農林水産委員会 第11号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1977/03/29
会議録
○金子委員長 これより会議を開きます。 農業改良助長法の一部を改正する法律案及び農業改良資金助成法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森田欽二君。
○森田委員 自由民主党の森田欽二でございますが、農業改良助長法並びに農業改良資金助成法の一部を改正される案が御提案になっております。その趣旨についてまずお尋ねを申し上げたいと思います。 今日ほど食糧問題がわが国のみならず世界の問題として、緊急かつ重要な課題として取り上げられておる時期はないような気もいたすわけでございますが、しかも、その農業の担い手でございます農民自体、私どもの耳にいたしますことは、現在政治の中に農政はないとさえ極言する者もあるくらいに、農政に対する失望と申しますか、何らの期待をも持っておらないことを感ずるのでございます。こういった時期でございますので、政府はもちろんでございますが、私どもも真剣に農政の問題と取り組んでまいりまして、根本的に農政を見直してみるという、そうした考え方に立って問題をとらえていく必要があるのではなかろうかという気がいたしております。健全な農村社会を建設いたしますものはもちろん農民でございますし、農民を抜きにして農政、農業というものはあり得ない、かように考えますし、特に農村の若い後継者に対する育成ということを抜きにしてこれまた農村の将来というものはない、私はかように考えるわけでございます。 農林大臣が就任以来、後継者に対する対策を農政の重要な柱の一つとしてお取り上げになっておりますことにつきましては、全く私ども時宜を得たものであると考えるのでございますが、さらに後継者育成対策につきましての基本的な考え方、さらには、今回の法律改正がその考えといかなる関連を持つものであるか、三番目には、なお近年後継者は激減をいたしておるわけでございますが、この傾向を農林省においてはいかように受けとめておられるか。さらに、後継者につきましての基本的な考え方と最近の動向を踏まえて、どのような対策を講じようとされておりますのか。政務次官からまずそのお考えをお聞きいたしたいと存じます。
○羽田政府委員 お答え申し上げます。 ただいま、今日の農業を取り巻く非常に厳しい環境、また農政についての農業に従事する皆様方の感想といいますか感覚、こういったものを踏まえて、厳しい御批判の中で御指摘があったわけでございますけれども、基本の問題につきましてお答えを申し上げさせていただきたいと思います。 農業政策の目標を簡単に申し上げますと、国民に対する食糧の安定的供給と、農業従事者の福祉の向上、これが一番の基本でございます。 近年の農業及び農村を取り巻きます諸情勢は、御指摘がございましたように依然として非常に厳しいものがございます。農業施策はもちろんのこと、各般の施策を総合的かつ強力に展開することが今日要請されておるわけでございます。とりわけ、意欲的に農業と取り組む農業生産の中核的担い手の確保と、後継者の育成を図ることが今日の農政の重要課題であると認識しております。この課題の解決のためには、農業従事者が希望を持って農業に取り組めるような諸条件を整備していくことは当然でございますけれども、近年の農業就業者の状況にかんがみまして、すぐれた農業後継者を育成確保するための基本的な条件整備の一つとして、協同農業普及事業の中で、農村青少年に対する研修教育を組織的に展開することが非常に大事なことであると考え、今回の農業改良助成法の改正に及んだものでございます。 以上でございます。
○森田委員 今後後継者の育成に当たって、普及事業の研修教育がその担い手確保の手段としてその役割りを果たすことを私ども非常に期待をいたしておるわけでございますが、普及事業は国と都道府県の共同事業として、すでに三十年の歩みを続けてまいっておるわけでございます。その間普及職員諸君のたゆまない努力が、わが国農業の発展、農村の近代化等に大きな成果を上げられましたことに対しましては、私も十分承知をいたしておりますし、心から敬意を表するところでございます。 近年、農業及び農村の持つ重要性が再び認識され、農政の各種施策が複雑、多様化する中で、普及事業が果たさなければならない役割りはますます大きいものがあることを考えるわけでございまして、その整備強化を図ることが一層重要である、こういった観点に立って、自民党におきましては、そうした認識の上に、昭和四十八年以来、農林部会に普及制度専門委員会が設置されまして、時代に即応した普及事業のあり方について検討が重ねられてまいったわけでございますし、その結果につきましては農林省に対しても提言がなされたと聞いております。農林省として、今回の法律改正を含めて一体どのように普及事業の整備強化を図ろうとされているのか、その点についてお答えをお願いいたしたいと思います。
○羽田政府委員 今後の普及事業をいかに進めていくかということにつきましてお答え申し上げたいと思います。 いま御指摘がございましたとおり、普及事業は昭和二十三年に発足して以来、わが国の農業の発達、農家生活の改善、ひいては地域社会の健全な発展に大きく貢献をしてまいったところでございます。 近年、農業及び農村の担う役割りが再認識されつつあるわけでございますけれども、農業及び農村を取り巻きます環境は、先ほど申し上げましたように、非常に厳しいものがあるわけでございます。そこで、農業及び農村の健全な発展を考えていく上で、農業の担い手をいかにして確保していくかという問題はきわめて重要な問題でございまして、普及事業の中でも、農村青少年の活動促進などに力を注いできたところでございます。特に近年の農業就業者の状況などから判断いたしまして、すぐれた農業後継者の育成、確保、これが一番大切なことであるというふうに思います。 また、国民食生活の高度化や農業生産をめぐる諸条件の変化に即応しまして、農業生産の維持発展を図るためには、高度の技術や経営方法に裏打ちされた生産性の高い近代的な経営ないし生産組織を育成しつつ、地域の実情を踏まえた生産目標の達成やプロジェクトの実施を円滑に行う必要性が一層高まってきたというふうに認識しております。なお、さらに、農業従事者の健康や活力の維持、増進を図り、住みよい農村環境を整備する必要性が強まっていることなどが大きな課題となってきております。 普及事業は、以上申し上げましたような課題に直接関係する農政の分野でありますので、今後の方向といたしましては、農業後継者の育成と農業の担い手の育成のための普及活動を強化するということがまず第一であります。第二といたしまして、農業技術の高度化、農業経営の専門化、生産の組織化の要請や地域農業の生産目標などの課題に対応した普及活動を進めることが大切であると思います。第三には、農業者の健康の維持増進、農村婦人の資質、役割りの向上、農村の生活環境の改善のための普及活動などに重点を置いて、一層普及事業の整備、強化を進めてまいりたい、このように考えております。
○堀川政府委員 ただいまの御質問に対しましては、政務次官から御答弁があったとおりでございまするけれども、今回御審議を願っております改良助長法の改正が後継者の育成、確保対策に絡みますだけに、先ほどの、重点を置いて実施してまいる一つの項目である後継者育成対策の考え方について、若干補足して申し述べたいと思います。 まだ、後継者の動向でございますが、いろいろな形で後継者というのは出てくるとは思うのでございますが、何と申しましてもやはり農家子弟が学校を終えて就農をするという形での就農形態を重視すべきであると思います。新規学卒の就農者の数は年々減少を続けておることは先生御承知のとおりと思うわけでございますが、昭和五十年にはこの数が九千九百人でございました。五十一年にはその数が一万二百人となりまして、これまでずっと減ってまいりましたのが若干の増加ということになっております。かようなことをいかように評価するかは見方によっていろいろあると思いますけれども、いずれにしても、ずっと続いてきましたところの減少傾向がここでとまったということは、ひとつよく考えてみるべきことであろうと思っております。また、その学歴構成におきましては高校卒業者が主体となっておりまして、新規学卒就農者の中で八割が高校卒業者でございます。あと残りが中卒、その他でございます。それから一方、Uターンと一言で言われております離職就農者と農業から他産業へ逆に流出をしていきます就業者の関係を見てまいりますと、若い農業者の流出傾向は依然として続いてはおりますものの、ここ一両年の傾向は、これは全体の経済の動きとも関係があろうかと思いますが、流出者の減少傾向はかなり変化が見られてきておるのではないかというふうに思っておるわけでございます。流出者が少なくなってきておるということでございます。 それから後継者の育成、確保の問題でございますが、まず何よりも、これは大臣も申しておられるわけでございますが、基本的には農業従事者が希望を持って農業に取り組めるような条件整備をするということ、それから住みよい農村をつくるということが基本的な方向であろうと認識をしております。このためには、農業生産基盤の整備を初めといたしまして、各般にわたる農業政策を強力に展開をしていく必要があることはもとよりでございます。それと並行いたしまして他省の施策もあわせて総合的に展開する必要があろうかと思いますが、そういう施策の展開とあわせまして地域の実情に即しながら農家が自主的にみずからの創意工夫を積み上げながらみずからの農業経営を育てていくということが大変大事であるというふうに考えておるわけでございます。 こういった各般の施策の中で直接農業後継者の資質向上ということが最後に申しました自主的な創意工夫に基づいてこういう農業をやってみよう、こういう経営をやってみようということにつながってまいりますので、たとえば農村青少年に対しまして研修教育を充実していく、あるいは青年農業士の育成といったような農村の青少年を対象とした対策を今後強化をしていく、あるいはまた後継者育成資金の関係につきましてあわせて改良資金助成法の改正の審議をお願いしておるわけでございますが、こういった後継者に直接かかわりますところの貸付金等の制度、こういったものを改善をし、また内容を充実していくといったようなことをやってまいっておるわけでございます。五十二年度の施策といたしましては、御承知のように現在御審議を賜っております改良助長法の改正、改良資金助成法の改正というものは直接こういった後継者対策の一つの強化策ということで、それを中心に考えておるわけでございます。さらにまた、新規施策といたしまして、市町村を中心といたしまして関係の諸機関、諸団体等と一緒になりまして地域ぐるみで農業後継者たる若い農村の青少年の方に集まっていただいて、そこでいろいろメニュー方式によってみずからの学習をしていただくとか、学校との連携を強化した後継者づくりの運動を展開するというようなことも新たな予算として要求をしておるわけでございます。 いずれにいたしましても、国が予算をとって施策を進めていくことにはいろいろ不十分であるという御批判もあろうと思いますが、われわれといたしましてはこの種の施策の一層充実強化に努めてまいる所存でございます。
○森田委員 ただいま次官あるいは局長から農業全般に対しましていろいろと新しい時代に即応した農政のあり方について懸命な御努力がなされておる、特に普及員を中心にいたします後継者の育成、そのことにつきましてはさらに積極的な取り組みをなさるような感じを私強く受けまして、大いに期待をいたしたいと思います。 ただ、近ごろ普及職員の定数がいささか減少しておる、削減の方向にある、こういったことを聞くわけでございます。普及職員は普及事業の将来に不安を抱いておるのであろうかという感じもいたしますし、何となしに、その持ちます職責の重要性から考えまして割り切れないものを感ずるわけでございます。定数の削減は普及事業の活動にも支障が生じますことは必定でございますし、その実情がいかようになっておるのか、ひとつ御説明をお願い申し上げたい、かように考えます。 今回、助長法の十三条の「補助金」の項が「負担金」に改正されておるわけでございますが、こういったこと、あるいはこれは身分の安定に対して、あるいはある程度の不安解消にもつながってまいる問題ではないかという気がいたすわけでございますが、一方、十四条には、新たに普及員に対してその職域を広める、そういった面の条項が盛られてまいっております。いままでの普及事務所が地方農民と密着をして、特に青少年の教育といったようなものを中心に成果を上げてまいっておりましたものが、数を削減されつつある普及員の職域がさらに広められてまいるといったことで、果たして本当に政府の方でお考えになっておるような成果を上げることにつながっていくかどうか、この点について非常な不安を感ずるわけでございます。 近年、現場の普及員が以前ほど農家に回ってこないといったようなことも聞くこともございます。そういったようなことが、そうした数の問題等に関連をいたしておりますものかどうかはわかりませんが、農林省の方におきまして、そういった面について御調査なりこれに対します対応なりがなされておるといたしますならば、その点について御説明をお願い申し上げたいと存じます。
○堀川政府委員 先生の普及職員の数の問題に関連します御質問に対しまして、まず御指摘のように、近年いろいろの事情で都道府県の一部で普及職員の数の削減の動きが見られてきたわけでございます。普及職員の設置につきましては、協同農業普及事業の推進を図る上におきまして、何と申しましても基本的な重要事項でございます。したがいまして、この削減によります普及活動への影響ということが懸念をされるわけでございます。 こういうことになりました理由はいろいろとあるとは思うわけでございますが、一つには、国の行政機関の職員定数の削減ということが閣議の方針で決定をされておりまして、地方の職員につきましてもこれに準ずるという形で、全体の公務員の適正な定数確保と申しますか、縮減計画を実施するというような大方針があるわけでございます。そういう中で、地方財政逼迫でありますとかいろいろの事情があって、各県各県で欠員が出た場合に補充をしないというような形で定数の削減あるいは配置人員の削減ということが進んできたと思うわけでございます。私どもとしては、先ほど冒頭に申し上げましたような基本認識に立ちまして、できるだけ所要の普及職員の数は確保したいという基本的な考え方を持っておるわけでございます。 そこで、私どもとしては、この協同農業普及事業は申すまでもなく、農林省と都道府県の共同の仕事でございますから、その基幹になります普及職員の設置、その状況につきましては重大関心を持っておるところでございまして、とかく都道府県が勝手に人員の配置あるいは定数の削減、人員の削減というようなことになるような傾向が見られますので、昨年特に次官通達をもちまして、協同農業普及事業の運営の適正化ということを強く各県に呼びかけまして、全体の定数の削減計画はあるわけでございますが、少なくともその枠内においても所要の人員はぜひとも配置をしてもらいたいという考え方で、強く各都道府県を指導いたしておるわけでございます。 なお、先生の御発言の中に、普及職員を今回の農民研修教育施設の指導職員として充てることができるというような法律改正があるということは、普及職員の中からそういう指導職員に割かれる人が出てきて、従来やってまいった普及事業が弱体化するおそれはないかという御趣旨からの御質問と思うわけでございますが、私どもといたしましては、今回普及職員をもって農民研修教育施設の指導教官の位置に充てることができるという道を開いたことに意味があるわけでございまして、これは、普及員は現場の地域の農業事情にも精通しておりますし、相当のキャリアを持って農家の指導にも当たってきたという実績、経験、そういったものが若い農業後継者たるべき人のこの農民研修教育施設における実践的な研修教育を担当する者としてふさわしいというふうに思いましたゆえに、そういう道を開こうとしておるわけでございまして、そのことがどのような影響を及ぼすか。いままでやってまいりました現場活動等の普及事業がそれで非常に弱体化するということになりますと、これは問題でございますが、一応私ども現在の段階で考えておりますもくろみは、新しく協同農業普及事業の中に位置づけられます農民研修教育施設の整備が終わった段階では、現在の普及員の設置状況等から見まして、普及職員の定数のおおむね二%程度の者が、この研修教育施設の指導者といいますか、教育担当者になるというふうに予想をしております。 そういうふうになりますと、その限りで先生御指摘のような心配もなくはないわけでございますので、一方におきまして従来行ってきました普及活動が実質的にレベルダウンするようなことにならないように普及所の活動体制を十分工夫をして対応していくほか、機動力でございますとか、普及機材の整備でございますとか、いずれにしましても、そういった改良普及所におきます普及事業の通常の実施がこれによって阻害されることをできるだけ防ぐような方向で施策を充実をしてまいる予定でございます。 それからもう一つ。最近、農家の方が普及員の方との接触度が薄いといいますか、密着感が薄れているのではないかというようなお話がございました。私どももそのような声をかなり聞くことがあるわけでございます。これについてはいろいろの事情もあろうかと思います。御承知のように広域普及所の設置というようなことを進めまして、できるだけ機動力を持った形での広域活動が地域担当と専門担当の形でうまく結合をいたしまして動くような仕組みを私どもとしましては推奨をしておるわけでございますけれども、そのことが物理的にも農家と普及所との間の距離を開いたというようなこと、これは機動力の整備等でできるだけ埋めるというようなつもりで対処をしておるわけでございます。 そのほか、これは近年特に著しいというわけでもありませんが、かなり前から出ておりますけれども、普及事業の効率的な推進と申しますか、また普及事業活動の対象というものが単に個々の農家の方々に対します普及活動ということだけでは足りなくて、集団としてこれをとらえて普及活動をやるということがどうしても必要だという場合が多くなってきておりますので、そういった形で農家の集団というものを対象にして実施をしてきておるというようなこと、それからまた、あるいは兼業化が進んだために農家と普及員の方の出会いを非常に工夫をしなければならないというようなこと等々の事情から、そういうことも一つの大きな要因となっていまのような声となってあらわれているやに思うわけでございます。しかし、密着感が薄れたという声は、それぞれ現地からいろいろな形でいろいろの事情で起こっておるものというふうに考えますので、私どももそういう声には謙虚に耳を傾けまして、そのよって来るところは何であるかということを、それぞれの地域地域の事情で違うとは思いますけれども、よく受けとめて分析をし、それに対応する普及活動のあり方、場合によったら体制整備というようなことについて検討を重ねていくべきものと思っております。そういうふうに対応をしてくださいということを指導しておるわけでございます。
○森田委員 いまの御答弁、わかったようなわからないような、ある意味では非常に苦しい御答弁のような感じもいたします。ただ、私も県議会なりあるいは農業団体である程度実態を承知いたしておりますだけに、その御苦労のほどがしのばれる気がいたすわけでございまして、これ以上申し上げませんが、いずれにいたしましても、普及員にそうした職場が与えられる、拡大される、これ自体普及員に対する期待がそれだけ大きいということであるわけでございますので、普及員の方にもそういった点について十分自覚をしていただいて、普及員の数が減少しつつあるという状態に歯どめをしていただく、さらにより以上の御活動をいただくといったような御指導をぜひお願い申し上げたい。と同時に農林省自体も、普及員の活動が農村地帯の指導ということになりますとどうしても機動力といったような問題が一つの柱になってまいります。農林省では、三人に一台の車があてがわれるということになっておるようでございますが、果たしてそれがそのとおりにあてがわれておるかどうか。私は福岡でございますが、福岡の場合は普通車ではございませんけれども二人に一台軽四車があてがわれている。ただ問題は、そうした車の更新の予算あるいはガソリン代、修理代、そういったようなものは一切農林省の方においては見ていただいていないのじゃないか、そういったような気がいたすわけなんですが、何かこれは大分前のことですけれども、普及事業に対しまして地方行政に対する超過負担が相当あるといったようなことで自治省において調査をされたような過去の実績もあるようでございます。これは単に普及事業のみならず政府全般の各省において言えることでございますが、地方財政の苦しいときでございますので、そうした超過負担になるようなことを努めて避けていただくと同時に、普及員の諸君が積極的に行動できるような、能率を十分発揮できるようなそういった施策を講じていただく、これが第一歩ではなかろうかという気が私はいたしますので、その点について強くお願いを申し上げておきたいと思います。 次に、農林省におきましては、これは私は仄聞するところでございますのではっきりしたことを承知いたしておるわけではございませんが、普及員の資質を向上する、そういったことのために資格試験を四年生大学卒業以上にする、こういったような方針を立てられておるやに聞くわけでございます。もちろん現在の農業のあり方、あるいはむしろ普及事業を受けます対象が非常に高度な技術を身につけておるような現状でございますので、そういった考え方がわからないではございません。不当だと申し上げるわけではございませんけれども、過去三十年の歩みを考えてみました場合に、いわゆる短大卒あるいは農業講習所を卒業した普及員、そういった者の中にも非常に成果を上げておる優秀な人たちがおる、そういったことを私は見逃していただきたくないという気がいたします。学歴偏重ということがよく言われますが、そういったことにとらわれてそのそしりを受けることのないようにお願いを申し上げたいと思いますが、いかがお考えであるか、その点についての御答弁をひとつお願い申し上げたいと思います。
○堀川政府委員 ただいまの御質問でございますが、私ども、普及員の資質を向上するために、研修教育の充実を図って普及員の実力の涵養に努めてきつつあるわけでございますが、御指摘の普及員の資格の問題といたしまして、これを現行の法令で定められております資格をさらに変更してやっていくかどうかということは、事が重要でございますので慎重に検討しておるわけでございます。まだ結論を得ておるわけではもちろんございませんが、私どもとしては、普及事業内容の高度化の度合いがだんだんと進んでまいりますので、したがって普及員の将来の資格要件としては四年の大学卒程度の実力を備えた方になっていただきたいという気持ちはございます。ただ、具体的に、先生の御指摘のように、これを機械的に単に学歴で判定をするということはいかがなものかというふうに思いますので、その辺は、十分、将来の普及員としてこういう実力を備えてほしいのだということを基準にして考えて、画一的なぎくしゃくした措置はとりたくない、その辺の配慮は十分加えるべきであるという基本的な考え方でございます。
○森田委員 次に、普及と試験研究との関連についてお伺いをいたしたいと思います。 農業改良助長法では、第二章で試験研究の助長について規定がされております。第三章には普及事業が規定されておるわけでございますが、試験研究と普及事業とが相互に密接な連携のもとに運営され、そして初めて所期の目的を達することができるものだと私は考えるわけでございます。しかし近年、試験研究機関におきましては基礎的な研究、そういった面には非常に熱心であるけれども、実用研究についてはややともすると軽視されがちである、看過されがちであるといった傾向が見受けられるような気もまたいたします。もっと現場の課題や要請にこたえていただく研究に重点を置いていただくような指導がなされてしかるべきではないかという気がいたすわけでございますが、この点についていかがお考えでございますか。また普及との連携を一層強化して試験研究を進める必要があると考えるわけでございますが、そのための方策について何かお考えになっておることがあればお聞かせを願いたいと思います。
○下浦政府委員 お答え申し上げます。 普及組織と試験研究機関との緊密な連携をとるということの必要性につきましては、ただいま御指摘のとおりと考えております。ただ、基礎的研究あるいは実用研究という点につきまして、都道府県と国との役割りと申しますか、そのような点につきましてどのように考えるかという点につきましては、実は過去におきましても何回もこの点の検討を重ねてまいってきております。それで、ただいまでは、国の方では基礎的研究、開発的研究というものを推進をするということにいたしておりまして、都道府県の試験研究機関におきましては普及及び指導奨励に直接役立ちます開発的試験研究を中心とするということに分担をいたしまして、そのような指導をしてきたところでございます。 なお、都道府県の試験研究機関も技術水準が漸次高度化をしてまいりますので、それに伴いまして、かなり基礎的部門につきましても研究を進めるという傾向があることは否めないところであろうかと思いますけれども、この点はそう悪いことでもないのではないかというぐあいに考えております。 それから次に、試験研究と普及の緊密な関係につきましての考え方でございますが、一つは県の試験研究におきまして研究課題を選定をする場合におきまして、行政部門、それから普及部門、さらに試験研究部門の関係者で協議をいたしまして、現場の要請が十分反映されますよう努力をいたすように指導をいたしております。これは農林省に技術会議というのがございますが、県の段階でも県技術会議というようなものを組織をいたしまして、その辺の推進をやっていただくように指導をいたしております。 第二に、現場に即しました実用的な試験研究につきまして専門技術員の参画を求めるということにいたしまして、そのような指導もいたしておるわけでございます。これは実用化技術組み立て試験というものがございますが、それらへの専門技術員の参画という問題でございます。 さらに第三でございますけれども、昭和五十年度からでございますが、現場からの要請にこたえまして試験研究機関が直接農業の現場で普及部門と一体になりまして技術指導を行う、もちろんその場で解決できないものにつきましては試験場に持ち返りまして解決をするという必要がございますけれども、そういう新しい仕組みを発足をいたしまして、それに必要な助成措置を講ずるということもやっておるわけでございます。 なお、今後ともこのような措置の強化によりまして試験研究と普及との連携を一層強化いたしまして、現場からの要請が試験研究機関へ十分反映されますよう、また逆に研究の成果の普及が一層迅速になされますよう努力してまいるつもりでおります。
○森田委員 よくわかりました。 次は、今回の法律改正の内容でございます農民研修教育施設についてお伺いをいたしたいと思います。 この施設は各県に設置し、後継者に対し実践的な研修教育を行うものであり、こうした施設を充実強化しすぐれた後継者を育成していくということ、そうして地域農業や健全な農村社会の建設のために役立つ教育をやろうというのですから、私は非常に大きな期待を持っておるものでございますが、一体どんなねらいとどんな内容か、もっと具体的に、ひとつ研修教育を行っていく考え等について御説明をお願い申し上げたいと思います。
○堀川政府委員 この農民研修教育施設におきましては、先進的な経営技術等を取り入れることのできる、また積極的な意欲を持つ後継者を育成するということがねらいでございまして、そういう後継者の方がみずから農業経営を始められたときに、これを地域社会の中で、地域農業の中で実証を展示してその成果を周辺の農家の方々に普及していくという姿になるようなことを想定をし、そういう意味では地域農業の中核的な担い手育成であるということがねらいでございます。 そこで、具体的にはどういう目標を掲げるかということでございますが、近年農業技術が高度化をしてきておるあるいは経営も非常に専門的な観点から工夫をこらしていく必要があるというような動向に対処しまして、必要な技術能力なり経営管理能力、あるいはまた自分一人でできないことについて地域の他の農家の方々と連携をして仕事を進めるというような意味での組織化能力というようなものが与えられるようにするということが一つのねらいでございますし、また先進農家におきます体験学習なども教科課程の中に組み込むつもりでございますが、こういうことを通じまして豊かな経営感覚を養っていただく、経営の革新というようなことについて周到な準備をした上で果断に取り組むというような応用能力と申しますか、そういう能力も養っていただくということが二つ目のねらいでございます。またさらに、社会の変化が大きいわけでございますので、そういった社会経済情勢の大きな変化の中でひとつ幅広い視野から自分の経営を見詰める、農業を見詰める、地域の農業の発展の動向を探るということのできるようなそういう目を函養をしていくということは、基礎的なことかも存じませんが大事なことだと存じております。一応ねらいとしてはそういうかなり高いところをねらうわけでございます。 そのための研修教育の内容といたしまして、ここでは原則として高校卒程度の学力を有する方を対象といたしまして、おおむね二カ年の農業あるいはまた、場合によりまして農民生活に関します実践的な研修教育をやるわけでございますが、その際、この教育施設における農場の実務研修あるいは先ほど申しました先進農家における体験学習あるいは農業の専門教科の履修等を行うわけでございます。この研修期間中は原則として全寮制でやってまいるということをたてまえといたしたいというふうに思います。 なお、履修課程といたしましては畜産、園芸、農産というようにある程度専門を分けて専門的な知識を吸収をしてもらうということでございますが、場合によりまして、畜産の中にも乳牛、肉牛、養豚、養鶏というようなふうに、さらに専門分化したことをやるのが適当ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。園芸で申しますれば果樹、施設野菜、花卉というようなことをその地域地域の実情に応じまして必ずしも全部やるということは必要ない、一番必要だと思うものをやるというようなこともやり方としては工夫をしてやっていくべきだというふうに思います。生活改善に関します教科ももちろん、生活改善の関係の必要に応じて取り入れるということでございます。 なお指導職員には、先ほど申しましたような普及員を充てるほかは、できるだけ優秀な、大学教官とか学識経験者に講師になってもらうように進めたいというふうに思うわけでございます。 なお、こういう研修施設の施設整備が不十分でございますと十分な研修教育ができませんので、その面におきましては、可能な限り私どもとしてその施設整備に助成を行ってまいるという考えでございます。
○森田委員 農民研修教育施設の卒業生に対して何か資格を与えるとか、そういったような考え方があるのかないのか。何らかの恩典を与えるといったようなことが考えられるとすれば研修生の一つの励みにもなる、こういったような感じがしないではないわけなんですが、そこらあたりをどうお考えになっておるのか。あとまだ少しお尋ねしたいことがございますので、ひとつ簡単に要点をお答えいただきたいと思います。
○堀川政府委員 いまおっしゃったような声も私ども聞いておるわけでございます。それはそれなりに理解のできる点もございますが、私どもこの際、農民研修教育施設の履修者に対しまして特別の資格あるいは特別のメリットを、特に制度的に創設をするということは考えておらないわけでございます。この課程を履修されましたら、大体原則として直ちに農業に入っていただくということを考えておるわけでございます。
○森田委員 次に、農民研修教育施設につきましては、近代的な農業経営を担当することのできる後継者を育成する、こういった機関であるわけでございます。先刻御答弁の中にも出ておりましたように研修用の施設や設備が老朽化していたり不足をするといったようなことでは十分な教育効果を上げることは期待できないのではないかという気がするわけでございますが、昭和五十二年度の予算で約四億円の施設整備費を計上しているようであります。今後とも施設整備の充実を図るために格段の努力を払ってもらいたいと考えますが、いかがでございましょうか。こうした制度をおつくりになる以上、少なくともそれだけの御決意を持って臨んでいただかなければなるまいと考えるわけでございます。 また、この研修教育施設は、農業高校卒業程度、農業高校に限らず高等学校卒業程度の後継者の教育機関として位置づけられておるようでございますが、農民研修教育施設における研修の実をさらに上げていくということのためには、やはり農業高校あたりでやります教育との何らかの一貫性を持たせらるべきものがあれば持たすべきではないか。継ぎはぎだらけの教育といったようなことでは、何かしらロスが出てまいるおそれもあるのではないかという気がいたします。そういう点から考えて、文部省との連絡等を強化しながら相互の教育が有機的な連携のもとに実施されるような特段の配慮をお願いを申し上げたい、かように考えます。御答弁はもしいただければいただきたいのですが、強い要望としてお願いを申し上げておきたいと思います。 さらに、法改正のもう一つの点でございます協同農業普及事業に係る補助金を協同農業普及事業負担金に改められた趣旨は何か。私は私なりに解釈をいたしてまいっておったわけでございますが、この改正によってどんなメリットがあるのか、その点をはっきり御答弁をお願い申し上げておきたいと思います。
○堀川政府委員 御要望の第一点は、先ほど私も御答弁申し上げましたとおり大変重要な事項でございますので、施設整備につきましては誠意をもって積極的に取り組んでまいりたいと思っております。 次に、農業高校等学校教育との連携については、まさに御指摘のとおりでございまして、私どもも、高校課程では、いまの方向では専門的な、たとえば農業高校におきまして専門部門が設けられる場合がございますけれども、やはり基礎学力を養成するというところにかなりのウエートが置かれておるのが現状であり、将来もそういう傾向が続くのではなかろうかというふうにも思いますが、これと連携を密にしまして、ダブりのないように、特に実務的な研修教育を加えることによってその辺の断続性がないように、相互補完というようなことをよく考えてやってまいりたいと思います。 それから、第三点の問題でございますが、これは今回の改正によりまして協同農業普及事業に係ります助成を従来の補助金から協同農業普及事業負担金というふうに名前を変えておるわけでございますが、これは国の姿勢といたしまして、提案理由あるいは補足説明等で申し上げましたように、本事業が国と都道府県との協同事業であるという特殊性にかんがみまして、単なる通常の奨励的な補助ではないという趣旨を鮮明にするものでございます。そういうことでございますので、さっき先生からメリットというお話がございましたが、これは有形、無形いろいろな形であらわれるのではなかろうかと思っておるわけでございます。従来補助金という名前がついておりましたので、少なくともこれを過去にありましたような交付税回しにしたらどうだというようなことは、今後起こり得ないというふうに判断をしておるわけでございます。
○森田委員 時間の関係もございますので、次に、生活改善普及事業に関連をいたしてお尋ねを申し上げたいと思います。 農村地域の生活環境や農家の生活状態は、都市地域に比べますと大きな格差があったことを否定することはできないわけでございます。しかしながら、現在の情報化時代というこうした時代を迎えまして、ある面におきましては都市の生活との差がだんだん接近をしてきた、こういったようなことが外見的には見られるような、言えるような感じがいたさないでもございません。しかし、農村地域にはまだまだ解決しなければならないたくさんの課題が残されておりますし、さらに新たな問題が提起をされてきておるということもこれは看過し得ない事実であろうと思います。 その一つに農村婦人の問題がございます。当然のことでございますけれども、家事や育児といった重要な役割りを背負いながら、かつ農業生産の面でも大きな責任を果たさなければなりません。農業従事者のうち六割強が婦人の労働力によって賄われておるという、この点のみを考えましても、いかにそれが過重な労働であるかということがうなずけるわけでございますが、そうした結果から、農村婦人の健康阻害の問題あるいは家庭生活がどうしても粗放化されてくる、そういったようなことからくるいろいろな農村婦人の悩み、苦しみ、そういったようなものを現実に感ぜざるを得ないわけでございます。 次に、近年目覚ましい農業の機械化等によりまして、農業生産の労働環境なり作業の過酷さはかなり軽減されたような感じはいたします。しかし一方、施設園芸だとか畜産等におきましては、作業の期間の集中、時期の集中、高温多湿の中でのハウス内での長期にわたります労働、こういったようなものからまいります農業者の健康問題が、やはり一つの職業的な面からくるものとして考えられるわけでございます。こういった心配をどうして未然に防止していくか。これは当然やはり為政者たるものの考えなければならない問題点であろうと思うわけでございます。そういった点について細心の注意が払われておるとは思いますが、農林省におきましては、どうそれらの問題を受けとめられておるか、さらにそれに対してどう対応されようとされておるのか、そういった点についてひとつお伺いをいたしたいと思います。
○羽田政府委員 お答えいたします。 ただいま先生から御指摘がございましたように、都市と農村とのいろいろな生活環境あるいは仕事の場の環境というものは非常に異なっておるということ、あるいはいろいろ向上してきておるけれどもそこに新たに問題点が起きておるという認識、私ども全くそのとおりだと思います。 なお、そういった中にありまして、農業に従事する御婦人が御指摘のとおり六割を超えておるという現状でございまして、婦人が農業の中において果たす役割りというものは非常に大きいものがあるわけでございます。そういった中で、御婦人方が本当に意欲を持って、また健康に、そういった仕事に従事していただくためには、私ども従来からいろいろな施策をしてまいったところでございます。 第一の問題としましては、婦人の資質の向上、このために講習会などを開催してまいりました。また、農村婦人の自主的なグループ活動、これも相当大きな成果を上げておるというふうに私は認識いたしております。そういった中にありまして、新たな施策といたしまして、いま申し上げましたようないろんな問題につきまして、もっともっとより深く検討していただくようなセミナーというものを開催する、これなども新しい事業でございます。また、そういった問題につきまして共同学習していただくあるいは婦人の皆様方が自主的に交流していただくというための、これはハードの方の問題でございますけれども農村婦人の家、こういったものも設置していきたいということで、ソフトの面、ハードの面、双方からこの問題とこれから真剣に取り組んでまいりたいというふうに思います。 なお、次に御指摘がございました健康対策、これは確かにもう御指摘のとおりでございまして、健康問題というのは農村においてやはり非常に大きな問題であるわけでございます。五十年度から健康管理につきまして濃密な指導を行うということで農業者健康モデル地区育成事業というものを実施してまいりました。特に五十二年度からは全国農業協同組合中央会、これが行いますところの農業者の健康増進のための全国的教育啓蒙活動、こういったものに対しまして農林省といたしましても助成をしていこうというふうに考えております。 いずれにいたしましても、農業に従事する皆様方が本当に明るく、しかも健康に仕事にいそしめるような健康管理というものにつきましても、私どもも今後とも相当な認識を持ちながら対処してまいりたいというふうに考えております。
○森田委員 次は、同じような関連の問題でございますが、農家の高齢者が社会の一員として希望と生きがいを持って余生を送る、こういったことのできるような施策、これは農家における、健全な家庭をつくる、あるいは農村社会を建設していくという上において欠かせない問題の一つであろうと思います。もちろん老人福祉対策の拡充を初め総合的な施策を推進しなければ、これらの問題に十分な対応をすることができ得ないということはわかるわけでございますが、生活改善事業においても重点課題の一つとしてこれらの問題を受けとめておられるのではなかろうかと思いますし、また受けとめらるべきではなかろうかという気がするわけでございます。そういった点について、生活改善普及事業としての立場から御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○堀川政府委員 農業の場合には、農業の生産活動と、それからその担い手である方々あるいはその家族の生活の場と申しますか、生産の場と生活の場が一緒にあるというところに一つの特徴があろうかと思うわけでございます。そこで、同じ世帯の中で高齢者の方が、農作業に従事するには少し健康上の問題や体力の問題があって適当でないということから軽作業、あるいはそういうものにもなかなか適切に仕事がないということになってまいりますと、どうしていいかというようなことから、健全な家庭の運営が行われるという面からそういう事態が必ずしもいい効果を生まないという認識を持っておりまして、そういう意味から先ほど先生のおっしゃられましたような、高齢になられました方にも何か生きがいを探して打ち込んでいただくというようなことをやることの重要性というものは、先生御指摘のとおりだと思います。 そこで、普及事業といたしましては、生活改善事業がこれに対応していろいろとそういう問題に取り組んできておったわけでございますが、予算の上で見ましても、四十七年から五十年度までは、高齢者を対象といたしますいろいろの講習を実施いたしましていろいろの技能を身につけていただく。それからさらにそれに続く事業といたしまして、四十九年度からはこういった習得した技能を生かした形で、たとえば農産加工でございますとか花木の栽培でございますとか、そういうことに必要な作業施設の助成というようなことをやってまいっており、かつ五十年度も引き続きそれを実施しておる。それから先ほど申し上げましたような講習活動みたいなものは、今後も継続する必要があるということでやっておるわけでございます。
○森田委員 あと三点ございますので、できるだけ質問を要点だけにしぼってお尋ねを申し上げたいと思います。 農業改良資金助成法の一部を改正する法律案についてお尋ねをいたしたいと思います。 わが国農業は、温暖多雨といった恵まれた自然条件の中で農民の創意工夫とたゆまない努力、それが高い生産力を生み出してまいったことは御承知のとおりでございますし、それによって一応国民が生活の糧を与えられておる、かように私は考えるわけでございますが、このように高い生産力の維持培養は営々として努めてこられた生産農民の方々の努力と創意であると思いますし、その点についてはこれまた深く敬意を表したいと思います。このような高い生産力を維持し、さらに発展させていきますためには、生産農民が生産性の高い農業を営むに必要な新しい技術を自主的に導入したり、その導入した新技術を相互に交換し、普及することが重要な課題であると思います。また生産農民がこのように意欲に燃えて農業にいそしむようにする、それが農政を推進する上での要諦でなければならないと考えるわけでございます。そういう意味で、今回提案されております農業改良資金助成法の一部を改正する法律案につきまして、いろいろその提案なさいました考え方の基本的なものがあろうかと思います。その基本的な見解につきまして、まずお尋ねを申し上げたいと思います。 さらに、農業改良資金制度は発足以来約二十年を経過いたしております。それが農政に果たした役割りについて農林省の方ではいかように評価されているのか、また、今回改正される理由は何かという点につきましても、あわせてお答えをお願い申し上げたいと思います。
○羽田政府委員 お答えいたします。 農業改良資金制度は、いわゆる無利子による公的資金の貸し付けという大変ユニークな制度として発足をいたしました。その後三十九年に生活改善資金及び後継者育成資金を加えまして、年々拡充強化を図ってきたところでございます。今日までの貸し付けの累計は一千七百二十四億円に及んでおるところでございます。この制度は発足以来農業改良普及事業と密接な連携を保ちつつ運営され、新技術の導入、農業生産組織の育成、農業者の技術開発の促進、さらには農家生活の改善や後継者の育成確保に大きな役割りを果たし、農業経営の安定と農業生産力の増強に寄与してきたものと考えております。特に農業者や農村婦人、農村青少年の自主的な創意工夫を助長するという方向で活用され、以上のような成果を上げたところに大きな特色があったと評価しております。 ところで、近年農業及び農業をめぐります諸事情が、先ほど来お話がございましたように、非常に変化いたしておるところでございます。そういった中ですぐれた農業後継者を育成、確保するということは、一層必要度を増しております。このために農業後継者育成資金のうち部門経営開始資金につきまして、貸付枠を拡充することを考えておりますが、貸付限度額の引き上げなどとの関連で、その償還期間を延長することが必要であると考えます。また技術導入資金や農家生活改善資金のうち特定の資金につきましても、同様の理由により償還期間を延長することとした次第でございます。 これとあわせまして、技術導入資金の運営の実態にかんがみまして、貸付率を引き上げることが適切であるというふうに考えまして、以上のような観点から、このたびの法改正をお願いしておるところでございます。
○森田委員 なお続いてお尋ねを申し上げますが、今回の法改正事項でございます貸付金の限度の引き上げについてお尋ねを申し上げたいと思います。 技術導入資金につきましては、制度発足以来、その時代の農業技術の変化に対応して生産農民の強い要請にこたえた新技術導入のための機械、施設が貸付対象となるなど、農業生産の発展に大きな寄与をしてまいりましたことは、いま御答弁の中にもあったとおりだと思います。しかしながら、一方におきまして技術の高度化、大型化に伴いまして、事業費の増大に対して自己負担の額が大きい、そういったことのために十分な資金の借り受けができないという声が生産農民からよく聞かれておったわけでございます。このたびこの技術導入資金の貸付金の限度の引き上げの措置を講じられましたことにつきましては、その要望におこたえになったものだとして一応評価はいたすものでございますが、必ずしも十分とは言いがたい、かように考えるわけでございます。なぜに貸付金の限度を百分の八十としたのか、一〇〇%の貸し付けということは考えられないのかどうなのか、そういった点等について、ひとつ今後のこともあわせてお尋ねを申し上げたいと思います。
○堀川政府委員 この技術導入資金につきまして、従来百分の七十という貸し付けの最高の割合が設定されておるのはそれなりの理由があったと承知しておるわけでございますが、発足当初におきましては主として保温折衷苗代の温床紙ですが、そういう資材的なものにしぼっておりましたということも一つの理由であったと思うわけでございます。その当時は、補助制度からこの改良資金の制度に切りかわったという沿革もございます。ところがその後、導入技術が高度化し、あるいは大型化するというのに伴いまして、事業費が増大してくる、あるいはまた従来の単一技術から総合的な技術導入を図っていくということで幾つかを組み合わせた一貫技術というものを入れていく、あるいはまた集団を対象としたような技術導入資金を設ける、あるいはさらに家畜排せつ物の処理技術というように、単に農業自体の生産性を上げるということでなしに周辺に対します公害関係に対処する技術を取り入れるというような、いろいろの要素が入ってまいります。それだけに資金規模も大きくなり、いま先生御指摘のございましたようないろいろの問題も生じてきたということから、これは無利子の貸し付けでございますから通常の——通常と申しますか、政府金融、特殊金融もございますが、それと同日に論ずることはできないと思いますけれども、その辺のたとえば農業近代化資金の融資率あるいは農林漁業金融公庫資金のかなりの部分のものの融資率というようなことを参酌いたしまして百分の八十に引き上げたわけでございますが、これを一〇〇%まで持っていくことがいいかどうかということについては、無利子の資金であるということ等との関係もございまして、それから補助金と金融との中間をいく性格のものであるというふうに言われております性格からいたしまして、それにつきましては慎重な検討を要するのではないかというふうに考えます。
○森田委員 次は、償還期間の延長の問題についてお尋ねをいたします。 今回の法改正によりまして、償還期間の最高が五年から七年に延長されることになっております。この延長の措置は、借り受け者の償還負担を軽減するということであろうと思います。特に農業後継者の育成確保の観点から、また改良普及員の活動の裏づけともなるべきものであるだけに、まことに結構なことであるという気がいたすわけでございます。この延長について、相当厳しい制約があるということをお聞きいたしております。その延長の対象になるものがどんなものであるのか、その御説明をお願いを申し上げたいと思います。 なお、今後の課題として、償還期間を延長する資金の範囲を拡大していくといったようなお考えがあるのか、ないとするならばぜひそういった方向で問題をとらえていただきたい、かようなことをあわせお願いを申し上げ、お答えをお願い申し上げたいと思います。
○堀川政府委員 七年に延長いたします資金の種類でございますが、まず農業後継者育成資金でございますが、これにつきましては先生御案内の部門経営開始資金を考えておるわけでございます。こういったことを中心に延長を考えたわけでありますが、その他技術導入資金にいたしましても、先ほど申しましたような事情でいろいろの資金種目がその後入ってきておりますので、事業費も非常にかさんでいる。あるいは事業の対象内容が特殊性があるというようなことから政策的に特に推進をする必要のあるものにつき、たとえば家畜排せつ物を適正に処理するための技術を導入する資金とか、家畜排せつ物等の有機物を土壌に還元するための技術導入資金等といったもの、あるいは農業者の創意工夫によって実践的な技術の開発を行うために要する資金、こういったことをいま念頭に置いているわけでございます。また農家生活改善資金につきましては、これは農家の婦人の方々が共同して農村生活の環境改善に資するため生活改善グループ等で共同して健康管理のための施設をする。たとえばハウス園芸経営をやっておる場合において、その休息所を設置するというようなことを共同でやるというような場合がこれに当たるのであろうというふうに考えておりますが、そういった必要性のあるもの、それから政策的に考えていかなければならないものというようなものを中心にして考えておるわけでございます。 今後そういう範囲を拡大する考えにつきましては、新たに追加されてくる資金種類の性格なり、それから政策的な見地で推進をする必要度というようなことを考えて、その範囲の拡大については今後検討してまいりたいと思います。
○森田委員 以上で質問を終わらしていただきますが、今回提案されております二法は、ともに農村の後継者を中心にいたしまして非常に大きな意義を持つ案件であるような気がいたすわけでございます。それだけに、その仕事に携わっておられます普及員を中心にされます方々は非常な御労苦もあろうと思いますけれども、その使命を感じていただいて十分御活躍できるような措置を、ひとつ農林省の方におきましてはなお十分御配慮いただきたい、かように考える次第でございます。 的確な御答弁をいただきましたことを感謝申し上げまして、質問を終わらしていただきます。(拍手)
○金子委員長 加藤紘一君。
○加藤(紘)委員 同僚の森田議員の質問、今回提出されました二法について全般的にわたっておりますので、私の方から若干補足的に質問させていただきたいと思います。 森田議員も質問いたしましたけれども、最近普及職員の数というのが末端へ行きますとどうもふえないという現状がございます。現実に、農林省からいただきました今回の提出法案についての説明資料によりますと、予算定数でここ四十六年、四十七年ずっと一万三千人ぐらい農林省が要求しているのが、本年の場合ついに一万三千を切って一万二千九百一人ということですね。私は国の財政というのは、パーキンソンの原則か何か知りませんけれども、お役人の数はだんだんふえることになっておりまして、よほどでない限り減らないのですね。これが減っているということは、かなりの何らかの原因がなければ減らないのだと思うのです。 〔委員長退席、片岡委員長代理着席〕 先ほどいろんな御説明ありましたけれども、まず最初に、これは共同事業で去年五十一年までのところでは、いわゆる補助金の対象になる職員ということですが、約半分ほど国がめんどう見てくれるという定数を各県はいっぱい要求してきていると思うのですけれども、実際はこの一万一三千人前後の準備しております定数に満たない要求なのではないかと思うのですけれども、各県から上がってきております定員要求の現状はいかがなのか、お聞きしたいと思います。
○堀川政府委員 定員につきましては、先ほど申し上げました通常の行政機関の職員の削減計画というものの一応の考え方というものがありまして、普及職員につきましても三・二%の削減率が四次の計画でかかるわけでございますが、私どもとしては、それと別にまた定数の配置状況は検討をし、要求すべきものは要求するという態度を捨てておるわけではございません。ただ、各県の予算定数とそれから配置状況を総体的な全国経営で見てきたときに、やはりそこに時期によって差はございますが、若干欠員があるという現実がございます。そういうことでありますので、そういう結果から見て、要求をして取りました予算が、定数の面では少なくとも十分にこなせておらないという姿がありますので、先ほど申し上げましたような通達を発したわけでございます。
○加藤(紘)委員 要するに、県から十分に要求が上がってこないということだろうと思うんですね。県がなぜそれを要求してこないか、ここが一番の問題だろうと思うんです。末端の普及所では、ふやしてくれ、ふやしてくれという声が非常に多いんだと思うんですが、県がなかなか財政のことがあって言うことを聞かないという御説明でした。しかし、単に財政事情だけなんでしょうか。つまり、財政事情があって、なかなか定員をふやせないというのは、行政の各部門、どの部門にだって言えるわけですけれども、それがなぜ定数減の対象に普及所がなっているかということを考えますと、ここは実は深刻な話だと思うんです。 各県にしてみれば、確かに戦後いままでかなり普及所事業というのは重要性を持ってきたけれども、何かこのごろ熱意がないということだと思うんですね。その原因は何かということを、私たちはかなり深刻に考えていかなければ、法改正を単に若干のところをやるたけで済まない問題があろうかと思います。 ここで一つ問題なのは、私たち末端で見ますと、農村地帯にはいろんな組織があります。農協があります。農業会議所、農業委員会があります。農業共済があります。市町村自治体の農産関係の人たちがおります。それから土地改良区があります。しかしその中で、どうも昔に比べて農業普及所の権威が下がってきているということは事実だと思うんですね。 その第一に私が挙げたいのは、やはり最近、国の補助政策及び融資政策というのはかなり進展してきまして、ぎりぎりお金を借りるようなお話になると、どうも農協とか市町村の末端の農業課、農産課というものに農民の目が動いていってしまう、こういう現実があると思うんです。 たとえば、ある大きな農業構造改善事業をやろうとする、そうすると、かなり末端の段階では、普及所の職員の人も協力して大きなプランづくりを始めるわけです。しかし、いざお金を借りる段階になりますと、農協の職員の人が県についていったり、農政局にヒヤリングについていったりする。それからまた市町村の職員もそうです。そのときに、普及所の職員の人は産婆役、だけを務めて、あとは、おたくは融資事業の窓口になっていないということがあって、置き去りにされてしまう。そうすると最終的に、やはりこの世の中は金だぞ、補助金や安い長期低利のお金を借りる窓口というのはやっぱり農協だ、市役所だということになりまして、普及所の権威がかなり下がってしまう、こういう厳しい現実があるんじゃないかと思うんですが、その点はどう認識されておりますか。
○堀川政府委員 私ども、一概に先生のおっしゃるようなことになっておるとは思っておらないわけでございます。中には、先生のそういう御指摘をされるようなことにつながるいろいろのケースというものが、個別ケースとしてはあったかも存じませんが、全体的に申しまして、普及員がたとえば融資事業、補助事業の中身につきまして、そういう計画を技術的あるいは経営的な角度から助言をして、いい計画をつくってあげるということに力を貸すというのがまず第一であり、そのことは、たとえば融資事業の中でも改良資金の制度などは、これは普及所が積極的にタッチするたてまえになっておりますし、それ以外にも公庫の総合資金というようなものについては、経営改善計画がしっかり立っていませんと、多額の資金を借りて大型の経営をやるということになりますから、当然こういったものについては、経営の改善計画書等に普及所がタッチをいたしまして、普及員の意見がそこに反映されるような仕組みになっておるわけでございます。その段階で農家の方々は、普及所の方に十分相談に事前にお見えになる、またこちらも出向いて御相談に応ずるというような体制をとることにしておるわけでございます。 そういうことの手続を経て、いざ貸付実行がなされた。どういう金額で貸付実行するかというような話になってまいりますと、普及員が総体的な意見は——中途半端な資金を借りてもぐあい悪いから、そういうことについては意見を言うでしょう。技術的なあるいは経営的な判断からの意見は、ついておるわけでございます。貸付決定それ自体を普及員が直接参画してやるということは、場合によっては適当でない。一般の金融でございますと、さらにそういうことが言えるのではないか。それだけ一般行政事務に直接携わるということになってきて、本来の方の任務がおろそかになるというおそれもございますので、そこは適宜仕分けをしていくということが必要かと思います。ただし、融資事業が決定をいたしまして、それが構造改善事業であれ、あるいは公庫総合資金の経営改善計画の達成のための事業であれ、そういう実行面でまたさらに技術的、経営的観点から十分事後指導をするということも、またこれは当然のことであります。その辺が、現実の問題としてうまくたてまえはたてまえとして流れておるかどうかということもあろうかと思います。 これらについては、私は、全体としてはかなり適正な形で行われていると思いますが、ただ、反省を要すべき点はそういう点についてないかということになりますと、これは終始問題はあるわけでございますので、反省をいたしまして、適切な参画の仕方を普及体制としてはすべきであるというふうに思っておるわけでございます。
○加藤(紘)委員 かなりその点の認識は甘いんじゃないかなと思うんですよ。最近、いまの局長さんのような話で済まないことがかなり出てきているんじゃないかと思います。 ちょっと離れますけれども、現実に農業の近代化資金の二号資金というのがありますね。農機具を買う資金です。あれで最近独占禁止法の問題とかいろいろ各地で問題になって、予算委員会でも他党の方が質問されておりましたけれども、やはりお金を借りる、貸す窓口になりますと、どうしても支配力、発言力というのは強くなってきますね。現実にたてまえとしては、農協から近代化資金を借りました。ほかのところで農機具商から買ってもいいんだとは言っても、現実には農協から買わざるを得ないような仕組みになっております。ですから、これから普及所が、いろいろ構造改善事業なんかの計画を立てる。しかし、その中で資金の問題をどうしますか。この点まではめんどう見ますよ、この点までは制度でこういう仕組みになっておりますから、安心してこの計画を進めなさいという権威を持った発言ができないと、なかなか説得力がない時代に来ているんではないか、現実にそうなんじゃないかという気がいたします。 今度政府の方は、総合資金をたしか普及所の窓口にするというか、同意といいますか、中に一枚かむ形になさいましたね。それは、現実に何らかの指導をなされているのかどうか、それから将来それをどの程度まで進めていかれるおつもりなのか、ちょっと重要なポイントだと思いますので、お聞きしたいと思います。
○堀川政府委員 近代化資金につきましては、系統金融を政策的に利子補給等の措置を講じまして助成をするということをやっており、現実に借り受ける農家の方が相談に真っ先に行くのはどこかということになると、私どもの調べた実態でも、信用事業を行っている農協へ行くというのが圧倒的に多いということになるわけでございますが、私どもといたしましても、近代化資金といえども一つの制度金融でございますから、改良普及員あるいは普及所が、一般指導といたしましてはできるだけ適切な農業の経営を伸ばすというような形でその資金融資が生きるようにということで参画しなさいということは言っておるわけでございますが、何せ件数も多い、それから農家の借り受けの希望というものを農協系統金融としてはかなり重視をして実行するという経過がございますので、実態としてのかかわり合いというのはやや手薄であるというふうには反省をしております。まあ機械投資問題等大きな問題についての進め方についてどう考えるかということはおのずからまた別途の観点から、普及事業ももちろんかかわるべき問題でございましょうが、ほかの角度もございますので、その点はさらに総合的に検討してまいりたいと思っております。 それから総合資金につきましては、これは御案内のように、もう経営改善計画を立てる段階から普及所、普及体制、専門技術員も場合によったら入りましてタッチをするということになっておるわけでございます。そういう形で、しかも近年の実情にかんがみまして、総合資金も一遍に貸し付けを実行するということでなしに、いわゆる初期段階、第一期段階の貸し付けをやり、さらにその成果を見つつ第二期の後期段階の貸し付けをやるというような二段ばね制度が実現しておるわけでございます。そういう二段ばね制度を実現したというのはいろいろ理由はございますが、特に改良普及体制が計画の当初からこれに深く関与をいたしまして、その成果も評価しながら第二段の貸し付け事業計画を申請をするという形にし、貸し付けの前後を通じまして指導強化をするということになっておるわけでございます。その点に現実の指導で不十分な点があれば、私どもも、これは特に政策的な個別農家を対象といたします融資の中では非常に強いものでございますので、われわれとしても十分配慮してまいりたいと思っております。
○加藤(紘)委員 私は何も農業近代化資金の特に農機具関係の細かな百万とか二百万の資金を改良普及所の審査の対象にしようと言っているのではありません。ただ、お金の融資の窓口になるとそれはかなり大きな権威を持つものだから、たとえば非常に大きな資金、総合資金のようなときには何千万、ときには一億までいってしまうようなものには、かなりしっかりした関与をする機関がどこかなければだめなんじゃないかということが私の趣旨であります。 それでいま、総合資金のことをおっしゃいましたけれども、それは一段、二段というお話ありましたけれども、初期の段階でも普及所の同意がなければ融資しないということなんですか。そこを簡単に御回答ください。
○堀川政府委員 総合資金につきましては、実は仕組みをつくっておりまして、通達が出ておるわけでございますが、その中で県の段階に融資の協議会を設けまして、これは公庫資金でございますから、公庫の支店の方、原則として支店長、それから公庫資金の受託金融機関でございます、普通信連がなっておりますから、信連の責任者、それから県庁の農林部長さんというような格の方、それからその他学識経験者といたしまして、たとえば農業関係の大学の教授でございますとか、その他農業団体の枢要な地位におって広く識見のある方というような方を構成メンバーにしたところの協議会で一つ一つ審査をいたしまして、その段階で、通常はそういうえらい人が一堂に集まるということがしょっちゅうというわけにはまいりませんので、その下のたとえば課長さんとか代理の方が出られることもございます。それを幹事会と称しておるのでありますが、ここでかなり精密な審議をやるわけでございます。その際に通常の場合、関係のある改良課長、普及担当の課長さんは当然入りますし、その他の奨励担当の課長さんも事柄に応じて入ってくる。そのほか専門技術員の方、場合によったら試験場の方にも応援を頼むというようなことで機動的に運営をしておるわけでございまして、そういう意味では、かなり慎重な審査体制を全体としてしいておる。もちろん金融機関は金融機関としての実行機関でございますから、意見は別途あるわけでございますが、全体としてこの計画によって総合資金の融資の貸し付けをやることが適当かどうか、計画の内容は達成の見込みがあるかどうかということについては、かなり慎重な審査をしておるわけでございます。
○加藤(紘)委員 そうすると、要するに何人かの一人であるけれども、審査に加わり、かなり強烈に、この計画ではとても資金を出してはいかぬというような判断が普及所の方にあったらその貸し出しはできない仕組みになっておりますと、こういうことですね。一言でお答えください。
○堀川政府委員 現場からも経営改善計画書の事業計画の中にその意見が上がっておりますから、不適であれば不適という意見が明確に上がってまいります。
○加藤(紘)委員 総合資金以外の制度資金について、普及所との関係を将来どうなさっていくつもりなのか、総体的な御判断、見通しをお聞かせください。
○堀川政府委員 改良資金は、先ほど申しましたようなことで一層連携を強化してまいりたいというふうに思っております。公庫資金は全体的にはいろいろの資金種目がございますから、総合資金は確かに所管部局が農林省の中でもわが普及部の方にございまして、原局は農蚕園芸局普及部ということになっておるわけでございますが、そういう形で今後とも総合資金について、先ほどの御質問に対する御答弁でお答えしましたような形でやってまいりたい。近代化資金につきましては、先ほど申しましたような近代化資金の特殊性もございますので、必要に応じ改良普及所あるいは普及員は、これに対して技術経営上の意見を言うということにしてまいりたいと思っております。
○加藤(紘)委員 ちょっと聞き漏らしたのかもしれませんが、近代化資金、総合資金、改良資金以外の一般金融の場合はどうですか。
○堀川政府委員 一般金融と申しますと、いろいろございますと思います。そういう制度融資でない系統金融の貸し出しあるいは他の金融機関からの貸し出し、これは普及体制の中でそれをチェックするという仕組みは、なかなか実際問題としてもむずかしゅうございます。ただ、地域の計画でかなり大きなプロジェクトで、それがたとえば農業団地の育成につながるとかそういう大きな話になってまいりますと、どうしても市町村でそういうプロジェクトに参画をする、改良普及所も応援を頼まれるということになりますから、そういう段階で適切な助言、指導を行うということにいたしたいと思います。
○加藤(紘)委員 私がなぜ、普及所と金融の窓口と審査機関ということをこんなにしつこくお聞きしたかと言いますと、これは私の個人的な考えですけれども、どうも補助金を、個々の経営または二、三戸集まったら共同という形でいいからそこに補助金を出すという補助金政策というのは、もうそろそろ限界に来たのじゃないか。補助金をもらってたくましくなった農業というのはごくまれな例だと思うのです。補助金が来るから何とか二、三軒まとまって共同事業をしましょうやと、日ごろ余り仲のよくないような人と無理やりやって、そして補助金もらって一、二年でその共同システムが壊れるという話はよく聞く話なので、私は将来個々の零細な補助金政策はなるべく少なくした方がいい、土地改良のような長期のいわゆる資産形成になるような大変な事業は補助金が必要でしょうけれども、少なくとも個々の細かな経営については、なるべく長期低利の融資に切りかえた方がいいんじゃないか、そうなると、そこでじゃ一体むやみやたらに出すわけにもいかない、特に低利であれば、ほぼ何割かは補助金と同じような側面を持つような資金ですから、これはかなりしっかりとした、あの家は何をやるかは知れないけれども、しっかりした農家ですよという個々の判断をできる機関が、農村地帯の各機関のどっかに存在しなければならない。それが農協であろうか、市町村であろうか、普及所であろうか、農業委員会であろうか、これから深刻な重要な議論をしなければならない段階だと思うんですね。普及所というのは一つの大きな可能性のある候補者になり得る場所だと私は思っておるものですから、将来のこの絡みを農林省の方でも深刻に検討していただきたいという気持ちで申し上げている次第でございます。 これについては答弁は要りません。しかし同時に、普及所の方もいまのように農民離れして権威が昔ほどなくなったという段階で、それだけの権限を与えられていいかという一つの大きな問題があろうかと思います。昔、普及所の職員というのはぐるぐる自転車で農家の庭先を回ってきてくれましたよ、親切に対応してくれましたよというのが、いまなくなっているわけですね。世の中が複雑で忙しくなったということもありましょうけれども、一つだけ言わせていただければ、農家の戸数は昔よりは減っているわけですね。それから、昔自転車なのが、いま農林省及び県が自動車を供与しておりますね。十分ではないといっても、機動力は増しているわけです。もっともっと昔よりは回れるはずです。それがなぜ農民離れをしたか。一つは技術水準だと私は思います。それで普及所の方も非常に私はせつないと思うんですね。昔は一般の人たちの技術水準がかなり低かった。だから一生懸命教えておったわけですね。そうするとかなり権威があった。しかし出藍の誉れといいますか、一生懸命教えているうちに個々の農家とか農協の技術員がかなりレベルアップして、もう普及所の職員の人たちの話を聞かなくてもいいですよというような感じが若干出てきた。この恩を忘れた人たちというような気持ちが、普及所の職員の技術員の中に正直に言ったら若干ないか、ないと言ったら私はうそになると思うんですね。しかし、それをいつまで言っても仕方がありません。社会の中が進歩する以上、技術が進歩する以上、権威を保つためには普及所の方も権威を高めていかなければならない。そのためにいままで普及事業と試験研究というものを分離していたような傾向にあるのをだんだんここで一緒に合体させていきましょうというのは、かなり先を読んだ農林省の新しい法案だと思って私は評価しております。特に、私は農民研修教育施設ですか、そこで大学の講師の人、かなりハイレベルの人たちと一緒に、実際に若い農民と普及員の人たちも一緒にいろいろやって苦労して研究してやりなさいというのは、一つは、若い人たちに対する教育に普及員もタッチしてくださいよという側面と同時に、普及員の人たちもそこで何かを吸収してくださいということが背後にあるんだろうとぼくは推測しております。しかし、先ほどの答弁では二%くらいの職員をそれに充てるようにしたいという感じですね。そこで、私はこれをぜひ二%でなくて、もっともっと進めていた、たきたい。 それからもう一つは、いろいろ普及員、研究員が将来いろんなところで研究するシステムを、体制をつくりますよと言いましても、現実に忙しいとなかなか私は研究の方に行かせていただきますということを普及所の内部で、また県の行政の中で主張できない側面があるんじゃないか。たてまえだけに終わって、現実には農林省はそう言ってくれましたけれどもなかなか行けぬのですよという話になって、普及所職員の技術レベルのアップということがなかなかできないというおそれというのは私は十分あると思うのです。その点を含めて御配慮なさっておりますか。お聞きいたしたいと思います。
○堀川政府委員 普及員の資質、技能のレベルみたいなお話もございましたので、それについて御答弁申し上げますと、私ども、おっしゃるように農業が専門化してくる、あるいは高度化してくるというのに対応して、やはり普及員自体の持っております技能、知識の水準を上げなくてはならないということが基本的に重要だと思っております。そのためには内外の研修を実行しておるわけでございまして、私どもそういう努力を今後とも続けていく必要があると思っております。 ただお話の中に、だんだん先進農家になってまいりますと普及員を余り高く評価しないというようなお話もございました。しかしこれも一挙に高度な経営がある日突然とできるわけではないのでありまして、それはそういう経営をつくり上げるのに、途中の過程でとにかく参画をした普及員はそういう経営ができたということをもって誇りとすべきであるというふうに私は思いますし、また、そういう農家ができてまいりますと、これは必ずや普及事業に対しますアシスタントの役割りを果たすであろうというふうに期待をしておるわけでございます。まあ、技能レベル自体が特定項目について一般の普及員の平均的なレベルよりも高くなるということは幾らもあることでございます。むしろ場合によったらそういうふうになってもらいたいというふうにさえ思うわけでございます。そういう方々が出ることを特に私どもも要望こそすれ、余り好ましからざることというふうには思いません。ただ、そこで普及活動との出会いなり連携の中でぐあいの悪いという問題が出てくるようなことがありますと、それはいろいろ原因がございますでしょうが、そういうことのないように、できるだけむしろそういう先進農家の技能あるいは知識レベルを生かした形で普及活動もそれを利用するといいますか、活用させていただくというふうに持っていくべきだというふうに考えるわけでございます。
○加藤(紘)委員 後段の方の質問で、研究なんかに本当に行きたいと言ったときに、行政組織の中でそれが行ける保証をちゃんとつくってあげないといかぬと思うのですが、それについてのお答えがなかったように思います。
○堀川政府委員 先ほど研修の内容を具体的に申し上げませんでしたが、これは国が実施いたしますものと県が実施いたしますものと一応分類をしております。農業改良普及につきましては、新任者の研修を三百人程度、三十日間実施をいたしております。そのほか、所長研修については百三十人を六日間、これはいずれもさっき申し上げますのと並んで国が実施をしておるわけでございます。あと、技術向上研修といたしまして、一般研修につきましては大体四千二百人余りを十日間、これは県主体でやっております。それから大学の留学研修というのがございまして、これは三百人一カ年、県が実施主体となり、大学に派遣をいたしまして留学研修をやっておる。海外研修は現在のところ三十七人程度二十一日間、三週間程度の海外研修、特別研修は、特に重点施策で必要な課題についての知識の修得等をやるための研修を大体六百三十人余り、一普及所一人ぐらいを十日間程度、これは国が実施主体となって実施しておる。そういうようなことをやっておりまして、今後ともこういったことの推進には大いに力を用いてまいりたいと思っております。
○加藤(紘)委員 いわゆる一年間長期に研修できるというのもまあ三百人、一万三千人ぐらいの普及員の中で順番が回ってくるのもかなりしんどい話ではないかなと思うわけです。一般業務普及事業の方も大切ですからそうむやみやたらというわけにもいきませんでしょうけれども、とにかく技術水準、それから特に農家経営全般についての豊富な総合的な知識がなければ、最近はもう権威がなくなってきたわけですから、単に個別の部門だけではなくて、いわゆる特定の、この部門にこの地域の普及所はこの問題を的確に理解してないといけませんよ、酪農であったならば、単に酪農技術だけでなくて、その流通システムから酪農農家の個々の生活全体の問題、それから酪農プラスアルファの何をやったら安定するかというところまで考えた判断と助言をできる、そういう研修というものをこれから親切に考えてあげなければいけないと思います。その点を強く要望して、いまの点は終わりたいと思います。 次に、先ほど森田議員と政務次官との間でお話があったようですけれども、率直に言いますと生活改良普及員というものが各普及所の中で若干肩身の狭いような顔をなさっておると思います。それはやはり過去、台所の改善、嫁しゅうとの人間関係の改善とか、かなり農村と都会との格差というものがあって、そしてその落差を埋めるための普及事業というのはかなり大きな意味があり、歓迎されていた人たちだと思うのですね。ところが最近では、農協の購買部も一生懸命がんばるせいか、電子レンジまでいっぱい入ってきまして、都会よりももっともっとりっぱな台所ができ上がったりしている場合もあるわけです。何でここで生活改良かねというような感じで、正直なところ言って、新たなレーゾンデートルというか働き場所を見つけるのがいま困難で混迷期に入っている、それに十分な指導理念を出して差し上げてないんじゃないかという気がいたします。その点について、先ほどまだまだいろんな問題がありますということをおっしゃいましたけれども、もっと具体的に、将来こういう面を指導していきたいと思います、仕事として役割りを求めていただきますということの方針があればお伺いしたいと思います。
○堀川政府委員 基本的には先ほど政務次官からお話のあったとおりでございますが、私どもも普及の現場を担当しております方々あるいは婦人のグループでかなり歴史を持って経験を積まれてこられた指導者の方々が普及事業をどう見ておられるかというようなことの話し合いを通じまして感じますことは、生活改善に関連をいたします問題というのは農村地域においてちっとも減ってない、むしろますますふえてきつつあるというのが実相ではないかというふうに思うわけでございます。確かに生活改善事業がスタートした当座は、食生活、栄養の面で偏食がないかどうか、保存食をつくって農繁期にはそういう偏食が起こらないように、あるいは欠食というようなことだってあり得る、そういうようなことに対処するとか、一口に言えば、たとえばかまどの改善とか、いろいろそういう身近な問題をとらえてやってきたというスタートの歴史はあろうかと思いますが、現在ではさような問題は、農村地域も非常に複雑化しております。取り巻く条件も違ってまいっておりますから、一口に申せば農業従業者あるいはその世帯の健康問題だ。これは原因は非常に複雑でございます。農作業に由来する場合もございますし、その他いろいろございます。それは一つの重要な柱でありまして、そういうものをどういうふうに解きほぐして、普及事業の中でこなせるものは何か、グループ活動の中でこなせるものは何かということをやっておるわけでございます。これがやはり頭から観念的に仕分けをしてこうあるべきだということよりも、やはり地域のそういう同じ悩みを持っておる方の悩みを集団の力、グループの力でだんだん整理をしてもらいまして、そしてこういう行動に移ったらいいじゃないかという自主的な盛り上がりというものに対して私どもは手を差し伸べるのだということでやっていくことが基本であろう。事健康問題以外にもいっぱいあるわけでございます。農業労働の適正化問題とかその他いっぱいございます。広く言えばその地域の住みよい社会をつくるためにはどう連帯して取り組んだらいいかということも大きな課題として取り上げつつある婦人グループが多いわけでございます。それらについては、単に小グループだけでは片がつかない問題も出てまいりますので、そういうことを所管しておるそれぞれのたとえば地方公共団体とか、そういうところにつなぎながら成果をおさめておる実例も多々ございます。従来からのいろいろ活動の方向に加えて、そういう新しく出てまいった問題についても積極的に取り上げるという姿勢がございますので、私どもはそういう活動に対して、できるだけ生活改善の普及事業を通じてお手伝いをするということにいたしたいと思います。
○加藤(紘)委員 いろいろな側面で新たな働き場所を設けられるという話ですが、やはり農村地帯に問題がないというわけではないので、女性の場合に、最近兼業化に伴って女性の労働過重の問題、それの収入をいかに家庭内で配分するかとか、非常に深刻な問題が幾つかあると思うのです。ですから、新しく生まれてきた問題に的確に適応してそれに働いてもらうという方向、指導方針の感度のよしあしというのが、かなりいま問題になっているのではないかなという感じがいたします。 たとえば、先ほど、これから老人問題というのが重要でありますという話がありました。最近私たち農村を歩きますと、老人問題に関連してこういう話をよく聞くのです。それは遺産相続の問題です。つまり、農家ですと、長男の嫁さんですから一生懸命次男坊、三男坊に仕送りをする。そして大学も出す。就職したらアパートの敷金から何から出す。どうせ長男だから仕方がないさ、長男の嫁だからそれぐらいの任務はあるだろうと思ってやる。嫁しゅうとめの問題がありながらも、一生懸命しゅうとめさんに尽くす。それで夏休みになりますと、東京に行っております次男、三男の夫婦は子供を二、三人連れて、上野駅かどこかでちょっとしたカステラか何か買って来て、一週間ぐらいどっしりと構えて、帰りにはお米の一俵も持っていく。これも長男だし、長男の嫁だから仕方がないさと言っているのですが、しかし遺産相続の段階になると、新しい憲法、新しい民法のもとでというので全部均等相続というような話になってくる。大抵の場合は、お兄さんに全部、私たちは要りませんよと言うのですが、たまたまお嫁さんなんかが都会出身の方だったりすると話がこじれてきちゃう。それで、老人をしっかり見ている農家の家庭の場合には何か特別に考えてくれたっていいじゃないかというような——いままでこういう論議を国会でやるのはタブーなんですね。封建的でという話になりまして、農家の均等相続是か非かという問題はタブーだと思うのですが、かなり末端では老人問題と絡んだぎりぎりの話にいまなってきている。その辺なんかも、手をつけてみたら大変な意見が続出するような分野じゃないかと思うのですが、なかなか生活改良といってもそこまで論議をやっていいかどうかというのは問題として取り上げられないのだと思うのです。私個人としては、その辺もそろそろもう意見の吸い上げなんかも考えられたっていいんじゃないか、ある意味では農村の生活にとって、女性にとっては一番重要な部門であるということもここで指摘してみたいなという気がいたします。これはもちろんこんな大きな問題で答弁できるわけはありませんし、変に答弁しますと憲法違反の問題になりますから答弁は要求いたしませんけれども、的確にその辺の感度をよくしていただきたいという希望を申し上げておきたいと思います。 最後に一、二細かいことをお聞きいたします。 普及所に機動力とか普及機械というものを付与しましょうということでいろいろ補助金を出されたりで、自動車の供給をしたり、参考書、視聴覚のフィルムの施設を渡されたりしておりますね。それをもうちょっとがんばってほしいという声が非常に多いようですけれども、これは県の単独の補助なんですか、それとも国も補助しての事業なんでしょうか。それから、将来どうなさっていくおつもりなのか、心構えをお聞きしたいと思います。
○堀川政府委員 普及所の機動力整備の状況は、先ほども御質問の中にすでに入っておったわけですが、四十年度以降計画的に整備を進めるということでやっております。五十一年度までには一普及所当たり三・一台、改良普及員の数との対比では五人に一台というようなところまできまして、全体で千九百八十四台を整備したわけでございますが、今後はさらにその整備を進めるということで、大体三年計画で、普及員の数との対比で申し上げれば、普及員三人に一台、一普及所当たりに現状をもって換算をいたしますと五台くらいになるように計画的な整備を進めつつあるわけでございます。その他の普及機材整備もあるわけでございまして、先生の御指摘のようないろいろな機材について助成をいたしております。そういうことになっております。これは改良助長法に基づく補助率によって、現在は自動車については二分の一、一般の普及機材の方は、通常の普及活動に使われるものでございますから三分の二ということにしております。
○加藤(紘)委員 これで質問を終わりますが、やはりこれから農村地帯で、経営と技術と両方含めて、あそこの助言だけは掛け値なしに聞けます、信用しますという組織がどこかほしい。たとえば市町村の自治体ですとどうしても役人的になってしまうかもしれぬというような反発がないようなところ、まあ農協も個々の農家を一番よく把握しておるように思うのですけれども、どうも農協商社論とか、経済団体であるがゆえの農民からの反発をかなり最近強く得ているように思います。これは否定できない事実のように思います。そういう意味で、かつてのように普及員がよく回ってきてくれる、本当に親切に指導し、その指導内容も、技術的に見ても理念的に見てもしっかりしていますというようなものをもう一回再構築をしていただきたいというような感じがいたしますが、今度の補助金から分担金に変わったという基本的な哲学の変わり方を機会に、よりますますそこを強化していただきますように、今度の二法というのはそういう意味で細かな、小さなところが二、三カ所変わっただけのような感じがいたしますけれども、この普及所の歴史の中からは、将来、重大な改正をしたと評価される時期が私は必ず来ると思いますので、今後一層の強化をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○片岡委員長代理 この際、暫時休憩いたします。 午後一時三分休憩 ————◇————— 午後七時四十五分開議
○金子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 松くい虫防除特別措置法案を議題といたします。 本案に対する質疑は、去る二十三日終了いたしております。 この際、本案に対し、今井勇君外二名から、自由民主党、民社党及び新自由クラブの共同提案に係る修正案並びに馬場昇君外二名から、日本社会党、公明党・国民会議及び日本共産党・革新共同の共同提案に係る修正案が、それぞれ提出されております。 両修正案について、提出者から、順次趣旨の説明を求めます。今井勇君。 ————————————— 松くい虫防除特別措置法案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○今井委員 私は、自由民主党、民社党及び新自由クラブを代表して、松くい虫防除特別措置法案に対する修正案の趣旨を御説明申し上げます。 修正案は、お手元に配付いたしましたとおりであります。朗読を省略して、以下修正の趣旨を簡単に申し上げます。 まず第一に、第一条の目的において必要な特別防除の緊急かつ計画的な推進に当たり周囲の自然環境及び生活環境の保全に適切な考慮を払う旨の規定を追加するとともに、第二に、第三条の基本方針の内容として、特別防除を行う松林の周囲の自然環境及び生活環境の保全に関する事項、特別防除により農業、漁業その他の事業に被害を及ぼさないようにするために必要な措置に関する事項を追加することといたしております。 以上が修正の趣旨及び内容であります。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○金子委員長 馬場昇君。 ————————————— 松くい虫防除特別措置法案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○馬場(昇)委員 私は、日本社会党、公明党・国民会議及び日本共産党・革新共同共同提案によりますところの修正案の説明を申し上げたいと思います。 内容は、次のとおりであります。 松くい虫防除特別措置法案の一部を次のように修正する。 第一条中「特別防除を」を「必要な特別防除を、周囲の自然環境及び生活環境の保全に適切な考慮を払いつつ、」に改める。 第三条第一項中「基準」の下に「、特別防除を行う松林の周囲の自然環境及び生活環境の保全に関する事項、特別防除により人の健康及び農業、漁業その他の事業に被害を及ぼさないようにするために必要な措置に関する事項」を加える。 第五条第三項中「所有する者」の下に「及び当該区域の周辺の区域に住所又は事業所を有する者で農林省令で定めるもの」を加える。 第六条第一項中「、かつ、徹底的に」を削る。 第十二条を第十四条とし、第九条から第十二条までを一条ずつ繰り下げる。 第八条の次に次の一条を加える。 (特別防除により被害が生じた場合の措置) 第九条松林群において特別防除を行う者は、特別防除の実施により、人の健康又は農業、漁業その他の事業に被害を及ぼしたときは、直ちに、特別防除を中止しなければならない。以上が修正点でございます。 修正の理由といたしまして、この特別防除をいたしますならば、生活環境の破壊、人の健康に被害を及ぼす、こういう心配があるわけでございます。こういう国民の心配を法律を修正することによって幾分とも解消いたしたい、こういう意味でございます。 第二の問題といたしまして、第五条ですけれども、この法律全体を見てみまして、政府とか自治体とか松の所有者だけ、そういうところに配慮をした法律でございまして、国民全体、住民全体に配慮が足らない、こういう法律案でございます。そしてまた、被害を受ける者は周囲に住む住民でございます。その住民から不服の申し立てをする権利というものが保障されておりません。そこで、この住民の不安をなくするために、不服を申し立てる条項を修正する次第でございます。 さらに第六条の「、かつ、徹底的に」というのは、余りにもこれは今日の法律といたしましては強権的過ぎる、こういうことでこれを削るわけでございます。 さらに第九条につきましては、本委員会で多くの質疑の中で、農林大臣も、被害を及ぼしたときには中止するという御答弁もいただいておるわけでございますが、それを法律上きちんと保障する、そういう意味で、被害が起きたときにはこれを中止するという一項をつけ加えたわけでございます。 この修正をすることによって住民の不安をなくしまして、満場一致でこの修正に基づくところの法案の通過を期待する次第でございます。 満場の御賛同をお願いする次第です。(拍手)
○金子委員長 これにて両修正案の趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○金子委員長 両修正案に対して別段御発言もないようでありますので、原案並びに両修正案を一括して討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。島田琢郎君。
○島田委員 私は、ただいま提案のありました日本社会党、公明党・国民会議並びに日本共産党・革新共同三党の共同修正案に対して、次の理由から賛成をするものであります。 まず第一に、政府提出の法案については、多くの国民や科学者から、特別防除すなわち殺虫剤の空中散布について、人体に対する安全性と松枯れ防除の効果について、まだ多くの疑問が出されております。われわれは国会の質疑を通じても、この疑問点が必ずしも完全に解消されたとは言い切れません。この段階において最も重要な点は、人体の安全性に対する問題と同時に、地域の自然保護の立場での問題解明が必要だと考えています。そういう観点から、ただいま提案趣旨の説明がありましたとおり、私どもは最低限修正が必要であるという観点に立って、この法案の取り扱いに対して慎重を期してまいったところであります。 したがいまして、重ねて申し上げますが、今日の生活環境や自然環境の保全を図るためのそういう目的を明確にしながら特別防除については慎重を期していくということが、最小限必要な条件であると考えます。したがって、この修正案に対しては、私どもは以上の観点から確信できるものであると同時に、自民党、民社党、新自由クラブの提案にかかわります修正案に対しては反対をするものであります。 以上を申し上げまして、わが党並びに公明党・国民会議、日本共産党・革新共同の三党共同修正案に対する賛成の討論を終わるものであります。(拍手)
○金子委員長 瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 私は、日本社会党、公明党・国民会議を代表して、政府原案に対し反対の討論を行うものであります。 政府原案については、先ほど馬場委員からもるる三党の修正案が述べられておるとおりでありまして、その内容については重複をいたしますので、全部は申しませんけれども、私たちはこの松くい虫防除特別措置法に対しては、本日まで数回にわたって政府の見解をただしてまいりましたが、この防除を行うことについては、当然マツノザイセンチュウ、その運び屋であるマツノマダラカミキリを駆除することについては各党も異論ないところでございますけれども、その範囲が百五十ヘクタール以上ということになっておりますが、その周辺のいわゆる地域住民の被害または養蚕、養蜂あるいは養魚等の問題にいろいろ被害が及びますと、こういった問題が今後地元においてのトラブルを引き起こすということにもなりかねない。そういう問題と、健康上の問題等ございますので、住民または各種団体等あるいは学識者等の意見、さらには先日参考人を招致していろいろ意見を聞いた中にも、スミチオンの今後の研究、さらには安全性の確認等まだ残っておりますし、そしてまた被害が出た場合の補償対策というような問題もはっきりせねばならぬという問題もございまして、政府原案に対してこの上ともさらにさらに重点的に、また住民に不安のないように、そして将来にわたって心配ないように万全に処置をすべきである、かような意味で三党の修正案を出したわけでございます。 しかるに、これに対しては、いろいろ各党意見もあったようでありますけれども、私たちはあくまでも住民の健康、被害の補償そして今後の対策等に万全を期すための処置でございまして、この松くい虫の防除のためのスミチオンをまくことすべてに反対というわけではありませんし、また自然保護団体においても全面的にこれを拒否しているわけではありません。一部についていわゆるこの被害の駆除は当然であるが、これが広域にわたると、住民にもまた地域のあらゆるものに支障を来すということになるので慎重を期せというのが趣旨でございます。 そういった意味で、日本の松の四分の一がいま枯れつつある、これに対しては十分な駆除対策はせねばなりませんが、念には念を入れてわれわれが修正要求をしている、また附帯条件等つけてこの法案の通過をぜひお願いしたいというのが趣旨でございまして、政府の原案は、その点についてはいわゆる十分な条文の内容が認められませんので、われわれは政府原案には反対せざるを得ないということになったわけでございます。 以上、詳しい修正案の提案理由については先ほどいろいろと説明がございましたので省略いたしますけれども、そういった意味で政府原案に反対の討論を行う次第でございます。
○金子委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○金子委員長 これより採決に入ります。 松くい虫防除特別措置法案並びに本案に対する今井勇君外二名提出の修正案及び馬場昇君外二名提出の修正案について採決いたします。 この際、念のため申し上げておきます。 今井勇君外二名提出の修正案中と馬場昇君外二名提出の修正案中との「第一条中「特別防除を」を「必要な特別防除を、周囲の自然環境及び生活環境の保全に適切な考慮を払いつつ、」に改める。」の部分は、その内容が全く共通であります。 採決の順序について申し上げます。 まず両修正案の共通部分について採決し、次に共通部分を除いた馬場昇君外二名提出の修正案、次いで今井勇君外二名提出の修正案について採決を行い、最後に原案について採決することといたします。 それでは、順次採決いたします。 まず、今井勇君外二名提出の修正案及び馬場昇君外二名提出の修正案中共通する部分について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金子委員長 起立総員。よって、共通部分は可決いたしました。 次に、ただいま可決いたしました共通部分を除いた馬場昇君外二名提出の修正案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金子委員長 起立少数。よって、共通部分を除いた馬場昇君外二名提出の修正案は否決されました。 次に、先ほど可決いたしました共通部分を除いた今井勇君外二名提出の修正案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金子委員長 起立多数。よって、共通部分を除いた今井勇君外二名提出の修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金子委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○金子委員長 この際、本案に対し、柴田健治君外五名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブの共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。柴田健治君。
○柴田(健)委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブを代表して、ただいま修正議決されました松くい虫防除特別措置法案に対する附帯決議につき、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 松くい虫防除特別措置法案に対する附帯決議 政府は、本法の施行に当たり関係地域住民の生活環境並びに自然環境の保全に特に留意しつつ重要な森林資源である松林に生じている松くい虫の被害を早急に終息させるよう左記事項の実現を図り運用の万全を期すべきである。 記 一、特別防除の実施に当たつては、関係行政機関、関係市町村、森林組合、利害関係者等への周知徹底を図る体制を整備するとともに、地区説明会の開催等により関係地域住民の理解を得て実施すること。 なお、関係地域住民の意向を反映させるため、中央及び都道府県森林審議会の委員の構成について特に検討を加えること。 二、特別防除の実施に当たつては、貴重な動植物の保護その他の環境の保全に十分留意するとともに、薬剤の安全かつ適正な使用を確保するため、具体的な運用基準の設定及びその励行による被害防止並びに被害が発生した場合においては、国家賠償法に基づき円滑に損害補償を行うこと。 三、特別防除の推進に併せて、伐倒駆除等を徹底的に実施するとともに、松くい虫による被害跡地の造林については、国土保全の観点から松くい虫の防除と併せて緊急かつ計画的に措置するものとし、このための必要な国庫助成の確保を図ること。 四、松枯れの総合的な原因の究明、線虫類に対して抵抗性を有する松の品種の育成及び天敵の利用その他の松くい虫の有効な駆除の方法についての調査研究の充実及びその成果の早期実現に努めること。 五、特別防除の関係地域住民の生活環境及び野鳥、昆虫、水質、土壌等の自然環境に及ぼす影響(経時的影響を含む)について必要な調査を実施すること。 六、特別防除の実施により、農業、漁業及びその他の事業等に被害が発生した場合には、直ちにその特別防除を中止し、原因の究明に努めるとともに防除員の健康管理に充分配慮すること。 七、以上の諸施策の円滑な推進に併せて、林業労働者等林業従事者の養成、確保を図るため、雇用の安定、労働条件の改善、社会保障制度の充実等に努めるとともに、松くい虫による松林の異常な被害を今後五か年間で終息させるよう必要な予算の確保を図ること。 右決議する。 以上の附帯決議の趣旨につきましては、すでに質疑の過程で十分論議されており、委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○金子委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議に対し、別に御発言もありませんので、直ちに採決いたします。 柴田健治君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金子委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議について、政府の所信を求めます。鈴木農林大臣。
○鈴木国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいる所存でございます。(拍手) —————————————
○金子委員長 なお、本案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○金子委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後八時八分散会