地方行政委員会 第18号
- 発言数
- 166 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/04/22
会議録
○地崎委員長 これより会議を開きます。 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員になっておりますので、その補欠選任を行うのでありますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○地崎委員長 御異議なしと認めます。 それでは、委員長は大西正男君を理事に指名いたします。 ――――◇―――――
○地崎委員長 地方自治、地方財政に関する件について調査を進めます。 本日は、地方公務員の給与等について、参考人から意見を聴取することにいたしております。御出席をいただいております参考人は、日本賃金研究センター研究主任孫田良平君でございます。 孫田参考人には、御多用中のところ、当委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。本件につきまして、忌憚のない御意見をお述べ願いたいと存じます。 なお、議事の順序は、参考人から約二十分程度お述べいただき、次に、委員諸君からの質疑に対し御答弁をお願いいたしたいと存じます。 それでは、孫田参考人、お願いいたします。
○孫田参考人 孫田良平であります。 本日は、地方公務員の給与について自由な意見を述べてくれという要請がございましたので、参った次第であります。そのきっかけになりましたのは、昨年「現代の労働」という雑誌に、国家公務員との対比におけるさまざまな地方公務員の問題があるのでありますけれども、特に地方公務員給与と給与政策ということについて書きましたものが、恐らくはきっかけではあるまいかと思うわけであります。そこに二つのことが書いてありますので、きょうはそのお話をしたいと考えます。 なお、御参考までに申し上げますが、私はもともと労働省に昭和二十四年に入りまして、昭和三十八年から四十五年までは、中央労働委員会事務局のあっせん、調停に関する担当課長をやっておりまして、四十五年に日本賃金研究センター、金子美夫氏主宰でありますが、一緒に設立いたしまして、今日に及んでいるものであります。そして、この地方公務員等の給与問題とのかかわり合いは、昭和四十六年に自治省の中に地方公務員給与の専門調査研究会というのが設けられましたときに、その座長を仰せつかりまして、そこで地方公務員の給与問題に初めて接するという立場をとりました。ただし、きょうはそのこととは無関係に、賃金専門家としての立場から、地方公務員給与を賃金問題、給与問題という側からながめたらどういうふうに考えたらよいのか、地方自治の専門家ではありませんし、また地方公務員について深く研究調査したという立場ではなくて、むしろ、一般的賃金問題としてこの問題をどう考えるか、こういう側面でお話を申し上げるというのがきょうの立場であります。 何といたしましても、御承知のとおり、給与問題は大変争いが多い問題であります。そして、その解答というようなものもなかなかうまい答えというのが出てきません。非常に困難が多い問題であります。そして、常に賃金問題についての対立点というのは、三つの側から行われるわけです。 一つの側は、いわば受け取る側と申しましょうか、労働者の側と申しましょうか、生活費用、収入というような側面であります。これは労働組合が常にその声を代表することは御承知のとおりです。 もう一つは、支払い側の経営原則、支払い能力、生産性といったような側から、いかにして人件費コストを小さくするか、必ずしもこれは低賃金とは結びつきませんで、現代ではむしろ高能率、高賃金と申しましょうか、一割賃金を高くしても一割五分だけ能率を上げたらコストとしては安いわけであります。そういうコスト原則としての立場。 それから第三の立場が、一般的に賃金を労働力の取引の値段というふうに考えますと、それは国民経済あるいは地域経済における価格の一種と考える、総体的な値段の一種と考える、そしてそれはときには所得政策の対象になったり労働市場政策の対象になったりする、そういう問題であります。 この三つの立場というのが絶えずあらわれてまいりまして、それぞれの立場ごとに主張が違うという点がその困難の第一の点です。 さらに、この問題は、まだ日本では歴史も浅いけれども、とにかく雇用労働市場その他の変化が大変激しいものですから、価値基準が常に変わっていく。ですから、十年前には正しいと思って主張されたことが今日必ずしもそうとも言えないというような問題が常に起こる。こういうむずかしい問題であることを最初に申し上げておきます。 雑談めきますけれども、われわれ賃金問題でときどき悩まされる質問がございますが、賃「金」と書いてどうして「ギン」と読むのかなどという質問がある。実はこれさえもわれわれはわかっていないというぐらいです。「金」を「ギン」と読む例はほかにはないわけでありますが、こういうように、そのことさえもわからないという問題がまずこの性格の第一歩である。 そこで、きょうは二つのことを申します。 第一は、賃金の比較、特に今日問題になっております地方公務員の給与は高いか低いか、この賃金の比較に関する問題であります。 御承知のように、地方公務員の職員の給与の決定原則というのは、地公法の二十四条三項に、生計費、それから国及び他の地方公共団体と民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定めるというふうに書いてございますが、その場合に、現在は、戦争直後の時代と違いまして、生計費原則というよりは、むしろ比較さるべき給与とどういうふうな均衡を保つべきか、賃金比較の問題としてとらえられております。このことは一般的な民間においても同様でありまして、まず一般的賃金相場、あるいはよそが幾ら払っているかということから、当然賃金比較の問題が出てまいります。考えてみますと、賃金問題の出発点は、実は賃金の比較の問題であります。一企業の中においても、新入社員と上司の給与をどういうふうに定めるか、企業と企業との関係においても、どういうように高いか安いかというように、賃金は常に比較対照さるべきものとして問題になる。比較対照がなければ賃金問題はないというぐらいの意味を持っている。この中で地方公務員の給与を一つは他の地方公共団体と比較する、それから国と比較をする、それから民間事業と比較をする、この場合のバランスをどのようにとったらよいかということが一つの宿題であろうと思います。現代はいわば根本的に物を考え直す時代でありますから、そういう点で白紙に立ち戻って考えるべきだと思いますが、従来は国家公務員の給与との均衡ということがまず第一義的に考えられており、そして俗に申しますラスパイレス指数算式による給与水準の結果というようなものも、これは国の公務員との関係についてのみ議論するという立場であります。ここで問題になりますのは、その地域住民の給与水準との関係はどうかということでありますが、従来は国家公務員の給与が民間に対応して定められる、その国家公務員の給与に対応して地方公務員の給与を定めるならば、それはいわば民間給与との均衡を考えたことになる、そういう論法で行われておったわけですね。ただいま申し上げることは、その国の公務員との比較の基準に関することをまず申し上げます。 ラスパイレス指数算式という方法がとられておりますが、この方法と申しますのは、非常に単純化して申し上げますと、国の公務員に、Aという仕事については簡単に十万円払っていると仮定いたします。Bという職務に対しては五万円払っているというように仮定いたします。その十万円と五万円のA、Bそれぞれの仕事が、国の場合には単純にAが四人でBが六人だ、こういうふうにいたします。そういたしますと、全体では十万円のものが四人で、五万円のものが六人でありますから、総合計人件費は四十万円プラス三十万円で七十万円、一人頭七万円、こういうことになりますね。今度はそのAに対してある自治体が十一万円、十万円ではなくて十一万円、一割よけいに払っているというふうにいたします。Bという職務については国と同じく五万円、十一万円対五万円払っているというふうにいたします。そういたしますと、ラスパイレス指数算式は、その十一万円のAという仕事が国と同じく四人おるものと勘定いたしまして、人員は国の方をとりまして、十一万円掛ける四人の四十四万円プラス、五万円のBという職務に対する国家公務員の六人を掛けて三十万円、合計いたしまして七十四万円で、一人頭平均七万四千円。そうすると、国が七万円で地方が七万四千円だから、割り算をいたしますと一・〇五七倍、一〇五・七%のラスパイレス指数、こういうふうになりまして、五・七%だけ国よりも高い、こういう計算をするわけであります。 この方式は大変一般的に用いられておるものでありまして、たとえば最近の春闘におきましても、国鉄と私鉄の賃金格差というときに、私鉄の労働組合は、常に昔からこのラスパイレス指数算式で国鉄よりも低いというようなそういう計算を出すわけですね。国鉄労働組合はまた、一般民間賃金に比べて、ラスパイレス指数算式で出せばどれだけ低いというようなことを出すのであります。労働関係では、こういうラスパイレス指数算式を使って行われていることが普通であります。人事院の給与勧告におきましても、国の公務員の数に対しまして民間では幾ら払っているかということで、人員を国家公務員を使いましたラスパイレス指数算式でつくるということで、これは大変広く行われているものであります。 ところが問題は二つあります。一つは技術的な問題ですね。いまのラスパイレス指数算式は国の人員に対応して、ただいまの例ですというと、Aが四人でBが六人ということを前提にして計算するわけであります。ところがもしも地方自治体の給与政策が、なるほどAは十万円ではなくて十一万円と高く払っているけれども、そちらの方の人数はしぼって、相対的に割り安のBの方の人をたくさん雇って節約したい、あるいは能率を発揮したい、こういうふうに仮に考えたといたします。可能、不可能は別な話ですが、仮にそう考えたといたしまして、Aの方は国が四人雇うところを二人雇う、Bの方はそのかわりに二人ふやして八人雇う、こういう計算をいたしますと、国の方の四人、六人に対しまして、地方の方の二人、八人で計算したらどうなるか。そうすると今度は、国家公務員の方が十万円の人が二人の二十万円、五万円の人が八人の四十万円、合わせて六十万円。それに対して地方の方は、十一万円が二人で五万円が八人、合わせますと一人平均六万二千円となりまして、計算は一〇三・三%となります。つまり先ほどのラスパイレス指数が一〇五・七%に対して一〇三・三%という答えになるわけですね。これをパーシェ指数算式と言っております。ラスパイレスもパーシェもともに物価指数の計算の仕方を示したもので、人の名前でありますが、ここでは物価指数ではなくて賃金をある同一時点について比較するということで、本当のラスパイレスさんやパーシェさんは怒るだろうと思いますけれども、とにかくわが国ではそういうふうに使うわけであります。 さて、いま地方自治体が高い給与は払うけれども少なくしぼってという、いわゆる高賃金少数精鋭主義でやった場合には一〇五・七ではなくて一〇三・三になる。パーシェ指数算式の方が、いまの場合は低くなるわけですね。こういうように常に計算技術は二つあります。また別に考えますと、こういう賃金の比較方法はほかにもございます。たとえばいまの十万円対十一万円を一一〇%、五万円対五万円を一〇〇%というようにそのパーセンテージだけを加重算術平均するやり方もございますし、またそのほか昇給の基準と年齢基準などを考えてやるやり方とかいろいろあるのでありますが、さしあたってパーシェかラスか、こういう問題になりますと、そこにいま言ったように、パーシェならばその自治体の人員なり給与なりの考え方が反映される。それに対してラスパイレスの方は、地方自治体の給与、人員政策とは無関係に、計算上国と比べたら何割高いか、こういう結果になる、そこが意味が違うわけですね。もちろん終局的に申しますと、その数字が非常に似ている場合があります。特に最近自治省からいただきました資料によりますと、以前に比べて確かにラスパイレスとパーシェの算式は差が小さくなっておりまして、まあ余り目くじら立てるほどの大きな違いはありません、一%か二%の違いでありますから。数字的に申しますと小さいのでありますが、ただ私が申し上げたいのは、考え方の相違であります。結果は同じかもしれませんけれども、しかし少なくもラスよりはパーシェの方が自治体の給与政策を反映する。いい意味でも悪い意味でも、野方図に高賃金の者を雇っているというような、いわば給与政策なしという場合があるかもしれませんが、その場合もそれが反映されるということになります。 なおつけ加えますと、このやり方というのは新しいものではありませんで、昭和十五年の第二次賃金統制令が行われましたときに、国が定めました年齢と経験年数と地域と業種別の賃金のテーブル、これは最低と最高の幅がございましたが、それでそれぞれの企業ごとの人員を計算して、ラスパイレス指数算式が一〇〇になるような範囲の中で自由に給与を決定するというやり方がございました。これを総額制限方式と申しましたが、そのやり方がまさにパーシェなのであります。そのそれぞれの一〇〇の中ではある程度自由に給与を決定することができるという意味を持っているわけです。そういうことから考えますと、技術的な方式としてラスパイレス指数算式は、結果はあるいはネグリジブルであるかもしれませんけれども、個々の自治体ごとにいまのようなことを出しますと、ひょっとしたらギャップが大きい場合、どちらをよりよきものとして選ぶかということになりますと、パーシェ指数算式の方が個別の給与政策をあらわすという意味では意味があるのではないかと思います。人によりましては、いまの二つのものを平均したらよいではないか、これを幾何平均いたしましてその指数算式をフィッシャー算式と申しますが、その方がよいという方もおられますけれども、私自身はラスとパーシェとはそれぞれ別の意味があるのでそれぞれ別個でよいので、単なる平均というのは技術主義に片寄った考え方であろうと考えております。 それから、いまの指数算式の前提になっております考え方は、比較のやり方というのが職務別、経験年数別の給与であります。この場合の経験というのは給与決定に使われる経験、民間歴十年を何年に換算するかというようなことが決まっておりますけれども、そういうもので定めたものであります。そうして考えてないものは何かということになりますと、それは勤労意欲とか勤務成績とか仕事に必要な知識とか能力とか、そういうことは一切抜きであります。要するに、どういう仕事を何年やったらということだけが前提になっている。 もう一つは、こういうようなものは小さな市町村の場合にはなかなか困難であります。いわば異常値が出るわけですね。そういう点で大数法則的にながめたものである。そこで必然的に経験年数なども一年半、二年という細かい刻みではなくて、ある程度大ぐくりの五年刻みということが行われることになるわけであります。 そういうような幅がある。これが前提になっている。つまり給与の決定原則はたくさんあるのですが、その中で特に職務の経験年数あるいは年齢というようなことが結果に出てくるようなものでなっているという点、これが一つの約束で、いい悪いというのは後から申し上げますが、そういう点になっているということですね。 以上のことから、国と地方自治体との給与の比較をいたします場合に、たくさんの方式の中で特にラスパイレス算式だけにこだわるということはできません。実は自治省でも両方をチェックされているそうでありまして、このことは当然であると考えますが、どうも世上、新聞などに出てまいりますのにラスパイレス算式が常に多く出るものですから、これは私がかねがね疑問に思っている点でありまして、さらにいろいろな工夫をなさいまして改善されたらと思うわけであります。 なお、すべての公務員というようなものは、これは国だけの職務もございますし、地方公務員特有の仕事もあります。当然民間には全く存在しないという職務が公務の特殊性なのであります。そういう点から考えても、比較し得る職務というふうなこともさらに検討さるべきではないかというふうにも思うわけであります。 第二点について申し上げます。それは地方公務員給与の非常に大きな問題になっております俗に渡りあるいは昇短といわれている問題であります。 地方公務員法の二十四条の一項に「職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない。」というふうに書いてあるのであります。その職務と責任に応ずる給与のテーブルに着いて、職務も変わらない、責任も変わらないのに、ある一定の年限がたちますと自動的に昇格をするというようなのが俗に渡りといわれている現象ですね。また昇給短縮というのは、一年間良好な成績で勤務したら昇給させるということができるというのに対しまして、一年ではなくて六ヵ月なり八ヵ月なり十ヵ月なりというようなことで一斉に、一部分の者のみの場合もございますけれども、上がる、これを昇給短縮、略して昇短、こう言っておるわけですね。これについては考え方が二つあると思います。その二つのもののけじめがつかないというところが実は問題点なんです。 その一つは、行政というものの複雑度は今日、十年、二十年前に比べるとその比を見ないぐらいより細かくなり、多岐になり、とうてい尋常一様の経験なり知識だけではできなくなっている、そういう職務というものがふえているわけであります。つまり職員に必要とされる知識なり能力なりが飛躍的に大きくなっている、深くなっている、こういう場合であります。当然のことながら、その業務に従事する職員は自分で勉強したり、いろいろな機会をとらえて資格をとったりしてやるわけでありましょうけれども、この場合は一般的な名称としての職務の中身が変わっていく場合であります。つまりこの場合には、形式上からも職務の格づけというものが当然変わっていかなければならない、より専門的な比較し得ない知識ということになるわけですね。 そういうきっかけで、本来たとえば四等級と定められた職務が三等級というように上がっていくということは、これは行政というもののレベルの向上に伴って当然伴うことなのであります。 ところが問題は第二、一たびその形が採用されますと、本来的に専門的知識がない者についても、その後継ぎがある一定の年数に到達いたしますと自動的に上がっていく、そして給与全体がふくらんでいく。その場合全面的にそういう現象が起こり始めると、これは際限なく、特に戦後、昭和二十年代に若い職員を大量に採用いたしました新興都市の場合においては、現在その職員がそろそろ四十代から五十代になろうというようなときに、給与本来の姿から離れての人事管理政策として、給与の均衡の名においてそういうことが行われる、こういうことが行われるわけですね。この二つのもののうちの後の方は、本来の法規が定めるものとは違っているので違法である、こういうふうに言われるわけです。 ところで、そういうような給与のテーブルが仮に単純に定められたとしたらどうなるか。ある自治体が、本来四等級、五等級、六等級というふうな階段を設けるところをまるっきり単純化してしまって、ちょうど戦争直後の公務員給与が一号俸から七十四号俸までの細かいはしご段一本であった時期が、短い間でございましたがありました。俗に通し号俸と言っております。それをとりますと、いまのような昇格というものは本来的に存在しないということになります。それだったらそれは法律に違反していないか、こういうことがいろいろ起こるわけですね。これに伴いまして渡り、昇短については多くの論議が出てくるわけであります。これをどういうふうに考えるのか。 まず第一の前提は、日本の賃金は年功型でございますから、ある程度年功で上がるのはやむを得ないという点がございます。日本のと申しましたが、実はごく最近労働省からの労働統計調査月報、これは三月号でございますが、ここに「イギリスの一般民間産業における職員給与」というのが出ておりまして、「一九七五年六月、製造業の賃金給与」ということで出ております。この中の管理、事務、技術職、つまりホワイトカラー職、これの給与の表は、これはイギリス労働省の統計ですけれども、二十歳から二十四歳を一〇〇にすると三十から三十九歳でもって一五二、つまり五二%上がる、四十から四十九歳では一五九という数字が出ております。この数字は一方の生産現場における労働者よりは上がり方が大きいわけであります。二十から二十四歳に比べますと四十から四十九歳が一五九というようなことであります。これが日本で同じことをやってみますと、一五九というイギリスに対して日本は二〇五ということになっております。そして現在の日本はこの上昇率がだんだんと小さくなって、いわばイギリスに近づきつつある。俗に申します中高年給与の中だるみ現象と言われているのがこれであります。 こういう点で考えてみますと、いまのイギリスもこれは下手に考えますと年功給型に見えるが、実は年功給ではありません。ホワイトカラーは五年、十年、十五年たちますと、能力、知識、経験がふえ、それに応じてより困難な仕事が可能になり、そこに昇進していく、こういう姿がある。アメリカでも同様であります。アメリカのホワイトカラーについても古いものですが、同様の統計がございます。 そう考えてみますと、日本の年功賃金といいますが、実はホワイトカラーは一般的にそのような傾向を持っている。仮に日本の特殊性ということを申しますと、日本人の幅の広さとか適応力とかいうことが一つの基礎になろうと思います。営業から経理へというようなことは、われわれではあたりまえのことですが、外国にはそれが存在しない。職務に対するフレキシビリティーが非常に高い、その上、企業の発展力か高い、この点が違うのであります。 さて、以上のことを考えて、民間に比べてなおかつ公務員の方がより年功型昇進が強いのかという点が一つの問題であります。 はしょりまして、結論として、結局、いまのようなことについては、ある意味では行政の複雑度が高まるにつれてやむを得ない点があるが、これを、自動的にいつまでも上がるということになりますと、そこに対策がどうしても必要になります。 第一は、いまのような渡りをせざるを得ないような給与表ということに問題はないか。渡りが当然だということは問題でありましょう。けれども、当然ではないにしても、渡らざるを得ないということになっておりますと、そこにひとつ問題が出てくるわけです。 第二番目、年功賃金の前提は、五年、十年の経験があれば必然的に能力が高まっている、能力に対応するものだ。結果的に見ますと多少無理はあるけれども、自分で勉強し、能力を高め、あるいは管理者がより能力が高まるような機会を与える、こういうようなことで質的に向上する、値段に合わせて質を上げていく、こういう政策がとられていれば、いまの問題は起こらない。 結局、最終的な結論ということになりますと、いまの自治体の給与の決定について、一から十まで、十から百まで国家公務員のいわばフレームというものを何らかの形で押しつけるというようなことが仮にありますと、そこには、民間企業でも同様ですけれども、みずからの給与政策はみずからで決めるという原則は失われて、形式主義が横行するということになります。能力がある者も給与がかなり低い、能力がなくても給与が高いというような結果になるわけですね。そういう意味では、もう一度給与政策とは何であるか、自治体ごとの給与政策の幅というものはとり得ないものかどうか。仮にとり得ないとしたならば、その制約は何だろうか。その制約がある限り、労使双方が当事者能力がないままですから、第一に、労働関係は大変困難をきわめるわけであります。 日本の労使関係がいろいろ悪い点がたくさんありますが、いい点もたくさんあります。その悪いところを特に産業別に申しますと、たとえば病院であるとかあるいは学校であるとかあるいは出版であるとか、さまざまな幾つかの類型がございますが、一様に言えることは、人間をやめて機械化する、設備に取りかえるということはできない、そういう職場、しかもそこでは当事者能力がはなはだしく不十分で、いろいろな制約があって自由な給与決定ができない。何となく当事者双方がもやもやした雰囲気で、余り愉快ではないという状態で給与が支払われている、受け取られている、こういうことですね。 こういう点から考えますと、公務員給与の問題は大変影響力が強いことであります。新しい観点に立って、一体公務員の給与が高いか低いかということと、それからいまのように中高年労働力がふえていきます場合に、人事費がふえるのは民間も同様でありますが、特に公務員の場合はそれが顕著でありまして、これをどうするかという人事政策の問題と、双方について根本的に考え直す時期である、こういうふうに思ったわけであります。 少し時間を超過して申しわけありません。これをもって終わります。
○地崎委員長 これにて参考人からの御意見の聴取は終わりました。 ―――――――――――――
○地崎委員長 これより参考人に対する質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川省吾君。
○小川(省)委員 社会党の小川です。先生の御意見を拝聴いたしました。ありがとうございます。 私は、きょう先生がおいでになるというので、先生のお書きになった昨年の一月号の「現代の労働」に載っておる「公務員給与の諸問題」という先生の論文を読ませていただきました。三点についてお伺いいたしたいわけですが、まず二点だけ先にお伺いをいたしたいと思います。 第一点は、先ほど先生もおっしゃったように、四十七年当時に自治大臣の諮問機関である地方公務員給与問題の専門調査研究会の座長をしていらっしゃったわけですね。この研究会が四十七年の八月四日に報告書を出されたわけです。自治省は事務次官名で四十七年の九月二十五日に「地方公務員の給与制度等の適正化について」という通達を出しております。これが基本になって現在給与制度等の指導が行われておるわけであります。この通達の内容は、私が読んだ論文もそうですか、いま先生にお聞きしたのは、賃金の一般だという初めに前提があったわけですが、大変異なっているという感じを実は強くいたしました。 そこで、あの報告というのは、先生が座長をなさっておりましたけれども、あの中にはあなたの御意見は入れられて取りまとめられているのではないというふうに思うのですが、そのとおりなんでしょうか。実際にお述べになった意見が本当の先生の御意見であって、あの報告書の中には先生の意見がほとんど入っていないのではないかというふうに思っていますので、その点のお尋ねが第一点です。 第二点ですが、私どもは自治省の給与適正化の通達の中の特に問題点として取り上げておりますのは、都道府県の標準職務表の中で完全な一職一等級という指導を自治省はしているわけですね。先生の御意見によれば、いまの御意見でもそうだったですけれども、こうした職務給制度というのが日本の賃金の特殊性といいますか、いわゆる年功型あるいはとりわけいわゆる公務サービス労働になじまないものではないのか、実際に適用されるべきものではないのではないかというふうに思うのですが、その二点についてまずお尋ねをいたしたいと思います。
○孫田参考人 四十七年の給与問題の報告書は私が座長としてまとめたものでありますけれども、何としても研究会はさまざまな立場の方々の意見を集約し、同時に行政上直ちに実施可能であるということを前提にいたしますために、私が先ほど申し上げましたような、いわば五年、十年の長期展望に立つ問題と、直ちに行い得る問題とどうしても分けざるを得ないという点、さらにまた、座長としてというよりは委員としての意見も当時幾つかあったわけでありますが、きょう申し上げたことは、ここ二、三年来の情勢の変化ということを考えますと、むしろ四十七年当時はそういう認識が率直に言って余り深くなくて、私自身が不明の点があったという点とで、あの四十七年の報告書についての内容の責任は持ちますけれども、あれが個人としてどこがはみ出たかという点はただいま申し上げることはちょっと差し控えさせていただきたいと思います。 それから第二点でありますが、もともと先ほど申しました渡りの問題は、私の頭にありますのは、あの報告書で申し上げますと専門職の扱いのことであります。つまり、専門的な技術とか知識を必要とするような職務で一般の組織になじまない職務ということをあの報告書では専門職と定義をいたしまして、その専門職の特殊性を評価して職務分類を活用して格づけをするということであります。当時の専門職というのはいわば文字通りきわめて少数の人々、こういう意味でありますが、私がきょう申し上げたことは、余り厳格に、厳密に高度の知識、経験というよりも、少し広げてかなり高度のとか、ある程度一般職に従事する者も研修、研究、訓練、教育によって達成し得るような、しかも相当の経験を必要とするような者というふうにやや広げて申し上げたわけでありますので、そこに仮に準専門職というようなことがありますと、その格づけについて適切な措置があればということで申し上げたわけです。 なお、現在の人員構成、人員政策などについては、当然そのことに何らか変更が必要ではあるまいかというふうにも考えておることも申し上げておきます。 以上であります。
○小川(省)委員 実は私も地方公務員の出身なんです。ですから、そういう意味で、地方公務員の中にはたとえば福祉のケースワーカーでありますとか、農業改良普及員であるとかというふうな専門的な技術を非常に必要とする職種もありますし、地方行政も非常に高度化しておりますから、先生の言われるようないわゆる渡りといいますか、専門的な知識、能力を持った者が一職一等級でなくして、一職二等級なり複数に格づけをされることは当然あり得るというふうに判断をしておりますので、そういうお伺いをいたしたわけでございます。 第三点のお伺いですが、私の知人で、高校の教師をしておった方で、現在町長をしている方がおるわけです。彼が町長をしている町は、人口が約二万、職員数が約二百人の自治体です。それで、自治省が言うところのいわゆるラスパイレス指数は詳しく言うと一一八・二だと思うのですが、彼の言い分はこうなんですね。議会で議員さん等に責められるものですから言うわけですが、私のところは一一八だけれども、これは職員数が比較的少なくて、給与としてもまあまあ保障をしておって士気、能率を高めているつもりだ、そこで、このことは職員の士気が上がって住民サービスがよくやられているバロメーターになるんだ、私がやっている自治体の経営努力というのは残念ながらラスの中にはあらわれないんだというふうに言っておるのですが、先生が先ほど御説明になったとおりです。彼は、都市国家が華やかだったころのギリシャの時代は、悪知恵の働いた国王は数学者を顧問に抱えて、わからないようなことを言って国民を欺くような手段をとったところがあるのだけれども、自治省のラスパイレスはこれと全く同じなのだ、こういうふうないわゆる一般的にわかりにくいようなラスパイレスという指数を自治体の給与の圧迫をするための手段に使っているのだ。 私は自治体職員であったわけですから、労働者として、いわゆる統治者といいますか、支配をする側の人がむずかしいような理論を賃金問題で使うときには、必ず賃金を収奪するという手段に用いられるということをはだで知っているわけですね。そういう意味で、私自身も、ラスパイレスもあるいはパーシェもフィッシャーもよくわかりませんけれども、この町長が言っている理屈というのは当然一理あるというふうに実は思っておるわけです。 そういう意味で、特に市町村のような自治体の職員の少ない場合に、国家公務員と比較をする現在のラスの方式というのは明らかに誤り――明らかに誤りと言うと言い過ぎかもしれませんけれども、正しくはないというふうに思っているわけです。そういう意味で、賃金比較の問題を、先ほども御説明がありましたように、いまのような形だけでやっていく自治省の方式というのは当を得たものではないというふうに思うのですが、もう少し説明をいただきたいと思います。
○孫田参考人 かつてこの賃金比較について本を書いたことがございますが、いまのラスパイレス指数算式の前提条件として、一定の年功型という給与が比較の基準になっており、その賃金の範囲も仕事の範囲も全く同一と考える、そして能力とかその他のことは問わない、こういうふうに書いておいたわけであります。 ただいま御質問にございました、仮にラスパイレスが九〇とか八〇とかというふうに低くなっておりましても、能率が悪いために人数が二倍いたらどうなるかというようなことは、ラスパイレスが低いから、それでコストとして安いということとは全く関係がないわけですね。そういう点で行政の生産性ということを仮に申し上げますと、そういうようなことを抜きにしての賃金比較算式だ。これはパーシェについても全く同様でありまして、いまのようなコスト全体、人件費総額というものが適正かどうかということではなくて、一人当たり給与の高さを比べる、こういう意味であります。ですから、人件費としてのトータル、これは全く別な話であるということになります。これは指数算式というものの持っている宿命と言ってよいと思います。現在仮に物価指数が上がらなくなったとしても、その提供される物のサービス、普通の場合ですと質の低下というようなことがあれば、物価が下がったからといって喜ぶべきことではないわけで、いまのようなことは――普通、統計的比較は数の比較であって質の比較ではないと申しますか、いまの一一八・二の町長さんがおっしゃる点は、いまのことを言っているのだろうと思います。 それから、つけ加えますが、サービスという問題は生産性測定には本来なじまない。生産性というのは、あくまでも一人当たりの能率とか、一定の人数から生ずるサービスのトータルという意味でありまして、本来的には純粋サービスは生産性向上の余地がない。たとえば学校の教師は、十人に教えるのと二十人に教えるのとでは、二十人の方が生産性が高いということになるわけですけれども、学生一人が受け取る教育効果というようなものは、十人から二十人、五十人となればなるほど恐らくは低下するわけでありましょう。そこには、教育方法論の中では一定の係数などもあるようでありますけれども、そういうようなのがサービス生産性の意味であります。仮にそれを補助的に機械化などで補うといたしましても、それはあくまでも補助的な手段で、基本的にはどうもサービスというものは生産性ということになじみにくい側面を持っている。ですから、その点から、ただいまの町長さんのお話というのは、いまの少数、二百人という少ない人数でやるのだからという場合には、よそよりも、たとえば〇・九倍だったら〇・九倍にいまのラスパイレス指数算式を掛けてみるというようなことで比較する方法もないわけじゃないけれども、〇・九がいいかどうかというのは、結局一人一人の質の問題に還元されるので、そこのところはかなりの幅を持って判断しなければならない。別の言い方をしますと、数字が五違う、一〇違うということだけで議論するのは、やや結論を急ぎ過ぎるという感がいたします。 以上であります。
○小川(省)委員 ありがとうございました。終わります。
○地崎委員長 権藤恒夫君。
○権藤委員 権藤であります。二、三問先生の御意見を承りたいと思います。よろしくお願いします。 地方公務員の給与と国家公務員の給与がいろいろ論議されておりますけれども、これは地方財政、国家財政ともに厳しくなってきたときに論議をされてきたように思うわけであります。私が申すまでもございませんけれども、人事院の勧告というものは、民間と国家公務員との給与差というものを論議してきたわけでありますが、その実施の段階に至りまして、各地方公共団体の人事委員会並びに各団体いろいろと苦慮しているように思うわけでありますが、二十六年、三十二年と大改革をして今日まで来ておりますが、そういうような中で、特に最近の地方公務員の給与問題が、いわゆる地方公務員の給与が高いということで住民サービスの低下になるじゃないか、こういうようなことが国の言い分のようであると思うわけであります。また、地方の言い分としては、国は地方行政の硬直化というものを原因として、地方公務員給与費を下げろ、こういうふうに言っているようでありますけれども、私は、いろいろと考えてみますと、その本質は、やはり三割自治を強要する、国、地方を通ずるいわゆる中央集権的な行財政構造の改革がまず必要ではなかろうか、こういうふうに思うわけであります。 それから、ラスパイレスの問題でございますけれども、地方公共団体におきましては、特別職を除いては、部長、課長、課長補佐、参事あるいは係長等、大体八等級制になっているようでございます。 ところが、国家公務員は、たとえば局長でありますとか、あるいは大学の総長でありますとかというような人、一般職でありますけれども、こういう人がラスパレイスの基準の中に入っておらない、こういうことも考えられるわけであります。したがいまして、ただ、一方的にラスパイレスだけで国と地方との格差がこのようにあるじゃないかということは、私は、妥当性を欠くのじゃないかという考えを持っておるわけでございますが、そういうことにつきまして、御意見がございましたらお伺いしたいと思います。
○孫田参考人 ただいま地方財政の困難度から、地方自治体の給与が高過ぎるという、あるいはサービスに対して高過ぎるという、こういう問題についての中央の指導というのが、やや中央集権制ということに根差しているのではあるまいかということだと思いますが、私自身どうもそのことについて正面からお答えする力がございませんので、一般的な賃金政策論として申し上げますと、まず、労働問題について最も心すべきことは、法律を改正し、制度をつくりということでは、少しも問題は解決しないということであります。そこには、何らかの職員とそれから少なくも理事者の間で、自己の業務の性質、特に公共サービスというものに従事する者の責任とか、職務に対するプライドとかというようなことがまず十分に認識され、その上で給与が支払われているというその前提条件がない限りは、締めつけを弱くしても、結果的には余り大きな違いがない。むしろこれは私自身がときどき聞く言葉でありますが、場合によっては、自治省の指導というものをもうちょっと強くしてくれないと、気の弱い自治体の長は困るのだなどと半分ぐらい冗談まじりですが、言われるので、そういう点があるいはあるのかもしれない。そういうことから考えてみますと、中央集権以前に、果たしてそれぞれの自治体に固有の人事、給与に対するはっきりした考え方があるのかどうか。特に、選挙で選ばれます首長というものが、自己の在任中に何か労働問題で破綻を来しては困るという遠慮があって、そのためになすべきことがなされないままで終わるという、そういうおそれがないだろうかと考えてみますと、私自身は、むしろそちらの方を優先的に考えて、そのことがあれば、結果としての中央集権、自治に対する介入というふうなことがある程度見識を持って防げるのではあるまいか、こういうふうに考えるわけであります。 特に、現在制度的にたとえば大阪近郊でも東京近郊でも、隣接都市というものの人件費が非常に高いということが問題になりますけれども、現実に同じ大阪圏なり東京圏なりに居住し、そこで仕事をしているということから見ると、どうしても国家公務員の調整手当の差でもって説明し得ないものがあるわけです。そこに何らかの独特の給与政策があってもよろしゅうございます。 先ほど、ラスパイレス指数算式につきまして小川先生にも申し上げたことでありますが、技術的な数字の処理だけで、賃金問題、給与問題が終わるわけではございませんので、そこに何らかの自主的な独自の人事、給与政策というものを職員と十分に話し合って、そして、確立さるべきではあるまいか。そういうふうになりますと、先ほどは高くても少数で済めばいいという例がございました。反対のこともあり得ると思うのであります。つまり、中高年の、場合によっては女子職員を中心にして、中高年女子職員が安いと言うと私はしかられるのでありますが、そうではなくて、相対的により少ない費用で済む職員というものがあれば、それをよそで十人なら、そこでは十一人、十二人というふうに、少数精鋭高賃金の反対ですね。やや精鋭を欠くが低賃金、こういうような人事政策もあり得るのでありますから、そういう点で中央集権の制度的な発想以前に、人間の問題についてもう少し考えてよいのではあるまいか。もともと私自身も公務員でありましたから感覚的にわかるのでありますが、何か法律、制度をつくらなければ人も金と一切動きがとれないという制度の枠の中ですと、いつの間にやら本来持つべき、たとえば公務員法第一条に言っているようなそういうシステムが失われてしまうわけであります。こういう点から常に人を使う、あるいは行政サービスに従事するという者の心構えから人事を考えるということがどうも先決ではあるまいか。これが最初の御質問に対する私の感想であります。 それから二番目の問題でありますが、国家公務員のいわゆる指定職と言っております上級の者を除きますものをもって地方公務員の等級制度をつくっているということについての問題点であります。この点は実は根本的な問題でありまして、県ならば七等級とか、市ならば六等級とか、五等級とか、こういうふうに機械的に格づけをやっているわけであります。一般的に日本全体に普遍的に行うとすれば、それはやむを得ないというふうに思いますが、しかし、同時に給与の問題は職員にとっては生活費の問題であるとともに、一種の職務に対する責任を、プライドをそういう等級で示すという二つの意味を持つわけでありますから、そこで目的を行政能率の向上という観点からどういうようにしたらよいかというふうに、原点から立ち戻りまして、機械的に地方公務員は頭が抑えられているからいけない、こういう意味ではなくて、実際に国家公務員よりはより多くの等級なり、あるいはより高い給与なりが本当に必要であるかどうかという、そういう原点から考え直すべきであろうと思うのであります。 いま私自身も早稲田大学でゼミナールの学生を持っておりますが、ここ一、二年目立ちますことは、地方公務員の志望者がきわめて多い。理工学部の学生でも、昨日いろいろ話しましたが、公務員になりたいというのが非常に多い。これはいわば大変大きな変化でありまして、最も優秀な学生が今後そういう道に入っていくということは、大変望ましいことだと思うのであります。ときにはそうでなかった時期があったのであります。ですから、多様な人材がいるということについては、一概に決めることは困難でありますけれども、その精神におきましては、たとえば国よりも高い給与の者が例外としてあり得ることも当然であろうというふうに考えますので、そこでいまの八等級という技術的な手段、八等級を七等級にし、六等級にするという技術的な手段というものも、仮に技術的にそのように制限したとしても、なおかつ自治体ごとの特殊性から金額の問題とか、特別例外措置を受ける場合の必要条件とか、こういう点はさらに検討さるべきではあるまいか。 さらに、これは私が将来そうなったら非常に望ましいと思うのでありますが、政府と各市町村との間にいわば放射線のように行くのじゃなくて、地方自治体の内部でもってそういうようなことが、たとえば地域ブロック同士の同じような財政規模の市町村について研究が持たれて、その地域の独自性と同時にその地域の普遍性が同時に満足されるようなことができないだろうか。私自身が素人でありますから、それは不可能だと言われるおそれもあるのでありますが、簡単に言えば、市長さんだけの、理事者だけのそういう研究機関と、労働組合、職員組合との間でそういうような地道な研究が行われるならば、自治というものの意味が非常によく反映されるものではあるまいか。そういう点から、一本の線で決めるというのではなくて、やや複数の、さまざまな給与、人事政策が反映できるようなものであるならば、住民もまた大変幸福で、そのサービスに見合って給与が高いのは当然だというようなそういう姿が望ましいというふうに考えるわけであります。 以上でございます。
○権藤委員 これが適切な質問であるかどうかわかりませんけれども、私どもの知る範囲におきましては、自治省から地方公共団体に渡りの廃止が強く主張されておるようでございますが、やはり初任給にいたしましても若干高いのが実情であろうと思うわけであります。そういう意味におきまして、国によい人材を吸収されるのではなくて、複雑する地方行政に対応していくためには人材が必要であるという意味から、一応渡りというものはなくしたということでありますけれども、実際はそれが行われているというのが実情であろうかと思うわけであります。そういうことにつきまして何かお考えがございましたら……。 それからもう一つ、人勧によりますものを受けて公共団体の人事委員会というものがさらに検討していくようになっておりますが、この人事委員会のない町村に対しましては、都道府県の人事委員会が資料等を提供して、そして適当な給与を決定すべきである、私どもはこういうふうに考えておるわけでございますが、この都道府県の人事委員会制度というものについて何かお考えがございましたら、ひとつ御意見を賜りたいと思います。
○孫田参考人 前段の渡りの問題でありますが、従来、渡りが非常に広く、乱用とまで言っていいぐらいの時期もあったと思います。給与問題、人事、労働問題できわめて重要なことは、金があるから払う、金がないから払わない、こういうような支払い能力直結賃金人事政策は最も戒むべきことであります。払えるときに払うというのは大変気分がいいものですけれども、長期的にはこれは非常なマイナスになるわけです。それは財政危機などのときに直ちに出てくるわけであります。 私自身は、人間というものはいきなり首を切ったりふやしたりすることができないものだし、そうあってはならないものだから常に長期的なバランスをとるべきだという考え方を持っておりますが、ただいまの渡りに対する、仮に過度の締めつけという言葉が許されるならば、それはいわばその前に極端にそういう渡りが行われて、場合によっては、本来職務の重要度から見て低く評価さるべき職務に従事する者が部長さん並み、課長並みになっている、こういうようなことが行われたということが前提になっているわけでありますから、いまになって、結果論として、給与が払えるときに払っていく式の緩やかな人事政策というものを根本的に考え直さないと、どうも不可能であろうと思います。 それから人材の問題は、もともと人間は給与だけで自分の職業や将来を決定するものでありませんので、その点からいきますと、従来どうも就職に対するガイダンスと申しましょうか、手引きと申しましょうか、そういう点がややおくれていたような感じがいたします。これはわが国の職業準備教育というものが不十分なままで放置されてきておりますので、そういう点があろうかと思いますけれども、公務といいますといきなりすぐに窓口業務だけを連想する、そういうようなことがあったことは確かでありまして、こういう点で住民、納税者に対する啓蒙と同時に、その業務の質の問題、給与の問題ということを広く考えまして、そして、さっき渡りの必然性があることを申しましたが、必然性があるならば、その必然の中身というものが絶えず充実されていくように、形式に流れないようにというような配慮が必ず必要になると思います。 以上の事柄が第二の質問の前提でございまして、人事院勧告、それを受けての給与の決定というようなことでは、第一、人事委員会があるところもその独自性というのは余り十分に発揮できると思われないし、まして人事委員会がない市町村については、その決定というようなものについていわば他人が決めたことをそのまま引き写しにするというようなことになる危険があるわけであります。 繰り返しになりますけれども、給与の問題というのは特別にその支払い能力の点から云々されたといたしましても、そのサービスは常に行政の内容と密着するわけですね。競争相手がないのであります。ほかにその行政に競争相手がないから、住民からすれば、自分の住んでいるところがいやだから隣に行ってやるということではないのであります。そういう地域独占を持っている。その給与については、市町村で人事委員会がない場合でも、何らかの形で第三者的な役割りを持つ組織があれば一番望ましい姿だと思います。これは何も法律上人事委員会があるとかないとかいうことではありませんで、むしろ、法律に縛られないで公平な第三者としての役割りを持つような、そういう機能が何かできないだろうか。給与を決定するにしても、いきなり何月何日からどういうふうに上げますではなくて、そこに歳入歳出、行政サービスの内容などを常に振り返るようなそういう第三者というもの、少数の三人委員会というふうなものがあれば、そういうようなことでもって準公式あるいは半公式に――法律に書かれてないという意味では従う義務がないのであります。しかし労働問題は、ちょうど一般民間における労働協約がそうでありますように、協約に違反したから刑罰ということはないのでありますが、それは紳士協約として初めて非常に大きな意味を持つわけであります。市町村においても何かそういう人事委員会にかわるような制度というものがあり得ないだろうか。懇談会の形であれ何であれ、何かそういうようなことでありますと、納税者に対する何らかの理解と納得が得られやすいというふうに思います。 以上であります。
○権藤委員 どうもありがとうございました。
○地崎委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 孫田参考人には貴重な御意見をいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○地崎委員長 それでは速記を始めて。 ―――――――――――――
○地崎委員長 引き続き、地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますのでこれを許します。三谷秀治君。
○三谷委員 地方財政の問題を考えます場合に、事務と財源の配分問題、こういう抜本的な問題は別にしまして、いまの制度の中で当面改善すべき課題としては、一つは交付税の問題がありますが、もう一つは超過負担の問題であります。この超過負担についてきょうはお尋ねしたいと思います。 自治省の事務次官名によりまして各省庁事務次官あての「昭和五十二年度の地方財政措置について」の要望によりますと「すべての認可保育所に係る施設整備費について、これを国庫負担の対象とする」ことを求めております。この「すべての認可保育所」といいますのは、知事が認可したすべての保育所という意味でしょうか。その意味についてお尋ねしたいと思います。
○小林説明員 そういう意味でございます。
○小川国務大臣 仰せのような意味でございます。
○三谷委員 「すべての認可保育所に係る施設整備費について、これを国庫負担の対象とする」こととおっしゃるのはどういう法令上の根拠によるものでしょうか。
○小林説明員 児童福祉法の趣旨からそういう申し入れをしているわけでございます。
○三谷委員 地方財政法によりますと、国が全部または一部を負担する経費として保育所運営費、保育所建設費が規定されております。児童福祉法によりますと、国は保育所施設については二分の一ないし三分の一を負担し、保育所運営費については十分の八を負担することとされておりますが、この法令の定めに基づいて、全認可保育所に対する負担措置を自治省としては要望されておるというふうに理解してもいいでしょうか。
○小林説明員 そのとおりでございます。
○三谷委員 そうしますと、知事の認可によって保育所は設置される、この保育所はすべて補助対象となる要件を備えておるはずである、こういう御見解でしょうか。
○小林説明員 児童福祉法及びその国庫負担金の運営につきましては厚生省所管でございますが、私どもといたしましては、保育所として設置されるものにつきましてはすべて補助対象に採択されるように運用されるよう希望しておるものでございます。
○三谷委員 希望しております法令上の根拠はさっき申しました点で間違いないのですか。
○小林説明員 先ほども申しましたとおりでございます。
○三谷委員 これに対して厚生省はどういうお考えでしょう。
○石野政府委員 自治省の方からそういう要望のありましたことは十分承知いたしております。ただ、これはあくまでも行政のあり方として認可される保育所についてはできる範囲内において、予算の範囲内において全面的にそう認めてほしい、こういう意味であるというふうに私どもは解釈いたしております。
○三谷委員 法令にはできる範囲内とは書いていない、法令というものは国が負担すべき保育所に対する補助額、これをはっきり法定している。だから、これは任意によって恣意的に左右されるものではない、法律はそうなっておりますが、その点はどういうお考えでしょうか。
○石野政府委員 児童福祉法では、市町村は「設置することができる。」という形でございまして、いわば任意設置でございます。したがいまして、強制規定でございませんので、当然設置するかどうかというのは市町村長の意思によって決まってくるわけでございます。したがいまして、その任意のものを直ちに法律上すべてこれを補助の対象にするかどうかということはまた別問題であろうと思います。
○三谷委員 確かに法令は「設置することができる。」となっておりますが、その前段に市町村長の義務というのがある、保育に欠ける子供を保育する義務が負わされておる、その義務に基づいてどういう措置をとるか、保育所を建てるのも一つの手段である、ほかにどういう手段があるか私は知りませんが、いずれにしましても保育に欠ける児童を保育する義務が負わされている、その義務に基づいて保育所を建てるわけでありますから、これに対しては法令によりまして施設費の場合は二分の一ないし三分の一、運営費の場合は十分の八の補助をする、こういう定めになっていると思いますが、法律をよく読んでください。
○石野政府委員 法律を幾ら読んでも同じことになるのですけれども、保育に欠ける児童を措置しなければならないというのはこれは二十四条で法律上書いてございます。その場合は、ただしどうしても保育所に措置できないというような場合にはその他の方法によるべし、こういうふうになっておるわけでございます。それによりまして市町村が、保育に欠ける児童が非常に多いので、どうしてもこの市町村にはつくらなければならないという場合に、確かにそれが妥当なものであるならば、私どもはこれに対して助成をする、こういうことでございまして、法律上も政令の定むるところによるというような委任規定を設けまして国庫負担の規定を設けておるわけでございます。
○三谷委員 あなたがおっしゃいます法律の条文は少し省略がありはしませんか、「保育に欠けるところがあると認めるときは、それらの児童を保育所に入所させて保育しなければならない。」となっているのです。付近に保育所がない等やむを得ない場合、その場合にはその他の適切な保護をとる、その適切な保護はどういう方法があるか私は知りませんけれども、まず保育所であると私は考えておりますが、要するにこの規定は保育所に入れるということが第一義的に定められている、これが市町村長の義務になっておる、ですからその義務を果たしますために保育所を建設するわけですから、それに対しては当然児童福祉法に定めました補助規定に基づいて補助をするという義務が厚生省にある。 もう一つは、妥当なものとおっしゃいましたけれども、妥当なものかどうかだれが判断するのです。知事が認可権を持っている、知事に認可権を移譲しておる、機関委任事務になっているわけだ、だから知事が妥当としてこれを認めるわけですから、妥当なものかどうかというようなことは一体だれが定めるわけですか、そしてそれはどこに基準があるのですか。
○石野政府委員 ただいま御指摘のございましたように、二十四条で、確かに市町村長は保育に欠ける児童を措置しなければならない、入所させなければならない、こういうふうに書いてございます。しかし、これはただし書きがございまして、いろいろな方法があるわけでございますが、そういう場合は別、こういうふうになっております。さらに、法律上の三十五条の第三項でございますが、市町村は、命令の定めるところにより、都道府県知事の認可を受けて設置することができると書いてあるわけでございまして、設置しなければならない、こういうふうにはないわけでございます。したがいまして、あくまでもこの規定は、保育所を設置するかどうかにつきましては、これは市町村長の考え方、しかもその認可というのは、あくまでもその施設が保育所として適切なものであるか、たとえばこれは厚生省の省令で最低基準というのを定めておりますが、その最低基準に本当に合致しているかどうか、そういうものを主として見まして、確かに保育所としては間違いない、こういうものについて認可をすることになっておるわけでございます。あとそれに対して国庫負担をすべきかどうかにつきましては、さらに五十二条の中で、「政令の定めるところにより、その二分の一を負担する。」こういうことになっておるわけでございます。
○三谷委員 あなたの御説明というのは問題のすりかえが多い。確かに三十五条で設置することができるとなっている。その設置することができるのは、設置することを義務づけてはいない。しかし保育をしなければいかぬということは義務づけている。保育をするために保育所をつくるか、その他の適切な措置を講ずるかというのは市町村長の裁量権によるものであって、した場合には当然これは補助しなければいけない。この法律全体を通じまして、いまおっしゃいました五十二条あるいは五十三条などを通じまして一つの体系化された考え方なんです。あなたのおっしゃいますように、保育所をつくる、つくらぬというのは市町村長に属するものです。ただし、市町村長は保育に欠ける子供を保育しなければいかぬという義務がある。その義務を果たしますのに保育所が必要であれば、保育所を設置することができる。保育所ができなければその他の措置が必要になってくる。いずれにしても、それは市町村長の義務を果たすための裁量権に基づく選択になっている。そして保育所を選択しました場合には、補助をしなければいかぬということは五十二条で明確にうたわれている。そこをすりかえてはいかぬじゃないですか。
○石野政府委員 いまおっしゃった前段の方は私もそのとおりだと思うのですが、後段の方の認可を受けて設置した場合に、直ちに国庫負担の対象にしなければならないというところに論理の飛躍があるのじゃないかと申し上げたわけであります。
○三谷委員 どこに論理の飛躍があるんだ。五十二条というものは、保育所の設備については二分の一ないし三分の一を負担する、こういう規定になっている。
○石野政府委員 五十二条では、政令の定めるところにより負担をするとなっているわけでございます。三十五条の三項によって設置したものについて、すべて国庫負担をしなければならぬという規定は、ここには書いてないわけでございます。
○三谷委員 そこはあなたまた詭弁を弄している。一般に認可された保育所と言った場合には、すべて認可をされた保育所を意味しているわけだ。特定の分を意味するときにはそのときに注釈が入るわけだ。そういう特別な注釈が入らない限りは、認可保育所はすべて補助の対象になるというのが正しい法律の解釈なんだ。これはどの場合でもそうなっている。ここですべての保育所と書いていないから全体にわたらないと言っている。認可保育所と言えば認可されたすべての保育所という意味なんだ。その中から特定のものだけを選別するのであれば、そのときに初めてそこに条件が織り込まれてくるのが当然なんだ。あなたいまさっき政令と言いましたけれども、ここの法律で読んでみますと、政令というのは手続を決めるものであって、政令によって補助をするしないが決まるとか、補助額が決まるとか、そういうものでないことはこの法律には明確なことなんだ。
○石野政府委員 私の考え方が正しいかどうかという問題でございますが、これは御存じのとおり、五十一年の十二月十三日に摂津訴訟の判決がございました。そのときにも私どもの方はいまの主張を裁判所の方に申し上げ、結果は、その判決によりましてこういうふうに書いてございます。児童福祉法五十二条あるいは五十一条の二号、施行令十五条の第一項、こういうものの規定自体の解釈でございますけれども、これらの規定は、単に抽象的な国の負担義務を定めたにとどまると解すべきであって、そういう上記の規定から直接具体的な負担金請求権が生ずるとは解されない。もしそのように解するならば、国は市町村が任意に設置するすべての保育所に対して無制限の負担を強いられる。しかも、いつ、いかなる内容の負担金請求権が発生するかもしれない。そうなりますと各会計年度の収支均衡の問題、それから会計年度独立を維持することも不可能になってしまうではないか、したがって、上記の規定というのは、厚生大臣が当該保育所を負担金の交付の対象とすべきかどうかを判断して、もし交付対象とすべきものと判断した場合には、その合理的な基準に基づいて算定した設備費用額について一定割合の額の負担を国に命じている規定と解すべきである、このように判決はいたしておるわけでございます。先生のおっしゃることは、こういう判決はおかしいという前提に立っての議論だと思いますけれども、少なくとも私どもがいままで主張してまいりましたことは、そのようないまの判決によって明らかにされているところでございますので見解が違う、こういうふうに申し上げる以外にないと思います。
○三谷委員 摂津訴訟の問題を持ち出してきて、あの判決というものがあるから違法措置が公認をされたというふうなお考えのようだけれども、それは大変間違っている。摂津訴訟は、御承知のように関係団体はこぞってこれを認めていない。私もこれを読んでみましたけれども、この訴訟の判決の中には重大な誤認や誤謬がたくさんある。たとえばこの判決によりますと、あたかも保育所というものは市町村が任意に設置するものである、こういう観点に立っている。市町村が任意に設置するものでないことは明らかなことなんです。知事が認可をして初めて設置ができるわけだ。市町村が随時好きほうだいに設置するものだというような観点に立って保育所の問題を見ているのが今度の判決なんだ。しかも、いついかなる内容の負担請求権が発生するかもしれぬから、各年度の収支均衡、会計年度の独立の原則を侵す、こういうことを述べている。これは計画申請の手続上の問題なんでしょう。いついかなる内容の負担請求権が発生するかもしれない、そんなことはあり得ない。現在の手続を見ますと、前年の三月十日までに面積や建築単価などの計画を提出するようになっている。その後ヒヤリングをやって、国の予算が通過されました後で内示される。大体七月段階で内示される。そして着工して正式に申請をする。それから交付決定するわけだ。そして追加内示などは十月に行われている。それから完成、交付になってくる。この手続を見ますと、どのような請求権が発生するかわからぬなんということはあり得ないわけだ。いきなり保育所をつくりましたから補助金を下さいと言っているのと違う。事前に府県を通じて知事の認可を受けて、厚生省に三月段階で申請を出して、そこでこれが決まっていくわけなんでしょう。それから半年後に決まっていくわけだ。そういう現状の中で、裁判所が言っているように、どのような請求権が発生するかわからぬ、そういうばかげたことがあるわけはないんだ。そういうとんでもない誤認に立ってこの判決が行われておるわけなんです。もしもなおそれで不十分であれば、計画提出をもっと早めて、各省の予算編成前に出せば、一層正確に請求額あるいは請求権が捕捉できるわけなんだ。実は根本の問題と手続の問題とすりかえちゃだめなんだ。しかもこの摂津訴訟といいますものは主として補助金等適正化法、これに依拠して問題を扱ってきておる。補助金等適正化法というのは実体法じゃない。手続法でありますから、手続上の問題の規定だけにすぎない。しかもこの適化法の四条によりますと、「補助金等に関しては、他の法律又はこれに基く命令若しくはこれを実施するための命令に特別の定のあるものを除く」とされている。しかもこの保育所は、御承知のように別に法律で定めてある。保育所に関しては地財法十条の八号、十条の二の五号あるいは児童福祉法の五十二条、五十三条に定められている。つまり「補助金等に関しては、他の法律又はこれに基く命令若しくはこれを実施するための命令に特別の定のあるものを除く」とされている。保育所は除くべきものなのだ。それを適正化法だけを基準にして、摂津市の訴訟が正しくない、こういう判決を下している。それにまた無条件に依拠して、摂津でそういう裁判が出ましたからこれで結構だと思っている、こんなことを言っている。これは少しあなた方の勉強が足りない点でもあるし、かつまた、保育所などの行政を管轄して、そして生活に困る者たちの児童を守っていく、保育に欠ける子供を保護するという立場に立つべき厚生省として、そういう姿勢で果たして真の福祉行政ができるのか、当然そういう疑問が起きてくる。いまの摂津裁判についてどういう御見解でしょうか。
○石野政府委員 先ほど申し上げましたように、私どもは摂津の裁判で明らかにされているような主張を従来とも申し上げていたわけでございます。 お話があった中で、ちょっと私、解せない面があったのでございますが、最初から予算編成までに各県の方からいろいろ要望を聞いて、そして協議をしてあらかじめ決めればできるではないか、こういう話があったと思います。確かに理論的にはそういうこともございます。ただ、現実の問題としてどうなっているかと申しますと、各市町村を通じまして各県がやはり四分の一の負担をするわけでございますが、各県の財政問題も絡みます問題がございますし、それから市町村自身も土地の問題とかいろいろな問題がございまして、翌年度の予算編成の八月三十一日までに具体的な計画として決まるということは、実際問題としてはほとんどあり得ないわけでございます。私どもは毎年、たとえば五十二年度の補助の申請でございますと、一月ないし二月に各県の方から御要望を聞いて、そしてこれについての配分をする、こういうふうになっているわけでございます。それでもなおかつ、実は決まってからも、五月になり六月になってからも、申請を取り下げる、協議を取り下げるという問題も出てまいります。それからさらには、交付を決定した後にも、実は土地問題が解決しなかったのでやめたい、こういう問題もございまして、個々のケースについてぴしっと決めることは実際上非常に困難であるわけでございます。 したがいまして、予算編成の前までにこれを決定するということは、これは実際上不可能でございますので、どうしてもその年度年度で個所数を決めながらやっていかざるを得ない、これが実情であろうと思います。
○三谷委員 いまの点につきましては、府県も四分の一負担をするという規定があるわけですから、府県がこれを認可しますについては、摂津裁判が言いますように、決して市町村が好きほうだいに保育所をつくるということにならぬ。府県が四分の一を負担するという前提に立って知事が認可するわけですから、当然これは府県としても十分な検討を加え、考慮を払う、これは当然のことなのです。ですから、いまの保育所の申請の状態を見ますと、これは三月段階で計画や申請をする、こうなっております。それが予算が決まりました後で七月に内示されるわけです。ですから、もしも全体の捕捉が正確にできないとおっしゃるのであれば、これを早める。超過負担なしに保育所が建設できるということが保障されますならば、早く計画も出ますし、早く申請もできるわけです。ただ、いまの場合ですと、申請をしても計画をしても、果たして国の補助の対象になるかならぬかわからないという問題がある。そしてまた、府県が補助すべきたてまえになっておりますけれども、厚生大臣が認めなければ、府県の補助義務も免責されている。そういうことがありますから、自治体が計画を立てること自体が非常にむずかしくなってきておる。見通しがつかない。ですから、法律のとおりに正確に補助が受け得るという計算が立ちますならば、展望が立ちますならば、早目に計画も立ちますし、早目に申請もできるわけであって、これは手続上の問題の改善措置をやりますならば、必ずできる問題なんです。 いまおっしゃいますように、なかなか計画が煮詰まりませんのは、計画を立てましても、一体補助対象になるかならぬかわからないという問題がある。ふたをあけてみなければわからぬわけです。そういう状態ですから、実際の計画が立ちにくいという実情に市町村は置かれております。ですから、ここを直していけば、十分にこの問題は解決ができる問題である。むしろあなた方の方は、そういう手続上に問題があるのではなしに、できるだけ補助をしたくないというふうなところに本旨があるのではないですか。そういう感じがします。できるだけ補助をしていくという立場に立ちますならば、改善すべき点は幾らでもあるわけです。そういう立場に立っていませんから、そういう幾らかの瑕疵を利用して、できるだけこれを排除するという措置をおとりになってきておる。これがいま自治体がひとしく要求している点であります。この点についてお尋ねしたい。 それからもう一つ、さっきの摂津訴訟の問題ですが、市町村が任意に設置すると裁判所は言っておりますが、市町村が任意に設置するものですか、その事実関係はどうなんですか。
○石野政府委員 二つの御質問がございました。 一つの方は、補助をしたくないからそういうことをやっているのではないかというお話でございます。これは、私ども児童福祉行政を担当する者といたしまして大変残念なお言葉なのでございますが、決してそういうことはございませんで、少しでも多く、そういう保育に欠ける児童がなくなるように、そういう市町村がなくなるようにという形でいままで努力もしてきたつもりでございますし、そのつもりは現在も変わっておりません。事実上、三月のいろいろな協議というものをもう少し早めてやったらもっと確定するじゃないか、こういうお話でございますが、実は国の予算の編成が、要求は八月三十一日でございますが、実際上の予算編成というのは十二月なり一月になる。ところが、各県の予算というのは、実際上は二月、早くても一月の末ぐらいで決まってくるわけでございまして、国の予算の方が早く決まり、そして県の方が一月なり二月で決まる、こういう関係になっておるわけでございます。 その際に、国の方は社会福祉施設整備費何百億ということはもうすでに決まっておるわけでございますが、その際には個々の個所づけはございませんので、どこの県に幾らという考え方は持っていないわけでございます。したがいまして、その協議を前にいたしまして予算編成をいたしましたとしても、実際上県が本当にそのときの財政事情によって補助を組めるかどうかとなりますと、これはやはり疑問が出てまいります。実際上、私どもが期待したよりも少なく見積もった場合もございますし、いろいろなケースもございますから、なかなか技術的にはむずかしいのではないか。しかし、私どもができる範囲では、各県の御要望にこたえられるような形で、いままで各県とは煮詰めてきたつもりでございます。そのことにつきましては、今後ともさらに努力をいたしたいと思っております。 それから第二番目の、市町村の任意設置の規定ではないかという裁判所の判決についてどう思うかということでございますが、これは先ほど来お話がございますように、三十五条の三項で「市町村その他の者は、」「児童福祉施設を設置することができる。」という規定でございまして、設置しなければならないという規定ではございません。したがって、任意規定であることは、これは間違いないと思うわけでございます。
○三谷委員 設置することはできるけれども、それは無条件でできるのじゃないでしょう、知事の認可を必要とするのでしょうが。知事の認可によって初めて法的な適格性を持ってくるわけなんでしょう。そこのところを抜かしておっしゃっちゃだめじゃないですか。
○石野政府委員 この認可ということでございますが、一番最初に申し上げましたけれども、その認可は、あくまでも保育所が厚生省の定めております最低基準にマッチしているかどうか、それから運営についても確実にこれが運営できるかどうか、こういうことを期待しまして、そしてそれに合致するものについて認可をするというふうになるわけでございます。 現実の問題として、ちょっと誤解があると思いますけれども、実際上、認可というのは補助金が決まりまして、県の方もそれに対して四分の一を負担するというときに初めて内容が出てくるわけでございますが、その際に初めて建物の構造がどうであるとか、あるいは部屋の中身がどうなっているかというようなことで、実際上は認可されるという手続になろうかと思います。
○三谷委員 それがどういう経過であろうと、知事の認可を得なければ認可保育所にはなり得ないわけなんだ、明確なことなんですよ。そして、知事が認可します場合には、児童福祉法五十三条で府県の負担を前提として認可するわけなんです。財政負担を前提として認可するわけですから、市町村長が随時好きほうだいに保育所をつくるという性質のものでないことは明確なことなんですよ。そうじゃないですか。
○石野政府委員 この認可は、大半は確かに先生のおっしゃるケースが多いと思いますが、必ずしもそうじゃございませんで、市町村単独でこれをつくるという場合も実際上これはあり得ます。これは国の補助金がついた、つかないということ以外にも、そういうケースはございます。したがいまして、市町村が都道府県知事の認可を受けたから、すべてこれに対して直ちに国庫補助という論理がどうしても私には理解できないわけでございます。
○三谷委員 市町村単独でつくるケースもあるとおっしゃいますが、いま財政難の中で、国の補助制度があるのに市町村が、単独でつくりましょう、国の補助は要りません、そういう市町村がどこにありますか。国が補助を出さないから単独になってしまうのじゃないか。それが実態じゃないか。その点どうですか。
○石野政府委員 その点は確かにおっしゃるとおりだと思います。それはそうなんですが、ただ都道府県知事の認可を受けたから、直ちに国庫補助というふうにおっしゃってこられるものですから、私の方は、そういうことでつながりはないのです、こういうふうに申し上げておりますし、その認可そのものはあくまでも建物そのものが保育所として適切なものであるかどうか、こういうことを基準にして認可をするという実は法的制度をとっている、こういうことでございます。
○三谷委員 それは建物が適切かどうかということよりも、市町村長に負わされておる、保育に欠ける児童を保育する義務がある。その義務を前提にして認可するわけなんです。そこのところを抜かしちゃだめです。だから、府県が認可します場合には四分の一負担というものはかかってくる。かかってくるけれども、市町村長が、保育に欠ける児童を保育するためには必要であると言えば、これは認可せざるを得ないでしょうが。
○石野政府委員 ですから、その場合でも市町村がつくります施設が適当でなければ認可をしない、こういうふうになるわけでございます。確かにその認可する場合の要件の中には、そういう問題ももちろん含まれてくると思いますけれども、私の方の考えておりますのは、主としてそういう児童福祉施設として保育所そのものの建物の内容、それから運営の健全性というものから見て妥当であるかどうか、こういうものについて認可にかからしめておる、こういうことでございます。
○三谷委員 その認可権は知事にあるのでしょう、知事に委任しているわけでしょう。ですから、知事が認可したものが法律上の要件を備えた保育所であるということは明確なことなんです。そしてこの認可保育所はすべて公正に法の適用を受ける資格を持っている。その資格といいますのは、国が補助する義務があり、府県が補助する義務がある、これが認可保育所の公的な資格要件に対する規定になって、児童福祉法には示されている。それを厚生省は当然履行する義務がある、こうお尋ねしているわけだ。
○石野政府委員 いまおっしゃった前段の方はおっしゃるとおりでございまして、まさに認可を受けた施設こそ、認可保育所は、保育に欠ける児童を預かるにふさわしい施設、こういうふうに公認されるものでございます。 ただ、後段の方になりますと、ちょっと私は見解が違うのですが、その認可を受けたから直ちに五十二条へ来て、国庫負担の対象にすべきだとおっしゃるから、私は、そこは理解できない、こういうふうに申し上げているわけでございます。
○三谷委員 なぜ理解できませんか。法律はそうなっておりはしませんか。
○石野政府委員 先ほどからるる申し上げておりますように、五十二条は、すべての認可された保育所について国庫負担しなければならないということは、何にも書いてないわけでございます。それは、できるだけ国庫負担の対象にすることが望ましいこと、これはもうそのとおりでございますけれども、だからといって、法律上、すべてしなければならない、こういうふうにはつながってこない、こういうことを申し上げているわけでございます。
○三谷委員 それはさっき言っているのじゃないですか。すべての保育所とは書いてない。しかし一部という特定もないわけだ。ですから、こういう場合には、認可保育所と言えば、一般概念で言いますならば、認可を受けて法律的な要件を備えた保育所の意であって、特定する場合にのみ特定の注釈を加えるのが一般概念としては当然なことなんだ。ここではそういう保育所の特定をする規定はどこにもない。認可された保育所と言いますならば、一般概念で言えば、すべての認可保育所であるのは明確なことなんだ。それがあたりまえの読み方じゃないですか。
○石野政府委員 ですから私の方は、これはあくまでも市町村がつくる場合は、設置することができるという任意規定である。ただし、そのときには都道府県知事の認可を受けなければなりませんので、認可を受けた際には市町村が任意に設置したものといえども、これは当然公的な保育所になる。公的な保育所になったときに、しからば直ちに五十二条に来て、五十二条で補助しなければならないじゃないかというのが先生の御意見だと思うのですが、そこには、五十二条で明らかにしておりますように、これはすべての保育所に対して補助しなければならぬという規定ではなくて、あくまでも抽象的な負担義務を課した規定だと私ども解釈いたしておるわけでございます。そこで、それをさらに具体的に内容を高めるために「政令の定めるところにより」というふうに法律に書いてございまして、政令で明らかにしたわけでございます。
○三谷委員 政令が法律の規定を越えるようなものは認められない。命令というものはすべて法律の範囲内で制定し得るものであって、その点から申しますと、地方財政法十条の八号や十条の二の五号はどういう規定をしておりますか。自治省の方でも説明してください。
○小林説明員 ちょっと法律を持ってきておりませんが、地方財政法で、保育所事務につきまして、施設関係それから設置費につきまして、国と地方が負担をし合って対処していくという規定をしておるわけでございます。
○三谷委員 地方財政法によりますと、国が全部または一部を負担する経費を規定している。その中には保育所運営費が入っており、保育所建設費が入っておる。これは、国が全部または一部を負担する経費になっている。これは地方財政法の規定であります。そうしてまた、児童福祉法におきましても、五十二条におきまして、施設については二分の一ないし三分の一、運営費については十分の八、こういう規定がなされておる。この規定にはどこにも疑う余地がない。何の疑問を差しはさむ余地もありません。これが法律が定めております保育所に対する国の補助義務になっておる。いろいろなことをおっしゃっていますがそういう解釈が入る余地がどこにありますか。
○石野政府委員 地方財政法の有権的な解釈、これは自治省の方で話を聞かなければなりませんけれども、いまお話のありました地方財政法の十条の二でございますか、地方公共団体またはその機関が国民経済に適合するように総合的に樹立された計画に従って実施しなければならないものについて云々と書いてございます。その場合の総合的に樹立された計画というのは私ども十分に理解できませんけれども、恐らくたとえば、国民所得倍増計画でございますとかあるいは中期経済計画とか、そういうものについて言っているのではないかと思いまして、この規定から直ちにすべての保育所について二分の一の国庫負担をしなければならないというふうにはどうしても私どもは読めない、こういうふうに思うわけでございます。
○三谷委員 あなたはいまどの規定をおっしゃったのですか。五十二条によりますと「国庫は、」としている。そしていろいろな費目を挙げておりますが、保育所の設備については二分の一ないし三分の一を負担する、こうなっている。二分一ないし三分の一というのは法定事項でありますからこれを政令で変えようとしたら変えられやしませんよ。あるいは負担するという法令の定めを、負担するかしないかは厚生省が決めるのだ、そういう恣意的な解釈はできませんよ。明確な法定事項じゃありませんか。読んでみてください。
○石野政府委員 ですからこの十条の二の第五号に確かに児童福祉施設または社会福祉施設の建設に要する費用が入っております。これはあくまでも地方公共団体が国民経済に適合するように総合的に樹立された計画に従って実施しなければならないもの、こういうものについて国がその経費の全部または一部を負担するという形で児童福祉施設が入っておるわけでございます。この規定自身は、私は国が児童福祉施設について必要なものについては当然これは負担するというふうになると思いますけれども、その際にすべて設置された認可された保育所だから、これを負担しなければならないという規定は、この十条の二からは出てまいりませんということを実は申し上げておるわけでございます。
○三谷委員 五十二条の法の定めは明確にそうなっている。それ以上の解釈の入る余地はありません。しかも必要なもの妥当なものというふうな言葉を使っていらっしゃいますが、必要とか妥当とかどこで決めるのですか。認可するときに決めるのでしょう。知事が四分の一の負担をするという前提に立って認可をする。そのときに必要であり妥当であるという立場に立っておることは明確なんです。しかもいま保育所の保育状況を見ますときわめて低率なものであります。四人に一人が保育所に入れない。しかもこの地方財政危機の中で六割が補助対象にもなっていない。そういう実際の状況なんです。そういう状況の中で、これは国が定められました法律上の義務を果たすのはあたりまえの話であって、いま何か経済とか社会とかおっしゃいましたけれども、それはいまの保育状況やあるいは財政危機の中における補助の状況、超過負担の状況、こういうものを考えました場合にどういう結論が出てくるのですか。ですからそういう点は議論をすれば限りがありませんが、厚生省がまず果たすべき義務、法律で決まったことをきっちりと実行することです。これが行われておりません。そこを指摘しているのです。
○石野政府委員 前段の方の御質問の中にどういう判断で補助するかしないかということを決めておるのか、こういう話がございました。これは昨年の十二月の判決の中でも言われておりますように、交付対象とすべきかどうかにつきましてはあくまでも行政庁がこれを判断する。その場合にどういう判断が必要かということについてはいたしておりませんけれども、これは明らかに行政庁の合理的な判断というものを求めているわけでございまして、私ども当然毎年国庫補助をする場合には、その年度年度におきまして整備方針というものを明確にして、それによって実は国庫負担をいたしておるわけでございます。恣意にやっておるわけではございません。 それからあと後段の方でいろいろお話がございました。確かに現在の保育に欠ける児童と保育所の供給というものは必ずしもこれがマッチしているとは考えておりません。しかるがゆえに、各市町村、県の方からも強い要請があるわけでございます。これにつきましては、昨年の七月に要保育実態調査というのを全国的に実施いたしまして、その結果も大体六月ころには明らかになると思いますけれども、それに従ってさらに保育所が必要であるとすれば、その従った形の計画を樹立いたしまして整備を図っていく、こういうことが必要ではなかろうかと思っております。
○三谷委員 また摂津訴訟に後返りしておりますが、摂津訴訟というものはさっき言いましたように、補助金等適正化法に依拠して判決を出しているということはさっき指摘した点で明らかでしょう。しかもたくさんの誤認の上に立っている、実体法を全く無視した判決になっている。ここで判決の問題を議論しようと思いませんが、これを金科玉条にして、これからも保育所の補助は厚生大臣が好きほうだいに選択すればいいのだという考えにお立ちになりますと、これは大変な間違いだということをさっきから言っているわけなんです。 それからもう一つ。さっきお尋ねしましたけれども、確かにすべての保育所とは書いていない。しかしそれを特定するとも書いてないのでしょう。そういう場合において認可保育所という概念はどういうものか。それは認可された保育所という意味であって、その中から特定なものを指摘していない限りはすべての保育所を対象にするものであるということは、これはだれが読んでも共通の認識に立ち得るものじゃありませんか。特定する場合には特定の条件が出てくるわけなんです。そうでなしに、保育所という表現を使っておる限りはこれは法的要件を備えた保育所であり、それは知事が認可した保育所である、それはすべて補助対象になるというのが法律の定めであって、あなたはすべてと書いていないということを盛んに言っておりますけれども、それは書かぬのがあたりまえであって、特定をする場合には特定の指摘をそこで行っていくというのが法定の場合における確定的な解釈じゃないですか。
○石野政府委員 二つございましたけれども、前段の方の判決を金科玉条として今後は努力しないのじゃないか、こういうお話ございましたけれども、これは判決があった際にも私どもは国民の前に明らかにしたとおりでございます。判決は判決といたしまして、当然従来から言われております超過負担という問題は全力を挙げて解決していかなければならない、こういうことははっきり申し上げておりますし、現に五十二年度等についてもできるだけの努力をいたしたつもりでございます。もちろんその内容については御不満があるかと思いますけれども、私どもとしてはそれなりの努力をいたしたつもりでございます。 それから後段の方のお話でございましたけれども、特定してなければ全部を補助対象にしなければおかしいではないかという論議、これはさっきから何回も御議論をしているわけでございますけれども、私の方はあくまでもこれは認可した保育所であろうとなかろうと、とにかくそれの必要性というもの、妥当性というものを合理的な判断をいたしまして補助するかしないかということを決めていく。その場合には、厚生大臣の恣意にわたってはいけませんけれども、合理性がある限りは、すべての保育所というふうに考える必要はない。この五十二条というのはあくまでも抽象的な国の負担義務を課したというもの、こういうふうに先ほどから申し上げておるわけでございます。
○三谷委員 摂津訴訟につきましては、要するに適化法が基礎になっておって、補助金の申請をするときには補助金に対する異議の申し立てを三十日以内にしなければいけないというのが適化法の定めなんでしょう。摂津訴訟というのは、請求をしましたのがその適化法に定めました異議申請の期間を経過しておる、そういう状態ではいけないというのが一つの根拠になってきている。ですから、その問題と超過負担の問題を混同しちゃだめなんです。それが、摂津訴訟が第一審で排除されたから、そこでこういう不合理な超過負担を認めてもいいという考えに立ちますならば、それは大変な飛躍なんです。そのことを私は繰り返し言っている。 もう一つは、すべての保育所と書いてない。すべての保育所なんということは書く必要がない。保育所と言えばすべての保育所なんです。そこで特定のものを決めようとすれば、特定の条項が必要になってくる。そういう条項はどこにも入っていない。厚生大臣が合理的であると認め、あるいは厚生大臣が妥当と認める、こんなことはどこにも書いてない。法律には書いてない。おととしですか、政令を改正して、政令の中で「厚生大臣の承認を受けた」保育所と書いてある。法律に書いてないこと、法律に決めてないことを政令で勝手に「厚生大臣の承認を受けた」保育所というふうな改悪を行って、そして恣意的に厚生大臣が選定することができる、こういうことがやられてきた。それをあなた一生懸命で強弁されていますが、「厚生大臣の承認を受けた」保育所というのは一体どういう法律の法文に依拠してつくられたわけですか。法律の定めは、さっき言いました地財法によりましても児童福祉法によりましても、保育所に対してはすべて国が補助をする、そして福祉法によりましては、何割補助する、そういうことが法定されている。そして認可権は知事にある。これも法定されている。厚生大臣に一体どういう権限があるわけですか。厚生大臣には保育所を認可する権限は一つもありません。そうして、知事が認可したものを実際上厚生大臣が再審査する権利もどこにもありません。ところが実際には、再審査権を厚生大臣に与えてきている。それはどういう法律の規定によるものですか。
○石野政府委員 先ほどからるる申し上げておりますように、知事の認可というのはあくまでもその保育所の内容が保育所として適切なものであるかどうかということについて審査をして、そして適正なものであれば認可をする、こういうふうになっておるわけでございます。 片方の五十二条の国庫負担の規定というのは政令で決める以前の問題からございましたように、「政令の定めるところにより」負担をするとなっておりまして、その際の、条理上の解釈といたしましても、当然国が全体計画の中で必要なものについて補助をする、その場合の負担は二分の一、こういうふうに規定しているわけでございます。したがいまして、政令を改正したのは改悪だとおっしゃるわけでございますが、それではよくわかりませんので、政令を明確にいたしまして、こういう厚生大臣の承認を得たものについてというふうなことを入れたことが一つと、それからその内容についてもさらに明確にした、こういうことでございまして、政令の改悪によって内容が変わったわけではございません。最初から「政令の定めるところにより」という委任の規定もございましたし、政令の内容がどうあろうとも、厚生大臣が承認したものについて国庫負担をするということについては変わりがないわけでございます。
○三谷委員 「政令の定めるところにより」と書いておりますが、この政令に定めるところというのは法定事項以外のことなんでしょうが。あるいは法律の範囲内におけることなんでしょう。法律を見ますと、保育所に対して国が負担するということが規定されている。その負担額も決まっているわけなんです。その法定されましたことにまで政令によって変更を加えることができますか。それはできないでしょう。ですから、ここで言う政令に定めるというのは手続上の問題を言っているのであって、政令によって補助するかしないか決めるのだ、政令によって補助額を決めるのだ、こういうことはできないことは明確じゃありませんか。
○石野政府委員 この「政令の定めるところにより」というのは、確かにいろいろな内容について明確にするための問題も一つございます。それから五十二条自身が、その以前の問題といたしまして、認可された保育所についてはすべて国庫負担を出さなければならないというふうに読むならば、それは先生のおっしゃるとおりの論理につながってくるわけでございますが、私どもは五十二条をそういうふうに解釈していないわけでございまして、あくまでも国の抽象的な負担義務を課せられたものであって、具体的にどこの保育所に負担をすべきかということについては、これは厚生大臣の裁量に任せられておる。その裁量についてはあくまでも合理的な基準でなければならない、こういうことを再三申し上げているわけでございまして、政令によって法律を改正したわけでも何でもございません。従来のものを明確にしただけの問題でございます。
○三谷委員 法律の定めは、さっきから言っておりますように非常に明確なんです。疑問の余地はありません。保育所に対して国が補助する、その補助の割合は何ぼ、設備費は何ぼ、運営費は何ぼ、割合まできっちり規定されている。そこには何の疑問もありません。ただ、これは一昨年でありましたか、ここで翁児童家庭局長でありましたか来てもらってこの問題を指摘したことがありますが、それ以後こういう改悪が行われてきた。四十八年であったと思う。ですから、ここで言っております知事が認可したものを厚生大臣が再審査をする権利が一体あるのかという問題なんです。そんなものはあり得ない。 そしてもう一つは、厚生大臣の承認を受けた保育所というだけでなしに、厚生大臣の定めた建築単価というようなことまで政令の中に加えた。これも一体地財法にも児童福祉法にも抵触するものではないのか、お尋ねしたいと思う。
○石野政府委員 地方財政法の十一条を見ますと「国と地方公共団体とが経費を負担すべき割合等の規定」がございまして、第十条から第十条の三までに規定する経費の種目、算定基準及び国と地方公共団体とが負担すべき割合は、法律または政令で定めなければならぬ。負担すべき割合については法律で二分の一ないし三分の一という形で明記をいたしておりまして、経費の種目、算定基準について明確でございませんでしたので、この地方財政法の規定もございますし、児童福祉法上も明らかにする必要があるということで政令で定めたわけでございます。
○三谷委員 その政令は、法律で定まった範囲についてこれを侵犯するような内容は違法なものです。政令で決めることができますものは法律の範囲内における問題であって、法律が明確に保育所に対する補助を義務づけており、そしてその補助すべき額も明らかにしている。そうである限り、それを恣意的に厚生大臣が変更するということは認められておりません。それから、このようにしまして厚生大臣が任意な措置をとって補助する保育所と補助しない保育所を決めている、そのために児童福祉法の五十四条、五十五条で規定されております府県の負担義務まで厚生大臣の判断で免除される、こういう事態が起きている、これは一体どういうことなんでしょう。
○石野政府委員 この児童福祉法の五十四条の規定は都道府県の負担の規定でございますね、四分の一を負担しなければならない。これはやはり前段の議論が響くわけでございますが、五十二条で、国がすべて認可された保育所については負担しなければならないのだ、こういう前提をとる限りは確かにおっしゃるような問題出てまいります。しかし、先ほどから申し上げておりますように五十二条の規定というのはあくまでも国の抽象的な負担義務規定でございまして、具体的にどこの施設に対して補助をするかということは、国の全体の計画の問題とも絡み合わせながらやっていかなければならない問題でございますので、したがって、その五十二条からストレートに、すぐすべての保育所に対して国庫負担をしなければならないのだというふうにお読みになる以上はこれは議論が平行線であろうと思います。
○三谷委員 府県知事は保育所を認可をする、認可をしながら補助をしない、こういう矛盾に行き当たっているわけだ。なぜ補助をしないのか、それは厚生大臣が、国が補助を出さないから、国が補助を出さないものだから府県も出したくない、こうなっている。みずから認可をしながら五十三条で言う補助規定の発動をやろうとしない。ですから、東京、大阪などではそういうことにこだわらず、認可したものはすべて補助対象にして補助している。そうしなければ認可権を持つ知事としても責任が果たせない、保育に欠ける児童を保育する市町村の義務を果たさすことができない、こういう立場に立ってそういう措置をとってきている。しかし、いま財政難の折でありますから、府県によりましては、厚生大臣が出さないから、国が出さないから府県も出さない、こういう措置をとってきている。これも厚生大臣の恣意的な判断によりまして府県の義務規定までこれは空文化されてしまっている。そういう措置を厚生省がとっていいのでしょうか。厚生省というものはむしろ保育に欠ける児童を一層保育するために努力するのがあたりまえであって、法律もできるだけそういう立場に立って解釈するのがあたりまえであって、むしろそうでない方に解釈をしている、そして府県の義務規定まで免責するというようなことが実際に行われてきている。こういうことで保育行政が果たして充実したものになっていくのでしょうか。いまの保育所の状態、保育に欠ける児童の状態、一体どうお考えになっています。
○石野政府委員 法律論と実際上の行政上の問題とに分けてお話ししなければなりませんけれども、法律論からすれば、先ほどからるる申し上げておりますように、これは具体的な義務規定ではない、こういうことをまずはっきり申し上げたいと思います。 それから、いまの、それならば有利に解釈して、保育に欠ける児童というのをもっと救済すべきではないか、この御意見、これはまことにごもっともな御意見でございますし、いままで確かに、四十年代の状況を見ますと保育に欠ける児童が非常に多うございまして、それに対する保育所の数が必ずしも十分でない、非常にアンバランスの形態でございました。特に大都市を中心とした地域についてはそういう傾向が見られましたので五十年、五十一年等にわたりまして、いわば大都市中心の補助の方式というものに切りかえまして進んできておるわけでございます。しかし、さればといって、現在の状態が十分かといいますとそうではございませんで、これに対してはさらに五十三年度以降も努力しなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。
○三谷委員 もう時間が来ましたからこれ以上質問できませんが、義務規定ではないというところは厚生省の考え方と私どもと違う点です。そして、法律を正確に読めば義務規定になっている、だから自治省がすべての保育所を補助対象にしろという要望を毎年度行っておりますが、これは自治省、恐らくそういう見解だろうと思いますが、大臣どうですか。
○小川国務大臣 児童福祉法の解釈につきまして主管官庁である厚生省の意見の開陳があったわけでございます。これに対していろいろの点から反論をなさったわけでございますが、法律の解釈はいかようにもあれ、この問題が地方公共団体の財政を圧迫する大きな要因になっておりますことは申すまでもございませんから、自治省といたしましては、これから先もすべての認可保育所に対しまして、施設整備費を国庫負担の対象にしてほしい、こういう要請を厚生省に対して続けるつもりでございます。
○三谷委員 問題を実際問題の方にすりかえておっしゃっておりますが、私はこの自治省の皆さんの御意見を幾つか拝見しましたが、たとえば財政局長が「都道府県展望」にお述べになっておりますものによりますと、「事業費は一五%増しで要求せいというようなかっこうで締められると、どうも各省では、超過負担の是正、特に単位の是正に意を用いないで、事業量だけ何とか確保してお茶を濁そう、こういうかっこうになって出てくる。」というふうな意見も出ております。それから鎌田次官の意見もありますが、これによりますと、単価を幾らか改正をしましても、総枠を広げないから一向に改善されない、同じことだ、こういう意見もあります。それから知事会の松島事務総長の意見を見ましても同じことをおっしゃっている、これは結局「単価を直せば数量を落しますよ、数量をもっとと言うなら単価を落しますよというようなぐるぐる回りになって、永久に片づかない。」こうおっしゃっている。ここのところに厚生省の態度、非常に明確に指摘されているのです。いろいろおっしゃっています、できるだけ保育に欠ける児童をなくすために努力しているとおっしゃいますが、しかし関係者はこういう見方をしている。そこの中に、あなた方の態度の中に牽強付会な法律解釈を行って、そしてすべての保育所を対象にしていない、そういうことをおっしゃる。しかもそれは摂津訴訟に依拠しようとされている。摂津訴訟はすべての自治体が満足していない、だから上告しているわけなんです。そういうものを取り出してきて、しかも大変な事実誤認も存在しているものを取り出してきて、だからこれでいいのだというふうな論理をそこで述べていらっしゃる、そういう姿勢の中に問題がある。 時間ですから、もう一つだけ聞いておきますが、保育所入所基準に関しては、これはいまも変わりありませんか。昭和三十六年十二月十二日の「厚生省児童局長通知」というものがありますが、この通知に定めました入所基準、措置基準、これはいまでも変わりないですか。
○石野政府委員 変わりございません。
○三谷委員 そうしますと、一つ聞いておきますが、ここで言っておりますたとえば「児童の母親が日中居宅外で労働することを常態としているため、その児童の保育ができず、かつ、同居の親族その他の者がその児童の保育に当ることができないと認められる場合」こうなっている。一体「日中居宅外で労働することを常態とする」というのはどういうことなんですか。
○長尾説明員 いまお話がございました局長通知は、各市町村長が具体的に措置をいたしますときの基準として示したものでございまして、各市町村におかれまして、いま先生御指摘になりました居宅外の労働の時間でございますとか、それから居宅外の労働の範囲等は、細則を決めまして運用しておることが実態でございます。
○三谷委員 日中居宅外で労働することを常態としておって、児童の保育ができないということが基準でありますならば、一体子供はどういう状態に置かれていますか。子供はもはや孤児に等しい状態じゃないですか。つまり将来外に出て働かなければ生活ができない、仮にいまは居宅内におるけれども、働かなければやっていけないから働きに行きたいという場合、この場合に初めて適用されることが必要なのであって、ここのような規定でいきますと、孤児以外はこの基準には合致しないことになってくる。この点どうなんですか。
○長尾説明員 先生の御質問の趣旨は、将来就職する、就労するということが明白な事情の場合に保育所への入所措置ということはどうかということであろうかと思います。私どもは採用が内定しているというような形、それからいま明らかに求職中であるというような、就職するということが明白な事情の場合につきましては、現行の措置基準の範囲内でも措置は可能であるというふうに考えております。ただし、保育所に入所できたならば働きたいというような漠然とした範囲の御意向の場合には、これは他の措置を必要としておりますお母様方との均衡の問題もございまして、そのような漠然とした状況のままでは措置はできないのではないかというふうに考えております。
○三谷委員 そうしますと、どこか働くことが決まったから子供を預かってほしいという場合には適用される。しかし、ここの基準でいきますと、「日中居宅外で労働することを常態としている」つまり労働しているということが常態なんだというふうになっておりますが、そうしますと、ここのところはそういう意味のものに改正されるわけなんですか。改正する意思がありますか。
○長尾説明員 現行の措置基準の解釈として、そのようなもので結構だというふうに申し上げたわけでございます。
○三谷委員 現行の措置基準で言いますと、これを厳格に解釈しますとそうならぬのです。ですから、いま労働していることが常態になっているわけですから、これから労働するんだ、これから労働したいんだという者は、この規定でいきますと範囲になってきません。ですから、そういうあいまいな規定は正してもらう。当然のことだと思いますが、局長、どうですか。
○石野政府委員 いま課長から申し上げたとおりなのですが、漠然とした希望として将来勤めたい、就職をしたいということで来ます者については、これは私どもは認めるわけにはいかない。ただ、いまの大体就労が内定しておる、一、二週間後にはもう就職をしなければならぬ、こういう者については、いまの解釈としてそこまで認めるのは当然ではないかということでいま申し上げたわけでございます。
○三谷委員 ですから、それをあいまいさがないような規定にしてくださいと言っているのですよ。
○石野政府委員 これは御存じのとおり、七号の方に、前各号に掲げるものと大体準じた者、こういう者については入所させることができるという規定がございます。その七号の場合いろいろなケースが実はございまして、これを措置基準の中に明確にするとなりますと、それこそ千差万別のいろいろな具体的な例を挙げていかなければなりませんので、七号の解釈としていままで運用しておる、それによって入所措置の適正化を図っておる、こういうことでございます。むしろその方が運用の弾力性と申しますか、その市町村の実情によって一番マッチした形でできるのではないかというふうに考えておるのでございます。
○三谷委員 時間ですから、残念ですけれどもこれで終わりますが、いまの点についても非常に問題があります。つまり一週間前、二週間前に就職が決定をするということはあり得ないことであって、就職する場合には一月なり二月、三月前からよほどいろいろな工作をして就職するわけです。それをいまおっしゃいますようなことでいきますと、実際にはなかなか保育所に入れないという事態になってくるわけです。そこのところにも厚生省のこの保育所に対する態度に非常に問題があると思いますが、いずれにしましても、就職が決まった人については一週間後に入所するなんということはできやしないでしょう。できますか。できやせぬでしょう。あれは募集する時期があるわけですから、一週間前に就職が決まりましたからすぐ保育してください、オーケーなんてなりはしませんよ。どうしても入所する時期があるわけであって、それ以上一定の期間ちゃんと見なければ保育所に入れるものじゃありません。実際の状態を見ればそのとおりなんですよ。ですからそういう点から言いますと、いまおっしゃいましたお答えについては多くの問題がありますけれども、とにかく働く者については、保育に欠ける場合には保育するというたてまえに立って保育行政をやっていくのだということを私は確認させてもらいたいと思う。
○石野政府委員 まさにそのとおりでございます。
○三谷委員 終わります。
○地崎委員長 午後一時四十分から再開することとし、この際休憩いたします。 午後零時五十七分休憩 ――――◇――――― 午後一時四十八分開議
○地崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、内閣提出に係る昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、提案理由の説明を聴取いたします。小川自治大臣。 ――――――――――――― 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済 組合法の年金の額の改定等に関する法律等の 一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○小川国務大臣 ただいま議題となりました昭和四十三年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。 政府は、恩給年額の増額を図るため、恩給法等の一部を改正する法律案を今国会に提出し、御審議願っておりますが、地方公務員共済組合の退職年金の額の改定につきまして恩給法等の改正内容に準じて所要の措置を講ずるほか、退職年金等の最低保障額の引き上げ、公共企業体職員であった組合員に係る長期給付の受給資格等についての特例等の措置を講ずるとともに、地方議会議員に係る退職年金等の増額改定措置及び地方団体関係団体の職員に係る退職年金制度について地方公務員共済組合制度の改正に準ずる措置を講ずる必要があります。 以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、地方公務員共済組合制度の改正に関する事項のうち恩給制度の改正に伴うものについてであります。 その一は、恩給年額の増額の措置に準じ、地方公務員共済組合が支給する退職年金等の額について増額することとしております。すなわち、その額を、昭和五十二年四月分から約六・七%ないし七%増額する措置を講ずるとともに、昭和五十年度の退職者のうち、同年度中に改正が行われた給与条例等の給料に関する規定の適用を受けずに退職したものに係る年金額の改定についての特例措置を講ずることとしております。 その二は、恩給における最低保障額の引き上げに伴い、退職年金、廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を引き上げる措置を講ずることとしております。 その三は、恩給における増加恩給の額の増額及び公務扶助料の最低保障額の引き上げに伴い、公務による廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を引き上げる措置を講ずることとしております。 その四は、恩給における措置に準じ、地方公務員の退職年金制度についても、日本赤十字社の救護員であった者の抑留期間を退職年金等の受給資格を生じさせる期間とする措置を講ずることとしております。 第二は、その他の地方公務員共済組合制度の改正に関する事項であります。 その一は、掛金及び給付額の算定の基礎となる給料の最高限度額を三十六万円に引き上げることとしております。 その二は、任命権者の要請により公共企業体に転出した組合員に係る長期給付の受給資格等についての特例措置を講ずることとしております。 その三は、以上の措置のほか、組合員期間の確認に関し不服がある場合の審査請求等に関し必要な改善措置等を講ずることとしております。 第三は、その他の制度の改正に関する事項であります。すなわち、地方議会議員共済会が支給する退職年金等について、年金額の改定に関し所要の措置を講ずるとともに、地方団体関係団体の職員の年金制度について、地方公務員共済組合制度における措置に準じて所要の措置を講ずることとしております。 以上が、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○地崎委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○地崎委員長 この際お諮りいたします。 本案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○地崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 なお、参考人の人選、出頭日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○地崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――◇―――――
○地崎委員長 次に、地方自治及び地方財政に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。山田芳治君。
○山田(芳)委員 私は、本日は公営企業、とりわけ公営交通だけについて質問をいたしたいと存じます。 わが党は、先般御承知のように、わが党独自の地方公営交通事業特別措置法案なるものを本委員会に提案をいたしまして、提案理由の説明をいたしたわけであります。その基本となるところは、私どもとしては、第二次再建というものではとうてい現在の公営交通事業が確保されないということが前提になっているわけであります。 したがって、私どもとしては、本当に基本的にこの第二次再建というもの自身を見直さなければならないというふうに考えるわけであります。 御承知のように、五十年末における公営交通関係の決算状況が過般発表されておりますが、それを見ても、千八百五十一億の不良債務を抱えておるということは、第二次の再建発足当初は八百億たな上げをしたのでありますけれども、それをたな上げしたにもかかわらず、それをはるかに超えるところの不良債務が五十年度末にある。ですから、五十一年なりあるいは本年度末においては、はるかにこれを超えるという不良債務が出てくるということは明白であります。したがって、この再建方策というのは基本的に問題があることがわかっていると思うわけであります。 それで、公営交通の問題は、単に合理化とかあるいは路線の再編成等々だけで解決しないのであって、都市交通全般の政策が確立をしていない、いわゆる客観情勢がこの公営交通というものをきわめて悪化させているのだ、こういうふうに私どもは考えております。そういう立場に立って、この私どもの独自の交通事業特別措置法案というものを提案をしたわけであります。 まず、大臣にお伺いをしたいのでありますが、現在進行中の第二次再建方策というもので、果たして再建ができるというふうに考えておられるか。すでに四十八年に法案ができてから今日に至るまで数年を経過しておりますが、第二次再建の方式ではとうていこの公営交通の再建ができないというふうに考えますが、基本的に大臣はいかがお考えになっているか、その点についてまずお伺いをいたしたいと思います。
○小川国務大臣 第二次交通事業再建、これは四十八年度から実施いたしておるわけでございますが、その間に石油ショック等もございまして、その影響を受けて新たな不良債務が発生をいたしておるわけでございますが、現在では当時に比べまして経済の情勢も安定しつつありますから、今後とも経営の効率化を徹底する等、再建計画の着実な実施ということで当面対処してまいりたい、こう考えております。
○山田(芳)委員 私たちとしては、先ほど申しましたように、とうてい現在の再建方策のもとにおいてはできない。何とならば八百億を超える不良債務をたな上げをしてその後再建ができるというバランスをとろうとしても、客観的な――いまの石油ショックというのも一つの客観的な事情であって、公営交通プロパーの問題ではない。また、いわゆる路面交通にいたしましても、モータリゼーションで道路に自動車がはんらんをしている。通勤その他を見ても、いま一台の自動車にどれだけ乗って通勤しているかというと、大体一・二だと言われていますね。そうすると、五台のうち一台の割りでしか二人乗っていない。そういう乗用自動車が道路を完全にふさいでいく。だから、バスにしても電車にしても時間表どおりに動いていかない。そんなものなら乗るまいということで、本来ならば福田総理の言われるように資源有限だということであるとするならば、大量輸送機関を大事にしなければならないという政策をもっと大切にしなければならないにもかかわらず、それが大切にされてなくて、モータリゼーションで自家用車というものが通勤なり通学なりいろいろなものに使われている中で、それの乗車率がわずかに一・二だという統計が出ているということを見ると、これはやはり交通全体の政策面における欠陥があるのではないかというふうに思うのです。そういう意味において、第二次再建は、幾ら企業内努力を重ねても、破綻を来しているのではないかというのが私たちの考えですが、もう一遍大臣、その点について客観情勢との関連において、第二次再建というものは単に企業内だけの合理化を幾ら進めてみてもできないのだというふうに私どもは考えるのですが、その点大臣はいかが考えますか。
○小川国務大臣 企業努力ということ、もとより必要でございますが、御指摘のとおり、総合交通体系という観点からの環境整備ということは、きわめて大事な問題だと心得ております。自治省といたしましては、関係省庁の協力を得まして、たとえばバスレーンの拡大そのほか環境の整備に現に努めておりますが、これからも引き続いて努力をしてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○山田(芳)委員 そういうふうにバスレーンもおっしゃっておられるのですが、この地方公営企業決算の概況を見ても、バスレーン等の対策等も書いてありますけれども、遅々として現実には進んでいないということが事実であろうと思うのであります。時間がありませんから細かい数字は挙げませんが、とにかく関係各省とという意味ですけれども、なかなかこれが進まない。そういう中で、私たちははっきり申し上げて、公営交通に対する行政当局の認識というものが不十分だ、これをひとつ確立しなければならないのじゃないかというふうに思うわけであります。そうしないからこそ、いまお話のあったような総合的な都市交通に対する政策というものが確立をしていないというふうに思うわけであります。だから基本的な考え方を改める時期ではないかということで私どもはこういった法案を作成をしたわけであります。交通というものを都市施設として位置づけるべきだ。単に独立採算制のもとにおけるいわゆる企業だけの物の考え方で対処していこうというところに基本的な誤りがあるのであって、やはり住民の足を守る行政であるというふうな考え方で対処していくというように、認識を改めていかなければならない時期が来ているのだと思うのですが、大臣この点はどうですか。
○小川国務大臣 大量輸送機関といたしましての公営交通の果たす役割りというものはきわめて大きいと考えておりますが、さればと申しまして、独立採算の立場というものをまるまる放棄していいとは私ども考えておりません。そういう観点からするあらゆる努力をしてほしいと期待をいたしておるわけでございます。
○山田(芳)委員 大臣、本当に独立採算制でいまのバスにしても、いわゆる路面交通というものが、これだけのモータリゼーション、毎朝大臣も御出勤になるときにごらんになっていただくように、本当に渋滞をきわめているわけですね。これでは、大都会や都市における交通事情というものを毎日毎夕御経験になっておられて、これは本当に企業の努力なりあるいは企業の経営の中だけでこの採算が合っていくというふうに現実にお考えになられますか。たとえば祝田橋のようなところをもしバスが通るとして、あれだけの渋滞をしていて時間どおりに来ないというようなところに、なかなかこの大量輸送機関が現実的な機能を果たしていけないという原因が企業の努力の外にあるのだという御認識はいかがでございますか。
○小川国務大臣 外の問題も解決しなければなりませんが、しかし同時に企業の内部にもいろいろの問題があると存じます。
○山田(芳)委員 企業の外の努力がきちっとできて、まだかつだめであるというなら内部の努力をするということは説得力があると思うのですが、その点はいかがでございますか。
○小川国務大臣 これは並行して問題点の解決に努力をすべきでございます。両々相まって所期の効果を期待できる、こう信じております。
○山田(芳)委員 私はちょっと考え方が違うので、並行してといっても、企業内部の努力はもちろん無視をしているわけではありませんけれども、すぐれてやはり交通環境の悪化というものが著しいし、先ほど話のあった石油ショックというのはまさに外的要因であるというふうに思うわけであります。 そこでひとつ、この間私どもが出した特別措置法について一遍評価をいただきたいと思うのですが、官庁速報によると自治省としては、この法案の評価は虫がよ過ぎるというように書かれておるわけでありますけれども、私どもとしては、もちろんいまの交通債券というものはもうすでに限界が来ているので、新しい財源を集めていくべきだという考え方に立っているわけであります。そこで、自主的な財源を地方団体に与えていくということが必要なんではないか。補助制度というようなものを拡充していくにはおのずから限界が出てきます。そういう中で新しい財源をどうしても都市交通に与えてやるということが必要じゃないかというふうに考えるわけでありますが、そういう点を含めて、私どもとしては、現在国、地方を通じて約二兆円近い道路財源があります。 そこで建設省の道路総務課長さんにおいでいただいておりますので、ひとつお伺いをしたいのですが、建設省の立場から言って、たとえば道路の容量アップという立場から、横に広げるのも上に上げるのも下に下げるのもこれは同じだという考え方であろうと思うのでありますが、モノレールに対しては道路財源というものを出しておられる。しかし地下鉄については、これは後でも触れますけれども、たとえば道路の補助率と同じように七〇%の補助率を実質的に出せということで運輸省にも要求をしておりますが、自治省はその差額百億近いものを要求されているわけですけれども、運輸省はきわめて消極的だということで、これはこの間質問したのでこの点については省きますけれども、建設省としては、上に延ばすことについて道路財源を使用するということは、モノレールに対してはその会計から助成制度を確立しているが、地下についてそれを使うということについてはモノレールとどう違うのか、そういうことは可能なのかどうかという点について、道路財源の問題について一つお伺いをし、また地下鉄について、いわゆる道路の容量をアップするために必要だというふうに思うのですが、建設省としてはこれに対してどういうふうにお考えになっていますか。
○永田説明員 お答えいたします。 御承知のように、わが国の道路整備の状況は、欧米の主要国に比べてまだかなり低い水準にございます。特に地方部における道路整備の立ちおくれが目立っておるような状況でございます。そういう状況でございますので、私どもといたしましては特定財源だけではなくて、一般財源をも道路に投入して道路整備を進めておるような状況でございます。これは御承知のとおりと思います。 そこで、こういう状況でございますので、基本的には私どもは道路の特定財源を道路整備以外の目的に使うことは適当ではない、かように考えておるわけでございます。 なお、お尋ねのモノレールと地下鉄の問題でございますが、モノレールにつきましてはこれを道路の構造の一部として私どもはとらえて、その整備をやっておるわけでございます。地下鉄につきましては、御承知のように別の手法なり制度なりで財政的な援助の措置がございますし、それからモノレールと基本的に同一かどうかについていろいろ議論もございますので、私どもは現在のところこれは適当ではない、かように考えております。
○山田(芳)委員 現在のところ適当でないという理由をもう少し説明してください。
○永田説明員 地下鉄につきましては、すでにもう財政援助の措置が制度としてできておるわけでございます。その制度の改善なり何なりでやっていただくのが適当ではあるまいかということであります。
○山田(芳)委員 では、いわゆるトンネル部分については道路のトンネルと同じような助成制度というものを、道路財源を使いたいと私は思うのですが、それはほかの方に使わなければいかぬのでとてもだめだ、こうおっしゃるのだが、やはりトンネル部分については、地方団体がやる場合に、いまの道路のトンネル部分についての助成措置と同じような助成制度というものを、やはり道路の容量アップに通ずるという関係で、建設省としては七〇%に上げるべきだという私どもの主張についてはどう考えますか。
○永田説明員 先ほどお答えいたしましたとおり、現段階では道路財源を……(山田(芳)委員「いや、道路財源ではなくて一般財源で」と呼ぶ)これは確かにおっしゃるように、地下鉄のトンネルが路面の交通の緩和に役立つという機能面はモノレールと同じだ、かように私どもも思うわけでございますが、先ほども申し上げましたように、道路の構造の一部として直ちにこれをとり得るのかどうかという問題、それから先ほど根本的な問題として申し上げましたように、道路整備として要望がまだきわめて強い、こういう状況でございますので、そこらは御理解賜りたいと思います。
○山田(芳)委員 そこで石井政務次官、せっかく来ていただいたのでお伺いをするわけです。 地下鉄は、政務次官の地元もそうだと思うのですけれども、三分の二というか七〇%程度の助成をトンネルにやっていくべきではないかということをもうここ何年にもわたって私どもは運輸省に要求し、かつ要請をしている。自治省の方はまことにそのとおりだというので、五十二年度の予算要求の時期に自治省の予算で、本来ならば運輸省が要求すべきものをかわってしたという事実があるわけですね。だから、本来ならば運輸省がやるべきなのに、自治省がやはりそうだという姿勢で要求した。しかし、大蔵省は、本来運輸省が要求すべきものを自治省が要求するのは筋違いだということで、査定ゼロであるということなんです。自治省としてはそのくらいの考え方を持っておられるのに、本当に交通の最も責任を持つべき運輸省がどうも一般的に、われわれの方のところでも言うのだけれども、運輸省はもう国鉄のことは一生懸命だけれども、その他の交通のことについては若干冷淡ではないかとさえ言われるのは、こういうところにあると思われるのじゃないか。やはり自治省が要求したように、運輸省としては地下鉄部分に対して七〇%を予算要求、私どもは七五%と言っておりますけれども、いま建設省から話のあったように、トンネル部分については道路のトンネルと同じように、地下鉄に対する助成をすべきだと思うのですが、次官、どう思われますか。
○石井(一)政府委員 御指名がございましたのでお伺いいたしたわけでございます。 そこで、社会党から提出されております地方公営交通事業特別措置法、私も精読いたしまして、非常に参考になる意見だというふうに評価をさせていただきました。もちろん各論でいろいろむずかしい問題がございますが、今後、運輸省当局としてもこの問題に対して前向きに対処をしていきたいというふうに考えております。 ただ、ただいま自治大臣もお答えになりましたように、交通事業というものは基本的には営利事業であるというふうな面がございまして、公営事業だけを優遇するというわけにもまいりません。これは総合的に考えていく必要もあろうかと思います。バスレーンだとかそのほかいろいろな施策もやっておりますけれども、基本的なところは、民営で一キロ七十人以下で経営しておるのに公営の場合は百二十人かかる、またそのベースが非常に高いというふうなものは、基本的な問題として公営事業の中でももっとさらに御努力をいただかなければいかぬというふうな問題も多々あろうかと思います。 そこで御質問の点でございますが、私も大都市選出の議員といたしまして、実は私もポストを離れますとそういうことを強く要望いたしておるというのは、山田委員もよく御承知のとおりでございます。ただ、残念なことに財源の制約というものがございまして、運輸当局のみで決定できるというふうなものではございません。また御指摘がございましたように、自治省にはおほめをいただいて運輸省におしかりをいただいたようですが、運輸省でもそれをやりたいという気持ちはございますが、一つの制度を導入することによって今後都市交通というものが大きく変わってくるという場合、次々に起こってくる需要に国家財政が賄い切れるかということを考えますと、やはりその点は理想論と現実論とはやや違ってくるというふうな問題があろうかと思います。そういうふうな面で今後の投資対象の問題、合理化の問題、運賃問題、それらをすべて総合的に検討するというふうな形で、本年度、御承知のように地下鉄経営の改善についての調査費を運輸省も、もちろん自治省も建設省も取っておる。これだけでも前年に比べてかなり地下鉄のようにマンモスのような、膨大な費用のかかるものに対しては、基本的なメスを入れなければいかぬのじゃないかという役所側の姿勢だと思いますので、この評価を見まして来年度は運輸省としてももう少し前進的な予算要求をやりたいな、これは私の個人的でなしに、運輸当局としてもそう考えたい、そういうふうに思っております。
○山田(芳)委員 それに関連をいたしまして、四月の九日に、私どもの参議院議員和田静夫氏が、官房副長官といろいろ都市交通の問題について交渉した結果、国、地方自治体、組合あるいは経営主体者を含めた調査委員会を設置することについて考慮をするということが答弁されたということであります。また去る四月十一日の参議院の予算委員会で田村運輸相は、参議院の私どもの野口議員の質問に対しても、調査のために前向きに考えますという話がありました。この二つを合わせると、五十二年度において、いま言った将来に向けての地下鉄建設費の補助の問題あるいは負担、運賃等を含めて、いまお話のあったような全体のことを改善することを前提として、必要な作業を行うための調査委員会を設置するということに理解してよろしいかどうか。いろいろ運輸省当局は官房の方に確かめられたというふうに思いますが、私どもとしては明確に調査委員会を設置して、そういう地下高速鉄道、いわゆる地下鉄問題について五十二年中に調査をして、将来、五十三年度のいま言ったような補助制度等を含め、負担の問題、運賃の問題、いろいろな問題を含めて具体的に調査を行うことを考えているということだろうと思うのですが、そういう調査委員会を設置するというふうに理解してよろしいかどうか、この点をひとつはっきりお答えいただきたい。
○石井(一)政府委員 御指摘でございますが、わが方としては必ずしもそういうふうに理解いたしておりません。確かに官房副長官との会見あるいは運輸大臣の答弁等にそういうことを示唆するような一面もあったように聞いております。本日ここに参る前に内閣官房の方とも打ち合わせをしたのでございますけれども、必ずしも調査委員会を設置するというふうなところまではお話をしておらない。財源問題、助成問題、投資問題、経営合理化問題、運賃問題等々について関係各省と協力して総合的な検討を行いたい、こういうふうなお答えをしてあるというふうに言っております。 なお、この社会党の案の中にも交通環境整備審議会等の御要望がございますが、わが方としましては、一つは、先ほど申しましたように具体的に役所の中でこれらのすべての問題を慎重に審議して、来年度は何らかの形で一歩前進した案を出したいというふうな形をしておるということ、さらに蛇足になりますが、地方陸上交通審議会というのが御承知のように存在しております。この中には労働組合の代表、まあ労組の代表というお立場ではございませんが、そういう学識経験者なりあるいは主婦というふうな立場でいろいろの考え方を持っておられる方を網羅していろいろ検討もいたしておりますので、既存のそういう審議会等を使ってある程度先生の御指摘の問題は解決し得るのではなかろうか、こういう考え方を持っております。
○山田(芳)委員 環境整備委員会のお話がありましたから、それでは重ねて質問します。 確かに、地方においてはそういう委員会を何らかの法制的な基礎でなしに置いておるというところはあって、それは一定の成果を上げていると言えば上げているが、なかなかこれは進まないというのが現実である。先ほどもお話をしたように、バスレーン一つにしても専用レーンをつくるには容易なことではないということで、現在それの延長がなかなか延びないということ一つをとってみてもはっきりしてない。だからこそわれわれは環境整備委員会というものを法制的にひとつこしらえて、中央においては自治省、運輸省並びに警察庁、公営交通事業協会あるいは交通関係労働組合の代表によって交通環境整備審議会というようなものをひとつ設けて、地方だけでは問題は必ずしも解決しないのであります。中央においてそういうものを法制的な基礎のもとに置いて、地方においても条例等においてこれと同じような形で置いていくということをやるべきだ。いま政務次官おっしゃったように一定の成果を上げているとするならば、なおこれをもっと上げていかなければならないというためにも、交通環境整備委員会のようなものを中央、地方を通じて置くべきではないかと思うのですが、どうですか。
○石井(一)政府委員 片一方で行政の簡素化ということも進めておる昨今でございますが、もちろんこの新しい大都市の問題に対処するために新しい角度からそういうことも必要だという考え方もよくわかります。ただ、要はいかに実効を上げるか、いかに財源を求めるかということで問題が解決するだろうと思いますので、運輸当局は、交通に関する環境整備といいましても、やはり各省との連絡のもとにやっていかなければいかぬことだと思いますので、この席での答弁はひとつお許しをいただいて、今後ひとつ検討の材料にしたいと思います。
○山田(芳)委員 これは担当は、私は運輸省から発議すべきであるのではないかというふうに考えておるわけですし、政務次官も私も大都市の出身ですから、大都市の周辺、御存じのとおりだと思うのです。この整備委員会は行政機構の簡素化とは直接私は関係ないと思う。むしろ私は行政の簡素化でひどいのは、自治省の選挙部を選挙局にせぬこと自身がおかしいと言っているぐらい、そういう問題なんで、こういう審議会はどんどん置いてもらってもそれは大した経費がかかるわけではございません。むしろこれを置くことによって合理的な能率的な交通体系ができるんだというふうに思うわけでありますから、この場で政務次官が置きますともちょっと答えられないでしょうから、大都市の交通問題を本当に総合的に検討するために、こういう委員会をひとつ政務次官の力で一遍考えてつくってみてくださいよ。そうしたらこれは残りますよ、政務次官のときにできたんだと胸を張っていばれるぐらいひとつやっていただいて、大いに後に名を残してもらうようにお願いをしたい。これはひとつ強く要請をしておきます。 それから細かいことですから運輸省の民鉄部長さんにお伺いをするのですが、分割補助方式というのは、これも何年も私も言うておるので、ぜひひとつ一括方式に補助制度を改めてやってもらわぬと、実際の工期と補助の方式とが変わってくる。そういうことについてこれも毎年言うておるのですけれども、この点いかがでしょうか。
○妹尾政府委員 現在御指摘のとおり六年分割ということでやっておるわけでございますが、これは非常にあちらこちらで新線が建設される、その場合に単年度で一遍に出すということは非常に巨額になりまして、それで最初に分割から出発した。それで、どこかで切りかえればそれはそれ以後は同じ金額になるわけでございますけれども、その切りかえの年には大変巨額な、ごく簡単に言えば現在四百七十億の予算でございますけれども、切りかえる時点には、単純に言ってその六倍の二千何百億という金が一年に出るということでございまして、なかなか大変なことになるわけでございます。その辺を含めまして、今後の助成政策全般ということにつきましては先ほど来政務次官からも御答弁しておりますとおりに、本年度において調査をいたしまして、分割その他の問題も含めまして検討させていただきたい、このように思っております。
○山田(芳)委員 いま民営鉄道部長さんからお話があったように、一遍にいかないということかもしれないけれども、これは長年要求をしております。 それからもう一つ、これもこの前民鉄部長さんおいでいただけなかったのだが、自治省との累次の話し合いの中で、補助制度その他については三年を一つの周期として見直しをいたしますということをずいぶん私ども聞いてきたわけです。だからその三年周期というのは、実を言うと五十二年度なわけなんです。ところが五十二年度にそれじゃ新しい制度が何か変わったものがあるのかということになると、何もないわけですね。だからいままでわれわれの言ってきたことが、もちろん財政が苦しいからそれはそうじゃないのだと言うのかどうか知りませんけれども、われわれ何遍も当委員会においてもあるいは個別的ないろいろの交渉においても、三年に一遍は制度の見直しをいたしますということだったのが、五十二年がおくれてこれは五十三年という形になったのかどうか知りませんけれども、それと平仄が合っているのかどうかは別として、とにかくそういう調査を行います、結構でございます。調査を十分していただきたいと思うが、この調査も運輸省だけじゃなしに、やはりいま言った、私が挙げたような関係者を含めてやられると、お互いのコンセンサスを得られながら同じ議論を毎年毎年やるだけの労が省ける。だからみんなで、何も法律をこしらえて委員会をきちんとやって、手当を出してというようなところでやらぬでも、非公式にでもいいからそういう人たちを集めて、ひとつこうするから負担は各団体で持ってくれということぐらいやっていただいても、そういう非公式な、あるいは私的なと言ってもいいが、そういう調査機関というようなものを設けながらひとつ調査を前向きにやっていただく、どうです政務次官、この考え。
○石井(一)政府委員 事前に御通告をいただいておりましたら、もう少し御納得のいく御答弁ができるように思うのでございますが、私の個人的な感触を申し上げますと、やはり三年前の大都市交通と現在の大都市交通では、基本的な考え方も変わりつつあるだろうと思います。現にこれだけ莫大な投資のかかる地下鉄というものがこれだけの多くの大都市から申請を受け付けなければならぬという運輸省の苦しい立場、しかもこれを認可したらとっても運賃収入では経営が成り立たぬ、それをどうするのかということを考えなければ、われわれとしても無責任な認可をするわけにもまいらない。しかも路面交通だとか、京都にはまだ市電は残っておるようですが、これも何か骨とう品的価値で、採算上から言えば大変むずかしい。路面バスにしても御承知のような状態であるという場合に、やはりここ一、二年のうちには抜本的な対策を考えるべき時期が来ておるというふうに私は思います。ただ、いろいろの御提案もあるようでございますが、要は委員会をつくるだけでは問題が解決するとは申せないわけでございまして、やはり財源の措置、法的な措置、そのほかいろいろあると思いますので、きょうの御指摘を十分踏まえまして、私の方でも検討を進めたい、このように考えております。
○山田(芳)委員 それじゃ政務次官一遍、この席はこの席として、ゆっくりまた関係者と一緒に政務次官とひとつ話し合いをするという場所を持っていただいて、いまの問題を含めてこれは討議したいと思う。というのは、実は参議院の私どもの和田先生やその他野口先生等もこの問題について官房副長官との交渉の中で、一定の話が食い違っておりますから、これは参議院のあるいはそれぞれの委員会でまたはっきりさせるという問題が出てくると思いますので、これは衆議院側としては、私は直接立ち会ったわけではありませんから、いまの話は私は和田静夫議員から聞いたことを確認する意味で質問したのですが、どうも否定されるような話もあるので、この点は後で和田静夫議員からまた参議院において明確にされるという時期があると思いますので、それに譲りたいと思います。 さて次に、時間がありませんので、自治省に、財政局長さんにお伺いをしたいのですが、第二次再建債の元金の助成は、五十二年度から交付税でどういう措置をされる予定か、あるいは五十一年度はどうであったかをこの際明確にひとつお答えをいただきたいと思います。
○塩田政府委員 お答えいたします。 元金につきましては、御指摘のように一般会計が負担をするということで、その四〇%を交付税で措置いたしております。
○山田(芳)委員 それば普通交付税ですか、特別交付税ですか。
○塩田政府委員 普通交付税でございます。
○山田(芳)委員 利子は大体財政力指数によって変わるわけでしょうが、総体としてはどの程度に、何%ぐらいの措置になっておりますか。
○塩田政府委員 総体といたしまして八五・八%を補給しております。
○山田(芳)委員 これを合わせるとどのくらいになりますか。
○塩田政府委員 合わせまして五四・三%になります。
○山田(芳)委員 これはいろいろ問題はあるので、一般財源ですから私もとやかく言いませんけれども、当然一般会計から交通会計に財政援助をするということをなかなかしていないというところがあるのですが、こういう点については、これは財政局長になるといろいろ問題があるが、担当審議官としてはやはり一般会計にできるだけ入れるような指導をすべきだと思うが、どうですか。
○塩田政府委員 そのようなつもりで指導いたしております。
○山田(芳)委員 それから次は、バスの購入費ですけれども、八百二十万が本年度の予算ですが、わりに実勢単価に近づいたということではあるのだが、冷房関係についてはこの中に入っておりませんね。
○塩田政府委員 入っておりません。
○山田(芳)委員 これは確認の意味ですが、もしそうでなければ要求としてですが、冷房に対して五十万以上の経費がかかる。それに対して一自治体については合わせて何台ということでありますから、合わせた分を地方債で見るという答弁をされたというふうに聞いているのですが、その措置がされていないのですけれども、そういう事実はあったのか、なかったのか。もしないのならぜひひとつ――いまバスに冷房のないというようなことは考えられませんし、そうであればあるほど乗車効率は悪くなるわけですから、それを地方債で見ていくということはどういう考えであるか御答弁をいただきたいと思います。
○塩田政府委員 地方債で見ていくようにいたしたいと思います。
○山田(芳)委員 それでは地方債で見ていってもらいたいと思います。 それから、これはいまから言えないということかもしれませんが、五年間で、五十二年でこの助成制度が切れます。私どもは、破綻をしているということでありますが、五十三年度以降もとにもかくにも努力をするという大臣のお答えですが、そうであればあるほど五十三年度以降も継続補助、実勢に近づけるようにぜひひとつ対処をしていただきたいというふうに考えるのですが、この点は大臣いかがでしょう。
○小川国務大臣 この点につきましては、さらに十分検討をさしていただきたい。この場でどうしますというお約束はいたしかねるわけで、研究をいたします。
○山田(芳)委員 五十三年度の予算関連ですから、いまここでということではないと思いますが、自治省としてはぜひひとつ続くような前向きの姿勢をお願いをしておるわけです。この点はいかがですか、大臣。
○小川国務大臣 この効果のほどをいろいろな角度から測定をいたしまして、その上で結論を得たいと思っております。いずれにいたしましても前向きに研究をいたします。
○山田(芳)委員 事務当局もひとつ前向きでやってください。 次に、もう時間もなくなってきましたから、東京都の交通問題について少しお尋ねをしたいのですが、自治大臣と政務次官にお尋ねします。 私が去年の十月十五日、大臣は、失礼ですけれども、落選をされた天野自治大臣に、東京都の赤字は五十一年度で千二百億もあり、自主再建でやると言ったけれども、現実には自主再建でなかなかできなかった事情もあるけれども、しかし大都市の交通事情がこういう状況だということで、要請があればぜひひとついろいろと指導をし、援助をしてやってほしい、東京都の交通というものは大事なものだということで質問をいたしましたところ、天野自治大臣は、自分は東京都民の一人であるから一生懸命前向きでこれは指導し努力をしたい、こういうふうにお答えをいただいたわけでありますが、その後東京都からもいろいろ話があったと思いますし、どういう指導をされているのか、自治省並びに運輸省にそれぞれ接触があり、話し合いがあったと思うのですが、その整備計画あるいは財政対策に対して運輸、自治、両省の見解をひとつ前向きに明らかにしていただきたいと思うのですが、この点いかがでしょう。
○小川国務大臣 都営交通が御承知のような膨大な赤字を出しておるわけでございますが、それでもなおかつ四十八年に制定されました再建の促進に関する法律の適用を受けることなしに今日に至っておるわけでございます。都においても五十一年末に再建計画を立てて具体的な実行について協議をしておると聞いておりますが、その一部でありまする料金改定については近く実行できる見込みのようでございます。自治省といたしましても、五十一年度末において一部の減員に対する退職手当債、これは百七十八人分、金額にして二十一億二千八百万円でございますが、この手当債の許可を行ったわけでございます。これからも具体的に計画を実行するという際には十分御相談をしてまいりたい、こう考えております。 なお、政府委員からやや詳細にお耳に入れます。
○塩田政府委員 東京都の五十一年度の自主再建といいますか、再建計画をお立てになる場合に、私どもの方にもしばしばお見えになりまして、いろいろお話し合いをいたしております。その一部を、いま大臣から退職手当債のお話を申し上げましたが、そのほかにも、たとえば地下鉄の起債の追加配分でありますとかあるいはバスの購入費の起債の割り当てでありますとか、そういうことも追加をいたしておりまして、協議をしながら、話し合いをしながら進めておるような状況でございます。
○妹尾政府委員 東京都の再建計画につきましては、私どもざっとした概要は聞いておりますが、ただいわば運輸省の持ち分につきまして具体的な話は確かには聞いておりません。とりあえずことしの運賃の問題ということは近々指示いたしますけれども、それ以後のことにつきましてはまだ具体的に聞いておりません。
○山田(芳)委員 相談がいけばひとつ前向きに対処していただくという点、明確にお答えいただきたいと思います。
○石井(一)政府委員 山田委員御承知のように営団と都営と二つの経営がございますが、どうしたことか都営というのは営団に比べて採算性が非常に低いということでございます。この点も特に都サイドにおいても十分慎重に御検討いただきたいとわれわれは思っておりますが、たとえば運賃問題に関しましては、現在運輸審議会等で慎重に審議をしておるというようなことでございますから、運輸省の門戸は大きく開かれておるということをあえて申し上げておきたいと思います。
○山田(芳)委員 いまも指摘があったように、営団地下鉄と都営地下鉄とを比べてみると、きわめて不採算的な面を都営が担当して、非常に採算のとれるような面が営団の部分である。大阪市は地下鉄が一元化されて全部市営でやる。ところが東京都は、これはどういう事情なのか知らないけれども、二元的で、しかも東京都の分がいま言ったような状況だということはいま御指摘のあったとおりで、これはまことにわれわれとしても不公平な扱いであるというふうに思うのです。そこで、首都圏の中へ、これは大阪もやっているわけです、大阪市営の地下鉄が隣接都市の寝屋川とかそういったところへ延長するという形をとっている。それに対する助成もちゃんと大阪の地下鉄当局に出されているというように、東京都営の地下鉄も首都圏内に延ばす、要するに東京都を出て、ほかの県を含めて出ていくというような延長等の話があった場合には、大阪と同様に前向きで処理をやっていただきたい、このように思うのですが、この点いかがですか。
○妹尾政府委員 現在東京都が計画いたしておりますのは、一つは千葉の方に本八幡に出ている、これについてはすでに免許いたしております。ただこれにつきましては、御承知のように千葉県の方から来る千葉県営鉄道、この方が千葉ニュータウン等の計画のおくれというようなこともございますし、いつできるかわからないというのが現状でございます。そういう点も考えながら東京都の計画を今後検討していきたい。それからもう一本は埼玉県浦和方面ということでございますけれども、これについてはまだ路線もはっきり決まっておりません。そういうお話がございますが、現在東京都の財政事情というようなものを考えますと、そうどんどんと県外へ延びていくことが東京都にとってプラスであるというふうにはにわかに考えられない面もございますので、その点はよく今後検討してみたい、このように思います。
○山田(芳)委員 にわかにできないかできるかは別として、そういう相談があったら十分乗ってやっていただきたいということで、私はあえて具体的に路線を挙げなかったのはそういう意味ですから、その点はひとつ……。もう運輸省、建設省結構でございます。忙しいところどうもありがとうございました。 最後に、ベース改定の問題です。いわゆる昭和五十二年度春闘も中小の分を除いておおむね解決をしてきたわけであります。私どもが漏れ承るところによると、いま公営交通二十三の再建団体があるわけですが、これがベース改定をする際には、全部再建計画で自治大臣の承認を受けるのですが、五十二年はなかなかきびしいぞ、とにかく公営交通の職員にはいまの行政職(二)を当てはめる、あるいはバス路線の再編、大阪などは最も悪い、だからこれの再編を迫るのだ、徹底して合理化をやる。たとえばバスについて言うならば、民営は一台当たり二・四人だけれども、公営は二八人だ、これにいくのだ。ラスパイレスを比べるとどうも一・〇九ぐらいである、非常に高い、これを徹底的に抑えるのだというような話を、そういう事実があるのかないのか知りませんが、漏れ承っているのですが、昭和五十二年の再建に当たってはそういうような点が言われているということは事実ですかどうですか。
○塩田政府委員 五十一年度の改定がいま終わったところでございますが、その改定の作業に当たりまして、やはりこれは個々の団体でいろいろな事情がございましてそれぞれ違いますけれども、五十二年度はかなり窮屈になるといいますか、思い切った改革、計画を実行していかなければならないという団体がかなりあるわけでございます。二十三団体それぞれ程度は違いますし、またその内容もそれぞれ違います。したがいまして、いま徹底的にやるとかなんとか、いろいろお話がございましたが、それぞれの団体によりましていろいろな点を御指摘しております。言葉のあれはわかりませんけれども、先ほど改定を終わりました五十一年度の計画に基づきまして、五十二年度以降やっていただきたいということを指導いたしておるわけでございます。
○山田(芳)委員 たとえば賃金の比較について、地下鉄やバス等のラスパイレスというようなものは比較するものがあるのかどうかということが一点と、それから一般職員と国家公務員の場合にはラスパイレスの意味は、午前中いろいろありましたそういう問題点はあるけれども、それにしても公営企業については一方で団体交渉権を認められているわけですから、労使の間において合意をしてできた賃金に対して、団体交渉というものなしに一方的に抑えていくということはできないのではないかと思うのです。大体、そういうラスパイレスというようなものを公営企業の職員に用いること自身おかしいと思うし、比較すべきような対応職種が必ずしもあるというふうにも思えないのですが、そのあたりはどういうことになっていますか。
○塩田政府委員 直接交通職員だけを取り出してラスパイレスを作成しておりませんから、そういう意味では、直接交通関係だけと国家公務員を比較するというような意味でのラスパイレスはございません。一般職員のラスパイレスしかございません。それがまず一点。 それから、先ほどもお話がございましたように、一台動かすのにも二・八人ないし二・九人かかっている。民間は二・〇ないし二・四人ぐらいでやっていることとか、あるいは給与の単価の問題でありますとか、そういうようなことで努力すべき余地があるのではないかということはどんどん指導いたしておりますが、それは組合との間の交渉の結果についてどうこうという指導というのではなくて、交通事業の経営者として、人件費のウエートはどうなっているか、あるいはその職員の配置数はどうなっているか、そういうようなことについて十分関心を持って合理化に努力していただきたい、こういう意味の指導をしておるわけでございますので、御理解賜りたいと思います。
○山田(芳)委員 最後になりますが、経営者に言いますと、自治省がこう言うからというので、自分の責任で物を処理しないのです。だから、自治省が言うからけしからぬということになって、経営者も組合も同じようなことだということになるので、そういう点は非常に問題があると思うわけであります。 それから、いま言ったようにラスパイレスというものを用いられるべきものでない、対応職種がないのですから。それじゃ一般職員との格差をどうだというような問題をすぐに持ち出すのですが、これも必ずしも対応して同等に論ずべきものではないので、この点はやはりきちっとしておいてもらわないと困るわけです。 それからもう一つは、民営移管なんかと同じように考えられるということは間違いで、たとえば昭和四十七年十月三十日付の公営交通問題研究会から出された公営交通に対する措置というものも一つもやっていないわけですね。この中に明確になった行政路線なんかに対する措置もさっぱりしてくれていないというところを見ても、これはやはり住民の足を守るという問題が一つある。もう一つは、議会がそういう路線の再編については一定の意見というものを持っているというような点がありますから、それは民営鉄道やその他と同じような状況で考えてもらっては困る。民営鉄道は、少なくとも付帯事業をどんどんやって、住民の開発だとか、いやデパートをつくるとかそういう別のものができるけれども、公営交通はそういうことはできないわけですから、どうしてもロスのある部分ということが、これが行政的な意味もあるのだということで、民営が何・何人だからといって直ちにそれで比較をするというようなことでは、これは行政的な立場というものを全然無視していく。だから、この点については十分配慮していただきたいということを強く要求して、時間がございませんのでこれで終わります。どうもありがとうございました。
○地崎委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後二時五十二分休憩 ――――◇――――― 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕 ――――◇―――――