逓信委員会 第9号
- 発言数
- 123 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1977/04/07
会議録
○八百板委員長 これより会議を開きます。 郵便貯金法の一部を改正する法律案及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 何か大臣はつかえがあるそうでありますから政務次官にお願いしたいと思います。 昨日来この委員会におきましても議論があっておりますように、今日政府が管掌する郵便貯金あるいは簡易生命保険についてその事業のあり方が問われておると私は思っておるわけでございます。政務次官もお読みになったかもわかりませんが、ここに示しておりますのは日本経済新聞の三月十二日の記事でございますけれども、郵便局の簡易保険のあり方について業界からいろいろな意見が出ておるようでございます。それから、きのうも話題になりました月刊エコノミスト、これには郵便貯金の問題が出ておるようでございます。私は、エコノミストに書かれておる内容あるいは経済新聞に指摘をされておるような内容は、今日実際問題として簡易生命保険なり郵便貯金事業の中にあると思っております。ただ問題は、そういうのはあるが、それが簡易保険事業のすべて、郵便貯金事業のすべてではなくて、これはごく一部のできごとにすぎないというふうに理解をすべきである。したがって、こういうことが余り大きい話題になって、指摘されておるようなことがあたかもそのまま貯金事業であり簡易保険事業であると考えられては大変なことだと思います。ここの議論も、角をためて牛を殺すようなことがあってはならない、そういう大前提を踏まえながら、しかしそういう過ちがごくわずかであってもあるとするならば、それについてはお互い解明をしながら対策を立てていかなければならないのではないか、そういう趣旨から、指摘をされておりますそれぞれの項目について一つ一つを解明しながら、誤解は誤解とし、過ちはまた直していかなければならない、そういう観点で少し質問をさせてもらいたいと思います。 まず簡易保険の方について先に、行きがかりがありますのでお伺いをいたします。 かつて昭和四十九年、五十年ごろに団体組成の問題についていろいろ問題が起こりまして、東京都内においても団体組成を利用して不当な融資を行うとかそういう問題があり、全国的にも問題が起こり、郵政当局でも四十九年、五十年に募集体質の改善をずっと行ってきたはずでございますが、その後相当実効が上がっておるかどうか、この団体組成等をめぐる簡易保険の募集体質の改善がどうなっておるか、まずお伺いしたいと思います。
○永末政府委員 払い込み団体の問題でございますが、この点につきましては再三にわたっていろいろ問題が提起されたわけでございます。したがいまして、私たちといたしましては二、三年前からすっきりとしたものにするように十分に指導もいたしましたし、またあり方などもちゃんとしたものにするようにということで強力に推進してまいりました。したがいまして、現在払い込み団体の問題に関して問題が発生するということはないであろうと私思っております。
○阿部(未)委員 団体組成そのもののあり方についてはいろいろ私も意見があるのですけれども、細かな問題は抜きにしますが、いま団体組成の大きい同趣同好の団体というものにはどういうものがございますか。
○永末政府委員 当時いろいろの団体があったわけでございますが、整理をいたしまして必要最小限度にとどめることにいたしたわけでございます。したがいまして、いまございますところの団体といたしましては、旅行、観劇、人間ドック、そういったものがあろうかと思います。
○阿部(未)委員 本来私は、団体加入の趣旨というのは官公庁とか事業所とか、そういうすでにある団体を中心にして、この十五加入以上の方々が一緒にされるのが趣旨だと思っておりましたけれども、しかし、簡易保険のあり方として、いまお話しのあった旅行とか人間ドックとか、その程度のものはやむを得ないかもわかりませんが、従来十五人集めては何か名目をつけて組成をするというあれは、もうおやめになったわけですね。
○永末政府委員 先ほど申しましたように、三つの団体、これは新規組成もあるわけでございますが、その他の団体、その当時ありましたところの既存の団体はまだ残っておりますが、新規組成といたしましてはなさないことにしております。
○阿部(未)委員 大変結構なことで、余り無理をして法を曲げて解釈して、十五人集めては団体をつくるというあのやり方は、私は長い目で見て、簡易保険の将来に決していいことではないと考えておりますので、いい時期ですから、とにかく募集さえできればいいということで、頭数を十五人集めて、何か名前をつけては組成するというあの方式はこれからもやめていただくようにお願いしておきます。 そこで、政務次官にお伺いしたいのですが、今度の法の改正では保険金の最高制限額を一千万円に引き上げるということでございます。昨日来の説明を承りますと、今日の経済情勢がそうなっておるからだ、こういうお話のようでございますが、私も確かに経済情勢が大きく変わっていることは理解ができますけれども、同じ政府が管掌しておる簡易生命保険と郵便貯金とを比較してみまして、簡易生命保険は八百万から一千万と言っていますが、実質的には五百万から一千万だ、私はこう思うわけですけれども、倍額に近いほどの額をふやさなければならないほどの経済の変動があるのに、貯金の総額制限が三百万で変わらないというのは、これは経済変動に対する郵政当局の姿勢に矛盾があるのではないか。これはどうですか、政務次官。
○神山政府委員 総額制限が現在三百万になっていることは先生の御指摘のとおりでございまして、私どもとしては、これを今日の経済情勢に合わせてもう少し上げていただきたいというようなことで努力はしてまいっておりますが、会計要求の際も、そういう要請もいたしてまいりました。しかし、今回法改正に改正の中身を盛り込み得なかったということは、現在の最高制限額というのは銀行のマル優と関連しているという実態で、これを引き上げますと銀行のマル優も関連して引き上げざるを得ないということでございまして、これは郵政省の所管でございませんから正確なお答えになるかどうかわかりませんが、今日の税収が非常にきつい状態のもとでそういう措置をとるということは、国の財政にも非常に大きな影響を及ぼすというようなことで今回法改正には盛り込まなかったという結果になったわけでございますが、今後とも私どもとしては努力をしてまいりたいと考えております。
○阿部(未)委員 郵政当局、いわゆる郵便貯金を管掌しておるところのお考えとしては、貯金局長のお考え、よくわかります。私どもが物を見る場合には、郵政省それ自体が一本でなければならないと同時に、これは後ほど議論をしますが、やはり政府の方針も一つの一貫したものがなければおかしいと思うのです。経済情勢の変化に伴って、政府が管掌する簡易保険については倍額を保険しなければならないような経済の変動があるのに、一方、貯蓄については三百万総枠制限を引き上げない。非常に大きい矛盾を感ずるわけで、これはもはや政治的な感覚の問題だと私は思うのです。同じ政府の中で貨幣価値についてどうしてそういう認識の違いがあるのか、政務次官、どうでしょうか。
○神山政府委員 先ほど申し上げたように、郵便貯金につきましては税収との関係という大きな問題があって、簡易保険につきまして、私がお答えするのはどうかと思いますけれども、税収とは直接関係がないということで、そういう面から見た場合、性格が違うというようなことでこういうことになったかと存じます。
○阿部(未)委員 郵政当局のお考えはわかったと申し上げておるわけです。 大蔵に来てもらっておりますが、大蔵省という国の全体の財政を預かる立場から、いまの貨幣価値の問題についてどういう理解を持っておられるわけですか。——ですから、ぼくは政府に要求をして、主計局長を出しなさいと要求しておったら、先生の質問の中には主計局長が出るような問題はありませんから、大変申しわけありませんが、きょうは出ませんとさっき断ってきたのですよ。だから、私は初めから大蔵省の主計局長は出てくれということをちゃんと要請してあったのですよ。—本来なら私は休憩を要求したいところでございますけれども、大蔵省の方は手配をして、だれかその問題がわかる人を後ほど出してもらうという約束がしていただけるならば、あと、ほかの質問に移りたいと思いますが——それでは、手配をするということですから、次に進めたいと思います。 そこで、いま話題になりました保険金最高制限額の引き上げの問題ですが、きのうも同僚の委員から質問が出ておりましたが、一千万に引き上げなければならない根拠について、もう一度御説明いただきたいのです。
○永末政府委員 簡易保険でございますが、大正五年の創業以来、小口であるとか無診査であるとか、あるいは月掛けであるということで広く国民に親しまれてきたわけでございます。二十一年にそういった独占が撤廃になったわけでございますが、私たちといたしましてもそういった方針は今後も貫きたいと思っております。 小口の問題でございますが、これはやはりそのときの国民の経済生活あるいは保険思想の問題、そういったものも絡みまして、どこまでが小口であるかは相対的なものであろうかと思うわけでございます。したがいまして、一千万円に引き上げることは決して小口ということを否定するものではないと考えておるわけでございます。 昨日の委員会でも答弁いたしましたように、経済生活を考えるとやはりそのくらいの保障が必要だ、いまのままでは保障額として十分でないということを申し上げましたが、その根拠といたしまして、私たちが考えておりますことをもう少し具体的に申しますと、被保険者が死亡した場合、一体どのくらいのお金が要るだろうかということを一応積算をしてみたわけでございます。 仮定いたしましたのは、家族三人五年分の生活費を何とか死亡保険金でやっていくということを仮定いたしました。その際に、被保険者が死亡した場合の医療費、それから葬祭費、遺族の当分の間の生活費を考えますと、やはり一千万円をちょっと超えるような額が必要ではないかと思われるわけでございます。したがいまして、かっきりしたところで一千万円に引き上げたいということでございます。それから、加入者からの強い要望がございます。 そのほかに、私の方で市場調査を五十年の十一月にいたしました。家計支持者の死亡による平均保障必要額はどのくらいかということを調べましたら、大体三千万円、そのうち生命保険に期待する額は二千万円ぐらいだというようなことも資料としてあるわけでございます。また、自動車損害賠償責任保険における保険金額は千五百万円になっておりますが、そういったことを勘案いたしまして一千万円が決していまの時世で不当に高額な保険金であるとは思っていない次第でございます。
○阿部(未)委員 私も保険局長がおっしゃるように、今日の経済情勢の中で死亡が不幸にして起こったような場合の遺族のことを考えれば、もらう保険金の一千万が決して大口だとは思っていない。しかし、小口という場合の物の考え方は受け取る保険金だけで判断できるものだろうか。加入者が納入できる一つの限界をもって、これも一つの小口たる要素ではないか。今日の国民大衆と呼ばれる一般の方々の給与の中から一カ月にどのくらいまでが掛け得る限度であろうか、これも私は小口であるということの一つの要素にならなければならないと思う。したがって、終身保険のような場合には掛金が非常に安くて一千万もらえるわけですから、これは私は小口と判断してもいいだろうと思います。しかし、たとえば十払い十払いといいますか、十年払い込み十年満期の保険、あるいは十払い十五満期のような場合、非常に掛金が高くなる。これはきのうも同僚が指摘したとおりです。そういう大衆と呼ばれる簡易保険が対象とするような方々の収入から割り出して、十年払い込み十年満期の保険や十五年満期の保険が果たして小口であると言えるだろうか。受け取る保険金だけで小口であると判断するのは保険の性格上もちょっとおかしいような気がします。本来、生命保険などというものは一応死亡したときを中心にしてつくられるものなんですが、もう数字は申し上げませんが、七万ぐらい掛けなければならないような状態になるわけでしょう。本人の収入ができて、たとえば三十歳なら三十歳で十年払い込み十年満期の養老保険に加入する場合には七万円ぐらいの掛金が要る。一体いまの大衆と呼ばれる小口に加入してもらわなければならない人たちの掛金の能力は幾らなのか、そこに小口という要素は全然考えられないのか、その辺はどうでしょう。
○永末政府委員 先ほど申しました簡易保険局が五十年に行いました市場調査では、保険金としては二千万円ほど欲しいというようなことでございます。それならば今度は掛ける方の限度はどのくらいだろうか、どのくらいの負担にたえ得るかということも調査いたしたわけでございます。いろいろの回答がございます。これはその家庭の経済生活という面もございますけれども、そのほかに保険に対する物の考え方、保険思想というのがどうあるかということもまた影響しているのではないかと思うわけでございますが、細かなデータを持ちませんが、大体平均して掛け得る限度は一万六千円程度ということがデータとして出ているわけでございます。 おっしゃいました十年払い込み十五年満期の養老保険でございますが、なるほど今度一千万円に保険金の引き上げを御承認いただきますと掛金としては最高のものになります。七万七千円となるわけでございます。しかし、そのほかにも保険といたしましては、この平均一万六千円にたえ得るような、十分に一千万円を保障する保険があるわけでございます。たとえば終身保険であるとか第三種特別養老保険、あるいはまた定期保険、こういったものは保険本来から申しますと、もっともっと売れなくてはならないというふうに私考えるわけでございますが、そういったものについては十分に負担し得るというようなことになっているわけでございます。 それから被保険者一人当たり一千万円ということになっているわけでございまして、だから一千万円の保障を得たいという場合に、先ほど申しましたような定期保険あるいは終身保険、そういったものにも入られまして、またその他の部分を十年払い込み十五年満期養老というようにミックスして入られますと、そう高い保険金にはならないというふうに考えているわけでございます。
○阿部(未)委員 その理論からいくと保険金額は青天井でいいのです。幾らの保険をつくっても構わない、下がまだあるのだから、自由に入れるじゃないか、一千万をつくったから一千万に入らなければならないという理屈はありませんよ、三百万もあれば百万もありますから、一千万をつくったっていいじゃないですかというのなら、二千万であろうと五千万であろうと変わらないという理屈になるのです。 一体、なぜ簡易保険に最高制限額を設けたのだろうか、やはりそこが原点だと私は思うのです。それには二つの理由がある。一つは一般大衆が最低必要な、いざという場合に受け取る保険金の総額がどの程度でなければならないかということと、もう一つは簡易保険が対象とする方々の掛金の能力はどのくらいであろうかという、この二つを要素にして判断をするためにこの最高制限額というものを設けたのだ。いまの局長さんの理論なら一億円の保険を簡易保険でつくろうと構わないわけですよ、下もあるわけですから、百万の保険もあるわけですから。それは人によっては、今日の多様化したしかも経済の非常に高低の激しい中では、大きい保険額を望む方もおいでになることは私は承知をしています。しかし、それは簡易保険の枠外ではないのかと私は思うわけです。だから、民間でそういうのをつくったって構いませんが、簡易保険が考え得る対象は、あくまでも思想としてその辺に原点を置いて考えることが正しいのではないか。現に加入者の数から見ても、きのう数字を出しておったようですが、最高に入っておる方はわずかな数字にしかならないということが言われておったようでございますけれども、そういう思想がなくなってしまうと、最高制限額を何で簡易保険に設けたのか全く意味がなくなるように思うのですが、どうでしょうか。
○永末政府委員 どういうふうに保険金額を設定するかというのは、先ほど申しましたように、もしもの場合どのくらい必要かということを勘案してやるわけでございます。それから、払い込みの保険料は一体どのくらいが妥当かというようなことも一つの判断する要素になろうかと思うのであります。したがいまして、七万七千円と申しましたけれども、これは一般の方々にとってはとても無理であるということはわかっているわけでございますけれども、また、一千万円の保障を得たいという希望もあるならば、先ほど申しましたように、定期であるとか終身であるとか、それから十年養老、こういったものとミックスして入られれば一千万円というのも十分たえられるのじゃないかと思うわけであります。ただ、それならば一千万円というのを決めないでいいじゃないか、高ければ高いほどいいじゃないかという御議論でございますが、これにつきましては、実はそういった要素のほかにもう一つ、これは経営上の問題でございますが、無診査保険ということと非常に関連をしてくるわけでございます。冒頭に申し上げましたように、無診査、お医者さんにかからなくて入れるというシステム、これは、簡易に生命保険を利用いただくという点から申しますと、どうしても今後とも続けていかなくちゃならないと思っているわけでございます。無診査保険ということになりますと、やはりどうしても弱体者が入ってくるというような可能性もあるわけでございまして、余りにも大きな保険金額にする、何千万円というような保険にするというようなことは、そういった経営上の面から非常に危険性があるということでございます。したがいまして、先生がおっしゃいましたこと以外にもう一つ、無診査保険としての一つの営業上の限度額というものが考えられなくちゃならないということを御理解いただきたいと思います。
○阿部(未)委員 確かに無診査保険ですから逆選択という形が出てくるおそれはあるのですけれども、しかし、いみじくも局長がいまおっしゃった経営上の問題という点から考えてみますと、一つには無診査だから逆選択をされるおそれもあるが、同時に、こういう種類の保険をつくれば、なるべく保険金額の大きい保険をとろう、とらせようとする傾向が起こってくる、これもまた経営上当然じゃないですか。なるべく大きい保険をとった方が少ない経費で大きく利益が上がるわけですから、経営上から言えばそういう問題が起こってくる。現にそのために現場の第一線では、大きい保険ができたんだからなるべく大きいのをとれということで小口を顧みない。簡易保険が勧誘という制度をとり、募集して歩いておる中には、この保険の趣旨を徹底していただいて一般の小口の、大衆の皆さんに加入していただくという趣旨があると思うのです。ところがその勧誘に行かれる方々は、経営上の見地からも企業の要請によって当然大口をとろうとする。大口をとろうとすれば小口が置き去りにされて、そこからもまた、簡易生命保険の本来の趣旨が失われてくるおそれがあるのではないか。私は、大口をつくる、一千万に引き上げるのが必ずしも悪いと言うわけじゃないのですよ。こういうことをやると、そっちに勢力が集中されて、小口を対象とした簡易保険の本来の趣旨が生かされなくなってくるのではないか。そういうように全体の勢力が動いていくおそれがあるから、いたずらに引き上げるべきではないのではないかという趣旨があるわけなんです。その辺はどういう指導をなさるおつもりですか。
○永末政府委員 一千万円に保険金を引き上げたからどなたにでも一千万円の保険に入っていただくように勧奨するというようなことは無理であることは、十分に私たちわかっているわけでございます。従来からも、お客さんの必要に合ったような募集の仕方をするようにということは十分に私たち指導しているつもりでございます。なるほど経営上の要請から申しますと、先生が先ほどおっしゃいましたように、保険料が高い方がいい、収入がよけい入った方がいい。そうすれば事業費率も低下するというようなことでありまして、大口をとるということがやはり経営上の一つの要請ではございますけれども、これからの簡易保険というのは、お客さんの方から十分に信頼され、本当に親しまれていくためには、余り無理な募集をしてはいけない。やはりお客さんの必要とするような額で募集はやっていくべきだというふうに考えているわけでございまして、決して、一千万円に上げたから何が何でも一千万円をとらなくちゃならないというような指導をするつもりは全くございませんので、御了解いただきたいと思います。
○阿部(未)委員 保険局長さんになればそういうふうなお考えでお進めになるだろうと思うのですけれども、しかし実際問題として、第一線で募集に当たられる方々は、五百万の終身保険をとるよりも一千万の十年払い込み十年満期の保険をとる方があらゆる面で効率的ですから、そちらにどうしても重点が指向されて、本来の簡易保険の任務、使命とするところを忘れて、小口の保険がなおざりにされていくおそれがあると私は思いますので、これは議論しませんが、そういうことのないような配慮がやはり行われなければならない。その点をひとつ、私はそうは思っておりませんではなくて、具体的にそういうことがないように、本来の保険の趣旨が生かされるような指導を徹底するというお約束をいただきたいわけです。
○永末政府委員 それは先生おっしゃるとおりだと思います。それで一千万円に引き上げる。いまは八百万、五百万でございますが、飽和状態、目いっぱい入っているところのお客さんもいるわけでございまして、そういった人たちのためにも一千万円に引き上げることは必要だと思うわけです。ただおっしゃいましたように、これからの指導といたしましては、余りにも無理な募集をしてはいけない。無理な募集をいたしますと、かえって失効であるとか解約であるとかいろいろな問題を生じるわけでございまして、この点も私たち十分考えております。したがいまして、引き上げると同時に、無理な募集をしないように十分に今後指導していきたいと思っております。
○阿部(未)委員 それから、先ほど簡易保険は無診査保険であるというお話がございましたが、これは無診査保険であると同時に、告知義務というものが法にも約款にも規定されておるようでありますけれども、この告知義務違反の問題について少しお伺いしたいのです。 最近、経済も多様化し思想も多様化してきたのですが、病気も非常に多様化しまして、加入当時にそれほどにも本人は感じていなかったようなものが、後に告知義務違反で問われるというようなケースがかなりふえてきておるようでございます。それは、告知しなかったおまえは法的に責任がありますよと言われれば、現行法上、約款上もそのとおりだと思いますけれども、情として忍びないような問題が起こってくる。たとえば私が知っておるのは、あるちょっと血圧の高いお方が加入された。そのときに、自分が血圧が高いことを告知——あれは何と言うのですか、書くところがございますね。あそこに記入しなかった。一年八カ月間、本人はまさか死ぬとは思わずに掛金を掛け続けたら、一年八カ月目にこのお方が高血圧で亡くなられた。それは告知義務違反だからということで保険金の支払いが拒否されておる。しかし今日のこの社会情勢の中で、本当に病気が多様化しておると私は思うのです。 こういう例があるのです。同じ血圧の問題で、先般労働省が労働災害として認定した問題ですが、本来血圧が高かったお方が血圧でやはり亡くなった。それを業務上の労働災害にするかどうかという問題が起こったときに、労働災害保険の方では、これを業務上の死亡と認めて労災の適用をした。その理由は、局長さん、こうなんですよ。本来血圧は高かった、高かったけれども、その日の仕事が暖かい部屋の中と寒い外とを何度か往復しなければならない仕事であり、外に出て寒いところで物を持った、かなり力が入る物を持った、そのために、これがわれわれの言う引き金になって死亡されたので、これは本来血圧は高かったけれども業務上の死亡として労働災害の適用をするという決定をされておるわけです。したがって、加入されるときに、幾らからが血圧が高いというのか低いというのか。医者にかかっておれば告知義務についてはいろいろあるかもわからない。しかし、本人がそれほど感じていなければ、血圧がちょっと高いくらいのことで、医者に薬をもらっている程度のことで一々あそこに書くかどうかです。それを書かなかったから告知義務違反だと言って、本人から言わせるならば全く不都合な、自分はそういうことを考えぬときに納めた保険が死亡したときにもらえなかった、私は、これは死んでもお墓の方へなかなか行けないだろうと思うのですが、そういう問題が現に起こってきておる。これはいわゆる無診査と告知義務との関係の中で生まれてくる、これからたくさん出てくる問題だと思うのですが、どうでしょうか。
○永末政府委員 無診査の問題、これは手軽に入ってもらうということでやってきているわけでございますが、そのためにはどうしても告知義務というものを課さなければならないということでございます。それから、告知義務違反に対しては解除しなければならないということも当然のことであろうと思います。先生の具体的な例では非常に簡易保険が冷酷であるというようなお言葉に聞こえるわけでございますが、考えてみますと、保険というのは、やはり健康な人たちがみんなが加入して団体を構成して、そして相互扶助というような形で仕事が行われているというようなことでございます。したがいまして、加入者全体の利益を考えてみましたときに、やはり現在疾病にかかっている人、こういった方々はどうしても告知してもらわなくちゃならない、またその告知がない場合には解除する、これは経営上の問題であると同時に、加入者全体の利益を守るためにも必要なことであろうかと思うわけでございます。 それから、先ほど労災保険の問題が出たわけでございますが、任意保険である簡易保険は、強制加入になっておりますところの労災保険の場合とは先ほど申しましたような点においてちょっと異なっているんじゃないか、取り扱いが異なるということもやむを得ないのじゃないかというふうに考えております。
○阿部(未)委員 労災適用の問題は、今日の多様化した病気の一つの例として申し上げたにすぎませんから、取り扱いが違うのはこれはもうわかっております。 そこで、私は言いたくないことを申し上げますが、この方は亡くなられたわけです。簡易保険の勧誘においでになった方が面接して——あれは本来本人が書くべきでしょうが、面接した職員が書く場合もあるのです。保険に入ってもらいたいから、あなた何か病気ありませんか、ちょっと血圧が高いんですがと言ったら、まあ、そのくらいはいいでしょう、こういう経過があったとするならばこれはどうなりますか。
○永末政府委員 確かに募集をする者が代書する場合というのはあり得ると思うわけでございます。先生、仮定の御質問かと思うわけでございますが、はっきりと自分は血圧が高いということを告知した、そして募集に当たる者がそういったことを言われたことを知っておりながら、現在症なしというような形で保険を契約したといたしますと、これはやはり国側に過失があって告知を受けなかったということになるわけでございまして、そういった点で国側に、募集をする側に過失があったということがはっきりとすれば考え直さなければならないというふうに思っております。
○阿部(未)委員 はっきりとさせようにも立証のしようがないのです。御本人は亡くなったわけですからね。そうでしょう。ところが、先ほどの大口保険にも関係するのですが、現在、何とかして募集したい、入ってもらいたい、成績を上げなきゃならない、そういう郵政省の保険業務の体制の中で、ちょっと血圧が高いんですがといったくらいのことは、まあそのくらいはいいでしょうと、これは私はある意味では人情であり、常識だと思うのです。しかし、相手は亡くなっておる。だから、いや、私はそのときちょっと血圧が高いと言ったんですよと言うにも言えないわけですよ。法理論上は立証できれば払うのはあたりまえのことですが、法理論上、立証できないから問題があるわけです。遺家族の方々にしてみれば、これは本当に泣いても泣き切れない思いがするだろうと思うのです。一年八カ月もお掛けになっておるわけですからね。私は血圧が高いから死ぬかもわからぬと思って入ったんならともかく、ちょっと血圧が高い程度だからということで入ると、現実問題としてその程度のことは告知義務のときに記入されないのです。ちょっと胃が痛みますという程度のことは、まあ、そのくらいはいいでしょう、これが普通です。常識なんです。 だから、そのまま掛けていって一年八カ月でだめになった。それなら無診査でなくて、初めから健康診断をして入れた方がはっきりするじゃないか。無診査、無診査といって売り物にしておるけれども、無診査にも告知義務という問題が絡んできて非常にむずかしい問題が残っておる。無診査なら無診査で職員に責任を持たして、それで加入したならば、その場合は加入させたならばといいますか、加入を認めたならば、それでもって国が責任を負う、ここまでいかなければ、私は無診査の意味がなくなってくるような気がするのです。むしろ健康診断をしてもらって、医者が大丈夫という判こを押して入れた方が親切なやり方になるという気がするわけなんですよ。この辺はどうでしょうかね。
○永末政府委員 そのようなトラブルでございますが、そう多くあるケースではないわけでございます。したがいまして、無診査というのをやめて有診査にしろというような意見には私、賛成できないわけでございます。何分五千万件持っております。また今後も相当件数がふえるわけでございまして、やはり大正以来、手軽に入れるということをモットーにずっと続けてきた仕事であるわけでございまして、無診査ということをやめることはいかがかと思うわけでございます。 ただ、それなら告知義務というのはどうなるんだということでございますが、やはり募集をする者、まあ過去にいろいろとあったわけでございますが、話法であるとかあるいは超過契約の問題であるとか、いろいろと問題が提起されましたので、このような点については、お客さんに商品内容をはっきり説明しなくちゃいけないぞということは徹底して指導したつもりでございます。また告知義務の問題にいたしましても、発生するところのトラブルはそう多い件数ではございませんが、こういったことをめぐっての問題がほとんどであるわけでございます。したがいまして、募集に当たっては、面接観査あるいは告知を受けるようにということは十分に指導をしているつもりでございます。
○阿部(未)委員 私は、有診査にせよ、健康診断を受けさせよと言うのじゃないのですが、無診査といい、面接ということになっておるわけですね。そこまでやるのならばそれから先は面接をした人、いわゆる国が責任を負うて初めて無診査であって、無診査と言いながら告知義務というものを課して、そして後々こういう問題が起こる、しかも相手は立証しようにも立証する方法がない、そういういまの保険のあり方は、無診査というたてまえからするならばおかしいのではないでしょうか。むしろ面接をする職員が責任を持って処理をすべきである。そういうふうに変えていかなければ無診査という意味が生かされてないし、また職員の側にもそれだけ責任を持たしてやらなければ、国が無診査を宣言しておる意味がなくなってくる。なるほど無診査ではある、しかも面接をする、そして告知義務というものを課して、告知義務違反だということで保険金を払わないということになってくると、無診査という意味が全部死んでしまうとは言いませんが、半減されることは間違いがありません。だから、無診査という以上はすべて国の責任で面接でもって決めてしまう、こういう方法はとれませんか。
○永末政府委員 面接だけでというわけにはいかないと私思うわけでございます。ただ、表面が健康であるということだけでは、やはり病気を持っておられるというような場合もあるわけでございまして、したがいまして、過去二年間の大きな病気あるいは現在かかっている病気、こういったものはやはりちゃんと告知させるということは、保険のたてまえからどうしても必要ではないかと思うわけでございます。ただ、医学も非常に進歩してきております。予防医学も進歩してきているわけでございまして、この告知義務をやめるという考え方は全くございませんけれども、告知義務のあり方についてはやはり検討しなければならないのじゃないかというふうに現在考えるわけでございます。仮に被保険者から病気を告げられても、そこで全部解除するというわけではございません。これもひどい病気ならば別でございますけれども、一応どうかと思われるものにつきましては地方簡易保険局に持っていって診査してやるようになっております。その診査の基準も少しやわらげているというようなことでございます。それからそういった点で、告知義務の内容であるとか選択基準につきましてはこれからの情勢を見きわめながら常時見直しをしているところでございます。また告知の内容でございますけれども、こういったものも平易化、簡素化に努めてまいりたいと思っております。 また告知義務違反に対する国の解除権の問題でございます。これは余り昔まで問うということはどうかというようなことで、四十七年の五月までは、告知義務違反によるところの解除権を行使できる期間は三年としておりましたが、これも二年に短縮いたしました。そういった点で、告知義務のあり方というものはいろいろのことを考えまして検討を今後とも加えているところでございますけれども、これを全面的になくするというようなことは無診査保険としてどうしてもできないというふうに考えております。
○阿部(未)委員 確かに告知義務を全廃ということになればどうかという気が私もしないわけではありません。しかし、いまの告知義務が完全なものかというと、さっき申し上げたように、完全でないような気がするわけですよ。御本人が、私ちょっと血圧が高いと言っても、面接した人がかわって記入するわけで、自分は入ってもらいたいから、大丈夫だろうということで書かなかった。悪意でなくて、ちょっと血圧が高いくらい、今日そんな人間は世の中に多いんだから、大丈夫だろうということで書かなかった。本人は亡くなった。抗弁をしようにも抗弁のしようもなくなってくる。そういう大きい矛盾もあることは間違いありません。したがって、いまも保険局長がおっしゃったように、この告知義務の内容なり解除権の行使等についてこれからひとつ十分な配慮を行えるように検討してみてもらいたいと思います。
○永末政府委員 具体的なケースというものを私よく存じませんので、もう一度よく調べてみたいと思っております。言ったか言わないかという問題、こういったのはときどきあるわけでございますが、そういった場合には監察官に調査させまして、客観的なものにしてはっきりとした結論を出すということになっております。
○阿部(未)委員 それから保険局長にもう一つ伺っておきたいのですが、日本経済新聞をお読みになったと思うのですけれども、この種のものが多いのですか。いわゆる名寄せをしなければならないほど最高制限額までの幾つかの保険の種類に加入しておって、いままでならば五百万、八百万を超えておる、そういうものがそんなに指摘されるほど簡易保険に多いのですか。
○永末政府委員 私もこの日経新聞を読んでおります。読みましたときに私非常に内容が不正確であるということについてふんまんに思ったわけでございます。ただ、一新聞のことでございますので、大きな声で反論するほどのこともないというような気持ちでいたわけでございますが、せっかくの先生の御質問でございますので、お答えいたしたいと思っております。 まず、名寄せの問題が出ているわけでございます。簡易保険は、御承知のように何口でも入れるわけでございます。最高制限額は八百万、五百万で抑えられているというようなことでございます。先ほども申しましたように、この最高制限額を守るようにという点につきましては十分に指導を徹底してきたつもりでございます。これは超過契約の問題としてずいぶん委員会においても取り上げられた問題でございまして、決して最高制限額を超えてとってはならないということを強く言っております。したがいまして、もしこれがよその局で、違う局で入ってきた場合、地方簡易保険局でチェックするようにいたしております。また郵便局におきましても、一カ月分をまとめたりあるいは半年分をまとめたりしまして超過契約がありはしないかということをチェックするようなシステムをとっておるわけでございまして、現在こういった超過契約の問題がいろいろと取りざたされるということ、実はこれに対しては私は非常に反発を感じているわけでございます。 そのほかにもいろいろと、話法の問題でございましょうけれども、たとえば保養センターを勧誘の武器にしているというようなことも取り上げられているわけでございます。保養センターというのは、民間保険は持っていない、非常に簡易保険独得の施設ではないかと思うわけです。これも全くほかのところからお金が出てきているわけじゃない、やはり加入者の方々のお金で建てられている施設であるわけでございます。したがいまして、こういったことが簡易保険の特徴であるということを宣伝するということは当然のことであろうかと思うわけでございます。ただ、保険に入らなければセンターを利用させないぞというような募集の仕方であるとするならば、ちょっと問題ではあろうかと思いますが、同じ加入者の方々がつくられたセンターであり、加入者の方々もみんな喜ばれているわけでございまして、こういったことを簡易保険の一つの特徴として言うことは全く差し支えない、何もいろいろ言われるいわれはないというふうに私考えているわけでございます。
○阿部(未)委員 保険の方はあとまだ質問したかったのですが、時間がなかなかやかましくなっておるようですから、失効、解約の関係で最近のデータが欲しいのですけれども、この十年間ぐらいの失効、解約というのがどのくらいあるか、その中で短期の解約というものはどのくらいか、これは資料を出していただければ結構です、答弁は要りませんから。
○永末政府委員 資料を提出いたします。
○阿部(未)委員 それでは郵政大臣お見えになったようですから……。 先ほど政務次官にも申し上げたのですけれども、いまいわゆる政府が管掌する郵便貯金あるいは簡易生命保険の事業のあり方が問われておるわけでございます。したがって私は、いろいろと報道されておるものがうそだとは思わない。しかし、それはごく一部であって、これをもって郵政省が管掌する簡易保険や郵便貯金の事業に誤解があってはならない。したがって、一つ一つについて解明をしながら、直すべきものは直す、誤りは誤りとして指摘しなければならない、そういう趣旨で一項目ずついま進めておるのです。 まず、きのうから何度も出ておりますけれども、いま各方面から出されておる、特に郵便貯金に対する批判でございます。これについて脱税の手段になっておるとか、あるいは金利の問題とか、あるいは募集のあり方とか、そういうことが問題になっておるようですが、大臣はこれをどう受けとめておられるか、まず大臣のお考えを聞きたいわけです。
○小宮山国務大臣 日本の経済というものが高度経済成長から安定経済成長になってきた。そこで各金融機関等、あるいは民間保険会社においても、いままでと同じような形ではなかなかできなくなったという問題、それはある意味では競争関係に入ってきたのではないかという私個人の意見を持っております。 そこで、実際、郵貯の脱税問題等の論争が新聞紙上に載っておりますけれども、そういう論争をされることは、郵政省の貯金業務の中で、あるいは簡保業務の中で姿勢を正す、それは悪いものは直していくということであり、それが少なくとも金融機関あるいは民間保険会社の姿勢をも直すことになるのであろう。そういう意味では郵政省自身率先してそういう範を示すべきだということで、新しい時代の新しい経済の中での認識を深めて、今後とも業務を推進していきたいと考えております。
○阿部(未)委員 大変りっぱなお考えで、同感でございます。 そこで、具体的に一つずつお伺いしたいのですが、郵便貯金事業というものはやはり金融機関と理解すべきかどうか、この点はどうお考えですか。
○小宮山国務大臣 いわゆる金融機関というのは、預金と貸し付けという二つの業務があるのであろうと思います。しかし、郵便貯金というものはそういう業務をやっておりません。預け入れだけです。しかし、全体の中で、資金運用部資金の中で国の本当の基本となるものを多くやっておるわけであります。そういう意味では一般金融機関と本当に本質的に違った形であるし、国営の貯蓄機関としての役割りを十分果たすべきであろう。ただ私自身も、個人に貸し付けるということとは別に、少なくとも三十兆の重みというものを非常に感じておりますし、いまのままの推移をしていきますと、少なくとも来年の夏ごろまでに四十兆の大きな資金を国民の皆様方からお預かりするわけであります。それなりに私自身考え、また希望事項でございますけれども、国民大衆に直接的な仕事ができるような郵政省にもなりたい。これは資金運用部資金法を改正しなくて、大蔵省とも話し合って、そのような方向、たとえばいまの教育機関の中でも私立幼稚園等々の問題など、積極的に打ち出せる部分が相当ございます。そういうようなことなども将来は当委員会、あるいは大蔵省当局とも話し合って考えていきたいと考えております。
○阿部(未)委員 大臣のりっぱな構想はわかりましたが、一番前段の金融機関なりや否やという定義について明確にひとつ……。
○神山政府委員 金融機関という言葉の定義づけということは非常にむずかしいかと存じまして、これは決まった説というものはないわけでございます。先ほど大臣がお答えいたしましたように、貯金の手段、サービスをする、それと融資をするということ、これが一般の金融機関という場合、通常の定義づけではないかと思いますけれども、郵便貯金も郵便局の窓口というところを通じて国民の皆様からお金を預かるという面、貯蓄手段を提供しているという面では金融機関としての一面の働きをする。ただ、大臣もお答え申し上げたように、融資ということは貯金担保の貸し付け以外にはやっておらないわけでございますが、これが資金運用部を通じてまた各方面に融資されているという働き、これを総合的に見ますと、やはり金融機関としての働きとも言えるわけでございまして、先生のおっしゃるように、金融機関という名称の厳格な定義づけという御質問に対しましては明確な御答弁は申し上げられない、そういう機能面から見て広く解釈すれば、金融機関とも言えるということを申し上げたいと存じます。
○阿部(未)委員 私もその辺がわからないのですけれども、やはり少なくとも一般国民の概念としてある金融機関というものとは違う、それは本来目的が違うのだ、融資等をして利益を上げていくというものではなくて、これはあくまでも国民の微細なお金を貯蓄させてそれを保護してやる、そういう趣旨から貯蓄を目的としてつくられておるものだというふうに理解をすべきではないか。そこに大きい違いは、第一点は貯蓄を目的とするものであり、第二点はそれを運用して利益を得ようというような目的がない、私はこれが一般の民間の金融機関との違いではないか、したがって、定義としてははっきりしないまでも、性格の違いというものは明確にならなければならないと思うのですが、どうですか。
○神山政府委員 郵貯法の第一条で、郵便貯金を簡易で確実な貯蓄の手段としてあまねく公平に利用していただくということで、国民の経済生活の安定を図り、福祉の増進に資する、こういうことになっておりまして、先生もおっしゃるとおり、貯蓄の手段を提供する、ことが目的になっておりまして、融資というものはいたしておらないということでございます。
○阿部(未)委員 いまの点について大蔵省の方の見解を伺いたいのですが、郵政省と私の間で議論したように、金融機関と定義するかしないかは別にして、一般に国民の概念の中にある金融機関と、国が管掌しておる郵便貯金という事業は違うというふうに理解ができるかどうか。
○宮本説明員 お答え申し上げます。 確かに金融機関という定義は私どもよくわかりませんで、私どもの所管いたしております銀行につきましては、預金業務と貸付業務をあわせて行うものを銀行というということになっておりまして、あるいはもっと広義に言いますと、たとえば証券会社とか保険会社も金融機関ではないのかなということで思っておりますけれども、狭義に言いますと、いま申し上げましたように、預金と貸し付けをあわせ行うものとなっております。ただ、いまも郵政当局の方からもお答えがありましたように、機能的に見ますと不特定多数の者から預金を集めておりまして、それが国の運用部にたまりまして、そこからまた貸し出しが行われるという意味におきましては、いわゆる民間の銀行とは違いますけれども、やはり金融機関という機能を果たしているというふうに考えていいのではないか、こういうふうに思っております。
○阿部(未)委員 私が二点目で特に強調した、利益を追求することを目的としていないという点についてはどうお考えですか。
○宮本説明員 確かにそのとおりだと思います。
○阿部(未)委員 そこで、金融機関といういまのお考え、いわゆる貯金、それから融資というものをやるのが銀行だという定義からするならば、本来、郵便貯金は金融機関という認識に立てば、預かった郵政省が運用、融資をすべきだ。ところが、これは資金運用部という国の機関に入るんだ。運用は、実は郵政省がやっていないわけでしょう。それから先の運用は大蔵省がやっているわけですから。その意味からするならば、貯金を預かった郵政省が金融の面に全然タッチしていないわけですから、郵政省がやるのはあくまでも貯蓄だけだ、ここで切れると私は思うのですが、どうですか。
○神山政府委員 郵貯法一条を先ほど申し上げましたが、貯蓄手段を提供するということが目的でございまして、厳密に言いますと、郵便貯金担保の貸し付けというものはいま行っておりますけれども、先生おっしゃるような貯蓄手段の提供というのが主たる目的で、また現実にそういう姿になっておろうかと思います。
○阿部(未)委員 小さな問題では、いまおっしゃったような担保貸し付けはあることはあります。ありますけれども、何も融資することを目的にしているのではなくて、貯蓄を保護してやることを目的として設けられておるにすぎないわけでありますから、その問題は私は特段議論する必要はないと思うのです。したがって、貯金法の第一条に言うように、これは「簡易で確実な貯蓄の手段」だということになりますが、そこで「確実な」とはどういうことなんでしょうか。
○神山政府委員 お預かりした貯金の元本、利子、元利のお支払いについては国が保証することになっておりまして、そういう点で、国を背景にしてお支払いを保証しているということとわれわれは理解しておるわけでございます。
○阿部(未)委員 確かに、元本払い戻しの保証は「確実」という言葉の一つの大きい面であると私も理解をいたします。しかし同時に、「確実」という一般的な判断の中には、預けたお金が大変損をして返ってきても確実であろうか、「確実」という言葉の中には、預けたお金が十分その価値があるように保存をされることも「確実」の一つの面ではないかと思うのですが、まず「確実」ということについて、そういう面が含まれると思うか。ただ元本と利息を間違いなく返しさえすれば、幾ら預けた金の価値が下がって損をしても、確実であると言えるのかどうかですね。
○神山政府委員 郵便貯金は、大衆に簡易に利用できる貯蓄手段を提供するということで営まれておるわけでありますが、お預かりした貯金について、政令で定める利率によって利子をつけて、元利金の支払いを行う、それを国が保証する、こういうことで「確実」ということが言われると理解しております。 ところで、先生ただいまの御質問は、物価上昇による貯金の目減りというものを制度として救済する、こういうことが「確実」ということの中に入るのじゃないかという御質問だと存じますが、そこまでは郵便貯金法は予定していないと考えております。 ただ、郵便貯金は実態として小口零細な個人貯蓄でありまして、物価の上昇ということは預金者の経済生活に与える影響が非常に大きく、貯金を預かって運営する立場としましては、非常に困る現象であるというふうに考えております。物価の安定ということについては真に心から願っておる次第であります。
○阿部(未)委員 仮にこの第一条の「確実」という言葉の中にもそういう意味が含まれる、そして確実だ確実だとおっしゃるならば、預金をした方々の期待はある、これは私は明確に言えると思うのです。 そこで、第一条の「確実」という言葉の解釈については若干の食い違いがあるようですから、十二条の「その利益を増進し、貯蓄の増強に資するよう十分な考慮を払う」とありますが、「その利益を増進」するということは、先ほど局長が指摘をされた、物価の上昇によって預けた金が目減りをしても利益が増進したことになるのでしょうか。
○神山政府委員 十二条の趣旨としては利率の決め方、決めるに当たっての原則というものを規定しておりまして、その決めるに当たっては「利益を増進し、貯蓄の増強に資するよう十分な考慮を払う」という精神で決めるわけでございますが、何しろ物価の上昇ということは、国民生活あるいは経済全体に相当大きな影響を及ぼす問題でございまして、この影響するところはひとり郵便貯金だけでなく、あらゆる金銭債権その他にも影響していくということでございまして、物価上昇との関係でそういう金銭債権をどうこうするということになりますと、これはまた別の観点の問題になろうかということで、ひとり郵便貯金だけの処理ということは非常にむずかしい問題であろうか、こういうふうに考えております。
○阿部(未)委員 私は処理を聞いておるのじゃないのです。立法の趣旨を聞いておるのです。したがって、法の条文の中で、利子を決めるに当たっては「その利益を増進し、貯蓄の増強に資するよう十分な考慮を払う」となっておるが、せっかく預けた貯金が目減りをしていっても、この法の趣旨にかなっておるのですかと聞いておるのです。
○神山政府委員 先ほどお答えしたことの繰り返しになろうかと思いますけれども、預金者の利益を増進し、貯蓄の増強に資するように、そういう利子決定をいたすという決定方針でございますが、ただいま申し上げたように、物価の上昇というのは経済全体を包んでいくような大きな問題として生じてまいっておりまして、われわれとしては物価の安定ということを心から願うという立場にございまして、そういうことでやってまいっておる次第であります。
○阿部(未)委員 私はその対策を聞いておるのじゃないのです。この法の趣旨に合致しておるかどうかと聞いておるわけなんです。せっかく庶民が零細な預金をした、しかも、法は「その利益を増進し、貯蓄の増強に資するよう十分な考慮を」しなさいと決めておるが、いまの異常な物価上昇の中で貯金が目減りをしていく状態は、この法の趣旨に合っておるかおらないか、おらなければおらないでいいです。合っておるなら合っておると、あなたそれだけ答えてくれればいいのです。物価のことをだれも聞いてないのです。
○神山政府委員 私どもの気持ちといたしましては、先ほど申し上げましたように、物価の上昇ということはきわめて預金者に不利益を来す、預金者のみでありませんけれども、郵便貯金を預かる立場としては非常に遺憾なことであるので、ぜひとも物価を安定していただきたいと心から願っておりますということを申し上げておるわけであります。
○阿部(未)委員 それは処理の問題で、とにかくお認めになることは、いまの経済の情勢の中で郵便貯金をなさっている方々に対して、この十二条にいうところの「その利益を増進し、」という趣旨には沿えていない、これだけは間違いないのでしょう。大臣、あなた答えてください。
○小宮山国務大臣 この十二条をどう読むかということは大変むずかしい問題ですけれども、「その利益を増進し、貯蓄の増強に資する」ということですが、郵便貯金が、たとえば住宅公団に四兆二千億等々、相当の金を出しておる、大変資金運用部に使われておるという意味では、国民経済の中で大変大きく国民大衆の利益を増進していることは間違いない事実であり、そういう意味では、私はこの法が定められた昭和三十八年当時、経済成長の中で郵便貯金の重要さというものをやはり認識してやっておったのであろうと考えております。
○阿部(未)委員 十二条にはそういうことは書いてないのです。十二条は、利子をつけるということについての定義でございます。いいですか、大臣、利子をつけることについての定義であって、そのときに……。
○小宮山国務大臣 この利子については、第十二条第二項の、預金の利率について一般金融機関の配慮をしなければいけないということは、利率についてははっきり言って十二条第二項は二つに割れるわけでございます。今回などの例は、この後段のことについてよりも前段について配慮をしたのであって、そういう意味では、私は利率について一般金融機関の配慮ということになりますと、やはり先生のおっしゃる意味になりますと——郵貯の金利も下げなければいけないかなという感じも訴えられることもなきにしもあらずという感じがいたします。
○阿部(未)委員 後段はいまから議論するのです。後段も議論しますが、前段を先に議論して、現状が前段の趣旨に沿っておるかいないか、これをまず私は聞いておるのです。少なくとも現状は、民間も含めて、前段の趣旨に沿っていないでしょう。
○小宮山国務大臣 私は、前段は、いまの郵貯の制度そのものが大変国民大衆の利用に供される制度で、その利益を増進しておると思うし、それがために貯蓄の増強がなされているのだと考えております。
○阿部(未)委員 これは大臣、完全にあなたと私の意見はここで食い違っている。私はいまの郵便貯金が、少なくともこの法の趣旨にいう預金者のために利益が増大しておる、利益を増進しておるというふうには理解ができません。
○神山政府委員 これは法律の趣旨といたしまして、利子を決める決定原則でございまして、法律の原則でございますから、これは利益を増進するということで利子をおつけしているということでございまして、物価上昇に伴う目減りということを含めて予想してこういう規定をつくっているのじゃないというふうにわれわれは理解しているわけでございます。
○阿部(未)委員 私は、物価が上昇したからどうこうというのじゃないんですよ。いまの郵便貯金を預入しておる方々が、郵便局に貯金をしておったから利益が増進したと思うだろうかというのです。思えないでしょう、現状は。郵便局に貯金しておったために目減りしておるじゃないですか。目減りしてもなおかつ貯金がふえていくということについては、きのう議論があったからぼくは蒸し返さないですよ。蒸し返せばもう一遍初めからやり直さなければならぬから。目減りしてもなおかつ預金をしなければならぬといういまの日本の大衆の置かれている立場というものを勘案してみるならば、これは利益が増進されておるから預金が増強されておるのではないですよ。利益は減っているにもかかわらず、泣く泣く預金をせざるを得ないのがいまの実態ではないですか。そうすれば、この十二条の二項の前段でいうところの利益が増進をしておるとは言えないのじゃないだろうか。それなら一体どういうふうにすればいいのかというのが私は次の議論になってくると思うわけなんです。少なくとも現状では、十万円の預金をしておっても、一年たって七分の利息をもらってみても、なおかつ実際には物価が九分も上がっておれば、利益は減っておる。この現実を認めた上で、では一体どうなければならないのかという議論にならなければ、あなた方のようにここを認めようともなさらない、利益は増進しておるというふうな大臣の御答弁では、私はとても納得することができませんよ。
○神山政府委員 これは、先ほどの繰り返しになろうかと思いますが、利益を増進するよう十分な考慮を払うということで、これが決定原則であるということで、目減りということを予想した上でのこういう規定にはなっていないというふうに私どもは理解しておる次第でございます。
○阿部(未)委員 だから、目減りは予測しない法律だ、私もそれは初めからそのとおりだと思います。しかし、現実目減りがしてくるということになれば、現状は利益を増進するというこの法の趣旨には合致しないことになっているでしょう。それを認めなさいというのですよ。それを認めた上で、ではどうかということについてまた議論をしなければ、法の趣旨はこうだけれども物価の上昇までは考えていませんでした、それはそうでしょう。考えておったら、初めからこんなばかな法律をつくるわけはないのです。そういうことは考えていなかったけれども、現実そういう事態が起こっておることは間違いがないでしょう。利益の増進につながっていない、これだけは認めた上で、その原因は物価でありますということになるんじゃないの。どうなの、一体。
○神山政府委員 これは利子の決定原則をこういうことで決めておるということで、結果的に物価上昇というものがあって、物価の変動と利率の動向というものが、そのときによって物価というのは上がることもあればあるいは下がることもある、横ばいのこともあると思いますけれども、そういう物価の変動というのは、郵便貯金だけではなくてあらゆる金銭債権に影響を及ぼすという問題でございますだけに、こういう精神でわれわれは運営しておりますけれども、ときどきの物価の変動に必ずしも利子がそのままスライドしていくものではないというふうにわれわれは理解している次第でございます。
○阿部(未)委員 言いわけを先にしなくてもいいのですよ。法の趣旨はあなたがおっしゃるとおりです。まさか物価がこんなに異常な上昇をするのだと思わずにこの法の趣旨はつくられておる。それは私もそう思うのです。しかし、不幸なことに物価が異常な上昇をするために、現行ではこの法の趣旨の預金者の利益の増進というようなことが、いまの預金の利子では十分に果たされていない。むしろ利益の増進につながっていないのだ。これは大変なことだ、こういうことになるんじゃないですか。ぼくはそこだけ聞きたいのです。
○神山政府委員 貯蓄の手段としてはいろいろあろうかと思うわけでありまして、国民の方々が郵便貯金をされる場合もあれば、ほかの投資をされる場合もあろうかと思います。そういう投資の種類によりましていろいろ物価の変動の影響をそれぞれ受けようかと思うわけでありますが、そういう一般的に金融債権が全般的に影響を受ける問題でありまして、郵便貯金だけとしてこれをどうこうするということについては余りに問題が大き過ぎるということで、これは現実の対策の問題になりますけれども、非常に困難な問題であろうか、こういうふうに考えられる次第でございます。
○阿部(未)委員 私は郵便貯金だけを抜き出してどうこうしようということではないのですよ。この貯金法の十二条の「利益を増進し、」という法の趣旨に少なくとも現状は合っていない。利益の増進が図られていないじゃないか。そのことをあなたは率直に認むるべきで、その先に、郵便貯金だけができますとかできませんとか、だれもそんなことを聞いておりゃせぬでしょう。いま、少なくともこの法の趣旨は趣旨として、現状はこの趣旨が生かされる状況にない。そのことを認めなさいとぼくは言っているのです。どうなんですか。ほかのことはいいです、それだけでいいのです。
○神山政府委員 これは先生、物価と利率の関係というのは程度の問題もあろうかと思います。物価上昇の程度というものも時々刻々変動するわけでありまして、それとの相関関係というのは、また分析すれば非常にむずかしい問題があろうかと思いまして、少なくとも私どもとしては、この決定原則においては利益を増進するようなことに十分考慮を払って利子をつけていく、こういう精神でおる次第でございます。
○阿部(未)委員 それは何もあなたが特段考慮を払わなくても、考慮を払わなければならぬことは初めから法で決まっているのです。あなたが考慮を払おうと払うまいと、法律は考慮を払えと決めておるのです。私が言っているのはそうじゃないのですよ。利益の増進というこの法の趣旨に現状合っておるだろうか、このことを私は聞いているのです。現状合っていないでしょうが。
○神山政府委員 これはお答えが先ほど不明確であったかもしれませんが、物価上昇の変動と現在の利率との関係で利益の増進になっているかどうかということと存じますが、これは程度問題がございまして、その辺の分析をいたしますと非常にむずかしい問題があろうか、こういうふうに考えております。
○阿部(未)委員 なぜそこにそうこだわるのか私はわからないのですが、私は何も後でできぬことをしようなどという無理なことを言うつもりはないのですよ。ただ、現実、私が申し上げたように、この法の趣旨にのっとるような経済情勢でない、だから預金者について、この法で言うところの利益の増進ということが必ずしも行われていないのだ、そういうことを率直にお互いが理解した上で、ではどうあるべきかという次の議論に移っていかなければならない。何ぼあなたと言い合ったって同じですが、認識としてみんなそう思っているのですよ。十万円貯金をしておって、一年に七分の利子がついて物価が九分上がったならば、利益はふえておらぬとだれでも思うのです、間違いなく。あなたがいかに強弁してみても、経済の情勢の変化なんかみんな承知の上で、現実、金の価値を考えたときに、利益の増進があったとはだれも思わぬですよ。郵便貯金しておって私は大変利益が増進しましたなんて思うばかはないでしょうが。そのことをまず認めて、それならどうかというと、それではこの法の趣旨が生かされるような最大限の可能な努力をなすべきではないのか、これを私は言いたかったのですよ。この法の趣旨が生かされるような最大限の努力——それは完全にとは言えませんよ。物価の変動が非常に激しい中で完全とは言えないまでも、この法の趣旨の生かされるような最大限の努力をなすのが、いまこの経営に当たっておる郵政当局の責任ではないのか。これを聞きたかったのですよ。それはどう思いますか。
○神山政府委員 先ほど申し上げましたように、十二条の趣旨は十分に守って運営していきたい、こういうふうに考えております。
○阿部(未)委員 そこで大臣、後段と関連をしてくるわけですね。 後段では確かに一般の金融機関——ここに金融機関という言葉が大蔵省、出てくるのですね。さっき銀行法の定義はあったようですが、金融機関というのは法律の中にちゃんと名前があるのです。ここに、一般の金融機関の預金の利子についても配慮しなければならないと、そのことを私はまた一切否定をするものではありません。ただ、いままでの議論の中で明らかなように、この法律で言う一般の金融機関というものと郵便局の郵便貯金というものをこの法の上でも分けておるということについて理解をしなければならないと思うのですよ。一般の金融機関であるなら何もここで分けて書く必要はない。一般の金融機関と郵便貯金の利子との関連についてここで述べておるということは、この二つが別のものであるという理解をしなければならない。 そこで、私は冒頭に金融機関なりや否やということを提起したわけですけれども、そうすると、やはり郵便貯金というものは、一般の概念で言う一般の金融機関という言葉とは違うのだということになってくる。違うなら何か違うならば、その次に出てくる金利の連動性について必ずしも連動しなければならないという理屈になってこない。この趣旨は生かされなければならない。しかし、この趣旨を生かす——前段には利益の増進という大原則が一つある。大臣、二つあるとおっしゃいましたね、二つの柱からなっておる。私は、この前段の方が基本で、後の方が、しかしこれも考えなさいよ、こういう法の解釈をすべきだと思うのです。したがって、否定はしません。一般の金融機関の利子についての配慮ということは否定はしないけれども、この二つのものは本来違うものだということを明確にした上で、すぐ連動しなければならないということにはならない、こう思うのですが、どうでしょうか。
○小宮山国務大臣 これは十二条前段、後半ということになりますけれども、実際、常識的に言いますと、阿部先生よく御存じで、日本経済全体の中での問題を考えていくと、やはり一般金融機関の利率についても留意しなければいけないということをうたっておるので、かつ、その前段のこともやりなさいということでございますから、そのようなことでやっていきたいと思います。
○阿部(未)委員 それは、解釈としては、大臣、反対ではないでしょうか。まず前段の預金者の利益の増進というのを原則にしながら、そうではあっても、一般の金融機関のことについても、この利子を決めるに当たっては配慮しなさいよ、こう理解をすべきじゃないでしょうか。
○小宮山国務大臣 その前段、後半を分けて読むことも必要かもしれませんけれども、郵政大臣としては両方をよく加味して考えていかなければいけないと思っております。
○阿部(未)委員 私は、加味してはいかぬと言ってないのですよ。加味することについても私は理解をする。しかし、これは直ちに連動するものではない。連動するものなら、金利についてこういう規定を設ける必要はないのです。常に一緒にやるようなら、このごろ議論が出ている金利の一本化でやってしまえばそれでおしまいなんです。そうではないところに、郵便貯金が貯蓄だけを目的にして、庶民大衆の零細な預金を三百万を限度として預かるという特殊性がなければならない。したがって、私は、まずここで大臣に確認しておきたいことは、いまいろいろ言われておる、きのうからも議論が出ておりますけれども、そういう原則に立って一般の金融機関との関連を考えないと、一般の金融機関が、公定歩合を下げた、したがって預金の金利も下げる、それなら郵政省もやるんだ、必ずしもこういうことにはならない。一切無関係とは言わないが、必ずしもそうはならない。このことを明確にしておいてもらいたい。
○小宮山国務大臣 これはそういう一元的な物の見方、大変むずかしいと思います。現代の経済社会というのは非常に多様化いたしておりますので、それだけでぱちっと言いますと、これはこの法律ができました昭和二十二年あるいは前の政令当時のことを考えればそれでよかったのでございましょうが、国際経済の中で、たとえばいま円高ですけれども、円安になったときにはどうなんだというようないろいろな問題もあります。だから、一元的には申し上げられないと思っております。
○阿部(未)委員 たとえば民間で株式などがありますね。あれなんか非常に高い利率で、九%ぐらいの利率で運用されておるようです。それはそれで希望者があって買うんだから構わない、あなたの一番主張したい経済の自由の原則でしょうけれども、しかし、この郵便貯金というものは、利子が法律なり、法の規定を受けて政令で定められる、拘束されるわけです。拘束してしまうわけですから、そういう意味から言うならば、そこのいまのところの連動の問題について明確にしておかなければならない。だから、これは必ずしも連動するものではない、私が言ったのは、一切無関係だとは言わない。必ず連動するものならば、これは利子の一本化なんです。そうでしょう。必ず連動するというなら一本化であって、必ず連動するものではないからこういう法の規定がなければならないことになっておる。それは間違いないでしょう。
○小宮山国務大臣 その利率については、いま先生、社債のようなことを申しましたけれども、あるいは債券でもよろしゅうございますけれども、公社債市場というのは、その利率の問題とか一般金融機関の利率とか、そういうものと、少なくともこの郵貯の利率については連動している。しかし、経済情勢全般を考えた場合に、その第十二条第三項の郵政大臣がどう経済を判断するかということにかかってくるのであって、私は、そういう意味では全然連動しないということ、連動しないとは先生おっしゃっていませんけれども、非常にこれは密接に連動していると私は読んでおります。
○阿部(未)委員 これはどれだけ連動するのか、どれだけ連動しないのか、問題があるところですけれども、私も無関係とは言っていないのです。これはちゃんと規定があるわけだし、法に定めてある。無関係とは言わないが、それではなぜ大臣が言っているように二つの定めをしたのか。一つは、預金者の利益の増進ということを一つの主体にし、一つは、金融機関にも配慮しなさい、こういう二つの定めをしたということは、無関係とは言わないが直ちに連動するものではない。これが法の十二条の解釈ではないのか。法解釈ですよ。こういうのです。
○神山政府委員 この法律の前段と後段、二つありまして、どちらを優先して考えるかという点については、法律の規定は、前段後段どちらを優先するということは言えないと思いますが、どちらも重視していかなければいけない。 そこで、先生御質問の、市中の一般金融機関の金利と必ずしも連動しなくてもいいのじゃないかという御質問でございますが、御承知のように、一般の金融機関の利率についても考慮しなければならないということで、いかなる場合にも一緒に上下しなければならないという規定ではないというふうには考えるわけでありますが、総体的に十二条全体の趣旨をくんで、われわれとしては十分配慮していかなければいけない、こういうふうに考えている次第でございます。
○阿部(未)委員 現実問題として、完全に連動していないからこそ、この前民間の金融機関は貯金の金利を下げたでしょう。郵政省は普通預金の金利を下げなかったでしょう。これは完全に連動していない何よりの証左ではないですか。だから、この法律解釈は私が言うとおりに解釈すれば間違いないのでしょう。それでないならば、それは一連のものならば、なぜ郵便貯金の普通預金を下げないかということが成り立つわけですが、成り立たぬところに——この法の解釈は私の言うとおりだ。そうなるのでしょう。
○小宮山国務大臣 今回の郵貯の利率の引き下げをしなかったということは、郵便貯金の特異性あるいは経済に与える利率の影響等を考えまして、私自身今回は郵貯の利率については手をつけないという判断で、第十二条第三項の規定による、郵政審議会に諮問をしなかったわけであります。
○阿部(未)委員 大臣、手続はそのとおりです。諮問しなかったということは、この法第十二条の規定があるからおやりにならなかっただけであって、もしこれがなかりせば、貯金金利が一本化されておれば、するもせぬもない。これはそうなるのですよ。郵政大臣が諮問をしようとすまいとそれはそうなっていくのですよ。これは別々のものだ。非常に関連は深いかもかわらぬが、別々のものだということであなたがおやりにならなかったことは立証されたわけですよ。これは、郵便貯金の金利と一般民間の金融機関の金利というものは、私は無関係とは言わないが、別のものだというふうにこの法の解釈上理解をすべきだ、こう考えておるわけです。 そこで、大蔵省にお伺いしますが、巻間いろいろマスコミ等で郵便貯金が脱税に使われておるというようなことが盛んに宣伝をされておりますが、大蔵省としてはどういう理解を持っておりますか。
○北村説明員 郵便貯金と税務の問題で関連いたします点が二点ございます。 一つの面は、たとえば個人とか法人といった納税者が脱税をいたしておりまして、その預金が金融機関預金となっている場合ということでございまして、この場合はそれが一般民間金融機関の場合も郵便貯金の場合も必要に応じ、反面調査として、その裏づけの調査をする必要というのが出てくるわけでございます。 それからもう一点は、いわゆる限度超過の問題でございますけれども、この問題につきましてはむしろ郵政局の方でいろいろ限度超過の是正と申しますか、実態のチェックということをやっておりますので、そちらの成果を期待したいというふうに考えております。前に申し上げましたいわゆる反面調査としての税務調査という点では、必要に応じこれはやっていかなくてはいけないことだと考えております。たまたまそういった調査の過程で、やはり問題となる事犯を把握することはございますけれども、特にそういった計数ということでは把握してございません。
○阿部(未)委員 それでは、マスコミが伝えるように、郵便貯金が脱税の巣窟であるがごとき状況にはないわけですか。
○北村説明員 郵便貯金にどの程度問題となるあるいは脱税の結果の資金が流れているかという全容は、もちろん私ども把握しているわけではございません。個々の調査の中で、場合によっては郵便貯金にそれが流されているといったようなことがたまたま調査の結果出てくるという程度のことで理解しているわけでございまして、私ども特にそれが脱税の温床になっているといったようなことを外に申し上げていることはございません。
○阿部(未)委員 いまの御答弁は、大蔵省を代表しての答弁と承って間違いありませんか。
○北村説明員 さようでございます。
○阿部(未)委員 マスコミによりますと、大蔵省筋の話でたとえば郵便貯金が脱税の温床になっておるというようなことがよく出てくるのですけれども、確かに私は、膨大な取り扱いの中でそういうものがないというふうには考えないのです。率直に言ってあると思っております。ただ、しかしそれはきわめてわずかな数字であって、それが全体であるというふうには考えるべきではないのではないか。あなた首を傾けているけれども、もっと大きい数字ならば大きい数字だと言ってください。直さなければならぬ、是正しなければならない問題ですから、どうなんですか。
○北村説明員 先ほど来申し上げておりますように、全体として現在郵便貯金にどういう問題となる資金があるかというようなことは、全容はもちろん把握してないわけでございます。したがいまして、その点についての量的な問題としてはお答えいたしかねますが、ただ全体としては、やはり郵便貯金というのは、一般の大衆の零細な預金が正当に預金されているのだろうというふうに考えております。 ただ、個々の納税者の調査に際しまして、脱漏した資金が場合によっては、銀行等の預金になっている場合もありますし、それから郵便貯金になっている場合もあるということでございまして、その調査の過程でそういった端緒をつかまえましたときには、その調査を完結する意味で郵便貯金等にも調査が及ぶことがあるということを申し上げておるわけでございます。
○阿部(未)委員 私が聞いておるのは、あなたが首を傾けたから、私はないとは言わないが、郵便貯金全体の中で、あったとしてもそれは非常に少ない数字ではなかろうかというふうに理解をしておる。あなたが首を傾けられるからもっとたくさんあるのかなと思ってお伺いしたわけです。どうなんですか。
○北村説明員 私、先ほど来申し上げておりますように、全体として量的な問題としてどういう形になっているかということは承知してございません。
○阿部(未)委員 それは、私が申し上げた、きわめて少ないのではなかろうかということについても肯定はできない、そういう理屈になるわけでしょう。多いかもわからない。郵政当局どうなんですか。大蔵省はわからぬそうですか、私は非常に少ないのではないか、こう申し上げたのですが、大蔵省の方ではわからない、こう言う。貯金局長どうですか。
○神山政府委員 私どもとしてはそういう例は非常に少ないというふうに考えております。
○阿部(未)委員 ただ、私が言ったように、少ないのは少ないが皆無とは言えないと私は思っておるのです。そのことが国民全体、預金者の誤解を生み、あるいは不信を買うならば、これは早く是正をしていかなければならない問題だと思うわけです。 そこで、一体脱税に使われるような原因はどこにあるのか、これをどう考えていますか。
○神山政府委員 これはいろいろ理由はあろうかと思いますが、ひとつ脱税という観点でなく総額制限という面から私どもとらえまして、窓口でこの総額制限以上の預入をチェックする、これがまず大切であろうかと思いまして、これに力を入れていきたい。なかなかこれは困難な問題でございまして、というのは、全国どこの郵便局に行かれても法律の簡易で確実な貯蓄手段を提供するという趣旨からも預金をお引き受けいたすというたてまえ上、この窓口が分散していくということから、なかなかその方の全預金高というものをチェックすることがむずかしいというようなことで、そのために先生御承知のように地方貯金局、原簿を所管するところで名寄せという仕事を一生懸命やっているわけであります。 そこで、どうしたらこういう窓口のチェックを強化できるかということでいろいろ検討しているわけです。お客様に対するサービスを低下させないようにしながらチェックをする、またお客様にも三百万という認識を持っていただけるように、窓口にもっとしっかりした表示をするとか、これはいま御審議中の予算案にものっておりますが、そういう何かお客様に認識していただけるような措置を窓口でとっていくというようなことも考えていきたいと思います。これは、窓口におけるこちらの体制とそれからお客様にも十分認識していただける、両方のことを推し進めて相まっていかないと効果が上がらないというふうに考えております。
○阿部(未)委員 郵便局の窓口にお客さんが直接おいでになって預入をされる貯金と、集金あるいは募集という言葉が使われていますが、募集等によってお集めになる額はどのくらいの割合になりますか。
○神山政府委員 ただいま手元に数字がありませんが、大体八対二ぐらいの割合ではないか。窓口が八、それから外務員が二というような割合と存じております。
○阿部(未)委員 毎月集金に出かけられますね、募集においでになりますね。そういう方々がお集めになる金と、直接窓口に来てお預けになる金の割合は窓口の方が八ですか。反対じゃないですか。
○神山政府委員 外務員のおります局というのは普通局、大局でございまして、数も九千何がし、一万人足らずでございまして、全体の比率から見ますと低くなっておるわけです。その外務員の方々も一生懸命募集していただいております。ただ、全体的に見ますと、特定局を含めて見ますと、窓口預入というのが非常に大きくなってまいっている、こういうことでございます。
○阿部(未)委員 少し私は認識が違うのですが、手続上窓口で受け入れたものと集金をしてきたものというふうな違いであなたはおっしゃっておると思うのですが、実際は特定局長さんやら特定局の職員はみんな外に行って金を集めてきよるでしょう。それは知っていますか。それはどっちに勘定しておるのですか。
○神山政府委員 外に行きましてお客さんと接触して、お客さんの依頼を受けて預金の手続をとってあげるという場合もあろうかと思いますが、この場合は窓口預入ということで処理をいたすことになっております。
○阿部(未)委員 それが多いのですよ。自分の局から出ていって、あれは本来出ることになっていないと思うのですが、出ていってあっちこっちに頼みに行って集めてきておる。しかしそのお金は、いまあなたがおっしゃるように窓口に預けにこられたものとして処理されておる。その辺は認識を、はっきりしておいてもらわないと、それをどうこうぼくはいまここで取り上げて言おうとは思いませんが、単に手続上窓口で預けることになっておるからこれはみんな持ってきてくださったんだと思うたら間違いで、行っておるのが多いのですよ。このことは局長知っておってもらわなければ困りますがね。 そこで問題になるのは、大蔵省も一緒になって資金運用部——きのうもこの話出ていますから私は繰り返しませんが、資金運用部は今年はこのくらいの資金が欲しい、郵政省も目標をつくってそれ貯金を持ってこい、集めてこいと言ってけつをたたくから、特定局長に至るまで外に出て金を集めてこねばならぬ状態になっておるわけですけれども、この体制に実はいまの制限額を超える預入をさせる体質が私はあると思うのですが、どうですか。
○神山政府委員 目標額の設定でございますけれども、省全体の目標を決める際においては、経済情勢、経済の伸びあるいは前年というかその年度の実績の推定、そういうもの、その他いろいろの情勢を勘案しながら決めてまいっております。 ただ、これを郵政局を通じて郵便局と相談するという際には、この純増額ということでなく、定額貯金の新規募集をどの程度見たらいいだろうかということで御相談しているわけでありますけれども、その際にはやはりその地域地域の事情、その局の実績等を勘案していただいて、郵便局の意見というものも自主的な政策を取り入れていただいて、そうして相談してやっていくということでやっておりますが、本年度のやり方としては……。
○阿部(未)委員 大臣、あなたに聞いてもらいたいのはこれからなんですが、いろいろ目標額の設定等でも苦労をしておるようですが、要するに末端に行ったときには、貯金をうんと集め切る局長とか貯金をたくさん集め切る人がいい職員、りっぱな職員ということになるわけです。それが違法であろうとなかろうと、要するに貯金をたくさん集めた局長は有能な局長であり、課長は有能であり、集め切った職員は優秀である、こうなってきて、それが自分の栄進にもつながっていくから、あえて管理監督の地位にある者が違法を承知で、六百万がぐあいが悪ければ二つにして、六百万を三百万二口にして預けなさいというような違法なことを指導する、そして成績を上げる。この貯金を集める成績第一主義のところに大きい間違いの根源がある、私はこう思うわけです。したがって、そういう違法なことをやらせるような人たちは栄進をさせないといいますか、そういうふうな措置をとらなければ、口で百万遍言ってみてもこれは直らないのです。体質なんです。これはいまの郵政省の中を流れる——保険局長もおりますが、保険も同じ、貯金も保険も同じ。金をたくさん集めてくる、募集をたくさんし切る、させ切る管理者は有能であるとされておる。ここに私はその一番大きいもとがあると思うわけです。 ちょっと具体的に例を挙げますが、たとえばいま、夜貯金を集めに行く。大体、夜そういうことをやっちゃいけないのですが、公金を預かって帰ってくるわけでしょう。そうして翌日しか郵便局ないわけですから、翌日局に行って、きのう預かったのだからきのうの日付で貯金証書を発行しなさい、こう言う。これ明らかに違法なはずですね。ところがそれをやってでも、違法なことをやってでも晩に貯金をとってきて前の日の日付で貯金証書を発行させるような違法なことをする管理者が有能であるというふうに大体郵政省の中では考えられておるわけです。そういうことをした者はどしどし規定に照らして処分をしていく、あるいはそういう者は栄進をさせないというふうにけじめをつけなければこれは直らないと思うのです。これは大臣、どう思いますか。
○小宮山国務大臣 いろいろな大ぜいの方ですから、いろいろな問題があると思います。たとえば、もう先生も御承知だと思いますから、私自身、これはプライベートな話ですけれども、秘書でも秘書が合う者と合わない者、それから大変口がうまい者と下手な者、そういうことよりも私らはやはり人間としての信頼ができるかできないか、そういうことが私は一番重要な要素だろうと思っております。これはやはり郵便局もそうだろうと思うのです。そういう人間として、他人のお客様のお金を預かるということではやはり一番重要なことは、信頼を受ける。しかし先ほど先生がおっしゃいましたように、夜行って預ってきて前の日の日付で通帳あるいは証書をつくるというようなことが、これは法に違反するわけですからね。すべて法に違反するものについてはやはり徹底して処理しなければいけないと思っております。
○阿部(未)委員 大臣、大変りっぱなお答えをいただきました。人事局長見えていますが、いま郵政省の人事を取り扱う中でそういうふうな傾向、たとえ違法なことであろうとも貯金をたくさん集めさせ切る管理者あるいは貯金をたくさん集めるような人間が、違法であろうともそういうことをする人間が有能であるというふうに評価をされて栄進をしていくというような傾向が人事行政の面であるように思われるんですが、大臣のいまのお話では、違法はあくまでも違法でかちっとけじめをつけていきたいというお話でしたが、人事局長どうですか。
○浅尾政府委員 いま先生御指摘の貯金あるいは保険等の法定の限度額を超えて貯金するあるいは募集をする、こういう職員あるいはまた管理者等につきましては、これはもう好ましくないことでございます。また手続的にも正規な手続でなくて処理をしていくということにつきましても、これはもう同様でございます。そこでこういう人たちに対する人事上の考え方をどうするかということでございますけれども、この場合にはいろいろな事実がございます。この人事を実際行います場合には、その人の平素の勤務成績といいますか、そういうことも当然考えなければなりません。また、いま先生おっしゃったような事実、これも一つのマイナス要素に私は相なろうかと思うわけでございます。しかしそういうものをひとつ総合判定をいたしまして、具体的な人事を行います場合の資料にしていきたい、かように考えておる次第でございます。
○阿部(未)委員 時間がなくなりましたから、一般論としては理解ができますけれども、実際問題としてそこをかちっとけじめをつけなければ、一般の成績がいいんだからこの程度の非違事項はあっても構わないということでいま局長がおっしゃったような前の日にさかのぼって貯金証書を発行させてみたり、公衆に対して不都合な態度をとってみても、成績さえよければいいんだというそういうふうな風潮が現実にあります。あるから、それを直すためには私はある程度厳しい処置をとっていかなければ、いま全体的な貯金問題、保険問題が体質が問われるような時期なんですから、やはり考えてもらわなければならない重大な問題だと思うのです。この点についてはさっき大臣からお答えいただきましたからもう御答弁要りませんが、やはりかなり重くそのことを考えていただかなければならない。募集がたくさんできておるから、ここで一つぐらい非違事項があっても構わないというようなやり方が今日の貯金、保険事業が問われる一番もとになっておるというふうに私は考えますが、人事行政の面でもこの点はひとつ十分配慮を願いたいと思います。 それから、大蔵省見えてくれておるようですから、質問はさっき申し上げたんですが、今日の経済情勢の変化によって簡易保険については、五百万、八百万を一千万に引き上げるような経済の情勢があるようなので、郵便貯金についてもその意味から言えば総額制限をもう少し引き上げる時期に来ておるのではないか。貯金と保険で貨幣の価値が違うというふうには思われないし、政府の一貫した方針として貨幣価値に対する認識はどうなのだろうか。ほかにいろいろ政策的な要素があると思いますがね。いま申し上げたこの貨幣価値という観点からがひとつお答え願いたい点です。 それから、時間がありませんからこれは検討事項として大臣にお願いしておきたいんですが、いま一般郵便局の窓口で年金それから恩給、こういうものを三カ月置きに支給されておることになっておるわけですが、これを国民サービスの観点から毎月支払いをしてあげてはどうか。またそういう方々は毎月欲しいわけなんです。わずかな年金、恩給で生活しておる方々は、三月に一回ではなく毎月もらいたいという希望が多いようなんです。ただ、これは事務の能率上非常に大きい問題がありますので、その対策が郵政省としては立て得るかどうか。厚生省にも関係がありますし、恩給局にも関係があるのですが、そういう問題が具体的な日程に上ったとき郵政省として対策が立て得るかどうか。 もう一つは、昭和五十二年度の今度の減税について戻し税を扱うことになると思いますが、その対策は十分にできておるかどうか、大蔵省と郵政当局の見解を聞きたいわけです。
○小宮山国務大臣 さきの衆議院の予算委員会の中で戻し税の問題それから年金の繰り上げ等の問題がございました。これは非常に多くの量が郵政当局、郵便局に回ってまいりますので、その辺の問題を話がのり始めたときからいろいろ詰めてまいりました。これは事務当局の方に詰めさせてあるのでございますけれども、ただ非常に超過勤務等がございますので、労働協約等がございますから前もって労使と話し合うように指示しております。あと細かいことについては事務当局の方からお答えさせます。
○神山政府委員 将来年金等を毎月払いにするとすれば郵便局はこれに対応できるかという御質問でございますが、非常に大切な仕事でありますけれども、年々これが非常にふえてまいっております。これをさらに毎月払いとしますと事務が一挙にふえることは当然のことでございまして、ただ、その前に社会保険庁等の裁定庁自体でもこれは事務処理体制上きわめて困難だというような話も聞いておりまして、そちらも別の面の対策を検討されると思いますけれども、仮にその点が解決されたとしても、支払い機関であります私どもにおきましても、この対策ということを考えなければいけないわけですが、現在のところは非常に困難ではないかというふうに見ております。ただ、私どもとしては、将来オンライン化、これを考えていきたいということで鋭意いま努力をいたしておりますが、これが実施された場合にはこの問題は比較的容易に解決できるのではないかということで積極的に検討してまいりたい、こういうふうに考えております。 それから、もう一つの戻し税、これの問題はまだ現在のところ対象人員とかあるいは支払い時期等、不明の点がありまして、いろいろこれから詰めてまいりたいと思いますが、困難な点があろうと思いますけれども、国税庁等とも密接な連絡をとりまして、従来の国税還付金の支払い方式によりまして円滑に支払いができるように最善の努力を尽くしていきたい、こういうふうに考えております。
○矢澤説明員 御質問のございました非課税限度の関係についてお答え申し上げます。 先生御承知のように、非課税限度は、一般の金融機関の預貯金あるいは公社債、株式投信の一部、こういったものを含めましていわゆるマル優として三百万円の限度がございます。そのほか国債、地方債を含めました少額公債のマル優として別枠マル優で三百万円それから財形貯蓄で五百万円、現在郵便貯金の総額制限の三百万円、これが非課税になっておりますので、全体で合わせますと千四百万円が非課税の限度に税法上なっておるわけでございます。一般世帯の貯蓄の平均が大体三百万ちょっと超す程度でございますので、この辺とのバランスを見て、この千四百万円全体が高いか低いかという問題になるわけでございますが、これらはある意味では一種の租税特別措置でございますので、これを余り上げることにつきましては逆に資産家あるいは高額所得者の利子所得を優遇するというようなかっこうになるものでございますから、その辺のバランスを考えますと、現行の合計千四百万円の限度額というのは適切な水準ではないかと私ども考えているわけでございます。
○阿部(未)委員 終わります。
○八百板委員長 本会議散会後委員会を再会することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時四十一分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕