地方行政委員会 第4号
- 発言数
- 433 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1977/03/22
会議録
○地崎委員長 これより会議を開きます。 内閣提出に係る地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川省吾君。
○小川(省)委員 最初に大臣にお伺いをいたします。 予算委員会の中で徹底的に論議を尽くされた問題なのでありますが、景気浮揚には減税か公共事業かという問題であります。もちろん減税と公共事業の併用が一番よいのに決まっておりますけれども、大臣はどうお考えですか。
○小川国務大臣 お答えいたします。 この問題につきましては総理大臣がしばしば表明をしております見解と私も同じ考え方を持っておるわけでございまして、景気浮揚に対して公共事業の方が効果としてより直接的である、かように考えております。
○小川(省)委員 低所得者層に対する戻し税的な減税をやるのが消費購買力をつくり出すのに一番よいのに決まっておるわけであります。しかし、いま大臣が答弁になりましたように、福田内閣は公共事業一本やり、公共事業が一番いいのだという姿勢を貫いてまいったわけであります。同じ公共事業でありましても、地方自治体を通ずる公共事業は地場産業に対して非常に波及的な効果を持っておるわけでありますから、景気浮揚には非常に大きな役割りを果たすと思っております。しかし本四架橋でありますとかあるいは新幹線、高速道路等、国直轄の大型プロジェクトの事業というのは、余り波及的な効果を持っていないと思っておるわけであります。大臣は閣議の中で、そういう大型事業に中心を置かないで、自治体を通ずる公共事業の方に大きく力を入れた方が景気浮揚には効果がある、当然そういう発言をなされたと思っておりますけれども、そういう御主張をなさいましたか。
○小川国務大臣 特にそういう発言を閣議の席でしたということはございませんが、今回の予算の相当の部分が地方自治ということになっておりますので、ただいまお言葉にありましたような意味で、景気刺激には大いに役立つと信じております。
○小川(省)委員 そのとおりでありますから、ぜひひとつ今後とも地方自治体を通ずるところの公共事業に最重点を置くという姿勢を、閣議の中でも貫いて主張をしていっていただきたいと思います。 次に、税調の答申と税法改正の関連についてお伺いいたしたいわけであります。 本年の税調の答申は一月十一日に出てきたわけですね。政府の大蔵原案というのは十三日にあったはずです。このことが意味するものは、税制調査会というのは政府の方針に対する追認機関の役割りしか果たしてはいない、こういうことを示しているのだというふうに思っております。税調の地方税部門にかかわる答申は、自治省が当然事務局であると思いますから、自治省税務局の考え方が税調の答申なんだというふうに理解をしてよろしいですか。
○小川国務大臣 税制調査会は各界の学識経験者の方々を構成メンバーといたします総理大臣の諮問機関でございまして、税制の基本問題について御審議を願うわけです。むろんこの答申が政府を法律的に抱束するわけじゃございませんが、この答申は貴重な指針と心得て常に尊重をいたしておるわけでございます。いま、いつの幾日に答申があって云々というお話がございましたので、その辺のことにつきまして政府委員からお耳に入れます。
○森岡政府委員 税制調査会の答申はただいま御指摘のありましたように、一月十一日になされておりますが、調査会における税制改正に関する御審議は昨年の選挙が終わりました直後からもうすでに始めていただいております。私どもといたしましては、税制調査会にいろんな考え方を申し上げ、それに対して御審議をいただいておるわけでございますので、税制改正の作業はそれと並行しながら、税調の御意見の帰趨を見定めて、間に合うように努力をいたした、こういうことでございます。お話のように自治省の考え方がまるっきり税制調査会の御意見になっておるというものでは全くございません。
○小川(省)委員 全くございませんということはないと思うのですよ。一月十一日に答申があって、政府原案が十三日にできるわけですから、自治省税務局の考え方がかなり貫いているものが私は税調の答申だと思っております。いまその論議は避けます。 私自身もそうでありますが、素人なら素人なりに、歩きながらも、夜寝ながらも、地方の適切な自主税源というものはないものかということに頭をひねっている毎日であります。私は、税の元締めである税務局長等は、当然そういう考え方で毎日を過ごされておると思うのですが、そうでしょう。
○森岡政府委員 財政がこういう状況になりまして、税収入をいかほどでも増加をさしていきたいということは念願でございます。そういう意味合いで、新たな税源の発掘というものを何らかの形で実現はできないものかということで、日々苦慮いたしておるわけでございます。その意味合いにおきましては、御指摘のとおりでございます。
○小川(省)委員 それにしては本年の改正案は、私はこんなものかと、大変失礼でありますけれども、言わざるを得ないと思うのです。厳しい地方財政の現実から、住民負担の適正化を考慮しながら、地方税源の充実を期していかなければならないわけでありますが、以下、答申案に沿いながら若干のお尋ねをいたしたいと思うのです。 答申の中でこう述べています。所得税において源泉分離課税を選択した利子所得等について、住民税に相当する額を地方財源として確保するための所要の措置を講ずべきである、こうあります。九百五十億の特例交付金の中身の一部がそれを意味するのだという答弁かもしれませんけれども、当然、捕捉は困難かもしれないけれども、利子配当所得の総合課税として打ち出していくべきではなかったのか、こう思うわけであります。 また、有料道路に対する課税に対しても言及をしておるわけであります。使用開始後一定期間を過ぎた有料道路に対して、固定資産税を当然課すべきだと思うのです。どうして本年から実施をしなかったのか。本気で地方税源を充実するという意思があるのかどうか大変疑わしいのですが、その点についてはいかがですか。
○森岡政府委員 先ほど申し上げましたように、地方税源を拡充いたしたいという気持ちは強く持っておるわけでございますが、御案内のように、現在の景気の状況から申しますと、一般的な増税を実施いたしまして税源を拡充するということは、国民経済に与える影響から申しましてなかなか問題があるところでございますので、それには五十二年度において踏み切るということは困難な情勢にあったわけでございます。 御指摘の利子所得等で源泉分離課税制度を選択いたしました所得につきましての地方税負担の求め方でございますが、確かに基本的には、総合課税の制度が実施されますならば、住民税もそれに即しまして確保されるわけでございますけれども、しかし、御指摘の税制調査会の答申にも明示されておりますように、現在の金融制度のままで総合課税に直ちに踏み切りましても、捕捉の問題を考えますと、これはなかなか十分な税収の確保はできない。むしろ源泉分離選択課税制度の方が徴収の確保は現段階ではできるのではないか、こういう御意見すらあるわけであります。 そういう意味合いで、基本的には総合課税制度に移行し、住民税もそれに即して課税をするということが最終的な目標でございますけれども、現段階ではなかなかそこまでいかない。そこで、私どもといたしましては、源泉分離選択課税制度が存します段階で住民税を課税しようといたしましても、これは課税技術上できないわけであります。したがって、これはやむを得ず何らかの形で財源配分の面で実効を得たいということで、御案内の臨時特例交付金の要求をいたしたわけでございまして、それに応じましてある程度の成果は得たものと考えております。 有料道路につきましては、これまた御指摘の税制調査会の答申の中に書いておるとおりでございますが、率直に申しまして、時間的な制約がございまして、政府部内の関係省庁との間の意見調整が税制改正までに間に合わなかったわけでございます。そういうふうなことから、同答申でも触れておりますように、五十三年までに制度的な結論を得るように政府部内で意見調整をすみやかに行え、こういう御答申をいただいておりますので、それに即して努力を進めてまいりたい、かように思っておるわけでございます。
○小川(省)委員 いまの御答弁で、利子配当所得の点はそういうことですが、有料道路は、結論を得られなかったということであるけれども、自治省が本当に努力をすれば得られないはずはないのですよ。だから、そういう点に対する努力が、自主税源の充実をうたいながら、どうも自治体に対して本当に考えているのかどうか疑わしいというふうにすら実は思うわけでありますから、ぜひ注意をしてもらいたい。 それからまた、法人事業税について外形標準課税の導入をうたいながら、結局結論が得られなかったわけですが、なぜ結論が得られなかったのか。自治省内部でまとまらなかったということですか。
○小川国務大臣 外形標準の問題でございますが、一つは、税の性格を明確ならしめたい、あるいは本来の姿に近づけたいと申すべきでございましょうか、もう一つは、府県に安定した税収を確保したい、こういうことで問題を提起いたしたわけでございます。 この問題につきましては、税制調査会に対しまして、その際どのような課税標準によるべきか、あるいは税率をどうすべきか、あるいはそもそもこの税を導入すべきか否かという点について御審議を煩わしたわけでございますが、いろいろの御意見があったと聞いております。最終的には、今日の景気に与える影響等も考慮してもう少し慎重に検討せよ、こういう御答申がございましたので、引き続いて検討することにいたしておるわけでございます。
○小川(省)委員 大企業優先の法人税法上の減免措置がそのまま法人事業税に引き継がれているから、法人課税における不公平もそのまま持ち込まれているわけであります。法人事業税には、緩いとはいいながらも累進税率が適用されているわけですから、景気変動による激しい税収の変化がもたらされて、収入の安定性に欠けてくるわけですね。高度経済成長時代ならばいざ知らず、いまの低成長減速経済、こういう経済運営を余儀なくされているわけでありますから、その欠陥を取り除くためには、どうしても外形標準課税を導入していかなければならないわけでありますが、そういう点はお認めになるわけですね。
○小川国務大臣 仰せのとおり、今日府県がこの税に大きく依存をしておる、そこで景気の変動に対して非常に敏感である、不安定であるという点にかんがみまして、私どもはこの問題を提起したわけでございまして、まさしく仰せのとおりの趣旨で問題を持ち出したわけでございます。
○小川(省)委員 法人の均等割住民税を若干引き上げたことは認めます。だから、私はそういう意思があったということもわかるわけです。しかし、これだけではもちろん十分ではないわけですね。そういうわけですから、なぜ外形標準課税を導入しなかったのかということについて、もう一回改めて伺います。
○小川国務大臣 ただいま申し上げたとおりでございまして、いま少し慎重に検討すべし、こういう答申をいただきましたので、さらに関係方面と話し合いをし、私どもの意図するところを十分理解してもらう努力を続けたい、こう考えておるわけであります。
○小川(省)委員 結局、もう少し慎重に検討しろというのは、自治省、税務局がつくるのですよ、あの税調の答申の案は。だから、私は自治省がそう思っているからそういうのが出てくるので、そういう点を言っているわけです。 そこで、私は自治省が税源を求める形で法を改正するのに二通りの方針があると思うのですね。一つは、自治省が原案を税調に示して、税調の答申を受けて税法を改正していくというやり方があるし、もう一つは、自治省の素案を知事会等に示して、あるいは市町村長会等に示して、そして自治省お得意のいわゆる行政指導というもので、まず都道府県等に先行させて、そして法改正をするというやり方も一つとしてはあるわけです。なぜ結論を得られなかったならば、この後者の方法を用いて、こういう方法をとって、まず都道府県に先行させておいて、そして都道府県のうちの三分の一なりあるいは半分なりが実施をしていけば、当然翌年度には法改正ができるわけですから、そういう法改正の仕方も税源を充実をするという中にはあるわけですから、そこまでの勇気がなぜ出せなかったのかということを疑問に思っているわけです。地方税源の充実というのがうたい文句だけで、本当に考えていたのかどうか、その辺も疑わしいと思っております。野党の私どもの案では、外形課税の導入を当然決めています。素直にそういう点については応じていったらよろしいというふうに思っております。どこか気がねをしなければならない方面があるのですか。
○森岡政府委員 法人事業税の外形標準課税の問題につきましては、いま大臣が申し上げたような経緯をたどったわけでございますが、自治省といたしましては、ここ十数年来、事業税の性格、県税収入の安定性の確保という観点から、ぜひこれは実現いたしたいということで、税制調査会に何度も御審議をお願いしてまいったわけでございます。何といたしましても、いまの経済情勢のもとでこの外形標準課税を導入をするということは、負担に相当の変動を与えるわけでございます。最も具体的な問題は赤字企業に相当の税負担を求めてまいるということでございますが、それがまた事業税の外形標準課税導入の基本的なねらいであります。しかし、それはまた納税されます企業の側からいたしますと、現在の経済情勢のもとではいかがか、こういうことになるわけでございまして、その辺のところからさらにもう少し検討をしろ、こういう御意見になっておるわけでございます。別に気がねをするということではございません。 それから、税法の改正を、いろいろなパターンがあるではないかという御指摘でございますが、そのとおりだと思いますけれども、地方税法は一面において地方団体の税源の付与の法規でございますが、同時にまた、納税者の税負担に関する規範でございますので、やはり余りに各地方団体が個別に納税者に違った税負担を求めていくということについてはいかがか。やはり法律によりまして負担の明確化を図っていくという方が望ましいという気持ちを持っておるわけでございます。
○小川(省)委員 安心をしました。どこに気がねをするところもないということですから、いわゆる地方税源の充実という命題の前には気がねをしないでやっているのだという点を再確認できたからいいわけですが、どこか首長の強いところなどに気がねをして税運営をやる、いまの地方財政の窮状を打開するのに気がねなどは必要ないわけですから、ぜひひとつそういう態度を貫き通していただきたいと思っております。 昨年十月二十二日、第十六次の地方制度調査会の起草委員会名での報告が出されております。 〔委員長退席、大西委員長代理着席〕 当時私どもも調査会の一員でありましたから、全面的に賛意は表さなかったわけでありますが、その答申が出されたことを承知をしておるわけであります。ところが、この中に自治省の税務局や財政局にとって重要な提言が一つあります。そこでいま、これは恐らく自治省——この地方制度調査会も事務局は自治省でありますから、自分自身に提起をしたものだというふうに私は思っているわけでありますが、こういうふうに述べられています。「今後予想される厳しい財政経済環境の下において、財政収入の安定性、伸長性を確保し得る税制を確立することを目途とし、租税負担の引上げによる地方独立税源の充実を図るとともに、国と地方公共団体との間及び地方公共団体相互間の税源配分のあり方についても検討を加え、現行税制の抜本的な改革に踏み切ることが必要である。」と述べられておるわけであります。みずから書いた地方制度調査会の事務局である税務局としては、ここに述べられている「抜本的改革」を、五十二年度の税法改正に踏み切った中でどこでどう示しているのか。何をもって「抜本的改革」と言っているのか、お答えをいただきたい。
○森岡政府委員 地方制度調査会の「地方税財政制度のあり方についての起草委員会報告」の中には、いま御指摘のように今後の地方税制のあり方、ことに地方独立税源の充実につきましての御提言があるわけでございますが、これは、今後中期的に見た場合の地方税制のあり方についてかなり基本的に御検討願った結果の起草委員会報告でございます。先般国会に御提出いたしました中期財政収支試算などをごらんいただきましても、なお昭和五十年代前半におきまして財政収支はかなり困難な状況にあるわけでございますが、そういう意味合いにおきまして、私どもはこの御報告は五十年代、少なくとも五十年代前半におきます地方税制のあり方についての大綱なり指針をお示しいただいたものだと思っているわけでございます。五十二年度におきましてはこういう御報告もいただきましたので、鋭意その趣旨を実現できるように努力をし、検討したわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、現在の経済情勢から申しますと、基本的な税制改正を行うには、やはり時期としてはこれはマッチしない、こういうふうな御意見が税制調査会で強うございまして、そのようなことで五十二年度の税制改正はいわば調整的な税制改正にとどまっておるというふうに私どもも考えておるわけでございます。
○小川(省)委員 私は当時もそう思っておったわけでありますが、当時の十月ごろの段階で抜本的な改革というのは、私は外形標準課税を法人事業税に導入をできるということで、法人事業税に外形標準課税を入れれば、抜本的改革になるからというような意図が込められてなされたところの提言であるというふうに理解をしておったわけでありますが、そういう理解——当時の情勢はそういうことではなかったわけでありますか。
○森岡政府委員 確かに事業税に外形標準課税を導入するということも御案内のように抜本的改正の重要な項目であろうと思いますが、しかしこの報告の中で盛られておりますように、たとえば個人住民税の減税を今後どう考えていくのかということもかなり大きな問題でありますし、さらに資産課税あるいは間接税等につきまして地方税の拡充を図っていく場合の方策について検討することも、これもやはり大きな抜本改正の一部でございます。さらにまた道路目的財源が不足いたしておりますから、これをいかにして拡充していくかというふうないろいろな問題があるわけでございます。事業税問題も含めまして各般の事項が抜本的改正の課題として示されておる、かように考えております。
○小川(省)委員 そうはお答えにならなかったけれども、当時においてはいわば五十二年度法改正の重要な柱の一つであったことは間違いないわけですね。それがいろいろな各般の事情でおくれたということだというふうに理解をいたしておきます。 それから事業税について一つ伺いますが、医師は第三種の事業者ですね。不公平税制の最たるものが、巷間でも医師に対する課税だと言われているわけであります。国税の七二%を除いて残りの二八%に対して事業税を課していくべきではないかというふうな意見がありますけれども、不公平税制の是正に対しても、あるいは国税の特別措置の地方税への影響を遮断をするということにも、当然そういうことが行われるべきではないかという意見があるわけですが、なぜ手をつけられようということにはならないのですか。
○森岡政府委員 社会保険診療報酬に対する課税の問題は、これは御案内のように所得税におきます基本的な大きな課題でございます。かねがね税制調査会でもいろいろ御議論もございましたけれども、現段階では社会保険診療報酬制度の問題とやはり総合的に考える必要があろうか、こういうことで閣議決定に基づきまして厚生大臣の諮問機関が設けられ、そこでいろいろ現在検討が行われておるところでございます。七二%の経費を認めておるということの是非につきましての御検討が行われておるわけでございますが、事業税はそれに加えまして残りの二八%についても課税の対象から除外をいたしております。そういう意味合いで所得税におきます経費率の問題等にあわせまして、残りの二八%に対する課税をどうするかという問題があるわけでございますが、これは御承知のように昭和二十六年に国会修正によりまして事業税のこの措置がとられたという経緯もございますし、またいま申しております所得税におきます七二%経費を見るというところの方をまず解決をしていただくということが筋ではなかろうかという、そういう気持ちを私どもは持っておるわけでございます。 〔大西委員長代理退席、委員長着席〕 そういう意味合いで、所得税におきます取り扱いの帰趨を見定めまして事業税の扱いにつきましても検討してまいりたい、かように思っておるわけでございます。
○小川(省)委員 次に、個人住民税についてでありますが、引き上げ額は私どもの期待よりは少ないわけでありますが、各種控除の引き上げをやりました。この中に障害者、寡婦控除の引き上げがあります。この寡婦等の控除についてお聞きをしたいと思うのであります。 まず税務局長にお聞きしますが、あなたは毎朝布団を上げたり毎晩布団を敷いたりしますか。あるいは洗たくや炊事の手伝い等に手を出しますか。あるいは子供の学校の問題等の細かい相談等にも、時間がないからできないでしょうが、お乗りになりますか。
○森岡政府委員 自分の経験から申しますと、比較的若い時期にはいまお話のありましたようなことも若干やったと思いますが、だんだん年を経てまいりますと、物事がおっくうになりまして、いまはそういうことはいたしておりません。
○小川(省)委員 一般の家庭では主婦、奥さんが大体そういうことは担当いたしておるようであります。雑事が集中しているわけであります。しかし、いまやもめの男、夫の字を書いた寡夫に対しては何ら税法上の控除がやられていません。こういう点は気の毒を絵にかいたようなものだというふうに私は思っています。だから男やもめというのは多くの場合再婚をしていくわけでありますが、しかし中には亡くなった妻に対してでも操を立てて、何年かはやもめで過ごす方もいるわけですね。そういう数年間、あるいは十年間やもめで通すという話もよくあるわけでありますが、この場合、やもめ、いわゆる寡夫に対する当然そういう税法上の控除も公平にすべきではないか、これは男性に対する差別ではないかと思いますが、いかがですか。
○森岡政府委員 いまの現行制度におきます寡婦控除、これは婦人の婦の方でございますが、この制度が設けられておりますゆえんは、一般的に申しまして夫に死別をされた寡婦で、子供があります場合には、当然所得を得ますのに大変御苦労なさるわけでございます。それだけでなくて、さらに加えて旧家と言いますか、旧家というのはちょっと古いかもしれませんが、もとの夫の親戚の方々とのいろいろな精神的な関連問題交際、そういう意味合いで負担が非常に重い、かつ、女手でありますから所得を稼得するのについても大変な御苦労がある、こういうことであると思います。そういうことで所得に対する所得税なり住民税の負担について特別の控除を設けておるということであると思いますが、いわゆる男やもめにつきましては、確かに御指摘のようないろいろ苦労はありますけれども、所得を稼得いたします場合の負担という面から申しますと、やはり寡婦に比べますとおのずから大きな差があるのではないか。そういう意味合いで、所得税も住民税もこの問題については婦人について特別の控除制度がありますが、男やもめについては設けていないということでございます。いろいろ御議論もあろうと思いますけれども、所得税、住民税を通じての問題でございますので、なお引き続き慎重に検討してまいりたいと思いますが、方向といたしまして、これが差別になっておるというふうにまで思い詰めて考える必要はないのではないか、かように思います。
○小川(省)委員 寡婦よりもいわゆる男やもめの家庭は大変です。そういう点で私は、まあ国税がそうなっておるからやむを得ない面もありますが、真剣に検討してもらいたい。それから厚生の面でも、母子家庭はあるけれども、父子家庭というのはいろいろなあれがないですね。そういう面で非常に悩んでおる家庭も私は承知しておりますから、ぜひ税の面でも男やもめ、寡夫の家庭に対する控除もひとつ前向きに検討してもらいたいと思っております。 それから本年の地方税の収入の見込みについて、所信表明に対する一般質問の間でずいぶんありましたから私はあえて言及をする必要はないと思うのでありますが、法人関係税の二四・二%というのは、いろいろな各業種の経営者の方に聞いても、ことしの経済見通しはそんなに甘くはない、私はこう思っておるわけであります。そういう点で私はこの二四・二%というのは年度間において破綻をするのではないかというふうに思っていますが、歳入欠陥が生じてくる場合、いわゆる地方財政計画上二四・二%を見た、あるいは地方税の収入の中で二四・二%を見た地方税の法人関係税に歳入欠陥があった場合、これは恐らく各自治体共通だろうと思いますが、その場合に対してはどういう措置をとってくれますか。
○森岡政府委員 法人関係税の収入見込みにつきましては繰り返して御説明申しておりますので、内容については申し上げませんけれども、最近の徴収実績などを見ますと、相当程度税収入も上向いてまいっております。要は、今後の経済の成長のいかんにかかわっておると思います。政府の経済見通しどおりの成長が確保されますならば法人関係税収入も十分期待できると思っておるわけでございます。 ただ、仮にというお話でございますので、仮にそれに穴があくというふうな事態が生じました場合には、当然地方財政計画で見込みました財政収入は確保するあらゆる措置を講じたいと思っております。それによりまして地方の財政運営に支障がないような措置はとるつもりでございます。
○小川(省)委員 また、前の委員会で、各自治体の当初予算の見積もりが過大ではないか、山形の例などいろいろの例が挙げられて出たわけであります。これは私は、ただ単に地方自治体のいわゆる来年度に対する財政運営の見通しが甘いとかなんとかという問題ではなしに、ことしは国の予算もおくれてでき上がったわけですね、そういう点からすると、自治省の財政課長内簡の時期が遅過ぎるのではないか。少なくとも財政課長内簡が出る段階では、自治体において予算の査定の骨格はすでに終了しているという段階であったと思うのです。私は例年そういう点があるのだと思いますけれども、こういう点については、その内簡の試算に対する今後の取り扱いをどうするのか、それからまた、ことしのその結果によって確かに歳入を多く見積もった自治体があるわけでありますから、そういう自治体の指導を今年度はどうやられるのか、以上二点について伺いたいと思います。
○森岡政府委員 財政課長内簡は本年は一月三十一日に出ております。御案内のように、財政課長内簡は、地方団体が予算を組みます際に参考になるようにできるだけ早く的確な情報を流すということに趣旨があるわけでございます。したがいまして、政府の予算編成の方針あるいは経済見通しというものが決まりませんと、なかなかその内簡は出せない。ことに地方財政措置の内容が固まりませんと内簡は出せないということでございますので、本当は十二月いっぱいあるいは一月の初めに出せば最も適切なのでございますけれども、自然こういう時期にならざるを得ない。したがいまして、私どもといたしましては税収入の見通しを立てる際のいろいろな諸指標とかそういうものにつきましては、この内簡の出る前に各都道府県に十分連絡をいたしております。そういう形で適切な財政収支の見通しを各府県、市町村が立てられるような努力は従来続けておるわけでございますが、正式なといいますか、固まった形の内簡はどうしてもおくれざるを得ない、こういうふうな状況にあるわけでございます。なおいろいろ検討してまいりたいと思います。
○小川(省)委員 次に、宅地並み課税について伺いたいわけですが、三大都市圏ですね、現況はどうなっておるのか。私は、前回お聞きをしたより以上に、生産緑地なり何らかの面で納税者に対して還付をしている自治体がふえているのではないかと思うけれども、現状がどうなっているのか、数字を挙げて説明していただきたいと思います。
○栗田説明員 お答えいたします。 五十一年十二月末現在で百八十二市のうちで条例を制定している市は百七十二市でございまして、構成比にしまして九四・五%でございます。その内訳でございますが、五〇%減額しているところが十三団体、六〇%から七〇%のところが二十九団体、七〇%から八〇%の団体が十六団体、八〇%から九〇%の団体が四十五団体、九〇%から一〇〇%の間のところが十団体、一〇〇%のところが五十九団体になっております。
○小川(省)委員 ありがとうございました。いまお聞きをしますと九四・五%が実際にはそういう措置をとっておるわけですね。このことは、税として存続をする意義がすでになくなってきたということを示しているということは、私が常に指摘しているとおりだと思うのです。これら悪税は潔く撤回したらどうか。撤回をしてもらいたいと思うのです。農地本来の、農業の用として使用している限り農地課税でいけばいいんだというふうに思っております。農地でなくなった時点で課税をしていけばよいわけでありますから、そういういま御報告のような資料の実態であるならば、潔く、宅地並み課税はこの次の法改正のときには抹消してしかるべきだと思いますが、税務局長いかがですか。
○森岡政府委員 宅地並み課税の実態につきましてはいま御説明申し上げたとおりでございますが、この宅地並み課税の仕組みを設けましたゆえんは、これは御承知のように三大都市圏の市街化区域におきます周辺宅地等との税負担のバランスがやはりかなりなものである。それについて全く手をつけないということになりますと、周辺宅地の所有者の税負担とのバランスというものがこれはなかなかむずかしい問題でございます。いま一つは、やはり宅地化を促進したいという政策的な要請、この両面からこの制度が設けられたものでございますが、ところで問題は、やはり市街化区域の中におきましても、いわゆる近郊農業と申しますか、そういう形で農業を継続していかれるということが適切な場合ももちろんあるわけでございますし、また緑地の確保というふうな必要性も、都市計画なりあるいは町づくりという観点から必要な場合もあるわけでございます。 そこで私どもは、この制度につきまして、いろいろ御意見もございまして、五十一年度の税制改正の際に腐心をいたしまして検討いたしました。最終的には、一律に宅地並みの課税を実施するということは無理がございます。反面、一律に農地並みの課税をするということは、これはやはり税負担上問題がございます。問題は、やはり本当の意味での農地としての経営をされ、また農地として保全する必要があるというものを的確に見定めて、それについての税負担の合理的な求め方をするということではないか。しょせんそうなりますと、その地域の市町村でありませんと、何が農地として経営が堅実になされており、何が農地として保全すべきものかということがわからないわけでございます。そのようなことから、御承知のように、市町村による条例の規定に基づく減免措置を五十一年度の改正によって設けたわけでございます。私どもはこれを活用いたしまして、一面において税負担のバランスを市町村が自主的に確保していく、反面また、宅地化を促進する必要がある、町づくりの上でそういう必要がある地域につきましてはそのような措置を講ずるということで、地域の整合性のある発展に寄与できるのではないか、こういう気持ちを持っておりますので、この制度を廃止するという気持ちは現段階では持っていないものでございます。
○小川(省)委員 大臣、先ほどお聞きのように、三大都市圏のうちの百八十二市のうちに百七十二の市が、何らかの形で五〇%以上の納められた税金を還付しているわけですよ。私は、税としては、一つの独立した税目として存続する意義はほとんど失われたというふうに思っています。いま税務局長がああいう御答弁をされたけれども、これは真剣にこの税について再検討をしなければならない要素を十二分に含んでいると思うのです。局長は事務屋としてああ言うけれども、大臣は本当に検討してみる意思があるかどうか、重ねて伺います。
○小川国務大臣 五十一年に改正をいたしました際に、現行の制度を根本的に見直せという議論も確かにあったのでございます。ただ、いま局長から説明を申し上げましたように、結果的に見て農地として保全する必要があると思われる農地について、ある要件を備えております場合には、地方公共団体の自主的な判断で条例で措置することができる、そういう道を開いておるわけでございまするから、そういう実情に即した措置をとり得る、そういう道を開きつつ、現行の制度は当面これを維持していきたい、こう考えております。
○小川(省)委員 検討はしてみるのかみないのか、その点どうですか。
○小川国務大臣 そういう議論も前々からあるわけでございますから、十分検討をいたすつもりでございます。
○小川(省)委員 次に、料理飲食等消費税について若干伺いたいと思うのです。 全国の温泉等所在市町村あるいは行楽地は、流動する人口や一時的の滞留人口が膨大であります。これらに伴う宿泊施設の増改築、高度化等による各般にわたる施策を余儀なくされ、消防や都市計画あるいは上下水道、清掃、屎尿処理等諸施設等の整備が必要であって、膨大な超過行財政需要を抱えておるのが実態であります。今回入湯税を五十円上げているわけでございますが、これとて、五十三年の一月から実施というふうなことは、全国のこういう所在市町村が抱えている行財政の事情から見れば九牛の一毛にしかすぎないというふうに私は思っているわけであります。それでは、都道府県税であるところの料理飲食等消費税の四割なり五割くらいを少なくともこういう自治体、こういう温泉鉱泉所在地あるいは行楽地等の所在市町村に対しては還付をしていく、ゴルフ等の娯楽がそうでありますけれども、そういう措置をどうしてもこの際とる必要があるというふうに思っているわけであります。これはできない相談ではないというふうに思っていますけれども、税務局長、いかがですか。
○森岡政府委員 現在の地方税制は、御承知のように、まず第一に、国と地方との税制の組み立て方といたしまして、地方の税制における自主性を確保するという意味から独立税主義をとっております。同時に、府県と市町村の間でも、いわゆる付加税という形はとらないで、それぞれ独立税のたてまえをとって税制の自主性の確保を図っておるわけでございます。 そこで、いま御指摘の府県税の一部を交付金として市町村に交付をいたしておりますのは、一つは目的財源であります軽油引取税及び自動車取得税でございます。これにつきましては、道路目的財源でありますので、その特殊性というものから こういう措置が講じられております。いま一つは娯楽施設利用税のうちゴルフ場の分でございますが、これも、市町村の中で相当な面積をゴルフ場が占拠いたします。市町村といたしましては、税収が入らない反面いろんな関連経費が必要である。そういう特殊なものを特にピックアップいたしましてこういう交付金という形をとっておるわけでございます。 料飲税ということになりますと、これはほかの税と違うところはないわけでございますので、料飲税の一部を市町村に交付金としてあるいはその他の形で配分をしていくということは、現在の税制の仕組みから申しますと困難である。もしそういうことになりますれば、不動産取得税も同じではないか、ほかの税も同じではないかということになりまして、地方財政全体の中で大変いま窮屈な中で税源の取り合いっこになってしまう、これは地方税制としてはとるべき措置ではない、かように私は思いますし、また基本的な考え方も先ほど申しましたように問題があると思っております。
○小川(省)委員 超過行財政の需要が余りにも膨大であるだけに私はそういう主張をするわけでありますが、そういう種のいわゆる超過行財政需要を抱えておる自治体に対する措置をぜひ税制全般の中で検討をしてほしい、こういう点を強く要望をいたしておきたいと思います。 それから電気税の非課税の問題です。私は質問に立つたびに申し上げるわけでありますが、今度のいただいた資料を見てみましたら、調定をしている自家発電以外のところの使用料金の実に三一%が非課税の料金になっております。こういう点は、おいおいやっているのはわかりますけれども、少なくとも一定期限を切って速やかに非課税を撤廃をすべきだと思いますが、その点についてはいかがですか。
○森岡政府委員 電気税の非課税規定につきましては、当委員会でもかねがねいろいろ御意見がございますし、また税制調査会でもいろいろ御審議を願っておりますが、基本的に申しまして、物価に与える影響あるいは製品の国際競争力、そういう点から考えて、電気税の産業用分の中で、ことにコストに占める割合の高いものはやはり軽減をすべきだという御意見と、全部取っ払ってしまえという御意見とがいわば伯仲いたしておりましてなかなか結論が出ない、こういう経緯でございます。 私どもといたしましては、現在の非課税品目基準というものをやはりこの際見直したいということで税制調査会の御審議も願ったのでございますが、繰り返して申しますような現下の情勢でございますので、もう少し検討しろという経緯になりました。したがいまして、現段階では現行のシステムの範囲内でできるだけの非課税品目の整理を行う、こういうことで努力をしたわけでございます。今後の問題としてなお積極的に検討を進めてまいりたいと思います。
○小川(省)委員 私は税目の最後として娯楽施設利用税に関連をしてお尋ねをいたしたいと思うのであります。 私はきょうは実は本当は二番目の質問者だったのですよ。自民党さんが棄権をなされたようでありますが、なぜか棄権をなされたのがこの税目に関連があるような気がしてならないのですが、税務局長、どうですか。
○森岡政府委員 私は全然そういうふうなお話を伺っておりません。
○小川(省)委員 今回の改正による税率引き上げで娯楽施設利用税の収入の予定をする増加分は百十四億七千二百万円で間違いございませんか。
○森岡政府委員 そのとおりでございます。
○小川(省)委員 この中の税の種類ごと、ゴルフ、パチンコ、マージャン、玉突きの内訳の積算の基礎を明らかに示してください。
○川俣説明員 三施設の内訳を申しますと、初年度におきまして、ゴルフ場にかかりますものが百六億円、それからパチンコ場にかかりますものが六億円、それからマージャン場にかかりますものが約二億でございます。
○小川(省)委員 娯楽施設利用税の中でいま示されたようなまさに百十四億のうちの百六億がゴルフなんですね。ゴルフは利用者課税でありますから当然九一・五%ぐらいになるわけですよ。このために引き上げればよろしいので、私は、娯楽施設利用税の税率引き上げは、ゴルフ場のみ、特に利用者課税になっているゴルフ場税にやったって当然だと思いますが、パチンコ、マージャン、玉突き等の大衆の、小市民層のささやかな健全娯楽に対して課税の引き上げを行ってはならない、思いとどまってほしい、少なくともこれは見送ってもらいたい、こういう見地からこの法案の中から削除をしてほしいという見地で以下お尋ねをいたしてまいりたいと思うのであります。 税務局長、あなたはパチンコをやりますか。
○森岡政府委員 昔の指先の技術が非常に物を言った時代のパチンコはかなりやりました。最近は余り行っておりません。ただ、パチンコ等の娯楽施設利用税の問題が税制改正の一つの課題でございますので、一回参りまして、大変パチンコの機械の内容も一変わったものだなという感じを受けました。
○小川(省)委員 大体税の本家本元は、パチンコ等に税金をかけていくならば、毎日のようにパチンコに行ったっていいわけですよ。大体そんなぐあいだからこういうふうな誤ったものが出てくる、私はこう思っているわけです。それではパチンコ業の経営の実態、実情について御存じですか。
○森岡政府委員 パチンコは昭和二十年代から大変営業内容あるいは機械の更新、近代化あるいは人件費の合理化というふうなことをいろいろ努力してまいられまして、四十年代までの間相当な売り上げの増が出てまいったというふうに私は思っております。ただ、最近におきまして、この不況を反映いたしまして売り上げも従来のような伸びを示さず、むしろ地域によりまして若干減少しておるところもあるというふうに聞いておるわけでございます。
○小川(省)委員 いま時間の関係で要約されて言われたのでしょうが、その程度の認識でこういう課税をしてくるのはまさに困ると思うのですよ。パチンコが戦後気安く取りつける若干のスリルとギャンブル性を持った大衆の健全娯楽として発達をしてきたことはいま局長が言ったとおりですね。税の面ではパチンコは二十年代は映画、演劇とともに入場税になっておったわけですね。それが二十九年ですか、国税と地方税に分離をしていわゆる娯楽施設利用税となったわけであります。現在映画、演劇等は千五百円とかあるいは三千円とかいう免税点が設置されているのは御承知のとおりであります。しかも、利用者課税ではなくて経営者課税であるところに、課税客体というのが利用者じゃなくて経営者になっているところに大きな不合理があるというふうに思っておるわけであります。むしろそういう意味では事業税等と競合するのであって、これは所得税等とも競合するわけでありますから、この課税が適切であるかどうかということすら疑わしい税金であるというふうに実は私は思っておるわけであります。 そして二十九年、三十年ごろに連発ブームがあって、連発が禁止になって、そのショックによって業界というのはかなり倒産が出ました。そしてその後再びまた高度成長時代には、三十三、四年ごろにはよかったわけでありますが、ボーリング場が興ってまいりまして、ボーリング場に客をかなり吸収された時代があったわけでございます。ボーリング場が御承知のように衰退をして、ボーリング場の経営者が多くパチンコに転業をしてまいりました。そういう過当競争にあって、いま経営が非常に困難であるというのが現状であると私は思うのです。現在の経営実態というのは、むしろ昭和三十二、三年ごろよりも悪いというのが実情であるというように思っています。 私もパチンコをやるわけでありますが、いま局長が言ったように、きょう質問するものですから、きのう日曜日、二、三のパチンコ店をのぞいてみました。連休ですからほとんどの台に取っついているかと思うと、実際には半分ぐらいですよ、台がふさがっているのが。ですから、そういう意味で経営の苦しさというのは私はわかるだろうと思うのです。そして、いまやモータリゼーションの時代ですから、町うちのパチンコ店というのは衰退をしているというのが現状なんです。そういう状態を当然知らなければ、パチンコ税を云々をする資格はない、こういうふうに私は思っているわけであります。 そこで、税務局長、出玉率という言葉を知っていますか。
○森岡政府委員 先ほどかなり抽象的なお答えをいたしました。数字でもって御説明をまずいたしたいと思いますが、昭和二十九年度の一台当たりの月平均売り上げが約二千円でございます。四十九年度では一万五千七百円程度であります。したがいまして約八倍でございます。四十六年度に比べましても約七割弱の伸び率を示しております。 ただ、一つは、先ほど申しましたように、四十九年度後大変不況でございますので、それを反映いたしまして減少しているところが相当あるというふうに私も考えております。 いま一つの問題は、お話の中にありました、地域的なバランスというものがかなり崩れておる。まあおしかりをこうむるかもしれませんが、昨日おいでになりましたところはかなり都心部ではなかろうか。都心部でありますと、これはやはり日曜、祝日にはサラリーマンも出ていないわけでございますから、かなりな差があるだろうと思いますし、それからもう一つは、これまたお話にありましたように、地域的な変化が出まして、どちらかというと郊外部の駐車場などを整備いたしたパチンコ場が非常にはやってきておるというふうなことも承知いたしております。各府県では、御承知のように地域的に税率の級地区分を設けまして、それで実態に合うような税率を設けておりますから、その辺の移り変わりにつきましての対応はできておりますし、また今後もできるように指導してまいりたい、かように私は思っておるわけでございます。 出玉率というのは、あるいは正確ではないかもしれませんが、そのお店の全体の貸し玉料金の総額から、景品と引きかえに持ってこられる玉の総額との対比をした率ではないか、かように思います。
○小川(省)委員 いろいろ言われたわけでありますが、税務局長御存じかどうかわかりませんが、私の選挙区は十一万の田舎の都市ですから、都心部じゃないですよ。しかし田舎であってもそういう状態です。 そこで、出玉率というのは、いまも言われたように、貸し玉、玉が投入をされてどれだけ景品として還元をするかという率のことを言うわけですね。現在、通常出玉率は十一割と言われているわけです。そこで、大体採算点は十三割七分というふうに言われています。これは収支ゼロのところが十三割七分と言われているわけですね。十一割ぐらい出さないとお客は入ってこない。十一割で、大体粗利が二割七分、この中から人件費や冷暖房や光熱水費や機械の更新、最近非常に機械も上がっていますからね、そういうものを出していくわけですから、経営状態は大変です。そしてまた景品にかえる際に——景品を購入するのに一括して購入をしますから、わりと安く買えます。こういう差益によってようやく維持をされているのがパチンコ業界の実態である、こういうふうに御認識をいただかないと困ると思うのでありますが、そういうのが、いま私が申し述べたような実はパチンコの経営の現状でございます。 そこで、パチンコが大衆健全娯楽の最たるものとして、三百円ぐらいつかんで遊びに行けるものはいまないわけです。パチンコしかないわけです。私もパチンコをやります。事実、パチンコというのは碁や将棋やあるいはマージャン等とも違って相手が要りません。必要があって電話がかかる、何かあるというときにはすぐやめられるわけですね。そういう意味で意外な、医師だ弁護士だというようないろいろな知的な方々もかなり愛好者があるという状態があるわけですね。そういうふうな立場からして、この健全なる大衆性のある娯楽に対して税を上げる必要は毛頭ない、私はこう思っておるわけであります。 いま、昭和四十九年の各都道府県の実勢の税率が二百二十八円というふうに聞いておりますが、昭和四十九年一月の実勢税率は二百二十八円ですね。
○森岡政府委員 全国平均でそのとおりでございます。
○小川(省)委員 それならば、五十二年一月、いま現在、自治省はかなり都道府県にお得意の行政指導というので盛んにやっているようですが、いま現在でも、まだ税法が通っていない段階でも、三割上げてくれとか四割上げてくれなんということで、業界に対して盛んに話し合いが行われているようです。わが群馬県においても三二%上げてくれなんという話し合いがすでにいま来ているわけでありますから、そういう状態で、この税法をあなた方が提案をする前、五十二年一月の全国の実勢税率は幾らなのかお答えをいただきたい。
○森岡政府委員 五十二年一月の実勢税率がどうなのかということは、これはちょっと私どもまだわかりません。ただ、四十九年度が二百二十八円でございますので、五十年度は恐らく二百三十円あるいはそれを若干上回るところにまで行っているのではないか、こういう推測をいたしております。五十二年の一月一日、現行法のもとでの金額も、それとほぼ大きな差はないというふうに考えております。
○小川(省)委員 大体この法案を提案して、提案する時点における全国の状態を把握していないというのは不見識もはなはだしいと思うのですよ。そんなのは答弁にならないと思うのですよ、本当は。大体、提案をしておいて、現在幾らだなんということがわからないのは、そんな議員に対するふまじめな答弁はないよ。 そこで、私は思うのに、現在茨城であるとか和歌山であるとか広島であるとか、すでに三百円を超えているところがあるわけですよ。現在すでに実勢税率は二百五十円に行っているのじゃないかと思うのです。だから、上げる必要なんか毛頭ないんじゃないかと思っているのだけれども、実勢税率は現在幾らなのか、そのくらい調べてこないで答弁席へ座るなんて、おこがましいよ。
○森岡政府委員 二百三十円程度と考えます。
○小川(省)委員 調べてごらんなさい、もっと上ですから。あなた方が改正しようというようなあれに近くなっているはずですから。そういう行政指導で、現在では制限税率がないわけですから、あなた方は行政指導で集めて各都道府県に指導をやらせている、三割上げてくれないか、四割上げてくれないか、こういうことでやられているわけですよ。そうであるとするならば、なおさら今回の中でこの税率を上げる必要はない。今度は制限税率を一・五以内で設けたようですけれども、現在二百三十円ぐらいだと、二百四十円だか四十五円だか知らぬけれども、そういうことになると、あなた方は一方では指導して上げろ、上げろということをやっているのですから、そうすると、二百五十円の一・五というと三百七十五円ですか、ここまでは上げたいというのが本音なんですか。
○森岡政府委員 私どもは全くそんなふうなことは考えていません。ただ、いま県にいろいろ照会をいたしておりますのは、この原案を作成いたしました段階で、たとえば旧税率が百五十円、新税率が二百五十円、その差は六七%でありますが、現行の税率からどの府県も六七%一律に上げるのですか、こういう話が出てまいったわけであります。私どもはそういうことは毛頭考えていないのであります。百五十円という定額税率を、税法を改めまして二百五十円とするわけでありますから、全国平均でおおむね二百五十円程度になるような指導をいたしまして、無理な税負担にならないように努力をいたしたい、こういうことで各県の姿勢をいろいろいま照会をして聞いておる、こういうことでございます。むしろ御指摘と全く逆の方向で私どもは情報を集めておるということでございます。
○小川(省)委員 私は、二十九年当時、奥野さんが税務局長ですか、奥野局長以来の自治省税務局と全遊連、全遊技業協同組合連合会との折衝経過を知っています。値上げをするときに話し合いをする、あるいはつい最近では長い見地から見て考えるというふうなことをやってきて、今回は一方的な引き上げをやられたことで、全遊連の幹部は非常に憤慨をしております。この点は、あなた方は二十九年、奥野局長以来話し合いをやってきながら、今回は一方的な引き上げ措置をとったわけだけれども、そういうことは信義に反するし、税の本来の——当然税というのは自主納税というふうな形に持っていくのが理想的であるにもかかわらず、そういうような方向をなぜとったのか。一部には、奥野さんとは言わないけれども、某有力議員が仲立ちをして、そしてうまくおさめるからというような話すら私どものところに入ってきておる、そういうふうな経過がどうあったのか、ちょっと御説明いただきたい。
○森岡政府委員 娯楽施設利用税は、施設の経営者の方から利用料金課税にかわる形で納めていただくシステムをつくっておるわけでございます。そういう仕組みで税金を納めていただく場合には、当然施設の経営者の方の全面的な御協力を得なければ、これは私どもは徴収は確保できないと思っておりますので、そういう意味合いで税法改正案を決めました後、全遊連の方々と精力的に御相談もいたし、御協議もいたしまして、適切な運営ができるように努力をしてまいるつもりでございますし、また現にそれを進めておるわけでございます。
○小川(省)委員 私が先ほど冒頭申し上げたのは、質問が取り消された云々ということを申し上げたわけでありますが、自治省に関係したことのある議員が仲立ちをして全遊連との間にある密約があった、二百五十円のところで抑えるような行政指導をやりますということで。私は、ですから取りやめたんじゃないですかということを聞いたわけなんだけれども、とすると、二百五十円ぐらいのところで行政指導でやっていくからということで全遊連をだまして、幹部の一部をだまして、あなた方は密約をして、そしてとにかく法律は通してしまえ、こういうことなんですか。
○森岡政府委員 先ほどちょっと申しましたように、税法で定額課税をいたします場合の税率を月一台平均二百五十円ということで御審議をお願いしておるわけでございます。この税法改正案が通りました暁には、私どもは平均で二百五十円になるように県を指導してまいりたい。県はやはり税収入が欲しいわけでございますので、かなり無理なことを言うかもしれない、それはやはりこの娯楽施設利用税の運用上適切を欠くと思いますので、そういう意味合いで全体の平均が二百五十円程度になるように強く御指導申してまいりたい、こういうことでございます。
○小川(省)委員 先ほども申したように、すでに三百円を超えているところがあるわけですよ。そうなると、そういうところは引き下げを指導しなければならぬわけだけれども、税の関係で引き下げの指導なんというのが私はよもや自治省にできるはずはないと思っておりますが、今回は制限税率を一・五以内というのを入れるわけでしょう。そうすると二百五十円プラス百二十五円で三百七十五円のところにできれば抑えたい、そこまではいいんだというような暗黙の指導をやっているんじゃないかというふうに疑っているわけですよ。そうするとそんなことはないですか。
○森岡政府委員 全くそういうことはございません。
○小川(省)委員 そうすると平均二百五十円ぐらいのところにおさめるようにしたい、だから先ほど言ったように五十二年一月の実効税率をあなた方知らないなんというのは、大体そういうことを言いながらまさになめているんじゃないですか。それがわからない、そんなばかな話はないということを私言うのは、現在時点の実効税率が幾らだ、だから二百五十円のところまで持っていきたいんだというならわかるけれども、そういうことでもない、現在の状態を知らないわけだもの。そういうことで、二百五十円にしたいんだということが言い切れる自信はあるけれども、現在の状態は遺憾ながら知らないということですか。
○森岡政府委員 娯楽施設利用税の税率は御承知のように各県でかなり細かな級地別区分を設けておりますので、それを全部集計いたしまして、きちんと何円という端数まで出して集計するということは、そう短い期間ではできません。私はさっき申しましたように、四十九年の実績、それから五十年の実績見込みから申しまして、五十二年一月一日は二百三十円、あるいは若干上回るかもしれませんが、二百三十円から二百三十二円ぐらいのところにあるものというふうな前提で、この税制改正案の二百五十円というものはお願いをしておるつもりでございます。
○小川(省)委員 警察庁においでをいただいております。実は突然呼び出して大変申しわけなかったわけなんですが、パチンコ業は風俗営業取締法の中に現在でも入っているわけですね。大体風営法の中に入ること自体がおかしいとは思っていますけれども、六カ月更新という制度をとっているわけです。しかも二条の四項では、いわゆる月割りによるところの娯楽施設利用税の完納が許可更新の条件にさえなっているような状態であります。風俗営業と税との連動の関係でありますが、バー、キャバレーは連動しないでパチンコ、マージャン業が税と関連するというのはどういうことですか。
○吉田(六)政府委員 マージャン屋、パチンコ屋等の遊技場営業の許可更新制度がとられましたのは御承知のように昭和二十九年からでございますが、当時遊技場営業は、業者の乱立などもございまして、営業が不安定でわずか一カ月とかあるいは二カ月とかで廃業する者もあるというようなことなどでその変動が非常に激しい。中には入場税の納入を免れる意図のもとで絶えず名義を変更する、そういうような実態がございました。 このようなことから、地方税法の一部改正が行われた際、昭和二十九年でございますが、徴税確保の手段として、地方税法の改正法の附則によりまして風営法の一部が改正されて現在のような制度ができ上がったものでございます。
○小川(省)委員 さすがに警察庁だけあってよく御存じです。当時パチンコ業の歴史の中で三十台、四十台というような一軒当たりのパチンコ台数の時代には、事実きょうパチンコ業を開いて一カ月か二カ月やって、そうして隣の町へ行ってパチンコ業をやるとか、隣の県へ行ってやるというような時代がありました。税の捕捉が困難な時代があったのは事実です。ですから私はこういうような憲法違反の税と連動をしたような風営法の規定ができてきたんだと思いますが、現在の段階では、許可の更新であるとか、税と連動をするような更新制というのは、まさに憲法の十四条や二十二条や二十五条に対する違反でありますし、当然当時はそうであったというような保安部長さんの答弁ならば、これは当然改正に踏み切るべきだ、憲法違反の条章を残しておくべきではない、こう思いますが、改めていかれる御意思はおありですか。
○吉田(六)政府委員 現在更新の対象とされております営業は約四万五千件ございます。したがいまして、年間十万件の更新を行っているという点で事務の負担となっている面はございます。ただ、更新に伴いまして営業所の構造、設備等のチェックも行うというようなメリットもございます。しかし、この制度は風営法の目的とする善良の風俗保持の面から絶対必要かというように問われますと、絶対に必要であるとまでは言い切れませんが、先ほど申し上げましたようなメリットもございますので、私どもとしましては現在直ちに更新の制度を廃止すべきであるというほどの強い希望は持っておりません。
○小川(省)委員 私は、この許可更新のできた、これが法の中に制定をせられた経緯というのはある程度わかるような気がするのです。しかし、あらゆる営業の中で許可更新を取り、しかもそれが月割り制の税金の完納ということが条件になっているというのは、これは法のもとの平等における、しかも税法のもとの平等ということでも反している行為であるというふうに思っていますし、そういう風営法の風俗営業の取り締まりであっても、そういうことを要しない問題だというふうに思っています。大体役所というのはそうなんでありますが、一つの法律をどうしても改正をする必要がないと、それに関連をする法律というのは改正をなかなか渋りがちなんでございますけれども、風営法を検討することも当然出てくると思いますが、改めていく対象としてこの条項について検討をしていただけますか。
○森岡政府委員 私どもの方から申しますと、この税の徴収を確保していただく、またパチンコ場相互間の負担のバランスという問題もございますので、更新制度はぜひ存続をしていただきたいものだという気持ちを持っております。御質問の中にもございましたように、二十九年当初は一カ月ごとの更新ということでございましたが、その後安定してまいりましたので現在は六カ月ごとの更新、そのときに完納証明書を出していただくという仕組みをとっておるわけでございます。そういうふうな制度の改善もだんだんと行われてまいっております。なおこの段階では、この完納証明のシステムというものは、この税の均衡ある負担をお願いするという観点から存続をしていただく必要があるものと考えております。
○小川(省)委員 これは、こんなのは本当は憲法違反ですよ、税と連動した措置は。いま税務局長があえて吉田部長のあれを引き取って答弁をされたけれども、私は当然検討されなければならない問題だと思うし、あなた、いま各府県の都道府県税事務所が、実際にこの許可更新の際の納税完納証明書を出すのを御存じですか、行ってすぐに十分か二十分待って出してくれませんよ。ほかの業者から来ません、ほかの業者からも来ません、こういうことで三日ないし四日置いてようやく出してもらえるような状態なんですよ。そういう状態であって、税を納めていただきたいということで完納証明書をつけいと言うのならば、当然サービス改善がなされていったところで、遅滞なくとは言わないが、二十分かそこらお待ちいただければ出せるような状態ならばいざ知らず、そういう三日も四日もかかるような状態になっておって、しかも憲法違反の条章を残していく。昭和二十八、九年当時のそういう税金がなかなか納まらないというような状況はなくなったわけでありますから、これについては再検討していただきたい。いかがですか。
○森岡政府委員 いまお話しのありました完納証明書の発行につきましての警察当局における事務の問題、これにつきましては私どもも円滑にかつ速やかにその処理がなされますように、警察当局にお願いをしてまいりたいと思います。ただ、制度の立て方自体といたしましては、先ほど申しましたように、この娯楽施設利用税の負担がバランスのとれた形で行われますようにするためには、やはりなお当分の間この制度は存置していただく必要があろう、かように考えておるわけでございます。
○小川(省)委員 警察庁保安部長どうですか、風営法を何かいじる際に、ほかの条項等でも扱う際に、この点については検討していただけますか。
○吉田(六)政府委員 ただいま税務局長から御答弁ございましたように、私どもとしましては、先ほども申し上げましたようにメリットがないわけでもございませんので、現在廃止についての強い希望は持っておりません。ただ、これまでの経過を申しますと、更新期間が大分伸びてまいっておりまして、現在は六カ月でございますので、これまでの経緯からしますとそれほど事務に支障があるというほどでもございませんので、なお検討はさせていただきたいと思いますが、いまここでどうするという答弁は差し控えたいと思います。
○小川(省)委員 即答は、当然削除しますとかあるいは修正しますとかということは言えないだろうけれども、検討はしてもらいたい、こういうことを強く要請をいたしておきたいと思います。 大臣、先ほど来娯楽施設利用税についての税務局長との討論をいろいろお聞きになったと思います。そういう点で今回の法改正の中で、この娯楽施設利用税の、特にパチンコ、マージャン等に関する点については、私は利用者課税であるゴルフ税については妥当だというふうに思いますけれども、それ以外の娯楽施設利用税についてはまさに不当だというふうに思っています。そういう点でぜひこれは見合わせをしていただきたい、今度は思いとどまっていただきたい、私どもそういう案を提出をするつもりでありますから、ぜひひとつこれは見送りにしていただきたい、そういうことを強く申し上げまして、恐らく私は、本地方行政委員会の野党の議員あるいは自民党さんの議員を含めても、過半数以上が私が申し上げた意見について賛意を表しておるだろうというふうに理解を持っているわけであります。そういう点でどうぞ、忠告をいたしますから、思いとどまって現状のまま据え置いていただきたい、こういう点を強く要請をいたして私の質問を終わりたいと思いますが、反論なり何かございますか。
○小川国務大臣 確かにパチンコは大衆の健全娯楽と申すべきものでございましょう。また業界の実態についてもるる御説明があったわけでございますが、何分昭和二十九年から据え置かれておるわけでございます。玉突き、マージャン等も同様でございますが、要するにこれはインデクセーションの問題として今回の措置は至当であると信じておるわけであります。実際にはその過重な負担を生じませんように、自治省が指導してまいることは税務局長がるる御説明を申し上げたとおりでございますので、私といたしましては、これを撤回するという考え方は持っておらないわけでございます。どうぞそのように御了承いただきたいと思います。
○小川(省)委員 撤回しないと原案否決されますよ。それで私がいま言った、それがまやかしなんですよ、昭和二十九年以来改正をされないと言われているけれども、当時から制限税率がなかった、だから行政指導の中で今度改正をしようという、二百五十円に近いところまで実はずっと行政指導の中では実効税率は上がってきているのですよ。そういうものは精査をして、税務局長は事務屋だからそういうことを言うだろうけれども、大臣は政治家なんだから、ちゃんとそこのところでこれはこうでないかというような形にしていくのが私は大臣の役目だと思う。そういう点を強く主張をして、ぜひひとつ思いとどまっていただきたい、据え置きにしていただきたい、こういうことを要請をして私の質問を終わります。
○地崎委員長 新村勝雄君。
○新村委員 最初に、私は地方団体の課税権について確かめておきたいのですが、地方団体は憲法及び地方自治法によって固有の自治権が認められておるわけであります。したがって、地方団体がその団体を経営するために必要な税を徴収するという課税権は、国の課税権と独立をして、独立の地方団体の固有の権限として認められておると思いますけれども、その点について大臣のお考えを伺いたいと思います。
○小川国務大臣 仰せのとおりと理解しております。
○新村委員 そういたしますと、従来及び現在の国の地方税に対する運用の仕方あるいは税制の改正等について、いつもそうでありますけれども、国の税制の変更によって当然に自治体の税制に根本的な変更が加えられる、あるいはまた国の政策によって、自治体の意思いかんにかかわらず、一方的に頭越しに自治体の税制が変わっていく、あるいは財政の基本が国の考え方によって自由に変えられていくというようなことは、地方の課税権あるいは固有の権限を全く無視をしているんではないかと考えられますけれども、それらの点についてお伺いをいたします。
○小川国務大臣 地方公共団体の課税の自主権というもの、これはあとう限り尊重していくべきは当然だと存じておりまするけれども、一面におきまして、地方公共団体の間で税負担に非常に大きな違いが出てくる、あるいは二重課税というような事態が出てくる、これはやはり回避すべきことでございましょうから、法律で一定の枠を設けておく、これはやむを得ざることだと存じます。御高承のとおり、標準税率の制度もあり、あるいは法定外普通税というような制度もあるわけで、いずれも地方団体の課税権を尊重するという趣旨で設けられておる制度だ、こう理解をいたしておるわけであります。
○新村委員 特に償却資産等については大幅の特別措置があるわけでありますけれども、これらの特別措置が国の一方的な判断によって決定をされる、あるいは変更されるという事実があるわけです。こういう場合には、それに対して地方自治体は全く関与できないということでありますけれども、こういう場合については少なくとも地方自治体の意見を聞くなり、あるいは議会が議決をすることによって発効するというような措置をとる必要があるのではないかと思いますけれども、お考えを伺います。
○森岡政府委員 地方公共団体の課税自主権を尊重すべきことは大臣が先ほど申し上げたとおりでございます。ただ地方税法は、御案内のように、一つには地方公共団体の課税権の内容を定め、その種類を定めておる法律でありますと同時に、他面、納税者が納めます税負担のあり方について定めておるわけでございますので、両面があるものと考えます。納税者の負担という観点から申しますと、たとえば中小企業対策、農林漁業対策というふうな問題もございますし、また公共料金対策というふうな課題、国全体の経済政策という問題もございます。私どもは地方団体の課税自主権を尊重するという観点におきましては、できる限りそういう特別の措置は自粛をいたしたいという気持ちを強く持っておりますけれども、しかし、やはり必要なものもあるわけでございます。それにつきましては、国会の御議決をいただきまして成立した法律に基づくものでございますので、それに相応する必要性も踏まえての制度だと考えております。その辺の兼ね合いをいろいろ考えながら、今後の税制改正に対処してまいりたい、かように思っております。
○新村委員 税制は法律でありますから、国会の議決は当然でありますけれども、同時に、地方自治体に重大な影響を与えるような項目については、あらかじめ地方団体に協議をするなり、また地方団体の議会の議決を要するというようなことを考える必要はないかということですが、その点についてお伺いをします。
○森岡政府委員 税制改正の案を考えます場合には、各府県、市町村あるいはその連合体といたしましての六団体についても十分御意見を伺うということをかねがね心がけておるつもりでございます。そういう形で地方の意思を十分くみ上げまして、それに即するような税制改正という形の努力を私どもはしてまいりましたし、今後も続けてまいりたい、かように思います。
○新村委員 では、次の問題に移ります。 税務は、これは国におきましても地方においても政治の根幹、最も基本的な問題だと思います。したがいまして、これはあとう限り民主的に、公正に行うべきは言うまでもないわけでありますけれども、その際、税務の民主化あるいは納税者の納得を得るというような点からして、税務に関する資料はできる限り公開をしていくべきではないかと思うわけでありますが、現在の税制あるいは税務行政は、ややもすると秘密主義という色彩がきわめて濃いと思います。特に税についてはできる限り秘密を守っていくというような方針のようでありますけれども、この点についての基本的な考え方をお伺いいたします。
○森岡政府委員 租税は、確かに御指摘のように、国や地方公共団体の公的な資金を賄うためのものでございますから、その意味合いにおいて公共性を持っております。しかし反面、それを納めていただく納税者の立場からいたしますと、それはそれぞれの方の資産とか所得とか、あるいはその他の個人的な利益なり関心に非常に関連する部分が多いことは否定できません。そういたしますと、納税者それぞれについてこれを公にいたしまして、その秘密を関係のない人に知らしてしまうということについては、やはり問題がある場合がかなり多いことは否定できません。そういうことから、地方税法では十三条におきまして守秘義務の規定を設けておるわけでございます。税務職員の知り得た秘密をやたらに外に出しまして、納税者の法益を侵害するというようなことがあってはならないわけでございます。そういうふうなことから税務運営上の秘密というものは、これは個人の権利の確保という観点から尊重してまいる必要がある問題だというふうに考えます。
○新村委員 人権に関する問題についてはもちろん言われるとおりでありますけれども、人権に関係のないことについてはできる限り公開すべきではないか。特に個人ではなく法人の場合、これは単に秘密を守るということを主張するだけではなくて、現在の社会の中では法人、特に大企業等は社会的な責任がきわめて重いわけであります。そういう中で、個人の基本的な人権とは別に、社会的な責任を非常に持っておるという見地から、個人は別といたしましても、法人に関する経理あるいは税務の公開は必要だと思いますので、特に法人の場合の税務の資料公開ということについてお伺いします。
○森岡政府委員 先ほど条文の引用を間違えましたので、恐縮でございますが、守秘義務の規定は地方税法の二十二条でございますので訂正をさせていただきたいと思います。 ただいまお話のございました法人なり企業の課税資料の問題でございますが、私は、これは個人と法人とで区分すべきものではないと考えます。また、税法自身もそういう区分はいたしておりません。ことに、法人は一面において独立して経済社会で収益活動を行っておりますけれども、それを構成するのは個々の株主あるいは構成員でございますから、その人たちの利害が当然あるわけでございますので、個人は厳に守秘義務を保障するが、法人は保障しなくていいのだということにはならないし、現行法もそういうふうになっていない、さように考えるわけでございます。
○新村委員 税法上において、公開すべき部分と公開してはいけない部分との区別についてお示しを願いたいと思います。
○森岡政府委員 非常に具体的なケースにつきましていろいろ議論が出るわけでございます。たとえば特定の人の所得であるとか税額であるとかその納税の状況とか、そういう事項はやはり秘密に該当いたすものと考えております。
○新村委員 私は、個人ではなく法人の場合は、その社会的な責任において税務についても公開していくのが至当だと考えるわけでありますが、法人の場合の公開する部分と公開してはならない部分、その区別をお伺いしたいと思います。
○森岡政府委員 先ほど引用いたしました地方税法の二十二条をごらんいただきますと、「地方税に関する調査に関する事務に従事している者又は従事していた者は、その事務に関して知り得た秘密をもらし、又は窃用した場合においては、」云々、こういう規定があるわけでございます。私どもは、私どもといいますか自治省は、直接税金を徴収しているわけではございません。地方公共団体の税務運営の指導をしているわけでございます。この個々の地方公共団体の税務職員が二十二条に違反をして刑罰を受けるかどうかという問題になるわけでございますので、私どもといたしましては、この規定の運用はかなり慎重に考えてまいりたい。この法文から申しますと、法人と個人とで大きく差をつけていいということにはならないと思うのでございます。特定の税務職員が刑罰に該当するかどうかというかなり深刻な問題でございますので、私どもといたしましては、守秘義務の規定の運用については慎重に指導してまいっておるつもりでございます。
○新村委員 個人の人権ないし利益ということは別におくと申し上げているわけですが、現在の資本主義社会における企業の社会的な責任についてどうお考えになるか、お伺いをいたします。
○森岡政府委員 現在の資本主義経済のもとにおきまして、企業が経済社会の中で果たしている機能というものは大きなものがございます。反面、それに伴う社会的責任というものも同時にまた多大でございます。公害問題を初めといたしまして、いろいろな外部不経済を自分の力で解消していかなければならぬという責任もございます。また、従業員の雇用を確保して国民経済全体の円滑な運営に資するという面における責任も多大でございます。そういう意味合いでは、この企業の社会的責任というのはかなり広範囲にわたるものと私は考えております。
○新村委員 そういたしますと、企業の社会的な責任は、いまお話しのとおりきわめて重いわけでありますから、昔とは違って現在の社会では、企業の公的な性格がきわめて色濃くなっていると思います。ですから、そういう場合に、その企業の経理なり、あるいは特にその企業がどういうふうに公的な、社会的な責任を果たしておるかということを明らかにする必要があるのではないか。社会的な責任を明らかにするということは、いろいろな部面がありますけれども、税負担が一般の個人に比較して、あるいはまた他の企業に比較していかに公正に行われているかということを実証する必要があるし、公開することによって一般納税者に納得を求めることが必要だと思いますが、その点について御見解を伺います。
○森岡政府委員 租税全体を通じまして、個人と法人のシェアがどうなっておるかとか、あるいは個人所得に対する負担と法人所得に対する負担の度合いがどうなっておるかとか、そういう相対的な観点からの税負担の分析は必要であり、その意味合いにおいて、企業全体の負担をどういうふうに把握し、どういうふうに持っていくかということを検討する資料として考えることは必要であろうかと思いますが、個々の企業が幾ら税金を負担しておるかということを公にしなければ企業の社会的な責任が明らかにならない、こういうことにはならないのではないかと思います。
○新村委員 その点について私は疑問を持つわけすけれども、税負担、特に税務資料を公開することによって、公平な負担が行われているということを納税者に説明するその説得力は大きいと思います。また、大企業はほとんどが租税特別措置法等の適用を受けているわけであります。一般納税者に比較をしまして特恵的な措置を受けているわけであります。そういう体制あるいはそういう状況の中で、企業は納税の面でこういうふうに責任を果たしているということを、秘密ではなくて、求められれば公開をすることが必要だと思いますけれども、その点についてお伺いします。
○森岡政府委員 その辺のところはいろいろ御意見があるわけでございますけれども、私が先ほど申しましたように、ある会社が幾ら税金を納めておるということを公開しなければ、その企業の社会的なポジションが明確にならないということではなかろう。やはり税制として考えますならば、法人全体、企業全体でどういう形の負担をしてもらっておって、それが国民経済の中でどういう位置を占めておるかということを明らかにし、それに基づいてリーズナブルな税制の改正を考えていくことに意義があると思うのでございまして、A会社、B会社、C会社ごとの負担の実態を公開していくというのでなければ、企業の社会的責任に対する認識が十分確保できないということではなかろうかという感じを持っております。
○新村委員 そうしますと、抽象的ですけれども、税務についてはすべて秘密のうちに行うべきであるというお考えですか。
○森岡政府委員 先ほど申しましたように、個々の納税者の所得でありますとか、あるいは課税標準あるいは税額あるいは納税の状況等を公表することは守秘義務に反するということが一般的には言える、かように考えます。
○新村委員 どうも議論がかみ合いませんので、次に移ります。 固定資産税の問題ですけれども、固定資産税におきましては、現状においてかなり広範に特別措置が行われております。特別措置については、これは結果においては相当額の補助金を特定の企業等に交付すると同じ結果になるわけでありますけれども、この場合に、特別措置を行った企業なり経営体を国が監査をする、あるいは経理の報告を求めるというようなことをやっておられますか。
○森岡政府委員 各市町村におきまして、固定資産税の賦課徴収を適正に行いますために質問検査権もございますので、随時そのような内容の審査はいたしておるものと考えます。
○新村委員 その場合に監査権があるというふうに考えてよろしいですか。
○森岡政府委員 税法上質問検査権がございますので、それに基づいて帳簿も十分見れるわけでございます。
○新村委員 この特別措置の中に、新しく建築をする、これはアパートだと思いますけれども、共同住宅等の建築に対して免税の措置がございますね。これは建築主に対する免税措置でありますけれども、その建物に入居をしておる者については利益が及ばないということがあると思いますが、そういう場合に、入居者に対して利益が及ぶような措置を当然とるべきだと思いますけれども、そういう指導なり監督なりをなされますか。
○森岡政府委員 御質問は、住宅で、その中にはもちろん共同住宅もあるわけでございますが、一定の軽減措置を講じております場合に、その軽減を講じた効果が家賃なりなんなりという形で入居者に十分反映されておるかどうか、あるいはまたそういう措置をとる必要があるのではないか、こういう御質問かと思いますが、この点につきましては、固定資産税という税制の問題でございますので、私どもといたしましては、軽減措置を講じました結果、その効果が入居者の負担に反映いたしますことをもちろん期待はいたしておりますけれども、しかし家賃をどのように決めるかということは、まさしく両当事者の民事関係でございますので、私どもといたしましてそれに大幅な介入をするということは適当でもありませんし、またできない事柄でもある、かように考えております。
○新村委員 次に法人税割の税率でありますけれども、市町村の場合、標準税率は一二・一でありますけれども、これを採用する団体は現在では非常に少ないわけでありまして、大多数の団体が標準税率を超えて課税をする、あるいは限度額まで課税をしておるという実態でありますが、これでは法のたてまえがほとんど崩れてしまっておるわけでありまして、こういう状況の中でこの制限を大幅に引き上げるべきであるというように考えますけれども、法のたてまえ、それから実態の食い違い、これをどう認識なさるか、あるいはまた、これに対する対処をどうなさるかということです。お伺いします。
○森岡政府委員 市町村の法人税割の標準税率を超過いたします、いわゆる超過課税を実施いたしておる市町村数は千三百五十五市町村でございまして、全体の四一・六%になっております。まさしく御指摘のように地方財政の窮迫を反映いたしまして、かなりな市町村が法人税割の超過課税を行っておるという事実を示しておるものと考えます。ただ、法人税割を含めまして、法人の税負担をどのようにするかということは基本的な税制の基礎をなす問題でございますので、標準税率なり制限税率を改めるかどうかということは、今後の中期的な税制改正の一つの大きな課題として私どもは取り上げてまいりたいと思います。税制調査会の御審議を煩わしながら、適切な結論を得るように努力をしてまいりたいと思います。
○新村委員 法人税割に関して、これは一律に一二・一というのが標準でありますが、現状からいたしますと、規模別に累進制をとることが税負担の均衡公平からいって必要ではないかと思いますけれども、規模別累進制についてのお考えを伺いたいと思います。
○森岡政府委員 法人税、法人税割を通ずる税負担の求め方の問題でございますが、いわゆる累進税率というのは、個人所得税のように、個人の間の所得の再分配効果をねらうというふうな税制につきまして通常用いられる税率構造でございます。法人の負担を求めます場合に、やはり個人と社会的な活動の内容も違うわけでございますので、いままでの考え方は、個人に用いますような累進税率構造は法人税負担にはなじまないという考え方が一般的でございます。諸外国の立法例を見ましても、個人所得税のような累進税率構造を持っておる国は全くございません。現行法人税あるいは法人事業税でも使っておりますように、所得の段階によりまして二あるいは三段階の段階税率区分を設けておるところは、わが国もそうでございますし、若干の諸外国でもございますが、個人所得税のような累進税率構造は、やはり基本的には法人税にはなじまないのではないかという考え方が一般的であろうと思います。
○新村委員 現在の資本主義の社会では、独占あるいはそれに準ずる規模の経営体あるいはそれより下の、特に中小に属する経営体とでは、これは大変に違う。自由競争の中では、中小企業は大変不利な立場に立っておるわけですね。そういうことを法人税割の中に考慮する必要が当然あるのではないかと考えますけれども、その点はいかがでしょうか。
○森岡政府委員 法人税割は、御承知のように法人税額を課税標準といたして、その一定割合という形の税制の仕組みがとられておるわけでございます。もとになる法人税におきましては、これまた御承知のように、中小企業についていわゆる軽減税率の仕組みが設けられておりますので、法人税割もそれを反映いたしまして、中小企業についての負担の緩和の措置は十分効果を発揮しておる、かように考えるわけでございます。
○新村委員 次に自動車税について伺います。 自動車産業は、日本経済発展の原動力としていままでいわゆる高度成長の非常な原動力にはなってきたと思います。しかしそのために、いままでの自動車生産の指導的な考え方としては量的な拡大を最大の課題として追求してきたと思います。その結果排ガス公害であるとかあるいは交通体系の中の矛盾を非常に激化したというような結果を招来いたしておるわけであります。しかしオイルショック以来、資源の有限性が改めてわれわれの大きな課題になってきたわけです。排ガス公害については、自動車税の中にも排ガス公害を除去するという考え方が取り入れられております。しかし省エネルギーあるいは省資源時代に対する自動車の行き方、こういうものを自動車税の中に取り入れるという考え方がいまのところないようでありますけれども、まず通産省にお伺いします。そういう状況を踏まえて、今後自動車生産の指導理念というか基本的な方針はどうあるべきかについてちょっとお伺いしたいと思います。
○中沢説明員 御説明申し上げます。 先生御指摘のとおり昭和四十年代におきましては、昭和四十八年のオイルショック前までのテンポは、生産につきまして国内需要、輸出とも含めますと年率約一八%というような高い率で伸びてまいりました。しかし昭和四十八年末の石油危機を契機にいたしまして、国内需要につきましては、昭和四十八年の四百九十万台から国内需要の頭打ちが出てまいりまして、現時点では四百十万台程度の生産レベルでございます。省資源問題を迎えて自動車生産のあり方は、省資源あるいは省エネルギーという方向に向かわなければならないということは全く御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましても、今後の内需の生産の伸びは大体年率にいたしますと国内需要では二%前後、四十九年から昭和六十年までの年率は二・二%前後というふうに見ておりますし、メーカーの方に対しましては、燃費の向上あるいは軽量化という方向で指導してまいりたいと思っております。
○新村委員 そこで省エネルギー、省資源の時代を迎えていままでとは変わった指導方針が必要ではないかと思うのです。自動車は国民生活に密着をしておる必需品でありますけれども、無用に大型化をする一方では、これはこれからの時代に合わないのではないか、そういう意味で、排ガス規制の点からいっても性能のいい小型車を奨励をする。小型車優先の生産体制というか指導体制をとるお考えはあるかどうか、お伺いします。
○中沢説明員 御説明申し上げます。 先生御高承のとおり、日本の自動車の車種は世界的に見ますとおおむね軽量、小型の方に属しておるわけでございます。最近の時点でモデルチェンジのたびごとに大型化するのではないかという御指摘でございますが、私ども石油危機の後四十九年にモデルチェンジにつきましての通達を出しまして、安全公害対策を優先するようなモデルチェンジを進めております。したがいまして単に形状だけを変更するようなモデルチェンジは自粛するように求めておりますが、昭和五十年、五十一年、さらには昭和五十三年の排ガス規制との関連におきまして、排ガス規制を強化いたしますとエンジン出力が低下するというケースが多いわけでございまして、昭和五十年以降の排ガス対策との関連で排気量の大きいエンジンを搭載するというケースがふえておるということは御指摘のとおりでございます。ただその中でも、燃費がよくて計量の大衆車クラス千CCから千二百CC程度の車種につきましては、排気量の場合でもエンジン、容量を大型化するということは必ずしも出ておりませんで、いわゆる大衆車クラスのエンジンにつきましては、燃費もエンジンも小型あるいは優秀なエンジンを継続して使用するという傾向は、現在でも引き続いておるというふうに考えております。 結論といたしまして、モデルチェンジのたびごとにエンジンあるいは車体を大型化するというふうなことは、排気ガス対策が一巡いたしますと必ずしもそういうことにならないというふうに考えております。
○新村委員 排気ガス対策はもちろんこれは必要でありますけれども、車を小型化することによって省エネルギー、省資源ということを達成できる、また長期的に考えれば道路投資あるいは駐車場に対する投資を軽減することができるわけです。特に道路については自動車用の空間を減少することができるわけですから、長期的には道路に対する投資の節減にもなるわけであります。そういう意味で排ガスの規制と矛盾しない限りにおいては、小型車をできる限り奨励をするということが必要だと思います。それに伴って誘導的な政策とまではいかないにしても、自動車税についても、小型自動車については現在の税率を減額する、あるいは将来は無税にするというようなことで小型車について保護を加える。これは国民生活の必需品ということでありますから、小型車は優先的に保護を加えて、その部分を大型車に負担をしてもらうというふうなそういう自動車税の考え方があるかないかをお伺いします。
○森岡政府委員 自動車税は御承知のように一面において自動車という財産、資産を持っておることに担税力を見出して課税いたします。したがって、固定資産税は課税いたしません。そういう意味合いの財産税的な性格ともう一つは道路損傷負担的な性格と両面あると考えております。 そこでいまお話は、小型車に対するインセンティブを税制上与えてはどうかということでございますが、実は自動車税のうち九五%までは現在小型車でございます。そういたしますと、この小型車について仮に税率を低めるというようなことになりますと、財政収入上かなり穴があいてまいります。これは私どもとしてはなかなか大変なことだと思います。 いま一つの問題は、もちろん小型車と大型車の間で現行税制も税負担にかなりの差を設けております。大型車については税負担をかなり重くしているわけでございますけれども、自動車全体の税負担のあり方といたしまして、ここまで自動車が普及いたしました結果、道路が非常に過密になり、そのための道路の公共投資も必要だ、こういう状態でございますので、むしろ税率に格差を設けるといたしますならば、小型車を軽減するということではなくて大型車の税率を上げるということではないか。ただ大型車の税率を上げましても、先ほど申しましたように小型車が大部分でございますから、大型車の税率引き上げによる増収というものはそれほど大きなものではない、こういう状況でございます。 なお、今後税率の区分につきましては、いわゆる大型車の税負担を若干でも高めるという方向で検討すべきものだと考えます。
○新村委員 私が申し上げているのは、小型車といいましても、いわゆる性能のいい千cc以下の軽自動車を言っているわけであります。こういうクラスの車、排ガス規制もよくできる、それから性能もいい、普通四人乗りでありますから家庭用の大衆車としては十分用が足りるわけでありますけれども、そういう部分の自動車を保護して一保護というか、特恵的な税制を適用して、千cc以上、二千、三千というものにその部分を負担してもらうということはどうかということを申し上げているわけであります。いま局長がおっしゃった財産税的な性格あるいは道路損傷的な性格ということからいっても、この考え方は矛盾しないと思いますけれども、その点をお伺いします。
○森岡政府委員 現在も軽自動車の税率は、通常の自動車税の対象であります小型自動車なり大型自動車に比べまして、かなり低い水準で決めておるわけでございます。私どもは、仮に今後軽自動車に重点を置いてその普及を図っていくということでありますならば、逆に軽自動車以外の、自動車税の対象であります小型自動車とか大型自動車の税負担を高めるという方向で努力をさしていただきたいものだ、かような感じでおるわけでございます。
○新村委員 それから、大型特殊自動車、これは自動車税の課税対象にはならないですね。そうしますと、これは償却資産ということでありますけれども、この課税の実態はどうなっておりますか、お伺いします。
○森岡政府委員 大型特殊自動車にはたしかいろいろな種類のものがございますが、その中で道路運送車両法に基づきまして登録をいたしますものにつきましては原則として自動車税を課税する、こういう仕組みになっておるものでございます。
○新村委員 これは車検がないわけですけれども、保安の問題はどうなっているでしょうかね。
○森岡政府委員 ちょっといま事務的に資料を見ておりますので、後刻御報告申し上げたいと思います。
○新村委員 では後回しにしまして、次に、農耕作業用の軽自動車というのがありますけれども、これについては従来自動車税が課されておったわけです。しかし、自動車税というのは道路を走行しなければ課されないと思いますけれども、自動車税の定義をもう一回伺いたいと思います。
○森岡政府委員 軽自動車税は原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自動車、二輪の小型自動車を課税対象にしておりまして、御指摘の農耕作業用自動車も軽自動車税の課税対象に相なっております。
○新村委員 いや、ですから、自動車税を課税する課税客体の定義ですね。どういうものに自動車税を課するかということについて御説明を願いたいんです。
○森岡政府委員 自動車税の課税客体であります自動車につきましては、道路運送車両法の適用を受ける自動車を言うというのが原則でございます。したがいまして、通常道路において運行する自動車を言うわけでありますので、具体的な認定は道路運送車両法第四条の規定によります登録の有無によって判断するということにいたしておるわけでございます。
○新村委員 そういたしますと、道路上を運行しないものについては、原動機がついておっても自動車税は課さないということだと思いますけれども、その点をお伺いします。
○森岡政府委員 基本的にはそういう御指摘のとおりでございますが、ただ作業場に向かいますまでの間に道路を通るということもあるわけでございますので、そのために道路運送車両法の登録をしておる車両もかなりあるわけでございますが、それらにつきましては自動車税の課税客体として税負担をお願いする、こういう考え方をとっているわけでございます。
○新村委員 農耕作業用の原動機付自動車、あれは当初は確かにそういう面もあったと思いますけれども、現在はもう農家でもトラックを持っておりますし、あの原動機付耕運機が道路を走行するということは事実上ほとんどないのですね。農場で作業するということだけであって、道路に出て運行することは事実上ほとんどないのです。ですから、この法制定当時とではかなり状態が違っておると思うわけですけれども、そういう状況に対する御認識を伺いたいと思います。
○森岡政府委員 先ほど来申し上げましたのは自動車税の課税客体について申し上げたわけでございますが、いま御指摘の農耕作業用自動車は自動車税ではございませんで、市町村の軽自動車税の課税客体になるかならないか、こういう話でございます。 そこで、軽自動車税の対象になる軽自動車につきましては、道路運送車両法の登録制度がとられておりません。四輪以上の軽自動車につきましては届け出制度がとられておりますが、それ以外については、別に陸運事務所に届け出をして登録をもらう、こういうことにはなっていないわけでございます。しかし、軽自動車税につきましては、農耕作業用自動車も軽自動車の概念の中に入っておりますので、これらにつきましては現在課税対象にいたしておるわけでございます。 確かに、お話のように道路を走る頻度と申しますか、それは通常の軽自動車に比べますとかなり低いということは事実でございますけれども、しかしながら、やはり道路を走行するということは当然あるわけでございますので、軽自動車税の課税対象に含めておるということでございます。
○新村委員 農業の重要性がいま認められ、再認識をされておる状況下で、こういうきわめて零細な生産手段にまで課税をすることの可否ということが当然出てくるわけです。 それから、いま局長がおっしゃったのはこの税を制定した当初の状況だと思うのですよ。現在はすでに、先ほど申し上げたように農家は全部がトラックを持っておりますし、この農耕作業用の自動車が運搬車として道路を走行することはほとんど絶無に近いのですね。普通、農家は住宅の周りに農場がございますから、道路に出なくとも、農場に出て、仕事をして、また倉庫にしまうというのが実態でありますから、自動車の概念ではほとんど律せられないと思うのですよ。これは普通のいわゆる自動車にしても、軽自動車にしても同じでありますから、これは自動車には変わりはございません。ただ大型であるか、小型であるか、排気量等によってこれは区別されておるわけでありますから、自動車に変わりはありませんし、これは明らかに自動車税が課せられておるわけでありますが、この耕運機に自動車税をかけるということは現状ではすでに非常に無理だということ、状況が変わっておると思うわけですけれども、これについての御認識を伺いたいと思います。
○森岡政府委員 農家の車両の利用形態は、確かに御指摘のように、だんだんと農家の経営状態あるいは耕作の状態も変わってまいりますから、質的な転換もあると思います。そういう意味合いで、農耕作業用自動車に対する税負担をどうするかということは、そのときどきに応じまして、時代の変化に対応いたしまして慎重に考えてまいらなければならぬと思いますが、私どもは、そういう意味合いも含めまして、条例準則の中で、通常の軽自動車税よりも税率を低めて、一台当たり年額千三百円という指導をいたしております。各市町村ともそういう税率を条例で決めているわけでございます。そういう意味合いで、かなり税負担の緩和ということを考えながら低めておるわけでございますが、なお御指摘の点も含めまして、今後の軽自動車税の税制のあり方につきまして検討をしてみたい、かように思います。
○新村委員 そういたしますと、この税目を廃止することを考慮されるということですか。
○森岡政府委員 軽自動車税という総体の税目がありまして、その中で先ほど申しましたように、原動機つき自転車、軽自動車、小型特殊自動車、二輪の小型自動車という各種の軽自動車等を課税対象にいたしておりますので、それらの相互間の税負担のバランスというものをやはり考えてまいらなければなりませんので、いま直ちに農耕作業用自動車をどうこうするということを申し上げる段階ではございませんけれども、先ほど申しましたように、税負担も現在では条例でかなり低く定めるような指導をいたしておりますので、それらをあわせまして、なお今後の軽自動車税全体のあり方の一環として検討してまいりたい、かように申し上げたつもりでございます。
○新村委員 そうしますと、もう少し確かめたいのですが、実は農耕作業用軽自動車については、市町村においても大変困っておる実態があるわけですね。というのは、自動車税を課するからには、自動車としての一般的な常識からして、確かにあれは自動車だという認定がなさなければいけないと思うのですけれども、道路を走行しない、農場に出るだけだということですから、これは道路を走行しないのですから、仮にナンバーをつけなくても、人様の農場に入って、これはナンバーがないがどうしたのだと言ってこれをとがめるわけにはいかないのですね。そういう点で、課税の実務上も大変困っておる。課税が実態上できない。一々農場に立ち入って調べなければいけないし、農場へ行ってもこれは外へは出ないのだ、農場の中で作業するのだから、単なる耕運機、田植え機、ああいったものと同じだと言われた場合には、自動車税を課する根拠あるいは説得力がないのですね。こういう点非常に困っているわけです。こういう点についてもう一回ひとつ確かめたい。
○森岡政府委員 自動車税、軽自動車税を通じまして、たとえば自動車税については先ほどお話しの大型特殊自動車、それから軽自動車税の対象といたしましては御指摘の農耕作業用自動車のように、道路を走行する頻度というものがきわめて少ない、あるいはほとんど皆無に近いというものも中にはございますが、しかし、自動車税なり軽自動車税というものは、道路運送車両法上自動車あるいは軽自動車として定義をされておりますものを課税客体にするという考え方をとっておるわけであります。現実に走っている、走っていないということで判断をするとなりますと、これはまた市町村は大変なことになりますので、やはり客観的、外形的な道路運送車両法の決め方に原則としてのっかって課税客体の分別を行うという方が課税事務としては簡素でもあり、合理的でもあると考えているわけでございます。 しかし、道路を走行することはできるけれども道路を走行する頻度が非常に低いものにつきましては、別途、税負担のあり方につきまして、税率をぐっと下げるとか、そういう形で処理してまいったというのがいままでの経緯でございます。私は、そのこと自身はやはり基本的には間違っておるという感じは持たないのでございまして、そういう中で、将来何らかの改善を行い得る余地があるかどうかということをいま少しく検討してみたらいかがであろうか、こういうふうに申し上げているつもりでございます。
○新村委員 そういうことになりますと、大型特殊自動車との区別をどうするかということになりますね。大型特殊自動車も道路を走行しない。大体が事業場等の中で仕事をしている。そういうことのために、これは自動車税ではなくて償却資産ということになっているわけだと思います。これとの矛盾がないかどうかということですね。 それから、局長さんはこう決まっておるというふうにおっしゃいますけれども、税制をお決めになることに参画するのは局長さんですから、こう決まっておるということじゃなくて、こう決めるか決めないかという衝に当たる方が、こう決まっておるからこうだということでは、これは大変困るわけですけれども、そこらの御見解を承りたいと思います。
○森岡政府委員 こう決まっておるからもうどうにもならないのだというつもりで申し上げておるわけでは毛頭ございません。ただ、先ほども申しましたように、自動車税にいたしましても、軽自動車税にいたしましても、通常の自動車とか軽自動車でありますと、これは道路を走ることができ、かつ現実に道路を走っているわけでございますから、これは問題はないわけでありますけれども、大型特殊自動車あるいは小型特殊自動車それぞれについて見ますと、使い方によりまして、道路を走っておる場合もあれば、道路を走る頻度が非常に少ない、あるいは皆無であるというものもございます。そこで、それらを分別して処理いたします場合に、たとえば具体的に走っていれば課税する、走っていなければ課税しないというふうなやり方も、それはあると思いますけれども、これでは市町村の課税事務は混乱をきわめますので、先ほど申しましたように、道路運送車両法の自動車の区分、これに該当するか否かによって形式的な判定をまず第一義に行う。これでなければ課税事務は大変むずかしいことになります。そういう意味合いで現在そういう仕組みがとられておりますし、また、その仕組み自身は私は合理的なものだと思うのであります。 ただ、その場合に、税負担の求め方として通常の自動車と同じような税負担を求めるのか、あるいは走行頻度が非常に少ないということを考えまして税率を低めるのか、そういうふうな問題として処理する方が税制の運用上も負担のあり方としても合理的ではなかろうか、かように申し上げておるわけでございます。
○新村委員 大臣にお伺いしますけれども、いまのような実態の中で農耕作業用の自動車を自動車として認定をして自動車税をかけることは非常に無理だ、実態上も無理であるし、また税務行政上も現場で大変な混乱を来しておるわけであります。そういうことが一つございます。 それからもう一つは、農業に対する配慮をもう少し国はすべきではないかという観点が一つあるわけであります。農業は、申し上げるまでもなく、高度成長の中で日本の産業の中から、意図は別としても、結果的には疎外をされ、衰退をしてきたわけですね。こういう中で、農耕作業用の軽自動車、これはもう生産用具というには足りないほどのきわめて零細な用具ですね。値段にしても六、七十万だと思います。それ以下のものもあります。こういうものに対して課税をすることは、政治的な観点から見て、あるいはまた農業に対する農政上の見地からしても、これは非常に不適当だと思います。農業団体等も、この税が決まった当初から非常に抵抗があったし、税率は大したことはありませんけれども、その考え方において非常に抵抗があったわけです。その後ずっと、税目そのもの、それからまた税額そのものは小さいけれどもその考え方自体が非常に遺憾だということで、地方団体あるいは国に対して繰り返し陳情があったはずであります。これは自動車税から除いてくれという陳情があったはずであります。そういう背景を踏まえて、それからまた現状も、非常に税務行政上も困るし、自動車税を課することに対する理論的な根拠がきわめてあいまいでありますね。非常にあいまいだと思うのです。これについてひとつ自動車税から除外をする努力をなさるかどうか、それからまた、いま私が申し上げたことについて大臣はどうお考えになるか、お伺いします。
○小川国務大臣 いま直ちに課税の対象から外してしまうということがなかなか実行しにくいというゆえんにつきましては、局長からるる答弁を申し上げたとおりでございます。やはりこれは実態に応じて税率の面で配慮していくほかないと考えておりますが、御論旨は十分理解いたしましたので、私もさらに研究をさせていただきたいと存じます。
○新村委員 それでは、ひとつ、自動車を管理する所轄の官庁とも十分連絡をとられまして、この点を検討していただくように特にお願いをしたいと思います。 次にお伺いをしますが、地下水については所有権を主張できるかどうか、地下水の性格についてお伺いしておきます。
○森岡政府委員 地下水の所有権という問題になりますと、ちょっと私、非常に不勉強でございましてよくわからないのでございますが、所有権の対象にはならないのではないか、私なりにさように考えております。
○新村委員 表流水については私物ではないと思いますね。これは公的なものとして性格が確立をされていると思いますけれども、地下水について、特定の個人あるいは私人が土地を持っておる。その土地に井戸をうがって地下水をくみ上げることについては、地盤沈下とかいったことは別にしまして、権原の問題からしまして全く無制限であるかどうかですね、これを伺いたいと思います。
○森岡政府委員 どうも税金屋がお答えするにはなかなか話がむずかしい問題でございますので、的確なお答えができかねるのでございますけれども、これは素人考えでございますが、地下水と申しましてもいまお話がありましたように、その所有しております土地の下に全く無関係に水があるわけではなくて、それは地下で水脈を通じて流動しているわけでしょうから、その排他的な所有権が所有しておる土地の地下の部分に限って、水についてあるということにはならないのではないか、私はかように思っておるわけでございます。
○新村委員 地下水が税金に関係があるわけです。というのは、いろいろお伺いするうちに税金の問題になってくるわけですけれども。 最近、地下水が企業等によって大量にくみ上げられておるわけですね。そのために、一定の地域でそこの住民が生活用水を得ることが困難になっておるという事態があるわけです。そういう場合に、住民の間に水に関して負担の非常な不均衡があらわれてくるわけです。そういう場合に地下水のくみ上げ量に応じて、法定外普通税を課することができるかどうかという問題について伺いたいと思うわけなんですが、そういう点でお伺いしたいわけですけれども、一定の地域の地下水が独占的にくみ上げをされた場合に他の住民との間に不均衡が生ずるわけです。水に対する負担の公平を図るという見地からいたしまして、地下水のくみ上げについて従量によって地方税を課することについてのお考えを伺いたいと思います。
○森岡政府委員 地下水についての私権の問題はさておきまして、御指摘のように、地下水のくみ上げによりまして、一つには他の地下水の利用者に大変迷惑を与える、水源を枯渇させるという問題が出てまいる可能性があるということは当然ございますし、またその地域の地盤沈下を進める結果になるという問題もございます。そういう意味合いで、地下水のくみ上げにつきまして公的な規制を行うということは当然あってしかるべきでございますし、御承知のように、現在でもそういう仕組みがあるわけでございます。 ところで、一定の地下水のくみ上げに対しまして法定外普通税を課税することの是非についての御質問でございますが、実は一部の市町村でそういうふうな御検討をなさっておるという話は耳にしておりますけれども、具体的な法定外普通税の案としてはまだ私ども伺っておりません。考え方といたしまして、たとえば法定外普通税を課税いたしますと、それだけでもう地下水のくみ上げを許容したことになる、それはまた全体としての水源の涵養とか、あるいは地盤沈下対策とかいう面から問題があるのではないかという問題点の提起あるいは批判もあるようでございまして、それらもいろいろ総合的に考えながら、法定外普通税というものを起こすとすればどういう形になるのかということが検討されておるのだと思いますが、いずれにいたしましても、具体案を御提示願いましたならば、その段階で私どもといたしましては検討してまいりたいと思っているわけでございまして、現段階では具体的な結論は持っておりません。
○新村委員 それは地盤沈下という問題がありますけれども、許容するということではなくて、現に許容されている企業なりあるいは事業場があるわけです。しかし今後の問題として、地盤沈下等によって無制限にくみ上げすることを規制をされておるわけです。そういたしますと、一つの地域でいままでの既得権といいますか、いままで井戸を掘って利用していた者だけが有限の資源を独占するという問題が出てくるわけですね、新しくはもう井戸は掘れないわけでありますから。市町村といえども自由には掘れない、そういう規制を受けておるわけです。そういう中で既得権だけを認められて、それに対しては全く何の負担もないということでは、他の住民との間の不均衡がますます拡大するわけですね。特にそういう地域では公共水道は表流水を使わざるを得ないわけですから、そうなりますと浄化のために多額の経費を要する、一立米当たりの単価も百数十円になるというのが実態であります。ところが良質の地下水を独占的に利用しているそういう人たちは、一立米わずか五円か十円で良質の地下水が得られるということでありますから、非常に住民間の不均衡がはなはだしいということであります。これらを解決する手段として地下水くみ上げ税を考えてはどうかということでありますが、これについてお伺いしたいと思います。
○森岡政府委員 地下水の有効な利用を地域として総合的に考えていくということが一番の課題だろうと思います。その場合に、くみ上げについてのいろいろな規制をどの程度までやれるのか、いまおっしゃいました既得権としてやっておりますものにつきまして、地盤沈下対策から制限をする以外に何らかの制限を加え得るのかどうか、この辺の問題はかなり大きな問題になろうかと思いますが、そういうふうな問題の解決の仕方と、それからおっしゃるように、既存のくみ上げるものはそのまま認めておいて、税金の負担を別途求めるという解決の仕方と、両方あるように私も考えます。しかしいずれにいたしましても、地下水の総合的、有効的な利用あるいはそれに伴います既存のくみ上げております地下水利用者の権利の制限、その辺のところはなかなか関連するところも広範囲でございます。それらの問題をどう解決するのかということとあわせて、この法定外普通税の問題が具体化いたしました場合に、関係省庁とも十分相談いたしまして結論を出してまいりたい、かように思います。
○新村委員 十分御検討をいただきたいと思います。 次に、国民健康保険税についてお伺いしたいと思います。今回の改正では限度額を二万円引き上げるという案になっておりますが、御承知のように、国保財政は非常に危機的な段階になっております。二万円程度引き上げることによってこれはどの程度救済になるか、これによってこの問題がどの程度解決をされるとお考えでございましょうか。
○森岡政府委員 十五万円という限度額を十七万円に引き上げる案を御審議いただいておりますのは、所得もふえてまいりました結果、十五万円の頭打ちの納税者のウエートが従来よりも高まってまいったわけであります。そういうふうなことから、基本的には頭打ちになる納税者のシェアを従来とほぼ同程度にするというふうなめどを立てまして、十七万円に二万円引き上げるということにいたしておるわけでございます。どちらかと申しますと、これは保険税なり保険料負担のバランスというものを念頭に置いて考えておる制度改正でございます。全体としての増収を大幅に図るという気持ちのものではございません。これによる増収はおおむね百億円程度というふうに見込んでおります。
○新村委員 保険税の方針は応益原則、性質上そういうことになると思います。応益の原則によって行われていると思いますけれども、これはもうすでに無理の状態だと思います。実際に課税をする段階になりますと、上限がありますので当然低所得者に対してはきわめて重い課税になっておりますし、そうかといって上限が抑えられておりますから、全体の税収を伸ばすことができないわけです。地方税の課税最低限、ですから均等割の最低限の人、この場合に、地方税の均等割は千二百円だと思いますが、同じ人が保険税では四万四、五千円納めなければいかぬ、こういう実態であります。もちろんこれは他の保険とも関係いたしてまいりますので、国保だけではありませんけれども、一方市町村においては、そういうふうに市の市民税は千二百円である、保険税は四万五千円ぐらい納めるということで、その間の住民の理解を得ることが非常にむずかしい状態で、保険税についてはいつも徴収率が非常に低い。住民税、固定資産税が仮に九六、七%いくとすれば、保険税は九〇%を割るというのが実態であります。こういうことになりますと、もう応益原則だけを押していくことは非常にむずかしいのじゃないかと思いますが、この点について大臣のお考えを伺いたいと思います。
○小川国務大臣 ごもっとものお説と存じますが、現状でも資産は所得割、そういう応能部分に重点を置いて運用されておるのではないか。その割合が六、四とか七、三とかいうことになっておるのではなかろうかと承知いたしておりますが、政府委員から詳しく御答弁させます。
○森岡政府委員 国民健康保険税をしばしば住民税との比較で御論議があるわけでございますが、個人がふところから支出をするという点ではまさしく同じでございますけれども、やはり制度の中身が、一方は強制的な租税の賦課徴収でございますし、片一方はむしろ相互扶助、共済の精神に基づきます社会保険の一種としての国民健康保険の運営のための経費負担でございますので、これは理屈に堕するとおしかりを受けるかもしれませんけれども、そこのところはおのずから違いがあるというふうに私どもは考えておるわけでございます。そういう意味合いで、この国保の負担につきましては応能割り、応益割りそれぞれ両方合わせまして税負担を求める仕組みをとっておるわけでございますが、ただ、いま大臣からも申し上げましたように、各市町村の税率の決め方を見てまいりますと、最近は応能割りのウエートがかなり高まってきております。そういう意味合いでは応能割りをもう少し高めていいではないかという御意見も出るところだろうと思います。ただ、この問題は国民健康保険税だけの問題でございませんで、国民健康保険料と並行して考えなければなりません。国保中央会でも何か研究機関を設けられまして、保険料及び保険税の負担のあり方についてかなり突っ込んだ御研究を進めておられるやに承っておるところでございますので、その推移も見ながら厚生省ともいろいろ御相談をして、適切な保険料、税の負担のあり方を研究してまいりたい、かように思います。
○新村委員 それから、事務費は原則としては一〇〇%支給ということがたてまえだと思いますが、現在はこれがどの程度行っておりますか。
○森岡政府委員 事務費につきましては、御指摘のように一〇〇%負担という仕組みでございますが、ただ現実の国庫予算の支出はかなりこれを下回ってまいったというのが事実でございまして、いわゆる超過負担の一つとして、私どもも早急に是正を図るべき旨の要請を関係省庁にしておるわけでございます。数字につきましては私ども直接その事務費予算について所管いたしておりませんので、いま手元に資料はございませんけれども、毎年度かなり改善が進められておるものと理解いたしております。
○新村委員 それから、これは前から懸案になっていたと思いますけれども、保険税は地域によってかなり住民負担が違うという実態があるわけです。これに対して標準税率を決めて、それに準拠して税率を決める、そして事務費の一〇〇%支給と同時に、国庫負担金でその足りない分については全面的に国で見る、そういうような議論が前からあったわけですけれども、これについてはその後どうなっておるのでしょうか。
○森岡政府委員 一つの考え方といたしましては、地域保険という性格を国民健康保険は持っておりますから、全く全国一律に同じ負担でなければならないというのは言い過ぎではないか、若干のばらつきがあってもいいではないかという意見もあるように私は考えます。いま御指摘の標準保険料という制度を設けるべきではないかということはかなり前から議論がございまして、厚生省の研究会でもかなり突っ込んだ研究が行われております。ただ、現実の問題としてまだ具体化いたしておりません。 問題のむずかしさは、一つは、所得とか資産とかそういう能力に応じた負担を求めるという面と、それから地域ごとの医療給付の内容にある程度スライドしなければならない。負担力だけではなく給付水準に格差があるわけでございますから、それを全く無視して一律の負担というわけにはまいらない。その辺のところに標準保険料をつくる一番の困難性が伴っておるというふうに私どもはかねがね思っておるわけでございます。しかし、何らかの形で地域間の大きなアンバランスを是正するための努力は重ねられなければならないと思いますし、厚生省とも十分相談してまいりたいと思います。
○新村委員 標準税率というのは、国が地方に基準を与えるとかあるいは統制するという意味ではなくて、国の責任をそこで明確にしてもらいたいという意味ですね。ですからそういうふうに解釈を願わないといけないと思います。そして現在の保険制度は出来高払いという制度をとっておるわけです。ですから治療をすればするほど医者の収入が多くなる。同時にまた背景としては、医者の養成が、これは全部ではありませんけれども、大半の医者の養成が個人の負担によって行われておるということです。というのは、最近も話題になっておりますように、私立の医大に入るには数千万の負担金を納めなければはいれない、そういうことで、医者の養成が全く個人の負担で行われているということ、それからまた、医療機関の資本的な投資もほとんど全部これは個人の負担、全部ではありませんけれども、日本全体から見たら恐らく七割以上だと思いますが、医療機関の投資についても個人がやっておるということで、医療費の増高に対するそういう面からの圧力が常に多いわけです。どうしても医療費が上がる、圧力がそういう制度的な面からくるということでありますから、どうしても、この制度に対しては国が合理的な基準を決めて、国が責任を持つということでなければ、これはとうてい地方団体では支え切れない問題ではないかと思います。ところが一〇〇%支給すべきである事務費についても、恐らく半分か六〇%しかいってないのではないかと思いますが、これらも含めて、今後国保に対する抜本的な財政の改善、財政の改善というか、国が責任を持つという点での再検討が必要だと思いますけれども、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○小川国務大臣 国保の問題はまことに私どもにとっても頭の痛い問題であり、同時にきわめて大切な問題だと存じております。 いまいろいろ御指摘をいただいたわけでございますが、これからも、厚生省とも話をし合いまして、何か本当に抜本的な改正ができないものか、引き続いて鋭意研究をいたしてまいりたいと存じております。
○新村委員 この点について、それからまた先ほどお願いしましたすべての点について、ひとつ真剣な御検討を賜るようにお願いいたします。 大変ありがとうございました。
○地崎委員長 午後二時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時五十三分休憩 ————◇————— 午後二時二分開議
○地崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。和田一郎君。
○和田(一)委員 地方税法の質問に当たりまして、私はまず最初に、大臣から基本的なお考えを総論的に二、三お聞きします。 まず一番は、地方自治制度発足三十周年に当たりまして大臣は所信表明で「地方公共団体が自主と責任を基本として地方行政を行うことができるよう、地方自治の基盤の一層の充実を図ることが今後の地方自治の課題である」と述べておられます。確かに最近の社会、経済情勢の著しい変貌、価値観の多様化などによって、地方公共団体の果たすべき役割りは質量ともに増大しているのが現状です。地方財政の充実はいまこそ急務であり大きな問題であります。地方財政の充実につきましては、地方自治の本旨にのっとって、地方公共団体のいわゆる独自の財源の強化という方向で考えるべきだと思いますけれども、まず大臣のお考えをお伺いいたします。
○小川国務大臣 まことに仰せのとおり、私も同じ考え方をいたしておるわけでございます。
○和田(一)委員 同じ考え方はよくわかります、そのように述べていらっしゃるのですから。具体的にどのようにその独立財源、また地方自治体の財源の確立のために大臣の任期期間中にやられるか、こういう問題でございますからもう少し具体的に答えていただきたい。
○小川国務大臣 今日は経済が一つの転換期を迎えておる、いわゆる高度成長経済から低成長に移行をする変動の時期でございますから、こういう時期に税制の抜本的な改正を図るということはきわめて困難だと存じますけれども、遠からざる将来にわが国は安定成長の軌道に乗るでございましょうから、そういう経済環境のもとでの地方税制のあり方はどのようなものであるべきかという点につきましては、現在地方制度調査会あるいは税制調査会の御審議を煩わしているわけでございまして、私どもも鋭意検討を進めておるわけでございますが、きわめて具体的な形で、こうなければいかぬという結論にはまだ到達をしておらないというのが現在の状況でございます。
○和田(一)委員 ちょっと突っ込んだ議論になりますけれども、現在国と地方との収入支出の関係を数字的に見ましたら、収入面では国が七に対して地方は三、それからまた支出面では、国が三に対して地方は七と逆転しているわけですね。このような状態をどのようにお考えになるか、大臣お願いします。
○小川国務大臣 実態はまさしく御指摘のとおりだと思いますので、地方税源の充実を図るという観点から研究をいたしていかなければならないと存じます。中期的に見まする場合に、新税の創設ということも含めまして、ある程度の税負担の引き上げを実行しなければならない、そういうことも含めまして研究をいたしておるわけでございます。
○和田(一)委員 先ほどの私の質問に大臣は、減速成長の経済ですから、増税はできないということをおっしゃいましたね。そして、もう少し安定してからまた考えるとおっしゃいましたけれども、これは現時点の問題なんです。ですから、現在どうかということなんですよ。これからこうなったらこうするということではなく、本年また来年度、そういうことでお尋ねしておるのですけれども、お考えをお願いいたします。
○小川国務大臣 まあ一切が流動しておって見定めがつけにくいという時期でございますから、こういう時期に根本的な改正をするということはなかなか困難でございます。深刻な不景気に直面をしておるわけでございますから、こういうときに一般的な増税ということもなかなかむずかしい。もう少し見定めがつきました段階で、これは根本的な見直しを図るべき問題だ、こう考えておるわけでございます。
○和田(一)委員 一つは住民に密着した事務も補助金に枠決めされている。そして地方自治団体としては、自主的に行うべき単独事業はほとんどと言ってよいくらいないのが現在の実態ですね。これをどうお考えになりますか。
○小川国務大臣 補助金につきましては、ごく零細な補助金あるいは似たような目的の補助金というものは整理いたしまして、いわゆるメニュー化を図るべきだ、こういう目的で今日までも努力をしております。これからもそういうつもりでやっていかなければならない、こう考えておるわけでございます。
○和田(一)委員 それは大体いつごろの目途で、具体的にどのようなやり方でやられるか、お願いいたします。
○小川国務大臣 これは遅くとも五十年代の前半には相当根本的な改善を実行しなければならないと考えております。
○和田(一)委員 五十年代の前半といいますと、ことしは五十二年ですから、そうすると五十四年ないし五十五年までにはそれをやってしまうというお考えですか。
○小川国務大臣 ぜひそうしたいと考えておるわけでございます。
○和田(一)委員 この論議はもう毎年繰り返されている論議でございまして、私の記憶しておりますところではほとんど歴代の大臣の皆さん方が同じような答弁をしていらっしゃる、これはもうひとつ大臣じゃなくて、財政当局にちょっと自治省としてのお考えをお聞きします、その点について。
○首藤政府委員 御指摘をいただきましたように、ただいま国、地方を通じましての税源配分、七、三でございまして、地方に著しく弱い、これは実態でございます。ただ、交付税の措置がこれを補完をいたしておりまして、一般財源全般といたしますと、交付税の三二%を取り込みますとちょうど五、五ぐらいの比率に相なっておる、こう存じております。もちろん自主税源をもって財源の大半を賄っていく、これが望ましいわけでございますが、先生御案内のように、やはり税源の大きな偏在というものがございますものですから、これはどうしても所要額を全部税制で確保するということは事実上は不可能でございます。そこで、交付税制度とのかみ合わせ方によりまして一般財源をできるだけ強化をしていく、こういう考え方をずっととっておるわけでございます。 なお、これに絡みまして国庫補助金制度がございまして、その補助金が国、地方を通じましての財源の約二割相当分ぐらいが国から地方に流れておりますので、それを地方が収入することによって、実質的には地方が七、国が三、このような事業実施の配分になっておるわけでございますが、この点につきましては、先生御指摘のように、なるたけ補助金はこれを整理をして、これが少ないほどよろしい、その場合にこれを一般財源に振りかえていく、こういう措置がとられなければならぬわけでありますが、何分にも事務配分の根っこにさかのぼるむずかしい問題を含んでおります。そういうこととあわせまして、地方の自主性を強化をするような方向に、いままでも努力をしてきたつもりでございますけれども、今後もなおそれを徹底をさしていきたい。そのために、具体的には地方制度調査会とか税制調査会とか、こういうところの御審議も煩しながら、歩一歩着実に進めていく方法をとるよりほかに仕方がなかろう、このように考えておる次第でございます。
○和田(一)委員 いま大臣は五十年代の前半にやってしまいたい、これは補助金の整理統合だという、いま具体的なものになりましたけれども、いずれにしても自治省としては、やはりいろいろな原案をつくって制度調査会等に諮問されるのだと思うのですけれども、五十年の前半いわゆる昭和五十五年までに、そのような長い期間をかけてやるのか、もうもはややってしまっているのか、事務当局の考え、どうですかね。
○首藤政府委員 先生御案内のように、ただいまの現時点をとらえて申し上げますと、国、地方を通じまして税源の絶対量が著しく不足をしておる、こういう状況でございまして、国は赤字国債を多額に発行いたしておりますし、地方財政もまた御案内のような二兆七百億という臨時の措置を講じてやっと乗り切っておる、こういう状況でございますが、五十五年までには国も、希望でございますが、赤字国債から脱却をいたしたい、私どももぜひこのような財政状況から脱却いたしたいということで、中期経済収支見通し等を立てましてお目にかけておるわけでございます。この前提には国民の租税負担が五十五年度では現在より——現在と申しますのは五十年までの平均負担率でありますが、約三%程度、国、地方を通じて上がってこないとつじつまが合わないだろうという見込みが一つあるわけであります。そういった大きな制度改革が必要なものでございますので、これは何もかにも一挙動で、一、二の三でやってしまうことにはなかなかいかぬのじゃなかろうか、五十五年までの年度をかけまして、次第に国民のコンセンサスも得ながらそのような措置をとっていく、こういう経過をたどらざるを得ないのではなかろうかと実は考えております。
○和田(一)委員 いま財政局長から御答弁ありましたいろいろな抜本策、具体的にどういうものが挙げられるかということをちょっとお聞きしたいのですが、たとえば外形課税を導入するとか、それから地方交付税を上げるとかいう具体的なのがございますね、こういうことも考えられる、そういう点がございましたら、ちょっと教えてもらいたいのです。
○首藤政府委員 国、地方を通じましての税源の充実、こういったような問題でございますので、いろいろな面があろうかと思います。現行税樹上でも所得税制それから法人税制、こういった所得課税をどう考えていくのか、それから資産関係の課税をどう考えていくのか、それから現在一番問題になっておりますのは消費税関係が大変税制として弱うございますが、たとえば一般消費税といったような問題点に対してどう対処をするのか、それぞれにいろいろ可もあり不可もある問題点がございますものですから、細かに研究をさせていただき、また税制調査会等の御意見も賜りながら、恐らくそういったもののいろいろな組み合わせになってこようかと思うわけであります。その場合に、国、地方を通じての税源の充実、これができます体制が整いました場合に、できる限り地方税源の充実、こういうところに力を持っていき、また税源の偏在で税制では賄い切れないところは、地方交付税制度をただいま申し上げましたような税制にリンクをさせましてこれを充実をさせていく、こういったこともあわせ考えなければならない、こういうように思っております。
○和田(一)委員 大臣にお聞きしますけれども、第十六次地方制度調査会では地方税財政制度のあり方についての起草委員会の報告で、ちょっと読みますと、「事業税」のところで、「外形基準を導入することについて、検討すべきである旨の答申を行ったところである。」こう出ておりまして、いよいよいわゆる俗に言う外形課税というのですか、それを実施に踏み切るべきであると考える、こういう答申が出ているわけです。この点についてまだ導入ということは全然現在出ておりませんけれども、お考えはどうなんですか。
○小川国務大臣 これは地方公共団体の提供します行政サービスと企業の事業活動との間に存在します応益関係に着目した物税でございますから、外形標準を導入しようという考え方、これは少しも不思議な考え方だとは思っておりません。税を本来の姿に戻していくべきではなかろうかと私どもは考えておりますし、同時にまた府県に対して安定した税源を付与したい、こういう考え方で問題を取り上げたわけでございます。この問題につきましては、その際どういう課税標準をとったらいいか、税率をどのようにするのがいいか、実施の時期はいつがいいのか、いろいろな点につきまして税制調査会の御審議を煩わした、その際直ちに実行せよという御論議もあったと聞いております。同時にまた、今日のこの深刻な不況に及ぼす影響ということも考えて慎重に研究すべきだという御意見もあった。結論的には、もう少し時間をかけて検討すべし、こういう答申をいただきましたので、私どもとしましては、これから先、引き続いて関係方面の御理解を得ることに努力いたしまして、この税の実現を図っていきたい、こう考えておるわけであります。
○和田(一)委員 税務局長にお聞きしたいのですけれども、外形課税のこの答申を得たということ、それに加えましてどこかから反対があって取りやめになったのか、それとも皆さん方の御判断で一応見送ったのか、いま大臣の御答弁がございましたけれども、事務当局としてはどういう経緯がありましたですか。
○森岡政府委員 ただいま大臣から申し上げましたように両論あったわけでございます。五十二年度から実施に踏み切っていいではないかというかなり積極的な御意見と、それから消極論といたしましては、現在の経済状況から申しまして負担にかなりな変動をもたらすわけでございますので、これは企業の経営なり、あるいは総じては国民経済に与える影響がかなり大きなものになる、この時期はやはり問題があるという御意見と、いま一つは、先ほど来御指摘のように国税、地方税を通じまして税制の基本的なあり方を、五十年代前半において、租税負担率の引き上げを含めまして思い切って検討し直さなきゃならぬ時期じゃないか。そういたしますと、事業税に外形標準課税を導入するということは税制としてはかなり思い切った改正でございますので、全体としての税体系の中での位置づけというものを考えなければいかぬじゃないか、これも確かに一つの御議論でございます。そういう両面からの消極論がございます。そういうふうなことで、率直に申しまして機熟せずということで、税制調査会の御結論を得るに至らなかったものでございますから、最終的に私どもも今後の検討課題にせざるを得ないということで腹を決めたわけでございます。
○和田(一)委員 この点についてはいろいろ議論があると思います。また次の機会に詰めていきたいと思いますけれども、やはり中小企業の人たちの負担にならないように、そして相当な資金が自治体から出ていくものですから、このことについては速やかな結論を出すべきだと思うのです。大臣、速やかな結論を大体いつごろを目当てにお考えですか。
○小川国務大臣 これは、たとえば来年必ず実行しますというようなお約束もいたしかねるわけでございまして、今後の経済の状況等を踏まえまして、ひとりこの税に限らず、国税、地方税を通じて抜本的な見直しが行われる時期、私どもはそういう時期が一日も早からんことを希望しておるわけですが、その時期にあわせて実行に移したい、こう考えておるわけでございます。
○和田(一)委員 どうも雲をつかむようなお答えでございまして、そのときが来たらやるというだけの話なものですから、私はどうも計画性がないような気がするのです。 そこでひとつ具体的にお聞きします。最近いろいろ論議されておりますところの高速道路と固定資産税の問題がございます。地方自治団体にしても相当な金がいろいろかかっているわけで、これは御承知のとおりだと思うのです。そういう点、やはり一つ一つ地方の自主財源をふやしていくことが地方の自治の確立につながるわけですから、そのとおり御答弁になったのですから、これから先そういう時期が来たらやるというのではなくて、やはりそういうものにどんどん取り組んでいくのも自治大臣のお役目じゃないかと私は思うのです。そのような所信表明もあったのですから。高速道路、現在問題になっております、いろいろ議論も出ております、建設省としては恐らく反対されておると思いますけれども、こういう点で大臣の御所見をお伺いしたいと思うのです。
○小川国務大臣 建設省との間にやりとりをいたしました論点については先生十分御高承のことと存じますので、これは繰り返しません——それじゃ申し上げますが、これは料金を取っている道路でございますけれども、償還が済んだら一般に無料で開放するということになっておるので、しばらく模様を見ておったわけですが、その後に高速道路の料金は全国的にプールをするということになったわけで、全国的に高速道路の料金というものは一切償還されるのを待っておりますと大変長い時間がかかることになりますので、そこでこれに課税しようじゃないかという問題を持ち出したわけでございます。 ありていに申し上げまして、議論をいたしておりまするうちに時間が来てしまいまして、時間切れという状況で遺憾ながら実現を見ずにおるわけでございます。明年度におきましてはぜひ実行に移したい、こう考えております。
○和田(一)委員 残念ながら時間切れというわけです。そうしますと、大臣の方はぜひこれを来年度は実現させたい、こういうお考えでございますね。
○小川国務大臣 ひとつ一生懸命やって実現をすべきものだと考えております。
○和田(一)委員 時間切れになったというのですから、いろいろ議論があったのでしょう。 建設省の課長さんが見えておりますので、建設省の方のお考えをまずひとつお聞きしたいと思うのです。お願いします。
○海谷説明員 御説明いたします。 いま大臣からもお話があったわけでございますけれども、私どもとしましては高速道路の課税問題につきましてはいろいろ問題があるのじゃないかというふうに考えております。そのまず第一は、高速道路といえどもこれはあくまで一般国道や地方道と同じような公共の道路でございますから、なぜこれだけを別に課税の対象にしなければいかぬのかということが一つ問題であろうと思います。 それから、いまプール制の問題がございましたけれども、これも先生御承知のように、プール制にしましたのは、東名、名神その他個々でやっておりますと、これからやっていきます道路につきましては、採算が個別の一つ一つにつきましてとりにくくなる、あるいは個別でやっていきますと料金を三倍も五倍も取らなければいかぬというようなことになりつつあるわけでございます。また実態としましても、青森から九州まで行くのに、あるところはただだ、あるところは高い料金だ、こういうようなことで果たして日本の全体の道路網を考えましたときにいいかどうかという問題もあるわけでございます。したがいまして、そういういろいろな点を改善するために、全体を一つにプールにしまして採算をとっていく、こういうような考え方を四十七年からとっているわけでございます。しかしこれもあくまで三十年間という一応の計算をいたしまして、三十年の間には全部償還をして、やがてはそのときには無料開放するんだという原則ははっきりと現在でも堅持といいますか、そういう原則は持っておるわけでございます。 それから次でございますけれども、そういう状況でございますから、仮に何らかの形で課税されるということになりますと、これは直ちにその分だけ国の方から援助でもしない限りは料金にはね返ってしまう、こういうことにもなるわけです。そうしますと、ただでさえも日本の高速道路の料金は決して外国に比べて安いということはないわけなんですが、今後の建設のコストも考えますと、そういうことでなくてもいろいろな面で料金のアップをしていかなければいかぬという場合が想定されます。それに加えてまた税金分だけプラスするということが果たしていいかどうか。そういうことになってひいては高速道路の建設全体が非常なおくれを来し、利用する人も少なくなろうということになりますと、何のために無理して道路をつくるのかということにもなりかねない。こういうふうな心配もあるわけでございます。 それからもう一つは、通過市町村の方々の言われるお気持ちもわかるわけでございますけれども、やはり高速道路が通ることによって地域の開発といいますか、プラス面もかなりあるというふうにわれわれは考えております。したがいまして、マイナス面といいますか、そういうことだけを見て税金をこれに課するというようなことの論議は果たしていかがなものであろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。 したがいまして、いろいろ総合的に考えまして、この課税問題は慎重に考えざるを得ないというのがわれわれの考え方でございます。
○和田(一)委員 いま御答弁ございましたけれども、税制調査会の五十二年一月の答申の中にも、「有料道路の性格、利用の実態、財政的仕組み、所在市町村に与える影響等を考慮しつつ関係当局において、昭和五十三年度を目途として結論を得るよう努めることが適当である」、こう出ておるわけですね。御存じでしょう。いまずっといろいろお聞きしておりますと、三十年間プール制をこれから続けるという。プール制になっちゃった。しかしプール制になったのは四十七年からでしょう。ですから、たとえば公共機関、国鉄だとか電電公社、住宅公団、こういうところも、固定資産税としては払っていませんけれども、それに見合うだけの財政措置は各自治団体にしているわけですよね、そういう点についてお考えはどうですか。
○海谷説明員 ただいま先生から、国鉄なんかもお金を払っているじゃないか、こういう御趣旨の御質問だと思いますけれども、確かに国鉄はそういうことでお金を市町村に払っておるということは私ども知っております。ただ、国鉄の場合はあくまでも永久有料といいますか、一つの国の企業として、国営的な企業としてこれをやっておるというふうにわれわれは考えておるわけです。 ところが、道路公団の高速道路、有料道路はそういうものでなしに、本来ならば建設大臣がやるべきものを、たまたま財政上の見地からお金がない、国の方に予算がないということで、借入金という制度によりまして、これを公団に命じてつくらせておるわけです。したがいまして、その償還も、本当に建設費あるいは管理費そのものにがかったものだけを償還をする、償還が終わったときには無料開放、こういう原則に立っておりますので、そういう国鉄その他とはおのずと性格も違うというふうに考えておるわけでございます。
○和田(一)委員 大臣のお考えはどうですか、いま課長さんもおっしゃいましたけれども、それに対して、どうなんですか、自治省としては建設省のおっしゃるとおりであると、こういうことなんですか、それともお考えがありますか。
○小川国務大臣 同じ政府の内部で議論をいたしておるわけでございますから、私どもとしましても公団の言い分には十分耳を傾けておるわけでございます。いまお聞き及びのとおりの言い分があるわけでございますね。 われわれといたしましては、高速道路が通過する場所の地方公共団体は、あるいは各種の公害でありますとか救急医療とか、いろいろ財政負担が出てきておるわけでございますし、ほかの公社、公団にも、事業用の資産に対しましては固定資産税をかける、あるいはまた納付金を要求するということをやっておるわけですから、高速道路についても同じ扱いが望ましい、こう申しておるわけです。この場でこの両方の議論を再現、再生産をいたしてみましても、これはいかがかと思うわけでございます。 公団の言い分も十分お聞き取り願ったと思いますし、私どもの考えも御理解いただいておると思います。われわれといたしましては、今後十分懇談をいたしまして一致点を見出したい、こう考えております。
○和田(一)委員 大体わかっておりますが、税制調査会でも、五十三年度を目途として結論を得るよう努力することが適当であると、こう出ておるわけですね。ですからどうです、建設省は五十三年度、来年度を目途に自治省と十分協議をして、そして結論を出す、そのような方向に持っていけるように、課長さんですから、内部でもそのように努める、そういうような御答弁いただけませんか。
○海谷説明員 先生いま御指摘になりました税制調査会の答申ですか、それにつきまして私どもも承知をいたしておりますので、この問題も当然引き続いて検討していきたいと思いますけれども、ただ私どもの意見を言えということであったので先ほどああいうことを申し上げたわけでございますけれども、引き続いて検討するということはあたりまえだと思っております。(和田(一)委員「五十三年度を目途にして」と呼ぶ)そのとき鋭意やってみますので、一応十分慎重に研究いたしたいと思っております。
○和田(一)委員 建設省の海谷さん、ありがとうございました。 いまの高速道路の問題については、これは現実に各市町村でずいぶん持ち出しがあるのですよ、はっきり言って。どこへ行ってもこの話が聞けるわけです。ですから、いまの課長さんの一応の説明はございましたけれども、自治省としても真剣に取り組んでやってもらいたいと思います。 今度は、国民健康保険の方に移ります。 先ほども、先に質問された先生の方から国保の問題についてございました。今度は、厚生省の皆さん方をお呼びしておりますので、具体的にまたお聞きしていきたいと思うのですが、国民健康保険は確かに厚生省の全予算の何割を出している、こんなにやっているのですからというような御答弁があると思います。しかし、自治体としても毎年一般会計から繰り出しをしている、それから毎年毎年国民健康保険税の税率を上げる、こういうことで、一軒一軒の税率を考えましても、ものすごく負担がかさんでいるという、この実情につきまして、ひとつ厚生省の方から、大枠で結構ですから、このようになっておりますという御説明をお願いしたいと思うのです。
○舘山説明員 先生御指摘のように、国民健康保険財政は逐年悪化の一途をたどっているわけでございます。昭和五十年度の決算状況を見ましても、全保険者三千四百六十のうち、赤字保険者は二百四十を超えているところでございまして、赤字額も前年度と比べると大幅に増加している、かような状況になっております。
○和田(一)委員 ばかに簡単な御説明です。 いま赤字団体のお話がございました。これは赤字団体というのも、昭和五十年度には三百二十四団体が赤字ですか、だからその点から考えれば全団体の一割に満たない、このように考えられるかもわからないけれども、赤字を出したくないから保険税を上げ、そして一般会計から繰り入れをする、このようなことで赤字に現在なっていないのがあるわけです。この赤字になったのはよほど悪いところですよ。というよりも、もうどうしようもない、にっちもさっちもいかなくなってしまった、これを黒字にするようにすれば、そのほかのいろいろな公共事業ができなくなる、このようなせっぱ詰まったところだと思うのですが、それに対してどういうふうにお考えでしょうか。まず自治省からお願いします。
○首藤政府委員 国民健康保険の会計の財政運営が非常に苦しいのは全く先生御指摘のとおりでございまして、大部分の団体が財源補てん的な支出金あるいは繰入金、こういったようなものを出しながら何とか持ちこたえておる。さらに、それが持ちこたえ切れなくて、先ほど御指摘をいただいたような赤字を出しておる、こういう状況であるわけでございます。 これにつきましては、もともと国民健康保険のあり方が、所属階層が非常に弱いといったような基本的な問題もあるわけでございますし、また今後の見通しとして医療費の支出がどうしてもふえていく、それに対応する保険金の収入、これの増加がどうしても必要だ、こういう致命的な問題もございます。 そこで、私どもといたしましては、この制度そのものは、先生御案内のように厚生省が所管をしておるものでございますので、たとえて申しますならば、老人保険のあり方であるとか退職者保険のあり方であるとか、こういうような基本的な問題にさかのぼってそこをけりをつけてもらいたい、そうしないと、とても国民健康保険は地方団体では持ち切れない、こういうことを絶えず申しておるわけであります。去年の七月にも予算編成に当たってそのような基本的な問題を申し入れをいたしました。 ただ、この点につきましては五十三年度を一応めどに厚生省の方も基本的な検討に入っていただいておる、このように承っておりますので、それを十分注意深く、また非常に強い関心を持って見守っておるわけでございます。 ただ、そんなことを言っておっても、ことしのことをどうするか、こういうことがすぐあろうかと思いますので、ことしはまた例の臨時財政調整交付金でございますが、これをせめてふやしておいてくれ、こういうことを厚生省にも強く申し入れをいたしました。これは厚生省も気持ちよくお受け取りいただいて、去年六百八十三億でありましたものを九百四十八億にする、こういう努力はしていただいておるわけであります。そういった基本的な制度改正の問題と絡めて、やはり国民健康保険のあり方を十分今後見守ってまいりたい、このように考えております。
○和田(一)委員 いま自治省の方の御説明がありましたけれども、舘山さんからひとつその点についてのお考えをお願いします。
○舘山説明員 財政局長からお答え申し上げましたように、国民健康保険は、医療費が年々高まる中で、低所得者層を多く抱えている国民健康保険がこれを引き受けなければならないということで、基本的に問題があると考えているわけでございます。当面の措置といたしましては、市町村に対しては、法定の医療費に対する四五%の国庫補助率のほかに、臨時財政調整措置として九百四十八億円を来年度予算案に計上して当面の問題に対処しなければならないと考えるわけでございますが、基本的には制度自体の見直しを早急にやらなければならないと考えているわけでございます。
○和田(一)委員 舘山さんがお書きになりました原稿を私いま拝見しているのですけれども、「社会保障」という雑誌がありますね。そこには、「老人医療の解決が財政健全化へ 医療費増高に応じた保険料の引上げを」と、太字でばあっと書いてあるのです。これを読みますと、国民健康保険がこうなったのは老人医療の解決が根本だ、もう一つは、医療費がどんどん上がっていくのだから、それに応じて保険料をどんどん上げろということをお書きになっていらっしゃる。こういうふうに課長さんが言われますと、これはえらいことになっちゃいますよ。どんどこどんどこ保険税が上がって、それこそ家計に響いてくるのじゃないですか。その点、どうですか。
○舘山説明員 医療費に見合って国民健康保険税が課税されるのは、医療保険の原則からいって当然だとは思いますけれども、ただ単に保険税を増徴すればそれで国民健康保険がよくなるものではないということは、私ども十分に存じております。基本的に制度の構造自体に問題があるのではないだろうかと考えておりますので、必ずしも私は保険税をどんどん上げろといった趣旨で申したつもりではございません。
○和田(一)委員 それはもうよくわかっております。あなたがまさかそういうことをおっしゃるわけじゃないと思います。ちなみに、一世帯当たり保険税をどのくらい払っておるか、全国平均にいたしますと約四万円見当ですよ。ところが、高いところになりますと、一世帯五万円以上のところがあるわけです。宮城県などは五万曲五千四百十二円も払っている。これは組合じゃなくて市町村の方ですから。それから、北の方に行くほど高い、南の方が概して安いというふうになります。私は栃木県ですけれども、栃木県の町村などは五万二千円も払っている。こうなってくるともうぎりぎりですね。しかも、単位は一世帯ですから、個人個人に直しますといろいろまた議論が出てくると思います。一人当たりに直しますと、一年間の全国平均で一万二千七百六十一円です。高いところは、三万九千円も払っているところがあります。北海道の浜益村では三万九千七百三十六円。こういうところは重大問題だと思うのです。いろいろ制度の改正が必要だとおっしゃいました。現実に一体何を変えれば何とかなるとお考えですか。おっしゃっている老人医療だと思うのですけれども、それについてどんなお考えがありますか。
○舘山説明員 現在、国民健康保険制度は、七十歳以上の老人の割合が七%を超えているわけでございます。被用者保険は三%をちょっと超えているところでございますから、割合にいたしますと大方倍以上になっているということでございます。さらでだに低所得者層が多い国民健康保険がこのように多くの老人を抱えていって、保険の運営は決してうまくいくわけがないだろうということを基本的に考えなければならないだろうと思っております。 国民健康保険の医療費がこのようにふえてまいりましたのは昭和四十八年以来のことでございまして、四十八年一月に老人医療費の無料化制度が発足し、十月には高額療養費制度が発足したわけでございます。それ以来急激に国民健康保険財政も悪化しているところでありまして、もちろん、国民の福祉の向上のためにこういう制度が創設されたのは一つの進歩だとは思いますけれども、それに伴う財政構造をどうするのかということを真剣に考えなければならない、かように考えているわけでございます。 厚生省でも昨年から、厚生大臣の私的な諮問機関として老人保健医療問題懇談会を持ちまして、ここ一年ばかりの間、単に国民健康保険の財政対策だけではなくて、高齢化社会を迎えるわが国のこれからのあり方との関連で、老人医療の問題をどう取り扱うのか、現在鋭意検討中でございます。国民健康保険財政の現在の状況を見ますと、そう待ってはおれないというのが現状でございまして、一日も早く結論を出して、財政の健全化もあわせて進めてまいりたい、かように考えております。
○和田(一)委員 いままで私は、昭和四十四年から四十七年までの間、この地方行政委員会に籍を置きまして、毎年国民健康保険のことを質問しておりました。そのときも、厚生省からいらっしゃった方はほとんど課長さんでしたけれども、いまの舘山課長さんのように、もう国民健康保険は待っちゃいられない、本当に自治体は大変だ、そういう御答弁をいただいたのは初めてですよ。すばらしい答弁だと私は思います。 それで、老人医療についてこういう発言をされたが、では、老人医療の無料化をやめて有料化にしようかという議論を、決して私は言っているわけじゃないのです。日本の国はいままで福祉がゼロだと言われておりましたけれども、こういう老人医療等ができて初めて、そろそろ福祉の充実が期せられたというように考えておるわけですからね。ですから、決して老人医療を有料化にしろと言っておるわけじゃなくて、老人医療をただ単に国保に押しつけるというやり方、これを何とか別枠にして、もっともっと老人医療の健全化を図ることはできないかということなんですけれども、その点についてはどうでしょう。
○舘山説明員 厚生省といたしましても、いま先生がおっしゃったことと全く同じことを考えております。
○和田(一)委員 いま、考えているとおっしゃいましたけれども、具体的にどのようにやっていますか。審議会か何かでいま一生懸命それを練っているということが書いてありますけれども、その点についてもう少し具体的に言ってくれませんか。
○舘山説明員 昨年の三月に、この問題を検討するために、厚生大臣の私的な諮問機関として老人保健医療問題懇談会が設けられまして、十三人ほどの委員の方々をお願いいたしまして、現在、高齢化社会に備えて老人医療のあり方をどうすればよいのかということを検討していただいているわけでございます。検討が終わるめどを、懇談会の先生方には大臣から一応、五十三年度予算をめどに結論を出していただきたいということで、現在鋭意検討がなされているわけでございまして、事務当局においてもその検討に沿って現在具体的な問題点の詰めをやっているところでございます。
○和田(一)委員 自治大臣、その点についてどうですか。
○小川国務大臣 この国保の問題は、私どもにとってまことに頭の痛い問題でございまして、絶えず心を悩ましておるわけでございますが、局長から答弁申し上げましたように、やはりこれは制度の抜本的改正、老人保険とか退職者保険とか、その点にメスを入れてもらいません限りはなかなか解決困難な問題だと考えておりますので、絶えずそういうお願いも厚生省に対していたしておるわけでございます。これからもそういう方向で努力を続けていきたいと考えております。
○和田(一)委員 厚生大臣の私的な諮問機関とさっきおっしゃいましたね。自治省ではそういう検討をするような審議会だとかそういうのはあるのかどうか、それから厚生省の方のそういう審議会に対して自治省の方からどんどん意見を入れているのかどうか、その点についてお答え願います。
○首藤政府委員 先ほども申し上げましたように、この保険制度そのものの所管官庁は厚生省でございますので、自治大臣がそのための諮問機関を設けて自分で決めるということは制度的に無理でございます。したがいまして、私どもとしては先ほど申し上げましたような基本的な認識を持っておりますので、その旨を絶えず厚生省に申し入れをし、早く抜本的解決をやってほしい、こういうことを申し上げておるわけであります。 なお、折々ではございますが、地方制度調査会等におかれても、全般的に国民健康保険制度の改正そのものをやらなければ赤字から脱却できない、こういう御意見は賜っておりますが、具体的な措置としてはやはり厚生省にお任せする、それをこちらからお願いをして促進していく、これしかないと思っております。
○和田(一)委員 あと一つ舘山さんにお聞きしますけれども、保険税が地域的にばらばらだ、ですから、高いところは五万以上も負担するし、安いところは二万円から一万円のところもありますね。それに対して標準保険料を考えているという言葉が前にあったことは私覚えていますけれども、その点については現在どうなっていますか。
○舘山説明員 先生御指摘のように、国民健康保険税が非常にばらばらでございます。医療費がそれぞれの保険者で違うし、それから所得も違うということを前提にしても少しばらばら過ぎるのではないかと私ども考えているわけでございます。数年前にこういった状態を是正するために標準保険料という構想を厚生省では考え出したことがあったわけでございますが、これにつきましては必ずしも関係者の合意を得られず立ち消えになったまま今日まで来ているわけでございますが、現在のように毎年毎年保険税を上げていかなければならないという状態のもとでは、やはりばらばらの保険税というものに対する被保険者の不信感も根強くあるわけでございまして、制度自体をよくしていくというためにも、現在のばらばらな保険税については何らかの形でこれを整合化していく方向で物を考えなければならない、かように考えているわけでございます。 昨年、国民健康保険中央会でこういったばらばらの国民健康保険税について一度メスを当ててはどうだろうかということで、保険税料の検討の委員会をつくりまして、私どもも参加しておりますし、それから自治省の関係の方々にもお見えをいただきまして、現在市町村の関係者を含めて検討いたしているわけでございます。この問題につきましても、老人医療問題と含めて制度の基本的な問題にかかわるものとして一日も早く結論を出す方向で努力をしてまいりたい、かように考えております。
○和田(一)委員 自治大臣、先ほど一番最初の質問で、いろいろな行政改革が必要だとおっしゃいましたね。たとえば外形課税の導入であるとか、また交付税率を上げるとか、それからいろいろございます。いまそういう中に国民健康保険の改正もお考えに入っているのですか。ただ厚生省との話し合いだけですか。それともそのような大きな立場からお考えになっていますか、国民健康保険については。
○小川国務大臣 やはりこれは地方財政を圧迫する大きな要因になっておりまするし、個人の負担という点からも非常な問題がございまするから、全体として税、財政の根本的な見直しを図るという場合に、その一・環として私どもとしても真剣に考えていきたい、こう考えております。
○和田(一)委員 いつからそれをおやりになるつもりですか。
○小川国務大臣 これは先ほども申し上げましたとおり、来年実行いたします、再来年は必ずという御返事はいたしかねるわけです。さようなことを実行いたしまするための環境が到来いたしましたときに、どうしてもこれはやらなければならないと思います。
○和田(一)委員 では、時間がございませんので、厚生省の方結構でございます。 次に、東京都が行財政三カ年計画ということでいろいろな計画をお練りになった。その中で固定資産税の超過課税の問題がございました。この固定資産税は理論的にも可能であるということで、相当な調査費等を使ってそして計画をしたけれども、ついにこれが日の目を見なかった、こういうのがございました。 東京都の考えたのは、固定資産税の超過課税が一つ、それから不公平税制の改正、それから赤字補てん債ですか、これの財政対策債、そういうものを根本にして財政の再建をやる。ところがこの固定資産税の方の超過課税がだめになってしまった。議会の内部だとかそれから都の内部からもいろいろな議論があったらしいですけれども、自治省の方から認めないという局長通達が出た。こういうことなんです。 私は何も東京都のために言っているわけじゃなくて、今後やはり各自治体でいろいろな議論が出てくる、またいろいろな考え方がこれから出てくる、そういうためにひとつ自治省のお考えをよく聞いておきたいと思うのですが、その点について局長からお答え願います。
○森岡政府委員 固定資産税は、御承知のように、資産の所有者を納税義務者といたします、資産の価値に対応して比例的に税負担を求める、こういう税制でございます。 で、いまお話のありました東京都で御検討なすった経緯を申し上げますと、超過課税をいたしまして、その中から特定の所有者の資産について不均一という形で標準税率による負担に下げるということでございます。一部の資産については超過課税をし、一部の資産については超過課税をしない、こういう仕組みでございます。これは私どもは、地方税法が予定しております固定資産税の税率構造に全く反することだと考えるわけでございます。そういう意味合いで、昨年五月、局長名の通達で固定資産税の運用に誤りのないような慎重な配慮を煩わしたいということを申したわけでございます。東京都もいろいろ御検討なすったようでございますけれども、いまお話しのように、当面五十二年度は見送られるように聞いております。
○和田(一)委員 これは法的にもまた理論的にも、こういうことは不可能なんですか。
○森岡政府委員 法的には、いま申しましたように、超過課税を行います場合に、固定資産税のような資産価値に応じた比例的な税負担を求めるという物税につきましては、法人と個人というような所有者の区分でありますとか、あるいは課税標準額が大きい小さいというふうな差でございますとか、あるいは資産の用途でありますとか、そういうものだけで区分をすることは地方税法は全く予定していない、こういうふうに考えるわけでございます。
○和田(一)委員 自治体としては、現場としては、やはりこういうものは妥当だと考えているわけですよね。その違いがあるわけなんですよ。もし今後、東京都以外にこういう考え方が出てきた場合にどうされますか。やはり同じようなことでとめられますかね。
○森岡政府委員 私どもは、いま申しました趣旨で固定資産税の運営をしていただくことが法の予定するところであると考えておりますので、適切な指導は続けてまいりたい、かように思います。
○和田(一)委員 わかりました。 次に、先ほども質問がございましたけれども、娯楽施設利用税ですか、このことについて若干質問したいと思います。 特に、娯楽施設利用税の中でのパチンコ屋さんの件について質問いたしますけれども、娯楽施設利用税は、これが入場税として取り扱われて以来、娯楽のためゴルフ場、パチンコ場等においてその施設を利用する者の支出行為に担税力を見出して課税する一種の消費税である。施設の利用者に課税するものであると考えます。ところが、パチンコについてはなぜか利用者に課税しないという税のあり方でありますね。これはおかしいじゃないか、こういうことなんですけれども、これについてはどうでしょうか、大臣。
○森岡政府委員 娯楽施設利用税は、御指摘のように、基本的には娯楽施設の利用者に負担していただく税金でございます。 およそ消費税を考えます場合には、最終的な負担の帰着者はその利用者なり消費者であるということはこれは当然のことであるわけでございます。ただ、徴収手続を考えました場合に、利用者に直接負担をしていただく形をとり得るものと、そういう形では税負担の均衡が十分確保されないものとあるわけでございます。その場合には、やはり一定の便宜的な方法によりまして、施設の利用者に税負担をしていただくという形をとらざるを得ない。パチンコ場やマージャン場、玉突き場などについては、まさしくそういう種類の税であろうと思うのでございます。利用料金というものが個々の利用者ごとに、たとえば領収書を発行いたしまして、幾ら玉を買ったからそれの何%で幾らの税金でありますよという形は、これは現実問題としてとれないわけでございます。そこでそれにかわる方法といたしまして、いわゆる外形的な課税方法というものをとっておるわけでございます。そういう意味合いでは、徴収の便宜というものを考えました特別の方式である、かように思っておるわけでございます。 〔委員長退席、高村委員長代理着席〕
○和田(一)委員 いろいろ説明がございましたけれども、いま御説明があった中でも非常にむずかしいからこういうことをやるのだ、徴収的にむずかしい、しかし、本来はやはり入場者一人一人にそれを課するべきである、いまこういう答えが局長からありました。 しかしそれはそれとしまして、パチンコというのは、今日の改正法案でこれまでの一台月額百五十円から一挙に一・七倍の二百五十円に引き上げているわけですよ。一体どんな根拠でこんな大幅な引き上げを行ったのか。七割も引き上げるのですから、これは暴挙に等しいのじゃないか、このように考えますけれども、この点についてはどうでしょう。
○森岡政府委員 御承知のように、外形的な課税方式をとります場合のパチンコ、マージャン、玉突き場の税率につきましては、昭和二十九年に地方税法で現在掲げております定額を決めたわけでございます。その後、パチンコについて申しますと、売り上げもかなり伸びてきております。またその間、貸し玉料金と申しますが料金の引き上げも行われました。それらを考慮いたしますと、ほかの定額税につきまして全部見直しを今回行ったわけでございますので、やはりパチンコ場等につきましてもインデクセーションという観点から、税率の見直しを行うことが必要であろうということがまず第一でございます。 第二に、いま申しました売り上げの増加とかあるいは貸し玉料金の改定などを踏まえまして、各府県で条例で定めております税率は、四十九年度で二百二十八円に全国平均なっております。恐らく現段階では二百三十円を若干超したところまでいっておるのだろうと思うのであります。現実の実効平均税率がそういう状態でありますので、私どもはそれらも勘案いたしまして、今回、百五十円という税率を二百五十円というふうに決めたわけでございます。で、各府県をきめ細かく指導いたしまして、最終的な全国平均は二百五十円ぐらいのところにおさまるように適切な指導をしてまいりたい、かように考えているわけでございます。
○和田(一)委員 パチンコの場合は大体七割、それからマージャンの場合は大体五割、玉突き場の場合は二割の値上げの案に今回なっているわけですよね。このパチンコというのは、いまいろいろおっしゃいましたけれども、一体どういう人がやるのかということを考えればいいのですね。 聞くところによりますと、パチンコ人口というのは四千万人もいるというふうに——これはわかりませんが、そのように言われております。ですから、大半の人がパチンコを楽しんでいるということは言えます。それから、いわゆる庶民の本当の遊び場所である。現在不景気になってまいりましたから、どんな遊びをしても、一番手軽に遊べるのはパチンコですね。そのようないわゆる大衆化したところ、庶民の息抜きの場所、そういうところに、いろいろおっしゃったけれども、七割はちょっと高いのじゃないですか。どうなんですか。
○森岡政府委員 いま御説明いたしましたように、現在の実効平均税率が全国平均で二百三十円を若干超えておるわけでございます。それを二百五十円くらいにということでございますので、七割というのは百五十円対二百五十円の対比でございますから、そこは御理解を願いたいと思うのでございます。恐らくせいぜい一割強の実質的な負担増にしかならないというふうに私どもとしては考えているわけでございます。しかも、その際に、やはり各県ごとに売り上げでありますとか収益の状況もかなり違いますから、そういうものを各県の税務当局が詳細に調査もいたしまして、無理のないような条例制定なり税務運営が行われますように、私どもとしては本当にきめ細かい指導を、これからこの法案が成立いたしましたならば、きめ細かく指導を続けてまいりたい、かように考えておりますので、私といたしましては、いま御指摘になりますような大衆娯楽に対して大変無理な御負担をお願いするという気持ちは毛頭持っていないということを申し上げておきたいと思います。
○和田(一)委員 実効税率といいますか、現実に二百二十八円、約二百三十円だ。ところが、高いところは一台に対して千円ぐらい課税しているところもあるわけですね。これは制限税率がないわけですから、そういう点について一番心配されているのは業者の方だと思うのです。もう一つは、たとえば町の真ん中の繁華街のパチンコ屋さんとそれから場末の方のパチンコ屋さんと全部違いますからね。しかも、先ほども小川先生がおっしゃいましたように、最近は、自動車の駐車場がなければパチンコ屋は成り立たないと言われている。それだけにいろいろな施設も必要になってくる。そして、制限税率がありませんから、百五十円で千円取っているところもある。平均して百五十円が二百三十円でしょう。二百五十円に上がったら、またそれが平均して上がってくるのじゃないか、こういうことなんですよ。ですから、指導はされるでしょうけれども、しかし現実に課税する方の考え方としては、これはどうでしょうかね。二百五十円に上げるというのはとにかく高い、せめても現在二百三十円ほどに上がっているんだから、実効税率というのですか、それは二百三十円ぐらい現実に取っているのだから何も上げる必要はないじゃないか。上げると、また底が上がると言うんですよ。私たちもそれを考える。結局、それが今後また利用者にはね返ってくるおそれもある、こういうことですよ。どうですか、大臣、これはいろいろな議論がありますけれども、現在も皆平均で大体二百三十円取っているわけですよ。これを二百五十円に上げますと、それがまた底上げされるおそれが十分あるわけです。現在も二百三十円取っているのだから、これは二百五十円に上げないで、現状の百五十円に据え置いた方がいいと私は思うのですけれども、これは大臣、どうですか。
○小川国務大臣 先ほど答弁がありましたように、これは申し上げませんでしたかな、売り上げが八倍に上がっておるというような事実もございます。何分、二十九年以来ずっと据え置いておるわけでございますから、一口に申しますれば、これはインデクセーションの問題として、これはある程度のことはやむを得ない。実際問題として二百五十円におさまるようなきわめてきめの細かい指導をするのでございますから、これはひとつ御勘弁をいただきたいと考えております。
○和田(一)委員 安いところもあれば高いところもある。とかく都道府県で取っている税金が違うわけですね。その資料をいただけますか。明日もこの地方税法の審議をやりますからその参考にもなると思いますので、できれば、たとえば何々県では最低これこれ、最高これこれ取っているという現実の資料をできれば委員会に配付していただければと考えるのですが、委員長どうでしょうか、御処置をお願いしたいと思うのです。
○森岡政府委員 各県別の平均税率の資料を明日までにお出しいたしたいと思います。
○和田(一)委員 いずれにしましても、出された資料によってまたさらに、同僚議員もあした質問に立ちますので、詰めていきたいと思いますが、私としては、もうそれだけ取っているのだからそれ以上上げるなということで、極力現状に据え置かれることを希望いたします。 時間がございませんので、あと一問、どうしてもやらなければならない問題がございます。次は、実は私栃木県の選出でございまして、ついこの間、栃木県の黒羽町とそれから馬頭町、両町にわたりまして広範な火事がありました。山火事です。これは大変な騒ぎだったのですが、その点について現地にも飛んでいろいろ調査をしてまいりました。たとえば、こういうことが言えるのです。千八百五ヘクタール焼けた、そして、馬頭町にしても黒羽町にしても、ほとんど山林業をなりわいにしている方が多いわけです。ですから、そういうことから考えますと、途端に地方税の減収が見込まれる、こういうことも言われているわけです。ですから、この地方税の法律改正の審議に当たってこのことを関連的に御質問申し上げるわけでございますが、その前にまず消防庁から、時間がございませんので概要で結構ですから、ひとつ火事の状況をちょっと述べていただけますか。
○林(忠)政府委員 前日の午後二時ごろから火災が始まりまして、翌朝の五時ごろにやっとやや下火になり、完全に消火したのは二十四時間を経過した後だということであります。焼失面積が千八百五ヘクタールといま先生御指摘ございましたが、さらに精査しておりまして、いまの段階ではやや減っておりますが、千六百六十ヘクタールということでございまして、損害額がざっと三十億から四十億というところで、現在精査中でございます。 地元の消防団、常備消防は出火と同時に大いに活動いたしましたのですが、最終的な決め手は、自衛隊のヘリコプターで空中消火をやりまして最後のとどめを刺したようなかっこうになっておりますが、自衛隊のヘリコプターが翌日の夜明けになって、明るくなってからでないと十分に活動できないということもございまして、ここまで焼けたというのが実情のようでございます。
○和田(一)委員 具体的にお聞きしていきますけれども、たとえば馬頭町の計算なんですが、固定資産税が大体百五十万から二百万、住民税が百五十万から二百万、木材引取税が百万から百五十万、国民健康保険税が二十万から三十万の恐らく減収になってくるのじゃないか。これは馬頭町だけでございますが、ちょっと概算的に私がお聞きしたものですからこういう答弁がございました。本当に山村の過疎村でございまして、火事のために住民税またはその地の税金が相当減収になってくる。その点についてひとつ対策を自治省としてはお考えいただけないかと思うのですが、どうでしょうか。
○首藤政府委員 大火災に伴いまして種々の税収入上の減収が生じてくると思います。これは二手に分けまして、交付税操作をもちまして当該団体の財政に大きな支障がこないように操作をしてあげられるものと考えております。二手に分かれましてと申しましたのは、たとえばいまの木材引取税あるいは山林所得にかかわる住民税、こういったものの減収は交付税の計算をしますときに、基準収入の算定の際に入っていなければ入っていないという計算をいたしますから、普通交付税が穴を埋めることになります。それから固定資産税そのほかで災害に関連をいたしまして伴いました減収分、これは災害減収、こういうことになりますから、特別交付税の際にその減収をよく精査をいたしましてその補てんをやる、こういうことで財政運営には大きな支障がこないように努力をしたいと思っております。
○和田(一)委員 次に林野庁の方にお聞きいたしますけれども、現場を見ますと大変なんです。物すごい焼け跡でございまして、一番最初に申し上げたいのは、激甚災害復旧造林制度の適用をぜひひとつ地元としてはお願いしたい、このような熱望がございます。その点についてはお見通しはどうでしょうか。
○能勢説明員 お答えします。 林野庁の造林事業補助要綱の中に激甚災害復旧造林という仕組みがございまして、今回の災害の状況、ただいま消防庁の方からお話ございましたけれども、十分その要件を満たすことになろうかと思いますので、栃木県の方から、知事から申請があれば、激甚災害復唱造林の指定をいたす考えでございます。
○和田(一)委員 あと一点お聞きしますけれども、実は下草まで完全に燃えまして、だからいわば土の中まで燃えたということなんです。そしてこのような乾燥期でございますから、山それ自体がぶよぶよになっているということですね。そこへ雨季に入りまして雨が降った場合に土砂崩れとかがけ崩れ、そういういわゆる二次災害が起きるおそれが十分ある。ですから、簡単な気持ちで山へ入れないような状態に現在なっておりますが、それに対してのお考えはどうでしょうか。
○能勢説明員 私どもとしましては、早急に跡地の復旧造林をやる、そして速やかに緑にするということが大事だと思いますが、いま先生御指摘のように、非常に乾燥期に火災が起きたものですから、どうしても土が全部乾燥しておりますので、春に造林をいたしますとせっかく造林したものが皆枯れてしまうというおそれがございます。したがいまして、ことしの春の造林はなかなかむずかしいという状況にございますし、非常に大面積でございますので、その跡地の造林をするにしましても、とても一年や二年では造林はできない、したがって三、四年かかるということに相なりますので、いま先生御指摘のように、災害の生ずることが非常に恐ろしいことだ、かように考えております。焼失しました森林に関連いたします十三ほどの集落がございますけれども、この保全対策として、現在栃木県の方で必要な治山計画を調査中でございますので、その結果を待ちまして、緊要な個所については早急に治山関係の、その土砂の崩壊を防ぐような、あるいは部落の人たちの生命、財産を守れるような措置を講じてまいりたい、かように存じます。
○和田(一)委員 具体的な措置というのはたとえばどういうことでしょうか。
○能勢説明員 すぐ近くに河川、沢などがございますれば、土砂がそこから土石流として流れるおそれもございますので、堰堤を築くとかあるいは部落が余りにも山に近接しておるような場合でございますと、その部落のすぐ後ろに土砂どめの擁壁をつくるとか、非常に土砂崩壊の危険のあるところについては山腹工事を実施するとか、そういうことをやってまいりたい、かように考えております。
○和田(一)委員 消防庁にお聞きしますけれども、ヘリコプターで空中散布した。以前にもずいぶん山火事がございまして、私消防庁に電話で消防庁のヘリコプターを出してもらえないかと要請しましたら、消防庁にはヘリコプターはないと言うわけなんです。それはどういう意味かわかりませんけれども、ヘリコプターの消火に対しての考え方はどうでしょうか。
○林(忠)政府委員 わが国の場合は地形的な特徴から山火事の不安が常につきまとっているわけでございます。通常の市街地の火事であれば、常備消防ないしは消防団でこれに対する体制は十分整っておりますが、山火事の場合は何しろ対象地域が広い。それでもって道その他がなくて十分に消防車その他も入れない。消防団がとびぐちを持っていこうとしても道がない。こういうケースに対しては実はヘリコプターによる消火というのは大変有効でございます。火そのものを消すよりも、あるいは火勢の前線の方に消火液その他をまいて、それ以上延焼を防止するとかいうようなことで火災の拡大を防ぐ上においてヘリコプターが有効というか、ところによってはヘリコプター以外に方法がないという極端なところもあり得ると存じます。ただ、これにつきましては、どんな山火事に対してもそれに対応するだけのヘリコプターの数というのを常に消防機関として備えていくことは、国民経済上とうてい無理でございますので、現在の体制といたしましては、その消火液、その他の薬液を消防庁が補助をして都道府県が買い、それを一定の集積所ないしは自衛隊の基地に委託をしまして保管しておいてもらいまして、実際に山火事が起こった場合に、最も近くの基地から、自衛隊のヘリコプターに依頼して消火をしてもらうというケースが非常に多うございます。この前の栃木県の場合も最後の段階ではそういう形で相当多数のヘリコプターに、自衛隊にお願いをして出ていただきまして消したというのが実際でございます。
○和田(一)委員 林野庁にお聞きしますけれども、ある町では森林消防隊の設置等に関する内規というのがございまして、森林消防隊ができている。これはどのくらいできていますか、こういうのが。時間がございませんので簡単でいいですけれども、こういうものだということを教えてくれませんか。
○能勢説明員 自衛森林消防隊というのは、本来消防組織の一環といたしまして、消防団の傘下に森林組合などが中核となって組織化されているものでございます。大体、特に有名な林業地帯で非常に火災の危険があるところではこういうものをつくっている例が多うございますが、そのほか、国有林では営林署を単位にいたしまして森林愛護組合などという名前のもとに組織している事例もございます。いまのところ私どもの方に、一体全体どれくらいできているかというのはちょっと手元にございませんが、非常に山火事の多い三陸地帯の岩手県などは、県内に七消防団ができておるというような形でございまして、今後こういう火災の多いところにはできるだけこういうものをつくるように指導してまいりたい、かように考えております。
○和田(一)委員 最後に自治大臣にお聞きしますが、先ほども消防庁長官がお答えになったように、どこに火事が起きるかわからない、しかも広いということで、大変には違いないのですけれども、山火事はとにかく一瞬にして財産をなくしますし、それから人家ももろに焼かれてしまう。物すごく速いんだそうですね。あっと言う間に森林の火災のためにうちが焼け出されるということで、しかも根こそぎ燃えてしまう、こういうことなんですよ。ところが、あちらこちらでどんどん山火事が起きております。その原因を言えば、その人がたばこを捨てたとか、子供が火つけをしたということになるかもわかりません。この消防体制としては非常に弱々しい感じを私たちは受けるわけなんです。いまも林野庁からは、森林消防隊のようなものが二、三あるというお話がございましたけれども、こういうものをさらに、大臣としても本気になって、その森林の火災をもっと予防するとか、または、この火事のときも消火液が足らなくなってどこかへ借りに行ったと言うのですね。そういう不手際のないような、ある程度の量をぴしっとそろえておくとか、また、せめても消防庁のいる関東ぐらいに飛んでいけるような大型のヘリコプターぐらい消防庁に置いて、火災を予防する、そういう方向で、どうでしょう、自治大臣のお考えは。どんどん焼けるに任せていたんではどうしようもないと思うのですがね。どうでしょうか。
○小川国務大臣 まことに御指摘のとおりでございますので、まあ現在もいろいろなことを研究いたしておるわけですが、なかなか実効のある手段が発見できずにおるわけでございます。これからも鋭意研究を進めまして、本当に効果のある措置がとれるようにするべく、消防庁においても鋭意研究をいたしておるわけでございます。たとえば飛行機で水をまくというようなことも研究いたしておるわけですが、なかなかどうも、実際に使えるという確信が持てずにいるというのがいまの状況でございます。今後も鋭意努力を重ねてまいるつもりでございます。
○和田(一)委員 大臣、だめですよ。飛行機で水をまくのじゃないのですよ、これは。飛行機で水をまいたのは東大のときだけです、あれは。消火液をまくのですよ。水なんかまいたら霧になってどこかへ飛んでいってしまいます。ですから、そういう効果のあるもの、それを絶えず、金はかかるかもわかりませんけれども、がっちりと、たとえば関東なら関東というふうなブロック的に置くとか、または県ごとに置くとかという対策で、自衛隊のヘリコプターを使うこともいいですけれども、しかしこれは乗員をやはり訓練しなければ、いろんな火急には対処できないと思うのです。そういう面で、ひとつ森林警備隊、この強化をする、警備隊というのが当てはまるかどうかわかりませんけれども、消防庁としても、がっちりと新しい体制をとってもらいたい、このように強力に要望するわけでございますけれども、その点についてのお言葉をいただいて質問を終わりたいと思います。
○小川国務大臣 御期待の方向に少しでも近づけるように消防庁を督励いたしまして努力をいたします。
○和田(一)委員 もう水をまかないようにしてくださいね。
○小川国務大臣 水をまくということも研究をしておるようでございます。ただ、どうも現状では霧になってしまう。霧にならない方法がないかということを研究はいたしておるわけでございます。
○和田(一)委員 終わります。
○高村委員長代理 次に中井洽君。
○中井委員 中井洽でございます。初めての質問でございます。また、私どもの民社党、この委員会に配属されております二人が新人議員でございます。まあ、質問の中で素人っぽい点もあるかもしれません。また、他党の皆さんが御質疑になった点も重ねてお尋ねをするかもしれません。ひとつ御了解をいただきたいと考える次第でございます。 まず第一に大臣にお尋ねをいたしますが、昨年の当委員会で附帯決議がつけられて昨年の改正案が通過をいたしたと私どもは聞いております。その第一条に、「昭和五十二年度を目途として、国・地方を通ずる税源配分を再検討し、地方の自主財源を充実強化するよう努めること。」と、このようにございますけれども、ことしのこの改正案の中で、この附帯決議の趣旨が十分生かされているとお考えですかどうか、お尋ねいたします。
○小川国務大臣 きわめて率直に申しまして、五十二年度において税、財政制度の根本的な改正を実行するという運びに至っておりません。まことに遺憾なことでございますが、これはありのままを申し上げざるを得ない。
○中井委員 昭和五十年のもう一つの前の国会におきましても同じような附帯決議がつけられているわけであります。これには、「国・地方を通ずる税源配分を再検討し、地方の自主財源を充実強化するよう努めること。」このようにございます。昨年の附帯決議と違うところは、「昭和五十二年度を目途として、」これが入っているだけでございます。 この委員会におきまして、あるいは地方自治体の財源難にかんがみてこのような決議案がつけられているにもかかわらずおできにならなかった理由、これを率直にお尋ねをしたいと思います。また、大臣として、国会の附帯決議というものをどのようにお考えになっているのか、ひとつお尋ねを申し上げます。
○小川国務大臣 附帯決議の趣旨はもとより尊重いたしまして実行に努めなければならないと信じておりますけれども、根本的な改正を実行するのに適した経済の環境が、遺憾ながら今日なおでき上がっておらない。これから景気の立て直しにも努力をいたしまして、国の経済を安定した成長路線の上に乗せるということがまず先決であろう、こう考えます。
○中井委員 いまの御答弁でございますけれども、もう一度繰り返しますと、経済が低成長下にあるから、地方財源が苦しいからこそ、こういった附帯決議がついたわけでございます。景気対策は、私は、自治大臣の担当職務じゃないと思う。大蔵大臣、通産大臣あるいは総理大臣、もちろん自治大臣も閣僚の一人としてお考えになるだろうが、自治大臣として一番お考えになるのは、地方財源、地方自治体の行政、こういったことではないかと思うのであります。そういった点から考えますと少し御答弁が納得しかねるんですが、いかがでございましょう。
○小川国務大臣 景気の安定ということには自治大臣としても強い関心を持っておるわけでございまして、公共事業をてこに、景気の浮揚を図っていこうというのが政府の方針でございまするから、これを実行いたします場合の地方負担の軽減等にも一生懸命努力をしておるわけでございます。今日、国の財政、地方財政がかような状況に立ち至っておるということは、根本的には長い間続いた深刻な不況の結果でございますから、まず景気の立て直しを図るということが根本的な解決につながる、こう信じておるわけでございます。
○中井委員 それでは、いまの問題はまたこの次、あるいは諸先輩議員などの議論に任すといたします。 ただ、一つ申し上げておきたいことは、この委員会は、御存じのように野党の議員の数の方が多いわけであります。今後こういった形で私どもも積極的に附帯決議というものについて考えていきたいと思うわけでありますが、それが数年度にわたって無視をされるということであるならば、国会に希望を持って出てきた議員の一人として何か非常に残念な気がいたします。そのことを申し添えておきたいと思います。 次に、ことしの地方税の伸び、これを一八・一%というふうに見込まれておられるわけでございます。この見込みが、私どもにはわかりませんけれども、大きくずれて落ち込んだ場合に、そのときにはどのようにされるのか、御判断をお聞かせいただきたいと思います。
○森岡政府委員 ただいま御指摘のように、五十二年度の地方税の収入見込みは五十一年度の当初計画見込みに対しまして一八・一%の増を見込んでおりますが、この伸び率の主要な軸になっておりますのは、一つは法人事業税及び法人税割りの税収入増を二四%強見込んでおるということ、それから電気税及びガス税につきまして料金の引き上げに伴う増収を見込んでおるということ、及びタバコ消費税の増収でありますとか……(中井委員「一般的なのはいいんだ、具体的なのは」と呼ぶ)そこで、私どもは、最近の課税実績なりあるいは今後の経済見通しを踏まえて考えますと、この税収が確保できるものと考えております。 ただ、何らかの事態が生じましてこれに穴があくというふうなことが仮に起こりました場合には、地方財政措置といたしまして、財政計画に見込んだ収入を確保するための措置は、あらゆる手だてを尽くして万全の措置を講じてまいる、こういう所存でございます。
○中井委員 去年はどんなことでございましたんですか。見込みに対して落ち込みというものはございませんで、自然増の方が多かったわけですか。
○森岡政府委員 五十年度は地方財政計画の税収見込みを年度途中で大幅に割りました。五十一年度、現年度でございますが、これはまだ決算が出ておりませんけれども、私どもが徴収実績を見ましたところでは、たとえば五十年度の実績に比べまして一六%ぐらいの増に一月末ではなっております。それらから考えますと、財政計画を若干上回る収入が確保できるものと、かように考えております。
○中井委員 先ほどから、午前中の議論にもいろいろございましたし、冒頭申し上げました附帯決議の中にもございますけれども、また、私はいま三十四という年齢でありますけれども、物心ついたときから、そこの答弁席におられる皆さんと違いまして、いわゆる戦後の地方自治の中で育ってきたわけであります。上野市という、ことしになって赤字再建団体に突入した、財政規模の小さい市で育ってきたわけでございます。三十年間、まあどの市町村もそうであったと思うのですが、財政が苦しい、苦しいという中でやってまいりましたが、そういうように、たびたびの各党の抜本的な改正の要求、対策、地方財源の確保、こういうことに対しても、今年度のこの改正案では一向におこたえになっておられないように思います。 先ほど私は素人だと申し上げましたけれども、去年の改正案とことしの改正案、このように見ておりますと、何か、去年税率をアップできなかったものをことしアップをした、去年ダウンできなかったのをことしダウンをして、二年間で一つの税制改正のような、私はそんな感じがいたします。こういった毎年少しずつの改正という形で、自治大臣のおっしゃるような安定成長になるまでお続けになるつもりなのか。それとも、抜本的な対策というものをお講じになるのか。この点についてのお考えをお尋ねいたします。
○森岡政府委員 確かに、現在の諸般の経済状況を考えますと、大臣が先ほど申し上げましたように、客観情勢から申しまして、税制の基本的改革を一挙に行うということは困難な情勢にあるものと考えます。やはり国民経済なり国民生活全体がある程度安定をしませんと、税負担に大幅な変動をもたらすような税制改正は、これはかえって世の中を混乱に陥れる結果になるということは否定すべくもないと思うのであります。そういう意味合いで、五十一年度、五十二年度はいずれも調整的な税制改正にとどまったと私は考えております。 五十三年度以降、先ほど来大臣が申し上げておりますように、五十年代前半において、租税負担率の引き上げを含めた、国税、地方税を通ずる大幅な抜本的税制改正に着手をしなければならない、そうでなければ財政の円滑な運営はできないし、国民生活の向上も期待できない、かように考えておるわけでありますので、鋭意努力をしてまいりたいと思います。
○中井委員 そうしますと、先ほどの冒頭の大臣の御答弁、またいまの税務局長の御答弁、結局抜本的じゃなし、また今度の改正案において何一つこれといって、地方自治体あるいは住民にアピールをしていくような改正というものがなされていない、このように理解をしてよろしゅうございますか。
○森岡政府委員 そのアピールの内容でございますけれども、たとえばこういう財政が非常に苦しい中ではありますけれども、昨年は給与所得控除の引き上げによる住民税の減税を行っておりますし、ことしも各種控除の引き上げによる課税最低限の引き上げを行っております。こういうふうな財政窮迫の中でも、住民負担の軽減、合理化というものに努力をしておるわけでございますので、その辺については十分御理解なり御了承を得たいものだと思うのであります。と同時に、大きなことはできませんけれども、できるだけ、現行税制の枠内で何がしかでも増収を図る措置は講じていくという努力はしたつもりでございます。
○中井委員 お言葉で、自治省も苦慮されている点もよくわかるわけでありますが、たとえば税の新設ということについては何一つお考えが出ておらない。あるいは減税といいましても、住民税から見ますと七百八十七億ぐらいの減税にしかなっておらない。いずれもちょっといじったという中途半端な案であるというのは、私は非常に残念だと思います。一刻も早く抜本的な対策をぜひ自治省の側でおとりをいただくように、重ねて要請をしていきたいと思います。 次に移りますが、その抜本的税改正の中の一つとして、他党あるいはわが党もかねてから主張しております外形標準課税についてお尋ねをしたいと思いますが、自治省はこの外形標準課税というのを本当におやりになるつもりでお考えになっておられるのかどうか、この点についてお伺いをいたします。
○森岡政府委員 当委員会におきましても、また税制調査会におきましても、私どもが年来主張し続けてまいりましたことは、事業税の性格から考えまして、所得のみを課税標準にすることは適切ではないということでございます。そのために、何らかの形での外形標準課税の導入をぜひしたいということで、三十年代の後半から税制調査会に何度も御審議をお願いしてまいりました。 しかし、この課税方式をそのように変えるということになりますと、大幅な税負担の変動が出てまいります。私どもは大幅な税負担の変動をもたらすような税制改正が外形標準課税の導入だと思うのでありますけれども、納税者サイドから申しますと、たとえば赤字の際に負担をしていくということについてかなり抵抗を示される面も、これは当然のことであろうかと思いますが、しかし私どもとしては、この事業税というものが行政経費のコストを負担していただくという税なんだからということで、口を酸っぱくして御理解を得るように努めてまいったのでありますが、残念ながら、現在はことに経済が不況の時期でございますので、そのような主張を入れていただくことが全く困難な情勢に立ち至っておるというふうな経緯でございますので、私どもは、明年度は断念したわけでございますけれども、できるだけ早い機会にこの外形標準課税の導入問題について決着をつけたいものだ、かように考えます。
○中井委員 そうしますと、外形標準課税が実施できない最大の困難な点は、企業サイドあるいは法人サイドの、赤字になったときも税金を払うのはかなわぬじゃないか、この点だけで困難になっているのかどうか、あるいは政府部内でいろいろと議論があって進まないのかどうか、もう一度お尋ねしたいと思います。
○森岡政府委員 いま端的な例を一つ申し上げましたが、そのほかに税体系全体のあり方としてどうかという議論が政府部内あるいは税制調査会の委員の御議論の中にももちろんございます。国税、地方税を通じまして、税体系を基本的に安定成長経済に即するような税制に組みかえていこうというときに、法人事業税の外形標準課税導入だけを先にやってしまうのはいかがか、こういう批判ももちろんあるわけでございます。それらもあわせまして五十二年度は断念をいたした、こういうことでございます。
○中井委員 ここに全国知事会の要望事項として昭和五十二年度にぜひ実行していただきたいという要望書がございます。もしこれをこういう形で実行しない。どこかの都道府県が、それではもうたまらぬということで条例によってやるというふうにお決めになった場合はどういうふうになるか、ちょっと御判断をお聞かせ願いたいと思います。
○森岡政府委員 現在地方税法におきまして、事業税の課税について都道府県が外形基準を導入して、条例によって現在の所得による課税方法を改めるあるいは外形標準課税を加味するということができるという規定がございます。それで、ただ、私どもは法人事業税はかなり大きな税収でございますし、国民経済に与える影響も大きいわけでございますので、外形標準課税を導入するといたします場合には、個々の県がばらばらに実施をするということは問題が非常に大きいと思うのであります。ことに具体的な例で申しますと、特定の企業につきましてある県では所得課税をする、ある県では外形標準課税をするということになりますと、やはり全国的な規模での税負担のバランスというものが大変乱れてまいりますから、そういうことであっては自主的に外形標準課税を導入できるという規定がありましても、これは困ると思うのでございます。それらを考えあわせますと、やはり第一義的には税法を改正いたしまして、統一的な方針として外形標準課税を法律上導入していくということが最も望ましいと考えておるわけでございます。そういう点で努力を進めてまいりたいと思っているわけでございます。
○中井委員 それでは、いまのような答弁でわからぬわけでありますけれども、時間がありませんので、次の質問に移らしていただきます。 もう一つ、税制の改革の中で私どもは御判断をお聞かせ願いたいし、ぜひ実行していただきたいことがございます。それは道府県民税の所得割りについてであります。ただいまのところ、市町村民税につきましてはたしか十三段階の所得割りになっていると思うのであります。道府県民税の所得割りが二段階という形で行われている。これをもう少し多段階的になすって、高額所得者から少したくさんをいただく、低額の人からは、減らしていく、こういう形での制度というものをお考えになる気はないかどうか、その点についてお尋ねをいたします。
○森岡政府委員 それぞれの税につきましてどういう税率構造をとるかということは、その税の性格あるいは税負担の求め方の趣旨、それに即して考えなければならぬと思うのでありまして、御承知のように、所得税はまさしく強力な所得再分配効果をねらっておる。住民税というのは、どちらかと申しますと、地域社会の費用をできるだけ広く住民の方々に負担していただくということが基本にあるわけでございます。そのようなことから、住民税につきましては、市町村民税も十三段階の累進税率構造ではありますが、最高は一四%ということで、所得税の七五%に比べますと非常に低い最高税率でございます。 と同時に、いま一つの問題は、個人の所得に対する課税が所得税、個人県民税、個人市町村民税と三つあるわけでございます。これまでの経緯をたどってみますと、昭和三十六年に県民税はいま御指摘のようなかなり多段階の税率構造を一遍決めて税法を御審議願ったわけでございます。しかし、それは実施いたしませんで、三十七年に所得税、県民税、市町村民税を通ずる総合負担を考えまして、いまのような二%、四%という二段階の税率に改めた。当然その際に所得税の税率構造を累進度を強めておるわけであります。そこで、やはり県民税の税率をどうするかという場合には、所得税を抜きにしてこれだけを考えるというわけにはまいらないと私は思うのであります。所得税、県民税、市町村民税を通じてどういう総合負担を求めるかということで検討しなければならない。これは中期税制として真剣に検討していただくべき問題だと思います。
○中井委員 それでは次の問題に移ります。 他党からも、また各方面からも控除の中でいろいろな控除の要求があると思うのであります。その中に寡夫控除という問題が出てきております。寡夫というのは奥さんの方でなしに夫の方であります。この点について自治省はお考えになり、取り上げられる、御検討なさるお気持ちがないかどうかお尋ねをしたいと思います。
○森岡政府委員 これは住民税だけじゃございませんで、所得税にも同じ問題があると思いますが、女性の方の寡婦控除はやはり夫と死別され、あるいは生別されて子供があるという場合に、お母さん一人で所得を稼得するというのは大変なことでございます。またもとのだんなさんの家族とのいろいろなトラブルもあるわけでございましょうから、そういう意味合いで、これはやはり税制上特別な扱いをする必要があろう。いわゆる男やもめにつきましては、これは非常に不自由なことが多いと思いますけれども、しかし、所得の稼得能力とか所得に対する負担について特別の配慮をする必要があるのか、少なくとも女性の寡婦と同じような水準で考える必要があるのかと申しますと、私どもは消極的にならざるを得ないという気持ちでございます。
○中井委員 大臣も御承知のとおり、近ごろ週刊誌やら新聞いろいろ出てきまして、離婚の話をしますと、大抵嫁さんに離婚される方が多いのであります。また非常にいいことだと思うのでありますけれども、離婚料、慰謝料が年々上がってきておるということであります。またその後子供さんをどちらかで引き取るわけですが、奥さんの方が引き取ったら扶養料というものは大変高く払うようになってきた。私はこれはこれで結構だと思うのであります。しかし、男の側から——男の側からというわけじゃございませんが、いたしますと、いま局長からお答えをいただいたように、女の人と同じく大変な苦しさがあると思うのであります。こういった社会情勢にかんがみて、大臣、御検討をいただくわけにはいきませんかどうか、お願いいたします。
○小川国務大臣 一言にして申しますれば、男と女と所得を稼得する能力において相当の違いがあると考えないわけにはいかないわけでございます。この問題は税で解決すべき問題ではないのかもしれないという感じがいたしておるわけでございますが、けさほども同趣旨の御質問もございましたから、今後さらにいろいろな角度から研究をしてみたいと存じます。
○中井委員 それでは次に進めさせていただきます。 各種の地方税の改正のうちで細かいというか、多くの点はあしたまたわが党の山本議員が質問をいたしますので、私は料理飲食税についてお尋ねをいたしたいと思います。 料理飲食税、これの実態というものは、あるいは払われている料理飲食税がきちっと納められているのかどうか、こういった点についての実態把握、こういうものがなされているのかお伺いをいたしたいと思います。
○森岡政府委員 地方税はかなり徴収のむずかしい税が多いわけでございますけれども、その中でもいま御指摘の料理飲食等消費税というのは、徴収面で非常に困難を伴っておる税の一つでございます。それで、そのようなことから、御承知のように公給領収証制度をとりまして、領収証を公給のものをきちんと出していただいて、利用料金を明確にし、税金の額を明確にする、こういう仕組みをとっておるわけでございます。しかし、業態によりましてはなかなか捕捉がむずかしくて、十分的確な把握がなおできていないところが私はないとは申せないと思います。しかしながら、各都道府県とも大変むずかしい徴収上の問題がありながら、その徴収確保には鋭意努力をいたしておりますところでございまして、最近の徴収率を見ますと、四十九年までの実績では大体九五・六%ぐらいまで徴収率が上がっておりますので、引き続き努力は続けられておるものと、かように考えております。
○中井委員 お話にありましたように、大変実態把握がむずかしい。九五%ぐらいの徴収率と言われておりますけれども、かなりの額あるいは面において私はきちっと納められていないように思うのであります。 そこで、大臣によけいなことをお尋ねいたしますが、大臣どうですか、ときどき飲食に行かれてポケットマネーでお払いになって、やはりきちっと公給領収証をおもらいになっておられますか。
○小川国務大臣 キャバレー等に参りましても、これはチケット制でちゃんと領収証はもらっております。
○中井委員 キャバレーのことを聞いたわけではないのですけれども、私もこんな体をいたしておりまして鯨飲大食をする方でございます。食べに行ったり飲みに行ったりいたします。今度の改正案の額というものは、家族で食べに行ったりいたしますと一遍に税金を払わなければならない額になっていくわけであります。その勘定をするというときに、必ず向こうは公給領収証要るのですかと尋ねる、こんなものは言わなくても持ってくるべきだと思うのであります。そういう点から考えますと、ほとんど何かごまかされているような感じがいたします。ひとつこの点についてぜひ厳正なお調べをいただきたいと思います。特に利用者が払っている税金なんであります。経営者がもうけの中から税金を払うのではなくて、利用者が払っている税金がごまかされている。私は非常に不愉快に思う。私自身も、何も公給領収証をもって控除されるわけではないですし、一般のサラリーマンの方も公給領収証を家へ残しておいたって何もならぬわけでありますから、要らぬよと言うわけであります。大半要らぬよと言うております、一般の方は。そうしますと、そのまま普通の領収証だけくれる。その領収証の中にちゃんと税金が書いてあるわけであります。税金が書いてあって公給領収証が出ない。私も気をつけてこれから公給領収証をもらうようにいたしますけれども、ぜひこの点何らかの方法をお考えいただいて、厳正に取っていただけるようにお願いを申し上げたいと思うのですが、その点についてお答えをひとつお願いいたします。
○森岡政府委員 公給領収証の制度は、たしか昭和二十九年から実施をしておると思います。その間もう二十年を超える経緯があるわけでございます。当初はいろいろなトラブルがございましたけれども、ある程度定着をいたしてきていると思います。しかし、反面またお話のように、公給領収証は要りませんか、要らなければそれだけ安くなりますというふうなお話をなさる経営者もある、これはまことに困ることでございます。私どもは都道府県の税務当局を通じまして、経営者の人たちにそういうふうなことのないように指導していきますと同時に、やはり利用者の方も公給領収証というものはちゃんと受け取っていただくという習慣をつけていただくようなPRも十分してまいりたい、かように思います。
○中井委員 それでは、直接今度の改正案に関係ばないわけでありますが、税の徴収の仕方ということについて少しお尋ねをしたいと思います。 大蔵省の方が見えておられると思います。国税を徴収なさる場合には各地の税務署長の名前で徴収なさるわけでございますね、間違いございませんね。——各地方自治体においては、市町村においては、徴収される場合には市町村長の名前で私は徴収をいたしているように記憶をいたしておるのですが、間違いございませんですか。
○森岡政府委員 そのとおりでございます。
○中井委員 これはどうしてでございますか。国税を取るときには総理大臣あるいは大蔵大臣、地方税は市町村長、こういうことなら私はわかるのですけれども、国税だけ税務署長というのはどういうことであるのか、お答えをいただきたいと思います。
○亀井説明員 お答えをいたします。 あるいはお答えになるのかどうか、また自治省からお答えをちょうだいするのが筋かとは思いますけれども、国税の場合について見ますと、徴収の事務の責任は内閣から大蔵省にゆだねられておりまして、それはさらに国税庁の長官にゆだねられておる、こういう形になっておりまして、いま先生御指摘のように、その事務が税務署長でやっておるという形になっております。この理由はというお尋ねでございましたけれども、総理大臣あるいは大蔵大臣が国税を賦課徴収するということになりますると、税の大量反復性、こういったことから執行上大変手数がかかるというようなこともあろうか、そこでまた納税者にも御不便をおかけするというようなことになろうかと考える次第でございます。そういうことで、能率のある税務執行を行なうというような見地から、一定の地域に税務署を設置いたしまして署長に徴収の権限をゆだねているのではないか、こういうふうに私理解をいたしておる次第でございます。
○中井委員 多分内閣総理大臣や大蔵大臣がしょっちゅうかわって、その手続で大変めんどうくさいから税務署長の名前で取っていけ、こういうことだと承ったわけであります。それならば各地方自治体の税務部長なり税務課長の名前で税金を徴収する、あるいは領収するということはいかがなものですか。
○森岡政府委員 地方税法におきましては第一条の第三号で、これは用語の意義でございますが、「徴税吏員」という規定がございまして、これは市町村で申しますと「市町村長若しくはその委任を受けた市町村吏員をいう。」、こういうことになっておりまして、市町村長自身が徴税吏員という形になっております。 それから、第三条の二におきまして、長は、その権限の一部を部下の職員、徴税吏員に委任することができる、こういう規定があるわけでございます。したがって、一部の事務につきましてはかなり委任しておると思いますけれども、納税通知書でありますとかそういう基本のところは全部市町村長名で出すという形をとっておるわけでございます。
○中井委員 地方税が直接地方の行政の中で使われておるということが住民にはっきりわかって、住民自体も自分たちの税金がこの地方で使われておるのだ、こういう地方自治の精神にのっとってそういう形であるのかと私は理解をするわけであります。内閣というか国税がそういう形で税務措置をとられ、地方自治体が各長の名前で税金を徴収される、こういうことを考えますと、先ほどの公明党の議員さんのお話にもございましたけれども、地方自治ということを考えて、地方自治体の長に地方税のかなりの新設あるいは改廃というものをお任せになる、こういった方向というものはいかがなものでしょうか。お考えになられておりませんですか。
○森岡政府委員 地方税法は一面におきまして地方団体の課税権の規定であります。同時に、納税義務者の納税の負担水準とかあり方を決めておるわけでございます。したがいまして、租税法律主義というたてまえ、憲法のたてまえもございますので、大きな枠組みは地方税法で定めるということが望ましいと考えております。ただ地方団体の税務運営の自主性は確保しなければなりませんから、たとえば標準税率主義をとって、一定税率主義をとる税は限られた税目にする、税率の幅を持たせるというのが一つ。それから法定外普通税という形で既存の法定税と重複しない範囲内において別途自主的な新税の創設を認める、こういう仕組みもとられておるわけでございますので、御指摘のような方向で現行税制の組み立ては行われておるということで御理解願いたいものだと思います。
○中井委員 私が申し上げておりますのは、小さな市町村へ行けば、納税者に市町村長名で来るわけであります。文句もすぐ来るわけであります。市町村長がそういう形で取っている税金だけで地方行政、地方の自治体が運営をされているならそれで結構なんだけれども、大半がるる御討議のあったように、国に七割、地方に三割という金の配分になっておる。国のお金だけは税務署長がまあまあ、そういう形で文句やら何やらを引き受けておる。こういうことでは各地の市町村長さんが気の毒だ。現実に目の前で値切られるわけですからね、親しい地方自治体の人から。値切るというのはよくないですけれども、トラブルがたくさんある、こういうことでございます。 そういった点を考えると、また、いまの地方の財源難ということを考えると、お答えに新設あるいは範囲、量、パーセンテージというものをかなり自治体に任しているという御指摘がございましたけれども、現実には、そう各地方自治体が勝手に自分のところの地方自治体で必要とする金額あるいは目的のために税を取るというわけにはいかないと思うのであります。そういったものを、この際地方税法の抜本的改正が行われないならば、この財源難の中で地方自治体にある程度お認めになられる、お任せになられるということはどうか、このようにお尋ねをしているわけでございます。そういった点を含めて大臣、お答えをいただきたいと思います。
○小川国務大臣 いま局長が答弁いたしましたように、地方団体の自主性を尊重するというたてまえから標準税率の制度もあり超過課税の制度もあるわけであります。標準税率の方は数字的にもすでに千億を超えておるというようなわけで、現行制度はそういう地方の自主性を尊重すべしという趣旨を相当程度生かしているものと考えております。
○中井委員 私自身もはっきりとまとまった考えで言っているわけではなく、まことに申しわけないわけであります。しかし方向としてはそう間違ったことを言っていないと考えるわけであります。 〔高村委員長代理退席、委員長着席〕 地方自治体がそういう形でなかなか税の徴収というのに苦しみ、あるいは財源難に苦しんでおる、こういう時代であります。その地方自治体において税の徴収が行われる、地方税、県民税が行われる、同じく税務署で国税徴収が行われる、こういうことであります。これを税の徴収だけ国税も地方税も一緒にやるというような方向というものは考えられないものかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。
○森岡政府委員 戦前のように、国税に対して地方税の大部分が付加税であるというふうな形でありますと、御指摘のような方法は考え得ると思います。しかしシャウプ勧告以来現行の地方税制は、地方自治の税制といたしましては、みずから責任をもって課税し納付をしていただいた税金を住民の監視のもとで有効に使っていく、こういう税制をとっているわけでございますから、独立税主義をとっているわけであります。わけのわからぬうちにというと変でございますが、地方団体が関与しない間に税務署に地方税が納められてしまった、それをあてがいぶちでもらうというのでは、やはり地方自治団体の税制としてはいかがかという感じを持つのでございます。
○中井委員 私が申し上げているのは違うのであります。もちろん課税の責任というものは地方自治体にございますが、そういった課税額を決めて徴収の事務だけ国税庁にやってもらったら、税務署にやってもらったらどうだということでございます。
○森岡政府委員 課税と徴収というのはやはり私は関連があると思うのであります。だれかが、特定の部門が課税額を決めまして、それを別のところが引き継ぎまして徴収事務だけを実施をするということは実際問題としてはなかなかうまくいかないのではないか、やはりその税額、賦課額を決める段階とその徴収をします段階とは同一の統治団体でなければ、そこのところは責任があいまいになってしまうという感も強いものでございますから、いまの御指摘のように賦課額と徴収手続とを団体によって切りかえるということは適当ではないのではないか、かように思います。
○中井委員 私はだだをこねているわけではないのでありますが、しかし小さな地方自治団体で徴税の事務を行う、あるいは税務課の職員を訓練していく、非常に大変なことだと思います。しかも国税庁の方におきましては、各地の税務署員というのは何年かに一遍どんどん転勤をなさって、地域住民とそれほど深い接触がなく、因縁情実絡まされず、悩まされずに徴税というものをおやりになっておる。しかし地方団体におきましては、税務課におりますと十年、十五年、二十年とおられて、しかも知り合いばかりの町で税金事務を担当しておる。同じ町で、それは確かに地方自治団体の趣旨からいけば地方自治体独自で税金を取る、こういうのが趣旨だと思います。先ほどからたびたびお尋ねいたしておりますように、地方自治体における独自の財源あるいは独自の税制というものがほとんど禁止をされているというのか、できなくされておる現在の状態においては、いっそ税務署で一緒に、額だけ決めて取っていただいた方があっさりしているじゃないか、私はこのように考えますし、地方自治体にとりましても非常に人員削減になる。首を切れというわけではない、国税庁に引き取ってもらったらいいわけであります。私はそのように考えるわけであります。大変乱暴な、あるいは私個人の意見で党の意見ではないかもしれませんが、ひとつそういった意見もあるということを御了解いただきたいと思います。 最後に、冒頭からいろいろと地方財源の強化、合理化についてお尋ねをしてきたわけでありますが、一向前進が見られない、自治大臣みずからお認めになったように、一向根本的に解消されていない案である、こういうことで、私どもといたしましても残念ながらなかなか賛成しにくい改正案であると言わざるを得ないと思うのであります。この地方の財政難、地方財源の確保、こういったものがどのような形でいつごろ行われるのか、このことについてはるる御討議があったと思います。先ほどの財政局長の答弁の中にも、あるいは福田総理大臣の所信演説の中にも、予算委員会の御答弁の中にも、こういった低成長あるいは資源有限時代にかんがみて赤字国債というものを解消していく、地方財政というものを確立していくために、二%あるいは三%ぐらいの税負担を思い切って国民に求めていくのだという大胆なお話がございました。この点について、自治当局は、もう大蔵省とすでに二%アップあるいは三%アップということで話し合いをお進めになっているのかどうか、その点についてお尋ねをいたします。
○森岡政府委員 この問題は、今後昭和五十年代全般の国、地方を通じます税財政制度の根幹に触れる問題でございます。同時にまた、国民の租税負担にも大幅な変動を来す問題でございます。そういう意味合いで、若干の時間はかかりましても慎重に検討して、全国民のコンセンサスを得られなければなかなかこれは実現できないと思います。 昨年六月から十一月まで、政府の税制調査会におきましては、所得課税、資産課税、間接税全般にわたりまして洗い直しをいたしました。その中で、一般消費税のようなものも考えられるがどうかとかいうふうな問題もございますし、所得税の減税とか法人税の増徴とかいう問題をどうするかというふうな問題もいろいろやりましたけれども、中間的な報告にとどまっております。税制調査会の任期がたしかこの十月、秋でございますので、それまでに何らかの具体的な方向づけが行われるように政府といたしましても努力をしてまいりたいし、税制調査会に強くお願いをしてまいりたい、かように思っておるわけでございます。
○中井委員 国民的コンセンサスを得てこういったことをやっていきたい、このようにいまの答弁で私どもは判断をするわけでありますが、逆に、二%なり三%、三%のアップですか、三%のアップをやっていけばいまの地方財政の財源難というものは解消される、このようにお考えなのかどうか、お尋ねをいたします。
○森岡政府委員 お示しいたしております中期財政収支試算をごらんいただきますと、国税で二%、地方税で一%、四十八年から五十年までの三年平均の租税負担率から三%程度引き上げて財政収支試算を行っております。その際に地方交付税につきましては、国税全体の中での地方交付税のシェアは変えない。国税の税制改正が、所得、法人、酒の三税で伸びるのか、あるいは他の税目が追加されるのか、その辺のところは非常に問題がございますが、全体としてのシェアは変えないということでやりまして、五十五年度には大体収支がバランスできるのではないか、こういうふうに見ておるわけでございます。しかし、これも一つの試算でございますから、このとおりいくかどうかは非常に問題でございますので、やはり地方財政といたしましては租税負担率の引き上げによる税制改正と同時に、国と地方との財源配分につきまして根本的な検討を加えて、地方財源を思い切って拡充をするという措置を講ずることがぜひ必要だと思っております。
○中井委員 それでは大臣、最後にもう一度確認を求めますけれども、結局いまの地方財政の財源難、こういったものは三%の値上げとともに諸制度の根本的な改革をすることによって解消できる、ぜひ国民の理解を得てこの三%のアップをお認めをいただきたい、この三%アップする場合においてのみ交付税率の改定を行うんだ、自治省はこういうお考えであると理解をしていいかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○小川国務大臣 五十五年において財政の不足をなからしめるためには、あるいは国の方で赤字債の依存から脱却いたしまするためには、三%の税負担の引き上げが必要である。どういう方法でこれを実現するかということが税制の根本的見直しということになると存じます。その際に地方税の問題も、交付税を含めて根本的に改定をしなければならぬ、こう考えております。
○中井委員 ありがとうございました。大変あっちこっちの質問で御迷惑をおかけいたしました。できるだけ税金をアップしないで抜本的改正あるいは新税、改定、こういったことをぜひ積極的にお進めをいただいて、その中で地方財政の財源難、こういったものを解消していただくように最大の御努力をいただくよう重ねて御要望をいたしまして、質問を終わらしていただきます。
○地崎委員長 三谷秀治君。
○三谷委員 私は、最初に固定資産税の台帳の閲覧問題についてお尋ねしたいと思います。 地代及び家賃を統制しております地代家賃統制令、これは国民生活の安定を図ることを目的にして制定されたものでありますが、この統制令によりまして地代家賃の最高限度額を定めて、法に基づいてその範囲内で統制令による統制額の公衆への閲覧を義務づけております。ところが、この義務に関する地方自治法百四十八条二項及び三項に規定する別表第三の一項百二十の二の知事の事務並びに別表第四の二項の四十九の六の市町村長の事務が実際には行われておるかどうか、これをまずお尋ねしたいのです。
○森岡政府委員 御指摘の地代家賃統制令の十四条に基づきます地代家賃の停止統制額、または認可統制額の知事への届け出及びこれに基づく台帳作成と公衆への閲覧でございますが、現実の実態を見ますと、この統制令が予定しておりますような形で全市町村通じて行われておるという状態にはなかなかなっていないように私ども見受けております。
○三谷委員 そうしますと、統制令に規定されております義務が知事や市町村長によって実施されていないとなると、借地、借家人の権利はどうして守られるのか、統制令の目的はどうして遂行できるのか、これをお尋ねしたい。
○森岡政府委員 統制令で御指摘のようにこのような規定があるわけでございますので、私どもといたしましては建設省に対しまして、統制令十四条で定めておりますようにきちんと処理をしていただくように、従来から強く要請してまいってきておるところでございます。
○三谷委員 要請しておるとおっしゃいましても、現実にはそういう事務を行っていないのだ。これは、自治法によりますと、市町村長は、地代または家賃の台帳をつくって、これに家賃あるいは地代の停止統制額または認可統制額を記入して、公衆の閲覧に供する、こうなっておる。それから知事の義務としましては、「貸主に対して地代若しくは家賃に関する帳簿の作成等を命じ、貸主若しくは借主から報告を徴し、又は職員をして借地、借家等の場所に臨検検査させる」こういう規定になっている。これは地代家賃統制令というものが国民の利益を守るという観点に立って立法されまして、それが実際に効力を発生するためにはこのような処置が必要である、そのためにこのような義務規定ができておるわけでありますが、それが全く行われていない。一体どうして統制令に定めております国民の権利というものを擁護していくのか、これは自治省か、あるいは建設省でありますか、お答えをいただきたい。
○伊藤説明員 お答えします。 統制令の帳簿の件につきましては、これが二十一年、ポツダム政令として施行されまして以来、帳簿をつくるということになっておりますが、実際上は第五条で一定の率を掛けたり、あるいは建設相の告示、その当時は物価庁でございますが、告示を通じまして統制額にかわるべき額というものを定めることになっております。で、そのかわるべき額につきましては、当然のことながら貸し主から届け出ということはございませんので、当時の物価庁としましては市町村長に帳簿を訂正するということで帳簿を完備するようにという通達を流しておったようでございます。 しかしその後、二十五年ごろだと記憶しますけれども、固定資産税の台帳に基づきまして、その評価額あるいは課税標準額等を用いて家賃額あるいは地代額を定めると計算式を告示するようになったわけでございますが、その段階から、実際上は毎年毎年評価額そのものも変わりますし、そのたびに台帳を変えなければいかぬ、帳簿の価格を変えていかなければいかぬ、あるいは家主から、実際この建物は統制令の対象の建物ですよということで届け出がないということでございまして、だんだんと帳簿そのものができなくなってまいりました。したがいまして、その後は固定資産税台帳の価格、評価額を、これは市町村の実際の税の窓口で税担当課がわかっておるわけでございますが、それと、地代家賃統制令を担当しております窓口課、建築でありますとか住宅関係の行政の課でございますが、そういう課とがよく連絡を取り合いまして、貸し主あるいは借家人の方から問い合わせがあった場合には、当然連絡をとってその計算の根拠となります額がわかるようにしてはどうだろうかということでございます。そういうことで、事実上二十五、六年以来、二十数年にわたりまして実際の行政が行われているというふうに聞いております。 最近の告示改正におきましては、そういうこともございまして、固定資産税担当の課と地代家賃統制令の行政をやっております課とがよく連絡をし合って、借家人等に迷惑のかからないようにということで指導いたしております。これは先生に差し上げました五十一年の通達あるいは毎年改正をいたしました際に通牒の中にうたっておるところでございます。
○三谷委員 いろいろ便宜的な判断に基づく説明をなさっておりますが、法の定めと反しているということなんですよ。なぜ法を遵守する立場に立って処置をおとりにならないのか、こういうことを私はお尋ねしているわけです。地代家賃統制令というものは「地代及び家賃を統制して、国民生活の安定を図る」ということが目的になっておるわけです。その面からしますと今日、地代、家賃の問題というのは一般国民のきわめて深刻な問題になってきている。特にこの法律が十分な効力を発揮すべき条件に置かれているわけです。ところがいまおっしゃいますように、昭和二十何年ごろから事実上換骨奪胎されてしまって法律を実施していない。そうしていろいろな便宜的な処置がとられている。しかしその便宜的な処置というものは、十分に地代家賃統制令の目的に合った効果を上げていない。そこに問題があるわけなんです。 そこで、地代家賃統制令によりますと、都道府県知事が帳簿の作成、家賃等の掲示をしなければならない、あるいは報告の徴取、臨検検査をすることができる、あるいは市町村長が家賃の統制額の届け出義務というものを持っておる。そしてそれに基づきまして、さっき申しました地代または家賃の台帳記入だとか公衆の閲覧に供するとか、そういう自治法上の規定が生まれてきている。 この規定をなぜ守らないのか、こういう住民の福祉に重大な関係を持つ法律というものが事実上死文化してしまっている、実際上の行政におきましてはこれは全く抹殺されてしまっている、それを放置しておいてよろしいのかどうかお尋ねしたいのです。
○森岡政府委員 法令で定めております事項につきましては、御指摘のようにその定められておりますところによりまして行政事務が執行されるべきものと考えております。 ただ、この点につきましては先ほど建設省からお話がございましたように、いろいろな経緯があるように私ども承っておりますが、しかしその経緯は経緯といたしまして、やはり定められておりますような仕組みに応じて事務処理がなされることがぜひ望ましいと思いますし、そのような要請も従来いたしてまいっておるわけでございます。
○三谷委員 そうしますと、この自治法並びに地代家賃統制令が定めております府県の府県知事あるいは市町村長の義務というものを果たさせるために、自治省としてはどのような処置をおとりになるのかお尋ねしたい。
○森岡政府委員 直接的には地代家賃統制令の所管は建設省でございますので、私どもが地方公共団体にどうこうということを申すべき筋のものではないと思うのでございまして、やはり建設省に対しまして適切な措置をおとりいただくようにお願いをするということだと考えております。
○三谷委員 建設省はどうなんですか。
○伊藤説明員 先生おっしゃいましたように、統制令と申しましてもあくまでも法律でございますので、そこに定められました都道府県知事あるいは市町村長の義務というものは厳然とあるというふうに考えます。 しかしながら、実態を申し上げて恐縮でございますけれども、現在の統制令対象の家屋というものは百五十八万戸程度あるわけでございますが、実際に貸し家人及び借家人双方に、これが統制令対象の家屋であると認識され、かつその統制告示の額を守って以下の範囲内で契約を結んでおるというものは非常に低うございます。言うなれば、法の運用の実態としまして非常に遵守率が低いということでございます。 そういうことと、それから実際にそういう家屋がどこにあるかという大規模な調査等々、いまからやるということは非常な費用がかかるというような問題がございまして、いまだに手がついていないということでございます。これは事実でございますので、ありのまま申し上げる次第でございます。
○三谷委員 いまおっしゃいますような事情は確かに存在しております。その場合、それではこの法の規定にかわる処置はないのかということなんですね。そういう点からたとえば借地借家人に対する固定資産税額の開示、こういう要求は借家人からかなり出ている。市町村長がそういう義務を果たしませんから、家賃が果たして妥当であるかどうか、あるいは地代が妥当であるかどうか、その点の判断がしにくいために固定資産税額の開示をしばしば要求しているわけです。だからそういうかわるべき処置が考えられるわけでありますが、これについてはどうお考えになっておるのか。貸し主側には借地法の第十二条、借家法の第七条の賃貸借増額請求権の規定があって、公租公課を地代、家賃増額の根拠としていいことになっております。したがって、家賃や地代の値上げというものが公租公課を条件にして次々行われていく。その中には便乗値上げというふうな種類のものも存在しております。しかしこれは捕捉ができない。その捕捉をしますためには、さっき申しました地方自治法の附則の定める市町村長の義務を果たすことが非常に重要でありますが、それがむずかしいとなりますと、せめて固定資産税額の開示程度のことは行っていくことが当然の処置だと思いますが、これについてどうお考えになるでしょうか。
○森岡政府委員 この問題につきましては、当委員会におきましてかねてからいろいろ御議論を承っておるところでございます。先ほど来御指摘のありますように、地代家賃統制令による認可統制額あるいは停止統制額の開示というものが行われればこれは問題がないわけでございますけれども、それが現実問題としてなかなか円滑にいっていないということであります。他面、固定資産税につきましては、御案内の税務職員の守秘義務がございますので、みだりにこれを公開するということになりますと、これは徴税吏員が罰則を受ける、刑罰を受けるという問題がございまして、私ども大変苦慮してまいったわけでございますけれども、しかし認可統制額なり停止統制額が開示されない以上、それにかわるべき措置として固定資産税の課税標準額を教示するということは、守秘義務の規定から申しましても違法性は阻却されるのではないかという考え方を私どもとっております。そういう方向で関係方面ともいろいろ相談しておりますので、そういう措置によって解決をすることができるのではないか、かように考えております。
○三谷委員 いま守秘義務の問題をおっしゃいました。午前中も守秘義務の問題をおっしゃっておりましたが、その守秘義務の問題というのは無限定に、そして無原則にこの税額の問題について適用されるものではないと私は考えております。もともと守秘義務といいますのは、地公法、国公法にも守秘義務があるわけなんです。そして地方税法、所得税法にも守秘義務が存在している。同じ守秘義務が二つの法律によって規定されている。税務職員というものも公務員でありますから、公務員法による守秘義務の規定がある。ところが、もう一つ税法による守秘義務の規定がある。同時に同じ人が二つの法律によって守秘義務を強要されている。この根拠は一体どこにあるのか、これをちょっと聞いておきたい。
○森岡政府委員 一般の公務員につきましては、職務上知り得た秘密を漏洩してはならないということは、行政の秩序あるいは公正という観点から、一般論として守秘義務が課せられておるのは当然のことであろうと思いますが、税につきましては、やはり個人の財産、所得というものを直につかまえるものでございますから、それは通常の公務員の守秘義務のほかに、さらに強いといいますか、厳密な守秘義務を課しておきませんと、いたずらに個人の私権を阻害するということがあろうか、こういうことから別途税法上の守秘義務が設けられておる、かように考えておる次第でございます。
○三谷委員 つまり、一般公務員の守秘義務というものは主として行政庁側に関する秘密の漏洩とか秘密の防衛とか、そういう性質のものであって、税務職員の場合は主として行政客体側に関する秘密である。ですから、この公務員による守秘義務というものが一般法としますと、税務に関する守秘義務は特別法の関係に立っておる、そういう見方が法理論的には行われておるようであります。 そこで、税務職員の守秘義務というものは、納税者側の秘密に接する機会が多い、この点に着目したものであって、その点の守秘義務ということがここで規定されている。ですから、税法上の守秘義務というものは税務行政という特定の公務の特殊な性質から生まれてくる。つまり私人ですね、納税者の利益を損なうことのないように特に規定されたものであって、そこで保護されるのはプライバシーですよ。つまり、税務の調査の過程におきまして、女性関係がそこでつかまれてくる、あるいは親族関係のよくない病気の問題などがつかまれてくる、そのプライバシーについてはこれは明らかにしてはならないというのが税法上の規定なんでしょう。ですから税法上の規定を見ますと、これは地方税法もそうでありますが、所得税法にしましても、税に関する調査に関する事務、こう書いてある。税を調査するための事務。ですから、税の調査過程において知り得た秘密という意味であって、税額を公表してはいけない、それが秘密だなんということはどこにも書いてない。そういう解釈は成り立ちません。しかも一方におきましては、税務行政におきましても、国民の知る権利というものはできるだけ保障されなくちゃならぬ、これは当然の原則であります。ですから、知る権利との対抗におきまして、公務員に課せられました守秘義務の秘密というものは、当然これは合理的、客観的な基準において国民全体の納得のいくものでなくちゃなりません。そして税法上納税者全体の利益のために課せられておる守秘義務である、そういう立場に立つ見地が反映されなくちゃいけません。何でもかんでも守秘義務があるんだから、何でもかんでも国民には知らさない、そういうことではない、この守秘義務というものは。法の規定が明確に示しております。 現に所得税法の二百三十三条を見ますと、高額所得者について申告所得額の公示をする制度があります。前期におきまして高額の納税者を発表して、新聞でもずらっと出ている。この制度というものは、言うまでもありませんけれども、高額所得者の申告のあり方を国民に監視させようとするものであります。それ以外に何の意味もありません。要するに申告納税制度を、主権者である納税者自身によって自律的に促進をする、その手段として高額所得者の氏名を公表する、こういう制度がとられてきております。でありますから、税務当局の強権的な処置を規制して、住民自身の監視の中で合理的な申告制度というものが発展をする、こういう立場に立っておるわけであります。ですから、申告納税制度そのものが、理念的には納税者自身による主体的な監視をたてまえにしておるものであります。 でありますから、その面から見ましても、一般の税額、特に固定資産税額というものを公表することがなぜ秘密になるのか、なぜプライバシーを侵害するのか、それがどうして公衆の利益に反するのか。その観点を忘れた守秘義務というものはだめですよ。たまたま先般田中角榮のあの脱税問題から、所得税における守秘問題というものが牽強付会の議論をもって行われて、それをついに地方税にまで及ぼすような処置がとられてまいりましたが、これは私どもは納得できるものではないのであります。ですから、法によって保護されます行政庁の秘密とはどういうものか。これは国民主権主義をとります憲法のもとにおきましては、公務員が守らなくちゃいけない秘密というのは、時の政府の主観的な利便のために守るものじゃありません。それからまた、行政の便宜のために守るものでもありません。まさに国民全体の利益のために守っていくものである。その観点が憲法の観点。その観点に立って守秘義務というものを考えてみますと、固定資産税の税額を開示して、そして一般の借家人あるいは借地人に対して、払うべき家賃、地代というものが果たして法に規定をする、あるいは統制令に規定をする正確なものであるかどうかということを判断さすための処置として、これを開示することが、なぜ守秘義務に該当するのかわかりません。そこら辺は訂正してもらう必要があると私は思っています。
○森岡政府委員 地方税法で申しますと、二十二条の守秘義務の規定は「地方税に関する調査に関する事務に従事している者又は従事していた者は、その事務に関して知り得た秘密をもらし、」た場合には刑罰を課するという規定になっておるわけであります。「その事務に関して知り得た秘密」ということになりますと、課税標準額とか税額というものもその事務に関して知り得たものでございます。それが秘密に該当するかどうかということが問題であろうかと思いますが、一般的に申しまして、個人の財産なり所得なり、あるいはそれに応じて負担いたします税額というものは秘密に該当するというふうに考えなければならないのではないか。それをただいたずらに公表するということについては問題がある。所得税法で御指摘の規定がございますのは、これは国税当局からもしばしば申し上げていることだと思いますが、まさにあの規定があることによりまして違法性を阻却しておる、特に開示の、公表の規定を設けておるんだという考え方に立っておるものだと思います。 そこで、いま御指摘の地代家賃統制令の十四条に基づきます認可統制額なり停止統制額の開示というものがなかなかきちんと行われにくい。そういう場合に、固定資産税の課税標準額を借地人、借家人に対しまして開示をいたしますことは、私がいま申しております二十二条の守秘義務の違法性が阻却されるのではないか、こういう考え方をとるべきだ、このように申しておるわけでございまして、何でもかんでも守秘義務だというふうなことでかたくなな姿勢をとっておるわけではございませんので、御了承いただきたいと思います。
○三谷委員 自治省の見解はよくわかりましたが、これは主務官庁は建設省なんでありますが、建設省はどうですか。
○伊藤説明員 お答えいたします。 五十一年の四月までの改正告示等に伴います通達におきましては、先ほど私が答弁いたしましたように、税務担当の窓口課と、住宅相談その他統制令の行政をやっております窓口課とよく連絡をとり合ってということで、借家人に便宜を与えてくださいという趣旨の通達内容にいたしておったわけでございますが、いま税務局長のお話でございますので、今後自治省ともよく相談をしまして、よりよい方法にいたしたいと考えます。
○三谷委員 それはもう少し具体の答弁をいただかぬとあきませんが、五十一年五月十日の建設事務次官、自治事務次官連名の通達は確かにちょうだいしておりますが、ここで規定しておりますのは、問題の税額の開示などにしましても、平均的な税負担額だとか間接的なそのもの自体を明確にするということに立っていないわけでありますから、何といいましても法律のたてまえというものは、それぞれの家賃、地代、そしてそれの停止統制額または認可統制額を地代または家賃の台帳に記入をして公衆の閲覧に供する、こうなっているわけでありますから、これがさつきいろいろな説明がありましたような諸般の事情によりまして、非常に煩雑さがあってむずかしいということでありますならば、これに正確にかわるべき処置、しかも、地代家賃統制令というものが国民生活の安定を目的にするものでありますから、そういう観点に立って、十分にこの規定にかわるべき処置というものが正確にとられる必要がある。それについてはどうされますのか。自治省としましては固定資産税額の開示をしてもいいということなんですか、さっきからおっしゃっておりますのは。
○森岡政府委員 地代家賃統制令は、御指摘のように、台帳をつくって公衆に閲覧するという規定でございます。それと全く同じ措置を固定資産課税台帳についてとれということになりますと、これは私どもとしては問題があると思います。しかし、地代家賃統制令の趣旨といたすところは、借地人なり借家人が認可統制額なり停止統制額を知りたいのにわからない、家主さんや地主さんも教えてくれない、そこから出る問題でございますので、公衆に閲覧というところは私は問題があると思いますけれども、借地人なり借家人が、地主も家主も教えてくれない、また課税台帳を閲覧したいと思っても承諾書もくれないというふうなことが明確であり、かつ、その人が借地人、借家人であることが確認できれば、固定資産税の課税標準額を開示するということがあってしかるべきではないか。一般にその閲覧を認めるということはやはりこの際は問題がある、かように考えております。
○三谷委員 そのしかるべきというのは何となく評論家的な表現ですが、傍観者でなしに、自治省としてそれをやるということかどうか、これをお尋ねしたい。 それと、もう一つお尋ねしたいのは、四十四年三月十日に、固定資産税課長が府中市の税務部長あての回答で、地方税法四百十五条の台帳縦覧関係者には借地、借家人は含まないとしておる。要するに関係者ではないという通達をしておる。この通達はいまでも変わりありませんか。
○森岡政府委員 固定資産課税台帳の縦覧制度は、地方税法で定めております仕組みでございまして、これは賦課事務を行います前段階で、課税客体、課税価額というものを確定しておく、そのために審査請求制度を設けておるということでございますから、納税者あるいはそれに直接関係ある人でありませんと縦覧制度の趣旨にそぐわないと思います。そういう意味合いで、いま御指摘の通達は現在もそのとおりに私どもは考えております。 なお、前段の地代家賃統制令関連で、認可統制額なり停止統制額なりが示されないものについて、便宜課税標準額の開示をすることにつきましては、いままで申しておりましたかなり一般的な守秘義務に関する感覚から申しますと、やや方針の変更になる面もございますので、いま関係方面ともいろいろ相談をいたしまして、適切な方向で早急に処理したい。ただ、何と申しましても刑罰に関連する問題でございますので、これはやはり慎重に扱わないと、税務職員に間違いがあっては私どもも申しわけがありません。そういう意味合いで慎重に検討しておりますが、方向といたしましては、いま申し上げておる方向で結論を出して市町村を指導してまいりたい、かように思うわけでございます。
○三谷委員 そうしますと、縦覧に関する関係者としては認めない、しかし開示はする。この手続はどういうふうにお考えになっておるのか。 私どもは、この関係者というものが一体どのような概念でとらえられておるのかお尋ねしなくちゃいかぬと思うのですが、関係者といいますのは、この税を負担しているのは借地人であり、借家人なんです。これの家賃や地代の中に公租公課が含まれるわけでありますから、そういう点からいきますとこれは当然関係者である、最も密接な関係者である。特に土地の所有者や家の所有者よりも、むしろそういう面において負担を直接に行うという点からしますと、借地人、借家人といいますのは最大の関係人になってくる。これを縦覧の対象にはしない、要するに関係者とは認めないとおっしゃっておる。ここがひとつよくわからない。 それはともかくとしまして、何かの形で開示をしたいとおっしゃいますが、その開示はどういう方法でやるのか、その点について承っておきたい。
○森岡政府委員 縦覧の際の関係者につきましては、いま申しましたように、やはり税法上の納税義務に関連いたしましての手続の問題でございますので、その負担がどのように転嫁されるかという問題はもちろんございますけれども、やはり直接の納税義務者の縦覧を前提とした制度であると私どもは考えます。したがって、納税義務者にないしはその代理人ということで考えておるわけでございますし、いまもその考えは変わっておりません。 それから、地代家賃統制令関連の停止統制額なり認可統制額にかわるべき措置として開示をする場合には、やはり本来的には地主なり家主の方から借り受け人に対して税金の額を示して、地代、家賃の改定を求める、これが本来筋だと思います。しかし、どうしてもそういう示しが行われない、それじゃ別途課税台帳を見てきたいから閲覧についての承認を出してくれませんかという話をしたけれども、それもいやだと言うというふうなやはり一定の条件がなければいけないと思います。ただ何となく見せるというわけにはまいらないと思います。 それからもう一つは、一番大事なことは、借地人か借家人でなければ、これはまた問題があるわけでございますから、その辺の確認をどうするかという問題があるわけでございます。 それらを含めまして、いま御指摘の手続問題を少し詰めて、早急に結論を得て、市町村を指導したい、かように考えておるわけでございます。
○三谷委員 私も、いまおっしゃいますような疑問がありましたので、その手続上の問題をお尋ねしたわけなのですが、しかし、これは研究をして、借家人、借地人であることが確認をされれば、そうして地主、家主が評価額だとかあるいは統制額を明らかにしない場合には、何らかの方法で借地、借家人に対して開示をするということは間違いありませんか。
○森岡政府委員 その方向でいま鋭意検討いたしております。
○三谷委員 きょうはもう事業税の外形課税問題が朝から議論されておりましたが、外形課税の問題というのは、外形課税をする、しないという問題が一つありますが、同時に重要なのは、外形の内容は何かという問題なのです。この点を抜きにした外形標準課税の論議というものはむしろ危険な内容まで含むわけでありますから、その点から私は二、三お尋ねしたいと思いますが、この外形課税に対する自治省の考え方、何を外形標準とすべきか、いま自治省はそれについてどうお考えになっているか、これをお尋ねしたいと思います。
○森岡政府委員 外形標準課税の方式を事業税に導入いたします場合、何をその要素として考えるかということは非常にむずかしい問題でございます。昭和二十五年から昭和二十九年まで、書かれた税法でございまして、実施はされませんでしたけれども、事業税が付加価値税という形で税法上書かれておりました。その際には、御承知のように、一つは控除法による付加価値額の計算、いま一つは、加算法による付加価値額の計算、そのような付加価値額を課税標準として付加価値税が構成されておったわけでございます。その後、これが現在の所得課税の事業税に切りかわりまして、三十年代から私どもは再び外形標準課税の導入を強くこの事業税のあり方として求めてまいったわけでございますけれども、種々の基準がございますが、やはり税負担としての合理性を考えますならば、国民経済に生産、流通の段階でそれぞれ付加されました付加価値額というものが税負担を求める場合の外形基準としては最も合理的ではないか、かように考えておるわけでございます。
○三谷委員 昨年の十月二十二日の第十六次地方制度調査会の起草委員会の報告が出されておりますが、ここで言っておりますのは「事業活動に対する課税としての事業税の性格の明確化、税収入の安定性の確保等を図る見地から、当調査会としては、この際その実施に踏み切るべきであると考える。」と述べておりますが、「ただし、この場合には、外形基準の導入によって、例えば労働集約型の事業等の税負担に激変を生ずることがないよう配慮するとともに、中小企業については、負担が過重となることがないよう適切な措置を講ずべきである。」こういう指摘をしております。御承知のように、全国知事会が明年度から外形標準課税、外形標準の導入ということを実施するんだという立場に立って知事会案を発表しておりますが、この知事会案では、いま言いましたような矛盾が深化するおそれが非常に強いものがありますが、これについて自治省はどのような判断をされておりますか、自治省の見解をお尋ねしたい。
○森岡政府委員 知事会の内部で検討されております案を私も拝見いたしましたが、その考え方は、加算法による付加価値額というものを事業税の課税標準の中に導入をしたい、このようになっております。加算法による付加価値額というものは、給与、利子及び地代、家賃という要素費用を合計したものでございます。したがいまして、給与というものをまさしく課税標準にとりますれば、労働集約型の企業とそうでない企業との間では税負担におのずから格差が出てくる、これは当然のことでございます。しかし、なぜ給与というものを要素費用の一部に入れて知事会が考えておるかと申しますと、事業税に外形基準を導入するということは、企業が立地することによる行政サービス、そのコストを、所得のいかんにかかわらず、一定のものは負担していただこう、こういうことでございます。そういたしますと、従業者が多いということは、それだけいろいろな生活関連施設整備も必要でございますし、子弟の教育のための公共施設も必要なわけでありますから、行政経費の負担を所得から離れて一定のものを負担していただこうということになれば、給与を含みます加算法の付加価値額というものはやはりそれだけの合理性があるのではないか。ただ、一挙にそういうことを実施いたしますと、それは負担に相当の変動が生じますから、地方制度調査会の起草委員会報告におきましては、やはりその辺のところは経過的な激変緩和措置を考えるべきであろう、こういうふうに御指摘があったものと、かように考えておる次第でございます。
○三谷委員 事業税が物税であるということはしばしば議論されたところであって、しかもそれが地方自治体の行政上の施策の恩恵を受けて事業活動をやっておる。それに対して応分な負担を求めるという論理に立つものでありましたが、しかし、同時に、税の公平性、それから合理性というものを全く無視した処置というものも同時にこれは好ましいものではないわけでありまして、今日、付加価値というものを税の対象に導入をしますと、いろいろな矛盾が出てきます。たとえば人件費の占める比率が労働集約型には圧倒的に多い。それから資本集約型につきましてはきわめて軽微である。あるいは資本金階層別に見ましても、資本金の高いほど人件費比率が低い。資本金が低いほど人件費比率が高い、こういう傾向も実際にあるわけであります。ですから、付加価値課税が導入された場合には、こういう労働集約的な産業あるいは中小企業性産業というものがきわめて不利な課税の状況に追い込まれる。それから、人件費比率が高まってきますと、不況時になりますとすぐに労働者の人員整理というところ、あるいは賃金の切り下げというところに人件費圧縮の要因をつくり出していくというような危険な点もあるわけであります。 そこで、この付加価値ということを盛んにおっしゃいますけれども、資本金課税をなぜやらないのか、資本金課税を世界の各国でやっているところ、採用しているところはどこか、お知らせいただきたいと思います。
○森岡政府委員 いまお話しの人件費の多いところ、言葉をかえて言いますと、労働集約型の企業の負担が相対的に重くなるではないか、これは私は事実だと思います。これについては御案内のとおりでございますので、詳しくは申しませんが、やはりシャウプ勧告で指摘しておりますことは、固定資産税というものは、設備投資の大きな企業に対してその資産価格に応じて求めていこう、それとやはり労働集約型産業については付加価値税というもので税負担を求めて、そこである程度のバランスがとれるんだ、こういう指摘をいたしております。シャウプのその当時の指摘がいまの日本の経済なり国民生活に直ちに当てはまるかどうかについては、いろいろ吟味をしなければならぬと思いますけれども、しかしその考え方自身は一つの考え方ではなかろうかというふうに思うわけでございます。資本金を課税標準にいたしますると、率直に申しまして、資本は設備投資に回るわけでございますので、固定資産税との重複と申しますか、固定資産税にさらに重ねて税負担をかけていくということになりますので、その辺に基本的に大きな問題があるのではないかというふうに私は思うわけでございます。
○三谷委員 事業税の課税方式が問題になりましたのは、物税であるにかかわらず所得課税が行われておるという課税の方式の問題にもありますが、その結果、税の不公正が出てきておる。つまり資本金三百億、四百億の大企業が住民税の均等割りしか払っていないじゃないか。この不公正是正というものも事業税問題の論議における重大な焦点になっておる。だから単に論理上物税だから所得課税はおかしいという点だけでなしに、この所得課税の結果によりまして、租税特別措置法や法人税法によりまして控除されました利益というものが税に反映しないために、大企業は非常に税が安い。それを是正するという面が一つあるわけなんです。そういう面からしますと、人件費などを外形標準としました場合には、いよいよこれは大企業の方が税が安くなってきている。中小企業の方が税が高くなっている。あるいは近代的な化学産業、機械産業は税が安くなってきて、農林漁業だとかそういう種類の業種におきましては、きわめて高率な税金になっていく。つまり不公正是正という面がそこでは解決しない。そういう要素があるわけでありますから、資本金課税といいましても単に出資資本金という意味ではありません。自己資本といっているわけでありますから、利益剰余金も入ってきている。各種の引当金や準備金も入ってきている。あるいは特別償却を加えたものでありますから、要するに租税特別措置法などによりましてもうけ隠しをやってきている。そこのところを課税の対象にしていくんだということを私どもは研究しておるわけでありますが、この点につきましてはどうお考えでありましょうか。 それから、カナダにおきましてこういうふうな資本金課税を採用しておるわけでありますが、これにつきまして御承知があれば内容を御説明願いたいと思います。
○森岡政府委員 いま御指摘の資本を一つの物差しとして税金の負担を求めていく場合に、それはいわゆる払い込み資本だけではなくて、剰余金とか引当金とか準備金とかも合わせるのだ、こういうお話がございますが、しかし要は企業の自己資本でございます。御承知のように現在のわが国の企業は自己資本比率が非常に低うございます。これは大企業ももちろんそうでございます。そういたしますと、企業活動をあらわす分量として考えます場合に、自己資本だけをとりましても、それは企業活動を的確にあらわすということにはならないというふうに私どもとしては考えるわけでございまして、そういう意味合いで資本金額をとることについてはいかがかという感じが強いのでございます。 なお、カナダの例は、私いまちょっと手元に資料がございませんが、西ドイツの営業税で、資本収益、資本価値、それから給与という要素を選択して使うことができるというふうな仕組みがとられております。しかしその実態が、個々の地方団体でどういうふうな選択が行われておるかということにつきましての調査がまだ行き届いておりませんので、適切な調査をいたしました結果御報告を申し上げたい、かように思うものでございます。
○三谷委員 私どもがこの事業税の外形課税の問題を論議します場合に一番大事なことは、物価の上昇に転嫁させてはいけないということなんです。これがあったのでは事業税をふやしたけれども、それは結局は一般の消費者の負担に転嫁されてくる、これはできるだけ防いでいく、この観点というのが非常に大事なわけです。その点からしますと、コストに対する課税というのは非常に危険なものであって、コスト課税をしますならばすぐさま価格に転嫁される、物価に転嫁されていく、これをできるだけ避けていくやり方を考えていく必要がある。その点からいきますと、いまあなた・は払い込み資本金は大したことがない、これが中心だとおっしゃいましたが、いまは実際は払い込み資本金よりも内部留保の金額の方がうんと大きくなっている会社はたくさんある。いまここで各大企業の払い込み資本金と内部留保の額を並べて申し上げる準備をしてはきませんでしたけれども、質問をまとめます研究の段階ではそのことも点検をしてまいりました。非常に膨大な内部留保が行われている。しかもこれはコストではない。利益なんです。要するに利益の中から特別措置によりまして内部留保という利益隠しを認めているわけですから、その利益の中には事業の動態も明確に反映されてくる。そういう要素でありますからこそ資本金課税というもの、自己資本に対して課税をするということ、これはきわめて重要なことだと私は思っておるのであります。そして昭和四十六年の税調の基本問題小委の審議報告を見ましても、「赤字企業の企業活動に対して事業税が課税されないことは是正されなくてはいけない。そのために事業の規模ないし活動量を的確に測定することができる基準を採用することが必要である。」こういう指摘をしておりますが、そのために課税標準としては所得金額のほかに収入金額も検討の対象になる。これは収入金課税でありますから、現に電気やガスでやっているわけでありますが、そのほかには資本金課税というものも対象になる。そして付加価値等についても対象になる、こういうふうに挙げておるわけでありますから、資本金課税というものが決して奇想天外な思いつきではないということは、税調におきましても、資本金課税ということにつきましては一定の指摘をしているわけです。そういう点から見ますと、自治省のこの外形標準導入が付加価値ばかり言っているのです。それがどういう方式でありましょうとも、とにかく付加価値というものは全部コストに転嫁されるということを考えますならば、要するに、事業税というものに外形標準を導入して、そのコスト分をみんな消費者に転嫁する、そういう結果になってくるのであって、これは真の国民生活の安定につながるものじゃありません。 そういう点からしますと、資本金課税についてもっともっと研究される必要がある。もっといろんな外国の事例なども調べて、そうしてこの面におきましても十分な研究をやる余地があると私は思いますが、どうお考えでしょう。これは大臣に一遍お聞きした方がいいでしょう。
○小川国務大臣 問題は、企業の活動の量を測定する物差しとして何が適当であるかということでございます。自治省は、今日、付加価値によるべしという最終的な結論を持っておるわけではございませんけれども、やはり、先ほど局長から答弁がございましたように、これはまあ他人資本と申しますか、借入金に相当多く依存して営業しておる事業もあるわけでございまするから、活動量を測定する際に、自己資本だけに限定するということには問題があるのじゃなかろうか。これについて、先ほど来先生のお話、まことにごもっともと承っておりますが、どうも物差しとして資本金をとるということは、これはちょっと問題じゃなかろうかという感じがいたしております。
○三谷委員 どうも大臣のお答えは感覚的なお答えであって、余りよく事態を研究してお答えになっているようには思えません。 私は資本金課税といいましても、さっき説明しましたように、払い込み資本金ではなしに、事業活動を経て集積しました自己資本ですね、これも対象にするわけでありますから、決して事業の動態に合わないというものではありません。そして、特に税の不公正是正の問題ですね、あるいはコスト課税を排除するという問題こういう点などからしましても、いま事業税の外形導入ということを考えます場合に、これを全部除外をしてしまってはだめだ、これは重要な要素だという考え方を持っておるのであります。そういう点で、これはまだ最終的な方針が決まったわけではありませんが、私たちはそういう方針を研究をしてまとめておりますが、これについてもよく研究をいただいて、そして外形標準を導入しました場合、それがすぐに消費者に転嫁されるというふうなやり方は愚の骨頂でありますから、こういうことは避けてもらいたい。避けるためにどういう手段があるのか、一遍税務局長から答えてもらいたい。
○森岡政府委員 消費税でありますと、本来最終消費者に転嫁することを予定するわけでありますし、また、その転嫁のための仕組みが明確にされておるわけであります。しかし、こういう事業課税の場合には、転嫁をするかしないかということは、まさしく市場原理で決まるわけでございます。おっしゃるように、付加価値額をとればそれが直ちに転嫁をするのであって、資本金をとれば転嫁をしないということにならないのではないか。現に付加価値額を外形基準として導入することについて反対の立場をとられる人の御意見を伺いますと、転嫁ができない経費課税だから反対だ、こういう御意見もかなり強いわけでございます。ですから、租税負担の転嫁問題というのは、まさしく市場原理で決まるということを前提にして考えなければなりませんから、それで物事を割り切るということにはいかない。また、転嫁をとめるような措置をとると申しましても、それは税制では片がつかない問題、経済全体の仕組みの中の問題だろう、かように思うわけでございます。
○三谷委員 確かに基本的にはおっしゃいます点があります。いかなる形で課税をしましても、それは物価に転嫁しようとすればできるという条件があるわけであって、そのために独禁法の改正などが必要になってくるわけでありますが、ただ、私たちがこの税を論議します場合、論理的に言って物価に転嫁しにくいもの、することによって社会的な批判を受けるもの、それを選んでいく必要がある。その点からしますと、人件費課税なんというものはコスト課税なのですから、いわばEC型の付加価値税と同質のものであります。ただ、それが流通過程における課税か生産場面における課税かというだけであって、それはEC型の付加価値税と質においては変わりないわけでありますから、すぐにコストに転嫁される、してもいいという論理的な条件が存在している。ところが、自己資本に対して課税しますならば、これは要するに会社のもうけに対する課税でありますから、留保分に対する課税でありますから、これは価格に転嫁することは論理上成り立たない。やろうと思えばできますけれども、それは別の角度における社会的な批判、政治的な批判を受ける要素のものでありますから、そういう条件を残したこの事業税の改正というものを考えていく必要がある。それにつきまして、ここできょうどうこう言ったところで、まだ具体的な案が出ているわけじゃありませんから、意見を述べておきますけれども、そういう観点を抜きにして、法人事業税への外形標準課税の導入の問題を安易におやりにならぬように私は希望しておきたいと思います。 もう一つお尋ねしておきますが、地方税における特別措置の見直しの問題でありますが、自治省の資料によりますと、国税の租税特別措置によるはね返り減収額の約三六〇%に及ぶ減収が地方税の特別措置で発生をしてきておる。これの見直し、縮減合理化について、自治省はどのような基本方針をお持ちか、お尋ねしたいと思います。
○森岡政府委員 税制におきます非課税とか特別措置は、本来公共財あるいは公共的な性格を持っておるために非課税としておるというものもございますが、そのほかに租税の誘引的な機能を活用いたしまして一定の政策目的に資する、こういうことで設けられておるものもあるわけでございます。その政策目的の中には、中小企業対策もあれば、農林漁業対策もございます。あるいは公共料金対策というふうなものもございます。全般に経済政策の立場からのものもあるわけでございますが、しかし、これらの特別措置は、えてして既得権化したり慢性化したりするきらいがございます。それが負担の公平を害するという面も否定すべくもない面があるわけでございますので、私どもといたしましては、社会経済情勢の推移に応じて適時適切な見直しを行う。ある時期に必要でありましたものも、時日がたてばもう目的を終わったというものもあるわけでございます。そういう意味合いでは、できるだけ特別措置には期限を付して、その期限内でどのような政策効果が図られたかということを評価をして見直しを随時行っていく、こういうことを基本的な態度としてとりたいと考えておるわけでございます。
○三谷委員 五十一年度の税法の改正時におきまして縮減合理化の考え方として自治省が示されましたのは、新規の特別措置は原則として認めない、それから、既存の特別措置につきましては、期限切れになるものがある、それから制度創設以来長期にわたるものがある、あるいは、政策目的が達成されたか、現在はそれが適当でないもの、要するにこれは高度経済成長政策の政策目的に従ってとられました措置は現在では適当でないということになると思いますが、そういうもの、そういう幾つかの具体的な考え方が示されておりますが、今度の特別措置の修正等につきまして新規にとられましたのがあるのではないか。新規の特別措置は認めないという方針でありましたが、新規におとりになったものがどれほどあるのかお尋ねしたい。
○森岡政府委員 政府の各省の中でそれぞれの所管行政の立場から特別措置を設けて、租税の誘引的な機能を活用していきたいという要請が毎年の税制改正の際に多数出てまいります。私どもは、いま御指摘になりましたような基本的な考え方を原則といたしまして、それに対処したわけでございますけれども、しかし国民生活全般あるいは経済全般から考えまして必要最小限度やむを得ないものは、やはりつけ加えるということもまた税制のあり方としてやむを得ないことだと思っておるわけでございます。たとえば、本年御審議いただいております改正案で新たに追加いたしました非課税措置は、石油コンビナート防災法に基づきます流出油防止堤。これは現在火薬庫の防爆壁等が非課税になっております。まさしく生産に全く寄与しない、しかも災害の発生頻度といたしましてはかなり低いと考えられるものにつきまして、相当な投資をさせるわけでございますので、現行制度とのバランスも考慮いたしましてつけ加えたわけでございます。その他コンビナート防災法及び消防法に基づきましていろいろな規制の強化を行いましたが、それらにつきまして若干の課税標準の特例を固定資産税において設ける、このような措置を講じておるわけでございます。
○三谷委員 十六次地方制度調査会の起草委員会の報告の中で、政策目的と負担の公平の原則との調和という問題をうたっております。それからもう一つは、国の特別措置の影響が地方税に及ぶ場合においてはこれを回避する措置を講ずべきである、こういう指摘も行っております。ですから、これは二つの問題があるわけでありますが、負担の公平の問題からいきますと、いまおっしゃいました石油企業等における流出油の防止堤に対する特別な措置、これなどはどうも大企業奉仕という印象避けがたいのですよ。重化学工業の油を防ぐ堤防に対して特別な減税措置をするというわけでありますから、負担能力がないというわけじゃない。応能原則は持っているわけであります。それに対して新しくさらに原則を曲げて特別措置をとっていくというやり方は、依然として高度経済成長当時の政策的な減税というものがここでも生きてきていると私は考えるものであります。これは経団連がこういう要求をしておったようでありますけれども、原則として特別措置の新設は認めないとしながら、特にこのような顕著な大企業の特別措置を新しく設けるということは国民感情からしても避けるべきである、やめるべきであると私は思いますが、その点はどうでしょう。 それからもう一つは、国の租税特別措置が地方税に及ぶ場合回避する措置を講ずべきであると言っておりますが、この回避する措置についてはどのようにお考えになっておるのか、これもお尋ねしたいと思います。
○森岡政府委員 コンビナート防災法に基づきます流出油等防止堤につきましては、昨年の国会におきましてこの防災法について当委員会でかなり綿密な御審議をいただいたわけでございます。私どものあの法律に対する理解は、防油堤その他あらゆる面での規制を強化いたしたわけでございまして、その規制の上にさらに二重、三重に——万一漏れた場合にこの前の水島の事故のように瀬戸内海に流出して大変な事故を起こしてしまうことがないようにしたいということで、いわば何重にも規制を強化をいたしておるわけでございます。そういうことでございますので、私は流出油等防止堤につきまして特別措置を講じましたことは、やはり国民的な御理解を得られるものではないか、かように考えておる次第でございます。 それから法人税の所得計算における特別措置の地方税における遮断の問題でございますが、基本的には私どもは、国税において一定の政策目的で特別措置を設けられましても、それが地方税として適していない場合には遮断すべきだという考え方を持っております。ただ現在の事業税のように所得を課税標準にいたしておりますと、別の所得計算をしなければならない。たとえば仮に特別償却を法人税で認めておりますものをこちらがはねますと、別の減価償却計算をやることになりますので、納税者としては大変な負担になってくる。その辺のところも考慮しなければならないという技術的な面もあるわけでございます。しかしながら、現に中小企業等海外市場開拓準備金でありますとか、あるいは海外投資等損失準備金などにつきましては遮断の措置も講じておりますので、今後ともできるだけ国税の特別措置の影響は回避する措置を研究をし、工夫をしてまいりたい、かように考えます。
○三谷委員 回避する措置というのは要するに所得の概念の問題なんですよ。いまの所得概念が企業所得から租税特別措置、法人税法によります特殊な減額措置を講じた残りを所得という概念で律しているわけなんです。ですからそれは国税の措置であって、地方税の場合は所得というものは要するに収入から支出を差し引いたものである。その概念で税法を扱っていきますならば容易に遮断ができるわけなんでしょう。これがなぜできないのか、私どもはまことに面妖な感じを持っております。要するに国が定めております所得の概念というものは、いろいろな措置が講じられまして人為的に減額されてきている。しかしそれは国の特別措置でありますから、地方税の場合におきましてはそういう人為的な控除を排して、厳密に収入から支出を控除してこれを所得とする、こういう概念に立って課税をしますならば、この点のはね返りの遮断は容易にできるわけでありますが、この点についてはどうお考えでしょうか。 それから先ほどの流出油防止堤でありますけれども、これは国民の理解を得られるとおっしゃっておりますが、そういう流出油防止堤などを設けまして、そして国民に被害を及ぼさないということが今日における企業の社会的な責任であります。そういう責任が次第に明確にされてくる。アメリカにおきましても最近はそういう傾向が強まってまいりましたけれども、企業が企業をする限りにおきましては国民に被害を及ぼさない、その責任は企業がとるべきものであって、国民の税金でそれまで負担をしていくというような考え方には決して国民は賛成するものではありません。それが国民の理解を得られるなどとお考えになっているとしますと、まだよほど時代ずれしている。もっと新しい立場に立って、税の問題を考えていく必要があると私は思います。
○森岡政府委員 法人税なり法人事業税で課税標準を所得に求めております場合に、やはり基本的には企業会計上の計算にのっとった所得というものが課税対象の所得というふうに考えられるわけでございます。そういたしますと、たとえば、各種の引当金のように、本来、企業会計原則上経費扱いになっておりますものにつきましては、やはりこれを所得として課税対象に法人事業税だけ加えていくということは、これはいかがなものであろうか。むしろ、制度としては望ましくないと思うわけでございます。問題は、政策的な目的に基づきました特別償却とか、租税特別措置法で認めております各種の措置につきまして、回避なり排除をどうしていくかということであろうかと思います。 後段の問題につきましては、いま申しましたように、私は技術的に可能な範囲内におきまして、遮断措置を講じてまいりたいし、またいままでも講じてまいったというふうに考えておる次第でございまして、今後ともなお研究を進めたい、こう思うわけでございます。
○三谷委員 その企業会計上の所得概念というものは、いまの国の税制というものを基本にした上に立った所得概念でありますから、国税と地方税が違う限りにおきましては、地方税において、別個の所得概念を持つということは、これは課税自主権から見ましても、あるいは地方自治権から見ましても、いささかもこれは疑問のあるものではありません。しかし、これは議論になりますから、このことは申し上げておくだけにとどめておきますが、もう一つお尋ねしたいのは、国内航空機の課税標準の特例を若干縮減されましたが、同じ国内航空の離島路線に就航する航空機の場合の課税標準は逆に拡大されております。これは一体どういうことなのか。 時間がありませんから、重ねてお尋ねしますけれども、現在、この離島用の特殊航空機の購入補助金、損失運航に対する補助金の制度が存在しておる。ですから、国が補助金を出す。一方では税金をまける。非常に複雑な形で同じ対象に対する措置が行われてきている。こういう重複した複雑な措置はすべきでない。補助金なら補助制度でやっていく。減税なら減税でやっていく。しかし、税金の方では、そのような特例措置というものはできるだけとらぬ方がよろしい。特に、それが離島対策上必要でありますならばこれは補助金でやっていく。そこで一元化をしていく。二元的、三元的に扱っていくんではない、一元化する。そのことが私は必要だと思っております。そうでなければ、税法の規定はますますややこしくなって複雑になってしまう。国民が理解しにくい税法というものは正しくない。国民が最もわかりやすい税法、国民が計算ができる税法、これこそが民主的な税法でありますから、さまざまな複雑な要素が入っていって、なかなか複雑でわからない、そういう税法はできるだけ排除する必要があるのであって、補助制度がありますならばそこに一本化していく、そういう措置をとるべきだと私は思いますが、その点どうでしょうか。 それから、離島路線の航空機につきまして、一体これをどのようにしてとらえるのかということなんです。つまり、これは離島の住民の基幹的交通手段確保だ、これが一つの原因になっている。それから、離島の民政安定が一つの理由になっている。そのために措置を拡充する、こうおっしゃっている。果たして、この航空機というものが離島の住民の基幹的な交通手段であろうか。それほど一般離島の住民が航空機に依存するものであろうかという点で一つの疑問を持つものであります。 同時に、航空会社というものは離島に飛行機を飛ばしておりますのは、これは離島の基幹的な交通手段を確保するというふうな理念でやっているのじゃありません。あるいは離島の民生安定を図るのだ、こういう観点でやっているのじゃありません。離島の観光性に着目をして、そうして観光便としてこれを就航せしめておるというのが現実の事態であります。ですから、離島と地方都市を結ぶだけでなしに、さらに以遠の路線があるわけであります。中には観光収益との関係でオフシーズンには欠便という状態も起きてきている。そういう欠便という状態は離島の交通手段を確保するという減税の目的からしますと、一体どのようにこれは理解すればいいのか、まことに理解に苦しむのであります。 そしてこの離島路線といいますものは、たとえば福岡−対馬、長崎−対馬というような便もあります。あるいは鹿児島−沖繩という便がある。中に奄美大島が入っている。大阪−奄美という線もあるわけでありますが、この実態というものが離島の基幹的な交通手段の確保という実態なのであろうか。これが離島の民生安定に果たしてどのように貢献をするのであろうか。だれしもが疑問を持つ問題であります。しかし、減税措置の拡大というものはそういう根拠によって行われましたが、ここのところをひとつ明らかに納得できる説明を願いたいと思う。
○森岡政府委員 税制における特別措置による誘引機能と補助金との関連につきましては、私どもも基本的には、補助金を交付をして措置をすべきものは補助金を交付をして措置すべきであり、それにかわる措置として税制を使うということは妥当ではないと考えております。 ただ、現実問題として、いままでなかなか私企業に対して補助金を出すということも困難だというふうな経緯もありまして、政策的に税制が使われているということは、これは否定すべくもございません。しかし、基本的な考え方としてはそのような観点に立って対応してまいらなければならぬという気持ちはかねがね持っておるところでございます。 それから離島航路の航空機でございますが、具体的な内容は省令で決めることにいたしておりますけれども、離島航路に就航実績から見て八割以上就航しておる航空機に限定いたしたいと思っております。したがいまして、これはかなり限定されます。たとえば南西航空でありますとか、そういうふうな小さな航空会社で、離島に対して往復しておる飛行機が大部分でございます。 航空機が離島交通になり、離島の振興にどれだけの影響があるかということでございますが、これは奄美の例をとってごらんいただきましても、各島に全部飛行場を設けてほしいという要請が地域から出ているほどのことでございますので、こういう離島における航空機なり、飛行場の利用というものの持つ意味というものはかなり大きなものだと考えるべきだと考えております。
○三谷委員 そういう地域振興対策というものが税金の中で行われちゃだめですよ。それは補助でやっていくということがたてまえでありまして、現に離島用の特殊航空機の購入に対する補助金も存在しておりますし、それから損失運航に対する補助制度、つまり赤字路線に対する補助制度、これも存在しているわけでありますから、それを拡大してもらって、税は税として納めてもらう。そのような一元化こそが必要であると私は思いますが、大臣どうでしょうか。
○小川国務大臣 私は税制上の措置で地域の振興を図ってはならぬとは理解しておらないわけでございます。今日、過疎地その他に対しまして税法上の特例を設けるというやり方は長い間にわたって定着をしておると存じます。仰せのように割り切れば、これはさっぱりするかもしれませんけれども、そういうお考えの基本というものに対しては必ずしも私は賛成をいたしません。あらゆる手段を講じておくれた地域の振興を図るべきものだと存じますから、税法の上で何らかの恩典を与えることをやってはならぬとまでは考えておらないわけでございます。
○三谷委員 大臣の答弁では税務局長の答弁とは大分違っておる。税務局長の答弁を聞きますと、これはできるだけそのようにして整理すべきであると言っておる。あなたは、できるだけあらゆる手段を使うんだ、こうおっしゃっておる。行政の簡素化ということはいまの重大な課題なんでしょう。政府もそれを言っておるわけだ。だから税は税として取ります、税でそれを処置するんではない、税で補助するんじゃない、税は取ってもらって、取った税を補助金として一元化していくということでありますから、これは何も補助を否定するものじゃない、援助を否定するものじゃない。いろいろ複雑な、あれもこれもやるんじゃなしに、もっとこれは行政の単純化、一元化を図っていく、そういう観点からしましてもその方が本筋であるということを言っているのであって、それについて大臣の意見をお聞きしたわけです。
○森岡政府委員 やや食い違っておるのではないかという御指摘でございますが、私もその税制を活用することが全部いけないという気持ちは持っておりません。ただ、補助金でやれるものについてはできるだけ補助金でやっていただくという方が望ましいという気持ちを持っておるわけでございます。しかし、大臣がお話しございましたように、税制をまるっきり地域振興に活用しちゃならぬという気持ちを毛頭持っておるものではございませんので、御理解を賜りたいと思います。
○三谷委員 大臣を擁護するために無理な答弁をしなくたってよろしい。要するに、できるだけ整理をして補助金でやれるものはやっていくというのが主眼であって、あとのところはおまけにすぎないわけで、言いわけをしているにすぎませんが、大臣がもしもそういうふうなお考えであるとしますと、それは行政の簡素化という面から見ましても決して好ましい考え方ではありません。これを指摘しておきます。 時間が来ましたから、きょうはこれで終わります。
○地崎委員長 永原稔君。
○永原委員 きょうは、地方税法の問題ですけれども、その前に、財源として非常に地方税法が果たしておる役割りは大きいのですが、その財源の点で気になる点がありますので、先にその点をお伺いしたいと思います。 実は、一兆円減税に関連しまして、政府案として三千億の税額控除というのが固まりました。この財源措置についてはまだ決まっておりませんけれども、恐らく自然増収でこれがカバーされるのかどうか。決算を見なければわからないというお答えが返ってくるのではないかと思いますが、五十二年度、現実に三千億の税額控除がなされますので、これに対する地方財政の財源措置をどういうようにお考えになっていらっしゃるか、臨時特例交付金とかいろいろあろうかと思いますが、お考えをまず最初に承りたいと思います。
○首藤政府委員 ただいま御指摘をいただきました今度の追加によります三千億の減税に関する問題でございますが、さしあたりの措置といたしましては先生御案内のように、ことしの国の所得税の歳入額を減額をいたしておりませんので、予算づら上はただいま予定をしておる地方交付税は確保される、こういうことでいまは乗り切っていくわけでございます。ただ、先生御指摘のように年度末近くになって、あるいは第三・四半期ごろになって国の方の予算上、この三千億の減税がそっくりそのまま減収になるとかあるいは相当程度減収になって補正予算を組まなければならぬと、こういうような事態が出てまいりますれば、それは当然地方財政、交付税に影響が出てまいりますので、このときは地方財政の方もまた改めて所要の金額の積算をいたしまして、少なくとも当初に組んでおりましたような交付税は完全に確保する。これは借入金になりますか臨特になりますか、いろいろやり方はあろうと思いますが、そういう意味で完全に確保したいと考えております。 それからもう一点、国税の所得税が減税になるので明年度の住民税に影響が出やしないか、こういう御質疑もあろうかと思いますが、これは先生御案内のように、今回の減税措置が税額控除方式がとられるかっこうに落ちつくのじゃなかろうかと思っておるわけでありまして、そうなりますと住民税の場合にはこの減税による影響を遮断をすることができる、つまり所得計算の面は従前どおりの所得計算ができますので、住民税には影響を及ぼさない、こう考えておる次第でございます。
○永原委員 先に質問する前にお答えをいただいてしまいましたので、その点はよくわかりました。 それに関連しまして、また今度は六百三十四億、社会保障あるいは社会福祉関係の経費がふえるということで国庫支出金の財源措置がなされました。これは地方住民にとっては非常に喜ばしいことなんですけれども、さてこれが歳出にはね返ってまいりまして六百三十四億が一般会計の分野で九百八十八億になる、それに国家公務員の共済組合、地方公務員の共済組合あるいは公共金業体の共済関係、そういうので支出増を見込んでいくと百七十二億、合わせて千六十億の給付ベースの歳出増になる、こういうように承っておりますけれども、そのときに地方財源が一体幾らになるだろうか、そのことが気になりますので、おわかりになったら教えていただきたいと思います。
○首藤政府委員 ただいま御指摘の六百三十四億余りの国の予算修正の地方財政に及ぼす影響でございますが、地方財政の普通会計に対しましては、これらの修正補助金のうち、たとえば生活保護関係であるとか、児童保護関係であるとか、こういうものが地方に影響を及ぼしますので、歳入と.いたしまして七十五億円ほど国の補助金が増加歳入になる、これに伴いまして地方負担も出てまいります、この出てまいります地方負担は約四十七億円だと踏んでおります。先生御承知のようにただいまの地方財政計画の中にはすでに計上済みの追加財政需要額、つまり予備費、これが三千五百億ほどございますので、四十七億程度の地方負担の増であれば十分この中で消化できる、したがって、財政計画に大幅の手直しを加えるこういう必要はなくてやっていける、このように考えておる次第でございます。
○永原委員 その点はよくわかりました。 税法の点について伺いたいと思います。今度の所得税減税について、やはり五十一年度水準を維持するというような観点から五十二年度の経済指標、これに掲げられております年度間平均の消費者物価上昇率八・四%を考えながら三万円基礎控除をするというような方針がとられ、人的控除がそういうように決められましたけれども、これをそのまま地方税にはね返らせなければ、恐らく控除失格者、この人たちが個人の県民税などの所得割りを納める場合に影響が出てくるという観点から、苦しい地方財政の中で人的控除の引き上げを行った、こういうように伺っております。ところが基本的な考え方はやはり五十一年度の水準に合わせるのを目安として、三万円の所得税の人的控除の引き上げを行った、こういうのが地方においてはそのまま八・三%ということで示されておりますけれども、国の場合は一〇・一%、そういうようなことで大分差があります。もう少しこういうものについて関連性を持たせて考えていく必要があるのではないか。先ほどお配りいただいている資料ですけれども、これを拝見しましても、所得税と住民税の課税最低限の累年比較、これを見ていって大分差があります。私はこれは片っ方が暦年で片っ方が年度ということになっていますので、この比較が必ずしもそのままのめるとは思いませんけれども、五十二年度に限って見ていった場合に、五十二年度の所得税の課税最低限が二百一万五千円、そして地方税が百四十一万八千円ということになりますと、その差は七〇・三%、こういうようなことになってしまいます。これはこの資料とは合わないわけですけれども、いまお示しいただいているのは七七・五という数字を書いてございますが、実際現実に五十二年度の課税最低限を比較した場合には七〇・三というように離れてしまっているわけです。やはり、片方においては一〇・一%の伸びを見、片方では八・三%の伸びにとどめた、そういうものがこの差をますます拡大しているような気がするんですけれども、ここにはどういうお考えでこの八・三%というのをお決めになったのか、その辺の事情を承りたいと思います。
○森岡政府委員 住民税の課税最低限と所得税の課税最低限の比較につきましては、お話しでございますが、住民税は前年所得課税でございますので、住民税の五十二年度分と比較いたしますのは、所得税の五十一年度分と比較をしなければ正確な比較にはならないわけでございます。それが七七・五%ということでございます。 それから、課税最低限のアップ率が住民税は八・三三%でございますが、これは五十二年の物価上昇率八・四%というものを頭におきまして、実質的な課税最低限が五十一年度よりも下回らないように調整的な減税をしようということから金額を決めたわけでございます。ちなみに、所得税の場合も、一〇・一%となっておりますが、これはたとえば二万七千円とか二万八千円とか、こういうふうな端数をつけることは問題がございますので、一律三万円ということにいわば切り上げてやりました結果一〇・一%になっている、かように私は考えております。 なお、さらにつけ加えて申しますと、所得税は五十一年度では全く減税を行っておりません。したがって、五十一年度の百八十三万円が五十二年度百八十三万円に横すべりいたしました。それから、一〇・一%の課税最低限の引き上げでございますが、住民税の場合には、五十一年度で、給与所得者につきまして給与所得控除の平年度化によって課税最低限の引き上げが行われております。そこで、五十一年度、五十二年度を通じて見ますと、二八・四%課税最低限の引き上げが行われておるわけでございます。所得税と対比してアップ率をごらんいただきます場合には、一〇・一%と八・三%ではなくて、一〇・一%と一六・四%ということで御理解を賜りたいものだと思うわけでございます。
○永原委員 非常に説明がむずかしいと思いますが、そうすると、今度は所得税の方が五十一年の物価上昇率を何も考えなかったというようなことになってしまいますし、五十二年の消費者物価の平均上昇率八・四%が基準になったというようなことになりますので、ちょっと一貫性がなくなるような気がするわけですが、一応、大蔵委員会の方でも同じ問題を質問しましたので、この点については私はこれ以上の質問は留保します。 そこで、法人県民税について、これは今度三段階に均等割が決まっているわけです。一億円、一千万円から一億円、それから一千万円、この三段階に分かれていますが、実際、工場の規模あるいは従業員あるいは生産額、そういうようなものを見ましても、一億円で切るのが果たして適当だろうかどうか、ここに疑問を持つわけです。 これは全然性格が違いますので、比較するのは適当でないと言えばそれまでですけれども、たとえば登録免許税のようなものにつきましてもやはり規模によって差をつけている。これは比例税制ですから、千分の七というのでずっと比例制になっていますから額が変わってくるわけですけれども、最高十五万円という打ち切りになりますので、必ずしも私の言い分とマッチしないかもしれません。しかし、こういうような規模の大きなものについて一億円で打ち切るというようなのでなく、もう少し段階を設けてもいいんではないだろうか。印紙税法においてもやはり、たとえば契約などについては額の大きいものについて段階を設けていく、こういうような細分化が今度の税法改正でなされたわけですが、やはりこういう県民税についても——法人は一法人だ、生産額が大きくても小さくても、規模が大でも小でも同じだというような見方が果たして正しいだろうかどうか。ここに疑問を持ちますので、こういう点について御意見を伺ってみたいと思います。
○森岡政府委員 印紙税なり登録免許税につきましては、御質問の中でも御指摘がありましたように、登録免許事務あるいは文書の作成行為の背後にあります担税力に着目して課税する税でございますので、最近におきます取引規模の増大などを頭に置きまして、さらに細分化したというわけでございますが、法人住民税の均等割は、御承知のように法人の所得でありますとか、収益でありますとか、そういうものと全くかかわりなしに、均等の額によって原則として税負担を求める、こういうたてまえをとっておるわけでございます。そこで、資本金の額でありますとか、そういうものによってある程度の差を設けることは現在すでに実施しておるところでありますが、それを細分化していくことにつきましてはおのずから限界があるのではないかという気持ちがいたしておるわけでございます。一千万円、一億という現行の区分につきましては、私どもといたしましては、ほぼこの区分が妥当だという考え方に基づいて今回の改正案も御審議をお願いしておるわけでございます。 なお、将来の問題としては検討は進めたいと思いますけれども、余りに細分化いたしますと、これは結局資本金額に応じる課税ということにもなりかねない、それはやはり均等割の趣旨から言いますと問題があるのではないか、かように思っておるわけでございます。
○永原委員 次に進みます。 非常に次元が低くなりますけれども、軽油引取税の免税の問題、これはいま製材とかチップ製造、木工業者の使用する軽油引取税、こういうものについて何か御配慮いただけないかということなんですが、現状を見ますと、免税の軽油を使っているいろいろな業者、こういうものを調べてみますと、その場合に業界の何か力というのが反映しているような気がしてしようがないのです。アンバランスができておりますけれども、これは知事が認定するというものの、一定の基準を自治省で御指導になっているのではないだろうか、こう思いますので、免税軽油を使用する場合の認定基準を何かお持ちかどうか、最初に教えていただきたいと思います。
○森岡政府委員 軽油引取税は道路目的財源でございますので、基本的な考え方といたしましては、道路を走行する車両とか自動車とか、そういうところで使用する軽油に対して課税をするというのが原則的な考え方ではございますけれども、しかし個々のユーザーが軽油を使用いたします態様というものは非常に入りまじっております。そこで税制といたしましては、軽油引取税の免税範囲を決めます場合に、そこのところは余りに拡大をいたしますと混合してしまって、本来道路に使用するものまで非課税になってしまう、こういう問題があるわけでございます。 そこで、軽油引取税創設以来、免税範囲については随時見直しを行ってきておりますけれども、使用の実態から言って、本来非課税範囲にすべきものと非課税範囲の対象外にすべきものと分別がなかなか困難であるという業態につきましては、これは非課税軽油にはいたさないということで続いてまいっているわけでございます。御了承願いたいと思います。
○永原委員 一つ例を申し上げます。 製材業というのは林業なのか、工業なのか、非常に議論が分かれるところですけれども、農林関係の免税の点について一つこういうのがございます。素材生産業を主として営む者、これの使用する動力源としての軽油が免税対象になっているわけです。ですから、製材業も、素材生産、立木伐採ですけれども、これと何ら変わりがないのではないか、こういう気がするのです。 その他の例を挙げてみますと、たとえば港湾運送のため使用されるブルドーザー等、これはナンバープレートをつけていないものですが、この動力に使用する軽油は免税になっている。それから通運業で、業として駅の構内において使用するフォークリフト等、こういうようなものもやはり免税になっています。今回国鉄が利用するものについてもやはり政令で指定するものについては免税ということが改正で規定されておりますが、こういうような類がずっと見られるわけです。 特にパルプについて、これはパルプといいますと製材、木工と非常に関連性が強いわけですが、パルプ製造及び抄紙工程における樹脂障害抑制に使用する軽油、こういうようなのがやはり免税になっております。ところがチップは、これはパルプの原料です。大半のチップ製造者は製材業者であり、あるいは木工業者の兼業生産、こういうことになっております。専業がなくなってしまったのは税金のためだというようなことさえ言われているのですけれども、こういう製材あるいはチップ製造、木工業者の使用するブルドーザーあるいはフォークリフト等、これはもちろん構内を走るのですからナンバープレートはつけておりません。こういうようなものの使用する軽油引取税、これは免税にしてもしかるべきではないか、こういうように思いますけれども、こういうような考えはいかがでしょうか。
○森岡政府委員 軽油引取税の免税範囲につきましては、先ほど申しましたように、まず第一に道路の使用に直接関連を有しないと認められるもの、これは免税にするというのが基本的な考え方でございますけれども、しかし企業によりまして道路用のトラック、道路を走行いたしますトラックに使います軽油と、それから構内だけで使います軽油とが渾然一体となっておりまして分別がつかないというものがあるわけでございます。それらにつきましては、たとえば生産費の中で占めます軽油の消費額の比率がかなり大きいものにつきましては、これはやはり相当なコストに対するプレッシャーにもなろうかということで、免税範囲に加えるというふうな検討もいままでしておるわけでございます。あるいはまた、他の石油製品と代替が困難であるかどうかというふうなことも一つの免税範囲を決める基準の一つとして考えてきておるわけでございます。 簡単に考えれば、道路で使えないやつは全部非課税にしたらいいじゃないかという議論ももちろんあるわけでございますけれども、やはり税金の負担でございますのでアンバランスが出ては困る、道路用でないということで免税の届け出がありましたけれども、よくよく調べてみたら道路用に使われておるというふうなこともあり得るわけでございますので、その辺のところは非常にむずかしいわけでございます。 なお、御指摘の問題につきまして、いま申しましたような基準も踏まえまして今後検討してまいりたいと思います。
○永原委員 いま消費の大小というお話も出ましたけれども、そういうのが結局業界の力の差ということに業者としては受け取るわけです。やはり大きなところが免税を受け、小さいところほどそういう恩典に浴さないというような不満を持ちますので、いま御検討いただくという御回答でしたので、ぜひその点をお願いしたいと思います。 最後に、一番問題になるのは、私は有料道路の税負担の問題だと思うのです。静岡県は通過交通量が非常に多い。そういう中に東名高速道路などが走っております。また、観光県であるだけに有料道路が非常に発達しております。こういう中で、通過交通であるだけにメリットもない、デメリットの方が非常に大きいというような市町村が多うございます。しかも、アクセス道路をつくるなど関連事業が非常に多くて、財政負担も多額になってまいります。いま再建に苦しんでいる国鉄でさえもやはりこういうものについて交付金を支出しているわけですけれども、公団の道路のようなところは、当然償還のための料金の中にそういうものが含まれているんではなかろうか、こういう気がするのです。あれだけ膨大な土地を提供している市町村、しかも多くの財政支出を余儀なくされ、またデメリットで住民の不満を一手に引き受けて、何らかこれに対策を講じなければならない市町村、そういうことを考えますと、何としても有料道路の固定資産税について実現を図っていただきたい、こういう気持ちですが、どういうお考えでしょうか、伺わせていただきたいと思います。
○小川国務大臣 公社、公団等の事業用資産で、有料なものに対しましては固定資産税をかける、あるいは納付金の負担を求めるということをやっておるわけでございます。また同時に、お説のように高速道路が通過いたします沿線の市町村、いろいろな財政負担あるいは公害の問題あるいは救急医療の問題、かさんできておるという事情もございます。 そこで、道路公団あるいは建設省と折衝をいたしたわけでございますが、正直のところ、時間切れという形で今回は実現できなかったわけでございます。継続して話し合いをいたしまして、明年度においてはぜひ実行できますように努力をしてまいりたいと思っております。
○永原委員 いま大臣が一生懸命やってくださるということですので、ぜひ実現しますように最後に要望いたします。 同僚議員の質問が続きますので、私の質問はこれで終わらせていただきます。
○地崎委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○地崎委員長 速記を始めてください。 川合武君。
○川合委員 私は、地方税法のあり方の基本についてお伺いをいたしたいと思います。 地方税とは、申し上げるまでもございませんが、地方団体が持つ課税権、しかも、それは地方団体の固有の権限として備わっておるものだ、私はこういうふうに考えておりますが、その課税権に基づいて賦課徴収する租税であって、そして地方税法の第三条が指し示すごとく、基本的な事柄は地方団体の条例で定めることとされている、こう思うというよりも、これは当然の申し上げるまでもないことでございます。ところが、現在あるところの現行の地方税法は、地方団体をがんじがらめに拘束しておって、地方団体の自主性を認めてない、こう言ってもいいんじゃないかと思います。あえて言わしていただくならば、地方団体は地方税法の定めるところに従っての単なる集金の係をやっているだけではないか、こんなふうに思う。したがって、現行の地方税法を根本的に改めるべきだ、こう思うのでございますが、この見地から二、三お伺いをいたしたいと思います。 まず、目的税でございますが、この目的税は中央政府が税の使い道を特定しておる、こういうことはおかしいんじゃないかと基本的に思います。使い道は、地方団体の判断に任していいんじゃないか、目的税は廃止すべきじゃないか、こう思いますけれども、自治省の見解を伺いたいと思います。
○森岡政府委員 地方税法についての基本的なお考えでございますが、地方団体に課税権を付与いたします場合に、どのような税目を地方税として定め、どのような税率によって負担を求めるか、また課税標準をどうするかということは、地方税法によって定めるということが現在のたてまえ、これは憲法もそれを予定しておると私どもも考えております。したがいまして、そういう仕組みの上で成り立ちます地方税法というものの中で、地方団体の税務あるいは財政の自主性というものをできるだけ確保するような措置を講ずる。これは常に心がけてまいらなければならない事柄だと思うのであります。 その場合に、目的税というものが地方団体の財政運営の自主性を非常に損なっておるかどうかということでございますが、一般的に申しまして、目的税は財政運営の弾力性を阻害する面があることは否定できないと思います。国の財政の場合もそうでございます。地方財政の場合も同じことだと思いますけれども、しかし目的税というものが租税負担と行政との受益関係、その結びつきが非常に直接的であります場合に、目的税という形で負担を求め、その使い道をその受益に見合った形で支出をしていく、これはやはり財政として別に非難しなければならぬことでもない。ただ、目的税の範囲が余り大きくなりますと、財政運営の弾力性が失われるということではなかろうかと思うのであります。 翻って、現在の目的税を見ますと、たとえば地方道路目的財源でございますが、これは自動車関係税が道路目的税になっておりますけれども、これはまさしく道路を拡幅し、改良し、舗装するという必要性を生み出しておりますのは自動車でありますから、それに着目をいたしまして、自動車関係税を目的税とするということは合理的ではないか。ことに地方道の整備が立ちおくれているわけでありますから、それが一般財源として使われるよりは、むしろ生活関連道路の整備を中心とした地方道整備の目的税として措置をするということについては十分納税者の納得も得られるところではなかろうかというふうに思うわけでございます。その他の目的税も若干ございますが、道路目的財源に比べますと非常に微々たるものでございます。そういう意味合いにおきまして、目的税の基本的な評価の問題がございますけれども、少なくとも道路目的財源を中心といたします現在の目的税制度につきましては、これを廃止するというのは必ずしも考える必要はないのではないかというのが私どもの考えでございます。
○川合委員 いま、先ほど憲法の話も出ましたが、地方税のあり方について基本的に論議すべき点はあると思います。ただ私どもは、先ほどから申し上げますように、なるべく地方団体の判断に任していくべきじゃないか、こういう基本的な立場に立っての質問ですが、次に非課税の規定がございますね、地方税に。これがまた非常に数が多い。これは地方団体の課税権を奪っている、こう言ってもいいと思うのです。いま数多くの非課税規定、いわば国が、中央の政府が一方的に地方団体に非課税を押しつけておる、こういう現状に対して不当じゃないか、こう思うのですが、二、三の例を引いて自治省の所見を伺いたいのです。 まず、第一に、国の固定資産あるいは国鉄、電電公社等の固定資産、これが非課税。しかし、私はこういうものといえども地方団体の行政、たとえば衛生行政あるいは消防活動、地方団体の行政の利益を受けておる。しかも中央政府は、国だからといって、あるいは国鉄だからといってあるいは電電公社だからといって、一方的に非課税ということを地方団体に押しつけるということはおかしいじゃないか、こう思うのですが、考え方を伺いたいと思います。
○森岡政府委員 国もございますし、また都道府県もあるわけでございます、たとえば固定資産税なんかを考えました場合。しかし、国や地方団体が持っております資産の中で純粋の公共財、これはたとえば国会の施設もそうでございますね。これにつきまして固定資産税負担を求めるということは、これはやはり地方税制の仕組みとしては、私はとるべきじゃないと思うのです。逆にまた、都道府県庁の建物について固定資産税を課する、こういうふうな形で純粋の公共財に課税するということは、これは税制としてむしろ回避すべきことであろう。問題は、国や都道府県が持っております資産の中で、固定資産税を課税されておりますものと用途なりあるいは性格なりが似通ったものにつきまして、ただ国や公社が持っておるから非課税にするということは問題がある。そこで、御承知のように、固定資産税は非課税としておりますけれども、公営住宅でありますとかあるいは公務員住宅のような通常の固定資産税を課されておりますものと同じようなものは、市町村交付金という制度を設けて固定資産税に準ずる負担を求めております。三公社につきましては納付金という形で、これもまた固定資産税に準ずる負担を求めているわけでございまして、要は国なり都道府県が持っております資産の用途なり性格に応じて課税、非課税の分別整理をするということではなかろうかと思うのでございます。
○川合委員 いま納付金の話も出ましたけれども、これは固定資産税の半分ぐらいのものじゃないか。そうですね。なぜ納付金とか交付金とかいうややっこしい制度を設けなければならないのか、固定資産税でいいじゃないか、こう思うのですが、その点はどうでしょうか。
○森岡政府委員 やや沿革的な問題があろうかと思います。国税におきましても地方税におきましても、国と地方公共団体の間は相互に非課税だという考え方といいますか、原則がまず最初にあったと私は思うのであります。いずれも租税収入をもって経費を賄っておる統治団体でありますから、したがって、税金でもって税金を払うというのは何かおかしいという気持ちが基本にあったと思うのであります。そこで、国は地方に課税しない、地方は国に課税しないという基本的なたてまえがあって、固定資産税の非課税規定が設けられたと思うのであります。しかしながら、いま申しましたように、国が持っておる資産でありましても、用途なり性格から申しまして、固定資産税に相応する負担を求めるべきだということにつきましては、その非課税制度を踏まえて納付金なり交付金という制度が設けられておる、かように理解しておるものでございます。
○川合委員 沿革はあるかもしれませんけれども、非課税規定というものが非常に多くなっておる。こういうことになると、取るべきものは取り、払うべきものは払う。原点という言葉もおかしゅうございますけれども、やはり基本にもう一遍立ち返るべきじゃないか。国だからといってあるいは公社だからといって、そこに一つの特別な考えを持ち出すと、だんだんだんだんと非課税の規定というものが広くなっていくのじゃないか、こういうことを懸念しているわけです。恐らく自治省といえども非課税規定をふやそうふやそうと思っておるのではないだろうと思います。 そこで、次にお尋ねしたいのですが、産業用の電気がどうして非課税なのか、その理由を改めて伺いたいと思います。
○森岡政府委員 産業用電気のうち、コストに占める電気料金のウエートがかなり高いものにつきましては電気税を非課税にしております。一定の基準を設けて、その基準に該当するものを非課税品目として法律で非課税の対象としておるわけでございますが、その基本的な考え方は、電気料金がコストの中で多大に占めておるものにつきましては、やはり経済全体に与える影響、物価に与える影響等を勘案いたしますと、しょせん原料課税でございますから、その結果大きな影響を与える。したがって、それは回避すべきだという考え方に立った非課税規定であろう、かように考えるわけであります。
○川合委員 私は、国税が国の経済政策という立場から特別措置を講ずるというのならばこれはわかります。けれども、経済政策を講ずるのならばそれは経済政策として国が処置すべきことであって、それだからといって、国がそう判断した、中央政府がそう判断したからといって地方団体にまで直ちに非課税を押しつけるというのはどうも私どもの気持ちからすると納得できない。経済政策から非課税にすべきだと判断するのは地方団体であってしかるべきじゃないか。中央政府が押しつけるということは私どもの考え方とそぐわない、こう思うのです。 次に、法定普通税は、地方税法四条のただし書きあるいは五条のただし書きに書いてある、そのただし書きの場合以外は課税しなければならない、「但し、徴収に要すべき経費が徴収すべき税額に比して多額であると認められるものその他特別の事情があるものについては、この限りでない。」、このただし書きの場合以外は課税をしなければならない、こういうわけですね。そうしましたときに、課税を行わなかったという場合に、地方財政法二十六条で、交付税を減額するとかあるいは一部返還を命ぜられる、ああいう規定がございますね、制裁規定みたいなのが。法定普通税の課税を行わなかった場合には、交付税を減らすとかすでに渡したものを一部返還する、こういう地方財政法二十六条の規定の適用を受けるわけですか。
○森岡政府委員 法令の条文の解釈といたしましては当然対象になるわけでございます。
○川合委員 法令の解釈になればそうなるということは適用を受けるということですか。
○森岡政府委員 ちょっと言葉が足りませんでしたが、現実にその適用をした具体的事例はいままでございませんが、法令上は当然なるということでございます。
○川合委員 適用がないならば、これは地方財政法の方だから現在は税務局長の方の所管ではないかもしれないけれども、しかし自治省としては、大臣もお耳にとめておいていただきたいのですが、これはおやめになった方がいいんじゃないか、改正した方がいいんじゃないか、これは地方自治に対して失礼じゃないか、私はこう思うのですが、どうでしょうか。
○森岡政府委員 何度も御指摘ありますように地方税につきましては自主的な運営が必要でございますが、同時に府県間、市町村間、地域間の納税者の負担のバランスということも考えなければならぬわけであります。先生御承知のように、地方税法ができました当初は、たとえば住民税などは五つの課税方式が認められておりました。かなり多彩な負担の求め方が市町村の選択によって認められておったわけでございます。しかしそれについては、サラリーマンが転勤をいたしますと東京に比べて地方の方が住民税が高いというふうなことで、税負担の均衡化を求める納税者の要請というのがかなり強いということから、課税方式も現在一本に統一してきた、こういう経緯もあるわけでございます。したがって、地方税法で定めております法定税を、ある団体はほかの収入があるから課税をしない、そういう収入のないところは課税をする、たとえば財産収入が非常にたくさんあります場合に住民税はやめてしまうというふうな話に仮になりますと、これは地域的な納税者の負担のバランスというものから考えますと問題がございます。やはり法律でその辺の均衡を図っていくという措置は必要であろうかと思いますので、失礼であるかどうかの問題でございますけれども、この程度の税制上の仕組みあるいは地方財政法のたてまえというものはあってしかるべきものではないかと思うわけでございます。
○川合委員 私は、地方自治に対して失礼だ、ことに実際は適用されてないけれども、いわばおどしとしてこういう規定を置いてあるのだというのは、どうも地方団体と国との間の信頼関係が失われつつある現状から見てもやはり考慮を要するのじゃないか、自治大臣、こう思うのです。 時間の関係もありまして次に進めさせていただきます。 地方財政法の五条一項五号というのは、普通税の税率が標準税率以上の団体の公共施設、公用施設の建設事業でなければ地方債を認めない、こういう規定でございますね。いろいろ書いてありますけれども、簡単に言うといま私の言ったことになりますね。これはどういうわけかと言うと、税務局長あれかもしらぬが、私らから見ると、これまたどうも気に入らないのですけれども、五条一項五号のあらねばならぬわけ、これまで強い規定を設けなければならない理由を伺いたいと思います。
○森岡政府委員 地方債は後年度に負担を残す財源調達手段でございますから、長期にわたる地方公共団体の財政運営の健全化を念頭に置いて考えます場合には、やはり地方債の発行については慎重であってしかるべきだというのが基本的な考え方だと思うのであります。やたらに地方債を発行することはやはり慎むべきことであろうと思います。 そこで、法定税目につきまして標準税率以下の課税をするということは、それだけ財源に余裕があるということに帰すると思うのであります。他の地方公共団体が標準税率で課税しておりますのに、特定の税目について標準税率未満でしか課税しないということは財源に余裕があるわけでございますから、財源に余裕がありながら、一方において後世に残す借金を地方債でやるということについては望ましくない。そういう趣旨からこの規定が設けられておるものと思うのでございまして、財政運営の健全性を確保するという観点からしますと、こういう地方債の発行についての規定というものもそれなりの意味を持っておるものというふうに思うわけでございます。
○川合委員 地方債をやたら発行されては困る、こういう大局的な見地に立つならば、これはほかの委員からのお話にもあったかと思いますけれども、地方税法の問題とは離れるかもしれないけれども、各地方団体の起債の枠を制限すればいいと私は思う。その枠内にあるならば地方団体の判断に任してもいいんじゃないかと思う。そのぐらいの自由というものが地方団体にあらねばならぬと思う。普通税の税率が標準税率以上でなければ地方債は認めないのだ、そういうおっかない自治省でなくともいいんじゃないかと私は思う。もう少し、地方自治というものについての信頼、地方団体への信頼を持っていくべきでないかと思う。 次に進みまして、地方税法の中に宅地開発税というのがありますが、宅地開発税を実施している市町村の数は幾つでございますか。
○森岡政府委員 現在のところございません。
○川合委員 してみると、地方税法でいろいろとがんじがらめに規定をされておるけれども、こういうように実際には行われてない税もある。宅地開発要綱というのがあって、そして宅地開発要綱について、その内容がいいか悪いか、こういう考え方がいいか悪いかということの論議はここにしばらくおいて、これはやはり地方団体の知恵だと思う。地方団体の知恵によって生まれた宅地開発要綱だと思う。この宅地開発要綱によって行政が行われて、宅地開発税というものは一つも行われてない。それで私は、地方税法が余りややこしくて、そして地方団体を縛りつけているので、だんだんと現実遊離していくおそれもある。この一つをもってそういう大げさな言い方をするのも慎しまなければならないとも思うけれども、しかし、一つのあらわれのような気もする。この点について税務局長、宅地開発税がなぜ行われなくて、そしてまた宅地開発要綱で行政が行われているということに対してどういう感じを持たれているか、伺いたいと思います。
○森岡政府委員 宅地開発税は、昭和四十四年に設けた税目でございますが、これは法定税ではありますけれども、市町村が宅地開発税を課税することができるという、いわば任意の税目でございます。この宅地開発税につきまして、現在実施されていない理由はいろいろございますけれども、要約して申しますれば、この宅地開発税の使い道が非常に身近な関連公共施設に限られておるということ、それから通達をもちまして、その税率につきましてかなり低い税率の指導が行われておるということでございます。そのようになりましたゆえんは、政府部内でこの宅地開発税を創設いたしますときにいろいろ関係省庁で意見がございまして、最終的にそのように落ちついたということでございます。 したがいまして、宅地開発税はまさしく帯に短い——短過ぎるものでありますから、現実問題としてなかなか市町村はそれによらないで、宅地開発要綱によってむしろ弾力的な運用をする方に進んでおるということであろうと考えます。
○川合委員 この次お尋ねすることは、自治大臣にお答えをいただきたいと思います。自治大臣の率直なお感じで結構でございまして、技術的なことではございません。 いま、大臣もお聞き及びと思いますが、私が質問しただけでも、現在の地方税は地方団体を中央政府ががんじがらめにしているような気がしてならないのです。それで、元来固有の徴税権を持っている地方団体ですけれども、それは、あるいは沿革、あるいは構成というようなことから税務局長の説明はあったけれども、しかし、余りにも地方税法によって地方団体の自主性は縛られている、それは否定されていると言ってもいいぐらいだ、こう思うのです。私は、この有斐閣の六法全書でございますが、これを見ましたときに、八百四十ページから九百二十九ページというのが地方税法の分でございます。このぐらいの厚さでございます。それで、八百四十ページから九百二十九ページですから、大体九十ページここにあるわけでございます。それでも、これで全条文を載せ切れないで、これを見ますと、「地方税法(抄)」というので、抜き書きになっています。この有斐閣の六法全書は、ほとんどの法律の条文が全文載っている。そう言ってはおかしいですが、非常に特殊な法律だって全条文が載っている。しかし、われわれにとってみれば重要な地方税と思うのですけれども、この重要な地方税法が抄という形で、要するに抜き書きしか載っていない。抄で載っておって、しかも九十ページだ。余り地方税法が長いというか、条文が多くて膨大で、さすがの有斐閣も載せられなかったと言うべきか、あるいは余り細か過ぎるので、もううんざりしちゃって有斐閣が載せなかったと言うべきか。私は、どう思っても、税務局長の現行の地方税法に対して忠実なる解釈はよくわかりますが、しかし、どうしても余り細かいことまで地方税法が規定して、そして地方団体を縛りつけている、こういう感じがいたします。自治大臣、どんなお感じでございましょうか、お伺いいたしたいと思います。
○小川国務大臣 目的税でございますとか、あるいは租税特別措置というような問題につきましては、局長から答弁を申し上げたとおりでございます。 いまお尋ねの地方税法だけ抄という形で記載されておるということは、私もまことに残念でございますが、これはいろいろな事情があるようでございます。それぞれの税目について質問検査権だとか、あるいは脱税の罪だとか、同じことを全部書いてある。これは沿革的にシャウプがそういうふうにしろと言ったからそうしたというような事情もあるようでございまして、そういうわけで地方税法が大変膨大なものになっておるという事情もあろうかと存じます。ただ、地方公共団体の自主権を尊重するというたてまえから、余りこれをがんじがらめな形にしてはならないという御趣旨には全く私も同感でございます。今後これを整理していくというような機会がありますれば、もっと簡素な形に直していきたい、こう考えております。
○川合委員 私は現行の地方税法を基本的に改めるように検討をしていただきたい、こう思うのですが、私の考えを述べさせていただきますならば、地方税法は税目と課税標準だけを決めて、そして税率などは条例準則を定めてそれを地方に指し示す、こういうことにとどめても、現在の自治省の迫力ある指導ならばそれでやっていけるのじゃないか、こう思います。あるいは標準税率を定めず、ただ、どうしても税の秩序の上からこれ以上は困るというような上限だけを決めて、それ以下は自由、こういうことにする。標準税率は決めない、そして上限だけを決める、こういうふうに基本的に地方税法を改めても、指導——指導というか、地方団体とあうんの呼吸を合わせて相互信頼のもとに立っていくならば、私はやっていけるのじゃないかというふうに思いますが、税務局長、改めるお気持ちはありませんでしょうか。こういうふうに基本的に地方税法を改めるお気持ちはないでしょうか、伺います。
○森岡政府委員 税制でございますから、地方団体に対する課税権の付与ないしは税源の付与という面と、それから納税者の負担の合理的な求め方という面と、両方あるわけでございます。先ほども申しましたように、地域的に余りに大きな負担のアンバランスが出ますと、これはやっぱり地方税に対する納税者の信頼が失われることになると思います。それが第一点でございます。 第二点といたしまして、すべての地方団体が税収だけで財源を賄うことができますならば、おっしゃるようなシステムをつくることも可能かと思いますが、しかし、税源は明らかに地域的に片寄っておるわけでございますので、税収だけでは住民のニーズにこたえ得ないという団体もかなり多いわけであります。そこで交付税制度を通じまして財源調整を行って、各地域団体に一定レベル以上の行政ができて、住民の要請にこたえられるような財源措置を講じておるわけであります。そういたしますと、やはり標準税率制度というものがございませんと、交付税の財源調整機能というものはそれにリンクしないわけでございます。そういう意味合いで、財源付与のあり方といたしましてもやはり標準税率制度というのは必要であろう、負担の面と財源付与の方式の面と両面から考えまして標準税率制度というのは必要であります。むしろ税目の大多数を一定税率にしますと、おっしゃるように地方団体の自主性を本当に奪ってしまうということになるわけでございます。標準税率制度というのは、むしろ地方団体の自主的な財政運営を保障しておる仕組みであろう、私としてはかように考えておるわけでございます。
○川合委員 地方税法のあり方の基本についての私の質問はこれでとどめますけれども、税務局長の言われる現行の法律の地方税の内容あるいはそれの解釈あるいはそれの立法されている理由、それは無論いろいろしかるべき立法理由があって生まれている、このことは当然だろうと思います。しかし、私がくどく言いましたように、その立法理由を考えても、これだけ地方団体をがんじがらめにして、余りにも縛りつけるとなるともはや地方団体の課税権——私どもは固有の課税権だと思うが、それについての侵害ではないか、不当なる干渉ではないか、こんな感じがします。地方自治に情熱を燃やす自治省でありますからひとつ基本的な検討をしていただきたい、こう思います。 最後に、地方団体の税源の充実について質問をいたしたいと思います。昭和五十年七十五国会で、「国・地方を通ずる税源配分を再検討し、地方の自主財源を充実強化するよう努めること。」との附帯決議がなされております。さらに昭和五十一年には七十七国会で、「昭和五十二年度を目途として、」ということで、ただいま申しましたような七十五国会の、地方の自主財源充実強化に努めることという附帯決議に重ねられたわけでございます。その後、政府はこの附帯決議に対しましてどういう取り組み方をなされて今日に至り、そして今回提案された地方税法改正案の姿になったのか、その点について自治省は附帯決議の実現のためにいかに努力されたのか伺いたいと思います。
○森岡政府委員 五十一年度の地方税法の改正案及び五十年度の地方税法の改正案で御指摘の附帯決議が付せられておりますことは事実でございます。私どもは附帯決議の趣旨を踏まえまして、地方税源の拡充ないしは税源再配分問題について積極的に取り組んでまいりました。ただ五十一年度、五十二年度の予算編成過程におきましては、先ほど来大臣からも繰り返して申し上げておりますように、経済の状況が非常に不安定であります。この状況のもとでかなり基本的な税制改正を行って、たとえば一般的増税を実施して地方税源を拡充するというふうな措置を講ずるには客観的情勢がきわめてむずかしいという状況にあったわけでございます。そのような中でございましたけれども、定額課税を見直しますとかあるいは特別措置の整理を精力的に行いますとか、そういう形を通じまして、税源の拡充を図る措置を講じたわけでございます。しかし、抜本的な税制改正によります地方税源の拡充というのには、率直に申し上げまして手がついておりません。その問題につきましては、昭和五十三年度以降五十年代前期の期間におきまして、できるだけ速やかに附帯決議の趣旨に即するような税制改正、見直しに着手いたしたい、かように考えておる次第でございます。
○川合委員 最後に大臣にお伺いしたいと思います。 いま税務局長は一生懸命やったんだとおっしゃったけれども、しかし率直に申して附帯決議の国、地方を通ずる税源配分を再検討し、地方の自主財源を充実強化するというのとは、ちょっと今度の地方税法改正案はそれの附帯決議を実現されたとは思いません。 私は、地方団体の税源の充実を図るためには、国税地方税を通じて、税制全般にわたって基本的な検討を加えて、そして昭和五十三年度を目途として国税の地方団体への移譲など、国と地方団体の間の税源の再配分を行うべきだ、こういう内容をいまこのときこそ法律にあらわすべきだと思う。そうでないと地方団体の税源充実はいつまでも日の目を見ないで実現されないで日がたっていく、こういうふうに思いますけれども、自治大臣どうお考えか所見を伺いたいと思います。
○小川国務大臣 附帯決議の御趣旨を実現しなかったということはまことに遺憾に存じますが、さればと申して、これ漫然日を過ごしておるというわけではございません。国、地方を通ずる税制の抜本的な改正あるいは地方への税源移譲という問題を含めまして、根本的な見直しをいたしまするためには今日の経済環境というものは適当でございませんから、一日も早く国の経済を安定成長の路線に乗せる、その時点でこれを実行していかなくてはならない。その時期は遅くとも昭和五十五年の前半期でなければならないと考えておるわけでございます。そういう時期が一日も早く来るように、私どもも景気の浮揚、経済の安定ということに全力を注いでまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○川合委員 大臣に決していやみを申し上げるわけではございませんけれども、大臣も税務局長も国の経済ということをおっしゃったけれども、無論それは現実でございましょう。しかし、私どもから言わせれば、実際に仕事を行っているのは地方団体であって、御承知のように、よく言われるように、全体の仕事のうち七割まで仕事を行っているのは地方団体であり、それにかかわらず三割、七割の逆の比率の税しか持っていない、こういうところのことを考えた場合に、もっと基本的に地方団体の税源充実のためにがんばっていただきたい。それがまた当然のことではないかと私は思いながら、私の質問を終わります。
○地崎委員長 次回は、明二十三日水曜日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時五十分散会