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80回国会衆議院1977/07/19

農林水産委員会 第33号

発言数
242
登壇者
17
会派数
5
開催日
1977/07/19

会議録

金子岩三自由民主党

○金子委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  この際、昭和五十二年産米穀の政府買い入れ価格及び昭和五十一年産米生産費について政府から説明を聴取いたします。戸塚食糧庁次長。

戸塚金郎食糧庁次長

○戸塚説明員 昨日米審に諮問いたしました五十二年産米価の諮問とそれの試算値につきまして御説明を申し上げます。  お手元に配付されています資料に基づいて御説明を申し上げたいと思うわけでございます。  まず最初に、「諮問」でございます。        諮  問   昭和五十二年産米穀の政府買入価格について、米穀の需給関係を勘案するとともに、生産費及び所得を考慮して定めることにつき、米価審議会の意見を求める。   昭和五十二年七月十八日           農林大臣 鈴木善幸ということでございまして、本諮問文は全く昨年と同文でございます。  次に、「諮問についての説明」でございます。   米穀の政府買入価格は、食糧管理法第三条第二項の規定により、生産費及び物価その他の経済事情を参酌し、米穀の再生産の確保を図ることを旨として定めることになっており、その算定については、昭和三十五年以降生産費及び所得補償方式により行ってきたところであります。   最近の米穀の需給は過剰基調を強めておりますので、その消費拡大に力を入れるほか、水田総合利用対策を充実する等の措置を講じているところでありますが、稲作志向が著しく強まっている一方、食生活の多様化により消費は減退傾向にあるため、過剰は一層強まっております。このため、今後更に長期的視点に立って米需給の均衡を回復するための各般の施策を展開してまいる必要があると考えております。   一方、米穀の生産費につきましては、十アール当たり収量の減少がみられる反面、労働時間は引き続き減少し、また物価、賃金の動向は昨年と同様鎮静化しておりますので、評価替した生産費の増嵩の程度は昨年と同様鈍化の傾向を示しております。   上記のような事情を総合的に配慮して、これに即応した米価の適正な算定を行うため、本年産米穀の政府買入価格の算定につきましては、生産費及び所得補償方式によることとし、以上述べた事情を勘案して算定することとしてはどうかということであります。  以上が「諮問についての説明」でございますが、このような考え方に基づきまして、昭和五十二年産米穀の政府買い入れ価格を試算をしておりますものを提出をしております。それについて御説明を申し上げます。  「I 算式」、この式はややこしい算式が書いてございますが、「P」というのは求める価格でございます。答えになるわけでございます。「Cバー」は生産費でございまして、価格決定年の前三年、つまり四十九年、五十年、五十一年の各年の米販売農家——括弧がございますがちょっと飛ばしまして、米販売農家の十アール当たり平均生産費について、家族労働費については都市均衡労賃により評価がえし、物財・雇用労働費については物価修正する等、価格決定年に評価がえしたもの、つまり四十九年、五十年、五十一年の生産費を五十二年の価格決定年に先ほど申し上げましたようなことで評価がえした生産費を「Cバー」といたします。  それから「Hバー」でございますが、価格決定年の前三年の各年の米販売農家の十アール当たり平均収量、四十九年、五十年、五十一年の収量でございます。  それを、年数は三年でございますので三分の一にいたしまして、生産費を反収で割りましたものが一キログラム当たりの単価になりますので、それに六十を掛けましたものが一俵当たりの買い入れ価格になるということでございます。  二ページにまいります。  「求める価格」は、先ほど申し上げましたように、三年平均の評価がえした生産費、それが分子でございまして、十三万九千六百九十三円、平均反収が五百五キロということでございますので、それで割りまして、六十キロ掛けましたものが一万六千五百九十七円、これが一−五等の裸の価格でございます。  二番目に、一万六千五百九十七円に、生産者の庭先から農業倉庫等に運びます運搬費百七十六円を加えましたものが一万六千七百七十三円でございます。  これを基準にいたしまして、一万六千七百七十三円に八十六円、つまり一−五等平均と三等との等級間格差で調整をいたしまして、さらに硬質米の歩どまり加算相当分、十九円というものを差し引いたものが一万六千八百四十円でございまして、これがウルチ軟質米の三等の裸価格ということに相なります。  このウルチ軟質米の三等の裸価格一万六千八百四十円から三等と一−四等平均との等級間格差五十八円を差し引きまして、先ほどの歩どまり加算を十九円入れまして、さらに包装代を百八十五円加えましたものが一万六千九百八十六円ということでございまして、これが昨年米価一万六千五百七十二円に対しまして二・五%アップということに相なるわけでございます。  三ページ、「算定要領」でございます。  「十アール当たり平均生産費の算定」でございますが、先ほど申し上げましたように四十九年、五十年、五十一年の各年産の米の販売農家の十アール当たり平均生産費について、次による評価がえを行い、これを平均して算定をするということでございます。ただちょっと、先ほど一ページ目で括弧の中を申し上げなかったわけでございますが、「Cバー」のところにございます「災害農家及び五俵未満の米販売農家を除く。」ということで、そういう農家の生産費ということでとっておりますので、先ほど説明を落としましたので、補足させていただきます。  その生産費につきまして、家族労働費につきましては、都市均衡労賃によって評価をするということでございます。都市均衡労賃は、労働省の発表しております「毎月勤労統計調査報告」等に基づきまして、製造業の常用労働者数規模五人以上千人未満の事業所の賃金(一時間当たり。以下同じ。)に現物給与相当額を加算をしまして、通勤手当相当額を引いて、そしてはじいております。これが都市均衡労賃(一時間当たり)でございます。男女込みで九百五円六銭、男子が千百二円十一銭ということでございまして、昨年の算定の際にはじきました同じ男女込み八百五十七円十七銭に対しましては、九百五円六銭は五・六%アップになっておりますし、千三十九円五十銭という昨年の男子労賃に対しましては六%アップということに相なっております。  それで、その都市均衡労賃でございますが、五人以上千人未満の事業所の賃金を五十一年の六月から五十二年の五月までの平均ではじくわけでございますが、統計の関係がございまして四月までしか——五月−四月の分が一応集計ができておりまして、その分をまずはじきまして、その分に、その次の四ページの、製造業の加重平均して求めた賃金、これは先ほど申し上げたように一カ月ずれになっておりますので、それに製造業の常用労働者数規模三十人以上の事業所の五十一年六月−五十二年五月の平均賃金と、それからその一カ月前の五十一年五月−五十二年四月の平均賃金との比率を求めまして、それで修正をして五十一年六月から五十二年五月までの五人以上千人未満の賃金を求めているわけでございます。それが男女込みで九百十一円四十二銭、男子が千百九円八十六銭ということでございまして、昨年の八百四十円八銭、それから千二十二円六十四銭に対しましては、同率でございますが、八・五%アップということになっております。  この八・五%アップの賃金が評価がえをいたしましたときに五・六%アップあるいは六%アップということになるということを先ほど申し上げたわけでございますが、それは昨年は男女込みの賃金につきましては一・〇二七六、男子につきましては一・〇二三七という、全産業の労賃と製造業の労賃との比率を求めまして昨年調整をいたしましたものを、今年は調整をいたしておりませんので、その分の差がここに比率となって出ておるということでございます。  それで、現物給与相当額、これは〇・六一%分でございまして、これは掛け算しまして現物給与相当額を求める。通勤手当相当額は一・三%ということでございまして、これを掛けまして求めまして、先ほど申し上げた賃金から現物給与相当額についてはプラスをいたしまして、通勤手当相当額についてはマイナスをいたしましてはじくということで考えております。  それから五ページ、物財・雇用労働費でございますが、物財・雇用労働費につきましては、下にございますように四十九年産米の生産費を本年ベースに直しているわけでございまして、四十九年産米の生産費については二二七・三四、五十年産米の生産費につきましては二一・九九、それから五十一年産米の生産費につきましては一〇五・七五という係数を掛けまして今年の米価の基礎になります数字に物価修正をいたしておるわけでございます。  それから(3)の副産物価額でございますが、わら及びくず米の価格につきましては、四十九年につきまして一八六・五一、五十年につきまして一七一・七三、五十一年につきましては一二〇・二九ということで読みかえまして修正をいたしまして試算の基礎にいたしております。  それから六ページ、資本利子でございますが、農林省統計情報部の五十年の米生産費の補完調査の結果に基づきまして、借入金と自己資本の割合を三〇対七〇ということで、従前三五対六五でございましたが、ここで三〇対七〇ということで変えております。利率につきましては、借入金につきましては年利六分、自己資金につきましては年利五分八厘五毛、農協の一年定期の預金金利相当額というふうに理解しておるわけでございます。  それから(5)物件税及び公課諸負担につきましては、昭和五十一年産の米生産費調査結果によりましてそれをとりました。十アール当たり物件税三百五十九円ということでございます。公課諸負担、同じく九百四円ということでございまして、合計で千二百六十三円ということでございます。  それから(6)の地代でございますが、文書にございますように、自作地につきましては現行小作料の最高統制額によっておりますし、小作地と作付地以外の土地につきましては五十一年産米生産費調査によるそれぞれの地代、つまり実際の地代によってそれぞれ評価した地代の合計額を計上しておるわけでございます。  そういう経過をとりまして算定をいたしました四十九年生産費基準の数字が十四万二千八百九十六円、五十年産基準が十三万六千百八十四円、昭和五十一年産基準に直したものが十四万円、平均で十三万九千六百九十三円ということでございまして、これが先ほどの二ページにございます分子に上がっておるわけでございます。十三万九千六百九十三円でございます。  次に八ページでございますが、「十アール当たり平均収量」、四十九年産が五百三キロ、昭和五十年産が五百二十五キロ、昭和五十一年産が四百八十六キロということでございまして、平均五百五キロでございます。昨年の基礎が五百十三キロということでございますので、一・六%ダウンということでございます。  先ほど七ページのおしまいに申し上げました十三万九千六百九十三円というのは、昨年の試算の基礎になりました十三万八千五百七十四円に対しましては〇・八%アップでございまして、コストの〇・八%アップ、それから反収の一・六%ダウンということで、分子、分母の関係で、さらに3の運送賃の若干のアップを織り込みまして最終的に二・五というものが出てくるわけでございます。  「運搬費」は、米生産費補完調査の結果によりまして、運搬距離等に基づき、農家の庭先から最寄りの政府指定倉庫までの運搬及び受検に要する経費ということで、六十キロ当たり百七十六円を織り込んでおります。運搬費のうち、労働費は百九円ということでございまして、この労働費につきましては都市均衡労賃で評価がえをしてはじいておるわけでございます。材料費二円、農具費十七円、賃貸料四十八円ということで百七十六円ということでございます。  それを総括して取りまとめたものが九ページの表でございまして、原生産費、四十九年は八万六千四百八十六円、それを価格決定年のものに評価がえをした生産費が十四万二千八百九十六円、以下五十年、五十一年同様でございまして、その三つを足しましたものが、先ほどの七ページの終わりにあるものにイコールになるわけでございます。  収量につきましても、下に同じことを書いてございます。  なお、家族労働時間につきましては、表にございますように、直接、間接の家族労働時間が出ておりまして、五十年、五十一年の間では低下傾向はやや緩やかになっておりますが、全体的に労働時間が低下をしておるという傾向がこれであらわれておると考えるわけでございます。  以上申し上げましたようなことで、生産費及び所得補償方式に基づきまして的確にはじいて試算をいたしまして、現在、審議会の御審議をいただいておるという状況でございます。

金子岩三自由民主党

○金子委員長 白根統計情報部長。

白根健也農林省農林経済局統計情報部長

○白根説明員 引き続きまして、五十一年産米の生産費、先日公表いたしましたので、その内容の概況を御説明いたしたいと存じます。お手元に「昭和五十一年産米生産費」という六ページぐらいの紙がございますので、これでお話ししたいと思います。  一ページは概要でございます。  十アール当たり第二次生産費十二万二千三十七円、六十キログラム、一俵当たり第二次生産費が一万五千八十二円、参考といたしまして反当の所得が八万二千五百八十九円、一日当たり家族労働報酬が五千八百二十四円ということになっておりまして、これを前年対比である程度御説明いたしたいと思うわけでございます。  反当の十二万二千三十七円、これは前年度に比べまして一九二二%のアップになっております。  一九・三%のアップの内容を御説明申し上げますと、家族労働評価の評価がえをいたしました。これは従来までは農村の臨時雇い賃金ということで評価しておったわけでございますけれども、いわば機械化なりあるいは高度成長によりまして農村から人が出ます、そうしますと、臨時雇いの大宗をなしておりますような田植えですとか、稲刈りでございますとか、あるいは耕起でございますとか、こういう労賃が、生産費調査農家という形でとりますと、地域的に非常に偏っている、あるいは時期的に偏っている、そういう意味で、農家が雇用を調達する場合に一般的な賃金とは言えないじゃないか、こういう御指摘がございまして、本年度からいわば農村の雇用労賃ということに評価がえをしたわけでございます。  農村の雇用労賃と申しますのは、これは従来の農林水産業のほかに製造業、それから建設業、それから通信産業でございますか、大体この六業種のうちで農家の世帯員が就業している、そこの労賃というものを調べまして、それをもって評価に充てているわけでございます。したがいまして、考え方といたしましては農家が新しく自分が雇用したらどのくらいの賃金で雇用できるかという、こういう観点は変わりございません。ただ、現実の評価の対象がそういう状況のもとに変わりました。その分が約九%アップになっております。個別部分は後ほどまた御説明いたしますけれども、総体論としては九%アップでございます。残りの一〇%といいますのが、従来方式によりまして物財費等の増加によるものと見込まれておるわけでございます。  それで六十キロ、一俵当たりの第二次生産費は対前年約二八%アップでございますが、これは先ほど反当が一九%アップと申し上げましたけれども、それに冷害その他の減収がございますので、減収分が約九%加わりまして二八%のアップ、こういう形になっております。生産費調査農家の反収は四百八十六キロでございまして、前年が五百二十五キロということでダウンしておるわけでございます。そういうような事情に伴いまして、反当所得なり一日当たり家族労働報酬というものがダウンしているわけでございます。ちなみに比率を申し上げますと、約一〇%のダウンということになります。  方式は、御承知のように、反当所得は後ほど出てまいりますけれども、粗収益から費用を引きまして、家族労働費を加えた、こういう計算になっておりますし、家族労働報酬一日当たりといいますのは、粗収益から第二次生産費を差し引きまして、さらに家族労働費をプラスいたしました、それに家族労働の時間七十六・三時間で割りまして、一日当たりということで八時間を掛けている、こういう計算方式になるわけでございます。  それから四ページの統計表の内容を簡単に御説明いたしたいと思います。  まず、ここにいろいろな品目がございますが、肥料費、それから農業薬剤費、それからずっと右に行きまして賃借料及び料金、それと農具費、労働費、これが費用のうちで大体九割近くを占めておりますので、この各項目の増減の概要を若干簡単に御説明いたしたいと思うわけでございます。  まず、肥料費でございますが、これが一二%アップしております。内容的には肥料の増高と価格の上昇でございます。これは御承知のように、元肥につきましては、年初めに手当てするわけでございまして、そのときの価格上昇というのが影響するわけでございまして、一−三月大体一割ぐらいの価格上昇があったのじゃないか。それから年末近くなりますと、三、四%ということで、上昇程度は非常に小さくなります。むしろそれが主要因で、若干の肥料の増投の傾向はございますけれども、そういうことで一二%のアップになっております。  それから農業薬剤費につきましても、これも一二%のアップになっております。これは御承知のように、冷害等のことがございまして、いもちの発生が各地に見られたわけでございまして、大体一、二回ぐらい除草剤の散布回数が多くなっているのじゃないか、そういう意味での使用量の増加ということでのものが中心でございます。単価アップは四%ぐらいということで、非常に微々たるものでございます。  それからずっと右へ参りまして、賃借料及び料金の関係でございますが、これはバインダーを借りる賃料といいますか、これが著しくふえておりまして、結果としては五千二百四十七円でございますが、一九・八%、約二割近くの増高になっております。  それから農具費でございますが、これがちょうど反当二割の増高になっております。主たる内容は、例の償却費の増でございまして、これはトラクターでございますとか、田植え機でございますとか、それからコンバインでございますとか、そういうものの購入が、従来よりは若干は落ちていますけれども、総体的に見ると、二五%ぐらいのテンポで金額的に伸びておりますので、その面の償却費の増というものがあるわけでございます。  それから労働費は、先ほど申し上げましたようなかっこうでこれは基本的に評価がえをいたしました関係で、反当三一%のアップになっておるわけでございます。家族労働につきましては、三三・八ということで、家族労働費は先ほどの評価がえの影響でございます。  そういうことで、費用合計で見ますると、九万九千三百五十九円ということで、約二三%ぐらいのアップになっているわけでございます。  それから右へ参りまして、特徴的なものを申し上げますと、第二次生産費は、費用に、副産物を引きまして、さらに資本利子、地代を入れるわけでございますが、副産物の価格は約四割伸びておりますが、これは御承知のように、稲わらが従来大宗を占めていたわけでございまして、稲わらにつきましては依然価格の上昇というものが続いているわけでございます。ただ、特徴的に申し上げられますのは、くず米の増高がございます。これは冷害その他の影響ということが反映された結果と思われるわけでございますけれども、くず米が約六割近くの増になっております。その辺が強く響きまして、総体として四割という増高になっておるのじゃなかろうかと思うわけでございます。  それから資本利子につきましては、これは一律、生産費調査では従来どおり四%でアップしているわけでございます。  それから地代につきましては八%のアップになっておりまして、これは類地小作料ということで評価をしているわけでございます。その関係でございます。  それから四ページの一番最後になりますが、水稲作付面積が八十七アールということで若干の減、去年、五十年度は九十アールでございます。  それから収量が、先ほど申し上げましたように、五百二十五キロが四百八十六に下がっておるわけでございます。九二%ぐらいになっているわけでございます。  それから一行飛ばしまして家族労働時間でございますが、家族労働時間は、計が七十九・七時間ということで、前年が八十一・五時間だったと思いますけれども、一・八時間ばかりダウンしているわけでございます。従来の傾向を見ますると、ここ五年ぐらいは大体五、六時間の減があったわけでございますけれども、冷害の影響その他ということで一・八時間の減少にとどまったというような実情でございます。  大体申し上げることはこの程度でございまして、結果として、第一表で申し上げましたように、一俵当たりの生産費が一万五千八十二円になっておるというような状況でございます。  以上、概況でございます。

金子岩三自由民主党

○金子委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松沢俊昭君。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 参議院の選挙では、自由民主党の皆さんは、農民のために米価の引き上げをやる、そういう約束をされながら選挙をやってこられたわけなのでありますけれども、その参議院の選挙が終わった後に、昨日、米価審議会が開かれまして、その諮問を見ますると、わずかに二・五%というところの引き上げの諮問をなされたわけなのであります。これは最近におけるところの最も低いところの低諮問ということになるわけなのであります。  そこで、政務次官に聞きますが、物価が九・四%も上がっている、それから賃金が八・八%上がっている、こういう中でこのような低いところの低諮問を出して、それで農民の皆さんが満足すると思っておられるのかどうか、まずお伺いしたいと思うわけなのであります。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 先生にお答えいたします。  ただいま前段のお話がございました点につきましては、これは私どもの大臣、また私も各地でいろいろとお話し申し上げたわけでございますけれども、過剰傾向の中で米価はむしろ抑制すべきだといういろいろな御意見もございました。  そういう中にありまして大臣が常に言ってまいりましたことは、やはり生産費所得補償方式というこの実際の方式がある以上は、物価並びに賃金、こういったものが適切に反映していくべきであるということを常に申し上げてまいったわけでございます。  それと同時に、今日の過剰な状態にある中にあって、特別にこれを刺激するような方法はいかぬということを記者会見あるいはその他の場所でもずっとそれを申し上げてまいったわけでございまして、そのとおりの考え方というものは、実は今度の米価の中に、二・五%という諮問を申し上げたわけでございますけれども、その中に適切に反映されておるというふうに考えます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 政務次官に聞きますけれども、あなたも農村から票をもらって出ておられるわけなのでありますが、農村というところは農民だけでありませんで、大工さんもおられますし、それから床屋さんもあるという状態が農村の状態であるわけなのです。  そこで、あなたにちょっと聞きますけれども、昭和三十七年を基準にいたしまして、生産者米価、これが五十年になりますと三・二倍ぐらいに上がっているわけなんです。そうだとすると、床屋さんの料金というのはどのくらい上がっているというふうに考えられますか、大工さんの手間賃というのはどのくらい上がっているというように考えられますか、あなたの実感でひとつ答えていただきたいと思うのです。(「常識で答えていいよ」と呼ぶ者あり)

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 これは常識でお答え申し上げます。  場所によりますし、またそれぞれの地域によって異なるものですから、これはまさに実感で申し上げますと、私の経験で、当時サラリーマンになったころ、そして今日を比較いたしますと、およそ七倍くらいになっておるかと思います。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 これは大工さんの手間賃で八・七五倍になっているんですよ。床屋の料金で七・七七倍ということになっているわけなんです。八倍なんです。そうすると、あなたの実感から言ってももうすでに低いんだ。大工さんの手間から見ますとなお低いという状態になっているわけなんでありまして、そういうのが農村の実態であるわけなんです。  そういう中で、農民が米をつくって、そしてこのような低米価、これがまともだと思っておられますか、どうですか。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 先生も本当に一番お詳しい先生であるわけでございますけれども、物価そのものが米価そのものにストレートな形でスライドするというものじゃないことはもうよく御承知のとおりだと思います。たとえば、労賃とか、そういったものにつきましてはきちんと反映されております。それと同時に、この構成というものは、いわゆる生産性というものが高まり、時間というものがそれによって減少されてきた、あるいは反収が上がってきたというものが全部含まれているわけでございまして、物価そのものがストレートに反映するものじゃないということだというふうに私は思います。そういった意味で、今度の諮問案につきましてもやはり適正に反映されておるというふうに認識しております。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 それじゃ聞きますが、大臣は、米の過剰傾向というものを米価を決める場合においては考えないでいきましょうということは、再三再四言っておられたわけなんであります。ところが、この諮問米価を見ますと、私は、いろんな点で抑制をしようというところの努力が払われて、それでそれは逆に言うならば、過剰だからやはり抑えなければならない、こういう計算の仕方だと思っております。  そこで、私は聞きますけれども、昭和四十二年の政府の算定方式でことしの米価をはじき出した場合、一体米価というのは幾らになるんだか、それをお伺いしたいと思います。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 いま先生からお話がございました四十二年のあれで算定いたしますと、二万三千三百八十一円ということになります。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 そうすると、昭和四十二年の算定方式でいきますと二万三千三百八十一円、この昭和四十二年の算定方式は誤りであったのですか、どうですか。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 当時のいわゆる米の需給事情というもの、これがやはり今日とは大分異なっておったということ、そして四十二年の算定というのは、そういったまだ米が不足であるという状況の中で最も高く実は算定されたときであるというふうに思います。ですから、いろんな要素がそこに組み込まれておったということが言われると思います。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 それじゃ聞きますが、その当時の反収はマイナス・ワンシグマ方式で計算されたわけなんですね。私たちは、八〇%バルクラインによるところの生産費及び所得補償方式、これを採用しなさいということを政府に迫って今日まで来たわけなんであります。だけれども一、四十二年のマイナス・ワンシグマでいきますと、八〇%バルクとやや同じような結果というものが出る。でありまするから、そういう意味では、昭和四十二年当時においては、ある意味におきましては農業農民団体と政府の間の開きというのは余りなかった、こういうぐあいに判断して差し支えないと思うわけなんであります。  ところが、四十四年からマイナス〇・五四シグマ、そして四十五年にはマイナスゼロ、こういう方向で移行してきているわけなんですね。そこで、現在では平均生産費ということになるわけなんでありますが、その平均生産費でいった場合においては一体どのくらいの農家の必要経費を補償するということになるか、その点はっきりしてもらいたいと思います。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 ただいま先生の御指摘がございましたワンシグマ、標準偏差でございますね、これにつきまして、御指摘がございましたとおり、四十三年までワンシグマ、四十四年からマイナス〇五四シグマとなりまして、四十五年からこれが外されたということでございます。  そういった中で計算いたしますと、四十九年、五十年と販売数量の約九〇%ということになっておったわけでございますけれども、五十一年で七二%のカバー率になっておるということでございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 これはきのう小委員会で聞きましたのですけれども、戸数で五三%のカバー率、販売の面で七三、こういう御報告を受けたわけなんであります。しかし、これは賃金の面におきまして、農村の雇用賃金、これをとった場合の話なんでありまして、都市均衡労賃でいった場合におきましてはカバー率はぐっと下がるはずなんであります。それは一体どうなっているのだろうか。

澤邊守農林大臣官房長

○澤邊説明員 お尋ねの趣旨は、五十一年の平均生産費のカバー率という意味だと思います。これは端数はありますけれども、概数で、戸数においては四〇%、それから販売数量では六〇%、こういうことになっております。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 そうすると、平均生産費をとってやった場合におきましては、四〇%の米生産農家の補償はあり得るにしましても、六〇%の農家は補償されないという結果になるんじゃないですか。政務次官、どうですか。

澤邊守農林大臣官房長

○澤邊説明員 四〇%と私先ほどカバー率で申し上げましたけれども、そうしますと、カバーされたものは生産費以上の価格になっておる、それからカバーされなかった六〇%の農家についてはその農家の生産費を償っていない、こういうことになるわけでございます。平均で生産費でやりますといまのようなことになって、償っておる農家もあれば償っていない農家もある、個別にはそういうことになると思います。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 だから、六〇%の農家というのはこの米価から除外されたところの農家になってしまうじゃないかということなんです。そういう米価のあり方そのものが、一体政務次官——本当にさっき私が申し上げましたように、床屋、大工さん、そういうのと比較して大変農家の状態が悪くなる、これは当然なんじゃないですか。

澤邊守農林大臣官房長

○澤邊説明員 大工の賃金が非常に上がっておるという点で、米価の値上がりがその割りには上がっておらないという点について問題を指摘されておるわけでございますが、生産費所得補償方式と申しますのは、賃金スライド方式でもございませんし、物価スライド方式でもございません。一つの要素といたしまして、物価一般ではなくして生産資材の価格は最近の動向を的確に反映しておりますし、また製造業賃金に評価がえしますので、製造業賃金の動きは労賃の中には評価されておりますけれども、反面、反収がふえたり、あるいは労働時間が減ったりというような面も反映されるのが生産費所得補償方式でございますから、物価と完全にスライドしなければいけないとか、あるいは賃金と同じにスライドしないのはおかしいという議論は成り立たないのではないかと思います。いわんや大工さんの賃金と同じように上がらなければならないという性格のものでは本来ないわけでございます。生産費所得補償方式というのはそういうものであるという前提で算定をしておるわけでございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 私は、算定方式そのものはいま官房長が答弁されたそのものだと思います。ですけれども、それじゃ農家は生きていかれないじゃないかと言うのだ。こういう答えが出る算定方式であるならば、算定方式そのものを変える以外に適確な米価というのは出てこないことになるのじゃないか。そうでないと、農業をやっていくわけにいかぬという結果になるのじゃないですか。算定方式の意味は私もわかっております。だから、いまさら算定方式の解説をしてもらう必要はないわけなんです。だけれども、この算定方式でいくならば、答えとしては稲作ができないという米価が出てくるのじゃないか、この点を政務次官、一体どう考えておるか。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 先ほどから官房長もお答えしておりますように、また私も一番初めに申し上げましたように、ともかく生産費所得補償方式というのは、ほかの労賃、いわゆる大工さんですとか、そういったものとのただ差ではなくて、そういったものを全部織り込みまして、そして反収が上がってきたとか、時間が減少されてきたという中で、そのあれとしてきちんと賄われておるというふうに私は考えます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 だけれども、現実にはさっき私があなたに説明したとおりの状態になるわけです。そういう点で、これは低米価をはじき出すにはいい算定方式かもしれませんけれども、農家の所得を補償するという答えを出すには適切な算定方式ではないじゃないか、こういうぐあいに私は御指摘を申し上げているわけなんであります。  そこで、私さらに若干質問いたしますけれども、たとえば家族労働費の場合であります。これは政府の方といたしましては全規模で計算されたこともありますし、それから五人から五百人規模で計算されたこともあるし、また最近では五人から千人未満、こういうはじき出し方をやっておられるわけなんであります。しかも、これは加重平均ですから、五人以上三十人未満の平均賃金、三十人以上百人未満の平均賃金を出す、それから百人以上五百人未満、五百人以上千人未満、こう刻みながらそれぞれの賃金を出して、そして加重をして平均して出してくる、こういうことなんでありますが、置きかえ賃金なんでありますからいろいろな方法というものがあると思います。でありますけれども、農協の方といたしましては五人以上青天井、こういう計算の方式でやってくれ、全日農の方では、公務員の人事院勧告の基本というものが百人以上の民間企業の平均というものをとっているのだから、百人以上使っている製造工場労働者の賃金を採用すべきなのじゃないか、こういうことを主張しているわけなんであります。  私は聞きますけれども、五人以上千人未満というのはどういう意味で使われているのか、これが最も適切だという理由を聞かせてもらいたい、これが一つであります。  それからもう一つは、間接労働と直接労働がある。直接苗代をやるとか、稲刈りをやるとかというのは直接労働、それから間接労働というのは、堆肥づくりをやるとか、そういうものが間接労働だ。直接労働の場合におきましては男女込み賃金、男子と女子を合わせて平均しろ、それから間接労働の場合においては男子賃金、こういうふうに分けて計算されておるわけなんであります。  私もいろいろ調べてみましたけれども、民間の製造工場なんかの場合におきましては、男子の賃金が十であるとするならば女子の賃金は大体五程度であります。これをまぜてやれば非常に低い賃金になることだけは間違いないわけなんであります。そういうところにも、私たちから見ますならば一つのごまかしというものがあるのじゃないか。だから、男子賃金で間接労働を評価するということになれば、直接労働も男子賃金で評価して何の不都合もないじゃないか。不都合があるならばどういうところにあるのか、これを聞かせてもらいたい。  それからもう一つの問題でありますが、管理労働、企画労働、たとえば農協に米づくりのための金を借りに行ったとか、あるいはまた共同作業の準備の会合をやったとか、あるいは稲作の技術講習会を受けたとかというところの時間、これはかつてたしか二・六時間ですか、これをこの中に織り込まれたことがあるわけなんであります。ところが最近は、企画管理費のいわゆる付帯労働、これは削除されております。ですけれども、この時間がなかったならば稲作はできないわけなんであります。何でこれを削除しなければならぬのか。  要するにこの三つ、いわゆる労働費につきまして御答弁をいただきたいと思います。

戸塚金郎食糧庁次長

○戸塚説明員 お答えをいたします。  最初に、五人以上千人未満をなぜとるかということでございますが、これは前年も同じことでございまして、私どもことしの米価をはじきますときに、前年方式に準拠していくという基本的な考え方でやっておりますので、現在のような米のこういう需給基調の中で、特に今年、前年方式を変更するということはやや問題があろうかということで、前年方式に準拠したということでございます。  それから、直接労働について男女込みでやったのはなぜか、こういうことでございますが、逆に間接労働は生産費調査の中で男子労賃に評価がえをされてあらわされておりますので、これをとりました。それから、直接労働につきましては、男女別に労働時間がはじかれておりまして、これを男女別に評価をするということになりますると、その辺はむしろ若干問題があろうかということで、これは従前から男女込みということではじかせていただいておるわけでございます。  それから、企画管理労働でございますが、企画管理労働につきましては、先生御指摘のように、従前入れたこともございますが、企画管理労働そのものは、おっしゃいますように、稲作にある程度必要なものではございましょうけれども、コスト性というものは非常に問題もございますし、把握しにくいという点もございます。なお、本来これは生産性向上の中で吸収していただくという性質のものであろうということで入れてないわけでございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 私の聞いているのはそういうことではないのでありまして、たとえば現在、機械化が非常に進んでいるわけなんであります。そうすると、大変、稲作をやるにも高度の技術が必要になってまいります。堆肥づくりをやるということよりも、それはやはりトラクターだとかコンバインとかを使う方がむしろむずかしいところの作業になっているわけなんであります。それが安く評価されて、そして間接労働が高く評価される、これはやはり適切ではないんじゃないかという考え方を私は持っているわけなんです。しかも、皆さんの公務員の賃金はどうですか。採用されたとき、女の賃金と男の賃金は別々に支給されますか。そうではないでしょう。皆さんの賃金は、男女区別なしに支給がなされているわけなんであります。そうだとするならば、要するに間接労働が男子並み賃金で評価がえされるということになれば、直接労働の場合においても当然これは男子並みで評価していっても差し支えないじゃないか、こういうぐあいに考えているんだが、あなたの方では、いや、そうでないんだという理屈がつくのであるならそれを説明してもらいたいということでありますし、それから付帯労働の場合におきましても、これは当然なくてはならぬところの時間であるわけなんであります。だから、農林省の方でもかつては二・六時間程度、付帯労働時間というやつを計算の中に入れられたわけなんです。それが今度除外されているということはおかしな話なんじゃないか、理屈が通らぬじゃないか、理屈の通るような米価の算定をやるべきじゃないかということを私は指摘しているわけなんです。そういう点はどうかということです。

戸塚金郎食糧庁次長

○戸塚説明員 男女込みの問題につきましては、先ほど申し上げましたように、生産費調査そのものには、稲作の作業時間で男女別に作業がつかまれておりますので、本来で言いますと、男女込みということでなくとも男女別にはじかれるわけでございますが、従前からこれは男女込みではじかせていただいているということでございます。  それから、企画管理労働でございますが、従前、企画管理労働につきましては先生御指摘のようなことで見込まれたこともございますが、米需給が現在の状況になってまいりましたので、コスト性で非常に問題があり、かつ把握しにくい時間につきましては、先年も同様でございますが、算定の中に入れてないということでございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 それから、地代でありますが、これは原生産費がここに出ております。要するにこの原生産費からいたしますならば、一万五千三百七円というのが四十九年、五十年が一万九千九百四十九円、五十一年が二万一千五百七十七円、こういうぐあいにちゃんとかかったやつを統計の方では調査をされて出しておられるわけなんであります。  ところが、価格決定年の評価がえ生産費ということになりますと、これは米価の中に織り込まれるというところの数字になるわけなんであります。そうなりますと、四十九年に実際調査したのによると、地代が一万五千三百七円かかっており、米価の中に織り込むときにおいては七千三百七円しか織り込まない、要するにこういう状態、これが三年間みんな同じような状態になっているわけなんですね。五十一年なんかにいたしましては二万一千五百七十七円かかったというふうに農林省は調査したわけだ。だけれども、米価の計算をする場合においてはその三分の一程度の七千五百三十六円しか計上しておらない。これは一体どういうことなのか。

戸塚金郎食糧庁次長

○戸塚説明員 地代でございますが、地代は本来、米作収入から生産に要した諸費用、家族労働費、資本利子等を控除した残渣という性格を持っているものじゃないかと考えるわけでございますが、私ども都市均衡労賃で家族労働費を評価がえをしておりますので、そういう考え方に立ちますと、自作地については統制小作料、それから労賃については都市均衡労賃で評価がえということで、考え方の平仄が合うんじゃないかというふうに考えるわけでございます。  先生御指摘の地代というものは、確かに小作地等で行われます地代につきましては、生産費調査のとおりだと考えるわけでございますが、それは本来六%あるいは七%程度の小作地で、現在わずかの小作地で現実に成立している小作料ということでございまして、自作地について小作料を擬制的に考えますときに、しかも労賃を都市均衡労賃で評価がえをしているということでございますれば、私ども考えております統制小作料で一応いいんではないかというふうに考えるわけでございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 私、聞きますけれども、これもかつては自小作地とも実納小作料で計算したことがあるわけなんであります。それが今度の試算からいたしますと、これは五級地の統制小作料、これで計算する。そうなれば、米の値段は安くなるのはあたりまえなんであります。だから、なるべく安くするように、算定方式のところに入れるところの数字を値切る、こういうことがここに証明されていると思います。  それからもう一つ開きますが、機械化が進めば労働時間が短縮される。まあ省力農業ということをいままで言っておられたわけなんだ。では、近代化、機械化すればするほど労働時間が短縮されて、それだけしか米価の中に反映されないということになりますと、それは近代化するだけ損をする、こういう理屈になるわけなんですね。  そこで、われわれの方といたしましては、生産性が向上したならば利益還元を考えるべきなんじゃないかということで、メリットをある程度入れるべきじゃないかという主張をやってきたわけなんであります。政府の方といたしましても、いままで米価決定が毎年行われておりましたのですが、ある年におきましては、これは全体の三年間の平均をやるわけなんですが、その平均をやったものとそれから三年間の最初の年との差額の二分の一、これをメリットとして還元しようじゃないかということでその算定方式の中に入れられたこともあるわけなんであります。それが今回は除外をされている。これは一体どういうことなんでしょうか。

戸塚金郎食糧庁次長

○戸塚説明員 先生も先ほどおっしゃられたように、四十二年当時にそういう事例がございました。ただし、それは四十五年以降米の過剰基調が強まりますとともに改められたわけでございます。先ほど小作料の問題につきまして、当時、実勢の小作料をとっておったじゃないかという御議論がございましたが、四十二年の農地法改正以前は統制小作料と実勢の小作料との間にそれほどの差のない、そういう時代でもございまして、現在のように大きな差が出てきておるという時代でございませんので、その辺は状況の違いであるというふうに考えるわけでございます。  それから、生産性向上の利益を還元するという問題でございますが、これにつきましては先生いまおっしゃられたように、三カ年平均ということをとっておるわけでございます。また、私ども三カ年平均をとりますことによりまして生産性向上の相当部分の利益を——先ほども資料で御説明いたしましたが、労働時間というものはずっと低下傾向にあるわけでございまして、それを三年平均をとっておるわけでございますから、たとえば前年の労働時間に対比いたしまして平均は相当まだ上にあるわけでございまして、そういう意味では生産性向上の利益は相当部分留保されておるというふうにも言えるのじゃないかというふうに考えるわけでございます。  それからもう一つ、労賃を都市均衡労賃で評価がえをしております。その都市均衡労賃は工業の生産性の向上を反映をした労賃ということでございまして、その面でも生産性の問題というものはある程度織り込まれておるのじゃないかと考えるわけでございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 そういう理屈も一つの理屈なんでありますけれども、そういう理屈があるとするならば、それじゃ、かつてその二分の一をメリットとして入れたということが誤りであったということになるのですよ。しかし、私はその当時は誤りではなかったと思うのです。結局、いま戸塚次長の方からお話がありましたように、生産が過剰傾向にあるので、そういうものは理屈が通っておってもこれは除外していかなければならないということで全部除外して、そうしてことしの米価がはじき出された。これはいまのあなたと私の質疑応答の中で明らかになったと思うのです。そうすると、農林大臣は、過剰傾向というものをこういう米価の中には反映させないと言っておられるけれども、事実は反映をさせて抑制米価になっておる。そうして、しかも必要経費の面等におきましてはわずかに全体の四〇%の農家だけしかカバーができないというような、そういうはじき方をやっている。そうして出されたところの答えというのが二・五%というところの引き上げ幅ということになったわけなんであります。でありまするから、これは明らかに政治米価である。これは政治米価です。ですから、このような政治米価であるところの低米価、これをこのままにしておくわけには私はまいらぬと思います。  そこで、政務次官に聞きますが、二・五%は絶対的なものであるか、それともあなたの方では、これはやはりいまの質疑を通じましていろいろな欠点があるのだから直して引き上げなければならないのか、どういうふうにお考えになるのか、この一点を聞きまして、質問を終わりたいと思います。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 ただいま先生の御指摘がございました実納小作料の地代の問題、あるいは生産性向上メリットの還元、この問題についていろいろと御指摘があったわけでございます。  これが誤りであるかというお話なんでございますけれども、決して誤りであるというふうには私は考えません。やはりそのときどきの需給事情というものがあると思います。そうして、特に四十二年のこの事態というのは、非常にやはり刺激するということで、すべての算定要素というのが、実はここにいろいろなものが組み込まれた年でございます。そうして、いま大臣が言われたのはまさに低くあれするための政治米価じゃないかということでございますけれども、昨年と比較いたしましても、一昨年と比較いたしましても、いま先生の御指摘のあったものは全部取り除かれておるわけでございまして、そういった意味で別に過剰傾向であるからといって恣意的に下げるようなことはしてはならぬ、そうかといって刺激するようなことは一切いかぬというのが実は大臣のお気持ちであったわけでございます。  そうして、最後にいまお話がございましたこの二・五%というのが絶対的なものであるかということでございますけれども、私どもはそういった大臣の意向というものを十分基本にしながらこの米価というものを算定したわけでございますけれども、しかし御案内のとおり米審が開かれておるわけでございまして、ここでいろいろなお立場の方々から御意見をちょうだいしておるところでございます。そういった意味で、私どもはこの米審での論議、そうして、いただきます答申というものをもとにいたしまして適切に米価というものを最終的に決定してまいりたい、このように申し上げたいと思います。

松沢俊昭日本社会党

○松沢(俊)委員 終わります。

金子岩三自由民主党

○金子委員長 野坂浩賢君。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 政務次官にまずお尋ねをいたしますが、この農林水産委員会の委員でもあります前総理の田中角榮氏は、事あるごとに本会議で、自分は農家出身であって、農民のための政策を推進をする、こういうことを強くお話しになってまいりました。現総理の福田赳夫氏は、だれよりも農民を愛し、何よりも農業を愛すという名言を吐かれております。これは政府が言っております。農業者が誇りと働きがいを持って農業にいそしめるよう、その体質の強化を進める、そして食糧自給力の向上を図ることを長期にわたる国政の基本方針とする、こういう言明がございます。これは裏を返して言いますと、他産業に従事しておる所得、これと農業の所得との格差というものはなくする。農業と他産業との格差はなくして、そういう方向を明確にするための条件整備をやっていく、こういうことを農林省の方針とされておるわけですね。そのとおりですね。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 御指摘のとおりでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 七月十四日午後三時、私どもは鈴木農林大臣とお会いをいたしました。その際に、いま松沢君の質問の際に政務次官もお答えになりましたが、米の過剰傾向、過剰基調というものについては、それを米価の中に反映をするようなことは全然考えていない、生産費所得補償方式を必ず堅持をするというお話がありました。これがまず一点。それから二点目に、計算方式をいろいろいじくることはよくない、変化をしない、そういう計算方式をこれから設定をしていきたい、こういうお話がありました。農林省の方針はそのとおりですか。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 大臣が皆様に言明したとおりでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 いままではどうだったんですか。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 先ほどもお答え申し上げましたように、米の需給というものが非常に逼迫しておった時代、この時代にありましては、どうしてもやはり米を増産していただかなければならない、そういったことを加味いたしまして、いろいろと加味したことはございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 そうすると、計算方式は変わらないようにしたいとおっしゃっておりますが、これからは、足らなくなれば計算方式は変えるということですか。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 大臣もあるいはそのときにお話し申し上げたかもしれませんけれども、そういった場合には算定方式の根拠というものをやたらに動かすということじゃなくて、たとえば奨励金、こういったようなもので刺激することの方が必要なんじゃなかろうかというようなことも申し上げているんじゃなかろうかと思います。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 それを覚えておいてください。  大蔵省の方、いらっしゃいますか。——大蔵省は今度の米価を決定するに当たって、据え置きの方針であるということを何遍も言明していますね。これについては、農林省がいま言っております生産費所得補償方式というものから見てどのようにお考えで、そういう方針を述べられたんですか。

古橋源六郎大蔵省主計局主計官

○古橋説明員 お答えいたします。  最近におきます米の需給事情、今年の十月末で三百三十万トンの過剰、これは過去において、四十四年から米価据え置きということがとられた前の年の四十三年におきましては二百九十八万トンという過剰事態がございました。そのときの状態をすでに上回っているものでございます。このまま過剰傾向が続きますれば、これはまた過去のような米の生産調整あるいはまた過剰米の処理というような事態を招きます。過去において過剰米処理のために一兆円を費やし、さらに生産調整のために一兆円という金を使っております。大蔵省といたしましては、こういうような事態を避けるために、生産刺激的な米価というものは財政の見地からも困るのではないか、こういうことで申し上げたたわけでございます。  これに対しまして、農林省といろいろ議論をいたしまして、農林大臣の御指摘のございましたような政治姿勢、現在の賃金、物価を適正に反映させる価格でいこう、こういうことになりまして、御議論の結果、現在の諮問値のような数値になったわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 大蔵省は、あなた方のを見ると、食管制度を破壊するというような考え方がありますね。「生産者米価及び消費者米価について」という七月に発行された大蔵省の書類によると、自主流通米の推進が阻害される云々ということを前提にして、逆ざや解消のみに狂奔しよう、生産者という立場は全然無視をするというような、そういう論文に受け取れますがね。あなた方は大蔵省の立場で、逆ざや解消をこの米価算定というものの中心に置いておるんですか。

古橋源六郎大蔵省主計局主計官

○古橋説明員 私どもは生産費所得補償方式、いまの食管制度というものを維持していくためにはその運営が適切でなければならない、こういうふうに考えているわけでございます。  現在のような末端逆ざやが千三百七十九円、あるいは売買逆ざやが三千百二十一円、こういうような大幅な逆ざやがあるような事態は、食管制度の運用としても適正な運用の面からも好ましくない、これがひいては生産者と消費者との間のいろいろな確執を招く、こういうようなことから、これについては適正な是正を図るということが必要だという見地から申し上げているわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 食糧管理法は、三条、四条もよくお読みになったと思いますが、いわゆる四条の場合は消費者の生計、三条の場合は生産者の再生産、こういう立場で計算をされ、いわゆる生産費所得補償方式というものが第三条で明らかにされて、それによって生産者米価が決定をするわけですから、これについても、そういう意見もあるが云々ということは書いてあります。だから、時間がありませんからそういう大きな論争はしませんが、そういう赤字が出た場合に、あなたのところはいわゆる管理経費については国が持ってもいい、こういうふうに論文では出ておりますね。そういう点についてはそのようにお考えですか。

古橋源六郎大蔵省主計局主計官

○古橋説明員 管理経費につきまして、将来消費者の負担にするのか、あるいは国の負担とするかというような問題はございますが、当面におきましては管理経費については国が負担をするのもやむを得ないというふうに考えております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 それを覚えておってください。  いま政務次官や大蔵省からいろいろお話を聞いたわけでありますが、この間の七月十七日の朝日新聞の社説に、いままでの米価というものはきわめて御都合主義であった、こういうふうに指摘をされております。算定基準をその年の政策的相場に合うように変えようとしておる、こういうふうに書いてあります。これは、ここにも農家の皆さんがたくさんおりますが、その都度その都度、御都合、御勝手、そのとき次第だという米価決定の方式については、農家の皆さんは非常に怒りを持っておる、こういうふうに思いますが、こういう酷評、世論についてあなたはどうお考えですか、政務次官に聞きます。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 まさに、私ども今日までの算定してまいりましたものにつきましては、当時のそれぞれの時代の経済事情あるいは需給事情、こういったものを十分しんしゃくしながらやってまいったつもりでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 いまお話がありましたように、四十二年のときの計算方式をいまに当てはめると二万三千三百八十一円になるわけですね。この方式でやったらどうかと農家の皆さんはおっしゃっておる。これでやったらどうか。過剰傾向というものは全然考えない、一番農家の喜ぶ方法、だれよりも農民を愛すると言うのですからね。だれよりも農業を愛すると言うのですから、それだったら、農家の皆さんの期待にこたえて、いままで間違っていなかった方法ということになるわけですから、そのときは足らなかったのだ、いまは過剰傾向だ、足らなかったときも過剰傾向のときも同じような率でやりたいということを言っておられるわけですから、そのときの農家の皆さんの喜び、期待にこたえて、四十二年方式を採用したらどうですか。——政務次官に聞いておるのですよ。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 いま先生の言われる言葉というのは、言葉の面ではわかるわけですけれども、しかし私ども、それこそ各歴代の総理あるいは農林大臣が申し上げてきたことも、決してそのときだけの農家、農民の生活あるいは意欲というものだけを考えたわけではございませんで、やはり将来にわたっての、本当に農業というものが誇りある産業として発展していくために、そういった問題をもろもろ考えながら申し上げていることであるということを御理解いただきたいと思います。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 一番初め、政務次官は、他産業の所得と均衡するということをお話しになったのです。それはもう堅持をするということがまず確認をされておるわけです。それならば、農業は魅力あるものにならなければならない。農業をやめてほかのところに勤めるというようなことは考えられない。だけれども、農業の後継者というものはだんだん年々増加しておりますか。その点はどうです。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 いわゆる他への流出というものがいまとまったというところでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 とまった、ことしは幾らなんですか。ことしは中学校、高等学校の卒業者は一万二百人ですよ。去年、おととしと比べてとまったというか、一番ビリッケツじゃないですか。去年と約同じじゃないですか。だから、いまでもずっと下がっておりますよ。  私は鳥取県の出身ですが、ここにおる米価の方がきのうおいでになった。そのときに若い人たちが私にこう言いました。私は昭和二十七年に高等学校を卒業して、当時、給料が米一俵と同じだった、いま米は、今度あなた方の諮問米価というのは一万六千九百八十六円だ、高等学校の初任給は少なくとも七万五千円程度だ、これで一体農業が魅力があって他の産業と同じだというようなことが言えるだろうか、こう言って私たちにまで厳しく批判をされておる。  こういう状況ですと、とてもいまの諮問米価というものについては納得できない、こういうのが農家全体の声ですよ。これで満足をすると言っておる農家がありますか。政務次官は聞いたことがありますか。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 これはもうまさに政治的にお答えいたしますけれども、私どもも各地を歩き、また農民の方々とお話しします。そのときに農民の方の中から率直に言われることの中に、米価を上げるだけが決してあれじゃないのだ、生産資材、そういったものの高騰、これをぜひとも抑えてもらいたい、あるいは生産性が上がるための基礎整備、こういったものをもっともっと進めてもらいたいという声も実際に聞くところであります。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 いまの基盤整備事業というのは、やはり長い間の風土というのは米づくりというかっこうですから、それに合わせておるわけですから、米をやはりつくっていかなければならない。その米は、農家の皆さんにとっては労働者の月給と同じですから、それが二・五%で満足をするというようなことは私は聞いたことがない。  もう一つ、今度つくった米は全量買い上げをしてもらえるかということが一つの大きな争点ですね。この問題が一つ。  それから、米の消費の拡大運動というものを五年前ですか、櫻内さんもそう言ったし、安倍さん、倉石さん、大石さん、いまの鈴木さん、それぞれの大臣がやって、全力を挙げる、全力を挙げるといつもこの委員会で言っておる。消費拡大運動というので消費拡大はどの程度できたのか。その消費拡大と、そして全量買い上げができるかどうか、できる方法は何か、こういうことを麦とも関連をしてお答えをいただきたい。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 まず第一点の限度数量を設けずというお話でございますけれども、米の需給につきましては、政府の持ち越し在庫がすでに主食用などへの古米充当の限度を大きく超えておる事態になっております。このほか、最近、自己開田などもございまして稲作志向が強いこと、こういった過剰状態は実は一層強まっておるわけでございます。また、米以外の農産物につきましては増産の必要なものが少なくないという事情もございます。このため、昨年から御案内のとおり水田総合利用対策といったものを実施してまいりまして、米については、その消費の拡大に努めつつ需要に応じた計画的な生産を進める一方、今後生産振興の必要な食糧農産物を中心として水田における生産振興措置を講じており、米の買い入れ制限につきましてはこれを廃止するということはできないというのが現状でございます。  なお、第二点の消費拡大につきまして、これはこの委員会でも従来からいろいろと御審議をいただいたわけでございますけれども、何といっても高温多湿なわが日本におきましては、米というものが適している作物であることは事実でございます。そして、今日あるものを極度に減らすということも、これは実際にできるものじゃない。そういった中で、でき得る限り消費拡大をするということが大切だということで、米飯給食等も進めております。そんな中で、昨年一万一千トンでありましたものが、本年はたしか二万二千トンぐらいにいま伸びつつございます。そうして、明年度におきましてはこれをもっと拡充してまいりたいという方向で、いまいろいろな議論を続けておるところでございます。  そのほか、米による加工食品の開発というものを行うこと、また、できるだけよい米を提供してふだんにも皆さん方一般の方々にも食べていただきたい、こんなことも考え合わせながら消費の拡大を図っておるところでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 どのくらい消費が拡大されておりますか。

戸塚金郎食糧庁次長

○戸塚説明員 米の消費拡大については、いま政務次官からお答えのように一生懸命努めているのでございますが、計数的にどれほど伸びたかということはまことに顕著でございません。ただ、学校給食等におきましては、ことし、昨年の約倍の規模になるというふうに考えておりますし、来年度はさらにそういう勢いでそれが伸びていくものだと考えるわけでございます。  だんだん国民の米離れのいろいろな原因を考えるわけでございますが、過去の学校給食がパンだけに頼ってきたということの影響の深刻さを改めて思い知らされるわけでございまして、そういう点につきましては文部省とも協力いたしまして、学校給食に米飯を導入するという基本姿勢で大いに努力をしていきたいと考えるわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 幾ら努力しても消費拡大はできていないということですね。だから、言うだけだということです。  それならば、つくった米を全部買い上げて欲しい。しかるに、あなた方はいわゆる買い入れ制限をする。全量買い上げする方法は、当面、麦の輸入抑制しかないですね。それをやりますか。それを思い切ってやるというかっこうにならなければ、農家の皆さん方に重大な危惧があるじゃないですか。

戸塚金郎食糧庁次長

○戸塚説明員 米の消費がいま低下をしております。三十七年に百十八キロでございましたものが昨年八十八キロぐらいに一人頭の消費の傾向というものは年々低下をしてきておりますが、麦の方はここ十年大体一人頭三十一キロ程度のことで、三十一・何キロというその・何キロのところが変わる程度で、ほとんど横ばいで推移しております。したがいまして、統計的に見ます限り小麦の消費が米と置きかわっているというふうにはなりませんで、米は減退してきているけれども小麦は十年ほとんど変わっていないということでございまして、外麦の輸入を切りましたら直ちに米の消費に移るということは、そういう統計の面からは……(「それじゃストップしてみたらどうだ」と呼ぶ者あり)  いまの外麦の輸入のお話でございますが、私ども麦の輸入計画につきましては、一人頭三十一・何キロの消費量をそのままベースにいたしまして消費人口を考えて需要量を考え、その需要量から内麦の生産数量を差し引いたものを輸入しているわけでございまして、今後、内麦の増産を農林省としても大いに進めたいと考えているわけでございますから、内麦の増産が進みますならば、その分については輸入がそういう形で減ってくるというふうに考えているわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 内麦は六十年度の目標設定に対しては順調にはいっていない、外麦は、小麦の場合はたしか食うだけのものは四百二十六万トンですか、全部、飼料その他を入れれば相当数量、七百万トン近くにもなる、そういう状態ですからね、ほとんど横ばいで大したことない、それを置きかえたって同じことだとおっしゃるなら、本当にそうなら、ことし一遍百万トンないし百四十万トンとめて、米の消費拡大——あなた方は米の消費拡大ではなしに麦の方に力を入れて、米の方は消費抑制をやっておるというふうにしか数字は出ないですよ。偉い人たちはやはりそういうことを何にもやっていないという結果しかあらわれていないわけですから、それについては思い切って、やろうと思っても大して変わりがないと思えば、われわれはそれを要求するわけですから、食糧庁は、思い切ってことしは百四十万トン切る、それで消費拡大につながるかどうかやってみると、こういうことをあなたは言外に言っておるわけですから、それはやりましょう。やりますか、食糧庁。(「責任を持ってやりなさい」と呼び、その他発言する者あり)

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 いま先生からの御質問のほかにもいろんなお声が聞こえるわけでございますけれども、やってみればいいじゃないかということですけれども、実際に小麦の消費といいますか、それが生活の中に定着しておるというのは現実であるわけです。いま百四十数万トンですね、もういま先生方御自身も一日の食事をお考えになっていただければ、決してあれじゃないと思うわけでございまして、もしそういった百四十数万トンを削減するというようなことをいまここで直ちにやったときに、一体どんな混乱が起こるか。まさに配給制度のようなもの、あるいは切符等を差し上げながらやるようなことまでしなければ、私は実際にできない、大変な問題になるのじゃなかろうかというふうに考えます。(発言する者あり)  それからもう一つつけ加えますと、何と言うのですか、テレビなんかは、いま情報化社会でございまして、いろんな粉類なんかの料理方法、そういったものを、実は私どもは米飯を何とかしょうということでいろいろ流しておりますけれども、逆にお料理の時間なんかを見ますと、そういった麦類、こういったものについて増進させるようなあれも実際にあるわけでございまして、なかなかこれは今日直ちにやるということは非常にむずかしいということを御認識いただきたいと思うわけです。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 政務次官、麦は消費は定着をしておる、米は拡大する、人間は一定の量しか食わぬといえば、これで全部定着なんだ。だから、一番弱い米の生産者に向けてやはり政府は介入して、生産制限をし、生産調整をし、稲作転換をやっていく、こういう生産者にだけあなた方の介入は行われるわけです。消費者の指導とか、あるいは商社に対する指導とか、そういうものができていないから、定着をしておるんだったら、ふえないということなんですよ。横ばいだ、横ばいだということしか答弁に出てこないですよ。だから、思い切って転換をさせるためにはそういうことを、麦を抑制する、そして米はつくったものは買う、こういう方向というものを大胆に打ち出さなければ、どこの国でもその国でつくったものを中心に進めるというようなことは当然じゃないですか。それはいわゆる買い入れ限度数量とほとんど同じほど麦を輸入しておるというのが実態じゃないですか。だから、それによって国内の生産者の、本当にだれよりも愛するという姿なら、そのくらいなことを思い切ってやるべきが私は当然だ。内麦ができれば、それはもちろんこの国内でやればいい。みんな工業の犠牲に農産物がなっておるというのがいまや日本の常識ですから、それに、あなた方は農林省の立場であるならば、通産省等とも十分議論をして、その麦の輸入を抑制する、そういう方向だけは打ち出しますか。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 いま先生が御指摘のとおり、私どもといたしましては、不足するものについて輸入するというのが一番のたてまえでございますので、もちろん今後ともそういった姿勢をとってまいりたいと思います。  それと同時に、大臣も常に皆さんに申し上げておることでございますけれども、やはりいま先生がまさに御指摘のとおり、国内における一番生産できるもの、これを食べずして大きく外国から輸入するなんてことは、これはもってのほかであるということを大臣自身も実は言われておるわけでございまして、ですから、私どもとしましては、非常にドラスチックなやり方かもしれませんけれども、やはり子供さんの時代から米を食べていただかなければならぬということで学校給食、いろんな御意見がございましたけれども、そういった御意見を説得しながら、いま文部省その他の御協力もいただいて米飯給食というものを積極的に進めておるところでございます。ただし、これはやはり人の食べる習慣等いろんなものがございますので、また嗜好というものもございます。そういった中で急激に変えるということはできないという事情は、ひとつぜひとも御認識——御認識というよりは御理解をいただきたいというふうに思います。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 話としては、農林大臣は、日本の国内で生産される米を中心に、こう言っておられるわけです。できるだけ外国からの輸入は抑制したい、そういう方向では一致しているわけですね。要するに、実行をどうやるかという段階に来ておるわけです。だから、それではたとえば一〇%でも二〇%でもそういうことを段階的にやったらどうですか。国内の需給はできるだけ抑えておるけれども、消費は定着しておるものだからできない、こういうけちなことではなしに、そういう考え方で国民にアピールして消費拡大を図るという意味で、ことしは一〇%削減する、来年は二〇%削減する、こういうことをやはり明らかにする。何もやっていないじゃないですか、言うだけで。だから、輸入制限をするという方向を農林省は打ち出しますか。いわゆる国内の農民を守るために、こういう考え方は明らかにされてもいいだろう、こう思いますが、そのとおり確認をしてもよろしいかということを申し上げておきたいと思います。これはもちろん答弁をいただきますが、私は、時間がありませんから、引き続いて申し上げておきます。  いま麦は輸入をされて、このごろ為替相場が円高になっておるという状況ですね。いまの状況で麦の輸入を計算すると、あなた方のこの予算では一ドル三百八円の建て値ですね、この予算書は。いま大体二百六十四円七十銭ですか、十五、六日ごろの相場は。そういうことですから、それで計算をしますと、大体五千億円の逆ざやが出てくる、こういうことになりますね。逆ざやというか、円高によって利益が出てくる。だから、それと、先ほど大蔵省が言った、国が管理経費を見るということになると、米と麦と合わせて大体八百五十億ぐらいありますね。そうすると、六千億ぐらい浮くのですよ。それだったら、あんなにがあがあ言わぬでも十分できるじゃないですか、食管が。その点はどうです。

戸塚金郎食糧庁次長

○戸塚説明員 おっしゃられましたように、為替は円高でございますが、最近の私ども食糧庁の買い付けは三カ月くらい先物をずっと買っておりますので、平均をいたしますと大体二百八十円前後ということになるんではないかというふうに考えるわけでございます。それから、国際価格も下がっておりますので、そういう両方から考えますると、三百二十億程度プラスになりゃせぬかというふうに考えるわけでございまして、ちょっといま先生のおっしゃられた数字とは相違があるようでございます。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 前段の問題につきましてお答え申し上げます。  いま先生から一〇%、二〇%というものを計画的に削減するようにという御指摘でございましたけれども、しかし実際にその需要があるという今日の中にありまして、むしろ、もっと輸入するようにという声なんかもあるのです。しかし、それを実は私ども抑えておるわけです。ですから、いまここで一〇%、二〇%、計画的に削減する、人が食べるものについて強制してどうこうということができない事情であるわけでございます。(発言する者あり)それは実際に皆様方、ほかの団体に行って、あなた方、もうここの購買組合なんかでパンを売っちゃいけません、あるいは、ここの食堂でラーメンを食っちゃいけませんということはやはりできないわけでありまして、ですから、私どもやはりいい米をできるだけ食べていただくという方向をとりながら、でき得る限りそういったものを減らしていくという方向に進めていく。ですから、昨年、たとえば子供さんたちの学校給食なんかにいたしましても、一万一千トンであったものが二万二千トンでございます。そして、実際に米飯給食をしたことによって非常に給食に楽しみを覚えているという子供たちが非常に多くなってきておるわけです。ですから、そういったものを助長しながら米を食べることを改めて定着させていくという方向をとりながら、漸次輸入を削減していくという方向をとっていきたいということを明言さしていただきます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 学校給食でも、麦から米になれば、学校に行くのを楽しみにしておるという子供たちのそういう傾向、これは全部やれば二十万トンですから、早急にやったらいい。そういう情勢ですから、それをやる。それと、あなたは麦、いわゆるパンその他が定着をしておるという認識ですから、それを変えていくためにはやはり大胆な措置をとっていく。だから、米飯給食に代替できるという見通しだったら二十万トンが直ちに削減できる。それから、そのほかは、あと五十万トンなり百万トンは、米を食わせるために、あるいはパンの中に米を入れるとか、そういう措置を大胆にやっていかなければ、その計画を立ててそういう必要がなくなったからだんだんにということでなしに、待ちの政治をやるか積極的な政治をやるかということの違いと同じですよ。積極的に、米飯のいわゆる消費拡大というものは具体的に進めなければ進みやしませんから。いつまでも定着、定着という議論が頭の中にある限り、動きがない限りは政府は全然やろうとしない。それをやれと言っておるわけです。早急に検討してもらいたい、検討して善処せよということを言っておきます。  それからもう一点は、時間が来たということの通告ですから申し上げますが、いま松沢さんがお話しになりましたように、たとえば労働時間もあるいは付帯労働時間も今度の二・五の中に含んで——食糧次長、あなたは笑っておるけれども、あなたに聞きますよ。土地代の問題にしても、いまあなた方から説明があったね。この中では、この地代というものは生産費で二万一千五百七十七円というものがちゃんと計算してあるわけですね。それが今度は置きかえをすると七千五百幾らにしておるということですよ。これからずっと定着して計算をするということになると、この統制小作料の五級というのは五十五年で法律が改正されてなくなるでしょう。もう死にかけたようなものをつかまえてやろう、そうすれば、それはなくなって実納の小作料ということになるでしょう。そうすれば、法律でなくなるものは五十六年からはこれを生かすわけですか。実納でいくということになりますね。そういうことでしょう。どうですか。

戸塚金郎食糧庁次長

○戸塚説明員 自作地につきまして統制小作料を援用しておるのは、先ほど申し上げましたように、家族労賃につきましては都市均衡労賃で評価がえをしておるということとの関連で考えておるわけでございます。したがいまして、そこに生産費でおっしゃられました先生の数字は実際の小作地で実現をしておる小作料ということでございまして、それは全耕作面積の中では六、七%程度のことである。私どもいま自作地の算定基礎にいたします小作料につきましては擬制的に計算をしておるわけでございまして、それはいま申し上げました都市均衡労賃との関係で統制小作料を取っておるということでございます。  それから、五十五年に農地法が改正になったときはどうするか、こういうお尋ねでございますが、これはその時点までに検討さしていただきたいと考えております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 もう法律で五十五年までしか——これは暫定経過措置ですから、本来なくてもいいのです。だから、これは実納小作料でやるべきですよ。一四%も米価が違うじゃないですか。どうやって生産者米価を抑えようかという意図しか見えませんよ。  付帯労働時間だってそうです。二・九時間ですよ。その程度は当然だと農協でさえも言っておるじゃないですか。それを対象外にして、あなた方は調査をしていないのです。対象としないから、初めから調査をしなかっただけなのです。そうでしょう。あなた方は付帯労働時間については調査をしていない、いわゆる企画管理費については。そういうものも調査をして入れなければならぬ。  それから、去年は、製造労賃が安いということで、ちゃんと二・七六という調整係数を掛けておる。今度は取っ払っておるじゃないですか。いかにして生産者米価を安くしようかという意図しかこの諮問原案にはない。何も温かみがないじゃないですか。去年よりもずっと条件を悪くして悪くして、抑えに抑えたというのがこの諮問米価の実態です。なぜ調整係数とか、そういう土地代、これはもう死に体になっておるのですよ。そういうものをまた引き上げてやる、こういうことではなしに、だれよりも農民を愛するなら、もっと愛するような方法を考えたらどうですか。他の産業従事者よりも所得が決して落ちないということを言明をしておりながら、現実に落とす。農家の米代というもの、生産者米価というものは労働者の月給と同じだ。先ほどあなた方も確認したはずです。それをこういうかっこうで何もかも取ってしまうということは絶対に了承はできません。後で同志の皆さんに追及をしていただきますが、こういう実態というものを改めて考え直してもらわなければ了承はできぬ、こういうことだけを申し上げておきます。  以上で質問を終わります。

金子岩三自由民主党

○金子委員長 野村光雄君。

野村光雄公明党・国民会議

○野村委員 米価問題はいよいよ大詰めに迫ってまいりまして、昨日、米審に対する正式な農林省としての諮問が出されたわけでございます。そこで、時間がございませんので、端的に質問をいたしていきますので、ひとつ簡単明瞭に要点をつかまえて御答弁をいただきたいということを最初にお願いしておきます。  まず最初にお尋ねいたしたいことは、昨日、農林大臣が米価審議会に対しまして諮問するに当たりまして、二・五%アップという算定基準を示しながら、わずか一万六千九百八十六円、こういう政府の米価に対する価格の決定を見た上で諮問をしているわけでございますけれども、御存じのとおり、審議会の中には現在すでに六月以降、農民団体から最小限度二万、生産費所得補償方式から言うと二万一千百円をどんなことをしても獲得しなければならないのだ、こういう決意で審議会に入っていらっしゃる方も少なくないと私は思うのです。そういう中で、わずか二・五%という価格を明示して審議会に諮問をするということは、私は審議会を侮辱するものだ、こういうふうに認識をするわけですけれども、次官はどういうふうにお考えになってこの審議会に対してこういう低米価を示唆なさったのか、その真意をお伺いしたい。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 確かに二・五%という諮問の価格につきましてはいろいろな御意見のあるところでございます。しかし、この数値というものについて具体的に出すということについて審議会の中でも異論があったということは私ども聞いておりません。

野村光雄公明党・国民会議

○野村委員 一人も異論がないということですか、この価格に対しては。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 数値を出すことにつきましてのあれはございませんでした。

野村光雄公明党・国民会議

○野村委員 諮問というのは、私は本来のあり方は、過去の算定方式とか過去の実績とかいうものを参考に資料として出して、審議会から資料の要求があった場合に、必要に応じて資料を提出していく、これが私は審議の本当の、諮問の正式なあり方だ、こういうふうに認識をしているわけです。  あわせて、ここでもう一点聞きたいわけですけれども、この二・五%の農林省の試案に対しましては、生産者並びに生産者団体からいま大きな反発が出ておりますけれども、この試算に当たって、生産者団体の意見なり考え方を聞いた上でこの二・五%という試算をなさって、公式に諮問なさったのか、その点の経緯についてお伺いいたしたい。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 いまお答えいたしましたのをもう少しあれしますと、農林省の方から出しておりますのは、あくまでもこの数値というのは、参考として、試算米価ということで出しておるわけでございまして、これは従来から慣例で行っておるところでございます。  なお、今度の二・五%といういわゆる試算をするに当たって、それぞれの立場の方と話し合っておるかということでございますけれども、御指摘のとおりでございまして、各農業団体の皆様方あるいは各党の代表の方々とも大臣がお目にかかりまして、いろいろな御意見をちょうだいいたしておるところでございます。

野村光雄公明党・国民会議

○野村委員 確認いたしますが、試算の二・五%というものに対しては、生産者団体の意向を網羅してこの試算の二・五%のアップというのを決めた、こういうことでいいですか。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 そうではございませんで、生産者の皆様方のいろいろな御意見を伺ったということでございます。

野村光雄公明党・国民会議

○野村委員 その御意見はどういう意見だったのですか。二・五%が妥当であるという意見でこういうふうに出したのですか。意見は聞いたけれども、内容はどうだったのですか。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 数値ということではございませんで、米価をつくるに当たっての算定のいろいろな要素につきまして、それぞれの立場から私どもは御意見をちょうだいしたわけでございます。

野村光雄公明党・国民会議

○野村委員 確認いたしますけれども、二・五%のアップに対しての諮問に対しては、審議会から一切意見が出ておりません、こういう先ほどの御答弁ですけれども、もし、われわれ審議会に対して、事前に二・五%という農林省から価格を指示した中で諮問をするということは不当である、こういうことになれば、撤回するだけの用意はございますか、確認しておきます。

澤邊守農林大臣官房長

○澤邊説明員 政務次官からお答えしておりますのは、一つは、農林省の今度の試算米価をはじくまでの間において、農業団体等といろいろな機会に、大臣も正式に二回にわたって農業団体側の要求米価について事細かに要請の内容についてお聞きをしておる。それらももちろん聞いた上で二・五%の諮問をしておるということを申し上げておるわけでございまして、二・五%の試算につきまして、農業団体に直接意見を聞いた上で決めたということではもちろんないわけでございます。  それからもう一つ、審議会におきまして、二・五%という具体的な数字を試算としても出すのは好ましくないという御趣旨の御意見かと思いますけれども、政務次官がお答えしておりますのは、諮問は抽象的な諮問でございますけれども、審議の参考にしていただくということで、これまでも試算を政府として出しておる。その他また御要求がありますれば、こういう試算をしてみろという御意見があれば参考資料として引き続き出しておるわけでございますが、そういうことをやっておりまして、これまでの審議会の過程におきまして、そういう試算を出すこと自体、政府がけしからぬ、好ましくない、やめるべきだという意見はいままでなかったということを申し上げておるわけでございます。

野村光雄公明党・国民会議

○野村委員 それでは、参考のために出すというなら、農民団体がすでに六月からやかましく言っている最小限度二万円、二万一千百円、こういうのを参考になぜ出さないのですか、お聞きをいたしたい。なぜ参考にしないのですか。

澤邊守農林大臣官房長

○澤邊説明員 審議の過程におきまして、種々こういうような試算をしてみろという御要請がございますので、その都度いろいろな試算をして出しておりますけれども、政府の試算といたしまして、現在二・五%アップのものを当初に参考として出しておりますのは、政府としてはこの程度が妥当ではないかというふうに考えておるから、審議の御参考にしていただきたい、こういう意味で出しておるわけでございます。

野村光雄公明党・国民会議

○野村委員 そうすると、確認いたしますが、単なる参考にすぎないので、諮問として出した二・五%の算定方式並びに一万六千九百八十六円、こういうものは審議会から話さえあれば撤回することはやぶさかでない、こういうことですね。確認しておきますけれども、撤回するのですか。そうして改めて出し直しますか。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 これは撤回するという性格のものじゃないと思うのです。あくまでもこれは試算でございますから、それをもとにいたしまして、米審ではどうあるべきかということを審議されて、そうして私どもに対して答申があるわけでございます。この答申を、この中で審議されたことをもとにいたしまして、私どもは適切に米価を決めていく、決定していくということであります。

野村光雄公明党・国民会議

○野村委員 私の言わんとするところは、審議会に対して諮問をする立場として、その価格を試算をしたものを、農林省の考え方をすでに明示して出すということに対して、行き過ぎがあるのだ、これは私自身の考えです。それに対して、あくまでも参考であるならば、試算の方法として単に出すならば、農業団体がやかましく言っている二万一千百円というものを出せばよかったじゃないですか。そうなるのじゃないですか。  これは論争してもしようがないわけでございますけれども、もう一つ、ここであわせて聞きたいことは、農家の生産する米というものは一体だれのものなのか、この認識が農林省は非常に欠けているのじゃないかと思うのです。いいですか。農家みずからが資本を投じて、労力を加えてつくった品物は、農家の基本的な意見を尊重して、それを基本として決めるのは当然のことなんです。そういうことが全く無視されているところに基本的な誤りがある、私はこう判断するわけです。当然こういう米価の決定というものの基本的な考え方は、生産者並びに生産団体の意見が十分尊重されなければならない。第二番目には、価格決定はどこまでも再生産を確保するに足るものでなくちゃならない。第三番目には、農業労働者と他産業の労働者と比較をして、均衡がとれているかどうなのか、こういうことを基本にして米価というものは算定し、決めなければならないと思っておりますけれども、次官の、基本的な米価決定に対する考えをまず聞きたいと思います。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 まさに御指摘のとおりでございまして、農民の皆さん方がつくる米、特にこの農産物はわが国の主食であるということで、食管法に基づきまして、生産費所得補償方式という方式に基づきまして、いわゆる生産費が償われる。それと同時に、生活する所得というものが補償されるものということで、私どもは、これらが補償されるということは、やはり生活というものが、ほかの産業に従事している方々、またほかの地域なんかで生活する方々、これと均衡するようにということを当然配慮しながら今度の価格等を算定しておるわけでございます。

野村光雄公明党・国民会議

○野村委員 その三つを勘案して試算をしたのがすなわち一万六千九百八十六円ということなんですか。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 そのとおりでございます。

野村光雄公明党・国民会議

○野村委員 そのとおりであるならば、農林省自身の単なる参考でなくて、農林省としては先ほど言った生産者が生活安定ができる、将来の再生産にも支障がないということで算定したということになれば、単なる参考じゃないじゃないですか。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 参考と申しましても、食糧を所管いたします、食糧政策を推し進めていきます所管省といたしまして、当然米についてはこうあるべきであるというものを私どもは出しておるわけでございまして、実はそれを御審議いただくのが米審であるわけでございますので、決して私は違っておると思わないのですけれども……。

野村光雄公明党・国民会議

○野村委員 大蔵省にちょっとお尋ねしたいのですが、大蔵省は先ほど来、これは早くから言っていらっしゃることですが、米価は据え置きだ、こういうことを強調していらっしゃるようです。先ほども御答弁の中にちょっとありましたけれども、この据え置きの根拠と、並びにもう一点は、今回、農林省が審議会に諮問なさった二・五%アップに対しての裏づけ、そういうものについては大蔵省として相談があったのかどうなのか、この点を確認しておきたい。

古橋源六郎大蔵省主計局主計官

○古橋説明員 私どもが当初据え置きを主張しました理由につきまして御答弁いたします。  現在、食管制度のもとにおきまして、両米価の間にコスト逆ざやが六千六十七円、売買逆ざやが三千百二十一円、末端逆ざやが千三百七十九円というふうに存在しているわけでございます。それで、食管制度の健全な運営を図るためには、こういうようなある意味におきまして、たとえば大幅な末端逆ざやがございますれば、それは不正逆流の誘因にもなるということでもございまするし、さらにまた農政の見地から言いましても、それで浮いた財源を生産対策、構造対策の方に向けた方がいいというふうに私どもは考えております。  さらにまた、財政上の資金の税金を預かっております大蔵省といたしまして、財政資金の効率的な運用の見地から見て、このような売買逆ざやを解消していく、そして効率的な資金の方に回していきたい、こういうことからいろいろと御議論を申し上げました。  さらに、過去におきます過剰米七百四十万トンを一兆円をかけて処理した、あるいはまた過去におきましては生産調整で休耕田に対して金を払った、こういうようなことから、農村の荒廃をある意味においては招いたという過去における貴重なる経験を踏まえまして——四十三年のときに、先ほども申し上げましたが、二百九十八万トンという過剰在庫、古々米を持った。これが現在三百三十万トンになろうとしている。過去におきます非常に貴重な経験を踏まえて、この際、過去の過ちを繰り返さないようにという見地から、据え置きというものを申し上げたわけでございます。  そこで、このような結果、農林省といろいろ議論をいたしまして、先ほども申し上げましたように、最近におきます賃金、物価というものを適正に反映させようという農林大臣の御意見も特にございまして、急激な変化を避けるためにもこれが私どもとしては適当であるという考え方から、現在の諮問値について賛成をいたしたわけでございます。したがいまして、二・五%という数字につきましては、農林省からもよくお話を承っておりますし、大蔵省といたしましてもこれについて御意見を申し上げたということでございます。

野村光雄公明党・国民会議

○野村委員 そうすると、大蔵省とも相談をして、単なる参考でなくて、農林省として一応現段階で責任をもって米価を試算して二・五%というものを出したという裏づけは出てまいりましたね。単なる参考だ、こういうのではないのでしょう。この点はもう一回はっきりしておいてほしい。  それから、大蔵省にもう一回聞きますけれども、いま聞きますと、今回初めて据え置きという考えでなくて、もっと早い時期から大蔵省の財政当局としてはそういう考えは持ってきておったようでありまして、これは財政面からの立場だけで考えて据え置きという考えでいらっしゃるようですけれども、農民の立場に立ってみますと、大蔵省の方にぜひ聞いていただきたいことは、すでに農家が作付も終わって、もう刈り取りがあと二カ月余りで来る時点になって、おまえのつくっている米はもう昨年よりか高くは買えないんだぞと言うことは、あたかも農家を見殺しにするようなものじゃないですか。むしろそれだったら、なぜ作付前からそういう方針を出さないのです。その点、大蔵省として現時点でそういう考えを明示するということは、まことにもって農家に対しては失礼千万だ、私はこう思うのですけれども、どのような認識をなさっていらっしゃるのか、お尋ねをしたい。

古橋源六郎大蔵省主計局主計官

○古橋説明員 まず第一に、据え置きということでございますけれども、これにつきましては、私どもは食管会計の赤字の解消ということは常に言っておるわけでございます。  それから、農家の所得については、確かにいろいろな意味におきまして価格支持政策——根本に返りまして、農家の需要の所得弾性値が小さいとか、あるいはまた需要の価格弾性値が小さい、こういうような特殊事情から価格支持政策が必要である。これにつきましては私どもも認識しておるところでございます。しかし、それがある一定以上になったときには、私どもは税金を預かっておる立場でございますから、これに対していろいろな人の意見を聞かなければいけない。もっと効率的な対応の仕方があるのではないか、こう言われたときには、その人たちも説得しなければいけないわけでございます。  その結果、今回、農民の方々に私どもが据え置きを主張したからといって、それは所得の減というわけではないわけでございます。普通の需要供給の原則から言えば、供給がこれだけ余っているときには、本来ならば価格が下がってしまう。しかし、それでは計画を持ってやっておられる農家の方々に対して大変なことになるから、それでは今回は据え置きをお願いできないだろうかということをお願いしたわけでございます。その結果、過去における生産調整というような不測の事態が起きるというようなことは私どもは避けたい、そちらの方が大切なのではないか、こういう判断から申し上げたわけでございます。

野村光雄公明党・国民会議

○野村委員 もう一つ答弁。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 米価審議会というその性格は、もう先生方よく御存じのとおりでございまして、私どもといたしまして国民に安定して主食である米を供給する。それを確保するために農民の皆様方にどのように処遇しなければいけないかという中で、私どもとして米審に対して、こんなふうな、要するにいまの物価上昇あるいは賃金の上昇と均衡のとれたものにするためにはこういった方向でいきたい、それを算出いたしますとおよそこのような価格になりますということを申し上げるわけでございまして、私どもは、まさに生産費所得補償方式によって米を確保するためにはこれだけのものをやはり農民の皆様方に処遇しなければいけないというもとで申し上げているものですから、単なる、いわゆる普通の意味での参考とかという意味ではもちろんございません。

野村光雄公明党・国民会議

○野村委員 先ほど来、次官並びに大蔵省等の御答弁を聞いておりますと、価格決定の一番ネックになっているのが米が余ったことだ、余剰米、余剰米ということを盛んにお口に出していらっしゃるようでありますけれども、農林省等の検討なさっていらっしゃる数量からいきますと、今年が平年作にまいりますと、約三百三十万トンですか、年末になって米が余るのだ、こういう御説明であります。私たちは、日本の国民の命の綱である主食である以上は、当然一朝有事ということはやはり常にこれはどうしても考えていかなければならない。そういう立場に立って、当然それに、一朝有事に対応するための備蓄米というものは、これは平常いつでも蓄えておかなければならない、こう私たちは判断しているわけです。そういう一朝有事の場合の備蓄米は、余ったのでは決してなくて、どこまでも一朝有事の場合の備蓄として蓄えておかなければならない。その数量を私たち公明党は少なくても二百五十万トン、最小限度全国民が四カ月や五カ月間ぐらい、最悪の事態が起きたときに食いつなげるぐらいのお米はとっておかなければならない、こういうふうに私たちは算定をしているわけです。ところが、農林省なり財政当局の先ほどからの説明から言うと、備蓄米も全部一緒にごったにして余った、余ったと、こういう宣伝、こういう認識に立っていらっしゃるようでありますけれども、備蓄米と余剰米との基本的な考えと、それに伴う数量をどのように確保なさろうとしていらっしゃるのか、この点をひとつこの際、農民の皆さん方の前にも明らかにしていただきたい。

戸塚金郎食糧庁次長

○戸塚説明員 食糧庁は、現在、備蓄の限度というものは米につきましては二百万トンというふうに考えているわけでございます。なぜかと申しまするに、二百万トンございますれば、四十六年にありましたような非常な不作でございます九三というような不作が二年続いても十分対応できるという数字でございまして、そういう意味で言えば、二百万トンあれば十分であろうというふうに考えているわけでございます。  逆に、二百万トンという数字を毎年これを転がしていくというふうに考えますると、百七十万トンを主食用で配給をいたさなければなりません。三十万トンは原材料で回すといたしましても、百七十万トン主食用で配給しなければならない。これは約四・五カ月分ぐらいに相当いたします。十一月、十二月、一月、二月、あるいは三月ぐらいまで新米を配給せずに古米だけを配給するというふうなかっこうになるわけでございまして、百七十万トンの古米配給というものは、これが限度であろうというふうに考えるわけでございます。したがいまして、二百万トンという古米の備蓄というものは、私ども配給を操作する立場から申し上げれば、これが全く限度であるというふうに考えるわけでございます。たな上げをして備蓄をするという考え方もございましょうけれども、国民の現在の嗜好から言いますならば、新米、古米の問題というのには非常に神経質でございまして、古米をさらにもっと年産を古くして配給をするということは、普通の時点ではまず不可能であろう。先ほど申し上げましたように、九三という作況指数が二年続きましても十分対応できる数字であるということでございます。  それから、先ほど、ことしの米が平年作であったとして三百三十万トンというふうにおっしゃられたわけでございますが、実は昨年不作でありました古米持ち越しがことしの十月末で三百三十万トンになるということでございまして、もし仮にことしの米が平年作であるということになりますると、来年の十月末にことしの古米持ち越しが四百万トンになるということでございまして、そういう意味で言えば、先ほど先生のおっしゃられた二百五十万トンをはるかに超えた大変な問題であるというふうに考えているわけでございます。

野村光雄公明党・国民会議

○野村委員 私がはっきりしておきたいのは、三百三十万トンというと、われわれは二百五十万トンの備蓄米と言っていますけれども、政府の仮に二百万トンとすると、実質的には百三十万トンなんでしょう、本当に余るというのは。はっきりしてください。

戸塚金郎食糧庁次長

○戸塚説明員 先ほど申し上げましたようなことで、配給操作の本当に必要な数字というのは百万トンでございます。ただ、二百万トンと申し上げましたのは、四十六年の九三というような非常な凶作が二年続いても十分対応できるような数字ということで二百万トンを考えているわけでございます。すでに去年の十月末に二百六十万トンを超えているわけでございまして、ことしの十月末、昨年の不作でございましても残念ながら三百三十万トンを超えるような現在の需給実勢であるということを申し上げたわけでございます。

野村光雄公明党・国民会議

○野村委員 備蓄米を除いてもですか。一言で答弁いいのですよ。はっきりしなさいよ。

戸塚金郎食糧庁次長

○戸塚説明員 先ほど申し上げましたように、米につきましては配給操作あるいは原材料操作を通じながら、転がしで備蓄を持っていきたい。つまり、古米を二百万トン規模持っていけば、先ほど申し上げたような二年続いた不作でありましても十分対応できるということでございまして、先生のおっしゃられたような、配給の枠の外に別途たな上げをして持つという意味では考えておりません。

野村光雄公明党・国民会議

○野村委員 政府の言うのは備蓄米も含めて三百三十万トン余った、余ったと言っているから、私たちは惑わすから、余ったのではないのだ、二百万トンは——われわれは二百五十万トンだけれども、備蓄米は一朝有事のときに二百万トンなら二百万トン確保しなければならないのですよ、これは。実際に余るのは百三十万トンじゃないですか。それを三百三十万トン余る、余ると言って、それを大蔵省もうのみにして、だから価格は据え置きにしなければならない、こういうことになるのじゃないですか、はっきり言って。そういう点をごまかしたらだめですよ、はっきりしておかないと。  最後にもう一つ、時間来ましたからここでお聞きしておきたいことは、銘柄米の問題でありますけれども、これは最近の農林省のいろいろな考え方をお聞きいたしますと、だんだんと銘柄米が良質米にくらがえをして、良質米に対する奨励金、こういうものをだんだんウエートを高くしよう、こういう方針が出ているようですけれども、この点をひとつ聞きたいと思うのです。

戸塚金郎食糧庁次長

○戸塚説明員 銘柄米奨励金を廃止の方向で漸減をする、そうして良質米の奨励金の増額を図るという方向は、昨年の米価決定の際に政府・与党の間で決められた方針でございますので、ことしもその方針に沿って進行すると考えるわけでございますが、まだ具体的な方針はこれからでございます。

野村光雄公明党・国民会議

○野村委員 じゃ、時間超過しましたので、最後にこの問題の詰めだけをしておきたいと思います。  銘柄米から良質米にくらがえをする、こういう方針のようでございます。いまの米の検査から言いますと、等級別に区分をされているわけです。良質米と悪質米と何を根拠にして区分けをするのか、どういう検査をするのか、等級別以外に。これは私は将来のまた農民の大きな混乱の原因になるのじゃないか。やはり農家はどんな僻地にいようとも、どういう地域で農耕にいそしもうとも、平等にその労働力に対しての恩恵を受けていかれる、こういう農家の将来の安定対策からいきますと、非常に私は危険な感じがするわけでありますけれども、この良質米と悪質米との区分けの根拠、食糧庁でもいいですよ、どういうふうに区別するのですか、聞きたい。

戸塚金郎食糧庁次長

○戸塚説明員 銘柄と申しますのは産地品種銘柄、たとえば新潟県のコシヒカリという品種で、そういうことで検査をしているのがいまの銘柄でございます。  それから良質米は、良質米、悪質米、こう言われたわけでございますが、自主流通に向けたものについて奨励をしていきたいという考え方でございまして、自主流通については、市場評価が基礎になって、消費者から自主流通として受け入れられたものであるというふうに考えるわけでございまして、単なる品種で府県で決めたという考え方ではございません。消費地の自主流通に迎えられたものに限定をして考えていく、こういう考え方でございます。

野村光雄公明党・国民会議

○野村委員 いずれにいたしましても、米価決定の山場になりまして、全国の農民がこぞって要求米価というものをいま特に要求しているわけですから、次官はぜひひとつこの農民の本当の血と涙の訴えをわが身に体して農民の要求にこたえていただきたいことを強く要求いたしまして、私の質問を終わります。

金子岩三自由民主党

○金子委員長 この際、午後一時四十分より再開することとし、暫時休憩いたします。     午後一時一分休憩      ————◇————−     午後一時四十分開議

金子岩三自由民主党

○金子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。神田厚君。

神田厚民社党

○神田委員 昨日、二・五%という非常に低い今年度の米価が諮問されましたが、私は、このことにつきまして、これから大変限られた時間でございますが、御質問さしていただきたい、こういうふうに考えております。  まず、この米価の諮問が決定されるに当たりまして、先ほど社会党の委員から御質問がありましたけれども、大蔵省と農林省の間で内々の折衝があって、その結果二・五%ということに落ちついた、こういうふうなことを聞いております。その中で大蔵省は据え置きを主張した、こういうふうなことでございますけれども、大蔵省の方にお伺いいたしますが、大蔵省といたしましては、いわゆる食管法というものをどういうふうに御理解をしておられるのか、食管法の精神というものについて、第三条、第四条ございますけれども、この点をどういうふうに御理解なさっているのか、御質問をさしていただきたいと思います。

古橋源六郎大蔵省主計局主計官

○古橋説明員 お答えいたします。  生産者米価につきましては、食糧管理法によりまして、生産費、物価その他の経済事情を参酌して米穀の再生産を確保することを旨として定める、こういうふうにございます。  この趣旨は、生産費及び物価その他の経済事情でございまして、その中には需給事情も入っておるというふうに解釈しております。したがいまして、これらのものを総合勘案して米価を決めるということでございまして、私どもが据え置きというのを主張いたしましたのは、先ほど来申し上げておりますような米の需給事情というものを強く考えまして申し上げていることでございまして、食管法の精神に反しているとは考えておらないわけでございます。

神田厚民社党

○神田委員 食管法の精神に反していないというお話でございますけれども、私どもは需給事情の問題一つとりましても、たとえば農林大臣はいわゆる過剰米や余剰米については米価決定の際の考え方にしない、こういうことを言っておられる。一方、大蔵省では、需給事情をしんしゃくして、そしてこれを米価の決定の要素にしている、こういうふうなことですと、基本的な考え方の食い違いがあるというふうに考えますが、その点いかがでございますか。

古橋源六郎大蔵省主計局主計官

○古橋説明員 米価の問題というのはきわめて各般にわたります大きな問題でございます。その際に、財政当局といたしまして財政の見地からの御意見を申し上げるということは、これまた税金を使う立場から当然だと思うわけでございます。そういう意味におきまして、私どもは私どもの立場から意見を申し上げたわけでございまして、その結果、いろいろ議論をし、今回の諮問に決まり、この諮問につきましては私どもも御同意を申し上げたわけでございまして、政府内で何ら問題はないというふうに考えております。

神田厚民社党

○神田委員 私はそういう答弁では納得できませんけれども、それでは食管法の精神を尊重するというお気持ちを大蔵省御自身でお持ちになっておりますかどうか、御質問申し上げます。

古橋源六郎大蔵省主計局主計官

○古橋説明員 食管法第一条の目的、これは私ども必要であるし、現在の食管制度でいいということは、私どもも必要であるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、その現在の食管制度を維持するためには、その運営というものが、何回も申し上げておりますけれども、適正に行われなければかえって国民全体の中から食管制度に対して疑問を持たれる、したがって、その制度の運用については適正にやってほしい、こういうことから申し上げているわけでございます。

神田厚民社党

○神田委員 そうしますと、この食管法から考えていきますと、いわゆる米の全量買い上げ、こういう問題につきましては大蔵省としてはどういうふうなお考えでございますか。

古橋源六郎大蔵省主計局主計官

○古橋説明員 食管法の第一条におきまして、「本法ハ国民食糧ノ確保及国民経済ノ安定ヲ図ル為食糧ヲ管理シ其ノ需給及価格ノ調整並ニ配給ノ統制ヲ行フコトヲ目的トス」というふうに書いてございまして、政府の買い入れというものは、この目的を達成するために買い入れるという、その必要量を買い入れればよいというふうに解釈しているわけでございまして、したがいまして政府が全量買い入れをする義務もないし、政府が農民の方にお願いをいたしますものは、この目的のために必要な範囲のものをお願いすればいいというふうに考えておるわけでございます。

神田厚民社党

○神田委員 どうも大変重要なお答えでございますけれども、私はそういうふうには考えておりません。したがって、そういうことを明言なさるならば、それ以前に、どの程度の適切な需要があるかという問題をきちんとした形で出しておかなければならない。できたものについて、必要なものだけ買い上げるということでは、これは食管法そのものの精神にももとるものだというふうに考えるわけであります。その点はいかがでございますか。

古橋源六郎大蔵省主計局主計官

○古橋説明員 政府の買い入れます数量につきましては、本年度、五十二年度の予算のときに、政府の買い入れ数量というものを決めまして、これにつきましてこの範囲内で買い入れますということを申し上げておるわけでございます。したがいまして、田植えの前にそういうことを申し上げておるわけでございます。

神田厚民社党

○神田委員 この点につきましては、とにかく時間もございませんので、後に論議を譲ることにいたします。  それではひとつお考え方を聞きたいのでありますけれども、いわゆる生産者米価二・五%、こういうふうな諮問がなされました。それをつくる段階において据え置きということを主張されておる。それでは、この食管法の中で大変重要な要素として考えておられる消費者米価については、今年度のお考え方はどういうふうにお持ちになっておられますか。

古橋源六郎大蔵省主計局主計官

○古橋説明員 消費者米価につきましては、まだ消費者米審が開かれる前でございますので、政府としての考え方は決めておりませんけれども、私どもが考えておりますのは、昨年、五十一年度以降、現在三千百二十一円という売買逆ざやがございますが、当時の三千三百六十五円、これをおおむね五年以内で解消するという方向が確定いたしておりますので、この方針に従いまして売買逆ざやを解消していきたい。したがいまして、生産者米価のアップ分に逆ざや不拡大分、そうしてさらに解消分を加えるという形で消費者米価を上げていただきたいというふうに考えております。

神田厚民社党

○神田委員 そうしますと、仮に二・五%で生産者米価が決まった場合には、どの程度の数字になりますか。     〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕

古橋源六郎大蔵省主計局主計官

○古橋説明員 売買逆ざやの解消幅を幾らにするかということをまだ決めておりませんので、仮定の数字でございますので、申し上げられません。

神田厚民社党

○神田委員 食管法の中で、大蔵省がとにかく逆ざや解消というものを非常に重要視して、そのことだけでそれを運用しようとしているような節がある、その点について大変私は意見を異にするものでありますけれども、私どもといたしましては、そのような意味でこの食管法の精神そのものに立ち返った形でこれを運用していただきたいというふうに考えております。  時間がございませんので、次に農林省の方に御質問を申し上げますけれども、昨年の米価決定が六・四%、ことしの諮問米価が二・五%、これはだれが考えましても非常に低い諮問になっており、そうして昨年は低米価になっております。このことにかんがみまして、いわゆる恣意的に生産をどうするとか、あるいは生産意欲を刺激するとかいう問題ではなくて、すでにもう日本の農業を、いわゆる米作農家をどういうふうにして守っていくかという問題に変わってきているというふうに私どもは考えるわけであります。そういう中で、昨年のこの六・四%、ことしの低諮問二・五%というこういう諮問につきまして、農林省といたしましてはそれの責任をどういうふうにお感じになっておられるか、御質問いたしたい。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 いま先生から御指摘がございましたとおり、まさに私どもといたしましては、農民の皆様方の生活を守らなければならない、これが生産費所得補償方式の基本的な考え方でございます。そういったことで、近くに賃金が上がったもの、あるいは物価の上昇したもの、こういったものを適切に反映したつもりでございます。

神田厚民社党

○神田委員 適切に反映した結果がこういうふうな形であるということになりますと、そうしますと、ことしもこういうふうな低い米価でございますと、あとは、来年はどういうふうな行政指導をするのですか。適切だということは私は納得できないのであります。生産費所得補償方式の問題一つとりましても、これが完全にきちんとした形で算出されているというふうには思えませんし、農林省の政務次官が適切だとおっしゃるならば、これは大変な問題だと思うのですね。やはりこういうふうな形でずっとお続けになるのですか。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 先生も内容はもうよく御存じだと思いますけれども、いわゆる物価、労賃というものが表面に出てきますもの、それが実はストレートにこのアップ率に出てくるわけではございませんで、そういったものを全部算定要素の中に織り込みまして、現実というものを織り込んであるということを申し上げておるわけです。

神田厚民社党

○神田委員 ですから、そうしますと、昨年の低米価の決定もことしの低諮問も農林省としては責任がない、こういうふうにおっしゃるわけですか。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 適切に反映しておるものでございますが、これは農林省としてまさに全面的に責任は持っておるつもりでございます。

神田厚民社党

○神田委員 私は、低米価に決まったことと、そして、ことしもまたこういうふうな形で低諮問で、しかも低米価が予想される、こういうことについて責任をお感じになりませんかという話をしているわけです。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 農民の皆様方の生活並びにいろんな生産資材、そういったものの物価の高騰、こういったものを反映しておるわけでございますので、まさに生産費所得補償方式というものをそのままとっておるわけでございますから、低米価という言い方がちょっと私はあれなんでございますけれども、確かにいろんな御意見があることは私ども十分承知しております。しかし、私どもはこの中でそういったものを全部織り込んだつもりでおります。

神田厚民社党

○神田委員 算式の問題、計算の問題につきましても先ほどからいろいろと御質疑がされておりました。私も、いわゆる政府試算のものを見せていただきまして、幾つかの問題でまたまた算式が変わっている、こういうふうに毎年毎年その算式をいじっていわゆる意図的に米価を抑える、そういうふうな計算方法をとっているんではないか、こういうふうに考えざるを得ないのでありますけれども、その点はいかがでございますか。

戸塚金郎食糧庁次長

○戸塚説明員 本年産の米価につきましては、基本的には昨年産米の算定方式に準拠いたしまして算出いたしたものでございますから、特段、意図的にいじったというつもりはございません。昨年の算定の中で賃率調整を行いましたこと、それから金利について保留をいたしましたことは、昨年の米価決定の前年からのつながりを考えまして、農民に対するいろいろな考え方を配慮いたしまして特別に考えたものでございまして、ことしのような米の需給状況でございますれば、そういう配慮はやや問題でないかということで基本方式ではじいた、こういう考え方でございます。

神田厚民社党

○神田委員 そういうお答えを聞くと、どうしても需給事情というものを非常に重要視しておるわけですね。しかし、農林省の方針としては、需給事情、いわゆる過剰米の問題、こういうものを米価の決定の際には考え方に余り入れない、こういうふうなお考えだと聞いておるのですが、いかがでございますか。

戸塚金郎食糧庁次長

○戸塚説明員 本年の試算値につきましては、何遍も申し上げておるわけでございますが、生産費所得補償方式に基づきまして、適正に賃金、物価の状況を配慮いたしまして試算をいたしたものでございまして、いじるというような特段の考え方は全くとっておりません。ただ、米の過剰の状況につきまして深刻感が非常に増しております。そういうことでございますので、生産を刺激しないようにという配慮はいたしました。

神田厚民社党

○神田委員 先ほど、需給事情について考えたから生産費をもとに戻したというふうな御意見を述べられましたですね。そういうことは需給事情というものを非常に考え、過剰米の問題を頭の中に置いて、それを米価に反映させておるというふうに考えるわけですけれども、そうしますと、それは前々から農林省がおっしゃっていたこととは多少違うんじゃないでしょうか。

戸塚金郎食糧庁次長

○戸塚説明員 御議論ございましょうけれども、私どもとしては、生産費所得補償方式に基づきまして、賃金、物価の状況を適正に反映するように誠心誠意算定に努力をしたということでございます。

神田厚民社党

○神田委員 それでは、ことしの作付面積やあるいは収穫とか、こういうふうなことにつきまして大体の見通しは立ったのでありましょうか。

白根健也農林省農林経済局統計情報部長

○白根説明員 ことしの作付面積、米につきましては八月一日現在で調査を進めることでいま準備中でございますので、発表は少しおくれるかと思います。  それから、現在までの米のいわば生育状況でございますね、これは早場米地帯、遅場米地帯を通じまして大体順調でございますけれども、北海道南部、それから東北の太平洋岸、この辺がやや生育のおくれが見られる、その他はおおむね順調というふうにわれわれ聞いております。ただ、数字その他の面につきましては、まだ予想収穫調査をやっておりませんので、現在持ち合わせておりません。  以上でございます。

神田厚民社党

○神田委員 仮に作付の状況が昨年並み、そして収穫の状況が昨年並みということになりますと、政府が考えておられましたような四百万トンに近い在庫、余剰米というものは残らないのではないかというふうに考えるのですが、いかがですか。

戸塚金郎食糧庁次長

○戸塚説明員 五十一年産米は非常な不作でございまして、九四という作況指数で、千百七十七万トンという作柄でございました。そういう状況のもとでございましても、ことしの十月末に持ち越しになります古米は三百三十万トン前後になるのではないかというふうに考えておるわけでございます。ことし、五十二年産米、いまおっしゃられましたようなことで、面積は余り昨年と変わらない、反収がもし平年反収であるということで考えますれば、いまの需給実勢で考えますれば、三百三十万トンにさらに七十万トン程度上積みになって、来年の十月末は、古米持ち越しが四百万トンになるであろうというふうに考えておるわけでございます。

神田厚民社党

○神田委員 私どもが調査をしておりますのと多少数字が違うようでありますが、時間もありませんので、私は、いま何点か御質問を申し上げましたけれども、何といいましても、こういう低い米価では納得できない。これではやはり日本の農家がつぶれていってしまうのではないかという心配を持つわけであります。どうかそういう意味で、五十年の五月に農政審議会を通していろいろと食糧の需給の見通しなどについて述べられておりますけれども、それらを見ましても非常に後退的な見通しが述べられている。穀物自給率一つとりましても、四十七年度四二%のものを昭和六十年度には三七%にしている。こういうふうなことから、農政を進める態度といいますか、姿勢といいますか、こういうものが非常に私は弱いというふうに考えるわけであります。どうかそういうふうなことも含めまして、これから日本の農業というものを本当に守る立場に立って、農林省がこれからの農政を進めていただきたい。  そして最後に、こういう二・五%というような低諮問、このままでことしの米価を決定するのかどうか、政務次官からお答えを聞いて、御質問を終わらせていただきたいと思います。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 いま先生からるる御指摘がございましたとおり、私どもといたしましては、長期的な見通しの中で、米だけではなくて、現在不足しているような作物につきましても、できるだけ自給力を高めるような環境整備というものを十分行っていきたいというふうに考えます。  そして、最後の問題でございます価格につきましては、まさにいま米審で御審議いただいておるわけでございまして、この答申を得まして適切に対処してまいりたいと考えます。

神田厚民社党

○神田委員 終わります。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 津川武一君。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 いままでの生産者米価一万六千何がし、これを六十キロで割ってみると、百グラム、御飯で茶わんで二杯、一食分、これが二十七円、コーヒー一杯二百五十円、コカコーラ一杯六十円、七十円、昭和三十五年を一〇〇とすれば、いろいろな値段は、現在、生産者米価は三〇〇、これに対して入浴料は八〇〇、理髪料は一一〇〇、バス代で六〇〇、こういう情勢であります。お米は安いんじゃありませんか。安いと考えていますか。いかがでございますか。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 私自身は本当に米は好きな人間でございましてよく食べますけれども、私自身はいまほかのものに比べますと米は安いと思います。ただ、いまコーヒーなんかのいろいろなお話がございましたけれども、これはコーヒーの粉とかなんとかだけじゃなくて、設備ですとかいろいろなものを含めたものが入っておるわけでございまして、自宅で入れるものというものを考えますと、もっと安くなるのではないかというふうに思います。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 そこで、政府は米は安いと考えている。今度の諮問した米価二・五%、一万六千九百八十六円、これは農民の要求に恐ろしく反しているものであるし、農業もこれでは続けていけない。お嫁さんも来ない。野良で働く生きがいもない。安い米をなぜさらにこう安くたたくのか。私は正直なところ諮問案を撤回し、再諮問すべきだと思います。しかし、政府は、せっかく諮問しているのだから、米審の答申があってからでないと答えられないと言うでしょう。私たちも、答申があれば、政府とその点で十分交渉して、農民の要求がかなえられるようにもう一回野党五党でも交渉しますが、改めてもう一回伺いますが、諮問は撤回して再諮問する腹はございませんか。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 まさに諮問でございますので、これを撤回する意思はございません。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 それでは、答申が出てからまた始めるとして、問題を進めていきます。  今度の諮問の説明においても、大蔵省が出している資料においても、五十三年の十月には四百万トン余る、だから生産を刺激するような生産者米価はまかりならぬ、こういうふうに考えたのですが、本当に五十三年の十月に四百万トン余ると思っていますか。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 現在の推移から見ますと、私どもは四百万トンの過剰といいますか、四百万トンというものが持ち越しになるというふうに考えております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 そこで、農民が一生懸命がんばると増産になる。天候がよいと増産になる。そして、生産性が向上すると増産になる。機械化が進むと増産になる。農民は一生懸命がんばった。この余り米、在庫米が多く出たことに農民が責任があると考えておりますか。これが一つ。  二つ目には、国民は米を食わなくなった、したがって消費が伸びない、米を食わなくなった国民に責任がある、こう言わんばかりでございますが、生産農民に、消費者の国民に、この在庫米が四百万トンになることに対して責任ありと考えておいでですか。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 これは責任があるという問題ではないというふうに、もちろんこれは農民の方に責任があるわけじゃない。やはりここまで生産性を向上してきたということ、これによって時間が短縮された、あるいは生産量が多くなってきたということによりまして、やはりコストそのものが安くなってきているわけでございまして、この御努力に対しては私は多とし、また感謝をしたいと思います。また、消費者の皆さん方が食べなくなってきたという理由には、ともかく食事の多様化というものが、先生御案内のとおり、あるわけでございまして、しかし私どもはやはり米食というもの、米というものは高温多湿の日本に一番適しておるということの中で、もう少し国民の皆さんに御理解をいただいて食べていただくようにしなければならぬ、皆さん方の御協力がいただきたいということでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 一生懸命農業をやった農民に感謝する。国民の食糧の嗜好が変わったこと、これも責任は問えない。とすれば、この責任は政府にありませんか。したがって、これを克服する対策も政府が打つべきでありませんか。この二点はいかがでございますか。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 これは責任論議というのは私はやっぱり当たらないのじゃないかと思います。ただ、政府はもちろん主導をとりながら、この需給を均衡していくということのために、やはり政府が指導していかなければならぬということだと思います。ただ、これは双方の皆様方に御理解をいただき、御協力をいただかなければ本当に進めることはできないというふうに認識しております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 責任であろうがなかろうが、行政がこの問題を解決すべきものだ、こう考えておりますか、いかがでございますか。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 そのように積極的に取り組んでまいりたいと思います。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 そこで、私たち共産党は、本当にお米が余るのであれば、あえてお米が増産されることは必ずしもよくないと考えております。そこで、どうしたならば国民の主食を日本農業で賄ってもらえるかについて考えております。一つには先ほど話にあった外国農産物の輸入を極力抑えること、二つ目には米の消費拡大を徹底的に進めること、この二つは先ほど論議になったから、ここでは触れていかないで、次に進んでいきます。  そこで、農民が安心して米以外の農産物に転換できるような体制を考えていかなければならないと思いますが、この点で政府はどう考えておりますか。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 全く御指摘のとおりでございます。米が過剰基調にあるということを申し上げましたけれども、その反面、やはり不足する作物というのは非常に多いわけでざざいまして、そのためにはそういった作物がつくりやすいような環境整備というものが必要でございます。その中で、土地基盤整備を進めていくということも一つでございましょう。また、技術というものが、米の場合には非常に進んでおりますけれども、確かに畑作等につきましてはまだおくれている面がございます。また、品種改良というような面も大変おくれているわけでございまして、こういった面について研究を進めると同時に、普及活動等によりまして技術というものを農民の皆様方に定着させていくということを考えなければならぬと思います。  そして、もう一つの問題としては、価格の問題というのは非常に大きなウエートを占めるわけでございまして、こういった問題につきましても、米との相対的な価格というもの、あるいは相対的な収益というものを頭に置いて措置をしていかなければならぬというふうに考えます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 相対的価格のことを話されましたが、この間の麦価審議会で小麦六十キロ一俵一万一千四百九十円、三俵つくって三万六千円、水田総合利用の対策で十アール四万、これで七万六千円。内地ではこれを集団でやれないから七万六千円、北海道で集団にやって、奨励費が入って八万六千円。お米をつくると十五、六万円、小麦だと八万円。これで小麦が足りないから小麦をつくれと言っているのが皆さんの議論だな。大豆は七万円になりませんよ。したがって、本当に農民が国のために、われわれの食糧自給を高めるためにやるとすれば、お米をつくっている分の十アール当たりの反収、そこを保証する価格、そこを保証する生産基盤でなければならないと思いますが、この点をおやりになるかどうか。  私たち共産党は、国民の食べる主な食糧を米と同じような収入が上がるようにやったならば、いまより、昨年度の予算でもう四千八百億円、国の予算の二%増加すれば、四%であった小麦が二〇%の自給率になる。豆腐やみそなどわれわれの食糧とする大豆は一〇〇%自給できる、こういう提言をしておりますが、農林省はこれを御存じで、検討されたか、このためにこういう線で一回でもやってみられたか。この価格保証の点と私たちの提言に対する二つの点、お答え願います。

羽田孜自由民主党農林政務次官

○羽田説明員 確かにいま先生が御指摘がございましたとおり、米と麦というものをいま比較いたしますと、やはり麦が相当低いということでございます。そういった中で、私どもといたしましても、ことし例の生産奨励費なんかを取り込みまして、その上なおかつ七%という麦価の上昇を見たわけです。これはまさにいろいろなところから指摘があるように世界一の麦価なんということを言いますけれども、しかし私どもは、やはりこの狭い国土の中でそういったものを、必要なものを確保していかなければならぬということで、今回そういう措置をとったところでございます。しかし、実際のところはまだまだ米とのあれが低いということでございまして、今後ともこれは急激にあれするということもなかなかむずかしいわけでございますけれども、これを措置したいと思います。しかし、やはり価格だけではどうしても吸収できません。そんなことで土地というものの、いわゆるお米の方から転作していただきながら、またそこで規模の拡大も図っていただくというようなこと、そして先ほど申し上げた収量を上げるということ、こういうことをあわせてやっていかなければいけないというふうに思います。  しかし、実際に麦は非常に不足しておるわけでございますので、先生の方で発表されましたものなんかも私どもいろいろと検討させていただいておると存じます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 私の質問の時間というのは全部で十五分、あと大臣に対する十分というきわめて短いもので、あと三分か四分しか残っていないので、重ねて続けて質問します。  そこで、第二の問題は、お米が余っておる。きょうの何とか新聞を見たら、自民党のだれかさんが、二十万ヘクタール政府が買い上げればいい、こんな暴論をしている方もおいでになるようですが、きのう実は官房長から聞いたら、大変心配なことを聞かされたのです。第二種兼業農家、この人たちがつくっておる水田を何らかの形で、委託経営で、規模の大きい農民が経営していく、その委託経営するときに水田をやめて畑作などにしたらいかがですかということが出ている。本当に政府はこう考えているのか、これが一つ。  もし、考えているとすれば、大変なことになる。なぜかというと、皆さんが生産調整のために四十五年から五十一年までに使った、生産調整だとか奨励補助金だとか協力特別交付金だとか転作促進対策費は、一兆二十八億九千万円突っ込んでいるのです。その結果どうなったかというと、稲作の反別がふえているのです。これは皆さん御承知のとおり、一番減ったときの四十八年の二百六十二万二千ヘクタールから二百七十七万、ことしはもっとふえています。生産量もふえている。しかも、第二種兼業農家の耕作反別がふえている。第二種兼業農家が政府に売り渡す米の量がふえている。なぜ第二種兼業農家が米をつくるかというと、非常に技術が進んで、それだから兼業できるのです。だから、米をつくって兼業、米をつくって野菜、この複合農業の、そして兼業農業のかなめがこの稲なんです。これを兼業農家から奪って、 そして規模の大きいところに委託経営させる、こういう考え方はさらさら持っちゃいけないということ。そこで、この人たちが転作できる体制をつくることが一つ。  二つ目には、一方に価格保証すると同時に、次官が言っているとおり、それだけじゃない、基盤整備する。稲とほかの作物の転作や輪作ができるようなかっこう、これをやるとすばらしい。稲もできる、そこに畑作物もできる。これはやっぱり排水乾田化、暗渠排水、これは農民が求めているところからこれをやっていかなければならぬ。ところが、この排水乾田化が国営事業は進んでいる、県営事業は若干進んでいる。しかし、地域の人たちがやるところはほとんど進んでいない。ここにもまた隘路がある。これが二つ目のところです。  三つ目には価格調整のバランス。やっぱり自民党の湊試案なんかでも多少心配になるのは、バランスをとるためには米をほかの作物に下げる、こういうバランスのとり方じゃないかと心配される。米並みに上げていくというバランスのとり方でなければならない。この三点を答えていただきます。     〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕

澤邊守農林大臣官房長

○澤邊説明員 私の発言に対する御質問でございますので、私の方からお答えしたいと思いますけれども、兼業農家の稲作の実態を見ますと、やはり生産性は平均よりは低い。ただ、非常に手間がかからないということもありまして、なかなか稲作から離れるということはもちろんございません。それから、転作を奨励する場合、やはり転作作物というのは稲作よりは手もかかりますし、技術も要するという面がございますので、経営規模が小さくて農業に対する意欲が一般の平均農家よりは低い兼業農家の場合はなかなか転作に踏み切りにくいということもございますので、私どもといたしましては何も無理やりということじゃなくして、話し合いの間で農協等があっせんに入って、仲介を通じまして、他の、農業により意欲のある農家に土地を貸すなり委託するなりという形で、委託を受けた、あるいは借り受けた農家が転作をする、そういう意欲のある農家の場合は転作しやすい条件があると思いますので、そういうことを話し合いの間で進めるということが転作を進める一つの方法として望ましいのではないかということを検討しておるということでございます。  それから、価格の問題につきましては、米並みというお話でございますけれども、米並みという意味もいろいろあろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、現在の価格政策が米にどうしても偏って重点がかかり過ぎているという面がありますので、米と他の作物との価格関係を、他の作物に現状よりは有利に時間をかげながら直していく必要があるのではないかというふうに思っております。もちろんそれをやったからといって直ちに、反当所得という面から見ますと、やはり稲作の方が当分の間は転作作物よりも高いと思いますので、奨励金その他の生産奨励措置、そういうことは当分の間続けていく必要があるというように考えております。  それからさらに排水の問題、おっしゃるとおりでございまして、水田におきまして排水が十分行われないと畑作物はできませんので、転作を進める条件といたしまして、ただいま申しました価格政策その他のこととあわせまして基盤整備、特に排水重点にやらなければうまくいかないということは御指摘のとおりに思います。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 後刻、大臣に質問するとして、終わります。

金子岩三自由民主党

○金子委員長 島田琢郎君。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 大臣、きのうから二・五%の諮問をなされて大変御苦労さんです、私はこう皮肉まじりに言わざるを得ません。というのは、大臣は過般、某新聞のインタビューに応じて、今度の米価の決定に当たって、正姿勢を貫く、こう言われました。正姿勢とは一体何をおっしゃろうとしていたのか、その当時、私は新聞の記事を見てえらくわかったつもりでありましたが、二・五%という諮問が出されて、どうもこの正姿勢がわからなくなりました。一体何を基本にして今度の二・五%という、恐らく据え置きを除けば史上最低と言われるようなこういう諮問案が出されたのか。その辺のところを、正姿勢という言葉の説明とあわせて、ひとつもう一回明確にしていただきたい、こう思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 五十二年産米の政府買い入れ価格、この問題は生産農民の皆さんも大変関心を寄せておる問題でございますので、これに対する私の取り組み方、その姿勢というものを端的に表明したのが正姿勢で取り組むんだ、こういうことを申し上げたわけでございます。  と申しますことは、お米の過剰基調というものは御承知のとおりでございますが、私は、お米が過剰基調であるからといってこれを据え置いたり、または恣意的にこれを抑えるというような考え方はとらない。農薬あるいは肥料、農機具等々の物財費の値上がりもあるわけでございます。また、賃金の上昇も、低成長下で低いとは言いながら、やはりこれも上昇を見ておるわけでございます。そういうような物財費やあるいは賃金というようなものを正しく調査をし、これを米価試算の上に的確に反映をさせる、これが私の基本的な姿勢であり、取り組み方であった、こういうことでございます。  この試算の結果、五・九%程度の値上がり分があるわけでございますが、それから金利の低下あるいは労働時間の短縮、そういうものを、これは引き算になるわけでございますが、それを引きますと二・五%になる。そのとおりを今回諮問米価として米価審議会に諮問をした、こういうことでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 私は、いま大臣がおっしゃっている中にも非常に問題があると思うのです。たとえば労賃の問題一つとってみても、千人頭打ちの平均賃金で見ているわけでありますけれども、このアップ率と春闘におけるアップ率とにはずいぶん差があります。一体、政府が今度の試算で見られた賃金のアップ率というのは何%に見ていますか、そして春闘のアップ率は平均で幾らになっていますか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 米価の試算に使います賃金の問題でございますが、これは家族労働費を都市均衡労賃に換算をいたしたものでございまして、その際に、五人以上千人未満というものを事業所単位にとっておるわけでございます。これは中小企業の賃金ということではございませんので、御承知のように、資本金一億円以内、また三百人未満というのが中小企業でございますが、政府が評価がえをいたしました都市均衡労賃というのは事業所単位でございまして、ソニーであるとかナショナルであるとかいうような大企業の労賃も、いま申し上げたように、千人未満の事業所の賃金というものは全部その中に入っておるわけでございまして、私はこの労賃のとり方というものは妥当なものである、このように考えておるところでございます。  なお、試算に使いました数値につきましては、事務当局から答弁をさせます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 その前に。数字は官房長からでもいいのでありますが、そもそも千人頭打ちの方式を採用した、そのこと自体が私としては納得ができないのであります。  賃金のアップ率というのは、この一年間われわれが農業をやっていく上で、いつも見合いにして非常に気にしているところであります。私は、春の乳価のときにも、せめて牛乳をしぼっている農家と、その乳を加工している労働者の賃金とは均衡させるべきじゃないのですかと言った。そのときには私は、春闘アップ率なんということを持ち出したのではありませんでした。しかし、それも、私が最終的にはすとんと胸に落ちるような納得できる説明のないまま、六百三十円という新賃金体系を採用したという低賃金で春の乳価を決めたという経過がございます。  今度だって、千人頭打ちというこれをお考えになったのは、正姿勢を貫くとおっしゃった大臣の言葉とはうらはらに、やはり米は余っているということが頭にあって、いろいろ知恵をめぐらし、私に言わせれば悪知恵を働かしてこれを一つの方式として採用したのではないかというふうに勘ぐりたくなるのです。  さらにまた、機械の問題についてもそうであります。これも春の乳価のときに私はかなり具体的な例を挙げてお話をしましたが、農機具の償却の実態も一、実は末端の農家の農機具の償却の実態は、米価試算に当たって考えているような実態にはなっておらぬ。今度の試算も、購入価格から残存価格を引いて、それを法定耐用年数で割った、こういう方式をとったわけでありますけれども、この残存価格にしても、私は一割というのは見方として妥当ではないのではないか、こう思います。  さらに実態は、これは農機具のメーカーにも責任があるのでしょうが、機械の部品が傷みますと、その部品を発注してもそれに合う部品がなかなかない。最終的には機械が動かなくなりますから、結局、車ごと全部取っかえなければならない、あるいは農機具ごと全部取っかえなければならない、こういう実態にあって、なかなか法定耐用年数どおりの実態にはなってないというのが私の言いたい部分なんであります。  こういう点についても、実態調査をするということで、この場所ではありませんけれども、私は担当の課長とこの話をしたことがあります。細かにお話をしたときにも、それはやはりある程度実態を調査してみる必要があるでしょうということでしたが、まだその実態が明らかにされていない、こういうことでありまして、この際、こういう実態を十分把握するということも必要ではないかと思うのですが、ある程度実態が把握されているにもかかわらずそれを採用しなかったのではないかというような気も私はいたします。  いま、労働報酬と農機具の償却の問題だけを挙げてみましたけれども、それだけだって、大臣が正姿勢を貫くと言った言葉とはうらはらの諮問価格の計算に当たっての問題点になっているではありませんか。大臣は委員会でも大変誠意を尽くしてよく答弁なさるから、私どもはあなたの誠意を疑うのではありませんけれども、どうも最近は、総理大臣の福田さんの姿勢をまねたのか、よく新語がぽんぽんと大臣から飛び出すのでありますが、鈴木大臣もまた正姿勢などと、私どもがいままで聞いたことのないような言葉を打ち出して、米価の算定に当たられた。ですから、大きな期待を持ちましたけれども、期待を非常に大きく裏切る、こういう結果になったということははなはだ遺憾であります。  事務当局からいまの労働賃金に対する具体的な数字をお答え願った後で、もう一回大臣に聞きたいと私は思います。

戸塚金郎食糧庁次長

○戸塚説明員 本委員会の冒頭におきまして試算の御説明をしたわけでございますが、その御説明の中で、この米価算定の基礎にいたしました賃金、男女込みで九百十一円四十二銭、男子千百九円八十六銭ということで、これは前年同期に比べますれば八・五%アップであるということを申し上げたわけでございます。これをベースにいたしまして、ただし昨年は調整係数というものを用いましたが、ことしは調整係数を用いておりませんので、結果的に織り込みました労賃につきましては五・六%アップということに相なりましたということは、先ほど御説明したわけでございます。  それから、物財・雇用労働費につきましては、五十一年産米の生産費基準で申し上げれば一〇五・七五ということで、物価修正をして考えたわけでございます。これは農家が稲作に投下をされます生産資材ということを中心に考えますれば、物価修正は一〇五・七五ということで適正な物価修正であるというふうに考えているわけでございます。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 島田先生の賃金のとり方、これがベースが違いますために、何か私が正姿勢と言いながら、実際には恣意的に抑えておるというぐあいに思われるわけでございますが、今回の五人以上千人未満の製造業の都市均衡労賃にこれを評価がえをする、私どもは昭和四十九年からこの方式をとっておるわけでございまして、五十二年産米の米価決定に突如としてこういうような物差しを持ち出したものではない、四十九年からとっておる。恐らく島田先生の御主張なさっております点は、昭和四十二年当時、米を百万トンも外国から輸入せざるを得ないような状況下において、どうしてもあらゆる要素を増産の方向に積み上げていくというような当時においてとった賃金のとり方でございまして、そのベースが違うために、残念ながら島田先生と私の議論がかみ合わない、こういうことであるわけでございます。  私はこの機会に申し上げておくわけでございますが、この米価算定方式並びにその算定の要素をどうするかという問題については、こういう米価シーズンになってホットな状況の中では、なかなか学問的、科学的な方程式が出てこない。でありますから、秋ごろでも米価審議会に、ちょうど今年度あの麦価の新しい算定方式を御審議願ったと同じように、米価につきましても、そういう国民的なコンセンサスが得られるような米価算定方式、また算定の要素を組み入れたものをつくりたい、このように考えておるところでございます。  それから、第二点の農機具の問題についてお答えをいたしますが、私も各地を歩いてまいりまして、農機具が、部品がないとか、あるいはモデルチェンジがしばしばなされるとかいうようなことで法定の耐用年数と大分差異がある、こういうことを農業団体の代表の皆さんからしばしばお聞きをいたしました。そこで、せっかく正しく物財費等の値上がり分はこれを反映をさせると言いながら、そこに実態と食い違うものがあってはこれは羊頭狗肉になるわけでございますので、事務当局に命じましてその点を洗い直して検討をさせてみたわけでございます。この点につきましては、後ほど統計情報部長からその調査の結果を御報告をいたさせますが、つまり使用済みと申しますか、農家がこれを置きかえるということでオシャカにした農機具について、何年前にあなたはお買いになりましたか、こういうことで約一万件近いものをずっと私どもは調査をしたわけでございますが、その結果は、法定の耐用年数を下回っているというものを、一万件の全体の平均の数値としましてはそのようなものをわれわれは把握をいたしておりません。実態としては、その平均の数値というものは、おおむね耐用年数及び耐用年数を上回る期間使われておる。中には島田先生が御指摘になるようなものもあろうかと思いますけれども、私どもの調査の結果ではさようになっておる。  ただいまその内容につきまして、統計情報部長から御報告をさせます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 統計情報部長、申しわけないのだけれども、時間がないのですよ。それで、資料として提出を願いたい。いま大臣がおっしゃった一万件の調査結果について、いまここで御説明いただく時間がありませんので、委員長、資料としてこの委員会に提出をお願いしたいと思います。  次に移りたいと思います。  盛んに米が余った、余った、こういう宣伝が、私に言わせれば誇大になされているわけでありますが、それは先ほどから津川委員やあるいは神田委員等も、私がここで聞いている範囲の中でもかなり厳しく意見として出されていたわけでございます。私も、この点については、時間があればもう少し輸入の実態等の比較の中でいわゆる米の消費拡大といった面についての私なりの考え方を述べたいと思うのでありますが、大臣、この際あなたも、外国からたくさんの麦を買っておって米が余るというのは大変おかしな話なんで、ぜひひとつ消費拡大に力を入れたい、こうはおっしゃっています。しかし、具体的にどういうふうにやるということまではおっしゃっていない。これではどうも国民は納得ができません。また、農民のわれわれもその点は納得がいかぬのであります。  この際、大臣のお考えの中で、こういう具体的な方法で消費拡大をやりたい。消費拡大という話はきのうきょうに始まった話ではないのでありまして、七百万トンのときもそうでありましたし、この二、三年来も米の消費拡大ということを政府は盛んにおっしゃるのだけれども、私どもがここで幾ら聞いても、ポスターをつくって張って、あるいはテレビに出して、米をもっと食えといったような宣伝をやる。これは目に見えたこととしてわれわれも理解しておりますし、承知しておりますけれども、それだけで、今日のこの在庫米の処理、消費拡大は具体的に進んでいかなかったということは余りにも明白な事実として残っているわけであります。この際、大臣の具体的なお考えを聞きたいのです。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 米の過剰を誇大宣伝しておるという御指摘でございますが、私どもは、現実に政府の在庫米がこのようになっているということを申し上げておるわけでございます。  そこで、一体どこまでが正常なストックであって、それ以上が過剰か、これが一つの問題点であろうかと思います。私は、現在の世界的な食糧事情等も考慮に入れまして、米の場合には備蓄が二百万トン程度、これが一応適正であろうか、このように思っておるわけでございます。この点につきましては、備蓄をしたものは新米と入れかえながら、これを還流させて配給をしておるわけでございまして、還流備蓄と申してもいいと思うのでありますが、そういう面からいたしまして、新米と古米の関係の配給の事情もございますので、二百万トン程度が適正である。つまり二年ぐらいの相当の冷害が、あるいは凶作があっても消費者に御不安を与えないようにというようなことを考えますと、大体百四十万トン程度でございます。また百六十万トンぐらいという考え方もございますが、大体百五十万トン前後、あとそれに五十万トンぐらいの予備をとりまして、二百万トンぐらいを備蓄用として考える。その際に、やはり低温倉庫等の備蓄のための倉庫の施設が必要になるわけでございます。この点につきましても、御承知のように、低温倉庫については保管料を四〇%上乗せをいたしまして、低温倉庫の増設、その低温倉庫による保管というものを助長いたしておりまして、これも相当伸びてきております。  そういうようなことで、備蓄に対する施策も進めておるところでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 ちょっと大臣、私の質問を違って理解をされているようです。私は、備蓄の方法を聞いたのではないのです。消費拡大を具体的にどうするんだ、こういうことをお聞きしたのでありまして、そのお説はまた後ほど聞きたいと思います。きょうはもうあと五、六分しかないので、私もいらいらしているのでありまして、まだ二つ聞きたいのです。どうかお願いします。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 そういうようなことで、備蓄を上回るものがそこに存在するということで、また消費拡大の問題につながるわけでございます。  消費拡大の問題につきましては、御承知のように、まず学校給食の問題が一つございます。学校給食の問題につきましては文部省その他等で、学校給食会その他の抵抗等も相当ありましたが、五十一年度予算の編成におきまして、農林省として、学校給食に米飯を思い切って導入すべきであるということで、それに対して農林省としても補助金等の予算措置を講じ、農業団体と協力をしてやっております。  その他、また事業所その他に対する給食団体等とも連絡をとりながら、米飯の給食を促進するようにお願いをいたしておりますし、また米を原料とするいろいろな加工品がございます。こういうものもぜひ開発をしたいということで、無償でその原料を供給しながらそういう面についても努力をいたしておる、こういうことでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 いまのお話では、とても具体的に消費拡大などと言えるようなしろものではないと私は思います。これはまた私の後で竹内委員が質問に立つ予定でありますから、ひとつそこでまた聞いてもらわなければいかぬと思うのです。  私は、もうあと残された時間が幾らもなくなってきましたが、政府側から出された資料によりますれば、米作農家の負債がふえているという実態が報告されています。これは機械化と土地基盤整備でコストが下がった。だから、単位当たりの労働時間も少なくなった。つまり全体のコストが下がった、こういって、明くる年の米価決定に当たっては政策吸収をしていってしまう。何ら努力に対する還元をしようとしない。そういうものと引き合いに見て、非常に私は矛盾だと思うのです。この際、投下した機械化あるいは土地基盤整備のこうした努力に対して還元をしていくという気持ちに立って米価を決定すべきだ、こういうふうに思うのですが、その面についてもきわめて冷たい今度の諮問価格になっている。この点について、私は大臣の姿勢に厳しく文句をつけておきたい、こう思うのです。  それから、政策吸収された、農家に対して生産性向上メリットは明確にこの際やはりメリット分だとして——これは乳価のときにも私は言いましたが、全量よこせと言っているのではありません、私は全量還元してもいいと思いますけれども、全量還元しろと言っているのではない、やはり努力をしたものが報いられてあすからの再生産にまた励みのつくような、そういう報奨の仕方を考えていわゆる生産性向上メリットをこの際具体化すべきだ、こういうふうにも思いますが、この二点について最後にお聞きをして、私の質問を終わりたいと思うのです。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 金利の問題につきましては、借入金金利については年六分ということで金利計算をしておるわけでございます。  なお、生産性向上のメリットの問題につきましては、すでに御承知のように、年々生産性は向上しておりますが、したがって三カ年平均の生産費をとっておるわけでございますから、その中に、年々向上しております生産性のメリットというものは三年平均によって確保されておる、そういうぐあいに考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 えらい最後は脱兎のごとく答弁をして、私納得できない。時間を気にしたのでしょうけれども、最初はのろのろとえらい懇切丁寧に、私の聞かぬことまで答えてくれたと思ったら、最後は木で鼻をくくったような脱兎の勢いでの答弁、これは大臣、どうも私はいただけない。竹内委員に迷惑をかけますから、私はこれでやめますけれども、しかし、さっきの消費拡大にしても、いまの問題にしても、ばかじゃないですか、計算してみたってわかるのですよ、一万トンや二万トンで消費拡大になるのでしょうか。大臣は百四十万トンとか百五十万トンが適正の在庫量だ、二百万トンが限度だ、こういうようなことをおっしゃったが、そうだとすれば、そんなやり方ではとても消費拡大にはなりません。  それから最後に、答弁は要りませんが、今度野党が要求をしておりますのは、臨時国会を早く開いて、国会が責任を持って米価を決めるということをやるべきだということ。与野党の逆転は成りませんでしたけれども、参議院はまた一層保革差が縮まりました。政治情勢は明らかに衆参両院とも変わってきたのです。旧態依然たる米価の決定方式をもって、これを最上だというような考えを押しつけようとなさるのなら、これは大変なことだと私は思うのです。少なくとも国民の大事な主食である米の価格決定は、国会が、私どもの議論が十分国民の皆さんを代表しての発言だというふうにひとつ位置づけされるべきものであって、そういう点から言えば国会においてこれを決める、そのためには臨時国会を早期に召集すべきだ、こういうことを主張してきましたが、今回もまたわれわれの主張を退けて閉会中に米価を決めるというようなやり方になりました。私はこれはきわめて遺憾だと思うのであります。将来、米価決定のこういう方式を根本から改めなければならぬというのは、わが党だけの主張ではなくて、野党五党においてもコンセンサスを持っておるところであります。この点についてはまた機会を改めて私は主張いたしたい、こう思いますが、私の時間が来ましたから、これでやめます。

金子岩三自由民主党

○金子委員長 竹内猛君。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 五十二年の米価の決定をめぐっての諸問題について、私は農林大臣に質問いたします。  まず最初に、きのう諮問をされた二・五%というそのことについて、今日まで米価審議会で答弁をされたりいろいろ質問を受けた農林大臣としては、米価審議会の中でどういう問題が中心に議論になったか、そのことについての概略をひとつ説明していただきたい。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 米価審議会におきましては、昨日来熱心に御審議が継続しておるところでございまして、生産者代表の各位からはこの二・五%の諮問米価は低きに失する、これを撤回をして、改めて諮問をし直すべきである、また野党五党の農政の権威の方々、代表からそういう申し入れもございました。しかし、先ほど私申し上げましたように、今年度の米価は賃金とか物財費の値上がり分を正しく把握をして、これを適正に米価の中に算入をする、こういう姿勢を貫いてきたわけでございまして、米が過剰基調であるからといってこれを据え置くとか、そういうようなものにはくみさない、これを抑えまして、そういうような方針を貫いたわけでございます。ただ、野党の皆さんの御主張は、四十二年当時のああいう状況の中での米価の算定の仕方、その物差しでおやりになっておりますし、私どもは、近年政府がとってきた算定方式によって正しく算定をしておる、その違いがあるわけでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 いまお話があったように、米価審議会においても二・五%というものは物価の上昇率あるいは賃金の上昇、これに見合っていないということで、それを撤回をして再諮問をしてほしい、こういう要求があった、また野党五党からもそのような話があったという報告、あるいはまた本委員会においてもけさほどからのいろいろな質疑の中で、やはり物価、賃金、そして農業の実態に即しておらないということがしばしば具体的な例を通じて出されておるわけであります。そういうときに、農林大臣としては二・五%というものがあくまでも正しくて、これを堅持し、あるいはまたさらに政治加算というような問題でごまかそうとしておるのではないか、この点はどうです。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 私どもは、先ほど申し上げたように、米価の中に正しく賃金、物価の動向というものを反映させる米価といたしました関係もございまして、これを私はあくまで正しいものとして、政治加算がどういう意味でお話があるかわかりませんが、そういうように恣意的にこれを下げたり上げたりというようなものは私としては賛成いたしかねる、こういう立場でございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 以下また具体的な問題について質疑をしていきますが、私は以前にこの委員会を通じて米価審議会のあり方について一考を促した。これは前の安倍農林大臣のときにも米価審議会の構成については一考する余地があるということで、今度の場合、確かに考慮をされたことはわかります。わかりますけれども、生産者代表として選ばれた者が十三町の耕作農家だ。なるほど自分の所有地は四町九反かもしれないが、請負を入れると十三町、こういうような農家というものを生産者代表として大臣が指名をしたという根拠は何だ。  統計情報部の方に聞くけれども、きのうも資料を要求しましたが、北海道は別といたしまして、わが国に十三町以上の耕地面積を持っている農家というのは一体何戸ぐらいあるんだ、それを聞きたい。なぜそういう者を選んだのか。もっと農家の実情に沿ったような者は選べないのか。いま生産農家の三五・二%というものは〇・五から一ヘクタール未満の農家であります。これが圧倒的に多い。一ヘクタールから一・五ヘクタールが一二・九、こういうことでありまして、二ヘクタール以上の農家というものはわずかに五・九%しかない。その中で十三町という経営者を米価審議会に選んだのは何をねらって選んだのか、そのことについてお聞きしたい。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 米審の構成の問題につきまして、長い間、生産者代表、消費者代表等から、生産者代表、消費者代表をもっとふやすべきだ、こういう御主張があり、また国会の委員会でも同様の御意見がございまして、安倍農林大臣当時検討をお約束したという経緯がございます。私といたしましては、そういう経過を踏まえまして、また米審の運営の実情等をよく勘案をいたしまして、この際、皆さん方からは御不満が残ったかと思うのでありますけれども、生産者並びに消費者代表を一名ずつふやした、こういうことで皆さん方の御主張の一部におこたえできたと考えております。  それから、いまの竹本さんをなぜ選んだか、こういうことであろうかと思いますが、竹本さんは初めからあのような広い耕地を耕しておったのではなしに、いろいろ自分の実践を通じてあるいは規模の拡大等もおやりになった、また長い間の稲作等に対する経験も深いということでございまして、やはり生産者の立場、実際の体験を通じての貴重な御意見を伺うためでございまして、現在、米審においてもその実際の汗を流した農民の立場に立っての非常に貴重な御意見をお受けしておるということでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 竹本さんを選ぶというその感覚の中に私は問題があると思う。現実に十三町という経営をしている農家というのはほとんど米づくりの中ではおらない。そういう者を生産者代表として選ぶということは、確かに生産者かもしれないけれども、そういう農家というものは一般の農家の本当の実態に沿っていないじゃないか。私は、これはわれわれの日常の要求に対する鈴木農林大臣の気持ち、誠意というものがそこに入っておらないということで、大変苦言を呈したい。  次いで、大蔵省にお尋ねしますが、この諮問を出すに当たって、農林省の折衝の中でどういうことが一番問題になったのか。一般には在庫が多くなる、あるいは食管の赤字を何とかして解消したい、この二点だけが中心であったのか、それともそのほかに何かあるのか、大蔵省どうですか。

古橋源六郎大蔵省主計局主計官

○古橋説明員 お答えいたします。  米につきましては、先ほど来申し上げておりますように、過剰基調を非常に強めております。特に昭和四十三年のときに二百九十八万トンの古米在庫がございまして、これが本年の十月末には三百三十万トンになろうとしておる、こういうような中におきまして、私どもは食管制度というものを維持するというためには、その運用というものをやはり適確にやっていただかなくてはいけないというようなことから、その米価につきまして、生産刺激的な米価にならないように、据え置きを含めまして、農林省といろいろと検討をいたしたわけでございます。  その結果、農林省といたしましては、先ほど来大臣が御答弁になりましたように、正姿勢でいきたい、据え置きというようなことでは困るというようなこと、私どもは過去におきます貴重な経験、過剰米処理に一兆円を使ったということ、あるいは生産調整のためにさらに一兆円も使った、こういうような税金を使ったということから、この際これと真剣に取り組んで、さらに他作目との相対価格関係であるとか、そういうようなことも含めまして議論いたしました。  その結果、農林省と一致しました点は、生産刺激的な米価はやらない、しかしさらに、それを抑制するというような米価も、私どもが主張しておりますものはとらないということで、今回の諮問の数字になったわけでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 今度は農林大臣にお尋ねしますが、わが国の農政の中心は、代々、米を中心の農政であったということは、これは認めてもらえるだろうと思う。品種改良をし、土地改良をし、あるいは機械化、近代化、すべてこれは米に集中されていた。農林行政と言えば、これは米の行政ではなかったかと言われるぐらいに米に中心が置かれた。そのために米は増産ができたし、ただ一つ自給ができるものであります。その米をつくるために政府が努力をし、奨励をしてきて、そして農家もそれと一体となって努力をしてきた。米が幾らか生産が過剰になったということで、今度はこれを抑える立場から生産費の算定方式を、生産費所得補償方式というのが決まって以来今日までの間に七回、この米価の算定方式を変えている。七回も変えて、政府と行政の都合のいいようにそれを変えて、農民に対しては低米価で、あるいは消費者に対してはこれを値上げをしていく。つまり政府の政治の責任というものを生産農民と、今度は消費者の方にぶつけていくというのが私は現状の農政のあり方ではないかと思う。  そして、農家の皆さんはいま土地改良を進めております。その土地改良は現在かなり進んでいるけれども、これも米を生産することを前提にして土地改良をやっている。米価というものを基準にして、これに対する還元をしているわけだ。そういうときに、今度は減反あるいは作付制限、こういう形のものが出てくる。一方においては生産者価格が抑えられ、消費者は消費者価格が上がって、せっかくやってきた土地改良を今度は途中で変更しなければならないというような状態がいま行われている。こういうことは、政治責任というのは一体だれがとるのだ。行政の責任というものはだれがとる。その点については、農林大臣、どうですか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 稲作がわが国農業の基幹的な作目である、また主食の中でも一番中心をなす基本的な食糧である、このいまお話しになった認識、これは私と全く同じでございます。なお、いままでの農業が稲作中心であったということも事実であり、またさらに米価の算定もしばしば変えてきた、こういう点につきましては、私は、私の時代ではなかったからということを申し上げるのではありませんが、とにかく政府・自民党が政権を長く担当してきた間においてなされたことでございますから、責任の一端をわれわれもしょっておるわけでございまして、深く反省をいたしておるところでございます。  そこで、今回の米価の算定に当たりましては、突如としてことし新しい算定方式をとったわけでございませんで、四十九年以来とってきた算定方式というものを基本として、そして正しく物価、賃金を反映するように算定をした、こういうことでございます。  なお、土地改良等の問題につきましては、これは御承知のように、米が過剰基調になりまして、減反政策とかいろいろの改良、改善を加える必要があるということを織り込んだものが昭和四十八年から十カ年計画ということで進められておりまして、これは織り込み済みの条件のもとに今日の土地改良事業というのが進められております。しかし、この間におきましてもやはり主要作目の総合的な自給力を高める、稲作偏重でなしに総合的な自給力を高めるということで、土地の基盤整備等につきましても、今後、畑地灌漑の問題であるとか、畑地に相当重点を向けていく必要がある。また、水田にいたしましても、乾田にして他の裏作もやれるように、そういう施行の面等においても十分現在の状況を配慮しながらやっていく必要があると考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 私は、政府の行政の責任というものを生産農民やあるいは消費者である労働者にかぶせて、そして、そこを苦しめて何とか財政のつじつまを合わせていこうというところに実は問題を持っている、その点についてやはり政府としてはその責任を感じてもらわなければ困る。いまの言葉の中には若干それを感ずるということがあったけれども、それならば、これからこの作付転換をするという。なるほど、ことしは九十万トン、十九万五千ヘクタールほどの作付制限をやる。きのう、農産物価格の小委員会の中で澤邊官房長は来年度の方向について四つの点を指摘をされました。その中の一つとして、来年は米に関しては大体百五、六十万トンの作付の制限をしなければならないであろう、そして、これを他の作目に転換をしていくというお話がありました。この場合に、それならば一体——現在、米はどうにかこうにか生産費所得補償方式によって計算もされているし、取り扱われておるけれども、他の畜産物にしてもあるいは野菜にしてもその他にしても、ほとんどそのような状態ではありません。価格に対する何がしかの支えはあるにしても、それは労働賃金を正しく反映するようなものではない。それはことしの畜産物の決定を見てもよくわかる。そういう中で農家の現在の作付面積二百七十四万ヘクタール。それは潜在生産力はもっと面積があるかもしれませんが、それに対してそれの一割以上というものを転換をする場合に、一体何を、どこへ、どういう形で転換をするのかという見通しはあるのか、この点について私は伺いたいと思う。

澤邊守農林大臣官房長

○澤邊説明員 単年度需給をバランスさせるためでありましても、来年度におきまして、現在の見通しでは少なくとも百五、六十万トンの調整をしなければいけない。ことし九十万トンやっておるわけでございますが、かなり大幅にふやす必要がある、こういうことをきのうも小委員会において申し上げたわけでございます。  これにつきまして、しからば、どのような方向で、どのような作物に転作をさせるか、地域別にどのように考えるかという御質問でございますけれども、これまでの実績から見まして、果樹、野菜、その他たばこだとかイグサとか小さな作物もあるわけでございますが、これらにつきましては比較的順調にといいますか、計画に近く転作ができるわけでございますが、今後大幅に転作目標をふやすといいます場合、これらをさらに大幅にふやすということは、生産過剰を来すおそれもございますので、それほど大幅には期待できないのではないかというふうに思います。したがいまして、主として、いわば戦略的に重点作物として転作をふやしていくものは、麦、大豆、それから飼料作物、この三つであろうかというように考えております。  地域別に見ますれば、ただいま申し上げました三つのうち、大豆だとかあるいは飼料作物は、北海道とか東北とか北日本、東日本が主として対象地域になろうかと思います。それから、麦につきましては、西日本が主で、一部東日本も対象にし、北海道はまた特別でございますが、考えていっていいのではないかというふうに思います。  しかし、戦略作物の重点作物と言いましたけれども、それだけではもちろんいけませんので、先ほど申しましたその他の、いわばマイナーな作物につきましても、それぞれ転作をふやしていただくということをやっていかなければいけないと思いますが、それらにつきましては、主として西日本が重点になるのではないかというように思います。  さらに細かく申し上げますれば、地域別にさらに詰めまして、全国的な地域分担というものを考えながら目標を設定をしていくべきだというふうに考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 この問題については、社会党としてはもうすでに考え方を出してあるわけだ。日本の農業の自給体制を確立するために、どのような方向で何を中心にして進めるかということについては、すでに農林省の皆さんもその骨格については読んでいられると思うが、私はここでもう一つ、これは農林大臣に答弁を求めたいわけですが、米以外のものに対して努力をしても、なかなか農家は安心できない。たとえば畜産物をやれば、必ずちょっと値が上がってくるというと外国から輸入をする。牛肉がそうであり、豚肉がそうだ。そしてまた、輸入されるような装置がちゃんとできている。最近では茨城県や長野県では、トマトがいま一定の方向に定着をしてきた。そうすると今度は、トマト加工品というものを外国から輸入する。台湾やアメリカから入ってくる。そうして、トマト農家をまた抑えてしまう。こういうようにすべて外国の農畜産物というものがどんどん入ってきて、それが日本の農業を抑えるということなんだ。  この問題を具体的に例をとれば、たとえば一九七六年の一月から十二月までにわが国の農林水産物の輸入額は百七十六億ドル、約四兆九千億円を記録しております。畜産物は四〇%大幅に増加し、そのほかに林産物、水産物等々が著しく伸びている。農林水産物の輸入の割合というものは、総輸入量の二七・二%で、二年前の二六%台に比べると割合が非常に伸びている。このように、年年外国からの輸入が伸びている。それにもかかわらず、わが国の食糧自給率というものは大変低い状態であって、たとえば米はどうやらこうやら一〇〇%であるけれども、麦にしても四%、こういうような状態であるし、えさなどに至っては全く低い状態だ。  これを考えてみると、外国の輸入というものによって日本の農業が押しつぶされているという、そういう状態の中で、いまあれやこれや作付転換をしようとしても、これに対して農家が安心をしてついていけない。そこで私は、前にもこの小委員会を提唱をして、そうして農畜産物の価格体系というものを見直さなければならない、こういうことを主張してきたわけですが、こんなに大きな転換をするには、何としても価格問題というものを、米と同じように、否それ以上に、畜産物にもあるいはその他の農産物にも、国が必要と認めているものについてはこれを与えていかなければならないのではないか、こう考えているけれども、大臣はどうですか。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 稲作以外の他の主要農産物、畜産物を含めまして、自給率を高める政策を強力に展開すべきだという御主張は全く同感でございまして、私もそういう方向で農政に取り組んでおるわけでございます。したがって、米価との対比、相対価格の是正というようなものを今後強力に実現をする方向で努力をしてまいりたいと考えております。先般の麦価の新しい算定方式、これもその一環としてやったものでございますし、なたねにつきましても同様でございます。また、乳価や肉の値段の問題につきましても、これも皆さん方の御意見を聞きながら、私が先般決めたわけでございます。そこで、今後も農林省の中で、御承知のように、価格検討委員会というものを設置をいたしまして、相対価格の是正というような観点で、この具体化についていま進めておるところでございます。  なお、価格政策だけでは、いまの転作等がスムーズにいきかねるわけでございますので、生産対策あるいは構造対策、そういうものも並行してやってまいりたい。具体的には、これから水田の総合利用による転作等につきましても、二年とか三年ではいつその奨励金が打ち切りになるかわからぬ、こういう御心配があるわけでございますから、私は改めて五年なり七年なり長期にわたってこういう転換の政策を進めるんだということも明らかにいたしたいと考えております。  なお、いま試験実施中の畑作の共済保険の改善、こういう裏づけもぜひとも必要でございまして、これも試験段階の状況を見ながら早急に正式に制度的にこれを発足をさせたい、このように考えております。  第二点の問題としましては、私はあくまで国内の食糧の自給率を高める、これが農政の基本でなければならないという考えでございますので、いまお話がありましたように、外国の農産物を安易に入れて、そして自給率向上の農民の皆さんの御努力に水をかけるようなことは断じてしない。円高であるとかドル減らしであるとか、そういうようなことで輸入圧力が加わってくるというようなことを新聞等では言っておりますが、私は農政に関する限りは、国内の自給率をあくまで高めるという、この基本線に抵触しないようにやってまいりたいと考えております。  トマトの問題につきましても、ケチャップであるとか、あるいはソースであるとか、そういうものは自由化する考えは持っておりません。これは明確にいたします。私が就任してからお約束をしたことは、全部実行しておりますから、御安心いただきたい。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 もう時間が来たから、これでやめたいと思いますが、最後に、大蔵省並びに農林大臣に要請と、それから、これはもうお尋ねをすることはできないと思いますが、前にも申し上げましたが、農林省の予算の問題です。  四十八年には、農林省の予算は国の予算を一〇〇とした場合に一二・三%ありました。そのときに農林予算の中に食管が占める割合が四三・六であります。ところが、五十二年は、食管の方は三一・四%になりましたが、農林省の予算は国の予算を一〇〇とした場合に九・三しかない。もちろんその中には赤字国債というものもあるでしょう。あるけれども、生産者米価を抑えて、消費者米価を上げて、食管の赤字というものを小さくしてきても、なお農林予算が全体として三%も下がっているということは、これはやはり農林大臣、何といっても農政を大事にするとは言えないじゃないか。農林省がいままでやりくりをしていた予算というものがよそへ出ていく。大蔵省に言わせれば国民の税金をむだに使ってはならないというけれども、私は食管法がある限り、この食管法の三条、四条の間において決してむだだとは思っていない。そういうような観点から見て、来年度の農林予算をつくる場合においては大変重大な問題だと思う。  もう一つ、これは予算とは関係ないけれども申し上げますが、先ほど島田委員からお話があったように、米価の決定というものを、やはり米価を決める直前、いわゆる七月のこのようなときではなくて、もっと事前に生産者との間で話をして国会の中でも決められるように、米価の決定における事前協議制というようなものを取り入れて、もっともっと生産農民の声が十分に反映できるようにしなければいけない、こういうふうに思っておりますので、この二点について、これは答弁があれば、必要だけれども、時間の関係からむずかしいかもしれませんが、答弁をいただきながら終わりたいと思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 農林予算の国全体の予算の中に占めるシェア、これは御承知のように、できるだけ一〇%水準に持っていきたいということで努力をしておるわけでありますが、国債費等が相当かさんできておりますことは御承知のとおりでございます。国債費はいまの予算の先取りとして使っておるわけでありますが、その国債費を除きますと、五十二年度予算におきまする農林予算もおおむね一〇%の水準を確保しておる、今後とも努力をしてまいりたい、このように考えております。  なお、米価の決定に当たって生産者団体等の代表と十分話し合いをすべきではないか、こういうことにつきましては、農協団体の米対本部の方々とは数次にわたって、私も出席をして御意見も拝聴し、御意見の交換もいたしておるところでございます。昨日もその他の農民団体の代表の方々とも青空対談もやった、こういうようなことで、できるだけ農民の皆さんの声を聞くことに努めておるところでございます。

金子岩三自由民主党

○金子委員長 瀬野栄次郎君。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 農林大臣並びに大蔵省当局に、五十二年度産生産者米価について見解を求めます。  昭和五十二年産生産者米価については、大臣も御承知だと思いますが、要求米価実現全国農協代表者大会が、去る六月七日、参議院選を前に、全国六千人の代表が日比谷野外音楽堂に結集して盛大に行われて、参議院選前に大臣に強い要請がなされました。さらに、去る七月十四日、日本武道館に全国の農協代表者一万人が結集して、要求米価実現のために要請がなされて、いまだかつてない熱気を持った大会となったわけでございます。さらに、昨日より農林省三番町分庁舎に多忙な中、暑い中に、ただいまも農林大臣が申されたように、青空集会を大臣も受けられたごとく、熱気のこもった要請活動が行われて、全国数千名の代表が悲痛な要求を訴えておりまして、猛運動が展開されておることは大臣もよく承知のとおりであります。  私は、例年、大会が行われておりますけれども、まことに残念なことには、こういった要請がなされているにもかかわらず、毎回同じようなパターンで今日推移しておりますが、今年の、例年にないこういった結集、農民の熱気のこもった猛運動の姿を見ましたときに、日本農業の危機を数年来、米審会場で私ははだ身に感じておりますが、ますます危機に瀕しつつある、何とかせねばならぬということを、党派を超越してしみじみと考えておるものでございます。  こういつたことを見まして、大臣はこういつた全国大会、三番町の農民の切なる、熱気のこもった要請活動をどういうように受けとめておられるか、まず大臣の見解を率直に農民の前に披瀝していただきたい、まず最初に伺いたいのであります。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 先ほど申し上げましたように、稲作はわが国の基幹的な作物であり、また基本的な食糧でございます。したがって、稲作農民の皆さんがこの米価の決定に重大な関心をお持ちになっておるということは、私どもよく承知をいたしておるところでございます。ただ、残念なことは、いまの米価算定のベース、これが昭和四十二年当時のベースでおやりになっていることと、政府が最近とっております算定のルールと、方程式というものが違うところで大変大きな格差がそこに出てきておるということで、昨日もあの集会で、私は、政府としては四十九年以来とってきたところの算定方式によって、物財費並びに賃金の上昇分はこれを的確に反映させたということをるる御説明を申し上げたような次第でございます。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 農林大臣は四十二年方式のことをいま言われましたが、今回、農協中央会初め農業団体は六十キロ当たり、一俵二万一千百円以上を要求しておりますが、四十二年方式でいけば、農林大臣、単純計算で米価は幾らになりますか。あなたはそうおっしゃるからには十分御存じだと思いますが、幾らになりますか。すぐ答えてください。聞かずに答えてください。

澤邊守農林大臣官房長

○澤邊説明員 四十二年方式で算定いたしますと、二万三千三百八十一円になります。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 四十二年方式でいけば、二万三千三百八十一円であります。大臣はそうおっしゃるけれども、そういったことを即座に答えが出ないということは、そういった点、真剣に勉強しておられない。農民のために真剣に研究しておられない。農協中央会初め農業団体の要求に対しても、本当にこの価格というものはどういう算式でやっているか、四十二年方式、われわれはこれで要求したいのですけれども、それによってもいろいろ因子があるので、従来から七回も米価の算定方式が変わっていますから、われわれはこの四十二年方式によりたいけれども、いろんなことを考えて最低の二万一千百円で要求するということでしておるわけです。その辺のことは、このように血の出るような、暑い中に熱気のこもった要求をしておるわけですから、大臣もそういうようなことはちゃんと受けとめて、農民のために受け答えを、少なくともこういった程度ぐらいはぱっぱとやっていただかなければ、われわれは残念に思います。反省を促します。  さてそこで、農林大臣は今回は二・五%のいわゆる諮問をなさいました。いま農民は農畜産物価格の低迷、冷災害による打撃、不況による農外収入の減少によってもたらされた農家経済の苦境を前にしながら、米の過剰を理由に物価上昇にすら追いつけないところの低米価を押しつけられようとしております。これはわれわれの断じて容認できないところでございまして、このような二・五%諮問、農林省はかなり苦労したやに言っておりますけれども、けしからぬ、かようにわれわれは叫びたいのであります。  それでは、農林大臣は、大蔵省と何回にわたり、どのように折衝してこられたか、ここで農民の前に、その農林省が交渉した、大臣が交渉された経過を明らかにしていただきたい、かように思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 この米価の決定に至りますには、食糧庁長官ほか事務当局で長い時間をかけて検討もし、議論をし尽くしてきたわけでございます。最終的に、私は坊大蔵大臣ともお会いいたしまして、私の先ほど来申し上げておる物財費並びに賃金はこれを正しくとらえて的確に反映させる、こういう私の主張で大蔵大臣も御了承をいただいた、こういうことでございますので、それで私の主張どおり決まったということでございますから、政治的な折衝というものは何回もやる必要はなかった、一回で決着をつけた、こういうことでございます。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 大蔵省にお伺いしますけれども、十七日の深夜、農林、大蔵の調整の結果、米審に提出した五十二年産米の政府買い入れ価格の政府試算は、前年比二・五%アップにとどまったということで、十七日深夜に最終的に決めたということになっておりますが、大蔵省は据え置きを主張したということで、相当固執したということが言われております。きのう私が坊大蔵大臣に申し入れした際も、そのようなことが大臣の口から申されました。  そこで、昨年の米価算定で激変緩和措置として、賃金の調整、資本利子の据え置き、物財費の十一月からの算定とか、家族労働費の製造業労賃への評価がえ、運搬費の労賃部分の製造業労賃への評価がえ、こういったことがいろいろ論議されたのでありますけれども、大蔵省はこういったものを全部ゼロにして、そして算式を手直ししたというふうにわれわれは承っておる。こういったことを聞くに及んで、事務的には何回か折衝があったと思うけれども、農林大臣は一回で決着したとおっしゃるが、私は、大蔵省は現在の農業の状態、実情というものを余りにも知らな過ぎる、理解していない、かように言いたいのです。大蔵省としても日本の国民の一員でありますが、皆さん方、どういうふうに考えて、農民の前に、こういったことについて現状分析を考えておられるか、詳細にひとつここで見解を述べていただきたいと思います。

古橋源六郎大蔵省主計局主計官

○古橋説明員 大蔵省の現況に対する認識いかんということでございますので、お答えいたします。  いままで米偏重の農政であったということは先ほども農林大臣が言われましたけれども、これについては私どもも同じ意見でございます。したがいまして、予算の中におきましても、米から他作目へ転換するということについて非常に熱心に私どもは努力してきたつもりでございます。  そこで、総合的な国の自給力を高めなくてはいけない。その場合において、米は一〇〇%になっておる。しかし、ほかの作目については自給度が落ちておる。こういうときにはほかの作目へ、国民が食べる食品に生産を回していかなければいけないということでございます。そのために、米にかかっている金をそれ以外の方の作物のために持っていくという努力が必要である、われわれはこういう考え方でございます。  それから第二番目に、価格対策でございますけれども、価格対策ということでやることも、確かに農産物については所得が変動する、あるいは価格も変動するということでございますから、ある程度必要ではございますけれども、そればかりによっておったのではいろいろな利害の調整、特に需要者と生産する方との利害の調整ということが非常にむずかしくなってくる。したがって、あくまでも基本は価格政策から構造政策、こちらの方を重視するということが大切である、私どもはこういうふうに考えております。  以上申し上げましたように、平面的には国民が必要としている食物をつくるということ、そしてさらに、その方法としては、価格政策から構造政策へ、これが私どもの基本でございます。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 農林大臣、いま大蔵省は価格政策から構造政策へ、こういうようなことを言っておりますが、それに対して農林省はどういうふうに、この折衝の結果、将来にわたって考えておられるのか。  きのう澤邊官房長に、私たちは農産物価格等に関する小委員会で数時間にわたっていろいろと質問し、また協議をいたしたわけですが、その中で、将来にわたって四つの柱を立てて現在の構造改善を進めねばならぬというようなことで官房長は発言しておりました。われわれもこれは、大蔵省が言うことももちろん傾聴に値する問題で、もうかねがね当然のこととして農林省には要求をしてきたわけでありますが、食管の根幹というものは何とかこのまま堅持していかなければならないということには変わりはない、そこで経営構造を変えていくことで今後、来年をめどに十分検討していくということを農林省は検討に入っているというふうに承っております。聞くところによると、四つの柱というようなことを聞いておりますが、十分こういったことは大臣は吟味した上で、大蔵省等もそんなことを言っておるが、もちろんこれは米価にも大きな関係のある問題でありますので、この機会に、そういった問題についてどういうふうに指示しておられるのか、そして大臣としても強い姿勢で検討させて、今後こういったことについて農民の要求をかなえるために強力に来年度を目がけてやっていくという決意で指示をしておられると思うが、その辺について大臣の口からまず農民に明らかにしてもらいたいと思います。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 今後の総合農政を進めてまいりますために、いろいろの施策が総合的に進められなければなりません。  しかし、その中でも、まず第一の価格の問題につきましては、米価との対比において相対価格を是正するということが第一でございます。  それから第二の問題は、やはり構造対策を進めてまいる、これが第二の柱でございます。  第三の点は、食管の需給の関係をにらみ合わせながらこれを適正に運用するという問題でございます。  それからさらに、米の消費拡大を、国民の皆さんの御理解と御協力によって図っていく。  こういう点が、米をめぐる問題としての今後の対策として私は重要である、このように考えております。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 時間の制約の中での論議でございますので、細部にわたってはできませんけれども、たとえば、米の過剰であるということから水田総合利用の政策を推進するとか、作付の転換とか、いろいろおっしゃる。たくさん例がございます。私は先日の大会でもいろいろ申し上げましたけれども、一つは、生産調整で東北等で行われましたサクランボの問題についても、せっかく農家が生産調整によって転作をしたサクランボを、ちょうどいまからというときに、今度は輸入拡大ということで農家に大打撃を与える。また、西日本においては、ミカンによって生産を上げて、ようやくというときになりますと、今度はグレープフルーツということで、昭和四十五年を基準にしますと、現在は百四十六万トンの輸入をされておるということで、六十五倍の倍率になっております。もちろんグレープフルーツは昭和四十六年から自由化されておりますけれども、こういったように、因にしても輸入されるというようなことで、次々に農民にしわ寄せが来る。こういったことでは農民もやるせない。  それで、そういったことも踏まえて十分検討されると思うが、農家はそういうふうに米一辺倒でなくて他の作物に何とか依存をし、そして転作をし、努力しようと思っても、せっかく政府の指導どおりにやっていこうとすれば、そういうふうに結局輸入拡大等によって相当な打撃を受けるということになる。こういったことを繰り返していては困るのです。大臣もいつまでまた務められるかわからぬけれども、私は、こういったことについて大蔵省なんかからああいうことを言われないように、もっと真剣に取り組んでもらいたい。予算についても、いままで毎年、いわゆる一五%増とかで、前年対比、役人は必ず前年対比というようなことをやりますが、そういったことではけしからぬ。農業については大蔵省に、もっと主計官にも強力に交渉して、農民の生産、国民の食糧を維持するために農業の実情を真剣に訴えて、米価についても、ただ一発勝負でなくて、大臣が何回も交渉されて、そして農民の実情を訴え、予算の獲得も年平均一五%でなく、いままでは国家予算の一割だったのが最近は一割以下に後退しております。一割五分も二割も取って、食管赤字の分は赤字の分として余分に取って、農業を推進するように強力な対大蔵折衝をやってもらわないと困るのです。坊大蔵大臣も、きのう言いましたけれども、ぼうっとしているだけでは困るのです。しっかりやってもらいたいのです。大臣の決意を伺いたい。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 先ほど来るる申し上げておりますように、総合的な自給力を高める、これが農政の基本である、そういうような観点から、今後ぜひつくっていただきたい作目については、価格の面あるいは構造政策の面、生産対策の面、そういう点で力を入れてまいるということを申し上げた次第でございます。そのために、自給力向上の努力に水をさすような外国からの農畜産物の安易な輸入は断じてしない。これもはっきり申し上げておるところでございます。  なお、予算の問題につきましては、今後とも一層の努力を傾けてまいりたいと考えております。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 大臣、私もどうしても聞いておかねばなりませんが、昨日、米価審議会が始まる十時ちょっと前に、農林省三番分庁で農林大臣に申し入れをした際に、農林大臣は、正姿勢を貫いて今回の米価に対しては諮問をした、また今後それを貫いていきたいということでいろいろと申されました。また、過日の決算委員会でもいろいろと答弁をされておられますが、その中で私は、今回の諮問に当たって、三十五年以来五種類の評価方法を採用しております。政府も三十八年から四十五年まで採用しておりますけれども、いわゆる製造業、五人以上の規模の全国平均、こういったことをあくまでも五人以上千人以下でやっておりますが、こういった製造業に対しては、五人以上、これはもう上は青天井にすべきだということはかねがね申しておるのです。これに対して、大臣として、いわゆる農民の父として、本当にこういった問題については強力に検討していただきたい、かように思う。  それから、生産性の向上メリットについては、機械化等により年々減少している労働時間、これは減少すればするほど現在の生産費方式では不利になる。農業でありまして、他の生産構造と違いまして、一年に何回も米はできないのです。また、冷害があったり災害があると、一年はほとんど米を食べることができない、買って食べなければならぬという、こういった特殊性がございます。他の製造であれば、失敗したら何回でも製造できますけれども、米は一部の二期作を除いて、一年一作です。そういった意味で、この生産性向上メリットについては、機械化等によって年々減少している労働時間、こういったものは農家に還元すべきだ、こういったことを大臣としても強力に大蔵省折衝に当たっても述べて、農民のためにがんばってもらいたいと私は思うのです。  もう一つは、企画管理労働費、これも何回も言ってきていることでありますけれども、直接田植えするばかりが米づくりの労働でないことは当然御存じのことであります。米づくりの計画やら共同作業の打ち合わせ、研修会の時間、これらはみんな米をつくるために欠くことのできないいわゆる労働時間です。他の産業でもこういったものは当然労働時間に入っているわけですから、農家だけ米をつくる時間だけに限定するということは酷じゃありませんか。こういったことを大蔵省によく認識させてもらわなければ困る。きょうは主計官も来ておられるから、よく聞いてもらいたい。大臣もよく知っておられると思うが、よく理解をしてもらいたいと思う。  それからもう一つは、資本利子、これについても金が動けば利子がつきまとうということは当然です。利子のつかない金を借りるということはよほどのことでなければないのです。そういったことから、現在、借り入れ資本と自己資本を三対七、三〇%、七〇%、こういった割合として、利率をいわゆる間違えているけれども、私は、これは会社借り入れ資本として農協の貸し出し金利で計算をすべきではないか、かように考えております。そういった点については大臣はどう思うか。  もう一つは地代、これも再三論議をされますけれども、今回の地代の計算を見ましても私はまことにけしからぬと思う。現在、統制小作料等現に適用しないものを適用しておられる。毎年ネコの目のように変わっている地代については、いろいろ学説もありますけれども、一番現実的なものは現に通用している小作料、それをそのまま置きかえるということが一番妥当なことであります。そういったことをどうして採用していただけないのか。  そういったことについて、もういろいろいままでわれわれも要請し、申し入れをして、一部聞いておりますけれども、公開の席で改めて農民のために明確にひとつ大臣から見解を述べていただきたい。農民のためにこういった問題については、今後、米価決定に当たっては最大の努力をして、農民の要求する米価をどうか実現すべく努力してもらいたい、こういった意味であえて申し上げる次第であります。お答えいただきたい。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 米価算定の諸要素につきまして、それぞれの項目を挙げてお話がございました。時間がありますれば一つ一つ詳細に私の見解を申し述べるところでございますが、いかがでしょうか、時間ちょうだいできますか。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 あなたが正姿勢、こういうように言われているから、こういったことについて正姿勢でないという意味で、正姿勢であるならばこういつたことを取り上げて大蔵省に折衝して、必ず農民要求の米価をかち取っていただけると、こう思ってわれわれは申し上げているのですから、その点を明確に言っていただきたい。どうです。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 私は、物差しが違う、米価算定の方式なり要素の取り上げ方が違うという点が瀬野さんと根本の食い違いがあるところでございまして、私どもは、先ほど来るる申し上げておるような算定方式に基づいてやりますと、的確に物財費並びに賃金は反映しているもの、こういうことを申し上げる次第でございます。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 時間も参ったようですが、最後に大臣にもう一点お伺いして、答弁を求めます。  昨日、米価審議会開会前の申し入れの際に、大臣は、現行の米価の決定方法に再検討を加え、生産者団体との事前協議を行うなど新しいルールを考えたいという趣旨のことを答弁されました。私たちはかねがねこういったことを常に言ってきましたが、こういったサル芝居みたいなことをやって米価審議会をやったのでは、いつまでたっても解決しない、そういう意味で、私たちは今回の米価要求を貫徹するために最後まで政府に要求してまいりますが、私は、この問題は、今後のこともあるので、この機会にはっきりとこの場で大臣から言質をとって今後のために備えたいという意味で、あえて申し上げます。  大臣は、算定方式、要素などどうするかについては米価シーズンのときだけではだめだ、こういったとき以外に十分時間をかけて方法というものを考えて検討すべきである、麦価も今年は新しい算定方式でやった——確かに麦価も、奨励金など基準麦価に入れる等一部変わりました。そういった意味で、国民的コンセンサスを得られるように算定方式をつくりたい、そうして考えたいということをずいぶん決意をしておられました。私は、このことについては、今回のいわゆる米審に当たって、今回の二・五%諮問は不満であるけれども、こういったことを将来のために大臣が本当に誠意を持って答えられた、きのうの米審、十時から開会の前の私たちの申し入れに対して言われたことについては一つの大きな前進である、農民のためにこれは五野党が共闘してやった成果の一つであった、よかったと、こういって私は心ひそかに喜んだものでありますけれども、この席でどうか、最後でございますけれども、抽象的ではなく具体的にこれについて大臣の明確な答えを出していただきたい。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 米価算定の方式並びにその算定のためにとる要素、これらの問題について農業団体や野党の皆さんと物差しが違うということが、いろいろ個々に議論がかみ合わなかったり、いろいろ御批判が出てくる問題でございます。  そこで、私はこういう米価シーズンというホットな時期でなしに、秋ごろには冷静な環境の中で、学問的にも科学的にも、また国民全体が納得するような米価算定の方式、それに取り上げる諸要素、そういう問題について十分検討をしていただいて、そうして新しい算定方式、国民の皆さんからも納得されるような算定方式を確立をして、それによって今後は皆さんから見ても、賃金なりあるいは物価なりあるいは金利なり、いろいろな諸要素が間違いなく反映しておるようにこの米価というものが決まっていく。そういうことで、大ぜい何万人という農民の方々がお忙しい中を集まってくる必要がないように、そういうぐあいにやっていきたいものだ。これは、私の在任中に必ずそういうようなことをやってまいりたい、こう考えております。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 大臣の決意を聞きまして、質問を終わります。

金子岩三自由民主党

○金子委員長 稲富稜人君。

稲富稜人民社党

○稲富委員 私は、与えられた時間がわずか十五分でございますので、ただ二点にしばりまして要点を簡潔に申し上げまして、お尋ねいたしたいと思うのであります。  まず第一にお尋ねいたしたいと思いますことは、これはただいま瀬野君からも御質問がありました問題でございますが、現行の米価決定方式を再検討すべきではないかという問題でございます。これは、私は数年前から毎年毎年繰り返してここで大臣に何回かの質問をし、希望した問題でございますが、またことしも重ねてこの問題をお尋ねしなければいけないということを私は実に残念に思っております。  御承知のとおり、十数年来やってまいりましたわが国の米価決定のやり方というものは、大臣もよく御承知のように、もう与党と政府との間にある程度の話が詰まって、これから逆算して米価審議会に諮問をする。そして、その答申を得た後に自民党と政府との間に米価を決定する、こういうようなやり方というものが従来やられている。これがために全国の農民が動員され、数十億の金を費やすというような米価の決定の仕方というものは非常にむだがあると私は思う。  そういう点から、数年来主張してまいっておりますのは、米価審議会の開かれる以前から、政府と農業者の代表との間においてあらゆる事情を持ち寄って、そして煮詰めて、その算定の基礎をこの点まで譲歩するか、この点まで持っていくか、こういうように煮詰めればいい。先刻も大臣は、しばしば会ったとおっしゃいますけれども、生産者代表の話を聞きますと、政府との間に話し合いはするけれども、政府は、貝の口を開かないように本当の腹を見せないから話にならないという、生産者の政府に対する不満が非常にあるわけです。もっと政府と生産者とが胸襟を開いて、そうして、いかにしたら妥当な米価が決定されるかという、こういうような話し合いをして、そこに案をつくって、それを米審に諮問をして、自民党が決定する、政府がこれを決定する、こういうような米価決定方式というものを検討して、将来むだがないような十分な改善をやる必要があるのではないか、こういうことを考えますので、これに対しまする大臣の御答弁をまずお願いしたい、かように考えます。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 私の考えを率直に申し上げますと、毎年毎年生産者代表と、米価算定の方式なり要素の取り方について話し合って決めるということよりも、やはり先般、麦価の新しい算定方式を米審にお諮りをして決めていただきまして、それに基づいて麦価を具体的に決定をしたわけでございますが、そういうような米価の算定方式、その取り上ぐべき要素、そういう点を客観的に、学問的に、科学的にこれをちゃんと積み上げまして、そして一つの算定のルールと申しますか、方程式をつくって、それに物財費その他賃金等々、金利とかそういうものの変動を的確に反映さしていくという方法をぜひとりたいものだ、このように考えておる次第でございます。

稲富稜人民社党

○稲富委員 時間がありませんから、もう反問いたしませんが、次にお尋ねしたい問題は、米価は御承知のとおり食管法に基づいて決定されるものでございます。本年度の米価決定では、私たちがこの諮問の内容等を見ますと、その食管法を、米価を上げないように解釈をしてやられたというような感が深いのでございます。何だか安くするために、あるいは労働費の問題であるとか物財費の問題であるとか、なるたけ安く見て算定したというような、こういう感さえ深くするのでございまして、こういう点は、われわれがこの諮問米価に対して一番不満を持つ大きな原因であるのでございます。  ここで私が申し上げますのは、要するに米価は食管法に基づいて決定されるものでございますが、この食管法に対しての考え方というものを、政府は自分の非常に都合のいいように解釈をされていらっしゃるのではないかと思うのでございます。大蔵省も見えておりますので、特にこの問題は大蔵省の御答弁を得たいと思いますので、聞いておいていただきたいと思いますが、大蔵省は先刻、神田君の質問に対しまして、米の全量買い上げをやらぬことは食管法の精神から差し支えないのだ、こういうことを言われたということを聞くのでございますが、御承知のとおり、食管法が成立しました昭和十七年の一月の二十三日、そのときの農林大臣、井野農林大臣は、この食管法の立法の精神をこう物語っております。「本法律案提出ノ理由ハ三ツノ点ニ帰スルノデアリマス、」一つは、「農山漁村ノ健全ナル発達ノ上カラ見マシテモ、此ノ管理制度ヲ一層強化シ、農民ガ安ンジテ増産ニ邁進シ得ルヤウ、生産セラレタル米麦ハ必ズ政府ガ之ヲ買上グルト云フ体制ヲ明カニスルコトガ緊要デアルト信ズルノデアリマス」ということを提案理由の説明に井野農林大臣は説明をいたしておるのであります。第二は配給機構の問題でございます。第三の問題は食糧の貯蔵をやることによって、「何時如何ナル緊急ノ場合ニ於キマシテモ、万遺憾ナキヲ期セントスルモノデアリマス、」これがこの食管法を提案した理由であるということを明らかにいたしておるのでございます。  私はこれから見まして、その後この食管法というものはしばしば改正があっておりますけれども、この基本的な改正をやっておりません。それで、やはり全量買い上げるというのが食管法を提案されたときの農林大臣の説明であったということ、すなわち全部買い上げるということをはっきり言ってあるわけなんです。これを政府がわざわざ全量買い上げはやらないでもいいんだ、こういうようなことを言うということは、いわゆる食管法の提案されたその基本的な考え方に非常に反したことを解釈しているんだ、かように考えるわけでございます。  さらにまた、米価を決定するに当たりましても、私は、政府が非常に曲解というか都合のいい解釈をしていらっしゃると思いますことは、すなわち食糧管理法の第三条には「政府ノ買入ノ価格ハ政令ノ定ムル所ニ依リ生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」すなわち、この食管法の主たる目的というものは、米穀の再生産を確保するということが食管法の大体の立法の精神であるということを明らかに物語っている。  ところが今回、本年度の米価を決定するに当たりまして、大蔵省におきましては、どうも過剰米がたくさんある、あるいは食管特別会計の赤字が非常にふえている、こういう点から本年度の米価は安くしよう、こういうような考え方を持っていらっしゃったということを聞くのです。これに対して、農林大臣はやはり農林省の立場から、大蔵省の考え方に対して相当に反論をされたようにも私たちは承っておるのでございます。私は、この法律の第三条に定めてある「物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ」ということは、これは米穀の再生産を確保するための条件であらなければいけない、かように考える。ただ、過剰米があるがゆえに生産費を上げないということ、食管特別会計の赤字が非常に増大しておるがゆえに生産者米価を上げないということ、これは政府が余りにも自分の都合のいいような一方的な解釈からそういうことをなされているものだ、かようにわれわれは考えざるを得ないのです。これは非常に間違いである。食糧対策の上から言って、何と申し上げましても農業というものは生産第一主義でなければいけない。  しかも、今日、過剰米ができたということは農民のせいじゃないのですよ。政府がたくさんの外麦を輸入している、食糧を輸入する、こういうようなことも過剰米ができた大きな原因であることは、政府みずからが知っておられなくちゃいけないと私は思うのです。ところが、過剰米があるから生産費を上げられないというような解釈というものは、私は、食管法の第三条の内容というものを政府が全くみずから都合のいいように解釈しておるゆえんである、こう言わなければいけないと思うのでございます。こういう点のことは政府も十分反省の上に立って、やはり食糧管理法の精神に基づいて、すなわち再生産を確保することを旨として生産者米価を決めるべきである。  しかも、消費者米価というものは、第四条において「消費者ノ家計ヲ安定セシムルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」ということになっている。そうしますと、二重価格制度になるということは当然である。そうして、ここに食管特別会計の赤字が生ずることも当然である。しかし、これは政治の基本である。生産者もよくなるような、消費者も立ち行くような、両方が成り立つような政治の基本的な考え方からこういうような施策は行われているんだから、食管特別会計の赤字というものを、ただ米価の問題でこれを解消しようというような考え方そのこと自体が間違いであって、高度の政治的な問題としてこの問題は取り組むべきものである、かように考えております。  それで、私たちは、この食管法というものをわざわざ曲解せぬで、素直に解釈して、そして米価というものに対しては農民が十分納得のいくような、再生産を確保することのできるような米価決定をすることが当然であるし、諮問もまたそういう立場からやるべきである、かように考えておるわけでございますが、これに対する農林大臣並びに大蔵省の御意見も承りたいと思うのであります。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 食管法の立場から、生産者米価並びに消費者米価、このあり方についての基本的な考えはどうか、こういうことでございますが、政府としては、食管法の根幹はこれをあくまで堅持していくという立場をとっておりまして、食管法の命ずるところによりまして生産農民の皆さんの再生産を確保する、また消費者の皆さんについては家計、物価等の動向を見まして、その生活の安定を図る、こういう観点に立って、生産者米価並びに消費者米価を決めておるわけでございまして、こういうような大変な過剰基調の中でありますけれども、私は先ほど来申し上げておりますように、再生産を確保するために物価、賃金等の値上がりは正しくこれを反映せしむるという方針をとったわけでございます。

古橋源六郎大蔵省主計局主計官

○古橋説明員 お答えいたします。  私どもも、農産物の総合的な自給力向上ということにつきましては人一倍関心を持ち、それに対して熱心であることは、ひとつ先生御了承をいただきたいと思います。  しかし、現在、米が過剰であり、それを需要者が食べないという事態については、これを深刻に受けとめなければならない。したがって、総合的な自給力向上ということを確保する必要がある、そのための具体的な方法論いかんということでわれわれは議論をしているわけでございます。  そこで、先ほどの食管法の関係でございますけれども、食管法の第一条の目的は、「本法ハ国民食糧ノ確保及国民経済ノ安定ヲ図ル為食糧ヲ管理シ其ノ需給及価格ノ調整並ニ配給ノ統制ヲ行フコトヲ目的トス」というふうに書いてございまして、政府の買い入れというものは、この目的を達成するために必要な範囲内における買い入れであるというふうに考えております。この点が先生の御意見と違うところだと思います。  さらにまた、第三条におきまして、「物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」というときの「米穀」というものは、国民の必要とする米穀の再生産を確保するということでございます。したがいまして、「経済事情」の中には、食糧の需給関係が入るというふうに考えております。

稲富稜人民社党

○稲富委員 いま大蔵省の御答弁を聞きますと、食管法というものに一つも違反していないんだ、実に勝手にこう言っていらっしゃる。私は、これが提案されたときの、当時の提案者である農林大臣の国会の本会議における提案理由の説明を申し上げた。この提案理由の説明の中で、いま申しますように、「生産セラレタル米麦ハ必ズ政府ガ之ヲ買上グルト云フ体制ヲ明カニスルコト」であるということを、提案者がはっきり述べているわけなんですよ。  それで、いままで農民は全部政府にこれを売らなければならないということになっておる。御承知のごとく、かつて農民が生産したところの米の横流しをやって、そして食管法違反として処罰された人間がどのくらいおるか。八十数万人おるのですよ。八十数万人の人間は食管法違反として、政府に米を売らなかったということで罰せられておるのです。それで、政府は、今度は都合の悪いときには、これを買い上げない。昔の悪代官でもこういうことはやらないのですよ。こういうことを平気で国会の場において政府が答弁するということは、農民に対して本当に血も涙もない考え方じゃないか、かように考えなければいけないと私は思うのです。  ここで、私は農林大臣に言いたい。農林大臣は、何と申し上げましても、農民の父であり、農民の母なんです。日本の農業を発展せしめ、農民が生産に挺身し、しこうして農民が国民に食糧の安定供給をするという重大なる使命を果たさせることが、すなわち農林大臣の任務であるということを考えなければいけない。その上に立って農林大臣は農政をやらなければいけないのでございます。農林大臣はその気持ちであっても、ときに、いま申しましたように、横から大蔵省あたりが自分たちの金の勘定から勝手な解釈をして、そして農林省の農政に対して、この前進の姿にとどめを刺すようなことをするということは、これは大蔵省の考え方も非常に間違っている。これは大蔵省としても十分反省をしてもらいたい。私は、いま申しましたように、これが第一条だなんて第一条の説明をなさったけれども、これは立法者の説明を私は申し上げているわけなんですから、この点のことを明らかにしてもらいたい、かように考えるわけでございます。  時間がありませんので、私のいまの質問に対しましてひとつ大臣並びに大蔵省の所感をお聞きいたしまして、そうして私の質問を終わることにいたします。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 先ほど申し上げましたように、政府としてはこの食管法というものを堅持してまいるということは、先ほど明確に申し上げたところでございます。  ただ、四十四年以来、御承知のように、自主流通米制度も導入をいたしました。そういうようなことで、政府の責任で生産者並びに消費者の立場を考えて、この主食であるお米の管理並びに流通の問題が十分確保されるようにという観点で運用しておるわけでございまして、私はいま政府がとっておりますやり方というものは食管法から逸脱しておるものとは考えておりません。  なお、今年度の米価につきましては、先ほど来申し上げるように、再生産を確保することを旨としてという精神を踏まえて農林省としては米価を決定をした、こういうことでございます。

古橋源六郎大蔵省主計局主計官

○古橋説明員 先ほど私が答弁いたしました事項につきましては、昭和四十六年の買い入れ限度数量を決定いたしました際にいろいろと御議論をいただきましたところでございまして、その際、内閣といたしましてそういう見解で統一したわけでございます。

稲富稜人民社党

○稲富委員 どうも大蔵省の答弁にも不満でございます。  農林大臣は米の再生産を確保するために大いにがんばってくださるそうでございますので、本年度の米価に対しましては特にその意を強くして、ひとつぜひ農民の期待に反しないような米価を決定していただきたいということを最後にお願いを申し上げまして、私の質問を終わることにいたします。

金子岩三自由民主党

○金子委員長 津川武一君。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 私の時間というのはたった十分なんです。そこで、三つを最初に申し上げて、答弁をいただきます。  一つは、大変農民の怒るような諮問を出して、その後、農民のいろいろな状況を見て、農林大臣、しまったと思っているんじゃないのか、何とかしてあげなきゃならないんじゃないかなと思っているんじゃないかと思うのですが、この点、虚心坦懐に一言まず答えていただきます。

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 私は、先ほど来るる申し上げておりますように、こういうお米の過剰基調の中ではございますけれども、やはり物財費並びに賃金等の値上がりというものはこれを的確に反映させる必要がある、こういうことで努力をしてまいったわけでございまして、新聞の論説その他を見ておりましても、おおむね妥当な、これは消費者も含め、一般国民をも含めて、この際の政府の姿勢としては正しいやり方ではないか、こういう評価もあるようでございまして、私は、この物財費、賃金の値上がり分を米価に反映せしむるという基本線を守ったということについては、農林大臣として当然のことであった、このように考えております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 五人以上千人をとった労働賃金です。四十二年以来の高度経済成長、大臣、どのくらい企業の経営規模が拡大したか、拡大される大企業の労働者の賃金がどれほどよくなったか、このことを見忘れているんじゃないか。本当に農業基本法の言うとおり、勤労者の所得、労働者の所得と農民の所得を差をなくしようというなら、ここのところに大きな配慮を加えなければならない。今度は、経済成長が減速していても、依然として大企業はかなり労働者の待遇がいい、こういう部分がうんと多くなっている。これにこたえるとすれば、あなたはやはり農民にこたえていく道は、ここのところを虚心坦懐に考える、これが米審に行ってても、また答申を聞いた後の米価決定においても、農民の要求にこたえる一つの重要な手段だと思うのです。これをあえてあなたに宝物として持たして米審に帰してやる、決定するときの手段にしていただきたい。これが一つ。  第二番目には、ことし九十万トン生産調整でしょう。農林省自身も間違ったと言っている、しまったと言っている。九十万トン調整は誤った、甘かった、もっと正確に言うならば百五十万トンぐらいの生産調整でなければならなかったと言っている。だが、現実に生産は進んでいる。出来秋は過剰米。その点で、農林省のあの転作態度が間違ったために、ことしほど深刻に過剰米が出てくることはありません。したがって、この過剰米は挙げて政府の責任であるので、これに対して適確に全量買い上げてやる。買い入れ制限ということで、自民党さん、政府は、頑強に抵抗しているけれども、ことしは自分の農政を自分の責任において刈り取るという意味において、ここのところはやらなきゃらないと思います。これが第二点。     〔委員長退席、菅波委員長代理着席〕  第三点、お米が余るので何とかしなければならぬ、これはわれわれも考えます。ところで、政府が四十五年度から五十一年まで出した水田総合利用、生産調整、稲転のために使ったお金一兆二千八十億九千万円。四十七年は二千万、四十八年も二千万、四十九年も。こうなってくると、このお金が一体何を意味しておったか。このお金が目的を達しているかというと、さにあらず、水田耕作面積は四十八年からふえております。お米の生産量は、生産調整をしている最中にふえております。これは一体何でか、一兆円というお金を何のために使ったのか。したがって、私は農業政策、生産調整の政策の誤りをここに端的に見るわけ。したがって、余った米、このままではよくない。したがって、そのためには、外麦の輸入も抑える、米の消費もふやすと同時に、お米以外でも農民が喜んで転換できるような価格保証。あの個人や改良区がやっていく排水乾田の土地改良事業、うんとおくれている。ここのところを中心に土地改良をやるとまた転作できていく、こういう形のものをやっていかなければならぬ。  今度は、第二種兼業農家、この人たちはなぜやるか。この人たちの米作はふえている。これは技術が進歩したから。したがって、この人たちは別なものに転換しようと思っても、これはこれで稲作があるから複合農業ができているし、兼業できて、農業生活ができている。この人たちにもこたえられるような稲転政策をやらないと……。  したがって、現状に照らしていくと、いままでの皆さんのお米に対する考え方を、稲転を根本的に改めて、農民が安心してできるように、京都でやったみたいな生産調整や、京都でやったみたいな農作物の価格保証というものはやらなければならないと思う。  この三点について、時間がないので、答えていただきます。     〔菅波委員長代理退席、委員長着席〕

鈴木善幸自由民主党農林大臣

○鈴木国務大臣 津川さんにお答えをいたします。  この家族労働の評価がえに当たって、私どもは、都市均衡の評価がえをやろう、その際に五人以上千人未満ということをとりました。中小企業の賃金をとったのではないか、大企業の賃金も入れたものをとるべきではないか、こういうような御趣旨でございます。しかし、この九百九十九人というのは、事業所単位でとっておるわけでございます。なるほど新日鉄であるとかあるいは大造船所であるとかいうものは、青天井でございませんから入っておりませんけれども、それには松下電器もあるいはソニーも、事業所が九百九十九人以下のものは全部入っておるわけでございます。でありますから、大企業の賃金、ベースアップ分も大部分入っておる。これが中小企業でありますれば資本金一億円以下、従業員三百人以下、こういうことになりますけれども、ソニーであろうと松下であろうと、九百九十九人以下の事業所、これは全部入っておるというようなことで、私は稲作農家の評価がえとしては国民的なコンセンサスを得られるものである、このように考えております。  なお、第二の問題は、いま予約限度数量というものを決めまして、そして、ずっとこれを県から市町村、農業団体、耕作農民の皆さんの御理解を得ながらやっておるわけでございます。したがいまして、その予約限度数量のものにつきましては政府も責任を持ってこれを全量買い上げをする。しかし、そうでない、たとえば去年からことしにかけて一万七千ヘクタールも自己開田がなされておる、そういうものまで政府で全量買い上げろ、こう申されましても、そういうようなことはまじめに生産調整、転換をやっていただいておる方々に対しても納得がいかないことである。そういうようなことで、予約限度数量を基本としましてこれをやってまいる考えには変わりがございません。  それから、いまの転作の推進、これは確かに五十一年度は目標を十分達成することができませんでした。また、今年度も九十万トンに見合うところの転作をお願いをしておるというところでございますが、これは政府としては、転作が進みやすいような米と他の作目との相対価格の改善の問題、あるいは構造対策の問題、あるいは生産対策としての奨励措置、そういうようなものを総合的にやりまして、そういう条件、環境を整備して転作を進めるように政府は努力をする、また政府だけでできる問題でございませんから、生産農民の皆さんの御協力、御理解を願ってこれを進めてまいりたい、このように考えておる次第でございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 時間が来ましたという通告書が入りましたから、これで終わりますが、大臣、大企業の実際の千人以上の事業所別は、ぼくらも資料を出すから出してもらって、本当にその対照をやってみて——これでは私は承知できません。ぐんぐん大企業のやつがふえていって、農民だけに不当に安い所得を押しつけているということを指摘しておく。  第二番目には、ことしの生産調整です。反収を少なく見積もって九十万トンでやってきた。この点から明らかに過剰米が出るので、責任は一切政府にありますので、この次も改めて事実をもって政府とまた新たにやり合うということを予告しておいて、質問を終わります。

金子岩三自由民主党

○金子委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後四時二十五分休憩      ————◇————−     午後五時三十二分開議

金子岩三自由民主党

○金子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  本日は、これにて散会いたします。     午後五時三十三分散会

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