農林水産委員会 第27号
- 発言数
- 156 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1977/05/18
会議録
○菅波委員長代理 これより会議を開きます。 委員長の指名により、私が委員長の職務を行います。 農業者年金基金法の一部を改正する法律案及び昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の両案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島田琢郎君。
○島田委員 農林年金の質問をいたします。 昨日から各委員が取り上げている問題に、新法と旧法の格差の是正という問題がございます。資料によりますれば、まさに一目瞭然、この格差のひどいことが示されております。たとえば新旧対比でやりますと、退職年金と遺族年金だけを取り上げてみましても、それぞれ通年方式、共済方式、最低保障方式と三つに区分をいたしまして検討、比較をいたしますと、新法と旧法における格差というものは歴然としているわけですが、たとえば退職年金の共済方式で五十一年度の数字を見ますと、その該当者は二千六百八十五人で、六・六%の救済にしかなっていませんが、通年方式では三万一千三百七人が救われて、七六・七%と大変高率であります。最低保障では一六・二%、六千六百二十人、こういうことであります。遺族年金では、これまたそれぞれ格差がありまして、最低保障が一番救済率が高いわけでありますけれども、しかし、これも旧法との比較においては話にならない数字になっているわけであります。こういう点を考えてまいりますと、従来から新法と旧法との格差の是正というのは、国会における意見としても出されている点であり、政府もこれを受けて、できるだけ是正してまいりたいという趣旨の答弁が繰り返しなされているわけでありますが、私は、思い切ってこれをやらないことにはいつまでたっても繰り返しにしかすぎない、こういうふうに思います。元来、三十九年十月に実施されましたこの年金のこうした問題は、他の年金においてはすでに三十四年から行われているわけでありますから、五年間の格差というものがこの年金自体にもあるわけですから、そういう点では私は、三十四年までさかのぼってそろえる、こういう考え方が一つありましょうし、一遍にやってしまえ、こういう考え方に立つならば、旧法をなくしてしまうぐらいの思い切ったやり方をしなければいけないんじゃないか、こう思いますが、いかがでしょうか。
○羽田政府委員 お答え申し上げます。 いま御指摘のございました点の基本的な問題でございますけれども、年金額を算定するに当たりましては、その給付事由が発生した時点における制度によるべきでありまして、各共済制度ともそのような取り扱いをしておるところでございます。農林年金のみに有利な取り扱いを図ることは、他の共済制度との均衡から見てきわめて困難であると考えております。 なお、農林省としまして、農林年金の新法への切りかえが、他の共済制度に比べ、ややおくれているという事情にもかんがみまして、最低の年金受給者に対する改善、いわゆる絶対最低保障額の引き上げに従来から努めてきたところでございますけれども、今後とも他制度との均衡に配慮しつつ、絶対最低保障額の増額につきまして、関係各方面と十分検討してまいりたいというふうに考えます。
○島田委員 いま政務次官は、農林年金は他の年金に比べて有利だということをおっしゃっているのですが、果たしてそうでしょうか。具体的にはどういう点が有利なのですか。
○今村(宣)政府委員 農林年金を厚生年金と比較をしてみますと、給付を受けられる年齢と申しますか、受給資格の発生をいたしますのが、農林年金は五十五歳でございますが、厚生年金は六十歳である。それから、給付の額の計算のベースになります標準給与をとってみましても、厚生年金は勤めておった期間を通算しての平均額でございますが、農林年金の場合におきましてはその直前の、やめるときの俸給がベースになるというその二点は、私は、厚生年金よりもはるかに有利な制度であろうと思います。問題は、昨日もいろいろ御議論になりました、掛金の国庫補助率が厚生年金の場合は二〇%であり、農林年金の場合は一八%である、しかし、農林年金の場合は調整率その他の措置を講じておるところでございまして、二〇%と一八%そのものを比較すれば、その点は劣っておりますけれども、一八%につきましても、諸般の手当てをしておるという点を考慮すれば、制度そのものとしては、私は農林年金の方がすぐれておるのではないか、かように考えておるわけでございます。
○島田委員 それは、私が指摘したように、農林年金の方が有利だといういまのお考えについては私は反論がありますけれども、その時間がございませんから、私は、私の質問の趣旨、つまり、いま局長が言っているのは新法の比較においてそう言っているわけでありまして、私は旧法とのこの格差をどうするのか、同じ農林年金という制度の中でこういう格差があっていいんですか、これを直すために二つの考え方がありますがどうですかと聞いているのでありますので、横道にそれたわけでありますけれども、その点はいかがですか。
○今村(宣)政府委員 絶対保障額の新旧法の取り扱いの相違につきましては、いろいろな経緯がございますが、その絶対保障額は現在恩給との均衡上から設けられておりますために、確かに御指摘のように六十五歳以上のものの額は厚生年金の水準を基準としておりますけれども、対象となります年金者の年齢、たとえば六十五歳以上と未満との区分でございますとか組合員期間の長短、たとえば二十年以上と未満の区分でございますとか、そういうことによりまして区分をされておりまして、新法の最低保障額に比べて、退職年金六十五歳未満のものをとりますと約二五%程度の格差がございます。最低保障額の引き上げにつきましては、遺族年金も含めまして本年四月から約七%の引き上げを行うこととしておりますが、さらに遺族年金については、昨年の寡婦加算に加えまして、六十歳以上の者または六十歳未満であっても遺族である子がいる妻については、本年八月からさらに引き上げを行う、こういうふうな措置を講じておるわけでございます。農林年金そのものをとりまして見てみますと、旧法の絶対最低保障額対象者というのはきわめて少ない数字でございますが、恩給をとりまして申し上げますと約十万以上の対象者がおるということもございます。それからもう一つは、先ほど政務次官から申し上げましたように、年金の算定は給付事由が生じた時点における制度によるべきであるという一つの原則がございますので、農林年金そのものからその原則を打ち破り、しかも恩給対象者に影響を及ぼさないように措置するということは、条件としましてきわめて困難な事態があるわけでございます。したがいまして、私たちとしましては、先ほど申し上げましたように、最低保障額の引き上げにつきまして、寡婦加算でありますとか、その他の措置を講ずることによって、できる限りこれを是正するという努力をいたしておるところでございます。
○島田委員 重ねて申し上げておきますが、新法の有利さといいますか、局長がおっしゃるそういう他の年金との比較においての議論を進めていく過程でも、通年方式という方式に変えられる、退職年金においてそういう方式に変えたからこそ七六・七%の対象者が、いわゆる救済された人たちがいるのであって、従来の救済方式でいくならば六・六%の域を出ないわけでありますから、問題はあなたのおっしゃるような点だけではなくて、大変たくさんこれを含んでいる、そういう制度になっているのだということだけははっきりしていると思うのであります。ですから、この点はいまいろいろな点で改正を図ってまいりたい、改善をしていきたいという考え方が示されましたから、私はこの項に関してはこれで質問を終わりますけれども、この点はさらにまだ課題としてこれからも残っていきます。ひとつ十分検討を願って、早急にわれわれが主張するような改正が行われるように努力を願いたいと思います。 さらに第二点でありますが、スライド制の導入というような問題はきのうも議論されているところでありますが、私は厚生年金と同じように賃金スライドから物価スライドにすべきだ、こういうふうに考えます。それは比較をすればいろいろ優劣はありましょうけれども、私は当然そういう方向でやるべきだ、こう思うのでありますが、まず見解を承りたいと思います。 さらに、一兆円減税の過程で出てまいりました二ヵ月の繰り上げ実施ということによって四月から実はこれが行われることになるわけでありますが、これは特例なのか、あるいはこれから先もこういう方針でやろうというふうに制度上はっきりさせていくというお考えに立つのか、この点ひとつ考え方を聞きたいと思います。
○今村(宣)政府委員 第一点の賃金スライドといいますか、そういうようなものを物価スライド方式に改めるべきではないかという御指摘でございますが、これは私は一概にどちらが有利であるかということはなかなか判定しにくいいろいろな問題を持っておるのではないかと思います。従来の実績を見てみましても、物価スライドの方が、厚生年金の上げ幅の方が高いときがありますが、同時に国公共済等の国家公務員の賃金ベースアップにならったような引き上げの方が有利な場合もございますし、なかなか一概には言えない問題ではないか。それから、同時に自動スライドの問題は、引き上げの幅をどのように考えるか、どちらが有利かという問題と同時に、引き上げの基準をどのように設定するのが適当か、それから他の共済制度との関連をどのように考えるのかというもろもろの問題を持っておりますので、これらの点を総合的に考えて検討する必要があるのではないかというふうに考えておるわけでございます。 第二点の、年金改定の四月実施は本年の特例か、来年以降もやるのかというお話でございますが、これは御存じのような経過を踏まえて行われましたことでございますから、来年度の改善実施についてはまだ政府としてこれを四月からやるのだというふうな方針にはなっておりませんけれども、しかし私たちといたしましては今回の措置が四月から行われた、従来のような経緯を踏まえて行われたということは厳然たる事実でございますから、そういう今回の措置を十分踏まえて対処してまいりたいと考えておる次第でございます。
○島田委員 政務次官、ただいまの局長の答弁で、政府はしっかりおやりになるという考え方に立っていると理解していいですね。
○羽田政府委員 そのつもりで私どもも検討してまいりたいというふうに考えております。
○島田委員 三番目ですが、これは農林年金だけの問題ではありませんけれども、日本の年金制度の中で特に欧米諸国から見ておくれている、こういう年金を早急に埋めていくという考え方に立つならば、遺族年金という制度については変えていくべきだ。特に御主人に先立たれた場合、あるいは御主人ばかりではありませんが先立たれた場合、遺族の立場で受ける年金というのはその日から五割になってしまうというのは、こういう年金というのは実に冷たいではないかという指摘があるわけであります。私もまさにそういう考え方に立っています。私は退職年金額の上では保障していくべきだというふうに考えていますが、いきなりそういうふうになるのはかなり無理があると思いますけれども、この点についても改正をしていく必要があるというふうに私は考えます。つまり寡婦加算制度というものを昨年から実施をいたしておりますが、これはまさにこの要請に対する一種のごまかし的なやり方だというふうに私は思うのですが、これをしっかりした考え方に返して、少なくとも御主人に先立たれた奥さんの悲しみに対してみんなで手を添えて温かい気持ちで長生きしていただきたい、こういう気持ちの年金制度に改めるという考え方があるならば私はこれは改善できる、こういうふうに考えているのですが、いかがですか。
○今村(宣)政府委員 御指摘のとおり、遺族年金につきましての改善というものは私も必要であると思っております。そういう意味合いにおきまして、五十一年度に寡婦加算を設け、五十二年度の改正におきましては改正時点の三ヵ月の繰り上げ、あるいは四月からの絶対最低保障額の引き上げ、あるいは六十歳以上である者または子供を持っております寡婦であります場合には本年八月からさらに二段ばねでこれを引き上げるという措置を講じておるところでございます。そういうことで、遺族年金の絶対最低保障額は大体五〇%から実質五六%相当の支給割合となっておりますが、今回の引き上げによりまして寡婦加算とあわせた遺族年金の絶対最低保障額は退職年金の絶対最低保障額の約六〇%、実質的には六〇%ぐらいまでいくのではないかというふうに見込まれておるわけでございます。そのようにして改善を図っておるところでございますが、問題は御指摘のように五〇%を六〇%、さらには七〇%というふうに引き上げるべきではないかというお話でございますが、これは各年金とも並んで五〇%の支給ということでございますので、それを六〇%、七〇%に上げるということは、これは各年金共通の問題でございます。もちろんそういう方向の改善措置の努力を必要とするわけでございますが、あわせて実質的に先ほど申し上げましたような寡婦加算あるいはそれの引き上げ等によりまして実質的にこれを改善していくということもまた必要なことではないかと思っておりますので、今後共済制度共通の問題として関係各省とも十分協議しつつ努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○島田委員 制度的にはこの年金制度は他の年金に比べて大分改善されてきた、こういうふうに言えると思うのでありますが、しかし支給の額になりまするとどうも他の年金に比べて低い。その原因はどこにあるのかという点はおよそ歴然としているわけでありますが、この原因を明らかにすると同時に、改善の方策について農林当局の考え方を聞きたいと思います。
○今村(宣)政府委員 農林年金制度の年金額が低いという御指摘でございますが、確かに全体として見ますと、既裁定者全体について比較してみますと低いのでございますが、新発者の年金について見ますと農林年金の方が高くなっておるわけでございます。この原因はいろいろございますが、過去に裁定された年金者を含んだものの集積ということで考えますと、どうもやはり過去の在職期間、年齢等に基づく給与水準の差が原因になっておるのではないかと思うわけでございます。この給与水準の低さをどういうふうに是正していくかということはなかなかむずかしい問題でございまして、やはりこれは各団体の非常な努力にまつべきものであると思いますが、農林省といたしましては、それの環境づくりと申しますか、基礎条件、基盤の整備と申しますか、そういう観点に立って農協合併の問題あるいは農協の役職員の研修の問題あるいは農協検査を通じての農協経営の改善、合理化の問題、そういう経営基盤の強化を図って、団体自身の努力と相まって経営改善につきまして十分指導をしていく必要があるというふうに考えておる次第でございます。
○島田委員 月給が安いということに大きな原因がある、こういう点はおおよそはっきりしているわけでありますが、いまのお話にありましたような程度の対策で果たして改善されるのかどうかというのは、これは農業政策の根幹に大変かかわる問題でもあるわけであります。私も末端の農協の組合員でもあり農協の役員でもありますが、これは非常に悩みの深い点でありまして、たとえば農畜産物の価格問題もこの根底に原因としてありますし、どんぶり勘定の中で職員の給与改善というのはなかなかできないという悩みも持っておるわけで、何といっても農業全般が見直されて農業経営者の経営が安定し、生活が安定するというようなことが即職員の側にも影響をもたらしていくというそういう相関関係がありますから、これは農業政策の根幹の問題に触れればとてもきょうの時間帯で議論し尽くせない問題があると思うのですが、こういう認識だけはきちっと持っていかなければいけない、私はこう思っているのです。政務次官、この点について一言でいいですが、いかがですか。
○羽田政府委員 いま先生から御指摘ございました点につきまして、私どもそれを踏まえながらこれから検討を続けてまいりたいというふうに考えます。
○島田委員 農林年金問題の最後になりましたか、厚生省からも来ておりますね。——健康保険組合、つまり年金制度の短期の制度の問題に若干触れておきたいと思います。 時あたかも健康保険の問題が国会の重要な問題として持ち出されているわけでございます。農林年金加入者の人たちになぜ政府の管掌する健康保険組合というものが育っていかないのか、こういう点について歴史的な幾つかの問題があるのでありますが、農林年金には実は政府管掌の健康保険組合というものは現在は一ヵ所もないわけであります。いろいろの理由がありますが、厚生省ではこうした理由についてどのような見解をお持ちですか。
○小島説明員 お答えいたします。 農協関係と申しますか農林漁業関係で独自に健康保険組合をつくっているのは、現在、東京を初め十四ヵ所ございます。それ以外の都道府県につきましては、いま先生お尋ねのように政府管掌の健康保険の方に入っていただいておるという形になっております。これは歴史的に見まして立法当初本則的なたてまえといたしましては、これは相互の連帯意識をもとにお互いに助け合いの精神で事業を運営していくということでございまして、組合制度が原則であるという考え方があったようでございます。組合をつくれないところはやむを得ない措置として政府が取りまとめて、一つの政府管掌の健康保険の組織をつくるという形で動いてまいりまして、現在まで組合数は千六百六十ほどになっております。それで被保険者の総数は一千百万程度かと思います。残りの方々の被用者を取りまとめて政府管掌で一つの組織をつくっておるわけでございますが、その組合でない政府管掌一本になっておるところの被保険者数は千四百万程度になっております。ですから、現在、ちょっと私不勉強で農林漁業団体の職員の方々の総数を定かに存じ上げておりませんが、その中で十四の都道府県について健保組合がつくられておる、その方々の合計が被保険者数でございますと約十六万名となっている次第でございます。
○島田委員 制度の趣旨から言うと、本来は組合健保、自主健保がたてまえであって、政府が管掌すべきものじゃないという趣旨の御発言でございますが、これもきょうは時間がないものですから余り細かに議論をすることができないわけでありますが、実情だけを明らかにしておきたいと思うのです。 いま説明がありましたが、たとえば農林年金の主軸をなすと言われる全中の組合健保は日経連健康保険組合と一緒になってやっている、何で日経連と一緒になってやっているのか私はその辺がわからぬのでありますが、そういう実態にある。また全農は単独でやっている。あと政府の関係の中央農業団体というのは農林年金そのものもございますし、それから農用地開発公団あるいは畜産振興事業団、八郎潟建設事業団あるいは糖価安定事業団、これらを合わせまして東京、つまり中央にある団体が二十団体ございますが、こういうやり方がもう一つある。いろいろ形が違っていますし、また地方に参りますれば、県単位の健康保険組合が十六都道府県ある。私はこの種の健康保険組合というのは、ただ大きくすればいいというふうに単純に言い切ることは危険かもしれませんが、やはり厚生省の三千名という基準ではこれはだめなんで、一万名ぐらいの規模にした健康保険組合というのが望まれる理想像ではないか、こういう指導をやっていることから言えば、やはりある程度大きくしていく必要がある。私は政府管掌の健康保険組合というものが全国一本で育っていくということが望ましいと思うのですが、今度はボーナスからまで引くなんというようなことを言っているわけですから、そうなればわれわれの健康保険組合の比較からいってとても話にならぬから、政府管掌の方で一本化するなんということはもう考えられぬ、こういうことになってしまうと思うのです。 私は、そういう意味で組合健保というものがこれから大きく育っていくための条件づくりが必要だ、こういうふうに思っています。厚生省はそういう考え方に立って指導すべきじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○小島説明員 お答えいたします。 組合の単位、最小限の人員が、法律の定めによりますと一つの事業所で組合をつくる場合には三百人以上、それから数個の複数の事業所にまとまって、先生お話しのようにいわゆる総合健保組合と言っておりますが、共同でつくる場合には五百人以上ということになっております。しかし最近の医療費の状況を見ますと、このような小規模ではとても動きがとれないということは先生御指摘のとおりでございまして、現在指導面では単一の事業所でやる場合には千名以上、総合の場合は三千名以上という形で指導いたしておりますが、先生お話しのとおり、最近規模の小さいところは重病の患者が出ますと途端に行き詰まるというケースもございます。したがってわれわれはもう少し大きな規模に持っていく必要があるんじゃないかということも考えておりますし、今後の政管、組合を通じましての制度のあり方そのものについては現在取り急ぎ見直しを進めておるところでございまして、その結果に基づきまして可及的速やかに必要な措置を講じてまいりたい、こう考えておる次第でございます。 〔菅波委員長代理退席、山崎(平)委員長代理着席〕 なお、関係審議会におかれましても、現在、この面での実質的な審議がこの秋意見具申を目途に進められておるところでございます。
○島田委員 以上で農林年金の関係の質問を終わります。 大臣がお見えでございますから、きのうの引き続きで農業者年金の関係でぜひ大臣から明確にしていただきたい点が四点ほどございますが、時間があとわずか十分しかございません。したがいまして明快な御答弁を期待するものでございます。 一つは婦人の加入問題であります。長々申し上げる必要はございませんが、これはきのうからの議論を通じまして、経営主のみの加入というような点については大変問題があるし、またすそ野の広がり、そういう制度上の将来のことを考えるならば、これはもう急いで検討すべき事項ではないか、こういう指摘をいたしましたのに対して、昨日は局長から、この秋の研究会に諮って検討を始めたい、これは当局としてはかなり思い切った説明でありましょうし、私もそのことを素直に受けとめるものでありますが、しかし、研究しただけで、研究を終わりましただけでは困りますので、これが制度上定着するような方向でかなり思い切った考え方を構造改善局長はお持ちだというふうに私も理解をいたしますけれども、この点について大臣からひとつ明確にしていただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 昨日からもお話し申し上げましたとおり、ここで私から、必ずお引き受けいたしましたということは申し上げかねます。 そこで、この秋に、もうこの秋だと言ってもわずかの間でございますけれども、その節皆さん方のおっしゃる御意見は最も関心を持っている問題でございますので、十分にこちらの意見を申し上げて、望ましい結果をぜひとりたいというような考え方を持って進めていきたいということを昨日も、局長さん初め関係者には、十分にこれに対しましてはおこたえできるように活動をしてもらいたい、活躍をしてもらいたいということをお願い申し上げたところでございます。
○島田委員 次に、制度が発足いたしましてからもう六年を経過しているのでありますが、どうも徹底を欠いている面があって、いまひとつPR不足とか趣旨の無理解な面も末端にはあるようでございまして、その点は繰り返しPRをすべきだということを言ってきましたが、現実には自分では入っていたようなつもりでおって、いよいよ去年から経営移譲年金が支給開始されるに及んで、おれにも何か当たるはずだなというようなことで初めて気がついたというような、そういうケースも末端には間々あるわけでございます。これは悪意があるわけではなくて、また取り扱いをいたしました農協にも決定的な問題があっての結果ではないわけでありますから、こういう点については何らかの救済する措置が必要じゃないか。つまり、現実的には時効によって権利が消滅をしているわけでありますけれども、しかしこれは何か考えてあげないとお気の毒ではないかというふうに考えます。この点はきのうの議論の中でも各委員から指摘がなされていた点でありますが、局長のお考えなども聞いているのでありますが、厚生省、つまり渡辺厚生大臣はテレビなんかにも出て、厚生年金や国民年金の加入漏れ、とりわけ国民年金の加入漏れについては確かにそういう実情があると思うから、調査の上何らかの検討をしたい。いわゆる共管の厚生省の大臣が直接そういう考え方について触れて、発言がなされて、いま世上もこの問題について大変注目をいたしているところであります。農業者年金についてもこうした実情を、前段申し上げましたような悪意のない結果なんですけれども、未加入という、時効になってしまっている人たちの権利回復を図ってやるというのは具体的な措置が要ると私は思うのであります。大臣いかがでしょうか。
○長谷川国務大臣 御指摘の高齢者の未加入と言いましょうか、でございますが、この辺についてはせっかくの御指摘でもございますし、また実態をよく調査いたしまして厚生省と十分に相談をしながら検討してまいりたいし、また厚生省の方でいまお話しのあったようなお考え方があるとするならば、ぜひこの中にも加えていただきたいということを十分に御相談を申し上げてみたいと考えております。
○島田委員 三点目でありますが、業務委託費が五十二年度においてどういうふうになっていますか。実際の末端の業務委託をしておりますのは農業委員会と農協でございますが、どうもこの委託費が安過ぎる、こういう声が聞かれますし、それが現実にはこうした制度の趣旨の徹底に問題があったり、あるいはPR不足につながったりしていることになってはいないでしょうか。この年金というのは他の公的年金と違いまして、農業団体を軸として事業を推進しているという特殊性を持っているわけでありますから、推進団体となっている農業団体が円滑に事務を処理して初めてこの制度の趣旨が生かされて加入促進も、あるいはまた政府がお考えになっている政策上の目的も果たされる、こういうふうに考えるわけでありますから、少なくとも末端から、とっても安くてやれないよという声が聞こえてこないような、そういう委託費に実情を十分調査の上改善を図っていくべきだというふうに私は考えます。いかがでしょうか。
○森(整)政府委員 農業者年金の委託業務の推進につきましては、先生御指摘のように、業務の委託機関といたしまして、農協、農業委員会に毎年委託手数料を重点的に引き上げてきておるわけでございまして、現在五十二年で一機関当たりの手数料は、農協が約二十五万円、農業委員会が約十三万円ということに相なっておるわけでございます。 今年度、総体といたしまして、県段階、末端段階すべて含めますと一一三・七%の予算の伸びをしておるわけでございますが、確かに、御指摘のように業務の委託、これが加入促進にもつながるわけでございます。その改善には今後とも十分私たちも努力してまいりたい、その増額の確保に努めてまいりたいという考え方でございます。
○島田委員 最後に、国民年金や厚生年金あるいはその他の共済につきましては、福祉事業として各種の施設の設置というようなことが、具体的に行われているわけでございます。本農業者年金制度というのは、発足後まだ間もないから、具体的にはなかなかこれが実施に移されるという段階にはなっていないのでありましょうけれども、しかし法律上では福祉事業を行うことができる、こういうふうにされているわけでございます。しかし基金はまだこれを行っておりませんし、その段階に至っていないというふうなことが言われているわけでございます。しかし、魅力ある年金というようなことが昨日から盛んに言われておりまして、それは総合的に、単に離農する、農業追い出しみたいなそういうことを先行させてばかりいきますと、これは魅力がなくなるばかりか、そっぽを向かれてしまうということになりかねません。全体的にはいまの土地の買い入れだとかあるいは売り渡しだとか、あるいは融資事業などもようやく昨年から軌道に乗っているような感じになってまいりましたが、いまひとつ地元に積立金の一部を還元するというようなことを具体的に行うということによって、魅力ある農業者年金ということになるのではないでしょうか。こういう点から考えますれば、せっかく法の第十九条でこのことが明記されているのでありますから、もうそろそろこれを具体化していく段階に来ているのではないかというふうに私は考えます。大臣、これはいかがですか。
○森(整)政府委員 ちょっと私から先に。 御指摘のとおりでございます。しかし、積立金も相当額、いま、五十一年三月末で千二百億という段階になってまいりました。そこで、四十九年から、農業者年金基金福祉事業研究会というのを発足させて、いろいろ御論議を願っております。そこで基本的な方針について検討を願っておるわけでございますが、その結論を待ちまして、今後、具体的な実施方法なり実施基準及びその他の運営方法等について準備を進めたいというふうに考えております。 なお、先般いろいろお話が出ております研究会においても、この問題の福祉事業のあり方ということについても検討を進めたいというふうに考えておる次第でございます。
○長谷川国務大臣 ただいまのお話は昨日来十分に聞かせていただきましたし、私たちの方も、そうでなければならない、何か魅力あるというか、そういうようなことに持っていきたいというように考えておりますので、この点については十分検討を加えてまいるつもりでございます。
○島田委員 時間が参りましたからこれで終わりますが、私は、わが党が考えて国会に提案をいたしました農業者年金との比較で昨日はおおよその時間を費して、農業者年金制度のあり方についてかなり突っ込んだ意見を申し上げたわけでございます。農林当局も必ずしもこの現状の制度に固執しているというふうに私は受けとめてはおりませんが、しかし、制度上かなり問題を含んでいるということは御認識を新たにしていただけたものと私は思うのであります。したがいまして、きょうその主要な部分を重ねて大臣にお尋ねをして、明確にしていただいたわけでございますから、この点は、国会での答弁だけではなくて現実のものとなるように、鋭意この制度の見直しに御努力をお願いいたしたい、このことを最後に希望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○山崎(平)委員長代理 新盛辰雄君。
○新盛委員 昨日からもう繰り返し繰り返しこの問題について議論がされておるわけですが、農業者年金基金が発足をして六年と四ヵ月、この間農業者年金制度は、四十九年、五十一年と二回にわたって、法律改正によって、より制度の内容の改善と充実が図られてきたのでありますけれども、年金給付水準の引き上げ等に関して、これに伴う保険料の改定、年金額への物価スライド制の導入、出かせぎ者など短期被用者の年金加入への特例措置、一定の条件を満たす三十五歳未満の後継者に対す保険料の軽減措置、後継者に対する経営移譲要件の緩和、すなわち使用収益権を認め、納税の猶予制度、こうしたものの設定など、まだ十分でない部面があるわけであります。 それに対していまも、農林省当局としても懸命にこれから検討を加えていきたい、こういうお答えもありました。 そこで、農業経営者の若返りと農地保有の合理化によって農業経営の近代化を進めて、あわせて農業者の老後の生活を保障する目的で生まれたこの農業者年金制度のかなめは、何といっても経営移譲年金だと思うのであります。しかし、この年金をもらうのにはその名のとおり経営移譲が条件である。したがって、それだけにむずかしい問題も幾つかあるわけでありますが、制度の仕組みが十分にのみ込めない、あるいは制度の普及、加入促進などが現状ではきわめて一般の農業者に対する理解として受け取られていない。現実、受給者が三月末でわずか一万六千人程度、せっかくつくったこれらの農業経営の面に一生懸命に携わっておられる農業者に対して、果たしてこの現状でいいのかどうか。これは基本的な問題でありますが、こうしたことに対して過去二回にわたって改正時に附帯決議が行われてきているわけであります。 そういうことに対して政府は積極的に検討を加えているのかどうか、このことに対しては非常に疑問なんです。それは、検討は加えているし、徐々によくなっているのだ、物価に応じて当然処置すべきものは処置をしたということなども回答の中で幾つか聞くわけでございますが、こうしたことに対して、現状から見ましても、私どもが理解する面でははなはだお粗末の限りではないか、そういうふうに思います。その点について大臣なり関係者の御答弁をお願いしたいと思います。
○森(整)政府委員 御指摘のように五十一年の制度改正に際しまして、当院の附帯決議がございました。七項目の附帯決議が行われているわけでございます。今回の法律の改正もスライドの措置でございますが、これも附帯決議の一項目にされておるわけでございまして、今回提案をいたしまして、御審議をわずらわしておるということでございます。 このほかに附帯決議の中で、後継者に対する使用収益権の設定にかかわります小作地保有制限の運用問題がございます。これにつきましては、農地法の施行規則を改正いたしまして、親子の間で使用収益権が設定されても、それは小作地の所有制限の例外とするということとして取り扱うことにいたしております。 次に、農業後継者に対します保険料の軽減措置の対象の要件の問題がございます。これにつきましては、一般的には経営耕地面積が都道府県別の平均面積以上ということになっておるわけでございますけれども、特定後継者の指定する者、すなわち現在の経営者の経営規模要件につきましては、たとえば施設園芸ですとか畜産のような集約的な農業をやっておる場合には、別にこの二作物に限るわけではございませんけれども、年間の労働時間が千五百時間以上であれば保険料軽減措置の対象となり得るということにしておるわけでございます。それから、後継者の指定者と言っておりますが、それが農業者年金の被保険者となることにつきまして、五十二年の一月一日、すなわち施行日でございます。ことしの一月、年齢的な制約のために被保険者となり得ないという場合があるわけでございます。そういう場合については、後継者の指定者についてのこの要件は適用をしないということにいたしておるわけでございます。 それから、三番目に、都道府県なり市町村段階の業務体制の整備拡充をすべしということについてでございますが、先ほど島田委員に対します御答弁で御説明申し上げましたが、五十二年の予算では、業務委託費の額の引き上げを図ったわけでございまして、その結果、前年対比一一三・七%の予算額ということに相なっておるわけでございます。 そこで、恐らく先生御指摘の問題は、それ以外の問題ということに相なるわけでございますが、遺族年金、老齢者年金、そういう問題につきましては、いずれもこれは制度全般の根幹にかかわる問題でございまして、われわれもきわめて重要な問題であるという認識は持っておるわけでございますが、いま直ちにお答えを出すには、もう少し時間をいただきたい。 そこで、今年の秋より、制度の研究会、そういうものを発足させまして、われわれも大いにその論議を尽くしまして、附帯決議に対します適切な処置をとってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○長谷川国務大臣 ただいま局長から御答弁申し上げましたとおり、できる範囲内のものは、かなりといいますか、全部はできなかったけれども、できるだけの努力を傾けてまいりまして、さらにまだ協議を重ねなければならない問題は、やはり制度の問題等々ありますので、これらの問題は、この秋の研究会で、さらにこの問題の終局を見るべく大いに努力を尽くしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○新盛委員 秋に結論が出るようにというお答えでもございますが、今回の改正の指標になっております物価上昇との関連で、農業者年金基金法の一部改正に伴って、例の社会保障制度審議会会長の方から答申が出されているわけです。物価上昇がなお根強い現状において、国民年金等の改正にあわせてスライドの実施時期を繰り上げることは評価できるけれども、なお時間的におくれがあるので、この点をさらに検討されたい、こういうことで検討の結果、この改正案要綱になっていると思いますが、現状九・四%の物価スライドだというふうに私ども理解をしております。さらに、五十二年度における年金額の物価スライドの実施時期を昭和五十三年一月から昭和五十二年九月に繰り上げることに対する内容でまたこれは改正ということになっているわけでありますが、この時間的なおくれがあるので、この点についての検討はどうなっているのか、どういうふうにこれから検討をされるつもりなのか、その点についてお聞かせを願いたいと思います。
○森(整)政府委員 ちょっと経過的な問題でございますから、経過を御説明した方が御理解をいただけると思いますが、法律では、昨年の物価が五%以上になった場合に、その改定を来年の一月、五十三年の一月からするということになっておるわけでございますが、今年度一応従来の傾向からいたしまして五%を上回ることは確実であるということで、五十二年、本年の九月からスライドを実施するということで予算編成を行ったわけでございます。 そこで、その案をもちまして社会保障制度審議会にお諮りいたしましたところ、先ほど先生御指摘の答申があったということでございます。たまたま五十二年度の予算の審議に当たりまして与野党一致の御修正がございまして、そこで他の年金、国民年金制度も二ヵ月、それに準じまして農業者年金も二ヵ月繰り上げるということで、七月とするということに相なったわけでございまして、それに基づきまして今回七月繰り上げ実施ということで御提案を申し上げたという次第でございます。 したがいまして、私ども今後の問題といたしましては、やはり国民年金制度と不即不離の関係にございます。国民年金がどういう対応をするか、いずれも物価スライドの条項がございます。それとあわせて、もしそういう必要があるという事態が今後ございますれば、それに準じた取り扱いを私どももさせていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
○新盛委員 そこで附帯決議の中にも各項にわたって、先ほども説明がございましたが、いま全体的に要望されていること、農業者老齢年金額を抜本的に引き上げてほしい、そのために要する経費はすべて全額国庫負担にしてもらいたい、こういう要求も農業者全体からの要求として出されているわけです。 さらに五十四年度以降はこの保険料は農家にとっては大変な高負担になるのじゃないだろうかというふうに予想されているのですが、この財政援助等の特別措置について将来の問題としてどういうふうにお考えになっているのか、その面もお聞かせを願いたいと思います。 この年金受給者が死亡した場合の配偶者に対する遺族年金の問題についても、これはいままでもそういうことについて創設を図ってほしい、そのことによってこれから家族経営、そうした一体性に対して保険料の掛け捨て防止を含めてやらなければなりませんから、そういう遺族年金の創設についてどうなのかということについても、これは検討事項としていま総合的な社会保険、そういうものとの見合いによって検討されるというふうに言われておりますが、突っ込んでそうした面の具体的なこれまでの検討、さらに将来どういうふうにこれらについて明確にしていくのか、その面もお聞かせ願いたいと思います。 また、時効完成後の保険料の収納ですが、これは大正五年から八年生まれの方々に対する特例措置、これらについても従来からも検討もされておるし、一部分その面の配慮もされているわけでありますが、この取り扱いについてもどういうふうにお考えになっているのか。 それから離農給付金制度、これは昭和五十五年五月をもって時限立法とされているのですが、これらの期限延長、こうしたことについても当然検討が加えられていると思いますが、その面についてもお聞かせを願いたい。 さらに、経営移譲年金の支給開始、これによって、先ほど数字を申し上げましたように、現在おもらいになっておられる方々がさらにこれからだんだんふえていくであろう。そうなると、事務量がきわめて複雑になってきますし、農業委員会の事務量、業務委託の大幅拡大、増額、そういうことについて先ほども島田委員の方からも質問があったわけでありますが、そうした面についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○森(整)政府委員 いろいろな内容の御質問がございまして、もし取り落としておりましたらまた御指摘を願いたいと思います。 まず最初に、農業者年金の保険料についての御意見がございました。端的に申しますと、保険料が高くはないだろうか、こういうような御指摘だったと思います。そこで、いろいろ国庫補助的なものをどういうふうに考えてまいるのかという御指摘だと思いますが、現在御承知のように拠出時に十分の三といいますか、特定後継者に対しては十分の五、こういう国庫負担をしておるわけでございます。給付時につきましては三分の一の補助をする、こういうたてまえでやっておるわけでございまして、これ全体をひっくるめてみますと約四六%の負担をしておる、非常にこれが国側としては高額な負担になっておるわけでございます。むしろそのことがいろいろ審議会でも当初から議論になったという経過があるわけでございます。もちろん、われわれ農民の負担、被用者につきましては雇い主の負担というようなものがあるわけでございますから、そういうものも勘案いたしますと、また農政の特別な措置から負担が行われているというようなことから考えますと、決して高過ぎるというふうにはわれわれは思ってはおりませんけれども、そういう批判があることは事実でございます。 それはともかくといたしまして、現在の保険料の負担率というものが他と比べてどうだろうかということになりますと、われわれの計算、いろいろ計算の仕方がございますけれども、約四・六%という計算が出てまいります。これを他の年金等と比べてみますと、決して高いものにはなっておらないというふうにわれわれは考えておるわけでございます。もちろん、今後いろいろ保険財政の再計算あるいは見直しが行われる、今回スライドして上げた分についてもそれは今後の再計算の過程で整理をしていかなければいけない話でございます。その他いろいろ先ほどから御質疑が当委員会で行われておりますように、遺族年金の問題でございますとか老齢年金をもう少し引き上げたらどうであろうかというような、そういう種のいろいろな御意見があるわけであります。 この点につきましては、今後秋に結論を出すというふうに考えておりませんで、秋から開催をいたすその研究会で、こういう制度的な基本的な問題にかかわります事項につきましては大いに議論をいたしまして、当院の附帯決議もございますし、そういう問題をどういうふうに扱ってまいるかということについて結論を出していただきました上でいろいろ措置しなければならない問題でございますが、これらも全部結局保険料にはね返ってくる話でございます。やはりそういうものと今後農業の所得の中でどのくらいのそれが負担になっていくのかというようなことを見ながら、全体、総合的に考えて対応をしていくという必要があろうかというふうに考えておる次第でございます。 それから、いろいろ時効にかかりまして加入したくても受給に結びつかないというような問題がございます。これは現在いろいろ農協等の事務の手違い等、非常に制度が浅いものですから、そういうことがしばしば私どもの耳に入ってくるわけでございますけれども、そういうわが方の系統の手違い等によります問題かどうかということは、いろいろケース・バイ・ケースに当たりまして、できるだけ救済をしていく方針で運用をいたしておるわけでございます。特に制度発足の際に短期の特例の措置が講ぜられまして、本年度に時効といいますか、ことしじゅうに入らなければ受給できなくなるという方が相当多数今年度発生をするというわけでございますが、こちらの方の問題につきましては、未加入者を大いに督励するという意味で今回相当徹底したPRをして、御加入を願うということで努力をしてみたいと思います。そういうふうに考えておるわけでございます。 それから最後の、そういう督励をするにいたしましても、やはり農業団体が末端の実際の農業者年金の業務を扱っておる組織でございますので、この点につきましては、もちろん出先として活動が相当活発に行われるような予算等所要の措置は確保し、かつ、今後も密接な連携をとりまして業務の遂行を図ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○新盛委員 時間がございませんので急ぎます。厚生省お見えになっておられると思いますが、年金制度の問題については社会保障制度審議会の方からの答申で、国民年金等の一部改正などの中で、年金スライドの問題あるいは各種年金制度におけるスライド並びに改定の実施時期がいまだにふぞろいであるので受給者が納得できないのではないかという指摘もされているわけであります。こうした社会保険料負担、長期、短期いろいろございますが、違いがあるわけですけれども、公的年金などと比べたらこれは問題があるじゃないかというのは、最近では官民の格差の問題を含めてあるわけでして、農林漁業団体職員共済組合の千分の百八十九、あるいは地方公務員など共済組合は千分の百六十二・六、こういうような内容の差というようなことなどもあって、社会保障制度全体から見て、将来はこの複雑な各種保険制度あるいは年金制度ということについてわかりやすく一元化する方向に行かなければならないじゃないか。 たとえばこの農業者年金の問題だって、今日せっかくこうした制度ができているのに、年金加入資格を持ちながら何らかの理由でいまだに加入できない、きのうからしきりにその問題について指摘がされています。現在も農家戸数四百八十九万戸に対して、加入者は約百十三万人だ。そしてまた、このうち後継者を除けば、九十三万人しかないんだ、制度を知らない人が二九%もいるんだというようなことなどもあるし、こうした社会保険全体の、いわゆるこれからの制度の問題として、これは厚生省なり農林省なり積極的なPRと同時に、将来わかりやすい、だれでもが加入でき、だれでもが社会的なそうした面の恩典を受ける魅力あるものにするんだということに対して、まず基本的な問題ですけれども、これは厚生省として、これからの指導なり、あるいはそうした面に対する考え方をひとつお聞かせいただきたいと思います。
○山本説明員 御質問の趣旨、一つは農業者年金制度のこれからの発展の問題と、もう一つは、その他年金制度全体にわたって、もろもろの不合理の是正なりあるいはわかりやすい制度への改善、こういうことであろうかと思いますので、お答え申し上げますが、全体の問題の方からまいりますと、現在私どもが幾つか所管いたします法律の中で、公的年金制度と呼んでおりますものが八つございまして、それ以外にまた、それに準ずる年金制度が幾つもあるわけでございます。中でもその八つの公的年金制度の間におきまして、給付の条件なり財政状況、掛金、保険料の負担の状況、そういうものの間にいろいろ差がございます。そういうものの中には、それぞれの制度が立脚しております状況、あるいは加入者の実情、そういうものから見まして、むしろ合理的と言える差もあるわけでございますけれども、やはりその中には是正すべき不合理、不平等というのもあるというのも、大方から多々御指摘いただいているところでございまして、厚生省としては、そのうち厚生年金保険、国民年金、船員保険という三つの制度を所管しているわけでございますが、他の所管官庁とも連絡をとりながら、いま申し上げましたようなもろもろの差というものは、どこまでこれは必要な差であるのか、どこからは是正すべき問題であるのかということの整理を進めまして、その上に立脚してこれからの年金制度の発展を考えてまいりたいという立場でございます。 また、わかりにくいという御指摘も、これまた多々あるわけでございますが、何分にも年金制度に加入する方々の状況といいますのは、同じ制度の中でございましても、なおかつ一人一人非常に多様な経歴なり事情を持っていらっしゃるわけでございまして、その方々の相互の間には、掛金をした期間でありますとか、その間の負担の状況でありますとか、あるいは生活の実態でありますとか、そういうものから言って、なかなか微妙な均衡というものを考えながら、私どもも制度を運営していかなければいけない、そういう立場にございます。 そういうところから、ときにそういう均衡を考え、あるいは法の厳密、適正な実施を期するという立場から、ややもしますと、法律の規定がわかりにくくなるとか理解されがたいという面も出てまいるわけでございます。これはでき得る範囲では制度をわかりやすく、単純明快なものにしていくという努力が必要であると考えておりますが、それででき切れない部分につきましては、やはり関係の行政機関あるいは関係する諸団体というところで、内容を十分周知徹底をする努力を怠らないということが大切ではないかと考えておるわけです。たとえば農業者年金の場合でも、本年度は農林省、私どもともに、そういう普及徹底なり関係機関への指導というものについての業務を、これまでよりも充実するということにいたしているわけでございます。 また、農業者年金のこれからの発展の問題という点につきましては、これはまた制度創設のときから皆様よく御承知のとおりでございまして、農業者、農業経営主にも厚生年金の被保険者に匹敵する保障をというのが一つの、表に出ておりませんけれども、皆さん共通のものとして御指摘いただいた目標になっておるわけでございます。 そういう意味で、法律の上でも毎年度の必要な場合における年金額スライド、さらには経済情勢が動きました場合に、制度が立ちおくれないようにする政策的な改定の義務づけということは法律に書かれておるわけでございまして、これは今後とも適正に実施をしていかなければならないと考えておりますが、これを上回ってさらに年金制度を充実するという問題になりますと、これは事の趣旨から申しまして、厚生年金に匹敵する水準をということで始めたものでございますので、これを上回る制度にするかどうかということは、これはまた本制度の基本問題でございますので、またそういう御要望があることもかねがね承っておりますから、私どもとしては一つの基本問題として将来に向かっては受けとめ、検討していかなければならない課題であろうかと考えております。
○新盛委員 ぜひひとつ、そうした総合的な問題も含めて御検討いただきたいと思います。 次に、農林漁業団体職員の共済組合の年金のあり方、これは五十二年二月三日、これまた社会保障制度審議会から既裁定年金額の引き上げ、あるいは退職年金等の最低保障額の引き上げ、あるいはそれらに伴う財源措置、標準給与の下限、上限という形の中で答申が出されております。水産庁関係の、とりわけ漁業者団体の職員の給与条件が、農林、農協、そうした団体の職員と非常に差がある。そうした面について、いままで強い要望も出されておるわけでありますが、退職年金についても受給資格二十年として、年金額は退職時賃金の少なくとも二十年勤務したときに六〇%、勤続年数一年増すごとに一・五%の加算などの要求がある。これはもう一々申し上げませんが、すでに御存じだと思いますけれども、農林年金中央共闘会議に所属をする各農協あるいは漁協あるいは森林共済、その他の各組合からも出されております。そういう中で、この漁業団体職員のこれはきわめて低い条件にある。まず給与条件が悪い。こういうようなことで、ちなみに五十年度末で見てみたんですが、平均標準給与に農協職員と言うと農協の方に怒られるかもしれないけれども、少なくとも上限に達するようにしなければならないという角度で申し上げるわけですが、三十四歳でもって農協の職員は十一万二千六百七円、漁協の職員はこれは三十七歳で十万七千九百七十七円、こういう給与条件の差がありますから、年金受給の実態の面からも当然そこに差が生まれてくる。この面に対して、水産庁のこれらの年金の窓口というのはどういうふうになっているのか。また、そのことに対して改善を図らなければならない。たとえば年金財源の健全化のために給付費に対する国庫補助率の大幅引き上げの要求が出ているんですけれども、私ども日本社会党としては、百分の二十以上に引き上げて財源調整費の補助も増額を図れ、こういう強い要望も出しておりますし、退職年金等の最低保障額についても、これは一般の最賃の中で議論されている七万円の最低限は保障してほしい、こういうことなど要求を出しております。こうしたことに対して、労働条件の問題も含めて年金改善の問題についてどのようにお考えになっているのか、これは特に水産庁の関係からひとつお答えいただきたいと思います。
○森実説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、確かに現実の給与水準を見ましても、現在の総合農協の職員と漁協の職員との間にはこの二、三年の間にかなりの格差が生じてきたことは、私否みがたいところだろうと思います。基本的に申しますと、私ははっきり申し上げまして、漁業協同組合の経営条件が一般的に農協のそれに比べてはるかに脆弱であるということは否定できないところだろうと思っております。 その意味で、一つは、やはり非常に小型の漁協が多い、経営規模の狭小な漁協が多い、この合併をどう進めていくかが一つの課題だろうと思います。それからもう一つは、信用事業の部門がはるかに農協に比べて脆弱でございます。地域の住民の預金を集めていくという意味では脆弱な点があることは否定できません。それからさらに販購売事業、特に販売事業等でかなりリスキーな面があるということも否定できない点であろうと思います。 そういう意味で、私どもとしては組合の合併の問題、信用事業、特に預金の拡大という問題、そういった点は積極的にバックアップしていきたいと思っておりますし、さらに一番問題になります販売事業の面で、国の価格政策あるいは需給調整事業を強化して、できるだけ、農協と同じようにとは言えないまでも、漁協がリスクが少なくて安定して販売事業ができる条件というものをつくっていくことには努力をしてまいりたいと思っております。
○新盛委員 時間が参りましたので、十分意を尽くせませんが、いずれにいたしましてもこれからの農林漁業団体職員共済組合法の活用については、国庫補助の増額を図る、あるいは遺族年金、障害年金の改善やあるいはまた賃金スライド制の確立など、社会保障制度審議会の方からも指摘を受けていることですから、そうしたことを十分に、これから政府関係の面におきましても、農林省当局において十分な検討を加えていただいて、これからの二百海里時代を迎えてそれぞれに大きく波及する問題ですから、十分にひとつこうした諸条件について満たされるような政策をしてもらうことを要望しまして、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○山崎(平)委員長代理 吉浦忠治君。
○吉浦委員 昨日から引き続いての質問でございますが、最初に、農業者年金の加入問題について、農業者年金の加入者数は、法律制定当初は百八十五万人、昭和四十九年以降は百六十五万人と予定していたのに対して、現実には五十一年三月末現在では百十六万四千人にすぎないわけであります。特に、経営移譲年金の支給も開始されている現在においては、加入者数が減少していくことさえ予想されている現状であります。この加入予定者数について、次の再計算時までに基本的に再検討しておく必要があるのではないか、このように私は感じますがこの点いかがでございましょうか。
○森(整)政府委員 ただいまの現実の加入者数は、五十一年三月で百十六万人、それから五十二年三月末で百十三万人、ここが減っておるわけでございます。四万人減っておるわけでございまして、これは六十歳に達した者が約五万人おるということから、加入が四万人で脱退が七万人、差し引き三万人の減になったというふうに把握をいたしておるわけでございますが、いずれにいたしましても、加入者数の減少というのは重大な問題でございますから、これにつきましては、いま推計をいたしますと、有資格者が二百万人いて、百十三万人を引きますと約九十万人、これが未加入者、ここに相当加入の促進を図りたいということが一つございます。 それから受給の問題につきましては、一万六千人ということに五十二年の三月末でなっておりまして、これは見方によりますけれども、保険設計と大体似たり寄ったりというふうに、これはまだはっきりいたしませんけれども、一年とちょっとでございますから、という問題がございます。 この両方をかみ合わせまして、五年ごとの財政の再計算をし、そこで全体の見直しを行うということに相なるわけでございますが、この問題につきましては非常に加入目標というのが重要な問題でございますし、加入者数を確保するということが重要な問題でございますし、現に目標よりも相当下回っておるという事態でございますから、この加入促進を図る。それからもう一つ、先ほどからいろいろ問題になっております婦人の加入問題というような問題もございます。 そういう基本的な問題は今後研究会でいろいろ検討をいたすわけでございますが、これらの加入者、それから移譲年金の推移、そういう年金受給者の推移、加入者の推移、そういうものを見きわめながら、農業年金制度全体のあり方について検討を加えていく、その際、整理をいたしまして財政の見直しを行う、こういう考え方で進めてまいりたい。 要は、何と申しましてもやはり保険でございますから、多数の加入者の中に成り立つわけでございますので、加入の促進ということを当面の目標として業務を進めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○吉浦委員 次の再計算時において基本的な再検討がなされませんと、いまのような問題点は解決をしないと思うわけでございます。 したがいまして、いまの農家の現状を見ますと、きのうからいろいろ審議をされてまいりましたけれども、PRが足りないというふうなことで片づけられますと、大変これは問題だというふうに私は思います。いまの農民の心情というのは、私もお会いをいたしましていろいろ話し合いをしたところによりますと、お金が当面ないので納めない、これが障害になっている面もややあるように思います。というのは、共済掛金等の問題でかなり不満がございまして、この年金も何か同じような種類のものではないかなというふうなとらえ方が、そういう農民の恩給であるというふうなことでなくて、掛け損になりはしないかというふうな不安感の方が先じゃないかというふうに私は感じました。PRが、ただ言葉だけのPRでなくて、いままでの農民が受けてきたそういうふうな状態を、やはり総反省をしなければこのPRは徹底しないのではないか。きのうから局長が盛んにPRが足りないということを謙虚な立場で言われました。私は聞いておりまして、ただ、それだけでは農民に対する浸透にはならないのではないかというふうに思って、再度私はその点に触れて質問をしたいわけでございます。お答え願いたいと思います。
○森(整)政府委員 せっかく農業者の年金の制度がありながら加入しない、それにつきまして、いま先生御指摘の問題について、農業共済の例を引かれましたけれども、確かにそういう面があるということは推測はできるわけでございます。しかし、私どもが未加入の理由をいろいろ調べた中では、ただいま保険料を納めることが困難であるためというのは、全体で七%の数字になっておるわけでございます。また、年金が低いとかあるいは経営の移譲の条件が厳しいとか、これらを全部合わせまして、まあ保険料が高いというのでしょう、合わせまして一五%ということになっておるわけでございますから、そういうことよりも、先生御指摘があったと思いますが、二九%の者は制度の内容を知らないということになっておるわけで、昨日来私がしばしば申し上げましたように、もう一つ、年金に入る必要がない、必要性を感じないという答えが二〇%ございます。これはいろいろ現在の農業の実態からいたしまして兼業農家というのが非常にふえてきている。ある意味では安定をしている農家、逆に言いますと土地持ち勤労者層というのが相当ふえておるわけでございます。それの中で、われわれはやはり農業で今後生計を立てていく、そういう方々をあくまでも把握をし、そして後継者確保、あるいはそういう意味からもいろいろ年金制度を充実して普及をしていきたいという考え方でございます。われわれはすべての農家について農業者年金への加入を期待をしておるわけではない。先ほど申し上げましたけれども、有資格者二百万人いるわけでございますから、そのうち百十三万人、あとの九十万人をどうするか、こういうとらえ方をしているわけでございまして、御指摘の問題につきまして私どもその加入しないということについての理由はいろいろあろうかと思いますが、少なくとも知らないでこの機会を失したということのないように、少なくともその面ではそういうことのないように、また起こらないようにわれわれは最大の努力をすべきではないだろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○吉浦委員 現在わが国の農家は、全体の六二%が第二種兼業農家で占めておるわけでありまして、これらの農家では、先ほども同じ質問がございましたが、主婦が農業生産の担い手となっているのが現状であります。また専業農家においても主婦が農業経営主として農業生産の上で重要な役割りを果たしておるわけであります。こうした農家の主婦の農業生産に果たす役割りの重要性から見て、その農業者年金への加入の道を開くべきではないか、そういうふうに思います。それによって農業者年金の加入者数がもっと増加するでしょうし、本制度が今後安定した形で運営されるようにもなるわけであります。何回も同じことでございますけれども、主婦の加入というものを明確にお考えかどうかを再度お尋ねをいたします。
○森(整)政府委員 かねがね主婦の加入問題についていろいろ御指摘がございます。ただいま先生御指摘のとおりいま約七割弱の就農人口の中でも、あるいは基幹的農業従事者というふうにとりますと六割、農業専従者ということでとりますと五割、そういうような相当なウエートを占めておることは御指摘のとおりでございます。その方々についての加入という問題につきましては、かねてからわれわれの内部でもいろいろ議論をしております。ただ、大きく分けまして、その議論を若干、余り時間も使いませんで申し上げますが、夫の方がむしろほかに勤め先があって奥さんが実質農業経営主という兼業農業がある。その場合にいろいろ擬制をして考えられないかということで検討いたしましたけれども、ともかく名義は夫にあるわけでございます。夫の土地が後継者に移譲をされた。したがって、その場合に妻に移譲年金がいくようにするということは、他人の意思等にその理由を求めるということで制度的になじみがたいというのが法制局の見解のようでございました。 それから夫婦ともにいろいろ働いておる。普通は夫が資産を持っておる、農地を持っておるというわけでございますから、その場合は妻の方は農業に従事をしている者ということに相ならざるを得ないわけでございます。そうすると、農業に従事している者を一体この農業者年金、いわゆる経営移譲の概念でどういうふうに仕組むか、こういう話になりますと、非常にむずかしい問題であるというのがいままで内部検討されておる中身でございます。 しかし、そういうことから今度逆に遺族年金で、せめて奥さんに夫が亡くなった場合に何かしてあげたらというのが遺族年金のそもそもの発想ではなかったかというふうに思うわけでございますが、いずれにいたしましても、こういう問題につきましては、基本的には農業の実態が家族経営ということを主体にされたものである。その中でたまたま、いいか悪いかは別にいたしまして、従来から夫が大体権利者で地権者である。その地権の動きをもって保険事故としておるわけでございますから、そこに一つの大きなギャップがあるのではないだろうか。 もう一つ、国民年金制度と農業者年金制度というのは不即不離といいますか、国民年金をもとにいたしまして、それに補完するものとして農業者年金制度が組み立てられておる。国民年金は夫婦でそれぞれ入るというのがたてまえになっておるわけです。こちらは経営主ということでとらえて、そこで六十五歳になったら老齢年金と経営移譲年金、そういうもので厚生年金並み、こういうことでございますから、そこのところをどういうふうに調整をして調和をさせていくかというのが非常にむずかしい制度問題だというふうにわれわれは認識をしておるわけでございます。 さはさりながら、先生御指摘のように主婦の実際の農業に占める重要性と、また保険の問題から言いましても、やはり加入者層をふやすということも一つの大きな課題であるということ等々いろいろ勘案いたしまして、今後研究会でいろいろ御議論を賜りたいというふうに考えておる次第でございます。
○吉浦委員 私ども公明党で国民福祉計画というそのトータルプランの中に年金ミニマムという項目を設けまして、すでに局長もお読みくださったと思いますけれども、その中でやはり改善案といたしまして、いまの年金権が確保されていないという点を指摘しているわけであります。したがいまして、一家族を単位とした年金制度がよいのか、国民一人一人を単位とした年金制度がよいのかという提案をいたしておるわけでございます。 いまの局長の話でよくわかるわけでございますが、農家の場合にいま主たる役割りは主婦になっているわけでありますので、その面の最後の答弁にございましたように、十分すそ野の広い、これからの加入者数等も勘案をいたしまして、研究会等でぜひ中心的にお話を進めていただきたいことを要望いたしたいと思います。 続きまして、特定後継者の要件の緩和についてお尋ねをいたしたいと思います。 さきの国会で審議した制度改正において、農業後継者の育成、確保の観点から、農業後継者の納付する保険料について、割引制度、いわゆる学割り制度が設けられたわけですが、この対象となる後継者の要件はどのように措置したのか、お尋ねをいたしたいと思います。特に、農業経営者、いわゆる後継者の親が加入していなければならないこと、経営規模が小さい者の取り扱い等について議論がなされ、何らかの緩和措置を講ずべきであるとの附帯決議もなされたが、どういうふうになったかをお尋ねいたしたいと思います。
○森(整)政府委員 御指摘の問題は、まず第一に経営規模の要件についてでございます。農業経営主の経営規模がおおむね県別の平均面積以上であることという前提がございますが、これにつきましては、施設園芸、畜産等集約的な農業経営の場合が多々あるわけでございまして、必ずしも経営耕地面積で限定するわけにまいらない。そういう意味で、経営耕地面積が県別の平均面積を下回っておりましても、年間の労働時間が千五百時間以上であれば保険料軽減措置の対象となり得るということにいたすことにいたした次第でございます。 それから第二の、親子、経営主と後継者両方の年金に同時に入っておらなければならないということについてでございますけれども、農業の経営主が高齢のために年金の加入の資格がないというような場合にはこの要件は課さないということにいたしたわけでございます。こういうことによりまして、附帯決議にございます緩和の措置を講じた次第でございます。
○吉浦委員 続いて農業者老齢年金についてお尋ねをいたしたいと思います。 農業者年金は農業経営の近代化と農地保有の合理化に寄与することを一つの目的としている制度であるのでありますが、経営移譲年金を中心に考え、それについては保険料納付時に国庫負担をしているということは理解できるわけであります。しかしながら、後継者がいないとか、譲るのに適当な第三者がいないとか、いろいろな事情で六十五歳までに経営移譲ができない者は老齢年金を受けることとなるわけですが、農業者年金のもう一つの目的は農業者の老後の生活の安定と福祉向上に資することというふうにありますので、その充実について考慮する必要があるわけです。農業者老齢年金は五十六年から給付されることになるのであるから、それまでには何らかの結論を得るよう検討を進めておくべきであると考えますが、この点はいかがでございましょうか。
○森(整)政府委員 御指摘のように、この年金制度というのは経営移譲を行った者に農業者の経営移譲年金が支給されるということになっておるわけでございまして、大体一応の目標といいますか設計では、六十歳から六十四歳までの間に移譲が行われて、受給する人が約四割という見込みを立てておるわけでございます。これはまだ緒に入ったばかりでございますからどういう推移をたどるかわかりません。そうすると、その残りの方につきまして老齢年金という問題が出てくるわけでございます。そういうことでございますが、この老齢年金につきましては過去二回にわたりまして年金の引き上げが行われておりますが、同率でこの引き上げを行ってきているわけでございます。さらに、いまのもらえないという立場からいろいろこの引き上げ問題というのが議論をされておるわけでございますが、現実に支払いが行われるのは昭和五十六年からでございまして、まだ期間がございます。そこで、この引き上げ問題ということはしばしば御指摘を受けておるわけでございますので、ことしの秋のこの研究会においていろいろ御意見を賜り、これに対する措置を決めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○吉浦委員 制度の実施状況について、全般的なことになりますが、お尋ねをいたしたいと思います。 農業者年金制度は、農業者の老後保障とともに農業経営の若返り及び農業経営規模の拡大に寄与することを目的として発足したものでありますが、本年ですでに六年を経過したことになるわけであります。特に昨年の五月からは、本制度の中心である経営移譲年金の支給が開始されておりますし、その受給者数は本年二月末現在で約一万三千に至っていると聞いております。そこで、このような経営移譲年金の支給を通じ農業経営の若返り及び経営規模の拡大という本制度創設時の目標はどの程度実現したと考えられるか、さらにこの点について今後の見通しはどのようにお持ちかをお尋ねいたしたいと思います。
○森(整)政府委員 この制度設立の政策目標、まあ農政上の目標と両方あるわけでございますが、老後の生活安定と福祉の向上、もう一つは農政上の経営の担当者の確保、経営移譲の促進、経営規模の拡大ということの政策目標があったわけでございます。 御承知のように、六年を経過して、経営移譲年金の支給が開始されたのが一年前ということでございまして、本年の三月末までに一万六千人の受給者が発生をしておるという現状でございます。このうちの約九割は後継者移譲ということに相なっておるわけでございまして、残りの第三者移譲が八%ということになっているわけでございます。 こういう結果から見ますと、この一年の成果で政策効果というもののすべてをここで見定めるわけにはなかなかまいりませんけれども、確かに反省すべき点といたしましては、規模拡大、第三者移譲、こういう問題については、数から言いますとそう大きなウエートを占めておらない、後継者移譲というのが相当な数に達しておる。これは経営者の若返りという観点から言えば確かに大きな効果でございますが、昨日も私申し上げましたけれども、また、たしか先生当委員会で御指摘ございましたけれども、農地の細分化の防止という観点から見ますと、一つの大きな制度的な支えになっておるというふうに私ども高く評価をいたしたいと思っておるわけでございます。もちろん、これは農地相続一括生前贈与の納税猶予制度あるいは相続税の猶予制度、そういうものと相まっての話でございますけれども、そういう面では、確かに私どもはこれは大いに評価をしている次第でございます。 そのほかに、やはり規模拡大という問題になりますと、これはやはりこの制度だけでどうこうというわけにもなかなかまいらない。やはり、そういう環境なり雰囲気なり、そういうものが出てまいりませんと、その効果をすべて発揮するわけにはまいらぬわけであります。いずれにいたしましても、この一面だけで私どもここでこれがどうのこうのと言うつもりはございません。しかし、経営の規模拡大という点は、農政上の基本的な課題でございます。他の制度の運用と相まって、またいろいろその他の助成策と相まって、できる限りの努力を、非常に厳しい道ではございますけれども、努力を傾注したいというふうに考えておる次第でございます。
○吉浦委員 時間の関係もございまして、農林年金の方についてお尋ねをいたしたいと思います。 きのう武田委員の方から質問をいたしまして、いろいろ職員の方々の待遇の問題等についてお尋ねをして終わったようでございますので、その続きをお願いしたいと思いますが、職員の方々の待遇面の向上ということは、一日も早い実現が望まれているところでありますが、退職年金の受給資格を二十年というふうに定められておりますが、退職年金額は、二十年勤務の方で現在は退職時の賃金の四〇%ではないかと思いますが、これを六〇%まで引き上げる、勤務年数が一年増すごとに一・五%加算をして、最高九〇%までにしてほしいという要望がありますが、この点についてお答えを願いたいと思います。
○今村(宣)政府委員 退職年金の給付の率を四〇%といたしておりますのは、国公共済その他全体的な問題でございまして、私たちとしましても、その比率は高いことが望ましいわけでございますが、これを引き上げるということにつきましては、年金全体の横並びの問題がございます。したがいまして、これは全体的な問題として、検討をしていく必要があると考えておるわけでございます。 なおまた、頭打ちといいますか、そういうふうなものをしないように、あるいはまたその頭打ちの限度をもっと上げるようにという問題がありますが、これはやはり全体的な年金の厚さといいますか、上の方と下の方の扱い全体の問題にかかわる問題でございますので、御指摘の点につきましては、私たちとしましても、関係各省と十分連絡をとりつつ、年金全体の問題として検討をしてまいりたい、かばうに考えておる次第でございます。
○吉浦委員 続きまして、遺族年金について、先ほども御質問がございましたが、その実態から見まして、受給者にとっては、ただ一つの生計の支えになっているわけであります。現在、この支給率は、退職年金の金額の五〇%とされております。遺族年金受給者の生活実態等にかんがみれば、その支給率を退職年金額の七〇%程度に引き上げることが必要ではないかというふうに考えるわけでございます。これは厚生大臣が、先日のテレビで「年金問題について考える」という放送のときにも、遺族年金についての七〇%程度は検討中であるというふうな話をされておりました。すべてがそうではないでしょうが、そういう話をされておりましたところからも、私どもはこの遺族年金については十分考慮しなければならないときが来ているというふうに思っております。トータルプランで出しました一人一人の年金権が確立すれば問題ではございませんが、こういうふうに農林諸団体にお勤めの方々の年金の支給については、主人が亡くなった場合に公共料金でも半分になるとか、あるいは電車も半分でいいとか、食べ物も半分で済むとか、着ているものも半分でもいいというふうなことにはならないわけでありまして、制度上五〇%というふうにいままでの例がそうなっていたからそうかもしれませんが、現実生活を見た場合に、やはり老後の問題はいまほど大事なときはないわけでありまして、そういう面の検討からしてこの五〇%の率をぜひ引き上げるよう、先ほど研究会が催されるということでありましたが、そういう中において御検討をぜひしていただきたいし、またそれに対するお考えはどのようであるか、お尋ねをいたしたいと思います。
○今村(宣)政府委員 お話しのとおり、各遺族年金の支給率は、現在各年金制度を通じて退職年金額の五〇%になっておるわけでございますが、御指摘のように、遺族年金の内容の改善といいますか、そういうことは非常に必要なことであろうと思っております。その支給率を五〇%をどういうふうに上げられるか、また上げるべきかということについては、各年金制度共通の問題として検討してきておるところでございますが、その支給率そのものを上げるという問題と同時に、中身をやはり実質的に上げていくという方向が一つあるかと思います。 現在五十一年度の法改正あるいはまた五十二年度におきます措置におきましては、御存じのように寡婦加算制度の創設なり、あるいは寡婦加算額のさらに引き上げ等の措置を講じてきておるわけでございまして、六十歳以上の者または遺族である子を有する寡婦についての絶対保障額をさらに八月には引き上げることにいたしておるわけでございます。 このように、十分とは言えませんけれども、内容の改善を図ることによってだんだんその支給率が実質的に上がっていくという方向が私としては非常に現実的な問題ではないかと思います。そういうふうな措置によりまして五十二年度の改善が行われますならば、大体実質で見まして支給額が六〇%になるような形に相なるわけでございまして、御指摘の遺族年金の支給内容の改善につきましては、今後とも十分留意して検討してまいりたい、かように考えておるわけでございます。 〔山崎(平)委員長代理退席、片岡委員長代理着席〕
○吉浦委員 続いて賃金スライド制の確立についてでありますが、実施時期は一日も早くしてほしいわけであります。改定の時期は、今年は四月になったわけでありますが、大変適当な時期であると私は思いますけれども、今後もこのような線を守っていけるものかどうか、先ほど質問があったようでございますが、このことについて再度お尋ねをいたしたいと思います。
○今村(宣)政府委員 今年度は御存じのような経緯を踏まえまして、二ヵ月の繰り上げということに相なったわけでございますが、今後来年度の改善の実施時期につきましては、これは政府としての方針が決まっておるわけでございませんけれども、しかし農林省としましては、今回の二ヵ月繰り上げるという事実は厳たる事実でございますから、そういうことの措置を踏まえまして今後十分対処してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○吉浦委員 財源及び財政方式については、国庫負担が現在二〇%であるというふうに思いますが、これを三〇%に引き上げてほしいという要望が強いわけでございますが、この点についてお尋ねをいたしたいと思います。——なるべく早く答えていただきたいと思いますが……。
○今村(宣)政府委員 国庫補助率を、厚生年金の場合は二〇%であり、農林年金の場合は一八%であるということから、せめて二〇%にしてもらいたいという要望は私たち十分承知をいたしております。しかし、これは私たちとしましても十分そういう点につきましては従来も努力をしてまいったわけでございますが、やはり年金全体の均衡の問題といいますか、一番いいところばかりとった年金制度というのはなかなかできがたいわけでございますので、全体的な内容とのバランスの問題ということが問題としてございますが、しかし、そういう点につきましては今後ともさらに努力を重ねてまいりたい、かように考えております。
○吉浦委員 この年金については——大蔵省はお見えになっておりませんか。課税されるわけでございますね。年金については非課税でございますか。——いらっしゃらない、じゃ結構です。ぜひとも私この年金は……。
○今村(宣)政府委員 退職年金については課税をされるわけでございますが、いろいろな控除の問題がございますので、全体として見れば、そんなに大きい税負担ではないというふうに理解をいたしております。
○吉浦委員 この年金については私は非課税にしてほしいというふうな要望を持っておるわけでございます。なぜならば、生産をしているわけではないわけでございまして、年金に課税をするというのはこれは筋違いではないかというふうに思っているわけでございます。ぜひとも、いろいろな研究会等があるようでございますので、検討していただきたいと思うわけでございます。 続いて、国庫負担の問題についてもう少しお尋ねをしたいんですが、私立学校の先生方、いわゆる私立学校教職員共済組合では国庫負担は百分の十八でございますが、そのほかに都道府県から千分の八程度の掛金補助金があるわけでございます。私も長いこと教育の現場におりましたけれども、教育は国家百年の大計で、いわゆる有為な大事な国を支える人材の育成に当たるわけでございます。この農林年金もやはり同じでありまして、農業者の場合はもっと私は大事だろうと思うのです。国民の生命を支える大事な産業に従事なさるわけでありまして、それによって人の教育もできるわけでありまして、生命を支える方がもっと先ではないか、変な理屈でございますけれども。したがいまして、農林年金にも都道府県からの掛金の補助の措置についてぜひとも何らかの措置をしていただきたいというふうに思いますが、この点についていかがでございましょう。
○今村(宣)政府委員 農林年金に対しまして都道府県の補助の導入を図るべきではないかという御質問でございますが、私たちとしましても、国会の附帯決議を踏まえまして関係省庁といろいろ引き続き折衝を重ねてきておるところでございます。 しかしながら、この問題は、一つは私学共済についての都道府県の補助は、私立学校が公立教育の肩がわり的な役目を果たしていることに着目してとられておるということと、それから、これを除きますと地方公共団体と非常に関連の深い地方公務員共済を含めまして都道府県の補助が行われていない。それから第三番目には、都道府県の財政事情、こういうことが問題として挙げられておるわけでございまして、本件については現在まで遺憾ながら協議が整っていないわけでございます。しかし、私たちとしましても、本件についてはなお今後、いろいろの事情がございましょうが、そういう事情を十分考慮しながら検討、協議を続けてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○吉浦委員 最後に厚生省にお尋ねをいたしたいのですが、農林年金にいたしましても農業者年金にいたしましても、この制度が非常に複雑でございます。私ども「社会福祉トータルプラン」と発表いたしましたように、大きく分けますと、この制度が八つに分かれているわけでありまして、この制度がそれぞれの特徴なり沿革なり特殊性なり背景なりというものを持って誕生したことは当然でございますが、これを何とかわかりやすく、しかも支給の方法も複雑でないように一本化する方法、一本化できないまでもそれに近づけるような体系にしなければ、日本ほど年金の複雑な国はなかろうと思うのです。そういう面で厚生省はどういうふうに取り組まれ、これに対してお考えを持っていらっしゃるか、最後にお尋ねをして終わりたいと思います。
○山本説明員 御指摘のとおり、非常に複雑な現状があることは事実でございます。これをどこまで簡明、簡潔な制度にできるかということは大変むずかしい課題でございまして、私どもいまお答え申し上げ、あるいは成り行きを予測することができない状況にあるわけでございますが、現在、厚生大臣の私的な諮問機関といたしまして年金基本構想懇談会という場所で各界の先生方から御意見を伺っているところでございまして、私どもからは厚生大臣から、この秋までには暫定的にせよ一つの意見の取りまとめをお願いしたいということを先生方に申し上げているところでございまして、私どもも、秋のある時期には中間的にせよ、何らか御意見がいただけるということを期待しているわけでございます。また、事務当局といたしましても、関係省庁とも連絡をとりながら検討を重ねておるところでございますので、そういう作業の中では、先生御指摘のような趣旨を十分踏まえまして検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○吉浦委員 以上で終わらせてもらいます。ありがとうございました。
○片岡委員長代理 神田厚君。
○神田委員 私は、昨日に続きまして、農業者年金といわゆる農林年金、この二法の改正につきまして御質問を申し上げたいと思います。 最初に、まず農業者年金の方の問題でございますが、昨日来からの各党の御質問に対する御答弁を聞いておりまして一つ御質問申し上げたいのでありますが、いわゆる経営移譲の九〇%が後継者になされている、こういうふうなお答えだったかと思うのですが、それで間違いございませんでしょうか。
○森(整)政府委員 昨年一月からの受給者の実績が、九一・四%が後継者に対する移譲であります。
○神田委員 そうしますと、残りの約九%、これはどういうふうな形で移譲がなされているのか、あるいは農地として使われているのか、それとも全く関係のない第三者が取得しているのか、その辺のところはおわかりになりますか。
○森(整)政府委員 その残りの八%が第三者移譲で、残りが生産法人関係ということに相なっております。もちろん農地としての移動でございます。
○神田委員 大体わかりました。その点ちょっと念を押しておきたいと思ったものですから……。 それでは、農林年金の問題につきまして御質問を申し上げたいというふうに思います。 昨日も御質問を申し上げましたが、いわゆる農林年金につきまして大変いろいろな疑問が出されてきているわけであります。まず、基本的な考え方といたしまして、先ほどもほかの委員の方から御質問がございましたが、いわゆる自動スライド制を採用するつもりはないかどうか、こういう問題につきましてひとつ明確な御答弁をいただきたいと思うのであります。
○今村(宣)政府委員 農林年金におきまして、厚生年金における物価自動スライド制というふうなことにならいました要するに賃金自動スライド制措置を導入するかどうかということにつきましては、基本的にスライドする場合の基準等につきましていろいろ検討を要する問題があると思います。したがいまして、今後とも共済制度共通の問題として関係各省とも協議しつつ検討いたしたいと思いますが、現実の制度は、国家公務員の給与アップが行われまして、それに伴って国公共済の制度を改善しますときには当然私の方もそれにならって——ならってといいますか、それと同様の措置を講ずる法律改正をして措置を講ずるということでございますので、実質的には現在行っておることが自動スライド制と同様の効果を発揮しておるものだというふうに理解をいたしておるわけでございます。
○神田委員 次に、これももういろいろ御質問の中に出ておりますけれども、最低保障額の引き上げの問題につきまして、私どもはこの最低保障額の引き上げが非常に不十分である、こういうふうな基本的な立場に立って申し上げているわけであります。特に、遺族年金などにおきましてはこれらのもう少しの引き上げというものを考えていただかなければならない。さらに、この問題はやはり新旧法の格差の問題とも密接な関係を持っておりますけれども、その点をどういうふうにお考えになっておりますか、御質問申し上げたいと思います。
○今村(宣)政府委員 年金額を算定するに当たりましては、その給付事由が発生した時点における制度によるというのが年金の一つの原則でございまして、各共済制度ともにそのような取り扱いをいたしておるわけでございますので、農林年金だけについてそこのところを打ち破って有利な扱いを図ることは、他の制度との横並びということから見てきわめて困難な問題であるというふうに理解をいたしておりますが、農林省としては農林年金の新法への切りかえが他の共済制度に比べてややおくれて行われたという事情にかんがみまして、既裁定の年金受給者に対する改善、いわゆる最低保障額の引き上げについて従来から非常に強く主張をしてきたわけでございますが、今後とも他制度との均衡に配慮しながら十分その増額について関係方面と協議、検討をいたしたいと思っております。 なお、遺族年金についてその最低保障額を引き上げるべきではないかということでございますが、私は遺族年金の内容の改善につきましては特にこれに力を入れる必要があると思います。 〔片岡委員長代理退席、山崎(平)委員長代理着席〕 また、現に寡婦加算でありますとかその加算額の増額等につきまして、五十一、五十二年度にわたっていろいろ改善措置を講じてきたわけでございまして、実質は五十二年度では大体五〇%から六〇%程度まで実質的に上がっていくというふうに考えておりますが、さらにその制度の改善につきましては今後とも努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○神田委員 一番おくれている。ほかの国家公務員共済制度、こういうものと比べますと、計算によりますと五年九ヵ月もおくれているというような状態になっております。こういう格差を早急に是正していただく御努力をさらにお願いをいたしたいというふうに思うと同時に、旧法年金者に最低保障額適用者がほかの制度よりも非常に多い、こういうことからほかの年金の関係者からもこの点について是正を強く叫ばれているわけでありますけれども、横並びをしていくということであるならば、この内容の問題につきましてもこの点の御検討はどういうふうになっておるのか、御質問申し上げたいと思います。
○今村(宣)政府委員 そのおくれておるということの内容でございますが、これは制度の切りかえが五年おくれたということであって、制度そのものがおくれておるということではございません。 それから第二点の旧法適用者が多いということは、人数として見ますと私たちは大体千五百人程度と思っておりますが、しかしそれにしても従来の農業団体関係者の給与が低かったというふうな関係もありまして、御指摘のとおり割合としては多いようであります。最近の新発につきましてはそうではないのでございますが、旧法適用者の割合が多いということは確かでございます。したがいまして、そういう点も踏まえて今後さらに努力を重ねてまいりたいと思っておる次第でございます。
○神田委員 この問題につきましては、私どもは制度そのものがおくれているというふうな話をしているんでありませんで、結局制度を横並びにさせていくというためには制度の内容の問題をもう少し充実させていかなければならないだろうという話をしているわけであります。そういう点で、ひとつなお一層そういう意味での御努力と御検討をお願いいたしたいというふうに考えております。 さらに、職員の給与改善の問題も本委員会でも何度も何度も言われておる。そして、この農林漁業団体の職員の給与の実態につきましては昨日来からのいろんな御指摘があるようでありますけれども、政府といたしましてこういう給与実態についてどういうふうな行政的な指導、調査をなされているのか、その点について御質問申し上げたいと思います。
○今村(宣)政府委員 農業団体職員の給与の実態調査につきましては、私たちは一応五十一年一月現在をとらえまして、農林年金を通じましていろいろ実態を把握をいたしております。それによりますと、市町村の給与と比べまして約九・六%程度低いということに相なっておりますが、しかしそれは一つは勤務年数の関係があり、また一つは平均年齢の関係がございます。それから、臨時給与をどの程度と見るかという問題がございまして、それらを全体的に総合勘案して考えますと、最近は両者の間にそれほど大きな格差はなくなってきておるんではないかと思われるわけでございます。しかし、年金支給ということを考えますれば、その給与の改善ということは非常に重要でありますし、また農業団体にりっぱな人材を確保するという意味におきましてもこれは非常に重要なことであると思います。したがいまして、そういうふうなことにできるように私たちとしては、農業団体全体の経営基盤といいますか、あるいはそういう環境づくりといいますか、そういう点につきましては、十分今後とも指導をしてまいりたい、かように考えている次第でございます。
○神田委員 農林漁業共済に入っている職員が、ほかの共済などに加入している職員に比べて、勤務年数が平均的に見て非常に少ない。そういうふうな統計が出ておるようでありますけれども、局長としては、この原因というのはどういうところにあるというふうにお考えでございますか。
○今村(宣)政府委員 一つは、地方公務員と総合農協の給与比較をいたしてみましたときに、市町村職員の平均勤務年数が十二・七年でありまして、総合農協職員が九・四年であります。これはいろいろな要素があって、一概にこういう原因であるというふうには申し上げられないと思いますが、一つは、農業団体につきましての最近の状況を見ますと、どうもそういう様子があらわれておるようでございまして、御指摘の点につきましては、私の方としても、さらに調査、検討を続けていきたいと思っておる次第でございます。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕
○神田委員 私は、こういう給与の問題、さらには年金の問題いまいろいろ官民格差の問題などにつきましても論議が出てまいりましたけれども、そういうふうなものが職員のいわゆる在職期間を短くしている、こういうふうな考え方も一部にはできるのではないかと思うわけであります。そういう点につきましてさらに調査を進めて、ひとつ方針を出していただければというふうに思っております。 次に、財政の問題について御質問を申し上げます。 いわゆる農林年金の財政の健全化あるいは農林年金財政そのものが大変大きな問題を含んでいるということは、すでに農業者年金のときにも申し上げましたけれども、社会保障審議会では五十一年度の中で、農林年金財政の健全化の問題そのものにつきましても、非常に危惧を抱いた答申をしているわけであります。農林年金は、「その構造からみて財政基盤に問題があり、将来の財政について確たる見通しを立て、これに応ずる計画を策定することが必要である。」こういう明確な指摘を受けているわけでありますけれども、この点につきましては、どういうふうにお考えでございますか。
○今村(宣)政府委員 現在の農林年金の不足責任準備金が、大体五十年度末で一兆五十一億円に相なっております。この原因は、一つは、毎年給付内容の制度の改善が行われる、それから第二は、毎年度にスライドする給与等のベースアップによる積立不足がある、第三には、在職期間の自然増加あるいは年金者数の自然増加、第四には、厚生年金期間を引き継いだことによる積立不足というようなものが大きな原因であろうと思います。これは御指摘のように、今後とも給付内容の改善を行っていきますれば、その積立不足は増加をしていくわけでございますが、積立責任準備金は過去勤務債務で構成されておりますので、この元本を永久に凍結して、その利息相当部分のみを償却することが認められておるわけで、農林年金では、制度発足以来マクロ的修正方式ということを採用をいたしておりまして、利息相当分のみを財源率に繰り込んで償却をいたしておるわけでございますから、一兆五十一億円といいましても、そのものをどうこうするという問題では直ちにはないわけでございます。 したがいまして、私たちは今後五十六年度の料率改定期を目指しまして、この間においてこの問題をどういうふうにするかということを十分検討をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○神田委員 やはり年金の財政問題に、そういうこれは非常に危ういというような危惧を抱かれていること自体、大変な問題であります。したがいまして、そういうふうなことにつきましてこれの確固たる見通しを立て、さらにこれに対応できる措置を明確に出していかなければならないだろうというふうに考えるわけでありますが、すべてがこの秋の研究会において、十分に討議をするというようなお話でございますけれども、そういうふうな財政問題についてどういうふうに今後これを運営していくのかというふうな問題につきまして、ひとつ十分な御検討をお願いいたしたいというふうに考えているわけであります。 さらに、たとえば現在行われておりますものにつきましても、いわゆる財源調整費補助、こういうものも私どもは地方公務員給与との格差是正ということを考えていきますれば、やはり給与費に対する現行の一・七七%というのをもう少し引き上げていかなければならないのではないか、こういうふうに考えるわけでありますが、その点はいかがでございますか。
○今村(宣)政府委員 掛金補助とそれから調整費補助の問題につきましては、私たちとしましても毎年予算要求を行いまして、最後までその努力をいたしておるところでございますが、問題は一番いいところばかりとった年金制度というのはなかなかできがたい。一番いいと言いますとおかしいのですが、掛金補助は厚生年金並みであり、さらにそれに調整費補助をつけ加えて、しかも五十五歳になれば年金がもらえまして、そのもらう年金の標準給与は退職する前の過去一年間の給与であるというふうな、両方いいところをとった制度というのは、これはなかなかむずかしい問題でございまして、私たちとしましては、御指摘のような努力を重ねていきますが、いいところずくめの年金というのはなかなかむずかしい問題でございます。しかし、私たちとしましてはそういう努力を惜しむものではございませんので、さらに努力を重ねていきたい、かように考えているわけでございます。
○神田委員 この財源の問題、大変大事な問題でありますから、ひとつ十分そういう意味で、いわゆる格差を是正するということも含めながら進めていただきたいと思いますと同時に、私は一つここで問題になりますのは、全国農業協同組合中央会の行う相互扶助事業、これを繰り入れて財源を補てんしているというような形になっているようでありますけれども、この点はどうなんでございますか。私は、そういうことも必要であると同時に、そういうことよりもむしろ国の方からきちんとした形で、それくらいの金額ならば出していった方がいいんじゃないかというような感じもするわけでありますが、その辺のところの御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○今村(宣)政府委員 御存じのとおり、全国農協中央会が行っております相互扶助事業は、一つは農協等の団体職員の教育研修、福祉厚生に関する改善指導ということで、これに対する補助を一億五千万円行っているわけでございます。農林年金の業務運営の強化に関する育成事業ということで、これは二億円の事業を行っているわけでありますが、国は先ほど申し上げました教育研修等の事業について補助をいたしておる。それから中央会は、二億円を職員共済の方に金を出しておるということでございまして、ちょっとこのたてまえとしましては切り離れた制度に相なっておるわけでございます。これを国が直接出すというかっこうになりますと、いまの補助金の出し方そのものが問題になってくるわけでございまして、これは現在のような制度によって実質的な効果を確保するということが必要なのではないか、かように考えておるわけでございます。
○神田委員 昨日からいろいろ御質疑を申し上げましたが、やはり私はこの農業者年金さらには農林年金、この二つの年金の基本的な問題点は、財政に対しまして確固たる確立されたものがない、財政基盤についての非常に大きな疑念が持たれている、あるいはそれが非常に弱い、こういうことがこれらの運用そのものを非常に阻害しているというふうに考えるわけでありまして、この財政基盤の確立ということを農業者、農林年金両方について検討をしていただきたいというふうに要望いたしたいと思います。 最後に農林大臣から、この二法につきましての私の質疑について、今後の農業者年金、農林年金のあり方につきましてひとつ御答弁をいただきまして、質問を終わりたいというふうに考えております。
○長谷川国務大臣 昨日からいろいろなお話が引き継がれておるのでございますけれども、何といっても財政基盤というものを確立していかなければなりません。したがって、やはり両面から御負担も願わなければならぬし、また私どもの方からも出さなければならぬというようなことをやって、そして財政基盤の確立をやってまいりたい。これが早く行われていくようにしていかなければならぬだろう、こういうふうに思います。この点につきましては十分に検討を加えてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○金子委員長 津川武一君。
○津川委員 農林大臣、きのうからきょうで十分議論を尽くされて、大臣も十分伺って覚えておると思いますが、やはり農林年金は公的年金制度の中でもほかの制度に比べてよくない。五十年末の比較で言うと、農林年金は平均六十五万八千円、厚生年金六十六万七千円、私学共済七十八万七千円、国家公務員共済百万五千円、こういう形になっているわけです。これらよりも低い。この基礎になる標準給与で言うと、農林年金十一万二千百六十七円、厚生年金十二万二千五百五十二円、私学共済十三万千八百九十五円、地方公務員十五万一千八百九十六円、こんなふうなかっこうになるわけです。最低保障額について、退職年金もらっても月額四万九千円、非稼働老人世帯で五万五千円というかっこうで、これもかなり低い。生活できない。そしてしかも今度は負担の方でいくと、年金料の組合員負担は農林年金千分の九十三、私学八十四、国家公務員八十八・五、地方公務員八十四、公共企業体八十六・五、厚生年金八十四・五。私はことさらに悪い数字ばかり挙げてみたわけです。これをどうするかということはきのう来の議論であったけれども、ここでやはり本当に農協だとかの職員が使命を果たし得るためには、国が特別にこの年金をよくするために指導、援助をしなければならない。国がもっとお金を出すことも重要な要因だと思うのですが、そこいらに対して大臣の所信をまず最初に伺わしていただきます。
○長谷川国務大臣 どうもなかなかこの問題もむずかしい問題で、いずれにしてももう少し環境づくりをやって、おのずからまたその成果を上げていっていただかなければならぬだろうし、私の方はその成績を上げるためにはもう万全を尽くして御協力を申し上げたい。いずれにしても環境づくりをしてもらいたい。そしてその上に立ってあとう限りのものを与えていかなければならぬ、こういうような考え方でおるのでございます。
○津川委員 私も国会に来てこれで八年目、毎年同じ議論をしているのです。そこで大臣、これをやはり追いつかせるための年次計画を立てられないと同じことを繰り返すと私は思うのです。大臣、臨時代理なので急に計画を立てるとばんと言えないだろうけれども、そこいらあたりいかがでございます。
○長谷川国務大臣 どうも津川さんに言われると私の方も少しなんですけれども、いずれにしても申し上げたような点等々も絡みまして、年次計画とおっしゃいますけれども、これを誕生させるときからの問題が制度的にもいろいろございまして、何とかおっしゃるような方向づけはしたいということに努力をしていることだけは——私はいま別に大臣でなくても農林関係は持っておるものですから、努力はしておることだけは努力しておるのだけれどもその実がなかなか上がってこないということでございまして、まことに申しわけないのだけれども、さらに努力を重ねますということより申し上げられないので、御了解賜りたいと思います。
○津川委員 私たちもその点では政府に協力します。また農業団体の皆さんとも一緒にこれからも遠慮なしにおねだりや要求やお願いに行きますから、ひとつ政府も覚悟を決めていただきたいと思うのです。 大分言い尽くしましたので、私はきょうひとつ自分の専門的な形で障害年金の中での精神障害年金をどうするかという問題を少し取り上げてみたいと思います。 一昨年もやってみたのですが、ちょうど一昨年北海道で、農協の職員でしたが、畜産のえさが値上がりして農民が大変なことになって、農民の中に自殺者が出たのです。困った農民たちが一生懸命にその農協の職員のところに対策を頼みに行った。おまえらのやり方が悪いからこうなったんだと文句も言った。何回かそういうやりとりをしているうちに、とうとうノイローゼになって、一生懸命やっている人だから自殺してしまったわけです。こういう障害が出ております。 今度質問するに当たって私は青森県のある職場、四十数人の職場に行って実態を聞いてみました。その農協の職場だけは明らかにしませんが、三人ノイローゼになっているのです。一人は経理。職場の長ががみがみ言うものだからとうとうノイローゼになって、その長がいるところではおどおどして仕事ができない。それで一年間休んだ。そしてまた職場の長の違う職場にやっても、同じ職場に帰されたらまただめになっちゃったのです。こういう形で精神障害がこのごろかなり出てきたんじゃないかと思います。 この間五月の十一日に農林省の構造改善局のエリート職員が自殺しております。環境庁のある課長がなぞの失踪をしておる。それから、人事院が昨年十二月国家公務員の長期病休者の実態調査をまとめたところ、この中で精神障害が消化器、循環器、伝染病及び寄生虫に次いで第四位で九・八%を占めている。十人に一人がこういう精神障害者になっているわけであります。 したがって、こういう点で障害年金を考える場合にも、精神衛生というのは非常に大事になってまいりました。それで端的に厚生省とも相談してみた、職場と話してみた。ところが、実際に、おれはいま職場長がいやで心臓神経症を起こしているけれども、これを言えないと言うのだ。言うと大変になる。そこでこの症状が進んでいく、そしてついに障害者になってしまうということになるわけです。したがって農業団体で働く職員の精神衛生、国家公務員として働く人たちの精神衛生、これはやはりあるのだから大っぴらに出して、すぐ相談できる体制をつくっていく、これが障害年金を少なくしていく、財政を豊かにしていく方法だと思うのですが、もしここいらで大臣が所信として答え得るのであったならば一言言っていただきます。
○長谷川国務大臣 専門家の御質問でございまするので、政府委員からお答え申し上げます。
○今村(宣)政府委員 専門家の先生に私がお答えをいたすのもとてもあれなんですが、最近の精神病症状と言いますか、そういうものについて、職場においてそれが非常に問題になりつつあるということは御指摘のとおりでございまして、私たちとしましても、先生の御指摘のようにそういう状況にある、あるいはそのおそれのある者について、職場内において、それが速やかに遠慮なく申し出、そしてそれに対する対応ができるように、その点についてはいろいろな方法で、また所要の指導もいたしてまいりたいと思っております。あるいはまた、そういう障害の発生につきましての障害年金認定問題につきましては、厚生省等ともよく協議をして検討してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○津川委員 精神障害に対する国民の偏見をなくして、やはり職場で大っぴらに言えるような体制をつくっていくことが何よりも必要です。 そこで、今度はもう少し詳しく入ってみます。障害給付、別表の一級の七「精神に、労働することを不能ならしめ、且つ、常時の監視又は介護を必要とする程度の障害を残すもの」、これは最低保障額五十一万八千百円で、今度の改正でどのくらいになりました。
○今村(宣)政府委員 ちょっと御質問の点の計算をいたしておりませんので、数字につきましては後ほど……。
○津川委員 そうすると、二級の十四「精神に、労働することを不能ならしめる程度の障害を残すもの」、三級の十三「精神又は神経系統に、労働に著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」、これは三級だから三十三万九千六百円、二級の方は四十二万一千二百円。これも同じように、何ぼ上がるかまだ計算しておらないというわけですか。
○今村(宣)政府委員 数字をちょっと農業協同組合課長から御説明させます。
○永井説明員 御説明申し上げます。 障害年金の最低保障の一級及び三級につきましては、三級につきましては三十九万六千円から四十三万三千二百円、それから一級につきましては六十六万九千円から七十一万五千五百円にそれぞれ引き上げを図っておるところでございます。
○津川委員 そこで、一級の労働することを不能ならしめるような障害が精神にある、その障害も「常時の監視又は介護を必要とする程度の障害を残すもの」、これは常時どなたが監視します、どのようにして監視します。これに対して給付される年金の負担区分などというものは、監視の、介護の費用をどんなふうに考えたらよろしゅうございますか。
○永井説明員 農林年金におきましては、他の共済制度にならいまして一応、廃疾等の認定につきましては主治医の診断をもとにいたしまして、農林年金に廃疾審議会に準じます専門の方の会を設けておりまして、そこでその診断書に基づいて判断をいたすというたてまえをとっております。
○津川委員 判断はよろしいが、同じ七十一万円もらうのに、両眼の視力が〇・〇二以下に減じた者、これは盲目に近いですが、この人は休んでいただいて、一日に何回かお世話するとこれでよろしい。常時監視と介護を要する人も同じに七十一万。 この監視というのは何をやらなければならないかと言うと、これもまた大変なんです。第一には、器物を壊す、物を投げる、火をたく、つける、たいた火を始末できない、失火する、気に食わなければ他人を傷つける、自分が自殺の心配がある、だから常時監視または介護を要する。〇・〇二以下の視力になった人、これも大変です。本人の労働力の喪失や不自由、悩みは大変でございますが、客観的に言うと、〇・〇二以下の視力に減じた者の処置と、絶えず介護または監視を要する人たちの処置には、おのずから差があってよろしいんじゃないか。この一級の七の人をこのままほうっておくのは、私は精神科の医者だから言うのじゃなく、社会的な正義の平等の立場から言ってもここに何らか配慮する必要があるんじゃないか。 介護をやります、病院に入れます、施設が整って、器具があって、いざというときに処置する体制があっても、四人に一人の看護婦さんをつけなければならない。施設のない、体制のないところに置くと、一人の付き添いが要る。いま、一人の付き添いをつけると一ヵ月三十万かかる。これで年額七十一万、こういう体制なので年金として何らかこれに特別な配慮をする必要がある、こういう形で別表第一というものを直さなければならないと考えるが、この見解、いかがでございます。 と同時に、それを待つまでもなく、たとえばこういう人は施設に入れる、こういう人には必要な看護をつける、これを現物給付でやるということを障害年金の中に盛ってもよろしい。そこいらあたり、精神障害を見たときに、何らかの配慮、施策、対策が必要じゃないかと思うのです。私は精神科を専攻してきて、国会に来てみて、こういう体制が恩給の中にも共済組合の中にも労働基準法の中にも年金の中にもありますので驚いて、まず農林年金のところから論議を進めているわけなんでございますが、局長でも課長でも大臣でもよろしい、ひとつ方針を聞かしていただきたい。
○今村(宣)政府委員 いろいろ御高説を承っておりますと、やはり視力が〇・〇二以下である者と精神障害で看護を要する者との違いというものは御指摘のとおり出てきておると思うわけでございます。したがいまして、そういうときの年金の扱いをどうすべきかという問題でございますが、一つは、これは厚生年金その他とずっと横に並んだような制度に相なっておるわけでございますので、私たちとしましては御指摘のような点に十分留意しながら、制度全体の改善問題として十分検討をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○津川委員 そこで局長からはしなくも厚生年金その他との均衡も考えなければならぬと言われた。やはり年金は農林省は得意じゃない。親元はもっとほかのところにあるので、社会保険庁、この点はどうでございます。
○高峯説明員 お答え申し上げます。 障害を受けられた方々に対しまして年金制度でどの程度の給付をなすかというのは、これは障害者側の需要と申しますか、どれだけの給付をなさなければならないかという障害者サイドの生活実態の問題もございますけれども、一方、年金制度という非常に画一的なルールに従って画一的に給付をするという制度におきましては、必ずしもきめの細かい給付が十分なされないという、これは制度の性格上どうしても出てくる問題でございます。 現在障害年金につきましては、厚生年金におきましては第一級、第二級、第三級と三段階に障害の等級を分けておりまして、その第二級が大体老齢年金の水準に合わせる。それから、いまおっしゃったような重度の障害の方、これはそれの二五%増しという障害年金を支給することといたしておるわけでございます。これが個々の障害者の方に、人によっては十分でない方もあるかと思いますけれども、年金制度としてどれだけ給付をするかというのは、年金制度全体の問題といたしましてなお慎重に検討する必要があるものと考えております。
○津川委員 そこで、長谷川大臣、こういうことなんです。農林年金では〇・〇二以下の視力、これを全盲という項目を一つ設けて、それといまの常時の監視または介護という一つのランクを決めて、それよりもう一つ高いランクを設けるともう少し救済されると思うのですよ。制度はある。検討していただきたい。これは大臣が本当に、先ほどの答弁にもありますようにひとつ御研究なすっていただいて、どこからでもいいから、やはり閣議で提起をしていただく、こういうことをしていただかなければならないと思うわけであります。こういうことを大臣におねだり、要求をしてもう一つ進めていきます。 そこで、厚生省の方の「厚生年金保険の廃疾認定要領」昭和四十年三月二十四日保険庁から通達が出ています。この中にも一級、二級、三級がある。この中で農林年金よりももう一つ進んでいると思われるものがある。それは、一級の七は同じ。厚生年金には八というのがあって、「傷病がなおらないで、身体の機能又は精神に、労働することを不能ならしめ、且つ、長期にわたる高度の安静と常時の監視又は介護とを必要とする程度の障害を有するものであって、」——ここでは「高度の安静」という言葉が入って、「厚生大臣が定めるもの」というのがある。こういう項目で道を開いていく道もあるわけなんです。私たちの農林年金にはこの七の次の八というのがない。ここいらは、厚生年金の方が先輩格であるから、ならうのなら簡単にならっていけるので、農林大臣の指定するものとして、やはりそこにまたランクを上げていく、もしくは給付の基準も改善していく道もまだ残っているので、この点、大臣にお気持ちがあるかどうかを聞くというのは質問になるかどうかわかりませんけれども、ひとつどうですか。
○今村(宣)政府委員 農林年金の場合も一級の八というのがございまして、大体似たような条項がございます。
○津川委員 ありましたか。私の読み違いなら、それはごめんなさい。——八はないよ。ぼくの持っているのは古いのかな。じゃ、いいです。 そこで、次の問題ですが、一級の七と二級の十四と三級の十三、三つあって、軽い精神障害での年金の、これは本人は困るのだけれども、三つある中で一番軽いもの、「精神又は神経系統に、労働に著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」これが給付の内容として軽いものです、症状としては軽くはないんだけれども。 この中にいま言った農協の人、課長からがみがみ言われて、その課長の前にいると心臓が打ってきて、ぼうっとなって仕事ができない。一年休んだ。またその課長の職場に戻されたら、また同じになった。こういう点でノイローゼ、心臓神経症、これは非常に不安なんです。一日いっぱいタクタクタクタク打っている。汗かいている。こういうのはこの三級の十三に該当しますか。農林大臣が定めるものの中に障害年金の給付の対象となって入りますかどうか。この点農林省まず答えていただきます。
○永井説明員 制度の運用でございますので私から御説明いたします。 一般的に、農林年金の障害年金の廃疾の認定につきましては、主治医の認定をもとにいたしまして、農林年金当局に申請がございましたときに問題がございます場合には、運営の審議の委員を専門家のお医者さんをお願いしておりまして、個別に問題がある場合には、その診断書をもとにいたしまして理事長がその委員にお諮りして定めるということにしております。 したがいまして、ただいまの御質問、非常に具体的でございますが、そのようなケースが出て申請が出てまいりました場合には、そのような手続をとると同時に、その認定に当たりましてはやはり厚生年金等他の制度の運用状態というものを参考にいたしまして認定をいたす、かような措置をとっておるところでございます。
○津川委員 課長、大丈夫かい。つまり、専門医がノイローゼとしてこの三級の十三該当という診断書を書くと、障害年金を出しますか。
○永井説明員 廃疾の程度の認定は主治医の診断ということではなくて、年金当局が行うわけでございますが、その廃疾の程度がどういう状況であるかということにつきましては、主治医の診断を参考にいたしまして委員の御判断を仰いで決定する、こういうことになるわけでございます。
○津川委員 そうすると、恒常的な、十数年にわたっておる心臓神経症で障害年金の対象としたことありますか。——あれはいいんです。
○永井説明員 実態をつまびらかに承知しておりませんが、従来そういうようなことで委員にお諮りしたというケースは、ちょっとまだ聞いておりません。
○津川委員 そこで、保険庁、あなたの方の四十年の三月二十四日に出した通達の中に、「精神および脳疾患による疾病の認定基準」「神経症にあつては、その症状が長時間持続し、一見重篤なものであっても、原則として廃疾の状態と認定しないものとする。」この通達は覚えていますか。
○黒木説明員 お答えいたします。 先生御指摘のとおりそういう通達を出しておりまして、わが方の運用の内規ということで定めておるわけでございます。 この理由でございますけれども、神経症につきましては、一般的には、治療可能でかつ精神病等に比べて軽症であると言われているわけでございます。私どもが障害年金を差し上げます場合には、廃疾という永久的な労働能力の阻害あるいは非常に長期にわたる労働能力の阻害という廃疾の状態があれば認定をするという形になっておりまして、一般的には、神経症につきましては、比較的軽症でかつ治療可能であるというふうに言われておるためにこういう規定があるわけでございます。しかしながら、神経症につきましては、精神病との境界が非常に不明確であるということも言われておりますので、私たちの具体的な運用に当たりましては、神経症という診断がありました場合にも、ほかの機能障害はないか、あるいは精神病ではないかというようなことを総合的に勘案いたしまして神経症あるいはノイローゼというような診断名が主治医から下された場合におきましても、そういった神経症と精神病との境界のあいまいが言われておりますことから、慎重にほかの面も考慮して運用に当たっているところでございます。
○津川委員 いま課長が読んだ通達、これは間違いではありませんか。「神経症にあつては、その症状が長時間」だよ。「長時間」、これはどうです。「長時間」というのは「重篤」なものにならない。長期間ならそうだけれども、どうです、この通達はうそではないのですか。
○黒木説明員 先生にお渡しいたしましたそのパンフレットはミスプリがございまして、きのう先生に渡す際に後でミスプリの訂正も申したわけでございますけれども、「長期間」の間違いのミスプリントでございます。申しわけございません。
○津川委員 「長期間」ですか、「長時間」でなく。
○黒木説明員 はい、そうでございます。
○津川委員 これは私のところに渡っただけじゃないんだよ、こういう形で問題を処している。 そこで、これは四十年にできた。いま、はしなくも言っている、ノイローゼでほかのものも合わされば出したという。いま精神分裂病、内因性のもの、外因性の反応的のノイローゼとの間に区別がなくなっちゃった。ソ連に行ってごらん。日本の精神病院に行くと七割五分が分裂病。ソ連に行くと三割。おととし私はノルウエーと北ヨーロッパの精神病院へ行ってみた。そこで四割なんだ。日本は七割五分なんだ。いま学界は、精神分裂病とノイローゼの固定したものはどれがどれかわからない中間地帯がうんと出てきた。したがって、この通達は四十年、速やかに中央精神衛生審議会にかけて、再検討してみる状態が必要となってきた。四十年の通達だから、これは三月に出しているから、決めたのは恐らく三十九年ごろだろう。もっと前かもわからぬ。こんな非科学的、おくれたもので事を処しているので、一応これは中央精神衛生審議会にかけてみる必要があると思うのですが、いかがでございますか。
○黒木説明員 廃疾の認定の運用につきましては、このたび法律改正がございまして、一年半で認定をするというような改善措置が行われたわけでございますけれども、それに伴いまして、私どもはいま先生お持ちのわが方で定めております認定基準要領というものを全面的に見直しをやっているわけでございます。その際に、神経症あるいは精神病についても検討を加えておるわけでございますけれども、なかなか医学的にむずかしい、学説等も多々あるというふうに聞いておりますので、なかなか難航いたしておるところでございますけれども、先生方の御意見を聞いて適切な医学の進歩あるいは現在の学説にマッチしたものを定めたいというふうに考え、検討をしているところでございます。
○津川委員 その次に、業務上の問題。業務上で出た場合の障害年金と業務外では給付にどのぐらいの差が出てまいりますか。
○永井説明員 一般的な場合に、障害年金はそのときの平均標準給与に対する比率でもって支給をしておりますが、業務上の廃疾と職務外の廃疾はその割合が異なっておりまして、これはまた等級によって異なりますが、大体平均標準給与の二〇%ないし三〇%の差が生じております。
○津川委員 そこで、このくらいの差が出てくるのだな。 そこで、業務上の精神障害、これは農林年金にどのぐらいございましたか、業務上の精神障害で障害年金を給付された人は。
○永井説明員 障害年金全体の中で、職務上のものが五・八%という状態でございまして、精神関係の障害という内訳がございませんので、ちょっと判定が困難でございます。
○津川委員 これはきょうでなくてもいいから、この国会があるうちに一度調べられて委員会に出してくれませんか、いいですね。
○今村(宣)政府委員 調べまして、提出をいたします。
○津川委員 そこで、業務上というのは、農林年金ではだれが判定いたしますか。
○永井説明員 請求がありましたときに、農林年金理事長が判定をいたすということになっております。
○津川委員 そこで、業務上として判定するときの基準、頼る項目、法律的な基準ですね、労働基準法だと思うのだけれども、労働基準法の施行規則の三十五条、業務上の疾病の範囲として、一つには負傷したもの、二つには、重激なる業務による筋肉、腱、関節の痛みだとか、三十八項目決まっております。この中に精神障害、そういう職場や業務上の精神的な圧力、精神的な苦悩によったものを判定する基準がかかってないと言ってよろしいのじゃないかと思うのです。三十七では「前各号の外中央労働基準審議会の議を経て労働大臣の指定する疾病」、三十八では「その他業務に起因することの明かな疾病」こうあって、これでやっているのだろうと思うのですが、やはり人事院でも調べているとおり、国家公務員の中に約十人に一人出てくるとすれば、この労働基準法の規則の三十八、この中に精神障害の範囲を決める一項目があった方がさらにさらに精神障害者を守る前進面が出ていくと思うのですが、この点、労働省はいかがでございますか。
○溝辺説明員 お答えいたします。 労働基準法は昭和二十二年にできておりまして、二十二年の九月から施行になっております。それ以来、この三十五条につきましては内容的な改正がなされておりません。したがいまして、御指摘の精神疾患に関します業務上の取り扱いは、労災保険では、現在、御指摘の三十八号で取り扱っております。 なお、いま申し上げましたように、二十二年以来、内容的に改正をいたしておりませんので、現在これが改定につきまして内部で検討中でございます。
○津川委員 質問は、少し時間が早くなったからこれで終わりますが、大臣、聞かれたとおり、どこの大臣をやっていてもいいから国務大臣として、やはり働く人たちの精神衛生面に一はだ脱いでいただければと思って、それを要請して、質問を終わります。
○金子委員長 これにて、両案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○金子委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、順次採決いたします。 まず、農業者年金基金法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金子委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 次に、昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金子委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○金子委員長 この際、両案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブを代表して、美濃政市君外五名からそれぞれ附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。美濃政市君。
○美濃委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブを代表して、ただいま議決されました農業者年金基金法の一部を改正する法律案並びに昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対するそれぞれの附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。 まず、両附帯決議案の案文を朗読いたします。 農業者年金基金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本年金制度の健全な運営に資するため、年金未加入者に対する加入促進につき、制度改善を含めた諸般の措置を講ずるとともに、左記事項の実現に努めるべきである。 記 一 農業者老齢年金については、やむを得ず六十五歳までに経営移譲ができない者の立場等を考慮し、年金支給が開始されるまでに、速やかにその引上げを図ること。 二 保険料については、農家負担能力の実情等にかんがみ、その軽減を図るとともに、国庫助成については、本年金の政策年金としての性格にかんがみ、その引上げを図るよう努めること。 三 最近における農業就業の動向にかんがみ、農業に専業的に従事する婦人等に対し、年金への加入の途を開くとともに、農業の家族経営としての一体性、保険料の掛け捨て防止等の観点から、遺族年金等の創設を図るよう努めること。 四 生前一括贈与を受けた者がさらに後継者への経営移譲を円滑に行えるよう税制等について一層の改善を図るよう努めること。 右決議する。 ………………………………… 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本制度の健全な発展を図るため、左記事項について検討を加え、その実現に努力すべきである。 記 一、年金財政の健全化のため、給付費に対する国庫補助率を百分の二十以上に引き上げるとともに財源調整費補助の増額を図ること。 二、退職年金等の最低保障額については、その給付水準の引き上げを図ること。特に、遺族年金については早急に改善を図ること。 三、既裁定年金の改定については、公務員給与の引き上げに対応した自動スライド制の導入を検討すること。 四、農林漁業団体職員の給与等その待遇改善が図られるよう配意すること。 右決議する。 以上の両附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通して各位の十分御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ全委員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○金子委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議に対し、別に御発言もありませんので、直ちに採決いたします。 両案に対し、美濃政市君外五名提出の動議のごとく、それぞれの附帯決議を付するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金子委員長 起立総員。よって、両案に対してそれぞれの附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議について政府の所信を求めます。長谷川農林大臣臨時代理。
○長谷川国務大臣 ただいま御審議をいただきました二法案につきましての附帯決議については、その御趣旨を体しまして十分に対処してまいりたいと存じます。(拍手) —————————————
○金子委員長 なお、両案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○金子委員長 次に、小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。 農産物の価格等に関する調査のため小委員十九名よりなる農産物の価格等に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 小委員及び小委員長は、追って公報をもってお知らせすることといたします。 次に、小委員及び小委員長の辞任の許可、補欠選任並びに小委員会におきまして参考人の出席を求め意見を聴取する必要が生じました場合は、参考人の出席を求めることとし、その人選及び出席日時、その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次回は、明十九日木曜日午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時四十七分散会