文教委員会 第4号
- 発言数
- 44 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1977/03/04
会議録
○藤尾委員長 これより会議を開きます。 国立学校設置法及び国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。石橋一弥君。
○石橋(一)委員 ただいま委員長からお話のございました国立学校設置法及び国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法律案につきまして、関連を含めまして大臣の提案理由の説明の順序に従って御質問を申し上げたいと存じます。何分にも、いままで答弁をする側にだけおりましたので質問のやり方が下手でございますのでよろしくお願いをいたしたいと思います。 まず改正の第一点でございますが、岩手、富山、高知、広島、鹿児島、新潟の各大学に新設学部を一ないし二、九州、大分、琉球の各大学に大学院を設置することに相なっております。 そこで、私の聞くところによりますと、わが国の大学の数は、国立大学八十八校、うち大学院設置が六十七校、短期大学が三十二校、私大、公立を加えますと九百四十校、おおよそ千校になんなんとしているわけでございます。 そこで質問の第一点でございますが、それこそ明治以来、わが国の発展はよき教育を受けた人的資源の活用にあったことが第一であります。しかも限りない教育への要望があるわけでございます。そこで、今後におきますところの高等教育の整備についてどのような御方針をお持ちになっておりますか、まずお考えをお聞かせをいただきたいと存じます。
○海部国務大臣 現在の日本の高等教育は非常な拡大を遂げてまいりまして、進学率が同世代年齢層の約三九%に達しました。この拡大の間に、いろいろな弊害と申しますか是正をせなければならないような点も出てまいりました。たとえばその一つが大学の大都市への非常に過密な集中、あるいはそのために起こる高等教育を受ける機会というものの地域における不均衡と申しますか、地域間の格差あるいは専門分野構成の不均衡、そういったような問題もやはり出てきておるわけでありまして、昨年三月に取りまとめられました各界の代表の方々でこの問題を御審議願った高等教育懇談会の報告では、このような実情をとらえまして、幸い十八歳人口というものが横ばい状態を続けると見られます昭和五十五年までの間は、ひとつ量的な拡大というよりも質的な充実というものに重点を置いて高等教育発展の基盤整備を図っていくように、こういう趣旨のものでもあり、私どももこの考え方を取り入れて高等教育を整備充実させていきたい、こう考えておるわけであります。したがいまして、地域間格差の問題や専門分野構成の不均衡の是正という問題をとらえますので、量をふやすという面は、従来から比べますとどうしても非常に限定されたものになってまいりますから、内容を十分に充実させていきたい。特に地方における大学の整備とかあるいは大学院の充実というようなもの、こういったところへ力を置いていきたい、こういう考えでございます。
○石橋(一)委員 ありがとうございました。 続きまして第二点でございますが、教育基本法の第三条に「すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならない」こうされております。いわゆる機会均等の原則であるわけでございます。そこで、地方におきます国立大学の整備充実、ただいま大臣からもお話がございましたが、特に地方における国立大学の整備充実につきましてどのような御措置をお持ちになっておりますかお聞かせをいただきたいと存じます。
○海部国務大臣 地方における整備充実の問題につきましては、たとえば一時期、医師の問題あるいは歯科医を教育する問題について、無医大県を解消しなければならぬというので、医大を持たない各地方の県に国立の医科大学を設置しようという計画がございまして、今年度創設準備に入りました四つの県をもって無医大県が少なくともなくなるということに相なっております。また歯の方の分野においては、徳島、鹿児島、長崎、岡山、この四つに歯学部を設置するとか、いろいろなことで地域間格差の是正というものを図っておる。これは一つの例でございます。 さらにまた、地方の大学にはきょうまで、それぞれ特色を生かして専門的な業績を上げていらっしゃるところもたくさんあるわけで、たとえば畜産関係になれば帯広といえば余りにも有名でございますし、また、過日のこの委員会の話もありましたように溶接関係の技術といえば大阪大学にすぐれたものがある。プラズマの研究においてはたとえば名古屋大学であるというように、それぞれのところでいろいろなすばらしい、すぐれた研究業績、成果が上げられておることもございます。さらにまた、それぞれの地方の特色を生かした国立地方大学というものがもっと整備されていくような努力もいたしております。 また今度は、学校と学校の間の格差是正ということもございますので、講座の中で単位をお互いに譲ることのできる単位の互換制度というもの、これはすでに昭和四十七年度に制度的にできるように改正をいたしまして、これを弾力的に運営してもらうことによってこういったものが成果を上げていくようにするとか、いろいろなことを考えて成果が上がっていくようにいたしたい、こう思っているわけでございます。
○石橋(一)委員 質問の趣旨と御答弁がちょっと食い違ったような感じも持つわけでございますが、ありがとうございます。 そこで、このごろ、いわゆる新制大学でございますね、この新制大学の中におきましてドクターコースと申しますか、博士課程と申しますか、このようなものを置いてもらいたいという意向が非常にあるようでございます。この点につきましては、きわめて簡単な御答弁でよろしゅうございますが、ひとつお考え方をお示しいただきたいと思います。
○海部国務大臣 新制大学における博士課程の設置の問題でございますが、これは高度の専門性を備えた人間の養成、それが非常に必要になってきておるということで、この要請にこたえるために、簡単に申し上げますと、後期三年のみの博士課程、研究科としましては、昭和五十一年度にはお茶の水女子大学の人間文化研究科あるいは静岡大学の電子科学研究科を設置いたしましたけれども、五十二年度には東京芸術大学の美術研究科、音楽研究科に博士課程を設置することといたしております。
○石橋(一)委員 具体的な点までお答えをいただきましてまことにありがとうございました。 そこで、私どもに千葉大学がございます。この学校は御承知のとおり、明治二十三年以来いわゆる医科大学としての名門であるわけでございます。現在も八学部そして大学院、短期大学、生物活生研究所、そうしたものを持っているわけでございますが、この千葉大学でここ十数年以来、地元関係者、大学の部内におきましても、薬学部の中に大学院の博士課程を設置してほしいというきわめて強い要望が、しかも長い間連続して御要望申し上げているわけでございます。そこで、これにつきましてこの際、見通し等をお示しくだされば幸いでございます。よろしくお願いいたします。
○海部国務大臣 千葉大学の薬学部につきましては、ただいま御指摘のとおり、いろいろな研究をされ、また生物活生研究所を基礎として非常に特色ある存在であることは私たちも十分理解しております。 そこで、御希望の点に関しましては、御承知のように五十一年に調査をいたしたわけでありましたけれども、今年度も大学院改革調査経費を配付しておるところでございまして、この席でどうこうとはまだ残念ながら申し上げかねますが、前向きで検討させていただきたい、こう考えております。
○石橋(一)委員 どうもありがとうございました。二年にわたりまして調査費をつけていただいた、本当にありがとう存じます。そうした中において、ぜひ同大学の希望を早くかなえてやっていただくように御要望申し上げる次第でございます。 次に、医療技術短期大学部を群馬と名古屋大学にそれぞれ併設をするのだ、そして看護婦等の養成とその資質の向上を図りたいのだということでございますが、現在、国民の皆さま方がだれでも、いま看護婦が不足している、病院はもちろんまた国民の各位もいつもそう考えているわけでございます。 そこで、きょうは厚生省の方にも御出席をいただいておるはずでございますが、現行におきますところの看護婦というものが一体どの程度おって、そして厚生省当局におきましてもいわゆる潜在看護婦の発掘その他いろいろなことをやっていると思います。そうした中において、正看でございますとか准看でございますとか、このような者が一体どの程度不足しているのだ、そしてまた厚生行政の中において看護婦の養成機関等があれば、そうしたこともお伺いを申し上げたい。要は、一体どの程度不足なんだ、それをどのような形にして埋めていきたいのだという中身をひとつお願いをいたしたいと思います。
○都築説明員 ただいま先生の御指摘のように、国民医療の充実のためには看護力の確保ということが非常に大事でございますので、厚生省といたしましても、昭和四十九年度を初年度といたしまして看護婦の需給計画、五カ年計画に基づきまして、昭和五十三年の必要看護婦数を約四十九万人と考えておりますので、これに向かいましてただいま努力をしているところでございますが、昭和五十年末の就業者は、看護婦が十八万七千二百五十一名、准看護婦が二十万八千四百十二名でございまして、このほかに病院、診療所等に助産婦として勤務しておりますのが一万五千三十二名おりますので、一応この五十三年の目標に沿ってただいま努力をしているところでございます。 施策といたしましては、養成力を拡充すること、それからなお、ただいま就業しております者が離職をいたしませんように処遇の改善、それから院内保育所に対する手当てその他によって定着を図っております。なお、卒後教育の継続教育をするというようなことで定着を図っております現状でございます。 養成力といたしましては、五十一年の四月現在、看護婦課程が学年定員三万二百八十四名でございます。准看護婦が三万三千六百五十三名でございまして、過去四十七年から今日まで、一万四百二十一名の増員をしておりますので、この体制で一層努力をして充実をさせていきたいと考えております。 特に厚生省直轄で養成をしております者の数といたしましては、百四十二校の五千二百十名養成をしております現状でございます。
○石橋(一)委員 ただいま御答弁をいただいたわけでございますけれども、それこそ五十三年必要数が四十九万である。いまお話を承りますと、計算が違っているかわかりませんですが、おおよそ十万人ぐらい足らないような計算のようでございます。大変なことであるなと、こう考えるわけでございます。 そこで文部省側といたしましても、ただいまの御提案で医療技術短期大学部をつくるんだということでございますが、今回は二校でございますか。そこで、大変な不足を来しておりますこの問題について、両省におきまして有機的な御連絡をとりながらやっていらっしゃると、こう存ずるわけでございますが、なお今後文部省側といたしましても特にこのような技術短期大学部、こうしたものをさらにどのような計画で増置をしたい考え方を持っているかということについてお伺いをいたしたいと思います。
○海部国務大臣 御指摘のように、医療技術の高度化に伴って資質の向上を図らなければならぬ、こういう目的で看護婦とか臨床検査技師等の医療技術者の養成を目途として、そして大学に設置してまいりました医療技術短期大学部、きょうまでは御指摘の十校であり、今年度は二校でございますが、今後はその残りにつきましても、その実情を十分踏まえながら、各大学側のいろいろな受け入れ準備等もございますので、それは慎重に対処してまいりたいということでございます。
○石橋(一)委員 ただいまの御答弁で、いずれにいたしましてもやる意思はある、そして、大学側と詰めながらやっていく所存であると。いずれにいたしましても、各種学校等においても、看護婦養成について力を注いでいるわけでございますが、とにかく地方自治体等田舎におきまして、特に看護婦が足らないのだということでございますので、これからもよろしくお願いを申し上げたいと存じます。 次に、提案理由の説明の中で、生物科学総合研究機構の新設、こうございます。そして、大学の共同利用機関として研究所を二つでございますね、これは基礎生物学研究所、それと生理学研究所ですか、この二つをそれぞれ置かないで研究機構を新設するのだ、こういうことになっておるようでございますけれども、この機構の目的、性格等についてお伺いを申し上げます。
○海部国務大臣 きわめて専門的な内容にわたることでございますので、担当の政府委員から詳細お答え申し上げます。
○今村(武)政府委員 生物科学総合研究機構は、生命科学の研究を推進するため、その基盤となる基礎生物学及び生理学に関する総合研究を目的といたしております。そして、基礎生物学研究所と生理学研究所から構成されております。 基礎生物学研究所は動物——人体は除きます。それと植物を対象として、それらの基本単位である細胞の構造、働き等について総合的な研究を行い、これにより発がん機構や老化現象の解明、画期的な植物の栽培法の開発等にも貢献するものであります。生理学研究所は、人体の感覚機関の究明と生理機能の総合的な研究を行い、これにより感覚作用や脳の働きの究明等にも資するものでございます。これらの二つの研究所における活動は、基礎的な研究を行うものではございますが、ひいては医学、薬学、農学等、生命科学に関連する諸問題の解明に貢献することが期待されております。 次に、この機構の性格でございますが、高エネルギー物理学研究所を初めとする第六番目の国立大学共同利用機関でございまして、本来の目的とするいま述べたような研究を行いますほか、国公私立大学等の教員、研究者で同一の研究に従事する者に利用させるものであります。また、国立大学その他の大学の要請に応じ、当該大学の大学院における教育にも協力するものといたしております。
○石橋(一)委員 ただいまの基礎生物学研究所、生理学研究所、中身については専門的なことでございますので、私もよくわかりません。 そこで、私の質問の要点は、それぞれの研究所を、いままでの大学を見ますと、みんな研究機関としてきちんきちんと一つずつ持っているわけですが、これが何か総合研究機構ということで一つになるようなことのようでございますけれども、何か特別の考え方があるわけでございますか、それについての質問でございます。
○今村(武)政府委員 基礎生物学と生理学の二つの学問は、いずれも生物科学の範疇に属します。これらは生命科学の研究を推進するための基盤となる学問領域にありますために、一つの研究機構にまとめまして、その両者のお互いの連関によりまして総合的な研究の推進が可能になるという学問上の利点がございます。また、二つの研究所の設置の場所が同一の地区でございます。これらを一つの研究機構にまとめることによりまして、施設設備の共用ができます。また、事務の一体的な処理も可能となりまして、学問的な利点と相まちまして、総合的な研究機能がより一層促進されることが期待されるものでございます。
○石橋(一)委員 次の問題でございますが、大学入試センターの新設の件でございます。本法律改正の中、それぞれ重要なことであるとは存じますが、今日的な点から考えてみますと、このセンターの新設は、それこそ改正の中の目玉とも言えるほどの問題でございます。そして、入試の現状を改善するということで、積極的に長い間かけてつくり上げてくださったわけでございます。 そこで、先般、同僚でございます小島委員からの質問にもございましたが、いまの入試地獄という現状を文部大臣といたしましてどのように把握をなさっているか。つい一昨日も、私のところで現実的にあったわけでございますが、ある大学の歯学部に入るのに千二百万円の寄付が要るんだ。あるいはまた、ある大学の、これは同じ歯学部でございますが、入るのに二千万円を納入しなければならないということがつい一昨日もあったわけでございます。これはほんの一例であるわけでございますが、高校から大学に希望する人、浪人も合わせまして大変な数になっておると思います。そうした中において、とにかく進学をするんだという中で大変な問題が惹起され、そしてまた、まさに社会問題になっている、こう断定せざるを得ないわけでございます。 そこで、まず第一に、文相は、入試地獄というものをどのように把握をなさっているかということを御質問申し上げます。
○海部国務大臣 全体といたしまして、私は、入学試験というものに地獄というような言葉が付せられなければならぬという現実に大変心が痛む思いをいたすわけです。少なくとも現在の入学試験の制度あるがままの中で何が一番ゆがめられておるのだろうか。これは社会の受け入れが学歴偏重だからよくないとか、いろいろ離れた議論はたくさんありますけれども、問題を整理するために、直接関係のない議論はこの際横へおきまして、入学試験そのものだけに焦点を当ててみますと、やはり難問奇問という言葉であらわされますように、高等学校の段階で誠実に学習努力を続けてきたのでは解くことのできないような問題に遭遇する。したがって、そういったものを解決するためには、高等学校の教科課程を誠実に努力するというよりも、何か忍術のように、入学試験を突破するための受験術というようなものがあって、その術を身につけなければ突破できないというような性格が強く出てまいりますと、これは教育の上からいって非常に好ましいことではございません。そこで、この大学の入学試験制度というものにどんな角度からでもいいから、まず少なくとも改善されると思ったら踏み切っていかなければならない、こういう考えを基本的には私は持っておるのです。ところが、昭和四十六年に各界の代表の皆さんがお集まりいただいて、入試問題改善の会議がございまして、そこからいただいた報告というものもあり、またその後国立大学協会が自主的に調査研究をずっと加えてこられて、その結果、いまの入学試験の、まさに先生御指摘のように、地獄といわれるような面の、少なくとも地獄というようなことを取り消していく努力はどこからやったらいいかという一つの改善案がまとまって出てまいりました。それが国立大学協会が五十四年から実施可能であると断定された共通一次試験の問題なのです。 そこで私どもといたしましては、この共通第一次試験を実施するに当たってまず第一に守りたい線は、これでもってすべての高校の生徒に、自分たちが学校で教わっていることを誠実に勉強しておればこの第一次試験は解決することができるのだというような安心感が与えらるような、そういう範囲の出題にすること。これは高校生活を正常なものへ、もとへ戻していきますためにも非常に大事なことだと思います。 それからもう一つは、一回のペーパーテストというものが陥りやすい弊害についてはいろいろな角度からの指摘がございますが、やはり共通一次試験というものもそこだけ見れば一回のペーパーテストになるわけでありますから、出題のときになるべく配慮をした出題をしていただいて、記憶力というものに頼らなければならぬような問題とか、いろいろなこともあるでしょうけれども、第二次試験のときにさらに学校当局に自主的な判断を願って、受験生にとっては必要以上の負担にならないように配慮はしますけれども、やはり特色を生かして、あるいは論文制度にするとか、あるいは手間がかかっても面接を取り入れてみるとか、いろいろなことがいま大学当局で考慮されておるわけでありますから、第二次試験のガイドラインというものもすでに発表されておりますので、それらと組み合わせて、なるべくその人のすべてが評価の対象になるような努力をいまお願いしておるさなかでございます。 さらにもう一つそれに加えて、調査書の活用ということが言われますけれども、この調査書の活用をそこへ加えますと、選考のときに受ける評価というものが、高等学校の三年間の総合的な努力、誠実な努力、その人の人間味、そういったものまで、理想を言えば全部が評価の対象になるように、そういった入学試験制度に変えていくことができたら一番いい。ですから、やはり御質問にずばり答えれば、いまの入試地獄の現状は好ましいものとは思っておりませんので、いろいろな努力をして改善をしていきたい、こういうのが私の基本の考えでございます。
○石橋(一)委員 とにかく取り巻く諸情勢はいろいろあるけれども、実施可能なところからやっていくのだということでこの制度を取り上げた、こう理解いたしますが、受験生にいたしますと、とにかくよくはなる、大改善であることは間違いございません。そこでこの問題につきましては、少しく具体的な点にわたると存じますが、順次やり方等の点につきまして次々にお伺いを申し上げたい、こう考えております。 それに入る前に、一体欧米各国ではこの入試制度というものがどのような形になっておりますか、これは簡単でよろしゅうございますが、まずお聞かせをいただきとう存じます。
○海部国務大臣 欧米の主要国の大学入学選抜の方法をながめますと、西欧諸国ではいずれも統一的なテストが実施されておりますけれども、そのテストの性格につきましては国によって相違があるわけでありまして、統一テストの成績をもとにして、各大学は大学自身が行うテストとか、あるいは調査書とか、そういったものの資料をも加えて選考を行っておる、こういうものが大体アメリカでありイギリスであろうと思います。また統一テストによって大学入学資格を付与いたしまして大学に入学させる制度をとっておりますものがフランスと西ドイツである、こういうふうに考えます。ただフランスにつきましては、大学入学資格付与の試験をとれば、それがすべての学校に妥当するかどうかというとそれは例外もあるわけであります。 それから西ドイツにおきましては、入学資格は付与したけれども、希望する大学の希望する科に入れないので、待機と申しますか、数年にわたって入学できずに待っておるというような実情があるというふうに聞いております。 なおそのほか、それぞれ独自に入学試験を実施する制度をとっておりますものが、アメリカの一部とかソ連邦とかそういう国々である、こういうふうに理解しております。
○石橋(一)委員 それこそこうした結論を出すに当たりましては、いろいろなことを御調査の上でおやりになった、こう考えるものでございます。 そこで具体的な問題の第一点でございますが、とにかく共通学力試験を実施するのだ、国立大学を希望いたします全部の人たちに対して共通の学力試験をやるのだ、そういうことを行って一体どういうメリットがあるのか。いままでのお話の中で、大体とんでもない問題等が出なくなるとかいろいろなことがわかりますけれども、きわめて具体的に、ひとつどんなメリットがあるのだということをまずお聞かせいただきたいと思います。
○佐野(文)政府委員 先ほど大臣からもお答え申し上げたところでございますが、入学者選抜の現状を見ますと、多数の受験生を対象といたしまして短期間に選抜を行う。そのために学力検査の成績を中心といたしまして判定が行われるという傾向が非常に強いということがございます。そして出題の内容も、いわば振り落とすための問題というような形で、難問、奇問が出題されて、受験生の受験技術的な準備というものを駆り立てているというふうなことがあるわけでございます。共通学力検査の場合には、各大学の教官が集まりまして、衆知を集めて適切な試験問題を作成する、そのことによって受験生の高等学校における学習の到達度というものを評価する。それと、各大学が行います二次の試験における各学科等の特色に基づいた問題の結果、あるいは調査書等を総合的に判断をして選抜するという形に相なりますので、そういったことを通じて高等学校教育の正常化にも資することができるというふうに考えているわけでございます。
○石橋(一)委員 とにかく高等学校卒業の学力を持っておればだれでもできるんだということで、難問、奇問等の解消には役立つ、それがメリットである、こういうことでございますね。それならば今度の入試センターをつくってそして希望学部にかかわりなく共通学力試験の実施をやるのだ、その実際の入学者選抜の手順でございますね、最初何をやってそれからその次に何をやって最後にどういうことをやって決定をするのだという手順と申しますか、そのようなことについてお伺いをいたします。仕組みでございますね。
○佐野(文)政府委員 共通第一次試験を実施するということに相なりますと、受験生はまず大学入試センターに共通一次の志願書を提出をするということに相なります。その志願書を提出する際には志望校を二つ書いてもらう。そして大学入試センターの方ではその志望校の状況を大学ごと学部ごとに公表をいたします。受験生は冬休みの時期にまず第一次の共通入試を受けるわけでございます。その際に各人には共通入試のテストの結果は通知はいたしませんけれども試験問題の持ち帰りを認めますし、また各試験問題についての正解例の公表もいたしますし、各教科ごとの平均点も公表するということにいたしたいと考えております。そこで受験生は自分の第一次試験の成績というものをいわば自己評価することができるわけでございます。そのことも考えて第二次の出願を特定の大学に対してするわけでございますが、その特定の大学に対する出願に際しては一次試験のときの志望の変更も認めるということにいたしたいと思います。それによって第二次の試験を現在の国立の一期校と同じ時期である三月の初めに受ける、そして各大学は共通一次試験の成績とそれから二次の各大学が行います試験との成績を適正に総合評価をして、さらにそれにできれば面接あるいは実技、そういったものも学科によっては取り入れて、大臣が申し上げました調査書等もあわせた総合的な判定をして合否を決めていく、そういうふうな運びになるわけでございます。
○石橋(一)委員 手順につきまして大体わかったわけでございます。ただいま一期校のお話が出たようでございますが、今回のことは一期校も二期校も全部一元化をするというふうに伺っておりますけれども、これによって受験生の受験の機会が減少するような形に結果はなると思います。こうしたことにつきましてメリットと申しますかどうお考えになりますか、これについてもお伺いいたします。
○佐野(文)政府委員 御指摘のように今回の共通一次を実施します際にあわせて従来の一期校、二期校の点につきましても改善を図って入試期日を一元化しようということにいたしております。これは一つには従来の一期校、二期校の区分によってあたかも一期校と二期校との間に格差があるようなそういった印象が持たれている、いわゆる二期校コンプレックスと言われるようなものがある、そのことの解消が図られる、そしてそれによって学生は真に自分が志望する大学を選びそこを受験するというふうなそういった傾向が醸成されていくであろうということが期待できる。 さらに技術的な点になりますが、一期校と二期校の現在の状況におきますと、結果といたしまして特に二期校を中心としたかなり大量の欠員が出てくるという問題がございます。こういった一期校、二期校の重複による欠員の問題の解消を図ることができる。さらに二期校におきましては御案内のように受験生が非常にたくさん、まあ見せかけのことで結果的には全部受けるわけではありませんけれども大量の受験生が集中をしてくるという傾向がございます。その点の解消も図ることができる、そういった表面的な受験競争の過熱化の現象について水をかけることができるであろうということもございます。 そういった点を考えて一元化を図るということにいたしたわけでございますが、ただ一元化を図る場合には御指摘のように入試の機会が一回になるといういわばチャンスが減るという問題がデメリットとして指摘をされているわけでございます。実際には国立大学の一期、二期を通じた入学定員というのが決まっているわけでありますから、理論的には合格する者の数がふえたり減ったりするわけではございませんけれども、受験生の心理としてはやはり二度受けられないということについての不安はあろうかと思います。 そこで、一つには先ほども申し上げましたように共通一次の運用の際に自分の共通一次の成績によって志望校の変更をさせるというような形で、できるだけ自分が進みたいと思うところに進めるような配慮をするということが一つ。それともう一つは、各大学に対して助言、指導をいたしまして、現在でも行われているところではございますけれども、たとえば工学部の中で第一志望は機械、第二志望は電気、第三志望は化学というふうなことがあり得るわけでございますから、そういった学部学科を通じての第二次志望をできるだけ生かしてやるというような方法もさらに推進をいたしたいというふうに考えております。
○石橋(一)委員 入試センターの新設ということについては大変なことでございますが、これを実施することによってとにかく大臣のおっしゃったような地獄という言葉の起こらないようにひとつやっていただきたい、こう考える次第でございます。 そこで、これは大臣にお伺いを申し上げるわけでございますが、入試地獄の解消はまさに喫緊の要務であろう、こう思います。そして入試センターを設置をするのだということであるわけでございます。ただ本来各大学ともそれぞれ大学をつくった目的がございます。そして歴史もある、校風もございます。そして教えている教授陣もカラーがあると思います。一つ一つの独立した人間で言えば性格と申しますかそれがあるわけでございます。そうした中においてやむを得ずこのような入試制度をとるのだ。こうした物の考え方と流れ、風潮というものが、どうもそうでなくてもいまの社会というものが何か人間を画一的に考えていく考え方、そうしたものにだんだん社会全般が流れていっているような気がして私はいたし方ないわけでございます。まあ大人物と申しますか味があると申しますか破天荒と申しますかそのような人間がだんだんいなくなっていくような気がしてならないわけでございます。 そこで、このような入試制度を踏み出していくということに対して何かそのような形のものが生まれる兆しに相なってはならないな、私はこう思います。そしてまた私学、これはそれこそ大臣も早稲田の出身でございますけれども、それぞれ独自な人格を持ったりっぱな建学の精神があるわけでございます。 先般の大臣の提案理由の御説明を伺いますと、私学までできれば取り込みたいんだという御発言があったようでございます。私のいま申し上げたような考え方の中に立って、まず大臣といたしまして、何か画一的な物の考え方の風潮というものについて大臣はどのような御見解をお持ちになっていらっしゃるか。続いて、私学までのという考え方についても御見解をお示しをいただきたい、こう考えます。
○海部国務大臣 人間それぞれ個性があり、いろいろな可能性を秘めていらっしゃる存在ですから、それを画一的にするということは方向として正しくございません。委員のおっしゃるように、この共通一次試験の制度というものがまさに全国で画一の問題になると、そういう型にはまったようなことになっていくのではないかという御心配の御指摘だろうと思いますが、私どもはそういうことにならないようにむしろ十分配慮していかなければならぬと思います。と同時に、ほっておきますと、現在の各学校が全くばらばらにやっております入学試験の制度の中で一体どういう現象が進行してきておるかといいますと、その入学試験を受けるために、また合格をするために何か非常にそこだけに焦点を置いた学校生活が送られる。だから、むしろ人生においてもっと経験しなければならぬこと、もっと伸び伸びとしていかなければならないその人の資質とか能力というものが、大学の受験勉強のためにかえって萎縮されてしまって、伸びるべき可能性の芽を制度として摘んでしまっておるから、逆に妙なところの画一化が起こっておるのではないかという心配を私はいたしまして、むしろ大学の入学試験というものは、高等学校で習う教育課程を誠実に勉強さえしておれば、逆に言えば、学校で教わること以外のことを塾へ行ったりあるいは受験術を覚えたり、そんなことに心を使う余裕があったら、人間としてもっと教養を高め、もっと友情を深め、あるいは先生との心の触れ合いを求めるというふうに持っていってもらいたい、使ってもらいたいという願いも実はそこには込められておるわけでありまして、この試験制度をとるから画一的なものに落ち込んでいかないような配慮と注意は十分に払っていかなければならないと私は考えております。 なお、私学に関します問題は、これはいま大学の中で私学に通う生徒の数というのがやはり圧倒的多数であります。七九%と私は記憶いたしておりますが、そういうことになりますと、せっかく入学試験の制度を改革をして、誠実な高等学校の努力とそれからその人の持っておるいろいろな能力が多方面から選抜の対象になるんだというような制度になっていくとするなれば、やはり私立学校もこれに参加してもらった方が理想であるという気持ちは私はいまでも持っております。ただ、それを今度は大学の自主性を尊重して、あくまで大学の自主的な判断ができるように文部省としては条件整備をしたり協力をしたりしていくのが教育の場においては一つの方向だと理解しておりますので、今回は五十四年度から実施しようとされる国立大学協会、それに参加しようとする公立大学協会の意向を尊重して、それができるように、まず今年度入試センターの設置をお願いをしておるわけでございまして、方向としてはその方がいいのではないか。そのかわり、それをすることによって先生御指摘のような人間の画一化とかというようなことまでは絶対に起こらないように、これは十分に心を砕いてやっていかなければならぬことだと思っております。
○石橋(一)委員 どうもありがとうございました。 そこで、さらに関連してお伺いいたしたいと思いますが、先ほど欧米各国の入試制度のこともお聞かせをいただいたわけでございますが、どうも私の偏見かも存じませんけれども、新聞等にもございます、入学の許可を受けますと、もうそれが最初であり、最後であるのだ、もう卒業するものだ、もちろんある程度は勉強いたしますけれども……。入学さえすれば大喜びをし、大祝いをやって、そしてもう卒業ができるんだ、最初であり、最後であると言っても過言ではないような気がいたしております。教育の機会均等ということで、高等学校あたりもほとんどもう九五%に近いものがみんな高校に入る。教育の機会均等という原則をだんだん、だんだん推し進めていきますと、いつかはとにかく希望をする子供たちは高校にも大学にも入れるようになるでしょうし、またそのように社会はしていかねばならない、こう私も考えております。しかし、入学をするということは、社会教育あるいは生涯教育は別といたしまして、学校において勉強し、研究する資格が与えられたにすぎないと、こう思うわけでございます。 そこで、高校にいたしましても、大学にいたしましても、修めなければならない基準と申しますか、そうしたものはございます。はっきりございます。そしてまた社会も、あるいはまた学校そのものもその基準を必ず修めなければならないし、社会もまたそれを希望いたしているわけでございます。そうした中において、どうも冒頭申し上げたとおり、入ればとにかく卒業できるんだという風潮、これに対して一定の基準がとれない人、これについては遠慮なくどんどん、昔で言えば落第、いまで言えば留年と申しますか、このようなことをやって、そして何年終了というのがたくさん出ても私はいいんじゃないかという考え方を持っているわけでございます。つまり入学後の措置というものを厳しくしてやってこのような風潮を除去する方がいいではないかなと、こう私は考えているわけでございますが、これについて大臣の御所見を賜りとう存じます。
○海部国務大臣 御指摘の問題を私のいまお聞きしたときに思った率直な実感でお答えいたしますと、やはり大学というものは厳しく、そして大学に入った学生はたくましく、きちっと覚え込んで卒業してもらいたい。だから、入るはむずかしいが出るは簡単であるといういまの実態では、厳しく鍛えられないではないかという角度の御心配は私も率直に胸を打つものがございました。同感でございます。 ただ、現在の大学の実情の中で、入れさえすれば、後出すときにはやはり責任を持ってもらわなければならぬわけでございますので、大学の教授内容というものをもっと充実したものにしていくとか、あるいは言い方は悪いのですが、一定の基準に達しなかった人はもっとどんどん落第をさせるようにして、そしてその中からやはり自覚をしたたくましい学生がたくさん育ってほしいという御希望だと思いますが、方向としては私も同感でございますので、そういうことはそれぞれの大学が自主的におやり願うことではございましょうけれども、大学の制度そのものの中で、たとえば講座制をどうするかとか、他大学との交流の単位の互換をどうするかとか、いろいろな問題もございましょうし、そういった文部省サイドで指導、助言をしていかなければならない問題はその方向に沿って今後も続けていきたい、かように考えております。
○石橋(一)委員 御所見ありがとう存じました。 そこで、次は昭和四十八年度以降に設置された国立医科大学等の職員の定員に関する特例措置ということでございますが、中身は、無医大県解消計画あるいは国立の医科大学の創設や医学部及び歯学部の設置を進めてきたということで、職員の六千四百三十三人というものをいわゆる総定員法の枠外にするんだという法律改正でございます。これはとにかくとして、冒頭の中にちょっと触れられたようでございますけれども、無医大県解消計画とか、そのようなことについて幾つかお伺いをいたしたいと思います。 まず第一点でございますが、無医大県の解消計画ということは、何か冒頭のお答えの中にあったようでございますので、これは省かせていただきたいと思います。特に歯学部の設置ということについてどのような御計画を持っていらっしゃるか、これについてお伺いいたしたいと存じます。
○佐野(文)政府委員 わが国の歯科医師の数は、厚生省の推計によりますと、五十年度末現在で四万六千人、人口十万人当たり四十一・三人という状況にございます。これは、人口十万人当たり五十人という一つの目標数がございますが、それに比べますとまだかなり少ない状況にございます。しかしながら、四十五年以降歯学部あるいは歯科大学がかなりたくさんつくられてまいりましたので、五十一年度現在におきまして、国公私立合わせまして、歯科大学、歯学部は合計二十四校、入学定員で二千六百二十人ということに相なっておりますので、歯科医師の数は近い将来に人口十万人当たり約五十人ということには相なろうかと思います。 歯学部をこれからどういうふうにつくっていくかということにつきましては、四十八年に文部省の中に設けられました医科大学等設置調査会の歯学部会というところが見解を出しまして、歯科医師が著しく不足をしていて、真に必要やむを得ない地方に限って歯科大学を設置することが望まれる。ただ、その場合も、地域的な配置あるいは進学の機会の均等などを考慮する必要があるので、できるだけ国公立の歯科大学あるいは歯学部をつくった方がよろしいということがございました。そして、その場合にも、教員を直ちに確保するということについてはむずかしい問題があるから、その設置をしていく進め方については慎重であるべきであるという御指摘がございました。 こういう趣旨に基づきまして、五十一年度に、現在歯学部が全然ございません四国地方ということを考えて、徳島大学歯学部の設置をまずいたしまして、さらに五十二年度には、やはり歯学部が全くございません南九州の地方の事情を考え、あるいは鹿児島県なり沖繩県における歯科医師の不足状況等も考えまして、鹿児島大学に歯学部を設置するというお願いをしているわけでございます。そのほかに、やはり歯科医師の不足の著しい長崎、岡山について、現在歯学部の創設準備を行うことといたしております。その後のことにつきましては、これらの歯学部の設置の進捗状況等を考えながら、また各地域の状況を考えながら、どのような設置をしていくかということをさらに慎重に考えたいというふうに考えております。
○石橋(一)委員 ありがとうございました。 そこで、これは無医大県の解消計画、つまり医学部、そしてまたいま局長さんからお話のございました歯学部の設置、こうしたことで、いまどこの病院に行ってもたくさんの人が待っていてやりようがないという形を順次解消していただくわけでございますが、これは小さな声でお答えをしていただいて結構でございますが、われわれ地方団体におった当時、公立病院をつくるということになると大変な騒ぎが団体からございました。まあ医師会でございます。公立病院の中に一つの眼科なら眼科、歯科なら歯科というものを設けるだけでも大変な騒ぎであったわけでございます。先生方一人一人はりっぱな方々ですが、なかなか会ということで動きますといろいろな問題が出てまいります。そこで、このような次々に医学部、歯学部をつくっていくということについては、いま私の申し上げたような問題等は出ておらないわけでございますか。簡単で結構です。
○佐野(文)政府委員 無医大県解消計画に基づきます新設の医大の設置については、いわばその県を挙げての強い御要望があって進めてきているプロジェクトでもございます。各県の医師会とももちろん十分に御連絡をとり、医師会の方でもそれを望まれて、地域医療の水準の向上ということに役立てようというふうなことでお考えをいただいているところでございます。歯学部につきましても、地元の歯科医師会等とは十分に御相談を申し上げて、十分な協力体制がとれるということで設置を進めておるところでございます。
○石橋(一)委員 十分な協力の上でお願いをいたしたいと思います。 そこで、ただいままでの御質問あるいは御回答によりまして、だんだん私自身にも現状が浮き彫りにされてまいったわけでございますが、とにかく社会の要望と申しますか、あるいはまた日本人の持っている進取性ということによりますか、学校そのもの、大学そのものが強化、拡大をされているわけでございます。そうした中におきまして、これは素人である私といたしますと、大変な数の学校になるな。しかも内容も充実されてくるな。一体ここで教える先生でございますね、特に教授、助教授、講師等の先生方でございます。この先生方の確保、と言うとしかられてしまうかもわかりませんですが、先生方について十分な手配が一体できているのか。田舎の私立短大、こう申し上げるとこれもしかられるかもわかりませんですが、短大等の教員といいますか、教師の実情等を考え合わせますと、どうも教員確保ということでいささか危惧の念があるわけでございますが、この点についてお教えをいただきたいと存じます。
○佐野(文)政府委員 一般的には、大学、短大の教官の供給の場合には大学院がその大きな役割りを果たしているわけでございます。現在の大学院の課程を終わっております者の数と、それから新規に採用を要する大学、短大の教官の数等を考え合わせてみますと、一般の大学、短大につきましては、全国的に見れば供給が不足するというふうな状況にはないわけでございます。ただ、御指摘のように、地域的に地方の場合にいい人を得がたいという点があることは、部分的ではございますけれども、御指摘のとおりだろうと思います。これは各大学それぞれ御努力になっているところでございますし、私どももできるだけ地方にすぐれた人材に行ってもらえるように、地方の大学の整備等を先ほどお答え申し上げましたように進めているところではございますけれども、そういった配慮をなお続けたいと思います。 ただ問題は、医学部と歯学部の場合には一般の大学よりもはるかに教官の確保は困難でございます。特に臨床系よりも基礎系の教官にむずかしさがございます。医学部の場合にはまだ大学院の層が厚いということもございまして、基礎系の教官の確保という点については、困難ながらも少なくとも新設の残りの四医大についての確保の見込みということは十分に果たせることができると思いますけれども、歯学部の場合には、より基礎系の教官の確保にむずかしい事情がございます。ただ、歯学部の場合には、臨床系よりも基礎系の場合でございますけれども、より学際的と申しますか、ほかの理学部とか工学部を出た方々の参加ということが期待できるような状況にもございますし、また大学院の卒業生もだんだんにふえてきておりますし、また関係の各大学の協力も期待できる状況でございますから、できるだけ確保に遺憾のないように配慮をいたしたいというふうに考えております。
○石橋(一)委員 ありがとうございました。 一番最後の提案理由の説明でございますが、国立養護教諭養成所の廃止ということで、養護教諭の養成所について廃止をして、教育学部の養護教諭養成課程に転換をするのだということでございますが、中を見ますと今回は茨城と愛知でございますか、これを廃止して教育学部の中に入れるのだということですが、養護教員と地方自治体で言いますと、六学級から九学級ぐらい、あるいは中学で言いますと、たしか十四学級以上でございますか、そうしたところにそれぞれ配属をしておりますところの養護教員であろう、こう考えているわけでございますが、これを廃止して、そして教育学部にやるのだということでございますが、これについてのメリットというわけですか、これについてお願いいたしたいと思います。
○佐野(文)政府委員 国立の養護教諭養成所は、御指摘のように義務教育諸学校の養護教諭の増員計画等に対処をいたしまして、必要数を確保するということのために、養護教諭の二級普通免許状を取得できる修業年限三年の養成施設といたしまして、これまで九つの国立大学に付設をしてきたものでございます。ところが、その後保健体育審議会の御答申がございましたり、あるいは養成所の関係者等からもより高度の養成を図る必要があるということが言われてまいりました。そのためにこれを四年制の課程に転換をする、三年制を四年制の課程に転換をし、二級の普通免許状ではなくて一級の普通免許状が取れるような、そういう充実した教育に切りかえていこうという方針をとったわけでございます。 そういう方針のもとに関係者とも検討を重ねました結果、五十年度から逐次大学の四年制の課程に転換をしてきているものでございます。この転換は、五十年度の茨城大学と愛知教育大学の両養成所の転換から開始をいたしまして、逐次進めてきているわけでございますが、この二つの養成所につきましては、五十一年度限りで在学生が全部卒業をしてしまいますので、いわば空になりますから、整理の意味で廃止をするわけでございます。その後に続きまして、五十一年度に転換をいたしました北海道教育大学、千葉大学、大阪教育大学というふうなところは、来年度にまた廃止をお願いするというような形で、逐次九つの国立大学の養成所を整理していくということになるわけでございます。
○石橋(一)委員 わかりました。全体の提案関係はこれで終わるわけでございますが、最後に一つ、これも大臣に御見解を承りたいと存じます。 学校教育法の五十二条でございますか、「大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。」こうございます。そこで、いわゆる道徳的展開ということなんでございますけれども、明治の元勲であった元田先生、明治天皇の侍講であった先生であります。この先生が聖諭記というものをあらわしております。この中に、長い文章でございますので申し上げませんが、要は、明治の時代に文明開化を叫んで、そうして西欧文明を摂取して、科学技術を取り入れた。それはいい。それによって近代国家を日本がつくるということでやってきた。しかし一方、教育の目的というのは御承知のとおり人格の完成なんだ。その面がきわめておくれをとっていっている。これで一体日本人というものが、どこの国に行っても、どこの社会に行っても尊敬され、あがめられるような人間になっていけるのかということを憂えて明治天皇がおっしゃったということで、元田先生が聖諭記をあらわしているわけでございます。私はそのようなものを見て、とかく大学生ともなれば、いわゆる専門の学芸の研究のみがすべてだという考え方になっている。大学そのものの目的にございます道徳的展開ということについてはほとんど顧みられていないではないか、これは私見でございますけれども、どうもそんな気がしてなりませんし、それが実態ではないかなあというふうに考えているわけでございます。 この現状につきまして、きょうは特に大学問題だけであるようでございますので、大学教育の中におきますところの道徳的能力の展開、こうしたことにつきまして、大臣はどのようなお考えを抱いていらっしゃいますか、ひとつ御意見を忌憚なくお述べいただきたいと思います。
○海部国務大臣 大学における高等教育というものもやはり日本国憲法、教育基本法の精神にのっとって心身ともに健全な国民を育成していくということが目的として行われなければならないのは当然なことでありまして、ただいま御指摘のありました学校教育法に定める大学の目的の規定もそのことをより詳しく書かれたものである、こういうふうに私は受けとめております。人格の完成と申しましても、人間の持っておる資質や能力が象徴的に評価される価値、それを高めていくという努力は安易なことではございませんし、日常の息の長い積み重ねを通じて初めてできていくことでありまして、ですから私は大学の教育の場においても、やはり教授と生徒との交流であるとか、あるいはゼミナールの持ち方であるとか、あるいは学校教育の中にそういったものを、学術研究面とともに日本国民としての心の持ち方も大切な資質の一つでありますから、そういったものも学校教育の場で展開されていくことは、これは基本的に望ましいことでありますので、文部省といたしましてもそういったことが大学で展開されていきますように、それが助長されていきますようにこちらとしても大いに協力はしていかなければならないし、またしていきたい、こう考えております。
○石橋(一)委員 ただいまの問題でございますが、とにかく日本人は教育程度が高いんだということで確かに世界でここまでになってきた、こう考えております。そしてまた、これからの日本の行く道を考えてみますと、どこの国へ行っても、どの民族に行っても、とにかく日本人は尊敬されるようになりませんと、貿易立国等といろんなことを言われておりますが、私はどこへ行っても尊敬のされるような日本人になることが一番すべての基本であるなというふうにいつも考えております。どうぞそういう意味合いにおきまして、大学はいわゆる専門的なことだけでなく、人間の一番もとというものを見詰めた教育をお願いいたしたいものと希望を申し上げるわけでございます。 あと時間が幾らかあるわけでございますが、以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○藤尾委員長 次回は、来る九日開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十三分散会