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80回国会衆議院1977/05/20

法務委員会 第17号

発言数
42
登壇者
5
会派数
2
開催日
1977/05/20

会議録

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 これより会議を開きます。  横山利秋君外六名提出、政治亡命者保護法案を議題とし、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。横山利秋君。     —————————————  政治亡命者保護法案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

横山利秋日本社会党

○横山議員 ただいま議題となりました日本社会党提案の政治亡命者保護法案について、提案者を代表し、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。  すでに御承知のように、国際的に一九五一年の難民条約があり、わが国も速やかにその批准をするよう強く求められているのであります。  数年来、わが国に庇護を求めて入国した外国人や強制送還を拒否して訴訟を起こした外国人などがあり、その都度政治問題化しております。わが党は四十四年この課題にこたえて、国会に法案を提案いたしましたが、成立に至りませんでした。  今回六十五九国以上に及ぶ難民条約加入国の増加など、国際情勢の変化にもかんがみ、新たな検討を加え、本法案を提出した次第であります。  以下法案の概要について御説明申し上げます。  第一に、法の目的として世界人権宣言第十四条の規定の趣旨にかんがみ、政治亡命者の保護を図るため、これに対する在留資格の付与その他必要な事項について、出入国管理令等の特例を定めることといたしております。  第二に、政治亡命者の定義は難民条約と同様とし、人種、宗教、国籍、特定の社会的集団への所属、または政治的思想を理由として自国において迫害を受けるおそれがあるため、自国の外にあり、自国の保護を受けることができず、または自国の保護を受けることを望まない者としております。  第三に、本邦にある外国人は永住許可者を除き、すべて政治亡命者としての在留資格の取得ができるものとし、不法入国者、不法残留者なども法務大臣へ申請することによって在留資格を取得できることとしております。  第四に、申請に対する許可または不許可の処分があるまでの間、不許可の処分に対する出訴期間及び当該処分についての取り消し訴訟の提起後六十日間は本邦から退去させることができないものとしております。  第五に、政治亡命者といえども一定の場合には退去強制を求めるものとしておりますが、その事由は出入国管理令二十四条に比して著しく限定しております。  第六に、右の場合の送還先については、迫害を受けるおそれのあるときは本国に送還せず、本人の希望する国としております。  第七に、政治亡命者としての在留資格を取得した者については、当該在留資格の取得前の不法入国等の行為は処罰しないものとしております。  その他、在留資格の変更、更新など、所要の規定をしております。  一九四八年の世界人権宣言は、人類の基本的権利と自由を平等に享受することを明らかにし、国連はあらゆる機会に難民に対し深い関心を増し、この基本的権利と自由を可能な限り最大限に難民に与えようと努力し、また難民の地位に関する国際条約の批准を全世界に求めています。  近代国家としてわが国がいまもなお、世界の大勢にかかわらず難民条約の批准を怠り、国会に条約等を提出しないことは遺憾なことと言わなければなりません。  この際、政治亡命者の在留資格など最小限度の要点について、難民条約の批准前といえども法定することが緊要と考え、本法案を提出した次第であります。  何とぞ御審議の上、速やかに御賛同を賜らんことをお願い申し上げます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。      ————◇—————

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 社債発行限度暫定措置法案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 中小企業庁に来ていただきまして、先般参考人を呼びまして、そして本法案に対する質疑を行ったわけでありますが、その中で、特に商法と中小企業の問題について参考人の意見を聞いたのであります。その際、鴻参考人からいろいろな御意見を承りました。  要するに、時間がございませんから簡潔に申し上げますが、今日の現行法の商法が中小企業とどういう関係にあるかということであります。端的に言いますと、たとえば中小企業が厳格な株式会社法の規定を遵守するにたえない。だから、実際問題としては、商法の規定は中小企業が実行をしていない。形の上では実行しておるけれども、実行をほとんどしておらない。まあ、よく税務署が同族会社に対していじめるのでありますが、その際に言うことが、専務さんはどなたですか、奥さんです。奥さんどこにおりますか、裏におります。裏で何やっているのですか、おむつを洗たくしております。おむつを洗たくする専務が、と言って苦笑いをしておるわけでありますが、この商法と中小企業の実態について、中小企業庁としてはどんなことをお考えになっていますか。

西山敬次郎中小企業庁次長

○西山政府委員 中小企業は、御説のとおり非常に閉鎖性の強い小規模な企業が多いわけでございまして、そういった観点からは有限責任の企業が多かったわけでございます。ところが最近になりまして、かなり有限責任の中小企業におきましても株式会社成りが進んでおるわけでございます。実態を申し上げますと、現在では有限会社であります中小企業が約七十万、それに対しまして株式会社の数は八十二万以上ということでございます。しかも、株式会社の約九七%が資本金五千万円未満の企業となっているわけでございます。ところが、そういう事情でございまして、実態といたしましてはかなり株式会社成りが進んでおるわけでございますけれども、実行面におきまして、あるいは総会の開催手続とかあるいは取締役会の意思決定の方法とかあるいは貸借対照表の公告など、現行の株式会社法の規定が必ずしも十分守られていないという現状にあろうかと思っておる次第でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 必ずしもとまあおっしゃったのですが、そこで、たとえばまず第一に見せ金の株金払込金によって会社を設立する、それが第一。いわゆる名義株主をつくって一人会社の実をおさめる。それから株券を発行しないで株式を転々譲渡せしめる。株主総会を開かないでいかにもこれを開いたように擬装する。まあ例示列挙をいたしますとそういうことなんでありますが、その実態をどうお考えになりますか。

西山敬次郎中小企業庁次長

○西山政府委員 ただいま私の手元に神戸大学の調査の資料があるわけでございますが、これによりますと、いま先生の御質問のような事情がかなり計数的に整理されておるわけでございまして、いろいろと実態が会社法の規定に反する、乖離した面があろうかと思うわけでございます。したがいまして、われわれといたしましては、ただいま商法の改正のために法制審議会の商法部会が開かれておるわけでございまして、この機会に実態を踏まえた議論が行われることを期待しておりますとともに、われわれといたしましても、必要に応じまして検討を加えた上で、必要な意見は申し上げさせていただきたいと思っておる次第でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 必要な意見をいま聞いておるのでありますから、中小企業庁としてこの問題、いま指摘をいたしました幾つかの問題を含めて、お考え、御意見を願いたいと思いますが、要するに、なぜ株式会社になりたいのか。一つは社会的な評価を高めたい、一つは税金が個人企業の場合よりも安い、そういう二つだと思うのであります。その二つの利益を得んがために、この実態が何もないのに、あるいは商法の規定を全く表面的だけ行って、株主総会を開かずに、いかにも株主総会を開いたがごとく書類を作成する。その書類の作成なんぞに至っては、恐らく社長は全然御存じないで、公認会計士か税理士さんが適当につくっておることが常識なんであります。だから、もとへ返って、株式会社の方が社会的評価が高く、税金が安いということが一体適当なことであろうかどうかということについてはどうお考えになりますか。

西山敬次郎中小企業庁次長

○西山政府委員 はなはだ遺憾なことでございますが、われわれといたしましては現在のところ十分な検討をなしておりませんので、今後検討を進めさしていただきたいと思っておる次第でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そんな頼りない返事では困る。商法の審議がここで行われており、あなたが長年中小企業庁の次長として、また中小企業問題の権威者としてやっておられるのに、そんなあいまいな答弁では困るのであります。いままで商法と中小企業の問題についてはなるべく触れたくない、恐らくあなた方はそうお考えだと思うのであります。そういう点では、政務次官は長年大蔵で税金の問題もやっておられたし、今度の商法のこの法案についても大変造詣が深い方でありますから、さぞかしわれわれを納得させる答弁があると思いますから、一遍御意見を伺いたいと思います。

塩崎潤自由民主党法務政務次官

○塩崎政府委員 御納得していただけるかどうかわかりませんが、私も長らく税金を横山先生御指導のもとにやってまいりまして、実態は横山先生御指摘のとおりだと思います。  商法をどの程度中小企業がこなしているかと申しますと、おっしゃるとおりでございまして、私は、いま社会的な地位の獲得ということと税金が安いということの二つ御指摘がありましたが、もう一つ、やはり中小企業の願いは有限責任、この三つが株式会社たらしめる原因だと思うわけでございます。  そこで私は、有限責任制度、この問題は、いまの商法がヨーロッパから発達いたしました商法だけに、家計と企業とが完全に分離いたしました近代的な企業を前提としておる、したがって現在の中小企業には適しないというふうに私も考えております。ドイツなどでは御承知のようにいろいろの形態の根拠法規がございまして、それに応ずるところの有限責任制度が認められ、中小企業がたとえばクルップと同じような法的形態をとらない、こんなような仕組みができておりますが、日本も御指摘のように中小企業庁が本当に率先して商法の妥当性の問題あるいは限界の問題、これを研究しなければ、いまのままでは中小企業が利用するところにならないと私は思っております。  しかしこれは、日本全体の法制がそのような傾向があると思うのでございます。日本の法人税法も多分にそういった傾向があることも言うまでもありませんし、これらの問題は、御指摘のように、中小企業庁の次長が言われておりますように、商法のみならず税法あるいはその他全般の法律について、本当に家計と企業とが渾然一体となっておりますところの家業的なものに妥当する法制を考えるべきときだと私は考えておるのでございます。  なお税金の問題は、もう御指摘のとおりでございますが、会社になりますれば家計と企業が分離される、それだけに税金が変わってくるということのほかに、御案内のように、会社になりますと大企業中心の法人税が適用になりますためにこんな結果が起こるわけでございますが、むしろ個人の事業形態の方が安くなるような税制を今後考えていく必要があろう、こんなふうに考えて、私は税制についても新しく検討し直すべきだ、こんなふうに考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 西山次長にお伺いします。  いまも政務次官からお話がございましたが、一体、所得どのくらいの中小企業が個人から法人に転移したくなるか、税制上の利点は、どのくらいの企業になったら法人になりたがるか、御存じだったらお答えを願いたいと思います。

西山敬次郎中小企業庁次長

○西山政府委員 これにつきましても、早急に調査いたしまして、御報告さしていただきたいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 おかしいな、そんなこと答えられないかな。  それから、とにかく法人になることがきわめて簡単である、法人になることが簡単であり過ぎるがゆえに、中小企業が法人になったらどんなことをしなければならないかという束縛が何もないのですね。だから、単に法人になったということだけであって、法人になったがゆえに行わなければならないことが何にもないから、そのまま個人企業の実質というものが法人の中にずっと生き残っていって、少しも近代化をする屈折点にならないということなんです、私が日ごろ考えておりますのは。中小企業は中小企業のおやじの能力以上には伸びないとよく人が言うわけです。確かに私も至言だと思うのです。零細企業が中小企業になっていく発展過程を見ていると、どこかで大きな打撃を受ける場合がある。なぜ打撃を受けるかというと、環境が非常に発展してきているのに、対応能力を社内で充実をしていない。近代化をしていない、おやじのワンマンがいつまでも続いておる、組織化が行われていないところに、ある段階にいきますと、中小企業はおやじの能力以上は発展しないし、同時にまた、何かの打撃を受けたときにその転換がうまくいかない、こう言われておるわけであります。ですから、中小企業庁として中小企業の近代化なりいろいろ経営の合理化なりを御指導なさっているのは認めるけれども、法人化する場合にどうあらなければならないかというその大事な組織形態の変更についての指導は、いま皆無であると私は思っている。勝手にやらせておる、勝手にやった方がまた得だからやらせておる、ほかってある、そういうことに思うのでありますが、あなたの方で、商法というものについての教育、それから会社組織にするときにおける教育、会社組織にしたことによって何を守らなければならないかということの教育、会社組織というものが本来近代的なものであって、それの運用はいかにあるべきかということについての教育というものは、まことに法制的には皆無ではないかと思うのですが、何かおやりになっていますか。

西山敬次郎中小企業庁次長

○西山政府委員 中小企業は、その特徴といたしまして、いまさら申すまでもございませんが、非常に機動性があるとか、あるいは労使一体となってやりやすいといったいろいろなメリットがあるわけでございますが、反面、ただいま先生の御指摘のように、ビジョンに欠けるところがあるとか、あるいは経営を私物化するおそれがあるとか、あるいは経営の管理能力に欠ける場合もあり得るというような欠点もあろうかと思うわけであります。今後経済が従来の高度成長時代から安定成長時代に移るにつきまして、やはり企業の経営というものは、今後はきめ細やかにしていかなければならないと思うわけでございまして、そういった観点から、今後は早急に、われわれといたしましても、中小企業の経営のあり方につきまして検討させていただきたいと思っておる次第でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そういう一般論を伺っているわけではないのであります。商法と中小企業という問題について、もっと詰めた議論をあなたといたしたいと思っているのです。お答えがないということは、商法教育というものをなさっていらっしゃらないと感ぜざるを得ないのでありますが、それではあなたは、現行の商法は中小企業が遵守し得ると思っていますか。

西山敬次郎中小企業庁次長

○西山政府委員 現行の商法の規定、特に株式会社法の規定につきましては、現状の中小企業のままでございますと、先ほど申し上げましたように、なかなか、実態と乖離した点もございまして、遵守しにくい点もあろうかと思うわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 現行の商法、特に会社組織に関する先ほど例示列挙をいたしました諸点については、ほとんどみんな罰則があるわけですね。それは文書偽造にも関連をいたしますし、刑法上のいろいろな罰則があるわけです。その刑法上の罰則は、適用しようとすれば全部できるわけです。天下の数十万の中小企業が全部商法違反、株式会社法違反を現実にしておるということは、あなたはお認めでしょうね。

西山敬次郎中小企業庁次長

○西山政府委員 実態が必ずしも法規と一致していない点があろうかということは存じておる次第でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そこで、あなたに詰めた議論のその次は、これを一体放置してよろしいかということです。私は、単に法律だから守れと言っているわけではありません。株式会社にすることによって、それが中小企業の一つの大きな転換期であるという意識、そして近代化、そういうことをする絶好の機会である、そう思うがゆえに、単に横山商店が横山株式会社になりましたといって、従業員を集めて、私は社長だ、女房は裏でおむつの洗たくをしておるけれどもこれは専務だというような訓辞をするだけでは何の意味もない、こう思っているわけです。  そこで、それならばこの問題について大きく言えば二つの方向がある。一つは、どうしても守らせるということの方向であります。もう一つは、守れないとするならば守れるように変えなければ意味がないという二つの方向であります。大きく言ってこの二つの方向だと思いますが、あなたはどちらをお考えになりますか。

西山敬次郎中小企業庁次長

○西山政府委員 いろいろと検討させていただきまして、今後守らせるべきであると思われる点と法改正を検討すべきであるという点の整理をいたしてまいりたいと思っておる次第でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 あなたは速記録に残るから言葉遣いに慎重なんでありますが、原則的にはどちらの方向をお選びになるかと言っておるわけであります。現行法を守らせるという方向を選ぶか、それとも守れないのだから守れるような条件を法律的にもつくらなければならぬか、どちらをお選びになりますかと言っているわけです。

西山敬次郎中小企業庁次長

○西山政府委員 私といたしましては、むしろできるだけ守れるような法規に改正いたす方向で検討したいと思う次第でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 法務省に伺いますが、私が先年の商法の改正のときに附帯決議を同僚諸君とともにいたしました。その附帯決議に、一つは大きな会社の社会的責任ということを強調いたしました。それから大中の区別という、どういう表現であったかちょっと忘れましたが、そういう点も附帯決議に相なっておるわけであります。ところが、一部に誤解がどうも生まれたようでありまして、何か株式会社というものを二つに分けて、たとえば一級株式会社、二級株式会社のような、そういうふうに格差をつけるのは望ましくないとか、あるいはそのほかのいろいろな理由をもちまして、この考え方、いま中小企業庁にお伺いいたしました気持ちが十分くみ取られていないような意見が一部に出ておるわけであります。その点について、いままでの中小企業庁と私との質疑応答について、法務省はどんなお考えをお持ちでございますか。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 御指摘の附帯決議もございまして、当委員会においてたびたび申し上げておりますように、ただいま法制審議会におきまして株式会社法の全面的な見直し作業をやっておるわけでございます。その一つの大きな柱といたしまして、ただいま問題になっております大と中小に分ける、そういったことが一つの大きな議題になっておるわけでございます。私どもといたしましては、確かに御指摘のとおり、現在の株式会社法は中小企業にはちょっとそぐわないと申しますか、大多数の株主あるいは債権者その他の利害関係人が生ずることを予想して、いろいろなそういった関係者の保護も図りながら会社企業を健全ならしめるというふうな趣旨で株式会社法ができておりますので、実態から申しますと、中小企業にとっては必ずしも必要でない規制が多々あるように思うのであります。やはりそういったところを整理いたしまして、いま仰せのような中小企業が守れる商法にしなきゃならぬというふうな方向で検討をお願いしたいと思っておるのでありますけれども、この問題はなかなか、先ほどもお話がございましたように、一つの社会的信用と申しますか、株式会社という名称による社会的信用と税制と、そのほかいろいろ、有限会社というふうなものが利用されればいいのでございますけれども、有限会社の有限という言葉から来る一つの社会的な忌避と申しますか、そういったものもあるやに伺っておるわけでありまして、やはりその辺のところをきめ細かく手当てをしながら、どうしてもこの二つに分ける方向はぜひ実現したいというふうに考えておるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 今度刑法の贈収賄の一部改正が次期委員会から問題になると思うのでありますが、私どもはこの商法の中で幾つかの力点を置いておるわけであります。  一つは、大企業、独占企業については、もはや、大きな社会的責任を持っているから、商法の中で、ないしは商法以外の独立立法なりあるいは関連法規の中で、大企業の社会的責任を重視をして、どういう方法が望ましいかは別としまして、たとえば贈収賄をした場合に、贈収賄をした本人のみならず会社に対する両罰規定を設けるとか、あるいはまた、その会社ないしは会社の役員が起訴をされました場合には、行政機関が、国のみならず地方団体も、取引を一たん中止をすべき義務を負わせるとか、これはすでに地方自治体では行政判断でやっておるところもございますけれども、そういう大企業に対する特別の社会的責任を追及をする規定を法規の中で設ける、この角度が一つ。  それからもう一つは、いま申しましたように、中小企業について、株式会社法による特典と申しますか、それを棄損することなく、中小企業の実態に合わして、その取り扱い、先ほど例示列挙いたしました諸問題についてはこの商法の規定を緩和する、そういう二つの側面を私どもとしては考えているわけであります。  しかし、それは単に商法の中だけで実現ができるものではなくて、何が望ましいかということは中小企業の利害関係、選択によっても決まるものでありますから、やはり税制とか金融とか、そういうものが個人企業と中小企業の間で選択が商法を離れてできるということでは、これは実行を期しがたいと私は考えているわけであります。しかし、さはさりながら、株式会社法の審議が法制審議会でも進む過程においては、中小企業庁がかなり積極的にこの問題について、中小企業の実態をとらえて具体的な提案なり建議をなさらなければ、これはもうそのままに放置される可能性は十分だ。私のようにこういう発言をする者は実際問題としてはそんなにないのではないか。その発言によって、マイナス要因だけが浮かび上がって、プラス要因が余り浮かび上がらないとするならば、またぞろ放置される結果になる、そう私は憂慮をしておるわけでありますが、重ねて法務省と中小企業庁のそれぞれ御答弁を簡潔で結構でございますから願いたいと思います。

塩崎潤自由民主党法務政務次官

○塩崎政府委員 私は、横山先生の実態に即した御意見が全くごもっともだと思うのでございます。しかし、先ほど来申し上げておりますように、日本の法制が、先進国という言葉が適当かどうかわかりませんけれども、ヨーロッパ的な法制をとってまいりまして、これでおくれた企業にまで適用しようとしているところに御指摘の大変な問題があろうかと思います。私は、この際、御指摘のように全般的に中小企業が本当に守り得るような法制をつくり上げる——それは商法だけでないと思います。税法もそういった観点から見直す必要がいま御指摘のとおりにあろうかと思うのでございます。  さらに、経済犯につきましては、行為者処罰という日本の刑法の原則から、会社処罰というアメリカ流と申しますか、新しい考え方を入れることも大きな方向として検討しなければならぬ、こんなふうに私は思っているのでございます。それもいままでの伝統的な考えから見ますとなかなかむずかしい問題もございます。  そのような問題をあわせまして、いま御指摘の中小企業にも妥当するような法制、この問題について真剣にいま検討すべきことだ、こんなふうに私は考えております。

西山敬次郎中小企業庁次長

○西山政府委員 実態をよく調査いたしまして、中小企業の守りやすい方向で検討いたしたいと思っております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 終わります。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 ちょっと速記をやめておいてください。     〔速記中止〕

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 速記を始めてください。  これにて質疑は終了いたしました。     —————————————

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 次に、ただいま可決いたしました本法律案に対し、保岡興治君外五名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、新自由クラブ及び無党派クラブの共同提案に係る本案に対して附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提案者から趣旨の説明を聴取いたします。横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、新自由クラブ及び無党派クラブを代表して、附帯決議案の趣旨について御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     社債発行限度暫定措置法案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当り、社債権者、一般債権者、株主及び中小企業等の保護を図るため、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一 企業の自己資本の充実を図るため、財務内容の強化に努めるとともに、法制面での措置についても検討すること。  二 投資家保護のため、社債についての公正中立な評価制度が確立されるよう公社債市場の環境整備を図ること。  三 中小企業が社債制度をより一層活用できるような方策を検討するとともに、金融機関による社債の大量消化が中小企業金融を圧迫しないよう配慮すること。  四 社債の発行条件の弾力化、流通市場の民主化を図るなど、公社債市場の育成発展に努めること。 以上であります。  本案の趣旨については、委員会の質疑の過程ですでに明らかになっておりますので、省略いたします。  何とぞ本附帯決議案に御賛同あらんことをお願いいたします。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  直ちに採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。(拍手)  この際、塩崎政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。塩崎政務次官。

塩崎潤自由民主党法務政務次官

○塩崎政府委員 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して、できる限り速やかに実現するよう努力すべきものと考えます。     —————————————

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 次回は、来る二十四日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十時五十五分散会

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