逓信委員会 第14号
- 発言数
- 191 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/05/12
会議録
○八百板委員長 これより会議を開きます。 逓信行政に関する件について調査を行います。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中昭二君。
○田中(昭)委員 今国会の逓信委員会におきます一般質問も最後の機会かと思います。そこで、今会期中に問題になりました点、特に私が大臣にお尋ねした点、その中で不十分な点を再度確認をしながら質問を進めてまいりたいと思います。 最初に、まず郵便貯金の金利の引き下げ問題でございますが、このことにつきましては郵便貯金の性格上、当委員会においてもそれぞれ議論もし政府の考え方も聞いてまいりました。また、その中で国民のいわゆる生活の実感から出てきます郵便貯金に対する考え方等を、私は国民を代表してこの場で郵政大臣にもお尋ねしたわけでございますが、その結果大臣は郵便貯金については慎重に取り行っていくとか白紙であるとかというようなことで、大分慎重な御答弁があっておりますけれども、一昨日、昨日と新聞にも報道されておりますように、この郵便貯金の利下げについてその経過とそれから大臣の今後の郵便貯金に対するお考え、それから御構想、あわせてひとつ詳細に簡略にお答えをいただきたいと思います。
○小宮山国務大臣 郵貯の金利については、いろいろな私の考え方なども当委員会で述べさせていただきまして、昨年就任以来、私、郵貯の金利については慎重に、かつ基本的な考え方では長期金利の動向を見てやるべきだということが基本的な物の考え方の中に入っております。ですから、三月の二日の当委員会の御質問でも全体の経済の動向を見た上で考えたいということを申し上げました。 三月十二日に御承知のとおり、〇・五%の公定歩合の引き下げがございました。そのときも再三再四にわたり、公定歩合の〇・五%の引き下げに連動して郵貯の金利も引き下げるのではないかという御質問については、私は直接郵貯と公定歩合の連動に関係するものでないし、民間金融機関の預金の金利が決定されてから郵貯法の十二条の精神にのっとって慎重に対処しなければならないということを申し上げておりました。 四月四日に民間金融機関の要求払いの金利が〇・五下げられる。当時私が記者クラブで郵貯の金利については引き下げないということを申し上げたところ、慣例としてはもう完全に引き下げるものと思いましてなかなか信じていただけなかった、そういう実情もございます。私はいままでない、公定歩合を引き下げる場合にはいつも郵貯の金利が最初に決定されて、公定歩合の引き下げが決定されたいきさつを、完全に郵便貯金法第十二条の趣旨にのっとってその慣例を破ってまいりました。 かつ第二回、四月十九日の一%の公定歩合の引き下げが行われた場合に、当委員会で先生の御質問にお答えしまして、現在の段階では白紙という状態であると申し述べております。 四月の二十六日、民間金融機関の定期性預金の利率の決定が行われました。その当時になりますと、もう大体国債の利下げあるいは住宅ローンの利率の引き下げ等が行われ、全体の長期金利の引き下げ等が行われてまいります。郵貯法十二条の後段の民間金融機関の利率に配意するという条項というものもございますけれども、国債等、長期金利については、本当を言いますと、公社債市場ができておればそれに見合って物を考えるべきなのでありますが、そういうものができておりません。実際のそういう状況から見ましても、私はやはり四月二十七日、当委員会で久保等先生の御質問に対して、どうすべきかということを大変悩んでいるということで、そのときにシェークスピアのハムレットの心境だという話をいたした記憶がございます。「ツー ビー オア ノット ツー ビー」という言葉で申したのでございますけれども、三十日に郵政審議会を招集いたしまして、一昨日ですか、決定させていただいたわけでございます。しかし、その郵政審議会での御決定は、直接的な融資方法も考えよ、あるいは財政投融資の問題等について物事を考えていく、政府は物価安定に全力を挙げて努力すべきだ、あるいは第四番目に、パーソナルファイナンスを含めた、中間報告に出ております郵貯のあり方というものについて積極的な努力をすべきだという付帯決議をいただき、今後ともそのようなことで努力いたしていく。特に今度の金利改定の中で、いままでの金利については手をつけない、新規契約者のみに金利改定を行うということでございます。そういう意味でも、日本経済そのもの、また付帯決議に出てきた景気上昇、物価安定というものを見詰めて、今後とも努力いたしたいと考えております。
○田中(昭)委員 これで長時間議論しましてもどうかと思いますが、一点だけ申し上げておきたいことは、郵便貯金法があるわけでございますから、その十二条の云々ということをいま大臣が言われたわけでございますが、その場合に、貯金者の保護、貯金者に有利になるためのことを規定したのが郵便貯金法の十二条であろう、こういうふうに思います。そういうことでありますが、経済の動向といいましても、結局政府の施策としては、経済の動向も金利の問題についても、その決定は行政府が行うわけでございますし、いままでの政府の行ってきました施策の中で国民が生活に大変困難を来し、物価上昇、いわゆる物価の不安定の中での貯金の目減りということが大きく世論としてあるわけです。そういう中でそういうところに追い込まれた。これも政府の施策に協力し、そして順応してきた国民、預金者の立場から考えれば、私は、預金者としては、この段階で金利をただ引き下げるという決定については納得ができないだろう、こういうふうに思います。 そういうことで、現実には金利が下がるわけでございますが、いま大臣は、審議会に諮問をしたというようなことをおっしゃいますけれども、私は、審議会というのは、当然郵政省の考え方というものを大臣が諮問をして、そして郵政審議会は国民の世論を受けて審議、答申をする、こういう形になると思いますが、このたびの諮問、答申というのはいままでと違って、慎重にやると言いながら——慎重な判断を審議会にお願いをして、その審議会の諮問には、金利がどういうふうに決まるか、それをいつから実施するかというふうなことも分けていままでは決定がなされておったといういきさつを私は聞いております。それで、そういうことをやらずして、即諮問する段階で金利引き下げの期日も決めたり、また審議会も一日で答申を得たりという、そういうことのよしあしはもう聞きませんけれども、いずれにしろ、ここに至るまでのこの郵便貯金の貯金者に何らかの形で還元したいという気持ちは大臣もお持ちになっておる。財政当局から言えば、小宮山郵政大臣の言うことは——これは奨学金創設のことだろうと思いますが、小宮山郵政大臣が言っていることは単なる観測気球にすぎないのだ、こういうことも言われておるというふうに報道をされておりますし、また前回の四十七年の金利引き下げのときの状況から見ましても、何らか預金者に還元するというものを郵政大臣からここではっきり表明をしていただいて、国民の納得を得て逓信行政、郵政業務をやっていただかなければならない、このように私は思いますから、その辺のところを——審議会での議論もここにいただいております。その肝心かなめの結論として「直接的な融資方式を検討すべきである。」とか、また「預金者の利益の増進に一層資するよう資金運用の在り方について十分検討すべきである。」とかあります。そして郵政大臣も、国民、預金者に直接この資金を利用させるということを言っておるのだ、こう私は思うのですが、その辺のことをお聞きしたいと思います。
○小宮山国務大臣 私、一貫して預金者の方々の利益ということを考えて、三月十二日の公定歩合引き下げにもそのような措置をとり、かつ、いままで当委員会で発言いたしておりますのも、資金運用部資金の中から予算の中で示されている目標額の最低二%程度は使いたいということも考えておりますし、奨学資金なども、ぜひ先生方のお力をかりて大ぜいの方々に利用していただく、そして郵貯の基本精神にのっとって、審議会の答申の付帯決議であります直接的な融資の実現に今後とも邁進いたしたいと思っております。 私自身も金利の引き下げが必ずしもいいものとは考えません。しかし、それはある意味ではやはり二律背反でございまして、資金運用部資金の中での利率の問題にもかかわってまいりますし、その辺が私の大きな悩みであったことは事実であります。このまま推移いたしていきますと、郵貯が少なくとも来年度、五十三年度には四十兆に達する。また、厚生年金が支払い時期に入りましたときに資金運用部資金の中での郵貯のウエートというものは大変大きいし、日本経済の中での地位というものは大きいものがございます。そういうものから考えますと、来年度の四十兆ぐらいというものを考えてまいりますと、少なくとも国民の方々の個人預金を預かって国民経済の中で運用される反面、国民に、それぞれ零細な人々に利益が与えられるような、郵貯法十二条の前段の利益の増進につながるような施策を今後ともやっていきたい、そういう決意をいたしておる。特に郵政審議会から御答申をいただいたときには、そのようなことで決意をいたした次第であります。
○田中(昭)委員 重ねて私大臣に激励の意味を含めて申し上げておきますが、私が激励するのもおかしいかと思いますが、まず、いま最後におっしゃった郵政審議会の答申を受けてやるというのですが、郵政審議会へ諮問したのはあなたなんですよね。ですからその答申を受けてやるのは当然でございますが、その答申を受ける前にあなたの考え方があったわけです。ですから、そういう弱腰で、大蔵当局は、財政当局は、事は進まないと思うのです。いま言われたように、観測気球なんかと言われたらけしからぬことだ、こういうように私は思うのです。そういう意味で激励する意味で申し上げているわけです。やはり郵政大臣としては、絶対これはやらせます。四十一年のときには小口貸し出しを認めたという例があるのです。私の方はこの委員会を通じて、奨学資金だけじゃありません、住宅の問題もいま国民の重大な問題になっておる。預金者が自分が貯金したのですから、個人がそれを利用できないというのは、公共的なものにされておるのは別にして、やっぱり自分が住宅に困っておるような人が郵便貯金が利用できないというようなことでは、利用者はいつもそういう立場に立たされることではいけない、私はこう思います。また、私たちお互い政党の国会議員です。与党の立場に立っても、参議院選挙を前にこういうことを強いてやられるということは、私は国民の批判が参議院選挙にも必ずあらわれてくるんじゃなかろうか。議員の立場から考えても、やはり国民の過半数は与党を支持しておりません、そういうことから考えれば、私はここで与党の一番若い郵政大臣が、やはり与党の立場に立っても、行政を預っておる、信頼は半数は得ておらないけれども、当然与党として行政の責任を果たす上においては、郵政大臣としては今後財政当局がどのようなことであろうとも、筋は通るのですから、簡単にいえば自分が貯金したものを自分が使わしてもらうのですから、最後にひとつ大臣の決意をもう一遍促しましてこの問題にけりをつけたいと思いますからよろしく。
○小宮山国務大臣 せっかくの御激励大変感謝いたしておりますし、私も政治家として今後とも行動をいたしていきたいと思っております。
○田中(昭)委員 行動するときに、ぜひ、いまのことを含めて、国民の審判がまともに受けられるような与党の政府の責任者として行動してもらいたいことをつけ加えておきます。 次に、先ほど最初に申し上げましたように、私最初の所信表明に対する大臣の御答弁の中から大変要領を得なかった部分がございますから、まず、その中で私の質問に対して大臣が、郵政省の中で、何らかの部門では動脈硬化的な部門ができておる、こういうふうに自分は感じておる、こういうふうにおっしゃっておりますが、そのどのような部門が動脈硬化になっておるのか、また動脈硬化を治す案としてはどういうものをお持ちになっておるかをお尋ねしたいと思います。
○小宮山国務大臣 もう百年もたちますと物の考え方等がやはり硬直いたします。これは私も昨日の朝までの深夜国会を通じますと、十何年国会議員をやりますとやはり疲れを感じてまいります。そういう意味でもやはりフレッシュな物の考え方、やはり組織の中で動脈硬化であるかないかということはフレッシュな物の考え方をすべきであり、マンネリズムに陥らず、職員の考え方にエンカレッジを与えることが一番重要かと思っております。そういう意味でも、いろいろなことを勉強し、かつスペシャリストもつくり、かつ新しい機構、新しい発想をやっていく必要がある。いま公定歩合の問題にしても、慣例にとらわれずに、本当に国民のサイドからどうすべきかということで、いままでにない、公定歩合に連動をしないでやってきたというのも、大変例が悪うございますけれども、そのような一つのあらわれかと思っておりますので、御了承いただきたいと思います。
○田中(昭)委員 やはり、いいことはいいことで、悪いことがあるからその悪いことは直そう、それには新しい発想が要る、その新しい発想というのはどういう方向なのかということはお聞かせいただかないとですね。 そこで、ついでにあれですが、その後大臣は労使の問題をちょっと言ってありますね。労使一体となって新しいものを——またここでも新しいもの。その後に、奉仕の精神、こう御答弁なさっている。前のことを思い出して、前のことにまた逆戻りするのではなくて、それを一歩進める具体的なことを答弁願わなければ、時間のむだですよ。 そういうことですが、あなたが何か郵便局に行ったときに職員が握手を拒否したということがあったのですね。こういう点は、大体、労使の正常化というものについて、具体的な対策をひとつもうそろそろ考えていい時期ではなかろうかと思うのですが、いかがでしょうか。
○小宮山国務大臣 同じ郵政人としてやはり心の通う労使関係があってしかるべきであろうと、私は、郵政省というものを、昨年の十二月に初めて入りまして、視察をして、握手を求めたときに、残念ながら何人かの方に握手を拒否されたという事実がございます。しかし、それはやむを得ないことだろう、やはりそれがなくなるような努力をすべきだということを感じて帰ったわけでございます。
○田中(昭)委員 この問題、時間がございませんから、詳しく入れない、次に移りますが、そのときに私、ある受験生が郵便物の届かなかったために受験票が粉失してという問題を提起したのですが、そのときに大臣は、大変申しわけない、ちゃんとそういうことのないように取り調べをします、こういうふうに言ってありますが、その取り調べた結果は、どこの局をどういうふうに調べられて、どうしたのか。何か赤線を引っ張って厳格にやったというふうに答弁なさっておられますが、これはどうですか。
○林説明員 先日御質問のございました受験票の不着の事件につきまして、調査した結果をお答えいたしたいと思います。 御指摘の受験票不着の件につきましては、新聞投書に掲載されております、投書された方は仮名でございまして、申告された方は府中市にお住まいの方ということがわかりました。それで、御本人の住所の配達受け持ち郵便局でございます府中郵便局では、当時郵便物のあて名が不完全なために大学に還付いたしました郵便物もございましたので、御本人の受験大学あてに還付した郵便物の中に該当の郵便物がないか、その点を照会いたしたわけでございます。しかしながら、還付されたものの中にはそのような郵便物は見当たらないという大学側からの回答でございました。 そこで、受験日も切迫いたしておることでもございまして、郵便局からその大学に、受験票の再発行をしてもらえる方法はないのかというようなことで依頼いたしたわけでございますが、大学側では、受験票がなくても受験できるということで、この点を大学側からも当人に電話しておきましょうというようなことでございましたので、郵便局におきましては、幹部が御本人のお宅に伺いまして、郵便物が不着の事故を起こしたことにつきまして陳謝いたしますとともに、このような事情を説明いたしまして、御了解を得たということでございます。 なお、御本人は、志望大学の受験をされたということでございます。 翻って、郵便物の不着、誤配等の事故防止につきましては、今後ともこのような遺憾な事件が多発いたしませんように指導を徹底いたしまして、事故をなくすように努力いたしたいというように考えておる次第でございます。
○田中(昭)委員 当局がそういう調査をされたことは、結局事後の問題でありまして、あの受験生が若い女の子だったということでありますが、受験というのは、若い子にとっては、本当に自分の一生を決めるような問題のはずなんです。その前に、大臣がテレビで、今度の受験期にはそういう受験関係の郵便物が不着になるようなことは絶対ないと言って、胸を張って国民に向かって責任のある立場で述べておる。それにもかかわらずこういうことがしょっちゅうあるじゃないかというのがいわゆる受験者当人の気持ちであるし、またその結果——いまの事後調査によれは受験もされたということですけれども、この場でやはり大臣の責任ある決意を述べていただくと同時に、時間がございませんから、次の問題も一緒に含めてお願いしておきます。 何か郵務行政の中で、大臣はダイレクトメールは少し高くてもよいのではないかということを言われて、事務当局に検討を命じておるというようなことでございます。これは、検討をされた結果はいつ出るのですか。それとも出ているのですか。そういう点を含めてひとつ大臣から、概略のことでいいです、当局に説明させると時間が足りませんから。ひとつ大臣から決意のほどをまず聞きたいと思います。
○小宮山国務大臣 受験期には大変重要なことで、私も指示しておりますけれども、不幸にしてそういう事件が出ましたことを、この機会をかりて——今後とも、年末と年始のはがきと同じように、入学期推進運動みたいなものを来年はぜひつくって対処いたしたいと考えます。 それから、ダイレクトメールについては、これはいろいろな問題がございまして、このときに私が申しましたのは、ダイレクトメールが八割近く占めて、パーソナルメールが二割ぐらいになるのでありますから、水平思考的な物の考え方をすれば、情報は価値観である、価値とすれば、営業につながるものは高くてもいいのじゃないかというような物の考え方であります。たとえばデパートのダイレクトメールは、営業につながるものは高くてもいいではないか、しかし、デパートの株主総会の招集の権利行使に関するメールは安くてもいいではないかという一つの例でございまして、郵政業務についてそういうような水平思考的な物の考え方をすべきであるということを事務当局に申し上げまして、現在、郵政審議会において、昨年から郵便事業のあり方についていろいろな御審議をいただいております。私ども、その結論を得た段階で、今後とも郵務行政というものをもっと新しい段階で物を考えた方がいいのではないかということで、ぜひ皆様方にも研究していただきたい。ダイレクトメールは高くてもいいではないかという——これは通信の秘密の問題等もございますし、郵便局での実際の作業、取り扱いというようなことが事業経営全体の問題としても深くかかわり合っておりますし、種々検討を要する点があります。ただ、アメリカなどは、プリンテッドマターというものが非常に安く取り扱われておる。これは、中に封をしないものについては相当安く扱われている例から出たヒントでございますけれども、この点についても、今後いろいろ新しいアイデアを勘案して、必ずしもそれを実行しろという意味ではないのですけれども、そういうふうな物の考え方の基本になるもの、郵便行政の中でそのようなことにどのように対処し、新しい時代の郵便行政とはいかにあるべきかということを、いま郵政審議会の方々にも御審議いただいておりますので、その結論を得て、今後とも郵政業務を推進していきたいと考えております。
○田中(昭)委員 どうも私の質問に大臣は率直に答えておりません。私は新しい考え方はいいと言うのですよ。初めから実行できないようなものならば言わない方がいいのです。ですから、そういうことでここで答えてもらっては困るということをつけ加えておきます。言った以上は、それがどういうふうになったか、その検討の結果がいつごろ出るのかということをお聞きしましたけれども、お答えがございません。時間の制約がありますから、これは残していきたいと思いますが、委員長、よろしくお取り計らい願います。 そこで、また郵務の問題でございますが、再三私も逓信委員会に出まして、陳情がある中で、簡易郵便局に対する陳情がいろいろあっておるわけでございます。簡易郵便局法が四十五年に改正になりまして、簡易局の受託者の資格が個人にまで拡大されておりますが、それから十年近くたちまして、この法律が改正されたときとはまた状況も変わっておるかと思います。現在の受託者の状況はどういうふうなものなのか、どういう構成になっておりますか。これを簡単に当局からお願いしたいと思います。
○林説明員 お答え申し上げます。 昭和五十一年度末におきまして簡易局総数三千九百七十三局ございますが、その内訳を受託者別に分類いたしますと、地方公共団体が受託しております簡易局が千八十八局、約二七%でございます。それから協同組合が受託しておりますのが九百八十九局、二四・九%でございまして、その他の部類、すなわち個人が受託しております簡易局が千八百九十六局、全体の約四八%に達しております。
○田中(昭)委員 このように、簡易郵便局の構成の上から見ても半分近くまで個人受託になっておるという状態です。この問題、また時間があるときに詳しくやりたいと思いますが、簡易郵便局法が政正になって、個人受託が半分にまでなっておるというような状態の中では、よほど簡易郵便局に対する温かい行政上の配慮、その中には指導もあると思いますが、また細かい施策の援助といいますか、そういうものが必要であろうと思うのです。大臣も就任されて、新しい新しいということをおっしゃっておりますが、物事は七年、十年すればやはり全部変わるというのが真理であろう、こういうふうに私は確信しております。そういう意味からも、当局のいままでやってきたことに対しての考え方をお聞きしたいと思います。
○林説明員 お答えいたします。 簡易局に対する指導監督でございますが、簡易局の監督につきましては、第一義的には当該簡易局の所在いたしております集配郵便局の長及び地方監督官等においていたすことになっておるわけでございますが、先生御指摘のように個人の受託者が多くなってまいりますと、それによって事故等が起きました場合には大変重大な結果が生じてまいることにもなりますので、十分な指導監督をいたさなければならぬということは御指摘のとおりでございます。 そこで、簡易局の受託者あるいは委託事務担当者などに対します指導につきましては、ただいま御指摘のように郵政職員以外の者が委託契約に基づいて郵政窓口事務に携わるという事情を考慮いたしまして、委託事務従事前、すなわち、受託契約を締結する前に受け持ち集配局で一定の訓練をいたしておりますし、また従事後におきましても郵政研修所における訓練だとかあるいは受け持ち集配局長による定期あるいは随時の臨局指導、さらに指定局単位によります業務研究会の開催やさらに郵政監察官の定期の、あるいは随時の業務考査の実施など指導の機会を設けて、事務能力の向上と事務の適切な処理を確保するという点に努めておるところでございます。なおこの点につきましても、今後とも指導訓練の内容につきまして充実を図っていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○田中(昭)委員 これですけれども、ここにいわゆる簡易局からの陳情がございますが、その中で第一番に問題になっているのは、やはり簡易局に対する委託手数料が低い、大臣、これはある程度政治的に解決しなければ進まない問題なんですよ。ですから、いままで、五十二年度予算は別にして五十一年度まで手数料はどういうふうにあったか、まず当局から答えていただいて——時間がございませんから私の方から申し上げますが、大体概算で五十一年度まで委託手数料が、基本料というのがあって、その基本料に手数料が加わって平均したら九万五千円くらいだというんですよ。いま大学の新卒一人雇っても、その人と、実際簡易郵便局が仕事をやっているのと考えてみたら、それからいまの特定局の現状、こういうのを考えてみたら私こういう手数料では——これは平均ですからね。少ないところでは基本料の三万五千円もらってその郵政の郵務の仕事を完全にやらせようということ自体が私は無理だと思うのですよ。 それで、先ほどそういうものに対して指導もしていると言うけれども、実際の現場の指導というのはそんな簡単なものじゃないんです。私は現場を回っておりますけれども、現場で仮に簡易局を指導すると言っても、大体普通局の貯金課が担当しているのです。貯金課の人が郵便のことまで知りませんよ。指導どころか、ただそのときは年に一回か二回指示しているだけなんです。そういう細かい問題には入りませんが、そのほか待遇改善の問題、それから業務の拡大、特にこの業務の拡大の中では大変困った問題がある。それは郵便局だけじゃなくて、いわゆる利用者の方が電話料を取り扱ってくれ、電話料なんというのは同じ郵政の関係の中で隣にある農協の支所でも取り扱っております。そういうことを考えれば当然やらせるべきである。交通反則金の問題、いろいろありますけれども、全部それを一遍に取り扱わせるということは無理かもしれませんけれども、私は現状からいってそういう問題を、これはまた別に時間をかけて一つ一つしなければいけないと思いますけれども、ひとつ大臣がいま知り得てありますところの範囲内で、こういう簡易郵便局の問題についてはどういう方向でいくか、それだけを先にお聞きしたいと思います。
○林説明員 簡易郵便局の手数料につきましては、一般の物価、賃金等の動向に対応いたしまして改定を要することとなる場合は所要の改定を行うことといたしておりまして、昭和五十二年度予算におきましても平均月額で対前年比一一・五%の引き上げをすることをいたしております。このように社会経済の動きに対応いたしまして、また賃金、物価等の動きに対応いたしまして、今後とも所要の改善を図ってまいりたいというふうに考えております。 また、ただいま御指摘の業務範囲につきましては、本来、簡易局は扱いの比較的容易な事務に限って事務を委託するというふうに考えておりまして、それは地方の事務取り扱いの非常に僅少な地域に委託によって事務を行っております関係上、再々反復して発生いたしますような事務につきましては、比較的なれということもございまして事故の発生も少ないわけでございますが、まれに発生する取り扱いの場合には事故が発生しやすいというような事情もございまして、そういった事情から、簡易郵便局に複雑多岐にわたる事務を取り扱わせるということになりまして、取り扱い者の負担を増大させるばかりでなく、事故防止等の見地からも好ましくないという事情もございますので、現行の事務範囲はおおむね妥当なものではないかというように考えておる次第でございます。
○田中(昭)委員 妥当じゃないから私は言っておるんだけれども、そういうふうにお答えが来るから大臣に聞いたんだけれども大臣のお答えがない。これは陳情もあります問題ですから、委員会のいまからの段階でよく理事会等でも取り計らっていきたいと思いますから、そのときに回します。 次に、公社関係ですが、これもやはりお答えのあった中ではっきりしておかなければならないことが一つあるわけです。私、三月二日の委員会で、電話料金の割り増しと私言いたくないのですが、一度数十円というものがそれ以上に取られておるという問題を質問したわけですが、このことについてどのように対応しておるか。また公衆電気通信法第四十一条によりますと、そういう料金は取れないはずなんです。その解釈についてはどのようになっておりますか、お答え願いたいと思います。
○川崎説明員 お答えいたします。 公衆電気通信法の第四十一条第一項におきまして、加入電話を他人に使用させた場合、その「通話により増加する部分に相当する額をこえて対価を受けてはならない。」と規定されておりますが、ホテル等の客室から通話した場合の利用料金の徴収につきまして、先般先生から御指摘がございました。こういう問題につきまして、公社といたしましては現在郵政省の御指導も受けまして、法律上の問題もあわせ含めまして実態に即応した対処をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○田中(昭)委員 この問題で公社は実態調査をしたというふうに聞いておりますが、どういうような結果が出ましたか。
○川崎説明員 全般的な調査はまだ済んでおりませんですけれども、現在二十二件のある主要なるホテルにつきまして実態調査を行ったわけでございますが、その結果によりますと、約三分の一のホテルにおきましては通話料一度数十円でございますが、通話料のみとしておりますけれども、残るものにつきましては一定額、三円なり五円、または一定率、大体一〇%ということでございますが、そういったものをサービス料として加算し、請求している模様でございます。
○田中(昭)委員 総裁、これは私は重大な問題だと思って指摘して、総裁もそういう認識で調査をしていただくということになったはずなんです。いま聞くと、何か一部ちょこちょことやったかやらないような感じの答弁のようにも受け取れるのですが、そういうことではいけない。やはり大臣もそのときこの関連した調査をするというふうなことを言っておるのだけれども、どうもその対応がこういうことでは、私は法律というのが、電気通信法で決められた度数料の法定が守られない、なし崩しになっていく一つの前提であろうと思うのです。そういうふうにも解釈できる。ですから、これは今後、もう少しいまのことを反省して本当の実態を調査して、きちっとした解釈と取り扱いをしていただくようにお願いをしておきます。郵政省はこの問題でどういうふうな処置をとりましたか。まず郵政省からお答え願いたいと思います。
○松井政府委員 ただいま実態の調査につきましては、公社側から報告のありましたとおりでございまして、公社側の報告結果によりますと、大半のホテル、約七割近いホテルにおきましては、通話料のほかに何らかの加算額を徴収している模様でございます。このような取り扱い方法は、公衆法の規定から見てみましても疑義のあるところでございます。 しかし、ホテルにおけるこれらのサービスの現状というものを見てみました場合に、交換手を配置したり、あるいはまた客室ごとにダイヤル通話料を個別に計算できる度数料を設置したりというようなことで現状のサービスを確保し、維持するために相当多額の費用をかけているところでございまして、恐らくこれらのコストを賄うために、ホテル側としてはサービス料的なものとして加算されているのが実情だろうというふうに考えている次第でございます。したがいまして、先生御指摘ありましたように、今後ともさらにそういった実態調査を公社側に進めさせますとともに、そういうホテルの関係団体等もあるわけでございますから、そういった団体等とも話し合いまして、先ほど先生御指摘のとおり、法律の趣旨を踏まえまして、実情に即した解決を図るように公社側を指導しているところでございますし、今後ともそういった線で指導してまいりたいというふうに考えております。
○田中(昭)委員 私、いつもこの委員会で言うのですけれども、物事を指摘すると、それが実態を調べるとそうだった、それに合わせて法律の解釈を当てはめる。これだったら法律はもうつくらない方がいいんだから、昔の何か中国で有名なことわざがございますけれども、そういう一つの実態を、実情がこうだと認める、しかし問題がある、問題があるけれども云々という。こういう事情をつけていけば、また議論は限りなく広がっていって、私は法律の趣旨が崩されてくる、こう思うのです。そういうことはぜひひとつ今後ともないようにしてもらいたいと思います。そういう郵政省の指導を受けて、公社としてはどのように対応されるつもりでございますか。
○川崎説明員 ただいま郵政省の監理官からお答えがございましたように、確かに公衆電気通信法上疑義なしといたしませんものですから、通話料は通話料として、法律に定められたものを請求していただきます。それから別に通話料以外に要する諸費用、先ほどのPBX等のいろいろな問題がございましたけれども、そういった諸費用の回収は通話料とは別個のものとして取り扱われるように関係諸団体等に要請いたしまして、実態に即した措置を講じたいと考えております。
○田中(昭)委員 いまの答弁ではなおさら疑問が残ります。ひとつこれについては、きちっとした総裁の今後の処理についての御決意を聞きたいと思います。
○秋草説明員 この問題は、四十一条の法律の解釈に帰結すると思います。したがいまして、まずもって監理官との御相談、あるいはまた法制局との御相談というものになろうかと思いますが、まず実情をもう少し徹底的に広範囲に調査をしまして、その資料をひっ下げて監督官庁に提示しまして、御判断を願うということを早急にやってみたいと思っております。
○田中(昭)委員 ぜひお願いしておきます。 そこで次に、公社も第五次までの長期計画に基づいて、国民のいわゆるすぐつく電話ということについて努力されてきましたことは、大いに私も評価しなければならない、こういうふうに思っております。 そこで、今後の見通しでございますが、聞くところによりますと、第六次計画の策定がいま進行しておる、こういうふうに聞いておりますが、できますれば、その第六次計画の方向性なり、それから計画の発表はいつごろになるのか、そういう点について総裁のお考えをお聞きしておきたいと思います。
○秋草説明員 第五次五カ年計画は本年度をもって終了いたすことになります。五十三年度から第六次の計画をつくることになれば当然入るわけでございますが、目下その作業に着手しておりますけれども、いずれにしましても、国民のためあるいは日本経済の発展のための電話ということは終始一貫忘れずに貫いていくつもりでありますが、いま最も困難な問題としましては、電話の充足が達成された暁に需要がどう出るかということは、いままでの考え方とは相当違った物の考え方をしなければならぬ。この需要の問題が、前例がございませんので非常に判断に苦しむ。というのは一時は積滞が三百二、三十万あるいは二百九十万も出たようなときもございますけれども、先般の、過去、この三月三十一日の決算を速報で見ましたときの積滞というものは二十二、三万から二十五万でございまして、こういう事態になってきますると、新しい需要というものがどう出るかということは非常に予測しがたいのであります。 その次には、いま問題は、先般の国会の決議を受けまして、福祉関係といいますか、地方の僻地あるいは離島、こうした電話をどうするかということを作業に諮っております。これは加入区域の拡大あるいは農村集団電話の一般化、こういうものをどう手続的にやっていくかということは、部分的にいま会議をやって、それぞれ取りまとめをやっておりますが、これを全体として取りまとめる場合には、過去の五カ年計画よりも金額的にはどうしても伸びは少なくなるという結論になろうと思っております。いまのところそういう程度の私の感触でございまして、この問題を最終的に成案というか、部内でまとめ上げるのは八月ごろになろうと思っております。そのときはまた公に発表する必要もないと思いますけれども、自然御質問等もあればお答えしなければならぬと思っておりますが、非常に新しい問題が出てくるので苦慮しております。
○田中(昭)委員 電電の問題がもう一つございますが、時間の都合で、ここで厚生省関係をちょっと先にやっておきます。 昨年の四月に東京都の社会福祉法人白百合会特別養護老人ホームにおいて不祥事件が起こっております。これは新聞等にも見出しとして、福祉費ピンはね五年で七千万円、老人ホームの理事長ら告訴へというような見出しで報道されておりますが、この不正の実態を、経営の支配者であります理事長と親族によるワンマン経営がその原因である、こういうふうに指摘されておりますが、この事件の概要とその本質を厚生省はどのようにとらえておるか、まずお答え願いたいと思います。
○坂本説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、昨年三月におきまして東京都下の社会福祉法人白百合会で不祥事件が実は生じたわけでございます。その内容につきましては、いろいろ柱がございますが、人件費関係で三千二百五十五万円の措置費を不正に流用しておった。その内容としましては、架空職員を設定して給与相当額の支払いを受け、その金額を不正に流用する等々でございます。それから事業費関係が四千三百五十九万円、これも措置費でございますが、不正、不当に流用しておった、あるいは支出した、実はこういう内容になっておりまして、これに対しまして東京都は、厚生省といろいろ協議した結果でございますけれども、是正の指示を実は行っておりまして、その内容は、役職員の責任の問題、あるいは措置費について不正の部分については返還させる、その他もろもろの措置を指示しておるわけでございます。現在のところ、不正流用額につきましては一応返還を見ております。それから理事長以下不祥事件に関連した役職員は辞任をしておりまして、新しい執行体制をとっておる、そういうふうなことで漸次改善中ということでございます。 以上でございます。
○田中(昭)委員 これは去年の新聞にも報道された部分ですから、大体いまのようなことでございますが、こういう問題を東京都と協議をしたというようなことで、いまおっしゃったいろいろな指示なり処置なりというのは東京都がとっているように私は聞いておるのです。その証拠に、この補助金は全部公費負担ですけれども、そのほとんどが国民の税金で賄われておる。その監督は当然厚生省でやるのに、厚生省独自の調査も行われていない、こういうところに問題がある。いわゆる法の監督を受け持っておる厚生省は、その後まずこの事件についてどういうような処置をとりましたか。
○坂本説明員 お答え申し上げます。 先生のお話はまことにごもっともでございまして、法律のたてまえから申し上げまして、現在、厚生大臣、それから都道府県知事、指定都市にも若干権限を置いているものもございますけれども、三者がそれぞれ改善についていろいろ措置をするということに実はなっているわけでございます。本件につきましては、先生が先ほどおっしゃいましたように、一応東京都が措置をとっておりまして、厚生省としましては、第一次的には都道府県並びに指定都市の措置を見守っておりまして、それから厚生省としての対策を講じていきたい、基本的にはそういう姿勢で現在見守っておるというのが実態でございます。 先生御指摘のように、最近老人福祉施設がふえてきておりまして、新聞紙上をにぎわすような事例がときどき起こってきておるわけでございまして、私どもとしまして非常に深刻に問題を受けとめておるわけでございます。十二万人のお年寄りが措置されておりますので、不安動揺を与えるということはできるだけ避けないといけない、そういうことで、私どもとしましてはまず新しい経理準則というのを最近になって決めまして、これを現在、漸次老人ホームに守らせるような努力を実はしておるわけでございます。問題は施設長等の幹部職員でございまして、こういうような方々に対します研修、そういったものをひとつ強化していきたい。われわれとしまして、できるだけそういう事件がないように今後とも一層努力したい、こう考えておる次第でございます。
○田中(昭)委員 いまお答えいただいたんですけれども、こういう問題に対して事後処置としては、一般的に経理の面を完全にやるようにというような指示がなされたといまお答えになっておりますが、こういう問題を起こしたのはたくさんある中の一つにしても、その一つの問題を監督官庁がどうとらえるかによって、そしてそれによって処置をしなければいけないと私は思うのですよ。それをやらなくて、その辺の説明がなくて、とにかく経理を正確にするように指示した、こう言いますけれども、そのことがまた今度不正を起こす原因になっていくのです。そして、長年働いて体が不自由になったお年寄りを何とか法のもとに温かく保護してあげようというその趣旨とはまた違った方向に行くというのが現場の事情なんですね。私は、こういうことを言わなければならないというのは、当事者がいらっしゃいますから本当に忍びないのですけれども、打つ手打つ手が全部当事者をいじめるような、悪いことをするのを勧めるような処置の仕方では問題ではないか、こういうことを一言言っておきます。 もうちょっと申し上げておきますが、補助金なり国からの施策というのは、国民の働いた汗による税金であります。それを、こういう経営者の善意ということ、福祉ということをもって仮面をかぶった偽善者が国の補助金を不正に着服する。この事件は流用ということと違うのです。不正に私腹を肥やしたということなんです。それがさらには措置者、入園者の弱い立場のお年寄りを食い物にしているという事実、これは金額の多少にかかわらず許されないことであろう、こういうように私は思います。この事件の首謀者に対する独自の調査を厚生省が行っておらない。そして自治体任せの調査などで事を済ませようとしておる。自治体は、私が言うまでもなく、実際の福祉行政をやらなければならないことで手いっぱいなんです。そういう自治体にいまの処置の通達を出すというようなことは、さらに自治体を困らせることになるのです。こういう厚生省の考え方、処置に問題があろうと思いますが、いかがですか。
○坂本説明員 先生のお話はよくわかるわけでございますが、現在のたてまえといたしまして、五十一年度末でございますけれども、全国に千八百のそういう施設がありまして、全体の収容しておりますお年寄が十二万人でございます。現実問題としまして、これにつきまして厚生省ですべてを取り仕切るということはなかなかむずかしいわけでありまして、現実には、先ほど申し上げましたが、都道府県、指定都市にお願い申し上げまして処理せざるを得ない。そういう都道府県、指定都市が一番実態に詳しいわけでありまして、私どもも都道府県、指定都市のそういう監査、指導にきわめて依存しておるというのが実態でございます。ただ先生御指摘のように、そういう問題が実はふえてきておりまして、われわれも特別監査というふうなことで事前にそういう問題がある場合に出かけていく、そういうことも実はやっておるわけでございまして、そういう臨機応変の措置をこれからとっていきたい、こういうふうに考える次第でございます。
○田中(昭)委員 これはやはり一課長さんに投げかける問題としてはお答えに困るかと思いますが、いまのお答えを聞いておりましても、根本は国の施策としては本当は大事な問題であろうと思うのです。最終的に小宮山郵政大臣にも国務大臣としての立場で最後にまたお聞きしますけれども、もう少し事件の模様を聞いておってもらいたいと思います。 それで、いま特別監査を厚生省でも実施すると言うのですが、これは現実には行われてない、その証拠に、こういうのが新聞に報道され、そして一年後にはまた九州の福岡で同じ手口でやっておるのが事件として報道されておる。それに対しては最近のことですからまだ報告も受けてない、調査もしてないという御答弁になるかと思いますから、私は過去の、昨年のことを問題にしていま話を進めておるわけですけれども、この問題の中でやはり基本的には一般論としては福祉という問題が、国の施策としては、特に老人福祉ということは、老人福祉法には法の適用対象を明らかにしてない、ただ財政的なものだけで枠を決めておる、その財政的援助も十分でない。十分でないために、その枠組みにおいて老人福祉法の対象というものを決められていきながら、簡単に言えば少額なためにさらに問題を引き起こしておる。こういう老人福祉法のもとでのわが国の老人対策というものの貧弱な、また手の打ち方が血の通ったものでないというところに問題が起こっておる、こめように思います。 そこで大臣、さらに、私いま言いましたことしの四月の二十九日の地元の新聞がこういう見出し、こういう記事なんですよ。ちょっと読んでみます。「福岡の老人ホーム「花畑」 女理事長「福祉」食いもの」。このときは「数千万円」になっておりますが、最近明らかになりまして五千万円を「不正取得」、先ほどの東京の事件と同じことなんです。そしてさらに、「架空帳簿やニセ領収書 措置費ごまかす」その裏にはどういうものがあるかと言いますと、先ほど私が言いました老人福祉法則自体が問題だということの証拠に、「制度の盲点つく 年に一回、甘い経理監査」こういう見出しになっている。そこで、この福祉制度の盲点を巧みにつくということですけれども、これは先ほど私が言いましたように、全額公費ということは、これは老人福祉ということから当然だろうと私は思います。ですが、その内容が、措置費が少ない。これは平均ですけれども、五十一年で一人当たり月に大体十一万円、その中で、入っておるお年寄りの人の生活費が端数を除きますと、約三万円、そして事務費というのが出ておりますが、これが八万円くらいになりまして、その中に人件費が七万七千円と約三千円の管理費。いまどき人件費八万円でこんなお年寄りの世話をする人が大体雇えますか。それで、このお年寄りの生活費でも約三万円でしょう。これはことし上がったとしてですよ。これは、飲食費を見ますと一食当たり二百円です。去年まで百八十四円です。お年寄りというのはどうか私はその実態はよく知りませんが、やはり食べることぐらいが楽しみじゃないですか。一食二百円、日に六百円にしましても、三万円の生活費の中のエンゲル係数から見ても、飲食費が六〇%ぐらいを占めている。ですから、あとの共通費、それから個人のお小遣いというのが日に四百円ぐらいになりますけれども、こういう三万円の中のいわゆる六割にしましても二万八千円ぐらいの飲食費、あと一万二千円ぐらいの経費、こういうところにいわゆる盲点を巧みにつく問題が起こってくるということですよ。この生活費以外に、入っている人をお世話する養護関係の人件費は事務費として八万円しか出ていない。人件費は七万円ちょっとです。いまどきそんなお年寄りの世話をする人が七万円ぐらいで雇えるはずはない。そのほかいろいろな園の維持のための経費もいるでしょう。年に一回の監査、こうなっていますけれども、この年に一回も厚生省が行うのじゃない。自治体任せ。ですから、形式的にならざるを得ない。そうでありますから、先ほど言ったような公費負担分のいろいろな額が少ないために、いわゆる現場としては、自治体としては領収書が少し偽造されておっても不正流用があってもある程度認めざるを得ないというのが、一般的に黙認された福祉関係者に対する状態だ、こういうことが言われている。ですから、甘い経理監査にならざるを得ない、こういうことですね。それを今度、さらにまた私腹を肥やすために不正着服しているということはけしからぬ、こういうことになるわけです。 そこで私は立場を変えまして、この問題について、検査院は国のこういう施設に対して大体どういう検査をやっておるのか、そういう意味からまず検査院の方からひとつお答えをいただきたいと思います。
○小沼会計検査院説明員 お答えいたします。 福祉法人関係の検査につきましての会計検査院の検査の仕方でございますけれども、たまたま本件の福岡市にかかります白百合花畑ホームについての検査は、昨年七月、県及び市の補助金等の検査、これは御承知と思いますけれども、厚生省担当の検査によりましては、社会福祉関係のみならず厚生保険、船員保険の保険料収入の検査、また環境衛生や老人福祉、児童保護等の経費の検査等、かなり多方面にわたっておりますが、この一環として実施しております。これはいまお話に出ましたように、昨年の四月の東京都における問題もありましたので、従来は割愛しておりましたのですが、一応そういう事態に着目いたしまして、この広範な検査の過程で実態をかいま見てみよう、こういう趣旨で、主として本件につきましては補助対象人員の実人員の有無について、関係書類によりまして調査官一名が、半日足らずでございましたけれども、検査に当たっております。検査の結果につきましては、私どもとしては異常がなかったと当時としては認められた次第でございます。 なお、こういうようなことにつきまして、特にわれわれとしましても、東京都におけるような場合、その後昨年の七月でございますが、東京都の行政指導に当たっていらっしゃる監察局、民生局等を通しまして事態の内容を聴取しておりますが、先ほど厚生省から話がありましたような趣旨、内容でありますので、この点はそれを了承して、それ以上さらに検査をするということには至らなかった次第であります。 大体そのようなことで、老人福祉につきましては、金額、規模、内容等について厚生省全体の検査から見ますと非常に少ない面もございましたので、従来それほど力は入れてなかった事情はございましたが、いままでのお話で、特に重要な問題と認められたような場合には、私どもとしましては許される権限の範囲内で前向きの姿勢でこれに当たるように努力してまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○田中(昭)委員 いまの検査院の説明は、私は検査院を云々するわけじゃないのですけれども、これだけの事件に対する説明として私は大変不満です。国費を不正に個人が着服している問題について、いまのような御説明では私は納得できません。いま言われたように、昨年の東京都の問題がこれだけ新聞に報道されて、検査院の独自の調査も行ってない。これは昨年の新聞の記事ですよ。だから説明を聞くと、事件が発覚して報道されたから福岡の現地調査のときに県と一緒に調べた。半日調べたと言うが、半日じゃありませんよ。私のところには確実な情報があります。何月何日の何時から何時まで検査院がどういう検査をしたかという情報があります。確実な情報です。現地調査をしたが、詳細な検査を行わない。入っておる人間の数だけ当たったと言うけれども、それも当たったかどうか、どうも正確でない。昨年そういう事件があったのでしょう。昨年の七月に検査院は実地に調査に行ったのでしょう。だけれども、金額が小さい。小さくても現地に赴いたのだ。しかし異状がなかった。どういう検査をし、どういうことをされたから異状がなかったのか聞かなければならぬ。去年報道された福岡の白百合会を経営しておるのも理事長は同じですよ。金額が少ないから広範な検査なんかでは大変でしょう。それはわかります。検査事務が多くて困難な理由はありましょうが、国の補助金を不正に着服されて検査しないということは私は納得できません。納税者の国民から見れば、検査院の調査の客観的事実——これは昨年の七月八日に実地検査を行っておる。こういう客観的事実から判断しても、そういう手を抜いたということは何か別の事情があったのではないか。さらに、先ほどから言いますように厚生省も同じ。その他監督官庁、自治体も入るでしょう。そういうものが一貫して手を抜いておる。このことについて、経営者の理事長がそれぞれのところに根回しをして手を打っておるという事実が私の方には情報としてある。これはただ変な意味のあれではありません。確実な情報であります。厚生省は全然行っておりませんからこれには出てきませんが、自治体が検査院の前に必ずこういう問題——同じ経営者が去年そういうことをやっておったのが東京で発覚したのですから、市の方も、会計検査院の前には厳格な検査を行っております。そこで現実にどういう事情があったか。一回じゃありませんよ。日にちもちゃんと五十一年何月何日何時から何時まで、第二回目は総仕上げとして何日に行っておる。さらに、検査院の調査の前に事前調査として二回にわたって自治体の検査が行われておる。その後がいまあなたが言われた五十一年七月八日に検査院の検査官が現場に行った。半日ではありません。ちゃんとこのときの見た帳簿書類、係員の名前、人数、時間、全部ありますよ。その後に今度は国税庁が調査をしております。国税庁はある程度現場でそれだけの処置をしております。どうですか、大臣。これは二回も同じことが報道されて、理事長、同じ人が同じような不正を、架空職員をつくってそれをピンはねしたものを着服している。そういうような事実に対して、いま言ったように厚生省も独自の調査もやらない、検査院もそういうものを頭に入れながら現地に行ったけれども、いま私が言ったこの事実はそのとおりです。検査院は半日行かれた、帳簿書類は見なかったと言う。それはなぜかというと、多般な検査事務があるからだ、それだけでは私は納得できません。金額が少ないからと言う。これまた金額が少ないか何か知らぬが、措置費というのは四十四年からずっと国から支給されております。そういう問題ではないと思います。ですからこの理事長がどういう動きをしたか、厚生省なりそれぞれのところにどういう手を打ったか、これについて答えられる方がありましたらお答え願いたいと思います。
○坂本説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘の花畑ホームの件でございますが、四月二十九日の朝日新聞あるいは西日本新聞等々に実は記事が出たわけでございまして、それで実は私どもとしましてはいろいろ県なり市の監査が従来から行われてきておりまして、実態はその前に把握しておったわけでございます。それでそういう新聞が出たという実情になっておるわけでございます。現在社会福祉法人福岡白百合会あるいは花畑ホームにつきまして、福岡県、福岡市の調査を目下進めておりまして、まだ実態が十分わかっておりませんので、わかり次第対策をとりたい、こう思っておる次第でございます。
○田中(昭)委員 あなたで答えられないのも少し意味はわかりますけれども、全然私が言っていることに対するお答えにならないし、厚生省としましても先ほど私が言いましたように、帰ってよく上司に問いただしてくださいよ。この情報によりますと、おたくの厚生省のトップの方も関係ないとは言えないかもわからぬ。きょうは名前は伏せておきますけれども、そういうことでないと、こういう悪いことをした人のことで手を打たぬというのは常識的におかしいじゃないですか、黙って第三者として聞いておっても。検査院の方はそういうことはないと思いますけれども、いま聞いたようなことではさらに疑惑が私は深まる。 そこで、国税当局にお尋ねしますが、第一、この理事長の所在も、どこか把握してないでしょう。親族の関係がどうなっているか、全然お答えないのだけれども、そういうものも含めて国税当局にお尋ねします。この理事長は五月の初めに所得税法によります公示制度によって、福岡のあるところで二千三百三十二万九千六百四十円という本人の所得の申告をしております。しかし、これはあくまでも本人の自主申告であります。でありますから、国税が昨年、福岡で調べたことによる追徴を三年間で四千万円ぐらいした、新聞報道によりますとそういうふうになっております。ですから、東京で二カ所のホームでやっております不正着服の問題をどのように国税の立場から調査をし、その当時、こういう課税実績があり——本人の給料等と不正によって収得したものは、当然国税は全部課税するのですからね、そういう不正所得でも。そういうものを合算して、課税決定がどこでなされて、どのような状態にあるものか、御説明していただきたいと思います。
○北村説明員 課税関係の問題、お答え申し上げますが、社会福祉法人、先生御存じのとおり、税法上公益法人でございますから、収益事業というものを営んでおりません場合には、いわゆる給与を支払いますときの所得税の納付を源泉徴収義務者として適切にやっているかどうかという観点が、税務調査上問題になるわけでございます。したがいまして、徴収義務者が会社でございますと、官公庁でございますと、あるいは社会福祉法人といったような公益法人でございますとを問わず必要な調査を行っているわけでございます。一般的に申しまして、経費といったようなものを……
○田中(昭)委員 そういうことを聞いてない。理事長の個人所得はどうしたかと聞いている。非課税法人ぐらいのことはわかっています。
○北村説明員 お答えいたしますが、そういった調査を行っているわけでございます。 なお、理事長の所得ということでございますが、お尋ねでございましたので調べましたところ、お尋ねの川上淑江の昭和五十一年分の公示所得は、二千三百三十二万九千六百四十円ということでございます。 いわゆる社会福祉法人に対します税務上の調査という面で申し上げますと、お尋ねのように、この社会福祉法人の福岡白百合会に対しましての源泉所得税に関する調査というものを昨年行っておりまして、調査に基づいて課税処理をしているということでございます。一般的に申し上げまして、架空経費といったようなものを支出いたしまして、それが個人の給与になっているというようなことでございましたら、これは当然……(田中(昭)委員「なっているから四千万円ずつ追徴したと言っているが、それはどうかと確認しているんだ」と呼ぶ)不正、偽りといったような行為に該当するということでございますれば、重加算税といったような問題もあるわけでございまして、個々の法人の課税処理そのものの課税結果の内容については御容赦いただきたい。
○田中(昭)委員 そういうことは聞いていない。何も課税法人なり非課税法人の課税処理の結果を聞いていませんよ。理事長がどこでどういう申告をしているか、確認していますかと言うのです。
○北村説明員 いまお答え申し上げましたように、これは住所地が福岡市でございますので……
○田中(昭)委員 それ以前からあるでしょうが、昭和四十四年から。五十一年のことは私があなたに教えたんだ。守秘義務か何かあるだろうからね。
○北村説明員 お答え申し上げます。 五十一年分については所得が一千万円以上ということでございますので、福岡で公示されておりますけれども、それ以前の分について、四十七年分から調べてなにしましたが、所得金額は公示されてございません。
○田中(昭)委員 守秘義務がありますから、前もってそのことも考えて私の方からちゃんと教えて、わかる範囲のことを言っておるのに、五十一年分の私が言った公示所得金額だけのことをだらだら話すようでは意味がないじゃないですか、その前の四十八年、四十九年、五十年、どこでどういう申告をしておるかを調べるのが国税庁じゃないですか。四十八年には東京の分もありましょう、福岡の不正着服の分の所得もありましょう、それはどういう課税決定しておりますか、こう聞いておるのですよ。 だけれども、どうせ調べてないと思いますから、この問題については、それぞれ厚生省も検査院の方も——いまの課税実績の問題にしましても、証拠隠滅された実績を大変苦労して国税の方は調査しておる。そのことは検査院の方は御存じないはずなんです。そういうこともございますから、最後に、検査院から、この問題について今後どういうふうにしていかれるのか、お聞きしてみたいと思います。
○小沼会計検査院説明員 ただいまの問題は、先ほども一部申し上げましたように、事柄の重要性によりましては、私どもの権限の許す範囲で全力を挙げて努力をすることは申し上げたとおりでございますが、昨年の八月ですか、東京都で起きた問題の場合と同じように、行政指導に当たっている福岡県並びに福岡市の担当部局の監査結果を踏まえまして、これは目下監査中と聞いておりますが、近く予定しております検査には、特に補助金の使用問題に着意して調査してまいりたいと思います。 また、今回の事件にかかわります、先ほどお話のありました税金の調査についてでございますが、これは担当局が違いますが、しかし、事態の内容解明に並行いたしまして、本院の関係局との連絡を密にして対処してまいりたい、このように考えております。
○田中(昭)委員 厚生省がこういう不正をそのままにしておるということは——そのままにしておると言っても過言でないくらいのことです、結果としては。二度あることは三度あるというのです。またそれにもそういうホームをつくって補わなければ、税とかそういうものの補いがつかないというのが常識です。そういうことを考えますと、現在の社会福祉事業法によって厚生省はどのようにこの問題を取り扱っていくのか、一応お聞かせ願って、質問を終わりたいと思います。
○坂本説明員 お答え申し上げます。 私ども老人ホーム関係を全般的に所管しておりますが、非常にむずかしい状況にあるという点もございます。といいますのは、お年寄りの収容施設をふやせ、そういう要望がほうはいとして起こっておるわけでございまして、それに即応していかないといけない。そうしますと、中にはお粗末といいますか、そういう施設が出てくる。そういう施設が出ますれば、十二万人入っておられますお年寄りにとって非常に不安、動揺を与える、そういうものは絶対に避けないといけない、これが基本姿勢でございます。私どもといたしましては、全力を挙げまして、あらゆる手だてを使いまして、そういう事件がないように全力の努力をしたい、こういう気持ちでございます。
○田中(昭)委員 私はそういう一般的なことと同時に、いまのこの理事長がこういうことをやっていますね。これはいま言った社会福祉事業法によっても、そういう不正を行うような理事長についてはちゃんと処分をすべきじゃないですか、そういうことを言っているのです。その処分の方は適用できないのですか。
○坂本説明員 お答え申し上げます。 社会福祉事業法によりまして監督権限が与えられておるわけでございまして、たとえば法に違反するようなことをいたしました役員につきまして、解任の勧告をする等の権限は与えられておるわけでございますけれども、当該花畑ホームでございますけれども、まだ実態がわからない状況でございまして、わかり次第いろいろな措置はとる必要がある、こう考えております。
○田中(昭)委員 大分時間も過ぎて、積み残しの問題もございますけれども、時間の都合できょうはこれでやめさしてもらいます。 ————◇—————
○八百板委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 逓信行政に関する件について、特に国際電信電話株式会社の事業について調査のため、参考人として同株式会社から出席を願い、意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八百板委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、日時及び人選等につきましては委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八百板委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 午後一時委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十三分休憩 ————◇————— 午後一時五分開議
○八百板委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。小宮武喜君。
○小宮委員 これは午前中の質問の中でも取り上げられたかと思いますけれども、郵政大臣は、一昨日郵政審議会に対し、今月二十一日からの郵便貯金の金利引き下げについての諮問をいたしております。そして、同日郵政審議会は諮問どおりの答申をなされておりますけれども、この問題につきましては当委員会でも各委員からいろいろ質問のあった中でも、大臣は、いまの時点では考えていないとか、いまはそういうような考え方がありませんとか、非常に微妙な言い回しをしておったので、これはやるのではないかなと思っておったところが、案の定金利の引き下げを実行したわけですが、この金利の引き下げについて、これまでの本委員会における答弁との関連からして、引き下げに至ったその経過について大臣の心境をひとつ御説明いただきたい。
○小宮山国務大臣 先生には三月の二日に、現時点では利率改定は一度も考えたことがないが、「今後ともこの問題については慎重かつ全体の経済動向を見た上で考えていきたい」とお答えをいたしております。三月の十二日に第一回の公定歩合の引き下げが〇・五%行われました。これに関しても慎重に対処しなければいけない、当時、考えてみますとそのような経済情勢がないという判断を私はいたしました。ですから、第十二条の趣旨の前段の面も考えておりましたし、それから、再三再四私が申しておりますのは、公定歩合の引き下げに連動すべき問題とは考えていないし、根本的には公社債市場の利率というものがいわゆる金利改定の中では一番重要な問題であろうと思っております。言いかえますと、いわゆる長期金利という問題がどうあるべきかということ、国債とかあるいは庶民に関係のある住宅ローン等の問題を踏まえて物を考えていく必要があると思っております。それで、四月の四日、第一回の公定歩合の引き下げに連動して、要求払い預金の利率の〇・五%の引き下げが実施されております。四月の十九日、一%の第二回の公定歩合の引き下げが行われ、その当時では田中昭二先生にも白紙であるとお答えした記憶がございます。四月の二十六日に民間金融機関の定期性預金の利率の引き下げが決定されて、大蔵省告示によって行われた。その当時から、国債あるいは住宅ローン等々の長期金利の動きが出始めて、変化が出てまいりました。大体の見通しで利率の引き下げが行われる情勢を把握してまいりました。それで、当時の四月二十七日の当委員会での委員の先生方からの御質問では、そういう動向が見えてきたということで連休前に幹部会議を開いてどうするか決定するという答弁をしたと記憶いたしております。そのときには私自身、そのような情勢が見えてまいりましたので、一度幹部会議で諮り、四月三十日土曜日に郵政審議会にお諮りする招集の決定をしたところでございます。 そういうような状況で、全体の長期金利の変動がございますので、私はこのように踏み切ったわけでございます。もちろん地方自治体等の動向なども、やはり長期金利を借りている面から見ますと、三十兆という大きな郵貯の資金の重みというものを経済全体の中で考えてまいりますと、二律背反的な私の気分の中で、そういう非常に大きな悩みの中で、経済全体というものを考えますと、やはりやらざるを得ない。ただ、私が一番憂慮いたしましたのは、いままでの預金者に影響を与えないということが重要である、そういう意味では趣旨が貫けたと考えております。
○小宮委員 引き下げを行ったことに対してはいまさらいろいろ言ってみても仕方のないことですが、それにしても、大体郵政省はこれまで郵便貯金の金利引き下げに際しては、必ず郵便貯金の利率のあり方についてという諮問を郵政審議会にして、その答申を得てから具体的な金利の引き下げ幅について諮問するという、いわゆる二段階方式をとられていたはずです。ところが、今回は同時諮問という異例の措置がとられておりますね。また郵政審でも、これまでの実績から言えば、諮問を受けてから答申をするまでに一番早かった五十年の十月のときでさえも約三週間かかっているのですね。ところが、これも今回は同時答申ということで異例なことだと思うのです。さらに、諮問案に実施期日を明記することがいままではなかったのに、今回は実施期日も二十一日ということで明記して諮問するなど、何かすべてが異例ずくめと言わざるを得ないのです。せっぱ詰まってこういうようなことをやらざるを得なかったという、従来からの実績から言えば、今回の場合はすべてが異例ずくめということに考えられるわけですが、その理由は何ですか。
○神山政府委員 今回の郵政審議会に諮問いたした客観情勢と、前回の五十年十一月の引き下げの際の客観情勢と非常に違っていたということがまず申し上げられるのではないかと思うわけです。というのは、前回の五十年の引き下げの際におきましては、郵便貯金の利率いかんということで、郵政審議会に御諮問申し上げる際にはまだ一般の公定歩合も引き下げということが行われておらなかったわけでありまして、したがって、一般の金融機関の預金の利率についても引き下げるという決定が行われていなかった。というのは、公定歩合を引き下げて貸出金利を下げるためには預金金利を引き下げなければいけない。一般の預金金利を引き下げるためには郵便貯金金利を引き下げるということの決定がなければできないといった考えがあるいは関係者の間にあったのではないかと私は考えるわけですが、そういうことで郵政省として郵便貯金利下げをしなければならないという客観条件が当時はなかったわけでございます。ただ公定歩合を引き下げなければいけない、あるいは預金金利を引き下げなければいけないといった要請はございましたけれども、そういう決定はまだなかった。そこで郵便貯金についてどうすべきかということについて郵政省が判断できる客観情勢がまだないために、郵政審議会には現下の諸情勢下における郵便貯金の利率いかんといったような趣旨の諮問を申し上げたわけであります。したがって、郵政省の意思というものがそこに全然表示されていなかったわけです。そこで郵政審議会としては、この郵便貯金の金利いかんという諮問を受けまして、諸先生方はいろいろな方面からこれを検討されて御議論を繰り返されたわけでありまして、そこでその間に小委員会等を設けて、また徹底した議論も行われ、そして最後の段階で現下の諸情勢下において郵便貯金の金利引き下げもやむを得ないという意味の答申をいただきました。それを受けまして再度郵政省としては今度は具体的な郵便貯金の各種類ごとの利率の引き下げについてその引き下げ幅等の数字を添えて、また実施期日も明示しまして諮問を申し上げた。そしてそれは即日答申をいただいた、こういう経過であったわけでございます。 今回の利下げに当たりましては、まず客観情勢がもうすでに公定歩合が二回にわたって引き下げられて、合わせて一・五%、それから民間の金融機関の預金利率も三月に要求払いの利率が引き下げられ、今回さらに五月六日に定期性預金の金利の引き下げが行われた、こういった二回にわたってそれぞれ引き下げられ、また財投の貸出金利の引き下げも着々と行われてきて、その他一般の市中の各種金利が引き下がってきている、こういうふうに、前回は郵便貯金が下がらぬとほかの一切の金利が下がらぬというような状態でございましたが、今回は各種の金利がもうみな引き下がってしまった。ひとり郵便貯金の金利だけがそのままできておるというような客観情勢でございまして、郵政省としては先ほど大臣も申し上げましたように、三月時点では引き下げる時期ではないと判断してまいったわけですが、こう各種の金利が引き下がり、公定歩合それから民間の金利も引き下がってきますと、果たして貯金としてもろもろの金融あるいは経済に及ぼす影響というものを勘案したとき、このまま据え置いていいのかどうかということで、大臣がお悩みになったというお言葉がありましたが、われわれもそのとおりでございまして、最終的にああいう形で具体的な数字を示し、時期をお示しして、郵政審議会にお諮り申し上げた、こういうことでございます。それで、郵政審議会は、各先生方非常に真剣に御討議なさいまして——ただ、前回五十年のああいう一応白紙の諮問を申し上げて、相当議論もあって、論点も整理されたわけであります。今回、それを受けての——受けてではありませんが、そういう最近における論議の跡というものを諸先生十分御承知で、その上に立って、さらにまた今回の新たな状況というものを踏まえた議論をなさったわけでありますが、ああいうかっこうで答申をいただくという、しかも引き下げもやむを得ないという、本当に先生方もいろいろのことをお考えになって議論されたわけですが、やむを得ないという答申があったわけでございます。
○小宮委員 今度の諮問に当たって、弱者救済措置として老齢福祉年金だとか障害福祉年金の受給者については配慮がなされておるようでございます。しかしながら、この引き下げ幅が一般の銀行預金の金利と同じ引き下げ幅になっておりますね。こういう問題も——やはり消費者物価は依然として上がっておる。したがって、大衆預金としての郵便貯金の目減りの問題もいろいろ論議をされているときでありますから、何も、必ずしも一般の銀行の預金金利と同じように引き下げなくてもよかったのではないのか、少しぐらいは格差をつけてもよかったのではないのかというような気もいたしますので、その点どうかということと、また期日を二十一日ということで明記しておるわけですけれども、これは五十歩百歩ではあろうけれども、たとえばこれを来月一日からということにしてもよかったのじゃないか。幾らかでも、少しでも、そういうやむを得ないという事情に立ち至った中でも、大衆預金としての郵便貯金の預金者を保護するという立場から、そういうことも配慮してよかったのではないのかということをちょっと考えるわけですが、その点、期日の二十一日から実施するという問題、これはどうして二十一日からしなければいかぬのか、もう一つは、なぜ一般の銀行の金利と同じような引き下げ幅にしたのかという点について、ひとつ御答弁願いたい。
○神山政府委員 郵便貯金の利率をどの程度にするかということは、絶えず御議論のあるところでありまして、郵政審議会におきましても当然そういう先生の御質問と同様の御質問もあり、また御議論もあったわけでございます。この引き下げ幅、結果的に民間と均衡のとれる形になったわけであります。 そこで、先生おっしゃるように、郵便貯金の下げ幅を民間より小さくする、したらどうかという御意見、これも当然あったわけであります。ただその際、郵便貯金の場合は三百万が最高制限になっておりまして、これが限度額であります。銀行にも同じように非課税枠としてマル優三百万ということになっておるわけでありまして、郵便貯金が三百万であれば、三百万以内の個人性というか、零細な貯蓄については若干優遇した利率をつけたらどうだ、民間も個人性、零細な貯蓄があるなら、同様に非課税限度額以内の分については高い利率というか、そのほかのよりは高い利率をつけたらどうかということも当然議論されたわけであります。 その際問題になりますのは、その限度をオーバーする貯蓄が三百万円以内に分割されて預入されてくると、それを防止することが現在技術的に非常にむずかしい、そういった問題がありまして、郵便貯金だけを下げ幅を小さくするというのはシフトの問題、預金が郵便局にだけ流れ込むという事態は、現在新聞紙上にも大分ありますように、郵便貯金だけが伸びる、そういう一方の主張もありまして、なかなかその辺技術的にむずかしいわけです。 そこで、郵政審議会の中で個人性の貯蓄と法人性の貯蓄というのを分けられないか、個人性の方を高くして法人性の方を低くするということもできないかという御議論もありましたが、預金を色分けをするというか、個人性と法人性と厳密に区別するということも現実問題としては至難のことであるというようなことで、さまざまな御議論がありましたが、結局なかなか困難であるということで、最終的にこの引き下げ幅でやむを得ないということになった次第でございます。
○小宮委員 いろいろ追及したいこともございますが、まだ先の質問がつかえておりますので……。 たしか先月の二十二、三日ころだったと思いますが、ちょうどわれわれが委員会の調査派遣で沖繩に行っておるときだったと思います。郵政大臣は、郵便貯金から教育資金にも貸し付けるというような発表をされておりましたけれども、あのときも、これは大臣の参議院選挙の関係かなと言う人もおりました。まさか参議院選挙の関係ではなかろうと思いますが、本当に教育資金にも郵貯の方から貸し付けるということを実現させるお考えかどうか。また、そういうお考えがあれば、具体的な構想について簡単に御説明願いたいと思います。
○小宮山国務大臣 ぜひ実現いたしたいと思っておりますので、御協力のほどをお願い申し上げます。 これは私自身長いこと考えておったものでございまして、特に入学期にお母さん方が自分の預金をなくす、かつ中には借金をして入学金を納める、そういうお子さんを育てる時期の一番財政的に苦しいお母さん方、三十兆持っておる郵貯がそういう人たちを救えないのはおかしいではないかというのが根本的な発想でございます。それについてどのような方法がいいかというようなことで、いま郵政当局がいろいろな案を練っておりますけれども、近いうちにブリーフィングのようなものを出して、先生方にも御了解、御支援をいただきたいと考えております。参議院選挙が目標ではございません。そのようなことを考えておりますので、特に郵政審議会では、直接的な融資方式を検討せよという強い附帯決議がついておりますので、私も実現にぜひ努めたいと考えておりますので、お願い申し上げます。どうぞよろしくお願いします。
○小宮委員 局長の方は、補足することはないですか。
○神山政府委員 大臣から御下命がありましたので、鋭意検討を進めてまいりたいと思います。
○小宮委員 これはいつごろから実施するお考えですか。
○小宮山国務大臣 これは、構想ができ上がりましたら一日も早く実施したい。特に来年の入学期にはお母さん方に喜んでいただけるような形、できれば九月の一部入学金ぐらい、いわゆる入学金の遅延した部分、分割払いの方々がいらっしゃるはずでございますので、そういう人たちにも恩典に浴させたいなと考えております。
○小宮委員 次に進みますけれども、御承知のように、去る五月四日最高裁で、昭和三十三年の春闘で争議行為を指導したという理由で郵便法違反の罪に問われていた、いわゆる全逓名古屋中郵事件の上告審に対し、判決が言い渡されております。その判決によれば、「公労法違反の争議行為について労組法の刑事免責規定は適用の余地がなく、あおりにあたるような指導的行為は処罰を免れない」という判断を示しておりますが、この判決に対する郵政大臣の所見をひとつお伺いします。
○小宮山国務大臣 最高裁の判決でございますので、尊重いたしたいと考えております。
○小宮委員 それでは、いよいよ質問の本論に入ります。 次は、電電公社に質問します。 最近、週刊誌や新聞紙上に、少年をむしばむポルノ電話とか、かぎっ子にピンクテレホン遊びとか、あるいは東京から全国に蔓延するテレホンポルノ等々の見出しで、大人だけではなくて中学生や小学生の中にもポルノ電話を楽しむ生徒が急激にふえて、しかもそれが全国的に流行しつつあるということが報道されておりますけれども、そのため、子供を持つ親から、非常に悪影響を与えるポルノ電話を何とか取り締まってほしいという声がPTAあたりでもどんどん出てまいっております。こういう問題はこれからさらに大きな社会問題にまで発展するのではないか、こういうふうに考えます。 そこで、警察庁おりますか。——余りいままではかたい質問をしておりましたので、このポルノ電話というのは大体どういう仕組みになっておるのか、実を言えば私もよくわからぬのです。そこで、このポルノ電話に対してPTAだとかあるいは母親あたりからいろいろな苦情が申し込まれておるということも聞いておるわけですが、そういうような実態について、ひとつここで詳しくゆっくり御答弁を願いたい。
○長岡説明員 いわゆるポルノ電話というものでございますが、これは電電公社の方ではトーキー案内装置つき電話という取り扱いになっておるやに聞いております。これはいろいろございまして、天気予報とか時報とかニュースとか、社会的に非常に有用なものもあるわけでございますが、現在私どもの方にいろいろ要望の出ておりますのは、その内容が非常に卑わいな、セックスに関係のあるようなものをテープで自動的に回しておって、それを端末の一般の加入電話から簡単に聞ける、大人でも子供でも聞けるというのは何とかならないのかというような要望が出ておるわけでございます。 それで、どのくらいそういうような要望があるのかというお尋ねでございますが、実は私どもも断片的に昨年来知っておりましたので、三月の十四日に警察庁から電話で各県の警察本部に問い合わせてみました。そして、現在手元に記録の残っておるものだけでいいから報告しろということでとりましたところ、そのうちの主なものだけでも、その日だけで十数件集まったわけでございますが、これは、まず末端の派出所、駐在所、それから警察署がございます。そういうところでもかなりのいろいろなものを受け付けているのではないか。ところが、それが本部に上がっていない。それから、本部で受け付けても別に記録しておらないで聞き流しておるというのもあると思いますので、正確な数は、私ども実は年間これだけ苦情があるというふうには申し上げられないという状況でございます。
○小宮委員 これは恐らくいまの数字の何百倍だと思うのですよ。大臣以下皆さん方も、ここに来ておる留守に自分の子供がポルノ電話を聞いておるかどうかは、大体皆さん知らない人が多いのではないですか。うっかりすると、皆さん方の子供さんも、小学生、中学生が聞いておるかもわからぬですよ。これを知ったら、親として何とかしてもらいたいという願いが出るのは当たりまえじゃないでしょうかね。そういう立場から、ポルノ電話の規制というものがいま大きく有識者の中から出てまいっておるわけですが、実際にポルノ電話を取り締まる方法は現行法規の中でないのかどうか。 それで、実際ポルノ電話といっても、どこにもかしこにもかけてみても出てこないわけでしょう。どういうことで宣伝をするのか。子供さんがここにかければ何か変なやつが出てくるということを知らなければ電話をかけられないわけでしょう。実際どういう方法でやっておるのか。そういうような核心の方にも触れて質問しますから、そういう実情を教えてください。これは、私を含めて皆さん方にも参考になることと思いますので……。
○長岡説明員 このポルノ電話と称するものの電話番号がどういう方法で宣伝されておるかということでございますが、これは、いわゆる低俗な週刊誌、これに小さな囲みの広告が出ております。そういうようなものを青少年がメモをして、教室に持ってきてお互いにそれを知らせ合うというようなことから、かなりその存在が知られてきておるというふうに私どもは考えております。 それから、これを取り締まる方法はないのかというお話でございましたが、警察といたしましては、そのテープから流れてくる内容がわいせつに当たるという場合には、刑法第百七十五条のわいせつ物陳列罪ということで捜査ができるというふうに考えております。 それからまた、都道府県の青少年保護育成条例というのがございますが、現在三十五の都道府県で制定されております。この青少年保護育成条例の中で、これは図書とか映画とか写真とかが対象になっておるわけでございますが、その三十五都道府県のうち十四の県では、テープ、レコードというものも対象になっております。そして、そういうものが青少年に対し性的な感情を刺激するものである場合には知事が有害指定できるというふうになってございます。それで、現実にはそれでやろうと思えばやれるわけでございますが、ただ有害指定をいたしましても、有害指定と申しますのは、大人はよろしいけれども子供はだめだ、子供にとって有害であるという指定なんです。ところがポルノ電話の場合には、その有害指定をしましても、だれでも電話がかけられますので、事実上は有害指定の効果がないということで、現在有害指定はされたという例は聞いておりません。 そういうことでございまして、取り締まりが非常に困難であるというふうに私ども考えております。
○小宮委員 ここにも昭和五十二年三月六日の内外タイムスに「テレフォン・サービス さみしい夜、24時間ムーディな電話で。」とか、それから夜のお楽しみとか、夜が楽しいお話とか、いろいろこういう電話が出ていますね。これは大体会員制でしょう。だから、よほどこういうところを見ておらぬと気のつかぬような話ですけれども、これは会員制でしょう。それで、そこにこういうような電話番号が出ていますね、いろいろあちこちに。こういうようなところにかけても、すぐそこで見られる、聞かれるわけではないでしょう。その辺を詳しく教えてください。
○長岡説明員 私どもも詳細に全国的に調査したわけではございませんけれども、いわゆるポルノ電話と申されるものの中には、会員制をとっているものとそうでないものとあるように聞いております。 会員制のものと申しますのは、こういうおもしろいお話があります、ここへ電話をしてくださいということで広告をしまして、そこへ電話をしますと、向こうの方から住所、氏名が聞かれます。そうすると、そこへそこから資料が送られてきまして、月千円とか会費を納めるわけでございます。そうすると、その会員に限ってまた別の電話番号を教える。そこでそういうふうな卑わいな内容のものを聞けるようにするというのがいわゆる会員制でございます。 それ以外のものにつきましては、これはだれでも聞けるものでございますが、大体スポンサーがついておりまして、トルコぶろとかキャバレーとか、そういう風俗営業のスポンサーがついて、コマーシャルが最後に若干入る、そしてそのスポンサーで経費を運用しているのじゃないかというふうに私どもは考えております。
○小宮委員 このポルノ電話の取り締まり、規制というのは現行法の中ではできないということであれば、警察庁として何か新しい立法措置を考えるということはできないかどうか。そういう点から電電公社との関係が出てきますから、そういうようなことを警察庁としては考えてはいないわけですか。たとえばこれを取り締まる何か新しいほかに立法措置を考えるとか、そういうことは考えていないのですか。それからまた、警察庁としてはそういうふうな立法措置をすることは不都合だとかいうふうな問題が何かありますか。
○長岡説明員 立法措置の問題になってきますと、どの法律をどういうふうに改正したらいいのかという問題が出てまいりますが、先ほど申しましたように、たとえば青少年保護育成条例というのがございまして、これは有害指定ができるようになっております。なっておっても、だれでもかけられるので余り効果がないのではないかということを考えますと、かなりいろいろむずかしい問題もあるのじゃなかろうかと考えるわけでございます。 そこで、私どもは発生源をなくす方がより効果的じゃなかろうかということで、電電公社の方とそういうことについて御相談をしたという経緯があるわけでございます。
○小宮委員 警察庁は、テレホンサービス協会とか協議会とか業者団体がありますね、こういうところには自主規制の申し入れをやりましたか、その点いかがですか。やっても効果がないということですか。
○長岡説明員 テレホンサービス協会というのがあるやに聞いておりますけれども、こういうふうなことをやっているものは大体アウトサイダーが多いんじゃないかというふうに考えることと、それから名義とか電話番号なんかをしょっちゅう変えますのでなかなか捕捉しにくいというようなこともございまして、いまのところそういう実態すらも十分つかめませんので、そういうものに対して自主規制を申し入れたということはございません。
○小宮委員 話によれば、警察庁も現在のポルノ電話規制については全くお手上げの状態だというふうに伺っております。 そこで、先ほどから話が出ましたように、警察庁としても思い余ってかどうか、ポルノ電話の規制について電電公社にトーキー案内装置の提供条件の改正を申し入れたようでありますが、申し入れたその内容について御説明を願いたい、と同時に、その申し入れた結果はどうであったのか、その点もあわせて御答弁願いたい。
○長岡説明員 昨年来いろいろ私どもの内部で検討いたしまして、電電公社にも御相談申し上げたわけでありますが、より問題点をはっきりさせる意味で一応文書でお願いをしたわけでございます。 その内容の要点は、第一点は、そのテレホンサービスの内容が公序良俗に反するという場合には契約をしないことにしていただきたい、第二点に、そういう内容であるとわかった場合には解約してほしい、そして第三点に、現在契約しているものについても、その内容が公序良俗に反すると認められる場合には解約することをお願いしたいというような内容でございます。 これに対しまして、電電公社の方からも文書で回答をいただきましたが、その内容の要点は、通信の秘密とか検閲の禁止とか公序良俗という概念の判断が非常にむずかしいというようなことがございまして、公社としてはその要望に応ずることができないというような回答をちょうだいしております。
○小宮委員 では、電電公社に質問しますが、この警察庁からの申し入れのあったことは認めますか。
○川崎説明員 ただいまの警察庁からの申し入れがございまして、私ども回答いたしましたことは事実でございます。
○小宮委員 いまの警察庁の御答弁によれば、警察庁からの申し入れに対して電電公社は拒否をしたということのようでございますが、どういう見解に基づいて拒否されたのか、その理由を明らかにしてもらいたい。
○西井説明員 お答えいたします。 公社は、御存じのとおり、電信電話サービスを提供いたしておりますが、これは公衆電気通信設備を使いまして他人の通信を媒介することを公社の主たる業務といたしておりまして、通信の一々の中身については関知しないという法体系になっております。したがいまして、警察の申し入れのございましたように、事前にどういう目的でその電話なりテレホンサービスなりをおやりになるかということについては、いままでもタッチをいたしておりませんし、また、そういう法体系になっておりませんということが一つと、それから、もし仮にタッチをするといたしましても、内容が公序良俗に反するものであるかどうかということの判断は電電公社としてとるべきものではないのではないか、こういう判断で御回答申し上げた次第でございます。
○小宮委員 それは電電公社としては、この青少年に非常に悪影響を与えるポルノ電話については、われ関知せずという態度で行われて行くということですか。
○西井説明員 お答え申し上げます。 そういう意味ではございませんでして、警察からの申し出に対しまして、公社として具体的に御協力できる点がございましたら、今後警察と御相談をいたしまして、公社として御協力できる範囲内のものについて御協力をいたしたい、このように警察等の方に、これは口頭でございますが、御回答申し上げた次第でございます。
○小宮委員 ここに昭和四十七年、日本電信電話公社公示、第九十九号トーキー案内装置の提供条件というのがありますが、この申し込みの承諾の中にはそういった目的の問題、あるいはそういった不都合があった場合に解約するという条件が全然ないわけですね。一般的な常識から見れば、いろいろ申し込みする場合は、目的なりそれらの条件を具備するのが普通じゃないか、こう思うのです。たとえば目的の方は、私はポルノ電話を取りつけますというばかはおらぬから、それは目的は言ってみたって、それはみんな適当によろしく書くわけだから、余り意味はないと思いますよ。しかしながら、もしこの申し込みの承諾の中に、ここにいろいろ書いてありますけれども、そういった不都合だとか、先ほどから出ておるように、公序良俗に反する場合とかというような問題の場合は解約できるような条件というものをここに付しても、何らそれが電気通信法の第五条の秘密の確保、あるいは四条の検閲の禁止ということにはならねのじゃないか、こう思いますが、どうですか。
○西井説明員 お答えいたします。 現在、公衆法の規定には、ただいま先生からお話のございましたように、通信の秘密に関する規定がたくさんございます。その中に、公衆法の第四十二条に、どういう場合に加入契約なりそういう電気通信サービスの契約にかかわるものが解除できるかという規定がされておりまして、公社といたしましては、現在のところでは、ポルノ電話というのは、四十二条の規定によりますと、加入契約を解除する要件には至らないものではないか、こういうふうに解釈をしておるところでございます。 それからさらに、立法論といたしまして、そういう立法を設けるべきか否かという問題につきましては、個々の内容が公序良俗に反するかどうかという点につきましては、ちょっと公社が判断するべき立場にはないと思われますし、それからこれの問題につきましては、何が公序良俗に反するかという非常にデリケートな問題もございまして、公社としては、現在の法制上は四十二条の解釈からいきまして、このポルノ電話というものに対して、契約を解除するとか規制をするとか、こういうことは困難である、こういうふうに理解しておるところでございます。
○小宮委員 この問題について、たとえば電電公社が公序良俗に反するかどうかということを電電公社側に判断をゆだねようということじゃないのです。それは警察の方で判断をして、それでこういうような公序良俗に反しておるから、何か措置をしてくださいということで、公社側に申し出る。それを受けて公社側がその事実を確認した後に、これを解約なら解約するというようなことになるわけですから、何も公社側に公序良俗という判断をしなさいということではないのです。だから、そういうことであれば、いまのようなポルノ電話が青少年に悪影響を与えて、犯罪の温床にもなろうとしておるとき、このままで放置してよいかということになると、それはそのまま放置してよいという考え方には公社は立ってないでしょう。
○西井説明員 ポルノ電話等をこのまま放置していいか悪いかということだと思いますが、明らかに公序良俗に反するものであれば、その主管庁であります警察でありますとか、しかるべきところでそのような措置をとっていただくのが、われわれとしてはまず第一ではないか、このように考えておる次第でございます。
○小宮委員 これは電気通信法そのもの、あるいは電波法、放送法そのものが、いまのように情報社会がどんどん発達していく中で、法律そのものが、こういう情報社会がどんどん発達してくるにつれて、それについていっていないのです。だから、そういう面で現行法としては、そういうような問題があるかもしれぬけれども、そういう立場から、われわれ逓信委員会としては、ひとつ小委員会をつくって、こういうような電気通信法にしろ、放送法にしろ、電波法にしろ、見直しをしようじゃないかということを決定をしたわけですね。そういう中でもわれわれはこういうような問題を取り上げていきたいと思いますが、通信の秘密にしたって、これもこの申し込みの中にもあるように、これは電話が来れば個人の通信の秘密というのは、対個人と個人の通信の秘密であって、この申し入みにあるように、これは十回線以上でなければならないとか、いろいろあるわけですね。たとえば一音源回線につき自動応答装置の数が十装置に満たないときは許可しないと書いてある。十以上あるわけですよ。そうすれば同じ電話を十人がとって、それを聞かれるわけです。それが通信の秘密に該当するかどうかということです。そういう問題があるので、公社側もただ四角四面にいろいろ物事を考えないで、やはり前向きに取り組むという姿勢を私は持ってもらいたいと思うのですが、内閣法制局おいでですか。——それじゃいまのやりとりを聞かれたでしょう。ポルノ電話の規制について、電電公社側としては、この申し込みの承諾の項の中に、こういうふうな公序良俗に反する場合は契約しないということを入れてくれ、それでまた仮に契約していても、それが公序良俗に反するような場合は解約することができるということを入れてくれということが、公社側が言っておるように、検閲の禁止、通信の秘密、これに該当するかどうか、内閣法制局としての立場からの見解をひとつ示してもらいたい。
○茂串政府委員 お答え申し上げます。 ただいまのポルノ電話の問題につきましては、現行法の解釈としましては二つの問題が含まれておると思います。 一つは、先ほども電電公社の方がお答えになりました点でございますが、現在、先ほど先生お示しの契約約款の中に、いわゆる公序良俗に反するような情報を流した場合には契約を解除するとか、あるいは契約を拒否するとかいったような条件を追加することができるかどうかという点が一つ。 それから二番目には、憲法二十一条二項の規定の趣旨を受けまして、公衆電気通信法の四条、五条にそれぞれ検閲の禁止、それから通信の秘密の不可侵という原則規定が入っておるわけでありまして、いま申し上げたような条件を付加した場合、その契約の履行を確保するという段階で、電々公社としてはそのトーキー案内装置から流れるところの情報が果たしていわゆる公序良俗に反するような情報であるかどうかということを確認する必要があるわけでございまして、その確認する行為が先ほど申し上げました検閲の禁止とかあるいはまた通信の秘密の不可侵といったような原則に触れるかどうかという点があろうかと思います。 第一の点につきましては、先ほど電々公社の方からお答えがあったわけでございますが、一応法律形式的に申しますと、先ほど御指摘の契約約款は公衆電気通信法の百八条の二に基づきまして郵政大臣の認可を受けた契約約款でございます。ただ、この法律を見てみますると、特に認可の基準というものは何ら法定されていないわけでございまして、これは見出しにもございますように、いわゆる法定外契約の範疇に属する契約でございます。その意味から申しますと、法律形式的にはいわば非常に広い裁量の幅があるわけでございまして、そういった契約約款の中に先ほど御指摘のような条件を付加するということも可能かとも思われるわけでございますが、これも先ほど電々公社の方が申されましたように、現行の公衆電気通信法全体を流れる趣旨からいたしますると、必ずしもそのように情報の内容に公社脚関与した上で是非を決するというようなところの立て方ができておりません関係で、果たしてその契約約款の中に先ほど御指摘のような条件を付加することができるかどうかという点につきましては、なお慎重に検討を要する問題ではないかと思います。 それから次に、検閲の問題あるいは通信の秘密の問題でございますが、電電公社が先ほど申し上げましたように、いわゆるポルノ電話が流す情報の内容をチェックする際に、たとえば持定の人がテレホンサービスを利用している最中にこれを盗聴するといったような形をとるということでございますと、これはやはり通信の秘密の侵害になると思われるのでございますが、一般のポルノ電話の利用者と同様な形で公社職員が通話の当事者として聞くのであれば、必ずしも通信の秘密を侵すことにはならないのではないかというふうに私どもは考えております。 それから、最後に検閲の問題でございますが、公社がそのような行為をいたしましても、これは公権力の作用として強権的に行われるものではないという限りにおきましては、直ちにその行為が憲法及び公衆電気通信法に言うところの検閲に当たるとは言えないのではないかといったような見方もあると思うのでございますが、いずれにしましても、事柄がいわゆる表現の自由にかかわる基本的な問題に触れる問題でもございますし、また対応措置のとり方にも関係すると思われますので、これらの点につきましては、対応策を講ずることとなった段階で慎重にあわせて検討すべき事柄である、かように私どもは考えております。
○小宮委員 なかなか断定的なことを言わぬものだから……。しかし、その問題は先に移りますが、しかし大臣、総理府発行のこの青少年白書を読んでみても、いわゆる青少年の犯罪が年々増加しております。しかも、特に性犯罪の増加が目立っておるのです。その原因についてもいろいろ挙げられますけれども、ポルノ雑誌やポルノ電話の影響も大きいことがはっきりしておると思うのです。そうであれば、青少年の健全な育成を図るために青少年を取り巻く有害な環境をやはり取り除いてやらなければなりません。そういうためには、映画で言えば映倫がありますね。雑誌には青少年育成条例が警察においてはあります。テレビにも自主規制の倫理綱領などがあって、一応の歯どめはかけられておりますけれども、ポルノ電話には何の歯どめもない野放しの状態です。余りこうやると子供さん方はきらうかもしれぬけれども、しかしながら、これはこのままではゆゆしき問題で、やはりこれを放置しておくということは私は大変な問題になる。ある程度の規制は必要ではないかというように考えます。 規制に当たってはいろいろな角度から、いま言われたような憲法に言う、あるいは公衆電気通信法に言う検閲の問題、あるいは検閲にしたって、私は検閲というのは事前の検閲は禁止しておると思う。あるいは通信の秘密の問題にしたって、個人と個人の通信の秘密はこれは確かに保障されるべきであるが、電話をかければ十人も十五人もの人が何か変な声が聞こえるというようなことが通信の秘密に類するものかどうかということは、私はやはり疑問があります。そういう意味で、ここで結論を出そうとは思いませんが、ポルノ電話の規制について電電公社、郵政省、警察庁あたりでじっくり協議をして、やはり何らかの対策を早急に立てるべきだ、こういうふうに考えますが、これについてひとつ公社、郵政省当局、警察当局の一人一人の所見を承っておきます。
○西井説明員 先生のおっしゃいますことは非常に高度の立法政策にかかわることでございまして、公社がどこまでできるかということについては、郵政省を初め警察その他関係のところと打ち合わせをさせていただきまして、必要とあればそのように進めてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○松井政府委員 先ほど来るる先生からの御指摘がございましたように、ポルノ電話につきましては青少年に対する悪影響、好ましくないものがあるということは私どもとしても十分承知しておる次第でございます。 しかしながら、先ほど来各関係機関において述べられておりますように、特に郵政省として考えてみました場合に、公衆電気通信のサービスを提供するに当たりまして原則的にはその内容に関知せず、今日までそういった運用のたてまえをとってきた次第でございます。したがいまして、公衆電気通信業務の性格から見まして、これらの取り扱いにつきましてはきわめてむずかしい問題があろうかと思うわけでございますが、御指摘の関係機関等とも今後とも連絡をとりながら真剣に研究をしてまいりたいというふうに考えております。
○長岡説明員 いろいろむずかしい問題があるようでございますけれども、私どもお願いいたしたような立場でございますので、今後とも関係向きとよく御相談して何らかの対策が講ぜられるという方向で努力してまいりたいというふうに考えております。
○小宮委員 もう一つ警察庁にお聞きしますが、最近暴力団による発砲事件だとかあるいは凶悪事件が各地で続発しておりますけれども、警察が暴力団の壊滅作戦を展開するに当たってその警察の動きを事前にキャッチして、取り締まりの網の目を逃れようという動きが暴力団の中に出てまいっております。その場合に、暴力団は高感度の超短波無線機を使って警察無線を盗聴するという事例がまたこれ最近どんどんふえております。そのために警察としても捜査に非常に支障を来しておるという問題も派生しておりますけれども、こういうことは事実発生しておりますか、警察庁。
○加藤説明員 暴力団の対立抗争事件あるいは銃砲発砲事件等、これは強力に取り締まっておるところでございますが、その取り締まりの過程におきまして、ただいま御指摘のありましたような暴力団員がたとえば乗用車にそういう無線装置を備えつけておいて警察の動きを察知しながら逃走したというふうな事例は、これは残念ながら出てまいっております。大阪あるいは兵庫あるいは山陰地方などでそういうふうな類似の事案が発生してきておるところでございます。
○小宮委員 これも警察庁としては全くお手上げの状態だというようなことでございますが、やはりこの問題にしても私はただ暴力団の問題だけではないと思うのですよ。やはりこういうことが無線機を販売しておるところでは警察の無線が傍受できますとかいろいろな宣伝をやっておるわけですから、そうするとこれはただ暴力団だけの問題ではなくていろいろな犯罪者がこれを悪用するという例が私は今後また非常にふえてくるのではないかということを心配しておるわけです。だからそういったことで、いろいろ市民を非常に恐怖のどん底に陥れるようなああいうような暴力団の発砲事件だとか何とか、こういう問題が実際逮捕に行こうとすると事前に警察無線をキャッチしてすぐ逃亡してつかまらないというような問題もある。これもゆゆしき問題だと思うのです。これもわれわれとしては何とか考えてもらわなければなりませんけれども、しかし、これも現行法では超短波無線機の販売は取り締まる法律がないのですね。したがって電波法でも無線通信を傍受して内容を漏らし、窃用してはならないという第五十九条の規定があるだけなんです。したがって、この根本的な、このような無線機の販売を規制できるような法律改正以外にないというふうに判断せざるを得ませんが、事実そうなんですか。
○加藤説明員 御指摘のとおり電波法の第五十九条に、「無線通信を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。」という規定がございまして、ある部分はこの「存在若しくは内容を漏らし、」「これを窃用してはならない。」ということで検挙できるものもあるわけでございます。ただしかしその傍受自体あるいはそういう傍受できるような機械それ自体の規制というのはこの電波法からは出てまいっておりません。それで実はこの点につきましても、昭和四十九年の十二月二十四日、主管行政庁であります郵政省に対しまして、警察無線通信の不正傍受、妨害等に関する法的規制を検討していただくとともに、当面無線従事者その他関係向きに対しまして、強力な行政措置をとっていただきたいという要請をいたしたわけでございます。
○小宮委員 それじゃ、郵政省にお尋ねしますけれども、いま警察の方で言われたように申し入れをやっておるようですけれども、この問題についても、いろいろまた法律上の問題もあろうかと思いますが、その法律改正が可能かどうか。いわゆるこの超短波の無線機の販売をある程度規制するような、規制の仕方にもいろいろありますけれども、そういうことが可能かどうか。また、いま言われたような問題について郵政省としてはどういう態度をとってきたのか、その点ひとつあわせて電波監理局長から見解を聞きたいと思います。
○石川(晃)政府委員 お答えいたします。 このような件につきましては、ただいま警察庁の方からもお話ございましたように、昭和四十九年に当時の警察庁の次長の土田さんから郵政の事務次官あてにそういう申し入れがあったわけでございます。これにつきましてわれわれの方で検討いたしましたが、先ほど先生から御指摘ございましたように、現行の法律ではこれを厳重に取り締まるという方法はございません。したがいまして、まずそのような警察の通信が聞けるような機械の販売をやめるという方法がないだろうかということでございますが、機器の製造等につきましては所管が通産省でございますので、通産省の方へもいろいろ問い合わせましたところ、通産省としても適切な方法はないということで、われわれといたしましては、そういう販売関係の方に警察、郵政省ともども、こういう販売については自粛してくれ。要するに警察無線が聞こえるような通信機をつくることをまず自粛してほしい。それからまた、販売に当たってもそういうことを大々的に広告する、こういうことも自粛してほしい、こういう申し入れを行ったわけでございます。しかしながら、その効果というのはなかなか上がっていないというのが現状でございますが、われわれといたしましても、このような重要通信がそういう暴力団なり何なりに漏れたためにかえって秩序を乱すということがあるのは、これは本来の電波法の趣旨と違いますので、われわれといたしましては何とかそのいい方法を考えまして、こういうことをやめさせたいと思っておりますが、法改正ということになりますと、ただいま先生からも御指摘ございましたように、販売の面につきましても、あるいは通信の秘密の保護の問題につきましても、いろいろ従来から言論の問題等に絡みまして問題点がございます。したがいまして、その点などもやはりわれわれ十分検討いたしまして、そうして今後ともこういうような不詳事の起こらないような形に持っていきたいとは考えておりますが、具体的なことにつきましてはまだ十分検討が進んでいないという段階でございます。
○小宮委員 これで質問を終わります。
○八百板委員長 藤原ひろ子君。
○藤原委員 現在インフレと不況の中で国民生活は深刻な状況に陥っております。インフレ、不況の中で預貯金は目減りの一途をたどっており、預貯金者はますます不安になっているわけでございます。こういう中で国民の零細な貯金を預かっておられる郵政大臣として貯金者の利益を守ることは当然のことだ、こういうふうに私は考えます。郵政大臣は郵便貯金者の利益を保護するために常日ごろどのような施策をとってこられたのか、お答えをいただきたいと思います。
○神山政府委員 私ども、多くの方々の郵便貯金をお預かりしている立場としては、預金者の利益をできるだけ図っていくということは当然のことでございまして、従来もいろいろ機会あるごとに預金者の利益になるような制度を取り入れてまいっておりますし、貯金法の政正も必要の際には国会にお願いいたしまして貯金法の改正もやっていただいておりまして、いろいろ新しい制度も取り入れてまいっております。
○藤原委員 それでは、今回財界の要請によって景気を回復する、こういうことで公定歩合を引き下げ、それに伴って預金金利の引き下げを行いました。しかし、郵便貯金の金利の問題というのは、景気回復にすぐ伴うわけにはいかないと思います。なぜならば、国民がこの物価高の中で食べるものも十分食べないで、着たいものも着ないで、こういう状態でつめに火をともす思いでこつこつためて蓄えたのがこの郵便貯金だ、こう思います。郵政省や郵政大臣はこのような国民の立場に立って、貧者の味方になるべき立場が郵政大臣と名のつく方のおやりになることだ、こういうふうに思いますが、国民の利益を守るために、郵便貯金引き下げの要請に対してどのような抵抗を大臣はしてこられたのか、御説明を願いたいと思います。
○神山政府委員 御承知のように、公定歩合がことしになってから二回にわたって引き下げられておりまして、これは御承知のような景気対策ということから、どうしても現在の政府の大きな方針のもとに行われるということでありまして、この景気回復策が有効適切に実行されることによって景気が回復に向かうあるいはその結果雇用も安定が図られていく、最近ふえていると言われる企業倒産等も防げる、こういうことで、一連の金利引き下げということがどうしても必要であるということになってまいったわけであります。 そこで、郵便貯金の利率でございますが、これは御承知のようにやはり預金者の利益を保護するという一つの大原則がございますが、もう一つ、やはり一般の金融機関の利率についても考慮しなければいけないという実は二つの要素がございまして、大臣としても昨年末から預金者の利益を擁護、増進しなければいけないという立場から、郵便貯金の金利については下げないという態度をとってまいったわけであります。先ほども申し上げましたように、一連の金利というものは下がってまいっておる、その中で郵便貯金の金利だけを下げないということになりますと、一番の問題はやはり民間の金融機関との預金のシフトの問題でありまして、もし郵便貯金の金利だけが高いと、やはり民間の個人性の預金も相当量ありまして、これが郵便貯金にシフトするという問題が生じる。そうしますと、金融秩序といいますか、そういうものが大きく乱される。そういうことになりますと、やはりこれは国民にとっても一つの大きな問題を惹起するということでございます。 それからもう一つは、郵便貯金の資金を財投を通じて公共の目的のために融資いたしておるということでございますが、こういう財投を通じての各機関に対する貸し付けの利率というものも引き下げていかなければ景気対策にならないわけでありまして、そのためにも財投の貸出金利も下げなければいけないという要請がある、そういったことからも、やはり郵便貯金の金利もどうしても下げざるを得ないというような情勢になりまして、今回郵政審議会に諮問するということに至ったわけでございます。
○藤原委員 この郵便貯金金利引き下げ問題は、朝から同僚議員が二人も質問をなさいました。私は同じ答弁を聞こうと思って質問申し上げているわけではございません。午前中は私、物特委員会で質問をいたしましたので、どうしてもここに来て皆さんの御答弁を聞くわけにいかなかったので、そのために代理の者も入って聞いてあるわけでございます。ですから、私がお尋ねをしたのはそういう国民の貯金、つめに火をともす思いで預けたそういう貯金であるから、今度の金利引き下げにも、大臣が前回いろいろおっしゃっていた考えならば、相当の抵抗をなさったであろう、こういう中で、大臣にその問答、国民の立場に立ってどうこれに抵抗し、しかしそういった中でこの諮問が行われ、大臣としてもそういうことにならざるを得なかったということをお聞きをする質問をしたわけです。いつ大臣が神山局長におかわりになったのか私は存じませんけれども、二回とも大臣に対して質問をしているわけです。こういった問題のどこに国民の立場に立って小宮山郵政大臣が抵抗されたのかという質問をしているわけです。お願いいたします。
○小宮山国務大臣 三月十二日の公定歩合の引き下げについては、私は、そのような情勢にない、また公社債市場というものが本音ではやはり確立すべきだという考え方、それによって金利というものの改定はされるべきだということであります。しかし、金利というものは固定して考えるべきものではない。しかし、つめに火をともす方々のことを考えれば、私はいままで先生の御質問の御趣旨を踏まえて、いままでの預金された方々に対してはその金利改定をしないということで諮問をいたしたのであります。
○藤原委員 郵政大臣が郵政審議会に郵便貯金金利引き下げの諮問を行い、十日の審議会はこの郵便貯金の金利引き下げの答申をした。こういう中で、本来国民の零細な貯金、先ほどから言っておりますこの貯金を預かる郵政大臣は、第一義的に貯金者の立場に立って言動すべきである、こういうふうに思いますが、それにもかかわらず、いまの御答弁からも、郵便貯金の金利引き下げの先頭に立つということはなさらないまでも、そんなに抵抗して努力をなさったというふうには大臣の意図は私には伝わってこない。大変理解に苦しむわけです。もう少しめんどうくさそうにお答えなさるのでなく、その立場に立ってもう一度お答えをいただきたいと思います。
○小宮山国務大臣 めんどうくさく答えておるのではないのであります。私は昨年の十二月の就任以来原則論をもって当委員会でお答えをしているはずでございます。ですから、先ほども申しましたように、三月十二日の第一回の公定歩合の引き下げのときにはそのような情勢がない、しかし、住宅ローンあるいは国債等々長期金利が変わる、そこで、おわかりになっていないかもしれませんけれども、われわれの財政投融資というようなものの原資になる郵貯の金というものは、やはり地方自治体その他に相当影響が出てまいりますので、そういうようなものを考えますと、二律背反でございます。全然苦しまないとおっしゃっておりましたけれども、その辺については大変自問自答し、全体の経済情勢、また統計等々を見て、私自身はそれなりに苦しみ、苦しんで諮問をいたし、答申を得て——しかしその答申の中でも景気対策というものが根底にございます。そういう根底を踏まえて今後郵政行政をやっていかなければいけないと私は感じておるのでありまして、先生のおっしゃるようなことは、そういうことを言われますと、私は大変心外であります。非常に苦しみであったことは事実でございます。
○藤原委員 それでは、郵便貯金の金利の引き下げについて再考していただきたい、こういうことを強く要請をして、私は次の質問に移りたい、こう思います。 まず、電話の加入区域外の電話設置の問題について幾つかお尋ねをしたいと思います。 群馬県の勢多郡黒保根村は現在全戸が集団電話に加入をしております。ところが、最近自動化するということで工事を行っているそうですが、自動化に伴って電話加入区域が大きな問題になっております。現在、公社は、局から半径五キロメートル以内は普通加入区域ということで設備料八万円だけでよいということになっておりますが、普通加入区域外は特別加入区域と称して、百メートルにつき九千円の路線設置料を取っております。群馬の通信部などの説明によりますと、この黒保根村は電話の自動化に伴って、上田沢の古谷の集落五戸と下田沢の楡沢の集落七戸がそれぞれ七百メートルから二キロメートル前後普通加入区域から外れる、こういうことで六万三千円から十八万円余分に取られる、こういうことになり、ここの住民は非常に心配をしておられます。公社として、このように特別負担させられる住民の声に対してどのように対処しようとしておられるのか、お聞かせを願いたいと思います。
○福富説明員 お答えいたします。 いま先生の御指摘のありました黒保根村の自動改式というのは、水沼局の自動改式をいま計画し、今年秋ごろまでに自動改式を行うこととしているわけでございますが、その改式時に、加入区域というものは非常に小そうございまして、磁石の郵便局のまわりに半径二、三キロのところでございますが、これを何とか五キロまでに拡大いたしたいということで進めてきたわけでございます。これは全国非常に多くのところがございまして、非常に小さい半径でございましたのを何とか五キロまで拡大いたしたいという念願で進めてきたわけでございまして、五十二年までに大体電話局を中心といたしまして半径五キロの円内の区域を普通加入区域に編入するという予定で進めてきたわけでございますが、五キロよりもさらに遠い地方まで加入区域にするということはまだ非常に困難でございます。黒保根村一局でございましたらそれほどでございませんが、全国、五キロの円内を普通加入区域にするということがようやく達成されつつあるわけでございまして、それ以遠の問題につきましては、五十三年度以降の問題として考えていきたいというふうに思っている次第でございます。
○藤原委員 御努力いただいているわけですけれども、この黒保根村は全戸が集団電話加入ということで、全く同じ条件のもとで電話を利用していた人たちが、電話が自動化した、こういうことに伴って一般電話になる。このために普通加入区域に住んでいる人たちとの間に六万三千円から十八万円もの格差が生じてきているわけです。どうしてこのような格差が生まれるのか、その点御説明いただきたいと思います。
○西井説明員 ただいまお答え申しましたとおり、公社は現在加入区域制度というものをつくりまして、普通加入区域の中の方は均一負担ということで、ただいま先生からおっしゃいましたとおり八万円の設備料と債券を負担していただきまして加入をする制度になっております。普通加入区域の外の加入の方につきましては、普通加入区域から外れるごとに、ただいまおっしゃいましたように、百メートル九千円という線路設置費をいただくことにしておるわけでございます。これは一般加入電話がそういうやり方をとっておりまして、地域集団電話から一般加入電話におかわりになる方につきましても、一般加入電話と同様に線路設置費を支払っていただく、こういうたてまえをとっておるところでございます。お申し出のように地域集団電話の加入者のみにつきまして、この線路設置費を減額する等の措置をとるということになりますと、他の一般加入電話を新規に設置されます方との均衡を失することになりまして、公衆法のあまねく、公平にという基本精神に外れるのではないか、こういう考え方でこのような制度をとっておる次第でございます。
○藤原委員 いま説明している人たちは、特別加入区域に住んでいるといっても現在集団電話を利用して電柱もケーブルもという路線設備はもうすでにあるわけなんです。それでもなおかつ路線設備費として百メートルにつき九千円も取られる、こんなことは全く私には納得がいかないわけです。普通加入区域の路線設備は取りかえずに、その地域だけ電柱もケーブルも全く新しい設備に取りかえるのですか。その点ちょっとお尋ねしたいと思います。
○長田説明員 お答えいたします。 いま先生御指摘の点でございますが、地域集団電話全体のことについてまずちょっと御説明いたしますと、これはいわゆる特殊な多数共同の電話でございます。地域集団電話の交換機それから電話機、こういうものは一般の加入電話とは全く違ったものでございまして、そのままは使えないわけでございます。いま先生御指摘の線路の関係でございますが、大体区域外と申しますような地域に当たります地域集団電話の線路設備の中で、特にかけてあります電線でございますけれども、これはほとんどきわめて少対のケーブルかあるいはSDワイヤと私ども言っておりますが、二対あるいは六対の中に張りますための線条を一緒に仕込みました電線を大体使っておりまして、非常に対数も細いものでございまして、大体多数共同を単独化するわけでございますから、当然現在かけてあります線だけでは足らないということで、これはほとんど利用するということはできません。それから、電柱でございますけれども、電柱もこういう区域外で、特に過疎的な地域でございますと、従来非常に短尺のもの、丈の短いものあるいは電柱間隔をうんと飛ばす、これは細いケーブルなりあるいは細い電線をかけておるというような関係からそういうようなことをやっておるわけでございます。したがいまして、この電柱も相当立てかえをしなければならないというケースが非常に多うございます。どのくらい電柱が利用できるかというのは、実はケース・バイ・ケースで相当差がございますので、私ども的確には把握をしてないわけですけれども、使えるといたしましても、大体電柱の三〇%くらいではなかろうかというふうに見ているわけでございます。
○藤原委員 全部お取りかえになるのかと聞いておりましたら、そうでもない、そういった取りかえなければならないケースも多い、それには差がある。そうしますと、お金は一律に取られるわけですが、その点は矛盾を感じられないのでしょうか。私は、あなた方が言われることが、三人三様、入れかわり立ちかわり言っていただいたわけですけれども、まだ国会議員一年生でして、専門的なことはよくわからないわけですが、とにかく皆さん方の解釈というのは国民の立場に立っていない、この点だけははっきりと私はわかるわけです。電柱も全部取りかえて、ケーブルも一切使えないのだ、こういうことではない。ところが、国民からお金を取るときには一律一様に取る、こういうことはどうなんでしょうかね。こういった点、いや国民の立場に立っているんだ、そうして電電事業を運営しているんだ、こういうことであれば、それは一体どうなるのか。次の問題も抱えておりますので、いろいろ専門的な御説明は結構でございますから、総裁からその辺の考え方についてどうなのか、お答えいただきたいと思います。
○秋草説明員 この問題は、先生の御指摘のように多少の矛盾を感じますが、現行の制度では、やはり一般加入電話の方々に、遠いところの電話を引くときには御負担をかけております。農業電話の方々はいま現に運用されておりますけれども、これは特別な一つのサービスとして五年、十年、十五年前から安くしておったわけでございます。でき得れば、これを近き将来七キロとか、あるいは遠い将来十キロというようなところに持っていけば、それぞれ地域的には雲散霧消する傾向になると思いますけれども、当面はやはり一般加入者との均衡も考え、できるだけバランスをとらなければいけないというところで苦慮しているものでありまして、遠い将来になりますけれども、方向としたら、先生のおっしゃるような方向をたどっていかなければならぬという見通しは持っております。
○藤原委員 その見通しがこの群馬県の黒保根村にどう響いてくるのか、これを具体化していただきたいのですが、先ほどの総裁と違う方の御答弁では、加入区域制度というのがあるんだ、一般加入したら設置費を取るんだ、これがたてまえなんだ。しかし総裁はちょっとニュアンスが違って、国民の立場に立ち、こういったものを近き将来にでも解決したいというお心持ちをいま披瀝されたと思いますが、それでは、ここの群馬県ではそのお心持ちは具体化して現実あらわれてくるのかどうか、それとも遠い将来になるのか、いかがでしょうか。
○秋草説明員 近き将来、直ちにこれが実現するとはちょっと考えられません。
○藤原委員 それでは総裁が自信を持ってお答えになったというふうには考えられないのですけれども、こういった全く予盾した、たてまえと本音は違うということが現実あるわけなんです。それで、私は本当に本音なんだということで電電事業を進めていただきたい。そのために、ちょっと角度を変えて質問を続けていきたいと思います。 それは、公社の理事のあり方について質問をしたいと思いますが、ことしの一月十三日、閣議において秋草総裁が電電公社の総裁に任命された。その後の人事によって公社の幹部などの新体制がスタートして新しく船出されたわけなんです。日本電信電話公社法の第二十一条三項でも「理事は、総裁が任命する。」こういうことになっているわけですけれども、総裁はどのようなお考えをもって今回電電公社の役員を任命されたのか、ちょっとお尋ねをしたいと思います。
○秋草説明員 理事の任命につきましては、私の責任でございます。もちろん、人物を慎重に考え、公社の理事者としてふさわしい人を慎重に考慮した上で任命いたしました。
○藤原委員 ことしの一月の中旬でしたが、公社の幹部の人事が報道されました新聞を見て、私はどうしても理解ができないことがあったので、きょうは質問をしたいと思います。 といいますのは、一月十七日に四人の方たちが理事に任命をされた。そうすると、その翌日の一月十八日に全く同じ名前の人たちが理事を退任されているわけです。一体この人たちはみずから理事の辞任を申し出られたのか、それとも総裁がこの人たちに対して辞任の勧告をしたのか、どちらなんでしょうか。
○秋草説明員 形式的には、みずから辞任するという形式はとっておりますけれども、発令のときに、そういう条件で理事を任命するということを私は理事に申し渡しました。一日理事というのは私ども公社だけにある慣行でございまして、私になって考え出したものではございません。
○藤原委員 新しく改革をするために慎重にお考えになって、しかしまだ慣例をそのままやっておられるのかもわかりませんけれども、たった一日任命されて、明くる日やめる、余り慎重な結果とは思えないと私は考えるわけです。 そこでもう少しお聞きしますが、それでは、公社法で定めておられる理事というのは一体どんな仕事をするのか、またどのような責任を持っているのか、御説明をいただきたいと思います。
○秋草説明員 公社法で言う理事というものに対する責任、権限というものは明確には規定しておりません。それから理事会もございません。こういう制度は私ども理事でなかった当時、初代の総裁からあったので、それならば名誉のために、処遇の一端として、長い間の功績をたたえて措置するのも考えられるのではないかというような動機もあったように私記憶しております。御質問のお答えとしては、そう明確な責任とか、国鉄の理事会とか、そういう責任はございません。
○藤原委員 それじゃ、一日でおやめになったこの方たちは、理事としてどんなお仕事をされたのか。書いてないというので何にもしてないのか、それとも一日理事という中で何を一体されたのか、理事という肩書きがついて。
○秋草説明員 一日間の仕事ですから、別に特別に何もないと思います。
○藤原委員 理事になっても実際には何の仕事もできない、したくてもできないというのが当然な姿だというふうに思います。けれども、いま御説明を聞いておりますと、従来からの慣例で単なる形式的な処遇なんだ、長い間の功績をたたえて、ということでございますが、理事という公社の最高幹部の任用をそういうことで与えてもいいのかどうか、非常に私は疑問があるというふうに思います。 そこで、再度総裁にお尋ねをいたしますが、公社の理事というのは、形式的に処遇すればよいということで理事というものがあるのか。そういうふうに考えておられるのかどうか。また、一日だけの理事というのは一体どこに書いてあるのか、どこに決められているのか。先ほどはないというふうに聞こえたわけですけれども、全くないわけなんですか。その点理事というのは一体何をするのか、一日理事というのも含めて。それと、規定はどこにされているのか、もう一度お願いしたいと思います。
○秋草説明員 一日理事という規定はもちろんございませんが、この一日理事を発令するのは、法律にのっとった十名以内というものを十分に考えた末に、ダブるようなことのないような苦心をしてやって、しかもその人方全部が一日理事になれるわけではありませんから、適当な人を審査してこの人は一日理事にするという慣行をつくっております。 それから、理事の責任は、理事は、総裁が定めたところによって、総裁及び副総裁を補佐して公社の業務を執行し、総裁及び副総裁に事故のあるときはその職務を代理し、総裁及び副総裁が欠員になるときはその職務を行う、そういうことしかございません。
○藤原委員 それでは、十名以内つくってよいということで、何人かは実際に理事として働ける人、あとの人は肩書きといいますか、十名以内になるために苦心をしてやるのだとおっしゃいましたが、苦心ではなくて苦肉の産物だというふうに思うわけですけれども、こんな一日理事をつくってもよいというようなことは、私も見ましたけれども、どこにも書いてない。そんなことは当然のことだというふうに私は考えます。私は、公社の理事というのは国民から電気通信事業、これを負託されて、その事業の執行には責任を持たなければならない仕事をするのが理事だというふうに思うわけなんです。重要な責任を持っている人なんだ、こういうふうに思うわけですけれども、たった一日でやめてもよいというふうなことを初めから十人以内の枠の中につくっておく、そんなことは理事にすべきでないというふうに思います。肩書きをつけるだけの理事が存在するというのは、国民から見たならば全く納得しがたい、こういうものであると思うわけです。その上、一日理事の場合でもその在職期間は一カ月とみなされる。役員としての給与、退職金等が支払われているわけです。今回のこの一日理事の人たちに理事としてお支払いになった給料と退職金は合計幾らなんでしょうか、お尋ねをいたします。
○山本(正)説明員 お答えいたします。 ことしの一月退任いたしました四名の理事の俸給支給額は、一人三十一万一千三百八円、退職手当二十六万一千円、四名とも同額でございます。
○藤原委員 四人で二百三十万ぐらいになるのと違うでしょうかね。たった一日理事だ、肩書きだけだということでこのような費用が出ていく。聞いたところでは、国会の運転手さんは退職のときに係長という名前をもらわれるそうです。一日係長だというふうに思いますが、この運転手さんたちはそれじゃこのように退職金を莫大にもらわれるのかどうか。そんなものは何もないわけです。ただやめたときに係長だったということが親戚や友人に言えるというだけの話なんですね。なぜこんなに違うのでしょうか。 日本には御承知のように公共企業体が三つある。電電公社のほかにも、国鉄や専売公社、これがあるわけですけれども、国鉄や専売公社の場合は、それも私調べてみましたが、一日理事というのは聞いたことがありません。国鉄、専売公社にも一日理事をやったということがいままでにはあったのかどうか。総裁、いかがでしょうか。
○山本(正)説明員 ただいまの御質問にお答えいたしたいと思いますが、一カ月分の俸給を全額払っているわけではございませんで、職員としてのその月の在職期間にかかわる俸給を日割り計算で理事の俸給から差し引いて支給いたしておるわけでございます。理事の給与の基準につきましては、郵政大臣の認可を受けました役員等の俸給等の支給に関する基準に基づきまして、一カ月未満は一カ月として計算するという基準がございますので、それに従ってやっておるものでございます。 先ほど来いろいろ御批判がございますが、これは総裁のお考えも同じだと思うのでありますけれども、長年公社に勤務いたしました局長等が退職いたします場合に、その人の過去の功績等に何らかの形で報いようといったような考え方に基づきまして、公社法上定められました定数の範囲内で、ごく限定されました範囲で、いわば一種の名誉を与えるといったような観点からこういった措置を慣例的にやってきておるわけでございまして、決して実質的な優遇措置をしようといったような考え方に立っておるものではないということを御理解いただきたいと思うのであります。
○藤原委員 先ほど国鉄や専売はどうなのかということをお聞きしたのですが、私の調べたところでは、他の公共企業体ではこのような形で役員人事を行っているという例はないわけなんです。それでいいのでしょうか、その点ちょっとお答えがなかったのでお願いいたします。
○山本(正)説明員 他の公共企業体の事例につきましては私、承知いたしておりませんが、理事の任命は総裁の権限として公社法で決められておるわけでございます。その定数の範囲内で、先ほど申しましたような趣旨、考え方に沿ってきわめて限定された範囲で慎重に運用をするという前提に立ってやっておるものでございます。
○藤原委員 先ほど実質的な優遇措置はないという御答弁があったわけですけれども、今日まで一日理事の人たちが電電公社を退職していまどのようなところに就職をしておられるのか、総裁は御存じでしょうか。
○秋草説明員 大体存じております。
○藤原委員 これらの人たちの就職先は富士通株式会社、日本通信株式会社、目黒通信株式会社、日本船舶通信、日本電話番号簿株式会社、こういうところでございます。いずれも公社の関連企業に就職をしておられるわけなんです。しかも役職はどうかと言うと、社長さんであったり取締役に就任をしておられるわけです。実質的優遇措置をしていない、こう言って御答弁なさいましたが、やめてから先のことまでこのように保証されている。これらの人たちは一日理事をやるだけで国民の支払う電報電話料金の中から給料と退職金をもらう、こういう状態ですし、理事という肩書きをつけて公社関連企業に天下っている。天下った先では社長や重役など重要なポストについている。公社発足以来二十四人の人たち、つまりこの間の理事就任の二六%の人たちにこういう待遇を与えてきたわけです。それに間違いないでしょうか。
○秋草説明員 一日理事と退職後の役職についたこととは何ら関係がございません。これは一日理事をやった人であろうと理事にならなかった人であろうと、あるいは総務理事でやめた人であろうと、皆それぞれの会社の必要によって相当な役職についている人はございまして、一日理事と的確に関係があるということではございません。 一日理事の問題は、やはり私たちが長い間同僚として公社で働いてくださった御功績に対して、皆非常に紙一重の差で、運、不運もございますので、できるだけそういうチャンスを与えてみたいというので、全く処遇のことは考えてなかったわけでございますけれども、計算上事務的には、一カ月の給料も、局長としての給料と理事としての給料を比較すると理事の給料がわずかに大きいですから、その差額を引っ張って差し上げているだけでございまして、本来は、やはり長い間の功績に対して、せめて一日だけでも理事としての待遇を与えて公社を退任していただくというための計らいであります。
○藤原委員 一日理事と就職先とは関係ないというふうにおっしゃいますけれども、それはやはり有利な条件になっているという点では私は確かだと思います。総裁がもし違うということであれば科学的な根拠をいただきたいし、ならなくても、一日理事の肩書きをつけなくてもその人はそういったところにちゃんといける人なんだ、その能力も資格もある人なんだということであれば、法律にも書いてないようなこんなことはおやめになったらよい。まことに保証されている人なら、なぜ一日理事の肩書をつけられるのか。有利でない、それを切り離してもその問題が残ると思いますが、いかがでしょうか。
○秋草説明員 一日理事と退職後の会社等における地位とは全く関係はないと私は思います。 ただ、私たちが一日理事を選ぶ場合には、長い間の同僚諸君の中でどれを選んでいいか、定員もございますので、運、不運もございます。そういう場合にせめて一日理事にしてあげたいということは、実質的に相手方の会社でも本人の力量なり人格を認めておりますから、多少そういう関係が出てくると思いますけれども、会社ではその一日理事を優遇するとか理事でない人は優遇しないとかいうことは全然関係のないことでございます。
○藤原委員 総裁の同僚諸君というのはこういった一日理事を選ぶ人だけなのか。私は総裁の同僚諸君は何万という労働者ではないか、こういうふうに思うのです。 それじゃその労働者方が何十年勤められて退職されるときにこのような条件をもらっているのかどうか、就職先までも保証されるような状況にもないし、また、この大変な時代に、それじゃ有利になるように肩書きをつけてやろうかというようなこともないではありませんか。あなた方が何と言われようとも、こういった事実は消すことができないというふうに思うわけです。法律や制度というものはだれのためにあるのか。私は国民のためにあるのだ、こういうふうに思います。一方では、このように一日理事など幹部には大変都合のよい解釈がされております。そして国民には、私が最初に申し上げましたあの群馬県の特別加入地域の問題のように不利な解釈がされる。加入区域制度というのがあるんだ、一般加入したら設置費を取るのはあたりまえだ、こういうことが許されるというようなことは大変なことだというふうに私は思います。電電公社が国民の立場に立って運営されるならば、国民に納得されるという解決の方法はあるというふうに私は考えますが、この問題に対して総裁はどのようにお考えになるのかお答えいただきたいと思います。
○秋草説明員 御質問の趣旨がよくわかりにくいのでございますが、加入区域の問題と一日理事の問題というのを直接どう結びつけてお答えしていいか、ちょっと判断に苦しみますが、私は、常々従業員の待遇の問題、それから役員の待遇の問題、やはり私の下で働いてくれますから、機会あるごとにそうした処遇を考え、やめていった後ほどもその功績に報いるだけの措置をできるだけしなければならぬ。一般理事以外のたくさんの従業員が毎年何百人とやめていきます。そういう方々もやめた後も路頭に迷わないようにいろいろ苦心して、私自身の手では全部さばくわけにはいきませんけれども、秘書課長あるいは全国の通信局長を動員して毎年毎年定年後の退職あるいは定年前で退職する方々の処遇につきましては全力を挙げてやってくる、これは非常に大きな苦労でございます。これも一つ付言してお答えしておきたいと思います。
○藤原委員 いま理事と先ほどの加入区域の問題とは結びつかないというふうにおっしゃいましたけれども、私は結びつくと思うのです。 それは先ほども述べましたように、総裁、また総裁を頂点とする電電公社の姿勢のあり方、こういう点では全く結びつく話だ、こういうふうに思うわけです。一方、この一日理事は許されて、これはまかり通っている。先ほど申しましたように、理屈からいってもおかしいこと、国民の側の問題は、理屈から見ても常識から見てもおかしいことは改善してもらえない。近い将来には、それはできないというふうなことです。こういった点、なるほど総裁が、結びつかないからこんなことができないのだなということが、私は初めて理解をされたわけです。 しかし、私がいま指摘したような問題は、国民から負託をされた電電事業の運営について、大事な基本姿勢にかかわる重要な問題だというふうに思うわけですけれども、何も仕事をしないで一日理事を就任をさせるというようなことは、本当に慎むべきことであるし、それが国民の利益にかなうことで合理性を持つものであれば、当然受け入れる、そういう真に国民の立場に立った電電事業にしていくべきだ、こういうふうに思うわけですけれども、最後に、大臣にそのお考えをお尋ねをして、この問題は終りたいと思います。
○小宮山国務大臣 正すべきものは正すのが本当だろうと思います。 しかし、一日理事の措置を講じている。東洋的な思想から言うと、大変いろいろな疑義がございますけれども、私の立場から、公社法その他ございますので、論評を差し控えさせていただきます。
○藤原委員 それでは、私は次に郵便の問題についてお聞きをしたいと思います。 まず最初に郵務局にお尋ねをいたしますが、郵便を利用する場合には、当然のことですけれども、郵便法の規定に示されている、拘束されるというふうに思いますけれども、それは間違いないのでしょうか。
○林説明員 お答え申し上げます。 郵便の利用につきましては、郵便法の規定に基づきまして御利用いただくという定めになっておるわけでございます。
○藤原委員 もう一つ、お尋ねをいたしますが、郵政省の職員が差し出す郵便物の中には、郵便法の適用を受けないものもあるのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○林説明員 お答えいたします。 郵便の利用に関しましては、郵政省において利用いたします郵便も含めて、すべて郵便法に基づいて御利用いただくということに相なっております。
○藤原委員 いまの御答弁ですと、郵政省の職員が差し出すという場合も、もちろん郵便法の適用を受けるのだということでございます。郵便法の十九条で定められている、書留郵便にしなければならないものは、普通郵便として差し出してはならない。もし差し出したならばそれは郵便法違反になる、こういうことのようですけれども、それはどんな場合にも適用されるのでしょうか。それとも、この規定が免除される場合だってあるのだ、こういうことでしょうか、いかがでしょうか。
○林説明員 ただいまも御答弁いたしましたように、郵便の利用に関しましては、すべて郵便法に基づきまして利用いただくということになっておるわけでございます。ただいま先生御指摘の点につきましては、試験通信に現金を入れることの可否ということについてのあるいは御質問かというふうに考えておりますか、この点について申し上げますと、普通郵便物に現金を封入することは郵便法で禁止いたしておりますが、郵政監察官が実施いたしております試験通信は、普通郵便物に不着等の事故あるいは犯罪等が発生いたしまして、お客様に多大の迷惑をかけておりますときに、それらの事故がどこで発生しているかを知り、犯罪があるときはこれを検挙するものでありまして、利用者の保護を目的としているわけでございます。したがいまして、試験通信は郵便法十九条の保護法益を守るためのより高度の目的を持ったものでありますので、許容されるものというふうに解しております。
○藤原委員 そうしますと、利用者が、その利益は保障されなくてもよいということで、普通郵便物に現金などを封入をいたしました郵便物を差し出してもよいわけですか。
○林説明員 お答えいたします。 郵政監察官が行っております試験通信は、市販の封筒を使用しておりまして、外観等も一般の方が通常の方法で差し出される郵便物と何ら変わるところがないわけでございます。したがいまして、郵便局の取り扱いで、現金か封入されていることが何らかの形でわかりました場合には、郵便法の規定に基づきまして、差し出された方に還付することにいたしておりまして、また還付に際しましては、所定の料金をいただくという形で扱っておるわけでございます。
○藤原委員 いまお尋ねしたのは、利用者が、その利益は保障されなくてもよいということで、普通郵便物に現金を封入した場合、こういうものを差し出してもよろしいのですかということを聞いているわけです。
○林説明員 お答えいたします。 十九条におきまして、「現金又は郵政大臣の指定する貴金属、宝石その他の貴重品を郵便物として差し出すときは、書留の郵便物としなければならない。」ということになっております。この規定につきましては、かつて郵便法に定められておりましたものが一時廃止されまして、三十六年でございましたか、再びこの規定が設けられたわけでございますが、その当時の経緯を翻ってみまするときに、その当時普通の扱いといたしました現金等の亡失等の事故が多く、そもそも郵便物として差し出されたものかどうかということさえ困難であるということから、その規定が廃止されておりました当時といたしましては、現金の封入を行うか否かは、すべて差出人に任せるという形になっておったものを、ただいま申しましたような事情から、こういった定めを設けたわけでございます。しかしながら、この規定につきましては罰則というものの定めはございません。仮に現金が封入されるということに相なりました場合には、差出人に所定の料金をいただいて還付するというような扱いになっておりまして、この規定はあくまでも郵便を利用される方々が書留としての扱いをしないことによる不測の不利益というものをこうむらないように定められておるというように解されようかと思うわけでございます。その限りにおきまして、一般の方々が現金等を普通郵便で出すことにつきましては、十九条で禁じておるということかと思います。
○藤原委員 じゃ、利益を保障するんだ、保護してやるんだというために現金書留にしなければならない、普通郵便では罰則はないけれどもいけないのだ、こういうことでした。それから、集配の途中でそういったものが現金が封入されているというふうなことがわかった場合には、それを返すんだというふうにいまお答えいただいたと思うのですけれども、それでは前回の委員会でも問題になりましたこの郵政監察局が試験通信、交渉して普通郵便の中に現金を封入して送った、こういう事件についても、もしも途中で現金が入っているのだということがわかったならば、郵政監察局、つまり差出人に返されるわけなんですね。
○林説明員 現実に差し出されます試験通信に書かれておりますあて名、差出人は、全く一般の郵便物と同様のものというふうに受け取っておりまして、その郵便物に記載されております差出人に還付するということにいたしておるわけでございます。
○藤原委員 その点、わかりました。 ところで、この郵政監察の行う活動というのは、郵便法の枠を超えてこの法律に規制されないでこれができるのかどうかということですが、先ほどは試験通信の場合は許容されるのだ、許されるのだというふうにおっしゃったわけなんですけれども、そうなんですか。
○林説明員 試験通信は、ただいまも御説明いたしておりますように犯罪の容疑があり、試験通信実施の必要があると認められた場合、必要最小限度のもとに監察局で行っておるというふうに私どもは承っておりまして、この郵便法十九条の法意に基づきその法益を守るためのものでございますので、許容されるものというふうに解している次第でございます。
○藤原委員 それは、郵便法のどこに、何条の何項に書いてあるのでしょうか。教えていただきたいと思います。
○林説明員 ただいまの御説明は、郵便法におきます明文の規定はございません。郵便法の各条の解釈によるものでございます。
○藤原委員 明文化されていない。それじゃ解釈は、勝手に解釈していいものでしょうか。つまり、法文の行間にそれが書いてあるのだ、こういうことですか。そんな勝手に解釈するということが、この監察局については行間に書いてあることを理解をしてやってよいというふうにどこに書いてあるのかどうか、それを教えてください、こう言っているわけです。
○林説明員 郵便法は第二条にございますように、「国の行う事業であって、郵政大臣が、これを管理する。」ということでその所掌をいたしておるわけでございまして、郵便法令の解釈でございますので、第一義的には所管でございます郵務局において行うことに相なっておろうかと思います。
○藤原委員 郵務局というところは、法の解釈をそのように勝手に解釈してよいということになっておる局ですか。
○林説明員 お答え申し上げます。 私、第一義的にはと申した次第でございまして、その問題につきまして第一義的には私どもの方でそのように解しておるということでございます。
○藤原委員 法の解釈に第一義的とか第二義的というようなことがあれば大変な問題だというふうに思いますが、第一義的に考えては、監察局は法に明文化していないことをやってもいいのだ、まかり通るのだ。第二義的に考えたらそれじゃどうなるのですか。
○林説明員 具体的な第一義的と申しますのは、私どもただいまのこういった案件につきましてもその解釈を求められた際に、その解釈上の意見と申しますか観点を申し上げるわけでございまして、その法の適法性等につきましては、さらに上部機関あるいは裁判所等におきますところの判例等を待つことによりまして第二義的、あるいはその後の法の確定ということに相なろうかと思います。
○藤原委員 私は、まことに勝手な解釈の仕方だというふうに思います。郵政省設置法の第二十二条にもこの郵政監察官に対する条項の中には、そんなことは一行だって半行だって書いてないというふうにも思いますし、監察局ならば、監察官ならばこれをやっていいのだというようなことはどこにも書いてないというふうに思うわけです。法の解釈を郵務局でかつてにできる、一義的であろうと第十番目であろうと、そんなことができるというようなことはゆゆしき問題だというふうに思います。それはあの田中角榮元総理大臣、この方総理大臣になられて新聞記者を集めておれは法律だ、こんなことをおっしゃったと言われておりますが、この思想とつながるのではないでしょうか、そんな勝手なことは。総理大臣であろうとも郵政大臣であろうとも郵務局であろうとも、法文の行間に書いてあるというふうなことを、第一義的であるとか第二義的であるとか、そんなことを理屈をつけるというのは私は全く間違っているというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○林説明員 お答え申し上げます。 先ほどからのお答えを繰り返し御答弁する以外にないのでございますが、郵便法は郵便の送達を安全、確実、迅速にかつ適切に行うための法律でございまして、そういうような郵便の利用者の利益を保護する、法益を守るという観点に立ちまして、ただいま申し上げましたような解釈に立っておる次第でございます。
○藤原委員 法益を守るということであれば、勝手な法解釈をしてよいということではないというふうに私は申し上げているのです。そうではないと、同じ答弁ばかりで、これはもう晩までかかっても、あしたの朝までかかってもこれはもういつまででもかかりますので、こんな法の解釈を、法益を守るためにはこれでいいのかどうか、次長さんとでは朝までかかりますので、郵政大臣からちょっとお考えを聞きたいと思います。
○江上説明員 郵政監察が試験通信を行います場合に、決して安易に行っておるわけではございません。捜査の方法というのは、先生御案内のことかとも思いますが、いろいろさまざまな方法がございます。ただその中で捜査に一番困難を来すものは、普通通常郵便物の事件というのは非常に捜査がむずかしゅうございます。したがいまして、さりとて直ちに郵政監察が御指摘のような試験通信を行うというようなことをいたしておるわけでもございませんけれども、いろいろな方法をとりました結果ぎりぎりに決着がつけがたい場合、各種の捜査方法をとりましてもなお普通通常郵便物の紛失が後を絶たないというような場合、かつまたその原因がつかみがたいというような場合に、先ほど来郵務の次長が御答弁申し上げておりますように、より高度な目的と申しますか、郵便物を保護するということのためにこの中に現金を封入する場合が許されるか、許されないかという最終ぎりぎりの判断をいたします。なお紛失するのに手をこまねいておるべきか、さらにいかなる原因によってそのことを決着をつけるべきかという最終的な判断に基づいて措置する場合がございます。
○藤原委員 安易ではないということですが、そのとおりだろうとは思います。こういうことをやるときにはより高度な目的のために最終ぎりぎりまで胃が痛むような思いをしてまで努力をしておられるというふうなことは理解はできるわけです。しかし、先日関東郵政監察局が試験通信に名をかりて普通封書に現金を封入したいわゆるおとり捜査、いわゆるをつけておくわけですけれども、いわゆるおとり捜査にひっかかったサラリーマンが万世橋署に逮捕された事件、これについて住民の間に大変不安の声がつのってきているというふうに思います。東京新聞の記事を見ましても、昨年六月、江東区の主婦Bさん四十九歳のところに近くの郵便局長と郵政監察局員が石けん二個を持ってこられた。そして三回ほど封書が届いてその前後に局員が家に来られたというふうなことがあったわけですが、その主婦がおっしゃっている言葉があるわけです。「「ひょっとしたら、あの中にも現金がはいっていたのではないでしょうか。もし、うちにお手伝いさんかだれか同居人がいて、ふとした出来心で封書に手を出したりしていたら、おとり事件のサラリーマンの方と同じように警察が踏み込んできて逮捕されたかもしれませんね。」Bさんはそんなことを考えるとゾーッとするという。」こうおっしゃっているわけですが、これはこの新聞を読まれた、また試験通信で起こったあの事件を知った人ならば、大体共通した「ゾーッとする」思いではないだろうかというふうに思います。 こういう中で、日弁連とか刑法学者とかあるいは全逓の労働組合なども、憲法を無視した公務員による人権侵害だ、こういうことで調査もし始めているわけです。このような試験通信のやり方では今後国民から信頼もされないだろう、こういうふうに私は思いますし、協力も薄れてくるのではないかというふうに心配をするわけでございますが、監察局はどのようにお考えになっているでしょうか。
○江上説明員 先生のただいま御指摘の点でございますが、試験通信がいたずらに犯人を製造するために、あるいは人を犯罪に積極的に誘惑しあるいは奨励をするというようなものであるならば、確かに先生が御指摘のような不安というものはあるいはあろうかと思います。しかし私ども司法警察員がかたく戒められておりますところは、捜査を行うに当たりましては個人の基本的人権を尊重して、かつ公正、誠実に行わなければいけないというのが捜査の基本でございます。したがいまして、いろいろと御心配していただいておりますことにつきましては、私ども自身がかたく心に秘めて捜査という業務を行っておるものでございますので、どうかひとつその点につきましては御理解をちょうだいいたしたいと思います。
○藤原委員 時間もありませんので最後に郵政大臣にお尋ねをいたしますが、私はここに「警察時報」の二十六巻十一号という写しを持ってきたわけです。これには次のように書かれているわけです。「 昭和四十六年五月一日、福岡地裁小倉支部は、特別司法警察職員の捜査方法について、注目すべき決定を下した。すなわち、小倉郵便局取扱いの郵便物の不着事故、特に現金封入ないしこれに類似した郵便物の事故が多かったところから、同郵便局の職員中に容疑者がいることが認められ、郵政監察官がその捜査を行なうにあたって、居住者に了解を得たうえで、差出人および名宛人を選定し、従来の不着郵便物に外形を類似させるため、便箋のほか金を封入した試験郵便物を普通の郵便物に混入して配達を実施したところ、その一部が不着となり盗難にかかったと認められ、かつ、被疑者につきこれが疑われる事情が認められた。そのため、前述の試験郵便物の窃盗を被疑事実として、被疑者につき捜索差押許可状の請求を求めたことに対し、その捜査方法がいわゆるおとり捜査に準ずるもので不適法であるとして、その請求を却下したものである。」 こういうふうに明記されているわけですけれども、私はいままで郵政監察のやり方について郵便法に照らしてそれが一体どうなのか、また国民から見て納得の得られるやり方であるのかどうか、こういう立場に立って質問をしてまいったわけでございます。しかしどう考えても、これでは国民は理解ができない。ここで先ほど御理解いただきたいということでしたけれども、国民は納得しないだろうというふうに思うわけです。郵便事業の中で国民の支持を受けない、理解ができないというようなことが行われるようであればこれは大変なことだというふうに思います。監察官はこういうふうにいろいろ言われておるわけです。郵務局も大変苦しい御答弁だった。法の解釈については冷や汗をかかれたのではないかというふうに思うのですけれども、先ほど紹介したように、裁判所でも認められないようなやり方をするようでは、国民のための郵政事業にはならないというふうに思うわけですが、監察局に対しても局員に対しても責任を持ち、特命をなさることもあるという郵政大臣は、この点どのように考えておられるのか、お答えをいただきたいというふうに思います。
○林説明員 お許しをいただきまして発言させていただきたいと思います。 私が先ほど先生の御質問に対しまして、郵便法の解釈につきまして郵務局が第一義的に云々という御答弁を申し上げた点につきましては、郵便法の事務的な扱いといたしましては郵務局で行っておるという点から申し上げたのでございまして、その法の解釈それ自体につきまして一義的云々という点は穏当を欠く発言でございました。おわびを申し上げて撤回させていただきたいというふうに思います。
○江上説明員 大臣からかねがね御注意いただいておる点でございますが、率直に申し上げまして、個々の事件の捜査ということにつきまして、大臣から指揮権の発動を受けるということはございません。ただ、一般的に大臣から捜査をするに当たりまして御注意を受けておる点はいろいろとございます。第一番目に、先ほども申し上げましたように、「個人の基本的人権を尊重し、かつ、公正誠実を旨としなければならない。」というのが一つでございます。それから、「捜査を行なうにあたっては、先入観にとらわれ、勘による推測のみにたよる等のことなく、基礎的捜査を徹底し、客観的価値のある証拠の発見収集に努めなければならない。」さらに、「捜査を行なうにあたっては、」「被疑者、被害者その他の関係者の名誉及び信用を害することのないようにしなければならない。」というような諸注意は受けております。したがいまして、私どももそのような前提に立ちまして、着実な捜査を進めてまいりたいと思います。
○小宮山国務大臣 「警察時報」に出ている判例については、私読んだことがございません。しかし、これは片一方では郵便物の安全を期さなければいけない。安全に着かなければ、それはまた国民の間に郵便物に対しての不信感が出てくる。実際そういう人がいなければそういう問題はないので、そういう問題は片一方では、国民の通信を預かる監察局としてはそういうものも慎重にかつ基本的人権を認めながらやらざるを得ないと思っております。その「警察時報」の判決ではどのような経緯で負けたのか知りませんけれども、幾つかの判例もございますし、私はそういう意味で慎重にかつ基本的人権を侵さない範囲で個々のケースに当たるべきである。今回の事件も万世橋署に依頼したようでありますけれども、そのやり方等については、私まだ十分知識を得ておりませんけれども、事実、先ほどから申しますように、この問題については二つの問題がございますので、私自身としては慎重にやるように指示をいたしております。
○藤原委員 郵便法の第十九条、これは利用者の保護の立場でこれができた、一貫してこういうことです。ですから、捜査をするということに相なりました場合に、その不着だった郵便物は、現金を入れてはいけない、先ほどの御説明にもあったように、第四十条、第四十一条というふうなことが適用される、それにもかかわらず普通郵便に現金を入れて差し出した人だ。その人の利益を守るために監察局が同じものを、外見も中身も同じように現金を入れてやった。まあ言うたら法に触れるようなことをした人の立場をなぜ守るのか。この東京新聞の記事が全くこのとおりだと私は信じ込んではおりませんけれども、そういうことが出ないとも限らない。善良な市民がもしも傷ついた場合、第十九条は利用者の保護だ、保護だといいながら、逆に違反をした人を保護して、正常にやっている人たちがふと出来心でぞっとするようなことが起こった場合に、その人の保護ができないというふうな状態が起こっては大変だというふうに思うわけです。とにかく試験通信のあり方、ここにやはり検討すべき問題を今度の問題では教訓として学ばなければならないのではないかというふうに私は思うわけです。そういった点ぜひこういったやり方を、大変慎重にかつやろうかやるまいかと苦しみながら、人権無視しないためにという配慮もしながらおやりになっているのはよくわかりますけれども、それでもなおかつこれをやってよいのかどうかという点は今度の機会に検討すべきことだというふうに思いますが、いかがでしょうか。ぜひ検討していただきたいということの御答弁だけで私は終わりたいと思います。 〔委員長退席、阿部(未)委員長代理着席〕
○小宮山国務大臣 私を含めてこの逓信委員会の皆さん、十九条の条文というものを十分知らない国民の方々が一般郵便物の中にお金を入れるということは、非常にケースの多いことであります。私はそういう意味でも郵政省が今後ともそういう趣旨の徹底をすべきであろうと思うし、今回の事件は何か本の通信販売のように聞いておりまして、そういう方々が多い、そういうことで事件が多いということで、その通信販売業者についても、やはりそのようなことでなく現金書留等のやり方によって送金をしていただくようなことが趣旨徹底していれば、このような事件は起こらなかったのだろうと思います。そういう意味でも私は、試験通信のようなことが安易に行われない、やはり先ほど申しましたように基本的人権あるいはその状況を十分考慮し、慎重に行うべきだということで、今後とも指示、指導したいと思っております。
○阿部(未)委員長代理 次回は、来る十八日水曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十九分散会