内閣委員会 第18号
- 発言数
- 246 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1977/05/24
会議録
○正示委員長 これより会議を開きます。 新井彬之君外一名提出の中小企業省設置法案を議題といたします。 趣旨の説明を求めます。新井彬之君。 ————————————— 中小企業省設置法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○新井議員 ただいま議題となりました中小企業省設置法案について、その提案理由の説明を申し上げます。 わが国の中小企業は企業の数で見ると、全体の九九%以上を占めるとともに、生産、販売額においても約半分に及んでおり、わが国の産業経済を支える大きな力となっています。また、それに携わる関係者の数は経営者及び従業員を含めて、三千万人に達し、わが国の労働人口の過半数に及んでいます。 しかるに、こうした中小企業を担当する行政官庁としては、通商産業省の外局として、中小企業庁が置かれているのみであり、また中小企業政策のために投じられている予算は国家予算全体の一%に満たない実情であります。 今後、わが国の中小企業は、国際経済の変動、インフレの進行、景気後退あるいは公害問題など、内外をめぐる環境は一段と厳しさを増し、より一層の施策の拡充が望まれるのであります。 自来中小企業の関係者の間では中小企業庁を中小企業省に昇格させ、専任の大臣を置くことにより、中小企業施策の総合的な強化を図るべきであるという声が強く出されていたところであります。 これに対し、政府は昭和四十九年度に、中小企業庁の中に小規模企業部を新設するなど若干の機構の拡充を行いましたが、これだけでは決して十分とは言えません。 中小企業の利益を守るためには現行の通商産業省とは別に独自の中小企業のための行政機構を設ける必要があります。 そこで、公明党はこのような観点から、中小企業行政の総合的強化を図るため、中小企業省設置法案を提案することといたしました。 本法案の主な内容について御説明申し上げます。 まず、現在の中小企業庁を廃止して、中小企業省を設置し、中小企業省の長は中小企業大臣とすることとし、中小企業省は、中小企業の振興及びその従事者の経済的、社会的地位の向上を図るため、中小企業の育成及び発展に関する行政を総合的に推進することを主な任務としております。 次に、その権限及び所掌事務としては、中小企業振興のための基本政策等の決定及び推進、中小企業関係法令の施行、中小企業に有益な技術及び経営方法等の奨励及び指導、特産品の品質の維持及び改善、需要の開拓等のための指導及び助成、製品の輸出の奨励及び指導、海外市場の調査及び開拓、金融あっせん、中小企業の事業分野の保護並びに中小企業関係団体の監督等を挙げております。 これらの事務を処理するため、内部部局として、大臣官房のほか、企画局、指導局、金融局及び小規模企業局を設置することとしております。 まず、企画局においては、中小企業振興の基本政策の策定及び推進、協同組合等に関する施策、中小企業の組織化対策、中小企業退職金共済事業の実施、中小企業の従事者の福祉増進対策、中小企業の近代化の促進、下請中小企業の振興、貿易構造等の変化に伴う中小企業の事業転換対策などの調整事務等を行うこととしております。 指導局においては、中小企業の経営診断指導、技術等の奨励指導、特産品の品質の維持改善、需要の開拓等のための指導助成、中小企業の製品の輸出振興、海外市場の調査及び開拓等に関する事務を行うこととし、金融局においては、中小企業に対する資金のあっせん、中小企業の信用の補完業務、政府系中小企業金融機関の監督等を行うこととしております。 小規模企業局においては、小規模企業についての経営相談を初めとする現行の各種の小規模企業施策のほか、公明党の別途提案による小規模事業者生業安定資金融通特別措置法により、一定の小規模事業者に対し、無利子、無担保、無保証で利用できる画期的な融資制度を新設し、その関係事務を担当するようにしております。 さらに、各地域の実情に即した、きめの細かい施策の実施及び国と都道府県等の中小企業施策の連絡調整のため、地方支分部局として全国に八つの中小企業局を配備することとし、このほか、中小企業省の付属機関として、中小企業安定審議会、中央中小企業調停審議会、中小企業近代化審議会及び中央中小企業分野調整審査会を置くこととしております。 以上が本法案の主な内容であります。 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
○正示委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ————◇—————
○正示委員長 次に、国家公務員法及び地方公務員法の一部を改正する法律案及び職員団体等に対する法人格の付与に関する法律案の両案を議題といたします。 順次趣旨の説明を求めます。村田総理府総務副長官。 ————————————— 国家公務員法及び地方公務員法の一部を改正する法律案 職員団体等に対する法人格の付与に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○村田(敬)政府委員 ただいま議題となりました国家公務員法及び地方公務員法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 国家公務員及び地方公務員等の労働関係の基本につきましては、政府としてかねて慎重に配慮してきたところでありますが、昭和四十八年九月に内閣総理大臣の諮問機関である公務員制度審議会から答申をいただきました。自来、政府としては、この答申の趣旨を実現すべく、検討を進めてきたのでありますが、制度改善を要する事項のうち成案を得たものにつき、このたび国家公務員法及び地方公務員法の一部を改正する法律案を提案した次第であります。 次に、この法律案の内容につきその概要を御説明申し上げます。 まず第一に、従来、国家公務員法及び地方公務員法におきまして一般の職員と同一の職員団体を組織することのできない管理職員等の範囲についての規定がきわめて簡潔でありますが、これを労働組合法第二条の規定に準じて整備することといたしております。 第二に、従来、職員団体の登録の取り消しは、直ちにその効力が発生することとなっているのを改め、裁判所へ出訴できる期間内及び訴訟係属中は、効力を生じないものとすることといたしております。 なお、この法律案は、公布の日から施行することといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。 次に、ただいま議題となりました職員団体等に対する法人格の付与に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 国家公務員及び地方公務員等の労働関係の基本につきましては、政府としてかねて慎重に配慮してきたところでありますが、昭和四十八年九月に内閣総理大臣の諮問機関である公務員制度審議会から答申をいただきました。自来、政府としては、この答申の趣旨を実現すべく、検討を進めてきたのでありますが、制度改善を要する事項のうち、成案を得たものにつきこのたび職員団体等に対する法人格の付与に関する法律案を提出した次第であります。 すなわち、この法律案は、公務員制度審議会の答申におきまして、職員団体の「法人格は、登録制度とは切り離して、付与するもの」とされておりますのを受け、現行国家公務員法または地方公務員法においては、登録を受けた職員団体のみに法人格付与の道が開かれておりますが、これ以外の職員団体等に対しても法人格を付与する制度を創設しようとするものであります。 次に、この法律案の内容につき、その概要を御説明申し上げます。 まず第一に、この法律案は、国家公務員、地方公務員を中心とする職員団体等に対し、これらの団体が財産を所有し、維持運用する等その目的達成のための業務運営に資するために法人格を付与することを目的といたしております。 第二に、この法律案で法人格を付与することのできる職員団体等は、現行国家公務員法または地方公務員法では、法人格が付与されない国家公務員または地方公務員が主体となって組織する非登録職員団体あるいは国家公務員職員団体と地方公務員職員団体との連合団体、さらにこれらの団体に労働組合等が一部混合している団体といたしております。 第三に、法人格の取得の手続については、職員団体等がその規約につき認証機関の認証を受け、その主たる事務所の所在地において登記することにより法人となることができることといたしております。 第四に、認証の手続及び要件等についてであります。 認証を受けようとする職員団体等は、申請書及び規約を認証機関に提出しなければならないこととし、認証機関は、認証の拒否事由がある場合を除き、規約が所定の要件に該当するときは、当該規約を認証しなければならないことといたしております。 認証の要件については、規約に名称、目的、業務等所定の事項が記載されていること、規約に規約の変更等の重要事項が民主的な手続によって決定される旨の規定が定められていること、規約に所定の会計報告の規定が定められていることを要するものといたしますほか、認証機関は、規約に法令の規定に違反する事項が記載されているとき、または当該職員団体等が認証を取り消され、その取り消しの効力が生じた日から三年を経過しないものであるときは、認証を拒否しなければならないことといたしております。 なお、認証機関は、右の認証に関し、当該職員団体等が職員団体等でなくなったときその他認証の要件に適合しなくなったときには当該認証を取り消すことができることといたしております。 第五に、認証機関は、職員団体等の区分に応じ、人事院、最高裁判所、人事委員会または公平委員会といたしております。 その他、民法及び非訟事件手続法の準用等所要の規定を設けております。 なお、この法律案は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。
○正示委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○正示委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。山花貞夫君。
○山花委員 ただいま御提案がありました国家公務員法及び地方公務員法の一部を改正する法律案、職員団体等に対する法人格の付与に関する法律案、両案について質問をいたします。 いまの御説明によりますと、両法案については四十八年九月のいわゆる公制審、公務員制度審議会の答申に基づいて、その趣旨を尊重して成案となったものである、こういうお話だったわけでありますけれども、われわれこの内容を検討いたしますと、まず前者につきましては、管理職の範囲の問題についてその範囲が不当に拡大されるおそれがあるのではないか、また改正法案によれば、国家公務員の場合には人事院が、地方公務員の場合には人事委員会、公平委員会の一方的な規則の制定によって決定されるというシステムになっているわけでありますけれども、本来、ILO条約の趣旨、精神などに照らして考えましても、こうした団結内部の問題については自主的に団結体が決定すべきものではないか、こういう問題点を指摘しないわけにはいかないのであります。 第二番目の問題として、法人格付与の問題につきましても、この条件となっているところについて労働組合活動の規制につながる事項があるのではないか、こういう疑問を感じないわけにはいかないわけであります。そうした観点から、各論についての質問に入る前提ということにもなるわけでありますけれども、ILO条約などの解釈とか、今回の提案に盛られているような内容についての関連する部分について、以下お伺いしたいと思います。 まず冒頭、念のためにお伺いしておきたいと思うのですけれども、今日までILOで採択された条約について、それが幾つぐらいになっているのか、わが国の批准の実態はどうなっているのかということについてお伺いしたいと思います。
○石田説明員 お答えを申し上げます。 ILOが採択した条約の数は、ことしの一月現在におきまして百四十七でございます。 わが国がこれまでに条約を批准した件数は三十四件でございますが、今度の国会におきまして、がん原性物質及びがん原性因子による職業性障害の防止及び管理に関する条約というのがございますけれども、これの批准をいまお願いして国会にお出ししているところでございます。
○山花委員 いま、わが国の批准の数についてお伺いしましたけれども、関連いたしまして、加盟国の中で条約を一番批准しているのはどこか、その数はどのくらいかということをお伺いしたいと思います。
○石田説明員 批准の件数が一番多いのはフランスでございまして、九十七であると承知いたしております。
○山花委員 フランスの九十七に比べますと、わが国の批准数三十四というのは大変少ない気がいたします。 関連してお伺いいたしたいと思うのですけれども、最近もよく世界の経済に関して機関車と言われて、アメリカの場合、西ドイツの場合、名前が挙がるわけでありますけれども、アメリカ、西ドイツの場合の現状どうなっているのかということについてお伺いしておきたいと思いますし、もう一つは、加盟国についての各国の平均批准の状況についてもお伺いしておきたいと思います。
○石田説明員 お答えいたします。 西ドイツにつきましては、批准条約数は六十件でございます。同じく、ことしの一月一日現在でございます。それからアメリカ合衆国につきましては七件でございます。それから、ILO加盟国の平均批准条約数といいますのは、三十二件というふうに相なっております。
○山花委員 次に、きょうは時間も一時間程度ということでもありますので、問題点を三つほどにしぼってお伺いしたいと思います。 まず一番初めに、公務員労働者の団体交渉権関係中心にということになるわけでありますけれども、ILO条約の第九十八号条約について伺いたいと思います。 第九十八号条約は「団結権及び団体交渉権についての原則の適用に関する条約」でありますけれども、この条約については、従来政府の考え方はすべての公務員労働者については適用がないのだ、こういう考え方ではなかったかと思いますけれども、この点いかがでしょうか。
○石田説明員 お答えをいたします。 九十八号条約につきましては、非現業の公務員については適用がないという解釈で従来ずっと参っているわけでございまして、すべての公務員が外れるというふうには必ずしも考えておりません。したがいまして、五現業の職員の方々につきましては九十八号条約がかぶるのであるというふうに考えております。
○山花委員 いまのような解釈をされている根拠をどこに求められているのかということについてお伺いしたいと思います。
○石田説明員 これはILO条約の、先生御指摘の九十八号条約の第六条でございますけれども、その六条におきまして、この条約は、公務員の地位を取り扱うものではないというふうな規定がございます。 それで、いろいろ審議経過がございまして、この公務員と申しますのは、勤務条件が法令によって保障される職員のことを言うのだということで、この条約採択当時に議論になった経緯がございます。これは事務局でそういうふうに論評しておるわけでございますけれども、そういう審議経過を踏まえますと、わが国では法令による勤務条件の保障をされておりますのは非現業の国家公務員、地方公務員でございますし、現業につきましては必ずしも法令保障ということではない、条件そのものが労働協約によって決まるという部分があり得るということがございますので、そういう解釈をとっておる次第でございます。
○山花委員 次の質問に進む前に、関連してちょっと確かめておきたいと思うのです。 非現業の国家公務員の関係について、たとえば団体交渉権の取り扱いが今日の国内法上どういう実情になっているかということについてお伺いしておきたいと思います。
○秋富政府委員 国家公務員法におきましては団体交渉権を含まない交渉、こういうふうになっております。
○山花委員 国家公務員については、国家公務員法百八条の五に組合の側から「適法な交渉の申入れがあった場合においては、その申入れに応ずべき地位に立つものとする。」また「職員団体と当局との交渉は、団体協約を締結する権利を含まないものとする。」こうなっておりますし、また地公法の五十五条も、一、三項におきましての労働協約、団体協約の締結ではなくて、書面協定を結ぶことができる、こういうことになっておりますけれども、いまおっしゃった趣旨は以上のとおりである、こう理解してよろしいですか。
○秋富政府委員 そのとおりでございます。
○山花委員 話をもとに戻しまして、ILO条約の九十八号条約の第六条の関係についてお伺いしたいと思います。 先ほど六条についていろいろな経過があったという趣旨のお答えも含まれておりました。われわれもまさにここに大変大きな問題があると考えています。われわれはこの六条におきまして公務員労働者を適用除外とした政府の解釈は間違っているのではないか、間違っているというよりも、誤訳というよりも、むしろ故意に解釈を曲げたのではないかと理解しています。 この問題について、たとえば前のILOの東京支局長である飼手真吾さんは、こんなお粗末な翻訳に基づいで重要な政策を決定したのは全く恐ろしいことである、こういう指摘をいたしながら、この翻訳について、それが労働省、外務省、法制局の網の目を通り、国会の両院をも通ってしまったのであるから驚くほかはない、こういうように指摘されているわけであります。あるいは同じ観点についてでありますけれども、たしか有泉亨先生も、明らかな誤訳である、こういう指摘をしているわけでありますけれども、この問題に関連して、すでに一九七三年の条約勧告適用専門家委員会におきまして見解か出されまして、第五十八回総会、結社の自由と団体交渉、この問題についての報告の百三十八項で触れているところではないかと思いますけれども、まず先に、質問は続けますので、いま指摘いたしました報告書の中あるいは条約勧告適用専門家委員会の見解の中で、この問題について取り上げているかどうかということだけについてお答えをいただきたいと思います。
○石田説明員 お答えをいたします。 この九十八号条約の適用除外の関係につきまして、先生御指摘の一九七三年の条約勧告適用専門家委員会におきまして、総合調査報告書というのが出ておりまして、その百三十八項に、九十八号条約六条によりまして適用除外されるべき公務員の範囲について議論をした部分がある、そのことは事実でございます。
○山花委員 質問の前提として確かめておきたいと思うのですけれども、たとえばこの六条の解釈ですが、九十八号条約について六条を翻訳する仕事というのは、どこのどなたということになるのでしょうか。 あるいは、もう一つお伺いしておきたいと思いますけれども、いまもお話にありましたILO総会の報告書の翻訳、これなどは一体どの官省が所轄され、どなたが訳すのかということについて確かめておきたいと思います。
○石田説明員 条約、勧告につきましては、一応仮の訳ということで、労働省と外務省とで相談をするという段階が一つございます。それから批准ということで国会にお出しする場合におきましては、労働省、外務省、それから法制局におきまして慎重に審査をするわけでございます。そのほかに、関係の各省が必要に応じまして参画する場合もございます。 それからいろいろなILOの報告書の翻訳でございますけれども、これはその会議に主として出た者ということになるわけでございますけれども、大体は労働省が翻訳をするというのが通常でございます。ただし、これはいろいろ英語の非常にデリケートな言い回しがございまして、なかなかうまく日本語にならないというふうなこともございますので、大体の場合仮訳、一応の訳ということで考えておるのが現状でございます。
○山花委員 いま報告あるいは条約について、前者は労働省、外務省、批准を要するものなどについては法制局も含めてと、こういうようにお話がありましたけれども、従来から、こういう聞き方は適切でないかもしれませんけれども、政治的に解釈をするということが一体あるのでしょうか。私は、原文について、こっちの場合にはこう解釈し、こっちの場合にはこう解釈しというような事例がこのILO関係の文章には出ておるというように思うので、政治的に翻訳をするということが一体あるのかどうかということについてお伺いしておきたいと思います。
○石田説明員 私どもといたしますと、英語の翻訳ということは非常にむずかしいことでございまして、なかなか思うようにうまい日本語にならないということはございますけれども、政治的に曲げて翻訳をするというようなことは考えておりません。
○山花委員 ILO九十八号条約第六条にあります「公務員」の原文はどうなっていますでしょうか。
○石田説明員 その「公務員」という部分に当たりますところは「パブリックサーバンツ エンゲージド イン ザ アドミニストレーションオブ ザ ステート」こういうふうになっておったと記憶いたします。
○山花委員 いまの英語の全文を一言で「公務員」と訳したものがILO九十八号条約の第六条の翻訳である、こう伺ってよろしいですね。
○石田説明員 御指摘のとおりでございます。
○山花委員 私は、資料として、第五十八回総会報告の百三十八項というものを英語の原文と日本文で両方いただきました。英文の方によりますと、いまの「パブリックサーバンツ エンゲージドイン ザ アドミニストレーション オブ ザステート」こういう言葉を、一カ所は「パブリックオフィシャルズ」という言葉を使っておりますけれども、三ヵ所使っております。全く同じ英語の原文でありますけれども、条約じゃなくて報告書の方はどのように翻訳をしているでしょうか。三カ所全く同じ文章がありますけれども、三カ所同じ文章のある原文を、条約じゃなくて報告の方はどのように翻訳をしているでしょうか。
○石田説明員 お答えいたします。 その辺は、報告書におきましては「国の行政に従事する公務員」というふうに翻訳をしております。
○山花委員 先ほど翻訳は政治的にねじ曲げることはないとおっしゃいましたけれども、一方の条約は単に「公務員」と翻訳されています。一方の報告書関係については「国の行政に従事する公務員」こういうように翻訳しているわけであります。このILO条約九十八号の第六条の「公務員」という翻訳によりまして現在の日本の非現業公務員労働者が団体交渉権をいわば否定されているという現状に連なっているということを考えてみるならば、この条約六条の解釈の仕方というのは大変大きな問題があると言わなければならないとわれわれは指摘してきているところであります。先ほど挙げました学者や専門家の問題の提起にもあるわけですけれども、とにかく原文は、ステートのアドミニストレーションに従事する——「エンゲージド・イン」という言葉が使われているわけであります。なぜこの文章がILO九十八号条約の六条では削られてしまったのか、この事情についてお伺いしたいと思います。 もう一つ。いま両方の翻訳が違っているということについてはお認めになるのでしょうかということをひとつ確認いたしまして、違っているとするならば、一方においては間違いなく「国の行政に従事する公務員」こういう翻訳をしておきながら、六条の方は「公務員」とだけしか言っていない、その事情はなぜなのかということを伺いたいと思います。
○石田説明員 私どもの報告書の翻訳と条約の翻訳との間にずれがあるということは御指摘のとおりでございます。ただ、報告書に関しましては、厳密な法律的な意味合いを持つものでございませんので、逐語的に翻訳をいたしたということでございまして、特に政治的意味を持ってこちらの方の翻訳を曲げたということではございません。 一方、もう一つのお尋ねの九十八号六条につきまして「公務員」と訳したのは誤訳ではないかというような御指摘でございますけれども、先ほど申し上げましたように、この条約がILO総会で採択になりました際に審議経過がございまして、ここで言う「公務員」というのは勤務条件が法令によって保障される人たちのことである、こういう議論があったということでございます。そういうことで、それを正確に日本語に直すとしますとどういう表現がいいかということで当時関係者がいろいろ協議をした結果この言葉が一番よろしいということになったというふうに私ども理解しております。したがって、逐語的ではございませんけれども、誤訳であるとかあるいは政治的にねじ曲げようというものではなかったというふうに理解をしておる次第でございます。
○山花委員 いま「公務員」と訳した理由についてお触れになりましたけれども、むしろその後のILOにおける議論の経過なども踏まえて考えてみた場合には、「公務員」と訳した理由は、もし原文に正確に翻訳をいたしますと、先ほど逐語的とおっしゃいましたけれども、日本の非現業の公務員についても労働協約締結権を含む団体交渉権を諸外国のように認めなければならない、こういう国内法の問題が出てくるから、逐語的な訳を政治的に避けて単なる「公務員」という言葉を使ったのではないでしょうか。 この問題については、先ほどちょっと触れ落としましたけれども、有泉亨教授も「ILO九十八号条約の原本を日本語に訳すときに、第六条の特殊な公務員、フランス語のフォンクショネール、英語だと行政事務を取扱う公務員ということになっているのを、誰がごまかしたのか、ただ「公務員」と翻訳して国会を通してしまった。その結果すべての公務員が同条約の適用外におかれることになった」こういう指摘をしているわけでありますけれども、その後のILOにおける委員会等の議論によって、まさにこの疑問が疑問として正しいのだということが指摘されているのではないでしょうか。その後のILOの議論の経過についてそれを踏まえてお伺いしたいと思います。
○石田説明員 ただいまの点、大変むずかしい問題でございまして、私ども必ずしも十分に、世界各国におきましてこの九十八号条約の六条の問題が問題になってきた経過というものを詳しく承知しておるわけではございませんけれども、やはりこの条約ができました後いろいろな国で議論がございまして、たしかブラジルであったと記憶いたしますけれども、一種の公営企業的なものがございまして、それが九十八号条約の適用を受けるか受けないかという問題がございました。そのときにはそのブラジルのコーヒー園などは適用になるというふうなことが言われたことがあるというふうに記憶いたしております。 最近におきまして、先ほど先生御指摘の条勧専門家委員会の総合調査報告書というのが出ておるわけでございますけれども、これにつきましても、具体的に中身を読み上げますと「本委員会によれば、」この九十八号条約六条の公務員とそうでない人たちとの「区別をするとすればそれは、基本的には、政府の各省又は類似の機関に各種の資格で雇用されている公務員、すなわち職務上直接国の行政に従事している公務員及びこれらの活動における補助的要素として活動する下級職員と政府、公営企業又は自主的な公共機関によって雇用されるその他の者との間にあるように思われる。」というふうなことで、最終的に断定をしておるわけではございませんけれども、国家的な行政に従事しておる者と、そうでなくて政府なり公営企業なりに雇われているそういった別の人たちとの間で区別をするのだ、こういう思想は出てまいっておると思います。そのことにつきましては、私どもただいまのところ、現在の日本国内法制と九十八号条約とのずれの問題は起きないというふうに考えておる次第でございます。
○山花委員 ただいま総会報告の百三十八項の一番最後の部分について指摘されましたけれども、私はいまの指摘の部分そのものをごく素直に正確に理解すれば、今日の国内法体制というものはILO条約に違反しているという結論が出ると思います。しかも百三十八項の前段の部分につきましては、このパブリックサーバンツ、それに修飾がついた部分との解釈の問題についても触れて見解が出されていることではないでしょうか。先ほど各国における細かい議論の経過については承知されておらないという前提をつけながらのお答えでありましたけれども、この一九七三年の条約勧告適用委員会の見解とそれから五十八回総会の百三十八項この報告については、政府も文書を受領してこの内容については正確にとらえておるはずでありますので確認したいと思います。 百三十八項におきましては、おっしゃったとおり公務員の概念は各種の国内法体制のもとである程度差はあるだろうけれども、しかしこういうようにこの条約の適用については解釈すべきである、こう述べているところがあるわけです。その点はどうなっておるのでしょうか。
○石田説明員 ただいま御指摘になったような点に触れておる部分は、先ほど引用しました前のところにございます。
○山花委員 前のところにあるという部分について見てみますと、とにかく公務員の制度というのは国際的にはいろいろ差があるのだ、しかし本委員会の見解はということで見解を明らかにしているわけでありますけれども「国又は公共部内で雇用されているが公の機関の代理者として行動しない者」、われわれはいわゆる高級公務員というように考えているわけでありますけれども、行動しない者でありますから、高級公務員でないものを「本条約の適用範囲から除外することは、本条約の意味に反するものであるという見解を表明している。」これが委員会における従来からの見解であるということを確認しているわけでありますけれども、この点は間違いありませんでしょうか。
○石田説明員 その点は間違いございません。
○山花委員 さて委員会の見解でありますけれども、私が先ほど来誤訳ではないか、しかも国内労働法体制を配慮しての意図的な誤訳ではないかという趣旨の質問をいたしましたけれども、この点に対しての結論につきましてもこの委員会でははっきりと打ち出していると思います。いま私が指摘いたしました文章のその次のところでありますけれども「本委員会は、このことは、国の行政に従事する公務員のみの除外を認めている本条約第六条の英文のテキストでは一層明らかにされていると考えた。」こういう部分がございます。そうしてこの英文のテキスト、原文によれば、先ほど来問題となっておりますパブリックサーバンツ、単なる公務員ということだけではなく、引き続きましてエンゲージド イン ザ アドミニストレーション オブ ザ ステート、こういう言葉がくっついている。これが英文の原文である、この原文で問題点を明白にすべきである、英文の原文が正確である、こういう指摘があると思いますけれども、この点はいかがでしょうか。 そしてそうだとするならば、先ほど条約と報告書については翻訳の体制がいささか異なる、国会で批准を要するものについては法制局の見解もというお話がありましたけれども、報告書などについて翻訳している、国の行政に従事する公務員、こういうように訳すべきではないかと思いますけれども、以上二点いかがでしょうか。
○石田説明員 お答えいたします。 条約ということになりますとその文言が国内法との関係で非常に精密な議論を要するわけでございまして、実はその辺の表現の仕方というのは当時関係者皆さんが苦労されたことであるというふうに私ども考えるわけでございます。確かに御指摘のとおり報告書につきましてはいろいろむずかしい議論をしておる文章でございますし、あるいは条約の条文とは違いますので逐語的に翻訳をいたしましたけれども、法律的な用語といたしましてどちらが正しいかと申しますか、どちらがより適当であるかということになりますと、それは非常に問題があるというふうに感ずるわけでございます。 たびたび繰り返しになって恐縮でございますけれども、この翻訳は、当時の審議経過を踏まえましてこれが一番日本の実情に合うということで採用された言葉でございますし、先ほど来先生から御指摘のございます条勧の専門家委員会の報告書の関係から見ましても、国の行政に従事する公務員のみの除外を認めておるということでございますけれども、私どももその趣旨にのっとって五現業は、郵政でございますとか林野でございますとか、そういった公務員につきましては九十八号条約の適用下にあるという理解をいたしておるということを申し上げたわけでございます。
○山花委員 審議経過に照らして六条の翻訳については「公務員」が法律的に正確である、こういうお話でありましたけれども、いま私が指摘いたしました審議経過、しかもその後専門家委員会におきまして幾度か確認されている経過からすれば、報告書の方の解釈の方がまさに法律的に正しいということにならざるを得ないのじゃないでしょうか。いま問題を解くかぎとして、お答えの中に問わず語りに出ておりましたけれども、翻訳に当たって国内法体制を勘案した、こういう趣旨の御発言がございました。大事なところだから確認しておきたいと思いますけれども、そういうことなんでしょうか。
○石田説明員 九十八号条約が批准できるかできないかということの議論に際しまして、やはり国内法との絡みは見るということでございます。ただいま申し上げましたのはそういう趣旨で申し上げましたので、そのために意図的に訳を改変しようとか政治的に曲げようということではなかったと私は確信をしておる次第でございます。
○山花委員 いまのお答えは、要するに国内法的には労働三権の保障ということについて、非現業国家公務員については一般労働者とは特別の制限を付している、いわゆるストライキ全面否認体制を含めての労働三権についての制約がある、この国内法体制ということを前提として翻訳をした、そういう国内事情があるということを前提として翻訳をせざるを得なかったので「公務員」と訳さざるを得なかった、こういうことになるのじゃないでしょうか。
○石田説明員 たびたびの繰り返しになって恐縮でございますけれども、この翻訳につきましては、あくまでも当時の審議経過を踏まえましてどう翻訳するのが一番適当か、つまり勤務条件が法令保障を受けている人たちにつきましてはこの条約から外されるという条約上考えられておった実態を正確にあらわす言葉として日本語は何が一番よろしいか、こういう議論であったというふうに確信をいたしております。そういうことを議論しました上で、それではしからばいまの国内法体制を変えずに批准できるかできないかという議論はその次の議論としてあると思いますけれども、それは翻訳の問題とは直接かかわり合いがない、こういうことであったというふうに私は考えております。
○山花委員 文字どおり正確に翻訳をいたしますと批准できない、公務員という翻訳をすれば批准できる、こう判断して「公務員」と翻訳をしたのだという趣旨にもとれる、こういうお答えではないかと思うわけですけれども、実は先ほど私が指摘いたしましたとおり、こうした誤訳問題についてこんなお粗末な翻訳に基づいて重要な政策が決められたのは全く恐ろしい、こういうような指摘もあるわけですし、有泉先生も、先ほど指摘いたしましたとおりこの翻訳がおかしいということを論文で指摘されているわけですけれども、日本の国内の労働法学者——労働組合関係とか政治的な立場ということを抜きにいたしまして、客観、公正な中立的な立場にある労働法学者の中で、いまあなたがお答えになっているとおり政府の翻訳でよろしいのだ、こういうことを指摘した人が一体あるでしょうか。この点をお伺いしたいと思います。
○石田説明員 お答えいたします。 ただいまの点につきましては、私どもそういう目でいろいろと調査したことが現在のところございませんので何とも申し上げかねますが、私どもいままでに承知した分はございません。
○山花委員 だから、ないんですよ。政府のような解釈を支持する学者なんというのはいません。私の知る範囲ではおりません。むしろ、それが明らかに訳がおかしい。その結果今日のILO条約に違反するような国内法体制というものが依然として存続しているではないか、これが学者の見解ではないかと思います。 そこで、一つお伺いしておきたいと思うのですけれども、この問題について、私は単に九十八号条約批准に当たっての翻訳の問題だけではなく、条約勧告適用専門家委員会の見解であるとかあるいは五十八回総会の報告書であるとか、その後の経過を踏まえてお伺いしたつもりでございますけれども、いま指摘いたしました総会の報告についての国の尊重義務、これをどういうようにお考えになっているのでしょうか。一つには総会の役割り、専門家委員会の役割りということについて、前提としてどうお考えになっているかということを含めてお答えいただきたいと思います。
○石田説明員 お答えいたします。 ILOのつくりました文書が加盟各国に対しまして法律的な拘束力を持ちますのは、各加盟国が批准をした条約に限られるわけでございます。それで、ほかの文書につきましては、筋道といたしましてその文書の趣旨とするところはある程度尊重していくという姿勢が必要であるというふうに思いますけれども、これは全部が全部拘束力があるというものではないというふうに理解をいたしております。 それから、条勧専門家委員会の報告書と申しますのは、これは先生よく御案内のことと存じますけれども、常設の法律的な専門家の委員会でございまして、そこの委員会のリポートが総会で条約勧告適用委員会という別な委員会の場で審議される、それを踏まえて総会で決議がなされる、条約勧告適用委員会の結論を総会でもう一遍審議するというふうなことに相なるわけでございます。 そこで、こういう報告書と申しますのは非常に貴重な材料ではございますけれども、加盟各国に対して特別、直ちに法律的な強制力を持つような性質のものではないということを申し上げておきたいと存じます。
○山花委員 尊重はするけれども拘束されるものではない、こういうお答えのように伺いました。 しかしながら、いま専門家委員会で議論されたこと、報告書にまとめられたことがどのように総会に上げられるのか、そこで決められるのかという経過についても御説明がありましたけれども、われわれは、この条約勧告適用専門家委員会あるいは条約勧告適用総会委員会などにつきましては、これはILOの中心的な常設機関として、いわば条約適用の監視の機構である、条約を批准したりしているのだけれども、その国が守っているかどうか、こういう問題について監視をしていく、こういうような機構であると理解しているわけですけれども、その点はいかがでしょうか。
○石田説明員 この委員会は、趣旨といたしましては、大体先生のおっしゃったとおり各国の条約の適用状況につきましていろいろ審査をするという機能を持っておるわけでございます。したがいまして、条約勧告適用専門家委員会の報告書なり総会での条約勧告適用委員会といったものの活動と申しますのは、広い意味で申しますと一種の監視機関であるということは否定できないと思います。言葉をかえて申し上げますれば、各国が批准いたしました条約の内容につきまして促進をするような働きを持った委員会である、こういうふうに理解をいたしております。
○山花委員 いま御説明のような機能を持っているとするならば、先ほど来指摘いたしました七三年の委員会の報告、それから総会の報告の中で、ILO条約九十八号条約の六条の解釈に関連して、すなわち「公務員」という解釈が通用するのか、あるいはそうではなくて英文に忠実に正確に「国の行政に従事する公務員」こういうように解釈しなければならないのかということについては、たび重なる勧告があるのではないかというようにわれわれは考えますけれども、そうした勧告については、先ほど批准した条約とは違って拘束力はないんだ、こういうお答えがありましたけれども、少なくとも尊重して条約適用の実を上げるように努力する、そういう立場に国としてもあるのではないでしょうか、その点はいかがでしょうか。
○石田説明員 お答えいたします。 ただいまの点につきましては、これは条約勧告適用専門家委員会が総合調査報告ということで、ごく一般的な形で述べておる文書でございます。それで、わが国といたしますと、まだわが国の九十八号条約の適用の関係につきまして条約上問題があるという指摘はILOの場でなされたことがございませんし、私どもとしては、こういう報告書がいろいろございますけれども、この報告書自体の中身と私どもが考えておることと、そうひどい隔たりのあるものではないというふうに理解をしておるわけでございます。
○山花委員 いまのお答えの中では、従来の専門委員会の見解とか総会の報告については、わが国独自のこの問題について議論をしたものではないということを前提としてお答えがあったようです。 そこで、この問題に関連して最後にお伺いしておきたいと思うのですけれども、本年度ILO総会がいつから開かれるのか、そして、その中でわが国の九十八号条約適用の問題として、この六条の「公務員」の解釈に関連するような事項が議論される、あるいはそのことをめぐってILO関係諸機関から見解が発表された場合には、この翻訳問題について議論することがあり得るのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○石田説明員 お答えいたします。 今度のILOの総会は六月の一日から二十二日まで開催されることになっております。この総会の議題はいろいろございますけれども、その中にやはり条約、勧告の適用問題というのがございまして、その中でこの問題は出てくるというふうに私ども判断をいたしております。すなわち、労働組合側からこの問題について意見を出されておられますし、私どもの方も意見を出しておりますので、その関係で議題の中の一つの項目でございますけれども、その審議の際にその問題が出るということは十分あり得るというふうに考えております。
○山花委員 いまのお答えで、本年度議論となるだろうというお話がありましたけれども、議論となって一定の見解がILOの側から発表された場合には、そしてこの六条の翻訳問題をめぐって問題点があるとされたならば、改めてこの問題について検討するかしないのか、最後にその点だけお伺いしておきたいと思います。どんな見解が出ても拘束力がないんだからほおかむりするということなのか、そうではなくて、ILOの見解が日本政府の立場について具体的にテーマとして取り上げられたならば、もう一度再検討する余地があるということなのか、どちらかをお伺いしておきたいと思います。
○石田説明員 大変重要な問題でございまして、私がお答えするのに適当であるかどうかという気がいたしますけれども、私なりの考え方を申し上げますと、今度のILO総会におきましてどういう議論に発展するかということは、いまのところ全然見通しが立たないわけでございます。したがいまして、私といたしましては、ILOの場で何らかの結論が出た場合には、それを十分検討いたしまして、政府としてもう一遍いろいろと検討するということにはなると思いますけれども、とりあえずはそれ以上のことは御勘弁をいただきたいと思います。
○山花委員 まだILOの見解がオープンになっているわけではありませんし、いまのお答え、やむを得ない面もあると思いますけれども、独自日本の国内の条約適用の問題で、この六条の「公務員」の翻訳に絡んで議論が出た場合には、いまのお答えの中でも、そういう具体的な日程に上ってくるならば検討する余地があるのではないかという趣旨にいま理解いたしました。もし間違いがありましたら後で訂正していただいても結構ですけれども、そういうことでよろしいでしょうか。
○石田説明員 ただいま申し上げましたのは、ILOの場でいろいろな結論が出れば、それからどう対応すべきかを検討するということでございまして、ある一定の方向づけをいまから考えるということではないということでございます。 それからもう一点、翻訳の問題につきましては、これは純粋に国内の問題でございまして、翻訳の仕方がいいか悪いかということは国際場裏で議論すべきことではないというふうに私は考えます。以上です。
○山花委員 翻訳の仕方のいい悪いということをILOとの関係で議論をしろと言っているのではありません。国内の法体制の問題として議論をする必要があるのではないか、こういうように申し上げているわけでありますけれども、いまあなたのお答えとしても、具体的にどういう方向で検討するかということまでお伺いすれば、それはお答えに窮するということについてはわかりますけれども、具体的にこの問題についてILOで議論されたならば、いま一度、国内的にもあるいは政府部内においても、あるいは労働省内部においても議論するということになることはこれは当然ではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
○石田説明員 ただいまの御意見を十分体しまして、慎重に私として検討させていただきます。
○山花委員 なお、きょうは時間の制約もありますので、また改めて各省の責任者の方にも議論を詰めた上でお伺いしたいと思います。 次の質問に移りたいと思います。 ごく最近のことでありますけれども、五月の十九日付だったと思います。総評、公労協、公務員共闘から内閣総理大臣あてに、もう一方は総評、公務員共闘、公労協の方から人事院総裁あてに、要求書と申し入れ書が懲戒処分の手続に関連して出されていると思いますけれども、その事実と内容について、まだ恐らく態度は決定されておらない、日時がありませんから、という事情だろうと思いますけれども、日時と、どういう問題であるかということについて御説明いただきたいと思います。
○秋富政府委員 御指摘の問題でございますが、先週五月十九日に総評と公務員共闘の代表の方が、私、人事局長でございますが、私のところにお見えになりまして、要求書をお出しになりました。これは内閣総理大臣あてでございまして、問題は国家公務員、地方公務員、さらに公共企業体職員と広範にわたりましての要求書でございましたが、私の立場といたしましては、国家公務員の非現業の問題につきまして応待いたしましたけれども、この御趣旨は内閣官房を通しまして内閣の方にも、それからさらに関係各省の方にも、私の名をもちまして伝達いたしております。
○山花委員 いま御指摘の文書につきましても、これは人事院の方についても同じ文書が出ているということだと思いますけれども、この内容は「公務における懲戒規定とその手続についての要求書」であります。今日の日本の法体制の中で、公務における懲戒規定と手続について、公務員を代表する関係団体の参加を得た中でつくらなければならないとするILOの方向というものが全く無視されている、こういう問題についての要求書と申し入れ書であるわけであります。文書の中でも引用しておりますけれども、これは昨年の五月十三日、ILOの公務合同委員会が結論を採択したことに関連して、社会労働委員会の中で一度議論となった経過もあるわけであります。公務合同委員会の報告書がその内容におきまして、懲戒手続に関してでありますけれども、概論ということで以下のような指摘をしています。「全般的方向としては、懲戒規則の作成に世界中に通じて職員団体がますます参加するようになっていることが、それらの純粋にプラグマティックな性格を強めることになっている」「世界中を通じて懲戒制度の著しい特徴は、懲戒規程の作成と適用に公務員もしくはその団体の代表が参加するという傾向が増大していることである。これが、懲戒制度とその運用方法に重大な影響を及ぼしている。」あるいは「一般的にいって、ほとんどの国は、懲戒手続きの確立に参加する権利を公務員に今や与えている。」「全般的傾向は、管理機能の一つとしてみなされることが多かった懲戒の分野における行政の裁量権を制限する方向に、懲戒ルールを法規化し、より明確かつ精緻化する方向に、弾圧や課罰の武器としてよりもインセンティブや行政への補助手段として役立つものとなるよう制裁を人間味あるものとする方向に、そして、手続きの合理化に向かっているものと判断できる。」こういうように述べているわけでありますけれども、こうした概論の中で、一般の原則として十三の項目について結論が採択されています。一般原則としてどういう結論が採択されているのかということをお伺いしておきたいと思います。
○秋富政府委員 お答えいたします。 一般原則としましては、「懲戒規定及び手続の作成、制定及び改正は、一九七五年の公務に関する技術会議によって承認された原則に従い、公務員を代表する適当な団体の参加を得て、行われるべきである。」以下六項目ございますが、いまのところが大体の結論でございます。
○山花委員 いまの原則でありますけれども、公務員を代表する関係団体の参加を得て、懲戒規程の手続の準備、制度、改正を行うべきである、こういう一般原則が採択されているわけでありますけれども、国内法的にはこれは非現業公務員ということだけではないかもしれませんけれども、公務員についてこうした手続が公務員を代表する関係団体の参加を得てつくられる、準備されるということにはなっていないのではないかと思いますけれども、その点いかがでしょうか。
○秋富政府委員 ただいまの問題は、そのとおりでございますが、いまの一般原則におきまして「一九七五年の公務に関する技術会議によって承認された原則に従い、」ということでございまして、これは申し上げるまでもないことでございますが、要点を申し上げますと「必要がある場合には、国内事情に適する措置がとられるべきである。」こういうことのもとにおきましての参加でございまして、私の考えでございますと、現在の国内法においての処理というものは適切であると考えております。
○山花委員 いま一九七五年の公務専門総会によって採択された諸原則についてお挙げになりました。そしてその中に、国内諸条件に応じたというところがあるので、今日の国内法の体制は間違っていないのだ、こういう説明でありますけれども、それはいまおっしゃいました公務専門総会によって採択された諸原則のどの部分を指しておっしゃっているのかお伺いしたいと思います。私はそれを詳細に読んだつもりでありますけれども、素直に文章を読んでお答えのような趣旨にとれるところはありませんでした。一体どこなのかということをお教えいただきたいと思います。
○秋富政府委員 技術会議におきまして予備的概要がございますが、その第十一項でございまして、関係部分をもう少し読み上げますと「関係のある公の機関と公務員団体との間における雇用条件の交渉のための手続又はそれらの事項に関する決定において公務員の参加を認めるその他の方法の十分な発達及び利用を奨励し、かつ、促進するため、必要がある場合には、国内事情に適する措置がとられるべきである。」この一番最後のところを申し上げたわけでございます。
○山花委員 私の持っている翻訳の文章と若干その字句の違いはありますけれども、文章の組み立てについては違いがないと思います。いま御指摘の部分につきまして、一番最後のところに、これこれを「促進するために、必要な場合には、国内的諸条件に適切な措置をとるようにすべきである。」こういう文章がございます。しかし、この文章というものは公務員労働者が参加して手続をつくる、そのこと自体について、国内条件があるから修正してもよろしいということにはならない文章だと思います。すなわち、公務員労働者が参加して手続をつくるその過程において、国内諸条件に沿っていろいろ条件がつくことがあるかもしれない、こういう文章だと思うのであります。いかがでしょうか。 徴妙な問題点がありますから、念のためにもう一遍申し上げたいと思いますけれども、いま御指摘の国内的諸条件に応じて若干柔軟性があるのだというのは、これこれの目的のためにということであります。これこれの目的のために国内諸条件に即してある程度柔軟性を持ってよろしいということであります。すなわち、その目的はもう厳然として存在しているわけであります。その目的というところが先ほど御指摘いただきました一般原則である。公務員労働者、その団体が参加して懲戒手続をつくるんだ、そういう目的と、その規程の作成あるいは準備に当たって公務員労働者の、あるいはその代表団体、関係団体の意見が反映されるべきであるという前提がありまして、前提のもとに若干柔軟性がその手続の中であるということだと思うわけですけれども、一般原則の理解としてはそうなるんじゃないでしょうか。
○秋富政府委員 先生の御指摘のとおりでございまして、参加する場合にいろいろな方法がある、それにつきましては「国内事情に適する措置がとられるべきである。」ということで、参加ということが前提でございます。
○山花委員 いまのお話で、参加が前提であるということでありますと、公務員関係、公務員を代表する関係団体の参加を得ての手続の作成、改正、準備ということが現在行われているんでしょうかいないんでしょうか、その点いかがでしょうか。
○村田(敬)政府委員 ただいま山花委員からこのILO第二回公務員合同委員会の結論に対して、懲戒問題に関する組合、職員団体の参加を認めるべきではないかということについていろいろ実際的な文章をお示しになりまして御質問があったわけでございますが、結論的に申しますと、懲戒に関する規程及び手続の作成、制定、改正などについて、公務員を代表する適当な団体の参加を得て行われるべきことが記述されておることは事実でございます。ただ、このいずれの規定にも「一九七五年の公務に関する技術会議によって承認された原則に従い、」との条件が付せられております。これは各国がその実情に応じた適切な方法で職員団体の参加を得ればよいとの趣旨であるというふうに理解をしておるわけでございまして、懲戒問題に関する職員の参加は本来懲戒処分が行政機関の恣意により行われることを防止するとの趣旨から出たものと思われるわけでありまして、わが国の現在の公務員制度においても、勤務条件についての一般職員団体との交渉制度、それから職員団体の代表も関与することのできる人事院による不利益処分に関する審査制度など、懲戒処分の公正を期するための手続は十分保障されているものと考えます。わが国の制度は個々具体的には結論の趣旨に合致しない点がございましても、その趣旨においては結論の内容と大きく異なるところがないというふうに私どもは理解しております。
○山花委員 いまの御説明に私としては大変異議もありますけれども、実は時間の関係もございます。以上で質問を打ち切りまして、また改めてぜひお伺いしたいと思います。あと関係各省の方に実は残りの質問で出てきていただきまして、時間切れになりまして大変申しわけありませんでしたけれども、今後いま一度御協力をお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○正示委員長 午後二時から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午前十一時四十八分休憩 ————◇————— 午後二時一分開議
○正示委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中川秀直君。
○中川(秀)委員 私は、現在審議に付せられておるところの防衛庁設置法及び自衛隊法の一部改正案についてまずお伺いをいたします。 法制局にまずお伺いしたいと思いますが、現在この防衛二法と言われる法律案は、防衛庁の設置法と自衛隊法の一部改正を一諸にした改正案という形で国会に提出されているわけでございます。しかし、内容を読みますと、自衛官の定数を千八百七人増加をすることと、輸送航空団の編成がえ並びに航空自衛隊の第三航空団司令部の所在地を三沢に移すということは、どう考えても関係のないことでございます。それは、一部の定員について若干の関係はある、全く無関係ということはないかもしれませんが、基本的には関係がない。こういった関係のない法律を一緒の一部改正案として出すことについて、私は大変望ましいことではない、これは行政府が立法府の審議権というものに、こういう一本の法律にして出してくるという法案提出の形によって容喙をしてくることになるのではないか、こういう感じがいたします。それは、国会というものに内閣がなるべく法案をしぼって出しなさいという近年の通弊の中で、大変こうした形の法案提出が多くなっているのでございますけれども、これは、私は本当に困ったことだと思っております。 まず、法制局にお伺いをいたしますが、憲法第五十九条に言う法律案というのはどういう御解釈なのか。たとえば極言をいたしまして、各省庁のそれぞれ個々には関係のない法律の改正案を、たとえば何とか省設置法あるいは何とか法、何とか法とずらずらと並べて、これらを一部改正する法律案というかっこうで出しても、この憲法でいう法律案に当たるのかどうか。この五十九条で言う法律案の解釈をひとつ法制局の見解としてお伺いをしておきたいと思います。
○角田政府委員 御質問の趣旨にそのまま当てはまる御答弁を申し上げることになるかどうか、ちょっと自信がございませんけれども、憲法五十九条で法律案と申しますのは、これは内閣なりあるいは国会の議員がそれぞれ国会において審議、議決されるということを予定して提出する法律案をいうわけでございます。 ただいま二つ以上の法律案を一つの法律案にまとめるということについての問題点の御指摘がありましたが、それは一つの問題としてあると思いますが、五十九条の法律案とは別に関係のない問題じゃないかと思います。
○中川(秀)委員 問題があるというのは、どういう御認識で問題があるのか、ひとつ御意見を……。
○角田政府委員 二つ以上の法律案を一つの法律案としてまとめて国会に提出をするということは、過去においてもしばしば例のあるところでありまして、政府提出の法律案についても、また議員提出の法律案についても、その例は枚挙にいとまがないと思います。したがいまして、一般論として、そういう立案形式と申しますか、そういうものが技術的な立案形式として許されているということにつきましては、これはお認めいただけると思います。しかるに、それにもかかわらず、いろいろな場合に一つの法律案にまとめることが国会において問題にされたことがあるのも事実でございます。結局それは具体的な場合に応じて、それが合理的であるかどうかということが問題になるのだろうと思います。私ども法制局といたしまして各省の立案いたしたものを審査する場合に、そういうことが立案の段階におきまして一つの審査の対象になるわけでございますが、私どもとしてそれがどういう場合に許されるかということにつきまして、一応の基準というものを立てておりますので、それを申し上げて御理解を願いたいと思います。 第一には、法案に盛られた政策が統一的なものであること、その結果として法案の趣旨、目的が一つであると認められる場合であります。 第二は、内容的に法案の条項が相互に関連していて一つの体系を形づくっていると認められる場合であります。 それから第三は、これは実際上の理由でありますが、やはり関連を持って国会の委員会でできるだけ円滑に審議していただくという見地から、原則としては一つの委員会の所管に属する範囲内のものでまとめる。むろんこれは例外はございますけれども、できるだけそういう原則をとる。 以上申し上げましたようなことが三つの理由であると思います。 その点につきまして、国会のお考えとわれわれの方の考えが具体的なケースに応じて多少考え方の違いがある、そこで過去において問題になったのだろうと思います。いま私が問題があると申し上げたのはそういう意味でございます。
○中川(秀)委員 いま一度お尋ねをいたしますが、たとえば二つ以上の法律案をまとめて一本の法律案で出してきた場合に、それぞれ各会派ごとに立場もありますし、あるいはいろいろな審議経過を通じて、前者は賛成、後者は反対、あるいは三つ四つ一緒の場合もございます。それぞれについてそれぞれ賛否が違うということだって起こり得る。にもかかわらず、法案の採決のときは一本で行われるというようなことは、これは法案の出し方で採決の仕方が決まってくるのでございますから、これは行政府が立法府の審議あるいは採決といったようなものに事実上制限を加えてくることになりはしないか。その辺の御見解はいかがですか。
○角田政府委員 実はその点も過去において国会で問題になったことがございます。私の前任の前任の当時の吉國法制次長が御答弁申し上げておりますが、審議のやり方ということにつきましては国会御自身の問題でございますから、実は私どもの方が申し上げる筋合いのものではないと思います。実は筋合いのものではないのですが、そのときに申し上げておしかりを受けたことがあるわけでございます。もしおしかりを受けることを覚悟の上で申し上げれば、国会の御審議が法案の提出の仕方によって拘束をされるということはあり得ないと思います。どういうお取り扱いをされるかどうかは国会の問題であると思いますけれども、一条、二条、三条にまとめてあったとしても、いろいろなやり方いかんによっては十分賛否の御意見を表明されるやり方があるのではないかと思います。ただ、そういうことを申し上げるのは私どもの立場としてやや行き過ぎたことでございますので、そういうことをお断りした上でいま申し上げたわけでございます。
○中川(秀)委員 あえておっしゃったのでありますからあえて私も申し上げますけれども、そういった問題がある、国会の場でも議論になっているということを御承知ならば、法案の提出の仕方についてもなぜ一緒にしなければならないのかという理由というものがあろうかと思うのです。一緒にしてもいいという理由もあるかもしれませんが、一緒にしなければならないという理由もどこかになければおかしいということになる。しかし、その理由をいろいろ考えてみると、法体制上、法制上どうしても一緒にしなければならないという理由は、いままでのところこうした形で出てきた法律案の出し方に私はあるとは思えない。そういう理由が見当たらないで、ただいろいろな国会対策上の見地から、政府・与党の御相談の中でそういうかっこうにしようじゃないかということになったりすることが多い。私はこれは厳に慎むべきことだ、こう思います。防衛庁長官、いまのやりとりをお聞きになって御感想、御意見はいかがでございますか。
○三原国務大臣 私も、法体系上の問題等については、法制局からいろいろな御意見がございましたが、実際に長い間議会運営なり国会対策をしておる際に、いま中川委員御指摘のような、この法案の中に盛られておる内容については分離することが法体系上よくはないかというみずから反問をしたこともございます。そういう点ですきっと割り切って、定員と一方の組織改変等は分離したがよくはないかというような、この法案等についてもそうした御指摘の点もあろうかと思うのでございますが、そういう点に、先ほど来法制局次長が申されましたように、非常に異質のものであれば別といたしまして、二つを内容として整理をして一法にまとめていくというようなことも、それ自体が違法性がない、または本質的に非常に問題を起こすということがなければ、そういう処置に出ざるを得ぬというような事態もあったろうと思うのです。先ほどいみじくも御指摘されましたように、国会運営上法案を整理せいというような強い言明が国会等から出てくる場合もあるわけでございまするが、いろいろな当時のそうした国会審議の情勢等から来る御意見等もあったろうと思います。そういう点で、確かに私ども自身、いま先生御指摘の点については今後の一つの課題として受けとめてまいって研究をすべきかなという受けとめ方をいたしておるところでございます。
○中川(秀)委員 いま審議に付されているこの法案は、前国会あるいは前々国会からの懸案でございます。それのいままでの出し方は二法に分けて出してきた、それが今回一本であるというような経過を考えましても、私は、いま大臣がおっしゃった御答弁の線で今後は十分御注意を願いたい、このようにお願いを申し上げておきます。 それでは、中身の問題についてお尋ねをさせていただきます。 防衛庁設置法の一部改正案、自衛官の定数を千八百七人増員をするという問題でございますが、御案内のように、いまわが国自衛隊には定員の充足が満たされていない、欠員があるという実態がございます。海で二千三百七十八人の欠員がある、空で二千四百十二人の欠員がある。そういう欠員がありながら、また千八百七人の増員をする。私もいろいろ御説明をお伺いいたしました内容的に理解をするところもございます。しかし、欠員が五千人近くありながら千八百人その欠員の内枠の人数をふやすということについて、一般の国民の方々が理解できるかどうか、私はこれは非常に大事な点だと思うのであります。いろいろ御説明を聞くと、幹、曹のいわゆる幹部クラス、これは充足率は一〇〇%、まあこの三月、四月の切りかわりを入れますと一〇一%にもなっている。実はそこが大変人手不足というか人事上の問題にもなっている。士の方は、先ほどお話ししたように欠員が任じているということである。特に海空の場合は、非常に高度な技術や艦艇、航空機の運用があるから、そういう点で、これは何としても増員をしなければいけないんだという説明もございました。しかし国民の一般の方は、こういった説明をもっとわかりやすい形でしてもらわなければ、人数だけ考えていたんでは、なかなかわからないと私は思う。 そこで二、三お尋ねをいたしますけれども、たとえば現在欠員が生じている海と空において、その幹、曹、士の内訳がどうなっているのか。細かい説明は要りません、人数だけで結構でございますが。それから、今度増員をする千八百七人の幹、曹、士の内訳はどうなっているのか、こういう点についてきちんとした御説明をしていただきたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 ただいま先生から御指摘がございましたが、欠員があるのに増員はおかしいではないか、この内容の理解がなかなかむずかしい——まさに、よく私どもも御指摘を受ける点でございますが、まず全体の考え方といたしまして、陸しの定員とそれから海空の定員というのは、同じ定員という言葉は使っておりますけれども、内容的にはやや違っている点があるというふうに私どもは考えております。と申しますのは、陸上自衛隊の定員というものは、陸上防衛力そのものを形づくっております一つの枠組みでございます。したがいまして、十八万の体制ということは、有時の際にその十八万の枠組みによって戦闘するのであるという前提に立っているわけでございます。それに比べまして海と空は、やはり実際の戦闘力を発揮いたしますものは船でありまた飛行機であるということは当然のことでございますが、そういったものを運用するために必要な人間というのが、これが定員だというふうに私どもは理解しておるわけでございまして、そのために海空の定員そのものには常に異動性を持っているということが言えるだろうと思います。といいますのは、御承知のように、艦艇は十五年あるいは二十年という艦齢が参りますと、その船が除籍になってしまいます。したがいまして、それにかわる船をつくっていくということになってまいりますので、その間二十年間の推移によりまして船の内容自体が変わってまいりますので、前に定めておりました定員が直ちに新しいものにそのままセットされるというものではございません。飛行機につきましても、戦闘機の進歩等に伴いまして整備員等かなり浮動性を持っているわけでございます。したがいまして、いまお願いいたしております千八百七人の定員につきましても、毎年毎年どういった船が何杯除籍になるか、あるいはどういう飛行機が何機除籍になるか、それにかわるものとしてどのような飛行機が何機就役するか、そういうことをしさいに検討いたしました結果、積み上げてまいっているものでございます。 したがいまして、そういう考え方のもとにできているのがいまお願いしている増員でございますが、この増員そのものというのは、どうしても新しい装備品になりますと、それを整備するための人員あるいは運用するための人員等に、幾らか人がふえているというのが実情でございます。そういうのが三年間積み上がってこのような状況になってきているわけでございますが、一方、欠員というのは、陸上自衛隊が約二万五、六千、それから海空につきましては、いま先生の御指摘がございましたように、海が二千三百以上あるいは航空自衛隊が二千四百人というふうに欠員があるわけでございます。 しかしながら、この欠員は一つの募集上の問題もあるかと思いますけれども、ほとんどの欠員というのが、いわゆる二年あるいは三年という任期制隊員の一番下の階級ということになっているわけでございます。先ほど先生が階級別の欠員ということでございましたけれども、幹部、曹につきましてはほとんど一〇〇%の充足でございまして、士につきましては、いま申し上げましたような数字が欠員ということになっているわけでございますが、これはまたいろんな意味におきまして、曹以上は自衛官というものが生涯の職業でございます。したがいまして、生涯自衛隊で勤務しようとする人々でございますから、異動性というのは余りありません。しかし、任期隊員というのはいずれは——一部の者は生涯を自衛隊で過ごすという者もございます。また一部の者は社会に復帰いたしまして、また一般の人として生涯を送るという人も多いわけでございます。したがいまして、二年ないし三年という任期に対する不安もありますでしょう。あるいはまた、一般の社会との給与の比較の問題などもあると思いますが、そういった意味でこの人々の中に欠員がかなりあるというのが実情でございます。 しかしながら一方、増員といいますのは、先ほど来私が申し上げましたように、艦艇、航空機に伴うものでございますから、充足率を上げてこの士の階級の者がふえたというだけでは、運用面において問題が生ずるわけです。したがって現時点におきましてこういった欠員がある、増員がお認めいただけない状況においては、どういうことをしているかということになりますと、幹部あるいは曹、士の中で運用上必要な者を、新しい艦艇なり新しい航空部隊等に配置をいたします。そうなりますと、本来ある階級によって占められるべきポストが、これは訓練上、上下一階級の範囲で許されておりますので、どうしても下の階級の者がそういったポストにつくというようなことになります。そうなってまいりますと、全体の隊務の運営からいたしますと、本来つくべき能力を持った者がそれぞれのポストを完全に占めているということにはなりませんので、隊務運営上はやはり問題がございます。 では、士のところ、一番下のところが欠員があってもいいのかという問題が別にございますが、これはやはり問題なしとしないのは当然でございます。それはどういう点に出てまいりますかと申しますと、御承知のように艦艇航空機の定員というものは、戦闘配置に従いました定員というものを算定いたします。したがいまして、欠員のしわ寄せというのがどうしてもそういうところになってまいります。たとえば大砲の弾を装てんする人数が、戦闘状況におきましたら六人必要なところに、欠員があるために四人とか三人とかいうようなことになります。そうなってまいりますと、通常の訓練におきましても、個々の訓練、一つの場面における訓練というものは可能でございますけれども、持続性、そういった点についてはやはり問題が出ているということは否めない事実だろうというふうに私どもは考えております。
○中川(秀)委員 御丁寧に御説明をいただきましたが、いまの御説明の中でも二、三、やはりなかなか了解しかねる疑問点がございます。たとえばまず第一点、大きなところからお尋ねいたしますが、外国の軍隊でも陸については、有事の体制、平時の体制ということで分けていることがあります。しかし海空については、これはもう有事も平時もない、基本的に定員は充足させていくんだという方針でおやりになっているというふうに伺う。ところがわが国の場合は、先ほど来お話がありますように、五千人弱の欠員がある。予算上こういう充足率が抑えられているので、そういうことになるんだ。たとえば、そのために三直勤務のところは二直にする、夜間警戒態勢の緩和ということをせざるを得ないというようなことが生じていると、これは防衛庁もおっしゃっておられる。この点は、やはり基本的な問題として、私は改善をする努力をしなければいけないと思う。いま局長の御答弁の中にもその趣旨にとれる、ニュアンスにとれる御発言があったから改めて御答弁は求めませんが、大蔵省、この辺はどのようにお考えになっているのか、ちょっと御見解をお伺いしたいと思うんです。
○岩崎説明員 ただいま防衛局長から御答弁ございましたように、私どもも基本的には定員の問題は、これは陸海空共通でございますけれども、有事に際しての艦艇、航空機を十分にその機能を発揮させるために必要な定員、そのように考えております。したがいまして、平時におきます現在員というのがどの程度要るかというのは、定員とはちょっと観念が違うんではないか、そのように私ども考えておるわけでございます。ただし、陸と海空の性格の違いがもちろんございまして、防衛局長からも御答弁がありましたように、海空におきましては艦艇、航空機、この運用が中心でございますから、平時におきましても現在員がそれほど定員と大きく違うというものではない、そのように考えております。 ただ、現在予算上、たとえば年度末で申しますと充足率九六%ということで、四%のいわば欠員ということになっておるわけでございますけれども、これはやはり任期制隊員につきまして、その退職と補充の関係のいろいろ摩擦的な問題もございます。それからまた、本当に優秀な隊員を採るためには、青年層が現在どの程度おり、それがどのように進学をしあるいは民間へ就職をするか、そういう問題も絡むわけでございます。平時におきましてはある程度の欠員というものが出るのはやむを得ない、そのように考えているわけでございます。
○中川(秀)委員 ちょっと、正確に数字をおっしゃってください。九六%というのは何の数字ですか。海空の充足率というのは、海について九四・三、空九四・六、これは五十一年度末じゃありませんか。正確に御答弁願いたい。 それからいま一点。どうも防衛庁の御見解と大蔵省の御見解が若干ニュアンスの差がありますね。海空においては定員というものは有事も平時もない、そういう体制で臨みたいのだ、臨まなきゃいけないのだというのが防衛庁の御見解。大蔵省は、海空についても、陸とは若干違うけれども、やはり有事定員と平時定員があるという御見解。この差をはっきりお認めになるのですか。政府の中で御見解が違うじゃありませんか。
○岩崎説明員 まず数字の点でございますが、私が申し上げましたのは五十二年度予算におきます五十二年度末に予定をしております充足率でございまして、先生がおっしゃいましたのは恐らく実績としての数字であろうかと思います。 それから、後の問題でございますが、私それほど違いがないように実は思うわけでございます。基本的に艦艇、航空機を中心としてこれを運用することを目的とした部隊でございますかん、陸とは違いまして、有事と平時の定員の差というものがそれほど大きくあるということは海空の場合には適当ではないというふうに考えております。ただ、やはり退職と採用との間の摩擦的な欠員というものもございますし、そのためにある程度の余裕を残しておくということも必要でございましょうし、その他平時におきます青年層の民間への就職状況等々との関係もございますから、ある程度のものはやむを得ないのではないか、そういうふうに申し上げたわけでございます。
○中川(秀)委員 一つ基本的なことを御確認を願いたいと思います。 いかなる行政組織であっても定員というものは国会で最終的に承認をして決めたものであります。この定員を充足するかしないかということは行政各当局の御努力によることであって、予算的にこの定員を充足すべきでないとかあるいはすべきであるとかいうことは、私は日本の法制上はそういう理屈は成り立たないと思う。その点はいかがですか。そういうことは現実に行われているのですか、いないのですか。あるいは大蔵省としてはそういうお考え方を持っておられるのか、持っておられないのか。予算上充足率を抑えるという考え方をお持ちなのか、お持ちでないのか。これは大事な問題ですよ。正確にお答えしてください。
○岩崎説明員 私が担当しておりますのが防衛庁関係の予算でございますので、一般の考え方はちょっと十分承知をいたしておるとは申しかねます。 防衛関係について申しますと、国会で御承認をいただきました定員、これに対しまして現実の充足を積極的に抑えようという考え方を持っておるわけではございません。ただ強いて申しますと、いまや防衛庁予算の中でも人件糧食費というのが五五%を占めるような状況になっておるわけでございますから、やはり実行上ロスが出るような形の予算というのはよろしくないというようには考えております。そういう意味におきまして、現実にある程度のものが出るのがやむを得ないとすれば、その点は予算で見込ましていただく、そういう考え方でいるわけでございます。
○中川(秀)委員 それではもう一度御確認をさせていただきますが、たとえば季節的な人事登用の諸要因によって充足し得ない、その範囲がやむを得ない範囲であるならば、それは受け身の形で予算に織り込ませていただくこともあるという御答弁に聞こえましたが、逆に、予算の査定の段階で大蔵省が充足率はこの程度でいいでしょうとか、あるいはこの程度で抑えましょうとかいうようなことは、いままでも一切やっていないし、今後もやらない、こういうふうに理解していいですか。
○岩崎説明員 予算折衝の過程におきまして過去にいろんな議論はあったかと思います。ただ基本的には、やはりどこまで優秀な隊員が実務の問題といたしまして採れるかということを基本に考えておるということでございます。
○中川(秀)委員 どうもすっきりしない。各行政組織の定員というものは最終的に国会が決めたことです。大蔵省がその定員の枠内で何人にしたらいいとかいけないとかと言う議論は成り立たないはずです。これはもう、防衛庁御担当だということで私は防衛庁しか知らないがという条件のついた御答弁でありますけれども、条件なんかつけなくたっていいのです。防衛庁であろうとどこの組織であろうとそんなのは同じです。その点はしっかり御認識をいただいておる、こう理解していいですか。
○岩崎説明員 国会で御承認をいただきました定員というものの持つ重要な意味は十分認識をいたしておるつもりでございます。
○中川(秀)委員 時間がありませんからほどほどにいたしますけれども、私はお願いを申し上げます。やむを得ざる範囲であるとか、現在六%、五十二年度見込みで四%の欠員程度なら問題はないとかいう御答弁でございましたけれども、防衛庁の方の御説明によると、実際の幹、曹、士、特に士クラスで言うならばいろいろな影響が出ているんだという訴えをしておられる。これはそれぞれのとり方はあるかもしれませんけれども、私はこの点についてしかと御確認をいただきます。定員というものは国会で決めたものであり、それを充足し得るかし得ないかということは行政当局の努力であって、大蔵省の予算上の措置でその定員を減らすとか減らさないとか、充足をこの程度に抑えるとか抑えないとかという議論は、私は筋道として間違っていると思う。もしそういうことであるならば、総定員法の解釈だっていろいろな議論がこれから出てくるはずです。ひとつその辺は十分御認識をいただいて——いずれ総定員法の論議もいろいろ出てくるはずですが、これとは全く逆の現象の議論が出てくるという中で、その点を十分御理解いただいて処していただかないと、国会の方のとるべき態度も、じゃ大蔵省は、総定員法云々で政府は提案してきているけれども、予算上の措置でこの定員は充足率を抑えたらいいじゃないか、簡素な政府という考え方でやったらいいじゃないか、なぜやらないのかという議論になってきてしまう。ひとつその辺は十分御理解をいただいて、国民からわかりにくくないような、わかりやすいような実態にしていただかないと困るということを重ねて申し上げておきます。 今度は防衛庁の方ですが、なおかつそれでも疑問があります。先ほどの御説明では、幹、曹、士のうち幹、曹については一〇〇%以上の充足率であって、士は欠員が出ている、今度の千八百七人の増員は主として幹、曹に重点があって、必要なんだ、たとえば海の場合は士は七十七人むしろ減員しているのである、こういう御説明です。ところが空はどうですか。空は九百十七人の増員のうち三尉以上の幹が百二十一人、准尉が減員二、曹が四百六十九人の増員、そして士クラスでも三百二十九人の増員。欠員は何人出ているのですか。欠員は士だけで二千四百十二人出ているのですね。今度の増員で、海の方は士の増員がないんだからいいとして、しかし空の方は士だけで増員が三百二十九人ある。これは国民の目から見たら、どうして二千四百人もいる欠員を充足して——大蔵省とやり合って、先ほどの御答弁の見解がみずからの見解とするならば、努力をして充足をする。予算上の充足率を抑えられるとか抑えられないとかいう議論は本来わが国の法制上ではあり得ないはずです。努力をして充足をして、それじゃこの三百二十九人は定員増にはすまいという配慮があってもいいのではありませんか。簡潔に御答弁願います。
○伊藤(圭)政府委員 先生の御質問、御議論の中に人員というものを総ワクでとらえて何千人いるじゃないかというようなお話でございますけれども、編成というものはそれぞれの仕事に即した職種なりいわゆる特技、そういったものを積み上げていったものでございます。その結果、海につきましては士がたまたま七十七人という減員になっておりますが、空の場合に三百二十九人ふえているというのは事実でございます。それならば二千四百人の充足を上げればこれが充足できるではないかという御意見でございますが、これは部隊の編成といいますか、そういう考え方からするならば、ここの二千四百人を充足して、それをすぐ新しい航空機あるいは部隊等に持ってくるということではないわけでございまして、実員の面と編成の面というのは違うわけでございます。 なお、先ほど来大蔵省の方に御質問がございました、防衛庁としては予算をもっと上げてもらいたいのに大蔵省に抑えられているというようなことでございましたけれども、これはいろいろな経緯がございまして、昭和三十五年ごろまではほとんど一〇〇%に近い予算をいただいておったわけでございます。それに対しまして、先ほども申し上げましたように二年制あるいは三年制の任期隊員というものはなかなか集めにくい状況である、したがって昭和三十年代の終わりごろは、せっかくいただいておった予算もお返ししているというような状況があったわけです。そこで、私どももできるだけの努力をしながら、苦しい中でできるところはどこらだということを話し合いをしながら充足率を決めていただいているわけでございまして、一方的に大蔵省から抑えられているというわけではございません。したがいまして、先ほど私が申し上げましたいろいろな問題点につきましては、防衛庁が努力してもっと士の募集というものを上げなければならないという側面もかなりあるというふうに認識しているわけでございます。
○中川(秀)委員 御説明で一部納得し得る点もございますが、たとえば定員と現員は違う、それぞれ技能もある、また任務もある、だからそう一概に二千四百人の中から三百二十何人をひねり出すというわけにいかないという御説明です。 ではひとつお伺いをいたしますが、自衛隊の中には業務隊あるいは地方連絡部、地連というのがあります。現実問題として予算定員と現員はどのくらい違いますか。——時間がかかりますから、私が申し上げます。いいですか。地方連絡部の予算定員と現員の比率は、現員が定員の三倍、所属は何々連隊、何々中隊、何々小隊の士や曹であって、地方連絡部へ出ていく。それじゃ人事管理、評価はだれがするかというと、遠く離れた小隊長や中隊長であったりする。現実問題として、そうでしょう。あるいは業務隊だって、そういうことが言えます。継続性だ、任務だ、定員は定員でそれぞれに必要なんだと言いながら、実際はこうせざるを得ないような状況になっているではありませんか。 私は、国の防衛というものに任じようとしてお入りになった方が辞令を受け取られて、おまえはこういう任務なんだと言われた人が、隊員の獲得のために所属は仮の姿であって、遠い地方連絡部へ行ったり業務隊へ行ったりして、そういう仕事をする。人事の評価は遠く離れた上官がする。私はなかなかつらい仕事だろうと思うのです。こういう実態をすきっとさせないで、特に人事管理上——私はいまの局長の御説明はわかったようでわからない。実態を少しでも教えていただけばいただくほどどうもすっきりしない、働いておる人たちはもっとすっきりしないだろう、こう思うのです。 もう時間がありませんから余り突っ込んでお尋ねばいたしませんけれども、私は今回の法律の背景をいろいろお伺いをしている中で、たとえばこういうこともあると思うのです。自衛隊の基地へ参ります。大抵の場合は米軍基地と併存している基地が多い。片や米軍の基地の宿舎は快適でモダンだ、片やわが自衛隊の宿舎はまさに密集地帯のアパート同然。しかもその宿舎にも入れないで遠くから通っておるという隊員さんもたくさんいる。どうも自衛隊、防衛庁というところは、口ではこういった福利厚生施設に力を入れています、これからそういうことをしなければいけないとおっしゃっているけれども、熱意の問題として、福利厚生施設をどんなにりっぱにしたって——これもお金のかかることです、大変なお金がかかる。しかし福利厚生施設をりっぱにしたところで、自分の階級、星には関係がない。新しい航空団をつくったり、艦隊をつくったり、組織をつくったりすれば、これは一つの仕事をやったということになる、星に関係してくる。恐らくこうお尋ねをすれば御否定になるとは思いますけれども、どうもそんなような状況があるような気がしてならない。そういった福利厚生施設にも力を入れ、あるいは欠員の充足にも力を入れ、しかもちゃんと定員として与えられているところにその人たちがおり、任務として与えられているものにおれはこの仕事なんだと本当に燃えられるような自衛隊にしなければいけないと私は思うのです。この辺の人事管理あるいは定員管理については改善すべき点が私は多々あると思う。単に今度の法律の千八百七人ふやせばいいなんという問題じゃないと思うのです。中身の問題、実体の問題、ひとつこの辺を大いに改善をしていただくということでなければ困ると私は思うのですが、長官いかがですか。
○三原国務大臣 ただいまの自衛隊に対する非常な御検討の上での配慮のある御指摘でございます。この点につきましては、坂田前長官のときに防衛計画大綱が設定をされたことは御承知のとおりでございます。その内容を御検討いただいてまいっておるところでございますが、それ自体正面装備というような点につきましては一応概成されたものだという受けとめ方をしておるのであります。装備全体につきましての近代化なり質的な問題もあるわけでございまするが、いま人事問題について御指摘がございました点は、まことにそのとおりであるということで、教育、訓練はもちろんでございまするけれども、実際に温かい配慮に基づきまする隊員の福利厚生あるいは定員の充足等の後方のそうした体制の整備についてこれから重点を指向していこう、施設は、兵器等の抗たん性の問題等の施設の整備等もございまするけれども、隊員の福利厚生施設と、特に住宅あるいは処遇等について特別の配慮をすることが必要であるというそうした基本的な方針を立てて、いま御指摘の点を整備していこうという方針で進んでおるところでございまして、特にいま御指摘の点につきましては、後ほど人教局長から細部にわたって、いまそういう点を防衛庁の業務の重点事項として取り組んでおるということについて御説明をさせたいと思います。 全く御指摘の点そのとおりだと思って、それの充実に向かって防衛庁の業務の一つの方針と設定して進んでおるということを申し上げたところでございます。
○中川(秀)委員 大臣から明快な御答弁をちょうだいしましたから、局長の細かい御説明は結構でございます。またそういう方向で御努力願うことを私の方からお願いを申し上げまして、次へ進ませていただきます。 やや法案から離れますが、次期戦闘機FXについてお尋ねをさせていただきます。 すでにFXについては防衛庁においてF15を採用するという方向で内定をしているところでございますが、このF15、何機、何カ年でおやりになるか。昨年のファントム十二機分増加追加した分を引くのか引かないのか。いよいよ概算要求に向けて御検討の段階に入っていると思いますが、まずこの辺についての動きを、お考えをお伺いしたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 昨年の十二月九日、FXとして最も適当な飛行機がF15であり、これを百二十三機取得することを防衛庁として内定いたしました。この時点におきます計画といたしましては、この百二十三機を十一年間に取得する計画でございました。
○中川(秀)委員 その後変更はありませんか。情勢の変化はありませんか。
○伊藤(圭)政府委員 その後の情勢の変化といたしましては、十二月二十一日、五十二年度の予算で着手することを一年延期する、五十三年度をめどに検討するという国防会議の御決定がございました。私どもFXの必要性というのは、現在持っております要撃飛行隊の十個飛行隊を、五隊をFXで五隊をファントムで将来維持していきたいと考えていた数字でございますが、そのときにF104Jが五十六年度から除籍の数がふえてまいります。したがいまして十個飛行隊を維持できなくなるということを考えまして、五十二年度の予算で十二機のファントムの継続生産をお認めいただいたわけでございます。したがいまして六個飛行隊のファントムと、それから四個飛行隊のFXという形に内容が変わってまいりましたので、百二十三機というのは機数が変わってまいると考えておりますが、現在その内容がどういうものであるかということを検討いたしておりまして、まだ結論は出ていない次第でございます。
○中川(秀)委員 FXについて、四月の二十八日から国防会議の参事官会議が始まりましたね。この段階でそういった参事官会議を始められたという意味ですね、あるいは何をおやりになっているのか。一兆円からの大変な買い物でございます。これまた必要性あるいはいろいろなことについて本当にわかりやすい、まさに開かれた形でやらないと——後ほどお尋ねをいたしますけれども、わが国の国防のあり方について、シビリアンコントロールやリーダーシップも含めまして、特に国民的な合意というものが非常に大切だと私は思う。参事官会議がいま何をなさっているのか、どういう目的で会議を開いておられるのか、ひとつお尋ねをしたいと思います。
○久保政府委員 FXにつきまして、国防会議の事務局参事官会議で最初に検討いたしましたのは昨年の十二月であります。これは防衛庁で内定をして、五十二年度予算についてどういうふうに扱うかというために一応審議をしたわけであります。その場合は、防衛庁側から、関係省から出ておりまする参事官、その会議で説明を聞いたということで議論いたしておりません。 その後、国会が始まり、予算がずっとありましたので参事官会議が継続できませんでしたが、その間、国会でもお取り上げいただきましたように、ブラウン国防長官以下いろいろな問題がアメリカから出ておりました、それの経緯と防衛庁側の説明というものを、ただいまの四月に伺ったわけであります。 そこで、これからはもう少し、防衛構想といいますか防空構想上における日本の防空戦闘機の意味合いでありますとか、技術的な問題であるとか、あるいは各機種との比較の問題であるとか、あるいは単価の問題であるとか、あるいは米側の新たな動きに応じて日本側でどういう変化があり得るのか、そういうことを少なくとも事務当局では十二分に検討しておきたい。そして国防会議そのものの、つまり閣僚から形成されておりまする国防会議そのものにおける議事というものは、これは公開することにはなっておりませんので、しかし事務当局で検討したものはなるべく国民に知らされて問題点を国民が十分納得されるという形で進むことが望ましい。特に政府レベルと申しますか、閣議あるいは国防会議で御決定いただくというのであれば、非常に高価ないわば買い物であるこの装備計画というものが、ほぼ国民の皆さんが納得されるという形で、問題を解明された形で決定されるということが望ましいということを私どもは特に考えるわけでありますから、その意味で事務当局としては十分に審議を尽くしたい、こういうつもりであります。
○中川(秀)委員 久保局長にそれではさらにお伺いをいたしますが、では、非公開の、閣僚で構成されている国防会議でこの機種の決定をするのはいつごろの見通しなのか。
○久保政府委員 防衛庁の方では、予算要求案を九月初めに大蔵省に提出いたしますので、その前に国防会議で決定してほしいという期待といいますか希望を持っておるようであります。 そこで、少なくとも事務当局で検討する場合には、やはり国の予算全体の構想がどうなり、その中での防衛費のシェアがどうなり、防衛費のシェアの中で航空自衛隊あるいはさらにその中でも次期戦闘機のありようがどうあるべきかというふうな、予算のいわば骨格と申しますか、方向と申しますか、そういうものがおおよそ見当がつかないと、これは事務当局としても、そしてまた、いわんや政府レベル、国防会議なり閣議なりで決定しにくかろうと考えます。したがいまして、どうも普通の調子からいけば予算要求の前に、つまり八月、七月の段階で決めるということは、相当に困難を伴うのではなかろうか。これは大蔵省の方の感触もありましょう。過去の例で申しますると、F104がたしか十一月の段階、F4が多分二月ぐらい、それぞれ予算の直前とは申しませんが、その少し前の時期であろうというふうに思います。したがって、政府の予算案の決定が仮に十二月の末であるといたしまして、その直前とは申しませんけれども、相当に予算というものの見通しがついた時期でないと事実上むずかしいのではなかろうかというふうに私は考えております。
○中川(秀)委員 私は、機種を防衛庁で技術的にいろいろ検討になって内定されるというのはよろしいと思うのですね。しかし、概算要求で出されるという一つの段階、その前にやはり国防会議の決定があった方が望ましい。いま局長もおっしゃいましたが、これは筋論だと私は思います。重要な防空政策にかかわることでありますから、国防の基本政策の国防会議にかけてそれから予算要求に入る。これはもう過去の例はともかく、またその理由あるいは背景、たとえば概算要求の後に機種決定に至るという事情はわかりますけれども、望ましい姿から言えばそういうことだと思うのです。局長御自身の見解はどうなのですか。
○久保政府委員 予算要求を防衛庁がいたします場合に、国防会議で決定するというのは、やはり国防会議の決定は、内閣総理大臣に答申をし、内閣総理大臣が意思決定をするいわば参考にされるわけでありますが、その時期が必ずしも七月、八月の段階でなければなるまいということにはならないというふうに私は思うのです。仮にそこで決定されても、その決定というものは当分宙に浮いた形になりまするし、もう一つは、大蔵省で予算を総合的に検討される場合に、政府全般の施策の中で、きわめて大きなプロジェクトではあるにせよ、きわめて一部分を、いわば先取りの形で閣僚レベルの国防会議で決定されますことは、大蔵省が効率的な予算を編成される場合に、多分相当支障があるかもしれないというふうにも思います。 しかし、そのままでもよろしいかというと、一概に問題がないわけではありません。といいますのは、四十七年でありますか、四次防先取り問題で、衆議院議長あっせん案によりまして、閣議が決定いたしました次年度の予算の主要項目について国防会議で決定をするということになっておりますが、国防会議で決定をする前に、国防会議に報告をして、大体こういうことで予算要求するということになっております。それが事実上は予算閣議の数日前という非常に接近した時期になっております。それは国防会議の機能というものを形骸化することになるのではなかろうか。したがって、防衛庁が大蔵省に要求する場合に、その主要項目については、もっと前の時期に、大体防衛庁がこういう考え方で大蔵省に要求するのはほぼ了承できるというような形で、相当以前に国防会議に諮るのが適当ではないか。そして、その後事務当局がいろいろ検討して、上司に御相談し、そこで国防会議で年末に決定するというふうに、期間を相当にあけるということを今度は考えてみたい、そういうふうに思っております。
○中川(秀)委員 わかりました。その御説明ならよくわかります。 さて、このFXですが、いま局長がお話しになりましたように、大変アメリカでも価格上昇ということについて心配をしている。まだ最終決定には至っておりませんけれども、カーター政権になってから、大変F15は高いものにつくからということで、ハイ・ロー・ミックスの比率を具体的に検討しているやに聞きます。いわゆるF15とF16を組み合わせるということの比率の問題ですね。あるいは一カ月の平均生産機数を減らすか減らさないかという議論も、まだ最終決定ではないようでありますけれども、九機から六・五機に減らすべきではないかという議論がある。何せ候補機種の中では一番経験がある、つまりもうすでに空を飛び始めているという飛行機ではございますけれども、それにしたってわずか二、三年のことでございましょう。今後も開発費を計上しているという機種だと聞きます。この今後の価格上昇というものを、これからわが国の次期戦闘機に採用する場合に、どのように考え、どのように対処していかれるおつもりなのか、この点をお伺いしたいと思います。
○江口政府委員 価格の問題につきましては、いまお述べいただきましたように、アメリカの中でも確かにいろいろの動きがございます。端的に申しますと、コストアップの問題があるわけでございます。現に七十八年度のアメリカの予算要求におきましても、たとえばF15で申しますと、千五百九十万ドルという計画価格を計上いたしております。これは七十七年度の計画価格、つまり全体の七百二十九機の調達価格に比べまして、七十八年度予算で算定いたしましたところの全体の調達価格というのは、約十二億ドルほどふえておるというようなことがございます。そういう点で、いま申しました千五百九十万ドルというような数字が計上されておるわけでございます。そういう状態でございまして、われわれの方も、端的に申し上げますと、こういったアメリカの動きを厳に注視しておるという状況でございます。 ただ、具体的に申しますと、いま例に申しました十二億ドルというものは、私どもが昨年内定をいたします過程でアメリカといろいろ折衝をいたしましたが、その際にある程度向こうから情報を得て盛り込んでおるという状況でございます。 それで、近い将来出てくる問題といたしましては、御存じの生産機数、これはいまおっしゃいました月産ベースでございますが、これをどうするかという問題がございます。ここで月産機数をたとえば若干でも落としてまいりますと、これは当然単価の上昇につながってまいります。この点につきましては、まだ実はわれわれの方としては、どういうことになるのか、アメリカ自体の動きでございますのでわからないわけでございますが、こういう点は十分に見ていきたい。 まず基本的には、これはいずれアメリカの政府調達になりますか、あるいは民間の調達になりますか、あるいはライセンス生産をどこまでやるかというように、いろいろケースが分かれてまいりますけれども、まず調達の基本的な態度といたしましては、価格の個々の構成要素につきまして十分調査をしてまいりたいというふうに考えております。 それから、将来の問題といたしまして、非常に長い期間で、F15につきましても、ある時点においては生産が終わるわけでございまして、どっちかと申しますと、われわれの方が後まで生産が続いてまいります。そういうことも考慮いたしまして、あらかじめこちらの方の国産化率を上げておくということが、これに対する一つの有力な手段になろうかと思っております。 そういうようないろいろな措置がございますが、基本的には先方の動きをよく注視しながら必要な手を打ってまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○中川(秀)委員 ともかく、わが国の防衛に関する基本的な装備であり、また大変な予算を伴う購入でございます。いまお話がありましたように、アメリカではブラウン長官の、七月中ぐらいには結論を出したいというような御発言もあるようでありますけれども、概算要求まで本当に慎重に十分その辺のデータをおとりになり、また将来を踏まえてそうしていただきますように、これは当然のことでありますけれどもお願いを申し上げておきます。 それから、FXについては最後のお尋ねになりますけれども、アメリカではハイ・ロー・ミックス、F15とF16をミックスして編成をするという体制をとるわけでございますが、日本の場合は、そういった体制をとることのメリット、デメリットをどういうふうに分析し、F15でいこうということになったのか、ハイ・ロー・ミックスについての考え方はもう答えが出て、防衛庁としては、日本にはなじむとかなじまないとかの結論は不動のものとして決まったのかどうか、その点をちょっとお伺いいたします。
○伊藤(圭)政府委員 まず、アメリカの防衛構想といいますか、それと日本の防衛構想の大きな違いというのは、アメリカはやはり世界的な立場での運用構想を立てるわけでございます。したがいまして、運用構想が非常に複雑多岐にわたっているわけでございますが、航空自衛隊の場合には、防空という一つの目的にしぼられてきているわけでございます。したがいまして、広い意味の運用構想に基づきます場合には、ある目的、たとえば地上の攻撃能力を重点的に考える場合に適した機種とか、あるいは空中における戦闘能力を重視した機種とか、そういったものを組み合わせて、それがハイ・ロー・ミックスというような形で防空能力といいますか、空中におきます戦闘能力が多少落ちても攻撃的な能力がまさっているようなものを組み合わせるということも可能だと思います。日本の場合には防空というものにしぼられております。したがいまして、防空戦闘ですぐれたものを一機種持ちたいというのが従来からの考えでございました。特にF104J、ファントム、そして今度のFXという一つの流れの中でも、防空能力最優先という形で参ってきたわけでございます。その間、F86Fは両方に使っておりましたのを、F1という戦闘機を国産することによりまして、いわゆる対地協力の任務というものはF1でやらせているというのが実情でございます。したがいまして、防空能力そのものの中でさらにハイ・ロー・ミックスを考えるということは、ことに機数の少ない日本などにおきましては、飛行機そのものの価格は安くなるかもしれませんけれども、地上支援のための機材、あるいは整備機材といったもの全体を含めますと、少数のものを多数持つよりは、すぐれたものを一機種持つ方が望ましいというふうに判断をいたしております。そしてまた一方、御承知のようにF104Jもファントムも、特にファントムはFXと同じ時期に併用して使われるわけでございますから、ある意味では、そういう時期的なずれから生ずるハイ・ロー・ミックスというような形にも自然になっていくのかというふうには考えておるわけでございます。
○中川(秀)委員 いずれにいたしましても、防衛庁で出しておられる小冊子がありますね、「防衛アンテナ」ですか。こういうようなものでFXの問題等を読ませていただいたりあるいは御説明を伺ったりするわけですけれども、こういうものでは本当に若干の質疑にしかすぎないのでありますけれども、国民の目にはその背景やら必要性やら優秀性の技術的な検討その他について、なかなか理解するチャンスがない。ただ、国会でいろいろな問題が起こったときに、何かおかしなことがあるらしいということだけでこういった機種の問題が理解されてしまう。これは大変まずいことだと私は思っております。まだ最終的に結論も出ていない、いま進行中の問題でございますが、私は、もっと国民全体に理解がより徹底し得るような方法をいろいろ工夫していただきたい、こう思います。「防衛アンテナ」という雑誌が何ぼ出ているのか私は知りませんけれども、政府広報の中でも国の防衛ということについて、あるいはその一環としてのFX等の問題についても、もっと大胆に正面から取り組んで、あるいは内閣広報室等との連携もおとりになりまして御努力を願いたい、このように思います。 次の問題に移ります。 防衛庁長官、在韓米軍の撤退についてここ一両日、一週間、一カ月、大変いろいろな動きがございます。実は今度の二十四日、ブラウン統幕議長、ハビブ国務次官が韓国を訪問されて、帰途日本へ寄るというふうに伝えられております。新聞報道によりますと、主力は三年以内に全面撤退、もちろんこれは地上軍でございますけれども、こういう提案を米韓協議で米側が出すのではないか、あるいは在韓米軍のシングローブ参謀長が、在韓米軍の撤退は南北の戦力バランスに支障を来して最終的には戦争を招くおそれもあるという発言で、カーター大統領に帰任を命ぜられ解任をされたという、いろいろな動きが出ているのでありますが、まず、このシングローブ参謀長の発言を、わが防衛庁では防衛庁の独自の分析、御判断をしているに違いない。またしなければうそです。そういう分析の中で、つまりバランスに支障を来すというこの発言の内容でございます。これは報道によれば、米軍部内の一部の意見を代表している意見だという報道もございますけれども、そういう米軍の中にもある認識がこの参謀長発言で出てきて問題になったわけでございますが、日本の防衛庁の分析による認識では、この参謀長の発言の内容、認識というものはどのようなことになるのか、日本独自の分析の結果とこの参謀長の発言を比較してどのようなことになるのか、御見解を伺いたいと思います。
○三原国務大臣 シングローブ参謀長の発言の内容について、防衛庁はどう受けとめておるかという御質問だと思うのでございます。この点につきましては、先生御承知のように、日本の福田総理とカーター大統領との会談がございました。この点について大きく分けますれば、三点基本的な話し合いかなされたと思うのでございます。在韓米軍の撤退については十分韓国と、そして日本とも話し合いをいたしますということが第一点にございます。朝鮮半島の平和と安全を損なわないということが一つの大事な問題でございますというのが第三点であったと思うのでございます。第三点は、米韓の間において韓国の防衛についてアメリカが積極的に協力をしてまいります、この点は間違いなく約束を果たしますという三点が大きく話し合われたものと私は思うのでございます。したがいまして、私どもといたしましては、本日の午後二時から実は先ほどのハビブ国務次官、そしてブラウン統参議長が韓国において会談を進めておると思うのでございますが、いま私どもの手元におきましてはその時期あるいは規模、そして先ほど申しました三点が履行される裏づけというようなものをまだ私ども率直に把握していない、聞かされていない事態の中でございますので、いま先生のお尋ねに対して特に具体的に私が御意見を申し上げることは不可能でございますが、いずれにいたしましても、いままで韓国において韓国防衛の任務に当たっておりましたシングローブ参謀長あたりの発言というようなもの等も私どもこれをただ単なる発言だとは受けとめておりません。したがって、この会談の推移なり今後どういう方向にいくかということにつきましては、現在のところ十分注視をしながらこの推移を見守っておるところでございます。
○中川(秀)委員 一部の新聞報道によりますと、防衛庁の見方として、撤退計画は七月に予想される米韓安保協議会以降に持ち越されると判断して、訪韓後に予定されるハビブ次官らと日本政府との話し合いも、米地上軍の撤退の極東情勢への影響などで意見を述べ合う討議で終わるであろう、こういう見方を防衛庁の見方として新聞が報じておりますが、これは防衛庁の見方なんですか。
○三原国務大臣 防衛庁の見方といたしましては、私が先ほど申し上げましたように、福田・カーター会談によります基本路線というようなものをわれわれははっきり確認いたして進んでおるわけでございます。したがって、今度の会談はそういう基本路線を踏まえての意見の交換であるのではなかろうかと一応判断をせざるを得ないということでございます。しかし、もっと積極的にシングローブ参謀長に対する解任の問題を踏まえてまいりますれば、相当厳しい中身を実は会談の内容に盛られてくるというようなことが始まるのかどうかという判断もできないわけではないわけでございます。防衛庁見解というようなことで、見解をはっきり私が申し上げたことはございませんけれども、いま申し上げますように福田・カーター会談の基本路線を踏まえて問題が進められるのではないかということを基本にして推移を見ておるわけでございますけれども、一面においては、先ほど申しましたように初めから具体的にある問題の提示というようなことで話が進められるのかどうかというような点につきましても、会談の推移をただいまは見守っておるという状態でございます。
○中川(秀)委員 カーター大統領の補佐官であるブレジンスキー、この方は国家安全保障会議事務局長でもありますが、このブレジンスキー補佐官の言明、これは雑誌のインタビューの中ですが、在韓米軍撤退を絡めてこの二十四日からの日韓両政府との協議の目的について、八〇年代に向けてどのような安全保障取り決めが適切であるかを議論することだ、そう言明をして、カーター政権が在韓米軍撤退をきっかけに、米韓、日米関係を含めた東北アジアの新しい安全保障取り決めを目指していることを示唆した、こういうような報道も流れております。 外務省、このブレジンスキー氏のUSニューズ・アンド・ワールド・レポートに載った発言、詳細に読み、かつまた分析をし、あるいはアメリカ大使館あるいは駐米日本大使館を通じてサウンドをし、その発言の真意をつかんでおられますか。
○佐藤説明員 お答えします。 御質問のブレジンスキーのUSニューズ・アンド・ワールド・レポートに対する発言につきましては、実はけさほどワシントンから原文を手に入れたばかりでございまして、いま読んでいる最中でございます。 ただ、ブレジンスキーがどういう意図で、またどういう意味でこういうことを言われたのか、まだ正確には把握しておりませんけれども、いま私の手元にございますこの記事で読みますと、御質問の点につきましては、まず雑誌の記者の方の質問が、在韓米地上軍が引くことによってアメリカがコミットメントを弱めていくという印象をアジアに巻き起こすのではないかという質問がありまして、それに対する答えといたしまして、まず二つのことを言いたい、一つは、アメリカは韓国に対しては条約関係によってコミットしております。それから第二に、米国はまだ韓国から兵を引いておりません、この三点を言った後で、われわれとしてはまさにこれから、そのいまおっしゃったように八〇年代にかけての、正確に言いますと、どのような種類の安全保障上のアレンジメントが適当であるかということについて韓国と、そしてまた日本ともこれから話し合うところです、という答えをしているわけです。 そういう全体の流れから見ますと、ここで言うアレンジメントという言葉を一体どういうふうにとるべきか。ただ直ちに、一部報道にございますように、取り決めというふうにとらえるのが適当であるかどうか、私は少し検討の余地があるのではないかと思います。 いずれにせよ、わが国といたしましては、この間の総理とカーター大統領との会見の際におきましても、日米安保条約が双方の長期的な利益に資するものとして日米安保条約を堅持することをお互いに確認いたしておりますので、ここに言っておりますそのアレンジメントが、そういうたとえば安保改定につながるものであるとか、そういうようなものだとはとらえておりません。
○中川(秀)委員 わかりました。しかし、この辺の発言は微妙な発言でもあり、わが国の国策にも非常に関係の深い微妙な言い回しなのかもしれませんが、外交チャンネルを通じて十分にこの真意の把握に努めていただきたいと思います。 この在韓米軍の撤退と絡んで、いま一つお伺いしますが、これはポスト四次防との関連でございます。四次防以後の防衛計画の大綱で、自衛力の量的規模は現状程度でよろしいということになった背景として、日米安保体制はこのまま続く、中ソ対立もこのまま続く、在韓米軍もそのままであるということが、私は前提条件の一つだったんじゃないかと思います。 これは、ある雑誌の坂田前防衛庁長官の対談の中の御発言で、いま私が言いましたような質問に対して坂田長官も、大体そのとおりです、と答えておられます。とすると、在韓米軍撤退で、ポスト四次防の防衛計画の大綱というものは、前提が変われば修正をしなければならないのではないか、あるいはそれは在韓米軍の撤退を言っているのではなくて、まさに朝鮮半島の兵力のバランスという前提が崩れたときには修正するのだということなのか、ちょっと御見解をただしておきたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 防衛計画の大綱の前提になっている情勢というのは、現在の日本の周辺を取り巻いている国際情勢、こういった情勢というものが前提になっているわけでございます。それで、いま先生がおっしゃいました、在韓米軍がいるというようなこと、中ソの対立があるというようなことは、こういった情勢を支えている一つの背景であることは間違いないわけでございます。したがいまして、一九五〇年代の冷戦構造から変わってきたこういう状況の中で、大きな紛争が起こらず推移するであろうという前提があるわけでございますが、その条件の中で、あの防衛計画の大綱をつくった時点におきましては、在韓米軍もそれを支える一つの背景であったというふうな判断はあったと思います。今度在韓米軍の陸軍が撤退するに当たりましても、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、再々アメリカは紛争が起きるような状態をつくらないようなかっこうでやるということであれば、その前提そのものが変わるというふうには考えられないわけでございます。したがいまして、この前提が崩れるということは、いわゆる紛争状態が起きる、危険な状態になるというふうに御理解いただきたいと思うわけでございます。
○中川(秀)委員 そうすると、仮に撤退が三年計画で行われても修正を直ちにする必要はない、こういう御見解でございますね。
○伊藤(圭)政府委員 それは、先ほど申し上げましたように、紛争が起こらない状態で撤退が行われるということが条件であろうかと思うわけでございます。
○中川(秀)委員 そうすると、仮に不幸にして紛争の起こりそうな状態になってくる——シングローブ米参謀長はそう言っておられる、というような事態が来たときは、防衛計画のいわゆる基盤防衛力整備の大綱の修正はあり得るということですか。
○伊藤(圭)政府委員 防衛力というものは有事に対して役立たなければ意味がないわけでございます。したがいまして、防衛力の中で抑止的な機能、これはいままさに果たされていると思います。そしてまた、有事に対処する機能というものも当然果たさなければなりませんので、その有事の可能性というものが高まってくれば、それに対応するような防衛力というものを備える必要があるというふうには考えているわけでございます。
○中川(秀)委員 一九八〇年という年に、もう一つの前提条件である中ソ同盟条約が三十年を迎えて条約が切れるわけです。その後五年延長ということになりそうではないかといろいろな議論もあります。しかし、切れてしまうかもしれない。あるいは逆にいって、その節目に当たって、中国とソ連が過去のいろいろな行きがかりやあるいは矛盾、反目を氷解をさせて、いわゆる中ソ対立から中ソ共存あるいは友好という関係になってくるかもわからない。いろいろなそれは外交の、国際情勢の変化の中で断言することはだれにもできないのでございます。とすると、その前提条件が変わってきたときも、先ほど来の議論と同じお尋ねになりますが、当然いろいろな脅威が生じてくるということになれば、この防衛計画の大綱を見直すこともあり得るわけですね。
○伊藤(圭)政府委員 いま先生が御指摘になりましたけれども、一つ一つの事実が直ちに結びつくというふうに私どもは考えていないわけでございます。国際情勢というものが前提でございますので、いま申されました在韓米軍の撤退あるいは中ソの対立がなくなるというようなこと、これはそういったものの背景の条件の一つであることは間違いないと思いますが、その変化というものが国際情勢に大きな変化を与えるということになったときにやはりその防衛計画を見直すということになると思うわけでございまして、そういった意味で、大臣もたびたび御答弁いたしておりますように、在韓米軍の撤退問題についても注目しているのだというのは、いま私が申し上げましたように、そういった背景の一つの事実であるということは間違いないからだと考えております。
○中川(秀)委員 わかりました。 いま一つ、これは時間がありませんから、もっとお尋ねをしたいのですが、本当に入り口の議論だけせっかくの機会ですからさせていただいて終わらせていただきますけれども、いま防衛庁の中でも、防衛庁の内部の議論として、いわゆる昔でいう軍政と作戦行動等の軍令とをいわゆる前者内局、後者制服組というぐあいに機能分化をすべきではないか、特に量的に一定水準まで達してきたという認識で基盤防衛力整備計画もできているのでありますが、そういう量的な確保が一定水準できたというそのときに、今後は組織あるいは動かし方ということが大事ではないかという議論も制服組には大変強まっている、こう聞きます。こうした議論、これはいわゆる防衛庁内の文官統制の問題であって、国全体のシビリアンコントロールと一〇〇%イコールの問題では私はないと思いますが、現実にこういう議論が出てくる情勢になってきたことは事実だろうと私は思います。 そこで、基本的なことをお尋ねして、時間がありませんから私は終わらせていただきますけれども、長官御自身のシビリアンコントロールについてのお考え方、姿勢、三十万人近くのいわば武力を持った集団の行政を預かっているシビリアンとして、そのシビリアンコントロールの見地から、長官みずからの心構え、自衛隊運営に対する基本的な見解をお伺いしたい。これはもう本来総理に聞くべき話ですけれども、長官は閣僚のお一人として国防会議のメンバー、議員である。いま政府全体における今日のシビリアンコントロールが制度上も運用上も十分徹底して完全であると長官はお考えになるのか、あるいは改むべき点があるとお考えになるのか、この点ひとつこの機会に私はお伺いをしておきたいと思います。
○三原国務大臣 防衛庁におきまする防衛の任務遂行というか、防衛庁の行政任務の遂行上、いま過去を顧みて大きな欠陥があり支障があるとは考えておりません。先ほど御指摘のシビリアンコントロールにおきましても、あるいは全体の指揮、統括におきましても、私は成果を上げてまいっておるという結論的な見方をいたしておるわけでございます。しかし、先ほど来御指摘がございましたように、実は坂田長官の末期ごろでございまするが、防衛庁においても、昭和二十九年から今日まで防衛庁の組織全体について、特に中央組織においてこの際一遍掘り下げて、もっと効率的に防衛行政を推進するという立場で勉強をすることも必要な段階ではないかというような内部反省がなされたことを承知いたしております。 そこで、来年をもって二カ年になるわけでございますが、二カ年くらいかけて担当者においてまず内局の問題、あるいは統合幕僚会議の問題、あるいは三幕の問題、とりあえず中央組織について勉強したらどうだろうというようなことで、ただいまそうした中央組織機構運用等について研究会を開いておるのでございます。たまたま先般、突然に何かユニホームからの意見が出たような報道を見たこともございますけれども、そうした派生的な問題ではなくて、基本的に昭和二十九年以来局部的な改革はいたしましたけれども、全面的に掘り下げて勉強してみるというような機会がございませんでしたから、二カ年にわたって勉強をやっていこうというわけで担当者においていま勉強いたしておるということでございます。 しからば改革を企図して断行するのかというようなことでございまするが、いまそこまでいける段階ではございません。事務当局において担当者を中心にして研究会を進めておるということでございます。それがいま御指摘のようにシビリアンコントロールの問題なり、ああした実動的な三十万に近い部隊を持っておりまする防衛庁長官でございまするので、そうした研究の成果も踏まえながら一層の指揮統括の機能を発揮いたさせねばならぬという責任を感じておるところでございます。
○中川(秀)委員 大変いい御見解を伺いましたが、では長官、防衛庁内のみならず、国防のシビリアンコントロールというのは政府全体、あるいは国会も含めまして大きな問題です。国会の問題はわれわれ自身が考えるべきことでございますからもちろんお尋ねはいたしませんけれども、いわゆる政府段階における今日のシビリアンコントロール、たとえば国防会議あるいは閣議というようなものを含めて、制度上も運用上も十分徹底して完全であるとお考えになっておられるのか、あるいは問題があるとお考えになっておられるのか、その辺をお伺いしたいのであります。本当に私見でございますけれども、二、三指摘をさせていただくとするならば、本当の意味のシビリアンコントロールというものは、とかく規則で固めたとか、あるいは適当に抑えておくとか、あるいは会議があるとかいうようなものではない。本当のシビリアンコントロールというのはそんな安易な考え方ではなくて、むしろ有事の、あるいは戦時の事態混乱の際におけるシビリアンコントロールを常日ごろ考えて想定をして、反復し習慣づけていかなければいけないものだ。いまのシビリアンコントロールも大切ですが、そういうときのシビリアンコントロールは、本当の意味で言うと本当に国全体の運命にかかわる問題になってくることが多い。これは過去の私どもの歴史が示すところであります。しかるに現在、国防会議、過去の四次防の問題PXL、FXの問題、いろいろな出来事を見てみますと、自衛隊の指揮監督をする側、すなわちコントロールすべき内閣、国防会議及び防衛庁の内局等のシビリアン側に私は主として欠陥があるような気もするのであります。いわゆるシビリアン側のみずからに対する厳しい姿勢と、まさに部隊や隊員を心服させていくに足る高い識見やリーダーシップがシビリアンコントロールの本質だ。しかし、いままでの例から言うと、私は反省すべき点が多いと思う。あるいは運用上からいいましても、内閣、国防会議、防衛庁長官あるいは長官補佐段階の内局と、統合幕僚会議及び各幕僚監部、各部隊との任務分担の範囲、責任所在、こういったものが非常にあいまいです。私はきわめて重要なそういう点が不明確なように思えてならないのであります。内閣とは、あるいは国防会議とは一体何をするところなのか。法律の上から見ましても、国防会議は防衛庁設置法の中の第三章六十二条に入っている。国防会議構成法というのは単行法でできている。防衛庁を指揮監督するべき国防の基本方針を定め、防衛計画の大綱を定めるべき国防会議が、防衛庁設置法の中に入っているというのも法制上の欠陥のような気が私はしてならない。自衛隊の任務というのは、自衛隊法に直接間接侵略に対し「わが国を防衛することを主たる任務とし、」云々と書いてありますけれども、非常にこれは不明確な任務だろうと思います。法律の上で書くとすればこれしか書けないかもしれません。しかし、法律に書けない部分を、この法律の上では非常に無限大な任務を抽象的に書いてあるわけですが、その無限大な任務を、抽象的に書いてある事柄を、国際情勢の変化やあるいはそのときの国策、国の実情等に応じて、国防会議なり、閣議なりあるいは長官なりそれぞれが責任分担をし、範囲を決め、そしてそのときどきの自衛隊にこういう任務だ、具体的にいまこういう心構えでやれ、こういう範囲の仕事をいま心がけよというような対応がどうしても必要だろうと私は思う。その意味で、本当に現在の国防会議及び同事務局を改組するか、あるいは別個のものにして新しい機構を考えてもいいのではないか。軍事面のみならず非軍事面も含めた総合的な安全保障政策を常時検討する機関として、本当の意味のシビリアンコントロールを政府部内のものとしてきちっと確立すべきではないかというような、非常に駆け足の、お聞き苦しかったかもしれませんが、私の感想なんです。防衛庁長官は防衛庁に対してシビリアンコントロール、文官統制の任に当たるだけではなくて、まさに国防会議の議員としてのお役目も持っておられるわけです。私はこのように認識するのでありますけれども、最後に長官のそれに対する御見解を伺って、あるいは御努力もお願いして私のお尋ねを終えさせていただきたい、このように思います。
○久保政府委員 一部を除きまして全面的に賛成な御意見をいただきまして、私としましては大変ありがたいと存じております。 そこで、現在国防会議の改組もしくは特に防衛庁設置法から除いて、広い意味での安全保障問題を取り上げるべきであるという趣旨の御提案は、実は民社党、公明党それから自民党の安全保障調査会、そしてまたきょう新しくお伺いいたしまして、大変私としては力強く思いました。総理大臣あるいは官房長官とまだ実は御相談しているわけではございませんが、平素から国会でそういう御要望もありますので、事務的には私ども検討しております。いずれ適当な時期に、これは政治的な問題でありますので、政治の方から発言をしていただいたらどうだろうかということで、御諮問があれば私どもでお答えできるような準備を現在続けておる段階でございます。
○三原国務大臣 最後に基本的な御意見を拝聴して、久保局長も申し上げましたように、私自身もその大要におきましては意見を同じゅうする者でございます。基本的に、ただ防衛を直接任務といたします自衛隊ばかりでなく、国民挙げてみずからの国を守るという、そうした気概の形成がまず第一である。防衛庁内におきましては、法律に基づきます権限を行使できるからという立場でなくて、人間的に指導監督というようなものは、水の低きにつくがごとくおのずから決定をされる、尊敬される、信頼される、そうした信頼感に基づいて運営されることが基本だと私は思っております。それを明確に責任づけ、裏づける法律がこれを補っていくというような基本的なそういう姿勢でなければ、本当に有事の際に死地に向かってみずからの生命財産をほうって防衛の任務につくという精強な自衛隊の育成はできないという御指摘につきましては全く同感でございます。制度的に見てまいりますれば、実際に、現在の自衛隊を有事の際に敢然と任務につかせ得る制度的な準備は完成されておるか、また、平素においてもそうした準備態勢が行われるような任務が法制的に規定されておるかどうかというような問題につきましては、いろいろ先生も御勉強願っておると思いますが、私ども、つぶさに見てまいりますれば、いろいろな点でまだ準備不十分なところがあるということを認めざるを得ない状態にございます。一々ここで具体的な問題を提示するわけにもまいりませんけれども、そうした点につきましては完全なものだとは受けとめられない中身もある。そういう点につきまして、ただいま庁内におきましても勉強をさせていただいておるところでございます。 国防会議の問題につきましては局長が申されました。私自身もメンバーの一人でございますし、狭義防衛という面からもう少し幅を広げて、国の安全保障という立場で国防会議の構成、運営がなされることを期待をいたしておりまするし、局長とも絶えず連絡をとりながら、そういう点でそういう方向に向かってまいりたい。総理も、そうした考え方のもとに、国防会議をひとつ検討を進めていこうではないかという御指示もあっておりまするので、そうした線に向かって準備をいたしておるというのが現況でございます。
○中川(秀)委員 長時間本当にありがとうございました。先ほどお話ししましたが、くれぐれもシビリアンコントロールをする側がまさにその意識を十分に持たれて、一般隊員あるいは自衛隊全部について、あるいは国民全体について有効適切なリーダーシップを発揮するために、むしろそのシビリアンコントロールを弱めてしまうような、あるいは損なってしまうような行いだけは慎んでいただくということはもう厳にお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○正示委員長 続いて、受田新吉君。
○受田委員 私は、きょうの質問におきまして、法律改正案というものはごくわずかな自衛官の増員あるいは部隊の変更というような問題でありますので、大変簡単に見えるわけでございますが、その背景に、防衛二法案として国民的な規模で注目されているという問題でありますだけに、背景をいまから鋭く検討をさせていただきたいと思います。 昭和二十九年に保安庁が誕生、三十年に防衛庁並びに自衛隊が誕生したのでございまして、まさしく二十三年の歴史をけみしました。警察予備隊から計算すると二十七年、その間にようやく自衛隊も国民の中に、国土国民を守るための最小限の自衛措置としての権威を誇ることができるところへ定着をしておると私は思います。私たちの党も、この自衛隊の合憲性と日米安保体制を、憲法に基づく外国とのお約束という立場をとっておるのでございますが、いまから逐条お尋ねを申し上げたいと思います。 自衛隊と警察、もともと自衛隊の根っこは警察予備隊に始まったわけですが、その警察の目的と自衛隊の目的とは大きく変わってきたわけです。警察予備隊から大きく変わってきた。しかし、いまでも防衛庁の高級幹部の皆さんの中には、警察との交流を盛んにやっておられるし、いま御答弁になりました国防会議の事務局長久保さんも、警察へ行ったり防衛庁へ来られたり、いま国防会議へ来たりしておられる。警察との交流人事はスタート以来大変密接でございます。 その意味で、ちょっとこれに関連する質問を先にさせていただきますが、先般、成田のいわゆる空港をつくることに関しての紛争がありまして、警察官の中に岡田さんという部長が亡くなられる、また、一方では東山さんという若い人が亡くなられる、大変悲しい事態が起こりました。こういうことのないかっこうで、平和裏に事が運ぶことを願っておったわれわれとしましては、まことに残念です。とうとい生命を、お二人の立場がそれぞれ変わった角度で亡くされた。ちょっとその問題でお尋ねをしておきたいのですが、警察の方で亡くなった岡田部長さん、これは大変虐待されて亡くなられたと承っております。また、一方の東山さんの方は、これに対抗する勢力の中でガス弾の射撃を受けて亡くなったという報道がされております。警察当局、この問題の説明をちょっとしていただきたいと思う。
○若田説明員 ただいまお尋ねのとおり、東京新空港開港につきまして、妨害鉄塔の除去につきましては、私どもあらゆる知恵をしぼりまして、御承知のとおりに、一応、妨害鉄塔撤去につきましては、六日にいわゆる無血で、過去の四十六年の第二次代執行当時を考えますと、あれに比べますと、本当に血を流すことなく倒せ得たわけでございますが、そのことに反発いたしまして、従来からあの鉄塔を死守し、そのためには機動隊を二百人、三百人殺しても構わないという暴徒たちが八日の日曜日あるいは九日にそれぞれ警察部隊を襲うという事案が発生いたしたわけでございます。 お尋ねの第一の八日のときの事案でございますが、これは当時千代田農協という新空港の第五ゲート近くの広場でございますが、ここで反対集会を開くということでございました。午後一時開会のところでございますが、十一時過ぎにこの事案は発生をいたしたわけでございまして、従来警察のやり方といたしましては、いろいろな集会が開かれます場合にはその集会場に入る——特にこれは極左でございまして、当時二千七百集まりましたが、反対同盟の方はわずか十数名前後であった。それ以外の連中は中核派でありますとか第四インターでありますとか、いわゆる現在内ゲバでお互いに殺し合いをいたしております連中でございました。一時から開会のところ中核派を中心とする約千人の者はすでに集会場に平穏に入って待っておったようでございますが、十一時八分ごろ、急遽第四インター系のグループ五百五十人が自動車三台、内訳は乗用車二台、トラック一台、それを中にはさみまして、そのトラックには後ほど申し上げますように武器を満載いたしまして警察部隊を襲うべく会場に向かってきたわけであります。それを目前にいたしまして、事前に会場の平穏を保つために配置されておりました千葉県機動隊二百二十人のうち百四十人が前面に出たようでございます。そういうことで検問に入るべく接触いたしましたところ、後で集めてみましたところ約二トン、個数にいたしまして一万個の石を雨あられのように警察部隊に投げる、それから火炎びんを五百本、それから劇薬数十本、鉄パイプ百本、それから普通の乗用車に火炎びんを積み、油をひっかけ、それに火を放ち、いわゆる火炎自動車としてそれを警察部隊に突っ込ませるという大変凶悪な事案を起こしたわけでございます。 これに対してわずか百四十の千葉県第二機動隊が阻止に当たったわけでありますが、なかなか大変なことでございましたので、一たんは下がり、それからガス銃あるいは放水車を使ったわけでございますが、放水車も相手側の火炎びんで焼かれるという事態になったわけでございます。そして緊急の事態ということで他の配置についておりました部隊等も直ちに応援をいたしまして何とか警察目的を達し排除することになるわけでございますが、残念ながらこの過程の中で東山氏が亡くなるという事案があったことを私どもは後ほど、午後の三時ごろマスコミからそういう重体者が出たということを聞いておるわけでございまして、全般的な情勢としてはそういう大変な事態であった。そして東山氏がどういう状態でけがをなさったかということについては具体的には現在調査中でございますし、また捜査の面としては客観的な立場から検察庁で現在捜査をいたしておるところでございます。この東山氏というのは一般の方ではございませんで、いわゆる反対派の極左のグループの拠点に数年前から住まいをいたしておりますし、当日もこの接触がある直前に私服の警察官が現地を視察に参りましたところ、警察部隊に投げる石を事前に運ぶのを指揮するような状態でその私服の警察官を追っ払っておるという状態が現認をされておるわけでございます。 各委員会でこの東山氏の死因が警察官のガス弾によるものではないかというような質問を受けるわけでございますが、私どもはまだそれがガス弾によるものという断定を確認をいたしておりません。検察庁におきましても解剖もいたしておりますし、また捜査もいたされておるようでございますが、マスコミ等にはいろいろ推測記事が書かれておるようでございますけれども、両機関から正式にガス弾によるものであるということを確認したとは伺っておりません。 それから第二点の九日の午前三時過ぎの事案でございますが、これは私ども岡田部長を現地から早速東京の警察病院にヘリコプターで運んでまいりまして、アメリカからも薬を取り寄せて一生懸命努力をいたしまして介抱いたしたわけでございますが、残念にも先日亡くなってようやく密葬を終わった状況でございます。 この岡田君の部隊が襲撃された状況につきましては、九日の午前三時三十三分ごろだったようでございますけれども、かねて芝山町長さんは空港の開港の方にいろいろと御努力をいただいておりまして、先立つことにおいてお宅自身が過激派によって襲撃を受けたことから、警察としてもこれは放置できないということで臨時派出所をつくりまして、当時六名の警察官が岡田巡査部長を長として配置についておったようでございますが、約四、五十人の過激派の連中がやぶから突如として岡田巡査部長以下六名を襲ったようでございます。まず最初に鉄パイプあるいは角材等で六名の警察官をめった打ちにいたしまして、これに対して分隊長の責任者でありますので、岡田部長は敢然と向かっていったようでございますが、多勢に無勢、木材等で頭等をたたかれましてそこに倒れる、倒れたところに四十本近くの火炎びんを集中的に投げつけられまして、私どもが病院で見ましても頭がすでに炭化するというような状態でございました。いま一人西建君というのが瀕死の重傷を負って危篤の状態でございますが、この二人は体の七割にやけどを受け、普通は三割受けましても死亡すると言われておるわけでございますが、頭や顔を見ましても本当に見られないような炭化の状態になっておるという状態でございます。 私どもかねがねこういう少数の部隊を配置する場合には十分留意をさせておるわけでございますけれども、いかんせん不意をつかれまして、急遽大ぜいの過激派の連中に突如として襲われたという状況でございまして、鋭意この面については捜査をいたしまして必ずや犯人を検挙したいと考えております。 それからちょっと申し落としましたが、先ほどの八日の事件につきましては、現場で百二十五人の警察官が重軽傷を負いまして、そのうち十一人が入院をいたしました。また現場におきましては危険をも顧みず二十五名を逮捕いたしておりまして、火炎自動車あたりを警察部隊に突っ込むという状態でございまして、これは明らかに殺人罪であるということで、証拠のはっきりいたした者につきまして十六名殺人未遂罪で検察庁に送っておる状況でございます。
○受田委員 警察で使用できる武器というものにはどのようなものがございますか。
○若田説明員 警察で現在持っております武器は、街頭でよく警察官が持っておりますように拳銃でございます。
○受田委員 拳銃だけでございますか。
○若田説明員 最近凶悪な事件が発生してまいりまして、ライフル銃を少々持っておりますが、これは一般化いたしておりません。
○受田委員 ただいま御説明の中にいわゆる反対グループが武器を満載して押しかけてきたということでございますが、満載した武器はどのようなものでございますか。
○若田説明員 そういう意味での細かい法律上の武器ということに該当するかどうかわかりませんが、私ども警察官を殺傷する目的で積んでまいりましたということで、石、鉄パイプ、劇薬、火炎びん等でございます。
○受田委員 警察ではそのようなものを武器と称しているのか。警察が使用している方は拳銃とライフル銃、それから警察に対抗する勢力が持っているものは火炎びん等も武器と言う。そういう名称が用いられておるんでございましょうか。
○若田説明員 お尋ねのことについてでございますが、私、そういう石とか火炎びん等については凶器と言った方が的確であるかと思います。
○受田委員 武器というのは不穏当な言葉で、むしろ凶器がよろしい——訂正されますか、あるいは武器と言うこともあり得るというのか。ちょっとこれだけ私は正確にしておかぬと、国会の発言でございますから、火炎びんその他の石ころなども皆武器という解釈になると、警察用語として、警察官が用いられる武器の場合は拳銃とライフル銃だけ、それから民衆がやってくる場合は石ころも火炎びんも皆武器と、こういう用語を統一しておいていただきたいと思うんですがね。
○若田説明員 お説のとおりに、私ども、攻撃してまいりまして人を殺傷するというような場合に一般的に武器と申したわけでございますが、先生おっしゃるとおりに法律上の用語として厳密に言えとこういうことでございましたら、私は凶器の方がより適切であろうと思います。
○受田委員 こういう悲しい事態が起こらないように、何らか警察権力の行使に当たって配慮してもらう道はなかったか。それから、警察官に大量の負傷者を生んでおる。岡田さんは死亡する。その死亡された姿も惨殺になっておるというようなこと。これは本当に悲しいことでございます。また一方で、反対側の方の東山さんが事実死んでいらっしゃる。これも悲しいことであって、それがどういう原因であったかということにつきましていま検察の方でも調べておられるようでございますが、こうした事件が発生した場合における警察権行使の方策についてもっといい道はないのか。そうした集団暴徒が行動するというときに、もっと事前に察知して手だてをする道はないのかということについて、警察当局はもっといい知恵がないんでございますか。反対側の人にもけがはさせない、そしてある意味においては権力の行使ということもやむを得ない状態でありますけれども、死傷者がなくて済む方法を警察としては知恵を出すことができなかったのか。
○若田説明員 先ほどから御説明しておりますとおりに、昭和四十六年の第二次代執行のときには、わずか十メートル足らずの放送塔を倒すについて三人の殉職者、三百有余人の重軽傷者を出したわけでございまして、新空港開港のためにはあの妨害鉄塔を倒さなければならないということで、御質問のとおりわれわれはあらゆる知恵をしぼりまして、そして妨害鉄塔を倒すにつきましては何とか、本当に文字どおり無血で倒すことができたわけでございます。 それから、あと極左暴力集団等の襲撃についての努力はどうかということでございますが、これは率直に申し上げて、警察比例の原則というのもございますし、相手方の出方によってはやはりやむを得ないこともあろうと思います。ただいま御説明申し上げましたとおりに、私どもここしばらく、四十三年から四十六年当時にはこういうことも二、三ありましたですけれども、それを上回るような、劇薬とか火炎自動車とかそういうものを使ってきたときにどう対処するか、これは警察官といえどもやはり人の子でありますし、当時の話を聞きますと、警察官全員がほとんど殺されるのじゃないかという印象を持ったということでございます。しかし、警察は法律に基づいて、お説のとおりに、たとえ凶悪な犯人であろうとも殺さないようにして逮捕すべきでありますので、その点については努力をしておるところでございます。 では、その努力の仕方はどうかということでございますが、やはりこういうものについては情報というのが一番大事でございまして、私どもあの当時、ほかの極左のグループはそれほどはね上がっていなかったわけでございますが、第四インターを中心としたグループがあれほどまでにやってくるということが実は情報の面でつかめていなかったわけでございまして、今後は情報活動をしっかりやりますとともに、そして集会場の前段階あるいは前日からよくこの連中を視察をいたしまして、検問、検索と称しておりますが、事前によくそういうものが——部隊と向こうのグループと遭わないようにいろいろな手だてを試みてはおるわけでございますが、それに対抗する手段を過激派の連中も講じておりまして、前はその出るところで、たとえば成田の駅あたりで検問をしてそこで取り上げるというようなことをやり、彼らの拠点を捜索をいたしまして取り上げるというようなことをやっておったわけでございますが、最近になりますと、そういう警察の手口を知っておりまして、いわゆる過激派の連中は五百人ぐらい隊伍を組んでただデモをやってくる。そうしてどこからともなく、警察官の検問していない道はたくさんございますので、斥候のオートバイを二、三台先に走らせまして、そして警察部隊の配置のないところをくぐりながら、いわゆる凶器を積んだ車を持ってまいりまして、そして会場周辺でドッキングをして、警察部隊に当たってくるというようなことをやっておるわけでございます。そういうことでございますので、しかしだからといって、治安を預かる警察がそのままでいいというわけではございませんで、それに上回る、それをまた抑える手だてを現在検討して、治安の万全を期してまいりたい、そういうふうに考えております。
○受田委員 私、あえてこの質問をさせていただくのは、後に防衛庁に対する質問に関連するものですから申し上げるのです。 その情報収集に欠陥があったと明白におっしゃっております。こういうようなことを警察当局が十分把握しないで行動を起こすということがなくて、相手方にも被害を少なく、こちらも被害がないという形で、いかに職務の遂行をやるかというところに警察の知恵がなければならないので、この点において、情報収集というのはいまの近代的国家としても、もう防衛庁だって同様のことですが、何よりも大事な問題である、こう思うのです。 そこでガス弾を発射された。このガス弾というものをこのたびどうして使われたのか、まずそれをちょっと御説明願いたいのです。
○若田説明員 ちょっと質問の語尾がはっきり聞き取れませんでしたが、ガス弾をなぜ使用したかという趣旨でございましょうか。
○受田委員 そうです。
○若田説明員 これは先ほど申しましたように、八日の場合は大変激しかったわけでございまして、本来武器として警察官は拳銃を持っておるわけでございますが、大衆行動の場合に武器たる拳銃を使ってもよろしいわけでございまして、あの場合には警職法七条により武器の使用ができるわけでございまして、しかも相手方に危害を加え得る条件にかなっておるわけでございます。 ちなみに警職法七条に武器の使用の項目がございまして、そして相手方になお危害を加え得ることができる場合は、ただし書きに四項目が書かれてございます。一つは正当防衛、もう一つは緊急避難、それからさらにもう一つは、正当防衛よりもはるかに要件が緩やかでございまして、懲役三年以上の凶悪な罪を犯した者あるいは犯したと疑うに足りる十分な者、そういう者が警察官の執行に抵抗をし、あるいは逃走し、そういう場合に職務執行に必要だと警察官の判断で考えるに相当の理由のあった場合、それから令状によってそういう凶悪犯人を逮捕する場合、この四つがあるわけでございます。 よく各委員会でも聞かれるわけでございますが、東山君が亡くなった事案について正当防衛が細かに成立するのかどうか、正当防衛のみをいろいろと云々される方もおられるようでございますが、そのほかに危害要件として、いわゆるただし書きの第一号と称しておりますけれども、ただいま申し上げました凶悪な罪、すなわち殺人未遂で送っておりますのでそういう罪、これは懲役三年以上に当たりますし、火炎びんを投げた場合も七年以下の懲役になりますし、それに当たるわけでございまして、そういう凶悪な犯罪を犯した、現にもう犯しておるわけでございますが、そういう者が抵抗をし、これを逮捕に向かう、あるいはその犯人を逃がそうとし、あるいは警察官を妨害するというような場合には武器を——ガス銃は武器ではございませんけれども、武器である拳銃すら使って、しかも危害を加えてよろしい、法律上の要件はそうなっておるわけでございます。 そういう状況下の、大変激しい凶悪な犯罪を犯しておる状況のもとでございましたので、拳銃よりは、武器よりははるかに威力が小さい、しかも相手方に危害を加えることの少ない唯一の警察部隊活動における用具として、警職法五条で、武器よりはやや楽に使える用具としてのガスを使用したわけでございます。
○受田委員 自衛隊が治安出動した場合において使用する武器はどういうものでございますか。
○伊藤(圭)政府委員 これはそのときの事態の様相によって違いますが、必要な自衛隊が持っている武器が使われることになります。いま警察で使っておられる小銃とかライフルあるいはピストル、そういったものが主になると考えております。
○受田委員 そうすると、自衛隊の治安出動の場合と警察の職務執行で激しい場合とはきわめて似通ったものであると判断してよいかどうか。
○伊藤(圭)政府委員 治安出動そのものが、治安を維持するために警察力で十分でない場合に出動するということになっておりますので、その対処の仕方というのはそう大きな変化はないというふうに考えております。
○受田委員 私、ここで警察官のこうした身命を顧みず職務の執行に当たって殉職した場合に、賞じゅつ金制度とか災害補償の制度等の適用があると思うのでございますが、最も高度の殉職者に対する処遇はどういうものがあるのか。
○山口説明員 まず、公務災害補償制度の上では、昭和四十七年に創設されました特殊公務災害補償という制度がございまして、特に高度な危険を冒しまして警察官等が職務を遂行し、その結果死亡し、または身体障害を残しました場合に、通常の公務災害の五〇%増という補償が行われることになってございます。 それからまた、賞じゅつ金の関係では、原則的に警察庁長官の賞じゅつ金の最高限度額が千三百万円でございますけれども、特に上官の命を受けて高度な危険を冒し、身の危険を顧みず職務を遂行して殉職いたしました場合の最高限度額は、千五百万円というふうに決められてございます。
○受田委員 自衛官の場合はどうですか。
○竹岡政府委員 お答えいたします。 自衛官の場合の公務災害補償あるいは賞じゅつ金制度等々は、警察官に準じて同じように扱っておりますが、その態様は、主として災害派遣とか、そういった面に限られております。恐らく問題になるべき治安出動あるいは防衛出動というような事態に対します公務災害補償等は、防衛庁職員給与法によりまして別に法律で定めなければならない、このようになっておりますが、現時点ではまだ定まっておりません。私自身は、これは非常に不審に思っておりますので、前の坂田長官のときに長官の命を受けまして、治安出動を受けまして有事の場合の自衛官の公務災害補償等はどうあるべきかをいま検討を続けておるところでございます。
○受田委員 かつて私、この問題をただしたことがあります。これは武力攻撃に対処してとうとい殉職をしたという戦士という者に対する、局長の言うように具体的な方策はまだ決めてない、そういう問題が一つあるわけですが、警察官と自衛官の通常の場合の高度の殉職というものは共通であるといういまお話でした。 私、ここであえてこの問題を提起したのは、警察庁の方できょうは何か用務があるということですから、一番先に質問してくれということで質問したわけですが、課長さん、あなた帰られてもいいですが、ただ武器の使用というのを軽々しく、こういう場合には武器を使用していいんだ、今度のように武器を使用するような状態であった、こういうようなことになると、ピストルやライフル銃をぽんぽん撃ち込んでいいという、こういう状態であったということになると、これは一方が火炎びん、石ころ、こちらはピストルとライフル銃で大戦闘が起こるというような悲劇は避けなければならぬと思うのです。だから、ガス弾というものがどのような効力を発するかということについて、東山さんの方へはガス弾が当たったというような報道がされておるが、いま警察の方から聞くと、そういうことはないんだという言い分もある。これはいずれ答えが出る日も来ると思いますが、情報を的確に把握して、未然に暴力集団行動を阻止して職務執行をやるという知恵を今後とも警察等としても考えていただきたいし、治安出動の際における自衛隊にしても、あえて武器をどんどん使用して人命を殺傷することへ重きを置かれるような認識だけは持っていただきたくない。日本人同士が国家権力の発動と民衆の暴力行為等で互いに激突するという悲劇を避けるためのあらゆる知恵をめぐらしてもらいたいということを指摘しておいて、課長さん、お急ぎのようですから帰られてください。 ここで本論に入っていきますが、三原先生、あなたはかって内閣委員長もやられ、名委員長の誉れ高いお方であることを私よく知っております。また、防衛庁の政務次官もお務めになって、防衛庁長官としては人格高潔、経験豊かという意味では近来の名長官として私も認めます。そのあなたに私、日本の自衛隊のあり方を——私も戦後三十年の議員生活を通じて、警察庁予備隊から保安隊並びに自衛隊の成り行きをじっと見守ってきましたし、三十年から内閣委員会に所属しておりまして、この自衛隊の変遷、発達の過程をながめておるだけに、一つの問題を提起したいと思うのです。 第一次長期防衛計画から二次、三次、四次と進行してまいりました。その間に一向に変わらないものは陸上自衛隊の十八万という計画でございます。これだけは終始一貫して変遷をしていない。しかも、その実人員は十五万五千程度の人員であるにかかわらず、二万五千の上積みがしてある。その上積みをしてある予算を要求してあるのですが、部隊編成の上で将校に当たる方々の数は、十五万五千と予想して決まっているのか、あるいは十八万という予想でやっているのか、お答え願いたいです。
○伊藤(圭)政府委員 いま先生の御指摘がございましたように、一次防以来、陸上自衛隊は、十八万の編成を目標にしてやってまいりました。そして、十八万の体制が整いましたのは四十八年だったと思います。最後の千人で十八万になったわけですが、これはいわゆる陸上自衛隊の定員といいますか、編成といいますか、これは海空とやや違っておりまして、いわゆる十八万の体制で有事の際に対処する枠組みというふうに私どもは考えているわけでございます。なぜ当初から十八万でずっと来たのかという問題がございますが、実は、一次防、二次防、三次防のころまでは、体制としてももう少し大きいのが欲しいなというのが私どもの考えでございました。一方、現在の募集制度のもとでは十八万というものもなかなかむずかしいなという問題もございました。そこで、この十八万の体制というものを有効に使えるような配備をとるということで防衛計画の大綱でお決めいただいたわけでございます。したがいまして、現在の幹部といいますか、幹部と曹、この人員編成というのは、十八万体制を維持し、指揮統率する形でつくられているわけでございます。
○受田委員 いわゆる下士官まで含めて十八万体制、足らないのはいわゆる兵である、こういうことですね。
○伊藤(圭)政府委員 充足の状況からいたしますと、いわゆる幹部と曹は一〇〇%でございます。そこで、欠員がございますのがいわゆる隊員でございまして、陸上自衛隊で二万五千ないし六千というのが常時ございます。それから、海空が約三千程度現在欠員となっているわけでございます。
○受田委員 一たん武力攻撃があった場合に、これに対処する人員は、隊員である、いわゆる兵に相当するものはどういうふうに扱うわけですか。
○伊藤(圭)政府委員 有事になるときの情勢もございます。したがいまして、ある程度余裕を持って対処できるときにはその欠員の補充というのを募集という形でやる場合もございます。それからもう一つは、予備自衛官、この人々をとりあえず補充という形で充足しておいて、そして、緊急募集をするという形もとれるかと考えておるわけでございます。
○受田委員 この予備自衛官の三万九千六百人というものは全部隊員だけですか。
○伊藤(圭)政府委員 これは平時におきましては隊員ではございませんで、これは自衛官であった者の中から希望者を予備自衛官にしているわけです。それが有事になりますと、自動的に自衛官になってくるということになっております。
○受田委員 予備自衛官の階級はどういうような配分になっておりますか。兵ばかりかということです。
○伊藤(圭)政府委員 階級も隊員だけではございませんで、幹部もございますが、現在のところは、私の記憶が間違っていなければ、佐官はなくて尉官以下の幹部と隊員で、あるいは佐官があったか——佐官までだと思いました。
○受田委員 佐官のどこまでですか。
○伊藤(圭)政府委員 どうも失礼しました。佐官がなくてやはり尉官以下だそうであります。
○受田委員 それでは、高級幹部はいない。私そこに一つの防衛庁の問題点があると思うのです。つまり、兵に当たる皆さんが足らないままで非常体制に入ったときに、実際に部隊の活動において隊員がいないということは、戦闘活動において大変なマイナスであるといつも言うておられるのです。その場合に、予備自衛官を招集する、また一般に募集するというようなことが間に合うのかどうか。そういう意味で、私あえてここで、十八万という体制をもし主張されるのならば、そういうものをちゃんと用意せねばいかぬ。もしそれがだめであれば、十五万五千なら十五万五千を基本にして、量よりも質的向上を図る部隊編成をすべきだ。九千師団、七千師団とあるものは七千師団に統一してやるという行き方もある。つまり、烏合の衆でなくして、少数精鋭で、隊員の待遇をよくして、そしていざというときには勇敢に働いてくれる、そういう自衛隊でなければならぬと私は思うのです。つまり、数をそろえるだけでりっぱな陸上自衛隊という認識を捨てて、内容をしっかりした陸上自衛隊をつくるべきだと思うのです。三原先生、そう思いませんか。その意味で、この十八万という目標が達せられないとすれば、目標は目標だ、しかし実際は実際だということになって、実際に即した、実際に外部攻撃があったときに戦うのにしても、予備自衛官を招集し、募集したりしても、にわか仕立てではろくなことにならぬですよ。平素からぴしっとする意味におきましては、いま十五万五千が現実ならば、それに見合うような部隊編成をしておかれる。そして、いまは大分募集状況がよくなって優秀な隊員が志願してくれるようになっていると聞いておりますが、現時点でどういう調子ですか。募集状況です。
○竹岡政府委員 自衛官の募集状況は、一つには任期制の隊員がございます。これは中学校卒の学歴があって十八歳以上というので採っておりますが、これがいままでは大体年間約三万人近く採っておったわけでございますけれども、おかげさまで自衛官の待遇等が非常に改善されましたので、現在の任期制隊員が中途でやめていくのが非常に減りました。そういうことで、任期いっぱいやる者がふえてまいりましたので、去年あたりは一万八千人を採用すればこれで事足りました。そのために、一万八千人の採用ということになりますと、新規高校卒の非常に質の高いのがずっと入ってくるわけなんです。従来は大体六割から七割は中学卒であったのですけれども、現在は約七割近くまでが高校卒で占められておるという意味で、任期制隊員は非常に質が高くなっております。 一方、この任期制隊員以外に、一般幹部候補生なりあるいは防衛大学生なり曹候補生なり操縦学生なり、こういう本当の志願制の者がおりますが、これは過去に例を見ないほどの高い応募率、志願者が非常にふえておるという状況で、われわれは喜んでおるところでございます。
○受田委員 採用人員と応募者との比率はどうなっておりますか。
○竹岡政府委員 先ほど最初に申しました任期制隊員、いわゆる二士で採るものでございますが、これは昨年は約四万人が応募いたしまして、一万七千人採っております。約二・三倍でございます。ただし、この二士の応募率は過去数年間そう変わっておりません。というのは、任期制隊員はみずから志願してくるのが非常に少ないわけなんです。地方連絡部の職員が一生懸命にがんばって、いろいろと勧誘してくるわけなんです。だから、そう急に人数はふえませんけれども、内容は先ほど言いましたように質のいいのが来ております。 一方、先ほど言いましたように、防衛大学の学生なりあるいは操縦学生なり曹候補生なり、これはそれぞれたとえば防大の学生ですと人文系では約五十倍とかいうような非常に高い率を示しております。もし詳細必要でございましたら申し上げます。
○受田委員 志願者は余りふえぬ、一生懸命やっておるのだという話でございますから、十五万五千の体制は一向に崩れるわけじゃない、実人員がね。これは三原先生、もう三十年の歴史をけみしてなお十五万五千に固定しておるということは、内容はだんだんよくなってきておるけれども、それ以上はどうしても入れられないとなれば、このあたりで十五万五千というこの数字に合わせる部隊編成ということを考慮する時期ではないでしょうかね。
○三原国務大臣 先生の長い間の御体験に基づく貴重な御意見でございます。私も長官に就任いたします以前には、時の防衛庁長官なり防衛庁に対して先生と同じような意見を実は申し上げた時期があることを率直に告白をするのでございます。 実は一昨日も広島地区の各部隊を視察いたしたのでございます。その際に、部隊の定員と実人員とを勘案して、私は部隊幹部と意見を交換いたしました。ところが、結論的に申し上げますると、適切な規模、そして効率的な運用を有事の際にやるにつきましてはどうしても十八万の定員が必要でございます。したがって、それに向かってやはり日常から最大の努力をする以外にございません。実際にその人事の運用等を見ますと、連絡部に定員の二倍以上の者が配置をされたり、あるいは業務隊に配置をしたりして、実員は五〇%程度になっておる事態もあるわけでございます。これは士の場合でございますが、任期隊員の場合あるわけでございますが、そうした現実の運用をいたしておる実態もあるわけでございまするが、そうしたことを勘案をして検討を進めてまいりますれば、重ねて申し上げるようでございまするけれども、適切な規模というのは、防衛計画等でその運用を考えてまいりますればどうしても十八万の定員が要ります。そうして、本当にそうした定員を有事の際に充足してまいりますにつきましては、そして完全な防衛任務を果たそうとします場合には、どうしてもやはり定員を充実するために努力をする以外にございませんというのが実際に防衛の任務に当たっておりまする部隊長以下の意見であるということを先生に申し上げて、自衛隊といたしましてはどうしても、いま実際二十年間十五万そこそこではないのか、定員は十八万であるにかかわらず二万六千の欠員を常時続けておるというところに問題の指摘はございまするけれども、われわれの努力が足らなかったという反省のもとに、今後も努力を続けていく以外にないというのが私のいまの心境でございます。
○受田委員 その心境は困った心境です。これは三原先生、制服の側から見たらどうしてもそれが要るのだ、要求だ、しかし現実に十五万五千しかおらぬ。いま人事局長がおっしゃる線でも、いかに努力しても志願者はふえぬのだというこの実情は厳しいですよ。やはり現実を踏まえて、二十年間夢を追うてきたこの陸上自衛隊に抜本的な改革を図ることが私は必要だと思う。十五万五千で精鋭をすぐって、現に実人員としておるこれをしっかり守っていくべきで、架空の数字でこれからも続けていくというような、実情を無視した自衛隊の構成というものには問題がある。私は、制服の皆さんがおりもせぬ兵隊のことを計算して、隊員いわゆる兵隊さんの方がいない部隊しかできぬのに隊員がおることにして、つまり指揮をする下士官までの、従来の分隊長までの人間しか人員はそろうておらぬ、手足の方の兵がいないのを兵がおるとして実戦に入るなどというのはやはりナンセンスですよ。これはもうはっきりしてやるべきである。あえてこの制服の皆さんが部隊編成上やむを得ない十八万だとおっしゃっても、現実にいかに努力してもなし得ない数字を計算にして外部の武力攻撃に対処する陸上自衛隊を踏まえていくというやり方は、現実を無視した架空の数字のもとに立つ自衛隊の方針ということで私としては納得できない、これはあえて主張します。 もう一つ、往年には幼年学校というて中学校の途中から、高等小学校あるいは中学校の一、二年から入って三年間の幼年学校というのがあった。それから士官学校というのがあった。そして、陸軍、海軍の大学というのがあった。そうした幹部自衛官を養成するのに、高等学校の時点ですでにいわゆる少年幹部自衛官として一応何人かを募集して、そしてそれが防衛大学校へ入る、その防衛大学校へ入る数字は一割でもいい、二割でもいい、そして、今度さらに防衛大学校の四年の勉学を終えて幹部候補生学校に入っていく、こういうかっこうをとる必要はないか。私も防衛大学校の卒業式にはできるだけ出席をさせていただいております。長い内閣委員としてこれに出席しながら、りっぱなきりっとした若い幹部自衛官のスタートに祝福を贈ってまいったわけです。ことしも伺いました。こうした頼もしい自衛官であるが、しかし実際は、入学しても卒業するまでに約一割が脱落している。それから、今度幹部候補生学校を卒業して任官するまでにまた脱落者が出る。国費を大量に費やして幹部自衛官として教育をする途中で一割もそれ以上も脱落をしていく、これは残念な話です。いつかお尋ねしましたら、外国にはそれ以上脱落者がおるということでございまするが、外国を議論するんじゃない、日本のことを質問しておるんでね。日本の幹部自衛官の養成を私は質問しておるのに、外国の例などを、聞いたことでもないのにそれを言われることがある。その意味では、中学校を卒業してから高等学校を卒業する部分を一部幹部自衛官の養成に充てて、そして防衛大学校へその一割か二割かがそのまま入る、そして今度は幹部候補生学校に入るときには防衛大学校以外の一般大学の卒業者も採用しておるんでございますから、その一般大学の中からも、つまり防衛大学校の教育だけでなくてもっと広い範囲の社会的生活を、防衛大学校だけでなく広く対社会に豊かな経験を持つ一般大学の卒業生をさらにさらにしっかりした教育をするという意味で、その数字も相当の数字であることを聞いておるが、その数字もふやしていって、一般大学からぴりっとした学生を採る、こういうふうにやっていけばいいんじゃないか。新提案でありますけれども、中学校を終えた者から防衛大学校に行くいわゆる予備防衛大学校生としての往年の幼年学校方式の少数の幹部自衛官養成計画を持ってはどうかと提案をいたします。
○伊藤(圭)政府委員 ただいまお話がございましたが、これは防衛大学校ができましたときにそういった議論がございました。いわゆる戦後の自衛隊ができたときこれをどういう形で持っていくかというのは当時大変議論されたわけでございます。そこで、いわゆる幼年学校のような形で早い時期から採るということも一つの方法でございます。しかし、人間的な教養というものを積ませた上で必要な自衛官としての教育をやるということが、当時まだ保安庁時代でございましたが、議論されたことがございます。したがいまして、その後いわゆる高等学校クラスのものとして少年工科学校というのをつくりまして、これは技術的な面のいわゆる中級幹部といいますかそういった者を養成する。そして、その中から一部の者が防大に行くというような方法をとっておりますけれども、そういった専門教育というものを幼いときからやった方がいいのか、あるいはある程度の教養を積んだ上でそういった専門教育をやっていく方がいいのかということで、保安庁でございましたけれども、当時の方針といたしましては、やはり一般的な教養を積んだ上で専門教育をやった方がいいだろう、しかもその専門教育も、昔のような陸士、海兵のような全く技術的な教育であっては人間が偏る危険がある、したがって、いわゆる自衛隊の性格からいたしまして、工科系統の学問ということで、工学部の一般的な教養というものとあわせて自衛隊の専門教育をやらせよう、そういう方針のもとにいままで来ているというのが実態でございます。
○受田委員 防衛大学をつくるときの議論ということですが、昔の幼年学校というのは、中学三年で、一年からでも行けた。そんなのとは違って、いま中学三年を卒業して高等学校へ行くのでございますから、高等学校の生徒の分をそうした幹部自衛官の養成に充てる。現に工科学校の学生、若いのがおるでしょう。いま中学校から採用するものがあるでしょう。それと同じような形のものが一部あって、しかもそれが一般教養を深めながらいくわけですから、この分については高等学校の資格を与えるようなかっこうで、高等学校に相当する部分を自衛官の意識を持ちながら一般教養を重点にしていけばいいわけなんです。これは高等学校の卒業資格を学校教育法で認めていく形をとればいいので、そんな昔のようにかたくなという意味でなくして、もっと自由な形でやればいいわけなんです。そういうものを一部採用してはどうかと、二十年たって今日、あえて提案するわけです。
○竹岡政府委員 いま御提案になりました中学校卒の自衛隊員を、これは御承知のとおり自衛隊生徒という名前で陸海空それぞれ採りまして、少年工科学校なりあるいは少年術科学校なりあるいは空の学校なり、たとえば五十一年でございますと、七百四十名の自衛隊生徒を採っております。これは御承知のとおり四年間行くわけでございますけれども、初めの三年間で、近くの高等学校と連携いたしまして、三年終えますと高等学校卒業の資格を与えておるわけであります。この中から優秀な者はできるだけこぞって防衛大学校を受けるように勧めており、それに受かりました者はもちろん防大に採用しております。去年あたりですか、防大の卒業生の非常に優秀な者に、この少年工科学校出身の者もございました。 この制度は今後とも続けていきたいと思いますが、中学校卒で高校への進学率が非常に高くなってまいりましたから、若干応募率が少なくなる可能性はございますけれども、この自衛隊生徒の制度は今後も続け、そして防大を希望する者は防大に入れ、将来の幹部の一つのコースにしてやりたい、このように思っております。
○受田委員 次に、空の問題に触れていきたいと思うんです。 F80、86、それからF104、そしてF4Jファントムという主力戦闘機が流れてきたわけですが、これらの戦闘機の生命は何年と見るのか、お答え願います。
○伊藤(圭)政府委員 この生命というのはなかなかはっきり申し上げにくいのでございますけれども、従来の戦闘機104までは、大体三千時間飛びますと寿命が来ると言われておりました。一応ファントムにつきましても三千時間ということでございましたが、やはり材質もよくなったし技術もよくなったせいでございますか、いまの見通しではもう少しこの寿命は延びていくだろうというふうに予想いたしております。現時点におきましても、四千時間程度は使えるのではないかという見通しがあるようでございます。さらに、この次の世代になりますとそれがもっと延びまして、七千時間ぐらいは使えるようになるのではないかというのが一応の現在の状況でございます。
○受田委員 F86がスタートしたのはいまから二十年前、ちょうど年期が来たわけです。まだ生きておりますか。
○伊藤(圭)政府委員 たしか86Fというのは、最初持ちましたのが三百五十機程度だったと思いますが、現在百八十機ぐらい残っているようでございます。
○受田委員 そのF86が果たしている役は、依然として健在であるのですか。
○伊藤(圭)政府委員 現在は、主として支援戦闘機としての訓練をやっておりますが、十分とは言えないにいたしましても、やはりそれなりの任務は果たしているというふうに考えておるわけでございます。
○受田委員 F104は、今日どういう状態で動いておるか。それからF4ファントム、これはまだ残りがあるわけですが、もう十二機ですか、これがこれから何年まで活躍できるのか、お答え願います。
○伊藤(圭)政府委員 F104Jは、現在百七十四、五機ございます。それからファントムが現在九十三機でございまして、ことしの予算で十二機の追加をお願いしているわけでございます。これで百二十八機生産することになるわけでございますが、このファントムにつきましては、ただいま申し上げましたように運用可能時間というものが延びておりますので、私どもの判断といたしましては、一九八〇年代かなりのところまでこれを使っていく、今後十数年は十分使っていけるというふうに思っているわけでございます。
○受田委員 これらの飛行機はスタート以来、事故等で滅損した機数がどれだけになっておるか、お答え願います。
○伊藤(圭)政府委員 正確な数字はいま探しておりますが、ファントムは現在まで二機でございますそれからかなりたくさん出たというのが、三十年代の初期に86の事故が相次いだことがございました。それから104につきましても事故が起こっておりますけれども、これは二千機ばかり世界各国で使われているわけでございますが、事故率としては日本は一番低い事故率だったというふうに記憶いたしておりますが、何機滅失したかということにつきましてはいま調べてお答えいたしたいと思います。
○受田委員 途中で減損する機数というものの予測をしながら後に続くFXを考えていく、こういう形をとってはいないのですか、全部健在という計算でいくのですか。
○伊藤(圭)政府委員 これは当初からそうでございますけれども、戦闘機のように多数の機数を計画的に生産する場合には、いわゆる消耗率といいますか、そういうものを各国の状況に照らして、そしてたとえば十万時間飛んで一機とか、あるいは一万時間飛んで一機とかいうような形の計算をいたします。そしてその見込みに従って、それを加えた数字を生産のラインでつくっていくわけでございます。過去三機種、私どもはつくりましたけれども、いずれの場合も当初予想しましたよりも事故率というのは少なくなってきておりますので、追加生産をするような場合には、そういう数字を調整した数で維持していくというふうに考えているわけでございます。
○受田委員 FXについて昨年の暮れに一応F15を内定したのですか。内定ですか。内定は決定ではないんですね、どうですか。
○伊藤(圭)政府委員 これは防衛庁として内定しまして、関係各省に御説明し、そして予算を認めていただいた上で決定していただくというものでございますから、防衛庁として内定したもので政府としての決定ではないわけでございます。
○受田委員 F14、F15、F16と三機がいろいろと検討されてきたわけですが、F15の性能等についてわれわれも防衛庁が内定された事情等も十分勉強させていただきました。ところが最近におきまして、ついこの間の有力な朝日新聞の十四日の夕刊の記事にも出ておるのだが「F16に新型ミサイル」ということで「米議会検討へ」ということを挙げています。そして、本年米国としてもF16を千三百八十八機、前のときは六百五十機を予定したのが二倍以上にも数字をふやして計画している、そしてF15はこの計画の中へ七百四十九機ということでございまして、これはアメリカの方でもF16に対する認識が非常にこの半年間くらいに高まってきた、この事実は御存じですか。
○江口政府委員 朝日新聞のいまの御指摘の記事は、F16にスパローの7Fを積むという計画があるということをたしか記載しておったと思います。それから一方、いま御指摘のように、今度の七八会計年度の改定数字でございますが、千三百数十機、約倍の計画を計上しております。これも事実でございます。そういう意味で、いわゆるハイロー・ミックスの考え方というものがかなりアメリカの方では進んでおるということは否めない事実であろうかと思います。そういうことで今度の新政権におきましてからも機数改定等が行われておるわけでございますが、なお今後の動きにつきましては、このハイ・ロー・ミックス等どれだけ進めていくかということにつきましては、先方の飛行隊編成等についてもまだ結論が出ておらないようでございまして、恐らくまだ検討中であろうと考えております。 以上、とりあえずかいつまんで申し上げます。
○受田委員 時の流れは着々と流動しているわけです。昨年の時点ではここだと言っても、その後における情勢の変化をこうした防衛においては常に考えておかなければいかぬ。平安文学の中で、鴨長明のあらわした方丈記に「行く川のの流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。」そういう詩歌で述べておるのが実情です。特に防衛においてもそうです。そしてもう一つF15についての効能についてはわれわれ防衛庁の説明を十分聞いておりますが、F16については当時は速度も遅い、高い空での活動も思うようにいかないというような点の欠陥もあるんじゃないかというのを感じましたが、何といってもF15よりも値段が半分である。そして国民の経済事情を考えたときに、そんなに高い飛行機でやるよりも国民生活にできるだけ影響を薄くして国民の負担を軽くしながら、日本は専守防衛だから、ずっと足の速い飛行機より、少しは速度が遅くても、そうした短距離の要撃ではむしろF15よりも能率を上げるF16というものも考える。そして空中戦等の哨戒能力も高い。どこまで飛べるかというそれについても一方の15よりも率がよい。いまのスパローミサイルの搭載というようなこともできるということになりますと、これを見ると二発の搭載ができるということが書いてありますが、そういうようないろいろな性能等を新しくわれわれも研究してみると、防衛庁が内定された後の情勢の変化、まあ去年アメリカを視察されてのあの調査団はF16の方には乗られなかったのですか。事実飛行機が実用に供せられないというので乗られなかった。しかし今度また派遣されることがあるならば、今度は十分お目にかかれて腕前を示されるときが来ておるのじゃないかということもわれわれ検討せざるを得ないのですがね。
○伊藤(圭)政府委員 昨年参りました調査団は、F16は実機には乗ることができませんでした。当時は試作機が二機しかございませんで、何かトラブルがあったようでございまして、これの実機に乗ることができませんで、ファントムで追随をしながらいろいろなデータを集めてきたというのが実情でございます。 いま先生の御意見がございましたが、一つの面におきましては、私ども防空任務の面からいきますと、いまいろいろな観点から調査した範囲では、やはりF15というのがきわめてすぐれた能力を持っているという判断をいたしております。その中の判断で、先ほど来申されましたように全天候性のものが確かに昨年の時点ではF16になかったわけでございますが、これについては改良が施されるというような情報もあるわけでございます。しかしながら一方におきまして、そういったミサイルを積むということはまたそれだけ飛行性能を落とすということも当然あり得るわけでございます。一つの、エンジンで推力の定まっている飛行機でございますから。そういった意味からいたしますと、やはりいま私どもが収集できる資料の範囲では、このF15という飛行機がいわゆる防空戦闘、要撃戦闘機としては非常にすぐれたものだというふうな判断をいたしておりますが、同時にまた、私どもがこの次に採用いたしますFXというものは、先ほども御説明いたしましたようにきわめて寿命が長いというふうに判断されます。一九九〇年代に至るまでこの飛行機は有効に働かなければならないわけでございます。したがいまして、その時点に航空技術の面で考えられる脅威に対処できるようなものということになりますと、やはりいい物を持ちたいというのが運用者側の希望としてはあるわけでございます。
○受田委員 これを手に入れようとされるのは来年ということでございますと、ことし行かれるならば実際に乗ってみられたらどうですか。防衛庁長官どうです。内定をしておっても——一遍内定したらもう変更しないというのか。あるいは価格——価格の問題ということは、やはり国民負担ということを考えていかないと、実際にわが国は戦闘能力のあるどんどん出張ってやる防衛じゃないのですから、攻撃は一切ない専守防衛ですから、そういうことになれば、その専守防衛の機能とそれから価格、そういうものを計算して、そしてその総合的な点数でやるべきであって、五十五億と三十億と値段が、まあ時が流れておるでしょうが、半値ぐらいで買える飛行機がその性能において専守防衛には適切であるということになれば、これに決めたらいいのです。長い目で見てということと、それから現実を尊重するということでいろいろと点数をつけてみるべきだと思うのです。国民の負担をできるだけ軽くする。それで、いまの例のGNP一%程度というものの中にはこうした飛行機の値段が皆計算に入っておるのですか。主力戦闘機がみんな計算に入っておるのかどうかです。
○伊藤(圭)政府委員 技術的な検討というのはかなり私どももしたわけでございます。それから、いま先生がおっしゃいましたような点でやはり検討してみる必要があるかとも思いますが、試作機の段階ということは、やはり安定性の面ではどうしても問題があるということも事実だろうと思います。昨年百二十三機を防衛庁として内定する段階におきまして、その価格の面につきましても、来年お決めいただくにしましても実際に実機が出てくるのは五十六年ごろになるわけでございます。したがいまして、来年度のいわゆる一%を超えない範囲の防衛費の中で航空自衛隊が占める予算のシェア、そういうものの中でこの15という飛行機を採用するにあたって、それがどのような圧迫を与えるかということも検討いたしました。このことにつきましては、過去ファントムをやりましたとき、あるいは104をやりましたときの実績なども検討いたしまして、航空自衛隊の予算の二〇%を大きく超えるというのはほかの事業にきわめて圧迫を加えるだろうという判断をいたしました。そして計画的につくっていく場合に、二〇%をちょっと超える程度のところでこの予算を消化していくことができるだろうという判断をしたわけでございます。実際問題といたしまして、ファントムのときなんかは航空自衛隊の予算の二八%ぐらいまで食い込んだことがございますけれども、その当時と違う点は、人件費などがかなり上がっておりますから、そうした、事業費の圧迫というものをなるべく抑えなければいけないということで検討し、作業したことはございます。ただ、ことしになりまして、その値段がどういうことになるかということにつきましては装備局長から御答弁申し上げると思いますが、さらに詳しく検討するという計画を立てているわけでございます。
○江口政府委員 価格の点でございますが、ただいま御指摘のありましたように、半値というような御指摘でございますが、当初の計画といたしましては確かにそういうようなことを考えておったようでございますが、いま防衛局長が申しておりましたように、必ずしも最初の分は予期どおりの価格の水準にはまだ到達しておらないというような問題がございます。私どもが昨年内定いたしますときに考えました価格水準といたしましては、大体14、15が七十億ぐらい、非常にラフに申しまして恐縮でございますが、16が五十億程度というぐらいの水準差と申しますか、そういう考え方でいま見ておるわけでございます。
○受田委員 値段についてはいろいろ見方があると思うのですが、FXを採用して、国家予算の上になおGNP一%程度のということでおさまるのかどうかです。去年坂田長官のときに私がお尋ねして、かつて単年度の計算をやらしたことがあったと同じようにむしろ単年度の防衛予算というものを試みにやってみたらどうかと言ったら、ローリング方式という方法も考えてみたいというのを去年の四月おっしゃって、ことしはその方向でいまいっておられると思うのですが、第五次長期防衛計画というものでなくていくということになっておるのですね。ところが、飛行機などというものはやはり債務負担行為で、ある計画的なものが要ると思うのです。単年度でぐるりといかない。やはり年次にわたるものでなければならない。そうすると、防衛予算においてもそういうものを配慮していくということになると非常な問題が起こってくるわけです。つまりFXの採用による予算措置はどういうことになるのかということです。お答えをいただきます。
○原政府委員 確かに飛行機の調達計画は、先ほど防衛局長から答弁いたしましたように、十一年かかって変わる、こういうことでございます。その総額がおよそ一兆円ぐらいになるということでございます。 そこで、いまのGNPの一%にはまるかどうかということでございますが、そういうことで採用すると、そのFXについて大体毎年毎年どのくらいの金がかかるかという計算をまずいたしまして、そして先ほど申しましたように航空自衛隊のシェアは変えないという前提で、しかもそれはもちろん一%以内という前提で、それでいまの二〇%の中におさまる、そういうことでございますので、前提はFXをつくっても一%以内におさまる、大体そういうふうに考えておるわけでございます。
○受田委員 通産省の方、来ていらっしゃると思います。私、ここでこうしたFXにしても、もう一つPXLにしましても、ある程度、これを国内で生産をされる場合に、長期展望なくして思いつきで受注されたのではお仕事がむずかしい。そこに従業されておられる皆さんだって、いつ来るかわからない飛行機を待機しておって、会社にしても月給は払わなければいかぬ、大変な不安があるわけです。そういう問題について、通産省はそうした飛行機生産に対しての計画性というものは必要がないのかどうか、お答えください。
○山田説明員 通産省は、一般産業所管官庁といたしまして航空機産業も所管いたしておるところでございます。航空機産業は、先生御存じのとおり高度な技術先端産業でございまして、その技術習得というのは非常にむずかしゅうございます。また、設備投資の点につきましても多額の金額を要するものでございますから、こういった航空機の調達という面では、産業及び産業政策の立場から申しましても、やはり長期性というものが望まれるわけでございます。 ただいまのようなFXにいたしましても、全体計画の背景というものを踏まえまして具体的な調達が行われることが望ましいわけでございますが、調達いたします防衛庁といたしまして、私どもといたしましてはそれを供給するあるいは補給する、そういった体制で航空機産業というものは重要だとお考えいただいていると思いますので、そういった点を十分踏まえて御考慮いただけるものと思っておる次第でございます。
○受田委員 航空機の生産についての計画的な運営ということ、これは長期防衛計画的なものがそうした戦闘機については要るのじゃないですか、対潜哨戒機にしても。これはもう必ず債務負担行為的なかっこうでいかなければならぬのではないですか。これは長期的展望というのが要るのじゃないですか、このある部分については。それ抜きにできますか。
○伊藤(圭)政府委員 先生がおっしゃるとおりでございまして、四次防までのように量的な増勢をやるという場合には、五年後何機の飛行機を持っておるかというようなことで、それなりの長期的な展望をやるわけでございます。一応その四次防より余りふえない、現状維持というような形になりましても、兵器というのは寿命が来るとなくなっていくわけでございますから、したがいまして、特に飛行機なんかは一機落ちたから一機すぐつくるというわけにもいきませんので、今後何年後には何機ぐらい落ちる、それが累積されると何年後には何機ぐらいまで着手してつくっていかなければならないかという展望が当然必要なわけでございまして、それは私どももつくるわけでございます。そして、その新しい飛行機を最初につくるときには国防会議で御決定いただくわけでございますが、そのときに長期の見通し、何機を何年ぐらいでつくるというようなことを御説明いたしまして、その最初の年に予算化するものについてお決めいただくというようなことが、昨年の十一月に決められました国防会議の四十七年度の文民統制の中の主要項目についての改正の内容になっているわけでございます。
○受田委員 思わず時間がかかってしまったのですが、私せっかくきょうお呼びしている役所がたくさんあるので、もう一つPXLの問題にちょっと触れておきますが、P2V対潜哨戒機、それに加えて今度P2J、それからP3Cという夢を追っておられるようですが、P2Jなどは、これをさらに改装することなどによって、新しいものを使わなくても、P3Cへ行く過程において物にならぬのですか。P3Cというのは空から見てどこの国の潜水艦か識別ができるのですか、ちょっとお答え願いたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 その点につきましては私どもずいぶん検討いたしたわけでございますが、まずP2VとP2Jの違いというのを申し上げますと、これはいわゆるソノブイあるいはジェゼベルといったような聴音機、それから取りましたデータを集めるという機材の変更程度でございました。したがいまして、P2Jという程度、飛行機の機体が一メートルくらい伸びておりますが、その中におさまったわけでございます。 ところが、P2Jと次のPXLとの最大の違いは何かというのは、これは原子力潜水艦に対処できるような能力を持たせるということでございます。その最大の違いというものは、集まってきたデータを従来は人間が計算をして処理しておったのが電子的に処理されるというものでございます。これが水中におけるスピードの速い原子力潜水艦に対処する最も効力のあるところでございまして、この電子機器を積むのにはP2Jの機体を少々大きくした程度ではとても載らないというのが結論であったわけでございます。
○受田委員 いわゆるEDPSという装置、これはわれわれとしてもそうした情報収集のりっぱなものをとっておかなければ意味がないわけですからね。しかし、それを一挙にいかなくて、いまのP2Jの改装ということでその目的を果たす方法はありませんか。電子機器にしましても、現在あるものをもっとりっぱに改装していく、それは国内生産で間に合うというようなことでやるべきじゃないか。わざわざP3Cを——例のロッキード事件の発端になるようなややこしいことをやらなくて済む。少なくともロッキード事件によってあなた方防衛庁の計画が相当足踏みしたはずですよ。足踏みしたかせぬかの判断と、それからいまの私の質問に対する御答弁を願いたい。
○江口政府委員 ただいまの御指摘は非常に貴重な御意見であろうと思います。現にPXLに関しまして、例の専門家会議の過程におきましてもP2Jの改造案というのは当初考えられたことがございます。 ただ結論的に申しますと、ただいま防衛局長が申しましたように飛行機の大きさの問題がございます。つまりEDPSの収容能力と申しますか、そういった問題がございます。それからもう一つは、同時広域捜査ということになりますと、非常に高度の高さを要求されてまいります。そうなりますと、飛行機のいわゆる油圧機構というものを整備しなければならないという問題がございます。そういうような観点からよほど全部つくりかえるというようなことぐらいまで考えませんと、いわゆる改造段階で果たしてそれができるかどうかという点が非常に問題でございまして、当時といたしましては、一応これは実行不可能ではないかということになっております。ただ、いま御意見でもございますので、私どもの方ももう一度いまの段階においてよく検討をさせていただきたいと考えております。
○受田委員 ミグ25が飛んできた事件がある。ところが低空の飛行であったためにレーダーサイトの活躍ができなかった。これは一体どうしたらいいか。それはAEWというのが出てそれを把握する道を開くということもありましょうが、日本のレーダー装置というものはミグ25の潜入さえも認めることができぬほど弱体な体制であった、これにどういう反省があるのか。
○伊藤(圭)政府委員 ミグ25が入ってきましたときには、非常に低空で入ってまいりました。したがいまして、あの低空で入ってきたというのは、レーダーの電波の特性からいきまして、とのようなものでも地上におけるレーダーではそばに来るまではつかみ得なかった。これに対処する方法として、いま先生もおっしゃいましたがAEWによって上から見るという方法があります。それから飛行機自体のルックダウン能力というものがございます。あのときにはファントムが出ていっておりますから、これが上から下を見おろして的確に把握する能力を持っておったらつかめたかもしれません。確実につかめるかどうかというのは、その運用によってロスなども考えられますので、必ずつかまえられたとは考えられませんけれども、少なくともその能力は持ち得るだろうというふうに考えておりまして、レーダーサイトが古いからということではないと私どもは考えておるわけです。現にレーダーサイトも古くなったものは三次元レーダーにかえつつある状況でございますので、それだけの理由ではないというふうに考えておるわけでございます。
○受田委員 いずれにしてもこれがとらえられなかったことは現実であります。 そこで、ミグ25が日本へ潜入したことについて、外務省はこの問題を平和裏に処理しようとした。ところが、防衛庁の方で特に制服の皆さんがこれをつかまえておいて、解体して十分機密も調べてみたいという意思があった。今度ソ連に園田氏などが行っても、ミグ25に対するふんまんを真っ先にぶちまけられたということもありますが、このミグ25の解体については外務省、防衛庁完全に一致しておったのかどうか。
○伊藤(圭)政府委員 この調査につきましては、現実にこれは不法に入国してきた飛行機でございます。したがいまして私どもも必要な調査をしたいと考えておりました。外務省も、国際常識として許される範囲の調査は当然であるというふうに考えておりまして、私どもは外務省の方と連絡をとりながら、それが基本的な日ソ関係というものを損なわない範囲でやったわけでございます。 しかしながら、調査というものは専門家になればなるほど長くやりたいというのが、これは当然でございます。したがいましてよその国あたりでもずいぶん長い期間をかけてやったのもございますけれども、そこは私どもと外務省と十分打ち合わせをいたしまして、いま申し上げましたような考え方で必要な調査をしたというのが実情でございます。 なお、先ほど御質問にお答えできませんでしたが、事故の喪失機をここで御報告させていただきます。ことしの三月末現在におきまして、先ほど申し上げましたように、ファントムは二機でございます。それからF104が三十機でございます。それからF86Fが八十四機、これが損耗した実際の機数でございます。
○受田委員 ミグ25という飛行機は大変な波紋を呼んだわけなんですが、こういう問題は平和裏に処理する行き方ととことんまでやれという行き方がある。そういうときに、制服の皆さんから見れば、これは非常に日本の脅威に対するタマが来たわけですから見たい、こういうことになってくると思うのです。この点はもっと平和裏に、相手国にも刺激を与えないよい方法をとっていくべきだと思うのです。ソ連という国については、今度の交渉を見ましても大変残念な国であることを私も確認をしておるわけなんです。 ソ連が今度の日ソ交渉などで日本に対して相当優位な態度を示したのにひっかけまして、ソ連はアジア安保なる構想を持っておりましたね、アジアの安全保障という構想。外務省はソ連がそういう構想を持っているのをつかんでおられませんか。
○加藤説明員 ソ連がかねがねアジア安保構想、いわゆるブレジネフ構想というものを提唱していることはもちろん承知しております。
○受田委員 これに対処して、日本に呼びかけがあっても、日本は断固拒否するということですか。
○加藤説明員 アジア安保構想というものの深い背景とかそのもとにあるソ連側の考え方というものは、なお慎重に考えていかなければならないと思っております。 ただ、わが国といたしましては北方領土問題等を抱えており、そういう日ソ関係の背景から、ソ連の提唱している安保構想というものに、そのまま無条件で賛同することはできないというふうに考えております。
○受田委員 ひっかけて外務省にお尋ねしますが、いまちょうど海洋法会議が開かれているのですけれども、この海洋法会議の見通しです。海洋法条約というのはこの機会に成立すると思われるのですかどうですか。——おられないのか。 ではついでに、国際海峡を今度自由通航と無害通航——日本の周辺の海峡を三海里などという制約でなくて十二海里と堂々と主張してもいいのじゃないか。そして無害航行方式を採用して、わが国としてはきちっとしてどの国にも遠慮なくやったらいいのじゃないかということをわれわれは考える。そういうことで防衛上もわが国はすかっとした態度を示すべきじゃないかと思うのですが、これから十分間一発一問の質問をさせてもらって、補足説明は要りませんから——担当者がおられなければよします。
○大川政府委員 私は国連の方を担当いたしておりますけれども、国連海洋法会議だけは実は私の担当外でございますので正確なことはお答えできませんけれども、今度、五月二十三日から七月十五日まで、ニューヨークで海洋法会議の第六回目であったかと思いますけれども、開かれております。これがこの期間中に妥結に至るのかどうか、私は直接は知りませんけれども、聞きましたところでは、今回の会期で完全に終結に至るということはなかなか困難であるというふうに承知しております。なお、今回の会期で一番の中心問題は、深海海底の開発だというように承知しております。 なお、領海十二海里の問題は、これも非常に微妙な問題でございますので、私担当外で無責任な御答弁を申し上げない方がよろしいかと存じます。
○受田委員 ここできょうもさっきから各委員、中川さんも質問しておられたようですが、いま、朝鮮のソウルでアメリカの国務次官とブラウンさんとが会談しておる。情勢がどう変わるかわれわれも注目しておるのですが、もし韓国で緊急事態が起こって戦闘が始まったというときに、在韓邦人の保護のためにどういう措置をとったらいいのか。これはもう現実に予想をしておかねばいかぬ問題だと思うのです。
○橋本説明員 現在、韓国に在留邦人が約二千七百名居住しておられますが、ただいまの御質問に対しましてお答えいたしますと、仮に、万一御指摘のような事態になったといたしました場合に備えまして、現地の大使館は平生から、約二千七百名の邦人の皆さんがどこにおられて、どういうことをしておられるということの把握に努めております。また、この方々に対しまして、不測の事態にはこうなさった方がよろしいという注意書きと申しますか、御注意の紙を差し上げてございます。 状況にもよりますが、在留邦人の生命身体に直接危害が及ぶような状況が予見される場合におきましては、まず第一の措置といたしまして、わが国から韓国に参りまする旅行者の方々にはなるべく御遠慮をしていただく、それから先ほど申し上げました長くそこに腰を落ちつけて生活しておられる方々に対しましては、段階にもよりますが徐々に、不急不要の仕事に従事しておられる方は内地に引き揚げていただく。それから、さらに事態が悪化をしました場合には、大使館あるいは総領事館に集結していただいて保護する。その他、さらに事態が悪化するに伴いましていろいろな措置を研究いたしております。
○受田委員 日本は憲法上海外派兵はできないという制約を受けておる。ところが韓国にそういう事態が起こったとき、日本の自衛官にあらざるたとえば看護の任務に当たる、あるいは警察隊のたとえば機動隊のようなものが、そういう日本住民に圧迫を加えているものに対して保護に行く、こういうことは海外派兵にはならぬと私は思うのですが、いかがですか。
○三原国務大臣 いま御指摘のように、そういうことはあってはならぬし、ないとは思いますけれども、しかしそういう事態が仮にあった場合に、在韓邦人の救出のために自衛隊が港あるいは飛行場等に行って救出、保護のために出ることは、憲法九条に抵触はしないのではないかという御指摘のように受けとめたのでございますが、私どもも武力行使でない、いま言われるような事態において、自衛隊が邦人の保護、救出のために飛行場において飛行機で輸送するとか、あるいは港において自衛艦がこの救出に当たるということは、憲法九条には抵触しないものだと考えるのでございます。しかし、自衛隊にはそうした任務が与えられていないというところに問題があるわけでございます。このいま御指摘の点については、研究をせねばならぬと思いまするけれども、いま、海外に自衛隊を派遣をして武力行使は絶対にしない条件が自他ともに認められて、いまのような任務につくという任務を自衛隊が持たないというところに問題があるな、私はそう受けとめておるのでございます。
○受田委員 そうしますと長官、たとえばソウルの飛行場へ日本人が集まっておるのを助けに行って、自衛隊の輸送機が日本へ連れて戻るとか、あるいは近くの港へ避難しておるのを船で運んでくるとかいうのは武力行使でないから自衛官が行ってもよいという御判断ですね。
○三原国務大臣 憲法九条に関係したものではないという考え方を持っておりますから、いま申し上げましたようなそういうようなときには自衛隊の派遣というようなこともあり得るかなという判断に立っております。しかし残念なことに、そうしたことをするにつきましては自衛隊の任務が明確に規定をされておらぬところに問題があるということを考えておるところでございます。
○受田委員 災害出動という場合が一つありますね。これを一つ災害と見る道もある。しかし、任務が明確にないから結局行けないというのですか。そういう避難民を助けに行くことは日本の自衛隊の飛行機でも、日本の自衛隊の船でも迎えには行けないというのですか、行けるというのですか。
○三原国務大臣 現在においては行けないという判断に立っておるのでございます。
○受田委員 それは非常に——そこで私あえてまた提案したいのですが、たとえば自衛隊でない看護要員あるいは平和部隊のようなもので、たとえば警察の機動隊のようなのがそこへ行って住民を連れて戻るというのならいいのかどうかです。これは現実にそういうことが起こり得る可能性をわれわれは一応予想しなければならぬのです。いまの自衛隊は私行けるのかと思って、三原長官の答弁はそれは助けに行ってもいいのだというのかと思っておったら、最後に念を押したら、それは自衛隊は行けないのだ、こうおっしゃるものだから、これはちょっと自衛隊は、どのようなことがあっても自衛隊の看護部隊といえども韓国に助けに行くことはできない、戦闘じゃなくして、そういう人命を救助するためにそれを連れに行くのもできない。こうなれば警察が行くのはいいですね。優秀な機動隊が行って保護して日本へ船で連れて戻るなり飛行機で連れて戻る、あるいは看護を十分できる人が負傷した人を助けに行く、こういうようなことはいい。これは外務省の見解にしても海外派兵ではないということですね。
○中江政府委員 先生が一つの例として朝鮮半島における動乱の場合を設定されましたので、私の所管内の事例でございますのでお答え申し上げますと、一般論といたしまして、ある国でそういう問題が起きて、その国にある自国民の保護あるいは自国民の財産の保護、そういう名目で軍隊なり警察なりそういったものが権利としてその国に入れるかという問題は、従来国際法的に非常に問題があったわけでございます。受け入れる国の目から見ますと、それが不当な介入である、あるいは干渉である、こういうふうに見られて、それがまた新たな紛争のもとになったこともございますので、相手の国にそういう政府機関を権力の行使として、権限の行使として送り込むということはきわめて慎重であることを要する。それで、思い起こしますサイゴンが最後に陥落いたしますときに救援の飛行機を入れようといたしました。あのときでも最後の段階までやはりサイゴンのタンソニュット空港を管制管理しております当局の了解を求めて、そしてその了解のもとに平和裏に着陸させるという努力をいたしました。 朝鮮半島の場合に、先生がどういう状態を御想定になっておるか知りませんけれども、全く混乱状態になってそこには何の秩序もないというようなことになりますればこれはどういうことになりますか、いろいろなことが考えられると思いますけれども、それに至ります段階で、まだ日本から救出の船なり人員なりあるいは救護の人間が行けばそこでその活動がある程度の秩序のもとに行われるという段階では、やはりそれは相手国の主権下の領域でございますから、そこで日本が主権の一部を行使することについては、相当はっきりした了解のもとでなければむずかしかろう。そういう了解のもとにもし派遣するといたしまして、日本側に国内法上の権限があるかどうか、これはそれぞれの派遣される者を所轄しております法律なり法令なりの定めるところによるだろう、こう思います。
○三原国務大臣 ちょっと私から一言補足させていただきます。 私が先ほど、憲法に関係しないだろうと言うのは、その前に自他ともにこれが許されればということをただ一言申し上げましたけれども、もちろん相手国への要請等がいま言われたようになされ、慎重に図らねばならぬという立場は十分考えてまいらねばならぬということが前提でございます。
○受田委員 これは込み入ってきたのですが、私、答えだけ出していただきたいのですが、国連にわれわれは参加しておる。国連で、たとえばゴラン高原、シナイ半島等でいろいろ事件が起こっている、それは国連のいろいろな機関がそこへ行って処理をしておるのですが、私たちは平和を維持するための協力は当然国連に対して日本の使命だと思うのです。国連の負担、分担金というのはいまわれわれは八・六四%負担をしておるが、アメリカとソ連に次いで大きな負担をしているが、現実にそういう平和維持協力をしておらぬ。人間を出しておらぬのです。だから常任理事国にもなかなかなれない。それから国連憲章五十三条、百七条にある敵国条項もなかなか削除されない。こういうものは、われわれは独立国三十年になって敵国条項が国連憲章にあるなど残念ですよ、五十三条、百七条。そういうのにはやはり国連に対する平和維持協力だけはしていっていい。それに平和部隊あるいは看護のために多くの看護婦さんとかあるいはお医者さんを派遣して保護に当たるというようなところはやってもいいじゃないですか。そういうものを日本としては外務省などで十分計画して、そういうお医者さん、救援あるいは秩序維持の警察官というのを出して平和維持協力を思い切ってやる外務省の態度はありませんか。 それからもう一ついまの、長官、時間が来たんじゃが大変残念ですが、いまあなたは朝鮮でそういうときが起こったら飛行機を出してもいい、船を出してもいいということが自他ともに許せばということになれば、国内、向こうもいいということになれば行けるというのですか、行ってもいいのだと。つまり自衛隊が救援に、助けに行って連れて戻るというのもいいというのですか。そういうことを明確にしておいていただきたい。外務省と両方でひとつ御答弁。
○三原国務大臣 このことは、憲法の問題には自衛隊派遣というようなことにはならないであろうという解釈をとっておるわけでございますが、しかし行くについては任務を負荷してもらわなければ行けないという問題がございますということを申し上げたのでございます。
○大川政府委員 いま先生いろいろの問題をお挙げになりましたのですが、できれば順番にお答えいたします。 いわゆる国連の平和維持活動に対する人員の派遣の問題でございますけれども、これは私から申し上げるまでもなく、もう二十年来いろいろの形で国内で議論されている問題でございます。自衛隊についてはもちろん御承知の問題がございますが、それ以外にたとえば看護要員であるとか医者であるとかあるいはほかの形の人間を派遣できるかという問題につきましては、これは検討の余地があるであろうということを政府としても御答弁申し上げたことがあったかと思いますけれども、いずれにいたしましても非常に国内政治的にもいろいろ問題を伴うことでございますので、とにかく国論が本当に統一されて、国全体としてこれはやるべきであるという結論に達した段階で初めて具体的に実現し得る問題ではないかと思います。 なお、兵員あるいはその他の要員を国連の平和維持活動に派遣できないために安保理事会の常任理事国になれないというようなことでは必ずしもございませんで、実は常任理事国になった国は、必ずしもと申しますか、むしろ慣例上国連の平和維持活動には兵員は出さない、兵員の派遣を要請されないということになっております。サイプラスにつきましては、イギリスの場合の例外はございますけれども、一般論としては、常任理事国の兵員派遣は行われておりません。 それから、いわゆる旧敵国条項でございますが、これは、日本が一九五六年に国連憲章の第四条のいわゆる平和愛好国家と認定されて加盟いたしたわけでございますので、日本につきましては、いわゆる旧敵国条項は適用がないのだというふうに私ども考えております。それにいたしましても、こういう規定が戦後処理の一環として依然として残っておるということにつきましては、これは決して好ましい問題ではないと思っておりますので、従来から国連憲章再検討のいろいろの委員会におきましても、これが削除方につきまして、同じような意見を持っている国々と一緒に協力して努力はしております。ただし、かかる規定を削除するにいたしましても、これは国連憲章の改正ということを伴いますので、その国連憲章の改正がまた容易でない憲章上の手続がございまして、なかなか簡単にまいる問題ではございませんが、もちろんそういった困難にもかかわらず、引き続きいわゆる旧敵国条項の削除については努力してまいりたい、かように考えます。
○受田委員 そのようにお願いします。 朝鮮に関係する対馬ですが、対馬はわれわれも視察した。大臣も行かれましたね、御一緒だったですね。あそこは自衛隊の配備も非常に少ないのです。いままで、元寇その他でも終始真っ先にやられて、壱岐までも余りにも多く犠牲を受けておる。あの対馬をできれば中立地帯、非武装地帯というような宣言をして、専守防衛の国ではあるが、ここには何も防備がしてありません、単なる島で、島の平和のために、この島にいかなる場合も攻撃を加えてくださるなという中立地帯あるいは非武装地帯宣言というものを外務省としてできるのかどうか。 これで質問を終わります。
○伊藤(圭)政府委員 あそこには、先生御承知のように、陸上自衛隊が一個中隊、航空自衛隊がレーダーサイト、海上自衛隊が監視所を持っております。必要最小限の部隊を配備しているわけです。 いま先生のお話がございますように、非武装地帯という宣言をすれば、それで相手も攻めてこなくなるというなら、これはまことに簡単なことでございますが、しかしあそこに置かないということ自体は、やはり対馬の人の安全のためにはかえって差をつけるというようなことになるのじゃないかと思います。いま先生のお話のように、宣言によってすべてが解決するならばいとも簡単でございますけれども、なかなか宣言だけでは解決しないというふうに考えておりますので、必要最小限の部隊だけは置きたいというふうに考えております。
○受田委員 中立宣言はいかがです。
○伊藤(圭)政府委員 中立宣言というのも、たとえば対馬の地域を限っておやりになるという議論が私にはわからないわけです。どこかよその国に対して中立だと言えば、相手がそれを尊重してくれるのであれば、どこの国に対してもやればいいわけでございますけれども、対馬という地域に限られて通用するというのが、どうも私には理解できないのでございます。それも実際問題としては実効が上がるのかどうか、そういう点について問題があるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○受田委員 終わります。
○正示委員長 次回は、来る二十六日木曜日午前十時理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十五分散会 ————◇—————