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80回国会衆議院1977/04/07

物価問題等に関する特別委員会 第7号

発言数
91
登壇者
13
会派数
3
開催日
1977/04/07

会議録

西宮弘日本社会党

○西宮委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中西啓介君。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 私も国会に議席を得てもう四ヵ月になるわけでありますが、いままで、私、選挙区が和歌山でございまして、草の根運動を続けながら、いわゆる国民の有権者の方々から政治に対して協力や共鳴の情念がわいてくるような、そういう政治を実現したいという目標を持ってやっておるわけです。そういうことで、絶えず選挙区にも帰りまして、地元の方々と接触をして生の率直な声を聞くことに懸命になっておるわけです。  そういう経験の中で、いま有権者の方々も大変物価安定ということに、興味というよりも熱望を抱いておるというふうなことで、物価安定政策に関連してひとつ御質問をしてみたいと思います。  いま毎日新聞社がどうも倒産するとかしないとかというふうなうわさも出ておるわけですが、いわゆる大新聞社の中で、読売新聞社が昨年の三月二十五日に、新聞料金を一年間据え置くということを社告で出したわけです。さらにことしの二月七日に、当分据え置くというふうな表現を使って続いて社告をしたわけであります。いずれもその理由は物価の安定に協力したいというふうなことで、そのために企業努力をするというふうになっておるわけですが、たまたま手元に読売新聞の資料があったので取り上げたわけです。  そこで、こうした据え置き宣言をした企業も幾つかあると聞いておるわけですが、価格の据え置きをした企業は、たとえばほかにどんな企業があるかということをひとつお聞きしたいと思うのです。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 個別に価格の据え置きをやろうとした企業というのは、新聞関係で読売新聞、それから、全体としての動きは私ども余りよく承知しておりませんが、政府が関与するという意味では、灯油について、国民生活に非常に重要な影響があるということでございますので、昨年から本年にかけての需要期中、石油精製会社の元売仕切り価格について新しい値上げを行わないというように通産省が指導して、現在それが守られているという状況でございます。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 じゃあ、ほかに据え置き宣言をしたような企業はいまのところちょっとわからないということでございますか。ぜひひとつ、そういう企業があれば調べておいていただきたいと思います。  それで、政府はこうした据え置き宣言による物価の凍結の協力を、この際呼びかけるような意思はありませんか。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 三月物価の安定に際しまして、当面の物価対策というのをつくったわけですが、その際、全体として三月から四月にかけては食料品関係は端境期に当たるものが多いわけです。そういう意味で、季節商品等についての値上がりが大きいものですから、特に加工食品ですね、それから厚生省関係の理容衛生とか、そういうサービス関係等につきまして値上げの自粛を要請するというような措置はとりました。また食肉につきましては、特に牛肉について卸売価格がわりに下がってきているわけでございますけれども、それが小売価格に反映しないということもありますので、昨年の末から食肉値下げ消費キャンペーンというのを農林省が指導していろいろやっております。そういうようなことで、機会をとらえては、そういう値上げについての自粛とか、または値下げということを要請するようにいたしております。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 企業によっては、その据え置き宣言にもいろんな複雑な要素といいますか、戦略も絡んでいるものもあるかもしれませんけれども、しかし、少なくとも物価抑制の方針に沿う限度内においてはそれを歓迎したいとわれわれは思うわけですが、そこら辺はどうですか、政府としても。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 非常に物価の上昇の度合いがまだ高いという状況でございますので、各企業が経営の努力を最大限いたしまして価格の抑制をしていくということについては、私どもも非常に好ましいことだと思います。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 そこで、それを推進していくための何か特別措置、そういうものが講ぜられればいいなと思うのですが、そういうふうな意思はありますか。また考えられるとすれば、どんな特別措置が考えられますか。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 現在のわが国の経済の体制から言いまして、やはり市場の自由な競争を通じて価格がつくられていくということで一貫してやっているわけです。それがやはり一番、個別に政府が価格に介入していくよりは効率的であり、また、かえって介入することが硬直的な価格体系をつくるということにもなりますし、そして自由な競争のメリットというのを失われるということもございますので、できるだけ市場のメカニズムの中で価格が形成されることが必要だろうと思うわけです。  現に、昨年来、景気の回復が緩慢な中にありまして、そういうような工業製品、工業原材料等を中心としてかなり需給関係を反映して価格が安定している。そういうことで、今年度の卸売物価も、当初予定したのは四・八%でございましたけれども、どうも四・二%くらいにおさまるのではないかというふうに見られるわけです。そういうこともありますので、特に個別の物資について特別の政府の対策を講じて、こういうことをするから抑えろというようなことについて指導いたしますと、公共料金でもそうですけれども、長い間抑制したりするということになりますと、かえって後の値上げが大きくなって、物価安定上も支障があるというようなこともございますので、私どもとしては、できるだけ経済の実勢、経済の円滑な流れの中で自由なメカニズムを通じて価格がつくられていくというような方向でいろいろ物価の問題を考えていきたいと思っております。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 総理府統計局の発表によりますと、昭和五十一年度中の全国消費者物価上昇率は、政府公約の八・六%をかなり上回って九・二%前後になることがほぼ確定的だと言われているわけですね。去る二月二十三日の商工委員会で倉成企画庁長官は、種々の理由を挙げられて、五十二年度中の消費者物価の上昇率を七%台にとどめたい、こんなふうに発言されたわけですが、現況のままでは達成できると当局は思われますか。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 残念ながら、五十一年度につきましては、おっしゃったように、現在のところ東京都区部速報でございますが、九・三%という数字が出ております。これは私どもが旧指数でいろいろ目標を立ててきたところから言いまして、旧指数で見ると八・九%程度になるのじゃないかと思います。したがって、目標の達成は不可能になったということでございまして、大変残念だと思っております。  来年度につきましては、一方で景気の回復を図るということがあるわけですが、物価の安定は非常に重要な課題でございますので、景気の回復と物価の安定を両立させるということで運営をしていくということにいたしております。その中で、物価につきましては、いまおっしゃいましたように七%台、七・七%という目標を掲げておりますが、これから、海外物価が上昇するという要因はあるかと思いますけれども、円高の影響も出てくる、それから、だんだん操業度が上がっていくことによりまして企業の固定負担が下がっていくというような面から価格が落ちつく要因も出てくるわけでございまして、全体として卸売物価はことしと同じような落ちついた基調で行くだろう。そういたしますと、卸売物価からの消費者物価への影響というものもことしとそう違わない。  それから、公共料金につきましては、五十一年度はかなり大物がありまして、全体として旧指数で二・五ないし二・六程度の物価上昇要因になっているわけでございますが、今年は予算で見ております国鉄、電電等につきましても、昨年よりは寄与度が落ちておりますし、その他電力等の値上げも今年はありませんし、全体としては二%程度のものになるのではないか、そういうように抑えたいと思っております。  それから、ことしは特に季節商品の値上がりが一、二月の異常寒波によって出たということもありますが、来年はああいう異常なものは考えなくて済むんじゃないかというようなこともかれこれ勘案いたしますと、七%台という目標については、これは達成できるのではないか。  一方、政府の対策としては、物価の上昇が安定の傾向を損なわないような経済情勢の運営についての配慮ももちろんいたしますし、その場合には、当然通貨供給量等についても十分注意するということ、それから生活必需物資の安定策についてもいろいろの対策を講じております。そのほか必要に応じて輸入政策を活用するとか、長期的な問題としての生産性向上、それから競争政策というようなことも引き続いていたします。そういうようなことを通じまして、全体として七%台の目標を達成していきたいと思っておるわけでございます。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 今度の見通しの誤りについては、いろいろと原因もあろうかと思うのです。たとえば、私の県は柑橘類が非常に盛んなところでございましたけれども、今度例の冷害でかなりな被害が出たわけですね。ですから、当然柑橘類の価格なんかも急騰することはもう目に見えているわけです。そういう天災によることも原因だと思うのですが、そういう緊急時の予測も要素の中に当然織り込んで見通しを立てるべきではないだろうか。いつも値上がりの原因には異常乾燥とか天候異変でございますというふうなことで、それを逃げ口上にされておられるようですけれども、そういう異常寒波による物価高の予知、または現実に政府のとった対策はいかなるものであったか、その対応も聞きたかったわけですが、大体いまの話の中に入っておられたようですから、これは省略いたします。  それで、この物価のいろんな見通しは確かに立てにくいのはわれわれも素人ながらよくわかるわけですが、いわゆる緊急時の各省庁間の連絡体制等にも多少不備な点があったんじゃないかというふうに思うのですが、そんな点はどうですか。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 物価関係については、かねてから物価担当官会議というのを設けまして、必要に応じてこれを開くということにいたしております。  今回の異常寒波に伴う生鮮食料品の価格の問題について、異常寒波というのが三十八年以来十四年ぶりだというような非常に大きなものでもございましたし、野菜だけで一−三月に五四%も上がるというようなことでもございますので、その辺については十分農林省とも再三打ち合わせをいたしまして、その対策を講ずるということにしたわけでございます。  現在の対策としましては、たとえば鹿児島とか沖繩からキャベツその他の野菜を緊急輸送するとか、それから野菜供給安定基金で保管をしておりますタマネギとかバレイショのような保存、貯蔵がきくもの、こういうものの保管したものを放出するとか、もともと端境期に対して計画的に出荷をしてもらうというようなこともかねてからいたしておりますけれども、そういうような措置をあわせてやったわけでございます。  それから、先ほどちょっと申し上げました灯油については、ことしの寒波で非常に需要がふえて、昨年に対して、十一月、十二月ごろは二、三割ふえたわけです。それに対しては増産指示を通産省の方がしておりまして、現実にそれだけ需要がふえましても、最近の在庫は昨年と同じだというようなことで、これがかなり灯油の小売価格の安定に寄与しているんじゃないかと思います。  そういうことで、物価担当官会議という場を通じても行えますし、それぞれ関係各省の物価担当の窓口もございますので、そこと十分打ち合わせをしてやってきているつもりでございます。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 それ以外に今回の物価公約が達成できなかった最大の原因として、いわゆる一連の公共料金の値上がりがあったかと思うのですが、その点はどんなふうに解釈されておりますか。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 公共料金については、狂乱物価のときかなり値上げ幅を抑制しましたり、時期を延ばしたりというようなことで、いろいろな事業についてそうことをしてきたわけです。その結果、相当大きな赤字が出てきている。国鉄のような膨大な赤字を抱えているところがございますが、こういう公共料金を放置しておくということになりますと、かえって健全な経営ができなくなって、サービスの供給も十分でない。先ほど申し上げましたけれども、それがたまってまいりますと、また大きな値上げ要因となってはね返って、物価の安定を乱すということもあります。そういうようなこともございますので、五十一年度には公共料金の是正を物価の安定を図りながら行うということでやってきたわけでございますが、全体としては二・五%から二・六%程度の上昇要因になっているわけでございます。私どもはこれが五十一年度の物価上昇につきまして目標との差が出た理由だと思っておりませんが、まだ全体として日本の消費者物価の水準は高いと思うわけです。これは五十年代の前期経済計画でも五十五年度には六%にしたいということでやっているわけでございます。そういう全体として高い水準の理由の一つに公共料金の問題があるというふうには思っております。五十二年度にはことしの公共料金の値上げ幅よりも抑えて二%程度にしたいということでございます。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 それじゃ、二点だけ公共料金に関連してお伺いしたいのですが、消費者物価上昇率に占める公共料金の値上がり比率はどんなふうに見られておるかいうことと、国鉄の大幅な値上げあるいはバス、郵便、電話料金の値上げの際に、政府はその全国消費者物価上昇率に及ぼす影響をどの程度にとらえられていたか、その二点だけ、簡単で結構ですから……。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 五十一年度の公共料金の影響は、先ほど申し上げておりますように、二・五から二・六%程度、ただ、これは旧指数で見ているわけでございますが、新指数で見ますと、三%程度になると思います。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 その新指数というのは、どういうのですか。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 これは消費者物価指数を出すときに個別の価格をまず調べるわけです。たとえば野菜でいいますと、キャベツとかタマネギのようなものの価格の推移を調べるわけですが、個別の価格から全体の価格指数を出すときに平均をいたさないといけませんが、そのときに家計調査によりますそれぞれの品目の支出金額をウエートにして加重平均するわけでございます。そういたしますと、その家計支出の調査については、総理府統計局でやっているわけですが、毎年支出の内容が変わっていくわけでございますので、それに対応したものでなければならないということでございますが、毎年改定するということは非常にむずかしいものですから、五年ごとにやっております。現在といいますか、五十一年の初めまでは四十五年の基準で調べたものをとったわけです。ところが、期中に五十年基準の家計支出の調査を取り上げて平均をしようということになりまして、それが去年の秋でございます。それが新指数と称するものでございまして、四十五年基準でやりましたのが旧指数ということでございます。したがいまして、この新旧というのは五十一年度中に併存しているわけで、五十二年度からは新指数一本になります。  公共料金の寄与について先ほど来年度二%と申し上げましたのは、ことしの三%、したがって、来年は新指数ですから、ことしの三%に対して二%程度ということでございます。  その中で個別のお話がございましたが、予算で決まっております国鉄と電信電話料金ですが、これについては国鉄が一九%上がることによって〇・二五%、それから電電関係で基本料金がすでにもう四月から上がっておりますが、これが〇・三%ということで、この二つを合わせますと〇・六%程度になります。そのほかのものについては、現在申請中のもの等につきましては、いろいろ関係各省でも査定を行っている段階でございますので、それについての値上げ幅、それからその値上げによる影響というのは、ちょっと数字として申し上げられないと思います。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 影響はどのように考えておられますか。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 影響と申しますのは、したがって、公共料金が上がることによって消費者物価が上がる、それが二%だということでございます。したがって、来年七・七%上がるうち、公共料金によって上がる分が二%程度である、そういうことでございます。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 見通しは甘くはございませんか。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 私どもの見通しとして、いま申し上げましたように、すでに決まった大口の国鉄とか電電料金というのは、もう予算で明らかにされておるところでございます。それ自身で比較しましても大分下がっておりますし、電力とかガスとかというようなものが五十一年度にございましたけれども、五十二年度にはそういうものはないということでございますので、二%程度の線は確保できると思っております。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 ちょっと話が横道にそれるのですが、最近、どうも民間人は国鉄に対していい感情を持っておられぬようなんですね。サービスが悪いし、とにかくしょっちゅう値上がりするし、いいところは何にもない。それで、今度も大幅な値上げがまたされようとしているわけですが、私、この間東京駅の窓口で一万円札を出しまして、ちょっと両替してくれと言ったら、こんなところで両替はできないから、そこに両替所があるからそこへ行ってかえてくれ、こう言われたわけです。のこのこ行ったら、大丸デパートの横に沓掛両替店というのがあるわけです。それで、おばさんが一人、おりの中みたいなところに入っていまして、一万円出しましたら、百円天引きされて九千九百円返してくれたわけなんです。天下の国鉄が、サービスが悪いということでもう総スカン食っているその中で、窓口で両替するどころか、天引きまでして両替をさせておる。こういうことは一体許されるものですかね。国鉄の方、おられたら、ひとつ一遍そこら辺答えてください。

大西克巳日本国有鉄道事業局次長

○大西説明員 いろいろ御批判あると思います。先生のおっしゃられます両替でございますが、これは、両替というサービスに対する対価として手数料を窓口に表示して営業者が収受しておるものでございまして、国鉄が営業しておるものではないわけでございまして、場所を提供しておるものでございます。  実は、両替を認めましたのは大正十三年に承認したものでございまして、当時は旅客の利便のために承認したのでございますが、時代の変遷とともにその必要度は薄くなってきているのが現状でございます。国鉄といたしましても、こういうものはなくする方向で現在に至っておりますが、現在東京駅に二ヵ所、上野に一ヵ所依然として残っているような状況でございます。これは、営業者は個人で当時承認していたものですが、それがずっと残っております。いまおっしゃった高齢者が生活の一部にやっているような状況でございまして、国鉄といたしましては、両替機を漸次置いて、現在六台置いておりますし、いまおっしゃった両替につきましては、漸次なくしていく方向で検討しております。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 漸次なくしていくという方向ならわれわれもまあまあ納得できるわけですけれども、ひとつその点積極的にやってくださいよ。非常にあれは評判悪いですね、みんな唖然としているわけです。大体人件費が六割以上も占める中で、決して国鉄に人間の数が足りぬとはだれも思っていないわけですから、人員配置にも大いに問題があるわけですからね。サービスの一環として、切符を売るのが大変混雑して、むしろそれが乗客に迷惑をかけるというのなら、国鉄当局で両替専門を無料でやられるということならわれわれもわかりますが、百円天引きするなんていうのはちょっといかぬことですから、ぜひひとつ積極的にやってくださいよ。  それから次に、円高相場についてちょっとお伺いをしてみたいと思います。  まず、政府は最近の円高相場をどのようにとらえておられますか、概要をひとつ。

岸田俊輔大蔵省国際金融局短期資金課長

○岸田説明員 お答えいたします。  最近の東京相場でございますけれども、昨年の十二月の上旬に二百九十七円までまいりましたが、それからずっと騰勢を続ける形になりまして、先月の下旬に二百八十円を割りまして、特に今週の初めでございますけれども、二百七十五円を割って、一時二百七十二円五十銭くらいまできて、昨日などは一応安定をいたしまして二百七十三円、私がきょう出てまいりました時点におきましては二百七十三円二十銭という状況で、一応安定をいたしております。これはいつも申し上げておるかと思いますが、私どもの為替政策といたしましては、基本といたしましては市場の実勢に即していくような形でいきたい。ただ、市場が乱高下をいたしますとか、非常に急激な変動が出てまいります場合には、いろいろ影響も多いものでございますから、それはなだらかにいくような形にさしていきたいというふうに考えております。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 福田総理も、いわゆる円高を利用して物価安定に持っていきたいというふうなことを常々言っておられるわけですが、どうも、言っておられる割りには余り効果が上がっていないと思うのです。西ドイツとかスイスなどでは為替政策で物価安定の基盤を強めているというふうにわれわれも物の本で読んだり聞いたりしているわけです。ところが、わが国では、かなり円高相場が続いていながら、その利益がそのまま関連企業の収益にされて、一般に還元されていない、こういうふうにわれわれは感じるわけですが、そこら辺、積極的な姿勢が欠けているんじゃないですかね。その点どうですか。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 現在の円高につきまして、これが物価に輸入価格の引き下げを通じて反映していくということは当然考えられるわけでございます。そういう意味で、私どもとしてもいまの円高傾向には注視しているわけでございますが、実際にいま民間の企業でそういう問題について出てまいっておりますのは、たとえば石油製品でございますが、石油については各社とも値上げを発表しております。ただ、その際、これが三月実施とか四月実施とかいうような形で出ているわけですが、最近の円高ということもありまして、なかなか各需要家側が簡単には応じないということで、したがいまして、全体としての各物資の需給動向、それから円高の傾向等を全部含めたところで、各供給側と需要家側との間でいろいろ価格についての交渉が行われているわけでございます。その段階で当然にそういう円高の問題が反映してそう簡単には決まらないということじゃないかと思うのでございます。私どもとしては、そういう輸入原材料についてはそういうことでそれぞれの業界の自主的な交渉で値段が決まっていくことが望ましいと思いますが、消費財については、直接消費者がこれを買うということもございますので、その円高がどの程度反映しているのかということについては十分調査をしなければならないと思っております。  ただ、円高になりましたのが、一月の末くらいから急にその現象が出てきたわけでございますので、まだその円高によってそこにどういうような差益が生じているかということについては、なかなか把握できないわけです。一方で、小売ないし卸売側では流通コストの上昇ということを言っているわけなんです。そこら辺を少し物資を選別いたしまして追跡調査をしたいと思っております。そういうことで、輸入価格がこれだけ下がって実際に末端の価格にこれだけしか反映されていないということが明確になりますれば、その時点でいろいろな対策を講じたいと思っておるわけでございます。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 われわれ国民感覚から言えば、一ドルが三百七十円の時代も何年か前にあったわけですね。その当時のいわゆる国内物価と現在一ドル二百七十三円との国内物価とに余りぼくら大きな差異が感じられないのですね。それは何ででしょうかね。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 四十六年の末に円の切り上げが行われたわけです。そこで、四十七年ぐらいの一年についてそれをフォローした調査が日銀で行われておるわけですが、あのときはたしか一九%くらい円が切り上がったわけです。それによって計算上卸売物価などは一・六%くらい下がっていいということになるわけですが、調べてみますと一%くらいになっておるわけです。  この原因は何かということですが、やはり円が上がっていきますと、輸出の相手方が外貨建ての価格を上げるわけです。したがって、円が切り上がっても向こうの値段が上がっちゃうものですから、その部分だけが相殺されてしまうということもありますし、それから四十七年当時は、海外の景気がだんだんよくなってくるにつれまして需要もふえるというので、産地国が強気になるということもあったりしまして、だんだん国際商品市況も上がってきているわけです。そういうこともあって、完全に円高の効果が反映されてないということになるわけでございます。  一方、消費者物価の方では、これもいろいろ調べてあるのですが、やはり先ほどのようなこともありますししますので、工業製品について一部上昇がかなり鈍化しているということがあるのですが、全体として見ますと、やはり流通コストその他にとられてしまう部分が多かったと思われます。  それから、四十八年になってフロートしたわけですけれども、フロートしてからは——フロートということ自身がかなり、物価上昇という面から言うと、世界的な経済の動きがやや物価上昇の方向に行くような働きを持っている点もありますし、また、石油ショック等も出まして非常に大きな相対価格の変化が出てしまったものですから、実際に円高というのがどの程度反映したかということは、その大きな石油価格の上昇の中に入ってしまってなかなか分析できないということでございます。  いまおっしゃったような現在の価格と当時の物価との開きというものについて円高がどう作用したかということになりますと、どうもああいう石油が四倍になるというような動きがあるものですから、そういうものとあわせて考えていかなければならないと思います。石油価格が上昇するまでの間の動きについては、先ほど申し上げたようなことになるわけでございます。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 福田総理の発言どおり、ひとつ円高相場による利益を消費者に還元していただきたいと思うのです。還元するための対策として、今後どのような措置をとっていかれるか、一番現実的にとりやすい方法等もあろうかと思うのですが、その点についてちょっと具体的にお聞きしたいのです。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 やはり円高め効果というのがどの程度反映しているかということをつかまないといろいろな対策も考えられないということでございますので、当面は多くの物資について、輸入して到着する段階から、卸を通って小売を通って末端の消費者へ行くまでの間にその価格の動きがどうなっているかということを詳細に調べて、その上でしかるべき対策を考えたいと思っております。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 ひとつ早急にやってくださいよ。またいつ円安になるかもわかりませんし、早くお願い申し上げます。  円高相場のいわゆるデータをいろいろ集められてそういう措置をしていただいた場合に、円高相場の利益をそのまま還元した場合、その時点でもし円安に逆に転じたとき、いわゆる各関連企業の損失をだれが補うかという問題も生じてくると思うのです。そのときに、円安相場に転じた場合の対応策も考えた上での措置もぜひとっていただきたい、そんなふうに思います。いまはそういうことをやっておられないわけでしょう。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 やはりいまの為替相場がフロート下にある為替相場であるということが非常に大きな問題だと思うのです。いま御指摘のように、円安の問題が出てくるということになりますと、そう簡単に価格の引き下げ指導もできないわけであります。私どもとしては、円高の相場がどの程度続くかというその基調を見定めておかないといけないと思っております。そういうことでございまして、いま御質問のような、円安になったらどうするかということですが、円安について特別な措置をとるつもりはありません。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 もう時間もほとんどなくなっちゃいましたが、先ほど私も申し上げましたように、政治家やあるいは皆さん方は、大臣になることもあるいは金持ちになることも目標じゃないわけですから、いわゆる国民の方々の理解を求めて、協力や共鳴の情念のわいてくる政治を実現することにあるわけですから、そのお手伝いをするのが政治家であり、また皆さん方であると私も認識しているわけです。そういう意味で、公共料金の値上げも当然やむを得ない場合もあるのはよくわかるのです。しかし、一般の方々は感覚的にはなかなか理解しにくい。  そこで、公共料金の値上げを決める各種の審議会はいま幾つくらいあるのですか。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 公共料金について、審議会がそのために設けられているというものもありますし、それから公共料金を改定する際に審議会にかけるというものもあるわけですが、運輸省関係の料金については運輸審議会でやっております。それから社会保険診療報酬の場合は中央社会保険医療協議会というものが厚生省にあります。それから米の場合は米価審議会がございます。それから郵便料金については郵政審議会がございます。審議会としては以上のようなものでございますが、他方、電灯、電力料金などの場合は、通産大臣が認可する際に公聴会を開く、ガスもそうですけれども、そういうようなこともいたしておりまして、全体として多数の意見が反映するような方向で公共料金を決めるということにしております。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 そこで、最後にお願いをしておきたいのですが、公共料金を決める各種の審議会に消費者の代表を参画させるといっても、どの層の人を参画させるかという選択が非常にむずかしいと思うのです。ひとつ消費者の代表も公共料金の値上げを決める審議会にダイレクトに参画させるシステム、方法をぜひ前向きに検討していただきたい、それを最後に強く御要望いたしまして、ちょうど時間になりましたので、私の質問は終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

西宮弘日本社会党

○西宮委員長 中西啓介君の質疑は終わりました。  次は、金子みつ君。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 私は、きょうは物価問題を中心といたしまして、政府の御見解やあるいは政策など伺いたいと思います。そして、それに関連いたしまして、先般視察に参りました神田の青果市場でございますが、その青果市場に関連して二、三お尋ねしたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。  まず、大臣お見えになりましたので、このことはぜひ大臣から伺いたいと思いますことがございますので、ひとつお願いしたいと思います。  それは、申し上げるまでもございませんけれども、石油ショックが起こります一歩手前でございますか、例の狂乱物価のはなはだしいときがございましたが、あのときに現在の福田総理は経企庁長官でいらしたと思いますが、そのときに経企庁長官として物価鎮静三年計画というのをお立てになったというふうに記憶いたしておりますが、その物価鎮静三年計画というのが、申し上げるまでもございませんが、四十九年度は一五%、それから五十年度は一けた、この一けたは結果的に九・八になったわけでございますね。それから五十一年度は八%というふうに計画をお立てになったと私どもは記憶いたしております。こういう消費者物価指数の見通しをお立てになったわけだったのですが、御案内のように五十一年度は——いままで一応抑えていらしたということはわかります。努力をなさったのだと思うのです。五十年の九・八%として一けたに抑えるということにはずいぶん苦労をなさったように私どもも伺っておりますが、五十一年度の場合には、その努力が実らなかったということなんでしょうか、それとも見通しが誤ったということなんでしょうか、公約なさったことが実現できなかった。八%、あるいは年度おしまい近くになったころに八・六%と直されましたけれども、しかし、はるかに超えて九・二%ということになったわけでございます。このことについて、物価のお目付役でいらっしゃる経企庁長官とされましては、どういうふうに御認識なさっていらっしゃるかということと、そして、その見通しが誤ってしまったその理由でございますが、これはあちこちに報告されているものもございますけれども、直接長官からそのことをぜひ伺って考えを固めてみたいと思いますので、お願いいたします。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 まず、五十一年度の消費者物価指数でございますが、実は五十一年度は、御案内のとおり当初の見通しにつきましては旧指数、四十五年指数で見通しをいたしたわけでございます。途中で消費者物価の方には新指数というのが出てまいりました。卸売物価の方は、新指数というのはまだ出ておりませんで、旧指数だけである。新旧が入り乱れておるということがわかりにくい問題点の一つでございます。それからもう一つは、年度中の上昇率というのと年度平均の上昇率というのがなかなか一般の方には御理解されにくいという点がございまして、新旧、それから年度中、年度平均というのが入り乱れておるものですから、かなり専門の方でも、物価について議論する場合にどこをとるかということで、なかなか理解がしにくい点が五十一年度にはあるのではないかと思うのでございまして、この点ひとつ専門の金子先生にも御認識を最初にいただきたいと思うのでございます。  そこで、政府がどういう見通しをしたかと申しますと、いわゆる旧指数、四十五年基準の指数で年度中上昇率を八・二%といたしたわけであります。それを八%程度という言葉で福田総理が読んだわけでございまして、程度というのは四捨五入というか、八・四であれば八%程度というようなことで言っておったわけでございますけれども、これがわれわれの仲間では八%程度というのはそう理解しましても、一般の方には八%というふうに誤解された向きもあるわけでございます。  それからただいまお話の八・六%というお話は、この八・二%というのを、新指数になったものですから、新指数にするとどういうことになるかというと八・六%になるということで、決して政府の見通しを途中で変えたわけではないわけでございまして、そういう旧指数、新指数という移り変わりにそういうことが技術的に考えられたということでございます。  そこで、いま統計局の数字で明らかな数字は、東京都の区部の三月の指数が出ております。これがいわゆる新指数で九・三%と出ているわけでございます。これはもちろん全国の指数でございませんから、全国に直せば若干これより下がるのではなかるりか。衣料費やその他の問題がありますけれども、これもしかし、まだ確報が出ておりませんので、もうしばらくしたら出てくると思います。そこで、この新指数から推計しまして、四十五年の政府の当初見通した旧指数で考えるとどの程度になるだろうかということをいろいろ推計をいたしてみますと、おおむね八・九%程度になるだろうということが推計されるわけでございます。したがって、当初年度中上昇率について政府が八・二%と見通しをしたのが八・九%程度になるということで、〇・七%程度見通しが食い違う、こういうことになるのではなかろうかと思うのでございます。  ただ、これも年度平均の上昇率——年度中ということは前年同月の比較でございますね。ことしの三月と昨年の三月ですから、昨年が異常に高ければことしの三月はそれによって低くなる。昨年が低ければ今度はまた高くなるということで、また季節的な要因に非常に影響を受けるわけでございますから、年度平均で見ますとそういう季節的な要因というのが非常に後ろに引っ込んでくるわけでございますけれども、その年度中ではなくて年度平均で見ますと、新指数で政府の見通しは九・四%といたしておったわけでございまして、おそらく今度新しく発表される全国の推計でもやはり九・四程度になるのだろう、ほとんど見通しは食い違いはないということになろうかと思うのでございまして、年度平均で見る限りにおいては政府の見通しはそれほど——それほどというよりも、ほとんど変わりない。しかし、年度中ということになると、ここに食い違いが出てきたというのが実情でございます。しかし、これは年度中、年度中ということをずっと言ってきておりましたので、いま年度平均では変わらないんだと言うと、余り言いわけ的になるものですから申しておりませんけれども、事実を率直に申し上げますと、そういうことでございます。  そこで、年度中についてどうして政府の見通しよりも上回ってきたかということを申しますと、御案内のとおり、ことしの一月、二月というのが非常に異常寒波でございまして、このときに季節商品の値上がりが非常に激しかったということでございます。そこで東京都区部の数字をとって三月の数字、これは統計局から出ておりますから、これを引用して申しますと、大体年度中で一番値上がりしたものは、やはり季節商品ではお魚なんですね。これはアジとかサバとか、そういう大衆魚が小し不漁であったということもございまして、大体二五・六%程度お魚が上がりました。それから果物が、私の郷里の長崎やその他のミカンがやはり不作でございました。これが一六%くらいの不作だったと思います。それからリンゴがやはり不作ということで、果物の値段がやはり二三・七%程度上がったということでございます。それから野菜は、昨年の十二月までは非常に安定しておりました。そこでこのままいけば、若干は上がるかもしれないけれども、何とかうまくいくのじゃないだろうかと思っておったのですが、一月から三月の間に五割上がったわけでございます。年間を通じますと一〇%でございますから、農家の生活を考えると年間の値上がりとして野菜がそれほど高かったとは思いません。しかし、一月から三月までに異常に上がってきたということでございまして、そういうことがございまして年度中の見通しとしては旧指数で〇・七程度の食い違いが出てきたということでございます。  それから、もう一つは公共料金でございます。公共料金は、御案内のとおり、狂乱物価のときに非常に低く抑えました。これは当時の状況としてやむを得なかったと私は思いますけれども、やはりいつの時点にかこれを正常の状態に戻していかなければならない。それをいつやるかということでありまして、これを五十一年と五十二年、両年度にわたって調整をしていくべきであると判断をいたしたわけでございます。特に五十一年度に若干の重しがかかった。したがって、八・九%の中では、結果的に見ますと二・六%程度が公共料金の寄与率になっておるというのが実情でございます。しかし、公共料金については、やはり年度の初めから二%強、これが二・四になるか二・五になるかは別といたしまして、やはりある程度の上昇はやむを得ない、またそうしなければ公共料金のひずみを将来に残して、大幅に後年度において値上げをしなければならない、そういうふうに判断をいたしたわけでございます。これが物価の政府見通し、また今日の物価についての状況、原因であるというふうに考えておる次第でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 いろいろ事情の御説明がございまして、一応そのこともわかるわけでございますけれども、お話の中に幾つか出てまいりました問題で、さらにお尋ねしたいと思います。  消費者物価指数を決めるための手段、手だてというものがいろいろあると思うのですけれども、その中でいま見通しよりも非常に高くなってしまった原因として、ことしは大変に厳寒であったという理由が出てまいりました。しかし、野菜や果物などというものにつきましては、天候に左右されるというのは例年のことでございますね。ですから、指数をお決めになる前には必ずそういうものも計算に入れて、そしてあらゆる状況を踏まえた上で最終的に数字がはじき出されるというふうに私たちは理解するわけです。ですから、天候の問題も当然のことながら入っていたに違いないというふうに考えるわけですが、その入り方にやはりいささか見違いがあったのじゃないか。  それからいま一つの問題は、公共料金が非常に大きなウエートを占めて物価を引き上げている、押し上げているということになるわけです。政府が物価を抑えようと思っても天候なんというものは抑えようがないというふうにおっしゃるかもしれないのですけれども、それらは十分に考えたとしても一〇〇%思惑のようにはいかないということはわかるわけですね。ですから、そこら辺の見通しが違ってくることは理解できると思います。しかし、公共料金というのは政府が抑制できる唯一の要素じゃないかと思うわけです。ですから、公共料金の動かし方、抑え方次第で物価の指数の上がり下がりがむしろ出てくるのじゃないかというふうにすら考えられるのでございます。  いま長官は、狂乱物価、そしてその後の石油ショックで非常に不況になったということがあって公共料金は抑えていた、それを平常に戻さなければならぬというふうにおっしゃったわけですが、平常に戻すことはわかりますけれども、今度のような形で結果が出てしまいますと、原則として、特別な年でなく、常に物価指数をお決めになるときに、公共料金が占める割合、これはどの辺に位置づけをして押さえていらっしゃるのか、それが基本になると思いますので、それをまず教えていただきたいのです。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 天候の見通し、当然最初から入っているじゃないかという御指摘になりますと、今度の寒波というのは、豪雪地帯あるいは寒波の地帯からも大変な御陳情をいただいて、これを特別に考えよということで各委員会でもお話をいただいておるわけでありまして、この寒波を予想したかと言われると、見通しを誤ったと率直に申さざるを得ないわけでございます。やはり一月から三月までに野菜が五割も上がるということは、私ども全く予想しなかったわけでありまして、この点についておしかりを受ければ、もう当然私どもが見通しを誤ったと申し上げなければならないと思います。ただ、年度平均ということもやはり御理解いただきたいと思うのです。そのときの偶然の要素で上がったり下がったりする年度中ということで言っておりますけれども、年度平均で見ると政府の見通しというのはほとんど変わっていないということはひとつ御理解いただきたいわけであります。そのことは専門の金子委員でございますから十分御承知のことと思いますので、ひとつ私が申しました点について、細かい数字についてさらに御検討を賜れば非常に幸いだと思うわけでございます。  それから、第二点の公共料金であります。これは私は非常にむずかしい問題だと思うのです。毎年どの程度のウエートを占めさせるかということは、やはりそのときの物価情勢、他の物価との関連で決めていかなければならないわけでございます。過去において二回くらい公共料金一年間ストップということをいたした時代がございます。とにかくもう狂乱物価、あるいは物価をどうしても抑えなければいけないということで、公共料金は一切上げないという年もございました。私もその一回のときには企画庁の政務次官を十数年前にやったこともございますし、またその次の時代には与党の政策の責任者の立場にあったわけでございまして、その間の事情をよく承知をいたしておるわけでございますけれども、これは劇薬のようなもんで、なかなかむずかしいわけであります。必ずその反動がいつの時期にかやってくるということでありまして、公共料金のストップあるいは公共料金の抑制ということはよほど慎重にやらないと、後で大きなツケで返ってくるというのが私どもの経験でございます。したがって、昨年は二%強といたして考えまして、結果的に二・六%程度旧指数では公共料金が八・九の中に入っておるわけでありますけれども、五十二年度はどうするかということになりますと、予算でいまはっきりしておりますのは、国鉄を九月から一九%上げるという問題と、それから電電につきまして電話の基本料金等が四月から上がるというような、もうすでに決定済みのもの、こういうものが予算の中に入っておるわけでございます。これが両方合わせましておおむね〇・六%程度ということになるわけでございます。そのほか公共料金としては、医療費であるとかお米であるとか、あるいはその他タクシーであるとか地下鉄であるとか、いろいろあるわけでございまして、その一つ一つがどの程度に落ちつくかということはいまから予想することは非常にむずかしいわけでございますが、全体としてひっくるめて二%程度、とにかく五十一年よりはもう絶対低い水準に抑えたいということを考えておるわけでございます。  ちなみに、二六%ということを旧指数で八・九%の中で申しましたけれども、九・三%という東京都区部の中で申しますと、これは三%程度になるわけでございますから、やはりこの分を来年は二%程度に抑えたい。そういう目標で進んでいきたい。したがって、五十二年度は五十一年度よりは公共料金の物価上昇に寄与する分を少なくしたいというのが私どもの基本的な考え方でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 来年度のことをお尋ねしようと思っておりましたので、後ほどお尋ねさせていただきますが、これは来年だけでなく、今年も、毎年そういうことだと思いますが、物価指数をお決めになる要素の一つとして、これは公取の方にお尋ねすることになりますが、モニター制度というものを持っていらっしゃいますでしょう。これはやはり物価を調整したりあるいは決めたりするための一つの大きな要素にお使いになっていらっしゃるのだろうと私どもも思うのですが、このモニター制度のことなんです。その効果ですね、モニター制度、全国で八百十八名の婦人の人たちにモニターになっておもらいになって、そしていろいろと報告を寄せてもらっていらっしゃるようですけれども、そのことがどれくらい効果があるのか。効果がないとは言えないのだとは思いますね。マイナスだとは言えないと思いますが、プラスの程度、どの程度効果があってやっていらっしゃるのか、あるいは、そういうものをやっているということが、勝手にやっているのではないぞという一つの、何と言うのでしょうか、言葉は悪いですけれども、隠れみののような形になっているのではないだろうかというような感じもしないではないのでございますね。それで、そのことがぜひ教えていただきたいと思いますことです。  それと、もしできますれば、細かいことになって恐縮ですけれども、八百十八人の方たちはどういう形でお選びになったのかということですね。それで結果的にどういう人が選ばれていらっしゃるかというのを聞かせていただけませんか。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○長谷川政府委員 お答えいたします。  御案内のように、私どもいま現在、八百十八人の消費者モニターを擁してございますが、私どもの消費者モニターを設けました一つのねらいと申しますのは、単に消費者の御意見を伺うということよりも、私どもの仕事に直接御協力いただきたいということが非常な主なる目的でございまして、いろいろな仕事をお願いしてございます。たとえば、特定なことにつきまして調べていただくということもございます。さらに、一般的に何でも御意見があれば伺うということもございます。したがいまして、直接私どもで調べていただくという場合には、それは一〇〇%利用さしていただいておる。たとえば、最近問題になっております天然自然食品というものがございますけれども、天然自然ということにつきまして、そういう表現につきまして消費者の方はどうお考えになっているかということをアンケート調査します。その場合には、その消費者の御意見というのは、これは直ちに利用さしていただいておる。あるいは、われわれがいろいろな不当表示につきまして基準をいろいろ決めます。そのときに、消費者の皆さん方の意見を伺います。そういう機会が、たとえば昨年の例でいきますと、そういうふうな会議を、われわれ表示連絡会と言っておりますけれども、十回ほどやっております。このときにはもう消費者の意見を直ちにお聞きするということでございまして、どの程度利用さしていただくというのはちょっと数字的に御説明するのはなかなかむずかしいわけでございます。さらに、われわれとして非常に期待しておりますのは、私どもの役所は必ずしも人数が多くございませんので、一つはわれわれにかわって監視の目を光らしていただく。これは無形の、形には出てこない働きでございますけれども、やはり消費者モニターの八百人の方が全国で目を光らしていただくということはわれわれにとって非常にありがたいことだと思っております。さらに、直接消費者の皆さんからの、モニターからの御報告によりまして、それが一つの端緒になりまして違反事件を摘発したという例もございます。私どもとしてはかなり積極的に使わしていただいていることであります。  これは単なる一例でございますけれども、私どもとしては、消費者にお願いしております。いろいろ直接私どもがこういうことをやっていただきたい、あるいはこういうふうなことについて意見をお伺いしたいというアンケート調査の場合と、それから自由に消費者の皆様方から御意見を伺う、二つの方法がございます。御参考までに申し上げますと、昨年度、これは手元には十一月までの数字しかございませんけれども、自由通信という形で、消費者の皆さんから自由に、問題を特定しないで御意見を寄せられたもの、これは十一月までで千四百六十六、三月末で多分二千件くらいになっていると思いますけれども、千四百六十六でございます。そのうち、何らかの形でわれわれとして利用さしていただいたものは五百六十六、これは必ずしも五百六十六件ということではございませんで、たとえばこの間新聞にちょっと出ておりましたように、プロパンにつきましての値上げにつきまして、昨年幾つか違反事件として取り上げましたけれども、その場合には、その消費者のモニターからの御意見も一つの端緒になっております。ただ、その場合には、同じ内容につきまして数人の消費者の方から意見が寄せられるということもございますので、必ずしもこれは件数ということではございませんけれども、そういうふうに利用さしていただきます。  なお、消費者モニターの選考の仕方でございますけれども、一応基本的には、二十歳以上の御婦人の方ということにしております。さらに、三年以上の再任は避けたいという考え方でおります。そうしまして地域別に人口等を勘案しまして、一応枠を割り振ってございます。そしてその中で、年齢、あるいは御本人あるいは御主人の職業、あるいは消費者団体等への加入の状況等を考えまして、なるべく偏らないようにということで選ばしていただいております。  実際的には、約三分の一は前年度からの方の再任でございます。私どもとしては、できる限りよく御協力していただく、よく活動していただく方をなるべく選びたいという気持ちもございますので、約三分の一は前回からの引き続きの方です。あとの三分の二が新しく選ぶわけでございますけれども、いま申しましたように、年齢的に、地域的に、あるいは御職業等から偏らないようにということを基本的な考え方として選ばしていただいております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 モニターのことは大体わかりましたが、偏らないようにということで選んでいらっしゃることは当然だと思うのですけれども、職業で、外した職業というのはあるのでございますか。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○長谷川政府委員 特にないと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 いま一つだけお尋ねさせてください。  自由通信のほかに、こちらから決めてお頼みになるものがあります、それからアンケート調査をなさる場合もあるとお話しになりましたが、それは随時なさることなんだろうと思いますが、その調査の結果ですね、公表なさっていらっしゃいますかしら、私も不勉強でよくわからないのですが。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○長谷川政府委員 通常の場合は特に公表しておりません。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 なぜですか。公表なさっても別に害はありませんね。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○長谷川政府委員 特に害はございませんけれども、強いて公表する必要はない。特に、場合によりましては、違反事件の審査に関連して情報を集めるということもございますので、そういう場合には公表できないものもございます。そういうこともございまして、通常特に公表しておりません。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 その問題で余り時間をかけたくはありませんけれども、私は公表した方がいいと思うのですね。特別な事案については伏せておかれてもいいかと思いますが、それは行政的にお考えになってもいいと思いますけれども、一般的なものは、どれくらい、どういう人たちが、どんなふうにモニターとして回答を出しているかということ、これは私は一般の家庭の主婦にも非常に参考になると思うのですね。ですから、そういう意味では、物の値段のことに関連することですから、非常にみんな敏感ですし、真剣に考えていますから、そういう制度があってそういうことを政府でやっていらっしゃるのだったら、こういうことになっているのですよということはやはり知らせることの方が親切じゃないでしょうか。そういうふうに考えますが、いかがですか。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○長谷川政府委員 特定の事項以外は私どもの方で特に秘密にしようという気持ちは全然ございませんので、公表する方法につきまして検討させていただきたいと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 御検討くださって、発表できる方向に御検討いただきたいというふうに思います。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○長谷川政府委員 そのように検討させていただきたいと思っております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 それでは、経企庁に戻りますが、先ほどお話がちょっと出ました来年度の問題でございますが、来年度七・七%というふうに一応見通しを立てていらっしゃいます。その七・七%という見通しが、まあことしの例があるからということではございませんけれども、この見通しが大きく上回ってしまうというようなことがあっては大変だと思うわけですし、そうなっては困ると思いますので、そういうことのないようにしていただきたいと思いますが、七・七をお立てになったその基本的な理由でございますね、それは概略で結構でございますから、大きなポイントだけでも教えていただけますでしょうか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 物価安定のためにはあらゆる政策手段を動員していかなければならないわけでございますので、その一々についてはまた御質問に応じてお答えいたしたいと思います。  来年度の一つのポイントは、先ほども申しましたように、公共料金の値上げ率を五十一年度よりは少なくしたい、また少なくなるであろう、そういうことが一つのポイントにはなっております。それは、たとえば電力やガス、そういう大口のものが一応五十一年度に一巡しておりますので、五十二年中はないわけでございます。それから国鉄、電電も残っておりますけれども、国鉄は、御承知のように、五十一年は五割も値上げしたということでございますけれども、五十二年度はいま御審議をいただいておるわけでございますが、九月から一九%ということで、確かに大幅ではありますけれども、五十一年度に比較すると低い、そういうこともございまして、公共料金の寄与率が少ないということが一つのポイントでございます。  その他の問題は、生鮮食料品であるとか、非常にむずかしい問題でございますが、競争政策、流通政策、あらゆる施策を動員しながら物価の安定に努めてまいりたいというのが基本的な姿勢でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 いまお話のありました公共料金ですが、先ほど二%くらいに抑えたいというふうにおっしゃっていらっしゃいましたね。大口のものは大体五十一年度に上がってしまったというふうにもおっしゃったわけですけれども、まだ大分残っておりますね。まだこれからお米も上がりますでしょうし、それから六大都市はタクシーが上がりますね。それからバス、私鉄、こういうものもこれから上がることになっておりますね。それから医療費も必ず上がるであろうというふうに考えられる。日本医師会では二年分一遍にここで上げなければならぬというふうに申し入れをしていらっしゃるそうですから、そこからも上がってくるだろうというふうになりますと、また思惑が違ってくるということになるのじゃないかという懸念がないではないのでございますね。その辺をぜひ考えていただきたいと思います。  続けてお尋ねしてまいりたいと思いますのは、長官は不況対策すなわち景気回復の問題とそれから物価の問題とを両方同時に進めていかなければならないから進めていくというふうに御発言になっていらっしゃるのを伺ったことがございます。これは大変にむずかしいことだろうと思うのでございますね。これがお互いにうまく正比例すればいいのですけれども、むしろ逆になるのじゃないかというふうに思いますから、大変にむずかしいことだろうと思います。二つのものを一遍に——二兎を追えば一兎も得られないという言葉もございますように、どっちかがどっちかに偏ってしまうということになっていくんじゃないかというふうに私どもは考えられます。  なぜいまの時代——いま不況も大変に問題ではございますけれども、時間がございませんから数字を挙げるつもりはございませんが、不況の問題とそれから物価高の問題とがいわゆる勤労者家庭に大変大きな影響を与えていて、そして消費支出が大変下がっているという問題は、もうあちこちで報告されておりますからもちろん御存じでいらっしゃると思いますが、まあ名目で八・二%消費支出は上がっているようになっています、これは去年との同月比でございますが。しかし、実質で〇・八%下がっているし、その中身はどれもこれも減なんですね、生活の実態としては。たとえば食料費も下がっている。〇・九%下級分位階層は下げられてしまっている。それから被服費も〇・八、雑費が三・八%というふうに下がっていってしまっている、下がらざるを得ないという実態があるわけです。上がっているものがたった一つあって、光熱費、これが五・八%増加しているということなんですけれども、これは一般のサラリーマンの人たちの生活調査の報告、これは総理府が出しておりましたものでございます。  ですから、収入が一般的に中産階級の人たち、あるいは中あるいはそれ以下と考えられるかと思いますが、大変に苦しい。それと見合うわけではありませんが、個人営業とか自由業とか大企業の経営者なんかは、名目も実質もともに増加しているというような大きな違いがある。こういうような実態の中で両方やっていくというのは大変むずかしいのじゃないかということをしみじみ思うわけなんです。どうして物価をナンバー一に考えていただけないのであろうか。  西ドイツあたりの例を見ますと、物価安定に最大の努力をし、これを一番重要科目としてトップに挙げて政策が進められているというふうに私どもは聞いております。五十一年度では四・五%、五十二年一月は四%という消費者物価指数だというふうに報告されておりますが、国が違いますし、事情がいろいろと違いますから、一概に比較するわけにはいかないということもわかります。しかし、西ドイツあたりは大変に——失業者の数も日本とほとんど同じですね、百二十万。日本が百二十二万ですから、ほとんど同じですが、報告の中には、国民が大変厳しくこれを監視しているということがございました。日本の国民は厳しく監視していないのかということなんですけれども、これはなかなか評価の仕方はむずかしいと思いますが、しかし、何となく長いものに巻かれるというような感覚は日本の人たちにはあるわけでございます。仕方がないじゃないかというふうな考え方が出てくるわけですね。そうすると、そのことに政府が甘えているという言葉はおかしいですが、そういうような気分が少しでもあって、対策を立てるのに物価対策をナンバー二にする、そして景気回復をナンバー一にするというような置き方をしていらっしゃるように思えるのですが、これはやはり取りかえる物価対策をまずやっていただかないと、非常にみんなの生活が苦しくなっているという実態もございますので、そこら辺は長官はどのようにお考えになりますでしょうか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 まず、公共料金の方からお答えいたしたいと思いますが、公共料金は、ただいまお話しのように、医療費とかお米とか、あるいは足の問題、タクシーとかそういう問題があることを私ども十分承知いたしております。したがって、これについては厳格な査定をいたしてまいりたいと思っておるわけでございますが、同時に、医療費とかお米は大体毎年議論されておるところでございますので、これは毎年のルールに従って、できるだけ物価安定という立場から私どもの意見は申し述べていきたいというふうに思っておる次第でございます。  それから、物価と不況とのトレードオフの関係、したがって失業の問題でございますが、いま西ドイツの例をお引きになってのお話でございますが、西ドイツは、いま先生お話しのように、第一次大戦、第二次大戦の教訓から、インフレに対して国民が非常な恐怖感を持ち、またインフレ抑制ということがあらゆる政策に優先する、ちょうどアメリカにおける独禁法のような位置づけに物価安定ということを置いておるわけでございます。  ところで、いま失業者の数が一緒だというお話がございましたが、西ドイツは日本の人口の半分以下でございますから、いま四・五%くらいの失業率、日本は二%前後ですから、日本の失業者の二倍以上いるというのが西ドイツの状況でございます。  それから、輸入政策、為替政策というのを有効に使っておるわけでありまして、工業製品等の輸入もどんどんやるということで、かなり政策の態度が違うわけでございますね。したがって、西ドイツのような政策をそのまま日本に持ってこれるかどうかということになると、私は若干これに疑問の点を抱いておるわけでございます。  日本の場合に、保護しなければならない幼稚産業もございますし、また同時に、日本の場合には、終身雇用制ということで、失業の問題が鋭角的に出ておりません。しかし、失業のこわさというか、この問題というのをやはり相当頭の中に置いておかないといけないということで、非常に頭を悩ましておるわけでございまして、いまの場合は何とか企業がそういう雇用制度の中で持ちこたえておりますけれども、しかし、いよいよもうやっていけないということになれば、これはやはり人員の整理という形で弱い者にしわが寄ってくることは必然の勢いでございます。  したがって、私は企画庁長官でありますから、何とか物価ということを第一義的に置きたいということはもちろん私の気持ちの中にあるわけでございますけれども、同時に、欲張ったようでありますけれども、人生最大の不幸である失業という問題は何とか抑えていきたい、それがやはり国民経済の安定のために必要ではないかという私の願望、気持ちをいずれかの機会に申した次第でありまして、決して物価をおろそかにしておるのではないということを御理解いただきたいと思うのでございます。  それから、最近はコストプッシュの要因で物価が上がってくるというのが、この低成長時代の一つの問題点でございます。それから、海外の商品の値上がりということは、やはりどうしても避けられない問題があるということも御理解いただきたいと思います。  それから、消費支出の問題でございますが、これは御案内のように、数年前は、一分位、非常に所得の低い層の支出が非常に減ったという面がございました。非常に収入が少ないので、かえって貯蓄をして、支出を減らすという傾向がございました。しかし、五十一年度に限って申しますと、この一年間におきましては第一分位の収入はふえました。それから支出もふえております。     〔委員長退席、加藤(紘)委員長代理着席〕 一番減っておるのが五分位層、すなわち所得の高い層の収入が減り、また支出も減っているということで、全体として見ますと、勤労者については御指摘のとおりでございますけれども、一分位、二分位、三分位、四分位、五分位とずっと細かく分析しますと、所得の高い層の収入が減りそして支出が減っている。これが全体の消費支出を非常に低迷させているものであるというのが統計の分析の結果には出ておりますので、この点も御理解いただきたいと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 時間が参りましたのでここで質問を打ち切りたいと思いますけれども、五十二年度の物価の値上がりの問題につきましては、重々検討を加えていただきたいと思います。同時に、国家予算が五十二年度で三回目の赤字国債発行ということになっております。しかも、それが非常に大量な赤字国債でございますから、このことがインフレに影響を及ぼすということも考えられないことはない。そのことが五十二年度の物価にもはね返ってくるだろうというふうに考えられますので、何とかインフレを抑える手だて、政策、それをあわせて厳しく考えていただきたいということを強く御要望申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員長代理 米沢隆君。

米沢隆民社党

○米沢委員 四十九年の三月に施行されました大規模小売店舗法に基づきまして、いま全国各地で大型店の進出を阻止するあるいは制限をするというかっこうで、各地の商工会議所あるいは商工会の商業活動調整協議会、いわゆる商調協等でいろいろと問題であるというふうなことがよく報道されております。御案内のとおり、熊本の商工会議所のダイエー進出反対決議はその大変象徴的な事件でありましたけれども、神奈川の小田原方式、北海道の釧路方式、石川の小松方式、大分市方式等々の動きに加えまして、最近は県の条例あるいは市の条例などによってその規制を強めているということもいろいろと新聞だねに取り上げられております。五十一年には、各地方自治体も、知事会あるいは市町村長会においても、大店法そのものの改正運動として、その火は見る間に拡大しつつあることは御承知のとおりでございます。同時にまた、四十九年三月以来の商調協の動きなんかも絡みまして、経験的にもその運用面においていろいろと問題点が指摘をされておることも御案内のとおりでございます。したがって、私は、きょうは、この大店法の問題については商工委員会の問題でありましょうけれども、消費者行政との関連においてこの問題をただしてみたいと思います。  御案内のとおり、大店法のその第一条「目的」の項に「この法律は、消費者の利益の保護に配慮しつつ、大規模小売店舗における小売業の事業活動を調整することにより、」云々と書いてありまして、また第十一条にも、新たに条項を起こしまして「消費者に対する配慮」というものがうたわれております。大店法が旧百貨店法に比べて最も異なっておりますのも、店舗の新設が許可制から届け出制になったと同時に、消費者利益の保護が商業活動調整の優先事項となったことである、そういうふうに聞いておるわけでありますが、まず通産の見解を聞いておきたいと思います。

山本康二通商産業省産業政策局商政課長

○山本説明員 お答え申し上げます。  百貨店法から大店法に切り変わりましたときに、幾つかの考え方の大きな変革がございましたが、その非常に大きな一つに、先生おっしゃいますように、消費者利益への配慮ということが強くうたわれておりまして、私どもも常にその点を念頭に置いて法律の運用を図っておるところでございます。     〔加藤(紘)委員長代理退席、委員長着席〕

米沢隆民社党

○米沢委員 しかしながら、四十九年の法施行後ここ数年間、大販店の進出をめぐりまして、全国各地でいろんなトラブルが発生をしておりますけれども、その間、大店法に基づく商調協の調整過程におきましても、またあるいは、それに準じたいわゆる附帯決議事項の調整というものもいまはやりでございまして、そういう調整過程におきましても、そういう消費者利益の保護という観点からのアプローチが一体あるのだろうかということを問われたならば、ちょっと消費者利益の保護というものは横に置かれておるという感じがしてなりません。  そこで、経済企画庁あるいは通産省にちょっと見解を承りたいと思うのでありますが、まず現状認識の問題でございます。御承知のとおり、この大販店の進出というものは、いわゆる第二期の流通革命だ、こう言われまして、そういう一つの動きの一環として全国各地に進出したことは皆さん御承知のとおりであります。そういうものが従来の商業秩序というものを混乱させるという一面もありましたけれども、反面、この大規模小売店の進出というものが、特に消費者利益という面で与えた影響は大変大きかったんではないかと思います。  そういう意味で、まず経済企画庁長官にお尋ねをしたいのでありますが、こういう大規模小売店の進出というものが与えた好影響あるいは悪影響もありました、そういうものを含めまして、消費者利益に果たした役割りについて、どういうような認識をされておるのか、どういう評価をされておるのか、また、今後何をそれに期待されるのか、まず長官に聞きたいと思います。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 大型小売店の評価でありますけれども、これは申すまでもなく、大量仕入れそれから大量販売、また産地直結あるいはプライベートブランドでバターやしょうゆ、そういうものの開発などを通じまして、流通の短絡化、合理化に刺激を与え、そして新たな競争条件をつくっていったという点について、物価安定のためにも大きな役割りを果たしておると思います。  ただ、消費者のニーズという点、また、現在まであります日本の小売業の形態ということを考えてまいりますと、日本の小売店というのが、なりわいと申しますか、一軒のうちで家族ぐるみで働いて商売をやっているという非常に零細な小売店というのがあるわけでございますから、そういうものに対して非常に生活を奪うというような点も一面において出てくるわけでございます。したがって、その間のトラブルというのが各地で起こっておりまして、なかなかこれは実際問題、経済問題というよりも社会的な問題として非常にむずかしい問題を起こしておることは御承知のとおりでございます。  したがって、ここに秩序ある競争を確保するということが非常に大事じゃなかろうかと思っておるわけでございまして、たとえば青果物を一つとってみましても、主婦の人たちがどういう店舗で買うかということになると、やはり新鮮で安いということも一つの大きな条件でありますが、同時に、近くて便利だという点も条件になってくるわけでございますので、やはり努力次第ではそういう小売店の存在意義というのも非常にあるわけでございますので、その間両方が共存できる形をどうやって見出していくかということがこれからの課題ではなかろうかと思うわけであります。

米沢隆民社党

○米沢委員 そこで、通産の立場からお伺いしたいのでありますが、流通近代化のてこの役として、これから先こういう産業をどういうふうに位置づけておられるのか、将来の方向をちょっと聞かせていただきたいと思います。

山本康二通商産業省産業政策局商政課長

○山本説明員 大型量販店が消費者に与えました利益の点につきましては、私どもも、ただいま長官がお答えになりましたと同様な認識を持っております。特にセルフサービス方式という、極力人件費を節約するような新しい方法をわが国に導入いたしまして、大量の一括購入をし、あるいはメーカーに逆に一定量のまとまった発注をすることによりまして、従来ややもすればメーカー主導のもとに価格形成が進められてまいりました小売業におきまして、メーカーの価格支配力に対するアンチテーゼとして働いてきた役割りというのは高く評価すべきものだと思っております。  それから、将来における流通のビジョンでございますが、私どもの基本的な考え方といたしましては、小売につきましては実にいろいろな形態のものがございまして、デパート、スーパーそれからショッピングセンター、専門店、旧来の小売店、さらにはコンビニエンスストアあるいは中小企業の寄り合い百貨、実にいろいろな形態の小売業があるわけでございますが、私どもといたしましては、いろいろな形態の小売業が併存をいたしまして、その相互の間に有効な競争が維持されて、消費者国民の多様化するニーズに十分こたえるような小売の形態が今後達成されることを期待しているところでございます。

米沢隆民社党

○米沢委員 一応の評価をいただきましたけれども、しかしながら、各地に進出しております大型店に対して批判が厳しいことも、これは事実でございます。御承知のとおり、いろんな批判がございますけれども、結局、開店のときだけが安くてあとはいいかげんだという議論があったり、地元商工業者との間で不必要な価格競争、ただそれだけを残して何となくいらだちが残るとか、そういうものもありますし、急激に大きくなりましたので、店員の接客態度とかあるいは商品知識がないとか、そういう御批判も消費者の中から出ておりますし、また、進出地での何か地域の環境と不協和音が大きく出てくるとか、あるいはまた、消費者に対する、いわゆる商圏の掘り起こしという感じでの従来までの商売とは違って、新しい商圏を掘り起こして共存していくというようなそういう感覚がどうも薄いとか、いろいろと各種の批判があるわけであります。  しかし、こういう批判を聞かしていただく中で、特に感じますのは、まあ商売だから、すなわち勝手に自由にやってくださいというものが余りにも前面に出過ぎて、こういう不協和音が出る場合に、指導が大変徹底していないという一面が指摘されるのではないと思います。それが今日のように、ただ大きければ悪いという形でいわゆる大販店の進出阻止に立ち上がるというそういう動きを、一面、そういう指導の不徹底さというものが支えておるような感じがするのでありますが、いままでどういう指導をなされてきたのか、そのことをちょっとお伺いしたいと思います。

山本康二通商産業省産業政策局商政課長

○山本説明員 これまでスーパーに寄せられます批判の一番多いものは、むしろ異常に安く売り過ぎ、周辺の小売商に非常に大きな影響を与えるという安売りなり、非常に大きな資金力に任せた過大な——過大なというか、強力な広告をして周辺小売商に大きな影響を与えるというような御批判が一番多かったように思われます。この辺につきましては、一つは独占禁止法及び不当景品防止法というような各種の取り締まり法規がございまして、その範囲内で十分な指導なり規制がなされておるわけでございます。それから、先生御指摘になりました、売り出し途端についてだけ安くてというお話につきましては、確かにスーパーが、過去のような簡単な店づくりから非常に大規模かつデラックスな店になりまして、資本コストが非常にかかる。それからごく少量、店の数が少ない時代でございますと、金融流れのようなものを拾ってきて、かなり安く提供することもできたわけでございますが、最近のように非常にたくさんの傘下の店に計画的に品物を配る必要があるということになりますと、なかなかそう出物だけでは賄い切れないので、やはり十分計画をし、適正なコストをかけた品物を供給するようなことになってまいりますので、一時言われましたように、非常に安いものというのがスーパーの方でもだんだん確保しにくくなっている事情はあろうかと思います。したがいまして、消費者の方からも、スーパーは一時ほど安くないという御批判も起こっているわけでございます。これに対しまして、特に最近一部の大手スーパーが、やはりスーパーというのは出発の原点に返って、安くていいものを消費者に供給するように努力をすべきであるというような運動も提唱されておりますので、その辺、新しい動きとして私ども注目しておるところでございます。

米沢隆民社党

○米沢委員 地元とのいろいろなトラブル、混乱等に際して、前向きに各種の法律を使っていろいろと指導をされてきたというような御返事が返ってきたわけでありますが、実際は、いまの商調協の問題でもほとんど地元任せでございまして、皆さんがそんなに立ち入っていく可能性なんかほとんどないようなかっこうにでき上がっておりますね。そういうものが逆にまた混乱の輪を広げていくというのが現実的には事実ではなかろうかと私は思います。法施行後今日に至るまで各地でこういうトラブルが発生しておりまして、その間いろいろな報道があったり、いろいろな報告等が来ておると思いますが、仄聞しますところ、何しろ地元の商工業者と進出してくる企業とのトラブルがおさまりさえすればいいということで、その中には消費者という感覚なんか全然ないのですね。そこがわれわれにとっては大変大きな不満なんでございます。  そこで、私は経済企画庁長官にお聞かせいただきたいのでありますけれども、消費者行政あるいは物価行政の監督官庁として、こういう動きに本当に関心を持っておられるのかどうか。持っておられたとするならば、何か発言をされて、消費者の利害ももう少し考えてほしいという、そういう働きかけというものを何かなされたことがあるのかどうか、ちょっと聞かしていただきたいと思います。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 形式的に申しますと、大規模小売店舗審議会の中に消費者代表も入っているということでございますけれども、こういう形式的な問題ではなくして、私どももやはりこれからの流通革命の中で大規模小売店というのがどういう役割りを果たすかということには非常に深い関心を持っております。また、私自身もしばしばそういうところにも出向いて、どういう形で仕入れをし、どういう商品にどういう特色があり、またどういう消費者層があるのかというような勉強をいたしております。ただ、経済企画庁としてそれじゃこれについてどういう発言をしたかということになりますと、私が就任いたしましてから公式にこの問題について発言をいたしたことはございません。しかし、深い関心を持って勉強いたしておるというのがいまの実情でございます。

米沢隆民社党

○米沢委員 たとえば、いま商調協が調整をやっておりますけれども、その過程において消費者の利益というのが守られておるというふうにお感じでしょうか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 消費者の利益が守られているか守られていないかというのを、どういう価値判断でするかという問題もあろうかと思いますけれども、消費者の利益が守られるように地元においていろいろ努力をしておられるというふうに思っておる次第でございます。

米沢隆民社党

○米沢委員 またそれは後でお尋ねしますが、商工行政の立場から、現実は消費者の利益の保護に配慮が行き渡っておるというふうに見ておられますか。大店法に言いますいわゆる消費者利益の保護というこの項目をどういうふうにお考えなのか、ちょっとお聞かせいただきたい。

山本康二通商産業省産業政策局商政課長

○山本説明員 御承知のとおり、大規模小売店舗法は二つの非常にむずかしい目的を持った法律でございます。その一つは、大型小売店が進出することによりまして周辺の中小小売商業者の営業の機会が著しくなくなることを防ぐために、通産大臣はその出店計画を審査して、周辺中小小売商業者に相当程度の影響を与えるおそれがあると認めるときはその計画の変更を勧告しまたは命令をすることができるという規定がございまして、まず大店法のねらっております一つの目的は、周辺中小小売業者の営業機会の確保ということでございます。それから、その調整行為を行う際に特に配慮すべきものといたしまして、消費者利益の保護ということがうたわれておるわけでございまして、考えようによりましては、相互の相矛盾する目的を個々の案件に即していかに調和させながら対処していくかということに非常にむずかしい面がございまして、私ども施行には大変苦労しているところでございます。  先生のお尋ねの件につきましては、われわれは、小売業というのはその地域地域に非常に密着した産業でございまして、中央で書類をながめながら審査をするのでは十分な判断が得にくいという考え方から、商工会議所、商工会ごとに商調協というものを置いておりまして、その中には消費者の代表、学識者それから商業者の代表と三者構成で、十分地元の実情に明るい方々にお集まりいただいて御議論をいただく体制をとっておりますので、非常に数多い案件でございますから個々的に見ればどうかなというケースが全くないとは申せませんが、大勢といたしましては、複雑な利害調整に対応する方法として現在の大店法はうまくワークしているのではないかと考えている次第でございます。

米沢隆民社党

○米沢委員 そうおっしゃいますけれども、一番問題は、地元任せの問題ですね。たとえば、店舗の新設などに際しましては、許可制から届け出制になりました。しかし、そう制度が変わりましたけれども、現実的には地元との事前調整をした上でないと受理しないというのがいままでの方式ですね。そういう意味では、地元業者と入っていく店とが話し合いが事前につきさえすれば、大体トラブルがないと判断をして受理しましょう、こういうかっこうですから、届け出をした後に商調協が開かれて形式的な議論になっても、そのときには消費者なんか理屈を言う暇はないのですね。言うたところで、それは進出のスーパーさんもちゃんとオーケーと言うておりますから、皆さんがそうおっしゃっても相手も納得したことですから、これで勘忍してください。そうなりますと、消費者なんかが理屈を言う暇はないのです。そういう意味では、ぼくは消費者の利益、消費者代表の声なんというのは形式的で、委員の中に消費者の代表がおるから結果的にはその消費者の意見も通っておるだろうなんというのは、まさしく形式的な、ナンセンスな論議でありまして、実質的には消費者が本当に有効な発言をするチャンスというのは、じゃ事前調整の中に消費者の代表の声が聞こえるかといいますと、ほとんど聞こえておりませんね。そういうことを皆さんどういうふうにお考えになっておるのか。私は、もう少し消費者の意見が反映される形で商調協が行われる、あるいは事前調整の段階でもし必要とあるならばそういう声を聞くというような、運用面でもう少し消費者の声を確保するということを考えてもらわない限り、こんなのは単なる形式的にすぎないと思うのですよ。どうでしょうか。

山本康二通商産業省産業政策局商政課長

○山本説明員 確かに大店法のかなめをなします商調協がうまくワークすることがこの制度の一番基本的な問題でございまして、私どもも商調協の委員の任命をやってもらっております商工会議所、商工会には適切な学識経験者及び消費者代表を選ぶようにという御依頼は絶えずやっているところでございます。ただし、地方の小さい都市へ参りますと、しかるべき学識者なり消費者代表を選ぶというのはなかなかむずかしい事情にもございますが、各商工会議所も極力適切な人を選ぶように努力をしていただいておりますし、消費者の意識もこういうようなメカニズムを通じて漸次高まりつつあるわけでございますので、こういうような制度がやがて三者それぞれ力の均衡を持った制度として定着をしていくことを期待しているところでございます。

米沢隆民社党

○米沢委員 ちょうど五十年の五月に事前審議の段階でダイエー進出そのものに反対された、その当時の商調協の前の熊本商大の権藤さんという方ですか、通産省に対して、いわゆる地元任せの調整というのはちょっとおかしい、こういう意見書を出されたと聞いております。その中で、「現在のような商調協の仕組みでは、大店進出が中小小売業者に及ぼす影響の立証責任を各委員に負わせるのは困難であり、ことに消費者代表に立証させることは不可能に近い。」ということを自分の経験上から言われておるわけであります。こういう問題提起に対して、皆さんの見解を承りたいと同時に、そういうような形で、消費者そのものの利益、消費者の声を反映するチャンスもないし、また、消費者自身にそういうものを言わせること自体に本当に疑問を感じておられるという素直な問題提起に対しては、やはり何らかの形で消費者の保護を確保する、消費者の声を確保する方途を別途に、運用面でも結構でありますから、考えてもらわない限り、これはただ形式論にすぎないという気がするのです。その意味では、やはり学識経験者あるいは第三者的な中立機関、いわゆる専門的な立場から判断をしていくというように、何か運用面において考えていく必要があるのではないかと思うのです。私、ぜひそのあたりの将来の方向を聞かしていただきたいと思います。

山本康二通商産業省産業政策局商政課長

○山本説明員 商調協で議論いたしますときに一つの大きな障害になっておりますのは、この法律自体に明確な判断基準が示されてないことがございます。各地から非常に明確な審査の基準を示してほしいという御要望がかねてございまして、私どもも昨年の十月から専門家に委嘱をいたしまして……(米沢委員「それは後の話、消費者の声をどう確保するかということ」と呼ぶ)それは、商調協は三者構成で成っているほかに、意見のある者はだれでも商調協に、書面でも、出頭して口頭でも、意見を言えることになっておりますから、必ずしも商調協の消費者委員だけしか発言の機会がないというふうには私どもも考えておりません。それから、通産局なり自治体の商工部長クラスの職員が商調協に参与として入っておりますので、それぞれ自治体なり役所なりの考え方をある程度申し述べるチャンスもございます。それから、商調協の中で意見がまとまらない場合には、一般的には学識経験者だけで小委員会を構成いたしまして、学識経験者が調停案というのをつくって、その案でほかの二グループの方もおおむね御賛同をいただいて一致を見るというケースもたくさんあると私ども聞いております。

米沢隆民社党

○米沢委員 手続をとれば一般の消費者もいろいろな意見を述べることができる、こうおっしゃいますけれども、皆さんも十分御存じだろうと思いますが、たとえばダイエー進出のあの熊本の場合なんかは、消費者そのものが、地元の皆さんに圧力を受けて私は出られませんといって、委員長に白紙委任をしたかっこうであれは決議されましたね。かっこうだけは全委員ゼロ回答だったわけです。そういう事実がたくさんあるのにかかわらず、そういう手続論ばかりを議論されておるのではだめだ。現実に運用の面で生かされるようにがんばってもらうことが皆さんの仕事であって、そういう制度をそろえておりますから、あとは勝手にしてくださいなんというのは、そんなのは皆さんの仕事じゃないと思うのです。ぜひそのあたりを考えていただきたいと思います。余り時間がありませんから、次に進みます。  そこで、こういうような動きの中で、いま大店法の改正の動きがあります。通産当局に、こういうものに対してどのように対応していかれるつもりなのか、そのあたりを順次お聞かせいただきたいと思います。  もともと通産省の考え方としては、法改正にはかなり批判的な発言がずっと続いておりました。しかしながら、各商調協の実際運用面での先ほど申しましたような問題点が指摘されるに及んで、改正するしないは別にしても、何とか調整基準あたりを考えていかなければ、いろいろな要望にこたえていかなければうまくいかぬのではないかという観点から、いま法改正の是非についていろいろと検討なさっておるというふうに承っております。  そこで、この大店法の見直しですね、どういう内容をいま見直しておられるのか、その見直しの項目だとか、一応の見直しが完了する大体の時期だとか、法改正になる可能性もありますから、必要によっては法改正の提案時期といいましょうか、具体的に動いていかれる時期、それから専門委員会を設置されての検討だと聞いておりますけれども、専門委員の構成の中に消費者代表がどういう形で参加をしておるのか、この点をお伺いしたいと思います。

山本康二通商産業省産業政策局商政課長

○山本説明員 大店法を改正しろということにつきましては、各界から大変多くの論点について御意見が出ておりますが、私どもといたしましては、大店法施行後まだわずか三年でございますので、法律改正は適当でない、むしろ運用の改善で対処すべきであるというのが基本的な考え方でございます。  運用の改善の一つは、先ほど先生から御指摘のございました審査指標の策定ということでございまして、商調協の運営を見ておりますと、何か審査に当たってよりどころになるようなものがあった方がいいと考えておるわけでございます。しかし、全国各地各様の事情にあります商業問題につきまして、出店の店の態様も非常にいろいろなタイプがございますので、必ずしも画一的な明確な基準というようなものはわれわれ示し得ないだろうと考えまして、現在作業しておりますのは、一応の審査の目安となる審査指標ということで、昨年の十月から専門の学者先生六人、そのほかに実際商調協を運営していただいております商工会議所、商工会連合会の専務理事を参与として加えまして、鋭意努力しているところでございます。これは審査指標という非常に技術的な領域の話でございますので、消費者代表は特段に入っていただいておりません。すべて学識委員だけで構成しております。

米沢隆民社党

○米沢委員 このような法改正の動きというものが全国でかなり活発になっておりまして、たとえば先般も知事会あたりから政府に対して、要望事項としていろいろ問題が指摘されております。その中で、たとえば店舗の基準面積を千五百平米から千平米に引き下げるとか、あるいはまた千平米未満の大型店に準ずる店舗を含めて、総量規制すべきではないかとか、あるいは届け出受理という取り扱いの権限を知事に委任せよとか、広域的な商調協を設置せよとか、あるいは国会における附帯決議の第四項に基づく、基準面積未満の店舗の取り扱いも具体的に数字を示したらどうかとか、そういうものがいろいろと出ておりますけれども、これはもう皆さん十分御存じのとおりでありますが、こういう要望に対して、法改正をする意思があるのかどうか。ひょっとしたら改正するような動きになる項目があるのかどうか、ちょっと聞かしていただきたい。

山本康二通商産業省産業政策局商政課長

○山本説明員 現在までのところ、私どもの省といたしましては、先ほどお答え申し上げましたように、運用の改善で対処すべきでありまして大店法の改正は適当でないと考えておるところでございます。

米沢隆民社党

○米沢委員 こういう法改正との絡みで、たとえば日商連の総会等で決議いただきました中小小売登録制度、こういうものの方が秩序を保っていくためにはいいのではないかというような議論もありますけれども、このあたり、御検討はいかがなっておりますか。——なかったら結構です。後で聞かしてください。  こういうふうに法改正の動きが全国的にうねりとなって大きくなっておるのであります。消費者の利益の保護を一方の目的としますこの大店法が改正されようとしておるわけでありますから、企画庁としては決して対岸の火事ではないわけでございまして、長官として、この法改正の動き、あるいは県や市あたりの条例による規制等についてどういうふうに見ておられるのか、ちょっと見解を伺っておきたいと思います。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 先ほど消費者代表の意見をいろいろ反映するというお話、基本的には私も米沢委員と同じ考え方を持っているわけですが、だれが消費者の代表であるか、そして消費者の意見というのは一体どういうふうにしてつかむかというのは、なかなかむずかしい問題なんですね。ですから、この辺はひとつ、これから御一緒にいろいろ御提言をいただきながら勉強していきたいと思っております。  それから、いまの大店法の改正の問題については、消費者保護の立場から考えますと、調整の対象を非常に拡大したり、あるいは調整手段を強化したりということは、基本的には賛成できないと私ども思っております。ただ、いろいろな現在の実態という問題がありましょうから、まだ正式に何も御相談を受けておりませんので、この段階で、この点はどうということを申し上げる段階ではございません。

米沢隆民社党

○米沢委員 私はぜひ長官にお願いをしたいのでありますけれども、何となく経済企画庁というお役所の仕事が、数字をはじき出したり、予測をしたり、評価をしたり、そういうところの技術的な問題に終始して、それを見た上で、じゃこういう政策によってそれを実現するんだというアクティブな動きというものが非常に鈍いんではないかという——そんなものではないとおっしゃればそれまででありますが、そうでない方向をぼくらも望んでおるわけでありまして、アクティブな活動というものが非常に足りないような感じがしてなりません。  たとえばこの大店法の改正の問題につきましても、世論も大変大きな騒ぎになっておるわけでありまして、また改正の一つの動きというのはどういう方向に進めようとしておるのか、これもわかっておるわけでありまして、そうした中で、消費者行政の消費者利益を保護するという一面もこの法律の中にあるということは御存じのとおりでありまして、それが守られていないということも御案内のとおりであります。それがまた改正されていくということになりますと、また大きな影響を持つであろうという観点から、やはり一言あってしかるべきだという感じがしてなりません。このあたりをもう少し能動的に、アクティブに見解を発表されるなり、あるいは閣僚会議等でいろいろ議論をされるなり、そういう動きをぜひしていただきたいと私は思います。  それから、現在のこの不景気の世の中でありますから、単なる大店法の進出阻止とかあるいは制限をするという以上に、各種いろいろの商売が新規参入を拒むというかっこうで動き始めておりまして、ガソリンスタンドの問題だとか、本屋さんでもありますし、美容院さんも床屋さんもいろいろあります。何しろ新規参入を拒むというかっこうで、何とか生き延びていきたい。その心情はわかりますけれども、結果的にはそれは競争を制限することになりまして、私はいろいろ消費者に関連する問題がまた提起されてくるんではなかろうかと思います。  そういう事態がずっと起こっておりまして、特に流通の段階でも、この前指摘をしましたように、種々もろもろのこのような競争の自由を制限するような、不公正な取引みたいなものがたくさんあるわけであります。しかし、公取そのものも、事実が大きなものになって、それが事実として確認された場合に何かを処置するというかっこうで、本来そういう罪をつくった後で取り締まるというよりも、公取の立場として、こういう情勢になって非常に競争が制限されるようないろんな動きがある、法改正の動きもある、それなら公取としてはそういうのはちょっとおかしいんではないかと、ちょっと見解でも述べて、世論の中でそういう議論をしていく一つのきっかけをつくっていくことも、私は公取の大きな仕事ではないかと思うんですね。でき上がった後で理屈を言うんではなくて、でき上がる前に公取として、そのような動きに対しては、いろいろこういう点では問題があるというようなことを率直に意見を吐いてもらうということが必要ではないかと思うのでありますが、公正取引委員会の意見を聞いておきたいと思います。

吉野秀雄公正取引委員会事務局経済部長

○吉野政府委員 最近、各地方自治体におきまして、大規模小売店の進出の規制を強化しようという動きが出ておることは、公取も承知しております。公取といたしましては、何と申しましても、公正かつ自由な競争を促進する競争政策という観点から、このような問題に慎重に対処していただきたいというふうに考えております。  それから、ただいま違反行為が起こってから取り締まるというふうな消極的なことじゃなくて、もっと積極的にいろいろPR活動その他に乗り出すべきじゃないかという点につきましては、かねてから公取もいろいろ広報用のパンフレットをつくったり、あるいは事前相談がありましたら、できるだけ的確な答えを出し、適切な指導をやっておるところでございますが、先生の御指摘のとおり、まだまだ不十分な点もございますので、その辺は今後ますます積極的に乗り出して、PR活動を積極的に推し進めていきたいというふうに考えております。

米沢隆民社党

○米沢委員 もう時間もありませんが、自治省の見解をちょっとお伺いしたいと思うのであります。  先般、このような条例によってこういうものを規制するという動きがあることにかんがみて、政府の統一見解をぜひつくってほしいという意見があり、先般発表されたものを読ませていただきました。その中では、この法律が少なくとも制定時には、条例による規制を予定してなかったということと、二つ目には、直ちに合理的と考えられる内容を有する条例を制定して規制を行うことは、直ちに違法であるとは言いがたいというのが結論だったように感じます。  そこで、このような統一見解が出た場合、たとえば地方で条例をつくって規制をしようかという動き、必ず皆さんに相談がある場合もありますね。たとえば地方で条例をつくろうかつくるまいかと言って相談に来られたときに、こんな統一見解でいわゆる地元段階での対立というものが解消するものであろうか、地方自治団体が納得するような統一見解であろうかと、こういう疑問を持つのでありますが、自治省の見解はどうですか。

鹿児島重治自治省行政局行政課長

○鹿児島説明員 お答え申し上げます。  地方公共団体が条例を定めます場合に、その条例の内容が合理的であるかどうかということは、やはり地元の事情それから当該条例が制定されるに至りましたいきさつその他を、ケース・バイ・ケースに検討いたしまして判断する必要があろうと思います。先般、統一いたしました見解に基づきまして、実際に大規模店舗の地方進出という問題に対処いたします場合に、何が合理的であるかどうかということは、基本的にはケース・バイ・ケースの問題だろうと思うんですが、私どもの一般的な考え方といたしまして、やはり大規模店舗法という法律がございまして、その法律が全国的な基準を定めておるということでございますから、これを前提にいたしまして、その法律の定めのない部分について地方公共団体が条例を定めます場合には、その条例の内容が法律との均衡上果たして適切かどうか、非常に厳しい、たとえば制限を加えるとかいうようなことで適切かどうかということを判断の基準にいたしまして指導してまいる、かように考えております。

米沢隆民社党

○米沢委員 もう時間もありませんが、今後の流通対策のあり方とか、小売業の新しい秩序の持っていき方等議論したかったのでありますが、時間がございません。ただ、いままでのような高度経済成長期の流通政策というものから環境はがらりと変わって、新しい流通政策、流通産業の何か志向する一つのビジョン、そういうものをはっきりと明示されて、誘導するなり指導するなり、しりをたたくなり、そういうものが本当に必要な時期になってきた。そういうものが示されない限り、こういう混乱はいつまでたっても解消し得ないという、そういう気持ちでこの問題を取り上げたわけでありますけれども、また時期を改めましてこの問題については質疑をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

西宮弘日本社会党

○西宮委員長 米沢君の質疑は終了いたしました。  次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四十分散会

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