逓信委員会 第7号
- 発言数
- 40 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1977/03/23
会議録
○八百板委員長 これより会議を開きます。 郵便貯金法の一部を改正する法律案、簡易生命保険法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 順次、提案理由の説明を求めます。郵政大臣小宮山重四郎君。 郵便貯金法の一部を改正する法律案 簡易生命保険法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕
○小宮山国務大臣 ただいま議題となりました郵便貯金法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 この法律案は、郵便貯金の預金者の利益を増進し、あわせて貯蓄の増強に資するため、財産形成貯蓄契約に係る郵便貯金の別枠の総額制限額を引き上げるとともに、通常郵便貯金の利子の計算について改善を図ることとするものであります。 まず、財産形成貯蓄契約に係る郵便貯金の別枠の総額制限額の引き上げについて申し上げます。 現在、この総額制限額は、租税特別措置法に規定する財産形成貯蓄非課税限度額の五百万円の枠の中で、二百万円まで認められているものでありますが、郵便貯金を勤労者の財産形成にさらに寄与するものとするため、これを引き上げて四百五十万円とするものであります。 次に、通常郵便貯金の利子の計算の改善について申し上げます。 通常郵便貯金の利子の計算につきましては、従来から膨大な口座数について手作業による計算を行ってきました関係上、簡便な計算方法である月割り計算が採用されておりますが、貯金原簿事務の電子計算機処理化が進捗し、日割り計算への移行が可能な状況となりましたので、この際、要求払い預金の原則である日割り計算に改めようとするものであります。 なお、この改正法律案の施行期日は、財産形成貯蓄契約に係る郵便貯金の別枠の総額制限額の引き上げにつきましては、公布の日から、通常郵便貯金の利子の計算の改善につきましては、昭和五十三年四月一日からといたしております。 以上が、この法律案の提案の理由であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。 続いて、簡易生命保険法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 この法律案は、簡易生命保険の保険金の最高制限額の引き上げ等を行うとともに、定期保険の保険契約に疾病傷害特約を付することができるようにするほか、簡易生命保険契約の申し込みの撤回の制度を創設しようとするものであります。 まず、保険金の最高制限額の引き上げ等について申し上げます。 現在、保険金の最高制限額は、被保険者一人につき、定期保険及び特別養老保険につきましては八百万円、その他の保険につきましては五百万円に制限されておりますが、最近における社会経済情勢の推移を考慮いたしまして、国民の経済生活の安定を確保する制度としての機能を十分に発揮することができるよう、財形貯蓄保険に係る保険金の最高制限額を除き、その制限額を千万円に引き上げることとするものであります。同時に、財形貯蓄保険につきましては、この保険が勤労者財産形成貯蓄契約の対象となる貯蓄性の強い保険であること及び租税特別措置法による勤労者財産形成貯蓄契約の非課税措置を受けるものであることを考慮いたしまして、他の保険の最高制限額とは別枠とし、払い込み保険料総額が被保険者一人につき、その非課税限度額を超えてはならないものとしようとするものであります。次に、定期保険の保険契約に対する疾病傷害特約の付加について申し上げます。 現在、定期保険の保険契約については、疾病傷害特約を付することができないこととされておりますが、加入者に対する保障機能の充実を図るため、定期保険の保険契約についても疾病傷害特約を付することができるようにしようとするものであります。 最後に、保険契約の申し込みの撤回について申し上げます。 最近の社会経済情勢の推移にかんがみまして、簡易生命保険に加入しようとする者に対する保護を図るため、簡易生命保険約款の定めるところにより、その申し込みの撤回をすることができるようにしようとするものであります。 なお、改正法律案の施行期日は、本年九月一日からといたしております。 以上がこの法律案の提案の理由であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
○八百板委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 —————————————
○八百板委員長 質疑の申し出がありますので、 これを許します。堀之内久男君。
○堀之内委員 議題になっております郵便貯金法の一部を改正する法律案並びに簡易生命保険法の一部を改正する法律案について若干の質問をしたいと思います。 まず、郵便貯金法の一部を改正する法律案でありますが、郵便貯金は郵便貯金法によれば、国民に対して簡易でかつ確実な貯蓄手段をあまねく公平に提供することにより、国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進することを目的としているものと理解をしております。今回さらに、「郵便貯金の預金者の利益を増進し、あわせて貯蓄の増強に資するため、財産形成貯蓄契約に係る郵便貯金の別枠の総額制限額を引き上げるとともに、通常郵便貯金の利子の計算について改善を図る」ことを内容とする郵便貯金法の一部を改正する法律案の提案理由についての御説明が大臣からありましたが、この改正法律案の内容に入る前に、郵便貯金法の基本的な問題についてまずお伺いをいたします。 郵便貯金について、最近巷間いろいろと批判が行われておりますが、国営の貯蓄機関として郵便貯金の本来果たすべき役割りについて、大臣としてどのように考え、また、郵便貯金の奨励についてどのような基本的な方針で臨んでおられるのか、大臣の御所見をお伺いいたします。
○小宮山国務大臣 郵便貯金は、はっきり言いまして、簡易で確実な貯蓄手段で、広く公平に国民に提供して、国民の皆様の経済生活の安定を図るといういわゆる郵便貯金法第一条の目的を満たすために、長い歴史の中で国民の皆様方に大変利用をされております。 この郵便貯金というものを見ておりますと、まず第一に、簡易で確実な貯蓄手段としての郵便貯金というものもございます。これは、二万二千の郵便局を通して国民の皆様方に多くの貯蓄をしていただき、また、その中で国民にいろいろな社会活動、経済活動をしていただくという大きな役割りをいたしております。 もう一つ大きな観点から言いますと、郵便貯金が原資となります財政投融資の問題で、国民からお預かりしています預金は、日本経済発展、あるいは社会福祉、あるいは教育等の財政投融資の大きな原動力になっております。ちなみに五十一年の財政投融資の原資の見込み額を見てみますと、五兆一千億の予定見込み額でございますけれども、全体の財政投融資の中で四四%に及ぶ金が郵便貯金から出ている。そういうこれから見ましても、国営の貯蓄機関として郵便貯金が、大変長い歴史の中で、また特に戦後の発展期の中で果たした役割りというものは大きなものがある。また厚生年金などを見ておりましても、これからだんだん減ってまいります。そういうことから考えましても、郵便貯金がいかに国の発展に重要なものであるかということを認識し、今後とも私自身、国営事業の特質を生かして、誠意と国民にサービスする奉仕の精神で郵便貯金の事業をやってまいりたいと考えております。
○堀之内委員 次に、改正法律案の第一の改正点である財産形成貯蓄契約に係る郵便貯金の別枠の総額制限額の引き上げに関連いたしまして、財形制度の一般的なことからお伺いをいたします。 勤労者財産形成促進制度、いわゆる財形制度は、勤労者の財産形成を促進し、その生活の安定を図り、国民経済の健全な発展に寄与することを目的といたしまして、昭和四十七年一月から開始されております。郵便局の財形定額貯金は民間よりおくれまして、昨年一月からスタートいたしたわけでありますが、最近の利用状況はどういうようになっているか。まず伺います。 また、わが国全体の財形貯蓄の利用状況についてもお尋ねいたしますが、これは所管が違いますので、あるいはおわかりにならない点もありましょうが、郵政省で資料を把握しておられるならば、あわせて御説明をお願いいたしたいと思います。
○小山説明員 財形定額貯金は昨年の一月から開始したわけでございますが、五十二年、本年の二月末日現在の状況でございますが、約九千六百事業所、約十四万人が加入しておりまして、この財形定額貯金の現在高は約七十四億円となっております。 また、後段御質問のございました、わが国の財形貯蓄全体についてのことでございますが、これは大蔵省の調査による資料によりますと、五十一年十二月末日現在の財形貯蓄の実施状況は、四十九万事業所、約六百四十五万人が加入しておりまして、財形貯蓄残高は約一兆二千億円となっております。
○堀之内委員 財形制度は昭和四十六年に勤労者の資産形成を促進するという趣旨のもとで創設されたものでありますが、勤労者がこの制度を利用することによって勤労者に十分その加入の利益がもたらされなければならないと考えております。そうした場合、考えますときに、財形制度の特典の現状はどうなっておりますか。お伺いをいしたます。
○小山説明員 この特典はいろいろございます。それから制度にいたしましても何種類かあるわけでございますが、この制度の特典、いわゆる特徴となっておりますものを横断的に御説明申し上げますと、まず第一に、税制上の優遇措置でございます。財形貯蓄というのは、いわゆる少額貯蓄非課税制度、いわゆるマル優制度の限度額は三百万円ですが、この三百万円とは別に元本五百万円までが利子の非課税となっております。また財形貯蓄によって住宅取得を目的とする一定の要件を満たすものにつきましては年間貯蓄額の八%ないし一〇%相当額、これは最高限度額がございまして、四万円または五万円となっております。これは、それぞれ差がありますのは、貯蓄の期間によって差がございますが、これだけの金額がそれぞれ所得税から控除されることになっております。またさらに財形貯蓄をしている勤労者に対しまして、事業主が一定の要件に従いまして金銭を拠出する制度がございます。一定期間経過、これは七年でございますが、七年間財形給付金として支払いましたときは、この支払いを受けた勤労者は一時所得扱いとされます。この一時所得扱いといいますのは、所得税法上五十万円までは非課税でございまして、五十万円を超えるものについては超える額の二分の一について課税されるというものでございますが、この税制上の優遇措置が認められております。 税制以外のものといたしましては、第二点といたしまして、住宅取得の促進を図るための融資制度がございます。この融資制度の内容には、財形持ち家分譲融資制度と財形持ち家個人融資制度があります。分譲融資制度と申しますのは、雇用促進事業団が財形貯蓄取り扱い機関から、これは銀行とかいろいろな金融機関が入るわけでございますが、この取り扱い金融機関からの資金協力それから政府の利子補給を受けた上、これは雇用促進事業団が利子補給を受けるわけでございます。勤労者の分譲住宅の建設または購入する事業主等に対しまして長期低利の貸し付けをするということでございます。これが分譲融資制度でございます。次に、個人融資制度といいますのは、雇用促進事業団または住宅金融公庫等が住宅の建設または購入をする勤労者に対しまして事業主等が利子補給その他の負担軽減措置、これはたとえば、いろいろ金融機関から借りました場合に返済期限を長くするというような負担軽減措置を事業主が行うことを条件といたしまして、財形貯蓄残高の二倍を限度といたしまして、最高一千万円まで貸し付けをするというものでございます。 このような特典が、何種類かの財形貯蓄制度の中に共通しているところの一つの特徴だと考えられます。
○堀之内委員 財形貯蓄は、勤労者が行う貯蓄について一般の貯蓄とは別に、五百万円までを限度として、利子非課税の優遇措置等を講ずることによりまして勤労者に貯蓄を奨励し、その資産形成の促進を図ろうとする制度であるということでありますが、この財形貯蓄につきましては、当然一般の貯蓄とは異なる特別の要件が必要となると考えられます。現状では具体的にどのようになっておるか、お伺いいたします。 また郵便貯金による財形貯蓄につきましてはどのようになっているのか、具体的にお尋ねをいたします。
○小山説明員 財形貯蓄におきます一定の要件と申しますのは三点ございまして、第一点は、勤労者が三年以上の期間にわたって定期に、預貯金の預入を行うということ、これが第一点でございます。第二が、預入が行われた日から一年間は預貯金の払い出しまたは譲渡をしないということでございます。第三点は、事業主が勤労者に支払う賃金から天引きし、勤労者にかわって預入するものであるということ。この三点が要件でございまして、この三つの要件を満たす貯蓄契約を結びまして、これに基づいて預入を行うということが財形貯蓄ということになっております。 また、お尋ねの、郵便貯金による財形貯蓄につきましては、利率が預け入れ期間の区分に応じ段階的に高くなる、かつ半年複利であるという郵便貯金の定額貯金の特徴、これをそのまま財形定額貯金においても適用されるということになっております。
○堀之内委員 財形貯蓄につきましては、少額貯蓄非課税限度額、いわゆるマル優限度額の三百万円とは別に、租税特別措置法によりまして五百万円までを非課税とされておるのでありますが、この非課税限度額の五百万円は財形貯蓄を取り扱うすべての金融機関の共通の枠として認められているのであります。 財形郵便貯金の別枠の総額制限額についても、本来は五百万円まで引き上げるべきものと考えるべきでありますが、郵便貯金においては住宅積立貯金という別枠があり、その関係もあって、五百万円より五十万円低い四百五十万円に引き上げようとするものであるということですが、その問の事情について具体的に御説明をお願いいたします。
○小山説明員 先生おっしゃいますとおりに、民間金融機関の預貯金は、現在少額非課税限度額の三百万円と財形の貯蓄非課税限度五百万円の八百万円でございます。これが利子非課税となっております。 郵便貯金の方は、この五百万円が四百五十万円として、五十万円確かに低くなっておりますが、郵便貯金は、実は当然非課税としての三百万円の普通の郵便貯金のほかに、いわゆる住宅積立郵便貯金というのがさらに五十万円ございます。この住宅積立貯金というのは、これはすでに御存じかと思いますが、預金者にとりまして非常に使いやすい貯金になっております。さらにこれに民間と同じような五百万円の枠を設けますと、総額の非課税の限度額が八百五十万円となるわけでございます。そうしますと民間の非課税の限度額の八百万円との均衡を失するというところから、非課税の限度額の総枠を八百万円とするということで両方の平仄を合わせてある、こういうことでございます。
○堀之内委員 財形貯蓄は勤労者のみを対象とする。この勤労者という解釈が大変おかしいのですが、財形貯蓄の加入のいろいろな条件については先ほど御説明になりましたが、今回大臣に国務大臣という立場でちょっとお伺いしてみたいと思うのですが、これは農民や自営業者は利用できないことになっておるわけであります。郵便貯金を利用した財形貯蓄は、どうしても農民等も利用できるようこの対象の範囲を拡大すべきであると私は考えておりますが、大臣の御見解をお伺いいたします。
○小宮山国務大臣 先生のおっしゃるように、勤労者であれ、農民であれ、自営業者であれ、その財産形成が一層促進されることが望ましいことは事実であります。しかし、勤労者の財産保有状況というものを考えてみまして、財産形成政策を講じる必要があるということで昭和四十七年に勤労者財産形成促進法が施行されたように私は記憶いたしておりますけれども、農家の方でも農業法人の中で働く雇用者であればそれはできるだろうと理解をいたしますが、財産形成郵便貯金は財形貯蓄を郵便貯金を利用して行うもので、この利用者は勤労者に限定せざるを得ないのであります。別の視野から総合的に検討を要すべきものだろうと思います。勤労者だけ、農家はどうなんだと言われますと、現在の法律の中ではなかなかむずかしいと考えざるを得ませんし、農家の中で働く従業員ならばそれはでき得るであろうと思います。
○堀之内委員 次に、第二の改正点であります通常郵便貯金の利子の計算について月割りから日割りに改めるということでございますが、この点についてお尋ねいたします。 郵便貯金の利子の計算は現在月割りにより行っているのでありますが、民間金融機関においては以前から日割り計算がなされております。郵便貯金だけが、このように他の金融機関からすると利子計算等が異なる月割り計算をとっておるわけでありますが、いままで月割りをとってきた理由についてお尋ねをいたします。
○小山説明員 郵便貯金の原簿といいますのは、いま全国で二十八の地方貯金局がございますが、ここに原簿を保管しております。郵便局は約二万二千ありますけれども、それぞれの郵便局には原簿を保管していない、集中保管方式をとっておるわけでございます。 そういたしますと、この計算をいたしますときには証拠書類を地方貯金局に送りまして、地方貯金局で集中的にすべてのこの計算事務を行っておるわけでございます。この口座数が非常に多いということと、要求払い預金というのはいつでも出し入れ自由ということで、それぞれの原簿の出し入れが非常に激しいという現状がございます。その結果計算事務というのが非常に膨大なことになりまして非常に手数がかかるというところから、月割り計算という方法をとっていたものでございます。
○堀之内委員 膨大な口座があってそして手作業で利子計算を行っているので、郵便貯金においては月割り計算の方法をとらざるを得なかったということでありますが、そのような計算方法をとっているために、半月の貯金であっても一カ月分の利子がつくとかという反面、また一カ月半貯金しておいても利子がつかないという場合があり、不合理であるという投書などが新聞等でも見受けられましたが、こうした月割り計算の不合理な点について具体的に御説明をお願いしたいと思います。
○小山説明員 具体的に申し上げますと、いま先生御指摘のように、いわゆる要求払い預金というのは、本来一日であっても一つの財産を預けるわけですので、金銭には当然それに伴う利子というものがつくのが原則でございますが、一番不合理な点は、ただいま御指摘のありましたように月の十五日に入れて翌月の一日に出しますとこれに一ヵ月の利子がついてしまうということ。また、十六日に入れまして、翌月が三十一日までありますときには三十一日、要するに末日におろしますと、これが一ヵ月半ありましても一円も利子がつかないというような不合理が生じていたということでございます。
○堀之内委員 月割り計算をしていることで不合理な点について、これを改善することは本当に結構なことであります。速やかに日割り計算に移行すべきであると思われますが、しかしこの利子計算に関係する法律改正案は、施行日がおおむね一年間の余裕を見た来年の四月一日ということになっておりますが、こうした一年間も置かなければならない理由についてお尋ねをいたします。
○小山説明員 日割り計算に今回移すことにいたしましたのは、地方貯金局にコンピューターの導入が非常に進みまして、そのコンピューターのプログラムをつくることによってほとんど人手が省かれて日割り計算ができる状況になったということで日割りに移行することにしたい、こういう希望を持って本法案を提出したわけでございますが、プログラムの開発というのが案外時間がかかりますと同時に、それに伴います諸準備に相当の期間を要するということ。また、通常郵便貯金の利子というのは、毎年三月三十一日を区切りまして一年分を元金に加えるという計算方式をとっております。そういたしますと、年度途中で改正いたしますと、技術上できないわけではございませんけれども、二つのプログラムをつくらなければならないということ。それから、途中ですと二回にわたりまして重複計算をしなければならないという結果が出てまいります。しがたいまして、諸準備それからいわゆるプログラムというようなものを全部合わせまして、さらに区切りというものを考えた結果、五十三年四月一日というふうにお願いしたわけでございます。
○堀之内委員 以上で郵便貯金法の一部を改正する法律案についての質問は終わりますが、次に、簡易生命保険法の一部を改正する法律案について質疑を行いたいと思います。 まず、簡易保険につきまして、大臣の基本的な考え方についてお尋ねいたします。簡易保険は、大正時代から長年にわたりまして国民に親しまれ、また国民生活の安定と福祉の増進に寄与するとともに、わが国の社会開発にも少なからぬ貢献をいたしてきたものと思われます。簡易保険は、創業当初の社会政策的な性格は薄れてきてはおりますものの、国民生活における簡易保険の重要性はいよいよ高まってきていると考えられます。大臣は、簡易保険につきまして基本的にどのようにお考えになっておるか、お伺いをいたします。
○小宮山国務大臣 いま先生がおっしゃいますように、簡易生命保険は大正五年の創業で、昨年の十月でちょうど六十周年を迎えました。経済事情その他も、一つの大きな転機に立っていると考えております。 簡易保険の問題点には、幾つかの問題点があります。その問題点は、事務の問題。これは先人、先輩の方々がほかの省庁と比べて大変早く機械化をやられまして、大正十五年にPCSという当時世界でも最も新しい事務能率化をやられて、昭和四十二年にもEDPS化をやられて、私たちことしの二月二十四日にオンライン化のトライアル、実験に入っております。 御承知のとおり、現在簡易保険事業というのは保有契約数が約五千万、保有契約高は三十兆に及んでおりますし、資金総額が八兆円でございます。大変な事業に成長いたしておりますし、国民の生命保険に対する要望がますます多様化、高度化する中で、国営の生命保険としての簡易保険に課せられた責務というのは非常に重大かつ責任重いものと感じております。 私は、そういう意味においても、簡易生命保険法の第一条に載っておりますように「国民に、簡易に利用できる生命保険を、確実な経営により、なるべく安い保険料で提供し、もって国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進する」ということを目的としておりますので、今後とも国民の皆様に変わらない支援をいただく意味においても、職員一人一人がたゆまない努力をしていく必要があろうと思います。特にこの簡易保険は、国営保険として、一条に盛られておりますように大変国民生活に密着した簡易保険でありますために、特に社会経済の情勢の変化に対応して制度の改善を図っていくとともに、特に重要なことは、経営の効率化、効率の向上に努めて、良質な保険をなるべく安い保険料で提供することにより、国民の福祉増進に一層寄与し得るものと考えておりますし、郵政省といたしましては、全職員が、先ほど申しましたように、やはり奉仕の精神で今後とも事業の促進を図りたいと考えております。
○堀之内委員 簡易保険が今後ともよき伝統の上でますます発展するよう、一層の努力をお願いいたしたいと思います。 次に、改正法案の具体的内容に移ることといたしまして、まず保険金の最高制限額の引き上げについてお尋ねをいたしますが、簡易保険は庶民の保険として、全国の郵便局を通じまして国民の大多数にあまねく保険サービスを提供して喜ばれているところであります。その保険金最高制限額が、定期保険と特別養老保険については八百万円、そのほかの保険については五百万円と比較的低い金額に抑えられておるのでありますが、これを引き上げてもらいたいという要望はしばしば耳にいたしておりましたし、今回は大変喜ばしい限りであります。今回これを引き上げるということで一千万円、こういうことになっておりますが、二の一千万円をお決めになった理由についてお尋ねをいたしたいと思います。具体的に御説明をお願いいたします。
○永末政府委員 簡易保険でございますが、現在、その種類は大きく分けまして終身保険、定期保険、それから養老保険、家族保険、財形保険、五つに分かれるわけでございます。 最高制限額でございますが、これは、いま申しました定期保険、それから養老保険の中に特別養老保険というのがございますが、この定期保険と特別養老保険では八百万円、それからその他の保険では五百万円というふうになっておりますこと、先ほど先生がおっしゃいましたとおりでございます。考えてみますると、この額では最近の経済情勢のもとでは生命保険の保障機能を十分に発揮し得ない状況となっていること、また加入者の方々からも保険金最高制限額をさらに引き上げてくれという非常に強い要望が寄せられておりますこと、またこの引き上げによりまして貯蓄増強にも資すること、そういったことから、今回その最高制限額を、被保険者が死亡した場合の医療費それから葬祭費及び遺族の当分の間の生活費等を考慮いたしまして、一千万円に引き上げようとするものでございます。
○堀之内委員 一千万円の引き上げの趣旨については、いろいろ見方もありましょうが、一応了解いたしまして、今後とも国民の保険需要の動向等勘案いたされまして、需給に応じた引き上げを図るよう要望いたしておきます。 次に、財形貯蓄保険の保険金最高制限額でありますが、これを他の保険の保険金最高制限額とは別枠とするということでありますが、これはどういうことか、ちょっとお尋ねいたします。聞くところによりますと、簡易保険の財形貯蓄保険は昨年実施されたばかりでありますので、他の保険とは加入対象、仕組み等が異なっているようであります。そういったことが理由かとも思いますが、これを別枠とする理由を御説明いただきたいと思います。
○永末政府委員 簡易保険は、創業以来お医者さんの診断を要しなくて加入できるというたてまえをとっているわけでございます。無診査保険と申しておりますが、保険金最高制限額はこの無診査保険とやはり関係が出てくるわけでございます。最高制限額は無診査保険として負担し得る危険の限度額というものを一応考慮して定めなくてはならないということでございます。 財形保険でございますが、財形保険はその仕組みの上から危険を選択する必要がございません。また、財形専用の保険であることから、他の保険の保険金最高制限額とは関係なく加入できるようにすることが、勤労者の資産形成を目的とする財形制度の趣旨に沿うものと考えております。このようなことから、財形貯蓄保険の加入限度額につきましては他の保険とは別枠とした次第でございます。
○堀之内委員 一般に生命保険では契約加入時に医者による身体検査を受けまして、体の弱い者の加入を防止する措置をとっていますが、簡易保険では簡易な手続で国民大衆に広くその門戸を与えまして、身体検査を行わない、無診査の制度となっているところであります。その趣旨はよくわかるわけでありますが、今回保険金最高制限額を一千万という高額にいたしますと、無診査の制度を悪用して病気にかかっている人が多数加入いたしまして、そのことによって事業の経営に危険とまではいかなくても悪影響を及ぼすということは考えられないか、この点お伺いをいたします。
○永末政府委員 無診査の保険におきまして、保険金額が高額になるに従いまして最も注意しなければならないのは、先ほど先生がおっしゃいましたように、逆選択と申しておりますが、体の弱い人たちが入ってくるという問題、いわば不良契約の防止ということであると考えております。したがいまして、新契約の募集に際しましては面接観査を厳重に行う等、不良契約を締結しないように極力努める所存でございますので、事業経営上の危険はないものと考えている次第でございます。
○堀之内委員 簡易保険は創業以来、先ほど大臣の御答弁もありましたがちょうど六十年を経過いたしまして、その間着実に業績を伸ばしてきておるところでありますが、第二次大戦後は、簡易保険の独占が廃止されて、民間保険との間に競合の関係も生じまして互いにしのぎを削っているようであります。近ごろ民間保険会社も非常に好調な経営がなされているようでありますが、聞くところによりますと、会社間でその規模にかなりの差がある、こういうように聞いております。今回、簡易保険が保険金の最高制限額を一千万円といたしまして、全国に存在する郵便局を通じまして大々的に保険の募集活動を行うということになりますと、そのことによって、相当大きな影響を受ける会社もあるのではないかと思われますが、この点はどのように理解をされておりますか。
○永末政府委員 最近、わが国におきます生命保険の普及は相当目覚ましいものがございますが、なお未加入分野はかなり残されていると考えております。簡易保険だけとってみましても、先ほど大臣からの御説明で五千万件とございましたけれども、これは一人で何件も入っているというようなケースもございます。したがいまして、簡易保険の世帯加入率を調べてみますと五七・六%ということでございます。それから大きな事故が起こったときどのくらいの方々が簡易保険に入っておられるかということを私たちよく調べるわけでございますけれども、大体大事故の場合でも三人に一人の方しか入っておられないというようなことでございます。したがいまして、まだ未加入の分野というのがかなり残されていようかと思うわけでございます。したがいまして、簡易保険、民間保険はそれぞれの責任と創意によりそれぞれの長所を生かしてお互いに経営の妙を発揮し、生命保険全体の普及と発展に努めることによりまして、両者の共存共栄が図れるものと考えております。 なお、簡易保険の保険金最高制限額は最近の十年の間に、お手元に差し上げてあります資料にございますが、昭和三十九年に百万円に、四十三年に百五十万円に、四十四年に二百万円に、四十七年に三百万円に、四十九年に五百万円に、五十年十二月に定期保険及び特別養老保険については八百万円に引き上げられたわけでございますが、この間におきますところの簡易保険と民間保険の業績を見ましても、簡易保険の最高制限額の引き上げが民間保険を圧迫したという事実は全く認められないわけでございます。したがいまして、今回の保険金最高制限額の引き上げも民間保険を圧迫することはないというふうに考えている次第でございます。
○堀之内委員 次に、疾病傷害特約についてでありますが、これを定期保険に付するという改正についてお尋ねをいたします。 定期保険はいわゆる掛け捨ての保険であるため、月々払い込む保険料の額も保険金の額に比べまして非常に安い、入りやすい保険となっております。このことはまた保険金目当てに弱体者が加入するという危険も高いということになります。一方、疾病傷害特約についても疾病による入院について保険金を支払うというのでありますから、これまた弱体者が加入する危険というと大変失礼になるかもしれませんが、そういうことも想定されるわけでありますが、今回定期保険に疾病傷害特約を付するという考え方についてちょっとお考えをお尋ねいたします。
○永末政府委員 定期保険の保険契約に疾病傷害特約を付加することにつきましては、疾病傷害特約制度創設の際に逆選択、先ほど申しましたように不良の契約が入ってくるということを懸念いたしまして、付加することができるようにすることを見合わせたわけでございます。けれども、実施後の経験によりますと、最初懸念されましたところの弱体者加入、逆選択というのも認められませんので、加入者に対する保障機能の充実を図るために定期保険の保険契約にも疾病傷害特約を付加できることとしようとするものでございます。
○堀之内委員 疾病傷害特約は病気で入院すれば保険金を支払うというものであります。しかも簡易保険ではその病気について特別に制限をしておりません。どのような病気についても保険金を支払うということでありますが、また簡易保険は無診査で契約加入時に医師の身体検査をしないということでありますから、これらのことを考えますと、現在あるいはすでに病気にかかっている人で、近い将来入院が必要となると予想される人が加入するおそれがあると私は思うのです。さらに極端な例を言えば、医師の診断を受けまして、何月何日ごろから入院しなさいというようなことで、すでに入院を予定されているような人が加入するということが出てきまして、保険金の支払いがふえて事業の経営を悪化させるという心配もあるわけでありますが、その点のおそれはないか、もう一回お考えをお尋ねいたします。
○永末政府委員 民間の保険におきましてはがんの保険であるとかあるいは成人病の保険であるとか、特定の疾病のみを保障するというようなシステムができております。簡易保険におきましては、先ほど先生がおっしゃいましたように、特定の疾病ということではなくして、疾病全体を保障するということに定期保険についてもしたいということでございます。疾病傷害特約におきまして、疾病による入院保険金を支払う場合でございますが、これはこの特約の効力発生後にかかった疾病により二十日間以上入院したものに限っているわけでございます。したがいまして、すでに病気にかかっている人が特約に加入いたしましても、その病気による入院に対しましては入院保険金の支払いはいたさないことにいたしております。 なお、基本契約に加入する場合でございますが、これにつきましては被保険者の身体の健康状況について保険契約者と被保険者に質問いたしまして、その状況について告知を受け、一定の病気にかかっている人は加入をお断りしておりますので、病気にかかっている者が多数加入するようなおそれはないものと考えております。
○堀之内委員 定期保険に疾病傷害特約を付するということの考え方については、一応了解しましたが、実は、実際にこういう例があるのです。これは昨年あった例なんですが、これは農協の共済保険でありましたけれども、いまごろの若い方々ががんにかかっていてもこれはほとんどわからない。だから、がんあたりになると相当遠い専門の大学病院とかにかかる。がんであると大概家族の人だけに教える。どうせこれは長くはありませんよ、三ヵ月か四ヵ月だよというのがあるわけです。昨年私のところで実際に起こりました例ですが、農協の共済保険に二ヵ月月掛けで掛けておって三ヵ月日に死にました。それはちょうど私が市長のときで、市の建設業者であった人が亡くなったわけですが、その保険金が四千万という大きな額だったから問題になった。あれが一千万ぐらいだったら農協もさっと払っておっただろうと私は思う。その人はふだん元気でおりましたのですが、入院してから死ぬまではわずか二十日ぐらいでした。いまの若い人たちのがんというのは、手術してみるともう手おくれだという例が非常に多い。そういう場合はないということはないのですが、今後、私どもは、こういうようないろんな社会のトラブルにならないように最大の努力をしていただきたい。恐らくこれを悪用する者が今後相当出てくると私は懸念いたしております。そういうことは、局長はないということですが……。昨年のときは農協もやはり今後の保険の拡大という意味から目をつぶって払っただろうと思いますが、二ヵ月払っただけで四千万じゃちょっと惜しいということで、それも私が市長でありましたから、私のところに、死んだ方の家族、親類から何とか農協を説得して払うようにやってくれと、結局政治家なら何とかこなされるということで——私どもは事実鹿大で診査したということも知っておりましたが、農協は知らなかったんだそうです。だから、そういうことではやはり問題が出てくると思う。今後、そういう意味で、この疾病傷害特約については、亡くなった家族に差し上げるんだという慈善事業のような考えであれば、私はこれは問題ないと思いますが、将来これについて問題のないように、最善の運営をしていただきますようお願いいたします。 次に、保険契約の申し込みの撤回についてお尋ねいたしますが、一般に契約の申し込みというものは相手方が承諾を与えるに必要な相当の期間はその撤回を許さないというのが常識かと思われるわけでありますが、簡易保険についてこれを認めようという理由は何であるか、お尋ねをいたしておきます。 さらに、契約の申し込みを受理いたしましてこれを締結するに至るまでには、国は相当多額の費用と手間をかけているものと考えられるわけでありますが、この面からも申し込みの撤回はこれを認めないこととする方が一というとこれは加入者に非常に分が悪いわけですが、しかし、契約が郵政局側から見ると大変これは問題があると思うのですが、これを認められた点について、今後の運営に大きな影響はないかどうか、お尋ねいたします。
○永末政府委員 いままでは、法律が成立するまではでございますが、簡易保険の加入の申し込みをした場合、その撤回ができないというふうに簡易保険のたてまえをとっていたわけでございます。これは簡易保険法にははっきりと書いてございませんが、一般の民法で期限の定めのない隔地者間の契約の申し込みは撤回をすることができない、というふうになっているのを受けてそういうふうなたてまえをとっていたわけでございます。最近、消費者保護運動といいますか、そういった高まりがございます。また、各方面から消費者保護が強く叫ばれているわけでございます。こういった情勢を受けまして、最近では割賦販売法あるいは訪問販売等に関する法律、こういったものができまして、こういった場合にも、申し込みの撤回の制度が採用されております。また、民間保険でございますが、民間保険におきましても、この申し込みの撤回の制度というものが四十九年くらいからできているわけでございます。 そういった情勢をいろいろと勘案いたしました場合に、加入者と申しますか申込者の保護をやはりぜひやらなければならないというようなことで、サービスの向上を図るためにこの申し込みの撤回制度を採用しようとするものでございます。
○堀之内委員 最後に申し上げておきますが、簡易保険の使命は、全国に散在します二万二千余りの郵便局を通じまして、国民に簡易に、しかも安い保険料で生命保険を提供して、国民の福祉を増進するところであろうと考えます。今後、国民の生活の水準の向上に伴って保険需要というものもますます高度化し、また多様化するものと考えられますので、今後とも社会経済情勢の変化に即応した制度改善を行うとともに、簡易保険がその特色を生かしまして、全国あまねく生命保険の普及の徹底を図るよう努力を続けられますことを郵政当局にお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○八百板委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時三十七分散会