地方行政委員会 第20号
- 発言数
- 306 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1977/05/12
会議録
○地崎委員長 これより会議を開きます。 この際、請願取り下げの件についてお諮りいたします。 本委員会に付託されております請願中、行政書士法の一部改正に関する請願第七号、同五八二号、同五八三号、同六七九号、同八八六号、同一〇九九号及び同一五二四号につきまして紹介議員であります塩崎潤君、大原一三君、川合武君、渡辺栄一君、山本悌二郎君、野田卯一君及び中村直君からそれぞれ取り下げ願が提出されております。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○地崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――◇―――――
○地崎委員長 内閣提出に係る昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますのでこれを許します。新村勝雄君。
○新村委員 共済組合法の年金の額の改定に関する法律に関してお伺いをいたしたいと思います。 年金の問題についてはその基本的な考え方、原則というものが退職者の当時の年金の価値をあくまで完全に保全をするという原則が基本だと思いますし、また同時に同じ年金の間の均衡等という問題もあろうかと思いますが、特に本法は退職時の年金の価値を完全に保全をして、長年勤務に精励をされた職員の老後の安定、所得の保障ということだと思いますが、それには何といっても法第七十四条の二の規定を十分に活用し、またその規定が機能する条件を与えなければいけないと思うわけであります。同時にまた地公共法三条の二も同じような趣旨で規定をされておりますけれども、これによってかなり古い過去において別な法令のもとに退職をした職員あるいはまたその後の新法のもとにおいて退職をした人でも、過去に旧制度の期間を含む人が相当いるわけでありますから、これらに対する十分な配慮、措置がなされなければいけないわけでありますが、まずそれらの基本的な原則といいますか、考え方についてお伺いをしたいと思います。
○石見政府委員 公務員の年金制度につきましてはただいま先生御指摘にございましたように、長い年月良好な成績で勤務されました公務員の方々につきまして、老後の安定に資するためにいわゆる社会保障の一貫として恩給制度、国家公務員共済あるいはまたその他の公的年金とのバランスをとりながら設けられておるものでありますことは御指摘をいただいたとおりと思うのであります。私どもといたしましては、いま申し上げましたような趣旨からいたしまして、従来からもいわゆる退職された公務員の方々の生活の安定に資しますために、年金の実質的な価値を高めるという意味を持ちまして、なかなか歩みはのろいわけでありますけれども、いろいろ諸般の改善措置を講じてまいったわけであります。 今回御審議をお願いいたしております法案につきましても、四十二年度以降の者にかかります年金につきまして、五十二年度以降その年金額の改定を行いますとともに、恩給の改正あるいはその他の公的年金の改正等と見合いながら所要の改善措置を講じようとしているものでございます。 ただ、何分にもいま先生お示しがございましたように、地方公務員共済制度はいわゆる恩給制度にその源を発しておるわけでありまして、昭和三十七年にそれまで多くに分かれておりました各種の制度を統合して現在に至っておるものでございます。そういう意味で基本は恩給制度に置きながら、かつは同じ公務に従事しております国家公務員共済年金制度とのバランスをとりながら、さらにはまた厚生年金あるいは国民年金等各種のいわゆる公的年金との均衡もとりながら、今後、いま申しましたような観点からさらにその実質的な価値を高めるたまの努力は私どもしてまいらなければならない、かように存じておるところでございます。
○新村委員 公務員の給与体系についてはほかの民間の職員とは性格も違うし、特に現在は公務員については、当然憲法において保障されるべきである団結権あるいはストライキ権等も禁止をされているというような実態もあるわけであります。これについてはこういう諸法令は明らかに違憲であるとわれわれは考えるわけですが、最近の最高裁の判決を見てもこれを強化するというような方向に動いていることは大変遺憾でありますけれども、そういう特殊な条件下にあるということも同時に考えなければならないと思います。したがってその給与と一体をなすこの年金についても、公務員の年金については十分価値の保全、それからお互いの他の年金との関連ということもありますけれども、特に公務員の置かれておる実態を考慮されて、当然に与えられるべき団結権、ストライキ権がないというそういう実態も考慮されてしかるべきであると思いますけれども、その点についてはどうでしょうか。
○石見政府委員 公務員につきましては、地方公務員法あるいは国家公務員法によりまして、民間労働者に認められております労働三権のうち、争議権につきましてはこれが認められておらないということは御案内のとおりでございます。そういう意味におきまして、いわゆるその代償機関と申しますか、給与につきましては第三者機関でございます人事院あるいは人事委員会におきまして、その給与についての一定の水準と申しますか、民間給与とバランスをとれたものとなるように毎年勧告が行われ、そしてまた国、地方団体におきましては、それぞれの実情に応じまして所要の給与改定がなされてきておるところでございます。 このように公務員につきましては一方では争議権が禁止されておるといういわゆる代償としての人事委員会制度があり、さらにはまたその給与あるいは勤務条件は、法律あるいは条例によって保障されておるというようなたてまえにもなっておるわけでありまして、私どもといたしましては共済制度につきましては、このいま申しましたような仕組みの中で決定されました給与を基礎にして、いわゆる年金額というものが算定をされてまいっておるわけでございます。そういう意味におきましては、いま申されましたような労働基本権が制約を受けておるということに対する代償としての措置、それに伴います給与の決定、さらには、それを基礎といたしました年金額の算定等を通じまして、公務員につきましての給与あるいは年金額につきましての確保というものがなされておるのではないかというふうに理解をいたすものでございます。
○新村委員 お考えはわかるのですが、違憲の疑いがきわめて濃厚であるところの公務員に対するスト権の禁止、そういったことによって厳重に制約をされておるという事態が一方にあるわけであります。さらに、身分の保障は確かにありますけれども、同時に、公務員は、兼職の禁止、あるいはみずから事業を営むことができないというようなことを初めとして、多くの経済的な制約もあるわけでありますから、そういったことを十分考慮され、また、現在違憲の疑いのきわめて濃い諸法制については、これは何としても将来これらを撤廃をして、公務員に憲法に保障された諸権利を回復することがぜひ必要だと私は考えますけれども、しかし、現在はそこまでいってないという事態でありますから、それらを十分に考慮をされることが必要だと思います。と同時に、年金の価値の保全ということと、それから、そういう制約のもとで生涯というか退職まで職務に精励をするわけでありますから、それに対する期待権あるいは将来に対する保障、これは十分に考慮しなければいけないわけであります。したがって、年金に対する諸法令の整備と同時に、期待権あるいは将来に対する保障を法制的に完備をする必要があるのではないかと思いますけれども、その点をお伺いします。
○石見政府委員 年金制度は、ただいまお話がございましたように、一定の身分制約を受けます中で忠実な勤務に長年従事されました公務員につきましての、老後の生活の安定に資するための一つの保障制度でございます。私どもといたしましては、この制度が、やはりその目的といたしますところに沿いまして、今後とも改善につきまして十分な努力をいたさなければならないというふうに存じておりますとともに、おっしゃいました期待権と申しますか、既得権と申しますか、そういうものにつきましては、これはもちろんのこと十分尊重されなければならないものであろうというふうに私ども考えておるところでございます。
○新村委員 年金の価値保全ということがきわめて大切なことであるし、また、本法自体がその目的のために制定をされているわけであります。また、本法及び施行法その他でもこの精神は繰り返し強調されておるわけでありますが、たとえば法七十四条の二とか施行法三条の二というようなところで繰り返し強調されておりますけれども、まだこの年金の価値保全について法的に完全な保障があるとは言えないのではないか。特に公務員については毎年給与の改善等がありますので、当然年金もその毎年のアップにスライドをするような法的な保障がなければならないと思うわけであります。本法においては、これは毎年こういう改定に関する法律を年中行事のように審議をいたしましてやるわけでありますけれども、こういう方法ではなくて、交付税法でも論議はされましたけれども、毎年毎年の措置ではなくて、一定の制度として、恒久的というとおかしいのですけれども、毎年毎年の、その都度の措置ではなく、制度として、公務員の年金を将来にわたって保障するということをはっきり法定すべきではないか。具体的には、スライドを明確に法的に保障するというお考えはございませんか。
○石見政府委員 公務員の年金制度は、国家公務員あるいは地方公務員を通じまして、先ほども御答弁申し上げましたように、公務員の身分あるいは公務員の勤務の特殊性というものに基づきまして設けられたものでございまして、したがいまして、その内容は恩給制度の取り扱いに準じて規定をされておるところでございまして、本年度の共済年金の年額の改定の取り扱いにつきましても、すべて恩給年額の改定措置に準じて、現職公務員の給与の改善率によって行うことといたしておるところでございます。 このように、ここ数年間、恩給制度、国家公務員制度あるいは地方公務員制度を通じまして、現職公務員の給与改定率によってその額を改定していくという制度がいわば定着をしてまいっておるわけでありまして、毎年度そういう形での法案の御審議をお願いをいたしているところでございます。この給与改定率によります年金のこれを、いわゆるスライド化を法定すると申しますか、これを制度化するということにつきましては、現在他の公的年金あるいは国家公務員の取り扱い等ともかね合いながら、私どもとしては、それはそれなりにいろいろ検討を重ねておるところではございますけれども、御案内のとおり、厚生年金におきましてはいわゆる物価スライド制が制度化されておるわけであります。このように、同じ公的年金といたしましての厚生年金が物価スライド制をとっておるという現状のもとにおきまして、公務員につきまして給与スライド制を導入することは一体どういう問題があるのかというふうな問題もあるわけであります。そういう意味で私どもまだ結論を得るには至っておらないわけでございますけれども、恩給制度あるいは国家公務員共済年金制度の取り扱い等も十分見ながら、かつは、いま申しましたように、厚生年金におきます現行の制度等との調整をどうするかというふうな問題をもあわせて考えながら、今後検討をしてまいりたいというふうに存じておるところでございます。
○新村委員 それでは若干の具体的な問題について伺いたいと思いますが、現在の運用は、新制度と、それからその中に包摂をされておる旧制度と、この二つの要素があるわけだと思うわけでありますが、そして、その年金の計算等も、旧制度に係る期間と新制度に係る期間と二分して計算をされているようでありますが、これは、縦断的なといいますか、時間的な相違を調整する方法としては当然そうあるべきでありますけれども、その間における完全な調整なり是正が行われていない面があるのではないかと思うわけです。 たとえば、旧制度と新制度の両方にわたる人の場合に、新制度で全期間を計算をする場合、それから二分して計算をする場合では結果が違うと思いますが、その場合に、現在では、二分をして、それぞれの期間ごとに額を出していると思いますけれども、それと全期間を計算をした場合の結果が違うと思います。その場合に、新制度によって全期間を行う方が有利な場合にはそうやることが妥当なのではないか。というのは、制度が変わってもその者の従事をしていた職務内容なり、社会的な評価なり、社会的な意義なりというものは同じなわけでございます。制度が変わったからといって異なる基準で計画をすることは妥当ではないというふうに疑問を持つわけでありますけれども、その点について伺いたいと思います。
○石見政府委員 現在の地方公務員共済制度は昭和三十七年に新しい制度として発足いたしたわけでございますが、それ以前におきましては、それぞれの職種あるいは職員の身分等によりまして、恩給制度その他もろもろの制度がそれぞれ独立に実施をされておったわけであります。それをただいま申しましたように、三十七年に統合して共済制度という一本の制度にいたしたわけであります。その際、従来たとえば恩給制度の適用を受けておられました方々の取り扱いをどうするかという問題が当時当然あったわけでありまして、その際におきまして、少なくともその恩給制度期間中におきましては、その当時適用されておりました恩給法というものの適用を受けておられたことは事実としてあるわけであります。したがいまして、その制度の切りかえに際しましては、一つはやはり従来のたとえば恩給制度といいますものを新しい年金制度に通算をするという形で、いわばその期間の既得権と申しますか、事実経過した期間を年金の基礎に確保していくということ。もう一点は、その恩給制度時代に適用されておりましたその制度は制度として、いわば既得権としてそれを確保していくというたてまえから、たとえば恩給制度と年金制度の二つにまたがります方につきましては、それぞれの制度を適用して、その合算額をもって年金制度とするという仕組みになったわけでございます。 そこで、いまになって考えました場合に、たとえばその両者の期間あるいは額がそれぞれ違うわけでありますが、その場合、あるいはそれを比較をしてどちらか有利な方を使うというふうなことになりました場合には、もともと恩給制度と共済制度につきましてはその掛金等も全然違っておったわけでありまして、これをいまの共済制度にそのまま当てはめるということはきわめて困難であろうかと思うわけであります。あるいはまた、その負担を一体現在の組合員がどういう形で負担をするのかというような問題もあるわけでありまして、あくまで現在の共済におきましては、御案内のとおり使用者負担といわゆる職員負担との折半の原則に立っておるわけであります。恩給制度におきましては全然そういうたてまえに立っておらないということの差は事実として残っておるわけであります。これをいま御指摘ございましたように、ある程度それを実態的な意味において一本化するということは、もともと制度の仕組みが違っておりましたものを統合いたしましたものでございますので、お示しのような点によって今後の年金額を算定していくということにつきましては、そういう意味におきまして非常にむずかしいことと申しますか、問題の多いことではないかというふうに存ずるわけであります。
○新村委員 その問題については理論的な問題であるのかあるいは財政的に困難であるのかということですが、前者であるとすれば、これは制度が違っていたにしても、全く同じような条件と職務内容で職務に専念をした、またはさせられたと言うとおかしいのですけれども、してきたわけでありますから、制度が変わったからといってその間に区別をすることが果たしてどうであるかということであります。また、財政的に仮に若干の困難があったにしても、これは自治体なり国なりがその職員に対してその職務を指示をして職務に精励をさしたわけでありますから、これに対する責任はとらざるを得ないのではないかと思うわけでありますが、困難というのはいずれの点であるか、お尋ねをいたします。
○石見政府委員 私はその両者であろうと思っております。 一つは、理論的に考えました場合、現に恩給制度のもとにおいて勤務をされた方であります。したがいまして、恩給制度のもとにおいて勤務をされた期間につきましては、恩給制度によります算定というのがより合理的であり、あるいはまたそれが既得権を守っていくというたてまえにも沿うものであろうと思っております。また、同時に、現在現に恩給を受けておられる方とのバランスという面を考えましても、旧恩給制度のもとにおきます期間は、恩給期間として計算をするのが理論的にもより妥当ではないかという点があろうかと思っております。 と同時に、財源的にも、先ほど申し上げましたように、大きな問題があるということは事実だと思うわけでありまして、私は、これらの両面から、いまのような制度が三十七年にできましたときの経緯等から見ましても、より妥当ではないかというふうに存ずるわけでございます。
○新村委員 その点については完全に了解できませんけれども、先に進めたいと思います。 退職年金について、いわゆる割り落としという措置があるようですけれども、この点についても、やはりこれは受給者に対する不利な処置になっておるわけですが、これを廃止をすることができないかということをお聞きいたします。
○石見政府委員 退職年金の割り落としを廃止したらどうかという御質問であったと思いますが、おっしゃっております御趣旨は、いわゆる通算退職年金の割り落としのことであろうかと存じております。公務員の共済制度におきましては、退職一時金を支給いたします際に、将来の通算退職年金の原資に充てますために一定額を控除するということにされておるわけでございます。その原資の控除額が将来の通算退職年金の支給のために必要といたします額として定めております法定の額に不足をするというような場合には、その方に支給いたします通算退職年金の額は、その不足する額の割合によって割り落としをするということにいたしておるわけでございます。 このように、通算退職年金でございますから、たとえば公務員共済、さらにはそれに引き続いて厚生年金にお入りになるという場合に、この制度がそういう形で動くことに相なろうかと思うわけであります。しかしながら、この通算退職年金の割り落としの率につきましては、通算退職年金に充てるための原資が多いほど還元、言葉を変えますれば、退職一時金の給付事由が発生したときの年齢のいかんによりましては、割り落としの率に格差を生ずるという問題が指摘されてまいったわけであります。その結果、年金受給者の状況によっては不利益が生ずるというような場合がございますので、この点は改善をすべきではないかというふうに私ども考え、ずっと検討してまいったわけでありまして、先生御案内のとおり、この点につきましては昭和四十九年度の法律改正によりまして、この割り落とし率が百分の八十を超えます場合には、百分の八十を限度とするという頭打ちを設けて、そのような格差の是正と申しますか、不利益の救済措置をとったところでございます。 いま申しましたように、通算退職年金にかかわります。従来指摘されておりました問題につきましては、このような上限率を設けますことによって、私どもは、ほぼ解決はできておるというふうに理解をいたすわけでございます。 さらになお御質問にございましたように、この通算退職年金の割り落とし制度を全面的に廃止するということにつきましては、もともと通算退職年金は、御案内のとおり、たとえば共済年金から厚生年金へ引き継いだという場合に適用されるものでありますから、そうなってまいりますと、一体、現行の退職一時金制度というものをどう考えていくのかという問題があるわけであります。これは非常に大きな問題でございまして、公務員をやめられまして一時金をもらわれて、やがてはまた厚生年金等に入られるケースというのが非常に多いわけでありますから、そういうものを考えました場合には、一時金そのもののあり方という基本的な問題がもちろんあろうかと思うわけであります。と同時に、財源率へのはね返りという問題もあるわけでございます。 私どもといたしましては、これらの問題点をどのように理解をし、解決をしていくのかということを踏まえながら、いわゆる国家公務員共済制度を所管しておりますようなその他関係各省庁とも十分協議しながら、今後ともこの問題につきまして、いま申しましたような若干さかのぼった観点からも検討してまいりたいというふうに存じておるところでございます。
○新村委員 その点はひとつ、今後十分御検討いただきたいと思います。 それから、遺族の年金でありますがこれについては現在半額ということですけれども、遺族、特に妻、配偶者の場合ですね。この場合には、本人の在職中も配偶者、妻は一体となって、本人が職務に精励できるような条件をつくる、あるいはいわゆる内助の責めを果たすというようなことでやっているわけでありますから、そういう点からと、それからもう一つは、配偶者の死亡によってこうむる打撃というようなことを考えた場合には、遺族、特に妻に限らず配偶者に対しては、現在の半額を少なくとも八割程度に引き上げる必要があるのではないか。しかもこれは、世代が変わって子供というようなことになると考え方は別ですけれども、配偶者の場合には、一体となって、本人が職務に精励できるような条件というか、そういう仕事を直接ではなく間接に果たしてきたというようなこともあります。そしてまた、これは財政的にもそんなに大きな負担にはならないのではないか。夫婦というのは、大体平均余命というのはそう違わないわけでありますから、少なくとも妻、配偶者の場合には、八割に水準を引き上げるべきではないかと思いますけれども、この点にについてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○石見政府委員 遺族年金につきましては、いまお示しにございましたように、退職年金の五〇%の額ということになっておるわけでございます。この遺族年金につきましては、遺族の方々の置かれております立場というふうなもの、あるいはまた遺族年金の実態等から見まして、五〇%の支給率をさらに引き上げるべきではないかという御意見だと存ずるわけであります。私ども、遺族年金の給付改善につきましては、いまお話にございましたように、その支給率を引き上げていくというのも一つの方法であるとは存じておるわけでございますが、しかしながらこれにつきましては、先ほど来申しておりますように、遺族年金も、恩給あるいは国家公務員共済その他厚生年金等の公的な年金制度と全く軌を一にした取り扱いをいたしておるわけでありまして、ひとり地方公務員共済についてのみ、いわゆる遺族給付の支給率をさらに他の年金を上回って引き上げていくというのは、非常にむずかしい問題もあると存ずるわけであります。 そういう意味におきまして、現在遺族年金の受給者の中でも老齢な方々あるいはまた小さな子供さんを抱えた寡婦というような、いわゆる一般的に稼得能力の弱い立場におられます方々であり、しかもその受給額が少ないというような方に対しましては、緊急な給付改善が必要というふうに考えられますところから、今回このような老齢者あるいは寡婦などにつきましては、特にこの最低保障額を引き上げるように、ただいま御審議をお願いをいたしておるようなところであります。 このような最低保障額の引き上げによります結果、これらの方々に対する遺族年金の最低保障額につきましては、御案内のとおり、昨年新たに創設をしていただきました寡婦加算措置というようなものとあわせて考えました場合、退職年金のおおむね六割程度の水準に達することになるんじゃないかというふうに存ずるわけであります。お示しにございましたように、七割あるいは八割というところには、まだ手が届いておらないわけではございますけれども、今後遺族給付の改善につきましては、各方面からいろいろ御意見もいただいておるところであり、あるいはただいま御指摘もいただいたところであります。その改善につきましては、前段申し上げましたように、恩給あるいは他の厚生年金等の公的年金とのバランスも当然あることでございますので、今後いろいろな審議会の御意見あるいは審議の状況等も十分伺いながら、あるいはまた関係各省庁とも協議をしながら、その遺族年金の実質的な年金価値を引き上げていくという点につきましては、努力をいたしたいというふうに存じておるわけでございます。
○新村委員 それから、これは今回改善される点だと思いますが、日本赤十字社救護員の抑留期間の通算についてですが、施行日に在職していた者に限り適用される、その後の再就職については適用がないということでありますけれども、これでは過去の通算の原則からいって不公平ではないかと思いますけれども、この点お伺いします。
○桑名説明員 ただいまお話のありました日本赤十字社の救護員であった方々の年金通算につきましては、恩給制度の取り扱いにおきまして従来戦地勤務をしていなかった、いわゆる戦地勤務の後の抑留あるいは留用の期間について、恩給公務員期間に通算する道を開かれたわけでございます。それに伴いまして、今回御審議をいただいております共済の施行法におきまして、そういう期間を持っている方々についても、退職年金の受給資格を発生するための資格期間にその期間を算入する道を開くように御提案申し上げているわけでございます。その適用を施行日後の人に限っているという点につきましては、こういう制度の改正等におきましては、従来から制度の改正が行われたとぎに在職している人、あるいはその後、組合員になった人に制度を適用するのをたてまえとしているわけでございまして、過去にやめた方々について、そういう期間を算入することによって新たな年金権を発生するということにつきましては、既裁定着との均衡等もございまして、なかなかむずかしい問題ではなかろうかという感じがいたすわけでございます。
○新村委員 そうしますと、新しい取り扱いによって過去に退職した者でも適用してくる、年金権を発生してくるというような、そういうケースが当然あるわけでありますけれども、これについては一切排除していくというお考えですか。
○桑名説明員 重ねて申し上げますが、今回とりました特例措置につきましては、三十七年の十二月一日、すなわち新しい共済制度が適用されましたときに在職していた更新組合員に限って適用する制度でございまして、したがってこの三十七年十二月一日以後に再就職した人、こういう方々には適用していないわけでございます。と申しますのは、三十七年十二月一日に在職をしていない、その制度施行後に再就職をした方々について、この日本赤十字社の救護員の問題じゃなくてほかの問題も同様でございますが、たとえば前の退職年金条例の適用を受けておった方々で、年金受給資格が二十年にならずに特例年金を受ける方々につきましての年金受給資格の特例に当たりましても、三十七年十二月一日、すなわち新共済制度の施行日に在職していた更新組合員に限っているわけでございまして、その本法施行日に在職していなかった再就職者には適用されない取り扱いにしているとの均衡もございますので、今回もそういう取り扱いをいたしたわけでございます。
○新村委員 釈然といたしませんが、それでいいです。 多額所得停止というのがございますね。これは停止じゃなくて減額ですか。年金は、過去におけるその人の公務員としての実績なり業績なりに対するものと、社会保障的な所得保障という面があると思いますが、そういう社会保障的な考え方からすれば、多額所得の停止あるいは多額所得の減額ということも理論的に成立はすると思います。 参考までにお伺いしたいのですが、地方公務員の退職者のうちで所得段階別の人数、五百万以上一千万まで、あるいは一千万から一千五百万まで、二千万までといったような所得段階別の人数、おわかりでしょうか。
○桑名説明員 所得段階別の年金受給者の数というのは、調べたものがございません。
○新村委員 観点を変えて、資産の運用について若干伺いたいと思います。 特に長期経理の資産運用については、多額の資産があるわけでありますから、その合理的な運用が望まれると思いますけれども、施行規程によりますと、一号、二号、三号と三つに分けて最も有利に運用をするようにという規定があるようであります。各号別の資産の割合とそれから資産の種類別に、できたらひとつお示しをいただきたいと思います。
○石見政府委員 共済組合の長期資金の運用状況でございますが、市町村職員共済を例にとって申し上げますと、市町村共済組合では、昭和五十年度末に報告を受けたところでありますが、これによりますと、一号資産で五二・四%、それから二号資産で三・二%、三号資産は四四・四%という割合に現在なっております。
○新村委員 額はわからないでしょうか。
○石見政府委員 どうも失礼をいたしました。 額につきましては、同じく市町村職員共済で申し上げますれば、一号資産の五二・四%に相当いたします額が三千六百五十六億円であります。二号資産が二百二十億円、三号資産が三千九十九億円ということに相なっております。
○新村委員 この資産の運用でありますが、一号は資金運用部に対する預託あるいは地方団体に対する公債、公営企業に対する融資等だと思いますけれども、特に現在のような状況の中では、ひとつこの共済の御協力によって、地方債に回す部分をできるだけ拡大をしていただけば地方団体は大変助かると思うわけであります。地方債を引き受けるということは、組合の資産の運用にとって、あるいはまたその組合の資産運用の本来の趣旨から言ってどういう位置づけをされているのか、伺いたいと思います。
○石見政府委員 共済組合の長期資産の運用につきましては、御案内のとおり、地方公務員等共済組合法の規定によりまして、事業の目的あるいは資金の性質に応じまして、安全、効率的な方法によって、組合員の福祉の増進または地方公共団体の行政目的の実現に資するようにしなければならないという規定が置かれておるところでございます。と同時に、先ほど申し上げましたように、このような規定の精神にのっとりまして、法律ではその資産運用の割合というものの原則が規定をされておりまして、ただいま申し上げましたように市町村職員共済におきましては、御質問にございました一号資産につきましては約三千六百五十六億円、五二・四%の運用をなされておるところであります。この五二・四%の一号資産の内訳を見ました場合に、地方債が一二・七%、公営企業金融公庫債が二六・二%、その他が一五・三%ということに相なっておりまして、地方債と公庫債を合わせますれば、全資産のうちで約三九%、四割近いものを引き受けておるという状況になっておるわけであります。 それで、私どもといたしましては、この資産の運用につきましては、一方ではやはりこれを地方の行政目的に資するために、地方債あるいは公営企業金融公庫債を多く持ってほしいという希望があります反面、やはり職員の側からいたしますと、二号資産あるいは三号資産に多く回してほしいというような希望もあることも事実であります。いずれにいたしましても、資金総量と申しますか、資金全体に限りがあることでありますから、結局はこの辺は全体の状況を見合いながら、現在運用をしていただくことをそれぞれの地方共済組合にお願いをしているところであります。 ただ、基本的な姿勢といたしましては、私どもはやはり地方公共団体向けの地方債、あるいは公営企業金融公庫債というものをできる限り持っていただく、現在これは四〇%近く持ってもらっておりますが、これの増加ということもひとつ力を入れておりますと同時に、やはり職員住宅、職員が住宅を建設いたします場合に貸し付けますとか、あるいは子弟の結婚費用として借り入れをするという場合の長期資金の借り入れということもこれまたなかなか需要の多いところでございます。私どもは、そういう意味におきまして、この三資産のうちで一号資産あるいは三号資産への振り向けをできるだけ重点的に考え、そしていわゆる不動産取得と申しますか、二号資産は現在の情勢の中で若干遠慮していただくというふうな扱いにしておるところでありまして、ただいま市町村共済組合について御説明申し上げましたように、二号資産はわずか三・二%にとどまっておるという実態に相なっておるわけでございます。
○新村委員 二号資産については現在の状況からすれば、これは資産の運用からいってもマイナスでありますし、現在の状況では論外だと思いますが、一号資産の中で、特にできる限り地方債に回していただくように組合に御協力をお願いする必要があるのではないか。もちろん、三号資産を圧迫をして一号に回すということは無理でありますし、そういうことは申し上げるべきではありませんけれども、一号資産の中でも地方債のほかに、大蔵省あたりでもかなり吸い上げているのではないかと思いますし、有価証券の保有というようなことでありますが、千葉県の組合の決算を見ますと、前年度の平均利回りが六・一九%になっているようです。ところが地方債は七・五でありますから、公社債というか、ほかの方へ資金を回すよりは地方債に回すことによって、決して組合にはマイナスにはならないと思います。 それから、資金運用部の資金へも相当行っていると思うのですが、こういうところから大蔵省は何も資金を吸い上げる必要はないと思いますし、大蔵省に預託をするのであれば、むしろ地方団体に還元をしていただくことの方がより有意義であろうと思います。大蔵省では何か一定の割合を資金運用部に出すようにという指導をなさっておるわけですか、それとも何か一定の額を出すような基準でもあるのかどうか、その点を伺いたいと思います。
○石見政府委員 一号資産の中で資金運用部資金への預託をいたしておりますことは事実でございますが、これは御案内のとおり、義務教育施設の国庫負担分あるいはまたいわゆる地方事務官、国家公務員としての身分を持って国から給与を支払われております者というものにつきまして国に預託をしておるわけでありまして、その限りにおいて行っておるものであります。それ以外はすべて職員の福祉あるいは地方債、公営企業金融公庫債の引き受けその他価証券等によって、安全、確実、有利な運用をしていただいておるという実態でございます。
○新村委員 運用部の利息は幾らでしょうか。
○桑名説明員 七・五%でございます。
○新村委員 次に、この問題については本委員会においても例年審議をされておりまして、前の委員会でもこれに対する附帯決議等がなされておるようでありますが、この附帯決議のうちで、昨年の五十一年五月十三日の決議の中に、第二として「共済組合の給付に要する費用について、公的負担の拡充を図るとともに負担区分のあり方について検討すること。」という項がありますけれども、これについてはその後何らか具体的な検討をなされておるでしょうか。
○石見政府委員 共済組合の長期の給付につきましては、御案内のとおり一五%の公的負担が入っておるわけでありますが、これにつきましては現在、この一五%と申しますのはもちろん国家公務員共済と並んで同じ公的負担をしてもらっておるわけでございますけれども、この率の引き上げにつきまして、御案内のとおり厚生年金では、もっとも若干の基礎は違いますけれども、二〇%の公的負担が入っておるというふうな実態等もあり、あるいはまた私学共済等との関連の問題もございまして、私どもといたしましては、毎年国家公務員共済を所管しておられます関係省とも協議をして、その都度いろいろと検討し、御要望してまいっておるわけでありますが、まだこれを実現するに至っておらないところであります。私どもこの公的負担の充実につきましては、今後ともいま申しましたようにその都度関係省とは十分協議しながら、この引き上げについて努力をなお今後とも続けてまいりたいと存じておるところであります。
○新村委員 次の項に、「長期給付の財政方式については、賦課方式の採用を含めて検討すること。」という決議がありますけれども、この点についての御検討の経過を伺います。
○石見政府委員 現在のいわゆる積立方式を賦課方式、まあいまの財政方式についてはいわゆる賦課方式の採用を含めて検討すべきであるという御指摘をいただいておりますことは、私どもは十分承知をいたしておるところであります。 積立方式は現在わが国のすべての社会保険制度において採用されております財政方式でありまして、社会保険制度の一環として位置づけられております地方公務員共済制度、あるいは国家公務員共済制度のみが独自に賦課方式を直ちに採用するということは、やはり他の社会保険制度全体の中においてどうこれを位置づけていくのか、あるいはこれらの他の社会保険制度とのバランスをどう考えるのかというふうな問題があろうかと思うわけであります。私どもいろいろな角度から検討はいたしておりますけれども、この問題につきましては他の公的年金の諸制度の基本的な検討の中に合わせまして、今後とも検討していかなければならない問題であろうというふうに考えておるところでございます。
○新村委員 六項に「年金額の算定の基礎となる給料を退職時の給料とするよう検討すること。」という決議がございますが、これについてはいかがでしょうか。
○石見政府委員 長期給付の給付額の算定の基準となるべき給料につきましては、御案内のとおり昭和四十九年度の改正によりまして、従来、退職前三年間の給料によるということになっておりましたものを、退職前一年間の給料によるという改正をしていただきまして、退職時の給料というのにきわめて近い形に改めていただいたところであります。 さらにその算定に当たりまして、給料に関します条例あるいは給料に関します法令が改正されまして、給料が改定されました場合におきましては、退職前一年前からその改定が行われたものと仮定して計算した額によって長期給付の額を算定するということになっておりますので、実質的にはほとんど退職時の給料に差異はないと申しますか、きわめて近いものになっておることは事実だと思うわけであります。私どもこの点につきまして、御指摘をいただきました点につきましては、いま申しましたようなことで、最終的には退職時の給料ということには制度上はなっておりませんが、実質的にはほとんどそれとは差がないという状況に相なっておるわけであります。 なお、これを引き続き退職時の給料そのものにするかどうかということにつきましては、これもまた他の年金等とのバランスもあることでございます。私ども今後とも引き続いてこの問題につきましては検討させていただきたいというふうに存じておるわけでございます。
○新村委員 退職を予想して特別昇給するというようなことに対する別途な配慮は必要だと思いますけれども、年金の制度あるいは考え方からして、退職時の給料とすることが当然理論的にも正しいし、原則でなければならないと思うわけでありますので、今後とも特に御検討をいただきたいと思います。 さらにまた、事実上この制度を運用している共済組合の運用等についてでありますが、この決議にもありますし、その運用については特に最も利害関係の深い職員の考え方がこの組合の運用に反映されるような、いわゆる民主的な組合の運用が期待されておるわけでありますけれども、この点についても特に御配慮をいただいて、その運用を御協力あるいは御指導を賜りたいと思うわけであります。 時間でありますので、終わります。
○地崎委員長 次に、小川省吾君。
○小川(省)委員 厚生省においでをいただいておりますので、共済組合法は多分に関連がありますから、厚生省からお尋ねをいたしてまいりたいと思います。 社会保障制度の根幹をなす医療保険制度が、いま非常に危機的な状態になっておるわけであります。この医療保険制度について、共済短期と健康保険との関連がありますので、それに関連をしてお尋ねをいたしたいと思うわけであります。 四十六年の九月十三日ですか、社会保障制度審議会が「医療保険制度の改革について」という答申を出されたわけですね。この答申は実際にはまだ実施に移されておらないわけでありますけれども、厚生省は事あるごとに、昭和五十三年には医療保険制度を抜本的に改正をすると言明をしておるわけですが、この四十六年の社会保障制度審議会の答申とはどういう関係にあるのか、この答申が骨子となって根本的な改正をやろうという御意思なのかどうか、その点についてお伺いをいたします。
○金田政府委員 ただいま先生お尋ねになりました社会保障制度審議会の「医療保険制度の改革について」という答申は確かにございます。なおそのほか、厚生大臣の諮問機関でございます社会保険審議会からも、抜本改正に関する答申が出ております。おおむね同じことでございます。 これを受けまして、厚生省といたしましては、昭和四十八年にかなり大幅な給付の改善その他の健康保険制度の改正を行ったところでございます。御承知のような従来の家族五割給付を七割給付にしたとか、高額療養費制度をつくったとか、あるいは政管健保制度に対しまして大幅な定率国庫補助を導入した、あるいは三千億に上りますかつての累積赤字をたな上げしたとか、そういったことを行ったわけでございます。 しかし、その後の社会、経済情勢の著しい変化、あるいは医療の高度化、人口構造の老齢化等によります医療費の増加等によりまして、現行制度全般にわたって基本的な見直しをする必要が来たのではないかということが言われておるわけでございます。ただいま国会に御提案申し上げております健康保険法の改正は、当面、政管健保制度がかなりの赤字になりましたので、その窮状を何とかしようということでお願いをしておるわけでございますが、別途、私どもといたしましては昭和五十三年度を目途といたしまして、医療保険制度のあり方について本格的な検討をしようといたしております。このことにつきましては、具体的に申し上げますと、厚生大臣の諮問機関でございます社会保険審議会に健康保険問題等懇談会というのがございますが、ここですでに精力的な審議な定例的には月二回行われておりまして、ことしの秋、十月ごろを目途といたしまして基本的な見直しの案をお出しいただきまして、この結果を踏まえまして、私どもといたしましては真に国民の理解と納得の得られるような方向で案をつくって、また国会の方へお願いしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○小川(省)委員 それから、昭和四十四年八月五日に「医療保険制度改革要綱試案」というものが、公表されているのかどうか知らぬけれども、出ているようであります。 この中に、将来の基本構想として、「現行の医療保険制度を再編成し、国民保険制度及び勤労者保険制度のほか、老齢者医療を確保する制度を創設する。」とうたわれているわけでありますが、この方向で再編成をしていくのか、老齢者保険制度を独立をして創設をしていく構想はいまでも変わりないわけですか。
○金田政府委員 かつて、四十四年八月に私どもの方から公表いたしました「医療保険制度改革要綱試案」といいますのは、ただいま先生御指摘になりましたように、現在の健康保険の制度、それから国民健康保険の制度、このほかにもう一つ老人保険というものの構想があったわけでございます。 当時の考え方は、簡単に申し上げますと、老人だけにつきまして別途健康保険、国民健康保険から取り出しまして、財源は国庫負担と国民健康保険、健康保険あるいは共済組合も含めまして各制度から拠出をしてもらいまして、それで運営していこうという考え方でございます。しかしながら、先ほども申し上げましたように、四十八年に一応抜本改正の一部には手をつけたわけでございますが、なおその後の経済情勢の変動、特に医療保険制度全般につきまして、医療費が伸びるにもかかわらず、オイルショック以後、所得、すなわち保険料の方の伸びがなかなか十分ではございませんので、今後どうあるべきかということ、それともう一つ、私どもが一番大きな問題としておりますのが、ただいま先生御指摘になりました、この試案の中にありますような老人をどうするかということ、特に国民健康保険につきましては、七十歳以上の老人が約七%でございますが、それに対して七十歳以上の人の医療費は総医療費の約二五%ということでございますので、こういったことをどうして今後保険制度の中で賄っていくかということで、ただいま私が申し上げました社会保険審議会の検討以外に、厚生省では老人医療問題の懇談会というものも大臣の私的諮問機関としましてすでに発足しておるわけでございますが、私どもの社会保険審議会と両者相まって、恐らくことしの秋ごろまでにはその結論が出るのではないかと思います。したがいまして、主として老人問題をどうするかということが今後の大きな問題であろうかと思います。
○小川(省)委員 いまあなたも言われたように、老人医療保険制度というのが現在各種保険制度の最大の重荷になっているわけですよね。厚生省は老人医療の無料化を政策として出してきたけれども、実際にはみんな各種保険制度におぶさっているわけでしょう。ですから、そういう意味で老人保険制度の独立をした創設が何としても必要なんで、ぜひひとつ抜本的な対策を講じてもらいたい、これは要望しておきます。 一、二伺いたいのですが、勤労者保険制度として、退職者の医療を確保するため、過去十五年間被保険者であって、五十五歳以上でその資格を失ったりした場合、七十歳に達するまでの間に、引き続き――これは恐らく老人医療制度に移行するまでの間という意味なんでしょうが、引き続き継続被保険者となることができるというふうにその要綱試案には書いてあるわけですが、今日もこういうような構想で改革に取り組んでいかれるおつもりですか。
○金田政府委員 ただいま先生御指摘の退職者医療制度につきましては、厚生省といたしましても、初めて法案として国会にお願い申し上げましたのは昭和四十六年でございますが、その際、ただいま先生がおっしゃいましたものに近いものを国会へお願い申し上げたわけでございますが、諸般の情勢もございまして残念ながら成立するには至らなかったわけでございます。 その後におきましても、老人問題と関連いたしまして退職者の医療をどうするかということが大きな問題になっておりますが、先ほど申し上げました社会保険審議会の健保問題等懇談会におきましても、これは一つの大きな問題点として、ことしの秋までに結論が出るものと思います。
○小川(省)委員 ぜひひとつそういう形で退職者保険を拡充をしてもらいたいと思うのですね。そうでないと、特に各種保険、国民健保はまさにこれで破産をしかねない状態ですから、こういう点では特にお願いをしておきたいと思います。 それから、被用者保険制度の改革要綱試案の中にある、五人未満の事業所の従業員も、五年程度かけて強制適用をして、社会保険庁が一元的に管理をするという構想がうたわれているわけですな、そういう考え方はいまでもそのような構想ですか。
○金田政府委員 五人未満事業所の従業員に対する適用につきましては、ここ二、三年前から、私どもの方ではございませんで、実施機関である社会保険庁の方で取り組むべく努力いたしまして、ある程度の成果は上がっているはずでございますが、ただいま残念ながら手元に資料がございませんので詳細は申し上げられませんが、逐次取り組んでいるという状況でございます。
○小川(省)委員 以下、医療保障について素朴な質問を若干いたしたいと思いますので、お答えをいただきたいと思うのです。 いま、国民医療は荒廃の極に達しておるというふうに言われています。国民皆保険といっても、医療供給体制は野放しの状態にありますし、焦眉の急である救急医療体制さえも整備をされてはおらぬわけですね。医療の質が低下の一途をたどっているというふうに言われています。これはいわゆる金もうけ主義の医療制度に原因があって、医療費の使い方にむだがあって不合理がある、医療費がわれわれの健康を守るために本当に生きて使われていないという原因は、やはり現物給付、出来高払い制に問題がある、医療が営利主義に陥っているところにあるというふうな指摘があります。こういう指摘は正しいですか。
○金田政府委員 現物給付、出来高払いが必ず悪いとかいいとかいうことは、これはちょっとにわかには断定できないと思いますが、現在の出来高払い制度は、すでに戦前、昭和十八年から行われているものでございまして、長所も非常に多いわけでございます。ほかの国で、たとえば団体請負方式とか人頭登録方式等もございますけれども、現在のところやはり現物給付、出来高払い制度がわが国の実態には一番適合しているのではないかと思います。
○小川(省)委員 そういう指摘が一部にあるということはお認めになりますか。
○金田政府委員 先生おっしゃったような御意見もあることは、私どもも承知いたしております。
○小川(省)委員 医療というのは本来公共的なものであるはずであります。しかし、医療の供給側がほとんど、何といいますか、営利的な経営に陥っていますから、自由開業医療制度に依存をしている、国の施策は無に等しいというふうに言われています。だから、公的な医療機関である公立病院でさえも、いわば金もうけのためにかせぎまくらなければならぬということで独立採算制もとっているというふうな指摘があるわけでありますが、この指摘についてはどうお考えになりますか。
○金田政府委員 順序が逆になって恐縮でございますが、公的医療機関の場合には別に、特に金もうけというようなことは通例考えられないと思います。と申しますのは、公的医療機関におきましては、従業員に対する給与をどうするか、現行の診療報酬体系、現在の医療費の中でどうするかということが大きな問題でございまして、そういった経営にいつも努力しておられることについては十分承知いたしておりますが、決してそういう傾向はないと思います。 また、一部に、金もうけ主義の医療費ではないかということを言われる御意見があることは承知しておりますけれども、私どもとしましては、大多数の医療機関の方々は決してそういう意識はないというふうに思っておるわけでございます。
○小川(省)委員 あなた、若干認識不足じゃないのですか。大体、公的医療機関だって差額ベッドをやったりしていわゆる金もうけ主義に走っているのが現状の姿ですよ。本来そういうものが是正をされなければならぬわけでしょう。そういう点があるのでわざわざ私は申し上げたわけですから、そういう点はよく承知をしておいてください。 それから、日本の保険診療は医療ではなく薬療だというふうな説があるわけですね。それで保険医療の中にある薬代は五〇%にもなるのじゃないかというふうに日われているわけですが、日本人の一面薬好きというふうな点もあるでしょうけれども、医療の仕組みが診断料や技術料になくて、いわば注射を打ったりあるいは投薬をする、そうすれば保険診療の請求をできるというような、いわば名医ですぐ治してしまう人は金にはならぬけれども、いろいろ注射も打ってみる、薬も使う、いろいろ診断をすれば金が入るというふうになっているところに問題があるという指摘が特にあるわけですね。その辺はいかがですか。
○金田政府委員 わが国の医療費に占めます薬剤の割合は、昭和五十年、一番新しい数値で申しますと三七・八%でございます。私どもといたしましても、薬剤の多用化傾向にあるということは確かに御指摘のとおりでございますが、そのウエートも現在のところだんだん減っている状況でございます。ただ、従来から、診療報酬につきましては、私どもといたしましては、国民の経済力を勘案しつつ、賃金、物価の変動に対応させるとともに、医学の進歩に即応した技術料を評価すべきものだと考えております。 したがいまして、ただいま先生のおっしゃいました薬との関係でございますが、薬によってもうけるような傾向があってはいけないと考えまして、毎年一回、すでに薬価調査というものが定例的に行われることになっております。この調査の結果、実際に売られております薬と保険の薬価基準との間に差がございました場合には、これは薬価を下げるということを毎年行っているわけでございまして、ただし、その分は潜在技術料として技術の方へ振り向けるということをやっておりますので、ただいま先生おっしゃいましたような傾向に来ていることは事実でございます。
○小川(省)委員 要するに、いわゆる出来高払い制を、そういういわゆる経験や技術、そういうようなものを中心にしたものに改めていこうという方向に変えつつあるわけですか。
○金田政府委員 出来高払いというこの制度と薬とが直ちに直結する、そういう意味で申し上げているわけではございませんで、薬の多用化傾向とか、そういったことは必ずしも好ましいことではございませんので、正しい医師の技術料の評価へ振り向けるべきであるというように、すでに昭和四十七年に中央社会保険医療協議会で各側の申し合わせもできまして、現在、技術料の方へ逐次振り向けられておるということをただいま申し上げたわけでございます。
○小川(省)委員 私は、出来高払い制という医療費支払い制度に問題があるからそういう状態が出てきてしまう、そういう指摘を受けるのだということを言っているわけですけれども、そうすると、医療費の支払い制度、出来高払い制というのは変えないでそういうふうにやっていくということですか、支払い制度そのものについても検討を進めていくということですか。
○金田政府委員 支払い制度そのものについて検討しているということでございませんで、この現物給付、出来高払いの中における是正すべき部分については是正をしているということを申し上げたわけでございます。 なお、出来高払いといいますのは、たとえば、保険でなくても、自由診療の場合でございましても、診療いたしまして、丸めて五千円とか三千円とかいって内訳もなしにもらうということはできませんから、現在の出来高払いの払い方の点数の決め方の問題ではないかというように考えているわけでございます。
○小川(省)委員 ぜひひとつ、医療費支払い制度そのものについても検討を要望しておきます。 それから、中医協の話がいま出ましたけれども、私は中医協をやはり改組すべきではないかというふうに思っているんですが、現在、いわゆる被保険者といいますか、それと医師の代表、公益と、八人、八人、四人になっていますね。私は、公益の代表がむしろ十六人ぐらい、医師と被保険者、組合員を代表する者と同数ぐらいにしていかないと、どうしても医師会の横暴に巻き込まれてしまう、こういうふうに思うんですよ。そういう点で、八、八、四を改組する、しかも医師の八の中は病院の医者が半分、開業医が半分というふうに改めていかなければ、なかなか医療費問題というのは正常にならない、こう思うんですが、その委員の出し方の問題について検討がされたことがありますか。また、検討してくれますか。
○金田政府委員 実は、経緯を申し上げますと非常に長くなるわけでございますけれども、中医協では昭和三十六年に委員の改組が行われまして、現在のように二十名の三者構成になっているわけでございます。 それで、この公益委員を増員したらどうかという御指摘でございますが、ただいま申し上げました昭和三十六年の改組の際におきましても、公益委員は、四名の方ではございますけれども、従来と異なりまして国会承認人事ということになりまして、国会で承認を受けるということで、従来に比べて一層公益委員のウエートが高まったわけでございます。そういうことで、現在では私ども、三十六年以来の中医協の審議の状況も拝見いたしておりますと、十分その機能を果たし、診療報酬の面から医療保険に貢献したものと考えております。現段階で特に改組するということは考えておりません。
○小川(省)委員 ぜひひとつ、私は改組を含めて考えてもらいたい。厚生省なんというのは日本医師会の出店じゃないかというふうに言われているんです。あなた方は。そういう点も考えて、何も医師会の武見会長をのさばらしておくことはないんだから、そういう点で改めて中医協についても手を加えていっていただかなければ、本当に国民の医療を確保できる医療制度というのは確立をできませんから、ぜひひとつ検討を加えてもらいたいと思っています。 それから、これはあなたのところの筋違いの問題だと思うんですが、医師の税制が七二%が必要経費で控除をされていますね。この税制についてあなた自身、厚生省と言わぬ、あなた自身どうお考えですか。
○金田政府委員 厚生省の中でも各局いろいろ分担が分かれておりまして、この問題は実は私どもではございませんで医務局の所管ではございますが、この医師の税制の問題につきましては、私自身と言われましても、まあ私どもとしての考えといたしましては、最終的には大蔵省でいろいろ決められる問題でございますが、この問題は、先生もよく御承知のように、かつて超党派的な議員提案によります特別措置であったというような長い間の経緯、背景もあるわけでございます。 なおまた、ただいまこの点につきましては、確かに大きな問題でございますので、厚生省に医療専門家会議というものが設けられまして、ここで専門家の方々が集まってちょうどだだいま審議されている時期でございます。私どもとしましては、その検討の結果に大いに期待しているという状況でございます。 経緯だけ申し上げておきたいと思います。
○小川(省)委員 それは経過もあるけれども、つくったときは超党派かもしらぬけれども、現在では不合理税制の最たるものだというふうに言われておるわけでありますから、あなたも厚生省の一員ですから、局が違うなんて言わないで、こういう不合理な状態がいつまでも続くような状態をなくすようにぜひ努力をしてもらいたい、このことを要望しておきます。 次に厚生省の年金局になりますか、お伺いをいたしたいと思うのです。 厚生省は基礎年金構想を出すなど、各種年金を統合的に改善をしようという構想を持っておったわけですね。将来の方向としてどう年金を統合するなり改善を考えているのか。各種年金制度の格差の問題や、そういうものを含めてどう統合し、年金を改め、向上させていくかということについて、どういう構想をお持ちか、まずお尋ねをいたします。
○高峯説明員 わが国の公的年金制度を将来どのように持っていくかにつきましては、制度が八つに分かれておりまして、それからわが国の人口構造の老齢化、こういったむずかしい問題がございますので、現在、ちょうど昨年の五月でございましたか、厚生大臣の私的な諮問機関といたしまして、年金制度基本構想懇談会というのを発足させまして、それから約一年間にわたりまして、この基本構想について御検討をいただいている段階でございます。その結論につきましては、ことしの秋ごろまでには何らかの方向づけを出していただくようにお願いしておる、こういうことで、その結論を踏まえまして、将来の年金制度の構想を立てていきたいと考えておる次第でございます。
○小川(省)委員 私は、年金制度というのはすぐれた社会政策の一つであるし、むしろ資本主義よりも社会主義の色彩が強いというか、なじむものだというふうに実は思っておるわけであります。ですから、年金制度間の格差も引っ張って追いつくということではなくて、追いつき追い越せという、いわゆる社会主義の競争の論理をやっていかなければならぬものだというふうに思っておるわけであります。制度間の格差をなくすようにして統合していくべきだと思いますけれども、私のこういう追いつけ追い越せという考え方、この考え方についてあなたはどう思いますか。
○高峯説明員 年金制度は将来に非常に大きな影響を及ぼすものでございますので、わが国の人口なり老齢化の将来動向を踏まえまして、制度間の格差の是正を考えるということで、いま、先ほど御説明いたしました基本構想懇談会でもまさにその点を御検討いただいておるわけでございまして、その結論を踏まえてと考えております。
○小川(省)委員 ついせんだっての社会労働委員会で問題になった官民格差論について言及をしたいと思うのであります。 本来、制度発足の歴史からいって格差があるのは事実だというふうに私も実は思っておるわけであります。その格差は格差として客観的に明らかにしていって、そして、おくれた年金制度である厚生年金制度がそれに追いついていくように改善をするのが正しい改善の方法だというふうに私は思っておるわけであります。しかし、どうも、あの社労委で交わされた論議に用いられた数字や指数をよくながめてみますと、うのみにできない、信じ切れない要素がある、そういう感じを実は持っておるわけであります。それで、まず資料を請求いたしたいと思うのです。 あの比較論に用いられた新規裁定分の厚生年金、昭和五十年度の平均額六十七万八千三百三円及び昭和五十一年度の平均額八十七万二千四百六十三円について、次のような資料を要求したいと思いますが、出してもらえますね。 まず第一、平均在職年月日は何年何カ月になっておるのか。 第二、平均標準報酬月額は幾らなのか。 第三点、在職老齢年金を除いた場合の額は幾らなのか。 四番目、二十年未満の者の年金を除いた額は幾らなのか。 第五番目といたしまして、人事院が官民格差を比較する場合に用いるところの企業規模百人以上、事業所規模五十人以上に勤務をして退職した者の年金の平均は幾らなのか。 第六番目に、厚生省、あなたの省に勤務をしている私立大学を卒業した課長、あるいは高等学校を卒業した係長、あるいは行政職(二)表が使われていると思いますが、運転手さん等で昭和五十年に勤続三十年で退職をした者の年金額と厚生年金の比較をした場合にどうなっているか。以上の資料を要求をしますが、出していただけますか。
○高峯説明員 非常に詳細な資料でございますので、すべてをどうかということはにわかにお答えできませんが、できるだけ調べましてお答えいたしたいと思います。
○小川(省)委員 私が資料を要求したのは、この間社労委で論議をされたような結論にいまのような資料を出していただくと決してならぬということが一目瞭然ですから資料を要求したわけであります。 そして国家公務員もそうだろうと思うのでありますが、共済組合法では退職をすると年金を計算して、厚生年金に加入をしていたと仮定をして計算をした場合と比較をして、よりいい方、より高い方をとっているわけですね。御存じですか。
○高峯説明員 承知いたしております。
○小川(省)委員 行政職(二)表適用者、現業労働者ですね、実はこういう現業労働者は、実際に共済組合法に基づいて計算をした年金額よりも厚生年金法で決定をした額の方がいいので、厚生年金で算定をした額を用いられているケースがかなり多いということを御承知ですか。
○高峯説明員 正確な数字は私ども存じませんが、そういったケースがあるということは存じております。
○小川(省)委員 社労委の中の比較の問題点を指摘いたしますと、まず在職期間の比較の問題ですね。三十年と二十一、二年というふうな在職期間の問題があります。それから給料年額の差異がございます。それから一部支給制度の差異があります。大企業等には企業年金等がありますが、そういうものは含まれていない、こういう一部支給制度の差異があります。それから企業の規模や事業所規模の差異がございます。それからいま申し上げた民間企業における企業独自年金、これの有無によってかなり変わってくるわけであります。ですから、そういう要素を加味して比較をしてみなければ本当の比較というのは、マスコミにアピールをしますけれどもできないわけであります。そういうふうな事実をあなたはあの委員会の審議を通じてお感じになりましたか。
○高峯説明員 厚生年金制度と共済組合制度は制度の性格が非常に異なっておりまして、また仕組みも異なっておりますので、それについて正確な比較を試みることは非常にむずかしいわけでございまして、比較につきましてはいまおっしゃったようないろいろな問題点があろうかと思います。
○小川(省)委員 私は、正確に比較をしても、共済年金受給者の方が現在の場合恩給期間を持っているケースが非常に多いわけでありますから、在職年数や制度の歴史から言って、共済年金の方が現在の時点では有利であるということを否定するものではないわけです。私自身は年金を何も持っていないのですが、そういう考え方を持っております。 そこで、特にそういう点では格差が年々解消されてきていますが、まだ共済年金の方がいいわけであります。厚生年金制度もおいおい整備改善をされているのがあの比較論の中でも出ているわけであります。少なくとも厚生年金制度というものをおいおい改正をして、他の年金、たとえば共済年金制度のような水準まで引き上げようという意思がおありですか。どうですか。
○高峯説明員 わが国の厚生年金の水準は国際的に見て大体遜色のない水準に五十一年度の改正で達しておりますので、今後はわが国の中におきます横並びの問題が一つの問題点となっております。それをどのような形で解消していくか。この問題につきましては何度も申し上げますけれども、基本構想懇談会というのがございますので、そこで専門家の先生方の御意見を徴して、それに従って改善しようと考えております。
○小川(省)委員 厚生省は、一昨年大蔵に対する予算要求で、遺族年金七〇%を要求したという経過を持っているわけですよね、けられましたけれども。本年は財政事情を考慮してか要求をしなかったわけだけれども、遺族年金を現状の五〇%から引き上げて、少なくとも七〇%までにはしたいと大蔵省に対して予算要求したのですから、これは厚生省の本音ですか。
○高峯説明員 現在の厚生年金、遺族年金の給付水準が老齢年金の額の五割という基準に達しておりますが、これが十分ではないのではないかということは考えております。それに対しまして寡婦加算という加算制度を昨年設けまして、それによって実質的にカバーするということをやっておるわけでございます。その給付率を、五割を七割に上げるとかそういった問題につきましては、年金制度全体の問題とも絡みがございますので、これも今後十分に検討した上で臨みたいと思います。
○小川(省)委員 あなたはうまい答弁してはいけないですよ。厚生省が一昨年は大蔵省に対して正式に予算要求で七〇%の要求をしたのですよ。寡婦加算はついたけれども、これはそんなに大したパーセントになっているものじゃないのですよ。そういう意味では要求した時点で、少なくとも七〇%にしていきたいという要求をしたのだから、そういう気持ちを持ったはずなんですから、そういうように寡婦加算はともかくとして、寡婦加算の充実もあるだろうけれども、少なくとも七〇%の線ぐらいまでには持っていきたいというのが厚生省の本音であろう。少なくとも、たてまえで予算要求をする省はないと思うので、そういうのは厚生省の本音なんでしょうと伺ったわけなんですが、いかがですか。
○高峯説明員 改善をしたいということで、いろいろ政府部内で調整がございまして、その結果寡婦加算という形で実質的な改善を図るというふうになったわけでございまして、基本的に給付率をいじる問題になりますと、これは制度の基本にかかわるという問題で、何度も申し上げますけれども、現在ちょうど基本構想懇談会で御検討いただいておりますので、そこで結論が出るまでは、そういった給付率までいじるということは避けていきたい、こういうことでございます。
○小川(省)委員 一昨年は七〇%を要求しなかったのですか、したのですか。
○高峯説明員 予算編成の過程でそういった意見の交換があったということでございまして、最終的に政府の予算として出しましたのは寡婦加算という形でございます。
○小川(省)委員 その場合、要求したけれどもそれは寡婦加算制度にかわってきたわけだけれども、それじゃ要求したのは本音ではなくたてまえですか。予算要求というのは、厚生省はそういうぐあいにたてまえでやるのですか。
○高峯説明員 予算の編成といいますのは厚生省だけで決めるわけではございませんで、いろいろな意見を総合して決められたというふうに承知しております。
○小川(省)委員 そうじゃない。予算は要求するのは厚生省、受けたというのは大蔵省でしょう。だから厚生省が要求をしたのだから、厚生省は五〇%の遺族年金というのはいかにもまずいということで、それで思案をしたあげくに数字が出たわけだ。七〇%という数字を大蔵にかけ合ったでしょう。そういうことを知らないわけじゃないでしょう。知っているでしょう。だから、それは少なくとも本音でなければならぬというふうに私は思っているわけだから、五〇%の遺族年金というのはいかにもまずいんだということは厚生省としては、現在懇談会でどう審議をしているか知らぬけれども、引き上げなければいかぬというふうに思っているのは事実なんですねというふうに聞いているのだ。それを答えていただきたい。
○高峯説明員 改善をする必要があるというふうに考えておるのは、おっしゃるとおりでございます。
○小川(省)委員 一般的に厚生年金の平均年金額という場合に、厚生年金基金加入期間を有する者については、厚生年金代行相当額を含んだ金額にすることが妥当だというふうに思っているわけですけれども、特に現段階では、基金の加入期間が全体的に短いために、厚生年金の平均年金額への影響は少ないけれども、将来基金の加入期間が長くなった場合には同様の取り扱いとするのはちょっと問題だと思うわけでありますが、厚生年金基金が支給する給付のうち、いわゆる代行分のプラスアルファの性格というのは何なのですか。また、プラスアルファ分は給付総額の平均何%ぐらいになっておって、年金額にすると幾らくらいになるわけですか。
○高峯説明員 厚生年金基金につきましてはちょっといま手元に数字がございませんので、また先ほど御要求がありました資料にあわせまして、資料として御提出いたしたいと思います。
○小川(省)委員 資料はないけれども、プラスアルファの性格は何ですか。
○高峯説明員 プラスアルファ分の性格につきましては、これは企業年金としての性格でございます。
○小川(省)委員 そうですよね。年金局の主務課長さんですから、数字をお尋ねしたわけじゃないのですから、数字の点は別として、そういう点は答えていただかぬと困るわけです。結構です。 恩給局においでをいただいておりますので、恩給局にお尋ねをいたします。 一つは、年金受給者の間に退職年次別に非常に格差がございます。こういう点が年金受給者、恩給受給者の非常な不満になっておるわけでありますが、この格差もかつて是正をしたことがありますね。特にこの格差は、四十九年ですか、あの大きなベースアップのときにさらに退職年次別の格差が拡大をしておるわけですけれども、特に恩給受給者の格差の是正が共済年金の格差の是正にストレートにつながってまいるわけですから恩給局にお尋ねをするわけですが、この格差をどう是正をしていくおつもりですか。
○手塚説明員 先生御指摘のとおり、確かにわれわれ何度か調査をいたして、いまの問題、同じ恩給受給者でも古い方と比較的新しい方を比べますと確かに古い方の方が低いという問題がございまして、過去にもこれについて大きな給与改正があり、この給与制度の改正がどうも最終俸給に影響していると思われる点については、不均衡是正と称して何度か是正をしてまいったわけでございます。ただ、それでもやはり全般的に見てまだ古い方と比較的新しい方の間に差があるということで、実は四十八年には七十歳以上になりますと全員四号俸アップするという方法をとったわけでございます。 実は今回、先ごろ成立いたしましたことしの改正法でさらに進めまして、これは恩給内部のバランスといったものを考えまして、その中で多少の是正を行おうということで、二十二年六月三十日以前の方について二号俸、ただしそのうちでも退職後三十五年を経過している方にはさらにもう一号積み上げる、それから三十二年三月三十一日までの方には一号俸というふうな是正を行って、今回若干の是正を試みたわけでございます。はっきり申しますと、今度の改正のときも内容的には一番むずかしい問題であったわけでございます。したがって、われわれとして考えておりますのは、これで完全是正ができたというふうには考えておりません。ただ、今回の改正がむずかしかったというのは、それをどういうふうに把握していくのか、その差がどこからきているのかという分析が、実を申しますととても十分にはできない。それを退職者に反映させていい部分とそうでない部分もありましょうし、またさせていいんじゃないかと思っても計数的に把握できないというような要素がございましてなかなかむずかしい。とりあえずの措置としてやったわけでございまして、これについては今後とも研究をさらに進めて、将来必要な改善は行っていきたいというふうに考えております。
○小川(省)委員 これは受給者の間の強い不満ですから、退職年次別の支給格差はぜひ是正をする方向で取り組んでもらいたいと思っております。 それから、いま厚生省との間のあれを聞いたでしょうが、扶助料が五〇%ですよね。恩給局は予算要求をしたということも聞いたことがないし、扶助料五〇%でいいと思っているのか、あるいは扶助料五〇%なんというのは、現在のように核家族化の時代では子供は離れていくのですから、当然七〇%なり八〇%に引き上げなければならぬけれども、恩給局は一体どう考えていて、予算折衝等に持ち出したことがあるのかどうかまずお尋ねしたいと思います。
○手塚説明員 この問題は私ども毎年遺族といったもの、特に妻については改善の際に関心を持ち、注意を払って行っておる点でございます。予算要求でどうだったという話になりますと、実は一昨年要求いたしました際に、うちの方はそういった扶助料の水準を改善したい、しかし具体的な方策については他制度との絡みもあるので、これは異例のことですが、具体的な方法をつけないまま丸めた金額で三百十億でしたか、そういった要求をいたしました。ただはっきり申しまして腹の内では五割というんじゃなくて、あるいはそれは率を変えていくかということを考えてきたことも確かです。 ただ財政当局との折衝ないし話し合い、あるいは他の省庁のお考えなども聞いて検討してまいるうちに、これは技術的な問題かもしれませんが、いまの恩給受給者の実態から見て果たして率でやるのがよろしいかどうか、その疑問にぶち当たったわけでございます。やはり恩給の中でも上の方は高過ぎて下の方は低いじゃないかという問題もございます。そのために最低保障という、本来なら恩給になじまないと思われるものまで持ち込んでいるわけです。 そういう意味で扶助料については、現職より退職者の方がより平準化してもよろしいと思われるわけですが、遺族になればもっと平準化してもよろしいではないかという考えもあるわけです。高い給料をもらった人の奥さんが常に高い扶助料、低い人の場合には低くてもしようがないということでは必ずしもないんじゃないか。じゃそれに対して何か方法があり得るかと考えましたら、一昨年たまたま増額についても従来の一律アップをやめまして、結果として率と定額をもって増額する、それでいわゆる上薄下厚を実現したわけですが、それと同じ発想でいきますと、扶助料を改善する場合にも率でいくよりは定額でやれば上薄下厚といいますか、一種の平準化が図られる、したがって、下の人により厚くという意味では率よりは定額でやった方がいい、そういうことを考えまして、一昨年、額の多寡の問題は確かに問題が残りておりますけれども、方法としてはそういう考えに最終的に落ちつきまして寡婦加算という制度になったわけでございます。 ことしは、実はそれについて直接の方法はまたちょっととれませんでしたので、ことしはさらに低い人を救うということで、最低保障について扶助料の場合従来基本額の二分の一を原則にしておりましたものを、一部の方、高齢者の方とかあるいは子供を持っておる妻の方につきましては、最低保障の額を普通恩給の二分の一ではなくて、それより若干高い額という改善を行った、こういうことでいろいろ手段を考えつつ、一番適切な層により早く改善がいくように考えて行っておるわけであります。
○小川(省)委員 今回の加算を見ても努力をしておられることはわかるのですが、本当に九牛の一毛ですよ。寡婦加算も実際には焼け石に水、こういうことですから、厚生省もああいうふうに言われるわけですから、五〇%ではいかにもまずい、何としても引き上げるようにしたいということで言っておるわけですから、これは各種制度がそういう方向で全部努力をしていかぬとまずい。特に共済年金の場合には恩給法が本当のすぐ近い号俸でありますから、そういう意味で恩給局の方で真剣に取り組んでいただかぬと容易じゃないわけですから、ぜひさらに特段の努力をすることを要望して終わります。 それから大蔵省においでを願っておりますので、若干お尋ねをしたいと思うのです。 三月三十日に大蔵省の高鳥政務次官と総評の共済対策委員会との間で話し合いを持って、三項目の点について確認をしたいというふうに私どもは聞いておるわけです。恐らく共済課長さんは陪席をされたんだろうというふうに思っておりますが、どうも三項目というのは短い確認のようです。ちょっ私がその要旨を読み上げますから、そのとおりかどうかまず御確認をいただきたいのですが、短期財源のあり方については、五十三年度医療保険制度の抜本対策にあわせて検討することは当然であるが、共済独自の問題解決に向けて、大蔵省と総評共済対策委員会とは今後相互間の意思疎通を強化をして対処をしていくものとする。 二番目としては、掛金率がある一定の段階に到達をした場合には、そのケースにより考慮をする。 三番目として、各共済組合の事業運営についてはさらに健全化に努め、その努力の実績が認められれば実施をするというような三項目のようですが、これに間違いございませんか。
○山崎説明員 先生御指摘のその問題につきましては、三月三十日におきまして総評からそういうことの御要望があったことは事実でございます。しかしながら、これをもって確認し合ったということではございません。いま先生読み上げました三点につきまして、私ども今後検討してまいりたいというふうに答えているわけでございます。
○小川(省)委員 話し合いというのは非常にむずかしいのですよね。いまあなたは、要望があったと言うが、要望があってただ聞いておいただけではなくて、ある程度了解を与えたような話し合いの、なごやかな雰囲気で話し合いがついたというふうに聞いていますが、そういうことですか。
○山崎説明員 実は第一項目につきましても従来から総評その他、やはり共済組合制度でございますので、いろいろ組合員の方々の御意見を十分聞かなければならないということで努力してまいったわけでございますし、さらに五十三年度に向かいましてもいろいろと共済の短期問題につきましては問題が相当山積していることも事実でございます。これは医療保険全体の問題としてとらえなければならない問題があるわけでございまして、私ども話し合いということについては従来からも十分に努力していたわけでございますので、単に検討すると言っても、実は現在まで十分努力してきたつもりでございますので、そういう話し合いといいますか、なごやかな雰囲気であることも事実だったと思います。
○小川(省)委員 実は総評の側ではあなた、山崎課長さんの御努力を多分に感謝をし、評価をしているのですよ。そういうことで高鳥政務次官とお会いをして話し合いができたということで、多分に実はこの会談については評価をしておりますので、そういうあなたに対する評価が高いので、私もそういう評価をあなたにしながらお聞きをしたいと思っているのですがね。 若干聞きますが、この話し合いであるいは具体的に実を結んだものが何かあるのですか。要するに、全林野の五十を超えるものについてのあれが実を結んだというのが具体的な話し合いであったというふうに理解をしてよろしいのですか。
○山崎説明員 その点につきましては、三月三十日にこの話し合いがついたわけでございますけれども、実は林野の臨時補助金につきましては従来から総評その他関係者とのいろいろな実情、私ども林野庁の共済組合におきましてもいろいろと話し合いをやってきたわけでございますけれども、実は補助金を結果として予算に盛り込んだわけでございますけれども、その点についてはいろいろと林野庁の特殊事情がございます。それと、補助金をつける際におきましては、やはりいろいろと共済組合内部の検討を待たなければならない。それは一つには、国家公務員共済組合の場合でいきますと、組合が二十五の組合に分かれているわけでございますが、事業主としては国ということでございまして、そういった点から考えまして、二十五の組合の掛金率が相当まちまち、格差があるということでございますので、これをどうするかというような問題も含めまして検討しなければならない段階に来ているわけでございますけれども、なかなか財源調整とかあるいは組合の再編成とかそういったことが、検討が本年度については時間的に余裕がございませんでした。したがいまして、林野庁につきましては非常に特殊なケース、たとえば被扶養者が非常に多いとかあるいは勤務体系が僻地であるとか、いろいろな点で他の組合にはない特殊な事情がございますので、今回臨時的に補助金をつけてまいったわけでございまして、その話し合い、三十日の話し合いでまとまったというものではございません。
○小川(省)委員 掛金率が一定の段階に到達をした場合には考慮をするということが、その会議ではないけれども、長い間の話し合いなんでしょうけれども、財源率千分の百、掛金率五十というふうに、林野に対してとったわけですから、そういうことで大蔵省は考えているというふうに一応いまのままで理解をしてよろしいわけですね。
○山崎説明員 この点につきましては将来の方向かと思うわけでございますが、五十三年度以降につきましては、いろいろと医療保険制度の抜本的見直しということを政府部内でも十分検討している段階でございまして、したがいまして、五十三年度以降こういった形になるかどうかというものは、制度問題を十分検討しなければならないと同時に、私ども共済組合、先ほどちょっと触れましたけれども、二十五組合の組合の同じ事業主が国でありながら掛金に格差があるということからそういう格差是正といいましょうか、財源の調整等も十分に考えた上で対処していきたいというふうに考えております。
○小川(省)委員 大蔵省、結構です。 そこで自治省に伺いたいわけですが、いまの第二項に関連をするわけです。そこでお尋ねをしたいわけですが、私は大臣の所信表明のときにもお伺いをいたしました。健康保険の千分の四十の上限に相当するのがいわゆる千分の五十であるという説があります。いま大蔵もそういう説をとっているようですね。自治省はこの前私が質問したときに、千分の四十九・五とかいうおかしな資料、余り信用できない資料をくれました。それでああいう場合は考えられないのですがね。 そこで、いま資料を実はお配りをしたわけです。これは実は市町村の共済組合というか、市町村職員の場合の例をとったわけであります。私は千分の四十は四十五であるというふうにこの前も主張をしたわけですが、この資料を見ていただきたいのですが、千分の四十五というのが市町村共済の場合には歴然と出ておるわけですね。この前参考人も言いました。私はこの資料を見ていただいて、この資料がどこか誤っているかという、誤っていれば誤りを指摘をしてください。いかがですか。
○石見政府委員 ただいま御指摘がございましたように、地方公務員の共済組合につきましては、とりわけ短期給付の財政事情が最近とみに悪化をしてきておりまして、各組合とも掛金率あるいは財源率の引き上げを余儀なくされておることは事実でございます。これにつきましてはただいま先生もお示しございましたように、昭和五十一年度におきましては法定給付のみで財源率が千分の百、すなわち掛金率で千分の五十を超えます団体につきましては緊急、応急の措置といたしまして、その超える部分について構成団体から補助金を出すという措置をとったわけであります。 この掛金率千分の五十という根拠につきまして、私ども先般先生の御質問にお答えをいたしまして、その根拠と申しますか、千分の五十といたしました理由を申し上げたところでありますが、先生からただいまここに資料をちょうだいいたしまして、先ほどから拝見をいたしておるところでございます。この資料によりますと、掛金率は千分の四十五でいわば上限というものをとどめていいのではないかという資料であろうかと存ずるわけであります。私たちといたしましては、ただいまこの資料を拝見いたしたばかりでございますが、これを間違いとはもちろん申し上げるつもりはございません。一つのお考えであり、一つの計算方法だろうと思っております。 ただ、先生がお示しになっております千分の四十五と、私どもが考えております千分の五十とのいわば差と申しますか理由といたしましては、一つは、私ども、何と申しましてもこういう臨時応急の措置をとりましたことは、やはり地方公務員共済という一本の制度として、同じ法律の中で措置をされております組合制度でございますので、県あるいは市町村を通じまして平均的な数値を求めたのに対しまして、先生の資料を拝見いたしますと、市、町村とそれぞれ分け、そしてその加重平均をとっておられるというところに差が一つ出てきておるのであろうというふうに存ずるわけであります。 と同時に、その対象といたしますいわば基本給に加算されるべき諸手当の取り方の基礎といたしまして、一般行政職のみを用いるのか、あるいはそれ以外のいわゆる公務員共済の適用を受けておりますものを対象といたすかどうかという問題も、そのいわば食い違いの原因に一つ相なってきておるところであろうと存ずるわけであります。 私ざっと拝見いたしましてそのような感じを持っておるところでございます。
○小川(省)委員 あなた、これを信じなければまずいのよ。市町村職員の場合は千分の四十五は四十に相当する。これはあなたの公務員部の給与課がやった五十一年四月一日の給与実態調査から拾ったのだから誤りないのだよ、あなたのところで公表した数字から拾ったのだから。だから千分の四十が市町村職員共済の場合には四十五であるということは、これはあなた方は政策的にどうするか別として、その事実は認めますね。
○石見政府委員 確かに先生のお示しいただきました資料によりますと、五十一年四月一日現在の給与実態調査に基づきます基本給あるいは諸手当を基礎にして、市、町村と分けて計算をなさっておられる、その限りにおきましては、私どももちろんこれは間違いというようなことを考えておるものではさらさらございません。お示しのような方法によって計算すればこのような率になるということは十分確認をいたしております。 が、ただ一点、この中には市と申しましても、指定都市が含まれていないということになっておるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○小川(省)委員 指定都市は組合が別ですよ。だから、いま市町村職員共済の場合を言っているのだから、が一点というその後は余分なのよ。あなたは自分のところの課でやった調査の事実を認めなければおかしいので、とにかく事実を認めてくれればいいので、別にそれだからいますぐどうしろと言っているわけじゃないのだから。とにかく認めるわけですよね。いいですね、認めますね。
○石見政府委員 いま申しましたように、これは指定都市を含めておられないということは私は事実だと思いますが、そのことを抜きにいたしまして、その問題は別であると、これはいわゆる市町村という意味で計算をなさったという限りにおきましては、私は、この具体の根拠になりますデータを持っておりませんけれども、この数値に間違いない限りはこのようなお答えになるのであろうというふうに理解いたします。
○小川(省)委員 いいです。あとは詰めるからいいけれども、その事実を認めてもらわないと困るのよ。数字を認めてもらわないと、これはあなたのところの数字から拾ったのだから。 そこで、長期の話になりますが、官民格差論ですが、私は公務員年金が指摘を受ける一つの要素としては、現在の減額退職年金ですか、これがまず一点あると思うのです。それから五十五歳の支給開始年齢があると思うのです。しかし、実際上共済組合法が施行され運営されておって、現実には大体の平均年齢は五十八歳なり五十九歳というのが事実であります。そういう意味では、減額退職年金というのはあなた方みたいな高級官僚に有利だけれども、一般の職員には余り関係のない事実なんですから、そういう点では減額退職年金やあるいは支給開始年齢というのも公務員年金の側自体からあるいは自粛をし、反省をし、検討をする必要もあるのではないか、実際は五十八、九歳になっているのですからね。そういう事実があるということはお認めになりますか。
○石見政府委員 現在、国家公務員あるいは地方公務員共済制度を通じまして、減額退職年金制度あるいは支給開始年齢につきましての問題があることは事実でございます。私どもといたしましては、このような制度につきましていろいろ御意見もあり、あるいはまたお考えもあろうかということも承知をいたすわけでございます。この制度を今後どうしていくのかということは、いま直ちに結論を出すことはきわめてむずかしい問題ではございますが、何分にもこれは同じやはり公務に従事しております国家公務員におきます共済年金制度との扱い、あるいはさらには広く公的年金制度全体の中で、こういう問題をどう位置づけていくかという問題もあろうかと存ずるわけであります。私ども、御指摘いただきました点につきましては十分問題意識を持ちながら、諸般の情勢等見ながら、研究し、あるいは勉強してまいりたいと思っております。
○小川(省)委員 ぜひ検討してもらいたいと思うのです。現在の減額退職年金などというのは、五十二、三歳で減額退職年金を受けるのは、高級官僚が公団等へ天下りする人にだけは有利だけれども、一般にはそういう場合が実際にはないわけですよね、勧奨退職を受けるまではいるわけですから。そういうものによって特に共済年金が指摘を受けるケースが多いわけですから、そういう点は公務員の側でも検討する必要があろうと思いますから、ぜひひとつ検討をしてもらいたいと思っております。 それから、最低保障額の引き上げについて伺うわけですが、年々引き上げてはきていますよね。確かに是正をされてきています。しかしどの程度まで引き上げていく方向なのか、どの程度まで最低保障額を引き上げるつもりなのか、お伺いをしたいと思います。
○石見政府委員 遺族年金につきましては、先生御案内のとおり、現在退職年金の二分の一ということに相なっておりまして、このことは単に地方公務員共済のみではございませんで、先ほどからいろいろ御質問、答弁もございましたように、他の公的年金を通じてかような形になっておるわけであります。この遺族年金の現在二分の一というのを、私どもといたしましては、やはりいままでのいろいろな過去の経緯あるいは各方面の御意見等もあるわけでありまして、これをさらに給付内容を改善すべきではないか、あるいはその給付内容を改善する一つの手だてとして、その給付率を百分の五十を七十あるいは八十に引き上げていくべきではないかという御意見のあることも承知をいたしておるわけであります。私ども、遺族年金の給付改善につきまして、そのように一つの方法として、その支給率を上げていくのも一つの手だてであろうとは存じておるわけでございますが、何分にも、この問題につきましては、一つは先ほども申しましたように、他の恩給なりあるいはまた他の公的年金全体とのバランスもあるわけであります。それぞれ所管省におかれましても検討されておるところでありまして、私どもも、その限りにおきまして、関係省庁とは一緒になって研究し、勉強はいたしておるわけであります。 ただ、現時点におきましては、なかなかこれにつきまして実現しておらないことは事実であります。そういう意味におきまして、先ほどもお話がございましたように、遺族年金の受給者の中でも特に老齢者あるいは幼い子供さんを抱えた寡婦というような、いわば一般的には稼得能力の弱い立場にある方々に対しまして、特別な緊急措置を講じて、実質的な遺族年金の給付額の価値を高めるというふうな手だてもここ数年間講じられてきたわけであります。 私ども、この遺族年金の支給率が現在の百分の五十が一体幾らがいいのかということ、これは直ちに六十がいいのか七十がいいのか、数字でもってお答え申し上げるのはなかなかむずかしいところではございますけれども、私どもといたしましては、今後、いま申されましたような御意見も十分承知をいたしておるわけであります。あるいはまた、過去におきましても各省庁一緒になっていろいろ研究し、検討もしてまいった経緯もあるわけであります。今後とも私どもといたしましては、各種審議会の御意見あるいは審議の状況等も十分踏まえながら、これの前向きな前進についていろいろと検討し、努力もしてまいらなければならない、かように考えておるところでございます。
○小川(省)委員 実際に遺族年金の場合には、最低保障額該当者が圧倒的に多いだろうと思いますが、現在では何%ぐらいですか。
○石見政府委員 遺族年金の最低保障額の適用者数でありますが、今回、御審議をお願いいたしております改正法によります改定後の額で推計いたしましたところ、遺族年金受給者のうちで最低保障額の適用を受ける方は大体三四・八%、ほぼ三五%程度になるのではないかというふうに考えておるところでございます。
○小川(省)委員 このことは公務員労働者の低賃金層、いわゆる現業労働者等が多いわけでありますが、そういう人たちが、やはり三五%近くが最低保障額の中におるということは、退職後も、特に死亡後も差別が残っているということになるわけでありますから、そういう意味で最低保障額を遺族年金とも、年金ともどうしても引き上げなければならぬというふうに思っているわけですが、年金、遺族年金とも最低保障額をさらに年々引き上げていく方向で努力をしていただけますか。
○石見政府委員 確かに御意見にございますように、遺族年金は遺族の方々の生活に資するために、きわめて重要なものでございます。私どもといたしましては、今後遺族年金のいわゆる実質的な価値をさらに高くするために、一つの手だてとしまして、さらに長いと申しますか、今後の大きな問題としてはその給付率の引き上げということもございましょうが、当面やはりいまお示しにございましたように、最低保障額の引き上げということも一つの措置としては十分とり得るものというふうに考えておりまして、今後ともそういう方向での努力はいたしてまいらなければならない、かように考えておるところでございます。
○小川(省)委員 今回の改正で、五十年度の給与改定条例の適用を受けないで退職した者に対する、いわば特例措置がとられていることは大変結構だというふうに思っているわけですが、自治体の中には、ほんのわずかですが、給与改定を実施をしない五十年度未実施というところも若干あるわけです。こういうところの退職者、年金受給者に対する救済措置というのはとり得ないものかどうか、これについて検討したことがあるかどうか、御回答いただきたいと思います。
○石見政府委員 今回、御審議をお願いいたしておりますこの法律案の中で、いま御指摘にございましたように、昭和五十年度の年度中途で給与改定が行われました団体につきまして、同じ地方公共団体に勤務をし、しかも同じ年度内に退職された方々につきまして、給与改定の時期いかんによってその年金額について差が生ずるということは、これはやはり年度間、年度内あるいは職員間のバランスという面から考えれば非常に大きな問題ではないかという観点から、いまお話にございましたように、私どもといたしましては、年度中途で給与改定が行われました場合におきましては、年度当初に給与改定が行われたものとみなして、いわゆる年金額の基礎にするという改正の御審議をただいまお願いしているところでございます。 ただ、いまお話にございましたように、五十年度において給与改定を全然実施しなかった地方団体に対しまする年金額の改定についてどうかという御質問でございますが、ただいま申し上げましたように、同一の団体内におきます。しかもそれはまた、同一年度内における年金額の改定の不均衡を直そうというのが今回の趣旨でありまして、ただいまのようなお示しの点につきましては、やはり年金額の基礎になります給料月額が、退職時の給料前提主義というたてまえをとっております現在のたてまえ上、そのものについてまで是正の措置を講ずることは、これは理論的にもきわめてむずかしい問題であろうというふうに存じておるわけであります。私ども、この問題は十分意識をして、いろいろの角度から検討いたしたわけでございますけれども、やはりいま申しましたように、この年金制度自身が給与前提主義をとっておりますたてまえ上、やはり年度内において、しかも同一地方公共団体内における不均衡を是正するというのが、制度としては、あるいは改正としては精いっぱいではないかということで結論を得まして、御審議をお願いいたしておるところでございます。
○小川(省)委員 いや、あなた方は給与の問題を論ずると、いわば二十四条か何かを出して、国公法に準ずるんだということを言うわけだから、給与改定未実施であっても、人事院勧告に基づいて実施をされたものとみなせば是正をされるわけで、退職後もそういう差別を受けるというのは、やはり退職者と在職者は画然と区別をすべきではないか、私はこういう観点で申し上げておりますので、救済措置がとれるかどうかは別として、検討する必要大いにありというふうに私は思って主張しているので、検討していただけますか。
○石見政府委員 今回もその問題につきまして、私ども問題意識を持っていろいろ長い時間をかけて検討いたしたことは事実でございます。 ただ、しかし、先ほど申し上げましたように、やはりこの制度のたてまえが一つございます。と同時に、給与改定を全然やってないところについて、給与改定がありせばというふうな仮定を置きますことは、技術的にも非常に困難であります。あるいはまた、給与改定率が地方団体ごとに必ずしも一定ではございません。全然なかったところと、給与改定率が非常に低かったところをこれまたどうするかという問題もあるわけであります。十分検討はいたしたわけでございますけれども、現時点では、これを実施することはきわめて困難であろうという結論を得たわけでありまして、今後、なお引き続き私ども十分検討はさせていただきますけれども、現時点におきましてこれを直ちに取り入れますことはきわめて困難だろうというふうに存じておるところでございます。
○小川(省)委員 いいでしょう。ぜひ検討はしてくださいよ。そう多くはいないはずだからね。 そこで、公務員部長も御承知のように、自治体に勤務をしている現業労働者、特に清掃職員あるいは衛生職員あるいは学校給食調理員等は、大体入職をしてくるのが四十歳から四十歳以上であります。肩をたたかれて勧奨退職を受けてやめるときには、年金があと一年か二年でつくという時点でやめていかなければならない人が大変多いわけであります。これについては、学校給食の場合にはPTA勤務の時間をとっていただいたりいろいろ改善の措置をとっていただきましたが、改善をし切れない問題が、中年以上で雇用されてくるということですから、あり得るわけですね。 そこでお願いをしたいわけでありますが、こういう現業や技能労務職に限って、やはり厚生年金にあるような十五年年金というものを採用していく必要があるのではないか。一年ぐらいで資格がつかぬというような状態があるわけですよね。実際に四十過ぎに勤めてきても、資格がつかぬというのがあるわけですから、これに対する救済制度を、十五年年金というような特例年金をつくる意思がおありかどうかお伺いします。
○石見政府委員 確かに現業の仕事と申しますと、やはり学校卒業後すぐ入られる方もありますけれども、しかし、お話にございましたように、一たんどこかへ就職して再び地方団体の現業業務につかれるという方も非常に多いことも事実であります。そういたしますと、退職時期とも絡みまして、年金の最短年限に達しないという方もあることも私ども承知をするところであります。 ただ、こういう実態を踏まえまして、こういう方々を処理いたしますために、いまの最短年限をさらに特別な業務に従事した方について短くするというのは一つの考え方とは存じますけれども、地方公務員独自の問題としてこれを解決するというのもやはり問題があろうかと思います。私どもこういう問題につきましては、やはり制度全体あるいはまたいま申しました国家公務員の扱いというもの、厚生年金における処理等の問題もあるわけでありまして、ひとり地方公務員のみこういう制度をいま直ちに設けるということはなかなかこれまたむずかしい問題かとも存じますけれども、せっかくお示しの問題でございますし、私どもも問題意識は持っております。いろいろな角度からこういう問題をどうするかということも検討してまいりたいというふうに存じておるところでございます。
○小川(省)委員 むずかしい、問題意識は持っている、検討してくれるということですが、いま受け取った範囲ではなかなかむずかしくてできそうもない。やってみる、検討してみるというくらいの答弁ですから、二十歳くらいで勤めてくる者が多くなるように、現業労働者、清掃なりあるいは衛生、学校給食調理員の初任給を上げてもらえますか。
○石見政府委員 これは給与問題になるわけでございます。もとより現業業務といいますものは、状況によりましては困難あるいは不快というようなもの、危険というようなものを伴う業務も多々あるわけであります。私どもこういう現業業務職員につきましては、もちろん給与そのものといたしましては地方公務員法によります給与のあり方、たてまえというものはあるわけでありますが、やはりこういう特殊な業務につきましては、一つにはその業務自身がきわめて困難あるいは不愉快、危険を伴う。さらにはそういう人が得られにくいという状況があるというような実態も勘案いたしまして、それぞれこういう業務につきましては、特別な特殊勤務手当というようなもので措置をすべきではないかというふうに考えているわけでございます。 地方団体におかれましても、それぞれの実態に応じまして、それぞれの特殊勤務手当というもので措置をされておるというふうに私たち理解をするわけでございます。
○小川(省)委員 いろいろ理屈はつけるけれども、できないでしょう。できないのはわかり切っているのです。私もわかって聞いているのだから、特例年金を設けるように検討してくれという話をしているので、そっちでできると言えばそんなこと言わないので、できないのがわかり切っているから特例年金として検討をしてくれるようにという要請をしているのです。今度はどうです。本当に真剣に検討してくれますか。
○石見政府委員 確かにそういう実態があることは承知をいたしますが、やはり給与は給与としてのたてまえがあるわけであります。と同時に、年金は年金制度としての全体のバランスあるいはその趣旨があるわけでありまして、直ちにこれを結びつけてこれの答えというわけにはまいらぬと思うわけでありますけれども、私どもといたしましては、一方ではやはりその職務の特殊性によりまして、特殊勤務手当というものによって措置をされることを期待いたしております。と同時に、退職年金につきましては、やはり退職年金のあり方として検討さしていただくというふうに考えているところでございます。
○小川(省)委員 検討してください。 それから、共済短期の経理が問題になった際に、共済の短期経理は単年度収支の原則を変えて、三年間くらいで調整をするというような制度はとり得ないものなのかどうか。単年度収支の原則というものを変更を加えていただけないものか、お尋ねいたします。
○石見政府委員 短期につきましては、御案内のとおり、その経理自身が当該年度内に発生をいたしました給付につきまして、当該年度内にその財源を調達する、いわゆる単年度収支の原則が法律的にも予定をされているところであり、また法律のたてまえとなっているところであろうと存ずるわけであります。この趣旨といたしますところは、いまさら申し上げるまでもなく、やはり世代間の組合員の負担の公平を図る。すなわち、当該年度で使ったお金は当該年度の組合員が負担をしていくという単年度の、世代間にわたってその負担を転がさないという趣旨にあろうかと思います。したがいまして、短期につきまして、長期、三年なり五年にわたって財源率を設定するとか、あるいはまた出ました赤字をある一定の年限にわたってこれを処理するということは、いま申しましたようなたてまえから見まして、あるいは現在の法律の制度の趣旨から見ましても、私は非常に問題があるのではないかというふうに存ずるわけであります。したがいまして、いま直ちに短期の給付につきまして数年次にわたっての処理ということは、制度上きわめてむずかしいとは存じますけれども、と申しましても、現実に生じました多額の赤字というものを単年度で直ちに消し込むということは、これまた実際問題としてできないところであります。 そこで、本年度におきましては、それぞれの市町村共済組合の財源率の設定に際しまして、多額の赤字を抱え込まれた組合につきましては、その赤字額につきましては二年、あるいは状況によっては三年という期間によって赤字額を消すという臨時応急の措置をとって対処いたしておるところであります。私ども制度的にこの制度をつくるということは、いま申しましたように、この趣旨から見てやはり無理であろうとは存じますけれども、しかし、といって単年度で処理できないものがあることは現実にあるわけでありますから、そういうものには弾力的に、いま申しましたようにそれぞれの組合の実態に応じまして、二年ないし三年で消すというふうな措置をとってまいっておる次第でございます。
○小川(省)委員 今後も診療報酬の引き上げ等によって、短期の経理が厳しいピンチに立たされることは目に見えてわかっているわけですよ。そういう点で単年度収支原則というのが壁になっておりますから、ぜひひとつ検討していただいて、三年なり五年なり長期にわたって検討するというような措置を講じておいていただかぬと、全国軒並みにパンクしてしまいますから、そういう点についてぜひ検討をお願いいたしたいと思うのです。 それからあと一つは、共済の民主的運営ということで、この間実は真柄参考人からお話がございました。民主的に運営をされていない実態がどこかにあるようですね。聞いてみると市町村共済ではなくて地共済らしいのですが、地共済の民主的運営を保障してくれますか。そういう指導をしてくれますか。
○石見政府委員 もとよりそれぞれの共済組合は、申し上げるまでもなくそれぞれ自主独立の機関でございまして、自主的な運営がなされておるところでございます。私どもといたしましては、組織の面におきまして十分配慮がなされなければならないと同時に、いま地方公務員共済が例に挙がったわけでございますが、地方公務員共済におきましても運営審議会等を通じまして、ここの議を経て共済組合が民主的、そしてまた適正な運営ができるようになされておるつもりでございます。そういう意味におきまして、審議会におきましては、広い知識を持っておられます方々のうちから、その委員の半数はいわゆる職員を代表する方々を任命しなければならないということにもなっておりまして、いわば掛金の負担者であります職員の方々の意向というものもそういう場で十分反映をされておると私ども理解をいたしておるところであります。 なお、もちろんそれぞれはそれぞれの共済組合におきまして自主的に運営されるべきものであるわけでありますが、私どもといたしましては、共済組合のお世話をしております立場におきましても、今後とも趣旨に沿って自主的に円滑に運営ができますよう各般の努力をいたしてまいりたいというふうにも考えておるところでございます。
○小川(省)委員 時間が来たようですから終わりますが、参考人がわざわざ委員会に出席をしてきて、民主的に運営をされていない実態があるというお話があったわけですから、ぜひひとつ公務員部の責任において民主的な運営が確保されるように御指導をお願いするということを申し上げまして、質問を終わります。
○地崎委員長 午後二時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後一時休憩 ――――◇――――― 午後二時六分開議
○地崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。権藤恒夫君。
○権藤委員 それでは短期給付の問題と、それから年金問題について質問いたします。 初めに、健康保険に相当します短期給付が、最近の医療費の増加に伴いましてきわめて窮迫してきております。そのような中から必然的に掛金の引き上げがなされておるわけでございますけれども、五十年度と五十一年度におきます市町村職員共済組合の収支の状況及び五十二年度における収支見込みがどのようになっておりますか、その点についてお伺いいたします。
○石見政府委員 地方公務員共済組合の短期経理の財政事情につきましては、ただいま先生御指摘にございましたように、昭和四十九年度を境といたしまして、一方では医療費の増高、片方では掛金負担金の伸び率の鈍化などを理由といたしまして、五十年度から非常に悪くなってきておることは事実でございます。市町村共済組合を見ました場合、四十六組合ごとにそれぞれ短期給付を行っておるわけでございますが、昭和五十年度の決算では、単年度収支で黒字となりました組合が二組合でございまして、赤字となった組合が四十四組合でございます。市町村職員共済全体では、収入額の八百九十六億円に対しまして支出が九百八十一億円となっておりまして、差し引き八十五億円余りの赤字という結果に相なったわけでございます。 引き続きまして五十一年度につきましては、まだ決算の結果の集計が完全に終わっておりませんので確定をいたしましたものではございませんが、当初予算で私ども見ます限りにおきましては、単年度収支で黒字となる組合が六組合、赤字が予想される組合が四十組合ということになっておりまして、市町村職員共済組合全体といたしましては、収入額一千六十四億円に対しまして支出が一千百四十二億円となりまして、差し引き五十一年度もこれまた七十八億円程度の赤字になるものということを当初予算の段階で予想いたしておるわけでございます。 さらに五十二年度につきましても、五十年、五十一年に引き続きまして、各共済組合の短期経理はきわめて厳しい状況になっておるわけでございますが、五十二年度当初予算における財源率の設定に当たりまして、組合員の負担が急激に増加いたしますことを避けるというような意味におきまして、その財源率がきわめて高い率、すなわち千分の九十以上になる、あるいはまたその引き上げの幅が千分の十以上の引き上げをやらなければならないというような組合につきましては、不足金補てん積立金を取り崩すことによりまして財源率を設定するというような特例措置をとったわけでございます。また五十一年度末において翌年度への繰越赤字が、これは五十二年度限りで始末ができないというふうな組合につきましては、これを二年ないし三年の期間に分けて解消していくというふうな、いわば若干中期的な健全化計画と申しますか、再建計画を立てて処理をするというようなことをいたしておるような状況でございます。
○権藤委員 もう何回も質問があったことでありますから、相当部分割愛はしていきたいと思いますけれども、そのような状況であるわけでございますが、これをどのように解決をしていくかという、そういう計画がおありであるかどうか、一言……。
○石見政府委員 地方公務員の共済組合の短期給付の財政事情は、ただいま申し上げましたように四十九年度を境として五十年度から非常に悪くなってきておるわけでございます。このことはひとり地方公務員共済のみではないわけでありまして、国家公務員共済におきましても非常に厳しい状況になってきておるわけであります。 そこで、昭和五十一年度の財源率の設定に当たりましては、掛金率が非常に高くなる組合については、いろいろ先ほど申しましたように措置をとったわけでありますが、具体的には昭和五十二年度におきましては財源率が法定給付だけで千分の百を超えるようなところは千分の百にとどめる、そのとどめることによって生じました赤字につきましては、これを一般財源で補てんをしていくというふうな措置をとりましたことが第一点でございます。 それから第二番目といたしまして、家族の療養給付費の付加金の基礎控除額を三千円程度にするというふうな緊急措置を通じまして、いわばそのような赤字対策と申しますか緊急対策をとったわけでございます。このような措置をとったわけでありますが、これはいわばあくまで緊急的な措置だと思うわけであります。今後抜本的にこれをどうするかという問題は、当然国家公務員と並びまして私ども大きな問題として将来展望しておるわけであります。これはひとり地方公務員共済のみで処理をいたしますことはなかなか困難な問題もあるわけであります。一つは医療費の動向というものもこれから大きな影響をしてくることかと存じております。私どもといたしましては、言葉が悪うございますかもしれませんが申し上げますれば、たとえば乱診乱療というふうなことがもしあるとするならば、これは組合員全体の問題として、いまの医療の受け方のあり方というふうなものもそれぞれの組合員で認識をしてもらわなければいけない問題もあろうかと思っております。あるいはまた、そういう問題について現に市町村共済組合を見ました場合でも、いまだに掛金率が千分の七十程度でとどまっておる県もあるわけでありますが、ひどいところでは千分の百をはるかに超すというふうな県もありまして、見ましたところ給付あるいは支出あるいは掛金について特段の差異がないのに、このような差異が出るのは一体どこに原因があるのか、うまくやっておるところはそれなりにやはり相当な努力なりあるいはその原因があるのではないかということを私ども十分調査をいたしまして、そういうことも含めて各市町村共済で研究会を持ち、それぞれの問題として長期的に対応していかなければならない、かように考えておるところでございます。
○権藤委員 医療費の増加というものが占めるウエートがきわめて大きいというふうに聞いております。 そこで、話は若干違いますけれども、各地方公共団体には、これは全く任意であろうと思うわけでございますが、職員互助会がございます。この職員互助会は、各地方公共団体が単費を多額に負担をしておるわけですね。普通、公共団体の支出と組合員の拠出金というのがフィフティー・フィフティー、一対一くらいのところもございます。これが一番多いところじゃないでしょうか。それから財源状況の若干悪いような地方団体では、それを七十とか八十とかに落としております。その中で、この互助会の中から医療費の給付ということをやっているようでございますけれども、このことについては御承知のはずと思いますが、その実態はどうか、ひとつお聞きしたい。
○石見政府委員 各地方団体では、まさにその名の示しますとおり、職員の互助制度として共済組合とは別個に互助会というものをつくっておられることは、ただいま御指摘ございましたとおりでありまして、私どもそういう実態があることは十分承知をいたしております。もとよりそれぞれの互助会は職員が自主的につくり自主的に運営されており、それに対して地方団体から補助金が出ておるものではございますけれども、本来そのあり方としては、私は職員の全くの互助、お互いの互助と申しますか、福利の向上のためにあるべきものだと思うわけでございます。 ところで、いまお話にございましたように、結局、短期給付の付加給付の基礎控除をいたしました穴埋めに、互助会からお金を出すというふうなやり方がやられておりますことは、私は事実だと思うのであります。そのこと自身、もちろん互助会が自主的になさることでございますから、それを直ちにいい悪いという価値判断をいたしますことは非常にむずかしいことだと思いますけれども、一般的に申し上げまして、共済組合の短期給付につきまして基礎控除のいわゆる足切りが設けられておりますことは、組合の健全化、あるいはそれを通じて若干でも、言葉は悪うございますが乱診乱療を防ごうという趣旨であることは間違いないと思うわけであります。そこへ、足切りをしたあとへ互助会から金をつぎ込んでしまったのでは、いわば本来の趣旨が失われるというふうな結果になることもあり得ると思うわけでありまして、もしそういうような実態となっておりますれば、互助会のあり方としてもこれは問題でありましょうし、共済組合の側から見ましてもこれは問題だと思うわけであります。しかし職員の互助、福利として何がいいかは、前段申し上げましたようにもとよりそれぞれの互助会がお決めになることでありますから、私はいまの段階でそれがいい悪いという判断を申し上げることは差し控えたいとは存じますけれども、結果としてそうなるとするならば、これは好ましいことではないというふうに考えざるを得ないのではないかと考えておるような状況でございます。
○権藤委員 この問題につきましては、理事会等で運営審議会等をつくられまして、それによってどうするかということは決めてあるようでございますから、勝手なことではなかろうと思うのです。しかしながら、地方公共団体の財源がきわめて厳しい中で、警察職員それから一般職員それから教職員等に別個に各団体が分担金、負担金を出しておるわけであります。その額についてはここで申し上げませんけれども、かなり多額になっておるわけであります。この運営というものが各地方公共団体ばらばらであるわけですね。ですから、ある程度、私は何もそういうものを出していけないということではなくして、いわゆる単費といえどもこれは国民の税金でありますから、とやかく厚生年金と比較をされて共済年金が云々されておる今日、それにまつわる一つの問題として、ここで洗い直すべきではないか。少なくとも何か運営について、あるいはその本当の意味での職員の互助的なものとして使われるならばよろしゅうございます。けれども若干、聞くところによると問題もあるようでありますので、ひとつこの際整理をすべきじゃないかというふうに考えるわけです。 それから、互助会のプロパーの職員等を多数雇用しておりますけれども、そういうものにつきましても、すべてこれは県費から補助しておるということなんです。そういうようなこともたくさんございますので、自治省の方では、この前の委員会で何か互助会のことについて調査しているのじゃないかというような話もありましたけれども、いい意味においてひとつすっきりとさせるということが私は望ましい、こういうふうに思いますので、その実態についてはよく把握をしてほしい、こういうように思いますが、いかがでございますか。
○石見政府委員 互助会の実態につきましては、いまお話のございましたようにそれぞれの団体におきまして非常に区々、千差万別でございます。名のとおり自主的に運営をされているわけでございますから、いままでこの実態というものを私ども十分把握をいたしておらないのが事実でございます。調査をしようとした時期もあるわけでございますけれども、なかなかその調査の方法もむずかしゅうございます。しかし、いまお話がございましたように、何分にも互助会に対しましては非常に大きな地方団体からの公的な補助も入っておるようであります。あるいはそれの使い方自身が共済組合の短期給付のあり方にもかかわっておるというふうな問題の指摘もあることも事実であります。私どもといたしましては、決して互助会のあり方に干渉するとかあるいはまた特定の意図を持つものではなしに、純粋にいわゆる互助会の実態がどうあるのか、それがまた将来の方向として健全にみんなのためになるような互助会にしていただくためにはどのようにあるべきだろうかという研究をいたしたいということで、ただいま互助会の実態についての調査をいたしておる段階でございます。なかなか調査がむずかしいわけでございますが、一応何らか調査を仕上げまして分析して、しかるべき結論なりあるいは考え方をまとめまして、それぞれまた地方団体にもお返しをしたいというふうに考えておるところでございます。
○権藤委員 一部互助会から補てんをしなければならないような掛金の増大ということが問題でありましょうし、ひとつ十分な対策を講じていただきたいと思います。 それから、医療費の増大がこのように、いまおっしゃるように必然的にふえてきておるわけです。そういう意味で、短期給付の率の引き上げという形で組合員に、しわ寄せという言葉は適切であるかどうか知りませんけれども、大きな負担となっております。 そこで、この短期給付は、掛金の上限がいまはございませんので、これは何らかの形で、たとえば組合健保のように、千分の四十なら四十というふうに上限というものは制限をすべきじゃないかと私どもは思うわけですが、これについてはどのようにしていらっしゃるか、考えていらっしゃるか、また今後どう措置を講ずるようなお考えがあるのか、お聞きしたいと思うわけであります。 先ほどから、要するに赤字が出ておるために、これを一部交付税で措置をしているようなことも聞いているわけです。このようなあり方そのものが果たして適切であるかどうか、これはいかがでございましょうか。
○石見政府委員 御指摘にございましたように、健康保険組合におきましては、保険料率について上限、すなわち千分の九十という上限が設けられておりますとともに、組合員の負担する限度は千分の九十のうち千分の四十ということが法定されておりますことは事実でございます。これはもともと健康保険制度そのものが、一つには保険料が最高限度に達するまでは、その保険料の収入の範囲内で法定給付に加えて付加給付、あるいは保健施設を設けることができるということになっておりますという点がまず第一点あろうかと思うわけであります。 第二点は、保険料率が上限の率に達しました場合には、保健施設に要する経費を削減をいたしまして、さらにはなお足らない場合には付加給付を減額する、あるいはこれを廃止するというふうな方途を講じまして、いわゆる保険料の保険収入の範囲内で事業を行っていくというたてまえをとっておるという点が第二点あろうかと思うわけであります。 さらに第三点は、これは非常に共済とは違うところでありますが、これらの措置をとりましても、なお赤字となるというときには、当該健康保険組合は解散をいたしまして政府管掌健保の方に移っていく、すなわち、組合健保をやめて政管健保に移るということをたてまえとして設けられておる制度であります。 このように健康保険組合におきます上限が法定されておりますのは、いま申しましたような共済の短期とは相当趣を異にしたものの一環として設けられておるわけでありまして、そういう意味におきまして同じような上限設定制度を公務員共済について取り入れるといいますことは、もともとその辺の仕組みが違うわけでございますから、これは若干と申しますか、かなり問題があるんではないか。といって、国家公務員共済を健康保険のように置きかえることもこれまたできないわけでありますから、そういたしました場合には、やはり上限率を法定するということは現時点では困難だろうと思っております。 ただ、先ほどから申し上げておりますように、何分にも五十年度を境として短期の財政状況がきわめて悪化してきておりまして、職員の負担が増加しておることも事実であります。私どもは、これは放置できない問題でございまして、財源率が千分の百を超します組合につきましては、これを千分の百にとどめまして、それを超える分につきましては一般財源で措置をし、それに要する財源につきましては特別交付税で措置をするというような措置を五十一年度は緊急にとったわけでありまして、そういう意味では上限制度ではございませんけれども、事実上、掛金率が五十でとどまりますように緊急な措置をとっておるというのが実態でございます。
○権藤委員 そこで、これから先もまだ掛金率がふえてくることは間違いないわけですね。緊急の措置としてそういうような交付税等で見られたということなんですけれども、今度は、ことしはまた団体の数が五十年度よりも二倍にも三倍にもなりそうなんですが、これはどこかで何かの措置をする以外に方法はない、いわゆる抜本的な対策を何とか講じなければならないんじゃないかというように考えるわけです。あくまでも暫定措置、緊急措置でやっていけるものか、これから先ずっと。その点についての見通しはいかがでございますか。
○石見政府委員 これは私どもも、ただいま御指摘にございましたように、こういう状態がいつまでも続くことはきわめて好ましくないことだと存じております。五十一年度やむを得ずとりました緊急措置でありまして、五十二年度も引き続き同様の緊急措置をとろうと存じております。 しかし、この問題はいずれにいたしましても、基本的には国家公務員の共済しかりであります。あるいはまた健康保険制度全般もしかりでございますけれども、医療費問題ときわめて深いかかわり合いを持っておる問題であることは事実でございます。私ども主管省から伺います限りにおきましても、近く医療保険制度の抜本的な見直し、検討がなされるということも承っておるわけでありまして、私どもそのような見直し、検討の状況も見きわめながら、これについてのある程度抜本的な物の考え方というものを次第に確立していかなければならぬのじゃないかというふうに考えておるわけであります。それまでに至ります間、放置できませんわけでございますので、いま申しましたような緊急措置をとりつつ、かつは、一つにはいま申しましたような見通しを得ると同時に、各組合それ自身においても、しかるべく自助努力をお願いしたいということも他方お願いしながら対応してまいっておるような状況でございます。
○権藤委員 これは福岡県のことなんですけれども、七月ごろに高医療費に対する実態にメスを入れようというようなことで、福岡県が医療白書というものを発表する予定になっております。調査をしておるわけですが、そういうようなものをあわせて公共団体は大変であろうと思いますけれども、全国一律に高医療費に対する実態を明らかにする必要があるんじゃないかというようなことを私は考えるわけなんです。福岡県がやりましたその理由というものは、やはり余りにも医療費が高過ぎる。しかしながら、これが一民間ではどうしてもやれないということで、地方公共団体で実態を調査するというふうに踏み切ったわけなんです。それが近々発表されるということなんですけれども、こういうようなものを調査をしてその実態を把握して、そしてやはり抜本的な対策を立てる必要があるのではないかと思うわけですが、自治省としては各地方公共団体にそのようなことを指示なさったことがあるかどうか、またこれは自主的にやっているのかどうか、そういうことについてお伺いしたいと思います。
○石見政府委員 地方団体は、もとより自分のところの職員も含めまして、当該地方団体地域内の住民の健康についていろいろな施策をとっておるわけでありまして、私どもといたしましては、もちろん片方地方団体の業務としてそういうことをおやりになること、これは地方行政としておやりになることはもとよりあるわけでございますが、いま御指摘になっております。事、一共済の短期の経理の問題、財政問題に関しましては、やはり地方団体と申しますより、それぞれの単位の共済組合自体の問題でございまして、またそこに加入しております職員の問題であると思うのであります。 そういう意味におきまして、私どもはやはりそれぞれの共済組合におきまして、先ほども御答弁申し上げましたように、市町村共済一つを例にとりましても、財源率が千分の七十というような低いところがあるに反して、片方では千分の百を超えるような団体も現にある。しかし特段のその間における給付あるいは掛金についての差異が見られないにかかわらず、財源率はそんなに違っても十分賄える団体があるということは、やはりそれなりに何か努力をなさり、それぞれの原因があるのではないかと思っておるわけでございます。私どもといたしましては本年以降これらの実態を十分調査と申しますか、それぞれの共済組合あるいはその連合会の力を借りまして、その実態等も把握をいたしまして、いいところはいいなりに、私どもも各地方団体のそれぞれの共済組合に御紹介するとかということによって、相互に情報交換しながら、この財源率の引き下げに努力をすべきだというふうに思っておるわけでございます。 一方、やはりそうは申しましても、大きな問題は、ただいま御指摘ございましたような健康管理の問題だろうと思うのであります。やはり共済組合におきましても職員の健康管理ということについてこれまたいろいろ調査をし、その実態を明らかにして効果の上がるようにというようなことを、現にいまお名前の出ました福岡県の市町村共済組合等ではかなり力を入れておられるようであります。私ども、この辺の実際やっておられることを十分承知をいたしまして、それぞれの地方団体あるいはその共済組合、連合会と一緒になりながら、何としてでもこの財源率を引き下げるような努力を、そのことを自分ら自身でやってまいるような方向を見出してまいりたいというふうに考えておるわけでありまして、今後そういうような調査もし、努力もしたいと考えておるわけでございます。
○権藤委員 これからますます高齢者の増加ということは考えられますね。そうなりますとまた必然的に、繰り返すようでございますけれども、医療費というものが増加していくわけなんです。ですから、やはりこの際抜本的に対策を立てるというならば、あらゆる方面でその実態を把握をしていくべきであると思うわけであります。そのようにしていかなければ、私はこの問題は毎年、毎年これからもっと深刻なものとなってくることは考えられます。そのような中で実態を把握して、そして抜本的な対策を立てる、その中にやはりこの公的負担、そのようなものもまたあわせて考えていくべきであろうと思うわけなんですね。 この医療保険の給付に要する財源の負担割合というものがございますが、その中で政府管掌保険あるいは組合管掌、それから日雇い労働者、船員保険というものは、国のいわゆる公的負担というものがなされております。けれども、公務員共済等につきましては、そのような公的負担がないわけなんです。ですから実態を把握して、やはり先ほどから申し上げましたように組合員の高負担にならないような、十分に負担できるような範囲での負担、適正負担と言いますか、そういうものも基本的に考えていく必要があろうと思うわけなんです。そういう意味で申し上げたわけでありますが、今後ひとつ実態を把握していただきまして、この考え方なりの基本構想を練る必要がある、こういうふうに思うわけであります。 そこで、さっき申し上げましたこの公的負担の実態というものについて、現在どのようになっておるか、お伺いしたいと思います。
○金田政府委員 ただいま先生は公的負担の実態とおっしゃいましたが、私どもとしてわかっておりますのは、厚生省の所管の医療関係の国の負担でございますが、ここにただいま正確な数字は持ち合わせておりませんが、たとえば昭和五十二年度予算について見ますと、厚生省予算総額は五兆六、七千億でございますが、このうちまず国民健康保険の医療費に対する国庫補助が約一兆四千七百億でございます。 〔委員長退席、木村(武千代)委員長代理着席〕 それからただいま国会で問題になっております政府管掌健康保険に対する国庫補助が三千億でございます。今年度で約三千百億になります。それらを全部合わせますと約二兆五千億でございまして、厚生省予算総額五兆六、七千億のうち二兆五千億が医療費だけのための国庫負担ということになっております。ほとんどもうこれは医療費が伸びればそれにスライドして伸びていくという状況でございます。
○権藤委員 私はそれを申し上げておるわけなんです。ですから国家公務員共済組合あるいは地方公務員共済組合、あるいは私立学校の教職員組合でありますとか、公共企業体の職員等の共済組合についてもやはり公的負担はなすべきではないかということなんですが、そういう計画はあるかどうかを聞いておるのです。
○石見政府委員 政管健保につきましては、御承知のように昭和四十八年度の健康保険制度の改正によりまして保険財政の危機に対応いたしまして、その健全化を図るという趣旨から、その給付に必要といたします費用の一部として、従来の定額補助にかえまして、いわゆる標準報酬総額の一〇%の国庫補助の制度が設けられたということは、御案内のとおりであります。これに対しまして地方公務員共済あるいは国家公務員共済の短期給付につきましては、このようないわゆる国庫補助の制度というものはないわけであります。 ところで、このように政管健保について標準報酬総額の一〇%の定率の国庫補助の制度が設けられましたことの背景と申しますか、これにつきましては、保険料率を当時の千分の七十から千分の七十二に引き上げられたという経緯が一つあります。それから保険料率について弾力条項が設けられたというようなこと、さらには標準報酬の段階の上下限がいずれも引き上げられたというふうなこととの見合いにおいて、この一定率補助の制度が設けられたわけであります。 ところで、その政管健保の保険料率は現在千分の七十八ということになっておるわけでありまして、組合健保の場合にはその上限が千分の九十ということになっておりますことは御案内のとおりでございます。ところで、これらの健康保険制度におきます保険料率を共済組合の財源率に引き直して考えました場合、一つには健康保険の保険料率が標準報酬というものを基礎にいたしております。あるいはまた給付内容におきまして、共済組合の方がやはり相当給付内容が幅が広いというふうなこと、それから付加給付の給付内容につきましてもかなり差があるというふうなことからしまして、これを一律に比較するということは困難ではございますけれども、これらのもろもろの点を考慮いたしまして考えました場合、政管健保の千分の七十八というのは、最終的には千分の百十四程度の負担になっておるのではないかというふうに考えるわけであります。組合健保の千分の九十というのは千分の百十一程度になっておると思うわけでありまして、現在共済組合の財源率が一番高いところで、たとえばことしの場合徳島県の市町村共済でありますが、徳島県の市町村共済では千分の百八でございますので、現在の市町村共済組合の財源率が組合健保あるいは政管健保に比して非常に高いというふうな実態にはなっていないわけであります。むしろこの数字を見ます限りは、やはりまだ共済組合の方が若干低いのではないかというふうなことになっておることは事実でございます。 こういう点から見ました場合に、いま直ちに政管健保あるいは組合健保と同じようにここへ国庫補助金を導入していくということにつきましては、いま申しましたような経緯なりあるいは負担の実態から見て、きわめて困難であろうというふうに私ども考えるような次第でございます。
○権藤委員 中山政務次官にお伺いしますけれども、いままでいろいろと質問をしてきたわけでございますが、先ほども申し上げましたように、これから先、職員の高齢化というのはどんどん進んでまいります。そうしてその負担率というものは青天井で抑えられていない、そのような中で財政状況というものが厳しくなっていくことは、これはきわめて当然のことであろうと予測されるわけでありますので、将来のことを見越して、やはりこの公的負担の短期給付への導入は大きな課題であろうと思うのでございます。いま組合健保と比較して共済の方がまだまだ負担率が少ないということでございますが、将来のこととあわせて、この公的負担の短期給付への導入というようなものは検討されておるかどうか、また、今後どうすれば一番いいかということについての見解を承りたいと思います。
○中山政府委員 先ほどからの先生の御議論、まことにそのとおりであろうと思います。 地方公務員の仕事の重要性、また身分の保障という面につきましても、この共済制度が大きな力になっていることはそのとおりでございまして、ただ、御指摘のように、ただいまの医療制度その他老齢化とか、そういう問題によりましてこの財政が非常に圧迫をされ、しかも不足分は一般財源から補てんをするというような、地方団体の財政にまで大きな影響を及ぼしておるという状態になりまして、今後この傾向がますますひどくなるであろうということも予想されるわけでございますので、その点につきまして、先生の御指摘のような公的負担の導入、これも現段階では非常にむずかしいことでございますけれども、ほかのいろいろな公的年金あるいは恩給制度その他類似の制度等ともいろいろと協調をしながら、共済の財源の確保につきましてはこれからも熱心に努力をしてまいりたいと思います。
○権藤委員 それで、厚生省の方にお伺いしますけれども、このように、医療費の高騰というようなものから医療保険制度の財政状況がきわめて悪化しております。これらについてはもう抜本的に改革をしなければならないということは、大きな世論の高まりであるわけです。 そこで、医療保険制度の改革についてのお考え、また健康保険問題等懇談会等でいろいろと検討もされておるようでございますけれども、これらの状況についてお聞かせ願いたいと思います。
○金田政府委員 午前もちょっと申し上げたわけでございますが、昭和四十八年に大幅な給付改善と財政の健全化を図る改正を実は行ったわけでございますけれども、医療費はその後依然として伸びております。ただし、これはわが国だけの特殊な現象ではございませんで、世界各国が医療費の高騰に現在悩んでおるわけでございます。 また、保険料負担につきましても、ただいまお話もお伺いいたしましたけれども、決して日本だけが保険料の引き上げをしているというようなことではございませんで、諸外国の例を見ましても、ドイツ、フランス等におきましては、一年間に千分の十あるいは千分の二十を一挙に引き上げざるを得ないというような状況でございます。すでにドイツ、フランスあたりでは千分の百二十から千分の百五、六十まで保険料負担は行っておりまして、なおかつ上げざるを得ないという状況でございます。 いろいろ御意見はあろうかと思いますが、やはり基本的には人口構造の老齢化もございますし、また、医療の高度化、たとえば一つの例をとりますと、人工透析には月に五、六十万もの医療費がかかるわけでございます。年にしますと数百万でございます。これを保険で負担していかなければいけないという状況でございます。 そういうことで、私どもといたしましては、低成長下において今後医療保険制度をどのように持っていくかということにつきまして、ただいま先生おっしゃいました社会保険審議会の健康保険問題等懇談会で御検討を願っておるわけでございますが、主な検討項目を申しますと、まず各制度間の給付及び費用負担がどうあるべきか、ただいま先生おっしゃいました国庫負担のような問題も含めてでございますが、それから次は医療保険制度の体系をどうするか、いろいろ御意見がございまして、制度を統合すべきであるとかあるいは財政の調整をすべきであるとかいうような御意見もございます。たとえば地方公務員共済の場合、私は詳しくは存じませんが、いろいろ世上言われておりまして、健康保険組合は財政も裕福であるから、中小企業の政府管掌健康保険と財政調整すべきであるとか、実は健康保険組合の場合は、全体約千六百組合を通じまして、厚生省としては医療費の国庫負担はわずか八億程度でございますが、そういったいいところとどう調整するかとか、それからあと、医療費あるいは医療費の支払い制度をどうするか、医療費の中身の分析も含めてでございますが、それから医療保険の周辺問題、たとえば医療供給体制の問題とか、そういったことをどうするか、これらの四つの項目を中心といたしまして、ことしの秋までに御意見をいただくということになっておりまして、目下鋭意御検討を願っておるということでございます。
○権藤委員 次に、長期給付のことについてお伺いしたいと思います。 この長期給付につきましては、いろいろと新聞あるいは週刊誌でありますとか衆議院の社労委で問題になりまして、いま取りざたをされておるところであります。タイトルだけ見ますと、新聞でありましても雑誌でありましても、官民格差というものがこんなでっかい字で書いてある。そこで、この実態をもう一回ここでお聞かせいただきたいと思うのです。
○石見政府委員 最近、国家公務員共済年金と厚生年金との、いわゆる官民格差という言葉で、いま御指摘ございましたように、新聞紙上等をいろいろな形でにぎわしておりますことは御指摘のとおりであります。 私ども、現在共済年金と厚生年金のいわゆる退職年金につきまして、一定の年度末におきまして、これらの年金の平均の退職年金、すなわち現実に支給しております退職年金を単純に機械的に平均をいたしましたものを見ました場合には、確かに地方公務員、国家公務員の共済年金がかなり高くなっておることは、これは事実だと思うのであります。 一例を申し上げますれば、昭和五十年度で見ました場合、五十年度末におきます平均の退職年金額は、厚生年金では平均額で六十六万七千八百五十五円に対しまして、地方公務員では百十二万一千五百四十円となっておりまして、約一・六八倍となっております。さらにまた、公立学校共済では百二十九万五千三百六十一円となっておりまして、厚生年金に比してその倍率は一・九四倍、約二倍と最近盛んに言われるわけであります。さらにまた、五十年度におきます新規の年金裁定者の平均の退職年金を見ましても、大体同じような倍率の傾向を示しておることは事実だと思うのであります。しかし、これにつきましては、単純にこのような年金額を平均値で比較をして、直ちにそれでもって結論を導き出すには若干これは問題があるのではないかというふうに私どもは存じております。 それは、一つには、厚生年金と公務員共済とは在職期間がかなり違うという問題もありましょう。それからもう一つは、公務員共済の場合には、給料年額をとっておりますが、厚生年金の場合には標準報酬年額というものが基礎になっておるというところも違うわけであります。あるいはまた、厚生年金の場合には、御案内のとおり、従業員五人以上の企業につきましては、強制加入ということになっておりますので、かなり小さな企業、いわゆる賃金水準の低い企業も含まれてのお話でございますから、このような企業規模なり事業所の規模といいますものの問題もあろうかと思います。それからもう一つは、これは問題になるかどうかは存じませんけれども、いわゆる企業内の独自の年金制度による年金というのをどう位置づけて考えていくかということも無視できない問題だと思います。 かような点をもう少し細かく突き詰めまして、実態に即してこれを分析、検討してみなければならぬだろうと思うわけでありまして、前段に申し上げました単なる平均値だけですべて二倍というふうな結論には、私どもは直ちにいきにくいのではないか、かように存じておるわけであります。この辺の細かい分析は、私どもといたしましては、もちろん私どもの手だけではできぬ問題でありまして、主管省等にもいろいろお話を伺いながら、私どもの限りで分析できるものはいたしてみたいというふうにも思っておるような実態でございます。
○権藤委員 そこで、自治省でわからなければ、厚生省から来ていただいておりますので御報告を願いたいと思うわけでありますけれども、私どもがあの新聞や雑誌で見ますと、年金受給者一人当たりの年金額がそのように言われていますね。いまいろいろと比較されて申されましたけれども、この公的年金一人当たりの保険料は一体どうなっているのか、そのことについてひとつお伺いしたいと思います。 これは厚生年金でありますとか、船員保険、それから国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、それから公共企業体の職員の共済組合、それから私立学校職員の共済組合、それから農林漁業団体職員共済組合、それから国民年金、これの一人当たりの保険料は、平均で結構でございますが、一体どういうふうになっておるのか。
○桑名説明員 いま御指摘のありました国家公務員共済組合あるいは私学共済、農林共済等の他の共済組合の実績値はいま手元に持ち合わせておりませんが、私どもの所管いたしております地方職員共済組合につきましては、現在保険料と言われておりますいわゆる長期の財源率が千分の百十二となっております。これを職員の掛金と使用者である地方公共団体の負担金で負担しているわけでございまして、掛金が千分の四十七に対しまして、負担金が千分の六十五となっております。 公立学校共済組合におきましても同様の数値になっておりまして、警察共済組合につきましても地方職員共済組合と同様の財源率になっているわけでございます。 なお、他の都共済組合あるいは政令都市共済組合あるいは市町村職員共済組合等につきましても、大体これと同じような傾向で、財源率につきましては千分の百十程度になっているのが実情でございます。
○権藤委員 この保険制度につきましては、千分の四十五とか六十五とか言ったって一般的にはわかりにくいのですよ。私がお聞きしておりますのは、一年間に掛けます保険料、それが厚生年金であるとか船員保険であるとか、いま申し上げたものと比較をして金額的にはどういうふうになるのですか、こういうふうに聞いているのです。
○高峯説明員 各制度の保険料の実額負担は手元に数字がございませんが、保険料率で申しますと、厚生年金の場合九・一%、本人負担は四・五五%でございます。船員保険につきましては、本人負担が五・三%、それから国民年金の場合は、これは定額保険料でございまして、本年の四月から月額一人二千二百円ということになっております。
○権藤委員 私のところに資料があるわけでございますけれども、昭和五十年度の一人当たりの保険料は、厚生年金で九万二千百十六円、それから船員保険が十八万九千二百二十円、国家公務員共済組合が十八万八百二十三円、地方公務員共済組合が十六万九千百七円、国民年金が一万四千五百六円、こういうふうになっているわけでございます。これはどういうことですか。
○桑名説明員 いま御指摘になりました保険料は、先ほど申し上げました財源率をもとにいたしまして、職責の給料総額に掛金相当分の率、すなわち地方共済でございますれば千分の四十七を乗じたものがいま御指摘になりました一年間の掛金額になるわけでございます。
○権藤委員 そうすると、厚生年金と、たとえば地方公務員共済組合の保険料、それは約二倍近く違うわけでしょう。厚生年金はそのほかに厚生基金というのがありますけれども、そういうものを含めますと、かなりの高額になろうかと思うわけであります。そういうものと合わせて、保険料率が高いでしょう。こういうものは一体どういうふうにお考えなさっておるわけですか。厚生年金よりも倍近くの年金をもらっているということが問題になっているわけでしょう。そうすると保険料も高いわけでしょう。厚生年金はそのほかに厚生基金というのがありますね。そういうものと合わせますと、その率はどうなるのですかと聞いているわけです。これは各企業がやることでございますから、実態は把握できないでしょうけれども、その平均をしますとどうなるのですか。おわかりですか。
○高峯説明員 厚生年金基金というのが、厚生年金の報酬比例部分の代行またはプラスアルファの分としてやっているのがございます。そういうところの場合ですと、基金が代行しておる部分の料率と厚生年金保険の保険料率と、これを足して計算することになるわけでございます。手元に基金の方の資料がございませんので、いますぐお答えできかねますけれども、そういったことを加味して上乗せをすると、実質より低い高いというものが出るかと思います。
○権藤委員 厚生年金と厚生基金とを合わせたものが大体平均してどのくらいになるものか、私もその実態が知りたいわけなんです。それと、問題になっております公務員の共済組合の年金と比較対照してどうなるかということを知りたいわけです。そういう資料はつくれますか。
○高峯説明員 これは、資料をもとにしまして算定すれば、作成可能でございます。
○権藤委員 資料がつくれるということでございますので、資料提出をひとつお願いします。
○木村(武千代)委員長代理 資料を要求します。
○権藤委員 そこで、このような各種年金というものが非常に複雑でありまして、私どもにも国民にも一般的にわかりにくい。また、ただ単に年金というものの額が多い少ないという問題ではなくして、老後をいかにして保障するかというような発想であるわけであります。そこで、あちらが高いこちらが低いということではなくして、十分に生活が保障されるような意味での年金制度の確立ということは、もはや急務であります。そういうことで私たちは、国民総合基本年金構想というものを発表しております。これは高く評価されておると思うわけでございます。この国民総合基本年金構想の中で、このばらつきを改善して、生活を安定させていく、そしてその上に、いわゆる既得権のある者については二段構えで措置していくということを私どもは発表して、また、そのようなことを実現したいと思っているわけであります。厚生省の方におきましても、基本年金構想というものを検討されておったようでございますけれども、今日、この基本年金構想についてはどういうふうになっておりますか、それについてひとつお伺いしたいと思います。
○高峯説明員 わが国の公的年金制度の将来構想につきましては、昨年の五月から大臣の私的な諮問機関といたしまして、年金制度基本構想懇談会というものを設けております。これは有沢広巳先生を座長にいたしまして、十五人の専門家の方から成っておる懇談会でございますが、ここでかれこれ一年近く御検討いただいておるわけでございます。この結果につきましては、ことしの秋ごろには大体の方向づけだけでも出していただくようにお願いいたしておりますので、それが固まり次第、構想というものが明らかになると考えております。
○権藤委員 ことしの秋ごろに大体まとまるわけですね。
○高峯説明員 大体の方向づけを示していただくようにということを懇談会にお願いしております。
○権藤委員 いろいろと問題が提起されておるわけでございますけれども、結論としては、早急に私どもの考えております。また厚生省等で考えていらっしゃるような基本年金構想というものを確立していかなければ、こんなにばらばらでは将来が非常に危ぶまれるわけでございますから、早急にそのような対策が講じられますように強く要望をしておきたいと思います。 それから、長期給付に要する財源につきましては、修正積立方式がとられているようでございますが、年々、将来の年金の支払いに充てるため、積立金が増加をいたしておるように聞いております。五十年度における収支、積立金の増加額及び現在までこの積立金がどのくらい蓄積してあるか、その点についてお伺いしたいと思います。
○桑名説明員 地方公務員共済組合全部につきましての長期経理の収支の状況は、五十年度の決算の状況で見ますと、収入額が約一兆八十六億円でございまして、それに対しまして支出額が約四千百十億円、差し引き五千九百七十六億円の積立額が増加したわけでございます。したがいまして、五十年度末における責任準備金の積立額は三兆三千六百七十二億円になっているわけでございます。
○権藤委員 その三兆余の積立金の運用方法の割合がどうなっておるのか、実際組合員の福祉関係に充当されるのはどうなっておるのかということが知りたいわけなんです。
○桑名説明員 積立金の運用につきましては、安全かつ効率的に運用するように法定されているわけでございますが、いわゆる一号資産と言われております現金、預金あるいは地方公共団体の一時借り入れあるいは地方債、公庫債の取得に充てます部分につきましては、全体の四五・六%、額にいたしまして一兆五千三百五十七億円がそれに充てられております。不動産及び不動産の取得を目的とする貸し付けに充てられる部分につきましては、全体の八・六%でございまして、その金額が二千九百億円余りでございます。いま先生から御指摘のございました直接組合員の福祉への還元と申しますか、組合員の住宅建設のための貸し付けであるとか不動産の取得を目的とするもの以外の貸付金に充当いたします資金、これを三号資産といっておりますが、それに充当いたしております比率が四五・八%でございまして、金額が一兆五千四百十一億円となっておるわけでございます。
○権藤委員 そこで、お尋ねしたいのですけれども、積立金が組合の独自性、あるいは組合員の要望また意見、そのようなものを十分に受け入れて、自主的に資金を運用するというふうにはなっておらない。 〔木村(武千代)委員長代理退席、委員長着席〕 だから、もっともっと組合や組合員が自由にこの資金を運用するようにすべきじゃないかというような意見が方々であるようでございます。私ももっともだと思うのです。たとえば住宅資金でございますとかいろいろなことに自分たちが積み立てた資金が利用される。当然国や地方公共団体が措置をしなければならないような財源までも、この中から使われておるわけでございますね。ですから、この積立金についてはやはり自主的に利用できるような方法を再検討する必要があろうと思うわけでございますが、こういうことについて何か御意見がありましたら、お伺いしたいと思います。
○石見政府委員 地方公務員共済の長期資金の運用につきましては、御案内のとおり、一号資産が五五%以上、二号資産が二〇%以内、三号資産が二五%以内ということで法定されておるわけでございますけれども、自治大臣の承認による特例によりましては、一号資産を圧縮いたしまして、三九%以上というところまで下げ得ることになっております。と同時に、二号資産あるいは三号資産、いわゆる職員の福祉に回します部分を、法定では四五%以内となっておりますものを六一%以内にまで引き上げるというような措置をとり得る道が開かれておるところであります。 ところで、個々の共済組合におきましてこのような限度の中で一体どのような運用をしていくかということにつきましては、これは全くそれぞれの共済組合の自主的な御判断によりまして、かつ、そのまた大枠につきましては運営審議会の議を経てお決めになるわけでありまして、そういう意味におきましては、それぞれの共済組合におきます長期資金の運用につきましては、組合の自主性によって民主的に運営がされておるものだというふうに私どもは理解をいたしておるわけでございます。
○権藤委員 自主的に運営されておるように認識をしておると思うわけでございますけれども、実際、要望の中には、総資産の四〇%に満たないものだけが組合員の福祉に充当されておる、あとの六〇%は、当然使用者であるところの地方公共団体の資金で賄わなければならない分野に使われておる、こういうふうな報告がなされておるわけでございます。この四〇%、六〇%というのは、数字が変わっておりますか。
○石見政府委員 ただいまお答え申し上げましたように、一号資産、すなわち預金とか現金あるいは地方公共団体の一時借入金、金銭信託、地方債、こういうようないわゆる行政目的に使われるものあるいは安全確実に管理されるものの割合は三九%以上ということになっておりまして、おっしゃいます福祉に還元いたします部分は六一%以内ということになっておるわけでありまして、そのような一号に使われるものが六〇でありその他が四〇という御指摘であるといたしますれば、むしろそれは逆ではないだろうかというふうに考えるわけであります。
○権藤委員 いずれにいたしましても、この長期経理資産運用につきましては、自治省の方でひとつしっかりその指導方針を立てて、組合あるいは組合員の要望にこたえられるように鋭意努力をしてほしい、こういうようにお願いします。 次に、年金の改定についてでありますけれども、今回の改正により、年金の改定時期が昨年の七月から繰り上げられたということは一歩前進した、このように私ども評価しております。しかしながら、それでもなお公務員給与改定の時期に比べますと一年間のおくれがあるように私どもには思えるわけであります。したがって、来年度はこの一年間のおくれを何とか改善をする必要があると私どもは思うわけでございますが、それについて何かお考えがありますかどうか、お伺いをしておきたいと思います。
○石見政府委員 共済年金の年額の改定につきましては、国家公務員、地方公務員を通じまして、従来から恩給制度の取り扱いに準じて措置してまいったことは御案内のとおりであります。したがいまして、その改定の実施時期につきましても、恩給制度の取り扱いと全く軌を一にしてまいったわけでありまして、過去数年間、毎年一カ月ずつ早めてまいったわけであります。 ところで、昨年までは七月から実施ということになっておりましたものを、本年からは四月から実施ということでお願いをいたしておるところでありまして、このことにつきましても、いま申し上げましたように恩給の改定に準じ、かつ、国家公務員の取り扱いと全く同様の措置をしておるというところなのでございます。しかしながら、そうは申しましても、年金額の改定の実施時期が四月からでございましても、現実には、その改定率の算出の基礎となります公務員の給与改定のベア率は前年度のものを使っておるわけでありますから、実質的には、現職公務員の給与改定に比べますれば一年おくれておるということになっております。そのことを先生ただいま一年のおくれがあるというふうに御指摘をいただいたことだと思うわけであります。 この実施時期の現職公務員に比べて一年おくれておるということにつきましては、私どもは、できますればこれはやはり現職公務員に次第に、一気にはもちろんまいらぬと存じますけれども、近づけていただくことがこれまたきわめて好ましいことであろうというふうにも思っておるわけであります。と申しましても、これまた何分にも恩給なりあるいは国家公務員共済とのバランスもあるわけでありまして、ひとり地方公務員共済のみで措置することはきわめてむずかしい問題ではございますけれども、いままで一年ずつ除々に上がってまいったわけであります。今後とも、私ども実質的に現職公務員の改定時期にできるだけ近くなりますように、これまた努力は続けてまいらなければならない、あるいはまた各省庁とも十分協議をしなければならない、かように思っておるわけであります。
○権藤委員 いまおっしゃいますように一年間近くおくれてまいりますので、このように貨幣価値の変動あるいは物価の上昇というものによりまして、実質的な年金というものがかなり目減りをしていくというようなことで、私どもはこの支給の実施というものを繰り上げるべきであるというように言っておるわけです。これはもうあなたも御承知のとおりであります。 それからまた、厚生年金受給者というものは物価スライド方式がとられておるようであります。そうして今回は九・四%のスライドがされております。一方、共済年金受給者というものは、一律に六・七%プラス二千三百円、恩給に準じたためこうなっておるわけでありますけれども、一番高くとも七・四%であるわけであります。年金受給者というものは退職された人々であり、公務員給与の改定というものがいま申し上げました一年おくれですぐ反映をしない。この点きわめて厳しい生活を強いられなければならぬと思うわけなんです。したがいまして、このいま一年おくれになっておりますものを、少なくともその年に厚生年金受給者と同じようなそういう条件で支給されるようにぜひともひとつ取り計らいをしてほしいと私は思うわけでございます。何とかしなければならぬとおっしゃっておりますし、それについての検討は十分なされておると思うのですが、いつの時期からそういうふうに実施しようと思っていらっしゃるかどうか、お聞きしたいと思います。
○石見政府委員 御指摘の点につきましては、ただいま御答弁を申し上げましたように、現職公務員に比して実質的に現時点においてもなお一年おくれておるということになっておるわけでございます。私どもといたしましては、いままでも過去数回にわたりまして、これを一カ月ずつではございますけれども、国家公務員あるいは恩給制度と並んでその実施時期を早めてまいったわけであります。ことしからは四月実施で現在法案を御審議を賜っておるわけでございますが、なお、今後やはりこれの実施時期をさらに事実上現職公務員と一年の差というものを縮めていくという努力は続けてまいらなければならないと思っております。しかし、いつからそれができるかということにつきましては、私どもまだこの段階で確信を持つところまではさらさら至っておりません。恩給制度がどう扱われるかということは、共済制度がその源を恩給に発しておりますということから見ましても、恩給制度の取り扱いが基本になりますことはまず間違いがないと思うわけであります。あるいはそれと見合って国家公務員の取り扱いがどうなるかということも大きな問題であります。そのほか、それのみではございませんで、あるいは私学でございますとか農林共済でございますとか各種の年金制度がどうなっていくかということもあるわけでありまして、ひとり地方公務員共済のみがこれを措置するということも非常に困難な問題でございます。一方では、いま申しましたように、その根っこになっております年金制度が改善されてまいりますれば、私たちとしてもそれに見合っての措置というものはとり得るわけでございますので、十分所管省とも協議をし、今後ともお願いをしてまいりたい、あるいは検討もしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○権藤委員 また、今回の年金額を改定するその指標というものが、先ほど申し上げましたように六・七%プラス一律二千三百円でございますけれども、いわゆる前年度に改定された上に薄く下に厚いというそういう方式、つまり六段階方式というものをとられておったわけでございますが、それがこういうふうに一律に変わった理由はどういうものにあったのでしょうか。それについてお伺いしたいと思います。
○石見政府委員 地方公務員、国家公務員を通じましての共済組合が支給いたします年金の額の改定につきましては、ただいまも御答弁申し上げましたように、従来から恩給の取り扱いに準じてやってまいったところでございます。ところで恩給におきます恩給年額の増額につきましては、昭和四十八年度以降は、前年度の公務員の給与の改定の平均のいわゆる改定率によって一律に増額するという方法が四十八年以降恩給でとられ、そしてまたこれが地方公務員、国家公務員とも同じような、一律に増額改定方式をとってまいったわけでございますけれども、御案内のとおり、昨昭和五十一年度におきましては、従来の方式を恩給におきましては改めまして、公務員給与の水準だけではなくて、できる限り現職公務員の給与改定のいわゆる改善傾向、先ほど申されました上薄下厚というような改善傾向もできるだけこの年金の改定率に反映させていこうという趣旨におきまして、昨年度は五十年度の現職公務員の給与の改善内容を分析をいたしまして、それに基づきまして恩給年額計算の基礎となる仮定給料を増額するという方法がとられたわけであります。すなわち、ただいまお示しにございましたように、五十一年度はそういう経緯でもっていわゆる六段階方式というものがとられたわけでございます。このように五十一年度の改正におきまして、五十年の公務員の給与の改善の傾向が一つの指標であらわすことはできない。すなわち上に薄く下に厚いという給与改善傾向をとらえたものでありますから、一つの指標であらわすことができなかったものでありますから、六段階になったわけであります。 ところで、五十二年度におきます恩給年額の改定におきましても、現職公務員の給与の改善傾向を反映させるという基本的な考え方は変わっておらないわけであります。ただそういう意味で五十二年度におきましても五十一年度と同じ方法はとられたわけでありますけれども、六段階というような形での給与改定が五十一年度では行われていないということなんであります。したがいましてこのような結果、五十一年度におきます公務員の給与の改善内容を一つの回帰方程式でもって分析をいたしまして、いまお示しにございましたように一つの率と一つの額、すなわち六・七%プラス二千三百円、このような一つの回帰方程式でもって五十一年度の給与改善傾向が十分カバーし得るものでありますからこれを使ったということであります。したがいまして、そういう意味におきまして、いわゆる公務員の給与改善の傾向を使ったということは五十一年度も五十二年度も全く同じではございますけれども、ただ五十一年度と五十二年度の公務員の給与の改善の傾向自身が違うものでありますから、片方では六段階になり、今回の場合には一つの率、一つの額でおさまり切ったということでありまして、精神は全く同じでございます。いずれにいたしましても、五十二年度もその限りにおきまして、上薄下厚ということは一定額が入っておるわけでございますから生かされておるということになるものと思っております。
○権藤委員 毎年年金改定の指標というのがいろいろと変わるわけでございますけれども、受給者側にしてみますと、きわめてこのような不安定な改定方式というものは生活設計を立てにくいというようなそういう不安もあるわけでありまして、そういう意味でもう少し何か制度化をする必要があるのではないかと私どもは思うわけでございますけれども、より受給者に対する安心がいくような方法をひとつ見出してほしいというふうにこれは強く要望をいたしておきます。 それから現在の年金の支給月が三、六、九、十二というふうに三カ月に一回ということになっておるわけでありますけれども、これは私ども月々働きまして月給ということで月々もらっておるわけです。やはり月々もらった方が生活設計も立てやすいということであるわけです。三カ月に一回というといろいろなこともございます。そこで受給の月を少なくとも隔月、二カ月に一回ぐらいにしてほしいというような意見があるわけでありますが、時間の関係で調査したことを省略します。結論だけ申し上げておるわけでありますけれども、何かこういうことについてのお考えがおありかどうか、お聞きしたいと思います。
○石見政府委員 公務員の年金につきましては、ただいまお話がございましたように、その支給時期は年四回ということに相なっておることは事実でございます。地方公務員の年金制度につきましては、御案内のとおり、現行制度が昭和三十七年に発足したわけでありますが、その際、恩給制度あるいはすでにそれを過ぎます四年前に出発しておりました国家公務員共済年金制度との均衡等も見まして、全くこれと合わして年四回ということになってまいったわけであります。このように公務員共済につきましての年四回の支給の制度といいますのは、三十七年、あるいは国家公務員共済につきましては三十四年に発足いたしまして以来、公的年金制度全体において定着してまいってきておるわけであります。一方、年金受給者の数がきわめて大きな数になってきておりまして、私どもは、いま先生御指摘ございましたように、この四回の支給回数を六回とかさらにはそれ以上にふやしてほしいというふうな御要望もあることも承知はいたしてはおりますが、ただこれを、いま申しましたように長い間定着してまいってきておりますこの制度、しかも膨大な数を抱えております年金受給者につきましてこの支給回数をふやすといいますことは、大変な事務量の増大あるいはこれに伴います人員の増の問題、事務機構、処理体制の問題等、なかなかいろいろ問題もあるわけであります。 私ども、先生お示しのその回数をふやせという御意見は御意見として十分受けとめておるわけでありますけれども、なおいま申しましたようにもろもろの問題がまつわりついておりまして、と同時に、一つは約十数年間定着してまいっておるものでありますので、地方公務員のみこれを直ちに切りかえるということは、これまた非常にむずかしい問題でもございます。私どもいわゆる他の公的年金全体におきます扱いといいますものも見合いながら、これはもう各省庁ともいままでも寄り寄り協議もし、勉強もしてまいっておるわけでありますが、何分にも大変な事務量、大変な措置を必要といたしますので、ちょっと手がつかないというのが実態であります。私ども十分今後ともこれは各省庁とも協議をしてまいりたいというふうには考えておるわけでございます。
○権藤委員 再度お伺いしますけれども、この年金を日常の生活費の全部に充てているという人、そのほかに一部に回しているという人がおるわけですが、これが受給者の九五%あるわけです。ほとんどの人が年金でもって生活をしているわけなんです。皆さん方も月給毎月もらうじゃないですか。三カ月に一回というわけじゃないでしょう。だから、要するに現職でおるか、退職したかというだけの相違であるわけでありまして、ですから、やはりこれは膨大な事務量だとか、今日まで長いそういうような三カ月に一回というような中できたかもしれませんけれども、そういう受給者の実態がそうであるために、私は一挙にとは言えませんけれども、やはり受給者の要望にこたえていくような措置を講ずるということは必要であろうと思うのです。諸外国の例を見ましても、もう月々年金を受けているということは常識であります。そういう意味で、やはり時代に合ったような体制をとるということは私は必要だろうと思うわけです。そこはもう十分に御承知のことだろうと思いますので、これも受給者の要望にこたえられるようなそういう制度の充実等は早急に確立してほしい、こういうふうに強く要望しておきたいと思います。 次に、遺族年金のことについてお伺いをしたいわけでございます。 これも残された方々が、いままで生活の資金にしてきたのが一挙に半減されてくるということで非常に困っていらっしゃる、これが実態であります。したがいまして、この遺族年金の給付の増額は当然やるべきであろうと思うわけであります。 この前参考人の方に来ていただきましていろいろとお話を伺いましたときにも、一般的には言えないけれどもという前置きながら、生活保護費よりも少ないとおっしゃっている。やはり私たちが憲法で保障されるいわゆる生きる権利といいますか、文化的な生活をする権利というもののもとに生活保護というものも制定されておるわけでございますけれども、それより以下ということはきわめて不合理であろうと考えるわけですね。したがいまして、この遺族年金の増額については何か検討されておるかどうかお伺いをしたいと思います。
○石見政府委員 遺族年金につきましては、ただいま御指摘のありましたように、恩給あるいは他の公務員共済年金あるいは民間の厚生年金等とも全くバランスをとりまして、地方公務員につきましても二分の一ということに相なっておるわけであります。もともとおよそ恩給から始まりまして地方公務員共済、国家公務員共済、さらにその他の年金制度全般を通じまして、果たしてこの遺族年金が退職年金の二分の一でいいのかどうか、すなわち遺族年金というのは一体どうあるべきかという基本的な問題は私どもあろうかと思っております。ただ現在におきましては、いま申しましたように制度全体として二分の一ということに相なっておるわけであります。したがいまして、この遺族の生活に資するために遺族年金の支給率を引き上げると言われますことは、確かに一つの御意見だろうと私は存ずるわけであります。しかしこれを一つの御意見としては私ども十分理解をいたすわけでありますけれども、そのような制度全体の中でいま直ちにこれを引き上げるということはすべての制度、公的年金に係る問題でありますので、ひとり地方公務員共済だけではなかなかこれまたやりにくい問題ではございます。しかし、そうは言いましても、御指摘のありましたように確かに遺族年金は遺族にとりましては大変な問題であります。そこでいま御案内のとおり、支給率を引き上げるという方向がとれない現時点においては、いままだそこまで至っておらないということの中で、遺族の受給者の中でも老齢者でございますとかあるいは幼い子供を抱えておられます寡婦という、いわゆる経済的な稼得能力の一般的に弱い立場におられ、しかもその受給額が少ないという方々に対しては緊急な給付改善が必要であるという考え方のもとに、今回このような老齢者あるいは寡婦などにつきましては、特にその最低保障額を引き上げるという措置もお願いいたしておるところでございます。 これと同時に、昨年新たに設けられました寡婦加算措置等も加味いたしますれば、遺族年金の支給割合は現在の百分の五十が百分の六十近くにまでなっておるのではないかと思っております。しかしいま申されましたような抜本的な遺族年金をどうするかという問題はまだ依然として残っておることは事実と思うのであります。それぞれの審議会あるいは調査会におきましてもこのことをいろいろ御審議も賜っておるようでございます。今後私どもそのような各審議会の御意見も十分伺い、あるいは八つのいわゆる年金制度にまたがっております関係省庁ともそれぞれ御協議もし、御相談もしながら、今後とも引き続き十分検討しなければならぬ問題だと考えておる次第であります。
○権藤委員 これが最後でございますが、十分に措置をしてほしい、これはお願いをする次第でございます。 次に、殉職の件なんですけれども、公務死亡に対する遺族年金というものが、亡くなられた方は平均をして若年者に多いわけですね。消防でありますとか警察でありますとかという方に殉職者が多い。ところが殉職をなさった方々に対する年金が非常に少ない。それは若年者であるからということなんです。したがって、年金を受ける殉職を遂げた方々の遺族に対しましては、年金の基礎になるものを何か考える必要があるのではないかと思うのです。そこで、たとえば組合員の給料の平均をとってそれを年金の基礎にするとかいうことにしていきますと、かなりその年金の額も違ってくると思うわけです。これは法改正が要ることでございますのでいろいろとむずかしかろうと思うわけでございますけれども、身を挺して治安のために当たったとか、あるいは人命救助をしたとかいう人には例外の措置を考える必要があると思う。そこでこれは政務次官に、むずかしい問題だろうと思うけれども検討してほしいと思うわけでございます。いかがでございましょう。
○中山政府委員 ただいまの公務災害による死亡者の遺族の年金上の処遇につきましては、御指摘のような若くて基準になる給与が低いという欠陥があることはそのとおりでございまして、いろいろな制度でそういうものを補完しておるわけでございますが、年金制度上でもこれは御指摘のような一つの欠陥であろうと思います。ほかのいろいろな制度がたくさんあるわけでございまして、そういうものとの折り合いをつけながらそういう欠陥のないように、これまでも研究を続けてきたところでありますが、今後とも精力的に努力してまいりたいと思います。
○権藤委員 十分な御配慮をひとつ強くお願いしまして、私の質問を終わります。
○地崎委員長 三谷秀治君。
○三谷委員 インフレ、物価高という社会現象がすべての国民生活に重大な影響を与えておるわけでありますが、特に年金生活者は生活の基盤を根底から破壊されようとしております。昨年七月の自治省の退職年金受給者の生活実態調査結果によりますと、平均年金額は、七万七千円になっております。年金受給者の生活費が十二万六千円となっておりますが、この数字は間違いはありませんか。――これでは、退職者の生活保障は不可能でありますが、これについてのお考えをお聞きしたいのです。
○石見政府委員 昨年、私どもが退職年金の受給者につきまして実態調査をいたしたわけであります。これは、アンケート調査をいたしました結果でありますが、ただいまお示しのように、結論的に申しますれば、いわば退職後の生活に資するために年金制度がいまだ十二分であるというような状況ではないということを私ども一般的にこれによって承知をいたしておるわけであります。この点につきましては、この資料をどう理解するか、これはそういうアンケート調査を計数的にまとめたものでありますから、いろんな見方、考え方もあろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、やはりこれでもって十二分であるとは理解をいたしにくい状況ではないかというふうに言わざるを得ないと考えておるわけであります。やはりもともと公務員の退職年金が退職後の公務員の生活に資するという精神をもって設けられておりますものでございますので、今後とも年金の実質的な価値を高め、そして、退職者の生活の安定に資し得るようになりますように、全般的な努力はまだまだ続けていかなければならないというふうに考えておるところでございます。
○三谷委員 十二分どころではない、七分にも足りませんね。そうしますと、いろいろおっしゃっておりますが、実際の問題として退職年金受給者はどういう状態でおるのか。それに対する責任はどのようにして果たそうとされるのか。抽象的な答弁用語でなしに、具体策を私はお聞きしたいのです。国民的なレベルの最低生活保障を図るのが、生活保障を国の責任で果たすことが社会保障制度としますならば、生活保障的な意味において早急に検討を要するのではないかと私は思いますが、その点はどうでしょうか。
○石見政府委員 これは確かにいまお示しにありましたように、一体これをどうするのかということにつきまして、私どもいま直ちにこれに対して的確な対応をとり得ることはなかなかむずかしい問題だと思うのであります。しかし、ただいま申し上げましたように、年金制度が公務員の退職後の生活に資するというものであります以上、やはりその内容が充実をしていかなければならないということは、もう間違いのないところだと思うわけでありまして、そういう意味で、私ども今後とも、このこと自身もちろん地方公務員共済制度のみではなかなかとりにくい向きもあるわけでありますけれども、恩給制度あるいは国家公務員共済、さらには広くは厚生年金その他の各種の年金制度とのバランスあるいは均衡ということも十分あるわけでありますが、そういう中におきましても、今後これの実質的な改善について、いろんな角度からの努力は続けてまいらなければならぬ、かように存ずるわけであります。
○三谷委員 四十八年に政府が発表しました経済社会基本計画によりましても、社会保障の分野における資源の配分がはなはだしく過小である、こういう分析をしております。特に老人問題がきわめて重要な課題であるという指摘も行われております。この政府の分析から見ましても、資源の配分をこの面にさらに強化するということが当然行わるべきだと思いますが、この点については大蔵からお越しになっておれば、大蔵の方の御見解をお尋ねしてもいいと思いますが、この点についてはどうでしょうか。――まだですか、それじゃ自治省の方でお答えいただきましょうか。
○石見政府委員 資源配分の中での年金制度の位置づけというのは、これはきわめてむずかしい問題だろうと思うわけであります。私ども直接の所管ではございませんので、直接のお答えにはならないかと存じますけれども、ただいま申し上げましたように、やはり今後とも共済年金の内容の充実、実質的な価値を高めていくという努力の中で、その問題の実現は図られていくだろうというふうに存ずるわけであります。
○三谷委員 大蔵の方いらっしゃいましたのでお尋ねしますが、政府の経済社会基本計画によりましても、社会保障の分野における資源配分がはなはだしく過小である、こういう見解が示されておる。そこで、年金分野における資源配分ですね、これも過小であるということになるわけでありますが、この点についてのお考えをお尋ねしたい。 もう一つは、主要国の老齢年金の財源別割合ですね、これはどのようになっているか、お尋ねしたい。
○山崎説明員 ただいまの問題、私、担当が公務員の共済関係でございまして、全体は私どもでは厚生係というところでやっておりますので、ただいまの問題、ちょっと私自身としては答弁できないので、お断りをいたしたいと思います。
○三谷委員 いまの主要国の老齢年金の財源割合について御承知ですか、自治省でわかりますか。――時間を食いますから、それを調べておいてください。 ことに市町村職員共済年金の平均年金額は旧共済法年金適用者で五万円になっていますね。旧恩給条例年金適用者で五万五千円にすぎない。このような状況では深刻な物価高の進行する中で、共済年金受給者の生活がいよいよ脅威にさらされるという焦眉の問題になっておりますが、これについてはどうお考えになっておるのか、どう対応策をおとりになるのか、お尋ねしたい。
○石見政府委員 一般的に退職年次の古い方が退職年次の新しい方に比べて退職年金の割合が低くなっておることも事実であります。あるいはまた、市町村共済におきましての平均値につきましても、ただいまお示しにありましたように、一般的には平均値よりも若干低くなっておることも事実だと思うのであります。これらにつきましては、やはり市町村共済、あるいは県も含めまして公務員共済全体を通じてこれらのレベルアップを考えていかなければならない問題だろうと思うわけであります。 で、いま直ちにこの数値に基づきまして、これに対して的確な対応の手を打つという措置はなかなかとりにくいわけでございますけれども、やはり一般的に先ほども申しておりますように、退職年金あるいは遺族年金についての内容的な実質的な充実を図りながら、このレベルアップを図ってまいらなければならぬというふうに考えておるわけでございます。
○三谷委員 公務員の年金について生活保障という観点からの検討が必要である。これは一つの検討科目です。もう一つは、民間労働者の年金制度の保障的な役割りですね。これについての評価が必要になってきておる。つまりマスコミ用語によりますと官民格差という表現を使っておりますが、私どもは官と民というふうにはとっておりませんけれども、いずれにしましても民間労働者の年金制度についての先進的なあるいは保障的な意味というもの、これは私ども非常に重視しているわけなんですが、そうしますと、民間労働者と公務員労働者の間の格差が問題とされておる。これはもちろん直接地方公務員共済そのものの問題ではありません。ありませんけれども、その整合性について一体どの官庁が責任をとるのか、どの官庁でその全般的な整合が行われるのか、これがどうも明らかでないので、この点をお尋ねしたい。
○石見政府委員 国家公務員、地方公務員、あるいはまた民間の従業者を含めまして、社会保障という観点からとらまえられる問題だろうと思うのであります。と同時に、そういたしますれば、社会保障全般としていろいろ御審議をされておりますのは、現在社会保障制度審議会といいますものがありますことは御案内のとおりであります。総理大臣の諮問機関としての社会保障制度審議会におきましてわが国の社会保障全体の問題を扱っておられるわけでありますから、そういう意味で、社会保障全体として考えますれば保障制度審議会、あるいはそれを所管なさっておる省庁というのが一応所管と申しますか、担当の省ではないかというふうに私は理解をいたすわけでございます。
○三谷委員 私は理解されておるようですけれども、厚生省どうなんでしょうか。
○高峯説明員 厚生省で所管をいたしておりますのは、民間労働者を対象にいたしました厚生年金、それから農業者、自営業者を対象としました国民年金、それと船員保険でございまして、こういった年金の水準につきましては、国際的な水準というものを一つの目安として水準の確保を図ってきておるわけであります。
○三谷委員 厚生省は、いまおっしゃいますように厚生年金あるいは農業者年金ですか、これを管轄しているとおっしゃる。自治省は地方共済を管轄なさっている。それから公企体職員共済は各主務官庁が管轄する。国公労の共済は大蔵省が管轄している。ですから、その省でその管轄事項については議論ができますけれども、全体の整合性について一体どこが責任をとるのかといいますと、これは全くわからない。総理大臣以外には責任のとりようがない、こういう内容になっておりますが、こういうことではなかなか議論の進めようがない。 一つ問題を提起しますと、それは地方共済だけじゃだめだ、あるいは公企体へ行きますと、それは国公労との関係があるんだ、国公労共済へ行きますと、地方共済の問題も無視できない、あるいは恩給法の問題があるんだ、こうなってくる。そうしますと、一体どこのところで全体の社会保障制度について責任を持って検討を加え、処置するのか、あるいは私どもがお尋ねする場合に、どこが責任を持つのかというふうになりますと、これは全然わからない。これでは議論の進めようがない。この点について、政務次官どうでしょうか、こういう状態でいいものでしょうか。
○中山政府委員 確かに社会保障それから国民の老後保障というような意味でのこういう共済年金、恩給といったような制度が政府部内でばらばらで責任を分担しておるという姿は、国民にとりましては決していい姿ではないと思います。そういうことで政府でもただいま基本的な国民の年金制度その他について検討をしているところでございますが、できればこれは、いろんな制度、地方公務員の共済制度もいろいろな過去の経緯や歴史を乗り越えて一つの制度に集約してきた過程もございますし、この国民全体の社会保障の問題につきましてもやはりできるだけ一本化をして、主務官庁も一つのところで責任をとっていくという姿になることが私は望ましいと考えております。
○三谷委員 次官の評論をお尋ねしたのでなしに、どういう処置をとっていただけますかということをお尋ねしたのであって、何らかの改善処置について検討していただきたい。
○中山政府委員 先ほど公務員部長からもお答えを申し上げましたように、ただいま社会保障制度審議会で全般的な、基本的なこの問題について検討をしているところでございます。
○三谷委員 社会保障制度審議会というのは諮問機関ですから、これにここに来てもらってお尋ねするというわけにいきませんから、やはり責任官庁というものを決めていただいて、たとえば先般の天下り問題にしても、総理大臣が内閣官房ですかで全部をまとめて責任をとりますということを答えましたが、この問題もどこかそれを決めてもらって全般的な議論をするようにしてもらいませんと、私ども地方共済の改善を要求すると、それは民間を無視して何か官業労働者を優遇するというふうなことを書かれる。しかし、私どもは地方共済だけで論議するとなりますと、これは地方公務員の年金問題しか議論の対象にならぬわけですから、そういう議論のできる制度をつくってもらわぬといかぬ。それについてひとつ自治省としても一定の方針を固めて努力してほしいと思いますが、いかがでしょう。
○石見政府委員 この問題は確かに先生おっしゃいますように、私どもは地方公務員にかかわります共済制度を所管し、あるいは国家公務員共済につきましては大蔵省が所管しているということで、主管省はそれぞれ分かれ、それぞれの責任において処理をいたしておるわけであります。しかし、この制度の間には一つの整合性がなければならないということも事実でありましょうし、制度の中のバランスということも十分考えなければならぬのであります。私ども、所管省は分かれておりましても、事実上の問題としてこれらの省庁と絶えず連絡をし、あるいは検討会を設け、その他いろいろな機会に連絡、検討を続けておるわけでありまして、そういう意味におきましての調整は日ごろの業務として行っておるわけであります。 ただ、おっしゃいますように、最終的に一本にまとめるという省庁がいまのところ明確でないと申しますか、ないと申しますか、ということは事実であります。ただ、政務次官からもお答えがございましたように、わが国の社会保障制度全体につきまして社会保障制度審議会でいろいろ御審議を願っており、その限りにおきまして社会保障制度を御審議願っておる省庁という立場で、この目を通じて主管省庁はごらんをいただけるだろうというふうに私ども理解を申し上げ、また先ほど私も御答弁申し上げた次第でございます。
○三谷委員 厚生省は、そういう観点でこの整合性についての責任をお持ちになれますか、なることになっておりますか。
○高峯説明員 制度上は、公務員の共済組合を含めた年金制度全般についての責任を持つような体制にはなっておりません。
○三谷委員 それではどうもなりまへんがな。自治省と厚生省と全然意見が違ってしまって結局責任の所在がどこにあるかわからぬ。なければあるようにしてもらいたいということを言っているわけですから、それについてそのような措置をとってほしい、努力してほしい。
○石見政府委員 制度上は、確かに厚生省のおっしゃいますように、厚生省として全般的におまとめになるお立場にないということはそのとおりでございます。ただ私申し上げておりますのは、くどいようでございますが、社会保障制度審議会で全般的な御審議を願っており、その社会保障制度審議会を所管しておられます限りにおきまして、厚生省で、そういうような社会保障制度審議会の場を通じてのいわゆる全般的なお扱いを願っているんだというふうに理解をいたしているわけでございます。もちろん、先ほど申し上げましたように、それぞれの省庁においてそれぞれの責任において処理をしておりますことは事実でございますので、その点御了承賜りたいと思うわけであります。
○三谷委員 これは繰り返しておっても同じことですから、大臣に出席していただいて大臣のお答えを聞くことにします。その分だけ保留しておきます。いまのようなことではどこに責任があるかわかりません。結局、ばらばらにして個別個別に問題を質疑する以外ありませんから。そういうことでは全体の問題としては非常に不十分でありますから、それについては大臣に後刻回答を求めます。検討をして出るように言ってください。 そこで、格差についてはいろんな経過と成熟度の差があります。ですから、その内部構造に触れないで表面的な数字だけでは実態を示すことになっていない。しかし若干の格差がある、これは間違いがない。そうしますと、民間労働者の年金制度を公務員労働者のそれに準じた内容に改善することが当面急務になっております。そこで、公務員労働者の年金自体がさっきおっしゃっておるように非常に不十分なんだ。生活保障の機能を持っていない。そうしますと、これを引き下げるんじゃない。むしろ未成熟でおくれた民間労働者の年金水準の改善が必要になってきている。これについての見解をお尋ねしたい。 それから、きょうの報道によりますと、大蔵がこの格差をなくするというので、公務員労働者の現在の既得の条件を低いところに合わせようとするような方針を出されたようでありますが、低いところに合わしていこうというふうな形でこの格差是正をやるというお考えなんでしょうか。二つありますから先の方から答えてください。
○高峯説明員 民間労働者を対象にいたしました厚生年金と共済組合とは受給対象、沿革、それから制度の性格の相違からいたしましていろいろ相違がございまして、これを正確に比較することは非常にむずかしゅうございます。しかし、現実にいろいろな面で差異があることは確かでございまして、その差をどうやって解消していくかということにつきましては、昨年の五月から発足いたしました大臣の私的な諮問機関でございます年金制度基本構想懇談会、これの大きなテーマとなって現在御検討をいただいておるわけでございます。その大筋の方向がことしの秋ぐらいにはまとまるかと思いますが、いまの格差をどのようにして解消していくかという点につきましては、その辺の専門的な御意見を踏まえて対処いたしたいと考えております。
○山崎説明員 けさほどの毎日新聞の報道につきましては私どもも十分承知していないわけでございまして、この検討という点につきましては、先生十分御承知だと思いますが、実は私どもに国家公務員共済組合審議会というのがございまして、五十年の八月にそこの審議会の会長である今井先生から今井メモ、今井試案というものを提出されまして、現在年金制度について検討中でございます。その中の一つの要素といたしまして支給開始年齢とかというものも入っておるわけでございますが、これを一つだけ取り出して検討ということにはなっておりません。したがいまして、公務員の年金が、社会保障的な性格あるいは企業年金的色彩あるいは福祉といいますか、福祉の性格をどのように調和するかということで、全体的な見直しは審議会で十分やっているわけでございますけれども、新聞報道のようなことはございません。
○三谷委員 いろいろ方針などをお尋ねしますと、審議会で検討だとかあるいは基本構想懇談会で審議をいただいておる、こうおっしゃっておりますが、これは審議機関は諮問機関でありまして、それ自体が行政上の責任を持つものではありません。ですから、私どもが方針などをお尋ねしましたときには、たとえば大蔵はどう考えておる、厚生省はこう考えておる、しかし最終的にはそこの審議というものを参考にして決めるんだということになってくるんだと思う。ですから、いろいろ見解をお尋ねしましても、そら審議会だ、そら懇談会だ、こうおっしゃっている。その所管官庁は何らの意見もないのか、何らの方針もないのかということになると疑問が起きてくる。こういう態度はまるで透明人間と一緒なんだ。何もない。審議会、懇談会、こうなっておる、こういう答弁の仕方は私どもは納得できません。厚生としてはこう考えておる、大蔵はこう考えておる、しかしながら諮問機関の意見も尊重しながら最終結論を出すんだというものでなければ、合点がいくものではありません。ところが、いつでも責任がまるでほかにあるような、しかも行政権限を持っていない機関などを立てて、そういう責任回避をなさいますけれども、これは改めてもらいたい。少なくとも、いまの段階で厚生省の担当部局はどう考えておるとか、大蔵省の担当部局はどうだとかいうことを言ってもらいませんと審議になりませんでしょう。だれが考えてもわかることなんだ。そういう点でお答えを願いたいと思うのです。 そこで、この格差があるのを見てみますと、一つは受給年齢が違いますね。受給資格を得る年齢が違ってきている。五十五歳と六十歳です。しかし実際の状況を見ますと、六十歳と六十二歳になっておるようでありますが、事実上二歳の差が出てきている。標準報酬のとり方が違ってきている。退職前一年間の平均給与とそれから全勤務期間における給料の平均額、こういう差がある。それから併給制限があります。これは詳しく言いませんけれども、確かにこういう差はあるわけなんですが、この差に対して一体厚生省はどうお考えになっているのか。
○高峯説明員 いま御質問のありました一つは支給開始年齢でございます。それから平均標準報酬をとっていることの是非、こういった問題につきましては、先ほども申し上げましたように、年金制度基本構想懇談会におきまして、将来の日本の公的年金制度をどのように持っていくかということを検討している段階でございまして、その中で重要な課題として御検討いただいているわけでございます。 それから、釈明になりますけれども、年金制度基本構想懇談会と申しますのは、いわゆる諮問機関ではございませんで、大臣が自分の方針を決める際の一つの相談相手と申しますか、そういう意味で私的な諮問機関という説明をいたしておりますけれども、そういった意味の懇談会でございまして、そこの専門的な意見を十分に徴した上で厚生省としての方針を出したいということで臨んでおるわけでございます。
○三谷委員 私的なものであろうと公的なものであろうと、諮問機関は行政権を持つわけではないし、行政責任があるものじゃない、それはわかり切ったことだ。だから、そんなむだなことは言わぬでよろしい。ただし、そういう場合全部そこに任せるというのでなしに、厚生省が一応の方針なり見解なりを持つべきなんでしょう。他の審議会などもそういうものなんですよ。地方制度調査会なんというものは自治省の方針をあそこで再確認するという結果になっている。恐らく全体がそういう傾向にあると思うのだ。その点からしますと厚生省としては、この問題についてはどう考えているというのがありそうなものだ。それをお尋ねしたのですが、あなたではお答えができないかわからぬ。だから政府委員に来てもらわぬと困るとしばしば言うわけなんですよ。その点についてどうでしょうか。 それから同時に、差がありますのは、掛金率が違っている。これは非常な差があるのであって、地方公務員共済の一人当たりの掛金額は五十年で見ますと八万四千三百四十七円になっている、それから厚生の掛金は五十年度で見ますと四万七千六十一円、つまり約二分の一という状態になっている。掛金額に非常な差が出てきている。そして加入年限も大きな差が出てきている。地方共済年金で三十三年、厚生年金で二十四年、こういう数字が出ているようであります。それから、一人当たりの積立金額も厚生年金で五十二万、地方共済で百六万円というわけでありますから、いろいろな面で差がある。それから、婦人労働者が、五十年裁定で、厚生年金で二〇%を占めている、共済は九%にすぎない、特に民間婦人労働者の給与が非常に低いということが全体の掛金額などにも影響が出てきている。それから、賃金形態の差も出ておるようであります。これは民間にいきますと、五十歳を頂点にして年齢がいきますと若干下がってくる。共済の場合ですと、退職時が最高時になっておる。こういういろいろな状況があるようであります。ですから、歴史的な経過、成熟度に非常に差がありますから一律に平均額だけを出して、そして格差、格差というふうな考え方、これは私どもはそのまま賛成できるものではありません。五十年の新規裁定で見ますと、厚生年金と共済との間に給付水準の差が百二十二万対六十七万八千ですか、そういうふうになっておりますが、五十万の差がありますが、この差は標準報酬のとり方で三十万円差が出てきている、加入年限の差で二十五万程度の差が出てきておる、そういう概算を私どもはしております。 そこで、加入年限の差は別としまして、標準月収のとり方、適用年齢ですね、つまり支給年齢あるいは併給制限、それから年金の算出方式などについてはこれは是正しなければいけません。これを是正しなければ当然差別があるということになってくるわけでありますから、この是正を至急にすべきであると思いますがどうでございましょう。
○高峯説明員 年金額の算定の基礎となります報酬を厚生年金では平均の標準報酬をとっておるわけでございます。これは民間労働者全体を対象にいたします制度でございますので、各企業ごとに賃金体系がすべて異なっております。それから労働者が幾つもの企業を変わった場合、こういったものも全部カバーしなければならないという厚生年金の性格から考えまして、平均の標準報酬を基準とするのが最も適当だということで、現在その制度がとられておるわけでございます。
○三谷委員 標準報酬を基準とするというのは、それは地方公務員の場合でもその報酬のとり方というものは変わりはないわけなんです。要するに、額が違うわけですから、この額に整合性を持たせる必要がありはせぬかということを言っておるのです。
○高峯説明員 ちょっと御質問の趣旨を取り違えていたかもしれませんが、現在受給者の年金の支給額の比較をする場合において、いろいろな点の相違点を補正して比較するのが必要だということであればおっしゃるとおりだと思います。
○三谷委員 お答えを聞いているのであって、私のお尋ねしているのは、そういう格差があるとおっしゃいますように、いろいろな条件の差がありますが、それをなお勘案しましても格差は存在しているわけですから、それについては是正を図る必要があるということを申し上げておるのであって、厚生省はそれについて是正する処置をおとりになる必要がありはしないかということを申し上げておるのです。
○高峯説明員 具体的にどういう点について差の解消を図るかという点につきましては、個々の点につきまして十分な検討が必要だと思いますが、合理性を欠いた差については当然これは解消していくべきものと考えております。
○三谷委員 ただし、現行制度の中でも高級の公務員、これの特権的な処遇は是正する必要があると思うのです。私は、民間労働者とそれから公務員労働者、これを対置するものとは考えておりません。これはいずれも労働者であって、公務員労働者の既得権というものは民間労働者にも普及されるべきものである、こういう立場に立つ者でありますが、しかし特権官僚の処遇についてはこれは速やかに是正する必要がある。これは主として恩給部分の扱いから生じてきている。現行では最高俸給月額が三十四万でありますが、そこで抑えております。今度三十六万にするわけでしょう。しかし、通算されます恩給期間分については上限制限がないわけです。そのため最終一年間の実際給与がそのまま恩給期間の算定基礎になっている。ですから指定職クラスの高級官僚が非常に有利になってきている。たとえば、先般の社会労働委員会で自民党議員が官民比較に引例しました加入期間三十二年の次官の場合、年金額二百九十一万円としておりますが、頭打ちを恩給期間にも適用しますならば二百三十六万六千円となるわけです。この制度、これが非常に大きな不合理の要素になっている。 たとえば、ついさっき私、大阪に電話をして調べてみましたが、大阪で調べました高給者の年金額はどうなっているかといいますと、名前を言うのはちょっと控えておきます。Tという副知事がおりますが、これはいまの年金計算上は二百六十四万五千四百五十五円になっておる。Uという副知事がおりますが、これは計算上二百四十六万四千六十一円になっておる。Kという副知事がおりますが、これは二百九十八万四千五百六十円。Kという副知事がおりましたが、これも計算上は三百五十一万二千三百七十五円になっておる。前の知事、これは計算上は三百三万七千三百円になっておる。こういう状態になっております。これは、退職年金受給者の平均年金額七万七千円と比較しますとまことに特権的な処遇になっている。このことは明白なんです。しかも、七万七千円という平均年金額というものはこの種の高給者の年金を含めて算出したものなんです。そうしますと、下級公務員労働者の実質年金額というものがさらに低下することは明らかであって、厚生年金の支給額にほぼ類似する、こういう状態になっておる。こういう不合理をこのまま放置しておいていいでしょうか。
○石見政府委員 御指摘のございました点は、恩給期間を有しております退職年金受給者につきまして、その恩給期間につきましては、いわば最高限度額の適用がないではないかという御質問であったかと存ずるわけであります。 御案内のとおり、現在の地方公務員につきましては、三十七年に新たな退職年金いわゆる共済年金制度ができたわけでありますが、従来恩給を中心として区々に分かれておりました制度を、いわば地方公務員一本の退職年金制度として統合いたしたものであります。そのことは国家公務員につきましても昭和三十四年に同じような新制度が発足しております。 しかし、このように新法によります長期給付に関する規定が全面的に適用されますのは、新法の施行日、すなわち昭和三十七年十二月一日以後に組合員となった者に限られるわけであります。したがいまして、施行日前から引き続いて在職しておりました職員につきましては、その制度切りかえ時に適用されておりました制度と申しますか、そのときにありましたいわば期待権ないしは既得権というものを全面的に尊重するというたてまえのもとで、昭和三十七年なり国家公務員については三十四年の制度の切りかえが行われたわけでございます。したがいまして、その内容的には従前の制度の適用を受けておりました期間は新しい組合員の期間に通算するとか、あるいはまた従前の在職期間についての年金額は、その在職期間について適用された従前の年金の算定方法によって算定するというような、その期間についても額についても従前のいわば既得権、期待権というものを全面的に尊重していくというたてまえになっておるわけであります。したがいまして、従来恩給制度の適用を受けておりました者につきましては、恩給制度のままいけば当然恩給制度そのままの制度が適用されたであろう、ところがたまたま国家公務員については三十四年、地方公務員については三十七年に制度改正があったがゆえにそこで期間が切れたわけで、いわば制度の切りかえが行われたわけでありますから、恩給制度なりせば受けたであろう期待権というものを尊重するというたてまえのもとに、恩給期間中につきましては最終の月額というものを用いているというこに相なっておるわけであります。 このようになっておるわけでありますから、一部の組合員について確かに御指摘のような事情があることは事実であります。しかし、いまのような制度切りかえのときにおきます既得権を尊重するという考え方のもとに立ちますれば、そうだからといって、一部の組合員について一般的な扱いを異にするというのは、これまた制度全体の立場として問題があろうかと思うわけであります。 しかし、御指摘のありました点は私ども事実としてよく承知をいたしております。やはり国家公務員制度とのバランスもありましょうし、あるいはまた、先ほどるるお示しにありましたように、すでにもう年額裁定になって年金を恩給期間としてもらっておる方も現実にあるわけであります。こういう方とのバランスの問題というふうなものもあろうかと思うわけであります。今後大きな検討問題とは存じますけれども、いま直ちにこれを是正するということは、いま申しましたような、さらにさかのぼっての制度の経過なり、あるいはまた、現に恩給制度として受けておられる方との均衡上というものも含めまして検討してまいらなければならぬ問題であろうというふうに考えるわけであります。
○三谷委員 時間がありませんから要点をおっしゃってください。 それでいまおっしゃいました点ですけれども、恩給制度を引き継いできたという事実は確かでありますが、しかし恩給制度が共済制度に変わってきているということは、慈恵的な恩恵をかつてのように天皇の官吏、公吏に与えるという社会通念、これが時代の変化、社会情勢の変化に伴って共済制度になり社会保険制度になってきたわけでありますから、そういう変化に伴った対応というものが恩給の中にも必要である。恩給の中には軍人軍属もありますし軍人遺族などもありますから、恩給制度をにわかに撤廃しろなんということは私は言いはしませんけれども、そういう特殊な高級官僚が、月にしますと二十万から二十五万の年金を手にする。しかも一方におきましては、それを含めて計算して七万七千円、実態はもっと低くなってくる。そして生活費が十二万も要る。そういう状態を見ますと、社会保障制度として考えてみますときに、高給者であろうと低給者であろうと、老後の生活費なんというのはそれほど変わるものじゃありませんから、こういうとんでもない格差というものは当然是正する必要がある。是正する観点に立つべきだと私は思いますが、この点は大蔵省にもお尋ねしたい。 いまさっき申しました大阪府のKという副知事、自治省から行った副知事でありますから御承知と思いますが、この人の二百九十八万四千五百六十円の年金計算額というものは、これは三十一年九カ月勤務したのですが、その三十一年九カ月がちょうど真ん中で割れていて、半分が恩給部分で半分が共済年金部分なんです。勤務年数がちょうど半分になっている。十五年十カ月が恩給職員、十五年十一カ月が年金職員なんです。ところが、恩給の方では二百十八万八千二百三十五円になっている、それから年金の方では七十九万六千三百二十五円、こういう実態なんです。要するに、恩給に対する資源配分が多過ぎる。整理資源の問題が問題になりましたけれども、整理資源全体というものは否定できるものじゃありませんけれども、また、全体としてはそういう資源配分というものをこういう部分に強化するということは私どもは少しも反対するものじゃありませんが、こういう不合理なところに資源配分が多量に吸収される、そうして下級公務員というものが非常に冷遇される、あるいは民間労働者に対しては配分がきわめて乏しいというふうな状態は、当然改善されなければいかぬのじゃないですか。 これは朝日新聞に出ておりました調査によるものでありますが、各年金をフルに活用した場合、ここでモデルをつくっておりますが、高級官僚ですと六十五歳で月額二十五万三千四百円、そして一般公務員の場合十四万あるいは十三万という数字が出ております。それから民間労働者で十三万、こういう数字です。フルに活用した場合の計算でありますが、いずれにしましても、この場合でも民間、一般公務員と比較しまして高級公務員の年金が多過ぎるということは、ここでも非常にはっきりと証明されておるわけであります。ですからこの点はもっと社会的な視点に立って是正する必要がある、だれが考えてもそうなんです。 私どもはそういう点から言いますと、公務員労働者全般がとんでもない年金を受けておるという考え方に立ちませんが、そういう特権的な公務員、高級公務員、これの分を含めて計算されている、そこのところに問題がある。ですからそこのところは当然改善する必要がある。この点について大蔵はどうお考えなんでしょうか。
○山崎説明員 確かに御指摘のように、高級公務員といいますか、そういう方々の年金が高いことも事実でございますが、共済制度は先生おっしゃるとおり社会保障制度の一環であることも事実でございますが、私どもの国家公務員共済組合につきましては、国家公務員法から来るところの公務の能率に資するということから、企業年金的色彩も含まれているというふうに考えている次第でございます。したがいまして、いろいろその給付の算定にも厚生年金と違った意味の給付率になっているわけでございまして、もちろん、だからといって、社会保障制度の一環という代行的性格も有するということから、いろいろと制度の改善に努めてまいったわけでございます。 一つには、最低保障の引き上げ、あるいは四十九年には通年ルールの導入というようなことで、社会保障の代行的な部分も十分加味しながら、しかも公務員制度から来るところの企業年金的な性格も十分反映しながら検討してまいっているわけでございます。 もちろん、この制度が現在の時点で十分満足されるということではございませんで、私ども先ほどからるる御説明しておりますが、五十年八月に私どもの審議会から今井試案というものが出ておりまして、それにつきまして十分検討して、これから企業年金的な部分、社会保障的な性格、そういったものをどういうふうに調和をしていくかということが今後の問題として検討課題になっているところでございます。
○三谷委員 企業年金的な性格があるとおっしゃるのは、要するに国が雇用主という立場がある。地方共済組合でいきますと、地方自治体が雇い主という関係がある。その面におきましては使用者、労働者の折半方式によって責任が果たされてきておる。 あと問題になっているのは公費負担部分なんでしょう。ですからその公費負担部分において、恩給部分の資源が非常に割合が大きいということ、しかもそれは高級公務員のけた外れの待遇に主因がある、これを是正すべきであるということを申し上げておるわけなんです。これは地方共済でも一緒ですが、政務次官どうお考えですか。
○中山政府委員 先ほどから各省からお答えを申し上げておりますように、制度上いろいろ制度制度でそれぞれの発生の歴史また目的等もニュアンスが違っておりまして、一概には言えないと思いますが、ただいまマスコミあるいは一般の国民が関心を持っておりますいわゆる官民格差、その報道されておるような事態ではないと私は理解しておりますけれども、しかし先生が御指摘のような格差というものがあるとすれば、これはやはり公平の原則、また国民が持っております官民というものに対するいろいろな偏見、そういうようなものを是正して、本当の民主主義社会というものをつくっていくためには、やはりこういうものを少しずつ是正をしていかなければならないと考えております。
○三谷委員 そこで、恩給制度というものが一つの基礎になっておるとおっしゃいますが、恩給局の方では、恩給期間をどうするかというのは共済法の中で決めることなんであって、これは別に恩給そのものが共済法を規定するものでも何でもないということをおっしゃっておりましたが、その点はどうなんでしょうか。
○手塚説明員 私どもの方からお答えするのはあるいはいかがかと思いますが、私ども国家公務員についてでございましたら、三十四年三月三十一日前に退職した人だけを扱っておりまして、その後は共済制度に変わっておりまして、その共済制度の中で、恩給公務員としての期間だというふうに扱うかどうかは、これはそちらの方の制度の問題だと理解しております。
○三谷委員 ですから、共済法の中でいかようにでも、そこの社会的な判断あるいは財政的な判断によって処置ができるものを、恩給がこうだから、こうだからといって、そこに籍口してこういう不合理なことが温存されてきている、これを是正してもらいたい。 それからもう一つは、そういう不合理を直しますためには、高額支給制限を強化しなければいけない。ところが今度また高額支給制限を緩和するという処置をおとりになっておる。これは先般高級官僚の天下り先における不当な待遇が問題になりましたけれども、これが依然として年金をもらっている、二百万ぐらいの年金をもらっている。もういま名前を挙げるのはやめますけれども、必要があればいつでも資料を上げますが、もらっている。ですから、こういう者に対してむしろそういう高額支給の制限を強化すべきであるにもかかわらず、これを緩める。なぜかと言いますと、恩給法の改正があったからだ、こうおっしゃる。そういう態度では社会保障という観点に立ち得るものではないでしょうが。これについてどうお考えなんですか。
○石見政府委員 第一番目の問題につきましては、ただいま恩給局の方から御答弁がございましたように、共済制度におきましては、新共済制度が発足する前、恩給期間を有しておりました方々の取り扱いをどうするかということは、これはもちろん共済制度そのものの問題であろうかと思っております。 そこで、国家公務員につきましては三十四年、地方公務員につきましては三十七年にそれぞれ新制度が発足いたしましたときに、従来恩給制度の期間を持ち、現実に恩給制度の適用を受けておられた方が引き続き新しい共済組合の制度になられるときには、従来の制度はそっくりそのまま、いわば期待権と申しますか既得権と申しますか、そういう形で引き継いでいくというたてまえのもとに現行制度ができ上がっておるわけであります。 したがいまして、そういう意味におきまして、先ほどのるる御指摘のございました点につきましても、従来、先ほども御答弁を申し上げましたように、もし制度改正がなかりせば、当然その人は恩給制度の適用があったはずであります。たまたま制度改正があり、そしてその制度の中で恩給期間は恩給期間としてそのまま生かされていくという、いままでの制度をそのままそっくり生かしていく、いわば期待権、既得権的なものを尊重していくという立場の中で、もし恩給制度の改正なかりせば得たであろうその俸給額というものがそのままならば、それが基礎になったであろうということを前提にしていまのような制度に相なっておるわけでございます。 ただ、先ほどからいろいろ御指摘がございましたように、問題がないというわけでは私どもないと存じておりまして、国家公務員共済についても全く同じ問題であろうと存じております。 と同時に、先ほど大蔵省の方からも御答弁がございましたように、国家公務員共済年金制度の審議会の中で、いわゆる今井メモと申しますか、今井試案の中で、これらの問題も含めていろいろと問題提起がなされておることも事実であります。 私ども、この辺での審議の状況等も十分うかがいながら、今後これにつきましても検討しなければならぬ問題であろうというふうに理解をいたすわけでございます。
○三谷委員 高額支給制限について……。
○石見政府委員 恩給制度におきましては、御案内のとおり、恩給以外に多額の所得があります者につきましては、その恩給額のうちで一定額を超えます部分の額につきましては給付の制限をするということとされておるわけであります。 地方公務員共済制度につきましては、恩給制度を初めとした従来のもろもろの制度を統合して、新しく一本化して出発をいたしたものでありますが、その際、従来のいわゆる恩給等を中心といたしました旧制度の適用を受けておりました期間を組合員期間に算入する、そしてまた年金額の算定につきましては、それぞれ旧制度における算定方法を、いわば既得権、期待権としてそれを十分尊重するという原則のもとに行われたものでございます。したがいまして、恩給制度の適用を受けておりました者で、その適用を受けていた期間にかかわる分のその額につきましては、恩給制度と同じように、これはやはり高額所得の制限をして、恩給受給者との均衡をとるというたてまえのもとに、ただいま高額所得者のいわば恩給期間中におきます者とのバランス上、このような制度が現在設けられておるというふうに私ども理解をいたすわけであります。
○三谷委員 恩給制度における期待権というものを盛んにおっしゃっておる。それが唯一の根拠らしいけれども、しかし恩給制度そのものにいまの民主社会においては問題があるんでしょう。恩給とは一体何ですか。恩を給するというのは一体どういうことなんでしょうか。これは民主社会の常識から判断しますと、まことに奇妙な制度でありますが、しかし、これは全部が全部撤廃できるものじゃない。これは生活困窮者は実際いらっしゃる。これを放置するわけにはいきません。しかしいまのような、たとえばさっき申しました大阪市の高級退職者は、それぞれ九十八万とかあるいは五十五万とか六十万とかいう月給を取っておって、しかも二十万前後の年金が支給されるという状態になってきている。この支給期間ですね、その月給をもらっている期間などにおきまするいわゆる高額制限というものがきわめて緩やかなんです。だから両方から取っておる。だから社会的な不合理がここで非常に露骨にあらわれてきている。これをやはり是正する態度をとるべきだ。期待権、期待権とおっしゃいますが、それじゃ一体憲法の生存権はどうなる。十二万円の生活費が要るのに七万七千円しかないという。どちらが重視されなければならぬか。そういう点からしますと、いろいろおっしゃっておりますけれども、これは私どもはなかなか合点ができるものじゃありません。これについては社会的な不公正の是正の一環として当然検討を加えるべきだと思う。これについてお答えいただきたい。 それからもう一つ、恩給局がお越しになっておりますからお尋ねしますけれども、恩給制度そのものが実は不合理なんです。だからといって、これは現在戦争犠牲者などもいらっしゃるわけですし、軍人遺族などもいらっしゃるわけですから、廃止するというわけにいきますまい。これについての処置は強化しなくちゃいけませんが、しかしこの恩給制度の中にも高級官僚が非常に優遇されている。 お尋ねしますが、たとえば一般の下士官、兵ですね、これが五、六年程度の勤務ですね。そして一体これはどれくらい恩給をもらっておるのか。それからもう一つは高級官僚ですね、私はこれは名前を挙げて聞きますが、大東亜相をなさっていた青木さん、商工大臣をなさっていた岸さん、総理大臣をなさっておる。それから内務大臣をなさっていた木戸さん、それから同じく内務大臣の後藤さんですね、それから企画院総裁をなさっていました鈴木さん、満州国の総務長官をなさっていました星野さん、この方々の恩給は一体どれぐらいになっておりますか。私どもの方では一昨年の数字は持っておりますが、現在どういうふうになりましたか。それから大蔵大臣の賀屋さんが死亡されましたが、この遺族年金は一体どれぐらいになっておりますか、ちょっと参考までに知らしてください。
○石見政府委員 先ほど来御指摘をいただいております問題につきましては、私、既得権とか期待権という言葉で申し上げておりますのは、もちろんそういう法律上の権利として確定しておりますものを指しておるわけではございませんで、現実にそういう制度の中で、現実にそういう期間在職しておられた方がある、それをどうするかという意味で、三十七年ないしは三十四年にそこは十分尊重していこうという意味でとらえた制度であるということを申しあげたわけでございますので御了解賜りたいと思うわけであります。 なお、この点につきましては、先ほど来申し上げておりますように、もともと恩給制度と共済制度の両方とに重なっている方に対するこの恩給期間中の取り扱いをどうするかということ自身――もちろんその中には、先ほど御指摘のあった問題も含まれると思うわけでありますが、この取り扱いをどうするかという問題提起も、共済制度審議会では提起されておるわけであります。また検討も続けられると存ずるわけであります。私ども、ここでの検討というものを十分、専門家の御検討の経緯なりあるいは審議の結果というものを見ながら検討してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○手塚説明員 ただいま御質問の点、兵につきましては、モデルとして五年ぐらいとりますと、六十五歳未満の場合には最低保障はかかりませんので、今度の改善で十五万五百円になります。六十五歳以上になりますと、あるいはなっている方につきましては最低保障がかかりますので、二十九万四千五百円ということになります。 それから、上の方の方々を挙げられましたが、これはひとつモデルでお答えさせていただきたいと思います。 大体、あるいは総理とか各省大臣の方のようでございますが、総理大臣につきましては、二十三年の月額二万五千円、それが増額されて仮定俸給になっているわけでございますが、今度の改正の結果、かつて総理だった方で、二十年勤めて、それからまあお年寄りだと思いますので、八十歳以上ということで種々の優遇措置がございますが。そこら辺全部総合しますと、三百十三万四千八百円というのが今度の新しい年額になるわけでございます。 それから大臣の方でございますと、今度の改善の結果二百五十三万一千二百円ということになります。これは二十年のモデルでございます。 遺族の方ということになりますと、この辺ですと最低保障とは違いますので、ほぼ半分とお考えいただいてよろしいかと思います。
○三谷委員 そうしますと、大臣の経験者が二百五十五万とおっしゃいましたが、一昨年の調査で、たとえば星野大臣ですと二百六十万、木戸内務大臣ですと三百六十万、後藤内相ですと二百五十万、鈴木企画院総裁で三百十万、こういう数字が出ておりますが、今度は下がったのでしょうか。
○手塚説明員 ただいま、個別の数字はちょっと御遠慮させていただきたいと思いましてモデルで申し上げました。八十歳以上で在職年二十年の総理大臣、各省大臣ということでお話ししたわけです。 先生御存じのように、年数が長くなればそれだけ年額もふえるわけですが、もう一つのモデルで、在職年二十五年の場合を申し上げてみますとほぼ見当がつくかと思います。同じく八十歳以上でございましたら、総理大臣の場合でございましたら、今度の改善の結果三百六十九万四千六百円、各省大臣の場合でございましたら、二百九十八万三千二百円ということになります。
○三谷委員 そこに一つの類型があるかどうか知りませんが、鈴木貞一さんの類していらっしゃるケースですね、これはどうなりますか。これは三百十万でありましたが、今度の改正でどうなりました。どこの条件がどう違っているのでしょうか。
○手塚説明員 鈴木貞一さんは、在職年が、いま申しました二十年、二十五年モデルに比べますともっとはるかに長い在職年を持っている方でございます。それで多いわけでございます。
○三谷委員 いま何ぼです。
○手塚説明員 ちょっとこれは御遠慮を申し上げ……
○三谷委員 いやいや、その部類の分で言ってもらえばよろしい。固有名詞を言わぬでもよろしい。
○手塚説明員 ただ長いということで計算もしておりませんし、三十年を超える方ですから……。
○三谷委員 何%ぐらい変わっているのです。
○手塚説明員 先生お持ちの一昨年のものが正しいとすれば、ほぼそれに一一%ぐらいアップされたものではないかと思います。
○三谷委員 この実態の中にも非常な不合理といいますか、大臣経験者でありましても老後の生活というものについてそれほど不当な金額が要るものじゃない。ところが兵隊などになりますと、六十五歳以下ですと十五万、六十五歳を超しまして三十万に足りないというような状態、これは年間なんでしょう。そうしますと、一月にしまして三万足らずですね。そういう状態になってきている。一方におきましては、これは一カ月何ぼになりますか。これは三百六十九万ですから、まあ三十万というところですか。そういう状態になってきている。ここのところにもやはり検討する要素がありはしませんか。こういうものが不合理なままで、新しい民主化の時代の中でも依然として遺物として残ってきている。そして特権官僚が優遇されるという状態がいまだに続いておる。しかも、いま挙げたのは全部戦争犯罪人なんですよ。戦犯の刑を受けた人たちでありますが、それがこういう状態になってきている。これもいつまでもこういう状態でいいものでしょうか。
○手塚説明員 実は一昨年から増額についてもいわゆる上薄下厚方式、公務員給与の分析結果をなるべく中心に移すという方法をとっておりますが、いろいろな意味で上下の差というものは詰めるようにしております。たとえば大将と兵隊であれば、かつて終戦時には十六・六倍ぐらいの差があったわけですが、現在では六・七倍ぐらいになっております。 それから、ただいま例として挙げました兵、たしか二十九万四千五百円、私ども決して多い額とは思っておりません。ただ、その人の職業生活を見ますと、そのうちの五年間を戦地に行ったことについてこれだけの金額を、多いとは思いませんが出しているわけでございます。片や二十年、三十年と勤めた方、これを一律に、同じに比較をするというのはやはり問題ではないかというふうに私ども思っております。 なお、年単位で申しますと、恩給公務員だけでやめた方、ほかの局長、次長クラスでやめた方の金額はせいぜい百十万とか二十万とかいったような方が多うございます。
○三谷委員 いまおっしゃいますように勤続年数が違うでしょう。しかし、これは下手をすると死んでいるのですよ、赤紙一枚で引っ張り出されて、そうして生死の境をさまようという異常な状態なんですから。ですから、これは一般の公務員としての勤務というものとは質的に差があるわけであって、そこのところはやはり見ていかなくちゃならぬわけであって、いずれにしましても、どういう状態であったとしましても、こういう格差が余りにも多過ぎるのですよ。 やはり人間の生活というものは一定の限界があるものですから、どんなに年金を出すといっても、ある程度の制限がなくちゃなりません。 同時に、下級公務員については最低生活の保障はしなくちゃいけない。同時に上の方は、余分な支給は、これは削減をするという処置をとっていかなければ、この年金問題の格差の構造的な要因というものは解消しません。私どもはあれを全部ひっくるめて数字を出して、厚生年金何ぼだ、共済年金何ぼだ、だから共済が多い、こんな計算の仕方についてはくみするものではありませんが、しかしこの格差があって、しかも、格差の原因というものに上下の格差というものが大きな構造的な要因になっている。そのために下の方は生活ができない。上の方は生活費が十分に余る。この状態はやはり改善せねばいけません。社会保障の制度というものを考えますならば、その点を無視するわけにはいきません。最低でも生活保障が必要である。最高は、これも最低の生活を十分に保障するという観点で物を考えていきませんと、これはもうけじめがつきません。そういう点についてどのようにお考えでしょうか。恩給の方は置いておきまして、共済の方でお聞きしたいと思う。 それで、さっき今井メモを盛んにおっしゃいましたが、今井メモは何を言うておるんですか、私どもわかりません。何をどうしようと言っておるのですか。それについて一体どうお考えなんですか。
○石見政府委員 私がお答え申し上げ、あるいはまた大蔵省の方からもお答えがございましたいわゆる今井メモと申しますか、試案と申しますのは、今井委員が一つの私見として提示された問題であります。これが一つの今後の検討素材になっていくだろうというふうに私ども思っております。と同時に、非常に示唆に富んだ内容も含んでおるわけでありまして、その中で、恩給期間と年金期間とを有しております者につきましての恩給期間中の取り扱いをどう考えていくのかという問題提起になっておるわけであります。詳細なメモの中身をきょう持ってまいっておりませんけれども、全体的な形としてそのような単にと申しますか、先生の御指摘のあった問題のみをとらえているわけではございませんけれども、少なくとも三十七年制度出発のときには一応そういう形で、恩給制度をそのまま移行するということには現行制度上なっておるわけでありますけれども、諸般のその後の推移等から見て、現行制度の適否を問題提起をされておるというふうに私ども理解をするわけであります。そういう中では当然御指摘のありましたような問題点も出てくるんではないか。これはまた国家公務員共済のみならず、地方公務員共済組合につきましても、当然この問題は共通の問題として今後検討されるべき問題であろうというふうに私ども考えておりまして、現行制度のいろいろな問題点あるいはいま御指摘のありました点につきましても、そういう中で私ども十分検討していきたいというふうに考えておる次第でございます。
○三谷委員 いまの高級公務員や高級官僚の特権的な扱いについては検討してください。検討して是正の処置をとっていただきたい。これは公正の原則にも反するものであります。 それからもう一つは、刑罰規定という問題がありますが、共済年金というものを生活保障費と考えた場合に、禁錮以上の刑やあるいは懲戒処分などを受けた場合、年金の一部または全部を停止するという処置がありますが、これは一体どういうことなんでしょうか。年金制度、これを懲罰的な制度に使うというふうなことがあっていいものなんでしょうか。
○石見政府委員 地方公務員、国家公務員共済組合制度を通じまして、組合員等が禁錮以上の刑に処せられました場合とかあるいは懲戒処分を受けました場合には、このようないわば刑事処分を受けたというような反社会的な行為という事実、あるいはまた職場の規律違反というようなこの事実に基づきまして給付の制限をいたしておるわけであります。 地方公務員共済制度の長期給付と申しますものが、もともと、申し上げるまでもなく、厚生年金保険を代行するという性格を持っておりますことは当然でありますけれども、一方におきまして、それはやはり民間の労働者とは違った特殊な服務関係と申しますか、勤務関係が要請されます公務員であることには間違いないわけでありますから、そのような公務員の身分の特殊性という点から見まして、やはりいわゆる他の公的年金制度に比較しまして、一般的に年金水準というものが確保されるようにというような努力もなされておるところでございます。 ところで、何と申しましてもこのような共済制度というのは、基本的には恩給制度の流れをくんでおりますことは、これはいいか悪いか別として事実でございます。と同時に、いま申しましたような、厚生年金のような社会保障制度の一環でもあるわけであります。したがいまして、このような公務員の身分の特殊性という面から考えますれば、民間の労働者とその辺の扱いを全く同じにしていいかどうかというのは問題があるところではないかと思うわけでございます。現実にそのような反社会的行為があり、あるいはまた組織内部における規律違反があったということでもって、それをいわば民間と全く同じように何ら制約をしないということには、やはり一つの問題があるのではないかと思うわけであります。現に、いわゆる一般的な公務員ではございませんけれども、農林共済あるいは私学共済等におきましても、このような制度は導入されておるところであります。私どもといたしましては、やはりこの制度は制度として一つの妥当性を持っておるのではないかというふうに一応考えておるわけでございます。
○三谷委員 罪を犯しましたときには、それはそれなりの刑の執行があるわけであって、処罰があるわけなんです。だから、そういう罪を犯した者の生活権まで奪っても構わないという考え方でいきますと、懲罰を受けた者は生活の権利まで全く無視されるのかという問題になってくる。ですから、刑の処罰というものと共済制度は別問題だ。犯罪人といえども生活する権利は認められておるし、共済制度によって掛金をかけてきておる。それまで抹殺するというふうなことが、理論的に言ったって認められるものではありません。 さっき恩給制度のことをおっしゃいましたから、恩給制度で、たとえば戦争犯罪の刑を受けた者などが恩給制度の適用を受けるということが逐次行われてきている。たとえば、二十一年には、恩給制度全体を廃止したわけでありますが、二十八年に復活して、この中で、戦争裁判で有罪の判決を受けた者の遺族は恩給権が復活してきておる。二十九年になりますと、戦犯拘禁中の死亡者、死刑者の遺族に対する公務扶助料支給が行われる制度が復活してきておる。それから、三十年になりますと、拘禁期間も通算して在職年に加算するという措置がとられてきている。この三十年の措置は、普通恩給最短年限に達するまでということになっておりましたが、四十六年にはその制限を全部撤廃してしまう。四十八年には、未決勾留期間の通算まで行うというので、恩給制度におきましては、要するにこういう刑罰を全く無視した制度がとられてきておる、高級官僚については。ところが、末端の下級公務員がわずかの心得違いをしたというような場合に、罰は罰として受けながら、共済の権利まで剥奪されるというふうなことは、少し筋道が違いやしませんか。
○石見政府委員 共済年金につきましては、ただいま御答弁申し上げましたように、これは退職後の所得保障という見地から、社会保障制度の一環であることはもちろん間違いないと思うわけでありますが、同時に、公務員として、その身分と申しますか、住民の負託にこたえて、長年月にわたって忠実にその職務を執行しなければならないという公務員の勤務の特殊性というものも当然のものとしてあるわけでありまして、このような公務員としての特殊な職域保険というような性格もあわせて持っておるものであるというように私どもは理解するわけであります。そう見ました場合、一つの特殊な職域保険としての、その根っこになっております公務員の身分あるいは住民の負託にこたえて忠実に勤務しなければならないという勤務の特殊性という面から見まして、ただいま申し上げましたような、ある反社会的な行為あるいは組織の一員としてふさわしくない行為等を理由としてしかるべく措置をされた者につきまして、一定の給付制限の措置をとっていくということは、いま申しましたような共済制度のあり方、たてまえから見て一応妥当なものではないかというふうに理解をするわけでございます。
○三谷委員 それを妥当でないと言っているのですよ。職務専念の義務というのは、いかなる場合でも、民間労働者においても存在しておる。公務員だけの特殊な義務じゃない。法律の中にそういう表現を使っているかいないかだけのことなんです。そのことは一般的な常識であって、同時に公務員の場合においては、そういう過ちを犯しました場合には、量刑の面におきましてそれなりのことが科せられている。ですから、この場合における共済制度というものは、その懲罰とは別なんですよ。共済制度まで懲罰の道具にするというふうなことは行き過ぎておる。これは厚生年金の方はありませんね。これは社会的な責任との関係におきましてどうお考えなんでしょう。
○高峯説明員 厚生年金の制度は、社会保障制度の一環でございまして、禁錮以上の刑に処せられた場合の支給制限というふうなものは設けてございません。
○三谷委員 共済の場合にもそういう要素というものは存在しているのでしょう。共済制度というものは恩給じゃありませんよ。 それで、さっきからいろいろおっしゃっておりますが、時間もありませんから、いままでのあなた方の考え方をそこで繰り返すのではなしに、問題を指摘されて、そこに道理があると考えれば、検討を加えていく、改善を図っていくという立場に立って措置をしてほしいと思うのです。いままでの、指摘以前の立場というものを依然として固執して、それを絶対なものとして考える、そういうやり方を官僚主義というんだ。問題を指摘されて、そこに道理があれば、それに基づいて検討しますと言うのがあたりまえのことなんです。政務次官、どうですか。あなたはどうも自信がない答弁で困るんだ。
○中山政府委員 御指摘のとおりでございます。ただ、役所は役所の性格として与えられたルールのもとに任務を遂行するという制約がありまして、そういうものを調整していく機能というものがいまの行政機構の中には欠けているのではないかと私は思います。まあ最終的には総理大臣が責任を持つわけですけれども、総理大臣も物理的にそういう細かいことまで全部処理をするということにはなっておりませんで、昔のことはよくわかりませんが、昔は内閣とかその他のところでそういう調整機能を果たしておった。いまは予算関連で、大蔵省が多少調整機能を果たしておりますけれども、それ以外に調整するところがない。行政改革等がいまうわさされておりますが、その行政改革の中でも、各省間にまたがる事業の調整機能ということはやはり大きなテーマになるのではないかというふうに考えておりまして、そういうことを乗り越えながら、行政改革ができればいいのですけれども、できない現在の機構の中では、各省庁を督励して、それぞれの持っている立場で信念を持って相談をし、またいろいろな問題を突き合わせながら、先ほどから御指摘になっておりますようなはなはだしい官民格差とか制度内の格差とか、そういうものがあるとすれば、これは勇気を持って是正をしていかなければならないと考えております。
○三谷委員 時間のようですから、途中で残念ですが、これで終わっておきます。
○地崎委員長 川合武君。
○川合委員 地方公務員等共済組合法の百十二条を見ますと、「組合は、組合員の福祉の増進に資するため、次に掲げる事業を行なうことができる。」とありまして、五に「組合員の需要する生活必需物資の供給」というのがありますが、これは実態はどういうことでございましょうか。
○石見政府委員 地方公務員共済組合につきましては、福祉事業としてお示しにございましたように、「組合員の需要する生活必需物資の供給」という一項目が挙がっておりますが、こういう事業を行うことができるということになっております。ただ、現在、この条文を使いましてどのような生活必需物資の供給をやっておるがということについての実態調査をいたしたものはございません。ただ、条文としてはちょっと古い感じがいたすわけでありまして、昔は共済組合がいろいろな生活必需物資を安く供給するという時期もございましたのですけれども、いまこれは実態としてたくさんの例があるとは考えられないところでございます。
○川合委員 石油ショックのときに一時的にトイレットペーパーだとか洗剤もなくなったこともありますけれども、この五は、現在は余り必要もないんじゃないか、こういうふうに思います。私の言わんとすることは、この百十二条全体を一遍再検討してもらいたい、再検討すべきじゃないか、少し旧態依然としているんじゃないか、こう思うので、いまこの百十二条の生活必需物資の供給ということを言ったわけです。 それから、現在もなお盛んに――盛んにかどうか知りませんが、職員会館と申しますか、宿泊施設のようなああいう諸施設、これも戦後といいますか、まだ民間の施設が非常に不十分だったころは確かに福祉事業として有意義だったと思います。しかし、現在は状況が変わってきているんじゃないか。この利用率、数字は、手元にあれば具体的に示していただきたいし、なければ別によろしゅうございますが、たとえば宿泊施設の利用率というようなものは現在どんな状況にあるか、どんどん利用率が上がっているのか、あるいは低下しているのか、伺いたいと思います。
○桑名説明員 共済組合が経営しております施設が、昨年末で保養施設が百五十九、宿泊施設が百四十九あるわけでございまして、先生からいま御指摘がありましたようにほぼ需要を充足していると思っております。 その施設の利用の状況でございますが、いま申し上げましたように三百以上の施設がございますので、施設によりまして利用の実態が非常に違っておりますけれども、平均して五〇ないし七〇%の利用になっているものと考えております。
○川合委員 念のために伺いますけれども、いまの法律の制度の立て方としては、退職した公務員はこれを使うことはできるのですか。できないのだと思いますが……。
○桑名説明員 たてまえといたしましては、現在勤めております組合員が利用するのがたてまえでございますけれども、この建設をいたしました施設を経営しております趣旨から言いまして、組合員であった方、すなわち年金受給者等についても御利用いただくように、その利用できる道を開いておるのが実態でございます。
○川合委員 私は利用できないのかと思ってうかつでしたが、利用できるということですと非常に結構ですが、その場合に現役の公務員と全く同じように利用できるわけですか、料金なんかでも。
○桑名説明員 利用料金等についても、施設によって多少の差はございますけれども、一般的には現役の人と同じような待遇と申しますか、利用のさせ方をしているのが一般的な取り扱いでございます。
○川合委員 こういう施設は、無論あって結構な話で、福祉事業として利用もされている。悪いということはない。しかし、一ころは、この建設に非常に熱心過ぎたというふうに聞いておりますけれども、いまもやはりどんどん新規に建設が行われているわけですか。
○石見政府委員 いま御指摘のございましたように、確かにこの種の宿泊施設につきましては戦後非常な勢いで伸び、またそれだけの需要が非常に多かったことは事実でございます。またその需要にこたえるためにかなり建設を進めたことも事実でございますが、現在の状況におきましては、課長が申しましたように、全国で約三百近い施設がもうほぼでき上がっております。したがって、マクロで見た場合には、私どもはもうほぼ充足されたのではないだろうかというふうに考えております。いわんや、最近におきます人件費の高騰あるいはまた建設資材の高騰、維持管理費の高騰等を考えました場合に、今後の経営を考えました場合においてはなかなか容易ではございません。そういう意味におきまして、私どもは今後はどうしても置かなければならないところ、非常に過疎的になっておるところには、重点的にと申しますか当然今後とも建設を進めてまいらなければならぬと思いますけれども、一般的には、従来のようなペースでの建設というものはもう必要ないのではないか。むしろ今後は若干方向を変えまして、広い意味での退職者を含めた福祉施設というようなものへの発展というものをやっていくべきではないかというようなことで検討をいたしておるような状況でございます。
○川合委員 いまの部長のお話を私は了承いたしましたが、繰り返しますけれども、無論こういう施設があって悪いということではない。しかし、現在にあっては大体需要を満たしているのではないかと思う。また、お金をもっと有効に使う道もあり得るのではないか、もっと知恵をしぼるべきではないか、こう思います。これは私の一つの考えにすぎませんけれども、たとえば、いま部長の言われた退職公務員も含めた福祉施設の一つの例として、老人ホームというようなものを考えるというようなことはどんなものでしょうか。
○石見政府委員 私は、一つの御提案として結構なお話だと思っております。ただ、老人施設になりますと、どうしてもまた一体どこから重点的につくっていくのかとかいろいろ問題があるわけでございますけれども、いままでのような単なるホテル代行的宿泊施設というのはもう大体充足ができたわけでありますから、やはり職員の健康管理的、アスレチックセンター的な保養施設でございますとか、あるいは退職者、特に老齢者に利用していただけるような施設とか、そういうものへの発展ということは結構な御提案だろうと思っておりまして、私ども、いままでそういうことをやったことはございませんものですから、今後の情勢を踏まえて、そういう方向への発展のために検討してまいりたいと思っておりますし、あるいはまたそれぞれの共済組合とも御相談をしたい、かように思っておるわけでございます。
○川合委員 そこで、この施設の問題はいまの部長のお答えで了承いたしますが、答弁の中に出てきました、たとえばどこにそういう施設を置くかというような問題もあるというその言葉をとらえるわけではございませんけれども、こういう地方公務員の共済年金制度というものは、無論、相互救済の精神から言ってなるべく共済組合が大きい方がいいのじゃないか、余りばらばらでは本来の趣旨に反するのではないか、こんな感じがいたしておるのですが、現在の状況はたくさんの共済組合に分かれているという実態のように見受けますけれども、これはどういう事情か、どうして一本になっていないのか、いきさつ、事情というものを伺いたいと思います。
○石見政府委員 地方公務員関係の共済組合は御指摘のように非常にたくさんな単位組合に分かれておりますことは事実でございます。大きく分けましても、一般職員あるいは学校の先生、警察官というふうにも分けられましょうし、あるいはまた一般職員の中でも、市町村と県とか、あるいは指定都市とかあるいは特定の市とか、いろんな組み合わせによってそれぞれの共済組合が独立をいたしておりますことは事実でありまして、その結果、現在では地方公務員共済関係では九十一組合、二連合ということに相なっております。これはもう御案内のとおり、このように非常にたくさんの組織となっておりますのは、現在の地方公務員共済制度が昭和三十七年に発足いたしました際に、従来ございました非常にたくさんな地方公務員にかかわります制度を統合したわけでございます。制度自身としては統合いたしたわけでありますが、その組織といたしましては、やはりその以前からございました組織をできるだけその自主的な判断によって存置をしていこうというふうなたてまえに立った結果このようなことになったわけであります。 今後これを統合と申しますか、一本化すべきじゃないかというような御意見があることも私ども承知をいたしております。しかし、何分にもそういう経緯でそれぞれ自主独立の立場で九十一組合に分かれたものでございます。と同時に、ここ十数年間そういう形で定着して運営をしてまいったわけでございます。これが一本化と申しますかある程度統合されていくということは、なかなか言うべくしてむずかしい問題だろうと思っております。統合いたしますことはいろいろな意味でメリットがあるとは存じますけれども、いままでの経緯等もございましてなかなかむずかしい問題だとは思っております。と同時に、そのように単なる技術的な統合以外に、やはり保険集団としてどの程度の大きさというか、大きければ大きいほどいいのかどうかというふうな疑問も私ども根本的にあるわけでありまして、単なる一本化というだけの問題でもけりがつかない問題じゃないか。今後、これはなかなかむずかしい問題ではございますが、いろいろな角度からメリット、デメリットを検討しながら、町村合併ではございませんが、検討していかなければならぬ問題であろうというふうに考えるわけでございます。
○川合委員 確かにそうですね。大きければ大きいほどいいというものでもないと言われてみれば、なるほどそうだと思いますですね。ですけれども、これは三十七年でしたか、三十七年の当時のいきさつ、これはわかりますけれども、しかし、その後ずいぶんたっているのですから、やっぱり適正な規模といいますか範囲というものを考え直して制度の趣旨に沿ったようなものに持っていくべきときが来ているのじゃないか。そこで、大きければ大きいほどいいものではないということはわかりますけれども、たとえば市なんかでもたくさん分かれているような状況ですが、市では、独立してというか、それぞれ独自のものを持っているのはどことどこでございますか。幾つぐらいあるのですか。
○石見政府委員 都市につきましては、一つには、都市と申しませるかどうか存じませんが、東京都が独立の職員共済組合になっております。それから指定都市の職員共済組合というのがそれぞれ別個でありますから、結果的には九組合ということになっております。それからそれぞれの今度は各県ごとに市町村――これはいま申しましたような東京とか政令市を除いた市町村のいわゆる市町村共済組合というのは、これは各県ごとにございますから、これが四十七ある。これも市が入っておるわけであります。それからもう一つは都市職員共済組合というのが三十一ございます。これはいま先生お話のございました市が独立でやっておるというものでありまして、全く政令指定都市と同じように市独立としてやっておりますものがいま申しましたように三十一あるということでございます。
○川合委員 たとえば指定都市なんかのもので掛金率と負担金率はどうなるんですか。これは同じだけれどもそれぞれ独自のものを持っているのか、それとも掛金率も負担金率もそれぞれ違う、それぞれ皆独自のもの、こういうことですか。数字は一々はよろしゅうございますけれども。
○桑名説明員 指定都市等につきましては、その指定都市共済組合ごとに財源率を計算することになっておりますので、それぞれ九つの指定都市が別々に財源率を計算いたしまして、制度上は掛金率あるいは負担金率が九組合別々になっているのがたてまえでございます。ただし、実際の現状から見ますと、給与の改善傾向だとかあるいは職員の脱退傾向等が大体類似しておりますので、財源率はほぼ一定の額になっておりますが、たてまえは先生御指摘のように、各共済組合別々に決めることになっているわけでございます。
○川合委員 くどいようですが、たてまえは別々だけれども実質上はほとんど同じなのですか。
○石見政府委員 いま御答弁申し上げましたように、たてまえはそれぞれ九つの指定都市共済組合というのが独立のものでありますから、独立にその財源率、掛金率を設定するということになるわけであります。結果的にはその率は一一一から一一三の範囲内で全部おさまっておる。上下の差はわずか千分の二くらいでありまして、大体同じというふうな状況になっております。これは申しましたように、給与が非常に似通っておることでございますとか、あるいは医療の増高の傾向等が大都市でございますから非常に似ておるということで、収入、支出とも非常に似た傾向にございますので、結果的にはこういう形になっておるわけでございます。
○川合委員 政令指定都市がどうこうということは別にして、大体大きいところ、強いところというのは語弊があるが、強いところというように常識的に考えられるわけですが、例として適当かどうかわかりませんけれども、健康保険でも政府管掌のあれと大企業のものとが、片方は豊かで片方は貧乏で、そうすると大企業の組合がエゴではないか、こういう世論的な空気になっているように思うのです。地方公務員の共済組合もある程度の適正な規模を、全く全部一本ということはともかくとして、大体一緒になれるものはなるべきではないか、すらっと考えてこう思うのです。いきさつはわからぬわけでもないですけれども、重ねてもう一度意見を伺いたいと思います。
○石見政府委員 確かにおっしゃいますように、私どもは大きいばかりが能とは存じませんけれども、保険集団としてある程度の規模を持つことが、その運営なりあるいは財政面においていいのではないかという一般的な考え方を持っておるわけでございます。 そこで、私どもといたしましては、このいま申しました九十一の組合がどの程度の集団になっていくのがいいのかというのは、これまた一つには理論的な問題もございましょうけれども、基本的に組合自体が合併する気になっていただかなければ、町村合併と同じでありますので、やれやれといってもなかなかできない。私どもはいま申しましたような観点から、ある程度の集団規模になることが一般的には好ましいとは存じておりますけれども、お示しのようなそれがある程度の規模に大きくなっていく、合併していくという機運はいまのところまだ盛り上がっておりませんし、全然ないというに近い状態であります。 また同時に、共済組合によりましては短期の給付を実施しておらない、それを健康保険に渡しておる組合もあるわけであります。その辺が合併いたしますと、これまた財源の問題等が非常に出てまいりましょうし、そういう内部的な事情もありますと同時に、全体的にいまの組合が合併をしようという機運にはいまのところないというふうに私ども伺うわけでございます。
○川合委員 何かいまちょっと話が出かかったようだったのですけれども、分かれた方が率直に言って、理念は別にして、具体的にメリットもあることはあるのですか。
○石見政府委員 これはメリット、デメリットと言われますと、確かになかなかむずかしい問題だと思いますが、やはりいままでの経緯だろうと私は思うのであります。先ほどから申しておりますように、一つは大きくグループとしまして一般職員と警察官、教員といいますものは職務が全然違いますから非常になじみが薄い。一緒になれといってもちょっと無理であろう。しかし先ほど申しましたように、一般職員の中でさらに分かれておりますことにつきましても、それぞれ長い経緯がございますので、指定都市は指定都市としてのお考えを持っておられます。それから市町村共済は市町村共済、府県は府県として全然また別な立場に立っておられまして、そういう意味での親しみ度と申しますか、職員相互間の一緒になろうという気持ちが全然わかないというのですか、そういうところではないか。メリット、デメリットを十分せんじ詰めた上でというところまでいっておるようには私どもは理解しないのでありまして、むしろ市町村の職員と県の職員が一緒の組合をつくるとか、あるいはまた政令都市の職員と一般の市町村が一緒になるというのは、どうも長い経緯の中でしっくりしないという感情論というのも大きな要素だろう。それとあわせて先ほど申しましたように、短期経理をやっていない組合があるということも一つだと思っております。 なお、これは一つの大きな問題でありますが、特に短期経理をやっております組合につきましては、先般来ずいぶん御質問もあったところでございますが、最近非常に短期給付の財政状況が悪くなってまいっておりまして、掛金率をどんどん上げなければ賄い切れないところもあります。しかし、いまだに千分の七十ぐらいでとどまっておるような非常に健全なところもあるわけであります。そこらが一緒になれといいましても、健全なところが一緒になりますと、これは赤字団体と黒字団体の町村合併のようなものでありまして、片方がいやがるということも一つ問題があるわけであります。 このようにもろもろの事情が相重なりまして、いま申しましたような合併と申しますか、一体化するという機運がなかなか出てこないというのが実態でございます。
○川合委員 これは町村合併というほどの大げさなものでもないと思うのです。むろん共済組合も大事なことですから、町村合併のような大げさなものでないと言ったのは言い方が少し適切じゃなかったかとも思いますけれども、性格もちょっと違うと思うのです。私は、むろん地方分権というものは尊重しなければいけない、こういう基本的な立場に立つのですが、立つがゆえに、私の考えでは共同するものはなるべく共同してやっていく考え方というものが必要ではないか。別に政令指定都市を目のかたきにして言うわけじゃありませんが、こういうところが自分だけでやっていこうというのもやはり考え方を改めるべきじゃないか。それを強制するのもこれもまた別の意味でいけないので、盛り上がりがないと言われればそれまでですけれども。何かそういう雰囲気ができることを期待し、また公務員部も干渉する意味、強制する意味じゃなくて、そういう方向に向かって適切な努力をされることを期待したいと思います。 次に、地方議会議員の年金制度関係についてお尋ねしたいと思います。 地方議会議員の長期在職老齢者である年金受給者について、一般公務員の年金制度と同じように老齢者加算制度ですか、これを導入する考えはないか、これは要望が強いというふうに聞いているのですけれども、どんなお考えですか。
○石見政府委員 地方議会議員の長期在職老齢者につきましての年金でございますが、確かに先生ただいま御指摘にございましたように、関係方面から、一般公務員の年金制度に設けてございますような、老齢加算制度を導入してほしいという御要望がかなりあることも事実でございます。私ども今回地方議会議員の年金制度についての改正案を盛り込みまして、ただいま御審議を賜っておるわけでございますが、この法案を確定いたします段階におきましても、いまのようなお話につきましてずいぶんと検討いたしたわけであります。 しかし、結論から申しますれば、このように一般公務員の年金制度に設けてございます老齢者加算の制度というものは、実は国会議員互助年金制度にはこのような制度はないわけであります。地方議会議員年金制度は、もともと国会議員互助年金制度をお手本にしてつくられておるものでございますので、一つには、まず国会議員互助年金制度にないこのような制度を、常勤であります一般地方公務員にあるからといって、直ちに地方議会議員に導入することには問題があるんではないかという点に行き当たったわけでございます。 と同時に、現在一般公務員にあるとは申しましても、一般公務員に無制限にあるわけではないわけでありまして、一般公務員につきまして恩給期間を持っておられる方につきまして、その恩給期間についてのみこのような特例措置を講じようとしておるものでありますから、地方議会議員につきましては、そのような一般公務員のような恩給期間というようなものはもともとないわけであります。と同時に、前段申し上げましたように、国会議員互助年金制度にもこういう制度がないというところから、この制度を直ちにいま地方議会議員に導入することはきわめてむずかしいんではないかということで、実は今回見送ったわけであります。 しかし、何分にも御要望の強い問題でございます。私どもといたしましては、国会議員互助年金制度にはないとは申しながら、やはりそこに地方議会議員としての何らかの特殊性というものがあるのかないのかというようなことも探りながら、この制度についていろいろと検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○川合委員 地方議会議員の年齢の基礎となる在職期間ですか、それについて都道府県、市、及び町村と別々になっておりますですね。地方議会議員の就任の実態からして、この在職期間の通算、これは可能なように思うし、またその方が合理的なように思うし、実態に合っているように思うのですが、この通算の問題はどうですか。
○石見政府委員 確かに地方議会議員相互間におきます通算制度というのは、これは私は一つの大きな問題だろうと思っております。市町村議会議員から県会議員、こうなられた場合に、そこを通算をいたします場合に、一つ問題になりますのは、やはり市町村議会議員と県会議員との報酬額がかなり格差がございますから、この辺の扱いをどうするのかという問題が一点あろうかと思います。 もう一点は、通常のケースとして、市町村議会議員から県会議員になられるというケースは非常に多いわけでありまして、県会議員から市町村議会議員になられるというケースはまずないというふうに私は感ずるわけであります。そういたしますと、掛金を払う場所と実際に給付を受ける場所とが、たとえば市町村議会議員から県会議員になられました場合には、掛金は市町村議会議員共済にどんどん払っておりますが、実際に、県会議員になられて、そこで給付を受け出しますと、今度は払う方は、都道府県議会議員の共済年金の方で給付を受けなければならない、そうなりますと、お金の入りくりをやらなければ計算が合わないわけでありまして、市町村議会議員共済はもらうばかりで都道府県議会議員共済は出すばかりということになりますと、これは財政がもたないわけでありますから、そこの財源調整ということをやらなければならない。この二点が問題として引っかかっているところであります。 私たちは生の姿でそのままやりますことにつきましては――さらにそうなってまいりますと、今度は都道府県会議員あるいは市会議員から国会議員へ行かれた場合の年金をどうするのだというふうな問題もあわせてやはり考えてまいらなければならない問題でありますし、そうなりますと、国会議員互助年金制度との絡みも出てまいるわけであります。私どもは、やはりいまの問題としては十分あり、私ども御要望の筋は万々よくわかるわけでございますが、裸の姿のままでこれを通算するというのは、いま申しましたようないろいろな技術的な観点なり、理論的にむずかしい問題があろうかと存じておりますけれども、何らか、ほかの方法によってでも、実質的な通算がなされたと同じような効果を持つような制度をつくり得ないかどうかということを検討いたしております。これもかなり検討を進めておりますけれども、いま申しましたように、一つには国会議員互助年金制度にまで及ばなければこの問題というのがなかなか解決できないという問題でもございますので、そういう問題も含めながら、今後とも引き続いて検討はしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○川合委員 最後に政務次官にお伺いいたしたいと思いますが、地方議会議員の年金制度については、そのほか最低保障の制度とか、遺族年金についての加算制度とか、一般公務員の年金制度と比べて改善すべき点が多い、こういうふうに思います。自治省の公務員部の知恵をひとつしぼるように政務次官が督励して、また御指導していただきまして、この地方議会議員の年金制度、これについて抜本的に検討することを期待するのですが、抜本的検討をなさるおつもりがあるかどうか、最後に伺いたいと思います。
○中山政府委員 先ほど地方議会議員の高齢者の処遇等につきまして公務員部長からお答え申し上げましたように、この制度は、御承知のように、昭和三十七年に発足いたしましてから数次の改正が行われて現在に至ったわけでございますが、先生御指摘のように、まだまだ制度としては大変不備な制度でございますし、内容もまだ、経過から見ましても非常に乏しいものがあるだろうと思います。 ただ、この問題は、国会議員の年金制度、また一般の公務員の年金制度、また地方議会議員の性格、特に地方議会議員のあるべき姿、性格というものはどういうものかというようなものが、まだはっきりとした結論が出ていない。そこで、いろいろな先生が御指摘になっておられますような改革につきましてもまだためらいがあるというようなところだろうと思います。国会議員はほとんど通年で半職業的な性格がございますが、地方議員は一年のうち、通算しても一カ月か四、五十日というような勤務時間であるというようなこともありまして、いま御指摘がありましたように、この問題も非常に大切な問題であると思いますので、自治省におきましても、外国の地方議会というものはどういうふうになっておるか、また、年金制度がどういう形で取り上げられているか、また、地方議会議員のあるべき姿というものが外国の制度の中で――それぞれの経過があるでしょうけれども、どういうふうに考えられているのかというようなことを含めて、自治省としても調査を進め、できるだけ早いうちに長期的展望に立ったこの制度の改革というものを進めてまいりたいと存じております。
○川合委員 質問を終わります。
○地崎委員長 次回は、明十三日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時四十九分散会