計局長が答えたように第三・四半期の方までずっと様子を見ていかなければ手当てできない、だから予算の修正も、歳入予算についてはしない。もちろん、歳入予算は修正しなければ法律違反だというものじゃありません。それは財政法をずっと読んでみると、どうも、歳入はあくまで見積もりであるから、見積もりが狂う場合もある、過不足が起こり得る。そういうためにそういう拘束力のある規定はありません。ですから、歳入の方の予算を手直ししなければならぬという議論にはなりませんけれども、しかし、やはり予算というのは歳入と歳出が常にある程度均衡のとれた、しかも単年度主義が財政の原則ですから、単年度内における歳入と歳出というのは常にバランスがとれるような仕組みに財政法はなっているわけですね。そういう見地から言うと、余り先までその欠陥のままをほうっておくという考え方は、財政法を余りにも無視してしまう結果になるのですね。ですから、やはり正直に、補正予算を組むなら組むで、いま補正予算をここで組めなんと言ったって、いま本予算を審議しているのでありますから政府は答えようがないと思いますけれども、私は正直に、そういうものはこういう歳入でこうしますよということはできるだけ速やかに処置するのが財政法を忠実に守る道である、こう感じますので、そういう点は今後大蔵大臣としても十分考慮願いたい。注文をつけておきたいと思うのであります。 最後に、野党は、いまの三千億の財源、いや六千五百億の財源。一兆円減税を要求してまいりましたから、そういう財源についてはかくかくしかじか、こういうものがある、だから政府はこの中からどれをセレクションしても結構ですという意味で、かなり幅のある財源対策まで提言をしてきたわけでありますが、それは今回採用しないところとなったわけであります。しかし、五十年代前期経済計画にあるような、昭和五十五年度までに公共部門に百兆円を使う、そういう歳出の方はすでに計画でばあんと打ち出されている。歳入の方はただ機械的にはじき出して、歳入がこうなるだろうということでやってみたら、初年度から大狂い。本年度と来年度のこの狂いをちょっと計算をしてみると六兆円、来年度はいまの計画が達成できない計算になるわけであります。だから、どうしてもここらで政府は本気になって不公平税制というものを改善をする努力をしないと、こういう政府が期待するような健全財政にはなかなか国民の協力が得られない。得られる土台をつくるのは、まず不公平をなくすということからきちっと国民の前に明らかにしないと、全体に今度協力を願いたいんだと言っても、でこぼこが余りあったのではだめであります。われわれは、そういう意味からも不公平税制の是正ということを強く実は五党間においても期待をし、要望してきたわけであります。書記長、幹事長会談の中では、それらの不公平税制については、五十三年度において野党の意向を十分反映をして努力する、そういう申し合わせが書記長、幹事長会談の中であったと聞いておりますが、その点について、もしそういうものがあったとすれば、坊大蔵大臣としてはその約束に縛られると思います。やはり、そういう政治家の約束事について、大蔵省としても真剣に取り組まねばいかぬと思うのでありますが、大蔵大臣の覚悟のほどはいかがですか。
○坊国務大臣 お答え申します。 野党の一兆円減税問題に関連しまして、野党からの共同申し入れに織り込まれておりました税制改正案については、五十三年度の税制改正にできるだけ反映させるようにされたいとの野党の御主張は十分承っております。政府といたしましても、その方向で検討してまいりたい、かように考えております。
○武藤(山)委員 それでは不公平税制については、大蔵大臣も今後書記長、幹事長会談の申し合わせを実行に移すように努力をする、こういう御意見でありますから、強く期待を申し上げまして、私は、三千億円減税案についての主なポイントだけ質問して、総理大臣並びに大蔵大臣に一層の、ひとつ政府としてもこの約束事が忠実に速やかに実行されるように一層の御努力をいただきたいと強く要望して、私の質問を終わりたいと思います。
○坪川委員長 次に、大出俊君。
○大出委員 二十分ぐらいの時間でございますから、簡単にお答えをいただきたいのでありますが、私、実は恩給関係あるいは国家公務員共済、地方公務員共済、あるいは私学共済、農林漁業年金、援護等々がございますが、ここらの問題についてただしておきたいのでありますが、その前に、この政府見解によりますと、議員立法なんていうことを政府はおっしゃっておられるようでありますが、恩給関係等でもそうでありますが、審議会等々もございます。ここらは、いますでに法案が提案されておるところが各委員会それぞれございます。そういう関係を踏まえて、社会保障関係の方については、法案の取り扱いについては政府見解で触れていないのでありますけれども、先ほどの税法とあわせまして、どういうふうに政府がお考えなのか、御見解をまず承っておきたいのであります。
○真田政府委員 お答えを申し上げます。 このたびの与野党の間の合意の中で、社会保障関係として触れられている分に関連のある法案の取り扱いのことでございますが、いままですでに国会に御提案申し上げている法律案は、きのうの合意のうちの社会保障に関する部分と考えられるものとしては、五本ございます。 恩給法等の一部を改正する法律案、国民年金法等の一部を改正する法律案、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、最後に戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案、この五本がすでに御提案申し上げている法律案でございます。 そのほかに、なお共済組合関係が四本でしたか、あると思いますが、これはまだ未提出でございます。 それで、今回の与野党の合意の線に沿って手直しをしければならぬ部分が出てくるわけでございますが、政府の方の現段階における腹づもりといたしましては、先ほどのお話の予算の修正をしなければならない。その修正、なるべく早くということで、来週の早々ぐらいになるのでございましょうか、その予算の修正をお願いするときに、同時に、すでに御提出申し上げている法律案については、その時期に政府の方でまた御同意を得て手直しをしたいと思っております。 ただ、この中には社会保障制度審議会にかけなければならぬというようなものもあるわけでございまして、そちらの方の関係から、やや不確定な部分もございますけれども、なるべく予算の修正と同時に既提出の分は修正をお許し願いたい。 それから、今後提出する分については、今回の与野党の合意の線に沿って原案をすでに直して御提出するというつもりでおります。
○大出委員 これは大変技術的にはむずかしい問題がありますから、もうちょっとはっきりしておいていただきたいのですが、予算は修正ということで政府から御提出をいただく。法案の方は、この政府見解で税法については議員立法、こうなっておりますね。もう一つ、いま社会保障関係では制度審議会の議というふうなこともある。 さて問題は、国会の意思で修正をするという場合に、いまの審議会との関係はどうなるか、見解だけ聞きたいのですよ。ここでどうするというのじゃないのですけれども、そこのところは私はそう関係はないのじゃないかと思うのですが、私は急いでやってもらいたいのです、早く。早くやるためにはどうするかということでございますから、はっきり答えておいていただきたい。
○真田政府委員 ただいま手元に法文を持っておりませんけれども、社会保障制度審議会設置法という法律がたしかございまして、その法律によりますと、政府が社会保障制度に関する重要な事項について企画、立案、何とかをするに際しては社会保障制度審議会にかけなければならないとなっておりますので、それの反面解釈と申しますか、政府が提出した法律案を国会で御修正になる場合には、その法律による審議会への意見聴取というようなことは要求されておらないというふうに私はいま理解しております。
○大出委員 したがいまして、税法等を含めまして、各種審議会等がありますけれども、国会が国会の意思において手直しをする、修正をする先例がございます。私、十三年やっておる間にずいぶん直しましたが、一度も議を経たことはないのでありまして、したがって、国会の意思で国会がやるというならば関係がない、適法である。よろしゅうございますな。
○真田政府委員 各種審議会は行政府に置かれている審議会でございますので、国会が国権の最高機関として、唯一の立法機関として御修正になる場合に、行政府に置かれている審議会の意見を聞かなければならないというようなことにはならないというふうに理解いたします。
○大出委員 どうなるかは、専門の委員会でお互い御相談を申し上げることになるということでいいんでありますが、そこのところだけは政府見解をただすという意味ではっきりしておいていただきたい、こう思ったから念を押したわけでありますが、明確になりました。 もう一つ、中身に入ります前に承りたいことがございます。 新聞にいろいろ書いてありますのは、大蔵省物言わぬ限りは出てこないのだろうと私は思う。勝手に書くんじゃない。何しろ総裁のところまで、そんなことされては困ると言って文句を言いに行った局長さんが大蔵省にはおられるそうでありまして、まことにどうも私どもからすると不可解でありますけれども、だからいろんなことをおっしゃったんだと思う。その中の一つに、課税最低限に触れておられます。四人世帯、つまり標準世帯で百五十万というのを百八十三万に上げたわけですね。現行百八十三万ですね。今回出されております法案によりますというと、二百一万五千円ですね。今回の手直しができるとすれば、委員会でまとまったという時点では、そこらはかくかくのごとく動きますというようなことがこの中にありますけれども、まず、一体大蔵省はその辺をどうお考えになっているのかということと、あわせて私は、そのことも含めてこれは委員会で相談をしなければならないのではないかと思っているんですが、そこの御見解を大蔵大臣から承りたい。
○坊国務大臣 私は、いまの数字、百八十三万から二百一万円、そこまではよくわかっておりますが、そこから先どうなるかということにつきましてはつまびらかにしておりません。そこで事務当局には、はっきりした数字——はっきりしておるか、してないかわかりませんが、計算でございますから……。
○大倉政府委員 ただいま大臣からお答えいたしましたとおりでございまして、私どもが各方面の御質問に応じてお答えしておりますのは、五十一年分の百八十三万円、五十二年分の政府案による二百一万五千円、それから野党の共同のお申し入れのありましたあの案では二百五十九万円という三つの数字しか申しておりません。
○大出委員 いま最後にお答えになった点もございますので、これは日本経済でございますが、この新聞によりますと、二百一万五千円という今回の提案から、課税最低限が二百二十四万二千円になると大蔵省は言っているということをここに書いてある。書いてあるから聞いているんです。われわれの要求もございますから、そういう枠をあらかじめここではめられたんじゃ困るのであります。そういう枠はない、つまりそのことも含めて委員会で相談をする、いいですな、それで。はっきりしてください。
○大倉政府委員 昨夜日経新聞から、課税最低限はどうなるのかという御質問があったことは事実でございます。私の方は、それは計算してみないとわからない、これから決まるんだからという返事をいたしました。したがって、御指摘の記事は私には心当たりはございません。
○大出委員 それじゃ、これは書き過ぎだということになるとあなたはおっしゃるわけですな。妙な抵抗を方々でされるから、これからまた抵抗されちゃかなわぬですから、これは念を押しておかなくちゃいけない。枠はない。 それからもう一つ、念のために承っておきたいんですが、これまた新聞によりますと、さっき武藤さんからもちょっと触れましたが、五十一年度ではございません、所得税で言うならば、暦年でございますから、一月から十二月まででしょうから、そうするとこれは、五十一年の納税実績というものを踏まえて、本人六千円、その他三千円という枠で物を考える。おおむねそうなる。そこで問題は、五十一年は納税実績がない人もいる。だが、この人は五十二年には納税実績が出てくる、こういうケースは当然あるわけであります。そうすると、五十一年実績でとなると、これはちょっと五十二年にということになると乗らない。そういう矛盾なども出てまいりますが、これはやむを得ぬということに皆さんはお考えなのか。何か別にお考えあるのか。ちょっと気になりますから、聞いておきたいと思います。
○大倉政府委員 その点は昨日の御合意の内容が、詳細は大蔵委員会にゆだねるということでございまするので、大蔵委員会の与野党の委員から私どもに御質問がございますれば、私どもなりに御意見を申し上げる機会はあろうかと思っておりますが、問題は、武藤委員がおっしゃいましたように、早くまとめてお返しするということでありますと、技術的には五十一年の納税者の方ということになるでございましょう。それから五十二年の方が対象であるとすると、早くまとめてという方法はなかなかむずかしいんではないかという気がいたしております。
○大出委員 できるだけ早くまとめて、かつできる限り広く拾うというのでないと、これまたその面の不公平もございますから、そこら含めて、これはぜひひとつ幅を持たせて専門の委員会で御検討をいただきますよう、お願いをいたしておきます。 そこで、恩給でありますけれども、これは政府見解によりますと、どうも何がどうなのやらさっぱりはっきりしないわけであります。一体恩給は、これはすでに法案提案されておりますけれども、六月から実施する昭和五十一年度の公務員給与の改善を基礎として、恩給の仮定俸給表を六・七%プラス二千三百円増額をする、こういうわけなんですが、これは六月実施の分であります。 そこで、これと改善分の十月実施と、こう二つに分かれているのですが、大蔵省に承りたいんですが、予算額として六月実施分どのくらい——月額で結構です。それから十月の改善分どのくらい。これを御説明いただいて、時間がありませんから、そこで十月実施を法案上で予定されている改善分も、それから六月実施を予定されている公務員給与の改善を基礎として恩給の仮定俸給表を改善をする、増額をするという分も、ともに二カ月繰り上げる。十月が八月になる。六月のものは四月になる。こう明確に確認してよろしゅうございますか。
○藤田国務大臣 公務員に準ずるような額につきましては、六月支給ということになっておりまして、そうして新規に追加する分、改善分につきましては十月実施ということになっております。この六月分を四月に二カ月分繰り上げる、十月分を八月に二カ月分繰り上げる、こういうことでございます。 金額につきましては、いま事務当局より申し上げます。
○菅野政府委員 お答え申し上げます。 大臣がお答えしましたように二つございまして、六月分を二カ月上げる、その部分につきましては百八億でございます。それから十月分を八月に上げる、その二カ月分の前進につきましては百五十四億、合計二百六十二億というふうに積算をいたしております。
○大出委員 ということであれば、内容を細かく触れることは省略をいたしますが、かくてこの二カ月の繰り上げで、平均で結構ですけれども、受給者一人幾らぐらいふえることになりますか。
○菅野政府委員 両方の二カ月を合わせますと、約一万円ではなかろうかというふうに思っております。
○大出委員 一人一万円。
○菅野政府委員 はい。
○大出委員 けさの新聞に、どうも私ども恩給増額には難色云々なんてなことを言っておりましたが、そんなことは毛頭ないので、これは恩給受給者であって生活保護適用者なんというのもたくさんあった時代から苦労してきておるわけでありますから、しかも現職公務員とのずれが何としても埋まらない、切歯扼腕をしてまいりましたので、何とかこれは早めたいと思っていたやさきでございます。そういう誤解は解いていただかなきゃ困ります。両方合わせて大体——これはいままで私十三年恩給やっておりますけれども、一律配分をしてまいりましたので、不合理千万でございました。昨年来ようやくこれが傾斜配分をするようになりまして、やっと何とかこれからは低い皆さんが救われる、こう思っていたやさきでございますが、一万円という額、まことに残念でございますけれども、一応きょうは数字だけ承っておきたいと存じます。 そこで、国家公務員共済、略称で申しますが、この方は政府負担分等あるはずでありますが、これはどこから回ってきたのか知りませんが、ここにこういう印刷物があるのですが、全く抜けて、ないのであります。これは一体どういうことになるのか。そこらのところを、どのぐらい一体予算に関連をして金が要るのかという、そしてまた、ここにありませんけれども、恩給というのをかぶっているわけでありまして、国家公務員共済であっても六月改善分、十月改善分と分かれておるわけでありますから、そこら同様に恩給に右へならえするのかどうか。すると、こういうようにお答えをはっきりいただきたいのであります。
○吉瀬政府委員 いたします。
○大出委員 予算額等の関係で金が要りますか。
○吉瀬政府委員 いま詰めているところでございますが、約四億の金が要ると思います。
○大出委員 次に、自治大臣の御担当だと思いますけれども、地方公務員共済、こちらの方は一体どういう措置をどうおとりになるおつもりでございましょうか。
○小川国務大臣 お答えいたします。 各種公的年金改定の時期を二カ月繰り上げることに御決定になりましたので、地方公務員共済も四月から改定が実施できますように、早速法案の準備にかかっております。財源としておよそ百億円が必要でございますが、長期共済組合の積立金の範囲内で賄えると承知しております。
○大出委員 賄えるとお考えでございますか。念のためもう一遍聞いておきましょう。
○小川国務大臣 少し細かい話になりますので、政府委員から答弁申し上げます。
○石見政府委員 お答え申し上げます。 今回の二カ月繰り上げによりまして、四月改定に伴いまして必要といたします財源は、いま大臣から御答弁ございましたようにおおむね百億程度だろうと思っておりますが、これにつきましては御案内のとおり各種の地方公務員共済がございまして、かなりの掛金、積立金を持っておりますので、それで十分賄えると考えております。なお、御案内のとおり、この長期の掛金率につきましては、国家公務員共済に準じまして五年に一回改定をいたしておりまして、その時期が昭和五十四年に当たりますが、その時期には改めてこの掛金率と申しますか、財源率の改定の検討をしなければならぬだろう、かように存じておるわけでございます。
○大出委員 先に延ばすことができるというのですから、遺漏なくひとつ御措置をいただきますようにお願いを申し上げておきたいと存じます。 次に、農林漁業年金の関係でございますけれども、これも補助が必要になるのだろうと思うわけでありますけれども、この方は予算額にいたしまして、どのぐらいの絡みになるのかという、そしてどういう措置をなさるのかというそこのところひとつ、ここにございませんから。
○鈴木国務大臣 農林年金につきましても、他の年金と同様に二カ月繰り上げることにいたしまして、その分は七千四百万円でございます。
○大出委員 もう一つ承りたいのでありますが、私学共済、こちらの方はいつも——実は数年前に繰り上げをするかしないかで政治的にさんざんもめまして、最後にいたし方なく私の内閣委員会の手元で議員立法という形をとりまして、恩給、国家公務員共済、地方公務員共済、農林漁業年金、私学共済まで入れて実施月日の繰り上げをやったことがございます。このときにもいろいろ検討したことがございますけれども、なかなかこれはむずかしいのでありますけれども、どういうふうにおやりになるおつもりか、これまた承っておきたいのであります。
○犬丸(直)政府委員 私立学校教職員共済組合につきましても、同じように二カ月分、八月のものにつきましては六月まで、それから六月のものにつきましては四月まで繰り上げるということで、その補助金としての所要額は約二千万円でございます。
○大出委員 最後にもう一つ、援護がございますけれども、すべて略称で申し上げておりますが、この関係については当時やはり右へならえで改定をいたしました。これは特に遺族扶助料その他恩給関係の比率その他をかぶっておりますから、そういう意味ではこれまた当然関係があるわけでありまして、この方は一体所要予算額それから方法、どういうことになりますか、担当の大臣から承りたいのであります。
○渡辺国務大臣 援護法関係も恩給と同様にいたします。予算の必要な額が二十六億円。
○大出委員 そうしますと、あと同僚の村山君の方から厚生年金あるいは船員保険、国民年金、福祉年金、児童扶養手当、特別児童扶養手当、福祉手当、原爆被爆者手当などなどいろいろございます。ここらを含めまして大蔵当局に承りたいのでありますが、昨晩私が耳にいたしました数字からいきますと六百二十八億円ということなんでありますけれども、どうもきょう、さっきの政府見解でございますか、多少数字の違いもありますが、ちょっと六百二十八億ではおさまらぬという感じがするのでありますが、そこらのところはどういうことになりますか。
○吉瀬政府委員 なお各省といま数字を詰め合わせ中でございますので、若干変動があるかもしれませんが、目下のところ六百三十一億に及ぶかと思っております。 それから先ほど大出委員に御答弁申し上げまして、国共のを約四億と申しましたけれども、これは三共済合わせて私間違えて申しましたので、国共だけで約三億一千万円でございます。
○大出委員 多少六二八を上回る、頭が出る、こういう数字だということでございますが、私はもう少し出やせぬかという気が実はいたしますが、そこらをひとつ含めまして、せっかくまとまったわけでありますから、遺漏ない手当てをお願いをいたすわけであります。かつ、くどいようでありますが、なるべく早くまとめてというのが私どもの考え方なんでございますから、そこらをひとつ踏まえましてお進めいただきますようにお願いをいたしまして、終わらしていただきたいと存じます。
○坪川委員長 次に、村山富市君。
○村山(富)委員 私は、与野党合意に基づく社会保障関係に関連をして、この際若干お尋ねをしておきたいと思うんです。 時間もございませんから具体的な質問に入りたいと思いますが、いまお話もございましたように各種年金がありますけれども、年金はそれぞれ支給時期が違うわけですね。たとえば厚生年金は今度改正された案によりましても八月、国民年金は九月、恩給は六月、福祉年金は十月と、こういうふうに各年金ごとによって実施時期が違うわけでありますが、これはどういう理由で違うのか、まずお尋ねしておきたいと思うんです。
○渡辺国務大臣 いろいろな事情もございましょうが、一つは、郵便局の窓口が一つで、全部の年金が一緒になると大変な事務量になるというようなことも一つの原因であると聞いております。
○村山(富)委員 それは説明されれば理由はいろいろあると思いますけれども、しかし、どのような理由を聞いてみましても、受給者本人の責任じゃないわけですよ。支給する側の責任ですね。こういう実施時期がある場合に、この際一律に二カ月繰り上げるというのではなくて、やはりこういう時期にその繰り上げ時期を調整してできるだけそろえる、そういう努力をすべきではなかったかと思うのですが、その点はどうですか。
○渡辺国務大臣 先ほども申し上げましたように、現在厚生年金、国民年金だけでも受給者の方が約六百万人を超えておるわけです。そこに年々百万人ずつ新しい受給権者がふえる、こういうような状態でございますので、事務処理上非常にいろいろなむずかしい問題がございますが、今後も検討いたしてまいります。
○村山(富)委員 私は、やはりもっと誠意をもって積極的に実施時期の足並みをそろえるということについては検討をされて、そしてそうなるような努力を期待したいと思うのです。 いま申し上げましたように、すでにもう実施時期で差がついておるわけですね。今度の措置によりますと、これは具体的な数字はもし間違っていれば御答弁を願いたいと思うのですが、スライドによって二カ月繰り上げるといって支給される一人当たりの額は福祉年金の場合には三千円ですね。それから国民年金の場合に、五年年金の場合は二千八百二十円、十年年金で三千八百五十四円。厚生年金の場合に、これは額は大分違いますから、平均一万二千円ぐらいになるのではないかと思うのですが、この点はお尋ねしたいと思うのです。それから、恩給の場合には大体二万円程度になるのではないかと思いますが、この点もお尋ねをします。それから原爆被爆者の特別手当、これが六千円。管理手当が三千円。児童扶養手当が三千八百円。特別児童扶養手当が三千円。こういう額になると思うのですが、その点どうですか。
○木暮政府委員 今度の支給時期の二カ月繰り上げによりまして、福祉年金の場合には、ただいまお話のございましたように老齢福祉年金は三千円でございます。障害福祉年金の一級の場合が四千六百円、障害の二級の場合が三千円。母子、準母子年金の場合が四千円でございます。拠出制国民年金の場合には、いろいろなケースがございますけれども、平均をいたしまして三千五百円かというふうに推測をいたしております。それから厚生年金の場合にも、それぞれ受給されております年金の一八・八%が増額になるわけでございますが、ごく平均で見ますと九千五百円になろうか、こういうふうに思います。
○藤田国務大臣 恩給に関しましては、先ほど恩給局長が申し上げましたように、今度の修正で約一万円の追加になりますが、さっき二万円とおっしゃいました額は政府案によります改善分ですね。この改善分が二万円強になります。そして今度の修正によってはまた一万円それにプラスつくわけてございます。ですから、さっきおっしゃった二万円という額は政府案による改善分。今回の追加は二百六十二億でございます。これは大体において平均一万円の修正改善、こういうことになると思います。
○村山(富)委員 いや、私が聞いていますのは、今度政府案によってスライドしますね。そのスライドした分を実施時期を二カ月繰り上げるわけでしょう。その繰り上げて支給される額は何ぼになりますか、こう聞いているわけです。
○藤田国務大臣 先ほど御答弁申し上げましたように、六月支給というふうな予定のものを四月に繰り上げます。その分が百八億でございます。それから十月実施分を八月に二カ月繰り上げます。その分が百五十四億、合わせて二百六十二億の支給額になるわけです。それを一人当たりに直しますと約一方円になる、そういうことでございます。
○村山(富)委員 いまお話がございましたように、老齢福祉年金の場合には三千円。国民年金で五年年金の場合には二千八百二十円、十年年金の場合が三千八百五十四円。特に障害の場合なんかにつきましても、一級が四千円、二級が三千円。さらに児童扶養手当は三千八百円と特別児童扶養手当が三千円。こういうふうに相当やはり差があるわけですね。前段に申し上げましたように、支給時期についてもすでにもう差がついている。しかも今度二カ月間繰り上げて支給される額についても、相当のやはり差があるわけです。こういう点考えてまいりますと、私はやはり今度とった措置というのは、こういうスタグフレーションによって困っている弱い者に対して何らかの手当てを講じよう、こういうところに出発があると思うのですね。そういう意味からしますと、本当に弱い困った人たちに対する配慮が足らないのではないかというふうに思いますが、その点はどうですか。
○渡辺国務大臣 いろいろあろうかと思いますが、国会で御相談をなさった結果急々にしたことでございますので、いろいろございましょう、やむを得ないものと存じます。
○村山(富)委員 いや、それはやむを得ないものであると言うのではなくて、今度のやつはそれは話し合いで決まったことですからとやかく言いませんよ。しかし実情としてやはりこういう差ができて、アンバラがあるわけですよ。しかもこれは申し上げますと、老齢福祉年金なんかの場合には、ここにおられるかどうか知りませんけれども、田中内閣当時、これは委員会における質疑の中で、せめて軽費老人ホームに入るぐらいの額にはしたい、その額は一体何ぼなのか、こう聞きましたら、それは二万円ぐらいだ、二万円にぜひしたい。これは三木内閣のときにも約束していますよ。それが今度上がった額から見ましても、わずかに一万五千円でしょう。せめて老齢福祉年金ぐらいはたとえばこの際四カ月繰り上げるとか、そういう措置がとれなかったのか、そういう配慮は全然なされなかったのか聞きたいと思うのです。
○渡辺国務大臣 今回のことはいろいろ話し合いの結果決めたことでございますので、そこまでは私の方も考え及んでおらないわけであります。
○村山(富)委員 たとえば四十八年のあの狂乱物価の際、弱者対策をやりましたね。あのときには三回に分けてやっているわけですよ。それはやはり弱者対策をやるという性格から考えて、できるだけその差はつけずに一時金として一律に支給しようという考え方でやられているのです。今回の措置を考えた場合には、そんな配慮は全然なされておらない。私はせめて老齢福祉年金ぐらいは二万円にするというぐらいの積極的な意見があっていいと思うのですが、どうですか。
○渡辺国務大臣 それはいろいろございましたでしょうが、こういうことで決まったことでございますから、これはこの程度にお願いをしたいと思います。
○村山(富)委員 そこでお尋ねをしますが、これは確認をする意味で聞きたいのですが、今度とられた措置によって、厚生年金は予算額何ぼになるのか、船員保険は幾らになる、国民年金は幾らになる、福祉年金は幾ら、児童扶養手当は幾ら、特別児童扶養手当は幾ら、福祉手当は幾ら、原爆の被爆者手当はどのくらいになるか。その額をちょっと。予算額。
○木暮政府委員 年金部門について申し上げますと、厚生年金の場合には今度の措置によりまして必要とする経費が二百七十六億円でございます。それに対する国庫負担が四十五億五千万円というふうにただいまのところ考えております。それから拠出制の国民年金につきましては、今度の措置に要します給付費の総額は百四十八億円でございます。それに要します国庫負担が五十九億五千万円というふうに見込んでおります。それから福祉年金につきましては、今度の措置に要する経費が百四十三億五千五百万でございますが、これは全額国庫負担でございます。船員保険につきましては、給付に要する費用が七億三千万円でございますが、これに対して国庫負担が一億七千九百万円というふうに現段階で見込んでおる次第でございます。
○石野政府委員 児童扶養手当関係でございますが、これが今回の措置によりまして十一億九千万、それから特別児童扶養手当関係が三億九千百万、こういう数字が必要になってまいります。
○村山(富)委員 この際あわせて聞いておきたいと思うのですが、公共企業体関係ですね、国鉄、電電、専売等の場合にはどうされますか。
○吉瀬政府委員 御存じのとおり、これらの関係の制度の統一につきまして運輸省がやっておるわけでございますが、恐らく今度の制度と同じような形の改善が行われるのじゃなかろうかと、こう考えております。(「金額はどれくらい」と呼ぶ者あり)金額はまだ、私どもちょっと政府の補助もございませんので、聞いておりません。
○村山(富)委員 これはこういう措置がとられれば、当然公共企業体関係の共済もやはり同じような措置がとられると思うのですね。したがって、まだどれぐらい金がかかるのかという計算もしてないというのはちょっとおかしいと思うから、国鉄、電電、専売の場合にどれぐらいかかるという ことをちょっと御答弁願います。 それから、先ほど答弁漏れがありますから、それも含めて……。
○吉瀬政府委員 はなはだ申しわけございませんが、一般会計の歳出と関係ございませんので、関係各機関の方で統一してやってもらうということにいたしたいと思います。
○佐分利政府委員 原爆対策は、今回の措置で約四億四千万円ふえますので、いまお願いしております予算案よりもそれだけふえまして、四百四十一億になるものと考えております。
○村山(富)委員 これは運輸省、わからぬですか。運輸省来てないの。答弁しなさいよ。
○吉瀬政府委員 いま運輸省の方その他、連絡しながら数字を確認いたしたいと思っております。
○村山(富)委員 それじゃ、国鉄と電電公社と専売、それぞれ分けて御答弁を願いたいと思うのです。 これは私は繰り返し申し上げますが、こうした各種年金については余りにもアンバラがひど過ぎる。先ほど来申し上げておりますように、実施時期も大分違うし、しかも二カ月繰り上げて、同じように繰り上げればそれだけやはり差が残っていくわけですからね。したがって、こういうものの手直しというものは単に事務量とかなんとかいうのでなくて、受ける方の側には全然責任がないわけですからね。したがって、できるだけその実施時期については歩調をそろえるようにする。同時に老齢福祉年金等につきましては、これは今度上がったやつは一万三千五百円が一万五千円になったわけですけれども、しかし、単なる物価の値上がりによるアップ率というだけではやはり解決しないと思うのですよ。ですから、これはやはり最低の基準として、これはもう先ほど申し上げましたように、田中内閣の当時も三木内閣の当時も、せめて老齢福祉年金は二万円にしたい、こういう発言もしておるわけですから、したがって、今度のやつは別ですよ、この際、老齢福祉年金等について厚生大臣の引き上げの方向についての考え方を承っておきたいと思うのです。
○渡辺国務大臣 この件につきましては、かねて私からお答えを申し上げましたように、先生の方が専門家ですからよくわかると思いますが、年金は横並びでございます。したがって、五年年金が一万六千八百円ですか、それから十年年金が二万幾らというようなことになっておりますので、当然、無拠出の年金を二万円に上げますと五年年金も直さなければならぬし十年も直さなければならぬ。すると二十年はどうなんだという問題に全部ひっ絡んでくるわけでございます。したがって、私といたしましては急々にこれだけを取り上げて二万円にするということは非常にむずかしいのではないか。しかしながら、年金制度につきましては、支給の時期とかあるいは開始の時期とかいろいろなアンバランスがございます。五十五歳でもらえるところもあれば六十のところもあれば六十五歳のところもあれば、いろいろあるわけでありますから、(「七十もあるよ」と呼ぶ者あり)七十もございます。そういうようなものといろいろこれはなるべくアンバランスがないように将来考えていくことが必要ではないか。そのために年金の基本構想懇談会において目下いろいろ検討しておるところでございます。
○村山(富)委員 私は、言えば、たとえば国民年金なんかは、拠出した五年年金なんかは生活保護費よりも低いんですよ。こういうアンバランスというのを考えて、私は老齢福祉年金を上げることによって国民年金も上がる、いいことじゃないかと思うのですよ。ですから、そんなことにこだわらぬで、積極的にやはり厚生大臣としては引き上げるという方向でさらに努力をしてもらいたいと思うのです。 先ほど答弁がされなかったものがあるわけですから、これは後で書面でも結構ですから報告してもらうということで、以上、質問を終わります。
○坪川委員長 次に、坂口力君。
○坂口委員 総理、今回のこの税制の、減税の上積み、このことについて、もう少しわれわれとしてはすっきりとした形で一兆円減税ということを言っていたわけでありますけれども、まあ何となく喜んでいいのかどうかという非常に中途半端な感じを受けるわけであります。めでたさも中ぐらいなりという俳句がありますけれども、満足も中ぐらいなりおらが春というような減税でありまして、全体について、まず総理大臣、どういうふうにお考えになっているか、一言お聞きをして質問に入りたいと思います。
○福田内閣総理大臣 私は、現下の国会運営は協調と連帯でいかなければならぬと、こういうことをかねがね申し上げておるわけですが、まあまあ協調と連帯の実がこの合意の中に実現されたということを高く評価しておる、これが私の心境でございます。
○坂口委員 大蔵大臣、先ほど不公正税制について少しお答えになりました。野党の主張というものは承っております。それを検討いたしますという、こういう御答弁であります。承っておるが、検討して、いいか悪いかわからない、まあとり方によってはいずれともとれるような御返事であったわけですが、幹事長、書記長会談の結果として出ましたこの不公正税制の改革についての合意というものは、これは不公正税制の改革を目指すということであって、大蔵大臣がおっしゃるように不公正税制について検討するということではないと私は判断をしているのですが、どうですか。
○坊国務大臣 租税特別措置の中には、私どもから見ましてこれは必ずしも不公正でないというものもございますし、それからまたこれはやはり不公正なものもあるということを私も考えております。そういうようなところから考えまして、どうせ近いうちに税制というものを見直していかなければならぬ機会が到来しておることは御承知のとおりでございますから、そのときにやはり税制というものは公正でなければならないという一つの原理があろうと思います。私は、そういうようなことから考えまして、野党が提唱されておる、これは公正を期して直していかなければならぬということにつきましても、耳を傾けておるつもりでございます。
○坂口委員 それだけ一つ念を押さしていただきました。 それから地方財政についてまずお聞きをしたいと思います。 地方財政対策について、政府は昭和五十二年度の予算案におきまして二兆七百億円の財源不足対策というものを掲げておるわけでありますが、その中で一兆三百五十億円は地方債、一兆三百五十億円は特例交付金とそれから資金運用部資金からの借り入れ、この資金運用部資金からの借り入れの中で四千二百二十五億円は一般会計で返済、こういうことになっておるわけですね。今回の減税によりまして地方交付税の減額分というのは三千億円掛ける三二%で九百六十億ですか、大体その辺の数字になるだろうと思うのです。これについて何でこれを見ていくか。私は当然特例交付金で見るべきだと思いますが、いかがでございますか。
○小川国務大臣 交付税の総額につきましては、政府の予算案が決定した時点で地方公共団体にこれを示しておりますので、地方公共団体はこれを基礎に予算を編成いたしておるわけでございます。そこで、今後年度の途中で補正予算を組む必要が生じた時点、それも、とりもなおさず所得税の税収が減るということがはっきりした時点ということになりますが、その時点で地方財政の運営に支障を来さない何らかの措置をとる必要があると考えております。
○坊国務大臣 地方交付税につきまして申し上げます。 毎年度分として交付すべき交付税の総額は、地方交付税法、及び交付税及び譲与税配付金特別会計法の定めるところでございますが、予算で定めた国税三税の収入見込み額を基礎として算定することになっておることは御承知のとおりでございます。目下のところ、歳入予算の見込みを修正しないで、地方交付税交付金の予算額を修正する必要はない。国税三税が減少する場合の対策は、その際には歳入予算における国税三税の見込み収入を修正しないで、地方交付税交付金が減少するという問題は起こらない、そういうことでございます。
○坂口委員 また後ほど絡めての質問がございますのでお聞きをしたいと思います。 先ほど税収の見込みについての大蔵大臣の答弁がございました。減税の財源について三千億円をどうするか。聞くところによりますと、自然増収というようなものも見込んでおみえになるというようなニュースが流れたりもいたしておりますけれども、先ほどの大蔵大臣の答弁では、現在のところこれは決めていない、大蔵委員会での質疑の中からひとつ決めてもらいたいというような答弁でありました。もう少し突っ込んでお聞きをしたいわけでありますけれども、大蔵大臣としてはどういう方法が最も好ましいとお考えになっておりますか、お聞きをしたいと思います。
○坊国務大臣 これははなはだむずかしい問題でございまして、とにかくきのう与野党の間で意見がまとまりまして、これをどう処理するかということについては、とにもかくにも今後のことについては大蔵委員会でひとつやってもらうということになっております。そこで、先ほども申し上げましたとおり、これは大蔵委員会からいろいろ御相談もこれあることと存じますが、目下のところはそれらにつきましてまだめどがついておりませんが、これはそういうようなことで支障を来すようなことは、財政当局としては合意を尊重いたしまして、絶対にさようなことはないように運んでまいりたい、かように思っております。
○坂口委員 きのうのきょうでありますから、あるいはそういう御答弁も返ってくるかとも思いますけれども、しかしながら、大蔵大臣としても一つの決断をされたわけでありまして、こういう決断をされます以上は、その腹づもりというものはやはりなければならない。何にも腹づもりはないけれども言われたからするというのではこれはさらさらない、やはりそれだけのものがあって決断をされたものと思うわけであります。そういうふうな意味で、決断をされたその腹づもりというものをもう少し——きのうのきょうだからわからぬと言わずに、決断をされたのはきのうでありますから、その辺をもう少しお答えをいただきたいと思います。
○坊国務大臣 腹づもりと申しますことは、具体的に何をどう措置するか、こういうふうにお聞きいただきましても、これは責任を持ってお答えせねばならぬ。そこで、そこまでいまのところ何をどうするかという具体的なものは持っておりませんが、何遍も繰り返して恐縮でございますが、私も財政当局も、この合意というものはどうしたって実現しなければならない、かように考えておりますので、必ずこれは実現をしていこう、かように考えております。
○坂口委員 政府は、五十一年度の財政収支試算ではいわゆる租税の弾性値というものを一・七六ぐらい、そして五十二年度の財政収支試算では一・八〇と、いわゆる高度成長期でもなかなかむずかしいような高い弾性値で税収というものを試算をしていると思うわけです。したがって、経済成長率というものが今後どうなっていくかということによってこの問題はかなり変わってくると思いますが、今後の経済成長率について、経企庁長官お見えになっていますね、どういうふうにお考えになっておるか。たとえば三千億なら三千億ぐらいは六・七%——これは六・七%ちょっと上をいかなければならぬわけでありますけれども、これぐらいの成長率があればこれぐらいは出てくるというふうにお考えになっていますか。
○倉成国務大臣 確かに減税三千億というのが可処分所得に響いてくることは事実でございますが、財源をどういう形で調達するかということによってこれが決まってくると思いますので、いまこれが直ちにどういうふうに響いてくるかということは申し上げるわけにはまいらないと思います。
○坂口委員 総理大臣はこの問題どういうふうにお考えになっておりますか。
○福田内閣総理大臣 三千億円減税の上乗せ、その財源をどういうふうに調達するか、こういう問題は、五十二年度全年度の歳入歳出の動きを見て最終的な結論を得る。しかし、その最終的結論はぎりぎり年度末にならなければわからぬという問題じゃない。あるいは秋ごろになればそれは大体の見当はつく、こういうことで、もう少し時日の経過を必要とする、そういうふうに考えております。
○坂口委員 この五十二年度の租税収入の見積もりというのに、一応六・七%の経済成長率の下に試算されたものであります。自然増収を期待するならばそれ以上の経済成長というものが必要でありますし、また、政府見通しの一〇%を上回るたとえば賃金ベースアップというものがなければ非常に不可能な数字だと思うわけであります。五十二年度の政府の経済見通しを見ましても、ベースアップは一三%ということを試算にしてやっている、こう出ているわけであります。この辺につきましていかがですか、経企庁長官。
○倉成国務大臣 お答えしたいと思います。 ただいまのお話は、雇用者所得のお話ではなかろうかと思います。雇用者所得は五十二年度の経済見通しでは一三・三%ということで見ておるわけでございます。雇用者の伸びを一・五%と見ますと、一人当たりの伸びは一一・六、そういうふうに見ておるわけでございます。しかしこれは賃金のものとは全然別のものでございますから。
○坂口委員 税額控除方式につきましても先ほどいろいろお話がございました。減税の上積み分について税額控除方式を取り入れたわけであります。五十二年度についてはこの税額控除方式というのは臨時特例という形で処理しなければならないというふうに思うわけですけれども、その場合、五十二年度に上積みをした分、この分について五十三年度以降これを保証すべきだというふうに思いますけれども、これに対してはいかがですか。
○坊国務大臣 五十二年度に上積みしたというのは減税のあの案でございますね、(坂口委員「そうです」と呼ぶ)三千五百億……。それは五十二年度にやって、五十三年度にも御承知のとおり平年化していくというようなことでございまして、税額控除の分というのは、一年度ということでそういう合意になっておりますので、そういうふうにやってまいりたい、こう思っております。
○坂口委員 最初の三千五百三十億の問題は別です。いま上積みをした三千億の問題を言っているわけでありまして、この三千億の問題は、こうしてここに合意を見たわけでありますから、五十二年度において上積みをされたこの三千億の問題、五十三年度以降にもこの合意というものを保証していくべきだと思いますがいかがですか。現在は五十二年度に合意をされたものです。しかし、この合意というものを五十三年度にも延長をしていくべきだ、こういうことでございます。
○坊国務大臣 いろいろ税額控除とか所得控除とか戻し税だとかというような行き方がございますけれども、いまの税額控除、今度の合意によります税額控除というものは、これは一年限りのものであるということで合意せられておりますので、そういうふうに考えて扱ってまいりたい。だから五十三年度にはこれは続いていかない、こういうふうに考えております。
○坂口委員 大蔵大臣はそうお答えになると思いました。しかしながら、今回野党から出されましたこの案というのは、ただ一時的なもので出されたわけではありませんで、この考え方には政府の方も最終的には乗っかられたわけでありますから、この物の考え方というもの、これはやはり今後の財政にも連動をしていくものだと思うわけであります。だから、ことしのこの考え方というものをひとつ今後の財政にも反映をさせていくべきだ、こういうふうに思うわけであります。 先ほど経済成長率の問題で、六・七%が非常にむずかしいということを私少し申し上げたわけでありますけれども、これは前回のときにも私、少し申し上げたことがございます。この六・七%の経済成長達成が非常にむずかしいと言いますのは、昭和五十一年度の五・六%という目標に対しまして五・七%、こういう大体の予想というものが出ておりますけれども、これは三・三%という五十一年一月から三月の間の一応のげたがあるわけでありまして、その意味で、この五十一年度の四月から以降のところは、それを引きますと二・三ないし四というぐらいにもしも見込みどおりにいったといたしましてもなってくるわけであります。それにもしも同じような経過でいくということになりますと、昭和五十二年度、これはなかなかいきにくい。それをうんと急カーブで上げていかないと、大体六・七そのものをもう今度はほとんどいかなければならないわけであります。いままで公共事業を重視するというふうに総理以下は答弁をしておみえになるわけでありまして、この公共事業のみではわれわれはこれはなかなか達成されにくいということを主張していたわけであります。 で、どうしても一兆円減税が必要だということを言ってまいりました。ところが、今回三千億円の上積みあるいは福祉年金等の二カ月の繰り上げということは行われましたけれども、しかし、この六・七%の成長というものは、それを計算に入れましてもなおかつ厳しいものがあると思うわけであります。しかし、この厳しさを達成できなければ、これは税収にも及んでまいりますし、それからいわゆる貿易面におきまして国際収支の面にもこのことは及んでくるわけであります。この辺のところ、今回のこのアップについて、これを達成するのだったらやはりもう少し上積みが必要であった、こうわれわれは感じているわけでありますが、その辺いかがですか。
○倉成国務大臣 お答えしたいと思います。 お話のように五十一年度の経済成長五・七%、この中の需要項目が、輸出が非常に好調であったということで輸出に少し傾斜がかかったということは事実でございます。それからまた前半にげたをはいたことも事実でございます。しかし、五十二年度の経済成長を考えてまいりますと、五十一年度との相違点は、一つは輸出にそれほど大きなウエートをかけていない。五十一年度は一九%台あるいは二〇%の輸出の伸びを考えてあるいはそれ以上いくと思いますけれども、五十二年度は輸出を一二%弱という伸びを想定しておる。それから、需要項目の一番大きな個人消費支出も、物価が安定し、また、賃金の伸び等も順調に伸びてまいっております。したがって、個人消費支出も五十一年度もマクロで見れば伸びておるわけでございまして、この伸びを想定いたしますと、五十二年度も順調な伸びを示していく。また、設備投資も、製造業の方では鉄鋼を初め落ち込みますけれども、非製造業の電力その他では伸びるということ。それから在庫も恐らく五十一年度は一−三月在庫調整が行われてまいりますと、五十二年度は五十一年度の低いところを基準にしますから、伸びていくということでございます。したがって、各需要項目一つ一つとりましても、十分積み上げができる。しかし、これにはまだ力が足らないということで、ただいま御審議をお願いしております五十二年度予算において、政府財貨サービスの中で需要創出効果の非常に高い公共事業等を中心とするものを、国、地方あるいはその他の公庫、公団等を合わせて、そして重複計算を差し引き、土地代を差し引いたものが十八兆二千五百億、五十一年度に比しまして一五・九%の伸びになっておるということで、全体の需要項目を合わせますと、政策のよろしきを得れば六・七%の成長は十分達成し得ると、そう確信をいたしておるところでございます。
○坂口委員 そういたしますと、結局、長官の非常に強い自信をもっていたしますれば、今回のこの減税分ぐらいはその中からもなおかつ補い得るというような非常に強い御発言でありますけれども、しかし、国の方の予算は、公共事業と申しましても、全体で申しますと大体一割、まあ、そのほか公社、公団等を含めましても、国の方のものは大体三割、地方のいわゆる公共事業費というものが一般のものを含めまして七割近くを占める。三割、七割くらいな程度ではないかと思うのです。そのことを考えますと、ただ国の方の予算が、全体の予算の伸び率の中で公共事業の方が少し伸びたからといっても、そう強い期待はここからは無理ではないかと私は思うわけであります。しかし、この議論は、時間がありませんからこれだけにしておきます。 こういう経済状態の中で、先ほど厚生大臣に対する福祉年金等の話が出てまいりました。私は、厚生大臣という立場からして、今回のこの減税問題、この中ではやはり、いろいろの実情を知っておみえになるという立場からするならば、もう少しこの上乗せ分というものを、年金受給者あるいは生活保護を受けておみえになるそういった方々に向けるべきである、こういうふうにお考えになったのではないかと思うのです。今回大体二カ月分ここで繰り上げるという形になりましたけれども、どうですか、これは私どもとしましては非常に不本意な結果であったわけでありますが、厚生大臣はどうお考えでございますか。
○渡辺国務大臣 これはお互いに議論があったところでございますが、先ほども言ったように、話し合いの結果決まったことでございますから、決まった以上はもう議論は言わないことに私はしておるわけです。
○坂口委員 厚生大臣は厚生大臣としてのお考えもあり、また、われわれの党の立場としてはわれわれの党の立場としての考え方もある、これは当然のことでございます。しかしながら、大臣としては、やはり現在の生活保障を受けておみえになる方あるいは福祉年金を受けておみえになるような方、こういう実態をよく御存じなだけに、この人たちに対するまた慈愛と申しますか、この人たちに対する気持ちというものもまたほかの大臣とは、これは私は格別だと思うわけであります。そういうふうな意味で、よく御研究もしておみえになりますしいたしますから、ぜひこの際、この人たちに対してはもう少しこの福祉年金等をふやしていってはということをわれわれ常に主張してきたわけでありまして、先ほど社会党さんの方からも出ましたけれども、少なくとも二万円ぐらいはというふうに私たちも言っているわけです。二万円は非常に満足した額じゃございませんが、しかし、大蔵大臣が常に言われますように、財政上の問題もあるわけでありまして、そういう面からいきますと、これはまあ、不満ではあるけれども二万円ぐらいは出せるのではないかということをわれわれは主張してまいりました。ところが今回、特別給付金という形で一万五千円は出すべきだということをわれわれ言ってきたわけでありますけれども、結果的には二カ月繰り上がって三千円プラスという形になったわけであります。この結果はわれわれは非常に不満でありますが、厚生大臣、これは一つの決まったことでありますから、一応この決まりは決まりといたしまして、この決まりました結果というものをぜひ私は五十三年度に向けて連動をしてほしいと思うわけであります。この五十二年度においてもう少し、特別給付金という形になればわれわれも満足をしたわけでありますけれども、まあ二カ月早まったというだけにとどまりました。そうしますと、一万五千円が二カ月早まったということになるわけでありますから、厚生大臣、この間うちからお聞きいたしましても非常に口がかたくて、そう前進するような御答弁がないわけでありますが、ぜひこの辺のところは前進をさせるように、ひとつ今後の努力をお願いしたいと私は思うわけであります。前田中厚生大臣のときに、田中厚生大臣自身が二万円やりますと一遍御答弁にもなった経緯もあるわけでございまして、現在の状態とそのときの状態とを考えますと大分違いもございます。ですから、そのときですら出た言葉でありますから、それからもうこれでまる二年を経過をしているわけでありまして、そういう意味からいたしますと、少なくとももうその辺のお話は出てもいいころではないか、こう考えるわけでありますが、いかがでありますか。 〔委員長退席、大村委員長代理着席〕
○渡辺国務大臣 よく、生活保護と比べまして、軽費老人ホームへ入るぐらい、あるいは生活保護でも二万円ぐらい要るんでないのか、ですから老齢福祉年金も二万円にしろというお話は、もう何遍も私も聞いておるのです。しかし、老齢福祉年金は、御承知のとおり生活保護と比べるのは私は非常に条件が違うと思うのですよ。老齢福祉年金の方は、財産が仮に三億円あっても、ダイヤモンドを持っておっても、自家用車乗り回してもくれるのですから。家族で八百七十六万円という所得制限はございますけれども、それは家族の中で財産を持っておっても福祉年金はくれるのですよ。生活保護の方はそういうことはないのですから。ですから、この老齢福祉年金は無拠出の方に国民の税金で差し上げることなのであって、だからその中身が違うわけですね。生活保護の方は、もう裸になっちゃって、財産持っている人には二万円は差し上げないわけですから、本当にもう暮らしに困っておる方、財産のない方、所得のない方、そういうことなんですからね。ですから、そのことと、福祉年金をいまの状態の条件のもとでくれるということについて同じくするということは、非常にこれは無理がございますと、こういうことを申し上げておるのです。
○坂口委員 福祉年金をお受けになっている方々の内容も、それはおっしゃるとおりいろいろございましょう。しかし、いま大臣がおっしゃるように何もかも、ダイヤの指輪を持って非常に裕福な方々ばかりがもらっておみえになるわけじゃございません。そういう方は、それは中にはごくまれにはおみえになるかと思いますが、しかしそれは非常に少ないわけでありまして、多くの皆さん方は非常に厳しい生活を強いられている、そのことを申し上げているわけであります。たとえば厚生省が出されました厚生白書を見ましても、昭和五十年の老人世帯一人当たり四万六千八百円、夫婦で七万七千百円という数字が出ているわけです、生計費ですね。 〔大村委員長代理退席、委員長着席〕 この全部が全部、この福祉年金で全部賄え、これは一遍には無理なところもあると思います。しかし、これだけの生計費の中でありますから、もう少し前進をさせるように、少なくとも厚生大臣は最善の努力を傾けていくべきだと思うわけであります。そのことについて私はいま主張しているわけでありまして、今回のこの決定というものが、そういう面では非常に不満足なものであった、こういうことを言っているわけであります。もう一度今後に対する決意をお伺いしておいて次に移りたいと思います。
○渡辺国務大臣 福祉年金の問題については、ほかの年金は九・四%今回は給付の改定をしているわけです。しかし、福祉年金については一一・一というようなことで、財政事情の許す限り政府としては最大限の引き上げをやっておるわけでございます。物価、賃金等の変動に従って事情の許す限りそれは努力をしておるところでございます。
○坂口委員 もう一つ、大蔵大臣に最後にお聞きをしておきたいと思うのですが、税制の改正ですね、先ほど租税特別措置ということもおっしゃいましたが、租税特別措置もどうしてもその中には改正をしなければならない面もあるわけであります。租税特別措置だけではなしに、ほかにもまだまだ改正をしなければならない面がたくさんあるわけでありまして、これはまた今後大蔵委員会等でも議論をされると思いますが、その中の一例を申し上げますならば、たとえば給与所得控除、これなんか昭和四十九年でありましたか、あのときに改正になりましてから青天井になった。これはその以前と現在と比べますと、青天井になりましたからかなりな違いを示しております。こういう改正は、大蔵大臣がいつもおっしゃるように、あるいは総理がいつもおっしゃるように、そうあちらにもこちらにも波及する問題ではございません。したがって、こういう給与所得控除の青天井というような問題だけはせめて廃止をしていく、一応この辺の具体的なことを少し聞いておきたいと思います。
○坊国務大臣 給与所得でございますが、所得にはいろいろの態様がございますけれども、給与所得というものは、勤労性と申しますか、そういったようなものの上に立った所得でございまして、それとほかの事業所得といったようなものには経費控除というものが御承知のとおりございます。給与所得には基礎控除はむろんございますけれども、そういったようなことから考えますと、何か課税に当たってほかの所得とのバランスをとっていかなければならないということがひとつ考え方にあろうと私は思うのです。それで、いま青天井になっておりますけれども、それはつまりそういったようなことを意味しまして、所得の大小にかかわらず、一応勤労性というようなことを給与所得課税に当たって考えておるというふうなことでございまして、これは何ら意味がないのだ、またそれは非常な不公平なんだということをお考えになるのも少し早計じゃないか、かように考えます。しかし、そういうことにつきましても、今後よく検討をしてまいりたい、かように考えております。
○坂口委員 この制度ができましてから、給与所得者の間の不公平というものも実際問題として生じているわけであります。ですから、それ以前と比べますと、かなり高額所得者に対しては楽になっておることは事実であります。われわれ国会議員の方を見ましても、四十九年のこれが決まります前と後とにおきましては違うわけでありまして、これは皆さん方もよく御存じのとおりであります。この辺のところはアンバランスの中でも最たるものではないか。今後、税制の中で大臣はいろいろの面を検討していく、こういうふうに言ってお見えになりますが、給与所得控除の青天井というような点につきましてはぜひ廃止の方向で話を進めなければならない問題である、こう思うわけであります。いま大臣のお話は、考え方によってはそうとばかりも言えないということでございますけれども、しかし、この辺のところから手をつけていかなければ、なかなか解決をしていかない問題であると思うわけであります。 そのほか、ぜひ手をつけなければならないものに、たとえば退職給与引当金等の問題もございます。これらの問題もぜひひとつ検討の中に入れていただきたいと思いますし、大蔵大臣がいろいろ検討しなければならない——われわれの方はたくさん出すわけでありますけれども、その中で大蔵大臣としては、これは直さなければならない、これはしかしそうは思わない、いろいろおっしゃるわけであります。大蔵大臣として一番直さなければならないと思ってお見えになるものは、この税制の中でどれでございますか。
○坊国務大臣 税制の中でこれだけはどうしても直さなければならぬその一番のものは何か、こういう御質問でございますが、これは、私は一概には言えない。いろいろな立場もあります。立場というのは自分の利益というそんな立場じゃございませんけれども、いろいろな角度から考えまして、こういった事態に際してはどういう税を一番先に直さなければならないといったような観点に立ちますと、いまこれが一番直さなければならないものだということを断定してかかるということはどうかと私は思います。そういうようなわけでございまするから、税の直接税、間接税あるいは資産税といったようなものをすべて検討俎上に出しまして、そしていまの日本の経済状態はどういう状態であるかというようなこととにらみ合いをいたしまして、そして順位をつけて、この際にはこれらについてもやらなければならぬものだというふうに考えていくのが税制改正の考え方でなかろうか、かように考えております。
○坂口委員 時間がありませんので、最後の質問にしたいと思いますけれども、初めにも申しましたとおり、幹事長、書記長会談で、この不公正税制というものを改革する、こういう一つの方針が打ち出されたわけであります。大臣もその中で、この不公正税制の改正にぜひ取り組んでいきたい、こういうことを最初に申されたわけです。しかし、野党の皆さん方から出されているものの中には、これは税制として私はそうは思わないと思うものもあるし、また直さなければならないものもあると思う、こういう御答弁であったわけです。だから、大臣としてこれはどうしても直さなければならないと思うものの中で最たるものは何ですかということをお聞きをしておるわけです。もう一度御答弁願いたい。
○坊国務大臣 その最たるものというものは、きのうの合意に基づくものは、これは各党の合意でございますから、どんなことがあっても実行しなければならぬということは、身にひしひしと感じて、それはぜひやらなければならぬ。しかしその他のこと、将来の、これからの税制改正を何を一番大事に考えるかということにつきましては、先ほど来申し上げましたとおり、そのときの実情、そのときの経済情勢といったようなものを背景としてこれを考えてまいりたい、かように考えます。
○坂口委員 終わります。
○坪川委員長 次に、竹本孫一君。
○竹本委員 私は、主として政治的な角度から今回の問題について御質問をいたしてみたいと思います。 きのう決まりまして、与野党合意事項、先ほど来いろいろ論議をされております。これは従来の考え方から言えば非常にエポックメーキングな大きな変化というか、ショックというか、大変な問題だと思うのです。しかしながら、これは私としてはやはり一党支配の時代は終わったのだ。あるいは政府中心に物を考えておればそれですべてが通るのだという時代は終わりまして、新しい時代が始まったのだ。責任政党という言葉がありますけれども、新しい責任のあり方がここで変わるのだ。すなわち、野党の方もただ野党として言いたいことを言っておればいいというわけにはいきません。国の経済全体について責仕を持った立場で物を考えなければならぬ。しかし、同時に政府・与党の方も、より一層大きな責任を感じながら問題に取り組み、そして話が妥結をすれば、ともにそれに取り組んでまいるという、それこそ連帯と協調のあり方がこれから必要になってきた。今回のこの減税問題について、福田総理は困ったことが起こったというふうに受けとめておられるか、あるいはこれこそが本当の、総理のよく言われる協調と連帯の新しいあり方が始まったのだというふうに前向きに受けとめておられるか、この点をひとつお伺いいたしたい。
○福田内閣総理大臣 私は、前々からもう世の中の活動原理というものは協調と連帯でなければならぬ、こういうふうに考えておったのですが、国会の運営の面におきましても、与野党伯仲となるといよいよそういう考え方を現実化しなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでありまして、伯仲だからそうだというよりは、もうもともと国会の運営というものは協調と連帯でなければならぬ、こういうふうに考えて、今回の与野党間の合意につきましてはこれを評価しております。
○竹本委員 したがいまして、その合意を尊重し、また常にそういう合意が新しく求められる場合も、新しい時代として来ておるのだというふうに前向きに受けとめておられると了解してよろしゅうございますか。
○福田内閣総理大臣 そのとおりの理解でおります。
○竹本委員 大蔵大臣は、先ほどから御答弁を聞いておりますと、きのう決まったのだということを盛んに言われるのですね。確かにきのう決まったことは物理的に事実であります。しかしながら、野党が減税の問題について野党なりに真剣に取り組んでおるということは、正月以来はっきりした事実である。しかも、与野党の勢力のバランス等を考えれば、私は初めから言っておるのでございますけれども、こういう修正というような新しい事態が来るということも、少し常識的に考えればあり得ることである。したがって、そういう場合に対して、財源の問題にしてもあるいは税制の改革の問題にしても、何か一つ備えておるというところがどこかになければうそだと思うのですね。もしないとするならば、青天のへきれきできのう決まった、きょうはびっくりしておりますというような話だとすれば、野党の真剣な叫びや力のバランスというものを全然認識していないか、なめておるか、軽視しておるかということになると思うのです。そのどれですか。
○坊国務大臣 大変手厳しいお話でございますが、私はさようなことは考えておりません。私はとにもかくにも私どもが考えましたあの税制というものを何とかして、これは率直な話です、実現をさせていただきたい、こういうふうに考えておった次第でございます。ところが、竹本さんおっしゃるとおり、勢力伯仲とか何とかということは別といたしまして、与野党が合議をいたしまして、そして私どもの考えておったことに対しましては修正をされるということになったことでございますから、そこでその御趣旨というものは、これは尊重して、そしてその御趣旨に沿うようなものを、むろんこれは大蔵委員会でつくってもらうのですけれども、われわれの方へ必ず御相談もあるだろうし、またこれは大蔵委員会でつくるのだからというので、それに対して逃げてしまう、そんな考えはもちろん持っておりませんで、そういうようなときにこれはその方向に最善を尽くしてやってまいりたい、かように考えております。その点、御理解を願いたいと思います。
○竹本委員 政府が自分で予算をつくられていろいろ苦労もあったわけですから、自分の予算がベストなものであると考えられるのはあたりまえだと思うのです。それから私はまた福田総理がインフレに対して従来にもきわめてまじめな真剣な戦いをしてこられたということには、非常に評価をして敬意を払っておるのです。ただ、この現状認識や一兆円減税の果たす役割りについて残念ながらわれわれと認識が少し違うのですけれども、御努力は高く評価しておる。そういう意味で政府の案が最善だということを考えられることは当然であり、議論の余地はありません。しかし、これが必ず通るというふうに考えておられたとすれば、そしてきのうの合意事項というものは夢にも思わなかった、青天のへきれきであると考えておられるとすれば、これはちょっと政治の現状分析が甘過ぎるということではないかということを警告を申し上げたわけです。その点はしかと受けとめてもらいたい。 そこで、将来の問題とも関連してちょっと一口だけお伺いするというか、要望申し上げたいのですが、これからの予算編成については、新自由クラブは国会で前にひとつ論議をしたらどうかという御提案をしておられるようでございまして、私も傾聴いたしておりますが、いずれにしてもたとえばことしの予算、今度の予算にしても総理も御努力をされた。大蔵大臣もわれわれ政審の責任者を呼んで一時間ずつか話された。しかし、あれも極端に言えば、単なるセレモニーみたいなもので、本当の意味での論議はほとんどだれもやってないと思うのですね。しかし、国会が後からこういうふうに停とんしたり混乱したりすることを考えれば、一時儀礼的にやるということでなくて、もう少ししんみりと論議を重ねて、後でハプニングのないように努力をした方がいいのではないか。一時間を二時間にするがいいか、三時間にするがいいかは別として、いままでのあり方というものを与野党協力の新しい時代に即応して、もう少し時間をかけて、具体的、建設的に論議をしたらどうかと思いますが、大蔵大臣、総理大臣のお考えはいかがですか。
○坊国務大臣 おっしゃること、しごくごもっともだと思います。そこで、これは政党政治であり、議会民主主義が行われておるということでございますので、もちろん、われわれ、いまは政府でございますが、政府が各党の御意見を承るということは、これは非常に大事なことでやっていかなければならぬと思いますが、私は国会のこの運営そのものが、与野党の人たちの議論をやって、その議論は厳しい議論もありましょうし、それからまた大変穏やかな話し合いもありましょうし、そういうことが、国会そのものが私はそれの最たる形だ、こういうふうに考えておりますが、なお私個人といたしましても今後いろいろの御指導を各党の方々にお願いをしたい、かように考えております。
○福田内閣総理大臣 いま大蔵大臣から申し上げたことを私もそのように考えておりますが、同時に予算編成する前にもじっくりと各党の意見を聞き、また政府の方の考え方も申し上げるという段階があっていいと思うのです。何せ今度は暮れの二十四日に内閣が成立して一月中には予算の編成を了しなければならぬ、こういう早々の間でございましたので十分なことができませんでしたが、なおこの上ともいろいろ工夫してみたいと思います。
○竹本委員 予算の修正権の問題についていろいろ議論がありました。そして最終的に政府の統一見解が出ました。あれを読んでおると、私もこの席で意見を述べたこともありますが、政府のお考えに少し古いところがあるのですね。国権の最高機関は国会であるということについての認識において、やはり明治憲法的な受けとめ方があるという点を、私、ここで指摘したつもりでございますし、明治憲法も有限であるということを申し上げたのですが、あのときの政府見解を見ても、それからロッキード事件のときの政府の守秘義務に関する考え方にしても、また福田法務大臣のこの事件に関する見解を聞いておっても、やはりどこかに古さがまだちょっと残り過ぎておる。その点を非常に残念に思うのです。たとえば福田法務大臣について問責だとか戒告だとかいう決議案が出ました。福田法務大臣自身も、私、個人的に尊敬をしておりますので大変お気の毒であったけれども、やはりその古い解釈というものがもう通らなくなったんだということをまじめにひとつ考えてもらいたいというので、私どもは戒告決議案にも賛成せざるを得なかった、こういうことであります。予算の修正の問題についても、政府の提案権を侵さない範囲内においてと、こういうふうに書いてあったと思うのですね。それは、私があのとき申しましたように、国会の審議権、それと政府の提案権、二つ最高のものがあるのですけれども、どっちがより最高かということになれば、国権の最高機関としての国会の方が最高ではないか。こういう意味で、提案権を侵さない範囲内においてというと、提案権がさっと先へ場を取って、その残った範囲において国会は修正ができるのだ、こういうことになる。私はこれを残飯イデオロギーと言っているのですよ。政府がいいところ食っちゃって、あと残った範囲内において国会は審議するんだ、こういうような受けとめ方になる。そこが古い。国会のハイウエーがありまして、その中に何本か大きな松の木が立っておる。行政府がそれぞれ立っておるこの松の木を避けて通る。あたりまえのことなんです。そういう意味において、範囲内においてということではなくて、侵さない程度において国会は論議し、審議することができるというふうに私は受け取っておるわけですね。だから残飯イデオロギーではなくて、お互いが協力しなければなりませんけれども、もし強いて言うならば、最高機関としての国会は審議し、修正し、あるいはそれを否決することもできる。松の木を切ることもできる。こういうふうに受けとめた方がいいのではないかと思いますが、憲法論は一歩進んだのでございますから特にいたしません。いずれにいたしましても、責任政治のあり方が新しい段階を迎えて問われておるというこの際に、それに対する認識が必ずしも十分でなかったということが、あるいは混乱をしたり、あるいは修正問題がやかましく出てきたということの結果であろうと思う。そういう点については、今後大いに注意をしてもらいたいと思うのです。これは要望です。 そこで、この過程において、大蔵省から言われたのか、新聞が勝手に書いたのかよくわかりませんけれども、私が黙って見ておって必ずしも愉快に思わない問題が幾つかありました。たとえば税額控除と所得控除とは木に竹を継いだようなものになって、そんなことは許されない話だというような意見がその辺に出てきた。そうすると、そういうことを主張しておるところの野党というものは、きわめて無責任で、反国民的であるというような印象を国民に与える。そうしておいて、今度それがまとまったから仕方がないというのかもしらぬけれども、所得控除にプラス税額控除でいくということになるでしょう。きのうまで物すごく悪口言って、絶対できないように言って、木に竹を継いだなんて言って批判した人がもしありとすれば責任問題である。そんな勝手な議論をして、まるで野党は無責任なことを言っておるようなことを決めつけておいて、そしてあしたからは、もし良心的で、それをやらなければならぬ事務当局は辞表を出せばいいんだ。そういうことをまた平気で今度はやる。そんな節度というか、節操のないようなやり方というものは余り感心もしません。その点はひとつ警告をいたしておきたい。財源がないからできないのだという問題も出ました。しかし私は、昔の本に書いてあったが、心まことに民を愛すれば知及ばざるなし、本当に何とかして減税してやろう、心まことに民を愛しておれば財源に関する知及ばざるはない、何とか財源は考えられるものだというふうに昔の人は教えておりますが、ひとつその辺もよく考えてもらいたいと思うのです。 具体的に一つだけ、私は、きょうは時間がありませんから申し上げます。先ほどもちょっと議論が出ましたが、自然増収の問題について、これは事務当局に聞くのが本当かもしれませんから事務当局でもいいが、五十年度の決算収入が税収は十三兆七千五百十七億円である。それに対してことしの税は一・一二八でしたか、伸びるということになって五十一年度の予算が組まれておる。ところが五十二年一月末の税収の累計の伸び率を見ると一・一六である。もしこの一・二八がそのまま年度末まで続いていくということになれば、私の計算では十五兆九千五百十九億円になる。そうすると、四千三百二十九億円の自然増収というものが一応計算される。問題は一・一六%の伸び率があと二、三カ月続いていくのかいかないのかということだと思うのですね。ところが、政府はこれに対しまして、これから公共事業を中央地方を通じて一、二兆円ばらまこう、こういうことになっておる。また政府自身も、景気の回復は順調であるということをおっしゃっている。それならば、一・一六のいまの伸びが急に二月と三月になって悪くなるとは考えられないので、そうなれば四千三百二十九億円の自然増収があると思うがどうか。さらに今度はこれをベースとして政府が五十二年度の予算で考えておる税収の伸び率一・一七五を掛けてみると、十八兆七千四百三十四億円になる。これは政府の十八兆二千四百億円の五十二年度の税収見通しに比べてみると、五千三十四億円の増収になる。こういう計算だけれども、途中から景気は悪くなると見ておられるのか、あるいは数字の上において私の計算に間違いがあるのか、ひとつ御意見を聞きたい。
○大倉政府委員 五十年度決算に対します五十一年度税収の予算見込み額の想定伸び率、おっしゃるとおりでございます。また、一月末までの税収の累計伸び率、これもおっしゃるとおりでございます。そのままの勢いでまいりますと、御指摘になった程度の自然増収が出てくるかもしれないという計算もできるわけでございます。ただ、私どもがちょっと心配いたしておりますのは、御記憶のように、昨年の三月に制度改正に伴いまして土地の駆け込み譲渡がございまして、異常に多額の申告所得税が昨年は入りました。ことしそういうことはちょっと期待できないのではないか。異常な駆け込み分というのを、いわば去年の予算に比べてふくらんだ分は非常に異常だったんだというような前提を置いてただいまの一月末の状況を延ばしてみますと、進捗率ベースで申しますとやっととんとんだという計算もまたあるわけでございまして、その三月分の所得税収が果たしてどうなるか、それ次第で、五十一年度予算にその結果が出るとまでの心配はほぼなくなったと私は考えておりますが、五十一年度予算に比べてかなり巨額の税収が出得るかどうか、それはもっぱらその申告所得税にかかっておるというのが現状でございます。したがいまして、五十二年度もまだよくわかりません。
○竹本委員 問題は、今後の景気が政府みずからが言っているように順調になる回復基調に乗るか乗らぬかということなんですよ。乗らぬということになれば政府の経済の見通しそのものが間違うということになるし、乗るということになれば増収は期待できるということになるんで、余り矛盾しないように答弁をしてもらいたいと私は思うのです。 時間がなくなりましたので、最後に一口だけ要望を申し上げたい。ここでとにかく減税問題をめぐる与野党の争いも決着がつきました。そこで、これからは景気浮揚ということを私は第一に考えておりますから、政府におかれましても、公共事業を初め、ひとつスピードアップをして景気の浮揚に真剣に取り組んでもらいたい。私どもはこの減税というものは、一歩後退、二歩前進のために、景気浮揚のためにこれを特に主張しておるのですから、その期待に沿うようにひとつがんばっていただきたいということが一つ。 それから第二は、アメリカ訪問の問題でございますが、私は、一国の総理大臣が国際政治、国際経済に大きな責任を感ずる、また日本の今日置かれておる立場から大きく役割りを果たしてもらわなければ困る。もしできるならば、福田さんは経済の年と言っておられるけれども、国際経済の年なんです。ことしは強いて言うならば国際経済の年です。そして国際経済社会において日本の果たすべきエンジンカントリーとしての役割りから考えるならば、福田さんは世界の経済副総理ぐらいの立場に立って、世界の景気の浮揚のためにも、あるいは資源有限時代の油の問題に対する取り組みにしても、あるいは発展途上国の援助の問題にしても、相当真剣な発言をし、真剣な取り組みをして、世界に日本の役割りを大きく打ち出してもらいたいと思うのです。そういう意味で、ひとつアメリカに行かれたらしっかりがんばってきてもらいたいということであります。 第三の要望は、資源有限という言葉は総理もよく言われるけれども、一体資源が有限になったということに対する——大蔵大臣もこの間の所信表明のときに、構造変化にいかに対応するかという言葉を使っておられる。実際は何にも対応していませんよ。目に見えるような対応は何にもない。産業構造もそのままです。行財政機構もそのままです。税制、金融のあり方もほとんどそのままです。資源有限で、一三%も一四%も伸びた年もありますが、ことしはうまくいって六・七がいくかいかぬか、これからはうまくいっても七%成長が危ないぐらいのもので、いわゆる安定成長というか低成長に定着をしなければならぬ、それに対応するのに一四%か一〇%以上の成長の構えの構造になっておるのですから、よほど内部を構造改革をやらなければどうにもならないのですよ。それは言葉としてわれわれ聞くけれども、現実にほとんど取り組んでいない。だから、福田内閣が本当に資源有限ということを考えられるならば、それに対応するように産業構造、行財政機構、さらに言うならば非能率の政治機構の改革、あるいは税制、金融の制度の改革、この改革に取り組んでもらわなければいかぬ。その改革に取り組む、あるいは荒療治をするためにこそ、ある程度の経済成長を早く回復しなければ、いまのような貧血状態や不景気の中ではそんな改革はできないでしょう。だから私どもはこの減税を主張したのです。どうかそういう意味をくみ取って、大いにがんばってもらいたいと思うのです。 もう一つ、ついでに言いますと、協調という言葉で、総理、私は非常に印象に残っておるのは、御承知のとおりドイツの共同決定法というのがあります。この共同決定法の原文を見て驚いたんですけれども、あれはミットアルバイツンク・ウント・ミットベスティンムンクと書いてある。協調そして共同決定、すなわち共同決定をやるときにには、これは経営参加、労働組合運動になりますが、協調の精神がなければ共同決定はできない。階級闘争至上主義だけでは経営参加はできませんよ。同時に、政府が言っているような協調ということを、本当に連帯と協調を言われるならば、野党も含め、労働組合も含めて、共同決定と言うかあるいは参加の哲学と言うかは別として、民の声を十分にくみ取るということがなければ本当の意味の協調はないのです。私はドイツ共同決定法というのはなかなかうまい題をつけておる。協調そして共同決定、共同決定そして協調なんです。 どうかそういう意味で、最初に申しましたように、新しい与野党の協力の新時代が来た、これを前向きに受けとめてもらいたい。総理の御意見を承って終わりにします。
○福田内閣総理大臣 お話、私は全く同感でございます。そのような姿勢で対処してまいりたい、かように考えます。
○竹本委員 終わります。
○坪川委員長 次に、荒木宏君。
○荒木委員 私は、これからの経済運営、財政運営をどうしていくかという点から、先ほどの政府見解についてお尋ねをしたいと思うのであります。 だんだん質疑がありまして、かなりはっきりしてきた面もある、依然として内容がはっきりしない面もあります。それは減税財源をどこに求めるかということでありまして、先ほどのお話では、きのうのきょうだから、それはこれからのことだという面もありましょう。しかし同時に、これからのことだということであればこそ、その基本をはっきりしておかねばならない、具体的なことは専門委員会でも論議になりましょうけれども。そこで私は、その財源をどこに求めるかという基本について、これは経済あるいは景気全体に影響することでありますから、そういう点で、不公正税制の是正ということ、これも一つあると思うのです。野党が共同で要求しました。しかし同時に、それとあわせて、あるいはその前にといいましょうか、高度成長税制の取り除きということも、転換ということを考える以上は論議しなければならないのではないか。 時間が限られておりますから、私はひとつ資産の寿命、その寿命に絡まる税制、つづめて言いますと償却税制といいますか、これについて総理のお考えを伺いたいと思うのです。 これは技術的なことだけではなくて、経済の運営全般にかかわります。同時に税収財源にも密接な関係があります。御案内のように、資産の寿命をどんどん縮めてきますと、それだけ取りかえ費用といいますか、あるいは食いつぶし費用といいますか、償却費用がふくらんで、利益に食い込んで、税収が減っていく。昭和四十六年の長期税制、政府税調の答申によりますと、償却を一割方ふやせば、当時の計算で大体二千億ほどの減収になると政府税調も言っておるわけであります。 そういう点から五十年度の償却総額を見ますと、資本金一億円以上で大体四兆四千億ぐらいの償却になっておる。これを一割ほど減らしますと四千四百億、法人税率四〇%を掛けて千七百億の税収というものがここにある。二〇%ですと三千五百億、三〇%ですと五千億を超える。この関係は総理はもうとくと御承知のことと思うのです。 そこで、この資産の寿命ということについて考えてみますと、昭和三十六年以来一貫して寿命を縮める政策をとってきた。三十六年には機械設備で平均二〇%縮めた。三十九年には平均一五%縮めた。四十一年、これは総理が大蔵大臣のころでありますが、建物を一五%縮めた。四十三年からは四十九年まで、途中一年だけ除いてもう毎年毎年縮める一方で、十五年間で大体法定の寿命は半分以下になっておる。これは同時に資源の浪費にもつながることではなかろうか。浪費と言いますといろいろな見方がありますけれども一、しかし、総理が大蔵大臣をやっておられた四十年の財政演説の中で、その寿命を縮める、スクラップ化を進めるのだ、こうおっしゃっているのです。ですから私はそういう点から言いますと、資源有限ということをおっしゃる以上は、寿命をやはり長くするようにする。せめて縮めたうちの半分ぐらいは回復をする、二、三割延ばすということになりますけれども、そのことが税収確保にもつながるということで、先ほどの政府見解の今後の減税財源を考える場合に、総理がおっしゃっておる資源有限時代、節約ということを資産、設備、機械の寿命という点にも当てはめて、そしてこの寿命を二、三割方延ばすようにし、資源節約とともに財源を確保する方向に行くべきではないか、こう思うのですが、総理のお考えを伺いたい。
○福田内閣総理大臣 税法上資産の耐用年数をどういうふうに見るかということは、私はその見方が現実と合致しているという姿が妥当である、こういうふうに考えるわけであります。ただ、いま荒木さんが、この問題を今回の措置による三千億円の減税、その財源としての角度で考えるということになりますと、これはいずれにいたしましても耐用年数を延ばす、こういうことになりますればそれは法人増税になるわけで、それは私は二つの問題があると思うのです。 一つは、いまこの不況をどうするかということが一番の問題になっておる、そういう際に法人増税をするということが果たして妥当であるかどうか、こういう問題が一つあると思うのです。ですから、仮に耐用年数の改正をするといたしましても、景気対策という側面を考えますと、なかなかそればむずかしいことになるのじゃないか。 それからもう一つは、無理に現実と離れて耐用年数を延ばすというようなことになった場合に、いま、当面の景気ということではありませんけれども、企業の自己資本というものが非常に脆弱である。景気の動きに対する抵抗力、こういうものが大変問題化しておるわけであります。そういう際に、内部留保のもとになるところの耐用年数の問題をまた政策的に延ばすというようなことになると、これもまたいかがであろうか、こういうふうに考えるわけでありますが、結論としては、基本といたしますると、現実と耐用年数の決定、これが整合しておるということが望ましいという見解でございます。
○荒木委員 現実との乖離はちょっと常識を離れるほどひどいのではないか。私も全部調べたわけではないのですが、たとえば一、二調べた例を申し上げますと、法務省の建物はあれは明治二十八年、ちょうど総理が生まれられた年に建っていま八十一年たっておるわけです。ところがこれはいま六十年ということになっておるのですよ、寿命は六十年に縮めるという政府の発言。それから丸ノ内ホテルというのがありますけれども、あれは大正十三年に建てられまして、いま五十二年たっておるのですが、皆さんのお取り扱いだとこれは寿命三十年だ、こういうことになっているのですね。あるいは輸送機関の例ですと、京王帝都の高尾線を走っている電車は昭和二十六年に建造した車両ですから二十六年たっているのですが、これは十三年の寿命だ、こういうことになっているのです。それから船で言いますと、ジャパンラインのアジア丸というのは三十六年に就航して十六年たっているのですが、これも寿命は十三年だ。 もっと身近なところで、たとえば電気冷蔵庫なんかありましょう、あれは国民生活センターで九年以上使える、また通産省の保有部品も九年だ、こう言っているのに実際寿命は六年にしているわけです。それからテレビだって同じですよ、八年だと言っているのに五年になっている。つまり実際の寿命を無理に——無理にという言い方はどうかと思いますが、縮めてきている。ですから、これは政策的な誘導ですから、高度成長のときに寿命を縮めて取りかえを早くするという誘導は従来とられたのでしょうけれども、しかし少なくとも資源有限、低成長というのなら、寿命はやはり延ばす方向に誘導していくべきじゃないか。実際と違うのですからね。こういう例は幾らもあるのですけれども、先ほどおっしゃった総理の企業増税になるという景気との関係で言いますと、私はやはりある程度の期間の幅というものはあると思うのです。たとえば五十二年度全部通して見るわけですから、その間に景気の波がありましょう。しかし五十二年度全体として、どっちみちこれから考えていくわけですから、実際とそういうふうに違うという点をよく念頭に置いて、そしてやれる時期にそういう方向ですね、いままでうんと縮めてきたのですから、実態に合うように、そして資源の浪費にならないように延ばしていくということは当然政策目標、運営の方向としてはきわめて私は常識的なことだと思うのですね。 それからもう一つ、景気の点と並んでさっき二つ目おっしゃったのは何でしたかね。もう一つおっしゃっていました……(福田内閣総理大臣「自己資本」と呼ぶ)そうそう。いま御承知のように、大体償却額のふところにある分を設備投資に使えないという企業が、先日のある新聞の調査では四分の一を超えている。いろいろな事情がありましょう。しかしよそから金を借りてきてまでどんどんやろうというのはごく限られているわけです。去年は鉄鋼と電力と言いました。ことしはそのうちでも電力だけ残った、こう言われているのですけれどもね。ですからそんなにまでして、自己資本というふうにおっしゃるのですけれども、むしろ金は返そうというふうな動きが出て、投資資金をいま非常に強く求めているという時期じゃないわけですから、これも私は五十二年度全体を見て考える必要があると思うのです。三月、四月のことだけじゃないでしょう。いまは減税財源というのは五十二年度全体の問題なんですから、その全体を通ずる中で、なるほど企業増税に対するはね返りの問題、これは一つはありましょう。あるいはまた自己資本の問題もありましょうが、いまの実態、それは必ずしも総理が言われたような状態ではない。また法定の寿命と実際の寿命は余りにも違い過ぎている。そしてそれを延ばせばエネルギー、資源の節約になるというのは、日本経済調査協議会の原油とLNGだけを取り上げたこれだけ節約になりますよという資料もあるのですから、総理が日ごろからおっしゃっておる、特に今度しばしば強調されたそういう考え方は、五十二年度全体を通して減税財源の重要な一つとしてやはり検討されるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○福田内閣総理大臣 法人増税という問題は、先ほど申し上げましたが、いまの景気情勢と微妙なかかわりのある問題でありますが、そういうような前提抜きに荒木さんの御所見を承りますと、資源有限という際に、耐用年数という問題につきまして考える余地があるのじゃないかというそのお考え、それには私も理解できるところがあるわけでありますから、今後の検討課題にいたしたいと思います。
○荒木委員 検討課題ということをおっしゃいましたので申し添えますが、私はその基本と実施する時期というのは、これはまた別だと思うのです。しかし同時に密接に絡んでいる。そういう点から、ぜひ全体をにらみながら五十二年度の検討課題としてお考えいただきたい。 といいますのは、大体この分野では、先月経済企画庁が省資源・省エネルギー月間というのでいろいろな取り組みをされた。その中で、民間の方は対応がずいぶん進んでいるというのです。中古車の市場がいま大分盛んになってきまして、いろいろそれなりに生活の知恵、工夫、苦労と言いましょうか、しておるのですが、どうも企業とそれから政府の対応がもう一つじゃないか、こういう声が相当強く出ており、そのことは企画庁の担当官からも私は伺っておるし、新聞報道もありました。特に資産の寿命の取り扱いについて十数年間縮める一方で、そして縮めるときにはうんと縮めておいて、さあそのことが問題になったときには、いまその時期でありませんと言うのでは、これは幾ら省資源・省エネルギー月間で笛を吹いても信用はできない、こういう声が非常に強いのですね。またこの寿命は国際比較もいろいろありますが、昭和四十五年の経企庁の国富調査によりますと、日本の場合は建物、建造物は大体三十六年になっておるのです。これは経企庁の出された資料にあるのです。構築物は三十四年ですね。機械設備は平均で大体十一年ということになっておるのです。ところが、OECDの調査ですと、建造物、構築物は大体五十年なんです、これは経企庁に資料がありましたから私は拝見したのですが、機械類は、アメリカ、西ドイツ、若干幅がありますが、大体二十年ぐらいなんですよ。それだけが原因とは言いません、いろいろあるでしょうが、そのことが国際競争の上での摩擦の原因の一つになっているという指摘もあながち見当外れではない。 また、総理が日ごろ言われます物価の問題でも、経企庁の経済白書に出ております消費者物価指数の構成部分の中の減価償却、資本減耗引き当て、これは寿命を延ばしますとそれだけ減りますからコストが低下をすることになる。大体一〇%寿命を延ばしますとCPI、消費者物価指数で〇・六%、二割の場合には一・二%、三割だったら一・八%と、こういう数字になっておるのです。ですから資源もエネルギーも節約ができる。それから物価にもよい影響がある。さらには財源の確保にもなる。私は、総合的な施策の一つのかなめになるものではなかろうか、こう思うのです。実施のタイミング、経済は生き物でありますから、これはよく注意深く見る必要があると思いますが、今後の方向として、五十二年度の方向としてひとつしっかり据えていただきたいということで、総理の検討の決意をひとつ伺っておきたいと思います。
○福田内閣総理大臣 御指摘の問題は、長期的な課題とすると私はよく理解できるのです。しかし、いま五十二年という年はどういうことが問題になっているかというと、不況からの脱出だ。これが当面の社会的経済的な最大の課題であります。そういう際に景気を刺激するのは一体どうするか、こういうことになりますが、それはいろいろ方法はあります。そういう際の一つの方法として、この企業財産の耐用年数を短縮する、こういうことは一つの国際的な手法になっているくらいなものなんです。そういうのをその国際的な手法に反してこの際これを延長します、そういう考え方は当面としてはどうも適用しにくいような感じがするのですが、長期的な問題とすると、お話は私はよくわかります。
○荒木委員 長期、短期と分けて御答弁いただいたのですが、私はその短期的な点もひとつ十分お考え願わなければならぬじゃないかと思うのです。 時間があれですから簡単に要約して申し上げますが、大体、短縮してそして投資を促進し、需要をつくり出すということは、同時に供給能力を拡大をしていくことになる。それが十数年積もり積もっていまどうでしょうか、需給ギャップが大変でしょう。つまり需要は幾つかあります。まあ輸出もあれば財政もあるでしょう。ありますが、いま国際環境からいって外向きにそんなに勢いのいいことはとても言える状態ではない。財政は御承知のパンク状態だ。そうすると設備投資というこの経済活動の持っておる二つの側面ですね、需要創出とともに供給力をうんとふやしていくという、そのための需給ギャップというものがいまにつちもさっちもいかないという状態じゃないでしょうか。もう三割もある。だとすれば、これはやはり両方平均、つり合いをとらなければいかぬのですから、その意味で寿命を延ばしていく、そういったことは、いま国際的に短縮が常識とおっしゃったけれども、国際的に転換が常識になっているのですからね。だから、恐らく私は、そうしたような経済運営の考え方、つまり従来の発想、設備投資で当面の需要だけつくればいい、後は供給能力が幾らふえてもそのときの経済手法にゆだねるという考え方は反省の時期に来ていると思います、いまの不況の原因について。 だから、長期的にはお認めになったわけですが、それをひとつ全体の運営の基本としても検討されることを要望いたしまして、私の質疑時間が来ましたから、これで終わりたいと思います。
○坪川委員長 次に、大原一三君。
○大原(一)委員 まず最初に、数字を一、二お聞きしたいのでありますが、今回の三千億円を合計いたしまして、所得税減税総額、初年度で幾らになるでしょうか。それからもう一つは、地方税の減税、住民税だけをとっていただいて、減税総額を初年度でお聞きしたいと思います。事務当局で結構です。
○大倉政府委員 まず、所得税についてお答えいたします。 五十二年度、初年度分の政府案によります減税規模が三千五百三十億円、これに今回の三千億円を加算いたしますと六千五百三十億円ということに相なります。
○大原(一)委員 住民税を加えますと幾らになるのですか。
○森岡政府委員 住民税の減税は初年度で七百八十七億円でございます。
○大原(一)委員 そうしますと、合計で約七千九百億円になると思うのでありますが、次にもう一点お伺いしたいのですが、事務当局で結構ですけれども、今回の減税並びに社会保障費のプラスアルファの適用対象、全体で何人になるでございましょうか。
○吉瀬政府委員 今回の二カ月前進等の措置によります対象者は一千七百十三万人でございます。ただし、これは重複がありますので、その重複の正確な数はわかりませんが、まあ大体それに近い数だと思っております。
○大原(一)委員 われわれとしては一兆円の減税を希望したわけでありますが、まあ財政上その他の理由からトータルで七千数百億の減税にとどまったわけで、残念ではありますが、政府としては一応ぎりぎりの対応であると考えます。そういう意味で、今回の政府筋の機敏な対応に対しまして私は一応の敬意を表したいと思います。 先ほどある委員の方からお話ございましたが、今後における予算編成の過程で、今年もございましたけれども、編成前における野党との積極的な対応ということをわが党としては主張しておるわけでございますので、早速来年の予算編成におきましても、われわれはいま少し突っ込んだ野党との対応を希望するものでございます。 ところで、今回の減税の方法でございますが、いわゆる税額控除制度、それも一年限りということは、従来の税制関係の発想からすれば非常に変わった発想の転換であると私は考えるわけでございます。福田総理はたまたまアメリカへいらっしゃるわけでございますけれども、カーターさんの減税方式は全国民に対してアプローチをされる、いわゆるカーター方式でございますが、今回の措置は、先ほどの計数から申しますと、数字だけはほぼほとんどの国民に均てんがいく仕組みに相なったと思います。所得者数が五千三百万としまして、所得税の納税者三千三百万、先ほどおっしゃいました千七百万、多少重複ございますけれども、谷間に残る人は二、三百万という数字になろうかと思うわけでございますが、たまたまアメリカへ行かれまして、われわれにとっては三千億円という規模は非常に小さい金額でございましたが、野党に対する福田総理の、カーター会談のささやかなプレゼントができ上がったんじゃないかと私は思うのでございます。きっとカーターさんとこの方式について話題が出ることだと思うのでございますが、まあアメリカではシステムも違いますし、わが国ではいままで習熟しなかった新しい方式で、しかも一年限り、そういう意味で今回の税制改正は画期的な意味を持つものだと私は言いたいわけでございます。 われわれといたしましては、いわゆる戻し税を前提に政府側に要求いたしたわけでございますけれども、今回の措置を含めまして、減税の重点は景気振興にありというところに重点を置いて議論をしてまいったわけでございます。そういう意味におきましては、先ほどから総理並びに事務当局からのお答えの中からもうかがえるわけでございますが、何とかボーナス時期、年度途中においておおよそ夫婦子二人一万五千円の還付をなされますように、われわれとしても希望いたします。手続的にも源泉徴収で五月から十二月までやるということはロスも多いと思いますので、でき得ることなら一括還付で、しかも六月ごろボーナス時期にやっていただきたいと思います。その点につきまして、技術的に大きな問題はないと思いますが、もう一度大蔵大臣のお答えをいただきたいと思います。
○大倉政府委員 技術的にどうかという御質問でございます。先ほど来の御討議で出ております。できることならば早目にまとめてという御趣旨、よくわかるわけでございますが、その場合の最大の問題は二つございます。 一つは、全員が税務署に還付を求めに来ていただくという制度をとりますと、それはサラリーマンの方も大変でございますし、税務署の方もなかなか大変でございます。したがって、何とか源泉徴収をしているその勤め先の協力をいただきまして、その勤め先で月給と一緒に減税分が払われるということができるかできないか。仮にそれができました後のもう一つの問題は、申告所得者につきましてはやはり税務署でお受けするよりしようがないのですが、これは御承知のようにかなりの人数でございまして、いまの国税庁の職員の数、それから実際のルーチンの仕事の上に、そういうことがどれぐらいの時日と、どれぐらいの経費で可能かということを至急詰めてみたいと考えておるわけでございます。
○大原(一)委員 そこで、これも多少技術的になりますので主税局長からで結構でございますが、昨年度の納税者に対して還付するという仕組みであれば比較的簡単にできると思うのでございますが、その場合に一律一万五千円を還付するのか、それとも昨年度納めた税額の範囲内で還付するのか、その辺の手法について、現在考えられておることがございましたら、お答えいただきたいと思います。
○大倉政府委員 これは実態の問題でございますので、私どもがいまこうすべきだというふうな意見を申し上げる段階ではないと思います。与野党で御協議をいただく、私どもも意見を求められればそれなりに申し上げるということであろうかと思います。
○大原(一)委員 ただいまの点につきまして、納税者でない、つまり非納税階層とのつながりを考えますと、一律一万五千円、税金千円の人も一万五千円もらう、あと一歩で税金千円になる人はゼロだという不公平が起きるわけでございますので、私の希望でございますが、やはりそのつながりは十分技術的に考えていただきたいと思います。 先ほども申しましたが、われわれは今回の減税を、地方税あわせまして景気振興のための減税と観念いたしておりますので、その財源は赤字公債によるべきであるという議論をいたしてきたわけでございます。現在の政府の考え方によれば、第三・四半期ごろにはその状況もわかるであろうから、そのころ、場合によったら赤字公債の発行も考えなければならぬ事態があり得ると考えられるわけでございます。われわれが赤字公債に固執しました理由は、野党各党の議論の過程で、租税特別措置の整理合理化によっていま直ちに税源をつくる、財源をつくるということは、現在の景気の引っ込みから企業に与えるショックも厳しかろう、したがって企業課税になる部分は、何とか今年度の財源として考えることはやめようじゃないか、ただそのかわり、特別措置の整理合理化につきましては、長期税制の問題として今後考えるべき問題である、かように割り切ったわけでございます。それでほかの野党の方々と若干意見の食い違いを見たわけでございますが、先ほど社会党の委員からお話がありましたが、蔵券の発行によって、三千億を年度途中におつくりになるということも非常に重要なポイントであるというふうに私は考えます。何とか一律に、一時期に、しかもできるだけ早い機会に還付をしていただくような措置を私は希望いたします。 ところで、企画庁長官にお伺いしたいのでありますけれでも、現在の景気の引っ込みというのは、最初政府の方で経済見通しをおつくりになった時点に比べると大変深刻な計数がいっぱい出てきていると私は思うのです。企画庁長官には何回もお伺いしたのでありますが、お立場上大変楽観的なお見通しに聞こえるわけでございますが、鉱工業生産の推移にいたしましても、さらにまた在庫の再調整時期に入ったのではないかという点、設備操業率が一向に上向かない点、ただ、そういった国内経済の引っ込みが逆な現象ではっきり出ておりますのは、輸出ドライブになって輸出が大変よく伸びておる。恐らく今年度の見通しでは四十億ドルぐらいの黒字になるのではないか。政府見通しは二十一億ドルでございます。恐らく福田総理のカーター会見においてはその点がまたもう一つの議論になると思うのでございますが、輸出が伸びておるということは、逆に言えば景気が非常に悪いのだということでございます。現在の景気の引っ込みは恐らくは五十二年度もずるずる引っ込んでいかれる。そして出発点においてまずペースダウンがあるために、政府の見通しも一%ぐらいは切り込まれる可能性なきにしもあらず。公定歩合は、この前私が質問いたしましたように、六カ月か一年たって連動率が四割から六割ということでございますので、ある意味で現在の公定歩合の引き下げは遅きに失しておるのではないかという感じがするわけでございます。その点について企画庁長官の御見解を伺います。
○倉成国務大臣 お答えいたしたいと思います。 ただいまの、現在の時点でいろいろ出てまいっております指標が必ずしも楽観すべき指標ではないということは、御指摘のとおりでございます。しかし、百貨店の売り上げも一月に入りまして二けたになりましたし、またチェーンストア等の売り上げも、新店舖を入れますと二三・六%、新店舗を計算から除外いたしましても一五・七%の伸びになっているということで、個人消費も伸びてまいりました。したがって、四半期別の国民所得統計が近く出ると思いますけれども、十—十二月は確かに住宅投資あるいは政府支出が落ち込んだために多少伸びは落ちるかもしれませんが、一月から現在時点に至る段階におきましては、住宅投資また国鉄、電電等の取り返し、補正予算、七項目、この効果が着実に出ておりますし、ただいまお述べになりました輸出の高水準等もあわせまして、五・七%の成長は十分達成し得ると私は思うわけであります。五十二年度につきましても、やはり同じような点で各需要項目を積み重ねてまいりましたら、この五十二年度予算を速やかに通していただきまして、これによって一つのてこにして、安定成長路線につないでいきたいと思っておるわけでありまして、決して前途を悲観すべきものではないと考えております。
○大原(一)委員 景気論争は往々にして非常にすれ違いになりがちでございますが、私はもう一つの側面から現在の景気を分析して、大変な貯蓄超過の経済であると思います。国民経済計算は収支がバランスが合うように事後的にでき上がっておりますけれども、実際の経済はそうではございません。たとえば金融機関の貯蓄の伸び率、これは石油ショック以前と石油ショック以後と変わっていないのですね。ところが民間設備投資の伸び率は大変な変わり様であります。年率で金融貯蓄は一八%四十八年以前は伸びておるわけでございますが、民間設備投資はそれに対して二二%伸びているわけです。ところが、それ以後は、貯蓄の伸びは一八%でありながら、民間設備投資は八%か九%になっているわけですね。ですから、こういう経済情勢の中におきましては赤字公債の発行も非常な大義名分を持ってくるわけであります。総理は貯蓄経済ということをおっしゃるのでございますが、せっかくの貯蓄が眠っておる、その眠った貯蓄を引っ張り出してきて有効需要に転化するには、赤字公債を発行して減税に回せという理屈になると私は思います。まあ今年度の結果を見なければわかりませんが、公共投資はまず乗数効果が高い部分は上の方からインパクトが早目にいくと思いますが、減税の方は家計の消費から上へ向かっていくのですから、どうしても乗数効果は経済に対するインパクトが弱い。弱いが、これはじわじわまいりますので、年央から末にかけて効果が出てくる。予算は早期成立がまず必要でございます。われわれもわれわれの立場において早期成立に努力してまいりますが、そういう意味において、今回の公共投資と減税の絡み合わせば、今年度の貯蓄超過の、きわめて貯蓄の多い経済状況から言ったら、私は今回の改正を評価をいたしたいと申し上げるわけでございます。お答えは要りませんが、どうかひとつ総理大臣、アメリカへ行ったら大いにカーターさんとこの戻し税方式について御議論いただいて、その御意見をお聞かせいただきたいと思うのであります。 私の質問をこれで終わります。
○坪川委員長 先ほど村山委員の御質疑に対しまして答弁が保留されておりました。政府より答弁したき旨の通告がありましたので、これを許します。杉浦鉄道監督局国有鉄道部長。
○杉浦政府委員 お答えいたします。 公共企業体の年金改定に伴いまして、この実施時期を二カ月間繰り上げるということで所要額幾らかというお尋ねでございます。国鉄が四十五億円、それから電電公社が六億円、それから専売公社が二億円、合計五十三億円でございます。 なお、公企体の年金の財源は各組合員の掛金、それから公企体の負担金で賄っておりますので、一般会計への負担というものはございません。 —————————————
○坪川委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 来る十六日、参考人の出頭を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坪川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 —————————————
○坪川委員長 この際、お諮りいたします。 去る二日、五個の分科会並びにその区分について決定したのでありますが、この際、都合により、改めて六個の分科会を設置することとし、各分科会の区分は 第一分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府(経済企画庁、国土庁を除く)、法務省所管、他の分科会の所管以外の事項 第二分科会は、外務省所管、大蔵省所管、労働省所管 第三分科会は、厚生省所管、自治省所管 第四分科会は、農林省所管、通商産業省所管 第五分科会は、経済企画庁所管、国土庁所管、郵政省所管、建設省所管 第六分科会は、文部省所管、運輸省所管といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坪川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 次に、分科会の分科員の配置及び主査の選任、また、委員の異動に伴う分科員の補欠選任並びに主査の辞任及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坪川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 明十一日から分科会の審査に入ります。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十二分散会