農林水産委員会 第17号
- 発言数
- 189 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/04/13
会議録
○金子委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。玉沢徳一郎君。
○玉沢委員 昨年は、近来まれに見る大冷害であったわけであります。私どもも戦後三十年間、こうした大冷害というものに見舞われることもなかったものでありますから、いろいろな点で準備不足もあったと思うわけであります。ただ、冷害というのは一年だけで終わるのではなくして、必ず二年ないし三年は続くのだ、そうした言い伝えが東北地方には伝わっておるわけであります。 たとえば明治以降見てまいりましても、明治三十八、三十九の両年にわたりまして大凶作がございました。また昭和に入りましてから、昭和九年、十年。こうして必ず二年にわたりまして、連年にわたりまして凶歳が続いたわけでございます。これは科学的に見ましてもある程度、今日の気象状況その他を検討すれば予報することが可能である、そう考えるわけであります。 気象庁では三月十日に、本年の全般暖候期予報というのを出しておるわけであります。この予報を見ますると、四月から九月は引き続き天候の変動が大きい。「春は寒・暖の変化が大きく、梅雨期から盛夏期にかけては地域差が目だち、北日本では低温や日照不足などやや不順な天候の現れる期間があり、西日本では少雨傾向でしょう。」こういう予報が出ておりまして、さらにまた注意事項としまして「昨年来、大規模な大気の環流は変動が大きく、太平洋域の低圧や海水温の低い状態が続いています。本年も太陽黒点の極小期の近傍で、この傾向は今後も続き、このため極端な天候の現れるおそれがあります。たとえば、春の晩霜、梅雨期から盛夏期の低温(北日本)、多雨(日本海側)、夏期の少雨(西日本)などが考えられますので、今後の三か月、一か月予報にご注意下さい。」こういう予報が出ておるわけであります。そこで、科学的に見ましても、気象庁では、ことしも冷夏の時期である、こういうように予報を出しておるわけでございます。 そこで私が質問をいたしたいのは、本年もまた冷害——大冷害になるかどうかわかりませんが、冷害がくる、こういう想定のもとに農林省の方でも対策を練っておく必要があるのじゃないか。この点につきましてどういうような対策を考えておるのか、それにつきまして御質問を申し上げたいと思います。
○羽田政府委員 お答えいたします。 ただいま御指摘がございましたように、近年寒波あるいは干ばつ、豪雨など世界的に実は異常気象が言われております。農業はこうした気象の変動に大きな影響を受けるものでございまして、国民食糧の安定供給を確保する上からきわめて重要な問題と認識しております。農林省としましては、さまざまな気象の変動に対しまして抵抗力の強い農業を育てるという観点に立って、かねてから灌漑施設など生産基盤の整備あるいは耐冷品種の育成、栽培技術の確立など恒久的な対策に努めてきておりますが、今後ともそれぞれの地域に適した作目、品種の導入を奨励するとともに、気象情報を迅速、的確に把握し、気象条件に即応した栽培管理と基本に忠実な技術の励行の指導などを通じ、農業生産と農業経営の安定を図ってまいるというのが基本でございます。 なお、食糧供給の変動に対しましては、食管在庫の積み増しを初め、輸入農産物の備蓄などの施策を講じており、これらを通じて国民の食糧の安定供給、これはどうしても確保していきたいというふうに考えております。 なお、ことしの冷夏等につきましては、昨年の冷害の体験というものを十分生かしまして、健苗の育成あるいは適期移植などの稲作の基本となる技術の励行についてすでに実は農蚕園芸局長の通達として流しております。それに基づきまして指導を徹底をしてまいりたいというふうに思います。なお、あわせて恒久的な対策を先ほど申し上げたような中で進めてまいりたいというふうに考えます。
○玉沢委員 ただいまの御説明で的確な気象状況を把握いたしまして対策を練る、こういうふうに言われたわけでありますが、気象庁の方では昭和四十九年度より地域気象観測システム、アメダスというものを設置をいたしまして、かなり細かい地域の気象状況の変化に対応できる予報を出せる、そういうシステムをとっておりまして、集中豪雨あるいはまた霜あるいは気象状況の変化、こうしたものに相当きめの細かい予報を出し得る立場に立っておるわけでありますが、冷害の害を最小限に防ぐ、そういう意味から、こうしたデータを農林省が積極的に活用しましてこれに対処するということが非常に重要なことになってくるのじゃないかと思うわけであります。 そこでお伺いいたしますが、農林省におかれましては従来一カ月とかあるいは六カ月というような気象予報は活用しておるようでありますが、ごく短期間の一週間ないしは二、三日というような気象の変化に対応できる気象庁との連絡、そういうものをとっているかどうか、その点についてお伺いいたします。
○川田政府委員 お答えいたします。 ただいま先生からお話がございましたように、一カ月、三カ月、暖候期、寒候期というような予報については注意いたしまして末端に流すようなことを考えておりますが、五十年度から気象庁と本省ベースで全国農業気象連絡協議会というものをつくりまして、そこで随時情報の交換をいたすという仕組みをつくっております。また同時に、農林省には地方農政局がございますし、気象庁には管区の気象台がございますから、その気象台と地方農政局とで地方農業気象連絡協議会というものをつくっておりまして、全国ベースの問題と、気象は特に地域性の問題がありますから、両方相補って情報が末端に流れるように考慮いたしております。
○玉沢委員 ただいまの農業気象協議会、きわめていい制度だと思うのでありますが、これは気象庁、農林省あるいは地方自治体、こうした方々が集まって協議会をつくるということでありますが、それはどの程度に頻繁に開かれておりますか。つまり、気象の変化は非常に急激にやってくるわけでありますが、そうしたものに対処できる組織になっておるかどうか、その点お伺いします。
○川田政府委員 お答えいたします。 ただいま申し上げました全国農業気象連絡協議会という本省ベースの協議会につきましては、重要な気象についての打ち合わせということになっておりますが、地方農政局と管区気象台でつくっております地方農業気象連絡協議会というのは、随時情報に注意して情報を交換するということをやっております。随時情報に注意して情報を交換し、末端に流すということを考えております。
○玉沢委員 随時情報というのはどの程度のあれですか。
○川田政府委員 これは農業面から考えましてこの情報は重要だという判断をしたときには、気象台の方から地方農政局に連絡が来るという仕組みになっております。
○玉沢委員 どうかひとつこの点につきましては、気象庁の方からということだけではなくして、農林省の方も積極的に予想し得る、つまり気象の変化に対応するための資料をとるような形で御指導をしてもらいたい、このように要望をいたすわけでございます。 それから、昨年、冷害対策の政策としまして、自作農維持資金の融資枠を三百六十五億とっておるわけでありますが、これの消化率はどの程度なものであるか、御質問申します。
○犬伏政府委員 昨年の冷害に伴いまして各種の金融対策、さらには救農土木事業、共済金の早期支払い等各種の対策を講じたわけでございますが、その中で自作農維持資金につきましては、ただいま御指摘のございましたように三百六十五億の融資枠を設定をいたしました。この設定は五十一年の十一月にいたしまして、貸し付けの実行をいたしておりますが、これは満度に消化をされておるという状況でございます。
○玉沢委員 どのくらいですか。
○犬伏政府委員 三百六十五億全部でございます。
○玉沢委員 そこで、そのほか既存の貸付金の条件の緩和あるいは天災融資法、激甚災害法その他を適用いたしまして融資をしたわけでありますが、本年ももし大冷害が来る、こういう場合におきましては、もちろん災害の状況等に応じてでありますが、こうした法律が適用される。そして、去年の例を見ますると、償還条件の緩和あるいは支払いの猶予等いろいろな政策を講じたわけでありますが、仮定の話でありますが、もし本年もこうした大冷害が続いて起こった場合におきましては、同じような政策をとり得る用意があるかどうか、その点について御質問申し上げます。
○犬伏政府委員 大きな災害が発生した場合におきましては、各種の農林関係の金融機関に対しまして、すでに貸し付けております貸付金の償還条件の緩和を被害の状況に応じて指導をいたしております。この融資条件の緩和措置につきましては、かねてから、通常の場合におきましても、大きな災害によりまして償還が困難になるという事態におきましてはそのような措置がとり得ることになっております。災害が起きた場合には、さらにそれを徹底する趣旨で通達等を出しておるわけでございまして、ことしの気象状況の推移、それに伴います災害がどのようになるかわかりませんが、そのような状況の中で、必要があれば同じくそのような通達を出してまいるということを検討したいと存じております。
○玉沢委員 そうすると、去年この償還条件の緩和をし、支払いの猶予をしたものをまたことし引き延ばす、こういうことも可能なわけですね。
○犬伏政府委員 個々の農家の事情に応じましてそのようなことがやれると考えております。
○玉沢委員 それから、冷害対策に関しまして最も重要な政策の一つといたしまして農業共済の制度があるわけでございます。私は先般も質問をいたしたわけでありますが、どうも共済組合あるいは連合会の損害評価額と農林省のそれとは大分食い違いがある。この前の御説明では、農林省の方は組合や連合会よりも十日ないし十五日ずれておったから相当の開きがあったというような御説明を承ったわけでありますが、一般に農林省の方の査定が農民が考えておるよりも非常に厳しい、こういう考え方がなされておるわけでございまして、もっとこの点について改善の余地があるかどうか、どういうようなものを基準としてやっておられるのか、損害が起きた場合に、政府で査定額を決定するまでどういう経過をたどるのか、この点について御説明を賜りたいと存じます。
○今村(宣)政府委員 農作物共済の損害評価をどのような手順、方法でやっているかということにつきまして御説明を申し上げます。 まず組合の段階でございますけれども、組合の段階では、農家から被害申告のありました耕地について、あらかじめ設置されました評価地域ごとに、組合が委嘱しております損害評価員が一筆ごとに検見または実測の調査を行うわけでございます。損害評価委員と職員は、さらに悉皆調査の結果を検定いたしますために、一評価地区、大体部落でございますが、それに十筆以上の耕地を任意に抽出をいたしまして抜き取り調査をやるわけでございます。そういう結果に基づきまして、損害評価員の行いました各耕地の単位当たりの収穫量を修正をいたしまして共済減収量というのを決めるわけでございます。その減収量を決めますときに、組合等には損害評価会というのがございますが、そこにかけまして、その意見を聞いて共済減収量を認定をいたしまして連合会に報告する、こういう手順を踏むわけでございます。 連合会の段階では、組合ごとの損害額を認定いたしますために実測による抜き取り調査をいたします。実測でございますが、それを主体にいたしまして、いろいろさらに必要に応じまして検見による抜き取り調査でありますとかあるいは見回り調査ということの調査をいたすわけであります。そういう実測による抜き取り調査等に基づきまして組合等ごとの共済減収量を調整をいたしまして、損害評価会、これは連合会に置かれております損害評価会の意見を聞いた上で組合等の共済減収量を認定をいたしまして、これを取りまとめて連合会の評価高ということで農林省に報告をいたすわけでございます。 農林省は、その結果を前提としつつ、災害の実態から見まして都道府県間に著しく公平を欠くことのないように、農林統計情報部の減収調査というのをいたしておりますが、それを参酌いたしまして連合会の評価高を審査、認定をするわけでございます。 したがいまして、損害の評価につきましては、以上のような慎重な手順を踏んで評価をいたしておりますので、私たちとしては評価は適正に行われておるというふうに思っております。 ただ、御指摘のように農林省の損害評価は厳しいのではないかという批判でございますけれども、これは二つの要素があるのではないか。一つは農林省と連合会の上げてきました損害評価高との食い違いという問題でございます。これは、農林省としましては、統計情報部の減収調査そのものを用いるのではございませんで、減収量調査に一定の幅を置きまして、その幅の中に連合会の申請しました減収量がおさまっておればそれでよろしいという立場をとるわけでございますので、今回のような大きな災害の場合におきましてもその幅の中におさまっていない県は六県でございます。昨年度ではたしか三県であるし、その前の年はゼロであり、その前の年はゼロというふうな状況でございますので、農林省と連合会との間の食い違いというのはそれほど大きくはないのではないか。 問題は組合と連合会との間の食い違い、これがいろいろ問題になります場合の相当な大きな要素ではないかと思います。これはいろいろな状況がございますが、一つは、損害評価委員の損害評価というのが見回りを主体にしておる。災害が起きました場合に見回って災害を見ますと、その心情としてどうしても大きく出てくるという要素はこれはあります。それから、連合会の方はやっぱり実測をいたしまして坪刈りをしてふるいにかけましてどれだけだということをやりますから、その間の一つの食い違いというのは出てくると思います。 それからもう一つ、今度の冷害の特徴的な問題でございますが、後になるほど気象条件その他で作柄が回復したということがございまして、片一方、年内支払いをどうしてもやりたいという要素がございましたものですから、早目に損害評価に組合等が着手をいたしまして、その期間的なずれが上に上がってくるごとに出てきたという要素、ことしのような大きな災害で、しかも年内支払いをやるという前提に立ちますと、どうしてもそういう要素が出てきます。そういうことで食い違いが連合会と組合との間に出てきたわけでございますが、私たちとしましては、こういう問題に対処して、今後どういうふうにしていくかということにつきましていろいろ検討をいたしておるわけでございますが、一つは、組合段階におきましても簡易な実測調査を導入してはどうか。これは目で見るだけじゃなしに一といいましても、その量が多うございますから、やはり簡易な実測調査でないといけない。それを導入してはどうか。それから第二番目には、評価時期にずれを生じないような緊密な連絡体制をどうするかという問題であろうかと思います。それから第三番目には、標準田といいますか、標準的な田んぼを設定いたしまして、そこにつきましていろいろ評価委員の評価をする目ですね、評価眼といいますか、そういうものを統一するような技術の向上といいますか、そういう標準田を設置しての、みんなが見る目をできるだけ統一をするというふうなことをやっていったらどうかということによりまして、組合と連合会との評価がずれないようにするということにいたしたいと思います。一方、国の査定につきましても、できる限り連合会の意見を尊重しまして、標準の一定の幅におさまりますれば、それをもって処理をするというふうな対策を講じてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○玉沢委員 いままで私どもが伺っている点におきましては、農林省の査定が厳しいということでありますが、ただし、農林省の方もいろいろ統計によって公平な判断を下しておる、こう評価をするならば、全国におきまして、連合会の評価よりも低くではなく、連合会の評価よりも高くなった事例が全国においてあるかどうか。それが一つです。 それからもう一つ、どうしても評価の査定に不服があるといった場合に、これはどういうような形でこの不服を申し出て調整をすることができるか。これは農民あるいは共済組合連合会、農林省、そういう過程の中において何か制度的に処理される方法があるかどうか。 以上の二点につきまして御質問申し上げます。
○今村(宣)政府委員 連合会から出てまいりました被害量といいますか、そういうもの以上に農林省が増額をしてこうだということをやったことはございません。したがいまして、連合会から出てきたものは、農林省の、先ほど申し上げましたような統計情報部の被害量調査の一定の幅の中におさまっておれば、それはそれとして、それを尊重して処理をするということでございます。 第二点の、個々の農家が意見がありますときに、その意見を申し出て、どういうふうな処理の仕方があるかというお話でございますが、これは各組合ごとに損害評価会というのを設けてございます。これはそれぞれの地域の代表的な方もおるわけでありますから、その評価会で十分議論をしていただくということが、個々の農家の意見を反映することではないか。通常の行政訴訟といいますか、そういう不服申し立てという特別な制度はございませんが、そういう評価会を通じまして、十分農家の意見が反映されるように処理をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○玉沢委員 なお、田植えの時期が迫ってきておるわけでございまして、昨年ほとんど収穫ゼロという農家が東北地方には各地にあったわけであります。そこで、農林省の政策といたしまして、種もみの購入について、その確保について支障を来さないということが一つと、それから種もみの購入に対し助成をするということを再三にわたって言明してきておりますが、これもいままでは検討するということであったわけでありますが、もうそろそろ検討をし終わったと思いますので、具体的にはどのような形で助成をするか、この点につきまして明確な御答弁を願いたいと思います。
○堀川政府委員 お尋ねの点でございますが、昨年の気象状況の推移が異常でございましたために、次期作の種子、種もみの確保につきまして、私どもかなり早目に手を打つ必要があるというふうに考えまして、昨年の九月の段階で局長名をもちまして、五十二年産用の種もみ確保について遺憾のないように指導をしたところでございます。なおその後、十月におきまして、その種もみの確保に関しましては、特に適品種の選定を誤らないようにということをつけ加えまして、かなりきめの細かい指導をいたしております。 お尋ねの種もみ確保対策に関する助成措置でございますが、これにつきましては、東日本を中心といたします異常低温のほか、西日本の台風十七号による災害もございましたので、両者あわせまして、被害を受けました農業者の種もみ購入等の負担の軽減に資する、再生産の確保を図るという趣旨からいたしまして、被害の著しい二十一道県に対しまして、五十二年産用種もみの購入費の三分の一につきまして助成を行うことといたしました。この総額は七億三千万円でございます。すでに国庫補助金は交付済みでございまして、種もみの確保は一応支障なく行われたというふうに見ております。
○玉沢委員 最後に、農林省では本年度非常に画期的な地域農政特別対策事業を推進するということになりまして、私どもも、いままでの上からの農政じゃなくして、下からの、つまり農民の主体性あるいは創意、そういうものを尊重するという農政を展開するということで、期待をいたしておるわけでございますが、時間もありませんので、簡単に二問だけ御質問いたします。 一つは、対象の市町村が千市町村である。そして整備事業をやる場合に二百六十地域である。千市町村でこれを推進いたしますと、当然各市町村から相当の要望が出てくると思うのでありますが、それを二百六十地区にさらに圧縮をするということになりますと、なかなかその選定その他がむずかしいんじゃないか、この点の処理についてはどのようにやろうとしているのか、これが第一点。 それからもう一つは、土地基盤整備事業、機械施設の導入、営農活動の助成、こういうことで約四十一億円の予算をとっておるわけでありますが、この配分は、どの程度の配分をしようとしておられるのか、その点のめどにつきまして御質問をいたしたいと存じます。
○森(整)政府委員 お答えいたします。 地域農政特別対策事業は、厳密に申しますと二つからなっておりまして、一つは集落段階、いま先生からお話がありましたように、集落段階の農家相互間の話し合いを通じて担い手を選び出し、また土地利用権の集積を図っていこう、これは兼業農家も含めて話し合いをしながらそうしていこうということで、それについていろいろ関係の市町村なり、農協なり、土地改良区なり、普及員なり、農業委員会なり、そういう方々がいろいろ協力し合って推進の方策なり土地利用の方策を決めていこう、これを推進活動と申しております。そういう活動を原則として三年間までやって詰めて、煮詰めた上で、さてそれからいろいろ国の施策なりにつなげていくということになるわけですけれども、国の施策でまたできないような小規模の土地改良も、たとえば地元増反でもそういう助成をするとか、そういうことまで含めまして、いろいろ営農活動について地元の要望する事業を取り上げていこう、こういうことで後者を整備事業と申しておるわけでございます。前者の推進活動が千市町村、整備事業が二百六十地区ということに相なっておるわけでございまして、そこで、元来は順序が時間的にずれていく筋合いのものだと思うのでございますが、千市町村につきましてはすでに相当超過する要望がございますが、これは全体を県の要望を聞きながら選定を先にしていこう、そういう千市町村の各県の実施状況を見ながら、二百六十地区はいままでも村づくり等の運動を相当やっておられるところもございましょうし、農用地利用増進事業もやっておられるところもございましょうし、そういういままでの町村を見ながら、これもまた非常に地区の要望ございますけれども、ひとつ千市町村の実施状況をながめながら、二百六十地区は少し後で選定をしていったらいかがなものだろうか、ただいまのところそういう考え方で調整に努めておるというのが現状でございます。
○玉沢委員 第二点に、土地整備事業、機械施設の導入、営農活動の助成、こういうふうに三つあります。この点でどういうような形で、配分の仕方、そのめどをちょっと伺っておきたい。
○森(整)政府委員 整備事業の一応積算として、小規模事業だとか機械整備事業だとか営農集団、小作料一括だとか、特認事業だとか、こう書いてありますが、これは、地元のこうしてほしいのだという村全体の考え方をお出しいただいてお選びいただく、あるいはまたここに載っていない事業でもこういうことをしたいのだということをお出しいただければ、要するに一地区八千万円の事業費を二年に分けてやる、その半分は国から補助金を差し上げますということで、あくまでも地元の創意を生かした事業について私どもは助成をしたいというのが基本的な考え方でございまして、私の方でこうしろああしろということは、補助金の目的の範囲内でしか申し上げないということをたてまえにいたしたいというふうに考えております。
○玉沢委員 ありがとうございました。これをもって終わります。
○金子委員長 小川国彦君。
○小川(国)委員 私は、いま大詰めを迎えながら非常に難航しております日ソ漁業交渉と日本の漁民の問題について質問いたしたいと思います。 先般、園田特使がソ連においでになりまして、政府の特使ということで日ソ間の案件の解決に当たられたということを伺っているわけでございますが、特使がソ連側との話し合いの中でまとめてこられたことを要約いたしますと、園田特使の果たした役割りというものはどういうことであったか、最初に当委員会でお伺いしたいと思います。
○園田国務大臣 お答えをする前に、私が派遣されるに当たって、北海道から沖繩まで全国民の方々、国会内においては党を超えて各先生方の御激励と御指導を賜ったことをこの席をかりて厚く御礼を申し上げます。 私が派遣されましたのは、御承知のごとくソ連の二百海里専管水域設定という新しい事態の中で、日ソ漁業交渉がきわめて厳しい段階に入り、三月三日鈴木・イシコフ交換書簡によって合意されたにもかかわらず、その後ソ連の方がだんだん厳しくなってまいりまして、会談は中断をされました。 そこで私が受けました命令は、ソ連の方では新しく白紙の状態でという態度をとっておりましたので、そうではなくて、三月三日合意された書簡、すなわちこれをやった鈴木・イシコフ会談を継続して再開、なおこの会談は漁業問題に限り会談を続けるということ、それからもう一つは、会談が開かれたならば速やかに事務的折衝を始めて、一日も早く操業ができるように、その次には、国会議員の方々が訪ソを計画されておりますので、それを受け入れるように、この三つのことを、会談においては漁業問題だけではなくて、日ソ長期にわたる善隣友好の中の一つの漁業問題として解決してこい、こういう命令を受けて行ったわけであります。 そこで、コスイギン閣僚会議議長と私の間で合意された点は、漁業専管の鈴木農林大臣、イシコフ漁業大臣が漁業問題について会談を直ちに継続再開をするという合意を取りつけ、国会議員団の訪ソについては係に伝達する、こういうことで帰ってきたわけでございます。
○小川(国)委員 この交渉の中で領土問題なりそういうことには触れない、漁業問題に限る、こういうことで再開にこぎつけてこられた、この御努力は多とするわけでありますが、結果的には、現状の交渉を見ると、二百海里の問題はこの領土問題、特に北方四島の問題を抜きにしては解決でき得ないという状況に追い込まれているように私どもは理解をしているわけですが、現段階においても、交渉の前面に立っている農相に対して、政府は訓令なり何らかの指導の中で、領土問題に対してはあくまでも日本の固有の領土としての主権的な立場を貫く、こういう原則は政府として一貫しているのかどうか、その点はどうですか。
○園田国務大臣 ただいま仰せられましたとおり、政府は一貫した方針で、日本とソ連の間に残っておる基本的問題を損ねないように交渉をやってもらうように、終始一貫してやっております。
○小川(国)委員 その中で、今度は国会に、特にこの農林水産委員会には十二海里法案がかかってきているわけでございますが、この問題については先般来政府の方では、ソ連側が日本の十二海里内の操業についてはこれを引っ込めた、こういうことが伝えられておるわけですが、その問題についてはソ連側ではまだこれについては撤回するということは明示していない、あるいははまた専門家会議にはおろされていない、こういうことが伝えられているわけでございますが、この撤回されたということは確認されたのかどうか、専門家会議の段階はいつ行われるのか、その点について。
○佐々木政府委員 いまのソ連漁船のわが国の三海里から十二海里までの操業の問題が一つの大きなポイントになっているのは、現在でもまだ話し合いの途中でございます。いろいろイシコフ、鈴木両大臣の間の話し合いの過程の中で、基本的に、ソ連側の方も一定の条件が満たされれば必ずしも十二海里内での操業の確保ということには最終的な段階まで固執しないというような空気もどうもあるようでございますけれども、一体ソ連側の操業の実績を暫定取り決めの中でいわばどんなふうに将来に向かって尊重するか、そういうような、表現上の問題等も含めまして実はまだ話し合いが続行されている段階でございます。一応専門家会議の方にそういう成文の検討をさせるというような報道もございますけれども、まだ現実に専門家の中でその文章的な煮詰めをするまでに至っていないというのが現状でございます。
○小川(国)委員 いまのお話ですと、一定の条件が満たされれば最終的に固執しない、こういう表現ですから、これはまだ撤回するというふうに明示されたというふうには受け取れないわけですね。
○佐々木政府委員 そのとおりでございます。
○小川(国)委員 繰り返して言いますが、これはまだ流動的な状況にあると……。
○佐々木政府委員 暫定取り決めの全体のまとまりぐあいということとも絡んで、流動的な状態にあるというふうに思っております。
○小川(国)委員 私はこの点で園田官房長官にも実は十分御認識をいただきたいと思うのですが、ソ連船は一昨日も銚子の犬吠南東六・五マイル、水深約五十五メートルの地点で、母艦三隻、操業船六隻でイワシまき網を行っているわけなんです。これは多い日には操業船は二十隻に上るわけです。母艦の周りに二十隻ぐらいの船がイワシをとっているわけです。私も先日銚子の魚群探知船でソ連船のすぐ舷側まで行きましたが、日本の漁船と入りまじって操業をしているわけです。銚子沖では七十トン以上のまき網船は毎年十月一日から三月十五日まではイワシをとってもいいことになっていますが、大型まき網といいまして、大型まき網の船は百十一トン型、これは北部太平洋でカツオ・マグロをとっている船なんですが、これは三月十五日まではイワシをとってもいい、こういうことになっておるわけです。それ以降また北洋へ行くわけですが、沿岸漁業一本で生きている中型、小型の漁業者とこの大型の北洋へ行っている人がイワシをとるということで日本国内の漁民同士の間でも紛争が絶えないわけです。ところが、ソ連船は三百トンから五百トン、大きいのは三千トンもの船をもって三月十五日以降、これは農林省が定めているわけですが、これ以後イワシを大型船でとりますと漁業資源を枯渇させるということで、三月十五日以降は日本は大型船を一切操業させないわけです。ところが、ソ連船だけは平然とこの操業をやっているわけです。そういうような状態でございます。しかも、いまソ連船がこのイワシをとっておりますのは大体三海里から十二海里の間です。四海里、五海里、六海里ぐらいが一番魚がいる。そういう中で、日本が漁業資源を十二海里内で守るために三月十五日以降禁止しているものを、ソ連船が大型で十二海里内で操業しているという実態があるわけですね。 私、実はきのう銚子から取り寄せたのですが、こういう大変大きなかん詰め、これは銚子沖でとったやつで、銚子沖でどんどんこういうかん詰めにしているわけです。ですから、まだイワシが入って非常に生臭いのです、けさあけてきたやつですから。こういう中に入ったやつまで海に投棄してあるわけなんですが、ソ連船がこういうふうに十二海里内で漁業実績を上げている。日本に対しては二百海里内での操業を禁止しておりながら、現実には日本の禁止している区域の中でやっている。こういうことについては、やはり政府の日ソ交渉に臨む毅然たる態度というものがなければならないのではないか。一方でソ連は漁業資源を守るということを主張して、一方で日本が守る立場で水産庁が決めていることを一切守らない、こういうことについてはどういうふうに御理解になりますか。
○佐々木政府委員 現在は御案内のとおりわが国の領海が三海里ということで、その外は一応公海という制度にはなっておるわけでございます。しかし、いまのようなわが国の漁業の規制の実態なり、資源問題等もございますので、ソ連側の方にはそういう沿岸での操業に関しては一定のルールを守って日本側の方の漁業とトラブルを起こさない形で操業してもらいたいということを再三申し入れをいたしましたし、また操業に関しましては日ソ間の漁業操業協定ができておるわけでございます。しかし、いま御指摘のとおり、ソ連船の方の十二海里内での操業を現状では全部とめるというわけには制度的にまいりませんので、今回国会に御提案申し上げました領海法案が成立しました段階で、わが国としては十二海里内の外国漁船の操業というのはわが国の沿岸漁業との操業調整その他の観点からやはり認めがたいという立場で臨みたいというふうに考えております。
○小川(国)委員 官房長官が途中で退席されるというようなことを伺っておりますので、官房長官に対する質問を先にいたしたいと思いますが、官房長官はさきに予算委員会の中で、北方四島の扱いをそのまま認めると日ソの平和条約に支障を来す、いかなる表現でこれをまとめるかがむずかしい、しかし現実には北方四島を含む線引きを認めざるを得ない状況に追い込まれてきている、場合によっては首相裁断という重大な事態も考えなければならない、こういうことが官房長官の答弁に伴って予想されているわけなんですが、こういう状況についていかなる表現でこれをまとめるかがむずかしいということは、やはり含まないと言いながら北方四島の扱いと日ソ平和条約との関連というものがどうしても出てきているんじゃないか。その辺は画然と切り離すということを言うならば、この表現をどうまとめるかというようなことは出てこないのではないかというふうに理解するのですが、その辺はどういうふうに閣内の意見というものがまとまっておられるのか。領土問題と漁業問題は別だ、いま鈴木・イシコフでやっているのはあくまで漁業問題だと言っていながら、いかなる表現でまとめるかというのはどうもこの領土問題をぼかした形で認めざるを得ないところに追い込まれているんじゃないか、こういうふうに私どもは考えているわけで、その点はやはり政府としても毅然たる態度でこの領土問題には臨むという根底がないと、これはぐらぐらぐらぐらして、いつまで長期的に鈴木・イシコフ会談を続けてもまとまらないのじゃないか。そういう見通しはどういうふうに持っておられるのか。
○園田国務大臣 先ほど小川委員から言われました十二海里内のソ連の操業、これはおっしゃるとおりでございまして、出発前から鈴木農林大臣とはいろいろ話してきておりますが、この点については鈴木農林大臣は強く主張して何らかの方法で妥結をする自信がある、こう言っておったわけでありますが、いまその折衝中でございます。 そこで問題は、いま小川委員が仰せられたとおりに、四島周辺水域の取り扱いということで両方が行き詰まっているようなことは間違いないことでございます。そこで、これをこのまま認めますと、将来平和条約締結の際に実績で踏み込まれるという支障が出ては困りますので、漁業問題に限れということだけではなくて、四島周辺の水域の操業をどのように扱うか、こういうことも含めて将来日本の基本的態度を損なわないようにせっかく農林大臣は苦労しておるところでありまして、政府としても一致をしてこの点について一貫した方針で交渉を続けておるわけであります。
○小川(国)委員 私は官房長官に繰り返して申し上げたいのですが、これはわが国の国益の問題としては非常に重要な問題であり、私どもも社会主義政党という立場にあり、ソ連は友好国という立場にありますが、しかし事国益のこの問題については国会も与野党一致をして決議をしておる、あるいはまた国会の議員団も派遣する、こういう状況にあるわけですから、政府を全面的に支援をするという形の中でこの解決というものに強く期待をしているわけです。しかし、その臨む態度の中で、政府の基本線がどうも先般来の交渉を見ると、政府は二百海里問題について日ソ交渉に臨むに当たって日本の二百海里をきちんと決めていく、どうもこういう腹構えがなかったんじゃないか、交渉の中で鈴木農相はそういうことを言わざるを得なくなって言った、こういう判断が実はなされているわけなんですが、それと同様にこの領土問題についてはあくまでもこれは日ソ平和条約の問題としてその中で解決を図る。漁業問題について日本は昭和三十八年以来十五年近い漁業協定に基づく実績というものがあるわけなんです。そういう実績の中で漁業問題に対する粘り強い交渉というものは長期的にもきちんと続けなければならないだろう。しかし、そうかといって漁業問題を焦るの余り領土問題に千年の悔いを残すようなことがあってはならない。その点では福田総理なり官房長官なり農相、外相含めまして政府は最終的な腹というものは一体どこに持っているのか。どうもその点があやふやでありますために、魚がとれれば領土を犠牲にしてもというような気持ちが何かかにかちらほら出てくるわけです。 そういうことではなくて、これは銚子あたりでも先日いろいろお話し合いをしたら、北洋に行っている漁民も沿岸の漁民も一致していることは、この際もう十二海里の領海問題が一番基本なんだ、それから北方でいえばやはり領土問題が基本なんだ、その次に二百海里なんだ、漁民の中ですらそういうふうに順序立ててきちっと考えているわけなんです。政府がその辺のきちんとした腹構えを持って臨まないことには、国内の世論を統一して臨まないことには、何かあやふやな駆け引きをやっているようでは、日本の外交というものの権威、あるいはまた信念といいますか、国益を守る政府の立場というものがどうも一貫性に欠けているように私どもは思うわけでございます。その点はひとつ官房長官もう一度、内閣の大番頭役として、福田内閣をまとめ上げた意見というものを表明していただきたいと思います。
○園田国務大臣 いま小川委員がおっしゃいましたとおりでございまして、平和条約締結の第一項に来るべき領土の問題、続いて田中元総理とブレジネフ書記長との間でなされた会談後公開された共同声明の線を損ねないよう漁業問題を解決したい、この基本線には断じて変わりございませんので、ここで明確にいたしておきます。
○小川(国)委員 今回の漁業交渉におけるソ連側の態度というのは非常に高圧的で一方的に押し切ろうとしてやってきている。日ソ間には日ソ漁業条約というものが現存しているし、仮にソ連がこれを廃棄通告しても一年間はこの条約は有効なんじゃないか。ソ連は一方的にソ連の主張を日本にのませようというやり方で来ておりますが、この漁業条約が現存している。仮に相手方が廃棄を通告しても一年間は有効、こういう立場は主張されているのでございましょうか。
○佐々木政府委員 おっしゃるとおり日ソの漁業協定の中で、一方が廃棄の通告をしましてもそれから一年間は有効ということになっておりますが、また他面その漁業条約の中で、付属書で規制の対象の魚種として規定されていますのがサケ・マスとニシンでございます。したがいまして、サケ・マスとニシンについては現在の日ソ間の漁業協定に基づきます漁業共同委員会が現に存在し有効に機能している、こういう前提で、別途に東京で会議を開催したわけでございます。いままでに資源評価の議論を大体終わりまして、ソ連側の方からサケ・マスにつきましては二百海里外の漁獲量ということで五万七千トンという漁獲量の提示をしてまいりまして、日本側としてはいまの資源状態その他から見てとうていそれは承服しがたいということで反対提案をしておりますけれども、その交渉が難航いたしまして一応中断した状態になっているというのが現状で、あくまでも日ソの漁業協定に基づきます共同委員会での論議ということで進めているわけでございます。
○小川(国)委員 それから、二百海里の問題についてはアメリカもECもカナダもすでにやっている。ソ連も、本来海洋の分割には反対という立場をとってきたのですが他国がやるならソ連もやる、こういう形で二百海里問題をやってきておるわけです。昭和三十八年以来本年まで十五年間毎年協定してきた実績、最近においては年間百八十万トン、日本の全漁獲量の二〇%、こういうものが実績としてあるわけです。そういう日本の実績を認めないというソ連政府のやり方というものにはどうも条理がない、こういうふうに私は考えるわけですが、日本政府としてはこれはどういうふうに理解しておりますか。 〔委員長退席、菅波委員長代理着席〕
○佐々木政府委員 いまお話ございましたとおり、日本と並んでソ連も海洋漁業国でございます。日本では御案内のとおり一千万トンのうち外国の距岸二百海里内で上げています漁獲量が約三百七十万トンというのが五十年の状況でございます。ソ連側の方の状況を統計資料等から検討いたしますと、同じく大体一千万トンの水揚げを上げておりますうちの約六百万トンぐらいを外国沿岸の二百海里の中で生産をしているという状況でございます。したがいまして、二百海里問題に対します立場は当初は日本とソ連とはかなり似たような主張をいたしまして、アメリカが一方的に国連海洋法会議の決定を待たずに二百海里の国内法を設定いたしましたときに、日本と同様ソ連側の方もアメリカに対して抗議をしておったような状況でございます。しかし、その後急速に二百海里の設定の機運が沿岸国全体に広まりまして、御承知のとおりことしの一月一日からカナダ、EC、それに先立ってのメキシコその他の国々が相次いで二百海里の漁業水域設定ということに踏み切っているような状況でございます。昨年の暮れに実はソ連もアメリカとの間の漁業交渉をやりまして、その結果米ソ間でアメリカの二百海里を前提にした協定を締結いたしました。これを契機にしてソ連側の方も、みずから進んでやるわけではないが、世界の大勢がこういう形で動いているので、ソ連自身もやはり対抗上そういう二百海里の設定をせざるを得ないのだ、こういうことを一応説明しながら昨年十二月十日に最高会議幹部会令で二百海里の水域設定に踏み切ったわけでございます。 わが国といたしましても、やはり世界の大勢がこういう形で急速に二百海里時代に向かって進みつつある中で、そういった一方的な措置が不当であるということだけを主張しておりましても、現実のわが国の漁業の実績の確保という観点から見ますと非常に多くの支障が出てまいりますので、アメリカ側との間でもいろいろ話し合いを詰めました上で、すでに長期協定についての署名を終わり、またその前段階として暫定的な取り決めをすでに署名させ、すでに発効しているわけでございます。 こういった情勢から見ますと、やはり大勢としてソ連側の二百海里を設定したというこの事実を一応前提として現実的な漁業問題としての解決を図らざるを得ないというのが現在の私どもの考え方でございます。
○小川(国)委員 そういう水産庁の考え方というものも私どもも十分理解をしているわけですが、ただ今度の漁業交渉については、どうもソ連側の態度といいますか出方というものは、日ソ間の領土問題は平和条約締結まで協議をするということになっているのに、二百海里問題にかこつけて今回領土問題に決着をつけようとしている、ここに一番大きな問題があるんじゃないか、こういうふうに私ども見ているわけです。これについて外務省の当局では一体どういうふうに理解し、これに対応しておられるか、その辺を伺いたいと思います。
○都甲説明員 お答え申し上げます。 私どもは本件の交渉に当たります際に一番重要だと思いましたのは、やはり国益を踏まえて全般的な見地から交渉すると同時に、北洋漁業の伝統的な漁獲実績を確保する、この二つの命題を両立させるということであったと考えたわけでございます。それで、領土問題というのは、御承知のように、日本にとっても非常に重要でございますし、ソ連側の立場もあることでございますので、これを正面に出して議論することは得策でないという感じがございましたので、全般的な国益の見地から交渉するにしても、交渉妥結に持っていくためには静かにお互いの立場に理解を示しつつやっていく必要があるという感じがいたしましたので、そういう見地からこれを正面に出すことなく、しかし国益の見地から交渉に当たる必要があるということを初めから考えておりまして、いままで交渉してきたわけでございます。
○小川(国)委員 どうも外務省の見解ははっきりしないのです。国益を守るという立場から漁業交渉の推移を見守る、こういうことはわかるのですが、領土問題はやはり国際間の一番重要な問題ですから、これは切り離して行うべき、考うべき問題ではないのか。外務省側としてそれに対しては一本筋を通した考え方というものがなければならないのじゃないか。その辺については外務省はどういう取り組みをしておりますか。
○都甲説明員 仰せのとおりでございまして、私どもとしては、今回の交渉は二百海里時代という趨勢を踏まえての交渉であるので、魚の問題に限られるべきだという強い信念を持って臨んでおりまして、今回の交渉の結果、領土問題についての日本政府の立場が害されるようなことは絶対に避けるべきだという強い確信を初めから持っておりましたし、いままでその態度を貫いてきているということをここで申し上げることができると思います。
○小川(国)委員 その考え方はわかるわけですが、現実に、この領土問題は国民主権の問題で非常に重要なことで、われわれはこれを片時たりともおろそかにはできないわけです。ところが、ソ連側は、これを解決しなければ漁業問題に入らない、そういう態度が見られるわけでございますが、その点についてはどういうふうに理解をしておりますか。
○都甲説明員 御承知のように、本件が交渉の中におきまして具体的な形をとりましたのは水域をどういうふうに表現するかという問題でございます。私どもは初めから、交渉の経緯を通じまして水域の表現の問題については最大限の注意を払ってまいりましたし、この問題はやはり漁業に関する協定であるから、水域の表現の問題について日本政府の立場が害されないような形で最終的な取り決めが行われるべきであるということをソ連側にもいままで十分に説明してまいりました。御承知のように、この問題についての双方の歩み寄りが見られないまま、双方のというか、ソ連側の理解が得られないまま従来推移してきており、この問題を主たる原因として一回交渉が中断されましたけれども、先日園田官房長官が訪ソされた結果として両大臣間の話が継続され、目下交渉が行われているわけでございますが、その交渉の中におきましてもこの水域の表現の問題が最大の中心になっているわけでございます。ですから、この経緯からいたしましても、私どもとしては、領土というものは領土問題として別に話されるべきであって、この漁業協定の中で、それが単に水域という抽象的な表現であったにしても、これが将来の日本国の北方領土についての主張を害するような形で取り決めるということは絶対に避けなければならない、こういう基本線を現在まで貫いてきているということでございます。
○小川(国)委員 それでは、また水産庁の方にお伺いしたいと思います。 日本としては、日ソ漁業交渉の中で、ソ連の主張している二百海里の水域では日ソ漁業条約による何十年かの操業と実績がある、こういうことを繰り返し繰り返し主張していかなければならないのじゃないか。それから、先ほど申し上げましたように、十二海里の中の操業については、これは領海の中の操業であるから日本としては認めることはできない。これは先ほど官房長官から、その点については鈴木農相にも強い決意で臨んでもらっているというお話がございましたが、日ソ漁業条約による従来の操業と実績を認めよという主張は現在も続けられているのかどうか、その辺は水産庁はどういう連絡をとっておられるのですか。
○佐々木政府委員 日ソの漁業条約に基づく直接的な規制対象魚種というのは、先ほど申し上げましたとおり、サケ、マス、ニシンになるわけでございますけれども、その資源状態に応じまして、過去のわが国の伝統的な実績と、それを踏まえて今年度この程度の漁獲は当然継続してしかるべしという観点から強い主張をしている段階でございます。また、直接的な日ソの漁業条約の対象魚種以外の、スケソウダラとかそのほかの魚種につきましても、公海上の資源として長年にわたるわが国の伝統的な実績があるわけでございますから、それをできるだけ確保するという観点に立って、わが国の漁業の操業の状況なり漁獲の実績なり、そういうものはこれまでの交渉の過程の中でも機会をとらえて何度も繰り返し説明をし、わが国としてはこういう実績を確保する必要があるのだということを向こう側にもるる説明をしているわけでございます。いまの交渉の進展状況から申し上げますと、暫定取り決めの全体の骨格が固まるまで、漁業上の規制の問題その他については、専門家レベルでもいろいろ話し合いが行われておりますけれども、いまの漁獲量そのものについてはまだ正式な交渉に入らないということで、ソ連側の方がそういう強い態度を続けておりますので、公式の場でいまのような漁獲量の折衝を始める段階に至っていないわけでございますが、私どもとしてはあらゆる機会をとらえて、いまのようなわが国漁業の操業実績等の根拠なり主張なりを繰り返しておるわけでございます。
○小川(国)委員 その辺のところは、これは双方の交渉でありますから非常に大変なことと思いますけれども、やはり日本の主張としては、従来の実績というものを粘り強く主張していくべきじゃないかと私は考えます。 それから、日本の沿海でとれるイワシに対するソ連側の執着といいますか、これが非常に強いと私どもは思うわけです。それについては、当初は十二海里の中でイワシをとらせろという形であったのですが、その後、このイワシと北洋でとれるスケソウダラのバーター方式を打ち出してきたということを承っておるわけです。それに対して、日本はソ連にイワシを売るから、イワシがとれる分だけスケソウダラをとらせるように、こういう交渉がまた進められていると承っておるわけですが、ソ連側が日本で従来とってきているイワシというのは大体どの程度と推定されるのか、そのイワシの継続の問題について、バーター方式というのはどちらから出されてきた案なのか、イワシを売るという場合には、どの程度で買い上げて、どういうふうに売るのか、それからバーター方式をとるというのは具体的にどういうことを考えておられたのか、これは当然水産庁としてお考えの案があったのではないかと思うのです。あるいはまた、交渉の経過の中でこんなふうになっている、そういう経過でもいいのですが、この問題についての見解を承りたいと思います。
○佐々木政府委員 先ほど申し上げましたように、実はいまのソ連側の方の特に十二海里内でのイワシ等の漁獲の実績をどう扱うかという問題は、交渉がまだ進行中でございまして、かなり流動的でございます。 具体的にいま先生の方からお尋ねがあったような点についても、基本的な方針が固まりました次の段階で、技術的にもいろいろ詰めなければならない問題も多々あるのではないかという段階でございまして、経過を若干申し上げますと、ソ連側の方はニシンの代替ということでイワシに非常な興味といいますか、非常に評価をいたしておりまして、特に日本の近海でのマイワシの漁獲の継続を強く主張しておったわけでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、一方で日本の沿岸漁業とのトラブルということを考えますと、わが国としては領海内での操業の継続というものはどうしても認められないという強い態度で一貫していままで応対しておりますし、今後もそういう態度で臨もうと思っております。 したがいまして、ソ連側としては、それでは現在公海の上で行われているソ連側の実績を一体どうするのかということをいろいろ話し合いの過程では詰めてまいったようで、話し合いの過程の中で、たとえば十二海里から三海里の中でのソ連側の漁獲実績というのは、仮に全体の合意がまとまった段階では、ソ連側の日本の漁業水域二百海里内での実績を算定する際に十二海里以遠の実績の中に加算しよう、そういう考え方もあるではないかという程度の話し合いが一方ではあったようでございます。それからまた同時に、ソ連側の方でそれだけではどうしても従来のようなマイワシの漁獲が外側の方でできない、また一方で、マイワシがどうしても要るというなら、それは別途、漁業の生産上の協定なり取り決めの範囲外の話として、貿易問題としては話すこともまたあり得るではないかというような話し合いがあったということで、まだ明確にどういう方式で、そういう貿易といいますか、バーターみたいなものを進めるか、そういった具体的な話し合いをする段階まで至っていない。その論議の過程の中で、そういう話が一つの考え方としていろいろ出ているというふうに私どもとしては受けとめております。
○小川(国)委員 そうすると、日本の十二海里内でとれるイワシに対するソ連側の執着というのは非常に根強い、こういうふうに理解してよろしいですか。
○佐々木政府委員 当初私どもが予想しておりました以上に、ソ連側の方は大変強い関心を示しておるのは事実だと思います。
○小川(国)委員 もう一度、外務省の方にちょっと伺いたいのですが、鳩山外相が、魚に限って二百海里を認めてもよいのではないか、こういうふうに受け取れるような発言を外務省の記者クラブの中でおっしゃった。魚に限って二百海里を認めてよいというのは、ちょっと考えてみますと農林大臣が言いそうな発言なんですけれども、これを外務省首脳ということで新聞に出ましたので確かめてみたら、実は鳩山外相がそういうことを言ったというのですね。鳩山外相がこういうことを言われた真意は一体那辺にあったのか、その辺をちょっと伺いたいと思うのです。
○都甲説明員 本件につきましては、新聞に出ました次の日の閣議におきまして鳩山外務大臣が発言を求められて、前の晩の記者懇談で行った発言は、全く逆の趣旨で伝えられているということを明確に述べられまして、それでその後の記者会見において鳩山外務大臣は、自分の趣旨は、魚の問題と島の問題とは切り離して考えるべきであり、この際、もちろん北洋の四島周辺の漁業の重要であるということはわかるけれども、やはり島の問題については日本政府の立場を害することのないような、たとえば鈴木・イシコフ両大臣間で行われた書簡交換の表現でまとめるべきであるという考えを述べられたわけですけれども、それが全く逆の意味で伝えられたことについて非常に遺憾に考えておられるという発言をされております。この点は、その後の記者会見において明確に否定されているところでございますので、新聞に報道された大臣の真意というのはそのような形でお受け取りいただきたいと思います。 〔菅波委員長代理退席、委員長着席〕
○小川(国)委員 この問題については、外務省の態度、農林省の態度をめぐっていろいろ揣摩憶測がされるわけでありまして、そういう点では、両省の関係がもう少しすっきりした形で対外的に出てくるような、そういう政府の統一を私どもは強く望みたいと思うわけであります。 それからもう一つ、北方四島の問題については、日本側は昨年十二月十日の最高会議幹部会令を受けて、これをもとにして日本側の主張を展開していると思うのですが、ソ連側は本年二月二十四日のソ連の閣僚会議が決定した考え方をもとにして臨んできている。しかし私どもは、考えてみればソ連の昨年の十二月十日の最高会議幹部会の決定あるいはことしの二月二十四日のソ連閣僚会議の決定は、やはり一国の意思表示としては一貫しているものだ、こういうふうに受けとめていかなければならないのじゃないか。前段が総論であるならば、後段は各論である。日本側は総論をのんで各論をのめない、こういうことは言えないのではないか。そういう状況を見ると、この問題にはなお非常な厳しさがあるというふうに考えていかなければならないのじゃないか。総論と各論を私どもは一体のものとして受けとめていかなければならないのじゃないかと考えるのですが、その辺、外務省、水産庁、それぞれどういうふうに受けとめておられるか。
○都甲説明員 御指摘の点はございますけれども、ソ連側が二百海里の漁業専管水域を引いたという事実は、国際海洋法秩序の変動期にある現在、いわば国際的にもそういう慣例がかなりできつつあるということで、やむを得ない事態であるというふうに認識しておりますので、ソ連側がその二百海里水域を設定するという事実そのものはやはり否定できないものがあるのではないか、それを前提として交渉する以上、初めからその根本にあるソ連側の制度そのものを否定してかかるということでは交渉は行えないということは御理解いただけると思うのでございます。 そこで、その前提に立って交渉を進める際に、水域の問題をどう表現するかということにつきましては、総論と各論とおっしゃいましたけれども、各論において明確にわが方の線引きが行われるという形のものと、総論におきまして一般論としてのソ連側の制度を前提とする場合とは一やはりそれなりの対処の仕方の差異が出てこようと思いますので、その点に着目して交渉の解決を図る必要があるというのが私どもの考えでございました。
○佐々木政府委員 水産庁の立場といたしましては、あくまで漁業問題としていまの暫定的な取り決めの交渉を進めているという前提に立っておるわけでございますが、それにいたしましても、いま外務省で御答弁のように、対象水域についてどういう表現をとるかということは、漁業問題の観点からだけではない、別の問題にも波及する心配があるわけでございますから、大体いまの外務省のようなお考え方に沿って交渉を進めていく必要があると考えておるわけでございます。
○小川(国)委員 いずれにしても、容易でない交渉である。一貫しなければならず、それからまた従来の立場も強調しなければならず、容易でないと思いますが、どうか、いまのような両省の一致した方針でひとつ今後も柔軟に、弾力的に、しかも主張を貫くべきところは貫いてぜひがんばっていただきたい、こういうふうに思います。 それから最後に、私は地元のいろいろな漁民感情をお伝えして、その問題の処理を考えていっていただきたいと思うのです。 ソ連船のごみ投棄に対する掃海作業ですが、ことしの春はこういうかんから、それから、これなんかもソ連の漁網でございますが、こういうようなものもソ連船のものというふうに推定されているわけですが、それからダンボール箱ですね、この春、銚子沖で漁業組合が掃海をしましたら、これが全部でトラックに五十五台も海底をさらって集まった。水産庁の予算では、ことしは二千九百六十八万円ですか、こういう予算を組まれていわゆる十二海里以内の海をきれいにした。これに対しては銚子市も利子補給をしたりなんかして漁船に対する援助をしたりした。しかしまた、銚子市の清掃課などでは、揚げたごみをまたごみ処理場へ運んだり焼却したり、いろいろかんからの処理をしたりするのに一台で五千円かかって、細かい話ですが、ざっと三十万円近くのごみ処理費がまたかかっている、こういう状況なんですね。しかも、このごみさらいをやっている最終日も、またソ連船が来て新たなごみ投棄が始まっている。このごみ投棄の対策は一体——こういう日ソ交渉の間も依然として、一昨日もソ連船が操業してまたごみ投棄も続いている、こういう状態なんですが、日ソ漁業の交渉中でもきちんと日本の沿海操業に対してはけじめをつけることを、やはり外務省、水産庁にやってもらわなければならないのじゃないか。その点のけじめはどういうふうにつけられるのか。 それから、今度の国会で十二海里の法案が通れば、これは当然ソ連船は十二海里の沖へ出る。銚子では大体三海里から四海里、五海里、六海里の深さ五十メートルくらいのところでイワシやあるいは近海魚がとれるわけで、十二海里から沖合いになれば、投錨もできないし、魚もいないということで、当然ソ連船の操業というものはなくなるだろう、こういうふうに地元の漁民は推測をしているわけです。 そういう意味で、十二海里法案ができた後、いま投棄されているごみの掃海をもう一遍やって、十二海里法の制定以後における日本の海をきれいにして、もう一遍日本の漁場をきれいにした中で日本の沿海漁業を振興させていく、こういうことを漁民の熱望として考えておるわけですが、これに対して水産庁の考え方は、十二海里制定後にこういう沿海の掃海を行ってきれいにしていく、そういう考え方があるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○佐々木政府委員 海洋でのいろんな廃棄物の投棄に関連しまして、日ソ間の操業ルールを決めた例の操業協定の中で、その廃棄物の投棄についても、一応不当な投棄はしないということを協定で約束をしているわけでございます。ただいまのような銚子沖での被害、昨年もあったわけでございますけれども、ことしの一月以降またそういった不当な投棄があったということに対して、私どもとしても外務省を通じましてソ連側の方に厳重な抗議を申し入れております。 ただ、現実問題として、漁業者の方も非常に迷惑をしておるわけでございますから、海底のいろいろな産業廃棄物その他の堆積物を除去する事業の一環として、水産庁の予算の枠の中で県とも協力をしていまのような清掃事業をやったわけでございますけれども、それはそれとして、やはりいま御指摘のとおり、ソ連側の方の従来の係留場所、その他ほとんど十二海里の中が中心でございますので、領海の十二海里法を制定、実施する段階になりました場合には、これはかなり抜本的に防止できるのではなかろうかということを私どもとしても期待をいたしております。 その段階で、さらに前回清掃いたしました後の廃棄物その他がどの程度漁場に堆積し、また、それを沿岸漁業者の立場を考慮してどの程度清掃しなければいけないか、これはよく実態をまたさらに調査をいたしまして、必要な措置を考えてまいりたいというふうに考えております。
○小川(国)委員 いま大きな問題として日ソ漁業交渉を続けられている中で、国内的には非常にいろいろな問題が起こっている。いま申し上げたような銚子の問題、これは今後ぜひひとつ水産庁としても、もう現実にこのごみが、掃海を終わった最終日にまた来てソ連船が投棄を始めている。恐らく、取ればこの春やったと同程度のものは出るのじゃないかというふうに言われているので、今国会での領海法の成立を待って、ひとつこれは抜本的に十二海里内の海をきれいにする、こういうことを全体的に水産庁として取り組んでいただきたい、こういうふうに考えます。 それからもう一つ、最終的にいまの北洋漁業ができないというこの状況の中でいろいろな補償問題等も起こってきている。これについては水産庁の方ももう大変なことだろうと思いますが、やはり先ほど来のいろいろな論議の経過の中で、領土問題は領土問題でこれはきちっと筋を通さなければならない。それを通すためには、この交渉が長期化していった中では、漁民に対するいろいろな被害補償というものはもちろん、何か聞くところによれば、従来五千隻しか稼働してないのが一万隻ぐらい稼働しているというような状態もあるようですが、これは実績をあくまできちんと確認した上で、万が一の場合には、漁民に対する操業できなかった被害補償をやっても、やはり日ソ漁業交渉の原則的な、先ほど官房長官が言った交渉のルールというのですか、たてまえというのはきちんと段階的に貫いていかなければならないのじゃないか、そういう場合には、この漁民に対する漁業補償ということも当然考えなければならないと思うのですが、その点について、水産庁の考え方としてそういう用意があるかどうか。
○佐々木政府委員 私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、わが国の基本的な立場を害さないという限度の中であくまで漁業問題としていまの暫定取り決めをぜひとも締結し、その中でわが国の伝統的な漁獲量をできるだけ確保するということに最大の努力をいま払いつつある段階でございますが、情勢としてはやはり客観的に見ても大変厳しい状況にございます。 交渉のまとまった結果いかんで、やはり魚種によっては相当の減船等を余儀なくされるケースも出てまいるということも予想せざるを得ないというふうに考えておりますが、一応、どういうような救済措置をとるかにつきましては、その魚種の減船の程度によりましてかなり対策も違ってまいります。二割減船、三割減船の程度ですと、過去にもいろいろ、残存業者が中心になってやめる人に対していわゆる共補償をやるというようなことで、それに対するいろいろな資金的な援助を、漁業再建整備特別措置法等で講ずることによって解決できるケースもございましたし、日米の間の交渉の結果では大体そんなような方向で一応処理ができる見通しでございますけれども、日ソ間の方の交渉の結果いかんで、そのいわゆる共補償の限度ではとうてい処理ができないというようなケースもあり得るかというふうに考えております。減船を受けます程度あるいはその減船を受けます漁業者の経営規模あるいはほかの漁業との兼業状況、こういったことをできるだけ早急に把握をいたしまして、漁業者にその経済的な混乱なり、あるいは漁業界全体にとって大きな混乱が起きないように適切な対策をとっていかなければいけないというふうに考えております。
○小川(国)委員 話が前後しますけれども、外務省に、従来、この三陸沖なり銚子沖なり、日本の沿海でのソ連の操業による被害に対する日本政府のソ連に対する中止要請というのは口頭でやって、口頭で回答をもらっている、きわめて弱腰といいますかへっぴり腰といいますか、そういう及び腰でソ連政府に対して抗議をしてきている。そのために銚子沖でも、先ほど来申し上げているように、五十一年で一億、五十二年で七千万、こういうようないろいろな意味での漁業被害というものがこの日本で起こっているわけです。ですから、これについては、やはり外務省として文書できちんとソ連政府に抗議をし、あるいはこういう被害が起こっている、こういう補償を求めなければならぬと、こういうことは外務省はきちんと文書で要請をして、文書で回答をもらう、こういうことでないと、それこそ今度のようないろいろな問題が起こってきても、言うべきことを言うときにきちんと言うてないと、やはり日本側の主張というものは非常に弱くなる。そういう点では、今後これをきちんと文書でやる、こういうこと。それからまた、交渉中であっても、現にこういうごみ投棄が現在も続いているということを現地の漁民の人たちは言っているわけなんで、そのごみ投棄の中止の問題については、もう一度ひとつ外務省の方から厳しい中止要請を、これは文書でやってもらいたいと思いますが、その点についてひとつお伺いしたい。
○都甲説明員 御指摘の点は十分体して処置してまいりたいと思います。 従来、漁民の方々が非常に迷惑をこうむっているということで、私どもといたしましても、非常にこれは海の男の仁義に反するのではないかということで、ソ連側に、他人の漁場を荒らすということは、ソ連の漁民だってその辺は、漁民の感情を考えればできないはずだということで、かなり強い調子で抗議もし、それから反省も促してきております。 抗議の方法につきましては、文書でやる方式あるいは口頭で行ってメモで書いたものを渡す方式と、いろいろございますけれども、これは抗議の内容そのものが重要だというふうに私どもは考えておりまして、いろいろな強い抗議の場合にも、口頭で行ってメモでこれを相手に手交するという形を従来ともとってきておるわけでございます。でありますから、口頭及びメモという形が弱い抗議申し入れということではないというふうに御了解いただきたいと思いますけれども、先生が御指摘になりました点は十分体しまして、今後のソ連側に対する抗議のあり方というものも考えてみたい、こういうふうに考えております。 それで、現実にまた銚子沖におきましてそういうごみ投棄の被害が生じているということにつきまして、私どもも非常に遺憾に思っておりますので、現地からの資料をいただきましたら、これを再度ソ連側に厳重に抗議をし、反省を求めるという措置をとりたいと考えております。
○小川(国)委員 時間が参りましたのでこれで終わりたいと思いますが、外務省の東欧課長さんにもう一度申し上げたいのですが、私もこのソ連船のところへ二度ばかり船で行ったのです。もう舷側すれすれで、こんなふうに手を振って、非常に親愛の情は示すのですが、海の男の仁義は、日本の漁民にはわかっても、ソ連の漁民に通じているのかどうか、私は、どうもその辺がちょっと怪しいと思うのです。そういう点については、外務省さん、口頭でやって口頭でもらっているというのは、どうも私は証拠がないように思うのですよ。いつか銚子の漁民と外務省に行ってその話を聞きましたが、銚子の漁民のおかみさんでも、われわれだって何かツケは持っていくというのですよ。被害を受けたら、ツケを持っていって、ちゃんと回答書をもらってくるんだと。それを外務省が口頭で言って、自分でそれをメモした、また呼ばれて行ったときに口頭で回答をもらって、それをメモして帰ってくるというのでは、これは子供の使いと同じじゃないかというんですね。おたくの方がこういうことをやられて、これだけの被害が起こっているんだから、これはやはりきちんと中止をしてもらわなければなりませんよ、これは善処してもらわなければなりませんよというのは、文書でやって文書で回答をもらわないと、これは外務省のやり方として、やはり当を得ていないのじゃないか。これは私は何遍でも主張してまいりたいと思いますが、もう一遍ひとつ外務省、文書でやる気があるのかないのか。
○都甲説明員 お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたメモというのは、初めから文書を用意しておきまして、それを口頭声明という形でやって向こうにその文書を渡すという形でございます。ですから、その場でメモをとらせるという形ではないのでございますが、確かに御指摘の点は私どもとしても十分に理解できるところでございますので、正式な、外務省からソ連大使館に対する口上書という形もございますので、その形による抗議というものを考えていきたい、かように考えております。
○金子委員長 島田琢郎君。
○島田委員 砂糖に関して質問をいたします。 まず最初に、砂糖は国際的にも国内的にも投機性があって、非常に不安定な価格が続いているわけであります。一ころのようにばか値になって三白景気の一つとしてもてはやされるかと思えば、今度はこの砂糖をしょい込んでいるがゆえに大変悲惨な末端の事情まで生まれるという、言ってみれば社会的な問題にもなりかねない砂糖の今日の状態ですが、ひとつここで政府の見解を承りたいのですが、現在の国内の砂糖市況をどういうふうに判断しておりますか。あわせて、国際的な糖価の動きについて、今後の見通しを含めて、どう判断をなされているか、ここのところをお聞きします。
○杉山政府委員 先生御指摘のように、国際的な砂糖の需給関係、また、単純な需給関係だけでなしに、それに対する投機的な動き等がございまして、国際相場の変動はきわめて著しいものがございます。たとえばここにポンド建てトン当たりの価格がございますが、ここ二、三年の最高値を見てみますと、四十九年の十一月には五百六十六ポンドという水準にございました。それがその後急激な低落をいたしまして、今日では約百三十ポンド前後の水準になっております。額面におきましても四分の一以下、これはしかも為替相場の変動もございますから、実質は五分の一以下というような水準に暴落しているわけでございます。これらの状況を反映いたしまして国内価格も、一番国際価格の高かった時期、四十九年十一月のころはトン当たり三十九万二千円、これが現在ではその六分の一以下の六万二、三千円という水準になっておるわけでございます。これらの状況についてどう判断するか、見解いかんということでございますが、国際相場につきましては、現在のところなお過剰状態が引き続き続いております。今後とも急激に変化する、需給が逼迫するということは予想をしがたいのではないか、ごく長期のことを考えれば別でございますが、短期あるいは中期的にはそのような見通しを持っております。したがいまして、価格水準も、いまのような低水準、百三十ポンド前後からそれほど大きく急激に上がるというようなことはなかなかないのではないかというふうに考えております。それらのことから、高い時期の国際原糖を仕入れたもの、特に豪州糖の問題などがございますが、高い価格で現在も仕入れているわけでございまして、これが国内の砂糖企業の経営上大きな圧迫要因になっているという事実は現にあるわけでございます。 それから国内価格の動向でございますが、これは工場出し値のキロ当たりで申し上げますと、昨年の九月、十月のころが暴落をいたしました一番底値でございまして、キロ当たりで百七十円台の水準になったわけでございます。これは企業のコスト価格から見ますと著しい採算割れで、その前からずっと採算割れの状況が続いておったのでございますが、この秋ごろが一番ひどくなったわけでございます。 そこで、この国内砂糖価格、精製糖の価格を回復する必要があるということで、農林省といたしましてもそのための対策、もちろん業界の自主努力ということが先決でございますが、やはり供給過剰、過当競争ではないかということで、供給数量をしぼるということ、こうなりますとカルテルを結成するということになるのですが、カルテルには公正取引委員会の対象となる不況カルテルもございますが、この場合、糖安法に基づく農林大臣の指示カルテルということで、昨年の十二月からことしの二月まで、さらに引き続いて第二次のカルテルをこの三月から五月までということで結成いたさせております。これによりまして若干市況を回復いたしまして、現在ではキロ当たりほぼ二百十円程度の価格水準となっております。これは、企業によって格差がございますが、平均して言えば現在の国際糖価によるコスト価格を大体償えるのではなかろうか、利益が出てもうかるというような水準ではございませんが、何とか最低の状態を免れて経営が維持できる水準ではなかろうかと考えております。今後とも、企業経営の改善努力、合理化ということを進めるとともに、そういう市況の維持、価格について指導を進めてまいりたいと私ども考えております。
○島田委員 指示カルテルがまだ継続されておりますので若干の市況の回復が見られるという点については、いまの説明で納得はできるのですけれども、しかし、いま杉山局長言われたように、どうもこの機会に精糖業界における合理化というものがあわせて非常に深刻な状況を巻き起こしながら進められている。これは、砂糖の世界というのは弱肉強食だと言われておりますけれども、しかしそこには大変社会的な問題を同時に引き起こしているものですから問題なんで、つまり、そこで働く労働者、家族の人たちが路頭に迷うという状態が生まれてきている。ここのところが非常に問題といいますか、取り扱いに慎重を期していかなければならぬ非常に重要な部分だと思うのです。農林省は盛んに砂糖業界における再編成というようなことを口にはしているわけですけれども、そういう従来のお考えから言えば、今度のように国際糖価がずっと下がってきて、好むと好まざるとにかかわらず合理化を余儀なくされるというようなことは、これは言ってみれば思うつぼだという認識が仮にあるとすれば大変なことでして、果たして現行の糖安法の中でこうした節度ある日本の砂糖というものの編成ができるのかどうか、この辺は大いに疑問のあるところです。しかし、きょうは余りそういう時間がありませんから、政策的な問題を議論し合うということは別な機会に譲らせてもらいます。 そこで、日本に入ってくる粗糖を大別いたしますれば、ナタールグループと言われるグローバル糖、それからオーストラリアグループと言われる豪州糖、この二つに分けられるわけですが、一九七四年、つまり先ほどのお話にありました、砂糖が国際的にもかなり好況を呈し、異常と言われるようなロンドン相場を生んでいた、そういうような国際的動きに対して、長期的に、安定的に外国からの粗糖の輸入を図るというような考え方が表面化し、具体化して豪州糖の長契が生まれた、こういう背景があるわけですが、しかし、いろいろ長期契約に関する協定やあるいは内部取り決めなど見せてもらいますと、確かにあの当時としてはそういう情勢下にあったからやむを得なかったと言えるのかもしれないが、これはかなり素人っぽい協定や取り決めがなされている。つまりリスク負担というような状況はあの当時全く頭の中になかったと判断されるような取り決めである。これは、局長が何代かかわっておりますから、いまの杉山局長に当時の責任を負えというのは酷な話かもしれないが、しかし農林省は窓口であり、きょうは通産省呼んでおりませんが、通産省もこれに参画をして、この長契を促進したという側面を持っておる限り、これはやはり責任を負ってもらわなければならないというふうに私は思うのです。 そこで、グローバル糖のように、国際的な市価の変動をかなり的確に反映した価格の動きになっているのに対して、豪州糖は長契が邪魔になって、結局量目も価格も固定してしまっていて、今日のような目まぐるしく動く経済情勢の中ではどう考えたってこんな協定がなされるはずのものでないのに、それが五年間にわたって、ことしはちょうど真ん中ですが、来年、再来年とこれが続いていって、高いところにすとんととまったままの協定ですから、幾ら国際市価がこうなってこんなに下がっていっても、その動きにつれて豪州の原糖の価格が動いていくという仕組みになっていない。この辺のところは、考えてみればまことにどうもへんちくりんな協定で、あり得べからざることだったと思うのですが、その辺の事情をもう一回、三年前にさかのぼって聞きたいと思うのです。
○杉山政府委員 四十八年から四十九年にかけまして、御存じのように石油パニック、国際的な資源問題がきわめて急激な現象として出てまいったわけでございます。食糧問題につきましても石油同様、その確保ということが、国策といいますか、国としても非常に重要な問題として取り上げられるようになった。そこで、政府として、小麦とか大豆とか飼料穀物、こういったものと並んで砂糖につきましても長期的な安定確保を図る、そのために原糖の供給国との間で長期契約を結ぶことを指導したということはございます。その意味で、政府として、豪州糖も含めまして長期契約による安定確保ということを推進いたしたわけでございます。ただ、豪州糖の契約につきましては、これはまさに民間ベースで、採算は当事者が考えて価格を決めるというようなことで決めたわけでございます。政府自身が直接価格をどうのこうのということではございませんでしたが、当時一般の関係者の気分としては、気分といいますか、全体の観測といたしましては、将来とも価格変動が一切ないということはまさか考えておらなかったと思います。ただ、当時、先ほども申し上げましたように、国際価格に比べて豪州糖の固定価格は半分以下であるというような実績があってきわめて割り安であるという考え方が持たれたということ、それから将来仮に国際糖価が下がるようなことがあっても、全体として平均すればそれほど豪州糖が特別割り高になるとまでは考えなかったこと、そういったようなことがあったのではないかと思います。これは当時のことを、今日のこれだけ国際需給が緩和した条件のもとで、それは判断を間違ったではないかと言えば、確かに見通しが甘かったというか、今日のような事態を見通せなかったということはあったかと思います。ただ、三年前のあの当時の、国じゅうがきわめて緊迫した異常な雰囲気、資源確保のためにあらゆる努力を惜しまないといったあの興奮した雰囲気のことを考えれば、私どもとしてはそれはまことやむを得なかった話ではないかというふうに考えております。 ただ、御指摘のように協定の中を個別にそれぞれ検討してまいりますと、価格変動のあり得ることは理論的には予想し得たはずである、数量だけ固定しておくなら格別、価格についても固定して、それについてのセーフガードを設けなかったことについては問題があるのではないかと言われれば、私どももそのように考えます。これは今後の一つのよき教訓ということに受けとめる必要があろうかというふうに思うわけでございます。 ただ、でき上がりましたこの協定自身の問題につきましては、現実に、ではその高い豪州糖の固定価格で引き取れるかということになりますと、これは経済問題として問題がございます。そこで、契約上の問題は問題といたしまして、事実上の経済問題として私ども、豪州側にグローバル糖の国際相場を考えて値引きをすべきではないかということを交渉をいたさせておるわけでございます。交渉当事者は契約締結者同士でございますが、国といたしましても、豪州の中央政府に対して、これについて豪州側の関係者を指導するよう、たとえばこの一月の日蒙経済閣僚会議等の際におきましても、側面的な要請を行っているところでございます。また、そういう考え方のもとに業界につきましても統一した行動がとれるよう、種々指導をいたしておるところでございます。
○島田委員 当時の状況やむを得なかった、こういう判断を示しているわけですけれども、私はその後の国内の精糖業界における混乱というのは、一九七四年のあの国際的な大暴騰のときの砂糖を大きく抱え込んだ一つの苦労というものがいまだに後遺症になっていえていない、こういうことに原因があることももう一つあるわけですが、しかしそれならなおのこと、ナタールグループからのグローバル糖の輸入、あるいはそのほか比較的国際的な市価に順応するというか、それに沿って動きのある砂糖を持っている人と、それから豪州糖をかなり多量に抱え込んでクリーニングしている人とでは、今日大変差が出てきている。そういう中に、たとえば名古屋の東海精糖あるいは大分の新光砂糖工業といったようなものが次々と倒産の状態になっている、こういうことを考えますれば、私はやはり側面的に豪州糖の指導というふうな局長のおっしゃり方だけれども、これはほっておけないというような気がするのです。 相手はオーストラリアですが、ことしは牛肉の問題で一月に私ども日本社会党の書記長のところまで牛肉をぜひひとつ買ってくれ、こういう陳情に来るぐらい向こうは輸出に対しては物すごく熱心ですね。政府を挙げ、国会を挙げているのです。この間来たのはオーストラリアの国会議員団であります。わが方は当事者に側面から指導しているといったような対応の仕方で、とても国内で起こっているこういう問題の解決にはならないのではないか。もっと積極的に取り組む必要があるし、第一、確かに砂糖協定そのものは当事者間における協定にはなっているけれども、これを見ますと、たとえば一九七四年十二月二十日に東京で取り交わされた協定に関する覚書によれば、「一九七五年一月三十一日迄に日本政府及びオーストラリア政府の間で公文の交換が為される事。」ということが第一の条件として挙げられている。これは相当政府が責任を持つということを意味するものと私は受けとめている。 ですから、その後の状況というのは大変大きく変わってきたし、オーストラリアといえどもその点については十分、日本の砂糖の状態というのは理解をしているはずだと思う。そんなことはどうでもいい、約束したものは約束どおり、量も価格もそのままで引き取れというのは、長期的に見た国際的な信義の上から言ったって、私は通らぬ話だと思う。それも理解できないで砂糖のこれからのいわゆる取引をやろうと言ったって、それはむちゃというもので、受け入れ側のわが方の国内のクリーニング業界が大変だ、こういう事実がある限り、長期的にも契約あるいは今後の取引が安定するはずがないということは、これぐらいのことは向こうだってよく知っていなければならぬし、知っていないとすれば、政府がみずから出向いてでも国内事情というものは訴えるべきだと私は思う。その責任はこの文書によってあるのだという主張をするつもりは私はないけれども、しかし先ほど直接の責任は負っておりませんというお話がから、そんなことはないじゃありませんか、こう私は言わざるを得ません。 それから同時に、「一般確認事項」という中で、少し文章が長いが読んでみますが、「協定者はオーストラリア産粗糖の日本向供給に関する長期契約を継続的性格のものたらしめる事を念願する。又買主が売主に対し適正利潤ある価格を保証する事により、」ここまでは、これは当然のことであります。「公正な価格で安定的供給を確保する事が本協定の目的である事を確認する。」とあります。当時の事情から言ったら、さっき杉山局長が言った判断に立つでしょうから、そうするとこの文章をそのまま正確に読めばあなたのおっしゃるようなことになるのだろうが、私はそれともう一つ別な角度でこの確認事項というものはやはり生きるのではないかと思う。つまり「公正な価格」——わが方から見れば現在の価格はきわめて公正でないわけです。不公正なんです。これは相手方の立場だけを考えた確認事項だとおっしゃるかもしれないが、そうは言ったって取引はお互いに、向こうもあり、こっちもあり、そこに当事者がいて成り立つものでありますから、どっちかに不都合な部面が出てくれば公正な取引ができないということになるわけですから、常に公正な価格というのは売り主にも買い主にも、同時に平等に作用するものでなければならぬと私は思うのです。当時確認された事項の中では、確かに世界的な砂糖の価格から言えば半分の値段で安いのだから、これはもっけの幸いだ、長期的にひとつ、オーストリアが今後値段がさらに上がって損しちゃったから今度上げてくれといったときにも、わが方はこの安い価格で契約しているのだから絶対応じないよといったような意味の確認事項であるのかもしれないけれども、私はそれは幸いにも向こう側の方には当時の見通しのような結果が生まれないで、こっちの方にそれがかぶってきたから、大変言いづらいことだけれども、私はこの際公正な価格で安定的供給という両側面に作用するという確認事項なんだという理解の上に立って交渉すべきではないかというふうにも思うのです。この辺の見解を二番目に聞きたいと思います。 それから一九七七年の一月一日までに、つまりことしの一月までに数量について買い主、売り主双方が「増加の可能性につき」協議をするんだ、こうなっていますが、このときのこれは数量に対する増減とありませんから、増加というのだから、もっとたくさんくれるかどうかの協議をせよという、当時の事情を考えての、これも確認事項なんでしょうが、しかしこれも実にうかつ千万と言えばうかつ千万な話で、ロンドン相場が六百ポンドも上がっているときにこれから先もそれが続くという判断をしたということは実にこっけいな話なんであります。しかしいまだからおかしいと言えるかもしれませんが、当時の事情としては修羅真剣な話だったのだから、そこのところをけしからぬとかいかぬとかということは私は言いません。当時もこの国会において私は砂糖問題を取り上げてその協議に参加をしたという一半の責任は感じていますから、決してあなただけを責めるつもりはないのです。しかし、ことしの一月までというのですから、昨年中にきっと協議がされていると思うのですが、この協議の中で数量問題にかかわって価格の問題こんな高い値段ならもう六十万トン引き取るなんということはとてもできないという話がきっと出ていると思うのですが、そのときの話し合いの中身と、簡単で結構ですから、相手側、オーストラリア側の反応はいかがだったでしょうか。
○杉山政府委員 政府の責任といいますか立場につきまして、私が間接的にあるいは側面的にこれを指示あるいは指導しておるということを申し上げましたが、法律上のポジションを申し上げたわけでございまして、私どもの気持ちとしてはまさに当事者と同じような感覚、気持ちに立ってこの問題の処理に当たっております。 具体的に申し上げますと、私どもの前任の今村局長のころから豪州に直接局長が行くというようなことをいたしまして、引き取りの時期の繰り延べ、それからその後も、豪州側は契約改定に応ずる意思はないということを再三言っておりましたのを、政府ベースでも、先ほども申し上げましたように閣僚レベルの問題に引き上げて豪州側から調査団、引き続いて価格改定の交渉の責任者をよこさせるというようなことを交渉したわけでございます。私ども現にそのために、豪州におきまして原糖を一元的に管理している機関でございますクイーンズランド州の州政府そのまた代理機関、そういったところに対しまして政府自身が直接何遍も事情を説明して、こちら側の企業の状況なりあるいは制度問題なり、それから起こるもろもろの問題について説明を十分いたしております。それらの結果、豪州側の日本の事情に対する理解はかなり進んだものと私は思います。実は昨晩も豪州側の代表者の一人、CSRという機関の代理人でございますが、これと私どもといろいろ話し合いを進めております。そういう意味で私どもは政府の責任、これは側面的にと申し上げましたが、法律的なあるいは契約上のポジションを申し上げたわけでございまして、自分たちの気持ちとしては決して人ごとと思ってない、自分自身の問題として責任を持って処理をするという考えでおります。このことをまず申し上げておきたいと思います。 それから、契約書の文言にいま先生御指摘のようなことがいろいろございます。確かに政府の交換公文でもって確認することが必要であるとか、そのほかのことが出ておりますが、これらは輸入契約を結ぶということになりますと国内で輸入カルテルが必要である、その輸入カルテルについては政府は当然認めるとか、豪州糖の価格について、これは糖安法との関係で平均価格の算定上豪州糖の固定価格を織り込んで算定しますというようなことを約束したわけでございます。現にそれはそのように実行されております。 それから、契約書の中の「公正な価格」というのは豪州側に一方的に有利なように解釈すべきではない、日本側にとっても現在のように国際相場に比べて高値になっていることは決して公正とは言えないから個々の条項によって交渉してはどうかというお話でございますが、実は私どもその条文、その条項だけをということでなくて全体的な日蒙の貿易関係、それから粗糖自身に関する長期的な安定的な取引関係ということを考えれば、そういう個々の文言にこだわらずに、豪州側は最も状況に適した公正な態度をとるべきじゃないかという態度で交渉を続けておるわけでございます。そういうことからしますと、まだ具体的に金額を幾らに値引きするというような提示はございませんが、日本側の状況について、先ほど先生のおっしゃいましたような個別企業におきましても豪州糖の負担の重いところは経営破綻を来しているというような状況をわかってきておりまして、いずれ近々そういった具体的な交渉にも進み得るのじゃないかというふうに考えております。
○島田委員 けんか腰で外交なんてやるものでないですからその点はそのとおりだと思うのです。ですから誠意を尽くしてまず話をする。今村局長も出かけられたということで、私もそれは承知しておりますが、なかなか内容は進展しない。ですから、少なくとも今日の窮状をやはり何回も念には念を入れて、これは大変だということを理解を得るまで訴える。これは農林大臣はいまソビエトへ行って魚の方で大変だから砂糖までといったら頭がこんがらかるかもしれませんけれども、しかし向こうからはオーストラリアの大臣が来たら牛肉の話ばかりして帰る。それこそ羽田の飛行場に降りたら牛肉の話、何か笑い話でもあるかもしれませんけれども、京都に行って舞子さんと酒を飲んでいるときでも日本に牛肉を買ってもらいたいという話が出るくらい向こうの人は熱心だといううんですね。ですから、大臣でなくて政務次官がっていいじゃないですか、すぐ飛んで、とても大変だぞ、これぐらいの政府特使として行くぐらいの構えで今日の砂糖の状態を打開しなければだめだと思うのです。向こうは五年の契約だから五年間に砂糖を売っちゃったらもう後は日本と契約せぬでもいいなんということには私はならぬと思うのです。これはあくまでも国際信義という立場に立ってこれから長く日豪間のつき合いをする。それは牛肉ばかりじゃありませんね。船の問題だっていろいろあるのですから、向こうにばかり一方的に言われているのではないかとぼくは言うのではありませんが、しかしこちらも当事者間の問題だから側面的に——だけではないといまおっしゃっているけれども、しかしこれはやはり大臣みずから乗り出すぐらいの構えでこの問題を解決しませんと、いま名古屋の東海精糖、これは次官も御承知だと思うのですが、大変です。私も現地の調査に行ってきました。そしていろいろ関係者の話を聞きましたが、やはり帰するところ、この間、三年前には国際ロンドン相場がこんなになった打撃でそれこそ大変なことになっちゃった、それに追い打ちをかけるように豪州糖が大変な重荷になっている。せめてグローバル糖と均衡ある価格ぐらいまでを何とか保障する道はないのか。その一つは、オーストラリア側に対して誠意を尽くしてまずこの協定に対する理解ある具体的な行動を示してもらうように取りつけることだ。しかしそれもできない、どうしてもだめなんだということであれば、やはり国内的には何らかのこうした精糖業界における問題の整理を図っていかなければなりませんから、政府としてやはり何らかの措置を具体的にしなくてはなるまい、保障の措置などが挙げられるのではないだろうか、私はこういうふうにも実は考えているのです。ですから繰り返し繰り返しこれを言っているわけです。 そこで、具体的には平均輸入価格の算定方式を変えていくというようなことも必要じゃないかと思います。それから関税の免除措置なども必要じゃないでしょうか。この点については取り組むお考えはありませんか。
○杉山政府委員 細かいことは省略いたしますが、平均輸入価格は従来はロンドン相場を基準にして算定するということになっておるわけでございます。豪州糖を輸入するということを決めましたときに、豪州糖はそのロンドン相場とは、高い低いはありましても、乖離するであろう、それをどう取り扱うかということが問題になりまして、豪州糖の部分につきましては固定価格、その契約で決められました価格、それからそれ以外の一般のものにつきましてはロンドン相場ということで、これを加重平均して平均輸入価格を出すということで、まさに豪州糖の価格を織り込んだ是正した平均輸入価格ということになっております。 それから、先生のおっしゃる御質問の趣旨が、豪州糖は割高になったのであるからその部分については負担を軽減する措置、何らかのそういう実質的な意味での平均輸入価格を通じての扱いはできないかということかと思いますが、これにつきましては、実は今日まで、豪州糖について国内産糖との調整を図る、その国内産糖対策のための財源として徴収する調整金、これの負担を免除いたしております。今後どうするかということについては、財政当局等との関係もありますが、私どもとしてはできるだけそういった負担軽減を図る必要があるというふうに考えております。 それから、関税、消費税でございますが、これは率直に申し上げまして、関税、消費税を引き下げて、それが企業経営にプラスになるかといいますと、これは消費者価格の引き下げにはなっても、なかなか企業経営に、企業のプラスになるような形ではメリットが及ばないのではないかということが一つ考えられます。それと、政府といたしまして、これは長い歴史を持つ重要な税源、間接税でございまして、いわば豪州糖の負担による経営悪化を理由に、そういう基本的な税制にかかわるようなものを云々するというわけにはなかなかまいらないという財政上のあるいは税制上の理由があるわけでございます。そういうことで、直接なかなか税の上での免除はむずかしいのではないか。 ただ、豪州糖ということでなしに、一般的な関税の負担軽減の問題につきましては、これは先生先ほどから御指摘の国際糖価が著しく上がりましたあの時期に、上限価格を超えて輸入価格が実現されたというか、高い価格で入ってきたということから、その場合に、関税を免除するという形によって企業に対してそれらの優遇措置をとるということをやったのでございます。現在は上限価格を超えているというような状況ではございませんので、関税については特段の措置はとっておりません。
○島田委員 これは農林省だけ責めてもだめなんで、大蔵省とか通産省にもそれぞれの考え方を理解させなければだめだと思うのです。しかし、財政上の措置ぐらいのことはやれるわけですから、いまのような状態であれもだめこれもだめで、あっち向いてもこっち向いてもだめだというようなことにはならないし、そのままほっておけば日本の砂糖はめちゃめちゃになってしまいます。 それは企業が倒れたっていいと言うかもしれぬけれども、企業で働く労働者をどうするのだということになったら、いまの魚の問題と同じように深刻な問題があるわけです。現にもう東海精糖の労働者の人たちはろくな給料がもらえないまま、三月に入って事実上ストップされて大変な状態です。これは社会問題であります。引き続き、大分県でも新光砂糖工業がそういう状態で、全員首切りということが通告されてきた。いまのこういう状態をいいことにして、企業がこの際ぶん投げてしまうなんというような無責任な行動に出るということは、これは許されぬことであります。 私は、きょうは政策的な、政治的な側面だけで申し上げましたけれども、この企業の人たちも、今日まで砂糖を自分たちの生きる道として、人を雇い仕事をしてきたという責任がある、そういう責任をきちっと持ってもらわなければならぬが、私はこの間東海精糖に行ったら、当事者能力全くゼロ、こうなったらもうどうしようもありません、ギブアップであります。しかし、それで済まされないのが、そこで働いて、三十年間一緒になって日本の砂糖を分担してきた労働者の皆さんであります。その家族の人たちであります。そこのところまでやはりきちっと考え方を向けて、杉山局長、当面のこういう問題に具体的に手をつけていきませんと、規則がどうの法律がどうのと言っていられない状態が、現に足元に火のついたようになっている現実があるじゃありませんかという点を私はきょうは厳しく指摘をしておきたいのであります。 特に、東海精糖の現場の調査を行いました中で、金融もそして輸入業者も、つまり商社ですが、こういう人たちは、左前になってくるとみんな逃げたくなるのは人情なのかもしれぬが、みんな責任回避して、おれでない、おれは責任ないといったようなことになっていて、まことにどうもその点は私は遺憾きわまりない、こう思っているわけでございます。その点をきちっと交通整理しなければならぬ。言ってみれば今日の砂糖政策そのものを補強し、強化をしていかなければならない、こういう点も私は感じています。 したがって、わが党は、いままで砂糖三法について国会に、参議院先議で前国会まで提案をしてまいりました。この考え方をまとめてこの八十国会でぜひ本衆議院の農水に提出をしたい、そんな考え方でいるのでありますが、何といってもこの需給調整機能というものが農林大臣の機関としてきちっとしておらぬとだめだ。いままでだってありますけれども、開店休業で何の機能も果たしていない。需給調整機関というものは、こういう状態になったときにこそそれが機能し、効果あるいわゆる機関としての役割りを果たさなければならぬはずなのに、さっぱりそれはどうもならぬ、こういう状態であっては私はいかぬと思いますから、わが党が主張してまいりました法律の中で農林大臣が責任を持った需給調整機関の設置が必要だというふうに考えておる。そういうふうに、これから私どもも考え方をまとめて国会でひとつ皆さんに議論してみてもらおうと思っております。 きょうはそこまで言及することは時間的にも許されませんが、重ねて、これは政務次官にお尋ねいたしますが、大変厳しい状態であるということは先ほどから議論の中で十分御認識をいただいたと思います。そんなことを言わなくたってよく知っているよ、こう思いますけれども、私がさっき言ったように、この際やはり政府特使が出向いて、日豪砂糖協定のこの問題について、国内の事情を誠意をもってオーストラリア側にも伝え、理解を求めるというような努力が必要だと思いますが、具体的にそういうお考えはありますか。
○羽田政府委員 ただいま先生からるるいまの厳しい砂糖業界の問題についてお話があったわけでございますけれども、こういった問題を踏まえまして、ともかく一番の基本になります豪州との交渉、これを機会あるごとに私どもも十分見守りながら、また十分に指導してまいりたいというふうにも考えます。
○島田委員 それから最後に、これは食品でなくて、所管は農蚕園芸局ですか、杉山さんのところと両方でやるのかもしれませんが、国内産糖の甘味資源審議会——これはもうビートの苗がこんなに伸びました。そうして畑ができ上がり次第移植をしなければならぬ。北海道にとって大事な特産物であるてん菜の五十二年の生産が始まろうとしております。沖繩では、先ほど野坂君に聞きましたら、おとといまで調査に行ってきて、砂糖の製造がおととい終わったそうでございます。こういう大事な時期で、国際的な砂糖に振り回されて、国内の砂糖もこれはえらいことになっておりますが、幸い昨年は北海道は例年にない豊作に恵まれました。これで政府の低価格も救われた、やれやれほっとしたという表情だと思うのであります。これはもう四トンだなんて言ったら、またこれは政府は、ざま見ろといま私にここでやられたところでありますけれども、昨年は本当に史上二番目と言われる豊作に恵まれまして大変みんな喜んでいるのでありますが、さてことしのビートはどうなるのだろう、これがやはり悩みの種、心配であります。いままで大分だまされてきていますから、何ぼ説明して聞かしても、どうもちゃんとしたものを示してもらわぬと信用できないというようなことです。ですから私は、早く甘味資源審議会を開いて、ことしのてん菜あるいはサトウキビ、またブドウ糖にかかわりますでん粉のこういう見通しについて、やはり耕作を始める生産者の皆さんに示していくということが、これは政治の責任であり、また行政の親切というものだ、そういうことを主張してまいりましたが、幸い今月中に開きたいという意思を表明されていますが、この審議会には具体的にどういう考え方で諮問をされ、そしてそれはいつごろおやりになろうと考えているのかだけを最後に一言だけお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
○杉山政府委員 ビートあるいはサトウキビ、でん粉、芋類、こういった一連の農産物の価格決定は、実際には秋になるわけでございますが、ビートにつきましては、作付、播種が行われようとしておる時期でございます。各方面から、なるべく早く甘味資源審議会を開いてもらいたいというお話を承っております。私どもといたしましても、先ほど来種々国際情勢そのほかお話し申し上げた事情がございます。それから国内糖価の問題もございます。いろいろ国産糖との関連におきまして御説明申し上げ、御意見を承っておかなければならない問題がございますので、できるだけ早くということで、実は委員の皆様方の御都合もございますので、それを伺いながら、今月中に開催したいということで準備を取り進めておるところでございます。
○金子委員長 この際、午後二時より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時一分休憩 ————◇————— 午後二時二分開議
○金子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。柴田健治君。
○柴田(健)委員 一般質問でありますから、きめの細かいのを三点ほどにしぼってお尋ねしたいと思います。 まず、いまわれわれが関心を持っているのは、農業基盤整備として公共事業でやっておる継続事業が、それぞれ種目別に、たとえば国営、県営、団体営と種類があるわけですが、いまそれぞれの種目別に継続事業で何カ所あるのか、まずそれをお尋ねしたいと思うのです。
○森(整)政府委員 いま数字を調べますので、ちょっとお待ちください。——大まかに申し上げます。国営の一般会計で継続百五十七、新規二十二でございます。それから畑総で継続が五、それから特別会計振りかえ地区が六地区、そのほかに三十四地区、それから補助の都道府県営灌排、これは一般が継続三百七十七、うち着工が三百七十二、新規八十二、うち新規着工四十三、あと団体営灌排で一般の継続が七百九十、新規三百三十、圃場整備は都道府県営圃場整備、一般で申し上げますと継続八百四十五、新規八十四、そういうようなことでございます。
○柴田(健)委員 灌排、畑総、圃場整備、農村総合整備、農道というように数多くあるわけですが、後からひとつ資料として御提出願いたいと思います。 私たちは、農業基盤整備事業の継続のものを早く済ましてもらいたいということを希望しております。それから一方では新規事業の採択ということもこれはやらざるを得ないので、その点のかみ合わせを、継続のものを早く済ませてもらわないと基盤整備のねらいというものが狂ってしまうのです。あれは要するに国際競争力を強めていくという大前提、要するにコストをどう下げるか、日本の農産物はコストが高くなるというのでいろいろと物議を醸してきた経過がある。そのためにやはり生産基盤を整備をしてコストを下げるというのが最大のねらいである。それがもう何年も何年も工事が完了しないというところに農民から非常に不平不満が強く出ておるのは間違いないのですから、これを当初年次計画を立てたらその年次計画で完了していくということをしないと、これはもう農民から不信を買う、何をしているのだ、こう言われる。やはり国営においても県営においてもそうだと思いますが、余りにも工事年限が延びている、これはほめた話ではないのですね。この点の取り扱いを農林省全体で考え方をしぼってどうするかということ、これはただ構造改善局だけの責任ではない、農林省全体の責任だと私は思うのですね。きょうは大臣はおられないが、政務次官が見えておるので、政務次官からこれらについてどういう今後の取り組みをしていくか、見解を聞いておきたい。
○羽田政府委員 ただいま御指摘がございましたとおり、基盤整備事業につきまして農民の方からまた各地域から非常に大きい新規の要望というものがあるわけでございますけれども、いまお話しがございましたとおり、継続のものが大変おくれておるという中で、なかなか採択がおくれておるというのが現状でございます。そういったことで、私どもといたしましても、十分そういった実態を踏まえながら、これから予算措置をしてまいりたいというふうに考えております。御案内のとおり五十二年度におきましても前年対比二二・四%ということでございまして、一般公共事業費の伸び率を大きく上回っておるわけでございますけれども、それと同時に、五十一年度に改正されましたところの特定土地改良工事特別会計制度、こういったものを積極的に活用しながら、農民の皆さん方から不信を持たれないようにひとつ進めてまいりたいというふうに考えております。
○柴田(健)委員 予算の折衝のときに一山何ぼという折衝の仕方をするからこの問題がややこしくなるのではないかという気がするのですね。たとえば継続事業のものは何%伸ばしていくか、新規採択の枠を何ぼ取るかということ、その点の取り扱いが少しあいまいなところがあるのではないか、われわれの判断から言えば、そういう意見が出てくるわけで、要するに継続事業は、たとえば一千億なら一千億かかるのだ、それを何%伸ばしていくか、新規採択は新規採択でどの程度予算を確保していくかということをもう一緒くたにするから、二二・四%伸びたからといったって、全体からいうと伸びた率にならない、継続事業の分は予定どおりの年限で完了しない、こういうことになってくる。この点の取り扱いが少しあいまいではないか。もっと詰めて、意思統一をして予算折衝をすべきではないか、こういう気がするのですが、もう一回ひとつ……。
○森(整)政府委員 国営クラスは、もうそれぞれ地区別にもちろん積み上げていろいろ要求をいたしておるわけでございますが、また県営以下のものにつきましても、一応資料はとりまして要求はいたしておりますけれども、何せともかく全体がおくれておる中で、結局公共事業のシェア、各省の、現実問題といたしまして、いささかどうかというふうに思いますけれども、現実は取りっこということに相なるわけでございます。そうなりますと、事務的にはその積み上げでずっと説明をしておりますが、最終段階になりますと、もうそれどころではなくなりまして、結局全体でどのくらい欲しいというような話に、実際問題としてはそういう折衝に相なるのが毎年の予算折衝の現状でございます。そこの点を先生、一山幾らと、こうおっしゃいますが、私どもそれぞれ重点は決めましていろいろ要求はいたします。したがいまして、その中のそれぞれの事業につきましても、おのずからウエートをつけまして折衝はいたしておるわけでございます。終わりました結果もそういう優先度をつけて、たとえて言えば今回のような、昨年の災害等を勘案しまして防災事業というようなことも考え、いろいろな観点から考えた結果、それぞれの事業についての要求を整理するということをやっておるわけでございますが、何せ全体の枠がそう参りませんものですから、結局先生のおっしゃるように、どうも全体思うようにいかない。また御満足いただけない。われわれも何というか終わった後は非常にむなしい感じもいたしますが、現状としては結局総枠がそれだけしか来ないわけですから、それをどういうふうに皆さんに納得していただくか、今度は私どもが逆に防衛に回らなければいかぬというように相なるのが現状でございます。
○柴田(健)委員 ぼくはこの問題は、ただ構造改善局の局長段階で処理すべきような問題はもう過ぎ去った。もうこれは予算折衝の段階で大臣折衝でけじめをはっきりつけるべきだ。それから、大臣がもっとしっかりしないから、事務当局の段階でうやむやになってしまう。いままでの経過から見て私はそういう感じを受けるわけですから、これは大臣の腹一つで、最終の大臣折衝の段階でぴしゃっとけじめをつけるべきだ、こういう考え方を持っているのですが、今後も、毎年繰り返すことなんですから、この点を強く要求しておきたいのですが、政務次官、もう一回、大臣によく伝えてもらいたい。
○羽田政府委員 基盤整備事業というものは非常に重要な仕事であるということは私どもも十分認識しておるつもりでございまして、これはいま先生から大臣折衝でやるぐらいの腹構えでということでございますけれども、まさしく私どもの役所の中で公共の中の大きなウエートを占めるものといたしまして、大臣折衝の中でいままでも詰めてまいったところでございますけれども、ともかく非常なおくれをとったわけでございますので、今後とも積極的に進めてまいりたいというふうに存じます。
○柴田(健)委員 そういう予算の折衝の仕方の結果からいうと、また農林省に配分が決まってから、今度は各地方農政局を通じて、各都道府県に継続事業、新規事業の内示額を示す、ヒヤリングをしておろすのだろうが、要するに第一次配分だとか第二次配分だとかいう言葉が入るが、これはどういう意味ですか。予算の内示に、個所別に第一次配分にはこの程度の予算をつけましょう、次に調整という言葉を使ってみたり、第二次配分という言葉を使ってみたり、そういう予算の配分の方法はかえって現場を混乱させる可能性がある。そういうやり方はいいと思ってやられるのか、やむを得ない処置としてとっておる方針なのか、その点を聞かせていただきたい。
○森(整)政府委員 県営以下の場合に一応地方農政局でヒヤリングを行いまして、おっしゃるように、まずそれぞれの個所づけの配分をいたします。その中で、いろいろ事情はあるけれどもどうしてもここまでしかつけられない、もう少しつけてほしいというのがたくさんございます。しかし全体が制約されておりますから、そういうことでお引き取りを願うわけですけれども、ただ実際の執行に当たりまして、執行上その個所づけでいろいろつけましたけれども、なおいろいろな事情から余るところもあるわけでございます。その余るところを、いまのところはゼロだけれども当てにしてもらって、足らないけれどもほかのところで余った場合にまたその際に考えますということで、一応の配分をしておるということでございまして、また事実そういう調整を年内にもう一回やることにしておるわけでございます。これはいいか悪いかと言われますと、足らないところから言わせれば早く先にくれればいいというふうにおっしゃるかもしれませんけれども、私どもの全体の配分調整をいたす考えからいたしますと、これまたやむを得ない措置ではなかろうかというふうに考えておるわけでございまして、結果的にそういうふうになっておる。これは別に農業基盤整備に限りませんで、ほかの一般の補助事業でも、一応配分した後でもこれはちょっとお返しするというのも出てまいるわけでございますから、そういうふうに考えれば、これは予算の執行のやり方としては一応妥当なものではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
○柴田(健)委員 いろいろ数の多い中には、あなたの言われるような点もあると思いますけれども、私は現実に見て、やはりそういう第一次配分だとか、いや調整配分だとか第二次配分だとかいうようなことをやられると、現場ではやはり諸雑費が要るわけですからね。ただ、それでは第一次が五千万来た、追加が二千万来た、まあ追加が来そうなんだからちょっと仕事をするのを差し控えて最終の配分が決まってから工事着工だという、いろいろと地域においてばらばらの状態なんですね。そういうやり方がいいのかどうかということをわれわれは一つの問題点として考えさせられておるわけです。この点できるだけ、そういう問題のあるところはそう数がたくさんあるとは思えない、だから要するに第一次配分でぴしゃっと決めてそれで早期着工させていくというやり方をした方が、行政の能率というか、そういう面でいけば能率が上がっていくのではなかろうか、早く工事が完了するのではなかろうか、こういう気がするので、十分今後検討してもらいたい。これは答弁は要りませんから、注文をつけておきます。 まあ私は、これからは飼料対策、畜産振興ということで飼料対策問題で、今年度予算では麦作振興で非公共事業で大幅に予算をつけた。けれども麦作だけではいけないので、飼料作物というのはそのほかにいろいろあるわけですが、その場合に水田を利用するときに、近年はいいのですがいままでの、四、五年前までの構造改善事業でやった圃場整備のやり方、暗渠排水については、伏流水の排水には役立ちますけれども表流水の排水が不完全だ。そういう点で常に、年じゅう湿田の状態で裏作がつかない、その点をどうするのか、われわれの頭を悩ましておる点であります。要するに農業土木で改善していくのがいいのか、営農技術の方で農民にみずから指導しながら改善策をとった方がいいのか、このどちらか。場所によっていろいろ違うでありましょうが四、五年前までの圃場整備、構造改善事業でやったところは排水事業というのが不完全だ。しかし、いまごろになって麦作振興だ裏作振興だと言って騒いでみたところで実際はやれない。これを根本的に改善をしないとどうにもならぬ、こういうところがわが岡山県にも北部の方にたくさんある。これらの改善策をどうしようとするのか、農林省としては考え方があろうかと思うのでひとつ御説明を願いたい、このように思います。
○森(整)政府委員 御指摘のように暗渠排水の問題につきましては、教年前の時点におきましてそれほど裏作に、われわれ自身も反省をいたしますが、熱意がなかったということもございましょうし、また、これはやはり申請事業でございますから地元の方もそこまで、大いに麦はやるとか裏を使うとかそういうところまで、あの高度経済成長の中で農業の条件が非常に撹乱されておった時期でございますから、そういう事業として暗渠を裏作の作物を考えながらやってきたというのはそう多くはないということは、そういう条件であったというふうに反省はいたします。そうは申しますものの最近は、われわれも大いに力を入れてやろうということで非常に盛り上がってきておるわけでございまして、今後の暗渠排水の実施に当たりましては、先生御指摘のように、地域地域によりまして非常にいろいろの条件の違いがございます、そういう実態を見まして最適な工法で工事を進めるということが、確かに御指摘のように必要であろうと思うわけでございます。 たとえて言いますと、重粘土の水田地帯や大型の機械の導入によりまして二十センチから四十センチの不透水層が形成された水田につきましては、排水の縦浸透が悪い、排水不良を起こすというような場合もございます。そこで基幹的な暗渠と言いますか、有材暗渠と言っておりますが、そういう敷設に加えまして弾丸暗渠だとかもみがら暗渠というような補完的な暗渠をあわせて敷設をすることによりまして水抜きをする、あるいは心土破砕等を行う必要があろうというのが、われわれ技術陣営の見解でございます。 そこで、来年の事業といたしまして、土地改良総合整備事業というのを新設いたしております。この中には従来暗渠排水として事業の対象にしておりませんでした弾丸暗渠なりもみがら暗渠なり、そういう無材暗渠を補助対象に加えるという措置をとっております。ただし、これは二年なり二年たちますと、いろいろ機械化等でまたそれが有効でなくなるという問題が出てまいります。これは営農の問題としてそれぞれの農家の努力によってやっていただくということが原則ではなかろうかというふうに思っております。ただ今度、麦作の集団育成総合対策の事業を新設いたしております。これは農蚕園芸局でやっておりますけれども、弾丸暗渠というのを営農排水ということで事業の対象として認めておるということでございまして、その辺でそれぞれの暗渠の事業を線を引いてまいりたいと考えておる次第でございます。
○柴田(健)委員 いまごろ気がついて、いろいろと工法を考えて地域地域において研究なり実際施工しておられる、それはよく理解できるのです。前にやったところはこれから、麦作振興だとか裏作振興だとか、いろいろ農林省は呼びかけをしてくれるけれども、やろうとしても実際やれない。裏作がつかない。まるで年じゅう湿田のような状態だ。排水が十分できない。そういうところは、都道府県の独自性を出して人件費である程度の指導をやっている県もあるし、これからやろうとする県もあるわけですが、何としても借金は、一方は返しておるわけですから、負債整理をしながら土地の付加価値を高めるために農民の方は鋭意知恵を使って努力しておる。人間が努力しながらもできない。そういう工法が誤っておるから、できない地域を早急に改善して——農林省は何ぞ言うと後継者対策だとか担い手育成だとか、近ごろ盛んに言われますけれども、そういう地域こそ本当に後継者なり担い手育成をしなければならぬ地域が多い。そういう点には非常に予算なり技術指導なり、全面的にというわけにはまいりませんけれども、大体手落ちが多い。もう少し懇切丁寧に指導すべきではないか、地域的に勘案して適切な処置を講ずるべきではないか、こういう気がいたすわけであります。特に岡山県は、中、北部がほとんどそういう裏作がつかないような構造改善事業をやっておる。これらの改善策について抜本的と言うか、思い切った指導をしなければならぬ、こう思うのですが、その点についてただいま局長がささやかな答弁をしましたけれども、それではわれわれは納得できない。もう少し思い切って工事をさせていく、助成措置をとっていく、そういう考え方を強力に進めてもらいたい、こう思うのですがひとつ御答弁を願いたいと思います。
○森(整)政府委員 従来から、土地改良事業を実施して後の営農の指導が必ずしもよく徹底されておらないということは、いろいろな機会を通じまして御指摘を受けている点でございます。 そこで、土地改良事業サイドで、新しく農地を開発するとか、干拓みたいな新しい条件のところで営農をやるとかいう場合には、営農の技術の確立のためのいろいろな展示圃を設けて指導しております。また、農蚕園芸局普及部の体制の中でも、農用地開発、畑灌事業、営農形態が大幅に変わってまいるような地区につきましては特別の指導事業ということで、特に予算的にも配慮いたしまして指導をしておるわけでございますけれども、一般的に申し上げますと県段階では、土地改良事業の実施部門と営農の指導部門、そういうものがそれぞれ集まりました協議会をつくっておりますし、地元の市町村の段階では、土地改良区あるいは普及組織、農協の営農組織、家畜保健衛生所、そういう組織との間で協議会を設けていろいろ運営に当たっているのが通例でございます。ただ先生御指摘のように、普及組織につきましていろいろな対応の問題、それと土地改良部門との連携の問題につきましては御指摘のようなこともないこともないと思いますので、もう一回新しい気持ちで、両部門の連携をもう少しスムーズにしていくということにつきましてわれわれもさらに一層指導を強化してまいりたいというふうに考える次第でございます。
○柴田(健)委員 局長はいろいろいいことを言われたが、現実には行われてない、正直に言うて。たとえばこの前の改良助長法の改正案の審議で同僚議員からいろいろ質問して、普及員の質的向上の問題、いろいろ言われました。いま普及員は、正直に言うて、広域行政という広域化の中で、それぞれの農家戸数に比例して職員配置、事務所の設置を決めておる。実際問題として土地改良事業としてやっておるその個所別さえ知らない面がある。どこでやられたか、あれはどこか、何だ、こう言う。その地域で圃場整備をやったらその後どうするかということは、やはり土地改良の組合と県の工事を担当する耕地課、そして営農技術を担当する普及所等が工事をする前にちゃんと寄って協議をして、ここはこういう土質であるから、また水の関係はこうであるからこういう工法でやったらどうかとか、あとの営農指導についてはわれわれが責任を持たなければならぬのだからこういう方法でやってくれとか、何とか事前に協議をやって工事を着工すべきではないか、全然それがやられない。チームワークがとれてない、連絡が不十分だ、そういうところにばらばらの行政がいま行われておる。普及員の方は普及員で高齢化しておりますからなかなかうまくいかない。この点のチームワークをどうとるかということがこれからの行政指導の大きなポイントではないか、こう思うのですが、局長、どうですか。
○堀川政府委員 改良二法のときの御審議にもその種の話がたくさんございまして、土地改良との関係について柴田先生の御指摘まことにごもっともだと思うわけでございます。 私ども、日常の普及活動の対応の姿勢として、たとえば大型のプロジェクトあるいは団地づくりというようなものに対して当初の計画段階から改良普及所の組織は積極的に参加して、技術、経営の立場からしまして適切な意見を随時出すようにということを日ごろ強調してまいっておりますけれども、先生御指摘のようなその連携が必ずしもうまくいってないという事実もあろうかと思います。この点は私ども十分反省をいたしまして今後指導を強化してまいりたいと思っております。先ほど構造改善局長が言われた趣旨と同趣旨におきまして、私どものサイドでも一層努力をしたいというふうに考えております。 特に、これも構造改善局長から若干お触れになりましたが、営農形態がたとえば畑灌などをやることによって非常に大きく変わるというような土地改良実施地区におきましては、土地改良地区営農改善特別指導事業というようなものをやっており、西の方で、たとえば先生の御出身県の岡山では津山の久米南町の県営農地開発それから備北の新見市の県営畑総等におきましてはこれはそれぞれ作目を予定しておりますので、そういう作目についての栽培技術あるいは灌水技術、土壌管理あるいは野菜の輪作体系、こういった問題についてひとつ重点的な技術確立を図って土地改良施行後の営農がうまくいくようにということを先行地区から始めるというようなことをやっておるわけでございます。こういう特別事業がございますけれども、それ以外の一般的な普及活動におきましても、先生御指摘のような連携強化を図っていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○柴田(健)委員 十分その点は配慮して今後の指導を強めてもらいたい、こう思います。この問題を論戦すると相当時間がかかりますから、次へ移りたいと思います。 昨年も冷害で大変な被害を出したのですが、今年も気象条件から見るとどうも芳しくないような年ではなかろうかという不安を持っておるのですが、今年も気象条件がどういう形で変化を起こすのか。また冷害というものが起きるのか、今度は干害というものが起きてくるのか、干害と冷害とが一遍に来るのか、いろいろ意見が出ておるようでありますが、やはり冷害ということになればもう一つ考えなければならぬのは土壌改良だ。土壌改良をどう進めていくかということをわれわれは真剣に考えなければならぬと思うのです。 われわれはひとつ土壌改良法でもつくって抜本策を立てていきたい、こういう考えを持っておるのですが、農林省としてはこの土壌改良については、いままでいろいろ意見を聞くと、やっております、ああもやっておる、こうもやっておりますと言うけれども、実際実行段階では余り成果が出てないという気がするわけでありますが、この土壌改良をどうするか。いま地力が非常に低下しておる。これは農林省も認めておる。この地力をどう高めていくかということの施策をどう進めていこうとするのか、まず見解を聞きたいのです。
○羽田政府委員 ただいま御指摘もございましたように、昨年の災害等を見ましても土地改良の土壌改良等が進んだところ、地力のついているところ、こういったところはわりあいと被害が少なかったという実例もございます。いずれにしましても、限られた国土におきまして食糧の自給度の向上を図っていかなければならぬわけでございまして、そのために生産性を高めるための先ほど来の御指摘がございました土地基盤整備、あわせて地力を維持培養し、また生産性の向上を図っていく、これが基本的に重要であるという認識を持っております。 このために農林省としまして、いま先生から御指摘のあった面でございますけれども、土づくりに対する農家の意欲を高揚させるための運動を展開すること、あるいは耕種部門と畜産部門との有機的連携を図り、有機物の増設を推進するための地力培養対策、また適切な土壌管理を実施するための地力の診断などを実施しているところでございます。 なお、今後ともこれらの施策の一層の充実を図るとともに、全国の耕地土壌の基本的性格を明らかにするため実施してきた地力保全基本調査の結果を取りまとめ、今後の地力保全対策のあり方につきまして総合的に検討してまいりたいというふうに考えております。
○柴田(健)委員 各都道府県ごとに地質の調査、土壌検査は大体完了しておる、そういうふうに確認をしてよろしいですか。
○堀川政府委員 沖繩を除きましては調査を終わりまして、これからまとめの段階でございます。まとめに二年くらいかかる予定でございます。沖繩は同時に着手をしております。
○柴田(健)委員 まとめが二年ぐらいかかる、まあ悠長な話なんですが、一方では二年間どういう考え方で——調査のまとめが二年かかる。今度は計画立案してどうするか、これは二、三年かかる。その後、ますます地力が完全に低下した時点で取り組んでいかなければならぬというようなまことに役所らしい考えだ。まあこれは余りほめた話ではないと思うのですが、急いでもらいたいと思います。 特にいま水質の問題で農民の方はいろいろ——水質の変化から起こる地力の低下、この点についてはどういう調査をしているのか。たとえばいま水稲栽培、畑地栽培、水が基本でありますから、水質の変化というのはいろいろある。特にいま合成洗剤を使って水が汚れ、これを水田に使うと地質がどう変化をするのか、この点の調査研究はどうやられておるのか。それから日本列島全体の中で天水を使っている場合、河川の水を使っている場合、ため池の水を使っている場合、いろいろあろうと思うのですが、それぞれ区分して、ため池を使っている場合の地力低下はどうなのか、河川の水を使っている場合に地力はどう低下しているのか、上がっているのか、天水の場合はどうなっているのか、その分類した調査の結果を知らしてもらいたい。
○堀川政府委員 ただいまの先生のおっしゃったような観点からの地力調査というのは実はないわけでございます。ただ用水が汚染されたために営農に支障が起こるというような場合も出てまいりまして、土地改良法にはそういうような場合も含めまして、農業用水の管理者である土地改良区が適切な排水対策をとるように関係の地方公共団体に対して要請ができる規定がたしかあると存じます。そういう規定の活用等によりまして、個別の障害の起きた場合における解決の制度が活用されつつあるものというふうに思っております。
○柴田(健)委員 地力の低下した原因は、たとえば金肥だけで地力が低下する場合、それからまた表土の起こし方、これによって地力が低下する場合、有機質を使わないから地力が低下するというのは最大の原因であろうと思うけれども、水の変化、水の質が変わってからの地力低下、いろいろ複合的な要因が地力低下には伴っていると思うのですが、それらの分類的な結果をわれわれは知りたい。たとえば農薬をどんどん使う、農薬から起きる地力低下、残留性の問題で、ただ人体に影響するというだけの問題点のしぼり方でなしに、地力にどう影響しているのか、それはもう調査をやっておられると思うので、今後報告を願いたい、こう思います。 次に、時間がありませんから畜産局長にお尋ねしますが、政府の操作飼料として枠が毎年決まっているのですが、この枠をふやすということがわれわれの念願なんです。ふやしてもらいたい。そして適正な配分を考えてもらいたい。時間がございませんからその点を明快にお答え願います。
○大場政府委員 政府が操作しております飼料は、一つはふすま増産用小麦であります。これは従来の小麦のときに、普通ふすまの歩どまりが二二ないし二三%というのに対しまして、五五%という特別な歩どまりでふすまを増産しているわけでございますが、これを増量することにつきましてはいろいろ批判、問題もあるわけであります。食糧としての資源有効利用の点からどうだろうか、あるいは財政負担の点からどうであろうかというようなことが行監だとか会計検査院等からの指摘もあります。結局粉をつくるときの副産物でありますから、基本的には粉の需要ということに制約されるということがありますので、これをふやすのはちょっとむずかしいかなというふうに感じております。 それから配合用小麦がございます。これはいまかなりの枠がありまして、現実の需要よりはゆとりを持っておりますので、十分希望には対応できると思っております。 それから、問題は大麦でございますが、これは大家畜飼養農家の希望が特に強い。配合飼料依存型から脱却させて自給粗飼料と組み合わせて使いたい、こういう御希望があるのは承知しております。これにつきましては、実は供給の方で問題があるわけで、カナダとかオーストラリアが主な供給先でありますが、その方の供給余力がどうも十分ではない、こういった点があります。私どもできるだけ農家の御要望にこたえたいと思いますが、予算も通っておりませんし、財政当局との協議も残っておりますので、今後の検討課題というふうにさせていただきたいと思います。農家の要望にはできるだけこたえていきたいと思っております。 それから各県別、ブロック別の配分につきましては、従来必ずしも畜産の分布というものとこの政府操作飼料の配分というものがマッチしてなかったというきらいがありますので、それをいま是正していく過程であります。その過程で、従来配分していた県あるいはブロックが多少少なくなったというようなことで御迷惑をかけているきらいもありますが、これを解消するためには全体の枠をふやすという形で各ブロック、各県の御希望に沿うようにしたい、こういうふうに考えております。
○柴田(健)委員 終わりました。
○金子委員長 武田一夫君。
○武田委員 まず最初にソ連の二百海里水域問題に関して一点お聞きいたします。 これは新聞でも御承知と思いますが、四月七日、釧路の沖合いで地元の船が四十一隻あるいは三十八隻、韓国漁船が九隻その辺で操業している。それがなかなかずうずうしく操業している。しかもこれは十キロ、十一キロという禁漁区域内での操業をしていた。それに腹を立てた地元の船が海上デモをして追い出したという事件がありました。私の想像では、恐らくそうした取り締まりの非常に弱腰な国の態度、そういうものに切歯扼腕する思いで、危険の覚悟を決めたデモではないかと思いますが、聞くところによりますとこういうことがしょっちゅうあるので、何とかこれを退去するようにという陳情が、国、道庁にあったようです。しかしながらそれに対する具体的な指示、行動がなかったためにやむを得ずの海上デモによる追い出しであった、こういうことを伺っておりますが、こういった点についての事情をお聞きしたいと思います。 〔委員長退席、今井委員長代理着席〕
○甚目説明員 ソ連によりますいわゆる二百海里の漁業専管水域の実施に伴いまして、三月一日以降、北海道の周辺海域におきまして、韓国漁船の操業が増加しております。海上保安庁におきましては、関係先と緊密な連絡を図るとともに、航空機によりまして韓国漁船の操業の実態を随時把握しつつ、巡視船艇の配備を強化して警戒を実施しております。現在は他の管区からも巡視船を派遣いたしまして、北海道の周辺海域に常時十隻の巡視船を行動させて警戒体制をとりまして、これら韓国漁船の操業に伴いますわが国漁船との紛争を防止し、また漁具の被害の防止に努めております。これら韓国漁船はいずれもわが国の領海外で操業しておりますが、わが国の底びき網の漁業の禁止区域及び漁具の設置海域での操業の自粛の指導も実施しております。これまでわが国漁船との直接の紛争は発生しておりませんし、わが方の警備によりまして漁具の被害も減少しております。 なお、今後ともこれら韓国漁船の操業海域が北海道周辺以外のわが国周辺海域に及ぶようなことがございますれば、海上保安庁としましては、これに対応した警備措置をとっていくことになっております。 以上でございます。
○武田委員 私が聞いているのは、地元の船がこういうふうな海上デモをして追い出したということは、要するに幾ら陳情してもやってくれなかったというそのじれったさがこういう行動に駆り立てたんだということを聞いているわけです。だとすれば、今後またそういうことが起こった場合に、そういう方々はまた同じような行動を繰り返さないとも限らない。そこでもしも万が一の事件、事故が起こったらどうするかという心配があるわけです。一番手っ取り早いのは、この間ああいうやり方でいったからわれわれはその後からいったらいいと思っているのではないかという勘ぐりもできます。そういうふうに地元の船が騒げばそれで円満解決というわけにいきません。そういう点で、取り締まりの問題というよりも、手ぬるい態度に地元の漁民の切ない思いが理解できないのかと私は思うのですが、その点どうでしょう。
○甚目説明員 そういった地元の操業の実態も把握しまして警備体制を強化して実施しておりまして、先ほど申しましたように、四月に入りまして以降は被害もほとんど皆無でございまして、先生御心配の状態は今後はないものと考えております。
○武田委員 それじゃ、そのとおり信頼して、次の問題へ移ります。 地すべり災害について二、三お聞きいたしますが、最近新聞紙上で見ますと、大変地すべりや落石の事故が発生しております。これから梅雨、こういう時期になりますと、非常に心配でございます。また地域によっては雪解けのなだれ現象によるそういうことも心配でございますが、最初に、昨年一年間の地すべりの災害の発生している状況、これは構造改善局関係の分だけでも結構ですので、どのくらいの地すべりが発生している、ことしに入ってからはどういう状態であるか、さらにまたその被害額はどれくらいあるか、こういう点について説明をしていただきたいと思います。
○森(整)政府委員 昨年一年間における地すべり災害による被害につきまして農林省関係を申し上げます。 農地で七十四カ所、農業用施設で二百三十九カ所、林地荒廃で六十一カ所、計三百七十四カ所でございます。被害額百二十一億ということに及んでおるわけでございます。これは大体風化しやすい特殊な地質条件のもとで集中豪雨なり融雪水等の要因が重なって災害が発生しておるということで、昨年の十七号台風の災害によります地すべり災害がこの典型であるというふうに考えております。われわれとしましては、毎年通達によりまして地すべり地域等危険個所の点検を行いまして、必要に応じまして適時適切な指導に努めておるところでございますが、地すべりの発生した地域、大規模なものにつきましては、その都度地すべりの対策の技術委員会というのを設けまして、被災原因の究明、地すべりの機構の綿密な調査というようなことを行いまして、災害復旧事業あるいは緊急治山事業等適切な地すべり防止対策を講じている次第でございます。
○武田委員 ところで、ことしの三月二十九日、富山県の氷見市五十谷地区、ここで地すべり災害が発生しておりまして、五世帯二十四人の被災、被害総額約十二億、田畑十四ヘクタール、山林二十ヘクタール等の被害がございました。この地域はどういう地域でございますか。
○森(整)政府委員 先生御指摘の氷見市五十谷地域の三月二十九日に起こりました地すべりでございますけれども、三十五ヘクタールにわたりまして約千二百メートル、幅三百メートル、断層面で三十ないし四十メートルという相当大規模な地すべりが起こっておりますが、この地域は非常に風化しやすい特殊な地質条件にあるようでございまして、農林省でも三十八年に地すべりの防止地域に指定をいたしまして、三十九年から四十四年にかけまして、当時といたしまして考えられる必要な地すべり対策事業を実施したわけでございます。しかし、今回の地すべりは、どうも地元の伝承記録上も動きがほとんど見られなかった個所の中央の尾根部に亀裂が生じまして、豪雪降雨等によって地すべりが発生いたしました。非常に大規模な地すべりに発達したというふうに推定をされておるわけでございます。
○武田委員 わが党から調査団が出まして、現地の情報を聞きますと、どうもこれはそういうものではない。というのは、実は三月十八日に水田に幅十センチ、長さ二十センチの亀裂が数カ所に発見された。それで地元の方々が、これは大変だということで通報して担当官に来てもらって調査してもらったが、その担当官のいわく、大したことない、これは部分的なことだと言って軽くあしらって帰った事実がある。この地域は、要するに危険な地盤であり、かつ国の指定地域としての危険な、そういう地すべりが起こりやすいという地域であるということは明らかである。そういうような認識というものがこの担当官になかったのではないかというような感じさえするというわけであります。しかもその後さらにこれがふえまして、再度今度調査依頼をしてようやく本格的な調査によって、大変危険だということで、二十九日になってやっと避難命令が出た、その直後に地すべりがあった、こういうような事実が調査によってわかっております。これは問題だと思うわけです。危険な地域であるということはあらかじめわかって、たとえそれが十センチ、二十センチと小さなものであっても、数カ所が出たという時点で、これは本格的な調査の上でその危険防止をする。万が一これが人災に及んだらどうするかということを考えたとき、これは国の、そして担当農政局の点検、チェックのなかったまことにずさんな姿ではないか、私はその責任は大きいと、こう思うのでございますが、いかがでございましょうか。
○森(整)政府委員 先生御指摘のように、一部徴候があったようでございます。そこで北陸農政局から現地に行っておりまして調査をしておりました。確かに調査しておった人自身がおりましたときに発生をいたしたわけでございます。そういうことでございますけれども、地すべり自身がどういうふうにこの地域で、どういう原因で、どういう形で起こったかということは、幸いに、これは後の始末でございますけれども、フイルムで全部状況が撮られておる。現地に行った者自身がそこまで急に起こるとは思わなかったということでございました。われわれといたしましても、古老等の話によりましても、いままで考えられなかった大規模な地すべりが発生しておるようでございます。県の段階で直ちに対策の技術委員会なりを設置をいたしまして、地すべりの機構の綿密な調査を行いまして、当面の応急措置あるいは今後の災害復旧計画、こういうことはもちろんでございますけれども、根本的にこの地すべり機構の解明を急ぎたいと考えておるわけでございます。一般的に申しまして、そう言ってはいけないのかもしれませんけれども、ここまでになりますと一種の地殻変動みたいな動きでございまして、いままで農林省としていいと思っていた事業自身が、もうそんなところではなしに、尾根から全部地すべりが起こったわけでございますから、いままでの知見ではなかなか承知できなかった事件が起こったというふうにわれわれ考えざるを得ないわけでございまして、今後さらに調査を行いまして究明をいたしたいと考えておる次第でございます。
○武田委員 こうした危険区域指定地域がたくさんあるわけです。そういう意味で、総点検をしながらこうした事故が未然に防げる体制をまずお願い申し上げたい。さらにもう一つは、対策事業費というのが非常に少ないような感じがしますので、その増額も考えなければいけない。さらにまた今回のその五十谷地域の方々に対する補償の問題も十分に私はお願いしておきたいと思います。 時間がございませんので、次の問題に進みます。 私、東京に来ましてもう半年くらいになるのですが、東京に来て食堂で食べた野菜に変な味がするのに気がつきました。ホウレンソウのお浸しを食べたら薬臭いということに二、三度ぶつかりました。その一回は私のいる九段の宿舎でありまして、これはどういうものか、私の舌がおかしくなったのか。私は宮城県の野菜のたくさんとれるところで新鮮なものを食ってきたので、それでおかしな野菜だなと思ったのですけれども、同僚議員から、どうもこれは薬が関係あるのじゃないかということをちらっと聞いたので、調べてみたら、どうも合成肥料、農薬の問題と関係あるのじゃないかということでございまして、その点を通して二、三の問題をお聞きしたいわけでございます。 いま土壌汚染というのは、第三の汚染ということで非常に問題になっているわけであります。化学肥料、農薬が大量に投下された、そのために農地が死滅の状態、さらにまた野菜の品質の低下というのは疑いのない事実です。そういうことを考えますと、これは直接人体に影響を及ぼす問題でございますし、人体の安全と、さらにまた農業の将来というものを考えたときに、真剣に考えなければならない問題の一つではないかと思います。 そこで、まずお聞きいたしますが、戦後、今日まで、化学肥料、農薬等がどのくらい投量されておるものか、もしわかったらその数字を教えていただきたいと思います。
○堀川政府委員 戦後と申しますが、これは年によりまして、戦後初期の時代は非常に少ない。だんだんふえてまいっておりまして、五十年では化学肥料の投下量は窒素系で六十三万八千トン、それから燐酸系で六十二万三千トン、それからカリ系で五十一万七千トン、計百七十七万八千トン、これは成分量であらわしております。それからなお農薬でございますが、農薬は近年六十万トン程度というふうに見ております。
○武田委員 何か一説によりますと、戦後約二億トン投下されたのではないかということでございますが、こうした大量の化学肥料、農薬の使用に対する農林省としての基本的な考え、特に安全性という問題からどのように考えておるか、お聞きしたいと思います。
○堀川政府委員 農薬の安全性の問題につきましては、先般の松くい虫関係の法案のときにもいろいろ御質疑ございましたが、まず登録制度の的確な運用ということで安全性を確保するということが第一でございます。その際、農林省といたしましても、できるだけ低毒性の農薬を開発して、そういうものが使われるようにという指導をやっておりまして、劇毒物法によりますところの毒物相当というようなものはなるべく農薬として販売することを目的として製造するというようなことは控えるようにという気持ちを持って指導しておるわけでございます。 なお、登録の仕方につきましては、毒性なり残留性、そういうものについてチェックをし、厳格な検査をした上で登録をしておる次第でございます。 なお、使用のやり方を誤りますといろいろ問題を生じてまいりますので、使用上の注意、あるいは使用方法を的確に守って使用をしていただく。なお、農薬の散布等による事故もございますので、安全使用について極力運動を展開すると同時に、各県にございます防除組織あるいは農民の防除組織、そういうものを活用いたしまして安全性の確保に努めておるところでございます。今後とも一層そういう方向を強めてまいりたいというふうに考えております。 それからなお、肥料につきましては、化学肥料の多投の弊害というようなことが非常に言われておるわけでございまして、地力保全対策の面からも重要でございますので、私どもといたしましては、全国的に土づくり運動を展開し、有機質の農用地への還元をできるだけ図る等の施策を今後とも強力に進めてまいりたいというように思っております。
○武田委員 昨年の六、七月ごろでしたか、東京都あるいは横浜等において野菜の中から高度の硝酸塩というのが発見された。しかもそれは異常な高濃度でありまして、たとえばホウレンソウの茎から最高五〇九五ppm、コマツナの茎からは七五三一ppm、そのほか、最近よく食べますセロリ、パセリ、こういうものからは六〇〇〇あるいは五七〇〇ppmというような最高の硝酸塩が発見された。しかも硝酸塩というのは、体内に入ると化学変化を起こして最終的に発がん性のある物質に変わるのだということがはっきりしておる。こういうものが高い数値で発見された。しかもそれについて厚生省の食品化学課の方では、そういう問題のセロリのような生で食べるものはこれらを一度に百グラム以上も食べるようなことは注意すべきであろう、要するに生野菜は大量にとらないようにした方がいいんじゃないかということを言っておる。ところが、いま食生活の変化というのは、生野菜をたくさん食べる人々が多くなってきたということを考えたときに、これに対してどういうふうに対処をしなければならないか、そういう問題意識を持って、さらにこれがどういうような過程で今日まで来ておるか、そういう研究が進められておると私は思うのでありますが、その点についてお伺いしたいと思います。
○北野説明員 野菜の中の硝酸塩につきましては、野菜の生育の段階あるいは野菜の部位あるいは収穫の時期あるいは環境条件、そういうものによっていろいろと違っておりますので、東京都の成績も、いまお聞きしたような数字が出たと思いますけれども、一概に最近の野菜が全部そのように高濃度のものが含まれておるとは限らない、われわれはそういうふうに思っております。 それで、硝酸塩がたくさん出ることにつきましては、施肥の問題で窒素肥料をたくさんやるとどうしても植物体内の硝酸塩が多くなるわけでございますけれども、多くなりましても、同化作用によりましてそれをほかの化合物に転換させることとバランスがとれておりますれば、硝酸塩の濃度は必ずしも高くならないというわけでございまして、栽培法なり施肥法の問題というのが研究されておりまして、なるべく硝酸塩含量が野菜の中で高くならないような研究をやっております。その研究につきましては、農業技術研究所あるいは野菜試験場、各地域の試験場等でやりまして、いろいろの作物につきまして施肥基準というものをつくりまして、経済的にもあるいは栽培上からもむだのないような施肥法をやるということになっています。 それで、なお中毒等の問題につきましては、一応人体におきましては硝酸態窒素は最終的には尿の中に排出されて害はない、そういうふうに一般に言われております。なお一部の外国の成績等によりますと、乳児等におきましては、野菜等を与えた場合に若干害があるというような成績もあるようでございますけれども、わが国においてはそのようなことはいままで実例はございません。なお、発がん性の問題等も一部では言われておりますけれども、理論的にはそういうプロセスも考えられますけれども、現実の問題としては恐らくないであろうというふうに私たちは考えています。
○武田委員 この硝酸塩が体内に入ると亜硝酸塩となる、こういうふうな変化を起こしますが、これは魚や肉、ハムなどでは五〇ppmですか、あるいは食肉ハムの場合七〇でしたか、そういうふうに使用量というのは制限され、たとえばタラコの場合、これは厳禁されているというわけです。ですから、野菜の中にこうしたものが七〇〇Oppmも検出されている。現在そういうものが何ら問題がないとしても、われわれとして心配なのはこれが慢性的な毒性というものになって、これから何年後かのあるとき、何らかの障害が起きるのではないかという心配はある。 しかも、その発がんの問題についてデータの一つの裏づけとしまして、戦後の化学肥料の使用量と肺臓がんの死亡率というのがどうも何か関係があるのじゃないかという、たとえば昭和二十二年の化学肥料の使用量が百五十万トンの時代ががんの死亡者が五千三百人、三十年に五百万トンと三倍にふえて八千五百人、五十年には一千万トンを超えて一万三千人、こういうふうにふえてきているという一つの事実がある。これは何かそうした因果関係があるのではないかという疑いもあるわけですが、この点についてはどうお考えでございますか。
○北野説明員 発がん率が高まったということはいろいろの原因があると思います。たとえば従来はがんであるというふうに診断できなかったものが、診断が進んでがんであるというふうに判定される場合もあるでございましょうし、いろいろの原因があると思いますけれども、ただいまの施肥量等の増加と相関があるから、施肥量がふえたことが発がん率が高まったということにつきましては、私たちははっきりとしたデータも持ち合わせておりませんが、世の中のいろいろの現象を組み合わせて考えた場合には、あるいは因果関係があって相関がある場合、あるいは直接因果関係がなくても同じような傾向を示して相関が見られる場合と、そういうものがあると思いますので、一概に私たちは施肥量の増加と発がん率の増加と関係があるというふうにはちょっと考えられないというふうに思います。
○武田委員 私はそういうような答えをいただいたとしても、たとえばこういうような一つの心配がある場合は、まあ恐らくいまずっと研究などもしていると思いますが、一つは常時検査するというふうな体制、さらにまた化学肥料を使った場合と使わない場合の硝酸塩の含有量を探るための栽培実験をするとか、あるいは大気中の窒素酸化物濃度と野菜中の硝酸塩濃度との相関関係を究明するというような作業というのは常時継続的に進めていく必要があり、その中で安全性というものをさらに確認していかなければならない、こういうふうに思いますが、現在そういう作業といいますか仕事というのは行われておりますか。
○北野説明員 野菜の中に多量の硝酸塩が残留しないような栽培方法、あるいは収穫、貯蔵中における取り扱いの方法、そういうものについては研究をやっておりますが、常時出回るもの等の監視につきましては、試験研究機関としてはいまのところタッチしておりません。
○武田委員 これはイギリスの例ですが、ある学校の給食に化学肥料を使った野菜を出していたときの子供というのは非常に病気が多かった。それをやめて自然の肥料にかえたら元気になって病気をしない子が多くなったというような外国の例もありますが、私はこれは外国の例だけで済まされない問題だと思う。それだけにやはりそういうような万全の体制というものを今後の課題としてぜひ私は要望しておきたいと思うのですが、いかがでございますか。
○羽田政府委員 もう何と言っても安全性ということは一番大切なことでございますので、厚生省の方なんかとも十分連絡をとりながら、安全性の高いものをつくり出していくことに、私ども指導してまいりたいというふうに思います。
○武田委員 肥料の量が非常にたくさん使われるようになったということを考えると、これは農林省の関係として専門技術員や普及員等の機関を通して何らかの指導体制を強化しながら、こうしたものが何らかの形で安心して栽培できるような形態といいますか体制というものは必要だと思うのです。そういう点で、いまのところは何もないからということで放置しておくわけにはいかない問題だと思いますが、農林省としましてもやはりそのための何らかの対策を考えていかなければならないと思います。その点につきましての今後の取り組み方について、何か考えがございましたらお聞きしたいと思うのでございます。
○堀川政府委員 先生の御所論は、お聞きをしておりますと、化学肥料特に窒素系の肥料を多くやることによって野菜の中に主として硝酸塩が多く含有されて、それが健康に非常に影響するとの前提に立っての御所論だと思うわけでございます。しかし、私ども肥料の施用の状況、これを窒素系の肥料について見ますと、十アール当たりでどのくらいやっておるかというFAOの統計もございます。営農形態が若干似ているということで比較をしてみますと、オランダなんか日本よりもはるかに多い、ベルギーも多い、西独もかなり多いというような状況がございまして、私どもそういう国国でも窒素系の肥料をやっておることが直ちに健康に影響するという観点でこれを制御するというようなことはやっておらないと思うわけでございます。これは厚生省に、硝酸塩が野菜中にかなり含まれた場合において、一体それは健康に影響するのかどうかということを伺ってみたことがございます。それによりますと心配ないというお話でございますので、その辺どういう理由でそうかということは私どもの所管で申し上げるのはいかがかと思いますが、いろいろと理由も申されておるわけであります。なおまた、外国の事例でも、これは一九六四年にジャクソンという人たちなどが研究をした結果でございますが、たとえば多い方で言いますと、セロリの中に二六一七から二九五八ppm、平均二七八六ppmの硝酸態窒素が含まれておったというような発表もございます。カブなどにもかなり入っておるという数値もございます。その後、これらの外国で野菜の摂取規制をしたという話も聞いておりませんし、いろいろ総合いたしますと、安全性の観点から現在の窒素系の肥料をこれ以上やるのは危険だとか抑制しろということを言うのは、まだまだ根拠に乏しいのではないかというふうに思っておる次第でございます。
○武田委員 時間が来ましたので最後に、今後の農業というのを考えたとき、やはり化学肥料にかわる肥料というのを考える必要があるし、また研究もなされておりますが、そういう今後のビジョンと言いますか、そういうものについて農林省の方にお聞きして私の質問を終わりにしたいと思います。
○川田政府委員 いま先生からお話がございましたけれども、農業というのはやはり自然の仕組みをうまく利用してやるのが農業だと思っております。特に土壌の場合には、御承知のように有機物と無機物とが合わさって土壌を構成いたしておりますから、両方についての養分の補給というのが十分必要だというように考えております。そういうことから、有機物というのは無機物の効果を高めるという観点もございますので、有機物を上手に使い、また無機物の肥料も上手に使う、そういうような農業の仕組みを今後考えていきたいと思っております。すでに土づくり運動等で、全国的にそういう考え方に基づいた合理的な農業の仕組みというものを徹底さすような努力もいたしておる次第でございます。
○今井委員長代理 野村光雄君。
○野村委員 去る四月一日の北海道における各新聞社の報道によりますと、本道、北海道の農業王国とも言われたホクレンの一連の農機具、機械さらに米麦等を入れております麻袋の取り扱い、これらに関します公取法違反の疑いによりまして勧告並びに警告が発せられたと報じております。そういう新聞を見まして、ただいま全道約十三万世帯に及びます純朴な農家が、長い間信頼の的でありましたホクレンに対し、いま大きな疑惑の眼を集中しております。 時間も余りございませんけれども、私は、今回のこの問題につきましてこれから、公正取引委員会並びに食糧庁、農林省、この三つにしぼりまして御質問いたしてまいります。 最初に、公正取引委員会の方に、この一連の実態に対して簡単明瞭に、どういうところが違反であったのかということ、その内容と現時点における対応策についてまずお伺いをいたしたいと思います。
○野上政府委員 ホクレンの問題につきましては、米麦用包装容器の故麻袋と農機具の販売につきまして昭和五十年の十二月からわれわれ審査を始めまして、結論が出て違反事実ありと認められまして、先月の三十一日に勧告書を送付いたしました。 その内容を申し上げますと、米麦用の包装容器である故麻袋につきましては昭和四十八年ごろから、主要な故麻袋業者四名と……(野村委員「簡単に必要なところだけ」と呼ぶ)米麦用故麻袋を供給するのにはホクレンを優先的に取り扱い、ホクレンの承諾なしには農協会員に販売しないこと、こういう条件をつけて故麻袋を取引している、これが不公正の取引方法に該当し、独占禁止法の十九条に違反する、こういうことでございます。 それから農業機械につきましては、北海道において農業機械を販売しております十一名について、やはり同様にホクレンに販売し直接需要者には販売しないように、仮に需要者に直接販売する場合には、ホクレンが定めました小売価格で販売するように、小売価格以下で販売した場合にはそれに相応する値引きをホクレンに対して行うこと、こういう直接販売の制限と小売価格の維持という二つの面を取り上げまして、やはり不公正な取引方法の八号に該当し、十九条に違反するという勧告をした次第でございます。 それから警告書につきましては、これらの問題につきまして審査している過程におきまして、直接需要者に販売することを阻止したり、あるいは値引き販売した場合に今後値引き販売をしないという誓約書をとったりした等、その取引を妨害している事例がございましたので、これについては不公正な取引方法に該当するおそれがありますので、今後こういうことを行わないようにということを警告いたしました。それにつきましてホクレンから十一日に、勧告に応諾するという回答が参っております。
○野村委員 はしなくも天下のホクレンさんも、公取委員会の数々の指摘に対して認めざるを得なくて応諾したようでございますけれども、この勧告書の内容に「同連合会は、会員及びその組合員に対し、第一項に基づいて採った措置を周知徹底させること。この周知徹底の方法については、あらかじめ、当委員会の承認を受けること。」これを向こうが受諾をしたわけですから、認めたわけですから、各会社と契約しておいたことを削除するなり対応策をとると思いますが、その場合に、公取委員会にあらかじめ承認を受けることとなっておりますけれども、先ほど申しましたようにこのホクレンの統括下に三百四名の単一協同組合があるわけですから、これに対して、こういう勧告を受けて違反の行為をやっておった、間違っておりました、これをはっきりせしめなければならないと同時に、全道十三万の農民にも、ホクレンとしてはこういう事実を行いまして公取委員会からこういう勧告を受けて、こういうことを改めることにいたしましたということを当然発表しなければいけないと私は思うのですが、その点についてのお考えをお聞きしたいと思います。
○野上政府委員 お手元に勧告書があると思いますが、第三項で「同連合会は、会員及びその組合員」となっておりまして、組合員も当然周知徹底の相手方になっています。
○野村委員 ただ、その周知徹底の方法はどういう方法をとらせようとしているのか。文書なのか、何か公文書によって公表するのか、その方法は。
○野上政府委員 それにつきましては、ホクレンがいかなる方法をもって周知徹底させるかということについては、われわれのところに原案を持ってまいりまして、その原案を認めるかどうか、これでは不十分であるとか、あるいはこれで十分であるということになると思います。
○野村委員 時間がないから、次に食糧庁にひとつお尋ねをいたします。 ホクレンはただいま言ったような勧告を受け、しかも昭和五十年度におきましてこの故麻袋を百六十三万七千枚取り扱いをした、こういうふうに新聞報道には発表なさっておりますけれども、食糧庁としてこういう事態を公正取引委員会の勧告書によって初めてわかったのか、それ以前にわかっていたのかどうなのか、この点を第一点に聞きたいということ、ホクレンが故麻袋を関係四者とこのような不当な売買契約を結んで後、どれぐらい売買の取り扱いをしておったのか、取り扱いの数量、それから亜麻袋一袋ごとに対する手数料はホクレンは一体何ぼ取っておったのか、この点をどの程度掌握していらっしゃるのかお伺いをいたしたいと思います。
○戸塚(金)政府委員 お答えいたします。 食糧庁がホクレンがそういう不公正な取引条件を行っておるという事実を知りましたのは、公取の事務局の方が五十一年六月の半ばごろ事情聴取においでになりましたときに知ったのが初めてでございます。それからどの程度取引が行われておるかということでございますが、いま先生がおっしゃいましたように、大体百六十万袋前後でございますが、さらに申し上げれば、四十八年が百九十九万五千袋それから四十九年が百七十六万一千袋、五十年が百六十二万六千袋、五十一年が大体二百四十万袋前後になるものと現在では承知をしております。 それから、どの程度口銭を取っておるかということでございますが、B袋で大体、四十八年、四十九年三円五十銭、五十年、五十一年三円九十銭前後でございます。一枚当たりでございます。
○野村委員 故麻袋の取り扱い手数料がいまのように発表になりました。ホクレン自身がこれだけの亜麻袋を一々業者から買い集めて歩いたり農家に配って歩いたり、私は恐らくホクレンさんというのはそういう仕事は全くやってない立場だろうと思うのです。それでいながら、これだけの膨大な二百四十万枚からの——北海道で年間平均大体八十万トンから米だけでもとれる。一手に引き受けて、これだけの故麻袋から、一枚三円五十銭から三円九十銭も手数料をとるというのは妥当なのかどうなのか、この点はどう認識されていますか。
○戸塚(金)政府委員 いま申し上げました手数料は大体二%前後でございますから、口銭としては必ずしも適正を欠くということはないと考えております。いまおっしゃられたのでござますが、故麻袋は御承知のように米屋さんの店頭で発生するわけでございます。それを集めてまいりまして修繕するところまでは修繕屋さんの仕事でございます。それを今度は買いまして、三百十幾つかの農協にきちんと米が集まりますまでの間に計画的に配布するというようなことはホクレンがやっているわけでございまして、これはなかなかの仕事だと思いますので、いま申し上げたような口銭、必ずしも不当だとは考えておりません。
○野村委員 時間がないから次に移りますが、農林省にお伺いします。 農業協同組合法第九十四条の四項によりますと、農業協同組合とか「中央会の業務又は会計の状況につき、毎年一回を常例として検査をしなければならない。」こういうことで、農林省は恐らくホクレンに対する年一回の会計の状況、業務の状況の検査をしてきたと思うのですけれども、いままでわからなかったのですか。
○今村(宣)政府委員 ホクレンに対します最近の検査は、昭和五十年の十一月に実施をいたしたのでございます。検査証は五十一年九月に交付いたしましたが、その検査証で指摘いたしました主なる事項は、一つは、自己資本の充実、資産の健全性の確保等の財務の改善、それから第二番目は、クーラーステーション、ハム・ソーセージ工場、食肉センター等の運営の改善、第三番目は、機械センターと共同会社の業務とホクレンの業務との調整、それから第四番目に手数料の決め方についての改善という指摘をいたしております。
○野村委員 公取から指摘を受けましたところの農業機械の取扱高というのは、これも新聞紙上によりますと昭和五十年、ホクレンが四百六十六億七千万円、これだけの金額を取引した、こういうふうに載っておりますけれども、先ほどの亜麻袋と同じように農林省としては、こういう農機具メーカーと不当な契約を結んで以後の取扱高、それからこの取り扱い農業機械に対する手数量はどの程度取っておったのか、この点お聞きしたいと思います。
○今村(宣)政府委員 五十年におきますホクレンの農機具の取扱高は、先生お話しのように四百六十六億七千三百万円であります。手数料は、五十年で十一億五千四百万円であります。
○野村委員 何%ですか。
○今村(宣)政府委員 ホクレンの手数料は大体二・四%程度に相なっております。
○野村委員 私がこの問題を通して道内のある農機具の小売店の実態を聞いたわけですけれども、これは農機具の小売店の申し分からいきますと、直接農家とどんな売買契約がされても必ずホクレンを通さなければ最終的に話がつかない。そういうことで必ずホクレンを通すと一四・三%の手数料を取られる。これはメーカーに対する利益も恐らく入っているのだろうと思いますよ、ホクレンだけではないと思います。しかも一つの事実を申しますと、昨年の売り上げをいたしました農業機械が、農家からは十一月二十五日付で一斉にこの農業機械の代金が農協を通じてホクレンに支払われている。ところが小売店に入ってくるのはことしの一月十五日、まる二カ月後でないと金が入ってこない、こういう実態になっております。そこで農林省としては先ほど申しましたように、いかなる大型農業機械を取引され購買されようとも、ホクレン自体は一切広報宣伝料または持ち運び輸送賃もかかってないわけですけれども、これだけの手数料を何らの手心も加えないで取るということに対しては妥当であるのかないのか、どのように認識していらっしゃるのですか。
○今村(宣)政府委員 一般的に農協の購買事業は、組合員が必要とする生産資材をまとめて購入しまして、専門的知識を有します農協の職員が交渉に当たることによって、価格及び品質面あるいはアフターサービス等、組合員が個別に行う場合よりも有利な条件を可能にするということを目的としております。したがいまして、その意味で農協が組合員の負託にこたえて必要な資材を一括購入するということは、これは組合農協運動の本旨であろうと思いますが、ただみずからの購買の努力を進めないで、形式的な組合の負託を背景にいたしまして、メーカーに対して農協を通じない資材の供給を行わないということを強制するということは、農協の購買事業から見て適当ではございませんし、またそのようなことがあることは遺憾なことでございます。したがいまして、本件につきましては公取委の勧告をホクレンが受諾したことから、その処理は公取委員会の指示のもとに適正に行われるものであると考えておりますが、農林省としましては、今後ともホクレンの事業運営が農協の購買事業の本旨にのっとりまして適正に行われ、二度とこのようなことのないように十分指導をしてまいりたいと考えております。
○野村委員 当然いまおっしゃいましたように、組合法第九十五条一項によると、各種の定めております会計とか取引規程とかこういうものに違反を認めるときは、一定期間を定めて必要な措置を命ずることができるという権限を持っているわけですから、私はこの際二度と再びこういう問題が起きないような厳正な指導と監督をすべきだと思いますが、具体的な措置としてはどういう措置をとろうとしているのかお考えをお聞きしたいと思いす。
○今村(宣)政府委員 本件につきましては、公正取引委員会の勧告をホクレンが受諾いたしたわけでございますから、今後公正取引委員会の方でいろいろな審査が行われ、先ほども御質問がありましたように、本件の組合及び組合員に対する周知徹底方につきましても、公正取引委員会の承認を受けて適正に行われるところでございます。したがいまして、今後このようなことのないようにホクレンとしても十分心がけるでございましょうし、また私たちとしましてもこのようなことが二度と起こらないように十分指導監督をいたしてまいりたいと考えております。ただ、そういうふうなことで処理していくわけでございますので、ここで農協法九十五条一項の規定に基づく必要措置命令を特に発する必要はないのではないかと考えておる次第でございます。
○野村委員 時間がなくなってまいりましたから、あとしぼってまいりますけれども、一番心配するのはホクレンが公取委員会から指摘されましたとおり、関係各企業会社と売買契約を結んでおりました違反の条項だけを削除した、これでは実態が改まらない、私はそこを心配しているわけです。そういうときに、結局は亜麻袋にいたしましても農業機械にいたしましても、中、零細の農業機械販売店が自由に取引できるという実態が出てこない限り、単なる上部階層団体だけの改正であってはならない。こういう点を、農機具の場合におきましては単一組合のみならず、この違反の実態というものを、正直にホクレンとしては、こういう違法的な売買契約をやって厳しい勧告を受けて改めましたという実態がわかるように、全道関係の農機具メーカーなり農機具小売店まで、この実態を周知徹底せしめなければ実体を伴った改善とはいえないと思うのですが、その点はどういうふうな周知をなさいますか。
○今村(宣)政府委員 本件の取り扱いにつきましては、先ほど公取の方からお話がございましたように、今後その周知の方法等につきましても、ホクレンがその原案を持参いたしまして公取と十分協議をされるところでございます。その周知の方法等につきましては、従来そういう事案に基づいて恐らくとってきたといいますか、あるいは公取がとることを承認したといいますか、そういう方法によって行われるものであると存じております。したがいまして、私たちはそういう公取の承認を得た周知徹底の方式につきまして、ホクレンが適正にそれを行っているかどうかにつきまして十分指導してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○野村委員 公取委員会に逆戻りいたしまして最後にもう一、二点お聞きしたいと思うのですけれども、一番問題になりますのはいま言った点でありますけれども、先ほどの御答弁を聞いておりますと、ホクレンがなるほど勧告を受諾して改める。しかし間違っていた事項に対しては、組合、全道関係者に対して周知徹底せしめるその方法については、ホクレンみずから何か考えて持ってくるだろう、その持ってきたのを見てから判断するんだ、こういう何となくせっかくここまで純朴な全農民なり農民団体のために厳正な勧告までなさった立場にしてみますと、最終的な総仕上げがどうもぼやけている。そういうところからまた次から次に全道で起きてくるのではないかと思うのです。これはいま言ったように一番大事だと私は思うのです。原則的には、これだけの広い地域と広い業者と多くの利用者に迷惑をかけていた実態である限りは、多くの人と多くの利用者に遺憾なくこれを周知徹底せしめていく基本的な方針が公取になくてはならないと思うのですけれども、その点があるのかないのか、全くなしにただ出てきたものを見て判断しようとしているのか、この点が一つと、北海道に起きましたこういう問題が、さらに全国各地に二度とあってはならないと思うので、これらに対する一連の対応策はどのように対応なさろうとしていらっしゃるのか、この二点を聞きたいと思います。
○野上政府委員 独占禁止法十九条の規定におきまして、不公正な取引方法を用いてはならない、これにつきましては差しとめを命ずることができるということが規定されております。われわれといたしましては、会員及びその組合員に対してこれを周知させなさいということを主文で命じております。それからその前項におきまして、ホクレンはこのような同趣旨の条件をつけて、今後故麻袋業者あるいは農機具業者と取引しないこと、今後こういうことをやってはいけないということにしておりまして、直接販売店にはこれに対する周知徹底を命じてはおりません。ただ、これは御承知のとおり新聞にも大きく取り上げられておりますし、農機具販売業者あるいは故麻袋業者においても十分承知できる状態にあるのではないか、こういうふうに考えております。
○野村委員 最後に、農業協同組合を指導監督の立場にあります農林省に対して、基本的なことを私はお聞きをしたいと思います。 農業協同組合というのは最近の状態を見ていますと、本来は農家のための組合でなければならないはずの農業協同組合がだんだんと企業化し、官僚化してきた、こういう点で農業協同組合の根本的な姿勢というものを改めていかねばならない重大な危機に来ていると思うのです。そういう基本的な姿勢の誤りから、純朴な多くの農民を利用して、こういう勧告を受けなければならないような事態を巻き起こした最大の要因があると思いますけれども、政務次官として、この農業協同組合の基本的な姿勢に対してどのように認識し、どのように改善しようとしていらっしゃるのか、次官の基本的な協同組合に対応する姿勢を伺いたいと思います。
○羽田政府委員 大変むずかしい御質問でございますけれども、ともかくこのたびの一件というものは大変遺憾に存じております。そして本来のいわゆる、いま先生からお話がございましたように、組合員、これは農家の皆さんでございますが、この皆さん方が本当に利益を得られる、それを促進するために本来の協同活動、これを進められるような体制というものをつくっていくために、われわれの方としても十分な指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○今井委員長代理 津川武一君。
○津川委員 農薬の問題と昨年度の東北、北海道の冷害問題について若干質問してみます。 そこで、たとえばリンゴだとか桑だとかサトウキビにはがんとも言うべき病気がございます。この病気に対して根本的な治療薬が開発されると、非常に農業が明るくなる。そこで、こういう農薬の開発に対して、農林省はどのようになさるのかをまず明らかにしていただきます。
○堀川政府委員 新しい安全性の高い、しかも効果のある農薬の開発という問題につきましては、近年登録制度の運用を見ておりますと、新規の農薬の登録件数は減少ぎみでございます。これは御案内のように、四十五年に法律改正ができまして、四十六年から実施しておるわけですか、安全性、残留性、そういった問題につきまして特に厳しい審査をすることにいたしておりまして、それの審査に耐えられるような試験を行い、ちゃんとパスするようなものにして申請をしてくるというのに相当の時間と経費がかかるという事情が影響しておろうと思います。そこで、やはり農業生産の維持、拡大のために、安全でしかも効果のある農薬を開発するということは重要でございますから、私どもはこの分野は役所の中では特に科学技術庁が大きな機能を果たすということになっておりますので、科学技術庁を初めといたしまして、関係の各省で連絡会議を開きまして、常時情報を交換して、できるだけそのような方向に業界等が動いてまいるように指導をしておると同時に、助成金の制度あるいは税制の優遇措置、それから開銀からの融資措置、こういうものも制度としてはございますので、的確なものがあれば、これらの制度の活用によって、先ほど申したようないい農薬が開発され、そして普及されるようにという姿勢で対処しておるところでございます。
○津川委員 よくわかりました。 それで、リンゴでございます。私はたびたびこの委員会で、また直接農林省と話し合いで、いま昭和六十年に百二十一万トンの生産を目指しているが、現実には腐乱病のために減りつつあります。もう九十万トンを割って八十五万トン。リンゴをその計画どおり伸ばしていくとすれば、腐乱病対策が欠かすことのできないものであるということは意見が一致しています。そこで、この腐乱病の根本治療薬の開発、これを理化学研究所に特別に要求し、理化学研究所でやっているか、これに対して農林省として補助金だとか委託費、研究費出しているか、出すつもりがこれからあるのか、この点、答えていただきます。
○堀川政府委員 腐乱病に効く農薬の開発の問題でございますが、現在理化学研究所でやっておりませんし、これは新しい安全性の高い、しかも効果的な農薬の開発というのは先生も御案内のように非常に時間のかかる話でございまして、化学物質は、いろいろ組み合わせも何万とございます。その中から特定の病気に効くやつを見つけ出すということに非常に手間暇かかりまして、これは業界でもいろいろ自主努力をやっておるわけでございますが、どういう形で公的機関が援助をするかということになってきますと、業界のやるべき機能を全部公的機関が代替をするというわけにもまいりませんので、この辺は今後の検討課題だというふうに思っております。
○津川委員 サトウキビの黒穂病、リンゴの腐乱病、これはそれぞれの研究機関で偶然に見つけるのじゃ問題が始まらない。そこで科学技術庁に私は特別研究を要求すべく申し込むべき時期が来ていると思うのですが、農林省にはまだその対策がないのですか。いまリンゴに対するたった一つの対策というならば、腐乱病対策だと思うのです。重ねてお答え願います。
○堀川政府委員 先ほどのような事情でもござますが、私どもといたしましては、科学技術庁すでにその点は相談を始めておるわけでございす。できるだけ御趣旨に沿えるように努力してまいりたいと思います。
○津川委員 そこで、農薬メーカーはかなり公害のあるものや問題のある新薬をつくり出して相当国民を困らせたので、四十六年から規制されたわけですが、今度は逆に、メーカーが自分の利益のために薬をつくらなくなったのがある。それは、これもリンゴのモニリア病のジクロンチウラム剤、いまの腐乱病の場合のリンゴの大問題はあのモニリア、一日のうちにかたかた、かたかたと花もみんなやられてしまう。これでどれほどリンゴの農民が破産したりするかわからなかった。それがジクロン剤ができてからこの問題から解放されたのです。本当によかったと思います。私たちはこのジクロン剤をつくってくれた人たちに大きな感謝を申し上げる。この薬は三共でつくっている。三年ごとにやるあの農薬の更新で、去年の十二月、これは更新されていない。そこでジクロン剤がつくれないわけです。モニリアが出たらどうなるかという問題なんです。リンゴの関係者が一生懸命苦労して、いまトップジンなんかを代用に使ってみると言っているけれども、効力が落ちる。十アール当たりに一回だと、トップジンだと九百円かかる、ジクロン剤だと二百八十八円。今度はメーカーがこの残留農薬の危険性を調べると一億円もかかる。その金が惜しいためにこの薬をつくらない。このメーカーをこのままにしておくのか。ジクロン剤をつくるようにメーカーと相談する、指導する、ここのために必要ならば助力してあげてもいいんじゃないかと思うのですが、この点は農林省いかがでございますか。
○堀川政府委員 ジクロンチウラム剤がモニリア病の特効薬として非常に普及したということは事実でございます。ただしかし、この農薬の登録更新の際に安全性につきましてのデータが出なかったということでございます。これは三カ月ほどの動物実験で、先生も御承知のように内臓にがんの前駆症状が出てくるという研究が発表されております。しかも最大無作用もわからなかった、計算できなかったということでございます。そういうことになりますと、農薬としての安全性を確保しなければならぬという世論の強い中で、しかとした説明資料、実験資料が出てこないのに登録を更新するわけには私どもまいらぬ。なお、これにかわる薬として従来は石灰硫黄合剤を、薬効は少のうございますが使っていたという経過もございますし、薬効がもう少しある薬といたしましては、いま先生の御指摘になりましたようなトップジンもあるわけでございます。これは薬効が若干落ちるということと、先生御指摘のように薬価が高いということが使用上の難点ということではあろうと思います。しかし代替農薬もある、安全性についての的確なる証明ができない農薬を登録更新というわけにはまいらぬ、こういう事情でもございますので、この点はできるだけ農家の使いやすい、コストの安価な、しかも安全性について疑いのない薬が業界の努力で一日も早くできるように、また政府機関もそのためにさっき申し上げましたいろいろの方法で応援をするということで対処してまいる以外にないのではないかというふうに思っております。
○津川委員 そこで、モニリアの駆除できる、安くて安全な薬の開発について農林省が援助する、こういう方針だと聞いていいのですが、問題のアメリカのOPPのときは国の費用で発がん性を研究しているんだ。いまリンゴのモニリアに対しては業者に任しておくという。そこで、このモニリアは昭和三十八年からやってきた。当然農林省なり国で、昭和三十八年から使ってきた、被害があったかどうかは調べなければならないのです。それを怠っておいて、いま今度これを使うなと言うことは、これもまた理に合わない。そこでもう一度繰り返しますが、モニリア駆除の新しい、安全で安い薬の開発をやるという、そこでそれはいいんだけれども、具体的にどういうことになっているか明らかにしていただきます。
○堀川政府委員 ただいまメーカーの方でモニリア病に効く薬ということで県等に委託試験をしておりますのが九農薬くらいございます。これはいま進行中でございまして、まだ結論は出ておりませんが、その進行の経過を見守りまして、私どももこれに応じて農林省としてとるべき対策ということを考えてまいりたいと思います。
○津川委員 ことし一年使う分があるから、ひとつそれを来年に間に合わせるようにスピードをかけてほしいということを申し入れて、次の方に移っていきます。 第二は、昨年の夏から秋にかけての東北、北海道を襲った冷害の対策であります。 ことしの農業白書は、五十一年産米不作の要因として幾つかのことを挙げておりますが、この中でこう言っております。適品種の選定、健康な苗の育成、適期の移植、適期の施肥などの肥培管理や水管理などの基本的な技術の励行が必ずしも十分に行われなかったきらいがある、このことが冷害を大きくしている面が見られる、こう皆さんが総括して指摘しております。私もそのとおりだと思います。 そこで、これからどうするかという問題であります。農民は基本的な技術の励行をやりたい。青森県の農業試験場の和田純二さんは、地力、水管理、土壌改良を含めた冷害の防災技術が体系化され、農民のものとなり、やれやれと思っていたのに、最近行われなくなった。だれがこれを行わせなかったか。専業では生活ができなくなり、兼業化し、農業が片手間になり、せっかくつくり上げた技術体系がくずれてしまったのだ。それを農林省は農民のせいにだけしている。この技術体系が農民の中にでき上がって、農民がつくり上げたものをだれが壊したかについてほとんど顧みない。生活の大部分を兼業収入に頼っている農家でも、農業収入をふやす施策が繰り広げられないと、冷害が繰り返されるだけだ。そこで、この技術体系を兼業農家にも施していかなければならない。ここに、冷害を防ぐこの間の冷害の教訓があるわけなんですが、この基本的な技術体系をいかにして農民のものにするか、特に兼業農家にこの点をどういうふうに援助、指導するのか、このことを明らかにしていただきます。
○川田政府委員 昨年の冷害は、先生御承知のように非常な低温でございまして、東北では八月の気温が平均で三度低かった、それから北海道では二度低かった。そういうことがございまして、特に稲作の技術の変化の過程にあるということとかみ合ってああいう状態が出てまいったわけでございます。そういうことで、私どもといたしましてはやはり稲作の技術を東北の農業の中に体系的にはめ込む、それには何が重要かといいますと、私たち考えておりますのは、やはり苗のつくり方というのが非常に重要でないかと思っております。それから同時に植えつける時期、それがまた一つ重要でないかと思っております。それからもう一つの問題は、稲には生育期間がございますから、冷害のひどいところには生育期間の短い稲を、そういうようなことを考えておりますが、そういう観点からいたしますと、いま一番大切にしなければいけないといいますのは、苗のつくり方が、東北の稲作の三〇%は共同育苗という形で行われております。そういうことで、その共同育苗を十分に管理するということと同時に、その共同育苗を中心として地域の技術の平準化あるいは組織化というようなことを通じて、稲作技術が東北の中で定着して生産が安定する方向に持っていきたいと考えております。
○津川委員 いまの答弁は農林省の繰り返した見解、農業白書に盛られた見解なんです。だから農民が怒っている。そんなことなんか農民は百も承知しているのです。私が冷害のときに見に行った青森県の西目屋の熊谷彰英さんという八十二歳になる篤農家ですが、水口品種、冷や水のかかる水口でことしは青立ちになってしまった、十五、六年前までは水口には特別のわせの耐冷性の品種を植えたのに、機械田植えになってからこうなっちゃった。農民は百も承知しているんだ。ばかでない、ちゃんと知っているんだ。それをやれないような農業、農政なんだ。あなたのいまの答えはそれなんだよ。百姓が何十年前から覚えておることをやれと言ってもやれなくなっている。だから兼業農家に、いまあなたが言ったことをどう指導するかと聞いているのですよ。この点、ひとつ答えていただきたい。 いま苗のことをはしなくも話したね。農民はこう言っているんだよ。苗というのは苗育てが半分、苗がよければもうそれで作がとれると言っているんだ。その苗を稚苗で、あの弱い双葉のものを寒冷地であろうがどこであろうがおっつけられるようなかっこうでやったから、今度のことが起きたと言っている。そんなことなんか覚えているんだよ。だから問題は、どうしてこの人たちに基本的な技術体系が行われるような農業をやるか、兼業農家をどのように育てて位置づけるのかと聞いている。白書に書いてあるような、お経みたいないままでの繰り返しの答弁は要らないんだよ。もう一回答えてください。
○堀川政府委員 白書にも述べておりますように、今回の深刻な冷害の原因はいろいろございます。先生のおっしゃったような兼業化の深化ということも大きな背景になっておろうかと思います。それからなお、近年大きな災害がなかったというようなことで、特に五十年産の米が非常に大豊作であったというようなことから、非常に安心をしてというか気が緩んでと申しますか、適地適品種の原則がおろそかになったということがまず基本的に一つあると思います。これは、東北地方に現在普及しております品種につきましては、当然のことながら耐冷性、耐病性ということを考えて、そういうものに品質、食味等の関連した形質付与ということもあわせた形で、一概に良質米が普及したからというふうには私ども見ておりません。 具体的に申し上げますと、たとえば代表的な銘柄品種とされております宮城県のササニシキでございますが、これは平たん部におきましていもち病回避をいたしました、つまり防除を的確にやったという農家では、ほぼ平年並みの収量を確保しているということもございます。ところが、山間、中山間地帯あるいは高冷地域、山の上というようなところに、たとえば平たん向きの品種が近年急に上がっていったというような事例もあるわけでございまして、そういうものが被害を大きくしている。それも栽培管理のやり方に非常につながっているわけでございまして、冷水がかりのたんぼでございますとか、それからさっき機械移植の問題が出ましたけれども、機械移植による被害も、これは機械移植そのものによる被害というよりもむしろ移植の適期を誤った、あるいは苗床の管理が悪くて不良苗を機械移植で持ち込んだというようなことが大きな原因であるというふうに見ております。しかし反面、機械移植に向かない地域で機械移植が行われたということも一つの大きな反省をしておりまして、これは各県々で機械移植の導入適地というものを決めて導入方針を決めておるわけでございますから、その導入方針に、関係の農家はもちろんでございますが、関係の者がすべて従うということをより以上徹底する必要がある。その点に私どもも指導の手抜かりがあったというふうに考えるわけでありまして、この点は昨年の十二月に農蚕園芸局長名で出しました通達の中にも明らかにしておるわけでございますが、今後具体的に指導を関係方面に対しまして強化をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○津川委員 だからぼくは具体的に、兼業農家にどういう指導をするのかと聞いている。いまササニシキの話が出たね。去年、宮城県に行ってみた。ササニシキで減収しない農家がある。これは、本当に肥料を何回も分割してやっている、水管理もずっとやっているのです。こういう人たちはササニシキで減収になっていない。ところが出かせぎに行っている人がササニシキを植えて、ものすごい減収になっている。だから、この出かせぎに行くような手が回らない兼業農家には、ササニシキは植えないで別なものを植えなさいという具体的な指導をせいと私が言っているのに、皆さんはそこを抜きにしてそういう返事をしている、こういうことなんです。そういう指導をする必要があると思うが、この点はどうか。 そこで、ササニシキで銘柄の作付が冷害の被害を多くしたとは一概に言えないと言っているが、これもひどい暴言なんだ。現に宮城県でササニシキのことしの植えつけはどうです。青森県で銘柄米として、うまい米として勧めたムツホナミの作付はどうです。農民は本能的にこの点をよく分けて、ちゃんと耐冷性のものを植えている。それに対して皆さんは、必ずしもササニシキは冷害を大きくしなかったと言っている。さらに、人によって違ったと言われているムツホナミとシモキタを植えたのは、あぜ一本隔ててうんと違っているのだ。ここのところを具体的に指導しなければならないのです。銘柄米の導入は今度の冷害に必ずしも関係ないなどと言っているから、農林省の言うとおりやるとひどい目に遭う、農林省の逆、逆といけばよろしい、こう言っているのです。そういう点で、銘柄米をどこのだれにつけさせるかという具体的な指導方針を出さなければ、この点で問題が出てくる。 その次は苗の問題、稚苗の問題です。これは何と言っても大変な問題になる。あなたたちは何と言っているか。「健全な苗をそれぞれの苗の種類に応じた適期に移植した場合には苗の種類による生育差は少なく、特に稚苗の機械移植で被害を」大きくしたとは見られない、何たる暴言かと言うのだ。青森県の藤坂の農業試験場が口を酸っぱくして言って歩いて、東北のこの地で稚苗はまだ無理だ、だから皆さんは稚苗をやめなさい、中苗にしなさいと言って指導して歩いたのです。その指導が必要なんです。皆さんのこの表でいくと、青森県の五十一年の稚苗が六%、岩手県が五六%。田植え機械のメーカーの好きほうだいに任せて、あのやりやすい稚苗をつくらせてどんどん機械で稚苗を植えたところは、岩手県は五六%だ。あの藤坂試験場の技師たちの苦労を見てごらんなさい。稚苗はまだ早いというのでやったところは、岩手が八二、青森県が九一です。こういう農民の単純な感情に対して、皆さんがこう言っている。したがって田植え機による稚苗の移植の適地——テレビのあの田植え機の宣伝見なさい。ああいう形でメーカー本位に稚苗の田植え機をむちゃくちゃに勧めることはやめさせなければならない。この点の指導をしないで、この点の対策を個個に考えないで、稚苗による影響はなかったと書いている、そこいらあたり反省していただけますか。出かせぎ、兼業農家に対する技術の指導、変種の導入、稚苗の機械に対する対策などを具体的に答えていただかなければならなくなりましたが、いかがでございますか。
○堀川政府委員 確かに兼業化の進展によりまして農家が守るべき基本技術が守られなくなったという傾向はございます。したがいまして、私どもとしましては、その辺は共同の力といいますか、組織の力でカバーするということを考えなければならぬだろう。現実に、たとえば例を引けば病害虫防除の問題でございますが、宮城県はかなり兼業化の進展はしておりますけれども、防除組織づくりに非常に熱心に取り組んでおりまして、もしあのような防除組織づくりがなかったとすればもっともっと大きな被害が起きただろう、こういうふうに思います。したがいまして、そういう生産組織の強化ということを通じまして基本技術ができるだけ守られるようにという仕組みを考えてみたいというのが一つでございます。 それから、第二点の銘柄米の問題、私の答弁、ちょっと言葉が足らなかったと思うわけでございます。たとえば秋田県で、トヨニシキとかそういう系統のものが必ずしも適当でないところへ上がってしまったという事例が見られます。というようなことで、これにつきましては各県本年産の米の作付については適品種の選定ということを皆心がけております。具体的な例を申し上げますと、岩手県あたりでは、今回被害を受けました地帯については、いままでは使っておりませんけれども、北海道である程度普及をしております品種、これは耐冷性が非常に強いわせ品種でございますが入れるという計画がございまして、計画どおりいけばある程度の普及が図られるだろうと思っておりますし、そういう品種の見直し、それから最後に先生の御指摘になりました稚苗機械移植の問題、これにつきましても機械移植の導入方針を各県がもう一遍見直して、そうしてその方針に反しないように農協も売り手の方も、販売承認権もございますが、県の方針に即して販売をするようにということは私どもも今後強力に呼びかけてまいりたいと思っております。
○津川委員 これで終わりますが、皆さんのこれに、高いところ、三百ないし六百メートルのところはひどい目に遭ったと言っている。私も岩手県の北部に行ってみた。山形県の最上川の上流にも行ってみた。阿武隈山系にも行ってみた。先生ここに何を植えればいいんですかと言う。高冷地でつくるもの、何をやってみてもだめなんだ。結局稲しかない。したがって、私たちが高いところに米を植えたといってわれわれをしかるんだったら、しかる前に、三百、四百、五百メートルのところで営めるような農業——高冷地野菜でもいい、畜産でもいい、そういうものを抜きにして、高いところで稲をつくったから罰が当たったというような意味のことを言われるのは心外だと言う。いま北海道の品種を持ってくるというが、これからも農民は耕地拡大のためにのどから手が出るほどほしい。したがって開墾しますよ。そこのところへ、何もほかのものがなければまた稲を植えますよ。そこで、こういう高冷地農業に適した作物、畑作などということに対してどんなふうな方針を立てているかを伺って、質問を終わります。
○堀川政府委員 これは農政全般にわたる問題ではございますが、私どもも先生のおっしゃるように、高冷地で必ずしも稲作に適しないという地帯でほかに適作目がないからまた仕方なしに米をつくるという姿をいつまでも続けるということは好ましくないと思っておりまして、先生御指摘のように、畜産経営でありますとか、その他その土地にあるいは市場条件に合ったようなものがあれば、できるだけそういう方向に誘導してまいりたい。水田の総合利用政策の中で、転作奨励補助金が今後一万円加算をして出ることになっておりますが、これは特定作目に限定をしてやる運用方針でおりますけれども、いま先生の御指摘のような、高冷地で今回相当被害を受けた特別地域につきましては、その対象の作目について条件を緩和いたしまして、特定作物以外でも一万円の特別加算がつくというような趣旨でさしあたりの誘導もやりたいというふうに考えております。 今後さらに息の長い長期取り組みを要する問題ではございますが、われわれとしてもそういう方向で省内で検討してまいりたいと思っております。
○津川委員 終わります。
○今井委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時二十七分散会