内閣委員会 第13号
- 発言数
- 163 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1977/04/26
会議録
○木野委員長代理 これより会議を開きます。 去る四月二十日より三日間、内閣提出の沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案及び安井吉典君外二名提出の沖繩県の区域内における位置境界不明地域内の土地の位置境界及び地籍の明確化に関する特別措置法案の審査の参考に資するため、委員を沖繩県に派遣いたしました。 この際、派遣委員より報告を聴取いたします。正示啓次郎君。
○正示委員 沖繩の実情調査につき、派遣委員を代表して、その概要を御報告申し上げます。 派遣班は、私、正示啓次郎と木野晴夫、竹中修一、木原実、長谷川正三、受田新吉、逢沢英雄、関谷勝嗣、栂野泰二、新井彬之、市川雄一、米沢隆、柴田睦夫、中川秀直の各委員で構成し、現地において上原康助、玉城栄一、瀬長亀次郎の三議員の参加を得て、四月二十日から二十日までの三日間の日程で、内閣提出の沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案と、安井吉典君外二名提出の沖繩県の区域内における位置境界不明地域内の土地の位置境界及び地籍の明確化に関する特別措置法案の審査に資するため、現地の実情を調査してまいりました。 日程第一日目は、沖繩県における基地問題、土地問題等につきまして平良知事、知花議長並びに関係団体の代表者からそれぞれ陳情を聴取いたしました。 知事からは、境界不明地域にかかる地籍明確化に関する特別法制定の促進と政府提出法案の廃案方について、議長からは、沖繩基地の本土並み返還、返還地に対する補償措置、地籍明確化の早期実現等について、沖繩県市長会及び同町村会の代表者からは、沖繩県案の趣旨に沿つた地籍明確化のための土地調査に関する特別法の早期制定等について、権利と財産を守る軍用地主会の代表者からは、政府提出法案の立法取りやめといわゆる地籍確定法の早期立法等について、沖繩市町村軍用地等地主会連合会の代表者からは、基地内における地籍問題の早期解決を図るため、政府提出法案の早期成立方について、それぞれ陳情がありました。 次いで、沖繩総合事務局、沖繩県土地調査事務局、那覇防衛施設局から、土地問題等について概況説明を聴取いたしました。 総合事務局及び土地調査事務局の説明によりますと、昭和四十七年から同四十八年までの間に、沖繩県が地籍の概況調査を行い、同県内における境界不明地の総面積は非軍用地約二十平方キロメートル、軍用地約百三十平方キロメートル、合計約百五十平方キロメートルと推定されているとのことでありました。 同県における非軍用地及び復帰前返還基地跡地の土地調査につきましては、沖繩開発庁がこれを分担し、作業は県が実施いたしております。昭和五十年以来、西原村、読谷村、沖繩市で境界設定作業が進められておりますが、割り当て土地問題等解決のむずかしい問題が残されていることが指摘されておりました。 また、那覇防衛施設局からの説明によりますと、本年一月一日現在で、八十四の防衛施設のうち、位置境界を明らかにする必要のある施設は六十施設で、その面積は約百二十二平方キロメートルであり、これらの位置境界を明らかにするため、その周辺の約十平方キロメートルの土地を含めて調査が必要であるとのことでありました。本年四月一日現在における防衛施設用地にかかる賃貸借契約状況につきましては、所有者件数二万七千九百四十件のうち二万七千五百二十件が契約に応じており、また、いわゆる公用地暫定使用法の適用状況は、本土復帰時の約三千件から、その後の契約努力等により四百二十件に減少しており、引き続き土地所有者との賃貸借契約について努力しているが、未契約の土地は公用地暫定使用法の期限後においても残る見通しであるとのことでありました。 第二日目及び第三日目は、旧キャンプ・ブーン、嘉手納飛行場、嘉手納弾薬庫地区、読谷村部屋、波平及びボロー・ポイント地区、読谷補助飛行場、天願通信所、沖繩市高原地区、西原村、与那原町に所在する位置境界不明地等の実情を視察してまいりました。 これらの調査内容につきましては、今後、委員会における質疑等を通じて明らかにされることと存じますので、省略させていただきます。 なお、現地視察の際、各地区ごとに抱えている土地に関する諸問題の解決措置の推進方について、それぞれの関係者の代表から陳情があり、また、読谷飛行場用地所有権回復地主会の会長及び読谷村長から、読谷飛行場用地の所有権回復についての陳情がありました。 今回の調査を通じまして、沖繩県の特殊事情にかんがみ、その土地の位置境界及び地籍の明確化のための特別の立法措置並びに返還土地の跡地利用についての特別の措置が必要であると痛感された次第であります。 以上、御報告申し上げます。
○木野委員長代理 これにて派遣委員の報告は終わりました。 〔木野委員長代理退席、委員長着席〕 ————◇—————
○正示委員長 次に、厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上田卓三君。
○上田委員 私は、現在大阪を中心におきまして起こっております救急医療の確立を求める条例制定直接請求運動について、またいわゆる救急指定病院の医療体制の問題につきまして、若干、質問を申し上げたい、このように思うわけであります。 この直接請求の運動は、大阪におきまして三月一日より始まっておるわけであります。大体有権者の五十分の一があればいわゆる法定有効数ということになるわけでありまして、大阪においては十一万二千の有権者があればそのことが成立するわけであります。先週土曜日ですでに二十七万五千の署名が集まっておりまして、昨日三十万を突破した、これは商業新聞においてもそのことが報道されておるわけでございます。 このような運動がなぜ大阪で起こってきたのかということでございますが、これは言うまでもなく、大阪府の救急指定病院でございました斎藤病院におきまして五十七名ものとうとい命がでたらめな医療で奪われるという悲しい出来事が起こったわけでございます。当然この斎藤病院には、にせ医者事件とも言われましてにせ医者もおったこともこれまた事実でございます。そういう点でだれもが本当に安心してかかれる救急医療を何としても確立しようではないかということから、五年前でございますが、被害者の会ができたわけであります。そうこうしているうちに、全国の各地におきましてもいわゆる救急患者が病院をたらい回しにされるというようなことが起こりましたし、とりわけ千葉県の木更津市で二十五回もたらい回しされるというようなことになりまして、これの訴訟運動が起こったわけであります。こういうような状況が反映いたしまして大阪での運動となったわけでありますが、これに対して、本来ならばこの運動に対して全面的に協力ということでなくても、多大な理解を示さなければならないところのいわゆる医師会——日本医師会でございますが、ここはこの運動をこのようにいま言っているわけであります。歴然たる医療国営の企図であるとか、あるいは策謀である、あるいは医療の本質を知らぬ暴論、こういうような形で批判をいたしておるわけであります。そういう点でひとつ渡辺厚生大臣に、大阪において救急医療の府条例制定の直接請求運動が起こっているということを知っておられるのか。また、これに対して医師会が反対の態度をとっておることに対して、厚生省としてどのように考えておるのか。まず一点、冒頭にお聞きしたいと思います。
○渡辺国務大臣 詳しいことはわかりませんが、条例の請求運動があるということはよく知っております。
○上田委員 そのことに対して医師会は反対の態度に立っておるということを知っておるか、あるいはそのことに対して厚生省はどういう考え方を持っておるか、お聞かせ願いたいと思います。
○渡辺国務大臣 委細はわかりませんので、医務局長から答弁させます。
○石丸政府委員 その条例制定の案文でございますが、われわれ五つの原則、あるいは四つと言ってもいいかとも思いますが、その原則については承知いたしておるところでございまして、その直接請求の原則に対して大阪府医師会の方でいろいろ意見が出ているということはよく承知いたしておるところでございます。ただその内容等についてのわれわれの考えということでございますが、われわれといたしましては、いずれにいたしましても関係者の意見が一致しまして国民のためによりよい救急医療体制が早くできることを熱望しているところでございます。
○上田委員 大阪での運動を知っているということ、あるいは大阪の医師会がそれに対する一定の見解を持っているということについて厚生省の方では関知しておるということでありますが、ここに日本医師会の声明文なるものがあるわけでございまして、後からこの問題点について述べたい、こういうふうに考えますので、あと私はこの問題にしぼって御質問を申し上げたい、このように思います。 さて、ここに五十一年度の十月に消防庁の方から出ております「救急救助業務の現況」という本があるわけでございます。われわれはたらい回しということを言っておるわけでございますが、消防庁あたりではこれを転送という用語で言っておられるようでございますけれども、この中では、五十年中の搬送人員は百四十七万六千八十五人であった、このうちの九七・三%に当たりますところの百四十三万五千九百八十二人について詳しく数字を挙げてこの状況を報告されておるわけであります。この中で、搬送されたと言われる人数が、いわゆる調査可能でありました百四十三万五千九百八十二人中何と二・四%に当たる三万四千二百七十四人が一回以上転送されたという形に出ておるわけでありますが、一分一秒を争う救急医療では、たらい回しという状況は本当は致命的ではないか、こういうように私は考えるわけであります。 そういう点で、特にこの中でお聞かせしていただきたいことは、一回転送されたのが何人なのか、二回が何人なのか、三回が何人なのか、一から三が三万三千五百十八人というような形で出されておるわけでありますが、この点について資料が非常に漠然としておりますのであれでございますが、消防庁の方から、この内訳がわかっておりましたらお知らせいただきたいと思います。
○持永説明員 お答え申し上げます。 一回から三回までの内訳でございますけれども、結論から申し上げますと、その内訳は私どもの方では実態を把握いたしておりません。と申しますのは、転送についての調査が始まりましたのが一昨年でございまして、現地の消防機関の方でもまだ十分なデータあるいは記録の蓄積がないということもございます。一方私どもの方でも、とりあえずこの程度の調査をしておけば大方の概要は把握できるのではなかろうかということで、いま先生がお持ちのそういう形式で調査をいたしております。しかしながら、御指摘ございましたように、確かにこれだけでは十分でないと私ども思っておりますので、今後さらにこの調査の内容につきましては改善をしてまいりたいと思っております。
○上田委員 これは人の命にかかわる問題でございまして、そのように大ざっぱに計算されてはたまらないわけであります。そういう点でこの調査が一昨年から始まったということでありますから、五年、六年前のことを聞いているのではないのです、一昨年の分というならば、去年あたりからもうすでにこの一回から三回転送のものが三万三千というように数字が出ているのですから、一回が何ぼで二回が何ぼで三回が何ぼで、そうして合計三万三千幾らということで出てくるのじゃないですか。わからないということ自身怠慢なんじゃないですか。そういう資料は全然ないのですか。あるんだけれどもいま手元にないということなんですか。どうですか。
○持永説明員 先ほど申し上げましたように、私どもの方で調査をいたします際に、一回から三回という形で調査をいたしておりまして、現在のところはその内訳については資料がないわけでございます。したがいまして、今後の問題としては、この調査の形式を改善をしてまいりたいと思っております。
○上田委員 調査自身がやられてないということでありますから、早急にやはり一回は幾ら、二回は何人という形でこれからきちっとひとつ調べていただきますように、そしてそのことについて御報告をいただくようにお願いをしておきたい、このように思います。ただ、そういう大ざっぱな統計の仕方に対して私は非常に不満であります。非常にけしからぬ態度だ。人命にかかわる問題をそういうような形でおろそかにしているということに対して非常に不満であることを申し添えておきたい、このように思います。 次に、先ほどの直接請求に対して日本医師会の声明書では、いわゆるヒステリックなマスコミの言っているようなたらい回しはほとんどないというようなことで言われておるわけであります。ところがいま消防庁のお話では、たらい回しという言葉は使っておりませんけれども、転送という形でたらい回しの現状がここに報告されておるわけであります。 そこで、この「救急救助業務の現況」で言うところの転送の解釈でありますが、ただ単に電話で収容病院を何回探したというのではなくして、実際に救急車が病院を回った回数と理解していいのか、その点ひとつお答えいただきます。
○持永説明員 私どもの方で転送と言っておりますのは、いま先生がおっしゃいましたように、現実に救急車が回った回数でございます。電話で問い合わせいたしました分につきましては、先生がお持ちの資料の別のページに書いてございます。
○上田委員 私もそのように解釈しておるわけであります。 ここで言うところの転送回数ゼロというのは最初急患を運んだ病院、そうして転送回数一というのは二軒目の病院へ運んだということであろう、こういうように思うわけであります。そういう意味でやはり転送はゼロが一番いいわけでありまして、転送が一ということは、一回運んだけれどもだめだったので次へ行った二軒目を一と言うことになるわけでありますから、一分一秒を争う救急患者の問題でございますから、そういう点で一、二、三と回数がふえるごとに人の生命がそれだけ粗末に扱われているということになるのではないか、私はこういうように考えるわけでありますので、平均的で結構でございますが、一回転送がふえるごとに大体どのぐらい、たとえばいまここで救急患者が発生したというときに、第一回目のいわゆるゼロの地点で病院へ運んでいくときに大体何分かかるのか、それから次の転送一のところへ行くのに何分かかるのか、大体平均的な数値があればひとつ御報告願いたいと思います。
○持永説明員 転送についての時間がどのくらいかかるかということにつきましては、これはいろいろなケースがございまして、平均的に大体何分ぐらいということはなかなか申し上げにくいわけでございますけれども、一般的に救急患者が発生しまして救急車が消防署から出場いたします、その時間からはかりまして、医療機関に収容されるまでの時間、これが田舎のへんぴなところだったら時間がかかると思いますけれども、一般的に都会でございますと大体二十分ないし三十分という数字になっております。したがいまして、その場合にさらに収容ができなくて転送するという場合、これは転送自体につきましてはそれほど時間は、恐らく数分という時間で次の医療機関にたどり着くことはできると思いますけれども、むしろ問題は、運ぶ時間そのものよりも収容されるべき医療機関を探すのに非常に時間がかかる、そういうことで、どちらかといいますと、その探す方の時間が場合によりましては一時間、二時間はかかる場合もあり得るということでございます。
○上田委員 ケースによって違うことは当然でありまして、都会などでは二十分ないし三十分ということを言われたわけでありますが、それ以上の場合も当然起こってくるだろうと思いますし、あるいは問題なのは、そういう転送先の告示病院を探すのに手間がかかる、それで一時間も二時間もかかる場合があるということであります。そこでやはりこれらのケースについて具体的に、Aのケースの場合は病院へ担ぎ込まれるまで何分かかったのか、あるいはそれから転送されるときにどれくらいかかっているのかということは、やはり具体的なケースとして記録にとどめておく必要があるのではないか。そしてそれが全体でどうなっているか、大阪の場合どうなっているか、東京の場合どうなっているか、あるいは農村府県の場合はどうなっているかということを私はちゃんとデータを出していただきたい、これからそういう形で調べていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 そこで、この本によりますと、昭和五十年の救急出場件数は百五十三万七千七百六十二件でありますが、このうちいわゆる急病と言われるものが八十万四千百二十七件、五二・三%であります。それから交通事故でありますが、これは三十万六千六百五十九件、一九・九%であります。いわゆる急病と交通事故を合わせますと全体で七二・二%になるということでありますから、そういう点で救急患者というものの圧倒的部分は急病と交通事故であると言っても過言ではなかろう、こういうように思うわけであります。ことしの三月三日の参議院の社会労働委員会における恩地参考人によれば、大阪府下の交通事故死の四〇%が受傷後三十分以内に死亡しておるというわけでありますから、三十分以上過ぎれば大抵死んでしまうということになりかねないわけでありますから、一分一秒を争うものであるということがここでわかるのではないか。そういう意味で、転送回数が一とか二ということはあってはならないことでありまして、転送回数はゼロ、すべてがゼロ、またそれがゼロだけではなしに、本当に一分、二分で、あるいは少なくとも十分以内には病院へ担ぎ込まれて手当てが受けられるということにしなければならぬ、こういうように思っておるわけであります。日本人の死因の最大を占めるところの脳卒中も、発病時には手術によって助かる者が多くなっておるわけでありますし、また心筋梗塞についても転送がまさに命取りでありまして、どのようにスムーズに転送がされるかによって命が助かるか助からないかの瀬戸際に立たされていることは言うまでもなかろう、こういうように思うわけであります。 そこでひとつ、たらい回しですね、転送中の死亡者数は幾らおるのか、転送のそういう回数なりあるいは全体の数字はわかっておるわけでありますが、転送中に死亡した人は何人おるのか、データを出していただきたいと思います。
○持永説明員 転送中ないしは搬送中に死亡した者の数ということでございますが、これにつきましては、死亡の認定というものが非常にむずかしい。これは医師であればもちろんできるわけでございますけれども、救急隊員が車に乗っておりまして、車の中でいつの時点で死亡したということを判定することができないわけでございます。したがいまして、搬送中あるいは転送中に死亡したのが幾らかということは、本当は確かに先生御指摘のように大事なことでございますけれども、現実の問題としてなかなか調査が困難でございます。したがいまして、そういう調査はいたしておりません。
○上田委員 そんなばかなことを言わぬでおいてください。五十年中にいわゆる搬送された人数が百四十三万五千九百八十二人おるのです。だから私がいま聞いておるのは、当然この百四十万近い人たちが病院へ担ぎ込まれる道中に亡くなったのは何人おるのかということははっきりするのじゃないですか。車の中で亡くなっている、それは何時何分ということでなくても、病院へ着いたときには死んでおったということは、これは家族の方にどういうような形で説明つくのですか。あるいはゼロのところから一回転送する、最初の病院じゃなしに、そこで拒否されて次の病院へ行く道中で死んだ人が何人おるのか、一回目のときは何人死んでいるか、二回目のときはどうなっているかということは、実態がわからないということは一体どういうことなんですか。ちょっと説明してください。
○持永説明員 先ほど申し上げましたように、死亡の認定、いつの時点で死亡したということを判定するのは医師でない救急隊員が行おうといたしましてもなかなかこれはできないわけでございます。したがいまして、車の中で搬送中に亡くなったかどうかということについては判定もできないし、したがって調査もしておりません。 ただ最終的に医療機関に搬送された場合に、医療機関が収容した時点で医者が判定しまして、着いた時点ですでに死亡しておったというものにつきましては、たとえばこれは東京消防庁の例でございますけれども、全体の〇・四%に当たります八百七十二人、これは東京消防庁全体の搬送人員が約二十二万人おりますけれども、その〇・四%に当たるものが医療機関に患者が運ばれたときにはすでに亡くなっていたという数字は出ております。
○上田委員 ひとつ全国的な数字を明らかにしていただきたい、こういうように思います。 それからゼロから一回、一回から二回、二回から三回、ひとつ細かく知らしていただきたいし、当然病院へ担ぎ込んでお医者さんに診てもらった時点で息を引き取っておったというところまではやはり消防庁の責任と言うたら変ですけれども、それは病院へ担ぎ込んでそれからお医者さんの手にかかるまでの間というものもあると思いますけれども、その点はただに物を運んでいるのじゃないのですから、とうとい生命を運んでおるわけでありますから、その点についてはっきりと確認をしていただかぬと、それはどこで確認するのかということになりますとお医者さんだって知らぬわけでありますから、そういう点で転送中に幾らの人間が亡くなっているかということは、やはり実態を消防庁の方で調べていただくことが当然ではないか、こういうふうに私は考えるわけであります。 そこで厚生大臣にお伺いしたいわけでありますが、消防庁のデータが厳粛に示しておりますように、まことに許しがたいたらい回しは現に存在しておるわけであります。そして放置されておるわけであります。昭和五十年で、年間実に三万四千二百七十四人が一回以上転送されておるわけであります。日本医師会の四月十五日の声明書では「ヒステリックなマスコミがいっているようなたらい回しはほとんどない」というような声明があるわけでありますが、このことに対して厚生大臣はどのように思われるのか。国民の健康と福祉に責任を持つことが厚生省の責任だと厚生省設置法に明示されておるわけでありますから、医師会の声明に対して厚生大臣は一定の見解を出すべきではないかと思うわけでありますが、その見解の中身についてお聞かせ願いたいと思います。
○石丸政府委員 大臣からお答えする前に、私から事務的な一つの実態を御説明申し上げたいと思います。 それで、この転送の問題でございますが、消防庁の統計に示すように、そういった転送があることは事実でございます。ただ、その転送がなぜ起きるかという点で、今後厚生省がそれに対してどういう措置をとろうかということでございますが、搬送機関は従来から消防の方にお願いして非常に大きな御協力を得ておるところでございますが、その搬送機関とそれを受ける医療機関との情報が不足しているということが非常に大きな原因になっているのではないかというふうに考えるわけであります。すなわち、盲めっぽうに送り込んでくる——これは従来情報が非常に不足しておったために、救急患者の搬送は直近主義ということを消防庁の方でやっておられた。すなわち、患者がいるところから最も近い医療機関にすぐ送り込むという方策であったわけでございますが、そういったことを、情報をより綿密にするということで、五十二年度予算から救急医療情報システムというものを整備いたしたいと考えておるわけでございまして、消防の方で絶えず、どこの病院に何科の先生がいま当直をしておって、ベッドがあいているかどうかというようなことがすぐわかるように、したがって、患者から連絡があればすぐ適当な病院に送り込めるように情報の整備をやろうということで、この対応を現在考えておるところでございます。 そういった実態でございますが、この転送の中にはまたいろいろなケースがあろうかと思います。私、その数字を持っていないので、消防庁の方の数字によって一つの推測をするわけでございますが、現在医学というものが非常に進歩いたしまして、医療が細分化、専門化してきている現実にあるわけでございまして、したがって、最初運び込まれた医療機関において必ずしも十分な手当てができないというような事例も多かろうと思うわけでございます。そういった場合、よりよい設備の整った病院に転送するということも必要であろうかと思うわけでございまして、今後の問題といたしましては、そういういわゆる診療が行われないで転送される事例と、一応第一次の応急処置をした後、より適当な医療機関に転送する数の把握等についても、今後さらに努めてまいりたいと考えております。
○上田委員 発言の中身についてはまた議論したいと思いますが、いま盲めっぽうというお言葉を使われましたね。これは重大な差別発言ですよ。政府の役人が盲めっぽうという言葉を使うということが許されていいのですか。取り消してください。
○石丸政府委員 ちょっと言葉が適当でございませんでして、その点取り消します。
○上田委員 適当というような問題じゃないですよ。あなた、もっと勉強しなさい。
○石丸政府委員 承知いたしました。
○渡辺国務大臣 四月十五日の医師会の声明書に対して厚生大臣はどう考えるかということでございますが、この声明書は私も見ましたけれども、日本社会党政策審議会云々というようなところが発表した救急医療整備法案についての医師会の意見を述べたものだと思います。したがって、中身については私の関知するところではありません。
○上田委員 当然、厚生省が出した声明書じゃないんだから、中身について関知しない、そのことはわかります。しかしこの中で、Cのところで「いわゆるヒステリックなマスコミがいっているようなたらい回しはほとんどない」こう言い切っておるのですが、消防庁が出したこの資料によりますと、一回以上転送されたのが三万四千二百七十四件あるのです。二・四%あるのです。これが「マスコミがいっているようなたらい回しはほとんどない」という数字なんですか。このことを私言っているのです。
○渡辺国務大臣 私どもは、たらい回しがあるから、したがって、救急医療の体制をこしらえて、ことしは去年の四倍も予算をつけて、ともかく遅まきだと言われるかもしらぬが一生懸命やろうということで——たらい回しがなければ救急体制をやらないのですから、たらい回しがあると言われておるので、そういうものが絶滅をされるように努力をしておるところであります。
○上田委員 そうすると、日本医師会のこの声明書に出ておりますところの「たらい回しはほとんどない」というこれは間違っていますね。
○渡辺国務大臣 まあ、この内容について、ここが間違っている、ここは正しいというようなことを私が言い出すと切りのない話でありまして、私どもとしてはたらい回しがあるからやっておるのですから……。
○上田委員 あるからやっているということでありますから、医師会のこの声明の中身は全く間違っているということに解釈したい、このように私は思います。 そこで、この本によりますれば、救急患者の収容につきましては、国公立医療機関が一六・六%、公的医療機関が八・五%、いわゆる公的病院では二五・一%収容されておるわけであります。それから私的医療機関が五四・六%、私的診療所が二〇・三%、計民間病院が七五%ということになるわけであります。 この問題につきましては、現在の診療報酬制度にあっては救急医療制度そのものが採算がとれないということは周知のことだろうというように思うわけであります。点数出来高払い制の仕組みに基礎を置く限り、また採算を基軸にした私的医療機関に救急医療の責任の大半を負わせることは、そういう意味では民間依存の無責任体制であると言わざるを得ない、このように思うわけであります。そういう点で、何といっても救急恵者の七五%が民間の病院へ収容されているということに大きな問題があるのじゃないか。これはすなわち国なり地方公共団体の責任の回避ではないか。なぜ公的病院で救急患者を大半収容することができないのか、その点についてどのように考えておられるのか、御説明を願いたいと思います。
○渡辺国務大臣 数字的なことは医務局長から答弁させますが、御存じのように、現在の医療の実態というものから見て民間病院が圧倒的に多いというようなことですから、公的病院といっても国立とか自治体とかいうようなことになって、偏在をしておるし、数も少ない。公的病院が率先して救急医療をやるのは当然だし、厚生省関係の国立病院でやらしております。しかし、何といっても数の多い民間病院の協力を得なければならないという現状ですので、民間病院の協力が得られるような仕組みをこしらえていこう、こういうことを考えておるわけです。
○上田委員 私が質問しておるのは、やはり公的病院で徹底的に救急患者を収容していく、そういう体制をとって、なおかつ無理な部分については民間に依存する、協力してもらうということがあってしかるべきだと思いますが、要するに、民間が多いのだからという形で民間依存をそのまま放置して、公的病院のそういう社会的役割りというものを軽視してはならぬということを私は申し上げておりますので、その点念のために十分御理解をいただきたい、このように思います。 次に、救急告示病院ですね。救急告示病院で転送とかたらい回しがあるということ自身が大きな問題じゃないか、私はこういうように思うのですね。そこで、この本の中に、現実に救急告示病院でありながら転送がある、たらい回しがあるということが如実に出ておるわけであります。 その転送の理由ということになりますと、ここに出ておりますように、満床である、これが二三%あるというわけですね。医師不在が二〇%。次に、専門外である、専門の先生がいないというのが一七%あるということであります。次に、処置困難である、むずかしいというのが一六%になっておるわけでありますが、非常に私は理解できないわけであります。 といいますのは、救急告示病院というのは、その要件は、まず、相当の知識経験を持つ医師の常時診療が可能であるということになっておるはずであります。また次には、必要な施設設備を有するということであろうと思います。それからもう一つは、急患用の専用の病床または優先使用される病床がある。病床があるということが前提でありまして、この満床であるということは当たらないのじゃないか、常に救急患者が収容できるということが条件になっておらなければならぬ、こういうように私は思うわけであります。それから、搬入に適した構造、設備である、そういう点で、急患が入れるような、収容されるような施設設備、場所でなければならぬということになっておるわけであります。 この中で一番問題になるのは、満床であるということと、それから医師が不在であるということからたらい回しが起こっているということに対して、私は非常に納得できないわけであります。救急告示病院でないところへ行って、うちは救急告示病院ではありませんのでベッドが足りませんとか医者がおりませんというならこれはそれなりの理由があると思うのですが、救急告示病院でありながら、そこへ患者を連れていっても、医者がいないから、ベッドがないからといって断られるということは、これはもう救急告示病院でないのと一緒じゃないですか。その見解を聞きたいと思います。
○石丸政府委員 確かに、先生の御指摘のような事態があるわけでございまして、救急告示病院でいろいろな理由で転送が行われているということは、ただいま先生御指摘の数字のような状況でございます。 そこで、一つの問題といたしましてベッドについて申し上げますと、ある程度の空床を持っておったのが満床になったという場合もあろうかと思いますが、一番大きな問題として今後われわれが整備いたしたいと思っている点でございますが、これは御承知のように、モータリゼーションに伴っての交通外傷を主といたしまして外科の病院を対象として救急告示を行っておるわけでございます。しかし、最近の救急患者というのは、先ほど先生御指摘のように、わが国の老人人口の増加に伴いまして疾病構造が変わりまして、脳卒中とか心筋硬塞とかいう患者が非常に多くなった。もう一つは、社会的状況の変化がございまして、従来ですと、赤ちゃんの病気では母親の、母親といいましょうかおばあさんの生活の知恵で適当な応急処置が行われておったのが、最近の若いお母さんはそういった生活の知恵がなくなっている、そういった点で赤ちゃんの患者が非常に多くなった。そういう新しい事態に対応して救急病院の整備を行わなければいけないわけでございます。 救急告示は、先ほど申し上げましたように外科の病院を中心としてやったわけでございまして、その点実情と救急告示との間のギャップがあるわけでございまして、そういう点を考慮いたしまして、五十二年度から新たに第一次、第二次、第三次というような形での救急医療機関の整備を図っておるところでございます。
○上田委員 救急告示病院でありながらベッドが満員であるとか医師がいないということ自身問題があるわけでありますが、現実にそういう状況があるということもこれまた事実であろう、こういうように思います。 そこで、私よくわからないのですが、もしベッドが満杯である、あるいは医師がいないという場合は、搬送機関に、ここで言うところの消防署に対して、私のところの病院はいま満床ですよ、いま医者がおりませんよ、だから搬送してもらっても困りますよと言って——これは義務があるのじゃないですか。その病院へ運んでみて断られるというようなロスをなぜ繰り返すのですか。ここに大きな問題があるのじゃないかと思うのです。それなら、満床とか医者がいないというところに何も運ぶ必要ないのですよ。Aというところはもうすでにベッドがない、医者がいないということがわかるならば、Bという救急告示病院へなぜ直行しないのですか。最初の病院へ行って、そこで診療を受けられなくて一回目の搬送の途中で死んだときに、この責任は一体だれがとるのですか。厚生大臣、答えてください。
○渡辺国務大臣 御承知のように情報システムが完備してない、そこに問題がある。(上田委員「電話でいけるじゃないですか」と呼ぶ)あなたの言うように、だから消防署で全部一遍にわかるように——東京なんか消防署の中で大体わかる。だけれども、全国的に見ると、そういうふうにできているところはない。だから、ともかく、県単位ぐらいにそういうことがわかるような情報システムを整備するということが今回の改正といいますか救急医療体制の重要なポイントになっておるのです。それは確かに最初からわかっておれば行ってもむだだ、それならあいているところにすっと行くというように、すぐわかるようなシステムをつくらなければならぬ、そういうところに不備があるわけです。ですから、そういうようなことのないようにだんだんやっていこう、これがこの三カ年計画の内容になっているわけです。
○上田委員 そんな悠長なことを言ってもらっては困る。これからの問題は問題で討議しましょう。私は過去のことを言っているのです。一分一秒を争う人命にかかわる問題なのです。こういうものは、そこの病院が、院所が消防署に対して、私のところはいま急患を連れてきてもらっても処置できませんという電話がなんでできないのですか。私は、それはお医者さんの、病院の義務だと思うのです。また、消防署においても——これは消防署がすべきことであるのか、あるいは厚生省あるいは都道府県がすることかもわかりませんが、しかるべき病院に常に、満床のときは連絡してくださいよ、そしていまどことどことどこは何人ぐらい収容できる、どことどこはもう搬送しても意味がない、二、三時間ベッドが急患で無理であったとしてもまた何時間かたてばあくという場合があるわけでありますから、そういう行政の責任というものと、それから病院やお医者さんの心構えというのですか、当然しなければならない搬送機関に対する連絡責任ということはちゃんと義務化されているのでしょう。義務化されていないのですか。その点聞かしてください。
○石丸政府委員 結論から申し上げますと現時点においては義務化されていないところでございます。 それで一つの問題としてベッドの満床という理由で非常に多くの転送が行われておりますが、この内容をさらに掘り下げて考えてみますと、たとえば男女の別、すなわち男の病床は満床であるけれども女の病床はあいているとか、最近子供の入院が非常にふえていて子供病床が満員であるとか、いろいろな実態があろうかと思うわけでございます。したがって、その情報の質というものが非常に複雑になってこざるを得ないわけでございまして、そういった点、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、情報の質と量という両面から考えまして今後救急医療情報網を整備しようということを考えておるわけでございます。現時点におきましては、消防庁の方の御尽力を得まして、消防の方と医療機関との間にたとえばワンタッチシステムの電話とか、そういった設備もいろいろ御協力願っているところでございまして、今後ともその情報網の整備を行いますが、その整備される間の中におきましても消防の方と医療機関との間の情報の連絡ということについては今後とも努力してまいりたいと考えております。
○上田委員 そういう搬送機関に対して連絡を徹底させるということを義務化させるべきだと私は思います。そういうむだなこと、そのためにとうとい命が奪われていっているわけでありますから、人間の命なんですから、大臣そこを十分踏まえていただきたい。過去のそういう医療行政に対して鋭く、真剣にメスを加えていただきたい。そういう中からこれからの医療体制をどうするかということが出てくるのではないかと私は思うわけであります。そういう状況があるということ自身、国なり自治体の医療体制、医療の責任が明確にされておらないということから来るのではないか、民間依存型の体質から来ておるのではないか、このように思うわけであります。 わが党は救急医療整備法という形で、新規の法律でもって国なり公的機関の救急医療に対する責任体制を明確にすべきだと考えておるわけでありますが、厚生省は、そういう法律ではなしに予算面であるいは現在の厚生省令で十分ではないかという形になっておるわけでありまして、そのことについてわれわれは非常に遺憾だと思うわけであります。現在救急医療の法的根拠というものは私が言いましたように救急病院等を定める厚生省令ただ一つでありまして、この中に国の責任と自治体の責任というものが明確に記されていないという点が最大の欠陥であろうと私は思うわけであります。 この省令の考え方というものは、病院の申し出を待って救急病院として告示する、しかも申し出の撤回も自由だ。病院に任されている。病院の方から通告があって告示する、そしてまた救急指定病院を取り消すことも自由だ。ちまたでは救急指定病院になったら三年間で蔵が建つという言葉があるのですね。もうけるだけもうけてあとは救急指定病院をやめる。これはどういうことを意味しているかというと、差額ベッドだけじゃございません、高い薬を売って、ある程度ぴんぴんして退院できるような状況にあるにもかかわらず、いやまだ入院が必要だということで点滴を打ったりして、人の弱みにつけ込んで金もうけをするという制度にこの救急告示病院が利用されているということも聞いておるわけでありまして、これは私としては非常に遺憾なことだ。国民はこのことに対して大きな怒りを持っているということを知っていただきたい、このように思うわけであります。そういう点で救急医療を病院の自由意思にゆだねているということでありますから、国が責任をとって法的に規制するという仕組みにはなっておらないことは言うまでもない、このように思うわけであります。また、告示については告示されっぱなしでありまして、その後の監督やあるいは病院の義務というものが非常に不明であります。認定に際しての設備等の検査方法や助成手段、設置基準も存在してない。病院任せの無責任体制であるということが言えると思うわけであります。今日救急医療について何としても必要なことは、国あるいは自治体の行政責任を明確にすることではないか、本当に国や自治体が救急医療体制の確立に責任を持つべきだ、こういうように考えるわけでありますが、大臣はそういう立場に立って、省令だけじゃなしに法律をつくって救急医療について国の責任や自治体の責任を明確にするという意思があるのかないのか、お聞かせ願いたいと思います。
○渡辺国務大臣 ただいまのところ法律をつくって義務づけてやらせるという考えは持っておりません。
○上田委員 いままでの厚生省令の不備から根本的な行政の責任が回避されているところに根本的な原因があるわけでありますから、たとえばそういう簡単なことがおろそかにされているということになれば、本当にそれこそ行政自身が責任を問われることにもなってこようと思うわけであります。その点で医療の不備を全く患者とかお医者さん個人に責任を転嫁しているところに大きな問題があろう。社会党の方はまだ具体的に法案を提出していないわけで、いま準備中でありますが、党から出す以前に、政府として責任を持ってそういう法律を提案する必要があるだろうと考えるわけであります。 さて、いま厚生大臣なり局長の方から話があった救急医療については最重点にやっていく、第一次、第二次、第三次というような形で考えておられるようでございますけれども、要するに搬送患者数の六〇%近くが休日とか夜間であるということはデータで明らかになっておるわけであります。そういう点で最重点政策に休日夜間対策がなってくることは当然のことだろうと思うわけでありますが、五十二年から始まるところの三カ年計画で果たしてどこまで達成されるのか、その点についてひとつ具体的に第一、第二、第三の年次計画の内容をできましたら詳しく御説明をしていただきたいと思います。
○石丸政府委員 年次計画で昭和五十二年度を初年度といたしまして、三カ年でとりあえず現時点における救急医療体制の整備を考えておるわけでありまして、これは先般来国会におきましてもいろいろ御議論がございまして、それに基づきましてわれわれの方で救急医療懇談会をつくりまして、その御意見を伺ったところでございます。ただ、当面とるべき措置として三カ年計画をつくったわけでございますが、これで必ずしもすべての救急医療が片づくという問題ではなかろうと考えるわけでございまして、世の中の変化等に応じてもまた今後いろいろな問題が出てこようかとも考えておるところでございますが、現時点においてやはり問題として残るであろうということは、産科救急の問題があるわけでございます。この産科救急につきましては、一般の救急医療と違いまして、婦人が妊娠いたしますと大体どこかの医療機関にかかるわけでございまして、どこかの医療機関にかかっていて、それで病変が急激に変化するという、こういうちょっと一般の急病とは違う形になるわけでございまして、そういう意味においては、この救急医療体系とは別個の体系を今後組む必要があろうかと考えておるところでございますが、その点についてはこの三カ年計画の中には入っていない問題でございまして、そういった点は今後さらに検討を進めてまいりたいと考えます。一般の急病あるいは交通事故については、この三カ年計画で一応の形が整うというふうに考えております。
○上田委員 そのようにうまくいけばいいのですけれども、全然中身は違うようでありますので、若干その点について言及してみたいと思います。 五十一年度に百七十三の夜間、休日の急患センターが補助対象になっておりますね、ところが、毎夜間の診療はわずか三十二カ所、そして、翌朝まで診療しているのはその半数の十六というデータを私持っておるのですが、これは事実ですか。
○石丸政府委員 五十一年度末における数字は、ただいま先生のおっしゃったような数字でございます。
○上田委員 この名前が示すように、休日夜間急患センターという名前があるわけでありますから、これは当然翌朝まで急患がそこで病気を診てもらえるというようにだれでも解釈すると思うのですが、百七十三のそのセンターの中で、翌朝まで診てもらえるのはたった十六というのは、これはどうなんですか、これでいいと思っておるのですか。
○石丸政府委員 この第一次救急医療につきましては、二つの方策がとられておるわけでございます。一つは、ただいま先生から御質問のございましたような、休日夜間急患センターを設置してそこに当番の医者が出向いてそこで診療を担当するという形と、もう一つは、在宅当番医制という制度をとっておるわけでございます。これは、それぞれの当番のお医者さんを決めまして、それが自宅に待機していて、その地域内の急病患者さんはそこへ行って診療を受けるという、こういう方策をとっておるわけでございますが、これがいずれか一方ということではないわけでございまして、休日夜間急患センターで、百七十三カ所あるわけでございますが、そのうち深夜まで実施しているのは先生御指摘のように十六でございますが、その他のところ、たとえば二十四時まで実施してその後は在宅当番医制に切りかわるとか、この二つの方法の組み合わせによって実施するということも考えておるわけでございまして、これらの組み合わせによってあらゆる地域がカバーされるように、今後その普及に努めてまいりたいと考えておるところでございます。できればそういった休日夜間急患センターにおいてすべてが賄われるということがより望ましいとは考えるわけでございますが、地方の実情等に応じましては、やはりある一部は在宅当番医制でこれを担当するということも必要かと思っておりますが、いずれにいたしましても、これらのいろいろな施策をあわせまして地域住民の救急医療を確保してまいりたいと考えております。
○上田委員 在宅輪番制でそれを補完していくということですが、補完するという意味でこの制度があるということはよくわかりますが、しかし、やはり休日夜間急患センターという名前があるのですから、せっかく五十一年度に百七十三のセンターを設けられたわけでありますから、やはり百七十三すべてが、休日であっても、また毎夜間翌朝まで診てもらえる、そういうセンターにするということは、私は当然のことじゃないかと思う。くどいようですけれども、百七十三の中で翌朝までたった十六しかないというのは、これは見かけ倒しですね。私は、もう本当にけしからぬと思います。 そこで、お聞きしたいんですけれども、それじゃ五十二年度は幾らの急患センターを計画しているんですか。そして、翌朝まで診てもらえる医療機関は何カ所ですか。
○石丸政府委員 従来この休日急患センターは、人口十万以上の都市にこれを設置するということで百七十三カ所の設置をやってまいったわけでございますが、やはり人口急増地域においてこういう救急患者の問題、特に急病患者の救急措置ということが大きな問題になっておるわけでございまして、そういう意味におきまして、これを人口五万以上の都市に拡大をするという計画になっておりまして、新設七十カ所、百七十三プラス七十という、こういう形になるわけでございます。そのうち夜間ずっと通してやるという診療所の数でございますが、これはそういった急患センターができました後においてその運営として考えるわけでございまして、それは数としては現在のところまだ計画はしておりません。
○上田委員 五十二年度の急患センターは二百七十八じゃないんですか。何で素直に答えてくれないのですか。
○石丸政府委員 百七十三と、七十が新設でございまして、それプラスこの計画以前にすでにできているのが三十加わって、ただいま先生御指摘のような数字になっておるわけであります。
○上田委員 ということは、全部で二百七十八ですが、この中で翌朝まで診てもらえるのがまだわからないということですか。
○石丸政府委員 新設についてはまだ数字がわからないわけでございますが、この新設の七十カ所について、あるいは既設の部分につきましても、できるだけ夜間診療を今後実施するよう指導してまいりたいと考えております。
○上田委員 既設のものについても新設のものについても、やはり予算の関係があろうと思いますが、やはり最大限この急患センターで翌朝まで医療が受けられるような体制を早急にとっていただきたい、こういうように要望しておきます。 次に、急患センターの実態ですが、中身ですね、先ほどちょっと申し上げたわけでありますけれども、厚生省の補助要綱というものがあって、それに対する一定の助成がされているということでありますが、たとえば、補助要綱では事務員は休日の場合は補助はゼロである、それから夜間の場合は一人を前提にしておるわけであります。ところが、実際たとえば岐阜市のある休日診療所の場合でありますが、お医者さん二人おるわけですね。それから看護婦が二人おるわけです。事務員四人というこういう実態があるのですね。だから、われわれの調査で、やはり少なくとも事務員は最低一人ないし二人は要るのではないか、こういうように思うわけですが、あなたの方では休日の場合は事務員はゼロだということになっておるわけで、これは超過負担という言葉を使いたくありません、これはそうでないかもわかりませんけれども、もっと私は実態に合わして、そこに看護婦さんが二人おれば二人分に対して補助対象にする、事務員さんがおらなければおるようにしなければならぬし、現実におるとするならば、それに対して補助対象にするということが私は当然のことではないか、こういうように思うわけです。 それから医師の報酬でございますが、たとえば大阪府下の二十四の休日夜間診療所を調べたわけであります。うち一カ所だけが夜間診療実施ということでありますが、大体医師に払われておる報酬というものが一回で五万から六万円支払われているという状況があるわけで、これでもなかなかお医者さん来てくれない。夜間はいやだ、日曜日は休みたい、こういうことが多いようであります。そういう点で、何をいいましても現在のこの補助体制というものに大きな問題があるわけであります。われわれはもっと抜本的にやるべきだということを言っておるわけですけれども、あなた方がとりあえずという形でやられているものでさえこういう問題点があるわけでありますから、そういう点で、実際に要っている費用といいますか実態というものと、補助対象との関係で、要綱との関係で大きな食い違いがあることに対して、あなたはどう考えられますか、お答えください。
○石丸政府委員 これも予算を要求する段階におきましては、実態の平均値を使ったようでございますが、確かに先生御指摘のようなそういった実態の診療所もあるわけでございまして、そういったいろんな形の実態がある中においてどういうふうに予算を組んでいくかという問題であろうかと思うわけでありますが、今後ともわれわれといたしましては、できるだけそういった実態に合うように、また、せっかく開設した診療所が経営のために非常に運営がむずかしくなるというようなことのないように今後とも努力してまいりたいと考えております。
○上田委員 急患センターの新設を入れまして二百七十八ということでありますが、これは公設公営、公設民営あるいは民設民営というようなものもあろうかというふうに思うのですが、これのおのおのの数字が明らかにできますか。
○石丸政府委員 ただいまちょっと数字を持っておりませんので、またさらに調べまして御報告いたしたいと思いますが、ただいま先生御質問になりました民設民営、これは実は補助の対象になうていないわけであります。
○上田委員 民設民営はないということでわかりました。 そこで、現在この急患センターは幾つの都道府県にまたがっておりますか、聞かしてください。五十一年度、それから五十二年度はどうなのかということも含めて。
○石丸政府委員 四十二都道府県にまたがっております。 五十二年度はまだ不明でございますが、五十一年度までのものについては四十二という数字になっております。
○上田委員 四十二都道府県ということですが、私の方で調べたら三十七ぐらいだと聞いておるのですけれども、四十二で正しいのですか。
○石丸政府委員 一覧表でいま勘定したもので、どうも申しわけございません。いま再度調べましたところ、四十二でございます。
○上田委員 やはりすべての都道府県にこういうセンターを置くということが必要でございまして、大都会だけに偏在するということがあってはならぬ、こういうように思いますので、こういう制度をとっている以上は、公平にすべての都道府県に即時にそういう体制をとっていただきたいというように要望しておきます。また、先ほどのデータにつきましては、後からひとつお知らせをいただきたい、このように思うわけであります。 次に、先ほど問題になりました当番制というのですか、あるいは在宅輪番制の問題でありますが、五十年十月現在で休日夜間の在宅輪番制をしている医師会が幾らあるのですか。
○石丸政府委員 われわれの持っておる数字は五百三十八地区医師会ということになっております。
○上田委員 五百三十八ということでありますが、これは休日だけですか、それとも毎夜間もされておるのですか。
○石丸政府委員 ちょっとわれわれの統計数字では、その内訳は不明でございます。いずれかの休日か夜間あるいはその両方というすべての数字を集めまして五百三十八ということでございます。
○上田委員 これもおかしいですね。救急医療告示病院が非常に不十分である、あるいは急患センターが十分でないということから、やはり在宅輪番制というものをとって、それに対して一定の補助というのですか、助成というものがされておるように聞いておるわけでありますから、当然毎休日やっておるとかあるいは毎夜間やっておるということが原則じゃないのですか。 〔委員長退席、木野委員長代理着席〕
○石丸政府委員 この在宅当番医制に対します助成は、昭和五十二年度を初年度といたしましてその助成が図られておるところでございまして、従来は何ら国の助成はなくて、医師会の好意によって実施いたしておるものでございます。
○上田委員 それでは五十二年度からは予算措置をされるのじゃないですか。
○石丸政府委員 五十二年度から予算措置をとるところでございます。
○上田委員 そうすると、いままでは予算措置をしておらなかったから、それが実際休日完全に当番制で診療しているとかあるいは当番制で毎夜間されているかということは恐らく点検しにくいとか、それでも当然そういう制度がある以上補助金を出してなかったということをちゃんと掌握すべきではないか、私はこういうように思うわけでありますが、五十二年度からそういう形で助成をしようというわけでありますから、助成の中身と、それからいま言うように休日と毎夜間を当然義務づけていただけるのでしょうね、その点ひとつお答えいただきたいと思います。
○石丸政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、休日夜間急患センター、それから在宅当番医制、そのいずれかをとるという市町村地区と、それからその両方をあわせて行う、すなわち休日の昼間は休日急患センターでやり夜は在宅当番医制でやるとかいろいろな形があろうかと思いますが、大体その三つの形になろうかと思いますが、それぞれの形については今後さらに実態の把握に努めてまいりたいと考えております。
○上田委員 私が言っておるのは、急患センターが五十一年度は百七十三あったということですが、これで毎夜間診療は三十二、翌朝までやっているのが十六しかないわけですね。しかし、急患の場合は大体日曜日とかあるいは夜間が問題なんですよね。だから、毎夜間あるいは翌朝までということが前提になってこういう制度ができてあたりまえなんじゃないですか。特にこの急患センターが全国で翌朝までやっているのが十六というのですから、それを補完しようと思ったら、この急患センターがたくさんあって、足らざるを穴埋めで在宅輪番制をやっているというのだったらわかりますが、翌朝までやっている急患センターが皆目ないのですから、それを補完しようというのですから、もっとはっきり言ったら輪番制を原則にしてあと急患センターで云々という逆に表現していいぐらいな中身になっているのではないか、私はこういうように思うのですけれども、その点どうなんですか。
○石丸政府委員 これはいろいろな考えがあろうかと思うところでございますが、一応今後のいろいろな社会情勢等を考えてみますと、やはり一定のところに行けばいつでも診療が受けられるという形をとるのが望ましいというふうに考えておるところでございまして、そういう意味においては休日夜間急患センターの整備というものに今後努力をしてまいりたいと考えております。 ただ、現実問題といたしまして、この夜間の患者さんの中でも大体十二時までに来る人が多いようでございまして、十二時過ぎての患者さんはわりに少ないようでございます。そういった点で、とりあえずの措置といたしましては夜の十二時までの診療と、それからその後は在宅当番医制とかいろいろな形があろうかと思いますが、一つの方向としてはできるだけそういったところですべて国民の救急医療が賄えるように今後努力してまいりたいと考えております。
○上田委員 そうすると、病気は十二時以後は余り起こらないのですか。問題なのは夜中に子供が引きつけを起こすとか、お年寄りが特に季節の変わり目などにやはり故障を起こすとか、本当にそういうときに問題になるのではないですか。まだ十二時までだったらわりと皆起きていますね、起きている家庭もわりとあると思うのですよね。問題はやはり寝静まったとかあるいは明け方とか、そういうときに問題があるわけでありますから、あなたのいまおっしゃったのは、何かこうちゃんとうまく十二時までに急患が起こってくれるものだ、あるいは逆に言うたら十二時過ぎのものは受け付けていないからあなた方の方では問題になっていないように思われているわけですけれども、それは結局やみからやみへと命が絶たれているということを示すんじゃないか、医療砂漠というのはそこに問題があるんじゃないか、私はこういうように思うわけであります。そういう点で、やはり在宅輪番制ということであるわけでありますから、翌朝まで完全に医療が受けられるという体制で、これを補完と言うならば完全に補完していただきたい。補完という名のもとに抜け穴があるということは許されない、私はこういうように思うのです。 そういう点で、五十一年度中の在宅輪番制の実態ですね、各医師会にお任せされていると思うのですが、実際過去において翌朝までやられたのは幾つの医師会であるか、あるいは夜の十二時までで終わったのは、あるいはまた日曜日、休日しかしていないのは幾らであるかということをひとつ知らせていただきたいし、五十二年度以後の補助対象になる部分についても完全にその点については義務づけていただけるのかどうか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○石丸政府委員 先ほど来申し上げておりますように、五十二年度を初年度といたしまして三カ年計画で今後整備してまいるわけでございますので、特に五十二年度以降はこれに対する助成も実施いたすわけでございますので、そういった点注意しながら資料の収集等にも努力いたしたいと思います。
○上田委員 過去の分もやってくださいね。それはどうなんですか。
○石丸政府委員 過去のものについて果たしてうまく統計がとれるかどうかちょっと自信がございませんけれども、できるだけの努力はいたしたいと思います。
○上田委員 在宅輪番制に対して各医師会に助成金は幾らぐらい出すのですか。
○石丸政府委員 これはまだ出していないわけでございますが、五十二年度の予算では二百十万という数字になっております。
○上田委員 二百十万出すというのじゃないのですね、そのうちの何ぼかですね。幾らですか。
○石丸政府委員 補助率は三分の一でございます。
○上田委員 二百十万円の三分の一ということですから七十万円出るということですね。恐らくこれは一年間だというように思いますね。そうしますと、一年間で休日、祭日が幾らあるのか、かれこれ五十日あるとしましても割ると一日当たり一万四千円ですか、そのぐらいにしかならぬということになるわけですが、これでやれば祭日、休日ぐらいだけであって、夜間ということになりますと、先ほど私が言いましたように、大阪などでは五万も六万も要るということになるから、実際はこういうような形で、俗な言葉で言うたら利益誘導というのですか、そういう形だけで根本的に救急医療が解決するということではないというように私は思いますけれども、やはりこの額そのものに非常に大きな問題があるんじゃないか。本当に厚生省の熱意のあらわれがこの程度なのかというように思うわけでありますが、その点これで十分各医師会で協力をしてもらえる、このようにお考えですか。
○石丸政府委員 この休日、夜間のいわゆる時間外診療に対してすべてこれで賄えるかという御質問でございますが、われわれ基本的にはそれぞれ在宅当番で行われる救急医療につきましては保険診療報酬の中で賄われるべきものだというふうに考えておるわけでございまして、そういう点従来もその担当部局の方にもお願い申し上げまして、昨年の医療費改定において、御承知のように時間外診療、夜間診療あるいは深夜診療等についての診療報酬点数を大幅に引き上げていただいたわけでございまして、そういった診療報酬の方と相まちましてこういった対策を考えているわけでございまして、もちろんその金額等につきましてこれで十分ということではないと思いますが、今後ともさらに努力してまいりたいと考えております。
○上田委員 先ほどの消防庁の資料によりますと、救急告示病院のいわゆるたらい回し、これはあってはならぬですね。救急告示病院ですから、急患はすべてそこで収容しなければならぬということでありますが、そのたらい回しが起こっているということで、非常に残念でございますけれども、その中で医師が不在である、お医者さんがいないということの理由でたらい回しされておるのが二〇・一%あるという数字が挙がっておるわけであります。そこで、現在全国で四千七百四十一の救急告示病院があるということを聞いておるわけでありますが、夜間の常勤医師を置いておる病院は幾らあるのか。特に救急外来専任の医師を置いておる、いわゆる当直医を置いておる病院が幾らあるか、わかっておればひとつ御報告願いたいと思います。
○石丸政府委員 ちょっと先生御質問の趣旨の、それずばりの数字を現在われわれ持っておりませんが、いずれにいたしましても、当直医は必ず存在しておるわけでございます。ただ、先ほど先生御質問のように、実態として救急告示病院において、医師が不在のため転送が行われたという実態があることは事実でございますが、これもわれわれ必ずしも全部を把握しておるわけではございませんが、そういった事例についていろいろ病院等にその実情を聞いてみますと、同時に二人の患者さんが運び込まれて、あるいはすでにその直前に運び込まれて手術室に医者が入っていてちょっと手が回らなかったとか、そういうような事例もあるようでございますが、いずれにいたしましても当直医という形、これは救急専門の意味ではございませんが、病院でございますので必ず当直医はおるというふうに考えております。
○上田委員 当直医という形でごまかしてほしくないというように私は思うのです。たとえばここにちょっと資料があるのですが、東京都の場合、これは昭和四十九年の都の衛生局の調べでありますが、都内に五百十の救急告示病院があるわけです。その中で夜間の常勤医師、お医者さんが常におるという病院は一五%しかないです。それから救急外来の専任の当直医師、これはたったの三・七%ということなんですね。それから都立総合病院が七つあるのですが、この七つの病院で救急外来の専任の当直医は、あるものはなしとなっているのです。こういう状況なんですよ。救急告示病院だと言いながら外来専任の医師がいない、常勤医師がいないという実態があるのですよ。これをどう思われますか。東京都の場合でこうなんですからね。全国の四千七百四十一の救急告示病院の夜間の常勤医師の実態というのは想像できるのじゃないですか。把握しないのは恐ろしいからじゃないのですか。その実態を調査すればあなた方の責任を追及されるからじゃないですか。答えてください。
○石丸政府委員 その実態を調査しない理由はそういう責任のためではございませんが、実態としてそういう数字を把握していないということでございます。 ただいま先生お挙げになりました数字等については、これは都の方の数字としてそういう実態があるということもわれわれよく認識いたしておるわけでございまして、医療関係職員の充実等については従来よりいろいろ努力はいたしておるところでございますが、今後さらに努力を重ねたいと思っております。
○上田委員 本当に私はやりとりをしていく上でだんだん憤りを覚えるわけですが、本当に国民のとうとい生命を守るためにどれだけ厚生省や国に対して、医療特に救急医療に関してそういう要望があるかということをひとつ真剣に受けとめて、ただきたい。あなたも人の親なんでしょう。私はそのことを言いたいと思うのです。 次に、第二次の救急医療体制ということで、五十二年度の新規措置としていわゆる病院群の休日夜間輪番制という制度が設けられるということでありますが、この病院群には救急告示病院が含まれているのですか、いないのですか。 〔木野委員長代理退席、委員長着席〕
○石丸政府委員 これは、救急告示病院は含まれておるわけでございます。われわれといたしましては、そういった国民の疾病の多様化ということに対応いたしまして、今後の問題といたしましては救急告示病院に限定せずに、あらゆる病院の総力を挙げて国民の救急医療問題に取り組んでいきたいと考えておるところでございます。
○上田委員 ちょっとおかしいんじゃないですか。救急告示病院がすでにあるのでしょう。それを在宅輪番制という形でカバーしていこう、あるいはさらには病院群という形でカバーしていこうということでありますが、救急医療病院でない病院に対して、それをカバーするために病院群での輪番制をするなら、私はよくわかるのですよ。なぜ救急医療病院をこの病院群の輪番制の中に入れておるのですか。その理由を聞かしてください。
○石丸政府委員 先生先ほど御指摘になりましたように、救急告示病院の指定の基準でございますが、これは外科を中心としての指定になっておるわけでございまして、今後の救急対策というものは、先ほど先生御指摘のように、いわゆる交通災害等の救急外傷患者だけでなく、脳卒中とか、特に心臓病が今後多くなろうかと思いますが、そういう内科系の急病患者に対する救急ということが大きな問題になったわけでございます。そういった意味で、今後、第一次、第二次、第三次という一つの新しいシステムをつくろうということでございまして、そういったシステムができた後において、救急告示病院をどうするかという問題があるわけでございますが、現時点におきましては、救急告示病院を中心としてそれに内科系の機能を持った病院等を加えながら、わが国のいわゆる急病患者の対策ということを考えておるところでございます。
○上田委員 何といいましても、政府がいまやっている救急医療というものに対して、本当に聞けば聞くほど、形はいいのですけれども中身が全然整っていない、こういうように断言せざるを得ないと思うわけであります。 そこで、ひとつ厚生大臣にお尋ねしたいわけでありますが、地方自治体の長が民間の医師あるいは医療機関に救急医療、緊急診療の問題で救急医療、診療を命ずる法的権限があるとお考えでしょうか。
○石丸政府委員 先生御質問のように直接的ないわゆる権限というものはないというふうに考えております。
○上田委員 命令をすることがない、本当にないですか。ちょっと調べてください。
○石丸政府委員 災害救急の場合は別でございますが、一般の場合としてただいま御返事申し上げたわけでございます。
○上田委員 災害の場合はあるということですけれども、災害のときに人災というのもあるわけでありますから、まあ天災、人災同じです。結局、人の命が危険にさらされるということは当然あるわけでありますけれども、交通事故とかあるいはそれ以外の理由においても救急患者というものが出た場合に、医師とか医療機関に対してこれを診てあげなさいという医療を義務づけることは、医師法などから見て当然あることじゃないのですか。
○石丸政府委員 そういった場合、従来の方法といたしましては、行政機関から地元の医師会あるいは個々の医師に対して要請をするというような形で処理をしてまいっておるわけでございます。特にわれわれの持っております国立病院等におきましては、そういった場合に率先的にそういった医療に参加するというようなことをやっておるところでございます。
○上田委員 基本的に医師というものは営利だ、あるいは営業の自由だということはいろいろありますけれども、お医者さんという人の命を預かる仕事なんですから、無制限に営業の自由だという形で野放しされていいはずはない、こういうふうに思うわけであります。そういう点で、たとえば政府は昭和三十年の八月十二日に都道府県知事に「医師法第十九条にいう「正当な事由」のある場合とは、医師の不在又は病気等により事実上診療が不可能な場合に限られる。」という通知を出されておるのですが、記憶ございますか。
○石丸政府委員 昭和三十年に医務局長通知をもちまして、医師法第十九条の正当な理由というものについての解釈通知を出しておることは事実でございます。
○上田委員 その中に私がいま読みあげたことが書かれてあるのですが、その中身もそのとおりですか。
○石丸政府委員 そのとおりでございます。なお十九条の解釈につきましては、そのほかに昭和二十四年と昭和四十九年に同じような解釈通知が出ておるところでございます。
○上田委員 そうですね。確かに出されております。 その問題についてさらに突っ込んだ形で御質問を申し上げたい、このように思うわけであります。ここで言うところの「正当な事由のある場合」とは、いわゆる診療を拒む理由ですね。それはお医者さんがいない、これはもうお医者さんがいなければ全然医療を施すことができないわけであります。それから「又は病気」、これはお医者さんが病気にかかっていたのでは、患者さんを治すわけにはいかぬわけであります。だからそういう意味で、物理的に見ても事実上お医者さんがいないとかお医者さんが病気の場合には患者を診ることができない、そういう場合に限られる、こうなっているんですね。だからそういう場合でなければ、休日であったって夜間であったって民間の医師なり診療所は、当然少なくとも救急患者と言われる急患である以上、急患でなくても診なければならぬと思うのですが、とりわけ救急患者ということになれば、診る義務はあるのじゃないですか。診ない人に対して診てあげなさいという命令は知事、自治体の長にあるのじゃないですか。あなたはないと言いましたけれども、そういう医師法第十九条の規定から、その解釈の文書をあなたの方で昭和三十年八月十二日に出されておるわけでありますから。どうなんですか。
○石丸政府委員 先ほどの御答弁は先生の御質問を非常に狭く解釈したわけでございまして、十九条によって医師の応招の義務はあるわけでございます。それに対して直接の知事の命令権ということで、ちょっと狭く解釈して御返事申し上げたわけでございまして、いわゆる応招義務という形で存在する。
○上田委員 応招義務がある。当然お医者さんは、医療機関は診なければならない義務があるわけであります。だから、診なければならない義務がある者が正当な理由なくして拒むという事態があったら、都道府県の知事なりあるいは市町村長が住民を代表して、また公的機関という立場から、医師法第十九条によれば特別な理由がない限り診なければならぬじゃないですかということで、その義務の履行を迫ることは私は当然のことではないか、こういうふうに思うのです。だから狭く解釈するというよりも、それを関連づけて考える方が私は正しいのではないか、このように思うわけであります。先ほど出ましたいわゆる災害の場合でございますが、災害対策基本法の第六十二条の二項あるいは六十五条は、天災あるいは人災に対する応急措置に際して、市町村長は住民に従事命令あるいは協力の要請が可能であるということで、お医者さんだけではなしに一般の住民に対しても、そういう天災、人災に対して国民として、市民として協力しなさい、そういう要請をすることができるということでありますから、医療というものを考えた場合に、医師は応招義務があるわけでありますから、地方自治体の長が医療機関に対して、お医者さんに対して当然そのことを勧告することはできる、このように私は思うわけであります。さらに災害救助法の第二十三条及び第二十四条では、都道府県知事は、医療関係者を救助に関する業務に従事させることができる。これも先ほどお答えになった、こういうふうに思うわけであります。そういう点で救急医療は、特に人権の基礎でありますところの生命、健康の維持に不可欠であろう、こういうふうに思います。それから個々人で解決できぬ緊急時の医療でありますから、やはりこれに対して対処することは当然のことだろうと私は思います。 それから金銭のそういう給付ではかえることができないものでありますから、そういう点で私は、やはりこういう医療の分野にそういう理念といいますか、地方自治体の長がお医者さんに対して——完全な協力体制が整っておるのだったら別ですけれども、協力体制がないということになれば、自治体の長がやはり医師に対して、応招義務があるじゃないか、診てあげなさいということは当然言えると思うのですが、言うたら法律違反になりますか。憲法違反になりますか。どうですか。
○石丸政府委員 非常にむずかしい問題でございますが、われわれといたしましては、そういう命令を下さなくても医師として当然そういったことに協力願えるということ、これは医師という特殊な職業でございますので、そういう医師の倫理観をもって、そういうことまでいかなくても協力を願えるということを考えておるところでございます。
○上田委員 それであれば一番いいのですよね。そういうお医者さんばかりだったらいいのですがね。先ほど言いましたように、人の弱みにつけ込んで救急告示病院で三年間で蔵建てるというようなお医者さんもあれば、まあいろいろ社会的に問題になるお医者さんもあるわけでありますからね。とりわけそういう点で急患を診ない、特に民間の場合は。それは中にはりっぱな先生方もおられるということは、私も、私の知り合いにもそういう方がおられますから、よく存じておるわけでありますが、やはり当然応招義務があるからという形で片づけるのじゃなしに、現実はやはりそうでないお医者さんの方が非常に多い場合があるわけでありますから、やはりそういう医療に対しては都道府県知事あたりが監督をする権限を移譲されておるわけでありますから、そういう点で私はそういうことを当然行うべきではないか、このように思うわけであります。まあそういう意味で府県知事だけじゃなしに、当然市町村長においてもそういうような形で監督したり指導するということは決してファッショ的であるとか国家統制であるとかそういうような仰々しく反論するたぐいのものではなしに、もしかそういう国民の声があり、国の機関があるいはそういう自治体あたりがそういうことをしなければならぬということ自身が、自分たちがまだ国民からあるいは行政からも信頼にこたえられていないということで、そうだ、われわれの中にもそういう人間、不心得者がおるに違いない、わしらはそんなことをしてもらわなくてもいいけれども、そういう者もあるからかえってつくってほしいというようなことがあってしかるべきではないか、こういうように私は考えるわけでございます。 そういう点で住民参加ということがあるわけでありますが、当然医療行政に対してやはり住民が参加していく、行政、とりわけ地方自治体などの機関を通じて参加していくということは当然のことではないか。公害発生源や独占価格に対する規制の問題もありますし、たとえば企業に対して障害者の雇用を義務づけるとか、あるいは教育とか保育の施設に障害児を排除してはならぬというような形で規制ができるわけでありますから、やはり条例なり国の法律でそういうお医者さん、医療機関に対して当然応招義務に応ずるべきだという形で義務づけることはあってしかるべきだ、こういうように私は思うわけであります。 そういう点でお医者さんなどの営業の自由というものはいまや国民生活に不安や危険を及ぼさないという限りにおいて、私は一定の制限が加えられてしかるべきではないか、こういうように考えるわけであります。そういう点で日本医師会は、わが党のいっておるところの救急医療整備法案、案をわれわれは持っておるわけでありますが、そういうものに対して、全体主義者の妄想であるとか、寝言であるとか、戦争準備のために医師の動員といったような、そういうヒステリックなことを言っておるわけでありますが、このことに対して渡辺厚生大臣はどのように考えておられるのか、ひとつ所見をお伺いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 それは医師会が言っていることであって、私の関知しないところであります、この前言ったように。私は、戦争準備であるとかどうであるとかと思っておりません。
○上田委員 それは結構でございます。思ってないということは医師会の方針には同意できないということだろう、こういうように解釈さしていただきたい、このように思います。違うのだったら違うと言ってもらって結構でございますけれども。 そこで、わが党の主張しておるところの医師なり医療機関の協力義務化の案は、きわめて現実的なものだ、自画自賛するわけではございませんが、思うわけであります。しかも救急医療に対する国民の要求に合致したものであります。医師と住民の信頼の回復を可能にするものである、このように考えます。特に協力の義務は次の三つの段階を追ってわれわれは踏まえなければならぬ、このように考えます。 まず第一の段階は、やはり公的救急医療機関の医師充足のため国公立医療機関相互の医師派遣に全力を尽くすということが大事であろう、このように思います。それから第二の段階では、それでも不足するときは、都道府県知事は民間の医師または医師会に協力を要請する。第三の段階では、それでも十分な協力を得られず住民に対する救急医療の実施が著しく困難な場合は、民間医師に対して一定の限度内で出向命令、それは特に休日とか夜間診療に限るということで、わが党は、本当にそういう意味では段階を追って、特にそういう第三の場合はやはり出向命令させる、天災、人災のときに医療機関を動員するとかあるいは国民に要請するということまでできるわけでありますから、私は医療に対してはここまで規制して当然のことではないか、このように思うわけであります。 そういう点で、ひとつこういう考え方そのものに対して大臣の考え方を述べていただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 まあ、社会党の政策審議会の出した医療整備法案のポイントというやつ、私も読ましてもらいました。読ましてもらいましたが、私どもとしては、いま直ちにこれまではなかなか乗れないという点でございます。まあ、一つの考え方でしょう。 先ほどからおっしゃっているように、出向命令とか命令とかいう問題については、順を追って書いてあるものではあるけれども、御承知のとおり医師会は反対しているわけですよ。現実の姿というのは、やはり開業医が日本の医療にかなり貢献していることも事実であって、要するに問題は、命令をかけなくとも協力してもらえばいいわけですから。できることだったら、もう自主的な、自分の医師の使命という、医師法に基づいたところの考え方によって御協力をいただくことが一番いいので、まずわれわれとしてはそういうような権力ということでなくて、御協力をいただく体制をこしらえよう、まずこれでひとつやってみよう。試行錯誤の点があって、どうだ、やったけれども、おれたち三年前に言ったけれどもできないんじゃないかと言われるかもわかりませんよ。わかりませんが、ともかくいまの状態としてはそれよりも医師会と協力をしてやっていった方がやりやすいと判断をいたしておるものですから、現在のような、局長が説明したような救急医療の体制というものを考えておるわけでございます。
○上田委員 ここに社会保険旬報という本の切り抜きというのですか、一部を持っているわけです。五十二年四月十一日の発行です。ここで日本医師会の斎藤副会長はいろいろの質問に対して回答しておるわけです。ちょっと紹介しますと「総評・社会党・自治労の条例制定運動は、救急医療をわい曲して医療の社会化・公営化をめざすものだ。大阪の実態を把握して、日医は法制部で検討している。医師に救急医療は義務づけられないし、医師法にも応招義務はない。」いま局長は、医師法第十九条に照らしてみても医師には応招義務がある。また昭和三十年の通達でもそのことを繰り返しておるわけですが、この斎藤副会長は、医師法には応招義務があると書いてあるにもかかわらず、この人はないというように断定し「罰則規定も削除されている」と、——削除されているというよりも罰則規定がないということに問題があるわけであります。それから「医学医療の専門分化によって専門外のことは診療しないのが正しい。」こういうことを言っているわけです。これは、たとえば先ほど局長が言われましたところの昭和二十四年の九月十日の通達を見ますと「医師が、自己の標榜する診療科以外の診療科に属する疾病について、診療を求められたばあいも、患者がこれを了承しないで、依然、診療を求めるときは、応急の処置その他できるだけの範囲のことをしなければならない。」と書いてあるのです。斎藤副会長は専門外のことはする必要はない、こう言っているわけです。ということは、医師会の方がどんなことを言ってもいいということでありますが、厚生大臣はお医者さんを信頼していると、こういうことを言っているのですけれども、そのお医者さんの日本の全国組織の副会長が厚生省の考え方に真っ向から挑戦するがごとき考え方を表明されておるわけですが、この点についてひとつ大臣のお考えを聞いておきたい。
○渡辺国務大臣 法律論争で応招義務があるかないかということについては、医師法に書いてあるわけですから、素直に読んでいただかなければならぬと私は思っております。ただ、罰則規定がなければいいんだということじゃなくて、これはやはり道義の問題であって、罰則がついているから義務があって、罰則がないから義務がないというようなものじゃない。それは精神規定みたいなものかもしれないけれども、そういうことは一番大事なことですから。ですから、われわれとしては医者の倫理というものに期待をしてやっておるわけです。 それから、専門外のものは診なくてもいいという問題は、医者の立場からすれば、いままでの診療について間違いがあった、あるいはどうだというようなことで、裁判や何か最近かなり出ているし、そういうような重大な責任感というものから言ったものだろうと思います。中身はよくわかりません。中身はよくわからぬから、それ以上の論評は避けます。
○上田委員 専門外のことは云々ということでございます。しかしながら、応急あるいは救急の場合でありますから、やはり医療について全般の基礎知識があるわけでありますから、ある程度応急の手当てをする、そしてまた専門のところへ、それこそたらい回しではないけれども、移すということもできるわけですから、そこで専門外だからという形で拒否するということは、私はやはり医師法十九条の解釈違いではないか、こういうように思うわけです。 そういう点で、私ははっきり申し上げて、委員長に申し上げたいのですが、この内閣委員会、あるいは社労で差しかえで発言さしていただいたら結構だと思うのですけれども、こういう重大な発言をしている日本医師会の副会長の斎藤さん、あるいは会長でありますところの武見太郎さんが、一体どない考えているのかということによって、今後私たちの運動の進め方もあると思うのです。そういう点で、私はやはり本委員会で医師会の代表を参考人として招いて質問をしてみたい、こういうように考えるのですが、その点どうでしょうか。
○正示委員長 上田委員に申し上げますが、これは最終的には理事会でいろいろ打ち合わせをしなければならぬと思いますけれども、問答の経緯を伺っておりますと、やはり主としては社会労働委員会でこういう問題を専門にやっておりますので、私としては大体社会労働委員会が適当な場ではないか、かように考えます。
○上田委員 大臣、どうでしょうか、どの場でも結構です。
○渡辺国務大臣 国会のことですから、私が口出しすることじゃございません。
○上田委員 ただ言えることは、大臣かて私がずっと文章を読み上げたということだけではわかりにくいと思うし、日本医師会の重要な幹部がそういう考え方を持っておるのかどうかということは、とりわけ責任者である武見医師会長に聞くことは大事なことではないか。一地方のお医者さんの言うことじゃないんですからね。日本の医療を代表するそういう最高幹部なんですから、そういう点で強く私はそのことをひとつ要求しておきたいし、またしかるべき機会でそのことを申し上げたいと思います。 時間も来たようでございますが、最後に二、三要望しておきますので、ひとつその点について善処していただきたい。 まず第一に、医療審議会のメンバーに医師の応招義務について厚生省の立場というものを徹底さしていただきたい、こういうように思います。 それから二番目には、日本医師会の執行部に対して厚生省の立場を徹底していただきたい。医師会はああいう態度をとっているわけですから、先ほどの形で、厚生省はこう考えておるという形でひとつ徹底さしていただきたい。 三番目には、国民に適切な広報手段で、医師の応招義務について徹底さしてもらいたい、こういうように思います。 そういう点は一、二、三の問題につきましては、次の機会にこのような形で実行したという形でひとつ報告をしてもらいたい、このように思います。最後の答弁でございますから、ひとつ大臣からしていただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 医療審議会でなくて、医道審議会というのがありますから、そういうところでわれわれの考えは明らかにしたいと思っております。 それから、やはりお医者さんにも御協力いただくということで、皆さんに知ってもらうことは結構なことだと思います。(上田委員「三番目の国民に対する点について」と呼ぶ)
○石丸政府委員 国民に対するPRと申し上げましょうか、特に救急医療については、やはりいろいろな意味において必要でございまして、昭和五十二年度予算におきましてもそういった地区住民に対する宣伝といいましょうか教育と申し上げましょうか、そういった費用も組んでおるところでございまして、今後なお一層努力いたしたいと考えております。
○上田委員 次回にはそういう経過措置について御報告をいただきたいと思います。そのことを要望して終わります。
○正示委員長 続いて、市川雄一君。
○市川委員 最初に厚生大臣に伺っておきたいのですが、ちょっと重箱のすみをつつくような感じもしないわけではないのですが、そういう意味からじゃなくて、これから質問するに当たって、厚生省として福祉という問題をどうとらえているのかという意味でお聞きしたいのです。 最近、リーダーズダイジェストの五月号に政府広報のページがございまして、ここに「厚生省」という名前の入った企画があるわけです。この企画の中で、厚生省のお役人の方が司会的な立場で「ヨーロッパの福祉を探る」ということで座談会をやっているわけですが、この座談会の意図、これは連載ですから、第一回分しか載っておりませんので全部見ませんとわかりませんが、第一回分を拝見しても、どうも福祉が行き過ぎると惰民をつくる、怠け者をつくるんだ、こういう世論を喚起しようという意図でおやりになっているのじゃないかということが感じられるような発言が載っているわけです。たとえば「昨年のスウェーデンの総選挙で、四十四年間続いた社民党の政権が破れて保守政権に変わりましたが、その理由として、福祉の行き過ぎからパルメ政権が負けたのだ、という論評がありますが、そのあたりの真相はいかがですか。」こういうふうに質問を設定して、ぶつけているわけですね。答える方はわりかし健全に答えているわけです。つまり、スウェーデンでは福祉というのは国民的合意ですから、福祉の行き過ぎとかなんとかということではなくて、福祉を進めるということについてはもう国民の合意ができ上がっているのだ、ただその進め方の考え方の違いで選挙の結果が出たんだ、こういうふうに答えているわけです。これはもう一度またしつこくやっているわけです。あるいはイギリスの例を引いたり……。 こういうものを拝見しますと、厚生省というのは現在の日本の福祉水準はもう十分に満ちていて、これ以上やると怠け者をつくってしまう、だからブレーキをかけなければいけないんだ、いまこういう御認識とお立場に立っておられるのかどうかということを、まず大臣にお伺いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 何でもほどほどがいいのであって、それは行き過ぎればいけないということ、弊害が出ることは何でも同じだと思います。ただ私どもといたしましては、厚生省であずかっている福祉と言っても、それは福祉とは何だというような話になったらば非常に広い意味だ、しかしわれわれはその柱をなしているものは年金とか医療とかあるいはいわゆる福祉とかいうものが中心になっておるわけです。したがって、私どもとしてはいまのところ行き過ぎていると思っておりません。思っておりませんし、まだまだ充実しなければならない面もたくさんある。しかしながら、中には効率を欠くようなもの、あるいは公正の問題で検討する必要があるんじゃないかというようなものなどもないとは言わないし、やり方、方法というものは、限りある財源の中でやりますから、その中ではむだのないようなやり方をしなければならないということは常に反省をしていかなければならぬ。そういう意味で、やり方等についてもっと効率的な、公正を確保できる、むだのないやり方を考えようという意味で言っているのじゃないでしょうか。
○市川委員 そういう意味じゃなくて、やはり拝見しますと、福祉が行き過ぎるといわゆる怠け者をつくっていくんだという、何かそういう世論を喚起するみたいな感じ。ですから大臣が、いまの日本の福祉水準がまだ不十分であり、これから努力していかなければいかぬという御認識を持っておられるなら結構なんですが、こういう点、ちょっと御注意をいただきたいという意味で申し上げたわけでございます。 それで、私の質問したいことに関連しまして、いま新聞等で、女優の宮城まり子さんがやっておるねむの木学園というのが話題に上っておりますが、これは私も長い間ずっと新聞、グラフあるいは雑誌の編集をやってまいりまして、何度か私の編集しているグラフでこのねむの木学園を取り上げたことがあったのです。実際私はまだ行っておりませんが、取材に行った記者が絶えず私にいろいろなことを訴えてきていたわけです。最近も新聞でこのことが話題になっております。その新聞や、行った人の話もいろいろ伺ってみますと、三年前、一億三千万で新しい園舎をつくったときにも国や県の補助は約一割で、あと九割は中学生、高校生の善意の寄金と宮城さん個人の借金だった。現場の関係者の中には、国は私たちに甘え過ぎているんじゃないかという声が非常に強い。それからもう一つは、厚生省は十分おわかりだと思いますが、養護施設の子は二十歳になると国の補助が打ち切られてしまう。しかし、二十歳過ぎの障害者が働いて暮らせるような施設はいま非常に少ないわけです。そうすると、自分が帰り得る家を持っていない崩壊家庭のお子さん、しかも障害者である、どこへ行ったらいいのか、そういうことで、そういうお子さんの自立という問題に対して国の対策がおくれている。そのおくれが続く限り、しようがないから自分たちで土地を買ったりブドウ園やナシ園をつくったりして自立の道を切り開いていくしかない、こういうことも訴えているわけでございますが、こういう窮状を訴える声が連日いま新聞に紹介されております。 大臣もよく御存じだと思いますが、このねむの木学園にいみじくもあらわれている精薄児の対策のおくれというのですか、そういうものに対する大臣の感想というか、御所見を承っておきたいと思うのです。
○渡辺国務大臣 そういう施設ではまだ十分でないところもたくさんございます。そのねむの木学園の個別案件については児童局長が非常に詳しく知っておりますので、児童局長から……(市川委員「感想はどうですか」と呼ぶ)感想は、もっと静岡県と連絡をとって、対策について善処するようにしてあげなければならぬな、こういう感想です。
○石野政府委員 ねむの木学園の問題でございますが、おっしゃるように全部で二億九千万の総事業費で整備されてきました。これは県の補助金と、それから自転車振興会あるいは船舶振興会、そういうものを予定しまして、国の方でも助成をしようと思ったのですが、国の助成よりも船舶振興会の方が内容がいいというのでそちらの方に移った経緯がございます。そういう形で、かなり御自分の財産なり寄付を求めて整備したことは事実でございます。 お尋ねの件の、現在ねむの木学園に入っております中で、満二十歳を過ぎましてまだ入っておる者が実は五名おります。これは御存じのとおり、児童福祉法はあくまでも二十歳未満の——普通は十八歳未満でございますが、二十歳未満の子供までは入れられますけれども、それ以後になりますと、これは身体障害者福祉法という法律がございまして、そちらの方で対処せざるを得ない、こういうふうになっておるわけでございます。しかし、それは宮城まり子さんの方のお考え方としては、自分のところで育てて大きくした子供でございますので、できることなら自分の手で育ててあげたい、こういうお気持ちが非常に強うございます。それからまた、保護者の方も、せっかくなれたところでございますので、そこでできれば一貫してそれをやってほしいという強い要請もございまして、いま大臣から申し上げましたように、やはりこれは園長さんなり理事長さんの考え方はどうであるか、それから県の方の立場としてどういうふうにこれに対して助成できるか、そういうことを十分相談をしないと、ただ一方的に、国がこうします、ああしますと言うことは、かえって宮城さんの立場をなくしてしまいますので、十分検討させていただきたいというふうに思っておるわけでございます。
○市川委員 それから、これは文部省の所管になるかと思いますが、特殊教育を必要とする学齢精薄児について、特殊学級に入るべき児童とそれから養護学校に入るべき児童といらっしゃると思うのですが、文部省の方でその数を何人ぐらいとつかんでおられるのか。それから、つかんでいる数に対して、定員を主体にお答えいただければいいのですが、いまどのくらいの受け入れ体制ができているのか。この受け入れ漏れに対して具体的にどんな対策を考えておられるのか。たしか文部省の方お見えになっていると思うのですが。
○斉藤説明員 お答えをいたします。 心身に障害を持つ児童生徒の実態につきましては、少し古い資料でございますけれども、昭和四十二年に児童生徒の心身障害に関する調査という調査を実施いたしまして、教育上特別の取り扱いを要する児童生徒数の把握をいたしたわけでございます。それによりまして障害者の出現の率というものを出しまして、これを学齢相当児数に掛けまして、それに基づきまして各種の施策を行っているわけでございます。この調査に基づきます出現率は、精神薄弱者の関係では二〇・七%という数字になっておるわけでございます。昭和五十年現在での学齢児でこの推定対象者を出しますと、約三十一万という大変大きな数字になるわけでございます。 現在、特殊教育の対象として、一つには精神薄弱者につきましては養護学校がございます。もう一つは小中学校の特殊学級でございます。養護学校につきましては、昭和五十年現在一万五千四百五十八人が収容されているわけでございます。特殊学級につきましては十一万三千六百人という数字になっておりまして、全体で約十三万人が特殊教育の対象ということになっておるわけでございます。この余の数字につきましては、そのほとんど大部分が普通学級に一般の生徒と一緒になって教育を受けているという実態でございますが、学齢児童生徒のうちで、なお就学の義務の猶予ないし免除を受けている子供の数もございます。昭和四十九年現在で、知恵おくれの子供の数といたしましては約八千人ということになっておるわけでございます。この八千人の猶予ないし免除を受けている子供たちに対する教育対策でございますが、五十四年に養護学校の義務制を控えまして、現在各県で養護学校の建設を進めておるわけでございます。その収容力を高めていくと同時に、また通学できない子供たちにつきまして訪問指導というものを実施いたしまして、できる限りその対象児を学校教育の対象にしていきたいということで努力を尽くしているところでございます。
○市川委員 今度は厚生省にお伺いしたいのですが、保育にかける精薄児を厚生省で握っておられると思うのですが、全国で何人ぐらいいらっしゃるのか。それから厚生省所管の精薄児施設で何名ぐらいの方がいらっしゃるのか。その辺の数と、あわせて今後の対策についての基本的な考え方をできたらお聞かせいただきたいと思うのです。
○石野政府委員 保育にかける児童数そのものはつかんでおりますけれども、その中で精薄児なり身障児がどのくらいおるかという数字はつかんでおりません。
○市川委員 おつかみになる予定は全然ないのですか。
○石野政府委員 保育所の機能と基本的なかかわりがあるわけでございますけれども、あくまでも保育にかける児童というものを対象にしまして保育所というのがあるわけでございます。その際に、その子供が障害を持っておるか持っていないかということは、実は私の方は関係がないというふうに考えておりまして、ただ、非常に障害が重い方あるいは中度の方につきましては、これは一般の精薄なり身障児の対策として進めております。その中で一般児と同等に取り扱いながら保育できるという方についてはいまでも保育所に入所させておるわけでございますが、あくまでもそれは、御両親が共働きとかあるいは御主人が病気でお母さんも働かなければならないという場合の、いわば保育にかけるという状態に着目しまして措置をいたしているわけでございます。
○市川委員 本当にその問題をもうちょっと突っ込みたいのですが、時間がありませんので、もっと具体例で申し上げたいと思うのです。抽象論をやっていても意味がないと思いますし、これから一つの例を挙げます。 これは国の行政全般から見れば神奈川県の逗子市の小さな問題であるかもしれませんが、しかし、この施設に端的に一つの精薄児対策のおくれというものがあらわれているわけです。そういう立場から申し上げるわけです。先ほどねむの木学園の話をしましたが、このねむの木学園のミニ版と考えていただいたらいいのじゃないかと思うのです。社会的に弱い立場にある精薄児に対して、個人がやれば市や国は気づいて施設の設置に動き出してくれるだろうということで、ある一人の獣医師の方が立ち上がって逗子市に逗子治療教育センターというものを十年前につくったわけでございます。市内を転々としまして、現在はある篤志家の方から提供された民家約百五十坪ぐらいのところに、かつては旅館で使っていたところが旅館で使えなくなって古くなってぼろぼろの建物なんですが、取り壊しの話が出ていたものを、どうぞ、そんなに困っているならお使いくださいということで、借り受けて使っているわけです。対象児童は大体三歳から七歳の精薄児。十年間でこのセンターから巣立った児童が約七十五人。しかも、逗子市でやっているのですが、実際この七十五名のうち逗子市の児童は十七名でございましてあとは横須賀とか横浜、鎌倉という他の市からわざわざ五十八人も来ているわけです。現在大体九人の児童を、学期がかわりましたから預かってやっているわけです。大体一週間に三回で、午前九時半から午後一時四十五分、お母さんが児童と連れ立って通園して指導員と一緒にやっているわけです。保育料が一万円。保育指導員が約三人正規の資格を持った人がおりますが、お母さんの中に一人資格を持った方がいて、手伝っていただいて四人でやっている。こういう施設でございますが、年間の支出経費が三百三十九万円。これに対して公の援助金が逗子市から約二十万出ているだけでございまして、あとは自力で努力してこの十年間やってきたわけです。保育、入園料が年間で百十四万。これと市の援助の二十万で百三十四万。残りの二百五万については、賛助会員をつくって賛助会費をいただいたり、寄付金をやったり、バザーをやって辛うじて収入をやりくりしている。そのほか、庭が壊れて直すとかあるいは雨が漏れて困るから屋根を直すとか、そういうのは全部地域の大工さんやガラス屋さんに無料奉仕でやってもらっているわけですね。バザーで百十九万の収入が五十一年度はあったのですが、これだって、ここへ通っている児童のお母さんが徹夜したり何かしてお人形をつくったりセーターを編んだりして、いろんな地域のお母さんに呼びかけて手伝ってもらって売って、ようやく百十九万つくり出した。こういう地域のボランティア活動に支えられてこの施設があるわけです。ここで働いている職員というか指導員の待遇ですけれども、大卒で指導員の資格をちゃんと持った人が三人おりますが、その中心でやっている一人の方、二十八歳で、結婚してお子さんが一人いるのですが、本俸五万円、諸手当がついて七万五千三百二十円というお給料でいまやっておるわけです。奥さんも一緒に毎日施設に来て手伝ってやっておるわけです。自分の子供を持ちながら御夫婦で働いて七万五千三百二十円。これをほかの、たとえば川崎市にある市の施設に勤めている職員の給与と比べますと、同じ年齢で同じ資格で幾らもらっているか申し上げますと、諸手当全部で十七万八千二百三十三円。ちゃんとした資格を持ちながらそういう市の公立のところで働けば十七万八千円の給与がもらえる。ところが、こういう困った方のためにということで奉仕してやっている方は御夫婦で働いて七万五千円、こういう実態がある。本人は文句を言っているわけじゃないのです。甘んじてアルバイトをしながらがんばっているわけですね。また、これを中心になってやっておられる獣医師の方は、自分が往診のときに賛助会員をつくって、一万円ずつ出してください、そういう形で集金をしながらがんばってやっておるわけです。保育料も非常に安く設定してやっておるわけです。普通ですと週三回で二万二千円、週二回で一万八千円、週一回で一万四千円。ここは週三回で一万円なんです。というのは、ダブルハンディの児童が多いために医療費にもお金がかかるだろうということで、極力父母の負担を軽くしてあげようじゃないかということで一万円に抑えてやっているわけです。 こういう施設がありまして、私も何回か行ってお母さん方の話も聞いているし、実際に保育している現場も拝見をしているわけなんですが、これはもちろん無認可です。それは個人が好きで勝手にやっているんだというお考えは恐らくないだろうと思うのですが、こういう無名の善意に支えられて施設があって、その施設へいろいろなお子さんが通ってきて、助かって感謝している手紙が寄せられているわけです。いわば県とか国だけとは申し上げませんが、県とか国とか市とかいう公の対策がおくれている部分をこういう無名の人たちが一生懸命善意で支えてがんばっているわけです。これを勝手なことをしているというふうにとらえれば、これは法律の基準がありますから、無認可ですし基準に合いませんからだめですというふうに切るのでしょうが、しかし社会の中で一生懸命自分が奉仕の精神でやっているというものは、そういう一片の通達とか行政ということではなくて、守り育ててあげようという政治の、行政の姿勢がぼくは欲しいわけですよ。こういうことについて、いきなり大臣と言ってもあれかもしれませんが、局長さんでも大臣でも結構なんですが、積極的に援助してあげてもっと守って育ててあげよう、そういうお考えはないのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○石野政府委員 お話のございましたのは神奈川県の逗子市の治療教育センターのことだと思います。確かにお話のとおり、この逗子の治療教育センターは非常に長い間民間の善意で、本当に一生懸命になってやっていただいておる施設でございまして、私も心から感謝を申し上げている次第でございます。 ただ私の方は、こういうこともございましたので四十七年度から実は小規模通園事業というのを始めておりまして、これはあくまでも市町村が責任を持ってやるものに対しまして国なり県なりが助成する、こういう制度でございますが、大体二十名くらいの小規模の通園でいろいろな治療、教育をしていく、そういうもので、あくまでも市町村長が責任を持ってやってもらえるという場合に助成をしているわけです。ただこの場合に、必ずしも全部市町村立てしなければならぬかというとそうはいかないので、もし逗子市の治療教育センターが市の責任において委託を受けながらやれる、こういうことでございますと国からの助成もできるわけでございます。国の助成は一カ所補助金にしまして大体二百万でございますので、総事業費六百万の事業費でございますから二十人を標準としておりますけれども、その前後の人たちを委託してもらえればこの問題については助成が直ちにできる、こういうふうになるわけでございます。 ただ、ここで前からいろいろ問題があることでございますけれども、精薄児を預ってこれに治療、教育するというのは実は大変むずかしい事業であるわけでございまして、現在でもたくさんのそういう民間の篤志家のいろいろな方もございますし、それから現実に県なり市町村なりあるいは社会福祉法人でやっているものを見ましても、精薄児の教育、治療という問題について、方法論その他内容について学問的に必ずしも一致した意見じゃないわけでございます。いわば試行錯誤的にやっている面が非常に多うございますので、民間の方がこれをやっているから直ちにこれに助成するわけにはいかない。あくまでも小規模通園施設として態様をなしていただいて、市の方から委託をできるという状態であるならばぜひ助成していきたい、こういう気持ちでおります。
○市川委員 小規模通園施設としての態様をなせばとおっしゃるのですが、そのなすようなところまで行くのがまず大変なんですよ。二十名ぐらいとおっしゃったでしょう。要するにいま十人なんです。だけれども、では要らないのかといえば社会で必要なんですよ。やっておるわけですから、十名も二十名もそんなに差はないのですから、しかも十年定着している、十年間やってきた実績があるわけです。しかも困難な中をやってきたのですよ。やりやすい中を十年やったというならそれは大した実績じゃないかもしれませんが、お金のない中を自分で集金したりバザーをやったりいろいろなことをしながらとにかくやってきた。しかも保育料を一万円に抑えながらがんばっているわけです。しかも、これは国というよりも、けしからぬと思うことは、公立の児童相談所にお母さんがお子さんを連れて相談にいくわけですよ、こういう子供を抱えているのだ、来年、再来年幼稚園に行かせたいのだ、しかしいまのままでは幼稚園にとても行けそうもないのでどうしたらいいでしょうかと児童相談所に相談に行く。そうすると児童相談所では、逗子のこの施設にどうぞ行かれたらどうですかと勧めているわけですよ。だからここへ来ているお母さん方に、どこでこの施設を聞いたんですかと質問しますと、児童相談所で行くように勧められましたという人が大ぜいいらっしゃるわけです。しかも、逗子市にあるのですが、先ほども申し上げましたが、卒園生七十五人のうち逗子市での児童は十七名、横須賀市が十七名、横浜市が十八名、鎌倉市が八名、葉山町が六名、三浦市が一名、そのほかの市が八名。大半が逗子以外の市にそういう公立の受け入れ場所がないから、しようがないからというので来ているわけです。そうすると公立の施設があればわざわざ民間でこういう苦しい思いをしてやる必要はないわけです。公立がないから、しかも必要があるからがんばってやっておる。しかも、公立の児童相談所はそういう困ったお母さんの相談に応じながらちゃっかりとこれを利用してあそこへ行ってやりなさいというので、相談ごとの解決点としてここを利用しているわけです。そうしておきながら今度、条件に合いませんから援助の対象にはなりません。こういうことでは踏んだりけったりじゃありませんか。いずれにしてもまだぽっとできて海のものとも山のものともわからないというならこれはわかりますよ。十年間やった実績がある。しかもちゃんと正規の指導員を三人も置いてやっている。これは何とか育ててあげる方向で——私は法律、行政というものは人を苦しめるためにあるものじゃないと思うのです。したがって、ある程度の拡大解釈なり拡大的な適用というのはやる気になればできるはずです。そういう意味でもうちょっと前向きに、こういう事例に対して厚生省がもっと自治体の方に働きかけるとかなんとかしてやっていくというような、前向きにもっと対処していこうというお考えはありませんか、どうですか。
○石野政府委員 お話を聞けば聞くほど私どももじくじたるものを感じるわけでございますが、現在、各県、市町村を通じまして見ましても、精薄児の通園、教育、治療、そういうものについては、はっきり申し上げまして、かなり普及してまいったわけでございます。直ちにそういう民間の現在のあるもので、ある一定の基準以下のものについて助成するように働きかけろとおっしゃられても、これは私としては責任を持って、はいそうでございますというわけにはいかない。あくまでもそういう基準に達するような県の助成なり、あるいは市の方が本当にもっと積極的に助成していただけるならば、これは国の方でもそれについておつき合いしましょうという形になるわけでございます。この件については、私まだ十分お聞きしておりませんので、よく県の方とも相談をして、どういう道があるのか十分検討をしてみたい、こういうふうに思っております。
○市川委員 それでは、県や市の方とよく御相談の上で、何とか守り育てる方向で国の方の温かい手を差し伸べていただきたいというように御要望申し上げたいと申います。 それで、実は、ここに通っていたお母さんから来た手紙なんですけれども、この手紙の中にこういう精薄児問題の一つの問題が含まれているんですね。それに文章そのものはつたない文章ですけれども、親の気持ちもよくあらわれているし、それから幼稚園における受け入れ体制という問題も考えなければいかぬなということが出ているわけです。時間がありませんので、本当は全文読みたいのですが、省略をさしていただきまして、どういう問題がこの手紙の中にあらわれているのかといいますと、一つは、こういう施設があったので、この施設に通っていたということで、かろうじて一般の幼稚園に入れてもらうことができたという感謝の手紙なんです。自分でトイレに行くこともできなかったお子さんが自立的に身辺を整理する、そういう訓練を受けられた、もしこの施設がなかったら、わが子供は幼稚園には行けなかった、本当にありがとうございました、一生御恩は忘れません、一つはこういう文面。 ところが、喜び勇んで幼稚園に行ったのですが、幼稚園では、入れてもらっただけで感謝しなさい、一般の児童が来ている幼稚園にそういう精薄の方が普通は入れないんだけれども、入れてもらったんだから感謝しなさい。それから、せめて歌ぐらい歌わしてもらいたい、施設ではみんなと一緒に歌を歌わしたんだ、幼稚園でも歌ぐらい歌わしてもらいたい、こういうことを言いますと、先生から、おたくのお子さんはまだ無理ですということで、完全に分離されちゃうというんですね。幼稚園の体育館というか大きい教室に机を置いて精薄児の六人分だけ座らされて、ほかの児童とは分離して、毎日ただそこへ行って座って帰ってくるだけだというわけです。まだ、おたくのお子さんは無理です無理ですだけで片づけられちゃう。それから、手間がかかるからよけいにお金を出しなさい、二万五千円いま払っているのを三万五千円払いなさい。それから、母親同士、普通の精薄児でないお母さんと余り口をきかない方がいいですよ。それは、幼稚園がきらわれて、ほかのお母さん方から文句が出るからという配慮から恐らく言っているんだろうと思うのですけれども、この精薄児を持ったお母さんにとっては、すごい差別感を感じているわけですね。せっかくの思いで、公立がなくて一生懸命無認可の私立の施設に通って、何とか自分で御飯を食べられる、自分のものは自分で始末ができるという人になって、高い入園料を払って幼稚園に入れてもらったら、今度は入れただけで感謝しろ、まだ無理ですよ、手間がかかるからお金はたくさんいただきますよ。こういう声がこの中に綿々と書いてあるわけですね。 これ以上耐えられないということで、やむを得ない、幼稚園はもうやめますという手紙なんですが、こういうものを読むにつけ、お母さんの話を聞くにつけ、もうちょっと幼稚園における受け入れ体制だって考えたらいいんじゃないのかということを思うのですが、その辺、幼稚園の問題になりますと文部省の問題になると思うのですが、問題を整理しますと、たとえば厚生省としては、こういう精薄児を保育所で預かって、保育所に指導員を置いて、一般の児童とまぜながらやっていこうというお考えなのか、それとも、その児童の重度、中度によって違うでしょうけれども、施設をつくって、その施設に受け入れてそういう保護、教育というものをやっていこうという考えなのか、その辺どうなっているのかということが一つ。 それから、幼稚園年齢該当児については、これは本来一般の幼稚園に入れるのが無理なのか、それともそうでない形でやるべきなのか、その辺、文部省と厚生省とどんなふうに考えているのか、承りたいと思います。
○石野政府委員 厚生省関係の方から最初に御答弁申し上げます。 精薄児なり身体障害児を保育所で一般的に全部保育するかどうかという問題でございます。これは現在でも、実は古い施設では障害があろうがなかろうが、お母さん方が働いているという場合には保育所に預かっているケースはたくさんございます。それから同時に、障害程度によりましては早く専門的な施設で治療した方がいい、こういう場合もございます。これはもちろん児童相談所等の判定が必要でございますけれども、そういうことによりまして、ある程度専門分化した面がございます。 ところが最近、幼稚園でもそうでしょうけれども、一般の児童とそれから障害を持たれた児童の間でむしろ一緒に保育した方がいいではないかという、こういう一方の御議論もあるわけでございます。私ども実はそれで試験的に障害児保育という問題である一定の保育所を指定しまして、全国四十七カ所でございますが、そこでいろいろ混合して保育した場合にどういう問題点があるのか、どういう方法論でやっていけばその子供さんが幸せになるのか、こういうことについて実はいま研究をいたしております。五十一年度、五十二年度で、本年度含めまして、そういう保育のあり方、障害を持った子供の保育のあり方についてもう少し勉強さしていただきたいという気持ちがございます。学者の間でもいろいろ意見が分かれておりますので、その辺の整理もしてみたい、そういうことでございますので、お答えになるかどうかわかりませんが、そういう方向でいま検討しているということでございます。
○斉藤説明員 義務教育就学年齢前の障害児に対します教育の問題でございますが、障害の程度によりましてその教育措置の内容は異なってくるということが言えると思います。 現在、盲聾といいますか、身体障害につきましては、盲学校、聾学校に幼稚部を設けまして、その教育を実施しているわけでございます。また、養護学校対象児につきましても、幼稚部の設置を促進をいたしておるわけでございます。 幼稚園段階の比較的軽度の障害児につきましては、一般の子供たちと一緒に教育をすることが可能でございますので、一般論といたしましては、普通の子供たちとともに学習をするという形態になっているわけでございます。ただ、先ほどもお話しございましたように、幼稚園の設置が促進されてまいります過程で、幼稚園段階においても特別の指導を要する子供が幼稚園に入ってくるということもぼつぼつ出てまいっております。そういうことを考えまして、昭和五十二年度の幼稚園の研究指定校の中に、幼稚園において特に指導上の配慮を必要とする幼児の扱いに関する研究ということで、二校ばかり研究の指定をいたしまして、その研究に着手いたしているところでございます。
○市川委員 また後で関連で御質問しますけれども、要するに精薄児の早期発見というものが必要なわけでしょう。早期に発見しなければならない、早期に治療した方がいい、政府もこう言っているわけですよ。ところが、早期に発見されたって、早期に受け入れてくれる場所がなければどうするのですかということになる。それは保育所でやるかあるいは施設でやるのかということもまだ決まっていらっしゃらないのかどうかなんですけれども、私が申し上げたいのは、これは年齢によってみんな違うし、それからお子さんの状況によってみんな違うと思うのですよ。違いますが、大別して、いろいろな分け方ができるのじゃないかと思うのですね。まず、早期発見早期治療ということを考えますと、ゼロ歳児から三歳児くらいまでの方に対しては、早期発見の結果早期治療をしなければならない。そういう受け入れ体制というものが公にない。公にないと、当然またこういう私立のものが個人の努力で始まるわけですね。そういうことに対して、早期発見早期治療と言うならば、早期に発見された児童に対して十分治療ができるような受け入れ体制というものをつくらなければならぬということははっきりするのじゃないかと思いますし、それから、専門家によって議論が分かれるということはわかるのですが、そういう中にはたとえば一般の幼稚園に通っていただいた方がいいのじゃないかという児童もいらっしゃると思うのですね。あるいは保育所に一般の方と一緒に預かっていただいてやった方がいいのじゃないかという方もいらっしゃると思う。その場合、やはり幼稚園なり保育所にこういうお子さんを指導できる指導員というものを配置しなければこれはできないだろうと思うのですね。ただ小中学校の免許を持っている先生ではそういうお子さんを扱うことは恐らく無理じゃないかと思うのですが、そういう意味で、やはりそういうお子さんを扱う資格もあるし、そういう児童に対する理解も愛情も持っている人を受け入れ体制として保育所や幼稚園に置いていくことを考えなければ、いま議論が分かれているにせよ、ある半分の必要性というのは認められているわけですから、そういう意味で厚生省や文部省は、保育所や幼稚園にそういう精薄児童を扱う児童指導員を積極的に置いて、それで、幼稚園や保育所で預った方がいいと判断したお子さんをどんどん積極的に受け入れて、やっていこうという考えなのか、それとも、まだその辺は議論の余地があってわかりませんというお考えなのか、その辺のところはどうですか。
○石野政府委員 先ほど御答弁いたしましたように、大きく二つに分かれておるわけでございますが、少なくとも現在四十七カ所の指定保育所につきましては、二名の専門の保母さんを置いて、そこでいろいろなケースを積み上げておるわけでございます。これを全国的に広げるかどうかというお話に通じましたので、私は、まだ全体の方向が決まりませんので、それについてはまだ答えが出ておりませんと、こう申し上げたわけでございますので、現在少なくとも四十七カ所についてはそういう方向でやっておるわけでございます。 それからもう一つの、障害児保育のための専門の保母さんと申しますか、そういう教育を受けた方が必要ではないかという御意見、これはまことにごもっともなお話でございまして、実は、私の方の障害児保育を担当します保母さんにつきましては、特に障害児の処遇の理論、技術というものについて、保母養成所においてすでに科目を課しておりまして、そこで勉強させておりますし、それから、特にこれとは別に五十一年度から、障害児の保育を行っている者あるいは行おうとしております保母さんにつきまして、保育所の特別保育担当職員研修会というのをやりまして、ここで専門的に障害児保育のあり方というものについて研修をしている状況でございます。
○市川委員 たとえば人口百万の特別市の川崎市のケースで考えても、市としてはそういうお母さん方の声にこたえて、保育所、幼稚園に通っている精薄児童、五十一年に七十九名、五十二年で六十五人いるのですが、常勤の保育指導員を置くことはできないので、まだそこまではいってないのですが、市全体として、保母さん八人、非常勤の保母さん、アルバイトだと思うのですが、十名、嘱託のお医者さんを二人、こういう体制をつくっておるわけですね。そして、現場から要請があれば、この方をどんどん派遣して、その要求にこたえる、こういうことを川崎市ではすでにやっておるわけです。ある一カ所の幼稚園については、二人の方を常時向けて、テストケースとして実験している。川崎でもまだこの程度ですからね、逗子治療教育センターのある逗子市なんか、そんな体制なんか全くできておりません。そういう発想だって、第一考えているかどうかおぼつかないような現状なんですが、そういう意味でこういう方々は、やはりお母さんもお子さんも、将来のことを考えますと、非常にいろいろな意味で社会の中から差別というか、生まれながらにしてもうハンディキャップをしょっているわけですから、何とか国がもっと前向きの姿勢でこういう人たちを助けてあげる力をもっと発揮していただきたいということをぜひ御要望申し上げたいと思うのですけれども、本当は議論したいんですが、そのほかのことも申し上げたいので……。 最後に、私は何も精薄児問題の専門家でも何でもありませんので、いろいろな専門家の意見や何かを伺いますと、やはり早期発見早期治療ということは絶対必要だし、早期治療いかんによっては実際治る方もいらっしゃるわけです。そういう意味で、科学的鑑別の必要性というものを専門家は訴えているわけです。たとえばてんかんの子なのに最初の鑑別が誤って、いわゆる精薄児童と一緒に扱われていたという例もあるわけですね。あるお医者さんが精密に検査したらてんかん児童だった。したがって、てんかんの治療をしたら、目に見えて効果が上がって治ってきたという事例もあるわけです。これは何も精薄問題に限らず、私たちの病気の場合でも初診というのが大事なわけでしょう。初診に誤診があれば、これは薬も治療も、その後の投薬も全部間違えちゃうわけですから、そういう意味では、やっぱり初診でこの人の病気が一体何の原因で起きているのかということを鑑別するということは、普通の病気の場合でもこれは一番大事な仕事だと思うのです。いろいろな種額の精薄児がいる。知恵おくれの方もいらっしゃればあるいは脳の障害から来ている方もいらっしゃれば、いろいろな形でおるわけですが、そういうことから、この児童に対しての科学的鑑別診断をするためには、心理学者であるとか小児精神科のお医者さんとかソシアルワーカーとか、多数の専門家が参加して、おのおのの臨床的技術を十分に駆使してやっていかなければできないと思うのです。また、そういうおのおのの臨床的な技術を駆使できるような設備が完備してなかったらできないと思うのです。そういうセンターというのですか、精神薄弱児のそういう科学的な鑑別の研究をしていくような医療センターというのですか総合センターというのですか、そういうものをまず手始めにおやりになる必要があるんじゃないのか、それをやらないことには話にならないんじゃないかと思うのです。精薄児といってもいろいろな定義があって、いろいろなふうに分かれるわけですから、まず、どういう児童を精薄児というのか、また、何を原因にこの子はいまのこういう状況になったのかという、そういう原因を科学的に鑑別して、しっかり突きとめて、そしてその結果によって適切なあるいは正確な治療を施すということが一番大事だと思うわけです。そういう意味ではこういうものはまだないわけですけれども、厚生省としてこういうものをおやりになる必要があるんじゃないかと思うのですが、どうですか。局長でなく、大臣一言。
○石野政府委員 いま市川さん大変重要な問題を指摘されたと思うのですが、第一の判定の問題、これは実は非常にむずかしい問題がございまして、現在児童相談所を中心としてやっておるわけでございますが、そこでいわば脳神経科とか、そういう専門のお医者さんをなかなか活用できないという面がございます。そういう意味では、私どもはいろいろ専門家の教育は行ってはおりますけれども、限度があるわけでございます。そこで、一番基本になりますのは、やはり発生のメカニズムというものをもっと基本的に研究をして、そしてその上に立ったいろいろな指導なりが行われなければならないということは、私ども十分認識しておるわけでございます。 そこで、現在実際上考えておりますのが、国立の武蔵療養所というのがございまして、そこに五十三年一月の開始をめどにいたしまして神経センター——仮称でございますが、そういうものを開設しようとしているわけでございます。そのほかにも、現在は市川の国府台に国立精神衛生研究所がございまして、そこでも精神薄弱部というのを持っておって十分研究いたしておりますけれども、そういうものとタイアップしながら発生のメカニズムというものを十分研究して、一日も早くそういう障害の発生の防止に役立てたいと考えておるわけでございます。
○市川委員 大臣、どうですか。
○渡辺国務大臣 きわめて専門的な話でありまして、広く学識者の意見も聞いて、あなたのおっしゃることもよくわかるから、そういう趣旨が実現できるように今後も努力をしていきたい、かように存じます。
○市川委員 次に、聾唖者のはりの治療について、健康保険で取り扱いの対象になっていないという問題について、取り扱いにしたらどうかという提案の立場からお伺いをしたいと思います。 時間がありませんので端的に参りますが、第七十五国会と第七十七国会においても請願が出されまして、社会労働委員会に付託されておるわけでございます。 第七十五国会におきましては「近年我が国のはり・きゅう治療は、中国はり法を取り入れながら医学医術と相関し、難しい疾病の治療に大きな効果を上げ、その需要が増大し、国民の健康増進に多大の貢献をしている。ついては、速やかに次記事項を実現されたい。はり・きゅう治療費も一般治療費と同様に保険給付の対象とすること。医師に対するはり・きゅう療術の普及と研修体制を確立すること。」あるいは第七十七国会では「あん摩、マッサージ、指圧、はり及びきゅうは、古くから行われている治療法で、国民の健康増進に多大の貢献をしてきた。特に近年、これらの治療法が見直され、その治療効果は顕著であることが認められている。しかるに、これらの治療に係る保険給付の取扱いについては、その受給手続が極めて煩雑であるため、受給患者が著しく制限される結果となっている。ついては、国においてはこれらの施療について、保険給付が容易に受けられる措置を早急に講ぜられたい。」ということが請願で述べられ、社労委員会に付託されているわけですが、現時点において厚生省として、こういう請願なり要求に対してどんなお考えでいらっしゃるのか、お伺いしておきたい。
○八木政府委員 健康保険におきますはり・きゅう等の問題につきましては、神経痛でございますとか腰痛でございますとか、保険医療機関で療養の給付を受けた場合に十分な所期の効果が得られないとか、あるいは治療効果があらわれないという場合に、お医者さんの同意を得て、療養の給付としまして療養費払いということで対象にしているわけでございます。したがいまして、お医者さんの同意を得た場合には健康保険の中でも適用しているということでございます。
○市川委員 それは私もよく承知しておるのですけれども、四十六年と四十八年とそれからことしの一月ですか、三回ほど中国へ行きまして、そのときに中国の聾唖学校を、実際に行って一日がかりで拝見してきたのです。これは主義主張という問題は別にしまして、たとえば北京の第三聾唖学校に行きました。そこで実際、小学生ですが、小学生を相手にはりで治療しているわけですけれども、十年近くやってきた実績の中で、最近の一年間の治療結果を中国の方から伺ったのです。これは私が何かで調べたという意味じゃありません。向こうから聞いた数でございますから、そういうふうにお聞きいただければ結構なんですが、はり治療の結果、二百三十八人の聾唖者のうち、他人の話を聞いて意味がわかる者三〇%、聞くことはできるが意味まではわからない者が三〇%、不安定な者が三〇%、治療ができない者が一〇%、こういうデータがこの聾唖学校で出ているわけですよ。そうすると、他人の話を聞いてというのは、いままで全然耳が聞こえなかったのですね、それがはりの治療によって、三〇%の児童が他人の話を聞いて意味がわかるまでになったということですね。あとの三〇%は、聞くことはできるが意味まではわからない者。しかし、これは聞くことはできるわけですから、教育のレベルがもっと上がってくれば話しているごとは意味がわかるということになるのだろうと思うのです。実際向こうでもそう説明しておりましたが。ですから、早期に幼児の時期にはりの治療を開始していきますと六〇%から七〇%くらいまではできるのではないかということを言っておるわけです。 日本では西洋医学と東洋医学の何か確執というのがおありになるようですが、この話を私が国内である中国報告会で申し上げたら、たまたま聾唖者のお母さんがお見えになっておりまして、わらをもつかむような思いで、ぜひもっと詳しく話を聞かしてくれというので申し上げたことがあったのです。もしこの話が本当ならば自分は財産を全部つぎ込んで中国へお子さんと一緒に行ってもいいというくらい思い詰めているわけですね。そのくらいそういうお子さんを持った親の気持ちというのは深刻で切実なわけですよ。 こういう話があって、いまの日本の国内でもはりの治療を受けている方が現実にいるわけです。ところが、健康保険がきかないということで、一回契約するとたしか一万円払って四、五回治療が受けられるのですが、四、五回終わるとまた一万円くらい払って四、五回治療が受けられる。お母さんにとってみればかなり負担なんですよ。そういう意味で健康保険がきくようにしてほしいという要望があるわけです。いまお答えいただきましたけれども、そういうケースというのは、私も日本語は普通に理解しているつもりなんですが、療養費の支給条件については、保険医療機関における療養の給付を受けても所期の効果が得られなかった、またはいままで受けた治療の経過から見て治療効果があらわれていないと判断されるもので、医師の同意書によりはり、きゅうの施術を行うことが適当と認められるものに限る、こういうふうになっているわけですね。これだと、お医者さんが自分の医術ではもうだめだ、いわば完全放棄というかギブアップして、自分は力がありません、だからしようがない、はりの方をおやりなさい、そういうときでもない限りはお医者さんはオーケーしないのじゃないかというふうにも受け取れるし、それから、はりというものを結局医学の何か従属的なものとしかその値打ちをとらえていないということですね、こういうふうにも受け取れるのですが、こういう要望が強い、しかも実際にみんなはりで治療を受けている、中国ではそういうはりで治ったという実例も出てきているということを考えて、また実際にお子さんを持っている方の負担が重いということを考えて、どうですか、もう一歩健康保険を拡大して解釈して適用していくんだという方向へ踏み切っていくことはできませんか。これはいますぐここでやりますという答弁を要求しているのじゃありませんでして、もっと前向きにこれから調査研究することはできませんかということをいまお聞きしたいのですが、どうですか。
○八木政府委員 聾唖者に対します中国でのお話がございましたが、御指摘ございましたはり治療の問題につきまして保険を適用するということになりますと、医学的に本当に効果があるかどうかということで、事は学問的な問題になるわけでございまして、そういう意味で専門家の方々——医学的な内容におきましてこれが十分効果があるということが立証され、しかもその方法があり、しかも、ある程度一般化するという場合には、これは考えてもいい問題だと思いますけれども、問題は治療効果等につきましても医学的な専門的な御判断ということでございますから、そういう専門家の御意見というものが貴重な基礎になるというふうに考えている次第でございます。
○市川委員 それじゃ、専門家の意見というのですから、大体専門家というのははりをばかにしている方の意見を聞いちゃうからどうしてもだめなわけですよ。だから、もうちょっとはりとかそういうものに対して公平な立場に立っている方に聞いてもらいたいということと、その御意見はわかるのですが、それならばどうですか。中国と日本も国交回復されておりますし、現実に三〇%の人が治ったということだけでも、もしこれが本当だったらこれは画期的なことですよ、日本の聾唖者にとっては。一回そういう専門家あるいははりの専門家を含めて、中国へ研究団を派遣して聾唖学校の実際を見てこられたらどうですか。皆さんも行かれて見てこられたらいいのですよ。実際、いま聾唖で困っている方にとっては本当に深刻なんです。皆さんは健全だから別に何とも思ってないかもしれない。お母さん、それから小さいお子さん、一生のことを考えると、あるいは自分が亡くなった後を考えると、この子はどうするんだろうかということで本当に懸命になっているわけです。お金はない、はりは受けたい、こういうことがありますので、提案したいと思うのです。じゃ中国でそういうはりの実態があるなら、一回日本としても見てこようではないか、専門家の意見も十分に、専門家も一緒に団の中に入れて派遣すればいいのですから、おやりになってみたらどうですか、そういう前向きのお考えはありますか。
○石丸政府委員 聾唖者に対するはり治療の問題に限定せずに、はり・きゅう等の伝統的な東洋医学の問題につきましては、これはやはり従前から経験医学的にこういったはり・きゅうがいろいろな医療に使われておるわけでございますが、そういったいろいろな東洋医学の問題を西洋医学の立場から再評価しようという機運が現在高まっておるところでございまして、そういった面から総合的に検討いたしたいと考えております。 それで難聴者に対しますはり治療の有効性については、これはもう先生御承知だと思いますが、日本鍼灸師会会長も中国に行っておられるわけでございます。そういった人たちの意見も従来から聞いてはいるわけでございますが、現段階においては、そういった人たちの意見はただいま保険局長からお答え申し上げましたように消極的な意見が多いわけでございますが、今後さらに検討を進めてまいりたいと考えております。
○市川委員 はりをばかにしている人の意見ばかり聞いておるから恐らくそういうことになるのだろうと思うのですよ、ぼくは。だから、その辺はもうちょっと違う角度の方からいろいろ御意見を聞いたらどうかと思うのです。中国へそういうのをぜひ一回どうですか、研究として行かしてみたらいいじゃないですか。そんなほかのことがたがた言ってないで、実際に現実にどうなのか、やはり百聞は一見にしかずですから。見ないで、変な、はりに偏見を持った人ばかりに意見を聞いていないで、偏見を持った人も偏見を持っていない人も含めて行かして、現実を一回見せてみればある程度わかるんじゃないかと思います。そのくらいの気持ちで行政に当たられたらどうですかという意味で申し上げているのです。聾唖者に限ってでございますが、そういうはりの聾唖者に対する治療効果というものが非常に高いという臨床例が出ているわけですけれども、そういうものを研究に中国に行かせようなんというお考えは全然持ちませんか。どうですか。
○石丸政府委員 中国に研究に行くかどうかは別といたしまして、やはりそういった効果のあるという報告等もあろうかと思いますので、そういった中国からの資料等も手に入れまして、先生御提案のことも含めまして、今後検討させていただきたいと考えております。
○市川委員 資料を提出させてとか、そんなデスクワークじゃだめなんですよ。そんなことを言っているからいつまでたってもだめなんですよ。実際行ってみれば一番わかるのですよ。水俣病というのは水俣に行かなければわからないのです、話で幾ら聞いたって。現実に患者に会ってみて初めてわかるのですよ。何でも資料を取り寄せて、何でもこれから研究してなんということじゃ間に合わない実態があるのですから、どうかひとつもっと前向きにやってもらいたいと思うのです。 それでは、時間も来ておりますので次の問題に入りますが、先日お話ししたのですけれども、公的医療機関の実質強化の方向についての問題でございますが、東京、神奈川、埼玉、千葉、こういう人口急増地区におきましてはいろいろな問題が起きているわけでございます。住宅が足らない、あるいは高等学校が足らない、幼稚園が足らない、小中学校が足らない、あるいは救急医療体制が間に合わない、こういう人口急増地区にはいろいろな問題が起きていて、行政的に立ちおくれというものが起きているのですが、中でも医療行政でございます。 たとえば私の手元には神奈川県のデータしかないのですけれども、神奈川県のデータで見ますと、病院の数が全国平均で一万三千四百九十六人に一つという数が出ておるのですが、神奈川県ではこれが二万一千八百三十五人に一カ所、高知県では六千三十三人に一カ所の病院がある。神奈川では二万一千八百三十五人に一カ所しかない。診療所で見ますと、高知県では千五百八十八人に一カ所ある。全国平均では千五百三十一人に一カ所ある。神奈川県では千七百四十五人に一カ所ある。こういうデータがございます。またベッド数では、高知県では四十八人に一床、全国平均では九十六人に一床、神奈川県では百三十一人に一床。こういう病院、診療所の数、ベッド数でも神奈川県が人口急増地区でおくれているということがわかるわけでございます。 特にまた、神奈川県の中でも川崎の例をデータで調べてみますと、病院、診療所の人口十万対数という数字で見ましても、川崎の北部地域、高津区とか多摩区という北部地域におきましては、病院が二・三五とかあるいは診療所が四二・二三とか、ほかの地区に比べるとやはり著しくおくれていることがデータではっきりわかるわけでございます。また、病床数でこれを見ましても、おくれていることがはっきりしているわけでございますが、こういう人口急増地区の医療体制のおくれについて、厚生省としては特にお考えがあるのかどうか、まずその点をお伺いしたいと思います。
○石丸政府委員 先ほど来、救急医療の問題でもいろいろ問題点が指摘されたわけでございますが、ただいま先生御質問の人口急増地域の医療体制の整備ということは非常に大きな問題でございまして、わが国の現在の医療整備の状況、特に救急医療につきましては、この人口急増地域ということが非常に大きな問題になっておるわけでございまして、こういった人口急増地域の医療の確保という点については、従来からわれわれもいろいろ配慮を加えておるところでございますが、この公的病院の病床規制というような問題についても、人口急増地域には必要病床数の加算制度を認めるというようなことを行っております。さらに医療金融公庫による融資制度におきましても、特別の考慮を払っておるところでございます。
○市川委員 たとえば鎌倉なんかでも、十七万の人口がありながら公的な医療機関が一カ所もないとか、それで市民から三万に上る市民病院の建設という請願書が出ているのですが、市の財政ではとても赤字になるということで、これは見送られているわけですね。人口急増地区というのは、神奈川県の場合、市が誘致運動を起こしたり県が誘致運動を起こして人口がふえたわけではないわけでございます。この間も文部省にたしか申し上げたのですけれども、経済企画庁の四十七年の推定だって千人の就業者がふえると一年間に三十三億六千万の金がかかるという。関連社会資本が一人当たり三百三十六万円だ。しかもこれにプラスいろんなものが、たとえばごみの処理とかそういうものを加えますと巨額のお金がかかる。一人当たり三百三十六万円も、最低限にざっと見積もってそれだけのお金がかかる。高度成長政策で首都圏に人口がどんどん集まるような政策がとられてきた。結果として人口が集まる。そういう人口がたくさん集中したために住宅も足りません、高等学校も足りません、医療行政も間に合いませんという状況が生まれているわけですよ。そういう意味ではただ自治体が——自治体がということではないわけです、国にも責任があるわけですよ。人間が都市に集中する政策をずっととったわけですから。結果として人間がふえたところに対して、そういう医療の問題でも、人口のふえていないところと急にふえたところは、これはやはりある程度考え方を変えて対処していかなければならないのではないかというふうに思うのですね。 そういう立場から、特に、一般論を言っていても話になりませんので具体例を挙げますと、たとえばいま申し上げた川崎の北部の場合ですね。本当は市で総合病院をつくる予定が、さっき申し上げたような事情でつくれない。そこで、大臣にお伺いしたいのですが、そういう公的公立病院がない地区に、たとえば準公立病院があって、その病院でぜひ休日夜間の急患体制をやってもらいたい、あるいはいま外来の受け付けをやってない、ぜひ外来の受け付けをそこでやれるようにしてもらいたいという、こういう地域あるいは市の要請があるのですが、こういうものについて厚生大臣としてはいかがでしょう。そういう公立病院がないところに準公立病院がある場合、そういう休日夜間急患体制をとるとか、外来の受け付けをやっていないのをやってもらう方向にしていくとか、そういう厚生省としてのお考えはありませんか。
○石丸政府委員 ただいまの先生の御質問は、具体的な事例といたしまして川崎の登戸地区の問題だというふうに受け取ったわけでございますが、登戸地区には国家公務員共済組合の病院が二つあるわけでありまして、一つの病院については、これは外来患者をとっておるわけでございますが、夜間診療についての問題があろうかと思うわけでございます。こういった病院、一つは定員の問題もございますが、やはりわれわれといたしましては、そういったところ、特に公的病院が救急医療に率先して参加するということが必要だというふうに考えておるところでございまして、何らかの助成措置によってそういった病院が救急医療に参加するように今後とも努力してまいりたいと考えております。 さらに、虎の門病院の分院の問題につきましては、これは設立の目的がどうも後方病院として慢性患者の収容ということでやったものでございますので、従来から外来を取り扱わないということになっておるわけでございまして、これを改正するためには相当な設備投資なり予算の投資が必要かと思いますが、やはり公的病院の使命ということでいろいろお考え願いたいと考えておるところでございます。
○市川委員 大蔵省もお見えになっていらっしゃるのじゃないかと思うのですが、どうですか、いま御答弁あったのですけれども、登戸病院、ここでは外来をやっているのですが、休日夜間の急患治療体制をぜひやってもらいたいという市民の声があるわけですね。それから、もう一つの虎の門病院は、さっきおっしゃったいきさつなんですが、虎の門病院の方に伺ったところによりますと、市や住民からそういう要請があるが、受け入れられるような条件をきちんと国なり何なりが整えてくださるならというようなことをおっしゃっておるのですが、大蔵省としてはどうですか。
○山崎説明員 ただいまの登戸病院につきましては、先ほど厚生省の方の答弁にもありますように、現在医師等の常時診療体制という点におきまして、現在のところ救急医療機関には適さないと考えております。また、さらに登戸病院の患者につきましては、現在非常に満杯に近い状態になっておりまして、救急医療施設に指定されるためには専用ベッドなり優先ベッドが必要だ、こういうことなどなかなか御要望に沿えないという面がございます。それから、先生十分御承知だと思いますが、あの病院につきましては、当初結核病院で始められた関係もございまして、丘の上に建っておるということで、患者の搬入にも問題があるというようなことで、なかなか救急病院に即応じ切れないというのが現状でございます。 それから、例の虎の門分院でございますけれども、実は先ほど御答弁があったように、慢性疾患とかいうものの本来の本院の病棟というふうな考え方、虎の門病院の先生方の新しい医療体系という考え方に基づきまして、外来を受け付けないというようなことになっているわけでございまして、なかなか救急医療に適さない。しかしながら、私どもも救急医療の重要性ということにかんがみまして、各地域の特性に応じて具体的に救急医療体制の整備を行なっていく過程におきまして、われわれの医療供給施設の一環といたしまして、できるだけの範囲で協力していきたいというふうには考えております。
○市川委員 済みません。もう時間が経過してしまって申しわけないのですが、もう一つだけお願いをいたします。 そういうわけで、市の方は人口がふえましたが、財政赤字でございますから公立病院は見送りまして、近所にある準公立の病院でやってもらおうと思うと、いまおっしゃられたような話でこれもだめでございます。そうすると、実際人口急増地区の人は困ってしまうわけです。それで、この昭和五十二年度予算の救急医療対策費の中で、救命救急センターの整備費三十一億六百万ですか、計上されておるということでお伺いしたいのです。 もう時間がありませんので、端的に伺いますが、この支給の基準ですが、どういう基準で支給されるのか。それから、一つの県で、たとえば、三カ所か四カ所申請があった場合、一県一カ所という考え方なのか。それとも人口急増県については多少加味してもらえるのかどうかということですが、私の希望としては、人口百万ぐらいについて一カ所ぐらいそういう救急センターをつくる必要があるのじゃないかというふうに考えておるわけです。たとえば神奈川県ですと、大体人口配分で五カ所ぐらい候補地を考えております。その中で具体例を申し上げますと、川崎の北部の場合なんかでは、聖マリアンナ医科大学病院というのがあって、市としてはそこにぜひ国の予算の助成を受けて救命救急センターをつくりたいという要望を持っておるわけです。いま県のレベルでこれを五カ所ぐらいに候補地をしぼって、その中の一カ所に入っておるのです。検討段階でございますが、厚生省として、こういう人口急増地区ということにかんがみて、一カ所なんておっしゃらないで、二カ所ぐらいあるいは三カ所ぐらいというお考えはないのか。ぜひともやってもらいたいと思っておるのですが、あわせてお伺いをしたいと思います。
○石丸政府委員 救命救急センターは非常に高度な医療技術を整備しました病院でございまして、やはりそれだけの病院を整備するには、従業員を集めるとかいろいろな面でなかなかむずかしい問題があろうかと思います。それと同時に、救命救急に対します各都道府県の要望が非常に強いものでございまして、各府県からいろいろわれわれのところに相談にも参っておるわけでございます。将来の問題は別といたしまして、とりあえずの段階におきましては、各都道府県、非常に要望が強いものでございますので、とにかく各都道府県に一つずつを早急に整備するということでございまして、ただ、その後におきまして、ただ一カ所にこだわるものではないわけでございまして、それぞれの都道府県の実情に応じながらさらにこれを増加するという方向で検討させていただきたいと考えております。
○市川委員 時間が過ぎましたので、これで質問を終わりたいと思います。
○正示委員長 次回は、来る二十八日木曜日午前十時理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時五十一分散会