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80回国会衆議院1977/04/12

地方行政委員会 第11号

発言数
167
登壇者
14
会派数
2
開催日
1977/04/12

会議録

地崎宇三郎自由民主党

○地崎委員長 これより会議を開きます。  内閣提出に係る地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。田口一男君。

田口一男日本社会党

○田口委員 私はいまから二、三質問をしたいと思うのですが、大上段に振りかぶった議論は別にして、相当具体的な細かい問題について質問を申し上げたいと思いますので、時間の関係もこれあり、ひとつ要を得た御答弁をまず注文をしておきます。  先般発表されました地方財政計画の問題なんですが、これを見ますと、私は歳入の部で三つほど疑念があります。  まず第一は、税収入の計画、これが財政計画全体の平均伸び率が一四・二%ということになっておるのですが、税収の場合には一五・七%と大幅に上回っておる。ですから、従来の経験にかんがみて、この税収の一五・七、一六に近い数字が完全に確保できるかどうかという心配があるわけであります。この確保の問題についての見通し、またはできない場合にはどうするのか、これが第一。  それから第二番目は、地方交付税の問題でありますけれども、この交付税の伸びというものは昨年の伸び率と比較をいたしますと、昭和五十一年度は二八%の伸び、本年は一〇%ということで、最低の伸びを見込んでおるわけでありますけれども、こういったことでは財政力の弱い地方公共団体は十分な財政運営というものができないと思います。交付税の伸びが過去に比べて低い、しかも御承知のように三千億円の減税ということが上積みになったわけでありますから、交付税の減少ということは当然年度内に起こってくる。こういう問題を考えた場合にどのように対処をするのか、これが第二番目であります。  それから第三番目は、歳入の部の使用料、手数料についてこの伸び率というものが過去最高と言ってもいいんじゃないかと思います。金額にして六百九十四億増、率にして二一%、この限りでは、結局地方住民に対する負担増ということをここではあからさまに示しておる、このように考えるものでありますが、使用料、手数料の問題については、住民の負担増ということを意識をして増額を盛り込んでおるのか。  これが歳入についての三点の疑問でございます。この点について、まずお答えをいただきたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 歳入につきましての三点の御質問でございます。  まず第一は、地方税収入の見込みが多過ぎやしないかという御指摘でございます。地方税収入の見込みは、現下の経済情勢から見まして、いろいろな推計を行いまして収入見込みを立てておるわけでありますが、主として法人関係税で国の方が法人税収入の見込みをやりましたその基礎数値を、地方税の方も法人関係税について、当然のことでありますけれども、それを基礎に見込んでおるのが、かなり法人関係税の収入で大きな増収見込みになっておる、こういう理由であるわけでございます。  具体的に数字を申し上げますと、五十一年計画と五十二年計画の比率では、国の方の法人税の増収見込みが二六%見当見られておりますが、これに対しまして地方税の法人住民税、法人事業税、これをこれに対比いたしまして二四%見当でありますが、そのくらいの伸びを見込んだ結果この一八・一、こういう平均の伸びになったものであります。したがいまして、現在のところでは、私どもといたしましてはこれだけの増収はほぼ確保できる、こう思っておるわけでありますし、また県の当初予算編成においてもほぼこういった程度の収入が見込まれておるようでございますが、何分にも法人関係税のことでございますので、先生御指摘のように、年度内に非常に大きなまた景気の伸び悩み、こういったものが顕著になってまいりまして、万が一にもこういった法人関係税が取れないというおそれが全然ないかということになりますと、これは将来のことでございますから、そういうことがないとも言い切れないと思います。ただし、その場合にでも、御質問の後段にございましたように、これだけ見込みました税収入というのは地方財政運営のために絶対必要な額だということで計画計上いたしたわけでありますから、この収入が割り込むようなことが万々が一ありますれば、これを完全に補てんするための何らかの措置、こういう財源対策の措置は必ずとっていく。その結果、計画に見込みました税収入は確保できるという事態を現実にあらわすことによって財政運営を確保してまいりたい、こう思っております。  それから二番目の問題でございますが、地方交付税でございます。なるほど御指摘のように、ことしの交付税は一兆三百五十億円もの追加措置をやりましたけれども、わずかに一〇%の伸びにしかなりません。去年に比べまして伸びは非常に低うございます。しかしながら、この点は税収入と交付税という、いわば一般財源でございますが、一般財源の伸びがどうなるかということをあわせ考える必要があろうと思います。ことしは税収入にかなりの増を見込んでおりますので、一般財源、税と交付税と合わせますと、一五%程度の一般財源の伸びになります。去年は地方交付税をかなり伸ばしましたけれども、税が逆に三角になりましたので、去年の一般財源の伸びは六%にしかなりませんでした。そういう意味から考えますと、去年よりは一般財源の増加比率はよろしゅうございます。したがいまして、御指摘のように、交付税が少ないことによって田舎の貧弱団体が困らないかという御指摘でございますが、伸びております額はこの税収入との対比で交付税が配られることは先生御承知のとおりでございますので、弱小団体には割高に交付税が行く、こういうことになろうかと思うわけであります。  それから第三点でありますが、使用料、手数料は、なるほど御指摘のようにかなり大きな伸びを見込んでおります。前年度に比してかなり大きな伸びを見込んでおるのでありますが、これは主として昭和五十一年度におきます高等学校の授業料、これは昭和五十一年から引き上げたわけでありますが、一年生だけ引き上げる、新入生からだけ引き上げる、こういう措置を去年とりましたので、これの学年進行があるわけでございます。学年進行、平年度化でございますね、これが一番大きな増収原因でございまして、これを除きますと、雑収入の伸びは一四・二%、この程度でございます。したがいまして、例年に比して他の使用料、手数料等で住民に特に負担を重加をする、こういうような意図に出たものではございません。いま申し上げましたように一四・二%、高校授業料を除くとそれでございますが、過去四年間の使用料、手数料の平均伸びは一六・四%でございますので、例年度に比して、ほかのものは大したことはない、こういうことでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 三つ申し上げたうちの、第二、第三についてはやや納得できるのですが、第一の税収の伸びについて、ここで議論をすれば相当時間がかかると思うのですが、まあ、地方の三月議会の論議を私なりにいろいろと調べておるのですが、どこでも税収を目いっぱい見ておる。それが本年の景気動向から見て、目いっぱい見た税収そのものが確保できるかどうか、各府県の執行側もやや答弁に苦しんでおるというのが実態だと思うのです。これは時間の関係で深追いをいたしませんが、何らかの措置をしなければならぬだろう、こういったことを前提に――もちろん景気が前提でありますけれども、十分な対策をいまから講じてもらう必要があるのではないか、このように思います。  ところで、十分な対策を講ずるという中で、今度は歳出の問題に入ってくるのですが、生活関連であるとか福祉関係の経費というものについて私は述べたいのですが、きょうはひとつ給与関係にしぼって、以下申し上げたいと思います。  まず、財政計画そのものを見た場合に、たしか去年発表になりました自治省の中期計画、あの試算では、一五%アップというのが昭和五十二年度の計画でしたね。ところが、この五十二年度の財政計画を見ますと九%ちょっと。なぜこの給与関係費を圧縮をするのか、なぜ、一五%と一たん言い出しておきながら九%ちょっとに圧縮をしたのか、その理由を明らかにしてもらいたい。  それから、そのことに関連をいたしますが、二番目として、今度の財政計画の中で、給与改善といいますか、本年給与改定をしなければならぬということを見込んで五%、三千億円ちょっとですね、約三千三百億ですか、先組みをしておるのですが、この問題について二つ危惧があるわけです、五%の先組みについて。  一つは、これをどのように各地方公共団体に配分をしていくのかということがいまのところ明らかでない。それから二つ目の問題は、新聞で御存じのように、いわゆる七七国民春闘というものが今週から来週前半にかけて山であります。けさのテレビなんかを見ましても、鉄鋼が九%近い回答を出すであろうと言われておるのですが、この民間のペースアップが確実に行われる、こうなった場合に、いまの五%の先組み、仮に九%としますと、その差を一体どうするのか、各自治体で彼此流用して何とかやれというふうなことになってしまうのか、これは今日の財政状態からとてもできない相談でありますから、一体ベースアップ分が五%以上になった場合の措置をどう考えてみえるのか、これをまずお伺いしたいと思います。     〔委員長退席、大西委員長代理着席〕

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 まず第一に、地方財政計画中の給与費の伸率の問題でございます。五十二年度の給与関係経費の伸びが九・三%になっておるというのは御指摘のとおりでございます。それから五十一年度、去年つくりました地方財政の中期的な収支見通し、これで一五%程度、これは人件費だけではございませんが、いわゆるその他行政費、これがそれだけの平均伸び率を見ておりましたのも事実でございます。この中期収支試算では、その他行政費は、先生御案内のように、基調になったGNPの将来の伸び率をそっくりそのまま拝借して、全部GNP並みに伸びるだろう、こういう伸び率で設定をしておりましたために一五%という率になっております。具体的にこれを五十二年度の地方財政計画に移しました場合に、先生御承知のように、五十二年度の給与経費は、五十一年の人事院の給与改定のアップ率が六・九四%と現実には非常に低かったわけでございまして、この給与改定率に毎年の平均昇給率とか、ことし見込みました二万八千人余りの人員の増加とか、こういうものを加算して給与改定がない場合の伸びを細かに計算をいたしますと九・三になるわけであります。これはいわば去年のベースアップ率が低かったということに伴います平年度化、これが現実の姿になっておりますので、そっくりそのままあらわしておる。別に意図的に計算してあるわけではないのであります。  第二点の御質問でございますが、それならばその給与費に五十二年度の給与改定をどう見込んでおるかという点でありますが、これは御指摘のように五%だけ先組みをしておるのが事実でありまして、その五%の先組みが三千三百五十九億、こういう数字に相なっております。三千三百億余り、この五%を先組みというかっこうで一応給与費に組んだわけであります。  その次に、この三千三百億余りの実際の地方団体への配分でございますが、これをどのように配分しておるかというと、普通交付税の基準財政需要額の算定に当たりまして、各費目、つまり警察費とか土木費とか教育費、この各費目ごとにみんな人件費の所要額を計算する場所がございますから、そこで五%アップになったものとして計算をして、基準財政需要額の根っこを人件費分五%アップしていくという算定の仕方をしております。したがいまして、各団体に五%分、三千三百億が的確に配分されておるということに相なります。  その次の御質問は、それなら五%まではわかったが、もしことしの給与改定率が五%以上アップした場合の差額はどうなるか。これは給与改定の率が五%をアップして決められますならば、私どもとしては的確に財源措置をしなければならぬ、まず基本的にこう思っております。それからそれの対策として、ただいま当初財政計画で見込んでおるのはいわゆる予備費でございますが、追加財政需要ということで、何に充てると決めておりませんけれども、実は三千五百億準備をしてございます。これは財政計画のその他の行政費の中に組み込んであるのは御承知のとおりでございます。この三千五百億は交付税を通じて各団体に配分をしてあるわけでありまして、それは災害がありましたときとか、あるいはいま御指摘のように、給与改定率が恐らく五%でおさまらないのではないかと思われますが、その分の差額に充てるためのいわば準備金、予備費、こういうかっこうで設定がしてあるわけでございます。これは前もって交付税を通じて地方団体に渡してございますので、その該当分がどれだけの金額になっておるかは各団体にわかります。そこで、そういう金はそういう事態のために準備をしておいてくれ、こういう行政指導がしてございます。もちろん、給与改定率がもっとうんと高くなって、三千五百億では足りないという事態になれば、これは追加措置をする必要があると思いますが、いま申し上げたように、まず三千三百億の五%分と、それから一般的な予備費として三千五百億という金が準備をしてある、こういういきさつでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 地方財政計画の歳入歳出のポイントについてお伺いをしたのですが、いまのお答えで、税収の見込みを除いては、それでいいという意味じゃないのですが、中身についてはわかりました。  そこで、歳出の部門の、先年来問題になっております地方公務員の給与の決定基準、これはいまの五%云々ということにも大いに関係があるのですが、私は地方行政委員会はきょう初めてでありますから、ここ二、三年の本院におけるこの問題についてのやりとりに一応目を通しました。私は、出身がもともと県の職員でありますから、自治省から出された次官通達なるものについても一応承知をいたしておるつもりなのですが、どうも解せぬことがあるのです。  それは、自治省自体が、いまのような財政困難なときに、石油ショックを契機としてと言った方が正確なのですが、給与適正化ということを盛んに言う。適正化ということは、その限りでは何ら指弾することもないだろう。ところが、適正化の目標といいますか、適正化のかがみというものは一体どこに置くのか、ここのところからどうも釈然とせぬのですね。     〔大西委員長代理退席、委員長着席〕 適正化の基準、かがみというものを国家公務員並みに置くのか、またはいまの公務員の、人事院、人事委員会制度ができたいきさつから見ても、民間賃金との比較で適正化云々ということを言うのか、一体どちらに重点を置いておるのだろうか。ここのところが、あの流れを見てみるとどうもあいまいとしておる。あるときには国に重点をかけたり、ある表現では民間と言ったり、その点一体どちらにかがみとして重点を置いておるのか、これを改めて確認したいと思います。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 お答えを申し上げます。  地方公務員の給与につきましては、申し上げるまでもなく、それぞれの地方公共団体において自主的に決定されるべきものであろうと私ども考えておる次第であります。ただ、その内容につきましては、御案内のとおり、地方公務員法の第二十四条にも規定がありますように、地方公務員の給与は、生計費、国家公務員の給与、その他の地方公共団体の職員の給与あるいは民間の給与その他の事情を考慮して定めなければならないというふうに掲げられておるところでございます。  ところで、国におきましては、独立の専門機関でございます人事院におきまして給与制度の研究を行っておられるわけでありまして、あわせて毎年、生計費あるいは国家公務員と民間給与との比較の上に立って、国家公務員の給与についての勧告を行っておられるところでありまして、国家公務員の給与はこの人事院の勧告に基づいて具体的に定められておることは御案内のとおりでございます。したがいまして、地方公務員の給与につきましては、その制度あるいはその運用につきましては国家公務員の給与に準じて取り扱っていただくことが、前段申し上げましたような法律の趣旨に結果的には最も合致するのではないかというふうに私ども考えておるところでございます。  なお、申し上げるまでもなく、地方公務員と国家公務員とはともに公共の事務に従事いたしておりまして、その給与財源はいずれも国民の租税負担によって賄われておるという点から見ましても、地方公務員の給与が国家公務員の給与に準じて定められることが、納税者である住民の理解と納得をいただけるゆえんではないだろうかというふうにも考えておる次第でございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 これはわかり切ったことなのですが、例年八月に人事院が民間の生計費その他を調査して総理大臣並びに国会に勧告をする。その勧告がよりどころになって地方公務員もやられるのだから、国に準ずることが妥当ではないか。一見もっともらしいと思うのですが、いま御引用になった地方公務員法第二十四条と国家公務員法第六十四条の二項を見た場合に、一つ文字が抜けておるのですね。御存じだと思いますが、国家公務員法の場合には、生計費、民間における賃金その他適当な事情を考慮云々、ところが、いま御引用になった地方公務員法第二十四条の場合には、三項なんですが、生計費国、他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与、こういうふうに、法律の文言を見た場合には、国は生計費と民間の賃金と比較をする、地方公務員の場合には生計費、民間、国家公務員それから他の地方公共団体、こういうふうになっておるのですから、略称して国公と言いますが、すべて国公に準ぜよということはどうも無理があるのではないのか、こういう気がいたします。その辺のところは一体どうなのかということと、一歩下がって、じゃ人事院が勧告をする、その中には生計費も民間の賃金も含まれておるのだから、それがよりどころじゃないか、こう言われると思うのですが、どの程度まで国公に準ずるという――一〇〇%準ぜよというのか、いま言った地公法二十四条三項の規定から言って、周囲の他の地方公共団体ということも考慮に入れてもいいのか、この辺のところはどういうお考えですか。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 国家公務員の給与決定に関します原則と地方公務員の給与決定に関します法律規定とは若干表現を異にしておりますことは先生御指摘のとおりでございます。地方公務員につきましては、何分にも国のように単一体ではございませんで、三千数百の市町村と四十七県にまたがっておるわけであります。したがいまして、どういう形でそれを地方公務員全体として整合性のある給与体系あるいは給与運用というものをやっていくかということを考えました場合には、前段申し上げましたように、一つはやはり国家公務員の給与に準じて扱っていただくということが必要かと存じますと同時に、何分にも地方公共団体それぞれ独立の給与決定をなさっておるわけでありますから、他の地方公共団体との関連ということも当然考慮の余地はあろうかというふうに考えるわけであります。しかしながら、いずれにいたしましても最終的に地方公務員の給与をどう決定するかということにつきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、同じような公共の事務に従事しており、しかもいずれもその財源は住民の負担によって賄われておるという観点から見ました場合には、地方公務員につきましては、その制度あるいはその運用について国家公務員に準じてお取り扱い願うのが、法に定めておる給与決定原則に最も適合するものではないかというふうに考えておるわけであります。私ども、それぞれの団体におきましてそれぞれ若干の特殊事情はあろうということは十分承知をいたしておりますが、少なくとも現在のような、それぞれの地方団体でとっておられます制度あるいは運用といいますものが、果たして地公法二十四条に言っております給与決定原則の範囲内におさまるものかどうかということにつきまして大きな疑問を持っておるわけでありまして、そういう意味におきまして、私どもは、国家公務員に準じた制度あるいは運用に近づけていただくことを期待をいたしておるところでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 国家公務員、地方公務員総称して公務員の給与制度が結局人事院勧告に基づく。その人事院勧告に基づいて国家公務員がやられる以上は、同じような仕事をしておる地方公務員も当然に国に準じていいじゃないか、まあ平たく言えばそういうことだと思うのですが、そこで、せっかく公務員部長さっきも御引用になった二十四条の関係で見たときに、じゃ、しかつめらしい言い方をすれば、国に準ずるというところの法的根拠はどこにあるのか、皆さんが指導するのに。それはどこにあるのですか。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 御指摘にございましたように、地方公務員法には、国に準ずるというような法律の明文規定を設けておらないことは事実でございます。しかし私、先ほども申し上げましたように、地方公務員法第二十四条第三項によりまして、地方公務員の給与は、生計費、国家公務員の給与、他の地方団体の職員の給与、民間の給与その他の事情を考慮して定めなければならないという規定があるわけでありまして、その規定を受けまして最終的には、先ほど申し上げましたように、国家公務員に準じて定めていただくことがこの二十四条第三項の規定の趣旨を満足せしめるものではないかという意味で、準じてということを申し上げておる次第でございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 二十四条第三項は、いま読み上げられたように、復唱いたしませんが、確かに国及び云々を考慮して定めなければならぬ、そのとおり書いてあります。ところが、同じ条文の第二十四条第五項は一体どういうふうに解するのですか。三項と五項との関係。五項は、御存じのように、「職員の勤務時間その他職員の給与以外の勤務条件を定めるに当っては、国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。」給与以外ですね。ですから、厳密にといいますか、同じ二十四条の中に、六項まであるのですが、三項の場合には、職員の給与は、生計費、民間、国、他の公共団体、ところが五項の場合には、給与以外の勤務条件の場合には、平たく言えば国に準じろということですね。五項を取り上げて法的根拠とするならば、私は、地方公務員の給与水準を決めるに当たって国家公務員に準じろということは文句はないと思うのです。ところが、三項と五項との関係を見た場合に、国に準じろということをはっきり言っておるのは、給与以外の勤務条件を言っておるのじゃないのか。給与についてはストレートに国に準じよとは言っていない、このように解釈をするのですが、どうでしょうか。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 御指摘ございましたように、二十四条の第五項は、職員の給与以外の勤務時間等の勤務条件については、国及び他の地方公共団体の職員との間の均衡をとれという規定でございます。したがいまして、五項は給与のことについては触れていないわけでありまして、給与につきましてはもっぱら二十四条第三項の規定によって決定されるべきものであるということは御指摘のとおりだと存じます。その場合、五項と三項とを比べました場合に、三項には民間給与とのバランスということが大きな特徴として入っておるわけであります。そのことは、先ほども申し上げましたように、毎年人事院におきましては、生計費あるいは国家公務員と民間給与との比較の上に立って、国家公務員の給与についての勧告を行ってきておられるわけであります。したがいまして、国家公務員の給与制度というのは、そのような勧告を受けてこれに基づいて定められておるわけでありますから、私どもといたしましては、一般的に地方公務員の給与というのは、国家公務員に準ずることが、この二十四条第三項で規定されております民間給与あるいは生計費というようなものとの均衡をとり得るものではないかというふうに考えておる次第でございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 そうすると、公務員部長にお尋ねするのですが、じゃ、地方公務員法になぜ、政令都市も含めてなんですが、人事委員会という独自の機関を設けておるのか。人事委員会設置の沿革については、私が申し上げるのは釈迦に説法だと思う。都道府県なり政令都市に人事委員会を設けたということは、結局国は国家公務員に対する勧告権を持つ人事院、府県、政令都市は人事委員会が独自の権限を持ってやるのですから、そういう絡みとの間に二十四条三項ということを考えなければならぬ。たとえばある都道府県は独自の性格といいますか、事情がある。したがってその場合には国なり民間なり生計費なりというものを考慮に入れるけれども、個々のところは違うのですということで独自性を発揮して人事委員会勧告というものを出しておる、また出すことができる。そういった人事委員会設置の意味合いからいっても、二十四条三項を考えると、三項をよりどころにして国に準ずるということは余りにも自治省は思い上がりといってはちょっと言い過ぎですけれども、やや無理があるのではないか、こう私は思うのです。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 地方公務員の給与につきましては、もとよりそれぞれの地方公共団体におきまして自主的に決定されるべきものであろうと私どもも考えております。その場合、各地方公共団体、特に都道府県あるいは政令市、あるいは一定人口以上の規模の市につきましては人事委員会が設けられておりまして、独自の勧告をなさっておることも承知いたしておるわけであります。そこで私どもといたしましても、もちろん地方公共団体が給与を決定なされます場合には、人事委員会の勧告というものを尊重なさるということが当然のことであろうと思っておるわけであります。しかし、現実の問題といたしまして、いまの給与制度、あるいは特に給与の運用面におきましては人事委員会の勧告というものとはかかわりなしにと申しますと若干語弊がございますが、そんなことも、人事委員会の勧告ではなくして、それぞれの任命権者の独自の運用によって現在の給与運用というものが行われていることは先生御案内のとおりであります。  一例といたしましては昇給短縮でございますとか、あるいは渡りというようなことが実際行われておるわけであります。こういう意味におきまして、その制度につきましては最終的には国家公務員に準ずることが最も均衡のとれた制度であろうし、あるいはまた現在行われておりますような渡りとか、あるいは昇給短縮というような運用自身につきましては、少なくとも二十四条第三項の予定しているものではないというふうに私どもは理解をいたしておるところでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 いまのお答えですと、都道府県、政令都市の人事委員会は独自の権限で勧告をする。その勧告を尊重するのがたてまえだ。ところが任命権者の方で昇給短縮、こういうことをやっているのではないか、それは二十四条三項にそぐわぬという、これはこじつけじゃないのですか。その以前に人事委員会の勧告は尊重しなければならぬと言っておきながら、法律で決められた独自の独立機関である人事委員会に対して、人事委員長会議だとか人事委員会の事務局長会議というもの、略称全人連といっておりますが、全国人事委員会連合会、こういったものが情報連絡に集まるならばいざ知らず、自治省が招集していろいろなことを示唆したり、助言という名のもとに今度の勧告はこういうふうに抑えろと言ったり、そういったことが過去にあったでしょう。そういったことをたなに上げて、勧告は尊重しなければならぬ、しかし任命権者が独自に昇給短縮などをやっているのは、それは地方公務員なんかの、二十四条三項にそぐわぬというのはちょっと脈絡一貫していないですね。後でその問題については触れたいと思いますが、それを言うなら、おたくの方が招集をした人事委員会事務局長会議だとか、委員長会議ということについて抑えるということは、それこそ権限外じゃないですか、そう思いますがどうでしょう。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 もとより人事委員会は独立の専門機関として独立の調査研究を行い、それぞれ地方公共団体の首長あるいは議会に勧告をなさる、あるいは報告をなさるという権限をお持ちであることは事実でございます。私ども人事委員会の権限を侵すとか、あるいはそれに介入するというふうな気持ちはもとより持っておりません。御指摘のように、人事委員会の事務局長会議等を適切な時期に招集をいたしまして会議を持っておりますのは、やはり地方公務員法に定めます給与決定原則に従って適切なる給与管理が行われますように、私どもとしては適宜人事委員長、事務局長会議を開きまして御指導申し上げておるわけでありまして、地方公務員法が適切に運用されることにつきまして自治省が指導しあるいは助言をし、勧告をして技術的援助を与えていくというのは、これまた自治省の一つの責務でもあろうかというふうに存じておるわけでありまして、決して人事委員会の権限に介入するとか、不当な圧力をかけるというような趣旨で設けておるものではないことは御了解賜りたいと存じます。

田口一男日本社会党

○田口委員 これは「官庁速報」ですから真意を伝えておるかどうかは別ですけれども、この「官庁速報」に出ておることで、私は揚げ足をとるつもりはないのですが、いまの公務員部長の御答弁からいって――ちょっと読み上げてみます。これは「官庁速報」の本年四月七日号なんですが、「自治省は六日、全国人事委員会事務局長会議を開き、五十二年度の給与改定や最近の労働情勢などについて説明した。まず山本行政局長が「人事委員会制度が出来て四半世紀を過ぎたが、職員の給与問題などで必ずしも十分な成果が上がっているとは言えない。給与改定や職員の公平審理では労働側からの攻勢もあり、人事委員会の腐心は理解できるが、なお一層の努力を願いたい」」、これを見ると、きょう行政局長はお見えじゃないのですが、後で公務員部長の発言も承りますが、十分な成果が上がっていないということは、いま言った部長の答弁の流れから見れば、国に準ずるような人事委員会の勧告、給与問題については十分な成果が上がっていないと自治省側が考えたと見るのは決してうがち過ぎじゃないと思う。それから「公務員部長が当面の問題として」二、三発言をされておるのですが、「この中で給与問題については、一部の団体で給与水準是正のためにとった措置を復元しようとする動きがあることに対して「必要があってとった措置をわずか一-二年で復元するのは理解に苦しむ」とし、適正な給与制度を求めるとともに、人事院勧告の出る時期に改めて人事委員会事務局長会議を開いて徹底する考えを明らかにした」。しですから、この「官庁速報」がいま局長なり部長の発言を正しく伝えておるものとすれば、いまの御答弁の流れから見て、独自の機関である人事委員会、その一番かなめである局長会議を開いてそこで抑え込む、こういう意図は露骨と見ても言い過ぎじゃないでしょう。抑え込もうとしているし抑え込んできた。それでもなお十分じゃないじゃないかといっている。これといま部長の言われた答弁とは、たてまえはいいことを言いますけれども、内実にやっておることは抑え込もうとすることばかりを考えておるのではないかと私は思うのですが、まずこの真意、これは真意じゃないと言われれば元も子もありませんけれども、私はそういう気がいたします。どうでしょうか。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 いま先生お示しにございましたように、去る六日に全国の都道府県人事委員会事務局長会議を開きましたことは事実でございます。その席上、この「官庁速報」にも出ておりますように、行政局長は全般的なごあいさつを申し上げ、私は二、三の問題点について説明をいたしたわけであります。その中で、ここに書いてありますように、「五十二年度の給与改定」というようなことについて説明をしたということではございません。必ずしもこの記事が間違いというようなことを私申し上げるつもりはさらさらございませんけれども、五十二年度の給与改定はまさにこれからでございます。したがいまして、私どもといたしましては、五十年あるいは五十一年度において各地方団体でとってこられましたいろいろな給与改定の措置というものを御説明申し上げるとともに、何分にも新年度早々でございますので、最近の労働情勢あるいはその他人事委員会事務局長さんとして御参考になり、勉強になるために必要と思えるものをお話を申し上げたというのが真意でございます。五十年度、五十一年度を通じまして、各地方団体におきまして、厳しい財政状況の中で、それぞれ給与の改定措置あるいは是正措置をとってこられたわけでありまして、私どもといたしましては、五十年、五十一年を通じてそれぞれの団体においてとられました是正措置は、それはそれなりに評価をいたしております。しかし、なお問題が残っておることも事実だと思っておるのであります。私どもが五十年、五十一年の措置でもって地方公共団体の給与運用について、すべて終わったという理解を持つにはまだ早いんではないかという趣旨のことを申し上げた次第でありまして、前段申し上げましたように、決して人事委員会に圧力をかけるとか、そのような趣旨でお話を申し上げたものではないことを御了解賜りたいと存ずるわけであります。

田口一男日本社会党

○田口委員 六日のこれは、その趣旨で一応理解はできますが、地方公務員法第二十四条三項の考えから言ったら、私は、まあ私の考えを押しつけるつもりはありませんけれども、従来からの、いま言った人事院、人事委員会制度の絡みで言えば、国に準ずることが第一で、あとはどうだこうだということは、これは優先順位というものはないんじゃないか、こういう気がいたします。  こればっかりやっておりますとなんですから、次に移りたいと思うのですが、いまの場合は、人事委員会という制度を持った都道府県、政令都市の場合ですね。しかし、それ以外の地方公共団体、いわゆる市町村の場合にはこの人事委員会というものはない。もちろん公平委員会というものはございます。そうなってくると、この市町村職員の賃金、給与水準、これはどこに準ずるのですか。公平委員会にはそういう勧告権というものはないのですから、結局、労使の話し合いといいますか、話がまとまったものが最優先するんじゃないだろうか、こういう気がするのですが、一連の流れから見て、どのようにお考えですか。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 都道府県、政令市それから人口一定以上の規模の市以外の一般の市町村につきましては人事委員会がないということは、先生御指摘のとおりでございます。私どもは、市町村の職員の給与につきましては、そのような人事委員会の勧告制度というものがないわけでありますから、当然、給与というのはもちろんそれぞれの地方公共団体において自主的に決定されるべきものでございましょうし、その前段階として職員団体との交渉ということがあろうことも十分承知をいたしておるわけであります。しかし、その内容につきましては、やはり前段申しておりますように、地方公務員法第二十四条の規定による給与決定原則によってその内容というものが、制度ができ、あるいは運用がなされるというのがいまの地方公務員法のたてまえであり、期待をしておるところであるというふうに理解をいたしておるところでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 ずばり言ったらどういうことになるのですか。二十四条三項をまた引用されましたが、この人事委員会というもののない市町村職員については、労使の交渉、これを中心にしながら、その話し合いの中には、いろんな、二十四条三項といったものも入ってくるだろう。だから、言葉はなんですが、そこで、市町村の場合は、労使でそういった情勢を考慮して、あげく決まったものについてはそれでいいのだ、こういうことなんですか。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 一般の市町村、県を通じまして、当然のことではございますが、給与につきましては、一つの勤務条件として、職員団体と理事者側とで交渉があるということは当然だろうと思います。と同時に、お互いのその交渉の場で決定されましたことは、これは尊重されていくということは当然だろうと思うわけであります。その場合、その内容につきましては、先ほどから申し上げておりますように、地公法二十四条の規定による給与決定原則によってその制度ができ、あるいは運用がなされていくということが最も法の趣旨に合致するところでありまして、私どもといたしましては、もとより、繰り返し申し上げておりますように、給与は地方公共団体において全く自主的に決定されるものではございますけれども、しかし、法の趣旨にのっとってその給与が決定されるということが最も適切ではないかというふうに存じております。と同時に、その決定されました内容に即しまして、最終的には当該地方公共団体の議会の議決を経た条例でもって確定をされるという仕組みになっておるものだというふうに理解をしておるわけであります。

田口一男日本社会党

○田口委員 そうすれば、端的にお伺いしますが、職員団体と、いわゆる労使といいますか、労使の交渉で、いま言ったようにいろんな条件を素材にして、俎上に上せて決めた水準というものは、自主的に決まったのですから、しかもそのことをそれぞれの地方議会にかけて、議会が決定をすれば、仮に公務員部長なんかが考えている、国に準じろといったことよりも上に来ても、これは自主的に決定したのだからいい、こういうことになるのですね。ちょっとここを念を押しておきます。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 給与、勤務条件につきましては、もとより地方公共団体と職員団体との交渉過程を経まして、地方公共団体が自主的に決定をなさるものである、しかも、それを当該地方公共団体の議会の議決を経なければならないということは当然だろうと思うわけであります。しかし、その内容につきましては、私どもといたしましては、先ほどから申し上げておりますように、地公法第二十四条に言う給与決定原則に即したものであることが法の趣旨に合致し、あるいはまたそれが住民の理解と納得を得られるゆえんのものであろうということで、私どもといたしましては、前段申し上げておりますように、その制度あるいは運用が国家公務員に準じたものであることが法の趣旨に最も合致するものであるということを申し上げているわけでありまして、そういう意味で、もとよりその給与は地方団体がお決めになり、議会の議決を経たものでありますれば、それは当然そのものとして有効に成り立つわけでありますけれども、その内容は、いま申し上げましたような二十四条の原則に適合したものであるということを期待をいたしているということを申し上げている次第でございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 部長、こういうふうにすっきり言えぬですか。もっと端的に言いますよ。私が言ったのは、人事委員会という制度のない市町村が、労使で賃金の問題について交渉する際に、どちらもいま言った地公法二十四条三項、そういうものが話し合い、交渉の材料になるわけですね。生計費が材料になる、それから国の基準も材料になる、他の公共団体の水準も材料になる。そういったものの材料を吟味をして最終的に決まった。決まったものを当然に、条例主義ですから、地方議会へ提案をして、それは議決をされる。そのものの結果が国家公務員の水準よりも高かった。これでもいいんですねということを言っているんです。どうですか。いいか悪いかということで答えてください。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 繰り返し御答弁を申し上げておりますように、給与はもとより地方公共団体でお決めになるわけであります。最終的には議会の議決を経て決定するものであります。したがいまして、いまお示しにございましたような経過を経てできました条例というのは、もとより地方公務員法上適法にでき上がった条例だというふうに私どもは法的には理解をするわけであります。しかし、その内容につきまして、先生もお話がございましたように、国家公務員の給与制度あるいは運用よりも上回ったような措置をとっておられるという内容につきましては、私どもは、それはやはり給与決定原則から見まして適切なものではないと申しますか、法の予定しておるものではないというふうに理解をするわけでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 まあ、この問題で押し問答しておってもしようがないんですが、私が言いたいのは、部長の言い方、お答えも前段はいいんですね。そこでとめておけばこちらも納得しますけれども、しかしながらそれは不都合だと言いたいんでしょう。国公水準よりも高く議決した、不都合だからといって、はっきり言えば干渉しておる。これは矛盾があるんじゃないですか。人事委員会制度のない市町村が、二十四条三項の条件をまないたの上に乗せて、そこでいろいろなやりとりをしながら決まったものを、議会が議決をした。それが国公水準より高くたって、自主性を尊重する、しかしながら以降云々ということは、そういう気持ちを持っておって、その気持ちを具体的にあらわすこと自体がそれこそ越権行為になるんじゃないですか。越権といいますか、自治体に対する干渉ということになるんじゃないでしょうか。重ねてこの点だけもう一遍お尋ねをいたします。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 お示しにございましたような手続を経て条例が決定されましたものにつきましては、もとよりその条例は手続的にもあるいは法律的にも有効に成立し、それをもって当該団体の地方公務員の給与は確定をするという、法的な問題としては、法手続あるいは法形式としては問題がないと申しますか、当然適法になされたものというふうに理解をいたすわけであります。  しかし、その内容でございますが、私ども内容と申し上げておりますのは、二十四条に定めております給与決定原則にのっとって、先ほどお示しにございましたように、国家公務員よりもさらに高い給与水準でもってそれが決定されておるということにつきましては、その中身に関しまする限りは、地方公務員法二十四条第三項の予定しておるところではないということを申し上げておる次第でございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 適法は適法であると認めておいて、その内容がけしからぬという言い方は、これは文法的に見てもおかしいでしょう。これは大臣、どう思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 適法であるか違法であるかという問題は、それが法律の趣旨から見て望ましいかそうでないかという問題とは、これは別でございましょう。労使の交渉という過程を経て、地方議会が議決をしたということ、疑いもなくこれは違法ではございますまいが、それが望ましいことであるかないかということになりますれば、この点については、先ほど来公務員部長がお耳に入れたとおりでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 その国家公務員の水準よりも高い、低い、これは先年来その基準として言われておるのが、例の舌をかむようなラスパイレス指数ですね。このラスに関連して言いますが、このラスの問題についてはもう何回か言われておりますが、私はここで、一体ラスというのはどういうふうにやるのだということは、聞く時間的な余裕がありませんから申しませんが、ただ前提として言えることは、ラスパイレス指数で国家公務員と地方公務員の給与の高い低いを論ずるということは、全くナンセンスであると言いたいのですね。こういう主張を強くしたいのですが、ただここでお聞きをしたいのは、そういったナンセンスなラスパイレス指数によって高い低いを論じて、それで新聞なんかに発表しておるのは、どこそこの市町村は国公を一〇〇にして百幾つだ、こういったことを新聞発表をしております。したがいまして、これは後で委員長にも御配慮いただきたいのですが、ではこの最近の、三千幾つ市町村があるのですから大変だと思いますが、新聞に発表する以上は、その全部の資料があるはずだと思うので、それをひとつお示しをいただきたいと思うのです。一番新しいものというと五十一年ですか、たしか五十年か四十九年は公表されたと思うのですが、一番新しいラスパイレス指数による国公との全自治体の指数、これを公表していただきたい。これはできますか。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 国家公務員の給与水準と地方公務員の給与水準を比較いたしまする一つの手法として、ラスパイレス方式を使っておりますことは御案内のとおりでございます。私どもはラスパイレスがすべてであるというふうには理解をいたしておりませんけれども、国家公務員と地方公務員の給与水準を比較いたします場合の一つの手法として、きわめて有効なものということで使っておるわけでございます。  で、このラスパイレス指数につきましては、もう御案内のとおり、同一学歴、同一経験年数によって比較をいたしておるわけでございまして、地方公務員の給与制度なりあるいは給与運用が国家公務員どおりであるとするならば、そのラスパイレス指数は一〇〇にきわめて近いものになるという意味で、御発表申し上げておるような次第でございます。  なお、ラスパイレス指数につきましては、一番新しいものといたしましては、昭和五十一年四月一日現在で調査をいたしましたものを公表いたしておるわけでありまして、その内容につきましては、都道府県、政令市等につきまして発表いたしておりますと同時に、全市町村につきましては、それぞれの県において必要があれば随時発表していただくという形をとっておるわけでありまして、それぞれの県でもってその辺のお取り扱いをお任せすると申しますか、お取り扱い方をお願い申しておるというのが実態でございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 ラスそのものが一番よいものであるというふうには考えていない。しかしいままでの指導は、それを基準にして、おまえさんのところは高いよ、こう言っておるのでしょう。さっき地公法二十四条三項の絡みでずっとやってきましたけれども、いかに適法で、労使の間で円満に――円満かどうかということはあれでしょうが、最終的に決まった、議決をされたにしても、ところがそのかがみを出して、おまえさんのところは一〇も二〇も高いじゃないか、こういう抑え込みをラスを根拠としてやっておる。ですから、この地方公務員の給与が高い高い、ラスで言えばこうだああだと言って、高いところばかり言って、低いところは何も言わぬ、不公平だと思うのですね。高いところもあるでしょうけれども、低いところもなお多いのじゃないか。したがって、都道府県の扱いに任せておると言うのですが、そういう新聞発表をする以上、自治省は全部握っておるはずですから、ひとつここで委員会に資料として全部出すのがあたりまえでしょう。これは出していただけますか。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 ラスパイレスを都道府県、政令市、市町村ごとに発表申しておりますのは、あるいはまた都道府県及び政令市につきましては全部について発表いたしておりますのは、やはりそれぞれの地方団体において給与の管理につきまして一つの御参考までにということで発表いたしておるわけであります。ただ、町村につきましては、先ほどから申し上げておりますように、それぞれの地方団体におきまして市町村の人口段階あるいは規模等千差万別であります。私ども国全体としてその資料を発表することはいかがかというふうな一つの判断もあるわけであります。県の場合あるいは大都市の場合は、いま申しましたように人口規模が大きく、あるいはまた職務の等級表も国ときわめて近いものになっております。したがいまして、その比較はきわめて容易であります。そういう意味で発表いたしておるわけでございますけれども、町村につきましては、その辺が千差万別であり、この取り扱いはむしろ県にお任せする方が適切、妥当ではないかということで、県にお任せをしておるわけでありまして、それぞれの県段階で適切と御判断なされば発表しておられる県もあるようでございます。あるいはまた、それぞれの団体に必要に応じて十分連絡をとり、教えると申しますか、そのことを明らかにするというふうな方法をとる等、いろんな方法を、むしろ県にお任せをする方がこの資料の扱いとしては適切ではないかという判断に立っておるわけでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 はっきり言えば、いまの御答弁は都合の悪いところは公表したくないということですね。そういうことになるでしょう。地方公務員の給与は高いのだ高いのだ、盛んに宣伝しますね。私どもの方の方言を使うと、まるで地方公務員の人件費をめつぼにとって、高いんだ高いんだ。その高いところの資料は、特定の都道府県なり政令都市なんかぱっと新聞に発表している。一方全国の市町村についてやったら千差万別、いろんな事情があるでしょうから、低いに決まっているのですね、私どものいままでの経験から見ても。その低いところは何だかんだと国とはつり合わぬから出さぬ。都合の悪いものは隠しておいて、自分たちの都合のよいものはどんどん新聞に発表する。これではちょっと余り型どおりですよね。ですから、都道府県がそれぞれ持っておる管内の市町村のラス指数、これは自治省も握っておるはずでありますけれども、国会にひとつごめんどうですが、ラス指数を出してもらいたい。これは出せるでしょう。もし出せないというのなら、ちょっと理事さんにお願いしたいと思うのですが。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 町村部につきまして、御案内のとおり、全然私どもが発表しておらないわけではないわけでありまして、五十一年四月一日現在におきます調査につきましても、都道府県、市、指定市、町村ごとのラスパイレス指数というものは発表いたしておるわけであります。と同時に、町村につきましてもラスパイレスの区分段階ごとに、すなわち、たとえば町村で申し上げますれば、ラスパイレスが町村段階で一三〇を超えておる団体が幾つ、あるいはまた、一二〇から一三〇までは幾つ、一一〇から一二〇までは幾つ、一〇〇から一一〇までの団体は何団体、一〇〇以下の団体は何団体という形で、グループを分けまして公表いたしておるわけでありまして、それぞれ何とか村が幾らというふうな発表はいたしておらないということで申し上げておる次第でございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 いまお答えがあったように、この都道府県幾ら幾ら、政令都市幾ら幾ら、それから市はどれだけだ、町村はどれだけだということはありますよね。私はそれだけじゃなくて、それを導き出したものを出してくれと言うのです、全市町村のものを。これは出せるでしょう。これは後でちょっとその扱いだけ一任したいと思うのですが……。  それでは質問の観点を変えまして、先ほど二十四条三項に絡んで、人事院勧告をしておるけれども、任命権者が昇給短縮措置云々ということがありましたね。この昇給短縮措置が二十四条三項についてそぐわぬ、好ましくないというのですが、特に、去年の事務次官通達にもそのことが出ておるのですが、最近の自治省の各地方公共団体に対する公務員の給与決定、給与水準、微に入り細にわたって指導しておる。これは全部二十四条三項をかがみにしておるということなんでしょうけれども、微に入り細にわたってしなければならないほどいまの地方公務員の給与水準というものは乱脈をきわめておるのか。このように理解をしておるのですか。そこまで手とり足とって指導しなければならないほどひどい状態になっておるのか。一番何が問題なんですか、給与が高いという以外に。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 地方公務員の給与につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、昭和五十年あるいは五十一年を通じまして、各地方公共団体におきましては、いろいろと御努力をいただいたことは十分私ども評価をしておるところであります。しかし、なお問題が残されておることも事実だと思うわけであります。私どもがいまお話にありましたように、乱脈をきわめておるかどうかというような価値判断はきわめてむずかしいとは存じますけれども、しかしながら、まだ一般的には問題が残っておるということも事実でありまして、いまお示しございました次官通達におきましても、地方団体におきます給与の取り扱いについて問題点を指摘し、あるいはまた、一般的な御指導をその点について申し上げておるわけでございまして、この点につきましては、私どもといたしましては、なお残された問題点につきまして適正な措置がとられることを期待をいたしておるというのが実態でございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 その適正な措置の中に、おたくの方では昇給短縮ということなんかも含まれておると思うのですが、去年の次官通達の中身を見ますと、いわゆる渡りということ、これは御存じだと思いますが、この渡りの運用が違法であるときめつけておるのですね。なぜ違法なんですか。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 給与の決定につきましては、給与決定原則にのっとりまして、条例あるいはそれぞれの人事委員会規則あるいは知事規則等によって適正に行われることが最も望ましいことであるという前提に立ちました場合におきましては、いわゆる条例あるいは規則等に定めのない渡りといいますものは、いわゆる給与条例主義というたてまえから見まして違法の疑いがあるというふうに私ども考えておるわけでありまして、いま申しましたように、給与につきましては、それがすべて法律あるいはしかるべき根拠に基づいて給与の決定がなされ、運用がなされるというのが法の予定しておるところであり、あるいはまたそのこと自身が住民の理解なり納得を得られるゆえんではないかという意味で申し上げておる次第でございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 この給与条例主義、だから、そこに定めのない運用をやれば違法である。その定めというのは、私がおもんばかるのに、例の標準職務表というものだろうと思うのですが、そこでちょっと、人事院来ていますか。――人事院にお伺いいたしますが、この標準職務表に定めのない等級関係ということになるのでしょうが、国の場合に、標準職務表に定めのない等級関係というふうなこと、渡り、これは行っておりませんか。

角野幸三郎人事院給与局次長

○角野説明員 人事院からお答えをさしていただきます。  国家公務員の給与の等級の運用の場合に格づけはどういう基準でやっておるかという御質問だと思いますが、現在国家公務員の等級制は、いわば非常にリジッドな形で申しますれば、職階制のような場合には、これはあらゆる官職の職務と責任を全部いわば書き上げまして、官職の名前も網羅的にその職級の明細というのを書きまして、それで運用していく、これは非常にかた苦しい職階制そのものの運用でございますが、現在の給与法の運用はそういう職階制ではございませんで、職務の等級制ではありますが、俗に職務給と申しておりますが、標準職務表といういわばモデル的な官職、それを設定いたしまして、各等級に最も代表的な、標準的な官職、課長でありますれば課長というモデルを設定いたしまして、それに照らしてこの官職はどうであるかということを決定しながら運用していくという、職務と責任に応じてやっておりますけれども、職階制のような、全部書き上げて等級決定をしておって、その中で運用するという形にはなっておらないということでございます。したがって、標準職務表の中にはそう個別、具体的に官職を網羅的に書いてはございません。それぞれ職務の分化いたします都度、そういう標準的なものに照らしまして判断して決定いたしておる、そういうことに相なっております。

田口一男日本社会党

○田口委員 いまおっしゃった標準的な職務、これは人事院規則九の八ということなんだろうと思うのですが、もっとずばり言えば、その同一官職の者が一等級と二等級、複数の等級にまたがっておるということはあるのですかどうですか。

角野幸三郎人事院給与局次長

○角野説明員 いまの御質問でございますけれども、同一の官職といいますか、俗に職名というような言い方で言う場合がございますが、同一の職名でありましても、いわばその職名の中に官職がいろいろございます。それは職務と責任、職責と俗に申しましょうか、同じ職名の官職でありましても職務と責任に非常に変化がございます場合には、それぞれ物差しに合わせまして違う等級に格づけいたしておるというのが現実でございます。それで、これは同一の官職を二つ以上の等級に格づけするということではございませんで、職名は同じでございますけれども職務と責任の評価が違うものについては別の等級に格づけしておる、そういう意味で職務と責任という職務給を基礎に置いておるわけでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 そういたしますと、人事院規則九の八の行政職俸給表、等級別標準職務表、この職務の等級と標準的な職務ということで、これはいま言ったようにモデル的ということなんでしょうが、そうなってくると、この標準的な職務の中にこういう表現がちょいちょい出てくるのですけれどもね、たとえばこれで言う三等級を引き合いにいたします。三等級で標準的な職務内容として、「1 本省の困難な業務を処理する課長補佐の職務」、それから「特に困難な業務を所掌する課の長の職務」、これは府県単位、3です。こういうふうに「困難」とか「特に困難」とか「相当困難」ということが出てくるのですが、これはさっきおっしゃられた評価ということになると思うのですが、これは人事院が評価をするのですか。

角野幸三郎人事院給与局次長

○角野説明員 標準職務表の読み方と運用の問題でございます。標準職務表は、先ほど申し上げましたように、職員の職務といいますか官職を職務の等級に分類するに当たっての基準でございます。それで、その基準の書き方でございますが、いま先生お話しございましたように、たとえば本省庁の課長補佐でございましても、職務の困難性は必ずしも同一でないということで、標準職務表の上では「困難な業務を処理する課長補佐」といったように、表現といたしましては相対的な表現を使わざるを得ないということで運用をいたしております。職階制でございましたら、それぞれ具体的なまた名前をつけて、具体的な職務を限定すると思いますが、ここのところはそういう相対的な表現を使って職務給を運用しておる、初めに申し上げたとおりでございます。  それで、その具体的な格づけについてはどうしておるかというお尋ねでございますが、国の場合で申し上げますと、等級別定数の設定をいたします。この等級別定数の設定のときに、いわば行政組織の趣旨にかないますように組織の観点が一つございます。それから標準職務の、いまのモデルにかなうようにという分類がございます。そういうことで定数を設定いたしまして、その標準職務を基本としながら、その定数の枠内で評価を行って具体的に各省でお決めになっておる、そういうことでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 そうすると、「相当困難」であるとか、「特に困難」であるとか、ただ「困難」であるとかいったことをずばり言えず、いまあなたがおっしゃったように等級別、一等級には何人、三等級には何人という等級別定数、それとこのモデルにかなうというのですが、ではきわめて具体的な例を申しますが、この標準職務表を例にとって言った場合に、七等級、六等級はさておいて、五等級から四等級に昇格をする場合に、四等級の級別定数というのが一つしかあいていない、ところが五等級に四等級へ行けそうな者が三人おったとしますね、だれか一名行かなければならぬでしょう、その場合に、五等級にあって「特に困難」、「相当困難」、ただ「困難」ということが要素になって上へ行く、そういうものが評価の中に入りますか。具体的に言うと、どういうことがこの欠員になった、欠員と言うのですか、上へ上がっていく場合に、何を根拠に、基準にするのか、やや具体的な問題、これと標準表とは関係があると思うのですね。

角野幸三郎人事院給与局次長

○角野説明員 具体的な例でお話しいただきましたが、まず現在職員がおります等級よりも一つ上の等級に上げますという昇格の場合に考えますことは、その昇格いたしますにかなう官職がまずあいておるかということが第一前提でございます。その官職といいますかポストは、その上の等級の代表的な職務と責任を反映しておるものであるかということから始まるわけでございます。それで、それが一つでありますれば、そこで官職一、すなわち昇格可能者一人ということになります。これに対して候補者が三人おりました場合には、それはそれ以上は人事管理のいわば企業内的な問題でございますので選択が行われると思いますが、一人しか上げられないというのが実情でございます。ただ、その一人というのはだれであってもよろしいということではありませんで、三人同じ状態にありました場合に、その中にもちろん条件として含まれておることであろうと思いますが、一つ手前の等級に何年間以上おらなくちゃならないという資格基準という条件がもう一つございます。少なくとも一段階上に上がるには、一つ上位の職務と責任の等級に移るには、一つ手前のところで何年間以上りっぱに勤めなければならぬという資格要件がございます。その中で選ばれるわけでございます。国家公務員の場合で申しますと、その上のポストというのは等級別定数の枠組みということでもう一段しぼられてございます。先ほど来申しておりますように、職階制でありますれば個別具体的で、数は結果でございます。しかしいまはそうでございません。やや幅のあるモデルを読みかえて定数をやっております。ですからモデルと同時に枠組みの数字ということで運用いたしておるという次第でございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 そうしますと、平たい言葉で言えば、五等級と四等級ということで例にしますよ。その四等級に空白がなければならぬわけですね、三人と一人という例で言えば。一つの空白もなければ全然行けぬわけですから。そうすると、その空白がまず第一条件。ところが、その三人を見た場合に、じゃ五等級に何年おったかということは、言葉をかえて言えば経験でしょう。経験年数といいますか、在等級年数といいますか、そういった経験が三人とも全部甲乙つけがたい、同じだ、しかし一名しかない、こういったときに、ただ単に標準職務だから、一名に三名だから恣意的にくじを引いて行けというわけにもいかぬでしょうし、職員の処遇ということも考えなければならぬ。こういった問題が現実の問題としてどこの省庁でも、地方団体にもあると思うのです。要約すれば、経験年数と定数と、それから職務の内容というものが一体となって上に持っていかなければならぬ。大変むずかしいと思いますね。嫁一人婿八人だからむずかしい、もうやめたというわけにもいかぬでしょうから。しかし、職員の処遇も考えなければならぬ。しゃくし定規にいかぬでしょう。そういう場合に一体どうするんですか。

角野幸三郎人事院給与局次長

○角野説明員 大変むずかしい御質問でございます。実情というお話であろうと思いますが、それは法のたてまえといいますか、国家公務員法にも職務と責任ということが柱になっておりますし、給与法上にも職務の責任に応じてということがまた書かれております。ですから、職務と責任ということを外して運用いたしますと違法になります。そういう意味で、これはたてまえとしてはあくまでも職務評価ということでやっております。しかしながら、いま先生おっしゃいましたように、そうは言っても現在その職員構成の実態などから仲間が多い、三人とおっしゃいましたが、そういうときにどうなのかという御質問でございます。  これは現在の情勢、何も国家公務員ばかりではありませんが、民間などでもそういう状態がこのごろ新聞などで散見いたしますが、大企業あるいは戦前産業のような場合には、やはり戦後のそれぞれの需要なり拡大に応じて人員分布がノーマルにいってない。あるとき非常に急激に人を採っておるというようなときに、いま先生がおっしゃいましたような状態がピラミッドのあるポストの段階で起こるということも事実でございます。そういうときに、これも公務員だけではございませんが、わが国の民間企業の職務給というものを考えてみますときにも、やはり非常にリジットなかっこうの職階制をとっておらないというのが一般のようでございます。学歴とか年齢ということでやや幅のある職務給がとられておるというような点もございます。私どもが給与法を運用いたしておりますときには、やはり民間との均衡ということを常に頭に置いておりますが、運用をいたします場合にはやはりそういう職員構成の実態も頭に置いてないと言えばうそになると思います。そこのところは、しかし法のたてまえがございます。片や、やはり行政の高度化、多様化という非常にライン的な組織の持たせよう、課長とか係長とかいうそういうやりようから、だんだんスタッフ的な方向に仕事の仕組み自体が変わっていっているということがこれまた民間と公務員いずれについてもございます。そういうことで行政の高度化あるいは複雑化の実態に対応してそういう行政管理の方法がだんだん変わっていくということも片やございます。両々相待って、そこで職員の職務でありますのでその職務を再評価するということを通じて、かたがた処遇も考えながらやっておる、そういうのが現状でございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 いまそういう現実になっておるのじゃないかと思うのですが、調べた資料によりますと、国家公務員の行政(一)表の等級別人員の構成の動きですね、これを見ると、いま次長がおっしゃったように、たとえば昭和三十三年には八等級が一五・五%しかない。七等級が四〇%、コンマ以下は省略しますが、六等級が一七%、五等級が約一六%、四等級が八%。ところがそれが約二十年たった去年の昭和五十一年を見ると、八等級が一〇・四、約五%減っております。それから七等級のごときは三十三年四〇%がもう一四%に減っておる。そして六等級が二二%、五等級に至っては三十三年一六%が三二・八にまで、倍以上に上がっておる。四等級、三等級のごときは八%であったものが一八%に上がっておる。  これはいま次長がおっしゃったように、民間の企業の場合でも、年々ずっと今日までたってくるとポストが限定されておる、年齢も上がっていく、勤続年数も上がっていく、何とか処遇を考えなければならぬ、標準職務表というものがあるにしても、職員の処遇ということを中心にして等級別定数を何とか考えるとかどうとかということでどんどん上へ持ってきたのが、二十年たった今日の、さっき私が読み上げたような下が小さくて逆ピラミッドまたはビヤだる的なかっこうになってきた、こういうことだといまの御答弁でも理解をするのですが、私は、職員の処遇ということをやはり無視することはできぬから、短絡的に言うと何ですが、そのことが一つの知恵として渡り運用というふうなことを地方では考えてきたのじゃないかとも思うのですね。しかし、いま言った国家公務員の場合に、三十三年と五十一年と比較をして、大きな企業でもそうあるように、人員構成から見て職員の処遇を無視することはできぬから何らかの措置で上の等級へどんどん引き上げていった。職員の処遇ということを第一義的に考えるとするならば、私は渡り運用ということを言っても差し支えないんじゃないかと思うのです。そういういま私が例に挙げた国の行政職(一)表の人員構成の推移、これから見て、このように変動することは即渡りの運用をとっておるんじゃないか、こう言いたいのですが、人事院としては、はいそうですとは言えぬでしょう、自治省では渡りをいかぬと言っておるのだから。しかし、現実はそうなっておるのですから、渡りという言葉はなくても、職員の処遇のためには何らかの措置をとっておるのですということではないのですか。そうでしょう。

角野幸三郎人事院給与局次長

○角野説明員 先ほど来申しておりますことと重なる点がございますが、ここのところずっと定員を抑制してきておりまして、したがってローテーションが非常に悪くなっております。結果的にそうなっております。そういうことになりますと、だんだん年齢構成も片寄ってくるということも結果的には当然のことでございます。しかしながら、先ほど申しましたように、行政需要というものが非常に高度化し複雑化していくという一方の動きがございます。したがって、組織管理のやり方としても、ライン的な組織管理からスタッフを置くという、企業の知恵でございますけれども、そういう方向が片やございます。公務員の場合ですと、欠員補充とか増員を非常に抑制しております関係上、人の使い方というものを非常に考えなくちゃならない。部下が非常に少なくなっていく趨勢にありましても、そこのところは人を上手に使って、たとえば具体的に申しますと、専門職的な運用をすることによって、非常にスタッフ的な機能として行政需要に対応していくという、定員増を下げていきます一つの知恵でございます。そういうことになりますと、その職員にとってみますれば、片や処遇問題がございますが、片や職務と責任といいますか、職務内容も高度化しておりますので、それで職務給の運用と相まってこれに対処しておる。結果的に、先生申されましたように、五十一年と三十二、三年を比べますと、そういう意味で中堅等級に向かって職員構成がずっと上がっております。これはそういう職員構成に対応する運用の対応の仕方であると同時に、かたがた年齢構成等の職員の処遇のことも頭に置いて結果的にそうなっている、そういうふうにお答えさせていただきたいと思います。

田口一男日本社会党

○田口委員 重ねてお尋ねをしますが、いま言ったような処遇上の知恵ですね、知恵を働かす範囲というものは、国家公務員の場合には数が多うございますから、専門職的な扱いとかいろいろできると思うのです。それは即渡りであると私は言いたいのですが、なかなかそうは言えぬでしょう。知恵を働かして専門職的な処遇を職務の内容に応じてやる。部下はいないけれども、それが相当上位になる。ところが規模の小さい府県、市町村、これはどんなに知恵を働かせたって全部課長相当職にするわけにいかぬでしょう。何々専門官というふうな名前をつけるわけにいかぬわけですね。ですから、厳密な意味で職階制というものがない今日の職務給制度のもとでは、国家公務員であれ地方公務員であれ、このような処遇の方法しかない。その知恵の一つの方法が渡りだ。  いまのやりとりをお聞きいただいて、そういった職員の処遇上の知恵、その知恵の発露が渡り、その渡りにいろいろな注文をつけるのは、後で理屈をつければいいのですから、渡り即違法だという言い方は、ちょっと現実を無視したやり方じゃないかと思うのですが、これは部長にお聞きをするよりも、ひとつ大臣から、いま人事院のそういった御答弁を聞きながらどのようにお考えになっておるのか、お答えを願いたい。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 これはやはり今日の給与体系の基本であります職務給の原則という観点から考えまして、問題があるのじゃなかろうかと存じまするし、今日の任用制度を乱すということ、ひいては公務員の士気ということにもつながる問題じゃなかろうか、あるいはまたこういうことが余り広く行われるということになりますれば、公共団体の財政を圧迫する要因にもなるであろう、かような観点から好ましいことだとは考えておらないわけであります。

田口一男日本社会党

○田口委員 好ましいことじゃないと知りつつも、いま言ったように年齢構成から見ても経験年数がどんどん上がってくる、それをがんじがらめに、さっきの一人と三人との例じゃないですけれども、職階給というものがあれば別ですよ、これをどうこうせよと私は言いませんけれども、いまのような標準的な職務給の運用の中で、相当困難だ、やや困難だとかいうふうな表現を使いながら職員の処遇を考える。それを人件費が伸びてくるから規則どおりやりなさいと言ったって、これは升の中におさまらぬでしょう。おさまらぬということは、士気に影響する、士気に影響するということは行政の能率にも影響する、こういうことじゃないのですか。私は野方図にどうこうというんじゃないのです。いまの現実の職員構成から見て、労使が知恵を出し合って、その一つのあらわれが渡りということになる。国家公務員の場合には専門職だとかいうことで、さっきの三十三年と五十一年の例で見られるように、知恵を働かせてうまく升の中におさめておる。こう考えれば、私は渡り敵視政策と言いたいのですけれども、違法だ違法だなんということは、現実にそぐわぬと思うのです。働く者の知恵として渡りということも考えたのですから。まず、私はこの点で、もう一遍大臣の御見解をお伺いをして、その問題についての具体的な問題をさらにお伺いをしたいと思います。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 お答え申し上げます。  地方公共団体におきましても、先ほど人事院の方から国家公務員について御説明がございましたと同じようなと申しますか、非常に似た状況になってきておることは、私ども承知いたしております。お話にございましたように、国も地方も人事構成が中ぶくれの状態になり、あるいはまた業務の内容の複雑化、多様化からいたしまして、職員構成が次第にラインからスタッフ職員が多くなってきておるという状況は、国も地方も同じような傾向をたどっておるものというふうに私ども存ずるわけであります。  ただ私どもが申し上げておりますのは、先ほども人事院から御答弁がございましたように、国におきましては標準職務表を設定いたしまして、この基準にのっとって、原則として一職一等級、状況によっては特別な困難な業務を処理する者につきましては二つに渡る、これを渡りと申しますかどうかは問題がございますが、業務の内容に応じて取り扱いを異にする、あるいはまた等級別の定数というものを設けてそれの管理をなさっておる、さらにはまたその際には、等級別の資格基準というものを明らかにしてしかるべき措置をとっておられるわけであります。  ところが、私ども地方の実態を見ました場合には、いま人事院からお話がございましたように、標準職務表に定める基準あるいはまた等級別定数を設定する、さらには等級別資格基準というものを明らかにしてでの人事運用ではないわけでありまして、御案内のとおり、いわゆる地方で渡りと称されておりますものは、給与の決定に当たりまして、いま申し上げましたような諸種の基準等に基づいて運用するのではなくして、特定の職員が一定の等級、一定の号俸に達しました場合には自動的に上位の等級に上がるという措置を私ども渡りというふうに称しておるわけでありまして、このことは少なくとも適切ではないと考えるわけであります。その点におきましては、国におきます人事構成と地方におきます人事構成、あるいはまた職務の内容の変化ということは類似しておるといたしましても、その扱いはいま申しましたように、一定の号俸あるいは一定の等級に達した場合には自動的に上位に上がるというふうな措置は国においてもとっておらないところであります。このことが私どもとしては一つ問題ではないかということを御指摘申し上げているわけであります。  ちなみに、そのような結果、先ほども先生お示しありましたように、国におきましても、過去と比べますれば最近におきましてはそういうような客観情勢のもとにおきまして次第に上位の等級、号俸に格づけられる者が相対的に多くなってきておる、その割合が高くなってきておるということは私ども承知をいたしておるわけでございますけれども、なおそれと比較いたしましても、御参考までに申し上げますと国と地方とを昭和五十一年度の実態調査によって見ました結果によりますれば、職員構成中に占めます一等級は国におきましては〇・四%に対しまして、地方も〇・四%、この辺は一等級の構成割合は変わっておりません。二等級になりますと、国が一・七に対しまして地方は一・三であります。ところが三等級ぐらいになりますと地方の方がはるかに上回ってまいりまして、国が五・四%に対しまして地方で三等級の者が占めておりますシェアは七・六%、四等級になりますと国が一三・五%に対しまして地方は三〇・六%という状況になっておるわけであります。以下、同じような傾向をたどっておるわけでありまして、国との対比におきましても、地方におきまして四等級あるいは五等級あたりに非常に多くの職員が集中しておるというのが先ほど申しましたような渡り運用の結果ではないかというふうに存じておる次第でございます。  そういう意味におきまして、地方におきまして適正な等級別標準職務表に定める基準に従って運用され、しかもその内容につきましては等級別定数が定められ、あるいは等級別の資格基準表にのっとって措置をされるならば、私どもとしてはそれは一つの方法であろうというふうに存じておりますけれども、いま申しましたように一定の等級、一定の号俸に達しました場合には自動的に上位等級に渡すということについて問題があるのではないかと考えておる次第でございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 いま自治省見解による渡りの定義ということをお聞きしたのですが、六等級としますね、六等級の十号なら十号になれば、それを踏むようになれば自動的に上位等級の五等級に上がっていくことを渡りと言う。そういうやり方を、さっき人事院の御見解に示されたようにいろいろな人員構成によって職員の処遇を考える場合に、何とかしなければならぬ、何とかしなければならぬということから出発をして級別定数をふやしたり専門職というふうなものをつくったり、ところが地方の場合には、枠というものが限られておるから、ひとつその職務の内容ということも加味しながら、大体経験年数というのが主になるのですから、いま言った例で言えば、六等級の十号を踏めば相当の経験を踏んだ、経験に達した、それで上位等級に行っても相当困難な業務を処理することができる、こういった理屈づけが後からできると思う。  ここでちょっと、そういった一つの例で人事院の御見解を承りたいのですが、これは御存じだろうと思いますが、小中学校なんかの学校事務職員で部下が全然いない一人の職員がおりますね。それが事務職員と教職員とのあれは違いますから、直ちに比較はできませんけれども、一人の学校事務職員のおるその処遇を一体どうするか。ところが職務の標準表なんかによったら、学校事務職員は定型的に軽易な方になる。こういうものを専門職といった範疇で考えられるか。そういう例が市町村には多いのです、地方自治体には。私は学校事務職員の例を出しましたが、その学校事務職員のような場合にはどうお考えになりますか。

角野幸三郎人事院給与局次長

○角野説明員 学校事務職員の問題でございますが、国の場合で私どもが所管しております限りにおきましては、国立の付属学校の場合だけでございますので適当なお答えになるかどうかわかりませんが、国の場合でございますと、その国立大学の付属という関係で、大学の事務局全体の中の人事管理の中で事務職員も任用上人事任用いたしますこととの関係で、昇格がスムーズにいくというような関係にございます。したがって、いまお尋ねのようなケースには当たらないわけでございます。  お尋ねのケースはもちろん公立を前提にしてのお話でございまして、公立の場合にはそういう形が大分あるということはよくわかります。これは私どもの所管ではございませんが、関係のありますチャンスといいますか、そういうときには折に触れて触れておるところがございます。たとえば昭和三十二年に現在の等級制ができましたときに、そういう学校事務職員についても昇格の道が開けるようにという、そういう運用に運用ができておりますし、それから最近の例で申しますと、昨年、もはや一昨年になりますが、人確法に基づきます教員給与の勧告をしましたときに、学校事務職員の公立の関係を頭に置いて触れてございます。そのときも、何か任用とか職員配置の点で知恵がないだろうかということを申し上げております。  しかしながら、実際問題といたしましては、そういうことを頭に置きながら、公立のいまのような状況を踏まえながら、文部省あるいは自治省からも、小さい学校の組織の中で一人でやっておるという場合でも、その職員の経験、熟練ということを考えながら、ある程度上位まで、五等級あるいは四等級ぐらいまで職責に応じて職務評価をして昇格する、そういう道を開くというような通達をなさっている例があると聞いております。人事院の所管ではございませんがお答えいたします。

田口一男日本社会党

○田口委員 いまお聞きしますと、私が例に挙げた学校事務職員、しかも一人の場合ですね、そういった文部省あたりで、自治省もかんでおるのでしょうが、いつまでも七等級、六等級に押さえ込むということは不可能ですから、経験年数、そういったものも考慮に入れて上位等級に行けるように、これは職員の処遇ですね。ですから私は渡りという問題に、また自治省の方に向いて言うのですが、同一の職務ですね、いまの学校事務職員という例を引き合いに出した場合には、その者が長年――他の部局に配置なんということはほとんど考えられない、同じ事務職員がそこに五年も十年もやっておる、そういった状態を見て、さっきのお話のようなことをやったと思うのですが、それがさつきの公務員部長の話のように、六等級の十まで行ったら自動的に上位等級に行く、そういう方法をとらなければ一人の職場の学校事務職員のようなものの処遇も不可能になってくる。一人じゃなくたって、他の十人ぐらいおる職場でもそういう例はある。  そこで公務員部長、渡りの定義をしたのですが、あなた御自身にお伺いをするのは、自治省全体をつかんでいないでしょうから、無理と思うのですが、自治省自体にも、同一の職務にずっとおって、いつの間にかと言ったらなんですが、ある一定の年限が来たら上の等級になったという、官職というのか、職名があるでしょう。たとえば何々課長、何々部長という職におって、ある一定の年数が来たために、同じ仕事をしておるけれども、上の等級に渡っておる、そういうケースもあるでしょう。自治省にはございませんか、狭い範囲でお尋ねしますが。

角野幸三郎人事院給与局次長

○角野説明員 等級格づけの基準なり運用の問題でございますので、人事院の方の所管に関連いたしますので、ちょっとお答えいたします。  長年同じ仕事をしておって、それで一定の経験を経たから、ただそれだけで上がるというかっこうの運用は、国家公務員の場合には職務給、職務と責任という大きな前提がございますので、そういうふうにはいたしておらないと初めに申しましたが……。  それで、自治省の中で具体的にどうということはいまちょっと思い当たりませんし、そういう必要もないと思いますが、いずれにしましても、たとえば本省の課長という例を引いて考えました場合に、非常に困難な仕事をしておるという課長、それからそうでない標準的な課長と、二つに分けていま運用いたしております。それで片や一等級、片や二等級、こういう関係で振り分けてやっております。その一等級の困難な課長という一つのモデル、それの一般的な例を申しますと、たとえば本省の官房の課長のように、課長でありましても、一般のラインの課長とは違いまして、課長仲間を連絡調整したりあるいは指導するというような、そういう違った次元の立場にあるというようなことで、職責が違うということで、一般の課長に比べて一つ上の等級にしておるということがございます。これはやはりそういうポストにつく人は、一般の課長を経験した、練達な課長の中から選びます関係上、結果的に見ますと、それが年数を経て上がったという形に読めるかもしれませんが、選び方ないし格づけの仕方というものは、私が申し上げましたようなことで国の場合にはやっておる次第でございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 私は時間の関係で簡単に言いますけれども、それは突き詰めて言うならば渡りじゃないかと思うのですね。大臣はそこまでは御存じないと思いますからあえてお聞きしませんが、それならば、直接指導されておる自治省内の課長、二十幾つあるのでしょうけれども、課長というのは、人事院規則九-八で言うと、標準的な職務は「本省の課長の職務」二等級。自治省を例にとって失礼ですけれども、直接指導なさっておるのですからあえて聞きますが、自治省の課長でこの標準的な職務ということに合致しておるのかどうか。二等級は何人か。全部が二等級なのか。いま人事院がおっしゃったように官房の課長が一等級というふうなことになっておるのか。大づかみでいいですから、一等級何人、二等級何人ということをお答えいただきたいと思います。

近藤隆之自治大臣官房長

○近藤政府委員 お答えいたします。  突然の御質問でございますので、はっきり覚えておりませんけれども、たしか、その中で一等級が十何名か、予算の形で決められております。残りが二等級というようなことで、職務の重要度に応じましてその人数が予算の上ではっきり固まっておるということでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 予算で固まっておると言うが、いま正確な数字は言いませんが、大体の数字で言えば二十四、五名おるんですね。二十四、五名のうちで十何名が一等級、残りは二等級、予算でどうこうというよりも、いま言った標準職務表との関連でいけば、逆ならわかるんですね。一等級が数名、それから二等級が十何名、これならばここに書いてある標準的な職務で、なるほどなと思いますけれども、一等級の方がほとんどでしょう。二等級が一けた。そうすると、いま人事院の方で言った官房の課長のような何回か課長をやってというような、それに当てはまるんですか。

近藤隆之自治大臣官房長

○近藤政府委員 官房の課長だけでございませんで、各局各部の総括的な課長というポストがございますけれども、それらもすべて一等級になっておると記憶しております。約半数近くが一等級で、半数以上だったかと思いますが、いま具体的な数字をちょっと持ち合わせませんけれども、それが二等級ということでございまして、自由に一等級の枠をふやすというようなことはできない仕組みになっております。

田口一男日本社会党

○田口委員 私は、ちょっと聞いた数字で言いますと、一等級十八名、二等級五名、こういう数字を聞いておるのですよ。間違いだったら指摘をしてほしいのですが、もしいま私が聞いた数字がそのままであれば、特に重要なとかどうとかということは、さっき言ったように――逆ならいいですよ。七、八割が一等級、あとが二等級。個々の何々課長がどうこうということは私は聞きません、そんなことを聞いたら失礼ですから。ただ二等級が本省の課長の標準的な職務だと言っておるのに、一等級が七、八割もおる。私が言いたいのは、結局、その課長になっておる人の処遇ということを考えて、他とのつり合いも考えて二等級にはまり込まぬから一等級に押し上げざるを得ない、こういうことでしょう。そうと違いますか。

角野幸三郎人事院給与局次長

○角野説明員 先ほど申し上げましたのは、標準職務の標準という話でモデル的なものを申し上げたわけでございます。  それで、一等級の課長といいますのは、いわば本省の官房の課長というようなモデル、そういうことで概括的に、どこということでなくて、一般的に、平均的に申し上げたわけでございます。ちょっと資料がありませんし、どういうことであるのか、お答えするのもどうかと思うのですが、省によりましていろいろ行政面の実態が違いまして、どちらかと言えば、自治省の場合には、通産とかそれ以外の現業的な行政をお持ちのところに比べてそういう偏り方をあるいはしておるのかなあという気がいたしておりますが、全体的に申しますと、先ほど申しましたような標準職務表の運用でやっておるわけでございます。いま自治省の官房長さんがお答えになっておられましたが、まあ代表的に言いますれば官房の課長あるいは各局の総括課長、要するにそういう者というのが一般的な形でございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 時間が来ましたので、もっと渡りについて聞きたいのですが、これは大臣、十分御理解をいただきたいと思うのです。いま自治省の課長を例にとりました。渡りは違法だ違法だということで直接指導しているのですから。課長だけに限って言えば、いま言ったような人事院からのお答えのように、まあなるほどなあ、やむを得ないかなという感じは持てるとしても。ところが、課長補佐を見た場合、職務標準表は四等級ですね。ところが、私どもが聞いた範囲では、自治省の本省の課長補佐は二等級、三等級、四等級にまたがっておる。これもさっきの課長と同じように、本来四等級の中ではあるが、それにはめ込めぬからもう三等級だ、しかし三等級にもはめ込めぬから二等級だ、理事官だとかいろいろな肩書きを知恵を出してやっておりますけれども、そういうことを自治省自身も自治省全体の職員の処遇を考え、いまの法律、規則の中でどううまくやっていくかという知恵を出したのが、この課長補佐の場合、二等級、三等級にまたがらすような現実的な姿だと思うのですね。こういうことを自分のところでやっておいて、地方公共団体のそれぞれの職員構成について何だかんだと言うことはおかしいのじゃないか。隗より始めよということがあるのですが、もしやるのなら、自分のところでぴしっとやって、それで地方公共団体も法律で定めなさいと言うのなら、なるほどなあと思います。しかし、そういうことでは律し切れぬようになってきておる。自治省の知恵が、いま言った課長補佐なり課長で言えば、複数の等級にまたがらざるを得ないような状態だ。それを地方公共団体では、労使が知恵を出し合って渡りというふうな運用を考える。それに後から理屈をつけて主査だとか主任だとか主幹だとかいうふうな職名をつけておるでしょうに。それでなおかつ律し切れぬから、渡りということで、おたくの方は自動的と言っておりますけれども、自動的にやることは、後から理屈をつけたらいいのですか。それをあながち違法だということでぴしっと抑えることは、そういう態度に出るのならば、まず隗より始めよと言いたい。私はこういう気持ちを持っておるのです。あと、もう時間がありませんから……。そういう実情を十分知った上で、実態がうまいこと運用できるようにするのが本来自治省の役目だと私は思うのですね。そういう点で大臣の御見解を伺って、質問を終わりたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 自治省におきまする給与決定の実情はどうなっておりまするか、この場で突然の御質疑でありましたから、官房長からも正確にお耳に入れることができなかったわけでございますが、これはひとつ実情を調べてみたいと考えております。  渡りということの全体につきましての自治省の考え方は一先ほど来お耳に入れたとおりで、給与の問題というのは、申すまでもなく非常に専門的な分野でございますから、私もまだ勉強の足りない点が多々ございます。先ほど来、いろいろ教えていただいたわけがございますが、やはり一職務一等級というのが給与決定の原則でございましょう。より多くの責任を伴うポストにつくことによってより多くの報酬を得たい、そのために働くというのがいわば人間の生きがいでございましょうから、そういう意味で、かようなことが余り頻繁に行われるということは、公務員の士気に関係する問題ではなかろうか。きわめて常識的な観点から先ほどかようなことを申し上げたわけで、御指摘の点については直ちに実態を調べてみるつもりでございます。

地崎宇三郎自由民主党

○地崎委員長 本会議散会後再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時十五分休憩      ――――◇―――――     午後四時五分開議

地崎宇三郎自由民主党

○地崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。岩垂寿喜男君。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 地方交付税は、昭和二十九年に地方財政平衡交付金制度が地方交付税制度に変更され、当初二二%で出発して以来、これまで交付税率は七回にわたって引き上げられ、今日の三二%になったわけでありますが、この間昭和三十二年、三十四年、そして三十五年、さらに四十一年には所得税及び地方税等の減税対策として交付税率が引き上げられたことはもう申し上げるまでもないところであります。さらに、昭和四十一年以降においては税率変更ではなくて、いわゆる特例措置でなされているわけであります。こうして見ますと、国税の減税及び地方税減税による地方財政対策としては、昭和四十一年までは交付税率の引き上げが制度化されていたと考えられます。しかし、昭和四十一年度以降は税率変更ではなく、特別措置に置きかえられてきたというふうに見ることはできないかと私は思うのです。つまり、昭和四十二年から昭和五十年までの所得税減税総額は約三兆五千二百億になります。それで、交付税はね返り分というのは約一兆円であります。ちょっと計算をしてみましたらそういうことになるわけですが、これを今日の交付税率に換算をいたしますと約八%に相当いたします。これに地方税減税などを加えると、当然四十一年度以降据え置かれてきた交付税率を引き上げるべきである、私はこういうふうに思うわけです。  そこで、自治省は予算編成において五%の引き上げ要求を示していましたけれども、その根拠をこの機会にお示し願いたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 五十二年度の財政対策に際しまして交付税率の引き上げを要求いたしましたのは御指摘のとおりでございます。五%という要求をいたしましたが、これの根拠は、昨年お目にかけました五十一年提出の地方財政収支試算、これにおきまして、先生御案内のように、昭和五十五年度までに国民の租税負担を三%アップして国も地方も財源不足から一応脱却するという計画を立てたわけでありますが、五十二年度の見込みとして、これは年末近くに至りまして非常に大幅な税制改正がむずかしいという見込みの事態に達しましたので、こういった税制改正が負担率の引き上げがない場合という仮定を立てまして、そのことに伴います国税三税の増加が見込めないことに伴う交付税の減、それから地方税の増収が見込めないことによる地方税の減、これを五十二、五十三と五十一年度の中期計画のベースで試算をして、その両年間の平均を両年間の国税三税の平均で割り返す、そういたしますと五・五%ほんの少しぐらいになりますが、そこで五%という要求を一応いたしたわけであります。したがいまして、収支は租税負担のアップが行われない場合の所要財源を交付税でみんな賄うとすれば五%要ります、こういう意味での要求をいたしました。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 そうしますと、これは原案内示前に自治省は税率引き上げを撤回しているわけですね。一月十八日には実は地方公庫の設立の要求をも取り下げているわけです。その理由をこの際大蔵省とのやりとりを含めて、大変恐縮ですが、詳細にひとつお教えをいただきたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 まず、交付税でございますが、ただいま申し上げましたように五%アップの要求をいたしまして、その後いろいろ詰め、折衝をいたしたわけでございますが、最終的には現在のわが国の経済財政状況、これによりますと、交付税率のアップということになりますと、ここ少なくとも数年間ないしは何年間か、そういった長期的な国と地方との財源の再配分、配分を変える、こういう態勢になるわけでありますので、現在のように経済情勢が非常に不安定である場合、それからまた近い将来にどうしても抜本的な税財政制度の改正を行わなければならぬという前提に立っておる場合、こういうケースに交付税の率、つまり国と地方との財源配分だけを先行させるのはいかがか、適当な時期ではないのではないか、こういう主張が強くなりまして、その点につきましては自治省もやむを得ないもの、こう考えたわけであります。したがいまして、五十二年度に交付税率のアップをしないかわりに、所要の財源はしかるべき制度的な措置も含めて完全に確保をするように、こういう代替条件と申しますか、という行き方で決着を見たわけでございます。  それからもう一点、地方債の消化問題に絡みまして公営企業金融公庫の改組を強く要求いたしました。これは実は最後の最後まで難航をいたしたのでございまして、いろいろ細かなそれぞれの意見の相違、言い分等もあったわけであります。これは、例年でございますと、国の予算内示前に地方財政対策というものは大体片がつくというのが例でございまして、その面から言えば十三日なり十四日ごろまでにどうしても決着をつけなければならぬ、こういう事態であったのでございますが、これはなおその時点でも決着がつきません。とうとう最終的には自民党の三役調整にまでこの問題については持って上がるといったようないきさつも経まして、結論的には、引き続き公庫の改組については検討する、ただし、そのかわりに本年度実質的に要求いたしましたその実行、つまり市町村に対する地方債の融資を円滑にする、そのために特に義務教育関係、こういったものに対して政府資金を充てる、ないしは公営住宅等にも公庫資金を回す、こういった具体的な措置をさしあたり充足をする、この基本的な問題は将来に引き続き検討、こういうことになった次第でございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 財政の状況が不安定だ、それから近い将来に行財政制度の改正というものを予定をすることができる。財政が不安定という状態はそう簡単に、ここ数年の展望を考えたときにも安定をするという見通しはなかなかむずかしいと思うのですね。それから、近い将来に財政制度の抜本的改正というものが見込まれているとすれば、そういう大蔵省の言い分というものを自治省としてはのんでその要求を取り下げた。つまり、もっとはっきり言えば、来年度もこういう大蔵省の言い分に従ってやっていくということになりますか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 いずれにいたしましても先生御案内のように、ただいま国、地方ともに非常に膨大な財源不足に見舞われておりまして、国は財政特例債を四兆を超えるような額を出す、地方は財政特例債はございませんが二兆七百億もの財源不足に悩んでおる、この事態がこのまま続くということは、しょせん公経済がもたない事態だと考えます。したがいまして、中期試算にも、五十五年ごろまでにはぜひこういった状況から脱却をしたいということでございます。私どもといたしましても、これはいろいろな諸条件の整備が必要であることは百も承知をいたしておりますが、そういった基本的な問題を含め、やはり税財政制度の抜本的改革がごく近い将来になければ日本の公経済は破綻する、このように考えております。したがいまして、私どもも、地方財政としてそのような抜本的改正がなるたけ早急な機会に行われることを期待をいたしておるわけであります。そのような意味で国、地方を通じまして相当程度の財源の充足率というものができ上がりました事態ないしはでき上がりつつある事態、そういう事態において国と地方との財源の配分の仕方をやり直していく、これをやはりあわせて検討していくべきものだと考えます。  したがいまして、このような状況が続けば来年もまた交付税率の要求のアップはしないのかという御指摘は、必ずしもそう思っておりません。こういった措置が一挙に解決をいたしますものか、あるいは少しずつ段階を追って解決をいたしますものか、いろいろな事態があろうかと思いますが、私どもはやはり交付税率のアップも含めまして、その段階段階に応じた地方財源の充足を制度的な措置も含めて要求してまいりたい、このように考えております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 そうすると大蔵省の軍門に下ったわけではない、自治省としてはやはり自治体の財政の問題を考慮してこれからもその旗を高く掲げて進む、こう私は理解をしたいと思うのですがよろしゅうございますか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 全く御説のとおりに考えております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 六条の三の二項において、地方行財政制度の改正または税率の変更を行うと規定していますけれども、先ほど申し上げましたように、この規定が発動される条件というのはどういうことでしょうか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 これは地方交付税法が制定をされました昭和二十九年の国会審議の経過で先生御承知のとおりでございますが、引き続き多額にという意味は、引き続き三年間以上それから所要額の一〇%以上、こういうように理解をされております。したがいまして六条の三が発動される事態は、本年度、昭和五十二年度からそういう事態に立ち至っておる、このように理解をいたしております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 私はそれは自治省の解釈だろうと思うのですけれども、発動される条件というのは、条文に対する自治省の解釈ということだけでは済まされない、もっとはっきり言えば財政的条件というものを十分考えないといけない、こんなふうに思うのです。だから、現在の経済的あるいは財政的条件のもとで税率の引き上げがなされないならば、私は事実上税率引き上げがなされるための条件はどういうふうに、いつなっていくんだろうか、どんな場合だろうかということを考えざるを得ないのです。先ほど局長に御答弁をいただきましたけれども、やはりそこのところは自治省の法律解釈だけではなしに、実態に即して検討をすべきではないだろうか、こんなふうに思いますけれども、その点ちょっとくどいようですが御答弁を煩わしたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 六条の三の第三項が発動される時期、これはいま先生御指摘がございましたように、そういう事態になれば経済状況がどうであろうと財政状況がどうであろうと、この条文の発動される要件というものはやはり出てまいる、私どももそう考えております。したがいまして、ことしもこの六条の三、第二項に違反をしないように、それを至上の問題と念頭に置いていろいろ対処をいたしました。  ただ、申し上げておりますことは、いわゆる制度の改正それから交付税率の修正、こういうものがただいまの時点では、いわば恒久的、長期的な改正として処理をする、これには非常に不適当な時期だ、こう思わざるを得ない事態に立ち至りましたので、やむを得ず単年度限りの措置ではありますが、何とかして制度的な問題も含めてこの所要額を充足をする、こういう措置をとらざるを得なかった、こういうことでございまして、そういう意味で長期的な恒久的な制度に変わる、これはやはりある程度経済の情勢等にも落ちつきが出、税財政制度も全般として相当程度の充足率を保ち得る事態、こういう際、制度改正が行われる、こういうことにあわせて恒久的な制度の改正というものを考慮すべきではなかろうか、こう思っております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 どうも去年がんばっておられたときの姿勢からかなり後退をしてしまいまして――つまり恒久的な措置というのは、いま時期としてそぐわない。これは忘れもしない、前の大平大蔵大臣の答弁と全く同じになってしまうのですが、それでは私はその六条三の二の想定というのは、事実上死文になってしまうような気がするのですよ。  それで、行財政制度の改正または税率の変更とありますけれども、税率の変更もまさしく行財政制度の改正なんであります。それを分離している理由というのを、この際お教えいただきたいと思います。  私は、その条文が分離されて規定されているのは、税財源というものを、あるいは税財源の事後の再配分には一定の期間が必要だ、だからそれをすぐ行うことはできない場合に税率の改正をもって地方行財政の安定を図ると解するのが妥当ではないか。とすれば、本年は当然まず税率の引き上げが先決だと私ども主張してきたわけです。つまり、単年度限りの措置というのは制度の改正とは言えないのじゃないだろうかと私どもは思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 六条の三の二項で、行財政制度の改正または交付税率の引き上げ、このように規定してございますのは、その両方の措置あるいはその一方、これでもって財源不足を補てんをすることができるから両方書いてあると思うのでございまして、この場合に書いてございます行財政制度の改正というのは、たとえて申しますならば、ただいま御指摘がございましたように事務配分の変更、これで地方の事務を少なくして需要を減らす、あるいはいまのような事務配分であっても、国庫補助負担率を変えまして補助率を引き上げて地元負担を減らしていく、こういう方法もあろうかと思いますし、それから地方税を充実していって地方の財源をふやす、こういうこともあろうかと思います。こういうものを含めて行財政制度の改正と言っておりますし、またそれによりがたい、ないしはそれでは不十分、こういう場合には率の引き上げもあわせて考える、こういう趣旨であろうと思っておるわけであります。したがいまして、御指摘のようにそのような制度改正ができない間のつなぎとして交付税率の引き上げということには必ずしもならないのではないか、両方一対一ないしはその組み合わせ、こういうかっこうで想定をしておるものだと思うわけであります。したがいまして、本質的には長期的、抜本的、恒久的な対策が一番望ましい、これはもう間違いがないところだと思いますが、先ほど申し上げましたように、何分にも先の見通しが立たない現在、こういう事態でありますから、やむを得ず単年度限りの措置とはいえ、将来の負担を国に残すというような法的規制も設けるということも含めまして、つまり制度改正の手法も含めまして、地方財源を確保するという応急措置に出ざるを得なかった、こういうことでございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 従来は税率引き上げがかなり柔軟に行われてきたわけですけれども、ことしはそれを回避したわけです。私は、六条の三というのは事実上これで死文化してしまっているのではないか、こう思うのですけれども、それはまあ自治省の解釈もあるようですけれども、交付税率の上限というのはあるのですか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 これは所要の一般財源を措置いたしますのは税制が主でありますが、これを補完をする、つまり保障しかつ調整をするという意味で交付税があると思いますから、税制と交付税のかみ合わせだと思います。したがいまして、地方税制が現在よりももっと弱い体制になってくれば交付税の率は必然的にもっと上がらなければなりませんし、それから地方税制がもっと強化されてくれば、地方交付税の率はあるいはいまより若干低くてもいいのかもしれません。そういう意味で法的な上限ないしは常識的な上限というものはないと思いますけれども、しかし税制とのかみ合わせということであれば、税制を猛烈に弱くして、交付税率さえ高ければ幾ら高くてもいいというのは、やはり地方の自主性と申しますか、地方税源が自主税源の大宗であるという考え方からはいかがなものかと思います。したがって、数的な上限はございませんが、高ければどこまででも高い方がいいというものでもなかろう、こう思います。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 六条の三の想定というのは、今日のような、国も地方も租税総額が大幅に不足するという現在のような状態は想定してはいなかったという解釈があるのですけれども、これは自治省の正式な見解ですか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 それは私どもの正式な見解ではございません。ただ従前の例に徴しまして、昭和四十八、九年ごろまではいわゆる国、地方を通じての一般財源の総量としては、年度別にでこぼこはございますが、ほぼ増加をしていく財政需要に見合う程度のものがあった。それが五十年度から極端に両方を通じます一般財源が充足率が下がってきた。こういう状況からは、六条の三の条文、つまり二十九年度の条文が想定をされたときの状況に比べて非常にアブノルマルな事態になっておる、こういうことはあろうかと思いますが、先ほどおっしゃいましたようなことが自治省の定説としてあるわけではございません。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 もしそれが定説になりますと、国もお金がないんだから地方もがまんしろということが六条の三の解釈の柱になってしまうわけですよ。こんなことをしたら地方団体は、あるいは地方の住民は、大変な困難を一方的に押しつけられることになりますので、経済の実態に即してみて、そういうことは見通しとしてどうであったかという解釈は別としても、六条の三の解釈としてそれを定説に立てるようなことのないように、これはぜひ御理解をいただきたいと思うのです。  それから、これは好むと好まざるとにかかわらず、内外の制約条件の中で高度成長を不可能にしている経済状態があるわけですね。やはり景気変動の影響を受けやすい法人税や所得税や酒税の算定税目をそのままにしておいていいのかどうかということです。つまり安定的に確保するためには算定税目に物品税というような間接税を含める措置というものは検討すべき時期が来ているのじゃないかと私どもはかねてから主張してきたのですが、この点については自治省は検討することは考えていますか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 御指摘のように交付税のリンク税目を国税三税以外に広げるべきではないかという御意見、たくさん拝聴いたしておりまして、私どもも非常に真剣にこれは検討をいたしておるところでございます。そのために、実は昨年も地方制度調査会、これの専門部会でございましたか、そこにも具体的にその問題を出しまして、十分御審議をしていただきました。そのときの、去年の制度調査会の正式の意見にはまだなっておりませんが、起草委員会の報告では、現在の税体系ではやはり地方交付税のリンク税目はこれにふさわしい税目、いわゆる地方財源としてリンクをするのにふさわしい税目、しかも国税の中においてかなり大きなウエートを占めておる税目、こういうものを主体にして考えるべきであるので、現行税制から考えてみた場合にはこれを直ちにほかの税目まで広げる、こういう考え方はなかなかむずかしかろうという意味の御意見が出ておりました。たとえばただいまの個別物品税のようなかっこうでは総額も知れておりますし、地方交付税の税目にリンクをする、こういうようなことはいかがかというような意味だと思います。ただし、将来とも全然いかぬということではございませんで、たとえばの話でありますが、こういった物品税が一般消費税といったような税目に昇華をいたしまして、これが国税として収納されるというような事態がもし起こるとすれば、こういったものについては地方交付税の対象税目に加えるということを十分検討すべきである、こういうような意見が出ております。いろいろの御意見を拝聴しながら、私ども御指摘の点はなお真剣に検討していきたいと思っております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 私ども、これは反対なんです。付加価値税などを含めて考えていくというような議論が自治省内部で行われていることはございますか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 将来の租税体系のあり方がどうなるかということにかかわる問題でございまして、必ずしもいま御指摘の付加価値税をどうこうということではございません。いま御指摘の物品税といったようなものが一般消費税的なものになってもし昇華をするとすれば、そういうものを対象にすべきだ、こういう御意見もあるということを申し上げたわけであります。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 私どもは実は交付税率を四〇%に引き上げるということとあわせて、道路や港湾や治山治水などの国の長期的な公共事業中心の配分をやめて、過密過疎の実態に沿った配分というものを行うべきだというふうに主張してきました。自治省はこれらの点についてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 御指摘でございますが、交付税の算定に当たりましては地方財政計画に組み込まれた各種費目、これによりますあるべき財政需要、こういうものを基礎にいたしておるわけでございます。したがいまして、特に公共事業を中心に配分をして云々という御指摘は当たらないのではないか、こう考えておるわけでありまして、財政計画等をごらんをいただきましても、過密、過疎、これも非常に重点の一つにいたしておりますし、それから生活環境を整備いたしますための各種の行政需要、こういうものも柱にして伸び率を高く伸ばしてございます。そういう実態に合わせて交付税の基準財政需要額を算定してまいっておりますので、必ずしも道路、港湾等の長期的な公共事業中心ということにはならない。しかもなおかつ、ことしの財源対策は公共事業の裏負担についてはこれを九五%まで起債で充てる、こういう措置をとっておりますので、むしろ交付税の需要算定はそういった公共事業の裏負担には弱くなってきておる、こういう実態ではなかろうかと思っております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 最近いわば地方自治の本来のあり方である分権というような課題が大分議論され、あるいは強調されるようになっていますけれども、それを裏づけるためには地方自治体の自主財源を強化する、そして地方の財政執行に対する自主性というものを高める必要があるように私は思うのであります。その地方分権を拡大するためには何といっても大幅な制度改正が必要だということは、いろんな人たちが言っていることなんです。その中で一つ大企業に対する超過課税、とりわけ固定資産税の超過課税について自治省はかなりネガティブだと思うのですけれども、こういう姿勢は改めていただきたいと思いますが、いかがですか。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 超過課税につきましては、これは御承知のように通常以上の税負担を納税者に求めるわけでありますから、特別の財政需要があるということを納税者に十分理解していただくということが必要でありましょうし、また他の地方団体に与える影響なども十分慎重に検討していただいて実施に踏み切る場合には実施に踏み切る、こういう体制をとってもらいたいという気持ちを持っておるわけでございますが、いまお話しの固定資産税につきましては、税の性格が資産の価額に応じて一定の税負担を比例的に求めていくという比例税率をとっている税でありますので、所有者がどういう人であるか、あるいは資産の規模がどうであるか、用途がどうであるかによって、各地方団体ごとに条例によりましていわゆる不均一の課税をするということは税の性格になじまないと私どもは考えておるわけでございます。したがいまして、お話のような一部の企業につきまして超過課税をし、他の納税者については標準税率課税をするという形でのいわゆる超過不均一課税というのは、全く法の予定しないところであると言わざるを得ない、かように考えておるわけでございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 よく集積の利益ということを言いますけれども、これは東京でもそうだし私の川崎でもそうだけれども、やはり市民や都民に対していろんな意味で迷惑をかけているわけです。そしてそこで迷惑をかけることによって大企業の利益というのは確保されていることも事実だと思うのです、生産が上がっていると言えばそれまでだけれども。そういう意味ではそこに住んでいる住民の意思というもの、その地方の自治体の自主的な課税権限というものに基づいてやっていくということがあってもちっともおかしくない、そのように私ども思うのです。だから、固定資産税の場合はなじまないという議論じゃなくて、そういう特別な形で、それだけはだめだというんじゃなくて、もっと積極的に考えるべきではないか、こんなふうに私は思います。しかしそれはやりとりの問題ですから言いません。  いま法定外普通税は九種目ぐらいになっておるでしょうか、どのくらいになっているのでしょうか。自治体の実態に即して法定外普通税を採用することに弾力的に対応するということはいままでとちっとも変わりませんか。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 その地方団体に特殊な税源があり、かつ必要な特別の財政需要があります場合に法定外普通税を起こせるということは、地方税制の自主性の確保という観点から現行税制でも認められておるところでございます。私どもといたしましてはそういう趣旨に基づきまして、法定外普通税の御相談があります場合には積極的に御相談に応じてまいるという姿勢で取り組んでおります。ただ、言葉は悪うございますが、法定税がかなり税源をあさっておりますので、相当の税収入を上げ得る特別の税源というものをほかに求めるということがなかなか困難な状況にございます。しかし各地方団体とも非常に苦心をしながら新規税源の発掘ということで研究をいたしておりますので、自治省といたしましても前向きに十分御相談に応じてまいりたいと考えております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 これはかねてから問題になっている地方債の許可制なんですけれども、国は国債をどんどん発行しているわけです。地方自治体の方はなかなか、これは大分緩くなったような感じもするが、まだ基本的には自治省が握ってしまっているという感じですね。それで、当分の間ということは別としても、たとえばとりあえず起債比率一五%ぐらいまでは自由に発行できるというような、そういう漸進的にとでもいいましょうか、そういう措置をおとりになるおつもりはございませんか。  それともう一つは、けさの新聞に「起債制限やや緩和」という見出しになっていて、運用基準を通達したそうですが、その内容についてちょっと御説明を賜りたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 地方債を依然として許可制度にかかわらしめております一番の理由は、戦後ただいままでの金融情勢、こういうもとにあっては資金配分をどうするかということが一番重要な問題であるということが一番大きな理由でございます。これはもとより公的資金と民間資金の配分の問題もございましょうが、一応地方債計画ができ上がりました後におきましても、地方公共団体間の資金配分をどうやっていくのか、これが非常にむずかしい問題でございます。御承知のように三千数百、千差万別の団体でありますので、この中には、幾らでも銀行とつき合いがあって、相当の程度のところまでは幾らでも借りられる、利率も安く借りられるというところもありますし、幾ら逆立ちをしてみても銀行は鼻にもかけてくれない、農協あたりから借りようとすれば物すごく高い金利を吹っかけられる、こういう団体もあるわけでありまして、そういう団体に資金配分をどうするかということを考えませんと弱肉強食の事態は容易に生ずるわけでありまして、貧弱団体はどうにもならない、こういう事態になります。そこで、資金配分を適正化するためには、どうしても、地方債の許可配分について一定の配慮をせざるを得ない。これが第一でございます。  それから第二は、地方団体の財政運営のあり方等につきましてもやはり留意をしなければならぬ事態がしばしば生ずるわけでございまして、そういう理由で許可制度が続いております。したがいまして、御提案のように公債比率をたとえば一五%まで限って、そこまではフリーだというのは、財政運営の面から考えれば一つの線かと思います。しかしそれであっても、極端な例を申し上げますと、いまのところ二%か三%しかない公債比率を、ある時期の市長さんだけが一挙に一五%に上げるような地方債の発行をしてしまうと後が運営がつかなくなる、こういう事態も――これはまあ極端な例でございます。そんな非常識な団体もないかと思いますが、それはそれといたしまして、前段に申し上げました資金配分の問題が非常に大事だ、こういうことでございます。  そこで、御指摘の許可制度を取っ払えという議論の中には、地方債の許可制度のあり方そのものが非常に繁雑だ、これが地方団体の自主性を侵害する、こういう御指摘もあるわけでありまして、この点は私どもとしては十分気をつけなければならぬと思います。そのために対応する対策としていま考えておりますのが地方債の枠配分でございまして、地方債計画の中で最近非常にまた広げてまいりましたが、一般会計の例で引きますと、地方債計画の中のほとんど八割、ここまでの額はいわゆる枠配分という手法によりまして県ごとに枠を決めまして、枠を配っております。その中でどのような事業をどこの団体にどう選ぶか、これは地元の実情によく合った県と市町村が相談をしてもらって自主的に決めていただく、その配分の報告をしてもらえば私どもはそのとおりに許可の取り扱いをする、こういう扱い方をしておりますのが最近の地方債の行き方でございます。そのような方向で枠配分をことしもまたずいぶん広げましたが、なお今後とも検討して、できるだけ簡素化に向かいたい、こう考えております。  それから、ことしの地方債許可方針の改正点の一つの大きな特徴は、いわゆる公債比率によります地方債の制限を緩和したということでございます。最近財政状況も悪くなりまして、地方債に依存する率が高くなりましたので、公共団体の公債比率が高まってきております。そればかりではございませんで、人口急増地域等におきましては、学校建設そのほかの新規の財政需要に伴いましてどうしても地方債が増加をいたします。  そこで、いままでのように、原則的に公債比率が二〇%を超しますとある程度の制限を加えるという事態を単純に適用していくのには事態が少し変わってきた、このような認識を私ども持っております。こういった団体に対します財政援助の考え方としては、先生御案内のように、人口急増地帯等に対しては公債費の一定の額を、償還費を地方交付税を通じて確保をしていく。つまり、交付税の基準財政需要額に償還費を見ていくという手法を取り入れておりますが、今回の措置は各団体の公債比率を計算するときに、国が財政補てんをする、交付税を通じて償還財源を見る、このような地方債については公債比率から除外をする、カウント外にする、そういうことをもって公債比率を算定をしていく。こういたしますと、たとえば大都市周辺の人口急増の市町村、こういったところで起債制限をする必要が現実になくなります。そのような措置をとることを明示をいたしましたのが、ことしの地方債許可方針の一番大きな改正点でございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 交付税を決めていく過程というものが、自治体はもちろんですけれども国民にも大変わかりにくい状態になっている。自治省の中で交付税の配分にかかわっている人も、本当の専門家、プロ中のプロで、そんなにたくさんいないというふうに言われているくらい、わけのわからぬと言っては大変恐縮ですが、なかなか国民の目にわかりにくい。こういう状態というのは必ずしもいいことではないように思うのですね。例の鉛筆なめなめというやつです。そういうものが客観的合理性を持つためには、そういう交付税の算定の基準と措置をもっと開かれたものにする必要があるのじゃないだろうか。これは私は素人なりに申し上げるのですけれども、それらの問題について、自治省はそういう要求なりそういう見方についてどのようにお考えですか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 御指摘の点は私どももごもっともだと考えております。  しかし、この点につきましてはやはり両面の主張が具体的には地方団体から出てまいります。非常にむずかしいからもっと単純に簡素化をしてくれ、こういう論がもちろんございますとともに、各団体ごとにはやはり、おれのところにはこういう特殊事情があって、これはいまの算定の仕方ではどうしても反映ができない、しかし何とか基準を考えてこれを算定するように単位費用を考えてくれとか、あるいはそれがむずかしければ補正係数で直してくれとか、こういう要望があるわけでございます。実態的に財政需要をできるだけ的確に反映をするということも一つの使命かと思うわけでありまして、この間の扱いに実は私ども大変苦慮をいたしておるわけであります。  結論的には、なかなかむずかしい、二律背反でございますが、何とか財政需要を実態に近く反映をする方向に向きながらなおかつ簡素化という方向、こういう方法がないものかということで毎年、各団体の具体的な意見を承りながら少しずつは改正をいたしておるところでございます。  それから、非常にむずかしゅうはございますが、この算定の内容は実はこんな厚い冊子になっております。単位費用編と補正係数編。毎年必ずつくりまして、これを地方団体に配付をいたしまして、ともかくこれを見てくれ、わかってくれ、こういうように差し上げておるところでございます。非常にむずかしい数式等も使いますのでおわかりにくいかとは思いますが、御指摘の点も踏まえながら今後いろいろ改正に努力をしていきたいと考えております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 この間の国勢調査の結果として、産業構造の実態に合わせた態容係数の種地の見直しを八月ごろというふうに去年は伺っておりますが、そういうふうに予定どおり進んでおりますか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 御指摘のとおりに八月に本算定をいたします場合には、新しい国勢調査による種地の決定をいたして、改正して適用したい、こう考えております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 細かいことを言ってちょっと恐縮ですが、去年、この委員会で首藤さんから、たとえば観光地におけるごみや屎尿の処理に対する特別の財政措置、あるいは海岸清掃、これは所管が三つに分かれていて毎年毎年所管省がかわるのだなんという話を聞いて私もびっくりしたのです。それに関連をして、具体的に管理は県に任せてあってもそういうさまざまな問題についての対応というのができてないわけですが、それらを検討をいただくということだったのです。その後一年の歳月がたっておりますが、それについてどのような対応をなさっていただいたか御答弁を煩わしたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 昨年の地方行政委員会で、観光地におけるごみ、屎尿処理等の需要の扱い方、それから海岸関係の特に清掃費を中心にいたします事業のあり方、御指摘を賜りまして検討を続けたわけでございます。  そのときも申し上げましたように、まず観光地における各種行政需要でございますが、ただいまのところ普通交付税の清掃費では、当時も申し上げたのでございますが、温泉地におきますごみ、屎尿処理、これは入湯税の納税義務者数を指標にして補正をすることが可能でございますので、これでもって補正をして基準財政需要額に算入をいたしております。しかし、そのほかの観光地につきましては、なかなか的確な補正係数になるような、いわゆる普通交付税に取り込むような数値がございません。そこでやむを得ませんので、ただいまのところは普通交付税に算入をいたしませんで、特別交付税におきまして公園、観光地関係での特交の措置をいたしております。ことしの例で申し上げますと、約四十億円ほどそういった観光地につきまして特別交付税の算定をいたしたところでございます。  なお、基本的に、この観光地における財源の問題でありますが、このように今後とも検討してまいりますが、その他の手段としては、たとえば観光税等の法定外普通税、こういったものが果たして当該地域で可能であるのかどうか、こういう点も御検討をいただく余地があろうかと思いますし、また私どももなお今後とも引き続き研究をしていってみたいと思っております。  それから、海岸関係の経費でございますが、これもなかなか経費の高を示す適切な指標がいままだ見つかりません。各団体ともいろいろ相談をいたしておるのですが、やはり決め手がございません。やむを得ませんのでこれも特別の財政需要ということで、海水浴場を含めた観光地に特別交付税の配分を考える、こういうことで、各団体ごとの財政需要等を聞きながら、県とも相談をしながら措置をしていく、こういう措置をいたしております。これもなお検討させていただきたいと思います。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 これ、意外に金がかかっているのです。そして海岸線の長い、しかもそれが海水浴場なんかであった場合には大変な財政支出を伴っておりますので、この観光地の四十億の特交と同じように来年度からはぜひ、去年も申し上げましたけれども措置していただくようにこの機会に要望をしておきたいと思うのです。これは本当にばかにならない大変な金額でございます。その点はよろしゅうございますか。  それからもう一つ、例のコンビナートの防災遮断帯の用地確保の問題なんです。  これもコンビナート法のときにいろいろやりとりをいたしましたけれども、結局、金がかかってどうにもならぬのです。これは自治体に金持てと言ったって持てるものじゃないです。そういう意味では実効的措置になっていない。その意味で、そういう防災遮断帯の用地確保についての助成などについて、どういうたてまえ、交付税になるのかもしれませんけれども考慮を願うということをこの前もお願いをしてございますが、ぜひその点御検討を煩わしたいと思います。その点を含めて御答弁を煩わしたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 海岸の問題につきましてはなお、御指摘のように検討させていただきたいと思います。  それから、石油コンビナート防災遮断帯の用地でございますが、これは石油コンビナート等災害防止法に基づきまして緩衝地帯としての緑地というものを設置をします場合には、先生御承知のように同法の三十六条でございましたか、これによりまして国が二分の一負担をすることになっております。そしてその残りの二分の一の負担につきましては、九五%地方債でまず措置をする、こういう措置をとることにいたしました。そのままではその償還費がかわいそうでございますので、この地方債償還費についてはその半額、五〇%を普通交付税の際の基準財政需要額に算入する、こういう措置をとることにいたしましたので、この点は御報告申し上げておきたいと思います。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 学校のことは文教予算の関係なのですけれども、御存じのように高校の進学率が九〇%を超えている。高校の受験地獄をなくすことは今日の最大の教育課題だと思います。特に、人口過密地域のそれは非常に急務であると思うわけです。昨年から予算化された公私立の高校新増設建物費補助、これは百十億ですか、前年度と比べて六十九億円の増でありますが、これは本当にわずかで、金額的に不十分ですけれども、国民の要求が生きたものだというふうに考えることができると思うのです。  この間の全国知事会の公立高校新増設計画に関する調査というまとめによりますと、御理解のとおりに、五十一年度から五十五年度までの五年間に新増設をしなければならない公立高校は六百八十校を超えていますね、その総事業費は一兆一千億円。内訳は、建物が五千六百億円、用地費が五千四百億円となっています。知事会の五十二年度分の計画は、新増設六十四校、事業費は建物で九百六十億円、用地費で千三百億円、合わせて二千三百億円になっています。国の補助費百十億を引いた残りの二千二百億は地方の負担なのです。これはもう申し上げるまでもないことなのですね。しかも、地方財政は赤字なものですから、地方債に依存をしていかなければならぬということになります。五十二年度の地方債計画の中で高校整備事業に充てる地方債の枠は六百四十四億であります。さっき税務局長が言われましたように、公庫との見返りでというそのプラスもまだちょっとありますけれども、このような政府の補助額や地方債計画では、私には大変控え目だと思われる知事会の計画さえ困難になってくる。  これは文教予算の問題ですけれども、重ねて私が言いたいのは、地方財政あるいは地方自治体に非常に大きな問題点を提起していますので、自治体財政の問題としてぜひ大蔵省とも詰めてはしいのですが、大臣、ことし、自治省はそういう問題について文部省と一緒になって大蔵省に要求した経過はございますか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 これは、五十年度から地方債計画の中に高等学校整備事業債という一項目を設けまして、財源措置に万全を期しておるわけでございます。ことしはたしか百五校と承知しております。地方公共団体の御要望にほぼこたえ得る措置を実行いたしておるわけでございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 これは結局借金で建てているわけですから、やはり地方自治体の負担になるわけです。ですから、やはり政府補助をふやさなければならないと思うのです。  これは、去年、私、文部大臣とやりとりしたのですけれども、百歩譲ってその政府補助のベースで見ましても、高校というのは新築をするときに一遍に建てるわけじゃないのです。とりあえず一学級とか、一年生が入る校舎を建てるわけですね。初年度は確かに一年生収容の施設なのです。二年目になると、そのときの一年生が進級して二年生になるわけですが、今度はその施設をつくっていくことになる。その次になると三年生。予算というのは、初年度から見ると二年生は二倍以上、それは厳格に言えばそうではないかもしれませんけれども、大枠考えてみて、三年目は三倍以上にふえなければ理屈に合わぬわけですね。来年度は、初年度の三倍以上にふやすということにならざるを得ない、このように理解してようございますか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 ただいま文部省におかれましても、知事会等の意見も聞かれながらいわゆる年次計画というものをおつくりでございます。これは、先生御指摘のように、建てる場合には、ことしは一年生分、来年は二年生分ということで、一教室一教室ですから、必ずしも倍ということにはならないと思います。そういう意味で、年次計画を立てたものにつきまして、ことしは、学級数にして千四百九十二学級でございますか、面積にして七十八万二千平米、こういうものが対象になっておるようでございますが、これに対しまして国庫補助金の支出をしてもらい、また地方債においても十分な措置を講ずるように考えたわけでございます。補助制度が新たにつくられたということは、私ども大変歓迎をいたしておるわけでありますし、特に、今後高等学校が急増するという事態でこの補助制度を強化していってもらいたいということは、全く御指摘のとおりでありますので、私どももなお文部省、大蔵省にも強くこの旨主張してまいりたいと考えております。  それから、これは建物の補助でございますので、実質問題としては土地がとても大変でございます。そこで、私どもといたしましては、当該年度に買収する土地については、高等学校整備事業の中で起債を見てまいりますが、土地を先行取得することもあり得るわけでありますので、そういう先行取得についても起債の許可をいたしております。したがいまして、たとえば五十年度の例を申し上げますと、財源振りかえに伴う改築等へ充てました起債も含めてでございますけれども、二千億近くの起債措置をいたしております。これは地方債計画だけでなくて、枠外債の運用も兼ねて、実態をつかまえて措置をしておるつもりでございます。したがいまして、御指摘のように借金には間違いございませんけれども、建築をしていくという面で地方団体が困ることのないように、これは事態に応じて弾力的に十分措置をしていきたい、こういうつもりで対処いたしておりますことを御報告申し上げます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 神奈川県は人口急増の象徴的な地域ですが、昭和六十年までに百校建てないとどうにもならぬということになっておるわけです。神奈川県あたりでは、一つの学校で、用地費まで含めて言えば三十億か四十億かかるのです。地域によって多少違いがございますけれどもね。この財政負担を考えますと、これは県政の重点としてそれを位置づけなければならぬものですし、いわば政治の責任でございますから、国の補助というものはいいかげんなものじゃなくて――たとえばいまの予算では、神奈川県では学校が三つしか建たないのです。全国で三つなのですからね。そういう状態をこのままにしておいていいかどうかということはわかり切ったことなのです。だから、こいねがわくば、来年度予算の中では、地方自治体の切実に求めている課題、とりわけ人口急増地帯の求めている課題に対して大臣も積極的に取り組んでいただきたい。このことをお願いしたいと思います。ぜひ御答弁をいただきたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 学校の問題は、人口急増に伴って出てまいります非常にむずかしい、解決を要する大きな問題の一つだと存じております。新増築の方にはすでに補助の制度があるわけでございますが、用地の方にはまだ補助の制度がございません。これは文部省にも要望申し上げまして、補助の制度を創設していただくということもやらなければならないと存じておりますし、起債の面でも、財政局長が答弁申し上げましたとおり、あとう限りの措置を講じておるわけであります。当該年度に取得いたします土地につきましても、起債の充当率を五十二年度から七〇%であったのを九〇%に引き上げるというような配慮もいたしておるわけで、今後あとう限りの努力をしてまいりたいと存じております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 続いて、ちょっと問題が離れますけれども、軽油引取税にかかる例の運輸事業振興助成交付金の問題について少しお伺いをしたいと思います。  これは御存じのとおりに軽油引取税のアップ分を地方税として徴収して、トラック業者の構造改善などに流用するための交付金として還付しようとする制度であります。当初運輸省は、交付金の二分の一を全国トラック協会に出捐させる方針を示したわけです。私ども文句を言いました。自治省も大変努力をしていただいて、まあフィフティー・フィフティーということから、出捐金は十分の三というところまで後退をしたわけでありますが、これは地方財源の確保という立場から見て当然のことだろうと思うのです。  そこで、伺いますけれども、全国トラック協会、地方トラック協会はこの金をどう使おうとしているか、わかる範囲でお教えをいただきたいと思います。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 御指摘のように運輸振興助成交付金は、軽油引取税の税率アップに伴いますトラックなりバスの営業に対するコスト上のプレッシャーを緩和して輸送力の確保、輸送コストの抑制を図りたい、こういう観点から各府県にこういうふうな仕組みを設けていただくことを御指導しておるわけでございます。  いろいろな事業があるわけでございますけれども、その内容は地方的な規模で行うことが妥当な、必要なものと、それから全国的な規模で行うことが適切なものとがあるわけでございます。それをいろいろ運輸省とも協議をいたしまして一私どもといたしましては、全国的な規模で行うことが適切と思われるものにつきましては、地方のトラック協会から出捐をして、全国規模で事業を実施するということも必要であろう、かような判断に達したわけであります。  具体的な事業といたしましては、大きく分けまして、全日本トラック協会自身が実施いたします事業とそれから融資あっせん事業、この二つに分かれます。協会自身が行います事業の大きなものは、まず第一はトラックステーションの建設でございます。これはもう御承知かと存じますが、トラック輸送が長距離化いたしておりますので、運転者の休憩、仮眠、食事あるいは会社との間の情報連絡というふうな各種の事務を行います施設が必要でございます。国道の沿線に、地方中核都市を中心にいたしまして、そういうものを何カ所か協会自身が設置をして、一面において輸送力の確保、他面、労働者の処遇改善、安全の確保という観点から事業を実施したい、これが一つ。それからもう一つは、事業自身の問題といたしまして、現在のトラックの輸送が、先ほど申しましたように長距離化したことに伴って片荷輸送というふうになっているようでございます。帰り荷をもっと有効にできるようなネットワークを組みたい。これは単に事業者の事業内容だけの問題じゃありませんで、むしろ資源の効率的な使用という観点から申しましても当然なことだろうと思います。そういう意味合いでの輸送情報ネットワークシステムを開発いたしたいというふうなことも大きな事業の一つに考えております。  第二の融資あっせん事業でございますが、これは商工中金に一定の基金を預託いたしまして、配送センターというふうな輸送関係施設の整備でありますとか、荷役機械、車両というふうな輸送関係機器の購入でありますとか、あるいは労働者の福利厚生施設の整備に対します低利の融資あっせんを行う、こういうふうなことが全国協会の事業内容として予定されておるところでございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 地方の状況というのは相当しっかり把握されておられますか。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 地方につきましては、大部分の府県がこの二月県会で予算を計上したような状況でございますので、交付金の支出も最近支出が行われたというふうな事態でございます。したがいまして、私どもといたしましては、その事業内容の具体的な内容までまだ完全に掌握をいたしておりませんけれども、しかし各府県が、的確に事業が実施されますように、この交付金の運用について各協会を厳正に指導し監督をするということを強く私ども求めております。事業の進行に応じまして適切な把握をいたしたい、かように考えております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 昭和五十年代の前期経済計画によりますと、貨物輸送の伸びというのは、自動車の場合、四十九年実績千三百億トンキロから二千二百億トンキロぐらいになるだろうということを指摘しています。これは現在もそうですけれども、将来の貨物輸送にトラックの占める割合というものの大きさを示していると思うのです。数字がそのとおりになるかどうかは別として、そういう傾向を示すバロメーターだと思います。そしてこの物流の仕事というのはトラックの輸送業者が支えているわけですが、九〇%以上は、資金面で見ても従業員の数で見ても中小零細企業であることは御存じのとおりです。率直に申し上げて、この中小企業者の経営近代化、つまり構造改善というのは、これからの物流のことを考えたときに国の重大な施策として取り上げなければならぬ課題だろうと私は思うのです。それには金がかかります。その立場から、私は、本当はこの振興助成金というようなものは将来を展望して、一種の物流金庫といったようなものを創設をしていけばいいんじゃないかというふうに考えたこともございました。しかし、現実には地方財源としての大きな期待を得ていることも事実です。これについては自治省がもっと積極的に、運輸省とのやりとりになるわけですが、その費途について意見を述べていくべきだと思うのですけれども、この点はどうですか。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 軽油引取税の税率の引き上げというのは、まさしく地方財政の状況あるいは地方道の整備が著しく低位にあるというような状況などを勘案いたしまして税率の引き上げをお願いして、地方道路財源の充実を図ったわけでございます。この振興助成交付金は道路財源の中から支出をするというわけではございませんけれども、しかし、その金額のめどは、三〇%の引き上げ分の二分の一程度ということで、いわば貴重な地方財源の支出を地方団体に対してお願いをしておるわけでございますから、私どもといたしましても、いわばこれを運輸省任せにいたしまして適当にお使いくださいという気持ちは毛頭ございません。そういう意味合いで、先ほど御質問の中にもございましたように、地方ベースで支出すべき事業、それから全国ベースで実施すべき事業につきましても非常に真剣に取り組みまして、事業の内容を個別に具体的に運輸省と詰めましてやったわけでございます。今後もそういう気持ちで、これだけの金を支出いたします以上、適切な運用が図られますように、自治省として最大の関心をもってこの運用について努力してまいりたいと思います。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 ところが実際には、たとえばこの割合にしても、それから全国トラック協会に出捐した金の使い方にしても、路線ばかりじゃないかというような気持ちもあるわけです。しかも、運輸省が全部行政指導をやっているということになっているわけですね。これはやはり自治省がもうちょっとかんで、貴重な地方財源なんですから、その使い方などについて積極的な対応を求めたいと思うのです。  そこで、続いてお伺いをしますけれども、いま私申しましたように、中小企業、まあ零細企業と言ってもいいのかもしれませんけれども、これがたとえば物流の合理化とかあるいは事業の共同化とか、そういう問題を含めて構造改善事業に金を使いたい、あるいは環境保全のためのターミナルみたいなもののためにも使いたい、こういう気持ちがあるわけですけれども、実はこれ、みんな陸運局長の承認がないとだめなんです。なぜ県自身の承認ということで事業ができるようにしないのですか。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 公益法人でありますトラック協会、バス協会の認可は運輸大臣の所管になっております。そういう意味合いで、運輸省といたしましてやはりみずから所管する法人の事業の内容にいて監督権限を有しておるということは当然のことでございます。しかし私どもといたしましては、先ほども申しましたように運輸省の行政指導に任すばかりでそれが事足れりと考えておるわけでは毛頭ございません。したがって、先般通達を出しましたけれども、各府県は事業計画をきちんと提出させてその内容を全部チェックして、交付金が的確にかつ有効に使われるように監督を厳重にしてもらいたいということを申しておるわけでございます。しかし、認可権者である運輸大臣の行政権限はもういらないよというわけにまいりませんので、やはり運輸行政の面あるいは地方行政の面、両面から適切な運用を指導し、監督してまいるというのが望ましいのではないか、かように思います。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 この交付金、神奈川県の例で言いますと、五十二年度分では四億六千五百万円です。そのうち全ト協への出捐金というのは三〇%の一億九千五百万円です。つまり県には三億二千五百余万円残るわけですが、これを商工中金に預託して基金にするというわけですね。基金にすることは全くぼくも反対するわけじゃないのだけれども、実際にはその金利で構造改善の利子補給だけやれという程度のことになってしまったのです。これじゃ運輸事業振興助成交付金という名が泣くと私は思うのです。だから、預託をして金利だけでというような運用じゃなくて、元金の運用についても、その使用の適切を期することが担保されるならば考慮すべきだと思いますけれども、その辺はどうですか。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 先ほども申しましたように、トラックステーションでありますとかあるいは労働者の福利厚生施設でありますとか、そういうふうな面での事業実施のための支出というものも考えておるわけでございます。それと、いま御指摘の基金運用による低利融資のあっせんと、両面あるわけでございます。私どもといたしましては、これから事業が始まるわけでありますので一応その事業内容を運輸省と詰めましたけれども、今後の状況に応じまして、さらにその基金に充てるべき部分とかあるいは協会自身が実施すべき一般事業、その割り振りにつきましてなお是正すべき点、合理化すべき点があるならば積極的にそれは検討し、是正すべき点は直していきたい、かように考えております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 その際に一つ注文というか要求をしておきたいのですが、たとえばトラックが安眠ゾーンとか生活ゾーンというような形の中で締め出されていく傾向があったり、それから邪魔者扱いに現実にはなるわけです、それは音も大きいだろうしあるいは道路をある程度占有するとかというような問題で。やはり環境保全、環境改善、こういうところへターミナルをつくって、そこへ集約するというようなことをしていくことについても事業資金として使えるように、ぜひ御考慮をいただきたいと思いますが、その点はこの機会ですからぜひ御答弁をお願いしておきたいと思います。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 各種のターミナルとかあるいは配送センターでありますとか、そういうふうな共同施設を協会がつくります場合に、当然この資金は活用できるわけでございます。そういう意味合いで構造改善的な事業については十分効用を発揮するもの、かように考えております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 それで大臣、この制度が五十一年、五十二年度の時限立法になっているのです。その運用について、その将来性あるいは安定性という点でいろいろ不安に思っている人もいます。実はこれを地方の財源とすることを通達でやっていくというふうなことはおかしいじゃないか、通達で使途を決めていくというふうなことはおかしいじゃないかという意見が実はございますね。その意味では、自治省としては来年度以降税率は据え置いていまのままということなんですが、制度化する、立法化するということを私はぜひ求めたいと思うのです。その点についてはいかがですか。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 この仕組みは、御承知のように都道府県のいわば単独事業として、地域の輸送力の確保なり輸送コストの抑制というものに資するための資金の支出を私どもはお願いをし、指導しておるわけでございますので、そういう性格を持った内容でございますから、これを立法化する、あるいは国の立場でいわば、言葉は悪うございますが、地方に法律をもって強制をするというふうな種類のものではいかがか、むしろやはり地域地域の実情に応じまして、都道府県の判断によって支出をし、また有効に使われるように十分指導をしていく、その方がむしろ実態に合っているのではないか、かように思っておるわけでございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 時限立法をある程度来年度もやっていくという方向で――時限立法というか、時限立法は切れるわけですから、措置を延長していく、こういうふうに自治省としては考えているというふうに理解してようございますか。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 五十一年度、五十二年度のいわば暫定税率として軽油引取税の税率が引き上げられておるわけでございます。  五十三年度以降どうするのかという問題がまず第一にございますが、これは第八次道路整備五カ年計画の内容あるいは地方道路財源の拡充の必要性、そういうものを総合的に勘案して恐らく決められることになろうと思います。  そこで、五十三年度以降この運輸振興助成交付金をどうするかということは、まず第一に、やはり軽油引取税の税率が五十三年度以降どういうふうな形になるのかということが一つの問題であり、いま一つの問題は、五十二年度中にかなりの事業が行われますでしょうから、それによってどういう事業進捗状況になるのかということを見定めなければならないと思います。  ですから、その両面を見まして五十三年度いま一度見直す、この制度をどうするかということを検討してみる、こういうことではなかろうかな、かように考えておるわけでございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 国鉄の問題もある、海上輸送の問題もある、しかし、陸上の自動車輸送といいましょうか、物流の中の非常に大きなウエートを占めている課題があります。ところが、これは企業の面でも、あるいは共同化の面でも非常におくれています。日本の輸送問題というのは物流の解決ということの中に非常に大きなウエートを占めていいと私は思います。せっかくそういう形でもって大きな期待を、つまり近代化やターミナルの建設や、あるいは構造改善全般を含めて求めている財源措置でございますし、地方財源を、一定の割合でありますけれども確保したという経過がありますので、私としては、自治省がこの仕事といいましょうか、これを引き続いて継続をしていくということについて大臣として御努力を賜りたい、このように思いますが、その点はいかがでございましょうか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 これは自治省がいろいろ努力の末に創設をした制度でございますから、ぜひ継続をしてまいりたい、こう考えております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 ありがとうございました。  それでは引き続いて、ちょっと交付税とはかけ離れますが、しかし、かなり重要な関係がございますので、国土庁の関係を中心にして少しお尋ねをしたいと思います。  首都圏整備計画というのが三月に発表になりました。これは大変厚い本でありますが、部分的な点を除けば大変時宜を得た計画になっているわけであります。  そこで伺いたいと思いますが、この計画の中で、自治体の持っている計画がどのように生かされてきたか、単純に自治体から意見や計画を出させてまとめたというしろものではないと思います。全体的な整合性も含めて、これをつくっていくいわば手法について少しお答えをいただきたいと思います。

三橋壮吉国土庁大都市圏整備局計画課長

○三橋説明員 首都圏整備計画につきましては、御案内のように首都圏整備法によりまして基本計画と整備計画、事業計画、三本立ての計画になっております。  先生御指摘の整備計画につきましては、首都圏基本計画というものに基づいて決めることになっておりまして、首都圏の基本計画につきましては、首都圏内の人口規模、土地利用その他整備計画の基本となる事項を決めるということでございまして、これにつきましては昨年の秋策定をさせていただいたわけでございます。その際には、昭和四十九年から何回かにわたりまして基本的な方針を都県の方々とお打ち合わせをいたしまして、策定の方針を国土庁としまして練ってまいったわけでございまして、その結果でき上がってまいりましたのが昨年の秋の基本計画でございます。  その際に、具体的な事業の内容につきましても十分都県の方と意見を交換してまいったところでございますけれども、整備計画につきましては、この基本計画の内容を基本として引き続きお打ち合わせをいたしまして、一月には第一次の案をつくりまして各都県に照会をいたしまして、その各都県の御意見を参考としながら、二月末にまた第二次の案をつくりというような過程を踏みまして、最終的には、三月の末でございますが、首都圏整備審議会におきまして、各都道府県におきます代表の方、知事さん、県会議長さんを初め学識経験者の方の意見調整をお願いして策定をいたした、こういうような経過でございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 この計画と、国土庁が調整をしたのでしょうけれども、各省庁との関連という問題はかなり討議を積み重ねてきたものですか。

三橋壮吉国土庁大都市圏整備局計画課長

○三橋説明員 首都圏整備計画につきましては私どもで計画の策定をいたしておるわけでございますけれども、その実施につきましては実際各省庁で当たられるという面もございまして、先生御指摘のように、整備計画の策定の段階につきましては、各省庁それぞれに十分意見を承りまして調整を図っておるところでございます。したがいまして、この整備計画につきましては、各省庁の計画との間に十分整合した内容のものになっておるというふうに考えておるわけでございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 五十年代前期の経済計画の中で、こういう問題に関してどのくらいの予算規模が見込まれていたのか、そして、もしこの首都圏整備計画を実現をしていく場合に、これは非常に大ざっぱになると思いますが、財源措置がどのくらいになるかということについて検討をしたと思いますから、お答えをいただきたいと思います。

三橋壮吉国土庁大都市圏整備局計画課長

○三橋説明員 先ほど申し上げましたように、本計画につきましては、立案の過程におきまして、盛り込みます事業につきまして、各省庁の五カ年計画あるいは長期計画などと調整をいたしておりますので、その事業の内容について調整を図っておるわけでございます。  先生御指摘の国の経済計画に基づきます社会資本の投資規模との関連につきましては、本計画におきましては、首都圏の既成市街地、近郊整備地帯、都市開発区域という区域的な限定がございますということ、それから、主として都市の整備のために必要な施設、しかも根幹的な施設について定めておりますところでございまして、国の経済計画につきましては、圏域全体の社会資本全般の投資額を決めておりますので、そのものずばりで比較するというのはなかなか困難な点もあると思いますけれども、御参考までに申し上げますと、五十年代前期の経済計画におきましては、五カ年間の公共投資の規模、すなわち社会資本にかかわります投資の規模を百兆円程度見込んでおられますが、首都圏全体のシニアはその三割程度と見込まれるかと思われます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 三十兆円近いあるいは三十兆円を上回る計画になるわけですが、残念なことに財政的な措置というものについて明らかにされてない部分があるわけであります。これはもちろん各省庁の計画、地方自治体の計画を含めて、市民の要求を含めた配慮の中で組み立てられたものだと思いますけれども、財政的な裏づけなどについてたとえばどんな措置をお考えになっていらっしゃるか、ぜひ御答弁をいただきたいと思います。

三橋壮吉国土庁大都市圏整備局計画課長

○三橋説明員 首都圏整備計画に伴います財源的な問題につきましては、一般的には、先ほど先生御指摘の国の経済計画に基づきます社会資本の充実という観点からの全般的な措置が講じられるものと考えますが、特に首都圏に関しての財源的な措置につきましては、首都圏の近郊整備地帯並びに都市開発区域にかかわります本計画に基づきます事業の促進につきましては、都県の事業並びに市町村の事業につきまして、首都圏等の財政上の特別措置に関する法律を第七十七国会におきまして五カ年間延長をしていただきましたので、それに基づく措置が講じられることとなるものと考えております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 そうしますと、地元のことを言って恐縮ですが、川崎や横浜などはその枠に入らないわけですね。

三橋壮吉国土庁大都市圏整備局計画課長

○三橋説明員 首都圏につきましては、御案内のように既成市街地、近郊整備地帯、都市開発区域となっておりまして、その範囲につきましては首都圏整備法並びに政令で決められておるわけでございますが、横浜市、川崎市の既成市街地にかかわります部分につきましては、いま申し上げました財政上の特別措置の対象とはされておりません。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 これはぜひ考えてくれないと絵にかいたぼたもちになってしまうと思うのですが、それはそれとして、人口の抑制をしていく、これ以上人口をふやさない、こういう角度でこの文章がまとまっているように思うのです。私は非常に適切な措置だろうと思うのですけれども、最近の東京圏なんかにおける人口増の特徴というようなものはどんなことなんですか。

三橋壮吉国土庁大都市圏整備局計画課長

○三橋説明員 東京圏と申しますか、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の一都三県につきます人口の増加の様子についてでございますけれども、昭和四十年から四十五年までにつきましては三百十万人増でございましたけれども、昭和四十五年から五十年までの五年間につきましては二百九十三万人増と若干減をいたしておるわけでございます。これにつきましては社会増が減少してきておることによるわけでございますが、自然増につきましてはなお増加傾向にあります。したがいまして、人口増の要因は社会増から自然増にそのウエートが移ってきておるというようなことが申し上げられるかと思います。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 そうするとやっぱり子供がどんどんふえているということですか。そうすると、子供が大きくなると幼稚園も保育園もそれから小学校も中学校も高等学校もということになるわけですね。そういうことなどを含めてこの計画の中には考慮されているかどうかということです。

三橋壮吉国土庁大都市圏整備局計画課長

○三橋説明員 御指摘のように、義務教育施設の関係と小中学校の関係並びに高等学校等の施設の関係につきましては、その人口規模に見合う整備が必要となるという見方をしておるわけでございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 いろいろ都市の性格づけを見ますと、たとえば川崎や横浜などは新宿や池袋の副都心と同じようにここに書いてある。「業務管理機能については、東京の都心における過度の集中を抑制するとともに、近郊整備地帯の核都市との適切な分担に配慮しつつ、新宿、池袋等の副都心、横浜市、川崎市等へ計画的誘導を図る。」、こうなっております。それから、たとえば横須賀、藤沢、平塚、小田原、厚木、相模原、以下たくさんの都市が書いてございますが、ここは商業、文化等の諸機能の集積を図るほか云々、こう書いてある。こういう商業、文化、教育というのはわからぬことでもないのですが、業務というのはどういうことですか。

三橋壮吉国土庁大都市圏整備局計画課長

○三橋説明員 そこで業務と申しておりますのは、第三次産業と言われていますもののうち、主として事務所系統の業務を考えておるわけでございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 これは大変いいことが書いてあるのです。たとえば「米軍施設の返還等に伴う大規模な跡地については、都市環境の改善及び都市の防災性の向上に考慮して、計画的な利用を図る。」いま大蔵省が三分割だとかなんとか言っておりますけれども、そういうことはだめになるわけです。だめになるとは言いませんけれども、つまり跡地の利用について、どういう客観性を持った地域社会のニードにこたえていくかということも書いてございます。大変うれしかったのは、たとえば三浦丘陵、多摩丘陵、以下たくさんございますが、多摩川周辺など、「自然環境の優れた地域において、広域レクリエーション等のための適正な利用に配慮しつつ、環境の保全を図る。」これは大変りっぱなまとめ方になっているわけで、これはやはり書いたとおりにやってもらわぬと困ると思うのです。特に首都圏というのは人口がますますふえてしまって、そしてこういう空間といいましょうか、情緒空間と言ってもいいと思うのですけれども、そういうものが非常に損なわれてきているという状態でございますので、これらの計画全体をカバーする基本的な姿勢として、それらをぜひひとつ今後とも生かしていただきたい、このように思います。  これは「この計画の対象期間である昭和五十年代前半は、従来の高度成長から、長期安定成長への転換期である。このため成長率の低下に伴う財源の伸びの鈍化の下で、急激な都市化の過程で生じた都市環境のひずみの是正を図りつつ、今後ともなお増大する住宅需要、事業活動等による都市の膨張に対処し、更に、望ましい都市構造への誘導のため必要な基幹的施設の整備をも進めなければならない。」と書いてあります。非常に重要なことだと思うのです。ですから、これは大臣にあれするのも恐縮でございますけれども、やはり自治省としてもこれらの計画――ちょっと気に食わぬところもありますよ、全部がいいというわけにはいきませんけれども、私はぜひ全体としてこれらの、やはりこういう広域的な、国土庁はそのためにできたのですけれども、都市改造を含めた社会的な施設をどうやって補強していくかということも含めた非常に広いエリアで、しかも自治体の要求を重視して、それを十分生かして、そしてやっていくということなんですから、これは自治省、全くかかわりのないことではございませんので、ぜひこれらの問題についてその実現というか促進といいましょうか、そのために御努力をいただきたい、このように思いますが、いかがでございましょう。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 従来、補助率のかさ上げあるいは起債、利子補給等行われてまいっておるわけで、特に昨年は特例措置を五年延ばすという措置も実行いたしておるわけでございますので、ただいま御指摘がありましたように地方公共団体の要望を生かすという方向で、こういう特例措置によって今回の整備計画につきましても対処してまいりたいと思っております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 その次に、環境庁おられますか。――私が提案をいたしまして、かけがえのない自然を残していくということを含めて、多摩川を全国の河川の環境保全のためのモデルとして見詰めてみようというわけで、国と地方自治体と学者、専門家、住民も含めた多摩川流域環境保全連絡協議会というものが発足をいたしました。一昨年であります。それがその後どんな形で運営され、今日どんなところまできているのか。そしてこれは一体当初の予定のとおりに、二年計画でその計画といいましょうか、全体計画をまとめていく作業が間に合うかどうか、それらの点について少し伺っておきたいと思います。

林亨環境庁水質保全局水質管理課長

○林説明員 お答え申し上げます。  先生の御提案でスタートいたしました多摩川流域環境保全対策連絡会議でございますが、先生御承知のように、五十年の十一月末に第一回の会議と、それから同時に東京都、神奈川県、川崎市の首長さんがお入りになりました懇談会を開きまして、五十一年の六月の初めに第二回目の連絡会議を開いたわけでございます。自後五十一年の十一月に第一回目の水質保全分科会を開きまして、水質保全分科会につきましては、五十二年、ことしでございますが、二月の末に第二回目を開いたところでございます。なおきょうは自然保護局の者が参っておりませんが、自然環境保全分科会につきましては、同じくことしの二月末に第一回目の、水の方と一回おくれになっておりますが、分科会を開いたところでございます。水の方につきまして申し上げますと、第一回目、第二回目の連絡会議の御議論を踏まえまして、多摩川の水質保全に要求されている市民のニーズというものは何かということ、それから単に川の中を流れている水の質だけの問題でなくて、沿岸住民のために開かれたオープンスペースといいますか、としての価値といったようなところまで含めまして、当面は多摩川の水質の環境基準の達成のためにはどのような対策を講じればいいかということに的をしぼりまして、この一回、二回の水質保全分科会の方の作業を取り進めておるところでございます。  なお、先生先ほどおっしゃいましたように、おおむね二年を目標に大所高知から大筋の方向を出すということをめどに、ただいま分科会で具体的な対策事項について詰めておりますが、一応予定といたしまして、ことし暮れでちょうど二年になりますが、何らかのまとめをいたしたいとかかっておりますが、必ずしも結論をどの程度にまとめるかにつきまして今日段階で具体的に申し上げるところまでまだ至っておりません。  以上でございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 私が提案した意味は、川というのは日本人の心のふるさとです。その川が取り返しのつかないところまで来ちゃっている。そして単に水質だけじゃなくて、それが持っている付近住民に対するいわばさっき申し上げた情緒空間という意味も含めた自然保護の課題を追求しよう。そしてあわせて水質はもちろん下水道の整備ということにもつながっていくわけですから、それらの問題も含めて川をよみがえらせていこう、日本の自然を取り戻していこうということであります。特に多摩川をきれいにしなければ東京湾をきれいにすることはできません。東京湾がきれいにならないということは多摩川だけではありませんけれども、そういうかかわりを非常に強く持っているわけでありますから、そういう相互関係に立って、とにかく多摩川を日本の一つのモデルとしてどうやって取り戻していくか、取り戻していくためにはどんな手法があるのか、それにはどういう財政的な措置が必要なのかということも含めて見詰めていただきたい。諸外国の首都と川の関係というのは、私がいま申し上げる必要もないほど密接な関係がある、そういう意味で申し上げてまいりましたので、ぜひひとつそういう当初の計画のとおりに、大変でございましょうけれども、環境庁が中心になって各省庁との協調も含めて一つの方向を見出すように御努力を願いたい。もし多摩川をわれわれが取り戻すことができるとすれば、それは日本じゅうの川を取り戻すことにつながるだろうし、それが日本の国民の、日本人の心を取り戻すということにもつながっていくと思いますので、その点、ひとつぜひ御配慮を願いたい。これには自治省も入っていましたね。自治省は入っていませんでしたか。

林亨環境庁水質保全局水質管理課長

○林説明員 自治省は入っておられません。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 それでは引き続いて瀬戸内海の問題をちょっと伺いたいと思うのです。これは、実はその後の質問に関係があるものですから、大変どうも御足労を煩わして恐縮ですが、議員立法で瀬戸内海環境保全の臨時措置法というものが制定をされて、そしてその後五十一年十一月という目標をさらに二年延ばして、五十三年十一月ということで、その作業が続いているわけですが、現状はいまどうなっておるか、お答えください。

岩崎寿男環境庁水質保全局瀬戸内海対策室長

○岩崎説明員 先生御案内の瀬戸内海臨時措置法につきましては、二年間延長になりまして、五十三年の十一月までということになったわけでございますが、現在、いままで三年間の実績があるわけでございますが、御承知のように、瀬戸内海環境保全臨時措置法は、産業排水にかかわるCODの汚濁負荷量を二分の一に緊急的にカットしようということ等の施策を行ってきているわけでございますが、現時点でそのような二分の一のカットが達成したかどうか、調査等を進めておりまして、今後の対策を行う際の参考にするということを現在やっている段階でございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 五十三年十一月になっていろいろ考えたんじゃ遅いわけですね。この間と同じようなことになっちゃうわけです。ですから、あらかじめそれこそ瀬戸内海を自然の豊かな内湾として守っていくということになれば、当然これは恒久的な法律に移行する課題というのを避けて通ることはできないと思うのです。それらについては、環境庁の中でどんな議論をなさっていらっしゃいますか。

岩崎寿男環境庁水質保全局瀬戸内海対策室長

○岩崎説明員 瀬戸内海環境保全臨時措置法の中にも、瀬戸内海の環境保全に対する基本計画をつくれというのが一つの大きな課題であるわけでございますが、これにつきましては、瀬戸内海環境保全の審議会がございまして、そこで基本計画をつくるに当たっての基本的な考え方につきまして、昨年の十一月に答申をいただいたわけでございますが、そういったものに基づきまして、今後基本計画をつくっていくという課題があるわけでございますが、同時に、いま先生御指摘のように、臨時措置法の跡継ぎ法と申しましょうか、そういった法律についてもやはり検討していかなければいかぬ。これにつきましては、もちろん現在の瀬戸内海の現状なり、あるいは将来どういう方向に持っていったらいいかというような基本的な問題を踏まえまして、さらに現在の臨時措置法で行っている諸規制といいますか、そういった措置を今後どういうふうに扱うのが一番適切かどうか、そういった問題を踏まえて、やはり基本計画の策定というものとあわせながら、鋭意検討してまいりたいというふうに考えている次第でございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 瀬戸内海をやっただけじゃだめなんですね。たとえば東京湾とか伊勢湾とかという、どちらかというと閉鎖性水域のカバ一をしなければいけませんね。そうしますと、恒久立法にする場合にそういう閉鎖性水域を地域として指定する。つまり、一般的な法律にして、東京湾、伊勢湾を含めて地域として指定をするという方式が一つあると思うのです。私は、この措置が一番いいと思うのです。私は、実は自然保護議員連盟の事務局長だものですから、議員立法で瀬戸内海の経験に見合って、東京湾、伊勢湾をやろうという話を実は進めたことがあるんです。当時環境庁の方ももうちょっと時間をかしてほしいということであったものですから、その後その作業はとまっておりますけれども、これは議員立法ではなくて、瀬戸内海の経験があるわけですから、これは恐らくきょうお見えになるときに水質保全局長とも相談をしてきたと思うのですけれども、そういう閉鎖性水域の全体の環境保全、そういう法律として御検討を煩わしていると思うのですけれども、その点についてはいかがですか。

島田隆志環境庁水質保全局水質規制課長

○島田説明員 いま先生から御指摘ございましたように、東京湾、伊勢湾等の閉鎖性水域につきましても、瀬戸内海同様何らかの対応を考えなければならないということで、われわれ総量規制導入ということで鋭意検討しているところでございます。  いま先生から御指摘ございましたように、総量規制を仮に東京湾、伊勢湾等に導入する場合、立法措置でいくのか、あるいは行政的な措置でいくのか、仮に立法措置でいくにしましても、いまの瀬戸内海法的な特別立法でいくのか、あるいは水質汚濁防止法の中に取り込んだ形で、いま先生の御指摘のございましたような地域指定だとか、そういう形で取り組んでいくのか、この辺については今後検討を待って決めたいと思っておりますが、先生の御指摘も含めて瀬戸内海法の成果を踏まえ、あるいは水質汚濁防止法等の関連等々も踏まえまして真剣に検討してまいりたいということで、現在時点ではまだどういう方向でいくということの結論に至っていない段階でございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 この法律の期限である五十三年十一月までの間にその結論を出して、そうしてそういう措置を引き続いてやっていかないと、これまでの行政的効果というものがとぎれてしまいますから、その点はそのように理解してようございますか。

島田隆志環境庁水質保全局水質規制課長

○島田説明員 瀬戸内海法の関連もございますし、五十三年十一月ということもございますので、その辺も十分配慮しながら総量規制等々をいま検討している段階でございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 瀬戸内海に引き続いて東京湾、伊勢湾、こういういわば環境保全のための特別な法律というものが、それはどういう形になるかは別として、やはり必要だと思いますので、そういう努力をこれから期待をしたいと思うのです。  実はそういう質問をなぜしたかといいますと、四月四日の日本経済新聞に「通産省は過密工業地域にある基幹資源型産業の設備新増設を抑制するという従来の方針を転換」をして、「将来の供給を確保するための増設については」これを認める方向に踏み切った、こういうふうに実は新聞に出ているわけです。これはもう私が申し上げるまでもないと思うのですけれども、昭和四十七年に公布、施行された工業再配置促進法に基づいて、工業再配置計画というものが政府と自治体と企業の工業立地対策、あるいはその指導のための指針として策定が義務づけられているわけであります。それは第一次案ということでおととしの十二月ですか、大綱ができました。これは工場立地及び工業用水審議会に提示したけれども、その後そのままになっているわけですね。  その内容は、「三大湾と瀬戸内海沿岸地域は計画が具体化されているものを除き、新増設を原則として行わせない」、2として「同地域でのスクラップ・アンド・ビルドについては過密対策等に悪影響を与えないものを除き、原則として抑制する」、こうなっていますね。現実に、たとえばこれとも関連があるわけですけれども、自治体を含めて新規のそういうものについては規制をしてきたわけですね、していく過程にあるわけです。それを何か抜本的に変えて、方針転換をして、「新設だけを原則として行わせない」、「増設とスクラップ・アンド・ビルドは悪影響を与えるものにかぎり、抑制する」というふうに、規制を緩和するというふうになっているようでございますけれども、これは通産省の大転換だろうと私は思います。これらは今日まで、さっきから申し上げたように、水質、自然環境保全ということからやってまいりました国並びに地方自治体を含めての努力と言われるものがかなり転換を余儀なくされるというふうに思いますので、この新聞の報道が事実かどうかということについてまず伺っておきたいと思います。

有岡恭助通商産業省立地公害局工業再配置課長

○有岡説明員 御説明申し上げます。  ただいま御指摘の記事につきましては、早速私ども読んだのでございますが、私どもが発表いたしましたものではございませんし、必ずしもわれわれの真意を伝えていない点がある、こういうふうに考えているわけでございます。  それで、先生御承知のとおり、私どもが、工業再配置計画の大綱案というのを計画のたたき台といたしまして一昨年の十二月に発表いたしましたところ、関係省庁、そういう関係地方公共団体等々、関係方面から非常にたくさんの御意見をちょうだいいたしまして、これをどういうふうに調整するかということを現在検討いたしている次第でございます。  それからまた、一昨年の十二月に比べまして景気回復のおくれが出てまいりましたために、各種の指標につきましても見直しをいたしているというような実情でございます。  また、この計画と非常に調整の必要でございます三全総計画、これが策定が少しおくれましたものでございますから、これとの調整の必要もあるということで、現在計画案につきましてはドラフトをつくっている段階でございまして、まだ内容は固まっていないというふうな段階でございます。  それで、実は先生御指摘の記事にもございますが、関係方面の意見の中には対立いたします非常にさまざまの意見がございまして、もちろん工場分散の性格をもっと強く出せというような意見もございますが、他方、移転促進の対象になっております地域からは、その地域の活力を減ずることになるとか、あるいはまた財政収入が減るとか、あるいは従業員、下請中小企業の対策というような観点から急激な地方分散は避けるべきだという意見がございます。また、最近の企業経営の悪化を背景といたしまして、既存の公共投資を活用し、コストを低減し、国際競争力を強くするというような観点から、もう少しそういう点を勘案すべきであるというふうな各種の意見が出ているわけでございます。  私どもといたしましては、そういう御見解は、今後ドラフト作成に十分参考にする必要があると考えておりますが、基本的にはやはり、過密過疎同時解消を目指しました工業再配置の考え方というのは、今後とも尊重すべきだと存じますし、特に太平洋ベルト地域への工場の過度の集中ということは、先生御指摘のとおり当然避けるべきでございます。しかも、地方の経済基盤を確立いたしまして、国土の均衡ある発展を図るというためには、今後とも、特に低成長時代になりますとよけいにその工場の地方分散施策というのを進める必要があると考えているわけでございます。  で、特に、工業再配置計画というのは非常に長期的な立地の指針となるものでございますので、短期的な景気の変動によって左右すべきものではない、こういうふうに考えます。したがいまして、大綱案で示しました計画の基調を変えるつもりは全くございません。先生御指摘のような、問題の三大湾、瀬戸内海沿岸におきます基幹資源型工業の立地につきましても、できるだけこれを抑制的に指導していく。特に過密に悪影響を及ぼすものについてはこれを抑制いたしまして、できるだけ遠隔地方の大規模工業基地等に誘導を図るという大綱の基本的方針は変更しないという方針でおります。  以上、申し上げましたように、計画案につきましては各方面の御意見を尊重しながら検討中でございますし、今後審議会の御意見を聞いたり、さらに関係方面の御意見を聞く必要がございますので、たたき台となりました大綱案からは若干の修正はあるかと思いますが、基本的な方針はこれを継続していきたい、かように考えている次第でございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 いま首都圏整備計画などでも人口の抑制、つまり過密対策ということにかなりウエートを置いて努力をしているわけですから、それから同時に、環境庁もおられますけれども、これは公害問題その他いろいろな問題を起こす問題点があるわけですから、いま御答弁いただいたように、まさか新聞の記事のようなことのないように、それはケース・バイ・ケースでいろいろな問題はあると思いますけれども、やはり一般論として全面的に緩めていくというふうなことのないように願いたいし、それから環境庁やあるいは国土庁、あるいは地方自治体の立場から言えば自治省もそうだと思うのですけれども、それも含めて、それらの意見を十分生かしていくように、これからの討議の過程の中でそういう配慮を願いたい、このようにお願いを申し上げておきたいと思います。  もう時間が参りましたから、まだやろうと思ったのですが、大変おつき合いいただくのは悪いですから、これで終わりたいと思います。

地崎宇三郎自由民主党

○地崎委員長 次回は明十三日午前十時委員会、正午理事会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後五時五十五分散会

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