内閣委員会 第17号
- 発言数
- 356 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/05/20
会議録
○正示委員長 これより会議を開きます。 厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上原康助君。
○上原委員 私は、医療問題については余り詳しくは調べてはございませんが、提案されている厚生省設置法の一部改正問題と関連をさせて、まず法案について一、二点ばかりお尋ねをして、二点目に主に沖繩のハンセン氏病問題、三点目に沖繩の原爆被爆者に対する補償問題、もし時間があれば、四点目に未熟児網膜症の問題等についてお尋ねをさしていただきたいと思います。 最初に、法案との関連でお尋ねをいたしますが、提案されております法案の趣旨説明でも明らかにされておりますが、脳血管障害、心臓病、高血圧等の疾病に代表される循環器病というのは年年有病率も高くなっておって、新しい医学の分野だとさえ言われているようであります。そこで最初にお尋ねをしたいのですが、最近のこの循環器病の傾向というのはわが国では一体どういうふうになっているのか、少しばかり御説明をいただきたいと思います。
○石丸政府委員 ただいま先生御指摘のように、わが国の循環器病患者の数あるいは循環器病に起因いたします死亡者の数というものは、年々増加の傾向にあるわけでございます。これは一つには、わが国の国民の平均年齢がだんだん高齢化してくるという、いわゆる人口の老齢化現象というものが非常に大きく作用しておりますし、またもう一つは、やはり食生活の変化というようなもの、たとえば動物性脂肪を非常にたくさんとるような状況になってきた、こういういろいろな社会的変化に対応いたしまして循環器病による死亡者数が非常にふえてまいっておるわけでございまして、ただいま先生御指摘のようなすべての循環器疾患を総合いたしますと、わが国の死亡順位の第一位を占めるのではないかというふうに考えておるところでございますが、たとえば昭和四十五年におきます循環器病患者による死亡者数は二十九万六千九百十一でございまして、これが四十六年には二十八万七千四百六十三、四十七年には二十八万六千八百四十七、四十八年三十万一千四百八十一、四十九年三十万四千七百八、五十年三十万一千四百五十四というふうに年々増加の傾向にあるわけでございます。ただ、このうち、わが国の特徴といたしましては、脳卒中等を中心といたしますいわゆる脳血管障害の患者が非常に多いわけでございますが、最近の傾向といたしましては、心疾患が増加の傾向にあるようでございます。そういうふうに、わが国の人口の老齢化現象あるいは生活様式の変化、そういったものに伴ってなお今後増加するのではないかというふうに考えておるところでございます。
○上原委員 私も少し調べてはみたんですが、厚生省が四十九年十一月に「公的病院診療機能調査」という報告書を出されておるようであります。これを見ても、いまお答えがありましたように、この循環器病の有病率というのが年々高くなっているということと、また国民生活の生活水準の向上といいますか、そういう面での人口的にも高齢化の方向にある、あるいは食生活の変化というようなこと等が主な原因だと言われているわけですが、同時にこの公的病院診療機能調査によって見ましても、この施設なりあるいは公的機関の設立というものが十分でない、こういうことが指摘をされているわけです。その一環として、今回のこのセンターの設置ということも出たかもしれませんが、そこで、このセンターの設置と同時に、もっと重要視をされなければいかないことは、やはりリハビリテーションの問題じゃないのかという指摘があることも御案内のとおりだと思うのです。すべての傷病によって喪失した人間性の回復というのがリハビリテーションの最もねらいとするところだとこの報告書でも指摘されているような気がいたします。 そこで、せっかくセンターは設置をしてみても、この脳性麻痺あるいは脳血管疾患、心疾患の増加に伴う患者さんたちのリハビリテーション問題は一体どうするのかということが、あわせて政策的にも行政的にもマッチさせなければいかない問題だと思うのです。この点がこの法改正の面では残念ながら欠落していると言わざるを得ないのじゃないかという気もいたしますが、この点についてはどういうお考えを持っておられるのか、また現況はどうなっておるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○石丸政府委員 ただいま先生御指摘の循環器疾患対策としてのリハビリテーションの問題でございますが、この循環器疾患のみに限らず、わが国における医療の面でこのリハビリテーションの面が非常に立ちおくれていることは事実でございまして、最近ようやくわが国においてこのリハビリテーションが注目され出して、第四の医学というような言葉で言われておるわけでございまして、今後あらゆる疾病対策としてリハビリテーションをより充実をしていくという立場に立っておるところでございます。 そういったような現状でございますので、わが国においてこのリハビリテーションを担当いたします医療職員、いわゆるOT、PTといわれるこういった職員が非常に不足をしておるという現状でございまして、わが国の現状におきましては、このOT、PTを養成するというところに現在重点が置かれておるところでございます。そういった態勢の立ちおくれというものもあるわけでございますが、また医学の学問的な立場に立ちましても、特に循環器病のリハビリテーションというものもおくれておるところでございまして、このリハビリテーションのみでなく、循環器病センターにおきましては、疾病の治療のみでなく、リハビリテーション、それと同時に発病前の予防からリハビリテーションまで一貫いたしましてこの循環器病センターで研究を行うという、そういう体制を今後立てたいというふうに考えておるところでございますが、そういうふうにして得られました研究成果というものを国民にどういうふうに適応していくかという問題でございますがへただいま申し上げましたように、いまの段階におきましてはOT、PTを鋭意養成をしている段階でございます。ただ国立療養所の一部におきまして、これは国立宮城療養所でございますが、国立仙台病院と提携いたしまして、まず脳卒中等の発作が起きました場合、とりあえず国立仙台病院で治療をし、症状が固定いたしましたらこれを国立宮城療養所に移して、ここでリハビリテーションをするというような一つのモデル的体系をつくって現在実施中でございまして、そういったものを今後さらに全国的に普及するように努力してまいりたいと考えております。
○上原委員 確かに医療従事者の確保というのは、単にこの分野だけでなくしてあらゆる面で問題になっているといいますか、非常に人材難である、需要と供給のバランスがマッチしていないということは指摘されるまでもないと思うのです。 そこで、この法案との関係でございますのでお尋ねするわけですが、このリハビリテーションの分野をもっと充実化していくために必要な医療従事者、たとえば理学療法士あるいは作業療法士というのが、たしか昭和五十年十二月末で理学療法士が千八百五十一名、作業療法士がわずかに五百五十二名ということで需給バランスが全然とれていない、大きく立ちおくれているという指摘があるわけですが、一体この種の、老人病あるいは成人病と言われているものを十分治療し、かつリハビリテーションまでやって人間性の回復をやるというには、その水準とする従事者はどのくらい必要なのか、いま鋭意人材養成をやっているというお答えでしたが、どのくらい必要と見ているのか、また一定の水準を確保するには今後どういう計画でどのくらいの期間かかるのか、ここいらについての見通しもひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○石丸政府委員 理学療法士あるいは作業療法士の必要数でございますが、これは今後のわが国の患者数の推移に従っていろいろ変化するとは思いますが、現段階におきましてわれわれが一つの目標として考えております数字は六千名という数字でございまして、現状はただいま先生御指摘のように約二千名という、こういう状況にあるわけでございます。したがいまして、非常にこの面では人員不足がはなはだしいわけでございまして、そういった必要な理学療法士あるいは作業療法士を養成するために国立で、従来国立療養所東京病院の中にその養成所をつくっておったわけでございますが、本年さらに国立犀潟療養所の方にその養成施設をつくったところでございます。なお、民間のそういった養成施設もあるところでございますが、今後さらにそういった養成施設の増設ということも考えたいと考えております。 ただ、その養成所をつくりましてもそこで教える先生がまた不足するという、こういう状況で、非常にリハビリテーション関係はわが国で立ちおくれているという、そういう現状でございますので、まず教師の養成からやらなければならないというようなことで、現在外国の方にも留学をさせたりいたしまして、教師の養成も並行してやっておるところでございますが、今後さらにこのOT、PTの養成には努力をいたしたいと考えております。
○上原委員 そうしますと、現在は、必要人員の観点から見ても大体三分の一程度しかいない、また養成もきわめてむずかしいという状況になりますと、今後の医療行政の分野において一つの問題として、課題として残るということになりますね。 そこで大臣にお答えいただきたいのですが、このようにリハビリテーション問題を含めて循環器疾患対策というものが非常におくれをとったという背景、原因はどこにあったと見るのか、政策的にもっとこれは積極的にやらなければいかなかった分野じゃないかという感じもするわけです。いろいろ広範囲にわたる医療福祉の窓口である面からすると、なかなかそこまで手が回らなかったと言っしまえばそれまでかも知れませんが、やはり健康で文化的な生活とまではいかないにしても、一たんこの種の、非常に人間の機能を麻痺させるような疾患にかかった場合の対策、予防対策、あるいは万一かかってしまった後の回復ということを考えると、このことについては厚生省としてもっと積極的に早目にやらなければいかなかった一つの分野じゃないかと思うのですが、この点についてどういうお考えを持っておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 これは鶏が先か卵が先かというような議論じゃないかと私は思うのです。結論的に申しますと、一つは、いま御指摘のようにもっと早く手を打つべきじゃないかという御意見があってしかるべきだと私は思います。もう一つは、やはり非常に生活程度が高くなって食い物のためとか肉をたくさんとるとか、こういうようなことから循環器関係の病気が出てきたということも事実だと思います。それから、思いがけないほど急激に日本人の寿命が延びた、そのために老齢化が非常に進んだということもまた言えるわけです。そういうような点がいろいろあるわけでございますが、脳卒中とかあるいは心臓疾患とか、そういうようなものが出てきたわけであります。したがって、最初からそういう見通しを立ててやればもっとよかったには違いないと思いますけれども、東にがんセンターをつくったりいろいろな限りある予算の中でやることでございますから、まあ御指摘のような点もございますが、われわれとしては実は限りある予算の中では急いでこのような措置をとったということもお認めをいただきたいと存じます。
○上原委員 これは限られた予算の範囲とか、あるいはいまのようなお答えをされると、これ以上お返しする質問のしようもないわけですよ。精いっぱいやっているがこの程度しかできないと言えば、だれだってそういうことはあるわけですが、そうじゃなくして、やはり限られた予算の範囲でも優先順位とかいろいろあるわけですから、今日的な立場に立って国民の健康を守る、むしろ予防対策をしていくという意味では、私はこの循環器病センターの設置というものはかなりおくれをとったんじゃないか、その点は指摘して差し支えないんじゃないかという気がするわけです。 結果は別としまして、これから積極的に推進をしていかねばいかないわけですから、そこで、ではこの法案を改正することによって今後どの程度の効果といいますか改善がなされていくのか、その見通しはどうなのか、この点を今後のためにお伺いをしておきたいと思います。
○石丸政府委員 御質問に数字をもってお答えすることは非常にむずかしい点がございまして、非常に抽象的なお答えになろうかと思います。 まず、わが国におきまして人口の老齢化というものが、ただいま大臣の御答弁にもございましたように、諸外国に比べまして予期せざるようなスピードで進展をした、そういう問題があるわけでございまして、そういった予期せざる進歩に追いつけなかったという一つの事態でございまして、それがあらゆる面にあらわれてきているというふうに考えざるを得ないわけでございます。やはり、第一線においてそういった患者さんを診療する医師の問題にいたしましても、この循環器病の医学というものも非常におくれているということも言えると考えるわけでございまして、そういった意味におきまして、この循環器病センターが運営されますと同時にそこにおきましてそういったわが国のおくれました医学の研究が非常に進むということ、それと同時に、このセンターにおきましては、専門医師の養成ということも任務として持っておるわけでございまして、全国各地からいろいろな医師を集めまして、ここで循環器病に対しますいろいろな専門的な医学教育というものも行うわけでございまして、その専門医が新しい知識を持ちまして、全国各地において進んだ医学をもってこの診療に従事するという面もあろうかと思うところでございます。さらに、ただいま申し上げましたような、わが国で最もおくれております医学の分野でございます理学療法あるいは作業療法、そういった分野もここでいろいろ研究いたしまして、その成果が全国に及ぶというふうに考えておるところでございます。ただ、それが何年後に患者がどれくらい減少するというそういった数字をもってはなかなか御説明できないところでございますが、そういったいろいろな効果が国民の健康の上によい結果を及ぼすというふうに考えておるところでございます。
○上原委員 確かにこれは医療問題ですから、すぐ数字で、設置されて後にどれだけ効果が出るということはむずかしいと思うのですが、ただ、御要望申し上げておきたいことは、新しい機関なり機構を設置するということは、その恩典なり利益というものが国民に還元をされなければいかないわけですよね。お役所のための機関設置であってはならないと思いますので、私も十分には勉強してございませんが、いろいろ問題ありやに感じます。そういう面で、せっかく設置をするわけですから、積極的に国民の健康を守る、また老人成人病というものの予防対策をし、その患者の回復を促進していくという有為な機関たらしめるように御努力をお願いしたいと思います。 そこで次に、最初に申し上げましたように、主に沖繩のハンセン氏病の問題についてお尋ねをしたいわけですが、復帰後の対策と最近の傾向はどういうふうに把握しておられるのか、御説明をいただきたいと思います。
○佐分利政府委員 まず沖繩のハンセン氏病患者の動向でございますが、一般的に申しますと、入院患者も在宅患者も、また新発生も逐年減少いたしております。特に問題になりますのは新発生患者でございますが、昨年の沖繩の新発生は四十一名でございまして、最も多かった四十二年の百七十八名に比べますと、四分の一以下に減っているわけでございます。また、沖繩の場合は日本の新発生の六割を占めておりますので、自然沖繩のハンセン氏病対策には特に力を入れているところでございまして、療養所といたしましては、医務局所管でございますが、愛楽園、南静園の整備が引き続き進められておりますし、また予防対策といたしましては、沖繩本島、八重山、石垣島、こういったところのスキンクリニックに対しまして国は約三千万円足らずの委託費を交付いたしまして、予防対策、社会復帰対策にも力を入れているところでございます。
○上原委員 大まかな傾向というのはいまお答弁があったようなことかと思うのです。ただ、非常に注目といいますか注意せねばならない点もまた指摘をされているわけですね。ここで細々したことは申し上げられませんが、復帰後沖繩のない事情はどのように変わったかということで、国立療養所沖繩愛楽園の園長をしておる犀川一夫先生がおまとめになったものがあります。それは恐らく厚生省の局長を初め関係者も目を通されたと思うのですが、この中で若干心配されることも指摘をしております。 従来は離島なり僻地の方で新患者が多かったけれども、だんだん過疎化現象等が出て人口が都市に集中をしてきている復帰後の段階においては、都市近郊部で新患者がふえている傾向がある、そういう意味ではこれまでのような対策ではいかない面も出てきているので、関係者の一層の積極的対策が必要であるということを述べております。 そこで最近、何か承るところによりますと、厚生省と県と関係市町村なども入れてらい対策委員会などを発足させて、近々対策要綱をまとめるというお考えもあるということですが、この点はどのように進めていかれようとしておられるのか。いま私が指摘しました新しい対策も考えなければいかないということについては、どういうふうに実情を掌握しておられるのか、そこいらについてもお答えを願いたいと思います。
○佐分利政府委員 ただいま御指摘のように、かつては沖繩のらいの新発生は宮古、八重山に多く、沖繩本島では北部の名護地区に多かったわけでございますが、最近の人口の都市集中化等の影響を受けまして、那覇周辺に新発生が多く見られるようになってまいりました。したがいまして、私どもも沖繩復帰以前から、具体的に申しますと三十七年度かららいの専門医を派遣医として派遣いたしまして、療養所における対策はもちろん、地域における予防対策にも力を注いでまいったのでありますが、そういった専門医を派遣いたしまして接触者だとかあるいは学童の集団検診、早期発見をするという施策は現在も続けておりますけれども、そういった対策の重点を、先生が御指摘のように大都市の周辺に移しつつございます。またそれと歩調を合わせまして、ただいま先生からお話がございましたように、沖繩県庁の方でらいの特別の対策協議会のようなものをつくりまして、特に学校の養護訓導だとかあるいは地域の衛生委員だとかそういう方々の従来より一層の御協力を得て、この際一気に沖繩におけるらい問題を解決したいという動きがございます。こういった点につきましてはあらかじめ沖繩県の方から厚生省にも御連絡があるわけでございまして、厚生省も御相談に乗り、また学界の専門家の御意見も聞き、沖繩のそういった新しいプロジェクトを今後大いに発展させてまいりたいと考えております。
○上原委員 そうしますと、このらい対策協議会といいますか委員会は、国と県と関係者間で発足させるわけですね。
○佐分利政府委員 できるだけ早く発足させたいと考えております。
○上原委員 そこで、いま御答弁がありましたように、もちろん復帰前もこの件については国の御援助はかなりいただいてきているとは思うのですが、主に復帰後、施設の整備拡充、医療の充実、入園者措置の改善、福祉の増強等が進んできたことば私も率直にある面で評価をいたしたいと思うのです。最近の世論調査を見ましても、公共施設なり社会福祉が徐々に改善されつつあるということが復帰してよかった面の一つに加えられてきていることは私たちも注目をしたいし、いま一歩力を入れると、この分野においては県民の国に対する姿勢あるいは期待というものも相当いい方向に向かうのじゃないかという感じもいたしますので、特段の御努力をお願いをしたいわけですが、同時に、この南静園にしましても愛楽園にいたしましても、沖繩全般の問題でもありますが、特にこの分野においては医療従事者が不足をしているということが非常に切実な問題になっているわけですね。同時に、施設面もいま申し上げたようなことが改善はされてきているとはいうものの、ある面ではまた社会的ないろいろな制約という面もあり、申し上げるまでもございませんが、数字的に見ましても復帰後は退園者が非常に少なくなっておりますね。たとえば昭和四十六年の年間退園者は四十四名、四十七年四十九名、四十八年十名、四十九年十四名、五十年に至っては九名、五十一年はもっと減っておると思うのです。したがって、こうなりますと、入園者の方々の年齢が高齢者になるということもまた当然言えると思うのです。 そういう面からして特に強くお願いを申し上げておきたいことは、施設面が改善されたとはいうものの、不自由者病棟の整備が本土に比べて非常に立ちおくれているということですね。たしか本土のハンセン氏病の方々の入園している施設は昭和三十七年あたりから個室制をとっておって、不自由者病棟というものが逐年整備をされて、本年五十二年度をもって大方完了すると言われております。しかし沖繩の場合は、その面の改善が十分でないどころか、復帰後一部の改善はなされておりますが、いまだに依然として四名の方々が同居しなければいかないということが、関係者から何とかやってもらいたいという非常に強い要求が出されております。同時に、先ほど申し上げましたように、退園者が少なくなっておるということは必然的に入園者が老齢化をしているということ、したがって不自由者数が多くなって、看護助手の絶対的な不足と相まって園内における生活面になお一層の御不自由をしているという実態なんですね。これは愛楽園、南静園を問わずこういうことです。このことは当然格差是正という立場から考えましても、またハンセン氏病対策という意味からしても、早急に解決をしていかなければいけない問題であると思うのです。このふとについてどのような改善策を持っておられるのか、今後の計画を含めてお答えをいただきたいと思います。
○石丸政府委員 ただいま先生御指摘のように、らい療養所の退園者の数の減少ということは非常に顕著でございます。ただ、らい療養所は普通の他の病院と違いまして、医療機関であると同時に、患者さんの生活の場であるという特殊性があるわけでありまして、したがって、病気が治っても社会に順応するまでの間退院できないとか、いろいろな社会的条件もあるわけでございまして、その点特殊性としてわれわれも今後十分対処してまいりたいと考えておるところでございます。 そういうふうに退園者の減少に伴いまして療養所内におきます医療の質というものが非常に変化してまいっておるわけでございまして、一つは、従来でございますと、らい専門の医師の確保ということに努力いたしておったわけでございますが、現在はいわゆるらい治療以外に成人病対策というようなことも大きな問題になっておるわけでございまして、そういったお医者さんをらい療養所にそれぞれ専任で確保するということはなかなかむずかしいところでございます。なお医師の充足には努力いたしますけれども、われわれといたしましては、専門の医師というよりは、そういった医師を園外から応援に来ていただく、そういう体制を今後とって、入園患者さんの医療をさらによりよいものにしてまいりたいと考えております。 それと同時に、収容患者さんの老齢化に伴いまして不自由者数が増加しておるということ、これは先生御指摘のとおりでございまして、そういった意味におきまして、現在国立らい療養所におきます施設整備につきましては、不自由者病棟を中心といたしまして整備を行っておるところでございます。従来、重症病棟の整備に努力いたしておったわけでございますが、重症病棟につきましては大体整備は完了いたしまして、現在不自由者病棟を中心に整備を進めておるところでございます。それで、全国的に見ますと昭和五十一年度までに約七四%の不自由者病棟の整備が終わっておりますが、沖繩県につきましてはこれが六四%という数字でございまして、本土に比べますと、若干のおくれがあるわけでございます。ただ、沖繩におきましても愛楽園と南静園では事情が非常に異なっておりまして、南静園の不自由者病棟の整備率は八一・三%ということでございます。それから愛楽園の方が五七・五%ということで、平均いたしましてただいま申し上げましたように六四という数字になっておるわけでございまして、今後、特に愛楽園の不自由者病棟の整備には努力いたしてまいりたいと考えておるところでございます。本年度の計画におきまして、本土、沖繩同一レベルに大体そろうように考えておるところでございまして、全国、沖繩を含めまして八〇%程度までこの整備を進めてまいりたいというふうに考えております。 さらに個室の問題でございますが、これも南静園と愛楽園では非常に格差があるわけでございます。特に愛楽園におきましては個室がゼロというような状況でございまして、南静園の方は四九%の個室化ということが進んでおりまして、大体本土並みには整備されておるところでございますが、そういった意味におきまして、やはり現在のらい療養所の中において個室の必要性ということはわれわれも十分認識いたしておるところでございまして、そういった面での愛楽園の個室化ということには、五十二年度予算でもってさらに努力してまいりたいと考えております。
○上原委員 そこで、これは厚生大臣にぜひ御検討——御検討というよりやっていただきたいのですよ、率直に申し上げて。いま御答弁がありましたように、医療面においても施設の面においても、依然として相当の格差があるわけですね。格差があるのですが、予算というものは、ハンセン氏病対策というのは厚生省予算の全体の中で全国ネットに組まれているわけですよ。そうすると、どこだって施設は充実したい、お医者さんも採りたい、看護婦も不足だというのが現状ですから、格差があるからといって沖繩だけに重点的にやろうと思っても、なかなか分捕り合い——悪く表現すれば分捕り合いですよね、厚生大臣みたいに力の強い政治家がいらっしゃるところはどんどん取っていくが、沖繩みたいに、ぼくみたいなちっぽけなやつしかいないところは取れない、こういう弊害が実際問題としてあるわけです。私はそれでは格差是正にならぬと思うのです。そこで、こういうアンバランスをなくしていくためには、沖繩にはやはり特別の予算措置をやっていただかなければいかぬ。これは政策の問題ですから、大臣の特別な指示がないとお役人さんやっていただけないと思うので、その点いま説明がありましたように、個室の問題等はきわめて重要な施設改善ですから、早急にやっていただきたいということ。 さらに、ほかにもありますので具体的に申し上げますが、たしか沖繩愛楽園入園者自治会から、会長天久さんが代表で、愛楽園の不自由者病棟及び普通一般病棟を別枠予算をもって三カ年計画で整備をしてください、整備三カ年計画というふうに具体的に要請書が出されていると思うのですね。昭和五十二年度で約三億四千一百万円、昭和五十三年度で二億九千一百万円余、さらに昭和五十四年度においては二億一千九百万余円、そして必要予算総額は、この一般病棟と不自由者病棟を本土並みかあるいは個室を与えられるように整備をしていくには、おおむね八億円の予算がかかるというふうに具体的に要求書が出されていると思うのです。このことについてはどういう御検討をしておられるのか、ここいらのことを真剣にやっていただかないと格差の是正にもなりませんし、本当に国立療養所になったという実感がわいてこないと思うのです。この点については特段の御配慮をお願いをしたいと思うし、また当然私はやるべきだと思うので、この点はぜひ大臣の方から決意とお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 沖繩の中でも愛楽園のように特別におくれているところがあるようでございます。そういうところにつきましては、沖繩だけ特別枠というわけにはいきませんけれども、予算の中で特におくれているようなところは特別に見ていくというような配慮はしてまいりたい。沖繩でも、県立病院かもしれませんが、中部病院というのは救急医療体制じゃ日本一だという話なんです。内地よりも進んでおるところも実はあるわけで、見習わなければならないところもございます。そういうおくれたところもございますから、そういうものはおくれを取り戻すように特別の配慮はしてまいるつもりであります。
○上原委員 抽象的なことだけではこれは納得できないのです。私はもう少し、具体的に数字を挙げて三カ年計画でこうやってもらいたいということを、これはもちろん要請書はたくさんありますが時間の都合で読みませんが、これだけ具体的に数字を挙げて要請しておる、あるいは陳情書を出している以上は、政府としてはもう少し親身の対策なり検討をしていただかねばいかぬと思うのです。一体いま私が申し上げたようなことに対して、では事務当局はどのような御検討をなさって、この見通しはどうなのか。ただ配慮をしていくというだけではまたお茶を濁される可能性もありますので、もう少し誠意ある御答弁をいただきたいと思うのです。
○石丸政府委員 実は私も愛楽園を二度見に行ったところでございまして、その実情をよく認識しているつもりでございます。ただいま大臣からも御答弁申し上げましたように、今後大臣ともよく御相談申し上げまして、できるだけの配慮を加えてまいりたい。予算はやはり各年度別でございますので、次の年度の予算を含めて何年度までということはなかなかこの場ではお答えできにくいところでございますが、できるだけの努力はやりたいというふうに考えております。
○上原委員 厚生大臣は、御性格上余りリップサービスはしないお方だとも問いでいるのですが、これはいま申し上げた三カ年計画なり、もちろん一〇〇%とはいかないかもしれませんが、事務局の検討もよくお聞きになっていただいて、いま申し上げたような実情に沿うように御努力をいただけますね。ちょっと申しわけありませんが、あと一言決意のほどを伺っておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 私はリップサービスもいたしませんが、サービス不足もいたさないつもりであります。陳情書にあるとおり、それは日本国じゅうから出ているわけですからそのとおりのお答えはできませんが、しかし先ほど言ったようにおくれておるところ、いま言ったような愛楽園という具体的な名前を出して、そういうおくれておるところは私が認めておるわけですから、それは何年計画とかなんとか言わなくても、私の方としてはそういうところは特別の配慮をいたしますと言うのですから、来年度予算を見てもらえばわかることであります。
○上原委員 期待しておきます。 次に、あと一点この件と関連しまして、宮古の南静園に勤務をしている職員の赴任費の支給の問題ですが、何か厚生省関係は、係長までは旅費を支給するがそれ以下の一般職には支給していないという苦情が関係者から出ているわけですが、これは事実とすればきわめて差別待遇だし問題があると思うのです。また厚生省から文部省のいわゆる琉大付属病院に転勤した者はすぐ文部省予算で支給されるが、厚生省の場合はお金がないのかあるのかわかりませんが、支給してないという苦情が出されております。これは調査の上で、もし事実であれば是正すべきだと思います。当然また一般職においてもよい支給をやってもらわなければいかないし、特に南静園の場合は僻地であるというようなことなどもあって、なかなか赴任するにも家庭事情なりいろいろあってむずかしいという面もあるわけですから、加えてこのような差別的な措置がなされているとすれば人材確保というのは一層困難になる、この点は早急に是正をしていただきたいと思いますが、お答えを願いたいと思います。
○石丸政府委員 先生御承知のように、国立医療機関には非常にたくさんの職員がおりまして、その全体の赴任旅費との問題もあろうかと思います。いずれにいたしましても、要した旅費等については支弁をしているということは事実だというふうに考えておるところでございますが、特に一般の行(二)の職員等につきましては現地採用ということが原則になっておるようでございまして、あるいは先生御指摘のようなことがよそから来た行(二)の職員にはあったかというふうにも考えられるところでございます。現に南静園にそういう例があったかどうかちょっといまのところわかりませんので、なお実情を調査いたしまして善処いたしたいと考えております。
○上原委員 では、これはそういう事実があれば、係長以上に旅費支給とかいうことじゃなくて一般職も当然やるべきだと私は思いますが、改正していただけますね。
○石丸政府委員 実情を調査した上、善処いたします。
○上原委員 そこであと一点、これも私はこれまでも取り上げてきたのですが、どうも継続して取り上げないとなかなかおやりにならない点もあって改めてお尋ねしたいのですが、沖繩の原爆被爆者に対する補償問題なんです。御承知のように、本土の被爆者の皆さんとは約十年間の開きがあるわけですね。そこで齋藤厚生大臣のときにも私予算の分科会で取り上げて、なかなか困難な問題ではあるけれども、法律的に言えば復帰前のことだからできないと言ってしまえばそれまでのことなんだが、そうも言っておれぬからよく検討してみますということだったのです。 具体的に申し上げますと、関係者から出されたおよそ三億二千万円に相当する復帰前の医療補償の支給をやってもらいたいということなんですね。これはその当時の医療を受けた明細書とか、また法的問題があるというようなことでこれまで実現をしておらないわけですが、しかし私もこれまで二、三回お尋ねをしてまいりましたが、その都度むずかしい問題だがよく検討してみます——検討してみますということは、国会用語では、やらないということでもあるんだということも言われているわけですが、私はそういう解釈にはとれないわけです。ここでくどくは申し上げませんが、四十九年の三月八日、予算の第三分科会で私が取り上げて会議録にも当時の齋藤厚生大臣の御答弁が明白に載っております。 そこで、さらに最近の政府に対する沖繩県知事からの要請書、陳情書を見ましても、四十九年八月三日に屋良知事から齋藤厚生大臣へ、四十九年八月七日に屋良知事から開発庁長官ですか出ております。さらに五十年の十二月十七日にも公衆衛生局長あてに屋良知事から出ていると思うのですね。そして最近五十一年の九月一日には、屋良知事の後を受けて知事に就任なさった平良知事からも田中厚生大臣、植木沖繩開発庁長官、現地の沖繩総合事務局の小玉局長あてに出している。こういうふうに県首脳からも再々この問題については善処を賜りたい、もし個人的な医療補償というものができなければ、何らかの形で公的な補償といいますか、そういう面でも被爆者の皆さんの苦労に報いてもらいたいという強い、切実な要求が出ておるわけですが、この点についても、やはり力のある今度の渡辺厚生大臣でなければ実現しないんじゃないかということも言われておりますので、この際、沖繩の復帰五年の節目ですから、何らかの形でこの問題に対して結論を出していただきたいと私は思うのです。改めて御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○佐分利政府委員 先生のお気持ちはわかるのでございますが、端的に結論を申し上げますときわめて困難でございます。私どもは、ただいま先生御指摘のように四十九年三月八日の予算委員会第三分科会で元厚生大臣が検討してみようというお答えをいたしましたので、事務当局といたしましては、その後いろいろとつぶさに検討をいたしました。その場合、幾つかの問題があるのでございますが、大きく分けると三つの問題になろうかと思います。 その第一は、現行の原爆二法は国家補償法ではなく、特別な社会保障法でございます。したがって、そういう性格のものにつきましては、さかのぼって補償する、救済をするということはきわめて困難でございます。 第二の問題は、ほかの沖繩にいらっしゃる恵まれない方々との均衡の問題でございます。もう私どもの方では、らいの入院患者の方々にはお見舞い金を差し上げました。しかし、これはいわゆる旧癩予防法によって強制収容をされ、しかも四十一年から始まりました患者の給与金の額が本土と沖繩とでは違っていた、そういったところに着目をいたしまして、一人当たり十万円のお見舞い金を差し上げたわけでありますが、これにつきましては、ただいま申し上げましたような確固とした理由があるわけでございます。そこで、ほかにたとえば生活保護法関係だとかあるいは国民年金関係だとかいろいろ問題があると思うのでありまして、そういう方たちと比較した場合に非常に問題が起こってくるのでございます。 第三は、もっぱら事務的な問題でございますが、ただいまも先生から御指摘がございましたけれども、三十二年から四十年までの医療費の証明等が得られるのであろうか、そういった事実の認定ができるのであろうか、そういった問題がございます。 したがって、それらの点を総合いたしますと、冒頭に申し上げましたように、先生のお気持ちはよくわかるのでございますけれども、きわめて困難な問題でございます。
○上原委員 きわめて困難な問題であるという答えをいただくために私は三年間この問題を検討していただきたいと言ったわけじゃありませんのでね。確かにいま御答弁がありましたように、復帰前のことでもありますし、またほかへの波及なども考えるとなかなか容易でないということは当初から指摘されてきたことなんです。 そこで、事務当局としてはこういうお答えなんですが、大臣、これはいまも原子爆弾被爆者に対する補償の問題あるいは医療給付の問題等については、現在の法律を改正しようという野党側の強い要求もあるということも御承知だと思うのです。またこれまでも再三社会労働委員会においても附帯決議がなされております。第七十七回国会の附帯決議を見ても、その九番目に「沖繩在住の原子爆弾被爆者が、本土並みに治療が受けられるよう専門病院の整備に努めるとともに、沖繩の地理的歴史的条件を考慮すること。」私はいま、復帰前の医療費の問題について何らかの措置をとってもらいたいと申しましたが、附帯決議というのは、与野党一致のものですから大体こういう表現になるわけです。そういう面からしても、厚生省当局として、この問題についていま局長から御答弁いただいたような形で片づけるのではなくして、たとえば、いまも少しくお触れになりましたが、国民年金の場合ですと、給付期間に満たないものを、一定の年金負担額を納めて取り扱いを本土並みにしたといういきさつなどもあるわけですね。この問題に対しては、いろいろな便法というか手法を講ずれば、関係者から要請されているようなことではなくして、団体に対する公的医療機関の補助とか何らかの形でそれなりの、政府の誠意の見せどころをお示しになる方法があるのじゃないかと私は思うのですね。この点についてさらに御検討をいただきたいのですが、このことについても大臣の方からぜひお答えを賜りたいと思います。
○佐分利政府委員 ただいま御指摘のように、衆参両院の附帯決議にもそのような決議が載せられております。したがいまして、私どもといたしましては、まず沖繩における原爆医療対策の充実を図らなければならないと考えております。沖繩には、現在、認定疾病の指定医療機関は六カ所ございますし、一般医療の担当医療機関は三十五カ所あるわけでございまして、九州各県に比べれば指定は非常によく行われているわけでございます。しかしながら、原爆の専門医もいらっしゃらないということでございますので、過去十一年を平均いたしますと毎年二回程度、広島の原爆病院、長崎の原爆病院などから原爆医療の専門医を派遣しているのでございまして、特に、特別な医療を必要とする方につきましては、渡航費を国が負担いたしまして、沖繩から広島、長崎の原爆病院に行っていただくというような手段も講じております。また、健康診断の実施状況を見ましても、沖繩は本州各県に比べても非常によくやられている地域の一つではないかと思うのでございます。 また、原爆特別措置法関係でございますが、認定患者の認定は全く客観的に行われているのでございますけれども、現在、沖繩の被爆者の方はだんだんとふえてまいりまして、三百四十人になっております。そのうち十四人は認定患者になっていらっしゃるという状況でございまして、もうすでに沖繩の原爆対策についてはかなりの力を入れているのでございますけれども、先ほどございました附帯決議あるいは先生の御要望等も踏まえまして、さらに何らかの対策を講ずる必要があるであろう。したがって、五十年度に実施いたしました十年ぶりの原子爆弾被爆者全国実態調査におきましては、沖繩県については特に三百四十人の被爆者の方全員の調査をしたわけでございます。この結果も近く公表されるのでございますが、そのようなデータ、結果もよく検討した上で、原爆医療法上の問題あるいは原爆特別措置法上の問題についてさらに改善を加えていく所存でございます。しかしながら、先ほど御要望のございました三十二年から四十年までの医療費のさかのぼり補償あるいはさかのぼり救済という問題につきましては、現時点においてはきわめて困難でございます。
○上原委員 この原爆被爆者の医療給付の問題だって、関係者からも強い要求が出されて、また国会でも再三取り上げられて、ようやく今日のところまで来たわけですね。もちろん政府に全然御努力いただかなかったということではありませんが、関係者の強い要求なり私たちの追及がなかったら今日の段階まで来なかったと私は思うのです。そこで、もう時間が参りましたが、きわめて困難であるということは私も承知の上でこのことを何度か取り上げておるわけですよ。しかし、そう簡単に片づけられる問題でもありませんので、厚生大臣、この件についてももう一度よく御検討いただいて、何らかの形で報いられる方途を講じていただく。そのことについてさらに御検討をいただきたいと思うのですが、お答えをいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 上原さん御承知のように、私は、できそうなやつは特別な配慮をします。しかしながら、復帰前にさかのぼって医療費の支払いをしろということは、横並びの問題がございますから、それだけじゃ済まない。余り前例もない。法制上の問題もある。厚生省としては、元大臣のどなたかがおっしゃったので、事務当局も頭を痛めていろいろ検討してみたけれども、結局はきわめて困難であるという結論に達したことであります。したがって、これは、これ以上言われましてもできないと私は思います。しかし、団体その他について何か考えろというような全然別のお話でございますならば、ただいま佐分利局長からも、沖繩の問題については、地理的、歴史的条件等も考えて、援護法や医療法の問題でいろいろきめ細かい配慮をしてまいりましたというお話もございましたが、それ以外の問題につきましては事務的に少し詰めてもらった上でお答えをしたい、かように考えております。
○上原委員 終わります。
○正示委員長 正午より委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午前十一時七分休憩 ————◇————— 午後零時六分開議
○正示委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。矢山有作君。
○矢山委員 まず、厚生大臣にちょっと簡単に伺っておきたいのですが、この前、四月の十二日に、川崎の駅前で車いすのままバスの乗車を認めろということで、身障者の人たちが実力行動に入ったというのか、そういう中で交通がかなり混乱をしたという事実がありまして、その際、ついに一般の乗客の皆さんが実力をもってそのバスに乗っておった車いすの身障者を排除するというようなことがあって、これは福祉、福祉という立場から言うなら大変な事件だと思うのですが、そういった事件が起こったことに対して、今後の厚生行政を進めていく上に大臣の見解をちょっと承っておきたいと思うのです。
○曾根田政府委員 まず事実関係につきまして簡単にお答えしたいと思います。 川崎の事件は、実は昨年末でしたか同じような事件がございまして、その後運輸省とも相談いたしまして、地元の市、県、これは交通関係、福祉関係の部局でございますが、それと陸運局それからバス会社、そういうところで話し合いの機会を実は持ったのでございますが、なかなかどうも誤解があるようでございまして、必ずしも地元の話し合いの場に積極的に関係の団体の人が乗ってこられなかったというような事情もございまして、一方関係団体、関係者の方はどうも話し合いが進まぬということで、いわば業を煮やして四月の出来事に至ったというふうに承知しております。その後具体的に話し合いがどうなったかについて私ども詳細存じておりませんけれども、関係者、少なくとも地元の当局の方は積極的に解決したいという熱意もございますし、私どもも運輸省の方も、この件については十分承知いたしておりますので、できるだけ前向きに解決するように私ども実は期待しておるところでございます。
○渡辺国務大臣 身体障害者の交通問題につきましては、車いすの問題とかあるいは盲導犬の問題とか、いろいろございます。これは法律だけで云々というものでもなくて、やはりわれわれとしても積極的に御協力方をお願いをしておるところでございますが、一般の社会の大々にそれに対する理解を示してもらうということがないとなかなかうまくいかないのでございます。したがって、折につけわれわれとしては、一般国民に身体障害者に対する福祉の心を持ってもらいたい、こういうようなことでお願いもし、また一部、本当に実験的ではございますが、リフトバス等もこしらえておるところもございます。今後とも身体障害者の方が自力で交通できるようにできるだけ努力をしてまいりたいと思います。
○矢山委員 私は、実はあの新聞を読んだ途端に、かつて四十七年から八年ころにかけて参議院で心身障害者対策を進めていこうというので、与野党の委員の皆さんの御協力をいただいて心身障害者問題についてのいろんな観点からの調査をやったり、それから身障者御本人や家族の人あるいは福祉施設関係、福祉団体の方々の意見をいろいろ聞いて、そしてその対策を進めるための決議をやったのですが、そのときに参考人で見えた石坂直行さんという方の御意見を聞かしていただいた、それを私、思い出したのですが、実はこの石坂さんという人は自分自身が身障者なんですね。自分で車いすに乗ってひとりでヨーロッパを旅行して、ヨーロッパ諸国の身障者問題というのを調査して回った方なんですが、その人が要約するとこういうことを言っておるのです。身障者の福祉の歴史の長いヨーロッパでは、不自由な体の人たちが一般の人々の中で同じように生活することはあたりまえになっておる、交通機関も、公共建築物も車いすで自由に通れるように配慮されておるし、それからまた一般の人たちが身障者の人々に必要な手をかすということがしごく普通のことになっておる。これらの背景にはやはり教育の問題があるんではないか、それからまた社会の連帯感といいますか、そういったものもあるのではないかと思う、こういうようなことを言われておるのですね。私はやはりいまの日本の心身障害者対策というものを見ておると、ヨーロッパ諸国のやり方に対してかなりおくれておるのではないか。ヨーロッパ諸国における心身障害者対策というのは、この心身障害者の人を隔離するのではなしに、一般の地域の中において一般の人と同じようにできるだけ生活させていく、こういうふうに配慮がなされておると思うのです。そういう点では、私は今後やはり心身障害者対策のあり方というものを根本的に検討しなければならぬのじゃないか。それはいまなお依然として根深く残っておるその人たちを社会から隔離するということを中心にしないで、積極的に社会の中で一緒に生活することができるようにする、それにはやはり教育というものが大きな働きを持つと思いますけれども、そういう方向で進めていただく必要があるのではないか、こういうふうに感じておるわけですが、いかがでしょうか。
○渡辺国務大臣 ごもっともの御意見と存じます。
○矢山委員 心身障害者の問題につきましては、また改めて機会を得て大臣の御所見等もお伺いし、また現在の問題点も私どもが感じておることを指摘をしてまいりたいと思いますので、きょうはこの問題はこの程度にしておきたいと思います。 次に、ちょっと高いしておきたいと思いますのは、最近、国立がんセンターの問題をめぐっていろいろと週刊誌をにぎわしておる問題があるのです。この問題に深く立ち入っていくのにはこれはまだまだ実態というものを究明しなければ軽々しく物の言えない問題でありますし、特に日本の医療制度というものは、保険財政の問題にしろ医療体制の問題にしろ、あるいは最近では医者のモラルの問題から薬問題に至るまで非常に多くの問題を抱えておりますので、きょうお伺いしておきたいのは、ただ一つだけ、薬についてこの臨床試験という形で治験ということが行われておりますね、この問題をお伺いしておきたいのです。 臨床試験に使われる薬というのは、私は薬という段階にはまだ至ってないものだと思いますけれども、しかし、いずれにしても臨床試験がやられておる。その臨床試験がやられておる実態というものを厚生省の方では把握しておられるのかどうか、この点はいかがでしょう。
○石丸政府委員 医薬品の製造許可を与えます場合に、いろんなデータが必要でございます。もちろん動物実験から始まりまして、やはり人間の病気治す薬でございますので、人間の病気に効果があるのかないのか、あるいは人間に与えた場合に副作用があるのかないのか、そういった点までデータをそろえまして製薬許可が出されるわけでございまして、そういった意味におきまして、薬の製造に際しましては必ずこの治験ということが行われるわけでございます。 それで、一体どういったところでどういうような、どのくらいの実験が行われているかということでございますが、われわれの方といたしましては、これは薬務局の方の所管になるわけでございますが、特にその治験を受け入れるわれわれ医務局サイドといたしましては、国立病院、療養所あるいはがんセンター、そういった直接の付属機関においてできるだけこの医薬品の発展のために協力するというような意味でその受け入れを行っておるところでございます。そういった国立病院関係におきます実態につきましては、われわれ実数等も把握いたしておるところでございます。
○矢山委員 これは大体あれですか、医務局で医薬品臨床試験実施状況をたしか調査されたことがありますね。あれはいつごろ調査なさったのですか。
○石丸政府委員 先日行ったところでございますが、われわれの持っておりますデータといたしましては、昭和四十八年以降の国立病院全体で実施いたしました研究状況を把握いたしておるところでございまして、昭和四十八年から五十年度まで十七病院におきまして百八十四件という数字でございます。そのうち国立がんセンターにおきまして五十九件を担当いたしております。
○矢山委員 そうすると、そういった実態調査をやられたのは四十八年以降ですから、四十七年までのその治験の実態というのは全然厚生省としてはわかっていないわけですね。
○石丸政府委員 統計数字といたしましては把握いたしておりませんが、そういった実験をやりますとこれはすべて学会に報告されておりますので、そういった意味で整理いたしますればその数字は出てくるわけでございます。
○矢山委員 そこでお伺いしたいのですが、先ほどあなたもおっしゃったように、動物実験をやって、動物実験だけで果たしてこれを人間に投与して効果があるのか、あるいは有害な点はないのか、安全なのか、こういったことを調べるわけでしょうから、そうすると動物実験から人体実験に移っていく境目と言うのか、専門家はどういう言葉を使うのか知りませんが、その基準というのか、そういう点はどうなっているのですか。
○石丸政府委員 これは私からお答えするのが適当かどうかわかりませんが、受け入れる側といたしましては、薬務局の方で製薬許可に際してのいろいろな手続がございまして、ステップ一、ステップ二というようなそれぞれの基準がございまして、医療機関においてこれを受け入れる段階におきましては、動物実験の結果、有害な副作用がないというそういった段階でまず受け入れまして、さらに、それは健康な人に対する影響を調べるためにまず実施いたしまして、それから最後に病人に実際に使って実験をする、こういう段階になっております。
○矢山委員 いずれにしても、人間に投与したことのないものを動物実験の結果だけで初めて試験的に人間に投与するわけですから、私はそういう意味では非常な危険を伴う場合があるだろうと思うから、この点については恐らく——きょうは薬務局来てないですか。——この点については、私はかなり慎重にやらなければならぬと思うので、これは業務局が来てから聞きます。 そこで、それでは医務局の方に伺っておきますが、この治験をやる際の管理体制というか、それはどうなっておるのでしょうか。よく言われておるのは、医師個人とそれから製薬メーカーとの個人的な話し合いで治験が行われるとか、いろいろなことが言われておるわけですね。 そこで、やはり治験というものが、いま話に出ましたように、人間の生命の安全を守るという上において非常に大きな影響を持つものであるなら、この治験をやる際の管理体制というか、そういったものが私はかっちりと確立されておらなければならぬのではないかと思うのですが、その点はどうなんですか。
○石丸政府委員 この治験薬の実験を行うに当たりまして十分注意すべき点でございまして、その点、先生御指摘のとおりでございます。 それで、国立関係におきまして治験薬の試験を受け入れるに際しましては、これはまず受け入れるべきかどうかということを たとえば国立がんセンターを例にとって申し上げますと、総長を委員長といたします研究審査委員会というものがつくられておりまして、この研究審査委員会におきまして、まずそういった実験を受け入れていいかどうかということを調査、審議いたしまして決定し、受け入れて、いろいろな実験を行うわけでございます。したがって、受け入れる際には病院あるいはがんセンター、そういった機関として受け入れるというような体制をとらしておるところでございまして、ただいま先生御指摘のような個人対製薬メーカーというような実験の受け入れというようなことは、国立病院については現在のところとっていない、こういうことでございます。
○矢山委員 研究審査委員会ですか、それがたとえば、いまがんセンターの話が出たから、がんセンターに設けられたのはいつごろからそれは設けられたのですか。
○石丸政府委員 がんセンターで研究審査委員会が発足いたしましたのは昭和五十年十二月一日でございます。
○矢山委員 そうすると、それまではがんセンターでは治験というのはどういうふうにしてやっておったのですか。
○石丸政府委員 はっきり成文化いたしましたのは、ただいま申し上げましたような昭和五十年十二月一日でございますが、その以前におきましても、同じような方法で委員会を設けて受け入れ、あるいは実験方法等も検討いたしております。
○矢山委員 それ以前にそういった似たような委員会を設けて管理しておったというお話ですが、その委員会というのは、どういう名称で、いつごろから設置されておったのですか。
○石丸政府委員 ちょっといま書類がございませんのではっきりいたしませんが、昭和四十七、八年ごろ薬剤委員会というものがございまして、その薬剤委員会の中に小委員会を設けまして、そこで検討をいたしておったようでございます。
○矢山委員 私も同じように聞いているのです。四十七年の七月ごろに薬剤委員会の中に治験小委員会というのが設置をされて、それから治験に対する管理体制ができたんだ、こう言われておるわけです。 そうすると、四十七年の七月以前の状態というのは、これは何もその治験に対する管理をやっていくためのシステムはなかったということなんですね。
○石丸政府委員 そういう意味においては公のシステムというものはなかったというふうに考えております。
○矢山委員 そこで、治験というものが、先ほど来話しておるように人命の安全にとってきわめて重大な影響を持つ、そして治験というのが、先ほども申し上げましたが、医師個人と製薬メーカーとの間でやられておって、なかなかがんセンターとしてもその実態がつかみがたい、こういう問題が起きて、内部でいろいろ問題があったのではないかと思うのです。その結果、四十七年の七月に、これではならぬというので、そうした治験小委員会というものができて、ある程度これに対する管理をやり出した、こういうことではないかと思うのです。 それから、先ほどおっしゃった研究審査委員会が発足したのは五十年の十一、二月ごろでしたね。このときは、ちょうどがんセンターにおいて五十年の九月ごろ例の汚職事件が摘発された、その後にこれはつくられているわけですね。だから、汚職事件の摘発によって、内部の治験の実態、薬剤の取り扱い等がきわめて問題があるということで、これは内部に自主的につくられた治験小委員会だけではその管理体制が不十分である、そういうところからわざわざ五十年の十一月二十八日に医務局長通達を出されて、そうしてその中でこれが設置をされたのではないか、私はこういうふうに思っておるのですが、いかがなんですか。
○石丸政府委員 大体先生御指摘のとおりでございます。特に従前の薬剤委員会の小委員会での問題点は、その実験費の受け入れ、経理の問題が非常にあいまいであったというふうにわれわれ考えておるわけでございまして、そういった経理の面からも明確に機関として受け入れるというような態度を示そうということで、かような措置がとられたところでございます。
○矢山委員 おっしゃるように、まさにこの治験に伴う委託費の問題でいろいろと問題があった。ということは、つまりその管理体制が曲がりなりにもできるまでは、やはり私は医師個人と製薬メーカーとの個人的な約束による治験というものがかなりあったのではないか、そしてそれに金品授受が伴っておったのではないか、そういうことから汚職事件にまで発展した。しかしながら、その汚職事件というのは治験それ自体に伴うところにはいかなかったのだろうと思いますけれども、そういうような反省からその通達が出されてこの研究審査委員会ができた、こういうふうに理解します。 そうすると、やはり治験という問題はかなり問題を含んでおるのだということはお認めになるわけですね。
○石丸政府委員 普通の医療機関でございますと、製造許可の出ました医薬品を使って患者の治療を行うわけでございますが、やはり国立病院あるいは大学付属病院等におきましては、別の使命でそういった実験を行っておるわけでございまして、そういった実験が必ずしも一〇〇%安全とは言い切れないというような問題もございますし、ただいま先生御指摘のような経理面の問題もございますし、いろいろな点からやはり明確に組織的にこれに対処すべきであるというふうに考えております。
○矢山委員 そこで私は、やはりこの際、少なくとも国立の病院、こういうところにおいては、治験というものを管理する体制を確立すべきじゃないかと思うのです。これはやはりただ単に、週刊誌やその他でこういう問題が表へ出てきたが、そんなことはないのだないのだと言うだけでは、これは問題の解決にはならぬのでして、そういう問題が表面化されるということは、先ほどの医務局長の御答弁でもうかがわれるように、やはり治験をめぐるいろいろな問題はあった。医師と製薬メーカーとの癒着というか、そういう必ずしも明瞭でない問題があった。これはやはりいまの御答弁から見て否定できないと私は思うのです。そうならば、治験に対する管理体制は確立してもらいたい。少なくとも患者の生命の安全を守る、そしてまた、いまいろいろと医療に対してはたくさんの疑惑が提起されているときですから、それを積極的に少しでもなくして、医療に対する信頼をただの一つでも回復しようと思うなら、国立病院等においては少なくとも治験に対する管理体制はこの際確立してもらいたいと思うのですが、厚生大臣、いまのやりとりをお聞きになっておってどういうふうに御判断なさるか、御見解を伺いたいと思います。
○渡辺国務大臣 新しい薬の開発ということは人類にとっても非常に大変な仕事でございますから、それ自体はやはり正しく伸ばさなければならぬ。しかしながら一いま言ったように、ともかく使ったことのない薬を使うわけですから、どういうような問題が起きるのか、慎重の上にも慎重をきわめなければならぬ。まして個人的な取引とか利害とか、そういうようなことによって、あなたの御指摘になったような事態等が起きるということは厳に排除をしなければならないので、どういうようなやり方がいいか、私は専門家でないからわかりませんが、私は御趣旨はそのとおりであると考えます。
○矢山委員 それでは、この問題はまた改めて私どももできる限り実情を把握する中でお尋ねをしていきたいと思います。 私がきょうぜひとも要望を申し上げたいと思うのは、先ほど大臣も肯定なさった治験というものの非常な重大性にかんがみて、少なくとも国立病院等においてはこの管理体制を確立していただく、このことはお約束いただきましたので、今後の展開を見守りたいと私は思いますから、ひとつよろしくお願いします。 そこで、次の質問に入らしていただきます。実は時間があれば、いま盛んに言われておるリハビリテーションという問題についての本質的な問題についてもお伺いしたいのですけれども、何しろきょうの時間が制約されておりますから、そういう点についてはまたの機会に譲らしていただいて、当面の問題についてお伺いをしておきたいと思うのです。 厚生省が昭和五十一年の九月十日に工事を着工されて、ことしの六月三十日に竣工が予定されております国立リハビリテーションセンターについてお伺いしたいのですが、まず最初にセンターの設置目的なり事業内容、その規模、こういったことを、事務当局の方で結構ですから御説明いただきたいと思います。
○曾根田政府委員 このセンターの構想といいますか事業内容でございますが、大体大きく言いまして四つあるかと存じます。一つは、医学的リハビリテーションから職業訓練までの一貫したリハビリテーションを実施する、いわば全国のモデル的施設としての機能。それから二番目が、リハビリテーション関係の、特に技術面での研究開発の機能。それから三番目が、リハビリ関係専門職員の養成、研修。それから四番目でございますが、リハビリ関係の国内外の資料、情報等のいわばデータバンクとしての機能。大体そういったことを考えて計画を進めておるわけでございます。 現在の事業量、進行状況等でございますが、いままでこれは特定国有財産整備特別会計、いわゆる特特会計の資金で整備を図ってまいっておりまして、先ほど先生から本年六月末というお話がございましたが、当初その予定でおりましたところ、若干遷延いたしておりまして、恐らく秋ごろになろうと思いますけれども、これで一応五十一年度分の工事が竣工するわけでございますが、実は引き続き五十二年度におきまして、たとえば体育館とか職員宿舎とか、そういう工事を進めておりますので、最小限度の施設整備ができるのは五十三年度になる見込みでございます。その後さらに医療部門とか、そういう特別会計以外の一般会計で負担する事業がございますが、いずれにしても最小限度の工事は、でき得れば五十三年度中に仕上げたいということでございます。 なお、特別会計の整備目標でございますが、三万九千平米、これが目下のところ特別会計による整備目標でございます。
○矢山委員 昭和四十八年の四月に「「わが国の身体に障害のある者の福祉を向上させるために必要なリハビリテーションの具体的なあり方」に関する研究調査報告書」こういうのが出されておるのですが、この報告書によりますと、わが国のリハビリテーション技術の現状は「先進諸国の水準に比して著しい立ち遅れを認めざるを得ない。」こういうふうに指摘しておるわけです。四十七年の厚生白書でも、同じようなことでその大きな立ちおくれを認めておられるわけでありますが、そこで、わが国のリハビリテーションの立ちおくれの大きな原因は何だというふうにお考えになっておりますか。
○曾根田政府委員 大変むずかしい御質問でございますが、従来よく医療面で、予防、治療、リハビリテーションという一貫した健康管理といいますか、そういうことが問題になるのでございますけれども、従来ともすれば、予防、治療面に比べましてリハビリのおくれが指摘されておるのは事実でございまして、その原因はいろいろあろうかと思います。費用負担の問題等もございますし、あるいはこの方面の関係職員、専門の職員の不足等々、それから施設整備その他の関係があると思いますけれども、結局これは健康管理といいますか、治療を主体とした医療面にどうしても傾きがちであったというようないままでの風潮も一つの原因ではないかと思います。これが立ちおくれの最大の理由であるというのを一言で申すのは非常にむずかしいと思いますけれども、大体以上挙げたのがそれの原因になっておるのではないかというふうに考えます。
○矢山委員 専門家の御意見ですから私はそういうふうに承っておきますが、日本の医療が治療に偏り過ぎておるというか、治療が一番金が入るのだ、それがやはり一番の原因じゃないか。リハビリテーション医療というのは、いまの制度の中ではなかなか金にならぬのですよ。それが私は一番大きな原因だというふうに思っておるのです。恐らくそうでしょう。
○石丸政府委員 いろいろな原因があるわけでございまして、ただいま先生御指摘なさったような原因が非常に大きな原因になっておるということも事実でございます。 ただもう一つ、リハビリテーションは、大きく分けますと医学的リハビリテーションと社会的リハビリテーションの二つに分かれるというふうに考えるわけでございまして、従来結核あるいはらい、そういった面で、社会的なリハビリテーションというのはわが国においてもいろいろ検討もされ実施もされておるところでございますが、いわゆる医学的リハビリテーションというのが、ただいま先生御指摘のように医療費の問題とかいろいろな問題で十分行われていなかった、あるいは医学的リハビリテーションと社会的リハビリテーションのつなぎがうまくいっていない、そういったいろいろな意味においておくれているというふうにとっておるわけでございまして、そういった点、今後さらに努力してまいりたいと思います。
○矢山委員 それじゃここで、薬務局長お見えになったようですから、ちょっと残っておる問題一点だけお伺いしておきたいのです。 薬務局長、いま実は治験の問題でお伺いしておったのです。薬を、臨床試験をやる場合、その前段で動物実験が繰り返されてきて、そして今度は臨床試験といいますか、人体実験というか、それに移っていくのでしょうが、その薬を——薬という段階にはなっていないと思うのですが、その薬を人間に投与した場合どういうことが起こるかというのはまだ全然未定のものですね、動物実験の資料しかないわけですから。そこで、動物実験から人体実験に移っていくその境目というか、私は素人ですからそういう言い方をしますが、そこのところが非常にむずかしいのではないか。それを誤るとまさに人体実験ということになってしまうのではないかつそこで、その辺を薬務局というのはどういうふうに規制というか、やっておられるのでしょう。
○上村政府委員 医薬品、なかんずくいわゆる新開発の医薬品につきましては、いま御指摘になりましたように、審査に当たりましてまず起源なり発見の経緯から、物理的、化学的なその物の性質を調べさせましたデータ、さらに動物によります毒性試験、薬理試験を終えて、初めて臨床試験ということになるわけでございます。医薬品というのはやはり人に対して使うものでございますので、どうしても承認するためには臨床試験というものは集めざるを得ない。現在、新しい医薬品につきましては五カ所以上で百五十以上の例を集めるように私ども申請者を指導しておるわけでございます。 そこで、御指摘の物理、化学的な試験なりあるいは薬理試験なり毒性試験で動物実験をした後、五カ所以上百五十例を集めるまでの問にどういうふうな処置をするかということでございますが、私どもいわゆる臨床試験というのを三つの段階に分けておるわけでございます。第一相、第二相、第三相——フェーズワン、フェーズツー、フェーズスリーと言っておりますが、第一相、第二相のところはまだ病院まで行かないわけでございまして、主な健康人を対象にいたしまして、吸収とか排せつあるいは副作用というものを調べ、そこでまあ大体大丈夫である、動物実験もし、健康な少数の人を対象に調べてみまして、これで、しっかりした病院で、そこでは医師の管理が行われるわけでございますので、臨床試験例を集めるのはいいだろうというふうに踏み切るわけでございます。ですから、動物実験と病院を使って行います臨床試験との間には健康人を使います。相、二相というものがあるというふうに御理解をいただきたいわけでございます。 そこで、現在やっておりますことは、メーカーが申請をするまでは理屈の上ではメーカーの責任ということになるわけでございまして、そこで、メーカーが集めましたデータをもとに薬務局において薬事審議会の委員を煩わして審査をするわけでございますが、そういった治験例を収集するに当たりましては、これは行政指導でございますけれども、あらかじめ薬の名前と、治験を集めることを依頼する病院を届け出させるようにしておるわけでございます。そういうふうにして、臨床試験というのは薬を世の中に出すためにはどうしても必要なものであると同時に、その薬を投与される患者の立場ということを考えて慎重な上にも慎重を期してまいっておるつもりでございますし、これからもそうしてまいりたいというふうに思っております。
○矢山委員 治験の問題については、先ほどあなたがお見えになる前にいろいろ議論いたしましたから、そういうことをまた部内で御検討いただいて、大臣からも治験の重要性からして、管理体制を国立病院等においては確立させる方向でいくということですから、ひとつお願いしたいと思います。 それでは先ほどの質問を続けさせていただきます。 リハビリテーション研究調査報告書によりますと「適切なリハビリテーションを実施するためには、医師、理学療法士、作業療法士、言語上、聴能士、義肢適合士、心理職能判定員、ケースワーカー、職業指導員等リハビリテーションチームを形成する専門職員を必要なだけ確保しなければならないが、」現状はそれら専門職員が絶対的に不足していると指摘しているのであります。必要な専門職員の数及び現在の充足状況、これを全部いま読み上げた職種について、わかっておれば知らしていただきたいと思いますし、全部が全部わからなければ、把握しておられる点でひとつ御説明を願いたいと思います。
○石丸政府委員 ただいま先生御指摘のようないろいろな職種は新しい職種でございまして、またわれわれもその実態あるいは今後の動向、そういったものも十分把握いたしていないところでございますが、わが国で現在ございます職種といたしましては、PTと言われるいわゆる理学療法士、OTと言われる作業療法士、それとST、スピーチセラピスト、言語治療士、それとAT、オーディオセラピスト、耳の方の、聴覚の訓練、そういった四つが現在わが国においてはいるわけでございますが、必要数あるいは現在の数でございますけれども、概数、ラウンドナンバーで申し上げますが、PTの方が六千必要でございますが大体二千、OTの方は四千必要でございますが現在のところ八百というような数字でございます。ST、ATにつきましては、ちょっといまのところわれわれまだその実態、今後の動向といったものを十分把握していないところでございます。
○矢山委員 リハビリを実施するのには、この調査報告書によるとこれだけの職種が要るんだということを言っておられるわけですが、それに対して、その中で法が制定されておるのが理学療法士と作業療法士ですか、これが昭和四十年でしたね。それからもう一つ、見る方の視能訓練士法ですか、これが制定されたのが四十六年ですね。それからもう一つ、聴能士ですか、あなたのおっしゃったのは、これは法律ができているのですか。
○石丸政府委員 これはまだ身分はございませんけれども、現実に外国等で訓練を受けてまいりまして、そういった仕事に従事している人がいるわけでございます。
○矢山委員 このリハビリをやる専門職の中で特に重要だと言われておるPT、OTにしても、いまおっしゃったような状況なんですね。これはやはりリハビリの充実を図ろうと思えば、少なくともこういうような職種の養成というのは急がなければいかぬのじゃないかと思うのですが、それの充足計画といいますか、そういったものは厚生省にあるのですか。
○石丸政府委員 まさに先生御指摘のように、その必要性を認めてわれわれも鋭意努力いたしておる点でございますが、先ほど来議論がございますように、この分野はわが国において非常におくれておる分野でございまして、学校は現在、OT、PTが国立が二カ所あるわけでございますが、そういった養成所をつくりましても、そこで教える先生をまずつくらなければいかぬというような状況でございまして、そういった点、数年前から外国へ留学させて訓練をして、現在養成所を二カ所——一カ所は本年ようやくできたものでございますが、そういう状況でございまして、今後鋭意努力していくつもりでございますが、何しろ非常におくれておる状況でございまして、いまのところ計画的という段階にまではまだ行っていない。この二カ所をいかに充実して今後さらに養成数をふやすかという点で努力いたしている段階でございます。
○矢山委員 大臣、いまお聞きのとおりなんです。リハビリの必要性というのは身障者対策としては非常に重要なものなんです。ところが、PT、OTについて例をとっても、法律ができて十年以上になるのです。それがいまお聞きのような状況なんです。絶対数が不足しておる。しかも養成計画というものもいまお話しのようにない。そうすると、リハビリは重要だ重要だと言っても、それをやっていく職員すら確保できないような、また確保のための積極的な計画もないということでは、幾ら言っても、先ほどだれか言っておったリップサービス、それになってしまうので、制度ができて十二年たつのですから、リハビリの重要性を考えるなら、厚生省としては積極的な養成計画を持つべきではないかと思うのですが、どうですか。これは大臣の方からお願いします。
○石丸政府委員 先ほど私は国立二カ所と申しましたが、三カ所でございます。ちょっとその点訂正させていただきたいと思います。 OT、PTの養成につきまして、先ほど国立について申し上げたわけでございますが、さらに今後いろいろな意味において定時制のそういった養成所も必要だということも考えておるわけでございまして、つい先日新しくそういった法人もつくったわけでございまして、今後さらに総合的にこの養成計画を拡大するよう努力いたしたいと考えております。
○渡辺国務大臣 あなたのおっしゃるのはもっともな話だと私は思います。どういうところに原因があるのかもう少し詰めさせて、それで納得がいけば来年度の予算要求でも新しく発足させたい、そう思います。一遍よく調べてみます。
○矢山委員 それはお願いします。 もう一つの問題点は、OT、PTというものの養成です。こういうふうに承知しているのですが、それでいいのですか。高校卒で三年間、学校としては各種学校の部類に入るところで養成しているということですね。
○石丸政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○矢山委員 そこで、リハビリが非常に進んでおる国の状況を見てみますと、たとえばアメリカでは九〇%の医大でリハビリテーション医療というものの講座を設けてOT、PTの養成をやっているというのです。わが国の医大でリハビリテーション医学の講座を設けてやっているというようなところがありますか。ひょっとすると東大あたりで多少やっているのかとも思いますが、どうなんですか。
○石丸政府委員 わが国において非常におくれているということを申し上げたわけでございますが、独立した講座を持っている学校はいまの医学部にはない。ただわが国におきましては、たとえば整形外科の講義あるいは物療内科においてそういった講義が行われております。 さらに、ただいま先生の御指摘のようなアメリカの例といたしましては、わが国で川崎医大にそういったOT、PTの学科を持っておるところがございます。
○矢山委員 大臣、いまお聞きのような状態なんです。これはリハビリ医療の重要性ということから考えるなら、養成のあり方もこの際再検討してみなければならないのではないか。もちろん金を伴う問題ですけれども、たとえ金を伴ったにしても、一遍にはできない。しかし先ほど来言っているリハビリの重要性を認識するなら、やはり教育、養成のあり方も再検討してほしい。特に欧米諸国でのリハビリテーション医学の進歩は非常に急速に進んでおると言われておるのです。ところが日本では、こういう状態ではとてもそれに追いつくどころの話ではないので、リハビリ医療をやっていくことすら非常にむずかしいようなことになるのではないかと思いますから、これはぜひとも身障者対策の重要な柱として御検討いただきたいと思います。 そこで、こういったOT、PTなどが不足しておるもう一つの原因は、これに対する評価が非常に低いのではないか、こういうふうな感じを受けておるのですけれども、この点どうなのかということです。たとえば、PTが一日じゅう一人の患者につききりで、最新の理論と技術を駆使して中枢性麻痺の患者を回復するための運動療法を実施した場合、一体健康保険で何点になって、その診療報酬は何ぼになるか、これをひとつお考えいただきたい。またお教えいただきたいと思います。 それからさらにOTの作業療法ですね、これは健康保険の果たして対象になっておるのかなっておらぬのか、この点もこの際御説明いただきたいと思います。
○石丸政府委員 たしか独立した診療報酬項目としては、そういったものはないというふうに伺っております。それと同時に、従来こういった新しい医学と申し上げましょうか治療方法は、国立を中心として現在実施しておるところでございますが、そういった国立の状況を見ましても、これは公的使命を考えてのそういった治療でございまして、先生御指摘のような、いわゆる採算のとれる点数という点ではちょっと疑問があろうかと思うわけでございます。
○矢山委員 これは保険の対象になっていないとおっしゃったのですが、PTの方はなっているのではないですか。これは私が調べたのですからあるいは数字が古いということがあるかもしれませんが、PTの保険点数三十点、たしか診療報酬は三百円くらいじゃないですか。OTの方は全然なっていないようですが、どうなんですか。
○石丸政府委員 私もちょっと詳しいことは知りませんが、いま先生のおっしゃった点数確かにあるわけでございますが、これは非常に厳しい条件がついているというふうに理解いたしておりまして、いわゆる普通いろいろなところで行われているPT、それが全般的な点数としてはなかなか適用されていないというふうに考えております。そのほかいわゆる物理療法というものでなくて、たとえば温熱療法のようなジアテルミーを当てるとか、そういった個々の点数はまた別にあるというふうに考えておりますが、ちょっと詳しいことをいま調べておりますので……。
○矢山委員 大臣、いまお聞きのような調子なんですよ。これではリハビリテーションが重要だなんだ言ってもただ単なる声だけに終わってしまって、重要なという位置づけをして積極的に取り組んでおるという姿勢ではとてもないわけですよ。これは担当大臣として一遍実情を十分御調査いただいて、口で重要なんだ重要なんだと言うなら、言うにふさわしいような施策をやるように事務当局を少し督励しなければいかぬと思います。いまの御答弁をお聞きになっておっても、専門家の事務当局の方の御答弁があやふやなんだから、これではしょうがないでしょう。ひとつよろしくお願いいたします。 そこで、こういうような調子ですから、これはリハビリ医療に本気で取り組む者はおりませんよ。本気で取り組めば取り組むほど損がいくんですからね。一つの風潮として、この病院でリハビリ医療を取り入れたとしても、できるだけ手間を省いて、できるだけ治療の、療法の密度を落として手抜きをやろう、こういうことにならざるを得ない仕組みになっておるのですね。だから、やはりリハビリの重要性を言うなら、まず、たとえばこのPT、OTの評価というものをそれにふさわしい評価をして、そしてそのPT、OTが仕事をして、その病院で少なくとも採算がとれる、そろばんの合うようにせぬと、これは幾ら口で言われてもリハビリは進みませんよ。この点を私はやはり厳しくひとつ再検討いただきたい、このことを申し上げておきます。まあいまのような調子ですから、これ以上議論しても大したものは出てこぬ、私の方がきょうの議論はもうこの辺でやめておいた方がいいと思うからやめますが、しかしこれはやはり改めて、また、私はこの身障者問題は関心を持っておりますだけにもっと詳しく皆さんの御意見を聞かしていただきながら、その施策の充実を図っていくような方向でやっていきたいと思いますので、ひとつよろしくお願いいたします。 そこで、国立リハビリテーションセンターへの入所対象者についてちょっとお尋ねしたいのですが、センターへ入所させる身障者というのは、大体どのくらいな数を予定しておられるのかということと、そしてどういうような身障者を対象としておられるのかということをお伺いしたいのです。
○石丸政府委員 先ほどの御質問に対する御答弁を申し上げますが、いま調べましたところ、OT、PTともに技術者一人と補助者二人がつきまして実施した場合に、簡単なもの一日につき六十点、複雑なもの一日につき百二十点、こういう保険点数になっております。
○曾根田政府委員 新しいセンターの入所定員の予定でございますが、目下のところ五百八十名程度を一応予定しております。 今度のセンターは、現在東京にございます身障関係三施設の移転統合を同時に伴うものでございますので、視力、聴力、言語障害関係、それから一般の肢体不自由、そのほかに重複障害、さらに内部障害、そういったものを総合的に入所対象にいたしたいというふうに考えております。
○矢山委員 それで、国立身体障害者更生指導所入所規程というのがありますね。これによると、第二条に「入所資格」というのがありまして「身体障害者福祉法第十五条の規定により身体障害者手帳の交付を受けた肢体不自由者で十八才以上のもの」、これが国立身体障害者更生指導所の入所資格になっているのですが、この国立リハビリテーションセンターには、こういう制約はつきませんか。
○曾根田政府委員 まだ細かい入所規程等の作業まで入っておりませんけれども、一応いまの考えといたしましては、現在の施設を頭に置いておりますので、一応原則として身体障害者手帳を持った方、したがいまして、原則は十八歳以上の方ということを考えております。
○矢山委員 そこで、実は最近の交通事故だとか、それから労働災害だとか薬害等による被害者が非常に多くなっているわけですね、これで身体に障害を受けるという人が。そういう人たちは、できるだけ早いことリハビリ医療を受けさせて、そして健常者に戻すとかあるいは身障の程度を軽減させるというようなことが必要なんじゃないか。だから、もう身体障害者手帳を交付されておる者だけに限ってしまうということは、まあ少し緩めていただいて、現在の身体障害者が、いま言ったようないろいろな原因で増加傾向にありますから、それをもやはり、個々のケースで違うでしょうが、やはり入所の対象に含めるような弾力性はあってもいいんじゃないかと思うのですが、どうなんでしょう。
○曾根田政府委員 先生がただいま御指摘になりましたのは大変重要な問題でございまして、関係審議会の意見書等でもそのようなことがうたわれておりますし、またWHOの勧告等におきましても、リハビリはできるだけ早期の段階に実施した方が望ましいというようなこともございまして、いずれにいたしましても、将来の問題としては、私は十分考えなければいかぬと思っておりますが、当面さしあたりの問題といたしましては、これもやはり関係者の間にいろいろと不安もあるようでございますので、原則としては身体障害者を中心に考えていきたい、御指摘の点は今後の問題として十分検討いたしたいと考えております。
○矢山委員 ぜひ、これはおっしゃったように今後の問題として検討をしていただいて、弾力的な処置をとっていただきたい、こういうことを重ねて御要望申し上げておきます。 それから、ここに入っていくのにやはりかなり経費がかかると思うのですが、身体障害者の方の家庭というのは、往々にして経済的に恵まれていない場合が多いと思うのですよ。そういう人たちがこのセンターに入って治療を受ける等の場合、できるだけ経費というか、負担を減らすような努力というのが要ると思うのですが、その点どう考えておられるのですか。
○曾根田政府委員 これもまだそういう細かい作業に入る段階ではございませんので、まだ検討いたしておりませんが、基本的にはやはり在京三施設の移転統合という事実も一方であるわけでございますから、現在のいわば費用負担の状況、これを原則として尊重しながら新しい費用負担の基準等を検討していきたいというふうに考えております。
○矢山委員 できるだけ費用負担等については御配慮いただきたいと思います。 それから、リハビリの原則というのは、申すまでもありませんが、医療措置で身体的機能を可能な限り回復させる、その上に立って機能訓練あるいは作業療法、あるいは職能訓練その他を順次施していくということになると思うのですが、そこでお伺いしたいのは、この新しいセンターの医療部門ですね、それはどういうものの設置を考えておられるのか、調査報告書を見ますと、いろいろ多岐にわたっておるようですけれども、その点を一つお伺いしたいのと、それから、先ほど言いました国立身体障害者更生指導所入所規程によると、入所期間というのが原則として一年ということになっておるのですが、この原則一年を厳格にやりますと、十分な回復をしない段階で出されてしまうということにもなりますので、これは恐らくいままでも弾力的に運営されておったと思いますが、その点は弾力的に運営していくということが必要であると思いますので、この二点、あわせてお伺いしたいと思います。
○曾根田政府委員 第一点の医療部門でございますが、先ほど申し上げましたように、医療部門は現在までの整備対象に入っておりませんで、本年度初めて設計料が予算に計上されておりまして、一応設計料の考え方としては百床ということになっておりますが、このセンターの医療部門としてふさわしい規模がどの程度でいいかについて目下専門家の方に集まっていただいて検討してもらっておりますので、近々結論を出したいというふうに考えております。 それから二番目の入所期間の問題でございますが、現在でももちろん障害の部位によりまして、一年、あるいは視力関係ですととれはかなり長期になるわけでございますが、一年と一応原則を定めておりましても、症状によって入所期間の延長を認めておりますので、新しいセンターにおきましても御趣旨に沿ってできるだけ弾力的に運用してまいりたいというふうに考えております。
○矢山委員 研究調査報告書によりますと「診療科については、脳卒中、関節リウマチ、交通外傷、その他の障害発生状況や現在のわが国における医学的リハビリテーションの現状から考えて、当面は少なくとも次のような診療科をおくことが適当であろう。」というので、「内科系」として「内科、神経科、循環器科、呼吸器科、小児科、皮膚科」それから「外科系」として「外科、整形外科、眼科、耳鼻いんこう科、脳神経外科、産婦人科、泌尿器科」、「その他」として「理学診療科、放射線科、麻酔科、歯科」、こういうように挙げられておるようですが、これは、一遍に充足するか否かは別として、大体この線に沿ってやっていくおつもりなのかどうか、これはどうなんですか。
○曾根田政府委員 これは、先ほど申し上げましたベッド数とも絡むわけでございますが、基本的にはこの考え方を尊重いたしたい。それで、御指摘のようにいろいろ問題がございますから、早い年次で全体計画ができ上がるかどうかは非常に問題だろうと思いますけれども、その場合でも年次計画で、少なくとも担当診療部門については、基本的にはこの考え方を尊重いたしたいというふうに考えております。
○矢山委員 専門家を集めてやった研究調査の結果ですから、できるだけこういう方向で処置していただくように要望しておきます。 次に、国立リハビリテーションセンターが完成しますと、新宿区の戸山町にある国立身体障害センターは所沢へ移るわけですね。その跡地の利用ということが問題になるのですが、この跡地の利用の問題については、四十九年の六月十一日に厚生省の大臣室で、その当時の齋藤厚生大臣と小坂徳三郎衆議院議員と、それに国立身体障害センター更友会の会長の綱木政義さんですか、この人たちがいろいろお話し合いをなさったようで、その際の話の結果に、更友会の方から、この戸山町の跡地に分館を建設してくれ、こういう強い要望が出されて、齋藤厚生大臣はその要望を実現するべく全力を挙げるということを約束されたということなんですが、その後どうなっておるのか、それが約束どおり実現できるのかどうか、その点いかがなんですか。
○曾根田政府委員 そのような話し合いがございましたので、特特会計に返還を予定しておる敷地の一部、約一千坪でございますが、これを保留することにいたしております。この敷地内に、連絡場所と申しますか分館と申しますか、都内で身障関係の相談に応じられるようなそういう施設をつくりたいと思っておりますが、この具体的な計画は、いずれにいたしましても三施設の移転がまだ先の話でございますので、それが具体化した段階で考えてまいりたいというように思っております。
○矢山委員 これはあるいは大蔵省にお聞きした方がいいのかとも思うのですが、この戸山町の跡地というのは四千坪ぐらいですね。その中の一千坪ほどを分館に使うということになると、あとの三千坪というやつがあるわけですが、これはどうなるようなことになっているのですか。
○曾根田政府委員 これは、私どもの方は特特会計に返還して、それ以降はいわば大蔵省が処分を決定するわけでございますから、私どもの立場でその処分云々ということはいたしかねるわけでございますが、ただ、処分につきまして関係者の希望もあるようでございますので、その旨の連絡はいたしたいと思いますけれども、処分自体は大蔵省の問題でございますので、御了解願いたいと思います。
○矢山委員 私も、これは大蔵省の方に移るということは承知しておるんですが、きょう大蔵省を呼んでおけばよかったのですが、呼んでおりませんので、いまから呼んできてもどうかと思いますから呼びませんが、これはセンターのあったところですからね、やはり厚生省で確保して社会福祉関係に使うべきだと思うのですよ。どうも、聞くところによると、この三千坪は、高級公務員のマンションをあそこに建てるんだというような計画を大蔵省が持っておるのではないかと、こういう話もある。さらにまた、この土地を民間の企業がこれを払い下げしてくれぬかということで、かなりの企業から払い下げの申し込みが来ておるということも漏れ聞いておるのです。正確かどうか知りませんけれども。しかし、いずれにしても私は、当たらずといえども遠からずというやつだろうと思うのですよ。私は、そうでなくても厚生省はいろいろな社会福祉関係の施設の充実を図らなければならぬときですからね、こんなものを大蔵省に何も言わずに譲っちゃって、マンションをつくったり民間企業に払い下げするというようなことはやらすべきじゃないと思うのですよ。大臣どうですか、これは。あなたが動かなければこれはなかなかむずかしい問題だからね。
○渡辺国務大臣 実態がどうか、私は現場を知りませんから一概に申し上げられませんが、ああいった国有地を何に利用するかということについては、ただお金の問題だけでなくて、大蔵省としては、一番国家的に見て、その地域の状況から見て最もいいというものにそれは利用すべきものだと私は思います。現場がわからぬから、何とも申し上げられない。
○矢山委員 現場がわからぬとおっしゃればそれまでですが、場所は戸山ですからね、大体見当はおつきになると思うのですよ。私は、何も大蔵省で国家の有用な方向に使うということに対して異論をはさむとか何とか言っているんじゃないんですよ。ただ厚生省としては、あなたも厚生大臣やって御案内のように、社会福祉施設その他整備しなければならぬものがたくさんあるわけですよ。それが、いままで厚生省所管でやっておったものを所沢に移転した、千坪だけ厚生省に使わしてやろう、あと三千坪はよこせ、これは大蔵省が勝手に使うんだというのを、そのままあなたとしては黙って見ておる必要はないのではないか。私は、何もなわ張り根性を出せというんじゃないんですよ。ですが、厚生省として、いまの時ですから幾らでも使い道はあるんです。先ほども言ったように社会福祉施設等に使えば。だから、そういうことであなたは大蔵省と相談してみる気はないかというんです。
○渡辺国務大臣 これは、通称特特会計と言っていまして、特定の国有財産の特別会計制度で、これができたときにさかのぼらぬとその議論はかみ合わぬと思うのです。これは、特別な国有財産について、当時なかなか一般会計で金が出せない、あるいは金を借りるにしてもいろいろ問題がある、したがって、そういうものを独立採算といいますか、切り離して、それで要らないものは処分をする、あるいはそれで必要なものの金を注ぎ込むというようなことから始まったものだと思います。このスタートは。ですから、ともかく大蔵省に対して、金は出せ、土地もよこせということでは、一般会計でみんなやると同じで、昔に逆戻りしちゃうということになりますから、だから、その制度そのものは私はいいと思うのですよ。ただ、国だから、場所によってその環境になじまないようなことを、大蔵は高くさえ売ればいいというばかりにはいくまい、高くも売りたい、環境にもマッチしたいということだと思います。ただ厚生省が昔持っていたものだから全部厚生省の方へよこせということでは、これは根本から、出だしからの議論になってしまうというので、余り細かいクレームはつけられないんじゃないかという気もするんですが、私は現状はどういうことかよくわからぬから、もう一遍検討してみましょう。
○矢山委員 あなたのことだからそう弱気になる人でもないので、厚生省にいろいろな施設が要るということはあなたがよく御承知のとおりだから、理屈は理屈として、ふさわしい厚生省の施設に使えるなら、確保する方向で考えてみてください。 私の質問は、きょうはこれで終わりますが、いずれにいたしましても、きょうお尋ねいたしました治験の問題なりあるいはリハビリの問題等についてはまだまだ聞き足りないところもたくさんあるので、改めてということにいたしまして、これで私のきょうの質問は一応終わらせていただきます。
○正示委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○正示委員長 この際、木野晴夫君から、本案に対する修正案が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。木野晴夫君。 ————————————— 厚生省設置法の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○木野委員 ただいま議題となりました厚生省設置法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 案文はお手元に配付いたしてありますので、朗読は、省略させていただき、その要旨を申し上げますと、原案は、昭和五十二年四月一日から施行することとしているのでありますが、すでにその日が経過しておりますので、これを公布の日から施行することに改めようとするものであります。よろしく御賛成くださるようお願い申し上げます。
○正示委員長 これにて修正案についての趣旨の説明は終わりました。 修正案について別に発言の申し出もありません。 —————————————
○正示委員長 これより本案及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、木野晴夫君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○正示委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除く原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○正示委員長 起立総員。よって、本案は木野晴夫君提出の修正案のごとく修正議決すべきものと決しました。 なお、ただいま修正議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 —————————————
○正示委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○正示委員長 この際、渡辺厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡辺厚生大臣。
○渡辺国務大臣 ただいま厚生省設置法の一部を改正する法律案について慎重に御審議の結果、御可決をいただきまして、まことにありがとうございました。 私といたしましても、本委員会における審議の内容を十分に尊重いたしまして、循環器病対策の推進を初めとして、厚生省に与えられました任務の遂行に全力を尽す所存でございます。(拍手)
○正示委員長 速記をとめてださい。 〔速記中止〕
○正示委員長 速記を始めて。 ————◇—————
○正示委員長 次に、農林省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹内猛君。
○竹内(猛)委員 私は、農林省設置法の一部を改正する法律案、特に農林省の研究機関が茨城県の筑波研究学園都市に移転をする問題に関連をして、幾つかの質問をいたしたいと思いますが、まず第一に、筑波研究学園都市に農林省が移転をするに関連して、事務当局に農林省の内部から、あるいはまた外部からいろいろな意見や要請が来ていると思いますが、そういう問題について、それを整理したものがあるはずですから、それをまず出してもらいたい。
○下浦政府委員 筑波研究学園都市への農林省の移転予定機関のうち、一部の業務を現地で行っております職員から、いわば現地の声といたしましてどのような声が出ておるかというお尋ねでございます。大まかに分けまして、私ども試験研究を進めてまいります上での要望、それから職員たちが現地で生活いたします上での生活上の問題、この二つに分けられるかと存じます。 まず、前の方でございますが、やはり光熱水料等、研究施設の維持管理経費の問題でございますけれども、これは試験研究に支障がないよう、また円滑にいきますように増額をしてもらいたいというような声が出ております。それから、現地採用者の給与上の問題でございます。移転手当の扱いでございますけれども、その不均衡の是正を図ってもらいたいというような問題が出ております。 それから、後者の生活上の問題でございますが、これはいろいろございます。申し上げますと、まず購買施設を充実してもらいたい。それから、公務員住宅周辺の騒音防止対策を講じてもらいたい。さらに、医療施設の充実を図ってもらいたい。それから、高等学校の開設等教育施設の整備を図ってもらいたい。なお、通勤手段の整備、これは交通の問題でございますけれども、バス等の問題でございます。これをやってもらいたい。最後に、これは両方に絡む話かもしれませんけれども、郵便の速達区域の範囲の拡大を図ってもらいたい。こういうような問題が出ておりまして、農林省におきましても、現在鋭意その解決に努めているところでございますけれども、私ども独自で解決できない問題がございます。そういう問題につきましては、関係機関に対しましてその改善方を要望し、逐次解決を図りたい、こう考えておるところでございます。
○竹内(猛)委員 いま事務局長から幾つかの問題が整理をされたが、われわれも現地にいて毎日のようにあそこを通るたびに研究学園を見て歩いておりますが、なるほど建物は大きくそして広く、明るく、庭も大変広い庭で、緑も多い。したがって、現在移っていく都内なり周辺の状況からすれば、移るところは大変気分のいいところであることは間違いがないわけですが、しかし、その生活環境、交通、医療、銀行、郵便、消防、幼稚園、学校、集会所、それから水の質ですね、量よりも質の問題等を含めて問題があるということについては、ほぼ現地の要求はわれわれの聞いていることと一致をしているように思いますが、そこで、この問題の中で農林省自体として解決できる問題と農林省自体では解決できない問題があるということで、これは分けていかなくちゃならない。そこで、農林省自体で解決しなければならない問題として、やはり規模が大きくなってくると、十三の研究機関が一遍に移るわけではないだろうけれども、それが移ることは間違いないわけですから、そのときに、その研究機関の必要な要員、現在はパートをかなり採用しておりますが、このパートはどれくらいの要員が必要なのかということは、すでに計算がしてあるはずだ。これの雇用の条件等においても問題がないわけじゃない。あるいはまた、この研究機関が運営をしていくための器材あるいは日用品、消耗品、こういうものの費用等においても、従来の予算では間に合わないということはよくわかる。そういう点についての整理ができているのかいないのか、ここら辺が実は問題じゃないか、こういうぐあいに考えるわけですが、この点についてはどのように省内では討議をされてきているのか。
○下浦政府委員 御質問にございましたように、筑波研究学園都市の建設は、時代の要請にこたえますような非常に高水準の試験研究ができるように、その施設及び機械等につきまして、規模あるいは性能の両面におきまして、同様飛躍的高水準のものになるということは申すまでもございません。したがいまして、それらの施設、機械等の維持管理的な経費はもちろんでございますが、研究実施経費につきましてもかなりの多額を要するわけでございまして、これらの経費の確保いかんが試験研究の成否を左右するというぐあいに私どもも考えております。 そこで、農林省といたしましては、施設の建設に合わせまして、これらの機械設備等につきましても、試験研究が円滑かつ効率的に行われますように、各般の手段を講じているという段階でございます。特に、維持管理につきましては、各場に共通して必要でかつ多額の経費を要しますエネルギーあるいは研究用水等につきまして、共同利用施設として整備を行いまして、運営管理の合理化と必要経費の確保に努めております。また機械の整備につきましても、昭和五十一年度から筑波機械の整備計画によりまして、予算も別個にいたしまして特別の配慮をいたしまして、高度な研究が円滑に行われるよう努力をしているところでございます。 なお、五十二年度の予算でございますけれども、光熱水料あるいは管理経費等でございますけれども、これは五十一年度の二倍強というような予算を組んで対処をしておるという次第でございます。 それから、パートの点につきましてのお尋ねでございますけれども、パートタイマーの雇用計画というのは、実はまだ私ども十分でございませんが、筑波地域で現地採用といたしまして、農林省の職員をいたしまして採用をいたした者、これは全部行二職員でございますけれども、昭和四十六年以降四十五人ということになっております。なお、今後とも現地における業務の必要性に応じまして、引き続き現地採用につきましては考慮をいたしていきたいと考えております。
○竹内(猛)委員 これはひとつ大臣に要請をしたいわけですが、いま局長から話がありましたが、現地では土地を提供した農民に、学園ができれば現地は発展をするという約束をしてきているわけだ。筑波研究学園都市特別立法というものをつくって、これを促進した経過がある。そういう中で、当然この十三の機関もやがては移っていく。そのときには現在の人員では、この管理運営が足りない。雑草を取ったりあるいは警備をしたり、その他のいろいろな人々が必要になってくる。そういうとき、いまパートでやっているけれども、それの雇用条件なり賃金なりというものは、私の聞くところでは、非常に厳しいものがあって、一方的にやられて、どうも不安でしようがない、こういうことであります。内容については、ここでは詳しいことは申し上げませんが、そのことは十分に当事者は知っているはずだからそれは言いませんけれども、これはもっと対等な形でいかなければいけない。三カ月ごとに切りかえをするとか、一時間幾らとか、そういう問題であるわけだが、それにもかかわらず将来何人ぐらいこれは必要であるかという計算と、それを裏づけをする予算の獲得は政治的な仕事であろう、こう思われます。 なお、研究者も移っていくわけですから、これに対する処遇についても、しかるべき処置をとっておかなければいけないというふうに考えるわけだが、これはぜひ、今後筑波研究学園都市に農林省の機関が移ることははっきりしているわけですから、これに対する予算的な処置についての一段の努力をしてほしいということについて、大臣のしっかりした答弁をいただきたい。
○長谷川国務大臣 私は四十三年、四十四年、四十五年の春まで農林省におったんでございますけれども、その時代からもうすでに農林省としては、できることならばなるべく現地採用を主体にしていかなければならない。したがって、何といっても茨城県の非常な熱意等がありまして、筑波学園ということにつきましては、政府は格別な努力をしていたことであります。したがって、御指摘のような点につきましては十分配慮はしてあると考えておりますけれども、これらの点にまだ欠陥があるとするならば、これらに対しまして予算の獲得等におきましては十分にこたえてもらうようにできておるんですから、こたえさせるつもりでございます。
○竹内(猛)委員 次いで、すでに移転をしている者あるいは現地で採用した職員、この関係について、都市手当が三%、六%、八%という形になっているが、大体これは八%で統一をしている。そういう中で、いま現地に若干の問題があることを私は承知をしていますが、ここではそのことについては明らかにもしない。しないけれども、これは人事院と十分に相談をして、すでに問題になっている部分については整理をしてもらいたい。そして学園都市の法律によっても、四十六年から出発をして五十六年、この段階で一応手当の問題については整理をして、次にどうするかという問題になっているようでありますけれども、なるべく手当という形ではなくて、基本給でこれは統一するように賃金の問題は希望し、要望をしたいと思いますが、この点はどうです。 〔委員長退席、木野委員長代理着席〕
○長谷川国務大臣 職員が移転する場合、移動する場合の移転手当というようなものは、これはもう決まっておるのでございまして、現地の採用が同様なんだから同じでなければならぬということになると少し不均衡になるんじゃないか、かえって均衡でなくて不均衡になるんでないだろうか、こういうふうにも考えます。しかしながら、もう長くなってきた実態の上からいって、賃金というものに不均衡があるとするならば十分検討を加えなければならぬ、こういうふうに考えます。
○竹内(猛)委員 農林省の機関というのは、他の省庁と違って非常に出先が多い。だから、手当をどうしてもつけて調整をしなければならないという形になるが、そういう調整についてはなるべく手当の部分を小さくして、基本的な給与の分を上げて、調整を少なくしていくような方向で処理をしてもらいたいということを私は言っているわけだ。 それで、四十六年から出発して五十六年に一応手当の問題については、人事院が内閣と国会にこれを勧告するというような形にもなっているわけで、それはどうなるかわかりませんが、そのときの現地の都市状況あるいは物価状況というものが恐らくあるだろう、そういうことも考えておりますけれども、まず現在までにあるところの持っている矛盾、この問題の処理をしなければならないということと、将来に向かってはそういう方向で解決をしてもらいたいということを私は要望しているわけだ。それはわかりますね。その点はどうです。
○下浦政府委員 先生おっしゃいますように、五十六年以降あの制度をどうするかという問題もあるわけでありますので、先生の御意見十分人事院当局にもお伝えをいたしたいと考えております。
○竹内(猛)委員 私は、この学園都市の問題に関して、よく予算委員会でも何遍も質問してきたけれども、そのときの中心になる視点というものは、あの土地を提供した地元農民あるいはそれを提供させた自治体の責任者あるいはこれに協力した県、こういうものが一体となってこれは国とともにあの学園都市をつくってきた。その地元を大事にする、大切にするという約束が、当時しばしば言われてきた。ところが最近見ると、余り地元が優遇されていない。鹿島開発と違って、研究学園都市は利益を上げる町ではない。鹿島は、なるほど公害が出るほどこれは発展をしたというか、悲しんでいいか喜んでいいかわからないような状態が鹿島にはある。しかし、研究学園というのは学者と科学者の集まりですから、これはそこで一もうけをするというようなところじゃないわけですから、したがって静かな町であってほしいし、あるべきだ。そういうようなところで今後町づくりをしていくために、私はこれは農林省の問題ではなくて、これを推進してきた国土庁並びに建設省の方にこれは伺うわけですが、まず建設省の方にお伺いしますが、五十四年には閣議の決定としては一応基幹工事が仕上がって、そしてやがて住宅公団が引き揚げて、その後をどうされるのか、あの後の立てかえた金の始末あるいはやり残しの事業というものはだれがどのようにやるのか、まずその辺から建設省の方にお尋ねします。
○渡辺説明員 お答え申し上げます。 実は筑波研究学園都市の造成事業は日本住宅公団がやっておるわけでございますけれども、これは昭和三十八年九月の閣議了解によって住宅公団があそこの造成をやるということになったものであります。現在もっぱら五十四年に概成させるという事業の達成を図るべく、建設省としては住宅公団を指導しているわけでございます。その後の問題につきましては、これは推進本部等もありますが、今後の問題として国土庁を中心として関係者集まっていろいろ検討していくことになるのではないかというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 石川さん、推進本部はどういうふうにこれをされるわけですか。
○石川説明員 ただいま建設省の方からお答え申し上げたような状態でございまして、現在五十四年度概成に対しまして一生懸命努力しておる次第でございまして、その状況を勘案しながら漸次推進本部の方で議題に取り上げたいと思っております。
○竹内(猛)委員 どうもはっきりしない。建設省の答えもはっきりしないし、こんなはっきりしないことじゃこれは農林省を移すことはだめだな。——なるほど建設大臣だ。いつも農林大臣代理だと思っていたら、建設大臣だから今度は本職だ。これはちょうどいい。 これは五十四年に、閣議の決定でだんだん伸ばしてきた。田中角榮さんなどは五十年にやると言った。また後で五十二年と言って、今度は五十四年。閣議の決定もなかなかいいかげんなもので、都合がよければ伸ばすし都合が悪くなれば閣議決定でがんばるし、これは大変都合のいいものだと思っていたわけですが、五十四年というのは間違いがない。だとすれば、その後は一体だれがどのようにやるのかということは、そのときを見てからだ、これもまたおかしな話だ。もうちょっとはっきりと答えは出ないものですか。
○長谷川国務大臣 それは政府が絶対に責任を持って行います。したがって、推進本部もはっきりしないとは言っておりますけれども、はっきりしておるのです。推進本部というものがあって、その推進本部が責任を持ってその計画通りに事を行っていくということでございますので、必ずそのようにやらせます。
○竹内(猛)委員 なぜそういうことを言うかというと、これはどこか責任を持ってやってくれる機関がなければ、あっちの機関かこっちの機関かと言ってみんななすりつけをして、責任を持つ所在がはっきりしない。 そこで一つ聞きますが、第三セクターというものがある。これがまたわけがわからない。私は年じゅうこの第三セクターについて——この前の予算委員会で建設大臣にちょっと失礼なことを申し上げた。これはこの際おわびをしておきますけれども、第三セクターの構成についてちょっと申し上げると、これは百二十八万株、六億四千万、こういう出資でやっている。そして日本住宅公団一億六千万、茨城県が一億三千六百万、地元の六市町村で二千四百万、これが合計三億二千万で出資率五〇%、金融機関が二億四千六百万、公益事業等が七千四百万、これで五〇%になって合計が一〇〇%、こうなっている。そうすると、この出資率を見ると金融機関三八・五%、日本住宅公団が二五%。この役員構成を見ると、日本住宅公団の前の副総裁尚明さん、それから専務取締役が元茨城県の出納長児玉実孝さん、その中には現職の県の開発部長もおられるし、現在の筑波研究学園都市の開発推進局長も入っておられる。あるいは地元の町村長も入っておられるし、常陽銀行の頭取も入っておられる。何といってもこれは茨城県のよりよりの権力者の集まりだ。こういうような集まりで、そして商法によって筑波新都市開発株式会社というものを、これは第三セクターという名目で出発をした。一これは一体何をだれが監督をし、どうしようとするのか、この辺のことについて責任ある省庁の答弁をまずいただきたい。これは建設省じゃないかな。
○長谷川国務大臣 そもそも第三セクターというのは民間と官とが一体となって事を成すというのが第三セクターでありますから、そういうように官民一体の姿になってその目的を達していく、こういうことでございます。でありますから、いまおっしゃったように、その中でだれがそのときの社長、責任者であるか、次に第二の責任者はだれかというような点、これが責任を持って行っていくということであります。ですから、ただそれだけではなくて今度のこの筑波学園というものは、国全体、政府全体が責任を持ってこの目的を達していかなければならない中に、部分的にはおっしゃったような第三セクターで行っていくところもある。全体が全部第三セクターで行っていくという意味ではないのだろうと思うのでございます。私は近いうちに筑波学園に、いろいろの御質問がございますので、国会が終わり次第行って、調査というわけではございませんけれども見せていただいて、欠陥があるとするならばその欠陥を十分に補わなければならぬ、こういうような考え方を持っておる次第でございます。
○竹内(猛)委員 大臣が行かれるのは非常に結構だし、私も現地で参加をさしていただきますけれども、これは五十四年で日本住宅公団が一区切りしてあそこを引き揚げるとするならば、そういうことを閣議の決定どおりと仮定をすれば、当然あそこの立てかえたお金ややり残しの土地の区画整理や処理というものはだれがやるかということは一つ問題になりますね。それから今度は、そこへずっと研究者や学者や科学者が入っていく。そうするとそこには新しい都市がどんどんできてくるわけです。そうすると、この都市に対しては一定の先行投資というか何かやらなくちゃならない。ところが予定をされているのはそれからかなり先の方であって、十八万、二十万という都市ができるのは少なくとも昭和六十年ごろになるだろう。そうすると、最初に出ていく機関は、これはかなり赤字をしょう。赤字を覚悟しなければならない。そういうときにだれが一体この赤字を覚悟で出ていくのかというと、これはやはり足踏みをするものがあるだろう。そこで第三セクターというようなものができて、銀行や市町村長や住宅公団や県庁の責任者であるようなないような形の者が入っていってそこで仕事をしようとされる。そうすると、どうしても第三セクターというものは今後の筑波研究学園都市の都市建設推進の窓口の一つとしてこれを避けることができないものになるだろう。しかしそれは法律的には商法によってできた株式会社だ。株式会社であればこれのやることは自由だということになればだれも監督することができない。本来余りもうけてはならないところに、株式で営利を考えるというものが出ていって仕事をするとなれば、矛盾をする。もう少しまともな、労働者や農民や住民が参加をできるようなそういうものができないのかどうなのか。なぜ一体第三セクターをつくるときに労働組合や地域の中小企業者を加えるようなことをしなかったのか。こういうことが私は疑問でならない。
○長谷川国務大臣 お説はごもっともですけれども、第三セクターというのは、つまり資本を官と民で出すということであります。したがって、いまおっしゃるような方々がそれだけの資本の割り当てを出資できるならば、これは拒むものではないと思います。しかし資本を出すということはなかなか困難だろうと思います。したがって運営等についてはお話はする必要があるかもしれませんけれども、その責任は——何のために官と民が一体となるか、それは間違えれば官は責任を持たなければならないのは当然なことだと思います。 また最初に入った人たちが損をするではないかという議論は私は当てはまらないと思う。なぜならば、希薄な人口の中にそれだけの負担がかけられて、そこに居住できるかできないかということは議論の余地のないところでありまして、こういう問題は、当然その責めを絶対に負う、それがために第三セクターというものがあるのでございますから、その第三セクターが全体の責任を持つ、なかんずく民間よりも官の方が重みを持った責任を持たなければならないことは当然だ、このように考えております。
○竹内(猛)委員 そうすると、商法によってできた株式会社ではあるけれども、やはりこれを建設省なり国土庁なりそういうものが指導をしたり監督をしたりするということはあり得ると考えていいですか。
○渡辺説明員 大臣が申されましたように、この学園都市、そこに住む人たちの住環境なり生活の利便というものをいかに確保するかという観点から、当然国としても非常に関心を持っておるわけでございます。 なお建設省としましては、特にこの第三セクターには住宅公団が御存じのように出資しておりますが、その住宅公団を監督する立場にあるわけでございまして、そういった影響力といいますかそういうものを活用しまして、その目的を達成できるように指導していきたいというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 そうすると、第三セクターにやはり直接指導、そうですね、住宅公団がかなり大きなあれを持っていますからね。金融機関が占めている比率も非常に大きいのですが、金融機関も三八・五%、こういうふうになっていて住宅公団よりはちょっと大きいのですけれども、大蔵省の方も何か発言というか指導するというようなことはあり得るのですか。その点はどうですか。——大蔵省を呼んでありませんから、これに対して建設省の方の渡辺さん、どうです。
○渡辺説明員 第三セクターのこの地域の特殊性といいますか、要するにだんだんと都市ができていくという特殊性から資金的にも非常に長期にわたるということも含めて、金融機関がこの第三セクターに出資しているというふうに考えております。 監督そのものにつきましては、ちょっと所管でございませんので、御勘弁願いたいと思います。
○竹内(猛)委員 第三セクター論については、まだまだこれからいろいろな問題が起こるからその都度その都度やっていくけれども、これだけの話ができるのは初めてですから、いま大体概略はわかった。 そこで金融機関の問題に関連をして、先般の予算委員会の分科会で私は、関東銀行と常陽銀行という茨城県の二つの大きな銀行がそこに進出をした、地元の銀行であるならば東陽相互銀行とか茨城相互銀行というものがまだあるはずだし、市中銀行が出るとするならば土浦市あたりには協和銀行も三和も太陽神戸もすでに店舗が出ているわけです。やがて十八万、二十万にならんとする都市の中でこの二行だけがそこに先に進出して、それが地域を独占するということは余りにもおかしい話だ、こういうふうなことを言ってきて、これは大蔵省が、申請すれば許可を云々という話になっているから、この点もやや明らかにはなっているけれども、今度は角度を変えてこのことについて答弁ができるかどうか。たとえば労働者が住む。労働金庫があそこへひとつ店を持ちたい、さらには生活協同組合がそこへ店舗を持ちたい、あるいはこれは石川さんのところになるかな、勤労者の集会をする場所をつくりたい、それから研究者の研究センターみたいなものをぜひつくってほしい。なるほど研究者は、自分の職場にはそれぞれ研究のあれがあるけれども、研究者がそれぞれ交流する場所がない、こういうようなものをつくりたいというような場合に、何か考慮をされる余地はあるのかどうなのか、この点ばどうですか。
○石川説明員 いま先生の御質問の集会所の件でございますが、集会所につきましてはすでに研究・学園都市建設推進本部というところで決めました「都市公共公益事業等の整備計画の概要」というところで、集会所をつくるということを決めております。それは主体は公民館でございますが、現在花室東部というところとそれから大角豆という二カ所につきまして建設を行っておりまして、五十三年度にはこれを開設するということになっております。これはでき上がりますれば、先生御指摘のようないろいろなものに使っていただいて結構なわけでございますから、建設はこういう形でやっておりますけれども、目的的には先生のおっしゃられるようなことに使用されるのではなかろうか、こう期待いたしております。 それからまた周辺部でございますが、谷田部に現在県民センターというものを建設いたしております。これは五十三年度に開設いたしますが、これはすでに先生御存じのように、国が交付金を支出いたしまして特につくり上げておるものでありまして、この中には婦人センターでございますとか、その他いろいろなセンターを中に設けてまいろう、こう考えております。 それから先生御指摘の研究者の交流センターの件でございますが、これはすでに科学技術庁がその建設に着手いたしておりまして、中心部にその一部ができ上がっておりますが、さらに研究会館といいますか学園会館と申しますか、こういった都市全体のセンター的な施設につきましては、いずれつくらねばならぬということで現在鋭意調査をいたしておりますし、計画についても練っておる段階でございます。
○長谷川国務大臣 竹内さん、第三セクターを行う場合、株式会社でもあるかもしれませんけれども、利益を追求する普通の株式会社ではないのでございますから、そういう点はひとつお間違いなく。 ただ銀行云々ということ、銀行の投資は、やはり官で出し切れない分を将来を考えて銀行に犠牲を払ってもらうというような点等々もその中に含まれておるだろうと私は思います。でありますから、当分そういうふうな仕組みになっておって、将来になって、銀行は二つきりであとはつくらさないのかということは、これはないと思うのです。いま建設をし、ある程度の町づくりができるまでの間は、やはり第三セクターが責任を持ってその行動にかかるということが当然な義務である、こういうふうに考えております。
○竹内(猛)委員 そこで労働金庫をつくりたいあるいは生活協同組合の店舗を持ちたい、このことについての答弁がまだないのですけれども、ここはどうです。
○長谷川国務大臣 それをつくれということはセクターの方でも恐らくできないと思うのです。これは個人の営利でございますから、個人営利は個人でもってその場所を選びその客を取り扱うということでございますので、その分をセクターで持つのかということになると、これは持つわけにはまいらない、こういうことでございます。
○竹内(猛)委員 だんだん問題がわかってきておりますが、なお次の生活環境の問題に関連をして触れていきますが、幹線道路は大体できました。東大通り、西大通りはできた。しかし横の道というのは大体いつごろになってでき上がるのか。その横のつながる生活道路あるいは補助道路といいますか、こういうものはいつごろできます。
○渡部説明員 お答えいたします。 研究学園の関連街路事業は十一路線ございまして、昭和四十二年度から着工しまして、五十二年度事業費約二十六億円を含めまして百六十億円を投入しましていま建設推進をしております。その進捗状況は、五十二年度事業費を含めまして約六六%でございます。それで今後も積極的に当該事業を推進いたしまして、研究機関等の移転及びその施設の概成する昭和五十四年までには概成させる方針でございます。先生おっしゃいました補助幹線的な問題を含めましてこの概成を考えておるわけでございます。その中には沿道環境整備にも関係ございます緑化事業等も十分配慮してやりたいと考えております。
○竹内(猛)委員 一挙には何も一かもできないと思うから、これは速やかにやっていただかないといけないけれども。 ただそこで、これは建設省のあれではないのですが、私は前から高音騒害のことを言ってきた。特にこれは警察庁の問題であったのです。依然として、道路ができれば、本来の利用すべき人間よりもダンプカーが営業用にこの道を使う。これはすごい勢いのものです。大変なものです。これを取り締まることがどうしてもできない。依然としてこの高音騒害というものはあの学園都市の大きな悩みの種になっておる。何とかこれを制限する方法はないかということを訴えてきたのですが、これば依然として直っておりません。注意はしておるようですが、依然として直っておらない。このことだけは、これは要請事項として申し上げておくよりほかない。 そこで、今度は医療施設に対して質問をします。 〔木野委員長代理退席、委員長着席〕 現在、谷田部町に筑波学園病院がある。土浦市には国立霞ケ浦病院が五百二十五のベッド。それから土浦市には新治協同病院がやがて六百三十八のベッドを持つ。なお筑波大学の病院でも五百二十五のベッドを持っておりますが、この学園都市内の声の中から、これはまあ一番この学園に近いのは何といっても大学病院でありますから、その大学病院に関しても、住宅の密集している花室住宅あるいは妻木、手代木というようなそういう住宅からすればかなりこれは離れているわけですね。あるところで病気になって病院に行こうとしたところが、いやあれは大学が中心である、その次は学園の人が中心だ、まあ住民はその次だということで、四、五日間待たされたという話を聞いている。病院はできたけれども利用ができないというようなことを聞いているが、これは筑波大学関係の方では、筑波大学病院というのはどういう性格と運営をしているのか、そして看護婦や医者は間に合っているのかいないのか、この点を明らかにしてもらいたい。
○五十嵐説明員 お答えをいたします。 先生がお尋ねございました筑波大学の付属病院につきまして、まず第一に大学人を優先する、その次に筑波の学園関係の人を優先する、その後に地元の人であるというような御指摘がございましたが、そういう事実は絶対にございません。その点は断言ができると思います。 それで筑波大学の病院につきましてどういう運営をしておるかという御指摘でございますが、筑波大学の病院はただいま一応三百二十床ということで仕事を進めておるわけでございまして、これのやり方といたしましては、筑波大学はまず地域の医療機関と密接な関係をとる必要があるということで地元の開業医さんの御紹介による予約制を一応たてまえとしております。ただ、その予約制といいますものは、なかなか地元に周知徹底をしておりません。これはなかなかむずかしい点がございますので、たてまえとしてはそういう予約制でございますが、実際にはそれだけではなくて、直接にも来院ができるという、両方のシステムをとっております。そういう意味におきまして、開業医さんの御予約だけしか入れないというようなこともございません。 それから具体的に入院、外来の数がどうなっているかということでございますが、これにつきましては、入院患者あるいは外来患者につきましても、五十一年十月の開院以来、おかげさまで徐々に上がっておりまして、たとえば五十一年の十一月でございますが、入院患者が一日平均七十一人、外来患者が百五十人でございましたが、五十二年の四月でございますと、入院患者が百六十四人、それから外来患者が二百五人、これはいずれも一日平均でございますが、上がっているということでございます。そういうことからいたしまして、私どもは十分にこれからも努力はしなくちゃいけませんが、大学側も相当の努力をして、そういう住民の要望にもこたえているんではないかというふうに考えておるわけでございます。 それから看護婦、医師の確保の状況でございますが、医師の方の確保の状況はほぼ満足にいっておるわけでございますが、看護婦につきましては、首都圏の中にあるといいますか、特に非常に大都会に近いということもございまして、看護婦さんの確保はなかなかうまくいかない。そのために、多少ベッドがありましてもそれがフルに動いていないというようなこともございます。ただ、先ほど申しましたように、入院患者自体も徐々に上がっているということは、大学自体も相当努力をしているということでございます。ただいま先生のお話にございましたように、大学の付属病院でございますから、教育、研究それから診療と、三つの機能をうまく調和させていかなくちゃいけないということがございますが、当然地元のそういう地域の高度の診療を担当します病院としまして、地元にあります病院としていろいろな面で寄与していくように努めたいというふうに考えております。このことにつきましては大学の方も十分自覚しているというふうに思っております。以上であります。
○竹内(猛)委員 いまの説明で大体、大学に対するある面の誤解の面が解けたように思いますが、何か地元の人たちは大学の病院には入りにくいものだという印象を強く持っているということについて、いま話があったようにPRが足りない。これは桜村にあるわけだから、当然桜村の役場等々との関係があるはずだし、あるいはまた、なお国立の霞ケ浦病院がある、その桜村の役場、あるいはまた国立霞ケ浦病院との間の交流状況というものはどういうふうになっているのか、その点をもう一度お尋ねをしたい。
○五十嵐説明員 ただいまの交流といいますものでございますが、これは大学の付属病院でございまして、そういう意味で、直接のいろいろな交流がたとえばほかの医療機関とあるということは一般的になかなかないのではないか。それは、ほかの地域にあります大学の付属病院でもそういうことでございます。ただ私ども、特に国立の新設医科大学の病院の場合には、地域と非常に密接な連携をとっていく必要があるということはかねてから指導している点でございます。そういう意味で、地元の医師会の方々とも密接な連絡をとる、あるいは県の衛生関係の方とも密接な連絡をとってやっていただきたいということはやっております。そういう意味で、たとえば医師会の方々といろいろな面で会合するとか、そういうことも必要じゃないかというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 看護婦が足りないという話を聞いているけれども、看護婦の話になると、文部省の方は、あれは厚生省の問題だ、こういうふうに言われるのだけれども、そういうことはないですか。ベッドはあるけれども、そのベッドが十分に活用できない、医者が足りない、看護婦が足りない、それは厚生省との関連だと言われるわけですが、その点はどうですか。
○五十嵐説明員 私ども医科大学を最近相当な数をつくっておりまして、そのときには地元に対しまして、看護婦の確保について御協力をいただきたいということで、いろいろな面で御協力をいただいていることは事実でございます。 ただ、それについては、やはり大学の病院でございますから、大学が十分責任を持ってやらなければいけない。ただその場合に、なるべく地元の方とも十分御協力をいただきたいということでございまして、どこの省の所管であるからできないというようなことは申してございません。
○竹内(猛)委員 この点もかなり理解のできるところがありますから、もし周辺に誤解があるならば、それを解くように私の方で努力をしなければならない。 そこで、今度は国土庁の方ですね。消防、学校、こういう問題が求められている。これも先般尋ねたことですが、それと引き続いて交通問題。私のところにも、またきょうもバス路線の問題で陳情が来ております。なるほど建物はよくできているけれども、広いところでまばらに交通の時間が決められている。それはそのとおりでしょう。採算がとれないから、まばらであることは間違いがないのですが、そこで、できるだけ密度の高いようにしてほしいということで、現在運行されている筑波大学中央から大学病院、竹園、学園並木、大角豆までの路線を、谷田部町内の十字路まで延ばしてほしいというような要請もあります。これは現に要請をしておるわけですが、多くの要請がある。たとえば、農林省の職場で働いている者が、大穂から農林省の職場までバスを延ばしてほしいという要請もあります。それは一々聞いていたら限りがないと言われるかもしれないが、やはり地元の声に耳を傾けてこれに対応するというのが政治じゃないかと思うのです。 あるいは、もう一つは郵便局の問題で、速達なり集配というものが非常におくれると困る。この点の見通しはどうです。
○石川説明員 先生の御質疑の消防の件でございますが、これはすでに先生御存じかと思いますが、現在桜村の妻木苅間地区というところに筑南地方広域行政事務組合というものが消防本部をつくっております。これは相当最新な設備を持っておりまして、筑波の研究学園都市にふさわしいものであると一応うぬぼれておる次第でございます。しかしながら、御存じのように地域が非常に広うございますので、現在さらに北部分署及び南部分署というものの建設を急いでおりまして、これは例の国土庁が出しております都市対策特別交付金によって建設をしておるわけでございますが、この業務も間もなく開始されるということになっております。この三つをもちまして、大体におきまして筑波の新都市全体に対する消防に関しましては万全を期し得るのではなかろうかと考えております。 次に交通の問題でございますが、交通の問題につきましては、先生御指摘のように現在路線バスを走らせておるわけでございますが、これはいささか手前みそになるきらいがございますが、昭和五十年九月から学園東大通り線に、国の補助金を支出いたしまして運行させたのでございます。ところが、先生御指摘のように、東大通り線あるいは土浦と筑波の間、これだけでは全体を覆うにはいささか不足ではなかろうか、こういうことだと思いますが、現在私の方では、特に最近において移転いたします省庁の中で、農林省が相当大量な移転人員を送り込むという実情にかんがみまして、現在関係機関と鋭意この路線の延長につきまして協議いたしております。御存じのように、その一つといたしましては、花室から農林団地を通りまして牛久まで通ずる、こういった線をいま一番重点的に検討いたしております。これはまだはっきりしたことは申し上げかねますが、大体において私の方は相当可能性があるというふうに申し上げられるのではなかろうかと思っております。 次に、郵便局の件でございますが、郵便局につきましては、これはすでに先生も御存じかと思いますが、五十年四月に竹園に特定郵便局をつくっております。同じような特定郵便局を大角豆に五月十六日に開局いたしました。これによりまして、現在主に住宅が蝟集いたしております二地区につきましては、一応特定郵便局という形で御不便がないようにできるのではなかろうかと思っております。さらに、これは少し時間がかかるかと思いますが、農業技術研究所その他各種の農林関係の研究機関が集まります地区に、やはりこれも特定郵便局になろうかと思いますが、特定郵便局を設置したいと考えております。しかしながら、これはすべて特定郵便局でございますので、集配業務ということになりますと、現在のところ桜村の郵便局に頼っておるわけでございますが、これでは都市全体の運営から申し上げまして必ずしも望ましい形ではないというので、現在花室地区に筑波学園郵便局、これは仮称でございますが、こういう集配郵便局を設けるということで計画を練っておる段階でございます。
○竹内(猛)委員 この点もよくわかりますが、やはり郵便局は桜村郵便局ではなくて花室に集配局をつくるのが本当じゃないか、そこが中心になるのだから。そういうふうにぜひがんばってもらいたい。 それから次に二点。電波障害というものが、これは前から指摘をしてきて、かなり解消はされてきているけれども、まだ残っています。それと水の質と量の問題がある。この水の質と量の問題は、学園内の住民として入ってくる者と、それから学園の外の者との関係があってこれはやがて問題になるだろう。そういうことについて気がつかれておるかどうか。この二点についてどうですか。
○石川説明員 現在先生の御指摘の二点につきましては、当方も十分承知いたしておりまして、電波障害につきましては、すでに現在起こっておりますものにつきましては、それに対する補償の問題について、現実に補償を必要とするものにつきましては補償いたしておるはずでございます。なお、当該地区につきましては、今後そういった問題が相当起こるであろうということが予想されますので、現在それに関しまする研究会と申しますか、委員会のようなものをつくりまして、現在検討中でございます。 水質の問題につきましても、大体において先生の御指摘のようなことがあることは十分承知いたしておりますので、その点につきましても現在具体的な問題として検討中でございます。
○竹内(猛)委員 大体これで時間が参りましたので、私の質問は大体整理をしますが、筑波学園は鹿島と同じように出発をしてまいりましたが、ここは何といっても研究学園都市であって、利益を追求する都市でないから、鹿島のような状態で発展をしないことは御承知のとおりです。その場合に、ともすれば、土地さえ買い上げれば、所有権が移れば、これは買った者が何をしてもいい、こういうことで処理をされたのでは非常に困る。だから筑波の問題を取り上げるたびに、土地を放した現地の住民が、入ってきた人との間に違和感がないように、調和のとれるように、そういうことを私はしばしば要求してきている。そして、農林省の機関に採用された人たちが、もうそこで差別感をいま大変味わっているという事実がある。あるいは大学の病院の看護婦だってそういうふうに感じているかもしれない。しかし、そういうことをここであおり上げていいというものではありませんから、そういうことについてすでに省庁では気がつかれているわけだから、これは内部で調整をして、できるだけそういうことのないようにしてもらいたいということを要望し、最後に、これはこの問題とちょっと問題が違うけれども、緊急の問題としてぜひ農林省に調査をしてもらいたいことがあります。 四月二十七日に山形県の東南置賜地方事務所で、川西町の大船地区の大規模畜産団地造成計画を進めている農事組合法人置賜林間畜産開発組合というものが、社団法人農漁村協会というものの指導のもとに相当な土地を買い上げたのか、借り上げたのかして金を集めている、こういう事実がいま起きておりますが、この問題について農林省は十分に調査をして、これの内容、実態、そして何をねらっているのかということを取り上げて調査をして報告をしていただきたい、こういうふうに思います。これは筑波の問題と直接関係がありませんが、関連をして申し上げます。 そして、これは大臣に特に要請しておきますけれども、農林省がいよいよ茨城県に移転をされ、十三機関がやがて全部移るだろう、そういうときにぜひ、移った皆さんが本当に賃金問題、あるいはまた研究者でありますから研究環境、そして生活環境が十分に整うようにいろいろと配慮を願いたい。これはひとり農林省だけではありません、この筑波研究学園都市をつくっていく関係省庁が全部一致をしなければできないことでありますから、私はやはりこの法案を取り扱うについては、そういうことをぜひ附帯決議のようなところに残していただいて、まだまだ問題がありますから、そういう問題を今後も誠実に解決するための努力を特にお願いしたいと思います。それについて大臣のお答えをいただいて、私は終わります。
○長谷川国務大臣 最初のお話のやつをいま聞きに行きますから、はっきりと書き取らせていただきたい。調査をいたします。 したがって後半の問題は、国の方でも責任を持ってやることは当然であり、また農林省としても重大な責任があると考えておりますので、御希望どおりにやってまいりたい、こう思います。
○正示委員長 続いて、塚原俊平君。
○塚原委員 本日、内閣委員会で農林省設置法の一部を改正する法律案の質疑が回ってまいりました。 時期が時期でございます。いま農林省の方々大ぜい来てくださっておりますけれども、日ソ間の漁業交渉の問題がいま非常にマスコミでも取り上げられておりますし、きのうの毎日新聞の夕刊なんかを見ましても、いわゆる世相を風刺することをいつも旨としております四こま漫画なんかでも、非常に鈴木さん御苦労さま、心から御苦労さまというような内容のものが出ている。まさに一億一千万の国民のすべての力をバックにして農林大臣は向こうでがんばっているわけでございます。そしてまた、その後をお守りになります長谷川臨時代理を初めといたしまして、農林省幹部の皆様には大変に敬意を表する次第でございますけれども、現在、二時半現在とは申しませんけれども、現時点での日ソ漁業交渉の状況並びに過程と今後の見通しというものをちょっとお伺いできれば大変幸いに思います。
○長谷川国務大臣 日ソ間の漁業の取り決め、その締結のためにわれわれはできるだけの努力は払ってまいりまして、去る五月の三日より三たび鈴木農林大臣が訪ソをいたしまして、イシコフ漁業大臣との間で数次にわたっていろいろと突っ込んだお話が行われてきたところでありますが、昨日のイシコフ・鈴木会談において協定案文に関する実質的合意が得られ、そして現在、協定案文についての詰めを行っておるところでございますが、今後は、最終的な案文についての仮調印を待って、引き続き漁獲の割り当ての量、また実態問題についての協議を行い、できるだけ早期に最終的な妥結を行いたいと考えております。 その内容についてはまだ発表する段階ではないのでありまして、いまこの妥結した——妥結はしましたけれども、いろいろな取り決めの方をやっているところでございますから、細目にわたってこれを公表することはいま避けなければならぬと、こう考えておりますので、御了承賜りたいと思います。
○塚原委員 結構でございます。ただ、大体の見通しといたしまして、現実に出漁できますのは大体何日ごろの見通しだか、もしお答えできましたら……。
○佐々木政府委員 内容的にサケ・マスの関係とそれからその他の漁業とで交渉の場も違っておりますので、見通しにつきましても若干相違するわけでございますが、ソ連の二百海里水域外でのサケ・マス漁業につきましては日ソの漁業共同委員会の場でいままでずっと話し合いを詰めてまいりまして、東京の会議の最終段階で大体年間漁獲量六万二千トンということで一応合意を見ております。これが、現在の別途サケ・マス以外でやっていますモスクワでの暫定協定の交渉がほぼ合意の段階に来ておるわけでございますけれども、ここで例の対象水域の表現の問題が片づきますと、同時にペンディングになっていました日ソの漁業共同委員会でのサケ・マスの方も一応出漁できる見通しがはっきりしてくるというふうに考えております。 こういった状況の中で、大体きょうあたりから、現地でサケ・マス関係については中断しておりました話し合いを、日本の荒勝代表と向こうのニコノロフとの間で話し合いを再開するという見通しになっております。ここで合意がまとまりますと、私どもといたしましては、いままで、漁期にすでに入っておりますし、できるだけ早く出漁させる必要があるということで、仮に最短の時間で申しますと明二十一日、土曜日のうちにでも出港させたいということで国内的な諸般の準備を進めております。 ただ、母船式のサケ・マス漁業につきましては、若干国内的な手続その他の関係もございまして、それよりも大体一両日おくれることになろうかと思いますが、これは暫定取り決めの問題とは一応切り離して、できるだけ早く出港させるつもりで諸般の準備を進めております。 それからサケ・マス以外のスケソウダラあるいはイカ等のいろいろなソ連水域での漁業の問題でございますが、こちらは暫定取り決めにつきましての協定案文について、これもできるだけ早くイニシアルといいますか、仮調印をするつもりでおりますけれども、その事務にやはり一両日以上の時間がどうもかかりそうである。仮にまた予定どおり一両日中に仮調印ができましても、今度それから漁獲量の話、それから漁業規制措置の話を始めることになります。したがいまして、サケ・マス以外の漁業につきましては、なお実態問題について相当の論議が必要であるというふうに考えております。 それから、その論議がまとまりました上で協定案文とあわせまして全体をいわば本調印をするわけでございますが、本調印ができましても、今度この暫定協定の性格上国会の御承認が必要になりますので、国会の御審議をいただいた上で、今度ソ連側の方に許可証取得の発給の申請をするという手続が必要になりますので、こちらの方につきましては相当程度の日数がまだかかるであろうというふうに考えております。
○塚原委員 まだまだ大変だというようなことでございますけれども、ちょっと過去の問題で恐縮なんですが、いままでで一番もめた場合の出港時期、一番おくれたのは何日ごろでございますか、もしわかりましたら……。
○佐々木政府委員 正確な日時を私は記憶しておりませんけれども、大体五月の半ばまでにはサケ・マスについて全部出港ができたと考えております。通常の状態ですと、四月三十日ないし五月早々には話し合いをまとめまして出港しているのが通常のケースでございます。
○塚原委員 そうしますと、いま行って魚はいるのですか。
○佐々木政府委員 これも魚種によりまして非常に大きな違いがございますが、サケ・マスにつきましては現在まだ漁期の真っ盛りでございまして、北海道を基地にして操業しておりますいわゆる四八と言っております中型の流し網漁船の漁期は、通常の年で大体六月二十日ごろで終了しているわけでございます。すでに漁期には入っているわけで、それによる影響は当然ございますが、まだ現在の段階で操業できないという段階ではございません。
○塚原委員 どちらにしろ漁期に入っているということで、これから出港いたしましても漁獲量において大分とれが悪くなるとか、そのほかいろいろと漁獲量の制限であるとか、漁民の皆様方に経営上打撃を受けさせている事項というものはたくさんあると思うのでございます。いま政務次官の中でもピカ一と言われております羽田政務次官がおいでになっておりますけれども、ピカ一として、打撃を受ける漁民の皆様方に対してどれだけ御温情のある措置がとれるのかということを、もしお答えできましたらお答え願います。
○羽田政府委員 お答えいたします。 ただいま大臣あるいは水産庁からもお答え申し上げましたとおり、おおよそ交渉の方は実質的な合意を見たわけでございます。しかし、大変におくれたわけでございまして、この間に、いま御指摘がございましたとおり漁業者あるいは水産加工、こういった関係に従事する皆さん方は非常に大きな困難をいま見ておるわけでございます。そういったことに対しまして、当面必要といたします経営資金につきまして緊急に融資措置を講ずることにいたしまして、三月、四月の給料分としまして融資枠百五十億円、あるいは減船、休業を余儀なくされたことになったサケ・マス業者がやはりございます。この皆様方の方といたしまして融資枠百五億円をいずれも年三分という低利で融通することにいたしたところでございます。 また、休業によりまして顕著な影響を受けました水産加工業者の方々につきましては、その受ける影響の度合いあるいは業態の性格に応じまして、所要の経営資金について緊急に融資措置を講ずることといたしまして、融資枠三十億円、年四分、ただし従業員規模百人を超える加工業者の方に対しましては六分五厘という措置をしたわけでございますけれども、低利資金というものの融通を準備したところでございます。 このほか魚箱あるいは漁網、こういったものを製造されていらっしゃいます北洋関係の中小企業の方々に対しまして、政府系の中小企業金融機関からの優先的融資を行いまして、ともかく大きな痛手を受けた皆様方のつなぎ的な融通措置というものを今日まで行ってきたところでございます。
○塚原委員 早々にお打ちいただきました手としては非常に満足いくものであると、私どもの地元も港を持っておりますけれども、皆さんは大変強く言っております。今回の交渉、無論漁民の皆様方のためにソ連と交渉したわけでございますけれども、そこに領海問題なんかも入ってまいりまして、こういう言葉づかいが妥当かどうかわかりませんけれども、ある程度国益の犠牲になったと言ってもいいと思います。これからいろいろな問題が、出漁してみた上でまた出てくると思います。数多くの陳情なども来ると思いますので、農林省といたしましても大変温かい措置をとっていただきたいと思いますけれども、その辺、政務次官いかがでございましょうか。
○羽田政府委員 まさに御指摘のとおりでございまして、国と国の交渉によりますその大きな影響を受けたわけでございますので、私どもその辺を十分わきまえながら、的確に迅速にその被害の状況の情報を収集しながら対処してまいりたい、このように考えます。
○塚原委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。 こういうような二百海里時代がやってまいりまして、ここにまいりまして沿岸物の見直しということが非常に言われているわけなんでございます。たとえばイワシの願いであるとか、そんな詩みたいなことを書いていろいろな物を持ってきてくださる方もいらっしゃるのですけれども、たとえばイワシからかまぼこをつくるとか、サバからどうするとか、いろいろなことが最近話題になっております。こういうものに対しましていまいろいろな研究をなされていると思いますけれども、どの程度まで進行しているのか、実用性は果たしてあるのか、かなり急がなくちゃいけないと思いますが、その辺をちょっとお伺いしたいと思います。
○佐々木政府委員 いま先生御指摘のとおり、イワシあるいはサバ等の日本近海でとれます多獲魚の生産量の水準というものは、イワシは最近年々増加しておりまして約八十万トンから百万トンぐらい、それからサバについても百万トンを超える漁獲がございます。しかしその大部分、半分以上が、イワシのみになりますと七割近くがフィッシュミールであるとかあるいは養魚用のえさということで人間の直接食用以外の分に回っておりますので、今後二百海里時代に入りましてこういった日本近海でとれる資源の有効利用ということを非常に重要な課題としてわれわれも考えておるわけでございます。 具体的にいまお尋ねのございましたイワシ、サバ等を原料にしましたかまぼこというようなものも、技術的には現在すでに製造可能な実験は終わっておりますし、これを今後企業的にどういうふうに安いコストで、しかも消費者に好まれる製品に加工するかという面で、実用化、企業化のための技術開発が急がれる段階だというふうに理解しております。 特に、これらの従来基礎研究から開発されました技術を実用化するために、昭和五十二年度におきましては、国の研究機関それから県の試験場、民間のそういう機械メーカー、そういった方々を集めまして一種の大型プロジェクト研究としてこれの開発を進めようということで、予算上も約二億近くの金額を一応用意いたしまして、できるだけ速やかにその技術の開発を進めたいと考えております。 同時に、イワシ、サバ等をもっと直接に、消費者に好まれる形で食ぜんにのせるということも重要な課題だと考えておりますので、こういった点の料理方法等の啓蒙普及のためのいろいろな活動、それから学童給食等への試供品の提供といったような形で、こういった魚について料理方法いかんで食べれば結構おいしいという評価をされる方も多いわけで、そういったものになじんでいただくということについても、五十二年度から組織的にそのPR活動を始めたいと考えておるわけでございます。
○塚原委員 特に、私はイワシほどおいしい魚はないと思っておりますけれども、いままでずっと茨城の方におりまして東京に参りましたらイワシを食べる機会がなかなかないし、食べ方を知っている人が何人いるのかとも思われるような節もございます。PR活動というものがこれから大変に必要になってくると思います。いままで、お米を食べましょうにしても、魚を食べましょうにしても、電車の中づりを使ってみたり、あるいは何となく宣伝の仕方が非常に下手な気がするんでございますよ。ですから、これはそれ相当のプロの方もいらっしゃるのですから、さしあたって資源に関することでございますし、電波を使うなら電波を使ってかなり思い切ったPR活動を今後ともしていただきたいと思っております。 技術開発を早急にやっていただいているということでございます。そうしますと、一般の加工業者の方々で、だんだんそういうものに目を向けてくる方が非常に多くなってくると思う。それに伴って設備の変更ということもなされるようになってくると思うのですけれども、その設備を変更する場合に、ある程度の御援助並びに融資というようなことは、いままでの事例としてはどれぐらいまで考えられるのでございましょうか。
○佐々木政府委員 水産加工業の関連で、特に一次加工以外のかなり高度の加工関係で、関連の施設整備のための資金等を一体どういうふうな制度で安定的に、かつ効率的に供給をしていくかということは、従来から一つの大きな懸案事項になっております。と申しますのは、いわゆる水産加工業として漁業の生産と非常に密接な関連があるわけでございますが、同時に、食品工業として一般の製造業等と非常に同質の問題も抱えているということで、現在、規模なり対象によりまして、いわゆる水産加工業の協同組合の系列でいろいろ資金的な手当てをしております部分と、中小企業として通産省のベースでそういった資金的なめんどうを見ている部分と両方にまたがった問題がございまして、従来、水産庁の方で直接やっております。どちらかというと一次加工に近い規模の小さい水産加工業協同組合の系列の問題を系統資金等で融通をしておったわけでございますけれども、今後の水産加工業のあり方を考えますと、こういった点だけではとうてい対応し切れない、もっと大きな資金が必要になるだろうというふうに考えております。 そこで、水産加工業のこれからのあり方、またそれに見合った資金融通の制度のあり方、こういうことを十分この際抜本的に検討し直す必要があるという意識で、五十二年度に関係者を網羅しました水産加工業のあり方についての基本的な検討会を開催いたしまして、これは一応予算の裏づけもいただいておるわけでございますが、その結論を待って、通産省その他とも十分協議をしながら、今後の制度融資その他のあり方について方向を見定めて適切な手当てをしてまいりたいというふうに考えておる段階でございます。
○塚原委員 いまのお答えをお聞きいたしましても、大変にすばらしいことをお考えになっていらっしゃると思うのですけれども、一般のわれわれにはなかなか伝わってこない。政治をやっている私に伝わってこないのですから、一般の国民の方、水産加工業者の方々にもなかなか伝わってこないと思う。その辺も、こういうことをやってこういうふうにしようと思うのだということをできるだけお伝えになっていただきたいと思います。 最近、こういうような状態になってきたときに、とる漁業からつくる漁業へというような夢みたいなことをよく言われるわけなんですけれども、養殖漁業というものも決して夢ではない。現実として小規模であるけれどもいろいろと行われている事例も聞きますし、養殖漁業というものについて農林省と水産庁がどういうふうにいまお考えになり、かつ、どの程度研究が進み、最終的にどれぐらいのものを予定しているのか、わかりましたらお答えをいただきたいと思います。
○佐々木政府委員 確かに、今後日本の周辺の二百海里の中の漁場を有効に利用していくために、いわゆるつくる漁業と申しますか、養殖業、あるいは水産の分野では増殖業という分野と両方合わせまして増養殖業と言っておりますが、こういった漁業を大いに発展させる必要があるというふうに考えております。 現状では、まず、たとえばノリの養殖とかあるいは魚にえさをやって飼ういわゆる魚類養殖、こういった養殖業がかなり順調に生産を伸ばしておりまして、大体この十年間で生産量が約二倍になっておりますけれども、その水準は年間で七十万トンぐらいということで、今後土木技術等の進歩も考えますと、いま漁場として利用してないところで将来養殖漁場として利用可能なところというのは相当まだ残されているというふうに考えております。こういった面で、沖合いの養殖漁場の開発ということも含めまして、いろいろ養殖業に対する助成も考えていきたいというふうに考えております。 同時に、最近この十年間ぐらいの間にかなり急速な進歩を見てまいりましたのが先ほど申し上げました増殖業の分野でございまして、いわゆる栽培漁業と言っておりますが、天然の漁場をちょうど土地改良をやるように整備開発をやりまして、そこに人工的につくったクルマエビとかマダイとかそういう高級魚介類の資源を大量に培養して、まくと申しますか放流してある。それが先ほどの改良された天然漁場の中でどういうふうにすれば一番よく成長し生き残りがよくなるかということをずっと研究をやってまいりまして、実際にクルマエビ等についてはすでに実用段階に入りまして、瀬戸内海等を中心にかなりの県で年間何億尾というオーダーの放流をやって、それによって生産を相当増加をしてきているというような段階でございます。今後太平洋岸あるいは北日本の方もこういった漁業を大いに盛んにする必要があるということで、従来西日本の方から始まりました技術を受けまして、五十二年度から今度は国営で北日本の冷水系の方の地帯につきましても北日本の栽培漁業センターというものをつくりまして、そこでいまのような寒流系向けの技術の開発を進め、そういったふやしてとるというつくる漁業というものをこれから大いに力を入れてやりたいというふうに考えている段階でございます。
○塚原委員 ぜひがんばって、よりすばらしいものを、世界の先駆けたるものをつくっていただきたいと思います。 何をするにいたしましても海というものは非常に大切なものだと思うのです。私の選挙区茨城県は、ずっと那珂湊から始まりまして大津まで大きな海岸線を持っている。実はこの前日立港の方からお話がございまして、明らかにソ連船のものと思われる廃棄物が大体五海里から十海里の中ぐらいで非常に網にひっかかって困るのだ、今年に入ってからも、一月から三月末までで大体ダンプ四はい分くらい、かん詰めなんかのふたを見ると完全にソ連のマークがついているというようなことを、非常に苦情と申しますか実態と申しますか、こういう写真なんかもつけましてお話しいただいているわけです。これは無論茨城に限ったことじゃなくて、ずっと沿岸沿いに関してはあることだと思うのですけれども、現実はいかがなんでございましょうか。
○佐々木政府委員 ソ連船の日本近海での操業がかなり盛んになってまいりました四十九年、五十年ごろから、特に千葉沖、茨城沖あたりで、そういったかん詰め等をつくりましたときの残滓とかあるいは空かんで破損したもの、そういったようなものを海中に投棄する、それが漁場に堆積をいたしまして底びき網漁業等の操業に非常に支障を来しているというような事例が大変目立ってまいっております。数量といたしましては、私どもも的確に全部把握しているわけではございませんが、いままで県に助成をいたしまして漁船を動員して引き揚げました廃棄物の量で、昭和五十一年度には四十キログラム入りのポリエチレンのたるで大体二千百二十七たるという、まあ二千たる以上も、相当膨大な量の廃棄物を回収いたしております。こういったことから見ましても、そういった特に十二海里内でのソ連船のイワシ等を漁獲したその加工の残滓の廃棄物の漁場への影響というのはかなりはなはだしいものだというふうに理解をしております。
○塚原委員 これは捨てるということ自体はどんどん捨てて構わないわけなんですか。国際法でどう考えるのか、その辺ちょっと。
○佐々木政府委員 国内的には、御案内のとおり海洋汚染防止法がございまして、そういった残滓等を特定の区域についてみだりに捨ててはいけないということになっております。しかし、これはまだ完全な国際条約にはなっておりませんで、あくまで日本人に対し、また日本の領海の中でしか適用がないわけでございます。ただいまのソ連漁船のいわば不法というよりも不当な投棄に対しましては、そういった問題もございましたので、五十年に日ソ間の漁業の操業協定を結びます際に、その附属書で、そういう漁場を汚損しあるいは荒廃させるような不当な廃棄物の投棄はいけないということを協定の中で約束をしたわけでございますけれども、これについては必ずしも罰則等があるような規定ではございませんで、お互いにそういうことを遵守しようという精神のものでございますので、現在のところは法的にソ連船の投棄を取り締まるということはできないわけでございます。 ただ、いまのような協定がございますので、私どもとしては、そういったソ連船の投棄が目に余るときには、過去にも何回か外交ルートを通じて、ソ連側の方でそういったものについて自粛をするように、不法投棄をしないようにということを再三申し入れをいたしております。先日、国会で制定をしていただきました領海法が間もなく施行の段階に入るわけでございますが、そういたしますと当然領海の幅が十二海里にまで広がりますので、その中では日本の国内の法規が適用されるし、同時にソ連漁船のそうした事態を十二海里内では認めないという方針でございますので、先生さっきおっしゃいましたが、現在大部分が五海里から十海里、その辺で問題になっているケースが大変多いので、こういったものについては領海法の施行段階では実際上解決できるというふうに考えております。
○塚原委員 漁民の方々が廃棄物を揚げることが多いと思うのですけれども、国は揚げたものに対してある程度の始末の補助というようなものはいままでやっているのでございましょうか。
○佐々木政府委員 これはいろいろ考え方がございまして、結論から言うと、国としては、本来そのための制度でございませんが、既存のいろいろの仕組みを利用しまして助成をいたしております。投棄をしたソ連自身の費用負担で本来やるべきではないかという議論もありまして、私どもも検討しておるわけでございますけれども、何分にも現状では公海の上での問題でございますので、制度的に詰めていくといろいろ問題もございます。そうかといってそれが解決するまで放置していたのでは沿岸漁民が大変迷惑をするわけでございますので、従来からございました都市廃棄物であるとか産業廃棄物等が海底に沈積をして、それによって漁場が汚損されるというような場合に、海底のそういったごみを回収する、清掃するための事業をずっとやってまいりました。そういった産業廃棄物とはちょっと違うわけですけれども、この問題の処理にも一応応用いたしまして、都道府県の方に対して助成をしながら、補助率は二分の一でございますけれども、いままで当面の漁場の清掃に当たってきたわけでございます。昭和五十一年度にはこのために銚子沖でやりました事業費が約三千万円、正確には二千九百六十八万円でございますけれども、その二分の一を国費で支出をしている段階でございます。
○塚原委員 これの処置に対していろいろな法律をうまく適用して処置をしてくださいまして大変ありがたいと思います。さしあたってことし十二海里法が施行されましても、まだ海洋には汚物は残っておるものでございますから、そういうものについても処置をお願いいたしたいと思います。 日本の船は非常に紳士的だと思いますので、こんなことをやっていないでしょうね。
○佐々木政府委員 日本の近海では、海洋汚染防止法その他の制度ももちろんございますし、同時に、日本近海でソ連船のような大型船で大規模な加工業を船の上でやるというような実態がございませんので、いまのような漁場汚染につながる大量な投棄というものはございません。日本の漁船が遠洋でやりますときにも、そういった点についてはできるだけ配慮するようにもちろん指導はしておりますが、日本でやっております大型の母船式漁業というのは、ほとんどが沖合いというよりもむしろ遠洋の大洋の真ん中でのサケ・マスの加工業とか、あるいは鯨関係の南氷洋での船上加工といったようなことでございますので、この辺につきましては海の容量、キャパシティーの大きさも違いますので、余り現実の問題として漁場汚染の問題は起きてないわけでございます。
○塚原委員 人のふり見てわがふり直せとも言いますので、日本の漁船に対しても、そのことの指導はよろしくお願いしたいと思います。 余りこの話をしておりますと本題に入れなくなりますので、最後に、今回の日ソ漁業交渉の経過から見ましても、わが国としましては、これから強力な漁業外交を展開する体制の整備が必要であると思うのです。これは政務次官の方からお答えいただきたいのでございますけれども、こういうものに対して今後どういうふうに対処していくかということについて御質問いたします。
○羽田政府委員 先ほど来お話があったわけでございますけれども、まさに急速にいわゆる新しい二百海里時代というものが到来しつつあるわけでございます。そういった厳しい情勢の中にありまして、私どもはこういった情勢を踏まえながら、官民一体となって強力な水産外交を展開し、あわせて漁業協力を実施することによりまして、できる限り操業実績の確保を図るとともに、さらに新漁場開発などを行って、二百海里設定による影響というものをでき得る限り軽減してまいりたい、このように、これからも積極的な遠洋漁業継続のために努めてまいりたいというふうに考えます。このため、急増する漁業交渉などに備えるために、本年度から新たに水産庁に国際顧問、それから海外協力室などを設置するほか、官民一体となった使節団の派遣など、所要の措置を講じておるところでございます。
○塚原委員 今後とも強力な外交陣をしいていただきたいと考えております。 今度の農林省設置法改正でも、筑波研究都市への試験研究機関の移転に伴う位置の変更ということが今回の法律の主体になっておりますけれども、まず研究学園都市を建設に至りますまでの経緯につきましてお尋ねしたいと思います。
○下浦政府委員 筑波研究学園都市の建設の経緯でございますが、これは実は昭和三十年代から始まっております。人口の首都圏への過度の集中ということから始まった問題でございまして、昭和三十六年に官庁の移転という閣議決定がなされておりますが、それがそもそもの始まりというぐあいに御理解いただいていいかと思います。この官庁移転構想を具体化いたしますために、三十八年になりまして閣議におきまして、研究学園都市を茨城県筑波地区に設置する、それはおおむね四千ヘクタールの規模で建設するということが決められました。ただ、実際にはこの四千ヘクタールというのは後に二千七百ヘクタールということに相なっております。それから、このときに建設はおおむね四十年から着手をいたしまして十カ年で完成するということが口頭了解でなされております。 四十年に入りまして、この筑波研究学園都市に移転をいたします機関といたしまして三十六機関が、これも閣議了解で決定をされております。 さらに四十四年、これも閣議におきまして、建設時期につきまして昭和四十三年度を初年度といたしまして、これは前、後期に分けまして、前期五年、後期五年という二期に分けようということが決められております。 さらに四十五年になりましてから、これは国会におきまして議員提案により、筑破研究学園都市建設法という法律が制定されましたが、これが法的な根拠となっておるわけでございます。この法律の具体的構想につきましては、昭和四十六年二月「筑波研究学園都市建設計画の大綱」それから「筑波研究学園都市公共公益事業等の整備計画の概要」というものが定められておりまして、これらが今日の筑波研究学園都市建設の基礎ということに相なっておるわけでございます。 それから四十七年でございますけれども、移転機関につきまして若干の変更がございまして、さきに三十六機関と申し上げましたが、これが移転機関四十三機関ということになりまして、このうち農林省の移転機関が十三機関ということが決められております。これが現在もそのまま生きておるという次第でございます。 その後、田中内閣発足後、できるだけ国土総合開発のモデルケースにしようということでこの建設を促進しようということになりまして、おおむね五十年度末を目途に移転を行おうということになったわけでございますけれども、ちょうど四十八年のオイル・ショック等がございまして、五十年三月の閣議決定におきまして移転はおおむね昭和五十五年度を目途に行うということに変更された次第でございます。 以下はさほどのことはございませんで今日に至っておるという次第でございます。
○塚原委員 農林研究団地自体はいかがでございますか。
○下浦政府委員 農林研究団地そのものでございますけれども、これは先ほど十三機関と申し上げましたが、その機関につきましてはその後も変わっておりません。それから全体の研究学園地区総面積二千七百ヘクタールでございますけれども、そのうち農林研究団地が占めます面積は四百四十三ヘクタール、これは建物用地といたしまして二百二十七ヘクタール、それから農林関係はどうしても圃場が要りますので、圃場が二百十六ヘクタールということに相なっております。それから移転機関の総職員数でございますけれども、これは約二千三百名ということにいたしておる次第でございます。 それからこの移転の時期でございますけれども、これは昭和五十四年度までにこの十三機関につきまして段階的に移転をさせようということで現在努力をいたしておるところでございます。
○塚原委員 やると決めましたら早急かつ速やかにやるのがいいのであって、これからはいろいろな障害があるということは全く考えられませんので、できるだけ早急にすべての移転、十三機関をやっていただきたいと思いますけれども、十三機関が一カ所に集まってくると、いままで十三機関のあったところは今後はそれぞれどういうふうになるのでございましょうか。
○下浦政府委員 跡地の問題でございますけれども、これは現在大蔵省に国有財産審議会という審議会がございまして、その中に跡地対策小委員会でございましたか、そういう小委員会が置かれまして、この跡地の利用の問題につきまして現在鋭意検討が進められておるというぐあいに聞いております。これは特定国有財産整備特別会計法という法律がございまして、これによりまして私どもの農林関係の試験研究機関ばかりでなく、筑波に移転をいたします試験研究機関の建設が進められておるわけでございますが、移転をいたしました跡につきましては、行政財産からそれぞれ各省庁が普通財産にいたしましてこれを大蔵省の方に所管がえをいたすということになりますので、大蔵省の方におきまして鋭意検討を進めているということでございます。
○塚原委員 特に跡地の問題につきましては国民みんな関心の高いところでございますから、非常に明確な形で御発表もいただきたいと思いますし、より有効な形で御使用いただきたい、このようにお願いをしておきます。 私ども、つい二年前までは会社勤めをしていたわけですけれども、毎年異動の季節になりますと、やれどこへ行かされるのがいやだ、どうのこうのと必ず大騒ぎが起こります。中には組合に泣きついて、組合で問題にしてもらって何とか行かないで済んだということもあるのですけれども、今回のこれの場合は——会社だと本社もあれば支店もありますので、がんばれば本社にいられるということもあるけれども、これは全くなくなってしまうわけで、みんな行かざるを得ないわけですね。移ったら困るという人も多々いると思うのですけれども、現状はどうでございますか。いまそういうことで問題にしているような人がいらっしゃいますか。
○下浦政府委員 ただいまの御指摘でございますが、実は昭和五十年の十二月一日付をもちまして移転関係機関の全職員に対しまして調査をいたしております。今度御審議をお願いいたしております五機関についてだけ申し上げますと、そのときの調査では、移転が困難であるという者が百名ほどおったわけでございます。 実はそれから二年半ほど時間が経過いたしておりますので、移転困難者自体に人の入れかわり等もございます。亡くなった方もございますし、もうすでにおやめになった方もございます。それから当時移転が可能だとした方でもまた後で移転が不可能だということになった逆の立場の方もございます。ということで、実は私ども個別にいろいろと事情を聴取いたしたわけでございますけれども、現在はその数字自体がかなり変わってきておりまして、おやめになる方はおやめになる方でかなりの数字が出ておりますけれども、配置転換を希望する方につきましては、この間に鋭意実は他省庁、民間等まで含めまして配置転換の努力をいたしまして、五月一日現在では大体十七人程度がこの五機関につきまして残っているという現状でございます。なお、今年度一番最後に移転をいたします機関が林業試験場でございますけれども、この林業試験場にそのうち十人程度残っているという現状でございますが、なお十分努力いたしたいと考えております。
○塚原委員 今度は移転をした場合、宿舎、学校、買い物をするところ、そのほかもろもろの施設につきましては、いまどの程度進んでいるのでございましょうか。
○下浦政府委員 生活環境の問題でございますが、これは先ほど申し上げました「筑波研究学園都市建設計画の大綱」「筑波研究学園都市公共公益事業等の整備計画の概要」によりまして、関係各機関におきまして鋭意整備に努めているところでございます。宿舎につきましては昭和四十五年以降計画的に建設が進められておりまして、昭和五十二年三月末現在では三千二百四十二戸がすでに完成いたしております。農林省といたしましては、すでに移転をいたしました職員のうち宿舎への入居を希望いたしました職員につきましては、全員につきましてその宿舎を確保してまいったわけでございますが、今後とも宿舎を希望する職員につきましては、それぞれの移転機関の移転年次別、時期別に必要とする、宿舎の戸数を把握をいたしました上で、全員が入居できますよう関係方面と連絡を密にしてまいりたいというぐあいに考えております。それから、ショッピングセンター等につきましては、これも現在二カ所ほどかなり大きな店ができております。 なお、移転の進捗に伴いまして必要といたしますものの整備につきましては、関係方面にお願いをいたしました上で整備をしていただくようにしたいと考えております。
○塚原委員 筑波というのは、私も茨城、私は北の方でございますけれども、この筑波も非常に風光明媚、環境のすばらしいところでございますので、やはりこういうのは一つのチームプレイでございますから、チームをつくって作業をしていたことはそのままそのチームの継続がいいのでございますから、移転困難者というんですか、そういう方で問題になった方が十七人ということでございますけれども、筑波のすばらしさというものをよくお示しいただきまして、できるだけ現在の活動をしているチームがそのまま筑波に移るというような状況になることを望むのでございますけれども、これは向こうに参りますと、必ず地域にずっと住んでいらっしゃる住民の皆様方と、まざり合いという言葉は適切かどうかわかりませんけれども、いろいろな面で接触が多くなると思うのでございますけれども、接触する可能性のある場所としては、無論お子さんたちは学校というものが考えられるだろうと思いますけれども主婦の方々あるいは研究員の方々ですね、ではどういうところで地域の方々と、まざり合うという言葉は悪いのですけれども、接触を保つ機会というものがあるのか、飲み屋ということでもよろしゅうございますし、そういうこと、ちょっとおわかりになりましたら……。
○下浦政府委員 集会所等につきまして整備をするようにいろいろとやっておられるようでございます。それからまた、何といいますか、一杯飲み屋とおっしゃいましたが、そういったような設備につきましても花室地区にはある程度のものができつつございますので、なお生活に潤いを与えるようないろいろな施設設備につきましては、その建設の促進方につきまして関係方面にも引き続きお願いをしてまいりたい、こういうぐあいに考えております。
○塚原委員 東京というか都会に育ちました者——私みたいに父親の仕事上から両方と子供のころから接しておりますと、非常に両方に対する融通がきくようになりまして、おかげさまで当選もさせていただいてきたわけでございますけれども、非常に東京というか都会だけになれている、特に女性の場合でございますね、非常に地域の皆様方との生活環境の違いというものがあるというところから、ぶつかったりあるいは予期せぬ不祥の事態というようなことが起こる可能性もあると思うのでございます。そういうことについて、無論奥様方の悩みというもの、無論農家、現地にずっとお住みになっている方々の悩みというものもありますし、あるいは今度新しく来られる方の悩みというものもあると思うのでございますけれども、何らかの形でそういう悩みを発散というか相談というか、そういうことができるような何らかの施設みたいなものはおつくりになるお考えはございませんでしょうか。
○羽田政府委員 実は私も先日、各政務次官の皆さんと一緒に現地を視察さしていただいたわけでございますけれども、これは農林省というだけではなくて、あそこの全体としまして、そういった施設、いわゆる公民館のような施設をつくっております。そういった中で、でき得る限りあそこに集まった、これは集まった方々もそれぞれの地区から集まってこられたわけでございまして、そういった方々とのコミュニケーションを図る、あるいはそういった場所を通じながら地域の皆さんとの交流を図っていかなければならぬということを現場の方々も言っておられたところであります。そのほかPTA、そういった場所なんかにおきまして地域の皆さん方との交流の場は大分できておるようでございます。
○塚原委員 何でこういうことを申すかと申しますと、私の選挙区も日立市というようなものを抱えておりまして、これは農業のところに工業が来たということで、やはり奥様方、これは戸別訪問なんかすると、選挙違反ではない戸別訪問なんですけれども、参りますと、村八分というのですか、いわゆる会社に出ている方の奥様が村八分ということではないのですけれども、接触がないというケースが多いのです。どうしてだろうと思っていろいろと調べてみましたら、やはり最初に住んでいる方は一生懸命新しく来た方と接触しようとするのですけれども、最初のうちはその接触をしようとしているのですけれども、だんだん都会生活になれた奥様の方から離れていってしまうというところから、もうそんなんならこっちもめんどうを見ないよということになっちゃって、結局はそれで村八分みたいなことになって、中にはノイローゼみたいになっている奥さんもいらっしゃったり、あるいは実家に帰りたい、実家に帰りたいと言っているような奥さんもいらっしゃる。現地にお住みになる方々よりも、やはり新しく入ってこられた方々の方に、これは無論考え方の相違かもしれませんけれども、非常に問題があるような気がするのです。ですから、現地に入った方というのは、最初は温かく迎えてくれる。必ずいたします。最初から意地悪をする人なんというのは、特に茨城はそういう県民性から見て絶対ございませんから、できるだけ何らかの、研究機関の方としてさまざまな現地の奥様方と接触をする機会というものもこれからどんどんおつくりをいただきたいと思いますけれども、いかがでございましょう。
○下浦政府委員 ただいま生活環境に関するかなり機微に触れました御意見をいただいたわけでございます。これは研究学園都市全体の問題でございまして、農林省だけでこれまたどうこうというわけにもいかない面があるわけでございますけれども、国土庁初め関係の機関ともよくその辺につきまして御相談を申し上げたいと思っております。
○塚原委員 くれぐれもよろしくお願いします。 それでは時間もございませんので、最後なんでございますけれども、よくこれも私田舎をずっと歩いておりまして、こういうことが聞かれるのです。農林省から行政指導をされたとおりにやったらひどい目に遭った、農林省に言われるのと逆をやっていけばいいんだとおっしゃる方が、必ず座談会の中で言わない方はいないのです。どこで座談会をいたしましてもそういう話が出てくるわけですけれども、試験研究機関というのは、農民の皆さんが直面している技術上の問題点を的確に把握して、その農民の要求にこたえるような試験研究を行っていくということが必要なんですけれども、こういう面に対して今後一層の御配慮をお願いしたいのですけれども、その点についてどうでございましょうか。
○堀川政府委員 ただいまの御指摘でございますが、私どもも農家の生産の実態あるいは経営の実態と遊離した技術というものを持ち込もうとしましても、究極的には失敗をするわけでございますので、その辺を解決するためには、生産の現場に近い普及の組織と試験研究機関との連携を強固にするということが非常に重要であるというふうに思っております。 そういう角度から、たとえばこれは五十年度から始めた事業でございますが、大型技術現地実証特別事業というのを普及事業の中で予算化をして、特別の指導体制をとっておるわけでございます。これはいろいろ例はございますが、県の試験研究機関で開発をされました一連の技術がございます。これを農家へ持ち込むに当たりまして、直接的な持ち込みというのはなかなか定着がむずかしい、あるいは導入がむずかしいということもございますから、これをモデル的な農家に頼みまして、専門技術員が中心になって指導をいたしまして、もちろん改良普及員もこれに加わります。そして現場でやってみる。その中からさらに技術の組み合わせを現地に当たって改善すべき点があれば拾って、そして体系化をさらにした上で一般的な普及を図るというようなことを、たとえて言えばやっておるわけでございます。その他さまざまの工夫をこらしまして、先生のおっしゃるような問題が生じないようにやってまいりたいと思っております。
○塚原委員 最近は、ラジオの番組にしましてもテレビの番組にしましても、もうワンウエーの時代じゃなくてツーウエーの時代だ、やはりお互いに何の中にも溶け込んでいかないと視聴率もかせげないというような状況でございますから、本日は政務次官おいでくだすって大変ありがたいと思うんです。私も政務次官も二十一世紀に向かって一生懸命歩いていかなくちゃいけないわけでございますし。こういうような高度成長から安定経済成長に入ったときの最大の安全保障は自給できる食糧だということをよく自民党の代議士が選挙のときに申しますけれども、そういうことを踏まえまして、政務次官、今後とも若いお力で非常に農業というものに対して真剣な、いままでも非常に真剣な取り組みがあると私の地元でも大変評判がよろしゅうございますけれども、政務次官といたしまして今後真剣な取り組みをいただきたいと思いますので、最後にその御所信をお聞かせいただきまして、質問を終わらせていただきます。
○羽田政府委員 大変恐縮いたします。もうおっしゃるとおりでございまして、私ども農業をこれから進めてまいりますに当たりましては、やはりどうしても足腰の強い農業、これはもう私どもの大臣が常に言っている言葉でございますけれども、足腰の強い農業というものを育てまして、食糧というものを安定して供給できるような体制、そしてまたつくる皆様方も本当にこれに対して意欲を持って精を出せるような体制、これをつくり出していくために、このたびお願いしております研究機関、これを十分に活用してまいりたい、このように考えております。
○塚原委員 どうもありがとうございました。終わります。
○正示委員長 続いて、新井彬之君。
○新井委員 初めに、農林省設置法の一部を改正する法律案の関係につきまして若干の質問をさせていただきます。 この設置法におきましては、先ほど来いろいろ説明があったのでございますが、この資料を見ますと、昭和四十六年ごろからずっと予算がついておりまして、五十二年度あるいは五十三年度に移転の計画だということになるわけでございますが、初めからこうして予算をつけてやる場合に、当然これは予算をつけていろいろなことを実施しているわけでございますから、これはそのときにもう農林省としては移転を決定いたしておった、それで、現在になってこうして法律案になって、いよいよ移転をしますということで出てきているわけでございますが、今回の場合はこれは反対するというような理由はないと思いますけれども、こういうことがもっと先にわかるような方法にしないと、もしもこれがまずい場合に、こうやったらよかったじゃないかという意見を本来ならば私たちが申し上げてやるべきではないか、こういうぐあいに思っておるのでございますが、政務次官、いかがお考えになりますか。
○下浦政府委員 国会のお立場からの御意見、私どもよくわかるわけでございますが、この筑波の農林研究団地の建設につきましては、四十五年に制定をされました筑波研究学園都市建設法という法律に即しまして、実は毎年度国会におきまして予算を御審議いただきまして進めてまいったということでございます。これがようやく、実は五機関につきまして、施設の概成等の時期を迎えまして移転をし得ることになったわけでございますので、今回御審議をいただくということになったわけでございますので、どうかひとつ、その辺の御事情をおくみ取りをいただきたいと存じております。
○新井委員 今回移転をするのが果樹試験場で百十二億、それから農業土木試験場におきましては百二十七億、それから植物ウイルス研究所においては二十一億、それから熱帯農業研究センターにおいては十八億、それから林業試験場におきましては二百二十一億という、比較的様とまった一つのものを建てようとしているわけですね。で、これはいつも問題になりますが、この試験場あるいは研究センターがある中で、比較的新しいものとかあるいは古いものとか、こういった建物が一斉に建てられたわけではございませんし、非常に完備をしておるような地域のものもあったのじゃないかと思うのですね。そういうような場合に、本来ならばまだ後十年ぐらいは当然その地域にあって活用しても問題はなかったのだ、しかし先ほども言われましたように、その筑波学園の法案ができたために、こっち側へ一緒に移した方がいいのじゃないかということで移したというようなことがあろうかと思いますが、この試験場等については大体いつごろでき上がったものですか。
○下浦政府委員 いまの試験場がいつごろできたかというお尋ねでございますか。
○新井委員 いや、前の試験場です。
○下浦政府委員 移転前の試験場でございますか。
○新井委員 そうです。
○下浦政府委員 これは、後ほど調べましてお答え申し上げます。 ただいま先生の御指摘の点でございますが、私ども、今回移転を予定いたしております試験研究機関、特に本年度予定の五機関につきましては、いずれもかなりの歴史がございます。途中で名前が変わったようなものはございますけれども、園芸試験場から果樹試験場に変わったというようなものはございますけれども、それぞれ相当な古い歴史を持っております。 なお、熱帯農業研究センターそれから植物ウイルス研究所というのは、これは実はかなり新しい時期にできました機関でございますが、それぞれ施設等がございませんで、既存のほかの試験研究機関のところに間借りをしておったというような状態でございます。 したがいまして、特に首都圏近辺におきましては、建物もさることながら、環境自体が非常に都市化をいたしまして、私どもの試験研究機関はほとんど圃場等を持つ研究機関が多いわけでございますので、今後高水準の試験研究を続けてまいりますには、環境からいたしまして非常に不適当ではないかというような機関が非常に多くございます。したがいまして、私ども、今回の移転に当たりましては、首都圏にございます機関につきましては、できるだけ移転の対象にいたしたいというぐあいに考えておったわけでございますけれども、東京都に所在をいたしますもののうちの水産関係の二機関がございますが、これはやはり海水を必要とするとか、あるいは淡水魚の関係では水の質がどうしても合わないというようなこともございますので除外をいたしたわけでございますし、それから農業総合研究所というのがございますけれども、これは先生おっしゃいましたように建物も比較的新しいわけでございますし、それから環境自体もさほど悪くはございません。それに人文科学を研究するという機関でございますので、これは東京へ残したという次第でございます。
○新井委員 そうしますと、この移転のときについては、農林省としても非常によく納得をしまして、そして何か採択基準みたいなものを設けて、そうしてその中に当てはまるものだけを移転をさせてもらったと、こういうことでございますか。
○下浦政府委員 首都圏にございます試験研究機関が十四ございます。そのうち、ただいま申し上げました水産関係二機関、それから農業総合研究所、これは先ほど申し上げましたような理由で除外をいたしました。基本は全部を対象といたしたいということで実は検討を進めたわけでございますけれども、それぞれ理由がありまして移転の対象から除外をいたしたというわけでございます。 なお、もう一つ鴻巣に農事試験場というのがございます。これは一部を移転をいたすということにいたしておるわけでございますが、その一部というのは畑作部門でございます。なぜ水田の関係を移転をしなかったかという点でございますが、これはずいぶん筑波の地区内で水田を探しましたけれども、やはり条件に合致するよすな水田がどしても見つからなかりたということでこれは除外をいたした、こういうことでございます。
○新井委員 先ほどもちょっと問題に出ておりましたが、この資料の中で各部とか、そういうのが少し載っておりますが、これらの方々のそういう試験場とか研究所が移転したことによっての宿泊施設等も、私もこの筑波学園都市をつくるときにいろいろなことが言われておったので大体わかるわけでございまして、そういう宿舎とかというふうなものも完備をされるということになっておりますけれども、それは問題なくそういうことができるようになっておりますか。
○下浦政府委員 いままでのところは希望者につきましては全員宿舎の手当てをいたしております。それで、今後それではどうかということでございますが、これは今後の住宅建設等の関係もまたあろうかと思いますけれども、私どもの調べましたところによりますれば、大体六百人ぐらいがこの地区の公務員宿舎に入居を予定をいたしたいということのようでございます。したがいまして、これらの職員につきましては全員宿舎の手当てをするということを目途にいたしまして鋭意努力をいたしたいと存じております。
○新井委員 この法案の問題につきましても、一つ一つ細かくお伺いをしたいわけでございますが、時間が制限されておりますのでほかの問題も若干質問さしていただきたい、このように思うわけでございます。 日本の農林省というのは非常に大変なお仕事をされておるということを常々考えておるわけでございます。何といいましても日本の国は非常に土地が狭いということと、三十度以上の傾斜地が非常に多いわけでございますから、農地といいましても先祖伝来非常に御苦労をされまして、日本の社会投資とは何かと言えば、結果的にはたんぼに水がちゃんと入るような形で開拓をされてきたということが、それこそ金額にすれば何兆円にもかえられないほどの仕事ではなかったかというふうに感じておるわけでございます。 ところが、現在の日本の農業というものを見ましたときに、私もオーストラリアとかニュージーランドとかあるいはアメリカとか、各国によく行くわけでございますが、向こうの農業というのはまず土地面積が非常に大きいということですね。アメリカだったら一農家当たり百六十ヘクタールでございますか、ヨーロッパに行きましても大体十四から十六ヘクタールぐらいの耕地面積を持っておりますね。ところが日本の場合は何とか農地を拡大しなければいかぬということでいろいろと現在施策を進めているところでございますが、大きいと言いましても、山と山にはさまれてしまってそんなに大きくならない、そういうことで、農地の非常に狭い中で自給自足をどこまで進めていくのかということになりますと、これは量の問題あるいは価格の問題ということで非常に大変な問題ではなかろうか、こういうぐあいに考えるわけでございます。ニュージーランドとかオーストラリアへ行きますと、牛にしたってあるいは羊にしたって何にしたって、もうそれこそ六千万頭ですか、数が多くおりますし、日本でどういうものをどういうぐあいに生産をしていったらいいのかということについてはいままでにもいろいろ議論があったところでございます。世界の食糧事情の中で日本の食糧生産というものについては一体基本的にはどうあるべきなのかということをまず政務次官からお聞きしておきたいわけでございます。 たとえて言いますと、お米というのは、これはもう輸入じゃなくして国内生産で賄っておりますね。ところがそれが三百五十万トンですか、本年はまた余るような状態にある。そこでもしも休耕なんかすれば、たんぼだって二年も三年も休耕すればもうなかなかもとに戻すのが大変だというようなことがあります。その反面におきまして、穀物、特に飼料用の穀物等についてはほとんどが輸入に頼るというような、非常に偏ったようなことだけで日本の農業は来ている。したがって、あの石油パニックのときに、あるいはまた大豆が輸入できなかったようなときに、どこまで生産を上げるかということがいま問い直されているわけでございますが、そういう問題について、大体いつまでにこの程度はやらなければならぬのだ、その理由はこうなんだということをまずお教え願いたいと思います。
○羽田政府委員 お答えいたします。 ただいま先生からお話がありましたように、日本の国土というものが非常に狭い、それと同時にやはり山間で傾斜が非常にきついということ、大変人口が多いということ、こういった厳しい環境の中で、食糧の自給力あるいは自給率というものを高めなければならないというのが私たちにいま課せられております大きな問題であるというふうに考えております。 そういったことで、私どもの方でいま立てております見通しを一応申し上げたいと思いますけれども、六十年度でお米の場合に一〇〇%ということでございます。野菜が一〇〇%、果実が八四%、鶏卵が一〇〇%、肉類が八六%、牛乳・乳製品九四%、砂糖が二八%、麦でございますが、小麦が九%、大・裸麦三六%、食用大豆、これが六〇%、こういったところを一つの目標といたしておるところでございます。
○新井委員 いま量の面においては目標が出てまいったわけでございますが、このときにもう一つ大きな問題になりますのは、価格の面でどのくらいになるかというのが大事な問題だと思いますね。たとえて言いますと、肉なんというのは、これはもう本当に酪農家を保護していろいろやっていかなければなりませんが、何といいましても基本的な地盤が違うわけでございますね。したがいましてどうしても価格的な問題としては差がつけられるだろう、あるいはまた大豆にいたしましても大分高い大豆になっていくんじゃないかということが予想されますが、やはり食糧供給に当たっては、急激な値段の変動ということがなしに量の確保ということが当然必要になると思うわけでございますが、世界各国のそういう食糧の中にありまして、日本で生産された大豆がそういう価格から比べてそんなに高くない、もし高くなる場合は当然それに対する考慮をするというような、そういうことも含まれておりますかどうですか。
○澤邊政府委員 国際価格と国内価格の比較に関するお尋ねでございますが、例としてお挙げになりました大豆について、これは絶えず国際価格が変動しておりますので、たとえて申しますと、七六年の、昨年の十二月の輸入価格、向こうの国内価格ではなくして輸送費なり運賃なり輸入諸掛かり等を加えましてわが国の港へ入ってきたときの輸入価格という段階で見てみますと、トン当たり八万六千円でございます。それに対しまして国内価格は十七万四千円程度。その時点での比較でございますが、これはおおむね二倍、そのときどきに変わりますが、最近はまた大豆の国際価格が非常に上がっておりますので、この倍率はもう少し低くなっておるのではないかと思います。したがいまして、これらの大豆の例で申し上げますれば、国内の生産目標、先ほど政務次官からお述べいただきましたような目標で国内食用大豆を、油脂用の油をしぼる大豆ではなくして、食品用のみそ、しょうゆだとかあるいは豆腐だとか、そういったような食品用大豆の国内自給率をできるだけ高めていく、こういう方針を立てておりますので、すでに自由化しております大豆がそのまま入ってきました場合、国内の生産者は非常は圧迫されて、生産が維持できないというような問題がございますので、これは現在不足払い制度と俗に言っておりますけれども、政府が一定の最低基準価格というものを決めまして、それ以下になった場合には不足払いの交付金を出すというようなことによりまして、国内生産を維持していくというような対策を講じておるところでございます。
○新井委員 これは食糧の供給を考える場合は二つあると思いますが、一つは当然生産者保護、これは再生産がきくような形でなければ成り立つわけはないと思うのですね。それともう一つは消費者保護ですね。たとえて言うと一余り上がってきたものについてはどうしてもやはり買えないような状態になる。したがいまして、いろいろ供給はしてみても実際の消費というものに結びつかなければ、これは何もならないということでございます。したがって、いまもお話がありましたように、大豆一つとりましても、これは非常に価格の食い違いがございますので、そういう面については当然何らかの形で生産者と消費者を保護する。これは食管制度というのは非常に大事な一つの制度だと私は思っておるわけでございますが、どうしてもやはり農業生産と工業生産とを比べました場合には、賃金の状況から見ましても農業生産の方が劣るに決まっているのですね。これは世界各国どこでもそうでございます。したがいまして、そういう目標を立てるということについては、当然やはり価格的な安定という問題も同じようにいかないと、なかなか六〇%なんというものが出てくるわけがないと私は思うわけでございます。 そこでもう一つ、問題は別にいたしまして、世界的な食糧の需給というものの今後の長期見通しですね、短期ではなくて長期見通しとして、これはローマ・クラブであるとか、あるいはアメリカ農務省とかいろいろと発表されておりますが、日本の国として、世界的な長期見通しは、食糧問題は緩和すると見るのか、それともバランスがとれていくと見るのか。それとも緊迫化した状態で足らなくなる方向にあると見るのか、その辺のところをどのように見るのか、その理由と一緒に教えていただきたいと思います。
○今村(宣)政府委員 世界の食糧需給の今後の長期的な見通しはどうかというお尋ねでございますが、御存じのとおり農業生産は気象条件によって非常に左右される要素が多うございますから、長期的な見通しを正確に立てるということはきわめて困難なことでございますが、現段階において一応考えてみますと、まず需要面でございますが、需要面につきましては、先進輸入国におきます穀物飼料は、いまから需要は増加していくと思います。それから第二番目に、開発途上輸入国におきます人口、所得の増加に伴います食用穀物需要がふえてくるであろうという、この二つが恐らく需要増大の非常な大きな要素であろうと思います。 第三番目に供給面でございますが、供給面につきましては、今後も耕地の拡大でございますとか、あるいは集約的な農業投資によりまして、世界の生産は引き続き増加するものと見られます。しかし、生産は増加をいたしますが、土地の生産性が低くて、気象条件の影響を受けやすい地域での耕作が拡大するということでございましょうから、生産の不安定性のおそれも出てくるということも、当然念頭に置いておかなければいけない問題であろうと思います。したがいまして、現在御承知のとおりアメリカ、ソ連その他の豊作で需給は緩和と申しますか、そういうふうな状態にございますが、長期的に見れば、国際需給というのはなお予断を許さないものがあるのではないか、かように見通しておる次第でございます。
○新井委員 いままでの考え方としては、当然日本の国は土地も少ないし、工業国として発展をして、そうしてもうけたドルで食糧を買えば、比較的安い食糧が買えるのではないかというような形で、農業人口を見ましても、いろいろの施策を見ましても、だんだんと麦もつくらなくなりますし、大豆もつくらないしというような形で農地もだんだん減ってきておる。もちろん農業従事者も専業農家から兼業農家になってだんだんと減ってくるというような状態になってきたと思うわけですね。いまもお話がございましたが、そういうことじゃいけないからということで、ある程度の自給体制というものを少々金がかかっても確立をしておかなければいけないということになってきたと思うわけでございますが、とにかくこれからの人口の増加とか、それからどのようなものを食糧として食べていくかによっては、また大きく違いが出てくると思いますが、結果的に見て、先ほども、政務次官が答えていましたが、何とか日本の国内におきましても、ある程度の生産をしなければいかぬというようになっていると思いますが、それはそういうぐあいになっておるわけでしょう。いかがですか。
○澤邊政府委員 先ほど政務次官からもお答えいたしましたように、作物別の生産目標を、六十年を目標年次にいたしまして設定をいたしておるわけでございますが、総合いたしまして、食用農産物の総合自給率を七五%六十年度において達成をしたいということでやっております。穀物だけの自給率で見ますと、四〇%を若干下回るということでございますが、これは飼料穀物、トウモロコシだとかマイロとかあるいは麦といったようなものでございますが、これはなかなかわが国の場合生産をふやすというのが他の作物との競合から考えても無理であるという事情にございますので、穀物全体の自給率は、よく言われますように四〇%を下る場合も六十年にはあり得るということでございますけれども、野菜とかあるいは果実とかいったような生鮮食料品、生鮮農産物につきましては、できるだけ国内で生産をしていく。また畜産物につきましても、えさは依存しておりますけれども、中小家畜につきましては一〇〇%近い自給率、牛乳等につきましてもできるだけ高い自給率というように考えてやっておるわけでございます。また、食糧の自給率ということになりますと、これは需要に応じて自給率というのも当然変わるわけでございます。現在の食用農産物の総合自給率は五十年度の場合、一番最近の数字でございますけれども、七四%というようになっております。六十年の目標は七五%と申し上げましたが、七四%が五十年の実績になっております。これも確かに以前に比べればかなり下がっておりますけれども、仮に三十五年ごろの食生活水準といったものを前提にして現在の国内生産量、供給量を対比いたしまして自給率を金額ベースではじいてみますと一〇〇%を超えるというような試算もできるわけでございます。したがいまして、食生活の内容が高度化してまいることに伴いましてわが国の総合自給率も低下してまいったという事情が見られるわけでございますが、これ以上下がるということは食生活の安定のために問題でございますので、先ほど申しましたような目標を掲げまして、生産対策あるいは先ほど来お話に出ております価格政策等を含めましてできるだけ努力をいたしておるところでございます。
○新井委員 いまもお話がございましたが、いままで食糧の供給というのは結局需要に合わせてやってきたのですか、それともある程度供給に合わせて需要を指導したのかどうかですね。その点のところはいかがですか。
○長谷川国務大臣 もちろん食糧の生産と自給、当然なことでございまして、指導もそのとおりにやってまいっておりますけれども、御承知のようにわが国の食生活、国民生活というものが非常に向上をしてきております。かつて七千万の人間のときに足らなかった米が、現在耕作地は小さくなっていても生産が高まってきて、現在でも米がなお余っている状態であります。その反面、たとえばミカン一つとりましても、昭和二十二年に十六万トンのミカンが、しかもそのうち輸出がたくさんあったにもかかわらずそれで満足をしていたものが、現在では四百万トン以上のミカンの収穫があってもまだ不足をしておるというような状態が出てきておる。その上御承知のようにグレープフルーツを輸入しなければ間に合わないとか、ポンカンを入れなければ間に合わないとかいうような現実の上に立って、つまりそういうように人間の生活がいかに向上してきたかということであります。でありますから、米は現在でも余っておる、その反面先ほど御指摘があったような麦だとか大豆とかいうようなものが不足をしておる、こういう面をどう補って少なくとも七〇%の生産を国内で上げるかということでありまして、もうすでにわが国は米で十分な体験を得ているものでございますから、今後は、先ほど官房長から申し上げたように、六十年までを目がけて国内の自給率を七〇%以上に高めていかなければならぬ、生産していかなければならぬ、こういう点について十分バランスのとれた指導をしてまいらなければならないと考えております。米は何といっても本年もこれだけの調整をやってもまだ余ります。これは、いかに食糧が高級化してきたかという原因がそこにあらわれているんだろうと思うのであります。したがって、今後はこれらに十分対処した農作物の生産というものに十分な指導を高めながら価格の調整をとってまいる、こういうふうに考えておる次第でございます。
○新井委員 大臣のお話、よくわかるわけでありますが、確かに米が余るといいますけれども、いま余り米を食ってないという現状がございまして、特に一時、米を食うと太ってしまうとかあるいは健康的によくないとか、米の足らないときのPRがいまごろ効いておるわけでありまして、特に小さいお子さんあたりは学校給食等も全部パンでございますし、パンというものに対して非常になれてきているというような現状もあるわけです。それから魚の消費量とか肉の消費量、この内容等も大分変わっているわけでございますが、今後ますます食生活が変わっていくんではないかということも当然考慮されるわけでございます。したがいまして、そういうことは農林省としてはよく計算をはじいた上で、そしてその上で値段の問題、供給量の問題、こういうことを完璧にやっていただきたいということを心からお願いしておくわけでございます。特に、アメリカあたりの供給国にいたしましても、世界的な食糧不足になった場合、これは大変な状態になるわけでありまして、そういうものが石油以上にまた日本に大きなパニックとなってくるということも長い間には当然考えられるのではないかということもあるわけであります。したがいまして、先ほど言われたような目標については、これは生産量を上げるについては解決をしなければいけない問題が多々ございますが、そういうことについてはわれわれも協力してやってまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたしたいと存じます。 そこで、農林大臣来られましたので、現在日ソ漁業暫定協定が行われておるわけでございますが、最終段階で二転、三転をいたしまして、いよいよ妥結の見通しがついたということまで報道されておりますが、調印はいつごろになる見込みでございますか、お伺いいたしておきます。
○長谷川国務大臣 仮調印が二十二日ごろ行われる予定でございまして、本調印はもうちょっとおくれる予定でございますが、努めて早いうちにやるようにという訓令をしておいてあります。
○新井委員 きょうの閣議でどういう話が出たかわかりませんが、二十三日に仮調印が行われて、これは本調印と国会との関係があると思いますが、国会に暫定協定が提出されるのはいつごろの予定だと見ていますか。
○佐々木政府委員 先ほど大臣の答弁のとおり、一応、遅くとも二十三日までには仮調印を終えたいと思っておりますが、実は、それから引き続きまして漁獲量それから漁業規制の内容につきましての実態的な協議があるわけでございます。これは実際に協議を始めてみませんと、どの程度の日数がかかるか、いまの段階では何とも予測ができません。ソ連側の方から過去の実績等を踏まえたかなり実態的な、現実的な提案がございますればかなり早目に妥結する可能性もあると思っておりますけれども、それが余りに現実の漁業の実態と違った厳しい内容のものであれば、われわれとしてはどうしても資源の状態その他を十分さらに向こうと話し合いながらわが国の漁業実績の確保のために最大限の努力をしなければいけないと考えておりますので、その場合には相当程度の日数がさらにまたかかるのではないかというふうに考えております。それを終わりましてから、漁獲量、漁業規制内容につきまして合意を見ました上で、協定案文含めて全体の本調印をいたしますので、いまの段階では何とも申し上げられないというのが正直なところでございますけれども、少なくとも来週の前半で簡単に片がつくとはちょっと考えられないというふうに思っております。
○新井委員 問題になっておる暫定協定八条で、本協定は漁業問題だけに関するものであって、わが国の北方領土の領有主張を損なうものでないという判断に立ったようでございますが、日本の領土主張に支障を来したり後退させるものではないという明確な何か根拠がございますか。
○佐々木政府委員 協定の案文そのものにつきましては、先ほどの大臣の御説明のとおり、いま日ソ間でそれぞれ日文それから露文での突き合わせをやって、これから仮調印をしようという段階でございますので、いまここでその具体的な内容を説明することは差し控えさせていただきたいわけでございますが、一応いまお話がございました八条のいわゆる留保条項の中で、その協定が漁業以外の問題について日ソ双方の政府の見解なり立場を害するものでないということをともかく明文で規定するということで基本的に合意を見ておるわけでございますので、その点についての懸念はないというふうに考えておる、わけであります。
○新井委員 第八条の、本協定は相互関係のその他の諸問題に対しても両国政席の立場と見解を何ら損なうものではない、こういう中で、ソ連側が「その他」を削除要求してきたということでありますが、それは新聞発表とかそういうことではなしに、正式な報告として聞いておきたいわけでございますが、削除要求してきたことが事実かどうか、それから「その他」というのが入るのと入らないのとでは実体的にどのような相違があると考えておるのか、それをお伺いしてみたいと思います。
○佐々木政府委員 協定の案文の内容そのものは、先ほどのような段階でございますので、いまここで明確に御説明をしかねるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、日本側の基本的な立場というのは、領土問題についての日本の従来の立場をともかく損なうものであっては絶対に合意ができないという前提でやってまいりましたので、したがいまして、修文上も非常に相互のやりとりの中で時間がかかったわけでございますが、一応合意を現在見つつあります段階の内容について、わが方のいまの北方四島問題その他についての基本的な立場は損なわれていない、わが方の主張し得るその前提は確保されているというふうに考えておるわけでございます。
○新井委員 第一条で日本はソ連の二百海里を認めておるわけでございますが、第二条では、ソ連は北方領土周辺を含めた日本の漁業水域二百海里を認めているのか、相互の競合する二百海里の海域はどのようになっているのか、ちょっと不明でございますが、そういう問題はいかがなっておりますか。
○佐々木政府委員 その点につきましても、一応いま最後の詰めの段階でございますので、具体的な御説明はいたしかねるわけでございますけれども、現在やっております協定の内容というのは、あくまで日本側の漁船がソ連側の二百海里の水域の中で操業する場合の諸規定をいま論議をしているわけでございます。次の段階におきまして、今度ソ日協定と申しますか、ソ連側の漁船が日本の漁業水域暫定措置法の適用水域の中で操業する場合の協定を、引き続きといいますか、改めて協議をすることになるわけでございまして、ただいま先生の方からお尋ねのございました問題は、協定策定の段階で明文としてはっきり決まってくるという内容であるかというふうに考えております。
○新井委員 そうしますと、いまお話がありましたが、ソ日協定をする場合に、日本政府としては北方領土周辺も含めた日本の線引きをソ連側に認めさせるべきことが絶対条件だ、こういうぐあいに思うわけでございますが、その点はいかがですか。
○佐々木政府委員 私どもといたしましては、先ほど申し上げました次の段階のソ日協定の中で、いまのような日本の漁業水域暫定措置法の適用範囲、その中には当然四島周辺の水域が含まれるわけでございますけれども、それを前提にして交渉をするというつもりでございます。
○新井委員 鈴木農林大臣は大変御苦労なさっておると思います。そういうことで本当にいままで御苦労されて大変でございますが、どうかひとつ最後までお体に気をつけて頑張っていただきますように、よろしくお伝えを願いたいと思います。 余り時間がないので、えらいはしょって申しわけないのでございますが、たくさんあるわけでございます。 二百海里時代に即応するための当面の漁業政策ということでお伺いしておきたいわけでございますが、漁業を取り巻く国際環境の激変にわが国が敏速かつ的確な対応ができるよう、相互互恵、平和共存に基づく総合的な外交政策を進めることが肝要であり、その中で水産外交を強力に推進しなければならぬ、こういうぐあいに思うわけでございますが、そのためにも、国に水産庁、外務省を中心とした水産外交総合対策室を設置いたしまして、本年度から予算化した水産外交を強力に推進するための顧問制度については、これを早急に生かしまして、農林大臣の補佐役を設けるようにしたらいかがかということを考えているわけでございます。水産外交総合対策室の室長はこの顧問を活用するという方向で検討したらどうかということを提案したいわけでございますが、これについてはいかがお考えになりますか。
○佐々木政府委員 先生の御提案も確かに一つの方策である、また重要なことであるというふうに考えますけれども、当面水産庁といたしましては、特に漁業上の問題を中心にして、その実績の確保なり資源の評価なりを一体どういうふうにして進めるかということが中心でございますし、外務省といたしましては、従来の外交上の感覚からいろいろな問題点の整理をやっておりますので、それぞれの組織の上に立って意見を十分交換しながら、同時に相協力してこういった漁業外交に当たるということが最も現実的であろうというふうに考えているわけでございます。しかし、そう申しましても、水産庁の現在の漁業外交の体制が現状で十分でないことは御指摘のとおりでございまして、いまお話が出ました農林省に特に漁業問題を担当する国際顧問を置くということは、すでに方針として固めまして、五十二年度の予算の中でもその裏づけをいただきまして、現在最も適任者を人選中でございますが、近く任命をし、いま申されましたような漁業面及び外交面を踏まえた漁業外交を展開する一つの中核として活躍をしていただきたいというふうに考えているわけでございます。
○新井委員 やはり二百海里時代に即応した水産外交ということが非常に大事な問題でございますし、いままでのような形ではなく、終始外交、外交ということになってくるわけでございますから、当然水産庁の中にもそれに対応したものがなくちゃいかぬということで言っているわけでございます。 もつ一つは、わが国の二百海里水域内の漁場整備について、これはいろいろな施策が言われておりまして、行管等からも沿岸漁業についてはいろいろ指摘をされているところでございますが、まだその施策が緒についた状態で、今後いろいろなことがやられると思います。その中で、沿岸漁場整備開発計画を抜本的に強化いたしまして、とりわけ数県にまたがるような大規模な漁礁帯を国庫負担の増加を図って建設すべきではないかということが考えられるわけでございますが、いかがでございますか。
○佐々木政府委員 今後わが国の周辺の二百海里の水域をどういうふうに整備し、高度に利用するかということが長期的に見て大変重要な課題であるということは、私たちも痛感しているところでございます。いま具体的にお示しのございました大型の数県にまたがる漁場整備ないし大型の人工礁と申しますか、そういった魚礁の整備といったようなことも今後重要な課題になろうというふうに考えておりますが、当面、現在の段階におきましては、従来の大型魚礁の規模を超えまして、人工礁と申しておりますけれども、全く天然の岩礁のないところに相当思い切った大規模な魚礁を整備いたしまして、そこで沿岸の漁場の開発を図りたいということで、すでに一部の地域については調査に入っておる段階でございます。逐次そういった調査の結果を待って規模の拡大なり充実を図っていきたいというふうに考えております。
○新井委員 それから、多獲性魚種の有効利用や新漁場の開発について、イワシやサバ、スケトウダラ等の多獲性魚種の有効利用や深海魚等の未利用資源の開発を一層強力に推進すべきであると思うわけでございます。そのためにも加工対策の強化というものを図らなければならぬということを言われておるわけでございますが、それに対してはいかがでございますか。
○佐々木政府委員 今後、二百海里時代を迎えまして、とりました水産資源の動物たん白資源としての有効利用ということが一方で非常に重要な課題であるというふうに私どもも考えておるわけでございます。いまお話のございました多獲魚のうちで特に日本近海で相当の生産を上げておりますイワシであるとかサバ、特にそのうちの小形のものにつきましては、直接人間の食用に向けられないで、フィッシュミールであるとか、あるいは養魚用のえさ等に回っているものが半分以上ございます。こういった資源をもっと有効に、直接人間の食用に向けるということも非常に重要な課題で、これについては加工技術の開発なり加工業関係のいろいろな企業の体制の整備ということが重要になるわけでございますけれども、当面、特にイワシ、サバのような日本近海の多獲性の資源及び南氷洋でとれますオキアミといったような未利用の新しい資源、この二つを中心にいたしまして、五十二年度からこれらの利用を企業化するための技術開発を相当に大きな規模で着手をしたいというふうに考えまして、予算額としては五十二年度は二億円程度でございますけれども、若干の年数をかけましてもこういった将来に備えての投術開発を進め、これらを軸にして水産加工業の方の発展ということも大いに進めてまいる必要があるというふうに考えております。
○新井委員 農業基本法というのが昭和三十六年に制定されておるわけでございますが、食糧基本法というものをつくって、その中で国民食糧の確保という、農業も漁業も入った総合的観点から具体的施策について行えるような法律をつくる必要があるのではないかというぐあいに考えるわけでございます。農業基本法は単なる宣言法といいますか、中にはいろいろと書かれてありますが、そういうことで一つ一つの施策については何ら法的には裏づけがないということになっておるわけでございます。したがいまして、農作物だけではなくて水産物も含めた安定確保のため、国が長中短期にわたる需給計画を策定することを内容としたような食糧基本法というものを制定する必要があるのではないか、こういうぐあいに思うわけでございますが、いかがでございますか。
○澤邊政府委員 農産物と水産物を総合的に考えて食糧の需給目標なりあるいは食糧政策を実施していかなければいけないという点はそのとおりわれわれも考えておるわけでございまして、現在、農業につきましては農業基本法、それから沿岸漁業の振興法という基本事項に関する法制が水産関係にございます。 先ほど農産物の生産と需要の長期見通しにおきまして自給率の目標を掲げておるということを申し上げましたが、これは、農業基本法に基づきまして農政審議会に諮問をいたしまして政府といたしまして決定したものでございますが、その際も、水産物の需要と生産の見通しということも、この審議会におきまして水産関係とも連絡をとりまして審議をしていただきまして、それとの関連も考えた上で農産物の長期見通しを立てたいきさつがございますので、現在直ちに両者を総合した新しい立法をするということまで考えておりませんが、水産物と農産物をあわせた総合的な考え方で行政を進めなければいけないという点はこれまでもやっておりますし、今後とも一層強化をしてまいりたいというふうに考えております。
○新井委員 本来なら三時間くらい質問させてもらいたかったのですけれども、一時間ということなんで飛び飛びになってえらい申しわけございません。あと五分くらいしかないので一言ずつだけしか聞けないわけでございますが、本来ならもっと裏づけ調査を出しまして明確にしてから質問をするのが当然だと思いますが、その失礼はお許し願いたいと思います。 いま沿岸漁業でとれる魚が非常に上がっておるということがございまして、その魚がなぜ上がるのかと言えば、結果的には売り惜しみをしておるからだというようなことがあるようでございます。水産庁と業者とが非常に仲がよくて、そういうようなことについてもなかなか厳しい規制ができないからそういうことになっているんだというような声も一部にあるわけでございますが、私はそういうことを信用しないようにしておるわけでございます。 昨日、水産庁あるいは経企庁が冷凍庫の立ち入り調査をした。その前にも在庫量の報告というような形でいろいろのことをやっておられるわけでございますが、やはり最終的には投機防止法というものを適用しないと裏づけになる法律がないわけでございますから、そういうことをただ口頭でお願いするとかあるいはまた行政指導するだけでは解決しないんじゃないか。日ソ漁業交渉が円満に妥結をしてもとへ戻るとそれはどういうことになるかわかりませんが、とにかく石油パニックのときも、何にも関係ないような物まで買い占められてしまって、変なぐあいになっているというのが現状ですね。確かにこの近海物の魚等におきましても非常に値上がりをしておるという現実は明確であります。 そういうことで、われわれとしてもいろいろなところを調査し聞いてまいったわけでございますが、これはやはり価格の安定のためにそういうことがあってはならぬわけでございますから、こういうことを利用してやるということは、全く石油パニックのときの二の舞でございますから、そういうぐあいに調査されておりますが、その問題については断じて買い占めとか売り惜しみをさせないというような形でやっていただけるものかどうか、それをまずお伺いしておきたいと思います。
○長谷川国務大臣 昨年の近海魚、要するに大衆魚というようなものの漁獲が非常に量が少なかった。それがために貯蔵量が少なかったということは明らかな事実であり、また本年に入りましても近海魚が非常に少ない。つまり、アジ、イワシ、サバというようなものが少なくなってきている。そこへもってきて、北洋漁業の問題が勃発をしまして魚価がつり上げられたということは、これはもう争うことのできない事実でございます。したがって、御指摘のような点がないようにというのでいち早くいろいろの手は打ってまいりましたし、また四月二十七日には、総理からも特にこの点については厳重な調査をしなければいかぬ、つまり値上がりをさせてはならぬというようなことで、それを受けまして農林省も五日には業界代表を全員呼んで、これに対しての値上がりをいかに防止するかという点についての話し合いをいたし、さらに十七日は書類をもってお話を申し上げ、そして抜き打ち調査等も各地において行っております。しかしながら、言われるほどの在庫というものが果たしてあるかというと、大体昨年度に比較しただけでも六〇%弱の在庫しかない。御承知のように魚というものは、冷蔵庫に入れておくというものはそのとき限りのものではなくて、年間を通じて需給のバランスをとるために装置されておるのでありますから、ないからといってすぐあした出してしまうということになると、後が非常に心配になる、こういうような点もございます。 いずれにいたしましても、昨晩も七時から業界代表は小売屋さんまでお集まりを願いまして、もしあなた方の方が世上に言われるようなことがあるとするならば、私の方は即時二法をもって厳重なる取り締まりをしていくがよろしいかというようなことも申し上げまして了解を得まして、本日からも特にそういう点には留意して円滑な流通ができるように必ずなし遂げますというようになったわけでありますが、これらにつきましても、私たちはただ傍観しているという意味でなくて、その目的をどう達するかというような点について十分に対処はしているつもりでございます。また留守を預かった私といたしましても、責任上見逃しておくわけにはまいりませんので、今後もさらに引き続いてこの面については十分留意をして、そしてその流通の円滑を図るようにいたしてまいりたい、こう考えております。
○新井委員 最後に一つだけお伺いしたいわけでございますが、日本にはたくさんの釣りが好きな方がおられるわけでございます。千五百万人ですか、多くの方がおられますが、そのときに、釣り場が埋め立てでなくなってしまうとかいろいろなことで、何とかそういう釣り場をつくってほしいとかいろいろな御要望があるようでございます。たとえて言うと、アメリカなんかでは四千五百万人ですか、四千五百万人のそういう愛好者の方々に対して三千人ぐらいの職員がいて、予算も比較的とりましてやっているわけでございます。ところが、日本の場合その予算というのはもうそれこそ微々たるものでございまして、あのサイクリングの愛好者ですら六十八億とが七十億ということでいろいろなことをやっておるらしいわけでございますが、日本では全然ない。特にそういう課の人というのは三名おりまして、そのうち二人が兼務をしておるということですね。したがいまして、何一つやるにしましてもなかなか話が進まないということになっておるようでございます。水産庁の沿岸漁業課に遊魚係が三人いるだけで、二人は兼務しておる、こういうことでございます。 そこで、この千五百万人の愛好者の方々、釣りというのは日本人にとりましてはもう昔から関係があることでございますし、非常に健全な娯楽といいますか趣味だと思うわけでございますが、それをもっと充実して、そういう方向で、そういう方々がいろいろやるのに、御要望があることに対してもっと聞いていくようなことを考えていただきたいと思いますが、そういうことについてはいかがになっておりますか。
○佐々木政府委員 いまおっしゃいましたように、今後そういったレクリエーションの場としての河川、湖沼、あるいは沿岸海面という観点も水産行政を進める上でわれわれとしては当然念頭に置かなければいけないと思っております。 現在の体制はいま先生御案内のとおりでございますけれども、各都道府県にも水産課がございまして、そこで関係の漁業協同組合等と提携しながら遊魚者との間のいろいろな連絡調整等は考えているわけでございますが、ただアメリカとかなり事情が違いますのは、河川、湖沼では遊魚者の場合と一般の漁業協同組合の組合員との間でそう大きな質的な差はございませんけれども、沿岸の海面になりますと、沿岸漁業自身を生活の糧といたしております漁業者が多数存在しております。一方ではまた、この多数の沿岸漁業者と増加してまいりましたそういう釣り人との間で各地で相当の紛争もございます。私どもとしては一応将来も考えながら、見通しながら釣り人のレクリエーションの場として整備をし、この利用で快適にいろいろなレクリエーションがやっていただけるような場と沿岸漁業者の生活の場とをできるだけ仕分けをしていきまして、釣り人として利用していく場所につきましても、陸上の施設も含めて、そういった関連の施設の整備を今後も進めていきたい。現在もそういったいわゆるフィッシングセンターの整備等について国が県に助成いたしまして整備を進めておりますけれども、そういうものを少し計画的に、長期な見通しも立てながら進めていきたいというふうに考えています。こういったことを進めます際にいろいろ遊魚団体、釣魚連盟とかそういう方々の御意見等も伺いながら、同時に漁業者の意見も聞きながら進めておるというのが現状でございます。
○新井委員 ではこれで終わりますが、いまお話があったようなことで何かすごくやっているように聞こえるのですけれども、何にも実際はないわけですよ。だから、本来もっともっと進めなければいけない、やってあげられるべきことはたくさんあるにもかかわらずまだ抜けている問題がありますから、これ一つとったって、それは十時間ぐらい参考人を呼んできてきちっとすれば本当にすぐわかることなんですけれども、きょうは時間がないので具体的にこういうことだということも言いませんけれども、ひとつよくそういう実態を把握して、そうして、どこにトラブルがあり、どうしなければいけないかということもわかっていただいてやっていただきたい、このように思うわけでございます。 終わります。
○下浦政府委員 本年度移転を予定いたしております各試験研究機関の設立年と、それから現在地に居を定めました年を申し上げます。
○新井委員 それは後で資料でお願いします。
○下浦政府委員 それではそうさせていただきます。
○正示委員長 続いて、栗林三郎君。
○栗林委員 日本農業の発展にとって、試験場の果たしておる役割りはきわめて大きい。品種改良あるいは栽培技術の開発、改善、これによって日本農業の生産は大きく伸びたことは事実でございます。しかしその反面、それならば農民の暮らしの方はどうか。農業生産はうんと伸びておりますけれども、一体農家経済はどういう方向へ進んでおるのか。残念ながら、日本の農業は発展したが、生産は非常に伸びたが、それとは反対に農家経済は悪化の一途をたどっておるのでございます。具体的にこの事実を指摘してみたいと思います。 まず、昭和三十六年に施行されました農業基本法農政、そのころから始まった高度成長政策、これらによって引き起こされた農業の最大のひずみは一体何でしょうか。これらによって引き起こされた農業の最大のひずみは、日本の農家の大半が兼業化したという事実でございます。オール兼業化、こう言われるほどに兼業農家が激増したという事実であります。いま一つは、それに伴って三十五年、三十六年ころから出かせぎ農民が激増して今日に至っておるというこの二つのひずみは、単なるひずみ論として看過できないきわめて重要な問題であろうと思うのでございます。 もしもこのような兼業化が進み、出かせぎ激増がこのままの情勢で進んでまいりますと一体日本の農業はどうなるでしょう、農家の家庭は一体どうなるでしょうか。私たちはこのような情勢に対して、やがて農業崩壊に通ずる、やがては農家の家庭の破壊に通ずる、こう深刻に受けとめて心配しているものであります。だが、中にはこれを歓迎している者もおることは事実であります。かつて国会でこの出かせぎ者を重宝な労働力だと歓迎して物議を醸したことさえあるわけでありますが、いまだに出かせぎ労働者を重宝な労働力だ——確かに重宝な労働力だ、この出かせぎを重宝な労働力として歓迎し利用しておる資本、企業のあることは事実であります。 そこで、オール兼業と言うが、果たして専業農家、兼業農家は三十五年以来どういうような変化をして今日に至っておるのか、抽象的な議論ではいけませんので、農林省から出されておる農林水産統計に基づいて議論を進めてみたいと思います。 昭和三十五年の専業農家はそれでも三四%あった、これに示しております。当時の兼業農家はこれは残りですから六六%。さらにこの兼業農家を分析しますと、第一種が三三・五%、第二種が三二・五%、これが三十五年の統計であります。ところが昭和五十年にはどうなっておるのか、農業白書でも明らかにされております。おたくの方で出されましたこの統計でも明らかであります。当時三四%の専業農家が今日では一三%に落ち込んでおる。農業基本法農政が施行されてきたのですから、本当は専業農家がふえておらなければならないはずでしょう。三四%が、農業基本法農政下にあって今日では一三%に落ち込んでおる。残りは全部兼業だ、八七%に激増しておるわけであります。しかも、この兼業にも問題があります。この兼業八七%をさらに分析しますと、残念ながら第二種兼業が圧倒的に多い。第二種兼業は当時三二五%、それが京では六七%にふえておるわけであります。二倍以上にふえておる。それですから、今日の農業は、農政はオール兼業化へ進んでおる、こう言われても私は過言でないと思う、言い過ぎた批判ではないと思うのであります。したがって、兼業せざるを得ない農家経済の現状では、好むと好まざるとを問わず、多くの農民は生きんがため、自己の農業を守るために出かせぎへ、出かせぎへの道を進んでいたのはこれは当然の成り行きであった、残念ながら私はそう思っております。私は、この内閣委員会で農業の基本や広範な農業政策を論ずるつもりはございません。だが、ただこれらの問題、オール兼業化とそれに伴って発生した出かせぎという問題にしぼって、農林大臣に幾つかの質問をいたしたいと思うのであります。かつて、私はあなたが農林大臣のときに、米の問題でずいぶん議論もいたしましたし、お世話にもなったものでございます。今回亡者が生き返ってきたようで恐縮ですけれども、八年ぶりで再び私はここへ戻ってまいりましたが、この席では直接米の問題には触れないで、この出かせぎの問題についてひとつ大臣に質問し、かつ大臣のお答え、意見を伺ってみたいと思うのでございます。 そこで、大臣にお尋ねいたしたい。第一の問題は、いわゆるオール兼業化、出かせぎ者激増というこの現象、この現実に対して、農林当局はどのような認識に立っておられるのか。先ほどもちょっと申し上げましたが、資本は重宝な労働力と言って歓迎しておるのでございますが、大臣はこの出かせぎという実態を好ましい現象として見ておられるのか、それとも好ましからざる現象と見ておられるのか。農業家庭の崩壊に通ずるきわめて憂慮すべき問題としてお考えになっておられるのか、それとも、いやそんなこと言ったって別に日本の農業は大丈夫だ、家庭は大丈夫だ、そういうような楽観的なお考えでおられるのか、この問題の受けとめ方、その認識の度合いについてひとつ大臣の意向を聞かせていただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 お聞きのとおりの臨時代理でございますので、明確にお答えができるかどうかわかりませんけれども、栗林さんとは三十年来の友でございますので、議論をするつもりも何もあるわけではございませんが、いまの一点については先に御答弁を申し上げます。決していい状態ではないと考えております。 しかし、先ほどもちょっと触れましたように、農村の生産人口が少なくなっているのにもかかわらず、さらに消費人口が増大しているのにもかかわらず、どうして米はこんなに余るのでしょうか、こういう問題にもお話し——議論するのではないのですよ、栗林さんとは心やすいからぼくは言うだけであって、そういうような点を私もしみじみと考えているのです。ということは、物の生産というものは何のために生産をするのだろう、物の生産というものは消費ということが目的で物の生産というものがある。そういたしますと、農業者全体の考え方も、いま不足している分というものもたくさんある、消費構造そのもの自体が変わってきているとするならば、これに合った農業というものがやはり考えられなければならない。もうすでに日本の農業というものは、私はこういう言葉は科学技術のみに使う言葉だと思っていたら、現在の農業者自体の方へ使わなければならないときに入ってきているというのは頭脳集約という言葉だと思うのです。したがって、現在の農業者は、本当に物の生産という面は、消費が目的で生産されるのだとするならば、もっと頭脳集約的な方向づけをしなければならない、したがってこれを指導する面においてもそのとおりだと思います。また、栗林さんの方の実態から考えてみましても、一毛作そのままあけておいて、それで農業はいいか悪いかという点も考えなければならない。宇宙全体は人間の手によって解明され、解剖され、そして今日はビニールというあのフィルム一枚がどんなに物の大きな生産を上げているかという実態にも考えを起こさなければならないときに来ている、こういうふうに私は考えます。 とするならば、国民生活というものがこれほど大きく変わっていく、変わっていくに沿った農作物、つまり消費者が要求する農作物に転化していくということが重要な課題だろうと私は考えます。よって、いまのお話のように、出かせぎなんということが決していいものではない、家庭を破壊し、そして農業の機能が落ち、健全な生活だとは私は言えないと思う。したがって、これをやむを得ずしなければならない状態にあるということは見逃せない。とするならば、この指導という面を、だれが手をとってどういうふうに指導していくのだろう。米作だけであと半分あけておくという事態、これは雪が降るからできないのだと言えばそれだけで事は終わりであろうけれども、その区間、もう一段と何か方途というものがないのだろうかというようにも、私は常に考えておる。私は栗林さんと同じに農業問題と取り組んで、どうやったらば日本農業というものの将来の安定——日本の農業の将来の安定というものは国民生活の安定でありますから、これは軽視することは何人もでき得ない問題である。でありますから、こういうような点につきましても、出かせぎなんということでなく、何とかそこに工場をつくって働かせるなんということよりも、農業というその大目的の使命に立った農業はどうやったら行っていけるだろうか、こういう面について、ひとつわが農林省自体もみずからこれに挺身しなければならないし、農業者自体も先ほど申し上げた頭脳集約的なものをもって考えを新たに起こしていかなければならないと考えます。 先ほど申し上げたのですけれども、日本の人口が七千万のときに台湾からあるいはタイから米を持ってきて、国内ではひき割り飯を食ってわれわれは育っていった。現在、一億一千万の国民になって、耕地が狭まったにもかかわらず、純米の飯を食っていってそれでもまだ余るという、この現実をどうとらえているかという問題から考えなければならない問題だと思う。国民の生活の安定というものは、少なくとも農作物が七〇%国内生産が行われなくてどうして国民生活の安定というものがあるだろうか。いまのような状態は、私は絶対歓迎すべきものではない。したがって今後——いま申し上げたように、栗林さんとわれわれが今日までも懸命に日本農業というものを考えながらやってきたにもかかわらず、まだこの状態に依然としている姿というものはわれわれにも責任がある。したがって、今後はこれらの問題を農林当局としても十分に考えながら物の生産に当たっていかなければならないのだ、そういうふうに考えるのです。 しかし、全く食糧自体がいかに高級化したかというその現実というものは、さっきちょっとお話ししたのですけれども、昭和二十二年に十六万トンできたミカンを一つ考えただけで、今日の四百万トンのミカンができる、それでもそのミカンが足らなくてグレープフルーツを持ってくる、ポンカンを持ってくる。これでどういうふうに——その間スイカなんというのは夏のものだと思っていたら、年間を通じてスイカができてくる。キュウリ、ナスは一年じゅう出ていっている。人間、日本人のその生理状態が全く一転してきているという、それは食生活から来ているのでありますから、こういう点についても、また新たな考え方を持たなければいけない。それは先ほど申し上げた、フィルム一枚の大きな力がこれに伴った、つまり消費者一億一千万の要求する農作物に変えていくという、こういう面を考える必要がある。これはだれが、つまり農林省が主体となって、お互いが農業者全体の考え方を一にして進んでいくということをやっていかなければならぬ、こう思っておる次第でございます。
○栗林委員 私はそういう広範な農業政策を論ずるのではなくて、具体的にあらわれておる出かせぎという現象、それから兼業化という現象、これを望ましい状況として見ておるのか、好ましからざる状況として見ておるのかということをお尋ねしておるのであって、ただ大臣の御答弁の中で、好ましくない、これは明確におっしゃっていただきました。これらを、日本農業の新しい発展を求めて、その農業の中でこれらの出かせぎ者を吸収していく、こういうように私は受け取ったわけでございますが、第二のお尋ねをいたしたいのは、好ましからざる現象だと深刻に受けとめておられるというのであれば、すでに農林省はこれらの問題に対してどのような具体的な対応をしてきたのか、あるいはどのような具体的な施策を講じてきたのか。これは抽象論でなくて、出かせぎをなくするためには一体どういう施策を立ててきたのか。これをひとつ、局長からでも簡単に報告と説明をしていただければ結構です。時間がないから簡単でようございます。
○森(整)政府委員 農林省といたしましても、出かせぎのない農業経営ということが望ましいというふうに考えておりますが、そのほかに農村から出かせぎに行くのですから、要するに勤め先が遠くにある。遠くにあるのを村に持ってくるという意味で、農村地域における工業導入ということもいろいろやっておるわけでございますが、直接的に出かせぎ地域におきまして就業の改善施設なり生産基盤の整備を行う、そういうような内容の出かせぎ地域の農業者就業改善対策実験事業というのも行っておるわけでございます。たとえばシイタケでございますとかナメコでございますとか、そういう地元で年間就労の機会が得られる施設を整備いたしまして、できるだけ出かせぎの抑制を直接的に図るということを手がけておるわけでございまして、五十年から始めまして、五十年、五十一年、五十二年ということで昨年から事業は実施をいたしております。 その他、出かせぎの解消は長期を要するということで、とりあえずの対策といたしましては、出かせぎに伴います営農の問題ですとか、留守家族の問題、そういう問題をいろいろ相談に乗ったり、いろいろ助成をしまして、帰ってきてからの営農、あるいは地元での営農、あるいは先進地の視察、そういうようなことまでいろいろ助成をいたしまして、とりあえず出かせぎに行かざるを得ない方々のために農林省からもいろいろ努力をしておるというのが現状でございます。
○栗林委員 ただいま御説明いただきました出かせぎ農民の就業改善事業、これは私もいろいろと教えていただきまして、大変ありがとうございました。 ただ、ようやく昨年度から実施をされておられるようでありますけれども、それならば今年度の予算はどのくらい、一体計上されておるだろう。見てみましたら、この出かせぎをなくするための対策費としてはわずかに三億九千八百万ですか、三億九千万。しかもこの対策事業費の中で、直接出かせぎをなくするための目玉商品ともいうべき施策が一つあります。それは就業改善対策実験事業とうたわれておるものでございます。それならば、この目玉施策に対して一体どれだけの予算が計上されておるかというと、わずか一億五千万円なんです。これは私は秋田県の予算かと思ったのですよ。秋田県だってもっと予算は多いですよ。まことにみみっちい。一体こんな予算で、出かせぎ者を解消する、出かせぎをしなくてもよいような、そういう就業改善を本気になってやる気があるのかどうか。これは予算の面からも私は非常に疑って見ておるものでございます。しかも準備としては五十年、計画としては五十一年から実施したというけれども、この出かせぎ激増は先ほど言ったとおり、昭和三十五年、六年ごろから今日まで十何年たっているのですよ。今日になってようやく出かせぎをなくさなければならぬ、これを解消しなければならぬとして、まずこういう施策が出てきておる。しかも予算はまことに微々たるものだ。何か私は、農林省の施策は日暮れて道遠しという感を深くしているものでございます。しかし、この発想、とにかく出かせぎをなくしよう、こう考えてこういう施策を立ててくれました。これは私は大臣が立てた案じゃないと思うのだ。えらい人が立てたのではなくて、むしろ課長であるとか課長補佐であるとか、そういう方々が農民の窮状、出かせぎ農民の実態を見るに見かねて、こういう発想のもとに施策を立ててくれたものだと私は思うのです。それですから、みみっちい計画ではあるが、この発想は私も積極的に支持していきたい。そうしてこれをもっと拡大発展させて、一日も早く実験事業でなしに、本格的な施策に転じてもらいたいと思っておるものでございます。後でこの点について最後に論じてみたいと思いますが、先を急ぎたいと思います。 私は本当の対策というものは、なぜ出かせぎがこのように激増しておるのか、なぜオール兼業化の方向へ進んでおるのか、そのよって来るべき原因を追及しなければ本当の対策というものは生まれないと思います。お医者さんが病人を診断、処方する場合に、その病人を診断してその上で初めて対症療法ができると同じように、出かせぎをなくするためには、なぜ出かせぎがこのように激増しておるのか、その発生源、その原因を追及する必要があろうと思うのであります。こういうことをお尋ねしますと、私の質問時間ようも答弁時間が長くなりますので、これはひとり、できるだけお答えはまとめていただくことにして論旨を進めてまいりたいと思っています。ただここで、これも大臣むずかしく言わないで、私の質問に端的にひとつお答え願いたいと思うのです。なぜこのように出かせぎが激増をしておるのか、その原因は一体何にあるのか、私は一言にして言い尽くせる表現がありますけれども、大臣は簡単直明に、なぜ出かせぎがこのようにふえておるのか、その原因についてひとつ御意見を聞かしていただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 一言に申し上げます。 日本の農業が一般に零細の経営であり、農業所得が少ないからであります。こう申し上げます。
○栗林委員 私はもっと端的に表現すれば、農村が貧困だからだと思います。貧困が最大の原因なんだ。だが日本の貧困はひとり農民だけではない。働くすべての勤労労働者階級も同じく貧困であります。だからその貧困論を本格的に進めようとは私は思いませんが、とにかく出かせぎの原因は貧困が最大の原因なんだ。貧之でなければだれが一体夫婦別れをして、六カ月もいろいろな条件の悪いところで命を的にして出かせぎする者がおりますか。これは貧困です。生きんがために、農業を守らなければならないために出かせぎをせざるを得ない状況に置かれておる農民の貧困が、かくのごとく出かせぎをふやしておる。私はこれが出かせぎの真因であり原因であろうと思うのであります。 それならば、その貧困の原因は何か。いま大臣がお答えになりましたが、その貧困の原因の一つは日本農業の構造が非常に零細であるということ。一町歩以下の零細農家が七一%を占めておるこのような零細体制の日本農業、この中ではいかに価格政策が取り上げられても、いかに生産技術が取り上げられましても、耕地を持っておらない零細な七一%の農家はどうしても農業に依存する生活はできないのです。そこで、零細構造そのものも大きな原因。いま一つは、それでも中農以上の農家の皆さんはかつては出かせぎをしないで何とか専業農家並みの経営と生活をやってきたものです。中農以上の方々は三〇%しかおりませんけれどもね。この方々は、もしも農業政策のよろしきを得るならば昔に返ることができると私は思う。三十五年には三四%の専業農家があった。これは中農以上がそうであったわけです。それが一三%に転落しておる。私はいまの体制下でありましても、農業政策のいかんによっては中農以上の離農、出かせぎを農業の中に吸収する政策は可能であると思っておるものでありますが、それが適切な農業政策が行われない。これと零細構造、これが農家を貧乏にしておる二つの理由であろうと私は思うのであります。 そこで、もう少し貧困論を進めてみたいと思う。それならば一体いま日本の農家の経済はどうなっておるか、生産は伸びたが暮らしはどうなっておるか、この農家経済の現状について論じてみたいと思います。 全国農家の一戸平均の農家経済、農家所得は三百四十一万円、これは五十年度でございます。この統計に基づいて私は議論を進めております。ところが、その農家所得の中で農業所得はどれだけあるかというと、百十四万円、わずか三三%にすぎない。農外が二百二十六万、これが六七%を占めておる。農民でありながら農業収入に依存する度合いがわずか三三%だ。あとの六七%は兼業労働に依存しなければ暮らしていくことのできない農家なんです。これでは日本に農業がないと言っても私は言い過ぎではないと思う。これも三十五年にはどうかと言いますと、農家所得のうち農業に依存する度合いは五五%でありました。それが今日では三三%に低下しておるのです。そうして農外所得がぐんとふえておる。こういうような農家経済の現状は、私はきわめて深刻な憂うべき方向へ進んでおると判断しておるものでございます。 さらに、それでは全国一戸平均で七一%を占めておる一町歩以下の零細農家の経済状態はどうなっておるのか、この状態を見てみたいと思います。これは〇・一ヘクタール以下〇・五ヘクタール、私どもの百姓言葉で言えば一反歩から五反歩まで。こういう農家の農業所得に依存する度合いはわずか八・七%でございます。九一・三%、ほとんど全部が兼業収入、労働収入に依存しておる、そういう農家であります。いわゆる〇・五ヘクタールから一・〇ヘクタール、五反歩から一町歩までの農家はどうなっているかというと、これらの農家の農業依存度は二七・四%、あとの七二・六%、約七三%は農業外の収入に依存しておる、こういう階層農家であります。ですから、こういう農家は農業では食っていけないわけですよ。地元に適切な仕事がなければ出かせぎせざるを得ないのです。それではこういうような貧困な農家の数は一体どのくらいあるのか。私は先ほど七一%と申し上げましたが、それを裏づける資料を申し上げます。これは皆さんの方で出してある統計によって明らかであります。〇・五ヘクタール未満のものは約二百万戸あります。これは四一%を占めておる。〇・五ヘクタールから一・〇ヘクタール、この農家は百四十四五尺三〇%を占めておるわけであります。したがって、一ヘクタール未満の農家、いわゆるきわめて零細な農家は全農家の七一%を占めておるわけであります。それですから、こうした零細農家の問題、零細構造を避けて出かせぎ問題の解決はあり得ないと私は思うのです。出かせぎ問題の根本解決を図るためにはどうしてもこの零細構造に手をつけなければならないと私は考えておるものですが、大臣は一体どうお考えでございましょうか。 私は、さらに具体的に申し上げて大臣の答弁をお願いしたい。 一つ。いま日本には三百万町歩の未墾地がある。これを農地に造成して、畜産と新しい農業にこれを発展させるならば、かなりたくさんの零細農家を専業農家に育成することができると思っておるものでありますが、そういうような積極的な農地造成政策をとって、出かせぎ零細農民をできるだけ少なくしようとお考えになるのか。 第二は、かつての池田さんがおっしゃったように、七割の農民を切り捨てるというお考えを持っておられるのか。重宝な労働力として資本や産業のえじきに供しようと考えておられるのかどうか。考え方はそれも一つあろうかと思うのです。池田さんはそうおっしゃった。あなたはどうお考えになっていらっしゃるでしょう。それとも、一挙にこの出かせぎ問題を解決することは非常に至難である、むずかしい、一挙には解決できないが、そういう施策を実行しながらこれを解消するためにはかなりな期間がかかる、過渡期がある、その過渡期、当分の間は兼業農家として完全にこれを位置づける、兼業農民として位置づける、そうして、兼業ですから苦労が非常に多いが、彼らにも食糧増産の責任を果たしてもらえるだけの指導、保護政策を樹立する、出かせぎをする、兼業する場合には安全な職場を確保してやる、そのために必要な施策を立ててやる、こういう方法で当分の間は兼業農民として位置づけて、彼らの生活と経営を守っていくということも一つの方法であろうかと思います。大臣は一体どうお考えになっておられるのか。これもひとつ端的にお答え願いたいと思います。
○森(整)政府委員 大臣がお答えになる前に、ちょっと私どもの事務的の範囲でお答えいたしますが、先生御承知のように、兼業農家の半分以上はむしろ安定兼業というふうにわれわれ理解をいたしておるわけです。よく言われます土地持ち勤労者という、逆の見方をいたしますと、そういう方方がおられる。そうでない出かせぎ農民がもう一つある。この出かせぎ農民についてのいろいろ御指摘かと思います。 そこで、それについて若干ただいまやっていることを申し上げますと、先ほど出かせぎの特別実験事業ということの御指摘もございましたけれども、そのほかにわれわれ、もう少し大きなことをいろいろやっておるつもりでございます。たとえて申しますと、例の北上、岩手等でやっております広域農業開発、これ全体で、いま農用地関発公団が草地造成をやっておりますが、こういう中でやはり農村に農業を定着させていくという大きなことをやっておるわけでございます。大変恐縮ですが、たとえて申しますと、現在全計を実施しておるのを四地区入れますと二十八地区になるわけです。これは阿蘇まで含めます。北海道の根室も含めます。全体で三万ヘクタールの草地造成を、畜産基地を開発していくということをやっておりまして、事業費で申しますと千九百六十億の現在の時点での事業費ということを前提にそういうことをしておるわけです。いろいろ農用地開発につきましても、長期計画で七十万ヘクタール、ただいま申しました農用地開発公団の事業もその中に含まれますけれども、農用地で三十万ヘクタール昭和五十七年まで、草地四十万ヘクタールという目標を掲げまして、公共事業費を投入いたしましていろいろそういう事業をやっておる。そういう中でやはり出かせぎの対策を談じていくということを基本的に考えておるわけでございます。これは農用地の造成だけではございません。そのほかにもやはり権利調整、所有権の移転を求めるということは非常にむずかしいということから、使用収益権を確保して、農業を強いてやらないでもいい方々からやはり農業をやっていきたいという方々への利用権の設定をしていく、そういう事業等いろいろ実施をしておる。そういうことで、われわれといたしましては前向きにいろいろ取り組んでいるつもりでございます。
○長谷川国務大臣 御承知のように、魚の方も二百海里問題でなかなか従前どおりのようなわけにはまいらない。御指摘があったような畜産関係という点についても、先ほど冒頭に申し上げたやはり食糧が高級化してきたんだという一因はそこにあるだろうと思うのでありまして、ですから栗林さんのお考えも私の考え方もそう違っていないのだと思うのです。だから私は、そういうような点に今後は重点を置いた方向づけをしていかなければならぬだろう、こういうふうに思うのです。しかもそれには、いま局長がいろいろ細かい話で申し上げたように、いろいろな準備が整えられておりますから、大いにこれを活用しながらその目的を達していきたい、こういうふうに考えます。
○栗林委員 それではさらに議論を進めたいと思いますが、零細構造への取り組みは非常にむずかしいことだ、これはもう申し上げるまでもないことでございます。非常にむずかしい、だがこれを避けては通れない。避けては出かせぎ問題は解決しない。日本農業の問題も私は解決しないと思う。だが中農以上の出かせぎをなくする施策は、私は十分可能性があろうと思っておるのであります。先ほども触れましたが、昭和三十五年ごろはこうした中農を含む三四%がまず何とか専業農家としてやってこられた階層の農家であります。ですから、政策のいかんによっては三四%まで専業農家をふやすことはできる、いわゆる中農以上を専業農家あるいはそれに準ずる農家に育成することは私はできると思う。 そこで、私はその可能性を追求する、そういう意味で出かせぎ者就業改善事業、この計画が立てられて実験事業を実施しておると思って見ておるわけであります。先ほども申し上げましたが、私もこの発想は支持していきたいし、何とかこれをもっともっと発展させていきたい、かように思っておるものですけれども、果たして農林省は本気になってこれをやる気構えがあるのかどうか。実験というけれども、実験段階ではありませんね。すでに農民が実験しているのですよ。出かせぎを解消するためにどういう農業経営に改善改革しなければならないか、このことに真剣に取り組んで成功している農協もある。個々の農民もある。彼らはすでに経験済みです。これから実験するというのではなしに、本気になってやる気があるならば、こういう経験済みの農家から学ぶべきではないでしょうか。こういう事業を推進して成功しておる、そういう農協、農業団体から学ぶべきではないでしょうか。 私はここで実例を申し上げたいと思いますが、これは長谷川農林大臣代理でまことに恐縮でありますけれども、鈴木農林大臣がおるなら、あなたはこういう村を知っておりますかと、こうお尋ねしたかったことを御紹介申し上げたい。それは盛岡と花巻の中間に志和という村があります。ここは農家戸数が八百二十三戸、水田は千二百ヘクタール、それから畑もずいぶんあるのですよ。二百ヘクタールぐらいあるようです。ですからここは一戸当たりの規模面積は比較的広うございます。水田にして一戸平均一町四反歩、耕地全体では一町六反歩ぐらいになろうかと思います。ですから規模面積はかなり広うございます。 だが、この村も昔は米単作の農業でありました。昭和三十九年に当時岩大の佐藤正教授の教えをいただいて、その指導を受けて十カ年計画を立てた。単作ではいけない、複合経営にひとつ改善しよう、こういう具体的な計画を立ててこれを実行してまいりました。その結果、今日ではどういう状態になっておるかといいますと、ここの農家所得の中で米の収入は六〇%を占めております。畜産関係は三〇%の収入をおさめている。園芸関係が一〇%、こういうような所得配分、収入の内容になっております。もとは稲作単作地帯で米だけだった。複合経営が成功してこういうような内容に改善されておるのであります。 ちなみに申し上げますと、ここの農家は非常に園芸が好きで一生懸命です。ですから、ここで生産されるシイタケは札幌市場では志和シイタケといって非常に評価が高いのです。シイタケのうちでも一番高値で売れておる。そういう良質のシイタケ栽培に成功しておる。また私は大阪で聞いてきましたけれども、ここで肉牛をうんとやっておるわけですね。この志和牛が大阪市場ではかなり評価が高い、評判がいい、志和牛、志和牛といって評判が非常によろしゅうございます。 こういうように有畜農業を取り入れて、それに園芸農業を取り入れた複合経営にみんなで闘うこと十年、今日はここの農民の貯金は、これは農協の貯金だけですけれども、一戸平均二百八十万円ございました。こういうところあたりはどこでも全部借金が出てきます。ことは借金は出てこない。貯金の平均が二百八十万円、こういう農業に変貌しましたから、ここには特殊な方を除くと出かせぎ農民は探してもいないのです。よくここまで農民ががんばったものだな、よくここまで農協が指導したものだなと私はつくづく敬服しておるものでございます。 これに学ぼうとしておるのが秋田県の羽後町というところであります。この羽後町は秋田県では出かせぎ者の数の一番多いところなんです。その羽後町の旧町村の中に旧三輪村というのがあります。この三輪村全体は戸数が七百戸、ここの出かせぎ者は五百人を超えておるのです。一戸から一人出ておるのです。ここでは何とか出かせぎを解消しなければならぬ、しかし平均の規模面積は志和よりも低い、一町歩前後でございます。条件が非常に悪いが、何とか出かせぎをなくするための経営改善はできないものか、志和に学ぼう、志和へ出張して農民諸君がいろいろ学んでまいりました。それに基づいて一昨年東大の金沢教授を招きまして具体的な改善政策をいろいろと意見を聞いたわけでございます。その指導をいただいて、いま七カ年計画を立てて、実施二年目を迎えておるのが羽後町三輪地区の改善事業でございます。いわゆる出かせぎ地域農業者就業改善事業であります。この中にはすでに出かせぎをやめて、自立経営をやろう、そのための農業改善をやろう、こう積極的に取り組んで、長い間出かせぎをした農民がみずから出かせぎを拒否して農業改善に取り組んでおる。これは自力でやっているのですよ。県からも国からも補助をもらっているんじゃない。自力でがんばっておる。そうしてりっぱに成功して、出かせぎ収入よりももっともっと多くの収入を農業経営の中から得ておるわけであります。 こういうように、すでに農民は出かせぎから立ち上がっておる、みずから自立経営農家になろうとしてがんばっておる。農業経営の改善をやっておる農林省が実験事業、その着想は私は大いに支持しますが、本気にやる気であるならば、実験なんということをやめたらどうです。こうした農民から学ぶべきではないでしょうか、こうした農協や農業団体から学ぶべきではないでしょうか。その経験を学んで、そこで皆さんがさらに衆知を集めて対策を講じていただきますならば、私はもっともっとりっぱな、いわゆる農民から期待をされるような出かせぎ農民の就業改善事業がここに発展するものであろうと思うのであります。私は何とかして、その実験はやめて、こうした農民からいろいろと経験を聞いていただきたい。それをもとにしてこの施策を広げてもらいたい。 そこで、端的にお尋ねしますが、実験事業、こう言っておりますが、それならば、いつから本格的な事業に転ずる計画であるのか。実験事業でありますから、いつまでも実験事業をやろうというのじゃないのでしょう。やがて本格的な事業に転ずるはずでございます。いつ一体本格的な事業に転換しようとしておるのか、この点をひとつ承りたいと思います。
○長谷川国務大臣 栗林さん、これはちょうどさっきぼくが冒頭に言ったのと同じようになっちゃっている。ですから、構造改善をする、しかし農林省はやるにはやるんだけれども、その土地に住んだ人でないと、農林省で指導するというのは全国一本の指導なんです。ですから土地土地で違うし、秋田と盛岡はまた違うかもしれぬ。ですから土地土地に合った、よく口で言う適地適作、総合農政の一環としてはやはりそういうふうにやっていかなければならない。これだってフィルム一枚でこれだけの効果を上げてきているという事実、そしてキュウリにしてもシイタケにしても、フィルム一枚がこれだけの働きをしていっているんですから、さっき言ったように、やはり何といってもそれだけのものをつくるんなら、私のところは赤城山の下ですけれども、赤城山の雪の下でもってフィルム一枚使ったウドと、平たん部へ来たときのウドというものと、ウドが全く味も違うし、市場に出して価格が違うんです。これと同じことなんですね。 であるから、やはり農林省ではいま申し上げたようなことはどんどん今後はなるべく早目に、いま実験でございますけれども、実験の時代をもうすぐ過ぎ去りまして、本格的にこれをやっていかなければならぬ。ですから頭脳集約というさっきの言葉があったけれども、全く頭脳集約して、農業者は農業者としての頭脳集約してやっていけば、これだけすべてを征服することができる。雪に驚いたり、風があるからできないのだ、そういう問題じゃなくて、これを征服するだけの力を持っていかなければならないだろうと思うのです。 ですから、いま申し上げたように、この点については農林省は全国一本でこういう考え方を出していくんですから、その場所場所によって皆違うわけですから、こういうような栗林さんのような秋田の雪のある方でやるということになると、私の方の関東の平たん部でやるより費用がよけいかかる、費用がよけいかかるならかかるようなやはり分配方法も考え直さなければいかぬだろう、そう思うのです。 ですから、いまは実験でございますけれども、まさにそのとおりであって、人間の食料それ自体が変わったんだから、さっき言ったとおり、物の生産は消費者のために物を生産するのですから、こういうものをつくっていくならば喜ぶという、もう二百海里時代でこれだけ騒ぎをやっているときに、そういうものに転換していくということは当然なことであって、もっと食糧は高級化していくだろうと思う。高級化していくならば、志和キュウリもシイタケも、これは人間の生理的要求にのっとった、消費者の要求するものをつくっていくことになるのですから、私は代理ではありますけれども、今後さらにこの問題については十分に意を用いて、お説のような点に万全を期していくべきが農林省の使命であるとも考えております。どうかたくさんおやりください、一生懸命こちらはお助太刀しますから。
○栗林委員 それではもう時間になりましたので、十分に意は尽くせなかった、もっとお尋ねもしたがった、議論もしたがったが、これまた別の機会に譲りたいと思いますが、最後に、私は一つ問題を大臣に提起したい。 それは、出かせぎ問題の対応策というのは非常に私はむずかしいと思う。本当にむずかしい。まず零細構造、これに手をつけるなんということは、これは日本農業の根本に関する問題でしょう。しかしそれを避けて通るわけにいかない、こういう問題もある。 それから、現実的な可能な農業政策、それは中農以上の出かせぎ、これを何とか農業の中へ吸収することができる、これはその可能性があるのです。そういう可能性があるからこそ、就業改善事業をここに皆さんは実行しようとしておられるわけです。私もそれを支持します。ですから、そういうような現実的な可能性のある農業施策を追求して、その確立を図っていかなければならない。しかし、そうは言っても、これもなかなかむずかしいことだと私は思うのです。 第三には、農業家庭の崩壊につながる出かせぎには私どもは絶対反対だ。反対をしたら美濃部東京都知事は私にこう言いました。栗林さん、出かせぎ反対、反対と言わないでください。なぜですかとこう聞きましたら、もしも出かせぎ労働力がなかったならば、東京都の近代化はできません、下水を見てごらんなさい、上水道を見てごらんなさい、港湾埋め立て、宅地造成を見てごらんなさい、新幹線、道路あるいは高層建築、地下鉄、こういうような多くの公共事業には、一千万以上の人口が東京にはおるけれども、どろんこになって働く、そういう労働力を提供してくれる都民は一人もおりません、指導する技術者はおるけれども、どろんこになって労働を提供してくれる労働者はおりません、もしも栗林さんのように出かせぎ反対、反対と言って、出かせぎ者が一人も東京へ来ないということになったならば、都市の近代化はできるでしょうか、絶対できない、また日本の産業もしかりであります。今日では多少不況になりましたが、高度成長時代には多くの出かせぎ農民が、企業、会社、工場の中で大きく生産に寄与したことは申し上げるまでもございません、公共事業にとってもあるいは日本の産業にとっても、この出かせぎ労働力が、重宝な労働力でなしに、まことに貴重な大事な労働力だと私は思います。だから、何とか出かせぎ反対だと言わないでくれ、そのかわりに、東京へ出てきた出かせぎ農民、漁民が万一不幸な事故、そういう問題が発生したときには、東京都は全力を挙げてこれを保護します。守ります。また、労働条件等につきましても、東京都としてはできるだけの配慮をして、雇用する使用者、会社、資本に対しても、条件などをもう少しよくしてほしい、職場環境をもう少し改善してほしい、宿舎の改善をやってほしい、こういう指導は東京都としては責任を持ってやります。どうか出かせぎに反対をしないでください。私は、そう言われたときに返す言葉がありませんでしたね。これは家庭破壊である、学者は人間疎外と言っております。 かつて日本の戦争時代は、徴兵時代はいやおうなしに夫があるいは子供が家庭から強制的に徴兵されたものだ、引き離されたものだ一今日は、不完全とは言いながらも民主主義の日米ですよ。この民主主義の日本の中で農民が、食わなければならない、生きていかなければならないというので、かつては動物飯場と言われたような、そのような劣悪な条件の中で、そういう宿舎の中で働かなければならない。農民というものはまことに衰れなものだ、かわいそうなものだ、私はつくづくそう思ったものでございます。 こういう状態が続くならば、夫婦間の生活は一体維持できるでしょうか。子供は素直に育つでしょうか。今日心配されておるのは、夫婦、家庭の問題とあわせて、幼い子供たちが非行に走るおそれのあることが深刻に取り上げられておるのでございます。それでありますから、私はどこまでも反対です。反対だが、日本の現在の産業、企業にとって、公共事業にとっては、これは必要な労働力ではないでしょうか。農民側から言うならば好きでない、反対だとは言っても、生きていくことができないのだ、おれたちは零細農家だがら出かせぎ収入を得なければ生きていくことができないのだ、好むと好まざるとによらず出かせぎをせざるを得ないのだ、これが農民の訴えでございます。反対だ、だが日本の産業は必要だ、反対しつつもそれを認めてやらざるを得ない。こういうように出かせぎ問題を取り上げて考えてみますと、多くのむずかしい問題と矛盾を含んでおります。 ですから、この出かせぎ問題を本気になって解消する、そのためには単なる思いつきの政策、アクセサリー的な、そういう単純な考えではこの問題の解決はできないと私は思う。農林省だけでは私はできないと思う。先ほど申し上げましたように、この際、学者あるいは学識者……
○正示委員長 栗林さん、結論に入ってください。
○栗林委員 いまやめます。 さらにこうした経験を経た農民に学ぶという意味を含めまして、出かせぎ問題に対する根本策を立てるための審議会なり——審議会は整理をする、こういうような意向が強うございます。事実役に立たない審議会がありましょうが、必要な審議会ならば設置すべきでありましょう。私はあえて審議会にとらわれませんが、現在ある何らかの審議会の中に、出かせぎ問題の専門部会でも設けて、ここで討議をする。あるいは審議会と言わなくてもよろしゅうございます。大臣直属の出かせぎ問題の懇談会でも設置して、ここで真剣に討議をする必要があろうかと思うのでございますが、懇談会なり審議会を設けるというこの私の提唱に対して大臣はどうお考えになりますか、ひとつお答えを願いたい。それによって私の質問を終わることにいたします。
○長谷川国務大臣 御高説は承りました。 やはりこの種の問題というものは、先ほどの志和村の問題と同じように、各地区地区に指導機関というものはあるのですから、農協なら農協がすなわち農民の指導機関でなければならない。農協ですとその村々の実態を知る。その地の利も知っている、地質も知っている。アルカリか酸性か、PHまでもちゃんと知っていなければならぬ。そういう点から考えていくならば、これは農協自体が革正し、その指導に当たって懇談をして、意のあった人だけを集めて土地を出し合って耕作を行うべきだと私は考えます。しかし、お説もございますので、私の方も中央にもそういうものを——中央と言うと、さっき私が申し上げたとおり農林省と同じことなんで、人によるとおたくの方の実際の地質を知らないかもしれない。それが関東などと同じような議論をされているのでは始まらないだろうと思うのです。ですから私の農林省としては、農業の指導機関である農協等にそのような指導をするように十分に申し伝えておくというこことが一番いい方法ではないだろうか。またお説もございますので、懇談会とかこれの研究会とかいうものは中央につくって、今後、その中の部会で研究することも一つの考え方だと思います。十分に検討させていただきます。
○正示委員長 次に、山原健二郎君。
○山原委員 農林省設置法の一部を改正する法律案につきまして、筑波研究学園都市への移転に当たり、職員の処遇の問題と環境整備の問題、この二つについて質問をいたします。 最初に、筑波研究学園都市の建設の「基本方針」では「高水準の研究および教育の諸活動が相互に有機的連繋を保ちつつ、効率的に行なわれるように整備するとともに、自然環境や歴史的遺産の保全を図り、住民の生活が健康で文化的なものとして営めるよう計画する。」と決定をいたしております。 この基本計画に基づいて現状がどうなっておるかという問題でありますが、まず第一番に、移転困難者の問題で、政府当局は昭和五十年七月十四日の移転職員対策として、筑波研究学園都市にかかる移転職員問題についての方針を策定いたしております。すでに移転を完了しあるいは開始している現在、職員の生活条件に関して多種多様な問題が起こっておることは御承知のとおりでありますし、すでにこの委員会でも質問が出たところだと思います。その中で「やむ秘得ない事情により退職する職員については関係省庁の協力により民間への再就職の斡旋に努めるもの」となっておりますが、実態はどうなっておりますか、この点について、これは国土庁でしょうか、どちらですか、最初に質問をしておきたいのであります。
○下浦政府委員 農林関係の移転困難者のうち、筑波移転に伴って退職をいたします者の就職あっせんの問題でございます。 これは五十二年度に移転を予定しております五機関について申し上げますが、再就職を希望いたします者につきましては、本人の希望を十分参酌をいたしまして就職のあっせんを行っておりまして、現在のところ植物ウイルス研究所三名、果樹試験場一名、林業試験場二名につきまして就職のあっせんを行ったということでございます。これは民間へというお尋ねでございましたけれども、国家公務員の身分を失って再就職を希望するという仕分けをいたしましたものですから、千葉県の方に行きます者あるいは神奈川県、宮崎県等に行きます者も入っております。民間会社へ行きます者も入っております。以上でございます。
○山原委員 私が質問していますのは、農林省の方、いまの御答弁ですが、この基本的な方針に即してどうなっておるかという質問ですから、農林省だけでなく移転機関全体についてどういう状態にあるのかということをお聞きしておるわけですが、これはどちらがお答えになりますか。
○石川説明員 いま先生の御質問の移転困難者の問題でございますが、現在各省庁におきまして調査をいたしておりまして、各省庁において賄い得るものにつきましては、いま農林省の方からお話がございましたように、各省庁別で処理をしておられるわけでございますが、現在まだ私どもの方の手元にはその全体の集計その他が参っておりませんので、詳細は現在私の方ではわからないのでございます。
○山原委員 この件に関して全体を調整するのは国土庁ですか。
○石川説明員 移転対策協議会というのは各省の連合体みたいなものでございまして、推進本部の下部機構として行っておりますので、各省が合議いたしまして決めたりあっせんしたりするということに相なっております。
○山原委員 その問題、後でまた出てくると思いますが、二つ目の問題として「国家公務員として身分の継続を希望する職員については、各省庁内において配置転換に努め、必要に応じ他の省庁に配置転換するものとする。」と策定をいたしておりますが、この実情はどうなっておりますか。
○石川説明員 いま先生の御質問の件でございますが、これも先ほど申し上げた移転困難者と同じでございまして、現在各省庁において調査をいたしております。非常に早く調査ができておるところもあるようでございますが、調査そのものに非常に困難を感じておる省庁もあるようでございまして、現在その調査の結果がぼつぼつでき上がりつつあるという状態でございまして、これを各省持ち寄りまして、各省庁の間でお互いに協議しながら、できるだけ当人の御趣旨に沿うように努力するというふうに考えております。
○山原委員 五十二年度移転予定の試験研究機関で配置転換を希望する者は大体どれくらいおりまして、どれくらいの者が希望を充足しておるか、それはおわかりになりますか。私は目的があって聞いているのですからね。——農林省じゃなくて、全体どうですか。
○石川説明員 現在手元に資料がちょっとないものでございますから詳細わかりませんのでございますが、五十二年度移転の主力は農林省でございますので、したがって農林省の方でお調べになっておるものが、大体先生の御意図に合うものではなかろうかと思っております。
○山原委員 農林省の現状を簡明に説明してください。
○下浦政府委員 国家公務員の身分を継続したまま農林省内部あるいは他省庁への配転を希望しております者が三十四名、調査の結果出たわけでございます。このうち十七名につきましてはすでに配置転換済みでございます。 さらに申し上げますと、この十七名のうち、一名が他省庁、国土庁の方に配置転換になりまして、十六名は農林省の各機関への配置転換でございます。したがいまして、現在残っております者は十七名ございますけれども、この方々につきましては、今後も鋭意努力をいたしたいと考えております。
○山原委員 次に、退職者に対する国家公務員等退職手当法、いわゆる割り増しの第五条の適用の問題ですが、これはいままで「他との関連も考慮して引き続き検討すること」になっておると聞いておりますが、結論は出ておりますか。 〔委員長退席、竹中委員長代理着席〕
○山口説明員 お答えいたします。 筑波研究学園都市移転に伴う各研究所等の職員のうち、どうしても筑波の方へ移転できない方が退職する場合に、現行法では一応三本立てになっておりまして、三条、四条、五条。三条は普通退職、四条は長期勤続後退職する場合の退職、それから五条は行政整理等による場合の退職手当、三つありまして、現行法では四条になっておりますが、それをこういうケースについては五条を適用すべきではないかという要求がありまして、われわれの方もそれをいろいろ検討はいたしております。 ただ、農林省等からは若干詳しい事情のアンケート調査等を聞きましたけれども、たとえば通産省とか建設省とか運輸省その他、かなり多数の研究所あるいはそれに伴う職員を抱えておられる省庁からまだ詳しい資料等の提供とかあるいは報告がないものですから、結論はまだ出ておりません。
○山原委員 これは農林省関係ではかなりの資料で出ているが、他省庁の場合は出ていないと言うのですが、それは他省庁の場合に対しては、この資料の提供を要請しておるのか、あるいは、大体どの付近で、どれくらいの日時で結論を出す予定でございますか。
○山口説明員 お答えいたします。 先ほどの御質疑にもありましたように、農林省関係の研究所は比較的早い段階に、もうすでに移転したところもありますし、移る予定のものが多いのですが、他の省庁は農林省に比べまして少しおくれております。 それで総理府といたしましては、その対策協議会との関連もありますので、いついつまでに必要な調査というか、資料を提供してくれというような言い方はしておりませんけれども、各省庁において、調査をするのにかなりいろいろ問題があるように聞いていますので、それができ上がり次第、うちの方に資料をいただいて十分に検討したいと思っております。
○山原委員 一応進めておきます。 次に、移転後の新規業務に伴う人員増につきましては、各省庁において現定員の範囲内において対処することとなっておりますが、実際には定員削減の対象となっているため、新規施設、新規業務に対する定員配置も行われないという状況になっているのではないかと思います。少なくともこの問題については定員削減の対象から外すべきではないかと考えますが、これは人事院でございましょうか、人事院の見解を伺っておきたいのであります。
○茨木政府委員 ただいまの問題は、私の方の所管ではございません。
○山原委員 どこが所管をしておりますか。
○下浦政府委員 筑波研究学園都市の建設というのは、先ほど先生お読みになりましたように、高水準の試験研究が円滑かつ効率的に行えるようにということで実際にも整備を進めているところでございます。 〔竹中委員長代理退席、委員長着席〕 試験研究の高度化等に対応いたしまして、試験研究の効率化を図るために、研究計算業務あるいは情報流通業務等を集中処理をすることが適当であるものにつきましては、共同利用施設を設けまして一括処理することにいたしております。このように、高水準の試験研究を行い得ますよう施設、機械、圃場等、研究環境の拡充整備を行ってまいりますけれども、その管理運営に当たりましては、共同運営、高能率機械の導入あるいは専門業者への委託等によりまして効率的な定員の運用を行ってまいりたいと考えておりますが、新規の定員につきましては所要の人員を確保することは大変むずかしい現状にございますけれども、定員の確保につきましては今後とも努力をしてまいりたいと考えております。
○山原委員 この問題について論議をされておりますか。たとえば最初の基本的な方針「高水準の研究および教育の諸活動が」というこの大きく振り上げた筑波研究学園都市をつくる理想的な計画に対して、これがそういう一つ一つがうまくいっているかどうかという点でお聞きしているわけでございまして、そういう目的を果たすためには移転後の新規業務に伴う人員増、これが定員削減の対象にならないようにしていくことがこの所期の目的を達成することではないのかということでお聞きしているわけです。 そうすると、そういう問題について、たとえば対策協議会なら対策協議会が相当腹を決めてこういう問題について取り組むべきだと私は思っております。ところが、いまさっきからお聞きしますと、各省庁ともばらばらで行っておるような感じですね。本当に、仮に合議体であっても、こういう問題については、職員の処遇については一つ一つ解決していく、こういう体制にないように思うのですが、この点は国土庁はどういうふうにお考えになっておるか、伺っておきたいのです。
○石川説明員 推進本部は先生の御指摘のように各省の次官をもって構成いたしておりまして、本部長は国土庁の長官がなっておるわけでございまして、なるほど合議体ではございますけれども、いろいろな問題につきましてそこで問題を摘出しながら、それぞれに関連いたします省庁がおるわけでございますから、その省庁が主務的にその関連する仕事について鋭意検討する、こういう体制になっております。
○山原委員 そうしますと、この定員問題は、新規施設、新規業務を行う場合に少なくとも定員削減の対象から外すということを、先ほどのお答えでは極力定員増に努力をするというお話でございますが、そういう腹はまだ持っていない、そういう点は論議しておるかどうか。定員削減の枠から外すという考えはないかということをお伺いしておるのですが、この点はいかがですか。
○石川説明員 先生御指摘の定員削減の議論でございますが、推進本部の中には行政管理庁の次官も入っておるわけでございまして、当然行政管理庁の方で御検討いただいておると思いますが、何分国の機関でございますので外すということについては大変困難な問題があるのではなかろうかとわれわれ推察いたしております。
○山原委員 これは国会ですから、国会は筑波研究学園都市をつくるに当たっての政府の基本方針というものに基づいて、それがどういうふうになっておるかということを一つ一つ論議をして、それが実現しておるのか、実現する可能性を持っておるのか、全くその基本方針から外れて進んでおるのではなかろうかとかいうことが論議される場所ですから、私は基本方針に基づいて質問をしているわけでございます。だからそういう点で、基本的なこの学園都市建設の方針についてそれが合致しているかどうか、現状はどうなのかという点が相当論議されるという機関が必要だと思っています。それがこの対策協議会ではなかろうかと思うのですが、その点でどうもはっきりしない点がありますのでさらに質問をしていきたいと思いますが、一つは環境整備の問題であります。 これも基本方針によりますと、研究学園都市における公共事業については、研究学園都市の機能を発揮するための必要な施設の先行的な整備を図るものとするとなっておるのであります。しかし環境整備が大変おくれておる。そしていろいろな問題が山積しておるというふうに考えます。 その幾つかの点を指摘をしながら質問をいたしますが、まず第一番に、この研究学園都市における教育問題、特に高等学校の建設の問題につきましては、当初の建設計画の大綱によりますと、最終的に四校新設をする、こういうふうになっておりますが、現状は高等学校一校も設立をされておりません。そこで茨城県の教育長の話を聞きますと、高等学校用地については住宅公団が確保している土地を県に払い下げてくれるのか不明だ、また移転してくる生徒の実数がつかめないことが障害となっている、県全体の高校配置について検討している段階で、建設の具体的なめどは立っていない、こういうふうにお答えになっております。こういう状態でございまして、全くめども立たない状態に置かれている。一方では、基本方針では「必要な施設の先行的な整備を図るものとする。」と、全くすれ違っておるかっこうになっているわけですが、この実態はどのように把握しておりますか、どういうふうに改善する計画でございますか、お伺いしたいのであります。
○石川説明員 先生御指摘の高等学校問題でございますが、これは先生御指摘のように推進本部が決めました計画の中では、公私立合わせておおむね四校新設するということを決定いたしておりまして、当然この計画に基づきまして建設さるべきものであり、また建設すべく努力いたしておるわけでございますが、現在のその中の現状でございますが、現在この六カ町村の中には高等学校が三校ございます。筑波、豊里、谷田部というところにございますが、この高等学校をもって賄うということは実は住宅地の場所の関係がございまして、学区制の関係でこの高等学校で賄い切れない。そこで、現在三十名ほど居住者の中に高校生がおるわけでございますが、これは土浦二局へ通っております。土浦二局というものは現在まだ幾らか余力があると思いますが、いずれ余力がなくなるだろう。そこで先生御指摘のような高等学校を早くつくらなければいかぬ、こういう問題になってまいるわけでございますが、御指摘のように花室、大角豆それから上原と、この三地区に現在高校用地を用意いたしております。これは公団が用意いたしておりますが、当然県が県立高校をお建てになるときには、県の方へ払い下げるということを前提にいたしまして用意いたしておるのでございまして、建設の段階になりますれば当然、このうちのどれをいつの時期に渡すということはまだはっきりいたしておりませんけれども、お渡しすることに相なろうかと思います。その中で、花室という中心部がございますが、これについては早くから用意いたしておりまして、できるだけ早い時期にここへ県立高校をお建て願いたいということで、いま県の方と具体的な問題として折衝いたしておりまして、当方といたしましては、五十四年度には何とかして県立高校一校をこの花室の地区に建設してもらおうと一いうことで折衝中でございます。
○山原委員 五十四年度に一校できるという計画ですか。
○石川説明員 県立高校は一校でございますが、あわせてもう一つ、私立の高等学校が現在一校つくりたいということを言っておりますので、両方合わせて二校でございます。
○山原委員 四校の計画はどうなるのですか。
○石川説明員 人口が五十五年には大体五万になるわけでございまして、計画人口十万の半分でございますから、大体三校で間に合うと一応考えております。
○山原委員 これはずいぶんずさんな計画の大綱だったものだと思うのですね。そして、大体何年に何人の生徒が移転してくるか、そういったことがわからないというのが茨城県教育長の話でございますけれども、こういったものがわからないで学校の建設計画が立てられないのは当然でありますが、そういう点は全く国土庁を初め関係当局の怠慢だと私は思うのですよ。すでに移転が始まっており、そして五十四年には全部移転をするという事態の中で、そういう計画がどこで変更されたのかわかりませんけれども、最初は計画として四校、これは公立学校が三校と私立学校が一校という方針が出されているわけですね。それがいまお伺いしますと、三校になってしまう。公立一校、私立一校。全くその辺はどう理解していいのか、どうなのですか。
○石川説明員 いま私の答弁が不足していたと思いますが、計画は四校で、この計画そのものは現在も生きておるわけでございます。この四校という計画は、人口十万に対応した四校でございまして、五十五年の人口がおおむね五万になりますので、そこでそのうちの三校をその年度までに建てるという方針で進んでおるわけでございます。
○山原委員 すでにもう幾つかの機関が移転をしておりますし、また今回の林業試験場の移転で、私のお聞きしたところでは、四百名の方が移転をされるということのようです。その中で単身赴任の方あるいは東京から通勤をされる方が百七十人くらいだと、正確ではありませんがお聞きしておりますが、相当数の方々が行かれるわけですね。そこに教育施設があるかないかということは、まさに決定的なものです。 この間、国連大学が日本へ来ることで、国連大学の総長ですか、そういう人が来たときに、一番先に何を言ったかというと、学校があるかということです。それからもう一つは教会へ行けるか、そういう生活条件の問題が先に条件として出てくるわけですね。これはあたりまえのことであって、職員の方たちに、ただ研究機関ができたから行けといって行かすけれども、その辺の条件が整備されていないなどというやり方は、まさに日本の官庁的やり方だと私は思っています。そういうあたりまえのこと、しかも当初の計画では、御承知のように「先行的な整備を図るものとする。」とみごとにうたい上げているわけですね。それがことごとくできていない、こういう実態なんです。だれがこれの責任を持つのですか、この責任者は一体だれなのか、伺っておきたいのであります。
○石川説明員 国でございます。
○山原委員 ちょっと聞こえなかったのですが……。
○石川説明員 建設を推進をいたしておりますのは、推進本部が各省の調整、推進をいたしておりますし、国土庁はその事務的な建設推進を行っておるわけでございまして、全体の建設は国が全体で行っておる問題でございますから、御指摘の点については国が責任を持つと考えております。
○山原委員 国だと言われると国には違いないですけれども、これほど大きな構想を立てて、あれだけの論議をして、筑波大学などという問題も、どれぐらい紛糾を重ねたかわからぬような状態で、理想的なものをつくるのだという大だんびらを振り上げて、責任者はだれかと言ったら、国でございますというようなことでは、それは通らぬと思うのですよ。また、そこへ移転しなければならぬ職員の方たちの問題なんか、本当に親身になって解決していくという体制でなければいけないと私は思うのです。そういう点で、余りにもばらばらの行政、しかも統一されて責任を持つ体制というものがないということを指摘をしておきたいと思います。 次に、医療問題ですけれども、筑波大学に付属病院が五十一年十月から開始をされまして、一般診療が行われていますが、その筑波大学の医療体制の問題について、どんな救急患者にもたえられる体制をつくると強調してきました。しかし、現実には救急の扱いはありません。夜間休日の診察も行われていないという状態でございまして、患者の方々は土浦、龍ケ崎などに運ばなければならぬという現状にあるわけでございますが、筑波研究学園都市における医療体制の整備計画についてお答えをいただきたいのであります。
○岸本説明員 救急医療の体制の整備につきましては、厚生省といたしましても非常に力を入れておりまして、昭和五十二年度を初年度といたしまして、おおむね三カ年を目途にして全国的な体制整備を図っていきたいというふうに考えているところでございます。 その考え方の骨子といたしましては、まず一つは医療機関の体系的な整備ということで、それぞれの医療機関の機能の分担を図るということが一つでございます。 機能の分担といたしましては、初期救急医療体制と申しますか、救急患者のうちで数は非常に多くを占めますいわゆる軽症患者の対策でございますが、そのような患者を受け入たるために、地域の実態に即して、休日夜間にそういう患者を専門に受け入れる救急センター、まま診療所でございますが、そういうものとか、または地域の医師会の協力によります在宅当番医制、こういうものの普及定着化を図るということでございます。 それから、入院とか手術等を要しますいわば重症患者を受け入れるために、第二次救急医療体制というものを考えていきたいと思っております。そのためには、地域に存在いたします病院が輪番を組んで当番日に確実にそれぞれの受け入れ体制を組んで患者を受けとめる、こういう体制とか、または地域の医師会等の協力によりまして、いわば固定方式で、そこで医療従事者の確保を図って、毎晩の重症患者を受け入れる体制を組むというようなことを考えております。 それから、特に緊急に医療を行いませんと命にかかわるというような重症患者を受け入れるために、これは非常に広域になりますけれども、第三次の救急医療対策といたしまして、厚生省としては救命救急センターという名称で、これは五十一年度から全国的な整備に着手しているところでございます。 このようなことで、医療機関をそれぞれ機能分担いたしましてこの整備を図っていくとともに、こういたしますと、それぞれの医療機関を結びつける情報というものが非常に重要になってまいりますので、広域の救急医療情報システムを県ごとに整備をしていく、こういう考え方でございます。 そして、いま御質問の筑波学園都市につきましては、県としましても、この所属する地域というものが筑南地方広域市町村圏、また土浦石岡地方広域市町村圏というところに関連があるわけでございますので、これらの広域圏を単位といたしまして、いま申し上げましたようなそれぞれの機能分担と情報網の整備ということを考えていくわけでございまして、私どもといたしましては、この筑波学園都市周辺の救急体制の整備につきましては今後県当局とも十分に連絡をとって万全を期するように指導してまいりたいというふうに考えております。
○山原委員 私の質問は筑波研究学園都市の問題、ここにたくさんの職員の方たちが移転をするという問題に関しての質問ですからね。いま私は社会労働委員会で質問しているわけじゃないので、そういう答弁をしていただきたいと思います。 とにかくいまの現状は、先ほど言いましたように「施設の先行的な整備を図る」というような大前提とは全く合わない現状だということ、それをいろいろおっしゃっておっても現状は間に合わないということなんです。 上水道料金の受益者負担の軽減のための国庫補助ということを私は提唱したいのです。これは筑南水道企業団でやられているようでございますが、赤字が十億円を超え、そして料金値上げの動きが出ておるようであります。赤字の原因は、当初の移転計画に合わせて設備を整えたところ、計画が大幅に延期されたため出てきた赤字であります。その赤字を現在の居住者に負担させるのは大変不当なことだと思いますが、この点はどうでしょうか。
○石川説明員 いまの上水道のお話でございますが、筑波で必要といたします上水は一日に最大十万トンという計画で給水設備を行っておるわけでございます。それで昭和四十八年から一部給水を開始しております。このとき決めました価格が四十五円でございまして、これは先生あるいは御存じのとおりかと思います。ところが、その後石油ショック等によりまして建設費が相当増高いたしまして、そこで五十三年度から料金を値上げさせてくれと茨城県から要請があったのでございます。その要請の内容は二つの大きな点に分かれておりまして、一つは施設建設費、この料金を値上げするということではございますが、これは県が条例で決めることでございますけれども、この料金の値上げというものは、周辺の大体同じような水道事業をやっておりますところの料金を著しく超えるということでは筑波の研究学園都市建設の目的と相反するわけでございまして、したがいまして、周辺の水道料金とおおむね同じような形の価格にする。しかしそれでは先生御指摘のように赤字が相当かさむわけでございます。そこで施設の建設費につきまして、ここの水道事業の負担をいたしております日本住宅公団に大幅な負担をしてもらえぬかということを県が要請してまいっております。住宅公団の方といたしましては、そういった条件を勘案いたしまして、料金が不当に高くならないようにということで、現在その県の方の要請に基づきまして検討を行っておる最中でございます。特に一般家庭に供給される水につきましての料金は、やはり周辺の同じような事業と大体同じような状態におさまるように、これは県の方からもそういう要請もございますし、われわれの方も当然そうであるべきだと考えておりますので、そういった点を勘案しながら施設建設費の方の見直しを日本住宅公団に頼んでおるというのが現状でございまして、その結果を見た上で茨城県が適当な価格を決定することに相なろうかと思っております。
○山原委員 交通問題について伺いますが、これは農林省の方へ伺いたいのです。 現在の農林省に関する研究機関の場所と、あの地域の並木、竹園にある住宅との関係ですが、かなり離れております。六キロないし十キロの距離があります。さらに、常磐線の駅から研究団地までも五、六キロの距離があるわけですが、公共交通機関は全くありません。農林省のバスが朝一回、帰りに一回、二回というような状態で一全く陸の孤島というような姿でありますが、バス路線の開設の見通しはあるのか、また常磐線の運行について輸送力増強のために国鉄との話し合いは行われているかどうか、この二つを伺っておきたいのであります。
○下浦政府委員 御指摘のとおり、私どもが位置をいたします団地は、中心地からも十キロ程度離れておりますし、牛久の駅からも八キロ程度ということでございます。したがいまして、ただいま農林省におきましてバス二台を購入いたしまして、通勤時に職員の送り迎えを行っているというのが現状でございます。ただ、昭和五十二年度に予定されております移転機関が移転をいたしますと、職員数が相当に増加をしてまいります。農林省のバスでは対応できないというような状況にも相なるわけでございますので、私どもは営業バス路線を農林研究団地に早期に乗り入れてくれるように関係機関に要望をいたしておりまして、現在、農林研究団地と公務員住宅、それから農林研究団地と常磐線牛久駅を結ぶバス路線の開設につきまして準備が進められているというふうに聞いております。 それから常磐線の問題につきましても、いろいろと電路関係でネック等もあるようでございますが、これは始終折衝を行っております。
○山原委員 人事院の給与局長お見えくださっておりますが、筑波移転手当の問題でございます。 現在、移転職員については八%の手当がついておるようでありますが、これは移転促進のためにつくられた性格を持っておるかもしれませんけれども、現地採用者についてはついておりません。そこで、同じ職場で働き、同じ研究機関におる者がこういう事態になるということは決して好ましいことではないわけです。そこで、地元の方たちがどういう仕事あるいはどれだけおるかということをつぶさにはわかりませんが、農林省関係だけでも、事務あるいは圃場管理あるいは動物管理などに地元の方たちが採用されておるようでありますけれども、その数は今後相当数に上っていくのではなかろうかと思うのです。また、筑波大学等にも三百人ぐらいの方たちがおりますが、これが完全に差別されておるという実態、これは解決をされるお考えがあるのかというのが第一点です。同じ地元の方であっても幹部職員、たとえば三等級以上の研究員、あるいは四等級の係長、課長補佐、課長には、同じ現地で採用された方にも移転手当がついておると聞くわけでございますが、こういう状態は決して正常な姿ではないと私は思いますけれども、これは解決されるお考えですか。
○茨木政府委員 お答え申し上げます。 先生がただいまおっしゃられましたように、筑波研究学園都市への移転手当でございますが、これは移転を円滑にするという趣旨からでございますので、その他の地域から移転をしていきます者に対する手当が主になっております。ただ、研究の根幹をなすような職員で、他の地区から新規採用をしてそこに持っていかないといかぬというような方で、いまの条項に該当しない方については、権衡職員ということで救済をするという処置は、いま御指摘のとおり講じておるわけでございます。ただ、現地で採用されますような職員でございますと、御案内のように、その周辺に食糧事務所でございますとか、法務局の出先機関でございますとか、学校でございますとか、そういうものが混在いたしておりますので、そういうような方々に波及するような形で、いわば地域給のような形でそれが転嫁されますことについては、やはり一線を引かざるを得ないというような問題がございますので、そういう職員につきましては、権衡職員としての取り扱いをすることは当初から避けるという方針できておりますので、現在もいたしておりません。 それから、御指摘のような管理職系統の特殊なものについてということにつきましても、現地で採用できますような方についてはそれは適用しないという考え方で、どうしてもよそから持っていかざるを得ないというような者に限ってやるという考え方をいたしておりまして、現在も三名程度のごくわずかな人数しかおらないようでございます。
○山原委員 もともと筑波移転という点から考えまして、いわゆる筑波手当という、新しい研究学園都市をつくるという立場での手当の要求があったと聞いているわけでございますが、この問題について、そういう立場でこの手当問題を検討していくという余地は持っておりますか。
○茨木政府委員 四十六年当時、給与法の一部改正をお願い申し上げて、そういう条項が入ったのでございますが、その当時いろいろ論議されました際にも、研究学園都市という特殊なものができるということで、しかも政府の政策としてやるということで、そういう根幹になる人々の移転促進という観点から入りましたものですから、先ほど御答弁申し上げましたような機関との権衡問題が大変論議されまして、そういう既存の筑波地区にすでに入っております機関にそのままそれが転嫁するような形の制度ということはやはり避けなければいかぬだろうということで、当初からそういうような方針を立てまして、この手当が設けられたように私は承知いたしております。
○山原委員 この問題での最後に、長谷川農林大臣臨時代理に伺いたいのですが、いま私が幾つかお聞きしましたように、実際に移転をしていく職員の方たちがおられるわけです。この法律がここで決まれば、また法律的な立場からも移転をされるという状態の中で、実際に現地の情勢というのはまさに実情に合わない状態なんですね。最初の計画からいいましても、学校もなければ、あるいは交通機関も公共交通機関が全くないとか、医療機関も全くこれからだというような事態で、職員の処遇の問題についても大変問題が残っているわけでございますが、しかし、現実にはあそこへ行って日本の学術研究を発展させなければならぬという任務を持った人たちが行くわけです。そういう点で、余りにも貧弱な体制ではないかということで私は幾つか申し上げたわけでございますが、こういう問題について、本当に責任を持って対処していくというような体制がいまないように思うのです。その点について大臣の私の質問を聞きましての所感をお伺いいたしまして、これに対する対策をしっかりと立てていただきたいと思いますが、いかがですか。
○長谷川国務大臣 先ほどからの御質問は、当初計画したとおりであります。したがって、逐次人口増によってその施設が行われていく。いま四つ学校をつくるんだからといって、入学者のないところへ学校を四つつくったところで価値のないことでありまして、大体十万都市になるという想定で、その場合にはこうつくるんでございますという想定であります。でありますから、人口増に従って——医療機関もそのとおりであり、道路の問題、交通の問題、こういう問題は逐次人口増によって軌道に乗っていくところであります。また、軌道に乗る前に、いま農林省では、申し上げたように、農林省としてバスを買い上げて、交通の便を図っておるというのが実態であります。しかし、これは人口増によって逐次解消されて、すべてのものが完璧を期されていくというようなことになっておるのであります。
○山原委員 最後に、そのいまのお考えに少し反論をしておきたいのです。 人口がふえれば、それに基づいて学校を建てるという、それは確かに一面を持っています。けれども、先ほど言いましたように、筑波研究学園都市をつくる基本方針の中には、必要な施設の先行的整備です。まさに人々が行けるような状態をつくって、そこを整備していく。そして初めて人口もふえる。やむを得ず移転できない人が出てくるというようなことがないような情勢をつくるということが国の責務であり、また、この問題を検討する上で当初から基本的な方針として出ているわけですから、人が行ってそれから学校をつくるのじゃないのです。どこの国だって、そういうものをつくる場合には先に福祉施設、教育施設をつくって、そこへ移動していくということですね。それが余りにも逆になっておるから、私はもう何遍も繰り返しておるわけでして、その点は大臣も閣僚の一員として理解をしていただきたいというふうに思います。 次に、もう時間がありませんから、農林省に対しまして、三月八日に私は台湾ショウガの輸入の問題について質問いたしました。その後農林省の見解を聞きますと、これらの問題については昭和六十年度までに自給率を高める、品質も向上させるというお話であったわけです。ところが、四月二十四日の共同通信によりますと、ショウガの卸売価格が昨年の二倍になっておりまして、卸売業者の方たちからも、ことしに入ってからショウガの値段が何回も値上げされ、現在十キロ当たり四千三百円と昨年の二倍高となっておるという声が出ております。これは協同漬物の御意見でございますが、すし屋の例を見ましても、もろに影響を受けまして、二百海里時代で魚が高いのにショウガまで値上がりをする、頭の痛い話であると嘆いておるのが実情でございます。このショウガ高に目をつけた大きな商社が、台湾産に比較しまして割安で、数量も見込めるフィリピンなど新興産地での開発輸入に積極的になってきております。たとえば安宅産業はダバオで三年前から試験栽培をしてまいりましたが、ことしは千五百トン、昨年は二百トンでございますから、大幅に上回るショウガの輸入を計画をいたしております。もっとも、安宅産業が伊藤忠商事との合併後は日綿実業が窓口となりまして、つけものメーカーの西出食品、これは本社は大阪にございますが、ここが一手輸入加工販売に乗り出すという体制をとっております。また、蝶理も食品部門の強化を図るため、来年三月末までにはフィリピン産のショウガを九百トンから千八百トン輸入する計画を進めておると報じておるのでございますが、この実態を農林省はつかんでおりますか。
○杉山政府委員 ショウガの生産は、年々の需要が伸びてまいりましたために、四十九年ごろまではこれに伴ってふえてまいったわけでございます。ところが五十年、五十一年、これは気象の関係もございまして減産になりました。数量で申し上げますと、国内生産は四十九年は八万八千トンでございましたのが、五十年には五万六千トン、五十一年はやや回復いたしましたが六万二千トンということになっております。需要が堅調なものでございますから、この不足分をよそからの輸入で補うということで、従来も台湾産が主として輸入されておったのでございますが、その輸入の量がふえてまいっております。四十九年が二万四千トン、五十年が二万七千トン、五十一年が二万八千トン、全体として生産の減ほどは輸入がふえておりませんので、やはり供給不足という状況がございます。そういうような関係から、最近価格も若干高目に推移しておるということでございます。 価格の問題につきましては、私ども何といってもやはり国内の生産体制を整備して供給をふやすということが第一であろうかと思っております。そこで、各種の振興対策、これは構造改善事業を初め団地の整備事業そのほかいろいろ対策を講じておるわけでございますが、その中で地域的にショウガも拾い上げていくということを考えております。 それから、その輸入に関連いたしまして、従来はほとんど台湾産が輸入されておりましたが、台湾では供給が賄い切れないというようなことから、委託を受けて商社が一部フィリピンからも輸入をするというようなことが出てまいっております。数量的には全体の輸入量二万七、八千トンの中で数百トン、多くなっても千トンそこそこであろうかということで、特別大きな割合を占めておるわけではございませんが、今後どうかということについて、私どもも関係方面に事情を聞きましたところ、品質から言えば国内のものが何といっても一番いい、それから、落ちるとはいってもその次に台湾のものが使える、フィリピンのものは品質的に劣るし、栽培技術的にもいろいろ問題が多い、台湾から入らないからいまはフィリピンにも求めているけれども、どうも具体的に開発輸入とか、積極的に大々的に輸入する意図はないというように聞いております。
○山原委員 そういう点で私は農林省の甘さを指摘したいと思うのです。私は、この共同通信の記事につきまして、これを発表しました共同通信の大阪支社へ問い合わせをしたのです。そうしますと、これは大阪支社の共同通信の経済部のデスクでありますが、この記事についてはそのとおりだ、記事のとおりだ、実際に記者がその本社、安宅、蝶理に行って聞いてきたものであって間違いはないと言っているのです。そして数量まで出しているわけですね。そうして開発輸入をやるという積極的な体制を持っているということが発表されているわけでございまして、どなたにお聞きになったか知りませんけれども、こういう商社の動きについてはかなり敏感で、しかも正確な資料を得ていただかないと困ると思います。 実際に九州、四国のショウガ生産業者が、結局日本の農業特産物がつぶされるのは、よその国から来るものかと思っておると、実際には日本の商社が開発してそれを持ち込んでくる。こういう形で、商社はもうけるかもしれないが、日本の農業がつぶれていく、これがいままでもあるわけですね。そういう商社の動きについて実際に農林省が正確な資料をつかまなければ、ただ問い合わせて、お伺いをして、いやそうではございません、ショウガが少なくなったから業者の委託を受けてやっているんだということじゃないのです。三年前から栽培をしているのです。これを規制をするとか、あるいは関税の問題についても率を上げるとかいうようなことをしないと、結局土壇場になったときに日本の特産物の生産農民がつぶれていく、こういうこととして私は指摘をしております。だから、この問題についてはぜひ調査をしていただきたいと思います。この点、これは農林大臣にお伺いするよりも局長にお伺いしたいと思いますが、農林大臣の見解をぜひこの際お聞きしたいのです。どうでしょうか。
○長谷川国務大臣 国内生産の奨励が第一番でありまして、ただあちらから入れているのは塩蔵、塩につけまして持ってきているものでございまして、わが国にフィリピンでつくったものを生で入れようといたしましても、植物防疫という観点があって、これをそのまま入れることはでき得ないのです。植物防疫というものは厳重でございますので、この厳重な検査をして、何年間という間、日本国内に入れてもその病原は絶対ないんだという見きわめがつくまでは入れることができ得ないのです。現在入れているのは塩蔵、塩でつけたものが入っているという程度でございます。御指摘のとおり国内生産というものが第一義でありまして、もちろんそれらに対しては、奨励しているこの意図に合わなければ、私の方は御指摘のような点について今後十分考慮していく考え方でございます。
○山原委員 調査もしてください。
○長谷川国務大臣 もちろん調査をいたします。
○山原委員 最後に、恐縮ですが一間だけ申し上げまして私の質問を終わります。 一つは、先ほども大臣の方からビニールハウスのものがありましたけれども、灰色カビの問題です。この被害が非常に大きな問題になりつつあるわけでございまして、キュウリ、ピーマン、ナス、トマト——たとえばナスでいいますと、高知県の県庁の調査によりましても、昨年の四月から一年間に二百四十四ヘクタール、九百七十六トンに被害の出ておるわけでございますが、この灰色カビの防除の問題であります。 いままでスフレックスが一番効果があったと言われておるのであります。ところが、このスフレックスの使用については五、六年前に禁止をされました。その理由は、毒性検査の判定が出ないということであったわけですが、結局現在スミレックスとかあるいはロブラール、SW五〇〇一、BAS三五二〇四Fというような薬品が開発されておると聞くのでありますけれども、結局スミレックスの場合でも、許可申請を出しておるという状態でございます。まだ判定には二、三年かかるのではないかというようなことで、結局現状で各県は困っているわけですね。そういう中で農林省の方では、スフレックスは菌核病の薬だと言い、しかし、スフレックスはニラの菌核病とピーマン、ナス、キュウリの灰色カビに効果があるというふうにまた農民も考えているわけでございますが、結局ほかにないものですからスフレックスを使いたい、だから、禁止されているスフレックスを、残り物を集めまして、そしてそれが販売をされている。現状は、販売されていた当時の値段が二百グラムが七百円であったのが、本年は同じ二百グラムが何と三万円になっているわけです。去年は四万ないし五万いたしておりました。それでも農民は買い求めるという状態でございまして、これが大変な事態を生んでおるわけでございます。結局こういう状態が続いており、あるところでは暴力団の資金源になっておるとか、あるいは白いダイヤモンドであるとかいうふうに呼ばれる事態が起こっておるのでございますが、農林省は早くこのスフレックスにかわるものを開発すべきであると思います。そうでなければ、やみの売買がいつまでも続くわけでございますが、これに対する対策が立てられておるかどうか、最後に伺いたいのであります。
○堀川政府委員 先生御指摘のスフレックスは昭和四十八年に製造を中止しておりまして、これにかわる薬の開発の問題でございますが、現在これにかわる薬として目下開発中のものが二つございます。これについてはさっき先生も名前を挙げたわけでございますけれども、これはまだ使ってはおりませんので、農薬として登録されておりませんので、早ければ今年じゅうに登録申請が出てくるということでございます。従来の試験成績データを整理をし、毒性についても大体問題ないということにならないと登録になりません。申請があるとすればこの秋から年内に早ければ出てくるだろう、一刻も早く出てきて、それが安全な薬として使われるものであってほしい、私どもこういうふうに思っておるわけでございます。
○山原委員 終わります。
○正示委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○正示委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○正示委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○正示委員長 ただいま可決いたしました本案に対し、木野晴夫君、木原実君、鈴切康雄君及び加地和君から附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。木原実君。
○木原委員 ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議及び新自由クラブの各派共同提案に係る附帯決議案につきまして、提案者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 農林省設置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、筑波研究学園都市の建設の趣旨にかんがみ、試験研究の積極的かつ円滑な推進が図られるよう、試験研究体制の整備充実を図るとともに、生活環境の整備、勤務条件の改善等についても一層努力すべきである。 右決議する。 本附帯決議案の趣旨につきましては、先ほど来の当委員会における質疑を通じましてすでに明らかになっておることと存じます。 よろしく御賛成をお願い申し上げます。
○正示委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議に対し、別に発言の申し出もありませんので、これより採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○正示委員長 起立総員。よって、木野晴夫君外三名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、農林大臣から発言の申し出がありますので、これを許します。長谷川農林大臣臨時代理。
○長谷川国務大臣 ただいま農林省設置法の一部を改正する法律案につきまして、慎重な御審議の結果、御可決いただきまして、まことにありがとうございました。 私といたしましても、本委員会における審議内容を十分尊重いたしまして、農林水産業に関する試験研究の整備、水産行政の強化’農林省に与えられた任務の遂行に全力を尽くす所存でございます。 また、ただいま御決定になりました附帯決議の御趣旨を尊重いたしまして善処してまいりたいと存じます。まことにありがとうございました。(拍手) —————————————
○正示委員長 なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○正示委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○正示委員長 次回は、来る三十四日火曜日午前十時理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時五十四分散会 ————◇—————