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80回国会衆議院1977/03/25

農林水産委員会畜産問題に関する小委員会 第3号

発言数
57
登壇者
5
会派数
4
開催日
1977/03/25

会議録

山崎平八郎自由民主党

○山崎小委員長 これより畜産問題に関する小委員会を開会いたします。  畜産問題に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島田琢郎君。

島田琢郎日本社会党

○島田小委員 私はきょうで四日目の質問でございまして、できるだけ重複しない質問をしたいと心がけてきましたが、どうも担当局長と私の間では基本的な認識の違いが決定的にありまして、それがなかなか詰まっていかぬので、私はここのところをもう少し話を詰めたいと思います。  それで、いまも実は自民党の今井さんとお話をしていたのでありますけれども、私が一番心配しておりますのは、北海道という主産地において経営が次第に拡大し、頭数も伸び、乳量もふえている、この実態のとらえ方について、確かにこういうふうに大きくなってきて経営も次第に大型化する、また生産乳量もふえてくる、こういう状態になっているということは、これは否定し得ないものであります。しかし、たまたまことしになって乳量が少し予想よりもふえた、そこをぜひ一つの足がかりにして日本の酪農の飛躍的な発展をさせていく初年度にしたい、私どもはこういう願いを持っているのであります。ところが、いろいろ話してみましても、与党の諸君とわれわれの間で話をしてみた結果でも、認識において大変違いがありますのは、だから経営が安定しているのではないかという認識であります。私はきのうの質問で、現地において大変苦労している酪農家の実態を披露いたしました中でも、確かに十年間に大変大きな経営に発展した、しかし内容はそれに伴っていないという点について、何としてもこの認識を一致させぬことには、乳価を決めていく上でも非常に大きくそごを来たしてしまう、この心配が過去三日間の私の議論を通じても依然残っているわけでございます。したがって、少し細かに内容に触れてお尋ねをしながら、この決定的な認識の違いというものの差を詰めたい、こう思うわけでございます。  そこで、家族労働費の問題でありますけれども、労賃を評価がえするという意味について、これはきのうの質問の中でもある程度のお答えがあったようでありますけれども、私は改めて局長の見解を求めるものでございます。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 この家族労働費を何で評価するかということは、これはいろいろ議論が分かれるところでありますが、来年度の家族労働費を何で評価するかということにつきましては、いまわれわれ内部で検討中で、現在の段階では結論を出しておりませんが、五十一年度までの経過を見ますと、飼育労働につきましては、その家族労働につきましては、これは加工原料乳の主要生産地帯における五人以上の製造業労賃で評価している。それから飼料作物の栽培労働といいますか、それの評価につきましては、これは結果としてでありますが、いわゆる農村日雇い労賃と主要加工原料乳生産地帯における五人以上の製造業の労賃の平均値で評価している、こういった経緯があります。

島田琢郎日本社会党

○島田小委員 局長、私はそういうことを聞いたのではないのです。労賃を評価がえする意味とその目的といいますか、意味は那辺にあるのですかと、こう聞いたのです。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 自家労賃を何で評価するかということは、結局、基本的にはその農家の一人前といいますか世帯主、労働者がほかのところへ行って働けば得られる労賃水準で評価するというのがルールであろうと思うのです。そのときにほかのどこへ行って働くか、どういう労賃を取るかということについてはいろいろ議論があるだろうと思います。

島田琢郎日本社会党

○島田小委員 どうも私の質問を的確にとらえておられないようでございますが、所得を付与するという目的があるんでしょう、そうじゃないのでしょうか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 私どもこの生産費の計算をするに当たりましては、いずれにいたしましても所得、そういったことを直接的にどうということよりも、生乳の再生産が確保されることを旨としてという法律の規定があるわけですから、やはりそれに基づいて生乳の再生産が確保されるということに合致するような生産費の計算をするべきだというふうに思っております。

島田琢郎日本社会党

○島田小委員 もちろんそれは重要なことであります。再生産の確保というのは法の精神でもあり、再生産が確保できなければ離農せざるを得ないという結果にもなりますから、それはあたりまえでありますが、この私どものごくあたりまえのというか、小学校一年生みたいな話をして恐縮ですけれども、私どもの所得というのは、一家を形成してそこで生活をし、子供を教育し、そして生活の向上を目指していくために必要な、つまり月給取りで言えばサラリーであります。ここのところがきちっと保障されなければわれわれは営農を続けることはできません。いわんや再生産ができないということはあたりまえであります。家族労働費、いわゆる家族が挙げて働いたらその応分の労働評価をするというのは、これは牛乳に限らず、あるいはまた極端に言えばほかの業種に働いていようとも、ここのところがきちっと保障されなかったら人間生きていくことはできない。この点は私の考え方は間違っていないと思いますが、いかがですか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 この制度は直接に所得を保障するということではないわけでありまして、くどいようでありますが、やはり再生産を確保するというところに制度の目的があるわけであります。それから制度自身も、これでこれ以上の販売をしてはいけないというふうに価格を管理している、統制しているというものではございませんので、最低のところを保障するというところがこの制度の仕組みでありますから、直接これによってある一定の所得を保障するという観念はこの制度には導入されていないというふうに考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田小委員 そうなりますれば、私は、私の言っているようなことが実現されていないとすればこの制度を見直していかなきゃならぬということにもなりますが、いかがです。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 ですから、この不足払い制度をどうするかということにつきましては、いろいろ御議論があることは私どもも承知しております。過去、法律を制定してから十一年たっておるわけでありますから、各方面からいろいろな御議論がされ、見直すとかあるいは検討しろ、いろいろな角度からこれはございますが、それについては私どもの内部においても寄り寄りいろいろ検討はしている状況であります。

島田琢郎日本社会党

○島田小委員 そうなりますれば、畜産局長の見解をもとにしますれば、再生産確保が目的だから農家の所得は二の次だ、こういうふうにも聞こえるわけです。私は、法の精神も、私の言っているようなことが十分充足されるというところにねらいがあるというふうに理解してきました。したがって、もし私の理解に間違いがあるとすれば、法は直していかなければならぬというふうに、現場で乳をしぼっている者の立場から言えば、その点は非常に重要視せざるを得ない、こう思うのです。それがきちっとしませんと、先ほどのお話のように、依然、乳牛の管理労働費と、大事な牧草つくりの労働費の評価を別建てにしなければならぬというような発想が出てくるわけです。しかし、ことしの作業についてはまだこれからだとおっしゃるが、おおむねいまの考え方の中で示唆されているようにも思うのですが、自給飼料生産労働費の評価について依然一本化できない理由はどこにあるのですか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 まだ態度を決めているわけではありませんが、従来とっておりました考え方を御説明申し上げますれば、要するに飼育労働と自給飼料作物の栽培労働とにはやはり差がある。これは、繰り返して申し上げますが、飼育労働はやはり非常な熟練を要するということ、牛という大家畜を相手にする特殊な技能の熟練を要するわけでありまして、簡単に他の労働をもって代替しがたい、こういうようなことは言えるわけであります。それから朝から搾乳し、晩までずっと牛につきっきりの労働をしなければならない。それから生き物でありますから、日曜日とかそういったこともとれない。周年拘束される。そういったことは一般の耕種作物とはやはり違いがある。こういったことで独得の取り扱いをしておるというふうに理解しております。しかし飼料作物はまさに一般の耕種作物を栽培する労働と本質的な差異はないわけであります。きわめて近似しているということでありますから、それは一般の耕種作物の労働をどう評価するかということと関係してくるわけです。従来は飼料作物も、一般の耕種作物の自家労働というものは農村日雇い労賃で評価しているというのが一般原則であったわけですから、それに従っていた。しかし、過去四十八、四十九年のいわゆるパニックの過程で経営が非常に打撃を受けたというようなことも配慮して、独自の扱いを暫定、緊急的にした。それは、製造業労賃と農村日雇い労賃の平均値を採用した。これはあくまで暫定、緊急的なものであって、環境が落ちついてくれば戻すという前提でそういう措置がとられたと理解しております。

島田琢郎日本社会党

○島田小委員 ずいぶん後退した説明になっていますな。つまり、いまの局長のおっしゃりたいのは、管理労働というのは周年拘束性で特殊な技能も必要だから特別な高い賃金をもってやっている。牧草つくりは一般の耕種作物なんだから、こっちの方があたりまえなんで、これだって二で割っているようなやり方は本当は真っ当でないからもとに戻される暫定的な措置なんだ、これはものすごい大後退の考え方であります。そうすると、五十一年の保証価格を決定したというのは、局長の本心としては、あれは真っ当な家族労働の評価ではなかったとおっしゃりたいのでしょうか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 飼料作物の栽培労働を私ども去年諮問申し上げたわけでありますけれども、そのときには平均値を採用したわけであります。その平均値を採用した理由といたしましては、その前の二年、結果として平均値を採用しておりますので、まだいわゆる畜産危機の後遺症が完全にはいえ切っていないであろう、事実、その当時は生産の伸長もそれほど多くは期待できないような環境であったわけでありますから、それを一遍に断絶するということはちょっと極端ではないかという判断で、やはりあの緊急暫定措置はことしも適用した方がいいだろうという判断で五十一年度のときには平均値を採用した、こういう説明を審議会等においてもしております。

島田琢郎日本社会党

○島田小委員 時間が制約されているので、この議論を続けることが許されません。私は、ことしのいわゆる家族労働費の評価に当たっては、牧草つくりも含めて酪農経営だ、こういう認識の上に立って、ぜひ一本化された評価を要求しておきます。  それからきのうまでの議論で、私はなお若干の疑念が残っているのでありますが、五十一年度の限度数量の問題はこもごもいろいろな意見が出されました。局長の見解はおよそ聞いたところであります。大蔵省との詰めも、もう旬日を残すのみで昭和五十一年度は終わるのですから、おおよそ大詰めに来ているのだろうというふうに推測をいたします。  ところで、その中でどうも気になるのは、四十三年方式という言葉がちらちら出てまいります。四十三年方式とは、つまり二分の一現ナマで、あとの二分の一は事業費補助というやり方であります。この考え方をもっていま大蔵省との詰めに入っているのですか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 率直に言って、いま鋭意折衝中でございます。近々結論を出したいと思っていますが、私としては、生産者の御要求が、半分現金方式、半分助成方式ということではなくて、全部現金方式でやってほしい、こういう御要求でありますので、そういうことを踏まえて大蔵省と折衝しているということであります。

島田琢郎日本社会党

○島田小委員 その点は理解いたしますが、この際ぜひこういう御認識は持っていただきたい。つまり、四十三年のときと違って、もう十年たっている。あのときは八万トン程度のオーバーであったのが、今回はおよそ倍です。当時の状況としては、半分の事業に対する補給金の出し方、補給金といいますか、これに見合った事業費補助というやり方は、当時としてはいろいろな事業が選択されて、まだメニューがありました。しかし十年たって、当時の倍の乳量になっているという実態やら、それから特にそれに伴う事業費単価を十年たったいまの実態から見ますと、事業費そのものがとんでもなく、比較にならぬほど大きいわけです。しかも加えて地方財政が、あの当時と違っていま大変窮迫をしている。こういうもろもろの事情を考えますと、どうもしつこいようですけれども、四十三年方式をとっても現地はなかなかこれに対応できないという事情がある。この辺については、もうすでに局長もよく認識をされて、大蔵省にもその意見を出しているのだろうと思いますけれども、私はこのことを一度も言ったことはないのですが、先般もこんなお話をしたのに対して、鋭意努力中だから任せておいてくれという話でありましたから私は信頼していままで任せてきましたので、この点に時間もなくて触れなかったのですが、こういう実態というのは十分御認識を持っていただかないと、四十三年度方式に仮になるようなことがあったとしても問題は解決しないのだ、こういう点を改めて強調しておきたいと思うのです。  それから私は、三・二%の問題についても、先般、おおよそ目の子勘定だけれども四十億程度、本当はだまされたような気がしてならぬということを言いました。さかのぼってくれとまでは言わぬけれども、これだって本当はおかしいじゃないですかという問題提起をいたしましたのに対して、局長からは正確な見解の表明はありませんでした。しかし私は、少なくともいろいろな点で近代化ということが言われている今日、こういう取引の近代化というようなことについても政府みずからやはり改めるという姿勢があってしかるべきだというふうに考えて、三・二%の乳脂肪基準によりますいわゆる補給金支払いも、方式を変えていく時期にもう来ているのではないかという意味で問題の提起をしたわけであります。これは過般、早いところですけれども、決算委員会においても問題が提起された。しかも四年前にわが党からもこの問題を提起しているというような事情もございますから、これらについてもぜひ検討をしていただきたい、もうその時期に来ている、こういうふうに思いますが、見解を承りたいと思います。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 私ども、三・二というのが従来から一種の慣行的な形で脂肪取引の基準になっておりますから、それを採用して、それに基づいて補給金単価というものを定めて交付しているという経緯になっているわけであります。現実に農家が獲得される乳価というもの、いわゆる補給金単価とそれからメーカーから獲得される現実の乳価水準、これは審議会でこれから御審議願って決めていただく基準取引価格というものとは必ずしも合致しないわけであります。生産者の自主的な交渉努力によりましてそれより多く獲得し得るわけで、またところによっては獲得しているわけであります。その場合にその一つの要素として脂肪格づけをどうするか、脂肪格差をどうするか、こういうことが問題になるわけで、たとえば北海道の例を見ますと、〇・一に対して一円というような格差になっておりますが、これが正しいかどうかという議論が実は絡まってくるわけで、それによって農家の実質手取りが変わってくる、こういうことであります。  そこで、その脂肪格づけの問題に政府が直接介入するかどうかという問題は非常にむずかしい問題でありまして、脂肪取引そのものも場所によって非常に変化があります。それから、これは先生よく御存じのはずですが、夏と冬といろいろ変化があるわけでばらつきが非常に多い、そういったこともありますし、それからメーカーと生産者との間の取引というものは単に脂肪格づけだけで取引されてはいない。いろいろなバックがあるわけでありますから、その中の脂肪の部分だけを取り上げて政府が云々するというようなことについてはちょっと問題があるということで、これはやはり当事者間の折衝、努力で御解決願うというのが一番至当じゃないかと思っております。

島田琢郎日本社会党

○島田小委員 終わります。

山崎平八郎自由民主党

○山崎小委員長 瀬野栄次郎君。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野小委員 畜産物の政策価格がいよいよ大詰めになっておりますが、先日来、数回にわたって政府の見解をただしてきたわけです。本日は特に畜産物価格に対する決議案をぜひともわれわれはまとめて政府に出したいということでいろいろ検討を進めておりますが、きのうまでいろいろ論議した中で一番問題になるのが家族労働費の評価の問題、これが一番のネックになっておるわけです。そういったことで、限られた貴重な時間を割いて特に政府の見解をただして、危機に直面している畜産の現在の状況を打開すべく、どうしても畜産農民の要求にこたえたい一念でわれわれは今日小委員会を持ったわけであります。この後本委員会を開いて決議ということにぜひ進めていきたい、実はこう思って局長にいろいろな問題をただしたいと思っているわけでありますけれども、限られた時間でございますので焦点をしぼってお尋ねをしてまいりたい、こう思うわけでございます。  何回も繰り返しいろいろ論議してきたことでありますけれども、まず局長の認識の点からお聞きすることにいたしてまいります。  ただいまもいろいろ話がありましたように、市乳の主産地であるところの北海道がどうしても中心になってくるわけでありますけれども、北海道の生産が伸びている、また経営規模が拡大している。本当に市乳が安くて経営が厳しいならば、規模拡大も、経営規模も乳量も減るのが当然ではないか、それがふえておるから何も価格が適当でないというわけじゃないのだ、こういうような考えが当局の頭の中にあるのじゃないか、こういったことがどうしてもすっきりしないのが実情でございます。  そこで改めてお伺いしますけれども、北海道の経営が規模拡大している、あるいは市乳の生産量がふえている、そして相当意欲的にやっているやに皆様は受けとめておられるようですけれども、その実態は実際にどういうふうにつかんでおられるのか、それを改めて局長から再度御答弁いただきたいと思います。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 北海道だけではありませんが、全国の酪農の足取りを見ますと、四十年代前半はものすごい伸びを示して、それから四十年代の後半になりましてからやや足取りは鈍りました。ことに四十八年、四十九年というものは、例の畜産パニックの影響を受けて、むしろ対前年よりも生乳生産量は減ったというような経過があるわけでありますが、しかし五十年になりまして回復基調に戻ったということで、むしろ五十年には生乳生産量で言えば、史上最高の五百万トンを突破した、そういう状況であります。それから五十一年度は去年が史上最高だったのをさらにおよそ数%、五百三十万トンから四十万トンぐらいあるいは伸びるかもしれません。そういうような状況で生産は着実にやはり伸長している、酪農の全体としての規模拡大は着実に進んでおる、こういうふうに認識しております。  それから、北海道の経営の問題でございますが、確かにいろいろな経営上の問題はあろうかと思います。負債の問題だとかいろいろあろうかと思いますけれども、基本的には一ころの状況よりもだんだん酪農をめぐる環境というものは落ちつきを取り戻してきているということは言えるのじゃないか。たとえば配合飼料価格等にいたしましても安定、落ちつきを取り戻してきております。それは言えるし、それからいま生産がふえておりますのは、やはり農家の意欲の向上ということでありまして、それは決して経営がマイナスの要因の方向に向かっているというふうには私は認識しておりません。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野小委員 一方酪農家が脱落しているという実態もあるわけですけれども、当局の答弁を聞いていると、大型は別として、どうも中小の一部が脱落しているかのように受けとめられますけれども、そういったものはどの程度掌握しておられますか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 確かに戸数の減り方というのは、これも昭和四十年の前半は年率で毎年数%の減少でありましたものが、最近は非常に高くなっているということは問題であるというふうに認識しております。そういう意味で、やはり一つかみの先進的な酪農家経営群だけではなくて、酪農という産業のすそ野を広くして、複合経営あるいは中堅の経営というものの固めをして、内容をかちっとしたものにしていくという対策は必要であると思っております。最近における減り方はやはり少し多過ぎる、こういう認識をしております。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野小委員 酪農家が脱落しているのも事実でありまして、経営は、いま飼料が一応は安定している——七月以降については私も保証の限りでないと先日から申し上げておりますけれども、飼料がまた上がってくるということになると、これはまた大変なピンチに追い込まれることは当然予測できるわけですけれども、一応市乳がふえ、規模拡大ができている、こういったことの報告がございましたが、そのよって来るべき原因は、市場の安定または乳価が適当であるからそうなってきている、こういうふうに当局は評価しておられるのですか、その点はどういうふうに見ておられますか、もう一度改めてお答えください。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 乳価が適当であるかどうかという議論になりますと、これは非常に議論が分かれるところだろうと思うのです。しかし、現在の乳価が法の目的としている生乳の再生産を確保していないかどうか、こういうことで、適当であるかどうかということの判断基準があるのではないかと思うわけでございます。そういう意味で申し上げますれば、現在の乳価水準というものは生乳の再生産を確保している、そういう要件は満たしているというふうに私どもは判断いたしております。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野小委員 再生産を確保している、これは満たしているとおっしゃいますが、労働賃金の評価というのは、当委員会でもたびたび論議しておりますように、米並みの評価をしてくれ、同じ農民なんだからこの労賃の評価は米並みにしてくれというのが切なる訴えであります。  ちなみに申し上げますと、飼育家族労賃を見ても六百八十一円、自給飼料の生産労働費を見ても五百六十円、五十一年産米の適用労賃を見ますと八百五十七円となっていますけれども、ああいった厳しい中で、こういった畜産経営をやっている皆さん方は、同じ農家の労働に携わっておりながら、これに対する評価が食い違っているために大変な問題になっている。この点が一番問題になっているわけでございまして、局長も畜産農民を守るために、畜産農民の味方として行政を進めておられる立場でありますが、毎年論議している問題でありますけれども、こういった点について前向きに、米並みの賃金ということで努力ができないものか、またそういう努力をしておられると思うが、その点についてさらにあなたの考え方、農家のために米並みの賃金をぜひとも獲得するためにこう努力している、またこういうようにわれわれは考えて、再生産ができるようにやっていくんだということで、もっと温情ある前向きの答えがなければ、農家だって本当に希望をなくしてくると思うのですが、その点どういうふうに検討しておられるのか、改めてお聞きしたいと思うのです。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 米並みにとおっしゃっているわけでありますが、私はやはりこの制度は米とは本質的に違っていると思います。米は、いわば直接統制、国家が全面管理をしているようなものでありまして、価格も管理、統制をしている、こういう状況であります。また、流通もさようであります。それから、牛乳はそうではなくて、本質的には自由取引ということでありまして、生産された牛乳は、農家が望むのは市乳に売るのが一番いいわけであります。それはそれだけ価格を多く獲得できるわけでありますから、市乳に売るのが一番いい。しかし、たまたま同じ牛乳であっても、マーケットから遠隔地に属している、そういった加工原料乳地帯はいずれは市乳化するであろうけれども、しかし、すぐには市乳化できない、そういう場合のハンディキャップを何らかの形でお世話して、そして生産を支えていく、再生産を確保していくというための制度でありますから、米とはやはり本質的に違う。取引も自由であるということであります。市乳に売るのも自由でありますし、それから加工原料乳の価格形成も自由であるわけであります。そこはやはり本質的に違いがあるのじゃないかと私は思っております。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野小委員 局長も再生産が確保されるように、制度の目的もそこにある、こういうふうなことをしばしばおっしゃっておられます。現在の酪農家に対して再生産が確保される、いわば最低のところを保証する、こういうふうに当局はお考えのようでありますが、しからば、最低のところを保証する、再生産を確保するというのは、現在どういう見解を持っておられますか。どうせ答申、答えが出てくるわけですけれども、どういうふうにあなたは認識しておられるのですか、改めてお聞きしたい。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 私どもが採用しております価格算定のやり方といたしましては、主要加工原料乳地帯の再生産を確保するという法律の規定がございますので、そこの地帯の生産費を採用いたしまして、それを最近時点の客観的に把握できるデータで物価修正し、それに集送乳経費等の経費を加算して決めておるというのが価格形成のルールであります。そういった生産費をとることによって再生産を確保する、その水準を考えて価格を決めることによって再生産を確保するというのが法の趣旨であり、また私どもが現在とっているやり方であります。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野小委員 ことしの畜産物の価格等の決定をわれわれが推察するのに、もう一月ごろから一部には据え置き、一部には微調整というようなことで、いろいろなことが取りざたされて、当局がそういったことを言っておるわけはないと思いますけれども、いかにもさもあらんようなことが巷間流れておりまして、いまのような状態ではかなり厳しい結果になるのではないか、こういうふうに思えてしようがない。そのために、家族労働賃金というものが一つの大きな問題となって、この評価いかんが今後の価格決定に重大な影響を及ぼすということで、私たちもこの一点に頭を集中しておるわけでございますけれども、政府の考えはどうも実勢価格といいますか、答えを出して、そして逆に合わせるというようなことになっておる、そういう考えであるようにわれわれは思えてしようがないわけです。だから農家も、同じ労働者でありながら、酪農家に対してこういう家族労賃の算定ではとても納得できないということで、その点が先日来の一つの大きな問題となって、いま各団体とも協議をしながら大詰めの段階を迎えておりますが、何といっても大場局長みずからがもっと積極的に畜産農家を守っていく、そして今後輸入に対して、いわゆる外圧に対しても抑制をして国内自給率をふやしていく、国内生産を増していく、そして国内を中心にやっていく、こういった方向で強力に大蔵省とも折衝しつつ、また大臣にもこれを強力にお願いして、日本の畜産農家を守るために前向きの姿勢で行かなければ、一向に前進しない。巷間伝えられておるような期待も持てない、微温的な価格になっていくのじゃないかと思われてしようがない。そのことが、毎回申し上げるように、結局はことしのあらゆる農産物に影響してくる、いわばこれがスタートになるわけでございますので、われわれも特に畜産物価格に対して各党一致して決議をし、さらに政府の見解をただしながら、何としても考えを改めてもらって、強力な価格決定をしていただきたい、こういうことが念願であります。  そういう意味で、法的には保証価格は最低を保証するのだとか、それはそうですけれども、それならば法案の改正をするとか、もっと農家の要求のために前向きの検討をするとか、ことしは農家の期待にこたえるために大きく前進の立場で検討していくとか、こういうことがなければならぬけれども、先日からずっと質問して、何回やってきても何か言いわけがましく、あなたの答弁そのものが守りの姿勢で、答えの中身の裏に何となくことしは微温的に、まさに据え置かんと言わんばかりのような印象が、またわれわれにもそういう頭が少しあるのかもしらぬけれども、そういうようなはだざわりが感じられるということですね。大変危機感を感じておるわけですけれども、そういった意味で、どうか農民のために、あなたも農民の味方として積極的な価格を決定してもらわなければならぬわけですから、もっと元気を出して、意欲的な前向きの検討をして、大いに農民の期待にこたえる、いままで論議したようなことも十分検討し、大臣にも伝えてやっていく、こういうふうなことがなければわれわれは納得できないのですけれども、その辺はどうですか。局長からさらに見解を伺いたいと存じます。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 ことしは通年以上に諸先生方の御意見を聞かしていただきまして、いろいろ私ども判断の材料にはもちろんさしていただきますし、基礎にはさしていただきますし、それから大臣にもそのようには報告を逐次いたしております。国会はこういう審議の模様であるという経過は報告いたしております。私ども、日本の新聞の常としてスペキュレーション、いろいろ観測を出しておりますが、それとは無関係にいま客観的に作業を進めている、生産費の客観的な積み上げ計算をしているという段階でありまして、私自身まだ結論を、その数字がどうなるかということのあれを見ていないわけであります。そういうわけでありますから、やはり制度の趣旨に即して客観的に忠実に価格の算定作業を進めていきたいと思っております。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野小委員 時間が参ったそうですが、本当にことしの価格についてはわれわれも重大な関心を持っておりまして、先日からもるる申しましたごとく、畜産物価格が今後のなたねあるいは基準繭価、基準繭価も二千百円を要求しておりますが、これにも影響するし、麦価、米価そして大豆またサトウキビにビート等、すべてに影響する、こういうふうにわれわれ認識しておりますので、どうかひとついまも決意を述べられたように、大臣とも十分協議し、大蔵省に対する折衝もなさって、大変な時期を迎えておりますけれども、農民の期待にこたえて、ぜひともひとつ最大努力をされるように重ねてお願いをして、時間が参ったそうですから、一応これで打ち切らせていただきます。

山崎平八郎自由民主党

○山崎小委員長 神田厚君。

神田厚民社党

○神田小委員 私どもは昨日まで党大会がございまして、昨日の集中審議で質問ができなかったので、本日は畜産の全般的な問題を含めまして御質問を申し上げたいと思っております。  まず最初に、畜産農家が経営が圧迫されて非常に苦しい状況にあるという基本的な認識に立ちまして、たとえば乳用牛につきましては、三十五年に四十一万戸あったものが五十一年には十四万七千戸に減っている。そして一戸当たりの頭数は少しずつふえておりますけれども、これは政府などではこういうふうな方向に持っていきたいということでありましょうが、そういうふうなことが今度は飼料の、いわゆる草の資源の不足を来している。そうしますと、酪農の経営そのものが非常に不健全なものになってまいりまして、頭数を幾ら多くしても、自分たちの飼料では賄い切れなくて、全般にはいわゆる濃厚飼料に頼らざるを得ない。そういうことから、それを打破するためにまた規模拡大をしていって借入金がふえてくる、こういうことの繰り返しをしているわけであります。こういうことを救う一つの道は、何といいましても、この価格の面でいわゆる現在の保証価格では採算がとれない。ですから、こういうものがこういう形で減少が進んでいるのである、こういうふうに考えておりますが、現在の飼養戸数をこれ以上減らさないという一つの基本的な御方針を持っていただいて、そして畜産のこの問題について進めていただきたいというふうに考えているわけであります。  酪農近代化基本方針の中で、いろいろと需要の長期見通しに即した生乳の地域別の需要の見通しやその他について提言をなさっておられます。しかし、そういう中で私どもは、基本的にはこういう近代化基本方針を出しても、具体的に一体どういうふうなことでこの六十年度の目標に達せられるような、価格やその他の面でそういうことができるのかどうか、こういうことをまず御質問申し上げたいと考えているわけであります。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 酪農近代化方針を達成するための方策いかんという御質問だったと思いますが、酪農を振興するための方策というものは単一なものじゃない、各種のあらゆる手段を総合して、それをバランスをとりながら運営していくということが私は基本じゃないかと思うわけであります。その中には、もちろんこの加工原料乳の不足払い制度、これも、ことに加工原料乳生産地帯における経営の安定、再生産の確保ということからすれば非常に重要な政策であって、もちろんそのためにかなりの財政支出を私どもしているわけであります。たとえば、それは五十一年度予算で言えば三百十何億というような、そういう巨額の財政支出をしているわけであります。  それから、酪農の需要増進ということも、これはやはり必要でありますから、学校給食だけでも百七十五億というような巨額の支出をしているというようなことでありまして、そういったことももちろん政策の中の一つとして今後進めていく必要があるし、それからそういった価格政策だけでなくて、いま先生がおっしゃったような日本の酪農の致命的な弱点である飼料の自給度の低さ、粗飼料の供給率の低さというところを改良していく。そのためには、草地開発事業だとかあるいは既耕地における飼料作物の増産だとか、そういったこともやる必要があると思います。  それから、じみな政策ではありますが、単に外延的な規模拡大を図るということだけではなくて、家畜個体の性能の向上を図るという意味の家畜の改良増殖、そういったことも必要でありますし、そういったもろもろの諸施策を総合的に組み立てて精力的に進めていく。  率直に申し上げまして、酪農近代化方針に盛られているあの目標というものはかなり意欲的な目標でありますから、私どもかなり精いっぱいの努力をしなければなかなか達成できない、安易にできるものではないというふうに認識をしておりますが、しかし、そういった意欲を持ってすべての政策を投入していかなければならないと思っております。

神田厚民社党

○神田小委員 現在酪農の農家の皆さんが非常に苦しんでいる、これに対する適切な救済措置というものが、たとえば昨年の畜産審議会においても、実態に即した金融措置の整備拡充を図ることというふうな形で建議をされておるわけでありますが、これらの新たな資金制度の創設の必要があるというふうに私は考えているわけでありますが、こういうことを含めまして、本当にいわゆる六十年目標を実行に移すためには、自給率向上の具体的な計画をつくって、予算それから施策に対しましてももっときちっとした展望のもとでやっていかなければならないというふうに考えているわけでありますが、特に昨年の畜産審議会において実態に即した金融措置の整備拡充を図れというふうなことにつきましては、どういうふうな進展があったのでございますか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 負債整理の問題につきましては、これはかなりいろいろかつてやっております。たとえば四十八、四十九のときには、自創資金百五十億という枠をもって北海道の負債整理対策を実施しよう、これは、御存じのとおりかなり長期の資金であります。  それから、いわゆる畜産危機の過程でいろいろ問題が起きましたときにも、これはそれほど長期ではございませんが、随時畜産農家の経営対策としての資金は特別資金を創設したということもやっております。  それから、来年度におきましては農林漁業公庫資金等、たとえば総合施設資金等につきましても、貸付限度額のアップ等、あるいはその他貸付条件の緩和等の改善措置は講じておるわけであります。  それから、いま御指摘になりましたように、昨年の価格の決定の際に、御審議を願ったときにいろいろ御建議があったわけですが、その中で、ことに酪農の負債整理というものについていろいろ考えろという御注文があったわけであります。これは審議会等であったわけでありますが、それにつきましては、酪農の負債の実態というものを把握した上で処理するということで、去年からことしにかけまして調査をいたしております。それでいま大蔵省と負債整理の措置について折衝中というところでございます。

神田厚民社党

○神田小委員 折衝中ということでございますが、大変な酪農の状況をよく踏まえまして、前向きに何とかこれを救っていただけるような形でお願いいたしたいと思います。  続いて、先ほど局長が言及されました加工原料乳の限度数量の問題でございますが、これにつきましては前からこの委員会で何度か各委員から御発言がありまして、いろいろそれなりの御答弁を聞いておりますが、私はやはりこの限度数量をオーバーしたものに対しまして、一体どういうふうにするのかという点を明確に、たとえば補給金でやるならば補給金でやるということを、あるいはそれをどういう形でやるのか、やはりこれは直接全額農家に渡すべきだ、こういうふうな考え方を持っているわけでありますけれども、まずこの点について明確な御答弁をお願いいたします。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 そういう生産農家の御要求はよく私も承っております。そういうラインに沿っていま大蔵省と鋭意折衝中であります。前向きに努力しているところであります。

神田厚民社党

○神田小委員 過去に一度限度数量がオーバーしたときは、半分は農家に渡りまして、半分は違うふうな形で使われたわけでありますけれども、私は今回はそういうふうなことではなくて限度数量のオーバー分については直接全部農家の手に渡るような形でお願いしたいと思いますが、この点もう一度……。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 やはり財政当局を中心といたしまして、限度数量の内と外と同じではおかしいのではないかという議論もあることは事実なんです。ですから、そういう意味で、全部補助というわけにはいかない、半分は現金的な形で支出して、半分はいろいろ経営改善のための草地の改良造成とか諸施設の整備だとか、そういったことのために助成をしたらどうかという御議論もあります。ありますが、しかし、農家の一番御要求なさっているのは現金支給ということでありますから、そういうことを私はよく聞いておりますから、そういうラインでいま大蔵省と折衝中だ、近近結論を出したい、こういうふうに思っております。

神田厚民社党

○神田小委員 畜産審議会の会長あたりも、いわゆる減税問題について農家は余り恩恵に浴さない、こういう中で、いわゆる畜産物価格の値上げやその他の問題について、何とか農家に一般サラリーマンが減税で受けた恩恵のような形、そういうような形にしたいというようなことも新聞などで言っているようでありますが、私は、そういうような形で前向きに局長さんにがんばっていただきたい、こういうふうにお願いをいたしまして、次に、養豚とそれから牛肉の問題について御質問を申し上げたいと思います。  まず第一の問題は、何といいましても養豚の豚肉の問題につきましては、いわゆるピッグサイクルといいますか、非常に上下が激しいものがありますけれども、この基本的な考え方といたしましては、私はどうしても基準安定価格をもっと上げるべきではないか、四十三年度以来基準安定価格を割ったことがないというようなことでありまして、それについての買い上げの出動もされていない。こういう状況から見ると、やはり基準安定価格を上げてしかるべきではないかというふうな考えを持っているのでございますが、その点どうでございますか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 基準価格は毎年逐次改善して上げております。これは年別に推移をたどっていただければおわかり願えると思います。来年度どうするかということはいま検討中であります。  ただ、私の率直な考え方を申し上げますと、余り基準価格を上げて、買い入れの発動を余りいたずらに多くするということはかえって問題がある。かつて四十七年当時に買い入れしたときには、むしろコストの安い企業家の養豚経営が大量に生産した豚が事業団に入ってきたのじゃないかという疑問もあったわけです。それが結果として在庫になって、今度は在庫圧力になってなかなか市況が回復できなかった。どんどん事業団が買って、そして倉庫がはち切れるような満杯になって、それが後になって過剰在庫になって、ずっと市況を圧迫して、値が冷えた、こういったことがありますから、もちろん安定帯制度の基準価格というものは買い入れのために発動しなければならないわけでありますから、その辺の兼ね合いということも同時に考えておかなければならないというふうに思います。もちろん適正な形で基準価格というものは改定する必要があることは当然であります。

神田厚民社党

○神田小委員 この問題につきまして少し議論を深めたいのでありますけれども、どうも時間がありませんので、関税との関係がありますけれども、私は、牛肉につきましてもあるいは豚肉につきましても、輸入の問題をもっと真剣に農林省は考えてもらわなければいけない、こういうふうに考えているわけであります。やはり牛肉につきましては関税を引き上げ、それから豚肉につきましては差額関税制度がとられておりますけれども、この差額関税制度をとると同時に、減免措置を発動する場合には国内の生産動向をもう少し的確に把握しなければいけない、そしてそれについては生産者団体などの意見も十分くみ入れてやってもらわないと、その減免措置をある程度延ばしますと、価格が非常に暴落するというようなことがあるわけでありまして、それを防ぐためにはもう少し行政指導をきちんとしていただかなければ困るというふうに考えておりますが、その点はどうでございますか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 牛肉につきましては、先生御存じのとおり、輸入割り当て制度をとっております。ですから、これは自由やたらに入ってくるというものではございません。しかもそういった割り当て制度のもとで、これは民間貿易ではございません、ほとんどのものが畜産振興事業団が一元的に機能を発揮できるような形で輸入している。輸入してすぐ放出するというような直な結びつき方ではございませんで、輸入しておいてもすぐ出すわけではございません。これは国内の市況を見ながら、逐次計画的に悪影響を与えないような形で放出していく、こういった措置をとっているわけであります。逆に、外国からすれば、そのためにわれわれに対してかなり非難が寄せられているわけでありますけれども、そういった措置を適正に運営していかなければならないと思っております。生産者がいろいろ御心配しておりますが、その心配は私どももよく理解しながら適正な運営を図っていきたいと思っております。  それから豚肉は、元来国際競争力があるという前提で、すでに四十六年であったかと思いましたが、自由化しております。いま御指摘になりましたように、ただ安全弁として差額関税制度をとって、安定帯の中心価格より下のところでは輸入が行われない、こういうような形のところ、それから安定帯の上限をずっと突破しっ放しで価格が非常に暴騰しているときには関税の減免をやって輸入を促進する、こういった制度になっているわけでございます。  そこで、この制度の運用が実は非常に慎重を要するという御指摘でありましたが、私は、それはまさにそのとおりだろうと思います。いたずらに関税の減免をやって輸入を過度に促進したために価格が冷えてしまっては生産者が迷惑をこうむりますから、そこは慎重にやっていきたい。生産者と需給の意見の交換ということにつきましては、常日ごろよく努めていきたいと思っております。

神田厚民社党

○神田小委員 そういうことで、輸入の問題につきましては、このごろ世界の農産物の一割近くを日本が輸入しているという形になってきまして、これまた大きな問題でありまして、別の機会にいろいろ御質問申し上げたいと思っております。  最後に養鶏の問題、余り触れられておりませんでしたけれども、この養鶏の問題につきまして御質問を申し上げたいと思うのであります。  養鶏は、ほかの畜産物に比べましても家族労働の報酬などから見ましても非常に低いというふうに私どもは考えておりまして、この養鶏の振興につきまして、養鶏農家が非常に激しい勢いで減少しておりますが、この減少を来さないためには、何といいましてもその価格の問題を中心にしてもう少し考えていただかなければならない、こういうふうに考えておりまして、三十五年に養鶏振興法が施行されましたけれども、これらの問題につきまして、この養鶏振興法に基づいてのいわゆる養鶏者の保護をもっと的確にしていただきたいというふうに考えておりますが、この辺のお考えをちょっと伺わせていただきたいと思います。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 卵価の安定の問題につきましては、基本的にはやはり日本の鶏卵は需要に見合った生産をしていかなければならないというような状況で、基調としてはやはり過剰傾向ではないかと思っております。需要がなかなか伸びない。百八十万トンぐらいのところで伸び悩んでいる。よけいなことでありますが、一人当たり年間大体二百七、八十個の卵を食べているという状況でありまして、西欧水準に匹敵するような状況になっているというところであります。ですから、やはり需要に見合ったような形で生産を進めて、値崩れさせないようにすることが一番基本的なことではないかというふうに思って、いま生産調整を生産者が自主的に行っている、こういう状況であります。卵価の安定のためには、たとえば卵価安定基金だとか、あるいは液卵公社だとかといった制度、あるいは生産者団体による調整保管の問題だとか、そういった制度がありますから、その制度を活用していくことが大事だと思っております。  それから、御指摘のありました養鶏振興法の問題につきましては、品種の問題と、先ほど私が申し上げました、生産調整の何か法的な裏づけが必要じゃないか、こういう御議論から、養鶏振興法を再検討したらどうかという御議論が生産者を中心にしてございます。私ども検討させていただきたいとは思っておりますが、たとえば生産調整につきましては、果たしてそういう法的裏づけでやった方がいいかどうかということにつきましても、生産者の間では、まだ議論がし尽くされていないという点もあります。  それから品種につきましては、確かに昔と事態は変わっていることは私どもも認めますが、現実にはやはり民間あるいは国の協力で優良な、外国に負けないような国産鶏の作出ということも逐次成果を上げてきているわけでありますから、そういったことを実質的にやっていくことが大事じゃないかと思います。しかし、法の問題は今後の検討課題とさせていただきたい。よく生産者の意見を聞いてみたいと思います。

神田厚民社党

○神田小委員 養鶏振興の中で、養鶏の農家は特に零細農家が多いというような状況の中で非常に大きな商系企業の進出がはなはだしいということの問題がたくさんあるわけであります。ですから、農家養鶏を守っていくというふうな面から見れば、この商系企業の養鶏に対する規制をやはり強化していかなければならない。養鶏振興法の中にそういうものを盛り込むかどうかは別でございますけれども、そういう問題で、いわゆる商系企業養鶏に対する規制の強化という問題についてはどういうふうにお考えになっておりますか。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 養鶏は御存じのとおりインテグレーションが割り合い進みやすい世界であります。商系による規模拡大、系列というものが進んでいるのも実態であります。そこで、私どもが注意しなければならないのは、先ほど申し上げましたように需給が緩和基調になっているときに生産調整をしなければならない、こういうときでありますから、農家の皆さんがそれぞれ生産の目標を守っていただくという形で自主的にやっていらっしゃる、ところが、それを商系がややもすれば乱しがちであるというところに問題があると思います。私どもは市町村等にそういった生産調整協議会というものをつくっておりますが、商系が撹乱者になるという場合には逐次報告していただいて、地方農政局、地方農政局でできない場合には、本省においてじかにそういった商系を対象にして厳重に指導をしていきたいと思っております。事実指導した例もございます。

神田厚民社党

○神田小委員 時間が来たので最後に御質問申し上げますが、畜産物の価格の問題、これに今年度どういうふうに取り組んでいくかということが、これから先の二百海里という厳しいたん白資源の不足に追い込まれた日本の現状に対しまして大変重要な意味を持ってくるというふうに考えているわけでありまして、私どもはいま野党五党で、畜産物価格に対する決議の問題を協議中でありまして、畜産局長に対しましてもそこに出て話し合いをしていただきたいという要望が来て、質問を終わってほしいという要求が来ておりますが、いま申し上げました加工原料乳の問題あるいは豚肉、牛肉の問題、そしてさらには鶏あるいは飼料の需給の問題、こういう総合的な問題を含めまして畜産審議会が前向きの答申を出しても、毎年毎年それが実行されない。こういうことでは畜産審議会そのものの存在のあり方が今度問われてくるわけであります。したがいまして、審議会答申につきましてわれわれ厳しい注文をつけると同時に、審議会答申におきまして附帯されました決議などにつきましても、必ずこれを実行できるような形でひとつ極力御努力をお願いしたい、こういうふうに考えておるものであります。畜産問題は大変重要な問題であります。全国の畜産農家の危急存亡に際しまして、ひとつこの際勇断をふるいまして農林省の前向きの御姿勢をお示し願いたいと思います。最後にこのことを御質問を申し上げて終わります。

大場敏彦農林省畜産局長

○大場政府委員 いろいろ御趣旨を承りました。いずれにいたしましても近々最終的な結論を出すつもりでおります。畜産振興審議会の附帯決議あるいは答申その他につきましては、もちろん私どもは忠実にそれを履行するという姿勢で行政を進めていきたいと思っております。

山崎平八郎自由民主党

○山崎小委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕

山崎平八郎自由民主党

○山崎小委員長 速記を始めてください。  この際、お諮りいたします。  本小委員会は去る十五日と十八日畜産問題について調査を行い、また本日調査を行ったのでありますが、畜産物価格等に関する件について本小委員会の結論を次のとおり決定いたしたいと存じます。  結論の案文を朗読いたします。     畜産物価格等に関する件(案)   わが国の畜産は飼料の海外依存及び畜産物価格の低迷によって自給率は年々低下し、最近、畜産農民の努力によって生産が若干回復したとはいえ、その経営は極めて不安定な状態にある。   加えて二百海里漁業専管水域による漁獲量の減少が避けられない今日、動物たん白質の国民食糧確保のためにも畜産物の自給率引上げは一層重要な課題となっている。   このため、政府は、昭和五十二年度加工原料乳保証価格ならびに豚肉、牛肉の安定基準価格等の決定にあたっては、左記事項の実現に努め、畜産業の安定的発展の諸施策に万遺憾なきを期すべきである。        記  一、加工原料乳保証価格については、生産コストの上昇を適正におりこむとともに、家族労働費について製造業労賃が十分に反映されるよう評価するなど生乳の再生産確保が図られる水準に引き上げること。    この場合、自給飼料生産労働費の評価については、酪農における粗飼料生産の重要性にかんがみ、特段の配慮を加えること。  二、加工原料乳の限度数量設定に当たっては、生乳の生産事情等を的確に把握し、十分な量が確保されるよう措置すること。    なお、五十一年度の限度数量超過分についても、補給金と同様の措置が講ぜられるよう努めること。  三、飲用原料乳については、消費の積極的拡大を図る各種施策を推進するとともに、生乳の広域需給体制を整備促進すること。    なおこれとあわせ、還元乳等については早急に生乳に切り替える措置を講ずること。  四、豚肉及び牛肉の安定基準価格等については、労賃、生産資材等の上昇を適正におりこむとともに、所得の補償にも十分配慮し、その再生産確保が図られる水準に引き上げること。    なお、素畜の価格安定制度の拡充強化及びその安定的確保を図ること。  五、鶏卵、鶏肉に対する需給調整を徹底するとともに、卵価安定基金及び液卵公社等による価格安定機能を一層強化拡充すること。  六、近年諸外国からの輸出攻勢が強まっている牛肉等の畜産物の輸入については、これがいやしくも国内の需給と価格に悪影響を及ぼすことのないよう輸入割当及び関税制度等の適切な運用に努めること。  七、飼料の国内自給度の向上を図るため、国有、民有林野の積極的活用等による草地造成の促進及び飼料作物の増産奨励等に対し、重厚な財政措置を講ずるとともに、輸入飼料の安定的供給を確保するため、備蓄及び価格安定機構の一層の充実を図ること。  八、酪農等にかかる畜産農家の負債が累増している実情にかんがみ、これが整理のための所要の金融措置等を講ずること。 以上を小委員会の結論とすることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山崎平八郎自由民主党

○山崎小委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、本件につきましては、これを小委員長から農林水産委員会に報告するとともに、委員会において決議せられるよう提案することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山崎平八郎自由民主党

○山崎小委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本日は、これにて散会いたします。     正午散会

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