逓信委員会 第16号
- 発言数
- 36 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1977/05/19
会議録
○八百板委員長 これより会議を開きます。 逓信行政に関する件について、調査を進めます。 昨日に引き続き、国際電信電話株式会社から参考人の方々が出席されております。 質疑の申し出がありますので、これを許します。藤原ひろ子君。
○藤原委員 本日は、関係者の皆さん方にはお忙しい中をわざわざお越しいただきまして、本当に恐縮でございます。私、藤原ひろ子でございます。 私は、国際電信電話事業の性格から言いまして、国際電信電話を支えております中心はオペレーターの方々、電話交換手の方々だ、このように思うわけです。この人たちが働いておられることによりまして国際電々の事業は成り立っていると言っても過言ではない、こういうふうに思います。もちろんほかの皆さん方、すべての部署で従事しておられる方々が精いっぱい力を込めて働いておられるというのも、国際電信電話事業を支えている一環だと思うわけですけれども、働く方々の比率から言いましても、またなくてはならないという仕事の関係から言っても、大変大切な部門を受け持っていらっしゃる、こういうふうに思うわけです。このオペレーターの人たちの圧倒的な部分は婦人の労働者であるということも、KDD内外の方々がもうすでに御存じのとおりだ、こういうふうに思います。したがいまして、この婦人オペレーターの問題といいますのは、国際電電にとっては大変重要な課題だ、私はこのように考えているわけです。 そこで、きょうはこの婦人オペレーターの問題につきまして、関係者の皆さん方に質問を申し上げたいというふうに思うわけでございます。オペレーターといいますのは、看護婦さんと同じように法に基づいて深夜勤務も許されているわけでございます。しかし、婦人が深夜勤務をすることによって、本人の健康や家族にも及ぶというようないろいろな弊害が出ているということも事実でございます。私は、女子の社員が抱えておられる幾つかの問題について、これから質問をしたいと思うわけでございます。 まず最初にお伺いをいたしますが、多くの女子社員を就業させている企業の一つであります国際電電は、女子社員に対してたとえば労働条件などといった問題についてどのような施策を今日までとってこられたのか、この点お尋ねをしたいと思います。
○板野参考人 私から概括的にまずお答え申し上げまして、いろいろ詳細な部分につきましては、担当の井上取締役が参っておりますので、それから御説明をさせたいと思います。 まず、先ほど先生がおっしゃいましたように、私どもKDDの事業におきまして電話事業の占める地位というものが非常に大きい、かつこれが一般国民の方々に非常な利便を提供しておる、こういうことにつきましては、私どもこの事業が電話事業——特にこの電話事業の大部分を支えておりますオペレーター、婦人労働者の問題につきましては、私ども常日ごろ非常に重大な関心を持って対処いたしておる次第でございます。 このオペレーターの一般的な労働上のいろんな諸条件ということについて申し上げますと、ただいま先生がおっしゃいましたように、婦人が深夜労働に服するということは、われわれ電信電話事業あるいはただいまおっしゃいました看護婦の事業というようなところでは、特別に深夜勤務ができるということになっております。しかしこれは事業の性質から来た特別の措置であるということにつきましても、私ども十分に承知をいたしておるわけでございます。したがいまして、私どもオペレーターにつきましては、労働基準法等に決められておりまする婦人の保護に関するいろいろな規定なり精神なりを十分考えまして、婦人オペレーターに対する措置をとっておる次第でございます。 さらに、私どもの仕事、交換業務は時差といいますか、世界全体を相手にいたしておるものでございまするし、また各種の言葉を使っておる、英語、フランス語その他いろいろな言葉を使っておるというような特殊な業務でございます。日本が昼間のときはアルゼンチンその他は深夜間になります。日本が夜間のときは向こうは昼になりまして、生活が一日のうちにそれぞれ逆転するというようなことでございまして、したがいまして、仕事も二十四時間連続してやらないと電話のサービスが完全にいかない、こういう次第でございます。それから、ただいままだ国際電話におきましてはほとんど自動化されておりません。自動化された部分は全体の通話の六、七%という程度でございまして、その点は国内の電話とはまた非常に違っております。したがいまして、特別に英語を基本といたしまして、関係の深いところではあらゆる言葉を習得して電話サービスに当たらなければならぬ、こういうことでもございますので、そういう特殊性を十分考えながら、私どもといたしましては、まず労働時間につきましても、それに伴います週休、休息等につきましても特別の措置をいたしておる次第でございます。 それから、婦人特有の問題であります育児の問題あるいは子供の教育の問題等につきましても特別に各種の施設を講じておりまして、そしてオペレーターの仕事が健康その他家族等の関係におきましても円満に、円滑にいきますように、円滑にいくことによって国際電話のサービスが国民にされる、こういうことになりますように、私どもできるだけ注意をいたしましてやっておる次第でございます。そういうようないろいろな、具体的な問題につきましては、先ほど申し上げましたように、井上取締役から御答弁をさせたいと思います。一般的に私から説明をいたしました。
○井上参考人 それでは具体的な点について申し上げます。 特に電話局におきましては、ただいま社長から申し上げましたとおり労働条件向上の施策を基本方針のもとに考えておりますが、もともと婦人に対する労働条件につきましては、従業員の総意を代表します組合との間で要求を協議いたしまして、そしてその中で協約を締結しながら労働条件の向上を図ってまいっております。 まず労働時間につきましては、昨日も申し上げましたとおり週四十時間でございます。しかしこの四十時間の中におきます本当の交換室で働く時間と申しますのは、それから食事の休憩とかあるいは休息とかいうものを除きますと、週四十時間というものは一週当たり二十八時間四十五分というような状況になっております。これは労働時間につきましても非常に大変なことでございまして、再三再四組合から要求がありまして、その要求のもとに、かつては三十何時間という三十時間を超えるものでございましたが、年を経てこのように労働条件の改善を行い、特に深夜勤務の場合につきましてはその中で特別休息という時間を設けて、その時間も特に四時間及び四時間三十分という二種類をつくりまして、組合との間で協約を結びその実施を図り、労働条件の向上に努めてまいってきております。 次に、平均年齢あるいはまたその勤務ということにつきましても、年齢の分布は相当ございますが、平均としまして約二十四歳、こういうところでございます。こういうところでございますので、労働時間からいたしまして決して過酷な勤務ではなく、また過酷な労働ではない、労働条件につきましては特に考慮しておるというふうに考えられます。 次に、このほか特に婦人の特別な事項といたしまして生理休暇というのがございます。生理休暇につきましては、組合との間のやはり同じ協約の中で、二日間は有給でございますが、それ以後は希望により延長することができるのでありますが、二日間だけは有給で実施するというような協約もできております。さらに、特に先ほど社長からも触れましたが、女子職員が子供を育てる場合、生後満三年までの新生児を有する期間におきましては、女子職員がその職員としての身分を失うことなくそのままで育児に専念できることを目的にいたしまして、満三年になるまではその期間特別に休職を認めております。実際にこの制度によりまして、東京電話におきましては現在一般オペレーターは七百名をちょっと超えておりますが、そのうち約六十名がこれの制度を利用しております。これらにつきましても、組合との問で労働条件向上の協約を結んでまいったことによるものでございます。 次に、特別勤務時間というのを設けております。これは十二歳未満の子を有する女子職員につきまして、一日の就業時間が約八時間でございますが、それを四時間という勤務を設けて、半分の時間勤務をすることができるようにし、その子女の養育につきまして特に意を用いております。 次に、さらに、女性本来のことにございますが、妊娠あるいはこの関係のことにつきましては、出勤扱いで勤務の中におきましても健康診断あるいは出勤、退社といった場合にも、一時間を限度にこれの上下を認めておる、こういうふうなぐあいに特に婦人に対する労働条件につきましては特別な配慮を払って、しかも組合との問で協約が成立して実施してきております。 以上、具体的な事項でございます。
○藤原委員 私は労働者の話に基づきまして、先日KDDで働く方々の健康の問題で少し調べてみたわけでございますが、大変胃を痛めておられるという方も多いようでございます。これは、先ほど社長さんもおっしゃいましたように、仕事の特殊性からくるものだというふうに私も見たわけでございますが、それだけにこういった健康の問題に対する一層の配慮、それから具体的な手だて、これが大変必要だなというふうに感じたわけでございます。 その中で、私がきょう特に質問させていただかなければならないというふうに認識をいたしましたのは、切迫流産、こういった問題が非常に多いということに気がついたわけです。四十九年度と五十年度、これを見てみましても三十数人、東京の国際電話局だけで三十数人もおられる。構成からいいますと、いまもおっしゃいましたように平均年齢は二十四歳だというふうな中で、未婚の方も多い、寮も婦人の寮があってたくさんの方が入っておられる、そういう中で三十数人も年間切迫流産が出ているということは大変な問題だなというふうに思ったわけでございます。婦人にとりましても、これは基本的人権にかかわる重大な問題だというふうに思いますし、また、日本民族の将来にかかわる大変な問題だというふうに思うわけでございますが、いろいろいま具体的にこの施策をお示しいただいたにもかかわらずこういう事態が現実に起こっているということについて、何が原因であるか、どう考えておられるか、お尋ねをしたいと思います。
○井上参考人 お答え申し上げます。 東京国際電話局におきます流産数、これにつきまして調査したわけでございますが、四十七年度より五十一年度までの五年間実際に流産された方は四名でございまして、この間推定妊娠者数約二百名と見込むことができますが、これに対しまして約二%でございまして、一般の流産率を下回っております。 以上のようなことでございますので、当社におきまして多発しているということはないと存じております。
○藤原委員 切迫流産が年間三十人から三十五人、そうすると実際に流産してしまった人は五年間でたったの四人だ、国際電電のいろいろな婦人に対する温かい施策の中で切迫流産はとまったんだというお答えでございますか、いまのは。
○井上参考人 切迫流産の、流産になるおそれのある状態でございますが、このことにつきましては、いまのところ推定が非常にむずかしくてはっきりはいたしておりませんが、これらにつきましてそのおそれのある場合は、申し出によりまして診療所におきまして受診をしていただきます。そしてこれによってそれぞれの医師の手当てを受ける、あるいはまたそれによる医師からの直接の流産にならない指導、こういうものを指示していただく、こういうふうにしていただいております。そういうことで一般の流産率をはるかに下回っておりますので、そういうおそれにつきましてもはるかに下回っておる、こういうふうに考えております。
○藤原委員 それでは具体的に頸肩腕症候群、この職業病についてお伺いをしていきたいと思います。 去る五十年の七月二日でしたが、当委員会におきましてわが党の土橋委員が「労働基準監督署は、これは頸肩腕症候群だと言えば、それはそのまま従いますね。」という質問をしたわけでございますが、当時の国際電電の小池参考人は「基準監督署の認定が出れば、それに従って会社は対処します。」というふうにお答えしておられます。国際電電としてはそのお答えはいまでも変わらないわけですね。
○井上参考人 いまもそのことは変わっておりません。
○藤原委員 そういたしますと、労働基準監督署が申請者に対しまして業務上の認定を下した場合に、会社は具体的にどのような措置をとっていらっしゃるのか、明らかにしていただきたいと思います。
○井上参考人 具体的な措置といたしまして、基準監督署の認定を見まして、それによりまして基準監督署では全部の補償をするわけでございませんので、これにつきまして、残りの分につきましては労働組合との間にあります頸肩腕関係の補償及び業務災害補償並びにそのほかの見舞い金、こういうふうなものを具体的に制度として給付し、実施しております。
○藤原委員 そうしますと、当然そのことは認定患者に対する措置とあわせて今後患者を出さないということで、労働基準監督署が業務上だ、こういうふうな理由をつけた場合に、会社側のとるべき措置があるというふうに思うわけですが、今後羅病者を出さないということでの措置について、会社としては具体的にどのように対策を講じていらっしゃるでしょうか。
○井上参考人 会社の具体的措置ということにつきまして頸肩腕関係、特にこれにつきましては四つの方針を持っております。 その一つは、早期に受診をさせる。肩が痛いあるいは手が痛い、こういうことになりますと、それの訴えを係の主任あるいは同僚、そういう者に漏らした場合にはすぐ受診させるというような手続をまず第一にとることにしております。 次に、よい職場の雰囲気づくり、とにかく電話の仕事でございますので、相手が見えず言葉だけでございますので、緊張からくる疲労というものが相当ございます。これに対しまして、その緊張からくる疲労の予防ということから、よい職場の環境づくりをやっております。 次に、一部機器を身につけるということになります。したがいまして、さらには機械の操作をするということから、機器につきましての人間工学的な改良を進めております。以上のほかに全般としまして環境の改善、整備、この四つの方針を具体的にそれぞれの中でとりまして実施してきております。
○藤原委員 いろいろ配慮をしていらっしゃる四つが出たわけですけれども、いまおっしゃっていただきました会社側の対策といいますのは、では具体的に効果があらわれているのかどうか、現実はいかがでしょう。
○井上参考人 具体的の効果につきましては、これまで頸肩腕関係の訴え、肩がこるとかの訴えが相当出ておりましたが、それが急激に減ってきております。それとともに、またこの訴えを起こした人の中でも短期間に治癒するという人も相当出てきております。以上のようなこと、それからさらに環境の整備というようなことにつきましては、オペレーター側から体の操作その他につきまして非常に楽になったという好評の結果を得ております。
○藤原委員 それでは認定理由につきまして具体的にお聞きをしたいと思います。 国際電電のオペレーターが昭和五十年十一月二十二日に八人、昭和五十一年六月十二日に三人がそれぞれ頸肩腕症候群で東京の中央労働基準監督署におきまして業務上というふうに認定をされております。その業務上認定の理由の中に「一人当りの業務量が、四十六年度に比して、四十七年度及び四十八年度はいずれも著しく増加しており、さらに一日の時間帯のうち繁閑の波が大きい」というふうに言っているわけですが、そのほかに「国際電話の性格上業務に深夜業が含まれており、これによる疲労も考えられる」、こういうふうに述べているわけでございます。会社としてこの点について改善されたのか。さっきの四点ではちょっと具体的に見当たらなかったように思うわけですけれども、改善されたのか改善されなかったのか。したかしないかという簡単なお答えで結構でございますから、こういった点について改善されたかされなかったか、どちらでしょうか。
○井上参考人 まず最初に申し上げたいのでございますが、私どもの方には基準監督署からその理由につきまして詳細な通知を受けておりません。近く送られてくるということでございますが、まだ受けておりません。ただいま先生がおっしゃいました各項目につきまして、私どもの方は実は存じておりませんが、これにつきまして簡単に申し上げます。私どもの持っております資料から申し上げますと、一人当たりの業務量でございますが、これが著しく増加しておるということでございますが、従来、昔の時代、無線時代とかの場合は別といたしまして、太平洋ケーブルができまして以来、あるいはまた衛星通信ができまして以来、一人当たり業務量というものは、やはり若干忙しくなってきております。これは通信量が著しく伸びてきております。そういうことから、おっしゃるとおりの結果になっております。しかし、会社も一人の業務量としてたえられないというようなことでは困りますので、これにつきまして詳細に事情を調査し、たえられない事情にならないように要員の配置その他を配慮しております。したがいまして、いまの一人当たり業務量というものは増加はいたしておりますが、たえられない事情にはございません。 次に、通信の取り扱い量、繁閑の波が非常に大きい、こういうことでございますが、繁閑の波はさほど大きいとは考えておりませんで、一日の通信量につきまして各時間別の量をとりますと二つの波が出てまいります。これは先ほどの社長の説明のとおり、国際通信というものは二十四時間の勤務でございますので、日本側が昼のときには日本側から出る通話が忙しくなりますし、また日本側が夜のときには日本側から出る通話は少ないかわりに外国から入ってくる通話が多くなる、あるいは外国が朝であるためにあるいは昼であるために日本側の夜の八時以降十時ごろ、この時間におきまして通話が少し多くなる。しかしこの量は、大体一日を一〇〇%にしまして二十四時間の各時間別をパーセンテージであらわしましたときに、一時間当たり一番多くても一日の中の一〇%まではいきませんで八%程度のものでございます。したがいまして、そのほかのところは少ないとは申しましてもパーセンテージにつきましてそれほど落ちておりません。こういうような事情から、繁閑の波は、いま申しました大きいと申しますか一時間当たり八%程度のものが一日二回出ますが、それ以外は、全然ないというようなこともなく五、六%というところで動いております。これが体に及ぼす影響、こういうことにつきましては、忙しいときには忙しい対策をとるということで要員の配置を大きくしまして、先ほど申されました若干増加しておる一人当たりの業務量につきましても配慮をしております。 次に、業務の性格から深夜作業というのをしなくてはならないのでございますが、これにつきましても、深夜につきましては、特に十二時以降午前七時ごろまでにつきましては先ほど申しました繁忙の波から外れておりまして、繁忙の波は午前十時ないし十一時半ころまで、それから午後は夜の二十時ごろから二十三時ごろまで、これ以降はそれほどございません。したがいまして、深夜につきましてはそれほど通信がございませんが、この時期におきましては勤務が深夜でございますので、先ほど申しましたように、これらにつきましても一人当たり業務量に応ずる配員はしておりますが、深夜作業ということから特別の四時間半にわたる休息時間あるいは四時間の休息時間を設けまして業務量の不当過重にならないようなことはとられております。いずれもこれらの措置は関係の局と組合との間で細かく打ち合わせをして実施しておることでございます。
○藤原委員 実は四月二十六日にわが党の山中議員が参議院の逓信委員会で質問をして、資料提出要求をいたしまして、調査結果が私の方には四月二十七日に届いているものでございます。労働省の労働基準局補償課からこういうふうにきちんと出ているわけなんです。まだ監督署からはそういったことは届いていない、受けていないのだとおっしゃったわけですけれども、この点につきまして、私の方からも共産党に報告するだけでなくてきちんと肝心の大もとに言うてくれということは言うつもりですけれども、いまおっしゃったとおり、全然御存じないのですか。たとえば調査結果については、先ほど言いましたとおり書いてあるわけですね。それから「認定事由については、概要は次のとおりである。」というふうにして(1)から(7)まで挙げまして、先ほど申し上げました「繁閑の波が大きいということの他に国際電話の性格上業務に深夜業が含まれており、これによる疲労も考えられる」、私は先ほどこれのとおりに読んだわけですけれども、この点を御存じないことは一つ問題ですから、これはきちんと伝えてくれと、すぐに善処してもらうように、労働省の方からもやらなければそれは困るではないかということは言いたいと思いますけれども、この点、全く連絡はないわけですか。
○井上参考人 業災補償につきましては、労働基準監督局から個人へ通知することになっておりまして、正式な通知はその使用者側の方には来ないのであります。 なお、先ほどちょっと申しおくれましたが、一人当たり業務量の増加につきましての件でございます。 一時、通話が非常に込みまして忙しくなった時期がございます。これは四十九年ごろでございますが、このころは要員数につきましても要員の採用が非常にむずかしい時期でございました。この時期におきまして、一人当たり業務量が若干ふえております。これは一日の勤務時間中におきます 一人当たりのキーをする回数を調査した結果がございます。四十九年は一人当たり一勤務二千七百六十四回という調査結果が出ております。これに対しまして、五十一年三月に調査いたしました結果は二千二百九十四回で、業務量はふえておりますけれども、これに応ずる配員その他のことから、一人当たり作業量はこのような結果になってきております。
○藤原委員 もともと婦人といいますのは深夜勤務は認められていないわけです。しかし、先ほども申しましたように、国際通信を行っていく上では、婦人の深夜業務は必要だということから法的にも認められているわけです。けれども、これは決して婦人の母性保護をおろそかにしてよいというものではないと私は思うわけです。少なくともこの婦人の深夜勤務につきましては、ずっといままで述べてきましたように、特に婦人の母体を守らなければならないというふうに私は考えているわけです。この点、皆さん方はどうなんでしょうか。そのように考えておられるのか。いろいろやっておられるようですけれども、もっともっと——切迫流産につきましても、着座の時間とか冷房の関係とかいったことがあると私は思うのです。私のこの考え方、本来婦人というものは本当は深夜勤務ができない、してはいけないとなっているのはなぜか、それは民族の未来にかかわる大変大切な母体を保護しなければならないという立場なんだ。しかし特別に看護婦さんとオペレーターの方々は認められている。それはどっちかと言いましたら、法にはそうは書いてありませんけれども、万やむを得ない措置というふうに私は感じるわけです。こういう考え方が間違っているのか、それとも皆さんもそういうふうに思っておられるのか。いかがでしょうか。
○板野参考人 お答え申し上げます。 冒頭に申し上げましたように、先生のただいま言われました婦人の保護という点につきましては、私どもまことに同感でございまして、そういう意味で、この電話の業務、それから看護婦さんの例がございましたけれども、特別に深夜勤務が認められておることにつきましては、これは従来のいろいろな慣行等もあったろうと思いますが、私どもはそういう労働基準法の精神、それから一般的人間といたしましても、そういう婦人の保護という精神に基づきまして、一層婦人の労働に対する対処というものを慎重に、かつこれからもますます向上させる、こういう意味でやっていきたいと思います。 御承知のように外国では深夜間には男子だけが交換業務に当たるという国もだんだんふえてきておりますし、私どもといたしましてもそういう意味で最近は男性のオペレーターというものもいろいろ考えておるわけでございます。それはまた別といたしましても、ともかくも私どもの大部分のオペレーターがやはり婦人であるという点に私ども十分意を用いまして、先ほど来申し上げましたように労働時間の点についても特別の措置をとっておりますし、また週休等についても公務員よりも私どもの方は時間をたくさん与える、休憩、休息についてもそうでございますし、またいろいろな予防対策等についても、まだ足らぬところもございますから、そういう点は十分医学的なあるいは環境的ないろいろな整備を図っていく、こういう点について私どもこれから十分に努力をいたしたいということを申し上げまして、ただいま藤原先生のおっしゃいましたように、婦人に対する保護の問題、特別の対策ということについてこれからもひとつ心がけてやっていきたい、こういうぐあいに存ずる次第でございます。
○藤原委員 これは個人に来たもので私たちはもらっていないということですけれども、現在の深夜勤務による疲労というのも罹病の要因ということで指摘されているわけですから、当然いまの深夜勤務の条件というのは改善されなければならないという立場で私は質問をしているわけです。ところが先ほどからの御答弁では、繁閑の波も大したことはないのだ、改善どころかこれでいいんだというような御答弁が続くわけです。休息も四時間から四時間半与えているのだ、十分だとはおっしゃいませんが、そうとも聞こえるような御答弁があるので何遍もお聞きしているわけです。 そういたしますと、もう十分だという立場に立つならば、この監督署が出した認定というのは不当だ、実態に合わないことを監督署は出してきたのだ、自分はもらってないけれども個人にはそんなものを出しているのだということになるわけですか。
○井上参考人 お答え申し上げます。 労働基準監督署で出しているものにつきましては、先ほど申しましたように正式な通知は受けてはおりませんが、政府の権威ある機関が出したものでございます。したがいまして、これにつきましては、そのとおり受けて、慎重に考えることにいたしております。 なお、いま先生からのお話にあります、母体保護を中心といたします深夜勤務の問題につきまして、先ほども社長から説明がございましたように、外国の事情につきましても、一般に夜の勤務がだんだん男子にかわるという傾向もございます。したがいまして、私どももそのことを一部進めはいたしております。しかし、これらの女子の勤務、特に深夜につきましては、実際に通信量が一時以降朝の七時ころまでは急激に減ることになります。そこで、なるべく会社に泊まらなくていいような措置にすれば一番いいわけでございます。そういうわけで、泊まらなくて済むような措置につきまして現在組合と協議を進めて、そして条件の向上を図り、罹病ということのおそれのないような措置をいま考えております。
○藤原委員 労働基準監督署のこれは、政府機関の言われたことでもあるから慎重に受けて考えたいということでございましたが、これが言っておりますのは、先ほどから何度も言いますように、認定の理由の一つに「国際電話の性格上業務に深夜業が含まれており、これによる疲労も考えられる」んだというふうに明確に述べているのですから、それは当然改善すべきだというふうに私は言っているわけです。いろいろ言われて、行く行くは男性にかえられるのかもわかりませんけれども、しかし一朝一夕にそうもできないでしょうし、また女性が大変よい、やさしいし、やわらかいしという特徴などから考えますと、そんなに簡単にはできないわけですね。もっとできることがあるという立場で私は質問をしているわけですけれども、それはできるのかできないのか。いまでは十分やっているんだ、監督署のこれは尊重はするけれども、十分やっているんだという態度でのお答えが続くわけですけれども、そこらが食い違っているんです。お願いいたします。
○井上参考人 お答え申し上げます。 先生おっしゃいました各事項を含めまして、そしてまた労働基準監督署のいまのお話をも含めまして、私どもとしては改善に向かうことに努めております。これらにつきましては労働条件でございますので、労働組合との間で誠心誠意協議し、その改善に向かうように進めたいと考えております。
○藤原委員 会社として当然労働基準監督署の決定に従うというふうにはおっしゃったわけですから、そう言った以上、現在の深夜勤務の条件をもっと具体的に改善をしていくべきだというふうに思うわけです。この問題につきましては、これが出てまいりました四月二十六日の参議院逓信委員会におきましても、山中議員が仮眠時間の延長や生理休暇の取得の問題、これで会社側の見解をただしたわけですけれども、覚えていらっしゃると思いますが、このときに板野社長さん、それから井上取締役さんが、御指摘の方向で検討していきます。こういうふうにそろって答弁をされているわけです。これらの問題について、会社側としては早急に検討してもっと具体的に改善をされる。改善しますと言いながら、いや十分やっていますというふうなことでなしに、具体的に、本当に民族の将来を担う女性の母体保護をどうするんだという立場に立って改善されることを強く要望して、次の質問に移りたいというふうに思います。 それじゃ、現在頸肩腕症候群にかかっている患者の問題ですけれども、この人たちは、将来自分が再びもとの職場に復帰できるのかどうかということが、いま非常に深刻な問題になっているわけです。直接声を聞きましても、家族を含めてこの問題に悩みながら不安な毎日を送っておられるのが現実です。いま患者が、職場復帰できるために会社に対していろいろ要望を出しておられるというふうにお聞きをいたしましたが、どういったことを出しておられるのか、明らかにしていただきたいと思います。
○井上参考人 目下本件の問題につきましては組合と協議を進め、改善を進めております。したがいまして、その中でいろいろの条件、問題が出されておりまして協議中でございますので、その中で解決するように考えております。 なお御心配の、頸肩腕で業務災害になり、業災認定になり、治療しておりますが、復帰できないかどうかという点でございます。われわれとしては復帰できることを望んでおるのでございますが、医者の認定、医者の診断、その他を含めまして、その作業には向かないというような結果の場合には、不本意でございますが、どこかその体に向く配転先、これを考えざるを得ません。そういうことにならないようにと望んではおりますが、そういうこともあり得ると考えております。
○藤原委員 いまの御答弁は、実際にかかっておられる患者がもしもこれを聞かれたら大変だ、一層不安になるだろうというふうに思うわけです。なぜかといいますと、あなたはそこに向かないからまあこっちの方に来なさい、それも、そういった職業病にかかったという中で配慮があって、もっと軽作業のところに行くとか、そういうことがはっきりしているんでしたら、また別ですけれども、どこへやらされるかわからない、会社が考えた適材適所だというふうなことでは大変心配だと考えられるでしょうし、私自身も、そうなればゆゆしき問題だというふうに思うわけです。これは後でもう一遍御答弁いただきたいと思うわけです。 なお一つお尋ねしたいのは、患者の人たちは、職場復帰の一つとして就業時間内に体操やサーキットトレーニング、こういったものの運動療法を積極的に取り入れてほしい、こうおっしゃっているわけです。いまの御答弁の、体が向かないときには適材適所というふうなことであれば、患者の人たちに運動療法を積極的に取り入れながら訓練をする、そしてもとの職場に復帰できるということを一層努力して行わなければならない、ということを感じながら質問をしたわけですけれども、会社は、こういうふうに配転するようなことは、そうならないことを望んでいるという御答弁だったわけですから、もとの職場に帰るために運動療法をする必要があるんだ、患者たちの要望に応じて体操をしたり、サーキットトレーニングをやったり、水泳療法をやったりというふうな療法が必要だというふうにお考えか、それとも必要がないというふうに考えておられるか、その二点ですね。職場復帰の場合は非常に不安な御答弁があった点に対して明快なきちんとしたことをお聞きしたいのと、患者が望む療法について、これは必要なのか、別にそれはどっちでもいい、やったらいいでしょうがというふうな態度なのか、いかがでしょう。
○井上参考人 申し上げます。 職場におきます体操、そういうふうなものでございますが、これは、私どもも医師の勧告によりましてやった方がいいということでございます。こういうことで、一勤務おきまして一回の時間五分程度をとりまして体操をして体を柔軟にする、こういうことにつききしては大いに積極的にそれを奨励しております。そのために特にそういう体操の指導者というのを決めて、職場のすぐ近くのエレベーターのホールなんかをとりましてすぐ体をほぐせるような対策を積極的に進めております。 二番目に、職場復帰についての不安の件でございますが、これらにつきましては、職場におられる皆さんも御存じと思いますが、電話局の仕事と申しますのは交換の台につく仕事ばかりではなくて、それに付随します非常に交換に近い各種の事務的な仕事がございます。そういうことから、待遇その他は全然変わらない、しかも交換の雰囲気の中で仕事をするという場所もございます。こういうところから、ぜひ不安のないようにそういうことを配慮して、医師の診断に基づく仕事のやり方を進めるようなことに考えております。
○藤原委員 私はここに労働者、特に患者さんたちの要求書を持っているわけです。これによると、昭和五十年十月二十三日、中央労働基準監督署より、私たちのかかっている頸肩腕症候群が業務に起因したものであると認められた。しかし、業務上と認定されながらすでに三カ月を経ているけれども、いまだに就業規則上の補償措置が実行されないばかりか、私たちへの会社の対応は不誠意そのものであって、企業のあり方に対して疑問が深まるという点で要求書を出されたわけです。もちろんこれから時間は経過いたしておりますから、先ほどからお答えいただいているようないろいろな改善は一部あったというふうに思います。しかし、いまの私とのやりとりの中で私はまだまだ不十分だという立場に立っているし、監督署もそういうふうに見ている。そういう中で労働者はこう言っておられます。「私達に元の体を返す義務があります。患者が機能を回復するためには、リハビリが積極的な治療の一環であって、必要欠くべからざるものです。」私は、ここには要求どころか、労働者の怒りがあるというふうに思うわけです。もとの体に返せ、これは本当に切実な要求だ、怒りだ、こういうふうに思うわけです。もとの体に返さなければならないこの事態をだれが引き起こしたのかという点の反省がもし会社にあるならば、いままでのような御答弁はできないだろうというふうに、一層この労働者の怒りが私にも伝わってくるわけです。 労働災害といいますのは労基法の中でも明らかにしております。「労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合においては、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない。」このように七十五条にきちんとうたわれているわけです。つまり、労働災害というのは使用者の責任によって起こったものである、こう断定しても間違いないというふうに思います。だからこそ労働者も、このように心からの怒りにやる方ない思いをしながら要求書を出しているんだというふうに思うわけです。したがって、この人たちを職場に復帰させる責任は全面的に会社にあるんだ、こういうふうに思います。 それで、いま御説明いただきました仕事をしながら五分体操をするとかなんとかいうことは、それは今後罹病者を出さないようにするための細かい配慮が必要で、もちろんそういったことをやっていただかなくてはなりません。しかし、患者に対してはどうなんですか。患者はこのように水泳療法とか体操、サーキットトレーニング、こういったものを要望いたしていますよ、こう言いましても、いま働いている一般の労働者に対する体操の問題しかお答えいただいてないわけなんです。このような体にしてしまって申しわけないから、何とか復帰ができるように万全の策を講じ、万全のお金も投じてそれをやろうという責任が皆さん方にはあると私は思うわけです。労働災害というのはこのように考えなければならないというふうに私は思いますが、一体立場が違うのでしょうか、どうなんでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○井上参考人 労働災害の問題でございますが、これにつきましては、会社はすでに、その災害給付のほかに休んでいる間につきまして、組合との間でも協定を結び、その休業について補償をしております。したがいまして、会社といたしましてはこういう事情につきまして、いまおっしゃいました事項すべて組合の関係事項と考えまして、その各項目を組合との間で慎重に協議し、これらの問題を、医師の指示に基づくリハビリテーション、こういうものがうまくできるようにさらに取り計らっていきたい、こう考えております。 以上でございます。
○藤原委員 時間が終わったという通告がありましたので最後にしたいと思うのですけれども、あなた方の責任で労働者が病気になっているんだ、その労働者がもとの体に返せ、そしてもとの健康な体になってまた職場で一生懸命働きたい、こう言っているんですし、これを実現するのはあなた方の責任だというふうに思うわけです。そして職場に復帰するについて、労働者はトレーニングをして自分で自分の体に自信が持てるようになりたい、そうしてもらいたい、これを保障してくれ、こう言っているんですから、これを実現するのは加害者としての会社の責任だ、こういうふうに思います。まあ、加害者なんて国政の最高機関で大変な発言をしてくれる、こうお怒りになるかもしれませんが、私は、この職業病に認定された一人一人の患者さんについては、その立場で言うなら全く加害者だと思うわけです。その認識に会社が立たれるのかどうか。自分たちは加害者だという認識に立つのか。何ということを言うのか、加害者などと何事ぞというふうにお怒りになるのか。ここで私は労働者に対する施策が分かれる分岐点だと思うわけです。大変きつい言葉で言うようですけれども、意図は、この国際電電を支えている、長い間働いてきたこの人たち、特に婦人のオペレーターの人たち、なくてはならないこの人たちに対する施策としては、社長さんから一番初めにもまた中途でもお答えいただいたような、本当にその人たちの立場に立ってやるということであれば、謙虚に、自分たちは加害者なんだ、申しわけないことをしたんだという立場に立っていただくことこそ、その責任を持とうとする態度ではないか、そういうふうに思うのですけれども、その点いかがでしょうか。加害者と私がここできめつけたことに対して、怒りを持っておられるかもしれませんが、真意がわかっていただければ私は幸いでございます。いかがでございましょう。
○板野参考人 冒頭からいろいろ申し上げましたように、私どもといたしましては、婦人労働者の母体保護ということにつきましては非常に大切なことですから、これからも誠意を持ってやっていきたい、こう思います。不幸にいたしまして、私どものオペレーターという業務につきまして、労働基準局から認定を受けるようなそういう人たちが出たということにつきまして、私ども大変遺憾に思います。これは加害者、被害者というような刑法上のいろいろな表現方法でなしに、私どもは私どもの従事員あるいは人間といたしまして、ただいま先生がおっしゃいましたように、今後職場復帰ができますように、また人間としての復帰ができますようにいろいろ私どもとして考えていきたい、こう思います。先ほどからのこういういろいろな問題につきましても、また私どものところの職場と私どもとの関係ということになりますので、いろいろな手続等はございますけれども、基本的な考え方としてはただいま先生がおっしゃいましたような気持ちで今後対処していきたい、こういうぐあいに考えておる次第でございます。
○藤原委員 それでは、先ほどの私どもの手元にあります労働省からの報告ですけれども、調査事項と調査結果につきましては社長さんに送っていただきたいということは申し上げますが、送れないということであれば、私の方でコピーでもいたしてお届けいたしますので、ぜひともここに書かれておりますことが具体的に改善をされる、いま最後に社長さんからお答えいただいたことが一日も早く具体化して前進をし、いまかかっている患者の皆さん方が本当にもとの職場に、もとの自分が働いたところに帰れる手だてをしていただきたいのと、今後罹病者を出さないために一層の改善をしていただくことを強く要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○八百板委員長 これにて国際電信電話株式会社に対する質疑は終わりました。 参考人各位には、二日間にわたり御出席をいただき、まことにありがとうございました。 次回は、来る二十五日水曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十四分散会