農林水産委員会公害対策並びに環境保全特別委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 146 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/03/16
会議録
○金子委員長 これより農林水産委員会公害対策並びに環境保全特別委員会連合審査会を開会いたします。 先例によりまして、農林水産委員長の私が委員長の職務を行います。 松くい虫防除特別措置法案を議題とし、審査を進めます。 ————————————— 松くい虫防除特別措置法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○金子委員長 本案の趣旨につきましては、お手元に資料を配付いたしてありますので、これにより御承知願うこととし、質疑に入ります。 この際、御質疑される各委員に申し上げます。質疑は申し合わせの時間内で御協力をお願いいたします。なお、政府当局におきましては、その答弁を簡潔にお願いいたしたいと存じます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島本虎三君。
○島本委員 今回提案されております松くい虫防除特別措置法案につきまして、私は環境、健康への影響、これを主にしてお尋ねしたいと思うのであります。 林野庁長官も、数ある私の疑問に対しまして一々メモしながら「島本虎三先生からの質問事項に対する見解」として、長官みずからがメモで答えてくれたわけであります。その労に対しては感謝するにやぶさかではございません。私も三月の一日から三日までの間、姫路、岡山を視察してきておりますが、その結果をもとにして、見解に沿うて順次質問を行いたい、こう思うのであります。 まず、林野庁長官にお伺いしますが、二月二十五日に私の手元へ長官から一緒に持ってまいりましたこの私の質問事項に対する見解としてのメモ、これには間違いございませんですね。
○藍原政府委員 そのとおりでございます。
○島本委員 そのうちの第二番目にございますが、松くい虫被害大発生の経緯、原因についてであります。これには、答えとして「松くい虫による被害は、最近急激に増加し、昭和五十年度には、被害材積一〇〇万立方メートル、被害面積四四万ヘクタールに及んでいる。この原因については、(1)燃料革命等により松材の需要減退があり、燃料革命以前に意図せずに行われていた枯枝の採取、枯損木の伐採搬出等による防除効果のある行為が行われなくなり、被害のまん延源が増大したこと。(2)松の材価、特にチップ材の価格の低迷、労賃の上昇等に伴い、松材生産の採算性が悪化し、立木伐倒駆除等による森林所有者の自主的な防除が困難となってきていること。(3)昭和四十六年の西日本における風台風、昭和四十八年の春期から秋期にかけての異常高温、異常乾燥等により、マツノマダラカミキリ及びマツノザイセンチュウの成育繁殖条件がよかったこと。等の各種因子が複合して、マツノマダラカミキリの生息密度が大幅に上昇してきたことによるものと推測される。」このようになっておるのですが、このとおりですか。
○藍原政府委員 私どもは、おおよそそういうものが原因であろうというふうに考えております。
○島本委員 では、ただいまのお答えに沿うてお伺いしますが、この松枯れの異常発生の直接的原因として、林野庁はマツノマダラカミキリの生息密度が大幅に上昇したことにある、こういう見方をしておるようであります。また間違いないと言っているのでありますが、それでは激害地のマツノマダラカミキリの生息数について正確な調査と分析をしているのかどうか、どのような生息数の変化があったのか、お答え願いたいと思います。
○藍原政府委員 細かい数字は持っておりますけれども、ちょっと探しますので、時間をいただきたいと思います。——どうも失礼しました。 私どもの調査の一例を申し上げますと、和歌山県潮岬の黒松の平地林で調査したものがございます。それによりますと、全発生期間を通じまして一ヘクタール九百六十本の枯死木から一万九百四十九の成虫の脱出したことを認めております。このような激甚地はきわめて少ないわけでございますけれども、通常は大体五千頭くらいになるのではなかろうかというふうに考えられております。 それから、いま申し上げました調査によりますと、全発生期中の一日当たりの最大羽化率は五・六%となっておりまして、これから推計いたしますと一日当たり最大発生数は六百十三頭ということになります。これもきわめて激甚な林分でございますので、通常では百ないし四百頭程度ではないかというふうに考えております。
○島本委員 いろいろデータでお答え願いましたが、マダラカミキリの生息数の正確な把握、いまのは推測のようでありますけれども、正確な把握、これを完全にしておりますか。ことにこれは激害地のマダラカミキリの生息数についての推測ですか、正確な調査分析ですか、ちょっとお聞かせ願いたいのであります。これは大事でありますから……。
○藍原政府委員 いま私が推定と申し上げましたのは、一ヘクタールなら一ヘクタール全部を調査するのではなくて、その中の標準地をとって、それを計算いたしますので推定というふうに申し上げたわけであります。
○島本委員 そうすると、マダラカミキリの生息数の正確な把握、これは推定であります。この推測に基づいて殺虫剤を大量に空中散布するということになるのでありますが、推測に基づくということでは、少し冒険じゃないでしょうか。こんなことで、空中散布に反対する住民が納得することができるでしょうか。だれが考えても不可能なことじゃないか、こう思うのでありますが、基本となる事項の調査研究が不足しているし、いまなお安全性についても研究段階じゃないかと思うのでありますけれども、この点、調査研究の不足している段階では、大量散布という、それも空中散布というこういうようなことでは余りにも乱暴じゃないか、こういうふうに思われますが、これはいかがでしょう。
○藍原政府委員 試験場については、私はいま一例を申し上げたわけでございますけれども、そういうふうに全国にいろいろな調査のプロットを置きまして、環境の問題等いろいろと調査をいたしております。私どもといたしましては、そういう調査過去並びに四年間におきます空中散布によりますいろいろな試験研究の経過から、今回薬剤による空中散布をすることに決めたわけでございます。
○島本委員 私の言うのは、それに真っ向から反対と言っているんじゃないのです。この研究段階、調査研究が不足した段階でやると、いま順次申し上げていきたいのでありますけれども前例があるのです。それを欠いた状態で大量にやるということに対する危険性、これを私はおもんばかるから聞いているのであります。しかし、依然として長官の御答弁では、これは推測になっているのです。また、推定になっているのです。これに対しても私は少し疑義を感ずるのです。こんなことでいいでしょうか。 広島、岡山、兵庫、瀬戸内海の松枯れ激害地の多くは大気汚染地域とオーバーラップしているということは、これはどういうことでしょうか。しかも、これらの地域では大気汚染の状況とぴったり一致するのです。特に風向きに直面する斜面、それと谷筋の松枯れが多いという現地調査結果が出ているのであります。大気汚染が松枯れの直接的な原因の一つ、こうなっているのじゃないかと思われますが、これについて林野庁の見解はいかがでしょう。
○藍原政府委員 私ども、松が枯れます原因といたしましては、松の自然枯死あるいは一部ツチクラゲというような菌による松の枯死、さらにはいま問題になっております松くい虫による枯死、いろいろあろうと思います。そういう意味で、松が枯れるのはすべて松くい虫だというふうにわれわれ断定しておるわけでもございませんし、いろいろな原因であろうと思いますが、ただいま発生しているように大量に全国的に激害が出るというこの原因は松くい虫であるというふうに考えておるわけでございます。 それから、先生がおっしゃいました工場地帯の煙その他の関係で大気汚染の地域と合致しているではないかということにつきましては、私ども、その話は聞いております。ただ、私どもが考えておりますのは、大気汚染で調べられた地域と、私どもが研究経過から認識しておりますいわゆる温度との問題、この関係がたまたまその地域におきましては大体同じような状況になっております。したがいまして、私どもといたしましては、やはり松くい虫の被害の原因は、大気汚染そのものによるものではなくて、マツノマダラカミキリが運ぶ材線虫によるものであるというふうに考えております。
○島本委員 その因果関係と経過、発生したそのマダラカミキリによる材線虫、すべてこれが原因だとして、そうなるまでの経過、こういうようなものに対して一切目をつぶるというこの態度はいかがでしょうか。やはりこのオーバーラップしているということ、それから大規模工業地帯、この方面では、長官も御存じのように、もうすでにエアセット、影響する範囲は三十キロなんです。ほとんどこれは二十キロから三十キロの間にぴたっと発生しているのであります。ですから、これはマダラカミキリであって大気汚染の影響はないものであるというこの認識は、私は、やはりこれは一方的じゃないか、欠けるものがあるんじゃないか、こういうふうに思うのであります。しかし、これが私も行って調査したその結果、また、そのことに対しても聞いてまいりました。この問題に対してはいかがでしょうか。私が現地調査した兵庫県の高砂市では、排煙雲、煙が煙突から出るその雲の流動方向と松枯れの状態の分布が一致しているのであります。特に、排煙雲が滞留したり、また、消滅する地域に松枯れが激発しているわけであります。これは、具体的観測結果を含めて、詳細に私はその報告を受けたのであります。山を毎日見ながら懸命に観測を続けている地域の人々のこの努力に対して私は敬服をしたわけでございますけれども、同時に、大気汚染が松枯れの直接原因の一つである、こういうふうに私は強く感じたわけでありますが、林野庁初め政府としては大気汚染との関係はまず考えておらない、このような指導をしておられるようです。現に岡山県では、ありませんということを断言しているのであります。兵庫県では、これはあるかもしれないし、硫黄酸化物は調査したけれども窒素酸化物はまだだ、こういうふうに言っているのであります。しかし、そういうふうにして見ますと、この辺の関連性というものをやはりもっと研究しておかなければならないし、調査しなければならないんじゃないか、こう思うのであります。ことに、アカマツは大気汚染耐性度は弱い第一位にランクされているんです。それと同時に、SOxに対する感受性は最悪と言われているわけです。いまアカマツがばたばたいっているんです。材線虫だ、大気汚染の影響は全然ないと、果たしてこれはそう考えられるでしょうか。この点について環境庁の長官、どうでしょうか。
○藍原政府委員 私も、先ほどのお答えで、大気汚染では絶対にないとは申し上げておらないと思います。いろいろな原因で松が枯れると思います。したがいまして私どもといたしましても、松が枯れる原因がいろいろある、したがいまして、間接的にはあるいは大気汚染という問題もあろうかとは思います。しかしながら、今回のように大量に発生しているのはマツノザイセンチュウが直接原因であるというふうに考えております。と申しますのは、たとえば九州に離れております屋久島とかあるいはその他の離島にも非常にたくさん出ております。それから、九州地帯の虹の松原とか吹上浜とか、そういう非常に大気のきれいなところでも大量に発生しております、したがいまして、今回のこの大量のものはマツノザイセンチュウによるものであるというふうに考えておる次第でございます。
○島本委員 昭和四十四、五年ごろ、公害立法の一大見直しがあったわけであります。それ以前は、やはり大気汚染も水質汚濁も目に余るものがあったわけです。その対策として高煙突広拡散という政府の指導方針が確立しておったわけです。すなわち、二百メーター以上の煙突を立てて逆転層の上に煙を送り出してやる、それは遠くの方へ運んでくれるからこれで被害はないんだという考え方なんです。高煙突広拡散、この方式を政府は指導したのであります。そうすると、いま普通の煙突の場合ではエアセット三十キロ、そうするとその中にみんなオーバーラップして入る。遠くにあらわれているからいいじゃないかと、そうでしょう。しかし、高煙突広拡散によって逆転層の上に突き抜けさして、それを遠くまで運ばせる指導はだれがしたのでしょうか。そういうふうな指導はだれがしたのでしょうか。そういうような指導をして、そっちの方に流雲、排煙雲、この後も追跡調査をしないで、した人たちは全部それらが行って、折れる個所、消滅する個所、ここに松枯れが発生していると言うのであります。国の方では高煙突、高拡散を指導した。それによって遠くまでこれが飛散しているのであります。そうすると、コンビナートがないところにもそれが起きるというのは予想されるではございませんでしょうか。それと同時に、瀬戸内海の水は、昭和四十七年で水の一日の汚濁負荷量は千三百五十トンです。もうすでに自然還元サイクルに乗って自浄作用を起こされないような状態になり、赤潮が発生して、水産業者はいつも苦しんだ。それで三年間の時限立法で瀬戸内海環境保全臨時措置法をつくったでしょう。ことしで三年目でしょう。そして、本年でこの法律が三年の時限立法ですから切れることになる。それに対しての基本計画も、それからそれの受け皿に当たる実体法も、そういうものをつくらないままにこれが消滅しようとしたのです。去年の十一月です。ですけれども、それはようやくもう二年延ばした。この間にやらなければならない問題は、基本計画の設定と実体法の法制化です。しかし、水はそれほど汚れている。その実態の中で島やまたそれらの周辺の地域の水が汚れて、そうまでしているのに空だけは大丈夫なんだ、こういうようなことを簡単に考えるということは、私は少し早計じゃないか、こう考えているわけです。水が汚れている。そして三年間の中にそこらの自然還元サイクルになって自浄作用を起こせるだけの三百トン台の汚濁負荷量に減らす、こういうようなことでいまやっているのでしょう。空の方は関係ありません。水も空も汚れているなら同じじゃないですか。そういうような想定ができないでしょうか。したがって、私はやはりその方面に対してももっときちっとした姿勢をとらせなければ松はやはり弱るに弱るだけ弱ってしまう。弱っているからそこに材線虫が入ってきたらどうにもできなくなる。こういうような経過をたどっているじゃありませんか。林野庁では全部マダラカミキリ、それが異常発生した。そして材線虫、これによってみんな倒れた。その以前の松が弱る状態は関係なし、こういうようなことを考えておられるようであります。環境庁長官ももういままで説明したのでわかったでしょう。この状態に対してあくまでも材線虫だというのは、環境庁は環境の汚染の影響があるということを考えられませんか。
○石原国務大臣 林野庁長官も松が枯死するその前提に大気汚染による樹勢の衰弱というものがあることを認めていらっしゃるようにいまお聞きしましたが、私もそのように心得ます。
○島本委員 それでは決定的な問題。これは千葉県の市原市臨海工業地帯の周辺の杉、クロマツ、それからアカマツの年輪解析を新潟大学の鈴木哲氏が七四年六月に行ったわけです。この結論として、臨海工業地帯の操業と同時に樹木の成長が悪化した、こういう見解を明らかにしているのです。これです。きちっと出しているのです。そして、これは大気汚染との関連を示す一つの事実ではないか。成長の悪化、当然これは樹勢の衰え、そこに松枯れ、こういうようなものの発生する原因の一つに考えられませんか。当然なくなっているわけであります。 これだけではございません。もうすでにわれわれの調査した姫路の段階でも、それがはっきり出されております。そうしてこの中では、龍谷大学の吉岡金市博士が提供した岡山市の興除曽根の屋敷の松、この枯死の状態も年輪とともにこれをはっきり出しておる。これをそっちに渡しますから、後で見てください。それと同時に、この中には「線虫検出セズ」とある。一九六一年から二年。水島からの東北方十二キロから十三キロの地点。この屋敷ではここ数年、毎年二、三本ずつ枯れている。こういうような龍谷大学の吉岡博士の提供された資料もあるわけであります。したがって、こういうものを見る場合には、もう少し大きくこの問題をとらえて、日本全体の環境という点から見て、これは環境庁長官も農林大臣も——これは直接水産にも影響してくるわけであります。水産にもこれらの影響があるのでありますから、この点もう少し大きい見地からこれらは調べる必要があるのではないかと思うのであります。この点農林大臣いかがですか。
○鈴木国務大臣 大気汚染による樹勢の衰弱、こういうものが松くい虫の繁殖を助長した、そういう間接的な影響というものは私は否定できないところであろうか、こう思います。しかし、いずれにいたしましても、島本先生御承知のように、この一両年における松くい虫による大変な被害の状況というものは放置できない状況下にあるわけでございます。私どもは今日までも四年間にわたってやってまいったわけでありますけれども、こういう激害の状況は放置できない、できるだけ早くこれの蔓延を防除しなければならないということで、今回特別措置法の制定の御審議を煩わしておるわけでございます。また、大気並びに水質の汚濁ということが漁業の面、その他のわれわれの生活環境の面に大きな影響を与えておるということも御説のとおりでございまして、今後農林行政の面からも、やはり大気並びに水質の汚濁という問題の防止対策というものは真剣に取り組んでいかなければならない、こう考えております。
○島本委員 農林大臣の御意見は一番はっきりしている。わかりました。 私は、林野庁の長官にもう一回。私の手元には、姫路の住民運動の資料が一つあるのであります。後でこれを見てください。ここでは、水島のコンビナートのある倉敷市粒江黒石地区、この地区の山林所有者二百二名の人が山林の被害補償要求委員会を結成して、昭和五十一年の六月四日付で倉敷市長あてに総額十一億一千二百八十五万円の公害による松枯れ補償の請求をした、こういうことであります。この補償要求は、水島コンビナートの出現により大気が汚染され、そうして動植物に甚大な公害を発生させ、影響を与えた。その一つとして、この松林に対する被害があるけれども、市は、松枯れは松くい虫だとして責任をとろうとしない。したがって、今後はこれを訴訟に持ち込むかもしれない、こういうようなニュースであります。もうすでにこれはすべてはマッノザイセンチュウ、このせいであって、一切公害並びに大気汚染あるいはまた水質汚濁、こういうようなものは関係ないのだ、それも間接に関係するのだとも言っていない。関係ないのだとして全部これに対処しておる。ことに岡山県では全然関係ありませんと言い切っておる。こういう指導をしてはいけないじゃありませんか。生きているのです。ですから、この辺の指導は、何かしら公害であるとか大気汚染のせいだというと、それはすぐ損害賠償の対象にされるおそれがあるということで、林野庁も一緒になって、そうじゃないんだマツノマダラカミキリだ、そうしてそれが運ぶ材線虫だ、それが一番悪いんだから、それをやるために空からまけばいいんだ、こういうような結論に短絡しますから、それが一番やりやすい行政だ、こう考えてそれに集中しているんじゃありませんか。 きのう農林水産委員会で参考人を呼んでこの問題に対していろいろ調査があったわけであります。馬場昇委員の質疑に答えて、これは日本植物病理学会の会長であります伊藤一雄参考人でありますけれども、マツノザイセンチュウが松を直接枯渇するのは間違いない、それから大気汚染にも弱いものだとはっきり言っております。そして石原参考人は、大気汚染の影響がはっきりあります、松は亜硫酸ガスに弱い、自動車の排気ガスも影響いたします、一番影響を受けるのは梅の木であります、まず梅が枯れ、それからアカマツだ、こういうようなことを言われておるのであります。そうすると、やはりこれは影響があるということになるじゃありませんか。あくまでもこれを否定する立場に立たないで、やはりこの問題の解決を図る方が常道だと私は思うのであります。 それと同時に、この影響がどうなのか、こういうような質問も皆さんがしておったのであります。これに対しましては、それぞれの参考人からの意見が開陳されました。私はそれを全部聞かせてもらいました。林野庁の方で指導してきちっとやっていますから、私ども調査して、岡山県あたりでもこれをきちっと出しております。「松くい虫防除(薬剤の空中散布)についてのお願い」として、これは皆さんの指導によって出しているんでしょう。「使用薬剤」「散布する薬剤は、有機リン殺虫剤(主成分スミチオン)で、これは昭和三十七年以来我国では稲・果樹・蔬菜・茶等農業用として広範囲に使用され、家庭でも蝿・ゴキブリ等の衛生害虫を対象として私達が普通使用しているもので、低毒性の薬剤です。」とはっきりそう言っているのであります。それから「薬剤の安全性」については「スミチオンは人畜・鳥類に対してはきわめて毒性が低く、体内に入った場合分解や尿からの排せつが速く、薬物の蓄積のない安全な殺虫成分と言われています。また、空中散布に使用する薬剤濃度では、人畜はもち論、鳥類、魚類なども安全であることが各種の試験で明らかになっています。」こういうようなことをはっきり言って住民を指導しておるのです。これはもう皆さんの手に入っているからおわかりでしょう。本当にこれは鳥類や魚類などでも安全であることが各種の試験で明らかになっているのですか。これによってエビが死んだというような報告さえも聞かれるのでありますが、こういうようなことはないのでしょうか。このとおり絶対安全なんでしょうか。私はこの点についてまずその安全性の点間違いないかどうか。こういうような宣伝をしておりますが、林野庁長官どうですか。
○藍原政府委員 私もそのビラは見ております。薬剤につきましては、その使用方法とその使用濃度、こういうものでやはり安全性の度合いその他は変わると思います。私どもただいま使おうとしております薬剤につきましても、それぞれ専門の方ですべて検査されました結果、こういう使い方であるならば一応安全であるというふうなデータが出ておりまして、それに基づいて、私どももその薬を使いましてマダラカミキリを退治しよう、こういうことを考えておるわけでございます。したがいまして、いま申し上げましたような方法、濃度で使うならば安全であるというふうに理解しておりますけれども、ただ、虫を殺す薬でございますから昆虫については一部同時に死ぬものもございます。それから調査結果によりますと、一部エビ等にはきわめて問題があるというふうに聞いております。したがいまして、そういうものに対しましては、まく場合には十分その被害対策をやってまこうというふうに考えておる次第でございます。
○島本委員 これはいかがでしょうか、安全性の場合は「人畜はもち論、鳥類、魚類なども安全であることが各種の試験で明らかになっています。」これではやはりみんな被害はないものだと安心しますよ。ただこの中で私ども不親切だと思う点があります。確かに低毒性のものである。しかし、それは濃度が幾らというようなことを全部書いてないのであります。量も書いてないのであります。ただ、これは安全だ、人畜無害、鳥類、魚類安全だ、こういうようなことで指導しているのであります。現に、それによってエビなんかほとんどやられたという報告さえ出ておるのでありますが、これは農林だけじゃない、漁業にも影響が来ているということははっきりしているじゃありませんか。 それで、ちょっとお伺いいたしますが、この空中散布のスミチオンは毒物劇物の取り締まりの対象になっておりますか。
○宮沢説明員 御説明を申し上げます。 スミチオン、これは一般名フェニトロシオンと私どもは呼んでおりますが、この物は毒物及び劇物取締法上では普通物になっております。
○島本委員 使用は安全かどうかという点では、これはどうなっておるのでございましょうか。低毒性だから何でもない、そうなれば、量は問題に入らないのでしょうか。
○堀川政府委員 低毒性であることは事実でございますが、低毒性の物といえども大量に経口で摂取するような——これは普通はそういうことはないわけでございますが、大量に経口で摂取した場合とか吸入した場合とかいう場合には人体に影響があるわけでございまして、私どももこのMEP剤についての事故の状況を各県から報告をとってございます。過去三年間に、四十八年に六件中毒事故がございますというようなことで、やり方を間違えますと人体に影響があるということは事実でございます。
○島本委員 そうすると、やり方と量は問題だということでしょう。
○堀川政府委員 やり方を間違えますと量を過大に体内に取り込むということになるので影響があるわけでございます。
○島本委員 かつて除草剤の二・四・五T、こういうような物がございましたが、これは林野庁、以前使いましたが、現在使用されていますか。
○藍原政府委員 使用されておりません。
○島本委員 これは何で使用していないのですか。いつから使うのをやめたのでしょうか。この問題については、二・四・五Tは無害だとして、林野庁では空からばらまいたものでありますが、それを使うのをやめたというのは、いつから使うのをやめたのか、その理由等についてちょっとお伺いしたい。
○藍原政府委員 いつからかといま御質問でございましたけれども、私ははっきりと何年かは覚えておりませんが、林野庁といたしましては、林野庁独断でこの薬がいい悪いということではなくて、いま局長がお話しいたしましたように、農薬についてはそれぞれの検査その他がございます。そういう決められた法律に基づくものについて対応しておるわけでございまして、いま申し上げました二・四・五Tにつきましても、そういう観点から散布を中止したわけでございます。
○島本委員 私が聞いているのは、やはりこれも同じ経過だったのです。除草剤の中の二・四・五Tはいま使用中止になっていることはおっしゃるとおりです。これはベトナム戦争で枯葉作戦に使って、日本ではこれを使用禁止した理由は催奇性が問題だということなんです。そして林野庁は当初は一番安全だとして、本気に思い込んでこれを使っていたのであります。ところがベトナム戦で大量に使って奇形問題を起こし、国内では下北の日本猿の奇形問題がまた問題になったりして、ついにこれは使用禁止になった、こういうような経過があるのであります。そうしますと、二・四・五Tは劇物ですか普通物ですか。
○宮沢説明員 御説明申し上げます。 二・四・五Tは毒物及び劇物取締法の上で劇物に指定されております。
○島本委員 それをかつては空からばらまいたのです。そして問題を起こしてやめたのです。そういうようなことだった場合には、今度は普通物だ、そして今度普通物だからということで同じようなことをやる場合には、この二の舞を犯さないという確信持てましょうか。私はやはりこの点は研究不十分なままにやってはいけない、このことなんですよ。十分もっと研究すべきではないか、こう思うからなんですよ。 私の手元にはこういうものがありますが、これは環境庁長官にも来ているはずです。本年の二月二十三日付でカナダのキングス・カウンティー・レコード編集長ジョン・D・エバレット氏から日本の総理大臣、それから天皇、それから環境庁長官にもあててこれが来ているわけです。これを長官見ておりますか。
○石原国務大臣 見て承知しております。
○島本委員 承知しているならばこれに対してどういうお考えでしょうか。その中で「私たちは貴殿と日本の人々に、適切に試験されていない危険な化学物質が日本からカナダのニューブランズウイック地方に輸入され、そこの生態系が破壊されたことについて抗議する。」こういうようなことであります。そしてその中には「この化学物質はフェニトロチオンといい、大阪の住友化学で生産され、スミチオンという商品名で販売されている。カナダで最も権威ある連邦政府の科学機関であるザ・ナショナル・リサーチ・カウンシルはフェニトロチオン(スミチオン)の研究のために、七人の科学者を充てた。彼らは熟考の結果次の結論を下した。「多くの実験室内の研究は環境的に適切な条件できちんと行われていない。フェニトロチオンの複合的な危険はそれからは判断できない。」」こういうふうに言っているのであります。その中でまたいろいろありますが、一、二だけ拾ってみますと、「アーリーレイド博士は、ノバスコシア州のハリファックス市の医学長でもあるが、フェニトロチオン(スミチオン)が人間の体内に吸収されると脂肪組織に蓄積され、体の抵抗力が弱まると病気を起させる。長期間に人に与える影響は、一度も研究されていないので、まだ知られていない。フェニトロチオンが残留すると、その十倍の毒性を持つものに変化する。食糧庁と農業局は、催奇性をフェニトロチオンが持っているかどうかチェックするべきであると述べている。」いろいろあるのでありますけれども、これは省略しましょう。まだまだあるのです。こういうようなものが来ているのだが、これはもう長官は知っているというのですから、これに対してどういうふうに措置しましたか。このままでは、ちょっとまだ研究の点でも不十分だということになるのではありませんか。それをそのまま使用を認めるということは冒険じゃありませんか。環境破壊、人畜被害につながるじゃありませんか。この点、長官はどのようにお考えだったのですか。それを見ていないならまだしも、見ているということならなおさらのことでありますから、これを長官に伺います。
○石原国務大臣 環境庁といたしましては、いま先生が述べられましたとまた違った見地の知見をも勘案いたしまして、環境庁の判断をしたわけでございます。詳しくは政府委員から答弁させていただきます。
○二瓶政府委員 ただいま先生からお話ございましたように、カナダのキングス・カウンティー・レコード社から環境庁長官あてに、写しでございますけれども、一応抗議の文書が参っております。確かに発信の日付がことしの二月二十三日付でございます。それを環境庁は二十八日に受け付けております。 抗議の内容といたしましては、ただいま先生からお話ございましたように、人の健康への影響というような点、これにつきましても記述がございます。たとえばいま先生がおっしゃいましたように、脂肪組織中に蓄積して体の抵抗力が弱ったところで病気を悪くするとかいうようなこともございますし、カナダの学術会議で本農薬使用による安全性の評価が十分でないというような結論が出されているというようなことも確かに記述してございます。この面につきましては、このフェニトロチオン自身が、カナダ政府におきましても林業用に空中防除してもいい農薬ということで認められておりまして、しかも現にカナダにおきましても、ケベック州、それからこの手紙を発信いたしましたニューブランズウィック州等においても、林業用に使用されておるということでございます。 われわれといたしましては、この人の健康への影響の問題については、わが国としても低毒性の農薬であるということは先ほど来申し上げているわけでございますが、さらにこの安全性の評価はFAO、WHOの合同専門家委員会等におきましても評価をされておる、スクリーニングをされておるということでございますので、問題はないものというふうに考えております。 それからなお、先生からいまお話ございましたように、本農薬を長期間放置いたしますと、Sメチル誘導体というものを生成するが、これは十倍ぐらいの毒性があるのだというような記述が確かにございます。この面につきましては、そういう十倍ぐらいというのは実際は二倍ぐらいというふうにわれわれ見ておるのでございますが、これは非常に不安定なものでございまして、速やかに分解をするということで問題ないというふうに判断をいたしております。 それから催奇形性の問題等もちょっとお話ございましたけれども、この面につきましてもFAOとWHOの合同委員会、これでは当初そういうことが問題になったという時期もあったようでございますけれども、一九七四年の委員会で、問題ないという評価を受けておるというふうに聞いております。 そういうようなことで、確かにこのカナダのキングス・カウンティー・レコード社からの公開抗議文の写しは環境庁長官あてにも届いておりまして、われわれその中味も吟味はしたわけでございますが、結論的に申し上げますと、抗議文にあるような問題が発生するおそれは万々ないのではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○島本委員 急性毒性、慢性毒性、催奇形性、こういうような点で万々ないのじゃなかろうか、こういうふうなお話であります。これをやったのは一九七四年ごろの調査だ、こういうふうなことになっておるのであります。しかしこれはいかがなものでしょうか。私の手元には一九七六年新しい「眼科臨床医法」、これがあるのであります。これの中には、「1、徳島県下における農薬の使用量と近視学童の推移」「2、農薬中毒、特に慢性有機燐中毒の疫学的調査」「−佐久および弘前−」「3、カルバメート殺虫剤の毒性に関する実験的研究」あとこのほか4、5、6、7、8、9、10とずっとこれが羅列されて、最近の情勢として新しい研究結果の発表があります。一九七六年のものであります。そうすると、これには「有機燐剤の視覚毒性に関する研究」として「これら研究を見ると、OPは微量長期投与で眼を中心にかなり重い障害をきたすことが明らになってきた。」またスミチオンのように「低毒性と呼ばれる燐剤も残留性が強く、臨床的に慢性中毒が発現すると極めて治癒しにくい例が存在する。」それと「特に有機燐剤については慢性中毒や神経毒性について研究を開始したことから、本研究班がこれらの人達に、ひいては人類の福祉に果した役割は限りなく大きかったと考えている。今後は、人体になるべく害の少ない農薬の開発と、どうしても有機燐剤を散布しなければならないときには、それに対する治療薬を投与してから行なうといった行政的なアプローチが是非必要であると思う。」以下ずっとこうあるのでありますけれども、それは省略して一、二の点だけ発表いたしました。そうすると一九七二年から四年、催奇形性試験も、そして発がん性も、また慢性毒性も急性毒性もまずこれに対しては安全だと思うと言って、一九七六年に新たにこういうような論文が出され、そしてこういうようなことが認められているとしたら、もっとこの点に対しては注意しなければならないのじゃないか、こう思うのでありますが、この点はいかがですか。
○堀川政府委員 農薬の登録ないし使用につきまして安全を確保する、特に人体に対する安全性の確保に細心の注意を払わなければならないことは当然でございまして、それはその時点、時点の最新の科学的知見に基づいてこれを運営するという態度が肝要かと存じます。私ども新しい科学的知見が得られてまいりました場合に、それにはたとえばいま現在スミチオンにつきまして作物残留性の問題について厚生省が食品衛生法に基づいて基準をつくっておる。そういうことにも影響する問題でございます。したがいまして、たとえば食品衛生法上の基準を新たな知見に基づいて変更しなければならないというときには、農薬の扱いもそれと歩調を合わせましてやっていくことは当然でございます。そういう角度で厚生省あるいは環境庁、関係の省庁ともよく連絡をとりまして、新しい知見の把握に努め、それからそれをできるだけ速やかに評価をしていただいて対応していくというふうにしてまいりたいと思います。
○島本委員 時間だけたってこれはもう気が焦るのであります。しかしやはり聞くことだけはきちっとしなければならないのであります。 環境庁はこの法律の運用についての申し入れ事項の第四に、「特別防除による環境への影響について必要な調査を実施し、随時調査計画及び調査結果について環境庁に資料を提供するものとする。」このようにあるのでございますが、本来ならば特別防除を行う前に、特別防除が自然環境にどのような影響を与えるのか、または人体に被害をどのように与えるのかを十分に調査することが環境庁としての任務ではないかと思うのであります。これは特別防除を実施した後で資料を出せというのでは、依然として後追い行政と言われてもしようがないのではないかと思うのであります。 また申し入れの第五項に、「航空防除以外の新たな防除技術の開発に努める。」と、こうあるのでありますが、これは環境庁が、航空防除を妥当な方法だと考えていないからこのような申し入れをしたのではないか。妥当でないと考えるなら、航空防除を認めるのはまたおかしいのじゃないか、こう思うのでありますが、長官、これは何か相反したあなたの申し入れのようでありますが、この点についてひとつはっきり伺っておきたいのであります。 同時に、きのう聴取した参考人の意見の中にもいろいろの知見が出されておるのでありますけれども、しかし池田真次郎世界野性生物基金日本委員会の常任理事、この方もはっきり言っているのでありますが、試験官の中と外へ出た試験は異なるものだ、相乗作用もあるはずだ、植物生態系の問題もある、試験をきちんとして安全性を明らかにすべきだ、こうなんでありますが、そうするといま言った三つの問題を合わして、林野庁、環境庁、同時に厚生省でもこれは十分調査をすべきじゃないのですか。そして調査をきちっとするまでの間には、大量の画一的な空中散布を行う時期ではない、こうさえ考えるのでありますが、これは調査なしに余りにも対照的だ、こう思うからなんでありますが、それが将来に及ぼす影響を考えたならば、いま一番考えなければならない重大な段階じゃないかと私は思うからこれを言うのであります。伺います。
○信澤政府委員 大臣の御答弁の前に簡単に事務的に申し上げますが、申し入れました調査につきましては、いま林野庁等とも打ち合わせをさせていただいておりますが、まく前とまいた後、そういう時系列を追って調査する、こういう調査方法をとっております。ただし、いま先生御指摘のように、従来から空散はあったわけでございますが、その段階で組織的、計画的に私どもが調査をしていなかったという点は大変申しわけなく存じております。 それから防除方法の開発の問題でございますが、これは天敵利用等いろいろな防除方法の開発の余地があるのではないか。したがって私どもの考え方は、当面この特別防除という方式もやむを得ない、こういう考え方で、できるだけ早く他の防除方法を研究してほしいということを申しているわけでございます。 それから昨日池田先生が参考人としてお述べになりましたフィールドの中でもって実験をすべきだ、これはもう私どものような環境問題を扱う立場から当然のことだというふうに考えております。
○石原国務大臣 いま局長からお答えいたしましたが、そういう観点から環境庁も林野庁と別個に散布の後の結果の調査をいたすつもりでございます。
○島本委員 環境庁長官、この環境問題に対してあなた命をかけないとだめなんです。こういうような場合には環境庁設置法、これによって、環境問題に関してはあなたはもう総理大臣的な権限があるのです。意見を申し述べることもできる、そしてその問題に対して調査も命ずることもできる、ちゃんと法で規定されているのです。どうもこのごろ少し環境庁おかしいのじゃありませんか。この法案について社会党の主査である、きょうも出てきておりますが、馬場昇議員、それと社会党の農林水産部会の事務局長である島田琢郎議員、二月十八日にこの松くい虫防除特別措置法案に関して、環境庁の農林省への申し入れ事項は何であるか、このことを環境庁に求めたところが、それは林野庁に聞いてくれ、係長と思われる人がそういうことを言ったというのです。二人の議員も来ていますよ。これは無礼な言葉じゃありませんか。環境庁として、こんなことがあったのですか。私も公害対策並びに環境保全特別委員長として、これはまことに嘆かわしいのです。こんな態度、事実ですか。
○石原国務大臣 いま担当の局長に尋ねましたが、心当たりはないそうでございます。
○島本委員 現にここに馬場昇議員もいます。島田琢郎議員もいます。二人ともかけたのであります。ところが、関係ない——とんでもないじゃありませんか。これは、自分のところの大臣が申し入れたことを所管官庁が知らないで、相手の省に聞いてくれ、無責任もはなはだしいです。こんなことをやってはだめです。大臣もこういうような問題で、テニスなんかやらないで、もっと身を入れないとだめじゃありませんか。こういうふうなことが省内に行われている、まことに残念であります。大臣、どうですか。なお、この問題に対して関連質疑があるそうであります。大臣、答えてみてください。
○石原国務大臣 そのような事実があったかないか、再度調査いたしまして、ありましたならば、厳重に注意をいたします。
○金子委員長 関連質疑の申し出がありますので、これを許します。馬場昇君。
○馬場(昇)委員 ただいま島本委員が私とのやりとりの質問をいたされたわけですけれども、私が聞いたときに、林野庁に聞いてくれということでした。そんなばかなことがあるかと言ってさらに追及しましたら、私のところの部屋に来て説明をいたしました事実はあります。それに関係するのですが、いま島本委員から環境庁の行政姿勢についてただされましたので、私も一点関連して聞いておきたいと思います。 二月の二十五日に、公害に反対する団体の人たちが質問書を出しておりまして、大臣に、環境庁に回答を求めるために環境庁を訪れました。もちろん国会で長官が忙しいならば事務局でよろしい、こういう約束をしておったのは事実です。ところが、行ったところ、国分でも予算委員会が中断しておりまして長官がおられたわけですから、じゃ長官おられるなら長官に会っていただきたい、こういうことになったわけでございます。そうして長官の部屋に行かれた。ところが、長官はそこにおられて、皆たくさん行ったものだから、この部屋は狭いから上に行こう、行こう行こうと言って、長官は皆さんと一緒に出られたわけです。だから皆さんは十二階の会議室に行かれた。ところが、長官は上に行かずに下の方に行っちゃって一階に行った。そうしてどこかに行かれた。こういうことでございます。そういうことがありましたものですから、二時間ばかり長官の部屋で待つという事態が起こったのは事実でございます。こういうことがあったのですが、この時間帯に長官は予算委員会には行っておられない。そうしてテニスをやっておられたということは長官も認めておられるわけでございます。 関連質問でございますので、端的に三点お尋ねするわけでございますけれども、テニスは、私は国務ではない、公務ではないと思います。当日とられた態度というのは、私にとって言わするならば、フェアな態度ではない。素直に陳謝すべきである、そうして信頼関係というものを取り戻すべきだと私は思います。そしてまた、公開質問状には回答されるべきだと思います。公害に反対する人々というのはあなたの味方であるわけでございますから、ぜひいま言ったようなことについて率直にお答え願いたい。 第二点は、環境庁こそまさに開かれた役所であるべきです。どこの役所もそうですけれども、特に必要でございます。開かれた役所であるべきだと思うのです。そうしてまた、陳情とかこういうものについては長い間の慣行が環境庁にはございます。その慣行をさらに改善するということこそ必要であって、長い間の慣行を改悪するような態度はとってはいけない。非公開にするとかなんとか言われておりますけれども、そういう長い間の慣行を改悪してはいけないと思うわけでございますが、いかがでございますか。 私は、もう一つ体制との闘いなくして公害はなくならないし、そうして環境は守れないと思うのです。これは私は長い間水俣病闘争をやってきて経験して知っているわけでございます。そういう点について、長官の意見をお伺いしたいわけでございます。
○石原国務大臣 幸い御質問いただきましたので、私の環境行政に関する姿勢の問題でございますので、納得のいくようにお答えさしていただきます。 いま馬場先生がおっしゃられました事実はちょっと違います。また、新聞等も私の談話を載せておりますが、しかし、ついておる見出しは、それが非常に誤解されるような形になっておりますけれども、できるだけ簡単に前後の事情を申し上げますが、私は、原則的にすべての陳情を受けるつもりでございます。しかし、そのためにはやはり役所でも世間でも通用するルールなり礼儀というものがあると思います。それで、そのグループの人たちにはすでに一度一方的に座り込まれて、混乱を収拾するために、私は本意ではございませんでしたけれども、緊急に時間を割いて会いました。そのときにいろいろな話をいたしまして、水俣に関しましては重大な問題でございますから、私はもう予算委員会が終わり次第出かけていきまして、いままでの前任者もいろいろ努力をしたようでございますが、官房長官にもお断りいたしまして、できるだけ案件の少ない閣議を一日休ませていただき、できれば四、五日十分な調査をしたい、そのためにも、すでに東京でいろいろな方々にも会っておりますが、まあ不作為の問題が出ました水俣の問題を一歩でも二歩でも進めるために努力をするということで、別れました。(馬場(昇)委員「時間がないそうですから」と呼ぶ)しかし、大事な問題ですから、ひとつぜひ答えさせていただきたいのです。 それで、川本さんの公判の都合で上京されるようで、そのときに、何日の何時から何時までの間に会えと一方的な指定がございました。これはやはり、予算委員会もございましてどうなるかわかりませんので、一方的に指定されても困るから、私の方で都合のいい時間を申し上げるので、そこに会いにきてほしいということを申し上げたのです。ところが彼らは一方的に環境庁の前に集合ということで、そこで気勢を上げられ、私は快適な環境の問題について若いスタッフと会議をしておりましたときに、その諸君たちが下に集まったという報告を聞きました。その会議を終えまして、先ほども参議院の公環特で申し上げましたけれども、私ちょっとのどを痛めておりましたので、お医者さんとの約束があり、そのほか、いま慣行の改善をせよということでございましたけれども、環境庁が慣行としておりました陳情を公開するという慣行は、結果としていろいろな問題を生んでおりまして、私は陳情をできるだけ聞き取り、問題の本質を把握するために、やはり多くの陳情の方々が公開でなしに非公開で話をしたいという陳情が多いために、これは陳情は陳情者の意思によって公開、非公開を決めるという形に直したいということを申したわけでございます。 それで、そのときも役所でないところで会いたいという方がおられましたので、それに会うために二時に病院に行った後そちらに赴きました。それから夕方もやはりその種の会合と面会がございましたので、その間、あいた時間にテニスは確かにいたしました。 私もおかに上がったかっぱみたいで、どうもいろいろストレスがたまりまして、私なりに日曜も夜も働いているつもりでございますので、役所にもただしましたら、まあ特別職ですからあいた時間を有効に使ってよろしいということなので、私なりの判断でそういうことをしたわけでございますが、私は、あくまでも積極的にとにかく環境の問題に取り組むつもりでございますし、また、陳情を含めまして、やはり秩序を守りながら効率のいい形で行政をしていきたいと思います。 そういう意味で、あの場合あの方々に二度、そういう慣例をつくって一方的に面会を強要されるまま会うということは非常に悪い前例をつくる。ひいては役所を学園紛争のような状態に陥れるおそれがあると判断いたしましたので、面会は忌避いたしまして、こちらの指定した時間に来てほしいということを、きのうも宇井君を電話でつかまえまして、再度申し入れた次第でございます。
○馬場(昇)委員 陳謝する気はないかということと、学園紛争だとかなんとかいう、そんな態度で接せられたら、私は環境行政は成り立たないと思うのですよ。ぜひ注意してください。 この問題はあとで十分議論いたします。
○島本委員 いろいろございますけれども、農林大臣、以上いろいろ申し上げましたように、林野庁の散布という問題に対しては、現在必要だと言いながらも研究調査の点でまだまだしの感があります。やる場合にはもっと研究を深めて、研究の場合は林野庁がやっても環境庁がやってもまた厚生省がやっても、それをクロスしても、やり過ぎたということはないはずでありますから、十分にこの点は注意して、今後まさに人畜に被害がない、生態系にも影響がない、それから海のいろいろな生物にも影響がない、こういうような状態が望ましいのであります。研究の不足がもたらす弊害、これはもう子々孫々まで伝わるとするならばとんでもない罪を犯すことになりますから、その点は十分考えてもらいたいことを心から要請をし、一言農林大臣の決意を伺って、私はやめたいと思います。
○鈴木国務大臣 農林省としても、所管の林業試験場その他の農林省の各機関でいろいろ研究をいたしております。同時に、省外の各方面の研究団体その他の御意見にも耳を傾けて総合的に判断をいたしまして、環境の保全の問題あるいは生態系等の影響、そういうものにも細心の注意を払ってまいる所存でございますが、しかし、これをまだ一年延ばせとか、そういうような状況ではございません。松くい虫の被害は非常に蔓延をしてきておるわけでございまして、国土保全の問題、水資源の涵養の問題、その他総合的に判断をいたしましても、この事態というものは、過去四年間実施してまいりましたところで十分成果があるという立場を私どももとっておりますし、薬剤の使用等につきましては十分細心の注意を払いましてこの事業はぜひやっていきたい、このように考えております。
○石原国務大臣 大事なことを申し忘れましたが、私のとりました行動につきまして、いろいろ誤解を招き、混乱を生じましたことは大変遺憾でございますし、申しわけなく思います。
○金子委員長 永田亮一君。
○永田委員 きょうは防衛庁においでいただいて、後で御質問したりまたちょっとお願いしたいと思うのですが、その前に、農林大臣がお見えになっておられますし、林野庁長官にも松くい虫の対策について一般的なことを御質問申し上げるが、防衛庁もそれを聞いておってください。私もわからぬことがたくさんあるので、お尋ねをいたしますから。 この松くい虫の被害が最近大変目に見えてひどくなってきておるが、一体いつごろからこういう被害がひどくなってきたのか、いままで一体何をやっておったのかということが素朴な国民の疑問なんです。私は四年間落選をしておりまして、四年の間にずいぶん松くい虫がひどかったように思うのですが、その間一体何をやっておったのかという気がいたすのです。 私の郷里は淡路島なんですけれども、天然記念物なんかに指定されている松並木があるのですね。それが半分ぐらい枯れてしまって、いまもだんだん枯れて、きてもうだんだんなくなってしまう。天然記念物にせっかく指定されて、松がなくなってしまっては、これは無形文化財になってしまうわけですが、そういうことにならないうちに早く手を打ってもらいたいということを私は常に考えておったのです。郷里なんかで、昔は白砂青松といってきれいな松があって、そこへ千鳥が来て鳴いているという情景があったのですが、いまは松がだんだん枯れてしまってなくなってしまう、のっぺらぼうになると千鳥も来なくなってしまう、そういう状態であります。本当に日本の景観を代表するものは松ではなかったかと私は思います。松の枝ぶりを見て心がなごむという人もずいぶんあるのではないかと思うのです。私たち日本人は千年も二千年も前からこの松林と一緒にずっと生活をしてきて、松というものを本当に自分たちのものとして取り入れておったのです。こういう伝統的な日本の財産がなくなってしまうのではないかという気がするわけであります。これは単に見て景色がいいとか、そういう観賞的なことばかりじゃないのですね。国土の保全とかあるいは水資源の涵養、洪水の防止とか、そういう経済的な機能も非常に大きいと思うのですが、そういうことについて、農林大臣、来ていらっしゃるので、この松くい虫の対策の基本的な問題について大臣のお考えをちょっとお聞きいたしたいと思います。
○鈴木国務大臣 永田先生御指摘のように、最近この松くい虫による被害、松の美林の枯損、こういう事態が急速に拡大をしてきておるわけでございます。四年前から農林省としてもこの防除につきまして、現行法に基づいてあとう限りの努力をやってまいりました。また、その間におきまして林業試験場その他の研究機関等も動員をいたしまして、その因果関係等につきましても研究をし、各方面の御意見等も伺ってきたわけでございますが、その結論としまして、今回この蔓延を急速に終えんさせるということで、特別防除事業として今回の法案の提出に踏み切りまして御審議を煩わしておるわけでございます。その際、いろいろ環境問題等が各方面からやはり指摘をされておるわけでございますけれども、そういう点につきましては細心の注意を払いまして、そしてこの特別対策が成果をおさめるようにやってまいりたい、このように考えております。
○永田委員 私から言わせれば遅過ぎるという気がするのです。いまごろになって法案を出されて、遅いと思いますが、これはやむを得ない。いまからでも対策を大いに強化してやってもらいたいと思うのです。 林野庁長官にちょっとお尋ねしますが、いままでの松くい虫による被害、一体年間どのくらい出ておるのか、また松の数にして何本ぐらい、大体でいいですが、どのくらいやられているのですか。
○藍原政府委員 まず、松くい虫の被害の経緯を簡単に申し上げますと、昭和二十五年ごろに約九十九万立方ぐらいの被害がやはりございました。その後ずっと減少いたしまして、昭和三十年代は大体二十万から三十万立方の間を横ばいいたしておりましたけれども、三十八、九年ごろから四十万台に上昇いたしまして、その後四十六、七年にぐっと急激に伸びてきた状況でございます。現在私どもが把握しておりますのは、五十一年度の被害は大体百八万立方である、本数にいたしまして大体千五百万本ではなかろうかというふうに推計いたしております。
○永田委員 その松を食い荒らす松くい虫の生態についてちょっとお尋ねしたいのですが、私なんか郷里に帰ると、松山がいまは春でも夏でもまるで紅葉したみたいに赤くなって、そのままずっと残っておるわけです。この松を食い荒らすマツノザイセンチュウというのですか、これは食い荒らして枯れた松にでも残っているのですか。それとも枯れてしまったらその枯れた松を離れて次の丈夫な松のところに行くんじゃないですか。そこのところをちょっと教えてください。
○藍原政府委員 マツノマダラカミキリは春の五月の初めごろから羽化いたしまして、松の中から飛び出しまして、松の先端にございます枝条、枝を食うわけでございます。その食べましたときに傷がついた、その傷からマダラカミキリの体の中に入っております材線虫が松の木の中に侵入いたします。そういたしますと、それがずっと松の中に繁殖いたしまして、松がだんだん弱ってまいりまして赤くなる。松が赤くなりまして枯れますと、ちょうど今度はマダラカミキリが卵を産みつける時期になります。マダラカミキリはその枯れた松に卵を産みつけて、その中で一年弱過ごすわけでございますから、幼虫、サナギになりまして、そしてまた明くる年そこから五月ごろ飛び出してくるわけでございます。したがいまして、その年に枯れた松の木を切りませんと、明くる年の五、六月ごろにはそこからマダラカミキリが羽化して飛び出してくるということになろうと思います。
○永田委員 大体わかりました。 そうすると、薬剤の空中散布ということはこれはもちろん必要だと思いますけれども、枯れた松を切り倒して、その中にいる卵ですか、マツノザイセンチュウを焼いてしまうとか、あるいは消毒するとか、そういうふうにして根絶する必要がありますね。どうですか。
○藍原政府委員 先生がおっしゃるとおりでございまして、したがいまして、私どもも現在ございます森林病害虫等防除法によりまして、松の木を伐倒駆除し燃焼するという方法をとって従来松くい虫の蔓延を防いでおったわけでございます。
○永田委員 それはおかしいですよ。私ずっと郷里に帰ってみて、皆立っていますよ、枯れた木が。いま言ったように春や夏、まるで紅葉したみたいに、ちっとも切り倒してなくて、みんな立っているんですよ。どうして倒さないのですか。お金がないのですか、人が足りないのですか。
○藍原政府委員 現行法では松くい虫を防除するために、農林大臣なり県知事が命令を出しましてその森林所有者に切らせるというのが原則になっております。したがいまして、その森林所有者が自分で切らなければ松の伐倒が行われないという状況になっておりまして、先生御指摘のように所有者が切らなければいつまでも切られないという実態が出るわけでございます。
○永田委員 私有林はそうかもしれませんが、国有林でもまだ立っているのがありますよ。それから私有林だからといって、その所有者が切らないでほうっておいたら、その枯れた松に入っている虫は、国有林であろうが私有林であろうがそういう区別はないのですから、だんだん日本じゅう広がっていくという結果になるのじゃないですか。
○藍原政府委員 先生の御指摘のとおりでございまして、そのままにしておきますと、そこからどんどんマダラカミキリがふえるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましてはそういうことをできるだけ早く防ぐために、国なり都道府県が直接執行できるような方途でないとなかなかこのマダラカミキリの防除はできないだろうということを考えまして今回の法案を出しておるわけでございます。
○永田委員 そこで私は防衛庁にお尋ねしてお願いしたい。 これは、いま林野庁長官からも御答弁ありましたけれども、やはりつまるところは人手がないのだろうと思うのです。それから金が足りない。自衛隊の任務というのは日本を守るということですから、これは本来の仕事ではないかもしれぬ。専守防衛ということが自衛隊の本分だと思いますけれども、いまや日本列島全部がマツノザイセンチュウという大軍によって襲いかかってこられておるのです。これはほうっておくと日本じゅうがまる裸にされてしまうという危険にさらされておるわけなんです。いままでも自衛隊は台風であるとか災害であるとかそういうときには出てきていただいて助けていただいた。国民から非常に感謝されておるのであります。戦争になったときに日本を守っていただく、これは一番の任務であるし、われわれの念願しておることでありますけれども、いま国民が非常に困っておるときに助けてくださいよ。これは自衛隊に一遍全部出ていただいて、いま立っている枯れている松の木を切り倒してもらいたい。これは農林大臣か林野庁長官が言うことかもしれませんが、私は国民の立場から立って、日本じゅうの松がみんな枯れてしまう恐れがあるのでやむにやまれず農林大臣のかわりに申し上げているのかもしませんが、ひとつ防衛庁、御決断を願いたい。きょうは実は防衛庁長官か政務次官と申し上げてあったのですが、おかぜだというので仕方がありませんが、局長さんのお答えになれる範囲で仕方ありませんけれども、そういう国民の声があるということを踏まえてお答えを願いたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 いま先生が申されましたように、国民の受けている災難に対して自衛隊の組織力をもってこれに対処するというのは、私はこれは有事におきましても、また平時におきましても必要なことだと考えております。しかしながら、自衛隊法によりまして災害派遣をするときの条件がございます。この条件といいますのは、一方におきましてはこれだけの実力組織というものを恣意に安易に使ってはならないという戒めもあろうかと思いますが、この災害派遣の条件の中に都道府県知事は「天災地変その他の災害に際して、人命又は財産の保護のため必要があると」知事が認めたときに長官に対して災害派遣の要請をするようになっております。それに対しまして、長官といたしましては、事態やむを得ないときには災害派遣を命ずることができるということになっているわけでございますが、この要件といたしましては、やはり緊急性と代替性と申しますか、ほかにかわる手段がないというようなことが一つの判断になろうかと思うわけでございます。いま先生が申されました松くい虫の駆除のために派遣するという問題でございますが、一つには、いま先生が申されましたように、私も昨晩テレビを見ておりまして、この被害の広さに驚いたわけでございますが、まず自衛隊が出てまいりましても、これは人だけ出てもなかなかいかぬものだと思うわけでございます。いま申されましたように、枯れた木は切ってしまわなければいかぬ。そういったのこぎりといったものが必要なだけ自衛隊にはとてもないわけでございます。そしてまたこの松くい虫の災害に対しましては、過去五、六年にわたって農林省の指導のもとに各地方団体がこの駆除に努力をしてまいっておるわけでございまして、私どもも実は四十六年に林野庁の方からの御要請がございまして、松くい虫を駆除するためにどういう方法がいいのか、ひとつ研究したいので協力してもらいたいというお話がございまして、四十六年に岡山でこの研究のために人員を派遣いたしまして、駆除のやり方についての御研究を御援助したことがございます。しかしながら、いまるる申し上げましたように、この緊急性あるいは代替性という問題からいたしますと、災害派遣というのには実はなじまないというふうに私どもは考えているわけでございます。先生も御指摘になりましたけれども、緊急やむを得ないという判断のもとに、本日も栃木県の山火事には千三百人の自衛隊員を出しておりますけれども、これと同じような立場で松くい虫の問題というものは判断できないのではないというふうに考えている次第でございます。
○永田委員 局長さんの御答弁はそんなところだろうと私も思っておったのですけれども、だから私は大臣に出てもらいたかったのです。これは政治的に考えていただきたいのですよ。いまのこぎりがないなんて、そんな心配は要らぬですよ。農林省、のこぎりは用意しますね。農林大臣、どうですか。そういう切り倒す道具とかそんなものは全部農林省でやっていただけるでしょう。
○藍原政府委員 いま防衛庁の方から御答弁がございましたように、山火事等につきましてはいろいろと御協力をいただいておるわけでございますが、この問題については、われわれといたしましても、実行いたしますのが都道府県を中心にしてやるわけでございますし、その辺の判断も必要かと思います。また実行する場合には当然そういう方面で対応するという形になりますので、林野庁が直接こういうふうにするという形になるものではございませんし、今後もしそういう事態になりましたら十分研究はしたいと思います。
○永田委員 どうもまどろこしいな。もっとしっかりやってくださいよ。本当に松くい虫で大被害を受けている。いま防衛庁のお話でも、災害のときには出動するとおっしゃいましたが、松くい虫は大災害なんですよ。日本じゅうの大災害なんです。それで松の林が枯れるということは、治山治水そういうことにも大いに関係があるわけです。そのために洪水になったら、災害になるんでしょう。松がみんな枯れてしまって、松林がみんな枯れて、そのために洪水になって災害が出たら、防衛庁はそれを助けてやる。その前にやれば、洪水にならなくて済むんじゃないですか。防衛庁もう一遍お答えを願いたいのですがね。災害を未然に防ぐ、その大きな効果があるのです。いま松くい虫にやられた松を除いて、あるいはほかの木を植えるとか、そういうことをやることが災害を防ぐことになるのですから、一遍考えてみてくれませんか。
○伊藤(圭)政府委員 いま先生がおっしゃいましたように、漠然とただ人を出せということは、なかなかこれははいと言うわけにはまいらないわけでございまして、具体的にここはこういうふうになっている、これをやればこうなるのだというようなことによりまして御協力申し上げる点が全然ないとは申しませんけれども、ただ、いま先生がおっしゃいますような形で、従来災害派遣をやっているではないか、だからこれにも当然出すべきではないかということになりますと、先ほど私が御説明したようなことになるわけでございます。
○永田委員 具体的に言えばいいわけですか。そうすると、農林大臣、林野庁長官それから各県知事と相談をして、日本じゅうの松くい虫でやられた松を全部倒せと言ってもこれはなかなか大変だと思いますけれども、いまおっしゃったように、重点的に何県のどこ、国有林の中でさっき言った天然記念物なんかに指定されておるところなんかを重点的にその近辺の松くい虫にやられた松を倒してもらいたい、それでのこぎりを差し上げたら、切ってくれますか。
○伊藤(圭)政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、昭和四十六年にその駆除の仕方について研究をしたいという御依頼がございました。これに対しては現実に御協力申し上げているわけでございますので、先ほど申し上げましたように、その緊急性それから代替性そういうものを検討した上で判断すべきものだというふうに私どもは考えている次第でございます。
○永田委員 緊急性はもうおわかりでしょうと思う。代替性というのは、これはかわりにだれか人夫を雇う人が足りないとか、そういう人のかわりに自衛隊がやると、こういう意味ですか。
○伊藤(圭)政府委員 ほかに全く手段がないかどうかということの十分な検討という意味でございます。
○永田委員 農林大臣それから林野庁長官、いま防衛庁の方でお答えになりましたけれども、これで満足されますか。私はこういうことを私から言うのじゃなくて、本当なら農林大臣なり林野庁長官が防衛庁とかけ合って、この枯れている松を早く倒さなければ日本じゅうの松がみんな枯れちまうんだから何とかやってくれと言ってしかるべきだと思うんですよ。国会議員が言わなくたって、あなた方が言うべきだと思うんですが、どうですか。
○藍原政府委員 自衛隊の出動につきましては、ただいま防衛庁の方からお話がございましたけれども、私どもの立場といたしますと、この松くい虫の防除をするために都道府県にそれぞれ連絡協議会を置くことにいたしております。したがいまして、都道府県のそういう連絡協議会、そういう場でまた実施計画は都道府県知事がつくることになっております。そういうそれぞれの地域地域によりまして、ここはこうしてほしい、ここはこうしたいという御要望等が出るのだろうと思いますから、そういう都道府県の知事あるいは連絡協議会等でその地方地方の実態でいろいろな御要請が出るのではなかろうか、そういう対応でいろいろな問題が出てまいりまして、その中でいまお話しのような自衛隊、防衛庁関係の方々に応援してほしいというお話が出た場合には、それぞれの地域でまたそれぞれのお話し合いがされるのであろうというふうに考えております。
○永田委員 それぞれの地域では、町村長とかあるいは知事から私なんかもずいぶん言われているんです。だけれども、これは積極的に林野庁が自分のことだというつもりでやってくださいよ。あなたの方が言ってきたら考えようというようなことじゃ、もう時間がどんどんたってしまうと、大火事になってしまって収拾できなくなるのです。一刻も早くやらなければいけない。いまやっておけば、後で十の力を出さなくても、一の力で抑えられるのだから、こういうときに有効にやって、役所というのは、済んでしまってだめになってからあわててやってもだめなんだから、いまのうちに自衛隊を拝み倒して、これは国民だってそういうことを願っているのだろうと思う。こういう国民の気持ちを察して、林野庁が積極的にひとつやってもらいたい。もう一遍決心のほどを聞かしてください。
○鈴木国務大臣 今回の特別措置法をぜひ早い機会に国会の御承認を得たいということは、この緊急性、一日も早くやらなければいけないということでやっておるわけでございまして、この法律ができますれば、従来のように命令を出して、それぞれの御協力を得てやるということから、国並びに県が中心になってみずからの責任においてこれを実施する、こういう趣旨であるわけでございますが、これを実施してまいります場合に自衛隊等の御協力を得なければならない、こういう状況下におきましては、地元の県等と十分協議をいたしまして御協力を仰ぐということもあると思います。 永田先生の御趣旨は十分私よく理解ができますので、とにかく早くこの激害を防ぐ、こういう方向に向かってあらゆる方面の御協力を得るように努力したい、こう思っております。
○永田委員 ほかの質問をしようと思っていたのですが私に割り当てられた時間が来ましたので、これで終わります。
○金子委員長 古寺宏君。
○古寺委員 最初に林野庁にお尋ねをいたしますが、松くい虫がこのように大量に発生したということは、その原因は、私は長年にわたる林野行政の乱伐、皆伐、こういうものによって自然のバランスが崩れてこういう松くい虫が大量に発生するような事態が出てきた、それに加うるに、先ほどの島本先生の質問にもございましたが、公害等が加わってこういう事態が生じたというふうに考えておりますが、林野庁の見解を承りたいと思います。
○藍原政府委員 今回の大被害が出ました原因については、確かにいろいろな因子があるのではなかろうかとは思います。ただ、最終的にこだれけ大きくなりましたのは、マツノマダラカミキリが運びますマツノザイセソチュウによるものだというふうにわれわれ解釈しておるわけでございまして、なぜこういうふうになったかといいますと、まず第一に、従来でございますと松そのものは地方におきまして非常に燃料材に使われておりました、家庭用燃料その他。したがいまして、松林に入りまして折れた木でも持ってきて燃料にたくというようなことは、日常茶飯事でやられておったわけでございます。そのように松の枯れた木材そのものが山に余り放置されておらなかった。ところが、最近は松を燃料にして使う家庭もほとんどなくなりまして、枯れた松もそのまま放置されるというような問題さらには松材そのものが昔はパルプ等に大分使われましたけれども、最近ではその方面にも余り使われなくなった。あるいはいまお話がいろいろありましたけれども、松を切るための人手も確かに地方によりましては減っております。そういうような因子が重なりまして、松林等にマダラカミキリが非常に発生しやすい状況が生まれてきたということによりまして、この被害が大きくなったのであろうというようにわれわれ考えております。
○古寺委員 かつて終戦当時に、九州とか瀬戸内地帯の松がちょうどいまのような、数量にいたしまして百万立方メートルですか。こういう松枯れ現象が起きた時代がございましたが、この当時はこれはどうして復元したのでしょうか。
○藍原政府委員 当時はやはり伐倒駆除を中心にいたしまして、一部地上からの薬剤散布をやりまして松の枯損を防いだ、そしてその後その方法論を継続してきているわけでございます。
○古寺委員 そうしますと、いまから大体三十年ぐらい前にそういういまと同じような現象が起きてそれを克服してきているわけですね。それがなぜ今回こういうような法律までつくって大量に空中から有機燐剤を散布しなければならないのか。いままで日本の国土、日本の山をめちゃくちゃに荒らしてきた林野庁がいま再び大きな罪悪を犯そうとしている、どうも私はこういうふうにしか考えられない。確かにスミチオンとか、こういう有機燐剤は低毒性の農薬であるかもしれません。しかし、これだけの大量のものを空中からばらまいて、これの自然破壊というものは取り返しのつかない、いわゆる未知の、これからわれわれの知り得ざるところの大きな災害が発生する、自然破壊が生ずる、こういう危険性が多分にあるわけです。なぜあえてこういう法律を制定までして空中散布に踏み切らなければならないのか、その点についてお尋ねしたいと思います。
○藍原政府委員 なぜこのように松が枯れるのか、従来は虫が松の幹を食いまして、そのために松が枯れるというふうに考えられておりました。ところが、昭和四十三年から四年間、林業試験場でプロジェクトチームをつくりまして試験研究をいたしました結果、この松の枯れはマダラカミキリが運ぶマツノザイセンチェウによるものだということがわかったわけでございます。それでは、これを退治するにはどうしたらいいかということで、その方法を研究し、現時点で一番科学技術的にとり得る最大の効果があり、そしてまた最大の安全性のある方法論はどれかということで、いま先生が御指摘のような薬によります空中散布という方法をとることにしたわけでございます。
○古寺委員 いまいわゆる空中散布によりまして、もし松の枯損が一時は停止したように見えても、空中散布をやめた途端に前よりも松くい虫が蔓延する、そういう可能性は十分に考えられるし、また学者の一部の方々にはそういう御意見もある。そういう御意見に対してもわれわれはやはり謙虚に耳を傾けて、もっといわゆる確率の高い試験結果に基づいてこういうようなことを行わなければ大変な取り返しのつかない事態が生ずる、こういうふうに考えるわけですけれども、いまの法律でもって日本の松くい虫を空中散布によって絶滅できる、松の枯損を防止できる、またそれによって自然破壊を生じたり昆虫や鳥獣や人間に何ら悪影響を及ぼさない、そういうような確信を長官はお持ちですか。
○藍原政府委員 ただいま申し上げましたような試験研究に基づきまして、私ども四十八年から五十一年まで試験的にまいてまいりました。その結果、すでに三年間まきまして松の枯れが非常に減りまして、四年目はとめておるというところもございます。そういう実験並びに試験等の結果から、私どもはこの五カ年間にいま起きております激甚な被害をきわめて微害程度に抑え得るという自信を持ってこの法律を提案しておるわけでございまして、この方法でやりましたならば将来は現行法で大体やれるような形の被害は出るかもしれませんけれども、そういう一般的に出る被害程度にとどめ得るというふうに考えております。
○古寺委員 これは暴論になるかもしれませんが、林野庁長官あるいは農林大臣がいまここでスミチオンを飲むことができますか。飲めないでしょう、どうですか。
○藍原政府委員 スミチオンに限らずすべての薬剤と申しますのは、その使い方、濃度によって私は左右されると思います。したがいまして、それを濃い濃度で飲めば、あるいは濃い濃度でいろいろ処理、対応いたしますと、いろいろ問題が出る場合もあろうかと思いますけれども、専門家の試験結果によります決められた範囲内で薬を使うのであれば、その薬は十分私どもの所期の目的を達し、そして安全性の高い、安全性のある形で効果が発揮できるというふうに考えております。
○古寺委員 薬は使いようによって毒にも薬にもなりますよ。いまこの空中散布を行う、空から大量にばらまきますよ、大体何%が松の木に降りかかって、何%が地面に落下するのですか、長官。
○藍原政府委員 一般的に、松の疎なところと松が密なところとございますけれども、一般的には松が平常に生えておりますと九〇%は松の樹冠にとまるというように調査されております。
○古寺委員 あなたは、私が専門家でないからそういうことをおっしゃるかもわかりませんが、大体普通松の場合樹冠の密度というのは何%ですか。
○藍原政府委員 うっ閉しておりますと九〇%でございます。
○古寺委員 それは全く事実と違うのです。あなたは日本の林野庁長官ですよ。松というのは非常に樹冠の密度が薄いんです。私の調査したところでは大体四〇%から六〇%なんです。しかも松の木というのは針葉樹です。そうしますと、空中から散布をいたしますとその薬剤の少なくとも二〇%から三〇%はそのまま地面に落ちてくるのです。普通の広葉樹なんかと違うのです。松の木というのはそれだけ空中散布をした場合に他の自然に対する影響が大きい、そういう点について配慮していますか。
○藍原政府委員 私どもの方の調査ではまいた量の大体九〇%が樹冠にとまるというふうに調査されておりますし、私どもも空中散布をいたします場合には、その地方の環境その他いろいろな条件を十分調査いたしまして、まけるところをまくという考え方に立っておりますので、いま先生がおっしゃいましたような問題については、私どもといたしましては大体標準的な松林においてはその大半のものが松の樹冠に付着するというふうに考えております。
○古寺委員 長官、あなたそういうこじつけの答弁でごまかそうとしてもいけません。いまおっしゃった、空中散布をした九〇%が樹冠に付着をするのだ。あなたのいまのお話から言えば、あとの植物や地上に落ちてくるものは一〇%しかない。そういう実験のデータ、調査のデータがあったら出していただきたいのです。委員長、取り計らっていただきたい。
○藍原政府委員 お答えいたします。 これは松の樹冠投影面積から推定して大体九〇%付着するというふうに言われております。
○古寺委員 こういう大量の空中散布を法律まで制定して国や県がやる、こういう事業をやるのにそういう推定でもって、ごまかすような資料に基づいて空中散布されたら大変なことになりますよ。 そこで、次に申し上げますけれども、林野庁のこの薬剤散布による影響というものをいろいろデータで出しております。これを見ますと、三年間なら三年間散布したけれども、枯損率が、むしろ散布しない場合よりもふえている、こういう例がありますね、これはどういうわけなんですか。
○藍原政府委員 私どものデータによりますと、まいた結果、枯損率がきわめて減ったというデータになっておりまして、ただそのまく期間が大体マダラカミキリがもう羽化するピークを過ぎてまいた場合に効き目が薄かったという事例はございますけれども、適期にまいたものにつきましては、松の枯損率はぐっと減っておるというデータになっております。
○古寺委員 兵庫県のデータでございますけれども、これによりますと、二年間これをやったのですね、昭和四十九年と五十年と二年間連続して、五十一年は中止されているわけです。ところが、営林署の説明によりますと、五十年には枯損した本数が三百七十本、五十一年には一万一千六十本になっている。そうすると、一万六百九十本もふえたのです。二年間空中散布したのでしょう、その結果が逆にふえているのです。しかも、いま林野庁が私どもに資料として提出している中身は全部昭和五十年度までなんです。五十一年になってから、いわゆるこの薬剤の散布をやめて——三年間空中散布をして、薬剤を中止しますね、じゃその四年目にはどういう結果が出ているかというデータがないのですよ。四年目にはどれだけ効果があったのか、どういう弊害があったのか、四年目の成果というものが出ていないのです。四年目の成果というものが出されないままいまこの法律によって再び空中から大量散布をしようとしていらっしゃる、それが私は解せないのです。昭和五十一年度のデータございますか、どうですか、結果は。
○藍原政府委員 先生がいまおっしゃいました資料、私の方に手持ちがございませんのでよくわかりませんが、私どもの方の調査では、三年やりまして被害がきわめて少なくなって、四年目の空中散布をとめまして、ただいまそういう推移を見ておるところでございますけれども、三年まきますと、大体私たちが考えておりますような一%以下の被害率になるというふうに私どもの方では調査いたしております。
○古寺委員 これは、おたくの方にはこういう資料はないかもわかりませんが、「松枯告発通信」というのがあるのです。これは姫路の営林署ですが、こういういろいろな結果に基づいて薬剤の散布を中止しなさいという申し入れをしているのです。それを拒否してやっているのです。拒否してやった結果が、私がいま申し上げましたように、昭和五十年度には、面積にして三万七千十六ヘクタール、本数にいたしまして三百七十本、枯損の材積にいたしまして三十九立方メートル、五十一年度は七十五・二九ヘクタール、本数にいたしまして一万一千六十本、材積にいたしまして三百八十三立方メートルという結果が出ているのです。こういうデータについては御存じでしょうか。
○藍原政府委員 その資料につきましては存じておりません。
○古寺委員 どうもかみ合わないんですが、後でこれはごらんいただきます。 そこで、私が申し上げたいのは、薬剤の散布をしていっときこの松くい虫の蔓延を防止しますね。ところが、それが終わりますと、逆に今度は、かえっていままでより以上にふえるということがある、これは自然の法則なんですよ。毒と死をもって自然を制しようと思ってもできないのです。そういう自然の法則を無視した今回の計画である、私はこういうふうに判断しているわけです。 ですから、先ほどから申し上げるように、この法律で一生懸命おやりになった、その結果がマイナスの結果が出たということになってからではもう取り返しがつかないわけです。重大な問題なんです。 そこで、昆虫とかあるいは野生の鳥獣類とか自然環境に与える悪影響については、林野庁から私、いろいろな設問を設けたとらの巻みたいなものをちょうだいしました。こういう問題についてはこういうふうな回答がある。これには松くい虫防除薬剤空中散布に関する反対意見に対する林野庁の見解、こういうものですね。とらの巻ですよ。これを拝見していきますと、非常に無害である、あるいは心配がないというようなことがたくさん書かれているわけでございますけれども、いままでもこういうような航空機を使用した特別防除によって昆虫や野生動植物は非常に大きな影響があったわけでございます。 そこで、私はここでまず環境庁に、長官まだおいでになっていませんが、お尋ねしたいのですけれども、環境庁はどういう見解に基づいて条件づき賛成と申しますか、林野庁に同調したのか、それをまずお尋ねしましょう。
○信澤政府委員 私どもも実は実際この松くい虫の問題について直接的あるいは計画的な調査をいたしたことはございません。ただ、国立公園等の管理をいたしておりますので、国立公園の中にも、たとえば瀬戸内海あるいは雲仙・天草というように松の多いところもあるわけでございます。 私どもの問題意識といたしましては、駆除方法としては、薬剤によらないもの、また同じく薬剤の散布であっても人力によるもの、今回御審議いただいているように空散の問題と、この三つがあると思います。したがって、私どものいままでの経験から申しますと、空散だけですべて事終われりというふうには考えておらないわけでありまして、空散も一つの方法であろう、しかもある特定の条件に、ある特定の地域に限ってやるならば、それはいままでの農林省の御経験の蓄積があるわけでございますから、したがって、私どもとしてはそれだけで事終われりとするのではなくて、いろいろなものの組み合わせの上に立ってこの松枯れの防除に当たる、こういうような考え方で、先ほども島本先生にお答え申し上げましたように、まあやむを得ない、こういう態度をとったわけでございます。
○古寺委員 環境庁は、もうすでに三年間林野庁が実際にこの空中散布をやってきたわけですから、そういう実態調査をする、専門家の意見も聞く、生態系に変化が起きていないかどうか、これは残留農薬の問題とかいろいろありますが、きょうは時間の関係で申し上げませんけれども、最近におきましては奇型の問題ですとかいろいろなことが新聞やテレビ等でも報道されております。 一例を申し上げますと、埼玉県の野田では、サギ山で死んでいるコサギから一八〇PPmのPCB、それから東京都の衛生研究所の調査で調べたところによりますと、江戸川河口で弱っていたコサギを死後分析したら、肝臓の脂肪からBHCが一七三PPm、DDTが二〇六PPm、ディルドリンが一三九PPmも検出された、こういう報告もされております。こういう農薬との関係性、こういう問題は、日本の環境を保全する、自然を守るという上からいって非常に重要な問題であろうかと思うのです。それを環境庁が十分な調査をしないで、実態の究明をしないで林野庁に同調した。まあ早く言えば林野庁にかぶとを脱いだということは、これは環境庁のあり方として私は解せない。なぜそういう実態調査をしないままに同調したのか。今度は環境庁長官がおいでになったから、あなたの次にもう一回環境庁長官からお答え願いたい。
○信澤政府委員 いまお話のございました鳥類の保護をいたしますのも環境庁の仕事でございますし、松を保護するのも私どもの仕事でございます。そういう意味合いで、いわば価値観と価値観のぶつかり合いみたいな問題だと思うわけでございまして、私ども、先ほども申し上げましたように、薬の散布によって鳥類あるいはその他の生物に影響が先生御指摘のようにあるかもしれません。しかし、林野庁が長年御研究なさった結果、これが一つの方法であるというデータをお持ちであるわけでございますから、さような意味で、当面は松の保護のためにこういうことをやるのもやむを得ない、その意味で、御審議いただいておりますのは五年間の時限立法ということになっているわけでございます。 それから、鳥類に対する影響等についていま数字をお挙げになりました。確かに私ども今回スミチオンをまいたことについて調査いたしておりませんが、一般的に、環境汚染の結果、鳥の体内にどういうようなものが堆積されていくかということについては、過去研究調査をいたしたことはございます。いま御指摘にありましたような主として有機塩酸系の薬剤、これは確かにお話しのように体内に残留しているようでございます。しかし燐につきましては、実はその調査をいたしましたときに一つの問題であったわけでございますが、先生御承知のように、有機燐系統の薬剤は分解作用が早うございます。したがって、環境に余り残らぬのじゃないか。それから仮に鳥の体内に入りましても、何か鳥の消化機能というのは大変すぐれているようでございまして、恐らく消化吸収、排せつしてしまうのではないかというようなこともございまして、そういう先生方の御意見を考えた結果、燐については調査をしておりません。そういうような意味で、今回たまたまスミチオンが有機燐製剤でございますので、まず成鳥である鳥については余り問題は起きないのではないか、こういう見解を持つに至っておるわけでございます。
○古寺委員 これは福岡県の自然保護団体が行った調査でございますけれども、福岡県の岡垣町というところの国有林で第一回目の散布が五十一年の五月二十八、二十九日、第二回目の散布が六月十三日、十四日、調査期間が五月二十八日から六月三十日、三十三日間調査をされております。その結果、死亡落下した昆虫の総数が一万五千匹、一平方メートル当たり七百匹の昆虫が死亡しているのです。これはちゃんとデータもございます。林野庁のような推定とかそんなものじゃないのです。実際にこの目で確かめて、実際に調査をして提出していただいたこれは貴重なデータです。なぜこういうふうに昆虫が死ぬのですか。
○藍原政府委員 われわれがまきます薬はやはり昆虫を殺すための薬でございます。したがいまして、まかれた林地におります昆虫は確かに一部死ぬであろうというふうに考えております。
○古寺委員 一部と林野庁長官はおっしゃるけれども、一万五千匹の昆虫が復元するために何年かかるというふうにあなたはお考えですか。
○藍原政府委員 私どもの方の調査によりますと、一カ月くらいいたしますとだんだんもとの状況に戻りつつありまして、一年いたしますと大体前と同じような状況に戻るという調査がございます。
○古寺委員 そういう調査があるならば、そういう調査のデータを後で必ず提出してください、そういう実験の証明があるならば。よろしいですね。 そこで、次に私が申し上げたいのは、空中散布をやる場合に、これは適当な期間があるはずなんです。それからもう一つは、きちっとしたところでこれはやらなければいけませんよ。ところが、下請機関が指定した期日以外にやっているじゃないですか。そういう事実はないですか。請負なんですから、自分たちに一番都合のいいときにただばらまいておけばいいのですから……。いかにこの計画をきちんと組んでも、末端においてこの空中散布をするその下請をした事業者が、あなた方が考えている期間なりあるいは方法じゃなしにやった場合にはいろいろな事故が発生してくるのです。それはだれが監督するのですか。
○藍原政府委員 薬をまきます適期が、主として九州の南の方から始まるわけでございますが、私どもは大体、各県連絡し合いながら運行計画をつくりまして、飛行機によります散布の計画を立てております。したがいまして、その計画どおり実施されておるというふうにわれわれ考えております。ただ、雨が降ったりあるいは航空法によって決められた風速その他の関係でその日に飛べないということで一日、二日ずれることはございますけれども、大体決められた計画期間でまけるような方法で計画を立てまして、それぞれ順次散布しているわけでございます。
○古寺委員 それはちょっと調査が不十分でございますから、これはいずれ機会を改めてまたやることにしまして、もう時間がないから、この有機燐農薬によるいわゆる人体に対する問題です。 これは佐久でこの空中散布をやって児童の近視が発生した事例がございます。これは北里大学の石川教授が研究してよく知っていられる。あるいは徳島大学でも最近こういうデータを出してきております。それから佐久病院の若月先生は、この有機燐剤をつくっている工場の職業病——有機燐というのは神経毒ですから、頭が痛いとか体がだるいとか、いろいろな問題が起きています。こういう人間に対しても非常に毒性の強いスミチオンをなぜこういうふうに大量にまかなければならぬのか、不思議でならないのです。私はむしろ、こういう予算があるならば、その地域のいわゆる潜在能力に応じた常緑広葉樹、カシの木であるとかいろいろありますでしょう、あなた方がみんな切ってしまった、自然のバランスを壊してしまった、そのためにこういう問題がいま発生している、それをもう一遍復元して自然のバランスを取り戻す、そして松の木も蘇生できるようなそういう復元の対策を講ずべきであると考えるわけなんです。ところがこういう法律までつくって、なぜかくまでもスミチオンというものに執着をしなければならないのか。なぜもっと人間の英知と日本のこの国土保全の立場からもっといい方法を林野庁は考えつかないのか、不思議でならないわけです。 ですから、私は、こういうような自然環境を破壊する危険性の非常に大きなこの空中散布について条件づきでかぶとをぬいだ石原長官も、これはもう大問題ですし、また林野庁長官も、先ほどからいろいろ私が質問してまいりました過程におけるいろいろなデータからいきましても、あるいは林野庁がわれわれに渡したこの資料、みんなこじつけの答弁ですよ。こういうような軽率な考え方でもってこういう大きな問題をいま実行するならば、私は悔いを千載に残すことになると思う。 そういう立場から、最後に林野庁長官と環境庁長官に、これは時限立法であるけれども、私が先ほど申し上げましたように、この空中散布によっていろいろな取り返しのつかないような事態がもし発生した場合に、あなた方は責任をとる、そういう決意があるのかどうか、農林大臣も含めて承って終わりたいと思います。
○藍原政府委員 私ども森林の行政を担当しておる者といたしまして、ただいま日本の森林が二千五百万ヘクタールございます。そのうちに、造林地に転換しようとしておりますものは千三百万ヘクタールでございます。そういう計画を立てまして逐一森林を人工造林地に仕立てておるわけでございますけれども、先生がおっしゃいましたように、すべてを転換させて人工造林地にするわけではございませんし、また松につきましては、松は主として日本の海岸付近にも生えておりますし、これは防風林、防潮林あるいは環境保全林、さらには水源涵養林として重要なところもございます。したがいまして、私どもといたしましては、やはりそれぞれの適地適木に合ったような森林施業をいたしておりますし、今後とも日本の森林が木材資源としてだけではなくて、環境保全その他いろいろな機能が発揮できるような施業を積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。 そういう観点から、今回の松くい虫の防除につきましても、松の森林が重要な地域についてのみ主として航空機によります空中散布によって、松くい虫によります枯れを防ごうという対応でございまして、日本の森林をよりよいものにし、より活力のあるものにするという考え方で対応しておることは、先生と全く同様でございます。
○石原国務大臣 この法案が閣議決定されます直前に、実は、自然保護審議会の委員をしていらっしゃいます中村さんに率いられました陳情団がおいでになりまして、私もそこで新しい知見を得まして、その方々の心配にも非常に根拠があるという感触を得ましたので、その次の閣議決定をちょっと待っていただきまして、林野庁の方にその陳情団の方々をお回しし、さらにお話し合いをしていただきまして、そこから得ましたいろいろな情報を土台に、五つの条件のようなものを付したわけでございます。 このように広範囲の多量の散布というものは、いままで例がないようでございますので、やはりこれが一年、二年、三年と続くならば、まず最初の、今年度できるだけその結果の調査を詳細にいたしまして、そこで何か非常に問題点が出てきましたならば、環境庁としては、この問題に対して、また環境庁の判断、意見を強く関係省庁に伝えるつもりでございます。
○鈴木国務大臣 先ほど来、古寺さんの御意見を私拝聴いたしておったところでありますが、濶葉樹等の植林等も積極的にやって、自然の環境条件を整備することによって、そういう松くい虫等の被害もだんだんなくすることができるのではないか。余り人為的な無理なことをやってはいけない、こういう御主張、私も傾聴いたしておったわけでございますが、しかしいずれにしても、松くい虫による貴重な松資源の被害、これが非常に拡大をしてきておる、こういう状況であり、林野庁では農林省内の林業試験場その他の機関を動員して、これが防除対策を検討もし、四年前から、現行法に基づいてではございますが、実施をしてきた。その結果の成果に基づきまして、しかも最近における激害の状況、これをにらみ合わせまして、今回の特別措置法の御審議を煩わす、こういうことに踏み切ったわけでございます。 なお、薬剤の人体並びに自然環境、生態系等に及ぼす影響、これもわれわれは十分慎重に配慮しなければならぬわけでございますが、散布しようとする薬剤は低毒性のものであり、これは世界の食糧機構やまた衛生機構におきましても、低毒性のものであり差し支えない、こういうオーソライズもされておることでありますので、使用等には十分注意をいたしまして、今回の空中散布による緊急の防除対策というものを進めてまいりたい、このように考えております。
○古寺委員 ただいまの農林大臣のお話を承っておりますと、非常に安易に考えていらっしゃるのです。 きょうもOPPの問題がございました。今度はOPPを、日本が簡単な資料によって食品添加物としてこれを許可しようとしているのです。大量に今度は果物が入ってくるでしょう。これはレモンやオレンジだけじゃないです。リンゴもサクランボもみんなどんどん入ってくるでしょう。一方、国内では外国産の小麦や大豆やいろいろな農作物に圧迫されて、みんな休耕したり転作したりいろいろなことがあって、農地が減っておる。農薬もだんだん日本では使わなくなってきている。外国の先進国でこういうような有機燐剤をつくっている国は自国では使わないのです。自分の国では使いませんよ。林野庁に対して緊急にとおっしゃるけれども、農林省が林野庁に対して何か無理無理こういうような制度を押しつけているというような感触を私は抱くのでございますが、今後、先ほども私申し上げましたように、これは低毒性と言っても、取り返しのつかない自然破壊に結びつく大問題でございますので、どうかこの面につきましてはもう一遍慎重に考え直していただきたいということを、最後に特に農林大臣にお願いをいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。
○金子委員長 東中光雄君。
○東中委員 時間がありませんので簡単にお伺いしますが、松枯れが大量に発生しておる。これはほうっておけない大変な事態であると思います。 この発生している原因でありますが、先ほど来言われておりますように、大気汚染あるいは乱伐、乱開発その他自然の推移、いろいろ言われておるわけであります。もちろん松くい虫の問題も重要な問題でありますが、私、ここでお伺いしたいのは、そういう原因が複合して起こってきているということもあると思いますけれども、松くい虫によらない松枯れ、松の枯損がどれぐらいあるのか、あるいは地域的に見てどういうふうに分けられるのかどうか、そういう点について林野庁は調査をされておるのかどうか、その結果をお伺いしたい。
○藍原政府委員 いま先生の御指摘、非常に申しわけないのですけれども、松くい虫以外で松が枯れますのは、自然枯損あるいは温度の低い方でございますとツチクラゲという菌がございます。そういうものによる枯れ等がございますけれども、一般的な程度の枯れでございますので、いまそのデータはつかんでおりません。
○東中委員 たとえば松島なんかは根腐れが非常に多いのだということが学者の方でも指摘をしている人があります。だから松くい虫に基づくものではないんだというふうに言われているわけですね。松くい虫によるものでないところへこのスミチオンを散布しておるというようなことになったら、これは全くナンセンスでありますから、そういう点について調査をしていないと言われると、大変怠慢だと思うんですね。その点はどうですか。
○藍原政府委員 ただいま私どもが調査いたしておりますのは、松くい虫で枯れます松の枯れにつきましては全部調査いたしております。というのは、松くい虫で枯れます松は、松の中にマツノザイセンチュウという、いわゆる線虫が入っておりまして、それが入っているかどうか、それによりまして、これはマツノザイセンチュウで死んだのかどうかということがわかりますので、そういうところでなおかつ重要な松林についてのみ空中散布による防除をやろうということでございます。
○東中委員 マツノザイセンチュウが入っておるかどうかということを調べて、調べていないところについては今度の対象にはならないということになるとすれば、これは大変な大作業ですね。マツノザイセンチュウによらないところへまいたってしょうがないというのはわかっていますけれども、マツノザイセンチュウによるものであるということだけを一々調べてやる、そう聞いていいんですか。そんなこと実際に調査がやられておるんですか。
○藍原政府委員 各県に林業試験場がございます。それぞれの県におきましてそれぞれの松枯れの原因を調べておりまして、そういう方面から私どもは把握してその計画を立てるわけでございます。
○東中委員 大気汚染や乱伐、乱開発も影響がある、あるいは自然の推移、自然の枯損もあるということを言われておるわけですね。しかし、たとえば松島についてはどうなんだということになったら、調べていないという趣旨の最初の答弁があったわけです。そして今度は、一つ一つ調べた上で府県段階でやっているんだということでは、きわめて漠然とした話になるじゃないか。きっちりとそういう点は調査をして、そして松くい虫、マツノザイセンチュウによるものであるのに今度はスミチオン散布をしなかったら、これはまたもとへ戻ってしまうわけですから、やらなければいけないところはやらなければいけないし、やっちゃいけないところ、やるべきでないところ、材線虫が原因でないところは当然外すべきだ。その作業はきっちりやるということですか。その点だけはっきりと確かめておきたいと思います。
○藍原政府委員 マツノザイセンチュウで枯れたかどうかは松の枯れ方がまず違ってまいります。それからマツノザイセンチュウ等が出ております地域は、ただいま私どもの調査によりますと、温度等でおよそ把握されております。したがいまして、そういう研究結果によりまして、都道府県が、ここはマツノザイセンチュウで枯れた松ではない、ここはマツノザイセンチュウで枯れた松だという判断をいたしております。それに基づいて対応するわけでございます。
○東中委員 それは的確にやられなければいけないということを指摘しておきたいと思うのです。 それから、カミキリムシは約二カ月にわたって松材から発生するものだというふうに言われておるわけでありますが、このスミチオンの殺虫効果は、有効期間はどれくらいですか。
○藍原政府委員 一回まきますと二十日間大体効果があるというふうにわれわれ考えております。
○東中委員 二週間といままで言われてきたのが、近ごろは三週間に変わっておるようでありますけれども、そうすると、これは散布されて、それに触れた線虫は、あるいはカミキリムシは死ぬかもしれませんが、その後出てきたものについてはまだ生きておるわけですね。そうすると、三週間、二十日おきに何回もまくということですか。その点はどういうふうになるのですが、
○藍原政府委員 二十日おきに何回もまくということではございませんで、大体羽化の最盛期を私どもとらえまして、第一回まきましてから二十日目に第二回目をまきます。そうしますと、大体通算で四十日間効果があるということで二回まくということにいたしております。
○東中委員 そうしますと、結局二カ月にわたって松材から発生するこの虫の駆除としては、いまやられておる方法でいけば残ることはもう明白なんですね。地域的に残る部分があるということになれば、そして時限立法で五年間ということであれば、結局また残ってくるということになりますね。五年間で空散をやめればまた虫が発生する、あるいは地域的にも散布したけれども、残った分はまた成長してくる、こういうことになるのではないですか。
○藍原政府委員 私どもはマダラカミキリを全滅させようというようなことを考えているわけじゃございません。やはりマダラカミキリが発生いたします一番ピーク時を押さえまして、いま申し上げましたように四十日間効果があるような散布をするわけでございます。したがいまして、まかない地域につきましては、あるいは手当てをしなかった地域についてはそのマダラカミキリが残るかもしれませんけれども、大体まきました地域におきましては、私どもが考えておりますようなおおよそのマダラカミキリはこれによって退治できるのじゃないかというように考えております。
○東中委員 マダラカミキリというのは、絶滅しなければまた次々に出てくる。この散布をすることによって天敵までがやはり殺虫されてしまうわけですから、これは非常に大がかりであるようで、そうして徹底駆除をやるように見えておりながら余り徹底的なtまた盛り返してくるということになるのではないか、こう思うのですが、どうでしょう。
○藍原政府委員 私どもは松林の中で大体立ち木にいたしまして——立木本数と申しておりますけれども、立ち木にいたしまして一%ぐらいの被害が出るのは一般的であろうというふうに考えておりまして、その程度になるように松の被害の度合いを抑えていこう、そうなりますと、あとは伐倒駆除を中心にした現行法で対応できるというふうに考えております。
○東中委員 この自然環境、昆虫、野烏その他に与える影響をも考えますと、結局マダラカミキリ自身は残っておるということになるわけですね。だから、これは徹底駆除のような印象を与えながらそうではない面がある。それで時限立法にされておるということでは目的が十分に果たされるかどうかについてよくわからない。むしろ通常の方式でまたやっていくのだということになると思うのでありますが……。 時間がありませんのでもう一点だけお伺いしておきたいのですが、この散布によって、たとえばノリや魚の養殖をやっておる、そういう魚や海草に対する影響は、あるいは被害は起こるのか起こらないのか、それについての調査をされたかどうか、調査実験がされておれば、その結果をお伺いしたい。
○藍原政府委員 いま先生がおっしゃいましたようないろいろなものにつきましては調査しております。私どもは調査結果等をもとにいたしまして、ここはどうしてもそういう被害が出かねないということで、危険地帯につきましてはそれぞれの県で今後実施計画をつくりますけれども、そういう場合にはそういうところの空中散布は除外してやるという考え方に立っております。
○東中委員 調査の結果どういう被害が出るのですか、あるいはどういう種類の悪性が残るということになるのですか。
○藍原政府委員 法案の参考資料にも一部資料をつけてあったと思いますけれども、たとえばエビ等については一応被害があるという調査結果も出ております。そういう観点から、私どもいままでやりました調査で、これについては被害があるというふうに思われるものにつきましては、その被害防止ができるところについてはその防止対策をやりながらやりますけれども、どうしてもそれが無理なところについては散布をしないという考え方でございます。
○東中委員 時間ですので終わりますが、瀬戸内海とか、あるいは松島もそうでありますけれども、こういう内海について、エビなどのほかに、たとえばノリやハマチやそういった問題について全く被害がないということでもないようでありますので、そういう点についての散布というのは、やるとしても特別な扱いをしなければいかぬじゃないかということと、同時に、もし散布した結果、何かの事態が起こればすぐに中止するという姿勢でやられるべきものだと思うのでありますが、そのことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○金子委員長 以上で本連合審査会は終了することとし、これにて散会いたします。 午後三時十一分散会