物価問題等に関する特別委員会 第15号
- 発言数
- 222 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1977/05/24
会議録
○西宮委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 この際、五月二十二日から二日間、物価問題等の実情調査のため宮城県に委員を派遣いたしましたので、派遣委員の報告を聴取いたします。青木正久君。
○青木委員 物価問題等、特に最近における水産物の価格動向等調査のため、去る十三日、議長の承認を得まして、二十二日及び二十三日、宮城県に派遣されました派遣委員を代表して、御報告申し上げます。 派遣委員は、加藤紘一君、友納武人君、堀内光雄君、金子みつ君、武部文君、宮地正介君、藤原ひろ子君及び私の八名で、ほかに西宮委員長、愛知和男委員、武田一夫議員の御参加を得まして実情を視察してまいりました。 今回の視察は、最近の水産物の価格上昇が、昨年来のアジ、サンマ、イカ等の多獲性魚類の漁獲量の減少及び日ソ漁業交渉の長期化に伴う供給量の減少など、供給事情の著しい変化に起因することは否定できないところでありますが、最近の一部の水産物価格は、短期間に需給の実勢に比べて急激かつ大幅であるため、物価抑制と安定供給の観点から、現地の実情調査を行ったのであります。 まず、塩釜市に赴き、水産加工団地排水処理施設、水産加工場、スケトウダラ第一処理工場、冷凍庫、塩釜魚市場等を視察し、引き続き、塩釜市、生産者、卸業、仲卸業、加工業、消費者等の関係者と懇談を行い、現地の実情等を聴取いたしました。 次いで、仙台市におきましては、最近の水産物の価格動向等の諸問題について、県、生産者、卸業、仲卸業、小売業、加工業、消費者の各代表と懇談会を開催し、それぞれの立場からの忌憚のない意見と要望を聴取いたしました。 両市の懇談会では、種々の要望がありましたが、そのうち主なものを申し上げますと、一、いわゆる生活二法の適宜な発動、二、魚価安定のための強力な対策や、当面する漁業者の補償対策等、生産者、消費者両面にわたる政策の推進、三、長期的な展望に立った漁業の再編成問題や、食糧自給問題への積極的な取り組み、四、流通機構の見直し、特に冷凍物の流通、系統機関のあり方、五、北洋漁場における中小漁船漁業の実績確保、中小加工業者に対する加工原料の確保と価格の安定、六、消費構造の転換の必要性と、そのPR、等であります。 以上が概要でございます。その詳細につきましては、時間の都合もございますので、省略させていただき、別に委員長まで提出いたします派遣委員報告書を会議録に掲載されるようお取り計らいを願い、それによってごらんいただきたいと存じます。 また、関係当局の方々の御配慮に対し厚く感謝の意を表し、以上、報告といたします。(拍手)
○西宮委員長 報告の詳細につきましては、これを本日の会議録に参照掲載することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西宮委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたします。 ————————————— 〔報告書は本号末尾に掲載〕 —————————————
○西宮委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀内光雄君。
○堀内委員 ただいま御報告がありましたように、昨日の現地視察におきましては、塩釜地区、仙台地区ともに地元各位の非常な御協力をちょうだいいたしまして、有意義な視察を行うことができ、また新しい知識を得ることもできたと思います。参加者の一員といたしまして、地元の御協力に対して心から御礼を申し上げたいと存ずる次第でございます。 非常に複雑な魚の問題でございますし、もちろん、一日の視察で問題の全容を知るわけにはまいりませんが、生産地におきましても魚の問題が非常に深刻化しておるということを、実感としてはだで感じることができたということは非常に有意義なことであったと思いますし、また問題の所在がどこにあるかをつかむこともできたと思っています。とりわけ印象に残りましたのは、宮城県水産加工振興協議会の津久浦会長の加工原料のすり身が確保できないという切実な訴え、また、どこかでだれかが魚隠しをやっているんだという副知事の大槻さんのお話、また生活防衛二法の発動をすべきだという副知事を初め消費者の代表のお話、さらにはIQ商品とその扱いの緩和などを訴えられた水産会社の倉茂副社長の御意見なども大いに理解ができたと思っておるわけでございます。 そこで、まず現地で御要望の強かった問題からきょうの質疑に入ってみたいと思うわけでございます。 塩釜の加工業者は、原料のすり身の確保について非常に不安を持っておりました。農林省、水産庁はすり身の確保についてどのような見通しを持っていられるか、御答弁をいただきたいと思います。
○森実説明員 お答え申し上げます。 すり身の問題につきましては、もちろん主力となりますスケトウのすり身の問題と理解いたしますが、御案内のように、ソ連の二百海里の水域内におきまして、わが国の北転船及び沖底船が大体十一月から五月ごろの漁期にかけまして操業を行っておるわけでございます。ことしは一−三月は比較的堅調に操業が行われたわけでございますが、御案内のように、日ソ交渉の中断に伴いまして、非常に重要な時期の四月、五月が操業しておりません。また在庫自体につきましても、実はスケトウ自体が資源等の関係もございまして、外交交渉とは別に、年々若干ずつ減少しているという趨勢にありますので、在庫水準も、操業が行われました最後の月、つまり三月末の水準で見ましても、前年より若干低いという状況でございます。 そういった関係から、スケトウ、したがって当然その加工品であるすり身につきましては、需給が逼迫して価格が上昇したということは否定できないところでございます。特にすり身の加工あるいはそれを原料とした二次加工品につきましては、北海道と東北数県が主力になるわけでございますが、産地に近い北海道に、そういった需給がタイトな場合においては、水揚げ等の関係でどうしても集中しがちになるという本質を持っております。 そのような意味で、私どもといたしましては、実は東北六県、特に宮城県の加工業者と北海道のすり身業者との間の、いま申し上げましたような需給の地域的なひずみを是正するための需給調整を指導しておりまして、かなり話し合いが進んでおります。むしろ現段階では、実はかなり価格も値上がりしていて、零細な加工業者がすり身を買い付ける金融に困難があるということで、現在、財政当局とこういった問題も含めまして、加工業者のつなぎ融資について話し合いを進めておるところでございます。
○堀内委員 すり身の確保についての見通しは余り明確ではなかったような気がいたしますが、塩釜の加工業者は、三月に水産庁の出した、原料は安定確保するので買いだめなどは控えてほしいという指導を非常に忠実に守った。その結果、二十二、三万で買えたすり身がいまでは二十七万になってしまったというようなことで、非常に怒りを述べておりました。水産庁はこれにどうこたえるのか、同時に、将来のすり身の確保について、簡単明確で結構ですから、お願いをいたします。
○森実説明員 率直に申し上げまして、私もその話を伺っておりますが、実は仙台地区と申しますか、宮城県の加工業者の皆さんが比較的買い付けがおくれたということは、私も事情を聞いております。これはいろいろな事情がありまして、水産庁の通達ということも、私も指摘を受けたわけでございますが、全体としては、先ほど申し上げましたように、不足な時期においては、産地である北海道にどうしても優先的に集中するという構造的な問題があるだろうと思っております。なお、この点につきましては、先ほども申し上げましたように、需給調整については格段の努力をしたいと思っております。 長期的には、すり身について、特にスケトウにつきましては、私ども、日米交渉、日ソ交渉の展望を考えますとき、従来とは違った基調に変わってくるだろうと思います。その意味では、代替魚のすり身化という問題を私どもも五十二年度予算では重要な技術課題としておりまして、多獲性大衆魚のすり身化等については特段の技術開発を進めたいと思っております。特に宮城につきましては、先般来、私どもでも話し合いをしておりまして、そういった技術開発については特に優先的にこの地域を配慮してまいりたいということで、県と話し合いをしておるところでございます。
○堀内委員 さらに、いまのすり身の問題では、加工原料がどうも大手の系列下に流れていくというような状態だということでありました。系列の加工業者には原料が潤沢に流れるが、塩釜のような系列の外にある加工業者には原料が流れてこないという話でありました。そういう意味で、原料確保に非常に悩んでいるということでございますが、こういう面で何か手を打つ必要あるいは考えがございますか。
○森実説明員 すり身を考えます場合、船上の冷凍すり身と陸上の冷凍すり身と両方に分かれます。大体、ほぼ等量でございまして、主にすり身として十八万トンないし十九万トン前後というのが加工の実績でございます。この船上の凍結すり身は、実は日米漁業交渉で、日本の母船式トロールあるいは北方トロールが操業しておりますいわゆるアメリカの二百海里海域で洋上加工されるものでございまして、これは従来から完全に大手の漁船団でございます。この意味では、この部分については大手は非常に強い発言力を持っておるし、また供給のシェアも決定的であることは事実でございます。しかし、陸上のすり身の原料は、先ほど申し上げましたように、ほとんど北転船と沖底で、中小船主のものでございまして、これはほとんど全部北海道あるいは一部東北の港に水揚げされまして、産地市場の普通の競りの形式を通じて加工業者に入手されておりまして、特にそのような系列下にあるという事情はございません。 ただ、需給がタイトになる過程におきまして、いわば継続的な供給契約を結んでいる二次加工業者とそうでない加工業者との間には、どうしても商取引として格差を生じてくることは否めないところであろうと私は思います。その意味で、そういった点も含めて需給調整を考えてまいりたいということを申し上げたわけでございます。
○堀内委員 いま、非常にきれいなお話なのですが、現状はそういうものでもないと思います。その点については、後ほどまたほかの問題と一緒に質問をいたしたいと思います。ひとつ十分に状況を把握していただきまして、対策が後手後手にならないように、地元の加工業者の不安を少しでも早く取り除いていただくように、そして、練り物の価格が安定できるように努力をしていただきたいということをお願い申し上げます。 次の問題に移りたいと思います。 経済企画庁と農林省は、十六日から、魚価対策調査班を編成されて、生産、販売、在庫の状況と価格の変動という問題の調査を始められたと伺っておりますが、この一週間、どのような体制で何を重点に調査をされ、また調査結果はどのようなものが出てきているかということを承りたいと思います。
○藤井(直)政府委員 今般、魚価対策を講じた際に、当面のいろいろな対策として、放出の要請とか値上げの自粛の要請とか、そういうようなことをいたしますと同時に、調査の問題についても十分な体制をつくってやろうということで、企画庁としましては魚価対策調査班というのをつくりまして、農林省と一緒になって調査をしようということで進めてまいりました。 私どものやり方としましては、事情聴取をまず先にやりたいということで、生産者団体、大手商社、仲卸、卸業界、小売業界の方々の中から適当な方をお願いしまして、これまでそれぞれの事情についての内容を伺ってきたところでございます。 もう一つは実地調査でございまして、生産者団体、大手商社、大手水産会社等の中から、水産庁と一緒になって五班のチームをつくって、そして現地調査をするということで、主としてそれぞれの業界の冷蔵庫を対象にいたしまして、現地に行っていろいろ調査をしたわけでございます。 現在そういう二つの調査をしておりますが、さらに全体として水産に関して、特に産地の水揚げと水揚げの価格、消費地の入荷量と入荷の価格、そういうものについて最近時点での数字が欠けておりますので、その点についての資料を収集して整備するということもいたしておるわけでございます。 現地調査その他の結果について、現在まだまとめている段階でございますけれども、それからヒヤリングの段階についての問題も同じでございますが、大体におきまして、問題となっておりますような在庫については、どうも昨年より少ないのじゃないか。したがいまして、買い占め売り惜しみというような話についての問題もさらに追及をいたしたいと思っておりますけれども、現在までのところではそういうことについての実態の把握はできないという状況でございます。 在庫全般につきましては、その販売状況も含めて、水産庁の方で一週間に一遍ずつ大手の業者から数字をとることにいたしておりますので、そういう数字がこれからだんだん明確になってまいりますれば、その段階でまたいろいろな内容についての把握をしたいと思っております。
○堀内委員 いままでの調査の内容では、魚転がしとか買い占めのような状態に相当する具体例は余りないというお話ですけれども、この間ちょっと聞いたところによりますと、二十日の調査では、ある会社の倉庫に普通より多いタラコがしまってあったり、塩ザケが市場では一トン程度しか出回っていないのに、一社で三十七トンも抱えているケースがあったということでありますが、そういう具体例を二、三教えていただけませんか。
○森実説明員 御指摘の調査は、九つの会社または団体について現場担当者から状況を聞きますと同時に、代表的な冷蔵庫を見たわけでございます。しかし、もちろん、この冷蔵庫は、それらの会社が関係している冷蔵庫全部見たわけではございません。こちらがスポットで選択いたしまして、自社冷蔵庫ないしは取引関係のある大きな冷蔵庫をねらい撃ちをして調べたものでございます。 そこで、部分的にはかなり在庫があったところもございますけれども、私ども、特にそれは、たとえば当該冷蔵庫について、従来の実績等から見て過大なものとは思っておりません。 それから、市場入荷量より多い在庫があったというお話でございますが、築地等のサケ・マスの入荷量が一日に一トンなどという過小なものではございませんで、これはかなりの数量でございますので、その点は何らかの誤解じゃないかと思います。
○堀内委員 具体的な、正式な資料ではございませんのでいまお伺いしたのですが、部分的にはいろいろそういう内容のものも出てきたやに受け取れる御回答でございました。魚転がしとか買い占め売り惜しみの有無の判定についてはなかなかむずかしい面も多いと思うのですが、現在の消費者の気持ちというものは、現状の魚の異常な値上がりを何とか一日も早く解決してもらいたい、原因を究明してもらいたい、対策を行ってもらいたいというのが切実な願いだと思います。どうも政府の対策がワンテンポおくれているような感じがして、私ども何かいらいらするわけでありますが、いまお話しのような現状の調査、表にいろいろ出せないのかもしれませんが、その調査の結果では、まだ買占め等の防止法の適用というものは困難な状態だということになりますか。
○藤井(直)政府委員 買占め防止法の問題でございますけれども、私どもとしては、この法律を発動するに当たりましては、やはりある程度の買い占め売り惜しみという行為があるという判断が必要ではないかと思っておるわけでございます。そういう意味で、いろいろな調査をしているわけでございますけれども、そのための判断材料としまして現地調査もあると思いますし、先ほどのように、少し系統的に体系的に在庫状況等をトレースして、その間に不審な動きがないかということを客観的に判定したいと思っておるわけでございます。そういうことで、さらにこの点についての調査を進めたいと思っておるわけでございますが、ここで発動する段階ではないのではなかろうかと思います。 ただし、一方で、私どもとしてはやはり買防法を発動することは非常手段であろうと思っておりますけれども、流通段階に水産物が円滑に放出されるということが必要かと思いますので、そういうような手段については従来からやっております対策を一層強化してやろうということで、現在水産庁ともお話ししておりまして、後ほど御説明があるかとも思いますけれども、輸入の拡大とかそういうことも含めまして、少し具体的に対策を進めたいと思っております。
○堀内委員 もちろん買占め防止法というようなものの適用は本質的には本当に慎重でなければならないものだと思いますが、慎重さの余り、今度は対策の時期を失してしまうようなことがあってはこれまた困ることだと思います。特に売り渡しに関する指示というようなものが、この買占め防止法では命令を出すときの最終的な値段、措置をするときの値段というふうになっていると思いますが、それだけに、一度値上がってしまった価格をもとの値に下げることは、恐らくこの買占め防止法によっても不可能ではないかと思うわけでございますので、何よりも時期を失しないように、手を打つ場合には打っていただきたいということを特にお願いをいたしておく次第でございます。 それでは次に、現在の魚の異常な値上がりについて質疑をいたしたいと思います。一口に魚と言いましても非常に多いわけでありまして、鮮魚があり加工魚あり冷凍あり、産地の違いとかいろいろ多種多様、千差万別でありますので、全体を取り上げますと、もうそれこそ時間の制限も出てきますし、質疑も不明瞭に終わることが従来の例を見ても多いと思いますので、魚の対象をしぼって質疑を進めてまいりたいと思います。 まず、北洋に関係のあるサケ・マスというようなものを取り上げてみたいのですが、つい先ごろ築地でサケはキロ二千五百円といったような高値が出て、その後日ソ漁業協定の妥結見通しというようなものに伴ってキロ二千円ぐらいにまで下がってきたというふうに見ております。こういう高値は入荷がきわめて少ないためだろうと思うわけでございます。非常に少ない日が多かったようなことを聞きますが、ことしの一月から五月までの築地市場におけるサケの入荷量と価格というものを月別に教えていただきたいと思います。特に少ないとき一日一トンということも私は聞いておるのですが、先ほど一トンというようなことは絶対ないということでございましたが、そういうようなことはございませんか。
○森実説明員 まずサケ・マスの築地市場における入荷量でございます。 これはいま先生の御指摘の一月は持っておりませんが、二月以降はございますので申し上げますと、二月はかなり入荷量が多いシーズンでございます。三月以降入荷量が落ち込んだというのが現実の姿でございます。三月は前年対比で約八割強、四月は前年対比で五割、それから五月になりましては、上中旬を通じまして二割前後という状態でございます。 御案内のように、北洋のサケ・マスの漁期は大体四月の中下旬、これは日本海が入りまして中下旬、日本海を入れないと五月下旬から七月いっぱいでございます。あとは、いわゆる日本に遡河する秋ザケでございます。 全体のサケ・マスの売り方といたしましては、四月ぐらいまでに大体在庫を全部手じまいをするという姿になります。 ところが、遺憾ながら日ソ漁業交渉の関係から日本海のサケ・マスについては三月から、またそれ以外の北洋のものについては漁期である四月の末から全然出漁はしておりません。そういった関係と、全体としては昨年の秋ザケの遡河する量が一昨年に比べて少なかった、この二つが重なりまして需給関係はきわめてタイトなものになったわけでございます。 特に関係業界の動向といたしましては、日ソ漁業交渉が単に中断しておくれるだけではなく、妥結が困難ではないかという非常に悲観的な見方が、ある時期かなり根強くあったわけでございます。そういった事情を反映いたしまして、先行き不安から非常に価格が上がったという関係がございます。ようやく妥結の見通しができまして、実はまだ御報告しておりませんけれども、けさから独航船は出漁させました。そういうことになりまして、この数日間、サケ・マスの価格は峠を越しましてようやく低落に向かっております。私どもといたしましては、やはりひね物は品質の格差がございますから、新しいものが入るまでの価格は今後は弱含みに推移する、低落するであろう、このように考えております。
○堀内委員 私の方の調査でも、築地のサケの入荷を調べてみますと、北洋物を扱っている六社のうち大手三社で見た場合、昨年の五月十三日の入荷は、十七・五キロ入りの箱が、A社が千四十九箱、B社が五百十八箱、C社が二百一箱ということで、合計千七百六十八箱入荷していましたものが、ことしはA社が四十箱、B社が六十五箱、C社が六十三箱、合計百六十八箱しか入荷しておりません。要するに、入荷は十分の一になっているわけでございます。それにつれて、昨年は高値千三百円、安値七百二十円だったものが、ことしは高値が二千三百五十円、安値千九百円と二倍から三倍に近いような値上がりがしているわけでございます。もっともこの時期は、先ほどお話しのように、昨年はもう北洋から船が帰ってきている段階でありますから、そのまま比較するのは妥当ではないかもしれませんが、築地の入荷が先ほどの五月は二〇%というような状態は、いまの数字でまいりますと一〇%でございますから、これはちょっと少な過ぎる感じが私はするわけでございます。水産会社が倉庫にしまい込んだり、出荷を抑えているようなことはないというふうに農林省はお考えでございますか。
○森実説明員 先ほど申し上げましたように、サケ・マスにつきましては四月以降は大体在庫は一掃されて、新物に移行する過渡期でございます。その意味で在庫水準は落ちているわけでございますが、私どもトータルで見ましたところでは、遺憾ながら現実のサケ・マスのトータルの在庫量は昨年の水準を下回っていると見ざるを得ないと思っております。これは先ほど申し上げましたように、北洋の問題もございますが、一昨年は実は北海道の秋ザケが非常に豊漁でございまして、値段が暴落した経過がございます。それに対して昨年は、四十七年のふ化放流尾数が少なかったものでございますから、遡河が少なくて、その意味では四割減になっているという事情がございまして、そういう意味では、秋ザケ自体の量も少ないということも御報告しておきます。
○堀内委員 おっしゃることもわからないではないのですが、品不足、需給のバランスが崩れたというような程度の値上がりというふうな意味合いでお答えをいただいておると思うのです。そういう意味を含めた御回答だと思うのですが、実は先ほどの五月十三日の資料と同じ資料を一カ月前の四月十二日に調査をした数字がございます。この数字では、四月の段階では入荷も価格も昨年対比五月ほどの大きな開きはございません。さっきのお話で、昨年対比五〇%、五月が二〇%という御回答でございましたけれども、四月の時点では、この調査では前年の七〇%のところまで出ております。価格は大体一五〇%程度ということになっております。こういうものを見ますと、その後ぐんぐんと値段が上昇してまいりまして、わずか一カ月の間に二千五百円までいってしまったということだと思うのです。ですから、品物がないための単純な値上がりというお話、この農林省のおっしゃる言い方はちょっと私は理解できない面が含まれている値上がりだと思うのですが、経済企画庁のお考えはいかがでございますか。
○森実説明員 実は率直に申し上げますと、サケ・マスとタラコについては消費に対する価格効果が非常に少ないということに私どもは腐心しております。非常に値段が上がってもわりあいに消費が堅調である、つまり代替品への転化が比較的スムーズでないというところに一つ問題があるのではないかというふうに見ております。
○堀内委員 ここに一つデータがございます。これは山梨県の県民生活課が、ことしの五月の一日から十一日までに甲府の卸売市場に入りました水産物入荷状況、卸売の値段の状況、これを日報で集計いたしたものでございます。この中で塩ザケを取り上げて分析してみます。ほかにもいろいろ関係のものが多くあるのですが、先ほど申し上げましたように、焦点をしぼって考えますと、非常にびっくりするような状態があぶり出されてくるわけでございます。 まず価格の面では、キロ平均千五百七十六円で、これは大体、築地の価格水準とほぼ同じ水準になっております。しかし、これは甲府市場における昨年の同期の価格の約一・七倍、前月の四月の価格に比べましても約一二%値上がりをいたしておるわけでございます。その結果、塩ザケの小売値段というものは、数字で出ておりますように、小売の店頭価格は百グラムが二百六十七円、昨年同期の二倍というような値段、四月に比べても二割上がるというような状態になってしまったのであります。ところが、きわめて不思議なことは、甲府の市場の塩ザケの入荷量は、ことしは四万七千三百八十二キロもあるのです。これは五月の一日から十一日までの数字です。途中連休があったのですが、これだけの入荷をいたしておるわけでございます。この数量というものは、昨年の五月の一日から十一日までの同じ期間の入荷量は三千三百九十四キロでありますから、実に十四倍の入荷を甲府市の卸売市場でやっておるわけでございます。そして、ことしの四月の一カ月の総卸売市場における入荷量が四万四千六百三十五キロでありますから、さらにそれよりも二千七百四十七キロ多いという数字になるわけなんです。 急に二倍にもなった塩ザケをみんなで奪い合うように買って食べるということはちょっと考えられないことだと思うのでありますが、築地は入荷が非常に少ない、そのために価格は上がる、それにつられて地方市場の価格もどんどん上がる、そして地方市場には高い値でどんどん品物が大量に送られている。こういう実態を見るときに、農林省の言うように、日ソがまとまらない、在庫が底をついた、品薄だから値上がりするというようなものではない、私は非常に何か白々しい感じの御答弁に感じるのです。私は、問題は、品物がないからではなくて、流通を調整して価格を操作しているのではないかという疑問が出てくるわけでございます。その点についていかがでございますか。
○森実説明員 まず塩ザケのトータルの在庫量の数字を申し上げますと、三月末で、昨年は一万五千トンありましたものがことしは八千三百トンというふうに、五割強の水準に落ちていることはまず事実でございます。 それから、いま先生お話がありました甲府市場と、それから東京市場の供給の変動のギャップの問題でございますが、私もこれは調べてみなければわかりませんけれども、そんたくいたしますと、一般的に申しますと、塩干品の売り上げが多い市場と、それからもう一つは、塩干品の売り上げ比率が少ない市場がございます。そこで、需給がタイトな場合においては、やはり従来から塩干品の売り上げの実績の多い市場に優先的に品物が回る、そういう一般的な構造はあるだろうと思います。 なお、この点は、私もいま初めて伺いましたので、なおよく調べてみたいと思います。
○堀内委員 いま塩干類の多いものということをおっしゃいましたけれども、きのう参りました宮城県仙台での宮城県の資料というのがございます。このきのういただいた資料に基づいてながめてみますと、これもまた塩ザケが非常に同じような傾向になっております。これは塩ザケの方の数字を申し上げますと、五月の上旬はまだ不明でございますが、一月から四月の入荷量は対前年一五一%、価格は一五六%と、程度の差はありますけれども、量は多くなり、また値段も上がってきておるというのがはっきり数字に、県の提出の資料に載ってございます。ですから、この三月には昨年の七百二十六円がことしは千百九十六円に値上がりし、四月には九百七十八円が千五百三十四円というぐあいに値上がりをしている。それでいて量の方は、さらに四月には昨年の一二七%、三月は一〇四%、二月は三二七%というぐあいにどんどん上がってきているわけでございます。 こういうぐあいに、程度の差はあれ、地方都市において、東京の築地市場では減っている品物が地方の市場にどんどん量が多く入っていって値段が上がっている、それで築地の市場の値段をそのまま地方の市場は使うというような状態が出ているのです。ですから、築地の市場というものは、値を上げるための一つの役割りを果たしているということが言えると思うのであります。そのために、築地には少量の魚を運び込みまして、値をつり上げた状態で地方都市に大量の魚を送り込んでいく、これは塩ザケを一つの例にとっているだけのことでありますが、私は完全な価格操作の状態が出てきているというふうに思うわけでございます。その上、塩ザケだとか、あるいは冷凍品というようなもの、これは全国各地にそういうぐあいに分散格納されてしまうわけでありますから、特に一カ所、二カ所の倉庫を見ても、そこでどれだけふえているかとか、どれだけ買い占めをしているかというようなものはつかめない、目立たない形の中でのストックが出てきていると私は思うのであります。 したがって、今回の買い占めだとか売り惜しみというのは、一つ一つの冷蔵庫、冷凍庫をつかまえて調査をするのでは究明できないと私は思うのです。ですから、全国規模での全体を対象にして、それこそ全地方自治団体までを動員するような形の中で調査と集計を行わなければ私はだめだと思うのであります。そういう考え方で進められる考えがおありになるかどうか、ちょっと承りたい。
○森実説明員 御質問の二点でございますが、まず第一の価格の値決めでございます。これは産地市場と消費地市場ははっきり違った形をとっておりまして、また、鮮度の高いいわゆるなまものと塩干品とか冷凍品はやはり違う本質を持っておりまして、はっきり申し上げますと、産地市場は市場ごとの需給関係が反映してくる、また、なまものについては消費地市場でもその傾向があるということは事実でございますが、塩干品等につきましては、やはり貯蔵性がございまして、長期の貯蔵商品でございますから、当然これは全国的に見て一物一価の傾向で決まっていくということだろうと思います。しかし、先生お話がございましたように、もし仮に地方市場に異常な入荷があって、その入荷してきた数量というものが従来よりも過大であるにもかかわらず、価格が高いという御指摘があったわけでございますが、これはその地域における需要の問題がどう響いているかという問題だろうと思います。 なお、サケ・マスにつきましては、先ほど申し上げましたように、一万五千トンの水準がすでに三月末で八千三百トンに落ちていた経過はございますが、全体としては、先ほど私、ひね物のことを申し上げましたけれども、やはりいわゆるシーズンの最後に、出荷期の最後の時期においては、貯蔵性の塩干品というものは、どちらか言うと地方市場に多く回されていく、大消費地にはむしろできるだけ新物のいく、そういう傾向があることは否定できません。 それから、二番目の調査の問題でございます。調査の問題につきましては、私ども実は、産地市場、消費地市場及びその周辺地域の調査は自主的に行いたいといま準備を進めております。産地市場については、監督権を持っておる県を中心に、また消費地市場については、市場の開設者を中心に関係業者、横の関係も含めまして、組織的な調査をやりたいということで、現在準備を進めております。
○堀内委員 ただいまの御答弁によりますと、きわめて教科書どおりの御答弁だと思うのです。教科書にはそう書いてございます。しかし、実際のいまの市場というものは、そういうものではなくなってきております。需給関係をもとにして各市場、市場で値段が決まるというような、それはそれぞれの細かい面での多少の相違はありますが、そういうものではなくなってきているんです。一船買いが始まり、それから系列化が始まってきまして、冷凍がどんどんシェアを広げてまいりますと、いまは市場による価格の妥当性というものはきわめて薄いものになってきてしまったと私は思うのです。この問題は後でまだもう一つ申し上げたいことがありますが、冷凍というものができ上がったことによって、この市場価格というものは完全に操作ができるものになってしまった。いまの値段というものは、非常に操作が行われているものだというふうに私は改めて申し上げたいと思うのです。その辺をひとつよく農林省の皆様もしっかりと消費者の立場に立って御検討、御研究を願いたいと私はお願いを申し上げる次第です。 時間がないので、先に進みますが、次にニシンについて伺いたいと思います。 ニシンにつきましては、北海道の道漁連が独占的に一手で扱っているというふうに聞いておりますが、その点は事実でございますか。
○森実説明員 ニシンにつきましては、道漁連が入手しておりますシェアがきわめて高いことは事実でございます。
○堀内委員 ニシンはIQ品目として輸入を制限されているわけでございます。しかも、実績のない新規の輸入枠というものは与えないことになっているというふうに私は聞いております。したがって、新しい競争者を完全に締め出しているのがニシンだというふうに私は感じるわけでございます。現在、輸入ニシンを扱っておりますのは、道漁連だけだと聞いておりますが、そういうことでございますか。
○森実説明員 これはちょっと細かい事務的な点にわたりますけれども、道漁連と道の加工業者——これは輸入ニシンは身は身欠きニシンにいたします、あと、かずのこをとる問題がございます。関係者が協議をいたしまして、商社に発注していく、商社は、道漁連に売り渡すという姿になっております。
○堀内委員 この道漁連がニシンを独占的に扱うために、不明朗な価格の形成があるということがうわさされておりますが、そういうことがあるとお思いになりますか、ないとお思いになりますか。
○森実説明員 どういう点を不明朗かという御指摘の意味だろうと思いますけれども、これは経過がございまして、実はIQ物資としてニシンの輸入枠を決めるに当たって、北海道の漁業者との利害の調整という問題が非常に大きな問題になったわけでございます。そういう意味で、道の加工業者、道漁連の協議会に発注権を与えてあったわけでございます。もちろん、不明朗な問題点等があるという御指摘でございますれば、十分検討したいと思います。それはやはり今後の態勢を見て、ニシンの輸入方式についても変えられるべき点は変えたいと思っております。
○堀内委員 先ほどの、きのう現地調査をしました際にいただいた宮城県の資料がございますが、この宮城県のニシンの一月から四月までの入荷とキロ当たりの価格の資料によりますと、本年の一月から四月の仙台の中央卸売市場におけるニシンの入荷量は二千七・四トン、昨年の入荷量は五百六・五トンで、ことしは約四倍になっております。にもかかわらず、価格は一月が二百四十六円、二月が三百五円、三月が三百六十二円、四月が三百八十七円と上昇の一途をたどっておるのであります。四月の三百八十七円は対前年同月比で二八〇%というべらぼうもない値上がりになっております。 この点につきまして、私は宮城県の水産物の仲卸協同組合の理事長の鈴木さんという方に質問をいたしました。私の質問に対して非常に言いにくそうな表現をしておりましたけれども、ニシンについては需給関係で値がつくのではなくて、初めから指し値で市場に出されてきます。それがいやなら品物は買えないのです、昔から仙台市民とニシンは切り離せない関係で、同時にほかの魚が非常に少なくなっているから、非常に高くてもたくさん買わなければならないのだ、ということを答えておられました。 これでは、さっきのお話にありました、市場は需給関係で適正な価格をつくるのだということは全く無視されているものだと私は思うのです。市場はあってなきがごときものだと私は思います。これは先ほどの道漁連によるニシンの寡占的状態によってもたらされた価格操作だと私は思うのでありますが、こういう寡占状態というものを放置しておきますと、ニシンの値段は絶対に下がらない。やはり競争原理というものを取り入れて輸入量を増大させていく、あるいはニシンの輸入の枠を一般に開放するというようなことをしなければ、ニシンの値段というものは国民からどんどん離れたものになってしまうだろうと思うのですが、そういう点について、経済企画庁長官、いかがでございますか。
○森実説明員 ちょっと事務的にまず先にお答えいたします。 一つは、冷凍魚のニシンの価格をおっしゃったと思いますけれども、実は御存じのように、三月には樺太系のニシンをわが国の刺し網船が大体八十杯くらい出漁しております。鮮魚流通に入ってくるわけでございます。遺憾ながらことしは鮮魚が日ソ交渉の中断で入ってこなくなったという事情があるということはひとつ御理解をいただきたいと思います。それからニシンの価格自体は、冷凍魚だけではなくて、鮮魚と含めてお考えいただく必要があると思います。
○堀内委員 それは違うのですよ。冷凍魚が少なくなったというなら、これは別ですよ。冷凍魚は去年の四倍入っているのですよ。冷凍魚は四倍入ってきて値段が二・八倍になるというところに私は問題点があると思うのです。冷凍魚の方の価格を申し上げて、鮮魚の方についてそれが入ればさらに安くなるということはあるかもしれませんよ。しかし、鮮魚が来ないからと言っても、冷凍魚の量が減ったのではなくて、ふえているのです。ふえていて、さらに値段が二・八倍になるというところに私は価格操作が出てくると言っているのです。
○森実説明員 くどいようでございますけれども、三月、四月の時期は、ニシンにつきましては鮮魚の供給が多い時期でございます。むしろ全体の市場の価格は鮮魚の供給を中心にして考えられる、これはまさにシーズンでございますから。ところが、この三月、四月、五月については、遺憾ながらことしはニシンが全然漁獲できなかったという事情がございます。したがって、もっぱら需要が冷凍魚に集中したという意味で私は申し上げたのでございます。
○堀内委員 ということは、輸入品は非常に高いということをあなたはおっしゃるのですか。鮮魚の方は安いが、輸入品は高くなっているから、こういう冷凍魚について道漁連の出すものが高くなるということをおっしゃりたいのですか。
○森実説明員 先ほども申し上げましたように、若干舌足らずだったら補正させていただきますが、輸入品は、北海道で輸入いたしましたものが加工に回るのが主力でございます。したがって、解凍したもので身欠きニシンの原料になるものと、それからかずのこをとるというのが主力になるわけでございます。冷凍魚というのはやはり輸入品だけではございませんで、むしろ昨年の日本の漁業者がとったニシンが、冷凍魚として保管されて、出荷されるというふうに御理解いただきたいと思います。
○堀内委員 指し値をしているんですよ。需給関係で決めるのではないんですよ。量が四倍にふえて、値段が二・八倍になった。その二・八倍の値段は指し値なんですよ。指し値でどうして需給関係が出てくるんですか。
○森実説明員 御存じのように、市場取引におきましては、委託競りが原則になっております。もちろん、加工品については相対売りも認められていますし、それから特定の商品については指し値制度が制度としてございます。しかし、はっきり申し上げますと、指し値制度自体がやはり需給関係で決まってくるわけでございまして、やはり需給の動向が生産者の指し値に反映されてくる。貫徹できるかどうかという問題があるということは、当然、市場関係から御理解いただけると思います。
○堀内委員 それは供給源がいっぱいあるときですよ。一船買いにしても何にしましても、六社、十社とあるときには、相当の指し値をもってやっていきましても、それはある程度の需給の関係も出てくるかもしれません。しかし、道漁連一社きりないところが、そこが出荷をして、この値段でなければ渡しませんよと言って、持って帰っちゃうというんですよ。これが需給関係の形の姿になるんですか。
○森実説明員 これは、指し値自体は、一社の場合であろうと数社の場合であろうと、やはり一つの商品自体の需給関係でどこまでの価格で購買がつくかという問題でございますので、弱含みの場合は、逆に言うと指し値が実現しないというケースはたくさんございます。やはりそういう需給関係が、ニシン自体について本質的に非常に悲観的であるという事情が反映して、その指し値が実現されたというふうに理解すべきであろうというふうに思います。
○堀内委員 いまのお話ですと、消費者は全く不在ということになるんでして、こういう農林行政のもとで物価を考え、消費者が安いものを食べられるようになんていうことを考えたって、これは無意味だと思うんです。いまのような考え方でいまの売り惜しみ買い占めの調査をしても、これは最終的には結果ははっきりわかっていますよ。消費者のためになるような数字が出てくるはずがないんです。そんなような状態で今後も進めていかれたんでは、私は大変なことになると思うんです。 私は、政府の与党として、いままで買占め防止法というものに対してはやはり慎重にかからなければいかぬというふうな考え方を持っておりました。政府の行政に対する信頼から私はそれを考えていたわけでございます。しかし、いまのような形、いまのような姿勢で農林省が魚について考える、そういう姿勢を持っているというなら、これはやはりもっと徹底した形の中で買占め売惜しみ防止法の適用というものを考えるような状態までしっかり進んでもらわなければ、私はとても国民に対して申しわけないことだと思うんです。この点について、倉成長官、いかがでございますか。これは基本的な問題でございます。私は倉成長官に伺いたいと思います。
○倉成国務大臣 ただいま堀内委員のお話、また水産庁とのやりとりを聞いておりましたが、堀内委員が仰せられるのは、ストックがふえているにもかかわらず指し値で高い値が出ておるじゃないか、したがってそのやり方をもう少し改善したらどうかという御提案ではなかろうかと思うわけでございます。 私はその間の状況がどういうことか詳しいことはよく存じません。そういう高い値が出るのにはそれだけの理由があるのじゃないかと思いますけれども、しかし、漁がたくさんあるにかかわらず値段が下がらない、そして一部の人がその高い値を維持しているということは適当ではないと思います。したがって、もう少し事実関係がどういうことになっているかということを私どもがやはり勉強してみないと、どういう方法があるかということは、いまここでにわかに申し上げるわけにはまいりませんけれども、問題意識として、堀内委員が御提議になりました点はごもっともであるというふうに考えております。
○堀内委員 まだいろいろ質問の用意をしてまいったのでありますが、農林省の方の余りに不明朗な姿勢のためにとうとう時間を使い果たしてしまいまして、残念ながらできませんので、ひとつこれで質問を打ち切ります。
○倉成国務大臣 私は、堀内委員の最初からの御質問をずっと承ってなくて大変恐縮でございましたが、私はやはり、いま一番大事なことは、異常に高いという魚の価格をいかにして安定させていくかということが政策の中心課題でなければならないと思っております。ただいまの御質問もそれに関連する一つの御提案ではなかろうかと思うわけでございます。 したがって、私は、現在もし在庫の量があって、その在庫を放出すれば価格が安定するということになれば在庫を放出させ、またどうしても足らないものについて、輸入をすることによって需給を緩和することができれば、これもまた価格の安定につながるということでございまして、水産庁とも相談をいたしまして、実は需給調整のために保管している冷凍魚、これは対象団体に全漁連、道漁連、遠洋巻網連、日鰹連、全水加工連というのがございますけれども、七月末日までにサバ、イカなど総量で約六千九百トン、これは全漁連が千トン、それから遠洋巻網連が五千六百トン、それから全水加工連が四百トンということになっておりますが、六千九百トンを放出させることにしております。それから第二には、当初予定の輸入割り当て額を二〇%ほど拡大する、これを早期に実施をする。そういうことも水産庁にもお願いしているわけでございます。 そのほか、今度、塩釜に自民党から堀内先生初め加藤、青木、友納、愛知の各委員、それに社会党から武部、金子の各委員に西宮委員長、共産党から藤原委員、公明党から宮地委員並びに現地参加で武田議員というふうに御参加をいただきまして、与野党通じて非常に御熱心に現地でいろいろな御調査をいただきました。その現地の生々しい体験をこの委員会でいろいろと私どもに御教示いただくということでございますので、これは十分、皆様方のいろいろはだで感じられた点をひとつ私ども参考にさせていただきたいと思っております。 同時に、私は、今度皆様方が倉庫にお立ち入りいただいて、入られて感じられたと思うのでございますが、そのときの温度を零下二十五度と聞いております。これで立ち入って調査をすると申しましても、零下二十五度というのは低い方でございまして、恐らく、冷凍倉庫の中を、零下五十度ぐらいのところということになりますと、少々の防寒具を着ましても、これは長時間この中で調査をするということは、事実上なかなか不可能であることは皆様が御体験になったとおりでございまして、われわれも不用意にしてそれだけの準備をいたしておりませんでした。そこで急遽、何とかこの防寒具をひとつ確保したいということで、防衛庁とも相談をいたしまして、五十組の防寒具を松戸の方からいまここに持って、水産庁並びに企画庁の調査官が入れるような準備をいたして、手配が完了いたしました。したがって、大変遅まきでありますけれども、少し長時間にわたって倉庫の中にも入ってやれるようにいたしていく等、いろいろな点で、——このような事態を必ずしも私ども十分予測しておりませんでしたので、従来の調査については十分でなかった点が多々あるということは率直に申し上げたいと思いますけれども、しかし、この魚の問題が起こりまして以降、われわれは最大の知恵をしぼって、そしてあらゆる手段を通じて何とか価格が安定するように、そのためには何としても全国にこれだけ散らばっております倉庫やその他の実態、あるいは冷蔵の状況ということをよく知るということがやはり前提ではないかと思ってやっておるような次第でございます。堀内委員の御質問につけ加えさせていただいて、御答弁申し上げた次第でございます。
○堀内委員 まことに前向きな長官のお話、ありがとうございました。ぜひよろしくお願い申し上げます。 これで質問を終わります。
○西宮委員長 堀内光雄君の質疑は終了いたしました。 次は、金子みつ君。
○金子(み)委員 私は昨日の調査の一員となりまして調査をさせていただきました。もちろん、一日の調査でございますから、十分目的を達成するということなんかはむずかしいと初めから考えておりましたのでございます。 現地へ参りまして、私どもは東京におりまして、消費地におりますので東京における状態がこうなのだということは理解いたしておりましたけれども、産地でどのような状態になっているかということについての認識がございませんでしたのが、あちらに参りまして、現地の方々に直接お話を承ったり、あるいは消費者の方たちからお話を聞いて、そのことが東京における状態と変わらないということに非常にびっくりいたしました。そういうことが一つ。あるいはそのほか、私どもが承知しておりませんでした新しい事実も勉強することができまして、大変によかったと思っております。いま一つは、いろいろな関係者の方々の陳情を伺ったり、御報告を伺ったり、あるいは御意見を聞いたり、要望を聞いたり、実情を聞かしていただいたりしておりますうちに、何かよけいに頭の中が混乱してきたような感じがいたします。非常に糸が乱れたようなかっこうでございまして、一つもすっきりするところがないということがわかってまいりまして、これは大変なことだというように思ったわけでございます。そのことをきょうここで解明することができるなどとは思っておりませんけれども、その事態を少し御報告申し上げながら、私は、これからの対策の問題、いますぐ手をつけなければならない問題というのがございますので、それについて当局の方々の御意見を伺いたい、お考えを聞かせていただきたいというふうに考えるわけでございます。 東京の状態と産地塩釜の状態とが決して違っていなかったということについて、実はいろいろ数字がございますが、その数字を一つずつ申し上げておりますと時間がかかりますので、省略いたしますが、たとえば北洋物が高いというのは、もうみんなが一様に考えている。その北洋物が高いということは、いろいな資料の中に数字がございますからここでは省きますけれども、北洋物が高いことに便乗した感じで、近海物、いわゆる大衆魚と言われているアジですとか、イワシですとか、サバですとかというものまでもが非常に高値になっているという問題、これは非常に大きな問題だと思います。これは二百海里の漁業協定の問題が長引けば長引くほどパニック状態が起こるのではないかということは、素人の人たちも想像はしていたわけですね。それが今日その状態が起こりかけてきているということについて、地元の方々は異口同音に、手の打ち方が遅過ぎるじゃないか、いつも政府は対策が後手後手になる、ということのふんまんをまずどなたもぶつけていらっしゃったわけです。 それはそれといたしまして、いま近海物の値上げの問題を申し上げたわけですが、たとえばこれは塩釜の消費者の方が出していらっしゃった数字ですが、昨年の五月とことしの五月と比較しておるのです。アジが一本九十円だったものが百三十二・八円となっている。四七・五%の値上がりということです。イワシは二十三円だったのが二十九円になって二五・九%。これはみんな一本でございます。それから、サバが一本二十六円六十銭だったのが三十三円三十銭になって、これは二五・二%の値上がり。さらに、サンマを申し上げれば一本八十四円十銭でしたのが百十三円九十銭、三五・四%の値上がり。こういうふうに、幾つも幾つも挙げられておりますけれども、近海物の小売値段がこのように値上げされているという問題でございますね、これは何とか解決していかなければならない問題だというふうに思うわけです。 それで、なぜこういうことになるのかということなんですが、なぜこういうことになるのかについては、いろいろなその間における価格の操作の問題があるだろう、あるいは先ほど来お話を伺っておりましてもわかりますが、基本である北洋物の漁獲量が少ないから値が上がるというふうな大変に常識的な御答弁があったようですけれども、必ずしもそうでないという問題は、後ほど私もまた説明をさせていただきたいと考えております。 その前にひとつ申し上げておこうかと思いますのは、実は塩釜に参りまして、私自身は一つ目的を持っていたのですが、その目的が、十分ではございませんでしたけれども、何となくにおいがするところまでつかむことができたものが一つございました。それは、要するに、魚の値上がりの操作に関する一つの方法でございますが、流通の問題でございまして、いわゆる魚転がしとかキャッチボールとかいろいろ言われておりますが、この関係があるいは魚隠しとの関係で何かありはしな いかということを思うわけでございます。 塩釜港の調査をさせていただきましたらば、水産加工団地の冷凍庫を見せていただいたわけです。いま長官が防寒具を用意したとおっしゃいましたが、私どもは防寒具がございませんでして、普通のままで入っていきました。短い時間で入ったわけでございましたけれども、しかし、私はその入ったときに倉庫の中は満杯だと思いました。というのは、冷凍倉庫というのは、天井まで積み上げてぎっしり詰めたのでは冷凍庫の意味をなさないので、大体六〇%ぐらいまで荷が入っていればそれで満杯と解釈するのだというふうに専門家の人から聞いております。そういたしますと、昨日見ました倉庫の中は、まさしく満杯だなというふうに見えたわけでございます。かなり高く積み上げてございました。 いま一つおかしいと思いましたことは、冷凍庫の中に幾つも積み上げてありますものの中に、どこから来たという魚の表示のありますものもありましたけれども、小麦粉の袋に入ったものが大分積み上げてありました。日清製粉の小麦粉の袋です。それから、よく標識は見えなかったのですが、段ボール箱に積み上げてあるものもございました。そのいずれもが中に何が入っているのだかわからないわけです。後で聞きましたら、あれは全部魚だ、こういうふうにおっしゃったのですが、それならその標識をなぜ外につけておかなかったのか、つけてないのか。あるいは日付も何も書いてありませんでした。どこから来たものだということも書いてないわけです。そのことを後の懇談会で質問いたしましたら、魚はむき出しで置いておくと傷がつくから、廃物利用したのだ、こういう言い方をしたのですが、さらに追及する時間がございませんでしたから、おかしいというふうに思いながらそのままにいたしてございますが、そういう状態がございましたことです。 それからいま一つは、その倉庫の前に折からちょうどコンテナが到着しておりまして、そのコンテナの中から荷物がおろされていたわけです。そのコンテナは、稚内の松田産業というところから送り届けられてきたスケソウのすり身でございます。これが、日付を見ましたら五十二年一月十四日、同じく一月十五日の日付のものなのでございます。きのうは五月の二十三日でございます。それで、そのことについて説明を求めました。そうしましたら、説明をしてくださいました組合長の方のおっしゃるには、本来ならば一月の日付のものならば大体二カ月か三カ月までの間に来ているはずなんだ、ところが、ないないと言っていままで一つも送ってこなかったのに、いまごろになってからこんなにどかどかと送りつけてくる、こういうふうに申しておりました。そういうことを聞きますと、私どもは何かここに魚隠しと申しますか、出荷の操作をしているのではないかということが感じ取れるわけでございます。したがいまして値段にしましてもこの冷凍すり身は二十七万円、これは去年は十二万円であったもの、これは地上分です。洋上分でございますと三十万円になる、こういうわけです。大変な高値でございます。 こういう実態を見まして私はやはり何となくにおいを感じたわけでございまして、決して何も操作はしていない、材料が少ないから値上げになったのだということだけにはならないんじゃないかというふうに感じたわけでございます。そのことをきのう見まして感じました。 それから、それと関連をいたしまして、その流通の問題としては、ほかにもたとえば指図転送などというやり方があるということも聞いております。これは市場に直行させないで、指図された大手商社の倉庫に直行させる、こういうやり方をしております。あるいは本来送りつけるべき目的の市場には途中で荷を振り分けてそして量を少なくして送りつける。こういうようなやり方があるということも聞いております。あるいは、先ほども出ましたが、ひもつき船ある一船買いとか洋上買いとかという言葉を使っておられるようでございますが、船ごと大手の商社が買い占めて、そしてそっくりそのまま商社の冷凍庫に入れてしまう。したがって、荷は市場には出てこない。結果として生まれるものは品不足、こういうふうになる。それで品不足にして、品不足だから値が上がるのは仕方がない、こういう言い方になるわけですね。こういうふうなのはすべてつくられた品薄だ、こういうふうに考えられると思うのでございますが、こういうような流通機構のあり方、きのうの懇談会のときにも発言をしておられる業者の方がございまして、要するに、流通機構というのは、縦に流通機構があることは正常だけれども、横の流通機構みたいなものがつくられてしまっていることは問題なんだ、こういうふうに言っておりました。 この流通の問題について、このような実態があることを御承知でいらっしゃると思うのでございますが、このような実態をどのように改善するように御努力があっておられるのか、あるいはこれからしようと思っていらっしゃるのか。これからでは後手になって間に合わない、手おくれの形ではございますけれども、しかし、これからでもしないよりはこれからの問題を解決するためには役に立つというふうに考えられますので、どういうふうにお扱いになるおつもりでいらっしゃるか、あるいは過去に何をなさっていらっしゃったかを聞かせていただきたいと思います。
○森実説明員 いろいろな点の御指摘がございましたので、まず御指摘の点にお答え申し上げます。 事実、近海物は三月以降大変不漁が続きまして、北洋物以上に逼迫したことは事実でございます。要因を申し上げますと、一つはアジ、サバ、これは御存じのように、この時期は日本海の西部のまき網が中心になるわけでございますが、これがしけのために非常に操業日数が短かったという事情でございます。したがって、アジ等については入荷量が前年対比で、時期によってはこの三カ月の間に三割とか四割、平均しても五、六割からという水準に推移したことは事実でございます。それからイカは、三陸沖と日本海西部がいまの時期、しかも日本寄りのところが主力漁場になりますが、これが大変な不漁としけで漁獲が少なくて、スルメイカにつきましても、前年に対比いたしまして入荷数量がかなり激減した経過があることは事実でございます。それからカツオにつきましては、実は三月の上旬まではきわめて順調に入荷しておりまして、価格も決して強くなかったわけでございますが、三月の下旬から、わが国に接岸します時期になりまして実は冷水の影響が出まして水揚げがなくて、特に鹿児島の串木野とか高知とかいうふうな南の方の基地に水揚げがないという状態が続きまして、非常に不幸な事態が二重に重なったということは事実でございます。ようやく五月の中旬になって天候が回復いたしまして、操業も順調でございまして、魚価もようやく反落の兆しを見せてきたということが実態だろうと思います。 それから二番目に、冷凍すり身の問題でございます。事実、冷凍すり身が逼迫感と将来の先行き不安からかなり値上がりしたことは事実でございますが、品物自体としては私どもは比較的順調に動いているのではないか。問題がありましたのは、実は私ども各県から聞いておりますが、特に宮城地区のかまぼこ業者等が金融的に買えないという問題があって、その点は、先ほども申し上げたように、対処したいと思っておるわけでございます。 それから三番目は、指図転送と中間分荷の御指摘でございました。指図転送と申しますのは、いわゆる集散市場に入りました荷が地方市場にさらに分荷されるという、その意味での指図転送だろうと思います。それから中間入荷という問題は、最終市場のゴールに到達する際までの間に、たくさんの荷口を詰め合わせまして中間で逐次おろしていくという形でございます。これらはいずれも、実は取引の問題と申しますよりは、いわば輸送単位をまとめていく、あるいは大量輸送を実現していくという点で意味を持っている点もありまして、一概に否定すべきものではないと思いますけれども、一部、市場の価格操作に指図転送等が悪用されますとこれは非常に注意しなければなりませんので、市場の運営については厳重に監督している点でございます。 なお、今後の縦の流通、横の流通の問題でございますが、やはり水産物の流通は、基本的にはもちろん縦の流通でございますが、基本的に御理解いただきたい点は、ある時期に、たとえばある漁場で集中してとれました魚を全国で周年で利用するという関係になるということは当然御理解いただけるだろうと思います。その意味で、やはり産地あるいは消費地等でかなり冷凍魚をストックすることは事実でございますし、特に漁の最盛期の直後はそのストックがピークに達するということは事実でございます。これが大体平均売りされてくるという形でございます。したがって、そういう意味では、鮮魚の流通はいわば瞬間的な縦の流通の流れをとるのに対して、冷凍魚の流通につきましては、産地で加工用とえさ用とそれからいわゆる解凍して鮮魚に回すものとに振り分けられる、そこでストックされる、それから特定の水揚げ市場から全国の消費地に分荷されるというふうに、地域的分配と時間的分配と用途別分配が平均的に行われるという実態がございます。 ただ、先生御指摘の横の流通ということは、恐らくそういった問題ではなくて、いわば価格の上昇時期あるいは下降時期、これは両方あると思いますが、仲間うち取引で価格が下がるときは売り逃げる、価格が上がるときにはある程度投機的意図をもって行われるというふうな実態を問題にされているのだろうと思います。こういった取引はもちろん一般論としては好ましくないことでございますが、ただ、私どもが認識するところでは、これが今日の需給実勢に影響を与えるような形で行われるかどうかということがやはり一つ問題だろうと思いますので、その点は十分に対処してまいりたいと思っております。
○金子(み)委員 委員長、質問の途中でございますけれども、いま十二時十分前で、本会議が始まることになっておりますので、話が途中ではございますけれども、ここで私は保留いたしまして、本会議終了後にさせていただこうかと思いますが、よろしゅうございますか。
○西宮委員長 金子みつ君の質疑は保留いたしまして、午後は一時三十分より開会することにして、この際、休憩いたします。 午前十一時五十分休憩 ————◇————— 午後一時三十一分開議
○西宮委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。金子みつ君。
○金子(み)委員 お魚の漁獲量は決して下がっていないのにもかかわらず、現地における値上がりがあり、それがしたがって卸の値も引き上げることになるし、さらにそれは小売も引き上げるというふうな形で、消費者に非常に問題を投げかけている問題でありますが、先ほど来の御答弁では、決して品不足ではないという御答弁も朝からあったわけでございます。しかし、私はここでつくられた品薄という関係から、確かに漁獲量は減っていないということの数字を二、三御紹介して考えていただきたいと思います。 かまぼこ、すなわち加工品でございますが、特に、魚を材料にする加工品である練り製品、かまぼこあるいはちくわ、そういった種類のものであります。それらの材料であるところのすり身、さらにすり身のもう一つ前の原料であるスケトウダラの問題でありますが、これの水揚げは決して少なくはないということを少し申し上げてみたいと思います。 釧路の例では、五十二年の一月から三月の水揚げは二十六万トン、五十一年の同期の水揚げ量は二十万トン、したがって、ここに六万トン多いということがはっきりわかるわけでございます。 それから、石巻の例で申し上げますれば、五十一年から先に申し上げますが、五十一年の一月も二月も三月も、それぞれ数量で申し上げれば、千四百十七トン、それが五十二年の一月には二千三百六十四トン、五十一年の二月は千百三十三、それが五十二年では四千四百三十二、そして三月は九百五十四が千九百九十七と、一月から三月までは、確かに五十二年の方が水揚げ量は多うございます。ただ、四月に入りましてからいささか減りまして、五十一年が二千七百六十五で五十二年は二千三百八、ここで約四百五十トンぐらいの開きが出てまいりました。 あるいはまた、昨日参りました塩釜の数字を申し上げてみますと、これも五十一年と五十二年とを比べていただきますと、この場合は一月、二月、三月、四月、五月まで調査ができておりますが、五十一年が、一月十五万五千、それに対して十八万五千、それから二月十六万に対して十八万五千、三月十五万五千に対して十九万五千、四月十五万八千に対して二十四万、五月十五万七千に対して二百二十八万五千というふうになっております。 さらに、今度は北海道漁連の東京都支部の分でございますが、これは、五十一年七万六千トン、五十二年七万七千トン、東北全体としては、二万五千が三万二千五百と、これは一月から四月の総計でございます。このようにふえている。 最後に、水産庁の速報でございますが、これは五十一年と五十二年は、比べられるのは一月と二月だけになりますので、一月、二月だけを申し上げますと、一月は十三万三千二百十一、五十二年は十四万四千三百八十八、二月は十七万八千六百十八に対して十八万二百二十一というふうなぐあいに、現地における水揚げ量は決して少なくない。むしろ漁獲量はふえているというふうにこの数字が言ってくれているわけです。 私は事実は数字を信用するよりしようがないと思いますから、数字を申し上げたわけでございます。もし、この数字がおかしいというのでしたら、また話は別でありますが、一応数字はこのように示してありますので、現地における漁獲量は確かに減っていない、むしろ増量されている。にもかかわりませず、実態といたしましては、すり身の材料であるスケトウダラが不足であるから、したがってすり身そのものも品不足になってそれで値上がりになるのだ、こういうような状態をつくり出しているのが現実でございます。 そういうようなことになっておりますことで、現地における値上げで産地の価格が大体二倍あるいはそれ以上に引き上げられております。そこで、原料の値上げが改善されませんと、これはコスト高を見越しまして思惑買いということだって考えられるというふうに思うわけでございます。したがって、問題は消費者の手に入るための小売の値段が高いことだけではなくて、その問題も解決しなければならない重要問題でありますけれども、それと同時に、基本的な問題を解決しなければならない。すなわち、現地の値上がりということをどのように考えていけばいいかということでございますが、これらの、いま申し上げたように、決して漁獲量が減っていないにもかかわらず現地における魚の価格が値上がりされてしまっているという問題について、どのように考え、どういうふうに対策を立てていこうと考えていらっしゃるか、御意見を伺いたいと思います。
○森実説明員 まず数字の点でございますが、御指摘のように、一−三月をとる限り、ことしはスケトウの漁獲は昨年より、若干でございますが、上がっております。これは否定いたしません。これは御案内のように、二月の二十四日にソ連が最高会議幹部会令に基づく閣議決定をいたしまして、二百海里の実施を決めまして、二月の二十八日から私どもの鈴木大臣とイシコフとの間の第一回交渉が行われたわけでございます。その第一回交渉の際、サケ・マスとニシン以外は三月中は操業を認める。サケ・マスとニシンについては三月中も操業は認めないが、ほかのものは、三月から二百海里を実施しているけれども、経過措置として認めましょうということになったわけでございます。こういった事情が如実に反映いたしまして、実は沖底船、北転船を通じまして三月中はかなり無理なピストン操業をやったことは疑いもない事実でございます。 しかし、四月、五月は、先生も御案内のように、完全に操業ストップでございます。したがって、四月以降入荷しておりますものは、三陸と北海道の地先の沿岸の若干の量でございます。御案内のように、スケトウはいままでの時点では年間二百五十万トンくらいの生産がございましたけれども、百万トンはアメリカの二百海里海域、それから九十七万トン、約百万トンがソ連の二百海里海域でございまして、ソ連の二百海里海域の操業期間というのは大体十一月から六月まででございますから、四、五の操業が行えないということは、決定的に響いていることは事実でございます。 そのような事情を反映いたしまして、実は四月以降急速に生産は落ちておりまして、特に四月の下旬、五月の上旬になると、操業の原魚にも事欠くという状況になりまして、このことが反映いたしまして、在庫量はかなり大幅に減っております。たとえば前年対比で申しますと、四月の末の在庫量は、昨年は約五万五千トンでございますが、ことしは約三万六千トンまで減っている。これをさらに五月に食いつぶしているというのが事実でございます。
○金子(み)委員 四月からそういう状態になったことはわかっているわけですね。ですけれども、一月から三月の間に、いまはからずもおっしゃったように、非常に乱暴なと言ってもいいくらいむちゃくちゃにとったという話も聞いております。とにかく三月までにとらなければならぬということで、ふだんよりも馬力をかけてとったということも聞いております。ですからこそ、いま数字で申し上げたように、確かに増量した漁獲量はあったわけでございますが、なぜそれではそのままそれを必要なルートへ乗せておろしてこなかったかという問題です。そこをやらないでいつまでも——多分四月から、もう様子はわかっておりましたから、品薄にすることによって価格を調整することができるということを考えて、思惑的にこれを価格調整するために出荷統制をしたというふうな考え方がどうしてもこの間に潜んでいるように思われるわけでありますが、そのことについてはどうお考えになりますか。そんなことは絶対にないとおっしゃれるでしょうか。
○森実説明員 数字に即して申し上げますと、陸上の冷凍すり身の例でございますが、全国の計で申しますと、出荷量は昨年は一万七千トンでございましたが、五十二年は約二万三千トンというふうに、三六%ばかりふえております。むしろ、はっきり申し上げますと、スケトウにつきましては、四月以降漁獲ができなかった関係があって、すり身の将来に対する先行き不安から買いがかなり先行したという事情があるのではないかと想像しております。その意味で、五月以降もそうでございますが、出荷量自体が減っているというふうな事情ではございません。現に練り製品の関係者も価格的にはかなり困惑しておられる向きもあることは、特に大衆品については伺っておりますが、しかし、操業を短縮しなければならないというふうな事情にはないと認識しております。
○金子(み)委員 冷凍すり身の八割以上を生産、販売しているのは、この資料によりますと、大洋漁業と日本水産の大手三社だということですね。そうすると、ここでこれだけの独占ぶりを発揮しておりますと、したがって価格を操作することができるというふうなことも考えられるわけです。大手の水産会社の系列の、ある卸会社の人たちが言っているのは、高くてもよければすり身はいくらでも手に入りますよということを言っているのですね。ですから、ないんじゃなくて、あることは事実。ただ、大手の水産会社や商社なんかが先行きの高値を見越して買い占めをしているためにこういうことになるんだということも発言しているわけです。ということは、そういうような価格操作が行われているということが、現在魚の値段をものすごく引き上げてきているわけなのでありますが、これを何とか調整しない限り、このままにしておいたならば、消費者だけでなくて、漁業会社の人たちも非常に困っているわけです。けさほどお話の中にも出ておりましたけれども、卸の値段が高いけれども、卸の値上げの率に比べれば小売はそれほど高くは引き上げられないから、したがって小売の引き上げ額よりも卸の引き上げ額の方が高いということを大変に嘆いているわけです。したがって、小売業者の人たちは、自分たちは余りもうけになっていない、高い品物を仕入れさせられて、そして安く売らなければならないというところに非常に悩みがあるんだということを申しておりますけれども、この問題にも対処しなければならぬ。 そうすると、いまの魚の値動きの様子を見てみますと、消費者と小売業者を泣かせて、そして大手の水産業者あるいは卸業者などがこれでもうけていると申しますか、というようなことが考えられるわけでありますが、このようなバランスの壊れたと申しますか、非常に片手落ちなあり方について、経済の目付役である経企庁となさっては、これをこのままにしておくわけにはいかないとお考えになるんじゃないかと思いますが、どういうふうにお考えになり、どのように解決していこうとしていらっしゃるか、御計画を伺わせていただきたい。
○森実説明員 数字のことをちょっとお答え申し上げますと、大洋、日水が八割を握っているとおっしゃいましたのは、恐らく船上の、アメリカの二百海里水域でやっております母船式トロールと、それからもう一つは、いわゆる五千トン型の大型トロール、このいわゆる洋上加工すり身についてのシェアだろうと思います、これは先ほども申し上げましたように、大体大手四社が漁業をやっておりますから。これに対して、いわゆる陸上すり身については実はそんなに集中はございませんで、かなり多数の人々によって取り扱われていることは事実でございまして、加工業者も取扱業者も多岐に分かれております。したがって、現在の時期、端的に申しますと、ソ連の二百海里の漁期である大体例年二月ごろから六月ごろまでは陸上すり身が優先的に充当される時期でございますので、特に大手に対する集中が陸上すり身にあるとは私どもは思っておりません。なお、参考までに申し上げますと、実は私ども非常に苦労いたしましたのは、先ほど先生の御指摘のように、三月に非常に漁獲量を上げたのでございます。ところが、すり身の値段が上がる前にスケトウの価格が四月以降の日ソ交渉の不安材料から先に上がっていった、むしろ昨年の同期水準に比べて、産地の卸売価格が大体キロ六十円前後のものが百円を超えた状況が出たという経過があって、若干原魚の主導型ですり身が引っ張り上がっていったという経過があることは事実でございます。
○金子(み)委員 時間もなくなりましたので先へ行きたいと思います。 こういう状態を何とか解決しようというお考えのもとにだと思いますけれども、経企庁と水産庁、農林省は、先般冷凍倉庫に合同立入調査をなさったわけでございますね、五月二十日でございましたか。私どもはその報道を読んだわけでございますが、ところが、結果的には過剰在庫は見られなかったという印象であったというふうに述べられておりますし、それでは目的は達せられなかったのではないかというふうに考えられます。 それで、こういうことを考えるわけであります。今後さらに続けて調査を進めていきたいというふうにそのときも申されておるようでありますが、今後の具体的な計画というものがおありになったら、それを教えていただきたいと思います。 それと同時に申し上げておきたいと思いますことは、前回の調査のときにはいわゆる営業用倉庫に主体を置いて調べていらっしゃいますけれども、いわゆる自家用倉庫のようなものは全然取り扱っていらっしゃらなかったということがわかりました。そうなりますと、今度の魚の問題はどこにどのようにしまわれているかということがかいもくわからないわけでございますから、幾つかの倉庫だけをマークして、そしてそれを調べるということだけではとうてい解明はできないというふうに考えられます。これは宮城県の副知事もおっしゃっています。東京都が調査をしたから宮城県でもしたいと思うけれども、単独の県がやりましても魚は逃げてしまう、こういう発言をしておられるわけであります。ですから、これはやはり全国的な規模で、全国各地にある全部の冷凍倉庫を残らず同時に一斉調査を実施することでなかったら、そのことは解決できない、実態はつかめないというふうに考えているわけでございますけれども、そのことを実施なさる意思や決意がおありになるかどうかという問題、そして同時に、先ほども申し上げましたけれども、倉庫の関係としましては、小さいものですけれども、幾つかの漁業組合の系統の団体あるいは食品加工業あるいはその他の公営の自家用冷蔵庫を持っておりますね、こういうものもやはりその調査対象にしなければ意味はないんではないかというふうに考えます。そのような形で再度立入調査をなさって、そして厳密に実態を把握なさるということを実施なさいますおつもりがおありになるかどうか、そのことをぜひ聞かしていただきたいと思います。
○森実説明員 まず、この種の調査につきましては今後も引き続き実施したいと思っております。私どもが特に営業用冷蔵庫を選びました理由というのは、むしろ懸念があるとすれば営業用冷蔵庫の方にあるのではないか、自家用冷蔵庫にはわりあいに入っていないという報告もありますので、そういう意味で選んだわけでございまして、どこを選ぶかは、随時状況を見て広げていきたいと思っております。 それから二番目に、やはり御指摘のように、かなり広範な規模で組織的に調査をする必要は今後もあると思っております。そのような意味で、先般実施しました調査とはほかに、産地市場、消費地市場を中心にいたしまして、自治体の協力を得まして、監督者という立場ないしは開設者という立場で協力を得まして、取引量、取引先の調査以外に、在庫状況の確認調査をかなり広範な規模で実施したいと思っておりまして、現在準備中でございます。
○倉成国務大臣 ただいま金子委員の御指摘のとおり、卸の価格が非常に上がりますと小売の方に響いてくる。ところが、小売の方は消費者に余り高いものを売ると魚離れをしてくるということで、非常な危機感を抱いておる。したがって、ある程度上がっておりますけれども、小売のマージンがかなり少なくなっているという実情があるんではなかろうかという点は、私も金子委員と同じような感じを持っております。そういう意味から、この魚の値上がりが、いろいろな理由があるにしましても、少なくとも常識的に考えられる許容範囲を超えての値上がりということになれば、やはり関係者に自粛を求めていかなければならないと思っておるわけでございまして、先般の懇談会でも、そういう実情を伺いながらいろいろなことを考えて御懇談をしたわけでございます。 ただいま漁政部長からお答えを申しましたように、これは何といっても実態をきちっと把握することが一番大事である。しかし、その実態を把握するためには、もちろん個々の倉庫の調査も必要でございますけれども、先般金子委員初め関係の方が御調査されたとき御経験になりましたように、零下二十五度、零下五十度というような倉庫に全部立ち入って、その一々の品物を調査するということは、事実上非常に困難な問題を伴うわけでございます。したがって、書類上の調査あるいはいろいろな関係の調査、そういうことと並行してやはり集中的にそういうものに取り組んでいかなければならない。そしてまた、いやしくも何らかの疑惑を招くような情報がありましたならば、その倉庫については徹底的な調査をやる、そういうことをひとつ考えてみたいと思うわけであります。午前中も堀内委員の御質問に申し上げましたように、零下何十度のそういう調査にも耐え得るような防寒具を五十組ほど準備をしまして、水産庁と一緒に、企画庁ともどもに、そういう調査の体制も真剣に取り組む姿勢をいま整えておるところでございます。
○金子(み)委員 営業用の倉庫を選んだ理由というのを先ほど部長が御説明なさいました。そして、これからも続けてやろうと思っているというふうにおっしゃいましたが、倉庫を選んでとおっしゃったわけですね。その選ぶということには非常にひっかかるわけですね。どういうものをどういうふうに選ぶかということを、本来ならば逐一お聞かせ願いたいところですが、時間もありませんからきょうは省略いたしますけれども、その役所が選ぶということに非常に意味があると思います。いい意味もあるし、そうでない意味もあります。ですから、疑わしいと思われているいま、役所は手おくれではないかとかあるいはおかしいじゃないかという声も上がっておる今日、どういうようにしてどのようなものをお選びになるのか、だれが見ても正当性のある選び方でなければ意味がないと思います。 私はさらにその上に、選んだ倉庫だけを見るのは意味がないと先ほど申し上げたわけです。一斉にすべてを見なければだめだということを申し上げたわけですね。石油ショックのときに、トイレットペーパーや洗剤などをいわゆる一般の倉庫に、倉庫業法に基づく倉庫ではなくて、あらゆるところに隠してあったという事実がございましたね。たとえば農家の庭先に臨時につくった倉庫であるとか、あるいはボーリング場に入れるとかいうようなこともあったわけですけれども、そのことを考えますと、今度は冷凍物であるからそう簡単にはいかないんだ、そのような形では隠すことはできないというふうに反発なさる方もございます。そのような形ではもちろんできないでしょう。それはわかります。しかし、幾つかの系列下にあるいろいろな会社のそれぞれが持っている倉庫というのは決して大きなものではない、しかし冷凍倉庫を持っていると思いますから、そういうところも一斉に調べなければだめじゃないかということを申し上げたわけなんです。ですから、倉庫を選ぶということは私は賛成できないと考えております。
○倉成国務大臣 私が申し上げましたのは、そういう小さい範囲の選ぶという意味ではないわけです。それはもう全部の倉庫について情報を確認するということが一番大事なことでありますけれども、全部の倉庫について何時間にわたって、そうして一々の荷物を調査するということは事実上これは不可能に近いことでございます。したがって、われわれもまた関係の自治体の協力を得まして最大限の調査はいたしますけれども、しかし同時に、そういう徹底的ないろいろな問題をやる場合には、ある幾つかのものにならざるを得ないかもしれない、そういうことを申し上げたわけでございますので、その点は御了承いただきたいと思います。 それと同時に、そういう立ち入りと同時に、やはり書類上の、魚でございますから、そうどこかの倉庫に隠しておくというわけにいかないわけで、冷蔵倉庫の所在地もおかっておることでもございますから、そういう点はおおむねいろいろな情報で確認ができるんじゃなかろうか、そう思っておる次第でございます。
○金子(み)委員 一〇〇%全部のものをということは実際問題として無理かもしれない、それは私も思います。しかし、国民がああよくやった、あそこまでやったなというふうに、みんなが納得できるような調べ方をしていただきたいということなんです。そういう意味で申し上げたわけです。 それから、書類上の調査というのもよく使われる手でございますけれども、書類審査というのは一つの目安でございまして、これが絶対なものではないということも事実でございます。ですから、書類上の調査をやった上で実態を調べなければ本当のことがわからないというのが、物を調べるときの段取りだろうと思いますから、書類上の調査もやることは非常に結構だと思いますけれども、書類上の調査だけでよしとしないということを、ぜひこの問題ではやっていただきたい。 なぜかと申しますと、大変おかしな言い方をいたしますが、昨日の会議のときも、県がお出しになった資料について、実際に魚を取り扱っている方たちは数字が納得できなかったのですね、疑問があるというふうに発言をしておられましたから。私はそれを聞いて、やはり問題だと思ったのです。官庁がきちっとおつくりになったはずの資料を、実際に仕事をしている人たちが疑問を持つということは、やはり実態を調査された上での資料ではなかったということがおのずから物語られていると私は思います。ですから、その点を十分心得ていただきたいと思います。 さらに、時間がございませんので続けてお尋ねをしたいことは、そのようにして大がかりに、しかも国民が納得できるような範囲で調査をなさいましたその結果に基づいて、経企庁となさってはどのように対応なさるかということでございます。これは言葉を変えて申し上げれば、生活二法の適用の問題でございます。ことに買占め売惜しみ防止法の適用のことでございますが、けさほどの御答弁から見ましても、大変慎重に扱うというお話でございます。慎重は結構だと思いますけれども、こういう問題は時期の問題があるわけです。時期を逃しては意味がない、それを私は申し上げたい。前回の石油ショックのときもそうでございました。さんざん国民が困って困って困り果てて狂乱状態になった、そこからやっと、そのあげくの果てに措置がされた、こういうことでございましたから、あの轍を踏まないようにしていただきたい。いまのうちに、パニック状態の起こらないうちにその措置をしていただきたいと思いますし、ぜひしなければ国民に申しわけないと申しますか、国民は納得できないと思いますので、この時期を失しないということで、できるだけ早い機会にこれをなさるように御要望したいと思いますが、御決意がおありになるか、伺わせていただいて、質問を終わりたいと思います。
○倉成国務大臣 二つの点についてお答えしたいと思います。 第一は、ただいまお話しのように、書類上の調査と申しますが、これは水産庁におきましても経済企画庁におきましても、かなり詳細ないろいろな資料の提出をいま求めて、そして魚の流れを確認するようにいたしておるわけでございます。しかし、これは書類上そうなっておっても実際どうだということを確認する必要がある。そういう意味で、実地の立入調査等を並行して行う、そういうことでございますから、金子委員の御趣旨と大体同じものであると御理解いただいて結構だと思います。 第二の点は、いま近海物については、アジあるいはスルメイカあるいはカツオ、イワシ、カレイ、ブリ、ハマチ、こういうものが五月の上旬に比較しまして中旬においては卸価格が値下がりをいたしております。これはアジで申しますと、五月上旬の千十一円が、中旬には七百七十五円になっておる、その他のものもかなり上旬に比して中旬の値下がりが起こっておるわけでございます。 それから、いよいよ日ソ交渉も妥結をいたしまして、恐らく一両日のうちに条約の署名が行われる、そしてその署名の時期に網入れをするということでございまして、これは非常に明るいニュースが出てきておるわけでございますので、恐らく価格については安定の方向をたどると私ども期待いたしておるわけでございますので、このことを見きわめながら十分、いやしくも魚不足、あるいは魚に乗じて国民生活が困るようなことを買い占め売り惜しみ等でやるというようなことがあれば、これはこの法律があることでもございますので、われわれとしても決して座視しているつもりはございません。
○金子(み)委員 発動しないで済めばこれにこしたことはないと思います。ですけれども、いまお話しのようなこともございますので、見きわめを誤らないように正しい判断をなさって、そして手落ちにならないようにいち早く手を打っていただくことを強く御要望いたしまして、質問を終わります。
○西宮委員長 金子みつ君の質疑は終了いたしました。 次は、中村茂君。
○中村(茂)委員 私はまず水産庁にお伺いいたしますが、この一年間の魚介類の価格動向と値上がりの特徴について簡潔にひとつお答えを願いたいと思います。
○森実説明員 最近におきます水産物の価格動向を見ますと、消費者物価指数は本年四月、生鮮魚介類は前年対比で二二・七%、塩干魚介類は一七・五%、総じて一般物価に比して高い上昇率となっております。それからなお、本年四月の東京都の中央卸売市場の平均価格の前年同月比、これは全国のトータルの加重平均でございますが、おおむね二割程度の上昇になっております。若干卸売価格が消費者価格を上回っているという実態は、先ほども御指摘のとおりでございます。 この理由として考えられますことは、何と申しましても多獲性魚種の問題でございます。多獲性魚種につきましては、特に日本海でとれましたアジ、サバそれからイカ等が、しけのために操業できないで、漁獲が減少して入荷が少なくなっている。それからもう一つは、やはり大きな問題としては水温、特に低温の問題が時期的に三月以降のカツオ等に影響していること等があると思います。それからもう一つは、やはり北洋の日ソ交渉が四月以降中断いたしまして、漁獲量が上がらず、かつ、その不安が社会的にかなりな影響のものであったということであろうと思います。
○中村(茂)委員 もう少し正確に答えていただきたいのですけれども、二割程度という程度ではわからないので、数字のことですから、もう少し分類して、正確に答えてください。
○森実説明員 ただいま東京都の入荷の数量について、加重平均価格を二割程度と申し上げましたが、ちょっといま手元に正確に資料を持っておりませんので、もう一回対照いたしまして、わかり次第お答えさせていただきます。
○中村(茂)委員 ここに五二水漁第二一二一号、昭和五二年五月一三日、食品流通局長、水産庁長官両名でお出しになった「水産物価格の安定について」というのが一つありますけれども、いまのお話しの価格動向を四月の東京都の速報、これによると生鮮魚介は前年比で二二・七%、塩干魚介は一七・五%、こういうふうにおたくで出した文書で数字が出ているのですが、これでいいのですか。
○森実説明員 消費者物価につきましては、先ほど申し上げたとおりで、先生御指摘の数字のとおりでございます。
○中村(茂)委員 これは一年のをお聞きしたのですけれども、次に、最近の特に値上がりの激しかった魚介についてお答え願いたいと思うのです。それと、この値上がりの特徴についてあわせてお聞きいたします。
○森実説明員 東京都市場及び東京周辺における状況から申し上げますと、この半年の間に値上がりが大きかったものといたしましては、多獲性大衆魚としてはアジが挙げられます。これ以外のものは、サバ、スルメイカ、カツオ等がございますが、この半年の間にはそんなに大きな変化にはなっておりません。なお、先ほど企画庁長官からも御答弁ございましたように、このうちアジ、スルメイカ、ブリ等につきましては、五月中旬以降下落をたどっております。 それから、冷凍魚関係で値上がりが大きかったものは、冷凍のサバ、サンマ、それからあとは塩干品といたしましてはサケ、マス及びタラコ等だと思います。 特に、私ども全体として見ますと、影響が一番顕著に出ておりますのは、ことしの前半において、日本海の西部漁場に依存している魚種はやはりしけのために水揚げ量が少なくて、四月くらいまでは非常に値上がりが大きかったということと、それからもう一つは、北洋関係の魚種に値上がりが大きかったということは総じて言えるだろうと思います。
○中村(茂)委員 いま値上がりの特徴についてあわせてお聞きしたわけですけれども、御答弁がございません。私は、ずっと午前中からいろいろ質問され御答弁もあったわけでありますけれども、いま魚価という魚の値段の問題について考えてみた場合に、やはり基本的には、この一年間の物価の上昇というものと比較して、特に魚の部分について値上がりが非常に多かった、このところをまず考えてみなければならないというふうに思うわけです。確かに消費者物価、三月前年度比九・四、こういう全般的な数字が出たわけでありますけれども、その中身等について、いままでの発表を見ていきますと、公共料金も大体二・二%で、相当消費者物価を底上げした。野菜等についても、季節的には言われましたけれども、いまこの数字を見ましても、やはり魚というものについてこの一年間じわじわ、じわじわと上がってきて、平均して二割台、二二%程度上がった。そこへもってきて、魚の流通上の混乱とかいろいろなものが出てきた。ですから、まずそういうことを考えてみた場合に、やはり二百海里問題、新しい海洋秩序の問題が国際的になってき、それに関連して漁業のいろいろな編成等についてもこれからやっていかなければならぬ、こういう時期でありますから、したがってこのじわじわと上がってきた一年間の二二%、こういう上に立っての問題でありますから、まずそこの点を一つ指摘をしておきたいというふうに思うのです。 そこで、そういう上に立って、今度新聞紙上からテレビニュースからいろいろなことを言われております買い占めとか売り惜しみとか、便上値上げとか価格操作とか、投機が行われたのではないかとか、こういう問題については、価格がずっと上がってきたのについてどういうふうにお考えですか。こういうことがあったというふうに考えておりますか、それとも、いやこういうことはない、上がってきたのはいろいろな関係で上がってきたのだ、こういうふうにお考えですか。その点を水産庁とそれから企画庁双方の考え方をひとつお聞きしたいと思います。
○森実説明員 先ほどちょっと答弁がおくれて申しわけございませんでした。本年四月の前年同月対比の東京の中央卸売市場における卸売価格の総平均のアップ率は二〇・七%でございます。 そこで、この一年間の魚価の変動でございますが、まさに魚価の変動が非常に大きかったことは私どもも否定しておりません。どういう点に理由があるかということは、いろいろな要因が重なっていると思いますが、これは率直に申し上げますが、一つは、三年前から昨年の夏までにかけてコスト高の魚価の低迷ということで、日本の漁業は非常な苦況に立ったわけでございます。その意味で、昨年の国会でも経営維持安定資金制度の創設あるいは油代の制度金融の創設、そういった一連の負債整理制度を確立していただいて問題の解決に着手したということでございまして、いわば起点が、かなり低い時代がオイルショック以降約三年続いたということが、まず数字的にものを見る場合には一つの出発点としての違いだろうと思います。 それから二番目の問題は、まさに先生御指摘のように、二百海里時代の到来というのが、事実の問題としても気分の問題としても大きく影響したことは否定できないと思います。日米交渉においてまず一一・五%の漁獲量のカットがあり、さらに日ソ交渉も中断し、恐らく漁獲量も大幅なカットになるだろう、このことが現にすでに一部の魚種については水揚げされるものの減少にもろにつながったわけでございますし、さらに先行き不安があったということが第二の理由だろうと思います。 それから第三の理由は、これは私ども非常に不幸なことだと思っておりますが、アジ、サバ、サンマ特にアジとサンマ、それからイカの一部につきましては、昨年が平年に比べてはるかに不漁だったという事情があるわけでございます。その結果、在庫が少なかった。それに対して、端境期ではございますが、二、三、四が事情が好転いたしませんで、かえってしけ等のためにあるいは水温等のために漁獲が減った。そのために鮮魚等の築地市場への入荷量がこの二カ月ぐらいは、五月の中旬になるまでは例年千五、六百トンのものが千二百トンぐらいまで落ち込んでそのレベルで推移した。こういった供給関係の事情が私どもとしてはやはりこの価格を押し上げた決定的な問題ではなかろうかと思っております。
○藤井(直)政府委員 五十一年の夏からの魚の価格の値上がりというものはその後も続きまして、五十一年度全体としますと、先ほどからお話しのように、二二・七%程度の増加になっておりますが、これによりまして消費者物価に対する影響というのはかなりあったものと私ども思っております。その原因につきましては、先ほどからお話のありますように、やはり基本的には近海物の不漁というようなことがあって、需給条件が基本的に変わったということがあるかと思いますけれども、同時に、日ソ漁業交渉等がなかなか進まないということからくる先行きの供給不安というものがそれにさらに影響したというふうに思っているわけでございます。その過程でいろいろな投機的な動きその他の問題については、私どもとしてはこういう動きが非常に値上げムードといいますか値上げの要因をつくるという意味で非常に重大だと思いますので、現在いろいろ水産関係者から話を聞いている段階でございますけれども、私どもとして直接その事実を把握するまでに至っておりませんが、しかし、この問題の非常に重要であることはもちろんでございますので、水産関係の卸とか仲卸とか、そういう人たちに対してのいろいろな事情聴取等をし、さらには今後ともそういう取引について公正な態度でやってもらいたいというようなことについて要請をいたしておりまして、先ほど水産庁から話がありましたように、これからも産地市場、消費地市場、それぞれ開設者等を通じての監督といいますか指導の強化を図っていきたいという方向で考えております。
○中村(茂)委員 ここのところが非常に私は重要なことだというふうに思うのです。価格が上がってきた、したがってその上がった状況をいまどういうふうに把握をしているのかということですね。水産庁のお話を聞きますと、ここ三年間の負債、そういう問題があった、二百海里問題があった、アジ、サンマ等を中心にして不漁だった、その結果上がってきたということですが、そうなってくると、新聞とかテレビ等を通じてあれだけ魚転がしがあったとか投機的な動きがあるじゃないかというのについては、それはもうただ新聞をにぎわしただけでそういうことは全然なかったんだ、いま皆さんの方で説明した理由だけなんだ、そういうものがあるとすればこれから調査して十分あるかないか検討してみます、こういうことなんですよね、いままでの説明は。そこのところで私はどうしても納得できない。なぜかと言えば、この一年間じわじわと上がってきた、そしてこういうふうになってきたんだから、もっと早く手を打つべきだったんじゃないか、こういうふうに思うのです。ですから、いま上がってきたのをどういうふうに把握するか。新聞等で言っている魚転がしとか投機的な動きというものが全然なしで、自然の競争原理によってこれだけ上がったのはやむを得ない、こういうふうに把握しているんですか、その点もう一回明らかにしてください。
○森実説明員 魚転がしと言われるのがどういう種類のものかという定義がなかなかむずかしいと思いますが、通常、冷蔵庫等に在庫している物の頻繁な名義変更というふうに理解できるだろうと思います。これはもうざっくばらんに申し上げますと、需給基調が大幅に変化し、価格が変動する時点では、実はこの種の名義変更というか転々売買は通常非常に多く行われるということは私どもも否定いたしません。価格の高騰期に投機的な利益を考える、あるいは価格の下落期において損失防止という点から、上がるについても下がるについてもこういったことが頻繁であり、したがってこの数カ月間の状況においてはそういう取引がかなり通常の場合より頻度が高かったことは私どもも事実だろうと思っております。ただ問題は、こういった取引が私どもの知る限りにおきましては大量の貨物について行われたというのではなくて、産地の同業者間においてあるいは消費地の同業者間において、むしろ少量貨物について頻繁に行われたというのが実態ではないかというふうに認識しております。その限りにおきましては、需給の基本的動向に影響を与えるような形ではなかったのではないだろうかというふうに大数的には見ております。しかし、それ自体はもちろん好ましいこととはいささかも思っておりませんので、十分に監視していかなければならない、かように思っております。
○中村(茂)委員 やはり水産庁の水産流通課でお出しになった水産物の市況、これは四月から五月にかけてのものでありますけれども、これでいきますと、四月の全体的なものについては、若干平均価格として強含みだったけれども、そういう状態で、入荷の状態なり需要状態が大体通常の状態で推移した。五月についてみると、それぞれ魚の種類によって違うけれども、横ばいまたは若干の強含みのものもあるけれども、値下がり傾向の方が強くなってきているという五月の市況見通しを発表しております。いまのお話もそうでありますけれども、そうなってくると、実際に私どもこういう問題が出てきてから魚屋の小売のところにも行っていろいろ聞いてみました。塩ザケ一切れですけれども、ちょうど五日前に百三十円であったのが百六十円になって、どうも見たところ、切り身も少なそうだ。身近なところでは、私、きょうここへ来る前に、会館の中のおすし屋さんのところで、種物の仕入れはどうだいと聞いたら、まあ大分上がってきて、実際どういうふうになっているのか知らないけれども、値段を高くしなければどうにもならない、そのまま値段をすぐ高くするわけにもいかないけれども、仕入れは高いのだし、私ども追い詰められているような状態だ、どういうふうになっているのですかね、と。いま報告のとおりだとすれば、私はこういう状況は出てこないと思うのですよ。こういう状況になってきたというところが、いろいろ言われている一番の原因だというふうに思うのです。このデータ、四月のものについても、前月対比で見ればそう上がっている数字ではないのですよ。アジ、サバ、スルメイカ、マグロ、カツオ、これもほとんど一〇〇%。一一〇%に上がっているのがスルメイカの冷凍でありますけれども、あと八〇%というのもありますし、前年同期と比べると、確かにこのデータも上がっています。ほとんど一五〇から一七〇にいっています。ですから、何回か繰り返すようですけれども、この一年間かかって一二〇%ぐらい、じわじわと全体的に上がってきて、上がったものはそれより上がって、五〇%まで上がったものもあった。そしてここのところへ来て何らかの操作によって、全部ではありませんけれども、消費者が目につくほどぱっと上がった、これが全体的な状況ではないかというふうに思うのです。 そこで、そういうことを頭の中に入れておいて、それで私もこれをどういうふうにしていったらいいのだろうかということを考えて、いろいろ調査してみたのですけれども、そういう意味で、まず、大蔵省来ていると思いますけれども、関税倉庫についての搬入、搬出、在庫量、現在のもので結構ですけれども、ひとつお教え願いたいと思います。
○岩本説明員 お答えいたします。 ことしの一月から四月までの月末の在庫量でございますが、これは東京税関管内の保税地域、これは保税上屋と保税倉庫でございます。対象の数で申しますと、保税上屋が九十六社、それから保税倉庫が十でございます。 そこにあります輸入の冷凍魚介類、これは細かい種別はちょっと調べておりませんが、その在庫量を申し上げます。一月が八万二千トンでございます。二月が七万三千トン、三月が七万一千トン、四月が七万八千トンということになっております。
○中村(茂)委員 いま報告になったその搬入、搬出量。
○岩本説明員 一月が搬入量は二万トン、搬出量が二万二千トン、二月が搬入量が一万三千トン、搬出量が二万三千トン、三月が搬入が二万四千トン、搬出が二万六千トン、四月が搬入が三万七千トン、搬出が三万トンでございます。
○中村(茂)委員 これを見た限りでは、保税地域ですから輸入の冷凍魚介類ですけれども、在庫もそう変わりない。入ってきたのも出たのもそう変わりない。そうなっていくと、魚種によっていろいろでこぼこはあるでしょうけれども、全体的に見た場合には、量から見た場合、そう価格に大きな変動を与えるような影響はなかった、こういうふうに思うのです。 そこで、保税倉庫の中にあるものは、皆さんのところで、ただこういう税金、それから量の把握、こういうもので内容についてはどの程度まで把握できるのですか。たとえて言えば、そこのところに入っている業者の分類などについては、統計上出そうと思えば出るのですか。
○岩本説明員 現在、保税地域にある貨物のたとえば輸入者あるいは細かい貨物の種類等については、一々それを調査するということは細かくはやっておりません。ただ、それが保税地域にありまして税関に輸入申告がされるわけでございますが、その輸入申告の段階で輸入者の氏名あるいは細かい魚種の内容というふうなことが税関に判明するという立て方になっております。
○中村(茂)委員 これは上屋が一カ月、倉庫の方へ移った場合には、どのくらい置くことができるのですか。
○岩本説明員 先生御指摘のとおり、上屋につきましては、一月を経過してまだ輸入手続をしないで保税地域に置かれておりますと、これは収容ということができることになっております。それから保税倉庫につきましては、二年間これを外国貨物のまま置いておくことができるという仕組みになっております。
○中村(茂)委員 貨物というのはそれだけの手続がかかるだろう、こういうことですからわかりますが、上屋の方で手続を終えたものが今度保税倉庫の方へ移った場合に、二年というのは何の根拠から出ているのです。
○岩本説明員 保税倉庫で外国貨物のまま二年置くことができるというのは、関税法の五十二条というのがございまして、そこに二年置くことができるということが明記されております。ただ、置くためにはあらかじめ申請をいたしまして、承認を受けた後にそれが認められるという仕組みになっております。
○中村(茂)委員 倉庫の保管料というものは、累進みたいにいつまで置けば少し上がってくるということではなくて、全部平均ですか。
○岩本説明員 倉庫の保管料の問題につきましては、これは大蔵省の所管ではございません。他の省かと思います。
○中村(茂)委員 もちろん、その中で名義の変更はどんどんできるわけでしょう。
○岩本説明員 保税倉庫あるいは保税上屋に蔵置中の貨物の名義の変更は、関税法では制限しておりません。したがって、自由でございます。ただ、その貨物が外国貨物、要するに、輸入の手続をしない貨物である場合には、これは先ほど申し上げました輸入申告のときに、当然輸出者からは輸入者あてに仕入れ書、インボイスというものが出るわけでございますから、そのインボインの名あて人と実際に税関に申告をしてくる輸入者、これが違う場合には、その間のつながりを税関としてはチェックをするというふうなやり方をやっております。
○中村(茂)委員 もう一つお聞きします。 そうすると、その中にある、そのというか、冷蔵庫、上屋、そこにあるのは、平常はどのくらい魚があってどうだという——先ほど報告いただいた在庫量、それから搬入量、搬出量、これは毎月とってどこか報告するとか、そういう仕組みになっているのですか。それとも、私が資料を要求したから集計したのですか。そういう点はどうなっているのですか。
○岩本説明員 保税地域は税関の許可でございますので、その被許可者は、中にあります貨物の状況について毎月月末にこれを締めまして税関に報告をするという形になっております。ただ、報告の形を実は細かくとっておりませんで、冷凍貨物は冷凍貨物一本という形でとってございます。それを税関に集めておりまして、大蔵省で必要と認めたときには指令を出しまして、これを中央に集めるという仕組みでございます。先生御承知のとおり、実はこの制度は四十九年の例の滞貨状況のときから調査を始めたということでございます。
○中村(茂)委員 税関へ集まった資料は、水産庁か何かで集めているのですか。
○森実説明員 輸入状況等を調べるために、必要がありますれば随時いただいておりますが、特に組織的にいただいているわけではございません。
○中村(茂)委員 次に運輸省にお聞きしたいのですが、倉庫業法を所管していると思うのですけれども、この倉庫業法というのは、どういう意味で運輸省の所管になっているのですか。
○石月説明員 お答え申し上げます。 倉庫業にはいろいろな経済機能がございますけれども、その中で一番大事な機能は、貯蔵及び保管の機能でないかと考えております。物の流れが完結いたします場合に、包装から始まりまして荷役、保管、輸送というような各段階があるわけでございますが、倉庫はその物の流れを太くしたり細くしたりという、集めて大きな荷物にまとめたり小さくしたり、また保管の機能をやるというような形で、輸送と切っても切り離せない関係にございます。したがいまして、輸送を所管する運輸省が所管することになっているのではないかというように考えている次第でございます。
○中村(茂)委員 倉庫の所管を行って、中へ入っているものについては、どの程度に通常把握しているのですか。
○石月説明員 一応は倉庫業法の目的といたしまして、倉庫業の適正なる運営並びに倉庫証券の円滑なる流通という目的を達成するために、必要がある場合には倉庫業者に対して報告をさせ、または立入検査等をすることができるという規定が倉庫業法の二十七条にございます。それに基づきまして、省令で報告義務を課しておりまして、その報告に基づきまして、冷蔵のものにつきましては全事業者、五十一年で申し上げますと千二百三十五事業者あるわけでございますが、その事業者から、分類といたしまして、保管容積、それから生鮮水産物、冷凍水産物、塩干水産物、水産加工品、この四つの品目に分類いたしまして、毎月保管残高を徴収しております。 なお、この報告はかなり時間がかかるものでございますので、とりあえず大勢を把握する意味におきまして、通常、東京都だけにつきましては速報という形でこれを特別に早く集計するような形を行っております。
○中村(茂)委員 いまの報告をとっているのは、この倉庫業法に基づく営業倉庫だけですか。自家倉庫についてはどういうふうになっていますか。
○石月説明員 営業倉庫だけでございます。自家用倉庫につきましては、何ら監督権限がございませんし、触れておりません。
○中村(茂)委員 倉庫業法でいくと営業倉庫の所管だけで、そうすると自家用については、自分でつくっているのですが、これは許可とか監督とかの権限は全然ないのですか。
○石月説明員 営業倉庫以外につきまして、自家用倉庫につきましては何ら権限を持っておりません。
○中村(茂)委員 この営業倉庫の先ほどの分類の資料を私もらって、一年間のものがあるわけですけれども、これをやりとりしていると時間がございませんから、一口に言ってそう大きな変動は、これを見た限り感じない数字がずっと出ています。若干確かに生鮮水産物について、先ほど名前を挙げて少し不漁だったという面があるのですが、それはことしに入って直ってきておりますけれども、数字の上でも少し出ているような気がいたします。 そこで、全体的に、これは長官に私の考え方を申し上げたいのです。いまずっとこの倉庫の状態についてお聞きしたわけですけれども、言えば、まず一つはばらばらだということです。それから、日常においては、一口に言えば、大まかな数字はつかむことができるけれども、個々の流れについて正確につかむだけのものが平常においてなされていないということが二番目ですね。それから、特別の手だてをしなければ手が入らない自家用倉庫、しかも、いま言われております大きな水産会社については、ほとんど自家用倉庫を持つようになってきている。そうすると、日常それを把握しているところもなければ、なかなか数字も取れない、漏れるところがやはり出てくる。それから行政上も、先ほど保税倉庫のやつがありましたけれども、その省内についてはきちっとある程度の報告が来ても、それを一番所管している水産庁は、必要があればということであって、平常把握することができない。 ですから、そういう行政的、全体的に多角化してきている中で、この漁業の問題が、特に値段等が絡まってきた場合に、なかなかそれを把握できない全体的なものになっているのではないか、やはりここに私はメスを入れない限り、きちっとしたものをこれから立てていくことができないのではないか、こういうふうに思うのです。その点ひとつ……。
○倉成国務大臣 ただいまお話しのとおり、営業用倉庫についてはある程度のものが把握できておるけれども、自家用倉庫については何か事が起こらないと十分な資料を持っていないということは、御指摘のとおりでございます。 しかし、今回の場合には、自家用の倉庫についてもいろいろな報告を求めて、そして魚の流通過程を把握するように努めておるところでございます。今後こういう事態が起こるということを予想しますと、日ごろから、そういう自家用倉庫についてもある程度の情報を確保するということは必要じゃないかと思う次第でございます。
○中村(茂)委員 全体的にずっとお聞きしてきたわけですけれども、そういういまの問題を含めて、魚価の今回の高騰についての把握なり考え方の甘さというものが行政全般にあったのではないか、私はこういうふうに思うのです。どうも先ほどからの説明の中でも、確かに高騰した理由について三点ほどお聞きしたわけですけれども、まだ納得できない点があります。 それから、これは閣議等に基づいて恐らくなされた問題だと思いますけれども、さきほど申し上げました五月十三日のこの通達、これは「水産物価格の安定について」ということで、まず書面調査を始めることを基本にしてこの通達が出ていると思うのですけれども、この前段のところに書いてある調査を行う趣旨ですが、まず一つは、先ほどから報告になっておりますように「アジ、サンマ、イカ等の多獲性魚類の漁獲量の大巾減又び日ソ漁業交渉の長期化」こういうことで価格が上昇してきたということは「否定できないが」、否定できないがというのは、まあその面もあるからそういう見出しになったと思うのです。そして「最近の特に一部の魚価の推移は需給の実勢に比して、著しく急激かつ大巾」に上がっているという「世論の批判」ということを言っているのですけれども、世論の批判は確かにありますけれども、「世論の批判」ということで、皆さん自身が主体的にこの上がってきたということを把握し、深刻にもつと考えていかなければいけないのではないか。これは字句の問題ですからあれですけれども、これを見た限りでは、私はそういうふうに思います。そうして「買占め売惜しみ等の疑惑を生ぜしめることのないよう現在保有中の冷凍魚等の在庫品の放出の促進、値上げの自粛について」、自粛という字をここへまた使ってあるわけですけれども、私の言わんとするのは、この字句の一句、一句の解釈とかではなしに、やはり魚価の一年間のじわじわと上がってきた経過、その上に立っていろいろな問題が出てきてここに上がってきたという全体的なものの把握と、それに対応しようという、深刻というか緊急性というか、それに不足していたのではないか、こういうふうに私は一点思うのです。 特に感じましたのは、東京都でまず調査を始めました。その直後、多分この十三日の通達を出す閣議だったと思いますけれども、閣議を終わって、農林大臣の臨時代理をやっています長谷川国務大臣が、東京都は目につくようなぱっぱっとしたことをやっているけれども、農林省も、じみだけれどもそれに負けない、値段を安定させるようなことをやっているんだぞ、こういう新聞記事を私は見たのですけれども、それは東京都が革新の知事だからそういうふうに表へ出たので、おらも一生懸命やっているんだぞ、こういうふうに私は悪く受け取ったのですけれども、東京都が何をやっているからおらがどうだというような、そんなみみっちいことではなしに、やはり東京都がどんなにやるというふうに言ってみたところで、消費生活条例、これに基づいてやっているわけでありますから、立入調査に行っても、拒否されればそれはどうにもならぬですよ。ですから、もっと調査がきちっとでき、権限で立入検査もできるような措置を、あの段階でもっとぱっととるべきではなかったか。いまになって調査してみて、それがあるかないか確認してそして、というようななまぬるいことでは、これだけの激しい競争の中で価格のつり上げをやっているのを、正常に持っていくことはできないというふうに私は思うのです。 買占め売惜しみの法律からいきましてもこれははっきりしているのです。この二条に「価格が異常に上昇し又は上昇するおそれがある場合」また後段の方へ来て「売惜しみが行なわれ又は行なわれるおそれがあるとき」ですから、皆さんの方で言っているのは前段の方で、そういう売り惜しみなり買い占めが行われ、それを把握してこれを発動だ、こう言っているわけですよ。しかし、私の言わんとするのはその後段の方、おそれのあるところにはやはりきちっと立ち入りまでして検査ができます。しかもそういう言われているような問題があった場合には、執行命令から始まって売り渡しまで指示できる、やはりこの程度のものはすぐ発動して対処していくという考え方に立たなければ間違いではなかったか、こういうふうに思うのですが、その点ひとつお考えをお聞きしたいのです。
○倉成国務大臣 ただいま中村委員の御指摘になりました点は、私が絶えず頭の中にあったことでございます。 ただ、この買占め売惜しみ法は、御承知のとおり、発動のためには三つの要件が要るわけでありまして、一つは、国民生活と関連の高い物資ということで、この点は問題ないと思います。第二は、価格が異常に上昇しまたはそのおそれがあるものという条件、第三は、買い占め売り惜しみが行われまたはそのおそれがあるものということでございまして、買い占めあるいは売り惜しみということで、買い占めるということになると、一般的にはたくさんの物を一定の業者が仕入れる、そしてそれをたくさん倉庫に積んでおってなかなか放出しないという状態が、この買い占めまたは売り惜しみが行われまたはそのおそれがあるという状況になろうかと思うわけでございます。 したがって私どもこの法律をつくりました経過、またこの法律がどういう役割りを果たすかということについてはかなり細かくいろいろ検討もいたしておるところでございますけれども、今日の水産物の流通の問題については、先ほどから中村委員が御指摘のように、いろいろ複雑な問題がある。自家用倉庫もあれば営業用倉庫もある、また冷蔵倉庫の零下二十五度から五十度にわたるような倉庫というようなことになりますと、やはりこの全体の姿、流れということを十分把握して見ることが一番大事じゃないか。水産庁でも従来いろいろな報告を求めておるけれども、なかなかそれでは不十分だから、もっとさらに詳しいデータを、もっと短い期間に限ってまたいろいろ調査をしてもらう。経済企画庁においても水産庁とダブらないような形で、またいろいろな調査を生産から流通に至るまでやっていくということが一番大事なことである。そしてその上に立って、これがもし詰まっておるとすれば、どこでパイプが詰まっておるのかということを、やはりずっとながめながら対策を打っていくことが一番大事じゃないかということを考えたわけでございます。 それから基本的には、魚の価格を安定させるのは需給関係のバランスをとるということでございます。魚が足らなければどうしても価格が上がるというのは、これは経済の原則でございますから、需給関係をどうやってバランスをとるかということでありますので、御案内のとおり、日ソ交渉の円満な妥結ということを本当に一日千秋の思いで待っておったわけでございます。この交渉がまとまらないうちに需給関係のバランスというようなことで、輸入のことを考えるとかいろいろなことは必ずしも適切なやり方ではないという感じもあったことも事実でございます。 それから立ち入りの問題、東京都の条例に基づいて大変御苦労なさっていることについては、私も評価をいたしたいと思っております。決してこれがつまらないとかそういう感じ、一切そういうことは考えておりません。ただ、国として買占め売惜しみ法に基づいていろいろなことをやるということになりますと、これはやはり全国的な規模において相当一つの見通しを立ててやらなければならない。仮にある倉庫について、品物があってこれを放出命令を一部分出したといたしましても、それではその後どういう数量を確保することができるかということも見きわめなければならないということもございまして、いろいろな御意見、中村委員のような御意見もあろうかと思いますけれども、私どもとしては最終的な判断として、やはり業界の方々にこの事態を訴えて、業界もこの魚の価格が異常であるということを認めさせた上で、何とか魚の価格がもっと安定した形になるように協力をいただきたい。そしてその間にいやしくも指弾を受けるようなことが明らかになればこの法律の発動についてはちゅうちょをしないということを、先般の農林大臣と私と関係の業界の方々とのお集まりの席でも、私から申し上げたところでございまして、そのときの感じでは、在庫としてはかなり少ないのじゃなかろうかという話でございました。これは先般お集まりの大手の方たちのことでございますから、そのほか全部を網羅しているわけじゃございませんけれども、そういうわれわれにいただいた情報、また事務当局がいろいろな点で入手している情報、そういうものをもとにいたしまして、そしてさらにこれを確認していくという意味での現地調査というのをさらに続けていくという決意でございます。 なお、塩釜等につきましては、私どももつとに、現地でなかなか加工用の原材料の入手が非常に困難であるというようなお話も承っておりまして、水産庁の方にもこの原料の入手のあっせん方をお願いしているところでございまして、また、委員の皆様方が大変御苦労されまして塩釜にもおいでいただいて、これはある意味において非常に関係の業界の自粛と申しますか、あるいはそういう方々に対する大きな刺激剤になったと私も思っておる次第でございます。
○中村(茂)委員 それで私は最後に、二つ要望を申し上げて終わりたいと思います。 一つは、先ほど水産庁の方からお話がありました魚価の値上がりについて、三点説明されました。それで第一点、三年間にわたって負債続きで来た、それが魚の上がった原因だというふうにその説明があったのだけれども、そうなると私、腑に落ちないのです。それは確かにそういうことがありました。日魯等については人員整理もやりました。しかし、ここへ来て、まず株の上場六社について見ますと、非常に株の値が上がっております。一部上場で単純平均でいけば〇・三%が、この六社は平均して三五%、これだけ株が上がっている。また日本水産等についてのことしの三月決算では、経常利益が八十億見込まれる。日魯等については昨年は確かに八十三億赤字だったけれども、ことしの三月では二十七億円黒字に変わっておる。そのほかのところもほとんど黒字に変わってきている。それを見ると、これは魚が新しい海洋法の問題が出てきて非常に心配しているし、日ソ漁業交渉等を通じて国民がみんな心配している、それを値のつり上げによって赤字を解消してなお黒字になるというようなことをその時期にする。計数上出ているのです。だから、ここら辺のところはもっと厳しくこの大手水産、それから今度の場合に手を出したというふうに言われる商社、魚と違う大きな会社まで手を出したというふうに言われているので、どういうふうに言っても、この三年間赤字続きで来たから値が上がったのはやむを得ないなんというふうな水産庁の考え方では、ますます値が上がって消費者はもうたまらない。この辺についてはもう少し厳格にきちっと対処してもらいたいと思うのです。 それと、この買占め売惜しみの緊急措置に関する法律の適用の問題ですけれども、これは余り深刻に考えないで、こういう場合にはもう少し気軽、といえば語弊があるかもわかりませんけれども、そういうおそれのあるときにはできるわけでありますから、私はこういうものを政府が発動するということは、業者なり国民が見ていて、ああなるほど本腰を入れて政府はこれに対処するなという、業者を含めて心理的な効果——これはおかしなことをやっていれば倉庫までみんな見れるわけでありますから、それでそれも放出させることができるわけでありますから、先ほどの報告のように、全国何千とある倉庫を一つ一つそれをするのは相当経費もかかるし、手数も大変だし、それをきちっと浮き彫りにするのは大変だと思いますけれども、やはり国民全般、また業者に与える心理的な効果というものもあるわけであります。一年間じわじわと上がってきた、年末から大変な問題が起きてきた、こういうときにはいち早く、やはりせっかくある法律でありますから、そういうものを発動して、国民の消費生活を守るように対処していただきたいということを、要望でございますけれども申し上げて、終わりたいと思います。
○西宮委員長 中村茂君の質疑はこれで終わりました。 次は、藤原ひろ子君。
○藤原委員 昨日の調査に基づきまして、私も、先ほどからお話が出ておりますかまぼこなどの原料でありますスケソウすり身の価格の異常な値上がりの問題、出荷量の問題につきましてお尋ねをしていきたい、こういうふうに思います。時間も限られておりますので、単刀直入にお尋ねをしたいと思います。 まず最初に、ここに塩釜市の水産練り製品連合会のつくりました資料があるわけでございますが、これは「冷凍すり身共販系統元締機関の実態」こういうものでございます。これによりますと、冷凍陸上すり身の販売系統は、大洋漁業、日本水産、北海道漁連、この三者と、その他一部を全漁連が持っているということになっておりますが、このように主として三者の手を経てすり身がかまぼこ業者などに流れてくるようになっているということを御存じでございますか。このことに間違いはないでしょうか。お答えをいただきたいと思います。
○森実説明員 洋上すり身については、先ほど申し上げましたように、大手の企業が自社生産をしておりますので、この系列というものがはっきりしております。陸上すり身については、洋上すり身の場合と違いまして、いま御指摘のように、系統というか、幾つかの供給ルートなり継続取引関係はあると思いますが、そう固定的なものではないと理解しております。
○藤原委員 去る五月十一日の参議院の物価問題特別委員会でわが党の渡辺武議員が取り上げました塩釜市におけるすり身の入荷問題に対して水産庁は、五月十二日に現地で関係者を集めて話し合いの場をつくるということを御答弁になりました。その話し合いの結論は、一体どういうことになったでしょうか。また、私の聞いたところでは、集販機関である三者は塩釜の練り製品連合会に対して約束をしたことがあるそうですか、それはどのようになっているのか、御説明を願いたいと思います。
○森実説明員 一日おくれまして五月十三日に業者の話し合いをあっせんいたしました。その際、数量の供給という問題から、実需者側の希望数量の提示を求めたわけでございますが、内部がまとまらなくて数字が出てこなかった経緯がございまして、その後も話し合いを継続することにしております。その後、この塩釜の関係者の皆さんは、数量的には確保できるが、問題は値上がりしているのでこういうものの金融を希望するという強い希望が私どものところに寄せられました。現在、北洋対策の一環といたしまして、つなぎ融資にこのかまぼこ業者等に対するすり身の共同購入の資金の手当てをしたいということで、財政当局と協議中でございます。
○藤原委員 私が聞いておりますのは、大洋漁業、日水、道漁連などが塩釜に対して出荷できる量を連合会に報告することになっている、こういうことです。そして二十三日、昨日でございますが、これまでに報告をされたのは日水だけで、それも二百トンという数量でございます。その上、これの販売先は、昨年までの取引実績に基づいて、いままで取り決めのあった業者の方に卸す、こういう条件がつけられているというふうに聞いておりますが、こういう事実については御存じでしょうか。
○森実説明員 ただいま御指摘ございました昨日の回答ということは、私は聞いておりません。ただ、私が報告を受けておりますのは、実需者側が、希望数量の提示を求めたのに対してその提示がなくて、結局価格の問題なり、先ほど申し上げた金融の問題ということで私どものところに具体的な要望として出てきていることを申し上げました。
○藤原委員 それでは、もう一つお尋ねをいたしますが、ここに五月十二日の話し合いのときに配られました資料がございます。これによりますと、四月の生産、出荷、在庫の数字があるわけです。これは全国冷凍魚肉協会のつくった資料だということですけれども、この生産と出荷の数量というのは水産庁の方でも確認をしておられる数字なのでしょうか、いかがでしょうか。
○森実説明員 その数字は私どもも伺っております。毎月トレースしております。それで、おかしいところがあれば、また聞いたりしております。
○藤原委員 それでは、この数字はどこから報告をされたものですか。また、報告に基づいて水産庁の方が調査、点検をした上、確認をしたものでしょうか、いかがでしょうか。
○森実説明員 冷凍魚肉協会から毎月報告を受けております。私どもは、一方、漁獲量もチェックしておりまして、また、加工業者の生産実績等も聞き取りをやっておりますので、細かい点については多少異同があるかもしれませんが、全体としては、数字としておかしいかどうかということは、需要面それから原料の供給面からトータルとしてはチェックしております。
○藤原委員 このいまお見せいたしました資料の一番下の欄を見ますと、一月から四月までの出荷量は、昨年は六万三千五百トン、ことしは八万二千百トンということになっております。昨年より二九%も多く出荷していることになっているわけです。多く出荷しているにもかかわらず、値段の方はどうなっているかと言えば、これは全国冷凍魚肉協会の資料と、全国蒲鉾水産加工業協同組合連合会の資料、これによるものですけれども、これを見ますと、四月では、昨年が十三万八千円、それがことしは二十五万円ということになっているわけです。物はたくさん出荷されているのに、値段は二倍近くも上がっているわけです。こんなことは、だれが考えても不思議なことです。水産庁は確かにこのすり身は確認をなさったそうですか、よく御存じだそうですか、この表の量が練り製品業者の手に届いているとお考えになっているのでしょうか、いかがでしょうか。
○森実説明員 まず、すり身の価格の動きでございますが、先生御指摘のように、先ほどもお話ございましたように、一−三月はスケトウの漁獲量も多かったし、またすり身の生産も、出荷量も多かったことは事実でございます。しかし、すでにその時点におきまして、アメリカの漁獲量確保というものは確定しておりましたし、日ソに対しても一般的な不安が高まっておりました。そういった状況がございまして、実際すり身の価格が上がったことは事実でございます。ただ、正確に申しますと、スケトウ関係では、一番最初に実はタラコが上がっておりまして、その後フィッシュミールが、昨年の大豆不作の影響を受けて上がっておりまして、それに引っ張られてスケトウが上がった、すり身が上がったということで、すり身の価格が目に見えて上昇し始めたのは、私どもは二月の後半、三月ごろからだろうと思っております。価格は、大体先生の御指摘のとおりの価格でございます。
○藤原委員 私は、昨日の委員派遣の一週間前、今月の十五日から十八日にかけまして、塩釜を初め八戸など東北の地で関係者の皆さんのお話を聞いてまいりました。その中で、たとえばこうおっしゃっております。それだけ出荷しているのならどこにどれだけ出ているのか教えてほしい、こういうお話も聞きました。それから、集販三機関が問屋との問でキャッチボールをしているという話も聞きました。ある大手会社は、自社系統の問屋との間で、問屋に三%から五%の手数料を支払って問屋の冷凍庫に一時期寝かせるという話もありました。そうでなければこんなに出荷量が多いのに価格がつり上がるということは考えられない、こういうふうに関係者の中で言われているわけです。それというのも、一番最初にお聞きいたしましたように、この冷凍すり身については圧倒的部分が三者によってその販売を握られている、このことによってこれが可能である、こういう状態をつくり出しているわけです。 冷凍すり身の製造では、北海道を除けば第一の産地であります八戸市の実態について、私が調べましたところによりますと、次のようになっております。八戸市には現在十九のすり身工場がありますが、これの大半が集販三機関に系統化されております。その内容は、大洋系は八工場で日産が百九十トン、日水系は六工場で日産が百六十二トン、こういうことになっております。しかも、これらの工場を経営している人たちは、すり身をつくるだけではなくて、魚市場では荷受けできるという資格を持っている買い受け人であります。そして、自分が買ったスケトウをすり身にして、そしてすべてこの製品を自分の冷凍工場に保管する、こういうことをやっているわけです。すなわち、すり身業者というのは、魚の買い受け人であり、製造したすり身を自分の冷凍庫に保管する、こういうことをやっているわけです。しかも、大洋漁業の系列のものは、八戸の二七・七%に当たると言われております。これだけのものを押さえて動かすわけですから、これはどうにでもなるわけです。このような形になっている状態の中では、この三者の意思によって価格は自由に操作できるというのが実情だと私は見てまいりましたし、こういう考え方が普通なんだというふうに思いますが、水産庁はどのようにお考えになっておりますか。
○森実説明員 まず、加工業者が産地市場あるいは消費地市場で仲買となって買い受けているということでございますが、これはもう普遍的でございまして、産地市場、消費地市場を通じて原料を入手する、特に陸上すり身などの場合は、当然水揚げされますスケトウに依存いたしますから、仲買の資格を持っているのが通常の姿でございます。 そこで、先生御指摘の系列化の問題でございますが、かなり系列的な動きが進んでいることは私も聞いておりますが、その内容にはかなりいろいろ差があり、また系列間で激しい競争があるように聞いております。 なお、二点申し上げたいと思いますのは、いわゆる二次加工、練り製品業者の中でもわりあい大口の生産者の方については、かなりすり身を将来の操業に備えて買い込んだということは事実だろうと私どもは思っておりますし、それから、地域的には北海道に荷が若干偏在しているのではないかという認識を持っております。
○藤原委員 練り製品の原料でありますすり身は、一般的に言われているのは、陸上生すり身が六万トン、それから陸上の冷凍すり身が二十万トン、これが普通使われる原料です。これの冷凍すり身の販売網の圧倒的部分を押さえているのがこの三者ですから、これがいまの二百海里問題、日ソ漁業交渉の難航に便乗いたしまして魚不足を宣伝し、実際にも市場に物を出さないということになれば、いやでも値段はつり上がってくるわけです。だから、出荷量というのは実際に練り製品業者の手に渡っているのかどうなのか、この点を私は確かめているわけです。いかがでしょうか。
○森実説明員 私どもの見るところでは、練り製品業者の入手は行われていると思っております。価格は割り高になっております。ただ、出荷量が非常に多いということについては、問屋も含め、加工業者も含め、かなり一部には在庫を買い持ちしている方が将来の不安からあるということも事実だろうと思っております。
○藤原委員 五月二十日の朝日新聞の夕刊に載ったものですけれども、島根県のかまぼこ業者の方が工場閉鎖をする、こういう記事が載っております。それは「中間製品のすり身が思惑買いされたまま倉庫に眠っているため、かまぼこ業者にとっては原料不足となったうえ、数カ月で五割近く値上がりしたことが影響した。」こういうふうに書かれております。この社長さんは、「先行き不安といっても、あまりにも得心のいかない高値になったのでやめた。ソ連との間で長期協定が結べても、今後悪くなってもよくなる要因はまったくない」、こう言っておられるわけです。練り製品はよくならない、こういうことなんです。言いかえますならば、日本の国民の口と、そして国民の財布、ふところに合った練り製品をつくるということになっていないわけです。これが残念ながら実際の姿だというふうに思うわけです。 そこで、水産庁にお尋ねいたしますが、現在、五月の中旬には陸上の二級で高値二十七万五千円などというのは、仕方のない価格だというふうに思われるのですか。それとも、もう少し何とかならないのか、こういうふうに思っていらっしゃるのでしょうか、いかがでしょうか。
○森実説明員 すり身自体は自由商品でございますから、価格を私ども直接高い、安いと言うことは、やはり現実の需給関係がベースでございますので、なかなか論評できない点と思いますけれども、御案内のように、すでに北転船等がアメリカに出漁しておりますし、ソ連の二百海里問題が片づけばまた沖底等の出漁も可能でございまして、私どもは供給面からこういった高値は是正されていくというふうに見ております。 なお、一部確かに、先生御指摘のように、メーカーも含めて少し余分に買い持ちし過ぎた面がございまして、そういったものも売りに出ておるようなことも聞いておりますので、今後は弱含みに転ずると思っております。
○藤原委員 水産庁はこの異常価格についてもっと真剣な調査と認識を持つ必要がある、こういうふうに思います。私どもが現場で調査をしてみますと、この価格は人為的につくられた疑いがきわめて強いわけです。塩釜のかまぼこ業者は三月十六日の水産庁の通達によって買いを手控えたわけです。すると、もっと値が上がるぞ、こういう情報が流れてきて買わざるを得なくなった。これ以上高い価格では買えない、こういうことで手控えていると、また高騰だ、こういう情報が伝わってくる。こうして高い価格をつくり、浸透させてきたわけです。それも集と販の独占的体制を背景としてやってきている、こういう状態でございます。これが事実調べた実態であります。 ここにメスを入れなければならないし、メスを入れるためには、買占め等防止法を発動しなければ手はない、こういうことではありませんか。すでに魚価の高騰が問題になって一カ月以上にもなっている現在、直ちに発動すべきだ、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
○森実説明員 先ほども御質問に出ましたが、三月の通達のケースというのは、実はスケトウがすり身に先行して高騰しているときに行われたものでございまして、若干御趣旨とは違うと思っております。 ただ、私ども実は、昨年来塩釜の練り製品加工業者の問題は、非常に重要な地域産業として問題になっていることは、すり身の問題以外にもあることを十分存じております。そういう意味で、私どももこの対策は県当局とおいおい相談しているところでございまして、ことしの一月にも各般の対策を講じまして、さらにこの問題は進めてまいりたいと思っております。 買防法の適用の問題でございますが、私どもははっきり申し上げまして、日ソ交渉の妥結、それから近海物等については水揚げの回復等、魚価は、はっきり申し上げますと、反落の基調に転じたと思っております。こういった状況等を考えまして、現時点では買防法の適用はいささかいかがなものかと思っております。しかし、今後さらに需給実勢を無視して異常な高騰が起こるような事態があれば、そのときはもちろんその時点で考えなければならないと思っております。
○藤原委員 すり身価格の高騰は、まさに仕組みとして自由に思惑買いができるようになっております。それでは、これはすり身の場合には特殊なケースなのか、こういうことでしょうか。確かに集販機関の管制という点では特別なものかもしれません。しかし、大手水産会社や大商社などの支配は他の一般業にも及んでいるわけです。 一番わかりやすい例として、漁期も一定しているし、船も政府承認船として限られているし、また水揚げ地も偏っている、こういうニュージーランドの冷凍イカについて聞いていきたい、私はこういうふうに思います。 まず確認の意味でお尋ねをいたしますが、ニュージーランドの冷凍イカの水揚げ量、産地価格、卸売市場への入荷量、価格、これはどうなっているでしょうか。
○森実説明員 本年度のニュージーランドのイカの総漁獲量は約三百六万ケース、二万六千トンであるというように報告されております。 それから、価格その他につきましては、ニュージーランドのイカを特定した取引価格がいままだ手元にございませんので、ちょっと取り寄せまして答弁をさせていただきたいと思います。
○藤原委員 この表は水産庁の方からいただいた表ですけれども、おわかりになりませんか。私の手元に来ているわけですけれども。
○森実説明員 ニュージーランドのイカだけというのはございませんので……。 スルメイカ全体で水揚げ量の平均を申し上げますと、ことしは一月が千八百トンの水揚げ量で、二月が千二百トンでございます。三月、四月はまだ全国の集計はできておりません。東京市場の例から見ると、若干五月以降ふえて、三月、四月あたりで大体一、二月と同じくらいではないか、こういうふうに思っております。 価格といたしましては、平均価格が一月が四百三十四円、それから二月が四百十八円でございます。なお、その以降の価格につきましては、実は東京の価格の旬別統計しかございませんが、これでお答え申し上げますと、これは消費地の卸売価格でございますが、四月の上旬が千七十九円、中旬が六百六十五円、下旬が六百九十五円、五月の上旬が七百七十四円、中旬が六百六十九円ということになっております。
○藤原委員 つまり、在庫はふえているわけです。スルメイカの流通価格動向ですけれども、これはニュージーランドのイカも含まれているわけですね。ですから、豊漁だということが言えます。それに価格は、昨年の一ケース当たり二千円台と比べて、ことしは四千円前後、こういうことになっているわけです。まことに不思議な現象だ、こういうふうに思います。その原因は後で究明するといたしまして、ニュージーランドのイカ船の入港実績、これは昨年とことしでどうなっているのか、簡単に御説明願いたいと思います。
○森実説明員 水揚げ状況は、七月末日に水産庁に報告することになっておりますので、まだ報告は出てきておりません。主な水揚げ港は青森、函館、石巻、さらに東京でございます。
○藤原委員 五十一年度のあれはわかりませんか。
○森実説明員 予定隻数を含めて申し上げますと、函館が十三隻、釧路が三隻、八戸が四十八隻、大畑が二隻、大槌が一隻、釜石が一隻、気仙沼が一隻、石巻が三隻、塩釜が一隻、女川が二隻、東京が五隻、三崎が六隻、焼津が一隻、境が一隻、小木が二隻、大阪が一隻、下関が一隻、福岡が三隻というのが現在の予定隻数でございます。実績及び予定を含めたものでございます。
○藤原委員 いまおっしゃっていただきましたものでもわかりますように、イカの水揚げの主要港、これは八戸です。ここで全国の相場も決まる、こういうふうに言われております。 そこで、資料をお渡しいたしますので、見ていただきたいと思います。——これは、私が、市場で毎日公表される相場と買い受け人の名前の日報から作成したものです。八戸市場の買い受け人には明らかに大洋それから日水などの大手水産会社や東食などの商社の系列に入っている一群の人たちがおります。その系列でどれだけのイカを買ったかを示すものでございます。 これを見ますと、実に五一・九%、合計いたしますとそうなるわけですけれども、五一・九%をこれら大手系列で占めているわけです。まさに買い占めの状態であります。私の調査によりますと、このため、地元のイカ加工専門の中小業者は、買い受け人の資格を持っていながら、原料となるイカの買い付けができない状態であり、操業の危機にさえ陥っているわけです。水産庁はこうした実態を把握しておられるのでしょうか。また、日常的に把握できる体制にあるのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○森実説明員 御答弁申し上げる前に、先ほど私、間違った数字を申し上げましたので、ちょっと訂正させていただきます。先ほど私、スルメイカで、冷凍品じゃなくて生の方の数字を申し上げましたので、ちょっと訂正させていただきます。 入荷数量は、東京市場の例で申しますと、一月が五百トン、二月が六百六十三トン、三月が七百トン、四月が八百トン、五月は上中旬で約五百トンでございます。 価格は、一月が百五十八円、二月が百四十五円、三月が百三十九円、四月が百五十二円、現在の価格は約百三十八円でございますので、これは弱含みというか、下降に転じております。 それから、八戸の例で先生から具体的な御指摘がありました点は、私、まだ聞いておりませんので、よく事情を地元から聴取したいと思っておりますが、全体として申しますと、イカの加工事業が従来よりも大都市に集中する傾向が出てきている、また、従来のような二次加工品よりも刺身用の凍結品のウエートがふえてきていることは事実だろうと思います。そういう意味で、若干加工も含めまして立地移動が起きつつあることは否定できないところだろうと思います。
○藤原委員 先ほど訂正がございましたが、もう一つ、この間レクチュアに来ていただいたのといまのお答えと違うのです。とにかく、八戸が一番入っている船の数が多い、それでいいわけですが、この間のとはちょっと違うようです。五十一年に八戸は八十八隻というのを、おたくの方からお聞きしているわけです。 こういった点で重ねてお聞きしたいわけですけれども、日水などの大手水産会社がニュージーランドのイカ船の中で百二十六隻の契約船を持っている、そして独占的にイカを入手している、こういう事実を御存じでしょうか。
○森実説明員 私が先ほど御答弁申し上げた数字は、ことしの入港と予定数でございます。五十一年の実績は先生のおっしゃったとおりでございます。 それから、ニュージーランドのイカでございますが、御案内のように、イカは、日本海の大和堆を中心とした生鮮品のイカと、もう一つはニュージーランドを中心にいたしました大型イカ釣り船による凍結品のイカとが主力になっているわけでございまして、前者は凍結される場合も、産地市場に水揚げされて凍結されるという形になるわけでございます。 そこで、事実といたしまして、ニュージーランドに出航しております大型イカ釣り船で初めから洋上加工して凍結してくるものについては、系列化が進んできているということは存じております。また、用途も近海物と違いまして、いわゆる凍結品の刺身用のウエートが高いというふうに伺っております。
○藤原委員 私どもが日水に聞きましたところでは、日水は、契約船を昨年は八隻、ことしは十三隻持っております。これは北洋の母船式漁業に参加する独航船の船主でイカ船の船主である船を主に組織しているものです。このように契約船はふえているわけです。これとの取引は主に市場を通さずに相対で取引をいたしております。ここにも買い占めの一つの形態があるわけです。 さらにお聞きをしたいと思います。ことし入港しました船で、市場に上場していない船は何隻あるでしょうか。
○森実説明員 その実態はまだつかんでおりません。調査いたします。
○藤原委員 私どもの調査では、五月十二日の段階で十七隻ございます。これらの船は、いま指摘した契約船であり、一船買いであるわけです。これこそまさに買い占めではありませんか。市場を通じても、また契約船という形態を通じても買い占めが行われているとしか言いようがない状態なのです。そして、これらについては水産庁は正確な把握ができない現状にある。私どもでさえつかめるのに、まだ存じておりません、こういったことは、これまでの質疑を通しても、水産庁が事実を把握できない現状にいまあるということは明確になったというふうに思うわけです。 再度政府にお聞きいたしますが、これでも買占め等の防止法の発動をする意思はないのでしょうか、いかがでしょうか。
○森実説明員 遠洋漁業、特にニュージーランドのように遠隔地に参ります遠洋漁業については、中小漁業者がある程度相互に組織化する、あるいは大手の漁業者と系列化するということは、十分あり得ることだし、そのこと自体特に問題にするのはいかがかと私ども思っております。また、そういったイカの商品としての特性から見まして、冷凍イカにつきましては、御案内のように、集中的に漁獲いたしましたものを年間平均売りする性格でございますので、日々の生イカの価格の変動によって仕切らないで、ある程度のトータルの価格で仕切るという形も、それは相互の立場から十分起こってくるだろうと思います。そのこと自体から、買い占めによって需給にひずみを与えているということには、私どもは直ちにはつながらないと思っております。
○藤原委員 時間がありませんのであれですけれども、いまこれだけの具体的な資料をお示しして、あなたたちがまだ手がついていないという事実も明らかになったのに、もともとこういった調査はまるでせぬでもいいことなのだ、これは基準にないのだと言わんばかりのお答えは、まことに遺憾だ。いま消費者があれだけ泣いている、朝からこうしてずっと討論し続けてきた、こういったものに対する誠意ある態度だ、こういうふうには私は全く考えられないわけです。 そこで、倉成長官にお尋ねをしたいと思います。長官は、二十三日、昨日でございますが、正午から経企庁に、主婦連合会、日本生活協同組合連合会、全国地域婦人団体連絡協議会、こういう八消費者団体代表を招いて、当面の物価問題について約二時間半懇談をなさいました。席上、魚価の高騰について倉成長官に注文が集中をしたということです。買占め売惜しみ防止法発動を求める意見が消費者代表から相次いで出た、こういうことでございますが、私は聞いた話でございますが、長官、これは事実でしょうか、いかがでしょうか。
○倉成国務大臣 昨日の消費者団体との会合におきましては、物価の安定の問題、消費者保護の問題、その他国民生活のあり方の問題、省資源、省エネルギー等の問題、非常に各般にわたる問題が出まして、その中の一つの大きな問題として魚の値上がりの問題が話題として出てまいりまして、意見の交換をいたしましたことは事実でございます。
○藤原委員 これに対して倉成長官は、この買占め売惜しみ防止法の発動をしても効果が出るかどうか十分考える必要があり、現在調査中だ、一握りの心得違いのために買占め売惜しみ防止法を発動して魚関係者にやる気をなくさせるようなことはしたくない、こういう御答弁をされたそうでございますが、朝からずっとの討論、また私が八戸で明確にいたしました点、そういうのを聞いていただいて、いまもなおこのお考えをお持ちでしょうか、いかがでしょうか。
○倉成国務大臣 私は昨日もその主婦連の皆様方との会合で申し上げたわけですが、魚の流通形態というのが、ただいまも藤原委員がイカやあるいはすり身のことでお話しになりましたように、非常に複雑な状況になっている。これをやはり的確につかむことが一番の先決の問題ではないか。われわれも水産庁もこれまでもある程度のことはやっておるけれども、しかし十分ではない。したがってこれから大いに努力をして、この実態をもっと克明に明らかにすることが大切であるという意味のことを申しました。そのことに基づいて、やはり魚の価格が安定をするということが最終的な目標でございますから、日ソ交渉の経過あるいは日ソ交渉が落ちついて一通りの漁獲量の見通しというものが立つことになれば、需給関係でどの程度の不足を生ずるのかということを踏まえまして、輸入の問題なりあるいはその他の問題なりについてひとつ的確な対策を講じていこうということを、少し詳しく関係の皆様方に御説明を申し上げたわけでございます。いま藤原委員の御指摘の、いろいろな相対取引の問題であるとか、あるいは一部の人たちが非常に大きなシェアを占めておる、その占めておること自体には問題がないかもしれませんけれども、そのために非常に異常な価格が出て、そして関係者が非常に困っておるということがあれば、これはやはり是正していかなければならない、そう思っておる次第でございます。
○藤原委員 この魚価の高騰が問題となりまして、経企庁長官が買占め等防止法の発動を検討する、こういうふうに言明をされてからもうすでに一カ月以上たっているわけです。その間政府は調査など努力をした、こういうふうにおっしゃいますが、事態はいま述べましたとおりだというふうに思います。さらに、先ほどは防寒具を五十着、この用意をされたということでございますが、全く私は、努力は買いますけれども、笑い話だ、こういうふうに思います。大商社はこれを聞いてにやにや笑っているだろう。しかし、いま防寒具を買って、これからマイナス二十五度、五十度もあるところへ入っていきますというのでは、消費者は笑っていられないわけです。全国の国民が深刻な台所を抱えて、本当に困っているわけです。大衆魚を食べなさいなんて言ったって、その大衆魚が高騰しているわけです。政府の権限を持った調査、これがいまこそ必要なのです。私どもの調査でもこれだけのことが明らかになったのですから、政府は怠慢のそしりを免れないだろうし、真剣に考えているのであったら、もう買占め等防止法の発動しかない、こういうふうに思うわけです。経企庁長官の明快な御答弁を求める次第です。
○倉成国務大臣 現在の私どものやっております調査、それから魚の流通形態あるいは消費に至るまでの実態を明らかにする努力、必ずしも十分であるとは考えておりません。しかし関係の経済企画庁はもとより、水産庁また運輸省にもお願いして、関係者は最善の努力をいまいたしておるところでございます。 防寒具についてもいろいろ御批判があるかもしれませんけれども、藤原委員自体が御経験になりましたように、なかなかいままで立ち入りをしても、実際はマイナス二十五度の中で何分間ここにおれるかということになれば、恐らく三分か五分か以上は入れないことになろうかと思うわけでありまして、それでは十分でないので、さらに十分な調査をするために、防衛庁にお願いして、相当低い温度の中でも調査ができるようにということで早速手配をいたしたわけでございまして、いろいろ御批判は御自由でございますけれども、決してこれは笑い話とか、そういういいかげんなことでやっているわけではございませんで、われわれの真剣な姿勢を示しておるつもりでございますので、私どもそういうことでやっているということはひとつ御理解を賜りたいと思うわけでございます。しかし、なお足らない点が多々あるかと思います。また本委員会においていろいろ御指摘の点は、私としましては十分謙虚な気持ちで受け入れて、そして足らないところはひとつ補ってまいって、一日も早く魚価が安定して国民が安心して魚を食べることができるようにするということが、私どもの最終的な念願でございます。
○藤原委員 私は、背広を着て、夏服を着てあのマイナス三十度のところに入って調査をしていただきたい、こう言っているわけではございません。防寒具をそろえてはいけないということを言っているわけではありません。これだけ魚価の高騰、これだけ本当に国民が困っているこの事態の中で、防寒具を五十着買いましたと大臣が胸を張って言われることが笑い話だと、こういうことを言っているわけです。御努力をしていただいているわけでございますが、一層本当に消費者の立場に立って考えていただきたいということと同時に、いま長官も足らない点があるならと、こうおっしゃいましたが、その足らない点は一体何でしょうか。いままでずっと申し上げてまいりました。結論といたしまして、買占め売惜しみ防止法発動、これがいま一番足らない点でございます。これをやってほしい。そうして調査権を発動して、本当に安くておいしくて新しいお魚を食べたい、日本人の何よりのたん白源を夕食のおさらの上に並べたい、これが主婦の切実な願いであるわけです。タラコや塩サケ、こんなものは昔から庶民のお弁当のおかずだったのです。それがいま一切が四百円もする。全く異常な状態なんです。これを何としても一日も早く直してほしい。物はあるのだ。これを本当に国民の手に渡すのが買占め売惜しみ防止法の発動だ。これはまさに天の声、地の声、国民の声だ、こういう自覚のもとにぜひこの法の発動を一日も早く、即刻していただきますように、検討だけでなくて、実際に行っていただきますことを心から国民の立場で、国民を代表して私はお願いをしたい、そういう立場で質問をさせていただきたいと思います。 終わります。
○西宮委員長 藤原ひろ子君の質疑は終了いたしました。 次は、米沢隆君。
○米沢委員 午前中からの質疑でおわかりのとおり、世界的な二百海里宣言合戦やあるいは日ソ漁業交渉の難航などの影響によりまして、いまや魚を取り巻く日本海はまさに波高しという感じがいたします。 報道等に接しておりますと、冷凍サケが冷蔵庫の中で二十数回も荷主の名義変更がされていたとか、倉庫内で物は動かないのに買い手だけがどんどん変わっていくいわゆる魚転がしが公然と語られております。入庫量も在庫量も例年と大差はないにもかかわらず、魚の高値だけが確実にあるわけでございます。需給動向によって動きはあるということに関しては否定はいたしませんけれども、そういうものとは無関係に何かがなされておるとわかっていながら、何もわからない。流通機構は、おっしゃいますように、暗黒大陸と言われておりますけれども、まさにその感を強くするのでありまして、今回の魚の高値の一連の事件はまさにそこに問題がある、そう思っております。 そこで、この一連のばか高値事件、こういう実態を政府はどう見ておられるのか。経済原則として仕方がないものと割り切っておられるのか。それとも、行政の無力さを感じておられるのか。この一連の事件を解明する過程において皆さんの心境を聞かせていただきたいと思います。農林省、水産庁、経済企画庁。
○倉成国務大臣 私は現在の魚の価格というのは、魚の種類によっても違いますけれども、全般として異常な高値であると思っております。したがいまして、この異常な高値を何とか正常な形に戻すということが行政の目的ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。そのためにこれから最善の手段を尽くしてまいりたいということでございます。
○森実説明員 御指摘でございますが、やはり基本的な魚価高は需給基調にあるだろうと思います。近海魚におきましては、水揚げがふえてようやく回復してきたということは数字が示しておる事実でございますし、また日ソ交渉の中断が四月以降の大幅な食いつぶしにつながったことも事実でございます。しかし同時に、先生御指摘のように、二百海里時代の到来と申しますか、さらには日ソ交渉に対する悲観的観測というものが非常に強く流布されまして、必要以上に関係者の不安感を育成したことは事実だろうと思っております。その意味ではまことに残念だと思っております。しかし、ようやく水揚げも回復しておりますし、日ソ交渉の妥結ということで安心感を与えたことも事実でございまして、私どもは逐次平静化の方向をたどるというふうに見ております。
○増田(甚)政府委員 私どもといたしましては、基本は需給にあると思っております。それにいま水産庁からお話のありましたように、二百海里をめぐる問題。これはかなり心理的に影響しておるというふうに考えておりますけれども、ただ、現在の魚価についてどうか。これは物によってかなり違いますし、一言には言えないと思いますけれども、まさに需給に基づいてある程度の高値はやむを得ないもの、それから実勢から見るとやや異常に高過ぎるもの等、物によって若干違った動きをしているというふうに見ております。
○米沢委員 しかしながら、私たち自身にも反省しなければならぬことがあると思います。それは二百海里問題とか日ソ漁業交渉の行き詰まり等々、日本の魚たん白源にとっては大きな問題ではあったにせよ、みんなで大変だ大変だと言って騒ぐために、流通機構の中でますます売りと買いをあおる結果になっておるということだと思っております。いま直接の漁業従事者を初めとして荷主、荷受け、卸市場、仲買人、小売人、消費者等々、本当言って、魚がいまから下がるなんて思っている者はだれもおらぬと思います。魚は当然値上がりするだろうということを前提に、逆に騒ぎを大きくしているわけでありまして、冷静に判断すれば異常であるということがわかるにもかかわらず、国民全体の、魚は上がるであろうという値上がりマインドの中でしか事態を見ないというところに、結果的には悪いやつが眠るということを保証する。結局悪いやつの便乗を許しておるという一面があると思います。 いまこの騒ぎは需給関係に問題があるというふうに大方判断されているようでありますが、確かに需給関係は無視できませんけれども、この過程においてやはり便乗値上げとかあるいは売り惜しみ買い占め、投機とかそういうものがあるのは事実でありまして、そういうものを逆に避けて通られるところに、いままでの質疑の答弁等を見ておりまして、そこらに一番皆さん方のおかしいと思われるところがあるのではないかと思うのです。しかしながら、こう騒ぎが大きくなったがゆえに、魚は逆にそのあおりを受けて上がっていく、そういう事態を一体だれが許したかというと、ぼくは行政の責任だと思います。 御承知のとおり、では、なぜ国民がそんなに騒ぐかといったら、行政の皆さんが、一生懸命調査をして今後の対策を練ります、こう言われても、だれも信用していないからでございます。というのは、過去の実績等ながめて国民は一番知っているわけでありまして、行政そのものに的確な信頼できるような情報なり分析というものを機動的に流す仕組みがないということ、それからそういういろいろなおかしい動きに対してこれはこうだと言って、つぼどころを押えることができないということ、調べる体制もないということ、そういうものはいかに皆さんが大きな声でがんばりますと言われても、国民が信用しない、したがって国民はあおられて値上げムードの中に巻き込まれていく、こういう行政の体制にも非常に大きな問題があるのではなかろうかと思います。 それから同時に、行政の姿勢の問題でございます。こういう一連の事件が起こりますと、必ずと言っていいほど国民の皆さんに批判を受けるのは、常に行政は後手後手の政策しか打ち得ないのじゃないかという批判でございます。大体悪いやつは必ずあばかれて損をするというような、強い行政の姿勢がない限り、それからまた、そういうものを未然に防ぐタイミングといいましょうか、強い姿勢の宣言というものがない限り、こういう事態というのはいつまでたっても直らないし、同時に、おさまるころには悪いやつはみんなもうかってじっとしておる、こういう状況を許すことになるのではないか、そう思います。そういう意味では、行政の姿勢にも私は大変大きな問題があると思います。 先ほど来買占め売惜しみ防止法、この発動につきましてもいろいろと委員から要請がありましたけれども、まさに慎重に慎重を重ねて結果的には発動されないままに被害だけは国民に残る、こういう事態になっていくことを憂うる一人でございます。 それから、各種のこういう情勢を分析される場合に、よく統計調査等もらうのでありますけれども、過去の調査については確かにいろいろと残っておりますけれども、現に経済は動いておる。動いておるのを分析したり、本当の目の前の統計資料なんというのはほとんどないですね。そういうものがないがゆえに、結果的にはすべての統計が整った後、二カ月後、三カ月後、六カ月後、一年後でないとこの事態の明確な分析ができない。そういう統計調査の機動力がないというところにも、私はこの状態をますます混迷させる一端があるのではないかと思います。 一連のこういう問題に関しまして、私は政府の見解を聞かせていただきたいと思います。
○倉成国務大臣 ただいま米沢委員からいろいろ御意見ございましたが、私は小売関係の方と懇談してみますと、やはり魚が非常に高い、したがって余り魚が高いと消費者が魚離れをしてくるという非常な危険感を持っておられることは事実でございます。また消費者の方も、中年以上の人たちは魚というものに定着してしまっておりますけれども、若い人にとってみますと魚の値段が余り高ければ魚離れしてくるということもありますので、おのずから魚の価格には一定の限界があろうというふうに思っておるわけでございます。 先ほどからるる水産庁から説明がございましたように、一つには大衆魚の不漁、それから日ソ交渉というのがこの魚の価格に大変大きいな影響を及ぼしてきたことは事実でございます。したがって、現在は魚の価格も幸いにして五月の中旬におきましては、サンマあるいはメバルあるいはマグロ、あるいは大衆魚でありますアジ、スルメイカ、カツオ、イワシ、それから大衆魚ではございませんけれども、カレイ、ブリ、ハマチ、こういうものが上旬に比べて価格が下がってきた。この傾向が日ソ交渉の妥結と相まって定着していくことを大変期待いたしておるわけでございます。 その間において正直者がばかを見るということがあってはならないという意味では、米沢委員のお話のとおり、私どももこういう状況の中で魚の価格をつり上げて暴利をむさぼるというような者が絶対にあってはならないと考えておる次第でございます。その間の問題については非常に深い関心を持って調査を進めておるところでございます。したがって、そういうものが考えられる場合には、われわれとしてはこれに対する十分な措置をとるつもりでございます。
○米沢委員 五月七日の日に水産庁が生産者団体や流通業者、水産物輸入商社など業界に対して、在庫をスムーズに放出し、値上げを自粛するよう強く要請されて、文書で通達をされたという記事を読みました。で、私はその後の動きを見ておりまして、一体その通達行政は何であったろうか、私はそう思います。 そこで、今日までいろんなこういう自粛をお願いされて、その結果どうなっておるのか。最初に、そのねらった効果はどういうところに置かれたのか。それから、このお願いの後、どういう動きになっておるのか。いろいろと新聞記事等をながめておりますと、すべてお願い調でございまして、そんなのを業者が聞くはずはないという気が私はするのでありますが、実際どういう効果がいまあらわれてきつつあるのか、明確にお答えいただきたいと思います。
○森実説明員 私どもまず要求いたしましたのは、生産者団体に対して、昨年の魚価安のときに買い支えた調整保管の分がまだかなり残っております。これを早期に放出するということで要請をしたわけでございます。すでにこの要調を受けまして、五月二十日までにイカについては三千二百トン、それからサバについては三千トンの放出が行われておりますし、さらに今後六月、七月にかけてほとんど全量が放出される見込みになっております。また、自主的に生産者団体が保有しております在庫についても放出を要請いたしましたところ、全漁連、道漁連の協力を得まして、五月にはタラコ、サバ、スルメイカ、サンマの放出が行われ、さらに六月にはマス等の放出も予定されているわけでございます。 それから二番目は、実は私ども状況の把握ということで、在庫の保有状況の報告を求めたわけでございます。現在、大手六社、漁業団体等については報告が出ておりまして、私どももこういった報告もベースにしながら、先回もさらに事情聴取あるいはヒアリングもやったわけでございまして、過剰な在庫、適正な在庫を超えているものがあると認められるものについては、今後とも在庫の放出を慫慂してまいりたいと思っております。
○米沢委員 その結果、値の動きはどうですか。
○森実説明員 五月中旬以降は、先ほど企画庁長官からも御答弁をいただきましたように、アジあるいはスルメイカそれからカツオその他の魚種については、魚価はようやく反落に転じております。それからまた、日ソ交渉の妥結等もございまして、サケ・マス等もようやく反落に転じております。中旬以降は価格は反落の方向をたどっておるというふうに認識しております。ただ、これは現実の水揚げ等の需給関係が反映したもので、まあ私どもの指導によるかどうかということについては、私も率直に申し上げまして自信は持っておりません。
○米沢委員 自粛のそのお願いの中身が、三つここに書いてありますが、「倉庫に保有している冷凍、冷蔵品を例年より早いペースで出荷する」、結果的には例年より早いペースで出荷されたかどうか。それから「現在の魚価はいろいろ原因はあるが、異常に高いので取引にあたって価格抑制の努力をする」、価格抑制の努力は、どういうかっこうでなされたのか。「冷凍すり身が一部の地域でねり製品業者に十分流れていないが、こうしたことがカマボコなどの値上がりにつながるので円滑に流通させる、ことなどを要請した。」、その結果は一体どうなのか。結果的には、これも新聞記事でありますが、東京中央卸売市場の方の話で、水産庁が放出せよと言っても、業者が値を崩してまで、自分は損してでも出すはずがない、値を崩してまで出すようなまねはしないでしょう、結局、強制手段に出なければ、魚は安くならぬのではないか、こう専門家は言うておるわけでありますが、どういう御感想ですか。
○森実説明員 ただいまの御指摘の三点でございますが、放出につきましては、先ほど申し上げましたように、早急に全国で、先ほど申し上げましたような魚種を先ほど申し上げましたような数量で放出させておりますし、現在の在庫をこの際思い切って六月ないしは七月の上旬までに全量出させるように慫慂しております。これは、従来の調整保管なり自主調整から見ますと、かなり早いペースだろうと思っております。 価格の問題につきましては、これは先ほどもお答え申し上げましたように、中旬以降ようやく頭打ちないしは反落という状況になったわけでございますが、これは行政指導によるものかどうか、そこら辺は私どもも判然とした自信を持っているとは申しかねる点もあるわけでございます。 すり身の問題につきましては、私ども実は、これは相当克明に聞きまして、先ほどの御質問にもありましたように、特に塩釜地区のすり身のあっせんということを重要な課題に受けとめておりまして、五月十三日にサプライヤーとユーザーとの間のあっせん調整をやりまして、現在は私は価格の問題が問題だと伺っておりまして、また、購入資金のあっせんという意味から、例のつなぎ融資制度を第二次加工業者に及ぼすということについていま折衝中でございます。
○米沢委員 それから今度は二十日の日に、農林、水産、経企庁合同で冷凍庫に対する初めての立入調査をなされた。その成果は一体どうだったんでしょうか。
○藤井(直)政府委員 五月二十日の日の調査それから五月二十一日の調査と二日にわたってやっておりますが、その対象は、生産者団体それから大手商社、大手水産会社の中から、実際に荷物を保管しております倉庫まで行って書面による在庫調査の実地検証をしたわけでございます。 調査の結果についてはただいま取りまとめておりますけれども、全体としてみますと、在庫量そのものについては前年に比べて相当下回っているという数字が出ております。これは魚種の関係その他、入出庫等の要するにフローの関係とあわせまして少し検討したいと思いますけれども、大体の感じとしては、いま申し上げたようなところでございます。
○米沢委員 結果的には倉庫の中はそうふくらんでいない、そういうふうな判断をされたと聞きましたけれども、しかし、確かに倉庫を見て荷が多かったとか少なかったという議論はできても、実際、本当は魚の転がしあたりがやられたのかどうかというのは実態はつかめませんね。たとえば量が多くなったら確かに買い占めかもしらぬ、こういう一つの疑いは出てきましても、量は一定である、去年とそう変わらない、そう言われても、その中身そのものが、たとえばある大手がばっとこう買い占めて、それをちょろちょろ末端の流通機構に出していきますと、その分だけ値は上がっていくわけですから、そういう意味では、そのからくりの中で値がどんどん上げられていくという実態までは全然わかりませんわね、皆さんの調査では。いかがですか。
○藤井(直)政府委員 いま申し上げましたように、在庫の水準だけ見ていても、やはりなかなか判断ができない。それまでの間の入庫、出庫の状況それから前年度のそれと同時期の入出庫の状況等を対比して見ていかないといけませんので、にわかにそれが過剰な在庫であるかまた適正在庫であるかということについての判定はむずかしいと思いますので、一方で並行して、一週間ごとに主要な団体その他からデータを魚種別に詳細にとっておりますから、そういうものをながめて、長い推移の上で判定をするということになるわけでございます。今回の現地調査は、そういう意味でその調査の中の一環としてやったわけでございますので、全体としての判定については、もう少し時間をかけていろいろ研究してみないといけないと思っております。
○米沢委員 私がお願いしたいのは、在庫量を調べたりその出入りを調べる、そうして長い間かかって是か非かという結論を下される。その間は値が上がって困っているのは事実だし、もしそれが妙なことをされておったら、その分だけ国民は大変なことなんです。そういう意味で、何しろスローモーであることを何とかもう少しハイピッチにできないのかということ。 それから、量だけを調べられても、実際は本当に魚の転がしだとか投機がそこに入って、それが値上げの原因になっておるという、そういう実態までわかりません。実際は、その転がしだとか投機だとか、そういう実態についてもメスを入れていただいて、単に買い占めて倉庫に保管しておる、売り惜しみでただ保管しておるだけではなくて、その間に投機がなされながらくるくる値が上がっていく、小出しに流通機構に出しながら値を上げていく、そういうからくりも経済企画庁として調べてもらわぬと、本当の魚価対策にならないと私は思うのです。そのあたりの調査はいかがですか、ぜひやってほしいと思うのでありますが。
○藤井(直)政府委員 いまやっております調査は、そういう意味で在庫調査を書面で行った上での実地検証でございますから、その調査の内容は、書面と実際が合っているかどうかということを確認することに主たるねらいがございます。 それから、先ほどからおっしゃっておりますように、適正在庫はどのくらいか、売り惜しみをしているのかどうかという判断は、実は非常にむずかしいということがございます。それは、先ほどから申し上げましたように、多少過去の推移をながめて、現実の価格の動き等とにらみ合わせて判断をしなければいけないという意味でございまして、非常にむずかしい内容の調査になるということで、いまおしかりを受けたわけですけれども、その辺から客観的な判断をしていかなければ、この調査の目的は達せられないと思っております。
○米沢委員 いまやっておられる調査の目的は、現在のこの異常な魚の値上がりを分析して論文を書くことではないのです。そういうことよりも、そういう可能性があるならば、早く手を打ってその値上がりを抑制するという手段をどう開発するかというのが皆さんの仕事だと思いますね。いまお話を聞いておりますと、何か時間をかけて丁寧にやられて、後、分析して結果を何カ月か後に出して、その結果こうでございました、もうそのときはすでに終わっています。そういうところにぼくは非常に行政のスローモーさを感ずるのです。そういう意味で、確かにいろいろな精査をされて、調査そのものが確実なものになって、説得力のある資料になるということは必要かもしれませんが、調査の過程において、あるいは現在のこの値動きを見ておって、いかにも何かがされておるというならば、調査は逆に第二次的にさせながら、実際に何か手を打つという、その方向をつかまえてもらわないと、私は本当の消費者行政ではないと思うのですが、企画庁長官の見解を聞きたいと思います。
○倉成国務大臣 私ども調査そのものが目的ではございません。やはりその価格が安定することが最終の目的でございます。したがって、価格を安定させるためには需給のバランスがとれるということが基本ではないか。したがって、日ソ交渉を一日千秋の思いで待ったわけでございますけれども、一応この日ソ交渉の見通しがついて、いよいよ出漁ということになってまいりました。そうなりますと、大体どの程度の需給関係ができるか。これはもちろん魚でありますから、なかなか漁、不漁の問題がございますけれども、しかし、大体魚の量がもし足らないということになれば、ある面について輸入で対処するというようなことも考えられましょうし、そういう需給のバランスをとるということが一つの大きな手段であると思います。 また調査も、調査をやること自体によって、これはやはり関係の業者がいろんなことを操作いたしまして価格をつり上げるということについては非常に大きな警告になると思うわけであります。委員の皆様方が塩釜においでになりましてごらんになった倉庫は仮に一つか二つでありましても、やはりそれはそれだけの大きな効果があったと思うわけでありまして、その中において一々細かい数字なり細かいところまで立ち入らなかったから効果がなかったというわけのものではないと思うわけであります。全体の中でごく限られた部分でありましても、やはり水産庁なりわれわれのところで、また委員会の皆様方がそういう倉庫の調査に手をつけたということ自体が、かなり大きな意味を持っていると私は思うわけでありまして、決して統計数字をつくろうとか、そういうことを目標としてやっておるものではございません。
○米沢委員 この種の調査についていつも聞かれるのは、もう少し抜き打ちでやらなければ実際意味がないのではないかとか、ああいう事情聴取などをやられる場合にも、余りにも秘密主義が先行し始めて、本当に何が語られたかわからぬという、そういうものが何か不信感を持つのですね。業者と何とか早く連絡し合ってうまいことをやれと言うておるんじゃなかろうか、実際そうされてなくても、そういう黒いところがなかったら、私は行政の姿勢としてはもう少し抜き打ち的にやるとか、秘密会ではなくて公開するとか、そういう方法をとられることが絶対必要だと思うのでありますが、どうでしょうか。
○倉成国務大臣 私は今回の漁業の問題について、生産者から流通業者、また小売に至るまで、ある意味においては非常に苦労して仕事をしておられると思うのです。しかしながら、その間においていろいろな疑いを持たれるような問題がいろいろ報道されておるという状況ですから、私はやはり全体として、基本の姿勢としては、関係の方方が全部この事態を認識して御協力をいただくということが一番の中心の課題ではなかろうか、やはり全部が協力してもらわないとなかなかうまくいくものではございません。法律だけで取り締まろうとしても、抜け道を考えるということになれば、これはなかなかうまくいくものではない。したがって、生産者もあるいは消費者も、卸業者も小売業者も全部ひとつ御協力を賜りたい、そしてわれわれもその実態について従来以上に細かい勉強をして、そこで何か問題があるということになれば、そこに集中的にメスを入れていくという姿勢で臨んでおる次第でございます。 したがって、これは事前に打ち合わせたことがどうも適当でないとおっしゃるかもしれませんけれども、私は全体の御協力を得るという意味での今度の打ち合わせでございますから、まだ違った方法もあるいはあり得ると思いますし、それは機動的に対処してまいりたいと思っております。
○米沢委員 長官の善意な心持ちは了としますけれども、結局、相手は損してまで売らぬという、あたりまえですが、みんなそう思っておるのです。そういう意味では、何らかの方法論が考えられてしかるべきだ、ぼくはそう思います。 それから、これもけさほどから問題になっておりますが、結局二百海里とは直接関係のない大衆魚が値上がりをしておる、答弁の方は結果的にはそれは需給関係が壊れておるのでそういう高値になっておる、こうおっしゃいましたけれども、ただそれだけでは片づけられないものがあるのですね。単に需給が崩れたから高くなりましたではなくて、では、そういう高くなる傾向があるならば何とかうまくやろうか、そう考えるのが商売人でございまして、そういう意味では、私は何らかの価格操作が行われている事実だけでは決して否めないのではないか、そう思います。特にこれから先、魚が高くなっていくであろうということがありますと、流通段階できょうの値段よりもあしたの値段が高ければそっちの方に売ろうかと思うのはあたりまえでありまして、そういうものまでとがめることはできないかもしれませんけれども、実際こういうものを扱っておる市場の周辺におきましては、たとえば築地市場の関係者の間では、指図転送、こういうものが行われて出荷調整が行われておるので、結局は高値になっていくのではなかろうか、こういう話もあるわけです。この指図転送の実態についてどういう把握をされて、その影響をどう見ておられるのか、特に大衆魚の値上がりに関連してお答えいただきたいと思います。
○増田(甚)政府委員 大衆魚の値上がりの件ですけれども、これは私ども、先ほど水産庁からも話のありましたように、基本的には漁獲が少なかったということにあるのではなかろうかと思います。ただ、もちろん市場では競りでございますので、ある程度心理的なものが影響しておるということは無視できないと思います。ただ、御承知のように、これは近海物でございますから、競りで即日に売るというのが大体大衆魚の鮮魚の売り方でございまして、これにつきましては幾ら買い占め売り惜しみをしようと思っても、物が鮮魚だけにおのずから限界があると考えております。 それから、御指摘の指図転送ということでございますけれども、これはいろいろ形態がございまして、一口に指図転送と言われておりますけれども、たとえば一台のトラックに魚を積んで持ってまいります場合に、A市場、B市場に分けて売ってくれという生産者からの指図、これが本来的なものでございまして、これは生産者の意思でございまして、市場の卸売業者は生産者の意思に従いまして市場で競りにかけるという仕組みになっておるわけでございます。したがいまして、指図転送が直ちにそういった魚価の値上がりをもたらすということは考えられないのではないかと思っております。
○米沢委員 それから、魚の相場の投機の問題ですね。商売ですから、利益を得ようとして、最大限の利益を確保するためにどうしたらいいかということを考えたり、または国民の立場からは、安定供給という立場を貫くためにいろいろとされる。そういう意味で、たとえば民間業者が在庫調整をやることは、こういう世の中である限り頭から否定することはできない、そう思うのです。しかしながら、それが現在のように魚が高くなって国民がひいひい言うておるそのさなかに、堂々とそういう投機が行われていく、消費者が泣いておってもそんなのは関係ない、そういう事態となったならば、やはり政治なり行政が介入するのは当然ではないか、そう思います。今回のこの異常高値の一因に魚の流通過程に投機的な動きがあった、こういう背景の中では少々のそういうものはあるという水産庁の方の答弁ではありましたけれども、しかし、そういうものがちょっと過熱ぎみだというところにもう少し皆さん注目していただきたい、そう思うのでございます。たとえば、こういう実態についてはまだまだその調査の段階には至ってないことは先ほどからの答弁でもわかっておりますけれども、いろいろなものを調べてみますと、現にいろいろと投機が行われておるという、いわゆる末端のいろいろな情況証拠みたいなものはたくさんあるのでありまして、もし本当に投機は行われてない、そんなのは調べる必要がないと言うならば、そういうものは目に入らないのかもしれませんけれども、実際にそういう投機というものが魚の値上がりの原因になっておるとするならば、やる気を出しさえすれば、どこを罪人にするとかそんなことは関係なくて、投機の中身、実態、そういうものを調べる気でありさえすれば、情況証拠なんか何ぼでも落ちているわけですね。 そういう意味で、私はこの際お聞かせいただきたいと思うのでありますが、たとえば、魚相場ですから、魚に関係ある会社の皆さんが自社の営業の関係から、あるいはまた利益の確保の面からいろいろとされるのは、関係ないとまでは言わぬにしても、まだまだ許せるような気がするのでありますが、実際魚相場に手を出しておるのは、単なるそういう水産会社とか商社だけではなくて、鉄鋼会社とか航空会社とかホテルとか製薬会社とか材木会社とか、こういうものまでダミーをつくって投機をしておるのですね。こういう実態を長官はどういうように御認識ですか。
○森実説明員 まず事実関係を申し上げますと、先ほどから御答弁申し上げておりますように、価格が騰貴する過程あるいは下降する過程では仲間取引、特に産地市場周辺あるいは消費地市場周辺でかなり頻繁に行われることは、商取引としてはある程度避けられないと思っております。しかし、そのこと自体が決していい影響を与えるものであるとは私ども思っておりません。しかし、重要なことは、市場流通に在庫を乗せることだろうと思います。その意味で私どもはいわば横の取引ではなくて、在庫を縦の取引というか、市場流通に乗せるということが現実の需給関係を改善して価格をよくしていくのには一番大事だと思っております。その意味で、放出の問題を調整保管について強く要請し、現にかなりのものを出すと同時に、また在庫調査を行いまして、何が適正在庫量であるかという認定はなかなかむずかしい点もございますが、在庫の放出を慫慂していきたいということを申し上げたわけでございます。 なお、そういった仲間内の、比較的少量貨物に多いわけでございますが、取引ということが一つの社会的批判を受けていることは謙虚に受けとめなければならぬと思っております。その意味で、産地市場につきましては監督者である知事、消費地市場については開設者を通じまして、市場及びその周辺の関係業者について取引の状況等の調査を近く組織的に全国でやりたいと思っておりますし、またその際十分な指導を講じてまいりたい、このように思っております。
○米沢委員 前向きに調査をされるということでありますが、何といいましても市場ですから、少少の投機があることも普通やむを得ないかもしれませんし、横の取引が少々あっても仕方がないという面があるかもしれませんが、特にこういう異常事態のときに、皆さん御案内のとおり、縦の取引よりも横の取引の方がずっと大きくなっていく。その結果、商売だからどうでもいいではないかではなくて、実際は横の取引がされる間のマージンというのがみんな末端の魚の値段にかかってくるわけでございまして、これはまさに消費者そのものに対して不必要な、本当ならば安い値でもらえるにもかかわらず、横の取引が激しくなるおかげで、結果的には高い魚しか食えない、こういう状況をつくるのでありますから、ぜひ徹底的に調査をしていただきたい、そう思っておりますし、必要によっては、余りにも悪質なものがあるならば、こういう投機に顔を出しておるような会社を公表すべきだと私は思うのです。そういうものが特に異常事態を発生さしておる、こういう状態の中でもう少し道義的な責任を企業に対しても追及するという目が行政にあってしかるべきだと思います。悪質なものについてはダミーでも何でも、結局、魚と全然関係のないやつがやってきて、うまいこと利ざやを取ろうとするわけですから、そういうものは堂々と公表すべきだと私は思うのですが、長官、どうですか。
○倉成国務大臣 一番むずかしいのは、いま米沢委員がお話しのように、買い占め及び売り惜しみに当たるような投機があったかどうかという問題でございます。これは確かに、こういう情勢の中で投機が行われやすい環境にあるということも御指摘のとおりだと思うわけでありますが、果たしてこの法律に当たるような投機があって、そしてそのために価格が異常に上がったかどうかという認定はなかなかやりにくいのが現在の状況でございます。しかし、いま米沢委員からも、いろいろそういう投機の実態について掃いて捨てるように事実があるというお話がございましたけれども、ぜひわれわれにも具体的な材料を御提供賜れば非常に幸いだと思うわけであります。 どういう形で公表するかという問題は、法律上の問題等もございますので、にわかに私からここで責任ある御答弁を申し上げることはできませんけれども、しかし、いやしくもこういう事態に便乗して、そして国民の食生活に悪い影響を及ぼすような企業というのは、社会的な制裁を何らかの形で受けるべきだというふうに私は思っております。
○米沢委員 それから、これは朝日新聞の二十一日の記事に「商社、大手水産の「魚ころがし」による値段のつり上げについて疑惑が高まっているが、伊藤忠商事が全額出資している子会社のマグロ担当係長が「魚ころがし」をして利益を隠したという疑いで、東京国税局に五回調べられた後、自殺した」ことが判明した、こういうショッキングな記事が載っておりました。きょうは国税局の方が来ていただいておると思いますが、その後、どういうかっこうでこの真相を解明されるおつもりなのか、聞かしていただきたいと思います。——おられないそうでありますから結構です。この質問に対して、委員会の席でなくて結構ですから、お答えをぜひぼくらに聞かしていただきたいと思います。 それから、買占め法の発動の問題ですね。これはけさほどから何回も言われておりますから、耳にたこができるほど聞いておりますが、実際今度魚がこう上がって、それは生活必需品であり、投機的な買い占めがあることも十分わかり、その結果異常な値上がりがあるのは事実わかっておるのに、何でこんなにちゅうちょされるのか、ぼくは不思議でたまらぬとです。だから、たとえば投機的な買い占めが本当にないとおっしゃるならば、需給だけでこんなに上がっておるということを本当に証明してほしいと思うのですね。社会党の委員の方もおっしゃっておりましたが、おそれのあるときにも堂々とこれを発動して、やはり何かあったらかみつくぞ、こういう姿勢をとられることが一番いいと私は思うのですね。どうもそのあたり、慎重に慎重を重ねているその真意が私にはわからぬのでございます。そういう意味で、今後、調査をなさった結果、発動しなければならぬなんと言うたときにはもう終わりなんですね。悪いやつは食い逃げしておるわけです。そういうものを許してほしくないと思うがゆえに、私はこんなのは先手先手に発動して何もおかしくないはずだ、そう思うのですね。しかし、発動した場合にはいろいろと影響があるようにおっしゃっておりますので、もし発動された場合、たとえば魚が特定の物資の指定を受けた場合、一体どういう悪影響が出てくるのか、そのあたりと、もし魚に発動される場合、その発動要件、こういうときには必ずやりますということを、具体的に教えてほしいと思います。二つだけ聞かしてください。
○藤井(直)政府委員 この買占め防止法に関係しましては、直ちにそのおそれがあるということで発動するような体制に現在なっておりません。特に皆さんのおっしゃっております立入検査の場合でございますと、おそれというよりは、現実に多量の保有物資があるというふうに認めるときでなければできないようにもなっておりますので、発動したからといって、直ちに立入検査できるということでもないわけでございます。私どもとしては、もちろんおっしゃるように、こういう法律が出ますと、それでかなり心理的抑制効果が出るということはよくわかります。また、一方では、そういうことによって価格への悪影響も出るということも考えられるわけであります。 いずれにしても、私ども当面の考え方としては、発動に至るまでの間に全体としての魚価をめぐる取引の動き等について、ある程度のものを握った上でないとなかなかむずかしいということでございまして、そのための調査をいろいろやっているということでございます。それから、一方、やはり価格安定を最終的に図っていくことが必要でございますから、買防法の指定の調査をやっているばかりでなくて、ただいま申し上げましたように、いろいろ在庫の放出等についての具体的な対策を講じたり、輸入の割り当て枠をふやしたりということをやっておるわけでございまして、そういう両面を踏まえて魚価の安定に努めていきたいというのが、現在の姿勢でございます。
○米沢委員 どうも、おっしゃることはわかるような気もするのですが、実際はそれはみんな時代おくれになっていくわけですね。そのあたりをどうカバーするかということを真剣に考えてほしいとぼくは思うのです。現に調査がなされて、証拠なんかつかんで、その結果発動しなければならぬというたときには、その問題はほとんどもう終わりなんじゃないですか。そのあたりどうカバーされようとされておるのですか。そのことをぜひ聞かせてほしいと思うのです。この法律は少なくともそういう状況を起こさないように適宜にさっさっとやっていくというのが趣旨であって、先ほどから何回も言うておりますように、結果的にそれを発動することになりまして、そのときにはすべて終わっておりましたということでは、何にもならぬと私は思うのです。法の趣旨からして早くそれを発動して、そして事態の収拾を行う、そのためにこそこの法律はあると私は思うのですが、いかがですか。
○倉成国務大臣 米沢委員のお気持ちは私もわからないではありません。ただ、われわれが最終の目的とするのは、魚価の異常な高値を安定的な魚価にするということでございます。そのためには買占め売惜しみ法によって何でもできるというわけにいかないのでありまして、やはり一番基本は需給のバランスをとるということでありまして、日ソ交渉が魚価に非常に大きな影響を及ぼしたことも事実でありますから、これは幸いにして妥結を見たということでございますし、また、そういう不確定の要素がだんだん確定の要素に変わってまいります段階において、足らない分について輸入の割り当てをふやすあるいは放出を図っていく。そういう基本的なものを進めつつ、これとあわせて、この買占め売惜しみ法をどう考えるかという問題じゃなかろうかと思っておるわけであります。われわれは一応正攻法をとっておるということでございます。したがって、この買占め及び売惜しみ法についても、しばしば申し上げていますように、私ども異常な関心を持っておりまして、絶えずこのことを頭に置きながらいろいろなことをやっておることは事実でありますけれども、現在の段階で発動するのは必ずしも適当でないというのが、最終的な判断でございます。
○米沢委員 終わります。
○西宮委員長 米沢君の質疑は終了いたしました。 次は、宮地正介君。
○宮地委員 本日は、先ほどから魚価対策についての集中審議をやっているわけでございますが、国民の一人として、何となくらちのあかないといいますか、歯に物の詰まったような思いで私も午前中から伺っておりました。私はこの際、この問題について基本に返って関係当局に質問していきたいと思います。 まず、魚転がしあるいは魚隠しということで、いまわが国においては社会的に大きな問題になっておるわけでございます。二百海里問題あるいは二百海里に関係のない近海魚が暴騰しておる。そういう中で、消費者の皆さんはもちろんのこと、あるいは中小の加工業者あるいは本日釧路港などから——私もテレビを見ておって本当に涙ながらによかったな、こういう感じで心の中でお送りをさしていただいたわけであります。そういう中で、本日の閣議において福田総理が、買占め売惜しみ防止法を発動するためには政令をつくって魚種を指定する必要があるので、これを検討することを命じた、このようなことを伺っておるわけでございます。 最初にこの問題について、先ほど来経企庁長官も大変歯がゆい御答弁をしているわけでございますが、直ちにこの福田総理の話を受けて、ただいま申し上げましたような政令をつくって魚種を指定する必要がある。この検討をする用意がおありなのか、伺いたいと思います。
○倉成国務大臣 本日の閣議におきまして、私から今日の魚の状況、また特に物価対策特別委員会の皆様方が塩釜に視察をされたというようなことについても報告をいたしました。恐らく買占め売惜しみ法等の問題が出るであろうということもあわせて私は閣議において報告をいたしました。しかし同時に、大衆魚について若干五月上旬から中旬にかけて値下がりをしている。したがって、この状況が定着することが大変望ましいことであるという旨の発言をいたしまして、閣僚の皆様にこの魚の問題についての関心を深めたということでございます。その際に総理から、これの法律の発動については両大臣の——両大臣というのは、農林大臣あるいは経企庁長官という意味で総理は発言されたと思いますが、協議でできぬものかという話でしたから、いえ、これは政令事項でございます。すなわち、閣議で御決定をいただかなければなりませんという説明を申しました。そうしたらすぐ、それは十分機動的に発動できるような準備を進めたらどうかという総理のお話があったわけでございます。したがって、それは別に特別なことを考えなくても、そういう準備はいつでもできておるというのがいまの状況でございます。
○宮地委員 そこで、きょうは水産庁など関係当局の皆さんが来ているわけでございますが、この魚転がしあるいは魚隠し、この国民的な大きな社会問題になっている魚価対策、いろいろと政府としても努力、調査、行政指導をしてきたと思いますが、まず水産庁、経企庁、その両庁から、どうか国民の皆さんにわかりやすく、また明快に御答弁いただきたい。どうも先ほどから聞いておりますと、需給バランスが整ってからだとか、魚が不漁であったとか、どうも自分たちの責任を逃れるような、何か国民を愚弄しているようなそういう感じで、私は青年の一人としても大変憤り的な感じを抱いていたわけでございます。この点について明確にお答えいただきたいと思います。
○森実説明員 まず、最近三カ月間の魚の高騰の問題でございますが、私どもはやはり基本的には需給基調にあると思っております。具体的には、近海物の多獲性大衆魚の水揚げ量、入荷量がしけと低温の関係で少なかったということは、残念ながら事実でございます。五月の上中旬以降、特に中旬以降大体こういった要因が排除されまして、漁船の操業も順調になりまして、入荷量がふえて価格が下がってきたということは事実でございます。 それからもう一つは、北洋のものにつきましては、日ソ漁業交渉の中断、特に最も重要だと思われております三月、四月、五月の時期に全く漁ができなかったということから、さなきだに在庫も比較的少なかったところ、在庫の食いつぶしになる、さらに日ソ交渉の不安から、むしろ妥結が行われないのじゃないかという不安も一部にございまして、そういった機運も手伝いまして価格を押し上げたということは事実でございます。これも、交渉の妥結がほぼ確実になりましたこの一両日の気配から、関連品目が値下がりを示し始めたということも事実でございます。もちろん、こういった事態は私ども放置するわけにはいきませんので、先ほども申し上げておりますように、一つは、生産者団体が調整保管しております数量の放出を相当強く呼びかけておりまして、相当量のものを五月の中旬には出しております。時期としては、若干生産者側からは問題があるかもしれませんが、私は六月中くらいには大体のものを放出させたいということを申し上げたつもりでございます。 それからなお、魚転がしその他の問題につきましては、これははっきり申し上げると、産地、消費地等における仲間うち取引の問題でございまして、そのこと自体が直ちに私は市場の出荷なり価格に響くものとは思っておりませんけれども、やはり好ましくないことであり、そういう意味においては、市場の開設者、監督者を通じて十分な調査なり指導をしたいということを申し上げているわけでございます。 なお、こういった行政指導を行うに当たりましては、やはり基本は在庫をトータルとしてつかむと同時に、問題の場所を必要に応じてチェックをしていくことだろうと思っております。そのような意味で、先般来調査を実施しておりますが、この調査とチェックを今後も実施したいということを申し上げているわけでございます。
○藤井(直)政府委員 私ども五十二年度の消費者物価の目標を達成していくために、非常に重要な要素として魚の問題を考えております。そこで、五月十三日に当面の物価対策三項目を決めたわけですけれども、魚価対策というのを特に取り上げております。そこで、この魚価対策に臨む姿勢としましては、やはり全体としての水産物の在庫の状況、販売状況等の実態を把握する、そしてその上に立ってしかるべき適切な措置を講ずることもあるべしということで、いろいろ調査を進めるということにしたわけでございますが、他方、やはり水産物についての供給が増大するということも十分考えなければならない。そこで、当時の対策としては、在庫放出の要請その他の問題を掲げたわけでございますけれども、現実の動きとしましては、先ほど水産庁のお話にありましたように、調整保管在庫を緊急に放出するというようなことをやりまして、供給ルートに乗せるということをやりたいと思っておるわけでございます。 さらにもう一つの有力な手段として、輸入の割り当ての枠を拡大するということが当面の対策としては有効であろうということで、その枠を二割ほど拡大するというようなこともあわせてやろうということでございます。 一方、魚転がし等の投機的な行為に対する自粛と申しますか、むしろそういうものをかりそめにも行ってはならないというような意味での強力な指導を市場の開設者等を通じて行うということにいたしておるわけでございまして、それらの対策全般を通じて、何とかして魚価の安定を早く図っていきたいということで対策を進めておるわけでございます。
○宮地委員 御努力に対しては大変に敬意を表するわけでございます。しかしながら、先ほども大臣から、必ずしも買占め売惜しみ防止法の発動をいま適用するときではないという御答弁がありました。しかしながら、いままでの発言をいろいろ聞いておりますと、異常な高値である、最善の策を講じていきたい、あるいは正直者がばかを見ることがあってはならない、こういうことで何とか努力をしていきたい、こういう前向きの答弁が出るかと思いますと、最後に行くと、どうも引っ込んでしまう。私は昨日、塩釜に調査に行ってきたわけでございますけれども、仲卸の皆さんあるいは加工業者の皆さん、いろいろ聞いてみますと、もう県の副知事からでさえ発動をする要請をわれわれは受けたわけであります。 そういう中で、特に宮城県の塩釜水産煉製品連合会というところから、「助宗タラ冷凍スリ身の価格安定に関する説明資料」昭和五十二年五月二十三日、昨日付の資料を私たちはいただきました。その中でびっくりするような数字が出てくるわけであります。たとえばスケソウダラの陸上冷凍すり身一級物でございますけれども、これが購買価格の前年対比表を見てまいりますと、この資料によりますと、何と、ちょうど二百海里問題が出てまいりました昨年の末からですが、特に五十二年の一月現在十八万五千円であったものが現在五月で二十八万五千円になっておる。わずか四カ月で十万円もトン当たり暴騰しておる。そして昨年五十一年の五月と本年の五月で比校してみますと、昨年はトン当たり十五万七千円であったのが何と十二万八千円も上がっておる。こういうまことに考えられないデータが出ているわけでございます。また実際に昨日の調査においても、塩釜地区の機船漁協の冷凍庫内に、午前中もお話ありましたけれども、大体目いっぱい詰まっておる。そして稚内から来たトラックの冷凍すり身約六トンが積み上げられている。これは地元のもう明らかにベテランの水産加工団地の組合長さんでさえ、その積み上げられたすり身を見て、この冷凍すり身の製造月日——私も目の前で見ました。一月十五日です。品物がないと言っていながら、なぜいまごろ一月の品物がここにあるのか、これこそ売り惜しみをして価格をつり上げている証拠じゃないかと、ものすごい声で私たちは訴えられました。こういう異常な実態を見ましても、まだ買占め売惜しみ防止法の発動に踏み切れない。これは何といいますか、勇気のなさじゃないか。そういう状況から、もうやるべきときは来ておる。皆さんが実際に五十着の防寒服を防衛庁から買った御努力はわかりますけれども、だれが見てもこの異常な姿、まずこの異常な実態についてどのように大臣、お考えになるでしょうか、この点についてまず伺いたいと思います。
○倉成国務大臣 宮地委員のお気持ち、私もよくわかります。また塩釜に御調査いただきまして、各委員の方々がかなり詳しいデータを入手されまして、八戸のお話も聞きましたし、私どもも謙虚な気持ちでそのデータを分析いたしてみたいと思います。 同時に、いま宮地委員が仰せのように、勇気と同時に、われわれが知恵をやはり必要とする。ということはどういうことかと申しますと、やはり需給のバランスをとるということが一番の基本ではないか。放出あるいは輸入の枠、これは日ソ交渉もございましたので、われわれは輸入の枠を拡大するということは、非常にデリケートな問題もあるものですから控えてきておったわけでございますけれども、一応日ソ交渉も見通しがついたので、二割の枠をふやすということも決定しました。そうしますと、需給のバランスがついて、そうして供給がふえてくれば、仮に買い占めをしたり売り惜しみをしたりした人たちは、せっかく抱えておったものの価格が急落するわけですから、その点によって打撃を与えることもできるわけでございます。したがって、イソップの物語ではありませんけれども、太陽の熱でマントを脱がせるのか、あるいは本当に北風を吹かせてマントを脱がせるのか、いろいろ方法はあるかもしれませんけれども、その方法はいろいろなことで考えていくべきじゃないかということを考えておるわけでございますので、これは決して手をこまねいておるわけではございません。絶えず内部においてはいろいろな議論をいたしておるわけでありますけれども、現在の段階では、少しまた積極的に調査を進めていく。そしてそのこと自体が業界にかなりの緊張感と、それからまた同時に、これはそううかうかしておれないぞという気持ちも与えるのじゃないかと思うわけであります。 先ほどは藤原委員からおしかりをいただきましたけれども、私どもやはり一生懸命、ちょっとでも前進したいという気持ちで、昼夜兼行で実際に関係者はやっているのです。ですから、このことは、皆さんが塩釜の倉庫を一つごらんになったことでもなかなか大変だということを御理解賜ったと思うのですけれども、やはり御理解を賜りまして、いろいろわれわれに足らない点がたくさんあろうかと思いますし、そういう点はひとつ国民の立場から御叱正をいただきまして、私どもも当委員会における各委員のお言葉を国民の声として非常に謙虚な気持ちで承っております。そういう気持ちでございます。
○宮地委員 需給バランス、需給バランスということがどうも大義名分になっているようでございますけれども、それでは水産庁と経企庁、現在の時点における需給バランスはどういうふうになっているのですか。これは納得のいくように数字の上でちょっとお示しいただきたい。 それと、大臣にぜひ聞いていただきたいのですけれども、私たちは昨日、衆議院の物価対策特別委員会でいろいろ調査に参りました。調査に参りますということで、宮城県としては五月十二日から十三日にかけまして、調査の方法として消費流通課並びに商工労働事務所の価格調査員による聞き取り調査をやったわけです。それで仙台市、石巻市、塩釜、古川など小売店約五十一店を調査対象としてやりました。鮮魚の小売店三十八店、スーパー、生協ストアなど約十三店、こういう調査に衆議院から来る。これによってどういう現象が特に仙台の町の中で起きたか。消費者代表の皆さんが私たちに言った言葉は、お魚が安くなったと言うのです。参加した委員の方はみんな聞いている。この期間に現実に魚が安くなったというのです。これは何を物語っているのでしょう。私は、安くなったという現実の厳粛なる事実、これは私たちが努力すれば、何らかの流通機構なり、また今回の買い占め売り惜しみをしている悪徳業者がいれば、そういう人たちに対して何らかの大きな鉄槌になっていることは間違いない。調査のために見え透いた、そういう価格の操作が小売店段階だけでやられる、こういうことはないと思うのです。私は、この現実の姿に対して厳粛に経企庁長官は受けとめていただいて、このような中からも一つの徴候というものを見られると思うのです。需給バランス、需給バランスということの——もちろん英知という言葉でおっしゃいました、英知も必要です。私たちもそう思います。しかし、これだけの最大公約数の国民から卸から、行政官庁の地方の自治体の長である県の副知事でさえ私たちに要請をしたこの事実、こういうことから見たら、もう発動すべき時期に来ているのではないか、私はこう思うわけでございます。この現実の姿に対して水産庁あるいは経企庁はどういうふうにお考えになっておるか、まず伺いたい。それから、その需給バランスの具体的数字のデータをお示しいただきたい、こう思います。
○森実説明員 御指摘とは逆でございますが、御指摘がありましたスケトウの需給バランスとすり身の展望についてある程度ざっくばらんなお話を聞いていただきたいと思います。 現在わが国は二百四、五十万トンのスケトウをとっておりました。そのうち約百八、九十万トンがすり身の原料に回っております。百万トンが洋上加工で、これから歩どまり約一七%で十七万トンのすり身をつくっておる。約八十ないし九十万トンが陸上で陸上すり身の加工に参ります。陸上すり身の加工の場合は、人件費の関係等で歩どまりが二七%でございます。これで大体いわゆる冷凍すり身が陸上、船上合わせて三十五万トンないし三十八万トンの間で動いてきているというのがいまの姿でございます。 そこで、実はすり身の問題についてはいろいろな問題がございますが、一つは、先生御指摘の宮城の問題でございます。スケトウにつきましては、八割が北海道に水揚げされまして、残った二割が青森、岩手、宮城に水揚げされます。そこで、漁獲量が減ります過程では、どうしても限界地である宮城の水揚げが減って、したがって宮城の加工業者の皆さんは、宮城の加工業者がいままでつくったすり身を中心にして二次加工をやっていたという関係があったわけでございます。その意味で、原料供給に一番もとの原魚のところから支障を来してきたということは私、否めない事実だと思っております。その意味で、やはり北海道から宮城に荷を回すということが一つの基本だろうと認識しておりまして、その意味で、必要量のあっせんに努めているということを申し上げたわけでございます。 それから二番目は、はっきり申し上げると、アメリカで一一・五%の削減を受けましたし、日ソ漁業交渉はサケ・マス以外の数量の取り決めは恐らく明日から始まることになると思いますが、楽観はできない状況だろうと私ども思っております。そういう意味で、スケトウ自体の輸入の問題を、企画庁長官からお話がございましたように、私どもはやはり需給を見て考えざるを得ないと思っております。その意味で、ソ連側が非常に関心を持っておりますイワシとスケトウをバーターで輸入するという問題のプロジェクトを検討しているのも、そういうわけでございます。 それから最後に、練り製品とすり身の関係を実は申し上げなければならないと思うのでございますが、昔はわが国の練り製品というのは、沖底の荷とかあるいは以西底びきの荷を中心にしてつくられておったわけでございますが、この十年間いわゆる冷凍すり身技術の開発によりまして、スケトウは原魚として圧倒的な比重を、大体七五%の比重を持つようになったわけでございます。はっきり申し上げると、かなり輸入の努力をいたしましても、漁獲の関係等もありましてやはりスケトウの供給は減る。したがって、スケトウの冷凍すり身にいままでどうり依存はできなくなるということは、事実として長期的には考えなければならないと思います。私ども水産庁としましても、長期的にはこの問題が一番大きな問題だろうと思っております。その意味で、多獲性大衆魚の冷凍すり身化のプロジェクトを非常に推進しておりまして、これをまず軌道に乗せるということが必要である。ただ、その過渡期において、何と申しましてもスケトウのすり身がかなり値上がりをいたしましても、最も割り安であって品質が安定しているという問題があるわけでございますから、そこの摩擦をどう吸収していくかということを構造的に今後最も重点を置いて取り組まなければならないと思っております。 それからなお、買防法の発動等の問題でございますが、これはもうすでに企画庁長官からお話がございましたが、私どもも全く同様に考えております。現在、現実の需給実勢と日ソ交渉の妥結の見通しのもとで価格が反落に転じつつあり、不安感がかなり消えておりますし、一方、私どももまた調査も続けておりますので、なお当面事態を静観する必要があると思っておりますが、事態の変化によっては必要なる措置はもちろん考えなければならないと思っております。
○藤井(直)政府委員 魚の需給バランスの件でございますが、全体として見ますよりは、やはり個別の魚で見た方がいいと思うのです。例示的に申し上げますと、アジとかサバというようなものは、五十一年に非常に漁が少なくて現在までその状況が続いているような数字が出ております。前年度の六割くらいの漁獲ではないか。それから一方でふえておるものもございます。イワシなどは三割くらいふえているというようなことがあって、全体として見ますと、現在までところでは、やはりその不漁の影響ということはかなり需給面に影響していたということは否定できないのじゃなかろうかと思います。魚価の高騰自身との関係から言いますれば、その間にいろいろな問題があるかと思いますけれども、全体としてはそうではなかろうか。そこで、五月の中旬くらいになりまして少しずつ入荷がふえてきているものが出てまいりましたので、先ほど大臣が御答弁になりましたように、一部東京卸売市場の価格について下がってきているものも出ておるということでございまして、全体としてだんだんその需給の好転が期待されるという時期に入っているのではなかろうかと思います。
○倉成国務大臣 いま事務当局からお話し申し上げましたけれども、やはりこれから先、いままでどおりの形での魚の利用ということは必ずしもできない状況になるかもしれません。したがって、イワシを例にとりますと、私の郷里は長崎でございましてイワシがたくさんとれるところでございますけれども、これも食用に供する面とえさやあるいは肥料になっている面がある。しかし、このイワシも食べ方によっては大変おいしいし、またかまぼこにもすることができるということで、多少色が黒いわけですけれども、味はとてもおいしいわけでありまして、そういう魚の食べ方をもう少し工夫をしていくというようなことを考えてまいりますと、動物性たん白資源の供給源としての魚を、いままでの観念からさらに、こういう二百海里時代を迎えた厳しい時代の中において、どういうふうに利用していくかということをこれから真剣に考えていくべきではなかろうかと思うわけであります。 私どもの地元の方では、もうすでにイワシの食べ方の講習会というのをあちこちで、各府県を中心にやっておりまして、料理の講習でありますから、とにかく会場が大変制限されて困る、もっと大きな会場でやってくれ、もっとたくさんの講師を派遣してくれというような声も聞いているわけでありますので、いま企画庁の方でも国民生活局の方で、ひとつそういう料理の先生をできるだけ多く見つけて、こういう大衆魚の食生活の問題について真剣に取り組んでいこうではないかということを考えているところでございます。
○宮地委員 私たちが行ったら値が下がったという、先ほど言った宮城県の実態について、どういうふうに感じますか。
○倉成国務大臣 私はいろいろな原因があると思いますけれども、皆さん方がおいでになって真剣に魚の流通の問題を取り上げていただくということが、非常によい影響を及ぼしたというふうには思います。したがって、私どもがいろいろ各地の調査をいたしますことも、ある意味においては刺激を与えるというふうに思うわけでありまして、今回の調査については非常に高く評価をいたしたいと思います。
○宮地委員 そこで、水産庁にちょっと伺いたいのですけれども、三月十六日に水産庁長官名で「すけとうだら及びこれを原料とする製品の価格安定について」、こういうことで通達を出したわけですね。その中で、前半は確かにあなた方が言っているように、たとえばスケトウダラについては「大豆粕等の価格上昇を反映した」とかあるいは「魚粕・魚粉価格の上昇が関連している」とかあるいは「今後のすけとうだらの漁獲量確保等に対する不安心理」これは二百海里問題だと思うのです、こういうことについて言っておるわけですね。午前中からここのところをあなたはずっと答弁しているわけです。ところが、「しかし、」とあるのです。バットですよ。「釧路、八戸等主要水揚港におけるすけとうだらの水揚量が」云々とありまして、そのところでこういうことを言っておるのですね。「しかし、釧路、八戸等主要水揚港におけるすけとうだらの水揚量が昨年実績をかなり上回っていること及びその主要製品である冷凍すり身の需要が最盛期にないこと等の事情をも勘案すれば、現在のすけとうだらの価格は、需給実勢を反映していないのではないかとの懸念も持たれるところである。」、暗に需給懸念というもの、需給実勢を反映していないということをあなた方も心配しているじゃないですか。さらに、同じ五月十三日の水産庁長官の「水産物価格の安定について」という通達の中で、前半は先ほど来あなたがお話しになっているような「多獲性魚類の漁獲量の大巾減及び日ソ漁業交渉の長期化」、こういうようなことについて云々をしておるわけですね。ところが、後半になりますと、「貴下におかれてもいたずらに便乗値上げ、買占め売惜しみ等の疑惑を生ぜしめることのないよう現在保有中の冷凍魚等の在庫品の放出の促進、値上げの自粛について格段の協力を得たく要請する。」ということは、ある意味では、買い占め売り惜しみあるいは需給の実勢というものが崩れているのではないかという懸念は、あなた方お持ちなんでしょう。しかし、現実に証拠がないから、結局踏み切れない。この点については、水産庁、どうなんですか。
○森実説明員 二点あるだろうと思います。 一つは、三月末の時点と五月で通達を出した時点において、はっきり申し上げると、政府としては、不明と言われればまことにそのとおりと申し上げざるを得ませんが、日ソ交渉の妥結の見通しについてはっきり目算が狂ったということは、私ども遺憾ながら否定できません。特にスケトウにつきましては、御案内のように、北転船も沖底も三月はソ連は操業を認めたわけでございます。ところが、三月には非常に漁獲量が多かったにもかかわらず、三月末になって、特に二十日、二十五日になりまして、日ソ交渉が四月以降も妥結しそうがないという不安が出まして、実は魚価がまずスケトウから上がっていった。六十円前後だったものが、高値で七十円ぐらいだったものが百円、場合によっては百十円という価格をつけた。ここが一つの問題だったわけでございます。三月の通達はまさにその時点で率直なことを申し上げたわけでございます。ただ、私どもこれもまことに不明を恥じるわけでございますが、その時点では二回目の交渉に私どもの大臣がモスクワに参りまして、何とか四月の上旬には妥結したい、片づけられるのではないか、そういう期待を持って業界を指導し、また外交上の努力なり、各般の努力もやったことは事実でございます。ところが、これが四月の中旬まで交渉が長引き、しかも中絶して帰ってきたという状況になりました。そこで、政府としても、このままでは放置できないということで、緊急の救済策を講じたという一連の経過がございます。そういった点はまず不明と言えば不明でございます。しかし、何と申しましても、四月の漁ということは、スケトウをとる沖底、北転については、四月から五月の前半の漁は非常に重要な漁でございますので、この影響が顕著に出たということは私は否定できないところだろうと思います。 それから二番目の、通達が投機を是認した上に立って書いてあるのではないかということでございますが、直接にそれを是認したということを私ども申しておるわけではございませんので、業界に対してできるだけ思い切って在庫を出してほしい、市場流通に乗せるということがいまの時点では一番問題の解決策だろうということで、そういう趣旨を申し上げたわけでございます。 なお、スケトウにつきましては、冷凍すり身につきましては、非常に私ども頭が痛い問題は、先ほど申し上げた、日本のいまの練り製品業界の構造的な変革を考えていかなければならない時期に来ているという問題から来るむずかしさでございまして、私は率直に言いまして、冷凍すり身についてはなお過渡的には多少の摩擦もあるのではないかということを懸念しておりますが、どちらかというと、やっと鎮静の方向に向かいつつあると思いますので、なお様子を見たいと思っておりますが、必要があればまた次の対策も考えなければならない。ただ、これははっきり申し上げますと、いわば構造改革についてのある種のめどといいうものをどの程度つけていくかということに重要な関係があることは、十分御理解を賜りたいと思います。
○宮地委員 要すに、あなた方はずるいのですよ。需給のバランスだとか魚の不漁、二百海里、いろいろ理由づけをしておきながら、やはり需給実勢を反映していないのではないかという懸念、あるいは投機に対する懸念、こういうものについてはやはりどこかにあるのではないかという疑問を持っていると思うのです。疑問は持っているけれども、ただ、通達の中に入れて——この通達で実際にそれではその疑問を解消するだけの行政の能力があるのかどうか。ないと思う。やはり買占め売惜しみ防止法を発動しなければ、あなた方だって、口では放出をしなさいと行政指導しているかのように見えるけれども、実際はこれは絵にかいたもちです。そしてさらに、水揚げされた魚の消費地帯の市場への出荷の状況だって、先ほど大臣がちょっとおっしゃいましたけれども、きわめて少ない。特にアジなんかの場合、大臣の長崎なんかにおきましても、今年の二月においては千五百七十トン、そのうちのわずか三六%が生鮮向けです。残りは何か、いまお話しのとおり、飼料や加工原料なんです。銚子あるいは小名浜、これなんかも大変なもんです。銚子なんか生鮮向けはわずか四%ですよ、二万四千十九トン。またマイワシなんかは、長崎の大臣の地元においては二千五百二十二トン、そのうち生鮮向けは一〇%、あとはかん詰めの原料だとか加工用に向けられている。 こういうふうに、いわゆる消費者保護という立場に徹して現在の魚価対策に取り組んでいるのか、どうもこの辺がわれわれ国民から見ると疑問に思えてならない。確かに言っていることはつじつまが合っているし、きちっと点が結ばれている。しかし、全部総花的で、結果的には国民には何ら——いわゆる暴騰、高騰あるいは魚転がしとか、こういう社会的問題に対して、努力はしているのは私たちだってわかります。しかし、決め球のところになるとどうも弱い。わかっているけれどもできないのだというのが現状じゃないでしょうか。水産庁また経企庁から伺いたいと思います。
○森実説明員 御指摘のございました多獲性大衆魚の用途別仕向けでございますが、私、長崎のアジは、いまの先生の数字は、恐らく生鮮用に向けるものと加工用に向けるものに振り分けられたという、その数字だろうと思います。アジの場合は何と申しましても一塩ものの塩干品が圧倒的なウエートを持っておりますから、これはむしろナチュラルな姿じゃないかと思います。イワシにつきましては、率直に申し上げますが、現在わが国の漁獲量の中で最大の漁獲量を持っておりますが、食用に向けられておりますのはわずかに二割でございます。残った八割はほとんど飼料用で、これは二つございまして、いわゆる養殖のえさになる場合、それからもう一つは、魚油をとりまして、家畜用のフィッシュミールにするものでございます。 全体の多獲性大衆魚の間には、相互には消長がございまして、現在はアジ資源、サンマ資源は停滞時期であり、サバ資源はいままでふえていた時期が少し停滞にあり、イワシは、マイワシが非常にふえる時期に入っているという判断を持っております。その意味でやはりイワシの消費の拡大ということは、まさに御指摘のように最も重要な課題だと思っております。 その意味で、ことしは実は初めてでございますが、テレビの予算も計上いたしまして、私どももイワシの消費宣伝ということを相当組織的にやりたいということで、予算を計上しているわけでございます。それからもう一つは、いままでの伝統的な調理方法だけでは、なかなか現在の消費者にはなじみがたいという点がございますので、すり身あるいは油づけ等の新しい方法の技術開発ということを、予算措置を講じて考えているわけでございます。この問題は、先ほども御指摘がありましたかまぼこの問題、すり身の問題にも非常に関連を持っている問題でございますので、政策として相当本腰を入れて重視してまいりたいと思っているわけでございます。 なお、先ほど御指摘の点でございますが、実はスケトウは三月の末に一回反落をした事情がございます。その後すり身は高騰した、それは先ほど申し上げたような事情であるということは、御了解を賜りたいと思います。
○藤井(直)政府委員 北洋ものについて、たとえば日ソ交渉の影響が非常に大きく響くということは当然考えられるわけですし、近海物については、不漁という問題のほかにかなり心理的要因が出てくることも懸念されるわけです。そういう意味で、私どもは魚価の上昇に対して非常に心配しているわけでございまして、その過程でいろいろな思惑等が入ってはならないと思うわけでございまして、それを解決するための手段として、ともかく在庫や販売状況をつかんで、そして不当な動きがあれば在庫を放出させるとか、そういうことによって事態を収拾していきたいというのが基本的な考え方でございます。
○宮地委員 時間がありませんので、最後にサケのことで少し伺ってみたいと思うのです。 サケの価格構成はどのようにして決められるのか、伺いたいと思います。
○森実説明員 サケにつきましては、御存じのように、北洋のサケを夏場に、五、六、七月に漁獲いたします。それからもう一つは、日本の近海に接岸いたします、日本に起源を持っております日本系のサケでございます。これは秋口の北海道が中心になるわけでございます。この二つが需給の状況を決めておりますが、洋上のサケ・マスにつきましては、日米交渉、日ソ交渉等によって大枠が決まってくる実態にございますので、比較的供給面で変動要因になっておりますのは、毎年遡河しております日本系のサケ・マス、秋口の秋サケが問題になるだろうと思います。 取引形態としては、凍結品、それから塩ザケを含めまして通常相対取引でございまして、需給の実勢によって指し値、値段が決まってくる形になっております。 実は昨年は、一昨年の遡河が非常に多かったために在庫の整理が進むと同時に、値段が一時期暴落した。ことしは遺憾ながら、一昨年の遡河が七万トン近くあったのに対して、三万五千トンないし四万トンになっておるわけでございますから、それに在庫もショートしていたということで、冬場になってむしろ逆に上がる基調に向かってきたことは事実でございます。
○宮地委員 昨年のシロザケの最終建て値はキロ当たりどのくらいまで暴落したのですか。
○森実説明員 ちょっといま資料を持っておりませんが、すそ物で千円前後だったと記憶しております。
○宮地委員 それがいま東京都の中央卸売市場ではどのくらいで出回っているのですか。
○森実説明員 ピーク時では二千百円ぐらいになりましたが、今日の建て値は、いま聞きましたところ、千八百三十円になっておるということでございます。
○宮地委員 私の調べたところによりますと、キロ当たり昨年のシロザケが八百七十円前後、現在、北海物ですけれども、高値のときが二千三百九十円ぐらい、安値で千四百四十円ぐらいと聞いておるわけです。そうしますと、安値の段階でも約六百円違う、高値の段階だと千五百円ぐらい違いますな。これはどういう理由によるのですか。
○森実説明員 一つは、先ほど申し上げましたように、昨年のわが国の遡河性サケ・マスが七万ないし六万五千トンから三万五千トンまで激減したということでございます。これは実は放流尾数等の関係もあったかと思います。それからもう一つは、先生御指摘のように、確かに千円を割ったところがあると思いますが、一昨年は内地に帰ってきたサケが非常に多かったことと、北洋も比較的順調でございましたので、非常に過剰在庫になりまして、ちょうど三月、四月という端境期にかなり投げが入りまして値段が暴落したという経過があります。その過程で在庫がかなりダンピングされて一掃されたという事情があります。さらに昨年は、そういった状況をガードする意味で、輸出が行われたという経過も実はあるわけでございます。 こういった要因が背景にあって昨年の十二月以降は強含みに推移しているところに対して、日ソ交渉で、まず日本海のサケ・マスについても三月から操業できない、それから一番問題になります北洋は五月から——特に五月の操業は最も重要なわけでございますが、これが操業できないのが決定的な理由になったというふうに見ております。
○宮地委員 先ほどから約五十分にわたって質問してきたわけですが、大臣に最後に聞きたいと思うのです。 いずれにしても、いまのサケの問題にしても、高値から安値に至る間千五百円から五百円の差がある。これもいろいろ調査してまいりますと、建て値プラスアルファ、そのプラスアルファの中にやはり転がしがあるのではないかとか、あるいは在庫の売り惜しみがあるのではないかという疑問も出てくるわけです。先ほどのスケソウダラについても、考えられないような暴騰であります。二百海里問題も出てまいりましたし、あるいは季節的不漁という問題もあったでしょう。しかし、マスコミの報道するところによりますと、先ほど委員のおっしゃっていたように、最近はその転がしの中に製鉄会社や化学会社などが入っているということもいろいろ報道されておる。私たちが実際に塩釜に調査に行きましても、大方の方がもう買占め売惜しみ防止法を発動していただきたい、こういう強い強い要請を受けて帰ってまいりました。また本日は、閣議で福田総理からも何とかこの魚価対策を講じるようにという御指示もあった。まさにこういうような状態の中において、やはりあとは勇気ある決断と実行が倉成長官にあるかないか。大変に経済の御専門でありますし、経済においては本当に有能な閣僚であるとも言われております。またそれだけに、逆に言えば、慎重に経済運営をやらなければいかぬという、私たちそういう点は感じますが、やはり政治を行い、国民の福祉、国民の生活を防衛するという原点から見るならば、ある意味では冒険とも見えますけれども、大臣の勇気ある決断と実行が国民から迫られているのではないか、私はこういうふうに感じるわけでございます。 最後に、この買占め売惜しみ防止法を今後発動していく御決意が本当にあるのかどうか。また非常にむずかしいならば、その需給のバランス、あるいはその証拠となる倉庫の総点検、それにかわるべきいわゆる行政の徹底した指導、こういうものをどのようにやって国民の魚価の高騰に対する不安を解消されようとするのか、大臣の御決意を伺って、終わりにしたいと思います。
○倉成国務大臣 午前中から本委員会におきましてまことに私どもにとって大変参考になる御意見を賜りまして、私どもは各委員の御意見を十分体してこれからの行政の参考にさせていただきたいと思う次第でございます。 これからは水産庁と協力をいたしまして、午前中にも申し上げましたけれども、まず需給調整のための冷凍魚を七月末日までに六千九百トン放出をする、また、当初予定の輸入割り当て枠の二〇%程度の拡大をなるべく早く実施をするということ、加えて、市場流通業者に対する取引の適正化の指導をさらに強化をする、また、大手の水産会社等の保有する冷凍魚等の在庫の調査をさらに強化をいたしまして継続し、その結果を利用して在庫品の放出要請を行う、などの対策を講ずることといたしたいと思う次第でございます。
○宮地委員 終わります。
○西宮委員長 宮地正介君の質疑は終了いたしました。 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十一分散会