農林水産委員会 第12号
- 発言数
- 139 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/03/31
会議録
○菅波委員長代理 これより会議を開きます。 委員長の指名により、私が委員長の職務を行います。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。兒玉末男君。
○兒玉委員 きょうは質問の時間の御配慮、ありがとうございました。 水産庁の方にまずお伺いしたいわけですが、たしか明日が近海カツオ・マグロ漁業許可の一斉更新の時期かと聞いておりますが、これにつきまして若干の御質問をしたいと存じます。 近海カツオ・マグロ漁業をめぐる内外の環境はまことに厳しく、外にあっては国際的な規制の強化、二百海里経済水域、群島理論による領海の拡大等がすでに進められており、一方内にあっては石油ショック以来の出漁経費の高騰、魚価の低迷、外国船による輸入増加、さらに大目流し網漁業、まき網漁業によるカツオ・マグロ操業などがあり、深刻な漁業経営の実情にあるようであります。 〔菅波委員長代理退席、委員長着席〕 指定漁業としての近海カツオ・マグロ漁業は、昭和三十八年十二月七日付政令第三百七十三号をもってスタートし、昭和四十年十二月十五日付の取り締まり省令の改正を経て、昭和四十二年、四十七年の指定漁業許可の一斉更新措置によって一応の形が整ってきたわけでございますが、指定漁業としての歴史が浅いこともありまして、他の指定漁業の諸制度に比較し未整備な点が多々あります。このことは近海カツオ・マグロ漁業が当初小規模経営体による沿岸漁業的な性格を持って営まれていたため、制度も沿岸漁業的な観点から実施されてきたことにも起因するものでございます。しかし、実態は遠洋カツオ・マグロ漁業などと何ら変わらない遠洋漁業の性格が強く、実態に即した制度の改正が必要になろうかと考えるわけでございます。 以上のような視点に立ちまして、問題点を四点にしぼってお伺いしたいと存じます。 まず第一点は、操業区域についてでございますが、現在の甲、乙の操業区域は撤廃をすべきではないのか。もしこれができない場合は、甲区域については南緯十二度以北、西経百七十度以西、乙区域は南緯零度以北、東経百八十度以西の区域にまで拡大をすることが必要ではないのか。 第二点としましては、許可等の適格性についてでございます。特に非稼働船の取り扱いについては慎重な取り扱いをすべきである。特に、起業認可の書きかえはいままで数回まで認められているようでございますが、少なくとも起業認可の書きかえはその実態から考えましても一回程度が妥当ではないか、それ以上は認めない方がいいと考えるが、いかがですか。 第三点は、許認可事務の簡素化についてでございます。現行の事務手続は大変複雑である、こういう点から、この手続を簡素化する意思はないかどうか。 四番目に、大目流し網やまき網漁業の操業についてでございます。大目流し網の操業、まき網によるカツオ・マグロの伊豆七島周辺水域あるいは南方漁場の試験操業——試験操業という名のもとにすでに十三年の流れを経ているわけでございまするが、当然このような行為は禁止もしくは大幅な制限を講ずる必要があるのではないか。 この四点について、水産庁の見解を承りたいと存じます。
○佐々木政府委員 初めに、今度の近海カツオ・マグロ漁業その他につきましての一斉更新の時期でございますが、これは現在の許可の有効期間が七月三十一日までございますので、八月一日を目途にして現在いろいろ検討しておる段階でございます。 まず、お尋ねのございました第一点の操業区域の是正の問題でございますが、実はこれは先生からお話がございましたとおり、いまの近海カツオマグロ漁業というのは昭和三十八年までは大体自由漁業で操業しておりましたものを、当時限界が三十九トン型という四十トン未満のものが自由になっておりました。三十九トン型の漁船で遠方へ出漁して海難事故を起こすのが非常にふえまして、これを放置しておくと非常に人命なり操業の安全上問題があるということで、昭和三十八年の暮れにこれを指定漁業に指定をいたしまして、その際にいま申し上げたような趣旨から船の大きさに見合った操業区域を想定して限定的に一応大臣許可漁業に移行させたわけでございます。その後いろいろ遠洋カツオ・マグロ漁業あるいは近海カツオ・マグロ漁業の中でも船別に操業の主たる場所その他が大分分かれてまいりまして、全体としては発展期にございましたので、昭和三十年代、四十年代の前半までは若干ずつの調整を一、二回いままで行いましたが、それぞれの立場を尊重しながら経営のある程度改善ということにも寄与できるような区域の設定をいままで行ってきたわけでございますけれども、最近の状況から申しますと、カツオ・マグロ漁業につきましても資源的にも非常に限界に到達しつつございますし、国際環境も大変厳しくなってきているということで、全体としてカツオ・マグロ関係の漁獲努力を何とか現在程度に抑えなければ、今後こういった厳しい環境の変化に対応できなくなるだろうというような情勢になっております。こういった観点を入れまして、実は遠洋カツオ・マグロ漁業の方もいろいろ国際的な面からくる、たとえばメキシコ沖での操業の自粛であるとかハワイ周辺での自粛であるとか、いろいろな問題を最近になって一度に抱え込み始めておりますので、私どもとしてはこういったそれぞれの近海カツオ・マグロの甲、乙の問題あるいは遠洋マグロのいまの経営の問題そういったことをばらばらに考えるのではなくて総合的に考えて、それぞれがある程度経営も成り立ち、将来の国際情勢にも対応ができるという範囲で操業の内容を固めていく必要があるだろう、こういう基本的な考え方で現在検討を進めております。 いま具体的に御指摘のございました甲、乙の両方の区域が、若干甲の区域の方が広いわけでございますけれども、これを一緒にするということも現在の資源状態その他から見ますと非常に問題がございまして、業界の内部でも大変意見が対立しておるところでございます。関係者の意見の一致を見ないままに強行することも非常にむずかしいので、これについてはしばらく時間がかかるのではないかと思っています。 それからまた、遠洋カツオ・マグロ漁業と近海カツオ・マグロ漁業との間の操業区域の調整問題、あるいは別の観点から言いますと甲、乙の区域をそれぞれ若干ずつ広げるという問題につきましても、やはり同じように遠洋カツオ・マグロ漁業自身が五十一年度に自主的に二十二隻ぐらいの減船整理をしなければいけないというような状況が一方にございまして、両方の間の経営事情等を考えますと、やはり短時日にいま調整がちょっとつく見通しがございませんけれども、私どもとしては将来のカツオ・マグロ漁業の今日の国際情勢の中でいかなる形でこれが安定的にやれるか、そういうことを見定めながら、こういった問題について、やや時間がかかるかもしれませんが、長期的にそれぞれの経営の安定ということを前提にして、区域の適正な調整といいますか、そういうことに今後も努力をしていきたいというふうに考えております。 ただ、端的に申しまして、今度の八月一日の一斉更新までにいまの区域の是正について関係者のおおむねの意見の一致を見ることができるかという点につきましては、私どもはいまなお努力をいたしておりますけれども、見通しといたしましてはなかなかむずかしい問題を抱えておるということを率直に申し上げたいというふうに思います。 それから二番目に、適格性といいますか、休漁あるいは実際に、漁船がたとえば沈没したり、古くなって代船を建造するまでの間休んでいるものについて、もう少し審査を厳重にして、そういったものについての整理を考えたらどうかという御趣旨かと思いますが、私どもといたしましても、そういう名目だけの許可というのはできるだけ排除していきたいという基本的な考え方で、現在の規定上も、引き続き二年間休漁している場合には許可を取り消すというような規定もございますし、そういった点については、今後一層こういう資源事情あるいは国際事情から厳しい環境条件になってまいりますので、そういうノミナルな、名前だけの許可の整理ということについては、一層検討していきたいと思っております。 ただ、後段で御指摘のございました、いわゆる起業の認可の期間の延長をせいぜい一回程度に限定すべきではないかというお話でございますが、これも実はカツオ・マグロについては、特に四十八年暮れの石油ショック以来、代船の建造が非常に経営が悪化しましてむずかしくなりました。それまでは起業の認可について、一たん認可したものをさらに船ができなくて延長するという事態はほとんどなかったのでございますけれども、特に四十九年、五十年でそういう事態が出てまいりまして、過去に確かに一回延長したにもかかわらず、まだ船ができずに、さらにその認可期間を延長するというような例がございましたけれども、最近では経営事情もかなり変わってまいりましたので、今後はそういった認可期間の無用な延長ということは、実態としても大分整理がついてきたと思いますし、私どもの運用の方針としても、できるだけそういったものについては予定どおりの期間で船の建造ができるように、側面的に資金の援助その他も考えながら、余り無用な期間の延長ということはできるだけ避けるという方向で関係者とも協議を現在進めつつある段階でございます。 それから三点目に、許可関係の許認可事務の簡素化ということも御指摘がございました。これも当然行政庁としてはできるだけ早く漁業者のために、受け付けました申請案件については的確に早く処理するというのは当然の義務でございますので、私ども日夜そういうことに努力はしておるつもりでございますが、やはり許認可関係で従来からできていました、たとえば代船建造の場合で言いますと、漁船との整合性の問題それから金融機関から確実に融資を受けられる見通しがあるかどうか、船が確実にできるかどうかというようなことについて、そういったものをさっき申し上げたような観点から十分確認した上で認可なり許可をする必要がございますので、どうしても手続上の必要な書類というのがかなりの数に上っております。従来許認可関係で時間がかかっておりますのは、ほとんどその添付書類について申請者側の方で十分な事前の打ち合わせなりチェックがなされていなくて、受け付け後にその不備が発見されて、それをまた申請者の方で手直しをしていただくための往復に相当時間がかかっておりますので、こういった点についてはできるだけ県の段階で事前に審査をして、そういったむだな時間を省くように今後とも指導を徹底いたしたいというふうに考えております。 それから第四点目、最後に、大目流し網等についての調整の問題、あるいはまき網の試験操業についてのいろいろな考え方について、こういったものをもう少し厳格に運用すべきじゃないかという御指摘がございましたが、大目流し網につきましては、現在かじき等流し網漁業の取締りに関する省令という省令がございまして、それに基づいて伊豆七島周辺の海域を含め相当広範囲な禁止区域を設定いたしております。これはときどき南方海域の解除されている区域で操業した後、一部の網をそのまま現場の海上に放置をして、それが他の漁船の操業の邪魔になるというような問題がございますので、私どもとしてはそういった不心得のないように、こういう大目流し網の関係の業界と関連いたします、たとえばフグはえなわであるとか、あるいはカツオ・マグロ関係、こういった業界との間で十分その操業のやり方なりやる時期なり、そういった問題について話し合いをさして、よそに迷惑のかからないようにきちっとやれということをいま指導いたしておりますが、さらに今後もそういう関係者間の話し合いということを含めて徹底をさせてまいりたいというふうに考えております。 それからなお、まき網漁業等の試験操業の問題でございますが、これにつきましても確かに試験操業を始めましてから、伊豆七島周辺では三十九年からでございますから十年近くの時間がかかっているわけでございますけれども、このまき網の試験操業の目的といいますのが北太平洋の海区で本格的に漁期が始まります前に、大体四月の二十日から五月の三十一日までぐらいの間、統数を十二カ統ぐらいに限定をいたしまして、特にその年の黒潮の北側の方のいろいろな海洋状態がどんなふうになっているか、それからその漁場、漁況がどういうふうになっているかというような試験をずっと毎年漁期初めにやりまして、その後の本格的な北太洋海区での操業の合理化に資するというようなことが主たる目的になっておりますので、これについては余り統数を、もちろん今後もふやすことなく、そういう情報の収集に必要な限度の中で他種業種との調整ということも当然考慮に入れながら運用してまいりたい、かように考えております。 なお、特に伊豆七島の沿岸漁業者との間でも若干この時期の試験操業が摩擦を起こしている面がございますので、これにつきましても別途関係の業者の団体同士で、沿岸漁業の方に迷惑をかけないようにという趣旨で現在その話し合いを進めさせておる段階でございます。 趣旨といたしましては、ある段階ではこれを本格的な許可区域の是正という問題で北太洋の海区の方の漁区に接続いたしまして、一部の漁期について本格的にその許可内容を変えて操業区域を拡大させるということも、一方でまき網関係の業界の方から強い要望がございますけれども、さっきのような趣旨で始めたという経過と、それから他のカツオ・マグロ漁業なりつり漁業等との間で、統数がふえるといろいろまた調整上の問題もあるということで、私どもとしてはやはりこの試験操業という範囲の中で全体の調整を考えながら運用をしていきたいというふうに考えております。 なお、南方漁場の試験操業についても御指摘がございましたが、これは四十年以降大体七カ統に限定をしていま試験操業を一部の区域についてやらしております。これは主として南方海域でのカツオ・マグロの漁場形成の要因というものがまだ十分把握されておりませんので、そういった海況関係の情報の収集と、それから技術的にもまだ完全に完成されたという段階でございませんので、そういう操業技術の一応開発試験という趣旨で試験操業をやらしているわけですが、これもやはり本格的なめどがつきましてその許可に移行させる際には、既存のマグロはえなわ漁業であるとかあるいはカツオ・マグロ漁業の間の調整ということが非常に問題になりますので、そういった点、関係者の納得が十分得られるような方向で、今後ともこれを将来は本許可に移行させるか、あるいは情報収集という範囲に限定して試験操業で運用するか、検討いたしてまいりたい、かように考えておる状況でございます。
○兒玉委員 これは質問の通告をしてありませんでしたけれども、国際的な問題としまして、パプアニューギニア海域における国際漁業協定で操業が認められておるにかかわらず、かなり厳しい制限がされておる。これらの問題についてどういう処置を今後とろうとするのか。 第二点は、私の県のカツオ・マグロ船が現在ベトナム水域に七十隻ぐらい操業しておるわけです。ところが、緊急避難の取り決めがないために非常に困っている。これは先般国際課の方にも御相談してあるわけですが、速やかに外交ルートを通して緊急避難の港が指定できるような取り計らいをひとつ、ぜひこの際前向きで取り組んでいただきたい。この二点について再度お伺いしたいと思います。
○佐々木政府委員 パプアニューギニアとの間では、現在パプアニューギニアの特定の港について、日本のカツオ・マグロ漁船がそこの港を基地として利用する協定を結びまして、そこを基地にしてその周辺海域で操業いたしておるわけでございます。これにつきまして、実はその協定期間が四月三十日までということになっております。パプアニューギニアの方のいままでの意向としては、五月一日以降は協定を延長するつもりはないということを日本側の方に意思表示をしていまして、五月一日以降の操業がどういうふうになるかということに関係業者の方も非常に関心を持っておるわけでございますし、もちろん水産庁としても予備的にいろいろ話をしておりますが、パプアニューギニアの政府の大体の意向といたしましては、日本の政府あるいは業界を含めまして、日本として向こうのいろいろな沿岸漁業の開発なりあるいは周辺の資源調査なり、そういった面について相当の協力をするのであれば、従来とは違った形式にしろ実質的にパプアニューギニアの特定の港についての漁船の寄港利用ということと認めますというような意向のようでございますので、私どもとしては昨年の暮れからことしにかけまして、何度か専門家の調査団を派遣して、ラバウルその他の特定の基地について、向こうの要求する漁港の整備であるとかあるいは研究所の建設であるとか訓練船の供与であるとか、こういった問題をいろいろ検討いたしまして、一部についてはすでに実施する方針を固めておりますけれども、そういうことを前提に、今後もパプアニューギニア周辺の海域で円満なカツオ・マグロ関係の操業が確保できるように鋭意政府間でも折衝を進めていきたいというふうに考えております。 それから二番目のお尋ねのベトナムの問題につきましては、実は私も十分詳細な緊急避難の利用の頻度であるとかあるいは具体的な候補地の港等を承知いたしておりませんけれども、確かに災害、台風等の際に緊急なそういった問題も出るかと思いますので、実情をよく関係業界から聴取した上で、外務省の方とも十分相談をしてまいりたいというふうに考えております。
○兒玉委員 林野庁、だれか来ておられますか。——では、水産庁はこれて終わります。 林野庁にお伺いしますが、先般熊本の局長といろいろと御相談したわけでございますが、私の県は全国でもシイタケ生産の非常に多いところでございますが、原木の供給関係並びに部分林の設定等について、非常に林野庁の姿勢が固い、こういうことで、もう少し地域住民の対応できるような供給体制なり、あるいは部分林設定等について前向きの姿勢でひとつ取り組んでいただきたい。このことについて熊本の局長は、そういう姿勢で臨むという御返事をなされたわけですが、最終的には林野庁の方針に従うわけでございますので、この際ひとつ林野庁当局のシイタケ原木等の確保、部分林設定あるいは供給体制等についてどういうような見解をお持ちなのか、お伺いしたいと思います。
○藍原政府委員 シイタケにつきましては先生御存じのとおり年々その生産額がふえておりまして、五十年度ではシイタケだけで八百七十億、その他キノコ類を入れますと一千億を超える産業になりつつございます。過去におきましては、シイタケの原木でございますクヌギを中心にいたしましたものが比較的その生産地付近でとれておりましたけれども、最近では原木の所在地とシイタケの生産の盛んな地域とは必ずしも一致しておりませんで、その辺、原木入手にシイタケ生産の方々が非常に苦労しておられることはわれわれも重々承知いたしております。 そういう点で林野庁におきましても、ただいま特用林産物の推進を図るためにいろいろな事業をやっておりますが、その中でシイタケ原木の造林、育成ということで補助金を出しまして推進する、あるいは構造改善事業の中でその対応をする、さらには一般造林の中でも特にこういうシイタケ原木的なものを造林するように、いま推進しております。五十二年度からはこの原木の需要あるいは供給というものを今後安定的にしようではないかということで、その需要供給の関係の調査等を十分いたしまして、今後計画的に原木需要あるいは供給に対応できるような方途を見出そうということで、五十二年度からその対応をすることにもいたしております。 さらにいま先生お話しございましたように、国有林におきましてもすでにシイタケの原木のための部分林というものを設定すべく各営林局にその指導をいたしておりまして、すでに八百ヘクタールばかり、全国的にはそういう原木のための部分林も設定しておりますし、私どもといたしまして今後さらにそれぞれの地域の御要望にこたえつつ、部分林の設定については積極的に対応してまいりたいというふうに考えております。
○兒玉委員 長官にもう一点お伺いしたいわけですが、いま中央交渉の方で労働条件の改善についても積極的な姿勢で交渉が続けられておるようでございますが、大体直用関係あるいは常勤関係の問題についてはいつごろまでに解決のめどがつくのか、この点ひとつ長官の見解をお伺いしたい。
○藍原政府委員 いま常勤制の問題につきましては、関係省庁あるいは労使の間で積極的に詰めております。私どもといたしましては五十二年度中には必ず発足できるように対応してまいりたいというふうに誠意をもって対応しておる次第でございます。
○兒玉委員 終わります。
○金子委員長 馬場昇君。
○馬場(昇)委員 厚生省、来ておられますか。私は、OPP問題を中心にして、果樹行政について質問をいたしたいと思います。 まず最初に、厚生省にお尋ねをいたしたいわけでございますが、厚生省の食品添加物行政についてでございます。 昭和四十六年以来、新しい食品添加物の使用は一切認めないというのが厚生省の食品添加物行政ではなかったろうかと私は思います。使用禁止措置をとった例はあるけれども、新しい添加物を認めたことはなかったのじゃないかと私は思うのですけれども、これについて厚生省の御見解を承りたいと思います。
○宮沢説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生の御指摘のとおりでございます。ただ厚生省といたしましては、食品添加物について国民が大変関心を持っておりますので、その食品添加物の安全性については非常に慎重に考えておりまして、今後食品添加物を仮に認めるとしましても、そのものは必要最小限度にとどむるということで、添加物についての使用を規制していく、こういうことでございます。
○馬場(昇)委員 ただいま、四十六年以降は一切認めていない、禁止した例はあった、これが厚生省の食品添加物行政の今日の姿であるという御答弁をいただいたわけでございますが、さらに昭和四十六年、食品衛生調査会で柑橘類のカビ防止剤としてジフェニル、OPPなど三種類が検討されて、ジフェニルだけが比較的安全として認可され、今日これだけ認められておるわけでございます。昭和五十年アメリカから輸入されましたグレープフルーツに最高一六ppmのOPPが検出されまして、検疫チェックで不合格品が続出いたしまして大駆ぎとなりまして、レモンなどは半分前後廃棄処分になった、こういうことがございました。そういうことで、米国側もOPPをジフェニルに戻して騒ぎがおさまった、こういう事実があるわけでございますが、柑橘類のカビ防止剤としてジフェニルだけが今日許されておる、アメリカから入りましたものにOPPが検出されて大問題を起こした、こういうことについて厚生省に、こういうことが事実であったかどうか、御確認を求めたいと思います。
○宮沢説明員 お答え申し上げます。 当時はオルトフェニルフェノールはまだ食品添加物として指定をしておりませんでしたので、その不正使用が見つかりましたので、先生ただいま御指摘のような事実があったわけでございます。
○馬場(昇)委員 そこで質問のポイントに入るわけですけれども、去る一二月十五日に厚生省がOPP使用について食品衛生調査会に諮問をなさいました。そのことについて質問するわけでございますが、何の理由があっていままで禁止し大問題を起こしておったようなOPPをいまごろになって使用許可の諮問をしたのですか。
○宮沢説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生が事件を起こした——多分五十年の四月ごろだったと思いますが、そのころからアメリカの政府の方からもOPPについて防カビ剤として食品添加物としてその使用を認めてほしい、こういうような申し入れがずっとございました。私どもとしましては、ちょうど昭和四十九年になりますが、食品添加物について遺伝学的な安全性が非常に問題になったことがございます。その折に遺伝学的な検討もいたしまして、今後こういう遺伝学的なデーターがなければ食品衛生調査会では審議はしないというようなことが食品衛生調査会の内規として定められたわけでございます。これはもちろん日本だけでございまして、WHOとかその他の国ではまだこういうような基準はございません。しかし、先ほど来私が申し上げておりますように、日本は消費者の関心が非常に高い、特に添加物の安全性について高い、こういうことであくまでも慎重を期するということでこのような遺伝学的な審査の基準が決められましたので、アメリカやOPPを使わせてほしいという申請者に対しまして、こういう遺伝学的な日本の定めたデータがなければ審査に応ずることはできないというふうに申してきておったわけでございます。それが昨年の暮れになりまして、ようやくこの遺伝学的なデータについて検討を終えて学会で発表を終えたその報告書が厚生省に提出されましたので、私どもとしましては、それを審議して、整理して、そして三月の十五日に厚生大臣の諮問機関でございます食品衛生調査会に諮問をいたしたわけでございます。
○馬場(昇)委員 あと幾つか問題点をお尋ねしたいわけでございます。 調査会に諮問されました内容を見てみますと、いまも答弁があったわけですけれども、その資料というものは、このOPPを許可することによって利益を受ける者だけが提出した資料でございます。いま言われましたように米国からOPPの急性、慢性毒性に対する資料、こういうのが来ておりまして、これはシロです、こういう資料が出ておるわけでございますし、いままた答弁でちょっと触れられましたけれども、輸入業者で輸入をして利益を上げる者の代表でありますところの日本青果物輸入運営協議会が依頼した残留農薬研究所のOPPの突然変異誘起性は陰性、こういうシロの資料だけを出してあるわけでございます。利益を受ける者が出した資料そのものを厚生省の諮問の資料として出すということ自体非常におかしいと思うのですが、これは有害だ、危険性があるのだ、こういうことを指摘する学者は少なくないのでございます。それを知りつつも安全性を示すデータを主に諮問したということが私にはどうしても理解に苦しむわけでございます。利益者だけの資料で、被害のおそれのある、国民もこれに対して不服申し立てをすることもできないような状態の中で許可するのはおかしい。私は、少なくともこの問題について公聴会を開くなり、あるいは利益者が出した資料だけではなしに国の責任ある機関で資料を求めるなり、あるいは第三者の公平な機関で公開試験等を行う、こういうものを資料をそろえて諮問をすべきであると思うのですけれども、これに対して厚生省の御見解をお尋ねしたいと思います。
○宮沢説明員 お答え申し上げます。 従来からしばしば食品添加物の審議につきましては何かいいかげんなことをやっておるのじゃないか、こういうような御指摘が先生方からございました。それで私どもはそういうことのないようにということで、これはもう以前からでございますが、審議をする資料は必ず公の場所で発表されたもの、あるいは関係の学会誌に登載された、そういうような資料しか審議の資料としては使わない、こういう原則を堅持しておりまして、今回の審議の資料につきましても、すでに一九六九年でございますが、国際機関でございますFAOとかWHOで専門家の手によって審議された資料、これは先ほど先生御指摘になりました急性毒性であるとか慢性毒性であるとかそういうような資料、それからわが国で、残留農薬研究所、これは財団法人でございますが、そこでの遺伝学的な面からの厚生省の食品衛生調査会で定めました基準にのっとった試験、これは一九七六年十月十六日に日本環境変異原学会の第五回研究会で発表されておりますが、こういうふうな公表されたものでございます。また有害性等について指摘のございました——これは名城大学の花田先生でございます。昨年の四月に日本薬学会で報告してございますが、こういうような有害性についても問題を提起しておられます先生の資料、こういうすべて公開された資料を私どもは収集いたしまして整理をし、そうして御審議を現在願っておる、こういう状況でございます。
○馬場(昇)委員 公開された資料あるいは学会で発表された資料、当然それを私は知っているわけですけれども、まさに国民の命にかかわる行政を預かっている厚生省が、みずから主体的にこれを国民の前で試験をするとか、あるいは第三者機関にゆだねるとか、こういう態度をとるべきであろう、さらに公聴会等も開くべきであろう、こういうふうに思うのですけれども、それがとられてないといううことは実に残念なことでございます。そしてまた、聞いておりますと、利益関係者が出した資料をうのみにしたようないまの厚生省の態度はどうしても納得できないのです。いまもちょっと申されましたけれども、OPPに突然変異が起こるおそれがあると指摘されます名城大学薬学部の食品化学専攻の花田信次郎教授のデータ、これを見ますと、利益関係者、輸入業者が出した資料、アメリカが出した資料はきちんと資料として出してありますけれども、この危ないと言われた花田先生の資料は参考データにしかなっていない。この取り扱い方自体も非常に私はおかしいというぐあいに思います。そしてまた、いま言われましたWHOあるいはFAO、こういうところの残留農薬専門家合同会議でも、きちんと一日の摂取許容量は体重一キログラム当たり一ミリグラムを最大許容量とする、やはり危ないんだ、こういうようなことも言われておるわけですし、さらに、マウスの皮膚に塗ると発がんするという米国での一九五九年の資料もあるわけですし、ラットに与えると甲状腺などへの影響があった、ほかに一部が発がんしたという一九五七年のイタリアの資料もあります。さらに、OPPは石炭酸の一種で人体の至るところに浸透すると言われておるわけでございます。こんなに疑問のあるものを、利益関係者だけの資料に基づいて許可しようとしておる。また、日本の国民、消費者団体は、直接アメリカの大統領にOPP使用の中止を求めるような電報を打っておるというぐあいに心配をしておるわけでございます。私はこの際慎重に取り扱うという意味も含めまして、まずずさんな諮問案を撤回して慎重に検討すべきではなかろうかと思うのですが、いかがですか。
○宮沢説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生がイタリアとかアメリカ等で疑問を提起している実験データもあるというような御指摘でございますが、国際機関でございますWHO、FAOの専門家委員会におきましては、一九六九年に評価をしておるわけでございますが、これはそれまでに世界各国で報告されたデータ全部について当たりましてその上での結果でございまして、私どもはこのWHO、FAOのADI、体重一キログラム当たり一ミリグラムというようなものについては、大変権威のある審議の結果であるというふうに信じております。 また、第三者にちゃんと国がチェックをさせたらいかがかという御指摘でございます。私ども厚生省におきましては、先生も御存じのように、毒性評価の技術というものは年々進んでまいります。したがいまして、厚生大臣が安全であるという食品衛生調査会の意見に基づいて指定をいたしました後に、また新しい実験方法が開発されて、その結果、それで調べて危険等が指摘される、灰色の色が出るというようなことが報告されるような場合には、当然それに沿って、今度は国の責任でその指定されておる添加物についてがっちりと試験をして、そして黒白をつけて、削除するとかそのまま放置するとかというふうに態度をとっておるわけでございまして、常に再評価、見直しというものは継続しております。しかし、新しく添加物を指定する、こういう添加物を使わしてもらいたいというように新しく申請されるような場合には、それによって利益を受けるものが国の定めた審議上必要とされるもろもろの資料を自分の金で整理をして、そして国に提出して審議を受ける、こういうたてまえになっておりまして、これは新しく指定する場合の申請のあった添加物以外にも、医薬品なんかの場合も当然こういう同じような形をとっておるわけでございます。
○馬場(昇)委員 いろいろ議論をしている時間がございませんけれども、最後に聞いておきますが、では、このOPPが人体にたとえば有害であった、被害が出たというときの責任はどなたがおとりになるのですか。
○宮沢説明員 お答え申し上げます。 食品衛生調査会はそのそれぞれの分野の学識経験者から成っておりまして、今日までの最も新しいデータについてそこで毒性学的な面から今日の技術で見ておりまして、そこでもって問題がないとされる以上は、私は現状で技術的に見れば健康にとって問題はない、こういうふうに確信をしております。
○馬場(昇)委員 まさに一方的な答弁で、スモン病とかその他でもいろいろ問題が起きているわけです。こういう時期に利益者が出した資料、これは権威がございますから問題はありません、こういうような行政では国民は安心できないと思いますが、これまた時間がありませんので、別途追及したいと思うのです。 そこで、外務省来ておられますか。——私は角度を変えてこのOPP使用許可の問題を見ますと、よく報道機関等でも言われておりますように、日米レモン戦争で日本は負けたんだ、こういうようなことがよく言われておりますが、私はそのとおりじゃなかろうか、こういうぐあいに思います。すなわちOPP使用を認めよというアメリカの矢のような催促、遺伝毒性が明らかでない、認可をしないという日本との熱い闘いがずっと続いてきたのは御承知のとおりであります。 そこで外務省にお尋ねしたいのですけれども、伝えられるところによりますと、五十年八月に訪米をいたしました前の農林大臣安倍さんに対して、アメリカのバッツ農務長官からOPPの使用等についての要請があった。五十一年六月、前の三木総理大臣がフォード大統領と会談したときにもこの要請があった。そしてことしの一月に来日しましたところのアメリカのモンデール副大統領から福田総理大臣にも要請があった、こういうぐあいに伝えられておるのです。そしてまた先般行われました福田・カーター日米首脳会談におきましても、この問題が重要なテーマになった、こういうことが言われておるのですけれども、この間の事実関係について、時間がございませんので簡単にお答えいただきたいと思います。
○福田説明員 お答え申し上げます。 農林大臣のお話につきましては農林省にお伺いいただきたいと思いますが、三木・フォード会談、五十年の八月、おととしでございますが、そのときには確かに先方から、現在、四月から行われておったいわゆるOPPの使用禁止の話は、何とか早くならないかという話があったそうでございます。昨年六月の三木・フォード会談、つまりサンフアンからの帰りでございますが、その際には何ら話は出なかったということであります。ことしの一月にモンデール副大統領が来られましたときは、先生御承知のように、モンデールの方から、アメリカでは全く無害であるということで使用しておるが、日本における化学的な検査というのが自分たちにとってもぐあいがいいように早く調査が行われることを希望しますという表明があったそうでございます。最後に今回の首脳会談でございますが、全くこの件は話題に上らなかったと承知しております。 以上でございます。
○馬場(昇)委員 今回の福田・カーター日米首脳会談では、いまの御答弁では問題にならなかった、取り上げられなかったという御答弁でございますけれども、報道機関その他は、等しく重要なテーマであったろうというぐあいに指摘しておるわけでございます。そしてまた、当然カラーテレビなんかの問題が重要な問題点として取り上げられておるわけでございますから、私はこのOPP問題を含めましたオレンジとかオレンジジュースの自由化とか、こういう問題も当然取り上げられたのではないかと思いますけれども、残念ながらいまの外務省の代表の答弁では、これを否定されておるわけでございます。いずれまた事実関係を明らかにしたいと思うのですけれども、申し上げておきたいのは、巷間伝えられておりますところでは、福田さんが十九日に訪米をした、十五日に厚生省が調査会に諮問をしたのですから、これは福田訪米の手みやげだということをほとんどの報道機関も指摘しておるわけでございます。政府はこれを否定しておりますけれども、否定しておる政府がおかしいのであって、やはり手みやげだというぐあいに報道機関とか国民が考えることは、邪推ではなしにむしろそれが当然の常識であろう、こういうぐあいに思います。こういう日本国民を苦しめるような、心配させるような手みやげをアメリカに持っていくというのは、人権外交を展開されておりますところのカーター大統領にとっても失礼なことじゃなかったろうかと私は思うのです。これは答弁を求めますと水かけ論になると思いますけれども、国民は等しくそう思っておるのだ、こういうことを肝に銘じながら、今後日米外交をやるに当たってはこの問題に留意をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 次に、農林省にお尋ね申し上げますけれども、OPP使用がもし許可された場合の話ですが、レモンとかグレープフルーツ等果樹類の輸入量の増大の関係についてお尋ねしたいと思います。 OPPをずっと使用を禁止してきておるわけでございますが、そのことが結果的にはグレープフルーツとかレモン等の輸入の関門を少し狭めて、輸入量に歯どめがかかっていたと私は思います。もしこの使用が認められると、レモンとかグレープフルーツの輸入量の増大は避けられないと私は思うわけでございますけれども、農林省はどうお考えになっておられるのか。もし量がふえるとすれば、このくらいふえるんじゃなかろうかという量についての推定をお聞かせいただきたいと思います。
○羽田政府委員 お答えいたします。 OPPにつきまして果樹農家の方々がいろいろと御心配なさっている事情というのはよくお聞きしております。ただOPPの使用が問題となりました五十年の春から夏にかけて、レモンなどの輸入に混乱が生じたようでございます。相当輸入量の減少が見られたわけでございますけれども、現在ではその輸入量は以前の水準に戻っておりまして、今後OPPの使用がもし許可されても、そのために直ちに柑橘類の輸入が特別に増加するというふうには考えられないと存じます。 数字で申し上げますと、レモンにつきましては四十九年九万三千トン、五十年は六万四千トン、そして今日、五十一年でございますけれども、九万三千トンでございました。グレープフルーツは、四十九年が十五万一千トン、五十年が十四万七千トン、そして五十一年が十五万二千トンでございまして、OPPが認められたからといって直ちにふえるものではないというふうに認識しております。
○馬場(昇)委員 せっかくの御答弁ですけれども、農林省の御見解は非常に甘いのじゃないか、私はこういうぐあいに思います。OPPが認められますと、果物が長もちするというのは事実でございます。そしてまた、長もちいたしますと値段が安くなるということは、私はやはり帰結として出てくるのじゃないかと思うのです。安くなりますと、さらに量が多く輸入されるということで、日本の農家にとって危険性があるということは当然でございます。そしてまた、船舶で輸送する場合、OPPが認められないという場合には数十%の、三〇%から三五%くらいと私は承知しておるのですけれども、シロカビが発生する。OPPが使用許可になりますと、このシロカビは五%程度になる。それだけでも輸入量は増大すると私は思うわけでございます。こういう点から言って、増大しないと思われるのは間違いであって、明らかに輸入量は増大する、私はこう思うのですが、政務次官も余り御承知でないかもしれませんが、専門家の意見をもう一遍聞いておきたいと思います。
○堀川政府委員 必ずしも十分な専門家ではございませんが、所管局長としていまの御質問にお答えを申し上げます。 私どもとしては、確かに、防ばい剤の使用による効果というのは、流通上のロスを防止するということで使われるのであろうと思います。ただ、そのロスの見方でございますけれども、先生いま非常に大きな数値をおっしゃったように私どもは受け取っておりまして、これは確かな統計があるわけではございませんが、シロカビによる腐れによる流通上の数量ロスは、恐らくもっとうんと低い数値で、数%程度ではなかろうかというふうに推測をいたしておるわけでございます。そのことが価格の関係に非常に影響するかということについては、これはそれほど大きく影響するものではない。レモンにいたしましても、それからグレープフルーツにいたしましても、レモンは、御案内のようにレモン特有の使い方があるわけでございまして、国内でも生産をされておりませんから、固有の需要があるものと思っております。したがいまして、防ばい剤の新しい使用許可があったからといって、そのことのゆえにレモンの輸入が非常にふえるということにはなるまい。それからグレープフルーツでございますが、グレープフルーツも御承知のような消費の仕方をしておるわけでございますので、これも新たな防ばい剤の使用によりまして、流通上のロスの減少が価格の面で低下の方に作用するということは、理論的には考えられるわけでございますが、そのことのゆえに消費が非常に増大をし、それから国内の柑橘を圧迫するというような輸入の増加にはなるまいというふうに思っております。
○馬場(昇)委員 これは水かけ論になるかもしれませんけれども、大したことがないんだったら、アメリカが、大統領特使まで来たとき、こういうことを言うとか、あるいは農務長官が言うとか、あるいは矢の催促をしたとか、日米レモン戦争と言われるような状態になったとか、こういうことはあり得ないと思う。大したことなかったら、アメリカなんかが日本の国民が心配するようなことを押しつけるはずはないと思う。私は、非常に大したことがあると思うし、増大すると思うのです。農林省はいま増大しないとおっしゃいましたが、これは結果を見なければわからないと思うのです。結果を見て、増大したら責任をとっていただきたいと思うのですけれども、そういうことを議論したってしようがありませんから、ここに政務次官おられますから政治的にお尋ねしておきたいと思うのです。 増大しないと思っておられるのですから、OPPの使用がたとえ許可になったとしても、輸入量を現在より絶対増加させない、こういう約束を国民にできますか。
○堀川政府委員 レモンそれからグレープフルーツにつきましては、それぞれの商品特性がございまして、需給関係で消費量も増減はする、価格関係もそれに関与するであろうということは、私どももそう思っておるわけであります。ただ、OPP使用によって、そのことのゆえに輸入量が特段増加し、国内の柑橘農家に大きな被害を与えるようなそういう事実はなかろう、こういうふうに思っておるわけでございまして、国内柑橘農家の経営に対する影響でございますが、そういうことについては、私ども農林省でございますから、もちろん重大な関心を持って推移を見守ってまいりたいと思います。
○馬場(昇)委員 これは農林大臣に質問したいのですけれども、政務次官がかわって出ておられますので伺いたい。 いまのような局長の答弁では、果樹農家の心配が全然払拭されるとは私は思わない。ミカンはもう御承知のとおりでございまして、昭和三十五年ころはリンゴ、ミカンともに年間八十万トンくらいの収穫量でございました。ところが、現在までリンゴは横ばいですけれども、ミカンについては農林省が増産を指導いたしまして、三十五年の四倍、三百万トンを優に超した収穫量があって、現在は過剰で苦しんでおるわけです。そしてそれを雑柑類に改植したいというようなことで、そこにも経営を突っ込んで非常に苦しんでおります。九十万ミカン農家というのは現在そういうところで非常に心配をしておるわけでございます。OPPの使用許可というのは、四十六年グレープフルーツの自由化を強行した、言うならばあのときのような輸入攻勢が果樹農家にかかってくる心配を私はしておるわけでございます。そういう点につきましての行政態度として、市場関係はどうあろうとも、これ以上ふやして果樹農家を苦しめるような行政態度はとらないということをはっきり果樹農家にお約束していただきたい、こういうぐあいに思うわけでございます。その点が次官一点です。 もう一つは、これはたびたびここで質問をしておりますけれども、オレンジやオレンジジュースの自由化、こういうものには絶対に農林省は反対をしていただきたい。この二点について大臣にかわって、次官から答弁をいただきたい。
○羽田政府委員 先ほど前段の問題につきまして局長の方からも答弁申し上げたわけでございますけれども、私どもといたしましても、生産農家の立場、あるいは外圧というものに対して非常に不安を持っております現状というのは十分承知いたしておりますので、生産体制というものを強化することなども含めまして、これからもこの輸入については重大な関心を持ってまいりたいというふうに考えております。 なお、後段のオレンジジュースの自由化の問題でございますけれども、大量に輸入された場合、わが国の柑橘産業に大きな影響を与えるものと考えられるために、従来から非自由化品目としてきておるところでございまして、今後ともこの方針で臨んでまいりたいというふうに考えます。また、輸入枠の設定についても慎重に対処してまいるということを申し上げたいと思います。
○馬場(昇)委員 果樹農家は非常に心配されております。次官の御答弁は私にもまだはっきりしないのですが、OPPが許可になるとグレープフルーツあるいはレモンなんかどんどん入っきて、日本の果樹農家は圧迫されるのだ、グレープフルーツが自由化されたとき心配して騒いだあれ以上に心配しておられるのですよ。だからOPPが許可になっても農林省の行政姿勢としては輸入量を増大することのないように指導したい、こういうことはお約束できないのでしょうか。 それからもう一つ。日本の温州ミカンなんかアメリカは輸入を許可しておるのですか。局長が立とうとしておられますからそれもあわせて質問しておきます。
○堀川政府委員 先ほど政務次官が御答弁したことで大体趣旨は尽きていると思うわけでございますが、自由化された品目につきまして、別の理由があれば別でございますけれども、特に制限措置を新たにとるとかいうことはむずかしい。OPPの問題はOPPの問題として科学的に決着さるべきだと私は思っております。そのことの影響については先ほど私ども申し述べたとおりでございます。しかし国内にもし大きな影響が出るというような心配がありとすればそれは問題でございますので、その点は先ほど申し述べた見解のとおりでございます。 なお、日本のミカンのアメリカに対する輸出は、特定の州につきまして輸出をしておるわけでございます。これは従来病気の関係がございまして制限をされておったわけでございますけれども、そういう心配がないということで特定の州には輸出が行われておりますが、その数量は大きなものではございません。
○馬場(昇)委員 日本の温州ミカン等につきましては、たとえば潰瘍病があるということでアメリカは輸入を許可していない、こういう事実もあるわけでございますし、いまの答弁ではもう少しはっきりしないのです。くどいようですけれども、さっきから何回も言っておりますように、OPPの許可でグレープフルーツ等の輸入が増大して圧迫するのじゃないかという心配がありますから、そういう心配がないような行政をしていくということを、ぜひ御見解を承りたいと思いますが、次官どうですか。
○羽田政府委員 たびたびの御指摘でございますけれども、これを抑えるということは実際に行政でできませんけれども、ともかく不安を与えないように、私どもも重大な関心を持ってこれを見守りながらそれぞれの対応をしてまいりたいということでお許しいただきたいと思います。
○馬場(昇)委員 これは何も自民党とか社会党とか野党とか与党とかという問題じゃございません。日本の果樹農家全体の問題ですし、自民党の中もそういうことだろうと思うのですから、いま言われたところを、心配のないような行政をやっていただきたいと私は思います。 そこで、時間が来ましたので、果樹の当面の政策と長期展望について二、三問題点を指摘しておきますので、最後にまとめて見解をお願いしたいと思います。 いま摘果政策をやっておるのですけれども、私は生産調整的な摘果政策はやめて消費を拡大するとか価格の保証をするとか、こういう方向でミカン農家の生活が安定するように、経営が安定するようにやるべきだ、こういうぐあいに思います。 それから、いま摘果奨励金が出ておりますけれども、この使われ方には非常に問題がありまして、中には不正な使われ方もあっておるのです。だから、この摘果奨励金の使用の方法に非常に問題ありというぐあいに私は思います。 さらにまた、品種改良の補助金等につきましてもまだまだ実情に合っていない、こういうぐあいにも思います。特にミカンは、生果、生ミカンも安いのですけれども、果汁原料の値段が非常に安い。ここにも問題がございますし、この価格安定対策もやはり必要じゃないかと思います。 さらには、後継者が育たないというのは事実でございます。後継者の育成資金等もございますけれども、これまた十分ではない、こういうぐあいに思います。 また、流通、輸送の面につきましても、まだまだたとえば国鉄運賃等について農畜産物を運ぶ場合の優遇措置をとる必要があるのじゃないか、こういうぐあいに思います。 何といたしましても次官、果樹の長期需給計画とか長期果樹政策とか、長期的展望を持って果樹行政をやっていただきたい。そのことによって果樹農家は非常に安心するのじゃないか。中身について問題点を指摘しただけですけれども、長期的な需給計画を持った長期的な果樹政策を樹立していただきたいということについての御見解をお尋ねしたいと思います。
○堀川政府委員 いろいろと数々の問題点の御指摘ございまして、私どもも問題と思って取り組んでいる事項が大部分でございますが、またそれに即応して予算措置なりその他の行政でやっておることもございますが、私どもといたしましてはそれらの事項につきまして今後とも鋭意改善に努めていきたいと思います。
○羽田政府委員 ただいま局長からも申し上げましたように、非常に広範にわたる御指摘でございますけれども、やはり私どもも問題認識を持っておるわけでありまして、今日までもそれぞれ一つずつ対処してまいったところでございます。しかしいま摘果等につきましても問題もあるというような御指摘もございました。こんな問題も含めまして、まさに長期的な見通しに立ちながらそれぞれ対応してまいりたいというふうに考えております。
○馬場(昇)委員 終わります。 —————————————
○金子委員長 この際、昭和五十二年度畜産物価格の決定について政府から説明を聴取いたします。大場畜産局長。
○大場政府委員 お手元に資料はお配りしてありますけれども、それに基づきまして簡単に御説明いたします。 本日付をもちまして加工原料乳保証価格、それから指定食肉安定価格等の決定をいたしまして告示をいたした次第であります。この件につきましては、本委員会の御決議もありますし、それから畜産振興審議会の御答申をいただきまして、そういった線を踏まえまして各方面と折衝いたしまして本日決定した次第であります。 まず、加工原料乳保証価格の決定でございますが、保証価格は一キログラム当たり八十八円八十七銭でありまして、前年度は八十六円四十一銭であります。 それからこのほかに別途、仮称でございますが、乳質改善奨励金を加工原料乳の数量に応じ生産者に交付する、これはキログラム当たり一円七十五銭でありまして、これに要する財政支出は二十七億円であります。正確ではございませんが、保証価格と奨励金というのは必ずしも質的に同じではございませんが、合算いたしますと、農家の手取りといいますか、最低ラインは九十円六十二銭ということで、現行の保証価格に対しまして一〇四・九%という水準になるわけであります。それから、加工原料乳の基準取引価格はキログラム当たり六十四円二十九銭でありまして、前年度に対しまして一〇三・一%であります。それから、生産者補給交付金に係る加工原料乳の数量の最高限度につきましては百五十八万トンでありまして、前年の百三十八万トンに対しまして二十万トン増加いたしております。 指定乳製品の安定指標価格等につきましてはいろいろございますが、平均いたしますと一〇三・二%という対前年比率になっております。 参考までに、補給金単価は前年がキログラム当たり二十四円七銭でありましたのが二十四円五十八銭ということで、五十一銭アップになっております。補給金総額でございますが、前年が三百二十六億円という予定でございますが、来年度は四十五億ふえまして三百八十一億円ということになっておるわけであります。 それから、指定食肉安定価格の決定につきまして御説明申し上げます。 まず、豚肉につきましては、皮はぎ法の例で申し上げますと安定基準価格が六百二十七円、それから安定上位価格が七百六十六円でございまして、前年に対しまして、これは中心価格のベースで比率を申し上げますと、一〇四・三%であります。湯はぎ法によりましたものは、安定基準価格が五百八十三円、安定上位価格が七百十二円で、これも同じく一〇四・三%のアップ率であります。 牛肉につきましては、去勢和牛肉が、安定基準価格が千三百三円、安定上位価格が千七百三十円で、これも対前年比一〇五・〇%。その他の去勢牛肉は、同様に一〇五・〇%という対前年の比率になっております。 以上は価格でございますが、そのほか別途対策ということであわせて講じました対策を御説明申し上げます 酪農でございますが、本年度の加工限度数量がオーバーするというわけでございまして、当委員会におきましても十四万トンないし十五万トンオーバーするのではないかということを申し上げておりますが、オーバー分について全量現金払いをする。いわゆる施設助成という方式をとらないで、全量現金払いをする。それも、いわゆる補給金の二十四円七銭だけではなくて、今年度実施しております乳質改善奨励金を含みました二十五円七銭をまるまる全量現金払いをする。仮に十五万トンといたしますれば、約三十八億円の支出をするということになったわけであります。これを決定いたしました。 それから酪農経営改善資金。いろいろ負債整理の問題は御要望が強いわけでありまして、これに対しましてこたえるため、融資枠四百億円、末端利率五分、五年償還、一年据え置きというような条件で、これに要する利子補給額を一括払いするということになりますと、五十八億円というような支出になるわけであります。 それから、食肉につきまして別途対策を講じたことをあわせて御報告申し上げますと、一つは、肉用牛経営改善資金の融通、これは同様な末端金利五分、五年償還というような条件で肉用牛経営に対して低利資金を融通する。融通枠二百五十億円でありまして、利子補給額は三十二億円であります。 養豚経営改善資金も同様でございますが、これは融資枠百億円、利子補給所要額が、単年度で一遍に払うという前提で十二億円であります。 それから子牛生産奨励事業。これは和牛でありますが、三十二億円ということを予定しておりますが、繁殖雌牛を一年間保留して、子牛を分娩した場合に一頭当たり一万円の奨励金を交付する、こういった措置を講ずることにいたしております。 それから、肉用牛肥育施設近代化促進事業でありまして、これは支出は四億円を予定しておりますが、乳用雄牛を中心に、肥育施設、飼料作圃場整備等に対する助成をするということを予定しております。 それから最後に、乳用雄子牛の牛肉の肉資源確保対策事業ということで、所要額四億円を予定しておりますが、これは、いわゆるぬれ子の肥育仕向け率低下時に上積みして保育育成する頭数について一頭当たり五千円の奨励金を交付して、肥育仕向けの増大を図るという措置であります。 以上であります。
○金子委員長 以上で説明は終わりました。 —————————————
○金子委員長 次は、竹内猛君。
○竹内(猛)委員 私は、五十二年度の畜産物の価格について、畜産振興審議会の諮問及びその答申に基づいて農林省が与党の自民党と折衝の上に、ただいま局長から報告がされたような形で告示になったということに関して、いろいろと質問をしていきたいと思います。 本委員会は、小委員会をつくり、あるいは本委員会を通じて、この畜産問題について努力をしてきました。特に、例年は三月の二十九日ごろに決議をしてきたものが、二十五日という早い時期に八項目の決議をし、その決議に基づいて質疑を続けてまいりまして、最終的には諮問案に対してかなりの努力をし、その決議の趣旨に沿った面もかなりあるけれども、まだまだ問題点がある、こういうふうに考えます。したがって、私は以下、これは農林省だけではなくて、大蔵省並びに経済企画庁も含めて、畜産物の価格のあり方あるいは今後の方向について質問をしたいと思います。 まず最初の問題としては、農業諸団体は、本年の価格の要求について、加工原料乳保証価格については二二・八%、そして乳質奨励金に関する一円を加えた場合には二一・四%、それから肉豚については中心価格一二・七%、去勢和牛についてはやはり中心価格一二・七%を求め、なお五十一年度の十五万トン分の限度数量の超過分に関する取り扱いは同様にしてもらいたいということと、五十二年度に関しても百七十万トンの限度数量を求めてきたわけであります。これに関して、五十一年度の超過分に関しては、これは同様の処理ができたということはまことに結構だと思うし、百七十万トンを要求したものについて、百五十八万トンとかなり接近はしているけれども、努力の跡は見られるものの、まだまだかなり考慮すべき点もあろうかと思います。 なお、豚肉については諮問が二・四%、決定が四・三%、牛肉に関しては三・一%の諮問に対して公示が五%、それから加工原料乳に関しては一キログラム八十八円三十七銭に五十銭を上積みし、別枠として一円七十五銭を乗せて、農家の実質手取りが九十円六十二銭となった。その結果、四・九%という形にお話がありましたが、昨年も一円の奨励金が出ていたわけでありますから、実質的な値上げに関しては三・七%という形になる。 大変努力の跡は見えますが、この委員会を通じて出された算定基礎というものがあった。これには、確信を持って算定の基礎を出されたはずでありますけれども、何を動かしてこういう結果になったか、この算定基礎にどういう考慮を加えたのか、まずこれを第一にお伺いしたい。
○大場政府委員 私どもが諮問したのと最終決定ということで、若干の修正はございます。 それは、牛乳につきましては、結局諮問値より最終決定は五十銭加算して決めたわけでありますが、その加算した理由は、一つは、厩肥の減耗率を試算値では二〇%と見込んでおりましたのを三三%に修正したということが一点と、それから資本の回転率を修正した。この二点に伴いまして五十銭を加算したというのが根拠になっております。 それから牛肉、豚肉でありますが、豚肉につきまして一番問題になりましたのは、素畜の割合を生産費の中でどう見るか、そこが問題になったわけでありますが、私どもの試算値では、豚の例で申しますと、過去五年のうち素畜の比率が非常に高い五十一年とそれから非常に低い年、最高最低を除きました三年の平均で素畜と他の生産費目との割合を出して、そして算定して諮問したわけでありますが、それを、最終的な決定ではそのまま五年をとった。最高、最低を除去しないで五年をとって素畜の割合を求めたというところが違いであります。それから、牛につきましてはさらに牧草、飼料作物費の増加を若干見込んで修正した、そういう結果いま申し上げた数字になっているわけであります。
○竹内(猛)委員 まず、加工原料乳の厩肥の損耗に関しての五十銭の問題ですが、三三%ということですが、こうすればわれわれの計算ではこれは五十銭じゃなくて六十銭になるのじゃないかという計算が出てくるわけですけれども、これは誤りかどうか。
○大場政府委員 私どもの計算では厩肥の減耗率二〇%を三三%に変えたわけでありますけれども、これに伴ういろいろの諸費目の変化というもので加算額が三十三銭というふうに出てくるわけであります。それから、資本の回転率でありますが、二・〇分の十二という回転率を二・五分の十二に変えたわけでありますが、それに伴う修正結果が加算額として十七銭、三十三銭と十七銭を足して五十銭というような形で計算したわけであります。
○竹内(猛)委員 全体として、豚の場合でもそうですが、数のとり方によって価格がどうにでもなると言っては悪いけれども、なる。こういう点で、たとえば安定帯価格というものを保持するためにという形で、当初三百五十一円を出発点としてきたわけですね。これは、本来上位価格を超したときの分は全部切っ払ってしまって安定帯価格に閉じ込めていった。過去五年間を計算した場合に、上位価格を上回った時期というものが六十カ月の間にわれわれの計算では三十八回もある。六三%近いものが上位価格を上回っていた。こういうものを削り取っていくという中でこの価格の諮問がされた。ところが、それがまた今度はいろいろな形で修正をされて、最終的にはそういうところに落ちついたわけだけれども、この問題はたとえば、この前から議論をしているように、生産団体は生産費所得補償方式という形で積み上げ方式で価格の要求をした。だから要求価格のような形になった。これに対して農林省の方では、そういう積み上げ方式ではなくて需給実勢方式でやる。ここに違いがあるということはしばしばこの委員会で確認をしたとおりだ。その違いの中でも、計算のしようによれば、なおもっと正確に取り上げれば、諮問案ももっと生産農民の要求に近いものが出されたはずだけれども、それを削り取ったということは、やはり価格を低く抑えようじゃないか、こういう意図があるんではないか、こういうぐあいに思われても仕方がない向きがあるんだけれども、これはどうですか。
○大場政府委員 いま竹内先生のおっしゃったのは、私どもが算式に使っているPゼロの問題、要するに基準期間における農家の販売価格の平均値のとり方の問題を御指摘になっていると思うわけであります。私どものとり方は、やはり安定帯の中に価格変動をおさめる、暴騰暴落を防ぐという意味でそれを政策目的にする。そのためには、たとえば下がるときには事業団が買い支えをする、あるいは上がりそうなときには関税の減免をやって輸入の促進を図って安定帯の中に鎮静化させる、そういった政策努力をすることが政府の義務として要求されているわけであります。ですから、本来あり得べからざる価格というふうに私どもは観念しているわけであります。それをやはり異常な価格だ、将来それを、今後の安定帯を設定するときに、そういった異常な水準というものを投影させるということはやはり穏当を欠くのじゃないか、こういうような議論で、ことしだけではございませんで、これは四十四年以来継続して踏襲している議論であります。 ただ、いま先生がおっしゃったような議論は、確かに審議会の過程においてもございました。しかしまた、いろいろな係数を用いるときには、もちろん恣意的にやってはいけませんけれども、この安定制度の趣旨に即して、その目的にかなう限りにおいてはやはりある程度の合理的な修正の仕方というものを起用されてもいいんじゃないか、こういう御議論も一方においてはかなりあったわけであります。
○竹内(猛)委員 この議論を長くやると、また審議会を繰り返すことになるから、これはやめるけれども、問題のとりょうによれば幾らでも答えが動くということは、一見科学的に見えるけれども、非科学的で、どうも操作要素が強過ぎやしないか。やはり積み上げ方式という方式が最も正しい方式だと思う。だからそこで、これは後の議論になるけれども、後で一つの提案をしますが、価格問題は一応いろいろな努力は認めるけれども、まだまだ問題が残っているということだけはここで残しておきます。 続いて、加工原料乳の価格を上げることは、生乳市場において南北戦争が起こるんだということをしきりに言う人がいます。これはどうですか、起こりますか。
○大場政府委員 加工原料乳の引き上げをすれば南北戦争、つまりたとえば北海道と内地の酪農民がけんかする、それは直ちには私は起こらないと思います。また、加工原料乳の価格を、引き上げのレベルによりますが、余り引き上げると、ただ、市乳化の促進が阻害されるということはあると思います。一方、しかし、加工原料乳の価格というものは、やはり再生産の確保という観点から決めなければならぬということも事実でありますが、その兼ね合いが非常に議論の的になるということはあるわけであります。
○竹内(猛)委員 私のところは主として市乳地帯ですけれども、やはり加工原料乳を上げてほしいということを市乳の代表の皆さんがそういうふうに言うわけだ。だから南北戦争が起こるということは余り農林省が言わない方がいいんじゃないかということで、南北戦争論については余り叫ばないでほしい、これだけは要請をしておきます。 続いて、答申の内容を見ると、三月の末に価格を決めて公示をするということは、法律上これはそうなっているからやむを得ないでやっているのか、本当に農林省は、これはやはり三月の末はまずい、たとえば労働者の春闘は大体四月いっぱい、五月になってからほぼ結論が出る、あるいはまた、日本の畜産の主たる問題である飼料、二番目の要素です。一番目の要素は労賃、二番目の要素は飼料ですね。その飼料は主としてアメリカから買うわけだ。アメリカの作柄というものは三月の段階じゃわかりませんね。どうしてもやはり一定の五月なり六月という時期を経なければわからない。だから米価を決めるのが大体七月の初め。この価格を三月の三十一日に決めねばならないというのは、法律上、これは役所としては仕方がないけれども、こういうことで不合理を感じているのか、それともこれはやむを得ないと思っているのか、この辺はどうですか、政務次官。
○羽田政府委員 ただいまの問題はこの委員会でも何回か御指摘があり、また審議会でもいろいろと御指摘があったところでございます。畜産物の行政価格決定時期につきましては、その生産が終年続けられるという特性を持つことからして、一つの年度の改まる時期、この時期に一つの区切りといたしまして価格を決定することがよいであろう。これはそれぞれの法律によって定められておったところでございます。一方、このたびの畜産振興審議会においても、価格決定時期の改善について建議がやはり答申の中になされております。 そういったことで、いま先生から御指摘がございました飼料なんかの国際的な作況あるいは春闘ですとか、米価の問題ですとか、こういったいろいろな問題もございます。こういった問題につきまして、現在省内に農産物の価格政策検討委員会というのを設けまして、農畜産物の価格政策について総合的な検討を行っておるところでございますので、今後その時期につきまして十分検討してまいりたいというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 私はもう一つ申し上げますが、畜産を振興するということは、何といっても畜産に関係する生産農民の労賃部分が補償され、同時に所得が確保されなければいけないということであると思うのです。現在の農林省がとっている農政の基調というのは、総合農政、こういうことになっているのは間違いないと思うけれども、その点はどうです。
○羽田政府委員 まさに先生の御指摘のとおりでございまして、食糧を安定して供給する、あるいは生産農民が本当に安定して生産にいそしめるような体制をつくっていくということで、総合的に総合農政で進めておるということでございます。
○竹内(猛)委員 その場合に、わが国の農業生産の柱を見ると、四十九年の農林省の「生産農業所得統計」によると、米が三六・三%、畜産が二三・六%であります。だから、大体米プラスアルファという形をとっている。米は何といっても食管法によって、生産費と所得を補償するという形で、いま議論はいろいろあるけれども、そういうふうになっている。ところが、畜産物の場合には、前々から議論があるように、生産費所得補償方式ではなくて、需給実勢価格というものがある。これは総合農政という農政のあり方からいって、価格の決め方が矛盾だと私は思う。行政当局の当事者は、これを矛盾と考えないのかどうか、あたりまえなのだ、こういうふうに思われるのか、これはどうですか。
○大場政府委員 食肉の場合には、ことに豚ですけれども、異常な価格変動というものは、農業者の所得の変動をもたらして、経営の安定というものを阻害している最大の要因だと私は思っております。そういう意味で、この安定制度は、やはり価格の安定を通じて、養豚経営あるいは肉牛経営の安定を図っていくということでありまして、そういう意味で、需給実勢方式に基づく価格安定帯というものを設定しているわけでございます。このもとにおきまして、過去の趨勢を見ましても、養豚にいたしましても肉牛にいたしましても、テンポの差は当然ございますし、またときにはピッグサイクルというような変動もございますけれども、生産はやはり順調に伸びてきているということでやはりこの制度は一つの合理的な形ではないかというふうに判断をしております。
○竹内(猛)委員 米を柱にして、畜産物と果樹をもう一つの支えにして、三本の柱でいこうというのは、農林省もわれわれ社会党も考え方は同じなのです。問題は、そうしたときに、畜産物の価格の決め方、果樹や蔬菜の決め方というものは、必ずしも同一の基準ではない。ある一定の方式を出してきて、そうして周辺から陳情が来て、騒いで、政治加算で決めていく。しかも、政治加算の枠がことしはかなり大きい。それは少ないよりいいかもしれないが、大きい。だから、そこに政治的要素が加わっている。つまり、科学性がなくて政治性がある。やはり参議院選挙などがあるから、これはそれを考慮した、こういうふうになってしまう。これでは本当に価格の決め方に不安を持つのはあたりまえだと思う。だから、国が必要とする重要な農畜産物の価格の決め方は、少なくとも生産費と所得が確保されるような決め方でなければならないというのが当然じゃないですか。その点は政務次官どうです。
○大場政府委員 政治加算ということを御指摘になりましたが、確かに最終的には諮問値から加算をしておりますけれども、それは政治的な判断で加算をしたということではございません。やはり審議会の審議の経過を踏まえまして、議論を踏まえまして、加算したということであります。 それから、生産費所得補償方式を導入するということにつきましては、この食肉の場合には、先ほどのを繰り返すようでありますけれども、やはり価格の安定ということを通じて生産の伸長を図っていく、経営の安定を図っていくということでありますから、この制度に生産費所得補償方式を導入するということになりますれば、制度に重みがかかってしまって破綻を来すのではないかと私は思っております。
○竹内(猛)委員 この問題については、また別なところで議論をするように提案をしていきます。 続いて、ここに金融措置と助成、こういうのが出されております。この問題は、私たちが決議もし、この委員会でかなり質問もしてきたことに対して、幾つか答えている問題があろうかと思うのです。 そこで、肉用牛の経営改善資金の融資、所要額三十二億、養豚経営改善資金の融資、所要額十二億、いずれにしても末端金利五%、五年償還で一年据え置き、養豚の場合には据え置きがないのですね。それから酪農の方の融資枠が四百億で、利子補給が五十八億、末端金利五%、五年償還、一年据え置き、こうなっておりますが、養豚経営改善資金の据え置き一年がないということ、これも不自然だし、この対象農家は、負債をしょっている農家を主として対象にされるのか、それとも経営計画を出して、その計画を担保にして出すのか。対象農家と、性格と、いつごろからどういう機関を通じてどのような取り扱いをされるのかという点についてのお答えをいただきたい。
○大場政府委員 養豚経営につきましては、先生御存じのとおり、大家畜である牛と違いまして、資本の回転が早いということでありますから、据え置きというものは置いていないわけであります。 特に対象農家でありますけれども、負債をうんと抱えているというぐあいに極力限定する、そういうような考え方は、考え方としては負債整理ということから出発しているわけでありますが、個々の農家をつかまえて、負債額を持っている者というふうに厳密にしぼるということにするかどうかまだ決まっておりませんが、できるだけ弾力的に運用していきたい、できるだけ養豚経営の改善というような趣旨で、前向きの資金としても使えるように措置していきたいと思っています。時期は、七月ごろには貸し出しが開始できるように、早急に準備を進めたいと思っております。
○竹内(猛)委員 酪農経営の利子補給五十八億というのは、これはどういう形で取り扱われますか。 大場政府委員 酪農経営の資金は、いま先生御指摘になりましたように、融資枠四百億でありますが、利子補給率四分五厘ということで積算いたしております。その利子補給額五十七億九千六百万円でありますが、これは五年間のものを農協等に一括払いして払っておくというような形で処理しようかというふうに研究しております。したがって、農家の手元には直接この金がいくという形にはならない。農家は結局末端金利五分の金が借りられる、こういうような措置になると思います。
○竹内(猛)委員 奨励金の項目がありますね、子牛生産奨励事業等々、3、4、5と。この奨励金の性格と取り扱いはどういうことになって、いつごろからこれは開始をするのか。
○大場政府委員 まず、子牛の生産奨励事業でありますが、これは事業主体といたしましては都道府県の農協連というものが主体になりまして、結局和牛の繁殖牛を継続的に保留して、つまり、ほうっておくとつぶしてしまうおそれがあるということですから、それを継続的に保留してもらう。一年間保留して、要するに子をとってもらう、そういった形で再生産を続けてもらうという意味で措置したわけであります。 結局どういう形で具体的にやるかと申しますと、事業主体に登録した繁殖雌牛を一年間保留したものに奨励金を交付する。その場合に、奨励金の交付の仕方として、生まれた子牛一頭について一万円を交付するという形でとらえて、本来のねらいは、親牛を殺さないで、子を生むものとして続けて農家にとっておいてもらう、こういった趣旨のものであります。これは六月時点において親牛の登録をして、それをもとにして交付をしていきたいと思っております。
○竹内(猛)委員 限度数量を決める場合について、これはわが国の酪農の六十年目標の計画と、それから現段階の状況との間においていろいろ操作されていると思うけれども、この限度数量は四十六年に百五十五万四千トン、そして四十九年、五十年、五十一年と三年間百三十八万トンに据え置かれた。そこでことし百五十八万トンというわけになった。こういうように四十六年の段階にようやく到達しているということ。これで将来のこの計画との関係はどういうことになっていますか。六十年計画とはうまく結びつくわけですか。
○大場政府委員 先ほどちょっと答弁漏れがありましたので補足させていただきます。 肉用牛の肥育施設ですが、これは文字どおり乳用雄牛を中心といたしまして肥育経営の近代化を図るために、いろいろの肥育施設だとか、飼料作物の圃場の整備といったものに対して助成するわけでございまして、事業主体は農協等であります。 それから、乳雄の素畜の確保対策といたしまして、乳用雄牛の子供の資源確保対策事業ということでございますが、これは農協がいわゆるぬれ子を集めて、これを肥育に仕向けるわけでありますが、価格が下がったときに仕向け率も下がってくる。いま八十何%と非常に上がっておりますが、悪いときは五〇%とかいうぐあいに下がってしまう。そういうように下がらないように、俗に言えばがんばってもらう、一定のレベルに踏みとどめてがんばってもらう。そして、がんばったことに対して、その頭数に対して奨励金を交付する、こういうふうな形であります。肥育仕向けを安定化させるというところにねらいがあるわけであります。 それから、いまお尋ねの限度数量につきましては、これは直に六十年見通しということに結びつけて私ども考えておりませんが、いずれにいたしましても、その限度数量は、たびたび御答弁申し上げておりますが、固定的に考える必要はない。その年、その年の需給情勢に応じて弾力的に対処していきたい。前年度が百三十八万トンであったからことしも百三十八万トンだというふうに固定的に考える必要はないということを申し上げておきましたが、そういう意味で、五十二年度の生産の見通し、飲用乳の消費見通し、あるいは指定乳製品以外の消費の見通し、農家の自家消費の見通し、そういったものを勘案して百五十八万トンと決めたわけでありまして、自後もそういうような形で、弾力的な形で判断していきたいと思っております。
○竹内(猛)委員 この際、経済企画庁の方にお尋ねをします。 生産者の価格が非常に不満だ、生産費と所得が補償されない、こういう一つの理由に、生産者価格を上げれば消費者価格が上がる、消費が伸びない、こういうことで生産者価格を極度に抑えるということ、これは審議会でもしばしば出ているし、世論にもそういうことがある。ところが、現実に生産者価格を抑えても、消費者価格には何の関係もなくて、消費者価格はどんどん上がっているということが、すでに新聞紙上にも伝えられている。「今年三月には百グラム当たり三百二十二円になっている。卸値と同じキロ換算でいけば、三月価格は卸値の二・六倍に当たる。しかも卸値がこの間、キロ当たり百九十一円も下げているのに、小売値は同四十円もアップしている。消費者にとって納得できないのは、小売店がいままでよりも牛肉を安く仕入れているのに、小売値を下げずに逆に値上げしている点。」こういうことが新聞にも見られます。 この点について、これは農林省が心配するというよりも、むしろ経済企画庁としてはどういうような指導をされてきたか。これは何もきょうやきのう始まったことじゃない、毎年毎年こういうことが言われているし、物価の委員会だって年じゅうそれは問題になっている。どのような指導をして、どこに欠陥があって、何が問題になっているのか、そのことを明らかにしてもらいたい。
○柳井政府委員 先生の御質問、畜産物に限ってのお話かと思いますが、畜産物の消費者価格と、たとえば生産者価格、こういうものの開きにつきましては、それぞれその価格の対象になりますところの品目につきましての産地とか銘柄とか、そういうようなものによって種々違いがございますので、一概にこれを比較することはなかなかむずかしいのではないかというふうに考えるわけでございます。 それで、これにつきましては、生鮮食料品等につきましては追跡調査というような形でこれを比較するのがベターではなかろうかというふうに考えておるわけでございますが、畜産物につきましては、東京都におきまして四十年なりあるいは四十一年にそれぞれ調査したものがございますが、これによりますと、農家段階のあれは、小売価格を一〇〇といたしますと、豚につきまして五七%、和牛につきましては六七%、こういうふうな形になっております。それから農林省の調査でございますが、これは事例調査でございますので、そういう性格を踏まえて考えていただきたいと思うわけでございますが、去勢和牛につきまして見ますと、生産者手取りで七〇%、それから乳雄につきまして六七%、豚につきまして六六%というのが、五十一年の五月から七月の期間において事例を調査した結果でございます。 こういうふうに見ますと、これは追跡調査あるいは事例調査ということで、いろいろ調査上の制約がございまして、これをもって一概に申し上げることはできないわけでございますが、生産者段階におきまして大体六割前後あるいは六割強というふうな形になっております。これにつきましては、外国の資料というものもはなはだ少ないわけでございますが、アメリカにおきましても大体その程度のことになっておるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。むしろそういう点で申しますと、生鮮食料品の中におきましては、比較的生産者段階におけるところの手取り率の高い物資ではないかというふうに考えておるわけでございます。私たちといたしましては、いずれにいたしましてもやはり物価の安定、それはひいては生産者価格の安定ということにもつながると思うわけでございますが、やはり流通段階の改善、合理化というものを十分図る必要があるのではないかということで、従来から農林省等にもお願いしてやってきておるわけでございまして、私たちの方におきましても、物価安定政策会議等におきまして、生鮮食料品等についての御議論を願って、いろいろ提言もいただいておるわけでございますが、今後とも先生御指摘のとおり、流通問題については十分意を用いていかなければならないというふうなこともございますので、たとえば食肉につきましては、現在、物価安定政策会議の第一調査部会におきまして、食肉の生産安定、価格安定という問題を取り上げていろいろと検討しておるところでございます。
○竹内(猛)委員 この問題は、農林水産委員会だけではなくて、むしろ物価特別委員会等の中心の議論になっているし、われわれにしてみればこれは非常に大事な問題なんです。いつもこの委員会で農林省をやり玉に上げて、生産者価格がなぜ上がらないかと言うと、いや消費者価格にこれは関係するんだ。ところがどうもこれは連動していない、どっかにそれを断ち切るものがある。考えてみると、確かに生産者は生産者で、生産費と所得を補償する価格を要求する。中間にいる商人あるいは問屋もまた、自分の生活を支えるために一定の必要なものを要求する。消費者は消費者で、自分のもらう賃金の中からそのものは高いか安いかということを恐らく議論するに違いない。ここが連動しないからいつも問題が起こっている。そして一番犠牲になるのは、手に持っていれば腐ってしまってどうにもならない生産者、あるいは中間の業者、これが一番大変だろうと思うのです。こういうものについて、いつも同じような議論ばかりしていないで、少なくとも経済の企画をやる役所とすれば、これに対する特別の法律をつくるとかなんとかして、もっと国民を納得させるようなものができないのかどうなのか。この辺は大臣の答弁かもしれないが、いますぐこれを求めることは困難かもしれませんが、どういう準備をされているのか。ただ指導する、指導するということでは・指導に従わなくても別に罰則はないんだね。もう少し強いものは資本主義の社会では無理なのか。資本主義というのはしょせん自由競争の社会で、これはもう強いやつが勝って、弱いのは負けてもしようがないんだということであるなら、これは別に議論の余地はないのだけれども、どうです、この辺のことは。まず農林省からひとつ……。
○大場政府委員 いま先生のおっしゃっているのは、確かに一番の問題テーマをおつきになっていらっしゃると私は思います。消費者の手元に近いところの流通機構がどうも不透明で問題があるということで、元来、生産者と消費者というのは相対立するものとしてとらえちゃいけないのが、とかくとらえられがちになってしまう。やはりそこに問題があると私は思っています。ことに食肉の場合には、それが非常に問題がある。卸売価格と小売価格というものが連動しない。上がるときはわりあい連動するのですが、下がるときに連動しない。生産者の販売価格が下がり、卸売価格も下がっているけれども、小売価格はむしろ場合によっては上がっちゃうということは、かつてもあったわけで、そこに非常に問題があると私は思います。 それは一つは、食肉が芝浦で枝肉というかっこうで価格形成されている。しかし、それが消費者の手元に渡るときにはいろいろ、骨が抜かれ、部分肉に解体され、最後にわれわれの口に入るときにはスライスされたような形に変わってしまう。そういうようなこともあるわけです。それから、消費者の合理的な購買基準というものもはっきりしない。隣の肉屋の並みという肉と、こっちの肉屋の並みという肉とは、必ずしも同じであるとは限らないわけで、そこはかなり違うのじゃないかということであります。 ですから、枝肉から小売へ行くまでの間にやはりもう一つマーケットをつくる必要がある。部分肉という形でいま産地でほとんど、豚肉なんかもカットしてカット肉という形で出荷していますが、これも四割近いものがすでに物流としては流通しています。しかし、そういったものは価格形成のマーケットができていない。牛肉もかなり部分肉というものが物流の形として流通している。枝肉だけではなくて、その間にもう一つ部分肉のマーケットというものをつくっていく必要があるのじゃないかと私は思います。それで、片一方、枝肉から部分肉、それから小売の規格といった規格を統一することによって、その連動性を図っていく、それから消費者の合理的な選択の基準というものをはっきり消費者にお示しするというようなことが基本的な対策だと私は思います。 同時に、それは言ってもやや時間を要するわけでありますから、小売価格の引き下げということを私ども一生懸命やりたいと思います。現に豚につきましてはかなり効果を上げておりますが、残念ながら牛については、率直に言ってまだ効果が上がっておりません。これは事業団の売り方等の工夫にいたしましても、指定店制度を刷新強化するというような形で、小売価格引き下げについては努力していきたいと思っています。
○柳井政府委員 先生のお話は、流通段階の改善につきましてある程度計画的といいますか、強制的というふうな形でもう少しできないものかという御趣旨ではないかというふうに考えるわけでございます。物価政策といいますか、物価の安定ということにつきましては、われわれかねがね申し上げているわけでございますが、総需要の管理政策というものを基本といたしまして、低生産性部門におけるところの生産性の向上を図るというような構造改善政策あるいは市場の流通メカニズムというものが十分有効に機能するような競争条件の整備とか、さらにはいろいろな個別物資につきましての監視とかあるいは調査とか、こういうふうな総合的な対策をいろいろ講ずることによって、初めて物価の安定というものは図れるのではないか。その中の一環として、やはり流通改善についても充実されていく、経費の節減、合理化が図られていくのではないかというふうに考えておるわけでございまして、それぞれの段階におきますところの自主的な努力を政府として助長していくというふうな形が必要ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。食肉等につきましても、農林省に、市場の整備とかあるいは規格取引の改善、さらには合理的な消費生活の普及というふうなこと等、いろいろともろもろお願いしておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 これは資本主義の社会では大変むずかしい問題でして、それぞれが生活をやっていかなくちゃならないのですから、むずかしいけれども、指導ということじゃなくて、もう少し基準なりをつくるような形でいかなければ問題は始末できない。もういままで幾ら議論してもだめ。 最後に、大蔵省にお尋ねをしますが、大蔵省は、農林予算にしても他の予算でもそうですが、各省庁が一定の予算を要求する、それを査定し決定をする、予算化された段階で、あとは省庁にその運用についてどの程度の自主性と主体性と弾力性を認めているのか。加工原料乳の一円の値上げをするにも大蔵省の許しを得なければ何にもできないということでは、これはわれわれは農林省を抜きにして大蔵省に直接交渉した方がいいですよ。この辺はどういうことなのか、ちょっとそれを教えてもらいたいと思う。
○古橋説明員 お答えいたします。 最初に形式的なことをちょっと申し上げて恐縮でございますが、大蔵省は財政法のたてまえから十八条において予算編成について権限を持っておる。さらにまた予算の執行段階におきましては、三十四条の二で支出負担行為についての大蔵省に対する協議を規定しておる。これは大蔵省というものが国民の税金を預って、その執行について全体的な立場から適切な財政資金の効率的運用を図るという見地から認められたものでございます。こういうような見地から各省いろいろなものにつきまして大蔵省に予算の執行段階においても御相談があるわけでございますが、そのときにわれわれはその執行が適切であるかどうかという財政の立場からいろいろと御助言を申し上げたり御相談に応じておる、こういうことでございます。ところで、いま御指摘のたとえば加工原料乳の限度数量という問題になりますと、これは加工原料乳生産者補給金等暫定措置法に基づきまして補給金を交付することになっておりますけれども、これについては予算の定めるところによって政府が補給金を出す。原料乳の補給金は限度数量に価格を掛けたものでございます。したがって、これはまさに予算の執行の問題になるわけでございまして、これにつきましては大蔵省も責任を持っておる、こういうような見地から農林省がわれわれのところに御相談に来られるということでございます。しかしこれはあくまでも財政資金を使うという見地からの御相談で、これが過度であるかないかということにつきましてはわれわれも財政の立場から御相談に応じますけれども、農政の見地から農林省がこれは必要であるということについて御説明がありこれについてわれわれも必要であるということになれば、それは適切に処置をする、それはそのときどきの農政の状態であるとかそういうようなことを農林省とよく検討をいたしまして、適切であるというときには財政支出をするということでございまして、この点につきましてはよく農林省といつも協議をいたしまして適切にやっておるということでございますので、御了承をいただきたいと思います。
○竹内(猛)委員 大蔵省ともう少し農政上の話をしようと思ったけれども、時間がもう来てしまったから、わざわざ来ていただいて恐縮ですが、これ以上できません。これはまた別な場所でもう少し議論をしたいし、またいろいろ詰めてみたいと思います。 最後にこれは委員長に今度はお願いをします。ことしくらいこの農林水産委員会で畜産物の価格を熱心に、しかも本当に連日取り上げたことはいままでの委員会ではないと私は思う。そしてこの決議についても、それはいろいろ不満なところはあるけれどもよくがんばったという点も散見されます。まだまだ百点満点というところまではいかないけれども、まあまあ努力をしていることはよくわかりますが、しかし価格問題に関しては決定的に決議の段階から考え方が違うのです。畜産の小委員会はきょうで恐らくおしまいだと思う。したがって、あと価格の問題に対する小委員会をぜひつくってもらいたい。この問題についてはぜひこれをつくってもらいたい。農業基本法の第十一条二項にも、価格問題については十分に議論をして公表しなければならないということがちゃんとある。法律的にあるのだから、これをやってもらいたい。 第二番目は、この際現地調査をぜひお願いをしたい。酪農については、加工原料乳については北海道を希望します。それから養豚地帯については千葉、茨城、つまり日本一の養豚の地域を、それから和牛等々については鹿児島、熊本、南九州地域をぜひ希望をします。 もう一つ法律の改正の問題に関して、これは政務次官もおりますが本当は大臣に求めるわけですが、三月の末に決めるということはどうしても適当でない。いろいろな条件からいって適当でないから、これについては法律を改正しなければならない。だからそれに関しての腹構え等準備をしてほしい。そしてどうしてもこれは米価と一体に七月ごろに決めるのが筋じゃないか。アメリカの作付の事情あるいは労働者の賃金の状況、こういうものが価格の中に織り込まれないということは適当じゃないと思うのですね。そういう意味でこの法律の改正についても検討を要求したいし、続いて、養鶏、卵の振興法も検討しなければならない段階にあるだろう、こういうことで、この前も申し上げたが、この辺のことを要望しながら私は終わりますけれども、最後に政務次官のいまの質問についての答弁をもらいたい。
○羽田政府委員 ただいま御指摘がございました点につきまして、先ほど申し上げましたように、省内に価格の決定に関します価格政策の小委員会がございますので、この会の方で十分検討さしていただきたいと思います。
○金子委員長 野村光雄君。
○野村委員 それでは最初に政務次官にお尋ねをいたしたいと思いますけれども、御存じのとおり日ソ漁業交渉で暫定取り決めが暗礁に乗り上げてまいりまして、国民が非常にかたずをのんで見守ってきたといっても私は過言でないと思います。今日の最大課題として国民の注目を集めてきておりながら、残念なことにモスクワにおきまして鈴木農相との間に交わされた三十一日の期限切れをきょう一応迎えたわけですけれども、その見通しというものが全く立たない、こういっても過言でない状態なわけであります。 そこで、今回の十五日以来の両者の交渉の情勢を聞いておりますと、かつてモスクワにおいて取り交わされました文書の内容というものがなしくずしみたいに後退させられてきている、国民はいまこういうような印象を持って受けとめているわけですけれども、次官はこの交渉の当事者ではございませんけれども、しかし同じ責任ある立場としてどのような認識で受けとめているか、私は確認したいわけです。確かに文案の内容が非常に抽象的であったということが一つと、交渉の内容については、お互い公表されてない中での取り決めがあったと思うのです。そういう面に対して向こうが一方的になしくずしにしているとわれわれは受けとめたいけれども、しかしこの交渉に当たった鈴木農相自身、このように大事な段階になって後退をさせられていくというようなあいまいな交渉というものが大きな原因をなしているのじゃないか、こういうように受けとめているわけです。次官の立場でこれをどう認識していらっしゃるのか。
○羽田政府委員 御指摘がございましたとおり、今日この交渉は非常に厳しい事態に参っております。しかし農相自身はこれにつきまして、またいま交渉過程におきましてわが方としましては、決して後退はしておらないということを申し上げたいわけでございます。ただ、事実関係がございますので、事務当局の方から少し御答弁させていただきたいと思います。
○佐々木政府委員 本年の二月二十八日から四日間モスクワでイシコフ大臣と鈴木農相との間で一応合意されましたこれからの交渉の枠組みといいますか筋道についてでございますけれども、要旨を申し上げますと、日ソ両国が日ソ間の長期的な漁業協定の締結のために早急に交渉を開始するということと、それからこのような協定が、日本側が国会の承認を要し、発効に非常に時間がかかるということから、三月十五日から三十一日までに、一九七七年度についての暫定取り決め締結交渉をモスクワにおいて行うとともに、同日から東京で日ソ漁業条約に基づく日ソの漁業共同委員会を開催して、サケ・マス、ニシンについてはそちらで審議をするということが大筋でございます。これに基づいて、いままで十五日からモスクワと東京でそれぞれ交渉を進めてまいったわけでございますけれども、東京交渉の今日までの経過を御説明いたしますと、資源評価のための科学技術小委員会及び取り締まりの実施状況を検討するためのいろいろな専門家会議が大体終わりまして、二十五日にソ連側の方が、ニシンについては資源状態が非常に悪いということを強調いたしまして、全面的に自分の方も禁漁するから、日本側の方も禁漁すべきであるということで、全面禁漁を提案しております。それから、サケ・マスにつきましては、本年の日本側の漁獲量の割り当てについて、ソ連の二百海里の水域外におきまして、五万七千トンという漁獲量の提案をいたしてきております。一応豊漁年である一昨年の割り当て量が八万七千トンでございましたから、かなり大幅な漁獲減ということ、資源状態の悪化等を理由にして五万七千トンという数字で示してきておるわけでございます。また漁船の隻数をクォータに見合って削減をする必要があるということと、それから操業期間を十五日間短縮しろというような提案をいたしております。これに対してわが方は、サケ・マスについては豊漁年である一九七五年程度の数字、つまり先ほど申し上げました八万七千トン程度を下回らない量を、当然いまの資源状態から見て漁獲し得るはずであるということを主張いたしておりますし、ニシンにつきましても、大体昨年と同程度の漁獲を継続できるように当然考えるべきだということをわが方から主張して、両方の意見が対立したままで話し合いが事実上一休みしている、休止の状態になっているというのが東京会談の状況でございます。 それから、モスクワの方で行われております暫定措置につきましての交渉経過でございますけれども、これは御指摘のとおり、今日まで大変難航しておるわけでございますけれども、ソ連側の方で主張をいたしておりますのは、わが方のいろんな国会承認に手続等がかかるということにつきまして、るる事務ペースで説明をしておるわけでございますけれども、その点についてどうもソ連側の方は理解を示そうといたしませんで、ソ連の二百海里水域内でのソ連の主権的な権利の承認あるいは許可証の発給、取り締まり、裁判管轄権の明示、こういったようなことを初めから今日まで強く主張しているという状況でございます。この点につきましては、日本側の理解といたしましては、そういう国会でのいろんな手続、御審議をいただくというような関係もあって、一遍に長期協定ということにすぐには踏み切れないので、暫定取り決めをということを一応合意したというふうに考えておりますけれども、合意文書上、暫定取り決めの内容は当然事務レベルでの折衝の結果を待つわけでございますから、暫定交渉の中に何を盛り込むかということまでは、先ほどの大臣間合意の中では明示はされておりません。したがいまして、ソ連側の方の理解と日本側の理解の違いが、事務レベルの交渉の中である程度明確に浮き彫りになってきて、その点についての交渉が一つの非常に大きな山といいますか、問題点になっているというのが現状でございます。 それから、わが方の領海の十二海里の設定後も、三海里から十二海里までの現在のソ連船の操業実績を認めろということを、交渉の途中から非常に強くソ連側が主張してまいっております。このこともある程度鈴木・イシコフ両大臣間の合意の中では、相互の操業の実績、伝統的な実績を尊重し合うといいますか、そういったようなことは話し合いの中で出てきておったというふうに聞いておりますけれども、領海の中でいまソ連がやっているマイワシ等の漁を、日本の領海設定後も継続して実績として認めろというような具体的な主張は、事務レベルの段階で出てまいった問題でございまして、これもソ連側の方から言えば、あるいはそれぞれの操業の実績を認め合うという意味の中で考えておったのだと言えば言えるかもしれませんが、日本側としては、これは漁業の実態から申しましても、また今日こういった外国漁船との競合を避けるために、領海十二海里の設定を急がなければならないという事情から考えましても、とうてい容認できないわけで、この点でも交渉が難航いたしておるわけでございます。こういったことを相互主張しながら、確かに三十一日までに一九七七年の漁業についての取り決めをやるという目標でやってまいったわけでございますけれども、大変交渉が難航しておりますが、最後の段階でまだ現地でも努力をしているという状況でございまして、いまの状況で、きょうじゅうに全体の決着がつくという見通しは大変乏しくなっているというふうにわれわれのレベルでも判断はいたしておりますけれども、若干四月以降に入り込んでも、ねばり強く交渉をやるということについて、話し合いを続けるということは、ソ連側の方も一応原則的には了解をいたしておるというふうな連絡を受けておりますので、今後も若干四月に入っても交渉を続行したいというふうに考えております。
○野村委員 いま日ソ漁業交渉の概略をお伺いしたわけですけれども、いまのお話を聞いておりますと、やはりいま国民が、私が先ほど指摘しましたとおり、心配していることは、一つの実例を申しますと、いまの答弁の中にありましたけれども、今日までのそれぞれのやってきた実績というものをお互いに尊重するのだ、これは取り方によっては、やはり非常にソ連に対しては都合のいい言質を与えてきているのじゃないか、こう言われても私は二言はないと思います。確かに交渉の経緯なり、内容をみておりますと、ソ連の方がわれわれとしては同情するものは何一つもございません。しかし相手がそういう国だけに、両者の首脳の日ソ漁業交渉に当たっての対応策というものに対しては、私は去る十日の委員会でも指摘いたしましたとおり、若干甘さがあった。この懸念いたしました甘さが、事務レベルの交渉の中に具体的にあらわれてきた、こういうふうに私は認識をいたしておるわけでありますけれども、結局は事務的のレベルで具体的な問題に入ろうとしても、本質的な、基本問題にまた逆戻りする、ここに大きな難航の実態があると思いますけれども、そういう点に対しては全く反省の余地はないのか、次官、その点はどうなんですか。これだけの現状がありながら……。
○佐々木政府委員 大臣間の合意は、一九七七年の操業の問題と、それ以後の基本的な協定締結の問題と、この二つに分けて、どういう筋道、枠組みで交渉を進めるかという、交渉の進め方、取り組み方の大筋を決めたものでございまして、それぞれの個々の内容に入って、それでは暫定協定の中でいまのような入漁料の問題、許可証の取得の問題等をどういうふうに詰めるか、これは当初から事務レベルで詰めるという前提でその筋道を取りまとめたものでございます。したがいまして、実際に事務レベルでいろいろな折衝をやってみますと、アメリカとの間の交渉でも、暫定取り決めと長期協定の取り決めの二本立てにするために、昨年の六月から延々ことしの二月いっぱいくらいまで、かなりの長期の時間を要したわけでございますけれども、国情の違いもございまして、たとえば許可証取得について、民間ベースで、大日本水産会等を経由してこういう方法でやればいいではないかということを理解させるのにアメリカとの間でも相当の時間がかかったわけでございます。ソ連の場合には、まして国情が相当違っておりますので、どうしてそういうことが簡単にできないかということがなかなか理解してもらえないで、そういった点を含めて交渉に非常に時間がかかっているという状況でございます。
○野村委員 私はそんなことを聞いているのじゃないですよ。先ほどあなたの答弁の中で、お互いにそれぞれの実績を認め合うということを確認し合った。その実績というものは、具体的に言うと日本沿岸におけるソ連漁船の不法操業でいろいろな問題が北海道沿岸で起きているでしょう。日本の三海里そして十二海里内でソ連はソ連としての実績というものをつくり上げちゃったわけです。それをいまになって向こうはお互いの実績を認め合うという確認の中で都合よく利用されているのじゃないのか、こういうふうに私は心配して言っているわけです。その点に対する認識は、われわれはお互いにいままでの実績を認め合うということは、尊重し合うということは、日本のみが二百海里内に行ってとってきた実績だけをお互いに尊重し、おまえの方で認めろと、鈴木農相はそういう考えで解したかもしれないけれども、ソ連側に言わせると、おれたちの方は三海里から十二海里内で長い間とってきたという実績があるのだから、日本が十二海里宣言をしようと十二海里内で魚をとらせろということを言い出してきたことは那辺に原因があるのか。ということは、お互いの今日までの実績を認め合うというその中に向こうは向こうでそういうふうにとった原因があったのではないかと言っている、実績があったわけですから。その点どうなのか。
○佐々木政府委員 御案内のとおり、日本もソ連も世界有数の海洋漁業国でございまして、漁業専管水域あるいはそういう周辺海域で相互に実績を尊重し合うことが国際的にも各国の二国間交渉その他で慣行的にずっと認められていることは十分承知の上でそういう一般的な考え方を、要するに大臣会議のベースでは話し合われたものと理解しております。ただ、それを具体的にそれではどういう魚種についてどういう漁場でどの程度認めるかという話になりますと、これは相当、相互の実績の確認から、それを果たして資源保護上あるいは漁業調整上認め得るか認め得ないかという議論を事務レベルでやることになるのは当然のことであろうと思っております。
○野村委員 モスクワへ行った当の本人がいないわけですから、あなたにこれ以上迫ってみてもどうしようもない問題ですが、その点はこちらに対しても非常に大きな失点がいまになってあらわれてきた、こういうふうに私は心配をしているわけです。 次にお尋ねいたしますけれども、先般二百海里の宣言が閣議で決定されたようでございますけれども、これは重要な課題でございますけれども、一応次官がいるわけですから、私は次官の立場で御答弁をいただきたいと思っているわけです。 今日の日ソ漁業交渉のこういう実態のさなかにあって、二百海里の宣言をあえて行ったことに対しては、私は非常に深い意味なり意義があると思います。その日ソ交渉の重要な段階の中での二百海里宣言に対する意義についてはどういうふうに認識なさっていらっしゃるか。 それからあわせて第二点として、二百海里というものは、先ほど言いましたように、宣言はなさいましたけれども、あくまでも宣言ということでとどめておくのか、法案として近い将来提出する考えがあるのかどうなのか、この二点をお伺いいたします。
○羽田政府委員 お答えいたします。 ただいま御指摘のございました二百海里の問題でございますけれども、国際的に二百海里時代が急速に到来しつつある情勢に対応しまして、わが国といたしましても周辺海域における水産資源の適切な管理と合理的な利用を図る観点に立って、次回の国連海洋法会議の動向を見守りつつ二百海里漁業専管水域を設定する必要があるというふうに考えておるわけでございます。 政府といたしましてこの法案についてどうだという御指摘でございますけれども、次の国会に提案するというつもりで準備を進めておるところでございます。
○野村委員 そうすると、今国会では提出をしない、これは確認さしていただいてよろしいですか。
○佐々木政府委員 先日の閣議での口頭了解で、これは早ければ早いほどよろしいわけですけれども、近隣諸国との関係その他にも十分な配慮を払う必要がございますので、次の国会を目途として準備を進めるということを御了解いただいております。
○野村委員 今国会に提出しないで次期国会にまで延ばすという理由はどういうところにあるのか。
○佐々木政府委員 二百海里漁業専管水域というものについてはアメリカなりあるいはソ連のこのたびの最高会議幹部会令等の個々の事例があるわけでございますけれども、全体といたしましては海洋法会議で現在もなお各国集まりまして国際的なレベルでその論議をしている段階でございます。したがいまして、国際法的なすでに確立された専管法の内容というのはまだ固まってはおりませんで、それぞれの国情に応じて検討しなければいけない問題が大分残っているということと、先ほど申し上げましたように、その時期等につきましても、中国あるいは韓国との関係、あるいは南太平洋のパプアニューギニア、豪州、ニュージーランド、特に南太平洋の国々につきましては、今度の海洋法会議の動向を見ながら方針を決めるという態度を一応打ち出しておりまして、日本といたしましては、北方海域のみならずそういった日本との関係のございます近隣諸国との事前のいろいろな話し合いなり調整ということも十分行った上で考える必要がある、そのためにはやはりどうしても若干の時間はかかるというふうに判断をいたしておるわけでございます。
○野村委員 次に若干論点が変わりまして、端的にお尋ねいたしますけれども、たしか昨日だったと思いますが、鈴木農相が衆議院予算委員会で、日ソ漁業交渉が難航し、出漁船の損害が非常に憂慮される段階を迎えてきた、その中で特にニシンにありましては御存じのとおり漁期を逸してしまった、こういうことで決定的な損害を受けることになったのでこの救済措置を講ずると、われわれとしては非常に前向きな、損害の関係漁民にとっては非常に温かい、こういう意思の発表があったようでございますが、このことをまず最初に確認したいわけです。
○佐々木政府委員 ニシンにつきましては、先ほどのイシコフ・鈴木両大臣間の合意で三月中は一応操業を中止するということを取り決めまして、現在樺太の西等で操業をやればできる漁船が出漁を見合わせておるわけでございます。この主な漁期は三月と四月でございますので、今後の交渉の成り行きいかんにもよりますけれども、三月中は少なくとも中止をいたしましたし、四月に入っても、見通しとしてはだんだんと非常にむずかしい状況になっているのは事実かと思います。しかし、全体といたしましては、東京の委員会で今後も日本側としては交渉を続けてまいるつもりでございまして、とりあえず、その漁業の経営のつなぎという立場から、いろいろ網の仕込みであるとかあるいは乗組員の給与の支払いであるとか、そういった関係で相当の運転資金を借り入れして賄ったというような経営者も相当ございますので、そういうものに対するつなぎとして、三月中にそういう金融機関の方も指導いたしまして、つなぎ資金についての手当てをさせながら、同時に全体としての救済措置は、四月以降の操業見通しが一応どういうふうになりますか、全力を挙げて交渉をいたしましたその結果を見守った上で、総体として適切な救済措置を検討してまいりたい、かように事務当局としては考えております。
○野村委員 次に、ニシンに対する救済措置、こういう方針が出されましたけれども、その他の魚種についてはどうなのかということなんです。自主的に水産庁等におきまして、現交渉が暗礁に乗り上げているということで、一応三十一日、きょうを最終日として、それぞれ二百海里内の漁船が母港に引き揚げるよう指示もなさっているようでありますけれども、当然これらに関する損害も出てくると私は思うのです。恐らく農相としても差別をするようなことはないと思うのですけれども、一連的にこういうものも、ニシンということに限らず、今回の新たな二百海里に伴う関係漁民に対しては、その実態に即応しながら損害補償は当然していくべきだ、こう思いますけれども、御答弁をいただきたいと思います。
○佐々木政府委員 ニシンにつきましては、さっき申し上げましたように、はっきり大臣間の合意として三月中は操業しないということを取り決めましたので、それに応じたつなぎの措置をいまとっているわけでございますが、同時に、同じような合意をしましたサケ・マスにつきましては、実はまだ四月の半ばごろまでは日本寄りの海域で操業ができますので、それについては今後の推移を見守っているわけでございます。 同じように、今後各種の漁業について、紛争防止のために、四月一日以降若干その操業をそれぞれ自粛をして交渉の成り行きを見守る必要があるわけでございますけれども、それは個々に漁業ごとに相当操業の実態が違いまして、ある漁業についてはほかの海域で操業ができるものもあるし、中には操業できない、全くほかでやる場所がないというものも出てまいるおそれがございますので、今後、早期妥結に努力すると同時に、漁業の個々の経営の実態に応じてそういった問題を検討してまいりたいというふうに思っております。
○野村委員 そうすると、こういうふうに確認させていただいてよろしいですか。早期妥結に努力をすることは当然のたてまえでありますけれども、しかし成り行きによっては、失礼な話ですけれども、何日までに間違いなく妥結ができるという見通しは現時点で立っていない。そういうさなかにあって、より被害を受けるであろう各種魚種の漁業者が恐らく出てくると思う。これらの損害の補償検討については前向きに対応していきたいという考えを持っているのだ、こういうふうに確認させてもらってよろしいですか。
○佐々木政府委員 先ほど申し上げましたように、漁業の種類によっても経営規模によってもいろいろ経営の実態が違いますので、そういう漁業経営の影響の程度を十分検討しながら、適切な対策を検討していく、こういうふうに考えております。
○野村委員 私も長い間議会でいろいろこういうやりとりをしてきましたけれども、役人のお答えの仕方というのは非常に抽象的で、対処していきたいとか——対処と言ってもいろいろあるわけですから、私の聞いているのは、今回の二百海里に伴うこういう急変の立場の中からニシンと同じく損害を受けるであろう各種漁船なり漁業者が出てくるであろう、そういう場合にはニシンと同じように損害補償というものを前向きに、いま、あなたの立場で出しますとかいつやるとか何ぼ出すかということを聞いているのじゃないのです。ただ、大臣がニシンにそういう前向きな姿勢を示したということに対しては、現時点ではまだニシンのようにはっきりはしないけれども、ほかの魚種漁業に対しても差別なくして前向きでこの損害補償に対しては取り組んでいくという姿勢があるのかないのか、こういうことを聞いているのです。簡単に、はっきりと答弁していただきたい。国民がわかるように答弁してもらわなければ困るのですよ、抽象的では。
○佐々木政府委員 先ほど申し上げましたように、個々の業態によってずいぶん影響程度が違うので、その程度を考えながら、その実態がニシンと同じようなものになれば当然ニシンと同じような対策をとらなければいけませんし、単に漁場の転換とかほかの対策で救済がとれるものもあるかもわかりませんし、そういったことは漁業経営の安定ということを十分念頭に置きながら前向きに検討したいという趣旨でございます。
○野村委員 了解しました。最初からそう言ってくれれば時間がかからないのです。 次に、去る三月十日に質問いたしておりましたソ連並びに韓国漁船の沿岸漁民に対する不法操業問題、先般非常に時間がございませんで、わずか三十分で一方的に、やりとりだけで終わっておりましたので若干これに補足しての質問をさせていただきたいと思います。 このときの御答弁では、特に北海道沿岸を主体とするソ連並びに韓国漁船の不法操業によって多くの漁民が漁網、漁具を傷められ、いま日ソ漁業操業協定によります損害補償委員会でこれを詰めている、七百十三件が具体的に損害賠償処理委員会にかけられておる、その中で二件モスクワの処理委員会に送られている、こういう御答弁をいただいたわけですけれども、この七百十三件に対する具体的な見通しと自信のほどを伺いたいということと、モスクワ委員会の二件については、いつモスクワの処理委員会に送付されたのか、現時点でこれがどういう対応をされているのか、さらにこの見通しはどうなのか、それから、このモスクワに送られております二件の中に、前回私が指摘をいたしました白糠町の豊栄丸十九トン、沈没させられました片山さんの船に対する損害賠償というものが含まれているのかどうか、差し支えがなければ明らかにしていただきたい。
○佐々木政府委員 日ソの損害賠償処理委員会の方では、前回も答弁申し上げたかと思いますけれども、これまでいろいろ事務手続その他で相当の時間がかかりまして、ようやくその審議が軌道に乗りつつある段階でございます。しかし証処物件といいますか、どういうことから加害者を確認するか、個々の案件になりますと相当むずかしい問題もございますので、現在日ソ双方間の専門家のレベルでの検討なり、その上の段階での委員同士の話し合いが精力的に行われているわけで、われわれとしてはその審議の促進をもちろん希望いたしておるわけでございますけれども、どの程度のテンポで、七百件余りのものがいつごろまでに完全に審査を終わるかは、私どもとしても促進はしてほしいと思っておりますけれども、いまのところ見通しははっきりいたしておりません。モスクワの方に送りました二件の中身につきましては、実はいま手元に資料を持っておりませんので、後ほど調べましてお答えをさせていただきたいというふうに思っております。
○野村委員 私はこの間うちからこの問題に対する御答弁をいただいておりまして、相手がソ連だから仕方がないと言えば仕方がない、非常に時間もかかる。率直に言わしてもらうと、いずれの他国の交渉と比較しても問題がむずかしい国ですから、非常に時間がかかるということは私も了解できますけれども、しかし現実に被害を受けている漁民の立場に立って一日も早くこの問題を処理しようという、交渉に当たって熱意というものが見られないということです。もし自分の財産や子供や身内の問題だったらどうですか。たとえて言えば、自動車の衝突事故だって相当寝ないで真剣になって交渉しますよ。問題は一緒にはできませんけれども、そういう熱意が足りない。 もう一つ私が非常に腑に落ちないことは、先般被害を受けている関係漁民に対して、一時国がこの損害のお金を立てかえ払いをしてやる考えはないのか、してやるべきだ、私はこういう問いただしをいたしました。大臣並びに関係者は、これはあくまでも民事的問題なのでわれわれとしてはそこまで責任持てない、こういうような意味の御答弁をいただいております。漁民がこれだけの損害を受けているというのははっきりしているわけでしょう。民事といいながら、相手はソ連なり韓国なんだ。外国船なんですよ。そのために処理委員会というものがソ連との間ではできたじゃないですか。そうすると、処理委員会でこの損害額を全額ソ連から賠償金として取る見通しがないから、立てかえ払いをしてやってもソ連から取れる見込みがないから、漁民に対して立てかえをする考えがない、こういう立場なんですか、そういうふうにとらざるを得ないのですけれども。
○佐々木政府委員 先ほど先生の方からもお話がありましたように、自動車のひき逃げとはちょっと違うかもしれませんが、やはり加害者と被害者がある、そういう民事上の損害賠償の問題でございますので、本来やはりそういう不当な行為をした加害者の方に、それがたとえ外国漁船であっても損害の賠償をさせるというのが国際的にも当然のルールになっているわけでございます。私どもとしては、そういった観点からいまの紛争処理委員会での審査ができるだけ円滑に進むように、これはいろいろ審査の状況を聞いてみますと、漁業者の方から出されておる申請書の中で、どういうふうにしてソ連漁船の何丸であるということを確認したかというところについて、かなりまだ証明力が弱いといいますか、判断するのに資料が不十分であるとか、あるいは漁具の被害の状況の中身についても、いろいろ細かい点を審査していくとわからない点があるというようなことがあっておくれているというふうに聞いておりますので、そういった点について道庁等とも連絡をとって、できるだけ審査の促進に側面から指導なりなんなりを通じて協力してまいりたいと思っております。 なお、こういった審査がおくれることに伴って、漁業経営の安定の上で大変影響を受けている沿岸漁業者がいることも事実でございますので、そういう損害賠償という問題と直接絡めて、国として肩がわりして、つなぎあるいは救済策をとることは困難でございますけれども、経営の維持安定という観点から、漁業経営維持安定資金の活用等を、ちょっと目的は違うわけですけれども、そういう運用を通じて漁業経営の安定には十分意を用いてまいりたい、かように考えておるわけであります。
○野村委員 くどいようですけれども、モスクワなり、またこちらでやっている処理委員会に対してははっきり証拠になるものがない、これが非常に時間のかかっている、決め手にならない最大の欠陥なんだ、こういうことを繰り返しております。私は先般大臣にも見せましたけれども、現場の写真約二十枚持ってきております。きょうは私は再度の質問ですからわざわざ持ってきませんけれども、単に二回や三回起きた問題ではなくて、きょうもまた起きている。すでに御存じのとおり約十年間にわたって次から次へと起きている。毎日連続何年間と同じ場所で同じような問題が起きていながら、処理委員会に出しても証拠品がないからはっきり損害賠償を取ることができないんだ。そういう欠陥があるというなら、これだけ連続起きているのですから、証拠をかちっととるような対応策を講じているのですか。巡視艇とどんな連携をとってその証拠をつかむための手だてがしてございますか。具体的に答弁してください。何の手だてもしていないでしょう。
○佐々木政府委員 被害が頻発します地域とか時期につきましては、必要に応じて水産庁の監視船を派遣したり、それから五十二年度からは北海道庁の方で組合単位で出します自主的な監視船、そういったものにも助成をして、いまのような漁民の協力も得ながら適切に資料が整備できるように一段と努力をしたいというふうに考えております。
○野村委員 私は一番よく知っているわけですが、沿岸漁民が無線を通じて道から配置された巡視艇なり、または国で配置されておりますところの巡視艇に無線を通じて、いま荒らされて網を壊されているから頼むと言っても、この間も言いましたとおり、ソ連語で通訳できる人は北海道全道で四人しかいないのです。いまやっているのはどういうのかあなた知っていますか。単なる横幕を船体に張りつけて、あらかじめ想定したそれをマイクに吹き込んでテープで流しているだけです。現場でいろいろな事態が起きたらその実情に応じて対応する体制というのは、すでにこの問題が起きて約十年近くなっても何も手を打ってないじゃないですか。それで出てくる被害、出てくる被害、具体的な証拠がないから、ソ連に対して確信持って賠償請求ができない。相手の国が話がわかって、ああそうですか、すみませんと快く次から次へ要求に応じて賠償金を払ってくれる国ならそんな対応をしなくてもいいですよ。きのうやきょうではないでしょう。これだけの何百件、何千件と起きて、膨大な損害があって悩まされておる漁民の立場に立ったらもっともっと対応策を早く講じなければならないでしょう。われわれ漁民が国民の立場に立って現場の証拠写真を撮ったのを持ってきて見せているのじゃないですか。何の対応策もなされてないじゃないですか。そういうところに非常に役人というのは国民から遊離してしまってきているのですよ。こういう機会に改めていただきたいと思うのです。こういう点に対してこれから早急に反省して手を打つべきだ、私はこう主張しているのです。反省しているのですか、どうなんですか。
○佐々木政府委員 水産庁としても従来ももちろんできるだけやってまいったつもりではございますが、実際結果的に見てそういう漁業者の方に大変迷惑なり被害がかかっているというのは事実でございまして、さっきも申し上げたような対策のみにとどまらず、今後関係の漁業協同組合なり道庁等とも連携しながら、どういうふうにすれば一番効率的にそういった問題を処理できるか、一層努力をしなければいけないというふうに反省をいたしております。 なお、この問題に関連いたしまして国会に今度御提案申し上げました領海十二海里法が制定されました場合には、十二海里の中で起きております被害が全体の被害件数の相当部分を占めておりますので、これについては被害が相当防止できるということも期待しているわけでございます。
○野村委員 次官、十二海里法ができれば相当緩和される、私たちも十二海里の早期宣言というのを漁民の立場に立って、むしろ遅きに失しているというぐらいに考えております。ただ私が一番恐れるのは、十二海里が宣言されたから、もういままでの十二海里宣言以前のこれらの紛争の解決はなし崩しにされる、こういう危険性がまた出てきているのです。いいですか。結局は何らの補償もされない、賠償ももらえない、痛めつけられたままで十二海里説ができたということをいい口実にしてソ連はなし崩しにする、こういう憂いがあるのですよ。いいですか、責任持ってこれはひとつ解決の対応策を強力に進めていただきたい。弱腰だ。もう一つは漁民の真剣な立場に立っていない。これだけを指摘をしておきます。 次に、あともう時間がございませんから、私は、これはこれからの農政の基本的な問題ですから、大臣がいらっしゃるときにお伺いしよう、こういう考えを持っておりますので、あとわずか五、六分でございますから基本的なことだけきょうは触れておきまして、次回、大臣に具体的に質問をしたいと思っております。 きょうようやく待望の畜肉関係の価格の発表がございました。ただ私は、基本的なこととしてこれから申し上げたいことは、現在の農畜産物の価格決定に対するところの価格政策の基本方向というものが非常に統一されてない、ここに今日の多くの農民が生産意欲を喪失していく最大の欠陥がある、こう私は思っておるわけです。その二、三の実例を申し上げますと、一つには農畜産物の価格の決定に当たっては、まず第一に生産者並びに生産者団体の意見が十分尊重されなければならない。さらに第二番目には、この価格の決定というものはどこまでも再生産を確保するに足る価格でなくてはならないということです。第三番目に、農業労働者と他産業労働者との均衡がとれているかどうかという問題であります。第四番目には、農畜産物の価格の算定方式、決定の時期、これが統一されてない、ばらばらだ。基本的には、価格の決定というものは、私は自分で農業に従事した人間でありますけれども、作付する前に価格というものはたとえ暫定であろうと決めてあげるべきなんです。にもかかわらず取ってしまった後の十月になって決めている。ここが最大の欠陥で、農家が生産計画というものを自信を持って立てられないで悩んでいる。それから作目間におけるところの相対価格の関係性というものを是正しなければならないということです。農家というものは、自分の限られた労働力、耕地面積、これによってよりよい所得をどう上げるか、これが最大の農業経営の根幹になっている。そうすりと、やはりいかなる作物をつくろうとも、農家の労働報酬というものが一般の勤労者報酬みたいに一定にとまではいかなくても、ほぼ一定な水準の中で所得は上げれる、報酬になる、これが原則でなくちゃならない。ところが、いろいろなデータを見てみますと、非常にまちまちであります。たとえて言いますと、これは昭和五十年のデータでありますけれども、製造業の五人以上の規模を持っている勤労者のこの年の、ちょうど五十年の四月から五十一年の三月まで一年間の一日当たり平均にならした報酬は七千百六十二円。ところが、はなはだしいのは畜産、牛肉あたりはマイナス三千五百六十一円、働けば働くほど赤字になっているのです。こういう実態が起きている。これは一つの実例でありますけれども、こういうふうにして価格決定に対する総合価格体系というものを通して今日の政府のとっておる農畜産物の価格体系というものを総点検して、総ざらいをして、私はこの価格決定の基本方向というものを改めて再検討する必要がある、こういうふうに私は認識をいたしておる次第であります。 具体的な問題は、これはどうしても責任ある農相でないと的確な答弁が出てまいりませんので、時間がございませんから次回に譲りますけれども、この現在の価格の政策に対する基本方向に対して再検討する考えがあるかないか、こういう基本的な点だけお伺いしまして私の質問を終わりたいと思います。
○羽田政府委員 ただいま農産物価格に対します基本的な問題について、非常にそれぞれの項目にわたりまして御指摘があったわけでございます。私どもも審議会あるいは本農水委員会でたびたびこういった問題につきましても御指摘がございます。そういう中にありまして現在省内に価格検討委員会を設けまして今日検討いたしておるわけでございまして、これからも皆様方に納得のいくようなものを出すために、せっかくその委員会で努力をしてまいりたいと考えております。
○佐々木政府委員 先ほどのソ連船の被害に関連してモスクワに送った船名につきましてですが、いま確認しましたところでは、一隻は高田勲という人の十八高漁丸に関する事件、二つ目は中村正に関する十八幸丸というものの被害の件であるということでございます。
○金子委員長 神田厚君。
○神田委員 私はまず最初に、政務次官並びに水産庁の方に日ソ漁業に関する交渉問題についてお尋ねをしたいと思います。 水産庁の方が参議院の方に呼ばれているということでございますので、ごく簡単な要点のみの御質問にさしていただきたいと思うわけでありますが、私どもは、三月二十八日に日ソ漁業に関する稻富農林水産部会長談話というものを発表いたしまして、今回の日ソ漁業交渉におけるソ連の態度は、一方で二百海里を主張しながら、他方では日本の領海内での操業を認めることを要求するなど、全く不当であり、断じて容認できない、しかし、日ソ漁業交渉の行き詰まりを打開し、北洋漁業を守るため、政府は、この際、農相の再訪ソを含め、国会決議の趣旨にのっとって全力を尽くすべきである、こういう談話を発表しておるわけであります。 さらには、昨年は雨の中、各党の農水の理事の議員の皆さんがソ連大使館に行きまして、同様に、日本の北洋漁業を守るための話し合いをなさっておりますが、このことにつきまして、政務次官から、現在の私どもの考え方についてのお答えをひとつお願いいたしたいと思います。
○羽田政府委員 ただいま御指摘がございましたとおり、日ソ漁業交渉、モスクワ、東京双方とも非常にむずかしい厳しい段階にあるということでございます。 そういった中にありまして、本委員会並びに両院におきまして決議、また、それぞれの立場でお働きをいただいておりますことに対しまして、省といたしましても感謝をいたしております。
○神田委員 だれをどこに派遣するかというふうな問題がまだはっきり決まってないようでございますが、私どもは、この際、もう一度農林大臣が訪ソされまして、そしてきちんとした取り決めをなさってはいかがでしょうかというお話をしているのですが、いかがでございますか。
○羽田政府委員 ただいまこの膠着しております状況というものを打開するために、しかるべき者が特使として送られることが妥当であろうという考え方を持ちながら、それにどの人を充てるかということについて、いままだ検討の段階であると いうことでございます。
○神田委員 領土問題、いろんな問題がありますけれども、やはり漁業の問題が主たる問題になっております。領土問題はそれに絡めてきている問題でありますので、農林大臣を中心とした訪ソ団をやはり派遣すべきではないか、こういうふうに考えているわけでありますが、そういう線でひとつ御努力をいただきたいというふうに考えております。 水産庁の方の方にお尋ねを申し上げたいと思うのでございますが、政府はこの膠着した状態を打開するために、まずどういうふうな形でこれを打開していくかということの中で、ソビエトが主張しております二百海里内の、相手の二百海里の中での漁業主権を認める方向で交渉するというような形で話が行われておりますけれども、この漁業主権というものは、具体的にはどういうことを含んでいるのでございましょうか。
○佐々木政府委員 ソ連側の方で現在強く主張しておりますのは、まず全体的に主権的な権利をソ連側が持っておるということを認めろということと、具体的にはソ連の許可証を取得しなければ二百海里の水域内での操業はできないという、その許可証取得の問題、それから、関連いたしまして許可料といいますか、あるいは入漁料といいますか、そういう料金の徴収に応ずる義務があるということ、それから、その水域内での漁業の取り締まり等についての権限といいますか、具体的に言えばソ連の公務員が行う取り締まりには従うという取り締まり権限の問題、それから、最後に一番大きな問題としていろいろ議論が行われておりますのは、仮にそういった二百海里の水域内のソ連の法令に違反した場合の裁判管轄権をソ連側が持つ、これらの点が主要な問題点でございます。
○神田委員 私はこの問題が非常に大事な問題だというふうに考えているわけでありまして、これを譲るということが結果としていわゆる裁判管轄権の問題や、あるいは日本漁船に対する臨検、いろいろな取り決めは多少その中でまたなされるのでありましょうけれども、こういうふうなものを譲歩しながらやっていったのでは、果たして本当に北洋漁業が守れるのかどうか、逆の心配が出てくるわけであります。これを譲歩したから守れるという保証はないというふうに私は考えているわけでありますけれども、その辺のところは、水産庁としては、いままでの経緯から考えまして——たとえばいわゆるいろいろなトラブルがございましたけれども、そういうものとの関連でどういうふうにお考えになっておりますか。
○佐々木政府委員 いわゆる二百海里時代が、アメリカの二百海里設定その他から急速に国際的に進みつつあるわけで、すでに日本としてその協定を結びましたアメリカとの関係でも、長期協定と申しますか、当然これは国会の御承認を得て発効するわけでございますけれども、長期協定の中ではいまのような許可証の取得義務あるいは取り締まり権限を認めること、裁判管轄権をアメリカ側が持つこと、こういったことを一応盛り込んでおりますけれども、これは当然そういう基本的ないろいろな権利義務に関連のあることでございますし、国会の御承認を得るというつもりでいま準備をしているわけでございます。 それで、ソ連との関係でも、アメリカとの間でそういう協定を結んだ以上、また、アメリカとソ連の間でも同様の趣旨の協定をすでに締結いたしておりますが、そういった情勢を考えまして、今日の事態では、そういった基本協定の中では、日本側の方もソ連側の方のそういった主権的な権利というのを認めざるを得ないだろうというふうに判断をいたしておりますけれども、その前の段階のつなぎといいますか、前段階の暫定取り決めの中では、時間的な関係もあり、これまで行政協定の範囲で、結べる範囲でやろうということで交渉がいろいろ難航しているわけでございます。したがいまして、もしどうしても、いまのような裁判管轄権等を含んだ主権的な権利を入れなければなかなか両国の合意が成り立たないという場合には、当然基本協定と同様に、そういった協定については国会の御承認を得ることが必要になるだろうというふうに考えております。
○神田委員 そうしますと、逆の立場から言いますと、日本が二百海里を宣言する、そうした場合に、やはり他国籍の漁船団に対しましては、同じような立場で臨むというような態度でございますか。
○佐々木政府委員 わが国の二百海里の問題についても、先ほど申し上げましたとおり、閣議では、できるだけ早い機会に、次の国会を目途として提案をするということで準備を始めつつあるわけでございますけれども、その内容につきましては今後国際的な各国の制度の内容、それから日本として相互主義というようなことで国と国との関係の中で大体同じ土俵で話し合いができるように、国によってその扱い、適用をいろいろ差をつけて考えなければいけない複雑な問題を抱えておりますので、その内容はこれから検討いたすわけでございますが、基本的にはいま先生御指摘のとおり相互主義的な考え方を入れながら日本としてもそういう外国漁船に対する取り締まり権限なり裁判管轄権等を持つ、そういうことを内容とした法案を検討していくことになると思っております。
○神田委員 これはなかなか大きな問題でございます。それでもしそういうふうな形で問題が発展していって果たして日本の漁獲量が守れるかどうかという問題もあるわけでありますが、この問題はさて置きまして、現在ソビエトの一方的な通告によりまして漁船が一斉に全部引き揚げさせられているというような状況があるわけでありますけれども、この中でことしの漁獲に関する影響といいますか、そういうのはどの程度に見ておられますか。
○佐々木政府委員 いま日本の海外での漁獲量は一千万トン弱でございますが、そのうち昭和五十年の実績で外国の沿岸二百海里内で漁獲していますのが三百七十万トン余り、全体の四割弱ぐらいになっております。ただこれが一体どの程度まで量的に国際交渉の結果で影響を受けるかという点はそれぞれの国との二国間交渉を待たないとはっきりしないわけで、私どもは全力を挙げて伝統的な漁業実績の確保にもちろん力を尽くしてまいる所存でございますけれども、どうしても若干の漁獲減は免れないというふうに考えております。 ちなみにアメリカとの交渉の結果では大体百九十万トンという漁獲量の割当が決まりまして、これは五十一年の実績に比べまして一一%の減になっております。現在の日ソの交渉の結果いかんでソ連よりの方の水域での漁獲量が決まるわけでございますけれども、現在の状況から見ますとアメリカ程度の減少でとどめるということは相当むずかしいだろうというふうに私らも一応事態をかなり深刻なものというふうに考えながら交渉に力を入れているわけでございます。
○神田委員 特に一番打撃を与えられるのはニシン漁というふうなことで聞かされておりますけれども、こういうふうな問題につきましてはこれから本当に、とにかく時期のある問題でありまして早くこれを決めてもらわなければどうにもならないというふうな問題でございますが、やはりこういうふうなことでどうしてもうまくいかないで港で待機しているという問題につきましてはいろいろな補償の問題やその他についてのお考えはおありになるのでしょうか。
○佐々木政府委員 ニシン、特にオホーツクニシン等では資源状態がここ数年相当低下をして、そういう面で日ソ間のいまの問題を除きましても漁獲の量の維持という点ではいろいろむずかしい問題があるということは日本の科学者も一応認めておるところでございます。しかし、ソ連の言うように全面禁漁しなければいけないかどうかという点につきましてはわが方の意見は違っているわけで、前年程度の漁獲量を維持するということで目下努力を続けておるわけでございます。この間それとは別途にそういう話し合いが決まる前に、三月中に日本が先取りしているのはけしからぬということを数年前から日ソの漁業共同委員会の中でもソ連側は強く声明をしておりました。そういういきさつもございまして、今回の大臣間合意で三月中の操業中止ということに一応合意をしたわけでございます。それに伴いまして出漁準備中あるいは出漁をしておった船をいま港に待機させておるわけですが、これについて全体的な救済措置は全体の見通しがついてから立てるとしても、とりあえずつなぎとして三月中の中止に伴ういろいろなつなぎ資金の必要等につきまして水産庁としても関係の金融機関等を指導して目下そういう緊急融資と申しますか、つなぎ融資に当たらせているところでございます。
○神田委員 約十分間というお約束の時間でございましてなかなか突っ込んだ話ができませんが、この問題は大変な問題でございますけれども、特段のお力添えというものをいただきまして日本の漁業を守るためにどうか御奮励願いたいというふうに考えております。 それでは、次の問題に移ります。 畜産問題につきまして二、三御質問を申し上げたいと思います。昨日政府の諮問、試算に対しましてさらに折衝が加えられまして畜産物の豚、牛、原料乳、これらが決まったわけでありますけれども、問題はやはり私どもが考えていたものと相当かけ離れた決定がなされておる。これは各委員からも何度も御質問があったかと思うわけでございますけれども、現実に出てきている問題で政府の試算よりも上積みされておりますが、この上積みをされておりますところのポイントはどういうところであったのでしょうか。豚と牛、それから原料乳についてそのポイントをひとつ教えていただきたいと思うのです。
○大場政府委員 牛肉につきましてはキログラム当たり五十銭の修正をしたわけでありますが、これは生産費の中での厩肥の減耗率を修正したというのが一点あります。それから資本回転率を変えたというところが修正のポイントであります。 それから牛肉、豚肉につきましては五十二年度推定生産費を計算するに当たりまして素畜費をどう見るかというところが問題になったわけでありますが、従来私どもたとえば豚肉の例で申し上げますと、過去五年の素畜費と素畜費以外の費用との比率を用いて五十二年度の素畜費というものを見通しているわけでありますけれども、政府の諮問値で使いましたものは、五十一年の素畜費が異常に暴騰した。四十年から五十年には普通の年には大体四〇%か五〇%程度におさまっていたのが五四、五%にまで高まってしまった。そういう異常な値が出たものですからそれを除去する。その反面最低のところも除去する、こういうふうな修正をしたというところが政府の試算値のポイントであったわけであります。これを従来どおり豚肉の例で申し上げますれば五年の平均値をそのままとった、そういったところが修正のポイントであります。
○神田委員 そういうふうな形でそれはもうすでに何回かの畜産小委員会の中でも素畜費の取り方がおかしいではないかと、いろいろなものが指摘されておったわけでございますが、それがこういう委員会という場ではなくて政治折衝の中で改善されていくということは問題ではないかというふうに私ども思うわけであります。われわれはこういう算定の問題につきましては毎年毎年そのところをいじれば直るのだ、そういうものではなくて、もう少しきちんとした方式なら方式をつくっても結構でございますけれども、生産者の再生産が確保できるような形のものをきちんと考えていただきたいと考えているわけであります。 さらに今後の問題につきまして、非常に時間がありませんので問題の幾つかを指摘してお答えをいただきたいと思うのでありますが、輸入の抑制の問題につきましては今後どういうふうにお考えになっておられるのでしょうか。いわゆる牛肉にしろ豚肉にしろ需給を見て価格を決めるということが畜産物の大体の価格決定のパターンになってしまっている。私はこのこと自体非常に問題があると思うわけであります。需給状況を見きわめて価格決定をしていくということは本質的な価格の決定の仕方ではない、やはりある程度生産者が生産を償えるような形のものを基本として考えていかなければだめだと私は思うのでありますけれども、現在こういう形でやられておりますが、たとえば輸入の問題については今後どういうふうにお考えになっておりますか。
○大場政府委員 ちょっとお言葉を返すようで恐縮でありますけれども、豚肉にいたしましても牛肉にいたしましても政治的な意味で加算をしたつもりはございません。それは審議会の審議の経過におきましていろいろな議論が出た、その議論をいろいろ踏まえて修正したというのが実態でありまして、政治的な判断で加算したということは毛頭ございません。 それから輸入問題につきましては、私ども畜産物の輸入につきましてはやはり国内でできるだけ自給度を高めて賄っていく、そして足りないところを輸入するというのが輸入の基本方針であろうと思っております。そのために牛肉につきましては輸入割り当て制度をとって、しかも畜産振興事業団が一元的に機能を発揮するような入れ方をしている。それから豚肉につきましては、これは自由化品目にはなっておりますけれども、価格安定制度と関税をリンクさせて、そういった安全弁を作用させながら円滑な輸入を図っていく、こういったことで対応しております。
○神田委員 輸入の問題につきましても生産者団体と緊密な連携をとりながらなされるべきだと私は考えるわけでありますが、その点はいかがでございますか。
○大場政府委員 生産者の方々が輸入の問題について非常に危惧なさっているという事情は私どももよく理解しております。ですから需給その他の見通し等についてふだんから生産者と意見の交換をしておく、できるだけ共通の認識を持っておくということが必要であろうと思います。そういう意味の努力は続けていきたいと思います。
○神田委員 さらには価格決定の時期についていろいろな意見が出たかと思うのでありますが、三月は適当でないというのが大方の意見だろうと思います。この点につきまして、八月なり九月なり今後時期を変えて価格決定するお気持ちがありますかどうかちょっとお聞きしたいのです。
○大場政府委員 価格決定時期につきましてはいろいろな議論があったわけであります。三月にやるのは必ずしもよくないという意見が非常に支配的であったことも事実であります。しかし三月がなぜ必ずしもよくないのかという御議論は分かれております。一つの議論はよく言われますように春闘の結果が反映されていない、それから世界的な飼料穀物の需給の見通しが春の時点ではまだむずかしいという御議論がありますし、あるいはプレ春闘という雰囲気の中で価格決定をするのは必ずしも好ましくないという御意見もあります。しかし、三月以外のどの時期をとるかということにつきましても完全なコンセンサスが得られておりません。一月がいいとおっしゃる方もいますし、あるいは秋、いやもう少し後がいいのじゃないか、こう言う方もいらっしゃいまして、その辺のところの議論はもう少しいろいろ深めてコンセンサスを得ながらこの問題を解決していきたいと思います。
○神田委員 畜産物の問題につきましてまだまだいろいろ詰めたいものはあるのですが、時間がございませんので、次に養蚕の問題につきまして御質問をしたいと思います。 繭糸価格安定法によりますと「生糸の生産条件及び需給事情その他の経済事情からみて適正と認められる水準に生糸の価格を安定させることを旨として」というふうな条文があるわけでありますが、今度出されました繭糸価格、基準糸価の問題につきまして、これも先ほど話しましたけれども、どうも需給が中心になって経済水準というようなものは余り問題にされていない、こういうふうな感じを持つわけであります。繭の問題につきまして、余り委員会でも問題になりませんでしたが、諮問、答申に至るまでの経過を簡単で結構でございますから御報告いただきたいと思うのです。
○堀川政府委員 繭糸価格の安定を図るという趣旨で繭糸価格安定法が制定せられ、かつ昨年改正をされた後の姿で運用を図っておるわけでございますが、今回の繭糸価格関係の中心をなしますところの基準糸価の決定についてのお尋ねと存じます。 これにつきましては、現行は千二百十円ということで決まっておるわけでございますけれども、私ども先生のおっしゃいましたような生糸の生産条件その他需給事情、経済事情等十分参酌をして適正に決定をしてまいるという考え方に立ちまして、これを千三百十円に百円アップすることが適当であると考えまして蚕糸業振興審議会に御諮問を申し上げ、その数字を審議の御参考として試算の形で御提出をし、いろいろ御議論はございましたが、これにつきましては「基準糸価は、生産条件及び需給事情を考慮すれば適用生産費を基準として、政府試算のとおり定めることはやむをえない。」という答申があったわけでございます。なお、これにつきましてはなお書きがついておりまして、「なお、一部の委員からは、この際基準糸価等を多少とも引きあげることは同意しがたいとの意見があった。」というふうにつけ加えられております。御答申がこのかっこうに出ましたのは、生産者、養蚕団体等の声を反映した御意見といたしましてもっと引き上げてほしいという要請があったわけでございますけれども、しかし反面、生糸の総体的な需給事情ということを考えてみますと、世界的に過剰基調にあるのみならず、わが国の絹製品の消費は非常に停滞を続けておりまして、当面明るいという見通しがなかなか困難であるというような事情、それからまた現実に絹製品を扱っておるたとえば機屋さんというような生産活動を行っておる方々、こういうところは非常に経営が不振で倒産も出ておりますし、これからまたますます出そうだというような事情にございまして、主として需要サイドの御意見としてこのなお書きがつけ加えられたというような事情もございます。 かような審議経過を経ましていまの答申が得られたわけでございますが、政府といたしましては、この答申を受けまして、慎重に考慮の上、諮問の際の試算どおりに決定することが適当であるというふうに判断をいたしまして、試算どおり決定を見たわけでございます。
○神田委員 やはりどうしてもこういう最低繭価、そういうものでは養蚕農家の再生産を確保することができないんではないか。すでにもう十万トンを割って八万七千トンになっておりますけれども、その八万七千トンになっておるものを、今度は政府は九万六千四百トンまでに引き上げる努力をするというわけでありますが、こういうふうな低い価格で一体その目標がきちんと達成できるのかどうか、それをまず第一点お聞きしますと同時に、さらに、それを達成するというためには、それは実際上どういうふうな施策を用意しているのか。 それからもう一つは、最後になりますけれども、この輸入の問題でございますけれども、いわゆる答申について、強力な附帯決議がついていると思うのでありますが、この附帯決議の問題につきまして、それをどの程度尊重するつもりでいるのか。絹製品についていろいろ輸入されておりますけれども、そういうものを全部含めまして、この三点お答えをいただきたいと同時に、政務次官に、この養蚕農家の問題につきまして一言、この大変苦しい養蚕農家の状況につきまして、これの振興のためにどういうふうなお考えを持っているかお答え願いたいと思うのです。政務次官と、それから農蚕園芸局長からお答えをいただきたいと思います。
○堀川政府委員 政務次官から基本方向についてはお答えがあると思いますが、附帯決議の件につきまして御説明申し上げますと、附帯決議は三項ございまして、一つは「養蚕業の維持発展を図るため、生産性向上対策を強力に推進すること。」ということでございまして、その角度に立ちまして、五十二年度予算におきましても、従来も養蚕の近代化のための施策を講じてまいりましたが、これを拡充強化をいたしまして、やってまいるということにしております。 それから第二点の附帯決議は「生糸、絹撚糸及び絹製品の輸入については、十分実効性のある調整措置を講ずること。」ということになっておりまして、御指摘のとおり、輸入が国内の供給の三分の一程度を占めるという状況、特にその中で撚糸あるいは絹製品というものの輸入が相対的に大きいということが非常に大きな問題でございますので、これらを含めまして、生糸関係全体の輸入調整を的確に図ってまいらなければならないというふうに考え、目下その方向で努力中でございます。 それから三点は「絹需要の増進を図るための適切なる施策を講ずること」ということでございまして、これの基本施策の方向については、目下蚕糸業振興審議会の需要増進部会におきまして検討中でございます。しかし、さしあたりの措置としての絹消費拡大の措置は、通産省におきましてもとっておりますが、私どもの方におきましても、蚕糸事業団の助成等を通じまして今後拡充してまいりたいというふうに考えております。
○羽田政府委員 先ほど来局長の方からも御答弁申し上げましたとおり、また先生も十分御認識されておりますとおり、養蚕を取り巻きます現況というのは非常に厳しいものがあるわけでございます。御指摘のとおり、わが国におきまして生産というものは目標が達成されておらない、しかし、外国の方ではむしろ過剰ぎみであるという、非常なむずかしい事態にあるわけでございます。そういったことで、単に価格政策だけではこれはどうにもならぬというのが現状でございまして、ただいま局長からも話しましたように、今後とも生産性を高めるということでいろいろと手だてをしてまいりたいというふうに思っております。特に五十二年度には、密植速成機械化桑園、こういったものを設置すること、また山間地の養蚕経営の営農の高度化を図る複合経営モデル施設の設置、また稚蚕人工飼料飼育実用化パイロット事業、こういった新規の事業等も五十二年度予算の中でも配慮しておるわけでございまして、ともかく生産性の高い養蚕というものを進めるために、これからも私ども十分検討し、またそれを進めてまいりたいというふうに考えております。 なお、輸入につきましては、いま局長からもお話がございましたけれども、ともかく二国間、相手の国に対しましてもわが国の事情というものを十分伝えながら適正なものを輸入するように対処してまいりたいというふうに考えます。(神田委員「輸入の問題が一番大事です」と呼ぶ)はい、いまお話しのように、輸入の問題が一番大切であるわけでございまして、ともかくわが国の養蚕農家の経営というものを圧迫してはならぬわけでございますので、私どもとしては、目標というものは高く持っておるわけでございますので、その農家が生産の意欲というものを減退されては困るわけでございまして、そういった面を十分考慮すると同時に、やはり買い入れる国に対しましてもわが国の実情というものを十分訴えてまいりたいというふうに考えております。
○金子委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時六分散会