農林水産委員会 第13号
- 発言数
- 164 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/04/05
会議録
○山崎(平)委員長代理 これより会議を開きます。 委員長の指名により、私が委員長の職務を行います。 この際、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産業の振興に関する件につきまして、本日、日本道路公団理事吉田泰夫君、日本道路公団理事吉田喜市君、水資源開発公団理事山本弘君を参考人として出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎(平)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○山崎(平)委員長代理 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。美濃政市君。
○美濃委員 若干の質問をいたしたいと思いますが、まず第一に、オーストラリアとの粗糖の輸入取引に関する問題につきましてお尋ねいたしたいと思います。 質問に入る前に、これは協定書がございまして、通産大臣の認可を受けた日からということになっております。したがって、この協定には政府がタッチしておるということになるわけですが、その関連ですね。これは通産省の所管事項だとも思うわけですが、通産大臣が認可をしておる。農林省の食品流通局との関連、これはどうなっておるのか。
○杉山政府委員 砂糖の貿易に関しましては、これは自由ということになっております。したがいまして、民間が個別に契約して輸入するというたてまえのもとに取引が行われるわけでございますけれども、ただ、一括してカルテルで輸入するということになりますと、これは独占的な地位を持つことになるわけでございます。そこで、その内容につきまして政府がチェックする、そして通産大臣の認可を得て、輸入組合、カルテル組合を結成して一元的な輸入を図るということが行われるわけでございます。その観点から規制をしているという立場にあるわけでございます。
○美濃委員 そうすると、この協定をするときの国際糖価、そういうものから考えて、農林省としてはこの協定をどうお考えになりましたか。食品流通局ですから、農林省は砂糖の供給についても関知しないということじゃないのですよ。ですから政府としては、いま言ったようないわゆる法律上の問題は別として、実際上のこの協定ができたときの現況においてこの協定というものは好ましい協定であると考えたのか、あるいはそういうことはせぬ方がいいといって注意をしたのか、どうですか。
○杉山政府委員 御存じのように、四十八年から四十九年にかけまして石油パニック、一般的に国際的な資源問題が非常にやかましくなった時期でございますが、ほかに、穀物とか砂糖とか、これらの国際需給関係がきわめて逼迫した状況にありました。農林省といたしましても、これらの事態を考えて、砂糖なども含めまして基本的な食糧、これの安定確保を図ることはきわめて重要であるという考え方のもとに、長期的な安定確保を図るための方策、たとえば小麦とか大豆、飼料穀物につきましては、アメリカとの間で例の安倍・バッツ書簡、約束を取り交わすというようなことで安定確保を図ったわけでございます。それらと関連いたしまして、重要物資につきましては、民間におきましても長期的な安定確保の道を図るということを進めておったわけでございます。したがいまして、協定の内容で価格等の問題が残りまして、そして現在問題になっているわけでございますが、安定確保を図るための取引、契約を進めるということ自体は必要であるということで、これを指導したという事実はございます。
○美濃委員 そういたしますと、現在はまた国際糖価の条件が変わって、この契約でかなり苦しんでおる。一部には倒産する企業が出てきておる。取引内容を見ると、一九七五年の七月一日から始まって最終に終わるのが一九八〇年の六月三十日、この間に毎年六十万トン、五年でありますから三百万トンの長期契約が行われておる。ところが最近、精製糖企業で倒産するものも出てきておりますから、これはどういうふうになっていきますか。倒産する企業が出れば倒産しない会社が対オーストラリアと——これは日本の精糖工業会ですか、その契約している会社に倒産が出たような場合、その会社が契約しておる量はどうなっていくのですか。あるいはこういうふうに価格が違うと、そのほかにも契約不履行という行為が起きるのではないかということが懸念されますが、これは現在どのように掌握されておりますか。
○杉山政府委員 まず、価格一般の話でございますが、確かに契約締結当時、月々価格変動がございまして、ある特定時点だけをつかまえるのはいかがかとは思いますが、豪州と契約した価格のおおむね倍くらいの国際相場でございました。現在はこれがちょうど半分くらいということになっております。そのほかに為替の変動等もございまして、契約を取り交わす当時に比べますと、国際糖価は実質五分の一くらいに下がっているという状況にございます。 そういう状況でございますから、確かに見通しを誤ったといいますか、国際相場はそんなにひどく下がることはないであろうという前提のもとにいまの契約価格で入れることにした立場からいたしますと、これは企業としても経営上きわめて苦しい問題になることは当然明らかでございます。 ただ、一般的に企業の経営がむずかしくなるということの中には、コストが上がったということもございますけれども、そのコストの上昇分を製品価格で、つまり消費者にしょっていただけないというようなことも一つあり得るわけでございます。それから企業経営の合理化、経費節減といったような点でもいかがかという問題もあるわけでございます。会社の中には優劣いろいろあるわけでございまして、製品価格に転嫁し得ない、あるいはコストの合理化が図り得ないというようなこととも相まって、いま先生言われたようなコストアップが会社の経営に破綻を来すというような状況に至っているところが確かにございます。そこで、その次の御質問の趣旨でございますが、そういう会社が破産して豪州糖を引き取れなくなったときどうするかということ、これは先ほどお答えしました輸入カルテルというものを政府が認可して認めているわけでございます。その豪州糖に関する輸入カルテルは、いわば豪州側に対して共同して、連帯して責任を負うという性格のものでございます。したがいまして、カルテル構成員の中での後の求償権の問題等はございますが、破産して実際に引き取れなくなった場合、これは残りのまだ現存して経営しているものが共同でもってこれを引き取る、その割り振りについては改めて相談して決めるというようなことになるかと思います。
○美濃委員 こういう契約は国際信用上からも、やはり一たん契約したことでありますし、また私自身の考えは、局長は見通しの誤りと言うけれども、国際的にも砂糖が生産過剰で、そして需要と供給から発生するいまの砂糖価格というものは他の食糧商品のいかなるものと比較しても私は安いものだと思います。そういうふうに、やはり供給過剰から商品価値が暴落しておるものを対象に見通しの過ちと言ってみても、これは過ちかどうかということを聞こうというんじゃないですけれども、そういうふうに判断しないで、政府としても奨励してきた以上は、頭から介入して全部を見てやれというようなことを要求するものでは私はないけれども、倒産企業が出たりそういうふうになった場合に、政府もやはりこの契約に対して援助措置をとって、やはりこの契約を結んだときはそういう考えで政府も奨励し、こういう長期契約を結んでおかなければ砂糖の需給というのはきわめて不安定だ、六十万トンはやはりこの契約で確保するという、政府自体も民間契約に対してよかろうという、あるいは半ばそれはやった方がいいという相談に乗っている以上、困る問題が出たときには、特に最近私の聞いておるところでは、この契約をしておる中にどうにもならぬことで倒産する企業も出るようでありますが、そういうものを連帯契約だから残ったものが全部しょえというんじゃなくて、やはり政府としてしかるべき援助があってしかるべきでないか、こう思うのですけれどもいかがですか。
○杉山政府委員 砂糖がその経済的、実質的価値に比べていまの市価といいますか価格が低いではないか、私は先生御指摘のとおりだと思います。現在やっとカルテルを結成してどうにかコストをかつがつ償うような価格で売っているというのが現状でございまして、これを放置いたしますればコストを割るような、企業として経営が成り立たないような価格で売られていくだろうというふうに考えられます。これは消費者にも御理解いただいて正当な、コストを償うような価格で買っていただくということが必要ではないかというふうに考えます。そのような観点から、過当競争で業界自身ではなかなか価格維持ができないという事情にございますので、政府が砂糖の価格安定等に関する法律に基づく農林大臣の指示カルテルというものを結成いたさせまして、これは第一回は昨年十二月からこの二月まで三カ月、それから第二回はこの三月から五月までということでカルテルを結成いたさせまして、価格維持を図ったところでございます。 それから、見通しの誤りではないか云々ということについての御意見ございましたが、私は見通しの誤りというのは、国際価格については変動はあるとは思ったものの、当時の関係者は恐らく今日のように著しく供給過剰になって低い水準にまでなるとは思わなかったのではないか、その意味では見通しの誤りということを申し上げたわけでございます。ただ、企業経営の問題になりますと、問題は、先ほども申し上げましたように、原料の入手価格の問題だけではなくこれは確かに経営全体として対応しなければいけない。その一つとして、経営努力もありますが、特にこの豪州糖の長期契約に関しては政府も関与したではないか、その立場からすれば助成を考えてしかるべきだということ、政府としては、いまの制度の枠組みの中ではできるだけの手当てをするということで、カルテルもその一つでございます。さらに、豪州糖については糖安法に基づくところの調整金の徴収というものを免除するというようなことで、できるだけ経済的な負担の軽減を図るということもやってまいりました。それと、現在豪州との間で、これはクイーンズランド州政府の代理人としてCSRという会社がございますが、ここから供給を仰いでいるわけです。そのCSR社と日本の輸入カルテルを結んだ精糖企業との間で現在値引き交渉を行っておるわけでございます。その値引き交渉につきまして、政府におきましても、政府ベースでその交渉が円滑に進められるよう各般の会合等を持ちまして、助成するといいますか、援助するということをいたしておるわけでございます。
○美濃委員 最後にお話しございましたが、こういう経済行為でありますから値引き交渉も行われるのもよろしいと思います。それは結構だと思いますけれども、これは最後に政務次官、いずれにしてもやはり政府としてもう少し積極的に、これはおかしくすると国際信用に関する問題に発展するわけですから、そうならないように、やはり私は契約はあのときの時点だって間違っていないと思うのです。行われた契約というものは正しく行われておるのだ、だから、合意に基づく値引き交渉も結構です。ただ、余り国際価格上だけの問題で国際信用力に関する問題が起きるようなことのないように、政府としてもひとつ十分援助するようなあるいはまたそれぞれ業界を指導するような体制をもう少し積極的にやってもらいたい、こう思います。御意見を承りたいと思います。
○羽田政府委員 ただいま先生から御指摘ございましたように、また局長からも御答弁申し上げましたように、業界は非常に巨額な赤字を抱えておるというのが今日の現状でございます。そういった状況の中で、いま先生のお話がございましたように、まさに豪州というのは大変大切な相手でもございますから、その点につきまして政府の方といたしましても積極的に豪州の方との話し合い、そういったものについての指導あるいはこれからの業界の構造改革、こういった面についても十分な指導をしてまいりたいというふうに存じております。
○美濃委員 次に畜産問題で若干質問いたしたいと思いますが、まことに残念ながらこの食肉あるいは加工原料乳の生産者価格の決定については、国会における決議の趣旨もほとんど生かされておりませんし、私どもとしてはまことに遺憾のきわみであると申し上げざるを得ないのですが、その程度で、終わった後でありますから価格問題は触れません。 きょうは、需給問題が少し心配でありますから、食肉についても、需給関係がうまくいけばわりかた生産者価格は政府の指定価格以上に推移することもありますし、また価格は高く決めても、どんどん輸入してだぶつき状態、輸入品と両方合わせて過剰供給にすれば、絶えず政府の支持価格を下回ってしまって、結果はそれが生産者の取引に影響を及ぼしてくる、こういう現象が起きますから、きょうは需給関係について尋ねておきたいと思います。 まず第一に、肉の関係についてお尋ねしたいと思いますが、ことしの春先からオーストラリア等の肉の取引交渉があり、ことしの食肉関係でまず最初にお尋ねしたいことは、どれだけ輸入が計画されておるのか。これを最初にお尋ねいたしたいと思います。このままでいけば何ぼぐらい輸入になるのか。他の品目はよろしゅうございますから、この際牛肉と豚肉についてだけでよろしゅうございます。
○石田説明員 お尋ねの牛肉でございますが、これは割り当て制になっておりまして、国内生産を優先しまして足りない分を割り当てる、こういうたてまえになっておることは先生御承知のとおりでございますが、いま価格が終わったところでございまして、来年度幾ら入れるかということは目下作業中でございます。価格安定制度のたてまえからいたしましても、牛肉につきましては、国内生産だけで必ずしも国内の需要を賄い切れないということで、輸入を前提にいたしております。そういうことでございますから、若干の量の輸入をすることはもう当然でございますけれども、数量についてはまだ作業中でございます。 それから、豚肉につきましては、これは自由化されておりますので、輸入は自由でございますが、御承知のように国際価格と国内価格とにそれほど差がございませんので、そう自由に洪水のように入ってくるものでもございませんし、もし安定帯価格を超えて国内価格が上昇したような場合には関税の減免をする、こういうような措置があるわけでございますが、目下のところ価格はほぼ堅調でございますし、豚肉については関税の減免等をして輸入を図るというような事態にはございません。
○美濃委員 もう一回牛肉関係についてお尋ねしたいのですが、私どもの感じは、貿易に絡んで足りない以上の牛肉の輸入が押しつけられるということでしょうか、相手の国から押しつけられる、それを政治的に受け入れ消化をしようとする動きがあるように私どもは思うわけですが、その関係はどうですか。
○石田説明員 五十一年度の下期の割り当てに際しましては、豪州側とでかなりトラブルがあったことは確かでございます。しかし豪州に対してのみわが国は割り当てしておるわけではございませんので、これはグローバルの割り当てをしておるわけでございますが、実際問題として、わが国の輸入の牛肉の約八割は豪州が受け持っております。そういう関係で、豪州としては大変わが国に対して牛肉の輸出に関心があるわけでございます。昨年も下期の割り当ての際には最初二万トンの暫定割り当てをし、その後追加の分でいろいろあったわけでございますが、一万五千トンを後で追加したといういきさつは先生方御存じのとおりでございます。一万五千トン、合計いたしまして下期三万五千トン、前期の四万五千トンと合計いたしますと八万トンでございましたが、五十一年度の安定帯価格、これに比べまして国内価格の実勢価格は中心価格と上位価格の大体中ほどに推移した。この推移を見ましても、割り当てた数量は必ずしも過分でなかったというふうに考えておりますし、確かに第二次製品の輸出との絡みでいろいろ問題は起きましたけれども、農林省としては、国内生産を第一に考えて、必要な量を割り当てるという努力をいたしましたし、そういう方針を貫いたわけでございます。
○美濃委員 最近この二、三年の平均でよろしゅうございますが、牛肉が一応国内生産で足りない、どのぐらいの量が輸入されることが適正だとお考えになっておりますか。ことしの畜審に出した資料を見ても、牛肉の輸入というのが、たとえば四十八年には、これは十三万六千トンですか、ものすごい輸入ですね。これは大暴落したときですが、その後遺症が残って、肥育経営農家に緊急融資をしたり何かして、それかと思うとその次の年、四十九年は二万七千、五十年は六万三千。四十五年、四十六年ごろの実績ということになると、大分状況が違うと思います。八万トンという輸入は、四十八年を除いたらちょっとないわけですね。八万トンそのものも多過ぎるのではないか、こう思うわけです。最近の資料をずっと見ても、八万トンという輸入実績は余りないわけです。しかしそれは五十一年でしたので、まだ五十一年度中ですから、これから三万六千トン、まだ全部入ってないでしょう、入ってくれば、持ち越しになって、いわゆる滞貨量になっていくのではないかと私は思うのですがね。すでに五十二年度に消費を持ち越されて、滞貨量になっていくのではないか。五十二年度の輸入は思い切って削減せんければ、過去の実績等から見ると、これらを平均してみると、大体八万トンもの量にならぬわけです。そうすると、下期の輸入量というものは五十二年度に持ち越される、消費は繰り延べになる。繰り延べになれば、なったように、五十二年慶の輸入で調整をしなければ、五十二年度もまた八万トンだ、九万トンだと言っておったら、これはかなりの供給過剰になって、また大暴落という原因が起きてきて、そして牛肉生産農家を壊滅の経済状態に押し込む。こういうことが起きないとは言えないのです。どうですか、その点。
○石田説明員 牛肉の輸入は、先ほど申し上げましたように、会計年度ごとに上下に分けて割り当ていたしておりますが、実際入ってまいりますのは、これは主として事業団が担当いたしますが、計画的に輸入いたしておりますし、また年度を越えて入ってくるものもかなりございますので、割り当て量と輸入された数字とは必ずしも一致いたしません。あるときには、ある年度に片寄りまして、十万トンをオーバーするということも過去にもございました。それから非常に少なくなっている年度もあるわけでございますが、平均いたしまして、輸入を再開いたしましたのが五十年でございますが、五十年が七万五千トン、五十一年が八万トンでございます。輸入を停止いたします前には、かなり、十六万トンというのを一回割り当てて、それの凍結をしたというような事実がございます。畜産危機後、再開してちょうど二年たっているわけでございますが、七万五千トンと八万トンの割り当て、それが先生先ほどお挙げになりましたように、年度によっては実は入っている数字は若干違っているわけでございます。ただ、牛肉の輸入につきましては、事業団がその大部分を輸入いたしておりますが、輸入いたしましても直ちにこれを放出しなければならないというものでもございませんので、国内価格に与える影響等を考えまして、今後は輸入も計画的にやり、かつ放出も計画的にやるということを考えておりますので、国内価格には大きな影響を与えることはないというふうに考えます。
○美濃委員 一応私は肉についてはこの程度にしておきます。ただ、繰り返し申し上げておきますが、もし輸入滞貨が出るような状況が起きた場合には、そのときは私どももやはり国内農家の経済が大切でありますから、畜産局の首脳の方には責任をとってもらうというだけのことで、これから監視とは申しませんけれども、十分注意をして絶えず見ておる、こういう考えでおります。影響は受けないというのですから、一応きょうの場合はそれを信用して、起きないものとしておきますけれども、起きた場合には局長以下、審議官も首脳でありますから、あなた方は国会で起きないと言った以上、起きるような状況を起こした場合の責任というものは、もう少しやはりしっかりして行政を担当してもらわなければならぬと思いますから、その点は今後私どもも少しきつくひとつそういうものを見守っていきたいと思います。 それから乳製品について同じ需給関係でお尋ねしたいのですが、えさ用脱粉というものが最近急激に増加してきておる。これはえさ用として入ってくる脱粉が化けていないのかという心配があるわけです。えさ用ですから化けるということはなかろうと思いますけれども、これは絶対化けることがないように、どういう条件でどういうふうになって入ってきておるか、説明をしてもらいたいと思います。 それから第二に、その他の脱脂粉乳ですが、これも五十一年度で二万二千トン、かなり量が多くなっている。第三点は、ナチュラルチーズが五十一年度輸入数量五万五千トン。日本のチーズの実績消費量に対して、前からそうなんでありますけれども、輸入が多い。四十九年四万六千、五十年四万八千。そうすると約七、八千トン多くなってきますね。悪くすると、国内でつくっておるチーズというものは、価格条件もあるでしょうが、これだけチーズの輸入量が近い年限で七千トンも八千トンも一挙に増加するということは、これは国内産がそれだけ減少しておるんではないか。国内産のチーズの製造が減少すると、それは指定乳製品の方に出てきますから、結局限度量が足らぬなどという問題に転嫁しちゃう。これが第二の問題です。 それからもう一つは、限度数量という表現が出ましたから、それをもう一つ聞いておきたいと思うが、限度数量が百五十八万トン、二十万トン限度数量をふやしたことは、限度数量が切れるとまた生産者に影響を与えますから、それはそれとして、そういう一連の傾向の中から、片や還元乳も減らない、あるいは個所によっては増加する傾向もある。これが一つ。 それから第二は、いま申し上げたように、その他脱脂粉乳だとかあるいはチーズなどというものの輸入量が増加してくる。去年全国平均が一〇六・一の生産量の増加になって、飲用乳も一〇六%の増加にはなっておるわけですね。そうすると飲用乳から加工乳に大きく用途が、生乳の生産量が増加した分が飲用乳の減少あるいは停滞によって加工原料乳がふえたというものじゃないんじゃないか。すると昨年十五万トンほどふえた原因は、もちろん加工原料乳もふえておりますから生産のふえた原因もあるけれども、十五万トン全部が生産の増加によるものじゃなくて、結局六%しか全国平均でふえていないのでありますから、飲用乳が六%消費が伸びておるということになれば、結局十五万トンも加工原料乳がふえる。その原因は、やはりこういうところに原因があるんではないかと私は思うわけですね。やはり輸入乳製品の増加だ。こういうところに原因があるんじゃないか。その原因をそのままにしておいて限度量だけふやせば、結局ことしだぶつくという問題が起きやせぬか。国内産乳製品をしてあの指標価格で事業団が買い入れをしなければならぬ現象が起きやしないか、こういう懸念が起きてくるわけです。そういう点をおろそかにして、ただ限度量だけ伸ばして、生産者には補給金を払ってやればいいんじゃないかというものじゃないと思うんですね。やはり政府としては、補給金を払ってつくった乳製品が、政策の意図する指標価格で順調に国内で消化されるという点にも重点を置かなければならぬと思います。そこに私が申し上げたように、まずチーズの問題、それから還元乳の問題、そういう問題が若干絡んできておるんじゃないかと思うんですね。全部だとは申しませんが、どうも絡んできておる傾向があるように思えてしようがないわけですね。それが絡んできておることしでも、またそういう傾向が起きてくる。あるいはもう一つは、事業団の助成勘定の問題です。差益が発生して助成勘定に金が出てくることはいいけれども、いいとは思いませんが、そういう事業団の助成勘定に大きな金が事業団の決算から出てくるということは、乳製品の輸入が増大しておるからだ。それも全く不足で、国内乳製品の過剰傾向が起きないで来ておるのであれば、それは順ざやですからとやかく言わぬけれども、その裏には国内乳製品がだぶついて、何かこの前価格を聞いたときも、畜産局長は、余り価格を上げて刺激をすれば、生産が過剰になるというような表現をしておる。そういう点の一連の関連に対して、私はいま申し上げたような一つの疑いを持っておるわけです。その点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○石田説明員 最初にお挙げになりました五十一年度の問題でございますが、えさ用の脱脂粉乳でございます。これはわれわれ需給を見通す場合に見込んでないわけでございます。これは畜産農家の強い要望によりまして安いものを入れておるわけでございまして、最近のように、穀物飼料は値が下がっておりますけれども、たん白質系のものは非常に上がっております。それにかわるものとして脱脂粉乳のかなりのものを、要望があるわけでございますので入れておるわけでございまして、国内ではそういうものを生産いたしておりませんので、これの輸入がふえるということによって国内の脱脂粉乳を圧迫するということはないわけでございます。 それからナチュラルチーズでございますが、これがふえましても、御承知のように、これは国内のものと合わせましてプロセスチーズをつくるために税法上の恩典を与えておるわけでございますので、これがふえるということは国内のプロセスチーズがふえるということであって、それの見合いのチーズ向けの加工原料乳がはけるということになりますので、これはむしろ、まあ無制限にふえることは好ましいわけではございませんけれども、決して国内の需給に悪影響を与えるものではないわけでございます。 それから、還元乳をお挙げになりましたが、還元乳についての取り扱いは、先生御承知のとおりでございますが、五十一年度を見ますと大変これが減っておるわけでございます。前年の半分にもなっているわけでございまして、最近は還元乳が非常に減っております。五十二年度がどうであるかはまた別でございますが、五十一年度を見る限りにおいては減っておりますので、こういうものが五十一年度の需給に悪影響を与えたとは実は考えていないわけでございまして、大変生産に好条件であったということ、非常に生乳生産の条件が恵まれたということと、それから、必ずしも夏が暑くなかったわけでございますから飲用乳が伸びなかった。この差が乳製品向けに行っておるわけでございまして、現在のところ乳製品の在庫もかなりふえております。 そういうこともございますので、五十二年度の安定指標価格を定める際には、将来の価格の推移も見まして据え置き等を図ったわけでございまして、五十二年度は乳製品の需給に注意いたしまして操作もいたしますし、価格も決めた次第でございます。 ただし、これから五十二年度は、天候等にもまた影響されることでございましょうから、多少の当初見通しとの間に差は出てくると思いますけれども、これは五十一年度は、先生御承知のようにバター等につきましては輸入をすでに停止いたしております。そういうこともございますので、価格もほどほどのところにとどまっておるわけでございますが、五十二年度につきましては、事業団を通じまして国内価格に悪影響を与えないような操作をしていきたいと考えております。
○美濃委員 時間が参りましたので、これで終わります。
○山崎(平)委員長代理 竹内猛君。
○竹内(猛)委員 私は、先般の予算委員会の第五分科会において、建設省に対して幾つかの質問をした問題に関連して、一つは霞ケ浦の総合開発に伴う漁業補償の問題、続いて常磐高速道路に関する土地の取り扱いの問題、それと、ある町の中で起きている土地改良事業をめぐる、先に行った改良地域と後において行った地域との間における被害関係の問題について質問をします。 最初に、建設省関係にお伺いしますが、霞ケ浦の総合開発が進められておる中で、漁業補償の実態についてお尋ねをしたいと思います。 先般の分科会では、建設省の河川局長が、現在は主な漁業補償も妥結し、順調に事業が進捗しておる。それで、この霞ケ浦総合開発に関する事業は、治水面あるいは利水の面において重要性がある。それで今後、昭和五十八年に完成をする、こういうような発言がありました。 この漁業補償については、国会法に基づいてわが党の小川国彦委員も文書で質問をし回答を求めているようでありますが、まだ回答が出ているかどうかわかりませんけれども、そのことも含めて、やや同じようなことになろうかと思いますが、この補償の基準、対象、数量、こういうものはどういうふうになっておるのかということをまずお伺いします。
○山本参考人 水資源開発公団の補償を担当しておる山本理事でございますが、ただいまの竹内先生の御質問に対してお答えをいたします。 霞ケ浦の開発事業に関連をする漁業補償は、全部済んでいるわけではございません。がしかし、その最も根幹をなす常陸川水門を締め切ることによって生ずる漁業被害について、補償を一応四十九年の末から五十年の初めにかけて終わっております。 なお、今後の問題といたしましては、逆水門の締め切りに伴います千葉県側の利根川下流の漁業協同組合の漁業権に対する影響あるいは千葉県側の与田浦方面の漁業の問題につきまして、なお今後の問題として残されております。また、一部真珠養殖協同組合の補償についてもまだ終わっておりません。さらに、網、生けす等の補償についても今後の問題でございます。 いままで終わりました補償について、対象なりあるいは補償の基準というふうなものにつきましてのお尋ねでございますが、対象といたしましては、これは昭和三十七年の公共用地の取得に関する補償基準要綱に基づいて措置をいたしておるのでございます。すなわち、漁業補償といたしましては、漁業権並びに許可漁業を対象として、この権利者であるところの漁業協同組合並びに許可を受けた者に補償を行っておるのでございます。 それから算定の基準でございますが、これも同じく先ほど申しました閣議決定による要綱に基づきまして、消滅あるいは制限をされる漁業権等に関する補償を行ったのでございます。そしてさらに、権利補償に伴いまして、通常いわゆる権利の消滅とかあるいは制限に伴って生ずる損失補償もあわせて補償を行っておるのでございます。
○竹内(猛)委員 昭和三十七年の公共用地の取得に関する基準という形をいま話されましたが、それの法律的な基礎というものはあるのかどうか。
○山本参考人 お答えいたします。 法的な基礎というお尋ねでございますが、これはもちろん閣議決定でございまして、いわゆる法律その他のものではございませんけれども、およそ国あるいは政府の関係機関なりが、あるいはまたこの要綱は、公共事業をいわゆる公共体が行う場合に準拠すべきものとされておるのでございますが、およそ公共事業を行う場合におきますところの損失基準の算定についてはこの要綱によることとされておるのでございます。
○竹内(猛)委員 これは小川委員の文書による質問の中にもあったけれども、漁具も漁船も持たない者が三百万円以上も補償を受けているというのが千葉県の方にはあるようです。小川委員は十二項目の質問をしておりますが、私の調べたところでも、茨城県の側の方においてもレジャー的な魚とりあるいは日曜にときどき出ていって釣りをするというような者が、権利があるという理由だけで莫大な補償をもらっているということになっている。これは後で補償の内容について、補償をした漁家の数あるいは額、こういうようなものについて、これはひとつ届けてもらいたいし、ぜひこの点を明らかにしてもらいたい。非常に不明朗なものがあるということを指摘をされております。
○山本参考人 実は先ほどから申し上げている漁業権の補償は、漁業権そのものは漁業協同組合が持っておるのでございまして、その組合を構成しておる組合員に対する配分は実は当公団といたしましては起業者といたしましてタッチはいたしておりません。交渉に先立ちまして、大体組合長に対しまして組合員が交渉の権限なり妥結の権限なり、妥結した場合における金額を受け取ること、それからその配分に関すること、こういったものは委任状の形で出されております。そういったものを確認をいたした上で交渉に臨んでおるわけでございます。 妥結しましたものはあくまで組合の有する漁業権に対する対価なり通損的被害を合わせたものでございますが、組合長はこの場合に、受領の権限なり配分の権限の委任を受けておりますが、実際問題としましては、補償額が決定して受領してからは配分委員会等の組織というのですか、そういったものをつくりまして配分をいたしておるわけでございまして、いま先生が御指摘のようなことにつきましては、私の方といたしましては組合の内部の自治的と申しますか、配分の問題として直接タッチしてはいないのでございます。
○竹内(猛)委員 大変末端に不明朗なものがあるということだけをまず申し上げておくと同時に、それならば、この補償の総額、それからどういう項目が補償の対象になったかということで、総額と、項目を明らかにされたい。
○山本参考人 補償の総額でございますが、これは海面区、内水面あわせて合計百三十四億一千万というふうになっております。 それから補償の内容と申しますか、これは先ほど大ざっぱな言い方で権利補償と通損だと申しましたが、消滅または制限をする漁業権に関する補償につきましては基準要綱によりまして、当該漁業権を行使して得られる収益を資本還元した額に被害の程度を乗じた額とするというふうになっておるのでございます。そしてその収益の算定に当たりましては、漁獲量、魚価、純収益率等について漁業者、仲買人等に対して行った実態調査資料を基礎として算定することといたしております。さらに、漁獲量につきましてはこれに農林統計の資料を参酌して決めております。 また、被害の程度でございますが、これにつきましては日本水産資源保護協会に委託しまして、水産資源保護協会におきましては学識経験者等を動員をいたしましてこの影響調査を行ったのでございますが、この調査結果を基礎にいたしまして組合と交渉いたしたのでございます。 それから通損の問題につきましては、この権利の消滅あるいは制限に伴いまして通常生ずるであろうところの損失について行ったのでございます。これは大体三カ年の所得額を通損として補償いたしております。 以上でございます。
○竹内(猛)委員 この問題は非常に細かい問題だから、後でぜひ資料を届けてもらいたい。 それから次に真珠養殖に関して質問します。 真珠養殖者には移転補償として一人当たり六千万から八千万の金が出されているということになっているけれども、これは本当かどうか。
○山本参考人 先ほど真珠養殖の補償について一部残っておると申しましたが、すでに補償したのは二業者ございます。それに対しまして一億三千万でございます。
○竹内(猛)委員 この真珠は、すでに霞ケ浦の総合開発が計画をされて、やがて補償しなければならないということが明らかになっているのに、これをどうして認可をしたのか。霞ケ浦が必ずしも真珠の養殖に適当な地域であるとは思えないにもかかわらず、あるいは補償を取るためにやったと言われても仕方がない。なぜこれを認可をしたか。
○佐藤説明員 先生御指摘の養殖真珠業者の認可というお話は、河川法上の占用許可のことを指しておられると思いますので、それについてお答えを申し上げます。 今回、水資源開発公団が補償を行いました真珠養殖業者に対します河川管理者としての茨城県知事の河川法に基づく占用許可でございますが、これは昭和四十年の二月に行われております。その時点におきましては、霞ケ浦開発事業の構想というものはございましたけれども、まだ現実具体のものとはなっておりません時点でございましたので、占用許可を行ったものと考えております。
○竹内(猛)委員 この点もまたきわめて不明朗なものがあると言わなければならない。明らかに総合開発計画が示されている段階で開発の許可をし、ここが適当である地域かどうか、真珠というものは重要な産業ではないと私は思う、そういうようなものに対して莫大な補償を出さなければならないということがわかっていながら許可したということについては不明朗だ。これはまた後で……。 続いて、第二次加工業者、つまり霞ケ浦の魚を加工している者については一切補償をしていない。それは法律的にそういうふうになっているかもしれないが、この取り扱いはどうされようとしているのか。
○山本参考人 水産加工業者に対する補償でございますが、この点につきましては先ほども申しましたように昭和三十七年の閣議決定による損失補償基準要綱に基づいて補償することは実はできないという結論になりまして、補償はいたしておりません。先生御指摘のとおりでございます。 その補償の対象といたしましては、先ほども申しますように土地の所有者とか漁業権者等、直接そのものに権利を有する者に対して行うということになっておるのでございます。水産加工業者は、これは霞ケ浦の魚に対して直接権利を持っているというものではございませんで、漁業権を持っておる漁業者がとったそれを購入をして加工をして販売をするということになるわけでございまして、言うならば流通過程で生ずる一つの商売でございまして、間接的なものである、かように考えるのでございます。したがって、このような第二次的なものに対しましては、補償の対象にならないということで補償をいたさなかったということで言います。しかしながら、同じく霞ケ浦の漁業資源を生活の一つの資とされておるということについての影響は、先生御指摘のとおり、重大なものがあろうかと考えるのでございます。したがいまして、公団といたしましても、その補償交渉の段階で水産加工業者等からも補償要求があったことは承知いたしております。その方々とお会いをして、補償ができない理由を説明いたしますとともに、県に対しまして、いわゆる県の総合行政の立場で水産加工業者に対する何らかの措置をお願いをいたしておったのでございます。その結果と申しますか、県におかれましても、水産業を振興するという立場から、融資あるいは利子補給等の措置を講ずるというふうに決定をされたと聞いておるのでございます。
○竹内(猛)委員 一方においては、非常に不明朗な補償の金が出されている。レジャーとかあるいはタクシーの仕事をしているような者が、権利があるがゆえに莫大な補償をもらっている者がある。一方においては、霞ケ浦でとれた魚を加工して生活を立てているこの加工業者は、ほとんどそれの対象にならない。これは閣議決定もおかしいが、それだけを盾にとってそれを主張していることも、余りにも業者に対する愛情がないじゃないか、こういうふうに私は考える。しかも、この霞ケ浦の加工業者というのは現在百六十戸もある。こういうものがいま非常に不満を持っている。そして、末端ではいろいろな関係で対立をしている。だから、このことについては、いまもお話があったけれども、利子補給とかあるいは融資とかということだけではなくて、なおさらにいろいろな面でこれは取り扱いをしてほしいということを、私はここで要求をしないわけにはいかない。この点についてはどうですか。これは政府に関係するから、政府の方でも答弁してもらいたいと思います。
○佐藤説明員 いま先生からいろいろお話があったわけでございますが、先ほども公団の方からも御説明いたしましたように、不明朗な漁業補償と言われますけれども、漁業補償は組合に対して一括して行っておりまして、その配分は組合内部の問題でございますので、その辺については政府なり公団側としては関知していないところでございます。また、水産加工業者に対する措置といいますのは、「公共用地の取得に伴う損失補償基準要網」という閣議決定に基づいて補償はすべて行っておりまして、その基準からいきますと、補償の対象にならないということでございますので、水産業振興の立場から、県におきまして別途の措置がとられるということはあるかと思いますけれども、補償の対象としては考えられないということでございます。
○竹内(猛)委員 私は、この際二点にわたって要求をします。 第一点は、漁業組合が配分をしたというが、漁業組合の配分の金を出したのは中央であるから、配分の状況についての資料を届けてもらいたい。 それから、加工業に対する取り扱いに対して、県にどういう指示をしたかということで、加工業に対する取り扱い、細かいやり方についての指示を出したというそれを後で届けてもらいたい。これが第二点。 以上で霞ケ浦問題を終わりまして、次は常磐高速道路の問題に関連をしてお尋ねをします。 この点についても先般の委員会で私は質問してまいりましたが、くい打ちをした。くい打ちをするという前に、なぜ一体地権者に了解をとり、しかもその地域の人々の理解を得てそれをやらないのか。石岡市の矢向、この地区は、数年前には柏原工業団地をつくることによって農地をかなり提供をさせられた、そういうところなんです。そこで、農業をやるためには農地が相当減っている。そこへもってきて、今度はまた常磐高速道路によってさらにそこを削られるということになれば、農業をやるために機械を買い、倉庫をつくり、いろいろな手だてをした農家はそれによってもう農業ができなくなってしまう、そういうことで非常に不満がある。これについて分科会では、建設大臣は、農家の了解を得てやる、こういうふうに言っている。しかし、農家の方では、いつ土地収用法によってまた収用されるかということで大変心配をしている。この問題についてはその後どういうようになっているのか、この点をまず道路公団なり関係者から聞きたい。
○吉田(喜)参考人 道路公団の高速道路建設を担当いたしております吉田喜一理事でございます。ただいまの先生の御質問にお答えいたしたいと思います。 高速道路の計画と申しましょうか、あるいは路線問題、こういうものにつきましては、茨城県あるいは石岡市と十分協議をいたしまして、大体中心線の了解をまず得たわけでございます。中心線の了解と同時に、関係の地権者の方々にもお話をし、了解を得て、昭和五十年の四月の二十日から二十七日まで約一週間にわたりまして、御指摘の地域に中心ぐいを打ったわけでございます。 その経過を振り返ってみますと、この石岡市地内の大部分の方は、石岡市地権者会というものに入っていらっしゃいます。大体石岡市地内におきます中心ぐいに関係する地権者というのは八十三名、そのうち七十七名の方がこの地権者会に入っていらっしゃるわけでございまして、ほかに入っていらっしゃらない方が三名、それから不在地主の方が三名いらっしゃる、かような姿でございます。特にいま先生のお話しの矢向では、地権者会に入っていらっしゃる方が八名いらっしゃるわけでございます。 それで公団といたしましては、この地権者会とそれから市の御当局を窓口といたしまして、中心ぐいの設置の交渉を進めまして、事前に了解を得て行ったわけでございます。また、地権者会に入っていらっしゃらない方には、個別に交渉をいたしまして了解を得て、先ほど申しました五十年の四月に中心ぐいを打ったわけでございます。ただ、その際に、先生御指摘のありましたように、われわれの土地立ち入りの通知を市の御当局に地権者の方々に連絡方をお願いしたわけでございますが、この中に一、二測量実施に対しておくれた個所が、数人いらっしゃいます。そこで、いまおっしゃったように、事前に了解を得なかったじゃないかというようなお話が出てきたわけでございますが、この方々につきましても後ほどお話をいたしまして、現在は完全に了解を得ております。ただ、石岡地内で水戸市寄りの個所、いまの御指摘の矢向からさらに水戸市寄りの個所に一名だけ依然として反対の方がいらっしゃるわけでございまして、この個所にはまだ中心ぐいは打ってございません。 以上が現状でございます。
○竹内(猛)委員 経過は大体わかりましたが、その地権者の皆さんが、地権者会に入っていると言っているけれども、これは農協が指導して一括してやっている、やむを得ず判を押したという人が圧倒的に多い。そこで代替地を出すという、代替地を取得をする。その代替地を買うために金を借りて買った場合は金利その他について負担をしてくれるかどうか、こういう話をしても、まだ東京から千葉県あたりでまごまごしているんだから、いまここで代替地を買ってもそういう金は出せないと言って、きわめてあいまいだと言っている。私は別に高速道路をつくることに基本的に反対しているわけじゃない。ないけれども、やり方について、そういうふうに農家の土地を道路で取り上げるならば、それに対する代替地、あるいは生活保障というものをちゃんと先にやって、それからくいを打つなり何なりをすべきじゃないか。その金の問題の始末はどういうふうにしているのか。これはどうですか。
○吉田(泰)参考人 やむを得ず高速道路のルート上に農地がかなりかかるということでございまして、中でも先生おっしゃいました工業団地に先にかかり、さらに重ねてこの高速道路にかかるという方もおられることと思います。そういった方を中心に、どうしても農業を継続したい、しかし農地が大部分かかってしまうというような方のためには、私どもも県当局あるいは市当局あるいは農協等と今後十分話し合いをいたしまして、具体的な個々人の御希望を把握しました上で、代替地の提供に極力努力いたしたいと考えております。 まだ、設計そのものの協議が始まったばかりでありまして、その段階でここの道路の設計の打ち合わせをするとともに、いま言ったような地権者の方々の御希望、将来構想というものもお聞き取りすることにいたしておりますので、そういったものが集約されました段階で、先ほど申したような努力をいたしたいと思います。 なお、茨城県では、県独自の施策として、確かにこの常磐道にかかるものにつき代替地をみずから先に求められた場合の利子補給の制度がございます。県の資金事情その他この路線にかかる時期等の問題もあって、すべての御要望にはこたえられていないかと思いますけれども、そのあたりのことも、この個所は大分先の個所ではあるのですけれども、話自体はいよいよ進められ始めたわけでございますので、今後十分実情を把握しまして円満な進捗を図りたいと考えております。
○竹内(猛)委員 ちょっと後の方に五分ばかり食い込みますので悪いですが、了解を得て質問します。 いまの答弁の中で——これは、農家にしてみれば柏原工業団地と高速道路によって同じ農家の土地が削減されるわけだ。だから、農業をやる以外に方法がない農家にとってみれば、早く代替地を欲しい、自分の営農設計を立てたい、そういう農家に対してあらかじめ融資もする、代替地も出す、生活保障をするということが大前提になって、そして公共の施設をつくっていくのが筋ではないか。これは、そういう筋に沿って建設省も公団も親切にひとつ取り扱ってもらいたい、こういうように要求します。 最後に農林省にお伺いしますが、猿島郡三和町下片田と、それから総和町上大野の地域において、数年前に国道百二十五号線と旧道との間の西堀川のところを最初に水利調整事業をやって水田の整備をやった。その後で今度は構造改善事業が入ってきて、三和町の町会議員の野本要吉という人が理事長になって、ここで土地改良をやっている。先に土地改良なりそれをやったところが、後のその工事によって毎年被害を受けて、これ以来数年間というものは常に大雨が降ると水が出て、ため池のようになって米がとれない。ことしももうすでに水が出て、この川の改修のために関係者が三十数万円の金を出して川ざらいをやっている。現地に行ってみると、なるほどその西堀川のところに埋められているヒューム管は、一メートルの直径がある。しかし、その川底にはコンクリートが入っていて非常に高い。そのために水がはけない。しかも後でつくったその土地改良は、そのヒューム管から出る水が、直ちに直角に曲がっていくために水がはけないということで大変被害を受けている。そしてその責任を県に聞いても、肝心の町に聞いても全く無責任の状態でしかない。農家は税金も払っているし、米もちゃんと出している。社会的な責任だけは負っているのに、毎年毎年こんな被害を受けて、そして自分の費用で改修をするという、こういうことについてはやはり調査をして、一人の人間でも何人の人間でも不安のないようにしていくというのが国の政治の責任じゃないか、こういうふうに思って、この調査とその経緯、解決の方法についてお伺いをしたい。
○森(整)政府委員 私どもが報告を受けておりますのは、構造改善事業、それが西堀川の改修工事を含むわけですが、四十三年に完成しておるようでございます。それからその構造改善事業の完成後に、五年たって、四十九年度に先生いま御指摘の木橋をヒューム管にかえた。その結果、どうも上流地域で冠水問題が生じて、その後県と町が五十一年に調査を行いまして、その西堀川につきまして具体的な解決策についていろいろ関係者の間で話し合いをしたけれども、意見の一致を見なかった。その後また上流地域で自力でいろいろ西堀川の河床を下げている工事をやっているようでございますが、そういうことで、私どもさらに調査をいたしませんとよく判明いたしませんけれども、全体がどうも湛水地域に該当をしておるようでございまして、そのヒューム管の埋設をしたときには、その個所をいじらないでそのままの状態でやったと、こう町当局は言っているようでございますけれども、それはともかくといたしまして、現実に先生御指摘のような事実が起こっているようでございますので、基本的には、これはまず町の関係者の話し合いにまちませんと、上流、下流の水の問題につながっておるようでございますので、地元の関係者の話し合いによるのが基本でございますけれども、なかなか事態が解決をしないのでこういう御指摘になっておると思いますので、県を通じまして町段階で円満な解決が図られるように国としても十分指導をしてまいりたいと思います。なお、その場合に、国として何かやることがあれば私どもも積極的に協力を惜しまないつもりでございます。
○竹内(猛)委員 この問題はぜひ国も中に入って、県を督励して、町がその責任を明らかにして、今後農家の心配がないように処理をしてもらわなければ、またことしも問題が起こりそうです。ぜひそれをお願いをし、私の質問を終わります。
○山崎(平)委員長代理 松沢俊昭君。
○松沢(俊)委員 私はまず政務次官にお聞きしたいのですが、米作農民はいま一番何が因っているのかひとつ聞かせていただきたいと思います。
○羽田政府委員 いま米が過剰であるという状態の中で生産調整が行われているわけでございます。希望する農民の方々が十分につくれないということが一つの大きな悩みかなというふうに思います。
○松沢(俊)委員 米が余るからつくるなという、そのことも大変困っております。それから米価も大変安く、困っているはずなんであります。これは政務次官、やはり次官ですから、ちゃんとこの二つだけは頭の中にのみ込んでおいていただきたいと思います。 そこで聞きますけれども、生産調整、あるいはまた低米価によって農林大臣を相手にとって裁判をやっているところの訴訟事件、こういうのが全国に幾つございます。
○大河原政府委員 不正確で恐縮でございますが、六ないし七件というふうに承知しております。
○松沢(俊)委員 農民がお上に盾突くというのは大変なことなんでありまして、それほど困っているということになるわけなんであります。 そこで食糧庁長官にお聞きしますが、食糧庁はことしもまた生産調整をおやりになるわけなんであります。そこで、いま現地の農民が困っているのは、去年まではモチ米が余るからつくらぬでくれ、こういう指導をおやりになっておったわけでありますけれども、ことしは今度モチ米が足りなくて困るからそれを買い入れ限度数量の中にふやす、そして全体の枠というものが八百七十万トンですか、ということになるわけなんでありまして、この限度数量の割り当てというのはいつ行われるのですか。
○大河原政府委員 お答え申し上げます。 御案内のとおり、それぞれの年産の予約限度数量につきましては、その年の米の需給、すなわち潜在生産力なりあるいは流通需要量というものと、もう一つは、ただいまは水田総合利用対策を行っておりますが、その転作目標というようなものが即財政負担を伴いますので、予算の決定の際に同時に決定いたしまして、二月早々各県にお示ししてそれぞれの段階を通じて農家の方に示されるということに相なっております。
○松沢(俊)委員 そうすると、ウルチをつくろうと思って種もみの心配をしておって、どうせモチ米なんというのはつくるなと言うのだからつくらぬ方がいいじゃないかということでその種もみを保存しておかなかったという場合において、今度二月ごろになってからモチをつくってくれ、こういう割り当てがなされたとしても種もみの心配ができない。そのことによって政府が希望するところの量というものを生産することができなかった。しかし一面、ウルチの場合においては、種もみがあるのだから生産した。ところが、全体の枠というのはモチ米はこれこれ、二十五万トンですか、そしてウルチの方はその残りということになりますと、今度収穫の時期になりまして、種もみが足りなくなったことによってモチ米がとれなくて、それに反しまして割り当てがないところのウルチの方がよけいになってしまう。こういう場合においてはウルチの方は限度数量を上回るのであるから余り米になってしまうというような結果が起きるということは、農家にとりましては大変なことだと思います。皆さんにとっては、それはつくるなというものをつくったんじゃないか、だから買わない、こう言われる。農民の側からしますならば、それは大変な問題になるわけなんであります。こういうのは非常に機械的な、官僚的なやり方だと私は思っております。 それともう一つは、やはりそういうふうにして制限を加えるというのは、職業選択の自由というものが憲法に保障されているわけなんであります。ましてや作付の選択の自由というのは当然保障されてしかるべきものだと思うのです。その場合、生産調整ということで買い入れ限度数量を上回ったが、しかしウルチは限度数量の枠の外に出ているのだから買い上げるわけにいかないとなると、憲法違反になるという疑いすらあるのじゃないかと私は思うのですが、こういうようなことについて一体食糧庁長官はどうお考えになっているのかということをお聞かせ願いたいと思うのです。
○大河原政府委員 お尋ねの点は、五十二年産米のモチ米の生産並びに種もみの確保というような具体的な関係と、あとは今日行なっております予約限度制、すなわち俗称買い入れ制度と言われているものについての基本的な制度論についてのお尋ねかと思うわけでございますが、前段についてやや詳しく申し上げますと、われわれといたしましても内示は二月にいたしますけれども、毎年十一月には次の産米の需給事情等を踏まえまして、予約限度の数量の動向、あるいはモチ、ウルチ米の動向という点については、各県をお招きいたしまして詳細な打ち合わせを行っております。また全農その他生産者団体についてもそれぞれのルートを通じてお願いをしております。 さらに具体的に申し上げますと、昨年は十一月に主食用ウルチについては遺憾ながら非常に過剰基調だ、したがって、全体の限度は減らすことがあってもふえるような情勢にはないという前提でお願いしたい。ただしモチにつきましては、先生御案内のとおり、四十九年、五十年が大豊作でございまして、それぞれの年産が十万トン以上調整保管という形で次の年度に持ち越したというような事情もございます。したがいまして、五十一年についてはやや生産調整を行いましたが、不作でございまして予定の限度に集荷量が達しない、したがって、過去の調整保管数量によって調整をしてきたけれども、五十二年産は前年の二十万トンを五万トン程度——数字はそのとき言いませんでしたが、相当増産の配慮をお願いするようになるということについては、それぞれの県なりあるいは生産者団体を通じましてお示しをし、そして現在その限度数量に即した集荷をお願い申し上げているところでございます。そういう点で実は四十九年にもやはりモチ米の増産問題がございましたが、その際におきましても、当初は急に増産を要請されても種もみその他の手当て等についていろいろ問題があるというようなお話が、ちょうどいまごろでございますがございましたが、結果においては農家の方々のモチに対する増産ということで、当時たしか四十九年は二十二万トンの限度に対して三十四万トンの集荷があったというような経緯もございまして、もうしばらく本年のモチ米生産の状態を見ませんと、断定的なことは申し上げかねるというのが率直な実情でございます。 なお種子協会等を通ずる種もみ更新等について、やや不足ぎみだというお話もございますが、四十九年もそうでございましたが、自家保有の種もみを活用していただいて、できるだけ限度に即した集荷が行われるようにということで、ただいま督励をしているのがありのままの姿でございます。 第二点の問題は、これはしばしば先生等から御指摘される問題でございますが、作付等の規制は何らしておるわけではございません。これは生産調整というようなことで、稲作転換ということで助成なり奨励ということで御協力を求めているわけでございますが、買い入れにつきましては、申すまでもなく食管法第一条の国民食糧を確保し国民経済の安定を図るために主要食糧を管理して価格なり需給なりの調整を行って配給の規制を行うというのが食管制度の根幹であり目的でありまして、米につきますれば基本的主食の米の必要量を確保する、そのために生産者にも必要量については売り渡し義務をお願いして買っておる、要するに必要量を確保するということでございまして、ここはいろいろ法律論もございましょうが、私どもは一貫してそういうような見解をとっておるわけでございます。
○松沢(俊)委員 工業製品と違いまして、おてんとうさまを相手にしながら生産をしているのが農業であるわけなんですから、したがって種もみの問題等も二月ごろになってから言われてもなかなか大変なことになります。また、そういうような結果からして、出来秋に政府の考えどおりのモチ米が二十五万トンですか、そしてウルチの方が八百四十五万トンとすぱっと割り切った形で生産できるとも限らぬわけなんですから、そういう点は十分考えて、その時期にそういう問題が起きた場合においては余り米が出ないような方法を考えていただきたい、こういうことを御要望申し上げます。 それから次に、今度は構造改善局長にお伺い申し上げます。 福島潟の紛争は、農林省の方でも大変な努力を払われましてまあ一件落着という状態に入りましたことは大変喜ばしいことであります。しかし、これと絡みましてちょっと御質問申し上げますが、実は福島潟周辺は地盤沈下の場所でもあるわけなんでありまして、ことしその予算を申請するということで、福島潟の周辺の土地改良区の皆さんが金沢の農政局に陳情に行かれて予算の要望をされたわけなんでありますが、その際関係土地改良区の皆さんに対しまして、坊主憎けりゃけさまで憎いという、実はこういう言葉を使って、したがって福島潟で稲をつくったりなんかしているところの関係農民の関係している個所は取り上げるわけにいかない、こういう私たちにとりましてはまさに暴言だと思いますが、そういう暴言を吐いたところの役人がいる。それでまたこれが大きな問題になりまして、その福島潟の地元の市議会でそれが取り上げられるというようなそういう事件が実はあったわけであります。結果的に見ますと、葛塚土地改良区は六カ所の申請を出しておりましたところ二カ所却下されております。それから大沼土地改良区は六カ所のうち三カ所が却下されてしまっている、こういう結果になっているわけなんであります。この点につきまして構造改善局長はどうお考えになっているか、お伺いしたいと思います。
○森(整)政府委員 いま先生は北陸の農政局の問題をお取り上げになりましたけれども、私どもその事実については聞いておりません。ただ、そういうふうにもし言ったとすれば大変申しわけない話でございますが、私どもそういうことで福島潟に関係しておるからどうこうするということは、気持ちとしては一切持っておりません。 そこで、いま結果的にとおっしゃいましたけれども、その問題について私どもの手元にございますあれによりますれば、結局葛塚と大沼でございますか、ここのところにつきまして、これはまだ事業を採択するかどうかという問題がございますけれども、それについて全般の問題についてはいろいろ予算の制約がございますから、それをどうするかという問題はまだ検討中でございますのでちょっとおきまして、いま経過的に削減をされているという事情そのものについてお答えいたしますと、結局地盤沈下対策についていろいろ採択条件がございます。その一つに、たとえば受益面積がどのくらいあるかというようなのがあるわけですが、そのほかにおおむね三〇%以上機能が低下している、たとえて言えば通水、水路の排水路の機能が三〇%以上低下しているというようなことが一つ要件になっておりまして、どうもその関係で事業費の要求調整段階でそれが若干はずされたという報告は受けております。 それと前段のお話とは、私どもはそういうことがあってはならないし、あたりまえのことだと思いますけれども、福島潟もともかく問題が解決したことでございますし、過去いろいろございましたでしょうけれども、今後は新しい観点でよく御納得のいくような説明も私どもしなければいけないと思いますし、そういうことで問題の処理に当たってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○松沢(俊)委員 ぜひそういうふうにしてもらいたいと思いますし、それからとにかく陳情団が行っているところで、坊主憎けりゃけさまで憎いという言葉を、これは一人で聞いたわけではありませんで大ぜいが聞いているわけですから、その人の名前をここに出すというわけにもいきませんので、仮に冗談であろうともそういう言葉は慎んでもらうように、ひとつこれは厳重に注意してもらいたいと思います。 同時にまた、私の聞いているところは、個所を見ますと名山用水路、嘉山用水路それから内沼沖なんというところは、確かに福島潟の関係農民の関係しているところの用水路であることだけは明らかであります。それはいま機能低下が三〇%以上、こういうお話がございますけれども、果たしてそういうものに該当しているのかどうか、これもやはり局長の方からひとつ調査をしてもらって、もしそういう私の言ったようなことが事実であるとするならば、これまたやはりそういうことはしてはならないということで注意をしていただきたいということを要望申し上げておきます。 次に、新潟県の白根郷の土地改良区、これは大変大きな面積の土地改良区でございまして、新潟県でも白根郷ということになりますと米作の中心地帯であります。その県営圃場整備が計画されているのでありますけれども、反対運動がずっとございまして、なかなか思うようなぐあいにこの整備計画が進行していない、こういう現状にあるわけであります。そこでこれを促進しようということでいろいろと努力を県やあるいはまた土地改良区の方ではいままでおやりになってこられましたのですが、五十二年に着工がなされましたところの白根郷地区の第二工区の一の工事を施工するに当たって反対同盟と土地改良の理事長との間に、白根の市長と県の農地事務所の所長が立会人になったところの調停書というのがあるわけであります。その調停書を見ますと、一つの区画に工事をやるわけですから、たとえば農道にしましてもこれは共同施設となるわけです。あるいはまた水路にいたしましても共同施設になるわけです。ですから、一つの区画を除外するということであればそう問題は起きないわけなんでありますが、一つの区画の中で反対者の所有地は工事をしない、以下いろいろのことが書かれておりますけれども、そういう調停をやって工事が行われたわけなんであります。そうなれば当然でき上がりとしては、道路の場合におきましては同じ区域の中において反対している者のところは道路の拡張ができないことになりますから、したがってヘビがカエルをのんだようなかっこうで、たとえば六尺の農道を九尺にする、ずっと行くと反対者がいるものでありますから拡張できないで六尺になる、それからその次に行くと賛成者がいるものだから九尺になる、こういうようなかっこうになってしまうのは当然の話であります。あるいはまた水路にいたしましても反対の人たちはパイプ灌漑を使わないわけでありますから、パイプ灌漑でやるところがある、同時にいままでのような用水路を使って灌漑をやるところもある、そうすると二重の経費がかかるという結果になってしまうわけなんであります。現実にそうなっているわけであります。こういうような県営圃場整備は一体まともな圃場整備であるか、そういうのを承知の上で国の方では工事をやることを認められているのか、その点をお聞かせ願いたいと思うわけなんであります。
○森(整)政府委員 白根郷の圃場整備は先生御指摘のように非常に大きな四千六百ヘクタールに及ぶ大圃場整備でございまして、当然いろいろ問題が、当然というのはおかしいのですが、あるかと思います。これは四十九年度新規として採択をして、その後事業に対する反対がございまして、四十九年度は工事を休止をした。その後、いま先生御指摘のような覚書ができまして、反対者の土地は一部除外をしても事業の効果に大きな影響はない、そういう判断で五十年から工事を始めたという地区でございます。 そこで、除外をしている農地につきましていま先生御指摘のような問題が出てきておることはいろいろ承知はいたしておるわけでございますが、計画といたしましてはこれも一応計画地域の中に入れながら、そういう農地は除外しながら、御指摘のようにりっぱな水路なり道路なりパイプなり、問題のところはやむなくパイプを使わないということで苦労しておるわけでございますけれども、できれば一貫したものにしていくのが、御指摘を待つまでもなく当然事業としてはよっぽどその方がよろしいわけでございます。そこで土地改良区の内部で何かいろいろ問題があるようでございますが、そういうことがないようにいろいろ説得をしておる。説得をしておる段階でさらにまたいろいろ問題が出てきているというように聞いておるわけでございまして、私どもやはり話し合いが何よりも大事なのではないだろうかというふうに思います。それで最終同意が得られない場合には、その地区は計画から当然除外をしていくということにせざるを得ない。ただ望むらくは、やはりお話し合いで何とか問題の処理ができないものかということで、実は、たしか明日だと思いますが、さらに話し合いを行う、若干日時が変更になったようでございますが、そういうふうに聞いております。したがいまして、こういう大きな事業でございますからやむを得ない面もあるのですが、ともかく話し合いをしてみんなが納得をしていく形で事業を進めたらいかがなものだろうかというふうに考えておるわけでございまして、われわれとしてもさらにこの調整には県を通じまして努力をしてまいりたいというふうに思う次第でございます。
○松沢(俊)委員 いま構造改善局長の言われるとおり、こういう大きな仕事になりますといろんな問題が起きてくるわけであります。したがって、話し合いを十分やってそしてトラブルのないような状態で工事を進めていく、これが当然だと思うわけであります。そこで、あしたその会議が行われるというお話をされておりますけれども、私現地に聞きますと、あしたの話は本年度三カ所やる予定なんだそうであります。その三カ所をやるに当たって話し合いを進めていく、そして起工前において、一〇〇%というわけではないけれども、なるべくそれに近い同意を得たところから工事をやる、そして同意を得られないということになればやはり考えなければならぬじゃないか、こんなような話は聞いているわけなんです。ですから、局長の聞いておられるのは恐らくその話だと思いますので、それはいま言われたような方法で指導して、円満裏に工事が進むように努力をしていただきたい、これが一つであります。 それと、去年の問題でありますけれども、やはり私も見てまいりましたけれども、何としてもでき上がりがよくないわけであります。ですから、ここでは反対派と賛成派がだんだんとエスカレートして感情が高ぶっているようでございまして、しかしこれも将来のことを考えた場合におきましては、話し合いをつけて、そしてでき上がりがりっぱにできた、そういう結果の出るような指導をしてもらいたい、こういう希望なんでございますが、どうでしょうか。
○森(整)政府委員 御指摘のとおりだと思いますので、私どももそういうふうに努力してまいりたいというふうに思います。
○松沢(俊)委員 それから、土地改良区というのは、これは政治団体でもありませんし、したがって選挙運動団体でもないわけなんであります。ところが、この土地改良区では選挙運動をやっているわけなんであります。 いろいろ具体的に申し上げますと、これはちゃんと氏名、住所、電話番号、紹介者ということで、この一枚の紙に十人の名前が書かれるようになっているわけなんです。そして、これを理事から職員全員に対しまして二枚ずつ渡されまして、中を開くとちょっと問題がございますから開きませんけれども、この人のために票取り運動をやれという命令がかかっているわけなんです。そして、こういうのがありまして、これまた総代からその他いろいろな土地改良区の関係者に対して配ってある。これは、総代だとか部落の土地改良の責任者、そういうようなところにちゃんと室内用として張っておけ、こういうことが公然と実は行われているわけなんであります。一体、こういうようなことをやらなければ農林省の方では予算をつけてくれないのかどうかということなんです。恐らく、おまえさんのところは何票票を出せ、出さなかったら予算はつかない、こういう圧力をかけるわけなんですね。こういうような農林省のOBの人たちが選挙運動をやっておられるということについて、一体農林省の方ではどうお考えになっているか、むしろこれは政務次官にお伺いした方がいいと思います。
○羽田政府委員 お答えいたします。 土地改良区は、地元の皆様方の発意によりまして土地改良事業を施行していくためにつくられた法人でございます。そういったことで、これは別に選挙運動ということではございません。いま先生のお問いの中で、それがなされなければ予算がつかないのかということでございますけれども、先ほど構造改善局長からも話されましたように、土地改良を採択するに当たりましては、厳然として採択基準というものがあるわけでございます。それに基づいてやっておるということを申し上げたいと思います。
○松沢(俊)委員 農林省は補助金を出している機関であり、そして補助金を受け取って事業をやっているのが土地改良区であります。したがって、監査、監督、指導というのは、これは農林省が土地改良区を指導されることになるわけなんです。こういうような土地改良区まるぐるみの選挙運動をやっているというものに対しては、厳しいところの指摘をやって、それはやってはならないという指導をおやりになる気があるのかどうかということなんです。
○森(整)政府委員 私どもとしましては、当然公職選挙法あるいは政治資金規正法、そういう選挙関係の法規にいやしくも抵触するようなことは絶対にしてはならない、またそれは当然だという判断のもとに指導いたしておるわけでございまして、たとえて申しますと、土地改良区が政治献金を行うということは好ましくないということから、土地改良区の検査でも、そういうことをやりながら指導をしているつもりでございます。 ただ、先ほど政務次官御答弁になりましたけれども、実は私どもの悩みを率直に申させていただきますと、全体の農業基盤の整備の枠というものがございます。そこで、新規地区なり継続はともかくといたしまして、事業の採択について地元からの要望が非常に強い。それに対して、またいろいろ各方面からの御要請もございます。ただ、継続地区を優先するか、新規地区を優先するかということになれば、工期がこれだけおくれているわけですから、ともかくなるべく新規を抑えたい。しかしながら、やはり地元からの非常な御要望も強い。そういう中でいろいろ苦労をしておるわけでございまして、政治の活動のお立場からそういう問題についていろいろその地元の要請を受けてやられるということは、私ども当然ではないかと思うわけでございます。ただ、私どもの受けとめ方としましては、先ほど言いましたように採択基準にまず合致しなければいかぬし、そういうことでいろいろ運用をしておるわけでございまして、いやしくも私ども選挙法規に抵触するようなことは、公共性の高い土地改良区でございますから、そういうことはさせないように今後とも十分注意をしてまいりたいというふうに思うわけでございます。
○松沢(俊)委員 させないように厳重に注意をしていただきたいということであります。局長の答弁もそうだと思いますが、土地改良区についての金沢の農政局の発言、それからいまの白根郷土地改良区の理事が先頭になっての土地改良区ぐるみの選挙の事前運動、そうして今度白根郷の土地改良区の予算を私見て、なるほどこれじゃやはりそういうようなことにならざるを得ないのではないかという気がするわけなんであります。 ということは、一般の予算九億一千三百万の経常費の中で——このくらいの規模でございますと村の予算程度ということになるわけでありますが、その場合、村長の交際費なんというのは百五十万か百万程度であります。ところが、この土地改良区では交際費が三百五十万、食料費が二百五十万、研修費が百万、祭典費が三百五十万、こうなっている。大変膨大な飲み食いの金というのが計上されてあるわけであります。それだけではございません。いまこの圃場整備をやるに当たって、圃場整備を推進するところの推進費というのが上がっているわけなんであります。そういうのをずっと計算してみますと、もう会議費だけで二百十七万、これはほとんど飲む金であります。それから、推進費ということになりますと恐らく陳情するのでしょう、これが約六百万近くもあるというところの状態であるわけであります。でありますから、何千万というとこれはちょっと針小棒大のようになりますが、千何百万ぐらいはこの土地改良区では、飲んだり食ったり、そうして推進費ということで陳情をおやりにならなければならない、こういうやり方、一体これはいいと思われるのかどうかということなんですね。そういう点からして、恐らくここだけではないと思いますけれども、こういう土地改良区のあり方というものに対しますところの監査なり検査なりをやって——しかも、そこの農民は、さっき申し上げましたように、減反や低米価によって本当に困っているわけなんであります。その零細な所得しかないところの農民から吸い上げた金をこのように使って陳情をやる、陳情をやるから勢い選挙運動もやらなければならない、こうなるんじゃないかと私は思うのです。そういう点で、土地改良区の会計内容に対するところの監査、検査、これはやはり厳重にしてもらわぬと、いま私が指摘しましたような選挙運動というものはなかなか根を絶やすわけにはいかないんじゃないか、こういうぐあいに実は考えるわけなんでありますが、この点、農林省の方ではいままではどうしておられたのか、それ密お聞かせ願いたいと思うわけなんであります。
○森(整)政府委員 お話しの点につきましては、私ども好ましいこととは思っておりません。 それから、従来からそういう点につきましては、確かにそれは国から金を出しているものを使っているというわけではございませんけれども、御指摘のように農民の負担になる金でございますので、そこは、みんながそうしろということであっても、いささか節度というものがあろうかと思います。陳情をとめるということもなかなかできかねる——われわれも本当のところ、お見えになりましても、お会いしたくてもなかなかお会いできませんし、むだになることが多いと思うのです。それは土地改良については、特に公共事業関係はそういう傾向になりがちでございます。 従来から県が土地改良区を検査し指導するというたてまえで、農林省はそれをさらに指導していくということでございますので、金のかかる話というのはどうしたら抑えられるだろうか、これは大蔵省でも申しておるわけでございまして、陳情に来た回数で私ども採点をしておるわけでは決してございません。要するに、陳情にたくさん来たからどうということではございませんよということは私どももかねがね申し上げておるのですけれども、さらにその趣旨を徹底して、この問題を何とか解決していきたい。基本的には、ともかく満足する金を取ることではないかと私どもは思ってやっておるのですけれども、どうしてもなかなかそうまいらないこともございます。その点いろいろ内部でも検討してみたいと思います。
○松沢(俊)委員 こういうことを私がここでしゃべらなければならぬぐらい土地改良区も大変——乱脈という表現を使った方がいいのか悪いのか、とにかく問題点があるようであります。そういう点を指導してもらって、土地改良区本来の仕事がりっぱにできるように御指導していただきたいということを申し添えまして、質問を終わります。
○山崎(平)委員長代理 この際、午後一時二十分より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時三十五分休憩 ————◇————— 午後一時二十二分開議
○山崎(平)委員長代理 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑を続行いたします。新盛辰雄君。
○新盛委員 日ソ漁業交渉が容易ならざる事態に発展をしてきているわけですが、この局面打開に向かって政府としてもいま懸命に取り組んでおられるわけです。そうした中で四月の三日に千葉で福田総理が記者会見をしておられるわけですが、いままでの漁業交渉の進展の中から、これに対するわが国の対応策として総理の方から述べられている内容を見てみましても、最近のソビエト側のきわめて厳しい対応に対応するという意味でその考えをまとめられたものだと思うのです。 ちなみにその要点を申し上げると、わが国は海洋国家なので漁業専管水域は広げたくはないという気持ちはこれまであったけれども、しかし世界の大勢がこういうふうになればわが国もこれに順応しなければならないという問題を投げかけられております。そして、二百海里法案は二十日を過ぎた中旬、下旬に向かって国会にも提出をしたい、さらに、ソ連が二百海里内で日本漁船から入漁料を徴収するならば、わが国もソ連漁船のこうした提案に対して許可制や入漁料を取るということも考えられる、こういう表明がなされているわけであります。 確かに領海拡大同様に国益を守るという立場から、こうした政府の方向転換というか、いままでの交渉の基本的な姿勢というものが少し変わってきたという状況、これは当然そういうふうになってきたとは思いますが、ただソビエトだけの問題ではなくて、対中国、対韓国あるいは北朝鮮への対応策、カツオ・マグロを初めとして南方水域諸国の二百海里実施に伴う諸問題も出てくるわけであります。こうした問題で政府自身が、ある意味ではソビエトとの間では入り会い主義といいますか、言ってみればお互いさまではないか、だから相手が入漁料あるいは許可制度をとるとするなら、わが国もそれに対応してやるんだという発想を持っておられるわけですけれども、たてまえ論なりあるいは本音なりいろいろありましょうが、これからの事態解決の面で、相手がそう出てきたからわが方もそうしなければならないという、その基本的な考え方について、本来なら大臣かあるいは総理が答えなければならないところですが、次官、ひとつどうお考えになっているか。それから、対中国あるいは北朝鮮あるいは韓国、そうした問題も含めて政府の考え方をいま一度お聞かせいただきたいと思います。
○羽田政府委員 ただいま日ソ交渉を続ける中にありまして、二百海里時代というものがまさにわれわれの目前に追っておる実感をわれわれも感じておるわけでございます。そういった中にありまして、わが国が二百海里問題に対してどう対処するかというのがまず第一点だと思います。 これにつきましては、いま先生からも御指摘がございましたように、わが国といたしましてもこの中旬、二十日前後ぐらい、この時期に二百海里について国会の方でもいろいろと御審議をいただくような手はずを整えてまいりたいというところでございます。 なお、韓国、中国あるいは南方漁業に対してどうだということでございますけれども、いま先生もお話がございましたように、やはりわが国としては相互主義でいくというのを基本的な考え方といたしまして、韓国、中国、これは従来二国間協定というものがあったわけでございますので、中国、韓国が二百海里というものをわが国に迫らないならば従来の形で進んでまいりたいというふうに考えております。また、南方の開発途上国に対しましては強力な漁業外交というものを推進していくほか、特にこれら諸国の漁業の開発には協力しつつ、わが国漁業の操業の確保を図っていくという基本方針のもとに、これから一層海外漁業協力というものを推進していきたいというふうに考えております。
○新盛委員 そこで、ソ連の二百海里、いわゆる専管水域内において現在漁業の従事者あるいはこの地域でとっている漁船の隻数、そしてこれまでのこの地域における漁獲量、こうしたことについては、今度超党派の国会議員団を派遣をするということになったんだけれども、相手側からビザがおりない。まあいろいろな問題がありましょうが、こうした面で北転船を主軸としてスケソウなどが中心になってきているわけでありますが、この魚種の拡大、いわゆるニシンのほかサケ・マス、カニ、ツブ等に及んでくるというふうに言われているのですけれども、いま現在、これは資料はできていると思いますが、この漁業従事者なりあるいは漁船の隻数、漁獲量の数値についてお答えをいただきたいと思います。
○森実説明員 お答え申し上げます。 ソ連の二百海里の中におきます漁獲量というのはトータルで申しますと、北方四島にかかわる分を除いて約百三十九万トン、北方四島にかかわる分は別に約三十万トンございます。これをどう見るかは別として、トータルではただいま申し上げたような数字になっております。これは五十年の数字でございます。 そこで、漁業従事者なり漁船の隻数でございますが、御案内のように、先生御指摘の北転船のようなものは周年操業という形になっておりますが、たとえばほかの魚種は、表作でサケ・マスをやり、裏作でイカをやるというふうに表裏に分かれております。 そこで、延べの隻数で申しますと約七千隻、北方四島関係が約四千隻で約一万一千隻でございます。ネットで見ますと大体その三分の二か七掛けぐらいとお考えいただいていいと思います。 それから漁業従事者の数も、許可種類ごとに延べで見ますと十一万人でございます。ただ、これも周年雇用者が、たとえば北転船では五十何%あるというふうにかなりの率になっておりますから、ネットで見ますと、これも大体船の場合と同じで七掛けぐらいとお考えいただいていいと思います。 なお、ただいま申し上げました船の隻数、従事者の数というのは、現実の操業がソ連の二百海里の内外にわたって行われておりますので、その内外にわたって行われているトータルの量でございまして、海域ごとに現在の操業が区別されておりませんので、トータルの量であることは御理解いただきたいと思います。
○新盛委員 この問題は、特にこの失業者の問題と関連をして出てまいりますのでいま数値を聞いたわけであります。これは後ほどちょっと質問をいたします。 そこで、さらにポスト海洋法の減船、再編成は現下の情勢上もう必至であろう、遠洋漁業の実績確保はもはや期しがたい。また漁獲量の削減、従来沿岸から沖合いへ、沖合いから遠洋へという政府のかけ声に応じて今日まで漁業振興が行われたし、またその伸びも非常に、日本の漁業は今日まで漁獲量一千万トンを超えるという状況になってきたわけであります。しかし、その方針も、今日の世界的な趨勢の中においては転換をせざるを得なくなった。そういう際に、政府が恐らくこれから先の今後の問題として、その指導的な立場に立って減船実施計画など生じてくると思われるわけです。そういう面からいきますと、助成措置の問題あるいは法的制度の整備、そうしたことがこれからの問題であろう。しかし、こうした場合に必ず起こってくるのは、漁業労働者に犠牲を強いるようなことになるのじゃないか。これは必然的な問題として当然乗組員の雇用対策がこの場合最優先されなければならないわけです。そうした面について、政府としては、また水産庁としては、このことに対する対策をどうお立てになろうとされているのか、現実の問題として、これはもう緊急な問題でもあるわけです。そのことについて明らかにしてほしいと思います。
○森実説明員 現在日ソ交渉が最終的段階には入っておりますがまだ結論が出ておりませんので、どの程度の減船の規模になるかということはまだ想定することは容易でございませんが、従来の例から申し上げますと、やはりかなりの量の減船を余儀なくされる場合については、たとえば乗組員の給与、網代、そういったすでに出漁のために準備した経費については、補償的な意味を持った給付、援助措置というものを講じております。 それからまた、いわゆるのれん権と申しますか営業上の地位につきましては、共補償その他の形で制度金融で救済する方法を講じております。 そこで、乗組員の問題につきましては、漁業の場合は周年雇用の場合と季節雇用の場合と両方に分かれるわけでございますが、当該雇用期間の給料等につきましては、すでに契約もできて出漁準備ができたものについては何らかの形で、政府が行うか共補償で行うかという手法は業態によっていろいろあると思いますが、何らかの形でてん補、補償措置が必要であろうと思っております。 それからさらに、失職した方の職業転換の問題につきましては、雇用対策法の規定を昨年国会で通過させていただきました漁業再建特別措置法で引いておりまして、政令で指定する減船業種については転換給付金を支給する制度ができ上がっております。しかし、日ソの交渉の結果、相当大規模なものになってくるとすれば、これだけでは問題が片づかないということも私どもも考えております。広く関係各省の協力も得ながら、新しい職場の確保、あっせん等についてはさらに努力することが必要になるだろうと思っております。
○新盛委員 この問題も後ほどの船員保険の問題とも関連が出てくるわけですが、いま乗組員の周年雇用あるいは季節雇用、いろいろとそのとらえ方において、各府道県においてもなかなか把握できないところがあるんじゃないか、その観点から見ましても、何らかの形でこれまでいろいろな雇用に対する問題提起をされているわけですけれども、そうした面について、今後の問題として水産供給源の開発、これは重要課題になってくる、そしてその重要課題の中で新漁場の開発あるいは未利用資源の開発など沿岸、沖合い漁業の再開発、特に栽培漁業の積極的な展開ということがとりもなおさず国民のたん白質源を確保していくということになるわけです。こういう中で、これから先沖合い漁業というのは見直されるべきはずのものであり、また、そのことによって、経済水域時代の中でどういうふうにこれからの対策を立てられていくのか。そしてまた栽培漁業の振興について、沿岸漁業の漁場整備、開発あるいは沿岸水域の汚染防止など幾つかの問題が出てくるわけです。これはすべて漁業従事者を失業をさせないためにも、また、かつこれからの水産振興のためにも必要になってくるわけですが、こうした栽培漁場水域の沖合い漁業との有機的な結合を図りながら基盤整備を図らなければならないだろう。漁港法の際にも申し上げたことですけれども、これからの沿岸漁業なり沖合い漁業、そうしたことに対して有機的な結びつきを図りながら、この漁場の確保あるいはこの漁業従事者へのこれからの職場の確保、こうした問題が起こってこなければならないわけですが、そうしたことについてどうお考えになっておられますか。
○森実説明員 率直に申し上げまして、新漁場の開発は国際的に見てだんだん制約されてきているということは否めないと思います。しかし、先生御指摘のように、今後の水産物の供給の確保という視点からも、漁業者の雇用機会の確保という視点からも、一段と重要性を増していることもまた事実でございます。 そこで、現に海洋水産資源開発センターを中心といたしまして、オキアミ、イカ釣り、深海トロール等についての漁場の開発調査等を行っておりますが、北方トロールの代替漁場の開発あるいはチリ沖、インド洋南西部海域の底びきの漁場開発等を当面の緊急課題として本年は実施したいと考えております。 次に、栽培漁業の問題でございます。栽培漁業は、率直に申し上げまして、ようやくいわば計画的に事業が実施できる段階になったというのがいまの状況だろうと思います。これを今後どう育成していくか。一つは種づくりと申しますか、栽培漁業センターの設置等を進めて、いわば稚魚の供給体制を確立する問題だろうと思っております。そういう意味で、ことしから北日本の栽培漁業センターの設置ということを新しく予算措置で計上するとともに、特にサケ・マスのふ化放流事業につきましては、内地を含めましてその拡大を図ったわけでございます。 またもう一つは、畑づくりという問題でございまして、産卵場の保護とか幼稚仔の保護といった問題も含めまして沿岸漁場の整備、開発を計画的に進める必要がある。このような意味で、ことしは計画実施の二カ年目に入るわけでございますが、予算も他の事業に比べて大幅な増額を図って実施しているわけでございます。御指摘のようなより沖合いにおける増養殖漁業の技術開発はこれからの課題だろうと思います。率直に申し上げまして、たとえば係留拠点の開発等、技術的にまだまだ開発を要する問題が多いことは事実でございますが、重要な研究課題として受けとめ、今後さらに研究を進めていきたいと思っております。
○新盛委員 先ほども御回答があった問題でありますが、当面捕鯨とマグロを対象に、漁業再建整備特別措置法の第一条にも示されておりますように、「漁業の経済的諸条件の著しい変動、漁業を取り巻く国際環境の変化等に対処するため、漁業経営の維持が困難な中小漁業者が」云々という形で中小漁業者に対するある意味では職業の転換、そうしたことに対する給付金なども含めて取り扱いがされているわけです。そうした法の内容から見まして、これは第十三条に示されているいわゆる職業転換給付の問題とも関連があるわけでありますが、雇用対策として、船員及び漁業労働者の失業増大は必至であるという今日の状況から見て、この将来の取り扱い方という面で、この漁業再建整備特別措置法の中で、今次の世界的趨勢と言われる二百海里専管水域あるいは特に日ソ漁業交渉等における結果によって起こってくるその救済措置は、この面においてはどうなるのか。さらにこれは労働省の関係もあると思いますが、こうして漁業労働者の失業率が高くなっていくことは、いま陸の面においても非常に雇用不安というものがあるわけです。そうした面から見て、この失業者増大に対応する雇用対策法あるいはそれに基づくいろいろな行政措置がなされているとは思いますが、この増大してきている失業者に対して労働省はどのようにお考えになっているか。また運輸省の船員局労政課ももちろんそのことについて無関心であってはならないわけですから、そうした考え方、さらに船員の特に最低賃金制の問題なんですが、最低賃金制の法律の中では第四十条、四十一条、四十二条に「船員に関する特例」として、最低賃金制は船中労あるいは船員地方労働委員会で決められるということになっているのですが、今日の時点で全国的な問題になっている最賃はこの場合結論が出ていない、あるいはその適用の仕方についてまだまだ非常に見劣りがするわけなんですが、そうしたことに対してひとつお答えいただきたいと思います。さらに職業転換給付の実態は今日どういうふうになっているのか、そのことについて、三つにわたって簡潔にお答えいただきたいと思います。時間がありませんので簡潔にお願いします。
○森実説明員 私から漁業再建整備特別措置法に基づく職業転換給付の実態について申し上げます。 五十一年につきましては先生御指摘のように、母船式捕鯨漁業の統合に伴う転換及び遠洋カツオ・マグロの減船に伴う転換について予算を計上したわけでございますが、五十二年度においては予算措置としては北方トロール、いわゆる日米交渉に基づく減船関係の予算措置も計上しております。これにつきましてはなおまだ内容は確定しておりませんが、さらに私どもといたしましては、日ソ漁業交渉の結果新しい漁業種類について減船を余儀なくされる場合については当然政令の業種として指定することが必要だろうと思っております。これらの予算は陸上への転換については労働省、海上への転換については運輸省に計上されておりますが、全体として申しますと船員保険の失業手当受給期間満了後二カ年について一定の給付額を支給する仕組みになっております。
○小粥説明員 漁船乗組員の方で陸上の産業に再就職を希望される方については、労働省の雇用対策の面でいろいろと対応することにいたしております。昨年来、先ほどお話もございましたカツオ・マグロあるいは捕鯨の関係で、すでに雇用対策法に基づきます職業転換給付金制度の対象として指定もいたしております。さらに今年度スケトウダラ関係についても考えていきたいと思っておりますけれども、今後日ソ関係の問題でその範囲を拡大しなければならないというような事態になれば、当然関係各省とも至急に詰めをいたしまして、その辺の対応策を検討したいと思っております。
○仲田説明員 漁業再建整備特別措置法によります漁船員の救済につきましては、ただいま水産庁の方からお答えがございましたとおりでございまして、私どもも必要がありますれば、実態を十分把握した上で関係省庁の御協力を得てまた新たに業種を政令指定をするということが必要になるかと思っております。 それからもう一つの最低賃金のことでございますが、これは船員中央労働委員会におきましてすでに全面的な設定が必要であるという決議が行われておりまして、かなり時間はたっておりますが、これ以来検討、調査を進めております。いろいろ地域によりまして、また魚種によりまして、漁船の場合は非常に個性が強いというか特異性がそれぞれございますのでかなり詳細な調査が必要でございますが、現在遠洋底びき漁業及びカツオ・マグロ漁業についてはかなりの調査が進んでいるように聞いております。これもなるべく早い機会に最賃法の適用というところに持っていきたいと考えております。
○新盛委員 時間がないので急ぎますけれども、回答の方でも適切にお答えいただきたいのです。 次に、社会保険庁の方にいろいろ質問をしてみたいと思うのです。先ほど、前段から申し上げておりますように、こうして減船あるいは失業という問題がもういまや最大の関心事になってきたことは当然です。そうした中で、すでにいま四十八度以南サケ・マス、あるいは母船式サケ・マス独航船、これは五月十七日以降そういうふうになっているのですが、出漁準備中であるわけです。これもどうなるかわかりません。北転船や沖合い底びき網、そうした漁船は水産庁の指示で三月末には全部引き揚げてしまって、結局ソ連の二百海里水域から出されてしまった。その結果、言うならば漁獲の期待感、あるいはまたいま現に港に入っている漁民なり家族の皆さんが生活の面で不安をお感じになっているわけです。それはもう政治の面で補償なり考えていかなければならない問題であります。そういう不出漁の期間に対する補償、また水揚げ高の期待利益を含めた補償、そうした問題が当然考えられなければならないわけです。その面についてどのようにお考えになっているか。これは水産庁にお聞かせをいただきます。 そして、実は私が調査したところによりますと、船員法の適用漁船に乗り組む船員、いわゆる船員保険法の適用を受けるべき強制被保険者、これは船保法第十七条に規定をされているわけでありますが、五十一年十月三十一日現在で約十二万七千二百九十五人、そのうち失業保険適用者が、実は三万六千七百十三人、全体の二八・九%しかいないわけです。そしてまた失業保険の未適用者が何とこれまた七一・一%、九万五百八十二名、一年を通年とおっしゃいましたが、そういうふうに入っている皆さん方が、現実の問題として、この適用を受けていないというのは、これは少し問題じゃありませんか。そして、このことに対して、各県がばらばらだ。都道府県においてその内容、実態が把握できないから、そういう面でいろいろと見落としたのがあったとかなんとかとおっしゃるのでしょうけれども、現実の問題として、法律で定められているものに対して、これは未支給、被保険者がまだ受けていないというのはどういうわけなんでしょうか。それで、このことについて雇用保険の方では、この法律によると四カ月以上雇用する場合においては、陸の方では御存じのとおり当然適用されておりますし、そしてさらに短期特例被保険者制度というのがあって、これまた優遇されているわけです。優遇というのはあたりまえなんです。ところが、船員の場合は、船員保険法によるところでは、これはない。こうした矛盾があるのですが、これは船保法の第三十三条の三で示されている、一年を通じ使用されなければならない、この規定。そしてまた漁業種別で適用除外になっている、この面に対して少し法律の手直しをしなければならぬのじゃないか。そういう面について、お考えをお聞かせいただきたいと思うのです。 だから、この際雇用保険法と同様の法体系、そしてそういうふうに近づける船保法の改正というところまで踏み切った考え方をお示し願いたい、私はそう思っているのですが、これは考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○森実説明員 減船の場合どういう補償的援助措置を講ずるかについては、それぞれの態様によって決しなければならないと思っております。ただ通常想定されるものとしては、先ほども申し上げましたように網代、それから操業期間中の乗組員の給与、その他の仕込み資金等は経費として補てんをどう考えるかという問題、それからもう一つは、営業上の地位を減船する場合どうやって保っていくかという問題、あるいは今回の特例措置といいますか、特殊な日ソ交渉の状況から生まれた措置としては、休業期間中の収入の減少をどうカバーするかといった問題、そういった問題をすべて念頭に置きまして、減船の規模、程度に応じて検討してみたいと思っております。これを補助として考えるか、あるいは融資措置で考えるかは、その態様に応じて考えていきたいと思っております。
○岡田政府委員 お答え申し上げます。 まず、船員保険の適用状況でございますが、昨年十二月末現在におきましての状況を申し上げますと、船員保険の適用を受けている被保険者は全部で二十三万五千人でございます。うち漁船関係の被保険者を申し上げますと十一万三千人でございます。この漁船関係の被保険者の十一万三千人のうち失業保険部門の適用を受けております被保険者の数が三万九千人ほどでございまして、その率が三四・四%、先ほど先生御指摘の数字と若干違いますのは、実は昨年の十二月の一日に北転船を適用することになりましたので、その分だけふえておるわけでございます。この適用の原則についての問題でございますけれども、失業保険について申し上げますと、明らかに失業の時期が来るということが予測されるものにつきましても、この適用の対象にするということは、保険としてどうかという問題があるわけでございまして、この点船員保険長年の懸案事項になっている次第でございます。 なお、先生御指摘のとおり、おかの雇用保険に比べまして、たとえば短期雇用の特例、こういった制度がございません。こういった制度を設けるべきじゃないかという声も非常に強いのでございますけれども、いかんせん全体の被保険者の数が二十三万五千人といった、陸上の雇用保険のざっと百分の一といったような非常に小さな世帯の保険でございます。この点を一体どうするかということも問題になっているわけでございまして、かねてから私ども関係の社会保険審議会におきまして、船員保険の基本的な見直しをしようじゃないかということでいろいろ御審議をいただいておるわけでございまして、今後ともさらにこれを詰めてまいりたい。 なお、一つ付言して申し上げますと、先生御指摘のとおり、各県によって適用がばらばらじゃないかという御指摘があるわけでございます。これも絶えず私ども関係団体からいろいろお話を承っておるところでございまして、通年雇用でもって当然失業保険法の適用をすべきだというものについては、当然適用してしかるべきだということで、機会あるごとに都道府県を指導してまいっておる次第でございます。ひとつこの点御了承を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。
○山崎(平)委員長代理 関連して、岡田利春君。
○岡田(利)委員 いまの船員保険法の問題ですが、船員保険法というのは、わが国で、官公庁の恩給以外、民間の保険法としてはたしか昭和十四年にこれが制定をされて、いわば先進的な役割りを私は果たしてきたものだと思うのです。 御承知のように、厚生年金は昭和十七年の一月から実施をされておるわけです。しかし最近、保険体系から見ればその先進的な役割りを果たしてきた船員保険法が、いわゆる労働省所管のそれぞれの保険関係と比較をして、いま提起をされておるように、失業保険等については非常におくれている。そういう意味では、中央審議会で議論をするということも大事でありますけれども、今日の情勢から言えば、早急にこれは抜本的な見直しをしない限り、多くの人々の要請にこたえることは私はできないのだと思うのです。現にそれぞれの漁村地区では、たとえば定置網漁業に従事する漁民は、労働省関係のそれぞれ保険の適用を受けている。ところが五トン以上の場合でも適用除外、あるいは未満の場合はこれは適用を受けていないという問題もありますし、あるいはまた船主あるいはまた家族の労働の場合にはこれは適用になりませんから、労働省関係の保険法の適用を受けている。こういうアンバランスが至るところに起きていて、きわめて大きな社会問題に今日なってきているわけです。 そういう実態を深く認識をしなければ、今後漁業関係の労働政策としてさらにおくれをとるのではないか。不公正がずんずん拡大をするのではないか。特に小型漁船の場合に周年操業ということはほとんどあり得ないわけです。大体裏作を含めても八カ月程度、そうしますと、あとの期間はしかも安い賃金で、陸上関係と大きな差別が地域社会で生まれている。こういう状況は保険庁もよく認識をしているのだと思うのです。したがって、単に中央審議会にかけて意見を聞けばいいという問題ではなくして、政府としてやはり二百海里時代を迎えて、漁業労働政策というものがきわめて重大な段階を迎えておるわけですから、早急に緊急的にこれらを議論して対処をしていく、こういう姿勢がなければならないと思うのですが、この点の見解を承っておきたいと思います。
○岡田政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘の点十分わかるわけでございまして、かねてから船員保険をどうするかという問題について、論議の対象としてきたところでございます。ただ一つ問題がございますのは、船員保険は御存じのように、漁船船員のみでなしに、汽船船員も対象にしているわけでございます。この漁船船員と汽船船員の雇用就労形態というものが非常に大きく異なっておりまして、これが調整に非常にむずかしい問題があるといったような段階でございます。ただ、しかしながらただいま先生がおっしゃいましたような点、これは早急に詰めなければならぬ点でございまして、かねてからも議論されてきたところでございますけれども、今後保険といった大きな枠の中でどうあるべきかということにつきまして、早急に鋭意努力いたしたい、さように考えている次第でございます。
○新盛委員 それで、この失業者救済という面でも、これは社会保険庁が昨年の春に船員保険失業部門の非適用漁船の船員の実態調査、約九万人にわたって調査をされているわけであります。その内容を見ますと、一年以上雇用している者が六一・四%なんです。現実これは表に出ている数字です。そして、さらに、半年以上雇用している者は三二・一%、半年未満が五・四%、不明が一・一%の実態。いわゆる現行法で、船員保険法によって救済できる者が六一・四%もあるというのにこれが行政庁の怠慢だったかどうかわかりませんけれども、救済をされていない。これは非常に重大な問題だと思うのです。だから、当然のこと、このことについて調査をされているんですから、その明らかになっている時点から遡及適用を図る。そうしないと、これからどんどん増大をしていくわけですから、こういう面について、もっと積極的にやらなければいけないじゃないか。そういうことに対して、この現行法の失業部門の失対保険、そうした面についての完全な適用の拡大、あるいは現行法がいまのこの適用で、陸の場合と雇用法等による、あるいは期間の問題、そうしたことに対して、早急に手直しをしなければならないじゃないか。そういう意思をお持ちであるのかどうか、そのことをお聞きしているわけです。これは非常に重要な問題でありますし、これから必ず社会的な問題として起こることなんですから、社会保険庁あるいは政務次官からお答えをいただきたいと思います。
○岡田政府委員 ただいま先生御指摘の調査の件でございますが、これは御指摘のとおりでございまして、私ども、当然通年雇用でもって適用すべき者につきましては当然適用しなければならぬという考えを持っている次第でございまして、機会あるたびごとにその旨都道府県に対して指示をしておるところでございます。 ただ、現実的に申し上げまして、なかなかもって理解、協力を得られないといった面もございまして、おしかりを受けているような状況でございますけれども、そうあってはならぬということで、ことしになりましてからも、全国課長会議でもって、その旨私から強く指示しておりますし、また先月も文書をもちまして、失業保険の適用につきまして、十分な指示をしてある次第でございます。今後とも、この点につきまして、こうしたおしかりを受けないように、十分これが適用につきまして、万全の努力を払ってまいりたい。 なお、第二点目の御指摘でございますけれども、この点につきましては、先ほど申し上げましたように、いろいろ関連する問題もございます。基本的には船員保険をどうするかといった問題でございまして、その中でこの失業保険部門をどうするかという問題に関連してくるわけでございます。この点につきましても、さらに鋭意検討し、努力をいたしたい、さように考えている次第でございます。
○新盛委員 時間が来ましたので、終わりますが、この問題はこれから先の領海法やらあるいは二百海里問題を含めて当然出てくる問題であります。当面、いま鋭意努力をされるということをおっしゃっているわけですけれども、われわれとしては法律の不備があれば、これを正し、あるいは直していくということでなければ、各都道府県がばらばらであるから、あるいは一貫性がないからというのは、一貫性があるようにつくらなければならないわけなんですから、そういう面について十分な、また格段の配慮をひとつこれからもしていただきたい。 この問題はまたさらに機会を改めて十分議論をしていきたい。要望申し上げて、質問を終わります。
○山崎(平)委員長代理 吉浦忠治君。
○吉浦委員 過日私どもの瀬野委員が質問を申し上げました房州ビワの寒害の被害について当局の方で早急に対策を考えるというふうな御返答でありましたが、その後どのように取り組んでおられるか、まず最初にお伺いしたいと思います。
○堀川政府委員 今回の異常寒波によりまして各地におきますビワに被害が出ているわけでございまして、目下農林省のあらゆる組織を動員いたしまして、被害の実情の把握に努めておるところでございまして、大体この四月の十日過ぎぐらいになればまとめられるのではないかというふうに考えております。その状況を見つつ自後の対策等も検討していきたいと思っておりますが、事は災害のことでございまするので、すでに技術的な対策等につきましてはいろいろと県庁の方々とも御相談申し上げ、すでに実行段階に入っておるわけでございます。
○吉浦委員 お役所仕事というのはなかなか期間が長くかかることが通例のようでありますけれども、これは待てない問題が山積をしておりまして、この前も早急に手を打つということでありましたので、早急というのは何日間ぐらいを早急というのか、そういうような怠慢な返答では農家の方々は承知しないわけでございます。 現実の問題からいたしまして、県の方でも早速災害対策を考えておりまして、県の方といたしましても独自でその対策を練ってその施行に踏み切っているわけでありまして、それを指導監督しているのが農林省の当局でありますのに、地元の方が真剣に取り組んでいるものを国の方でどのように指導なさっているのか、もう一度お伺いしたい。
○堀川政府委員 これはビワがやられましたのは、先生も御案内のとおりでございまして、ちょうど果房にいくつもの幼果がついた段階でやられまして、目下技術対策で進めておりますのは、その果房のうち健全果として残りそうなものを選んで、少し早期摘果をおくらせまして、そうして被害の出るのをできるだけ最小限に食いとめようということをいま詰めながら、被害の状況等も把握しておる、かような状況でございます。 早期な対策が必要であることはもちろんでございまして、目下進行形のところもございますが、私どももそこらをにらみながら、できるだけ天災融資法の発動なり、それから自作農資金の貸し付けの問題なり、早期に、被害の実情に応じ、かつまたこれは資金需要を把握いたしませんと、金融対策としてはぐあいが悪いので、資金需要の把握に努めるというようなことを目下鋭意努力中でございます。
○吉浦委員 鋭意努力をなさっているというのはよくわかるのですけれども、資金対策が最優先されるべきだということも、これは当然でございます。県の方として県単による災害融資をもうすでに決定をして、これだけはぜひ救済策としてやっていきたいというふうにしているわけでありまして、そのようななまぬるい対策を国の方で掌握もしないまま、明確な答弁もできないような状態である。農民の方々にいままで不安感がつのっているのは、そういういわゆる原点がはっきりしていないところに私はあるんじゃないか。早急に手を打つところは打って、考えるべきところは考えて、施すべきものは施すということがその当局のあり方じゃないか、私はこういうふうに考えております。したがいまして、九億円の被害が出ているということ、大体売り上げが、収入総額十億円ぐらいだということになれば、九割方被害を受けている。全滅に近い状態であります。いまお答えになっていらっしゃる皆さん方が、私は地元を回りまして、悩んでいらっしゃる農民の方々のその悩みをはだに受けて、ここで反映をしているわけであって、ただ机の上で早期に対策を練りますということでは納得できないものがあるわけです。 〔山崎(平)委員長代理退席、今井委員長代理着席〕 ですから、現段階でどの程度調査をなさっているのか、どういう対策を考えていらっしゃるのか、それをお尋ねをしたい。
○堀川政府委員 被害の実情把握と、それからそれに並行いたしまして資金需要の把握にも努めておるわけでございまして、これは私ども熱意を持って、農家の方々のお立場に立って早く解決をしなければならぬという気持ちで取り組んでおるところでございます。
○吉浦委員 くどいようですけれども、その被害の状況と金額等を、細かいようですけれども、つかんでいらっしゃるところをお知らせ願いたい。
○堀川政府委員 まだ統計情報組織の被害量、そういうものは上がってまいりません。したがいまして、ちょっと先生申しわけないのですが、ここで大体幾らだということを申し上げる段階に至っていないわけでございます。
○吉浦委員 だから私は念を押しているわけであって、二週間も前に取り上げた問題をいまだに答えられないような状態で——やはり現段階でどの程度まで進んでいるのか、どういう調査をいまやっているのかぐらいははっきりいたすべきじゃありませんか。
○堀川政府委員 これは私も被害果の状況を同じ千葉で、まだそうひどくやられていない、何と申しますか通常に近い状態のものと見比べてみたわけでございますが、やはり相当な被害が出ておることは事実でございます。しかし御案内のように、ビワというのは通常、果房に幾つも幼果がつくのを、これは大きな実を二つくらい大きくして取るということから、通常上の方をちょん切るわけでございますが、本年の場合には、摘果をやっておるわけでございますけれども若干その摘果をおくらせまして、同じ果房についておる実の中の上の方でも、大きくなりそうなといいますか、わりと被害を受けていないようなものを残すというようなきめ細かな対策を講じつつあるというようなこととも関係がございまして、被害量の把握がおくれて大変申しわけないのですが、それも先ほど申し上げましたように十日過ぎくらいになればまとめられるというところまでまいっておるという状況でございます。
○吉浦委員 らちが明きませんので次に進みます。 この対策を当局としてやはり的確に、どの時点においてどの程度掌握をしているかということを返答できるように私は当局の方は進めてもらいたい、こういうように思います。 国税庁にお尋ねをしたいのですが、この所得税等についての減免措置等についてはどのようにお考えになっていらっしゃるか、お尋ねをしたい。
○掃部説明員 お答えいたします。 房州地方で本年二月と三月に冷害が発生し、ビワに被害があったことは承知しているところでございます。被害が五十二年に発生いたしましたので、直線的には昭和五十二年分の所得税に影響することになるわけでございますが、国税当局といたしましては、同年分の所得税の課税につきましてはきめの細かい被害状況の調査を早急に実施いたしまして、被害者の災害の程度に応じた無理のない課税を行うように配慮したいと考えておるわけでございます。 次に、被害者の納税についてでございますが、事業につきまして著しい損害を受け、すでに納税が確定しております国税につきまして一時に納付することができない場合には、納税の猶予を申請していただきまして、納付困難な国税について一年間の期限を限って納税猶予を受けることができることになっておりますし、また本年の七月と十一月に納付する昭和五十二年分の予定納税につきましては、五十一年分の農業所得よりも五十二年分の農業所得の方が冷害によりまして減少する場合には、予定納税の減額承認が認められることになっておるわけでございまして、これらの制度の周知方を図ると同時に、申請されました被害者につきましては、その実情に応じた迅速な措置をとるよう所轄税務署に指示する所存でございます。
○吉浦委員 わかりました。この問題は、私くどいように何回も申し上げておりますが、九億円の被害だけでこれが済めばいいのでありますけれども、すでに資材費でありますとか段ボール箱の費用でありますとか一億三千万円ほどのいわゆる設備的なそういう資材費がまいっているわけでございます。こういうものも、もしも来年またひどい寒害に襲われた場合には、二年越しに返済もできないというふうな状態になりますし、その農家の方々はビワだけで生計を立てている人はごく少なくて、それを元手にして、次は五月、六月にいわゆる球根を購入しようという費用に考えていたわけであります。いわゆるアイリスでありますとかフリージアでありますとかスイセンとかユリの球根の購入ということが、このビワが寒害を受けたために、要するにそこでもって循環資金がストップしてしまうわけでありまして、このように、いまどの企業も同じでありますが、一つが停とんしますとすべてがだめになってしまうようないわゆる細々とした中での農民の方々の従事でありますから、対策を考えていただかないと、まるっきりだめになってしまう。それが民宿にも影響するでしょうし、その球根も何も買えないという状態が起こってまいりますので、何とか当面をしのげるような対策を考えていただきたい。 そこで、私は次官にお尋ねをしたいのですが、このような状態のときに国としていままで激甚災害等を受けたときに天災融資法を適用したのでございますが、この問題についてどのようにお考えかをお尋ねをしたい。
○羽田政府委員 先ほど来吉浦委員から御指摘のように、今次の寒干害それから豪雪によります農作物の被害というものが非常に大きかったわけでございます。今日、先ほど来御答弁申し上げておりますように、その状況というものを把握するために農林省としても鋭意総力を上げて努力しておるところでございます。そういった中で、被害の状況等報告を見ておりますと、やはり相当額に上るというように私ども承知しております。その中で今日天災融資法を発動するようになるのじゃなかろうかという予測を私ども持っておるわけでございまして、これが発動されますと、それに基づきまして経営資金の融資が行われ、肥料あるいは農薬、またいま先生からお話がございましたそれぞれの営農資材、これの購入が可能になるというふうに考えております。
○吉浦委員 もう一つお尋ねをしたいのですが、ビワは農業災害補償法のその災害目的に合っておりますかどうかお尋ねをしたい。
○堀川政府委員 所管ではございませんが、ビワは果樹共済の対象になっていないと承知しております。
○吉浦委員 私の不勉強で間違っているかもしれませんが、四十七年の六月十六日、農業災害補償法の最終的な改正がなされておりますが、その中にミカンとかあるいはリンゴ、ブドウ、ナシ、桃、五十年に追加してカキとクリが入ったというふうに思いますが、なぜこの時点でカキ、クリが補償目的に入っているのにビワが抜けているのかをお尋ねしたいと思うのです。
○堀川政府委員 私、定かではないのでございますが、新たに果樹共済の対象に取り入れますときには、農家の側の意向がきわめて強いということと、同じビワ生産農家がかなり加入の見込みがあるという一つの見通しというものが必要でございます。もう一つは、共済でございますから災害の過去の統計等をもとにいたしまして保険設計をやる必要がある、そういうための基礎的なデータをとりますのにある程度の時間がかかる、この二つの要因があってのことではなかろうかと存じます。
○吉浦委員 御承知のように房州は暖かくて気候風土の大変いいところであって、農民の方々もそういうわけで油断があったわけではないでしょうが、いままでほとんどビワの害というものは私も聞かなかったわけですけれども、こういうふうに突発的に起こって、これからまたその危険性が十分ある、来年もそうかもわからないという不安感が漂っているときでもありますので、そういう点の考慮をぜひこの災害補償法の中にも考えていただきたいということを御要望いたしたいと思います。 次に、富津沖の埋め立てが本年実施されるやに伺っておりますが、この富津沖の埋め立て事業というのは十数年来の懸案であったわけでございます。 まず最初に、本年度着工の目標が明確であるということは私は伺っておりますが、首都圏審議会等の方も前向きであるというふうにも伺っておりますし、この十数年来の懸案でありました富津沖の埋め立てについて、今日までこういうふうにことしこそはことしこそはと言ってこられたその延びた原因というものが、漁民の方々に相当不安と混乱を招いたのではないかというふうに私は思っております。十数年もやるんだやるんだと言いながら延びてきて、本年はその目安がついたということでございますが、どういうわけで今日まで延びたか、その根本になる原因をまずお知らせ願いたいと思うのです。
○小池説明員 お答えいたします。 富津の埋め立て計画のおくれている理由はどうかというお尋ねでございます。先生御指摘のとおり富津地区の埋め立ての計画の経緯でございますが、昭和四十二年九月に港湾審議会で埋め立ての計画が了承され、港湾計画ができ上がりました。この段階では埋め立ての面積は約千四百ヘクタールでございました。その後いろいろな経過がございましたのですけれども、昭和五十年三月に重要港湾木更津港の一部に含まれるということを前提といたしまして、千葉県の地方港湾審議会にこの計画がかかってございます。この段階では、富津の埋め立ての面積は約千百ヘクタール、千八十二ヘクタールでございました。 その後、昭和五十年四月以降、この地方港湾審議会のときに問題になりました三点の付記事項がございまして、一つは、大型危険物積載船、危険物を輸送いたします大型の船の安全対策の問題が一つございます。それから港の静穏度の問題、それが二番目の問題点でございました。三番目は環境保全とか事故防止対策、地元対策、そういったものについて地方港湾審議会が十分検討するようにという答申が出てございますので、昭和五十年四月以降、千葉県はこの問題についていろいろ検討してまいりまして、昨年の六月になりまして港湾計画の内容を若干変更いたしまして、富津地区の埋め立ての規模は六百六十ヘクタールに変えて現在関係機関と調整を図っているという状況でございます。 このような経過でございまして、やはり規模が変わってまいりましたり、あるいは御承知のような東京湾という場所でございますから、高度経済成長時代から安定成長に移る、そして基幹産業、基礎資源的なものから加工型あるいは都市再開発用地といったものに切りかわっていく、環境対策にも十分な配慮を払うといったようなことの諸要因によりまして現在に至っているという状況でございます。 先ほど先生御指摘のとおりでございまして、昨年十一月の首都圏の基本計画、それからこの三月に固まりました首都圏の整備計画におきましても、富津の埋め立てにつきましては環境等に十分配慮しながら計画を進めるということになってございます。現在港湾管理者であります千葉県が鋭意港湾計画を固めまして、港湾法の手続によりましてもう一度地方港湾審議会にかけ、それから運輸大臣の方へ提出されてくるというような手はずになってございます。
○吉浦委員 十数年来の懸案であるというふうに言われながら今日まで——そのいま御指摘のような面はよくわかりますが、それならばいまそれが議題に上るのじゃなくて、もっと早く問題点を明らかにしながら着工についてのその進め方をしなければならなかったんじゃないかというふうに思うのです。と申しますのは、漁民の方々は、ことしでだめか、ことしでだめかと言いながら不安感に駆られて、そしてノリ等の栽培に従事をしたわけでありまして、本年ようやっと目安がついたとこう言われても、また延びるんじゃないか、また同じことじゃないかというふうなことで——お尋ねをしたいのですけれども、転業を勧めているその転業つなぎ資金も出るようでございますが、転業を勧めても漁民の方々はほとんどそれに乗ってこないというのは、これは当然いままでの経緯からこういうふうな漁民の方々にしてしまったんじゃないか。県の企業庁の方でも個別に当たってその勧め方をしているようでありますが、ほとんど漁民の方々は乗ってこない。ことしもまたそういうことを言われても、また延びるんじゃないかというふうな不安感の方が先に来ているんじゃないかというふうに思います。いまのような答弁で私は内容はわかりますけれども、県の企業庁が勧めていることであるというふうにきのうも私はちょっと伺いまして、何か知らないけれども責任がどこにもないような感じがしてしようがないのです。責任の所在を明確にして、この埋め立てを進めなければいけないのじゃないかというふうに思いますが、その点について……。
○小池説明員 事務的なお答えで恐縮でございますけれども、先ほどお答え申し上げましたとおり港湾計画は港湾管理者でございます地方公共団体、まあ富津地区につきましては千葉県でございますけれども、千葉県が港湾計画をつくりまして、それから地方港湾審議会の議を経て運輸大臣に出してまいります。そういたしますと運輸大臣はそれを中央の港湾審議会にかけて、その港湾計画を承認するというような手配になってございます。十数年来、まあ昭和四十二年の港湾計画以来の埋め立て計画でございますけれども、先ほど申しましたとおりその間の環境上の配慮その他いろいろな東京湾をめぐります諸問題の中で十分に計画を詰めて、いまようやくそれが六百六十ヘクタールという最終的な形でまとまって間もなく地方港湾審議会にかけられるというような手配になっているんだというふうに聞いてございます。 余りお答えになっていないかと思いますけれども、そういうような状況でございます。
○吉浦委員 そういうふうにお答えになると私は大変弱くなりまして、それ以上聞けなくなってしまいますけれども、実は四十三年十一月と四十五年二月に漁業協同組合等の補償の成立が成っておりまして、百八十五億円の補償がなされていると思います。この時点において埋め立てができるという想定のもとにこの補償がなされたと思うのですが、現在、四十三年から見ても九年間、十年になんなんとする経過があるわけでありますが、今日この補償額を見た場合に、漁民の方々はほとんどその時点ではお金をいただいても右から左になくしてしまいまして、さて、権利は失った、埋め立てはできる、また再度漁業補償をしなければならないような時点をいま迎えているわけです。このような状態を放置していた責任というものが大きな原因であるというふうには私は指摘をしたいわけでございまして、その時点で補償さえすればもう済んだんだと、いまは埋め立てしても、漁民の方々には、こちらは当然の権利であるというふうな行き方にはならないのじゃないか。そのあたりの状態を私は非常に心配をしておりまして、この点について御答弁をいただきたいと思うのです。
○小池説明員 富津の埋め立て計画に伴います漁業との調整、特に漁民の方々の転業対策の問題、これはいま千葉県が鋭意進めているというふうに聞いてございますが、聞き及んだ範囲でお答えいたしますと、先生御指摘のとおり、昭和四十三年、四年にかけまして、富津地区の四漁協につきましては漁業補償をいたしました。そこの漁協の組合員の方が約千四百名ございますのですが、昭和四十三年の十一月、それから昭和四十五年十二月の漁業補償の締結後今日までに約四百名の方がすでに転業なされているように聞いております。残りの約六百名の方は、今後ともノリ養殖あるいは沖漁等によって漁業を継続していく。千四百名のうち四百名の方はすでに転業をなされて、六百名は今後も漁業を継続する、残りが四百名でございますが、現在千葉県が進めておりますのは、この残りの約四百名の方の転業対策を鋭意進めているというふうに聞いております。 具体的に申しますと、昨年の七月に富津地区漁民転業対策協議会というものを、関係漁協、富津市、千葉県の三者で構成いたしまして、兼業漁民の農業の拡大の問題あるいは観光事業への転換の問題水産加工業への転換あるいは埋立地に立地いたします企業への雇用その他の転業対策を進めておりまして、そのための手段といたしましては、融資の手当て、経営のコンサルティング等きめ細かい総合的な転業対策を、現在漁民一人一人との間で話し合いが進められつつあるというふうに聞いてございます。富津の埋め立て計画に伴いまして、漁民の転業対策につきましては、千葉県が現在万全の措置をとるように努力しているというふうに聞いております。
○吉浦委員 先ほど申しましたように、転業対策についての県の取り組みも真剣であることは私よく知っております。ところが、いま問題点を挙げましたように、漁民の方々は、またことしも恐らく延びるんじゃないかということで、そういうお話をいただいてもなかなかそれに乗ってこないわけでありまして、恐らく埋め立てられてからびっくりして、さあ転業だというふうなことが起こってきやしないか、大混乱をしやしないか、その原因というものは延びてきたところにあるのじゃないか、ということを私は指摘をしているわけであって、その取り組みは十分行われていることは、これは申したとおりでございますが、そういう問題について十分な指導監督をしていただかなければならぬのじゃないかというふうに思っております。 そこで、富津漁業協同組合の中に、私、心を痛めているのは、内規で決められているようでございますが、半端漁民の方々がいらっしゃる。半端と言うと大変失礼な言葉でございますが、二分の一権利とか三分の一権利というのがどうして生まれたかわかりませんけれども、そういう方々がいらっしゃるわけです。お会いしましたところ、今度その転業つなぎ資金という二百万の支給がなされるようでございます。五月と十二月に百万ずつ支給されるということをお聞きしました。ところがその半端漁民と言われるような方々にどうなっているのかを大変私は心を痛めて聞いてきたわけでありまして、このことについてどのように掌握なさっているか、ちょっとお尋ねをしたいのです。
○森実説明員 私ども千葉県から事情を聴取したところによりますと、いま先生御指摘の半端漁民という観念のものは伺っておりません。ただ、御案内のように、富津、青堀、それから青堀南部の各組合が解散する予定になっている。しかし、一方ではまだ当分の間埋め立てられない海面が残っている。ここを利用して漁業を継続する組合員があるということで、新井組合の定款変更を行いまして、各組合の総会、理事会で定めました選定基準で四百一名の方に当分の間漁業を継続させるという話があるということは聞いておりますが、御指摘のような半端組合員というのはちょっと伺っておりません。
○吉浦委員 いわゆる転業つなぎ資金の二百万が支給されるということでありますが、ちょっと半端漁民という言葉が悪いんですけれども、権利を持っていらっしゃらない、内規による権利ということのようですからおわかりならないかとも思いますが、その二分の一なり三分の一の権利を持っていた方々も、埋め立てになってしまえば転業しなければならないことは当然なことでありますので、私の調査によれば四十数名いらっしゃるようでありまして、この方々に対してもいわゆる転業つなぎ資金の二百万の補償というものはぜひ指導をなさって考えていただきたい。くどいようでございますが、ぜひお願いをしたいと思います。また、この埋め立てができますと、一部海が残りますので、新しい漁協に入られる方々もいらして、そこで漁業が続けられるという状態になるわけでありますが、埋め立てによる潮流、海流その他の変化によって、いままでは漁業に従事できたわけですけれども、そういう影響があらわれて、いままでのような漁場ではなくなってしまうんじゃないかという不安があるわけですが、この点についてどういうような調査をし、どういうふうに考えていらっしゃるかをお尋ねをしたい。
○森実説明員 先ほども御答弁ございましたように、本事業は県営の埋め立て事業として千葉県が実施しておられまして、実は県庁の方からも漁業者の方からも漁業補償の問題については私ども何もまだ伺っておりません。率直に申しますと、御質問ございましたので急遽事情を電話で聴取したという状況でございまして、実態は把握しておりません。ただ、先ほど御質問にもございましたように、四十三年及び四十五年にわたって解決が行われ、約百五十八億円の補償金が支払われたということと、それから、漁業を廃止して転業する者に対して近く一人当たり二百万円の転業資金が支払われるということについては伺っております。この点につきましては、何と申しましても県の埋め立て事業の補償の問題でございまして、組合の業務自体の問題というわけでもございませんし、事業の主体も私ども直接関係ないわけでございますから、十分事情は今後とも聞いてみたいと思いますが、いま軽々の判断をすることは差し控えさしていただきたいと思っております。 それから、もう一つの問題は、実は私どもの方には、この埋め立ての工事に関連して、漁港の整備、改修のあり方をどう考えるかという問題が提起されていることは伺っております。実はこの地区につきましては、萩生漁港、竹岡漁港、大貫漁港等について第五次整備計画でもかなりの事業を実施したわけでございますが、これ以外に新規事業といたしまして、第六次の改修事業についての、下州地区というのでございましょうか、これについて県から要望がございまして、この改修事業について現在検討中でございます。
○吉浦委員 これは、埋め立てになりますと、大体企業の操業がまだこれから八年なり十年なり先になるようでございます。いま埋め立ててもそうだというふうなことでありますので、いろいろ早期移転希望者の方々もいらっしゃいます。同じ市の中に十六工場ばかりの鉄綱関係の中小企業の方々がいらっしゃいまして、住民の方々からいわゆる公害問題等で早期に埋め立て地のところへ移転をしてもらいたいというふうな要望等もありまして、それが延び延びになっているということは、住民の不満もまた大きく爆発寸前でありますので、そういう点でもぜひその対策を練っていただいて、先ほどからいろいろ御答弁がありましたが、本年は間違いないという裏づけが実証されるような、そういう点でぜひとも進めていただきたい。再度お願いをして、この富津の埋め立てについては終わらしていただきたいと思います。 続きまして、二百海里問題がいま論議の中心でありますが、私は二百海里問題を論じようという考えは持っておりませんけれども、いま大事な点で水産加工等の組合が大変お因りのようでございまして、この問題にしぼりまして、特にかまぼこ業者のあり方というものを考えなければならないときが来てるんじゃないかというふうに思いまして、この点についてお尋ねをしたいと思います。 二百海里と言えば、これはもう何も私が言うまでもなく、東京から名古屋までぐらいの距離でありまして、その二百海里の中で他の国の船が自由に操業できないというふうないわゆる専管水域になるわけでありますが、そうなりますと、入漁料の問題でありますとか、あるいは漁獲量に応じて料金を払うというようなことになれば、問題のスケトウあたりは完全にピンと値段の方にはね返ってくるでしょうし、そういうふうな問題がたくさん出てまいることはこれはもう明らかでありまして、さて、その二百海里の水域の中で、魚種別に挙げるとすると、いまどれくらいの量の魚がとられているのかどうかをまずお尋ねをいたしておきたいと思います。
○森実説明員 わが国の漁獲量は、先生御案内のように、約一千万トンでございますが、このうち約三百七十四万トン、これは五十年の数字でございますが、これが外国の二百海里の中における漁獲量でございます。
○吉浦委員 年間のその総トン数はわかりましたが、二百海里の中でその水揚げ量がどのくらい魚種別に依存をしているかを、おわかりでしたらお知らせ願いたい。
○森実説明員 全魚種というわけにも参りませんが、主要なもので申しますと、スケトウダラが、わが国の総漁獲量が二百六十八万トンのうち、二百三万トンが外国の二百海里の中に依存しております。その次に大きいのはイカ、タコでございまして、これは総漁獲量六十万トンのうち約二十六万トンが外国の二百海里内に依存している。その次に大きいのがマグロ、カジキ、カツオ類でございまして、総漁獲量六十三万トンのうち二十五万トン、その次に大きいのがヒラメ、カレイ類でございまして、総漁獲量三十五万トンのうち二十二万トンが、それぞれ外国の二百海里の中に依存しております。
○吉浦委員 そうなりますと、スケトウあたりはほとんど、七五%ぐらいがこの二百海里の中でとれているということでありますから、完全にこれはもう大きな打撃を受ける。いわゆる二百海里ショックを受けるのはスケトウだろう、こういうふうに決めてかかってもいいんじゃないか。 そこで問題になりますのは、スケトウを材料にしてつくってまいりましたかまぼこが大きな影響を受けるということで、この二百海里の問題が起こったときに、今後食生活の改善の中で考えなければならないのは何であろうかということに着目をして、私はかまぼこ論議をしているわけでありまして、これは、いままで先輩の方々なり皆さん方が種々頭を痛められて、いわゆる食糧政策等についての十分な意見がここで闘わされたことと思うのですが、私は初めての議席をいただいて、この農林水産委員会という中に所属さしていただいて、この問題に非常に頭を痛めて、いわゆる消費者の皆さんがこれからの食生活というものをいかように考えなければならないか、いろいろあれしてみたのでありますが、私は長いこと教育の場におりましたので、根底に流れるものは教育、その指導性の問題でございますね。いま政治に最も欠けているのはそういう指導性じゃないか。なぜならば、国民の皆さんに早くわかるように、政治がもっとわかりやすいようにいたすべきが当然じゃないか。そうなると、いわゆる障害物にぶつかってから対策を練るのじゃなくて、今後二百海里になれば当然起こり得るであろう問題等の指導性というものが問われるのじゃないかと思っております。 そこでスケトウの問題で、釧路やあるいは八戸、石巻、塩釜などがその大量の水揚げをした港でありますが、平均価格で十キロ当たりが三百三十円ぐらいだったのですが、これが急に上昇していると聞いております。現在の値段は十キロ当たりどのくらいしているか、お尋ねをしたいと思います。
○森実説明員 ちょっといま手元に正確な数字はございませんが、昨年の同期に比較いたしますと、二月でございますが、十キロで申しますとその十倍になるわけでございますが、大体キロ五十円から六十五円ぐらいの間で動いているかと思います。それが一時非常に暴騰をいたしまして、百五、六十円の相場をつけましたが、現在少し反落いたしまして、現在大体百円から百二、三十円の間で動いております。
○吉浦委員 このように値上がりをしておりまして、これがいわゆる材料となってかまぼこができれば、これはかまぼこが上がるに決まっているわけでありまして、そこで考えなければならないことは、二百海里時代になってきた場合に、当然大衆魚、回遊多獲性魚と言われるところのイワシ、サバの問題を考えなければいけないというふうなことで、私に言われるまでもなく当局の方では考えていらっしゃると思いますが、いままではほとんどハマチやあるいはウナギ等の養殖に使われていたのが、その大衆魚となったものでありますけれども、これをどういうふうに手を加えていけばかまぼこになるのか。いわゆるイワシ、サバを青い魚というふうに専門用語では言っておるそうでありますが、その青い魚を材料にした場合に、どういう特徴があり、長所短所が出てくるのかどうかということをお尋ねをしたいのです。
○森実説明員 ちょっとイワシ、サバの問題の前に一言申し上げておきますと、スケトウダラについては確かに七五%が外国の二百海里内に依存していることは事実でございます。今後外国の二百海里内でどの程度漁獲量がカットされるかという問題がございますが、当面の対応といたしましては、従来ホールでフィッシュミールにしていた小型のスケトウダラあるいは以西底びきとか沖合い底びきの荷の再評価ということがやはり市場経済の中では先行して起こってくると見ております。 そこで、御指摘のイワシ、サバの問題でありますが、鮮魚としては食味等も良好でございますが、練り製品の原料、すりみということを頭に置きますといろいろ問題がございます。鮮度の低下が早いこと、魚臭が非常に強いこと、それからもう一つは、特にイワシでございますが、脂肪含有量が多いということ、それから漁獲が一時的にどうも集中する本質を持っておること、北転船あるいは北方トロールのように周年操業で安定しているという形にはならない。それから肉質がわりあいに軟弱である等がございまして、練り製品として利用する場合には、いろいろ技術的に問題がございます。しかし、長期的に見ますと、私どもといたしましては、御指摘のようにイワシ、サバが食用に向けられている比率が非常に少ないわけでございまして、イワシは二割、サバは四割というのが現状でございます。これを加工原料、特に練り製品の原料とすることは重要な技術課題と思っておりまして、本年度から、企業的に生産するための多獲性赤身魚高度利用技術研究開発費というものを計上いたしまして、三カ年計画で開発に努めていきたいと思っております。 特に問題になります点は、一つは割魚機と申しますか魚を機械的に処理する、つまり現在でもイワシ、サバを利用いたしました練り製品はあるわけでございますが、どうも人間の手で包丁処理をしないとうまくいかないという点がございます。やはり割魚機の開発ということが一番大きな課題ではなかろうか、こう思っております。 それからもう一つは、御指摘のようにどうしても色が黒い色になる。これが今日の消費社会では非常に市場抵抗がある。実験してみてもそこにぶつかる。この点につきましては、実はことしから多獲性大衆魚の消費拡大ということについてテレビの関係予算等を計上しておりまして、こういった過程を通じて、良好な食味を訴えると同時に、そういったことに対する消費者の感覚を改めていくための努力ということをやっていきたいと思っております。
○吉浦委員 いまお話しになったようなことをこれから消費者の方々に、黒いかまぼこといえどもこれは栄養価も高いし、白いかまぼこ同等に中身もいい、味もいいというふうなPRを農林省においてもっとしないと、黒いからだめなんだ、あるいは灰色だから——ロッキード問題みたいですけれども、灰色だからだめなんだということじゃなくて、黒こそいいんだ、これこそ栄養があるのですよというふうな徹底した指導をしなければ、消費者の方々は色だけで、最近のかっこいいというふうなことだけで栄養価を逃がしてしまうような行き方がとられますと、二百海里が即私どもの消費生活に響いてくるわけであって、そういうものを考えまして、私、小田原の水産加工業組合等も調べてまいりました。ここにおいて海外資源部会というふうなものを設置されて、それに対応する原料確保のために活発に動いていらっしゃるようであります。どういうものをこの海外資源部会でやっていらっしゃるかというと、私もびっくりしたのでありますけれども、アメリカでペットフードという、これは犬、ネコに食べさせるものでありますが、何だアメリカで犬、ネコに食わせるものを日本では食用に供するかと言われるかもしれませんが、これは犬、ネコ用といえども一級品でありまして、日本でグチという魚に目をつけて、水産業界との話し合いが進めば、これを将来輸入して特に期待の持てるものじゃないか。値段の点はどういうふうになるかわかりませんが、高くてもおいしければいいじゃないかということで、白いものを続けようという小田原のかまぼこ業者の方々は心配していらっしゃるようであります。けれども、私がここでさっきから終始述べておりますことは、そのかまぼこが、小田原のような二百年来の伝統を持っていらっしゃるところののれんの古いところは別としても、このグチという魚を原料にした場合に、グチはまるでかまぼこのために生まれてきたような角だそうでありまして、弾力性あるし、滑らかでもあるし、味のぐあいも大変いいという三拍子そろったような魚だと言われておりますが、スケトウとは味がどうなるか、ぐんとよくなるかどうか、よくなればまた仕入れ値が高いというふうなことになってくるだろうと思うのです。 そこで、いいものはあるいはうまいものはいつの時代でも高いんだというふうなことになっては消費者はついていけませんので、有名な笹かまぼこで知られております宮城県で黒かまぼこの試作が始められておりまして、宮城県の水産加工研究団体連合会というのがございますが、そこで研究、指導協力をされております。それは、いま申し上げましたようにサバ、イワシを原料としてかまぼこをつくっているわけであります。結論は、いまお答えありましたけれども、できるということでありまして、黒いかまぼこでありますが、消費者の方々は大変抵抗があるかもしれませんが、やればできるという自信がわいてまいりまして、それを積極的に勧めることもやっていらっしゃるわけです。農林省としてぜひこういう問題を前向きというよりも早くからPRをしてあげるような行き方をとりませんと、部分的に研究は進んでいても、また高いかまぼこで大騒ぎをしなければならぬというようなことにすりかえられてしまったのではまずいというふうに思いまして、早目にこういう問題を、起こるであろうことは想定ができるわけでありますので、取り上げていただくようにしていただきたい、こういうふうに思っております。 そこで、静岡県の焼津等でも同じ黒はんぺんというふうなものがあります。これは本当の、黒と言うぐらいですから黒か灰色のような色をしておりますが、そのままでも食べられますけれども、ゆがいて、さっと焼くと大変うまいということで、値段も一枚十五円ぐらいで大変安いということで市場に出ておりますけれども、せいぜい県内だけで、県外には販路が広がらない。これはやはり黒いからでありまして、こういう点において、熱心な方が百万ぐらいかけておつくりになって、売り上げたのが二十万ぐらいというので採算がとれない。できても、こういうことでは、消費者の皆さんに何とかして求めていただきたいという要望よりも、そういう問題で色でもって片づけられてしまうということで、政務次官、私はぜひこういう点に対する農林省としての考え方をお尋ねをしたいと思うのです。
○羽田政府委員 先ほど来先生から、二百海里時代を迎えた今日、加工食品、特に練り製品につきましていろいろとお話をいただいたわけでございます。その中で宮城県の黒かまぼこ、それから静岡県の黒はんぺんにつきましてお話があったわけでございますけれども、この黒かまぼこにつきましては、地元の業者の方々と協力しながら水産庁の方でもいまこの開発に努力しておるところでございます。 なお、二段目にお話がございました黒いはんぺん、これにつきましては何か明治のころから焼津ではあったそうでございます。そして静岡には何十軒かの業者があるようでございますし、また地元ではこれが非常に好まれておるという実例もございます。またそのほか、南の方に向かいますと、イワシですとかあるいはサバですとか、こういった魚を使っての練り製品がわりあいとつくられておるようでございます。ただ、いま先生がお話がございましたように、ただ黒いというだけでなかなか普及されないようだけれどもというお話があるわけでございます。これは事実、静岡県あるいは農林省でも何か数年前にデパートなんかでこの消費拡大のために宣伝活動をやったようでございますけれども、なかなか思うようにいかなかった。これはやはり黒いというところに大きな問題があったようでございます。しかし、この黒いという面につきまして、これは私も実は買って食べてみたのでございますけれども、いま先生おっしゃるとおり、生で食べましてもなかなか魚の味がいたしますし、普通の白はんぺんなんかよりむしろ私などはうまいと思ったぐらいでございます。ただ、最近はノリなどまぜました、少しこの黒はんぺんに似たような色のものもどんどんデパートでも出回っているような時代でございますし、また、こういった二百海里時代を迎えて、国民ももっともっとこういった魚を食べなければならぬという合意は十分できていると思いますので、いま宣伝いたしますと、かつて余りその効果がなかったものが、むしろ逆に非常に大きな効果を呼ぶんじゃなかろうかというふうに思います。しかもこの値段が、先生いま十五円という御指摘がございましたけれども、あそこに行きますと五円ぐらいの安い方がうまいということでございまして、そんな面からいきましても非常に経済性もあるということでございますので、その辺も十分に私ども考慮してまいりたいというふうに思っております。 ただ、もう一つ問題がございますのは、先ほど局長からも御答弁申し上げましたように脂の部分あるいは血合いというのですか、その部分などがわりあいと酸性化しやすいというのですか、腐りやすい面がございまして、せいぜい冬でも二、三日、夏でございますと防腐剤を入れましても二日間もつかどうかという、そういった面がございます。そんな面につきましては、技術的な開発というものをこれから進めてまいりたいというふうに考えております。
○吉浦委員 いま次官の方からそのような答弁がございましたので、積極的にPRをしていただく、いまはもうPRの時代でございまして、農林省が積極的に消費者の立場に立って、消費者団体等と、特別な手を組む必要はありませんが、先取りできるような形で消費者を守るということを私は申し上げたいわけでありまして、ぜひお願いをしたいと思います。 続きまして、時間がなくなってきたのですが、水産加工業対策について。この一日でありますか、水産加工業の専務さんか何か投身自殺をなさったような記事もちょっと見受けたぐらい加工業の方々にいま最大のピンチが来ているんじゃないか。そこで、いままでの水産加工業の方々に対する思いやりが余りにも薄かったのではないか。ちょうど谷間のような形でおくれていたのではないか。あらゆる機会に水産加工業の方々に対する後手後手の手になっていたような気がしてなりません。こういう問題について農林省はどのように考えていらっしゃるか、まずお尋ねをしたいと思います。
○羽田政府委員 水産加工業、一般的に確かに零細でございます。そういったことで構造改善、この必要性が非常に高く望まれるところじゃなかろうかというふうに思います。さらに、今後の課題としまして、この二百海里問題が大きくなってきますと、原料魚、これの原料がまた高くなってくるというような大きな問題もございますので、安定確保ということ、あるいは公害規制などの諸問題、いろいろこういった多くの問題を抱えておりますので、昭和五十二年度から、水産加工業の今後のあり方と対策について有識者の参集をお願いしております。仮の名前でありますけれども、水産加工問題検討会、こういった検討会を設けまして、水産加工の振興に対します新しい一つの法制につきましてもこれからいろいろと検討してまいりたいというふうに考えております。
○吉浦委員 特に二百海里の時代に入って、わが国の食糧確保の見地からしても、また水産行政独自の見地からいたしましても、水産加工振興対策というものを講じなければならないときが来ているわけでありまして、わが国の水産業の安定した基盤を確立する上からもきわめて大事なときが来ているというふうに思っております。こういう点について、いままでちょうど谷間のような形の加工業の団体の方々が、長年の悲願でありまして、叫ばれても叫ばれても全然浮かび上がってこないような状態のときに、大きな打撃をもろに受けるのが加工団体の方々でございます。そういう点から、私は水産業協同組合法の改正もしなければならぬときが来ているんじゃないか、その組合員たるの資格の引き上げについてはどのようにお考えでいらっしゃるか、お尋ねをしたいのです。
○森実説明員 お答え申し上げます。 まず事実を申し上げますと、組合員資格は現在常時従業者百名ということになっておりますが、この百名以下の経営体が九八%でございまして、該当しないものがわずか二%ということでございます。これは先生御案内のように、水産加工業は漁業と表裏一体の関係でございまして、一次産業的色彩も非常に強い、操業や雇用についても極端に季節性が高いわけでございます。その意味合いで、他の装置産業における常時従業者三百名というのと現在の水協法での常時従業者百名というのを一律に議論することにはなかなか問題があるだろうと思います。それ以外に、実はこの種の零細企業者のいわば集団として、これらの組合がある種の共同行為を行っていくということが当然出てくるわけでございますが、これも御案内のように中小企業協同組合法では常時従業者百名以下のものについては独禁法の適用除外を認めておりますが、百名以上のものについては別な扱いになっております。そういう点もございまして、確かにできるだけイージーに水産業協同組合の設立ができるということも一つの意味のある道かと思いますけれども、やはりできる協同組合のあり方という問題から、特にいま申し上げたような特殊性がございますと、別の見方もあると思います。これはひとつ今後の検討課題とさしていただきたいと思っております。
○吉浦委員 ぜひ検討していただきたいと思うのですが、組合の設立の発起人等についても、中小企業関係の協同組合法との大きな差がありますので、こういう点も含めまして検討をしていただきたいと思うのです。 取り急ぎお願いをしたいのですが、金融公庫の融資制度の改善等もしていただきたいし、特に私問題にいたしたいのは、前の漁港法のときにも私は御質問申し上げましたけれども、漁港だけを整備するのでなくて、今後そういう加工団地等の設置も一緒に考えながらしていく体制をとらなければならぬのじゃないか。海を、水深を深くしようとして、土をとって盛り上げますと、それをどこへ持っていくか、沖の方に持っていって捨てればこれは何にもならないわけでありまして、それを埋め立てなりに使い、そこへ加工団地を設置するなりという方法の有機的な関連がいまほとんどされておりませんが、そういう加工団地の設置等について全国的にその要望がありましたらお答えを願いたい。
○森実説明員 まず漁港との関係でございます。現在漁港は機能施設の整備を重視しておりますし、また同時に漁港工事に当たっては外郭施設の内側を埋め立てまして、これを流通加工センターに利用しているケースは非常に多くなっております。また県有地等についても、こういった加工組合等には貸し付けの道を土地についても開いております。 それから二番目に流通加工センター自体の問題でございますが、これは御案内のようにすでに予算で継続して流通加工センターの整備事業を実施しております。五十二年でも四十二地域で事業を継続実施するとともに、新しく五地域を指定いたしまして調査を行うこととしておりまして、これらの一連の予算は今後とも拡充してまいりたいと思っております。
○吉浦委員 時間になってしまいましたので、一つだけ最後に要望して終わりたいと思います。 この加工団地というものがいま望まれているときでありまして、団地の設置については、当然のことでありますが排水等の公害防止施設等が設置されるようになるだろうと思うのです。そこへりっぱな団地をつくっても、いまの加工業の方々はなかなか入ろうとなさらないような問題が起こってくるわけでありまして、こういう問題は、いろいろな負担金の問題でありますとか維持費の問題でありますとか、あるいは生産能力、負担能力がないというふうな問題等もあろうかと思うのです。いろいろな問題点があろうと思いますが、やはりこれからは公害防止施設等をつくりながら十分な環境保全を考えて加工団地の育成をしてまいりませんと、この指導をなさいませんと、どんなりっぱな施設をつくってもそこに入らないというふうな状態が起こってまいります。海岸も汚れ、また加工団地の周辺等も汚水が流れて、まるで悪臭が鼻をつんざくようでありまして、そういう問題等も含めて加工業者の方々が一生懸命やっていらしても、地域住民からは大変な非難を浴びながら、ないお金で最大の設備をしようとしてもできないわけでありまして、そういう生活ができる、運営ができる、そういう指導、助言等をされながら加工団地の設置、公害の防止の排水等の問題も含めながら、十分加工業者の立場に立ってこれからの推進をしていただきたいことを要望して、質問を終わりたいと思います。
○今井委員長代理 山原健二郎君。
○山原委員 飛行場拡張と農地の問題について質問をいたします。 運輸省の方へ最初伺いたいのですが、高知県の高知空港の拡張問題が起こっておりまして、すでに公聴会なども持たれたわけですが、この飛行場のある場所は土佐のデンマークと言われる農耕地帯、しかも二期作地帯で最も農耕に適した場所であります。現在、この真ん中に高知空港がありまして、YS11が飛んでいるわけですが、ここにジェット機を入れるということで現在千五百メートルの滑走路を二千メートルに延長するという問題が起こりまして、数年来この問題が県政上の大きな課題になっているわけです。 ところで、この問題は単に千五百メートルを二千メートルに延長するということではなくて、現在の滑走路の横に並行して新たに二千メートルの滑走路をつくるという、いわば滑走路の新設の中身を持っているわけであります。したがって、そのために約八十ヘクタールの美田並びにハウス園芸地帯が買収をされるという事態が起こっているわけであります。この地域が農耕地としてどれほど重要な地域であるかということは、すでにこの飛行場のあります南国市の市長が農業委員会に諮問をしまして答申が出されておりますが、その答申の中にも詳しく述べられておりますので、このことについてはここで申し上げることは差し控えますが、この中で、いま飛んでいるYS11はもうすでになくなるんだ、したがって飛行機の飛ばない飛行場にしてもいいのか、こういう反論が農民にとって一つの脅迫的な言辞となっておるのでありますが、YS11というのは一体どうなるのかということを最初に伺いたいのであります。
○武田説明員 お答えいたします。 現在YS11型の航空機は約六十九機ばかりのものが国内線の主としてローカル線に飛んでおるわけでございますが、昭和四十八年度をもちましてその製造が中止されております。したがいまして、物理的な寿命ということから考えましても、次第にYS11というものが数が減っていくということは予想されるわけでございますが、何年先までYS11が使用されるであろうかという点につきましては、これはその航空機のYS11の持つ経済性が今後どのように悪くなっていくか、あるいは部品の調達がどのようなテンポで困難になっていくかというようなこととの関連もございますので、余り明確な見通しを持つことがむずかしい状態でございますが、昭和六十年ごろまでには大方のものが退役してしまうのじゃなかろうか、大体そのような予想を持っておる状況でございます。
○山原委員 一昨年私はIPUの会議のためにブラジルを訪問しましたところ、その際にYS11の売り込みがブラジル政府に対して行われているのです。現に私たちがブラジル政府から提供された飛行機もYS11でございまして、これはサムライ号という名前がつけられておりました。これは陸軍大臣の専用の飛行機であったわけでございますが、さらに最近の例を見ますと、本年の予算の中にも海上保安庁がYS11の中古品を購入するということが出ているわけであります。したがって、本年の予算で購入する飛行機が六十年度あたりでなくなるなどということは予想はできないと思います。 さらに、私はYS11を製造しております日本航空機に問い合わせてみましたところ、YS11についてはいわゆる国際的な慣行によりましても、定期商業路線で五機動いていれば部品の製造と補強を行うというのが国際慣行であって、あと十年や二十年はアフターサービスは行われるし、飛行機がなくなるということは絶対にない、こういう答弁でございます。したがって、この農民に対して、また県民に対してもう目の前に飛行機がなくなるかのような、飛行機の飛ばない飛行場を持っているのかなどという脅迫的な言辞は、これは正確な言い方ではないと思います。この点を指摘いたしたいと思うのですが、これについてはどうお考えですか。
○武田説明員 YS11型機が日本の国内線の路線にいつまで使われるであろうかという点につきましては、いろいろと見通しのむずかしい点もございますが、高知空港の整備に関しましては、航空旅客の需要の非常に多い空港でございまして、しかも、将来ますます旅客輸送需要が増大する見通しが強い空港でございますので、長期的に見ました場合には、やはりもっと大型の航空機を導入する必要がございます。そういう意味で、将来の空港整備計画におきましてはジェット機を導入するということが高知空港の輸送需要に対応していくというためにどうしても必要な施策であるということで空港整備計画を立てておるわけでございまして、もちろん、YS11が次第に減少していくという見通しもその間の事情としてはございますけれども、空港整備計画といたしましてはやはり需要増に対応するという意味でジェット化がぜひとも必要であるという立場で計画をしておるところでございます。
○山原委員 YS11に続く飛行機としてYXがありますが、これは御承知のように民間輸送機開発協会、通称YX協会が国内路線に滑走路を短くして騒音公害をなくすための飛行機として検討されておるものでございますけれども、このYXならば千五百メートルでも可能であるというふうに言われておりますが、会社の方に聞きますと、あと二年ぐらいでこれは飛ぶようになり、さらに四年後には商業路線にも就航させたい、こう言っておりますが、この点については運輸省としてはどういう見解を持っておりますか。
○武田説明員 YXの開発計画に関しましては通産省の所管でございますので、私どもは現時点における詳細な状況を承知しておるわけではございませんけれども、私どもが最近までに聞いておりますところでは、YXといいますのは国産の中型のジェット旅客機を開発するという目的で構想が練られておるようでございまして、大きさも二百人前後の座席数で、滑走路につきましては、やはり二千メートルクラスの滑走路で飛ばすということで現在構想が進められておるというふうに聞いております。
○山原委員 そこで、運輸省がいままで県を指導してまいりました文書があるのです。これは県独自でこういったことを考えられる余力はもちろんありませんし、いままで出されました「高知空港の概要」、これは四十六年の三月に出ております。引き続いて四十八年の一月にもこの資料が出されておるわけでございますが、またそのほかにも「高知空港騒音調査報告書」などを見ましても、大体ジェット機としてはDC10の予定となっているわけです。それは明白にこの資料の中に出ているわけでございますが、これが四十八年の三月に至りまして突然DC10が姿を消しまして、いわゆるL一〇一一、三百五十席の飛行機、ロッキードトライスターが姿をあらわすのでございますが、これはどうして突然このような計画の変更が出てきたか、簡明に伺いたいのです。
○武田説明員 将来の予想される航空機の種類をどのように選ぶかという問題であろうかと思いますが、DC10あるいはロッキードL一〇一一、こういうエアバスと通称されております機種を私ども一つの飛行機の大きさの種類として分類をしておるわけでございまして、たまたまDC10という固有の機種名が使われた状態があり、さらには全日空が具体的にロッキードトライスターL一〇一一というものを導入する段階では、具体的にそのような機種名が使われたというふうに考えられます。したがいまして、一応飛行機の大きさの分類としてエアバスクラスというふうに私どもは空港整備計画上はとらえているわけでございます。
○山原委員 ちょうどこの当時、いま問題になってまいりましたロッキード問題の時期でもありまして、四十八年の三月に突如変更になるということなどは、県の段階では知る由もないことなのでございます。したがって、運輸省の方でそういう指導がなされたと見るのが当然の見方であるわけですけれども、私はここでロッキード問題を論じようとしておるのではございませんが、ここでトライスターの滑走路は離陸二千七百メートル、着陸千七百五十メートルを必要とする飛行機であります。これは騒音対策協議会の資料、これも皆さん方が恐らく指導されてつくられたものだと思いますが、初めから滑走路は二千七百メートル必要だという飛行機を予想して、何で二千メートルの滑走路をつくるという計画を立てたのですか。この点を伺っておきたいのです。
○武田説明員 高知空港の滑走路長を二千メートルといたしましたいきさつと申しますか、事情につきましては、高知空港の周辺の土地利用の状況、特に環境問題あるいは地形、そういった航空機を飛ばします際の安全上の問題、そういったものを種々検討いたしまして、あの高知空港の場所におきましては、二千五百メートルの滑走路を設けるということは、事実上困難である。したがいまして、二千メートルの滑走路を計画したわけでございますが、これはいま申し上げましたような事情で二千メートルになっておりますので、将来さらにそれを五百メートル延長するということは、全く考えておらないというような状況でございます。
○山原委員 これは航空機の安全性の問題としてお考えいただきたいのですが、離陸に二千七百メートル必要だというのに対して、二千メートルでいいのだなどと、飛行場建設の計画に当たって危険だという数字を初めからどうして出したのか。地形的に困難などということは問題になりません。飛行機の安全性の問題から申しますと当然のことです。それで私は、全国すべてではありませんけれども、各飛行場の空港長に対して問い合わせをしてみました。全部異口同音に言うのは、二千メートルでは危ないです、こういうことです。これは明白なところです。しかもボーイング727の大型二百席の飛行機にいたしましても、二千メートルでは危険だと言っておる。それをトライスターを持ってきて二千メートルで結構だなどということを運輸省は責任を持って言えるのですか。
○武田説明員 説明が大変不十分でございまして、失礼を申し上げたわけでございますが、私どもが空港整備計画を立てる際に、対象として考えております航空機の種類と滑走路の長さをランクに分けて分類をしてございます。その分類に従って全国の空港整備を行っておるわけでございますが、それによりますと、ボーイング727クラスのジェット機に対しまして、滑走路長は二千メートル、それからボーイング747、DC10、ロッキードのトライスター、こういった非常に大型の航空機に対しましては、滑走路は二千五百メートル以上、こういった基準を設けまして、それに従って空港整備を全国的に統一して行っておるわけでございます。したがいまして、高知空港は諸般の事情から滑走路長二千メートルと決定しておるわけでございますので、この空港では対象機種といたしましてはボーイング727を考えておるところでございます。
○山原委員 計画書の中には、何しろトライスターが十六便、三十二便などというのが圧倒的なんです。ボーイング727などというのは計画書の中にも出てこない。そういう状態で、航空機の安全性、いま特にこれが問題になっているわけですが、そういう中からも二千メートルではやはり不十分だ。その証拠には、いままでつくられております熊本も二千五百メートルを三千メートルに延長する、大分も二千メートルを三千メートル、鹿児島、長崎、二千五百メートルを三千メートルというふうにずっと運輸省は拡張しているわけですね。そうしますと、仮にボーイング727、これが就航機になるということをいま初めてお聞きするわけですけれども、それにいたしましても二千メートルというものが果たして安全か。しかもトライスターと書いてあるわけですから、県民にとってみましても、これほどずさんな計画あるいは一貫性のない計画の中で振り回されておるという状態ですね。トライスターが十六便、三十二便も飛ぶというのに、しかも二千七百メートルの離陸時の滑走路が要るというのにどうしてこれを持ってきたんだろう、こういう疑問がわくのは当然なんです。そして、お聞きしておると727だといま初めて出てくるわけですが、この計画書の中には727などほとんどないのですよ。一体運輸省は就航機を727に決められておるわけですか、ちょっと伺っておきたいのです。
○武田説明員 先ほども申し上げましたように、滑走路長が二千メートルでございますので、ボーイング727型機を就航させるという計画で進めておるわけでございます。
○山原委員 滑走路に合わせて——少々無理があってもトライスターという計画を出しておったけれども、それは単なる予想であって、実は二千メートルに合わせて727を主力にするのだというようなお話でございます。これもちょっと私はまだ納得がいきませんが、もう一つ、それらの問題を抱えながら運輸省の方におきましては本年中にこの高知空港を特定飛行場として指定をするという腹構えを持っておるとお聞きするわけでございますが、これはまさに異例のことではなかろうかと思いますが、いかがでしょうか。
○川井説明員 五十二年度中に高知空港を特定飛行場にする予定で作業進めております。
○山原委員 まだジェット機の乗り入れも行われていない状態ですね。しかも、機種もまだ県民だれも知りません。いまここで初めてボーイング727という飛行機の名前が出てくるわけでございますが、そういう中で特定をするなどということがいままでありましたでしょうか。特定飛行場として指定されておるところは、ジェット機がすでに導入されておるところではないでしょうか。
○川井説明員 先生御指摘のとおり、従来まで特定飛行場として指定いたしました飛行場は、全部ジェット機が就航している飛行場でございますが、今度広島と高知空港に関しましては、就航しておりますYS11を基準にいたしまして特定飛行場にするように作業を進めております。
○山原委員 大変異例なことが行われる理由は何でしょうか。
○川井説明員 先ほども計画課長が申し上げましたけれども、通常、YS11が飛行しております空港は地方のローカル空港が主でございまして、空港周辺に対策を施すべき学校あるいは民家、その他の施設が余りないところでございます。ところが、いま申し上げました広島及び高知空港におきましては、航空機騒音防止法に基づきます学校等の防音工事あるいは民家の防音工事等の対策を必要とする空港でありますので、YS11でありましても、その範囲に入る施設がございますので、今回、いままでの例を破りまして、高知と広島に関しましては特定飛行場にする予定でございます。
○山原委員 それはYS11に対応するためのものに限っているわけですか。
○川井説明員 YS11だけに限っております。
○山原委員 YS11に限って特定飛行場指定をされるというお話をいま承ったわけでございますが、時間がありませんので最後にお伺いをいたしますが、この空港のジェット機導入の計画は五十年度完成というお話が最初でございました。引き続いて五十三年度に延期をされ、五十五年度という数字が出てきたのでございますけれども、この前武田さんにお会いしましたときには、今日の情勢では五十五年度も無理であろうというお話があったわけでございますが、そうすれば、運輸省としては現在この完成期をどの程度をめどとして持っているのか、この点を伺いたいのでございます。
○武田説明員 大変にむずかしい御質問でございますが、従来、高知県の御協力を得まして、地元の関係の皆さん方に種々御説明もいたしましたし、御協力をお願いしておるわけでございますが、現段階では、いまだ用地取得につきまして具体的に取り組めるほどの段階にまで至っておりません。しかも、用地取得それから空港整備の工事、そういうものに要します経費が相当巨額なものになるように予想されますので、どの程度の進捗率で予算を毎年度積み重ねていくことができるかという点の見通しに係るわけでございますが、先般も申し上げましたように、第三次空港整備五カ年計画の完了予定でございます昭和五十五年度までに完成をする見通しは非常に困難であろうということを申し上げたつもりでございます。したがいまして、昭和五十六年度から始まります第四次五カ年計画の中でできる限り早期に完了させるように努力もいたしたいと思いますし、そのためには県を初め地元の皆様方の御理解と御協力をちょうだいしたい、このように考えておる次第でございます。
○山原委員 最後に、運輸省の考えておること、あるいは飛行場が不必要だとかこういう輸送路が高知県にとって必要でないとかいうようなことを私は申し上げておるのではありません。特にここは飛行機に乗る人が非常に多いところでございますから、それは何とか考えなければならぬというのが、現在反対をしておられる地元の方々も同じ意見なんです。大変かたくなな形で何もかも反対だということを言っておられるわけではありません。しかしながら、本当に国がやる、運輸省がやる事業、しかもそれによって八十ヘクタールも美田が取られるということに対して、全く県にほうり任せるような形で行われておる、あるいは地元の人たちの疑問に対しても誠実に国が答えるという情勢がないところに非常に大きな問題があると思うのです。そして公聴会も開かれておりますけれども、公聴会の資料をいただきましたが、見てみますと、反対が二十六名、賛成が十四名です。反対の二十六名全部地元の方です。思想その他の関係は全くありません。ところが、賛成の方は全部この市の方とは違う方たちでございます。県の商工会議所の副会頭さんであるとか、あるいは県の観光連盟の専務理事さんであるとか、旅館環境衛生組合の理事さんであるとか、あるいは県の企画部長であるとか、あるいは全日空の方であるとか、東亜国内航空の方であるとか、関係者のみが賛成しておるだけでございまして、この町の人たちは公聴会に賛成をした者はいない、こういう実情というものを私はしっかりと分析をしていただきたいと思います。そして、その公聴会をもって賛否の声が出て一カ月もしないうちにこれを決定している。一体公聴会は何のために開いたのか、ただ形式的に開いたのかという声まで起こっているのが今日の実情であります。 最初に申し上げました土佐のデンマークといわれるこの農耕地帯をどうするかという問題を含めまして、私は、運輸省が本当に誠実で、しかも綿密な対策を立てられる、そして、慎重な立場をとられるように強く要請いたしまして、私の質問を終わります。
○今井委員長代理 次回は、明六日水曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十一分散会