地方行政委員会 第7号
- 発言数
- 196 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1977/04/01
会議録
○大西委員長代理 これより会議を開きます。 委員長所用のため、委員長の指名により私が委員長の職務を行います。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたしたいと存じます。 地方自治及び地方財政に関する件について、本日参考人として、日本道路公団理事吉田泰夫君及び吉田喜市君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大西委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
○大西委員長代理 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので順次これを許します。井上裕君。
○井上(裕)委員 私は、新東京国際空港につきましてお伺いいたしたいと思います。 運輸委員会でいろいろ質問いたしたいわけですが、今回は財政上の問題につきまして二、三質問いたしたいと思います。 新東京国際空港整備のための国の財政上の特別措置法、すなわち財特法の問題でございますが、成田空港の開港に当たりましては、その前提といたしまして、すでに千葉県知事から二十八項目の要望書が提出されております。その中で、この財特法の問題が非常に重要視されて要望されておるわけでございますが、この重点項目に対しまして福田総理は、誠意をもって対処する、こういうことを言っておりますが、開港が当初の目標より大幅におくれております。私ども四六・四といいまして、四六年の四月に開港をする、こういうことでございましたが、御案内のようにすでにもう六年の歳月がたっており、また開港決定と同時にもう十年の歳月がたっておる、ここにおいてこの財特法の期限そのものもあと二年に迫っておるわけでございます。この財政特別措置、財特法を延長していただけるかどうか、こういうことがいま一番地元の憂えているところでございますので、まずこの問題につきまして当局のお考えをぜひひとつお伺いいたしたい、このように思います。
○首藤政府委員 御指摘をいただきました新東京国際空港の周辺整備のための財特法でございますが、御指摘のように五十四年三月までの時限法ということに一応相なっております。 そこで、現在この財特法によって計画をされております計画事業費全般で、当時価格で二千九百億余りあったわけでございますが、この中にはまだかなり、し残しの事業が残っておるわけでございます。そこで、第一には、あと二年ございますから、その期間中にできるだけ関係省庁とも連絡をとりまして、また千葉県とも連絡をとりまして事業促進をしてまいりたい、こう思うのでありますが、何分にも二年の時限でございます法の期限までに事業が完全に実施できない、こういう事態が起こりますならば、当然延長についても検討すべきである、前向きに検討していきたい、こう考えております。
○井上(裕)委員 いまのお答えですと、延長するというお約束と伺ってよろしゅうございますか。ということは、開港のおくれによって、それに伴ういろいろな関連事業がおくれておるわけでございますので、この事業が終わらないうちに財特法が二年で切られてしまうということになりますと、非常にこの問題が大変でございまして、やはり私どもとしては、ここで努力するあるいは誠意をもってお答えすることは結構ですが、この事業があと二年で完成した場合には結構ですが、われわれが見て完成できないというようなときには、これはやはりどうしても延長していただきたい、こういうことをお願いしたいのですが、いかがですか。
○首藤政府委員 ただいま申し上げましたように、事業が完了すればもちろんよろしゅうございますが、完了しないで残るというような事態が起こるなら、これは当然財特法の延長というものをしなければならぬだろう、こう私どもとしては考えております。
○井上(裕)委員 大変ありがたいお言葉をいただきました。 そこで、新空港の設置に伴ういわゆる関連事業として、騒音対策を初めといたしまして公共施設の整備等で、周辺各市町村の起債は非常にふえて、膨大の一途をたどっております。一例を挙げますと、成田市を例にとりましても、五十年度までに二十三億四千二百万円、これは手元にあると思います、成田市から資料を取り寄せておりますが、五十一年度は七億七千万、さらに今後五カ年の推移を考えた場合、あと四十七億六千七百万、実に総額にして七十八億八千万に上る、こういう計算になります。これら起債という借金の償還につきましては、当然のことながら毎年度多額になる。すでに五十一年度までに騒音対策及び空港問題周辺対策事業が四億八千三百二十万、さらにこれに伴ういわゆる成田空港を受け入れるための成田ニュータウン事業、この事業で三億九千万となっております。非常にこの市の小さい財政を圧迫させておるわけでございます。 先ほど申しましたように、この開港のおくれによりまして、税収は当初見込んだものよりもとうてい入らない、いわゆる市の財政はここでダブルパンチを食った、こういうような状態になっておる。地方自治体の財政難というのは、これはもう空港周辺町村に限りません。どこの町村でもこれは大変なことであろうと思いますが、特にこの周辺市町村のこれまでの起債の償還について、何らかの特別財源、たとえば利子補給、そういう措置を講ずるべきだと私ども思います。といいまして、成田にはこの財特法によられるように相当の恩恵はありますが、それと別に、空港がおくれておるということで、この起債の返還、償還につきまして利子補給を行うか、あるいはまた特別の何らかの措置を講じていただけるかどうか、その点についてお伺いいたしたいと思います。
○首藤政府委員 空港に関連をいたします各種の事業の負担、それから空港の開港のおくれ、これで周りの市町村が大変お困りになっていらっしゃる実情はよく承知をいたしております。 それでまず、こういった関連事業に対します地方債の償還、こういうものについての一般的な措置でございますが、これは最近、関連公共事業のうち、財政負担の大きい学校とか下水道とかごみ焼却場、こういうたぐいのものにつきましては、交付税措置の場合に、事業費補正というやり方によりましてその償還費を交付税の需要に算入をする、こういう措置を一般的にはとっております。算入比率は、たとえば学校は六〇%、下水道は五〇%、ごみは五〇%、こういったような算入をいたしております。こういう点は、成田市を除きますほかの市町村では交付税を通じてかなりの恩恵になっておると思います。ところが成田市は先生御承知のように不交付団体でございますので、このような措置をとりましても直接に普通交付税の恩恵がなかなか及ばないといううらみがございます。そこで、そうなりますとやむを得ませんので、あとは特別交付税に頼るよりほかにございません。成田市の財政状況等もよく承知をいたしておりますが、御案内のように、ことしも去年も二億を上回ります程度の特別交付税、こういうものを配分をいたしましてその財政の運営のための一助にしてもらっておる、このような配慮はいたしておるわけでございます。
○井上(裕)委員 特別交付税でいろいろごめんどうを見ていただいているということはよくわかりますが、ぜひひとつそういうことをお願いいたしたいと思います。財特法の第四条に、「空港周辺地域整備計画を達成するために必要があると認めるときは、地方公共団体に対し、財政上及び金融上の援助を与えるものとする。」、こう明記してあるわけでございますので、ひとつこの問題をぜひお願いいたしたい、このように考えます。 次に財源についてでございますが、国内線の場合は燃料譲与税、成田の場合は、私どもがお聞きした十年前のお話では国際線だけだということだったわけですが、国内線も現在の羽田からしてやらなければいけないということで、国際線が主なために燃料譲与税というものが当てにならない。そこで、その燃料譲与税に当てはまるべきものと言っては大変失礼ですが、今後、騒音対策事業であるとかあるいはまた起債の償還等も考えた場合、当然、この燃料譲与税というものにかわるべきもの、税収につながるものがあってしかるべきと私どもは思いますが、この点の関係の皆さんの御見解をお願いいたします。さらに、この問題で、交付金という性格の場合、地方交付税法の基準財政収入額にこれが算入されてしまうのかどうか、算入された場合には何にもなりませんので、この点をひとつ明確に打ち出していただきたい、このように思います。
○松尾説明員 成田につきましては、先生御指摘のように国際線用空港になりますので、国内線に係る燃料譲与税関係のものが地元に入ってまいらないわけでございますので、私どもといたしましては、開港後におきまして、新東京国際空港公団からこれに相当するような新空港周辺交付金というものを、制度を確立いたしたいと思っております。なお、配付基準等につきましては、どの程度の影響が周辺の市町村にあるのか、あるいは今後の交付方法等については、現在鋭意検討中の段階でございます。
○首藤政府委員 ただいま運輸省の方から御説明ございましたように、譲与税にかわるものとしての性格も持ちながら対策交付金が交付されることになると思っております。新東京国際空港周辺対策交付金でございますね。これが空港公団から支出をされるということになりますれば、交付金でございますから、交付税算定の際の基準財政収入には算入をしない、そういうかっこうになると思います。
○井上(裕)委員 以上、質問したわけですが、私も、財政上の問題というのが空港周辺市町村にしては一番大きく要望されているわけです。そこで、先ほど来答弁を聞きますと非常に前向きの姿勢であるということで、私どもは大変喜ばしいわけでございます。 そこで、これは、警察庁当局にお聞きしたいわけですが、一応私も立場がございますので要望ということにいたしたいと思います。 この国際空港の早期開港は、今回、総理の大号令のもとに政府の重点施策になっているわけです。このために、どうしても早く開港したいというのが地元の皆さんの意見であり、千葉県の意見であろうと思います。そこで、四千メートルの滑走路南方にあります二基のいわゆる妨害塔、これを早く撤去しなければならない。そのために、撤去するときにいろいろな障害があろうと思います。ちょうど四十六年の九月二十六日に、第二次執行のときに、いまの川上知事が副知事時代、本部長で、私も土木委員長として現地に行っておったわけですが、数十名の警察官の負傷あるいは神奈川から応援に来られた三名の警察官の殉職、こういうことのないように警備に万全を期していただきたい、このように私は思います。このときの状態は、もう六年もたっておりますが、あの生々しい情景、日赤病院あるいは藤倉病院へ収容された数多くの警察官の非常に惨たんたる姿、こういうものを目の当たりに見ておりますので、この鉄塔の除去に対しては万全の警備をしていただきたい、こういうことを考えるわけです。特にラジカルな反対派の方々によって、地元の芝山の町長のお宅が襲われたりあるいは成田国際空港の町田副総裁のお宅に発煙筒が投げられたり、さらに近々においては、空港の造成事業をしております何も罪のない一労働者のダンプが焼かれる、こういうことが数多くありますと、仕事自体もそれが恐ろしくてやれないというような状況になりますので、この警備に当たりましては万全の体制をお願いいたしたい。これは質問でなく要望ということで私はいたしますので、警察当局の御反省をぜひひとつお願いいたしたい、このように考えます。 そこで、警察の交通問題ですが、これも幸い交通安全対策特別委員会に入っておりますので、その委員会におきまして御質問いたしたいと思いますので、この地方行政に関係あります交通局の問題で一、二御質問いたしたい。 御案内のように、交通問題は、モータリゼーションの進展に伴い、交通事故あるいは交通渋滞、交通公害、そういうものが社会問題になっております。それだけに民間団体である交通安全協会の果たす役割りは、親警民和といいますか、そういうことで、交通問題に限ってでなく、警察に民間団体が非常に後援しておる。都道府県または各市町村におきまして、たとえば緑のおばさんというのがあります。この処置はどういうことになっておりますか。お話に聞きますと、各市町村まちまちである、あるいは手当もまちまちだ。そこで伺いますことは、交通安全に関して警察官以外でどのような人たちが従事しておられるか。たとえば交通指導員であるとか、こういう身の危険を顧みず毎日奉仕している方々、この方々の報酬、そういうものもひとつお聞かせ願いたい、こういうふうに思います。
○杉原政府委員 お答えをいたします。 ごく最近のデータがございませんで、一昨年の末の時点で警察が承知をいたしておりますいわゆる民間の交通指導員、いろいろな名前がありますけれども、そういうことで民間の方で交通安全に御協力をいただいておる方が約三十万四千という数字を把握しております。この交通の指導員制度というのは、本来民間の自主的なボランティアといいますか、奉仕活動として発生したという経緯、またその性格も各自治体等で非常に区々でございまして、そういう意味で交通指導員の任用、身分等もさまざまでございます。たとえば東京都の緑のおばさんなどがそうでございますが、こういう地方公共団体の職員の身分を持っておられる方、これが三十万のうちの約二万一千程度、それから身分は持たないが各市町村、都道府県あるいは警察、教育委員会、安全協会、さまざまでございますが、そういったところから委嘱をしておる方、これが約十二万、残りの大半は交通安全協会その他の民間の団体の会員になっておられる方が安全運動のときなどに積極的に、いわゆる任意でございますけれども、むしろ積極的に参加をしておられるというのがそれ以外、約五四、五%はそういう方々でございます。 なお、お尋ねの報酬等の面でございますが、大体八〇%余りの方は無報酬で活動をなさっておられます。残りの一〇%ちょっとの方の報酬も、謝礼から、先ほど申しました職員であるということで月給まで非常にまちまちでございます。したがいまして、事故に遭われた場合の補償等の問題につきましても、何らかの形で補償がされるという体系の中でやっておられますのが三〇%弱、残りの方につきましては補償の制度もとられていないというのが実情でございます。
○井上(裕)委員 いま交通局長さんのお話を聞いたわけですが、そこで、でき得ればやはり各市町村の財政問題あるいはまた各交通安全協会の立場もありますが、一貫したこういうものの報酬並びにまた身分保証というものをやっていただきたい、これはやはり要望いたしたいと思います。 そこで、交通事故は、被害者はこれはもちろんでありますが加害者におきましても、いろいろな状態で、非常に一家の生計も危うくなるし、悲惨な現実が待ち受けておりまして非常に大きい社会問題となっておるわけでございます。このため生活ゾーン規制を初め幾つかの諸施策が実施されております。これまでにこの成果がいろいろなことで、いままでの皆さんの御努力で上がっている、交通事故はなくなっておるということは私は了といたしますが、まず一番大きい問題は運転者の資質の向上といいますか、そういうものであろうと思います。 そこで、現在の運転免許の試験制度このものにつきまして、現行の法規あるいは実地、こういうもので何とかもっと人間的な試験、と言うと大変失礼ですが、運転者としての精神病理面の、現行の制度でこういうものが欠けているのではなかろうか、このように思います。たとえば私どもが車に乗っている、これはヨーロッパ、アメリカでは見られないと思いますが、もしちょっとでも間違うとダンプの運転手さんからすぐばかやろうというような声がかかってくる、おはようございますというあいさつと同じように。運転者の皆さんが気持ちが殺気立っておる。こういうことの判定をやる制度、これは私も過去地方議会で何回も公安委員会に御質問なりお願いをしたわけですが、どうしてもやはり中央のところで皆さんにこういう制度を実施していただかなければならない、このように思います。たとえばロールシャッハ・テスト、そういうようなものを取り入れるとか採用する、いわゆる運転者として適性があるかどうか、この精神病理面でもっと詳しく医学的に判断して、この方は運転者として適するかどうか、いままでの運転免許制度というものは、ただ法規が通って実地がよければよかった。交通の一番大切な、人間として交通事故を起こしやすい人、これはあると思うのです。それの人たちの見分け方、こういうものをぜひひとつ取り入れていただきたい。これは大型免許は特にそれが必要だと思います。一人の人間を乗せて事故に遭ったのも多くの人を乗せて遭ったのも同じ事故でありますが、しかしやはり営業にしている大型免許、バスの運行だとかそういう方々には、特にこれは警察庁だけでなく、運輸省の管轄あるいはまた陸運局の管轄になるかとも思いますが、役所同士が連携をとってこういう制度をぜひひとつ実現してもらいたい、これをひとつお聞きいたしたいと思います。
○杉原政府委員 先ほどの井上委員の御指摘、私も全く賛成でございます。これは三千五百万と言われるドライバーが現におり、毎年三百万のドライバーというのがふえているという状況のもとでございます。それだけにこれからさらに交通事故を減らす、交通秩序をきちっとしたものにするということになりますと、いわゆるドライバーに対する対策というものが非常に重要なものになってまいるわけでございます。先ほど御指摘の性格的に事故を起こしやすい者がいるのではないか、もしそうであるとすれば、そういうふうな者を検査制度でもって排除をする、教育をする、そういうふうな方策にもっと力を入れたらということでございますが、そういう事柄につきまして私ども三十九年の六月から、これは警察庁、それから科学警察研究所というのでこのドライバー対策をやっておる専門のところがございます、それに各界の識者の方々のお知恵を借りまして運転適性検査というもののやり方を導入をいたしたわけでございます。動作の正確さだとか早さだとか、精神活動性とか衝動抑止性だとかあるいは情緒の安定性、そういったものを、先ほどおっしゃいましたロールシャッハなどのいろいろな手法を取り入れまして、現在これで、指定自動車教習所に入った場合あるいは行政処分を受けるような場合、いろいろな場合を利用いたしましてこの検査を実施をしておるわけでございます。これにつきまして、現在これを試験制度にすぐ取り入れて排除するというのにつきましては、実はこれはいろいろ研究をしておりますが、まだ正確度が七〇%から八〇%しかないということになりますと、これをすぐ試験に採用して、何点以下の者はもうだめだということに持っていくには、人権の問題、また職業等にすぐ影響してまいりますものですから、そういうことでこれはまだむずかしい段階でありますが、現在その教育の一環としまして、先ほど言いましたような指定自動車教習所とかあるいは処分者講習あるいは適性相談があったような場合にこれを実施をしておる、そこでいろいろな欠陥が出てまいりますので、それを御本人に指摘をして、こういうところに非常に欠陥があるので、運転をするときにはこういう点を気をつけてくださいというふうなことを具体的に申し上げますと、御本人も非常に反省をされて、それ以後事故をほとんど起こさなくなるというふうなケースもございますので、そういう教育の面あるいはこれをさらに開発をして徐々に試験制度に取り入れていくような面、そういうことを開発をすることでドライバー対策というものの万全を期すように努力をしていきたいというふうに考えております。
○井上(裕)委員 時間がございませんのでお答えをいただきたいわけですが、いま局長さんのお話ですと、やはり七〇、八〇%のあれは出てくるということですので、これをくどいようですが、営業する大型車、これだけにはやはり私はぜひひとつしていただきたい。 それで、この適性検査をしておるということですが、やはりそういう適性検査だけでなく、これをやれば相当私は防げるのではないか、このように思いますので、ぜひこれはひとつ取り入れていただきたい。これは要望いたします。 時間がありませんので、次に、一般企業の場合、いま定年制、いわゆる肩たたきみたいなもので六十歳、特に教員なんかの場合には六十歳、高校においては六十一までやっておる方もある。警察の場合は、警視正以上の国家公務員、あるいは警視以下の地方公務員、これは約五十五歳が一応定年制という、定年制じゃなくても、勧奨といいますか、やめていただきたいというような対象になる。そこで、この警視正に地方でなった場合にはもっと早くやめざるを得ない方々がいるわけです。こういう方々は、ちょうどお子様の教育の問題であるとか、こういう問題は社会労働でやるべきですが、警察は非常に定年制が早い、定年制といいますか、肩たたきが早い。こういうものをもっと見てやってあげたい、このように思います。これはわれわれ素人はよくわかりませんが、犯罪の捜査というものは長年の経験と勘によるものがあると思うのです。こういう方々が第一線を退くということは私は国家のために大きい損失である、こういう方々を嘱託とか、あるいは顧問制度というようなことで、せいぜい世の中の一般企業と同じようにもう五年でも、警察官としてでなく結構ですから、地方の警察本部へ置いてやって、そして後進の人たちの指導に当たってもらいたい。これは私はぜひひとつお願いしたいわけです。現実にそういう警視以上の方々はいろいろ皆さんが次の職業をめんどうを見てやる、そうじゃない方は自分でりっぱな早く言えば特殊技能というものを持っていながら、そこで非常にかわいそうな方がいる。これをひとつぜひやっていただきたい、このように思いますが、当局として末端の一般の警察官というものの定年制につきまして、いま考えていることをひとつお答え願いたいと思います。
○山田政府委員 お答えいたします。 定年制と申しますのは、警察の場合にも制度としては確立しておらないわけでございまして、ただいまもお尋ねにありましたように、一定の年齢に達した場合に退職勧奨をするという運用をしておるわけでございます。これはただいま国家公務員たる警察官につきましては、おおむね五十八歳ということを一応の目途に退職勧奨をしております。地方公務員でございまする警察官につきましては、都道府県ごとにいろいろ異なるわけでございますが、最高は六十歳でございます。巡査、巡査部長、警部補、この階級にある警察官については、おおむね平均を見てみますと五十七歳から五十八歳、警部、警視の階級にある者については五十五歳から五十六歳ということで勧奨をしております。しかし、最近の傾向では、こうした勧奨基準年齢、階級ごとにいま申し上げましたように差がございますが、その差を縮めていく、または勧奨年齢全体を逐次延長していくという傾向にありますので、御理解を賜りたいと思います。 それから、定年、いわゆる退職した後にその技能をいろいろ嘱託制度で生かしたらどうかというお尋ねでございますが、これは警察職務の中でも特に犯罪捜査とか、検死、指紋の鑑定、自動車運転試験あるいは行政処分の場合の聴聞、生活相談あるいは術科指導というような、ただいま申し上げましたような職種につきましては在職中の知識、技能というものがたとえ老齢でありましても生きるわけでございます。そういう職種につきましては、現在でも各都道府県警察におきまして、退職者を嘱託としてそういう仕事に従事していただくという道を開いております。現実に退職後もこうした仕事について活躍していただいておる方も多いわけでございますので、今後ともこうした嘱託制度の活用に努めてまいりたい、かように存じております。
○井上(裕)委員 時間があと七分しかありませんので、これまた要望になりますが、特殊技能といいますか、そういう長年の捜査の人たちをぜひひとつ嘱託とか、地方の警察本部と相談してやっていただきたい、このように思います。 その次に市町村の消防財政についてお伺いいたしたいと思います。時間がございませんので、ひとつ簡単明瞭に答えていただきたいと思います。 いま質的にも物的にも市町村の消防財政というのは非常に十分とは言えません。市町村あるいはまた国がもっと積極的に助成措置を講じなければならないと思います。そこで私はここで提言したいのですが、市町村の消防に対して新たに国の補助制度、こういうものを設立する必要があると思いますが、この点につきまして新たに新設する意思があるかどうか。この点、イエスかノーかで結構ですからお答え願いたいと思います。
○林政府委員 市町村の消防に対する国庫補助制度については、もう十分御承知と思いますけれども、消防施設強化促進法というのがございまして、消防ポンプとか一定の防火施設に対しての補助金は現在も支出しております。これは国の予算が現在百億ほどになっております。その他一般消防費につきまして、恐らく先生の御提案は、たとえば義務教育のように二分の一は国が持つとかいうような制度化をしたらどうだという御提案だと思います。しかしこの問題につきましては、消防ほど実は自治事務になじむ事務はないと思います。国庫補助制度を設ける、この負担制度を設けるというところの根拠には、その事務が市町村の事務であると同時に国の事務であるとか、国も利害関係を有するとか、いろいろな点から国庫負担制度があり国庫補助制度があると思うのでございますが、消防ほど実は自治事務になじむ事務がない。そしてその地域の実情に合わせてその市町村の創意工夫でもって消防を充実していくということでございますので、私たちとしてはこれに対する国庫補助ないしは負担制度を設けるよりも、むしろ交付税における計上額を充実するとか、財源措置には十分気をつけますが、自主財源という形で実施してまいることが最も適している、こう考えておる次第でございます。
○井上(裕)委員 そこでひとつ、いわゆる非常勤の消防団員と常設の消防とありますね、これの格差を是正していただきたい。非常勤の場合は自分の職業を持っていて、これを一緒にしろというような無謀なことは申しませんが、やはり消防団員に対して常設の消防と非常勤の消防団員の格差の是正、こういうものをいま行政指導を含めてやっているかどうか、この点を伺いたいと思います。
○林政府委員 御質問の御趣旨が、常勤の消防団員と非常勤の消防団員のことであるか、あるいはいわゆる常備消防、つまり常備消防における消防職員と消防団員のことであるか、ちょっと判明いたしませんのでございますが……。
○井上(裕)委員 常設消防と消防団です。
○林政府委員 常設消防は、それ自体市町村の公務員として、専門の職業としてやっておりますので、これは他の市町村の常勤の職員と変わりませず、一般の地方公務員法で規定されておるわけでございます。 それに対して消防団の場合は、現在、百十万人おられますが、このほとんど、一〇〇%に近い者が非常勤というかっこうで、いま先生の御指摘のように、自分の仕事を別に持ちながら、いざという場合に消防活動に従事するというものでございますので、これは地方公務員法の適用がございませんわけでございます。この方々の待遇、処遇につきましては年々交付税の算定その他でもってできる限り改善をやっておりますけれども、常設消防の職員、それを職業としている方と同じというぐあいにはもちろんまいらないわけでございますので、出動手当とか報酬とか、それからもし不幸にしてけがでもされた場合の災害補償とかにつきましては、もうほとんど格差がないまでにできるだけ充実をしてまいる所存でございますし、今後とも努力してまいりたいと考えております。
○井上(裕)委員 時間がありませんので、お答えをいただきたいわけですが、現在、政令で消防本部及び消防署の設置が義務づけられているわけですね。そこでたとえば消防に入ってきた、あるいは常設消防をとった、この方の大体二割ぐらいしか教育を受けていないということを最前線で聞くわけです。これは県の消防学校、いわゆる国の消防大学みたいなそういうようなことは言いませんが、いわゆる常設消防に携わる職員をやはり県の消防学校である程度の教育をしなければならない、いわゆる警察学校みたいに、そう義務づけられていると思うのですが、これが現在二割ぐらいしか教育を受けていないという現実を聞いているわけです。こういうこともぜひひとつ全員に教育をしていただきたい。また消防学校に対します国の強力な補助体制の確立もしていただきたい。こういうことを要望いたしまして、時間がございませんので、ひとつ要望だけにとどめますのでよろしくお願いいたしたいと思います。 以上で終わらせていただきます。
○大西委員長代理 次に、石川要三君。
○石川委員 きょうは参議院の関係で大臣が見えておりませんが、幸いなるかな敬愛してやまない副大臣がおりますので、ひとつ副大臣の率直な御見解をぜひお聞かせいただきたいと思います。 まず第一に、もう長いこと超過負担ということが非常に叫ばれております。この超過負担の解消にはそれぞれ長年にわたって努力をされておるわけでございますが、昭和四十九年度の六団体からの積算による超過負担、これが超過負担だというものが約六千三百億、こういうふうにはじき出されておりますが、そのときの自治省から見た超過負担というものは恐らく五百億を欠けておる、四百九十何億かではないかと思うのです。六千三百億に対しては一割にも足らない数字でございますが、この辺が余りにも大きな開きがあります。この点についてぜひひとつ副大臣の御見解を聞きたいと思います。
○中山政府委員 超過負担の問題がただでさえ困難を来しておる地方財源、財政というものを非常に圧迫をしておる、その解消にこれまでも努めてまいりましたことは御承知と思います。地方自治体が自主的な考え方で自由濶達な地方行政をやっていただくということは望ましい姿でございますが、やはり全国的な行政サービスの均衡ということも考えていかなくてはならない。そういう中でいま御指摘のような乖離が生じてきたのではなかろうかと思うわけでございます。いままでのところ、単価差については大分望ましい姿になってきた、また対象差も、ことしの予算でいままで問題となっておりましたへい、さくというようなものも対象差に入れるというようなことで、大分努力の跡はお認めいただけると思いますけれども、御指摘のように超過負担の問題はまだまだ深刻な、解決していかなければならない問題がたくさんございます。自治省としてはやはり地方団体の立場でこの解消にこれからも努力をしていかなくてはいけない、各省庁とこれからも緊密な連携をとりましてこの解消に当たっていきたいと思っております。
○石川委員 六千三百億に対して五百億を割るこの開きですね、この数字的な見方といいますか、私にはどうしてもこれが納得できない。確かにとらえ方や何かによってはかなり違ってくることは当然だと思いますけれども、それにしても六千三百億対四百九十五億か六億か、こういうふうな差がどこから発生したのか、その原因、これらをひとつお聞かせ願いたい。
○首藤政府委員 ただいま御指摘をいただきました六団体の調べによります六千三百億でございますが、これは先生御承知のように、国庫補助基本額と実支出額との単純差というかっこうで集計をされましたものでございまして、六団体自身も、これはいわゆる差額であるが、全部が超過負担ということで指摘をすべき性格のものではないということは言っておるわけでございます。問題は、この中で細かにこれを精査いたしまして是正をすべきもの、これを見つけていかなければならぬわけでありまして、その手法として、私どもいままで大蔵省それから関係各省と共同で代表的な費目を毎年幾つかつかまえまして実態調査をやり、そして細かな分析をやった結果、そこまでの分は適確に直す、そういった詰め方をしてきたわけでございます。したがいまして、この六団体で言っております六征二百億のうち、分析をして考えてみますと、単価差に相当すると思われますものが三千七、八百億、それから数量差に相当いたしますものが千億余り、それから対象差に相当いたしますものが千五百億見当、こういったことに単純に分類するとなるだろうと思います。この場合単価差の方は、そのときどきにやります地方団体の工事の執行のやり方等によってもずいぶん違ってまいりますし、また地域的な差もございますので、いわゆる標準的な単価というものを設けて、これを各地域の実態に合うように地域ごとの格差をつけてもらう、特に文教施設等はそうしてきておりますが、このようなかっこうで修正をいたしてまいっております。実態的には、単価差の大きな開きというものは、ぎりぎり詰めて考えてみた場合にはもう余りないのじゃないか、こういう実感を持っております。それから数量差と対象差は確かに差がございますが、先ほど政務次官も申し上げましたように、ことしやっと対象差に一歩踏み込みましたが、今後各省とも十分連絡をとりながら、また六団体ともひざを突き合わせながら納得ずくで直していきたい、こういうことでやってまいりたいと思っております。
○石川委員 いま内容を分析されましたけれども、その中で単価差が約三千億見込まれる、こういうような説明でございます。しかし単価差が三千億の開きがあるということは大変なことじゃないかと思うんですね。自治省が約五百億の積算で、これが七百億か一千億以内の差でございますならば、どういうふうな数量差であろうと単価差であろうと、これはあり得ることだと思うのです。ところが六千三百億の中の三千億の単価差だということは、場合によれば、時間帯で言えば、これを解消するには一世紀もかかるというような印象さえも持たざるを得ない、こういうふうに思うのです。私も約十年ばかり地方自治体の首長の体験者でありまして、ひしひしとそういうことを感じております。時間があと十分くらいしかないので、ここで事細かにこれを解明して質疑応答するわけにはまいりませんが、特にこういった単価差というものにつきましては、私はもっともっと努力して是正をさるべきものではないかと思いますので、ぜひひとつ一層の御努力をいただきたい。いろいろな交付税の中の計算の物差し、そういう中でいまのような問題は当然是正されなければならないと思いますので、あわせてその点につきましても努力を要望いたします。 次に、これまた副大臣の所信を聞きたいのですが、最近は、けさの新聞を見ましても、大きいものはよくないのだ、悪いのだ、つい一、二年前までは、テレビではでっかいことはいいことだというふうなPRをしておりましたが、このごろは必ずしもそうではない。それと同時に、世の中が非常に複雑多岐、価値観の多様化、こういうふうな時代になってまいりました。しかしながら、それはある程度時代が進展した今日ではやむを得ないと思いますが、政治もそれに従って非常にわかりにくくなってきたと思うのです。それについては私はできるだけ簡明に、そしておじいさんでもおばあさんでも、特に若い青年たちが、政治の内容について読んでも聞いてもわかるような政治を行わない限り、これから政治に対して顔をだんだん背けてくる、こういうふうに思うのです。その点は同感ではないかと思うのです。 そういうことの中で、私は、きょうのわずかな時間の質問のために、きのう、選挙区の中の二、三の自治体を回っていろいろと担当者の方のお話を聞いてまいりますと、特に特別交付税、この物差しと言いますか申請に対しての決定と言うのですか、これがまことにわからない、こういうお話を異口同音に聞きまして、私も話を聞いておって全く同感したわけです。そういう内容をもっともっと明確化する、こういうことをやることが当然必要ではないかと思いますが、やる考えがあるかどうかというのと、どういうふうにすれば、これを少しでもわかりやすく納得できるような方向に改善できるか、その具体的な考え方、方法がございましたならばひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○中山政府委員 ただいまのお話、地方団体にとってはもっともなことであると思います。私どもも普通交付税についてはガラス張りでやっておるわけでございますし、特別交付税につきましても、できるだけ地方団体にも納得のいくような形で明確化に努めてまいりたいと思います。詳しいことは局長から……。
○首藤政府委員 若干補足をさせていただきますが、特別交付税でございますので、普通交付税で捕捉をされない特殊の事情、こういうことになりますものですから、全部を完全に算定ルールに乗せて算定をする方程式を立ててしまうということは事実問題としてなかなかむずかしゅうございます。 しかし、御承知のように省令を出しておりますが、相当程度のものはいわゆる算定ルールを決めておるわけでありまして、特に今度二回に分けたのですが、十二月に交付をされます分については、これは完全な算定方式を決めております。できる限りそのような算定方式を明確にし、また減額項目の引き方のルールも明確にして今後とも努力をしていきたい、こう考えております。
○石川委員 それと関連があるのでございますけれども、基地を持っている自治体には自治省の方から基地交付金というものが出されておりますが、この基地交付金というものについては、政務次官は、これは一体何ですかとやさしく質問されたときにどういうふうに御説明いたしますか。
○中山政府委員 基地がその自治体に存在することによって起きてくるいろいろな行政、財政の需要、これは内容はいろいろ複雑であろうと思いますが、それに地方団体が対応でき得るような資金の援助をする、そういう性格のものであろうと思います。
○石川委員 いまの説明でわからないこともないのですけれども、それではやはり座談会に行ったときのおばあさんおじいさんには、ちょっと理解が困難ではないかと思うのです。 そこで、これは私の解釈ですが、あれだけの膨大な面積の基地がありますと、当然、もしこれが基地以外に利用されておったならば、入ってくるべき固定資産税その他いろいろとあるわけですが、そういうものに対応する処置ではないか、こういうふうに思っております。もし、そうであるならば、基地によっては防音上かなりいろいろ拡張したものもあると思うのですが、そういう点は対象外になっている理由は、一体どういうところに理論的根拠が成り立つのか、これをお聞かせ願いたい。
○森岡政府委員 基地交付金は、先ほど政務次官からお答え申しましたように、基地の特別の財政需要というものを念頭に置きながら、いま御質問の中にありましたように固定資産税が入らない、したがって固定資産税にかわるべきものとして交付をしておるわけでございます。 ところで、米軍に提供しております基地施設につきましては土地建物、工作物、これは全部対象にしております。自衛隊の使用しております基地施設につきましては、飛行場とか演習場とか弾薬庫とかいうふうに限定をいたしますと同時に、土地に限定しておるものもございます。これにつきましては非常に議論のあるところでございますけれども、結局、純粋の公用財産でございますので、一般の官庁とかそういうものとのバランスという議論がどうしても出てまいります。結局、そういう意味合いで、非常に広大な土地があって、土地を占拠されておってその地域の発展もままならない、そういうところに重点を置いて資産をしぼらざるを得ないということで現在、自衛隊施設につきましては、先ほど例示いたしましたようなものに限定しておるわけでございます。しかし、なお、地元市町村ではその拡大について非常に要望が強うございますので、私どもも今後努力をしてまいりたい、かように思います。
○石川委員 努力の目標がかなり鮮やかに目前にあらわれているか、かすんで見えるか、どうもまだまだ非常に遠のいているようにも見受けられますので、私はやはり、それだけいろいろな滑走路その他、保安上、防音上から拡大した面積については、当然対象として計算の中に入れるべきではないかと思います。そういうことで、この点につきましてはさらに一層の努力をひとつお願いしたいということで要望にいたします。 こういう基地の交付金は自治省から出るのですが、あわせて防衛関係から出ているのがあります。特に特別基地交付金ですか、こういうのが防衛庁から出ていると思うのですが、これはさっき言った基地交付金とは何ぞやという説明に対しては、一体どういうふうに解釈したらいいのですか。
○三條説明員 いまの御質問の事項は、防衛施設周辺生活環境整備法第九条によります特定防衛施設周辺整備調整交付金でございます。これは面積の広大な防衛施設であるとか、飛行機の音響に起因する障害の著しい飛行場等、その設置、運用が周辺地域の生活環境だとかその開発に著しい影響を及ぼしている防衛施設の周辺地域におきまして、たとえば障害防止工事であるとか民生安定施設の整備等につきまして、防衛施設庁は関係地方公共団体に対しまして相当の助成策を講じておりますが、基地周辺の市町村におきましては、基地のない市町村に比べますれば、環境整備に当たりそれ以上の努力を余儀なくされているということがございますので、これらの防衛施設及び周辺の市町村を特定防衛施設及び関連市町村として指定いたしまして、これらの市町村がさきに申し上げました整備のために行う公共の施設の整備等に充てるための使用に対しまして、当該市町村に対して交付する交付金でございます。
○石川委員 平たく一言で言えば、自治省の基地交付金に対して防衛庁の関係のものにつきましては、迷惑料というような性格が非常に濃厚ではないかと思いますが、そういうふうに解釈してよろしいですか。
○三條説明員 迷惑料と申し上げてはなんでございますが、要するに、広大な基地、周辺に障害を与えます基地が所在することによりまして、関係市町村が一般以上の需要を生じているいわゆる行政需要に対しまして交付する交付金ということでございます。
○石川委員 そうなりますと、私は自治省の所管のものと防衛庁のものとは素人には全くよくわからないと思うのです。特に基地がありますと、そのためにいろいろな問題がこの周辺にはあるわけです。それを抱えておる、接続しておる隣村の市町村長さんのまたいろいろと問題があるわけです。そういうことで、基地のある周辺の自治体は常に住民とのいろいろな関係が生ずる。その場合、いろいろと説明するのに、やはり国防上こういうものは必要なんだという前提に立って私どもは説明してまいりました。であるから、こういうふうな迷惑料やらいろいろなものが金の形で入ってきているのですよと説明しているのですが、いまの説明では全く自治省のものと防衛庁のものとが区別がわからない。どこが境だかわからないと言っても私は言い過ぎでないと思うのですね。ですから住民の人たちは、何だか知らないけれども自治省の方からも来る、防衛庁の方からも来る、一体金はどれだけ来ているのが正しいのか、多いのか、もらい過ぎないのか、あるいはもっともらうべきものがあるのか、そこさえもはっきりしないことが非常にあるわけなんです。そうすると、血税であるこういうものを地方自治体が受けても、本当になるほどなと納得しているかどうかということに私は疑問を持たざるを得ないと思うのです。そういう点はもっとやはりできるだけ、できるならば、いまの説明ぐらいなら私は一本化したっていいのじゃないかと思うのですよ。一本化できるかどうか。 それからまた、もう少し内容を調べてみると、もう時間がありませんから敷衍できませんが、非常に数字の上も減ったりふえたりしているのもあります。その内容を担当官に聞きますとわからない、地方自治体では。まあ地方自治体の担当する職員も不勉強かあるいは積極性がないのかもしれませんが、いずれにしましてもこういう金がたとえ一円でも、これは税金である限り、やはりしかるべき納得のもとにこれを受領するということでないと私はいけないのじゃないかと思うのです。また受領する方も、それを交付する方も、私に言わせるならばきわめて内容が何かつかみかげんで、適当に政治的な面も配慮しながら出されているというふうな印象さえも与えられます。こういうことですと、非常に私は基地の住民対策上困る、こういうふうに思いますので、ここいらもう時間がなくなりましたからやりとりできませんが、一括して、私は前段申し上げましたように明るいわかりやすい政治、行政、こういうことを特に指摘をしたいために一例を申し上げたのでございますので、十分ひとつ質問の意図するところをおくみとりいただきまして、今後行政の簡素化、明朗化に御努力をいただきたい、こういう強い要望をいたしまして質問を終わります。
○大西委員長代理 次に、新村勝雄君。
○新村委員 私は、千葉県北部を通る高速自動車道路の建設に関して、この仕事の進め方及びその中で起こった問題についてお伺いをしたいわけであります。 まず初めに、その中で現地の測量に関して公団当局と地元との間でトラブルがあったわけでありますが、その問題を先にお伺いしたいと思います。 まず警察庁にお伺いいたしますが、警察の権限、これは常識的にも法的にもわかっておりますけれども、この法律、これは警察法でありますが「この法律により警察の職務を行うすべての職員」とありますけれども、これはどういう者を指すのか、まず最初にお伺いしたいと思います。
○吉田(六)政府委員 警察官でございます。
○新村委員 道路の建設に当たって現地で公団が測量したわけでありますけれども、この測量に当たって、公団の方ではガードマンを頼んでそして強制的に力を行使をして目的を達成をしようとしたわけであります。そういたしますと、これは私人、厳密に言えばガードマンは私人であると思いますけれども、私人が力を行使をするということは、これは大変不穏当であろうと思います。私人が他に物理的な力を行使をした、及ぼしたというような場合は、これは当然違法であるし罪になる事態ではないかと思いますけれども、御見解を伺いたいと思います。
○吉田(六)政府委員 警備業法によりましてガードマンは仕事をやっているわけでございますが、この警備業法によりましてもガードマンに特別な権限を何ら与えていないということでございますので、一般私人と全く変わりないわけでございます。 ただ、ただいまの御質問のその実態につきましては、私どもまだ何ら承知しておりませんけれども、一般論として申しますと、不正な侵害に対しましては管理権に基づきまして、私人といえども社会通念上許される限度内では権利を行使することができるというように解しております。ただその限度を越える場合には、いま御指摘のような違法な状態が発生するということも当然考えられるわけでございます。
○新村委員 私人といえども許される場合があるということのお話でありますけれども、それはどういう根拠に基づいてどういう場合に許されるのであるか、具体的にお話しを願いたいと思います。
○吉田(六)政府委員 わが国の法体系のもとでは、法に根拠を有する場合実力行使ができると一般的にはなっております。 ただ管理権の侵害行為に対する除去の手段、方法については、社会通念上許される範囲内では、いかなる人も、それは、たとえば押し売りが自分のうちに入ってくるというような場合、手でそれを入れないように排除するというような限度内におきましては、社会通念上当然許されるというように解しておるわけでございます。
○新村委員 そういたしますと、管理権というのは常識的に言えば正当防衛というようなことでよろしいかどうか。 そうしますと、公権力の発動に際してそれを援護する、あるいはその目的を達成するために実力を行使をするという場合には、これは私人がそこに介入する余地はないと思うのですけれども、それらの点を伺いたいと思います。
○吉田(六)政府委員 ガードマン会社がその公の事業につきまして、契約に基づいてそこをガードするというような一般的な契約が成り立っているという場合には、やはりその公の機関と同じような範囲内において、通常許される範囲内、まあ管理権の侵害行為に対しては限度を越えてはもちろんならぬわけでありますが、許されるというように解しております。
○新村委員 管理権の行使ということになりますと、これはあくまで消極的に解さなければいけないと思うのですね。たとえば、一つの施設がある、そこに外部から侵入してきたということに対する防衛というような場合、そういう場合には最小限度で許されるという意味だと思います。そうではなくて、一つの積極的な行為をする場合に、そこに私人が介入して実力を行使するということは、これは明らかに不穏当ではないかと思いますが、その点はいかがですか。
○吉田(六)政府委員 具体的な事実関係に即して、そのケース、ケースによって判断しなければならないと思いますが、御指摘のように、管理権の侵害行為に対する排除と申しましても、通常それは正当防衛あるいは緊急避難を除いては一般的にはできないというような限度がございますので、あくまでも具体的なケースによって違法の状態があるかどうかということを判断しなければならないというように考えております。
○新村委員 そうしますと、一般的に、積極的に法に基づかずに実力の行使をするということになりますと、これは暴力団が実力を行使する、暴力をふるうのと本質的には変わらないと思いますね。その点をお伺いします。
○吉田(六)政府委員 何度も申し上げるように、限度を越えればまさに違法の状態があるというように判断せざるを得ないと思います。
○新村委員 そうしますと、そういう事態が起こった場合、これは当然警察はそれを阻止をする、取り締まりをする、抑えるという責任があると思いますけれども、いかがでしょう。
○吉田(六)政府委員 違法の状態が行われておれば、警察としてはそれに関与するのは当然でございます。
○新村委員 そういう事態が起こったという場合に、その事後においてもやはりこれが責任を問われないのかどうか、その点を伺います。
○吉田(六)政府委員 侵害の程度、方法、そういうものにつきまして具体的に個々のケースに即して判断しなければならないわけでございますが、現実に違法な事態があったということであれば、事後にあってもそれは当然警察として捜査すべきものと考えます。
○新村委員 さらにまた、そういう事態が将来起こり得るという場合には、これは責任を持って事態の保護あるいは収拾に当たるということでよろしいわけですか。
○吉田(六)政府委員 私どもは警備業法の精神にのっとりまして、警備業を行う者に対しまして、常々行き過ぎのないよう指導監督いたしておるところでございます。
○新村委員 それでは次に公団にお伺いしたいのですが、実はこの問題は予算委員会の分科会でもお伺いをいたしましたが、十分ではなかったので引き続き、同じ問題でありますけれどもお伺いをいたしたいと思います。 まず最初に、この仕事は国土開発幹線自動車道建設法という法に基づいてやっておるということになっておりますけれども、この法の概要についてまずお伺いしたいと思います。
○吉田(喜)参考人 お答えいたします。 高速自動車国道の建設は、幹線自動車道建設法に基づきまして、まずその基本計画を国が決め、それからさらに整備計画を決定される、その整備計画を決定されるためそれぞれ幹線自動車道の審議会を経てそれが決まるわけでございまして、整備計画が決まりましたならば、建設大臣が当道路公団に対して、別紙の整備計画に基づいて道路を建設し、あるいは料金を徴収しろという施行命令が出てまいります。その施行命令に基づいて私たちは仕事をいたすわけでございまして、国土開発幹線自動車道建設法というものは、国土の普遍的な開発を図るということで全国的に高速道路の建設をするというのがその法の趣旨でございます。
○新村委員 御承知のように、常磐高速については千葉県の北部、流山、柏両市を通るわけですけれども、この計画が発表されますと直ちに地元では当局に対して、住宅密集地帯を通るわけでありますので、全くのこの新しい住民が長い間努力をして蓄積をしたその貯金で貴重な宅地を買い、そして住宅をつくった、そういう純然たる住居、住宅地域であります。したがいまして、そこを道路が通るということは非常にむずかしい、また住民としても大きな犠牲を払うわけでありますので、地元の住民及び自治体といたしましても公団当局にお願いをいたしまして、ぜひとも地下道方式を採用してもらいたいということを強く要望いたしておるわけであります。ところが、なかなかこの地元の要望が入れられないというのが実態でありますが、そういう困難な状況のもとで、しかも住民、自治体、議会、これらが一体となってお願いしておるにもかかわらず、なぜ地下道方式が採用されなかったか、これをまずお伺いしたいと思います。
○吉田(喜)参考人 ただいまお話のありました常磐自動車道につきましては、私たち建設大臣から施行命令をいただきましたのは四十五年の六月でございます。施行命令をいただきました際には、あの地域につきましては、四十五年と申しますといまから七年ばかり前でございますが、整備計画をつくるその前に、さらに数年前から基本計画の調査を建設省でしていたと思います。その結果、あの地区では、御指摘のように若葉台あるいは東初石その他の住居地域がございますが、江戸川を渡りまして利根川の間にどこに路線を引くかということをいろいろ調査をした結果、やはり現在路線が一番いいんだろうということで大体私たち施行命令をいただいたわけです。私たちは施行命令に基づきまして、さらに公団としての路線がどうあるべきかというふうな調査をいたしました。その結果、やはり周辺の状況から見て、大体基本計画、整備計画で予測をした路線が一番いいのじゃないかということで、それを中心にいたしまして路線発表を四十六年の十二月に行ったわけでございます。施行命令をいただきましてからちょうど一年半かかりました。そこで地域の方々からは路線を変更しろというふうなお話がいろいろありましたが、最終的には、路線は結構だ、ついては道路構造を地下道またはそれに類する構造にしていただきたいという陳情を受けたわけでございます。 長大トンネルといいましょうか、地下構造、ということはいわゆる地下鉄並みのトンネルでございますが、なぜ私たちがトンネルをきらっているかということを申し上げますと、まず一番初めには、やはり自動車から出ます排気ガスをどう処理していくかということが一番大きな問題じゃないかと思います。したがいまして、トンネルにしますと、そのトンネルの出入り口で排気ガスあるいは騒音が集中して発生してまいります。この地域は住居地域でございますので、やはりできるだけそういう問題を避けたい。一カ所で排気ガスあるいは音が集中するということを避けたい。しからば、そのトンネルの延長を長くすればいいじゃないかというような御議論があろうかと思いますが、トンネルを長くいたしますと、要するに非常に大規模な換気施設が必要となってまいります。たとえば首都高速道路公団でおやりになっております羽田の近くの湾岸線の一部に沈埋トンネルがございます。これは延長が約一キロ三百ございまして、これは六車線の同様な道路でございますが、その一キロ三百のために地上に約五十二メーターに及ぶ換気塔を両サイドに設置をいたしております。したがいまして、ああいうふうな住居地域でそういうものをつくるということは、またそこに換気施設をつくりますと、そこでさらに換気のための音が出てまいります。いわゆる二次公害的なものが出てまいります。その二次騒音をどうするかということを考えますと、現実の問題として、あそこを全部トンネルにするということがなかなかむずかしい。また、現在私たちの持っておる技術では、この二次公害まで含めてすべてのものを完全に除去していくことは大変むずかしい問題でございます。そういうことで、高い換気塔をつくることも、あのエリアから見て、あそこの美観と申しましょうか、になじむ問題じゃないということが一つの問題でございます。 第二に、もう一つ問題は、長大トンネルというものになりますと、これはやむを得ず、どうしても山岳でぶち抜かなければならない場合は私たちつくりますが、それ以外の方法があれば、できるだけ避けたい。なぜ避けたいかと申しますと、トンネル内で火災が起きた場合や事故が発生した場合に、どうしても救急業務その他に制約を受けるわけでございます。制約を受けるということは、走っていただく、利用していただく方々に対する安全性の確保と申しましょうか、こういう点が若干低下するということで、原則として長大な隧道は避けたいということを私たちは考えておるわけでございます。 したがいまして、きょう御指摘の個所につきましては、この前も申し上げましたように、地面を大体五メーターないし十メーター程度掘り下げまして、その真ん中の中央分離帯に連続した壁を設ける、しかも、その切り下げた土地の両側に約二十メーターの環境施設帯を設けて、そこに植樹をします。それからその路肩、先ほど申しました中央分離帯の上には、ひさし型の遮音壁を設計するというふうな構造、この構造を半地下構造と私たち申しておりますが、地元の方の御意見を十分尊重いたしまして、こういうふうな半地下構造を提案した次第でございます。
○新村委員 この問題は、単に道路をつくるというような技術的な問題、あるいは局部的な、そこの地域において住民と衝突をしておるというような問題にとどまらず、地方自治あるいは住民自治、それと国との関係にもかかわる非常に大きい問題だと思うのです。というのは、地域の住民にいたしましても、これは決してまるきりむちゃくちゃなことを言っているわけではございませんし、ある意味では公団あるいは国の御方針に協力をする姿勢もとっておるわけであります。そしてまた、もちろん住民を先頭といたしておりますけれども、市長あるいは議会も、住民の立場を全面的に理解をして、一体となって国にお願いをしておるというふうなことでありまして、決してむちゃを申し上げておるわけではないわけであります。ただ、地域が純粋の住居地域でありまして、その真ん中を引き裂くわけでありますから、公団としても建設省としても、よほどの決意を持って臨んでいただかなければならない。そういうきわめて特殊なケースではないかと思います。しかも、いままでのように一方的に、先ほどガードマンの話が出ましたけれども、そういう力で押し切るというような問題ではないわけですね。あくまで地元の住民あるいは自治体と徹底的に話し合いをしていただいて、そこで合意に達してりっぱなものをつくっていただくということでなければいけないと思うわけです。そういう意味では地方自治体と国との関連、地方自治の問題でもあるということで、ここでお願いをするわけです。 そこで、先般もお願いをいたしまして、現在提示をされておる設計は決して絶対不動のものではないというふうなことも伺ったわけでありますけれども、ぜひそうあっていただかなければいけないと思いますが、その後現地における仕事の進め方、あるいはまた最終的な設計等について、どういうふうに再検討なさっておるか、お考えになっておるかをお伺いしたいと思います。
○吉田(喜)参考人 先日お話しいたしましたとおり、私たちただいま提案しております住居地域に関する半地下構造という提案、これは大変失礼な言い方かもわかりませんが、私たちかなり自信を持った構造であるというふうに考えております。したがいまして、今後の進め方といたしましては、提案をいたしました構造を中心にいたしまして市及び議会関係の方々と話し合いをしていきたい。これは私たちは誠意を持って話し合いをしたい、そこでできるだけ早く問題を解決するように努力してまいりたい、かように考えております。 ただ、先日来申し上げましたように、あの構造を基本的に変えるというふうな意思はございません。あの構造に対して、私たちは現在の遮音壁で十分遮音効果を発揮し、環境基準で示す騒音を守っておるというふうに考えております。 なお、先日来申し上げておりますように、あそこは住居地域でございますから、数多くの道路と立体交差をいたします。したがって、現在の市道その他の道路があそこへ掘り割りで入ります道路の上を通る形になろうかと思います。この立体構造をどうするか、どういうふうな形でこの交差をしていくかということを中心にこれから御協議を申し上げたい、かように考えておるわけでございます。
○新村委員 いろいろ御苦心はわかるのですけれども、そしてまた、十分検討をしたいということでありますが、基本的には変える考えはないとおっしゃいましたね。基本的に変える考えはないということになりますと、その限界はどこにあるのか。設計変更といいましても、これは幅が大変に広いわけであります。若干の手直しをして、掘り割りをあと五十センチ下げることも設計変更でありますし、また地下道にするということも、広い意味での設計変更であります。また上に覆いを全面的にかけるというのも設計変更でありますから、基本的にと言うその基本的というのはどの程度か、お伺いしたいと思います。
○吉田(喜)参考人 ただいま先生からお話がありました、あそこを全部地下道にする、あるいは全面的にふたかけをするというふうなことは考えておりませんと、かようなことでございます。考えていないということは、大変失礼な言い方でございますが、当初申し上げましたように、長大トンネル、こういうことは道路構造の面からできるだけ避けてまいりたい。それ以外に対応する方法があればその方法をとってまいりたい。あそこでは半地下構造ということで、両側に二十メートルの環境施設帯を設け、それに植樹をし、さらに路肩及び中央分離帯にはひさし型の遮音壁を入れる。このことによって騒音に関してはまず環境基準を守られるということでございます。ただ、あと設計協議をしなければならぬということは、そういうふうなことを前提に置いて、いま申しましたように各種の道路との交差の問題がございます。それからまた、そういうふうな交差の道路を含めまして、柏と流山で延長約千四百メートルというふうに考えておるわけでございますが、この延長につきましても、これから地元の方々とお話し合いをすることによって若干の伸び縮みも出てくるのではないか、かようなことを考えておるわけでございまして、あの構造をやめて全部トンネルにせい、あるいはふたかけにしろとおっしゃるような御提案については、いま考えていないということが基本的という意味でございます。
○新村委員 いまのお話で、現在の設計でも環境基準が守られるというお話でありますけれども、これは別の調査によりますと、現在の公団の御計画では環境基準を守れない、むずかしいという調査も出ておるわけです。それと状況というのは刻刻に変わりますので、現在どういう状況設定のもとに推定をなさっておるのかということも問題でありますし、また自動車の交通量が将来必ず変わるわけでありまして、急速に数がふえていくと思いますけれども、そういうことで状況設定の仮定が、調査をするといいましてもいろいろな仮定がありますから、その仮定によって違うわけですけれども、一つの調査によると、公団の設計では十分でないという結論が出ておるわけです。こういう点について万全の自信がおありであるかどうか、その根拠等について伺いたいと思います。
○吉田(喜)参考人 ただいまお話のありましたように、あそこは六車線の道路でございまして、やはり六車の計画交通量がすべて乗った場合のことを私たちは考えております。 ただいまお話のありました問題につきましては、当初の掘り割り式の道路を提案した場合、恐らくそれは環境基準を守れないのじゃないかというふうな一部の御説がございました。そこで、その後私たちも交通量のとり方あるいは大型の車種、要するにトラックの大型車の混入率をどう見るか、それから時間当たりピーク交通量をどう見るかという見解の相違も若干ございまして、一部そういうふうな御指摘のレポートも出たように私は聞いております。その後われわれは検討いたしました結果、今度新しく昨年提示いたしましたように、真ん中にも隔壁を全部設ける。それから、中央分離帯、両側にもひさし型の遮音壁を入れる。遮音壁の高さも大体三メートルくらいだ。その両サイドに植樹をいたしましょう。このことによりまして、両側の住居から道路をながめた場合、樹木の陰に遮音壁が見えるという姿になって、都市としての隔絶感がなくなるのじゃないか、こういうようなことを考えておるわけでございまして、数値計算がどういう式でやってどうだというふうなことについては、きょうここに資料を持っておりませんが、これはまた改めて御説明いたしたいというふうに考えております。
○新村委員 ただいまのお話では、将来の想定もしているということでありますが、道路公団の方でおつくりになった資料の中にも「毎日の交通量等、交通の条件については必要に応じ見直される性質のものである。」というようなことが書いてあるわけであります。そういうことになりますと、これは決して将来にわたって保証されるものではない。状況によってはどうにでもなるということであります。こういうことでは決して住民を説得する力はないと思います。ですからそういう状況の中で、何ゆえ公団御当局は現在の設計を固執されるのか。基本的に変える考えはないということできわめて固執をされておるようでありますけれども、出入口の二次公害の問題とか、あるいは中の排気ガスの問題等については、これは十分に技術的に解決ができるはずでありますし、また現にそういうことをやっておるところがあるわけです。沈埋トンネルにおいてもそうでありますし、また都内においても、地下道の部分をガス処理しておるという実例もあると思いますけれども、そういう実例についてひとつお示しをいただいて、なぜここができないのかという点を、もっと説得力のある御説明をいただきたいと思います。
○吉田(喜)参考人 ただいまの個所につきましては、私たち一日交通量が六万五千台で、一時間当たりの時間交通量が大体千三百台、そこで大型車の混入率を四二%、そこを走行する車の速度が大体九十五キロくらいで走っておる、こういうふうな推定のもとで計算をし、かつ模型実験をいたしました。模型実験をいたしました結果、夜間交通においても現在お示しの五十デシベル以下になる、かような結果を得たわけでございまして、それで私たちは環境基準を守り得る、かように申しておるわけでございます。 それからまた沈埋の話も出ましたが、現実にああいうふうな個所で、五十二メートルというふうな大きな建造物が千三百メートルの両側に建っておるわけでございまして、このエリアで五十二メートルというふうな非常な高層建築物を数多くつくっていくということが果たしていいだろうか。環境に一体合うだろうか。環境庁案のことを考えますと、そういうことよりも、いま私たちが提案しております道路の両側に緑を持つ、しかもその中で遮音壁を設置していく、これでそのことができるのであればその方がよりベターではないかということで、私はこの設計に対して自信があると申し上げたわけであります。
○新村委員 ベターであるというのは公団の方の御見解だと思います。それは地元の住民からすれば、現在の科学の及ぶ限りの対策をとってもらいたいというのが人情であります。しかも現在すでに実績があるわけでありまして、長大トンネルで両側の二次公害を防ぐ、あるいは中のガスを処理しているという実例が実際あるわけですから、あそこへそれを適用することは決して不可能ではない。また、もちろんそれには経費もかかるでしょうけれども、経費のかかるかわりに、住民の福祉ということは金にかえられない問題だと思います。ですからそういうふうに常に経済主義、金で目方をかけて安い方をとるというような経済主義だけでは、公共事業はこれからはやっていけないのではないか。特に地域の住民の生活と関係の深い、環境破壊を伴うおそれのある仕事については、経済主義だけでは律せられない。環境保護、また何よりも住民の生活を保護するという見地が最大限に尊重されなければいけないし、先行しなければいけないと思います。そういう意味で、現在すでに実績があるわけでありますから、なぜそれらを真剣にお考えになれないのかということについてもう一回伺いたいと思います。
○吉田(喜)参考人 先ほど申し上げました長大トンネル、たとえば恵那山トンネルのような長大トンネル、あるいは今後建設いたします関越のトンネル、十一キロございますが、そういうところにはいまおっしゃいましたような換気施設をつくりますが、これは非常に規模の大きなものでございます。一例として先ほど沈埋の話が出ましたが、これでもかなり大きな規模でございますので、そういう大規模なものをあのエリアの中ににょきにょき建てることが果たして環境とマッチするであろうか、それ以外でも同等の効果が望めるものがあれば、むしろその方が周辺環境との調和ということでいいんじゃないか、かように考えておるわけでございます。
○新村委員 公団当局では、調査書の中で実験と実態とでは違うということは認めておられるわけです。ですから、そういうことを認められる限りは現在の設計が絶対不動のものではない、動かせないということにはならないのではないか。住民との話し合いの中であらゆる可能性を追求していくという姿勢が基本的になければいけないと思うのですけれども、それがいまのところ感ぜられない。限界があるんだ、基本的な設計変更は考えられないということでありますけれども、公団みずからが、実験と実態との相違についてはあらかじめ正確には想定できないんだと言っておられるわけですね。ということは、現在の設計どおりに善意を持ってやってもその結果としては相当に危険がある、自信のない面があるということをみずから告白をしていらっしゃる結果になっているわけですけれども、それらについてはいかがでしょうか。
○吉田(喜)参考人 実験結果が実態にぴしゃっと一致するということ、これは恐らく予測でございますから若干の誤差というものはあり得る、それがプラス方向になるかマイナス方向になるか、両方あろうかと私は思います。それでいまのところ交通量、それからあの構造、それから計算、模型実験を見ましてまずまずこれでよろしい、これでまず周辺環境の調和は保てるというふうに私たちは考えておるわけでございまして、おっしゃるように、二十年先あるいは何年先におかしいんじゃないかという問題も出るかもわかりませんが、しかし幸いにして、通過する車につきましてもいま環境庁なり通産省の方で排ガスの規制といいましょうか、車そのものの構造規制、あるいは車の騒音の問題についても規制を考えていらっしゃいまして、いつまでもいまのような状態で車があるとは考えられません。車が騒音あるいは排ガスという点でもう少しよくなってくるんじゃないか。その両方相まちますと、必ずしも実験結果に対してすべてがマイナスに転ずるということは考えられないと私は考えております。
○新村委員 現在公団が最良と考えておられる設計でありますけれども、仮にこの設計でやった場合に、将来ガス処理という技術が一層発達をして、大規模なタワーをつくるとかなんとかしなくてもできるときが近い将来あると思いますが、そういう場合にはあと騒音が残ってくるわけですね。現在の設計は、完全なふたかけの障害はガス処理にあるということですから、ガス処理が仮にできるとすれば、将来ふたかけに改造することができる設計になっているのかどうか、それを伺いたいと思います。
○吉田(喜)参考人 現在設計では両サイドに遮音壁を設けるということになっております。遮音壁の高さは三メートル、将来先生がおっしゃるような問題が万一——私はキャパシティ交通量、計画交通量をほとんどいっぱいに見ましてそれで計算をし、実験をいたしておりますから、夜間でも、さっき申しましたように一時間千三百台の交通を通した場合の騒音値の推定をし、かつ模型実験をやっておるわけでございます。 もう一つ、そういう実態になりますと、先ほど申しましたように速度を九十五キロで計算をいたしております。現実によりますと速度規制という問題あるいは積み荷の規制という問題もございます。積み荷につきましては、私たちインターチェンジにおいてトラックの積み荷がどうなるかということを現在も厳重にチェックをしております。そういうことをやりますと、音の問題もかなり普遍的に下がってくるという現状でございまして、私たちの計算は必ずアッパー、アッパーをとって計算をしておるわけでございます。 将来ふたかけができるかということですが、供用開始後無理をすればやってやれないことはない構造でございます。原則的にはいまは遮音壁を設置するという構造で考えております。
○新村委員 先ほどおっしゃったように、ふたかけができないというのはガス処理ができないからだというお話、それから出口あるいは入り口での二次公害の問題だということでありますから、その二つが解決すればすぐにでもふたかけをなさるかどうか、この点なんです。
○吉田(喜)参考人 その二つの問題が完全に解決ができる、しかも国民経済の面からながめまして決して不得策のものじゃないという結論が得られる段階になりますと、検討いたしたいと思います。
○新村委員 それは技術的にもそうですけれども、そこに何万という沿道の住民がいるわけですね。その沿道の住民の生活を守るあるいは健康を守るという金で計量のできない、数字的に計量のできない事態があるわけですけれども、これとの比較考量をしなければいけないと思うのです。そういう点をどう考え、どういうふうにウェートを持っておやりになろうとするのか伺っておきます。
○吉田(喜)参考人 周辺の環境対策につきましては私たちも非常に深く考えております。したがいまして、音の問題につきましてはいまの遮音壁、側方の二十メートルも余裕幅をとりましょう、そこには植樹をいたしますということを考えておりますし、大気汚染の問題につきましても、おっしゃいますように固定発生源の問題と道路の上を走る移動発生源の問題、この両方で物が出てくるのだろうと考えております。移動発生源につきましては、日本版のマスキー法という問題もございます。排ガスの規制をだんだん行っていくという問題、それから大気汚染に対する環境基準も一部NO2については見直しを始めようという状態になっております。決して私たちは沿道の方々の健康を無視しているということじゃございません。十分それは考えて仕事をしていきたいと考えております。
○新村委員 先へ進みまして、要するにこの問題は地域の住民あるいは自治体とどうかかわり合っているのか、またその関係をどう解決していくのかということが基本だと思うのです。設計もさることながら、地元では、ぜひ地元と十分な話し合いをしていただいて、合意の上で仕事をしてもらいたいということを熱望しているわけですね。これはこの問題だけではなくて地方自治の根幹にかかわる問題だと思うわけです。ところが残念なことに先般のような衝突事件が起こったわけですね。しかもその前に公団御当局は、地元と協定を結んで決して一方的にやらないという約束をなさっていながら、ああいう事態を招いたということについては、われわれまた地元の住民としても大変残念に思っているわけですよ。ですから、これからひとつこの問題については、住民、市と合意のもとにやるという原則をぜひ確認をいただきたいと思うのですけれども、その点について……。
○吉田(喜)参考人 ただいまの問題につきましては市の御当局といろいろ話しまして、住居地域についてはひとつ市長とよく協議をしてやろうじゃないかということは協議は一応成り立っております。その後、今度は地権者の方々といいましょうか、将来道路敷になる方々から早く用地を測量をし土地を買ってくれ、用地買収をしてくれ、そうしないとわれわれは生活再建ができないんだ、生活再建のためにもあるいは自分たちの財産保全のためにも早く用地測量をして買収する幅を決めていただきたいという強い要望があったわけであります。それで市の方々と数回にわたり協議をしたわけですが、なかなか完全合意に達しない。一方、地権者はひとつ速やかにやっていただきたいということで、一応文書をいただきたいというので市の御当局に文書を出し、後ほどこれは十二月二十一日の市の議会の特別委員会で、まあいまのでやむを得ないんじゃないかということで御了承を得て測量したわけでございます。ただ、前回申し上げましたように非常に残念なことは、十一、十二の二日測量をやりまして、十二日は午前中特別委員会を開く、だから午前中は作業をやめてくれというので、わかりましたということで作業は中止したわけでございます。たまたま午後から決行いたすというので、午後になってすぐ作業を始めた。ただ、一方その特別委員会は午後もなお継続中だったわけでございまして、この委員会の終了を待たずに、終了を確認することなく作業を実施したということに対して大変私は残念に思っておりますし、この点は先日も反省をしていると申し上げたわけでございます。その点市の御当局あるいは市の議会の方々に対して大変御迷惑をおかけしておるのが現状であろうかと思います。今後は、私たちやはりそういうことをやったわけでございますが、ひとつ誠意を持ってこれからお話をしていきたいというふうに考えております。なるべく早く設計協議も完了をいたしたい、かように考えておるわけでございます。何分その辺のことを御了承願いたいというふうに思います。
○新村委員 住民の合意のもとに進めるということがポイントでありますけれども、これは住民と合意がなければ仕事をしないというふうにはっきりお約束いただけますか。
○吉田(喜)参考人 これから市の御当局あるいは市の議会関係の方々あるいは住民の関係の方々とお話しをいたし、お互いひとつ御理解も賜りたいし御協力も賜りたい、われわれも誠意を持って話し合いをしていきたい、かように考えております。
○新村委員 そこで、大臣がいらっしゃらないので政務次官に伺いたいのですが、この問題はお聞きのように単なる公共事業ではないわけで、地方自治の本質に触れる問題だと思うのですよ。いままで日本における公共事業は、ややもすると力を背景にして強行してきたという面が非常にあるわけですね。そのたびに、地元ではいろいろなトラブルが起こる、そして住民自治が破壊されるようなことがあったわけですけれども、これからはそれであってはならないし、また、これは単なる公団あるいは建設省だけではなくて、地方自治に関連をする問題として、ひとつ自治省におかれましてもこういう地域の問題については十分御関心をいただいて、場合によったら自治省が、まあ県もありますけれども、自治省が中に入って調停をされる、両方を説得をされる、合意の点を見出すということの努力をしていただきたいわけであります。 試みに、この問題についての世論調査がありますけれども、これによりますと、住民運動についてどう考えるかということですね。地域で住民に聞いたところが、一層この住民運動を強化して住民の立場を守るべきである、そういう意見が五五・四%あるわけです。それからまた、これは住民運動だけではなくて、市や議会や近所の諸団体と協力をして住民の利益のために努力をすべきだというのが三三・八%、いまのままでいいというのは四%しかないわけです。わからないというのが六・八%、こういう数字が出ておるわけでありまして、住民としても決して一方的にがむしゃらに自我を通すということではありませんで、あくまで地域の環境を守りながら工事を進めてもらいたいというのが現地の悲願といいますか、住民の気持ちでございます。この点についてひとつ政務次官御見解を伺いたいと思います。
○中山政府委員 先ほどからのお話にございますように、このような高速自動車道路などの建設に当たりましては、地元地域住民、また地元の公共団体との間に十分調整を進め、特に地元の環境、公害あるいは地元住民の感情の問題等を十分に配慮をした工事を進めるということが望ましいわけでございます。ただ、いま先生お話しがありました自治省が中に立つ考えはないかというようなことでございますが、これはもうあくまでも当事者間で十分な自主的な調整をし、話し合いをしていただくという立場をとっておりますし、また自治省にそういう権限もございませんが、しかし地方公共団体に関することでございますので、自治省といたしましても今後とも重大な関心を払って見守ってまいりたいと存じております。
○新村委員 もう一回お伺いしたいのですが、住民運動というのは、ある面ではそれは地域エゴというものもございましょうけれども、生活を守るという点では基本的には国の政策に反面的に協力をしているという面があると思うのですよ。仮に住民運動がなくて一方的に国の方の計画どおりに仕事がどんどん進められたとすれば、これは公害なり環境破壊というものが現在よりも何倍の形で後であらわれてくる、これは疑いのないところだと思うのです。そういう意味で住民運動について政務次官、どう評価なさっておるか、ちょっと伺いたいと思います。
○中山政府委員 地元の住民の意思を反映するという意味で正しい姿で住民運動が行われるということは望ましいことであろうと思います。ただ、いろいろな住民運動を見ておりましても、非常に感情的になったり、またごく一部の利害、利益といいますか、そういうものを代表するものであったり、また地域エゴといいますか、そういうものに陥ってしまうというようなものも間々散見されるわけでございますが、先生がおっしゃるように、これはもう考えようによっては地元との一つの大きなパイプにもなり得るわけでございますから、工事を施工する行政の側でもこれとの十分な話し合い、またお互いに冷静で沈着で科学的な話し合いをしていかれる、そういう意味で、この住民運動を大いに活用するということは大変望ましいことではなかろうかと思います。
○新村委員 いまのお話のように、ひとつ住民運動のいい面を活用なさって、その地域の一層の正しい意味の発展、向上に資していただきたいと思うわけであります。特にお願いをしたいと思います。 それから公団御当局にも、先ほどお話がありまして基本的な考え方を伺いましたけれども、ぜひともひとつ力で突破する、力で強行するというようなことのないように、地元といえども理性もあるし郷土愛もあるし、この基本的な点については理解しないわけではないわけですから、あくまで住民とそれからまた市、市長あるいは議会ともお話し合いを願って、合意の上で進めていただくという点をぜひひとつお守りをいただくように最後にお願いしたいわけです。終わります。
○大西委員長代理 午後一時三十分より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十分休憩 ————◇————— 午後一時三十七分開議
○大西委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。山田芳治君。
○山田(芳)委員 自治省プロパーの質問は後にいたしまして、ほかの関係各省からおいでをいただいておりますので、関係各省の関連から質問をさせていただきたいと思います。 経済企画庁の岡島参事官がお見えになっていただいておるようでございますが、最近の経済関係の雑誌にいたしましても、あるいは新聞その他を読みましても、ことしの景気の動向と申しますか、非常に食い違っておるように思うのであります。全体として言うと、マクロ的な指標から見ると、景気は徐々に回復しているというような意見はありますけれども、ミクロ的に見ると、各経営者、個々の企業等は、景気の先行きを非常に不安に思っているということが現実であります。先般、通産省が多くの企業から民間設備投資の動向を聴取したところ、ほとんど冷え切っているという回答が出てきたということは御承知のとおりであります。しかし、新聞を見ておりますと、きょうの日本経済でしたか、五十一年度の予算では約二千億程度の法人税が予算よりも増収されるであろうというようなことが言われております。一方、個人所得税に係る部分は、賃上げの影響でどうも伸びが悪い、酒税も同じように伸びが悪い、こういう状況であるというふうに言われております。きのうの日本経済新聞を見ると、景気が水面へ回復するのが非常に苦しい状態であるというようなことで、政策に対しても、その公共事業中心の政策に対する効果の計算でも、経済企画庁等政府筋では相当強気の見通しであるようでありますけれども、民間側は非常に計算が低い、落差があるということが指摘をされておるわけであります。五十二年の新しい年度が始まるに当たって、いずれ細かい点は交付税法の関係で質問をしたいと思いますが、大まかに言って、政府の言っている六・七%の成長というものが可能であるのかどうか、一体どういう形になるのか、後半において相当伸びてくるのかどうか。マクロ的には確かに徐々に回復しているという形があるわけでありますが、どうも鉱工業生産の指標を見てみますと、非常に悪い。五十二年に入ってから前年度よりも落ち込んでおるという鉱工業生産の状況であります。わずかに消費者物価がそう伸びないというところぐらいが救いであるというふうに思うわけであります。そういう関係を考えて、経済企画庁としては現段階において今後の日本経済の動向について、税収その他の関係がありますので、参考までにひとつ現在経済企画庁として考えている景気の状況とこれからの景気の状況というものについて、ここで現段階における考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○岡島政府委員 お答えいたします。 いま先生からマクロ的なとらえ方とミクロ的なとらえ方と少し違うのじゃないかというお話がございました。私ども経済企画庁にいますと、どうしてもマクロ的な資料を扱っておる関係からそういう判断にはなると思いますけれども、またミクロの立場だけで考えますと全体を見失うということもあるわけでございまして、そういう意味でマクロ的な立場からの御説明ということで御了承をいただきたいわけでございます。 いま先生申されましたように、わが国経済は現在基調としては緩やかな回復過程にあるというふうに私ども思っております。ただ、昨年春に輸出の好調なんかを土台にいたしまして大変に成長率は高かったという事態があったわけでございますが、その後輸出の増勢が鈍化するあるいは個人消費が伸び悩む、それから政府支出が少し落ち込んだというような事情がございまして、景気の回復テンポが緩慢化してきたというのは事実でございます。これを一般的に中だるみというようなことを、あるいはまたもう少しミクロの面から見た方は不況というような言い方をされているのだと思いますが、こういうような状況に対しまして政府が打ってきた手は御承知のように幾つかあるわけでございます。 昨年の十一月に公共事業の執行の促進というようなことを含めまして七項目の対策を決定いたしました。それからまた国会の御審議を経まして、特に公共事業の追加を内容といたします五十一年度の補正予算も提出し、その成立を見たわけでございます。それからまた、五十二年度予算も需要創出効果の大きい公共事業を伸ばすというようなことで編成したわけでございますが、去る十一日には公共事業の上半期における契約率を高める、おおむね七割程度にするということを目途として、その予算執行を急ぐための準備をするというような財政面の措置とか、あるいはまた住宅金融公庫の貸付枠を、昨年の十一月に少しふやしたわけですが、五十二年度の募集も少し早めることとか、あるいはまた金利の引き下げを推進するというような内容を含んでおります四項目の対策というのを決定したわけでございます。同じ日に、御承知のように日本銀行が公定歩合を〇・五%下げたというようなこともあるわけでございまして、そういうような対策を逐次講じているわけでございます。 そういうような対策を打っておりますことから見ますと、近く五十二年度予算も成立が見込まれているわけでございますから、そういうことと相まちまして、わが国の経済は持続的な回復を今後とも続けていくのじゃないかというふうに見ている次第でございます。
○山田(芳)委員 きのうも福田総理が参議院の予算委員会で答えておられるのは、まあ退院はできるけれどもまだ運動はできないのだという状況であるという比喩を使っておられるわけでありますが、そういう状況から言うと、私のいまの質問は、いまお話があったような点についてはよく承知をしておりますが、問題は、いわゆる六・七%の成長というものを確保していくためには、相当後半急成長を遂げなければ達成できないのではないかというふうに思うわけでありますが、この点についてはどうですか。
○岡島政府委員 景気の見方についていろいろな見方がございまして、いま委員の言われたような見方もございますが、先ほど委員も言われました昨日の新聞なんかの論調では、むしろ上半期は最近いろいろ手を打っておりました政府の支出の関係がようやく伸び出してきておる、順調になってきておるということとか、あるいはまた最近いろいろ国際的な問題もあるかとは思いますが、輸出がなかなか好調である、持続的に水準を維持しているというようなこともございまして、それからまた住宅も非常に潜在的な需要は強いわけでございますから、住宅公庫の募集を追加的にやったとかあるいは早めたというようなこともございまして、むしろ上期には相当にいくというようなことを一般の方でも相当に言っているわけでございます。むしろきのうの新聞を種にして議論いたしますれば、そういうことがいくのだけれども、過去、特に昨年でございますが、昨年非常に出だしはよかったけれども後半竜頭蛇尾になったじゃないかということがあるので、経済界が非常に不安に思っている、むしろ下期に息切れするのではないかというような論調があるというふうに私ども承知いたしております。それに対しましては、まさにそういう論調が非常に出てきたものですから、われわれとしてはさきに申しましたような四項目の対策を打った、あるいはまた五十二年度予算もいろいろ政府だけではなくて、国会の方の御協力も得て速やかに成立するということが期待されますものですから、そういうことがありますれば非常に予算が動き出せば心理的に明るさも出てくるのじゃないか、そういうふうに見ているわけでございまして、上期は相当な勢いでいくのじゃないか、それがはずみがつけば下期の方も自律回復力が出てくるのじゃないか、こういうふうにわれわれとしては見ているわけでございます。
○山田(芳)委員 最後に、どうも鉱工業生産の伸びが悪いですね。そういう点からいって、あるいはまた民間設備投資も非常に冷えているのじゃないかというような指数が出ておりますが、一方、一兆円ぐらいの補正予算を組まなければいかぬのじゃないかという説もあるわけですが、そういう点を考えると、前半、岡島さんおっしゃるようによくなるのじゃなくて、むしろ後半に期待している、六・七になるのかどうかわかりませんが、そういう感じじゃないかというふうな見方もあるのですが、これはどうですか。
○岡島政府委員 先ほど申しましたように、むしろ上期に政府の支出も補正予算以来いろいろ手を打ってきたものが効果が出てくる、輸出もいまのところ非常に高いということで、上期の方が確実にいくというふうに一般も見ておる、われわれとしてはもちろんそう見ておるわけでございますが、下期の方につきましてどうかというのがむしろ一般の論調じゃないかというふうに私どもは思っておるわけでございます。下期の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、自律回復力が出てくるのじゃないかというふうに実は見ているわけでございます。 それから、鉱工業生産の話が出たわけでございますが、確かに鉱工業生産指数はこのところ、生産の増勢は少し足踏み状態にあるということは事実でございます。一月に前期比で〇・二%ダウン、二月に〇・七%ダウン、ただ昨年の同期に比べますともちろん一割以上ふえております。昨年に比べて落ち込んだというような先生の御発言ございましたが、これは前期に比べて落ち込んだということでございまして、前年同期に比べては一割ぐらいふえておるわけでございます。ただ、これは決して楽観をしているわけではございませんけれども、三月と四月には増勢が見込まれているという予測指数もございまして、これだけがすべてで、鬼の首をとったように喜ぶつもりはございませんけれども、明るい指標もないではないというふうに思っているわけでございます。
○山田(芳)委員 経済企画庁の方はお帰りいただいて結構です。またそれに関連して質問を自治省の方にいたします。 次に、厚生省関係を少しお願いしたいと思うのです。 保育所の問題であります。保育所については、かねてから設備、施設等の超過負担の問題でいろいろ論議があったのでありますが、本日は、いわゆる保育所にかかわる費用の問題について申し上げたいと思うのであります。 第一点にお伺いしたいのは、現在保育所へ措置をしていくのは、市町村長の機関委任の権限として、児童福祉法の二十四条によって市町村長が措置をする、こういうことになっております。そしてその措置に要する費用は、「市町村の支弁とする。」と五十一条に書いてあるわけであります。五十一条に入所に要する費用は市町村の支弁とする、五十三条に国は十分の八、五十五条で十分の一を都道府県がそれぞれ負担をする、こう書いてあります。五十六条の一項で、市町村長は、そういった費用を、本人もしくはそれの父兄から徴収すべきであるという規定があり、徴収するに当たっては、民生委員や児童委員等の意見を聞いてその徴収を決めろ、こうなっておって、もしそれに及ばないところは市町村がかわって負担をしなさい、こういう規定になっておるわけであります。 ところで、お伺いしたいのは、支弁という言葉と負担という言葉が使われておりますが、支弁と負担はどう違いますか。
○山本(悟)政府委員 御案内のとおり、支弁と負担と観念が別でございまして、支弁は予算から現金を支出をする、支出そのものをつかまえまして支弁という言葉を使っていると存じます。また、負担は、財源的にどこが持つかという、本当の金の持ち方の問題というかっこうの場合には負担という言葉を使っておりまして、したがいまして、この場合には、市町村はその経費を全部予算から支出する義務を負う、これが支弁で、その支弁した経費につきまして最終的に国、県、市町村がどういうような持ち方をするかという関係を負担という言葉であらわしていると存じます。
○山田(芳)委員 一応市町村は立てかえであろうと何であろうとまず支払いなさい、こういうようなことになっているわけですね。そして後で国庫は十分の八を持ちますよ、そして都道府県は十分の一を持ちますよ。そうすると、あと残りは市町村が持つ、こういうことになるわけであろうと思うのですが、それは児童福祉法の五十六条を見ると、市町村長はそういう費用を「本人又はその扶養義務者から徴収しなければならない。」というふうになっております。これはいわゆる機関委任の事務であるわけであります。そしてその徴収に当たっては、知事や主務大臣というのがありますが、それは省略をして、市町村長が徴収すべき費用については市町村長において、それぞれ児童委員や児童福祉司の意見を聞いて、一部を負担することができないという場合には、市町村がかわって負担をしなければならない、こういう規定になっているわけですね。この事務は機関委任の事務でありますが、徴収をするに当たって、福祉法を読んでも政令を読んでも、一体どういうふうに具体的に徴収するかということが一つも書いてない。「徴収すべき費用については」こう書いて、市町村長において独自でできるのだというような自由裁量にしてあるごとく、しかも自由裁量でなくて児童福祉司や児童委員の意見を聞いて決めなさい、決めたところが払えない者があれば、それは市町村の負担ですよ、こういうことになっているわけですね。ところが、徴収すべき基準というものが、法律にも政令にも何ら書いてない。一体何を基準にしてこれは徴収をされるものなんですか。
○下村説明員 お答えいたします。 現在の法律で、先生おっしゃいますように、五十六条で市町村長の徴収義務が課されているわけでございます。これは現在の運用と法制定当初の事情と大分事情を異にしてきておりますので、おっしゃるような疑問が生ずるかと思うわけでございます。制定当初においては、恐らく生活保護基準のようなもの、そういうものを基準にしまして、個別のケースにつきまして収入認定をやって、費用を徴収するというふうな考え方で運用されていたというふうに思うわけでございます。しかしながら、その後、社会の実態の変遷に伴いまして、保育所の数が非常にふえる、当初比較的低所得階層というふうなところだけを対象にして運用されてきた保育所というものが、いまではかなり全国民と申しますか、そう言っていいほど広い範囲のところまで保育所に入所する方がふえてくる、こういう実態になってきたものですから、生活保護基準のような形で費用を徴収するというようなこともなかなかむずかしいものですから、これはかなり前のことになるわけでございますが、現在は、前年度の所得税額等をもとにいたしまして徴収するように、市町村に対しては指導しているわけでございます。 なお、国としては、徴収の根拠になる基準を一律に決めるという形ではございませんで、国との費用負担関係につきましては、政令でもって国庫負担の範囲等を決めるという形に法律上はなっているわけでございますが、政令で、厚生大臣が費用を負担する種目あるいは算定基準のようなものを決めるという形になっているわけでございます。それに付帯いたしまして、徴収金の算定方法を厚生大臣が別に定めるというふうな形で、現行は市町村との決済を行っている、こういう関係になっております。
○山田(芳)委員 これは機関委任の事務でございますから、当然法律もしくは政令に、どういう基準でもって市町村長が徴収するかということを明確に書かなければおかしいのではないか。これは使用料というか費用という形になっておりますからあれですが、たとえば手数料の場合には、機関委任の事務は、地方公共団体手数料令というものが定められて、厳格に上限等が示されているわけなんです。ところが、この使用料については、いま私が読んだように、法律では、市町村長においてそれぞれ児童委員や児童福祉司の意見を聞いて、一部を負担ができないときには、市町村の負担ですよ。機関委任の事務ですから、これは主務大臣が当然市町村長を指揮監督する権限があるとともに責任がある、ところが、市町村長がどうしてその費用を徴収しようかというときには、これは国が機関委任していながら、固有事務と同じように児童福祉司や児童委員の意見を聞いて、それで決めなさい、もしそれに及ばないときには、おまえのところの負担だ、これでは、私は実情論は後で触れますが、法規として、法令の考え方として、機関委任なんですから、機関委任について市町村長が徴収しなさいという以上は、どういう基準に基づいて徴収するかということを明確に法律もしくは政令等において、これはたとえば通牒でも結構かと思いますが、委任をしておかなければおかしいんじゃないですか。行政局長さん、そういう解釈どうでしょう。
○山本(悟)政府委員 御指摘のとおり、この徴収の事務は機関委任と存じております。自治法におきましても別表第四というところに掲げているわけでございまして、機関委任事務であることは間違いございません。したがって、この徴収そのものはこの法律の条文、五十六条なら五十六条に基づきますところの徴収ということで、これは市町村長の権限。したがって、法規的には市町村の規則というもので定めるというような体系になってまいると思うわけでございます。 いかなる基準で取るべきかということを具体的に中央官庁として指示するというようなやり方は、結局は、先ほど厚生省の方から御答弁のありました通達によりまして、政令に基づいてこれだけの範囲では国が負担金をいたしますという、そのもとになる通達になるわけでございますが、それでもって実質的には決まってきている、実態からいうとかようになっているというように存じております。
○山田(芳)委員 実態論はわかるのですよ。これしか国は負担しないから、負担できるように徴収しなさいというのか、そういうことも書いてないのですよ、これは。要するに、児童福祉司や児童委員の意見を聞けば、ちょっとでも高ければ低くしなさい、こういうことになるわけですね。低くすれば、おまえのところの負担ですよ、おまえの責任だ。おまえの責任だというのなら、児童福祉司や児童委員の意見なんて聞かないで、むしろ規則的に、これは国の機関としての市町村長なんだから、これだけ要る費用は、これだけの人から、これだけのものを取りなさい、こういうふうにすべきではないかということを私は言っているのです。それは市町村立の保育所を考えると、これはいかにも自分のところで適当にと思われるけれども、民間の保育所もそうなんですよね。民間の保育所に入っている父兄から一定の金額を取らなければ、その民間の保育所に措置をした子供に要する費用は当該市町村が払わなければいかぬ、こういうことになるわけです。ですから、そういう意味から言えば、市町村長から言えば、これは機関委任の事務だけは負わされている、しかし一方では児童福祉司やその他の意見を聞いて、少しでも下げろという意見をやはり聞かなければいかぬ、聞いたらその途端に、財源はもう自分のところの負担だ、こういうことになっておりますので、機関委任の事務なら、もっと規則的に物を判断をさせるようにするのが市町村長に対する親切ではないかということを聞いているのですが、その点はどうですか。
○下村説明員 お答えいたします。 ただいまのは、現在の保育所の利用の実態と、それから現在の児童福祉法のたてまえというものとに、実は多少差がある点にもかかっているような気がするわけでございます。というのは、現在の児童福祉法で申しますと、市町村長が措置をするということで書いてありますように、放置しておけば児童の福祉にとっていろいろな障害が生ずる、子供の福祉のためにならないというものについて、これは親の同意というふうなことを要件としてではございますけれども、行政面から市町村長が措置をするという形で保育所に入所するということができるようになっているわけでございます。ところが、実態関係として見ますと、むしろほかの利用施設と同じように、保育所は受けとめられているという面が強いわけでございます。その辺のところから、いまおっしゃるような議論が出てくるのではないかという気がするわけでございます。 それからもう一つの問題として、民生委員、児童委員の意見を聞くという条項でございますが、これについては他の福祉関係の法律も大体そういう形に規定されているわけでございますけれども、そういう種類の規定につきましては、私どもは従来は本人の負担能力がどうであるか、一応市町村の方でいろいろな所得なり何なりの状況はわかるわけでございますけれども、現在の国が考えている徴収方法でいきますと、必ずしも個々のケースについて児童委員、民生委員の手を煩わさなくても、税金等をもとにして徴収金を決めればいいんだというふうなことで運用いたしておりますけれども、もともとは一種の収入認定のようなものをやるということが、法律をつくった当時におきましては一つの考え方になっているわけでございますので、本人の生活の状況でありますとか、あるいは就業の状況でありますとかいうものについては、その身近にいる民生委員、児童委員から一応事実についての確認をするというふうな趣旨であったというふうに思われるわけでございます。したがって、徴収金額自体を幾らにするかというふうなことについて民生委員、児童委員の意見を聞くということよりは、むしろ本人の生活状況なり所得の状況につきまして、市町村側の認定に誤りがあるかないかというふうなことについて意見を聞くという趣旨で、そういう規定は設けられているというふうに私どもは考えているわけでございます。
○山田(芳)委員 いや、それなら、個々の負担能力がない場合軽減をした、軽減をした場合に当該市町村の負担だというのはおかしいんで、機関委任をしているんだから、委任をしている範囲内においては、機関委任をしている範囲内において減額をしたりまけたりした場合には国が負担をいたしますよということでないと、機関委任じゃなくて、それじゃおまえ勝手にせい、おまえの負担だ、これでは機関委任の事務としての——それは財政負担と機関委任の事務のあり方というのは別だという議論もあるけれども、法の立て方として、委任をしているんです、児童委員やその他で、いま言ったように負担の能力があるかないか、いろいろ所得を含めて個々に意見を聞いた。聞いたら、やはりあの人は非常に苦しいんだからまけてあげなさい、まけた。それはやはり政府で、機関委任をしたところがめんどうを見るべきだというふうに思うんだけれども、それはめんどう見ません、私の方で基準を決めた基準以上に取れないものは、おまえのところの市町村の負担だぞ、これはおかしいんじゃないですか。どうでしょうね。ぼくはどう見ても、常識的にいってもおかしいと思う。これは法規論からいったら成り立っているのかどうか、私もちょっとまだ疑問がありますから、もう少しよく勉強したいと思うけれども、それにしても、任せておいて、その責任によってやったことが、それはおまえのところの責任でやったんだから、財政負担は市町村だよ、これでは機関委任の事務として成り立たないんじゃないかというふうに思うのですが、どうですか。
○下村説明員 先生おっしゃること、まことにごもっともな面もあるように私どもも思うわけでございますが、私が先ほどから、弁解のようなことになるかもしれませんけれども、申し上げている点は、要するに、児童福祉法がつくられた当時においては、費用負担能力というふうな物の考え方について、現在のようなやや多元的と申しますか、そういう考え方は余りしてなかったわけでございます。したがって、負担能力という点につきましても、極端に言えば生活保護世帯の水準まで生活を下げても費用を取ろうと思えば取れるじゃないか、こういうふうな感じがあったんではないかと思うわけでございます。ところが、現在は、一応現在のそれぞれの世帯の生活水準というふうなものをある程度もとにいたしまして、その生活にかかわりを持たせて、収入の多い方はそれなりに徴収金額もふえるわけでございますけれども、ぎりぎりの生活水準のところまで費用を徴収するというふうな考え方ではなくて、累進的に費用の徴収はいたしますけれども、それぞれの生活水準をある程度満たした上での費用の徴収というふうな感じに変わってきているように思うわけでございます。その辺が、私、先ほどから繰り返しているところでございますけれども、法律がつくられた当時と、現在の保育所制度あるいはそれに伴う徴収金の運用というふうなものが、実は大分変わってきておりますというふうに申し上げている点になるわけでございます。 ただ、これはいままでの経過の説明のようなことになるわけでございまして、先生おっしゃいますように、市町村についてもう少しはっきりそういう指導方針を明確に出すべきではないか、それからその指導方針どおり行われたものについては国が負担すべきであるという御指摘の点についても、ごもっともだというふうに思うわけでございますが、反面、実は福祉事業についてはある程度地方団体の裁量、地域性といったようなものがあった方がいいという考え方もあるわけでございます。一律に徴収基準をがっちり決めて指導をやっていくということも一理あると思いながら、実は反面においてそういう議論もあるものですから、一律に基準を決めて指導するというところまで私どもとしてはなかなか踏み切っていないのが現在の姿でございますということになるわけでございます。
○山田(芳)委員 実態論はよくわかっているのですよ。私は法律論を言っているので、機関委任したものについて、機関委任をされたものがその判断に基づいて処置をしたことによって起こる財政負担は、委任をした方のものが当然負担をすべきであるというのが法律の立て方ではないのかという質問をしているのであって、児童委員の意見を聞くことが実情に即しているということは百も承知しているし、また累進的にやっていくということについても、私は何ら否定をしていない。ただ、機関委任の事務であって、機関に対して裁量権をゆだねた以上は、それから行われている効果というものは機関委任をした方に及ぶのではないかという法律論を展開しているのです。この点が法規的におかしいということを私は申し上げているので、財政負担にかかわる法規については自治省は関与するわけですから、その点について行政局長さん、客観的に一遍聞かしてください。
○山本(悟)政府委員 機関委任事務につきましての経費の負担という点から申し上げますれば、地方財政法の九条並びに十条以下の規定に国と地方団体との負担区分が規定をされていること、よく御案内のとおりでございます。地方財政法の負担の観念の一番もとは、その当該団体の事務であれ機関委任事務であれ、それを行うに要する経費は、地方財政法の第九条によりますれば、原則としてその団体が負担をする、そして十条以下に特に負担金といたしまして掲げたもの、もちろん保育所も入っておりますし、公共事業その他も入っておるわけでございますが、そういったものにつきましては国と地方がそれぞれ負担をし合う、その場合の負担率あるいは算定基準は政令で決めるというような体系に法律上はなっているわけでございまして、したがって、原則的には保育所関係も、この地方財政法の規定によりまして種目、算定基準等、国の負担すべきものを政令で書いております。書いているその中に、徴収する金は、差っ引いたものを八対一対一で負担しますというかっこうになっておりまして、その徴収したものを計算する際に、国の方の負担金としては、厚生大臣が決めました基準で入ってくるものとして計算いたしますよという書き方に御案内のとおりなっているわけでございます。そのこと自体、いま先生がついていらっしゃるわけでございまして、財政の実態の方から見ましても、私どもから言わせていただければ、まけざるを得ない事情があって負担を軽減したものについては、これはやはり保育所に関する経費でございますから、基本的に国と県と市町村という分担関係の割合に応じて分担をしていただくのが一番すっきりした姿じゃないか。これは私の意見でございまして、現実はそうなっておりませんけれども、意見ということで言わせていただければさように存じます。
○山田(芳)委員 お聞きのとおりだと思うのですね。まあへっこんだ分は国が八割持って、地方が一割、一割持つというなら、これも一つの理論として、立法政策としてわかるのですよ。これはどうもおかしいので、少し検討して直してくださいよ。何もあしたせいとかきょうせいと言っているのじゃない、一遍十分検討して——私がちょっと調べたところでは、法規的にどうもおかしいというふうに思ったので質問をしたのです。 それで、私の質問の趣旨はこれではないので、これから申し上げるのです。 実はその基準が通牒で出されているのですが、D7のランクというのが、前年度の所得税額十二万円から十五万円まで。そこで私は、国税庁に聞きまして、十二万円−十五万円の所得金額というのは一体どのくらいなんだろうかということを実は調べてまいりました。そういたしますと、大体三百五十万ぐらいが十二万ぐらいの標準世帯で、夫婦子供二人、控除額二十九万。これは五十二年度ですから、五十一年度のは所得がもっと低いはずですが、まあ五十二年で計算してもらったら、三百五十万円ぐらいが十二万円だという回答が出てきました。だから、三百五十万円というものをボーナスを含めて十六で割ると、手取り大体二十一万円なんですよ。この基準によりますと、二十一万円で幾ら取れというかというと、一人について三万一千七百円取りなさいと書いてある。そうすると、たとえば二人おったと仮定しますね。そうしますと六万三千四百円。この家庭は二十一万円ばかりもらいますけれども、いま言ったように所得税が十二万円、住民税がさっき自治省の方に計算してもらったら、均等割を入れて約九万円。二十万円以上の税を払う。それから社会保険等をやはり月一万円ぐらい払うというふうに計算をいたしますと、保育料を払っちゃうと——二十一万円から毎月税金が二万円、社会保険等が一万円、だから三万円取られると、二十一万円から三万円引きますから、大体十八万円ぐらいが手取りです。その手取りの中から、たとえば子供二人保育所へ出しておる、これは夫婦共かせぎで三百五十万円ぐらいということですから、六万円から以上取られますと、もう十万円そこそこの給与にしかならないということで、夫婦子供二人でほとんどかつかつ食っていく程度しかならぬというので、この三万一千七百円というのが非常に高いというのが市町村長の一致した意見なんです。ところが、その一つ上のランク、D6というので三百四十万円ぐらいのところへいくと、一万九千円なんですね。それが急激に三万一千七百円と倍近く上がっちゃうのですね。 それじゃ、この基準が一体どういう基準で、三百四十五万円が十二万円未満で、三百五十万円になったらとたんに十二万円になって、倍ぐらいの保育料がかかるという基準の設定の仕方がどういうことなのかさっぱりわからないというところに、この基準それ自身がおかしいではないか。だから、市町村ではどうしているかというと、いま児童委員等に聞くのは個別的なことだとおっしゃったけれども、そうじゃなくて、どうも基準についてそれぞれどこの市町村も聞いている。だから、一万九千円のところに対しては一万五千円だとか、三万一千七百円に対しては一万八千円とかいうような基準をやはり累進しながらも決めて、実情に合っているということですが、現実の徴収額を見ますと、国の決めた基準に対して、たとえば大阪の枚方市は三一%というのですよ。あるいはそのほかでも五〇%を上回っている程度。それだけしか取れないのです、こういう基準ですから。だから、この基準については非常に問題がある。とりわけいま言ったD6からD7のところですね、ちょっとした所得によって倍も上がるというような基準はどう見てもおかしいので、もう少し緩やかなカーブに描くなら描く、また負担ができるような基準をやっていかなければ、幾らつくったって五〇%ちょっと超える程度であるというようなことで、私のところのある町においては、持ち出しが、民間保育所を含めて三万二千七百円もこの問題で持ち出しているという実態の調査があります。そういう状況ですから、もう少し実態に即した基準をつくっていただくように、五十二年度においては検討していただけるかどうか、それだけひとつお答えをいただきたい。
○下村説明員 現行の基準は、実は生活保護世帯あるいは住民税非課税世帯というふうなところをただにいたしまして、それから最高限のところを全額徴収というふうな形にいたしまして、その間をなるべくなだらかにつなぐというふうな考え方でやっているわけでございますが、毎年毎年部分的な手直しをしながらやってきたという事情もございまして、御指摘のような点が出てきているわけでございます。私どもとしては、実はいま町村で現実の徴収基準がどうなっているかというふうなことを含めまして、全体のいまの累進のさせ方がいいのかどうかというふうな点について検討を進めておりますので、五十二年度からというのは、実はもうちょっと間に合わないのじゃないかと思っておりますけれども、五十三年度以降の問題につきましてはできるだけ手直しをいたしたいというふうなことで、ただいま検討を進めておる状況でございます。
○山田(芳)委員 まだ予算も成立していないのに、五十二年はおかしいというのはちょっと私は腑に落ちないのです。予算でも成立して通牒でも出したというならそれはわかるけれども、まだ予算は成立しておりません。だからこれはいろいろ審議しておるわけでして、これから交付税法等予算関連法案を審議しようという段階ですから、予算が成立していない、それは黙っていても十六日に成立するというかもしれないけれども、それが現実的に成立していない段階で五十二年は間に合わないというのは、ちょっと言い過ぎではありませんか。
○下村説明員 国の予算は確かにまだ成立いたしておりませんので、そういうふうにお考えになるのはごもっともだと思うわけでございますが、現実問題として、町村の方は三月中に来年度の予算を計上いたしまして、それぞれ五十二年度についての事業を開始することになるわけでございます。保育所の方も四月から新しい子供を入れて、実際には事業が始まるというかっこうになっておるわけでございます。保育料につきましても、国の方がおくれがちになるわけでございますけれども、現実には五十二年度にどの程度の保育料を徴収するかというのは、もう町村の方はスタートを切った後になっておると思うわけでございます。それを年度の途中で切りかえさせるということも、確かにこれはできなくはないとは思いますけれども、なかなかむずかしいと思いますので、やるとしても五十三年が一番早い時期になるのではないか、私はこう思ってお答え申し上げたわけでございますが、お許しいただきたいと思います。
○山田(芳)委員 はなはだ不満でありますが、時間がありませんので、次に進みたいと思います。いずれまたもう少し検討した上で、私も質問させてもらう機会があろうと思いますので、十分検討していただくことを条件として、本日はこの部分についてはこの程度で終わります。 次に、運輸省からおいでをいただいているわけですが、都市交通の問題について質問をいたしたいと思います。 五十二年度の予算関連の問題でありますが、従来から公営交通等の助成については三年に一度見直すということをしばしば当委員会で私どもは伺っておったわけであります。地下鉄建設費に対する助成は、昭和四十八年から現行制度に決定されて今日に至って本年は実は四年目であります。そこで、われわれとしては何回か、附帯決議その他においても、あるいは質問においても、五十二年は三年を過ぎた段階だから新しい助成制度をつくってほしいということを強く要請してきたわけであります。そういうことにこたえて自治省では、運輸省と相談の上であったかどうか知りませんけれども、新しく実質的に七割程度の助成ができるように大蔵省に対して地下鉄の補助金を要求をされたということは、私ども非常に多としておる、一定の評価をしているところであります。 ところが残念ながら、運輸省が要求を正式にはされなかった、非公式にはされていろいろ話をされたということを伺いましたけれども、正式にはされておらない。正式にする段階でおりてしまった、こういうことであります。本当は地下鉄の助成の主管省は運輸省でありますから、ここが本気になってやってくれなければ、自治省が要求しても、大蔵省から、いや主管省の運輸省が要求していないものはつけられないじゃないかと言うのはあたりまえであって、そういう点についてわれわれは非常に不満を持っているということをはっきり申し上げたいわけでありますが、自治省と運輸省との間において、地下鉄の助成制度を三年たったら見直すのだという、従来のわれわれに対する答弁の中から十分討議されたことだと思うのですが、この間の経緯をひとつお聞かせいただきたいと思います。
○中村説明員 お答えいたします。 五十二年度で予算概算要求におきまして、自治省が地方公営企業の経営の健全化という観点から公営地下鉄に対する補助要求を行われたわけでありますけれども、私たち運輸省といたしましては、これについて反対をしたとか、消極的な姿勢であったというようなことはございません。
○山田(芳)委員 私は、消極的だとか反対したということではなくて、主管省である運輸省が自治省以上にもっと積極的にやっていただけないのはなぜかということと、そういう点について自治省と御相談なされたかどうかということをお伺いしているので、もう一度御答弁いただきたいと思います。
○中村説明員 この予算要求を行われたときに自治省と運輸省においていろいろ協議もいたしたわけでございますけれども、運輸省といたしましては、地下鉄の場合には他の一般鉄道の場合と同じように、やはり運賃収入等の営業収入によって投下資本を回収するという基本的な考え方に立つべきである。ただ建設に非常に多額の費用を要するので、それだけでは十分でないので一般会計から補助を受けているわけでございますけれども、現状におきましては、まだその補助率の改定を行わなければ直ちに経営が困難となるような状況にまでは至っていないというふうに考えておったわけでございます。 ただ、これは鉄道建設という観点でございますので、地方公営企業としての地下鉄をどうするかという問題で自治省さんがこれを要求することについては、われわれはこれに対して反対をし消極的姿勢をとったわけではございません。ただ、地下鉄の経営につきましても、今後これをいかに健全化していくかということについては、これからの問題として取り上げなければならないという点は、われわれも自治省さんと見解は同じでございまして、そういう意味におきまして、五十二年度においては地下鉄の経営改善についての調査を行いたい、かように考えておる次第でございます。
○山田(芳)委員 これは政務次官に聞いていただきたいのですが、自民党の公約を読んだことがありますか、地下鉄について。私はこれから読みますよ。あなたは役人じゃなくて政治家だから、ひとつ聞いておいてもらいたい。委員長も自民党だから聞いておいてもらいたいのですがね。先般行われた総選挙において自民党は選挙公約として、都市交通政策の充実を掲げまして、過密化に伴う都市交通難を解消し、快適な通勤、通学輸送を確保するため、特にその中心となる地下鉄の整備を推進すること、こう書いてあるのですよ。 だから、自民党政府は当然運輸省等も大いに督励をして、現段階において制度を変える必要はないといういまの財務課長さんの答弁だけれども、政務次官も当地方行政委員会に所属しておられてしばしば聞いておられると思うのだけれども、三年に一遍は必ず制度改正について見直すということをわれわれに何遍も御答弁をいただいているのですよ。だから、四十八年にできて今度は五十一年で三年を終わるのだから、五十二年からはひとつ制度を見直して、いままでの不十分な点、われわれが附帯決議を要求して自民党も一致をしてつけた附帯決議に沿うような予算要求ぐらいは当然運輸省がすべきだ。それは全体の財政事情の中で次の年度に見送らざるを得ないとかなんとかいうことなら、それは全体の財政事情の中でわからぬでもないが、要求すらしない。自治省が要求するのは結構ですけれどもというようなことでは、これは関係者は非常に落胆をしていると思うのであります。 ましていわんや、昭和五十一年十月十二日の日本経済新聞などに至っては、自治省が要求したのに対して「地下鉄助成の新しい動き」といって高く評価しているという、こういう新聞記事もいま私はここに持っておるわけですが、そのくらいの気持ちでやっていただかぬと、地下鉄は伸びないし、もうここまで過密化をして動かなくなったところは、もう地下鉄以外にないのです。わが党として今度新しく法律案を、他の党にも御協力をいただくつもりですが、措置法を出します。その中には、この間大臣にも質問をいたしましたように、いま建設省ではモノレールを道路会計から援助しているわけです。そういう方式をやはり地下鉄に及ぼすべきだ。約二兆円近い道路財源があるわけです。地下へ掘るのも横に道路を拡充するのも、これは道路の延長だという考え方で、四分の三の補助をすべきであるというわれわれの立場に立って法案を出したいと思いますけれども、そういう点について、モノレールは道路の一環だ、地下鉄はそうでないのだというようなことが現行法律ではできるのだという話でありますが、立法政策として私たちはとうてい容認できない。モノレールに対しては特別会計から助成をするが、地下鉄は一般財源だから新しい助成制度をつくれないのだということは、これはどうしても私どもは納得ができないので、この点についてはひとつ引き続いて助成制度を強化していくということをぜひ——自民党の公約ですよ、そうなっている。また、五十二年度の予算編成大綱にも「大都市地下鉄網の建設整備など、都市交通の改善整備をはかる」というのが、自民党の予算編成大綱なんですよ。そういうことですから、当然、自民党に属しておられる政務次官も、この予算大綱に従って今後も努力をされるということが必要だというふうに思いますが、ひとつ政務次官の見解、見識をこの際せっかくですからお伺いしたいと思います。
○中山政府委員 都市交通の現況につきましてはお話のとおりでありますし、わが党の予算編成大綱にもそのことがうたってあることはそのとおりでございまして、今度の予算の編成に当たりましても、大蔵省との折衝の中でこれを自治省としても強く推進をしたわけでありますが、諸般の事情から具体的な予算には乗りませんでしたけれども、これを抱えております地方団体、特に大都市の実情を考えますと、どうしても強力に推進しなければならない。来年はもうぜひやりたいということで努力をしていくつもりでございます。
○山田(芳)委員 その点は本年度の予算になかったわけですから残念に思いますが、引き続いて、何遍も、三年に一遍は見直します、こういうことを言っておったわけですから、お願いをしたいということを強く要求をいたしておきます。 次に、公営バスの問題についてお伺いをしたいのですが、まず第一に、かつて東京都の場合において料金を改定をする場合に、認可をするに当たっていろいろ制限がつけられている。また、地方議会が議決したにもかかわらず、運輸大臣がこれを減額するという形になったり、あるいは一定期間は暫定額だなどというふうにする。財政再建をやっている地方の都市交通においては、適正な料金をぜひ認可してほしいと言ったら——確かに物価安定の立場から抑えること、あるいは暫定料金という制度をつくることを私どもは否定をしません。しかしそれは国が減額をしたり、暫定料金を決めた以上、その部分について当然、先ほども話があったように、独立採算制を維持している公営交通であるとすれば、その間は赤字になることはわかっているわけですから、それに対する財源措置を国において負担をして減額をさせるべきであるというのが当然のことだと思うのですが、その点について運輸、自治両省は一体どういうふうにお考えになっているか、見解をお聞かせをいただきたい。
○桜井説明員 お答えいたします。 バス運賃の改定につきましては、道路運送法に基づきまして、能率的な経営のもとにおける事業の健全な経営を確保するという観点から、私ども適時適切に処理をしていくということでやっておるわけでございます。 また最近、先生御指摘のように、バス事業をめぐります環境条件は悪化しておるというような情勢にかんがみまして、バスのサービスの改善対策であるとかあるいは地方バス、それから一部都市バスに関します補助制度の充実を図るといったような対策をあわせ講じておるところでございます。 それで、いま先生からお話のございました、物価の観点から運賃を抑制した場合には、財政負担でその抑制分を賄うべきであるという御意見、御議論があることは私ども承知をいたしておりますけれども、この問題につきましては、慎重に検討すべき問題をいろいろ含んでおります。私どもといたしましては、従来からも努力をいたしておりますけれども、今後とも運賃の適時適切な改定を行う、それから経営改善を推進する、それからいま申し上げましたような補助制度の運用といったようなものを進めることによりまして、バス事業の経営の安定を図っていきたい、そのように考えております。
○首藤政府委員 交通企業におきます運賃、これは適正な原価を償うような価格に設定をさるべきである、これは基本的なことであると思うわけでありまして、事態に応じて遅延なくその認可が行われるように私どもとしては運輸省には大いに要請をいたしておるわけであります。 ただ、ただいまもお話がございましたように、最近、特に公営交通の場合には非常な経営難に陥っておるわけでございますが、一つは、適正な運賃をどうするかという問題がありますとともに、やはり経営の合理化と申しますか、そういう点においてもなお努力をすべき分野がありますことも事実でございますし、そういう点もあわせてやはり推進をしていくべきだと思います。 それから、どうしても宿命的に不採算になるという不採算分野、コスト割れをするという分野、こういうものについては、運輸省からもお話がありましたように、国庫補助金等の一般会計からの負担区分の導入、こういう点も十分に検討していくべきものだ、三者あわせて健全な経営体制を図っていくべきものだ、こういうふうに考えております。
○山田(芳)委員 ただ、政府の認可においてそういう引き下げなり暫定的な料金を決められることによる赤字部分については一般会計から行うというのは、私は、ちょっと筋が違うのではないかという感じはいたします。しかし、またこの議論は別途やりますが、きょう、日本経済新聞の三面にこういうのが出ていたのです。「首相の私的諮問機関である物価安定政策会議(議長中山伊知郎氏)は三十一日、」ですからきのうですね、「特別部会を開き、東京都のバス、地下鉄の値上げ問題を検討した。席上、「経営の大幅赤字を続けている公営交通がプライス・リーダー(価格先導役)となって値上げを繰り返したのでは、民間の交通機関が超過利潤を得るばかりで国民生活、運輸行政の両面で望ましくない」」という批判があって、これを受けて、「経済企画庁では「値上げを決める前に都交通のあり方をもう一度根本的に見直す必要があり、」云々ということで「運輸審議会や関係省庁に強く申し入れる方針である。」という記事が出ておりましたが、これは運輸省並びに自治省、御承知でしょうか。
○桜井説明員 お答えいたします。 昨日、総理の私的諮問機関でございます物価安定政策会議の特別部会が開催されまして、東京都営交通を中心といたしまして、都市交通の問題について審議が行われまして、いま先生がおっしゃいましたような御議論がなされたということは承知をいたしております。
○山田(芳)委員 自治省、どうでしょうか。
○首藤政府委員 正式に連絡を受けたわけではございませんが、そのような議論があったということは承知をいたしております。
○山田(芳)委員 もう時間がないのでこれ一問でやめますが、いまの問題に関連するわけですね。要するに、非常な赤字である。これは何も経営が悪いのじゃない。いわゆる客観的な社会的な条件によって非常に都市交通が赤字になっている。これを再建するために運賃を上げようとすると、物価の面から、そんなに都市交通が上がるのなら民間も追随をする。そうすれば民間はもうかる。私は必ずしも中小私鉄がそういうようになるとは思わないけれども、そういうことで、国民生活や運輸行政で望ましくないと言って抑えようとするということになれば、いま言ったように赤字になるわけであります。赤字を解消しようと思って適正な料金に上げていく、また、独立採算制という一つの枠があるからそれに努力をすると言ったら、一面でこう抑えてくる。 だから、抑えること自身が悪いと私は言わぬけれども、それならその分についての財政負担をすべきだという議論が起こらざるを得ないのではないか、それが説得力のある議論ではないかというふうに思うのですが、公共料金が先導して民間交通は超過利潤を、なんというふうに書くと、いかにも何か公営交通を含めて、民間の交通機関が利潤をうんと得ているというような感じがするわけですけれども、いまそんな状態では決してないので、中小私鉄についても非常に経営が困難であるという状況が交通環境が非常に悪いという状況からあるわけですが、こういう意見について両省とも聞いておられるのなら、これに対する御意見を最後に承って私の質問は次の機会に持ち越しますが、いまの物価安定政策会議で出ている意見、近く企画庁から、関係省庁ですから自治省、運輸省に申し入れがあるように新聞記事で書いておりますが、それに対する意見をひとつお伺いをしたいと思います。
○桜井説明員 お答えいたします。 いま先生の御指摘になりました、本日の新聞に出ております東京の都市交通の問題につきましては、現在申請が出ておりまして、運輸審議会で御審議をいただいている段階でございますが、一般的な問題といたしまして、私ども、バス運賃の改定につきましては、道路運送法に基づきまして、適正な原価を償うという形で審査をいたしておるわけでございますが、その前提といたしましては、やはり経営の合理化、能率的な経営というものを前提といたしまして、そのもとで事業の健全な経営を確保していくという観点から処理をいたしておりまして、今後ともそういったような道路運送法に基づきます運賃に関する判断というものを私どもいたしてまいりたい、そう考えております。
○首藤政府委員 先ほども申し上げましたように、原則的に適正な原価を償う料金を設定してもらう、これは私どもにとって何にもかえがたい一番大事なことでございます。 ただ、御指摘の東京都の場合等も含めまして、公営交通の場合に、適正な原価を算定をいたします場合の経営の合理性、合理化と申しますか、そういう点についてなお努力すべき分野がなしとはいたしませんので、そういった努力を公営企業みずからも重ねながら、そういった前提に立って、適正な料金、完全に賄ってもらえる、こういう料金の改定をお願いをしてまいりたいという基本的な姿勢でおります。
○山田(芳)委員 ちょっといまの答弁漏れているのですが、東京都のようなあれをすると民間は超過利潤を得るという批判があるのですが、それについて旅客課長さんはどう考えられるか、批判についての御意見を聞いたわけですが、その点漏れておったので……。
○桜井説明員 お答えいたします。 いま東京都の交通局のバスの申請と民営の九社につきまして私ども審査をいたしておりますけれども、五十年度の実績を見ますと、民営の九社と都と平均的に比較をいたしてみますと、経営状況にかなり格差はございます。それから経営の効率性という観点から私どもいろいろな指標につきまして審査をいたしておりますけれども、その面につきましても両者には格差があるということは言えます。
○山田(芳)委員 これで終わりますが、大分質問し残しておりますのでまた次の機会にいたします。ありがとうございました。
○大西委員長代理 次に、斎藤実君。
○斎藤(実)委員 私は、雇用保険法に関連をいたしまして、労働省、自治省、厚生省にお伺いをいたします。 御承知のように、従来の失業保険から一昨年に雇用保険になりまして、五十一年度から季節労務者は従来九十日分を支給されておりましたが、法改正によりまして特例一時金として五十日分で打ち切られることになりました。特に積雪寒冷地であります北海道の労務者は、十二月までは何とか仕事ができます、しかし、一月、二月、三月の三カ月間は、積雪寒冷のために働きたくても働くことができないという状況でございます。したがって、五十日で打ち切られたために、そこに四十日分の収入減が出てまいります。これは季節労務者にとって大変な問題でございまして、非常に生活が苦しくなって、北海道におきましては大きな社会問題となっております。 そこで、具体的にこの四十日分打ち切りによりまして市町村財政に及ぼしている影響について二、三お伺いをいたします。 御承知のように、九十日の失業保険が五十日の雇用保険に変わったため、その四十日分の穴埋めをするために大変な苦労をしているわけでございます。蓄えもない人あるいは生活がますます困窮をしておりまして、北海道の市町村では季節労務者が、生活できないために生活保護の申請をずいぶんいたしております。私が調べたところによりますと、雇用保険受給者の中で生活保護を申請している人は、江別市では二月に三十一件、札幌市では三十五件、恵庭市では七件、小樽では十六件、これは全道の町村の中におきましても相当あるだろうと考えられるわけでございますが、労働省はこういった実態をどのように掌握されているか、お伺いいたします。
○望月説明員 お答えいたします。 北海道の季節労働者の冬季における生活の問題につきましては、私どもも、その実情について非常に大変だという認識を先生と同じように持っております。それで、先ほどのお尋ねの件でございますが、私どもいま北海道の民生部を通じての資料を手元に持っておりますが、生活保護世帯の数が五十年度は五万二千五百九十五世帯というように聞いております。そのうち季節労働者の分は不明でございます。五十一年度につきましては五万三千二百十一世帯で、そのうち季節労働者の世帯が三百八十一世帯ということで全体の〇・七%というように承知しております。
○斎藤(実)委員 わかりました。 次に移りますが、北海道の自治体では、こうした季節労働者の対策のために乏しい財政の中で大変な苦労をして、いろいろな対策を立てております。各市町村ではこの季節労務者の窮状に対して生活資金の貸し付け制度による対策の実施をいたしております。その状況について私が調査をしたところでは、現在対策を立てている市は二十六市です。検討中が六市です。その内容を見ますと、貸し付け限度額は一人五万円から十五万円、利子は六%から一〇・二%。そこで各市では利子補給をいたしておりまして、大体三%から六%あるいは融資枠は全体で三百五十万から四千万円、返済期間は五カ月から二十四カ月、いろいろまちまちでございますが、こういう乏しい財政の中で、地方自治体が非常に苦しい中での労務者対策をしておるわけでございます。しかし住民の生活は守らなければならないし、したがって無理をしながら地方自治体はこういう対策を立てているわけでございます。こうした実情を労働省はどういうふうに受けとめていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○望月説明員 御指摘のように、北海道内における市町村が生活資金貸し付け制度という形で融資制度を行っておることにつきまして、私ども十分承知しております。内容につきましては先生いまおっしゃったようなことでございますが、数としてはもうちょっとふえております。二月現在で実施市町村が三十九市町村ということになっております。 それで、いま私どもとしては市町村の立場も十分理解しておりますし、そういったことで努力されておることも十分に承知しておりますが、私どもとしてはやはり冬季における雇用の場の確保ということを中心課題といたしまして、現在道内外における求人の開拓、それから公共職業訓練の実施あるいは通年雇用の促進等の労働諸対策と、それからあわせまして関係省庁との密接な連携によりまして公共事業の早期着工等、そういった形で総合的な雇用安定対策をできる限り努力をしているというのが現状でございます。
○斎藤(実)委員 いま御答弁がございましたが、私が先ほど申し上げましたように、北海道の場合は積雪寒冷地という特殊事情がありまして、零下十度、二十度の中で公共事業の早期発注によって果たして仕事ができるかどうかということ、これはもう現実的にむずかしいであろうし、雇用機会の拡大といっても、いまそういったものだけでは私の対応はできないだろうと思うのです。仮に早期発注といっても、仕事が受注されてから事務的あるいは調査なりあるいは測量なり整地なりということで、実際問題として発注されてからすぐ雇用関係は解決できないだろう。一月か一月半かかるであろうし、しかも三十万近い労働者が早期発注によって一挙に雇用関係が解決できるかということはむずかしい。したがって、国の雇用対策として補完する保険制度は北海道の避けがたい実情を無視したものだ。したがって、こういう配慮だけでは私は解決はできないだろうと思うし、北海道の特殊事情というものを考慮して、現在五十日支給を九十日支給にするように法改正をすべきだと思いますが、いかがですか。
○望月説明員 お尋ねの点でございますが、これはなかなかむずかしい問題でございまして、先生も恐らく過去の経緯は十分御承知の上でそういう御質問になっておろうかと思いますが、実は二年ほど前に失業保険制度から雇用保険制度に変わったときにこの点は非常に議論の中心になりまして、現在のような制度になっておるわけでございまして、私ども結論といたしましては、五十日を九十日に戻すということはなかなか困難かと思います。しかしながら、先生おっしゃるように、非常にむずかしいことではございますが、私どもといたしましても、先ほど申し上げたような諸対策について、それは完全に一〇〇%は無理だとは思いますが、できる限りの施策をして何とか雇用の場を確保したいということで、これは一二〇%努力をしております。 それから北海道開発庁、それから建設省等の事業実施官庁にも十分お願いして、もちろんいままでのパターンがございますので、これを一挙に早期着工だと言っても、なかなかむずかしい点もございましょうが、これを契機に大いに協力をしていただきたいということでお願いをしている最中でございます。
○斎藤(実)委員 私は、先ほど申し上げましたように、公共事業の早期発注あるいは雇用機会の拡大でこの北海道の季節労務者の問題が解決されるとは考えておりません。これは何遍ここで話をしても平行線になりますから次に移ります。 町村になりますと、この季節労務者対策について非常に深刻なものがありまして、北海道のある町では、ことし雇用安定対策として町で新たに二千万円の予算を組みました。これで働くところのない労務者に仕事を与えました。これは除雪です。延べ二千九百人を雇用しました。本来なら機械で除雪をするところをすべて手積みでやりまして、ダンプを使わないで普通のトラックを使う。さらに、もうちょっと待てば解ける雪をわざわざ除雪をした。救農土木事業などのないところは、こうでもしなければ救済対策はないわけです。この町の通常の除雪対策費は千五百万円ぐらい、それになおかつ二千万上積みをしている。町としては大変な財政的な打撃を受けているわけです。その他の町村でも似たり寄ったり、大変な財政的な支出をしているわけです。こういうことに対して自治省は何らかの財政措置をすべきではないかと私は考えるわけでございますが、自治省の見解を伺いたいと思います。
○首藤政府委員 季節労働者対策等につきまして、地方団体が単独事業としていろいろな施策をされ、御苦労されておる、そのとおりだと思います。こういうことに対して私どもとしては当然財政援助をしてまいる立場にあるわけでありますが、単独事業でございますので、個別個別にどこの町村が何をやった、何をやったということにずばりと対応するという方法はなかなかむずかしいわけでありますけれども、いまとっております方法は、特別交付税におきまして出かせぎ対策に対する措置、こういうような措置を実はとらしていただいておるわけであります。大体農林業センサスあたりでこの出かせぎ者の数がわかりますので、そういったものを数値に置きまして、特にこれは寒冷地帯で厳しゅうございますから、五級地とか三級地とかいう高い寒冷地域では、それに補正係数を掛けまして一人当たり二倍に換算するといった措置もとりまして、特別交付税を配分をいたしておるのであります。五十一年度では総額約二十億程度になったと思います。これは主として東北及び北海道に行っておると思うわけでございますが、こういう包括的な財源措置、いまこういう方法しか実はないわけでありますが、その中で地方団体がそれぞれ実態に応じた措置をとっていただく、こういった措置はなお今後とも必要に応じて強化をしていきたいと考えております。
○斎藤(実)委員 これは労働省も言われていることでございますが、北海道の季節労務者が約二十八万人いるということで、私も承知しております。ところが労働省は、厳密に言えば雇用安定対策として急がなければならない要対策人員はこのうち七万人だと言われておるわけでございます。私はこの数字についてはちょっと承服はいたしかねますが、まあ労働省の七万人ということで、仮にそういたしましょう。しかし、この七万人に対して公共事業の早期発注なり雇用の拡大、あるいは職業訓練あるいは本州への就職ということでいろいろ対策を立てていらっしゃると思いますが、具体的にどういう対策をやっていらっしゃるのか、それに何人対応されるのか具体的にお尋ねしたい。
○望月説明員 まず、労働諸対策ということで二月末現在の数字をちょっと申し上げたいと思います。 一つは公共訓練でございますが、私どもは七万人のうちの千四百人という枠でやっておりますが、その中で二月末現在で千三百人を目下吸収しております。それから通年雇用の関係でございますが、四千人の枠のところ五千七百人を消化している。それから出かせぎ対策という形で、これは一万二千三百人を想定しておりますが、このうちすでに一万一千人を手当てしております。それから地元就労の確保に努めておりますが、これは八千三百人程度を予定しておりますが、このうち求人数という形で公共職業安定所にあらわれておる求人数が一万二千人ということでございますので、一万二千人とこの八千三百人の早期結合について努力をしておるということでございます。その他公共事業により就労を図るということで種々手当てをして、事業実施官庁に対しまして、たとえば災害復旧関係それから補正予算の関係あるいは五十二年度の公共事業の早期発注という点で現在お願いをしておるところでございます。 なおこれは小さい事業でございますが労働省所管の事業が若干ございます。これは主として雇用促進事業団の施設でございますが、五十二年度の雇用促進住宅を札幌につくることに予定しておりますが、これはすでに発注済みで着工に入っておるということでございます。
○斎藤(実)委員 いま職業訓練で千三百人、地方へ出かせぎで一万一千人、通年雇用で五千七百人、地元就労で一万二千人、約三万人ですね。これが二月、三月で就労して収入が得られるかというと、私はそうではないと思う。仮に七万人のうち三万人解決できるとしても、その三万人も二月、三月の収入を満たすための対策にはならないと私は思う。したがって限度がありまして、あなたがおっしゃったようなことだけではこの北海道の季節労務者対策は解決できないと私は申し上げているわけです。 それでは開発庁にお尋ねしますが、労働省として前向きに一生懸命やっていらっしゃることは私も認めます。しかし早期発注、通年雇用でこれらの人が二月、三月に収入が得られるような対策が果たしてできるかどうか、具体的に実行できるのかどうか。開発庁の工事発注の状況を見ましても、そんなに一遍に仕事を出すことはいままでの前例から言って無理だろうし、この辺について開発庁はどうお考えになっていますか伺いたいと思います。
○黒田政府委員 ただいまの季節労働者のいわゆる四十日分の問題でございますけれども、その季節労務者、二十八万人ないし三十万といわれております大部分はいわゆる建設業に従事しておる人間であろうと推定されるわけでございます。これにつきましては、私どもといたしましては、五十一年度につきましては、補正予算のときの季節労務を考えた要望という問題あるいは国庫債務負担行為というような問題で対処をしてまいっておるわけでございますけれども、数字的に例を申し上げますと、恐らく一人十五万円ぐらいだろうと思うのです。一万人というと十五億になるわけでございます。仮に先ほどの数字のように七万人だといたしますと百億を超す。百億の労務賃というと私どもでは数百億の事業費になるだろう。これを三月、四月というようなことで解決するということでは、現在の北海道の開発事業費の枠の中、ひいては国の予算の枠の中の公共事業費で全部カバーするのは非常にむずかしいのじゃないだろうか。また一つには仕事の年間の平準化という問題もございます。これにつきましても一つの開発予算の枠を現在の経済情勢から考えますと、これを平準化することによって逆に今度は完全失業者が出る可能性が出てくるのじゃないだろうかということでございまして、私どもといたしましては公共事業でできるだけのことはやりたいと思っておるわけでございますが、これは公共事業でもって解決するわけにはいかないのじゃないか。長期的に考えますと、私どもが北海道の開発をやっておるということは、要するに北海道の雇用の場をできるだけ多く広げていくという目的も一つあるわけでございますけれども、これはずいぶん長い話でございます。したがって、いまお困りの方々の季節労務をどういうふうにして考えていくかということについては、関係方面と、道を含めましていろいろ御相談をしておるわけでございますけれども、根本的な対策はまだはっきりしていないのが現状でございます。
○斎藤(実)委員 黒田総務監理官から公共事業だけではこの問題は解決できないという答弁がございました。よく言われますように十二月までは仕事をやったとして五十日ですから、二月の二十日までは雇用保険で仕事がある。二月の二十日以降約四十日、二月の後半、三月いっぱい、これはちょうど厳しいときでございまして、通年雇用あるいは寒冷地でも仕事をやれ——この場合は、労働者はそういう条件が整えば、あるいはヒーターを入れるとか、あるいは対策を講じてやれないことはないと思いますけれども、財政的に大変大きな負担になるだろうと私は思いますし、一月、二月、三月にやれる仕事と言えば、トンネルだとかあるいは橋梁の基礎のくい打ちだとか、ある一定の限度よりできないだろう。開発庁として、寒冷の期間もしやるとすれば、どういう手だてを考えていらっしゃるか、黒田さん、もう一遍ひとつ御答弁願いたい。
○黒田政府委員 冬期施工の問題でございますが、北海道、やはり道南あるいは道北、道東といろいろ違うわけでございますけれども、平均的に申し上げますと非常に酷寒の地である。同時に、積雪量が多いといういわゆる気象的な条件があるわけでございます。したがいまして、強いて冬に仕事をやるということになれば、暖房もし、また除雪もやるという形になるだろう。そういうことをしてまで事業をやるということが、果たして経済的に許されるかどうかという問題が一つ出てくるだろうと思うわけでございます。しかし、これは私どもを含めまして、いわゆる工事をやっております関係各省相寄りまして、何かうまい工夫はないかということで、冬期施工のやり方というものを現在検討しておるわけでございますが、ここ一、二年ですぐに結論が出るという問題じゃなしに、若干時期がかかる問題だろうと思っております。
○斎藤(実)委員 この北海道の季節労務者対策は、北海道にとってきわめて大きな問題でございます。それで特に最近北洋漁業基地を持つ市では、一次産業あるいは二次産業、三次産業を含めて、漁業関連業者は非常に大きな減収になるだろうというふうに予想されているわけでございます。したがって、そういう漁業基地である地方自治体の財政は非常に打撃を受けるわけでございますが、これらの二百海里の影響による漁業基地の地方自治体の財政に対して、自治省としてはどういう対策をとられるのか、お答えいただきたいと思います。
○首藤政府委員 二百海里問題等から漁業問題が発生いたしまして、それに関連をいたします市町村、いろいろの施策が必要だろうと思います。まだ具体的にどういう対策でどのくらいという金額がわかる事態までには至っておりませんけれども、市町村の財政支出の実情等を十分北海道庁とも相談をいたしまして、さしあたっては、五十二年度における特別交付税の配分等の際に、いろいろ考慮していく、こういう対策はぜひとらしていただきたいと思っております。
○斎藤(実)委員 いままでの論議を通じて明確になったことは、この積雪寒冷地帯の季節労働者の雇用対策については、公共事業の早期発注あるいは雇用機会の拡大等ではもはや対応できないということが明確になりました。したがって、不安定な雇用状態の是正は国の責任だというふうに私は考えるわけでございまして、この際、労働省におかれましても、雇用保険法の五十日を九十日に法改正をすべきだということについて、十分ひとつ御検討をいただきたいし、この法改正について、強く要望申し上げまして、私の質問を終わります。
○大西委員長代理 次に小川新一郎君。
○小川(新)委員 私は、基地返還問題について、新処理基準案についていろいろとお尋ねいたしたいと思います。 五十一年一月の二十日に大蔵省の新処理基準案が提示されて以来、数々の関係市町村及び県——埼玉県だけでも関係市が六市ございますが、そのほか神奈川県、千葉県、群馬県、それから東京都、埼玉県、こういった関係市町村を合わせますと、相当な数になりますが、まず、この基地を持っております関係市町村の昭和五十年度の決算はどういう状況になっておりますか。
○首藤政府委員 ただいまちょっと資料を持ってまいっておりませんが、五十年の決算分につきましては、資料がございますので、後ほどお手元にお届けいたします。
○小川(新)委員 大蔵省ではこの中で赤字になっている関係市町村をつかんでおりますか。
○松岡説明員 一般的に非常に財政事情が困難であるというお話を伺っている程度でございます。
○小川(新)委員 大蔵省でも、自治省でもそうですが、本当に真剣になって地方公共団体の財政問題がいま議論されているときに、膨大な基地が返ってくることに対しては非常に喜んでおるけれども、一体これらの関係市町村に長い間いろいろと御苦労をかけてきたという実情を踏まえて、人口急増、かてて加えて財政が逼迫し、赤字になっているということをまだおつかみになっていらっしゃらない、そういうこと自体がまず問題になっております。 きょうは、私の方からこう言うと、全く意地の悪い質問になりますから、後ほど調べて御答弁いただければ結構でございますが、そのような認識であっては、この関係都道府県や市町村との話し合いがうまくいくわけはないということをまず前提に申し上げておきたい。 すなわち、六月二十一日に国有財産中央審議会の答申案を決定して大蔵大臣へ答申をなさいました。八月の十三日には大蔵省がもうこの新処理基準案を通告してきた。いろいろと各議員がこの基地の跡地返還に関する問題を聞きますと、必ず答申案を尊重するのだ、答申案を尊重するのだと言っておりますが、一体答申案の尊重を見ますと、利用区分は面積十ヘクタール程度以上の返還跡地については、おおむねその面積を三等分して処理すること。原則として有償処分とし、法令上の優遇措置の適用限度についても、すべての返還財産を通じ、統一を図るべきであること。この二つの柱しかないわけです。非常に弾力的であり、考えようによってはまだまだこれは議論ができるという段階でございます。 ところが、私を初め各委員が大蔵省に質問いたしますと、必ずこの返還財産処理の問題についての国有財産中央審議会、この答申を金科玉条としておりますが、こういった審議会というものは地方行政でもございます。地方財政審議会だとか、いろいろな審議会があって、大臣の諮問機関がある。重要な抜本的な改革を答申なさっても実行したためしがない。たまたまこういう問題を提起すると、答申を尊重するのだ尊重するのだ。一方においては尊重しない、一方においてはこのように尊重すると言う。こういう姿勢というのはまことに理解できないのですが、これは首藤局長にちょっとお尋ねしておきたいのですが、地方自治体の問題、地方行財政の再改革についての大臣の諮問機関というのはどこでございますか。それは幾らも出されておりますが、余り実行されていない実例がございますが、そういう点について首藤さんはどのような御見解を持っていらっしゃるのか。大蔵省では国有財産中央審議会を尊重なさると言う、尊重なさることはまことに結構でございますが、こうやって地方自治体が非常に反対しているような問題を、ただこれを尊重するということで金科玉条的に物事を判断する。すべてにそういう問題で解決はできないというように私は考えておりますが、これは首藤さんのような知能明晰な財政畑の人にちょっと御意見を伺っておきたい。
○首藤政府委員 最初の、自治省が諮問機関というかっこうで一番いろいろのことをお諮り申し上げておりますのは、総理大臣の諮問機関でございます地方制度調査会、これが一番重大なものでございます。それから、今回の三分割問題に関連をいたしまして、国有財産の処分について大蔵省いろいろな御方針をお打ち出しのようでございますが、私どもといたしましてはできるだけ、地方団体の負担を増高させてそこの財政運営が困ることのないように、従前からございましたような優遇措置のできるだけの活用をやってほしい、こういうことを去年の七月でございましたか、大蔵省にも特に予算編成に先立ってお願いをした、こういう事態でございます。
○小川(新)委員 大蔵省はどうですか。
○松岡説明員 お答えいたします。 大蔵省、特にこの問題につきましては審議会は国有財産中央審議会でございますが、ここで出されました答申をできる限り尊重して進めてまいりたいと考えております。
○小川(新)委員 だから私は答申の問題でいまお話をしたのですが、地方行財政のこういった問題の抜本改革は、地方行政審議会、こういった審議会が大臣の諮問機関にあって、審議会では多分幾たびも幾たびもそういった問題を提案しておってもなかなか尊重できない。これは大蔵省であろうと自治省であろうと、大臣の諮問機関のそういった答申というものを尊重するのは当然ではあるけれども、いま言ったようにできないところもあるので、必ずしもこれを金科玉条にすることは、いま自治体の少なくとも地方行財政の逼迫した、赤字であるか赤字でないかもつかんでない、そういう無責任な状態の中で膨大な基地の跡地の利用に対して有償分割ということは納得できない。でありますから、いまこの問題を出しているわけであります。 次にお尋ねしますが、現行法による有償分割と新処理基準案によるところの分割によりますと、この関東計画の基地処理の面積、その面積と金額の点ではどれくらいに金額が開くのですか。現行法で処理した場合と新処理基準案によって、有償三分割によって支払われた場合、二分の一は現価でございますからこれは大変なことになりますが、どれくらいの差額がありますか、自治省。
○首藤政府委員 ちょっといま手元に資料を持ってまいりませんでしたが、たしか二百数十億、三百億足らずのものが九百億ぐらいになるんじゃなかったかと覚えております。
○小川(新)委員 私どもの試算によりますと、これが全額、三分の一でなくて、三分割しないで現行法で払い下げたとしても五百八十四億三千五百万、これに対して三分の一に分割されて、新しい基準案に従って地方自治体が支払う額は約二千九十五億と試算がはじかれておる。全額支払っても五百八十四億、これに対して、三分割に分けて新処理基準でやりますと二千億を超えます。これだけの開きが出てくるのです。これでありますから、自治体の方ではのめないのめないと、こう騒いでおるのでございます。 たとえば十一月の三十日にキャンプ朝霞の転用方針策定事務打ち合わせ会議において、関東財務局は、跡地利用計画策定のための会議を開催したが、関東財務局が大蔵方針を前提とする姿勢に固執したため、実質協議がないまま流会してしまいました。大臣にお聞きいたしますと、必ず地方自治体の意向を参酌してこれからも話し合いを進めたいと言っておりますが、昨年の十一月三十日、関東財務局と埼玉県キャンプ朝霞の打ち合わせ会議が流会になったままなんです。しかも五百八十五億、この約三分の一と見れば、三百億欠けます。それが二千億になってしまうというようなことでは、とてもこれはできない。これは首藤さん御認識をいただきたい。 これは大蔵省に聞いておきたいのですが、六年間の基地を所有しております公共団体が、もし基地交付金、特別交付金に換算した固定資産税分を、固定資産税がまるまる取れるとすると、基地交付金と特別交付金を合算した額と固定資産税の額との開きはどのくらいあるか試算なさっておりますか。これは大蔵省にお聞きしたい。
○松岡説明員 いろいろな数字を検討しているわけでございますが、ただいま手元に持ち合わせておりません。
○小川(新)委員 検討しておりますがいま持ち合わせがない。概算で結構ですが、固定資産税分で取った方が多いのか、基地交付金や特別交付金でお払いになった金額の方が多いのか、これくらいのことはお答えできますか。——できない。これも大蔵省では答弁ができない。 じゃ、これは自治省よくわかっているから答弁できると思いますが、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○首藤政府委員 基地交付金は、固定資産税の代替ということで、固定資産税相当の一四%の税率に相当する額を絶えず要求をしてきておったのであります。最近はそれにかなり準ずるかっこうになってきておりますが、従前はそれに足りませんでしたので、当然固定資産税の方が多いと考えます。
○小川(新)委員 私が試算したところによりますと、神奈川県の場合、これはちょっと期間が長いのですが、昭和三十二年から昭和五十一年までの総合計、基地交付金プラス調整交付金が五百九十九億、固定資産税相当分八百二十七億、差額が二百二十八億ございます。この差額に対して物価指数によるところの調整を行いますと約五百億になりますので差額が約五百億になる。横須賀市の例を見ましても、昭和五十一年度のみ見ましても差額が約三億三千万円。私どもの住んでおります埼玉県のキャンプ朝霞の例を見ましても、六年間に約三億円ぐらいもらい分が出てまいります。三億五千四百五十二万二千円。埼玉県の所沢基地、ジョンソン、キャンプ朝霞の合計をいたしまして三億五千四百五十二万二千円。これは昭和四十六年から昭和五十一年までの積算をしてもこれだけの取り分があるわけであります。こういう前提に立って、いままでその基地のあるところでは、財政的にも、また公害の面においても、都市計画上においても犠牲を払ってきたわけでございますから、当然これは大蔵省の新処理案という、その出てきたところ、よってくるところというものを一はっきりしないそういう基準案を一方的にのめと言っても、これはなかなか地方公共団体がうんと言うわけがございませんが、これは政務次官、どのようにお考えでございますか。
○中山政府委員 先ほどからお話がございました。また午前中も石川委員から御指摘がありました。確かに基地の固定資産税がその当該市町村の税収を圧迫をしているということは御指摘のとおりでございます。ただ、返還基地の処分三分割という原則は曲げられないと思いますけれども、いま申し上げました地方財政の非常に厳しい実情にかんがみまして、地元の地方公共団体の財政負担能力というものを勘案しながら、無償貸与などを決めております国有財産特別措置法というようなものを生かして、分割に当たって財政負担が地元の財政を大きく圧迫しないようにこれからも努力をしていきたいと思っております。
○小川(新)委員 そういうことはもうわかっているのですよ。そういうことはもういままでやってきているんです。それを踏まえた上でなおかつ新しい処理案というのは、いま言ったような数字が出ちゃうんです、いろいろなことを言って。これだけあなたの方の地方公共団体に払い下げましょうという、三分割の一つの公共団体払い下げ分の半分は、いまあなたが言ったような国有財産法、何とか法、何とか法で守ってあげましょう、あとの半分は原価で払おうっていうんですよ。そういうことはもうわかっているんですよ。何か質問をすると、必ずそういう答弁が返ってくるんです。この二分の一の方はそれをやってくださるんだ、それはありがたい、わかっている。ただ、こっちのあとの二分の一は原価であなたの方へお金をちょうだいという、こういうことなんだ。だから、半分の二分の一の原価払い下げ方式を改正しなきゃならぬということを言っているので、一方的に譲歩を求める姿勢で開始されている限りは、これは話し合いの余地がありませんから、そこで私どももめちゃくちゃに何もかもただでくれなんて言っているんじゃないんです。公共団体だって、そんな話のわからないめちゃくちゃなことを言っているんじゃないんです。現行法だってただじゃないでしょう、事務官。現行法だって、これは有償ですよ。ただ、金額が、私がさっき言いましたように五百八十五億、これだけの金額は払わなければならない。ただ、その額が多いか少ないかの議論はあります。だから、新処理基準案について、大蔵省は地方側の一方的な譲歩を求め、地方関係団体が挙げてこのような強硬姿勢について強い不満を表明し、跡地処分問題は膠着状態であります。跡地の有効利用を図るためにも、弾力的な姿勢でまず地元と話し合う必要があります。これを一言、大蔵省はどう思うか。
○松岡説明員 三分割方式については、すでに非常に多くの議論がなされてきているわけでございますが、大蔵省といたしましては国有財産中央審議会が時間をかけて慎重に審議した結果出された答申でございます。これを行政運営の指針として今後は具体的な跡地ごとに地元の関係者各位と具体的な利用計画の話し合いを詰めてまいりたい、こういう考えでおります。
○小川(新)委員 私がこの前質問したときには、三分割にはこだわらないということは御答弁いただいております。三三・三%に何でも切っちゃうんじゃない、これは地方の都市計画や再開発に必要な面積が三三・三%を超えた場合でもそれは話し合いに応ずる。問題は、この三分制よりも有償の方なんですね。だから、まず絶対にこの答申の三分割有償の新処理基準案を撤回しないで、この土俵の中で地元公共団体と話し合うというのか、この三分割有償法案を少しは変えなければいかぬだろう、その中で弾力的に考えるのか、ここが一番聞きたいところなんであって、地方団体が貸し付け、譲渡条件について大蔵省側の弾力的な歩み寄りを求めているのは、いわゆる新処理基準案における「イ 跡地の二分の一は時価譲渡とする。ロ 残る二分の一について現行法令で定める優遇措置を適用する。」という取り扱い方針について再考してくれという趣旨なんです。これは、首藤さんどう思いますか、私の考え方について。
○首藤政府委員 先ほども申し上げましたように、私ども自治省の立場といたしましては、こういった跡地の利用計画、これに伴います財政負担が地方団体の財政を大変困窮させるという事態が起こることは望ましくございませんので、できるだけ弾力的に対処してほしい、こういうことを大蔵省にも申し入れをいたしておりますし、そのようなつもりでおります。
○小川(新)委員 これは大蔵省、いま私が言った「イ 跡地の二分の一は時価譲渡とする。ロ 残る二分の一について現行法令で定める優遇措置を適用する。」という取扱い方針については、これは再考の余地がないのですか。
○松岡説明員 返還財産は何分にも広大な面積に及ぶものでございますから、これに法令上の優遇措置を限度一ぱい適用するということは、返還財産の存在しない他の地方公共団体とのバランス上、問題なしとしないところでございまして、大蔵省としてはそういった観点から、処分条件の統一基準を定めたものでございます。大蔵省といたしましては、この統一基準が最も妥当なものであるという考え方を変えておりません。
○小川(新)委員 すぐあなたは国有財産の返還と基地の返還との不平等、不公平さが出てしまうのだということを言っておりますが、私がさっきから言っているように、固定資産税と基地交付金や特別交付金の金額の差額を見ただけだって、国有財産一般の払い下げと基地の跡地の利用の払い下げとは、これだけ違いがあるのですよ。しかも、あなた方のおっしゃっている理論からいけば不公平、不平等性というものを逆手に使って、そういうところに使ってくるということは、地方公共団体が赤字になっているか黒字になっているかでさえもこの委員会では説明がつかない、どれくらい困難になっているかわからない状況下にあって、この膨大な基地の跡地利用について一歩もがんとしてその新処理基準案を撤回しようとなさらないんじゃ、これじゃ、地元優先の声だなんて、あなたの大蔵大臣坊さんがぼうぼう言っているけれども、何を言ってるのかと私は言いたいよ、本当に。坊大臣が言うのは、地元の考えを十二分に取り入れる、聞くと言っている。地元の案だって何も全部ただでくれと言っているんじゃないんですから、何でもかんでももうめちゃくちゃにただでゼロだ、ゼロゼロセブンだなんて言ってないんだから。いま言ったように二分の一の原価の払い下げと、あとの二分の一の優遇措置との、このところの兼ね合いの変化がどこかできないか、二分の一の原価をもう二分の一削るとか、もう三分の一じゃあ何とかするとか、その辺の歩み寄りが出てこないと、当委員会で何だか示唆してくれなければ、いつも対立の並行線のままでいってしまうので、どうですか、この辺もう一遍聞きたい。 これは首藤局長、この辺ぼくの言っていることはむちゃくちゃじゃないと思うのですがね。これは政務次官に聞きたい。政務次官どう思われますか、ぼくはここまで明確に言っている。
○中山政府委員 先ほど言葉が足りなかったかと思いますけれども、ただいま首藤局長からも御答弁申し上げましたように、との問題については地域全体の開発計画、また跡地利用そのものに対する中期利用計画の中での計画で、いろいろ地元の実情をよく勘案し、また十分に話し合いをしていただいて、何もその三等分も小川委員がおっしゃるような三・三三ずつに分けるというようなことでもないと思いますし、またいまの優遇措置についても十分話し合いの余地があり、話し合いのつかない部分についてはまた自治省なりの援助をしていきたいというふうに考えております。
○小川(新)委員 いかに大蔵省が質問をごまかした答弁かという一例をちょっと言いますと、これは予算委員会で聞かれていることなんですが、理財局次長は、完全無償貸し付けの対象は道路、墓地などだ、減額譲渡の場合は全体の半分は有償、さっきから言っているように有償、残り半分に五割減額を適用するから全体としては二五%減だなんて、こういうことを言って、道路だ墓地だなんていうことを引っ張り出してきていますが、道路とか墓地なんというのは、これはちゃんとここに出てますよ。道路法第九十条二項では、地方公共団体に対し無償貸し付け及び譲渡することができると明文の規定がありますよ。墓地は、国有財産法第二十二条、地方公共団体に対し無償で貸し付けすることができると明文の規定がありますよ。そういうものをあえてわざわざここへ出してきて、さもおまけしてあげているんだと、聞きもしない、道路がただだとか墓地は貸し付けるんだとかと。それとこれとは違うじゃないですか。そういう答弁を大蔵省はしているんですよ。首藤さん、あなた、この私の質問に対してどうです。こういうことをあなたのようなプロが聞いていたらどう思います。私のような素人が聞いたっておかしいと思うんだ。こういうことは聞いている対象じゃないのです。
○首藤政府委員 大蔵省のお答えがどうでありましたか、私存じておりませんが、自治省といたしましては、先ほども申し上げましたように、やはり地域の実情というものをよくくみ取ってもらって、弾力的に対処してもらうようにこれはお願いをする、こういう立場を貫きたいと思っております。
○小川(新)委員 首藤さん、私が聞いているのは、道路法第九十条二項、国有財産法第二十二条、こういう問題をこういうところへ出すのが妥当かと聞いているのですよ。そんなことは地方公共団体の、あなたはベテランで、こういうことをいろいろやっているじゃないですか。
○首藤政府委員 他省の方のお答えになりました答弁でございましょうから、適当だとか不適当だとか、そういうあれは差し控えさせていただきたいと思います。
○小川(新)委員 適当だとか不適当だとかって、あなたはすぐそういうように責任のある答弁になると逃げちゃうけれども、地方公共団体のこの基地跡地の問題について、聞いてもいないことを、あることを出してきて、その答弁の中で、おまけしてやっているような、ものすごく優遇措置を講じているようなことを言っているから、こういうことはもうここに法律にあるじゃないかと。そうでしょう。この問題とこっちは違うんですよ。いま言っていることは、優遇措置の方はわかったと言っているんですよ。だから、二分の一の優遇措置はこういう問題があるでしょう、わかっています、だけれども、こっちの半分の有償について、現価だから、これを何とか折れない限りどうにもならないでしょうと、何度も何度も質問しているんだけれども、大蔵省はがんとしてこれは聞きそうもないなあ。これじゃ困っちゃうんですよね。
○松岡説明員 ただいま、先日の大蔵省側からの答弁につきましてお触れになりましたので、一言敷衍して説明させていただきますが、統一処分条件を、二分の一の面積について時価売り払い、残りの二分の一の面積について優遇措置の適用と定めております場合、したがいまして、公園につきましては、二分の一の面積は時価売り払い、残りが無償貸し付け、こういうことになるわけでございまして、法律上の規定では、国有財産法第二十二条に、公園につきましても無償貸し付けできるという規定があるわけでございます。それとの平仄から言いますれば、道路も墓地も火葬場もそれぞれ無償貸し付けできるわけでございますけれども、半分の面積を時価売り払いするということもあり得たわけでございますが、道路等につきましては全部の面積を無償貸し付けする、こういうことを大蔵省から説明したわけでございまして、公園とのバランスからいえば、これは特別の扱いであるというふうに理解しているものでございます。
○小川(新)委員 それから、私がこの前聞いていた支払いのことなのですが、貸し付け譲渡条件について地元と弾力的に協議すると答えておりますが、趣旨は、支払い条件などで話し合うという意味だとすりかえているように思うのですが、この支払い条件というのは、国有財産法第三十一条で五年、国有財産特別措置法第十一条で最高十年の、これは年賦払いの明文の規定があるわけですから、支払いについても特別優遇措置が講ぜられたということでなくして、これは、年賦払いの規定というのは、すでに現行法上ある、こういうことはあるんだと、首藤さん、こういう問題はお認めいただけますか。
○首藤政府委員 ちょっと質問の内容をわかりかねましたので……。
○小川(新)委員 じゃ、もう一遍言いましょう。過日この支払いのことについて私が質問したのです。そしたら、貸し付けとか譲渡の条件について地元と弾力的に協議すると、こういう答弁が返ってきたんです。これに対して、趣旨は、支払いの条件などについて話し合うという意味だとして、非常に弾力的だと、おまえさん方の方の話し合いについては、お金を払うことについては非常に優遇的に話し合ってあげましょうよという答弁だったんで、私も当時は不勉強だったから、はあそうですかって引き下がっちゃったんです。よくよく調べてみたら、支払い条件というのは、国有財産法第三十一条で五年、国有財産特別措置法第十一条で最高十年の年賦払いについて明文の規定があるんですよ。だから、国会の審議をそういうふうなところにすりかえるというようなことじゃないんでしょうけれども、年賦払いの規定というものはすでにこういった二つの現行法であるんだから、何も話し合いを特別にするとかしないとか、恩義たらたら言う必要はないじゃないかというのが私の質問なんだ。それを認めるがというんだよ。こんな簡単な質問なんだよ。
○首藤政府委員 はなはだむずかしい御質問でございますが、そのような条件があるならば、それをできるだけ適用していくということは話し合いでやっていただいてしかるべきものだと私も思います。
○小川(新)委員 だから、何も私があえて大変だ、財政措置を講じろ、支払い条件をうんとしろと言うことはないじゃないか。あるんだから。あることをただありのままに適用すると言っているだけだということをあなたはいま認めているわけだから、それ以上にもっと大変な問題をいま自治体側が抱えているんだから、こういった現行法でいろいろある問題は活用するでしょう、大蔵省だって。大蔵省はそんなめちゃくちゃなことをするわけはないんで、それは使ってくれると思うんです。だから、あえて国会で質問する場合にすりかえて、私どもはもっと優遇措置を講じろと言ったら、現行法にあるものを持ってきて優遇措置にすりかえるということがおかしいじゃないかというのが私の質問なんです。こういうものがあるんなら使うのが当然で、何も改めて優遇措置だ、話し合いだなんて私の質問に対して答える筋じゃない。 そこで確認しますが、いつまでもぐるぐる回っていてもしようがないですが、新処理基準案のイとロという内容そのものについては譲歩する姿勢で、渉外関係主要都道府県知事連絡協議会や全国市長会、防衛施設周辺整備全国市町村協議会と話し合うかどうか。これは自治省でもいま私が細かく掘り下げて説明したからよくわかると思いますが、ここがいま言った関係団体、都道府県、市町村のねらいどころなんです。だからといって、話し合いですから、何でもかんでもおれの言うことを聞かない限りは、と、棒をのんだようなわけにいかないだろうから、こういった弾力的な話、ここが弾力的と言っているんです。さっきから質問している弾力的というのは、ある中の弾力的なものを持ってきて、財産の払いも弾力的なら道路も墓地もああだこうだと、そんなものはみんなあることを、弾力的だ、弾力的だと言うから質問している側はみんなそうですがそうですかとこうおりちゃうわけです。いま私たちがすりかえられないようにここでがんとして言っていることは、新処理基準案のこのイとロ、二分の一の現価有償方式と優遇措置とこんぐらかった話じゃなくて、このイとロという内容そのものについてもう一遍譲歩する考えがあるのかないのか、ここが弾力的な発想なんだ。この弾力的発想で市町村協議会と——これは政務次官、ここは答えてもらわなくちゃ困りますよ。
○中山政府委員 おっしゃる意味よくわかりますし、いろいろな優遇措置その他弾力条項が現にあるわけでございまして、それ以上の優遇措置と言われましても舞台から飛びおりるようなことはなかなかむずかしいわけですけれども、実際の返還を予定されております基地も全国にはたくさんございまして、それぞれの事情、地元の考え方は多種多様に分かれているだろうと思います。できるだけの話し合いの中でそういう弾力条項、優遇措置等を活用しながら、地元の財政に響かないように話し合いを進めていきたいというふうに考えております。
○小川(新)委員 ここで大蔵省の答弁を本当は求めるわけですが、それは当然求めるのが筋ですけれども、あなたの答弁は恐らく、想像するに、国有財産中央審議会の答申が出ておってむずかしい、これ以上のことは出ないような顔をしていますから聞きたくないんだけれども、そういうことは、私がさっきからここで読んでおります審議会の答申の中に、アとして、利用区分云々、イとして、原則として有償処分とし、法令上の優遇措置の適用限度についても、すべての返還財産を通じて統一を図るべきであること、これしか書いてないんですよ。だから、この答申からいっても、二分の一は時価譲渡、残る二分の一は法令の優遇措置適用という処理以外の処理は考えられないんだというのは、このイのところを見ても全く納得できないんですがね。だから、いまあなたが言ったように答申案を金科玉条とするんではなくて、答申案のイの部分をもう一遍検討して、弾力的な物の考え方から、先ほど私が申し上げております関係都道府県団体や知事会や、そういったすべてのところに、大蔵省としてもう一遍、きょうのこの地方行政委員会は余り人がおりませんけれども、これはいま大事な話をしているんだ、そこにおいてこういう議論が出ておることをあなたが大臣に細かくお話をしていただいて、もっと弾力的である答弁を願っておきたいんです。
○松岡説明員 返還財産の処分条件に関します統一的な基準の内容につきましては、本来行政当局が独自に決定すべき事柄であるという立場から、答申ではあえて触れられておりませんけれども、この答申を審議いたしました国有財産中央審議会返還財産処理小委員会におきましては、二分の一を時価譲渡、二分の一を優遇措置適用という内容につきましても、大蔵省から説明を行っておりまして、審議会の委員各位の十分な御理解を得たところでございます。大蔵省としては、したがいましてこれが最も妥当な基準であるという考え方を堅持しているわけでございます。
○小川(新)委員 何回聞いても同じ議論、これだけ言ってもだめ、私もほとほとあきらめた。がんとして聞かないこの大蔵省の石頭、発想、これでは大利根の対決どころではないですよ。これはまたえらい騒ぎになりますよ。どうかひとつ、そういうことを踏まえた上でもっと弾力的に、首藤さん御苦労だけれども、それから政務次官、きょうは大臣いらっしゃらないけれども、いまのやりとりを聞いておりまして、このままではとても納得できない有償方式でございますので、弾力的な話し合いの場を何らか求めたいということを最後にお願いして、私の質問を終わりますが、ひとつ決意をお聞きして終わらせていただきます。
○中山政府委員 基地という特殊な性格を十分に考えまして、また大蔵省ともいろいろ話をしながら、御趣旨に沿えるようにがんばっていきたいと思います。
○小川(新)委員 終わります。
○大西委員長代理 次回は来る五日午前十時委員会、正午理事会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十四分散会