内閣委員会 第16号
- 発言数
- 293 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/05/19
会議録
○正示委員長 これより会議を開きます。 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。近藤鉄雄君。
○近藤委員 昨日、参議院におきまして沖繩地籍明確化に関する法律が通ったようでございます。当委員会でもわれわれ議論いたしまして参議院に送ったわけでございますが、いろいろ伝え聞くところによりますと、途中でいろいろな問題があったようでございますけれども、無事昨日通りましたことに対しまして、大変御苦労されました三原防衛庁長官並びに防衛庁、施設庁、沖繩開発庁の皆さんに御苦労を心から謝すると同時に、この法案に基づいて沖繩の地籍が明確になり、そしてあえて申しますが、沖繩の基地が住民の理解と協力のもとに安定的に使用されるようにさらに一層の御努力をお願いいたしたいと思います。 国家の安全保障、防衛というのは私たち政治家にとって取り上げなければならない最も重大な問題の一つであると思いますが、三原長官はかつて防衛政務次官をされたり内閣委員長をおやりになったり、その他いろいろな機会にこの防衛の問題について非常に努力してこられた方でございます。この三原先生を防衛庁長官に持ったことを私たちは心からうれしく思うわけでございますが、長官として十分識見を発揮されて所要の責任を果たされることをお願い申し上げる次第でございます。 特に、最近いろいろ日本をめぐる周辺の状況、また世界の状況が大きく動いておりますし、実は私たち大変な関心を持っております日ソ漁業交渉におきましても、一時は何とか妥協がついたように思っておったわけでございますが、けさの新聞によりますと、これもまた急遽向こうの出方で暗礁に乗り上げたというようなことが報ぜられております。こういう日ソ漁業交渉なども見て、国民の一部だとは思いますが、やはり武力がない外交というものはしょせんこんなことしかできないんだ、領土問題一つ解決するにいたしましても、日本はもっともっと防衛力、武力を強化していかなければならない、こういうような激しい議論も実は国民の中に起こりつつあるのが現状でございます。こういう国民的な感情の高まりの中で、あえてまず最初に防衛庁長官にお伺いしたいわけでございますが、一体三原長官はどういうような所信で、どのような態度で職務に処していかれようとされるのか、御意見を承っておきたいと思います。
○三原国務大臣 ただいま時局についての情勢判断のもとに、特に日ソ漁業交渉の現段階における北洋における状況等を憂慮なさっての御質問でございます。そして、防衛庁として、こうした情勢の中でどういう考え方のもとに進もうといたしておるかという御質問でございますが、私ども日本の防衛につきましては、あくまでも新憲法下における防衛の任務という立場を常に踏まえてまいらねばならぬと考えておるわけでございます。したがいまして、現在の情勢下において、特にこの機をとらえて防衛力を強化しようということは考えておりません。先般御決定を願いました防衛計画大綱に基づきまして、防衛力を国民の理解と協力を得て整備してまいりたいという考え方で進んでおるわけでございます。しかし、国民に不安をかけてはならないという事態でございますので、そういう点、北洋の状態等を注視しながら、しかし、あくまでもいま申し上げました基本的な国の姿勢なりあるいは防衛計画そのものをいま変えて対処しなければならぬという考え方には立っていないところでございます。
○近藤委員 長官のお話にもございましたように、昨年防衛計画の大綱が閣議決定を見たわけでございますが、この防衛計画の大綱が出て、これまでは一次、二次、三次、四次と防衛力が漸増しておったのが、大綱によっては必ずしもそういうことではないのじゃないか一言ってみれば、現在の防衛力だけでもういいんだというような感じに国民が受け取っている向きもあると思うわけでございます。防衛庁長官、また防衛庁の皆さんのお考えはそうではないと思うわけでございますが、従来の第何次防衛計画というものと、それから今度の防衛計画大綱との関係について少し御説明いただきたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 ただいま先生から、従来の防衛計画と今度の防衛計画の大綱との違いについて説明しろという御質問でございましたので、第一次防衛力整備計画から四次防に至りました経過を簡単に御説明申し上げたいと思います。 御承知のように、自衛隊が発足いたしました当時は、艦艇それから陸上の装備にいたしましてもほとんどのものが米側からもらったもので発足をいたしたわけでございます。したがいまして、この防衛力整備に当たりましては、毎年度の予算でやっていくという場当たり的なものではなく、一つの整備計画というものをつくるべきであるという議論が自衛隊の発足と同時に起こっておりまして、最初の五年間の計画につきましては、将来わが国が持つべき防衛力というものがどういうものであるかということがまだはっきり輪郭が描けないような状況であったわけでございます。したがいまして、一次防におきましては、将来どのような防衛力になるにいたしましても、とりあえずその骨幹となるべきものを持とうということで、十八万の陸上自衛隊、十二万四千トン、それから約一千三百機という航空自衛隊、そういう形で最初の目標を設定いたしまして努力をしたわけでございます。 二次防になりまして非常にはっきりいたしましたのは、日本の持つ防衛力というものは核戦力を含めたものではなく、通常兵力に対処できるようなものであるというような考え方のもとに、できるだけ国産という方向、もらっているものだけによるのではなく、そういった日本の防衛力として必要なものを模索しながらこういうものをつくっていこうというのが二次防の考え方であったわけでございます。したがいまして、二次防のときも五年後にはこういうものを持ちたいということで、当時の大きなものといたしましては、新しい戦闘機、それを運用するために必要なバッジシステム、そういったものが中心になっておったわけでございます。 三次防になりまして、御承知のようにわが国が非常に高度経済成長の時期に入ってまいりまして、いろいろな観点からいわゆる防衛生産力というものの力をつけまして、自前の防衛力を持つべきであるという判断のもとに、日本の防衛力としてふさわしい装備品の調達という方向に出てまいりまして、その時点ごろから日本が通常兵力による脅威というものは一体どういうものであろうか、それに対処する力としてはどういうものが必要であるかという観点から、将来の目標ははっきりどれぐらいという算定はできなかったわけでございますが、とりあえず五カ年間にこの程度のものということで三次防、四次防をやってまいったわけでございます。しかし一方におきまして、御承知のように四次防は計画を必ずしも十分達成できないような状況で終わりました。その理由の中には、一つには経済的な問題もございましたが、同時にまた、自衛隊の力、防衛力というものが脅威に対処するという形でいきますと、脅威そのものの算定自体もむずかしい問題でございますし、またその推定される脅威というものもかなり変動的でございます。また四次防のときに非常に問題になりましたのは、一方の面から見まして一体日本の防衛力というものはどこまで大きくなるのであろうかといった不安が国民の中に生まれたのも事実でございます。したがいまして、私どもといたしましては現在のような国際情勢、日本のような平和な状況が続く限り、あるいはこういうものを前提とした場合に、最も均衡のとれた、しかも完結性のある防衛力はどういうものであろうかというところから基盤的防衛力という考え方を打ち出したわけでございます。これは、小さくても、あるいは考えられる脅威に対して直ちにすべて対処できるという完全な能力を持っていないにしても、予想される脅威の中で、ある一つのきわめて現実的な脅威に対しては直ちに対処できるようなものであり、しかもそれが完結性を持ったものであって直ちに機能できるものという考え方のもとに基盤的防衛力の構想を打ち出し、それを防衛計画の大綱という形でお決めいただいたというのが従来の経緯でございます。
○近藤委員 実は私も基盤的防衛力というのを必ずしもよく理解できないのでありますが、いまお話があったのですが、いわゆる基盤的防衛力とここにありまして、端的に言いますと、現在の自衛隊の持っている防衛力というのはこの防衛計画の大綱の中で言われているのが基盤的防衛力の水準であるというふうに考えるとしますと、一体その基盤的防衛力の何割を現在達成したとわれわれは考えていいのでありますか。
○伊藤(圭)政府委員 基盤的防衛力は、御承知のように防衛力として必要な各種の機能を備え、平時におきましては警戒態勢なども十分にとれ、そして限定された小規模の侵略までには直ちに対処できるというのが目標でございます。そういう観点からいたしますと、四次防の時点で整備されましたもので一応対応できるということでございましたけれども、なお欠落している機能というのもございます。たとえば昨年のミグ事件のときの一つの反省にございますAEWというような問題がございます。そういった意味の情報機能、あるいは艦艇等につきましても現在四群の編成をいたしておりますけれども、これが完全な形の四群という内容には至っていないという問題もございます。それから潜水艦の防衛構想にいたしましても、現在持っております十四隻ではなお足りないというようなところもございます。したがいまして、そういうものを全部早急に、できるだけ早い期間で整備したいというのが私どもの考えでございますが、まず四次防までの達成状況の反省といたしましては、やはり海上自衛隊におきます艦艇等がどうしてもおくれてまいりました。したがいまして、ある意味におきましては陸上自衛隊あるいは航空自衛隊は八割程度行ったのではないかといった大まかな判断もできるわけでございますが、海上自衛隊についてはそれよりもう少し遅いテンポで進んでいるというのが私どもの認識でございます。
○近藤委員 まだよくわからぬのですが、端的に言って何割達成しているというふうに考えていいですか。
○伊藤(圭)政府委員 完全にこれが何割だというふうには申し上げにくいわけでございますけれども、いままでの計画の達成の状況からいたしまして、陸と空につきましては八割かあるいはそれを少し超えるぐらいのところかなという感じでございます。海上自衛隊につきましては七割かそれを少し割るのかなという感じでございます。
○近藤委員 議論が抽象的で進みませんが、たとえば基盤的防衛力をわが国が達成したとしますね。そうすると自来毎年毎年の防衛予算というのは、人件費とか基地の維持費とか、あとは取りかえ費だけでいい、こういうふうに考えていいのですか。
○伊藤(圭)政府委員 勢力的には四次防の時点で一応概成したということになっております。そういった点の足りないところを私どもが仮に試算いたしますと、そのために必要な費用というのは三千億とか五千億あればその欠落部分というのはいけると思います。しかし、同時にまた、その背景をなします抗たん性の問題、こういったものを詳細に詰めますとさらにまた必要な金になると思いますが、いまおっしゃいましたように一応概成いたしておりますので、残りの部分が達成されましたときには計画的な更新というような形で今後の防衛力整備計画は進んでまいると考えております。
○近藤委員 逆に世界の軍備の状況は年々進んでいるわけですね。米ソもそうでしょうし、朝鮮半島においてもそうかもしれませんし、世界的にそうだ。そういうふうに考えますと、われわれが一定水準の基盤的防衛力というものを持ってこれが基盤的防衛力でございます。達成できましたと言って安閑としていいものなんでしょうか。
○伊藤(圭)政府委員 その安閑としていいということにつきましてはいろいろな考え方があると思います。しかしながら、私どもが世界の軍事力の趨勢を見ておりますと、たとえば核戦力といったものにつきましても、ソ連は非常に増強いたしておりますが、アメリカは過去十年ぐらい量的な増強はなくて質的な向上を図っているわけでございます。そしてまた朝鮮半島のように敵対している国家はそれなりに増強いたしておりますが、一般的な傾向といたしましては、特に軍事力というものを増強するというものではなく、現在維持されている軍事力を質的に向上させるというのが一つのねらいであろうと思います。ただ、その一つの例外といたしましては、ソ連の海軍力がここ十年ぐらいの間にきわめて大きく増強されているという実情はございます。
○近藤委員 私は防衛庁長官にも聞いていただきたいのですが、基盤的防衛力という考え方自体はいいと思うのですけれども、ややもしますとこの程度の水準ということでわれわれそれを静的にとらえてしまうわけですよ。従来の二次防、三次防、四次防という形ですと、一応目標を目指して上がっていく感じがしますね。ただ基盤的防衛力という観念が出てきますと、そこに達成したらそれでいいんだというので、世界の情勢がどう変わろうが基盤的防衛力はいいんだということになってしまっては困るので、私はあえて防衛庁当局にお願いしたいのでありますが、基盤的防衛力自身がもっともっとダイナミックな観念であって、相対的なものでもあり、しかもいまお話のあった世界のいろいろな軍事技術の革新、進歩につれてどんどん内容が高度化していくということでないと、いまおっしゃった核侵略は排除しますけれども、ある程度の局地的な小規模侵略に対応できるということ自身も達成不可能になるのじゃないか、私はこういうふうに考えるのですが、どうでしょう。
○伊藤(圭)政府委員 いま先生がおっしゃいましたのはまさにそのとおりでございまして、私どもも現在の基盤的防衛力は金科玉条だというふうには考えておりません。しかしながら、過去の私どもの防衛力整備の計画の実施状況を見てまいりますと、いろいろな意味で制約もございましたし、また自衛隊の中の問題もあったわけでございます。たとえば、金をかけて兵器をどんどん増強しましても、これに伴う要員の養成というような問題もございます。また一方に、その人を得られないというような問題あるいは基地の確保の問題、いろいろな問題があったわけでございます。したがいまして、いままで、四次防までは確かに一つの目標というものよりは、いわゆる漸増するということに意味があったわけでございますけれども、現在私どもの自衛隊として最初に達成すべきものは、こういった基盤的防衛力というものを一つの目標にして、厚みのある防衛力といたしまして、その時点においてまた国際情勢を見直しながらいくということも考えられるわけでございますが、現在におきましてはそういった基盤的防衛力を達成して、そしてそれによって平和が維持されるであろうという一つの判断があるわけでございます。そういったことに努力する状況が許容されるような国際情勢であるという判断がもちろんその前提にはあるわけでございまして、その国際情勢の変化というものは、これは常に一張一弛があるわけでございますから、それを見ながら基盤的防衛力の後のことを考えていくべきであろうというふうに考えておるわけでございます。
○近藤委員 日本が必要とする防衛力、防衛力整備計画というものがGNPの一%以内で達成できるというふうにわれわれはいろいろこれまでも考えてきたわけでございますし、国会等でもこのことはしばしば議論になりましたし、また前坂田長官のときに大体一%程度というようなことになったというふうに私は解釈しておったのでありますが、先年の閣議決定で一%以内というふうにまた若干下げられて、さらに現実に五十二年度の防衛予算を拝見いたしますと、これがさらに下がって〇・八八%ですか、〇・一一%食い込んでいるわけです。そこで、GNPの一%程度にしても以内にしても、それを防衛に配備する場合、国際情勢その他で決まってくる防衛力というのは非常にもっとダイナミックなものなんです。一%ということと一致するということは、これはもうまさに偶然の一致以外の何物でもないんで、客観的もしくは科学的な根拠は全くないと思うんです。しかし片一方で、日本のいろいろな国民感情とか政治情勢から見ると、それを超えるということはむずかしいとすれば、もうこれは予算も通ってしまったことでありますから、私があえていまここでどうこう言っても仕方がないかもしれませんが、私が防衛庁長官を初め防衛庁の幹部にあえてこの際ですけれども申し上げたいのは、なぜこの一%以下、しかも〇・一二%までダウンして〇・八八%でがまんされたか、こういうことなんであります。 もっと言いますと、現在日本経済は非常な不況になっているわけです。不況になっておって、いろいろ公共事業等で景気を促進しようと言っているわけでありますが、公共事業だけで景気を促進するというのには、やはり日本のような産業経済国家においては限度がございます。逆に、何も不況対策としてめちゃめちゃ軍備をしろというような暴論を私は言っておるわけじゃありませんが、しかしやはりある程度必要な、いまお話があったような防衛計画の水準に早く進むことも望ましいし、四次防を見ても大幅におくれていると考えるのでありますが、そういうことであれば、むしろこの際は、防衛当局としても遠慮しないで、一%に近い予算を組んで大蔵省に納得させるべきであったのじゃないか。決してこれによって景気対策すべてを解決しようとは思いませんが、しかし不況のときにおくれている防衛力整備をしておく、そして好況になったら、場合によっては若干控えて経済全体の加熱を抑えるということも、私は賢明な財政政策の一環ですらあるというふうに考えるのでありますが、この問題についてしかるべき担当の方の御答弁を承りたいと思います。
○原政府委員 ただいまのお話でございます。確かに一%程度というのと一%を超えないことをめどとする、そういうことがあったわけでございますが、現実に五十二年度の予算は〇・九であったのが〇・八八になった。実はこの予算折衝をするときに、一体来年のGNPが正確に幾らになるかというのが、実は単年度として見ればこれは非常にわからない。したがって、私は、GNP比率というのは長期の一つの目標という話として考えますと、それは資源配分の全体のお話からすれば非常に意味がある。たとえば五十一年度は確かに〇・九になっております。その前の年は幾らであったかというと〇・八四なんです。〇・八四が〇・九に上がりまして、それで中身として非常によかったかといいますと、これは人件費でふえた。物件費は六%しかふえていない。五十二年度の予算折衝をする際に、私どもはやはり、この人件費がいま防衛関係費の中では五十一年度は五六%になっている、とにかくこれはちょっと人件費が多過ぎて装備に金がかけられぬので、その人件費のウエートを下げて、物件費のウエートをふやすことがやはりこれからの話として最大のあれであるというふうに考えましたので、そこでいろいろ折衝をいたしまして、人件費の比率は若干下がることができました。で、予算は結局その中身は積み上げでございますので、一体何が中身としてあるかということのどうしても積み上げにならざるを得ないというところと、いまの長期的なGNP比率というのをどういうふうにあれするかというのがなかなかむずかしい問題だと私は思います。 それからもう一つ、ことしの五十二年度の予算についていいますれば、やはり建設国債か赤字国債かという議論が非常に強くございました。で、私どもは、要するに財政法の赤字国債の部類の行政だ、そういう前提もございましたものですから、そうすると、一般行政経費の伸びというのは確かに非常に低かった、それとのバランスを大蔵省がおとりになったということでございます。だからそれ自体、財政法の考え方として、防衛費を建設国債で賄うのか赤字国債で賄うのかという議論が やはりあるわけでございます。まあ、これは国債を四十年に出しましたとき以来、国会では防衛費については建設国債で賄いません、そういうことが前提で、いまの国債が四十年から発行されたという事情がございますので、その点はある意味ではやむを得ないというふうに考えております。
○近藤委員 防衛費をGNPの一%程度に抑えるという、程度とするということの意味が、経理局長、まさにそこだと思うのですよ。GNPというのはこれから非常に変動しますからね。だから、一%以内になるかということで、あと結果的に、事務的にそれで切ったということになると問題になるとすれば、やはり一%に抑えたけれども、実際のGNPというのは事後的には変わってくるわけですからね。だから、若干一%の周辺で前後するということであっていいのであって、だからあえてそういうふうに抑えるということ、防衛予算というものを減らす必要はない。私はそこに一つの問題があると思うのです。 局長、時間がありませんので、一応言いたいことだけ申し上げますが、それからもう一点、いま赤字国債との関連が出ましたけれども、私はやはり、そういう財政当局の考え方はわからないわけじゃない。しかし現実にいま自衛隊が使っている、たとえば艦艇だとか戦車とか航空機にしてみても、十年、二十年、場合によっては三十年というものもあるわけですね。そうすると、学校を建てるにしても何をするにしても、二十年、三十年で償却するものもあるわけですから、片方がいわゆる建設国債でやって、こっちはそれに該当しないというのも、その耐用年数を考えますと、戦争が起こってしまったのではだめなんで、戦争が起こってしまったら学校だってビルだって全部吹っ飛んでしまうのですから、そういうことを考えると、少なくとも、純経済理論的には建設国債に入れていけないという理由は全くないと思うのですね。しかし、兵器だとか何かは消耗品であり、現実に寿命があっても、技術的な革新によっては陳腐化してしまうということで、耐用年数が航空機なんかは短いということはわかりますが、一歩下がっても、たとえば基地だとか施設関係だとか、それから基地周辺のいろいろな周辺整備のお金だとか、たとえば防音校舎をつくる補助金だとか、こういうものは、いわゆる学校をつくったり、道路をつくったり、橋をかけたりする公共事業と性格上は全く変わらないのですよ。たまたま防衛施設とか基地周辺という名前がつくだけなのですが、私は、艦艇だとか航空機については問題があるとしても、少なくともそういう一般の公共事業に類するようなものまで、これは防衛子算だから建設国債に該当しませんという形で計数整理をする仕方の中に、あえて長官に申し上げますけれども、この防衛予算というものを必ずしも前向きな位置づけじゃなしに、いかにもこれはネガティブな、極端に言えば後ろめたいものだからなというような考え方が、仮に防衛庁当局にはなくても財政当局にあったら問題だというふうに思うわけでありますので、どうかひとつ、きょうは大蔵省からも来ておりますが、時間がございませんから答弁は結構でございますが、そういうふうにやはり国家の安全保障というものを何かもうちょっとまともな、国家国民にとって大事なものだという形で考えていくということも、せっかく新長官非常な意欲で事に当たっていらっしゃるわけでありますので、今後御検討をいただきたい、かようにお願いいたします。 同時に、関連いたしますが、実は今回の防衛二法案の改正は、まさに定員増の問題でございますが、私はこの定員という考え方についてちょっとお聞きいたしたいわけでありますけれども、いわゆる陸上十八万、そして、海空それぞれ定員が決まっているわけでありますが、本当に日本が戦争に巻き込まれたときに、いま言われている定員で果たして国土防衛が可能なのかどうか。私は、これは非常に問題だと思うのであります。やはり十八万、そして海空合わせて二十六、七万ですか、そういう数字は平時における定員としては意味があると思うのでありますけれども、有事の場合に本当に二十五、六万の定員で日本の防衛が可能だと防衛当局は考えているのかどうか、まず承りたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 定員の問題につきましては、平時編成と、戦時編成といいますか有事編成というふうに分けては考えておりません。陸上自衛隊の定員の関係と海空の定員の意味合いというものは、私はおのずから違っていると思います。といいますのは、陸上自衛隊の定員といいますか、勢力というものは、やはり人間の力というものが一つの中心になっておりまして、十八万の定員というものがただいま定められておるわけでございますが、この十八万の定員の力によって国土防衛のすべてができるというふうには考えにくいわけでございます。といいますのは、よその国におきましても、それぞれの国の人口の比率につきましては、日本より多いところもありますし、たとえば豪州のようなところは、あれだけの大きな国土を持っていながら、陸上の兵力というのは三万程度でございます。それぞれの国の考え方もあると思いますけれども、やはり国土の防衛というものは、自衛官だけでやるというものではなく、国民全体の国を守るというものを反映しながら、自衛隊がその中核といいますか、その先頭に立って戦うという姿であろうと思います。したがいまして、定員的にどうこうという問題でなくて、自衛隊が発足当時から一番問題になっておりましたのは、予備勢力というものが足りないではないか、すなわち国民全体として抵抗の意思を示す力において欠けているかという問題がございました。これは予備自衛官制度というような形でできるだけの努力はいたしておりますけれども、この問題は国家全体の安全保障の中で考えていただく問題だろうと思いますが、私どもは陸上自衛隊の十八万あるいは海空のそれぞれの艦艇、航空機、それに伴う自衛官、その力において必要最小限の防衛力というものを確保していくという考え方に立っているわけでございます。
○近藤委員 防衛局長のお話もあったように、私はやはり国土防衛というのは単に十八万もしくは二十六、七万のプロの自衛官だけが行うべきことではないので、あえて長官に申し上げますけれども、私が防衛庁でやっていらっしゃることをわきで見ていて非常に心配いたしますのは、日本の自衛隊というのは、日本の国土で戦わなくてもいいので、たとえば朝鮮半島、シベリア、満州、中国、どこででも戦い得るような体制になっておる。言いかえますと、外の国で戦う軍隊と日本の国内で戦う軍隊と、おのずから違うのです。現実に日本の国内で戦う場合には、言葉が全部通じますし、同じ顔です。それから、日本を愛する愛国的な国民の中で戦うわけでありますから、したがって、いろいろな関連する活動を国民にお願いすべきだと思うのです。たとえば食糧を出してもらうとか、救護をしてもらうとか、場合によっては若干諜報を持ってきてもらうとか、かくまってもらうとか、最後には一緒になって武器をとって戦ってもらうとか、さらには今度は後方撹乱でゲリラをやってもらうとか、そういうことができるかできないかがまさに国土防衛と外国において戦うのとの大きな違いですから、それはいまの自衛隊みたいに、予備自衛隊といったってたかだか三万九千かそこらでしょう。そんなわずかなものじゃなしに、一億一千万全部じゃないですが、とにかく成年の男子なんかも一たん緩急あるときは一緒に協力していくのだという、そういう体制をお考えいただかないといけないし、そういう体制を日本の自衛隊が持つことによって、まさにこれは国土防衛軍であって他国の侵略の意思は全くないのだ——単独で戦えないのですから。これはいろいろな政治的な問題があって、こうお願いしてもなかなか簡単にできないと思いますけれども、これも新長官ひとつお考えをいただきたいと思うことであります。 そこで私は、ちょうど日本の予算の中で防衛費というものはGNPの一%程度にすると同じような発想で、平時における自衛隊の定員というものを、国民の総人口が一億一千万でありますけれども、この一%が百十万ですね。したがって四分の一%というのは二十七万五千だと思いますが、ですから、防衛費には一%充てましょう、そしてプロの自衛隊員は国民総人口の四分の一%を常時充てる、そこで、GNPの一%、国民総人口の四分の一%の資金力と人力によって、そしていろいろ考えられる最高の資金配分をしなさい、金を使いなさい、それから人的配分も、何も陸上自衛隊十八万、海空がそれぞれという形で線引きをしないで、この二十七万五千人の中で自衛隊が一番いい人的配置はどうかということをお考えになることがいいのじゃないかというふうに考えるわけであります。そういたしますと、むしろ端的に言って、陸上自衛隊というのは必ずしもプロの専門家でなくていいので、いま申しましたように、ある程度国民をいろいろな形で巻き込んでいく、協力をお願いしていくというのですから、少なくてもいいのであって、むしろ航空自衛隊とか海上自衛隊については、これは簡単に素人がちょっと短期の訓練では役に立ちませんから、本当にプロでなければならないような海とか空については大幅にプロを養成しておいて、そして陸上自衛隊については、幹部もしくはそういう始まった場合の民兵組織の核になるような人を養成していく、そういうこともこれからお考えになる必要があるんじゃないか。長官も私も選挙しておりますけれども、私も七万五千前回選挙で票を取ってまいりましたけれども、七万五千人の近鉄会会員を持っているわけじゃないんですね。若干少数精鋭を持っていて、それが選挙になると一斉に活動してくれて、七万五千なり八万という票を広げてくれるわけですから、そういうことをお考えいただきたいと思うんです。こういうふうにまさに陸、海、空に分けないで、国民総人口の四分の一%は常時プロとして訓練をしておく、しかし、それはあくまで有事定員の場合にはその外囲を考えていくというような発想を防衛庁としてお考えになるかどうか、しかるべき方から御答弁を承りたいと思います。
○三原国務大臣 私は、防衛力という点につきましては、その国の国民、そしてその国の土地、その国の資源、そうしたものが総合的に一体になって防衛体制が整備されることが防衛力だと考えておるのでございます。したがって、いまプロ的なということを申されましたが、平素訓練を受けました、教育を受けました、防衛、自衛の組織というようなものが先頭に立って、外部からの侵略に対して対抗するというようなことで、あくまでも国民に支えられた自衛隊でなくてはならないというのが、私の現在から将来に対しましての自衛隊強化整備の基本的な考え方でございます。それに対して、国民全体の中からまたひとつこれを支援する中間的な、そういう一%という一つの構想のもとに、そういうものを育ててはどうだという新しい貴重な御意見を拝聴いたしました。ひとつ貴重な御意見として、検討さしていただきたいと思う次第でございます。
○近藤委員 時間が余りありませんのでこの議論できませんが、私は繰り返し申しますが、二十六、七万で本当に日本の国土が有事の場合に防衛できると思わないのであります。ですから、平時定員と準有事定員と戦時定員みたいなことも必要ですし、たとえば、私が戦争が始まった場合にどうしても自衛隊に参加して戦いたいと思っても、定員の枠があって来てもらっても困りますというようなことでも困りますし、また一般の市民が武器を持ったら、これまた警察につかまってしまうようなことも困ります。たとえば戦死した場合に、全然そういうことに対する措置がないということも困るので、こういう平時のときですから、そんな有事のことを考えていろいろなことをするというのも国民感情を逆なでするような気持ちもわかりますが、少なくともそういういろんなことを考えた有事体制というものは、たまたま私は定員問題を取り上げたわけでございますが、その他きょうは国防会議の事務局長の久保さんお見えですけれども、いろいろ無限にあると思うんです。そういうことも私あえて申しますが、いっとき三矢研究というものが出て、それが国会で問題になって、自来どうも防衛庁の皆さんは、いささかそういう問題について触れないで来ておられるような感じがいたしますが、日本の防衛を全責任をもってお考えいただいている防衛庁の皆さんですから、少なくとも事務的な、可能性として何が必要かということをお進めいただくのは一向差し支えないので、ひとつその点勇気を持ってどんどん検討していただいて、それが具体的に法律になってここをやるということは、これは次の議論ですから、通すか通さないかということはわれわれ立法府側で議論いたしますけれども、事務的な態勢としていろいろなことをぜひひとつプロの責任においてお考えいただきたい、こういうふうに思うわけであります。 最後に、時間がございませんが、私、実はかねてからいろいろな機会にお話しをしていることがありますけれども、いわゆる非核三原則の問題について承りたいのであります。領海法十二海里との関連で非核三原則が問題になってまいりまして、先般国会を通りました領海法におきましても、本来ですと十二海里で三海峡もやるべきなんだけれども、そうなると領海になってしまって、その上を核積載艦が通る、こういうことだとすると、従来の非核三原則に抵触するからというような思惑もあって、現行のような領海法の政府原案になったというような話もあるわけでございますが、その議論の真偽はともかくとして、仮に領海を十二海里にして対馬海峡、津軽海峡、宗谷海峡をいわば締め切って、非核ブロックしてしまった場合に、米ソそれぞれ現実的な両国の核戦略が展開する場合にどのように困ると皆さんは考えていらっしゃるのか、承りたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 核戦略につきましては、それぞれ核大国でありますアメリカとソ連が、いろいろなことを考えておると思います。それを私どもが軽々に判断するわけにはまいりませんけれども、いずれにいたしましても、ソ連とアメリカというのは超二大国でございます。したがいまして、この二つの国につきましては、常に世界戦略というものを考えていると思います。したがいまして、この世界戦略を考えております二つの国にとりまして、軍事的な行動あるいは軍艦の行動、そういったものが何らかの形で制約されるということは、やはり軍事戦略上は好ましくないと考えているのは事実であろうと思います。こういったことが、日本の立場とは違う意味におきまして、世界のいわゆる国際海峡というものの自由通航を強く主張しております大国の原因の一つであろうというふうに私どもは判断いたしております。 そこで、日本の場合の五海峡の通過につきまして、一体ソ連とアメリカとどちらが困り、どちらが無関心だろうかということは、はっきり申し上げるということはなかなかむずかしいわけでございますが、地理的環境から申しまして、ソ連は御承知のように、現在沿岸防備の海軍力というものを外洋に活躍するための艦隊に変えつつございます。そしてまたその要請というものは、一つには戦略核を含めたいわゆる潜水艦等の行動の自由というものも、やはり重要な要素であろうと思います。といたしますと、御承知のように太平洋艦隊の司令部を持っておりますウラジオストクそれからソビエツカヤ・ガワニといったような重要な基地、ペトロを除きまして太平洋に面しているところはないわけでございますので、そういった意味から申しますと、ソ連の艦艇が太平洋で活躍するためには、どうしてもどこかの海峡を通らなければならないということになりますので、自由な通航というものはきわめて重要な要素であろうというふうには考えられます。 一方アメリカにとりましては、仮にポラリス等の戦略核の問題からいたしますと、日本海という中に入る必要はないというふうにも考えられますし、またああいう狭い海域の中での作戦というものが、世界戦略から見てどれほどの大きな要素であるかということも推定いたしますと、やはりソ連にとっては非常にバイタルなものではないかというふうに考えられるわけてございます。
○近藤委員 よく非核三原則を破るのはアメリカであって、そのアメリカ政府と加担をしている日本政府がどうもぐるになってごまかしているのではないかというようなことを、きょうは野党の先輩も来ていますが、言われますが、私はいま防衛局長のお話のように、アメリカは非核三原則を破らなくたっていいのですけれども、仮にそういう形でブロックしてしまいますと、ソ連が困ると思うのです。ですから、今度の領海法のいろいろな議論なんかでもいろんな意見を発言しておりますけれども、私は何もああいう形にしなくてもよかったのではないかという気もいたしますが、それはそれとして、しかし防衛局長、しからば仮に対馬海峡なり津軽海峡を十二海里にしてブロックしてしまった場合に、ソ連がどうしてもあそこを通らなければならないかというと、私はそうは思わないのです。というのは、宗谷海峡がありますね。十二海里でも残っているわけですから、そこから抜けられるわけです。 そこで、時間がありませんから、私は御質問よりも言いたいだけ言ってきょうは終わりますけれども、米ソの核抑止体制の中においてポラリス、ポセイドンとか、また同種のソ連の核ミサイル搭載潜水艦が一体どういう役割りを果たすかといったら、それは固定した基地からlCBMを打ち上げますよね、その場合に、固定した基地は事前にちゃんとわかっていますから、ねらわれてだめになってしまう。その場合に第二撃的な報復力としては、住所不定の、行動しつつあるところのポラリスとかポセイドンとかそういう種類の核ミサイル搭載潜水艦があって、それが逆に第二撃的に相手をやるという形で抑止力が働くと思うわけであります。そうしますと、端的に言って、どっち側も核ミサイル潜水艦というのは世界じゅうの全海域にいなくてはならないということは全くないのであって、少なくともソ連にとってみれば、アメリカの太平洋、大西洋両岸の射程距離の近くにいれば戦略的な意味はあるわけですね。もちろんアメリカは太平洋、大西洋の両岸においてしかるべき形でソ連の全土をカバーできる海域に配置すればいいわけであります。 そういうように考えますと、確かにウラジオストクに太平洋艦隊があって、そこに核ミサイル搭載潜水艦があっても、わざわざ対馬を通ってたとえばカリフォルニア沿岸に行くということよりも、北の宗谷を通ってずっと行ったってかまわないわけです。ですから戦略的な米ソの核抑止力を体制というものを考えた場合に、津軽とか対島海峡をソ連のミサイル搭載潜水艦が通らなくたって、宗谷海峡を通りさえすれば、彼らは目的を達成するわけであります。私がこの議論をいたしますと、そんなことを言ったってソ連はソ連のバイタルインタレストに関係するから絶対に守りっこないんだ、かえって刺激して悪いという議論がありますけれども、純粋理論的に考えれば、私はそんなことはないと思うのです。 そこで、なぜソ連があえて津軽を通って南下しようとするかといったら、それは東南アジア、インド洋に核ミサイル潜水艦を派遣しておいて中共をたたくとか、場合によっては東南アジア地域、インド洋に通じて核攻撃をかける、この目的のために津軽海峡を通って南下させる必要がある、こういうふうに私は考えるわけです。 そこで、しからばそういう東南アジアの諸国なりインドが果たしてそういうソ連の核搭載潜水艦が遊よくすることを望むかといったら、インドだって今度の政権は核はいやだと言っているわけでしょう。インドネシアだって、シンガポールだって、私は反対だと思うのですよ。そうしますと、外務省からどなたかがお見えになっておるかもしれませんが、いわゆる国連海洋法会議の中で、そういうことで日本が核搭載艦を通さぬとなると、東南アジアのたとえばインドネシア、シンガポールが、マラッカ海峡は日本がそんなにするんだったらタンカーを通さぬぞというようなことを言って、国際海峡航行の自由を最も望む日本にとってマイナスだというような議論がありますけれども、まさに津軽海峡を通さぬということはソ連の南下、核南下を防ぎますよ、そして東南アジア、インド洋海域にソ連の核ミサイル潜水艦が遊よくすることを防ぐんだということであれば、シンガポール、インドネシア、インドその他東南アジア各国が、そのことをもって、日本が核を通さなかった、津軽海峡を通さなかったら日本のタンカーもマラッカ海峡を通しませんなんということを言うはずがないと思うのです。ですから、時間がありませんので余り十分な議論ができなくてまことに申しわけありませんが、この非核三原則の問題についても、単に観念的な議論じゃなしに、私はもうちょっと現実的な米ソの核抑止力の体系また東南アジアは一体どういう形、しからば東南アジアは核を入れるか入れないか、こういったいろいろな議論を含めて、もう一回ぜひ現実的な分析をしていただきたいと思うわけであります。 私は最後にあえて一言申し上げますが、日本の非核三原則というものが国際的には余り通用しないことなんだ、しかしながら広島、長崎のあの忌まわしい経験があるから日本だけは何とか守らなければならない、国際的には通用しないことだけれども、何とかここはひとつみんなわかってくれという形のいわば消極的な非核三原則の扱い方であったら、私は世界の大勢から、日本ばかりいつまでもわがままを言っている、感情論ばかりやっておるということで、むしろ孤立化していくと思うのであります。ですから、日本があえて非核三原則は守ってそれを今後堅持するためには、まさに非核三原則は単に日本が独特な経験を持った固有な原理ではなしに、むしろ国際的な広がりのある原則だという形で国際社会を説得するだけのものがなければいけないのではないか、かように思いますので、きょうはもういろいろなことを申し上げましたが、全部舌足らずで恐縮でございますけれども、ひとつ賢明なる防衛当局におかれましても一きょう私が申し上げたことをいろいろ今後お考え賜りたいということで、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○正示委員長 続いて、上原康助君。
○上原委員 私は、きょうは提案されております防衛二法との関連で幾つかの問題をお尋ねさせていただきたいと思います。 まず、本論に入る前に防衛庁長官の御見解を少しばかり、後の議論と関連してまいりますのでお聞かせをいただきたいと思います。沖繩の公用地等暫定使用法の期限切れと関連をして、いわゆる基地確保新法が提案をされ、とうとう政府は当初の原案を撤回せざるを得ない状況になって、ようやく昨晩参議院の本会議で修正案として地籍問題を絡ませての暫定措置法の延長というものがなされたわけですが、これまでの経緯についてはくどくど申し上げませんが、今回の一連の経過を振り返ってみますと、やはり復帰五年の沖繩の基地問題なり、それと密接にかかわっておる県民生活というものが、政府の復帰施策によってどのように具体化されてきたかということに対する一つの答えだとも言えると思うのです。私たちはかねがね、基地問題、いわゆる基地の継続使用と地籍問題は絡ますべきでない、復帰当初から混乱している地籍の問題を解決していくためには、地籍明確化のための特別立法をつくるべきであるということを強く主張してまいりました。しかし残念ながら、沖繩開発庁を初め防衛庁はもとより、政府全体として問題の深刻さに対する御認識が足りなかったと私は思うのですね。それがゆえに、これだけの重要問題を期限内に片づけることができずに、基地の不法占拠ということが現実の問題として出てきた。私は、別に、このことに対して長官の責任云々の問題は申し上げませんが、少なくとも、復帰後五年たった沖繩の現実に対しての政府の諸政策、なかんずく基地問題、地籍問題に対する取り組みが弱かった、十分な責任を果たし得なかったと言っても過言ではないと思うのです。 そこで、法案が通ったといってもいろいろ問題がありますので、これから議論いたしますが、これでもう事足りるとは恐らく思っておられないと思うのですが、この一連のいきさつを踏まえて、防衛庁当局としては、抱えている諸問題解決のためにどのようなお考えで、どのようなお気持ちでやっていかれようとするのか。その点をぜひ明確にしておいていただきたいと思います。
○三原国務大臣 お答えをいたします。 私、今国会において地籍明確化の法案を上程をして、政府原案を提案させていただきました。しかし、私自身、この提案に対しましては、現在における沖繩の事情と申しますか、背景についてきわめて慎重な姿勢で検討をしてまいったところでございます。沖繩は、戦後から復帰、そして現在に至ります間、厳しい状態の中にあって県民の方々が生活をしてこられた、県政が運営されてきたということを十分反省をしてまいったところでございます。なおまた、復帰後の暫定法に対します政府としての施策あるいはお約束の実行等について、それがどうあったのかという反省にも立ってまいったわけでございます。 そこで、国会において、審議の前でございましたが、まずこの法案について徹底的に検討をしていこうということで、特に野党三党から、及び民社党、新自由クラブからも貴重な御意見を拝聴いたしました。そういう点を総合的に勘案をし、委員長を中心にして、この問題につきましては、私どもも十分いま申し上げたような反省に立ってこの審議をお願いいたそうとしておりましたが、実は、かつてないような全面修正ということに結果がなるぞと言われたことにつきましても、私自身は、これはやむを得ない事態であるということを申し上げてまいったのでございます。そういうことで、今回の法案はいまだかってない全面修正という形で修正が行われて衆議院から参議院に送られた、そういう事情を私も非常に責任を持ちながら受けとめて、おるわけでございます。したがいまして、いま御指摘のように、法案が通ったからということで私自身は事足りるとは毛頭考えておりません。いまの沖繩の方々のそうした心情、現実の経済社会情勢、これの将来の発展ということも考えねばなりませんので、そういう立場で、私は、きのうも法案が通ったときに長官談話を発表いたしましたが、過去五年間の復帰後の政府の施策の反省とともに、今度の法案が通った時点から、再度そうしたことを繰り返してはならない。相当な努力を政府もいたしたわけでございますけれども、実際の県民の方々の受けとめ方はそういう状態になっていない。したがって、私といたしましては、法案を通していただいた現段階におきましては、とにかくきょうから、県民の気持ちと申しますか、現地の意見を聴取しながらこれが実施に当たっていこうという考え方でございます。 そこで、五年ということでお願いをして十年に修正を願っておりますけれども、まず二年ぐらい、その時点に立って再検討してみる。本当に今度こそ約束を果たし得るかどうかという立場に立って、私はこの法律によって約束したことの実施をしていきたいという立場で参りたいと思うのでございます。私自身が二年も三年もおるということではございますまいけれども、政府としてはそういう姿勢のもとに、あるいはそれを実行しなければならぬという責任を持ちながら対処していくべきである、そういう考え方に立っておるわけでございます。
○上原委員 法案の取り扱いをめぐって、防衛庁長官を初め、内閣委員長、あるいは施設庁を含めて防衛庁全体としてもいろいろ御努力をなさった点は認めますが、問題が問題だけに、私たちの考え方なり提案が十分取り入れられてないということに対しては不満もありますし、遺憾の意を表明しておきたいわけです。ただ、いま長官がおっしゃいましたように、沖繩の基地問題、軍事基地の存在によって発生しておる県民生活への重圧というものは、今回のこの法案をめぐって浮き彫りにされた諸問題を単なる一時期として片づけてはならないと私は思うのです。私たち野党も、また県出身の者としても心してかからなければいけない点があるということも十分踏まえているつもりであります。 そういう立場で申し上げるわけですが、きょうは、実は私は官房長官のおいでを御要望申し上げたのですが、日ソ漁業交渉の問題そのほか大変日程がお忙しいということで来ていただけませんでした。いま長官の方から、心境と今後の決意について前向きの御答弁も幾分あったわけですが、少なくともこれだけの問題を抱えた法案であったということと、皆さんが一番大事にしておるであろう日米安保体制、基地の安定的使用に一定の空白期間、不法占拠ということが生じた。これは、法理論上どう言いわけをしょうが、現実の問題として空白があったということはぬぐい去れない事実であります。そういたしますと、私は、単に防衛庁長官の談話なり発表だけで事足りる問題とは思いません。そういう意味で、福田内閣全体として、今後の沖繩施策、基地問題を含めての政策に対する統一した見解を当然すでに発表されてしかるべきだったと思うのですが、残念ながらそのことが今日までなされていない。 そこで、後ほどまた具体的な問題の中で提起をしたいし、議論も進めてまいりますが、少なくとも沖繩開発庁長官あるいは防衛庁長官、そういう関係閣僚で、今度の法案をめぐって浮き彫りにされた諸問題に対して、日本政府としてはこういう立場でこの問題は解決をしていく、復帰後五年たった沖繩の県民生活の実態に対して足りなかった面はこうしたい、また、県に対してこう要望もしたいということがあれば、まとめて国民の前に明らかにすることこそが、一つの教訓として、沖繩県民の要求にこたえる最大の政治課題であり、また、なすべき政治家の責務でもあると私は思うのですね。このことはぜひ長官が中心になっていただいて、総理大臣の立場で、内閣としての姿勢を早急に明らかにしてもらいたいということを私は提案したいし要望したいのですが、そのことにお答えいただけますね。
○三原国務大臣 法案を参議院で可決していただきましたときの私の心境は、上原委員と全く同じでございます。 そこで、もう率直に申し上げますけれども、けさ八時に総理官邸へ参りまして、先ほど私が述べましたように、法案が可決したということは、沖繩の地元の方々の意向なり沖繩の将来に対して政府がなさねばならないスタートに立ったという心境でございます。そういう立場で、これからお約束をどう守っていくかということがまず先でございます。そして、基地の使用を特にお願いいたしておるという事態でございますので、このことをこの時期にひとつはっきりと踏まえていただきたい、そこで、でき得まするならばということで私は申し上げましたけれども、それは官房長官もそばに立ち合っておられましたので、官房長官に私は、長官として昨夜この法案を上げていただいた時点における自分の決意なり姿勢を申し上げました。いまちょうど日ソ漁業交渉で深夜まで審議をしておられましたので、きのうは私も強く要請できませんでしたから、けさ八時に参ったのでございまするが、政府全体の問題でありますので、朝、記者会見をされるならば、政府としてとりあえずこの法案が上がった時点においての沖繩施策について、どうかぜひひとつ所信を述べていただくことができれば、まことにありがたいという要請をし、あるいはお願いを申し上げて帰ったところでございます。何とかそういうことがなされたであろうと思いますが、しかし、ちょうど次々に電話が来たり、日ソ関係の関係閣僚懇談会等が続いておりましたので、まだそれが行われておらないかもしれませんけれども、そのお願いだけは申し上げて帰ったところでございます。
○上原委員 私がいま要請したことに対しては、その方向で政府全体の方針をこの際明らかにすべきだということについて御同意を長官としては示されたわけですが、きょうは質問も午後まで続きますので、ぜひもう一度官房長官、外務大臣あるいは総理にお目にかかって、御要望申し上げていただきたい。これだけの法案というものは、やはり総理大臣にじきじきに委員会にも出ていただいて、政府全体の方針なり考え方というものを明らかにすべきだと私は思うのですね。そのことを防衛庁だけに何か責任を——私は何も防衛庁を擁護しようというつもりはありませんが、なすりつけるような姿勢があるということは、全体としてこの問題の深刻さを受けとめていないんじゃないかという感じがしないでもないわけですから、そのことは委員長におかれてもひとつ取り計らっていただきたいし、午後、もう少し具体的にお答えできるならばやっていただくということを御要望申し上げておきます。 そこで、後ほど法案との関係では二、三点お尋ねをいたしますが、沖繩の基地問題なり、復帰後の状況というのが残念ながら県民の期待する方向に進んでいないという、その最大の障害になっているものを政府は一体どのように認識をしておられるのか。これはもう申し上げるまでもなく、基地あるがゆえに今日の状態というのが出てきているわけですね。そうであるならば、現在の安保体制下における沖繩基地の位置づけの問題とか、あるいは日本全体の在日米軍基地のあり方というものを再検討しないで、単に従来の戦略構想そのものの範疇で沖繩問題を解決しようといっても、残念ながらできないと私は思うのです。基地と民生の調和といったって、それはできるはずはない。できないから今日の事態が起きてきたわけでしょう。しかし、その根幹そのものは政府は変えようとしていない、ここに最大の障害があると私は思うのですね。このことについても御見解を承りたいわけです。 そこで政府は、昨年の十月の末に国防会議で決定をして、本年四月からいよいよ防衛計画の大綱に基づいた新防衛計画がスタートしたわけですが、この新防衛計画を見ても、やはりいま私が申し上げたように、沖繩基地の重要性、あるいは安保体制、自衛隊の漸進的増強という一連のレールというものは微動だにしていないのですね。こういう方針やこういう外交政策、防衛政策をとって、果たしていま長官がおっしゃったように、今度の法案の取り扱いをめぐって浮き彫りにされた沖繩の諸問題というものが解決していけると思っておられるのか。その矛盾点というものを少なくとも一挙にではなくしても、徐々にでも、早急に是正をして改革をしていくという方向が出ない限り、私は問題解決につながらないと思うのですね。そういった面は今後どのように進めていかれようとするのか、また、私がいま指摘したことについては矛盾点はないとお考えなのか、そこを明らかにしておいていただきたいと思います。
○正示委員長 上原委員に申し上げます。 先ほど委員長に対して御要望がございましたので、この際、私からも一章二原防衛庁長官にお願いを申し上げます。 当委員会といたしましては、超党派で現地調査をいたし、また委員会のみならず理事会、理事懇談会その他の機会に総力を挙げて今回の政府案に対する全面修正案を立案いたした事実がございます。われわれは身をもって沖繩の現地をこのはだで感じました。何としてもこれからの五年間というものはきわめて重大な時期でございまするので、先ほど上原委員と三原防衛庁長官の質疑応答で交わされましたように、日本の総力を挙げてこの沖繩問題に対処していくべきであるとかたく信じております。 つきましては、三原防衛庁長官が言われましたとおり、政府におかれても、この際、この法律案が成立をいたしました機会に、政府の決意を沖繩県民を含めた全国民にはっきりと示されまするよう特にお願いを申し上げておきます。 三原防衛庁長官。
○三原国務大臣 日本の防衛、日米安全保障というような問題について、基本的な御意見がございました。沖繩におきまする非常に大きな問題点は基地問題である、それが問題の一番基本的なことであることも私は承知をいたしておるわけでございます。 そこで、きのう法案審議の際に、政府として藤田総務長官なり私からも申し上げたわけでございまするが、今日まで沖繩の現地の意向をくんで国がどう沖繩に具体的に対処していくかというような、まず国の施策を明確に打ち出すことが必要である。三全総で沖繩をこう開発しますというようなことが入っておることは一時期待を持たせたけれども、具体的にはそれが施策の上ではあらわれてこないじゃないかという御意見等もあったわけでございますが、そういう点で、これを機会に具体的に沖繩の意見を聞きながら政府のこれから先の施策を打ち立てることがまず必要である。それと基地問題とをどう関連をさせて、県民が将来希望を持っていけるような——一拳にいかないと思います。いま上原先生も言っていただきましたが、基地問題を一拳に解決することはできないであろうけれども、具体的に沖繩における諸問題を一つ一つ解決していく姿勢なりその実行をまず示さなければならぬぞという御指摘がございましたが、そういう立場に立って、具体的に、沖繩の希望を踏まえて、国の具体的な施策と基地問題とをどう結びつけながら対処していくかということをこれから打ち立てていきたい、そういうことを参議院の委員会においてもお答え申し上げましたが、そのことを実際に推進いたしたいという考え方でおるわけでございます。
○上原委員 委員長の方からも御発言がありましたので、単なる言葉のやりとりでなくして、具体的な施策として、政府の方針なり今後の問題解決を進めていく上での姿勢を明らかに——まあされつつあるわけですが、していただきたいと思います。 問題は、基地問題を軍事色を薄めていくという立場で具体化をしていかなければいかないと思うのですが、残念ながら、政府が進めてきておられるいろいろな動きを見てみますと、なかなか容易にそうはいかないであろうと私は思うのですね。 そこで、具体的な問題に入っていきたいと思うのです。すでに予算委員会なりあるいは外務委員会、また本委員会でも取り上げられたと思うのですが、在韓米軍の撤退と関連する在日米軍基地の問題、私はこのことも予算委員会でも若干取り上げました。当初、政府は、重大な関心を持っておる、しかし、基本的には米韓間の問題であるので、米側の方針なり計画というものを見守る、そういう姿勢を明らかにしてこられたわけですが、すでに、米側の動きを見てみますと、今月にもブラウン統合参謀本部議長とハビブ国務次官が訪韓をして具体的に進めていくということが明らかにされております。同時に、韓国から帰る途中日本にも立ち寄って、防衛庁長官を初め政府首脳と会談をするということがほぼ明らかなようであります。このことについて防衛庁は何らかの連絡なりあるいは相談を事前に受けておられるのか。きのう外務大臣の方にも、ほかの方でしたが少しお尋ねをしておりましたが、そのことについては一切聞いておらないというような御答弁でありました。しかし、これだけの重要問題、私は単なる素通り的なもの、儀礼的なものではないと見ているわけです。もし連絡がないにしても、具体的にテンポは少し——テンポは少しところかかなり早く進んでおる、撤退計画というのは。これに対して防衛当局としてはどういうふうに対処していかれようとするのか。またブラウン参謀本部議長なりハビブ国務次官と会談があるとするならば、どういうお話し合いで対処しようとするのか、具体的な提案を含めてあるのかどうか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
○三原国務大臣 在韓米軍の撤退につきましては、かねてから申し上げておりますように、私どもといたしましては、朝鮮半島において混乱が生じない、平和と安全が壊されないようにしていただきたいということを願望として申し上げてまいったところでございます。いまも御意見の中に出てまいりましたように、私どももブラウン統合参謀本部議長がおいでになるということをニュース等で承っておるわけでございます。 その点についてでございますが、在韓米軍の引き揚げというものが具体的にどう進められるのか、その時期なり規模なり代替策をどう考えておられるかというようなことは、実は私どももまだつまびらかにいたしておりません。しかし、先ほど申しましたように、朝鮮半島に平和と安全が保たれるような立場でお願いをいたしたいということは、この前の首脳会談の際にも防衛庁として意見を申し上げたのでございます。そういうようなことでございますが、具体的なそういうことが明確でございません現時点において、具体的な意見を申し上げることは私自身差し控えねばならぬと思うのでございます。 なおまた、今日まで私ども承知をいたしております点は、首脳会議におきまして在日米軍を増強する話が出たというようなことは承っておりません。 なおまた、先般モンデール副大統領が来日しました際に、在韓米地上軍を日本に再配置するというようなことは多分なかろう、そういうふうに理解はしてないというふうなことも意見を聞いておるわけでございますが、そうした立場でこの推移については十分注視をいたしておるというのが現状でございます。
○上原委員 非常に核心に触れるような問題になると、予算委員会でもそうでしたが、依然として非常に慎重な御発言をなさる、それは長官のお人柄にもよるかと思うのですが、しかし、このことはいつまでもコメントするのは差し控えたいということで済ませる問題ではないと私は思うのです。 それじゃ、私の方から逆にもう少し具体的にお尋ねをさせていただきたいのですが、いま御答弁がありましたように、日米首脳会談、福田・カーター会談においても在韓米地上軍の撤退に伴って在日米軍の増強問題は出なかった、そういう話はなかった、あるいはモンデール副大統領が訪日なさった際にも、在韓米軍撤退に伴って在日米軍が強化されることはないであろうというコメントがあった。新聞では、そういうのも出ているし、全く逆のコメントもまたあるわけです。しかし、伝えられる報道というのはいろいろございまして、在韓米地上軍の撤退に伴って、少なくとも在日空軍力というものは強化をされるであろう、その在日米空軍力の強化の前提でしか在韓米軍の撤退はあり得ないんじゃないのか、防衛面からしてもあるいは抑止的な面からしても。そういうことが外電などでたびたび報道されておりますね。さらに、ライシャワー元大使もこのことについて一定のコメントをなさっておられる。一つには、やはりアメリカの新政権は日本を重視しておる、二番目に在韓米軍の撤退は、日韓両国と十分な協議で時間をかけて進めるけれども、その後在日米空軍力を多少増強するであろう、こういうコメントをしておるのですね。私はその兆しはすでに出てきておると思うのですよ。沖繩の嘉手納空軍基地の第三一二戦術戦闘航空団にしても、全体的にそういう動きの方向に進んでいると私たちは見ているわけですね。国民は物も読みますし、現に物も見るわけですから、幾ら政府がそうではないと言ってみたって、実際問題として、在韓米軍の撤退に伴う在日米軍基地の増強、強化というものは着実に今日、今日だけでなくして、私はすでに二、三年前からそういう布石はされてきたと思うのですね。そのことが、皆さんが絶えず、坂田前防衛庁長官がおっしゃった基地の安定的使用であり、いわゆる安保の体制下における日米の防衛協力の問題が具体化をしてきている。布石は二、三年前から着実に進んできている。そのことは専門の防衛庁御自身が知らないはずはないと私は思うのですね。このことについて一体どう見ておられるのかということ、これが一つ。 じゃ逆に、いま長官から御答弁がありましたように、モンデール副大統領もそうおっしゃった。日米首脳会談においても、在韓米軍の撤退に伴って在日米軍基地の増強というもの、その話し合いは出なかったということであるならば、もしアメリカ側から在韓米軍の撤退に伴って、在日米空軍なりあるいは在日米海兵隊なり、在日米軍基地へ在韓米軍の一部を移動させたい、そういう提案があった場合は、政府はお断りいたしますか。
○伊藤(圭)政府委員 前段のところでございますが、韓国からの陸上兵力の削減に伴って、撤退に伴って、在日の空軍力をふやすというようなことは聞いておりません。ただ一般的に、いわゆる在韓米地上軍が撤退した後は、空軍力によってそれをカバーするというような報道は見たことはございます。いまから五年前の七一年に一個師団が引き揚げていっております。そのときには在韓米空軍にファントムの一個スコードロンが増加配備されたということを記憶いたしておりますが、それ以外のことにつきまして、在日米空軍力を増加するというようなことは聞いておりません。 それからまた、先ほどの、その場合に、引き揚げてきてこちらをふやすという場合にはどうかということでございます。これは全く私ども聞いておりませんし、存じておりませんので、いまお答えすることはできないことでございます。
○上原委員 聞いておらないと言っても、それはいろいろそういう動きはあるわけでしょう。じゃ、あなた防衛の御専門として、在韓地上米軍が撤退した後のその戦力の穴を埋めるということは、どう考えたって、空軍力を強化をするあるいは海軍力を強化をしなければ、有事の際の補強というもの、有事の際に十分対応できないでしょう。素人が考えてもそうなる。その点はお認めになりますか。
○伊藤(圭)政府委員 そのことは、空軍の力でカバーするということは言っております。したがって、当然そういうことも考えられることでございますが、いま先生がおっしゃいましたのは、だから在日米空軍がふえるのだということとは結びつかないというふうに私どもは考えているわけでございます。
○上原委員 じゃ、仮に結びついた場合はどうするのですか。
○伊藤(圭)政府委員 韓国の防衛の問題でございますから、結びつくということはあり得ないというふうに思います。在韓米陸軍の撤退と連動して在日米空軍が動くというようなことはないというふうに考えておるわけでございます。
○上原委員 これはしかし防衛局長としては少しどうでしょうかね。この問題はそう簡単にいけば幸いですが、実際問題としてそういっていないわけでしょう。板門店事件の場合に一体どうでした、嘉手納空軍基地、在日米軍基地は。すぐ連動しておりますよ。どうもそういう認識で、まあごまかすおつもりじゃないでしょうが、それではちょっと納得いかないですね。私はそう見ない。これは明らかに連動しておりますよ。 じゃ、少し話題を変えて、時間の都合もありますので、もう少しこの点を浮き彫りにしていきたいわけですが、いわゆる坂田・シュレジンジャー会談によって日米安保協議委員会のもとに日米防衛協力小委員会が設置をされたと思うのです。この日米防衛協力小委員会を設置した目的それからその性格、これまで議論されてまいったのですが、もう一度明らかにしてください。
○山崎政府委員 日米防衛協力小委員会は、御承知のとおり、日米安保条約の目的を効果的に達成するということを目的として、日米間の協力のあり方を研究協議するものとして発足いたしたわけでございます。この小委員会はその後四回開いております。その間に私たちがやりましたことは、最初まずこの研究協議を始めるに当たっての前提条件というものを明らかにしたわけでございます。次は、研究協議の対象となる事項を何にするかということを話し合ったわけでございます。それに基づきまして、まず第一に、日本が武力攻撃を受けた場合またはそのおそれのある場合の日米両国の協力のあり方を話し合うということになりました。そして、それに基づきまして、いよいよ少し専門的な事項について話し合うということで、第四回の小委員会の会合におきまして三つの部会を設けたわけでございます。これは作戦の問題、情報の問題後方支援の問題、それにつきまして部会を設けて、現在専門的な立場から研究協議を行っておる次第でございます。
○上原委員 ここで議論をされているといいますか、あるいは検討を加えられていることがいろいろあると思うのですが、要するに、当初は、日米の有事の際の防衛分担をどうするかということがそもそもの事の起こりなんですね。防衛分担ということについてはいろんな抵抗があるからということで、今度は協力というふうに言い直した経緯があるんです。 そこで、いま簡単な御説明があったんですが、一体指揮命令系統というのはどういうことをやるのか、それから情報収集というのは具体的にはどのようなことが検討されているのか、後方支援態勢というのはどういうことをやろうとしているのか。すでにこの三つの部会が設置をされて、制服の方々も参加をした中で、先月の十七日か十八日ごろ四回目の会議が持たれていると思うんですね。これも明らかにしていただきたいということと、この中で特に問題になっているのは一体どういうことなのか。 また、この日米防衛協力小委員において、先ほどお尋ねをいたしました在韓米軍撤退問題も議論を当然されると私は思う。全く検討されていないのかどうか。 三点目には、日米防衛協力小委員会で決めるのは当然安保協議会で最終的には結論が出されると思うんですが、ここで検討されて、具体的に日米の防衛分担あるいは防衛協力の諸取り決めというものは随時積み重ねていくのか。さっき言われた有事の際の包括的な防衛協力という中身についても説明をしていただきたい。何年ぐらいかかって包括的な取り決めをやっていくのか、随時その都度ケース・バイ・ケースでやっていくおつもりなのか。この点も定かでありませんので、後の議論のために明確にしていただきたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 日米防衛協力小委員会というものを発足いたさせまして有事の際の協力のあり方の勉強をしようという発端は、御承知のように、政府は独立後一貫して、日米安全保障条約に基づきまして、防衛構想の中に日米安保体制というものを打ち出しているわけでございます。しかしながら、現在まで、有事の際に一体日米間でどういう形の協力体制がとれるのか、手続等につきましても定まったものはないわけでございます。御承知のように、有事の対処というものは準備をしてやるというのではなくて、日本のような専守防衛の場合には、直ちに必要な共同対処というものが生まれてくるわけでございます。そのときにどういう手続によって、どういう形で共同対処をやるかということを勉強しておかなければならないというのが坂田長官の御意思でございまして、当時外務大臣とも御相談になりまして、シュレジンジャー国防長官とも意見の一致を見まして、日米防衛協力小委員会というものを発足させたわけでございますが、ただいまアメリカ局長から御説明いたしましたように、この概要につきまして、私どもが一番最初にやらねばならないことは、わが国の憲法の制約下にある自衛隊というものは、防衛行動につきましてもいろいろな制約があるわけでございます。そして、その制約のもとに自衛隊がなし得ること、それからそれに対してアメリカ側がどういう形で協力をできるかというようなことを前提といたしまして、それぞれの分野における勉強をいま始めた段階でございます。 したがいまして、先ほど御指摘がございました三つの部会というものができまして勉強を始めておりますが、指揮命令系統につきましては、あくまでも指揮権というものはアメリカと日本側とは別個にやる、しかしながら共同対処のためにはその調整というものが必要になってまいります。どういう形で、どういう内容の調整が必要になってくるのだろうかというようなことをただいま勉強いたしております。 それから情報につきましては、広い意味の情報あるいは戦術的な情報、そういったものをお互いに知っていなければ対処できないわけでございますから、その情報を交換するやり方等につきまして、どういう点に問題があり、どういう形でやればよいのかというようなことをやっているわけでございまして、後方支援の問題についても同様でございます。 したがいまして、いま研究をやっておりますが、その研究の成果というものは必要に応じまして日米安全保障協議委員会に報告をいたします。そして報告をいたしまして、それぞれの政府の責任において必要な措置をとるということになっておりますので、外務省とも相談はいたしておりますけれども、一つの取り決めというような形によって、それによって直ちに日本政府が責任を負わねばならないというものではなく、その相談し、勉強し、協力をし合っていく中において、日本政府の判断において必要な措置を考慮していこう。その際の包括的な一つの指針と申しますかガイドライン、こういうものをいろいろな研究の成果を積み重ねた上でつくってまいりたいというようなことで、作業を進めております。 何年ぐらいかかるかというようなお話でございますけれども、いま緒についたばかりで、これか半年後、一年後というふうなめどというものはまた立っておらない状況でございます。——矢礼いたしました。いま御説明申し上げましたように、この手続あるいは問題点というものを整理するのが主題でございますので、現在起こっております在韓米軍の撤退問題、そういうことについての議論というのはこの場ではいたしておりません。
○上原委員 まだスタートしたばかりで、その成果がまとまるのはいつとは言えないということですが、そういたしますと、たとえばこれは主に有事の際、しかも朝鮮半島を想定していることに主眼を置いていると思うのですが、研究機関だということになりますと、もし研究している間に有事が起こったらどうなるんですか。そんな悠長なものではないわけでしょう。それが一つ。 では、もっと端的にお尋ねしましょう。後方支援態勢の強化、後方支援を共同でやっていくというわけだから、その場合にはたとえば、たとえばと言ってもあり得ることだと私は思うのだ、有事がドンパチになった。いろいろな指揮系統だって、皆さんはそれぞれの指揮系統があるのはあたりまえなんですが、まさか、幾ら自衛隊が安保体制下の枠にあるといっても、アメリカの指令で自衛隊が行動する、出動するということはあり得ないし、これは常識論です。しかし有事の際に、自衛隊の行動も米軍の行動も連動していくことは確実ですね。だから、私たちがかねがね言っているのは、これは日米共同作戦調整機関だ。実質的にはそういう役目を果たす方向に私は向かいつつあると思うのですね。ここが問題なんです。 それといま一つは、もっと軍事的に見ると、これは安保条約適用の臨戦体制の確立を目指しているということですね。そうであるとすると、自衛隊のあり方に対してもきわめて問題が出てくると同時に、在日米軍基地の使用の問題とも関連をしてくる。安保条約の立場で皆さんが事前協議の問題とかいろいろ歯どめがあると言ってみたって、実際にはそのことは何ら枠をはめられていない結果になる。そういうものであると私たちは見ているのですが、これに対して御反論があればやっていただきたいし、またいまさっきのことに対してお答えいただきたい。 もう一つは、後方支援態勢の確立ということになると、米軍の弾薬とかいろいろな武器にしても場合によっては自衛隊が使うということもあり得るでしょう、自衛隊の武器を米軍が使うということはないかもしれませんが。いわゆる相互防衛協力ですよね。具体的にお尋ねしますが、この場合は自衛隊がアメリカの弾薬なりアメリカの武器を使う場合もあり得ることも検討されるのでしょう。そこいらのけじめ、区切り、区別はどうなるのですか、このことも明確にしてください。
○伊藤(圭)政府委員 まず第一点のいま有事が起きたらどうするかという問題でございますが、過去二十年間有事が起きたらというようなことになるわけでございますけれども、御承知のように、防衛計画の大綱にもございますように、見通し得るここ数年の間というものは日本に直ちに侵略があるとは考えておりませんけれども、もし有事になりましたならば、現在持っております自衛隊の力で対処し、また必要に応じて米軍の協力を得なければならないということになろうと思いますが、こういった日米協力関係が確立しているよりは、そういった初動においておくれるということがあり得るかと考えております。 また、指揮の問題でございますが、これは先ほど先生御指摘なさいましたようにもちろん別個の指揮系統でございますが、共同対処でございますから、その間の調整というものは当然必要になってまいります。したがいまして、その調整のやり方あるいは問題点、そういうことについて研究しようとするものでございます。 なお、これは臨戦体制を研究しているのではないかという御質問でございますが、自衛隊というものはやはり有事に対して対処するための任務を持っているわけでございます。そしてまた日米安保体制というものも有事のための体制でございます。したがいまして、臨戦体制というお言葉の意味することが有事に対処するということでございますならば、まさに有事に有効に対処できるような研究をするということでございます。 最後に後方支援態勢の問題の御指摘がございましたが、当委員会等におきましても以前にも何度か御説明いたしましたように、自衛隊のいまの一つのウイークポイントといいますのは弾薬の不足という問題でございます。したがいまして、当然のことながら日米協力体制のもとで必要な弾薬の支給を受けるというようなことはあり得ると思います。したがいまして、そういったことも含めまして研究をすることになろうかと思っております。
○上原委員 議論がちょうどいいところに来たところで切るのもなんですが、しょうがありません。私たちが懸念しておったことがいま一つ一つ明らかになっているわけですね。後方支援態勢の強化というのは確かに国民の耳ざわりからするといい面というか、そう悪い印象を与えないかもしれませんが、要するに自衛隊が、従来アジアで果たしておったアメリカの戦力の一部を補完をしていくということがいまの質問のやりとりでも一つ一つ浮き彫りにされてきたわけですね。そのことがまさに一九六九年の日米共同声明路線に基づく沖繩の復帰であった。だから、弾薬なんか供給を受けると言う。だから沖繩で弾薬庫をあれだけたくさん防衛施設庁は熱心につくっている。これは後で問題にしますが、全くとんでもないことだ。その話は別としても、この日米防衛協力小委員会というものが有事の際の共同対処をするという——もちろん軍隊といいますか、自衛隊も軍隊ですから、有事の際に対処できないでは防衛はできないわけですが、理屈はそういうことになるかもしれませんが、しかし明らかに、私たちがかねがね指摘をしてきたように、アジアにおけるアメリカの役割りを一つ一つ肩がわりをする方向に進めていこうとするのが防衛協力小委員会の設置であり、四月からスタートをした防衛計画の大綱だ。したがって、四次防までに量的には概成を見た、これからは質的に充実をしていくのだ、ここにますます安保体制下における自衛隊のあり方あるいは軍事基地のあり方というものが、先ほど指摘をいたしましたように沖繩の現実を変えていく。県民の要望する方向に変えていくということとはうらはらにめり込んでいかすという政策しかとっていないところに、地籍法案の問題などもあれだけ紛糾したことがあるわけです。だから、この基本路線、基本政策、アメリカのアジア戦略に位置づけられている安保条約、安保体制、基地問題というものをもう少し憲法的感覚に立って転換を図るという政府の姿勢が出てこない限り問題解決にはならないというのが私の持論であり、主張なんです。そこはおわかりですね、防衛庁長官。この点については後でもう少し具体的にお話をしていきますが、そこいらを解明していかない限り問題解決につながらないんじゃないか、そういう点。 そこで、もう午前中のを切りますが、これだけ防衛協力の問題も、安保協議会でこの成果の積み上げは報告をして取り決めといいますか、合意を見なければいけないということですから、あるいは在韓米軍撤退の件はこの協力小委員会では御議論なさらないということですが、出ないというのはうそで、当然話か出ると私は思うのです。そういういろいろな状況を考えてみた場合には、いつかも国会終了後防衛庁長官か訪米なさるとかいうようなたしか発表というより記事も見たような感じがするのですが、近いうち日米安保協議会を持つ予定があるのですか、またその見通し等はどうなっておるのか、この点お答えいただきたいと思います。
○山崎政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、防衛協力小委員会の研究、協議もまだ緒についたばかりでございまして、親委員会である安保協議委員会に報告すべき事項もまだまとまっておりませんので、いまのところ、第十七回日米安保協議委員会を近く開催する予定はございません。
○上原委員 防衛庁長官の御訪米とかあるいは新しい国防長官との会談なども予定なさっておるのかどうか、その点も明らかにしておいていただきたいと思います。
○三原国務大臣 お答えをいたしますが、私が訪米するかどうかという問題でございますが、このことは坂田長官と当時の米国の国防長官のシュレジンジャー氏との間におきまして一つの話し合いの結果、両国の防衛を担当する首脳者が年に一回はひとつ会おうではないかというような話し合いに基づきますことでございまして、昨年はいろいろな事情があってできなかった。そして、今回やるといたしますれば、日本側から訪米をするというようなことになるわけでございますが、そういうような立場で参るわけでございます。特に現在の国際情勢がどうだからというような問題からやるわけではございませんが、まだしかし行くということを決定をいたしておるわけでもございませんし、またいつ行くかということは、したがって決めておるわけではございません。しかし、そうした取り決めをことしは行わねばならぬかなという考え方でおるわけでございます。
○上原委員 午前中は、これで終わります。
○正示委員長 午後二時三十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時四十一分休憩 ————◇————— 午後二時三十三分開議
○正示委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。上原康助君。
○上原委員 午前に引き続いてお尋ねをさせていただきたいんですが、先ほどの在韓米軍撤退の問題なり、それに伴う在日米軍基地あるいは安保条約の件についていま少しお尋ねをしなければいけない点もありますが、何分きょうの持ち時間の関係もありますので、質問が少し防衛問題から基地問題に変わらざるを得ませんが、その点御了解いただきたいと思うんです。 そこで、冒頭申し上げましたように、今後の沖繩の抱えている諸問題を解決していく上で、今回の公用地等暫定使用法の延長と絡ませた基地確保、地籍明確化法案の問題について、衆議院段階でわが党は質問する機会がありませんでしたので、この機会に少しばかりお尋ねをさしていただきたいと思うんです。 私は、本会議における反対討論のときにも問題点を幾つか指摘いたしましたが、依然として、今回の修正案というものは、境界不明の地域の地籍を明確化していくための責任の所在というものが不明確であると判断せざるを得ません。そこで、一体この地籍を明確化していくための関係省庁、主管省庁はどこなのか。もちろん、法律では防衛施設庁と沖繩開発庁になっていることは指摘するまでもありませんが、開発庁と防衛施設庁が協議をして進めていくということですが、具体的にはどのような協議をし、この法律の責任を負う所管の大臣なり責任者は一体だれなのか、この点も明確にしていただきたいと思います。 さらに、私たちが最も強く要求をいたしましたことは、沖繩の地籍の明確化というのは、第二次大戦におけるいわゆる日本軍国主義が引き起こした戦争によってアメリカの侵略を受けて、地形や形質が変更をした。その後米軍の不法不当な支配、土地強奪によって今日の状態というものが——もちろんそれを継続使用してきた復帰後の今日までの日本政府がとった措置も含めてですが、その責任は挙げて政府にあるのだ。したがって、それを復元補償するなり明確にしていくのは国の責任においてやるべきだ、それに伴う一切の費用もまた国の責任においてなさるべきだということを強く要求をいたしましたし、野党三党の案でもそのことは明確にしておったわけであります。だが、このことも依然として不明確なまま修正案が出された。で、修正案の中で、本修正の結果必要とする経費は約八十七億円と見込まれる。この八十七億円というのは一体どういう使途に充てるものか、どういう経費なのか、この点も明白にしていただきたいし、多くの野党案を取り入れた、あるいは県の要綱案を取り入れたというふうに参議院段階でかなり御答弁があったようですが、地籍を明確化していくため、復元補償の問題など、つぶれ地補償の問題等を含めて、先ほど大臣がおっしゃったように、本当に沖繩の抱えている土地問題というのを根本的に解決をしていくためには、やはり最終的には国がどれだけの予算措置を講ずるかというところにかかっていると私は思うのです。このことを抜きにして、どんなにりっぱな法案をつくるとかあるいは答弁をなさったにしても、裏づけとなる予算措置が伴わない限り問題解決ができない。これこそまさに五カ年間放置してきたかのような結果になっているわけですね。したがって、皆さんが修正をした案に基づいてやるにしてはどのくらい予算はかかるのか。また社会、共産、公明が出した法案に基づいて一切の費用を国が賄うということであるならば、政府はそれなりの検討をなさったと思う。その法案を執行していくためにはどのくらいの予算が必要であったのか。ここいらの点についてまず解明がされておると思いますので、明らかにしていただきたいと思います。
○亀谷政府委員 所管が防衛施設庁とまたがりますので、私は沖繩開発庁に主として関連したものについてお答えをしたいと思いますが、全般につきましても触れてお答えをしたいと思います。 先生の御質問は、地籍の明確化が国の責任であるという基本点に立って、今回の地籍明確化法が防衛並びに開発庁と二本立てになっていて、国の責任が必ずしも明確ではないのではないかという点についてのお尋ねが第一点であったかと思います。 今回の国会で修正されました明確化法におきましては一御質問のように位置境界明確化のための実施機関が、基地の外につきましては沖繩開発庁長官、基地の中につきましては防衛施設庁長官と定められている点は御指摘のとおりでございます。しかしながら、この法律全体を通じて明確にされておりますことは、この地籍の明確化が沖繩の経済、社会上非常に重大な問題であるという原点に立ちまして、ともかくも国の責任においてこの明確化のための作業が基本的に行われなければならないという点が明記されておるところでございまして、これを具体的に実施する場合の手段として、それぞれの実情を踏まえて、基地の内側につきましては施設庁、基地外につきましては開発庁が行うということでございまして、私どもの理解をさせていただきます範囲においては、そのことが直ちに国の明確化のための原点が不明になっておるというふうには理解をしておらないわけでございます。 なお、この点につきまして敷衍させていただきますと、恐らく先生の御質問の本義は、参議院、衆議院を通じまして御議論があった点でございますが、いわゆる基地の中と外との入り組みが複雑でございまして、それぞれの明確化作業の過程において現在の所有者及び新たに確定されるべき所有者間の権利の調整が基地の内外にまたがって起こる可能性もある、こういうことを前提にいたしますと、機械的に基地の内と外というふうに専管区域を決めることは現実の行政処理として問題が起こるのではないか、こういう御議論を踏まえての御質問だと理解をさせていただくわけでございますが、この点につきましては、われわれは復帰後こういう事案も前提にして種々調査をしてきておるのでございますけれども、この国会で修正をされました法律の内容におきましても、第四条におきまして当然位置境界明確化の方法及び時期その他明確化のための計画及びその達成のために必要な事項につきましては実施機関の長が相互に協議をいたすことになっております。そういった法律のたてまえもございますので、現実にも当然現地におきましてはそれぞれ実施機関において緊密な連絡をとって運用を図る必要があろうと考えておるところでございます。 なお、今回の法律が社会党初め三党の御提案でございました地籍明確化法に比べて、必ずしも現実に即した最終的な解決を図るにはやや不測の問題も含んでおるのではないかという意味を含めての一般的な御質問であろうかと思いますが、私どもの考えといたしましては、今回成立しました法律の中身を拝見しますと、冒頭申し上げましたように、明確にこの地籍明確化の作業が本質的に国の責任であるということが明定されておりますし、その明確化に伴う必要な計画期間を五年を目途に国が定め、それに必要な所要措置を講ずるべきことも明定されておるところでございます。 なお、これに関連をいたしまして、いわゆる行政及び財政上の諸措置が数カ条にわたって明定をされておるところでございます。これらを通じまして国は当然これらの経費が国の責任において明定されました以上、所要の措置を講ずることは当然のことと考えております。したがって、直接的にこの明確化に伴う作業の必要経費はもちろん、その他いわゆる円満に関係者間の権利の調整を図るために必要な諸措置につきましての財政措置も、必要なものにつきましては当然国がその負担をすべきものと考えております。 なお、この修正法案に関連をいたしまして、政府においてこの経費の見積もりをお答えを申し上げているところでございますが、私ども開発庁の所管にかかる分について申し上げますと、私どもが国会にお答えいたしておりますのは、開発庁所管でおおむね五十億円というふうに言っております。中身といたしましては、位置境界の確認に必要とする行政経費約十二億円、公共施設の整備に要する経費約三十八億円、合計五十億円と見積もっております。この中で公共施設の整備と申しますのは、主としてこの法案で盛られておりますいわゆる明確化の作業を円滑に遂行する上で、それらの紛争地域内におきます公共施設の整備をする上に必要な用地の買収等を主体とする見積もりでございます。先生も御案内のように、これらの紛争解決は、今後私どもに課せられております全体の関係区域の中でそれぞれ原則として集団和解を行うわけでございますが、やむを得ない場合につきまして、先生も御案内のように修正されました新法では勧告権も発動するということになっておりますが、今後こういった事案の中でどの程度そういった紛争及び所要の問題が起こってまいりますか、私どもはおおむねの見積もりでやっておるところでございますが、当然所要の事案が生じましたならば、いま私が申し上げた見積もりを超えましても所要の財政措置をとることは当然あろうかと考えております。
○斎藤(一)政府委員 基本的な考え方あるいは全体的な考え方、ただいま沖繩開発庁の方から御説明がありましたとおりでございます。 なお、補足しまして防衛施設庁の立場から申し上げますと、基地の中が防衛施設庁が実施することにお決めいただいたのは、在来から防衛施設庁が御承知のようにやってきておるというその実績と、それから基地の中においては米軍との折衝その他の関係がございまして、防衛施設庁がやる方が効果が上がるというお考えがあったのかと思うのでございます。 いずれにしましても、基地の中は防衛施設庁が責任をもってやるということは明確に法で規定されたわけでございますので、この責任は全力を挙げて果たしたい。ただ、先生も御指摘になったように、この両方の協力ということは非常に必要でございますし、特に基地の境目にわたりまして中と外との関係というところを消極的に両方が避け合ったりしたのではとうてい本来の目的が達しないので、その点においては十分に遺憾なく協力の実績を上げて、期待の効果を上げてまいりたいというふうに考えております。 それから、先ほど御説明ありました八十七億のうち、五十億は開発庁の方でございますが、残り三十七億は、これも見積もりでございますが、明確化に要する経費として十八億、それから原状回復に要する経費として九億、土地買収等に要するもの十億、合わせまして三十七億という概算でございます。 あと、跡地の利用その他については、先ほど開発庁から御説明がありました全体の中において私どもができるだけの努力をして、本来の跡地利用の成果が上がるようにわれわれの立場でできるだけの御協力を申し上げて、そして実施機関相互の関係の連携がうまくとれるようにやってまいりたいというふうに考えております。
○上原委員 私が懸念しておったことが、すでに法の適用の実施をめぐっても問題があるわけですし、中身一つ入ろうとしても重要なところでひっかかるわけです。 もう一点明らかにしておいていただきたいのですが、そうしますと、国の責任において境界不明地域の地籍を明確にしていくということですが、この法律の提案者は防衛庁だったですよね。今後この法律を取り扱う窓口はどこですか。幾ら協議をすると言っても、実施機関が沖繩開発庁と防衛庁であるとしても、最高責任者というのはいるわけでしょう。——それぞれの窓口でやっていくのですか。それじゃ必ずまた問題が起きますし、解決していかないと思うのです。それを明確にしてください。この法を実施していくための権限を持つ所管大臣はだれですかということです。開発庁なのか、防衛庁長官なのか、防衛施設庁長官なのか。 それと二点目に、いまのお答えからすると、おおむね五カ年で地籍を明確にしていくということがうたわれているわけですが、この五カ年間に要する費用が八十七億円と見込むということですね。果たしてその程度で基地の内外を問わず地籍明確化ができるのかどうか。八十七億と算定をした根拠を資料として提出をしてもらいたい。 もう一点は、今後予算を計上する場合は、いま八十七億というふうに言われたが、五十億については開発庁、三十七億は大体防衛施設庁と別々に組んでいくわけですか。これじゃ一体の行政ができないし、地籍の確定ということと土地利用という面から含めるとスタートでつまずく可能性なきにしもあらず。この点が、私たちが開発庁を窓口にすべきであるということを法案の中で具体的に規定をしたゆえんでもあったわけですが、このことが問題点としてあるということ。 それに、ついでに申し上げますが、いまも御答弁の中であった十三条に規定をされているいわゆる勧告条項というもの、集団和解でできなくなったときの勧告条項ですが、これなどはいろいろ議論の上含めたということも仄聞をしたのですが、これは法的拘束力があるんですか、強制力があるんですか。きわめて消極的な規定の打ち方ですよね。そういう面。 ざっと申し上げますが、さらに私たちの案では、地籍を明確化していくための土地の行為の規制というものがどうしても必要だということを私たちは強く感じて出しているのですが、修正案にはそれがない。境界不明地域あるいは地籍が明確にされてないところでどんどん土地の開発行為が行われた場合には、売買行為とかあるいはその他の建造物が建てられていった場合には、地籍の混乱しているところですからこれができなくなる。こういう面は果たしてこの法でどうなっていくのか。まだほかにもたくさんありますが、ここいらの点も一応明確にしておいてください。
○亀谷政府委員 各般にわたって御質問でございますので……(上原委員「簡単にしてください、あなたの話は長いから」と呼ぶ)御答弁をいたしたいと思います。 所管の点でございますが、冒頭も申し上げましたように、この法律で、いわゆる基地の中につきましては防衛施設庁、基地外につきましては開発庁ということで行政組織上の責任が明定化されておるわけでございますので、先生の御質問の御趣旨もわかりますが、統一的に、最終責任者がいずれかの官庁でなければ国の責任が明確化されていないというふうには必ずしも私どもは考えておりません。つけ加えて申し上げますならば、社会党初め三党御提案も、この法律を見ましても、最終的には現在の国土調査法によりますところの、いわゆる内閣総理大臣の認証にかからしめる規定があるわけでございます。そういったことからいたしまして、全般的に、それぞれの現行制度の中で国の責任に応じて所要の明確化作業が図られると考えております。 なお、経費の点でございますが、先ほど申し上げましたように、開発庁所管の民地については私どもが一応の見積もりをはじいておるわけでございますが、たとえば明確にされました後の土地の有効利用を図るための土地改良あるいは土地区画整理事業等当然起こってくると思っております。これらの経費は、先ほど防衛施設庁からも御答弁がありましたように、当然現在の公共事業予算におきまして必要な経費を、必要にして十分その都度計上すれば足りるのでございまして、個々におきまして幾らという限度的な見積もりを特にしていないわけでございます。 なお、勧告権の問題でございますけれども、これは国会の御審議の過程でもいろいろ論議があったと理解をしておりますが、私どもの理解をするところでは、社会党初め三党案にございますいわゆる行政決定につきましては、現行の民事法体系とも調整がなかなか困難である、こういう事案を前提にいたしまして、国があらゆる関係者の意見を聞いた上でいわゆる適切な勧告をするわけでございますので、この勧告の内容につきましては、当然合理的妥当な、いわゆる境界の位置を明示するということを含めた勧告になろうかと思っておりますので、この勧告自身がただ単なる訓示的なものだとは考えておらないわけでございます。 なお、一般的な権利の調整の問題がございますが、これは先生も御案内のように当然社会党初め三党御提案の基本でございますいわゆる紛争の行政決定に関連をした一連の規制措置でございますが、この点につきましてもわれわれ行政府内部でいろいろ検討いたしました結果では、現在の民事及び立法上の体系から申しまして、個人間の所有権の確認を円満に解決するための手段として、その期間いわゆる土地の所有権の権利の規制をするということは立法上非常に困難である、こういうふうに考えております。
○斎藤(一)政府委員 いま御説明があったことに防衛施設庁としてつけ加え申し上げることは、三十七億の算出の基礎だと思うのですが、明確化につきましては、過去にやってきた実績を踏まえて、これから残されたところがどのくらい必要であろうかという、実績を踏まえての算出でございます。 それから原状の回復については、十四回、十五回安保協議会で、返還しなければならないところに、過去の実績から考えてどのくらい必要であろうかという推算でございます。 それから土地買収は、実績から見て、残されたところにどういう費用がかかろうかということを積み上げて計算したものでございます。
○上原委員 どうも行政の一元化じゃなくして、予算も二分化される。きょうは時間的に余裕はありませんが、皆さんそうおっしゃったって、開発庁が進めている地籍明確化と施設庁が進めているのとは、予算措置においても雲泥の差の差別がつけられているわけですね、基地の内と外は。この差別政策いわゆる基地優先政策を肯定化するようなかっこうになりますよ。この点指摘しておきます。資料を出してください。きょうは問題点だけ、少し大まかな点だけお尋ねしておきます。 じゃもう一点は、この地籍明確化の作業を進めていく事務を沖繩県知事に委任をするということが、二十五条でしたか、うたわれております。これはどういう事務を委任するんですか。恐らく政令事項だとお答えになると思うんですが、これももっと内容を具体的に明確にしないと、むずかしい問題をただ県なり市町村に押しつける結果になりかねないということ。それと、三条の県市町村の協力義務ということとどういう関係を持たすのか、関連させるのか。委任事務は何をどの程度委任するのか。この法案では、委任した場合の年次的な財政の裏づけというものは明確でない。運用の実際面において、財政措置含めてのどういう委任を考えておるのか、この点も明らかにすべきであると思います。 さらに、いまこの法案に伴ういわゆる人件費とか非常に狭い範囲の予算の措置というものはおおむね八十七億ということが、この間年次予算でなくして、全体増でそうなるということですが、これも問題があると思うんですね。しからば沖繩の地籍問題というのは、先ほども言いましたように、そういう形では解決しないわけですね。つぶれ地補償の問題とかあるいは交換分合なども出てくる。そういうことに伴う子算措置というものは、当然法的にも裏づけられ、財政的にも裏づけがないと、五年たってまた同じことを繰り返しますよ。私、いま警鐘を鳴らしておきます。 先ほど二年程度をもって見直しをしたいという大臣の御答弁もありましたが、こういう形で今日の難局を乗り越えたにしても、必ず同じ問題がまた繰り返されてくる。むしろ複雑な形で、問題は未解決のまま発展していく可能性もあるんですが、そういったつぶれ地補償の問題とかあるいは市町村道の補償の問題とか、さらに、具体的に返還された土地の跡利用を、たとえば市街化区域なら都市計画、農振地域ならば土地改良事業、これはこの法案とは別の角度の性格の問題ではあるが、少なくともそういうことまで政府の政策、方針づけとして、年次的にどう具体化をしていくかという予算措置を含めてやらない限り、いま提起をされている地籍問題というのは解決しない。ここに五年間に解決できなかった最大のネックがあるわけですね。このことを忘れてはいかないと思うんですが、ここいらのことについては御検討をいただいておらないのかどうか、あわせて明らかにしてください。
○亀谷政府委員 お答えを申し上げます。 冒頭経費の問題に関連してお尋ねがございましたが、私どもが新しく成立をしました法律で考えておりますことは、いわゆる県知事にも一部の事務を委任するというたてまえになっておりますけれども、この法律におきます。いわゆる重要な部分をなしておりますまず第一点は、いわゆる不明地域の範囲を指定をするという問題がございます。 次に、この計画を五カ年をもって政府の責任で達成するような実行性のある計画を立てなければならないという義務規定がございます。この計画を策定をするという作業。それから次には、この作業によりまして、どうしても現地で問題解決が調わない、こういう事案につきまして、審議会の議を経て勧告をするという手続も規定をされております。 さらには、最終的な話し合いがつきましたものを、いわゆる国土調査によりますところの内閣総理大臣の認証に上げしめる作業、さらには第十九条以降に規定をされております。ただいまお尋ねにも関連をいたしますが、返還地の利用促進のための措置、あるいは土地または建物等の買い取りのための資金のあっせん、融通、さらには土地の交換あっせん、そうして財政措置、こういった一連の事案につきましては、この法律の基本的な考え方でございます当然国の大きな責任でございますので、これらの事案につきましては、いずれも実施機関の長である開発庁長官の責任として処理をするというふうに考えております。したがいまして、現在この法律が成立した直後でございますので、政令の内容については、まだ具体的にここがこういうふうになるということは必ずしも明確にお答えできませんけれども、いま申し上げましたような国の責任にかかわる重要な事案につきましては、原則としてすべて開発庁長官がこれを責任を持って行うという考えでございます。 なお、県あるいは市町村の協力義務でございますが、先生も当然御案内のように、これらの基本的な事案がすべて個々の市町村の現実に存する地元の土地の境界の紛争ということにかんがみまして、どうしても最もなじみの深い地元市町村、市町村長の御協力、御助言も当然必要でございます。なお、戦後の長い間にわたって琉球政府が取り組んでこられました土地調査庁の実績及びその優秀な技能を持っておられる人たちの活用も図らせていただきたい、こういう意味で、私どもが国の責任というたてまえをとりながらも、なおかつ独断をもってやるということはしない意味におきましても、知事及び関係市町村長の御協力をいただきたい、こういうことでございます。 さらには、つぶれ地あるいは跡利用との関係におきます各種の公共事業の問題でございますが、具体的になりますと先生も御案内のように、この境界の明確化作業が終わりまして地籍が確定したものにつきまして、地元のそれぞれの土地所有者の方から、この跡利用につきまして、あるいは土地改良あるいは土地区画整理事業についての御希望が地元においてまとまりますれば、国としては、当然この法律の精神及び規定にのっとりまして、最優先をもってこれらの事業を行うという意味において、この法律にそれらの事案に対する国の義務規定が置かれておるもの、こういうふうに解しておるわけでございます。
○上原委員 そうしますと、二十五条にうたう県への委任事務のその範囲については、県側に選択する権限がありますね。県がそういう委任は受けないと言ったらどうなるんですか。それが一つと、これは私は後で触れるんですが、政令に委任するものは——まだもちろん政令事項は定めてないと思うのですが、政令はいつできるのですか。
○亀谷政府委員 お答えいたします。 ただいま申し上げましたような基本的な国の責任に係るもの以外の作業及び手続につきましては、原則として県にお願いをしたいと現在考えまして、昨日法案が成立しました直後から県当局と連絡をとりまして、これらの委任についての打ち合わせに入っております。私は、個人的に申し上げては恐縮でございますが、原則として県におかれましても国の意向を受けとめられ、これらの委任を承諾されるものと考えております。 なお政令につきましては、内容が広範にわたりますので、作業の手順を踏みましていわゆる不明地域の指定等必要なものを逐次、なるべく早く政令の具体化に入りたい、こういうふうに考えております。
○上原委員 この法案がきのう通ったということで政府の姿勢というものが少しずつ明白になってきているわけですが、質問に対する答弁というのは大体開発庁がやっているわけですね。私は、きょうは開発庁長官にぜひ出てくれということを要望したのですが、沖繩開発庁というのは沖繩の問題で足を引っ張るだけの役目しかやっていないということで、いま批判の声が非常に上がっているのです。正直申し上げてこれでは合点がいかないのですよね。 そうしますと、いまの答弁からすると、この法律の主官庁は沖繩開発庁だというふうに見ざるを得ないわけですね。防衛施設庁というのはあくまで基地内だけをやる。法案の趣旨がそうなっているから、皆さんの立場で言うといいかもしれません。要するに、五カ年間の末契約地主の皆さんの土地を強制使用する手だてさえできれば従前の方法でやるというのが皆さんの明らかな姿勢じゃありませんか。けさの大臣答弁なりと姿勢としては全然違う。そこをどういうふうに皆さん答弁なさいますか。質問をして法案の内容に一つ一つ入ると、全部沖繩開発庁しか答弁しない。そういう答弁であるなら、ここに開発庁長官を出しなさい。
○斎藤(一)政府委員 ただいまの点については、御承知のように、当初政府案が提案されまして、政府案の内容、御説明申し上げるまでもなく先生御承知だと思うのでございますが、原則として基地の中だけに限りまして、そしてその中の土地の地籍を明確にするためのわれわれが必要だと考えたいろいろな手順、手続あるいはそれに関係する必要事項を規定し、そうして第三章において未契約の土地を使用させていただくための特例というものを織り込んだ政府原案をお出ししたわけでございますが、御承知のようないきさつでそれに対しての三党提案がなされましたし、それからまた民社、新自由クラブの方にもそれぞれ党としての御意見がございまして、そういう御意見を取り入れて、議員提案でもって昨日参議院を通過しまして法律になったわけでございます。 そういう意味合いにおいて、政府提案の全面修正といういきさつから、もっぱら経緯的には防衛施設庁の関連したことから事柄が発展したのでございますが、実態的に見まして、先ほど来もるる話がございましたように、中と外との関係でございますし、外については、防衛施設庁としては本来の設置法から見ての所管事項とは違いますので、そういった意味合いにおいて先ほど来開発庁でもお答をいただいたわけでございますが、やはり先ほど先生から御指摘があったように、基地の問題はあくまで沖繩全体の開発の中で、そしてまた地元の御要望の中で推進されるべきでありまして、基地だけの都合で取り扱っては地元の開発との調整がつかないという観点から申しますと、やはりどうしても沖繩県全体の中の問題として、そして基地は私どもの方で誠意をもって取り扱っていくということが一番の効果的な方法であろうか、そういう意味合いにおいて先ほど来開発庁の方でお答えになり、私どももお答えをしておるということでございます。
○上原委員 沖繩開発庁ですが、きょう長官がお見えになっておらないので、余り政治的なことに対する御答弁はできないかもしれませんが、私たちはこの地籍明確化のための法案が必要であるということはもう復帰時点から強く要求してまいりましたよね、いまも言いましたように。同時に、皆さんがやらないものだから、県がしびれを切らして昨年末に地籍明確化要綱案を出していろいろ要請もしたはずなんです。しかし、沖繩開発庁は土壇場までそれをやろうとしなかった。地籍明確化のための作業を進めようとしなかった。そのことに対する責任はどうお感じになっているのですか。山中長官が開発庁長官、総務長官をやっておった時代から、必要があればこのことはやるということを国会でも、私の質問に対しても答弁しておる。だが事務当局はがんとしてそれをやらなかったのです。やらなかったがゆえに今日の重大な事態を招いたその行政的政治責任というのは、開発庁に相当部分があると言われても仕方ないと私は思うのですね。それをやらなかった開発庁が今度しぶしぶ、いろいろな形で法案ができたからといっていまここでのうのうと答弁をなさっているが、果たして基地の外、全体的なこの地籍確定というのをできますか。なぜ特別措置法を開発庁みずからが進んでやろうとしなかったのか。今日の事態になってどういう判断をしているのか、このことを、あなたに答弁求めるのも少し酷かもしれませんが、見解があればお答えをしておいていただきたいと思う。
○亀谷政府委員 開発庁長官が参れませんので、私は政治的な発言はお許しをいただきたいと思いますが、この地籍の明確化問題は、先生の御指摘のように、復帰の時点においても非常に大きな問題で取り上げられたことは、私も当時の担当の課長としてよく存じております。先生が御指摘のように、当時の開発庁長官でありました山中長官も国会におきまして、これらの事案が最終的に解決するためにはあるいは立法の措置が必要ではないかと自分も考えている、しかしながらこの立法化の内容は非常に複雑であるし、同時に個人の私有権にかかわる重要な問題を含んでいるので、立法化をする必要があるかどうか、仮に立法化をするとすればそれはどういう問題を処理しなければならないか等々、複雑な問題を含めて今後事務当局に検討させたい、こういう御答弁であったように私は理解をしております。 先生も御案内のように、沖繩の地籍の問題は戦後長い間にわたる大きな問題でございまして、琉球政府もこのために非常に御苦労をなさったわけですが、私どもが復帰後この事案を引き受けました時点では、残念ながら琉球政府土地調査庁におきましても、全体の地籍不明確な地域の概況把握及び所在市町村の明確な判別あるいは所要面積について一切明らかにされていなかったわけでございます。そういう事案につきまして、私どもは復帰後この問題に取り組まざるを得なくなったわけでございますが、今日まで五年間、じんぜんと時を過ごしたとは考えておりませんが、当時とにもかくにもこれらの対象の区域及び所在がどういうふうになっているかということをまず把握することから始めなければならなかったわけでございまして、この問題の作業のために基地を含めまして、防衛施設庁、私ども、それから県当局と御協力、御相談をいたしまして、まずこの概況の調査に入ったわけでございます。(上原委員「もう長ったらしい答弁は要らぬよ」と呼ぶ)その調査が二カ年にわたって行われまして、その後現在のような実施に入ったわけでございます。 同時に、この立法化につきましても、当時からいろいろ内部的にも検討をいたしてきたわけでございますが、たまたま県当局から昨年、いわゆる県の法案要綱なるものが御提示になりました。(上原委員「それをあなたは憲法違反だと言ったのだ」と呼ぶ) この内容につきましては、関係省庁としばしば論議を重ねてきたのでございますが、県の提示された法案要綱は、先生も御案内のようないわゆる行政裁定及びそれに伴う一連の規制措置が一番の骨子となっております。この点につきましては、関係当局と種々論議を重ねてきたわけでございますが、やはり現在の民事立法体系にはどうしてもなじまない、こういうこともございまして、県が御要望になっておるような立法化は非常にむずかしいという事案で今日に来ておったわけでございます。
○上原委員 あなた、そんな弁解だけしちゃ困りますよ。沖繩開発庁がもう少ししっかりしておればもっと早目に地籍問題は前進するのである。県が要望した要綱がまるまるできなければ、じゃなぜ沖繩開発庁の案をつくらなかったのですか。県がむずかしい問題だけ提示をすることに、公式の場では言わないにしても、開発庁の出先の機関もあなた自身もいろいろ圧力を加えている節がある。そういう政治姿勢こそ問題だと言うのだよ。何のための沖繩開発庁ですか。 いま現地では、沖繩開発庁は沖繩にとっては問題解決を阻む壁となっている。出先の機関も皆さんも、在任中に困難な問題を手がけることをできるだけ避けて、無傷で次の昇任をねらうというのが開発庁の今日までの姿勢なんだ。もちろん防衛庁の出先もそう、官僚化している。そこに沖繩の五年間の、今日問題があるこの地籍問題が前進をしなかったという政治的な行政責任の反省なくしてこの問題が解決できますか。そのことに対して局長としてどう思うのか、御答弁願いたい。君は、沖繩について余り知ったかぶりするな。
○亀谷政府委員 先生の御指摘のように、しかるべく早くこういった必要な措置が立法化されておればということにつきましては、私どもの努力が必ずしも十分でなかったという点につきましてはおわびを申し上げたいと思いますが、私どもの立場を弁解するわけではございませんが、現実に現地の作業を踏まえまして、諸般の事案について、これらを総合した上で立法化を図るべきであろうという観点から現実の時期に至った、こういうふうにお答えをさせていただきたいと思います。
○上原委員 全く反省の色なし。それはその程度にとどめておきましょう。ですから、従来のような対応の仕方なら、またもとのもくあみにはまるぞということを私は警告しておきたいのです。 そこで、この法案の効力の問題ですが、参議院ではもうすでにかなり議論されたようですが、どう考えても公用地等暫定措置法というのは五月十四日の零時で期限が切れたわけですね。失効したと私たちは見ている。一度失効した法律を延長するということが可能なのかどうなのかという問題。しかも、まだ政令ももちろんできていない。当初、いわゆる基地確保新法を昨年の臨時国会に提出した段階では、皆さんは手続期間三カ月必要だと言ったのです。だんだん迫ってくると二カ月必要だ、後はせめて一カ月は必要だというふうに、ころころ法律解釈というのを曲げてきた。そういういきさつからしても、一度失効した法律が、空白期間が生じて不法占拠をしておきながら、衆参で法律が通った時点から生き返るということは、どんなこじつけをやってみたって私は無理だと思うのです。これは当然法律論争として今後も発展していくでありましょうが、余りにも一方的な法律のこじつけによってこの問題を処理しようという態度も責められなければならない。 一度失効した法律を延長することが可能だというその根拠、あるいはまた空白期間の不法占拠が実際問題として四日あったわけですから、その四日間の取り扱いはどうなるのか。しかも、地主の皆さんにはまだ通告もしてないわけでしょう、政令もできてないわけですから。それは公示しただけでなるのですか。そういう事務手続の面はどうなのか御見解を明らかにしておいていただきたいと思います。
○味村政府委員 この暫定措置法の延長の問題について法律上の効力をお尋ねでございますので、その点についてお答え申し上げます。 この暫定使用法はいわゆる限時法ではございません。限時法と申しますのは、私どもの考えでは、ある法律につきまして、ある一定時点が参りますと法律としての効力を失うというのが限時法でございます。その場合には、法律の附則におきまして、この法律は何年何月何日限りその効力を失う、こういう規定をしてあるのが例でございます。ところが、この暫定使用法にはそのような規定はございませんで、暫定使用法のたとえば四条をごらんいただくと明らかなように、使用の権原は消滅いたしましても、なおかつ四条が生きてなければ困る、こういう状況でございまして、この暫定使用法は私どもの申し上げる限時法ではございません。したがいましてこの法律は、法律としてはことしの五月十五日以降も残っている、法律としての効力はあるんだ、こう考えているわけでございます。したがいまして、法律として残っている以上それを改正することは可能である、それは議決の対象になるということでございまして、これは参議院でも法制局長官が答弁いたしたとおりでございます。(上原委員「それを称して三百代言と言うのだ」と呼ぶ) 問題は、この法律の二条に定めております国の使用権原が五月十五日で切れるということでございますが、切れますのは国の使用権原だけでございまして、法律としての効力が残っている関係上、この五年を十年に改めるという法律改正が行われますと、国はその後使用の権原を取得するに至る、このように考えております。
○斎藤(一)政府委員 防衛施設庁の立場で先生のお尋ねにお答えする点は、政府原案の段階で三カ月要るあるいは二カ月要るという話でなかったかということでございますが、これは先ほど申し上げました政府原案の第三章の使用の特例が、手続的にそういう期間を要することになっておりましたので、政府原案を可決していただくためにはやはりそれだけの余裕が要るということを申し上げておったのでございます。先ほどお話し申し上げたように、当委員会で御審議の段階においてこの全面修正案が出たわけでございまして、この全面修正案が出た段階では、当初申し上げておったことが違ってくるというのはこの経緯から見て当然のことになってまいります。 そこで、あとは、この五月十五日以降この法律がどんなことになるかということにつきましては、いま法制局から法的な見解がございましたが、五月十五日以降この法律が成立したまでの間の事務上の取り扱いでございます。法的な見解は、ただいまお話があったところでございますけれども、これは後で、この期間、公用地暫定法二条一項のただし書きに基づかずして、国の管理する義務と権原においてこの土地について行為をしておったということを、いかにして今後適正な取り扱いをしていくかという実務上の問題が残っております。これは草々のことでございまして、十五日からまだ日がたっておりませんので、まことに申しわけないことでございますが、私ども具体的な措置というものをまだ決めるに至っておりませんが、この間のことに対しては、土地の所有者の権利を十分に考えまして適切な対策を立ててまいりたいと思っております。 それから、告示通知はどうかというお話でございますが、この二条一項のただし書きの使用に当たっては、暫定使用法の二条によって告示、通知をしておりますが、本法の五年が十年となったので、すでに五年が十年になったという告示を法律が成立したと同時にいたしておりまして、後、同じ趣旨の通知をいたす予定でございます。
○上原委員 法律に詳しい方が聞くと、これはもうどんなにこじつけであるかということがわかると思うのですよ。しかも、修正案を見ますと「第二条第一項ただし書中「五年」を「十年」に改める。」これだけで失効した法律が生き返るということは、私の能力ではちょっと理解しがたいのですね。しかも、告示の問題等についても、前にやったから必要でないと言わんばかりにおっしゃいますが、このことは法律に詳しい方々から厳しく糾弾されるでしょう。空白期間が生じた以上は、新たな法律というものがない限り、どう考えても法の適用はできないと思うのですね。この件については少し質問を残しておきたいと思います。いま幾つかの問題を聞いてみても、非常に不明確といいますか、あやふやで、まあ現実問題としてはやむを得ない面もあるかと思うのですが、先ほど来申し上げておりますように、下手をするとまた同じ結果になりかねないという懸念をますます深くしたことを私は大変残念に思うのです。 そこで、資料要求をしておきたいのですが、契約をしている地主の土地は、地籍が全部明確になっているのかどうか。これについて軍用地、自衛隊基地に分けて資料を提供していただきたい。地主の数とか場所、そういう詳しい資料。 さらに、契約を拒否している地主の方々の土地の地籍明確化問題は一体どうなっているのか。何か参議院でも御答弁があったようですが、どうなっていますか。この契約拒否の地主の皆さんの地籍の問題については、ここでも明確にお答えをしていただきたいし、同時に資料も出していただきたい。
○斎藤(一)政府委員 お答え申し上げます。 契約していただいておる地主の土地については、位置境界の明確な方がございます。これについては、いまここで詳しく申し上げる資料がございませんので、御要望のように、軍用地、自衛隊と分けて資料を御提出したいと思います。 それから、未契約地主の土地につきましては、四十件の明確になった土地がございます。自衛隊と軍用地に分けますと、そのうち自衛隊が一件でございますが、これは自衛隊の通信施設がございまして、所有者は市でございます。これについてはかねてから、これを早く移設して返還しなければならないというつもりで段取りをしておりまして、所有者の市の御了解を得て、できるだけ早い機会に、遅くとも本年度中には通信施設を他に移設いたしまして返還いたしたいと思っております。残余の明確になった土地は、いずれも米軍の基地の中でございます。
○上原委員 それは、資料を出しますね。
○斎藤(一)政府委員 お出しいたします。
○上原委員 最後に、防衛庁長官の方からお答えいただきたいのですが、要するに、いま法案の内容について、午前中の冒頭に申し上げましたように、まだまだ十分対応し得ないのじゃないかということをますます思うわけです。そこで、決意のほどは伺いましたが、もう一度、万一、五年の間に地籍の明確化なりそういうことができない場合はどうするのかということと、いま一つ、再延長は絶対にやらないという御答弁が参議院でもあったというような報道がなされておったのですが、そのことについても明確にしていただきたい。あわせて、二カ年後には見直しをして万全を期したいというお答えでしたが、そのことは、法の効力の問題は別としても、いずれにしても解決をしていかなければいけない問題ですから、そういうことに対してぜひ内閣全体として問題を明らかにして、いただきたい。これはけさも要望申し上げました。 さらに、これは開発庁もよく聞いておいていただきたいのですが、たとえば放棄請求権問題が今日まで全然解決をしていない、あるいは旧日本軍が取り上げた接収用地の返還問題等、これは挙げて開発庁が積極的にやらなければいけない問題なのだが、みんなしり込みをしているというのが今日までの事態なのです。 こういう懸案事項、戦後処理の重要課題が解決されないがゆえに、むしろ政府に対する政治不信なりいろいろな問題が山積をしている。絶えず申し上げましたVOA職員に対する見舞い金支給の問題等々、私が取り上げてみたって、重要課題はちっとも解決をしていないのですよ。きょうは防衛庁長官お一人しか大臣はいらっしゃいませんので、国務大臣という立場で、外務大臣、開発庁長官あるいは大蔵大臣と御相談をいただいて、総理大臣にもその旨お伝えいただいて、懸案事項については、法案が通ったからということでなおペンディングにするのでなくして、近い将来に必ずできる方向で解決をしていくという決意と、どういう対処をしていかれるのか、改めて御答弁を求めておきたいと思うのです。
○三原国務大臣 最後のお尋ねでございますが、これに関連をいたしまして、政府を代表する立場で、参議院におきまして藤田沖繩開発庁長官が申されましたお答えがございますので、これをまず披露申し上げておきたいと思います。 「この法案は、政府の方針を明らかにすべき点を特に強調したものであって、実行に関する部分はすべてを網羅して規定する形をとっておらず、特段の定めをしたもの以外は、一般法のあるものは一般法によって補い、運用によって実行を期し得るものについては運用によって補うというたてまえの立法と解するので、政府としては、運用に当たり、実施上の政令に織り込むべきものは織り込み、あるいは細心の行政指導を行う等々の配慮を払う所存であります。」という答弁をされております。先ほど先生御指摘の点につきましては、開発庁も同様でございますが、防衛庁におきましてもその線で進めてまいるという、そうした政府を代表する意見を開陣いたしておるのでございます。 次に、私が参議院におきまして、五年後には再度延長するようなことはいたしませんというようなことを申し上げたということでございますが、私自身、その際申し上げましたのは、復帰後五年の間における政府としてのひたぶるな反省をいたします。したがって、ここに五年という期間を区切っておりまするが、五年かかってもまた延長するというようなことにつきましては避けねばならないことだと考えております。そこで私は、まず二年最大の努力をし、問題があるかないかということを二年ぐらいのときにおいて一遍見直しをして、そして私どもはこの期間内にひとつぜひ地元の要請にこたえる最大の努力をいたしたいと考えておりますということを私は申し上げたのでございます。 それから三番目に、いまいろいろな御意見がございましたが、総合しては藤田長官のお答えで一応出ておると思いまするけれども、しかし沖繩問題のいろいろな問題の解決については政府が姿勢を正して、法案が制定されたからという、ただそれだけで済むものではない、これが沖繩問題処理のスタートであるという姿勢、決意をもってこれから具体的に取り組んでいきたいということを、きょうも私は総理に率直に申し上げました。再度御要請でございますので、そうした姿勢なり、姿勢だけでなくて実際に行政の場で推進をせなければならぬという点につきましては、私は重ねて総理にも申し、報告をいたしたいと思っておるところでございます。
○正示委員長 それでは、続いて市川雄一君。
○市川委員 最初に、当面する問題についつ防衛庁長官にお伺いしたいのです。先ほども上原委員から、午前中の質問でございましたが、大事な問題でございますので、重複しますが重ねて確認をしたいと思います。 新聞の報道によりますと、在韓米軍の撤退について、五月十一日、米国防省は正式に五月二十四日から日韓両政府と協議に入るということを発表をしておるようでございますが、そのことについて政府は全然承知しておりませんか。
○山崎政府委員 アメリカのブラウン統合参謀本部議長及びハビブ国務次官が五月二十四日に韓国を訪れて在韓米地上軍の撤退問題について話し合うということ、及びその帰途日本を訪問いたしまして日本政府とも話し合いたいということにつきましては、米国政府からわが日本政府に対して通告してまいっております。
○市川委員 そこで、日本の防衛当局の責任者として、三原防衛庁長官は在韓米軍撤退という問題について、まず基本的にどういうお考えを持っておられるのか承りたいと思います。
○三原国務大臣 午前中も申し上げたのでございますが、繰り返すようで恐縮でございますけれども、この問題につきましては、先般福田総理大臣とカーター大統領との会談の結果共同声明が出されたことは御承知のとおりでございます。その中に、これに関係をいたしますものとして、一つには、この問題を決める場合には韓国、そうしてまた日本と十分ひとつ話し合いをしたいということをまず一点述べておることでございます。次には、朝鮮半島の平和と安全をこわさないという一つの原則も申し合わせられておるわけでございます。三番目には、韓国の防衛については引き続き約束を果たしていきたいというような三点が共同声明の中に出ておるわけでございます。 しこうして、しからば、在韓米軍をいつの時期に、どういう規模、その後における代替策はどうするかというような、具体的に話し合いの中身になればそういうことになろうと思いまするけれども、そういう点は先ほど申し上げましたようにつまびらかになっておりません。こういうようなことでございまするので、私どもといたしましては、この推移は十分注意をしなければならないと、日本の防衛を担当する防衛庁としては受けとめ方をいたしておるわけでございます。 しかし、午前中も防衛局長から申しましたように、現在の時点で見てまいりまして、日本の防衛構想あるいはその防衛体制をそれがために変更せなければならないかどうかという点については、それまでの必要はなかろうという判断に立っておるところでございます。
○市川委員 在韓米軍の撤退が朝鮮半島の平和と安全をこわさないようにということをおっしゃっておりましたが、いまの御答弁の中で欠けているのは、要するに、在韓米軍の撤退に対して、防衛当局の責任者として、日本の安全に対して望ましい事態と考えているのかいないのかという、こういう評価を私は聞いているわけでございますが、その点はどうですか。
○三原国務大臣 この問題は、撤退を評価するということよりも、私は、ニクソン・ドクトリン体制と申しますか、その時期にすでに大体の極東における米軍の方向というようなものは示されておるものだと思うのでございます。カーター大統領の大統領就任の時期なり選挙時期におけるお約束というのは、そうしたアメリカの極東におきまする政策として実施されたものと思っておるものでございまして、特にこれを評価して云々というようなことを考えておるわけではございません。
○市川委員 評価というものがなかったら、朝鮮半島の安全と平和に混乱のないようにというこちらの考えは生まれてこないわけでしょう。やはり在韓米軍が撤退するということについて、こちらとしては望ましい事態なのか望ましくない事態なのかという認識はやはりお持ちのはずだと思うのです。それとも全然その認識を持っていないということですか。それはどうですか。聞いていることについてお答えいただきたいと思うのです。
○三原国務大臣 私は、アメリカの政策の一環として進められておるものだと思うわけでございまするが、その際に私どもが注視をいたしておりまするのは、あくまでも極東の平和なり朝鮮半島の平和というものが非常に関係がございまするので、朝鮮半島の平和と安全を壊さないという方針においてこれが進められるものと思っておりまするし、私はそういう意味において特別の評価をしなければならないということは考えておりません。しかし、あくまでもいま申し上げまするように、評価の重要な点は朝鮮半島の安全と平和が保たれるかどうかという点において注視をし、評価をいたしておるというところでございます。
○市川委員 そういうことであるならば、どういう撤退だと朝鮮半島の安全に影響があって、どういう撤退であれば影響がない、何かそういう判断をお持ちなんですか、どうですか。
○三原国務大臣 先ほども申し上げましたように、この撤退は一挙にどうだという時期的な問題等もあるわけでございます。あくまでも朝鮮半島の平和と安全が保たれるということが問題の焦点でございます。そういう点でどうされるか、いまの時期に私からそれをどうだこうだというようなことを申し上げることは差し控えたいということを申し上げておるのでございます。
○市川委員 どうも肝心なところをお答えいただけないわけですが、それでは、恐らくブラウン統合参謀本部議長と国務次官がお見えになるわけですが、この協議のテーブルのテーマは、いまお話の出た在韓米軍の撤退に伴う諸問題がテーマになると思うのですが、防衛庁としてはどんなテーマを予測してこの会議に臨もうとしておられるのか、その点を伺っておきたいと思います。
○三原国務大臣 これは私がお答えすることが妥当かどうかとも判断するわけでございますけれども、先ほども申し上げましたように、米韓の間においてやられておることでございまするし、特に米韓相互協力の軍事問題を私が中身がどうだというようなことをいま申し上げる立場でもないというような点で御理解を賜りたいと思うのでございます。
○市川委員 向こうがお見えになりますと、恐らく外務大臣と防衛庁長官がお会いになるのじゃないですか。どうですかそれは。
○山崎政府委員 ブラウン統合参謀本部議長とハビブ次官が参りまして日本側のだれと合うかということはまだ決まっておりませんが、当然外務大臣とはお会いになることになるかと思います。その他日本政府のだれと会うかということについては目下打ち合わせ中でございます。
○市川委員 米韓の問題かもしれませんが、日米共同声明でも、韓国の安全は朝鮮半島の安全につながっておって、その朝鮮半島の安全は日本の安全に関係がある、そういう認識を示しておるわけですから、在韓米軍の撤退が全くわが国の安全には無関係だというのであれば、別に何も朝鮮半島の平和と安全を壊わさないようにとかなんとかということは言うことはないのじゃありませんか。むしろそれだったら、米軍が撤退してもしなくても、それは米軍と韓国の間の話し合いでどうぞおやりくださいということでいいのではないかと思うのです。しかし、福田総理初め、朝鮮半島における米軍の地上軍の撤退についてはコメントしているわけですよ。いろいろな意味で重大な関心を持っている、あるいは微妙なバランスが崩れるとわが国の安全に影響がある、そういう見解を持っているわけですから、防衛庁の長官として当然在韓米軍の撤退が日本の安全にとって影響がありと見ているのか、いないのか、この点はどうですか。
○三原国務大臣 この点は、先ほども影響があるという点からこの推移を十分注意をいたしておりますということを申し上げておるところでございます。
○市川委員 カーター大統領が在韓米軍の撤退については四、五年以内にという期限を言っておりますが、一説によりますと、四、五年以内というのは撤退を開始するということではなくて、四、五年以内に撤退を完了させる、そういうふうにも言われているわけでございますが、この四、五年以内という撤退のテンポについては、防衛庁長官としてのお考えはいかがですか。どういうふうに見ておられるわけですか。
○伊藤(圭)政府委員 撤退の問題につきましては、いろいろな報道もございますが、在日米軍あたりもまだその内容は知らされていないようでございますし、私どももまだそのテンポ等につきましては全然知らないわけでございます。四、五年の撤退がどうかというようなお言葉でございますが、いま大臣が申し上げましたように、朝鮮半島におきます紛争が起こらないような形で撤退が行われるということを私どもは願っているわけでございまして、四、五年という期間の意味というものは、特に現時点において判断する要素はないわけでございます。
○市川委員 この問題で往復していても時間がたつばかりですが、バートレット米国上院議院が五月十一日の上院本会議で、日本の自主防衛強化を訴える演説をしておりますが、こうした米国内の空気から見て十分予想されることとしては、私たちが考えても、米国の考えている撤退のテンポというもの、あるいは考え方というもの、あるいは計画というものが、朝鮮半島の軍事的バランスを崩さないかどうかということについての日本政府側の考え方を恐らく聞かれるのではないかというふうに思うのです。それから、米軍撤退に見合う韓国軍の強化とか、あるいは近代化の促進の方法とか、これに対する米軍の援助の体制とか、あるいは地上軍撤退後の空軍力を主体にした米軍の韓国防衛体制のあり方とか、こういうことが恐らくテーマになるのではないかと予測するわけでございますが、この中で特に二、三の問題は米韓問の問題かもしれませんが、一、二、三に関連して、日本政府に対して、在韓米軍の撤退に伴う日本の自主防衛力の強化の要請とか、あるいは在日米軍基地の強化という要求が出てくる可能性が非常に強いわけですが、日本政府の方としては当然こういうことは予想して交渉に臨もうとしておられると思うのですが、いま申し上げたような点についてどうですか。全然予想を持っていないのか、あるいは予想を持っているとしたらどんな考えで臨もうとしておるのか。
○三原国務大臣 今日まで米国の防衛関係者あるいは国会等におきまして、日本に対しまする防衛上のいろいろな意見が出ておることは私も承知をいたしております。しかしあくまでも米国側に存在する意見でございまして、正規に日本に対してそういう要請を受けたことはございません。 また、わが国の防衛は自主的にやっておるわけでございまして、わが国の防衛の基本方針なり、あるいは昨年決定を見ました防衛計画大綱の線に沿ってわが国の防衛の整備については、これを進めておるわけでございます。
○市川委員 いままでは要請を受けたことはないかもしれませんが、在韓米軍の撤退という事実を踏まえて、そういう予想を全然持ってないのですか。テーブルについて、米側からそういうことを要求されるまでは、こちらは全然思考をストップして考えておりませんということですか。考えているけれども、いまの時期ではちょっと申し上げられないので言えないということなんですか。その辺はどうなんですか。
○三原国務大臣 先ほども答えましたように、具体的な要請というようなものを受ける立場ではないわけでございまして、あくまでもわが国における防衛力の整備等につきましては、みずからの方針に基づいて実施すべきものであり、今日まで整備に対してはこれを推進してまいったということをいまお答えいたしたわけでございます。
○市川委員 その問題は後でもう一度議論いたしますが、国防会議並びに閣議決定を見ました防衛計画大綱との関連で在韓米軍の撤退という問題をお伺いしたいのですが、この防衛計画の大綱の中で「わが国周辺の国際政治構造並びに国内諸情勢が、当分の間、大きく変化しないという前提にたてば、」というふうにあるわけですが、「当分の間」というのは大体どのくらいだというふうに見ておられるのか。それから「大きく変化しない」という、この大きな変化というのはどんな基準で、どんな判断でおやりになるのか、お伺いしたいと思います。
○久保政府委員 「当分の間」というのは、格別年限が決められておるわけではありませんが、一応予想し得る将来、見通し得る将来という観点に立ちますと、ほぼ十年ということでありますが、七、八年でもよいし、十年でもよいし、特定の期間を考えているわけではありません。いま考えるところでは、しばらくの期間こういう時期が続くであろう、そういうことを考えました。 それから、大きく変わらないというのは、これまたむしろ逆に日本の防衛計画を再検討しなければならないようなそういう変化ということで、逆に見ることも可能だと思いますが、そういう事態もいろいろあろうかと思います。ただし、いま在韓米地上軍の撤退問題が論議されておりまするけれども、それは再々論及されておりまするように、この地域の安定を崩さない範囲で行われるであろうという見通しでありまするから、単にそのことだけをとらえて、さしあたって大きな変化といううちには入るまいと考えます。
○市川委員 いまの御答弁に関連して、昨年の十一月八日、丸山次官が日本記者クラブで講演して「朝鮮半島に平和維持のメカニズムが確立されないうちに、カーター新政権が在韓米軍の徹退に踏み切ることになれば、わが国の防衛計画の大綱は見直しをしなければならないだろう」という発言をされておるわけでございますが、この防衛計画の大綱は、在韓米軍の撤退は当分ないという前提なのか、そのいまのお話のように、あっても朝鮮半島の平和と安全は絶対崩さないという方向で行われるであろうという見通しなのか。そういう見通しをいま述べられたわけですが、そういう見通しは、米国との話し合いで確証があるのですか。朝鮮半島の安全を崩さないでカーター政権が在韓米軍撤退をやります。こういう何か確証があっておっしゃっておられるのですか、どうですか。
○久保政府委員 私、アメリカ政府の人それからカーターさんが教わった学者方、そういう人以外の学者方にも会っておりますが、当初、カーターさんが選挙期間中に在韓米地上軍の撤退を言ったころには、どうも軍事的な見地から言ったように思えて、そのことが先ほどの四、五年という時期にも関連があるように思えたわけですけれども、私が接触している範囲で考えれば、単にそういう軍事的なことだけを考えているのではなくて、韓国内の国内政治的そしてまた朝鮮半島をめぐる国際政治的条件も十分加味しながら考えているという印象を十分に持っております。
○市川委員 丸山次官の発言された「見直し」というのについてでございますが、要するに、見直しの必要はないという立場にいま立っておられるわけですか。防衛庁はどうですか。
○伊藤(圭)政府委員 丸山次官が外人記者に対しまして日本の防衛問題について講演した際の、その後の質問のやりとりの場合の発言でございました。その時期はちょうどカーター大統領が決まりまして、そうして韓国からの撤退問題というのが選挙中から言われておった時期でございます。そうして新聞記者の人たちも、そういうことになると、韓国で大きな紛争が起きるかもしれない、そういった場合にもこの防衛計画の大綱というものを手直ししないのかというような御質問でございました。 そこで、丸山次官は、韓国が直ちにこのことによって紛争が起きるとは思わないけれども、仮に非常に危険な状態が起きたような場合、すなわち防衛計画の大綱に書いてございます前提が動くような場合には見直す必要があるだろうというような答弁をしたわけでございます。
○市川委員 先ほど防衛庁長官は、そういう米軍からの要請は受けたことはないというお話でございますが、これも私は米国に確かめたわけではございませんけれども、また新聞の報道によりますと、米の下院の歳出委員会で五月九日発表された七八会計年度国防支出予算をめぐる公聴会議事録、これは公に発表されたものでございますが、議事録によりますと、ブラウン国防長官は二月二十二日の同委員会国防予算小委員会で、日本の自主防衛力の強化について「航空自衛力および、それ以上に対潜水艦しょう戒能力の拡大に重点を置くべきだ」と証言した。さらに「われわれは日本の防衛力の質的な改善を確信しており、日本に対しこうした改善を進めるよう強く要請している」こういうふうに公式の議事録に載っていることが明らかにされているわけでございますが、こういう要請は受けておりませんか、どうですか。
○三原国務大臣 先ほども申し上げましたように、具体的な要請は受けておりません。あくまでも、いままで再三そういう意見が米国内においてあったことは事実でございます。
○市川委員 このブラウン発言に関連して、この背景を考えてみますと、日本が領海問題で附則の項で特定五海域を設けたことによって、ソ連船の監視を要求したものというふうにも考えることができると思うわけでございますが、この対潜水艦哨戒能力を強めなければならないという要求を日本政府にしているのだということを向こうは明らかにしているわけですが、防衛庁は日本の安全を確保するために、今回領海法の附則で設けられました特定五海峡を現状の三海里に凍結した点につきまして、日本の安全保障にとってプラスと考えておられるのか、マイナスと考えておられるのか、どうですか。
○伊藤(圭)政府委員 わが国の海上自衛隊の対潜水艦能力の向上というのは、わが国の防衛力整備の上でも従来から重視をしてまいったところでございます。先ほど大臣からもお答えいたしましたように、要請というものはないわけでございますが、一昨年でございました、シュレジンジャー長官が日本に参りまして坂田長官と話し合われましたときに、日本の防衛力整備の考え方をお話しいたしましたときに、やはり防空能力と対潜水艦作戦能力というものは重視してやっていきたいということについて、それは日本の置かれた環境から当然のことであろうというようなやりとりがあったということを伺ったことがございますが、その以外にはないわけでございます。 なお、五海峡の監視能力を強めろという要請はもちろんございませんし、現に私どもあの五海峡のうちで宗谷海峡、津軽海峡それから対馬海峡につきましては監視所を持っておりまして、通常調査活動といたしまして、通航いたします艦艇を監視いたしておりますけれども、大隅半島にはそういうものがございませんので、実際には行えないわけでございます。 また、一般的に申しまして、十二海里の領海ができましたときに、防衛上の見地からするならば、外国の船舶あるいは艦艇等が自由に行動できない範囲が広がるということは有利でございますが、日本の安全保障というものは単に軍事的な面あるいは防衛的な面から考えるのではなくて、広い意味の国力の向上あるいは外交的な問題、そういった点から配慮いたしまして決められたことになったわけでございますが、現在が三海里でございます。したがいまして、現在より悪くなるという事態はないというふうに考えておるわけでございます。
○市川委員 そうすると、前向きにプラスだとはお考えになってないということですか。それでは、ソ連の艦隊についてはどうですか。防衛庁はわが国の安全について脅威と見ているのか、そうでな いと見ているのか、その辺はどうですか。
○伊藤(圭)政府委員 ソ連の軍事力が直ちに脅威か、仮想敵かということでございますと、仮想敵とは考えていないわけでございます。しかし、わが国の防衛力を整備し、これを運用するに当たっては、近隣諸国の軍事的な能力というものを考えながら防衛力を整備いたしております。 その場合に、ソ連の海軍力の中できわめて特徴的なことは、潜水艦が非常に多いということでございます。そして、この潜水艦が徐々に原子力化されていっているということでございます。もう一点は、航空勢力がきわめて強力であり、しかも戦闘機の性能が近年高くなってきておりまして、戦闘機による攻撃能力というものが従来のような地域よりもさらに広がっているという現実の能力を持ってきております。そういった点は、やはり潜在的な軍事力として私どもが深く関心を持っているところでございます。
○市川委員 次に、次期主力戦闘機FXと次期対潜哨戒機PXL。防衛庁としてこの機種決定はいつごろ正式に決定したいというふうに考えておられるのか。防衛庁長官にお伺いしたいと思います。
○三原国務大臣 FXにつきましては、でき得れば概算要求の時点でという一つの目安を持っているわけでございまするけれども、早くなりますればそういう時期に、しかしいかに遅くとも今年末ごろまでには決めざるを得ないという見通しでおるわけでございます。 次にPXLにつきましては、これ自体も、いま申し上げまするようにできるだけ早くと言えば概算要求ということでございましょうけれども、しかしいまのところ、ロッキード事件等の解明等の推移等もありまするので、やはり少しおくれていくかなというような見通しを持っておるところでございます。
○市川委員 FXに対して防衛庁は、昨年十二月、F15最適という結論を出したわけです。しかし、それからこの国会におきまして予算委員会、あるいは二月二十四日の米ブラウン国防長官の上院軍事委員会での証言などで、問題が数々指摘されたわけでございます。防衛庁長官は、いろいろな経過を踏まえて、去る四月六日の参議院の予算委員会におきまして「いまのところF15という内定はございまするけれども、もう少しやはり幅の広い、慎重に、しかも冷静に、私は最終決定に対しましては一つ一つの段階を経て準備をいたしまして最終決定——国防会議に持ち込みたい」とお答えになっておられるわけですが、この御答弁の前後をよく拝見してみますと、やはりブラウン発言に見られますように欠陥問題等いろいろ指摘を受けて、もう少し幅広く、慎重に、しかも冷静に最終決定までやっていきたい。で、この答弁の前に、いろいろな問題があるので「そういう問題を一つ一つつぶしていかねばならぬ」ということもお答えになっておられるわけでございますが、この答弁はFXについて機種決定を再検討するという意味でございますか、とうですか。
○三原国務大臣 FXにつきましては、御承知のように防衛庁としてはすでに防衛庁で内定をいたしておる問題でございます。しかし先ほども申し上げましたように、ロッキード事件等の問題の推移がございますので、そうした問題の推移も見てまいらねばならぬ。特に、この問題につきましては、非常に大きなプロジェクトでございますし、国民の疑惑を受けるようなことがあっては相済まぬという立場もあるわけでございます。また、先般来アメリカにおいてこのFXについてのいろいろなブラウン発言等もあったわけでございまするので、そうした点等を勘案しながら、私どもといたしましては、最終的には国民の疑惑を受けない中で決定をいたしたいというような、私の心境なり見通しを述べたところでございます。
○市川委員 ブラウン発言についていろいろないきさつがあったことを承知しているのですが、二月二十四日ブラウン発言があって、二月二十五日に長官が米軍に問い合わせを指示した。三月二日、同じようにブラウン長官がまた公聴会で欠陥の発言があって、三月十二日に日本側の照会に対する回答が来て、それから三月二十五日に防衛庁FX企画室が解散されて、四月一日にブラウン長官から三原防衛庁長官に書簡が来た、こういう経過は承知しているのですが、その前提でお伺いいたしますが、このブラウン国防長官は、上院の軍事委員会で、F15には欠陥がある、改良のためには五年前後の期間が必要である、これは二月二十四日の発言です。それから同じく、当初の設計開発目標を満たしていないばかりか、今後とも満たせないであろう、こういう証言をしているわけですが、この二月二十四日の証言の議事録といいますか記録は、防衛庁は手に入れて、いまお持ちでございますか。
○江口政府委員 議事録は入手いたしております。
○市川委員 議事録を入手したということは、ブラウン国防長官がこういう発言をしたということは認識しておられるわけですね。どうですか。
○江口政府委員 いま御指摘のような言葉が、二月二十四日の証言議事録の中であったということは事実でございます。私どもも議事録等においてそれは確認いたしております。 ただ問題は、そのデフィシェンシー、これは英語で言っておられますけれども、そういった言葉の解釈の仕方等につきましては、われわれが軽々に憶断することはできないと思っております。
○市川委員 三月二日の発言についてはどうですか。議事録を入手しておりますか。
○江口政府委員 入手いたしております。
○市川委員 三月二日は、御承知のように、火器管制装置とミサイルの欠陥について、すでに実戦配備の始まった同機は修理せざるを得ない、このまま生産を続ければそれだけ修理機数がふえる、こういう趣旨の証言をしておられると思うのですが、二月二十四日と三月二日の証言記録を取り寄せて防衛庁は検討したと思うのですが、その検討結果、どんなお考えを持っているのですか。それをお聞かせください。
○江口政府委員 この議事録でございますが、これは外務省経由で私どもの伺いましたこと、ブラウン長官の御自身のおっしゃったことでございますが、いろいろその言葉はあるけれども、全体をならして見てもらいたいということで、私どもの方に関連の議事録等も送られてきております。その中にいま御指摘になりました二月二十四日あるいは三月二日というようなものが入っておるわけでございます。ところで三月二日のものにつきましては、まさにいま御指摘のありました、いわゆる改修ということになりますか、リワークという言葉が使われておりますが、大変恐縮でございますが、こういう英語の感じのつかみ方でございますが、私ども本当の、どういうつもりて言われたのかということをなかなかはかりがたいところがございます。それで、現在私どもの考えておりますと申しますか、私どもの方で理解しております点といたしましては、その後米国の国防省の方から、私どもの方が疑点を出しましたことに対して一応説明と申しますか、そういった種類の情報を流していただいております。それからさらに、先ほどもございましたように、三月三十日にブラウン長官から私どもの三原長官あてのお手紙をいただいております。この手紙が、端的に申しますとサインをされた手紙でございまして、端的にブラウン長官の気持ちを伝えておるのではないかというふうに考えます。その手紙の中身でございますが、これの中身といたしまして、私の見解を要約いたしますと、自分としては15は非常に全天候型の航空優勢戦闘機であると考えておる、こういうことを言っております。しかしながら、技術の進歩に伴って、F15のウエポンズシステム、ミサイルでございますが、そういったものに新技術を導入することによって将来さらに改良することが可能であると信じておる、こういうことが言われております。こういうことから察しますと、いわゆる改良計画、過去に傷があったことによってそれを治癒するということではなくて、ここで言われております改良計画は、端的に申しますと、モノパルスシーカーというミサイルの7Fの先頭につけておりますシーカーでございますが、そういったものに関連する改良計画等を指しておられるのではないかというふうに考えております。したがいまして、現在あります飛行機でありますとか、あるいはウエポンでありますとか、あるいはそういったミサイルというものは現在の水準としては非常に優秀である、きわめて優秀である。しかしながら、これについてなおこういったものに全然改良すべき余地がないかというとそうではない。これはこういったものを開発していきますプロセスとしてはいかなる場合にも起こり得ることでございまして、私どもそういったものめ推移というものは厳重に見てまいりたいと思いますが、ごく大ざっぱに申しまして、いま申し上げたような受け取り方をいたしております。しかしながら、それだけでは不十分でございますので、今後も引き続きこの点につきましては先方からの情報も求め、われわれとしても納得のいくまで検討してもらいたいと思っております。
○市川委員 米国内向けには欠陥があるという発言をされて、これが日本で問題になりますと、改良すれば優秀な戦闘機になるだろうと言う。これは話としては裏表の話になるわけですよね。欠陥がある、しかし改良すればいいですよ。そんな話だけで総額一兆円と予想されているFXの機種選定と購入というものを防衛庁はお決めになるのですか。たとえ昨年決めてあっても、要するに、ブラウン証言とこの三原長官に来たところのブラウン書簡は明らかに矛盾しているわけですね。ブラウン証言が否定されたわけではないわけですよ。ブラウン証言の事実が否定されたわけではないし、ブラウン証言そのものだって否定されたわけではないわけでして、ただ、改良すればいいだろう、全体としては優秀な飛行機である、こういうことだけで再調査なさるお考えは全然ないのですか、どうですか。
○江口政府委員 私どもの方としては、現在あらゆるルートを使いまして入手し得る限りの情報は着々入手しているつもりでございます。その結果、いま申し上げましたような、若干言葉足らずでございましたが、と申しますのは、長官自身も、自分の言い方といったものについて誤解を招いたことは非常に申しわけないというようなことも言っておられますので、その辺の言葉の行き違いも若干あろうかと思います。しかしながら、事態はそういう言葉という問題だけでは過ごせられない問題でございますので、私どもの方も現在極力あらゆる手段を動員して事態の究明に努めております。そういう意味で、いわゆる調査団というような形のものが適当かどうかということはいま直ちに申し上げかねるわけでございますけれども、折に触れて、こういったものについての調査と申しますか探究、そういったものは進めてまいりたいと考えております。
○三原国務大臣 いま装備局長から大要の回答をいたしたのでございまするが、いま先生御指摘のように、ブラウン国防長官が米国においていろいろな発言をしたこと、その中には前後私ども承っておりましても明確を欠くような点もあるわけでございますし、なお私に寄せられました書簡等から見れば、いま御指摘のように、最優秀戦闘機であるというようなことを言っておるような点において、どうもうらはらがあるのではないかというような御指摘でございます。この点につきまして、私は参議院の予算委員会におきましても、一つ一つの問題点をつぶして解明していきたいと思います。そうして国民に疑いを持たれないように努めてまいりたいということで、ああいう発言をしたと思うのでございます。 なお、私どもといたしましては、内定はいたしておりますけれども、最終決定をするまでには、いま装備局長が申しましたように、もっと向こうと折衝を続けながら、まだそれが明確でないというような問題点があるといたしますならば、大体いま予定をいたしておりますのは、七月の時点ぐらいに再度調査団をアメリカに派遣をいたしたい、そういう予定でおるところでございます。
○市川委員 千円や二千円のものを買うというのとわけが違いますし、国民も非常に強い関心を持っております。ただブラウン書簡が来たから欠陥発言が帳消しであるというなら、これは何も国防会議とか防衛庁で長い間機種選定の研究なんかする必要は全然ないわけですよ。米国の戦闘機については米国の国防省の推薦状をいただけば足りてしまうということですよ。そういう意味で、どうぞ国民が納得がいくように、防衛庁にも、そういう機種の欠陥について専門的な立場で技術的な検討をする力を持ったスタッフがいらっしゃると思いますので、そういうきちんとした再調査団を派遣して、国民が納得する形でこの欠陥発言の問題についての解明をやっていただきたいということを御要望申し上げたいと思うのです。 それで、こういう欠陥発言をブラウン長官はしながら、今度急遽うらはらな発言、日本向けの発言をなさった背景には、百二十三機きちっと全部買ってもらわないと困るという背景があるのではないかというふうに言われております。イスラエルでも五十機の予定を半分に減らしたというふうに伝えられておりますし、米国自身も購入機数の削減を提案しております。そこへもってきて、日本がこういう欠陥発言でキャンセルが起こるとコストが非常に高くなる。そういうことが背景にあって、米国内向けと日本向けと分けて発言しているのではないかというのは十分理解できる背景のように思えるわけですが、こういう点の分折については防衛庁としてはどうですか。そういうお考え、分折持っておられませんか。
○伊藤(圭)政府委員 ただいま、ブラウン長官が向こうで発言したから何でもアメリカの言うなりになっているのではないかという御発言がございましたので、昨年来の調査の実情をまず最初に御説明させていただきたいと思います。 私どもは、先ほど来装備局長が御説明いたしておりますように、何度もこの新しい戦闘機についての調査団というのを出しております。そして御承知のように、昨年の五月から七月にかけまして出しました最終的な小松調査団というものが技術的な面あるいは価格の面等につきまして十分調査をいたしております。したがいまして、今回のブラウン発言にありましたFCSの問題等につきましては、調査団が参ったときにも、過去にそういう問題があったというよりは、新しい一つのシステムになると改良されるというようなことは承知いたしておるわけでございます。したがいまして、調査が不十分でその虚をつかれたという感じは私ども持っていないわけでございますが、先ほど装備局長から御説明いたしましたようにそういう発言もあるし、さらにまた国防会議の場等で御説明申し上げるにしても、納得のいく調査をしたいというのが前提であることを申し上げたいと思うわけでございます。 同時にまた、日本に百二十三機売らなければならないからそういうふうな発言になったというふうには実は考えていないわけでございまして、百二十三機というのは、昨年十二月九日の内定の段階におきまして、私どもは、五個飛行隊とファントムの四個飛行隊をもってここ当分の間防空要撃任務を持つ飛行隊を維持していきたいと思っておりましたけれども、昨年の十二月二十一日の国防会議の御決定に従いまして、一年間、FXの選定といいますか整備に着手するのが延びた関係がございまして、ファントムの十二機をお認めいただきまして、ファントムの部隊を六個飛行隊維持してまいるという計画にいたしております。したがいまして、百二十三機そのものも幾らか減ってまいるというふうに予測をいたしておりまして、この辺の作業というのを現段階でやっておりますので、百二十三機を売らんがために日本に対してそういう説明をしたんだというふうには考えていないわけでございます。
○市川委員 聞かれればもちろんそういうふうにお答えせざるを得ないと思うのです。 先ほど三原防衛庁長官は、もう一度調査団を派遣するということをおっしゃいました。しかも内定しているからといって何もそれにこだわるわけじゃない、最終決定はまだしてないんだと発言されておりましたが、そういう調査団を派遣した結果、あるいは情報を取り寄せて分析検討した結果、ふさわしくないという判断をする可能性も残っているんだという意味でございますか。どうですか。
○三原国務大臣 先ほど装備局長なり防衛局長から答弁をいたしました言葉の中にもありましたように、長い間かかってアメリカばかりでなくヨーロッパに対しましても調査団を派遣してやってまいったところでございます。内定に至りますまでは、実際にFXについての具体的な技術的な研究なりあるいは防衛効果等の問題等からつぶさに純技術的な立場、純防衛的な立場で調査を進めてまいった上での内定でございます。しかし、時たまたまブラウン長官等の発言が出てまいった。照会をしてみると、どうもわれわれが受けとめていることとブラウン長官が言われたこととは一致をしないというような事態もあるわけでございますけれども、しかし、議会等で言われました言葉それ自体、やはり一つ一つを私どもは解明する立場に立たなければならない。そうでなければ、先ほど先生も御指摘のように大きなプロジェクトでございますし、国費を使うわけでございますので、そうした点で私どもは再度調査団を派遣しようという予定をいたしておるわけでございます。しかしいまそう言えば、それば内定を変える企図を持っておるのかと言われますれば、そうした企図はいま持っておりません。それが絶対的な欠陥でございますれば、そのときにはまたいろんな検討を進めねばならぬと思いますが、いまの時点におきましては、内定の路線に沿いながら解明いたしたいという方針でおるわけでございます。
○市川委員 次にPXLについて二月末に防衛庁は調査団を訪米させていると思いますが、その調査結果、どういうことであったのか、簡単に。それからロッキード事件等でこのPXL問題が当初の計画から大きな変更をしているわけでございますが、現在PXLの機種は防衛庁としてはP3Cが望ましいと考えているのかどうか。それから輸入、国産化のこの問題につきましては、現時点におきまして輸入と考えておられるのか国産化という方針で考えておられるのか、この点をお伺いしたいと思います。
○江口政府委員 調査団の問題でございますが、これは昭和五十二年の二月二十七日から五十二年の三月十三日まで米国に調査団を派遣しております。この中身はS3A、要するに現在米国の海軍が使用しております艦載機でございます。P3Cは陸上の対潜機でございますが、これは船に積みます艦載機でございます。そういったS3Aを中心といたします技術的な問題の調査に主として参っております。 それからなおP3Cにつきましても、その後進歩改善がございますので、かつて私どもが調査いたしましたところ以上に進んでおるものがございますので、そういったものにつきましても所要の調査をいたしております。その調査の中身につきましては、現在海幕を中心に作業いたしておりまして、ほぼこれがまとまっております。ただ、内部的にそういった調査結果についての評価、判定というようなものまではまだいたしておりませんけれども、一応おおむねまとまってまいったということでございます。 それで、そういったものを中心といたしまして、従来から調査してまいりました、つまり国産機あるいは輸入、P3Cの導入というようなものに加えまして、たとえばS3AなりあるいはP3Cなりに積んでおります搭載機器、そういったものを輸入いたしましてそして機体を国産機にする、こういった開発案、折衷案と言っておりますが、そういったものの利害得失等につきまして検討するということで、五十二年度におきましては予算を認められておりますので、これで検討するということで、いまそれに着手しておる段階でございます。そういうことをまちましてどういうふうに決めていただくかということでございまして、私ども、事務的にはなるべく早い機会、つまり五十三年度の子算の概算要求ができるようなときまでには所要のデータ等をそろえて考え方を決められる余地をつくりたい、このように考えて作業を進めておるわけでございます。
○伊藤(圭)政府委員 ただいまP3Cを選びたいと思っているのかという御質問でございました。このPXLの問題につきましては、なぜこういったものが必要かという背景を一言で申し上げますと、海上自衛隊は御承知のように一番最初はP2Vという、これはアメリカから輸入いたしましてそのままの、ライセンスで国産した対潜哨戒機を使っておりました。それが古くなってまいりました時点で、では次のものはどういうものが要るかということで、電子機器はまだ搭載されるものはございませんでしたが、もう少し精度の高い、潜水艦を捜索し、探知し、そして攻撃できる、そういった機能を持ったものがほしいということでP2JというP2Vを改良いたしまして機体を大きくし、その中に機器を積み込んだ対潜哨戒機でまいっておったわけでございます。ところが四十三年ごろから原子力潜水艦の出現がございまして、この原子力潜水艦に対しましては現在のような、音を聞きましてそしてその方向、位置、そういうものを計算して追っていくのでは、水中三十ノット以上のスピードでございますのでとても追いつけない、したがって、次の世代の対潜哨戒機というものは電子機器によりまして瞬時にその位置を判定できる、そういった機能を持った飛行機がほしいということでPXLの国産ということで努力してまいっておったわけでございます。それがいわゆるP3B、P3Aという時代にはP2Jと何ら変わらなかったわけでございますが、四十八年になりましてP3Cがリリースされました時点で、そういった能力はきわめて高いということを私どもは認識いたしました。こういった程度のものを私どもは次のP2Jにかわる対潜哨戒機として持ちたいということで努力しているわけでございまして、ただいま装備局長から御説明申し上げましたように、P3Cそのものをライセンス国産するという方法もございますし、またP3Cの電子機器よりはさらに進んだと言われておりますS3Aの電子機器を積んだ、そして長距離哨戒が可能な飛行機というようなものも考えられますし、いろいろな選択が現時点であるわけでございますが、能力といたしましてはP3Cが持っているような能力のPXLにしたいというふうに考えているわけでございます。
○市川委員 いまの時点では、国産にするのか輸入にするのか分離導入にするのか全然決めてないということでございますか。それともこの三つの選択のうちのこの方向という方向づけは出ているのですか。どうですか。
○伊藤(圭)政府委員 現実の問題としてまだ決めてはいないわけでございます。その三つの方法について詳細な検討をし、勉強をしているという段階でございます。
○市川委員 そうすると、見通しとしては大体いつごろお決めになるのですか。概算要求のときですか。
○伊藤(圭)政府委員 私どもといたしましては、P2Jが寿命が参りまして落ちてまいりますのが五十七年度ごろからでございます。もちろん最初の段階というのは一機ないし二機というわずかなものでございますが、だんだん年がたつにつれてこめ機数がふえてまいります。したがいまして、その除籍の時期に合うような形でPXLにかえていきたいというふうに考えておりますので、研究開発によってやるとするならばなるべく早い方がいいわけでございますし、またライセンスによる国産というような形にいたしましても、時期としてはなるべく早い時期ということでいま作業を進めておりますが、できますならば概算要求の時期までにその方向を定めて概算要求をし、来年度の予算でお願いできればというふうなテンポで進めているわけでございます。
○市川委員 次に、国連の安全保障理事会常任理事国の問題についてお伺いしたいのですが、福田・カーター共同声明の第七項で御承知のようにうたわれているわけでございますが、福田総理大臣は「大統領のこの発言に謝意を表明した。」というふうになっているわけでありますが、これは、日本政府としては安保理事会常任理事国に積極的に立候補していく御意思があるのかどうか、どうですか。
○大川政府委員 日本政府といたしましては、この問題につきましては、実は一九七〇年ごろ、愛知外務大臣の当時だと記憶しておりますけれども、そういった安保理における日本の貢献を増大するような方向に関心があるのだという意思表示をしたことがございます。したがいまして、今回アメリカの大統領があのような発言をしたことにつきましては、従来からも何回かアメリカの政府からそういう支持の発言がございましたけれども、改めて日本の国際的地位あるいは安保理における討議に対して貢献ができるのではないかということを認められたということ、あるいは日本の今後の役割りに期待をかけたという……(市川委員「立候補していく積極的な意思を持っているのかいないのか」と呼ぶ)日本としては、国連加盟国がみんな日本を喜んで安保理事会の常任理事国として受け入れて、くれるということであればそれに応ずる意思はございますけれども、これは実際問題としてはなかなか容易なことではないということも同時に認識しております。
○市川委員 国連から国際の平和と安全の維持のために国連軍として自衛隊の派遣の要請を受けた場合、恐らく日本の憲法に抵触して派遣はできないと思うのですが、防衛庁長官、確認のためにお聞きするのですが、どういう方針ですか。
○三原国務大臣 わが国の憲法下におきましては武装した自衛隊を海外に派遣するというようなことは許されておりません。したがいまして、現在のところそうした要請がありましても、憲法に抵触をいたしますので、派遣するということはできない、そう考えておるところでございます。
○市川委員 愛知外務大臣の時代から常任理事国入りについては関心を持っておったということでございますが、国連憲章によりますと、常任理事国というのはかなり国際の平和と安全の維持に責任を持たなければならない立場に立つわけでございます。憲章四十七条二項では「軍事参謀委員会は、安全保障理事会の常任理事国の参謀総長又はその代表者で構成する。」こういう憲章もございますし、同時に四十七条三項では、「軍事参謀委員会は、安全保障理事会の下で、理事会の自由に任された兵力の戦略的指導について責任を負う。」こういうふうになっているわけですね。そうしますと、日本のいまの恒久平和主義の憲法を持つ限り、常任理事国などという発想は浮かんでこないはずだというふうに思うのですが、どうですか。この軍事参謀委員会の構成員に現行憲法下で日本が入ることができるとお考えになっておられるのかどうか。
○三原国務大臣 このことはアメリカ局長からお答えになると思いますが、私先ほど申しました答弁の中に、武装をして派遣云々と申しましたが、武装して武力行使のために派遣することは許されませんということで、そこを挿入させていただきます。よろしゅうございますか。——なおいまのことはアメリカ局長にお願いいたします。
○大川政府委員 憲章の四十七条で、御指摘のとおり安保理事会の常任理事国である国は、安保理事会のもとに設けられた軍事参謀委員会にそれぞれの参謀総長あるいはその代理者を出すということが決められております。したがいまして、将来仮に日本が現在の憲章の規定の書き方のもとで案保理事会の常任理事国になったといたしました場合には、この規定が存続する限り、参謀総長に該当する人あるいはその代理者が軍事参謀委員会に出席を期待されることになると思います。その人物が日本で言えばだれに当たるのかといったような具体的なことについては、私どもとしてはまだ検討いたしておりません。
○市川委員 その人物がだれに当たるかどうかじゃなくて、出られるのか出られないのか、どうですか。
○大川政府委員 憲章四十七条の三項に軍事参謀委員会の任務が書いてあります。先ほどおっしゃいましたように「安全保障理事会の下で、理事会の自由に任された兵力の戦略的指導について責任を負う。」となっておりますけれども、現在の国連におきましては、ここに予見されているような理事会の自由に任された兵力というものはございませんので、仮定の問題になるかと思います。しかしいずれにいたしましても、今後の問題といたしまして、現実の問題となりました場合には防衛庁と検討はいたさなければならないかと思います。
○市川委員 常任理事国になれば、当然そういう義務が発生するということが国連憲章に書いてありながら、日本政府はそういうことも検討しないで常任理事国になることに関心を持っているとか、アメリカの大統領に資格があるなんて言われてありがとうございますとか、どうもその辺全然詰めておられないということですか、どうですか。
○大川政府委員 現実の問題といたしましては、アメリカ合衆国のほかに四つの常任理事国がございますし、そのほかに多数の加盟国がございますので、それぞれそういった国々が思惑を持っておりますし、さらに日本なら日本が安保理事会の常任理事国になるためには、憲章の手続に従った憲章の改正が必要でございます。したがって、これは決して容易なことではございません。
○市川委員 わかりました。私は、余り日本は背伸びしない方がいいんじゃないかというふうに考えておりますのでお聞きしたわけでございます。 次に、国連の問題。国連憲章第五十三条並びに百七条に敵国条項というものがございますが、普遍的な国際平和の機関として国連の機構を考えた場合に、こういう旧敵国条項というものがあることは、もう日本もドイツも国連に加盟しておるわけでございますから、そういう意味で、余り日本にとっても好ましい条項ではないと思うんですが、その辺について本当は防衛庁長官にまず伺いたいと思っていたんですが、アメリカ局長で結構でございますが、どうですか、この敵国条項について日本は、積極的に削除していこうという、そういう働きかけをしていこうという意思をまず持っているのか持ってないのかということ。
○大川政府委員 御指摘の旧敵国条項の削除につきましては、日本として従来から、できれば削除に持っていきたいということで国連でいろいろ努力してまいっております。
○市川委員 わかりました。 次に先に進みまして、防衛計画の大綱に戻ってお伺いしたいと思います。 まず基本的に、この大綱の中で、万一侵略が行われた場合とか、あるいは本格的な侵略の防止、あるいは独力での排除は困難な場合、こういう表現が随所に出ておりますが、この大綱をつくるに当たって、わが国の安全に対する脅威という問題を防衛庁ではどういうふうに認識し、想定して、この防衛計画の大綱をおつくりになったのか。どうもその辺が、これを読んでも漠然としていてよくわからないのですが、その辺についてのお考えをお聞きしたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 防衛力というものは、やはり脅威に対処するというのが最終の目的でございます。しかしながら、御承知のように専守防衛でございますわが国の防衛力の整備運用に当たりましては、特定の仮想敵国というものを想定しているわけではございません。しかし、日本の置かれました地勢的な面から見まして、やはり日本の周辺諸国の軍事能力というものが一つの参考になることは当然でございます。そしてまたその軍事能力は、能力を持っているというだけではこれは脅威にならないわけでございまして、これが日本に対する侵略の意図と結びついたときにこれが脅威というふうになるわけでございますが、やはり能力を持っているということは、これが意図というものは人間の考え方によって変わるものでございますから、顕在的な脅威に変わり得る可能性があるという考えを持っております。 しかし、その脅威といたしましても、いろいろな段階があるというふうに考えております。現時点におきまして兵器の全体の姿をながめてみますると、一番大きなものはやはり核戦力による攻撃だろうと思います。しかし、それに至る段階におきましても、全面的な通常兵器による攻撃もございますでしょうし、また局地的な小規模な侵略もございますでしょうし、さらに奇襲的なゲリラ的な侵略というものもあるというふうに考えております。こういうものを脅威の幾つかの段階として、私どもは認識いたしておるわけでございます。
○市川委員 端的にお伺いしますが、国際情勢の分析に関連して「朝鮮半島の緊張が持続し、」という、こういう認識が示されておるわけでございますが、防衛庁が言う朝鮮半島の緊張状態というのは、具体的に何をもって緊張要因としておられるのか。いわゆる北と南が政治体制が違うからということなのか、それとも南北いずれかに侵略の意図があるというふうに見ておられるのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 もちろん政治的な問題もございますけれども、私どもといたしましては、現実にあの朝鮮半島という地域に、三十八度線を境にいたしまして北側が総兵力約五十万、南側が五十九万、さらにまた予備兵力といたしましては北側が百八十万、あるいは南側は共同予備軍として七十五万、こういった異常な大軍が対峙している現実の問題がございます。そしてまた、あの三十八度線を境にいたしまして、これは年によって違いますけれども、やはり小競り合いというものが起こっているわけでございます。そういった異常に多くの軍隊、しかも国力の多くを傾けて対峙し合っているという現実、これはやはり軍事的に見ては緊張状態であろうというふうに考えているわけでございます。
○市川委員 坂田前防衛庁長官は、この大綱発表に当たって談話を発表しておりますが、その中で「従来のような東西対立といった冷戦時代の考え方からは脱却すべきではないか」ということを指摘しておられるわけですね。そうすると冷戦時代の発想というのは、緊張があるから力を強めるんだということで軍拡競争になったわけですけれども、こういう冷戦時代の考え方から脱却するという考え方は私たちも賛成なんですが、そうすると朝鮮半島にそういう緊張関係があるから力で備えるんだ、こういう考え方だけじゃなくて、緊張関係を解きほぐしていくという考え方も当然持たなければならないと思うのです。そうしますと、政治体制の違いという問題が一つはある。それからいまおっしゃられた国力に不相応な軍事力を互いに持ち合っているという問題がある。あるいは三十八度線で小競り合いがあるという問題もございますが、そうなりますと、かつて中国、ソ連包囲ということを想定して日米安保条約が生まれた。しかしその後米中関係が正常化し、日中国交回復が実現して、日中間、米中間というものの緊張関係はかなりほぐれて緩和したわけですね。そういうことを考えますと、いま日本政府がとっている対朝鮮半島の政策、韓国だけ承認して朝鮮民主主義人民共和国というものを承認しないという考え方、あるいは韓国とだけ経済的な協力関係を築く——今回大陸たなという問題かあるわけてすけれども、北にとってみれば、韓国がそういう油田を日本と共同で開発するということは、これはそのまま、恐らく軍事的には脅威というふうに見ていると思うのですね。そういうことを考えますと、やはりこれは緊張関係があるから力で対処するんだという考え方だけでなくて、緊張関係がなくなれば一番望ましいわけですから、外交的になくす努力をしなければならないと思うのですね。そういうことを考えますと、米国といわゆる朝鮮民主主義人民共和国、北朝鮮に何らかの友好的な関係が生まれるということ、それから日本と北朝鮮との関係正常化というものが政治的に生まれるということは、朝鮮半島の緊張を解きほぐす上で有効だとわれわれは思うわけですが、その点、日本の安全保障に責任を持っておられる防衛当局として、これは外交問題かもしれませんが、安全保障の立場から考えて、日本と朝鮮民主主義人民共和国が関係正常化して、朝鮮半島の緊張緩和に貢献する、こういう考えは持ちませんか、どうですか。
○伊藤(圭)政府委員 いま先生が御質問になりましたことを御答弁するのはやはり外務省かと思いますけれども、実はいま先生の御質問の中にございました社会体制、政治体制が違っておっても仲よくできるのではないか、これは私はまさにそのとおりだと思います。 それから朝鮮半島におきます南と北の対立、北の軍事力というものが直ちにストレートにわが国の脅威というふうにもすぐは判断できないところもあろうと思います。私が申し上げましたのは、三十八度線を境といたしまして北と南が対峙しているという現実の状況を申し上げたわけでございまして、東西対立という一九五〇年代のいわゆる軍事体制と変わってきておりますのは、明らかに米中が接近し、また日本と中国の間もこのような友好関係に進んだということは、やはり日本の周辺の平和と安定には大いに役立っていることだと思いますし、また朝鮮半島におきましてあれだけの軍事力が対峙していながら紛争が起きないというのは、やはりそれぞれの国と友好関係にある大国もまた、あの地点で大きな紛争が起きないということを希望しているという、いろいろな外交的な面あるいは政治的な背景、そういうものによって平和が保たれているというふうに考えておりますし、またそういう政治体制が異なった国との間におきましても友好関係を維持していくということは、わが国の安全にとってはきわめて重要なことだというふうに考えておるわけでございます。
○市川委員 次に移ります。 この防衛計画の大綱、先ほど国防会議の方から七、八年あるいは十年という見通しを伺っておるわけでありますが、この中で「限定的かつ小規模な侵略までの事態に有効に対処し得るものを目標とすることが最も適当であり、」という表現がございますし、同時に「限定的かつ小規模な侵略」という言葉が随所に出てくるわけでございますが、この「限定的かつ小規模な侵略」というのは具体的にどんな事態を想定しておられるのか。その「限定的かつ小規模な侵略」というその次のレベル、段階というのは、本格的な限定侵略とでも言うのですか、次のレベルとの段階区分ですか、具体的に何かはっきりした考えがあって区別しておられるのかどうか。時間がありませんので、なるべく簡単にお答えいただきたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 侵略の様相というのはきわめて多種多様でございますから、これが限定的であり、これが限定的大規模だというふうに端的に御説明するのはなかなかむずかしいわけでございますが、一般的に申しまして日米安保体制を結んでいるということは、やはり日本とアメリカが日本の安全について責任を持っているということでございます。したがいまして、日本に対する侵略を行うということは、世界最高の水準にありますアメリカの軍事力というものとも対峙しなければならないということを覚悟しなければ、それはなかなかできないであろうと考えるわけでございます。とするならば、アメリカの日米安保体制に基づく軍事力が機能しない範囲の小さな奇襲的な、あるいはある地域に限った速戦即決といいますか、そういったような限定的な侵略というものに対しましては、現在の防衛計画の大綱に定められましたわが国の防衛力によって直ちに対処し、そしてそれ以上の規模になりましたときには、当然日本独力で対処できないような事態に立ち至ったときに米軍の協力を得るというような形になるのではないか。したがいまして、アメリカの軍事力が共同対処という形で出てくる以前の状態における奇襲的な、あるいは小規模な侵略というものが まず予想される侵略の中では一番最初に起こるのではないかというような考え方に立った防衛構想というものを立てているわけでございます。
○市川委員 そういう事態が、奇襲ですから突然やってくるわけでございます。予告してやってくるということはあり得ないわけですけれども、だれがこれは判断するのですか。いわゆる「限定的かつ小規模な侵略」であるのか、それともこれは日米安保条約によって米軍に出動を要請しなければならない事態なのかどうなのか、この辺の判断はだれがやるのですか。
○伊藤(圭)政府委員 これは防衛出動につきましては、国防会議議長である総理が国防会議に諮問することになっております。したがいまして、総理あるいは内閣という政府が判断するものと考えております。
○市川委員 日米安保条約の果たしている役割りについてお伺いしたいのですが、わが国の安全保障にとって日米安保条約というものが果たしている役割り、これについて防衛庁としてはどういう位置づけあるいは認識を持っておられるのか。本当はこれは防衛庁長官に伺いたいと思っていたのですが、防衛庁としての見解を述べていただきたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 日米安保体制の果たしている役割りの最大のものはやはり抑止力であろうと思います。この日米安保体制が存在することによって日本に対する侵略の意図を容易に持ち得ないという現実の問題がございます。過去、独立いたしましてから二十数年にわたってこういった体制が機能してまいりたということは、やはり平和が維持された一つの点であろうかと思います。 それから、わが国は憲法の制約がございまして攻撃的な兵器というようなものは持てないわけでございますので、防衛力の面で完全なものを持ち得ないという、一つの平和憲法のもとにおきます防衛力の制約というものがございます。そういったものを補完してもらう力というのがアメリカにはあるわけでございます。その象徴的なものといたしましては、特に攻撃的な核抑止力といったものはアメリカに依存をしておるわけでございます。そしてまたさらに、この防衛力というものは有事の際にその力を発揮しなければならないわけでございますが、そういったものに対して常にアメリカは日本の安全といいますか、日本を防衛する責任というものを条約上負っておりまして、必要なときは日本の防衛のためにそのアメリカの軍事力というものを使ってくれるということを確約していてくれるわけでございます。 そういった抑止力の面、それから実際に侵略に対処する場合の力、そういった二つの面におきまして日米安保体制というものを考えているわけでございます。
○市川委員 本当は長官がおられて伺う予定だったのですけれども、丸山事務次官が総合雑誌の「潮」の五月号のインタビューの中で「日米安保の実態というのは、文字どおり紙切れ一枚でして、坂田前防衛庁長官は「画に描いた餅」だとおっしゃったけど、中身は何もない。いってみれば、手も足も動かない山田のかかしですよ」こういうことをおっしゃっているわけですね。いまおっしゃっていることと違うじゃありませんか。山田のかかしだというのです。何の役にも立たないというのです。いまとうとうと抑止力だとかいろんなことをおっしゃいましたが、どうなんですか。防衛庁にこういう考えがあるのですか。それとも「潮」という雑誌に抗議でもなさったのですか、どうですか。本当はこれは防衛庁長官に聞きたい。どうですか。
○伊藤(圭)政府委員 日米安保体制というものは、御承知のように……
○市川委員 この問題についてはどうですか。——いいです。もしあれだったら長官お見えになってからあれしますから。
○伊藤(圭)政府委員 その問題についてはどういう意味で発言したのかわかりませんけれども、私がいまお伺いしました印象といたしましては、いわゆる日米安保体制を維持していくためには、やはりそれが有効に機能できるように日本側の自衛隊も努力する必要がある、そういうことなしには意味がないんじゃないかというような意味で発言しておられるのではないかというふうに、印象としてそういう感じを持ちました。
○市川委員 次に、それではこの日米安保条約の第五条、これはもう時間がありませんので省略しますが、いままでの解釈では、これは事前協議の対象にならない。「日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が」云々と、こうございますが、要するに日本国の施政下にある領域に対し武力攻撃があった場合は、それが米軍に対してであろうが日本に対するものであろうが、日米が協同して行動するということで事前協議の対象にはなっていないと思うのですが、まず確認をしたいのですが、どうですか。
○山崎政府委員 事前協議の問題は日米安保条約第六条の実施に係る問題でございまして、第五条の場合には事前協議の問題はございません。
○市川委員 そうしますと、日本に直接の武力攻撃があった場合は米軍は独自の判断で出動する可能性を認めている。もしそういう日本に直接の武力攻撃があった場合に、米軍が独自に行動する以前に、事前に日本政府が何らかの歯どめをかけ得るのかどうか。もし第五条が事前協議の対象にならないということであれば、これは米軍が独自の判断で出動する可能性を十分に認めていると解していいと思うのですが、どうですか、それは。
○山崎政府委員 先生のおっしゃるとおり、私、必ずしも十分に理解していないかと思いますが、日本そのものが攻撃を受けたわけでございますから、われわれは全力を挙げてこれを排除しなければならないと考えます。それが奇襲的なもの、局地的なものである場合にはとりあえず日本が独力で排除するということはあり得ると思います。それは防衛計画の大綱にも書かれておるし、そうだと思います。しかしながら、それをもって排除し得ない場合には当然わが方としてはアメリカ側の支援を期待する必要があるわけでございまして、それを想定して第五条が書かれておるわけでございます。したがいまして、アメリカ側が独自の判断でやるという問題ではなくて、これはもう当然に、直ちに日米間で協議してその侵略を排除するという事態であると考えております。
○市川委員 事前協議の対象にはならないけれども、そういう事態が起きたときには日米間で事前に協議しますということですか、それじゃ。 第五条で想定している事態は事前協議の対象にはなりません、こういう解釈がある。しかしそういう第五条で想定している事態が起きた場合には、米軍と日本が相談して動きます。こういうことですか。
○山崎政府委員 日本が武力攻撃を受けました場合には、もちろん日本自身がまずその全能力を使ってこれを排除すべきものと考えます。しかしながら、今日の事態におきましては自国のみでそういう防衛を全うし得ない事態が種々予想されるわけでございます。そういう場合において、この第五条の精神に従って日米間で直ちに協議するということは当然のことでございます。 事前協議ということでお話がございますけれども、この事前協議というのは、要するにアメリカ側が、第六条の場合でございますが、在日の基地を使用する場合に、ある一定の場合には日本側と協議することなくしては使用し得ないということでございまして、日本自体が危急存亡のときにあることに関してアメリカにそういう制約を課する必要は何らないわけでございます。
○市川委員 そうすると、そういう非常事態が起きた場合は、米軍が独自の判断で出動する可能性というのは十分あるわけですか。この防衛計画の大綱によりますと、限定的かつ小規模な侵略に対してはまず原則として独力で排除する、こう言っているわけですね。独力で排除が困難な場合には米国からの協力を待ってこれを排除するのだ、こうおっしゃっているのですが、要するに日米安保条約の第五条解釈によります。米軍が単独で独自の判断で動く可能性が十分にある。そうするとあれですか、日本政府としてはそういう侵略があった場合、この防衛計画の大綱では、米軍にこれは限定的かつ小規模な侵略でございますので私どもでやります。これは違いますので御協力をお願いいたします。こういうことをやるわけですか。それから、日本政府は限定的かつ小規模な侵略と思っているかもしれないけれども、在日米軍は本格的、限定的侵略だというふうにとっさに判断して動くという場合だってあるわけでしょう。米軍とそういう話がちゃんとできているのですか。一々そういう定義を打ち合わせしておかなければならないし、何か急変事態が起きた場合は、限定的かつ小規模ですから独力でやります。待ってください、これは違いますからお願いします。こんなことをやるわけですか。この辺の矛盾ですね。要するに第五条の解釈では、日本政府とそんな打ち合わせなくても米軍が独自に動く可能性というのは十分あるわけですよ。その辺についてどういうふうにお考えになっておられるのですか。
○山崎政府委員 まさにそういうふうな事態が起こりましたときに、とっさのことで両者の連絡あるいは協議がうまくいかないということがあっては困るわけでございます。それゆえにこそわれわれとしましては防衛協力小委員会を設けまして、そういうふうな問題についていま研究、協議をして、そういう万一の事態に備えて両者の連絡、協議がうまくいくように話し合っている次第でございます。
○市川委員 この問題は本当は時間があれば防衛庁に聞きたかったのですけれども、うまく話し合っているというのですが、防衛協力小委員会の議事内容、これを拝見しますと、いままで四回開いて、それでまだ具体的には話し合いに入っておられない様子ではないかと思うのです。その中に、確かにいまおっしゃったようなテーマがのっているわけです。私たちと政府とは日米安保条約に対する評価は立場が異なるわけでございますが、その日米安保条約が日本の安全保障にとって必要だという日本政府の立場に立って論理を詰めていきますと、そんな必要な安保条約が、できて二十数年たっていながら、いざというときにそんな打ち合わせさえもできてないという、これはまさに山田のかかしだと言われてもしようがないのだと思うのですけれども、どうなんですか。しかも、そんな打ち合わせができてないものを当て込んで防衛計画の大綱をつくっているわけでしょう。現実にどう動くかということは米軍と打ち合わせができていませんということでしょう。これじゃ作文じゃないですか。実態は安保条約で、防衛計画の大綱というのは作文にすぎない。まだ十分打ち合わせができてないし、またどうなるのかという連動作用の打ち合わせができていなくて、それでこれからこの委員会で打ち合わせをするのでございますということになりますと、全く皆さんの論理に立ってもそういうきわめて矛盾があると思うのですよ。要するに、安保条約ができたのはこの二、三日のうちにできたわけじゃありませんでして、もう何年も前からあるわけですから、この防衛計画の大綱の中では、独力で排除できないときは米軍に協力を依頼します。あるいは日米安保が日本の安全にとって不可欠であるという認識を随所に示しておられるわけでありますけれども、いま言ったような非常事態が起きた場合には米軍が単独で出ていってしまう可能性もあるし、それに歯どめをかけるためにはこの小委員会でそのことを打ち合わせなければならない。その打ち合わせだってまだ始まったばかりで具体論に入ってないと思うのですけれども、そういう実態ですか。現実にいまどうですか。
○伊藤(圭)政府委員 これは先生も御承知のように、いわゆる在日米軍司令部と防衛庁の統合幕僚会議のスタッフの間では研究というものは過去にもやってきております。しかしながら、防衛庁長官と国防長官との責任ある間でそういったガイドラインを示して対処の方針というものをオーソライズしたということはなかったわけでございます。したがいまして、坂田長官のときに、日米安保体制と言いながらそういった共同対処の研究、協議、あるいはどこに問題点があるかというようなことを詰めておく必要があるということで、シュレジンジャー長官と坂田長官の間で責任者同士として、こういう方向で研究させ、事態に備えさせようということになったわけでございまして、いま先生がおっしゃいましたように、そういう点が十分ではなかったのではないかということは反省しながら方向を定めてまいりたいというのが現状でございます。
○市川委員 いまの問題、私たちとしては立場が異なるのですけれども、ただシビリアンコントロールという立場で考えた場合に、全くそれを規制する話し合いもなければルールも何もないということになれば、米軍が勝手に行動するしということで非常にまずいのじゃないかという立場から申し上げたわけでございます。 次に、先ほどたしか防衛庁長官も防衛局長もおっしゃったように、一国の安全保障というのは、確かにいままでの議論はどちらかというと武力攻撃に対して武力でどう対応するかという議論が中心であったわけですが、しかし最近、一国の平和保障というのはただ軍事力だけではなくて、やはり外交的努力あるいは食糧とかエネルギーという問題まで考えなくてはならない事態に直面していると思うのです。あのオイルショックのときにも言われましたが、日本をやっつけるには武器は一つも要らない、石油をとめてしまえばそれまでじゃないか、こういう話も出たくらいでございます。そういうことを考えますと、日本は食糧の自給率がずっと下がってきていたわけですが、この食糧の自給率を上げたり、あるいは食糧の輸入の多元化、あるいはその安定的供給の確保とか、石油も同じように供給をいかに安定確保するかという問題や、省エネルギー体制をいかにつくっていくかということは、ただ単に食糧問題、資源問題というだけではなくて、同時に日本の安全保障ということを総合的に考えていかなくてはならないときに来ていると思うのです。 こういう総合安全保障あるいは総合平和保障というものを、いま日本の政府の中のどこでやっているのか。国防会議でそういうことを議論しているのかどうか。もし国防会議で任務でないとしたら、どこでおやりになるのか。こういう問題について防衛庁としてまずどんなふうに考えておられるのかお伺いしたいと思います。これも本当は長官にお伺いしたいと思っていたのですが、それから国防会議の方からお見えになっておると思いますが、よろしくお願いしたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 国防会議の方からお答えするのが適当かと存じますが、御承知のように昭和三十二年に国防の基本方針というのができております。この国防の基本方針の第一項に書いてございますのは、国連を中心とした平和外交によって世界の平和を維持する努力をするということ、二番目に、民生の安定といいますか、国力を高めて愛国心を高揚していくということ、そして三番目に、必要最小限度の自衛力によって日本の防衛というものをやっていく、さらに四番目には、国連が平和維持の機能を十分に果たすまでの間は日米安保体制によって防衛体制をとっていくということが決められてございます。 したがいまして、国防の基本方針に、いま先生がおっしゃいましたような広い意味の安全保障というものが決められておるわけでございまして、私どもはその中の最小限度の自衛力を整備していく、そして日米安保体制によって防衛努力をしていくというところをやっているわけでございますが、国防の基本方針の中に述べられておりますいま申されました民生に関係するようなもの、そういったものも当然含めまして安全保障の考え方というものを打ち出していく必要があるというふうに考えております。国防会議におきましてもそういうことを御検討になっておられるというふうに伺っておるわけでございます。
○久保政府委員 国の安全が当然軍事力あるいは防衛力以外の分野にわたることは言うまでもないことでありまするし、オイルショックを契機にして資源、安全保障という言葉も出てまいりました。むしろ逆に戦前の方が広義国防という見地では皆さんが御関心を持っておられたことでありますが、特異な情勢から、戦後はどうも防衛力が中心に議論されているのが国民からきわめて不審の目を持って見られている一因ではなかろうかと思います。 そこで国防会議としては、当然広義の国防、防衛力以外の分野にわたって審議すべきであろうと思いますが、どこでそういう事務を担当するのかというお話になりますと、いまの縦割り行政の中で広い意味での国防行政を担当している役所はございません。国防会議は総理大臣に対する諮問機関でありますから、総理大臣が御決心になるについてのいわば補佐役でしかないわけでありまして、したがって、国防会議あるいはその事務局が国防という分野の担当部局であるということにはなりません。そこでどうするかといいますと、一つは、たとえば国家安全保障局というところができて、そこで広い意味での安全保障を担当するということになれば問題は一つ解決すると思います。しかしそうではなくて、現在の機構を活用していくということであれば、いまのままでは、いま申し上げたように、法制的にはどこもそれを担当するところはなくて、単にそれぞれ関係各省が立案をして、それで、理屈を申せば内閣官房あたりが取りまとめるということにならざるを得ないわけでありますけれども、内閣官房はそういう機能を果たし得そうにもない。国防会議事務局は、いま申し上げたように、法制的には諮問機関の事務局であるということになりますると、私考えまするのに、これは上司には御相談しておりませんけれども、たとえば国防会議そのものに広義の国防、安全保障という政策、つまり横から見た機能についての調整機能というようなものを持てば、いま先生の御質問になっていることに対する一応のお答えができるのではなかろうか。しかし、そういったことがいま立案されているというわけではありませんで、一つの案として私個人としては考えられるというような段階であります。
○市川委員 まあ、防衛庁というのは確かにそういう広い安全保障の中のある部分を任されているのかもしれません。しかし、いまの日本の行政の省の中で、国の安全というものを一番真剣に考えているのはやはり防衛庁しかないわけでしょう。そういう総合安全保障の必要性というものは当然お考えになっておられると思うのですね。そういうものがないと、幾ら冷戦構造から脱却するのだ脱却するのだと言っても、パワー・オブ・バランスに乗って、やはり緊張はあるから力をという考え方がどうしても先に立っちゃうと思うのですね。日本は平和国家としてこれから生きていかなければならないわけですから、そういう意味では、やはり日本の安全保障というのは、外交的努力というものがきわめて大事だと私は思うのですね。力をということは日本としては考えられないわけですから、そういう意味で、こういう国家総合の安全保障をやる場を防衛庁あたりで国防会議に提案したらどうですか。防衛庁長官は国防会議の一員になっておられるわけでしょう。いまないわけですから、そういうものが必要だという認識があるならそういうものを提案なさったらどうですか。国防会議といったって、お忙しい方ばかりですよね、総理大臣と大臣と。こういうお忙しい方ばかりで、日本の長期、中期の全体的な総合安全保障なんというのが果たして考えられるかということなんですよ。そういうことで、防衛庁としてこういうものを設けることによって、軍事力オンリーの考え方というものを極力薄めていかなくてはいけないのではないかというふうに私は考えている。むしろ軍事力ということ以上にこの問題の方がこれから大きな問題になってくるのじゃないかと思うのですね。それに対していまの日本の政府では検討している場所がないということは、対応できないということになるわけでしょう。長官がいないので適切な答弁をなさる方がいらっしゃらないわけですけれども、どうですか、局長。
○久保政府委員 私も防衛庁の中におりましたから庁内の事情は十分知っておりますが、防衛庁自身そういったことについて非常に強い要望がございます。したがって、また、私どももその点は承知をいたしております。また福田総理からも、単に国防会議というものが防衛庁から提案になるもののいわば認証機関になるということではいけない、もっと幅広に検討するように運営しなさいというふうにも伺っておるわけであります。したがって、私どもは、単にいままで国防の基本方針というものがつくられただけであって、それをどのように行政あるいは政治に動かしていくかということについて、国防会議が必ずしも寄与しておるように思いません。したがいまして、私は、いま御提案になりましたようなことを事務的には実は検討しておるところでありまして、ぜひとも公明党の方からも党として御提案いただきたいと思います。
○市川委員 時間が迫ってまいりましたが、この昭和五十年度決算検査報告という会計検査院の報告を拝見しますと、防衛庁関係のむだ遣いの指摘が行われておるわけです。 昭和五十年度決算検査報告において、横須賀、呉、佐世保、舞鶴等の各地方総監部が、船底塗装及び足場の工事費の積算を実際の価格より大幅な水増しをしておるということを検査院から注意されているわけですね。金額的には何十億というものではありませんが、この実態は非常に怠慢というか、不届き千万と言うべきものであるわけです。たとえば横須賀総監部の場合、水上艦の船底塗装工事の契約をしているわけです。時間がありませんのでこちらで申し上げますと、この積算の根拠となっておる工数ですね。はけ、ローラーを使って船底の塗装をすることになっているし、その足場は工事のたびごとに組み立てして撤去して、また組み立てして撤去してという、そういう工数で予算計上されておるわけですが、実際にはこの塗装作業というのはエアレススプレーを使用して、そんなはけ、ローラーなんというのは使ってないし、また足場もローリングタワー、要するに移動のできるものを使って、この横須賀の水上艦の船体の船底塗装費だけでも差額が約二千三十一万、実際より多く業者に支払われたという事実があるわけでございます。また、横須賀の潜水艦の塗装費では七百九十四万、やはり多く支払われているという事実が指摘されておりますし、また、ヘリコプターつきの護衛艦の塗装工事につきましても、横須賀総監部計算で工事にかかる時間を千百六十二時間と積算しておりますが、検査院の調べでは六百二十二時間、約五百四十時間の差があって、これを金額に換算しますと約百五十四万という金額が出ているわけです。 こういう実態が検査院から指摘されておると思うのですが、検査院の指摘は五十年四月から五十一年三月までの一年間の指摘でしかないわけですね。実際、業者がこのエアレススプレーを使い始めたのは四十八年ごろというように言われておるわけです。検査院の指摘のない年度についても恐らくそういうことがあったんじゃないかというふうに推定せざるを得ない。四年間も実際の見積もりと違う。はけで塗っているのだろうと思っていたらそうじやない、エアレススプレーで塗っていたとか、あるいは一々工事のたびごとに足場を組み立てているのだろうと思ったらローリング式を使っていたとか、こんなことが四年間もわからないわけはないのじゃないかというふうに思うわけでして、事後処理ですね、検査院の指摘のなかった年度についてもそういうことがあったのかなかったのかという調査をしたのかどうかということと、それから、こういうひどい業者によけいに払っているということから考えると、当然業者からリベートが来ているのじゃないかという推測をせざるを得ないわけですが、そういう点もあわせて調査したのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○江口政府委員 ただいまの御指摘は、まさに五十年度の決算に際しまして会計検査院の方から御指摘を受けておりまして一決算をやっていただいております経過におきまして、私どもの方でその点は重々ごもっともと思いまして標準工数の改定をいたしました。いまおっしゃるような趣旨で標準工数の見直しをいたしました。一応処置をいたしまして、処置済みというお扱いを受けておる件数でございます。恐らくその御指摘であろうと考えるわけでございます。 問題は、そういうことがどの程度行われておったかということでございますが、実態を申しますと、この標準工数を設定いたしましたのは昭和四十八年の七月でございます。たまたまこの時期ごろから、いま御指摘のエアレススプレーでございますとかあるいはローリングタワーというようなものが普及してまいりまして、いわゆる合理化が図られてきたわけでございます。ただ、しかしながら、この点はわれわれとして大変遺憾に存ずるわけでございますが、実態はこの標準工数に従いましてやっておりました関係上、いわば合理化という努力を若干怠っておったという点のあることは、会計検査院から御指摘を受けたとおりでございます。そういう意味で、五十一年の十月には、一応暫定的ではございますけれども標準工数の改定をいたしまして、従来の工数のかかりを大幅に削減していくというような措置をとっております。この前提といたしましては、いま御指摘のありましたようないろいろな合理化の措置をとるということでございます。実態はそういうことでございまして、今後もこういういわゆる暫定工数をこれから標準工数に変えなければいけませんので、その辺の実態をよく注意いたしまして、そういうことのないように努めてまいりたいと考えております。
○市川委員 いまの問題は、防衛庁が業者によけいにお金を払っていたということですか。そうだろうというふうに思うのです。この払っている分について、業者からたとえば返してもらったとかあるいはリベートはなかったとか、何かそういう事実ははっきり調査されたのですか。
○江口政府委員 これは先ほども申し上げましたように、合理化努力を怠ったということでございます。と申しますのは、先ほど御指摘のありましたような合理的な措置をとっておるならば、もう少し経費の節減ができたわけでございますが、言うならば旧態依然としたことをやっておったということでございます。したがいまして、実際の支払いは古い型で払っておるということでございます。
○市川委員 それでは、そういうことのないように要望いたしまして、大臣がお見えになってから二、三ちょっとお聞きしたいことがありますので、私の質問は大臣が来るまでちょっと保留したいと思います。
○正示委員長 柴田睦夫君。
○柴田(睦)委員 先ほども出ておりました昨年の十月二十九日に閣議決定されました防衛計画大綱についてお伺いするのですが、この大綱の性格、特に第三次防衛計画の大綱というのがありますし、第四次防衛計画の大綱というのがあります。そういうものと比較してみた場合の特徴的意味、性格についてまず述べてほしいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 三次防、四次防というのは、御承知のように、防衛力整備の過程におきまして、いわゆる脅威に対処する必要な防衛力の整備ということで努力をしてまいりました。今度の防衛計画の大綱におきましては、現在のような国際環境というものを前提にした場合に、考えられる脅威に対処するというよりは、むしろ防衛機能として必要な機能を果たせるような防衛力というような形で、基盤的防衛力というものを打ち出したわけでございます。
○柴田(睦)委員 昭和三十二年の五月二十日に「国防の基本方針」というのが閣議決定されております。そして三次防も四次防もこの「「国防の基本方針」にのっとり、」という文章が入っているわけですけれども、今度の防衛計画の大綱についてみますとこの文章が外されている。これはどういう意味を持つのか、なぜかという問題です。
○伊藤(圭)政府委員 過去四回の防衛力整備計画を政府として決定していただきまして、防衛庁はその整備に努力してまいりましたけれども、これは防衛力といたしましてはゼロから出発したものでございます。したがいまして、一次防、二次防、三次防、四次防と必要な防衛力、最小限の防衛力というものに向かって努力するいわば一里塚としてのその五年後の目標勢力という形で参っておったわけでございます。したがいまして、その五年後の一つの目標というものは、国防の基本方針にある必要最小限の防衛力に至る過程の五年後の目標というような形で参ってきておったわけでございます。もちろん国防の基本方針にのっとっているわけでございますけれども、今後はこの内容を充実し、それによって必要最小限の防衛力を維持していくという考え方が出ておったわけでございまして、その意味では、四次防までにこれからどんどん大きくしていかなければならない、漸増していかなければならない過程の目標と、それから前提の条件はございますけれども、こういう条件がございますならば、この防衛計画の大綱に従った防衛力を維持していくというところのニュアンスの違いかというふうに思っております。
○柴田(睦)委員 この防衛白書「日本の防衛」で「国防の基本方針」というところの説明を見てみますと、この国防の基本方針というのは「わが国の憲法の精神からみて当然であって、平和国家としてのわが国の基本姿勢を反映するものである。」こういう説明があります。いまの答弁を聞いていますと、この精神は当然だ、けれども文章からは外した、こういう説明になるわけですけれども、今回の大綱から外されたということについては、やはり私はいまの情勢の中で、また自衛隊の動きの中でもそれなりの意味があるというように考えておりますし、また見なければならないと思うわけです。 そこで、進んでいきますけれども、ところで、自衛隊というのは当然この防衛計画に基づいて自衛隊法に定められた行動をすべきものだ、これは当然だと思いますし、そういう答弁になると思うのです。ところが、自衛隊法の三条を見てみますと、ここでは「わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対しわが国を防衛することを主たる任務」とするということが決めてあるわけです。ところが、今回の防衛計画の大綱を見てみますと、三次防、四次防と違ったところが出てまいりまして、わが国への直接、間接の侵略というくだりとともに「わが国周辺の国際政治の安定の維持に貢献する」こういうことが堂々と述べられておるわけです。これは、自衛隊法に定める自衛隊の任務ということから考えてみて、いままでの三次防、四次防などの説明から見て、自衛隊の任務に違反することが今度は入れられてきているのじゃないかという疑問を持つわけですけれども、どうですか。
○伊藤(圭)政府委員 自衛隊の任務は、自衛隊法に書いてございますように、直接及び間接の侵略に対処するのが任務でございますが、これは自衛隊が行動し行う任務でございます。 ここの防衛計画の大綱の目的及び趣旨に書いてございますのは、そういった意味のいわゆる自衛力というものを持っているということが、結果的には日本が全く空白の状態にあるよりは、国際環境というもの、そういったものを維持していくということに役立つという、静的な客観的なとらえ方という形でこの趣旨が書かれておるものと理解しております。
○柴田(睦)委員 自衛隊が国際政治にかかわり合いを持ってくるということは、いまの自衛隊法上許される問題ではないわけです。防衛計画大綱の中で、いまの「国際政治の安定の維持」というようなことが述べられるということは、日米の防衛協力、特に韓国の地上軍撤退という問題が起きて、このことから日米韓の一体化作戦が着々と進められているというようにわれわれは見るわけですけれども、そういう中でこういうことが書かれるわけですから、単にニュアンスというような問題だけではなくて、それだけ重大な問題があるということを私は考えるわけです。 きのう沖繩の戦車道の問題について取り上げましたけれども、そのことともあわせて、やはり日米及び韓国の一体となる体制というものが一層強められている状況にあるわけですけれども、私、この前沖繩の調査に参りまして、この基地なども共産党の調査として視察してまいりました。そのときに、南西航空混成団司令の吉崎空将が、沖繩における航空自衛隊が、在韓の米軍機あるいは在日の米軍機を相手に要撃訓練を行っているということを説明しました。そこでお伺いするのですけれども、沖繩においてこうした要撃訓練がいままで何回行われているのか、これをお伺いします。また一諸に、訓練の内容についてもお伺いします。
○伊藤(圭)政府委員 目標機に対する要撃訓練というのは、これは常時要撃訓練といたしてやっております。そして、従来から米軍の飛行機に目標機になってもらって要撃訓練をやったこともしばしばあるわけでございますが、沖繩におきましても、ときどき沖繩で目標機になってもらって訓練をやっておりますが、五十一年十一月、五十二年一月、五十二年二月七日、これが最近における実績でございます。
○柴田(睦)委員 それでは、そういう訓練を実施するに当たって、米軍との調整が必要になるわけですけれども、そういう調整は、いつの時期から、だれとだれとの間で行われているのか、これをお伺いします。
○伊藤(圭)政府委員 目標機を出してもらうということは、これはときどきあるわけでございますけれども、これの実施の責任といたしましては、航空自衛隊におきましては航空総隊でございますし、在日米軍におきましては第五空軍司令部でございます。具体的には航空総隊司令部の防衛部と、それから第五空軍司令部の作戦部との間で話し合いを進めておりまして、本年に入りまして行われました一月と二月の訓練の実施に当たりましては、ことしの一月十日にやりました分につきましては五十年の十二月二十二日に調整をいたしております。それから二月七日の分につきましては一月二十八日に連絡をとって、そういう訓練の実施の調整がついているというふうに聞いております。
○柴田(睦)委員 南西航空混成団司令の話によりますと、そのときの話ですけれども、米軍から南西航空混成団司令に対して、訓練をするから目標支援をしないかという連絡が来る、それだけだというように説明をしておりましたが、実際は第五空軍と航空総隊司令部との間で二十日ぐらい前に調整がやられているということであります。 そこで、この二十日ぐらい前に調整をやるわけですけれども、それから訓練日までの間、それでもう調整が終わるのか、それとも何回も打ち合わせをするのか、調整をするのか、その点はいかがですか。
○伊藤(圭)政府委員 この目標機というのは米軍の都合のいいときに出してもらうことになっております。したがいまして、航空自衛隊といたしましては、通常、航空自衛隊のT33という飛行機を目標にしてやっておるわけでございますが、米軍の都合のつくときにお願いしたい、うちの方はこの日ぐらいがいいというような希望を述べてやるわけでございます。実際に米側の都合がよくなりますと、たとえば嘉手納にあります実際の飛行機を持っている司令部から私どもの方の南西混成団の方に、何日が都合がいいよというような連絡があるわけでございますので、その間には、全然ないというわけではございませんでしょうけれども、この日は都合はどうかとか、そういったやりとりはあるというふうに承知いたしております。
○柴田(睦)委員 何か非常に簡単な調整のような話ですけれども、実際は相当綿密な調整がやられるはずだとわれわれは考えております。松前・バーンズ協定でも、スクランブルの協定で防空組織運用上の米空軍との関係、これは相当詳しく取り決めておって、これに基づいて訓練が実施されるわけですから、当然いま言われたような連絡調整、そういうものではなくて、やはり航空機の訓練でありますし、密接な連絡、密接な調整をやるということが必要だと思うのですけれども、もう一度その点いかがですか。
○伊藤(圭)政府委員 ただいま松前・バーンズによってこれをやっているというお話でございましたが、松前・バーンズというのは、御承知のように昭和二十九年に航空自衛隊が発足した当時、日本には米軍の空軍が駐留いたしておりました。そして領空侵犯の任務というものは米軍が行っていたわけでございます。したがいまして、この米軍が行っておりました日本の自衛措置であります平時における領空侵犯措置というものを徐々に航空自衛隊が任務を移管して実施してまいったわけでございます。その間に、航空自衛隊がまずレーダーサイトの移管を受けてこれを運用する、そしてまた今度は自衛隊の飛行機がアラート任務につくその過程におきまして、その分担、そのやり方、そういったものを決めたものでございまして、それによってやっているというものではございません。実際私どもがやっておりますのは、航空自衛隊の平時の訓練としてやっておるわけでございまして、もちろん航空機のことでございますから、ジェット機で非常にスピードを持っております。ですから、何時から何時までの間どの訓練空域において要撃訓練の目標機になってあげますというようなことの綿密な連絡というものは当然必要でございますが、そういった意味の連絡というものは細部にわたってやっているということでございます。
○柴田(睦)委員 大臣がお見えになりましたので……。
○正示委員長 市川雄一君。
○市川委員 目くじらを立てるほどのことではないかもしれませんが、先ほどの質問に関連して大臣にお伺いしたいのです。 防衛庁長官、先ほど丸山事務次官のある総合雑誌での発言の問題を取り上げたのですけれども、丸山事務次官が、総合雑誌の「潮」という中で「日米安保の実態というのは文字通り紙切れ一枚でして、坂田前防衛庁長官は「画に描いた餅」だとおっしゃったけど、中身は何もない。いってみれば、手も足も動かない山田のかかしですよ」こういうふうに答えているわけですが、長官としてこういう発言についてどう考えられますか。
○三原国務大臣 お答えいたします。 私は、その総合雑誌にまだ目を通しておりませんけれども、いま先生の御指摘を承る限りにおきましては、どういう場所で、またどういうことでそういうことを言ったのか、その内容はわかりませんが、そうした、余りにも比喩等が安保条約の重要性にかんがみて、私は適当なものでないなという受けとめ方をいまいたしておりまするけれども、実際本人にまた確かめてみたいと思いまするが、聞いた範囲におきましては、しかしまた、場所がどういうところで、何か冗談を言うてしたものかどうか、その点がはっきりいたしませんので、明確なお答えをすることができませんのはきわめて残念だと思います。
○市川委員 冗談ということではないと思うのですね。これは一カ所だけではございません。ほかの個所では、自衛隊も手も足も動かない山田のかかしだという、自衛隊についての発言もあるし、一カ所だけではなくて、きちんと田原総一朗さんという方が取材をして丸山事務次官がインタビューに答えた。ですから、総合雑誌の企画であるということは承知してインタビュアーにお会いし、総合雑誌に載ることを前提にしてお答えになった。恐らくこれは防衛庁の広報室に確認しているのじゃないですか、ゲラの段階で。それで掲載されていると思うのですよ。恐らくテープもあるのじゃないかと私は思うのですけれども、こういう発言について、注意なさいますか。
○三原国務大臣 どうもいま承っておりますと、恐らく、いかにりっぱな条約であっても実際にそれが運用されるような体制に持ってまいらない場合には絵にかいたもちであるとか、あるいはかかしではないかということで、そういう点を戒めて、比喩を誇張したものではないか。それにいたしましても、私は、余りにも比喩が、何と申しますか、どうも受け取り方によっては非常に軽い発言であったなという点については、私自身がそう受けとめておりますので、次官に対しましては私からも注意もいたさねばならぬかなという受けとめ方をいまいたしておりますが、また、本人によく確かめて善処してまいりたいと思います。
○市川委員 なぜこういうことを言うかといいますと、日米安保条約は紙切れ一枚で、手も足も動かない山田のかかしだということになると、じゃ、そんな手も足も動かない山田のかかしである日本安保を、防衛計画の大綱の中では、これ見よがしに、限定的かつ小規模の侵略に対しては独力で対処しますが、できない場合は米軍にお願いいたしますということをそこらじゅうに書いてある。じゃ防衛計画の大綱だって山田のかかしじゃないかということになる。そんなふざけ半分な文章が防衛庁の防衛計画の大綱なのかということを私は申し上げたいわけです。少なくともそうではないだろう。私たちの立場は違うけれども、もうちょっとまじめに物を考えておられるのじゃないかという立場で申し上げたわけでございます。言論の自由ですから、どういうお話をされてもとがめる気はございませんが、しかしただ、矛盾しているということです。自語相違している。そういう意味で申し上げているわけでございます。 それから、せっかく長官がお見えになったわけですから……。 領海法が成立したわけでございますが、領海法が成立しても、領海の実際の線引きが決まらないと防衛庁としては困るのじゃないかと思うのです。十二海里というふうに決まっても、現実に十二海里の線引きができませんと、どこまでが領海なのかということははっきりしないわけですから、そういう意味でお伺いするのですが、北方四島、いま日ソ漁業交渉で問題になっていますが、北方四島と竹島と尖閣列島の三地域についての領海の線引きは、もうできているのですか。できているのかどうかということと、竹島は自衛隊の守備範囲に入るのか入らないのか。この点について防衛庁はどういうお考えを持っておるのか、お伺いをしたいと思います。
○三原国務大臣 まず第一点は、領海十二海里について線引きがはっきりしないと防衛上困るのではないかということであろうと思いますが、この点につきましては、私どもも、国土の防衛をする場合には、領海が三海里だからというようなことで厳密に言ってやっているわけではございません。船にいたしましてもあるいは空の飛行機にいたしましても、三海里が十二海里になったからといっても、私どもとしては、国土が広まってかえって防衛は比較的やりやすくなったという受けとめ方をいたしておるところでございます。 第二点の北方四島についてはどうだということにつきましては、これは、私自身がお答えする立場にございませんので申し上げることができません。 竹島の問題につきましては、竹島はもちろん日本の領土であるという立場におきまして防衛の対象になるわけでございますけれども、現在は、御承知のように韓国軍があそこに上陸をいたしておるという事態でございます。したがって、現在のところでは外交折衝によってこの問題を解決していくべきであろうということで、いまその成り行きを注意をいたしておるという事態でございます。
○市川委員 あともう一つですが、日韓大陸棚協定に共同開発区域がございますね。この大陸だなの共同開発区域は日本の二百海里内だけにあるわけですが、ここの管理責任については、二百海里内ですから当然日本が持つようになるのではないかと思うのですが、それはどうなのかということですね。 それと関連しまして、海底石油の共同開発ですから、協定上はあくまでも海底資源の開発に限定されているとは思いますが、油田の探査あるいは採掘ということになりますれば、当然共同開発区域の海上に施設ができるわけですね。日本の海上施設も韓国の海上施設も当然そこにでき上がるわけです。その場合、日本の二百海里内ではありますが、協定によって共同開発区域と決めたわけですから、韓国の海上施設ができれば韓国にでもその施設についての主権的な権利が生まれてくるのじゃないか。そこで第三国からの武力攻撃なり武力を伴う紛争が起きた場合、対馬海峡には東、西の水道がありますが、日本海から艦隊が往復する場所と共同開発区域がちょうどぶつかるわけですけれども、その場合に、わが国としてはここへ自衛隊を出動させる考えなのかということ、その辺どうですか。
○伊藤(圭)政府委員 大陸だなの開発にはプラットホームというようなものができるというふうに伺っております。この場合には、まず平時におきましては、必要な警備は海上保安庁がおやりになると思います。暴力的な不法行為があるということで海上保安庁では十分でないというときには、自衛隊法の八十二条によって海上自衛隊の警備行動というものが行われると思います。さらにまた、組織的な武力攻撃あるいは継続的な武力攻撃ということでわが国の財産が侵害されて、これが武力攻撃であるという判断がございまして自衛権を発動するということになれば、海上自衛隊が必要な行動をとるということはあり得ないことではないと思いますが、平時におきましては海上保安庁がこれの警備に当たるということであろうと考えております。
○市川委員 海底資源の探査、採掘活動のために韓国の海上施設ができる。そうすると、韓国の施設ができることによって、韓国の軍隊が防衛のためにそこへ出動するという可能性はどうなのですか。二百海里の中ですから来てはいけませんと言うのか。しかも、共同開発区域ということを協定で合意していて、海底の資源探査のために必要な海上施設を韓国がつくった、それが攻撃を受けた、したがって韓国の軍隊が出ていってこれを守らなければならないというふうに向こうは主張する可能性もあるわけですけれども、こういう事態の想定ですね。そういうことになりますと、下手をするとこっちが知らないうちにそこで大きな紛争になってしまうという可能性もあるわけですが、こういう点についての見解はどうですか。
○伊藤(圭)政府委員 どうも、事態というものを推定し想像するのはなかなかむずかしいわけでございますけれども、二百海里といえどもやはり公海でございますので、韓国も、必要があって自衛行為ということであれば、そういうこともあるかと思います。しかし、先ほど御説明いたしましたけれども、自衛権の発動というものは三つの要件がございます。急迫不正の侵害があるということ、他に代替する手段がないということ、その場合でも最小限の自衛力を発動するということ、この三つの原則がございます。したがいまして、そのような行動が直ちにとられる前に、外交交渉なりそのほかのいろいろな解決の方法がとられるだろうと思いますが、二百海里の中でありましてもこれは公海でございますから、韓国がどのような行動をとるかわかりませんけれども、自衛の行動が全然ないというふうには考えていないわけでございます。
○市川委員 二百海里といえども公海であるというふうにおっしゃるのですが、漁業専管水域という立場に立てばそうかもしれません。しかし、いま海洋法会議で検討されている経済水域という概念に立ちますと、主権とは言えませんが、かなり主権的な権利が保障される方向で検討されているわけですね。そうなってきますと、二百海里は公海ではなくなるのじゃないですか、主権的な権利の及ぶ海域ということになるのじゃないですか。
○山崎政府委員 本件は私の直接の所管ではございませんけれども、外務省の者として御答弁申し上げますと、国連海洋法会議において経済水域という問題がいろいろと論ぜられているのは御案内のとおりでございます。ただ、その経済水域の法的地位といいますか、それに関してはまだいろいろな議論がございまして、経済水域も基本的には公海であるという意見もございますし、あるいは主権的な権利が及ぶのだという意見もございます。この辺についてはまだはっきりした概念は決まっていないわけでございます。
○市川委員 しかし、感情論的には、国と国の関係というのはそんな理論的なもので動くとは考えられませんし、もう主権的権利だと思っていれば、そこに海上施設があれば、わが国の主権が侵されたのだという形で韓国が出てくる可能性があるわけですけれども、その場合、共同開発区域は日本の二百海里内なのですよ。そういう意味では、共同開発区域の問題で第三国と韓国との紛争に日本が巻きこまれてしまうということもありますので、もっとほかのいろいろな事態も想定されますけれども、共同開発区域のこうした事態について、防衛庁としては十分に打ち合わせる必要があるのじゃないですか。そういう必要があると思うのですが、まず長官これはどうですか。そうしておかないと、二百海里内で韓国の海上施設が第三国にやられたので韓国が出てきたということで、日本の二百海里内で紛争が起きるという可能性も心配されるわけですね。そういう意味から考えて、日本の平和保障という立場で、そういうことも十分に韓国と話し合っておく必要があると思うのですが、そういう必要は全然お認めになりませんか、それともお認めになりますか、どうですか。
○三原国務大臣 ただいまの問題は、外務委員会でも問題提示がなされまして、外務大臣から、まずひとつ国内的に防衛庁と外務省とあるいは海上保安庁と、関係省庁において十分にこの問題の検討を進めようではないかというような御発言があったことを承知をいたしておりまするが、韓国言々の前に、まず国内的に関係省庁がそうした事態をどう判断をするかというようなことで検討を進めてまいる所存でございます。
○市川委員 以上で終わります。
○正示委員長 柴田睦夫君。
○柴田(睦)委員 米軍機相手の要撃訓練について、沖繩の問題で聞いたわけですけれども、本土でも同じ訓練が行われていると思うのですが、過去三年間でいいのですが、この間に本土では何回そうした訓練が行われたのか、どういう地区で行われたのか、この点をお伺いします。
○伊藤(圭)政府委員 過去三年間に限って申し上げますと、本土におきましてこの目標機を出してもらった要撃訓練というものは、五十年の十月以降三回やっております。これは九州の西方の訓練空域において実施いたしておりますが、本土におきまして数が少ないといいますのは、御承知のように、本土には米軍の実戦部隊といいますか、そういった戦闘機の部隊がおりませんので、きわめて数は少なくなっているというのが実情でございます。 〔委員長退席、木野委員長代理着席〕
○柴田(睦)委員 それは九州西方の空域ということのようですが、沖繩北方空域というのも入るのじゃありませんか。
○伊藤(圭)政府委員 沖繩の北方空域でやりますのは、沖繩の混成団に配備されております要撃戦闘機の訓練をやっておるところでございます。
○柴田(睦)委員 結局沖繩の混成団が沖繩の北方空域でやる、それから本土の方は九州西方の空域でやるということになるわけですけれども、これも結局は朝鮮半島をにらんでの共同演習というように見ることができるわけです。 そこで、今度は外務省の方に伺うのですけれども、この訓練の中で、韓国から飛んできた在韓米軍機F4ファントム、これを仮想敵機に見立てて在日米軍が訓練を行った事実があるかどうか、お伺いします。
○伊藤(圭)政府委員 事実関係について私の方からまず御説明いたしますが、いま九州と沖繩の北方でやっているのは、韓国を目標としてやっているのではないかというお話がございましたが、これは先ほども私が申し上げましたように、たとえば横田に昭和四十年までF105という飛行機あるいはファントムという飛行機がおりましたが、、そういうようなときには、本土の飛行機もときどき要撃訓練の目標機になっておりました。現時点におきましては、沖繩にあるものでございますから、沖繩の飛行機が目標機になってくれるものでございますから、そういうところで実施しておるということでございまして、韓国を目標にして云々ということはございません。 私どもが米軍に依頼いたしますのは、米軍の飛行機を目標機として使わしてもらいたいということを申しておるわけでございまして、その飛行機が韓国から来たものかあるいは沖繩にいるものか、その点についてはわからないのでございます。
○柴田(睦)委員 私が聞いたのは、在日米軍が訓練しているのかということを聞いているのです。だから、あなたの方でなくて外務省の方に聞いているのです。
○山崎政府委員 航空自衛隊のこの種の要撃訓練につきまして、外務省が一々を承知しているわけではございません。ただ、防衛庁から伺いました限りにおきましては、これはあくまで航空自衛隊限りの要撃訓練であって、その目標機に米軍機を使わしてもらうということでございますから、これ自体が航空自衛隊と在日米軍との共同訓練ではないというふうにわれわれは聞いております。
○柴田(睦)委員 そこまで聞いているのではないのです。在日米軍機が韓国のアメリカ機、これを相手に訓練をやっているか、こういうことを聞いているので、両方とも間違った答えばかりしているのです。だから、アメリカ機に対してアメリカ軍がやっているかと聞いているのです。
○山崎政府委員 米軍機同士で、在日米軍と在韓米軍との間でそういうふうな訓練をやっているというふうには聞いておりません。
○柴田(睦)委員 コープ・ダイヤモンド作戦ということが言われております。これは通称かもしれませんけれども、どういう作戦ですか。
○伊藤(圭)政府委員 作戦という通常の言葉は、コープ・ダイヤモンドの場合には当たらないと私どもは思っております。といいますのは、コープ・ダイヤモンドというのは、先ほど来申し上げておりますように、航空自衛隊から目標機になってもらえないかということを依頼いたしまして、向こうが目標機を出しましょうということで、その目標機に対して要撃訓練をやるわけでございまして、それをアメリカ側がコープ・ダイヤモンドと呼んでいるということでございまして、これは決して作戦とかなんとかいうものではなくて、要撃技術の演練を目標としたものでございます。
○柴田(睦)委員 外務省、何か急ぐそうですから、委員長の許可を受けてどうぞ。 直接の実施の要撃訓練というのは最近の問題じゃないかと思うのです。ずっと前には、日本の航空自衛隊はそこまでやっていなかったと思うのですけれども、防衛庁からいただいた資料によりますと、ことしの二月七日には、米軍機から誘導支援依頼があったということですけれども、これはどういう想定があったのか、その点をお伺いします。
○伊藤(圭)政府委員 最近になってこういうことを始めたといまおっしゃいましたが、実はそういうことはないのでございまして一私どもが訓練の目標機として使っておりますのはT33という亜音速の、いわゆる行動の鈍いものを目標機として使っておるわけでございます。要撃訓練というものはいろいろな型の飛行機に対して行うのが練度を高めるゆえんでございますが、自衛隊はなかなかファントムとか104というものを目標機に使うほどの余裕がございませんので、アメリカの飛行機でそういう目標機になってもらえるような場合にはお願いしているというのが事実でございます。この要撃に当たって誘導していくということにつきましては、これは現在におきまして、日本の本土全体を見ましても、レーダーサイトを運用しているのは航空自衛隊でございます。そしてまた共同対処の場合にアメリカの飛行機が飛び上がっていくというときには、やはりこのレーダーからの情報によってその目標機に対して誘導していくということでございますが、そういった事実行為といたしまして、沖繩におきますレーダーサイトが、沖繩の米軍機が要撃訓練をする場合に、接敵するまでの間の誘導というものをやっているわけでございます。
○柴田(睦)委員 それは聞いておきましょう。 それでは、いま出ましたレーダーの問題ですけれども、要撃に当たって航空自衛隊のレーダー機能、これはどこまで及んでいるのか。要するに、朝鮮半島まで及んでいるのかということです。お伺いします。
○伊藤(圭)政府委員 大変申しわけありませんけれども、レーダーの覆域というものは、これは実は秘密になっているわけでございます。しかしながら、御承知のように私どもが持っておりますADIZと申しますか、防空識別圏というのがございます。これは遠いところは二百マイル、それから近いところはもう少し少ないところもございますが、そういった意味で、その範囲のレーダーの覆域というものはあるというふうに御判断いただいて結構だと思います。
○柴田(睦)委員 在日米空軍から誘導支援の依頼があるわけですから、しかも韓国から飛び立った在韓の米軍機をとらえるわけですから、これをどこでとらえるかということは問題であるわけです。機能については秘密だと言われますけれども、その性能などから一応の推定はできる。 ところで、これをとらえるADDC、防空指令所、これはどこになるのですか。
○伊藤(圭)政府委員 わが国にはレーダーサイトが二十八カ所ございます。そのうちの四カ所が沖繩の周辺にあるわけでございます。いまADDCと申されましたが、ADDCというのは要撃機の誘導の能力を持っているところでございまして、これをキャッチできますサイトは、この四つが全部把握できる能力を持っておるわけでございます。
○柴田(睦)委員 それじゃ、この韓国にある在韓米軍のレーダー機能、これは日本に対してどの程度の機能を持っているか。あるいは秘密かもしれませんけれども、いまの何マイルということで示された程度でいいのですから、わかっておればお答え願いたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 私の記憶しているところでは、韓国には八カ所ほどレーダーサイトがあるのではないかというふうに記憶いたしておりますけれども、日本のレーダーサイトのレーダーも韓国のも、韓国のよく知りませんけれども、恐らくアメリカが設置したのではないかと思いますが、そういう意味では日本と同じような能力を持っているのではないかというふうに考えられます。
○柴田(睦)委員 それは自衛隊の防空識別圏と重複するのかどうか、それはわかりますか。
○伊藤(圭)政府委員 防空識別圏というものは重複いたしておりません。しかし、レーダーのカバレージからしますと、韓国と日本は非常に近うございますから、それは重複しているところがあると思っております。
○柴田(睦)委員 朝鮮半島が有事の際、日本の米軍基地から米軍が出動するということについて、これはいままでイエスもあるということを言っているわけですけれども、この場合当然この春日市の背振山のADDCが使われなければならないと思うのですけれども、その点はどうですか。
○伊藤(圭)政府委員 いま申されましたその出動というのが戦闘出動であれば事前協議の対象になるわけでございますが、日本を離れて行くまでの間の管制というものにつきましては、日本のレーダーサイトが管制するということになるわけでございます。
○柴田(睦)委員 もう一つ、日本のADDCはいますべて自衛隊に移管されているわけですから、当然ADDCは自衛隊の手によって運用される。松前・バーンズ協定のように、この第五空軍との密接な関連によって有事の際も運用される一そのように判断できるわけですけれども、その点はどうでしょうか。
○伊藤(圭)政府委員 ADDCというのは、先ほど私も御説明しましたように、SSというのは単に捕促するだけでございますが、要撃管制をする能力を持っております。ADDCにおきましては、これは指揮権というのがアメリカと日本とは別個にやるというたてまえになっておりますので、現実に日本の場合におきましても領空侵犯措置として、松前・バーンズ協定のときにも、この情報はスコープで見ますけれども、その指令というのは、アメリカから派遣されております連絡官というのがADDCにおりまして、これが指示することになっておりました。したがいまして、有事の際にその指揮権のたてまえからいたしますと、当然そういった連絡官というものがADDCに派遣されてまいりまして、その指揮に従って米軍の飛行機は行動するということになろうかと思います。
○柴田(睦)委員 じゃ、第五空軍の司令官が責任を持っている防空組織、これは日本以外にはどこが入るのか、韓国に対しても持っているのかということをお伺いします。
○伊藤(圭)政府委員 第五空軍というのは、いわゆる実力部隊として在日米軍、すなわち実働部隊といたしましては沖繩の部隊、これを隷下に持っております。同時にまた、韓国におります戦闘部隊も第五空軍の隷下に入っておるわけでございます。
○柴田(睦)委員 この松前・バーンズ協定を見てみますと、四のところで、航空管制の運用では第五空軍司令官が責任を負っている隣接防空組織にも十分な情報連絡をとれるようなシステムが定められているわけですけれども、この第五空軍が責任を持っている韓国そことは十分連絡調整はとられているというように見るわけですけれども、それは正しいですか。
○伊藤(圭)政府委員 いま申し上げましたように、第五空軍はその隷下の部隊を日本とそれから韓国に持っているわけでございます。したがいまして、第五空軍の司令部としてはそういった地域の情報というものは当然とっているわけでございます。 この松前・バーンズ協定の場合におきまして、領空侵犯の措置をやる場合にもわが方としまして情報を持っているわけでございますが、さらに広い地域の必要な情報というものは米軍に聞くと伝えてくれるというようなことになっているわけでございます。
○柴田(睦)委員 いままでいろいろ聞いたのは、結局在韓米地上軍の撤退というカーター発言があって、それからカーター・福田会談がある。そしてそういう中で、地上軍が撤退するということに伴って空軍力を強化するということが一般的に言われておりますし、そういう中で着々と米日韓 一体化の作戦計画、そしてそのための訓練が行われているというように見るわけです。われわれは、こうした危険な企てというのはあの三矢研究を実質的に進めるという内容のものであると見ますから、決してこれを認めることができないわけです。沖繩の戦車道の問題といい、またこの空軍の動きを見ても、朝鮮半島の有事に向けて、外務省、防衛庁、それぞれ協力して日米共同作戦に向かって着々と準備している、こういう実態である、われわれはこのように情勢を見ておりますので、こうした態勢に対しては反対するものであるということを表明しておきますが、これについて防衛庁長官、御意見がありましたらお伺いします。
○三原国務大臣 柴田委員の御見解について私はとやかくは申し上げませんけれども、いま日米韓が共同の態勢で着々戦争準備をいたしておるというような御発言がございました点につきましては、全くそうでないということをこの際明確にしておきたいと思うのでございます。先ほど防衛局長も申しましたように、このスクランブルの要撃訓練は、あくまでも要撃訓練として米軍機の協力を願っておるという事態でございます。これははっきりそうした立場でわれわれは対処いたしてまいっておるところでございまするし、また米国と韓国との関係等につきましていろいろ御意見があるようでございまするが、米第五空軍は沖繩にもまた本土にも、そして韓国にもおる航空組織であるわけでございます。したがいまして、そうした三国が一体になっての戦闘準備態勢に入っておるというようなことは絶対にないということをここではっきり申し上げておきたいと思うのでございます。 次には、日本はあくまでも専守防衛の立場で自衛隊が存在をし、またわが国の防衛に当たっておることは御承知のとおりでございまするが、アメリカは日本との関係においては安全保障条約の立場を持つわけでございますけれども、しかし日本は外国に向かって侵攻するということは絶対にございません。またアメリカにおきましては、極東の平和と安全のために寄与いたしておる米軍の存在であることは御承知のとおりでございまするから、そうしたけじめを私どもははっきりつけて物を判断をしてまいらねばならぬという立場に立っておるわけでございまするので、その点はひとつ御理解を願いたいと思うのでございます。
○柴田(睦)委員 次は、二百海里漁業水域の設定の問題に関連してですが、まず、海上保安庁の方に伺います。 この二百海里の漁業水域設定に伴って、漁民の操業を守るという上で海上の警備、管理体制がいま議論されているわけです。そこで、海上警備は警察権の行使に当たるわけですから、海上保安庁がその任務に当たっているわけですけれども、二百海里漁業水域の設定に伴って新たにふえる仕事はどういうものがあるかお伺いします。
○間政府委員 二百海里の漁業水域が設定されることによりまして、確かにいま先生おっしゃいましたように海上保安庁の仕事は相当大幅にふえるであろうというふうに考えております。 具体的に申し上げますと、この漁業水域内におきましては、先般国会で成立いたしました漁業水域に関する暫定措置法に基づきまして、外国人は農林大臣の許可を受けなければこの漁業水域においては漁業を行ってはならない、こういうことになっておりますので、外国人による無許可操業を取り締まるということが海上保安庁の新しい仕事になるわけでございます。 さらに、これを具体的な仕事の流れで申し上げますと、まず第一には、その二百海里の漁業水域内において無許可で行っておるそういう外国船の操業、これを監視する仕事がございます。そうして違反船が発見されました場合には、これに立入検査をいたしまして、違反が明らかになればその責任者を逮捕する、これから証拠を収集する、さらにその船を日本の港に連行をいたしまして、日本の港においてこれを取り調べ、そして刑事事件として送致をするということが新しい漁業水域に関する暫定措置法に基づく仕事でございます。
○柴田(睦)委員 四月三十日の参議院の委員会でこの二百海里漁業水域の警備の問題について、海上保安庁がその警備に当たって今後とも、要するに二百海里になってもそのようにやるんだということを保安庁長官が答えましたし、また運輸大臣も、保安庁も急いで所要の体制強化を図りたい、こういう答えをしておられます。海上保安庁自身の手でその任務に当たるということを明言しているわけですが、一方では防衛庁が警備に乗り出すというような意向も出てきているようです。三カ月後に二百海里実施がされるわけですけれども、漁民の操業を守るためにどういう体制で臨むか、それから守れるかということについて保安庁の方にお伺いします。
○間政府委員 海上保安庁は現在巡視船艇三百十隻保有をいたしておりまして、そのほかに航空機が三十四機ございまして、これらの船艇は全国で百三十二の基地にそれぞれ分散をして配置をいたしておりますし、航空機は十二の基地に分散をして配置をしておるわけでございまして、それらの基地を中心といたしましてその付近の海域の巡視警戒に当たっておるわけでございますが、現在におきましても、これらの船の行動範囲は領海三海里の範囲内に限られているわけではございません。 この船艇について申し上げますと、大体沿岸から五十海里の範囲をそれぞれの行動範囲に定めておきまして、その範囲内において巡視警戒を行い、また航空機の場合はさらに行動範囲が広いわけでございます。特に大型のYS11のような飛行機になりますと、これは航続距離が約千九百海里ございますので、相当に沖合いにまで現在でも巡視警戒に従事しておるわけでございます。 そこで、今後この二百海里がいよいよ実施されました場合に、私どもは業務がそれだけふえるわけでございますけれども、当面は、まず現在ある巡視船艇あるいは航空機を最も効果的に活用してこれに対処することになるわけでございますが、具体的に申し上げますと、漁業でございますので漁場というのがやはりございますし、それから漁期というものもございます。そういたしますと、この二百海里というかなり広い海域でございますけれども、実際に取り締まりの対象になる船がいる海域というものはかなり限られてまいります。たとえば、現在外国船で日本のこの二百海里内で操業いたしておりますのは、ソ連船と韓国船、それに台湾の漁船が一部沖繩周辺でございます。ソ連船について申し上げますと、千葉房総沖から北海道にかけての太平洋岸、それから韓国船は対馬の周辺と北海道の一部の周辺海域、大体こういう海域に限られておりますので、まず私どもは、七月の時点におきましては、これらの海域に現在持っております巡視船艇あるいは航空機を重点的に投入いたしまして、そこで取り締まりを行う。そして、それ以外の海域につきましては、やはりこれは広い海域でございますので、飛行機による監視が一番効果的でございますから、現在持っております特に大型の航空機を使いましてこれらについての監視を行うというふうなことで当面対処していきたいと考えております。しかし、その場合には、どうしても他の海域においての現在行っておりますような通常の業務が一部手薄になるということはやはり予想しなければならないことでございますので、そういう事態を長く継続することはできませんで、何と申しましても海上保安庁の船艇、航空機の勢力を全体的に強化することは、これはもう絶対に必要な問題でございますので、その整備、増強について早急にこれを実現するよう目下その計画を練っておる段階でございます。
○柴田(睦)委員 防衛庁の方は同じ委員会で、保安庁の力が及ばないことが出てくれば自衛隊の現体制の中で協力することを検討しているということを防衛庁長官がお答えになっております。保安庁の力が及ばないことが現出されればというわけですけれども、保安庁のいまの御意見を聞いておりますと、一応できる、それから足りないところはこれから補強してやっていくというような答えですけれども、この防衛庁長官が言われた、力が及ばないことが現出すればという問題、これがどういうことを意味するのか。また、そのとき自衛隊が海上警備管理という行動をするその法的な根拠、これはどういうことになるのか。あるいは自衛隊法の改正も検討しているのかということについて長官の方にお伺いします。
○三原国務大臣 私が協力の点について申し上げましたのは、いま海上保安庁の御意見がございましたように、海上保安庁が海上警備の任務を持っておられるわけでございまして、その任務は現在の体制で十分であると言っておられますので、現在におきましては、特に要請がなければ私どもは防衛の任務に専念をいたしたいと思うのでございます。しかし、今日までも私どもの海上自衛隊におきましては調査の任務を持っておるわけでございます。海上の状況について絶えず調査をいたしております。たまたま異様な状態に接しますれば、今日までも海上保安庁の方に、こういうようなことがございますという通報を重ねてまいっておるところでございますし、私どもは今後もそうした意味での積極的な協力をいたしたいということでございます。したがって、現在の体制で進みたいということを私は申しておりますが、特に自衛隊法をここで改正をするとかいうような企図は現在時点においては考えておりませんということを率直に申し上げておるところでございます。
○柴田(睦)委員 ちょっと自衛隊法の関係で伺いますけれども、自衛隊法の八十二条では、特別な必要がある場合には総理大臣の承認を得て、海上において必要な行動をとることができるようになっているわけです。領海を越えた二百海里の漁業水域、そういう中でいまの自衛隊法の上で違反漁船を監視する、あるいは操業停止の要求、そうした行動をするということは、これは自衛隊法の関係ではどういうことになるか、見解をお伺いします。
○伊藤(圭)政府委員 その八十二条が発動される場合というのは非常に特別な場合でございまして、その場合には海上保安庁の持っております権限の一部を行使できるようになっております。そのほかには平時におきます監視任務というものは自衛隊は持っておりませんので、積極的に監視業務を行うというようなことはないわけでございます。ただいま大臣から御答弁申し上げましたのは、海上自衛隊も航空自衛隊も公海上で訓練をやっております。したがいまして、その訓練をやっておる過程あるいは訓練場に赴く、あるいは帰る状況において、不法な操業をやっているような漁船を発見したような場合にはそのことを連絡し、必要があれば巡視艇なりが到着するまでの間、その状況を注視している、そういうことを申し上げたわけでございます。 それから先生、まことに申しわけございませんが、先ほど私が御答弁申し上げました中で、一つ間違って御答弁したことがあると思いますので訂正さしていただきたいと思いますが、あの六条の事前協議によって行くときに要撃管制をするのではないかという御質問でございまして、そのようなこともあり得ると申し上げましたが、実はこの要撃管制というものは、いわゆるピンポイントをやるわけであります。したがいまして、ある目標に向かって管制をするわけでございますので、たとえば日本から韓国に移動していくというような場合には、これはRAPCONに乗りまして飛行機自体がその方向に飛んでいくということは十分可能でございますので、要撃管制という形でやるということはないわけでございまして、日本に攻撃してくる飛行機のピンポイントのための要撃管制、そういうことはあり得るということでございますので、謹んで訂正さしていただきたいと思います。
○柴田(睦)委員 それからもう一つ、防衛庁長官は、新海洋法の施行に伴って防衛計画の大綱の中身を整備しなければならないというようにも言っておられるのですけれども、なぜ大綱を整備しなければならないのか、その理由をお聞きしたいと思います。具体的にはどういうことを整備するのか、そういうことです。
○三原国務大臣 ちょっとお尋ねの線がはっきりわかりませんけれども、私自身が新海洋時代に防衛計画大綱の見直しをするというようなことを言ったことはございません。そういう点がございますれば、御指摘を願いたいと思いまするが、そういうことを申し上げたことはございません。
○柴田(睦)委員 ちょっとその資料を手元に持っておりませんので、また改めて調べた上でお聞きします。 この問題についてやはり注意しなければならないのは、二百海里の実現ということで新聞などの解説などを見ても、このことによって自衛隊の強化を便乗するのじゃないかというようなことが言われておりますし、そういうことがあってはならないということであります。そしてまた、海上保安庁の問題につきましては、その体制がちゃんととられるような子算の対策も組んでいく、これが政府の責任であり、また義務であるということを述べておきたいと思います。 では次に、私も予算委員会で取り上げました自衛隊の——防衛庁の方から聞くと聞き苦しいてしょうけれども、スパイ教育の問題であります。情報の収集ということは非常に大切なことである。国内の情報を正確に把握してそれを分析しなければならないということは、これは長官自身が言っておられることですけれども、自衛隊はいつから国内の情報をとるようになったのか、そのことをまずお伺いします。
○伊藤(圭)政府委員 国内の情報をいつからとるようになったか、もちろん、自衛隊は直接侵略、間接侵略に対して防衛する責任を持っておりますので、情報活動というものは当初からやっておりますが、国外の情報というものが主でございまして、国内の情報というのは治安機関がございますので、そういうところからもらっているわけでございまして、それをいつから始めたかと申されますと、やはり自衛隊の発足からというふうに申し上げる以外にないと思います。
○柴田(睦)委員 国内情報は、日本の治安機関からもらうだけだということを言っておられるのですけれども、自衛隊ではそうした情報の収集のために、隊員の中から調査学校に入れて、その実地教育をやっているのだということも長官自身答えられておりますし、これも明らかであるわけです。結局は、自衛隊が国内情報を集めるということなんですけれども、国内の情報を治安機関からもらうというだけではなくて、自衛隊自身が独自に集めているということがいままでも国会でたびたび議論になっておりますし、そしてまた、予算委員会で示しました「青桐」の中身を見てみました場合に、そうした訓練をやって卒業した人が、そういう訓練を受けて情報をとる仕事もやっているということがいろいろ出てきているわけですけれども、その点はやはり自衛隊自身が集めるということはない、どこまでもこういうように言われるわけですか。
○伊藤(圭)政府委員 ただいま申し上げました御説明が必ずしも十分でなかったと思いますが、国内の情報というものも集めていないわけではございません。たとえば国土防衛のための地誌、地形、その他につきます情報、これは自分のところでやっております。 それからまた、自衛隊には調査隊という部隊がございまして、これは自衛隊が健全であるための防護の部隊というものがございます。したがいまして、自衛隊に対しまして外からの働きかけ等がございますと、当然、その隊内におります者について調査をすると同時に、その働きかけ、いわゆる必要な範囲における調査活動というものはやっているわけでございます。しかしながら、全体の国内の治安の動向、その他の主たるものは治安機関からもらっているということでございます。
○柴田(睦)委員 政党の状況、特に野党の情報、そうした問題については国内の別な機関からもらっているだけだということですか。
○伊藤(圭)政府委員 これは直接的には私の方とは関係ございません。したがいまして、特にそういうものをもらっているということはないと思います。
○柴田(睦)委員 それから、これは参議院でわが党の上田議員が主にやりましたけれども、欺騙ということが「青桐」の中で出てくるわけです。欺騙というのは欺きだますことであるということですけれども、そういう教育をCPI課程で受けたということがたびたび出てくるわけですけれども、その中には、十三期生の人が卒業を目前に控えて、ただいま檜原村に潜入した、それが某一尉の変わり果てた姿である、こういうことが書いてあります。そしてまた、その人は結局は現職自衛官ですけれども、郷土史の研究家と称して、風俗と習慣を調べるという目的で、所望した成果をおさめたということも書いてあるわけですけれども、その所望したその目的、それは一体何であったのか、こういう点は調査されましたか。
○水間政府委員 自衛隊の国内情報につきまして、それを収集する能力を見につけさせるための教育をやっていないことにつきましては、先ほど防衛局長から申し上げたとおりでございます。心理戦防護課程というのをもう一度御説明させていただきますと、有事におきまして、戦場では部隊間に心理攻撃をかけまして、こちらの部隊を心理的に撹乱するという攻撃を仕掛けられることがあります。有事において、単に、敵の心理攻撃に対して何らなすすべもなく、こちらの部隊が心理的に崩壊してしまうということでは困りますので、これを平時から基礎的な知識として部隊の所要の幹部に身につけさせておくということを教育するのが心理戦防護課程でございます。したがいまして、平時の調査活動とは全く関係のない教育内容でございます。研修員——学生になるわけですが、学生も、いわゆる情報専門部隊の担当者ではございませんで、一般部隊の者が入るわけでございます。 この心理戦防護課程で欺騙とかいろいろな基礎的な技術を教えておりまして、それを先生がいま問題にされたわけでございますが、この欺騙というのは、自分でやるということではなくて、敵の心理攻撃の中に敵が身分や地位を偽っていろいろな工作を行ってくる、それを体得させるために行っておる実習教育でございまして、その一環が先生から御指摘になったようなものでございます。 以上でございます。
○柴田(睦)委員 これは、結局変装して、自衛隊じゃないかっこうをして、しかも自衛隊員ではないということを言いながら、実は自分は郷土史の研究をしているのだ、こう言って入っていく、そしていろんな人に話を聞く、こういうことがどうして必要かということです。
○水間政府委員 変装して入っていくことだけが目的でございまして、何かを調べるということは目的ではございません。欺騙というものがどういうものであるかということを体得させるための目的、それだけでございます。
○柴田(睦)委員 それから、CPI課程にいるような人、これは、そういう自分の身分を家族にまで言えない、あるいは病気をして入院しているときに、妻が自分の身分を見舞い人に明かそうとしたということから非常にびっくりした、そういうことで、まず欺騙は家族からだということで細心の注意を払いました、こういうようなくだりもあるわけです。そういうことが必要でしょうか。
○水間政府委員 実は「青桐」に書かれておりますことは大変誇張がございますので、私も目を通しましてちょっと驚いたり苦笑したりしたようなことがたくさん書いてございます。先生が御不審にお感じになるのも無理からぬ部分もございます。「青桐」というのは、いつかも申しましたように、同窓会雑誌で、気心の許し合った仲間が自由に物を書いて、狂句のようなものもつくっておりますが、大変誇張しております。そこで、文字どおりお読みいただくとちょっと行き過ぎたような書き方をしてはおりますが、実体的には非常に単純なものでございます。
○柴田(睦)委員 実は私も調査学校に行って、校長、副校長、みんなおいでになっているところで、CPI課程について、同窓会組織があるかとか、あるいは卒業記念の石碑を建てたというようなことがあるか、同窓会雑誌があるかというようなことを、こちらがある程度つかんでいながらこちらのことを言わないで聞いたわけですけれども、そのときは全部が、そういうものはない、同窓会もない、雑誌もない、石碑のことも知らない、こういうように全部否定されたわけです。そういう意味で見ますと、なかなか本当のことを言わないのじゃないか、防衛庁にはそういう体質があるのじゃないかという疑問を持ってそれから特に見ているわけです。 実は私、昭和四十八年九月に防衛庁から、自衛官が韓国を訪問したその一覧表というのをいただいたことが当時あったわけです。それでちょっとこれをひとつ見てください。それによりますと、昭和四十七年度の自衛官の韓国訪問状況、これは防衛研修所の現地研修が非常に数が多いのですけれども、これを除いて全体で人員は何名になっておりますか。
○竹岡政府委員 お答えいたします。 これは先生の御要望で出しました資料に基づくものでございますが、四十七年は防衛研修所を除きまして五名でございます。これは代表者が五名でございますから、防衛研修を除きまして十名になっております。
○柴田(睦)委員 四十七年度で見ますと、四十七年度ですから四十八年の三月までということになりますが。
○竹岡政府委員 これは年で出しておりますから四十七年中になっております。四十七年度ではなくて四十七年中の数字を私いま申し上げました。
○柴田(睦)委員 それじゃ、それには、四十七年度、四十八年度の三月まで、それは載っていますか。四十八年の三月までの分。
○竹岡政府委員 このお渡ししました資料には四十六年の三月から四十八年の七月まで出しております。四十六年中並びに四十七年中、四十八年は七月末でございますけれども、その間の韓国へ出張した者の一覧表を出しております。
○柴田(睦)委員 その資料を私がいただいたのは、ちょうど外務委員会にいて金大中事件が国会の大きな焦点になっていた、そういう関係で防衛庁の方に資料をお願いしたわけです。その資料の中に、四十七年度、すなわち四十八年三月までの間で、実際は訪韓しているけれども、それを抜いた部分はありませんか。
○竹岡政府委員 お答えします。 御質問の趣旨は、四十八年の二月十八日から二月二十四日までに、当時の陸幕二部長の塚本氏が随員二名を連れて訪韓した事実がございますが、これが抜けておるのじゃないかという御趣旨だと思いますが、抜けております。
○柴田(睦)委員 そのとおり、抜けているわけです。塚本勝一氏は当時の陸幕二部長である。これは陸幕二部長が極秘裏に韓国を訪問したのか、われわれに言えない理由で訪問したのか、あるいは防衛庁がうその資料を私の方にくれたのか、こういうことになるわけですけれども、それはどうなっているのですか。
○竹岡政府委員 お答えします。 塚本陸将が二部長当時に訪韓した事実につきましては、私、前の参議院の予算委員会でも事実として十分答えております。これは単なる事務的ミスだと思いますので、おわびしたいと思います。
○柴田(睦)委員 そうしますと、塚本現陸将が当時訪韓したということは、私に資料をよこした当時からわかっていたということですか。
○竹岡政府委員 もちろん当時から、これは陸幕長の命令で出ておりますし、われわれの方にも連絡があったことでございますから、上司の許可を得て行っているのですから、十分にわかっております。私それは予算委員会でも答えております。
○柴田(睦)委員 確かに、今度の予算委員会においては答えられました。しかし、実は四十八年の九月二十六日ですけれども、参議院の外務委員会で我が党の星野議員が、金大中事件に関する質問としてこの問題を聞いているわけです。ところが、やはり塚本勝一氏の訪韓については述べられていない。そうしてみますと、私にも星野議員に対してもその点は隠した。事務的なミスで済まされない問題だと思うのですけれども、どうですか。
○竹岡政府委員 この資料に出ておりますとおり、四十六年も、陸幕長あるいは航空幕僚監部の将補なり陸幕の将補なり、全部行っておりますし、従来からも勧告の招聘があったり、そういうことで陸幕二部長等もよく行っております。隠す必要は毛頭ございませんので、単なる事務的ミスと御理解願いたいと思います。
○柴田(睦)委員 私が資料をいただいたとき、それから星野議員が質問したとき、その間には相当な期間的な隔たりがある。それにもかかわらず、わかっていることを、その人数においてその資料にあるとおりにしか両方に対して答えていないということは、これはやはり事務的なミスでは済まされない、隠したのだ、うそをついたのだ、国会議員に対していわば偽騙をしたのだというようにしか考えられないわけです。そういう点についての防衛庁長官の御意見をお伺いします。
○三原国務大臣 私は、塚本陸将につきましては、その人柄等も十分承知をいたしております。 なお、いま、参議院においても秘匿をしたあるいは現在の資料にもそういうことがあるということでございますが、私はいま人教局長にも直接尋ねたわけでございますが、参議院でなぜそういう誤った資料を出したかと言いましたら、参議院では資料の要求はあっておりません、またお尋ねもあっておりませんということでございます。したがいまして、いま出しております資料は、私はたまたま事務的なミスでしたものと思います。私は教育機関に対して、正規の先生方が正規の手続を経て調査をされたり、あるいは個人の立場等におきましても、国会議員としての正規の手続を経て調査をされることについて、そういうものについては堂々とお答えもしなければならぬということを平素言っておるわけでございます。しかし、そういうことがなされない場合には、それは、その御調査について全面協力のできない場合もあるかもしれない、そういう点もまずはっきりさせてやるべきだということを常々言っておるわけでございます。防衛庁が虚偽の云々をするとか、お尋ねになって当然お答えをすべきものをことさらに秘匿するというようなことは決してやっておらないと、私は確信を持ってお答えできると思うのでございます。
○柴田(睦)委員 これは河田賢治議員が要求いたしました資料、そこで私たちが三年前にいただいた資料との食い違いを発見したわけです。星野議員に対する答弁との食い違いを発見したわけです。その限りにおいては、三原防衛庁長官の代になって出された資料は正しい。だから、それはいいのです。要は防衛問題、特に自衛隊は武装集団ですから——戦前の日本の軍隊、戦後の自衛隊の体質についてはまた次の機会にやることにいたしましょう。この武装集団が国民の目から離れたこと、国会にもないしょにすること、そういうようなことが行われていけば非常な間違いが起きる。そういう意味で、国会に対してうそをつかない、そういう態度で防衛庁は臨んでもらいたい、そういうことを最後に要望いたしまして終わります。
○木野委員長代理 次回は、明二十日金曜日午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時三十分散会