農林水産委員会 第29号
- 発言数
- 253 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1977/05/25
会議録
○金子委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農用地開発公団法の一部を改正する法律案について、本日、農用地開発公団理事長大和田啓気君を参考人として出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○金子委員長 農用地開発公団法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します、松沢俊昭君。
○松沢(俊)委員 この法律案は畜産を振興するところの農用地開発公団、その公団がさらに干拓地にも手を広げて振興していこうということが一つと、それからもう一つは八郎潟の債権債務の処理をここでやろう、こういう二つの内容を持った法律案であろうと思うのでありますが、私は率直にお聞きしますけれども、畜産の振興というのはこれからも力を入れていかなければならないと思っております。しかし、干拓地を畜産の生産地として利用するということは大変無理な面があるような気がするわけなんであります。そういう点で、オランダなんかの干拓地を農業用に使う場合においては一体どのくらいの時間をかけて物にしていくのか、そういう点おわかりであったならばお聞かせを願いたいと思うわけであります。
○森(整)政府委員 私、詳細は承知しておりませんけれども、オランダあたりの干拓というのは相当な年代をかけて、それから後に農地化を行うという非常に遠大な計画を持ってやっておるというふうに承知をいたしております。
○松沢(俊)委員 私、考えまするに、畜産振興はいいのですけれども、もともといま公団の方でやっていこうとするその地区というのは、畜産をやろうということで干拓をやったのではなしに、やはり米の生産というものに焦点を置きながら干拓をやってこられたんじゃないか、こんなぐあいに考えるわけなんであります。それが米の生産過剰という状態に入ったために、米がつくれない、こうなれば、それならば畜産をした方がいいじゃないか、こういう拙速主義からこれを編入しようとしているというような気がしてならぬわけなんでありまするが、この辺の事情は一体どうなっているわけなんですか。
○森(整)政府委員 現在やっております干拓地はおおむね——おおむねというよりほとんどと思いますが、四十五年の開田抑制以前に計画されたものでございまして、当然当時の事情から米づくりというものを前提にして計画が始まった。ただ、四十五年の開田抑制以来全面的に農政の転換があったわけでございまして、その場合にその干拓地をどうするかということで、畑地化を考えるという場合にはそれは継続して事業を認めよう、こういうことで当時振り分けが行われたわけでございます。たとえて言いますと、印旛沼の干拓のごときは当時もうほとんどでき上がっておったということで、これは米づくりでよろしいということにし、福島潟みたいなところはまだ干陸しておりませんでしたから、そのときには畑地化の計画に変更をされた、そういう経過を持っておることは事実でございます。ただ、干拓地が米づくりでなければならないということではないと私どもは思っておるわけでございます。むしろ今後の米全体の問題を考えた場合に、今後の農地の造成なり、あるいは圃場整備にいたしましても、すべて耕地の汎用化ということを重点にわれわれは施策をしておるというふうにひとつ御理解をいただきたいと思います。
○松沢(俊)委員 農業というのは気象だとか、あるいはまた土質だとか、あるいは地形だとか、そういう自然条件というものを十分に配慮しながら適地適作という方向で進んでいかないと私は発展しないと思うわけであります。要するにそういう立場に立ってこの三つの地区を公団の事業の中に繰り入れるという場合、本当にそういう立地条件というものがあるのかどうか、そういう点の具体的な調査というのが行われたと私は思うのですけれども、行われたとしたならば、これは畜産として適地であるというはっきりした証拠のようなものはございますか。
○森(整)政府委員 今回の法律の措置によりまして、公団で干拓地の畜産施設の造成ができるいうことに相なっておるわけでございますが、その予定地という意味で三地区を挙げられた。恐らく河北潟と笠岡と中海であろうというふうに思います。そこで、いまわれわれが一応対象として考えておるというふうな意味で挙げたわけでございますけれども、ここにつきましては現在の段階で主として酪農が可能な社会経済的な条件を備えておるのではないかという一応の判断をしておるということで、その具体的な地域につきまして果たしてその適用が可能かどうかということにつきましては今後の調査を待たなければ——結論はまだ出しておらないわけでございますが、一般的に申しまして酪農の場合、大規模な施設が、いわゆる上物と称する施設が必要でございます。それから、いろいろ長期に投資をいたしますと非常に利息もかかってくる。短期間で仕上げるという必要があろう。それからやはりまとまった団地づくりというのが必要でございますので、これらを計画的、総合的に実施するということから言いますと、今回の農用地開発公団の事業の対象地域にするというのが妥当ではないか、そういう趣旨で今回の措置をとったわけでございます。 たとえて言いますと、これはまだ厳密な調査をしたわけではございませんけれども、河北潟あたりでは実際にもう金沢の都市酪農が追い立てを食っておりまして、その行き先に非常に困っておるという事情がございます。それからもう一つ。御承知のように、あそこに内灘の例の砂丘におきます蔬菜ですね、これは相当有力な産地になっておるわけでございまして、蔬菜と畜産の結びつきというのは非常に重要な課題として、現在地域複合というような形でいろいろ政策が進められておる。そういうような社会的な、いろいろな経済的な条件、そういうものがあの河北潟にはあるわけでございます。今後県の申し出を待ちまして、われわれとしてもさらに具体的な検討をした上で、しっかりしたものにした上で、事業をする場合には着手してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○松沢(俊)委員 これは建て売り方式でおやりになるということになっておるわけなんでありますが、条件整備を完全なものにするまでには相当時間がかかると思います。そこで、何年ぐらいかけて完全なものにするという計画であるか、その点をお伺いしたいと思うのであります。
○森(整)政府委員 公団が事業をやる場合は大体干陸が終わった後からやるということで、圃場整備とその上の施設整備をあわせて一体的に実施していくということでございますから、早ければ三年あるいは五年、常識的にはその程度の期間があれば、地域の広さにもよりますし、規模にもよりましょうが、八郎潟みたいな大きな干拓ではございませんから、そう長い期間を必要とするとは考えておりません。
○松沢(俊)委員 これは建て売りなんでありまするから、それが完全でなければ希望者というものも出てこないということになるわけでありますから、そういう点で、何か米が余るからそっちを畜産にするというような簡単な考え方でなしに、やはり畜産をやるのであるならばやるなりの条件整備を完全なものにして、完成をしてもらいたいという希望を申し上げておきます。 次に、八郎潟の問題でありますが、八郎潟の事業団というのが今度この公団に吸収をされる、そうして八郎潟はことしの三月末で工事は完了した、要するにこういうお話でございましたので、私もその現地に行っていろいろ見せてもらったり話を聞かせてもらったりしてまいったわけなんでありますが、しかし、私が見た範囲におきましては、完全なものになった、完了した、こういうふうに政府の方では言っておられるわけでありますけれども、どうも行ってみますと、草一本も生えていないような場所も実はありました。そういう点で、完成をしたというふうには見受けられなかったわけであります。今度事業団が解散をして公団に移るということになれば、いわゆるその債権債務だけの業務を公団の方でやって、工事の方はもうこれで終わったんだから、それは今度やるということになれば大型の土地改良区をそのものがやればいいことなんじゃないかというようなお話になるわけなんでありまして、そうなると大変希望を持ってあそこへ入植した人たちに対して大きな失望を与えるというだけでなしに、やはり農業経営上においても重大な支障を来すということに私はなると思います。そういう点で事業団から公団に移るまでの間、この間において直すべきものは直し、そうして手を加えて完全なものにしてやるという気持ちがあってしかるべきなんではないか、こんなぐあいに考えますが、その完了をした、しないという議論はさておきまして、本当に政府の考えているように、農業の適地としてそれを農家に譲り渡したのだ、こういうぐあいにお考えになっているのかどうか、その点お伺いしたいと思うわけであります。
○森(整)政府委員 先生御承知のように、事業団がことしの三月三十一日をもって一応工事の完了をしたということでございますが、四十九年から五十一年にかけまして約六億五千万円の補修、改修工事をやっておるわけでございます。で、いろいろ最近御指摘を受けましたような砂地盤問題、砂地圃場と旧集落用地につきましての砂地盤問題につきましていろいろ私どもも検討をいたしてまいったわけでございますが、御指摘のように、砂地圃場の一部に小麦など生育が非常に劣る圃場が見られることは事実でございます。いろいろ私も現地を見てまいりましたけれども、これはやはり試験場その他いろいろな方々の御意見によりましても帰するところはどうも一つになるわけでございまして、結局ヘドロ地盤と砂地盤、ヘドロ地盤がほとんどでございますが、砂地盤にヘドロをいろいろ投入したということで、結局十分な混和なり風化が行われておらない、そういう問題が大きく影響しているように判断いたしておるわけでございます。極端なことを言いますと、ヘドロが急速に乾燥する過程で、ヘドロに含まれております硫化物が酸化して非常に強い強酸性の状態を呈する。一時的でございますが、ともかくそういうときに畑地、ことに小麦の作付をやるということにぶつかりますと非常に影響が出てまいる、基本的にだめになる、こういうような問題があるようでございます。これはいろいろ試験場も実際に入って土壌調査をやってみた結果でも、もう一枚一枚極端に違っておるわけでございます。もちろん湿地、水が抜けないというところ、それから塩害が若干出るというところ、それから強酸性、大きく分ければそういうことだと思うのでございますが、これは結局ちょっと時間をかけませんと土壌の変化、熟化といいますか、そういうものを基本的には期待せざるを得ないというふうに判断をいたしておるわけでございます。しかし先生御指摘のようにみんな平等——平等といいますか、できるだけ公平といいますか、条件が整っていた、えこひいきといいますか、事業団といたしましても圃場の配分等についていろいろ努力したわけでございますけれども、どうしてもそういう面が残ることもこれは否定できません。そこで、次のような方策をとって、あと県に指導をお願いするということにいたしたいと考えておるわけでございます。 一つは大潟村にすでに大潟の農業試験場の支場がございますが、これが生育の劣る砂地盤を中心に土壌調査を行いまして、県の普及所、いわゆる昭和普及所によりまして、作物の選定なり資材、肥料の施用、簡単に言えば炭カルをどのくらい入れろというようなことでございますが、そういうようなことを圃場ごとに決めまして営農指導を行うというのが一つでございます。このいろいろな試験場の処置につきましても半額の助成措置がすでに講ぜられております。 それから次に、生育の劣る圃場につきましては、畑作安定特別対策事業というのがございまして、これを若干やり方を工夫いたしまして、圃場改善にも役立つような効果をねらいながら、県の指導によって各圃場の整備を行っていくということでございます。 それから、そうした後で結局一枚一枚違うわけですから、その全体の推移を見ましてさらに土地改良あるいは客土なり暗渠排水事業を興すという必要があれば、県ともよく事前に私どももすでに相談をしておりまして、八郎潟だけといいますか、入植者だけ差別しては困るよという意味でよく話し合いをしておりますから、県に御相談いただければわれわれとしても積極的に、結局国が助成をするわけでございますから、そういう形で全面的にバックアップをしてまいりたい、こういうようなことで一応当面の問題は対応してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○松沢(俊)委員 私の見た状況からしますと、やはり砂の層のところが、これが一番農民の皆さんは困っておられるようであります。それでお話をずっと聞いてきましたところが、中央干拓地の全農地の約二%、二百ヘクタールぐらい、大変困るところがあるんだ、こういう話でありまして、それは農民側から言わせるならば、ヘドロの客土は六センチの深さが欲しい、そのためにはもうあと五センチ補充してもらいたい、こういう話になっているわけなんです。それで、農林省の方としましても、必ずしも現在完全なものであるというふうには言っておられないわけなんでありますし、また、そのためのいろいろな手当も、いまお話を聞きますと、おやりになっておられますけれども、この五センチ客土をやるということになりますと、大変たくさんの容積が必要ということになるわけなんであります。したがって、一千万や二千万ではこれは解決できないのじゃないか、こんなぐあいに実は考えられるわけなんでありますが、そういう予算措置というものを、事業団を解散するまでの間におやりになるのかどうか、この点ひとつお聞かせを願いたい。 それからもう一つは、もともとここへ入植された人たちというのは、これは米をつくるという、日本におけるところのいわゆる稲作の機械化の大農経営、これがやはり農林省の方でも当初そういう計画を立てられたわけですから、要するにその大農経営に希望のある農家から選抜をされて、そして入植をされたということになるわけなんであります。したがって、農民の皆さんに聞きますと、畑というところにそもそも無理があるんだ、だから、これをたんぼにして稲をつくるということになればそれほどの無理というものはないのじゃないか、とりわけ去年の稲作の成績なんかも聞いてみますと、それなりの一定の成果も実は上がっているわけなんです。ですから私は、さっきから申し上げておりますように、やはり適地適作という方向で農業の政策を進めていく以外にないのじゃないか。確かに、いま米は余っているということになれば、畑に変えるという、そういう場所もあるはずなんであります。こういう場所をすぐストレートに、生産調整だからもう米はつくってはならないんだという考え方というのは、私はちょっとやぼな気がするわけなんであります。そういう点で、金がなかったならば、米にすれば何とかできるということなんでありますから、それならば、そこのところは特殊事情なんだからやむを得ないじゃないか、こういう方針を出して、この大潟村の農業の振興のために努力をされるというのが農林省の立場ということになると私は思いますが、その辺はどうお考えになるのですか。
○森(整)政府委員 御指摘の砂地盤のところは約百八十ヘクタールというふうに、集落用地とは別でございますが、思っておりますが、そのうち非常によくとれておるところもすでにあるわけでございます。問題の地域は、どこで区別するか、どこでランクを引くかということは、作柄からいって非常にむずかしい問題でございますけれども、いずれにいたしましても、あすこの圃場の整備に当たりましては、御承知のようにこれは米でございますけれども、収量の目標を定めまして、耕土深十五センチにつきまして粘土含有量二〇%ということで客土を施行したということでございます。実際はこれ以上上回っておるわけでございますが、問題は、いろいろむらが出ているということでございます。その点を何か補強する方策はないかということだと思いますが、先ほど私お答えいたしましたように、圃場一つ一つで非常に違っておるわけでございます。理想的に申せば、それは山土をむしろ客土した方がもう一発でできるわけでございます。これは非常に金がかかる。そこで生ヘドロをポンプで押し出した、そこにまたいろいろむらが出た、そこで今度はトラックを使いましてヘドロを入れたという経過があるわけでございますけれども、そういうことの経過はともかくといたしまして、すでに所有権は農民に移転をいたしておるわけでございます。それで、事業団がいろいろ予算を組みまして、どうしてもやりようがないというのが現在の実態でございます。したがいまして、先ほど申しましたような、変則ではございますが、また金額的には制約をされざるを得ませんけれども、この辺はむしろ農民負担なしの形で実質的な効果をねらえるのではないかという対応の措置として御説明をいたした次第でございます。 そこで、それができないなら米づくりでもやらせたらどうか、端的に言えばそういう御質問ではなかろうかというふうに思いますが、現在の八郎潟の田畑複合経営というのは、おおむね半分が水稲で、おおむね半分が大体小麦を中心としてあと野菜作等を考えるということに相なっておるわけでございますが、あそこの土壌からいろいろいままで事業団がやってまいりましたその中で、やはり徐々にあのヘドロを風化させていくということが基本的に重要な問題でございまして、そういう意味から言いますと、土壌の関係から申しましても、一例を申しますけれども、全部水稲でやるということは逆にマイナスの面がある。むしろ乾かしながら、それを回していきながら、だんだん土壌をよくしていくということが非常にいいことではないか。 それからもう一つ、労働力の配分から申しまして、あの十五ヘクタールをもし水稲でやる——むしろ十ヘクタールを十五ヘクタールに拡大をして田畑複合経営で半々、こういうことにしたわけでございますが、その点は労力配分、それからいまの土壌から言いまして、小麦というのは同じ機械を使いながらいろいろできる、また、播種の適期、収穫の適期、それと水稲と麦との違い、そういうことで労力のピークも非常に崩せる、いろんな効果が考えられた上で立てられている計画だと私どもは理解をしておるわけでございます。 もちろん、いまの砂地盤の圃場につきまして、水を張りまして水稲をやりまして、かき回しまして土壌の条件をよくしていくという方法は大きな一つの解決法であるということは間違いがございません。ですから、そういう問題につきましては、現在実質的には七・五プラス一割ということで水稲が行われているわけでございますが、その範囲のいろいろローテーションの組み方ということで対応していけるのではないか、また、それで十分ではなかろうかというふうに私は考えておるわけでございます。 将来、そういう耕地が熟化してまいりまして、さて、どういう形態にしていったらいいかということにつきましては、もちろんいろいろ技術条件も変わってまいりましょうから、水稲を全部やるということ、あるいはいろいろ回していくということ、いろんな考え方があろうかと思いますが、それは今後の課題ではなかろうかと私どもは考えておる次第でございます。
○松沢(俊)委員 入植者は一次から五次までということになっておるわけでありますが、入植者の農地の配分を見ますと、一次は五町歩ですね。それから二次が八町歩、それから三次、四次になりますと十町歩、こういうことになっているようであります。三次、四次は十町歩なんでありますが、これを全部たんぼ、稲で経営をさせようというそういう条件、状態の中で入植が行われたと思うわけであります。ところが、いまお話を聞きますと、八町六反は稲作になっておりますが、あと残った分というのは、当初の、言ってみますならばこれは契約だと思いますが、その契約が履行されないという状態に実はなっているのですが、そうなれば、水田が畑に実はかわったわけでありまするから、当然のことこれは転作の奨励金の対象になる土地ということになるのじゃないか、私はこんなぐあいに考えるわけなんであります。転作をやるということになりまするならば転作奨励金というのが出てくるわけなんでありますが、その転作奨励金というものを土壌改良のために使うということになれば、金額の面においても相当大幅な金額が使われるということになると私は思います。ところがこのところは稲転の奨励金というのが出ていないというふうに実は聞いているわけなんであります。当初の計画というものが水田であってその水田を畑作にかえなければならないということになればやはり奨励金は出ていいのじゃないか、こんなぐあいに思いますが、その点の御見解はどうでしょうか。
○森(整)政府委員 これはいろいろ経過はございますけれども、要するに当初は四次の入植までは結局皆さん十ヘクタールを選ばれて十ヘクタールの水稲作の経営として入ってきたわけでございます。そういうことでございますけれども、例の開田抑制問題にぶつかった。それで一時開田が中止されて入植も中断をしたという経過があるわけでございます。その中断中に、いろいろ議論がございまして、地元大潟村あるいは入植者の代表から、一−四次入植と五次入植との経営規模に差をつけないとか、既入植者の未配分地を追加して田畑輪換ということで一応そういう要望もあり、いろいろ検討を重ねた結果、田畑複合経営ということになりまして、四十八年に基本計画にそれが織り込まれてきたということでございます。 そこで、その後の取り扱いといたしまして、いまの例の転作の話があるわけでございますけれども、ただいまの基本計画自身は米と畑作おおむね半分ということで決められております関係から田畑輪換の圃場ということでとらえられておるわけでございまして、水田の総合利用の対策上は、一応七・五ヘクタールが水田であるというふうに扱っておる。実際はもう少し、いま八・六とおっしゃいましたけれども、その程度の水稲の作付が行われておりますが、これは基本計画に基づいていろいろ営農をやりますという契約になっております。そういう場合にそれは買い戻し等のそういう発動の対象にしないという了解として理解をしておるわけで、基本計画では半々ということになっておるわけでございますから、その十五ヘクタールのうちの半分七・五ヘクタールの水田をさらに畑作にするということでございますれば、それは当然水田総合利用の助成の対象にして差し支えない。逆に言いますと、八・六で水田総合利用の助成という話になりますと、ちょっと現在の扱いといたしましては、それは適用の対象にしないという扱いをいたしておるわけでございます。
○松沢(俊)委員 それは農林省の御都合だと思いますけれども、米をつくらせるということで入植させて、そして全部米ができないということになれば、水田のところに入植したという理屈になるんじゃないですか。それは八・六までは水田に認めるけれども、あとは認められない、こうなれば、これは稲転ということになるんじゃないですか。しかも、五次の入植をさせるまでには開田の抑制という問題がありまして、いろいろそこには問題があったわけです。それで、これも農林省の御都合によって、それじゃもう五町歩ずつくれるから、だから半々の田畑経営ということにいった方がいいじゃないか、こういうことなんでありまして、逆に言うならば、農林省の困っている面をその辺で入植農民が責任をとってくれたということも考えようによっては言えるわけなんであります。だから、金がなかなか出る場所がないということであれば、それは稲転なら稲転の金を出して、そして完全な土壌の整備改善、こういうものをやるという考え方を出してもいいんじゃないか、私はそう思うわけなんであります。そういう点は、大臣も来ておられますので、大臣の方から、それぐらいなことはやはりめんどう見てあげましょうという御答弁をいただきたいと思うわけなんであります。
○森(整)政府委員 先ほども私申しましたように、基本計画の変更の際に、いろんな議論を踏まえて、またそういう村当局あるいは入植者の意向も十分聞いて、追加配分を五ヘクタールする、その中でいろいろ田畑複合経営を行うということができ上がってきたわけでございます。これは何も一方的に——それはもちろん国の開田抑制政策との調和を図らなければならないという前提はございますけれども、話し合いの上で、先ほど私が申しましたように、いろいろ土壌の条件、いろんな問題から出されてきた話でもございますし、そういう形で個々の入植者とも一種のお約束、実際の契約もございますけれども、そういうことででき上がってきた話でございますから、私ども、別に国が一方的にやったのでというふうには実は理解をしておらないわけでございます。 ただ、先生のおっしゃる意味は、その辺をもう少し弾力的に解釈をすれば何とか金が捻出できるのではないか、こういうお話だと思うわけでございまして、その点につきましては、先ほど私が申しましたように、基本計画との関連でその扱いの変更が非常にむずかしいのではないかというふうに思うわけで、先ほど申しました対応策ということをひねり出してきたということでございます。今後、水田総合利用政策自身が、むしろさらにまた米の過剰の再来という問題から再検討を迫られておるということも実は事実でございまして、今後の政策の運用の中で、もしそういうことあるいはそれに準ずるようなことが可能であれば、私どもとしてはそういう問題もあわせてそういう際に解決していくということも一案ではなかろうかと思いますが、ただいまのところ、いまの条件といいますか、転作、水田総合利用の助成の条件というものを変えるつもりはございません。
○松沢(俊)委員 八郎潟は、いまいろいろ議論しておりまするように、まだまだ問題がたくさん残っております。私がいままで御質問申し上げましたのは、当面どうするかという問題であります。それから、これからどうするかという問題も私はあると思います。まだ土地改良をこれから進めていかなければならないという面もあります。それからもう一つは、いろんな施設があるのですけれども、その施設そのものというのは、何しろ干拓でありますから地盤が非常に緩いわけであります。聞くところによりますと、堤防なんかも沈下をしている、こういうことが実は言われておりますので、恐らくこれは十年ぐらいたったら堤防は海面と同じぐらいになってしまうのではないか、こういう話も実は聞いているわけなんであります。そうなりますと、それの工事をもう一回やり直さなければならない場合も出てくると思います。そういうふうにして管理、維持、そしてもう一回工事をし直し、こういうようなものは一体だれが責任をとるのか。それからもう一つは、いまそういう状態で事業団は解散すると、こうなりますが、そうなると、これから一般の土地改良事業というのも施していかなければならない。その場合、要するにどういう団体が責任を負ってやっていくのか、その辺明らかにしてもらいたい、こう思うわけなんでございます。
○福澤政府委員 確かに先生御指摘のように、八郎潟の干拓事業、造成された堤防などがまだ沈下をしていることは事実でございます。一般に干拓地は軟弱な堆積土の上にでき上がっておるものでございますので、これらの堤防などをつくりますと、その構造物の荷重等によりまして軟弱土層の圧密沈下を生じてくるわけでございます。また農地につきましても、これは乾燥いたしまして収縮する現象がございますので、これも沈下するのは当然でございます。そういうことで、沈下の現象はずっと続いておるわけでございますが、沈下の速度と申しますか、大きさは、この構造物を設置した時期、初期の時期は非常に沈下量が大きいわけでございます。しかし、次第に年次を経るに従いましてその沈下量も少なくなりまして、非常に長期にわたって沈下を続けるけれども、だんだん安定的な方向に向かうというのも、いろいろ例を見ましても、これは一つの定説になってきておるわけでございます。特に危険を伴う時期と申しますのは、ただいま申しましたように構造物を設置した時期でございますので、沈下が激しい干拓工事をやっておる、あるいはその直後の時期というのが非常に大きな沈下を生じて一番危険な時期でございます。それが年次を経るに従って経年的に安定をして沈下量が少なくなっていくというような事態でございまして、現に八郎潟の例をとってみますと、三十九年から四十六年まで、八年間に約一メートル沈下をしております。八郎潟につきましては、これらの沈下につきまして約十年に一回ずつ所定の計画堤防高さというものを維持するための土盛りというか、かさ上げを実施しておるわけでございまして、今後四十八年から六十二年ぐらいの間にわたりまして、平均にいたしまして大体九センチ程度の沈下をしていくのではないだろうかという予測を立てております。現に当初に比べまして、毎年の沈下量が十五センチから漸減して九センチとか六センチとかいうふうな方向にこれから安定的に向かっていくのではないか、こういうように考えておるわけでございます。 そこで、工事を実施して堤防ができ上がっている時期、昭和三十九年に二回にわたりまして実はマグニチュード七以上の地震がありました。このときの実態を見ますと、私どもはいままでの干拓は直立型の干拓堤防をつくっておりましたけれども、例の三十四年の伊勢湾台風のときを契機にいたしまして、緩傾斜型の安定した断面にして、地震に対する予防措置も技術的に考えてきたわけでございます。こういう方向をとりまして、この八郎潟の干拓堤防のタイプも、底幅にいたしまして約二百二十メートルというような非常に幅広い堤防の底幅を持った断面にしております。このことは、軟弱地盤におきましては将来における沈下量というものを少なくする上においても役立つし、また経年的に基礎地盤が圧密されていった場合には、それが支持力を増強いたしまして、いわゆる接地圧という点から考えましても非常に安定的な断面である、こういうように考えておるわけでございまして、私どもは特に過去におけるそういう地震の結果につきまして、言うなれば一番危険な時期に地震があったわけでございますが、これを十分に耐え抜くような構造物として、そのとき自体は沈下量といたしましては最高二メートル近い沈下がございましたけれども、それでもなおかつ堤内地に水が浸入することが避けられるというようなことで、非常に安定した設計のもとにこれはなされたというように考えておりまして、技術的な立場に立ちましても問題はないというようにこれは確信しておるわけでございます。 それから、将来の堤防その他に対する管理を一体どういうふうにしていくのだ、こういうお話でございますけれども、この事業は公有水面の埋め立て法による承認の条件といたしまして、その施設の帰属は秋田県となっております。このことは、治水上の観点からいたしましても、河川管理者としての知事が管理されることが一番適当であるという観点に立ってこういう方法に踏み切っておるわけでございまして、今後の堤防のかさ上げその他補修の問題が起こってきた場合には、維持管理すべて秋田県が行うものと私どもは考えて、万遺憾なきを期していただくようにしておるわけでございます。
○松沢(俊)委員 いずれにしましてもこういうふうにして議論しなければならないような場所であるわけなんです。そういう点であるときは事業団に入植農民がそれなりにいろいろと注文をつけることができたわけでありますけれども、今度はそれがなくなってしまうわけなんです。その点についてやはり大変関係農民は不安を抱いている、これだけは間違いないわけであります。その不安を解消し、そしてたとえば公団の方に移ったとしても、公団の方は借りた金を返させるという、そういう業務しかやらないということになるわけでありまして、やはりその責任というものは農林省がこれからも全面的に負いながら、不安のないようにいろいろな施策を立ててもらわぬと困るのではないか、こういうぐあいに考えております。 そういう点で、防潮水門だとかあるいは排水機場だとか幹線排水路だとか干拓堤防、こういうようなものは秋田県に今度は管理をさせるということになっておりますけれども、地方自治体の財政というのは非常に困難な状態に入っていることも御承知のとおりであります。そういう点で、こういう場合において問題が起きた場合においては、秋田県がやるにしても、農林省の方としてもそれはやはり責任を持ってやってもらうということをこの際はっきりさせていただきたいということが一つであります。 それから追加の土地改良事業というのもこれからやっていかなければならぬと思います。聞くところによると秋田県では、要するにほかの農民のところにもそれなりに手当てをしてやらなければならぬのに、大潟村、大潟村ということで、大潟村だけへ金を出すなんということは不公平になるんじゃないかというような風潮もあるように聞いております。しかし入植の条件がそういう条件であったわけでありますから、そういうことによって土地改良事業というのが円滑にいかないというようなことがあっては大変私は困ると思います。そういう点でもその点をはっきりとこの際させておいていただきたい、これをひとつこの際御答弁を賜りたい、こう思うわけであります。
○森(整)政府委員 御指摘の基幹的な施設、防潮水門、排水機場、幹線排水路、これは大潟村の生命線ともいうべきものでございますが、国は秋田県に管理を行わせるということにいたしております。これは特例措置でございますけれども、一億七千二百万の管理費のうち、半額、六千七百万円を国が助成するということをすでに財政当局と決定済みでございます。 それから土地改良事業等の今後の問題でございますが、確かにそういう雰囲気がないわけではございません。しかし結局はやはり私どもの助成措置として事業が行われるわけでございますから、その点につきましては、今回の対応措置につきましても県と十分相談の上実施をいたしておるし、その点においてはわれわれ県とよく協議いたしまして、また県も指導して御心配のないように善処してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○松沢(俊)委員 これは直接この法案には関係ないわけなんでありますけれども、新潟県の福島潟問題、これはやはりこれと同じように、当初は稲作をやらせるということで福島潟の干拓が行われたわけであります。その後生産調整になりまして、そして米以外にできそうもないところに米をつくるな、こういうことで去年は大変な紛糾があったわけでありますが、しかしその後、県、農林省と関係農民との間に裁判所において和解が成立いたしました。要するに和解の内容というのは、いままでのいろんな争いというのは水に流して、そうして配分の取り消しを受けたところの農民に対しても土地を提供するという中身だと思います。しかしその後、協議会が地元につくられておりましていろいろ協議をやっておるわけでありますけれども、一般の農民に対しましては表示登記を全部やって終わったわけなんであります。二十六人の取り消し処分を受けたところの農民に渡るはずの農地につきましては、県農業公社が表示登記を受けた、こういうことになっているわけなんでありまして、そうなりますと、農業というのは春に作付をやらなければこれは作がとれないわけなんでありまして、したがって、県の農業公社から関係農民に対しまして、いまのうちに売買契約をやってもらわないと、ことしの間に合わぬということになるわけであります。そういうような差別というものは、私はしてはならないというのが和解の精神だと思っております。そういう点で、これらの問題につきましてはどう理解したらいいのか、私は実は判断に苦しんでいるわけなんでありますが、農林省の見解を聞きたいと思います。
○森(整)政府委員 先生御指摘のように、いろいろ不幸な経過をたどったわけでございますが、御承知のように本年裁判所の仲介によりまして和解が成立をした。これは確かに、過去は流してもとへ戻しましょうというのが基本的な線でございますが、ただ手続的に御承知のようにいろいろ法制的な問題、法律的な問題がございまして、県の農業公社を経由して土地を戻すということになったわけでございまして、その手続上の差、こういうのはちょっとやむを得ないというふうに思うわけでございますけれども、私ども、いままでの争いがあった者と争いがなかった者との基本的な差を設けるというような考えは毛頭ございません。ただ、和解にもう入っておりますように、よくお互いに話し合って慎重な行動をとりながらやっていく、こういう基本的な路線、またそういうことが確保されるならば、それは当然御指摘の春でもございますし、どういうふうに土地利用をしていくかということは、いま協議会で検討、協議が行われているわけでございますから、その線に沿ってやってまいるというのが私どもの基本的な考え方でございます。不当に差を設けたりということは、それは過去の話でございまして、今後はお互いに話し合いをしながら、その土地利用を進めていくというふうに私どもは理解をしておるわけでございます。
○松沢(俊)委員 手続上からいくと、確かに生産をするための計算が実は行われている最中ということになるわけでありますから、売買契約をやるというと、時間が相当要ると思うわけなんです。七月、八月ということになると思います。それまでの間に、それじゃ農業公社から譲り渡してもらう農民というのは、所有権が移らぬわけでありますから、移らぬうちは、これは耕作をしてはならない、こういうことになるんですか。それとも、いやそれはもう和解からして、当然二十六人のものになるんだから、耕作をしても差し支えないんだ、こういうことなのか、その点はっきりしてもらわぬと、差別つけないんだ、つけないんだと言っても、差別になってしまうじゃないかと私は思うのであります。だから、いわゆる取り消しがなかったところの農民がいま耕作をやっているということになれば、二十六人の人たちも耕作をやっても差し支えない、こういうふうに考えてみるというのが私は和解の精神だと思うんです。法律的にいろいろ議論すればむずかしいものがあると思います。でありまするけれども、和解の精神からするならば、一般の農民並みに二十六人の人も耕作ができるんだ、こういうぐあいに私は解釈していくべきだと思いますが、その点はどうでしょうか。
○森(整)政府委員 これは法律的に言いますと、確かに先生おっしゃるとおりでございますが、和解の精神というのは、逆に言えばまた先生のおっしゃるとおりでございまして、このことはまた、和解で示されておりますように双方が慎重な行動をとるということによりまして、行政庁と農民側との間の信頼関係ということが回復をした上で、二十六名の方々も事実上耕作が行えるというように私どもも期待をしておるわけでございます。 したがいまして、やり方としましてはいろいろあると思いますが、簡単に言えば一時使用で耕作をするということもございましょうし、そういう法律論よりも私どもは、むしろもう過去と将来は違うんだという基本認識の上で、お互いに話し合って早く軌道に乗せるということが必要なんではないだろうかというふうに思っておりますし、またそういうことを期待をしておるわけでございます。
○松沢(俊)委員 もう一回聞きますけれども、それじゃ畑にするとかたんぼにするとか、そういう議論というのはこれは協議会で決めていくことなんでありますからその点は別としても、とにかくもう耕作しなければならぬところに入っておるわけですから、それは一時使用の許可なんという角張った話でなしに、和解の精神からするならばこれは耕作していいじゃないか、こういうぐあいに私は考えるのですが、それは入るとまた紛糾が起きることになるんですか。その二十六人が配分を予定されているところの、譲り渡しを予定されているところの場所へ農民が、畑にするかたんぼにするかわからぬけれども、とにかく耕作だけはいまのうちにやらなければならないということで入っていった場合には、また要するに争いになるんですか。私は、そういう争いというものはもう起きない、こういうぐあいに実は理解しておったわけなんですが、その点はどうでしょうか。
○森(整)政府委員 そのことは、要するに和解で何をやってもいいんだというふうなことは和解では言っておらないと思うわけでございまして、一応畑作をやっていただけるならば、何もいろいろ問題は起こらないはずでございます。稲作をどうするかということが問題であったし、またまだ決まってない話だと私どもは理解をしておるわけでございます。その辺のことがまた何かやるんじゃないかということで、お互いに猜疑心をもって見ておる状態で何か事が起こりますと、またもとへ戻るような感じが私どもいたすわけでございまして、そうじゃなしによくお互いで、先ほど申しましたように抜け駆けをやるとかそういうようなことでなしに、ともかくでき上がった土地でございますから早く使えるようにする、それをどうするかということなわけでございまして、そういう話の方の要するに手続なりその以前の問題としてそういう関係が回復されれば、実は後から手続をとったってそれは構わない話でございますから、そういう方が先決の問題ではないだろうかと私は思っておるわけでございますが、一日も早くそうしてもらいたいというふうに思っておるわけでございます。
○松沢(俊)委員 とにかく、八郎潟にしろ福島潟にしろそのほか羽賀沼だとか有明だとか琵琶湖だとか、いろいろなところに干拓地があるわけでありまして、要するに干拓地には必ずこういう問題が実は起きているわけなんであります。それは一体農民の方がやぼなことを言っているのか、政府の方がやぼなことを言っているのかということになりますならば、政府は適地適作、こういう言葉を使いながら、実は適地でないところに野菜をつくれとか畑にしろとかというところにこういう問題が発生する、こういうのがいまの現状であろうと思います。 そこで、私は政府に提言したいのは、米が余るからと言って生産調整、そのことがいい悪いは別といたしまして、やることにするならば、やはり無理なことはさせないようにして、たとえばこういうような干拓地、そういうところはやはり米でいくとか、あるいはまた蔬菜が十分できるところは蔬菜にしてもらうとかいう、機械的でなしに現実的にその調整をやっていくという考え方に変わってもらわなければならぬのじゃないか。そうしないと本当の日本の農家の経営が安定しません。それから農業自体も安定しないと私は考えるわけなんでありますが、その辺基本的にもう一度検討し直すお考えがあるのかどうか、あるべきなんじゃないか、こういうぐあいに私は言いたいわけなんでありますが、その点はどうでしょうか。
○森(整)政府委員 基本的にある意味では私先生の御意見に賛成でございますが、ある意味では反対もございます。ということは、干拓地は米しかできないのだというのは誤りだと私は思います。しかしまた米はつくってはいけないのだという考え方はもう少し弾力的に考えるべきではないかという御意見については私は賛成でございますけれども、いま再び米の過剰を迎えまして、そういう観点も含めていろいろ検討をさせていただいているという段階でございますので、基本的には当面のいまいろいろお約束のもとに、そういうことでやりたいということで皆さんの御賛同を得て私どもは畑作ということで計画を進めてきたということでございますから、それはそれなりに地元農民の方も御理解をいただいていきたいと思う次第でございます。
○松沢(俊)委員 これで終わりますが、とにかくこの農用地開発公団法の一部改正の法律案が審議されているわけなんでありますけれども、私はやはりまだ八郎潟というのは完全なものになっていない、そういう前提で、これからひとつ農林省の方から十分それに対するところの配慮をやってもらうということと、それからもう一つは基本的にはいま局長からお話しありましたように、干拓地は米以外は絶対に何もとれないものであるというふうには私も考えておりませんけれども、しかし、たとえば福島潟なんかの場合におきましては実際実験をやっているわけなんであります。実験をやっても畑としての成績が上がらぬわけだ。そういう点があるという場合におきましては、では米にしてみた場合どうだという試験もやってみるべきである。あの場所は米ならば十俵か十二、三俵とれるのです。野菜をつくれと言われても全然物にならぬわけです。そういうようなところはやはり米にして生産をさせていく、こういう柔軟な態度でいくべきである、私はそう考えるわけなんであります。そういうことをひとつ希望意見として申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○金子委員長 岡田利春君。
○岡田(利)委員 農用地開発公団が旧農地開発機械公団の二十年間続いた業務を継承して四十九年に発足をいたしたわけですが、特に旧機械公団業務として今年度四十億に上る受託業務が今日も継続されておるわけです。これは三カ年間で解消する、こういう一応の方針でまいったわけでありますから、この受託業務の解消の見通しは一体どのようになっておるのか、大体これからどの程度の年月でこの受託業務を解消できるのか、こういう見通しについてまず第一点伺っておきたいと思うわけです。 同時にまた、旧公団を引き継ぐ場合に準職員が百三十六名、このうち退職者が二十二名、そして今日なお未定員化の三十五名が残っておるわけです。当然今年この定員化の問題は解消されなければならない問題でありますけれども、これらについての対応の仕方についてこの機会に承っておきたいと思います。
○森(整)政府委員 農用地開発公団の受託工事の問題でございますが、これは公団法の制定の際の国会の御審議の経過にかんがみまして、漸次縮小をしておるという次第でございまして、公団設立当初は四十九年度では百九億の事業をやっておりましたけれども、本年度は四十億ということを計画をいたしておりまして、今後の見通しといたしましては近年中に打ち切るという方針でございます。これらに伴いまして事業が円滑に民間に移行できるということについては、十分われわれも配慮をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。 それから農用地開発公団が引き継ぎました職員の問題いわゆる準職員と言われておる方々の定員化の問題でございますが、五十一年度末までに約八十人が定員化をされておりまして、本年度中に残り三十二名全員の定員化を完了するということを一応予定をしておる次第でございます。
○岡田(利)委員 近年中に受託業務は解消する、こういう答弁でありますけれども、大体これは明確なめどがあってしかるべき問題ではないのか、こう私は思うのですけれども、この点の確たるめどはまだないのですか。
○森(整)政府委員 私どもは国会の農用地開発公団法の成立したとき御審議いただきました国会の審議の内容を見てまいりますと、当時の大山局長がおおむね三年ということを国会で言っておられるわけで、その時期は過ぎてしまったわけでございますから、なるたけ早い機会に打ち切りたいというふうには考えておるわけでございますが、ものの廃止ということにつきましてはすべていろいろ処理関係がございますから、いまの定員等いろいろな問題は解決をしてきた、こういうことでございますから、できるだけ早く打ち切りたいというふうには考えておりますが、それによって生ずる摩擦はないようにしたいということも当然考えておる次第でございます。
○岡田(利)委員 八郎潟の干拓事業の調査事務所が設置されて以来今日までもう四分の一世紀を実は過ぎておるわけです。新農村建設の事業団が発足をして十二年間を経過をした。そして今回、一応この完了に伴って農地開発公団がこの業務を引き継ぐ、いわばわが国農政にとっての一つの記念すべき事業であったということはだれしもが認めるところであろうと私は思います。 そこで、今回農用地開発公団がその一切の債権債務、特に長期にわたる賦課金や譲渡対価の徴収業務、これを継承するということで今回の法律の改正が行われるわけです。したがって、このことによってまた新たに国営干拓地における公団事業というものを取り上げていく、こういう提案がなされておるわけでありますが、まず第一に、五十二年度の予算を見ますと、国営干拓事業は十地区に及んでおるわけです。しかもそのうち近く干陸が予定されているという河北潟、笠岡湾あるいは中海、この三地区については今後公団事業として順次これを進めていく、こういう方針のようにも承っておるわけです。しかしそれ以外の干拓地も逐年干陸に近づいてまいるわけでありますから、一連の国営干拓事業というものを長期的に公団事業としてこれを採択をしていく、こういう方針を一体持たれておるのかどうか。その長期的な展望についてこの機会に明らかにしてもらいたいと思います。 それから第二の問題は、公団事業のうち、受託業務はいま答弁がありましたように漸次これは解消される、同時にまた模範牧場についても、これは今年度で完了でありますから、いわば農用地、さらにまた畜産基地を建設し、さらに今回の干拓地の事業を公団事業として取り上げていく、こう実はなってまいるのだと思うのです。いわばこの三つの事業にしぼられて公団業務がこれから進められる、このように行くだろうと私は思うのですが、しかし、公団事業そのものも御承知のように三年ないし五年で完成する、あるいは広域のものについては七年計画、若干延びて七、八年ということになるでしょうけれども、いわばその時点その時点で完成していくわけであります。したがって、農用地開発公団のこれからの長期的な展望は一体どう考えられておるのか、そういう一定の公団の位置づけといいますか、また事業のこれからの長期的な展望、こういうものを一体どう描かれておるのか、いわばビジョンといいますか、そういうものについてお示しを願いたい、こう思うわけです。
○森(整)政府委員 今度加わりました国営干拓予定地の公団事業、これが畜産の施設を合わせて農用地整備をするということでございますが、当面考えておりますのは先ほど先生も御指摘になりました三地区で、そのうちでも河北潟をできれば来年度でもというふうに考えておるわけでございます。残りの地区につきまして十地区と言われましたけれども、すでに事実上事業を中止しておる地区もございます。それから事業がある程度までもう済んできておりますけれども、排水条件等からなかなかこういう事業になじみにくいのではないかという地区もございます。したがいまして、残り全部を今後対象にするというふうにはなかなかまいりませんけれども、事業の内容等をさらに検討いたして、また公団事業の対象として、これは県がそういう申し出をされるという前提がございますから、そういうことであれば、必要に応じまして追加をしてまいるというふうに考えておるわけでございます。 それから、公団全体の今後の、将来の事業ということについてはどうか、こういうお尋ねでございますが、実は、この農用地開発公団法の御審議の際に、九万三千ヘクタールの農用地を造成するというふうに御答弁を申し上げておるわけでございますが、現在までの実施中の地区の計画総面積を合計いたしますと三万ヘクタールということで、必ずしもその目標に達していないというのが現状でございます。しかし、事業費としては相当ふくらんできておりますし、今後の見通しにつきましても、現在の事業を早く仕上げていくということがもちろん一つでございますけれども、調査中の地区もかなり多うございます。特に広域農業総合開発基本調査ということを実施しておりまして、これは大きい方でございますが、注目していただきたいのは例の天北北部がございます。それからもう一つ出羽丘陵の二地区が今年度新規の調査地域として加えられておりまして、今後の事業量の問題につきましてはそう問題はないのではないだろうか。恐らく先生のおっしゃるのは超長期の見通しということに相なるのではないかと思いますけれども、私どもその問題につきましては、ともかく当面のいろいろやっております事業を早く完成するとともに、その次の課題ということにつきましてはさらにいろいろ知恵を出してまいりたい。またそういうふうにして公団の事業がますます発展をしていくということを私どもは期待をしておる次第でございます。
○岡田(利)委員 公団の役員は今年二名減員になる。今度八郎潟の公団を引き継ぐことによって一名理事の定員がふえる。差し引き一名減ということにはなるわけです。しかし、承るところによりますと、公団職員の七十八名中六十四名が出向者で、これはそれぞれ出向先に戻る。二十三名の職員についてはそれぞれ組合とも話し合いがついて、その就職先というものが決まっている、こう私は承っておるわけであります。しかし、実際問題として、八郎潟の公団の業務を引き継ぐことによって、賦課金や譲渡対価の徴収、恐らくこれらの経理的な業務というものは、いま行っている公団の業務と並行的に行うことにはならないのではないか。同一人が扱うということにはならないのではないか。やはりそのためのポジションというものが必要ではないか、こう私は判断をいたしておるわけであります。しかし実際問題として、八郎潟公団の引き継ぎによって、いわば定員の方は一名もふえない。ある側面から話を聞きますと、このためには十名程度の職員が必要じゃないか、こういう意見すら実は出されておるわけであります。したがって、理事は一名ふえた、職員はゼロだ、これはどうもわれわれ常識的に納得がいかないわけでありますが、そのことが今後の業務に支障がないのかどうか。こういう業務の扱いについて、たとえば労働組合などと十分話し合いが行われているかどうか、こういう点について承っておきたいと思うのです。
○森(整)政府委員 御指摘のように八郎潟の事業団の方の職員につきましては、一応すべて解決をしておるというふうに理解をいたしておるわけでございます。逆に申せば、引き継がないということになるわけであります。 先生の御質問の趣旨は、それでは今後、公団が引き継いだ後の体制はどうであろうかという御質問と思いますが、これにつきましては、内容といたしましては、賦課金等の百八十八億を徴収しまして、今度資金運用部へ金を返すという仕事が引き継がれるわけでございます。それにつきましては、徴収の実務の一部につきましては秋田県に委託をするというたてまえにしておりまして、あと残りの担当理事一人を置く。そのほかの所要の職員につきましては、場合によりましては、場合によりましてはというのは、いまそう考えておるのですけれども、結局、八郎潟に実際に勤務をいたしまして仕事をした方の方が今後の実際の運営に当たって、当面の、最初の方は、引き継ぎ当初はそういう人たちの方がむしろ仕事がやりやすいのではないかということも考えておりまして、その点、農林省には復帰職員も相当帰ってきておりますし、その辺の人事のやりくりを考えまして、そういう人たちを中心に少し運営していったらいかがか。それから、それが軌道に乗れば、またそういう体制に、本来の恒常的な体制へ移行をしていくというようなことをを実は考えておるわけでございます。実際の人のやりくりなりそういう問題につきましてはそういう面で考えておりますが、頭数といいますか、そういうことから申しますと、必要な職員は十分確保いたしまして、業務がほかの人にいろいろ迷惑をかけていくというようなことはないようにしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○岡田(利)委員 いずれにしても、公団関係の諸経費は、受益者にこれが後から諸経費として負担がかぶさってまいるわけです。そういう意味で私どもは、もちろん行政的にあるいは体制的に簡素にして的確に対応できるというのが一番望ましいわけです。ただ、申し上げましたように、そういう業務の関係についてはいま答弁されたように措置をされるのに、公団を引き継いだということだけによって、なぜ一体理事だけを一名ふやさなければいけないのか、この点は非常に説得力を欠くのではないかと思うのです。これは後から竹内委員から詳しく質問があると思いますので、私はこの程度にしておきたいと思います。 この際、私は、公団の目玉商品であります広域農用地開発事業の根室地区の問題について若干御質問をいたしたいと思います。 当初六百五十億の事業費が、今日八百二十二億にすでに修正されておるわけです。しかも、昭和四十八年に着工して、四十九年十月にこの事業が公団に引き継がれた。そして今日、すでに今年度予算でも百十三億の予算が組まれている。この進捗率は三五%であります。しかし、当初計画は四十八年から七カ年計画でありますから、五十五年完成。五十五年完成ということになりますと、もう残るところは三年しかないわけであります。しかし、進捗率は三五%だということは、もちろんこの総事業費の変更もございましたけれども、これは経済事情の変化に伴うものでありますから、事業としてはおくれておる、こういう認識は当然出てまいるわけです。したがって、この根室地区の農用地開発事業の完成年次は、一体どのように修正をされておるのか、いつ完成をするということが明確に言えるのか、その完成見通しについて、この機会に明らかにしていただきたいと思うわけです。
○森(整)政府委員 公団事業の中でも根室地区の事業は超々大型でございまして、場合によりましてはほかの二十倍ぐらいの事業量、事業規模のものというふうに理解をしております。八百二十二億というのは、現在の公団事業の過半を占めるぐらいな、それだけの大きな仕事でございます。したがいまして、いろいろ事業費の計算の改定もございましたけれども、これが早くできるということ、また一般に公団事業というのは、私が申すまでもなく、農用地基盤整備事業の中で一応計画どおりに事業が進んでいる唯一の事業でございます。これをほめますと、ほかの方が怒られるということで、余りそうは言いたくないのですけれども、実際はそうなっておるわけであります。それはそれなりの理由があるわけでございまして、私どもも公団事業については、特に大蔵省に重点的な要求を毎年いたしておるわけでございます。したがいまして、五十五年の完成は大丈夫かと、こう言われますと、今後全体の公共事業がどういうふうに推移してまいるかということの兼ね合いもございますけれども、私どもとしてはこの目標をいま改定するつもりはございません。この目標に向かってともかく努力してまいるということで、やはりこれだけの仕事でございますから、早く完成をいたしまして、われわれも胸を張りたいという気持ちもあるわけでございます。そういうことを考えながら、事業の確保に努めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○岡田(利)委員 しかし、現実に西別では公団職員の住宅が今日なおかつ建設されておるわけです。局長の答弁で言うと、三年たったらこの住宅は心要なくなる住宅ができておる、こういう理屈にも実はなるわけであります。しかし私は、やはりいま局長が述べられたように、天北地域の調査にすでに着手している、いわば根室地域に引き続いてこれを受け継ぐものは天北地域ではないか、そういう一定の展望を描いて進めているだろう、そう常識的に判断できるわけであります。したがって、その天北地区の着工、これとどうスムーズに人員的にも対応するかということになってまいりますと、他動的な要因が出てくるのではないか、実はこういう気がしてならないわけであります。そういう意味で、そういう私の一応の懸念に対してどう思われるかということが一つであります。同時にまた、対象面積が一万四千六百ヘクタール、草地造成だけで四千ヘクタール、交換分合計画だけでも、告示になったものがすでに千三百から千四百ヘクタールということになっておるわけであります。そういう意味から考えまして、私は局長の答弁を了といたしたいのでありますけれども、やはりいつできるかということによって、その地域の問題の対応の仕方が変わってくるので、まあ五十五年に大体がんばってやりたいということは了としたいのですけれども、しかし、残念ながら五十五年度の完成はむずかしいのではないか。それが一年延びるか二年延びるかということは実は大変な問題なんですが、その点、もうちょっと具体的に御答弁いただけないでしょうか。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕
○森(整)政府委員 もちろん、根室の次は天北ということを念頭に置いて、天北の区部の調査を進める。それが三、四年はかかるではございましょう。それと根室の完成の時期ということでございますけれども、率直に申しまして、まあ気持ちを私申し上げておるので、その辺は、実際の工事ということになりますと、実際に公団の事業が早期完成をいたしまして、今度はあちこちに勤めている方の立場になりますと、北から沖縄までという話もあるわけでございます。その辺の問題は十分公団側としても事業の実施上いろいろ問題があることは否定できません。したがいまして、当然それらの調整を図りながら事業を進めてまいる。ですから、一番理想型を言いますと、天北の調査が早く終わって根室が早く終わるというのが一番理想的な形ではないかと思いますが、そういくかいかないかというのはこれからのいろいろ、われわれの努力もございますが、公共事業費の行方という問題も絡んでくるわけでございますから、現在の心境を申し上げておるわけでございます。
○岡田(利)委員 対象地域としては、いま私が申し上げましたように、八郎潟よりも広範囲であるわけです。いわばこれは、わが国農政の一つの事業としては八郎潟に次ぐ目玉商品であると思いますし、私もかつて北海道開発第三期計画の審議会の理事としてこの計画の審議に参加をいたしましたから、私はこの推進という立場に立って質問を申し上げておるわけなんです。ただしかし、広範囲なるがゆえに対象区域内の農家、既存農家ですが、もちろんこれは構造改善の対象にはなってまいりませんし、また機械の導入や設備の更新、こういうものは当然もう差し控えるというのが通例でありますし、また、普通であれば道路の整備等についても積極的に進められるのですけれども、対象区域なるがゆえに、来年か再来年ということになりますと、それまで手抜きが行われる、そういう点で非常に生産上不便を感じておる地域がやはりあるわけです。矢臼別なんかも一つの代表的な地域ではないかと私は考えるわけです。したがって、工事計画がどう進んでいくかということは、そういう意味で地域内の既存農家の営農態度に大きな影響を与えるということは御理解願えるのではないかと私は思うのです。そうしますと、この事業を進めるに当たって、この事業がそういう実態にどう対応していくか、たとえば道路の整備計画でも、そういう点を十分把握をして弾力的に対応していく、そして問題点があればアフターケアーをしていく、こういう機能的な弾力性があってしかるべきだ。小さい区域ですと、そういうことは余りないのだと思うのですけれども、広範囲なるがゆえにそういう問題が出ておるわけであります。この点についてひとつ御意見を承っておきたいと思います。
○森(整)政府委員 先生御指摘の点、まことにごもっともと言っては大変失礼でございますが、確かにそのとおりだと思います。 そこで、この地区につきましては、根室地域新酪農村建設期成会というのがございます。そこでいろいろ協議結果を参考にいたしまして、施行の工種なり施行個所数を取り決めて、緊急を要するものから順次実施する等の配慮を行っているわけでございますから、もし実施個所にならないためにいろいろ営農上困るあるいは重大な支障が出るということでございますれば、この期成会を通じて公団の根室事務所に御相談をしていただければ、施行個所の変更などについて検討をいたすということについてはわれわれはやぶさかでございません。よく公団とも協議をいたしまして、もし問題の個所があれば善処をいたしたいというふうに思います。
○岡田(利)委員 本計画は、第二次酪近の指標に一応準拠して立案された、このように私は記憶をいたしておるわけです。したがって、五十頭搾乳、五十町歩規模の草地酪農の酪専の大型経営をやるということで発足をいたしたわけです。そこで第一次入植の一つの例をとりますと、工事費が個々によって若干差があると思うのですが、一億二千八百万円の工事費、これに対して公団諸経費がかぶさりますから、これが二三%、したがって約三千万円という金額になるわけであります。したがって、総工事費は結果的に一億五千八百万円程度、国の補助はこれに対して八千六百万円、道の補助が三千七百万円程度。したがって個人が負担をするのが差し引き三千四百万円。しかし住宅は別であります。大体住宅は一千万円、土地の価格も別でありますから、これが七百万円。それから三カ年の整備でありますから、この利子が大体八百万円。そしてやはり従来負債がありますから、平均的に見ますとほぼ五百万円程度の負債の引き継ぎ、こういう計算をいたしますと、六千四百万円の負担ということに実はなってくるわけであります。したがって、二十年間の長期低利の金融制度でありますけれども、大体元利償還ということになりますと、一億二千万円を超えるのではないか、こういう見当になりますから、一年当たり六百万円以上の償還を今後毎年しなければならない。ちょうど第一次入植はいまや償還時に入ってきたというのが実情であります。 そういう点で考えてまいりますと、先ほど八郎潟についてはいろいろ試算が、一次、二次、三次という入植時にわたっての粗収入、営農経費そして元利の負債の償還、可処分所得、こういう数字が資料に出されているわけですが、この第一次入植のいわば可処分所得はこういう数字の結果一体どの程度になっていくと考えられておるのか、若干当初から試算はあると思いますけれども、それも変更もされておるのではないか、このように私は判断するのでありますけれども、この点について御説明願いたいと思います。
○森(整)政府委員 大体先生御指摘の数字になるわけでございますけれども、私ども手元にございます資料では、土地代と住宅建設費が入っておらない資料しかございません。現在の経営収支、入植農家の見通しといたしまして、これは全部締められているわけではございませんから、いまは工事の途中でございますが、現在までの投資額によっていろいろ試みに推計をする、それから建設利息も加えていろいろやってみますと、経営が安定するという、そういう年次の経営収支になりますけれども、粗収入が一戸当たり二千二百万円、これは乳価は五十一年度の単価を使っておるようでございますが、農業の経営費が千二百万円、差し引き農業所得はおおむね一千万円、あと償還の問題がございますが、これは先ほど申しました土地代と建物の問題は入っておりませんが、償還金が五百五十万円、可処分所得が四百五十万円というような推計にただいまなっておるわけでございます。
○岡田(利)委員 説明された数字は私の指摘した数字とほぼ合う、こう私も思います。いま言われたように土地代、それから過去の負債とか、同時にまた住宅建設費、こういうものをプラスしていきますと六百万以上になると私は申し上げたわけですが、そうなりますと、残るところは四百万円切れる。これは二人という設計でありますけれども、入植資格には後継者がいなければ入植できませんから、実質大体二・八の労働力、こうなってまいりますと、決してこの新酪農村というのはバラ色だということにはならないということをこの数字は示しているのではないか。これからのわが国の畜産政策の中で、乳価、価格政策というものは一体どうとられるか、非常に重要なことをこの数字が暗示をしておるだろう、私はこう思います。 時間がありませんから次に進んでまいりたいと思います。 次に、第三次酪近がその後できて、いまこれが下部で討議されて町村段階、単協でもすでにこの討議が終わっておる。したがって、当初示したパターンと指標とに準拠して下部末端でこれに合わして第三次酪近が組み立てられておるというのが現状であります。ところが第三次酪近の計画によりますと、この地域は大型酪専地域でありまして、特に根釧の場合には六十頭搾乳、そうして二十数頭の育成牛を持つ、こういうことに実はなっておるわけです。ところが一方、いま進めている画期的ないわば新酪農村、根室地区の規模は五十頭だ、すでに十頭の差が出ておるわけであります。そういたしますと、この決定版と言われる根室の大型酪専というものは、第三次酪近に示す平均数字からもほど遠い。そのことは美原や豊原あるいはまた茶志骨地区の、それぞれパイロットファームの経験というものをいわば繰り返すことになりはしないか、こういう心配があるわけです。まして育成をする場合には、中水分のサイレージだけではまいりませんから、乾燥草も必要である、そういう意味では土地が狭いという声が現実にそれぞれの農家から訴えられておるわけです。こういう関連について、第二次酪近から第三次酪近が組まれたわけでありますから、そういう意味でこの決定版であるというこの根室地域の設計については、このまま押し通すのか、それとも第三次酪近の方向を十分勘案してこれに対応できるように手直しをするのか、あるいはまたいずれにしても共同採草地などについて配慮をしていくという考え方があるのか、何かがなければどうもつじつまが合わぬではないか。そういう点ではむしろ素直に対応するという姿勢こそが私は望ましいと思うのですが、この点についていかがでしょうか。
○大場政府委員 第三次酪農近代化方針を国が昨年出しまして、それに基づきましていま御指摘がありましたように都道府県それから各市町村の段階で酪農近代化計画ができている、こういった順序になっているわけです。 御指摘になりました根釧地域におきます類型でありますけれども、北海道が立てました酪農近代化計画では、根釧地帯におきまして、通常の標準経営体としては、いろいろ土地条件から自然条件というものの差はありますが、一般的に経産牛で三十六頭、総頭数で言いますと五十三頭ということになっております。しかし現在でも相当な飼養規模に達している、労働力の問題なりあるいは土地条件の問題という形で特に恵まれた大型酪農経営におきましては、経産牛で申し上げますと六十頭、総頭数ベースで言いますと八十四頭ということを目標頭数として設定している、こういうような状況であります。公団の方ですでに立てておられますものは、通常の経営体で言いますと、経産牛で言うと三十六頭、特に大規模なものにつきましては五十頭ということで予定しているわけでありますけれども、先ほど申し上げました北海道の酪農基本計画では、根釧地帯における経産牛三十六頭というもの、これは通常の経営体としては大体見合った数字でありますし、大規模なものにつきましても、道では六十頭ということを目標としておりますので、必ずしもびっしりは合っておりません。おりませんが、しかしそんなに大幅にずれたものではないというふうに認識しております。別海等におきましては、確かに普通の通常型では、これは経産牛ベースで言いますと四十五頭、大型酪農経営で言いますと六十頭ということになっておりますが、そんなに遊離したものではないというふうに、私どものサイドから申し上げればそういう感じがするわけであります。しかし、これは構造改善局あるいは公団の方で別途御判断があれば、それはそれなりに私どもは協力いたしたいと思っております。
○森(整)政府委員 北海道の酪農近代化基本計画については、いま畜産局長が御答弁を申し上げたわけでございますが、確かに立地条件が恵まれた経営体として六十頭ということを想定している類型もあるということは承知をいたしておるわけでございます。ただ、問題は、端的に申しますと、酪近は六十年、これは五十五年、こういうことで、私ごまかすわけではないのですけれども、そういうことで、つじつまといってはおかしいのですけれども、そういうふうに考えれば私は別に矛盾した話ではないし、いまここでこの計画を再検討するということは考えてはおりません。しかし、今後いろいろ経済が安定成長に移っていく、いままでは確かに非常に規模拡大というのが急速に進んできたと思うわけでございます。今後の経済情勢の推移というものを見なければなりませんけれども、将来いろいろ営農方式、機械、あるいは、まあ労働力はそう変わらないと思いますけれども、そういうものを全部勘案いたしまして、全体の酪農を進めていく場合に、この地域で、ことに根釧地帯、この根室の地域でいろいろな諸条件が変わってまいるということであれば、当然さらに規模拡大を考えてまいるということも必要なのではないだろうかというふうに思いますけれども、当面の一応五十五年という目標を立てての計画としてはこれでいいのではないだろうかというふうに思っている次第でございます。
○岡田(利)委員 大変残念ながら時間がないのですが、たとえば大型酪農経営の一、二、三というタイプがあれば、七十頭があれば、また五十頭という酪農家群もある、平均が六十頭だというのが第三次酪近の計画であるわけです。そうしますと、いま公団で進めておる五十頭の経営規模というのは、この地域ではいわば、大型の酪農経営家で言えばその大型のうちの最下位、一番下である、そういう経営体制を目指している、こう言わざるを書ないのであります。そういう意味で私は非常に懸念をしますし、特一、特二のパイロットファーム、あるいはまた茶志骨のパイロットファーム、長年、二十年間そういう経過を歩んでここに到達をしているわけですね。したがって、四戸共同経営の体制にありますけれども、この経営面積が狭い。そのことによって従来目指したものよりも非常にジグザグした経営体制をとらなければならないというような状況に追い込まれる可能性が非常に強いということを私はまずこの機会に指摘をしておきたいと思うのです。 そういう意味で、たとえば気密サイロなどの場合には、これはもちろん容量の問題になりますけれども、あと牛舎を見ましても機械倉庫を見ても物すごくりっぱなものであることは間違いがないわけですね。果たして五十頭畜舎であれだけのものが必要なのかどうか。もう少し合理的に倹約して節約できないのかという疑問すら、実はわれわれ素人でありますけれども、率直にそう感じますし、率直な意見がやはり現地には出ておるのであります。そうしますと、やはり第三次酪近の少なくとも平均六十頭を目指す方向に対応でき得るこの対応の仕方というものが素直に考えられていいのではないか。私はここで答弁をもらおうと思いませんけれども、そういう点についてまず指摘をしておきますので、ひとつ十分検討していただきたいということを申し上げておきたいと思います。 そこで、現在この第一次入植者の話を聞きますと、あれだけの設備であれだけの投資をするならば、やはり少なくとも六十頭か七十頭くらいの体制というのが最も望ましい、こういう意見すら出ておるわけです。なぜかと言えば、これは労働時間の問題であります。確かに労働時間は節約されていることは間違いのない事実でありますから、そういう点から割り出して、当初の設計は十分余裕のある経営ということで組まれたのでありますけれども、実際の現地経営者の意見を聞くと、むしろこれだけの設備投資をするならば、やはりもう一歩進めるべきである。いわば第三次酪近の目指す、少なくともそういうものがこの公団事業としては望ましい、こういう意見が非常に圧倒的に強いわけであります。言うなればいまの経営規模であっては過剰設備投資の傾向があるという認識が非常に強いわけであります。そういう点について何かいままでの経営実態あるいはまた経験から言って、そういう意見が一体上がってきておるのかどうか。あくまでも私が現地で聞いた意見なのか。そういう点が、そういう意見として素直に上がってきておるのかどうか、承っておきたいと思います。
○森(整)政府委員 根室地区の計画では、五十ヘクタールで成牛五十頭、労働力成人換算二人ということになっておるわけでございますが、実際に五十年に入植した八戸の労働力を見てみますと、稼働人員四人、成人換算二・八人という農家も一戸はございますけれども、平均といたしますと成人換算二・一人ということになっておりまして、一応実際の労働状況から見ても計画と大差はないというふうに考えておるわけでございます。しかし、先生御指摘の点は私も直接聞いてはおりませんけれども、確かにそういう面もあろうかと思います。さらによりよいものにするために、私どもも別にいままでこうだからこうだというふうにこだわらないという態度は必要だと思います。ひとつきょうの御意見は十分参考にさせていただきまして私どももさらにより経営の創設に努めてまいりたいというふうに考える次第でございます。
○岡田(利)委員 時間がありませんから、これは答弁は要りませんが、これも問題点としてひとつ御検討願いたいという意味で申し上げておきたいと思いますが、公団事業の範囲がこれだけ広範囲になりますと、かつて道で道路整備とかそれぞれ普通一般地域と同じように行われてきた事業というものはすべて公団の事業範囲の中で吸い上げられてまいるわけです。そういう意味で現地であれだけの事業が進められながら、逆に中小建設業者は仕事が減っているというのが実態であるわけです。これは一つの国の基準がありますから、入札に応じ得る資格というものがありますから、当然そういう現象は出てくることは私は避けられないのだと思うのです。かと言って、これを放置しておくという手はないのではないか。もう少し工夫が必要ではないか。たとえばジョイントを組ませるとか、あるいは共同化させるとか、そういう中でそういうものを育成しながら、そういうものを誘発をしながら、これらの問題についてもある程度は解消するということが必要ではないか。あるいはまたそれぞれ大手が入ってきておるわけですが、仕事の内容は草地をつくり、道路をつくり、サイロをつくり、牛舎をつくり、建物をつくるというだけなんでありますから、そういう面から考えますと、これは十分でき得る仕事でもあるわけであります。こういう点何とか配慮すべきではないかというのが私の意見であります。もちろんこの地域でありますから、下請企業を使っても二〇%が完全にカットされる。したがって雨が降らないで工事が順調にいってとんとん、雨が降って工事がおくれれば赤字であるというのがこの地域における実態であるわけです。こういう面は改善されるべきではないかという意見を私は持っております。時間がありませんからこれは答弁は要りませんけれども、そういう指摘だけにとどめておきますので、ぜひ検討願いたいということを申し上げておきます。 次に、西別の国営農地の開発、これは河川の汚濁の関係で中止になっておるわけです。本来であれば四十六年に着工して十年間、五十六年に完成だ。これが四十九年に中止をされておるわけです。もちろんこの内容について説明は要らないと私は思うのです。問題は、一応の対応策ができ上がったやに聞いておりますので、その対応策は一体何なのか。工事が開始をされれば一体この地域の完成年次はどうなるのか、この点だけについて御答弁を願いたいと思います。
○森(整)政府委員 結論だけ申し上げますと、酸化鉄が流出するために汚濁が起こったということでございます。対策といたしまして、酸化鉄の沈でん池をつくるということが一つ、それから西別川へ直接排水をしないための放水路、海へ直接流してしまうというものを設置するということ、それから多量に酸化鉄を含む地区を除外するという、この三点で関係漁協との了解がつきましたので、五十二年から農地造成の工事を再開いたします。 そこで、いつ完成するかということでございますが、残事業費の改定——これは計画の変更を行わなければならないということでございまして、その結果まだ完成年次を明らかにするまでには至っておりませんけれども、せっかくの御要望でございますので、なるだけ早く事業が完了できるよう、もう話がついたわけでございますから、至急進めたいというふうに思っております。
○岡田(利)委員 特に根釧、天北、これが北海道の酪農地帯の乳量生産でいえば七五%を超える一つの指標というものはすでに出されておるわけですから、そういう意味で考えますと、すでに一般の地域においても草地造成、そして経営面積を広げるという意味では、いいところはもうすでに着手されておりますから、概して湿地帯が多いわけであります。そういう意味では湿地酪農なんという言葉も実は現地で生まれておるわけであります。それだけに泥炭地帯における草の研究というものはこれからもきわめて重要な位置を占めるわけであります。 聞くところによりますと、天北地区でこの開発調査に当たって一応の研究がなされたということもございますけれども、広大な根釧地域ではそういう専門的な泥田地帯における草の試験研究機関というものはないわけであります。これは八郎潟のように圃場をつくって国で進めるのか、あるいは県に対して補助をして積極的にこういう研究を進めるのか、いずれにしてもこれは重要なポイントだと思うわけです。一方、政府は緊急粗飼料対策でその政策を展開いたしておるわけでありますから、この部面が欠落しては政策が欠けているといわなければならないと私は思うのですが、この点についてどういう対応策があるかというのが第一点であります。 第二点の問題は、御承知のように北海道は補助率でも他の地域より五%高い。また北海道というのは非常に広い地域で、気候も違うわけです。特に草地酪農を考える場合に、草は普通根釧であれば反収三・五トン、今度の設計でも四・二から四・六という数字を出しておりますけれども、残念ながらいま根釧では反収は三・五トンが平均であります。一方十勝においては、若干一部の地域がありますけれども、六トンが平均である。あるいは網走一般では六・二トンぐらいになっておる。言うならば草の反収は倍ぐらい違うわけですね。そうしますと、たとえば永年牧草地を更新する、二十万円で五〇%補助金を出す。十勝では一町歩やればいいところを根釧では一・八町歩やらなければならない。もちろん補助金も高いけれども、農民の負担も高い、こういう実態にあることを十分農林省は御存じだと私は思うわけです。そうしますとこういう政策を進める場合に実践的な過程においてこの点がその実態に即応して配慮されなければならないということは当然ではなかろうか。そういう意味でこの点についてどのような考え方を持っておられるかというのが第二点であります。 第三点は、これは北海道開発庁にお聞きすることになると思いますけれども、交換分合が進められておるわけでありますが、特に二百海里時代における根釧、天北の農用地開発、こういう問題意識が、計画を進め事業を進める場合に常になければならない時代に入ってきた。御承知のように西別川、清丸別、風蓮川あるいは士別川、その他幾多の小河川がありますけれども、全部サケ・マスのふ化河川であるわけです。今度の公団設計では河川に百メートルずつ林地をつくって河川の汚染を防止する、こういう設計がなされておりますけれども、この地域全体についてどう対応するか、このことを解決しないでこの酪近の目指す方向というものは実現できない、私はこう思うわけであります。もちろん附帯決議では林地の活用という問題があります。そうしますと天北の地域は林業と農業とそれから水産業、いわばわが国の一次産業というものをどのように共存的発展の方向を目指しながら問題を組み立て、解決をしていくか、この視点が二百海里時代に特に強く要請をされるし、そういう意味で農林省という省で一まとめになっておるわけでありますから、そういう立場からすれば対象区域だけではなくして総合地域的にこれらの一つの地図をつくる、調査をする、こういう積極的な姿勢がなければならないと私は思うわけであります。もちろんこの中には百間の防風林というものがある。これは一体百間必要なのかどうかという問題もあるでしょう。あるいはまたたとえば防風林地帯をつくらなければならない地帯もあるかもしれない。こういう点でかつて農業地図をつくるという話が黒澤先生からありましたけれども、私は酪農専業型のこういう地域の一次産業の共存的発展の方向を目指して新しい調査と企画を立案すべきだ、対応策を立てるべきだ、こういう考え方があるのですが、ひとつこの三点について御答弁を願い、総括的に次官から私の意見に対して答弁をいただきたい、こう思います。
○大西説明員 ただいま岡田先生から御質問ございました第一点と第三点につきまして北海道開発庁からお答え申し上げます。 まず第一点の草地の試験研究を天北でやっておるけれども、根釧についてもそういうことを本格的にやるべきではないかというふうな御指摘でございますが、北海道の酪農振興のために草地開発が非常に重要な課題として取り上げられましてほぼ十年ぐらいたちまするが、実は先生も委員をしていただいておりました北海道開発審議会から開発庁長官に対しましての建議が昭和三十八年に出されております。その一つは、大規模な草地開発事業を積極的に実施すべきである。それから第二点は、草地の開発利用研究の強化のため草地試験場を設置すべきであるというこの二点の建議がございました。これを契機といたしまして、草地開発事業の制度化を開発予算の中でまず立てました。また試験研究機関といたしましては、農林省の北海道農業試験場に草地開発部が、この建議が一つの契機となりまして設置されたわけでございます。その後草地開発の事業も本格的に進められましたし、また北海道農業試験場におきましても、草地開発部を母体といたしましてすでに二部十一研究室と拡充強化されております。 しかし、先生御指摘のとおり、草地開発についてこれだけで試験研究が十分進められるかということにつきましては、私どもも、特に今後の草地の開発の対象は恐らく湿地、泥炭地に向くであろうというようなことを考えまして、その開発利用あるいは地元農家に対する指導等のための試験研究、調査体制の強化につきましては、関係機関と連携を図りつつ今後検討をしてまいりたいと考えております。 第三点は、根釧、特に天北等につきまして、農林あるいは水という一次産業の中で、それの地域全体としての調整を図る必要があるのじゃないか、なかんずく農業地図というふうなものの検討を今後進めるべきではないかという御指摘でございますが、局部的には、まさに農業と漁業あるいは農業と林業の間の調整の問題が北海道でいろいろ出ておるところでございます。このようにいろいろな問題が出ておりますので、北道海開発庁といたしましては、今後そういう地域的な調整を図りながら円滑な開発を進めていくという観点から、総合的な土地利用と指標となるいろいろな土地利用に関する調査をもう数年前から継続いたしております。たとえば土地利用総合調査とか農林地域総合利用調査というふうなものを現在実施いたしております。これらの成果を踏まえまして、関係機関と緊密な連携を図りながら、国土利用計画法あるいは農振法等の適切な運営を通じまして、地域の特性に即した総合的な土地利用の展開を図ってまいりたいと考えております。
○大場政府委員 第二点の、緊急粗飼料増産総合対策等の進め方についてのお尋ねがあったわけでありますが、それについて、お答え申し上げます。 確かに、御指摘のように、根釧、網走、十勝、牧草の反当たり収量は違うわけであります。そういったところに着目いたしまして助成の程度に差等をつけるというお考えは確かに理解できるわけでありますが、実際問題としてさらに細かく分けてみると、同じ十勝、根釧、網走の内部でもそれぞれかなりばらつきがあるということもございますし、現実にかなり開きがあるというふうな気がいたします。 それから、緊急粗飼料増産総合対策は、主に牧草地の更新をねらいとしておりますけれども、それだけに限ったことではございません。たとえば水田地帯におけるわら、そういう粗飼料の未利用資源を有効に利用することも含めて、いわば地元で好きな事業を選択できるような形でメニュー方式をとっておるわけでありますから、そういったことも考えますと、反当たり収量という形で直ちに差等をつけることについてはもうちょっと検討させていただきたい。これはほかの助成政策、価格政策にも関連が出てくるというふうにも考えるわけであります。 ただ、進め方といたしましては、緊急粗飼料増産総合対策は、いま申し上げましたように、ばらつきがそれぞれの地域であるわけでありますから、できるだけ劣弱なところを引き上げていく、高位平準化を図ろうというところがねらいでありますから、やはり反当生産量の少ない地域に重点的に助成をしていくという方針で進みたいと思っております。
○羽田政府委員 先ほど来先生からずっとお話がございましたように、北海道という地はわが国にとりまして非常に貴重な土地資源を持っておるところでございます。それと同時に、北海道におきましては農林水産業がまさに基幹産業であるわけでございまして、今後の北海道の地域の振興を図っていくためにも、これらの均衡ある発展を図ることが大変重要であると考えております。先ほど来御指摘がございましたことを踏まえまして、それぞれの機関と十分連絡をとり、調整しながら積極的に進めてまいりたいと存じます。
○岡田(利)委員 終わります。
○山崎(平)委員長代理 この際、午後二時より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時四十五分休憩 ————◇————— 午後二時一分開議
○金子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。竹内猛君。
○竹内(猛)委員 農用地開発公団法の一部を改正する法律案について質問をするわけでありますが、大臣に直接答えてもらう部分がありますが、この部分はまた後にして、政務次官にとりあえず事務的な問題についてまず質問していきたいと思います。 午前中にわが党同僚委員から幾つかの質問がありましたが、まず最初に、八郎潟の干拓の問題の理念というか、基本的な考え方について当初といまとかなり変わっている、このことについて、これは何のためにやったのか、これを聞かせてもらいたいと思う。これはまず政務次官から答弁を願いたい。
○羽田政府委員 お答え申し上げます。 いま先生の御質問、いわゆる八郎潟の当初のあれと途中で変わったのじゃなかろうかということでございます。八郎潟における新農村建設事業は、規模の大きい、生産性の高い農業経営を創設するということを目的といたしまして実施してきたところでございます。その営農形態につきましては、最近における米の需給緩和、そういったことに伴いまして実施された開田抑制措置と関連しまして、昭和四十八年基本計画が変更され、五十年から田畑の複合経営が開始されたわけでございます。その後の営農の実態を見ますと、水稲作につきましてはもちろんのこと、畑作の基幹でございます小麦なんかにつきましても、畑作目にもかかわりませず、収量あるいは労働生産性、こういった面から見ても大変良好に進んでおるというふうに考えております。そのほか粗収入等につきましても五十一年には千五百万円程度上げるなど、入植者は相当旺盛な意欲を持って営農に取り組んでおると考えておるわけでございます。途中で変更になったわけでございますけれども、今後とも田畑の複合経営ということを基本にいたしまして進めてまいりたいということでございます。
○竹内(猛)委員 あと基本的な問題については大臣に問うわけですが、相当な金を使って三千世帯の漁業補償をやって、五百八十戸の農家を導入する、そして米をつくったけれども、その米は生産制限をするというような状態で、この八郎潟の干拓というものは、一体モデル地区としてやったのか、米が欲しくてやったのか、この選択はどっちも失敗じゃないか。モデル地区としてやったにしても、これだけのモデルをもってやれる地区というのは、もう日本にはほかにはないでしょう。仮にそれが成功したとしても、あれと同じようなことはできない、こういう状態ですね。あるいはまた、米を生産をする、そういう米が余るという状態の中で、これもまたおかしなことになる。だから、いま魚の問題であれだけわが国とソ連との間でいろいろ問題が起きておるときに、その漁業というものがもし仮にあの部分だけあったとするならば、それはむしろその方が効果があったんじゃないかと思われるくらいに、この事業に対する問題が問われるようなことになっておるのじゃないか、これはわれわれが考えることですけれども、これはどうですか。
○森(整)政府委員 御指摘のような問題については、私ども決してそうは思っておらないわけでございます。ということは、この事業によりまして一万七千ヘクタールの土地が造成されたということ、それからその中で中央干拓地での入植が行われたというふうに分けて考えますと、まず八郎潟の干拓に伴う成果といたしまして、周辺地域に相当面積の良好な農地が造成された。これは関係十何カ町村に及ぶと思いますが、この水源によりまして、たとえて申しますと、あの男鹿半島の砂丘地帯の八竜という地区でこの用水を利用して非常に近代化された畑灌事業が行われまして、すでにプリンスメロン等、秋田県でも珍しい産地が発生をいたしております。それはともかくといたしまして、周辺の干ばつの被害が軽減されまして、浸水被害がなくなった。そういうことで、全体を見ますと、中央、周辺合わせまして百億円を上回る生産を上げるということで、関係大潟村だけでなしに全体として相当な成果を上げておるということが第一点でございます。 それから、ちょっと数字的には私どもまだ把握はいたしておりませんし、漁業権は補償されておりますからいろいろ問題はあろうと思いますけれども、あそこにできました池を使いましてすでに相当養殖が行われておりまして、実はこの取り扱いをどういうふうにしていくかということが相当問題になっておるわけでございます。私の申したいことは、前の生産といまの生産との価値関係がどのくらいに違っておるか、そこまで、まだ私いま手元に数字は持っておりませんけれども、漁業がすべてなくなったというわけではないということを申し上げたいわけでございます。 それからもう一つ、中央の当面の五百八十戸の問題でございますが、確かに多額のお金が投下されましたけれども、十五ヘクタールの田畑複合経営ということは、米の生産調整という問題が契機になったことは事実でございますが、あそこの干拓の現在の、要するにだんだん土壌が熟化していく、その過程での経営といたしましては、非常に労働のピークを崩したということ、それから土壌の熟化を進めていくという、要するに土壌を干し上げながら米と小麦を回していく、そういう営農形態、それから実際にでき上がっております個々の農家の経営の成果、先ほど政務次官からも申し上げましたが、これらにつきましては、私どもは決してむだな投資をしたわけではない。すぐに近郊のほかの農村地帯であれだけのことができるというふうには申し上げにくいと思いますけれども、やはり日本でもああいう経営が成立するということは言えるのではないだろうかと思います。ただ問題は、あそこのでき上がった後のいろいろ社会的な村づくりというものが国費を投じてできたわりに、わりにと言うのはおかしいですけれども、一遍にああいう施設ができた後の社会的な秩序なり、集団的な社会形成という問題については、これから各入植者のお互いの話し合いによりまして、そういう秩序というものが期待をされておるわけでございますから、そういう問題については確かに問題はあると思いますけれども、いまるる述べました点については私どもは評価をしたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○竹内(猛)委員 農林省として、それは失敗だなんということは口が腐ったって言えるはずがない。そういう理屈は成り立つかもしれないけれども、はたから見ていたら、やはり八郎潟の干拓をやる、またその他の干拓をやって米づくりをやる、近代的な営農形態であっちもこっちもやっていくんだ。こういう労働の生産性の高い近代的なそれをやっていくんだということで出発したんだ。ところが今度は、後から質問するけれども、あっちこっちの開拓地はそういうわけにいかないでしょう。だからそういうことから言えば、いろいろ話は聞くけれども、それはやはり挫折をしていることは事実なんだ。だから、それは全然無過失であったなんて私は言っているわけじゃないんで、そういうことではやはり農政に一貫性が欠けていたんではないかということを言いたいわけです。これはいいです。 そこで、先ほど岡田委員から話があって、残務処理の問題について、債権債務というのが農用地開発公団に移される。それからその他の残事業、事業は秋田県がやることになるだろうと思うんだが、その場合に、百八十八億の金を処理するために労働強化になるのではないか。役員は一人ふえるようなことになっておるけれども、職員はふえる計画はないわけでしょう。先ほど岡田委員の質問に対してはないと言われたが、この点はどうです。
○森(整)政府委員 結局、債権債務の管理業務ということに相なるわけでございますが、先ほど私が申し上げましたように、人事の面でいろいろ配慮をするということと、定数の問題についても、当初所要の人員をどの程度確保するか、まだ数字は決めておりませんけれども、そういう業務体制が、執行体制がとれるという措置は当然考えたいというふうに思っております。当初相当いろいろ事務が出てまいると思いますが、それが軌道に乗ればまた平準化されていくというふうに考えておりますので、それに対応した定員の措置も考えてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 これは農地開発機械公団を解散するとき、農用地開発公団の法案をつくるとき、いずれも附帯決議の中に、物をつくるということ、あるいはそういう器をこしらえるということは非常に結構なことだが、その中に働く人間というものを大事にする、こういうことが必要だということをわれわれは常に言ってきた、訴えてきた。この場合でも、仕事の量というものは明らかになっている。そこでそれをやるために、従来の農用地開発公団の職員をふやさないということではなくて、いま言うように、それではいつごろから、仕事は明確なんだから、何人ぐらいを考えているのか、それの予算的な裏づけはどう考えているのか、こういう点についてもう一歩突っ込んだ答弁がないものか……。
○森(整)政府委員 まだ正確に数字を申し上げる段階でございませんが、若干名というふうに人数は考えておるわけでございます。 それから、それに伴う必要な予算につきましては、事業団の予算の認可に当たりまして、その点は十分配慮をいたすつもりでございます。
○竹内(猛)委員 続いて、公団の仕事と関連をして、これは後で大臣並びに理事長に、展望の問題については詳しくいろいろ質疑をしたいわけですが、事務的に考えた場合に、国営土地改良、これが十地区ある。そのうちの三つの河北潟あるいは中海あるいは笠岡湾、こういうものがこれからは公団の対象になろうとしておりますが、その他の七地区というのはどういうふうに考えているのか、これは従来のとおりにやっているのか、これはどうですか。
○森(整)政府委員 十地区と言われますのは、恐らく国営の干拓事業の現在の十地区だと思いますが、いろいろ問題のある地域もございます。たとえて申しますと高浜入あるいは羊角湾、具体的に挙げますとこういう地区もあるわけでございます。その他の地区につきましては、例の福島潟もございます。そういうことでございまして、実際に問題にする地区は、あと、実は着工の予算はつけまして、逆に問題になっております長崎南部は一応酪農の計画を持っておるところでございます。ただ、これにつきましてはまだ着工を現実にするかどうかということは、現在、漁業補償の問題に絡みまして、実は難航をいたしておるわけでございます。 それからその他の地区につきましても、なお排水工事を施行しない、こういう今後のこの公団の事業に向くような事業がちょっと不可能ではないかという地区などございまして、ただいまのところ、一応三地区、その中では河北潟が一番先に現実化してくるのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 とすると、河北潟一千百十ヘクタール、進捗率六六%、それから中海が二千百七十ヘクタールで五五%の進捗率、笠岡湾が九百四十で七〇%という形になっているのだけれども、これが対象になる、その中で河北潟と、こういう話ですか。
○森(整)政府委員 当面はそういうふうに考えておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 そうすると、あとの七地区ですね。高浜入、ああいうところはちょっと言葉に出さない方があるいはいいかもしれない。あの辺は余りやらぬ方がいいですね。そこで、なお進んでいるところがあるわけです。そういうところはどうします。そこは選別をするわけですか。
○森(整)政府委員 これは今後の計画を煮詰めていく段階で、いろいろその地域の社会経済的な条件が整っておるという判断ができますれば、それに応じてこの事業を導入をしていく。また恐らく、もし畜産関係の計画を持つ場合には、これが非常に有利な事業だと私どもは考えておるわけでございますから、当然県もそういう体制で臨んでくるだろうというふうに思うわけでございまして、これはまだ具体的に該当県と協議も相談もまだしておらないわけでございます。将来の問題としてはその中から入ってくるものがあるかもしれない、こういうふうに考えておるわけであります。
○竹内(猛)委員 またもう一つあらかじめ事務的な答弁をもらいたいわけですが、六十年展望によると、農用地というものを四十八年から六十年までの間に七十万ヘクタールふやす、こういうことがある。そして、また一方では、市街地や、そういうところでつぶれるところがある。そして差し引き十六万ヘクタールぐらいふえていくだろう、こういう計画があるけれども、この問題はいま一体どこでどういうぐあいに行われて、どのぐらいの進捗率になっているのか、これはどうですか。
○森(整)政府委員 六十年見通しで農用地造成八十六万ヘクタールということでございますが、とりあえず土地改良長期計画の五十七年までの計画では農用地七十万ヘクタールということに相なっておるわけでございます。そこで、土地改良長期計画のベースで農用地造成の実績を申し上げますと、四十八年度から五十二年度、五カ年で五千七百億円強の事業費によりまして約十四万ヘクタールという農用地が造成されるというふうに見込んでおるわけでございます。金額で言いますと計画の約四一%、面積で申しますと約二〇%ということでございます。これは御承知のように、四十九、五十年のいろいろ公共事業の抑制、工事費の増高という問題が絡んで、またそれ以後の単価工事費のアップという問題が絡んでこういう結果に相なっておるわけでございますけれども、目標の前半にいたしますと、面積ベースとしては二〇ということでございますから、非常に実質の面積としては計画とは乖離をした実績になっておるということは事実でございます。
○竹内(猛)委員 もう一つ、畜産の方の牧野を造成するという計画がある。この牧野造成というものは四十万ヘクタール、これは一体どの程度に進んでおるのか、どこでそれはやられておるのか。
○大場政府委員 四十八年を初めといたしまして五十七年まで四十万ヘクタールという目標でありますが、現在までの進捗率は五十二年度を含めまして二二%弱、こういった状況であります。 どういう主体で行われてどういうところでやっておられるのかということでございますが、四十万ヘクタールの内訳、きっちりしたものはないにいたしましても、おおよその見当で申し上げますと、大体、公団関係で二割強、それから国営あるいは県営クラスが一割、残余が団体営、こういうふうな分布で見ております。 対象地域といたしましては、公団営が主として、御存じのように林野率の多いような未利用資源の多い地域で、そこに大規模経営を創設する、国営系がやや奥山の公共育成牧場を中心にしている、それから団体営が、御存じでしょうが里山開発、大体こんなような形で進んでおります。
○竹内(猛)委員 なぜこういうことを聞くかというと、農地開発機械公団から農用地開発公団に移った中で、まだ公団の中に未処理の職員がおる。それはその資料の中にもありますけれども、関西あるいは九州に二十人ないし五十人という者が残されている、こういう人々の処理と、それから仕事をどういうふうに保障していくかということについて農林省の方の考え方をお聞きしたい。
○森(整)政府委員 御指摘の事務所は、石央の開発事業所を除く西部事務所と九州事務所の福岡事業部であろうかと思いますが、これはもっぱら受託業務だけを行っている組織でございまして、これにつきましては逐次縮小しまして、その職員を公団の他の組織に配置がえしていく考えで進めていきたいと思っておるわけでございます。それはそれでそういうふうに考えておるわけでございますが、今後干拓の業務が出てまいりますと、特に西部事務所管内で実施された——河北潟を考えておるわけでございますが、そういうふうになってまいりますと、またこれに要する組織整備の問題が出てまいるわけでございます。これにつきましては、当然またそれなりの措置を考えていかなければならないというわけでございます。 これはこれ、それはそれということで、結果的にどういう組織にしますか、結局、後の問題が残りておるわけでございますが、一応考え方としましては、受託業務は受託業務で縮小をしていく、今後の事業は今後の事業で伸ばしていくということでございますから、それなりに対応していくべき問題であろうというふうに思っておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 関西と九州にまだその職員が残されている、これに対して新しい仕事を保障していく、こういう話です。現場の方の声は、国家公務員及び準国家公務員は、それぞれ一つの運命かもしれないが、移転、転任、こういうことがよく行われる、そのたびに子供の学校教育、こういう問題あるいは自分の住宅が定まらない、それぞれ非常に生活が不安定ということであるわけだから、できるだけどんどん変化をしないようにしてほしいという希望もある。そのためには、何としてもやはり仕事に対する一貫性というものがなければならないのじゃないか、ときどき思いついたようにあっちの仕事もこっちの仕事も手を出す、こういうことではなくて、食糧の長期見通しというものがあるならば、それに沿って干拓なりあるいは草地造成なり土地利用なりというものをもっと一つの機関でしっかりやって、そこに人間を定着させていくというような考え方というものはできないものかどうか、これも政治的なものになるけれども、まず事務的な形でもひとつ答弁をしてもらいたい。
○森(整)政府委員 公団の事業というのは、これはいま御指摘のように——ようにというのは反対なのですけれども、非常に遠いところにございます。北は北海道から——今度は天北、それから沖縄、そういうことで、むしろ僻遠の地に草地造成の可能性があるし、また、そういうところを大いにやっていかなければいけない、こういう問題があるわけでございます。そこで、人を中心に物を考えるというわけにはなかなかまいらないわけでございますので、考え方といたしましては建設関係の特殊法人ということでございますので、いろいろ現場の、特殊現場手当だとか特地勤務手当等という手当の支給の問題でございますとか宿舎の貸与の問題等、生活上の配慮を払っておるということでございますが、特に僻遠の地に勤務される方々には、余り長くならないということが一つの配慮できることではないかというふうに考えておるわけでございます。 職員の管理問題につきましては非常にむずかしい問題をはらんでおる法人であることには間違いございません。その点につきましてはやはりそれなりの処遇をして差し上げなければならないわけでございますが、常に現在の他法人の例というのが基準になるわけです。しかし、その特殊性を強調しながら、その配慮につきましては十分われわれも応援をしてまいりたい、こういうふうに考える次第でございます。
○竹内(猛)委員 職員の問題等のことについては、やはり事業と人の配置の問題についてあるいはやむを得ないものがあるかもしれないが、これについてもできるだけこれは配慮をしてもらいたい。 私は、この公団の見通しとか、職員の配置とか、あるいはいわゆる天下り問題等については、いずれ大臣が来たり理事長が来てから質問しますが、もう一点だけ事務的な質問をしておきます。公団の事業と国営事業とのメリット、デメリットというものはどういうふうに理解をしたらいいか。
○森(整)政府委員 公団の事業というのは、先ほどもどなたかの御質問にお答えいたしましたけれども、私どもは、農業基盤整備事業の中で一番工期が約束どおり実行されておる唯一の事業で、おくれておる方からは早くしろということで逆に怒られるかもしれませんが、そういうことで、これはやはりそういう執行体制になっておりますし、ことに、後でいろいろ異論もあるかもしれませんけれども、管理費がそもそも最終的には農民負担になっている、そういう面も持っておるわけでございまして、非常に財投資金を借りながら事業をやっていくわけでございまして、そういうことから言いますと、余り建設利息がかさんではたまらぬということの突き上げも実はあるわけでございます。そういう意味からしても、また私どもも公団事業については重点的に予算の配分をいたしておるつもりでございまして、ともかく非常に工期が早い。それがほかのデメリットを償って余りがあるということではないか。 それからもう一つは、公団事業をやるということによりましてまた県が負担をしていただけるということが、農民負担の逆に軽減になっていく、こういうメリットも副次的に出てきているというように私どもは考えているわけでございます。
○竹内(猛)委員 ひとまずこれで終わります。
○金子委員長 吉浦忠治君。
○吉浦委員 私は、農用地開発公団法の一部を改正する法律案について、特に八郎潟干拓についてお尋ねをいたしたいと思います。 日本最大の干拓地と言われております大潟村ではございますが、八郎潟の干拓は最新の技術と長い年月を要し、多くの人々の労力によって築き上げられました現代のピラミッドでもあると言われるぐらい、実り豊かな大地ができたわけでございます。歴史を申し上げれば、古い時代のようでございますが、安政年間からその規模はあったようでございますけれども、特にその必要は、終戦後の極度な食糧不足から食糧増産が改めて国の重要政策となり、土地改良や開拓事業が急務とされるようになってからだろうと思います。いわゆる八郎潟の干拓事業は、一言にして言えば、一千億円にも達するほどの膨大な資金と、ヘドロと言われる超軟弱地盤との戦いの歴史であったと思います。この数多くの障害を乗り越えて、いまの言葉で言うと「でっかい農業」を夢見る、そういう形で形成をされたわけでありますが、この八郎潟の干拓は当初食糧増産、特に米の増産を目的として始められたわけでございます。その後食糧の需給安定、さらに米の過剰生産というふうなことから農業情勢が変化して、その意義は、食糧増産から、日本の農業及び農村のあるべき姿、すなわちモデル農村をつくることに変わってきたように変えられるわけであります。 そこで私は、この中央干拓のいままでの経緯と、特に第四次入植者までは水稲単作としての五ヘクタール、七・五ヘクタール、十ヘクタールの選択というのがございました。四十四年になるというと開田抑制というふうなことで、四十五年、米の生産調整によって入植も一時中止のやむなきに至ったわけであります。四十七年、事業団理事長の田畑複合経営の提案がなされ、四十八年、農林省において同基本計画の変更がされて、現在行われておりますように一律十五ヘクタール配分として、半々の経営に移ってきたわけであります。 ところで、干拓地は水稲適地と私は考えておりますが、八郎潟中央干拓地では入植者は田畑複合経営を行うことになっている関係で、入植者の経営安定は畑作営農にかかっていると考えます。現在まだ不作付地等も多いようでございますが、干拓地における畑作営農というのは本当に大丈夫なのかどうかということをまずお答えを願いたいと思います。
○森(整)政府委員 これは畑作営農が大丈夫かということよりも、やはり田畑の複合経営がいま一番適しておるのではないか、こういう意味でお答えをしたいと思うのですが、やはりヘドロが熟化していく過程を経る場合に、逆にやはり乾燥させた方がよろしいという意味がもう一つございます。それから労力の問題から申しましても、経営として一時期にいかに機械化を行うにいたしましても、田植えなり収穫の時期に非常に集中してピークが出てくる、こういう問題があるわけでございます。そういう種々の事情を考えた場合に、確かに稲作転換というか開田抑制といいますか、そういう政策が出て、関係の入植者は非常にいろいろなイバラの道を歩んできたわけでございますけれども、結果的に落ちついたいまの経営方式というのは、経営としては非常にいいのではないか。 ちなみに申しますれば、米ではもう先生御承知のとおり全国平均を常に相当上回っておるということでございますし、あそこの貯水池がむしろ温水ため池の効果を果たして、昨年の冷害に対して逆に相当な収量を上げたという実績もある。それから小麦につきましても、全国平均並みの収量ができて、労働時間にしますと非常に短縮された成果が上がっておるということでございます。 そこで、むしろ小麦以外に——小麦中心で考えておりますけれども、大豆、野菜等につきましても、これはむしろ大量につくるよりも、いろいろな作物が農民の手で、試作をされておる、その中からいろいろ淘汰をされていくというふうに見ておりますけれども、問題は、それに対するわれわれの指導の問題といたしましては、御承知のように事業団が実験農場を設けて試験を実施いたしました。今後それを県の試験場の支所が引き継いでまいる、それから普及所もあそこにつくる、そういうことで今後営農指導の面にもいろいろ気を配ってまいるということを考えておるわけでございますので、現在までにやられております成果につきましては、いろいろ試験場の御努力もございまして、一応この経営の形でいけるのではないだろうかというふうにわれわれ見ておるわけでございます。
○吉浦委員 局長の方からのいまの御指摘では、畑作の方の条件整備等が十分行われなければならないのではないかと私は考えております。いわゆる大規模な畑作経営の技術的な対応、または土壌が酸性の土壌のようですから、これに対する矯正方法、あるいは排水不良の改良等、かなり条件整備が必要ではないかというふうに考えておりますが、この点はどのようにお考えか、お答え願いたいと思います。
○森(整)政府委員 これは先生御指摘のように、八郎潟でも排水の特に悪いところもございます。あれだけの広大な面積でございますから、圃場によりましていろいろ違いがございますが、一般的に申しまして、当然排水事情が悪いということは言えると思います。そこで、現在やっておりますように、先生ごらんになったと思いますが、やはり明渠をしながら排水をしていく。あそこでいろいろ畑作で問題になっておりますのは、酸性の問題と排水の問題、あと塩害の問題が若干ございますが、この三つにしぼられるというふうに思っておるわけで、その基本的な条件を整備するのはやはり排水ではないだろうかと思うわけでございますが、まだ相当下の方は乾いておるわけではございません。ですから、地下水位の低下と土壌の乾燥の強化を図っていく、これは絶対今後の基盤整備上の大きな問題として考えていかなければならないというふうに私どもも考えておる次第でございます。
○吉浦委員 畑作の将来展望について、くどいようですがお尋ねします。 将来の稲作期待から、恐らく入植者の方々は、畑作用の機械とか、あるいはいろいろな施設等の必要投資というものは意識的に余り気が進まないのじゃないかというふうに考えるわけです。入植者のお一人、お一人に伺ったわけじゃないけれども、私の感じであります。その場合に、不作付地等がかなりの広さに残っているわけであります。一千二百十五ヘクタールもあるわけですが、これはそういう点から起こっている問題なのかどうなのか、その不作付地等が多過ぎはしないかという疑問を私は持っておりますが、この点についてお答えを願いたい。
○森(整)政府委員 この点につきましては、あそこの畑作といいましてもやはり小麦が中心に現実になっておるわけでございます。この点につきましては、米麦で共用の機械が使えるという利点と申しますか、そういう点が中心になって考えられておると思います。 機械化体系といたしましては、大豆についても一応試験の結果は出ておりますが、それにいたしましても、米と小麦の輪作といいますか、そういう形のことが中心になっております。結局、小麦につきましては、五十年、五十一年、今度の五十二年ということで、五十年の成果が出ましてから、五十一年は倍にふえてきている、逆に申しますと、不作付地が減ってきているということでございまして、確かに小麦その他の問題につきまして、いろいろ不安はあったと思いますが、すでに立証をされてきておるわけでございますので、今後不作付地は逐次解消されていく、また、ほかの野菜等は、余り大きな面積をつくりますと市場価格の暴落を来たすという問題がございますから、需給を見ながらそれぞれがそれぞれの作付体系を組んでいくということが一番妥当なんではないだろうか、こういうふうにわれわれは見ておるわけでございます。
○吉浦委員 営農の安定には労力の配分が適切に行われる必要があると思います。畑作を導入した場合に水稲とその労力は競合しないかどうか、第二番目にお答えを願いたいと思います。
○森(整)政府委員 あそこの作付期間と作業の時期を見てまいりますと、水稲の移植期が五月でございます。収穫が九月の末から十月の末までという形になっておりますが、小麦の方は九月の中下旬から播種をいたしまして、収穫が七月ということでございます。そういうことで、結局労力的には、小麦と水稲は別々の圃場に作付が行われるわけでございますが、むしろ労力の平準化には役立っておる。それから、大豆、カボチャ、キャベツというのが実際に行われておるわけでございますが、これも当然労力のピークを外しながらの作付ということで一応ローテーションが組まれておるとわれわれは見ておるわけでございます。
○吉浦委員 今後入植者は年々負担金を払っていくわけですが、その額はどの程度になりますか。また、現在の経営状態から見て、負担金の償還には無理はないかどうか、お答えを願いたいと思います。
○森(整)政府委員 入植者の入植の順次によりまして、五次入植が一番負担金がかかるということになるわけでございますが、その高い方の第五次の入植者のピーク時の年間支払い額が、これはピーク時で約二年程度でございますが、五百九十万程度であろう。しかし、その二年間を除けば、年間支払い額が五百万円を超えるという場合は、二十五年間にわたる支払い期間中わずか二カ年だけで、その他の期間は大体四百八十万円というふうに試算が出ております。したがいまして、逆に申しますと、一次から四次までの入植者の年間支払い額はおおむね三百七十万をそれぞれ下回る額ということに相なっておるわけでございまして、一応五次入植を考えてみましても、入植者の五十一年度の標準的な麦作導入農家の推定粗収入は千五百万ということで、経営費を引きまして差し引き所得が約九百万程度と見込まれておるわけでございますので、これから償還金を払っていくということで、一応負担金の償還につきましては十分可能でありまして、問題はないのではないだろうかというふうに考えておるわけでございます。
○吉浦委員 入植者の経営の収入等から見ますと、負担金あるいは賦課金の返済というものは困難ではなかろうというふうに私も思いますけれども、中に入っていらっしゃる方は、同一種類の方、種類というとおかしいのですが、能力から、あるいは体力から大体すぐれた方がお入りになっているのでしょうけれども、それぞれの体力差なり能力差なりというものはだんだんと出てくるのではないかというふうに思います。そういうことにいたしますと、非常に能力のすぐれた方と、一生懸命がんばってもできない方もいらっしゃるでしょうし、そうなると画一的には収入の面も計算ができないのではないか。また中には機械等の過剰投資のために、現代のような時代でありますとかなりお困りの方がいらっしゃるのではないかというふうな感じを私は持っておりますけれども、この点はどういうふうにとらえていらっしゃるかお答え願いたい。
○森(整)政府委員 確かに先生御指摘のとおりでございまして、私、標準ということでいま申し上げましたけれども、もちろん例の砂地盤という話もありますし、圃場条件が他に比べて悪いと言う方もあるし、あるいは個々の農家の営農技術というものも相当差がある。また営農への取り組み、強いて言えば意欲といいますか、そういうような問題もあろうかと思います。したがいまして、今度は条件がよくない、抽象的に申し上げまして収量が低くて経営としては劣るという農家の経営収支というのをやってみたわけでございます。たとえて言いますと、十アール当たり入植者平均が五十一年で五百八十八キロでございます。相当高いのですけれども、それを四百八十キログラムということで押さえて、小麦は平均が二百五十一キロでございますが、全部で二百キロしかとらない、そういう農家の計算をしてみますと、粗収入が五十一年の価額で千三百二十万円になります。経営費が六百二十万円としまして、償還金二百万円を差し引いた所得は五百万円になるということでございまして、そういうことで一応全国の平均農家の家計費が二百六十五万円ということになっておるわけですから、こういう極端、ある意味では私ども極端な経営試算だと思いますけれども、しかしそれでも別に問題はないのではないだろうかというふうに思っておるわけであります。
○吉浦委員 田畑の複合経営は端緒についたばかりでありますが、今後とも濃密な指導が必要であると思います。いよいよ事業団が解散をされるわけですが、解散後の営農指導はどういうふうに進めていかれるお考えかをお尋ねをいたしたい。
○森(整)政府委員 従来は国が事業団に営農の指導を委託してきたということでございますが、今後は一般の農業改良普及制度の対象というふうに考えてまいりたいということでございます。この方針のもとに、従来事業団では秋田県の農業組織との人事交流を行ってきておりまして、五十二年度から秋田県が大潟村に昭和農業改良普及所大潟支所を設置するということで所要の人員を確保する措置をとっているところでございます。それから二番目に、事業団が実施してまいりました営農試験地がございます。それは県の農業試験場の大潟支場といたしまして国も助成の予算措置を講じておりますが、畑作営農技術に関する実証展示、調査試験等を継続して実施できるような体制をとるということで、現在試験業務を開始いたしております。それから三番目に、畑作安定特別対策事業というのがございまして、主として干拓跡地を対象に畑作の展示を設置するという事業の予算を組んでおりますが、国の予算の半分はここに充当するということで、今後畑作の営農指導には万全を期してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○吉浦委員 時間がない中を私は大潟村をつぶさに調べてまいったわけでございますが、いろいろな観点から調査をした中で、数多くの疑問を持っておるわけでございます。その一つに、秋田県への移管にこれからなっていくわけですけれども、いままでは一つの事業団の中で、過保護と言うと言葉が適当かどうかわかりませんが、過保護的な存在で、入植者の方も比較的恵まれた条件だったと思います。これからの営農指導というのは資金面でも壁にぶつかるでしょうし、人間的な関係でもかなり問題が起こってくるのではないかというふうに私は感じております。あの中で年齢層、細かく調べたわけじゃございませんけれども、入植者の方々の平均年齢が三十六、七歳ではないかというふうに思います。村長さんにもお会いいたしましたが、いわゆる人間関係、いま一番大事な点は、農村における人づくりだと私は思っております。そういう関係からいたしますと、平均三十六、七歳の方々ばかりで、頼れる人というのは、いままでの事業団が解散されますと、そういう面における空白ができやしないか。理事長さんにもお会いいたしましたが、私は根っからの大潟村をかわいがられるような理事長さんの姿に接して本当は温かいものを感じておりますけれども、これからの経営というものに対しての秋田県の対処の仕方なり、また設備がすぐれたところであるがゆえに、比較的風当たりが強いであろう、そういう面で人間関係がどういうふうに展開していくのか、営農指導等を含めて、もう一度局長、お答え願いたいと思います。
○森(整)政府委員 大潟村は昨年みずからの手で村長なり村議会を選びまして、名実ともに本格的な地方公共団体として発足したわけでございます。したがいまして、今後の村づくりというのは村の当局の指導のもとに、村民全体の中で自分の手でつくっていくということが基本であるというふうに考えておるわけでございます。先生御指摘の問題は、私どもも痛切に感じておる問題でございます。しかし何といいますか、人なり人間関係というのは金でできない問題でございます。これが大潟村の最後の問題ではなかろうかと私ども思っておるわけでございますが、今後いろいろ県の指導のもとに事業を進めてまいるわけでございますから、そういう点につきましては県との連絡を密にして、私どももよく県にそういうお話をしておるわけでございます。また土地改良等も今後団体営等が起こされてくる場合にも、そういう目でもう一回、われわれとしても指導してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○吉浦委員 私は大潟村を訪ねたときに一番最初に注目をいたしたのは、いわゆる中心になられる方々の態度でありました。農村にいま意欲がないとか喜びがないとか未来が非常に閉ざされているというふうなことを言われておりますけれども、村長さんなり理事長さんなりあるいは入植者の方々等にお会いしたときに、かなり私はほっとした感じを持っていたわけです。 私も長いことそういう人づくりに携わってきたわけですけれども、そういうことから見て、同じ条件で、同じような環境で、人様ですけれども、人間を育ててまいりますというと、どこに欠陥ができるかと申しますと、一卵性双生児の場合に、東大の付属高校等で実験をいたしておりますが、全く知能もあらゆる面も同じように生まれたお子さんでも、比較的設備は恵まれておりませんけれども母親というものの愛情がたっぷりのところで育てたお子さんと、本来ならば知能が同じように進まなければならない子供さんも、設備がよくて冷暖房つきのような環境のいいところで、機械的に食事を与え、機械的な育て方をしたお子さんとは、やがては知能の差が明確にあらわれてくるわけであります。これは、教育というものに、あるいは人づくりというものに愛情というものが注がれなければ明確に大きな差を来すわけです。 私も教育の現場に二十数年おりましたが、あらゆる実験を、実験と言っては人様でありますから失礼な言葉でありますが、最もいま農村に欠けているのは、人の真心というか愛情というものが欠如してはいないか。環境ができ、あらゆる条件が整備されたのが大潟村だと思いますが、これからの問題は、中心になられる、そのリーダーたる人物の養成というものは、農林省では余りお考えではないのじゃないかというふうに、私は強く感じておるものですが、もう一度局長お答え願いたい。
○森(整)政府委員 先生御指摘の問題は、私ども痛いほど感じておるわけでございまして、一人一人につきましては非常にりっぱな方々の集まりだと私ども考えておるわけでございます。それゆえに、村づくり、全体の協調、そういう問題がなかなかいまのところ、あえて申しますとうまくいかないという面もあるように思います。しかし、やはりこういう人間社会というものは、どの村で見ましてもやはりいろいろな伝統といろいろなもめごと、そういう中に形成されてくるものではないだろうかというふうに考えておるわけでございまして、これは私どもリーダーをつくるというのは、かえってしない方がよろしい、むしろその中から、お互いの話し合いの中で今後の新しい本当の自治体が生まれてくるのではないだろうか、私どもはそういうふうに見ておるわけでございます。 これ以上やることになりますと、官制ということに相なります。官制の結果がどうなるかというと、これはうまくいくはずはないわけでございまして、やはり今後のお互いの話し合い、本当に村をよくしていくぞ、そういう協調の精神がなるべく早くまとまってくるということを私どもは期待するはかなかろうというふうに考えておるわけでございます。
○吉浦委員 和田さんという理事長さんにお会いをいたしました。私は、個人的なことをこういう委員会の席上ですから申し上げるのはどうかと思いますが、非常に入植者の方々からの信頼も厚いと私は受け取りました。大体天下りとかいろいろなことを言われているわけでありまして、後で同僚の方々から御指摘があろうかと思いますが、いい面の天下りはあっていいわけでありまして、ただ、人物的にそれほど数多くの適任者がおられるとは言えないかもしれませんが、農林省のりっぱな役人の方々ですから、私はそれを期待して申し上げているわけですけれども、いまの人づくりの点で、やはりつながるものはつながらしてもいいのではないか、何らかの形で存続できるものはやってもいいのではないかというふうな、モデル農村というふうな名称に変わってきている現在、何をモデルになさるのか、何を中心にモデル農村としての誇りを持たれるのか、あっちもこっちもだめだ、稲作でも麦の方でも困難だ、あるいはそのほかのことでも問題があるというふうなときに、それを乗り越えるのはやはり人づくりで克服できるのではないかというふうに私は強く感じているものでありますので、もう一度局長お答え願いたい。
○森(整)政府委員 私ども、先ほど申し上げましたように農村の人づくりということについては非常な関心は持っておるわけでございますけれども、何をモデルというふうに考えておるかということになれば、結局あれだけの大規模な圃場を機械力を駆使してむしろ田畑経営をやっておるということ、それから、特に申し上げたいのは、ある現象をつかまえてこれがモデルだというふうに私どもは考えたくないと思うわけでございます。やはりいろいろな苦労をしながらあそこまでできてきたわけでございます。それにつきましての事業団の協力というのは理事長以下いろいろ御苦労があったわけでございますけれども、今後は、そこはまさに自治体が誕生したのだから、村当局が中心になって、さらによりよい経営の発展をお互いに話し合ってやっていくべきではないだろうかということを考えたいというふうに思うわけでございます。
○吉浦委員 しっかり取り組んでください。 時間がありませんので次へ移りますが、大潟村の土地は大体全部が水面よりも下にあることからしますと、堤防、それから水門、ポンプ等の管理は、村民の生命財産の保全のためゆるがせにすることのできない大事なものであります。その管理には特段の配慮を払うべきであるというふうに考えますが、この点いかがでございましょうか。
○森(整)政府委員 これも土地改良の事業によって造成されたものでございますから、土地改良法のたてまえによることになっておるわけでございます。しかしながら、非常に基幹的な土地改良施設、防潮水門でございますとか、あのりっぱな排水機場でございますとか、それから幹線排水路、これは基本的な大潟村の生命線というべき性格のものでございますので、これは特に秋田県知事とのお話し合いもございまして、強力に大蔵省に要請をいたしまして、特例的な措置といたしまして、特別例外措置ということで、補助率五割ということで、秋田県に委託をして管理をお願いするということに決定をいたしました。たしか七千数百万円の予算を計上をいたしておるわけでございます。 それから、干拓堤防につきましては、これは公有水面埋立法によります埋め立て条件によりまして、その帰属は秋田県ということで、河川管理者である秋田県知事が管理するということにいたしておるわけでございます。
○吉浦委員 続いて二点だけお尋ねをいたしたいと思います。 堤防は半永久的に沈下をしていくというふうに私は聞いておりますが、実情はどうなのか、いつごろその沈下が落ちつくのか、また沈下に対してどう対処をするのか、この点をまずお尋ねいたしたい。 第二番目に、堤防が沈下するのであれば、農地や農道等も沈下するという心配はないのかどうか。現地では心配がないというふうにおっしゃったけれども、堤防が沈下すれば、農地、農道だって沈下するのじゃないか。この点についてお答えを願いたい。
○福澤政府委員 八郎潟の堤防の問題でございますけれども、軟弱地盤の上に築造いたしておりますので、築造いたしますと荷重がかかりますので沈下をいたします。圧密沈下と申しておりますけれども、そういう形で現在沈下しているのは事実でございます。これは盛り土の初期の段階で非常に沈下量が多くございますけれども、だんだん年数がたつに従って沈下量は減少してまいっております。四十五年から四十七年にかけて第一期のかさ上げ工事をいたしましたが、この段階までに大体一メートルぐらい沈下をしたのでございます。今後この問題につきましては、ただいま申し上げましたように、年数を経るとともに沈下量が少なくなっておりまして、五十一、二年くらいのいまの段階では、もう毎年十センチ以下になるというようなことで、昭和六十、七十年代までにはこれが数センチぐらいになっていくというような見方をしておるわけでございます。 なお、農地、道路の問題につきましては、農地も乾燥いたしますと収縮いたしますので、確かに沈下はしておるのは事実でございますが、四十七年度の調査では約三十センチぐらいのことでございまして、その後沈下量はどんどん減少しております。また道路につきましては、これは約八年ぐらいかけまして道路の基盤をつくり上げ、地盤が固まったところでその上に舗装をしていくというように、非常に年数をかけてやっております。農地、道路につきましては、いずれもこれは堤防ほどその荷重が重いものではございませんので、大体そのような慎重な対応の仕方によりまして、問題がないようないまの状況になっておると思います。
○吉浦委員 堤防が沈下をしていけば、道路なり農道なり農地なりも沈下をするのは当然だろうと私は思っております。大体豆腐の状態みたいにこういうふうに浮かんでいるわけですけれども、堤防が重たいところが沈んでくれば、そこだけが沈下をするのではなくて、同じこういうふうに浮いている豆腐であろうとも、一方が沈下した場合には、それに沿って土地も下がっていくものでありますから、そういう点の対策も、今後県に移管をされ、事業が解散された場合に、何らかの予想がいまからされる問題でありますので、そういう対策について明確に御答弁を願いたいと思います。
○福澤政府委員 ただいま申し上げましたように、同じ軟弱地盤でございましても、その場所その場所によりまして沈下量も違いますし、荷重の状況も違っておるわけでございます。したがいまして、同一の沈下量に対して、同一の工法で、同じような対応策をとるということではなしに、その場所場所に応じまして、従来やってまいりました対応策も局所的にみんな違う。盛り土の量にいたしましても対応の仕方は全部違っておるわけでございます。これらの実態を踏まえながら、私どもはその場所場所に応じまして、問題が起こらないように今後も努めてまいりたいと思っております。
○吉浦委員 地元で砂地圃場の扱いが問題になっておりますが、その面積は一体どのぐらいあるのか、そこについてはどういう工事をなさったのか、砂地圃場の扱いについてお尋ねをいたします。
○森(整)政府委員 御承知のように、砂地盤圃場と旧集落用地に砂を入れてしまって、それを耕地にしたという場所があるわけでございますが、砂地盤が約百八十ヘクタール、旧集落用地の圃場が三百十ヘクタール、合わせて四百九十ヘクタールということになっておるわけでございます。これにつきましては、先生御承知のように、一定の基準、耕土深十五センチにつき粘土含有量二〇%ということで客土を実施して圃場をつくった。その後五十一年にさらに追加客土をし、旧集落予定地につきましては反転客土をいろいろ実施して手直しをやったという経過になっておるわけでございます。そういうことで、一応旧集落の用地なり砂地盤圃場につきまして、全体で六億五千万の補修改修工事、それ以外の土地もございますが、そういうことで追加工事を行いまして、三月三十一日に一応工事完了をしたという経過に相なっておるわけでございます。
○吉浦委員 昨年砂地圃場において田植えをした場合に、土がコンクリートみたいにぴたっと締まってまいりまして、いわゆるいつき現象と申しますか、そういう問題があったと聞いております。ことしは田植えが終わっている時点で私は現地に参りましたけれども、どうであったかをお尋ねをいたしたいと思います。
○森(整)政府委員 御指摘のように、昨年いつき現象というのがございまして、代かきをして田植えをする場合に、つめが入らないというような問題が出たわけでございまして、昨年の十二月以降三万立米の客土を実施をしたということがございます。ことしは、昨年の経過にかんがみまして、代かき後できるだけ早く田植え作業をやる。置いておきますと締まるというような問題がございまして、そういう指導もいたしましたし、ことしの田植えの状況を見ましても、田植え作業で特に困難は見られず、現実には田植え作業はすべて順調にいったというふうに聞いております。このようなことから、いつき現象についてはその心配はまずなかったというふうに考えております。
○吉浦委員 中央干拓地については、事業団が解散すれば、秋田県が行政的なめんどうを見られることになるわけでありますが、今後の秋田県の対応はどのように考えていらっしゃるかをお尋ねいたします。
○森(整)政府委員 一般の自治体として大潟村が成立したわけでございますから、県−大潟村という線で今度行政が行われていくということでございます。 それから、具体的に営農面では、秋田県の農業試験場の大潟支場というのが事業団の試験場を引き継いでつくられる。それから普及所でございますが、昭和農業改良普及所の大潟支所ができる。それから八郎潟の基幹施設の管理事務所を設置する。先ほど秋田県が管理をすると申し上げましたけれども、そういう施設ができるということで、営農なりそれぞれの問題につきまして秋田県中心に行政が考えられていくということでございます。
○吉浦委員 秋田県に管理が移されますと、将来にいろいろな問題が起こってくるのじゃないか。まず干拓施設のうち基幹の施設でありますところの防潮水門、排水機場、幹線排水路あるいは干拓堤防、一級幹線道路あるいは五十二年度の管理費等で、半分は国からの補助が支出されるでしょうが、残額の費用の負担はどういうふうになさるのか、まずお答えを願いたいと思います。一億五千四百万円……
○森(整)政府委員 先ほど申しましたように基幹的な土地改良施設は県、干拓堤防については河川管理者としての秋田県知事ということで管理が行われるわけでございますが、ただいまの防潮水門、排水機場、幹線排水路につきましては、一億七千百六十万円の半額を国が負担するということで、これは当分この体制でいくということでございます。それから堤防なり道路なりにつきましてはそれぞれ道路法、河川法によりまして知事が管理していくということで、その管理の問題につきましてはそれぞれの関係省庁の予算措置をもって対応してまいる、こういうふうに考えております。
○吉浦委員 最後に政務次官にお尋ねをして終わらしていただきますが、農村に夢が少なくなっている現在、八郎潟新農村建設事業はそういう意味ではきわめて大きな事業であったと私は思います。したがって、これを八郎潟だけで終わらせるのではなくて、このような事業を今後とも積極的に進めていくべきであると考えます。また、食糧自給力の向上を図るためにもこれら干拓事業等の農業生産基盤の整備が基本であります。国としては、農村に希望を与え、農民が農業にいそしめるようにこれらの事業を積極的に推進すべきであるというふうに思いますが、国の考え方はどういうふうに持っていらっしゃるか、次官にお答え願いたい。
○羽田政府委員 先ほど来、先生現場を御自分で御視察いただきまして、進んでおります現状について厳しい御指摘、あるいはこれからの問題につきましての前向きの御指摘をいただきましたことに対しましてはまずもってお礼を申し上げたいと思います。 いま先生からお話がございましたように、八郎潟の新農村建設事業は生産性の高い農業あるいは所得水準の高い農業というものを創設しようということで模範的な新農村として建設したわけでございます。このことには幾つかの問題点はございますけれども、全体的に見たときには大変重要な意義があったと、いま先生の御指摘のとおりに私どもも感じておるわけでございます。今後このような大型のプロジェクトを組むことができる適地があるかどうかということについて問題があるわけでございますけれども、しかしこれに準じた規模のものにつきまして、いま御指摘のございましたとおり、また御要望に沿いまして積極的に進めてまいりたい、このように考えております。
○吉浦委員 終わります。
○金子委員長 神田厚君。
○神田委員 農用地開発公団法の一部を改正する法律案について御質問を申し上げます。 今回の改正の第一点は、農用地開発公団の業務範囲を広げて、農用地開発公団が国営干拓事業により造成されるべき干拓予定地において農畜産物の濃密生産団地を建設するために行う農用地等の造成及び農業用施設の新設などの事業について規定を整備することで、新たに国営干拓地において公団事業が行える道を開いたことでありまして、第二点には、八郎潟新農村建設事業団を解散して、その一切の権利及び義務を公団が受け継いで、土地の整備に係る費用の賦課徴収、施設等の譲渡対価の徴収などの業務を同公団ができるようにするということであります。 まず最初に、八郎潟の問題について御質問を申し上げたいと思います。八郎潟新農村建設事業団の解散に当たりまして、その残された業務について農用地開発公団がこれを受け継いだ、この基本的な理由につきまして御説明をいただきたいと思います。
○森(整)政府委員 これはいろいろな考え方があったわけでございます。端的に申しますと、一般会計が引き継いだらいいか、あるいは土地改良の特別会計がございますが、そういうものが引き継ぐか、それから秋田県が引き継いだらどうか、それからただいま御提案申し上げております農用地開発公団が引き継いだらどうか、こういう整理のもとにその利害得失をいろいろ考えたわけでございます。 いろいろな問題点はございますが、要は、この八郎潟事業団には出資金が出資されておるわけでございます。それから資金運用部から金を借りておりまして、これが財投からの借り入れや条件が元金均等半年賦支払い、それから農家からの徴収は元利均等年賦支払い、いずれも二十五年でございますが、財投からの借り入れの方はフロートで借りておりますから、大体実績の平均としては七%、農家からの徴収は六・五%ということで、その間の片一方農家なりその他から金を徴収して財投に返すという仕事が残るわけでございます。そういう関係から、若干の問題はございますが、出資金の問題といろいろ資金を運用するという面から、事業団と公団の違いはございますが、同一の性格を持った特殊法人である農用地開発公団に引き継がせるのが適当ではないかという最終判断に達したわけでございます。
○神田委員 そうしますと、主に出資金の回収とかそういう事務的なことでやはり公団が引き継ぐのが一番いいという御判断に立ったというふうに私ども理解さしていただきたいと思います。そうしますと、これは八郎潟の大潟村の農村の構造といいますか、そういうものに、農用地開発公団が持っている畜産物などを主体としたものにだんだん将来これを変更していく、あるいは将来そういうふうな濃密畜産団地をそこにつくっていくというふうな考え方はその中には入っていないというふうに理解してよろしゅうございますか。
○森(整)政府委員 先生八郎潟の残りのG地区の問題の御指摘だと思いますが、また今後の八郎潟全体の問題と思いますけれども、あそこへ畜産を導入するかどうかということにつきましては、従来の経過からこれは消極的な考え方で来たわけでございます。今後秋田県を中心に残りの土地の入植は行うわけでございます。それについて別にすべて決めておるわけではございませんけれども、一応その問題は別の問題としてお考えいただきたいというふうに思います。
○神田委員 ただいま八郎潟事業団の解散、それを農用地開発公団が引き受けて運営していく、こういうふうなお答えをいただいたわけでありますけれども、それではその中で各種の処理事項、これからどういうふうにしてこれをやっていくかという問題、先ほどもちょっと触れられましたけれども、そういうふうな問題で多数の長期にわたる債権債務の処理、こういう問題がどのようにして行われるのか。あるいはその債権債務の内容というのは公団の方に受け継がれても、どのような形でそれは残されるのか、こういうふうな問題につきましてひとつ御質問を申し上げたいと思うのです。
○森(整)政府委員 債権債務、われわれの考えておりますのはいろいろまだ仕事が残っておるわけでございまして、農地の賦課金なり土地譲渡対価の算定なり賦課金の賦課処分なり譲渡契約の締結なり賦課金等の徴収返済というのが残っておるわけでございますが、八郎潟の事業団の解散時までには賦課金等の徴収と返済の事務、これを除きましてすべて終わるという予定をしておるわけでございます。これは終わりますか終わりませんか実際にやってみないとわかりませんけれども、一応そういう目標を立てて仕事にかかっておる。そこで残された場合の残った仕事というのはまさに債権の管理ということが中心になるわけでございます。債権の徴収の方でございますが、これにつきましては一応県に実務の一部を委託して、それで農用地開発公団といたしましては担当理事一人を置きまして所要の職員若干名が必要と思いますが、そういう出向体制を整備いたしまして事業を引き継いで実施していくというふうに考えておるわけでございます。そこで実際に八郎潟のことがわかっておる人間が必要ではないかというふうに考えておりまして、人事上の問題といたしましては農林省にも経験者が多数おりますので、そういうような人事上の配慮もいたしましてスムーズな移管ができるようにというふうなことも考えてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○神田委員 次に、施設等の管理の問題、これは先ほどほかの委員からも御質問がございましたけれども、管理体制がこれから後非常に大事になってくるわけであります。したがいまして、十分な管理体制がとれるようなそういうふうな予算的な裏づけがされているのかどうか。さらには先ほど御指摘がありましたように中央堤防を初めといたしまして軟弱地盤のために非常に地盤沈下が激しい、そしてこの堤防のかさ上げにつきましては相当膨大な費用がかかる、こういうふうなものを考えていった場合にこれから先の管理の面をどういうふうに考えていったらいいのか、この辺につきまして将来の展望を含めまして御答弁をお願いいたしたいと思います。
○森(整)政府委員 まず土地改良施設の管理面についてお答えいたしますが、基幹的な施設、すなわち防潮水門、排水機場、それから真ん中に通っている幹線排水路、これにつきましては県に半額を補助いたしまして、具体的には七千七百万程度と思いますが秋田県に管理をお願いするということにいたしておるわけでございます。予算的措置につきましては農林省でそれは計上いたしておるわけでございます。 それから土地改良施設のうち用水路、農道、それから先ほどの幹線排水路は県でありますが、支線排水路につきましては直接圃場と結びつくという意味で大潟土地改良区に管理を委託する、それから防風林につきましては大潟村に譲与するということにいたしておるわけでございます。それから一般公共施設でございます干拓堤防、幹支線道路につきましてはそれぞれ河川管理者であります秋田県知事にお願いをするということにしております。 〔委員長退席、菅波委員長代理着席〕 それから、幹線道路の一部及び支線道路につきましては大潟村に帰属しまして、道路法に基づき管理を行ってもらうということを予定いたしておるわけでございます。 経費関係につきましては先ほど秋田県に一億七千二百万円のうち人件費を除いた部分の半額七千七百万円を補助するということにいたしておりますし、土地改良区につきましては農民の負担で管理をする。それから一般公共施設につきましては、いわゆる具体的には干拓堤防あるいは幹線道路につきましては、それぞれの道路予算なり県の費用でいろいろ手当てをしていただくということで県会等に手続をとるということで管理を進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 それから後の堤防等の沈下が今後さらに続くのではないか、これについての対策はどう考えておるかという御質問であったかと思いますが、今後の沈下は余りそう急激には進まないという見方をいたしておるわけでございまして、たしか第一次のかさ上げというのは干拓工事の最中に行われておりますが、今後の第二次のかさ上げは六十二年ごろに必要ではないかという推定が行われておりまして、これは一メートル程度堤防の管理者でございます県においてそういう計画が立てられるというふうに考えられておるわけでございます。
○神田委員 そうしますといわゆる堤防につきましては河川法の適用を受けることになるかと思うのですが、その点はいかがでございますか。
○森(整)政府委員 二級河川の馬場目川の一部ということに相なりまして、河川法の適用を受け、河川管理者である秋田県知事が管理をする、先ほど申しました今後の堤防のかさ上げなり補修の維持管理は秋田県において実施をする、こういうことに理解をいたしておるわけでございます。
○神田委員 そうしますと、これを河川法の適用を受けて秋田県が管理をするというふうなことになってきますと、この堤防が、いわゆる軟弱地盤で、だんだんと崩れてくる、こういうことになりますと、これは秋田県が国との、二級河川ですから、その割合によって工費を負担するような形になるわけでございましょうけれども、その辺のところについてはどういうふうにお考えでございますか。
○福澤政府委員 お答えいたします。 堤防を含めまして河川の問題は土木部の所管になりますので、これは建設省の関係の事業体系になってまいると思います。したがいまして、二級河川の改修の問題になりますと、国としての補助金はたしか五割だと思います。そういう体制で、これは地元には負担がなしに県と建設省との間でこの事業をやっていく、そういうふうな体系でこの後の支出はやっていただきたいと私の方は考えておるわけでございます。
○神田委員 そうすると、ここで一つ問題が出てきますのは、八郎潟のものにつきまして公団が請け負う、しかし、堤防などにつきましては、その後の問題は秋田県の方に任してしまう、そういうことになりますと、後の予算の面での問題は秋田県と建設省の関係である、こういうふうな形になってしまいますと、やはり私どもは、これは非常に心配するところであります。したがいまして、その辺のところにつきましては、特に農村のモデル地区としましてつくった経過もございますし、そういう意味におきましては、秋田県にその管理をさせることにつきましても、公団なりあるいは農林省なりで十分その八郎潟の事情を前もって話をしておいて、地盤沈下が必ず将来起こるというように考えられている堤防でございますから、その辺の問題についてはもう少し明確なお答えをいただきたいというように考えるのですが、いかがでございますか。
○福澤政府委員 ただいま申しましたように、堤防は、河川管理施設といたしまして、河川関係の問題につきましては、秋田県知事が河川管理者としてこの問題を取り扱うことになっておりますので、いままで秋田県知事は、農林省の所管のこの仕事につきましても十分内容を御存じでございますし、今後新しい干拓地を造成して、そこに新しい農村を展開していくための認識を十分深めておると思いますので、決してこの問題によって支障を生ずるようなことはないと考えております。農林省といたしましても、そういう面につきまして、せっかくでき上がったものですから、この管理につきましても完全を期するように見守ってまいりたいと思うわけでございます。
○神田委員 見守ってまいりたいということではちょっとあれなのでございますが、ひとつその辺のところは農林省も十分連絡をとって、きちんとした話を進めていただきたいというふうに御要望いたしまして、次に入植者の営農につきまして御質問を申し上げたいと思うのであります。 現在田と畑の複合経営というような形で行われているというふうになっておりますが、これはすでに各委員からも御指摘があったかと思うのでありますけれども、やはり八郎潟の場合は米作経営、米の経営として、米が一番いいという形で計画されまして、その後いろいろ減反の問題などを抱えまして畑作に転換をしているような事情があるようでありますが、作付経験の問題とかあるいは土壌条件の問題、栽培技術やあるいは作物のでき上がったものの価格や流通の問題、こういう多くの問題を抱えておりまして、特に畑作についてはこれでやっていけるのかというような問題も出てきているかと思うのであります。そういう意味におきまして、この営農指導については今後どういうふうな形で行われるのか、これらについての対応策をお示しいただきたい、こういうように考えております。
○森(整)政府委員 八郎潟の営農でございますが、これはいろいろ経過がございましたけれども、要するに十五ヘクタールの規模で田畑の複合経営ということでございます。現在基本計画では七・五ヘクタールは米、その他七・五ヘクタールが畑作ということになっておるわけでございますが、現実には八・六ヘクタールまで米の作付が行われておる。また、それは事業団も了承をしておるし、農林省も秋田県も了承をしておるということでございまして、若干の動きはございますが、その八・六ヘクタールの水稲作につきましては相当な成果を上げておるわけでございまして、そのほかにローテーションとして小麦作を中心に畑作を入れてまいるということでございます。それは土壌の問題、労力の問題等々ございますが、例の米の問題、要するに開田抑制の問題というのが契機になっていることは事実でございますが、そういう中で田畑複合経営が行われておる。すでに小麦につきましても全国平均の収量を上げておる。それから、労働時間につきましては相当な成果が上がっておりまして、たしか四・八時間ということで、相当な成果が上がっておるわけでございます。それはそれといたしまして、今後の営農の問題でございますが、大潟村に秋田県の試験場の大潟支所が事業団の試験地を引き継いで設立され、すでに試験、調査を始めておる。それから普及所でございますが、昭和農業改良普及所の支所が設立される。それからもう一つ、畑作安定特別対策事業という予算を組んでおりまして、その予算の半額は八郎潟に投入をするということで、いろいろ展示的な効果もねらった事業を考えておるということで、国の援助と秋田県の指導のもとに今後の営農の指導が行われてまいるというふうになっておるわけでございます。
○神田委員 最後にこの八郎潟の問題について政務次官に御質問を申し上げて、あとまた大臣の方に時間をいただいておりますので御質問をしたいと思います。 この八郎潟の問題につきましては、新農村のモデル事業というふうな形で華々しく事業が開始されました。しかし、遺憾ながら四十四年のいわゆる減反政策を初めとする農政の転換に当たりまして、その時点におきまして非常に入植農家に対しましていわゆる農業に対する気迷いを生じさせたりいろいろとあったわけであります。こういうようなことを考えまして、私どもはこういうふうないわゆる計画的な村づくり、大規模ないわゆる八郎潟のようなモデル事業につきましても、最初の計画ではあるいは一千戸を導入するとかいろいろあったわけでありますけれども、そういうものはこれから先もきちんと計画的に推進されるべきであって、したがいまして途中でいわゆる計画変更のような事態のないような形で進んでいただければ一番理想的ではなかったかというふうに考えるわけであります。したがいまして、そういうことも踏まえまして、これから先こういうふうな形でのモデル建設事業につきましてはこの点を十分御留意いただくと同時に、こういう形での事業をさらにまたお考えになっているかどうかお伺いいたしたい。
○羽田政府委員 先ほど来御指摘がありましたように、私どもといたしましても、この八郎潟の事業というものを推進していくに当たりましていろいろと問題を勉強したわけでございまして、今後こういった事業を進めるに当たりましてはこのたびの事業の推進というものを十分参考にしながら進めてまいりたいと思います。
○神田委員 終わります。
○菅波委員長代理 津川武一君。
○津川委員 今度の法改正で具体的対象になる河北潟について若干質問してみたいと思います。 問題は、計画を民主的に入植する、関係する農民と協議してやるべきだということでございます。この点で言いますと、一九七三年の一斉地方選挙のときに、安倍農林大臣が地元の農協青年部の講演に行きまして次のように話しております。この干拓地で米をつくろうという農民の要求の大きいことは承知している、ここは単作地帯である、全部とは言えないが、そういう事情がありますので幾らかは米作を認めなければなるまいな、こういう発言をしております。 また、今度の営農計画を見ますと、基幹作物に野菜、これにはレンコンも入っている、畜産、こういうふうなことを決めております。配分の規模は、野菜では二・四ヘクタール程度、酪農では飼養頭数五十頭前後、戸当たり標準八・〇ヘクタール程度の面積を配分する。野菜についてはスイカ、キャベツを主体とする経営もある、またレンコンを主体とした経営もある。このような計画を立てておりますが、これらの計画は農業団体や関係する農民と具体的に相談、協議されているでしょうか。 安倍農林大臣の講演における講演内容、青年たちに対する答弁、どう考えているかお答え願います。
○森(整)政府委員 本件につきましては北陸農政局が県と協議し、関係市町村、たしか四カ町村だと思いますが、四カ町村と協議中でございます。したがいまして、今後計画が正式にまとまってまいりますれば、県を通じてこの事業への申請があるという手続を踏んでくるわけでございます。したがいまして、このたてまえといたしましては県の申請に基づいてあくまで事業を行うという考え方でございまして、そういうことを含めまして現在干陸計画というのが検討をされておる段階でございます。
○津川委員 そこで、安倍農林大臣が、全部とまではいかないが米作も考えにゃなるまいなという点、したがってここで米作をやらせる必要があると思いますが、この点はどうか、もう一回お伺いします。 次に、実際に入植する農民と配分を受ける反別や作目や営農の形について具体的に協議なさるのかどうか、この二点を答えていただきます。
○森(整)政府委員 開田の計画につきましては、従来から開田の問題についての要望がいろいろあることは承知はいたしておりますけれども、確かにあの地帯は全体がたんぼを中心に経営が行われておることは間違いございませんけれども、また逆に御承知のように内灘という大野菜産地を控えておる土地でもございますし、もう一つは金沢でいろいろ酪農の酪農家がもう非常に困った立場に置いておかれておる、そういう問題もございます。それらいろんな条件というものを県が最終的に判断をされまして、もちろんその判断の過程においては当然関係者と協議があるというふうに、またしていただくつもりでおりますけれども、そういう問題を経ていろいろ農政局との協議の上で計画を進めていくというふうに考えておるわけでございます。また、そういうことがないと本物の計画ができない。確かに、恐らく先生が御指摘の問題は、従来の計画につきましてはややもすると地元の意向が反映されておらなかったのではないかという問題が事業着手後にいろいろトラブルを起こしておるわけでございますから、この点については当然のことながらわれわれといたしましては行政上の措置として必要な協議はあくまでもつけた上で計画の立案に当たりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○津川委員 そうすると、私は地元に局長の答弁によって、米作も許されるからそのつもりであんた出て県と協議してみろ、こんなふうに答えてもいいかどうか、これが一つ。 第二番目には、地域の人たちと関係する農民と相談する。そうなりますと、皆さんの営農計画には麦がない。八郎潟では麦が成功したんだ。この地域では稲作の機械化と共通できるものは小麦なんだ。皆さんの営農計画には小麦など考えていませんが、小麦を導入したいと農民が言っている。これは営農計画に加えて県庁と交渉してよろしいですか。この二点。
○森(整)政府委員 現在営農計画なり配分計画を検討している段階でございまして、御承知のようにこの土地につきましてはいわゆる地元増反と入植という二つを考えておるわけでございます。 そこで、先ほど米の問題を出されましたけれども、従来から干拓地におきまして米をつくるということにつきましては、この河北潟につきましてはもちろん当初は開田を予定して考えられておった地区でございますが、四十五年の開田抑制の際に、その後の開田抑制措置ということで振り分けが行われまして、河北潟では開畑でいくという結果、事業が進められた地区、こういう経過があるわけでございます。その上で先ほど申しましたような御答弁を申し上げたつもりであったわけでございますけれども、先生からいま御指摘がございましたので、その計画から申し上げた次第でございます。 いずれにいたしましても、そういう地区でございますから、造成農地を畑地として利用するという前提で計画を進めてまいりたいということでございます。(津川委員「小麦は」と呼ぶ)小麦につきましては、もちろん八郎潟のような田と畑との設備投資の関係から申しますと、農家の当初の問題からいたしますと、米と麦というのは非常に有利なわけでございますけれども、河北潟において相当大きな面積を個別経営としてとれないという事情があろうかと思います。そういたしますと、もう少し集約的な形になるわけでございますけれども、現在、別に営農計画が全部でき上がっておるわけではございません。したがいまして、一応頭にあるといいますか、検討されている営農の形態としましては、酪農と野菜ということを中心に考えておるということでございますが、その作付けの体系上、小麦が必要であるのかどうか、これはさらに検討をさせていただきたいと思います。
○津川委員 地元では小麦をやった方がいいと言っている。皆さんの方では、それを余り聞かないで計画を立てたらしいのですね。そういう点で、実際に扱う人たちの計画、意見をこれから十分聞くべきだと思います。 そこで野菜ですが、スイカ、キャベツを主体とした経営、レンコンを主体とした経営。スイカはかなりバッタン病、コンニャク病、病虫害等で輪作体系を必要としております。特に水田との輪作が非常によろしいのです。こういう点で、このスイカ、キャベツを主体とした経営でこの輪作体系の計画がなければ、私は、農民を大変な状態に追いやると思います。この点、いかがです。 もう一つ。レンコンを主体とした経営。私は、この間徳島県のレンコン地帯に入ってみました。徳島県は全国のレンコンの主産地でありまして、日本の六割から八割。実態を見ますと、特長のゴムぐつをはいて、ひざまでぬかるどろ田に入り、腰をかがめてレンコンを掘る、腰が痛む、ひざがはれる、肩がうずく、これほど働くので、体についているのは神経痛だけである、死んだら死体の上に神経痛の花が咲くかもしれない、これがレンコンをつくっている農民との話し合いです。ただ、いいことには、反収四十万ぐらい上がる。ここに非常に大きな魅力があるんだ。レンコンを主体とした経営、二・四ヘクタール、これ、どうします。皆さん、死んでしまいますよ。やれたものでも何でもありません。あの強い労働力をもってしても、せいぜい三〇アールでしょう。だから、具体的に農民と相談したのか。やれるものをつくっている農家ということなんです。この点、二点いかがです。スイカを中心とした輪作体系を導入しなければいけません。レンコンを主体としたものだといけません。レンコンはいいですよ。そこでこういった体系は、レンコンなら二・四へクタールのうちまあ五十アールでしょうね、あとの二ヘクタールをどうするかという点で体系を立てないで、これは農民に対する非常に残酷な仕打ちだと思いますが、この二点を答えていただきます。
○森(整)政府委員 この計画は恐らくまだ確定をしたものではございませんで、もちろん先生の御説明になった資料と私が持っておる資料と同じだと思いますが、一応県の素案ではなかろうかというふうに思います。 〔菅波委員長代理退席、委員長着席〕 いずれにいたしましても、ここに挙がっておる作物、スイカ、キャベツ、レンコンという各種の作物というのは、先生御承知のようにこの周辺でつくられておる作物で、そういう増反を考えておるわけですから、実際に経験者がその作付をしていくということで作物が選択されておると思います。そこで、それの規模なりいろいろ、輪作でございますか、連作症を起こすから逆に輪作ということにつきましていま御指摘の問題は、確かに私もそういう問題はあろうかと思います。さらに検討いたしまして遺憾のない計画にいたしたいというふうに思います。
○津川委員 大臣が来たからこれで、後でまたこの民主的な計画については大臣にお伺いするとして、局長、必ずそれを協議してくださいね、このままだとやれませんから。 終わります。
○金子委員長 ただいま農用地開発公団理事長大和田啓気君に参考人として御出席いただいております。 大和田参考人には御多忙中のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございます。 参考人の御意見は、委員からの質疑に対するお答えによってお述べ願いたいと存じます。 質疑を続行いたします。竹内猛君。
○竹内(猛)委員 私は、午前中に引き続いて、大臣並びに大和田理事長にお尋ねをしたいと思います。 大和田理事長には大変お忙しいところをありがとうございました。 前段でかなり事務的な質問をしてまいりましたが、八郎潟の干拓の問題並びにこれから拡大をしていこうという対象になる国営干拓地、あるいはさらに拡大をしなければならない地域がたくさんありますが、こういうものについての農政の一貫性というものがどうしてもないのではないかという感じが私はする。やはり食糧の自給計画というものががっちりあって、そうしてその上に国の農政が適切に行われる、こういうことでなければ、結局この変更というものの犠牲は、一つは地域の農民がしょうことになるし、もう一つはそれに関連をしてきた労働者が責任をしょうことになる。一体この八郎潟の計画変更、あるいはまたこれから新しく取り上げられてくるところの国営干拓地の、たとえば河北潟あるいは中海、そして笠岡湾というようなものについても、これは当初の地元との約束の計画、営農計画ではなくて、当然別なものになるであろうと思われる。この責任というものをどういう形で政府はとるのかということです。その責任ですね、計画の推進をしてきた責任をどうとるか、この点をまずお尋ねをしたい。
○長谷川国務大臣 農業政策が減退するとか縮小するとかということはあり得ないと思う。御承知のように、農産物というものはやはり消費者というものが目的でつくられるのであって、そうでなければ物の生産というものは成り立たないのであって、物の生産は消費ということが目的でなされるのである。一部の物がたくさん余って過剰になっていく、また一方が不足してくる、こういうときには当然農政というものが変更されて、その消費構造によった物の生産が行われなければならない、私は当然なことだと思う。したがって、八郎潟が今日複合経営になったゆえんもそこにあるのであって、八郎潟を開拓しようというそのときと今日では、人口、食糧というものが全く変わってきている。人口はふえてきたし、食糧は高級化してくる、高級化してくればでん粉質を食わなくなるということは、わが国ばかりでなくてどこの国でも共通のことであります。そういう観点に立って、やむを得ず八郎潟を複合的にしなければならぬ、これは農業では当然のことだ。農業者というものはわれわれよりももっと早くそれを見るし、自治体自身が考えなければならない問題もそこにあるだろうと私は思う。農政はちっとも違ってないのだけれども、申し上げたように、消費構造というものが変わってくるのだからその消費構造に合わせていかなければならぬ、こういうように考えるのです。ですから、八郎潟は、当初とは違ってきてその後複合的につくるようになった。さらにこれを変えていこうという考え方はないけれども、八郎潟における新農村建設事業という考え方、生産を高め、経営をりっぱにしていきたいという所期の目的にはちっとも変わりがないのだ、こういうふうに私は考えます。
○竹内(猛)委員 それは、物をつくるからには消費が前提であることは間違いないのです。間違いないのですけれども、農林省としても、たとえば五十七年計画というものを立てたことがある。そして、それをこの委員会であれやこれやいろいろ議論した結果、六十年計画を立てた。その六十年計画は、いまの農用地の開発であるとか、畜産の問題であるとか、米の問題であるとか、そういうものは一定の消費を見込んだ上で計画を立てられておることは事実です。ところが、またここで漁業問題が新しい課題になろうとしている。そうなると、いよいよ日本の農業というものは、あの六十年計画そのものももう一度討議をして考え直さなければならないのではないかということだって考えられるわけですね。たとえば動物性のたん白は、今度は魚よりも畜産に期待をかけなければならない。そうすると、飼料が問題になってくる。そこで、いまの八郎潟の問題にしても、これから農用地開発公団が引き受けようとする国営干拓事業の問題にしても、そういう角度からもう一度再検討される必要があるのじゃないか、それについては堂々と議論をして与野党一体の中で話し合いができる、そういう討議の形があっていいのじゃないか、こういうふうに私は思うのですね。その辺どうですか。
○長谷川国務大臣 委員会を通じての皆さん方の意見は代表的なものであるのですから、十分それを尊重しながら行わなければならぬ、そういうふうに大体計画というものは立てていくだろうと私は思う。私があずかったときもそういう目的で八郎潟もやりました。けれども、経済の実態がすべてを左右するのでありまして、食糧というものが高級化していくことも低級化していくことも、要するに国の経済によって左右されるのであります。国の経済が左右するのと同様に、一つ一つの、個々の経済が基本となって生活というものは行われていくのでありますから、いまおっしゃるように、二百海里の問題が出てきた、魚がなくなった、それでいいというわけにはなかなかいかないのであって、北方のそういう問題が併発したけれども、それに対応するだけのたん白質給源というものを求めなければならぬ。いままで漁業をしておったところで今度は他の国が漁業をして、それを日本が買ってきて国民消費の方へ回さなければならぬとか、また、いまおっしゃるように魚の方が不足してくるということになれば、畜産に移行していくことは当然であって、きょうこのごろは畜産というものが大きく浮かび上がってきている。この畜産問題に対して、どういうふうにやっていくのだということで十分検討を加えていかなければならぬ。私たちのときには、こういう大きなところはなるべく大きいものをやって、小さいところと言っては申しわけないのですけれども、関東の方はお米をつくらなくてなるべく野菜をつくってもらうようにしていきたいなという一つの考え方もあったわけですが、各地各地の代表の御意見がまとまっておらないというところにも原因があって、討議をすると、かえってなかなかむずかしい問題になってくるのだろうと思うのです。 いずれにいたしましても、食糧問題は、所期の目的とは計画が大変違ってきた。先日もお話し申し上げたのですけれども、人口七千万のときは、台湾からもあるいはタイからもあれだけのお米を買って、そして国内の需要に回しておった。それでも間に合わないで、国内で全部が全部ひき割り飯を食って生活をしていた。ところが、人口が一億一千万になって、耕地が狭くなったにもかかわらず、なぜ米が余るのだ。こういうことは、やはり基本となるべき国民の経済というものに左右されることになるのですが、お話しの点は十分わかります。ですから、今後はそういう点について日本の経済の先行きを十分見通した上に立っての計画性を持たなければならぬということは当然の御指摘だと思うのであります。
○竹内(猛)委員 そういう立場に立ったときに、農用地開発公団の農政上の位置づけというものをこの際明らかにする必要がある。いままでは機械開発公団、それが農用地開発公団となって、やがてこれがまた新しい国営干拓の一部を、吸収というとおかしいけれども対象にしていく、あるいはその他の仕事もしていかなければ困る。この位置づけをやはり農政の上で明らかにしておいてもらいたい。この点はどうですか。
○長谷川国務大臣 これからのことを私が考えるということになるならば、今後は公団が十分それをわきまえて、いままでは、たとえば米、麦にとらわれずに——もっとも麦といっても、日本ではまだまだ麦はたくさんつくれるだろうと思う。ただ、つくれない理由はどこにあるのかという問題が起きてくる。それは、日本という国は米で十分に体験をしているのですから、米のこの体験を生かさなければならぬ。この体験を十分生かして、麦とか大豆とかいうような問題は当然これと同様なる考え方をもって今後生産を高めていかなければならぬ。さらに今後は、野菜の面にしましても、かつての薄まきではなくて、ハウスを使って野菜をつくっていく。つまり、年間を通じてキュウリでもナスでもあるという時代、スイカにしてもメロンにしても、こういうものまでも年間を通じて生産されるという実態の上に立って、公団自体がこういうところに観点を置いて、それらの作付問題等については十分に指導をしていくようにしていかなければならぬ、公団は重要な地位を占めておると私は考えておるのであります。
○竹内(猛)委員 先ほど事務的な質問の中で、公団の仕事と国営事業とのメリット、デメリットの話をしましたら、公団の方が約束どおりに仕事をする、国営の方がどうも約束どおりにできない、こういう話があった。なるほど、いろいろな資料を見るとそういう形になっております。そこで、約束どおりに仕事をしていることはいいけれども、公団に対していろいろ世間から注文がある。これは、長谷川農林大臣代理は耳の痛くなるほどしばしば聞いていると思う。つまり、天下りということが言われておりますね。これは何もこの委員会の問題ではなくて、行政管理庁の関係もあって私は何回か取り上げてまいったわけですが、ついこの間地下鉄の駅のあたりでチラシが配布された。この中の一部にこういうことが書いてある。「政府関係法人に巣くう天下り役員の実態」、こういうチラシが駅頭で配布されました。この問題は別の機会に議論をしたいと私は思っておるし、前からも取り上げてきましたが、ここではちょっとだけ触れておきたいと思う。ただし、ここへ御来場いただいた大和田理事長がそれの対象になるとは言わない。大和田理事長は、前の農地開発機械公団のあの運営の中から、大和田さんのようなりっぱな方が農用地開発公団の理事長になられることは大変好ましい、こういうぐあいにわれわれは思っておるし、もちろんまだまだいろいろ不十分なことがあるにしても、現在その期待に沿うような努力をなされておると思います。それは個人だれだれということではなくて、一般論として聞いておいてもらいたいと思うのです。 関係機関の役員四百三十名中、天下りと言われる数が三百二十九人、七六・五%、内部登用が三十四人、民間出身が四十三人、その他、不明が二十四人、こうなっておる。こういうところから、天下りというのは好ましくない、ただそれだけではないのですね。給与、退職金も役員と職員とは大きな差がある。退職金に一例をとると、日本原子力研究所の理事長の宗像英二氏は、現職でありますけれども、十年七カ月で六千二百三十二万九千円という退職金が予定されておる。あるいは雇用促進事業団の堀秀夫理事長は、七年四カ月で退職金が五千四百二十七万円と言われている。こういう点は一つの代表的なものでありますけれども、私がなぜこういうことを言うかというと、二つの点に問題がある。 その一つは、公社、公団、事業団の仕事は確かに約束どおりに能動的に能率的に仕事をするが、その事業の実施あるいは賃金、あるいは労働条件、そして多くの問題が国の制約のもとに置かれていて、自分で判断をして決定することができない、こういうようなことになっている。だがしかし、役員を決めることやあるいは給与というものは、これはまあ別なところで決めてしまう。仕事自体は公団が決めることはできないけれども、役員の方はどこかで決めてしまう。そうして今度はでき上がった土地、こういうものについては、これもまた国営事業については事務、人件費、諸雑費は国が持つから案外安上がりになる。ところが、公団がやった場合には事務、人件費、諸雑費というものは、独立採算だからどうしても公団が持たなければならない。したがって、そこで公団の職員の労働条件かあるいは賃金を抑えるか、あるいは受益者と称する者に対して負担をかぶせるか、どっちかをしなければやっていけない。そういう形になるから、いい面と、そして考えなければならない面と、二つあると思うのですけれども、これに対して、大臣は長いこと閣僚の座にあり、しかもベテランだから、ひとつ長谷川農林大臣代理からこういうことについての答えをいただきたいと思う。
○長谷川国務大臣 これはもう国会の中で常に論議される問題でありますので、これらの諸問題につきましては十分検討を加える必要があるというような観点に立ちまして、近くこの問題等に触れて結論を出すようなことになっております。 しかし、またこれは別個の問題ですが、農林省というようなものになってまいりますと、また他の省とは少し違う問題が残されている。したがって、全部が全部そういうようなわけにはいかない面もございますので、農林省というようなところはいままでの関連もあり、農業者の立場、実態を知りながらいろいろな指導の面に当たってきているという点もあるわけであります。 いずれにいたしましても、わが農林省においてはいろいろむずかしい面にあるということを申し上げるだけでございますけれども、特殊法人の役員等は、その業務の高い公共性とか特殊性にかんがみて、その分野の練達な者を広く求めて人選するというような考え方になっているのでございます。実際問題として民間に適任者が得がたい場合も多々あるのだろうと思うのです。したがって、こういうような面から考えて公務員出身が多く役員に選任されているという事実はそのとおりだと思うのです。したがって、これらの問題等につきましては、いまお話し申し上げましたとおり十分にこの問題をいま一度考え直そうじゃないか、見直しをやろうというようなことで、近く人員整理やいろいろな問題とあわせまして御指摘のような問題の解決をしようということで、そう先にならないうちにこの問題等を解決していきたい、こういうふうに考えている次第でございます。これは全般の問題でございます。
○竹内(猛)委員 公社、公団、事業団というものの主体性、自主性、こういうものがなければ——役員を決めるときには、その関係の労働組合とは余り相談なしにどこからかするするっと決まってくる。ところが今度は、長い間職場にいたベテランの人々がいろいろな仕事をしようとすれば、あっちこっちからみんな押さえられて、なかなか仕事がうまくできない、こういう矛盾、こういうところを何とかしなければ——それは原局にいたときよりもはるかに公社、公団、事業団の方がその役員にとってみれば座りいいという形にどうしてもなって、世論がうるさくなってくる、これはこういう世の中だからあたりまえだと思う。だから、このときにこそ主体性というものを何とかつくるようにしていかなければ、これはその職場で働いている職員の皆さんは希望がないということになるのじゃないか、こういうふうに思いますから、もう一度この点については、簡単でいいですからお答えをいただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 よく私もわかっているつもりでありますし、先ほど申し上げましたとおり、近く行管が中心となって、国会でその都度議論になっている点を十分に検討を加える、こういうことになっておりますので、御指摘のような点はある程度解決がつく、こういうふうに私は考えております。
○竹内(猛)委員 次に、大和田理事長にお尋ねをいたしますが、やはり職場の皆さんが心配しているのは、農林省の方からは一定のお答えが出ておりますし、問題も提起をされておりますが、公団自体として今日までこの仕事を進めてこられて——公団ができたのがたしか四十九年だと思います。三年たっております。それで九万三千ヘクタールの開発をやるという形で、当初十年間の見込みで進めるという形になっておりますが、その後、この将来はどうなるのか、こういう心配がある。先日理事長がお書きになった「日本農業再生の条件」という本を私は再三読ませていただいておるのですが、これは頭で書いたものじゃなくて、恐らく各地方を歩かれて、その中から幾つかの点を取り出して整理をされたものであると思うし、その結論において、特に畜産の問題を考慮されて、一つは小さな地域における自主的な草づくり、それからもう一つは、国、県、自治体、それに関係農民が入った大型の草づくりを考えておる。日本の畜産を発展させるためには、それは価格問題ももちろん大事だけれども、飼料の自給度を高めていくということはなおさら大事だ、こう考えられますから、この点について私は大いに賛成ですが、こういう立場から農用地開発公団の将来性、将来展望というものに対して何らかの展望とお考えがあると思われますけれども、これをひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○大和田参考人 農林省からいろいろ御説明があったと思いますけれども、私どもの仕事は、現在すでに北海道から沖縄へかけて十の道県で十七の事業をやっております。五十二年度ではそれがさらに七つ追加をされて二十四になるわけでございます。五十二年度の事業を入れまして農用地の造成面積は予定で約二万八千ヘクタール、事業費で大体千八百億程度でございます。十年間で九万何千ヘクタールということもなかなか大きな目標でございますけれども、私どもやっております二万八千ヘクタールの草地造成というのも、これは最初三年間の仕事としては相当な仕事であろうと思います。 もし法案が通りますれば、これから新しく干拓の問題をお引き受けすることになるわけですけれども、それまでの草地畜産の問題でも、これが本当に定着いたしますれば実は相当な伸びを全国で示すだろうというふうに思っております。私は事業が行き詰まるというふうには考えておりません。ただ、私ども心しなければいけないことは、本当に私どもの仕事が地域のためになるか、農家のためになるかということを絶えず反省しながら仕事をしなければいけないので、もし仕事がうまく進んで農家に歓迎されるものになるならば、私どもの公団は将来そんなに心配する必要はない、そういうふうに確信をいたしております。
○竹内(猛)委員 農用地の利用促進事業を進めるために、かつて農用地利用促進の法案を国会を通過させた、このときもずいぶん議論をしたことがあります。この事業はどの程度進んでいるか、これはちょっと簡単に説明してください。
○森(整)政府委員 農用地利用増進事業でございますが、発足しましてからおおよそ二年ということでございます。現在、利用権の設定面積は三千六百ヘクタールということで、最近の年間の権利移動がたしか五千ヘクタールであったと思いますが、それから見ますと相当な実績が出てきておるというふうに理解をいたしておりまして、関係市町村二百五十六市町村、地区数で三百五地区、これは三月末の締めでございますが、関東、中・四国で、ことに関東で相当動きがあるようでございます。 制度発足後まだ日が浅いわけでございますが、今後の体制といたしまして、御承知のように、この利用増進事業につきましても予算化をいたしておりますが、これの継続を続ける、さらに継続地につきましてはこれを進めるということが一つと、もう一つ、例の地域農政特別対策事業を予算化いたして、三年間部落座談会を行って利用権の動きを促進するということを考えておるわけでございます。これと相まちまして、今後私どもは相当の期待を持っておるというふうに考えておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 この点について私は前にも申し上げたのですが、農地法そのものに手をつけるというのは、これは非常にむずかしいことが起きるかもしれませんが、やはり現在の農地の価額、これは生産の手段であるよりは、財産的に物を見る目が非常に強くなっている。現在の農畜産物の価格の状態から見て、規模拡大ということは非常にむずかしい。そこで、所有権と利用権というものをそれぞれ分離をしながら活用していくということを考えなければならない、こういうことになるだろうと思うのです。そのときに、最近農業会議が一つの答申をした。農業会議が答申をして、農業公社というものを活用してどうとかといういろいろなことになったわけでありますが、こういうこともあわせて、これは大和田理事長の方からちょっと感想を聞きたいのですが、やはりあの仕事をされていて、今後農地問題というものをどういうふうにしたら日本の農業の役に立てるような——いわゆる遊休農地なりあるいは未利用地帯というものがある、それをどうしたらいいかということに対して、これは感想でいいと思いますが、ちょっとお答えをいただきたい。
○大和田参考人 農地問題につきましては、いろいろの御意見があるわけでございますけれども、いまの段階では、農業を一生懸命やろうとする人たちと、それから農業から足を洗おうとする人たちとがだんだんに分かれてきているわけでございますから、所有権で動かすことは不可能だと私は思います。しかし、利用権で動かすことは可能でございますから、できるだけ利用権で動かすことに工夫をして、農地法で賃貸借をどう考えるかということは、しばらく様子を見ないといまの段階では決めることは非常にむずかしいし、また危険だというふうに私は思います。
○竹内(猛)委員 もう時間がありませんからこれで終わりますが、いま農用地開発公団の将来性あるいはそこに働いている職員の皆さんの努力あるいは日本の将来の食糧の自給問題、特に畜産の位置づけというようなものについていろいろな質問をしてまいりましたが、やはり今後農政の中心の仕事としてこの公団を位置づけをして、そうして、そこで働く人々が希望を持ってやれるようにいろいろな角度から努力を願いたい。そして、もっとこの農政を——今度は価格の小委員会ができて、これから価格問題を議論するわけですが、そういう議論の中に畜産の問題も入れてやっていく。こういうことで政府がいま持っている六十年展望というものについてもやはり再検討を加えなければならないというふうに私は考える。この点について最後に農林大臣のお答えをいただいて、私の質問を終わります。
○長谷川国務大臣 私も再展望といいますか、おっしゃったように、今後の公団の位置づけ、そして公団の位置づけ等によって粗飼料の問題等々の解決がついていく、それによって畜産問題の解決もつけていくことができる、現に公団でやっておる粗飼料の問題もかなりのテンポを早めて解決の道が開かれていくだろう、私はこういうふうに考えます。したがって、農林省は、この際、本当に真剣になって、将来の農業をどう持っていくのかということをいまこそ再び考え直さなければならない時代に到達してきている、こういう面を私はおっしゃるように考えております。 そういうような点については、大臣がお帰りになりましたら、私の方からも十分皆さんからの御意見を申し伝えておく考えでございます。
○竹内(猛)委員 終わります。
○金子委員長 瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 農用地開発公団法の一部を改正する法律案について、農林大臣に質問をいたします。 昭和四十九年六月五日、法律第四十三号によって農用地開発公団が設立されて、旧農地開発機械公団の業務を継承し、今日に至っておりますが、今回の改正によって、農用地開発公団の業務の範囲を拡大して、新たに国営干拓地において公団事業が行える道を開いたこと及び八郎潟新農村建設事業団を解散して、その一切の権利義務を承継し、その業務に係る賦課金、譲渡対価の徴収業務を同公団が行うという二点が骨子となっておりますが、総括的に農林大臣に質問に入る前に、まず最初にお伺いしたいことは、第七十二回国会において、農用地開発公団法の審議を行ってまいったのでありますが、御承知のように、当公団は、従来の受注公団から発注公団と性格が著しく変わったわけで、当時、本法附則第十一条に、農用地開発「公団は、当分の間、第十九条の規定にかかわらず、」云々とありまして、この点については、私もずいぶんと論議をしたわけですが、この「当分の間」は、一応三年をめどとするということであったわけでございます。あれからもうちょうど三年二カ月が経過してまいりました。当時、昭和四十九年三月二十六日、六項目の附帯決議を行っておりますが、政府はこれに対し、いかなる対策を講じてきたか。ここに当分の間が経過した今日、改めて、農林大臣から詳細承りたい、かように思います。
○長谷川国務大臣 四十九年の三月二十六日、本委員会において六項目にわたる附帯決議がつけられました件につきましたは、政府としてこれを尊重いたしまして、これが実現に努力してまいったことは当然だと思うのですけれども、まず第一に、受益農民の意向の公団事業への反映とかあるいは土地利用の調整、農地保有合理化法人の土地の取得、国有林の活用、受益者等に対する濃密な助成、指導のための体制の整備と公団事業の早期完了等について、それぞれの制度化が成って、積極的な調整あるいは事業の計画的、効率的実施を図ってきたところでございます。したがいまして、旧機械公団から引き続いた職員の処遇についても、給与格差の是正は五十一年度までの給与改定において、おおむね是正を図って、さらに定員外職員についても、研修等を重ねまして、逐次定員化を行って、五十二年度中には全員の定員化を完了いたしまして、なお一層これによってその目的の達成に努力をさせていきたい、こういうような考え方でございます。
○瀬野委員 そこで、さらにお伺いしてまいりますが、公団法の附則によりまして、旧機械公団の受託業務をいま申し上げたように「当分の間」、こういうふうになっておりまして、一応三年をめどとするということでありましたが、三年を経過した今日、当時の機械公団から引き続いたところの受託業務、こういったものは、その後どうなっておるか、現況を御答弁いただきたい。
○森(整)政府委員 御指摘のように、受託業務は漸次廃止するという方向で臨んでおるわけでございますが、御指摘のように、国会の審議の過程で、おおむね三年ということを御答弁申し上げたということを、私ども速記録によって承知をいたしておるわけでございますが、その方向に沿いまして、縮減を図ってきておるわけでございます。 具体的に申しますと、四十九年度設立当初では百九億でございましたが、四年たちました本年度は、四十億を計画をいたしておりまして、近年中に今後受託工事につきましては、打ち切る方針で臨みたいというふうに考えておるわけでございます。
○瀬野委員 森局長、近年中に打ち切るとおっしゃるが、大体近年中というめどは後二年ぐらいか、一年ぐらいか、どのぐらいですか。当時も大分「当分の間」で論議をして、私たちも記憶をよみがえらしておるわけですけれども、三年以内には絶対できない、必ずこれは延びるはずだ、こう言っておったのですけれども、当時はずいぶんかたい決意だったのですけれども、その「近年中」というのはどのくらいをめどにしておられますか、改めてお伺いしておきたい。
○森(整)政府委員 先ほど大臣からも御答弁がございましたように、職員の配置転換等もすべて定員化が今年度中に終わるということで、それから準職員の扱いにつきましても、先ほど申し上げたとおりでございますので、一応人の問題の解決の方は逐次順調に進んでおるわけでございます。後、これをやめることによりましてかえっていろいろ問題を起こさないように、摩擦の起きないように考えながら打ち切るということでございます。そう長くやるつもりは毛頭ございません。
○瀬野委員 四十九年の当委員会の審議のときを思い出してもう一点お伺いしておきますけれども、当時農地開発機械公団は昭和四十七年度末の機械の保有台数というのが、受託用機械が七百三十五台で、うち農機具類が四百五十一台、貸し付け用機械が四十七台で、うち作業船が十八隻、合計七百八十二台(隻)があったわけでございます。この機械の処分については、償却済みのものもあれば、今後使えるものは使って、使えなくなった場合は償却するということになっておりましたが、トラクターにしても、またブルにしても、船にしてもまだ相当優秀なものがあったわけですが、国民の血税で買ったものであるので、十分手入れして大事に使用し、さらにこれを償却するなり、あるいは譲渡するなり、貸し付けするなり、いろいろやるべきだということを言っておったわけですけれども、その後どういうふうに償却されたか、詳細報告いただきたいと思います。
○森(整)政府委員 数字的に申し上げますと、全体で七百五十五台ございましたのが、すでに五百五十四台処分をいたしまして、二百一台残っておる。これも二年ぐらいで処分をしたい。その中にはポンプのしゅんせつ船等も入っておりまして、十七隻のうち六隻処分して、十一隻まだ未処分であるということでございまして、逐次処置を決めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○瀬野委員 次に、農用地開発公団大和田啓気理事長にお伺いしますけれども、いまいろいろ政府側から答弁がございましたけれども、いまの件についておおむねそのようなことで進んでおりますか、間違いございませんか。
○大和田参考人 間違いございません。
○瀬野委員 では、農林省にお伺いしますが、五十二年度国営干拓事業は代行干拓を含めて十地区の実施が予定されておりますけれども、そのうち公団事業の実施の可能性、必要性を検討する地区としては、近く干陸計画を実施するところの石川県河北潟、島根、鳥取両県にまたがる中海及び岡山県の笠岡湾の三地区を対象としているようでありますが、五十二年度予算も計上しておりません。当面この三地区を対象にした理由と、検討のスケジュールはどうなっておるかということをお伺いしたいわけでございます。言うまでもなくこれは、この法案を見ますと、これからやるんだという法案ですね。何とかやれるだろう、また、これから何とかやっていこう、こういう感じの法案でございまして、一方的なものだと私は思うわけです。県が乗ってくるかこないかが問題でございまして、県が乗ってくればいいが、乗ってこない場合は問題である。公団事業をやってくれというのを待っているようなものでございまして、公団が自信を持ってやるというようなものではないわけですね。そういった意味で、この三地区を対象にした理由と、検討のスケジュール、こういうことについてお答えいただきたい。
○森(整)政府委員 今回御提案申し上げておるのは、国営の干拓が進んでおりまして、干陸も進み、しかも米づくりはできない、そういう条件はございますが、そういう中で畑地をやっていくのに、酪農が主になりましょうが、いろいろそういう経営を入れたいという地区について、総合的に、短期間に、また財投資金も入れ、県の補助ももらってりっぱな経営、営農をつくっていこうということでございます。御指摘のように、これはすでに干拓が進みまして、干陸が終わりまして農地の整備に入る、そういう地区のうち、社会的な条件あるいは経済的な条件、市場的な条件とかいうものを考えて、三地区がまず候補地になるであろうということで資料に掲げたわけでございます。考え方といたしましては、公団事業に権能規定を与える、それから、それに要する手続規定をつける、簡単に申しますと、県の申し出によってこういうことができるという権能を与えるということまで考えたわけでございます。具体的に申しますと、もしこの改正につきまして御賛同を得られますれば、恐らく来年度には河北潟の予算が計上できるのではなかろうか、こういうふうに考えておりまして、ただいま、県、地元市町村関係者と北陸農政局が中心になりましていろいろ協議を重ねておるという段階でございます。
○瀬野委員 これは、なかなか頭のいい森構造改善局長が将来のためにうまく考えたものだということになっておるのですけれども、ちょっと皮肉めいた質問になりますけれども、たとえば、公団事業そのものが問われているわけでありますから、石川県の河北潟などを見ましても、県が乗ってくるかどうかわからぬわけですね。すなわち、干拓地は御存じのように水田が収益も上がるし一番いい。しかし、生産調整によって米が減反させられ、今日青刈り問題があちこちで起きております。熊本県の横島干拓にしても、また八郎潟にしても、福島潟にしても、しばしばそういうことが論議されているわけですが、そこで畜産ということになりますと、牧草が果たして生産できるかどうかという問題、また飼育条件がよいかどうか、そして体系が確立していないとなかなか入植者も乗ってこないという問題があると思うわけです。たとえば石川県の河北潟なんかはなかなかむずかしいのじゃないかという感触をわれわれは得ておるのですけれども、そういうことについてはどういうふうに検討してこの法案の提案に及ばれたか、この機会に明らかにしてください。
○森(整)政府委員 河北潟について申し上げますと、入植と増反——増反が主でございますが、その入植について酪農が考えられておるということでございます。実は金沢市近郊で、酪農家が公害問題等で非常に困っておる事態が発生をいたしておりまして、むしろそういう方々がここへ移りたいという、まず個別の問題が先行しておるのが実態でございます。それから、それでは干拓地における条件として酪農、草づくりということがどうであろうかということになりますが、八郎潟の実験農場では牧草が、十アール当たりの収量でございますが、一応六トンという成果が出ておるわけでございます。それから河北潟でも混播牧草の試験がすでに試験地で行われておりまして、これは七トンとれております。ソルガムが八トンとれております。それから諌早の干拓地の試験地でイタリアンライグラスが十トン、あるいはソルガム九・七トン、こういうような成果が出ておりまして、むしろ土壌の地力が干拓地では非常に高くて、牧草の収量についてはまず問題はなかろう。むしろ問題は排水をどの程度行うことができるか。それによりまして、干拓地への畜産の導入については特に問題はないというふうにわれわれは判断をいたしておるわけでございます。しいて申しますと、今度は逆に、いわゆるふん尿の処理というものをどういうふうに考えてまいるか、干拓地の閉鎖的な中で酪農が行われる、そういう場合に、牛のふん尿の処理をむしろどういうふうに解決をしていくかということでございますが、この点につきましては先生御承知のように、地元増反ということを考えましても、もちろんあの地帯は確かに水田でございますが、その向こう側に内灘の野菜の大生産地がございます。非常に市場性も高い産地でございまして、野菜と畜産の結びつき、複合的な地域の組織化というようなことがよく言われますが、そういうような点も念頭に置きながらいろいろ考えてまいる、そういう条件がここにできておるのではないだろうかというふうに私どもは判断をいたしておるわけでございます。 集荷問題につきましては、御承知のように北陸というのは乳の足らないところでございます。もし余るというような場合には関西市場という膨大な市場がございます。乳の不足地帯でございますので、その畜産の面については私どもはむしろ楽観的な見通しを持っておる。ただ地元の調整をうまくつけていきながら、またそういうふん尿の処理ということを通じまして地元の地域にプラスをつくっていく、そういうことをむしろ積極的に考えていけば、この方向の計画は必ず成功するものと私どもは判断をいたしておるわけでございます。
○瀬野委員 森局長は調子のいいことを言っているけれども、水の下にあるものはまだわからぬことですからね。そんな調子のいいことばかり言っておられませんが、時間の制約があるので、はしょって聞きます。大事な問題を総括的に聞きますので、簡潔にお答えいただきたい。後日のためにぜひお聞きしておきたいと思うのです。 いまおっしゃったように当面三地区を考えられておりますけれども、適地が二分の一とか三分の一、八郎潟にしてもそうですか、全部適地ということではありませんね。そうした場合に、部分的に公団がやって若干残ったのはどうするのか。まさか工場地にするわけはないと思うが、その点はどう考えておりますか。簡潔にお答えください。
○森(整)政府委員 残りの面については野菜作ということが一応考えられておるわけでございます。
○瀬野委員 私の質問はそういうことではないけれども、とにかく時間がないから大事なことを聞いてまいります。 それから次は、立法府が法律を設ける以上は、特にこの三地区については青写真がなくちゃならぬというふうに私は思うわけですが、具体的な青写真が全然示されておりませんね。全くこれはいまからの問題です。それがないためにいろいろ細かい論議もできぬわけですけれども、終盤国会でとにかく一日で上げようということなものですから、われわれまでせかされて、そういった資料要求する間もございませんけれども、三地区がそうだから残りの七地区というものも当然これはそういったことが言えるわけで、審議がむずかしいということになります。選択制をとった八郎潟の問題なんか、五ヘクタール、七・五ヘクタール、あるいは十ヘクタール、最後は十五ヘクタールというふうに、いろいろになった例もございまして、四次に入った人たちは十五ヘクタールになったわけですね。こういった選択制の問題なんかもどうするのかという疑問がある。いずれにしても、立法府で法律を審議する際にこういった青写真がない、これはけしからぬ問題だと思うが、それはどういうふうに政府側は答弁なさるのですか。
○森(整)政府委員 この問題につきましては、要するに私先ほども申し上げましたように、権能規定として設けたということでございまして、実際には、地元の同意あるいはそういう意欲、そういったものがなければ、この手続でも示されておりますように県知事が申請をする、県は、これだけの負担をして結局県がしょい込むわけでございます。国なり財投の資金が公団に入ってまいります。その返還は県が一括行ってくるわけでございますから、県の責任において事業が実施される、私は大きな担保があるというふうに考えております。
○瀬野委員 そこで委員長にお願いしたいんですが、資料要求ですけれども、これは今後のために事業計画、干拓計画、こういったものをこの三地区について出してもらいたい。立法府が法律を審議し通す以上、これはもうぜひわれわれも必要であると思います。アウトラインでも結構でありますから、その現状がわかる程度でもよろしいですから出していただきたい。また三地区以外の七地区についてもできれば出していただきたい。このことを委員長にお願いしておきたいと思います。
○森(整)政府委員 御提出申し上げます。
○瀬野委員 そこで、公団事業が一応順調に進んでおりますわけですけれども、御承知のように四年ないし五年で終わる事業が多いわけで、特にこの北海道の根室地域は七年ということになっておりますが、いずれにしても四、五年ないし七年で一応終わる。今回のこの事業はいま局長おっしゃったように権能を持たせるとおっしゃっておりますけれども、一部国民の中にはいわゆる公団の延命策として干拓に手を出したんじゃないか、こういうようなことが言われておるわけだけれども、この国民の疑問に対して率直に、端的にお答えをいただきたい。
○森(整)政府委員 主として酪農の団地がこの事業によって行われるということを考えておるわけでございますが、御承知のように相当な設備投資が酪農については必要でございます。それをあわせて一体的に処理できる、それから農地整備と同時に完成をさせて短期的に事業が可能になるということ、それからもう一つ、恐らく公団事業でまず財投の資金と国の資金が入ってくるわけで、事業が全部でき上がってから結局入植ということになるわけでございますから、その場合に県が通常負担をしておるのが公団事業の特色でございます。したがいまして、逆に申しますと農民負担というものの軽減にも役立つということを予定をいたしておるわけでございます。そういうことを考えておるわけでございます。
○瀬野委員 大和田参考人、いまの私の問いに対して今後のためにあなたは当面の理事長として延命策というような国民の批判に対してはどういうふうな見解を持っておられるか、一言国会で述べておいてください。
○大和田参考人 先ほども申し上げましたように、私ども草地畜産のためにいまいわば仕事が伸び盛りのときでございますので、今回の法律の改正を私どもの公団の延命策というふうには考えておりません。
○瀬野委員 では、農林省に。 さきに述べたように、五十二年度国営干拓の事業は代行干拓を含めて十地区の実施が予定されておりますけれども、いま述べた三地区を除いた七地区のうち新潟県の福島潟は一〇〇%終わっていることになっておりますから、残りの熊本県の羊角湾など、これは羊角湾は進捗率が四一%でございますが、こういった六ないし七地区については国営干拓事業地区はどういうふうにするのか、将来どう考えているか、簡潔にひとつ答えてください。
○森(整)政府委員 御承知のように具体的にいろいろ地区名を洗ってまいりますと、ちょっといま直ちにこの対象にし得ると判断されるものはほとんどないということでございます。もちろん今後排水をいろいろさらに追加するとか、あるいはその周りにやっぱり酪農というのが成立しておってそういう適格者がおるかおらないか、やはり人の問題も大きな問題でございます。やっぱり県内の入植ということになりましょうから、そういう問題もいろいろ考え合わせて、ただいまのところ残りの七というものにつきましては一応現在のところは考えておりません。
○瀬野委員 農用地開発公団の大和田理事長にお伺いします。 干拓事業の土地配分についてでございますけれども、土地改良法第九十四条の八によりますと、その完成前に確定されることになっております。すなわち入植を前提としてやるわけですけれども、本法が成立しますと公団がやることになるわけですけれども、その点どう考えているかという問題です。すなわち先ほど申し上げた三地区は干陸計画を樹立することになりますから、公団をクッションに置いてやるということになるわけですね。そうすると公団が矢面に立つわけですから、公団でやってくれという人はいいけれども、おれは畜産はむずかしくてなかなか不得手だからやりたくないという人もあるわけですね。すなわち水田がよいということで、どうしても長年やってきた水田に自分たちは熟練しているから水田一辺倒だという人もおるわけです。そういったことで右往左往するというような問題が必ず起きてくると思うのですが、その点どう考えておられるか。すなわち新潟の福島潟については端的に言って畑作を水田にするということで問題になったわけですね。こういった例から見て、言うまでもなくいまの土地改良法というものは配分は営農前に決めるが、これを今度は公団がやる、クッションを置いてやるということになるわけで、紛争の種がしばしば起きてくる。その処理が大変むずかしくなるんじゃないか、こういうことが懸念されるわけですけれども、これについて大和田理事長は本法のこの提案に当たってどういう決意でこれを受けとめておられるか、決意のほどを承っておきたい。
○森(整)政府委員 これは県の申し出をもって農林大臣が判断をして行うということで、公団は農地整備の事業と上物の施設の整備を行うということでございます。
○瀬野委員 そういった問題がいろいろ懸念されるわけですけれども、一応局長の答弁を聞いておいて、時間も参りますので若干次の問題に移っていきます。 八郎潟新農村建設事業団から農用地開発公団が継承する資本金が四億円ばかりあるのですが、これはどういうふうに公団に引き継がれますか、その点ちょっと簡潔にお答えください。
○森(整)政府委員 農用地開発公団の資本金がふえてまいるという形になってまいります。これは財投から借り入れをしておりまして、もちろん勘定は別でやるわけですが、農民その他から徴収をしていくその間のギャップに、現在の計算によりますと二、三億の赤字が生ずるということが一応想定されております。もちろん今後の財投のフロートでございますから厳格には計算できませんけれども、そういうものに最終的には充てられるであろうというふうに考えております。
○瀬野委員 あと時間がわずかですから、最後に一言承っておきますが、現在の濃密地区の中で、阿蘇、久住飯田地域における広域農業開発事業について積極的に推進を図る必要があるわけでございますけれども、現在の事業の進捗状況と今後の見通し、こういったことについて最後に承って、質問を終わりたいと思います。
○森(整)政府委員 五十年度に着工しました阿蘇南部それから久住飯田西部につきましては、五十二年度末におきまして総事業費の四五%を超える進捗率の見込みをもって事業を行っております。それから五十一年度着工の阿蘇中央につきましては、おおむね二〇%の進捗率となる見通しでございます。阿蘇北部、久住飯田南部については、五十二年度において着工を予定しております。 それから今後の計画につきましては、開発予定区域といたしまして、五十二年度二地区の精査を継続して行うということにいたしておるわけでございます。
○瀬野委員 それでは以上で終わります。
○金子委員長 神田厚君。
○神田委員 先ほど農用地開発公団法の一部を改正する法律案について、主に八郎潟の問題につきまして御質問を申し上げましたが、今度は、国営干拓地における農用地開発公団の事業につきまして御質問を申し上げたいと思います。 最初に農林大臣に御質問を申し上げたいと思うのでありますが、国営干拓地に農用地開発公団事業を行うということにいたしました。これはいろいろ営農の経営安定の問題や、さらに畜産の問題等言われておりますけれども、何ゆえに国営干拓地に農用地開発公団の事業を行うことに決定をしたかという基本的な考え方、理由について御質問を申し上げたいというふうに思います。
○長谷川国務大臣 畜産の濃密団地というか、そして草地の濃密団地をつくっていこう、それを公団にやってもらおうじゃないか。それが、いままでのたとえば北海道あたりの体験からいきましても相当な収量を上げている。このいままでの体験をさらに生かして公団にこれをやってもらおうではないか、こういうことが目的でございます。
○神田委員 さらに、せっかく御出席をいただいた大和田理事長に一問御質問申し上げたいと思います。 今度国営干拓地に開発公団が事業を行うことになりました。このことにつきまして、これから先のこの事業の見通し、その他、いわゆる国営干拓地における開発公団の事業の概要について御質問を申し上げたいと思うのでございます。
○大和田参考人 先ほど構造改善局長からお話がございましたように、これからの問題でございますし、また法律が制定されておりませんので、私ども河北潟近辺の農家と直接接触いたしておりません。ただ、考えられますことは、干拓地で相当な土地の配分を受けて、そこでりっぱな畜舎をつくり、あるいはサイロその他の貯蔵施設をつくって牧草の生産に成功するならば、そこできわめて健全な酪農経営が生まれるだろうという予断は持っておりますけれども、私どもまだ具体的に何もいたしておらないわけでございます。
○神田委員 農用地開発公団の事業の現況につきまして局長にお尋ねをいたしたいと思うのでありますけれども、五十一年度、五十二年度、各地におかれまして開発公団の事業が推進されております。これを見ていきますと、いわゆるその進捗率が、五年で終わるというようなものにつきましても、私ども非常に心配をするような進捗率である地域があるわけでありまして、たとえば五十一年度から始まりました田代大川、八溝西部、多賀、阿蘇中央、こういうところはおおむね一四%から二〇%の進捗状況である。こういうことを考えてまいりますと、果たして五年の中でこれらの問題が全部一応計画どおりに推進されるのであるか、完成されるのであるか、その点が非常に心配でございます。と申しますのは、その地域におきます畜産農民たちは、利息払いや何かで大変苦しんでいる、こういうような状況もございまして、工期の中で完全に早くそれをやっていただきたいと要望しておりますので、現在行われております広域農業開発事業が計画の中できちんと完成するんだろうかどうか、こういう問題を率直にお聞きしたいと思うのであります。
○森(整)政府委員 先生御指摘の点はごもっともな点でございますが、公団事業につきましては、私ども毎年相当重点的に予算を配分いたしておりますし、大蔵省にも相当強硬に要求をいたしておるわけでございます。実績といたしまして、四十九年度以降、二十一億、九十二億、百七十六億、二百六十三億ということで、相当大幅に予算を伸ばしてきておりまして、五十年度に着工いたしましたのは五地区でございますが、その進捗率は、五十二年度現在の予算で見ますと、平均三九%に達するというふうに考えております。御指摘の八溝地区につきましては、これは五十一年度に着工いたしたものでございまして、御承知のように着工の年は非常に少ない予算をつけておりまして、次年度から相当本格化した事業が行われるということで、次年度以降の予算配分につきましていろいろ考えを進めておるという考え方でございますので、その点若干の相違が出ておるということでございますが、完了の工期までにはお約束どおり事業が仕上がるように私どもは努力をしてまいりたい、こういうふうに考えます。
○神田委員 この農業開発事業の中で特に畜産を中心とした場合に問題になりますのは、ただいま御答弁をいただきました工期もそうですか、それと同時に、流通の機構をどういうふうにするかというのが大変重要な問題になってくるのではないかと思うわけであります。特に畜産の問題につきましては、これを全体的な計画が終わった段階で見ますと、相当膨大な肉牛あるいは豚、そういうふうなものが今度は流通に乗せられるわけでありますけれども、それらをきちんと流通の経路に乗せられるかどうかということが大変心配でありますが、その点につきましてはいかがお考えでございましょうか。
○大場政府委員 ことに畜産団地を建設する場合に、私ども営農面の指導とあわせて、いまおっしゃった流通面をどうするか、出荷、販売をどうするかということが必要だと思っております。干拓地にそういった新しい団地造成をする場合におきましても当然そういった配慮をしなければならないわけでありまして、具体的に言えば、乳で言えば既存の集乳路線に乗るか乗らないか。乗らないとすれば新たな集乳路線をつくらなければなりませんし、あるいは肉にいたしましても卵にいたしましても、そういった出荷調整施設というものがあるわけでありますから、それを使えるか使えないかということをよく吟味して、具体的な地域地域に即してそういった出荷販売網というものはよく気を配っていかなければならない、かように思っております。
○神田委員 干拓地におきます流通の問題もさることながら、現在建設途上にございますいわゆる広域農業開発事業の中で行われているところにおきましても、たとえば三五%なり四〇%なり事業が進んでいるところでは、そういうふうな流通の問題というのはどういうふうに解決なさっているか、あるいはそういうことの指導はどういうふうになさっておられますか。
○大場政府委員 いまお答えをいたしましたが、やはり新しいまとまった畜産の基地というものを建設する場合に、それとあわせて、並行的に流通網の整備を図っていくということが基本的には必要だというふうに思っています。そういう意味で、新しい畜産の団地というものをつくる場合には、流通施設というものを計画の一環として取り込んで、それに対するいろいろな助成あるいは融資等のめんどうは見ていく、こういうようなことは現在もやっておりますし、将来もそういう方針は続けていくつもりでございます。
○神田委員 次に、国営干拓地におきましてこの農用地開発公団事業が行われるということになりますと、先ほど来言われておりますように、畜産を基軸とする事業、団地建設が行われる、こういうふうに考えるわけでありますけれども、いわば干拓地として造成された土地、これはほかの委員からも御指摘があったかと思うのでありますけれども、水稲作の適地としてつくられている、こういう中で、果たしてそこに畜産の事業を導入していくことが適当であるのかどうか、こういうふうな問題につきまして、いわゆるその入植者、受益者、こういうものの対応がどういうふうになされるかという問題で一つ心配があるわけであります。つまり、どういうふうなことかと申しますと、水稲の場合ならば家族労働でも、たとえば二人ぐらいで十分にできる場合がありますけれども、畜産ということになりますと二人ぐらいではとても手に負えない、こういうふうなことも考えますので、初めの予定では水稲でやろう、多分ここは稲作ができるのではないかというふうな形で土地の人たちがこの干拓に期待をしておったのが、畜産の事業になっていくというふうに変わった場合には、やはりそこにそういうふうな労働力の問題も含めまして問題がないかどうか、その点についてはいかがでございますか。
○森(整)政府委員 畑作一般にそうでございますけれども、やはり排水の問題なり土壌改良資材を投入する、そういう技術的な条件というものを考えておかなければならない。それから、先ほど申しましたように、畑作の営農を行うに先立ちまして、すでに河北潟でもそうでございます。八郎潟もそうでありましたけれども、営農試験地ができましていろいろな作物をつくってみて、その成果を見ながら計画を立ててまいるというふうに考えておるわけでございます。 あと、畜産をこの国営の干拓地に導入する場合には、大体入植を前提にして考えるということが妥当ではないだろうか。その場合の入植者ということになりますと、当然経験者ということになりまして、そういういろいろな条件というものはございましょうが、そういうことば具体的に今後各地区において詰めてまいるべき性格の問題ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
○神田委員 入植者を中心として考えるというお話でございましたけれども、たとえばいま言われております河北潟とか一応予定されておりますところは、すべてほかからの入植者というわけにはまいらないのではないか、こういうふうに考えるわけであります。したがいまして、いままでやはり稲作でやるのだろうというふうに思っていたところが畜産になってきたという場合には、やはりその辺のところに問題は起きないのだろうかという心配があるのでありますが、その辺はいかがでございますか。
○森(整)政府委員 いま先生の御指摘の問題につきましては、もちろん地元市町村それから地元のいろいろな関係団体と十分協議した上で、そういうまとまりを持って初めて県が申請をしてまいる。県の責任において申請をしてくるということは、県が議会の承認も得て出てくるわけでございます。そういう地元の態勢を整えてから申請が行われるものと私どもは判断をいたし、またそういう指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○神田委員 そうしますと、私ども前から心配しております点というのはやはり解消されない。いわゆる地元民とのトラブルというものがあって、予定どおりその干拓地に農用団地を入れようとしてもなかなか入れない、こういうふうなことが予測されるのではないかという心配を持つわけであります。せっかくの事業でありまして、やはりこういうふうな畜産に対する状況でもありますから、計画そのものがまだはっきりしてないという段階の中での論議では、私ども論議そのものに対しまして、余り意味を持たないというふうに考えるわけでありますけれども、やはり先ほど言ったような形で話をいたしますと、地元民とのトラブルがあるあるいは知事が市町村の人と話し合いがつかない、こういうふうな心配が非常にあるように思うのでありますけれども、その点についてはいかがでございますか。
○森(整)政府委員 いま予定をされておるものは干陸間近でございまして、今後干陸計画を立てていくという地区でございますが、その干陸計画を立てる際に、十分いろいろな調整を図りましてそういう計画に織り込んでまいる。最終的には県知事が申請をしてまいるということでございます。私ども、これは公団でもできる、公団についてのメリットはありますよ、こういう態勢の権能規定を与えておいて、実際に手が挙がってくるのを待っておるということでございます。これに全然メリットを感じないという地区は私はないと思います。
○神田委員 これら三地区は御存じのように開田抑制以前からつくられ始めたものでありますので、その辺のところがやはり増反者にしましても、畜産にすぐ移行できるかどうかというのはなかなかむずかしいのじゃないかという問題を考えているわけであります。それは後の問題に移しまして、いわゆるこういうトラブルのないような形で、十分地元の意見を聞くようなことにもなっておりますから、ひとつそれで御推進をいただきたいというふうに考えるわけであります。 いろいろと聞きたい問題があるのでありますけれども時間もありませんので、最終的にひとつ問題になっておりますのは、現在までに行われましたいわゆる干拓計画、この計画そのものが問題がなかったかどうか。ある話によりますと、たとえば九州の三池地区におきます干拓などによりますと一部ではカドミウム汚染による場所が干拓されている、こういうふうな話も伺うわけでありますけれども、そういうふうなことが現実にあるのかどうか、この辺につきましてはどうでございますか。
○森(整)政府委員 ちょっと該当の干拓地で問題になったカドミの関係の地区というのは、いま私も事務に聞いてみましたけれども、余り心当たりがないということでございます。むしろ干拓で問題になりますのは、御承知のようにいまの干拓地が水稲作を前提に始めた、開田抑制で切りかえが行われた、またそれが、地元の同意を得た上で行われたということになっておりますけれども、やはり米がいいという意向が強いということが最大の問題で、それをどういうふうに解決をしていくかということだろうと私どもは考えておるわけでございます。
○神田委員 最後に御質問申し上げます。 いわゆる国営干拓地に農用地開発公団が事業を行う、この場合の一番の問題は、一番最初に申しましたように営農指導をどういうふうにするかという問題であろうと思うわけであります。そういうような点につきまして、これはひとつ地元住民の意見を十二分にくんでいただきまして、地元住民との間で意思の疎通を十分に図った上での計画を推進していただきたい、そういうふうに考えるわけでありまして、最後に農林大臣から御答弁をいただいて御質問を終わりたいと考えます。
○長谷川国務大臣 そういう点はもちろん地元住民の意見を十分に聞かなければならぬ。地元住民の意見をなぜ聞くかと言えば、適地適作という言葉があるとおり、そこに住んでいる人でないとなかなかその判断が出てこない。これならば大丈夫だという判断はそこに直接住む人の判断の上に立つわけですから、その方々の御意見を十分聞かなければならない問題であります。農林省は、日本の北海道から鹿児島までやっているのですから、農林省から出る案は一本かもしれませんけれども、やはり適地適作ということが一番大事なことでありますので、それはやはりそこに住んでいる住民が一番よく知っている。こういうようなことで、公団事業というものは、いまお話のあったような心配の点もいろいろあるとは考えられますけれども、かえって公団で行う方がやりいいだろう。というのは、役所から行くと少しは遠慮する面もあるだろうと思うのです。同じことを言っても押しつけがましいように感じられる点もあるだろうと思うのです。ですから公団が行って、そしてひざとひざを合わせて話しながらそしてその事業を進めていくということが必ずや成功するもとになるんだろう、こういうふうに確信を持っております。でありますから、今後とも公団事業を拡大し強化していくことができるというふうに考えておる次第でございます。
○神田委員 どうもありがとうございました。
○金子委員長 津川武一君。
○津川委員 大臣がちょうど入ってきたときに石川県の河北潟のことが問題になっていたわけです。ここで一・七ヘクタールの耕地を持っている人に二・四ヘクタールの増反をやるわけです、これはいいことです。そして十アール当たり七十一万、二・四ヘクタールだから二千万円、二十五カ年年賦、六・五%の利息、元利払い四千万円になります。そして石川県の説明だと、一年三百万の収入を上げて、百七十万ずつ払えばいいから、こういうことなんです。ところが農民が何をやって三百万の収入を上げるか明らかでない、こういうことなんです。 もう一つ、この中にレンコンを主体とする営農計画があるのです。レンコンは経費がかからない。しかも反収四十万円。皆さんが非常に喜んでいる。しかし、私はこの間日本のレンコンの主産地の徳島県の実態を調べてみた。そうしたら、せいぜい一戸で二十アールなんだな。しかも特長のゴムぐつをはいて、ひざまでぬかるどろ田に入り、腰をかがめてレンコンを掘る。腰が痛む、ひざがはれる、肩がうずく、これほど働くので体についているのは神経痛だけである。死んだならば死体の上に神経痛の花が咲くだろう。実態は、よくやって三十アール、一家動員してうんと死にもの狂いでやっても五十アールなんです。これを二・四ヘクタールのものをレンコンを主体とするというふうになったらとてもやっていけないという。したがって、計画は民主的にやってほしい。入植する人、増反する人たちの営農やいろいろなことを聞いて計画してほしい。県は押しつけている。そこで、農林省がこれを受けるに当たっては、十分増反する農家と営農計画を相談し、入植する人たちと相談してやらなければせっかくのことが失敗に終わるので、この点の方針だけまず大臣から聞かしていただきます。
○長谷川国務大臣 お医者さんが病人のお話をよく聞いてから診察するように、その点は住民の御意見を十分承って、その患者の言うとおりにやっていきたい、患者に逆らわないでやっていきたい。津川さんと同様に考えておりますので、その点御了承賜りたいと思います。
○津川委員 大臣、私は衆議院議員であって、医者ではないのです。この点はやはり議会の厳粛な意見を尊重していただいて、大臣からその点計画をチェックしていただきたいと思うのです。 そこで、耕地の拡張、壊廃の実績はどうなっておりますか。
○森(整)政府委員 一時壊廃が非常に進みましたけれども、最近の壊廃は五十年で八万八千ということになっております。これに対しまして耕地の拡張の方は四万六千二百でございます。
○津川委員 聞いてみたけれども、それじゃ私の方から資料を出して農林大臣に質問します。 少なくなったと言うけれども、五十一年で壊廃が八万八千八百ヘクタール、造成が四万五千四百ヘクタール、これが実態です。それから土地改良、長期計画の実態でいきますと、昭和五十二年度で達成するのが金額で三三・三%、農地の壊廃が、長期計画目標事業量は七十万ヘクタール、五十一年で十万八千ヘクタール、進捗率がたったの一四%にしかなっていないのです。こういう点で各種の事業を見てみますと、国営灌排事業、十年計画で、五十二年度の現在から見ると十七・四年かかります。国営農地開発、これも十年計画で十七・四年かかります。つまり一・七倍以上、倍近い年数かからないと計画が行われない、これが国営事業。県営灌排事業、七年計画で立てたものが、五十二年度現在だとあと十三・八年かかります。約二倍の年月をかけなければ県営灌排事業が成功しません。団体営灌排事業、三年計画でやったものが五十二年現在では八年かかります。これは二・七倍の年月を要する、こういう状態で遅々として進みません。一方農地の壊廃が八万八百ヘクタール、造成が四万五千四百ヘクタール、こういう状態になっています。私たち共産党は、こういう状態を踏まえて、とりあえずここ三年で五十万ヘクタール起こす、耕地につくる。その後長期計画で三百万ヘクタールぐらいやっていかなきゃならぬ。この基本の中には、いまの農地を維持する。巨大企業などにつぶさせない、こういう考え方なんです。いま日本にとって一番必要なのは農用地の維持、拡大なんです。かなり奮発しなければ問題は片づかない。しかも国営はある程度までおくれが少ないんです。県営になってくるともっとおくれがひどく、団体営になってくるとおくれがもっとひどい。そこで私は、団体営を県営並みに引き上げていく事業援助、県営を国営並みに引き上げていって、国営を——いま法律になっているこの農用地開発公団でやっているのはわりあいによくいっているのです。よくいっている例があるので、そういう形で国の農用地を守る、造成していく。こういうことが一農林大臣だけでなく、国務大臣として長谷川農林大臣は、自分でこれを農林大臣に伝えるのではなくして閣議においても発言もしてそれを進めなければならないと思いますが、この点の決意はいかがで、方針はいかがでございます。
○長谷川国務大臣 お説の点につきましては、いままではそういうような実態があったということは否定できない事実だと思います。これはやはり経済的な大きな国内の変動があったという点もそれに絡んでおった、こう思うのです。公共事業を少し繰り延べろというような点からもあったわけでございますけれども、現在の農業問題は、経済の云々を問わず一貫した方向づけをしていかなければならないというのがいまのわれわれに課せられたところの大使命だと思うのであります。したがって、今後は景気の変動とは別個にこの事業の推進をやっていかなければならぬ。そういう点については、今度は国が直接ではないといいましても公団がやる。公団は国の責任を持ってやらなきゃならない問題であると思いますので、お言葉を十分踏まえまして責任を持ってその方向づけをしてまいる考え方でございます。
○津川委員 大臣の方針を了といたします。 そこで、おくれのひどいのは団体営、農民に一番密着しているのは団体営、農民が一番求めているのはそこにある。これのおくれがひどくて、三年のものが八年かかる。五十二年現在で計画を立ててやってもそういう形。その次には県営。比較的進んでいるのは国営。したがって、これを進める点で重点的に施策を施して国が乗り出さなければ、援助しなければならぬのは、団体営だと思うのです。ここの見解はいかがです。
○長谷川国務大臣 同じようなことでございますけれども、何といっても現在これだけの農産物の輸入をしているわが国でございます。これだけの農産物を輸入していて国民の生活の安定なんというものはあるかどうか、私はそういう点は疑わしいと言わなければならないと思います。とするならば、これらの問題は御指摘のとおり一貫をしたその方向づけで進まなければならない。これはもう県営であろうとも団体営であろうとも国営であろうとも当然でありますけれども、いわんや今度の問題は、これは国営と同様であり、また公団を指名してやるのでございますから、その責任は絶対国が持たなければならないということは当然な義務だ、こういうふうに考えております。
○津川委員 時間がまだ二、三分ありますが、これでやめます。大臣の答弁を聞いて、それを今度は農林省に具体的にわれわれがまた相談することにして、終わります。(拍手)
○金子委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○金子委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 農用地開発公団法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金子委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○金子委員長 この際、本案に対し、竹内猛君外五名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブの共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。竹内猛君。
○竹内(猛)委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブを代表して、ただいま議決されました農用地開発公団法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 農用地開発公団法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、国民食料の安定的供給を確保するため、農用地の開発をさらに一層推進するとともに、農用地開発公団の行う農畜産物の農密生産団地の建設事業を計画通り実施するために万全の措置を講ずるものとし、特に本法の施行に当たつては、左記事項の実現に努めるべきである。 記 一 干拓予定地を対象とする公団事業の実施に当たつては、地元の意向を十分反映するよう措置するとともに、畜産営農類型を策定するに際しては、干拓予定地及び周辺地域の農業の特性に応じて適正なものとすること。 二 公団事業の助成措置については、農家経営の安定を図る見地から今後とも改善に努めること。 三 八郎潟新農村建設事業の完了に伴い、今後とも八郎潟中央干拓地における圃場の整備改善、畑作の営農指導及び土地改良施設の維持管理等について十分配慮すること。 右決議する。 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通して各位の十分御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ全委員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○金子委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議に対し別に御発言もありませんので、直ちに採決いたします。 竹内猛君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金子委員長 起立総員。よって、本案に対して附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議について、政府の所信を求めます。長谷川農林大臣臨時代理。
○長谷川国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、十分検討の上善処してまいる所存でございます。(拍手) —————————————
○金子委員長 なお、本案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○金子委員長 次回は、明二十六日木曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時四十九分散会