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80回国会衆議院1977/05/17

法務委員会 第15号

発言数
57
登壇者
7
会派数
3
開催日
1977/05/17

会議録

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 これより会議を開きます。  社債発行限度暫定措置法案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。正森成二君。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 先日、大蔵委員会との連合審査がございましたが、そのときに、私の伺っておりましたところでは、現在提出されておりますこの社債発行限度暫定措置法案というのはまさに暫定であって、将来は商法の他の部分の改正とあわせて、社債発行の限度というのは、俗な言葉で言えば取っ払うのだという意味の御発言がございましたが、それはそのとおりですか。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 その点、この前も申し上げましたように、株式会社法の全面改正の法制審議会における御審議の中で、社債の問題が当然議題になるわけでございまして、その際に、この暫定措置に関する商法部会でのいろいろの御意見を承っておりますと、方向としては将来撤廃するというふうな方向に行くのではないか、かような趣旨でございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 そうだといたしますと、本法の審議というのはそういう点も考えてやはり議論を尽くしておく必要があるというように思うわけですが、いろいろ学者の言っておるところによりますと、たとえば昭和二十五年に、これまで株主総会の決議でございました社債発行が、取締役会の決議でできるということになりました。これは授権資本制度を導入して、増資も取締役会で授権資本の限度内ではできるというようにしたのと相まって、機動的に資金を獲得するという点を配慮したものだと言われておりますけれども、同時に、一部の学者の書いたものを読みますと、そのときに二百九十七条で発行に一定の限度を設けたということは、やはり株主の保護といいますか、株主が事前にチェックする方法がなくなったわけですから、せめて総額においてチェックしておくという面もあったのだ、これは鴻教授などの説とは違いますけれども、他の学者ではそう言っている人もおるわけですね。そういう点から言いますと、社債発行に関する法律は、株主保護、それから社債権者保護、一般債権者保護、いろいろな組み合わせでなければならないわけですが、株主保護の見地から言いますと、どういうように考えておられますか。ただ、株主の一般的な権限で事後にチェックすればいいというようにお考えですか。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 将来、株式会社法の改正の際に、先ほど申しましたように、もしも社債発行限度枠を撤廃するというふうな措置がとられるといたしますと、その審議の過程で、いまお述べになりましたような、株主総会でチェックするかしないかというふうな株主保護の見地からの議論も当然されると思うのでありますけれども、社債の発行というのは一種の債務を負う行為でございますから、それを株主保護の見地から何らかの形で総会でチェックするというふうな方向を考えるといたしますと、やはりより会社にとって負担が大きくなると申しますか不利なというか、そういった一般の借入金をどうするかというふうな問題との均衡でやはり考えなければなりませんので、これは私の個人的な見通しでございますけれども、社債の枠を撤廃いたしましても、それに伴って株主保護の見地から何らかの株主総会でのチェックを考えるというふうなことは、恐らくとられないのではないだろうかというふうに想像するわけでございます。やはり、そういった社債の場だけでなしに、実質が株主がオーナー的なものから投資家的なものになってきているというふうな実態を踏まえまして、やはりそういう実質に着目したいろいろな面からの株主保護ということは当然考えなければいかぬのじゃないかというふうにも考えているわけでございまして、さような意味で、その一環として、社債の場でどういうふうなことを考えるかということが確かに問題にはなろうかと思うのであります。  ただ、現在の法案での枠の拡大の場で考えました場合に、これは決して枠の拡大を乱用して余分の社債を発行するというようなことではもちろんないわけでございまして、資金需要の必要があるというときに、やはり長期安定資金の調達ということで利用されるわけでございます。そうしますと、やはり金の要ることは、そういった需要は同じであるという場合に、社債によるかあるいは借入金によるかというときに、やはり社債によった方が、株主保護というか、直接結びつくことではございませんけれども、やはり借入金よりは株主にとっては有利だというふうな面が確かにあるのじゃないか、かように考えておるわけでございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 それでは、時間がございましたらその点は後ほども議論するとして、今度の二百九十七条の改正によりますと、証取法の附則四項といいますか、それは拡大された枠についてだけ適用するということになっておるわけですね。しかし将来の方向としては、ディスクロージャーと申しますか、企業内容を周知させるということは、拡大された枠にとどまらずに、すべての社債権者に対して行われるということが望ましいし、そうでなければならないと思いますが、それについてはどうお考えですか。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 いまのお尋ねの問題は、大蔵省の所管の法律の問題でございますけれども、私の考えますのは、一般論としては、おっしゃるとおりやはりディスクロージャーの制度というものは、無担保の社債はもちろん、担保付社債全般にも広げていくべきだろうと思うのであります。ただ、戦後、証取法ができましてから二十数年、担保付社債については適用しないということでずっとやってまいりましたので、さような一つの慣行的なというか、定着したそういうものがあるわけでございまして、それを一挙に全部の担保つきについて適用するというふうに持っていくのは、やはりいろいろの面で支障があるのじゃなかろうか。事務的な問題を考えましても、これを受けてされる大蔵の事務当局におきましても、やはりそれだけの体制を十分準備しなければならぬ面もございましょうし、今回の法案は暫定措置でございますので、やがて先ほど申しましたように枠を撤廃するようなときまでには、この問題は十分検討されまして、お説のような方向も十分考えられることだろうというふうに私は想像しているわけでございます。

森卓也大蔵省証券局企業財務課長

○森説明員 お答えいたします。  ただいま民事局長から御答弁がございましたとおりでございまして、今回は暫定措置法という性格から特別の手当てということで考えたわけでございますが、商法の限度内の社債についてのディスクロージャー義務という問題についても問題がないわけではないということは、私どもも十分認識しておりますが、何分にも、いまお話がございましたように、二十八年以来定着してきた制度でございますので、これを改正するということになりますと、証券取引法全体の問題にもいろいろかかわってまいりますので、大蔵大臣の諮問機関でございます証券取引審議会に審議をお願いするというようなことを含めまして、十分今後検討してまいりたいというふうに考えております。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 さらに、将来制限を撤廃する方向であるという答弁に関連して申し上げたいと思うのですが、そうなりますと、いよいよ、無担保社債について社債権者保護で認められております財務制限条項、配当制限条項とかあるいはクリア条項と呼ばれております担保制限条項とか、いろいろございますが、そういうものを担保付社債等についても枠を広げていくといいますか、そういうような配慮というものは必要になってくるのじゃないかというように思いますが、そういう点についてはどうお考えですか。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 一般的な考え方としてはお説のとおりだと思うのであります。ただ、これに関連しまして、現在ちょっと法制上疑問があるわけでございますが、社債と申しますのは多数の者が社債権者になるわけでございまして、そういった場合に、社債権者保護の見地から、発行会社との間でいろいろの折衝をすると申しますか、いまお説のような財務制限条項をどうするかというふうな問題も含めまして、やはり委託会社、受託会社のそういった義務なり権限というふうなものとあわせましてこの問題は考えていかないと、単に債権的な契約と申しますか、後で違反があってもどうにもならぬというふうなことでは余り意味がないわけでございますので、その辺の関連とあわせて考えなければならぬだろうというふうに思っております。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 香川民事局長からそういう御答弁がありましたから、いまの答弁の点に関連して伺いたいと思いますが、わが国では、商法の三百十九条以下に社債権者集会というのが規定されておりますね。しかし、多くの社債権者にとって、社債権者集会を開いて担保の実行をどうするとかいろんなことを決めるというのは、実際上非常に迂遠でもあるし、不可能にも近いことなんです。それで、わが国にいままで社債権者集会を開いて、裁判所に決議事項の認可といいますか、そういうのをしてもらうという例が一体あったのかどうか、それを過去の例に照らして答弁していただきたいと思います。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 私どもの承知している限りでは、そういうことはなかったように承知いたしております。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 ですから、商法の三百十九条以下に非常にもっともらしい条文が十数項目並んでおりますけれども、それは実際上活用されておらない法文であるというように言ってもいいと思うのですね。もしそうだとするならば、無担保の社債権者の保護をいたすにしましても、あるいは一般的に社債権者を保護しますにしましても、世間でよく使われているあるいは実効性のある権利保護を考える必要があるということは、やはり私もそう思いますし、広く指摘されているところだと思うのですね。そういう点から言いますと、あるいは学者が言っておりますように、わが商法が、受託会社を社債募集の委託を受けた会社というように規定しておりまして、たとえば外国の一部のように、社債権の管理の委託を受けた会社というようには規定しておらないというところに非常に問題があるというように考えられるわけであります。アメリカの信託証書法などによりますとその点が非常にきっちりされていると思うのです。そこで、そういう経緯に学びましてといいますか、かんがみて、社債権者集会の規定を実効あるものにするか、あるいは受託会社の権限というものを、募集の委託を受けたというようなことではなしに、もう少し社債権者のために管理権を持つ、そして裁判上、裁判外のいろんな行為を行うというように全般的な見直しをする必要があるのじゃないかというように思われますが、その点についてはいかがですか。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 先ほど仰せのとおり、社債権者集会が開かれた云々の例がないというふうなことは、結局法律的には、いまおっしゃるように商法上の受託会社というのは募集の委託だけというふうな見方もできるわけでございますけれども、実際問題としてウエットにそういうところはいろいろ社債権者のために現実には動いておるというふうな実体を反映していることだろうと思うのであります。そういう意味から考えますと、おっしゃるような方向というのは実務的には定着しておるというふうに見られますので、私どもとしては、将来、商法の改正の際に、商法中の社債に関する規定と担保附社債信託法とをむしろ一緒にいたしまして、そして社債法というふうな単行法をつくって、その中で受託会社というものの位置づけをいまお説のような方向で考えてみたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 大蔵省が来ておられるようですから、いまの答弁に関連して伺いたいと思いますが、法務省の民事局では、商法の社債に関する項と担保附社債信託法とを一緒にして考えていきたいということですが、それに関連して、証取法との間で若干整備を要するという点がやはりあるのではありませんか。その点はないと思っておられますか、それともあると思っておられますか。

小粥正巳大蔵省証券局資本市場課長

○小粥説明員 いまのお尋ねでございますが、たとえば証取法上の募集という概念がございます。それから商法上の募集という概念がございます。同じ言葉を使っておりますけれども、これはたとえば内容がある程度違いがございます。一例でございますけれども、用語概念を含めまして、先ほど法務省からも御答弁がございましたように、私ども所管しております証券取引法上の社債に関する諸規定と、商法あるいは担保附社債信託法その他の諸社債関係法規との調整、これはやはりある程度必要ではないかと私どもも考えております。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 先ほどからの質問に関連して少し伺いますが、配当制限条項がある場合に、その制限条項にひっかかって配当を無配にしたとか現金配当でなしに株式配当にしたという例が最近二、三見受けられるようです。それはやっぱり配当制限条項の実効性を示す事例があらわれたと思うのですが、幾つかの例がございましたら御説明ください。鐘紡とかキヤノンとかあるのじゃないですか。

小粥正巳大蔵省証券局資本市場課長

○小粥説明員 ただいま先生お尋ねの社債発行につきましていわゆる財務制限条項を付しております例は、国内では無担保の転換社債、転換社債の一部、ごく優良企業に限って例がございますが、もう一つは、わが国が外国で社債を発行しておりますときに、海外では担保をつけないで発行いたしておりますから、その場合、通常財務制限条項が付せられておりますけれども、その中で最近幾つか先生の御指摘のような財務制限条項抵触例があったように私どもも聞いております。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 財務制限条項に触れる場合に、それが本当に触れるのかどうかということで会社側と意見の相違を生ずる場合があると思うのですね。たとえば、私が聞いておるところでは、新日本製鉄ですか、無担保の転換社債のプラスアルファというのは従来慣行的に発行会社の一年半分の配当額になっておって、新日鉄では当初七百億円としたけれども、大蔵省の社債権者保護の見地から反対に遭い四百五十億円としたというような報道があるわけですけれども、こういうような場合の基準並びに指導というのは、大蔵省としてはどういうぐあいにやっているのですか。

小粥正巳大蔵省証券局資本市場課長

○小粥説明員 ただいま先生お尋ねの具体例は、外債発行に関します財務制限条項の例でございますが、これは実は申しわけございませんけれども、直接の指導は外債発行についての許認可事務を所管しております国際金融局の所管でございますので、私ども証券局といたしまして直接にタッチはしておりませんけれども、海外一般で外債発行の場合に財務制限条項が付せられることが通常でございますので、社債権者保護に一般的に遺漏がないようにという見地と、もう一つは、財務制限条項はあくまで発行会社が債務不履行を生じないように、事前に一定の財源比率等をメルクマールといたしまして、これを遵守させることが結果的にデフォルトのような不祥事態を起こさない、社債権者に迷惑をかけないという、いわば予防的な措置でございますから、それ自体が直ちに社債権者保護そのものにつながるわけではございません。そしてまた、会社側の経営と申しますか、事業活動に対する一つの制約であることも事実でございます。したがいまして、片や社債権者保護に役立ち得る予防的な規制という意味、片やこれによりまして会社の事業活動の制約が適正であるかどうか、こういう両面の見地があろうかと思います。両方の見地を勘案いたしまして指導を行っているものと承知しております。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 民事局長に伺いたいと思いますが、二百九十七条の制限を超えて仮に社債が発行された場合、その社債発行は無効にはなりませんね。仮に無効にはならないとすると、どういうような法律的効果がその他の面に及ぶのか、念のためにお答えください。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 罰則の適用があるということに相なろうと思います。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 結局、取締役の責任追及と過料の制裁というようなことになるわけですね。そうでないと、社債を発行した場合に、それが無効になれば社債権者の利益保護にならない、こういう見地でしょうね。  予定されておりました時間がまいりましたのでやめさせていただきますが、大蔵政務次官——間違えました、法務政務次官は大蔵省の御出身でございますから、ついそう申しましたが、御造詣が深いようでございますから、大蔵との連合審査のときに伺った点について最後に伺って質問を終わらせていただきたいと思います。  あのときはあるいは政務次官はお聞きなっておられなかったかもしれませんが、私が心配しましたのは、こういうように枠を二倍にするということになりますと、途中は省略いたしますが、私の概算では約十兆円くらい新たに社債の方に金融が今後五年くらいの間に向かうのではなかろうか。そうしますと、どうしても中小企業に対する金融が圧迫される。と申しますのは、統計によりますと、一般事業債のうち約七〇%が金融機関によって消化される。まだまだ個人消化が少ないということになっておりますので、そういう危惧の念を申し上げたわけです。一説によりますと、それでも社債を発行すれば三〇%個人で消化されるのだから、全額一般借り入れ、金融機関から金融を受ければいいではないかというような、いわば開き直った議論もありますけれども、しかし、相当長期にわたって金融機関のお金が大口の社債を発行できる優良企業に固定化されるということは事実なんです。だから、そのために中小企業の金融が悪化することのないように、特に負債一千万円以上の、主として中小企業の倒産というのが、連続十九カ月、一千件を超え、千七百件というようにもなっておりますので、その点を特に政策上も御配慮願いたいというように思いますが、その点についての御答弁をお伺いして、質問を終わります。

塩崎潤自由民主党法務政務次官

○塩崎政府委員 正森委員の御質問、私もごもっとものように思うわけでございます。ただ、今回の二百九十七条の改正案も、御案内のように本当に暫定的な改正でございまして、この改正ぐらいで日本の社債市場が発達すれば大したものだと私は思うのですけれども、御承知のように、資金調達が大変銀行借り入れに偏っております。私に言わしめますれば、いびつな日本経済の資金調達のあり方だと思うのです。したがいまして、社債がこの限度の拡大によりまして増加いたしましても、恐らく大企業が銀行借り入れで借りておりました借り入れの形態が社債の形に振りかわる程度ではなかろうか。ただ安定した資金調達にかわり得る程度ではないかと私は考えまして、中小企業の金融に影響すると直ちに考えていいかどうかは多分に疑問はございましょうけれども、銀行が直接社債を消化するという現在のやり方が果たしていいかどうか。社債というものは、本来大衆が直接持って、利回りのいい国民の財産をふやすものであろうと私は考えるものでございます。そういった意味で、大蔵省にもこれはよほど考えていただく、そういった意味で、法務政務次官でございますが、いずれ大蔵省とも十分に御連絡を申し上げまして、御心配のないように考えていきたいと思います。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 次に、加地和君。

加地和新自由クラブ

○加地委員 今回の社債についての法律改正の理由の一つとして、景気の浮揚を図るということが、法務省が出された参考資料の中に入っていると思いますけれども、私は経済企画庁関係の方に聞いてみますと、景気浮揚には余り役立たないであろうという見解のようです。これにつきまして御当局の答弁を求めます。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 景気浮揚の方策として、社債の枠を拡大して設備投資を活発にするということが唯一のあるいは主要な方策だと私どもは考えているわけではないわけでございまして、商法における社債の面から考えました場合に、景気浮揚の一つの手だてとしまして、何と申しましても設備投資の活発化ということが必要なわけでございますが、その資金調達の方法が銀行の借り入れによってということに相なりますと、そこにいろいろの問題が生じてくる。あるいは負担能力の問題もございましょうし、将来の会社の財務内容を考えますれば、決してほめた話ではない。そういたしますと、設備投資のために長期の資金を調達するというときに、商法がネックになって社債による調達ができないということに相なっては申しわけない仕儀だ、かような意味で、さような資金調達の需要にこたえる意味で、必要があるならば社債でやれるというふうな意味で枠を拡大しておくべきだ、かような考えでございます。

加地和新自由クラブ

○加地委員 この法律の改正によって枠は二倍になるわけでございますが、この法律の効果として、測定はしにくいかもしれませんけれども、この法律がなかりせばどのぐらいの設備投資の増加にとどまり、この法律をつくったがゆえにどの程度の設備投資の増大になるというぐあいに考えておられますか。それとも考えようもありませんか。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 現状で考えますと、七〇%以上も現行の社債枠を食ってしまっておる企業が百数十社あるわけでございまして、恐らくはあと一回くらい社債を発行すればもうそれ以上は発行できないということになる。片や九〇%以上も既発行の社債があるというふうな企業からは、ぜひとも社債の枠の拡大を考えてもらいたいという要望も強くあるわけでございますので、さような状況を踏まえますと、必要性はあることは間違いないと思うのであります。二倍に枠を拡大したことによってどれくらいその枠が消化されるかということは、これは今後の経済情勢を見なければ何とも申し上げかねるところでございますけれども、少なくとも、私どもの一つの目の子的な考えといたしまして、先ほども申し上げましたように、株式会社法の改正の際に、その社債の枠を撤廃するというふうな方向で恐らくは考えられるだろう、それには少なくとも五年ぐらいかかるであろう、将来五年にわたる間の社債発行需要の面から考えますと、二倍にしておけば大丈夫だというふうなことでございますので、これから先五年間のうちにこの枠がさらに足りなくなるというふうなことは考えてない、非常に消極的な言い方でございますけれども、さような意味で、恐らくは五年のうちには、現在の枠が相当消化されることにはなりますけれども、それを超えるような需要というものはまずなかろう、かような大ざっぱな見通しでございます。

加地和新自由クラブ

○加地委員 この法律の改正に当たって、各界の反響ということについて、私が聞いておりますのは、設備産業関係の会社はこの制度を熱望しておると聞きます。それに対し銀行の方は、貸付先、お得意さんが少し減る、また、企業に対する人事的なコントロール等が減るということで、銀行関係は反対のように承っておりますけれども、大蔵との連合審査のときにも聞いたのでございますけれども、結局、社債を消化し、引き受けてもらうためには、証券会社、受託銀行などの関連からいって、やはり銀行との協力関係というものが基本的になければ、枠は倍になったけれども、いろいろと消化できない、ずっと消化されないままに企業の方は昔と同じように銀行へお参りして高い金利の金を利用せざるを得なくなるのではなかろうか。この制度をつくっただけではだめであって、いわゆる反対者側である銀行に対する協力、協調と連帯という意味の協力と、それからまた強力、強い意味の大蔵省、日銀あたりの指導というものがなければならぬと思うのですけれども、その点はどんな見通しなんでございましょうか。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 この法案の作成過程におきまして、いまおっしゃいましたように、銀行筋は必ずしも賛成ではないというふうなうわさも承りましたけれども、私は、銀行はそんなけちなことをおっしゃるはずもないというふうに考えておるわけでございまして、この枠の拡大が実現いたしました場合に現実に社債を発行する会社が出てまいりましたときに、銀行がそれに対してそっぽを向くというふうなことはまずないことだろう、そんなふうな運用の仕方というものは、日本の社債市場あるいは金融界のあり方として、今日までのいろいろの実績を考えましても、さようなことはなかろうというふうに考えておりますけれども、これは法律をもってどうこうする問題ではございませんので、あるいは私どもの見方が甘いかもしれませんけれども、少なくとも、おっしゃるような非協力というふうなこと、借入金の方が銀行に有利だから社債発行をとめるというふうな動きは、全く考える必要はないだろうというふうに思っておるわけでございます。

加地和新自由クラブ

○加地委員 きわめて楽観主義者であるようにお見受けするのでございますけれども、政務次官に、大蔵省御出身でもありますのでお聞きしたいのですが、やはり日銀なんかが市中銀行に対する貸し付け分を急に引き上げるとか、何か将来にわたっての、口では言わないけれどもいわゆる支配力、コントロールというもので、日銀の意向というものはほとんど市中銀行の態度に影響するんじゃないのでしょうか。それをいい意味で、社債を消化するために、いまの日銀の影響力で、日銀の意向次第といいますか、方針次第で、いまの楽天的な見通しというものが裏づけられていくのでございましょうか。

塩崎潤自由民主党法務政務次官

○塩崎政府委員 私は、大蔵省で税金ばかり取っておりましたので、余り金融政策は存じ上げておりませんけれども、全体の資金調達のあり方を見ておりますと、日本では、おっしゃるように日本銀行が、資金ポジションと申しますか、全体の資金調達の流れを見ておりまして、いろいろ流れを、コントロールという言葉は適当じゃありませんけれども、いろいろな形で指導と申しますか、金融的な方法を講じておることは言うまでもないところでございます。私はこの点は、やっぱりまだ日本の金融市場が、先ほども正森先生へのお答えで申し上げましたように、大変独特の流れになっている。したがいまして、いまおっしゃったように、銀行が社債の発行についていい顔をしないということも私は事実だと思うのです。これは、民事局長ですからあのような答弁だと思うのですが、どう考えてみても、いまの日本の資金調達のあり方は、ヨーロッパ諸国あるいはアメリカが正常とは思いませんけれども、他の国と違った形、特に銀行借り入れに依存しておる姿だと思うのです。そういった意味で、証券局は大変苦労して、できる限り行き過ぎた面を直していこうということを努力しているのが、銀行局に配するに証券局だと私は考えているわけでございます。しかし、現実の問題といたしまして、銀行借り入れに依存し、それがまた非常に簡便な迅速な調達方法でございまして、そういった意味でこれを無視することができませんから、社債発行にいたしましても銀行との協調が要ることは、もうおっしゃるとおりでございます。しかし、それが果たしていいかというと、私は多分に疑問があると思う。やっぱり銀行を通じないで大衆が産業資金を直接供給するあり方もあってもいいし、その方が産業側から見て資金が安定する。さらにまた、投資家から見ますと、資金がより効率的に、利回りが高いという、財産形成のあり方としても好ましいということがありますれば、何も銀行の同意を得るというようなことが将来まで続くというようなことがいいかどうか、こんな点はよほど考えていかなければいかぬと思うのでございます。もう皆さん方が言われたとおり、銀行の力が強過ぎていまの経済がいろいろな形で弊害ももたらしているという点も、私は率直に言って、大蔵省で銀行局長をやっておりませんでしたせいもあるかもしれませんが、率直な感想でございます。

加地和新自由クラブ

○加地委員 政務次官として、また政治家として、銀行がこの制度に反対であるがゆえに、社債についての法律を改正しても銀行が妨害するとか、あるいはことさらに社債の消化を妨げるというようなことがないように、強く行政的な面で指導なさる御決意はございますか。

塩崎潤自由民主党法務政務次官

○塩崎政府委員 法務省は、もう御案内のとおり商法が法務省の所管でございますから、法制的な観点から社債の発行について関与するのでございましょうが、資金調達のあり方については法務省は関与しないたてまえでございまして、これは、先ほども申し上げましたように、証券局が証券取引法に基づいて関与しているのではないかと思うのでございます。しかし、証券取引法といっても直接の権限があるとは思わないので、やはり現実の経済の動きと申しますか、銀行とかあるいは証券会社等が集まって資金の供給あるいは調達について相談していく。その中で、私は銀行の力が強いと申しましたけれども、銀行もやはり産業全般のタイドから協力するのがあたりまえだと思うのです。そういった意味で協力が当然また行われている、こういうふうに考えておりますし、いま申されましたように、これを反対の態度、こんなことはさすべきじゃないと思うのでございます。ただ、現実問題といたしまして、自分の方から金貸してやるから社債発行はやめとけという話も私はときどき聞きます。しかし、こんなことがないように、私は国民全体が世論の形でいろいろと助言するような、あるいはキャンペーンするようなあり方があっていいかと思うのでありますが、それを代表するのは大蔵省あるいは日本銀行であろうかと思うのでございます。

加地和新自由クラブ

○加地委員 いろいろしゃべられたのですけれども、結局法務省の政務次官としては、そういう弊害の起こらないように、あるいは所管の大蔵省の方に、こういう声もあるとか、申し入れるとかいうことはなさらないという御答弁と伺ってよろしゅうございますか。

塩崎潤自由民主党法務政務次官

○塩崎政府委員 私がいましゃべっておりますことを、ちゃんと大蔵省の証券局の諸君が聞いておりますし、証券局の諸君は多分にこのようなことを十分意識しておりますから、特に私が申し入れをしなくても、そういった観点から社債の発行について銀行との協調など求めることは当然だといまのところ私は考えておるわけでございます。しかし、長らくの大蔵省の証券局の伝統的な考え方は、いま私が申し上げておることと変わらないと思いますから、特に申し入れしなくても、自主的に、法務省なんかの言うことは聞く大蔵省じゃないところもありますけれども、当然そんな方向で考えると私は考えております。

加地和新自由クラブ

○加地委員 ちょっと承服しかねる点はあるのですけれども、法務省の権威を高める意味においても、あんまり弱気を吐かないで正しいところを発言していただきたいと思うのでございます。  それから、この社債についての法律は、発行する段階では純資産の二倍以下の枠とかそういうぐあいに決められておりますけれども、一たん発行してしまった後は、ほかに借金をして純資産を減らすことも可能だろうし、あるいはまた他の債務について保証することも可能であって、いわゆるある会社の活動の流れの一時点を区切っただけであって、決して、いわゆる担保を取っていないところの一般債権者の保護という点については全く考慮されていない改正だと思うのですね。それで、現在法務省あたりでは一般債権者の保護ということについて何か特にお考えになっておられるのかどうか。現在の風潮では、とにかく貸し倒れとか逃げ得とかいうように、商道徳の面でもずるい者勝ちだ、まじめな者はばかをみるというような風潮があろうと思うのですね。一つの考えとしては、先ほどいわゆる社債発行について違反などがあったときに罰則を受ける程度であるということもおっしゃいました。しかし、これに対して、また制度として考えられるのは、社債発行会社と受託銀行との受託契約等においていわゆる違反があれば、民事的にも期限の猶予を失ってすぐに返さなければいけないとか、あるいは違約罰的なものをつけるとか、考えようによってはいろいろと考え方はあるのですけれども、とにかく一般債権者の保護ということについては、どのように制度づくりなどについて進んでおるか、考えておられるかということをお聞きしたい。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 先ほど申し上げましたような株式会社法の全面的な改正の際には、会社に対する一般債権者の保護と申しますか、さようなことも当然配慮されつつ作業が進められることだろうと思うのであります。ただ、率直に申し上げまして、およそ債権者の保護をいろいろの面で考えなければならないことは、一般論としてはそのとおりでございますけれども、違法なことをやっておって債権者を害するというふうなことのチェックは、もちろんいろいろの手当てを考えてやらなければならないと思いますけれども、たとえば、この社債発行の中で考えますと、社債発行の枠を拡大するがゆえに、一般債権者がそのこと自体で非常に不利な立場に立つというふうな関係にはないと私は思うのであります。むしろ、一般の借入金によって莫大な資金が調達されるということよりも、社債によって調達される方が、他の一般の債権者にとっては、会社の財務内容の健全化というふうな面から、間接的にではございましょうけれども、一般の他の債権者の面で不利益を生ずるというよりは、むしろ有利な面が出てくるであろうというふうに考えるわけでございますけれども、そういう社債の発行と関連づけて一般債権者の保護を特に法律上考えなければならぬというふうなことは、やはり一般論といたしまして、特に必要があるというふうには考えないわけでございます。

加地和新自由クラブ

○加地委員 その点は私と考えが大きく異なるのです。やはり一般債権者というものが保護を——まあまあこれは競争社会でございますから、ぼんやりしている者が悪いのには決まっていると思うのですけれども、それ以上に、だます方というか、返せない借金をする方がもう一つ悪いと思うのですね。ドイツあたりでは、債務奴隷というように、金を返せぬ者はちょっと入らなければいかぬとかいうような厳しさを持っておる面もあると思いますけれども、そこまでいかなくても、いまのように、とにかく強い者勝ちだ、またぼんやりしている者はだめなんだといって放置しておくやり方というのは、むしろ逆に自由主義社会が否定されていく大きな原因になると思うのです。やはり節度ある、また企業の発展を妨げない程度の一般債権者保護制度というものは、もっと真剣にお考えいただかなければならないと私は思います。  じゃ、次の質問に移りますけれども、今度の法律では、いわゆる社債の発行の枠を二倍までにする、こうなっております。また鴻先生なんかの説では、こんな制度をやっておるのはおくれた国の法制の中にしかないというようなことも発表しておられると思うのです。現実に、いままでの枠を超えて一・〇倍から二倍までの範囲については、転換社債でないといかぬとか、あるいは担保づきでないといかぬとかいうことで、担保の裏づけがちゃんとこうあるわけでございますから、仮にこれが二倍ではなしに、なぜ今度三倍の制度にならなかったのか、四倍という制度にならなかったのか。なぜ二倍という枠をほかの国の法制度と比較してもつけなければならなかったのか。私が言いたいのは、むしろこんな枠はなしに、ほかの面で社債権者の保護ということは十分に考え得るではないか。現在の日本の制度の中でも考え得るではないかと私は思うのですね。いわゆる社債の発行のやり方からいっても、いわゆる専門家である受託銀行とか信託銀行とかいうものが入ってきます。また、担保のない会社は社債を発行できないという現実の経済的な原則から、一定の歩どまりを見た担保の中でしか社債は消化されていないと思うのですね。そういう意味において枠は要らぬのじゃないか。また、二倍ではなしになぜ二・五倍にしなかったか、なぜ三倍にしなかったか。なぜ二でなければならないか、この点についてお伺いいたします。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 二倍ということについて、率直に申しますと確たる根拠はないと言えばないのでございますけれども、さきの国会におきまして、電力会社につきましては従来二倍であったものが四倍に、そして新たに公益事業であるガス事業につきまして二倍に拡大するという法律がすでに成立しておるわけでございます。したがいまして、それとの均衡——国会の御意思ということを申し上げるわけではございませんけれども、近い一年前の国会におきましてガス会社について二倍という法律ができたということも、やはり当然これは横並びの問題としても参考にしなければならぬことだろうと思うのであります。それと同時に、先ほども申しましたように、株式会社法の全面改正の際には恐らくはこの枠の撤廃がなされるであろう、しかも、そういうことを踏まえて考えますと、暫定的なものとしてやはり必要最小限度にとどめておくというふうな意味の枠の拡大を図るべきであろう。そうなりますと、先ほども申しましたように、商法の全面改正がされるまでの間の需要を考えますと、二倍にしておけばそれで賄える。それ以上の、不必要なと申しては語弊がございますけれども、必要な最小限度の枠にとどめておくのが穏当なやり方ではなかろうか、かような趣旨で二倍ということにいたしたわけでございます。

加地和新自由クラブ

○加地委員 純資産額の二倍、原則はそういう考えですね。ところが、この純資産すべてが実際には担保価値はないと思うのですね。不動産担保にして貸すときでも六掛けか七掛けぐらいの金額でないと危ないとかいうように、いろいろと金貸す方の側に立ってみると歩どまりということがあると思うのですね。それからまた、設備投資なんかの固定資産を持っておる会社の場合には担保はたくさんありますし、そうでないたとえば商社などですね、流動資産的なものをたくさん持っておるところは担保力としては弱いのじゃないかと思うのですけれども、現在の制度で、たとえば倉庫の中に入っている品物、いわゆる集合物とかいうようなもの、これなんかは社債発行のときに担保にし得る仕組みというのはあるのでしょうか。これはちょっと教えてほしいのですけれども、何か公正証書一本で企業担保という制度もあるかのように聞いているのですけれども、企業担保の中に一切合財ひっくるめて倉庫の中の集合物、こういうものも担保に入り得るのですか。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 社債に付せられる担保と申しますのは担保附社債信託法で法定されておるわけでございまして、その中にいまお取り上げになりました企業担保権というのがあるわけでございます。この企業担保権というのは企業担保法によって認められておる担保物権でございますが、これは会社の全財産が包括的に担保の目的になる、そして中身は出入りがある、そのいわばフローティングな状態のままで時々刻々の会社全財産が担保の客体になっておる、かような構成でございますので、したがって、例に挙げられましたような倉庫にある材料あるいは商品、そういったものが、出し入れはございますでしょうけれども、その出し入れの姿のままで担保の客体になっておる、こういうことは言えようかと思うのであります。ただ、その集合物、そういった一つの倉庫なら倉庫にある商品、材料というふうなもの自体それだけを取り出して担保の客体にするという法制は現在ないわけでございまして、判例によりますと、譲渡担保というふうなことでそういったことも認める裁判例はございますけれども、まだその辺のところの理論的な構成というものは判例法上も固まっているわけではございませんので、もちろんそういった譲渡担保というふうなものが、担保附社債信託法では社債に付すべき担保という形では取り上げておりませんので、したがって、倉庫の中の商品というふうなものを一括しての、フローティングな状態でのそういった集合物担保というふうなものは社債に付せられる担保にはなり得ないというふうに解釈せざるを得ない、かように考えるわけでございます。

加地和新自由クラブ

○加地委員 社債発行のときに担保をつけるのに、いわゆる一億円の社債発行であるのに、分割し得る十億円ほどの不動産なら不動産全部に仮に一番なり二番なりで優先的に一億の担保をつけたりすると、ほかから金を借りたりするときにもかなり支障が出ると思うのですけれども、そういうぐあいな信託会社等が担保をつけるときのマナーというのですか、いわゆる幾つか分割し得るものであれば、一億の社債であればせめて一億五千万程度の物権を担保にとるにとどめておくべきであるとか、ほかはあけておいてほかの資金調達のときに役立つようにし得るとか、そういうようなことについては政府の方では指導などは全くしておられないのでしょうか。金を貸す方と借りる方との力関係というか、とにかくレッセ・フェールで、勝手にやっておれという野放しの状態なんでしょうか。いまの日本はその点についてはどうなっておるのでしょうか。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 法務省といたしまして、そういうふうな担保の徴求の仕方が合理的であることは望ましいことは当然考えられることでございますけれども、私どもとして、そういった行政指導と申しますか、さようなことはもちろんいたしておりません。これはできないことでございます。ただ、私どもといたしましては、そういうふうな合理的な運用がされる場合に備えての法的手段と申しますか、さようなものはいろいろな形で準備しておるわけでございまして、たとえば、いまお説のようなある財団なら財団について担保をとった、しかし現在の債権額、残存債権額から見れば、一番での担保権には相当余裕があるというふうな場合に、その財団の余裕のある部分を分割いたしまして、そこには担保権がつかない新しい、さらのと申しますか、そういった財団がつくれるようなこともいたしておりますし、また、余裕があるなしにかかわらず、一般の社債市場では社債のための担保というのは優遇するような一つの慣行がございまして、後からの社債の担保につきまして前の社債の担保権が順位を譲渡する、同順位にするようなこともできるようにいたしておりますし、いろいろの手だてを準備はいたしておりますけれども、そういった制度を活用して、債務会社が余剰担保価値の活用が十分できるように、合理的な担保制度の運用がされることが望ましいことは言うまでもないことでございます。

加地和新自由クラブ

○加地委員 大蔵省の方にちょっとお尋ねしたいのですけれども、日本では自己資本比率というのが非常に低いと言われておりますけれども、現在の日本の状態からいって、自己資本、他人資本の比率の理想的な割合というのはどのように考えておられるのでございましょうか。

小粥正巳大蔵省証券局資本市場課長

○小粥説明員 自己資本比率の適正な水準についてのお尋ねでございますが、現在日本の企業の平均的な自己資本比率は一四%を割り込むという、これはきわめて低い数字になっております。この数字が適正な水準からほど遠いということは、私どももそのとおりであろうかと思います。外国の例を見てみますと、主要企業でございますけれども、米国の主要企業では五〇%を超える数字でございますし、その他主要国、英国あるいは西ドイツ等につきましてやはり主要企業の水準を見ますと、区々ではございますが三〇%ないし四〇%程度の水準が示されております。  私ども、自己資本の比率が相当程度向上するということが、たとえば不況下における企業の抵抗力を強めることを含めまして、広く債権者に対しましても、企業が万一の場合の抵抗力、担保力を確保するという意味で望ましいと考えておりますけれども、ただ、適正な水準が理論的にどの程度であるべきかという点につきましては、必ずしも定説はないように思います。これは、わが国の自己資本比率が現在極端に低いことは、一つは資産の評価の問題もございますけれども、やはり過去の高度成長期に主として間接金融に依存して資金を調達してきた、こういうわが国の戦後の経済金融構造の結果がこのような形にあらわれていると思っております。今後経済の構造が変わってまいりますと、この辺の状況、その結果としての自己資本比率の姿もかなり変わってまいろうと思いますし、私ども、少なくとも現在の先進各国の水準に近い程度まではわが国の企業の自己資本比率も向上してしかるべきである、こんなふうに思っております。しかし繰り返して申しますように、この問題は、やはり相対的な比較の問題でもございまして、理論的にあるべき姿というのは私どもなかなか答えを直ちには持っておりません。

加地和新自由クラブ

○加地委員 いまのも長いことしゃべられたけれども、結局一言で答え得る答えは出てきていないわけですね。答えにくい問題であるとは思いますけれども、いろいろと税制を改正していくとか指導していくとかという場合でも、やはりゴールの姿、理想というものがなければ、そのときそのときの根なし草みたいに、外国との比率であるとか先進国の比率であるとか、そんなことばかりまねをするだけのことであって、やはりあるべき姿というのは大蔵省あたりでは持っておられるのではないかと思うのです。また持つべきだと思うのですけれども、その点についてはどうお考えになりますか。  私が聞いているのは、いろいろな書物などでは、大体自己資本が七で他人資本三ぐらいが望ましいのでなかろうかとか、あるいはまた、余談ですけれども、個人の財産形成のときに、三分割がいいとか、株で持って、現金で持って、それから不動産というぐあいに、大体三つに分けておくのがいいとかいうぐあいに、一定の生活の知恵というのか、国家財政の知恵というのか、企業経営の知恵的なもので、大体どのぐらいが理想的だというものはおのずからなければおかしいと思うのですけれども、どうぞ……。

小粥正巳大蔵省証券局資本市場課長

○小粥説明員 先生のお尋ねでございますけれども、先ほど申し上げましたように、私ども、必ずしもはっきりしたゴール、あるべき姿というものを現在持っていないのが実情でございます。ここは私どものまだ勉強不足とおしかりをいただいてもやむを得ないところではございますが、ただ一つ、戦前のたとえば昭和九−十一年、戦前の比較基準年次としてよく使われます時代には、わが国の企業の自己資本比率は六〇%を少し超える程度でございました。したがいまして、これも経験的な姿でございますけれども、たとえば、六〇%を超えるところまで参りませんでも、仮に五〇%を超える姿、過半を自己資本で保有をしている、そういう財務体質であれば、これは企業の経営の立場から申しましても、あるいは外部の債権者、投資家から見ましても、企業の財務内容の安全性という点で一つの望ましい姿ではないか、こんなふうに考えますけれども、この辺私どももなお勉強をしていかなければいけないと思っております。

加地和新自由クラブ

○加地委員 政務次官、税金の大家でもいらっしゃいますので、税制という面から……。  社債発行あるいは銀行から金を借りる、これのコストの方が、自己資本を増加していくコスト、いわゆる配当に対する課税であるとかいろんなものを考えていくと、借金する方が大体半分以下ぐらいで済むようなコストだと思うのですけれども、そのために、いままでにいろんな制度で自己資本の比率を増加するための制度というものが行われてきたと思うのです。この前、鴻先生にもちょっと質問もしたのですけれども、明確なお答えをいただけなかったのです。たとえば昭和三十六年度には配当軽課措置の創設というものがあったと思います。それから四十一年から四十四年度あたりでは、資本構成を改善した場合の法人税額の特別控除措置の実施等が行われたと思います。それから四十四年ごろには、時価発行増資、時価転換社債の導入ということが行われたように聞いております。それで、いずれもこれは不十分な結果しかもたらさなかったと聞いておるのでございますけれども、現在自己資本比率を高めるために何か税法の面あるいはその他の法律改正等の面でお考えになっておるかどうか。そしてまた、私がいま挙げた、これは諸先輩が苦労してつくられた制度が、なぜ不十分にしか機能し得なかったのか。また、その不十分さを克服するためにどのような努力が政府の方でその後なされたのかということをお尋ねしたいと思います。

塩崎潤自由民主党法務政務次官

○塩崎政府委員 いつも議論されてきた問題でございますし、いま小粥君がお答え申し上げましたようになかなか答えにくい問題でございます。しかし、いま御指摘の増資配当免税とか増資の場合の税額控除、この二つは私がいずれも冒険的に、そして自己資本比率を高めるために、いろいろと内部にも議論がありましたが、勇敢に踏み切ってみたのです。その措置を御指摘であったのでございますが、その御指摘のとおり不十分な結果しか得られなかったことは言うまでもございません。むしろ、そのような措置を講じたにもかかわらず、私が講じたころには恐らく自己資本比率は三〇%から二〇%程度のところでございましたが、いま驚くなかれ、小粥君の御答弁では一四%という率でございますから、それらの措置は、何と言っても高度成長時代の資金調達の波に抗し得なかったことを示すものだと思うのでございます。つまり、増資という形は大変やっかいな資金調達だということが法制的にも言えますし、さらにまた、御承知のように、間違った考え方だと私は思うのですけれども、配当コスト、増資コストの方が借入金のコストよりも高い、ことに法人税がそれをアクセレレートしておるということが支配しているかと思うのでございます。そのような考え方から、簡便な銀行借り入れに頼っていったと私は思うのでございます。  いまここで法人税の理屈を申し上げるつもりもございませんけれども、法人税が、純利潤と申しますかネットプロフィットに課税されておりますために、一割配当を得るためには二割もうけなければならぬ、こういうことが出ているのが経済界の考え方のようでございます。ところが、借金の利子ならば、一割の利子を払うためには一割もうけたらいいじゃないかということで、倍、半分のコストの差があるということが経済界の考え方でございますが、それは部分的な見方で、私は間違いであろうと思うのでございます。  日本の税制は、アメリカの税制なんかと違って、御案内のように、確かに配当を支払う側には法人税はネットプロフィットにかかりまするけれども、配当を受け取った側は、借金の利子と違って益金に算入しないというシャウプ以来の制度があるのです。したがって、銀行は、新日鉄の株式を持っておりまして配当を受けたならば、その配当は益金に算入しなくてもよろしい。ところが新日鉄に銀行が金を貸しておりまして利子を一割受け取りますと、益金に算入しなければなりませんから、その部分は、一割もうけましても税金が半分かかりますと五分の利回りにしかならぬという、結局、法人擬制説は、御案内のように、株主と配当支払い側を通じますと、本当は同じような中立的なコスト計算になると私は考えているのでございます。しかし、御案内のように、法人税というものは株主が払う税金じゃなくして企業が払う税金だという頭がもう昔から企業の経営者にある。したがって、配当率には法人税は影響させてはならないのだという考え方がございますので、依然といたしまして、こんなような恩典がありながら、株主配当益金不算入という制度を考慮しないで配当率を考えているために、増資は損だ、借入金の方が安いのだという考え方になっているのでございます。したがって、株主側の益金不算入という制度は、単に恩典としか考えられておらぬ。全く税制が生んだ、天から降ってわいたような恩典と考えられておるために、本当に生きておらぬと私は考えておるのでございます。  そういったようなことを考えて見ますと、何と言っても、根本的に法人税はいかにあるべきかということをもう少し経済界の方々に考えていただく、銀行にも考えていただきますし、大蔵省ももう少しキャンペーンして、いまの制度を必ずしもいいとは私は思いませんけれども、このような制度を消化してでも自己資本比率を高めるのがいいかどうかを十分論議していただいたらいいと思うのです。しかし、いままでの経済状況は、高度成長の迅速な資金調達という大きな要請の前で、やはり増資よりも借入金が早かった。社債は、先ほど来申し上げておりますように、日本では最も発達しておらぬ面でございますし、銀行はいやがってきたものでございますから、簡便な銀行借り入れに頼っていって、自己資本比率は低下していったと私は思うのでございます。  アメリカのように株主側に何らの優遇措置がないような国においては、日本よりもう少し配当コストの方が高いという議論があるべきなんです。確かにあるのです。いまここにアメリカから買って帰りました本がございますが、アメリカにはこんなような議論がある。しかし、アメリカの自己資本比率は、そんなに日本ほど悪くなっておらぬのです。しかしそれでも、これは一九二九年から比較しておりますが、一九七〇何年までの自己資本比率がだんだん低下して、借入金の割合がふえておることも事実であるというふうに学者が指摘しております。戦前は一五%くらいであった借入金の率、自己資本比率は八五ですね。ところが現在では、六七%くらいに自己資本比率は落ちておる。しかしこれは、法人税の影響があったかどうかは必ずしも明確ではないというようなことが書いてございます。  このような問題は、本当に企業を安定させて経営をやらしめるために資本の構成はどうあるべきか、このような低成長時代になってまいりますと、本当に真剣に考えていかなければならぬ。  銀行の貸し出しも、だんだんと不良貸しが多くなってきて、償却をしなければならぬというようなことがきょうの日本経済に書いてありましたが、銀行側から見ますと、貸し金の回収を大変心配すると思います。企業のいまの自己資本比率の状況では、大変経営の心配が出てくる、こんなことを考えてみますと、やはり自己資本比率を高めるということは今後必要になってくると私は思うのでございます。しかし、それをどういうふうに達成いたしますか、大変むずかしいと思うのでございます。それはいままでのようなやり方が、こっちの道にずっと走っていったから、これの流れをつけ変えるくらいのことでございますから、そう簡単ではないと思うのです。  そういった意味で、大蔵省証券局の小粥君などは、塩崎主税局長時代あるいは課長の時代にあんな冒険をやってきたけれども、何にも効果がないからもう二度とよう言わぬということじゃないでしょうか。私は、過去の経験からそう成功してないことから見て、実際、自己資本比率を直したいのだけれどもなかなか妙手がない、それよりも経済の一般的な流れの方が強いというふうに、半ばあきらめかかって見ておるような気がしてならぬのでございますが、これは多分に私見でございますし、これから真剣に議論して、おっしゃるような問題と取っ組んでみなければいかぬというような状況だと思っております。

加地和新自由クラブ

○加地委員 いろいろ法人税の話がありましたけれども、現実問題として、私がつかんでおります数字では、借り入れの場合であると資金調達コストは九・二%、それから増資の場合には一九・七%ということになっておるのです。そうすると、いまおっしゃったような半ば精神論的なことをいかにいわゆるエコノミックアニマル的な企業家に説いても——企業家の中にも道徳家もいますよ、だけど、本質はやはりそろばん勘定、数字の問題だと思うのです。いまの九・二と一九・七の数字の差というものを縮めるか、あるいは差がないか、あるいはまた増資のコストの方が低いというようにしなければ、いかに塩崎政務次官が大演説をぶたれても、自己資本比率は改善されないのじゃないでしょうか。いま私が挙げたこの数字自体は正しゅうございますか。

塩崎潤自由民主党法務政務次官

○塩崎政府委員 御指摘の数字は間違っております。私が長々と下手な説明をいたしましたのは、その間違いであることを御説明したつもりでございます。それは法人税がむずかしい複雑なせいで、こんなことをいつも経営者が言っておることによるものだと思うのです。一九%と九%の差がある、そう申されましたね。それは間違いでございます。現在の法人税制は、もう昭和二十五年以来、シャウプ勧告以来法人擬制説をとっております。したがって、法人税は会社で課税されますが、受け取った株主側では個人所得税と合わせて調整されるようになった。もし株主が個人でなく会社である場合には、益金不算入の形で配当には法人税はかからぬのです。ところが支払う利子は、先ほど申し上げましたように、九%を新日鉄から銀行が受け取ります、銀行は益金に算入しなければいけませんから、九%を受け取っても税引き利回りでは四・五%になってしまうのです。ところが配当の方は、一割配当いたします、ところが銀行が受け取りますと、一割はもうすでに法人税が課税されたものですから二度と課税されないため、一割に回るのです。ですから、一割の配当というのは、実は、いまおっしゃったように、法人税を入れますと一割九分もうけて配当したことになるのです。したがって、それは法人税の仕組みを知らないで過剰に配当したことになるのです。五分の配当で合うんじゃありませんか。そういうことになりますね。五分の配当をしたら、銀行は五分で回ってくるのです、法人税がかかりませんから。ところが、支払い利子の方は、確かに九%払わなければいかぬ。新日鉄の方は九%払わなければいけません。受け取った側は、銀行の方は、九%に対して益金に算入されますから、半分の税金がかかって四・五%に回る。そういうふうに考えますと、両者の間にコストの差は、いまの法人税制では中立的に働いていると考えていいことをるる申し上げておったのですが、しかし片一方は、配当については源泉で取る。それはネットプロフィットに課税するからというので、非常にわかりにくいのです。会社の経営者は、株主側へいくとどうなっているかわからぬから、借金の利子に対して九分払うのなら、増資に対しては一割払わなければなるまい。同じように考えていくために、いまのような一割配当という形になっていくわけでございます。これを五分の配当にするといったら大革命が起こるに違いない。しかし、法人税の仕組みは、それで合っておるのでございますが、それが実は経営者に理解されておらないから、いまのような議論がしょっちゅう出てくるのです。私がいかに大演説をして、精神的な説得では何にもならぬではないかと言ったのですが、私が精神的な説得をやったって、値打ちがないことはわかっております。そうではないのです。法人税の仕組みはそうなっているのです。ところが法人税の仕組みはわかりにくい。それからまた、銀行については、配当の負債利子控除とか、あるいはいろいろの変動がありますから、益金不算入というような仕組みでなかなか理解できない点もまた事実でございます。これを簡便に申しますれば、配当支払い損金算入、こういうことにいたしますれば、支払い利子と同じように損金算入になるわけでございますから、コスト計算の差は全くなくなるわけでございます。しかし、この問題は、私が昭和三十六年にドイツ式に、それではもう支払い側の法人税を配当部分については下げていこうというふうにいたしまして、現在その制度を一部入れておりますから、依然といたしましてコスト計算は配当も利子も一般的には変わらない仕組みと考えていいわけでございます。そこにいろいろ細かい差は出てまいりますけれども、現在の制度はもう精神的なお説教じゃなくて、税制の仕組みでいいわけでございますが、株主側の調整ということがわかりにくいから、こんなような仕組みになっておる、そして法人税というものは会社が払うものだ、株主が払うものじゃないんだという頭が経営者に抜け切れないから、こんなようなコスト計算をいつも言われておるだけだと、こんなふうに思っておりますので、この点は、いずれまた先生も大蔵委員会にでも移られて、この問題を主税局長を相手に徹底的にやられましたら、大変おもしろい問題であろうかと思います。

加地和新自由クラブ

○加地委員 最後でございます。  ただいま政務次官が御説明になった中にも、法人税の仕組みはわかりにくいんだ。確かにわかりにくいと思いますね。とにかく一般国民にはわからぬ言葉でつくってある。それは私は経営者の責任でもなかろうと思うのですね。そういう面で、法律の番人としての法務省の方でも、わかりやすい税法典をつくるように、ひとつこれから決意を新たにしていただきたいと思います。  それから利息の場合だったら九%のところなら、配当なら一割にしなければならないであろうというのは、これはやはり商売の機微というか人情の機微からすれば当然の考えであって、その考え方が生かせるようなところに焦点を置いた制度にしていかなければならないのではないか。これを次官がおっしゃったように、法人の方が一割の負担であれば配当は五分になる。五分配当が本当は勘定の上で合うんだと言っても、そんな株だったらだれも買わないという面がありますから、またいわゆる増資しても引き受け手がないということでございますから、まあむずかしいむずかしいと言わずに、前に失敗されたときの社会的背景も違っておるわけでございますから、法務省、特に塩崎政務次官あたりが太鼓をたたきまくって、そして自己資本比率の高まるような制度というものをつくっていただきたいと思いますし、また、いつまでも自己資本比率が改善されないということであれば、わが党としてもこの社債の法律についての賛否を決めるときに十分に考慮しなければならない問題だと思うのです。各党とも同じことだろうと思うのです。暫定という言葉で、まあまあとにかくしばらくのことで、もう少し待ってほしい、見通しはあるんだからということで、各党は態度を決めるんであろうと思うのですね。その点について何か最後に……。

塩崎潤自由民主党法務政務次官

○塩崎政府委員 先生のおっしゃるとおりに、法制の改正と申しますか、法律の改正というものは、本当に生きた社会、経済の動きと一致しなければなりませんし、国民全体が考えておりますところの理想に合致した方向に向かわなければならないと思うのでございます。しかもまた、経済の動きにおくれて改正していくことが果たして適当であるかどうか。今度の商法の改正などは、おっしゃるように大変暫定的で、しかもまた将来の方向等についてのビジョン、これらの点から見ますと、いろいろ問題があることも事実でございます。また、税制などもむずかし過ぎて、これがまた社会の中に溶け込んでいない。全く特定の人しか口ずさめないような税制ではおかしいと私は思うのでございます。  そういった意味で、簡単に言えば、たとえば証券局から、利子と同じように配当も損金算入する、そういうようにでもいたしますれば、もうだれにでもわかると思います。一割配当するために一割もうけたらいい、一割の利子を払うためには一割もうけたらいいということと同じように扱われますから、最も簡単でございますが、こんなようなことは、ひとつ証券局のような頭のいい、資本調達の流れをいつも見ておりますようなところから主張して、大蔵省の歳入をこわがりますところの主税局あたりに提案していただきますれば、私は、お互いに切磋琢磨して大変いい案ができてくるかと思うのでございます。  そういった意味で、私も税金については少し忘れかかっておるような政治家の一人でございますが、そのような観点から、先生のような御意見を各方面に伝えて、国民経済の中に溶け込むような税制、法制をつくるべきだということを主張したいと思います。

加地和新自由クラブ

○加地委員 これで終わります。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 次回は、明十八日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時三十九分散会

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