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80回国会衆議院1977/05/09

内閣委員会 第14号

発言数
218
登壇者
13
会派数
4
開催日
1977/05/09

会議録

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 これより会議を開きます。  ただいま日本社会党、日本共産党・革新共同の委員の御出席がありません。ただいま委員長から事務局に命じ、両党の委員の御出席方を強く要請いたしております。しばらくお待ち願います。(発言する者、離席する者あり)——ひとつ席へお着きください。そういう交渉は理事の方と委員会開会中にやります。(「休憩、休憩」と呼び、その他発言する者多し)いや、休憩いたしません。委員以外の方はこの部屋からお出ましをいただきます。委員は委員席に、傍聴委員は傍聴席にどうぞお引き取りください。——内閣提出の沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案、安井吉典君外二名提出の沖繩県の区域内における位置境界不明地域内の土地の位置境界及び地籍の明確化に関する特別措置法案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木野晴夫君。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 私は、ただいま議題になりました二法案につきまして、基本的な事項につきまして質問いたします。  駐留軍の用地に関する法案が政府から出ておりますが、これに対しまして、社会党、共産党、公明党三党からいわゆる三党案なるものが出ております。私は、この案につきましていろいろと検討してまいりましたが、先般、内閣委員会で沖繩の現地に参りまして、つぶさに現地の状況を見てまいりました。沖繩は、わが国におきまして陸上戦の行われた唯一の地区でございます。しかも、戦後は米軍の基地が非常にたくさんございまして、沖繩の復興には何かと大変であると思います。その中にありまして、沖繩の県民の方々は力強く立ち上がっておりますことは、私といたしましてまことに心強く、心から喜んでおるところでございます。皆さんも御承知のとおり、三党案は、沖繩の地籍が明確でない、このことが沖繩の発展を阻害するんだということで、沖繩の地籍明確化のために、軍用地のみならず一般の地についても行われておるのでございます。それに対しまして政府の方は、駐留軍用地につきまして地籍の明確化を図らんといたしておるのでございます。  そこで、まずもってお願いいたしたいことは、民間の部分につきまして、開発庁がなぜこのことについて法案をつくらなかったか。三党案は民間地につきましても行っておるわけであります。防衛庁は駐留軍用地について行っておるわけであります。私は、なぜ沖繩開発庁が軍用地以外につきまして行われなかったか、この点につきましてまずもってお聞きしたいのであります。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○藤田国務大臣 御質問の趣旨は、民間地について地籍明確化に関しまして沖繩開発庁がなぜ立法化をしないか、どういう考えを持っているかというふうな意味だと解します。実はよく聞こえなかったのです。聞こえなかったのですがそういう意味と解しますが、昭和四十七年の復帰時におきまして立法化すべきであるかどうかということは十分に検討いたしましたけれども、これは何せ私権の関するところでございますから、非常に疑問もございます。そういうことで、先に地籍の不明確な地点を調査しようではないかということになりまして、昭和四十七年、四十八年と地籍の不明確な地点を調査いたしました。その結果におきまして、約二十平方キロの地点が基地外において地籍が不明確である、基地内においては百二十平方キロである、こういうことになりまして、昭和五十年の初頭でありますが、関係各省庁集まりました結果、基地の外においては沖繩開発庁の方で地籍の明確化を進めるべきであり、基地内においては防衛施設庁の方において明確化を図るべきである、こういうふうな合意をいただきまして現在までやっておるわけでございます。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 いま開発庁長官からお答えありましたが、沖繩につきましては戦前は地籍が非常に整っておった県である。ところが戦争の結果、登記台帳、その他公簿類が一切消滅する、また個人はそれを証するに足るだけの物証を失ってしまう、こういうことで現在、いまおっしゃいました地籍の不明地域というのがあるのだと思うのでございます。それは防衛庁の地区にもあるわけであります。それからあなたの所管の地区にもあるわけでございます。ただいま話を聞きますと、全般的な問題は鋭意努力をしておるのとともに、地籍不明地域というものについては二十平方キロメートルですか、これにつきましては特に力を入れてやっておる、こういう話でございます。  そこで、私もう一度尋ねますが、三党案なるものはそういう地区について法律をつくってやろうとしておるわけでございます。いま長官は、私権に関するむずかしい問題があるのでと言っておったわけでありますが、これについて立法化を図って、そして何かこれをさらに一歩進めていくというような考え方はないのでございますか、重ねてお伺いします。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○藤田国務大臣 そのような考え方がないとは申し上げませんが、現在、昭和五十年、五十一年と西原村の方に集団和解を進めてまいりましたし、またいま沖繩市それから読谷村においても集団和解の方法を行っておるわけであります。これらを通じまして、困難な問題、どうしても解決がつかない問題、そういうふうなことが浮かび出てくると思うのでございます。これも現在ほぼわかっておりますけれども、そういう事態が生じてきた今日においては立法化の必要あり、かようにも考える次第でございますが、先ほど来申し上げましたように、何せ私権の関する問題でございますから、なかなか司法と行政の間でこれはむずかしい問題である、かように考えておりますので、これらがうまく整合をするならば私は立法化に対して反対をするものではございません。

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 この際、御報告いたします。  日本社会党、日本共産党・革新共同の委員に御出席方を再三お願いいたしましたが、御出席がありません。やむを得ずこのまま議事を進めます。木野晴夫君。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 いまの長官の話をまとめてまいりますと、集団和解方式で鋭意やっておるのだ、こういうことでございますね。法律はつくりたいのだが、私権と行政、その他むずかしい問題があるのだ、こういうことなんだ、こういうことだと思います。私の言うのは、沖繩に行ってまいりますと、なるほど権利が錯綜しておりましてむずかしい問題があるわけです。そこで行政官庁が出ていって裁定しろ、こういうことを言っておるわけじゃないのです。私は、いまあなた方が集団和解で予算をとってやっておるのだ、こういうことかと思いますが、たとえばこれを五年間でやれということを書くだけで、法律に明定するだけで、それだけ政府の方向もまた力づけも出るわけであります。現に沖繩に行ってまいりますと、長官の所管でありますが、全部県に委任しておるわけです。県では少ない人数でむずかしい問題を昼夜を分かたずに苦労しておる、こういった状況でありますので、私はこの際、法律がむずかしい、何がむずかしい、そういう点はあろうかと思いますが、むずかしければ勉強していただいて解決する、またむずかしい問題は現在は研究事項にしておくということで結構ですから、やはり法律をつくってやっていくのだ、こういう姿勢が必要じゃないか。そうすることによって現地の担当者も相当仕事をしやすい、また住民の方々も政府の方針がわかるということでございますので、三党案じゃございませんが、地籍明確化法案というものをこの際つくるのが——ちょうど五年間たった。そこで、この際、過去の足らないところをさらにということでちょうどいいときじゃないか、こう私は思うわけでありますが、長官はその点どういうふうに考えておりますか。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○藤田国務大臣 おっしゃいますように、地籍の明確化ということは、沖繩の方々にとってば大変重大な問題だと思うのです。ですから、われわれもいま集団和解方式というふうな方式をもって一生懸命やってまいりましたけれども、もうすでに御視察の結果御承知のとおりでございまして、なかなか困難な状態もございます。  そこで、いよいよこの辺で、沖繩の住民の期待にもこたえて地籍が明確化することが促進されるならば、そういうふうな特別立法もよろしいのではないか、かように思いますが、そこにはいろいろとむずかしい問題もこれあり、漏れ承っております三党提案というような法案の中には、われわれとしてはなかなかのみがたいものがその中にあるのも事実でございます。その辺のことが解決するならば、地籍が明確化する方向に進むならば、私は特別立法も結構である、かように考えております。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 それで、いわゆる三党案なるものが出ておるわけでありますが、これも地籍を明確にしたいという目的の法案でございます。そのうちには駐留軍用地の中も開発庁長官がやるのだ、こうなっておりまして、私ちょっと考えてみただけでも、果たして沖繩開発庁長官が基地内に入れるのかどうかというような問題もありますから、そういった点、検討すべき余地があると思うのでございますが、考え方としまして、この三党案につきましてどういった点が困る——困るというとおかしいですが、長官としてはどういう点が問題だと考えておりますか、その点を事務局で結構ですからお答え願います。

亀谷禮次沖繩開発庁総務局長

○亀谷政府委員 ただいま大臣からも明確化のための諸問題について付言があったところでございますが、私どもが社会党を初め三党の提案としていただいております明確化法案の内容として特に問題があろうかと思っておる点は、次のところでございます。  まず、基地の内外を問わず、全般的に開発庁長官の所掌とされた上で、集団和解の原則をとっておられますけれども、最終的にどうしても合意に至らない案件につきましては、いわゆる行政裁定と申しますか、国務大臣としての開発庁長官の権限として、土地境界紛争のための最終的な行政裁定を行うことができる、こういう点が一点でございます。  なお、これに関連しまして、これらの行政裁定を行う上に、これを合理的かつ円滑に行う補完手段として、紛争解決が確定する間、土地所有権者に係る権利の移動あるいは土地の形質の変更あるいは土地表示の変更等、万般にわたりまして、これに一定の規制をすることができるという点が第二点でございます。  それから第三点は、これらの集団和解ないしは行政裁定を補完をするために、現在紛争地域内におきますもろもろの問題がございますが、これらの問題の中の一環としまして、いわゆる土地所有者相互間の権利の問題、あるいはまた補償の問題と申しますか、紛争解決の手段としての一般的な補償の問題、こういった問題について種々規定をされておるように理解をしておりますが、これらの諸点につきましては、われわれ行政当局及び司法当局で数次にわたる検討を行いました結果、行政裁定の問題は、御案内のように現行の土地所有権の権利の確定が、民事法体系との関係もございまして、これを新たな制度として法律上行政裁定に係らしめるということには相当大きな問題があるということが第一点でございます。  また、第二点は、申し上げましたように、これらの行政裁定に係る補完的な手段として、土地権利者に係る権利相互の調整その他いわゆる許可制に基づく土地の利用制限の規定がございますが、これらも私どもが関係省庁と検討しましたところでは、土地明確化のための行政的な作業の一環としてこれらの土地権者に対する権利を制限するという規定については法的に相当大きな問題がある。  最後に、いわゆる一般補償の問題につきましては、事案の内容が複雑多岐ではございますけれども、個々の土地権利者の関係におきますところの補償全般につきまして、これを行政上の措置として取り扱うということについてはやはり問題があろう。  非常に抽象的で恐縮でございますが、主要な問題点についてわれわれ行政当局及び司法当局の検討した結果についてだけ御報告をいたしたいと思います。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 いまの総務局長の意見をずっと考えてみますと、一点にしぼって言いますと、問題があったときに行政官庁が行政裁定、決定をするのは問題がある、理論的にも問題が多少あるし、また、実情にも問題がある、そういう一点にしぼられると思うのであります。ただ、私申し上げたいのは、現地に行ってまいりまして、現地の人たちもできるだけお互いに話し合ってやっていこう、沖繩県人は非常に仲がいいそうでありますが、そういうことで争いを好まない、それが困っておるのでありますから、行政裁定を願いたいというのは最後の最後だと思うわけでありますが、問題があるといいますのは、地籍の明確化に資さない、こういうことでございますか。

亀谷禮次沖繩開発庁総務局長

○亀谷政府委員 お答え申し上げます。  冒頭申し上げましたように、この問題は民事法体系との関連が一つございまして、所管としては当然法務省の御見解があるところでございます。  二点目は、いわゆる社会党初め三党提案も、最終目的としております境界紛争にピリオドを打つための明確化、確定という問題、この二点でございます。  私どもが承知しておりますのは、前段につきましては、現在の土地所有権の問題は、民事法体系上、これが争いになった場合には当然民事訴訟の対象として紛争解決が図られる制度が現在あるわけでございます。もしこれに行政裁定という制度を入れますと、民事訴訟の道を閉ざすことは法体系上できないわけでございますので、いわば民事法上の訴訟体系と行政裁定というものが併存する、こういうことになろうかと思います。この場合に行政裁定というものが民事法体系とどういう関係を持つのか、最終確定でないとすれば、それがどういう形で民事法と調整されるのかという問題がありまして、私どもが理解をし、お聞きしている範囲で間違いでないとすれば、法務当局としては、民事訴訟体系上非常に問題がある、こういうふうに聞いております。  第二点は、現在御案内のように、社会党初め三党提案でも、最終の境界紛争の確定は、行政裁定が仮にあって終結をしたとしましても、最後は国土庁に参りまして、国土調査に準じた地籍の確定という行政確認行為があるわけでございます。この点につきましては、当然行政裁定の後における確認行為でございますが、やはり民事訴訟との関係もございまして、最終確定を見ないものについては、当然これを行政法上も、国土調査の一環として、境界の紛争がこれで確定し、登記の変更調整ができるというところには持っていきがたい、こういうふうにも私どもは伺い、承知をしているところでございます。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 いまの話を聞いておりますと、理論的に割り切ってくると民事法体系だとか何体系だ、こうなってまいりまして、それでは沖繩の県民が困っておる問題に何の助けをやるのか、こういうような感じも受けるわけであります。ただいま話がありましたとおり、集団和解で一生懸命やっているのだという点は理解しますが、問題になっておりますのは、非常に権利の錯綜したむずかしいところだ、何か役所の方で裁定なり助けなりしてくれないかということでございますから、私は沖繩開発庁としては、裁定までいかなくとも、何か知恵をかす、力をかすということであってしかるべきじゃないかと思うわけであります。そういった点から、私は先般行きましたときに、防衛庁関係の方でございますが、実は沖繩の地籍につきましては公簿もなければそれを証する物証もない、しかしながら戦前の航空写真が出てきたのだ、それは偶然の機会からそれがわかって、そうしてそれを取り寄せたところ、そういったのをもとにしていまの写真と比べ合わせるとこれがこういうことになっているんだ、そうすると、いや実はこういう主張をしていたのは間違いだったというようなことで解決の糸口になるのじゃないか、そういった資料が出てきたんだということを聞いたわけでありますが、そういった資料が開発庁と防衛庁の間で相談し合いますと利用できるわけであります。また、県とかそういった方でも資料として使えばいいわけでありますが、そういうふうな客観的な物証といいますか資料が出てまいりますと、それを活用すると申しますか、そうして政府なり官庁なりが決定とまでいかなくとも意見を言ってやる、ないしはもう少し強い勧告、指示ができる、してやっていいのじゃないかというふうなことも研究事項じゃないか。ところが、いまのような話で、これは民事がむずかしいんだ、私人間の争いだというふうなことでは一歩も出ませんので、そういった点について私は、開発庁長官におかれましては、この際行政官庁で手助けできる範囲で手助けする、勧告とかまた意見とかいろいろ考えられるのでありますが、そういったなにをすべきじゃないか、こう思うのでありますが、長官、どう考えますか。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○藤田国務大臣 おっしゃいますように、あらゆる物的な証拠なりそういうふうなものをそろえまして地籍の明確化を促進しなければならぬことはそのとおりでございますし、また、おっしゃいますように行政裁定ということになりますと、なかなかむずかしい点が生じますけれども、意見を述べる、より強い勧告をすることができるという点ならば、限度いっぱいでわれわれとしてもできるのではないか、かように思う次第でございますが、なお関係省庁とその点では詰めてみたい、かように思います。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 いま長官から話がありましたが、この点は、よっぽど長官としては枠を踏み切ったというくらいでやっていただいてようやく現地の方がやっているな、こういうふうな感じだと思うわけでありますが、非常にむずかしい問題がありますので、十分に検討して、そうして、どうも県任せ、開発庁は県に任しておる、県の人が苦労しておるというふうなことだと思いますので、大蔵省はもとより関係各庁等十分に督励してこの問題が少しでも前進できるように、そうして、従来どおりやっているのだから、集団和解でやっていますからということではなくして、さっき私が言ったとおり、五年間でやるんだということを法律に書くだけでも一歩前進する、そして三党案が出ているのでありますから、こういった点を取り入れていくというふうな考え方でやっていただきたいと思うわけであります。  それからもう一つ、現地へ伺ったときに、実はこの点が隘路になっているんだ、といいますのは、つぶれ地の問題というのを聞いたわけであります。つぶれ地というのは一体何だと聞きましたら、これは道路になっておるんだ、地籍が明確化しておらないので実は払ってないところもあるんですということで、沖繩復帰のときに、まだ完成しておりませんが、国道と県道については対策をいろいろ考えたが、里道というのがあるんだ、また農道があるんだ、市町村道についてはどうするか、まだ決まっておらないんだというふうな問題があったわけでありますが、こういったのは早急に調べて、そうしてそれに対して国の払うべきものは国が払う、市町村、地方公共団体が払うべきものは地方公共団体がそれに対して対策を講ずるというふうにする必要があると思うのでありますが、こういった補償の問題、これについてお考えを聞きたいと思うのであります。それは里道だけ、道路だけではなしに、河川についてもありましょうし、その他いろいろあると思うのでありますが、どの程度調べておられるのか。また、こういったことしか調べておりませんというなら怠慢だと思う。これを早急に調べて、それに対して適切な措置を講ずる、こういった考え方が大事じゃないか。現地でつくづく考えたのでありますが、この問題につきまして長官の考え方をお聞きします。

井上幸夫沖繩開発庁振興局長

○井上政府委員 お尋ねのとおり、沖繩におきましていわゆる社会資本施設が、その土地が公有になっていない、いわゆる沖繩の言葉でいいますつぶれ地というのは相当数ございます。その中で一番多いのは、市町村道を初めといたします道路でございます。このように道路の土地が公的所有になっておりません問題につきましては、政府といたしましては沖繩の復帰時から強い関心を持っておりまして、四十六年の九月に閣議決定をされました復帰対策要綱におきましても「実態を調査のうえ、必要に応じ適切な措置を講ずる」という旨の決定がなされております。これに従いまして、政府といたしましては四十七年度から六カ年の予定で、累計四億一千百万円の調査費を投入いたしまして市町村道についての実態を調査中でございまして、おおむね本年度末にその調査を終了いたします。  いままでの調査結果は、一部中間報告でございますけれども、いわゆる市町村道つぶれ地につきましては発生の原因がいろいろでございまして、一般的に言われておりますのは、旧日本軍がつくった道路、それから米軍がつくった道路、それから市町村が独自の判断でやった道路というこの三つになるようであります。それから分布の地域的範囲を見ますと、全県下五十三市町村のうちで四十二の市町村についてそのようなつぶれ地があるという報告を受けております。ただ、その市町村の中には戦前の公図公簿がそのまま残っておる地域がございますので、必ずしもいわゆるつぶれ地問題が直ちにはその地籍との間には因果関係はないと考えられる面もございます。  いずれにいたしましても、われわれといたしましては、市町村道というもののでき上がってきた経緯がいろいろでございまして、これをいま一元的に割り切って物を考えるということがなかなかむずかしゅうございますけれども、調査が結了し次第、おっしゃるように公的所有に移すべきものは一定の基準に従って公的所有に移すということを具体化してまいりたい、さように考えております。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 三党案にはこの補償につきまして個別的に挙げておるわけでありますが、いま井上局長から話がありましたが、早急に調べて、そうしてそれに対してしかるべき措置を講ずるというふうな配慮が必要であり、またでき得べくんば、それを法律に書くというふうなことも検討してもらいたいと思うわけであります。  そういった点から地籍の問題を見てまいりますと、基地内につきまして私見たのでございますが、基地内につきましては、その上に権利関係がないわけでございまして、地籍がはっきりすればそれの作業もしやすいというふうな点もうかがわれるわけであります。現在、形は変わっておりますが、さきに出ました航空写真、こういったものを利用していけば、私は基地以外よりも作業としましては進捗するんじゃないかと思うわけであります。  それで、防衛庁長官にお伺いしたいのでありますが、実は後ほど私また質問いたしますが、米軍の基地につきましての大きな問題がございます。いま地籍明確化につきまして開発庁長官についていろいろお尋ねしてまいりましたが、基地内は私は開発庁長官では歯が立たぬ、これは防衛庁長官がやっていただくということであると思います。それから防衛庁長官が、先ほど申しました航空写真、そういったものを見つけてきたのでございますから、これを利用してやりますと基地の外よりもやりやすいと思うわけであります。これを鋭意努力してやってまいるといたしまして、大体どのくらいでできるのか、見通しと申しますか、それを精力的にやっていただいて、沖繩でこの基地の問題がいろいろありますが、その場合、地籍が確定しておらないので、それで米軍が適宜面積に応じて割り当てて、そうして地代の支給は支障ないが、実は地籍はその場所が果たしてそうかというと問題があるんだというような問題がありますので、私は、地代を払うのには支障ないだけでは済まされないので、やはり基地内も地籍を明確にするということがあると思います。しかも、基地外よりも私は条件がやりやすい、こう思うのでありますが、どの程度の期間でこれができるか、そういった見通しをお聞きしたいと思います。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 いま基地の中の位置境界不明確地についての見通しについてお尋ねでございますが、御指摘のように、基地の中で土地の位置境界が不明確であるためにいろいろと困難な問題がたくさん出ております。しかもその位置境界が不明確な土地は基地の中ではほとんど大部分を占めておりますので、これを明らかにすることによって所有者に対しても便宜を与えますし、あるいは返還になった場合の有効な跡地利用方法を打ち立てる足しにもなる。もう一つ、私ども政府の者としては、この五月十四日で期限が切れる暫定使用法の期限が来た場合の後の手当てをすることにもなるというふうに考えておるわけでございまして、元来、沖繩復帰の時点から位置境界を明らかにする努力をしようということで、四十七年度には、まず足がかりとなる調査を開始しております。それから、四十九年度からはかなり予算がつきましたので、市町村界、字界、道路、河川、石垣の物証といったようなものを明らかにした地図。それから、先ほど御指摘がありました米国防省にございました戦前の空中写真、これは四十九年にたまたま手に入れたわけでございますが、それと現在の空中写真と比較することによって大変有力な手がかりが得られるといったことでございまして、五十一年度では、かなり位置境界の明確化の事業を進めております。  そういうわけで、今後五十二年度以降も大いに努力すればこの位置境界不明確地の大部分が三年あるいは五年で明らかにすることができるのではないか。これは現地におって作業に当たっておる者が相当自信を持って答えておりますので、いままでやってきた仕事の手ごたえからそういう感覚を持って、自信を持っておりますので、そういう見通しでこれに臨んでいけるのではないかというふうに考えております。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 精力的にやれば三年または五年でできる見通しだということでありますが、この問題は本当に力を入れてやるかどうかということにかかっていると思いますので、ちょうど物証も出ておりますからしっかりとやっていただきたいと思うわけであります。  ところで、いま話の出ました沖繩復帰の際に米軍の基地をば暫定使用したわけでございます。五年を限って。それが五月の十四日になるわけでございます。私から質問するまでもなく、五月の十四日、このままで法律が切れてしまいますと法律のない状態になるわけであります。これは受け取る方が金がもらえないというようなこともありますが、それよりむしろ、そういった法的根拠なしに土地を使っておるということになりますので、こういった状態は絶対に避けなければならぬ。特に立法府としてこういった法律の空白を漫然とつくるというようなことでは、私は立法府の一員といたしまして大きな責任であると思うわけであります。  それで、この沖繩復帰の際五年となりましたが、問題点を整理いたしますと、あのときは暫定的であった、だからあれでよかったが、五年たった今日としましてはもう少し手続を正確にしたらどうだというようなことで防衛庁の駐留軍用地の法案ができていると思うのでございます。しかしながら今日、きょうは九日でございますが、これで衆参となってまいりますと、時間が非常に切迫しておりますので、私は暫定をもうあと五年延ばすというようなことも一つの案ではなかろうかと実は個人的に考えておるわけでございます。  ただいま施設庁長官の話にありました三年または五年たてばできるということを聞きましたので、ちょうど五年といいますといいのではないかなと思ったりしているのでございます。  私は、この際に防衛庁長官にお聞きしたいのでございますが、日本とアメリカの間では安保条約が結ばれております。賛成、反対の意見もいろいろあるのは私も十分承知いたしております。しかしながら、安保条約が結ばれて、そうして条約が結ばれておる限りにおいては、言うべきことは言うとともに誠心誠意これの履行に当たるということが必要ではなかろうか。したがいまして、法律のない状態で基地が使用されるというようなことになりますとゆゆしき問題である。単に事件が起こる、何が起こるというようなことは別といたしまして、条約を結んでそういった状態が起こるということは絶対に避けなければいかぬと私は思うのでありますが、防衛庁長官のこの点についての考え方をお聞きいたします。

三原朝雄自由民主党防衛庁長官

○三原国務大臣 お答えをいたします。  沖繩におきます基地の法案につきましては、政府が提案をいたしておるのも、いま先生御指摘の点からであったわけでございます。私ども政府が提案をしております沖繩基地使用に関します特別措置法、そしてそれと同時に、社会、公明、共産から地籍明確化の法案が出てまいりました。したがって、この国会におきましては、政府提案もございますが、野党の三党から御提案をなさっております地籍明確化の法案も一緒に皆さん方で御審議を賜って、政府といたしましても、この際は先生の御指摘のように、沖繩の県民将来に希望を持たせる、そうしておこたえをするという姿勢が必要である、そういう立場から、この野党三党から出ております法案、それから民社党から御支持いただいております法案等を調整をして最終結論をお出し願いたいと、委員長を初め委員会にお願い申し上げておるのが今日までの私どもの姿勢でございます。したがって、いま先生が御指摘になりましたように、暫定措置法でございますが、暫定措置法につきましては、実はあくまでも沖繩のあの返還という早々の時期におきます暫定措置法でございますから、でき得ますれば政府提案のような一つの基地内の地籍も明確にし、そして使用もお願いをいたしたいというような法案を出したところでございますけれども、先ほど私が申し上げましたように、せっかく現地の希望を踏まえての各政党の御意見もございます。したがって、私といたしましては、重ねてくどく申し上げるようでございますけれども、政府案というようなものを調整して、最後の結論を出していただきたい。したがいまして、五月十四日が御承知のように期限でございます。その間にそうしたことができ得ますればということで過去十日間ぐらい、委員会を中心にして理事さん諸公で御審議を賜りました。そして今日まで来ておるわけでございます。しかし、物理的に考えてまいりますれば、政府が出しております法案を中心にして成案を得るというのはなかなか時間がかかりそうだ。それにはやはり、私はいま御意見のように、現行の暫定措置法の五年間の延期を含めて最終調整ができて、結論をさせていただきますればまことにありがたいというような考え方でおるわけでございます。委員長初め委員会の御審議の結果をぜひ期待をしながら、現行法の暫定措置法の単純延長でも五年間やっていただくことができますればまことにありがたいというのが、私のお願いでございます。

木野晴夫自由民主党

○木野委員 この問題を論じてまいりまして、二点に問題点がしぼられる。一つは米軍の基地の使用でございます。それとともに、民生の安定を図るためにその根本の地籍の明確化をこの際強力に進めたいということでございます。当初政府案は、駐留軍用地について云々と出ておりましたので、それでは民間の付近はどうなるのだということがすぐにぴんと来るわけであります。ところがこれについても一生懸命やっているのだということを開発庁長官からお聞きいたしましたが、それならば非常に結構だと思うわけであります。そしていま三原長官から話がございましたが、私たちも根本的には大体意見が一致すると思うわけでありまして、そういう目で見てまいりますと、三党案といいますもの、それ以外に新自由クラブからもまた民社党からも案が出ておるのを聞いております。いずれもこの地籍の明確化をやってみたいという気持ちだと思うわけであります。私はこの際、地籍明確化につきまして、ちょうど五年たったいいときでありますから、やはり法律をつくる、さっき申しました五年間でやるのだということだけでもいい、基本法だけでもいい、そしてでき得べくんば実施法もできるだけ取り入れる、行政裁定がいかなかったならば、それをするに一番ぎりぎりいっぱいの意見、勧告というとこら辺までも踏み切る、こういうふうにしてひとつ沖繩県民にこのとおりやっているぞ、やるぞというところを示す、またそれに当たっておるところの担当者にも力づけになるようにする、このようにこの際法律をつくるべきだ、このように思っておるわけであります。各党からもそういった空気がありますので、私はぜひともこの際そういったものを実らせたい、こう思っている次第であります。  なお、むずかしい問題がいろいろありますが、航空写真が出てきたとか、また故老の生きておる間にという制約もあると思いますので、この五年間、精力的にこの仕事を進めていくということはすべての基礎になる、基本になる、このように思いますので、このことを重ねて両長官にお願いいたしまして、私の質問を終わります。

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 続いて、鈴切康雄君。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 委員長、提案があるんですが、一つは、私ども公明党は、この地籍明確化に対して慎重審議をするということは——審議を拒否するということは私どもは考えておりません。そこで問題は、社会党と共産党が現在入っていない状態における不正常な審議に対しては私は問題があると思うのですよ。特に御存じのとおり、いま現在提案されているのは、政府の基地確保法案、そしてまた社会党、公明党、共産党の三党共同提案にかかわるところの地籍明確化の法案が出ているわけです。その中にあって、社会党と共産党が入っていないようなそういう場所において審議をするということ自体、非常に問題を残しますので、ここで私の提案というのは、もう一度やはり委員長のところにおいて、少なくとも社会党と共産党にこの委員会に入っていただくような努力をしていただきたいというふうに私は提案をしたいと思います。自民党ということになれば、当然次は社会党ですよ。社会党もしないのに、私どもが中に入るということもやはり問題が残りますので、そういう意味において御努力を願いたいと思います。

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 受田君。

受田新吉民社党

○受田委員 いま審議の過程で鈴切理事から発言があったのですが、鈴切理事の発言は非常に責任のある立場からの発言であると思います。社会、共産両党がもう一度ここへ委員長の誠意を尽くした要請によりまして審議に参加してくれるように、三十分でも時間をとって全力を尽くしてやってもらう、こういう努力をしてもらえないか、私もいまの鈴切理事の発言に共感を呼ぶものがあります。この委員会の審議をりっぱに守り通すという熱情に燃えた発言でありまして、それを成功に導くための前提にいま一度の努力をしてほしいという発言、非常に貴重な発言と思います。

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 ただいまの鈴切康雄君並びに受田新吉君からの御提案、委員長といたしましてもごもっともに存じまするので、重ねて事務当局をして両党の委員の御出席方を強く要請いたしたいと存じます。しばらくこのままお待ちをいただきたいと思います。——先ほどの鈴切康雄君、受田新吉君、両君の御提案により、直ちに委員長代理として竹中理事が、日本社会党、日本共産党・革新共同の委員に当委員会への出席方をお願いに参りましたが、いまだに御出席がありません。やむを得ず、このまま議事を進めます。受田新吉君。

受田新吉民社党

○受田委員 政府は、今回の沖繩の基地に関する法案につきまして、特に地籍の明確化という点にこれまでどのような努力をされたか、まずこれを伺いたいと思うのです。  私たちの党では、すでに昭和四十六年十一月三十日に、沖繩及び北方問題に関する特別委員会の質疑応答におきまして、当時の山中国務大臣とわが党の門司亮議員との間におきまして、この問題にいち早く強烈な要求をしております。政府は十分御記憶であると思いまするが、祖国復帰の大事な時点におきまして、沖繩県民の強い要請である地主、土地の所有者に対する地籍明確化、これが何より大事な当面の問題であるという提案がされております。わが党のこの強い主張に対しましてどのようなその後における扱いをいたしましたか、この点についてまずお尋ねをいたします。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 基地の中における土地の位置境界の不明確なものを明らかにすることは、いまお話がございましたように大変重要なことでございますし、沖繩が復帰した時点でもいまお話しのように大変論議があったところでございます。  そこで防衛施設庁では、基地の中の位置境界不明確な土地について四十七年度復帰の時点においてはまず足がかりとなる調査を開始しまして、それから昭和四十九年になりましてからは予算が認められたのでございまして、そういう予算を活用して、市町村界、それから字界、道路、河川、石垣のような物象、そういうものを明らかにした地図を作製いたしまして、そしてそれに戦前の航空写真、これは昭和四十九年に米国防省にあったものをたまたま手に入れましたので、そういう戦前の写真を入手して、そして地図の作製を本格的に始めたのでございます。  そういった作業を昭和五十一年度までに続けてやってまいりまして、位置境界明確化事業を必要とする六十の防衛施設のうちで四十五施設について、それからもう一つ、防衛施設庁の任務になっております復帰後の返還施設の二十九の区域につきまして境界測量をやり、空中撮影を図面化する、あるいは図上で所有者が協議をするというようなことをやり、復元測量を実施して鋭意地籍の明確化に努力してまいっておるわけでございます。それからまた、五十二年度以降も引き続き計画的に実施して積極的にやっていくという考えでおりまして、これに要する予算も五十二年度に計上してございまして、今後も以上申し上げた努力をさらに積極的にやっていきたいというふうに考えております。

受田新吉民社党

○受田委員 沖繩における公用地等の暫定使用に関する法律、いわゆる暫定使用法なるものは、昭和四十六年暮れに成立しております。この法律ができるときに、政府はこの法律は五年の期限つきであって、さらにこれを延長する意思がないという答弁をされていることを御存じでございますか。

三原朝雄自由民主党防衛庁長官

○三原国務大臣 御指摘の点、よく承知をいたしております。

受田新吉民社党

○受田委員 五年間に必ずこの法の趣旨に沿うた措置をする、第四条には原状回復の義務の規定もあるわけでございますが、この五年間に初め約束をされたことをどのように実行されましたか。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 公用地暫定使用法ができた当時、つまり沖繩復帰の時点で基地の土地を所有されておる方が約三万人近くございまして、その中で契約に応じていただけない方、これが約三千件ございました。契約に応じていただいた方については、これは暫定使用法の適用をまたずして御納得いただいておるわけですが、この約三千人の方については暫定使用法の適用という事態で措置してまいったわけでございます。先生御案内のように、第一条に、これは極力契約によって相手の御納得をいただいて土地を使用するようにしなさいという規定がございまして、自来私ども鋭意所有者の御了解、御理解を得て、そしてなるたけ契約化するという努力をやってきたわけでございます。その結果今日までに三千人のうちの相当数が契約化していただきまして、四月一日現在では約四百二十件の未契約者が残っております。  そういう観点から、私どもは公用地暫定法の暫定使用ということをなくする努力を鋭意やってまいったつもりでおりますが、遺憾ながらまだ四百二十件ばかり残っておりまして、これに対する措置が御納得がいただけない場合には、五月十四日の期限が来ると大変困った事態になるという状況でございまして、私どもとしてはもっぱら三千件の数を減らすことに大変な努力をしてきたつもりでございますので、その点を御了解いただきたいと思います。

受田新吉民社党

○受田委員 私はこの問題については政府の怠慢も手伝いをしておると思うのです。したがって、今回お出しいただいておる政府案、この沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案を拝見をいたしまして特に疑義を感ずるのは、第三章の土地の使用の特例でございます。土地の使用の特例の第十六条「公用地暫定使用法第二条第一項第一号に掲げる土地」これはいまの暫定使用法に詳細に書いてあるわけでございますが、その土地で「引き続き駐留軍又は自衛隊の部隊の用に供しているものを昭和五十二年五月十五日以後引き続きそれぞれ駐留軍又は自衛隊の部隊の用に供する必要がある場合において、その土地をこれらの用に供することが適正かつ合理的であるときは、この章の定めるところにより、これを使用することができる。」それにただし書きもあるわけでございますが、そして十六条から十七条、十八条の使用の公告、意見の申出、二十条の使用の認定、二十一条の防衛施設中央審議会への諮問等がずらりとここに並んでいるわけです。この並んでいる規定というものをちょっとたださなければなりません。これは政府の説明によりますと、いろいろなところでいま説明をしておられるわけでございますが、この規定は二月十五日から適用されるという方針でお出しになったものでございますね。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 いまお尋ねの政府提出案の第三章の土地の使用の特例によりますと、いまお述べになった十六条以下のところにいろいろ公告の期限だとか意見の申し出の期日だとかがございまして、この手続をとるとしますれば、どんなに急いでも三カ月はかかるというふうに計算できるわけでございます。そこで、この法案をお出しした時点では、五月十四日から逆算しますと、多少弾力性がございますけれども、二月の十五、六日ごろまでに御審議いただいて成案になるということがなければこの第三章の規定が働かないというふうに思っておりまして、提案当時から、いろいろ国会の御都合その他おありだということは重々承知でございますが、そういう法案の性質になっておりますので、早期御審議をかねがね御希望申し上げておったわけでございます。

受田新吉民社党

○受田委員 大体三月の間に使用の認定申請、予定土地の区域の公告その他をやる。大体三月かかる。三月かかるということになると二月十四日あるいは五日までにこの法案は通っていなければならない。それが、政府提出がことしの二月四日である。そして、この委員会で提案理由を藤田長官が御説明になったのが四月十九日である。そして、こういう大事な法案といえば国会の末期に必ず集中的に困難な法案の中へ取り入れられる性質のものであることは、政府はよく知っておられる。にもかかわらず、二月十五日までに国会を通らなければならないような第三章を盛り込んだ法案を、二月四日に提出され四月十九日に提案理由の説明をする。これは一体何たることでございますか。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 いま御指摘の点はまことに今日となりますと遺憾な妙な形で、御指摘のとおりでございますが、私ども政府原案をこしらえました過程において、どうしても二月十五日までに必要であるということが予想されましたので、いまから過去のことを申し上げてなんでございますが、前の臨時国会にぜひ御審議いただきたいといって御提出し、それが成立を見ないまま今国会になったわけでございまして、今国会においても、いろいろ予算その他重要な案件がおありのことを重々承知しておりますが、何とかして二月十五日までにお願いしたいという切なる希望のまま政府案をお出ししたわけでございます。

受田新吉民社党

○受田委員 三原防衛庁長官、またこの問題は沖繩開発庁長官も関連のある問題でございまするから、政府提案の法律案を、もうだめになるような条章を織り込んだやつをおくれて国会で審議をしてほしいなどという行き方は、これは立法府に対して失礼でもあるし、政府もはなはだ不用意であると思いますが、いかがですか。

三原朝雄自由民主党防衛庁長官

○三原国務大臣 御指摘のとおり、私は率直にその御意見につきましては、そのとおりだと申し上げざるを得ないと思います。私自身この法案を二月初めに出すという時点において、この法案は、審議をして実際に現地においてこういう施行をするというようなことになるとどのくらい時間がかかるとかということを、先ほども御指摘がございましたが、三カ月はかかりましょう、こう言うおけです。そこで私といたしましては、もっとぎりぎり詰めていけばどうだというようなところまで実はただした時期もあるわけでございます。したがって、また内閣委員会におきましても、何とかひとつそういう法案でございますがという御陳情も申し上げたわけでございまするが、事態は意のごとく進みませんでしたし、なおまたこれは弁解ではございませんが、野党からもぜひひとつ法案を出したい、それが出るまでひとつ審議を見合わしてほしい、それで調整をしてやるようにしたらどうだという御意見も拝聴いたしましたし、いま受田先生の法律案提案の基本的な措置について妥当ではないではないかと言われる点は、まことにそのとおりでございますと申し上げざるを得ないと私は思いますが、なおこの法案の特性等から、いま申し上げましたような経過もございまして、実は差し迫って現在の時点で無理な審議をお願いするというような事態になった次第でございます。その点につきましては、御指摘のとおり、今後政府がそうした重要な法案を提出する場合には心すべきことだと反省をいたしておるところでございます。

受田新吉民社党

○受田委員 この法案をこの時点で政府原案のとおり通すとすると、一つの問題が起こってくる。どういう改め方をしなければならないか御答弁を願いたい。

三原朝雄自由民主党防衛庁長官

○三原国務大臣 この点は私も本会議において受田先生のような御指摘を受けたのでございます。したがいまして、私、政府の提案者としてお答えをいたしましたように、政府が出しておりまする法案、そして各党からお出しいただいておりまする法案というようなものをぜひ調整をして、沖繩の将来のことを考えながら、特に県民の民生というようなものを考えながら、何とかひとつ審議を願って調整をしていただき、解決点を見出していただきたいというような御答弁を申し上げたところでございます。そうした心境で今日でもおるわけでございます。よろしくひとつお願いを申し上げたいと思うのでございます。

受田新吉民社党

○受田委員 法律の形態の上で問題が出てくるわけです。これをこのまま通した場合、この原案をそのまま認めるという場合の新しい条項が必要ではないか。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 先ほどもお答えしましたように、第三章の規定が十分に活用されて効力が生ずるまでは三カ月、これを大いに詰めてもやはり二カ月余かかるという考え方の規定でございますので、これが仮に五月十四日の時点において法律として成立した場合に、二月ないし三月の間隙ができるわけでございます。その点をただいまの政府原案に対して修正を施しておかなければ、十五日以降二月ないし三月の間空白状態ができるという法案でございますので、何らかの修正を要するということが法律的な条件になります。

受田新吉民社党

○受田委員 三原長官からも大変申しわけないかっこうになっていることを自認していただいておるわけでございますが、私たちの国会の審議というものに対しては、常にその法案の成立の見通し等も前提にして、その時点で合うような法案としてこれを提出しなければならない。その意味におきまして、二月十五日までには通っておらなければいけぬような法案をいまごろ審査するやり方は、今後絶対にかかる過ちを繰り返さないように私から強い要請をいたしておきます。  そこで、私たち内閣委員のメンバーで四月、時間をかけて沖繩を視察いたしました。長い占領下で御苦労された沖繩県民各界各層の皆さんの要望も承りました。地方自治体の責任者たちからの御要請も承りました。長い占領下よく耐え抜いてくださった、戦争の痛手を最も多く受けられた沖繩県民に対しては、あらゆる角度から、ある意味におきましてはその穴埋めをするためには、余分の力を発揮してお手伝いをしなければならぬのが沖繩県に対する日本の政治です。おくれを取り戻して、むしろおつりがあるくらいの愛情のある政治が沖繩県政の上には必要であると思うのです。その沖繩県民のあの戦争の痛手、余りにも大きく受けた方々に対する措置として、われわれなお戦後が終わっていない感じを受けた先般の沖繩県の視察で、この駐留軍あるいは自衛隊の用地の中でまず何よりも大事なことは、この地籍を明確化しておかないとその次の措置ができない。その地籍の明確化という点がどれだけ進んでおるかという点を感じたのです。いまのお話で相当進行しておるということですが、なお三千の問題の地を抱えておる。この沖繩の問題が解決していない地域に対する今後の処理をどうしようとしておるのか、これを伺いたいのです。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 ただいまの御質問の趣旨を正しく理解したかどうかちょっと自信がないのでございますが、基地の中については、先ほどもお答えしましたように、未契約のところが四月一日で四百二十件ばかりございます。契約に応じていただいた方の土地も、まだ位置境界が不明確なところがたくさんございまして、そういう意味ではすでに契約していただいておる地主さん方も、その土地を分筆することも合筆することも、あるいは転売することもできないという大変な不便を感じていらっしゃる。それが基地の中の土地を持っていらっしゃる地主さん方の大部分の非常に不便を感じておられるところでございまして、経済生活、社会生活をおやりになる上にいろいろ御不便であるということを私ども十分承知しておりますので、先ほど先生から御指摘があったようにまだまだ及びませんが、過去においても、法律がなくともできるだけの措置をやってまいったわけですが、今後この地籍明確化については一層努力をしてまいりたいというふうに思っております。

受田新吉民社党

○受田委員 私ここであえて指摘したいのですが、政府、特に沖繩の防衛施設庁の機関は、これらの問題地に対する集団和解方式の手だてをもって解決に当たってこられた、これは私一応筋が通ると思います。集団和解方式でなおかつ解決しない問題地、これをどうするかというところに問題があるわけなんですが、私たちも現地を見ましたが、話し合いの中で、最後にどうしても話し合いに応じない方々がある。この方々に対する措置をどうしようとするのかを伺いたいのです。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 私どもが考えております集団和解方式というのは今日の日本の土地私有制度、私有権を認めた上での一番いい方法だというふうに私どもは考えておりますが、ただ一点、いま御質問のようにどうしても和解に応じない方が一人でもあるとなかなか解決が長引くという難点がございますが、これについては過去の実績から見まして、なるたけ対象地域を細かく割りまして、そして集団和解をするグループの数をなるたけ小人数にして、そうして進めることによって一人が反対しておることによる影響の及ぶ範囲を少なくする、なるたけ小さくすることによって、一人が反対したためにいつまでも解決しないという悪影響を受ける地域の広さを少なくするという努力をしておりまして、そういう事実上の努力と同時に、基地の中では過去三十年間所有者がこれを占有したという実績がないものですから、そういう意味合いで、先ほども申し上げたように戦前の空中写真だとかあるいは物証だとかそういうものを探すことによって、反対しておる人が納得する物理的な根拠を発見して御納得いただくということが可能であるというふうに私ども考えております。基地の中では地理的、物理的な位置境界を明確にすることによって、その他の錯綜した権利関係が幸いございませんので、そういう努力をすることによって反対しておられる方も最終的には御納得いただける、あるいは故老の言もよくお聞きいただき、物証をごらんいただいて、そして集団和解方式で解決できるというふうに思っております。

受田新吉民社党

○受田委員 私たち現地を見まして、これは戦争のときはえてしてこうなるのですけれども、占領軍が占領政策を遂行するために見境もなく土地をいろいろに手直しをしているわけです。私が拝見したところでも、かつての桑田変じて滄海となっているところもある。また滄海が土地になっているところもある。かつての公道、私道、そういうもの、河川等が見境なく整地されておるというようなあらゆるケースの現地を見ました。これらの地主の方々、またそこを使用している方々がいかに不安を持って今日までたどってこられたかがよくわかるわけです。これらの方々に対する愛情ある措置ということで、私たちは何とかみんなで、ある意味ではもうお互いの党の立場を乗り越えて、沖繩県民のために超党派でこの問題の処理に当たろう、こういう沖繩県民に対する強い愛情を持ってこっちへ帰ってきました。そして自来私たちも熱心に、かつて昭和四十六年の十一月の国会の発言、門司委員からの提案をその後において明確化するために、このたびはすかっとした答えが出るようにしたいと今日を迎えておるわけです。  そこで、いま地図その他、また四十九年からは国防省にあった当時の航空写真等までも参考にして新しい地籍明確化に骨を折っているんだ——私も現地でそれを見ました。そういうことでおおよそ片づくと思うのでございますが、それでも片づかないときはどうするのか。また政府原案によると、第三章を拝見しても期限切れがないのです。いつまでこれが続くかという使用の終点がない。これは一つ問題があるのです。使用の終点が定かでない。地籍の明確化の終点が定かでない。地籍が明確化されて初めて次の措置ができるというこの大変大事な作業に対する終点のないような法案であるというところに私大変な不安を抱いておるのですが、これはどうでございましょうか。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 いま御指摘の第三章による土地の使用の特例は、まさに形式的には何年という年限を区切ってはおりませんが、この特例は、いまお尋ねがございましたように、地籍が明確化すれば、それでもう特例の適用が直ちにやむ仕組みになっておりますので、地籍の明確化を精いっぱい努力をするというところに問題点がございまして、地籍の明確化の努力を急げば急ぐほど第三章の土地の使用の特例というものの適用期限が逆に短くなる。長くなる場合も御指摘のように大変心配なところでございますが、努力すれば早くなることもあり得る。そういう意味で、誠心誠意こういう特例を早く適用しなくて済むようにしたいというのが原案を立案した私どもの考えでございます。先生御指摘のように年限がないので無制限ではないかという御指摘は、まさに形の上ではそうなっておるのでございますが……。

受田新吉民社党

○受田委員 形の上ではそうなっておるというのか不安なんで、これはこの時点までにやる——すでに暫定使用法のときも、これは延長することはありませんとあれだけ政府当局から強烈な御答弁があったにかかわらず、事実問題としてはこの期間中にこれが処理されていない。そういうことでぜひ努力をして五年間のうちにはこれを片づける、そういう目標をすかっと置いて、あらゆる努力を払って終着駅に早く着くような配慮が要ると思うのです。この点について期限なしの法案をお出しになっていることに非常に不安を感じている。こういうものは常にちゃんと目標を置いて、それまでにやるんだという決意が要ると思うのですが、三原先生もその点についてはいろいろと苦労されておると思います。こうした大事な仕事は、もう戦後三十年たって大変な苦労の上に今日を迎えた沖繩県に、まだこれから無制限な期限なしの措置があるかと思うと、これは大変不安ですよ。もう当時二十歳の青年もすでに今日は五十歳を超えておる。五十歳の方はもう八十歳、余命幾ばくもない方が不安にさらされておる。法案は国務大臣が責任を持ってお出しになっておるので、三原先生が法案の提出責任者としてこうした無期限の法案を出したことに対する御答弁を願いたいのです。

三原朝雄自由民主党防衛庁長官

○三原国務大臣 先ほど斎藤施設庁長官がお答えをいたしましたが、私ども大体五年というような一つの目標を立てながら皆さん方の御審議をお願いいたしたい、腹組みはそういう腹組みでおるわけでございます。それよりも短い期間にそういう措置ができるように努めてまいりたい、そうした希望なり姿勢を持ちながらこの問題と取り組んでいく考え方であったわけでございます。

受田新吉民社党

○受田委員 腹づもりは文書に書かぬと明確でないのです。腹づもりというのは、腹の減りぐあいでは幾らでもまた事情が変わってくるのです。腹づもりとそれからすかっと文書の上に期限を切るということとは違うのです。政治というのは腹づもりでおおよそごまかされる危険がある。やはり法律の上に明確に期限を切っていかなければならぬということであります。  ちょっとここで関連してお尋ねするのですが、沖繩開発庁長官は、社会党、公明党、共産党三党で御提案になっている法案の中に、沖繩開発庁長官の責任で非常に重大な規定があるのを御存じでありましょうか。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○藤田国務大臣 承知いたしております。  土地の明確化につきましてどうしても紛争の方が片づかない場合、最後に沖繩開発庁長官の行政裁定によるという一項目がございます。これは大変なことだというふうに考えております。

受田新吉民社党

○受田委員 この紛争の解決に行政介入という問題が一つはあるわけでございますが、しかしこの野党三党の法案、これへ行くまでに大変な努力の過程が一つあるのですね。これは私、非常に苦労をした一つの答えであるとも思うのでございますが、沖繩開発庁長官が行政措置をするというこれまでの過程における努力というものの中に、地方自治体の責任者である沖繩県知事その他の行政の長に対する配慮というものが何らかの形であるべきであるとお考えですか、どうですか。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○藤田国務大臣 当然そうあるべきだと思います。ですから、あの行政裁定という文言の前に調整審議会というふうなものを設けられるというふうなことにもなっておりますし、またその地方自治体の長とよく相談をしろというふうに書いてあることも承知いたしております。

受田新吉民社党

○受田委員 その過程にそうした配慮がしてある。地方自治体は国の機関ではないのですから、こうした大事な問題の処理に当たって、国が地方公共団体に何もかも任すということは大変な間違いであると思います。その意味では、権限の委任には何かの法の根拠も要るわけだ。私、このたびの視察を通じて、沖繩県のお役人さんたちが大変苦労していることもよく見ました。この問題の解決に大変な協力をしておるわけでございますが、しかしどうしても解決せぬ問題があるときどうするか。ある意味でがんこにこの集団和解方式に応じない方々の場合に、その方々をどう処置していくかということが一番大事な政治問題であり、行政問題であると思うのです。政府原案によると、その応じない方々の最後の処置というものがどうも私、はっきりしない。どういうことになっているのですか。施設庁長官で結構です。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 先ほども申し述べたように、どうしても和解に応じない方があった場合には、当事者の話し合いがつかない場合には、最終的には裁判制度でもって関係者の間の紛争を解決するというのが現在の日本国憲法下におけるこういう問題の取り扱いの方法でございますので、そこに行くより仕方がないというふうに考えております。その場合に、その一人のために大ぜいの人が影響を受けないように、先ほども申し述べたように、小さなグループにしますと、本土の場合でも一人の人をめぐっての相隣関係という争いがございますから、それに似たかっこうになってくるのではないか、そういう理解で、現行の日本国憲法下における土地の境界の争いという仕組みの上に乗っけていくというのが最終的な解決ではないかというふうに思っております。

受田新吉民社党

○受田委員 政府案によりますと、この境界不明地が幾つかの手続を踏みまして境界が明らかとなり、駐留軍用地特措法あるいは土地収用法に定める手続がとれるようになったとき、そこに新しい事態が生まれてくる。土地収用法の対象に、この自衛隊の用いている土地をそのまま用いていいという根拠を政府は言っておられるようですが、ちょっと説明をしていただきたい。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 いまの土地収用法は自衛隊の場合には適用がないんだということがいろいろ言われることがございますが、それは自衛隊ができた後でございますが、昭和三十九年に当時の建設大臣が国会において、軍施設を公共の範囲に入れることは適当ではないという御答弁をなさったということにそういう考え方のもとがあるやに思っております。そこでこれをよく調べますと、昭和三十九年の建設大臣の御答弁は、土地収用法とは別の法律である、公共用地の取得に関する特別措置法の審議の段階においてこの特別措置法に言う公共用地の中には自衛隊を入れないんだということをお答えになった。それが自衛隊に対して土地収用法の適用がないんだというような話が出てくるもとではないかと思っておりますが、われわれただいまの時点では、土地収用法で自衛隊用地を収用するということとは関係のない御答弁である、したがって土地収用法は自衛隊の場合にも適用があるというふうに理解いたしておるところでございます。

受田新吉民社党

○受田委員 その法的根拠をお示し願いたい。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 法的根拠は、自衛隊は、申し上げるまでもなくわが国の独立と平和を守って、国の安全を保つことを任務にいたしております。国の事務の中でも国家の存立にかかわる大変大事な防衛に関する事務を行っておるということでございまして、この防衛に関する事務を行うのに必要な施設、たとえば庁舎や営舎、演習場といったような施設は、土地収用法の第三条三十一号に定めている「国又は地方公共団体が設置する庁舎、工場、研究所、試験所その他直接その事務又は事業の用に供する施設」に該当するというふうに理解しておりますので、自衛隊が使う必要のある土地の中に契約に応じてもらえない地主さんがおいでのときは、この土地に土地収用法の適用があるのは言うまでもないというふうな理解でございます。

受田新吉民社党

○受田委員 いまの土地収用法第三条第三十一号、つまり公共の利益のための措置としては自衛隊も国の一つの事業であるということでこれに該当するんだという法的根拠でございますね。そこで、集団和解方式でできるだけ話を進めていきたい。現地の集団和解方式の関係者の方々の御努力には私は本当に頭が下がった。何とかしてお互いで話をつけよう、その御努力に対して頭が下がった。しかし、その中で最後にどうしても片づかぬという問題が起こったときは土地収用法の適用をするということですね、地籍明確化になった後において。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 土地収用法の問題と地籍を明確化するという問題とば別な問題でございまして、土地収用法は、地籍が明確になってもどうしても契約に応じていただけない所有者に対して、御本人の意思に反して法律に基づいて土地を収用するというところに焦点がございます。それから地籍を明確化する場合にどうしても和解に応じないという事柄は、これはもうすでに契約に応じていただいている地主さんの間にでも起こり得ることでございまして、甲と乙との土地の境界がわからない、あるいは甲の土地がどこにあるかわからない、位置がわからない、あるいはその周辺の境界がわからないという問題でありまして、これは土地収用法とは無関係な別個の次元の問題でございます。この問題については、本土におきましても、土地の境界争いということは往々あり得ることでございまして、どうしても当事者の納得がいかぬ場合には、最終的には本土におけると同様、裁判所において裁判手続においてこの当事者の裁きをやっていただくというのが必要であろうかというのが先ほど来のお答えの趣旨でございます。

受田新吉民社党

○受田委員 これは境界が明確化した土地に対する土地収用法の適用、そういう御趣旨のようでございます。なるべくわれわれはこの民有地というものは公法上の処分でなくして、契約によって成立させるのが原則だと思うのです。これは民主主義の原則ですよ。できるだけ契約でこれを片づけていくように。賃貸借料につきましても、ずいぶん努力されたとみえて、大部分が契約で片づいておりますね。これは非常にいいことなんだ。できるだけ契約をもとにしてこの処理をしていくように努力を続けていかなければならない。その趣旨には依然として微動だもしないものをお持ちですか。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 いま先生が御指摘の点については全く私も同じ考えでございますし、それから、ただいまの公用地暫定使用法の第一条にも、契約でやりなさいという訓示規定がございまして、法律の命ずるところでもございますので、できる限り、まだもうあと数日しか残っておりませんが、その間にでも四百何十人の方々一人でも御納得いただけるものなら契約したいというふうに考えております。

受田新吉民社党

○受田委員 その努力を続けてもらっておるということです。  そこで、ちょっと私非常に不可解に感じたことが一つあるんですが、地主間に、その申告をした土地の面積を合計すると非常に広いはみ出る分が出てくる。土地というものはもう面積が決まっておるのですから、ちゃんとしたもう固定した面積へ申告の総数がはみ出ておるというこの実情はどういうところから出たか。いまどれだけはみ出ているか。申告の総和が出ているか。地域によっていろいろあるようでございますが、ちょっと……。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 いまお尋ねのような問題は、そもそも沖繩が戦争が終わった後に土地の所有者を明確にしようということで御本人の申告によって、甲はどこに何坪持っておった、乙はどこに何坪持っておったということを、申告をもとにして、そして戦前の状態を明らかにしようという努力をしたわけでございますが、その申告の過程において、何らかの誤りで百坪のものが百二十坪に申告されたりあるいはさらに場所が変わったりしておるわけでございまして、それを沖繩返還までの間、ずいぶんに御努力されたのでございますが、しかもなお今日申告を集積すると、合計いたしますと、現実ある土地より広いものがあるということは事実でございまして、そういうところがところどころございますが、お尋ねのどのくらいの数字があるか、実測してこれだけはみ出すんだという数字は私ども持っておりませんけれども、お尋ねのような状態にあることは間違いございません。

受田新吉民社党

○受田委員 その問題は本人の申告の際に正確に申告ができるように皆さん、沖繩県当局も防衛施設庁も配慮してこられたと思うのでございますが、にもかかわらず相当のはみ出た分がある。それはどこに間違いがあったかというものを正す努力は、いま地図その他の、いまの航空写真とかつての写真、往年の住宅と土地、今日のその位置にある住宅と土地、こういうもので十分これは是正の措置ができると私は思うのですが、どうですか。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 大変いまの問題はむずかしい問題でございますけれども、御視察いただいたときにごらんいただいたかもしれませんが、昔の道が発見されたり、昔の町村の境であるところの橋がわかったり、そのほか基地の外にも河川が流れ出ておって、中をつなぐと昔の河川はこの辺を通っておったろうというような、そういう物理的な、地理的な現実を押さえまして、石がきがあったり、井戸があったり、お墓の跡があったりしますので、そういう物理的な物証を押さえることによって、あるいはそれに加うるに、先ほども申し述べましたが、まだ現存しておられる故老のお話を伺って、そして終戦の直後に混乱した事態を正しい姿に戻すことがいまのうちならまだ可能であるというふうに私ども思っております。

受田新吉民社党

○受田委員 私たち現地を視察しながら、これはやはり正確にかつての地主に所有しておられた土地をお返しする、それの原状回復の努力をする、原状に回復できない場合はまた土地の交換分合等の措置もとって、できるだけ皆さんの要望にかなえるように努力する、つまりあらゆる努力を払ってこの戦後最大の所有権問題の明確化を図らなければならぬと思うのです。骨が折れる仕事だ。私も防衛施設庁の担当者の御苦労を目の前で見ました。これは昼夜兼行で努力をしておられるし、そして地主の皆さんとも本当に真剣に取っ組んで、強権発動するというようなかっこうを余りとっておられないんだなという感じを持ちましたが、国の政治に対する信頼というものを沖繩の県民は何よりも多く期待をかけておるのでございますから、そしてはみ出た分が相当広い地域にわたって、沖の島の近くまででも土地を埋めなければ要望にこたえられないというような事態は早く避ける努力をされなければならぬわけです。これは単に防衛施設庁だけでなくして建設省もこれに十分タッチすべきであり、また新しい生業に関与する問題であるならば厚生省とか農林省とかいうところもタッチして、ひとつ総合的国策によって沖繩県民の要請にこたえてあげる。戦後は終わっていない沖繩県のこの問題の処理にひとつ目標を定めて、五年間の期限を切ってやるぐらいの努力でこれをやるべきであると私は思うのです。実際問題として、政府自身の措置になおこの政府原案をもってしては救われない諸問題をわれわれ現地で学びました。各党みんな真剣に取っ組んで学んできました。学んできたがゆえにこそ、できるだけいい地権の明確化、地籍の明確化を図りたいという熱情を、立場は異なっても各党とも真剣に取っ組んできたのです。できればその総和を図ってここでりっぱな地籍明確化法案をつくっていきたいなという感じ。政府原案ではなお救い得ない諸問題を、われわれ本当にこれは現地を学んでよかった。実際を見て百聞は一見にしかずの体験をしたお互いが、これをひとつ何とかしたいという努力を今日まで積み重ねてきたわけです。そして融資制度を創設する対象になる方々もあるし、またあちらの土地とこちらの土地をかえてあげたらよかろうと思われるところもある。  ところが、われわれ現地を見ましたが、訴訟が起こっている。その訴訟を見ると、甲地、乙地、そしてこれに関与する甲、乙と、第三者丙が入る。そして入りまじって、裁判でさえも大変な骨が折れる問題を抱える訴訟がありますね。これはむしろ訴訟、裁判で処理をするというような——裁判所だって少数の裁判官でこれだけの大問題を調べるのには、もう力の限界がありますよ。やはりこれは行政措置として手を打ってあげる以外にはないな、各地で裁判事件、訴訟事件が起こったら、これは大変だと思います。それに対する御配慮はどうでございますか。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 御指摘のようにこの問題は大変むずかしい問題でございます。しかしながら一方において、行政が介入して強権でもってこれを片づけるということもまかりならぬ、やはりどこまでも当事者のお話し合いでもって、そして御納得の上で解決すべきことではなかろうかというふうに思っております。  そこで、いま御指摘がございましたように、私ども当事者の方々が御納得いただける十分な資料を精いっぱい集めまして、そうしてまた、先ほどもお話がありましたが、その土地に限りがあって、そして外へはみ出しておるというようなものについては、本当に根拠ある説得材料を持って、そして御納得いただけるというふうに努力をし、かつまた防衛施設庁ひとりでとてもやれる仕事ではございませんので、関係の各省庁の御協力を十分にいただいて、そして政府挙げてこの問題に正面から真剣に取っ組んでまいりたい、こういうふうに思っております。

受田新吉民社党

○受田委員 これは私たち現地を見て後における感慨として、やはり行政サイドにおける問題の解決にしてあげないと、裁判で処理するというようなことが各所でほうはいとして起こったら、これは大変なことになると思うのです。この際ひとつ沖繩県民の要請にこたえ、また地主の方、そしてこの借地権を持っておる方、それから基地内と基地外それぞれの特殊性を考えて——基地内は現に防衛施設庁でなければ中へ入り込めない。防衛施設庁が基地内の地籍を明確化する措置を引き続き続けていただく。それから基地外については、これは沖繩開発庁長官の責任であると思いますが、これはとうですか。——そうですか。したがって、それぞれの責任者がそれぞれの使命を十分果たしていただいて、相互に連絡をとりながら、双方にまたがる地域もあるわけですから、それらをひとつ真剣に取っ組んで、非常に短い期間に問題の処理に当たっていただきたいと思うのです。  質問の時間が余りないようになりましたが、私この際どうしてもただしておかなければならぬ問題があります。  私は読谷の飛行場を見たのです。読谷の飛行場を拝見して、私の郷里山口県にも、岩国の基地などに、当時の軍用地として取り上げられた地主たちの強い要請とよく似たのがある。軍用地として取り上げた土地については、当時大蔵省も本当にこの所有権移転の手続をしたのかどうか、正当な金額が支払いをされたのかどうか、いろいろな問題がありまして、しかもそれを担当した担当官は下級将校がほとんどであって、その人たちが亡くなったり、また責任が明確でない立場にあったりして、どこでどういうふうにされたかわからぬままで今日を迎えておると思うのです。ちょうど私たちが郷里岩国でつかまえておるような問題が大竹でも起こっておる。広島県の長官の近くの大竹で栗谷という旧軍用地、飛行場にしようというものが、訴訟で結局地主の方が訴訟に勝った、政府が負けた。負けたという時点で今度は政府が高飛車に出て、さらにこれを控訴という手続をして、ついにこれは和解方式で片づきましたが、政府が負けておる。これは訟務局、訴訟を起こす局まで部から引き上げて、こういう国の財産を守ろうとする法務省の野心が一つあったことを私はいま思うのでございますが、やはり地主の立場に返って、戦争目的は終わったんだから、もう平和な今日を迎えたんだから、いろいろ途中で明確でない問題があろうが、それはひとつ旧地主にこの土地を返す努力をしてやろうという配慮に立たなければならぬ。一たび取り上げたものは、そのやり方が非常におかしくても国有地だというので大蔵省ががんばっておってくれたんじゃ、これは始末がつかぬわけでございます。  読谷の飛行場の中ば米軍が管理しておるわけでございまして返還をされておらぬということで、この読谷の飛行場の中を私皆さんと一緒に歩きながらじっと——米軍の補助飛行場のようなかっこうになって実際は使っておらぬようだが、そこへ最近アンテナを建てて、また新しい施設を設けようというので反対運動が起こっておるのです。ところが、その中に米軍の黙認をした耕作地があるのです。そこを耕作している農民の皆さんがいらっしゃる。こういうので非常に入り組んでおる。  こういうものはとにかく、これも戦後が終わらないことの一つだと思うのですが、返還要求をすると同時に、旧地主にこれをできるだけ返還するという配慮を大蔵省と手を打たれて、沖繩開発庁長官として努力していただきたい。  これは読谷の一例であるが、全国にまだまだそんな問題のところがたくさんあるのです。戦時中であるからといって軍用地に取り上げてそれを国有財産にさっとする、そのやり方に私は非常に不愉快な、何と言うか、ついすぱっとお上の命令でやるというようなかっこうが確かにあったなと思う。これはもう全国各地にある。課長さん来ておられるから御答弁をいただきたいが、そういうものはこの際大蔵省も国有財産に余り枠をはめなくて、やはり旧地主にこれをできるだけ公平に返してあげる努力をする筋のものである。一時、戦時中に取り上げた土地をいつまでも固執して、地域住民に不満を与えるようなことを平和時の今日はもうとるべきでない。この点について大蔵省及び沖繩開発庁長官、またこれは返還要求でございますから防衛庁長官、外務省のどなたかおられればこれらについて、特に読谷の現に米軍がもう全然使っておらぬようなところをいつまでもあけておく必要はないです。予備演習地などという必要がないような明確な土地もあるのですから、こういうようなところはすかっと返してもらえばいいことです。大変たくさんの答弁者を要求をさしていただきますが、私、読谷の飛行場を見ながら、ふと戦時中のあの余りにも粗末な軍用地接収、戦時目的への協力で簡単に取り上げた土地というものには問題がある。したがって、これはもう地籍が明確化されておるのでございますから、これを返還するのに——あれは明確化されてなかったかな、とにかくわれわれが見て、これはもう旧地主にお返ししたらいいなというはっきり答えの出そうな土地を見たわけです。お答えをいただきます。

秋山雅保大蔵省理財局国有財産第二課長

○秋山説明員 まず、日本本土のことについて申し上げますけれども、一般的に旧軍買収ということを申しましても、日本本土における旧軍買収という問題につきましては、これは登記簿が相手方、地主さんの方にある、国の方には、たとえば領収証であるとかその他関係の資料がある程度ある、そういう関係のトラブルが起こっているわけでございます。  ところが、沖繩の場合は逆でございまして、登記簿は国にある。ただ、御存じのとおり戦火のため買収関係の資料が滅失してしまっておりますので、たとえば領収証といったような資料が本島の場合ほとんどない。なお、宮古、八重山といった先島の方には資料がございます。そういうふうな経緯で一応国有財産ということになっているわけでございます。私どもは国有財産を管理する立場にあるものでございますので、登記簿が国にございますので、これは簡単に地主さんにお返しするわけにいかない。残念ながらそういうふうな状況でございますので、一応事務方の答弁としてはこの辺で御了承いただきたいと思います。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○藤田国務大臣 読谷のことに関しましては沖繩特別委員会でもいろいろとお話がございましたが、戦前に軍が用地を買収しておるという事実もこれまたございます。領収証がすでに、坪当たり二円でございましたか、そういう領収証が残っておるというふうなこともございます。それで、また全然そういう金は払われてないのだという説もございます。そういうことでございますので、読谷に関しては、大蔵省が国有財産を管理する当局といたしましてなお調査を続行するということに現在は相なっておりますので、多少期間をいただきましてこれらの調査を続行いたしまして、不法に軍が接収したというふうなものでありますれば、当然返還すべきでございますし、また逆に、その当時軍がちゃんとお金を払っておったという証拠が何か若干あるそうでございますし、そういうものがあればそれなりにまたどういう措置をするかということも決めなければならぬ。この辺の調査は現在継続中でございますので、その調査を早めたいと、大蔵当局の方に話をいたしたいと思っております。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 基地を返還するようにということについては防衛施設庁が外務省と協議しながら努力しておるところでございまして、先生御承知のように、一般に沖繩の基地が大変狭いところに広い面積を占めておるので、これの必要性というものを十分に検討して、そして必要のないものについては返還を求める、あるいは、少し一緒にして整理すれば縮小できるというものについては縮小しようという考え方で臨んでおりますが、このいま御指摘がございました読谷の飛行場につきましては、ごらんのようなさくも何もないことになっておりますが、米軍としてはあそこを海軍のパラシュートの降下訓練用に使っておりまして、これは回数などもわかっておりますが、そういう目的に使っておる、と同時に、すぐ隣に楚辺という通信所がございまして、そこの電波障害区域として必要であるということを言っておりますので、そういう使用目的から見て、なおかつまだ返還できるところがあるのではないかということを交渉した結果、東側の滑走路の地帯を返すという話し合いになっておりまして、返すについては若干の既存の施設をどこかへ移してやるという措置をとりまして、そして東側部分は返還する、あとの部分は残念ながらまだ返還させるというところまでいっておりませんけれども、一般的に申しまして、先生御指摘のように、返すべきものは返してもらうように努力をするというふうに考えております。

受田新吉民社党

○受田委員 沖繩の各地は、中南部だけじゃなくして北部へ渡って、これをお返ししてもらっていいなという、われわれが素人目に見ても米軍が余り重要に使っていそうにない地域があるわけです。だから、こういうところについては、いまお話しのような施設を移動してでも返還部位をどんどん広げていく、この努力は今後も強力に進めていただきたい。これを私要望しておきます。  私の与えられた時間が過ぎましたし、きょうはなお中川先生の御質問も、それから鈴切先生も控えておられるわけです。また、社共両党もこれへ参加していただくようにわれわれからも要請をして、できるだけこうした大事な、戦後三十年の悲劇を埋めてむしろおつりがあるようにという私、沖繩県民へのおこたえをしてあげなければならぬと思うのです。これをひとつできるだけ、ある意味で超党派でこの問題の処理によりよい案を用意してこたえてあげたいなと、こういう気持ちでおります。時間をこれ以上私いただきません。質問を終わります。御苦労さま。

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 続いて、中川秀直君。

中川秀直新自由クラブ

○中川(秀)委員 私は、今度いまこの委員会で問題になっております沖繩の地籍確定の法案、駐留軍用地特別措置法、この法案は、わが国の安全保障の問題と非常に深くかかわった重要な法案だと思います。だからこそ各党それぞれのお立場があって、今日の委員会の審議もある意味では大変残念な事態になっているのだろうと存じます。  そこで、まず政府からお伺いをしたいと思いますのは、この法案は単に沖繩の地籍確定をするとかあるいは当分の間基地をこのまま使用するとかいったそれだけの問題にとどまらず、本当にわが国の安全保障をこれからどう考えるかという問題と非常に深くかかわった問題でございますので、その点についての御見解をひとつたださせていただきたいと思うのであります。  私ども新自由クラブは、わが国の安全保障について、とりわけこの法案にも深くかかわっているところの日米安全保障条約、日米安保体制というものについて、現時点では意義を認める、こういう立場に立っております。小規模の限定侵略については独力で対応していこう、それなりの力を用意していこう、あるいは核戦略はこれはアメリカに任せよう、あるいは全面侵略については日米安保でこれを防ごう、こういう三つの柱がわが国の現在の安保政策だろうと存じます。その意味において私どもも、一つは脅威、脅迫を受けない外交をしていかなくてはいけないと存じますが、まだ外交が国際的にもそれだけの域に達していないとするならば、この日米安保条約というものも現在その意義と必要性を認めざるを得ない、こう考えるのであります。  しかし、一つの問題として言えますのは、これは防衛庁長官にもお伺いしたいと思いますが、沖繩は、本土復帰に当たりまして、政府の方針も基地は本土並みに返還をするのだと、こういうような約束をしているのでございます。しかるに、私どもも現地へ行っていろいろな方々と党派を超えて議論をさせていただきましたが、これはもう党派を超えた要望あるいは不信感として、復帰のときの基地の本土並み返還はどうなっているのか、数字を挙げて大変な不満を漏らしているのであります。中には、日本の全体の安全のために沖繩だけが基地の中の沖繩と言われるような現状に放置をされ、その犠牲を沖繩だけが押しつけられるのかと、こういう大変厳しい問いかけも実はあったのでございます。  これは言うまでもないことでございますけれども、たとえば防衛庁長官にお伺いをしたいと思いますが、復帰の時点でわが国の基地というものは、全部を一〇〇といたしますと、本土に存在をする基地が五〇・六八%、沖繩に存在をする基地が四九・三二%という比率でございました。しかるに現在は、沖繩と本土の基地の比較をいたしますと、本土が四六・九一%、沖繩に存在をする基地が五三・〇九%と、復帰の時点よりも実はこの比率が完全に逆転をしておるという実情でございます。あるいは、過去五年間で返還、縮小されました基地の面積は、全国で約七万六千平方キロでございますが、そのうち本土が五万七千平方キロ、沖繩が一万八千平方キロというぐあいに、縮小の規模も返還の規模も圧倒的に本土に偏っている。沖繩における基地の機能というものは、本土との比較においてはむしろ格差が拡大をされているという実情なのでございます。  こういった実情で考えてみますと、日米安保条約の中における戦略的な価値というものを沖繩に認めざるを得ないことは言うまでもありませんが、沖繩県民の気持ちに立って考えますならば、基地の縮小、返還というものについてこのように本土と格差がある、あるいはアンバランスがあるということは、復帰のときの約束から考えてみてもおかしいではないかと感ずるのは当然だろうと私は思うのであります。     〔委員長退席、竹中委員長代理着席〕 今度の法案も、すぐれてこの基地の問題——何度も申し上げますけれども、日米安保条約における基地提供という条約義務というものの意義をわが党はもちろん認める立場に立つものでございますが、なおしかし、このような現状を放置しておくということば、復帰時点の約束にもとることになろうかと思います。この点について、今後の沖繩における基地の返還、縮小、先ほど申し上げましたような本土との比率、あるいは返還のテンポ、縮小のテンポ等が格段に劣っているという現状を防衛庁長官はどのようにお感じになり、またこれからどのようになさろうとなさっているか、ひとつ明確な御見解をこの際承っておきたいと思います。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 御案内だと思いますが、私からまず数字的な点でお答え申し上げたいと思います。  沖繩の基地返還の状況が本土と比較して本土並みでないという御指摘の点については、数字が一番正直で、まことにそれを否定申し上げる筋ではございませんけれども、実情を申し上げますと、復帰時で八十七の米軍施設がございまして、面積にしますと二億八千六百六十万平方メートルございました。それが本年の四月一日では、八十七が五十四施設になって、面積では二億六千三百十九万平方メートルございます。これを差し引きしますと、復帰後、三月三十一日までに米軍施設で返ってきたものが千九百九十七万平方メートルあるという計算になっております。これは復帰時の面積の八・二%が減った、一割に満たないものが減ってございますが、そういう実情でございます。  今後どうなるかということでございます。が、先ほどもお答えしたように、今後沖繩の基地で必要のないものをなるべく米軍から返還してもらおうといろいろ話し合った結果、今後返還予定の話し合いがあるものは四千七百三十五万平方メートルということになっております。ただ、その実現可能性を見ますと、これは移設を要するものというのが相当ございますので、移設を要するものについては移設先の手当て、移設に伴ういろいろな費用というものを計上しますと、この返還予定が急速に実現されるとはとても思えませんが、先ほども御指摘のような実情でございますので、ともかくできるものを最大の努力をして返還させたいというふうに考えておるわけでございます。

三原朝雄自由民主党防衛庁長官

○三原国務大臣 基地返還の概要につきましては、いまの施設庁長官がお答えをいたしたのでございまするが、先ほど来の先生の御質問は本質的な問題に触れておられるわけでございます。  当時、基地返還については本土並みの体制でというようなことを発言したことがあるという御指摘がございました。この点につきましては、土地の面積とかそういういろいろな数字的な返還の問題ということでなくして、私は、先ほども先生が御指摘のような戦略的な一つの問題がこれに加味されておったのではないかと思うのでございます。そこで、私どもといたしましては、私自身が自分の郷土が基地に囲まれたところでございまするし、先ほど沖繩県民の方々の、将来に対します一つの夢なり希望を実現しようという現地でのいろいろな御意見を拝聴いたしておるのでございます。そういう立場で、いまの日本における米軍基地の分布の状態等を考えますると、三分の二をあの沖繩一県で持っていただいておるというような状態の中にあるわけでございまするから、現地におかれて県民の方々が先生方に述べられたことは、そのまま受けとめてまいらねばならぬものが数々あるわけでございます。ほとんどだと申し上げていいくらいでございます。  したがって、私どもといたしましては、先ほど斎藤長官が申し上げましたように、沖繩における基地の問題は、まず第一には、沖繩の歴史的な非常な苦労の積み重ね、そして基地に対しまする過重な負担をお願いいたしておる、日本国民として非常に過重な負担をかけておるというそうした気持ち、そして沖繩の将来に対してどうしたら希望をつないでいただけるかというようなことを基本的に前提として考えて、基地問題と取り組まねばなるまい、私は精神的にはそうしたことでおるわけでございまするけれども、現在置かれておりまする沖繩の基地の状態というのは、いま一挙にそこまで持っていくことができないという現実面があるわけでございます。日本の安全保障のための大きな負担を沖繩にかけておるという事態を踏まえて、将来どうこれに国家として報いねばならぬかという点で、実は私ども防衛を担当する者として、大きな責任を感じて基地のあり方について検討を加えておるわけでございます。  そこで、斎藤長官が申しましたように、現在の立場でも何とかひとつ基地の整理統合はできないのか、返還はできないのかという努力を積み重ねておるわけでございます。しかしながら、いま、この日本の安全保障体制の戦略的な立場において、沖繩県民の方の心情はよくわかりまするけれども、それに一挙におこたえできないという一つの厳しい面がわれわれにあるという事態でございまして、そのことを十分踏まえながら、私は沖繩の基地問題にこれからも沖繩県民の立場を踏まえて対処していきたいという現在の方針なり心境であるわけでございます。

中川秀直新自由クラブ

○中川(秀)委員 大臣の御見解に対してちょっと御注文をつける前に、まず斎藤長官が言われた数字ですが、私は県民の立場から、そういった数字の説明の仕方では納得しがたいものが多々あろうかと思います。長官は、復帰時に八十七の施設があって、それが三十二ですか返還をされて五十五になったということですね。面積が八%ぐらい減った。その分だけまた、米軍から自衛隊に提供された施設が十二、自衛隊の新規の施設が十四ある。その面積も含めると、返還された土地の割合は大体七%そこそこというふうになる。それは正直にきちんとおっしゃらないとだめですよ。米軍基地であれ、自衛隊基地であれ、県民の、沖繩県の土地を基地以外に有効に土地利用ができないということは同じなのでございますから、その辺は正確に、はっきりとおっしゃっていただきたいと思います。防衛施設庁から資料をもらいますと、よく前の方の資料には三十三施設全面返還になりました、こう書いてある。後の統計を見ると復帰時から六施設くらいしか減っていない。なぜかと言って、よくわからないからいろいろ聞いてみると、いや、その分は自衛隊が入っているんでしたと後から御説明をいただいて、ああ、なるほどと思うのでございますけれども、そういうことはきちんと資料にも書いて、正直に正確な認識を得られるように努力をしていただきたい。これはひとつ御注文として申し上げておきます。  それから、大臣の御見解に対して一つ感想があります。大臣は、沖繩の基地を当然ごらんになったことがあるだろうと存じます。私も、先ほど申し上げましたようにわが国の安全にとっての沖繩の基地の意義、これは本当に県民の皆さん方に手を合わせなければならないほどの役割りを確かに持っている、担っていると思います。ありがとうと言わなければいけない問題だと思います。しかし、現実に行ってみますと、基地の入り口に入るやいなや、まず広大なゴルフ場がある。基地の滑走路だとかいうのが目に入るのではなくて、まずゴルフ場が目に入る。そこでは悠々と緑の芝生の上に米軍の方、家族の方がゴルフをやっている。あるいは広大な居住地域があって、その居住地域の中に点々と、沖繩県民の方々が暮らしている人口密度から言ったら、もう百分の一以下という居住地域がある。こういうようなアンバランスの中で、県民の皆さん方に、先ほど私が申し上げたような本土の返還のぺースはこれだけで沖繩の返還のペースはその数分の一だ、こういうようなことを実際にはだで感じておられる人たちにそういう数字なんだよと言われたら、だれが考えたってこれは本土並み返還ではないではないか、私たちの県民だけにこの日本の安全保障というものの犠牲を、それも本来犠牲をこうむらなければならない正当な理由があるものでない部分についてまで犠牲をわれわれにしわ寄せをしているではないか、こう感ぜられるのは、私は自分で行ってみても、けだし当然だろうと思うのであります。長官は、いま御見解の中で、その県民の気持ちは大変わかるとおっしゃった。しかし、ただ長官がわかるとおっしゃるだけでこの問題は解決するものではない。ちゃんと年次計画を立てて、少なくとも本土がこれからやっていこうとする基地の縮小のテンポとペースだけは、沖繩県においても一向に変わらないテンポでやります。このぐらいはおっしゃらなければいけないのではないか。広大な居住地域をもう少し整理統合することによって、県民に返せる土地があるかもしれない。基地の入り口に、広大なゴルフ場がまず入った途端にあるというところを工夫することができるかもしれない。いろいろな工夫をすることによって、少なくとも本土が国際情勢の推移の中でこの部分は縮小しようというそのテンポぐらいは、沖繩県においても同じテンポでやります。こういうような一つの方針ぐらいは持たなければ、県民の皆さん方は最後の最後までその問題について御納得をいただけない部分が出てこようかと思う。いま一度私の感想、提案に対して長官の御感想、御見解を伺いたいと思います。

三原朝雄自由民主党防衛庁長官

○三原国務大臣 お答えをいたします。  防衛庁におきましては、安全保障の協議委員会等で、基地返還については、先ほど斎藤長官が申しましたように極力返還について交渉を進めておるわけでございます。また返還につきましても、部分的な返還でなくて、地元の県民の方々が要望される開発計画が可能な大規模の、広地域の返還をという考え方も持っておるわけでございます。私どももそのとおりです。しかし、いま申されましたように、日本の本土におきましても調布とか府中とかいうようないろいろなところに、たとえば米軍の住宅地あるいは演習場、基地のすぐそばにゴルフ場があるというような点について、苦しい生活をいたしております日本の国民にとっても、内地の国民にとりましても、そうしたことを痛感しておると私は思います。いま新しいと申しますか、そうした沖繩県民に対するきわめて思いやりのある御意見がございました。いま、まずゴルフ場の御指摘があったりあるいは住宅地におきます非常に広大な土地を占めておるというようなこと、あるいはもっと全体を見て演習地としてもあれでいいのか、もう少し返還できるのではないかというような演習地もあろうかと思うのでございますが、そうした点を中心にして、先ほど斎藤長官が申しましたように、基地の返還について沖繩の県民の方々の希望にどうこたえていくかということにいま鋭意取り組んでおる時期でございます。現状でいくのだというようなことば私どもは毛頭考えておりません。ひとつできるだけ地元の県民の方々の心情にこたえる立場で基地の整理統合と取り組んでまいろうということで検討を進めておるというのが現況でございます。

中川秀直新自由クラブ

○中川(秀)委員 くどいようですが、重ねてお伺い、御確認をさせていただきたいと思いますけれども、結果的な数字のことはあれこれ申し上げませんが、少なくとも本土が縮小していくテンポと沖繩が縮小していくテンポを合わせるように努力をするという御答弁はいただけないものかどうか。復帰の時点のときは、沖繩の基地が日本全国にある基地の中で四十数%だった。復帰から五年たってみたら、沖繩基地の占める割合は五十数%になっている。つまり、本土の方が減って、その分沖繩の方はなかなか減らなかった、こういうようなことだけは、どう考えても県民の皆さん方からすれば御納得がいただけない数字だろうと思う。まあ過去のことは言いませんが、これから本土の縮小のテンポと沖繩の縮小のテンポがこのように違うことのないように努力をするというぐらいの御見解、御方針を持っていただくわけにはいかないか、いま一度、重ねて重ねてお伺いをいたします。

三原朝雄自由民主党防衛庁長官

○三原国務大臣 テンポというあれがございましたが、私ども、数字的にどうだというようなことよりも、いま申されました沖繩の県民の心を踏まえて基地問題と積極的に取り組んで努力をしてまいりますということは、はっきりここで申し上げることができると思いますので、いまの先生の御意見も承りましたし、十分これから沖繩の県民の方々の心を心として、基地整理については、本土と沖繩がどうだというような比較の問題でなくて、沖繩の基地の整理統合についてこれから積極的に取り組んでまいりますということをお答え申し上げる次第でございます。

中川秀直新自由クラブ

○中川(秀)委員 いま一歩踏み込んだ御見解がいただきたいのでございますが、県民の心は先ほど私が申し上げたとおりでございますから、私も十分把握しておるとは言えないかもしれませんけれども、超党派でそういった疑問や不信を持っておるということは、沖繩県の陳情書の中にもちゃんと書いてある。長官もそれはお目を通されたことがあると思いますので私はあえて引用したわけでございますが、そういう県民の心を踏まえて取り組むということでございますので、私は言外の意味を先ほど私が提案をしたような方向に進めていただけるというふうに期待をし、理解をして、その点は次へ譲ります。     〔竹中委員長代理退席、委員長着席〕  さて、時間がありませんから簡単にお尋ねをいたしますが、沖繩開発庁長官並びに防衛庁長官、今度の法案の作成の過程で、大臣御就任以来沖繩の現地の地籍確定の現場あるいは状況を現地でじかに二つの眼で御視察いただいたかどうか、ちょっとお尋ねしたいと思います。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○藤田国務大臣 私は、結果的には行っておりません。実は三月の二十、二十一日に、連休でございましたので行く予定にいたしておりましたが、そのときにちょうどカーター大統領との首脳会談がありまして、官房長官が福田総理に随行されました。それで、臨時の代理官房長官ということになりまして、総理官邸に詰めなければならなくなって、その沖繩行きを中止した次第でございます。その後、国会の方にずっと手をとられて、いまだに行っておりません。

三原朝雄自由民主党防衛庁長官

○三原国務大臣 長官に就任いたしまして、現地には参っておりません。が、以前行ったことがございます。しかし、私どもやはり何といっても現地の現状を見る必要があるというわけで、政務次官に、実は政務次官就任早々でございましたけれども、基地に行っていただいた次第でございます。

中川秀直新自由クラブ

○中川(秀)委員 両大臣が現地で地籍確定の現場をごらんにならなかったということは、私は、この法案が重要法案と思うだけにはなはだ残念であります。いかに国会中予算委員会が長々とあったとしても、日曜日日帰りだってできる沖繩でございます。私は、そのような御姿勢をこれからはぜひとも心がけていただかないと、こういった非常に複雑な、かつまた現場に行ってみなければその実態がよくわからないような状況については、大臣みずから行かれるぐらいの御姿勢を示していただきたかった、そう思います。  ちなみに、それでは幾つかの問題点を、若干の現地の実情を踏まえてお尋ねをしたいと思います。  沖繩に西原村というところがございます。小那覇というところで、いま西原飛行場跡の境界設定について沖繩県が必死の努力をしているのでございます。これは御説明するまでもないと思いますけれども、全体の面積のうちの合意された筆数は九三%に上っているのです。つまり集団和解で、この土地はAさん、この土地はBさんといって合意されているのは九三%に上っている。ところが合意していないわずか七%のために全体の地籍確定が、驚くなかれ五二%もできない。七%の筆数の地主さんが、いやそれは納得できないと言ったがために半分以上が地籍確定ができないというところでございます。あるいはここに具志川市というところの地籍確定の作業の途中経過の表がございます。これも県知事さんが御上京になったときに、開発庁長官、防衛庁長官、恐らくこういう御説明を得て、そういうことだったのかといろいろなものをお感じになったと思いますが、要するに復帰前開放、復帰後開放されたその土地の間に権利関係の入り組みがものすごくある、あるいは現軍用地と開放された土地の間の権利関係のふくそう、入り組みというものが非常にあって、軍用地だけ地籍確定したって、民間のその周辺地の字を越えたところまでやらないと地籍確定ができないというところがたくさんある。その一つの例でございます。挙げ立てればたくさんあるんだけれども、政府案において、沖繩県が要望しておった、たとえば先ほど来議論になっておりますが、どうしても集団和解では解決ができないがために地籍確定ができない、行き詰まってしまっておる、これに対して何らかの行政処分を開発庁長官がやってもらえないか一これは沖繩県が、たとえば昔から琉球処分だ何だといって歴史的には大変不幸な歴史を持っている。その沖繩県がみずから国の沖繩開発庁長官に行政処分の権限を持ってくれ、こう言うぐらい事態は深刻だというような県要綱もできていた中で、いま御提案になっている政府案は何らそれについて触れてない。これはもう余りにも現地を知らな過ぎるがゆえの結論だったのではないかと私は言わざるを得ないのであります。こういった問題について行政処分が法体系としてむずかしいとするならば、何らかの勧告権を設けてあげるべきではないか。現地の方からそうしてくれと言わざるを得ないほどの深刻な事態、これに対応して何らかの勧告権を、事態の解決を早めるようなものを、当初のいま政府が御提案になっている法案にも入れるべきではなかったのか。過去のことは言いません。これからそういうふうな方向に進むべきではないかと思いますが、ひとつ政府の御見解を承りたいと思います。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○藤田国務大臣 中川先生がおっしゃいますように、地籍の明確化ということは沖繩県民の大変待望するところでございますから、一刻も早くこの明確化を進めるべきだと思います。集団和解の方式がそういうことで煮詰まっておることもよく存じておりますが、最後の煮詰めが非常にむずかしい、こういう事態に相なっておるわけでございます。  そこで、おっしゃいますような行政裁定ということでございますが、これは法務省その他各省庁と意見をいろいろと闘わしてみましたけれども、やはり民事の体系にはなじまない、こういうことでございますので、基地外の民間の土地につきましては、沖繩開発庁長官といたしまして意見を述べることができる、あるいはもう一歩踏み込んで、勧告することができると申しますか、そのようなことならば、われわれといたしましてもできる。それが地籍明確化のために非常に有効になるというためには、あるいは調整審議会といいますか、そういうふうな審議会も設けて、地方自治体の御協力をいただきながら一緒にやっていくというふうなことが必要かと思いますが、そういうことも各党間のお話し合いの上でできますれば、われわれとしてはできるだけの努力をいたすつもりでございます。

中川秀直新自由クラブ

○中川(秀)委員 もう一点ございます。いま御提案になっている政府案によりますと、基地外の土地、いわゆる非軍用地でございますね、これは触れてない。つまり地籍確定を国の責任においてやるという、そういうものに入れておられないわけでございます。しかし先ほどお話ししたように、権利関係が入り組んでいるとか、実際問題としてそこまで手を広げなければどうにもならないという実態があるのは、もうすでに御案内のとおりでございますが、私は考えてみますと、沖繩開発庁が、いまの政府案の立法過程でこの問題からどちらかと言えば逃げようとされたのではないか、大変言葉は悪いかもしれないけれども、そのような印象を非常に強く持っておるのでございます。沖繩開発庁においては、県に沖繩開発庁から援助をして、県の責任でやった方が効率的であるとか、あるいは現実にそうやっているのだから具体的であるとか、そう考えたんだとおっしゃるだろうと思いますけれども、しかしそんなことを言ったって、お金を援助する法的な根拠というものがない、あるいは地籍確定をするために、その調査計画や調査内容や成果の取り扱いについて法的根拠がされていないということでは、問題の本質的な解決にならない。当然にこれは県の要綱が、沖繩県が最初に使った地籍確定についての要綱と同じように、非軍用地についても国の責任でやるという視点がどうしても最初から必要だったと思うのです。沖繩県が、沖繩県民がみずから地籍を不明確にしたわけではありません。あのさきの大戦において非常に不幸な事態の中で地籍が全くわからなくなった。これはやはり国の責任だろうと思います。そういう問題を放置して立法されたところあたりに私はやはり政府の問題に対する把握の仕方が非常に甘かったのではないかと言わざるを得ないのであります。その点、いま一度開発庁長官、私のそういった感想に対して御反論があれば伺いたいと思います。

亀谷禮次沖繩開発庁総務局長

○亀谷政府委員 開発庁長官からも先ほど御答弁申し上げましたように、開発庁といたしましては、民地にかかる地籍の明確化の問題が沖繩の土地利用上非常に重大な問題であるということば率直に認めるところでございますし、弁解になるかとは思いますが、先生も御指摘のように、復帰の時点におきましても、この地籍の明確化が今後の沖繩の振興開発上の重大な問題であるという認識に立ちまして、この取り扱いについて関係省庁、特に基地を所管しておられます防衛庁及び復帰までこの地籍の明確化に非常に御苦労をされてきました琉球政府、復帰の時点の県とも数次にわたりまして協議検討を重ねました結果、復帰の時点におきまして、いわゆる基地の中につきましてはこの基地の管理は現実に防衛施設庁当局でやっておられるということ、及び復元補償等地主間の関係及び調整が事実上防衛施設庁所管でやっておられるということ、あわせまして復帰後の民地の調査につきましては、すでに十数年にわたる琉球政府における土地調査庁といいます専門の事務当局があるということを踏まえまして、所管といたしましては民地の総括的な責任を開発庁が負うことにいたしまして、県を含めて現行の体制を了解の上にスタートしたわけでございます。  もちろん、その時点からこの地籍の最終的な明確化のための問題といたしまして法制化の問題があったこともよく理解をいたしております。しかしながら、各委員会及び国会を通じまして長官から御答弁申し上げておりますように、この地籍明確化の法制上の問題といいますものは非常に私権にかかわる大きな問題を含んでおりまして、端的に割り切って法制化という点が大きな問題でございました。そういうこともございまして、実は昨年の秋、県当局からもこの地籍を明確にするための県案というべき法案の要綱もいただいたわけでございますけれども、累次にわたる関係省庁との協議を重ねた結果、しばしば私の方の大臣から御答弁申し上げておりますような数点にわたる法的に非常に大きな問題があるということで現時点まで検討を重ねてきたというのが現状でございます。  ただ、私どもの感想と申しますか、お答えをさせていただきますならば、県当局及び社会党を中心にします三党の法案の重要な中身が、もっぱら先生が御指摘のような最終的に地籍の不明確な解決の手段としての行政裁定ないしは土地の権利の制限等、いわば民事法体系及び諸法規上の重大な問題を含んでおります。しかもそれが、私の理解するのが間違っておらないとすれば、県当局の法案骨子の最大の問題でもある、こういうこともございまして、直ちにそれを法制化することにはなかなか問題があるということで、累次にわたる検討を現在まで続けてはおりますけれども、私どもとしてはやはりそこまでは行政法的には踏み切れないということで今日に至ったというふうに御答弁をさせていただきたいと思います。

中川秀直新自由クラブ

○中川(秀)委員 最後におっしゃった問題点は、オール・オア・ナッシングじゃないはずなんです。そういう問題があるから、では開発庁やらなくていいという問題ではない。そういう問題が横たわっているから開発庁は首を突っ込むような法制化はしなくていいという問題でもない。ひとつその辺ははっきり分けてお考えをいただくべきではなかったかと思います。  もう一例申し上げます。読谷村というところをわれわれは視察をいたしました。戦前それぞれの家が五十坪なら五十坪ずつあったところを、米軍がやってまいりまして、あなたはここ、あなたはここというぐあいに、全く形状が変わった上に、六十坪ずつあるいは五十坪ずつ区割りをして、そこへずっと住んできた、まあ割り当て土地というような性質のところでございますが、だんだん地籍確定が明確になるに従って、大変な問題が出てきているのであります。つまり昔のこれが本来所有権でございますけれども、その所有権の地図をつくってみると、AさんならAさんの家のど真ん中に現在道路が通っている、あるいは川が通っているという実情になって、これまたそれは一部分じゃなくて全部についてそうなっているのであります。いわゆる公共の用にもうすでに現実に供されてしまっているわけでございますね。こういうようなところをこれから地籍確定をし、それぞれ権利関係を明確にして、集団和解をしていこう上いうことになれば、当然その道路になったところについて、いわゆる地主間の集団和解でない公共の力が、県なり市町村なりあるいは国なりが何らかの財政措置を講じてあげない限り、この問題は集団和解したくたってできっこない。そんなもの最初からわかっている理屈であります。しかるに、いまの政府案については、そういったことについての対応策は何ら書かれていない。これでどうやって集団和解するのですか。こういう問題は最初からわかっていたと思う。われわれわずか三日ばかりの視察で、これはそうでもしなければどうにもならない、与党の理事あるいは委員長だってそうおっしゃる、だれが見たってそうおっしゃる。これは党派を超えた認識です。そういうようなことがわかっていながら、政府案にはそれを盛り込まなかった。私はもうこれはどう考えても立法過程においての真剣さが足らな過ぎる。大臣自身が現場に行かなかった責任も私はあると思う。どう考えてもこれは納得ができないいままでの経過なんです。当然に今後、土地区画整理法における土地区画整理事業とかあるいは土地改良法における土地改良事業とかいうものについて、この読谷なんかのケースの場合は救済をしていかないと問題の解決にならない、いまの政府が御提案になっている法案では問題の解決にならないと私は思います。その辺の御見解を改めて伺いたいと思います。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○藤田国務大臣 おっしゃいますことはよく理解ができますし、いま開発庁でやっておりますのは、西原村、それから沖繩市の一部、それからいまの読谷でございます。これらをやりました結果、先ほどちょっと申し上げましたが、煮詰めるところは煮詰めまして、その上でどうしても煮詰まらない点があるならば、そこで立法をするとか、あるいは、行政裁定ということはできませんけれども、何らかの意見を述べるとか、勧告ということになりましょうか、そういうふうな措置もとらざるを得ない。いま現在それらを進めておる段階でございまして、いよいよそういうふうな時期に来たかなというのが実はこの夏であろうと思っておったわけでございます。  いまの防衛庁の方から提案をなされております法律は、これはあくまでも駐留軍の基地内における法案でございますから、そこで私たち基地外の沖繩開発庁の担当している民地につきましては加えなかったということでございますが、しかし、おっしゃいますことはよく理解できますので、各党でそのようにお話し合いをいただくならば、われわれとしては、それに従うつもり——もちろんそれに従わざるを得ないわけでもございますし、従うつもりでおります。

中川秀直新自由クラブ

○中川(秀)委員 もう一点、いまの問題に関連をいたしますけれども、もうすでに地籍を明確にしたところ、AさんならAさんの所有地になっているところが、ど真ん中に道路が通っていたり川が通っていたりというような公共の用に供されているところ、これについては、当然国道や県道については建設省や県において何らかの措置をとっているようでございますけれども、まだ市町村道に認定してない道路がございます。これは市町村議会が認定すればいいことですけれども、現実に、本土で考えてみても当然市町村道だと言われるような道路について、これから地籍確定を円滑に進めるためにも恐らく市町村議会において、沖繩県において市町村道に認定してくるということが考えられる。その場合は、本土の例から言いますと、道路法適用外の道路でございますから、自治省においてたとえば特別交付税とかあるいは地方交付税の算定基準に入れるとか、そういった措置をこれからとっていかなければ私はこの問題は恐らく解決しないと思われますが、自治省はその辺の御意思、御用意があるかどうか、ひとつ確認をさせていただきたいと思います。

小林実自治省財政局調整室長

○小林説明員 御質問の点でございますけれども、そういう事態が生じました経緯に照らしまして、また市町村の財政力が非常に弱いという点がございますので、私どもといたしましては、国費による措置が必要と考えられますので、関係省庁と十分協議をしてまいりたいというふうに思っております。なお、この措置に関連しまして、地方団体にも負担が生ずるという場合が出てきました場合には、自治省といたしましても所要の財政措置を検討してまいりたいというふうに考えております。

中川秀直新自由クラブ

○中川(秀)委員 もう一例、与那原町というところがございます。もと米軍の集積地として使われていたところでございますが、四百九人の地権者がいる。五万坪ぐらいのところに六百六十八筆、大変な細かい家が密集している。この地籍については、旧地籍と比較をしますと、全くめちゃくちゃに、ばらばらになっているというところでございます。現実に裁判ざたが起こって、あるいは争いが絶えなくて家も建てかえられない、あるいは仮処分の申請をしましたところ、新しい判決で公図上の担保にならなくなってしまった、つまり銀行からお金を借りたくたって借りられないというような事態が次から次へ最近起こってまいりました。いわゆる旧所有権と、その後新しく住んでしまった占有権との調整の間で、もう爆発寸前の状態にあるというところでございますが、こういうところなどは、土地の買い取りのあっせんとかあるいは交換分合のあっせんとかを公共がやってあげなければ絶対問題が解決しないところです。これもいまの政府案には全く触れていない。こういった点も、もう御認識は同じでしょうから私は改めて御答弁を求めませんが、なぜ最初の立法のときからそういうものを考えなかったのか、これもいまの政府案に対して大変批判、不満を持つものであります。  ちなみに、それらを総合してちょっとお伺いをしたいと思いますが、いま沖繩県には非軍用地で約百四十一平方キロの地籍不明地があります。これは開発庁の資料で出ている。軍用地で百二十二平方キロの地籍不明地がある。これは防衛施設局の資料で出ている。合計二百六十三平方キロ、大変な広さであります。この広さの地籍を、いま自治省の方が御答弁になりましたけれども、これから国費の使用あるいは補償というようなものも含めまして、地籍確定をしていこうとすると、大変なお金がかかると思われます。いま防衛施設庁が五十一年度までに地籍確定に使った予算は二十二億です。これから後むずかしいものでも五年でやれるだろう、そういうものを含めても大方四十億ぐらい見込まれる、こういうお話でございますが、沖繩県の試算によると、そういった軍用地のみならず、非軍用地も含めてその地籍確定のためには大方三百億ぐらいお金がかかるのではないか、いま国費を使わなければならないというすでに公共の用に供された道路に対する補償というようなものも含めますと、三百億ぐらいかかるのではないかというのが沖繩県の試算であります。これに対して政府はそれだけの財政負担をする決意、覚悟があるのかどうか。私はこの試算が正しいかどうかということはあえて問いませんが、いま施設庁が考えているぐらいの費用で当然できるなんて思えない。そういうものについてそれだけの負担をする覚悟があるかどうか。私はひとつ覚悟があるかないかという問題ではなくて、しなければならない問題だと思う。政府のはっきりした御見解をこの際ここで表明していただきたいと思います。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○藤田国務大臣 ただいま言われました数字が若干私たちと思い違いがございます。民地は約二十平方キロ、このように考えております。ですから地籍不明確の土地は、軍用地が百二十平方キロ、民地が二十平方キロ、合わせて百四十平方キロ、かように考えております。  それから数字はともかくといたしまして、いまのような今後負担をする用意があるかということでありますが、県の方でどういう試算に基づいてそういう二百億とか三百億とかという数字が出たのか、それはよく存じ上げませんけれども、こちらの方の計算といたしましては、そういう数字にはとてもなりません。それで、ただいま自治省の方から話がありましたような市町村道といいますか、農道といいますか、まだそれにも至らざる道、そういうふうなものに対する補償ということがございますが、これはこれなりにいろいろとそういう道ができておるという原因がございます。そういう原因を分析いたしてみませんと、もとからあった市町村道あるいは農道といいますか、そういうものもあるわけでございますし、それから戦争中旧軍がつくったものもございます。それから講和前に米軍がつくったものもありますし、また講和後に米軍がつくったものもあるし、いろいろ区分けがございますので、それらに関しまして区分けをいたして、そして補償をいたすつもりでおります。用地を買収するつもりでもおります。また交換分合とかそういうことについても融資その他のあっせんというふうな用意も考えておる次第でございます。

中川秀直新自由クラブ

○中川(秀)委員 いわゆる民地、非軍用地が二十平方キロというのは、恐らく米軍が上陸してきたこと、そういった原因による地籍不明地ということに限定をされているからだろうと思いますが、沖繩県が挙げておりますいわゆるさきの大戦において地籍が不明になったという非軍用地は百四十一平方キロとなっている。私は、この調整はこれからいろいろな意味で、このケースはどうなのか、このケースはどうなのか、非常に問題になってくるだろうと思いますが、それはここであえて突っ込んだ質問をしたところで現実的ではありませんからやめますけれども、長官、そういうことでございますから、一概に数字が二十平方キロでございますと言って済まされる問題では恐らくないと私は思いますよ。  もう時間がありませんから最後にいたしますけれども、現地で施設局あるいは県のいろいろな方々にお目にかかって、この地籍確定は一体どのくらい時間がかかりますか、こういうお尋ねをいたしましたところ、防衛施設局において、むずかしいところでも五年でできるでしょう、こういうお答えでした。あるいは沖繩県としては五十六年度をめどに先ほど挙げた与那原のようなむずかしいところも含めまして、非軍用地を全部地籍確定の作業をしたいのだ、またできます。こういうようなお答えでございました。つまり、民地にしろあるいは軍用地にしろ、両方とも五年以内にはできるという作業に当たる方々の御見解なんです。そういうような御見解でありながら、いま提出をされている政府の法案が全くその期限を設けずに提出をされてきたということは私は納得ができない。そういうものができるのならば、その以内に、きちんと五年なら五年間で軍用地も非軍用地も地籍を確定するのだ、はっきり行政の一つの時間的なめどを入れられて、それから先、地籍確定をすれば、今度の土地収用法やあるいは駐留軍特措法でどうしても契約に応じてくれない方々の土地については法的な手続がとれるわけでございますから、その間この基地使用についての特例を設ける、こういう発想が常識論です。最初にこの法案の御説明を聞いたときはやれどうも十年ぐらいかかりそうだ、場合によっては二十年かかるなどという御説明を聞いて、現地の実際の作業責任者の方にどのくらいかかるかと言ったら先ほどのようなお答えです。私はどうもこの辺のいままでの経過というものを総合的に勘案しましても、何かおかしなやりとりであった、こう言わざるを得ないのです。この点についてひとつ御見解を伺っておきたいと思います。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 政府原案の第三章の使用の特例について、明文で期限がないという点についての御批判でございますが、御指摘のとおり期限がないということは結果的にまことに不安定な状況でございますけれども、地籍を明確にする場所の具体的な状況というのはさまざまでございまして、非常に安易な比較的簡単にやれそうな場所、原形が余り崩されておらなくて比較的位置境界の明確になりそうなところ、それから非常に困難だと思われる、極端な場合は飛行場の滑走路の真ん中などなかなか簡単には明確にならないといったところ、そういうぐあいに具体的なケースによって非常に状況が違いますので、そこで私どもとしては、早くできるところは早くやってそういう特例をいつまでも用いなくて済むように、同時に大変困難なところについても最大の努力をして、こういう特例の期間が少なくなるようにという考えから明文で何年ということを制限しなかったわけでございますけれども、一方ただいま御指摘のようにこういうものに努力目標を設けていつまでということをはっきり決めるべきであるという御意見、これまたごもっともでございまして、先ほども三原大臣がお答えになったように、その点について政府側としても十分に考えてみたいというふうに思っております。

中川秀直新自由クラブ

○中川(秀)委員 最後に、私ども新自由クラブはこの法案について当初より基地使用の特例は五年ということに明示をする、地籍確定についてももっと県の要望、実態を踏まえて先ほど御指摘をるる申し上げたように、土地の買い取りや、交換分合や、あるいは大臣の勧告や、その他公共の用に供された土地についてのさまざまな財政措置や、あるいは軍用地のみならず非軍用地まで広げて本格的な地籍確定を国の責任で行うといったような、本当のこの沖繩県の現在の事態を解決するもっと突っ込んだ法案にすべきである、こういう見地で修正案を用意したところでございます。もうすでに民社党さんも同じような考え方の修正案を御用意になった。そしていずれこの委員会に提案になる予定でございますけれども、与党・自民党と民社党、私ども新自由クラブ三党の間で、いまわれわれが最初につくったそういった修正案の方向においておおむね合意が成立をし、新たな修正案としてこれから委員会に提案をされる、こういう運びになったのでございます。恐らく内容について防衛庁長官も沖繩開発庁長官ももうすでに御存じだろうと思います。これに対する御見解を最後にお伺いをして私の質問を終わります。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○藤田国務大臣 若干その内容について漏れ承っておりますけれども、われわれといたしましても意見を述べました上で、そのようにお決めいただくならばそれなりにそれはお受けする以外にないわけでございますから、どうぞひとつよくお話し合いの上で御修正のほどをお願い申し上げます。

三原朝雄自由民主党防衛庁長官

○三原国務大臣 委員会におかれましては現地視察も願い、いろいろ細かく調査も願って、そしていま御意見のように修正案を準備されておるということにつきましては私も承知いたしております。敬意を表しておりますし、いま藤田長官が申されましたように、そういうことで内閣委員会において修正案が出てまいりますれば、それを中心に処置してまいりたい、そういう考え方でおるわけでございます。

中川秀直新自由クラブ

○中川(秀)委員 質問を終わります。

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 続いて、鈴切康雄君。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 私は委員長に再度提案をしたいのです。それは実はけさ方委員長に、社会党そして共産党が委員会に入っていないという状態における審議というものは不正常な状態であるということを言って、私どもは社会党と共産党の方々の委員会に入ることについて努力を続けてまいったわけでありますが、特にいま審議されている内容は沖繩の県民にとってまことに重大な問題があるわけであります。政府が出されてきておるところの法案は基地確保法案であると同時に、私ども社会党、公明党、共産党が三党提出しているところの法案は地籍の明確化を中心としての法案であるわけですから、そういう意味から考えまして、私は少なくとも社会党並びに共産党の委員会における審議を促進するようにもう一度御努力を願いたいと思うのですが、理事会でも理事懇でも結構ですから、その点について委員長の御判断を願います。

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 この際、暫時休憩し、直ちに理事会を開きます。     午後六時五十八分休憩      ————◇—————     午後八時二十七分開議

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。鈴切康雄君。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 きょうは、先ほどから社会党並びに共産党が委員会に入らない状態における審議は正常でないということから、何とか社会党あるいは共産党に対しての努力を続けてきたわけでありますけれども、社会党、共産党がいまだ入らないという状態でありますが、委員長が慎重審議をやるということを理事会において明言をされたわけでございますので、そういうことで私ども公明党といたしましては三名の質疑者を出しているわけであります。御存じのとおり、沖繩の返還がなされてから今日まで地籍の明確化という問題についてはほとんどなされないままに実は来ているわけであって、そういう意味において地籍の混乱という問題は沖繩においては実に大きな悩みになっていることは事実であります。そういう意味からいいますと、私は慎重審議という立場に立って、少なくとも総理大臣あるいは外務大臣、国土庁長官あるいは防衛庁長官はもちろんのこと、法務大臣等、すべての大臣の中にあってこの問題が審議されるべき筋合いのものであると思うわけであります。なお、当然それに対して連合審査あるいは公聴会等の問題もなされなければならない。いわゆる慎重審議ということはやはりそういう一つの過程を経て、沖繩の県民に対してこの法案がどのような内容であるかということについても明らかにしていかなければならないと思います。そういうことを前提にしながら、私ども公明党は慎重審議をするという、また審議を拒否しないという立場から、私はあえて質問をするわけであります。  そこで、質問に入るわけでありますが、まず第一に、沖繩の本土並みということを常に沖繩返還協定のときに言われておったわけでありますけれども、沖繩の本土並みというのはどういうことでしょうか。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○藤田国務大臣 沖繩の本土並みとおっしゃることに二つの意味があるわけでございますが、一つは基地の削減、減少、これが本土並みという意味も一つございましょうし、もう一つは、沖繩の返還時に本土並みの生活条件と申しますか、すべてを本土並みに早く引き上げようということで十カ年の開発計画をつくりました。そういうふうな生活環境、そういう面の本土並みということと、もう一つは基地の減少も本土並みにする、こういう二つの意味があると思います。どちらを指して御質問なさいましたのか、その辺がよくわかりませんけれども、この二つのことがあると思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 基地の削減という問題について、沖繩の本土並みということでございますけれども、実際にそれでは現実の問題として基地が削減をされ、縮小され、そして現実に内地の米軍基地と沖繩の基地とを比べたときに、現在五年間たっておりますけれども、どのようにいまなっておるか、それをつまびらかに明らかにしていただきたいわけであります。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 沖繩復帰の時点におきまして、米軍の沖繩における施設は八十七施設ございました。そしてその面積は二億八千六百六十万平方メートルございました。それがその後返還されまして、昭和五十二年四月一日現在では、五十四施設、面積にいたしまして約二億六千三百十九万平方メートルになっております。したがいまして、復帰時と四月一日の差し引きが三月三十一日までに返還になった米軍施設区域の面積でございますが、これが千九百九十七万平方メートルございます。このパーセンテージを見ますと、復帰時の面積の八・二%になっております。以上が沖繩における米軍施設の返還の状況でございますが、この返還になったものが自衛隊の基地に使われておるものがございますから、そういう観点からは全部が全部民間で返還地として使っておられるわけではございませんが、米軍から返ったという点だけを申し上げると以上のとおりでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 いまはいわゆる沖繩に対する基地の削減状況を言われたわけでありますけれども、それでは本土の方におきますところの米軍基地の数、それから面積の割合はどうでしょうか。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 本土と沖繩の比較でございますが、本土におきましては、四月一日現在で、駐留軍施設は七十七施設ございます。平方キロメートルで申し上げますと、二百三十三・七平方キロメートルございます。いま、沖繩復帰の時点で本土の基地がどれだけあったか、ちょっと資料を手持ちしておりませんが、これを先ほど申し上げました四月一日における沖繩の米軍施設と比べますと、施設において本土が七十七であるのに沖繩の施設が五十四である。それから面積が、本土は二百三十三・七平方キロメートルですが、沖繩は二百六十三・二平方キロメートルになっております。  全体で、日本全体にございます施設の数が合計しますと百三十一になって、面積が四百九十六平方キロメートルでございます。これを大ざっぱに申しますと、約五百平方キロメートルの日本全体の基地の中で沖繩に二百六十三ある、過半数以上であるという状況でございます。  なお、本土における基地の面積は、これは自衛隊が入っておりますが、〇・三%、それから沖繩における基地の面積は一一・八七%、大きな開きがございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 そうしますと、沖繩と本土でありますけれども、あの狭い沖繩において二百六十三・六平方キロメートルですし、内地の場合においては二百三十三・七平方キロメートルだというようにいま言われたわけでありますけれども、本土に占めるいわゆる米軍基地の割合というもの、そしてまた沖繩における米軍基地の占める割合はどういうふうな割合なんでしょうか。何%でしょうか。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 いまのお尋ねは、先ほど申し上げたつもりだったのですが、沖繩において基地が沖繩県面積に対して占める比率は一一・八七%でございます。本土においては、駐留軍だけのパーセンテージがちょっといま手元にございませんが、自衛隊を入れても〇・三%である。これは駐留軍の占める面積が非常に小さいですから、現実の問題として非常にわずかであるというふうに思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 防衛庁長官、沖繩の本土並みと言われて今日まで来たわけでありますが、それは、基地の削減とそして沖繩の方々の生活の本土並みへの向上ということが、まず政府が約束した沖繩の本土並みということでありますけれども、いま防衛施設庁長官が明らかにされました内容から見ますと、実に、内地とそれから沖繩とを比べてみますと、片一方は米軍基地の占める割合が〇・三%であり、沖繩における米軍基地の占める割合は一一・八七%というわけですね。となりますと、これじゃ沖繩の本土並みということは言えないのじゃないですか。政府はお約束をしてきているにかかわらず、現実の問題として沖繩の本土並みというのはただ単にかけ声だけであったということでしょうか。

三原朝雄自由民主党防衛庁長官

○三原国務大臣 いま御指摘の点につきましては、本土並みの体制に持っていこうという努力をすることを過去において政府は発言をしたと思います。そうした点において、いま数字的に御指摘がございましたように、沖繩県においては一一・八%、県の面積に対比してそういう数字である。本土においては〇・三%であるという非常な懸隔が出ておるということを、御指摘のとおり私どもも受けとめておるわけでございます。この点につきましては、面積問題という点ばかりでなく、防衛に対する基地のあり方等について、戦略的な問題等もあって、米軍が沖繩に重点的な配置をいたしておるということがそういう結果になることを率直に私自身も受けとめておるわけでございます。したがって、沖繩県民の方々に本土と比して非常に過重な負担をかけておるということにつきましては、私どもも十分にその事情を把握いたしておるわけでございます。いま御指摘の点につきましては、私どもそういう立場から沖繩の将来に対して過重な負担をかけておるという点で処置してまいらなければならぬという考え方でおるわけでございます。  なお、沖繩の基地につきましては極力統合整理をして、沖繩県民の方々の期待にこたえねばならぬという責任も感じて、鋭意米軍側と折衝を続けておるというのが現状でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 防衛庁長官は、沖繩がそのように本土と比べて大変に米軍基地がふくそうしているということに対して、それはそれなりに努力をされてきたというわけですけれども、具体的にどのような努力をされましたか。

三原朝雄自由民主党防衛庁長官

○三原国務大臣 具体的に返還に対する今日までの数字的なお答えにつきましては、政府委員に説明させます。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 沖繩の米軍施設を整理縮小することにつきましては、まず過去において昭和四十八年の一月二十三日に日米安全保障協議会という場で、第十四回の日米安全保障協議会でございますが、そこでまず第一回の返還の計画を立て、それから次に十五回の同じ会合、四十九年一月三十日で再びさらにそれに加えるものを考え、さらに五十一年七月八日、昨年の夏でございますが、第十六回の日米安全保障協議会で三たび整理統合の計画を日米で話し合ったわけでございます。その結果、返還計画として第十四回では四百六十九万九千平方メートルのものを返還しよう、十五回では二千八百八十二万平方メートル、十六回では二千三百八十九万平方メートル、合わせますと五千七百四十一万平方メートルのものが合意があって、そして移設ができれば返還しようという話し合いができております。ただ、御案内のように、移設というのが大変経費のかかる問題でございますし、同時に移設先がなかなか受け入れ先がないといったような困難な問題がございまして、ただいままで返還済みである面積は以上十四回、十五回、十六回はまだございませんが、全部計算しますと約一千万平方メートルのものが返還になっておるわけでございます。したがって、返還予定のものは、先ほど申しました五千七百四十一万平方メートルから差し引きしますと、約四千七百三十四万平方キロメートルのものを今後、いわゆるリロケーションと私ども称しておりますが、兵舎の移設あるいは施設の移設、そういったことをやって返還するという予定でおるわけでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 いま内地と沖繩を比較をしてみたところが、大変に沖繩の方の基地がふくそうしておるという現実の問題、それに対して政府は、沖繩の本土並みということを言って、今日まで沖繩の返還協定に伴う答弁をされてきたわけでありますけれども、それが一向に進まないままに、また五年をここで迎えようとしておるわけであります。これは私は許された問題じゃないと思うのです。これは明らかに政府は沖繩県民に対して約束をたがえていると言わざるを得ないわけです。それはかりではありません。アメリカの韓国撤退に伴って、すでにアメリカの海兵隊並びに空軍は沖繩の基地強化という形をとっておるような状態で、ますます基地は集約、強化されておるという現実です。これについて政府は何らか調査をされておられますか。

三原朝雄自由民主党防衛庁長官

○三原国務大臣 お言葉について、私は問題を提示するわけではございませんけれども、いままで政府は核抜き本土並みという言葉をよく使ってまいりました。そういう体制については核を置かないというようなことで本土並みということを申し上げてまいりましたが、実際上の防衛の兵力配置あるいは基地の体制等について本土並みということは、できればそういう方向にいきたいという私は気持ちを持っておったと思いまするけれども、現実問題として、基地の面積は、本土が〇・三%であって、沖繩県には一一・八%という過重な負担をかけておるということは現実受けとめておるわけでございます。できるだけ基地を縮小し、合理化して整理しておこうということは考えてまいっておるわけでございます。  なお、今後におきましても、演習地でございますとか、先ほど新自由クラブの中川先生も指摘されましたが、これは生活環境あるいは社会風習というものが違いましょうけれども、狭隘な土地に住宅を建設しておるとか、ゴルフ場を設置しておるとかいうような点についても、アメリカ軍に対して、私どもといたしましては、日本における駐留については、日本の社会的なそうした風習なり生活慣習というようなものを踏まえてできるだけ考えていただきたいというような面からも、基地の整理統合について協議折衝を続けておるという事態でございまして、いまも何とか沖繩の基地の縮小整理について相談を進めておる、折衝をいたしておるというのが現況でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 いま防衛庁長官は核抜き本土並みということで、いわゆる核がないということが本土並みであって、言うならば、内地と沖繩と比べたときに、沖繩の基地はアメリカの極東戦略の一環から言うならば、それは相変わらず本土並みにできない、こういうことなんでしょうか。  それと同時に、核抜きということで本土並みを公約されたということは、沖繩返還前は核兵器があったということでしょうか。

三原朝雄自由民主党防衛庁長官

○三原国務大臣 第一点の地積面からする問題でございますが、できるだけ沖繩の基地を縮小していきたいというのは、これは私ども県民の心を心として考えてまいりまする場合に、できるだけ縮小していこうという点につきましては、そうした考え方のもとに基地の整理統合を米軍と折衝いたしておるわけでございます。  なお、いま、核の問題について、それでは沖繩返還前において核があったのかというお尋ねでございまするが、そうしたことにつきましてはいろいろ国会等で論議はございました。しかし、私どもは、核はないということで政府としては皆さん方にお答えをしてまいったところでございますし、沖繩返還前も返還後もそうした核抜きの体制でいくということでおるわけでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 防衛庁長官、要するに防衛庁長官はこれから沖繩における基地を将来どのようにお考えになっておるか、そしてまた削減縮小をするというお考えがあるとするならば防衛庁長官としてアメリカとどのようにして話し合いをされるのでしょうか。全く口だけで沖繩、本土並みということだけを言ったって、現実の問題としてはほとんど縮小されないままに現在基地が残っているわけじゃないですか。ですから、これから沖繩の県民の方々に、政府としてどのように取り組んでいかれるのか、基地の縮小をやっていかれるのか、具体的に明らかにしていただきたいですね。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 先ほど私が発言しました中でちょっと訂正申し上げたいことがございますが、今後返還予定であるものが四千七百三十四万平方キロメートルと申し上げておればそれは間違いでございまして、四千七百三十四万平方メートルでございます。キロメートルで言いますと約四十七平方キロメートルということになります。  ただいまお尋ねの点は、先ほどもお答えいたしましたように、米側と日本側の最高の関係者が日米安保協議会というところで、米国が沖繩に持っておる基地について返還できるものは返還してくれという話し合いを、先ほども申し上げたように過去三回において重ねてまいりまして、その結果、先ほど申し上げたように、どこの施設はどういう移設をやって返してくれというような今後の話し合いがつきますれば、今後、先ほど訂正いたしました四十七平方キロメートルのものを返す予定である。ただし、これは移設を伴い、またどこへ移転をするかといったような困難な問題がありますので、そういう話し合いがありますが、なかなか実現が困難であるという状況でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 過去三回話し合いが持たれたけれども、現実の問題として実際には基地が縮小されていないということでしょう。過去三回おやりになったけれども実際には基地が縮小されていないということなんですから、今後政府はどのようにして沖繩県民の方々に基地の問題についてお約束をされるのかということを申し上げたいのですよ。それについて具体的な案がなければ沖繩、本土並みと言えないじゃないですか。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 たびたびお答え申しておりますように、今日まで約一千万平米のものは返還になっております。それからさらに四千七百万平米のものを今後どうやって実現していこうかという段階にあるということをお答え申し上げておるわけです。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 基地の問題については、防衛庁長官、やはり基地の中に沖繩本土があるような状態を放置しておくわけにはいかないですよ。ですから、防衛庁長官として少なくともこれに対して全面的な努力をされるということをこの際御公約なさったらどうなんですか。その点についてはどうでしょうか。

三原朝雄自由民主党防衛庁長官

○三原国務大臣 日本の安全保障について、先ほども申しておりますように、沖繩県民の方々に非常な過重の負担をかけておることは十分受けとめておるわけでございます。これから全面的に沖繩の基地を本土並みにするということをここで約束せいということでございますが、私どもといたしましては、現在、アメリカがわが国の安全保障について一つの有力な協力者になっていただいておるわけでございまして、この基地を一挙に全面的に縮小するというようなことを、いまここで鈴切委員に申し上げる立場ではございませんが、私どもといたしましても沖繩県民の心情はよくわかりますし、将来に対する希望も持つ県民生活がしたいという心情もよくわかるわけでございますから、極力、私どもも基地の統合整理、縮小について最大の努力をするということだけはここで申し上げることはできまするけれども、全面撤回について返答せよと言われましても私から申し上げることのできないことは御了承賜りたいと思うのでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 もう一つは、基地の削減と同時に、沖繩の方々の生活の本土並みということを総務長官は言われたわけでありますけれども、確かに沖繩の皆さん方は長い間御苦労されたわけでありまして、そういう意味から言うならば、全面的にこれをバックアップしてあげなければならないと私ども思っておりますが、沖繩の地籍不明による混乱というものがずっと続いてきておるわけでありますけれども、政府はこの問題についてどのように御認識をなされておりましょうか。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○藤田国務大臣 沖繩開発庁の方がいま受け持っておりますのは、民間の土地の地籍を明確にすべき点でございます。これは二十万平方キロ弱あると思っておりますが、集団和解という方式によりまして、現在、西原村それから沖繩市の一部、読谷村の一部、それに取りかかっておる次第でございます。この集団和解が進んでいきますと、最後の詰めがむずかしい点がございます。最後の詰めのむずかしい点をどうしたらいいかということで、現在はこの三つの経緯を生かしましてその方策を考えておるような次第でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 沖繩の地籍不明であるという面積は約二十万平方キロメートルあるというわけでありますけれども、字にしますと大体幾つでしょうか。

亀谷禮次沖繩開発庁総務局長

○亀谷政府委員 ただいま大臣が御答弁申し上げた中の数字について私から若干補足修正をさせていただきますが、大臣が申し上げました民地につきましては、県の調査の結果がわれわれの手元に届いております数字では約二十平方キロ、これに防衛施設庁所管の基地の中で不明地と言われておりますのが約百二十平方キロでございます。合計百四十平方キロ程度と理解をしておりますが、お尋ねの問題でございますけれども、私ども開発庁が県と所管しておりますいわゆる基地外の不明地域におきましては、町村数で十五市町村、これは字の数でございますが、いわゆる字数で約六十件というふうに理解しております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 十五市町村あるわけですね。いわゆる基地外の不明地が十五市町村あって、字に直すと六十件あるわけですね。いま現在、沖繩開発庁はこれに対して何件手をつけておられますか。

亀谷禮次沖繩開発庁総務局長

○亀谷政府委員 お答えいたします。  復帰後五年間、この問題に県と共同で携わった経過から申し上げまして、復帰後の二年間が、先ほど御答弁しましたいわゆる不明地域の総体の把握を県とともに行いました結果、二年かかりまして、いま私が申し上げましたような総体として二十平方キロ、字の数で六十ということが判明したわけでございまして、五十年からこれの基礎調査に入り、五十一年にはその一部、御案内の西原村において実態の調査及び和解に至る行政措置に入ったわけでございます。結論から申し上げまして、現在西原村及び沖繩市並びに読谷村の三市町村につきまして境界確定作業に入っておりまして、現在詰めておりますところがこの中で六字界でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 これは問題じゃないですか。今日地籍明確化のためにいわゆる沖繩開発庁が精力的に取り組んでおると言いながらも、実際には地籍不明のところが六十件あるというのに、わずか六カ所しかやってないということは、あと五十四カ所はそのまま何も手をつけないでおるわけですね。

亀谷禮次沖繩開発庁総務局長

○亀谷政府委員 ただいまお答えいたしましたように、復帰の時点におきまして民地に係る境界不明地域の総体の概査がまだ完了しておらなかった時点で復帰をしたわけでございます。そこで、復帰の時点におきまして、県の土地調査事務局、これは先生も御案内のように、復帰前長期にわたって沖繩の境界不明土地の調査をやってきた事務部局でございますので、県と相談の上で、早急に全体の状況を把握することが必要だということになりまして、県の了承のもとに二年かかりまして概査が終わったわけでございます。  その後、ただいま申し上げましたように、五十年、五十一年と実体の措置に入ってきたわけでございまして、私どもとしては、先生の御指摘のように、復帰後直ちに境界不明地域の確定作業に入らなかったという点について御批判をいただくことはごもっともであろうと思いますが、いま申し上げましたような経緯で、全体の把握、それからこれに取りかかる準備、それから先生も御案内のように、現地におきましてこれらの関係地主がそういった連絡協議の態勢の整ったところから逐次実施をするという体制でもございまして、御指摘のように必ずしもすべての市町村にわたって一斉に行われてないという点は、率直にわれわれも、やむを得ないこととは思いますけれども、認めるところでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 問題ですね。六十件あって実際に五十四件は手をつけていないという状態でしょう。その手をつけた六件ですけれども、いまあなたがおっしゃったように、西原村あるいは読谷村、ほかの問題を含めて六件手をつけたわけですけれども、それではこれは完全に地籍が明確になっていますか。

亀谷禮次沖繩開発庁総務局長

○亀谷政府委員 細かい数字になりますので、若干お許しをいただきたいと思いますが、五十年度から入りました西原村につきましては、いま私が申し上げましたのは字界でございますが、ブロック数にいたしまして、これがさらに小分けをされまして七十五ブロックございます。この七十五ブロックのうちで現在すでに完全合意をいたしましたブロック数が五十四ございます。なお未合意の二十一ブロックが残っておりますが、このうち数人の方の最終的な同意がとられないという問題もございまして、総体の結了のところまで至っておりませんが、この中の相当部分については実質的に合意に達しておると私たちは承知しております。  なお、県からは書類の手続等もございまして、先般この五十四合意ブロックのうちの十五ブロックにつきましては、内閣総理大臣によりますところの国土調査法に準ずる認証を受けるべくすでに国土庁にも送付し、その結了を見る段階でございます。  なお、沖繩市につきましても、百二件のブロック数でございますが、すでに合意に達しているブロックが八十ブロック、それから読谷村におきましても、現在なお作業続行中でございますが、合計五十八ブロックのうち、すでに十六ブロックが合意に達しておりまして、残余の未合意ブロックの中でも、私どもの聞いておりますのでは、五月ごろには県から認証の手続をとるための申請が相当数上がってくる、こういうふうに聞いております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 いま御説明があった状況をつまびらかに見ますと、合意をしているのもありますし、それから未合意の部分もあるわけでありますけれども、どうしてこんなに地籍を明確化するのに未合意であるかという問題について、皆さん方はどのように判断をされておるか。このようにして未合意が残ってしまうわけですね。未合意が残ってしまうと、これはやはり認証することはできないわけでしょうから、そういう意味からいいますと、実際に地籍の明確化はできないわけです。ですから、そういう点から考えて、未合意が残るというのはどこに欠陥があるのですか。

亀谷禮次沖繩開発庁総務局長

○亀谷政府委員 ただいまお答えをいたしましたように、実例で申し上げますと、西原村の場合、合計七十五ブロックのうち、すでに完全に合意をいたしましたブロックが五十四あるわけでございます。なお未合意のブロック数二十一につきましても、その大半は事実上合意に達しておるわけでございますが、中で若干の方が土地に係る権利調整について最終的に合意をされてないわけでございます。  具体的な事例について類別して申し上げますと、私どもが承知しておるケースといたしましては、復帰前、いわゆる米軍割り当て土地ということで書類上登記された土地と、今回各個人間で調整された結果との土地の境界が異なっている、こういう問題について最終的な合意をされないという問題もございます。あるいはまた、中にはその境界の変更に伴います新たな所有権関係の中で、その地域の中に市町村道のようないわゆる公共の用に供せられる土地等が介在をしまして、これらの土地に関連をして諸種の問題が起こり、最終的に合意に達してない、こういうケースもあるように理解をしております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 政府から出されたいわゆる地籍明確化法案ですけれども、それは御存じのとおり基地内における地籍を明確化すると同時に恒久法だというので、悪法であると言われているわけですけれども、基地内における地籍を明確化したって、隣接する地籍が明確化になっていなければ、これは実際には明確化にならぬじゃないですか。基地内は皆さん方が一応それなりに線引きをされて、これで地籍が明らかになったというふうにおっしゃっても、結局その隣接する基地以外の土地の実際の地籍が明確化になっていないと、その接するところはどうするのですか。接点はできないじゃないですか。線引きできないじゃないですか。これはどうお考えになっていますか。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 いまの点は、政府の案では、基地の中にある土地に隣接する同じ字のところについては防衛施設庁が地籍を明確にするというような考え方で政府案が出ております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 基地の周辺の字について地籍を明確化するというわけでありますけれども、結局その隣の地籍というものが明らかにならなければ、線引きができないじゃないですか。そうじゃないですか。

亀谷禮次沖繩開発庁総務局長

○亀谷政府委員 私、実は昨年まで現地の総合事務局長をしておりまして、現地の防衛施設局所管のいわゆる基地の中の境界不明土地及び隣接する民地の境界不明土地の問題は、先生のおっしゃいますように、やはり相当関連があるわけでございます。それはいろいろな面にも今後協力して作業を進める必要もあるわけでございまして、私の承知しております範囲では、現地にも、防衛施設局及び開発庁総合事務局並びに地方法務局及び県及び関係市町村をもって、現地におきますところのこれら境界不明土地調査のための連絡会議、調整会議等を持ちまして随時並行してそういった問題のそご、粗漏のないようやるということで連絡調整をしたというふうに私も理解をしております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 防衛庁長官が出されました基地確保法案というものは、基地並びにその周辺ということでありますけれども、周辺のさらにまた周辺というのがあるわけでして、そういう意味からいいますと、地籍明確化というものは沖繩全土の地籍不明地に対してやらなければならないということは当然のことだと思うのですが、その点については防衛庁長官はどうお考えですか。あのような法案についてあなたたちはまさか固執をされるわけがないとは思いますけれども、地籍について混乱を起こさせる法案だというふうに私は思いますけれども、この点についてどう考えますか。

三原朝雄自由民主党防衛庁長官

○三原国務大臣 基地及び基地の外との関係調整等が基地内の地籍明確化に関連をして、いま御指摘のようなことのあることも承っておったわけでございます。したがって、いま開発庁から御答弁がございましたように、私どもの方におきましても、この基地の外の字を境にして地元の関係者、それから開発庁あたりと相談をしながら実は鋭意努力を続けて今日まで参ったというのが実情でございます。いま御指摘のように、しかしそれがまた全体に影響するではないか、波及してくることであろうということも、いま御指摘のことについても、私どもも実際に地籍整理をする間においては、開発庁とともに全体のそうした地籍明確化をやる必要があるということも認めてまいっておるところでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 いままでこのようにして地籍不明による沖繩県民の方々は大変に御苦労をされておるわけですね。政府は、果たしてこの沖繩の県民の方々の地籍不明によるところの生活への影響というものに対してどのように認識をされておるか、認識が甘いのではとてもこの地籍明確化という問題は、これからもさらに重大な問題であると同時に、なかなかできるものじゃありません。だからまず、地籍不明に伴うところの沖繩県民の生活への影響というものをどれくらい深刻に感じ取っているか、その点についてちょっと御答弁願いたいと思います。

亀谷禮次沖繩開発庁総務局長

○亀谷政府委員 しばしば委員会及び各方面で私どもの所管開発庁長官から御答弁申し上げておるところでございますが、この地籍明確化の問題は、沖繩の振興開発を遂行する上でいわば土地利用の基本にかかわる問題でございます。と同時に、個人個人の土地所有者の方におかれましては、いわば土地の紛争が解決をしない限り、個人の方としても土地の有効利用ができない、こういう意味で、いわば私人の生活にも大きなかかわりがある。こういう意味において私どもは当然、先生の御指摘のごとく、沖繩の開発上及び個人の経済生活上もきわめて重大な影響を及ぼしておる、こういう認識を持っておるところでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 復帰に際して政府は、沖繩における地籍不明問題を早急に解決すべく特別の処置を講ずべき責任があったと私は思うのですけれども、なぜ立法上の特別措置を講じなかったのですか。今日までほっておいたのですか。

亀谷禮次沖繩開発庁総務局長

○亀谷政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生の御指摘の地籍明確化の法制上の問題は、確かに私ども復帰の時点から検討してまいったつもりでございます。ただ、当時からこの特別立法が必要であるという論議も確かに国会で御指摘がございまして、われわれも拝聴しておるのでございますが、先生も御案内のように、特別立法というものがその内容においてきわめて私権にかかわる重大な問題を含んでおりますので、自来、慎重に検討を要するものとして今日に至っておるわけでございまして、実は冒頭御答弁申し上げましたように、この問題に関連をしまして、四十七、四十八と復帰後の二年間におきまして、現状の把握をするための早急なる調査が必要であろうということで、県と協力のもとに現在のような調査をやったわけでございます。その後、これらの地域につきまして、くどいようでございますけれども、どういう形でやるかという論議になりまして、ただいま申し上げましたように、四十九、五十の二カ年にまたがりまして、県を含め防衛、開発、法務、国土庁等関係省庁で数次にわたる協議検討いたしました結果、軍用地につきましては防衛施設庁、非軍用地につきましては開発庁と県がこれに対応することにしたわけでございます。  ただ、この措置に並行いたしまして法制上の検討も逐次やってきたわけでございますけれども、ただいま先生の御指摘の内容に触れさせていただきますと、結局、最終的にこの地籍を確定するための集団和解に関連をいたしまして、最終合意に至らない問題を行政法上どういうふうにこれをフォローするかということになりまして、昨年の秋、先生も御案内のように、すでに県当局からは開発庁長官の行政裁定に関連をした法案の要綱もいただいておるわけでございます。これらの点につきましては、しばしば申し上げておりますように、いわば土地の所有権の確認という行為につきまして行政上の裁定ということを伴う法規をつくるということにつきましては、立法、司法及び行政の接点として非常にむずかしい問題がございまして、いろいろと論議を今日までしてきたのでございますけれども、やはりそういった措置にまで踏み切るにはなお相当の問題があるというふうに考えてきたわけでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 いま問題点を御答弁なさったわけでありますけれども、集団和解ということが結局思うようにいかないということなんですけれどもね。これについて、政府はあえて集団和解方式を捨てるということでなくしてさらに続けていこうということでありますけれども、集団和解が行き詰まってしまっているにもかかわらず、さらに新しい物の考え方がそこに出てこなければ、この地籍の問題については相も変わらず地籍の明確化ができないままに推移するというごとは間違いないじゃないですか。その点について集団和解方式でやるのだやるのだと言っても、結局、最後の接点のところにおいて、いわゆる私の地籍がそうじゃないと言う人が出た場合、これは結局そういうふうな混乱のもとをつくると同時に、何ら解決の方法にならぬじゃないですか。

亀谷禮次沖繩開発庁総務局長

○亀谷政府委員 ただいまの先生の御質問は、集団和解というものだけでは最終的な解決ができない場合についての措置もなお考えた上で、政府は今後現状の行政措置を続けるか、こういう御質問だと思いますが、率直に申し上げまして、集団和解という現在の民法上のたてまえは、社会、公明、共産三党の御提案のいわゆる地籍明確化法の中でも原則としてはうたわれておると理解をしておりますけれども、最終的にそれによってもなおかつ解決しないという問題の一つの解決手段として、所管します開発庁長官が行政裁定をするというやり方で実際にできるかどうか、こういう議論を絶えずわれわれも論議をしてきたわけでございます。  御専門の先生にはくどいようでございますけれども、私どもの現在までの検討の結果で申し上げますと、御案内のように現在の土地の権利の確定、確認という行為が、いわゆる民事法体系上から申しまして、最終的にこれの紛争解決の手段はいわゆる民事訴訟によるところの訴訟体系に組み入れられているわけでございます。  しからば、これを行政裁定という形でなし得るかということでございますけれども、われわれが政府及び関係方面と論議をいたしました現在までの結論では、現在の民事体系上行政裁定という一つの行政行為によってこれを確定をするということには相当無理がある、問題がある、こういうふうな結論を持っておるわけでございます。  なお、もう一点つけ加えて申し上げさせていただきますならば、社会、公明、共産三党の御提案のいわゆる地籍明確化法案の中でも、あくまで原則は集団和解であり、なおかつ合意ができない場合に行政裁定をすると書いてございますが、しかしこれは現在の民事法体系上のいわゆる民事訴訟を拒否をしておられません。これでどうしても行政裁定でできない場合には、やはり上級裁判所に上訴するという道が当然補完的になされているところでございます。そういたしますと、仮に行政裁定をいたしましても確定をできないという場合、結局いわば民事訴訟法体系で最終判決まで行くわけでございます。  そういたしますと、現在の三党御提案の法律案でも、最終的にはこの土地の権利の確定を現在の国土調査法に基づきますところの国土調査に準ずる措置として内閣総理大臣の認証にかかわらしめるというふうに規定されておるように私も理解しておりますが、いま申し上げましたように、仮に行政裁定をしたといたしましても、やはり不同意の方があるという前提で上訴審が認められるという法体系にならざるを得ないといたしますならば、国土庁の国土調査に準ずる、いわゆる内閣総理大臣の認証によりますところの職権登記は最終まで確定ができないという意味においては、やはりこの行政裁定ということ自身が民事法体系上問題がありますと同時に、最終的な結論にはならない、こういう問題もあると私どもは理解をしておるわけであります。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 三党提案のいわゆる地籍明確化法案は、やはり沖繩の県民の皆さん方が大変に悩んだ末、これ以外にないということで、確かに集団和解方式というものを続けながら、最終的には行政行為が必要であるということに判断したわけでありますけれども、いま政府が言うように、集団和解方式だけでそれでは最終的な問題が解決するかということになると、私は全く解決されないと思うのですが、何か具体的な考え方はないのですか。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○藤田国務大臣 ただいま局長が申し上げましたようなことでございますが、おっしゃいますように、集団和解方式で煮詰めるところまでは煮詰めていきまして、最後に残った点を何らかの形で解決しなければならぬわけでございますが、局長が申し上げましたように、行政裁定ということはどうも民事の体系になじまない。いろいろ協議をいたしました。そこで、三党提案には調整審議会というのがございましたが、こういう審議会のようなものを経た上で沖繩開発庁長官が意見を述べる、あるいは勧告するというふうな形のものであれば、これを有効に使うというふうなことば、強制力がありませんからもちろん地方自治体の御協力も要りますし、またそれぞれの土地の所有者の方々の御協力も要るわけでございます。しかし、これを有効に使えるような方策を考えねばならぬではないか、かように考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 沖繩開発庁が市町村並びに沖繩県の意見を聞いて、そして最終的には集団和解方式ではどうにもならない部分については勧告をするあるいは意見を述べるというふうなことを考えておられるようでありますけれども、いまおっしゃったように、勧告とその意見を述べるということは全く強制力がないんじゃないですか。となりますと、最終的にトラブルを起こしている問題について勧告をするあるいは意見を述べられても、私は承服できないという場合はどうなんですか。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○藤田国務大臣 それは先ほど局長が申し上げましたが、やはり訴訟に訴える、それ以外には手がないと思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 では、いま現在訴訟にあるその場所について集団和解方式を進めていくことは何ら弊害がないということでしょうか。現在もうすでに訴訟が起こっているというところで集団和解方式を進めていったって、そこのところは残るんじゃないですか。その部分はどうするのですか。たな上げするのですか。

亀谷禮次沖繩開発庁総務局長

○亀谷政府委員 各地域におきますところの土地境界紛争の訴訟について私は正確な把握をいたしておりませんが、先般聞きましたところでは、いわゆる与那原地区の市街地の中でかねて係争中の民地につきまして、那覇の地方裁判所において一応結論が出た案件を承知しております。これは私から弁解で申し上げるわけではございませんが、先生方に現地を御視察いただきました中の一つの事例といたしまして西原村で現在ほとんどのところが合意をしておりますけれども、なおごくわずかの地区について完全に合意に達してないところがございます。その一つの事例で申し上げますと、私が先生の御質問にお答えしましたいわゆる割り当て土地で現在登記されているところが今回のお互いの修正によって土地が変わる、こういう問題が原因の一つだと申し上げた事例に当たるかと思いますが、私のお聞きしております件では、いわば従来御自分の土地だと考えておられました中に井戸がある、この井戸が今回のいわゆる関係地主間の話し合いで復元をした結果、御自分の井戸でなくなる、相手の土地に移る、こういうケースがあるそうでございます。私は正確には理解をしておりませんが、沖繩の県民の方の県民感情としてこういう井戸というものに対する信頼といいますか関心が非常にお強いようでございまして、この問題はいわばそういった利害を超えまして絶対に現在持っておられる方は承服をされないそうでございます。こういうケースは、私は、現在三党で御提案されております開発庁長官が行政裁定をするという裁定をされましても恐らく同意をされないのではないか、非常に僭越でございますが、そういう感じを持っておる次第でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 要するに話し合いがなかなかつかないということで行政訴訟をしていますね。そのときに、まず私どもの考えから言いますと、行政訴訟について、これはたな上げをして、そして集団和解方式に入っていくというふうなシステムをとっております。それでどんどん進めていくというかっこうになるわけでありますけれども、皆さん方が考えておられる考え方からいいますと、集団和解方式の中でそういう訴訟の起こっている部分についてはたな上げもしないで、結局どのようにして集団和解をしていくかという問題については何ら回答になってないじゃないですか。その点はどうなんですか。

亀谷禮次沖繩開発庁総務局長

○亀谷政府委員 ただいま御質問の点も三党御提案の中に、私の理解が間違いでございませんければ、いわゆる行政裁定にかかわらしめる案件につきましては一時民事の訴訟を停止することができる、こういう条文案があるように理解をしております。それに関連しての御質問かと承知をした上でお答えをするわけでございますが、この点につきましても行政裁定に関連する各種の諸問題として法務省その他関係省庁と累次にわたって詰めてきたわけでございますが、現在まで私どもの理解をしているところでは、いわゆる民事訴訟体系の中において、これらの行政裁定にかかわらしめる紛争解決のために民事の訴訟、審判を停止するということについては相当問題があるというふうに私は聞いておるところでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 民事の訴訟を停止することが非常に問題であるというふうに言われているわけです。とするならば、訴訟を残して集団和解方式というものはできないのじゃないですか。結局問題は、地籍明確化はいま政府が考えているようなやり方ではこれはできないという結論になってしまうのじゃないですか。民事訴訟をたな上げしないで、そしてそのままにしておいた場合には、訴訟である以上は完全にそこはトラブルがある場所ですから、トラブルがある場所に対して皆さん方は集団和解方式をおやりなさいと言ったって、訴訟をされている場合においては、問題は訴訟に持ち込んであるからと言って恐らく沖繩の県民の方々は集団和解方式には乗りませんね。とすると結局それは取り残されてしまって地籍は明確にならない、こういう結論になりますね。

亀谷禮次沖繩開発庁総務局長

○亀谷政府委員 先ほど私現在の進捗状況の中で御答弁申し上げた点に関連をいたしますが、西原村においても現在すでに五十数ブロックは完全合意に達しているところでございますが、なお残余の二十数ブロックにつきましても大半の方は賛成をしていただいております。ただ数人の方がやはり最終的に御納得をいただけないということで、一時これの処理が停滞をしているという現状でございます。私どもは基本的にいわゆる行政裁定というものが立法、司法、行政の接点といたしまして非常にむずかしい問題を含んでおるということでなかなかこれに踏み切れない、こういうことを率直に申し上げているところでございまして、先ほど大臣から御答弁いたしましたように、もしこれを行政裁定という形でないにしても、いわば現地における意見を十分くみ入れた上で妥当、合理的な線、境界等について、行政官庁としての強い勧告と申しますか、こういった措置がとられるとすれば、それも現状からして相当の前進措置となるのではないか、こういうふうにも考えております。  なお、冒頭申し上げましたように、先生の御質問の行政裁定が仮に民事法体系上調整がつくといたしまして決定をいたしましても、現在の民事体系で上訴をとめるわけにはまいらないという点もあるわけでございますので、先ほど私が御答弁したような困難な事案についてはやはり最終的には結論が残る。そういたしますと、結局現在の国土調査に準じてこれを内閣総理大臣が職権調整をやって登記簿の変更ができるという制度に乗せるには、結論としてはやはり最終の民事の判決を待たざるを得ないということにおいては現在の法体系で同じになるのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 実際に地籍の不明化によるところの訴訟というものが行われておりまして、裁判に訴えて最終的にはどのような結論が出たかといいますと、結局はお互いに話し合う以外ないということですね。こういう裁判の結論が出ておりますね。それであるならば、その訴訟の問題に対して、地籍が不明になっている場所の解決というものは、結局また和解方式に戻ってしまったのでは、これはいつまでたっても結論は出ないということじゃないですか。そうですね。それから与那原の場合、ちょっと例を申し上げますと、たしか四、五カ所くらいあったかと思いますけれども、老朽化した、そして家を建てようと思ったところが、いきなりこれは私の土地ですよということで訴訟に持ち込まれてしまって、家も建たないという問題がございますね。そうした場合において、具体的に与那原のそういうふうな地籍の明確化について、政府は和解方式で果たしてこれができるかどうかという問題について自信がおありですか。

亀谷禮次沖繩開発庁総務局長

○亀谷政府委員 与那原の事例は先生もよく御案内のように、沖繩の民地におきます土地境界紛争の中ではきわめて困難な事例の一つであろうと考えております。私の理解が間違っておらないといたしますと、あの与那原地区のすでに市街化された地上権者の住んでおられます地域につきましては総体で約四千坪の面積が足らない、いわゆる割り当て地の関係において足らないというふうに、間違いがないとすれば理解をしておりますが、これらの相当部分が市街化された、いわゆる市街地の道路の拡幅その他によって相当土地が変更されておるというふうにも理解をしております。大臣が先ほども御答弁いたしましたように、これらの問題の根底には、私が冒頭申し上げましたような一つの困難な事例として、割り当て土地が今回のお互いの相互間の調整によって変更された中に、いわゆるつぶれ地と申しますか、現地で言われております市町村道のような公共道路あるいは水路、河川等のようなものがありまして、個人の土地の総体の権利エリアからしますと、結果的にその分だけが減耗と申しますか実質的には個人の価値から落ちる、こういう問題もあるということを前提にした紛争の困難な解決事案ということにもなろうかと思っております。先生が御指摘の点は私はそういうふうにあえて具体化をして御答弁しているわけでございますが、こういった問題につきましては、先ほど大臣が御答弁を他の議員の方にもされておったところでございますが、今後関係の中で、これらの問題について具体的にこれらについての所要の措置が財政上とられるというふうなことを前提に考えますならば、これらの紛争解決もそういったことを契機にかなり円満な解決に向かう要素になるのではないか、こういうふうに考える次第でございます。     〔委員長退席、竹中委員長代理着席〕

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 いまあなたは、くしくも与那原において実際の登記面とそれから土地の実測との違いということをおっしゃいましたね。四千坪も違うというのです。しかし、土地の権利者はそれぞれ権利を主張しながら固定資産税を払っているでしょう。固定資産税を払っているというその問題について、権利があるから当然それに対して固定資産税を払う。また固定資産税については、市町村はその権利に基づいて実際には固定資産税を取っているわけですね。実測は結局四千坪も少ない一いうのに、どうしてこれを調整するのですか。

亀谷禮次沖繩開発庁総務局長

○亀谷政府委員 ただいま私が申し上げましたのは与那原について申し上げたわけでございますが、いわゆる民地全体の紛争地についてこれを概括的に考えますと、私の見解としてお許しいただきますならば、全体としての面積がいわば固定をされたという場合に、この中で入り組みがあって非常に足らないという場合もあろうかと思います。いわば従来の地上権利者、いわゆる土地権利者と考えておられる方の登記面積が現実に今回復元をした結果、戦前持っておられた土地をオーバーをしておった、こういう場合もあろうと思いますし、もう一つは、戦後米国民政府の手で土地所有権証明を発行する際の割り当て土地が行われたときに、それぞれ申告をされた面積が実測の面積をも超えていたというケースもあろうかと思います。確かに先生も御指摘のように、これらの紛争の事案が今日に至った原因は、何と申しましても個人それ自身の方の責めにのみ帰するのには非常に酷なケースであろうとは思っておりますけれども、私どもはやはり個人間の面積の移動あるいは権利の調整という問題については、個人間の問題として最終的には解決をされるのもやむを得ないのではないかと思っておりますけれども、先ほど来私ども、大臣も御答弁しておりますように、関係の方面でこれらの紛争解決の手段としていわばつぶれ地等の問題が財政の補完措置を裏づけにした形で解決をされる方途がとられるとすれば、これはまた一つ解決のための有力な要素となるのではないか、こういうふうに御答弁しておる次第でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 公共施設とか道路については、これはつぶれ地に対して補償をするということをいまおっしゃっているわけですけれども、しかし、実際に四千坪の食い違いがあって、固定資産税を払っておるその中において、実測は四千坪足りないわけです。これに対しての調整をどのようにされるのですか、四千坪について。しょせん不可能に近いじゃないですか。そうしてまた、固定資産税を払って権利を主張しておったところが、実際には実測がそれよりも少ないということで、片一方の方では固定資産税まで払っておって、そうして権利を主張しておるのに、最後は和解方式でやりなさいと言ったって、これはなかなかむずかしい問題じゃないですか。そういう問題について、果たしていま政府が考えているような集団和解方式でこれが可能であるかということですね。まず私は不可能であると思う。それくらい沖繩の問題については地籍が非常に入り組んでいるし、むずかしい問題があるわけですから、それをやはり相変わらず和解方式だけでやり、しかも最終的には勧告と意見を言うということだけで果たしてこれができるかということについて、本当に自信がおありなんでしょうか。

亀谷禮次沖繩開発庁総務局長

○亀谷政府委員 私どもは現在の時点で、与那原のような困難なケースを含めまして一〇〇%直ちに円満解決するとは決して自信を持って申し上げるつもりもございません。ただ、冒頭からしばしば申し上げておりますように、しからば三党御提案のように、行政権を法的に裏打ちをしまして行政裁定をすることができれば問題はないわけでございますけれども、残念ながら現在の民事法体系上、この点については相当問題があるということが、現在の時点における結論でございます。     〔竹中委員長代理退席、委員長着席〕  もう一方、くどいようでございますが、行政裁定が、一歩譲ってと申しますか、仮になされたといたしましても、私がただいまお答えしましたような特殊な事案が相当あるわけでございまして、やはり本人がそれでも納得をしないケースも当然予想をされます。こういったことを考えますと、仮に民事法体系との調整が万が一にもついたとしまして、行政裁定という法規定がなったとしましても、直ちにそれをもって、いわゆる内閣総理大臣が国土調査法に基づきますところの、いわば国土調査に準じた認証ということにはならないということもございますので、最終的には極力関係地主の方のいわゆる集団和解と申しますか、話し合いを詰めていきまして、大多数のものはこれによって解決をしていく。なおくどいようでございますが、困難な事案で残りましたものについては、この委員会を通じて各先生方からいろいろな御議論、御提案のあるところでございますので、あらゆる方法を駆使いたしまして、これの解決の要素と契機に持っていくように政府としても心がけていきたい、こういうことでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 沖繩開発庁長官、いま局長が言われたように自信はない、自信はないけれども、やってみる以外にないという話ですね。実際に地籍の不明の土地にいろいろ権利がふくそうしているわけですから、なかなか集団和解方式ではできないわけですよ。その点について勧告あるいは意見を述べるということだけにとどめているわけでありますけれども、そうした場合に、恐らく私は、デッドロックに乗り上げてしまう問題が起こると思うのですね。そのときには沖繩開発庁長官、どういうふうにされますか。

藤田正明自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○藤田国務大臣 先ほど来たびたび申し上げておりますように、極力集団和解でもって、話し合いでもって解決をしていきたいと思いますが、先生おっしゃいますように、最後にそういう問題が残るかもしれません。そのときには強制力がありませんけれども、地方自治体それから審議会、それらと協力をいたしまして、意見を述べる、勧告をするということをいたしたいと思いますが、なおかつそれで解決がつかなければこれは訴訟ということにならざるを得ない、かように思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 公用地の暫定使用ですね、五カ年間ということであったわけでありますけれども、政府は、公用地の暫定使用五カ年間、次の五カ年を迎えるときには何らかの措置をするというふうにおっしゃっておりましたね。この公用地暫定使用の五カ年間をさらに延ばすつもりですか。

三原朝雄自由民主党防衛庁長官

○三原国務大臣 お尋ねの暫定措置法を延ばすかどうかという問題でございますが、御承知のように五月十四日をもって日にちが切れるわけでございます。その間に皆さん方の審議を得てまいらねばならぬという事態でございます。こうした状態の中でございますので、でき得ますならば、というよりも、ぜひひとつお願いをいたしたいのは、五年間延長をさしていただきたいということをお願いを申し上げておるのでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 政府は初め公用地の暫定使用は五カ年間で、あと何かそれなりの立法措置をするというようなことをおっしゃっておったわけです。またそれを延ばすということになれば、これは問題ですね。沖繩の方々は、公用地の暫定使用を延ばすということは、これは承知しませんよ。なぜこの問題についてもう少し何らかの対処をする方法をお考えにならなかったのですか。

三原朝雄自由民主党防衛庁長官

○三原国務大臣 御承知のように、前国会におきまして、お願いをいたしたいということで出てまいっておりました。事態は御承知のような結果になってまいりました。なおまた、実際に出しておりまする法案自体を御審議を願うにつきましては、御審議を願って可決いたしましても、いよいよこれが施行の準備をいたしてまいりますのに二、三カ月はかかるという事態でございました。そういうことでございまするので、実際上私はこの法案の審議を一日も早くお願いをいたしたいということで、委員会の方に御相談をいたしておったのでございまするが、その際に、これはすでに沖繩が復帰をいたします時点から、地籍問題が沖繩の将来に対して非常に大きな問題であるし、これをぜひ県民のためにやらねばならぬということで、野党の方々から新しい法案も出てまいり、また県段階からも新しい法案が出てまいりました事態でございました。  そこで私といたしましては、政府が提案をいたしておりまする法案と、そうして野党から出していただいておりまする法案、また民社党なり新自由クラブ等の御意見等も承ってまいりますると、それをお互いが党派を超えて調整をして、沖繩の将来を考えて、新しい地籍法案を考えていこうと思っておるというような審議の過程の中で御意見を拝聴いたしておりましたので、私自身、政府が出しております法案を通すこと自体も、今国会の状況等を見てなかなか至難な状態である。でき得ますならば、政府が出しておりまする法案と、野党の出していただいております法案、そうして民社党なり新自由クラブの御意見等を御調整を願って、審議の中で最終的に、時限立法でございまする特別措置法等の問題も関連をしながら御検討願いたいという期待を持って皆さん方にお願いを申し上げてまいったのが現在までの状況でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 公用地暫定使用のいわゆる五年間というものに対して、本当に政府として暫定使用の五年の間にどれだけの努力をされたのですか。何を具体的にやられたのですか。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 暫定使用法ができました当時に、暫定使用法に基づいて使用をしておる地主の方が約三千人いらっしゃったわけでございますが、これが暫定使用法の一条二項で、この法律に基づく使用ではなくて、なるたけ所有者の方々の御了解を得て契約にする努力をしなさいという訓示規定が法律にございまして、われわれとしましてはこの一条二項の精神に従いまして、三千人の方々に基地として賃貸借をしていただく努力を過去五年間大いにやってまいったつもりでございまして、その結果、四月一日では約四百二十人ぐらいの未契約者になっております。この努力は三千人が四百数十人になったわけでございまして、なかなか相当な苦労があったわけでございますが、一方において、この基地の中の位置境界が明らかでない土地については、これは復帰の直後から、四十七年から基本的な調査を行い、四十九年にはこの調査に要する経費も予算として認めていただいたので、地籍を明らかにするためのいろいろな資料、物証あるいは戦前の写真、戦後の写真、そういうものを入手しまして、そうしてそれを図形化し、地籍明確化のための努力をやってきたわけでございます。そういう努力を五十一年もやっておりますし、今後もやっていきたい。そういうことによって地籍の明確化を一方において図るとともに、法の精神に従って未契約の方をなくしていくという努力を今日までしてまいったわけでございますが、遺憾ながらなお四月一日で四百二十人ばかりの方々の御了解を得なくて、その人たちのお持ちになっておる土地に対しての手当てがつかないという遺憾な事態になっておるわけでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 公用地暫定使用でしょう。暫定なんですね。五年間という暫定なんですよ。だから五年を超えればこれが切れることはあたりまえじゃないですか。そうでしょう。これはもうすでに五年前にわかっているのですよ。すでに五年前にわかっていながら今日までほっておいたということについては、これは政府の責任は重大ですよ、公用地暫定なんですから。それに対して何ら手も打たないで、しかも四百二十人の方々がこれに対して反対をされているという現実を防衛庁長官、どうお考えになりますか。

三原朝雄自由民主党防衛庁長官

○三原国務大臣 いま施設庁長官が申しましたように、最大の努力をやってまいったのでございまするが、最終的に四百名の方々においてなお契約をすることができないという事態でございます。努力の跡は私自身も現地の職員等から承っておるのでございまするが、最大の努力をして何とかひとつ契約を完結して、暫定措置五年の期限を守りたいということで努めてまいっておるのでございまするが、事態はいま斎藤長官が申し上げたような事態でございまするので、この事態を踏まえていただきまして、何とか委員会において、野党から出ておりまする地籍整理法案とともにわが政府が出しておりまする法案等を勘案していただいて調整を願い、しかも五月十四日の期限ということになっておりまするので、皆さん方の最終的な御判断に基づく、日本の安全保障の問題と関連をし、長い間の日米関係の歴史的な事情なり、なおまた日本の安全保障体制の完遂という問題等も踏まえて、ぜひひとつ委員会における審議の結果、対処、解決を願うような事態に持っていっていただきたいということをお願い申し上げておるところでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 五月十四日、十四日とおっしゃいますけれども、五月十四日というのはもう五年前から決まっておったのでしょう。その間に政府としては特別立法か何かをつくるということをお約束になったんじゃないですか、暫定使用のかわりに特別立法をつくると。そのように言われているわけですよ。なぜそれをおつくりにならなかったのですか。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○斎藤(一)政府委員 当時の模様は、使用の問題についてではなくて、地籍の明確についての何らかのやり方を考えようかということであったというふうに承知しております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 いま施設庁長官、特別立法について、地籍の問題についてそれを約束したというようなお話ですが、特別立法だってやってないじゃないですか。地籍の問題だってやってないじゃないですか、実際には。これは今日までほったらかしにしているじゃないですか。そうでしょう。まして基地の暫定使用についても、これまた沖繩県民にうそばかり言って何もやってこないじゃないですか。そして今日、五月十四日だと言ってこのような不正常な状態において審議をせよということ自体が、本来ならば大変な問題です。だから余りにも防衛庁の方では勝手過ぎますよ、そんなことは。特別立法をなぜつくらないのですか。

亀谷禮次沖繩開発庁総務局長

○亀谷政府委員 先生の御質問の一部と理解をいたしますが、復帰直後の国会におきまして、当時の山中開発庁長官が国会の審議におきまして、この地籍の明確化をめぐる御論議の中で、特別立法をする必要があるのではないかという御質問に対して、いろいろ検討を進めてまいりますと最終的には特別立法が必要ではないかというふうにも私は考えておるところでありますが、この問題は主権にかかわる重大な問題でございますので、そういった立法化をする場合にはどういう問題があるか、そういった観点から慎重にこれも検討したい、こういうふうに私は御答弁をしていただいたというふうに理解しております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 いま現在、社会党もそれから共産党も入らないような状態、これは私は明らかに沖繩の苦悩だと思うんですよ。しかも私ども、社会党と公明党並びに共産党三党共同提案に係るところの地籍の明確化という法案を出しているわけですね。出していながらその審議に加えられないというのは、実際これは沖繩の苦悩ですよ。ですから私は、あえて五月十四日のこの問題について、すでに五年前にこういうことが起こることを承知しながらほったらかしたという政府の責任に対して論及せざるを得ないのですが、それに対して政府はどのようにお考えになりますか、防衛庁長官どのようにお考えになりますか。

三原朝雄自由民主党防衛庁長官

○三原国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、私どもといたしましては衆参の本会議におきましても申し上げましたように、政府が出しておりまする法案を今国会において十分審議する時間的な余裕があるかどうか、そういうような問題もあわせて、二月初旬に出しました法案についてまず検討をし、そして内閣委員会において、時限的な法案でございまするので、できますれば早く審議を願うことができますまいかというお願いもしてまいったところでございます。なおまた、その当時以前から、沖繩県において県から出していただいておりました法案もあり、これを中心にしていま申されましたように社会、公明、共産においてなお新しい法案をつくっておいていただく、あるいは民社党も新自由クラブも御意見を提示していただいたのでございます。そういうことを踏まえてまいりまして、その法案ができるまで内閣委員会の審議なりあるいは各党間における調整等もしばらく待てというような御意見等も拝聴いたしまして、何とかひとつ五月の十四日という日にちは、ぜひ私どもといたしましては守ってまいりたいという希望を申し上げて今日に及んだわけでございます。なおまた、今国会におきましては連休等が続き、いまいろいろ御指摘がございましたような御期待に沿い得なかった事情もあると思うのでございまするが、実際の事態はそういう経過をたどってきたことでございます。特に鈴切先生におきましては、この野党三党の法案の整備等について非常な努力を願ってまいりましたし、そういう点で政府が出しております法案と関連を持たせながら、この委員会において新しい修正なりをしていただくことができればという期待を持って今日を迎えておるというのが現状でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 政府が出してきたいわゆる基地の確保法案、これは明らかに基地の恒久化をねらい、そして地籍においても御存じのとおり基地内におけるところの地籍の明確化であって、完全にそれ以外の民有地に対する地籍の明確化をうたってない、そういう内容のものであったということは事実ですよ。ですから私ども野党三党は、沖繩県民の心をつかみ、また沖繩県の意見を聞いて、そして野党三党による共同提案の地籍明確化というのは、沖繩が今日まで抱えてきた地籍明確化に対する御苦労に御苦労を重ねた結果、どうしてもこれ以外に方法がないということで私どもは三党共同提案を出したわけです。  そういうことになりまして、初めて防衛庁並びに政府の方はほおかぶりできないということで全面修正をしようというようなことになったわけですね。だから、本来ならば、もしもわれわれ、沖繩県民の方々がこの地籍の問題の世論を盛り上げなければ、政府は完全に基地確保法案だけを通して、そして軍用地を強制収用するというようなそういう考え方しかなかったのじゃないですか。これでは許されません。そういうことを考えまして、私どもは慎重審議ということを何としてもやっていかなければならないということで、まだまだ明らかになっていない点がたくさんあります。しかし、私は一応約一時間半ぐらいはやったでしょうか、そういうことで、私ども公明党の質問も三人はできることになっているわけです。そういう意味において、きょうは私の質問については一応はここであれしますが、関連質問があるということでございますので、関連質問を許していただきたいと思います。

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 関連質問の申し出があります。これを許します。新井彬之君。

新井彬之公明党・国民会議

○新井委員 先ほどからいろいろと議論をされているわけでございますが、私は委員長にお伺いをしたいわけでございます。  今回のこの法案につきまして、委員長を初めとして多くの方々が現地視察に参加したわけでございます。その中でいろいろとお話を聞かしていただき、あるいはまた参考書類等をいただいたわけでございますが、私自体も本当に、沖繩県民のそれこそいままでの苦労と申しますか、そしてまたそれに対する努力と申しますか、そういうことを痛いほど知ったわけでございますが、きょう初めてこの法案が審議されたわけでございます。私はいろいろな資料に目を通すにつけて思いますことは、四十七年の五月のあの復帰のときにも佐藤総理が出てきていろいろなことを約束もいたしておるわけでございます。あるいはまた当時の山中総務長官もいろいろなことを約束いたしておる。そういうような経過を見ますときに、当然やはり沖繩の県民の方々のなぜそれができなかったのかということもあわせて、今後これをどうしてくれるのかということについては、やはり現地のいろいろな状況にあわせて慎重に審議をしていかなければならない。したがいまして、当然地元の町長さん初め、あるいはまた県の担当の方等に参考人として来ていただいて事情も聴取しなければいけない、あるいはまた公聴会もしなければいけない、その結果としてやはり連合審査なり総理なり、当然これは審議をするべきであるということを私は強く確信をしておるわけでございますけれども、それに対して委員長のお考えを聞いておきたいと思うのであります。

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 新井彬之君の御質問にお答えを申し上げます。  慎重審議をすべきであるということについては、委員長も同感でございます。そのために参考人の招致あるいは連合審査をやるべきであるという御意見もごもっともかと思いますが、御承知のようにすでに三日間にわたりまして現地を調査しました。これは各党の責任者がみんな参ったわけであります。しかも今日までにわれわれとしては各党の代表の方々といろいろお打ち合わせをしてまいりました。本日はいわば最後の時間的制約もございまして、私からお願いをいたしまして、できるだけ早く委員会を開いて御審議をお願いするようにいたしましたが、諸般の情勢上大変時間的制約を受けたことは残念でございます。しかしながら、先ほど来御熱心に御審議をいただいておることについては、委員長として心から感謝を申し上げる次第であります。

新井彬之公明党・国民会議

○新井委員 いまそういうお話でございましたが、私はもう先ほども申しましたけれども、とにかくこの五年間というものはいろいろなことが約束されて現実にできなかった。きょうまたここでいろいろな問題というのがあるわけでございますけれども、本当の慎重審議というのは、一歩でもよくしょうと思えば、やはり参考人等を呼ばなければいかぬ。ましてきょうは社会党も共産党も、沖繩県民を思う気持ちは一緒だと思いますが、それが出席でき得ないというような不規則な状況の中で、これ以上委員会というのは進められないんじゃないか、このように思うわけでございますが、いかがですか。

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 お答えをいたします。  社会党及び共産党の御出席方については、先ほど来、累次にわたりまして、鈴切委員その他受田委員等からも御発言があり、私も全力を尽くして努力をいたしましたことは御承知のとおりでございます。一たん休憩をいたしまして理事会を開いたのもそのためでございます。しかし、残念ながら御出席を得なかったことは本当に遺憾でございます。  さらにまた、ただいまのように連合審査、参考人の招致等の御提案もございましたけれども、すでに先ほど来委員各位と政府側との質疑応答によりまして、この問題については時間的制約上それが不可能であるということも、私は非常に残念ながら事実であろうかと存じます。

新井彬之公明党・国民会議

○新井委員 私は、このような委員会運営については、いろいろな問題から見て、これはもう当然われわれは認めるわけにいかぬ、このように思うわけでございます。したがって、きょう急いで採決する必要はない、こういうぐあいに思うわけでございますが、その点いかがですか。

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 先ほど来政府側と委員各位との質疑応答でも明らかなとおり、本日はすでに時間的な制約は最後の段階に来ておるかと存じます。私どもといたしましてはどうしてもこれを採決せざるを得ないことを遺憾ながらはっきりと申し上げざるを得ないのであります。(発言する者あり)

新井彬之公明党・国民会議

○新井委員 私自体も質問をするならまだ幾らでもあるわけです。しかし先ほども申し上げましたように、実際問題の具体的な例というような問題についてもやはり町長さんから現実にもう一度よく確認をする、そういう問題点も多々こっちも調査をしたわけでございますし、これはきょうのみならず、これから委員会を当然続行すべきである、このように強く申し上げます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 委員長、このようにして社会党も共産党も出席されない状態の中にあって、慎重審議と言っても、しょせんは二つの政党の意見は反映されない。それは沖繩の声が反映されないことになるわけです。私ども一党が、それも一人が質問をしただけにとどまって、あとまだ二人ですからね。そういう意味において、これからも社会党並びに共産党の方々を呼ぶ努力をされて、そして審議を続行していただきたいのです。そのように要望しますけれども、委員長はどうお考えですか。

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 鈴切委員にお答えを申し上げます。  すでに御承知のとおり最大限度の努力をいたしましたが、実を結ばなかったことはきわめて残念でございます。すでにその定刻も過ぎておるようでございますので、私としては遺憾ながら御要望に沿いかねる次第でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 慎重審議をやるということは委員長の約束であったはずですね。ところがこのようにしてきょう採決をしなくてはならないということは、これは慎重審議にならぬのですよ。二党が欠席のまま、そして全野党あるいは三党共同提案に係るところの地籍明確化の問題についても、われわれはもっと言わなくてはならない問題があったわけですよ。にもかかわらず、これをあえて委員長がきょう採決をするということであれば、私どもはその採決には参加ができませんからね。その点についてはっきり申し上げておきますから。

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 できるだけ御参加をいただきたいと思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 それはできません。はっきり。  私どもは、このように慎重審議をしなくてはならないこの場所において、質疑を打ち切るつもりですか。

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 質疑を打ち切る——私がそういう意味はございませんが、時間がすでに相当経過しておる、こういうことでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 いやなら、ぜひ社会党それから共産党を呼ぶ努力をされませんか。

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 先ほど十分いたしたわけであります。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 さらにまたやる気持ちはございませんか。

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 すでにその時間的余裕はないと考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 それでは、われわれはあと二人を残して慎重審議をやろうというのに、要するに公聴人あるいは総理、そういうふうな手続も全部省くつもりですか。呼ばないですか。地元の参考人も呼ばないのですか。

正示啓次郎自由民主党

○正示委員 遺憾ながら私はきょうはもうその限界に来ておるということを申し上げざるを得ないのであります。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 では私どもは退席せざるを得ません。

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 大変残念であります。  受田新吉君。

受田新吉民社党

○受田委員 いま公明党の議員も退場をされたわけですが、まだ時間は、本日十二時まで一時間数十分あるわけでございますが、委員長におかれまして、この歴史的な法案が審査の最終段階で、残された時間を、さらにいま一度社共両党の諸君にも強く呼びかけていただいて、ちょっとの時間でもいい、一言質問をしてもらう余裕はないものか。先ほどから委員長の御発言はよくわかります。私も先ほどからこの提案をして委員長の努力を認めておるのでございまするが、この時点においてなお残された時間を有効に使う道はないものかということが一つです。  同時に、この法案の審査には、すでに現地視察以来何回か各党の責任者たちが会合をしまして、事実上の審査が相当の日数に上っておるということは私認めます。同時に、できるだけ各党の意見調整をして現地沖繩県民の皆様にお報いして、さっきから私の質問でも申し上げました長い御苦労を埋めておつりができるぐらいにお手伝いをしたい、この気持ちを持ってやってきたわけございますが、その点におきましては、審査というものについてはその回数においては代表者同士の話し合いは相当な回数に上っております。ただ、公式のこの委員会の開催がきょう一日であったということでありまして大変残念でございますが、けさ早くからやればこれは非常に量の多い質疑応答ができたのでございまするが、残念でした。ただ一言でもこの残された二党がここで質問をしてくれるならば、私たちさらにこの上ない満足があるわけでございまするが、いまの段階では万策尽きて打つ手なしということかどうか、この点を確認をさしていただきます。

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 受田委員にお答えを申し上げます。  すでに先ほど鈴切委員にお答えをいたしましたとおり、また新井委員にもお答えをいたしましたとおり、受田委員その他の御協力を得て、社会党、共産党の委員の御出席方についてはすべてを尽くしたわけであります。万策尽くしたというところでございまするので、御了承を願いたいと存じます。  これにて両案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 この際、木野晴夫君、受田新吉君及び中川秀直君から、内閣提出の沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案に対する修正案が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。木野晴夫君。     —————————————  沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案に対する修正案     〔本号末尾に掲載〕

木野晴夫自由民主党

○木野委員 ただいま議題となりました修正案につきまして、自由民主党、民社党及び新自由クラブの各派を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文はお手元に配付してありますので、朗読は省略させていただきます。  本案は、沖繩県における位置境界不明地域の位置境界明確化等に資するため、所要の措置を講ずるとともに、沖繩における公用地等の暫定使用に関する法律の暫定使用期間を五年間延長するものであります。  何とぞ御賛成をお願いいたします。(拍手)

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 これにて修正案についての趣旨の説明は終わりました。  本修正案に対する質疑の申し出もありませんので、この際、国会法第五十七条の三により、内閣に意見があればこれを許します。三原防衛庁長官。

三原朝雄自由民主党防衛庁長官

○三原国務大臣 沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案に対する議員修正については、政府としては事情やむを得ないものと考えます。     —————————————

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 これより沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案及びこれに対する修正案を一括して討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、これより本案及びこれに対する修正案について採決いたします。  まず、木野晴夫君外二名提出の沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案に対する修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。(拍手)  したがって、政府原案は、本修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。  なお、ただいま修正議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 起立総員。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

正示啓次郎自由民主党

○正示委員長 次回は、明十日火曜日午前十時理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後十時二十一分散会      ————◇—————

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