文教委員会文教行政の諸施策に関する小委員会 第2号
- 発言数
- 115 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1977/04/14
会議録
○登坂小委員長 これより文教行政の諸施策に関する小委員会を開会いたします。 文教行政の諸施策に関する件について調査を進めます。 本日は、養護学校義務化に伴う進捗状況、在外子女教育、留学生対策について政局当局より説明を聴取した後御協議を願いたいと存じますので、これより懇談に入ります。 〔午前十時八分懇談に入る〕 〔午前十時四十二分懇談を終わる〕
○登坂小委員長 これにて懇談は終わります。これにて説明は終わりましたが、まず、養護学校の義務化に伴う進捗状況について御協議願います。
○西岡小委員 養護の問題ですけれども、五十四年度からいよいよスタートを切ることになったのですが、関係者の間でかなり誤解か生じているわけです。それはどういうことかといいますと、現在それぞれの学校の特殊学級に学んでいる子供たちも全部養護学校に入れさせられてしまう。最近、非常にいろいろな意見があるわけですけれども、本来、できるだけ普通の、一般的な学校における生活というものに溶け込ませていくのだ、そういう教育というものが効果があるのです。これにはもちろん障害の程度によってはある程度の限界があるということは言えるわけですけれども、たとえば、文部省でもいろいろ努力をなさってかなり異例の措置として、武蔵野東小学校ですか、というような特別の例も開いたわけでして、これなども、情緒障害の自閉症の子供たちというのは自閉症の子供たちはかりを一つの学校に集めて教育しても本当の効果は上がらないというようなところから、民間での新しい試みというものが行われて、これは文部省も積極的に支援したというようなことで、たしか今月いよいよ開校するということになっているのですけれども、そういうようなことについて文部省の五十四年度からの基本的な方針、現在特殊学級に入っている子供たちは現状のままこれを続けていくのだ、これには一人一人についてのいろいろな判断というものが必要になってくるわけですけれども、今度は一方では、この資料によりますと、市町村の段階で随時、就学指導委員会の設置が進められておりますけれども、これだけの市町村の段階で就学指導委員会が、本当に能力を持った委員会ができているのか、こういったことについて文部省の基本的なお考えというのをまずお尋ねをいたしたいと思います。
○斉藤説明員 最初に、義務制の実施についての誤解があるという御指摘がございました。学校教育法のたてまえから申しまして、障害を持つ子供がすべて盲学校、聾学校、養護学校に入るというたてまえになっているわけではございません。御承知のように、軽度の障害者につきましては普通学級でも教育か行われておるわけでございます。また、もう少し特別の教育的な取り扱いを要すると判断される児童に対しましては、小中学校の中に特殊学級というものも設けられるわけでございます。比較的重度の障害児につきまして特別の教育を実施するということで、盲学校、聾学校、養護学校が設けられておるわけでございます。盲学校、聾学校につきましてはすでに義務制が実施されておるわけでございます。養護学校のみが現在取り残されておるということは困るということで、国会でもいろいろ御審議があって、養護学校につきましても義務制を実施していくということになったわけでございます。原則として、障害の程度に応じて養護学校の対象となる子供がおる、その対象となる子供のための教育をよりよくしていくという観点で養護学校の義務制が実施されるということでございまして、誤解は解いていただきたいと思います。 それから交流教育の必要性についてお話がございました。おっしゃるとおり、障害の程度によっては交流を進めていくことがその子供の発達を促すという点はございます。障害の種類、程度、いろいろ検討しなければならぬ問題がございますが、一般的にはそういう方向をとっていく必要があるわけでございます。特殊学級につきましては、同じ小中学校の中で一般の子供たちと一緒に学習をしているわけでございますが、その交流の方法はいろいろ現場で工夫しているというのが実態でございます。養護学校等につきましても、現在、学習指導要領では特別活動等について交流を促進する規定がございますが、これらにつきましてもさらに検討して交流が促進されていくように努力していきたいというように考えております。 それから就学指導委員会についてのお尋ねでございます。就学指導委員会は、特に小規模の市町村、人口規模の少ない市町村で適性な人材が得られるかという点が御質問の趣旨かと思うわけでございますが、就学指導委員会は、先ほど御説明いたしましたように、その子供の障害の程度やあるいは発達段階等を総合的に判断をいたしまして適正な就学をさせるというために専門家に集まっていただく組織でございまして、この専門家を得るために各市町村でいろいろ工夫していただく必要があるわけでございます。そういう観点から、現在六〇%台にとどまっておりますけれども、一つの解決策として、今後の設置の形態について、数ヵ市町村で共同で就学指導委員会を設置する等いろいろ工夫してほしい。そういう形で、今度の予算もそれを奨励する形で予算計上をいたしたようなわけでございまして、そのことをさらに周知徹底してまいりたいと考えます。
○西岡小委員 私から始めて申しわけありませんが、ところが御承知のとおりに、特殊教育、心身障害の子供たちの教育というのは大変な御苦労が教師、学校においてはそれぞれあるわけで、ややもすれば、特殊学級あるいは普通の学級でいままで学んでいた子供たちも養護学校の方にとにかくやらせられてしまう、そういうふうな形に流れてしまうのではないか、安易に流れるのではないかという心配が非常に関係者にある。それが、せっかく文部省が長い間の懸案であった養護学校の必置の問題について、五十四年度からということで予告政令を出して取り組まれたことが逆の形で関係者の間には理解されているという実態があるわけですね。それをやはり五十四年度を前にして、文部省が具体的に県、市町村の教育委員会によほど徹底した指導をやっていただかないとそういう方向に流れるおそれがある、おそれというよりはかなりその可能性が強いというふうにそれぞれの地域では受けとめているわけですが、その点をどうお考えでしょうか。
○斉藤説明員 養護学校が設置されなかったということによってかなり重い子供たちも特殊学級に入っているというケースがございます。したがいまして、その子供たちが、養護学校が設立されたことによって養護学校にかわるということはあり得るわけでございます。ただ、その就学指導に当たってそのことが余りに機械的になされますとおっしゃるようにいろいろな問題が出てまいります。ですから、専門家によって総合的に判断をして、そこは円滑に就学指導がなされることが重要だというふうに私は考えております。
○西岡小委員 その点は文部省としては具体的に、たとえば通達だとか全国の関係者に集まってもらってきちっとした指導といいましょうか、文部省としての考え方、方針というのは説明をしつつあるわけでしょうか。
○斉藤説明員 昨年度各県の教育委員会の責任のある方、教育長さんが来られない場合には教育次長さん、教育長さんがほとんど来られましたけれども、義務制の実施に伴う諸問題についての事情聴取を各県ごとにお聞きいたしました。そこで意見交換をいろいろやってまいりました。国として標準的に対処できる事柄とそれから地域によっていろいろ工夫していただかなければならぬ事柄等がございます。そういうことで意見聴取をした結果、統一的に全国的に考えられる事柄につきましては今後事情聴取を繰り返しながらその周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。
○西岡小委員 いや事情聴取というのではなくて、文部省は基本的にどうお考えになっておられるのかということが問題だと思うのですね。やはり一番望ましいのは、残念ながら、不可能な非常に重度な心身障害の子供たちもいるわけですけれども、そうでない場合はできるだけ一般の子供たちと多くの接触を持つ機会ということが望ましいのだという基本的な方針、お考えというものをきちっと、持っておられるのかどうか。持っておられるとすれば、そのことを周知徹底する具体的な、いわゆる行政指導という形をどういう形でとっておられるのか、その点はどうでしょう。
○斉藤説明員 交流の必要性ということは十分承知しておりますし、そのことについての努力はする必要があるということはかねがね申し上げておるところでございます。
○西岡小委員 それは具体的な文部省のきちっとした方針という形で、文書等で示してありますか。
○斉藤説明員 法令に基づきまして、どのような対象児が養護学校対象であるということが定められているわけでございます。ですから、その法令とそれに基づく通達等はすでに出されているわけでございます。
○西岡小委員 その法令で定められているというようなことで片づけられない事柄だけに、問題が非常にむずかしい問題だというふうに思うのですね。ですから、いま私が申し上げているようなことが間違いでないとすれば、文部省としてもっと積極的に、そういう方向が望ましいのだ、万やむを得ない場合に養護学校等に就学させるという措置がとられる、そういうようなきちっとした方針がないと、これはそれぞれの地域、それぞれの学校、それぞれの教師の立場からしますと、よほどその問題に関心を持って情熱を持っていない場合には、どちらかと言えばこれはやはり大変な仕事ですから、そういう方向に流れがちである。それを文部省として、どうそういうふうに流れないようにしていくか、これはよほど強力な文部省の指導がないと全国には徹底しないということを私は申し上げているわけで、その点をぜひやっていただきたいと思うのです。この点はいかがでしょう。
○斉藤説明員 個々の子供たちの障害の実態、発達段階等から見まして、どちらの教育形態をとることがより発達するかという観点から就学指導ということが行われるわけでございます。ですから、その観点で、総合的な判断のもとに適正な就学がなされるようにという指導は徹底していかなければならぬと考えております。
○西岡小委員 くどいようですが、いま課長がおっしゃったような表面的な事務的なことでは、先ほど申し上げたような方向に流れてしまうのではないか。したがって、やはり文部省としてどちら側に重点を置くかという方針がまずなければ、これは全国の実態としては、事柄がむずかしいだけに必ずそうなってしまうと思うのですね。その点はやはり文部省としてきちっとした方針を今後お出しになっていただけますか。
○斉藤説明員 先ほどから御説明しているとおりでございまして、その子供の発達にとって最も適正な、しかもそれはたとえば養護学校に行くことが交流を妨げてしまうというようなことのないように、養護学校自体の交流教育も促進していくという必要はあるわけでございますが、どちらの教育形態をとることが妥当であるかという判断はやはり適正に行われなければ、養護学校の建設の趣旨がある面では損なわれてくる危険があるわけでございます。
○西岡小委員 私が申し上げていることをおわかりの上でそういう御答弁だと思うのですけれども、おっしゃっていることは間違いではないわけですよ。しかし、そういうようなことでは非常に困難な問題だけに、また全国のそれぞれの地域がよほど心身障害の子供たちに対する理解、関心、熱意というようなものがない限りは、そういう望ましい方向にはなかなかいきがたい面があると思うのですね。ですから、文部省としては、どういう方向が望ましいか、できるだけそういう配慮をせよということはやはり明確に言っていただかなければいけないのではないかということを申し上げているわけで、文部省の基本的な方針として非常に事務的な、表面的なことでお答えになっても、それではそれぞれの地域にその方針が行ったときには温かみのある形では全然伝わっていかないわけですね。それを私は、そういう方針だという通知を、表面的なことは十分承知していますけれども、そういうおそれがある、またおそれがあるからこそ関係者の間でせっかく歓迎してもらえるはずの五十四年度からの実施というものが、反対という運動を起こしているということを文部省としてもきちっと受けとめてもらわなければいけないのではないか、その具体的な措置をとっていただきたい。とっていただけますか。
○斉藤説明員 検討してみます。
○西岡小委員 いや、この問題は、局長だとか、そういう形の問題ではなくて、現にこの問題について一番詳しい専門的な立場でおられるあなたがその方針をやはり決めていただかなければ、文部省の中にはほかにだれも判断する人がいないと思うのですよ。だからいまお答えをいただきたい。
○斉藤説明員 私どもとして、現在の法令、通達等に基づいて仕事が適正にいくように努力をいたしておるわけでございます。その範囲内でこの養護学校の義務制が円滑にいくように最大の努力をするという立場に立っていることは、御指摘のとおりでございます。
○西岡小委員 いや、何と申しますか、そんな四角四面な事務的な答弁を私は望んでいるのではないので、私が申し上げていることが間違っているとおっしゃるならば間違っているとおっしゃっていただきたいわけで、間違っていないならば、やはりきちっとそういう文部省の特殊心身障害の子供たちに対する教育についての基本的な考え方というものを具体的な形で地方の教育委員会に、関係者にきちっとやはり通してもらいたいということを申し上げているわけで、それはしていただけますか。よろしゅうございますか。
○斉藤説明員 お答えさせていただきます。 先ほど来一貫して申し上げておるわけでございますが、交流教育の必要性ということは十分周知徹底していく必要があると思うわけでございます。しかし、お話のように、特殊学級にいる子供がすべて養護学校には行かないで済ませるような方策ということであるとすれば、それは現在養護学校をつくっている趣旨といいますか、それを損なうことになるということでございます。心身障害児に対する理解というものをやはり教職員の間に深めていく、あるいは関係者の間に深めていく、これは大変大切なことでございますし、そういうことから特殊学級のあり方だとかあるいは小中学校における特殊教育の推進、そういう観点はさらに前進するのではないかというふうに考えますので、その点は十分指導してまいりたいと思います。
○西岡小委員 そういう通達というか、文部省としての方針を文書で出していただけますか。
○斉藤説明員 養護学校の義務制に伴いまして、現在行われている学校教育法施行令の規定の一部を改正する必要があるわけでございます。手続的な問題でございますが、改正する必要がございます。その際、国として統一的に配慮していかなければならない必要な措置は、その通達で十分検討してまいりたいと考えます。
○西岡小委員 私ばかり続けるのもいかがかと思いますが、また皆様方の議論の後で、この問題はもっとたくさんの問題があると思うのです。教員養成の問題もあると思いますし、それから就学指導委員会の委員の資格、構成の問題、こういった問題もあると思いますし、それぞれの市町村の段階で本当に日本のすみずみまでのそれぞれの地域で、いま課長がおっしゃったような、そういう本当に適正な判断というものが完璧にできるというようななまやさしい事柄ではないだけに、文部省の方がどういう方向にこの問題を振るかということが非常に大きな影響を与えるというふうに思うので、そのことを申し上げているわけです。 一応これで私の質問は中断いたしまして、あとは保留しておきます。
○木島小委員 いまの問題だけで言いますと、大変大きな問題なのですよ。だからこそ、この丸いテーブルで特殊教育を取り上げようという意味があると思っているのです。交流教育なり混合教育と言われるそれは、極端なことを言うと、本人は果たしていいのかどうか、隔離までしてしまってもいいのか、あるいは今日の特殊学級というものの形態は実体的にはどうなのかということになりますが、言うなれば、障害児という場合は、特殊学級からコロニーに入るとか在宅児童もいますから、そういう問題も絡むわけですよ。したがって、きょうの時間の設定ではこれ以上——困るのですよ、こっちに来ていらっしゃって問題があるのに、いませっかくいい問題が出ているけれども、ちょっと進めたいところだ。だけれども全体からいって困ってしまうのだ。
○西岡小委員 私もそれで途中でやめたのです。
○木島小委員 この問題はこの問題で保留しておくかどうか……。
○山原小委員 私ども、お話を聞きながら困って座っているわけです、時間の関係その他含めまして。 それではひとつ質問させていただきます。 私、最近、養護学校の卒業式に行っているのですが、一番多いのは卒業したくないと言う。卒業してしまえば行くところがないというのがあるのですね。だから学校によっては専攻科をつくってくれというような問題も出てくるのです。実はこれは私たまたま手に入れたのですけれども、東京都立の北養護学校の去年の卒業式に書いた卒業生の代表の答辞なんです。これを見ますと、養護学校へ入るときの喜びと、それからもう一つは、卒業するときの悲しみというのが、単なる別れの悲しみではなくて、これからどうなるのかという、もうちょっと手職をつけたいとか、あるいはタイプをもうちょっと手につけたいとか、そういうこともないままほうり出されてしまうという、そういうあれがあるのです。これはいつか時間をかけて質問もしたいと思っていますが、この養護学校の五十四年度義務化の問題でございますけれども、非常に計数が違うのですね。たとえば全国議長会の整備状況調べの計数を見ますと、五十一年、五十二年、五十三年の三年間で大体新設百六十校以上、増設三十校以上必要だろうという数字が出ていますが、これに対して文部省の方では、いま御説明があったか知れませんけれども、たしか四十七年より五十三年度までに二百四十三校でしたか、そのうち五十一年、五十二年、五十三年の三年間で百十六校という数字が出ていますが、そういう違いというのがあるのですね。 それからもう一つは、就学猶予、免除の人数にしましても、全国議長会の数字が五十年五月一日現在で一万一千三百十六人、文部省の方では一万四千人という数字が出ておりますが、全国議長会の場合は、それを含めまして二万七千百二十六人の就学対象児童が就学していないという、いわゆる隠れた障害児あるいは実際には就学していない子供たちがいるという数字が出ていますが、この辺の計数上の調査というのは綿密に行われているのでしょうか。それが一つです。 それからもう一つは、五十四年度実施に向かって、全国知事会などもずいぶん疑問を出していますし、また要求としては、施設整備の予算をふやせとか超過負担が大変だとかいうような幾つかの項目が出て、恐らく文部省の方にもしばしば要請が来ていると思いますが、そういうことに対して果たして的確な対応ができるのだろうか、たとえば教員の増員あるいは学級定数の引き下げ、介助員をつけろというような要求が出ていますし、用地の取得問題なども出ていますが、このままでいくと、五十四年度実施ということが果たして可能なのかどうか。 私は提案としましては、ばらばらの行政でなくて、五十四年実施ということを決定した以上は、たとえば厚生省、文部省、大蔵省あたりの一貫した対策の機構をつくらないと、このままでは不発に終わってしまうのではないかと心配しているのです。そういう点で、五十四年度実施に向けて実効が上がるような機構というものをつくって、調査にいたしましても計数上の整理にしてもあるいは予算上の対策にしても、大蔵省を含めて五十四年度実施についての万全の対策をとるということをやらないと、目の前に来て実施が不能であったとかいうようなことになっては、これは政府の威信の問題に関係してまいりますので、そういった点、どういう体制をとっているかということを一つだけ聞きたいのです。
○斉藤説明員 一つは、実態の計数についてお尋ねがございました。 お手元にございます養護学校整備七ヵ年計画、これは五十三年度の対象者ということで、出現率ということで数字が出ておるわけでございます。この出現率は、御承知のように四十二年の調査に基づく出現率ということでございまして、この計画を国として立てる場合に、四十二年度の調査に基づいて推計をしているというわけでございます。ただ、養護学校を現実につくっていく、そのためにはその子供の実数を確実に把握していかなければならないわけでございます。 そういうことで、単にこの四十二年の調査を金科玉条として対応していくのではなくて、各県に具体的な積み上げをお願いする必要がある、それが昨年度実施した事情聴取の趣旨でございます。そういう観点で、現在集計中でございますが、なお本年度も事情聴取を繰り返しまして、この数をもっときちっとしたものに、現実に合うものにしていく必要がある。中間的なところでございますが、この出現率によって出てきております推計数よりも、現実は少し少ないのではないか、ただ計画はこの出現率に基づく推計数によって維持していくことの方がベターなのではないかというふうに現在考えているところでございます。 学校の建設計画の数字そのものがかなり違うではないか。これは恐らく単純に各県で現在事務的に検討した結果を取りまとめた数字ではないかと思います。文部省のこの学校の数は、下に書いてございますように、一応その補助のための標準規模というものを設定いたしておりまして、ごらんのような形で、収容定員が百五十四人という数字を基礎にしてはじいたものでございますから、その数の違いが生ずるのはやむを得ないというふうに思うわけでございます。 それから、養護学校の義務制の実施に伴って必要な措置をもっと統一的に、特に組織等の整備等も十分図っていかなければならないのではないかという御指摘でございます。今後もっともっと関係省庁と十分緊密な連絡をとって遺憾のないようにしろという御指摘と承ります。そのようにがんばっていきたいと思っております。
○山原小委員 もう一つ、五十一年、五十二年、五十三年の三ヵ年で百十六校をつくるというのは、先ほどの御説明で多少計画がダウンしていますね。
○斉藤説明員 はい。
○山原小委員 これからの計画はどうなっているのですか。五十四年度に向けまして、それは文部省の計画どおり実行できるという確信を持っておられますか。
○斉藤説明員 昨年の事情聴取の結果でございますけれども、これは教育委員会として最終的に決定したものとは言えないので数字が公表できないわけでございますが、五十二年度はおよそ三十数校、五十三年度は五十校を超えるのではないかと現在考えております。さらに、五十四年度に開設される学校もあるわけでございます。そういうことで、ここに掲げております計画数よりも上回るのではないかと現在のところ考えております。
○山原小委員 二百四十三というのを上回るということですか。
○斉藤説明員 二百四十三校を上回るものと推定しております。
○山原小委員 上回るということですね。そういう確信を持っておられるわけですね。
○斉藤説明員 はい。
○木島小委員 いまの進め方について言いますと、けさの、この丸いテーブルで、委員長を含めて、速記もつけないでというような配慮をしてこの問題を取り上げているという趣旨を十分御理解いただいてないのではないか。たとえば五十四年度までに完全実施するためには、あなたの方ではいろいろな角度からの御検討をなさっていらっしゃるわけですね。いまの数で言うなら、各府県が今日どのくらいつくるかということもありましょう、あるいはもっと広く言えば、義務化ということを契機にして、今日までおくれておった特殊教育全体に対してのメスを入れるチャンスでもあるわけですよ。 そういう問題全体を、丸いテーブルの中でもって、いままでの委員会のように敵味方みたいなことでなくて、一緒にお互いに考えていこうじゃないか、そういうことだからこの丸いテーブルを用意したわけですよ。だのに、きょう出されたこれは、校舎を年々これだけつくっていきますだけみたいな話ですよ、簡単に言えば。しからば、たとえば訪問教師だって一体どのくらい必要なのか、いまどことどこの県があるか。これだって実は学校教育法にありながら四十九年まで国が全然手をつけなかったのです。だから大変おくれておる。 そういうことも含めながら、特殊教育全体をどうするかという問題を丸いテーブルの中でもって集中的にやろう、敵味方でなく、お互い味方としてです。そういう意識がちょっと足りない。いままでどおり、何とかかんとか、こんなことをやってこうやってこの際逃げてしまおう、ちょっと言葉が悪いですが、というような意識ではないか。これではせっかく丸いテーブルをつくったところで議論にならない。だからせっかくの西岡さんの質問にも、まさによろいを着てしまって事務的な答弁で逃げよう逃げようとするようなことになってしまうのですよ。責めているのではない、この場は敵ではないのだから。これはいろいろな角度から検討されているでしょう。校舎だけではないでしょう。
○登坂小委員長 この委員会の趣旨は、あなた方がよりやりよくするために専門的にみんなして練り上げていこうというのですから、その気持ちでひとつ答弁してもらいたいと思います。
○千葉小委員 時間もないようですから一つだけ。この特殊教育の問題を話し合うのに、特殊教育関係だけではなくて、やはり義務化するのですから、初中局の方々も一緒に出席してもらう方がいいのではないかと思ったのです。思ったのですけれども、私の意見ですから、いますぐでなくて結構です。今後私も続けてやりたいと思うのです。というのは、いま伺っていると、当局の方では、発達段階に応じて適正な判断で指導していくという、これ一言に尽きますけれども、そういうことで、具体的な方向は学校数だけしか出てこなかったわけです。そうすると、その中でさっき述べられた、軽度の者は普通学校に、その次の軽度の者は特殊学級に、それから重い者を養護学校に、こういうふうにお答えになっていたようです。そうすると今度は、軽い者は普通学級と言われると、普通教育の場で考えていった場合、いまの定員は大体一学級四十五名ですね。そうすると、四十五名の児童を一人の教師が持って、その中に軽度の者が二人いたと仮定します。そうすると、その教師の能力の限界はどこまでだろうかということも非常に重大な問題だと思うのです。この四十五名そのものが多いということは、もう世界の教育思潮の主流を占める意見ですね。大体一人の先生はどのくらいが限度だろうかということは、国によって違いますけれども、私どもの方で見さしてもらった中では、少ないにこしたことはないけれども、予算と教師の能力、養成課程等の問題とあわせて、三十五名以上はとてものことにはできないということが大方の意見なのですが、日本の場合は、予算のいろいろな関係で、五十名からずっと減らしてやって四十五名になったわけです。そうすると、軽い者は普通学級にと簡単に言っていますけれども、今度は、受けてやる方の側に立ったときに、教師の場合と、ほかの子供への影響と、親の場合と、学校全体の教育体制との関係をどういうふうにおつかみになっているかということも明確ではないわけです。特殊学校だから特殊の問題だけをやればいいというものではないと思うのです。新聞の投書などを見ますと、私もこの間朝日で読んだのですけれども、養護学校へ無理にやるならば死んでしまった方がいいという御意見があって、ごらんになった方あるでしょうか。そういう極端な御意見があったのですよ。これはまた大変に飛躍しているけれども、どこに問題があるかというと、それにはそれなりのまた理由があって、日本の特殊教育の欠陥というのではなくて、しわ寄せされている、国の一つの教育体制の中で、体の弱い、心身の障害を持っている方々が非常な惨めな姿にいるということが半面にはあるわけです。ちょうど義務化するについて、やはりそういう問題を考えてこれをやっていかなければならない。そういう意味で、私は結論として、さっき西岡委員の方から述べられたのですが、目標をはっきりするとおっしゃったけれども、当然だと思うのです。五十四年といえばあと二年しかないわけでしょう。学校をこれこれでやったらば、たとえばいまおっしゃったように、五十三年度は五十校だ、五十二年度は三十校だ、それから五十四年度も開設する予定だとおっしゃった。そうすれば、いまの障害児がどのぐらい収容されるのか、あと残るのは何人いるのか、そういう問題と、それからもう一つは軽度の問題、これは簡単に片づけられたけれども、これはやっぱりいけないと思うのです。そういうものをあわせた総合的な政策がなければならないと思うのです。そういう点、私次回にこの委員会を継続させていただいて、改めて質問させていただきたいのですけれども、その点について答えていただきたい。
○斉藤説明員 私の御答弁できる範囲でお答えさせていただきますが、ちょっと青い冊子をごらんいただきたいと思うのです。四ページ、一番最初のところでございます。 ここに「義務教育段階の心身障害児童・生徒推定数、就学者数及び就学率」という表がございます。視覚障害と聴覚障害の欄は、これは盲学校、聾学校、それに特殊学級がございますが、ここは義務制がすでに実施されているところでございます。率直に申しまして、義務制が実施されている段階でも、視覚障害者の三三・二%が盲学校と特殊学級に就学しておるわけでございます。この出現率が正しいかどうかという問題はございますけれども、これ以外の者は一般の普通の学級で学習をしているということになるわけでございます。そういう意味で、障害児であっても普通学級で十分学べる子供たちの数というのはかなり多い。それが現在このような形で学習をいたしておるということでございます。 御説明の都合上非常に簡単に申し上げましたけれども、こういう実態を踏まえてそれぞれの障害に応じた教育の形態をどういうふうに考えていくか、基本的な考え方は障害の状況に応じて教育の形態を考えていくという御説明を先ほど申し上げたわけでございます。御了解いただきたいと思います。
○曽祢小委員 養護学校以外のことに移ってよろしゅうございますか。
○木島小委員 移るなら移るで、今後どうするかをちょっとけじめをつけて次に移りましょう。
○登坂小委員長 いまの問題について、公明党さんはどうです。
○伏屋小委員 要望でございますが、私どもここへ来て初めてこのような資料をいただいたわけでございます。やはりもっと前にこの資料をいただきまして、具体的な数字の掌握をした上でこの席にも臨みたかったということで、資料の早い配付をお願いしたいということを御要望申し上げます。 それから、先ほど西岡委員あるいは山原委員、千葉委員からもお話がございまして、重複すると思いますけれども、五十四年度義務化ということもさることながら、実態の上から申し上げましても、いまお話がありましたように、養護学級を卒業したくないというような声もございます。また、就学前の、いわゆる幼稚園に当たる段階の肢体不自由児だとかあるいは特殊な支障のある方々のそういう施設、そういうものも数多くございます。そういう数の実態の把握がどのようにされておるか、その施設から今度は義務化への円滑な移行がどのように図られておるのか、さらにまた、養護学校へ入って義務化を終えたその子弟が次にどのような段階で次の学校に進んでいくのか、あるいは就職する場合に企業がどのような受け入れ体制があるのか、このような一貫したものがないと、やはりいまのような卒業したくないというような声が出てきます。いま焦点は義務化のところにありますけれども、それも重点的にやっていただかなければなりませんが、やはりその取り巻く環境を整備する中で義務化ということを考えていかないと、御父兄の不安というものは解消できない。そういう面からも当面力を入れていただきたいと思いますし、現在養護学級が絶対数においても不足しております。特殊な奇特家の方が民間で自分で経営してみえる養護学級もあります。私もその実態を知っておりますけれども、その園を創設したときの気持ちというのは非常にとうといものがあります。しかし、だんだん代がかわりまして、経営が惰性化されてきた。その中で、その施設に入っておるお子さんたちが自分たちの気持ちに反することを強いられている。親としてもそれを納得いかないと腹の中では思いながら、そのほかに施設がないということから万やむを得ずその施設に子供を預けておるという御家庭もございます。卑近な例を申し上げますと、朝必ずあるお参りをさせるとかいうことを強制しながらやっておられるようなところもございますし、また子供一人当たりの補助がピンはねをされておるという実態もございます。やはり養護施設の絶対数の不足からそういうことが起こってきておるのではないか、こういうことも非常に心配をしておるわけでございます。そういう面について、また次の機会には具体的に資料を一遍調べまして御質問したいと思っております。 また、ここで斉藤課長さんにお尋ねしたいことは、先ほど西岡小委員がおっしゃったように、一つの隔離した施設で人間教育をやるよりもむしろ交流する中でこそ人間教育ができるのだ、こういうような御意見もございましたが、現在、各都道府県によっては呼び名が違うかもしれませんが、各学校でいわゆる基本学級的な性格を持ったそういうクラスが一教室ないし二教室併設されておるわけでございます。それはやはり斉藤課長さんの管轄に入ってくるわけですか。
○斉藤説明員 小中学校でのお話でございますか。
○伏屋小委員 そうです。
○斉藤説明員 それは小中学校に置かれる特殊学級のことかと思うわけでございます。特殊学級は特殊教育の中でございます。
○伏屋小委員 私たちの方の県では特殊という言葉は使わないのです。非常に子供に差別感を与えるという意味から、基本学級という呼び名で呼ばれておりますけれども、そのような実態というものをいま私が見た範囲ではつかんでおらないわけです。それはこのどこかにあるわけですか、小中学校併設養護学級ですか。
○斉藤説明員 私ども呼び名は法律に基づきまして、法律では特殊学級となっておりますのでそのように言っているわけでございます。 この資料の中に特殊学級の設置の状況は盛られておりまして、五十一年度現在で小中学校に二万一千学級がございます。
○木島小委員 高校の特殊学級はどうですか。
○斉藤説明員 高等学校に特殊学級が置かれているということは聞いておりません。
○木島小委員 一つか二つあるでしょう。学校教育法七十五条には、「小学校、中学校及び高等学校に」「特殊学級を置くことができる。」とありますね。国公立の高等学校には一つもありませんね。
○斉藤説明員 高等学校教育につきましては、教育の内容が能力、適性に応ずるといいますか、専門分野というような形になっておりますので、なかなかっくれないという条件があるわけでございます。
○木島小委員 それでは七十五条は誤りですか。
○斉藤説明員 学校教育法では、特殊学級を設けることができるという規定になっておるわけであります。
○木島小委員 次に移りたいと曽祢さんおっしゃいますが、今後どうするかということをまとめて次に移りましょう。ちょっとまとめてください。
○曽祢小委員 この問題について一つだけ要望を……。 皆さんから出されている意見の中にもあるのですけれども、重症の子供に対する養護学校をふやすこと、これは当然必要なのですが、やはり子供の気持ちと親御さんの気持ちから言って、普通の義務教育学校に置いて、クラスだけは特殊学級を設ける、あるいは先生方大変だと思うけれども、普通の学級の中に置いておいてほしいという気持ち、これは重度、軽度の違いがあるかもしれませんけれども、そこら辺のことを十分に考えてやらないと、教育の効果としてかえって逆の効果を来す。こういう点は非常にむずかしいと思うのですね。ですから、先ほどの西岡小委員に対する課長の答弁、いささかどうもしゃくし定規にしゃっちょこばり過ぎていると思うのだけれども、本当にそういったようなきめ細かな、現場の教育委員会あるいは学校当局のきめ細かな指導が必要だ。それがいわゆるあなたの言われた交流ということなので、制度、制度にとらわれないで、もっと本当に子供のために考えるという心遣いが一番ポイントだと私は思うのです。その点をひとつ強く要望しておきます。
○登坂小委員長 それでは、各委員の御意見がいろいろ多岐にわたり、また深く専門的になりましたが、ここで結論を出すわけにまいりませんので、もう一日、特殊教育を実施するに当たって文部省がきめ細かく指針を確立しているかどうか、確立するためのいろいろな基本姿勢についてもう一回この委員会に提示を願う、と同時に、各委員の御意見を、この次の委員会までにもう一遍掘り下げて検討するということにして……
○千葉小委員 委員長、あなた、もう一日とおっしゃったのですけれども、時間がいつも一時間か一時間半でしょう。この特殊教育というのは一日と言わないで、きょうは継続にしてこれからもやりますというふうにさしていただけませんか。お願いします。
○登坂小委員長 それはそうです。そういうことと同じです。結構です。 そういうことにして、次に、在外子女教育問題について質疑をお願いいたします。
○曽祢小委員 これは外務省と文部省、両方に伺うのですが、在外子女の教育については、学校教育問題であるけれども、これは在外邦人の全体の問題として外務省の所管なのですか。それとも両省の共管なのですか。その点をまず両方から伺います。非常にプリミティブな質問で恐縮なんですが、基本的な問題ですから……。
○川村説明員 ただいまお尋ねの点につきましては、私ども、この仕事は常に外務省と御協力をしながら御一緒になって仕事をさしていただいておるわけでございまして、もちろん教育という色彩は非常にある。先ほど申し上げましたように、私どもの側から見ればこれはやはり国民教育の一環であるというふうに理解をいたしておりますし、また同時に、外務省の方からごらんになれば、これは在留邦人の保護という重要なお仕事だということでございますので、実態的には常に御一緒になって仕事をしておるということでございます。
○橋本説明員 外務省の方といたしましても、先ほど文部省の担当課長がお答えいたしましたとおりと心得ております。
○曽祢小委員 両方かかわり合っているのですから、仲よくやってください。 そこで、次に伺いたいのは、この表に、大体現状において在外で適齢の子女が約四割近くは日本人学校に就学しているというふうに出ております。これは各地でばらつきがあろうと思うのですけれども、大体四割近くというのは、それでほとんど需要を満たしているのですか。各学校の収容人員のあれもあるのでしょうが、まだまだうんとこさ足りないのか。つまり、四割のほかのあれは、本当にやらなくていいから、親御さんの計らいで任意にその現地の学校に行っている、しかし、本当はもっと日本人学校、日本語学校に入りたいのだけれども、こっちの施設が特に人的に間に合わないから四割以下にとどまっている、どっちなのでしょう。
○橋本説明員 現在までのところ、総数におきまして、先ほど文部省の方から御説明がありましたように、四十五校、それから五十二年度予算で五校の新設をお願いいたしております。これは在留邦人並びにその子弟が数多く集まっております地域におきましてはほとんどできております。しかしながら現在、それから将来もそうだと思われますが、まだまだ自分たちの居住している地域にも学校をつくってくれという要望がかなりございます。したがいまして、現に行っております四割という数字でございますが、これは一〇〇%の四割という意味ではございませんで、全日制の日本人学校に四割、それからさらに三五%の子弟が現地の学校に行きながら、たとえば土曜日でありますとかあるいは日曜日に、日本語を忘れないように補習授業校に行くという方もございます。したがいまして残りの二四・五%が、アフリカでありますとかあるいはアジアあるいはその他世界の各地の、在留邦人の数も少ないし、現地にいい学校もないというようなところで在留しておる方の子弟であるというふうに了解いたしております。したがいまして、この方々の御父兄の方から、われわれのところにも学校をつくってくれという要望が現にございまして、今後もかなり出てまいるだろうと思います。
○曽祢小委員 そうだとすると、日本人がかなりたくさんいるところだったらわりあいに早く開設すると思うから、数的に十分に間に合うかどうか別として開設されているところは多いと思うのです。ところが僻地に行くと少数だから実際はなかなか開設してやれない。そういううらみがあるところが現実には多いのではないですか、どうですか。
○橋本説明員 先ほど申し上げましたとおり、昭和五十二年度の予算でもし認めていただけますと五十校になりますし、かなり広くカバーしておるのでございますが、先生御指摘の、いい例かどうか存じませんが、アフリカの僻地のごときところは、在留邦人の子弟で教育年齢にあります児童の数が七、八人とかあるいは十名以内、二十名以内ということになってまいりますと、たとえば小学校をつくりましても一学年に一人とか、こういった問題もございます。さればといってたくさん在留邦人がおりますたとえばニューヨークでありますとか、あるいはロンドン、バンコクといったところの人には手厚く、あるいは今度は逆に僻地におられる人にはめんどうを見てあげられないということは、機会の均等、教育の均等の観点から見まして非常に問題でございますので、これをどういうことにするということにつきましては、文部省あるいは関係方面と今後十分相談してまいりたいと思っております。
○曽祢小委員 それで今度は子弟が日本に帰ってきてからの教育ですが、これは当然に文部省の問題なのです。大体いままでのところで、義務教育段階の途中で帰ってきた人が日本の義務教育段階に入るときに、実際上学力等のハンディキャップは、個人差もあるでしょうが一般的にはない。義務教育を終わって帰ってきた人の子供の高校入学等にハンディキャップがないのかどうか。ないといってもあると思いますが、それらの点についてどういうふうにされておるか。途中から転校した場合、それから義務教育を終わって高校入学を目指して帰ってきた子供の高校入学等についてのハンディキャップについてどうお考えになるのですか。
○川村説明員 ただいま御指摘のございました帰ってきた子供の学力でございますけれども、これは一概に言えないわけでございますが、基本的には現地での教育形態と絡んでいるわけでございまして、現地でただいまお話しのございました日本人学校に在学しておった子供は、まず基本的にいえばハンディキャップはほとんどない。それに対して現地の学校に行っておりましたとか、あるいは週に一回くらいの日本語学校でございますと、どうしても言葉の能力が落ちる、それで国語が一番ハンディキャップが多い。それから社会科でございます。社会科というのは、結局住んでいる周りの社会とのつながりであるわけでございますから、日本の社会の状況を外国で勉強するというのは非常にむずかしいということがございます。それから言葉がわからないために、たとえば数学の問題が解けないというような子供かございまして、そういう就学形態と非常に絡んでおります。現実問題としては、義務教育段階でございますと、帰ってきた子供は国内では年齢相当の学年に入れるということを原則とし、その子供の能力によって適宜特別指導するというふうな扱いにしておりますが、問題はいま御指摘ございましたように高等学校の入学でございます。高等学校は義務教育でございませんので、海外から帰ってこられた、特に長期間いて言葉が非常に不自由という方について問題が多いということでございます。そこで私どもとしては、そういう受け入れ体制をできるだけいろいろな形で強化してまいりたいということで進めておるわけで、今度の五十二年度予算に、新しく特別のそういう受け入れの高等学校をつくりましょうということもお願いしておるという状況でございます。
○曽祢小委員 そういう人を受け入れる高等学校は、ことしは予算がついたのですか。
○川村説明員 五十二年度政府予算原案に、一応三億円という予算を計上してございます。これは五十三年四月からそういう高等学校をつくるということに対する特別助成ということでございます。
○曽祢小委員 それからこれはもちろん高等学校以上のものだと思うのですけれども、高等学校くらいは向こうのハイスクールか何か知らないけれども後期中等教育みたいにやっておいて、それが日本に帰ってきて日本の大学に入学するということは、入試の問題だけからいっても非常なハンディキャップがあるわけです。そういう場合に、この間新聞でちょっと見たのですけれども、国際基督教大学、そういうところに彼らの学んできたいい点は生かしながら、つまり外国語ですね、英、仏、独、スペイン、あるいは中国でもいいけれども、国際的な外国語を続けて生かしながら大学教育が受けられるように、そういうような配慮については文部省はどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○川村説明員 ただいま御指摘の大学の入試というのは大変むずかしい問題でございまして、御指摘ございましたように、国際基督教大学では以前からそういう外国人の学生も大変たくさん受け入れている関係で、たとえば入学時期を九月にするとか、学んできた言葉で教育が受けられるように配慮するとかいうことをしていただいているわけでございます。私どもこれからの日本の将来の国際化の問題を考えると、国際基督教大学でございますとか、上智大学でございますとか、特定の限られた大学だけでは困るので、できるだけほかの大学でもそういう子供たちの特性に応じた選抜の仕方をやっていただきたいというお願いをしておるわけでございます。たとえば最近の例で申しますと、筑波大学では、外国の高等学校を卒業してきた子供については推薦入学の対象にしようというようなこともやっていただいて、だんだんそちらの方向へ動いているのではなかろうかというふうに思っております。
○曽祢小委員 ぜひその点は大いにプッシュしていいものは生かしながら推薦入学の道を開くようにやってほしいと思います。 これで終わります。
○木島小委員 日本人学校というのは、これは何立ですか。
○川村説明員 日本人学校というのは、これは外国にあるわけでございますから、日本の学校教育法令が及ばない。だから日本の学校教育法令上の何だと言われると、これは非常に困るわけですけれども、まあ類推をして言えば、私立学校であろう。つまり、現地の設置者に当たるのは、日本人会といいますか、在留しておられる日本人の方々の会が設置者になっておられますので、そういう意味で言えば、私立学校の色彩が強いということだろうと思います。
○木島小委員 そこで、国籍は日本であるが、日本の法律は及ばない。しかし、その国籍が日本にある限り、教育権はある。憲法二十六条による、国民は「その能力に應じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」という教育権がある。移住者は別ですね、国籍は別です。ここの関係はどうなのですか。
○川村説明員 その点が非常に議論になるわけでございますけれども、その人たち、日本の方々がおられるところは、現に日本の主権の及ばない地域でございます。ですから、ただいま御指摘の、たとえば教育を受ける権利というのも、日本の憲法とか法令によってこれは認められているわけでございまして、その憲法やら法令が適用にならないということになると、これはその権利があると、そう言えるのかどうか、非常に微妙なところだろうという、法律上の議論をいたしますれば、やはり若干問題はあるのではなかろうかと思っております。
○木島小委員 そうすると、海外に行っている子供は、憲法の教育権がない……。
○川村説明員 私どもの従来の解釈と申しましょうか、考え方としては、これは日本の教育法令が及ばないのだ、教育法令が及ばないから……(木島小委員「憲法だな」と呼ぶ)憲法も含めましてですね。したがって、義務教育そのものではない。憲法とか教育法令に基づく義務教育そのものかと言われれば、そうではない。しかし、御指摘のように、まさに日本の国籍を持ち、日本人でございますから、これに準じたものとしてできるだけの取り扱いをしてまいりたいということでございます。
○木島小委員 そこをまずすきっとしないと、指導力が及ばないと思うのですよ。おっしゃる理屈はわかります。もし、法律が及ばないのだ、憲法も及ばないのだ、したがって教育権はないのだ、だったら、日本人学校に教師を派遣することもない。極論ですよ。しかし、派遣するという限りにおいては、実質的には教育権を持っている子供たちであるから、そして設置者は、それは向こうの人たちがなっている、いわゆるさっきおっしゃった私立という形をとっても、私立であるけれども、しかし、たとえば教師を国の費用でもって出しておるというようなことは、実質的にやろうとしておることは、実質的に教育権がある、その教育権を全うしてやろうという気持ちというか思想があるからこそなさっておると理解していいのでしょう。
○川村説明員 その実質的に権利があるというその辺は、なるべく、余りはっきり私どもふだん言っておりませんので、気持ちとしては義務教育に準ずる、義務教育にできるだけ近づけて、やはり日本の国民の教育の問題であるから、これはそれなりの、できるだけの扱いでまいりたいということでございます。その権利があるということを余りはっきり申しますと、これはやはり国際社会の問題でございます。お互いにそれぞれの国がそれぞれの領域内で主権を持っているわけでございますから、余りその辺のところ、明確な言い方はふだんはしておらない。
○木島小委員 実質的にということですが……。
○川村説明員 御指摘のように、実質的にはおっしゃるとおり日本の義務教育に準じたものとしてできるだけのことをしてまいりたいということでございます。
○木島小委員 そうすると、たとえばさっき特殊教育、障害児教育で、在宅者に対して家庭訪問教師というものをつくっていますね。家庭におるというのは、これは子供が一人うちにおるのに教師が回っていって指導をしておる。実質的に義務教育をやろうとすれば、先ほどお話に出ましたが、たとえばアフリカのところに一人ぽつんぽつんとおっても、実質的に教育権があるとすれば、この際、実質的という言い方をしますが、とすると、また、たとえば予算の関係になると思うから、結論は、あなた方の、皆さん方のPTA的発言になりますけれども、その理念をきちっとして、実質的に教育権があるとすれば、たとえば障害児なら障害児が一人家庭におる、その子供に対して一人の教師を訪問教師でつけているという思想が、同じく外国におる子供たちにも及ばなければ実質的にならないのではないか。そういう思想が確立されておらないために、さっき曽祢さんの御質問に、少ないとか、なかなか困難ということになるのだろうと思うのですよ。これはどうですか。
○川村説明員 ただいま御指摘の点でございますけれども、私どもはやはり、ただいまの在宅指導の例で言えば、そういう子供たちの就学形態をどのように考えたらいいか、それは先ほど斉藤課長からおっしゃっておりましたように、それぞれの能力、適性に応じた教育の仕方があるのだろうと思います。この海外子女教育の場合でも、これはその能力の問題とはまた別の次元でございますけれども、できれば、非常に理想論を言えば、木島先生御指摘のように、子供が一人でもいれば、それに対して教師を一人派遣するということも考えられるかと思いますけれども、現在私どもは、やはりそういう子供たちに対してはむしろ、そういう日本人学校への通学ということよりも、現在とれる手段として通信教育でございますね。日本人学校に在学していない子供たちに対しては通信教育でその教育の機会を確保するようにしたい。そこで、この通信教育の事業に対して年間六、七千万の補助をしているということでございます。できるだけそういうことで、何らかの形で、希望する者に対しては教育の機会を確保したいということでございます。
○木島小委員 通信教育の場合はすっきりしていると思うのですが、これはどこでやっているのですか。
○川村説明員 通信教育は現在の財団法人で、海外子女教育振興財団という財団がございます。ここが実施をしておるもので、この団体に対して補助をしておるということでございます。
○木島小委員 それで、何かさっきも言ったと思うのですが、教師がいろいろな形で出ていますね。これを実質的に、教育権があり、言うなれば国立の日本人学校、義務教育ですね、実質的には。とすると、その教師はいろいろな、たとえば休職だったり、研修だったり、何かで府県から出てもらっておるという形はどうなのでしょうか。
○川村説明員 御指摘のとおりでございまして、現在の教師が足りないということと、その教師の身分取り扱いが非常に不安定だということは、御指摘のとおり非常に問題でございます。現在の仕組みが、私ども、まあざっくばらんに申せば、非常にできの悪い仕組みになっておりまして、各県に自発的に協力してくださいとお願いをして出ていただいておる。そのために各県で、たとえば休職の扱いをしたり、職専免にしたり、特別休暇にしたり、研修出張にしたり、いろんな扱いになっておるので、やはりこれは先生御指摘のように、国民教育の一環だというのであれば、もう少し国がきちっとした派遣の仕組みを取るべきではないかということでございまして、実は、そんなことで五十二年度予算の際にもそういう線でお願いできないかと思ったわけでございます。
○木島小委員 だんだんPTA的になってしまってあれですが、金は同じですね、国の金は。そうでしょう。都道府県の教師を出せば、その半分は国が出し、半分は交付税で出しているのだから、総額は同じですね。金がかかるのではないので、物の考え方ですよ。いま曽祢先生が御質問なすったことも、基本的には、金がかからないのにそういう形になっておるような日本人学校なり在留邦人の教育に対する国の基本的な態度が不明確なところに、金は同じにかかるにかかわらずこういう形態になっておると言えるのではないだろうか。
○川村説明員 正直申しまして、従来その子供の数も非常に少なかったし、この問題のとらえ方が必ずしも適切でなかったということは御指摘のとおりだと思います。しかし、先ほどのようなことでだんだん事の重要性も増してまいりますし、考え方自体は国の方はいまや非常にしっかりしているのだろうと思いますけれども、それを具体化する仕組みの問題で、非常にこれは技術的な面が多いわけですけれども、その辺に若干手間取っておるというのが現状でございまして、これは早急に、そういう積極的な理念のもとに新しい仕組みをつくりたいというふうに思っておりまして、現在外務省さんと一生懸命相談をしておるということでございます。
○木島小委員 いまの問題は、いま言いましたように予算がふえるわけではないのですよ。だから、これは委員会としても大蔵省に強く要望する一項として、このテーブルでこれから議論がいろいろ出ますが、そのときに最後のまとめの中に、この問題は大蔵省と少し議論をするならすることも必要でありますが、そういう何らかの措置を御考慮願いたいと思うのです。
○曽祢小委員 ちょっとそれに関連して、非常に重要なことだと思うので、いま木島さんと文部省の間の質疑応答の中で、これは私見ですから、国際法的、国内法的に絶対に正しいというような思い上がりではないのですよ。海外にあっても、日本の政府としてはやはり義務教育の内容を与える義務があると私は思うのです。それで、そういう属人的なことについては、そこの国の領土、主権等に反しない限り、何らかの形で日本人学校を持つということは、そうその国の主権から反対されるような理由はない。ただ、余りに権利、権利とやると、たとえば在日朝鮮人学校のような場合に時としてそれがどうかと思われるようなことがありますから、それはやはり気をつける。しかし、国民としてもそれだけの待遇をしてもらう権利がある。ただ、一人しかいないところに必ず先生を出さなければいけないといったって、事実上できないかもしれない。国としてもなし得る限り、義務教育の内容を与える最善の努力をすべきである。これはもう議論の余地がないと思いますね。ただ、それが制度として日本人の公教育の学校をつくったり何かということになると、おい待てという話が出ないとは限らない、私はそういうふうに思います。
○木島小委員 私もそれは、主権の了解でということでありますから——ただ非常に実質的に言っているわけですがね。
○曽祢小委員 そうです。全く同感です。
○山原小委員 委員長、次に移っていいですか。国際学友会の問題ですが……
○登坂小委員長 その前にちょっと、それについての結論を出しましょうか、皆さんの御意見はわかりましたから。 これは事務当局、文部省と大蔵省ともう少し具体的に話を詰めてもらって、この委員会としては教員の身分の確立及び財政負担について大蔵当局に考慮を促す、こういうことでしょう。
○川村説明員 大変ありがたいお言葉でございます。 ただこの問題は、一面は木島先生がおっしゃったように、予算の問題から言えば国としてはそう変わらない話で、去年も私どもの予算要求が問題になったのは、その制度というか、仕組みの問題でございまして、いままで日本はそういう仕組みを経験したことがないために、どういう仕組みにしたらいいのか、現行の制度上のいろいろの問題が出てくるわけでございます。これは、そういう意味で言えば、私どもは現在の法体系の中で何とかできないかと思ったわけですけれども、それが非常に問題だったということで、いろいろな方法を現在検討しているわけでございますが、場合によってはそういう法律上の措置を含めてまたお願いしなければならぬということになるのかというふうにも思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○曽祢小委員 山原さんの前ではなはだ失礼ですけれども、私は在日外国人留学生の問題で、この文部省のあれから出ているように、留学生の数が大体五千五百七十三人で、そのうちにいわゆる国費留学生という、文部省が出してやるのが千五十人。問題はこの在日外国留学生の問題について、これは一般的には外国人であっても文部省の主管であろうと思うのですね。ただ現実には、国費を出した方しかほとんど責任を負わぬというのが実際だと思うのです。ここについては一体そこまでやってやる義務があるかどうか、これは国策の問題ですからね。そういうことと、同時に今度は、後で山原さんが問題にされる、私も非常に関心を持っているいわゆる国際学友会の経営している、要するに留学生会館等に日本語予備学校みたいなものがありますね、これは外務省がやっている。その権限の分界といいますか、そこら辺のところにも私は根本的な問題があるのではないかと思う。確かに外国人留学生の中で恵まれた階層の者はいいのですね、これは相当いい待遇だと思うのです。ところが、下手をすれば、日本に留学させてそれで反日運動家を仕立てるような結果になる。だから、在日留学生の問題はもっと政府全体の腰の構えからまじめにならなければ、日本に留学生を招致して、これは任意の場合もあるかもしれない、しかし今度の学生会館の場合のごときは、確かにこっちの受け入れ側の失態も大分ありますね。最後の段階になってちょっと来るなと言っても人が来てしまったとか、それから会館の中でしょっちゅう労使紛争を起こしているとか、外務省の出身者でぼくの知っている人なども、あそこの会館の館長にやらされるのをびびっちゃって、こわがってばかりいる。いろいろな問題があるのだから、これを機会にやはり、在日留学生問題は政府の国策として、これが本当に日本とその国との親善になるように、日本に留学したことがいいという結果を生み出すように、もっと本腰で事態の改善に努力する。これについてはつまらないなわ張り根性はひとつ飛ばして、真剣に取り組む、私はこの基本姿勢がなければいけないと思う。それを国会側でもそういうことを応援して、皆さんみんな同じだと思うのですね。そういう意味で両省の考えを一言だけ聞いて、それから山原さんに移りたいと思います。
○光田説明員 全く先生のおっしゃるとおりと思うことが多うございますが、私たちしょっちゅう考えまして、たとえば反日感情を抱くというと、多分何らかの不満を抱いて帰るのであろう。で、その原因は何だろうとしょっちゅう考えるわけでございますが、そしてたとえば、よく聞かれますのは日本語がむずかしいという不満があるわけでございます。ですから、これについては私一生懸命にあっちこっちの大学に日本語講座をふやしたり、それからたとえば国費の留学生について言いますと、これは初めからそのように計画しているのでございますが、大阪外大で六ヵ月もっぱら日本語の勉強をさせているというようなこともいたしております。ですから今後とも日本語教育のことなどを、これは文化庁の国語課というのもございますし、あるいは国語研究所というのもございますし、あっちこっちで研究していかなくてはならないのではないか。たとえば母語別教材の開発とか、英語別教材の開発とか、英語国民にはこういう教え方をする、タイ語国民にはこういう教え方をする、そういうきめ細かい研究も、まだ実のところ、日本語教育のことについてはそれほど研究は進んでいないわけでございます。そういうこともしなくてはいけないのではなかろうか。いずれにしろ、日本語は大変むずかしいという声はしょっちゅう聞かれます。 それからもう一つは、これは留学生に限らず、どこの人でもそうでございましょうが、生活条件等に不満を持つことは間々あり得るわけでございます。一番理想的なのは、行った国でその社会に溶け込んで一緒に生活するというふうに識者はよく言います。しかし、実際上、たとえば日本の家屋は必ずしも東南アから来た人たちに適している住まいとも言えないし、また欧米、特にアメリカのいい生活になれた人たちには向いていないということもありますので、宿舎を整備しなければならないと思い、すでに国立大学には七つばかりございます。たとえば九州大学、北海道大学、それからこの四月一日に東工大に一つできました。それから、去年は名古屋大学に一つつくりました。そして、今度五十二年度予算では大阪大学につくる予定にいたしております。先ほども御説明申し上げましたように、まだ全体の二三%しかこの中に入っておりませんので、そういう点も考えつつ、それから宿舎のあり方も考えなくてはいけない、要するに入れ物をつくったばかりではなくて、それがたとえば交流の場になるようにとかいうふうにして、いろいろ努力いたしております。 それから、よく国費の生徒だけが宿舎に入っていると言われることがあるのでございますけれども、いま申し上げましたいろいろな大学の宿舎は、必ずしもそうではないのでございます。たとえば、東工大の宿舎には東工大の私費の学生も入っておりますし、横浜大学とかのも、入れるように指導いたしております。ただ、駒場に一つ、先ほど申し上げました会館、川野先生が理事長をしている財団がございますが、これは二十九年に国費の生徒を呼びましたとき、国が責任を持って呼ぶものでございますので宿舎が必要であるということで、財団をつくってそこに宿舎を設けたといういきさつがございますので、これは国費の学生です。これは国費の学生で、国立大学に通っているのもいるし、私立大学に通っているのもいるという感じになっております。 それからもう一つ、よく不満を持つだろうと考えられるものに学位の取得があります。理工系はわりあい日本人の工学博士とか理学博士も多いわけでございます。でも、日本人の文学博士とかとなるとこれは大変むずかしい、経済学博士となるとむずかしいというようなことがございまして、文科系は、ここへ来て二、三年勉強して修士をとるとか、あるいは四、五年勉強をして博士をとるというのはむずかしいというようなことは間々聞かれます。ですから、こういう方々が帰った後、アメリカに行ったら同じ年月を割いて簡単にPhDをとれたのに、日本のだれそれ教授は一向に出してくれないというような不満はあるかと思いまして、これは将来検討しなくてはいけない、日本の教育全体の一環として考えなくてはいけない問題だろうと思っております。 それからまた、よく私費留学生と国費留学生の格差ということが言われるわけでございますけれども、曽祢先生もそのように御指摘になったような感じと私承っておりますけれども、国費は、日本人学生の中にも奨学金をもらっている学生ともらってない学生があるというような感じで、しかし、それでもみんな学生である。ですから、私どもから見ますと、私費留学生も、学生という限りにおいて国費留学生と全く同じでございます。たとえば国立大学について言いますと、建物初め教員の給与等はまる抱えで国の予算でやっております。したがって、私費学生といえども、その面では国費が流れていっているわけでございます。私費学生を教える分だけ国立大学の教授の給料がよそから出ているというわけではなくて、これはやはり国の予算でございますし、また、それに加えてチューターという制度を設けておりまして、これは額はわずか一人月に一万円ぐらいのものでございますけれども、国費の学生については初めからその経費をつけておりました。そして、私費の学生にも、半額でございますが、最近つけるようになりました。 それからまた、先ほど申し上げましたように、病気したときの医療費でございます。これは国費も私費も、私学に学んでいる学生も含めて、八割は出すことにいたしております。外国に学びますとき一番心配な病気の面は、これでどうやら間に合っているのではないかと思う次第でございます。 それからまた、それに加えまして、私立大学で留学生を持っているところには、去年度で言いますと合計六千七百万円、これは文部省で言いますと管理局の方の私学助成のお金でございますが、そこから出しております。そして、私個人も外国に留学したこともございますし、文部省内にもだんだんそういうのがふえてきております。そうしてみんな一様に、先生がおっしゃるように、外国人留学生というものは大事にしなくてはいけないと念じております。 なお、先生のおっしゃいましたなわ張りという点につきましては、少なくとも留学生のことについては文部省と外務省は常に協力し合っておりまして、たとえば国費留学生を呼びます場合に、私たちのアタッシェが各大使館にいるわけではございません。アタッシェをふやすというのは大変な難事でございまして、したがって外務省プロパーの方々が大使館でその任に当たってくれているというケースが九割でございます。たまたまたとえばパリとかバンコクには文部省で経験を積んだ、文部事務官として役人生活を始めた者が行っておりますけれども、もしここで外務省の協力がなかったらということを考えますと、リクルートメントは事実上不可能になるわけでございますし、また、たとえばそこに来ております事務官はいま外務事務官でございますが、文部事務官として採用されて、いま田中参事官のところに行って仕事をしているとかいうようなことでございます。また、学友会のことにつきましても、これは行政上はっきりといまは外務省専管の財団の仕事となっておりますので、私たちいまここでどうこうということはございませんけれども、たとえば新聞紙上報道されております協議会等には私も出席いたしておりまして、文部事務官としての持ち得るあらゆる専門的知識は提供させてもらっておる次第でございます。
○曽祢小委員 最後に。一番問題になるのは結局ボーディング、住まいと食費ですね。それも大学に入ってしまったらいい、その前の段階、これはいまの国際学友会館もそうだろうけれども、ここに問題の中心がある。だから、簡単においでおいでにならぬように、よほどその点は、呼んだ者にそういうあれを与えないような慎重な事前の準備が必要だ。ここに非常に欠けるところがあるのではないかと思います。
○光田説明員 全くおっしゃるとおりでございまして、したがって、たとえば国費留学生の詮議について言いますと、選考に私たち大変細心な注意を払っているのでございます。そのほかに、一般的に言います私費の留学生、これはストレートに大学に入るのでございますが、この場合は直接大学と手紙のやりとりをして入学許可というのを大学で出しておるわけでございます。ですから、その場合は、これは今度は法務省の主管になりまして、入国ビザというのでございますけれども、私たちの方に協議がございまして、しかるべき大学がきちんと入学許可を出しているかどうかというのを調べた上で、法務省に返事をしているという次第でございます。 そのほかに、いま先生がおっしゃいましたように、正規と言っていいかどうか、とりあえずそう言わせていただきますが、正規の大学教育、正規の学校教育に入るのは、日本の場合はないわけでございまして、そしてこの学友会の日本語学校というのは、大学以外でわりあい数多く来ている、わりあいというか、唯一と言ってもいいかもしれませんけれども、特別なケースだと考えてもよろしいのではないかと思います。いわゆる大学でもない、高等学校でもない、その中間にある。これは学友会以外にあるいは まあ一般的に言いましたらこれだけだと考えてくださって結構かと存じます。それにつきましては田中参事官からでもどうぞ。
○山原小委員 いま文部省の方から曽祢先生の質問に対していろいろ、これもやっているこれもやっているという御答弁がありましたけれども、しかし、外国人留学生に対する日本国政府の態度については、新聞を見ましても、かなり批判が出ておることは事実ですね。だから、いまおっしゃったように、基本的な問題についてかなり腰を据えた対策を立てるということが私は必要だと思います。今度の国際学友会の問題につきましても、こういう事態が起こっているわけですが、日本に留学を希望して願書を出して、それに対して書類審査を行って、そして最終的にことしは二百三十八名ですか、それを入れるということですでに百数十名入ってきているわけですね。それで、いきなり三月の五日ですか、例の日本語学校はやらない、こうなって、問題が起こっているわけですね。私は、それでいろいろ聞いてみたのですけれども、たとえば、外務省、文部省御承知でしょうか、国際学友会の理事長篠浦さんに対して三月の七日に学生代表のチンマンセン君とノリブンホラス君が手紙を出しているわけですね。それが三月の七日、それから三月の二十九日、四月の十一日というふうに三回出しておりまして、それを見ますと、一番理事者側に対してもっと相談をしてもらいたいという要請なんですね。今度の前にも、浦安移転のときにも全然知らないで浦安移転が決まっておった。そういうことから、紛糾があったのかどうか知りませんが、いろいろありまして、最終的には全く知らさなかったということは悪い、こういうことはやらないという確認もお互いになされていますね。それから今度の場合についても、学生は全部了知しておるという文書を出しているけれども、学生諸君が寮がなくなるなどということも知らなくて、そして相談があるものだと思っておったところが、相談なしに寮も閉鎖するのだというような形で来る。これについても、当初は相談しますなどということを言っているわけですね。ところが、それもなしにこういう事態になってきて、いわば閉鎖という状態が来ているわけです。 それからもう一つ、この手紙の中に浦安移転のときに、これは大分前のことでしょうけれども、そのときに移転反対運動が起こった、その学生のブラックリストを各大使館に理事者側が送るというのですね。寮の移転に反対するというのは何も政治的活動でも何でもないし、自分たちの教育を有利にするためにそういう運動があったと思うのです。これは解決していますけれども。それぞれ、特に東南アジアの場合は国内の政情も違いますし、そういう一つは理事者側のもうちょっと理解のある話し合いというものも必要ではないか。学生諸君の方を見てみますと、必ずしも寮を出ていかないなどということを言っているのではなくて、そういうもっと信頼関係を打ち立てたいという気持ちがこれは出ているのです。これはごらんになったと思いますけれども。そういう点から考えますと、あす四月十五日に開議ということで彼らは来ているわけですから、私は万難を排して開議して、そしてその中で寮にいる学生諸君あるいは理事者側との話し合い、それに外務省や文部省も入って、円満に解決をしていく。その中で寮の問題をどうするか、あるいは学園そのものの立て直しをどうするかということが話し合わされていいのではないか。現在、来てもどこへ住まいをしていいかわからぬというような状態でほうっておくことは、これは正しいことではないというふうに思うのです。だから、そういう点で私は、せっかく小委員会が開かれているので、あすから開議という状態の中で、ここでできれば——これは外務省が所管ですね。外務省として腹を決められて、そして話し合いもしていく、解決していく。だから、それでできない場合に、自主的に日本語を教えようという方たちもおるわけですね。これはやはり人道上の立場からほうっておくわけにはいかぬということでやられておると思うのですが、それを弾圧したり、それをやってはいかぬなどといったようなことも正しくないというふうに考えているのです。私の考え方、一方的であるかもしれませんけれども、今日の情勢、新聞等見まして、また予算委員会で各党とも取り上げられている問題でございますので、そういう点で、一つは開議して話し合いをしていくということを外務省としても適切に指導されたらどうかというのが一つです。 それからもう一つは、もしその解決が長引くようであったら、その間における日本語の教育というものもやはり進めていくという、善意の方たちがおればそれで進めていっていいのではないか。その間にまた話し合いを煮詰めていく。解決できない問題ではないと思うのですよ。言葉も違うし、学生諸君の間もいろいろな国が集まっているから意思統一ができなかったり、ぎくしゃくした点もあると思いますけれども、しかしそんなことはもうちょっと大きい立場で外務省がきちんと解決をしていく。それから余り赤字運営をしておるならば、この赤字に対してもどういうふうな手を打つかということも考えていいのではないか、そういう考え方を持っていますが、これはどうでしょうか。
○木島小委員 ちょっと、時間がありませんから。 たとえば私が聞きたいのは、これはいろいろ事情はございましょう。けれども、いまのままですと、日大三中か、借りることになっておったのが、すべてそれを出願をさせ、審査をし、許可をしてきたのが、開議できない。いまのままだと会館問題がけりがつかなければ開議できないというのでは、いまの状態ではいつ解決するのか、いつ開議できるのか、これでは国際的に非常に問題だと思うのですよ。せめてこの辺はもう腹を決めなければならぬときではないですか。そういうことも含めて、時間がないものですから……。
○田中説明員 実は御指摘の点、非常にいろいろごめんどうをかけました点は遺憾と思っております。しかし、この点若干経緯を説明させていただきますと、いま浦安事件等々からいろいろお話があったのでございますけれども、非常に長い問題がございまして、その間にいろいろ問題が積み重なって現在それが一挙に噴き出したというのが現状でございます。 そして大きく問題を分けますと、一つは学友会の非常な財政的な困窮の状態でございます。第二番目に、現在入っておる在寮生の問題でございます。それから第三番目には、再建計画の問題でございます。第四番目には、非常に強硬な労働組合の問題でございます。これらの四つの問題はお互いに非常に絡み合っておりまして、どれ一つ抽出して一つの問題だけを解決するということが非常に困難な状態になっているのが現状でございます。 まず学友会の財政問題について簡単に申し上げますと、現在学友会は二億円近い借財を抱えております。それから三月三十一日現在で、まだ最終的に締め切っておりませんけれども、四千万円近い赤字がさらに累積されている模様でございます。どういう理由でこういうような赤字が積み重なったかということでございますけれども、これは非常に大きなのは人件費の赤字でございます。学友会当局は過去三年ぐらい前には六十一名の職員がいたわけでございますけれども、その後合理化を図りまして、現在三十八名まで減っている段階でございます。しかし、なおかつ人件費の赤字というものは相当なものでございます。それから第二番目には食堂経営に基づく赤字でございます。それから第三番目には、在寮生が約百五十名いるわけでございますが、百五十名のうち百十名は寮費を払わないわけでございます。この額だけでも二千二百万円に累積しているのが現状でございます。これらの要素がみんな集まりまして現在二億を超す赤字というような状況にまでなっておる。財政的にはまさに危機的な状況でございます。 それから在寮生の問題でございますけれども、在寮生に対しては学友会当局は一生懸命になって三月三十一日までに何とかして退寮してもらいたいということを言い続けて、そのためのいろいろ支援金とか、それからいままで支払わなかったいわゆる二千二百万円に相当する寮費の未滞納分も出世払いで結構であるという条件まで出しておる段階でございます。 なぜ三月三十一日に在寮生に退寮してもらわなければならないのかと言いますと、こういう問題でございます。要するに学友会は現在二千五百坪の土地を持っておるわけでございますけれども、そのうちの千坪を売りまして約七億円に近い金をここでつくりまして、そして二億何千万円に上る借金、これは銀行から借入しておるわけでございますから、それを消して——実はこの銀行借入金は三月三十一日がデューデイトになっておるわけであります。それを消して、それで残りの費用をもってまず学友会の最大の目的である日本語学校の建設というものに取り組もうと思ったわけでございます。言いかえると一千坪の土地を売るときには現在学友会にある建物を全部壊して更地にしてその上に新館を建てるわけでございます。学友会の建物は一番新しいものでもすでに二十二年も前に建てられたと聞いておりまして、非常に老朽化しております。老朽化すればそれに対する維持費も非常にかかってこれも新たな負担になるというのが現状でございます。それでそれらの問題もあって再建計画というものを立てました。要するに再建計画は、何とかして土地を売り七億円の金をつくって、そして借財を消し、残っている金と政府からの三億五千万円の建設費を合わせまして日本語学校及び留学生ホールをつくる。それで御存じのようにいまのように財政窮屈な状況にありましては、第一会計年度においてさらにその上に寮までつくるということは非常に困難な状況でございます。たとえばこれは試算でございますけれども、寮をつくるとしたらさらに五億円かかるわけでございます。これは寮のサイズにもよると思います。なお寮の問題については、現会計年度、ただいま先生方に御審議をいただいている予算の中には寮の建設費まで含まれておりません。 そういうのが学友会の現状でございまして、日本語学校の開議の問題については学友会当局及び外務省も現在こういう方針でございます。再建計画のめどがつき、そして現在いる在寮生百五十名弱が退寮するめどがついたら日本語学校を開くという立場をとっております。それで現在まず退寮のめどでございますけれども、これは先生先ほど御指摘のように、いわゆる理事者と学生との間の対話が足りないという点につきましても、外務省もひっきりなしに学友会当局に対して、とにかく対話をして学生側の最終的なビッドは何であるのかということを再三再四にわたって指示している段階でございます。私も当局者の話を聞きますと、内部に学生委員会という形が一応あるのでございますけれども、やはりこれだけたくさんの国柄がありますと統一見解というものは学生側もなかなかできないらしいのでございます。それで私どもは、統一見解ができなかったら最大公約数でも結構であるから学生側の現段階における最終態度をできる限り早くつかめということを昨晩も改めて指示した段階でございます。
○山原小委員 もう時間がありませんから……。事務的な経過の報告はわかりますが、ただこのままほうっておけないということは皆考えているわけでして、外務省の態度についても、早くしかも適切な態度をとるべきであろうというのは大体の世論だろうと思います。だから、いろいろ困難な問題はあると思いますけれども、いま木島先生も言われたように、やはり改革の問題についてはなるべく早くめどをつけていくという努力を続けてください。これはこれ以上ここで、時間がありませんから、私は申し上げませんので……。
○木島小委員 みんな絡んでいるのだから、それを解決しなければ学校を開けないといったらいつ開けるか。出願をさせ、審査をし、許可をしてきているのです。まあ事前ということはそうだけれども。とすればこれはこのままにいつまでしておくか。これはまさに外交問題ですね。
○田中説明員 お時間もないことでございますけれども一言だけ……。 要するにここで日本語学校を開議する問題でございますけれども、ここで日本語学校を開議いたしまして中途まで行きまして経済的に破綻したということになったら、それこそ若い留学生の心を傷つけるだけであると思っております。
○山原小委員 善意でやろうとする場合ですね、どうですか。
○田中説明員 そのためには、われわれしきりに言っておりますのは、とにかく金をつくるめどが欲しいのでございます。そのためにはいまの在寮生に何とか退寮してもらってその土地を売らなければまとまった金ができないわけでございます。そしてすでにその累積赤字以外に毎月赤字か今後積み重なっていくわけでございます。その赤字の返済のめどが現在全然立っていないような状態でございます。それで学友会は御指摘のように非常に危機的様相をいま呈しております。このまま事態が推移すれば学友会は解散する以外に方法はございません。しかしながら現在外務省としましては、留学生問題について非常に専門の方でいらっしゃる岩村教授とか川野教授、それから坂本東京外国語大学学長等々とも交えまして、これらの問題を含めまして、それから学生の要望が何であるかということも入れまして、急遽この対策を審議し練っている最中でございます。 しかし、現在学友会は一言で言うと非常なごたごたのような状態でございます。そして学友会における日本語学校というものは、これは曲がりなりにも教育の場でございます。このようなサーカムスタンスのもとにおいて一体教育を強行していいのかというのも、これも一つの大きな問題となっております。 とりあえずその点だけつけ加えさしていただきます。
○山原小委員 それはいろいろあると思うのです。赤字のことにしても、再建したって赤字は出てくるかもしれませんし、それに対して日本の政府がどうするかという問題を含めて考えないといかぬと思うのですが、まあきょうはこれでおきます。
○登坂小委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十七分散会