地方行政委員会 第3号
- 発言数
- 192 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1977/03/15
会議録
○地崎委員長 これより会議を開きます。 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありまので、順次これを許します。佐藤敬治君。
○佐藤(敬)委員 一番先に委員長にお伺いしたいのですが、会議の運営のことにつきまして、選挙の結果、保革伯仲という新しい状態ができました。この委員会も逆転委員会みたいな形になりまして、全く十五対十五の同数になって、これからいろいろ新しい運営の仕方をやらなければいかぬと思いますけれども、この出席について、私の方もできるだけ督励しますので、与野党伯仲の状態で緊迫していなければいかぬのに、理事が二、三人で留守番しているというような委員会では非常に国民に対しても申しわけない状態だと思うので、できるだけ督励して出席率を向上させるようにひとつ努めていただきたい、これをまずひとつお伺いしておきます。
○地崎委員長 承知いたしました。
○佐藤(敬)委員 それから、これは新聞で仄聞するところによりますと、逆転委員会を何とかしたいというので、委員長に二票与えようという動きがきょうのあれであったりするようですが、もしこういうようなことがあれば、この委員会の運営ということに非常に大きな影響がありまして、私どももこれに対する何とかの措置を考えなければいかぬと思いますので、委員長は、委員長に二票与えるということにどういう考えを持っておるのか、ひとつお聞きいたします。
○地崎委員長 これは私の個人の見解でありますが、そういう考え方には反対であります。
○佐藤(敬)委員 結構でした。どうかひとつそういうふうにお願いしたいと思います。 そこで、大臣にお伺いします。 きのうの予算委員会に自治省が例の地方財政の中期見通しを提出したと、こういうことを私はきのうの夕刊で見ました。私はこれは非常に重要な資料だと思います。せっかくここで地方行政委員会が審議をやっておりますから、これをぜひ私もほしいと思って、実はきょうの質問でいつ出すかと、こういうことをお聞きしようと思いましたが、ゆうべの夕刊で、これが出ておるということでありますので、実はびっくりしました。地方行政委員会がこれの最大の所管の委員会です。それに出さないで——予算委員会に出すということには何も文句はありませんけれども、同時ぐらいに地方行政委員にも渡す——私はけさ来ましてこれが渡されているのかと思いましたら、まだ来ていません。新聞の切り抜きだけ私は持ってきましたけれども、こういうことはやはり最大の所管委員会である、直接の所管委員会である地方行政委員会にいち早く提出すべきである、こう思いますが、いかがですか。
○小川国務大臣 これはまことに不行き届きのことでございまして、さようなおしかりをいただいて本当に恐縮をいたしております。当然の配慮を欠いておった、申しわけないことであります。すでに準備できておると思いますので、至急配付を申し上げます。
○佐藤(敬)委員 これも大臣にお伺いしたいのですが、私どもいま二期目にようやく入りました。一期目は四年でありましたけれども、この一期の間に自治大臣が江崎、町村、福田、天野と四人もかわりました。一年に一人ずつ自治大臣がかわっている。この短い期間に、小川大臣で私どもは五人の自治大臣にお目にかかったわけです。これでは私は、どうも腰のすわった施策は何もできないだろうと思います。これは任命するのが総理大臣でありますけれども、私は大臣は非常に適任だと思いますので、ぜひひとつじっくりと腰を据えて、いま難関に直面しているこの地方行政、これを根本的に立て直すためにひとつがんばってもらいたい。もっとも、福田内閣どこまでもつかわかりませんけれども、ぜひひとつそういう心構えでがんばっていただきたい、こういうふうに思います。どうですか、ひとつ所信を……。
○小川国務大臣 私もまことに不敏非才の者でございますが、いろいろ御鞭撻を受けつつ、おぼろげながら物事がわかりかけてきたという状況でございます。御指摘のとおりでございまして、じっくり腰を据えて、願わくは勉強したいと思っておりまするので、福田内閣がつぶれませんようにひとつ……。
○佐藤(敬)委員 そこで、その気概を込めてひとつ御質問をしますけれども、地方事務官問題です。これはいままで述べました四人の大臣、全部これをやりますというので、非常に力強く宣言をしてまいりましたけれども、やりますと言っては交代し、やりますと言っては交代してついに何もやらなかった。これが、いま申しました交代することによって責任がなくなる、こういうようなことでは困るので、ひとつやっていただきたい。 しかも、この問題については与野党一致して、五十一年三月末までに地方に身分の移管をするという附帯決議までつけてあるんです。こういうようないきさつがありますので、ぜひひとつやっていただきたい。去年も、この問題を出しますといって、わざわざ内閣提出の法案の下にくっつけて、そしてついに出さなかった。ことしも出しております。しかし、ことしこれでできますかと言ってヒヤリングのとき聞いたら、むにゃむにゃと言って、どうもできないようなできるようなわからないような口ぶりなんです。しかし、去年出してことし出さないと、もう出す意思はないのではないかといって突っ込まれると思ってことし出していると思うのです。あれは本当に出す気があるか、その見通しがあるかをひとつはっきりと意思表示をしていただきたい。
○小川国務大臣 これは国会の御決議の趣旨を実現いたしますために、私も就任以来及ばずながら努力をいたしたわけで、ぜひともこの国会に法案を提出したいということで、いろいろやってまいったわけでございます。 ここで取りつくろったことを申し上げても仕方ありませんので、ありのまま申し上げますが、その見込みが遺憾ながらだんだん薄れつつあるというのが現状でございまして、まことに残念に思っております。ぜひともこのことは努力を継続いたしまして、実行に移したい、これからも引き続いてやってまいるつもりでございます。
○佐藤(敬)委員 一生懸命やるけれどもますます可能性が薄れるということはどういうことですか。どうもちょっと私どもには理解できません。
○小川国務大臣 それは改めて申し上げるまでもなく、関係省を説得して了承をとらなければならないことでございまして、非常に抵抗がありまするためになかなか実現できずにおるというのが実情でございます。
○佐藤(敬)委員 しっこくは言いませんけれども、この問題は地方六団体がこぞって長い間非常に強く希望しております。しかも、この地方行政委員会でも、自民党さん絶対多数のあのとき、満場一致で附帯決議までこれはつけてあるんです。しかもその所管が自治省なんです。だから、もっと毅然たる強い態度でもってこの問題をぜひひとつ解決して、今国会に出すように御努力をお願いいたしたいと思います。 それからもう一つ、これは最近の新聞に、建設省と国土庁が例の土地税制の緩和について非常に強く働きかけておるようです。今度の五十二年度の予算の段階でも、自治省に対してこれを非常に強く働きかけたというような記事もありますけれども、そのとおりですか。
○小川国務大臣 お答えいたします。 建設省からお言葉にあるような要請があったことは事実でございます。ただ、私どもといたしましては、今日なお地価の動向にも予断を許さないものがございまするし、必ずしも完全に鎮静したとは申し切れないわけでございまするし、まだ値上がりを待って未利用のまま保有しておるという土地も相当あるというふうに実態を認識いたしておりますので、今日の土地税制の基本的な枠組みというものは堅持してまいりたい、こう考えております。 ただ、優良な宅地造成に関連する徴収猶予の制度でございますが、これは、猶予期間が設定された後にたとえば災害が起こるというような事情も出てまいるでございましょう。そういたしますと実情に即した対処が困難となるわけでございますが、こういう点につきましてはある程度の改善を加えなければならないかと思っております。しかし、現行の土地保有税、これは一つの政策税制でございますから、この取得し保有された日本住宅公団等の利便施設あるいは廃棄物の処理場の用に供する、こういう土地については今回非課税の措置をこういうものに限って講じておるというわけでございます。
○佐藤(敬)委員 これは最近どさくさに紛れて、膨大な土地を買い占めて、そうして今度はそれが売れなくなったので、政府に非常に圧力をかけているといううわさがちょいちょいあります。新聞にもそれがあからさまに書かれてある。私どもの考えでも、いま大臣がおっしゃられたように、いまの段階で土地税制を緩めるということは、値上がり待ちのこの土地の所有者を喜ばせるだけで、宅地の供給にはつながらない、こういうふうに思います。いま大臣のお話にあったように、今後もこの土地税制についてひとつ堅持していただきたいとお願い申し上げておきます。 それから、今度の予算で不幸にして消えてしまいましたが、自治省も地方団体もその創設を非常に強く期待しておりました地方団体金融公庫、これについては現在でもまだ自治省はこの設立を望んでおりますか。
○小川国務大臣 これは政府内部で見解の一致を見ませんでしたために今回は実現をしなかったわけでございますが、御高承のように、地方債の消化ということにつきましては意を用いまして、政府資金もふやす等の——公営企業金融公庫の資金もふやす、あるいは市場公募債の資金もふやす、こういうことも実行に移しておりまするし、問題であります小中学校の施設の整備のための地方債については全額政府資金で引き受ける、まあ、いろいろなことをやりまして当面の地方債の消化には、私どもといたしましては万全の手を打ったと信じております。しかし、やはりこの公庫を設置するということの必要性を断念したわけじゃございません。これが存在するということは、地方公共団体にとりまして一つの安全弁になるでございましょう、安心感を与えることでございましょうし、金融機関等も余り非常識な要求を出さないということになると信じておりますので、引き続いて大蔵省と協議の上実現を図りたいと考えておるわけです。
○佐藤(敬)委員 非常に国、地方を通じて公共債が多くなってまいりました。特に地方では縁故債が非常にふえてきた。こういうことで、いろいろな手段を講じているにもかかわらず、この必要性というものはいま大臣がおっしゃられたように、やはり非常に強くあると私も思います。そこで、この地方団体金融公庫、この構想、私どもの方から議員立法でもってこれを提出すれば自治省は差しさわりか何かありますか。
○小川国務大臣 この場で私は大いに歓迎でございますと申し上げますと、これは物議を醸すかと存じますが、議員提出で立法なさるということ、これも国会の御自由でございますから、とやかく申し上げるつもりはございません。
○佐藤(敬)委員 まあ、余り強く突っ込まないであれしておきましょう。 今度のこの地方税の問題について少しお伺いしたいと思います。 この地方税の問題で一番大きな問題になっているのは、やはり法人税の伸びが少し大き過ぎるのではないか。住民税の減税を差し引いてもなおこの地方税が一八・一%伸びている。この理由は法人税の伸びの二四・二%にある、こういうふうに言うわけでありますけれども、二月十六日に大臣が予算委員会でこういう答弁をしておりますね。「今後は高度成長時代のように巨額の自然増収に期待することができない」、こういうふうに御答弁になっておられるんです。しかし、この法人税の伸びというものは、現在非常に景気が沈滞している、しかし今度はよくなるだろうということで、景気を先取りして法人税の伸びというものを見たのだ、こういうふうに思います。そうしますと、この大臣の高度経済成長時代のような自然増収はとても期待することができないということと、この二四・二%の法人税の伸びを見るということは矛盾しませんか。
○小川国務大臣 確かに高度成長時代のような大幅な自然増収ということは見込めませんでしょうけれども、それでもなおかつ経済は六%、七%の成長を遂げるわけでございますから、相当の自然増収を引き続いて期待できる時期が来るに違いない、またそういう時期を到来せしめなければならないと考えております。 この税収の見積もりにつきましては、二月三日に決定いたしました政府の経済見通しあるいは最近の課税実績というものを材料といたしまして算定したわけで、これは甘過ぎる見積もりだとは私どもは考えておりません。この数字をはじき出しますについてどういう作業をしたかということについては、ただいま税務局長からお耳に入れます。
○森岡政府委員 ただいま大臣から申し上げましたように、経済見通し、課税実績を基礎にして計算いたしましたが、特に申告所得の伸びを、前回予算委員会で申し上げたかと思いますが、生産と物価相乗いたしまして一七%見ております。そのほかに五十一年度の実績の若干の増もございますので、それらを合わせますと適正な見通しであると考えております。
○佐藤(敬)委員 その作業の内容については、この間の予算委員会でお聞きしておりますので大体わかっておりますが、それで、なお考えまして、それほど果たして可能なものかどうかということについて非常に疑問を持っておるのです。 この間発表されました五十二年度の都道府県の予算案、これを見まして、ばらつきがまことに大き過ぎると同時に、こんなに税収がとても入らないのじゃないかと思われるような、こんなことを言ってはまことに失敬なんですけれども、ただ数字の上のことを言うのですから許していただきたいのですが、たとえば山形県、これが前年度比三三・六%伸びているのですね。私は隣の秋田県ですが、一体どうして三三・六%というようなとてつもない地方税の伸びが出てくるのか、ちょっとやはり理解できません。徳島県も三一・一%、佐賀、長崎県が三一・五%、ここで長崎県の人が非常に感心しておりますけれども、本当にびっくりするくらいの伸びを見ているのです。これほど一体伸びるということはちょっと考えられませんけれども、これをあなた方、どういうふうに考えますか。
○森岡政府委員 ただいまお示しの資料は、五十一年度の各県の当初予算対五十二年度の当初予算の税収計上額の率でございます。県によりまして、当初予算の税収計上額をかなり抑制的に計上しますところとそうでないところがあります。そういうふうな関係で県ごとにばらつきがかなりございます。と同時に、五十二年度の税収見通しは、先ほど来申し上げましたように全体で一八・一%程度の増収は期待できるものと考えておりますけれども、これまたやはり県ごとに若干のばらつきはもちろんあると思います。その点につきましては、更正によります財源調整によりまして十分適切な財源保障がなされるものと、かように考えておるわけでございます。
○佐藤(敬)委員 このばらつきは非常に思惑の違いだと思うのです。私どもが地方自治体でやっておりますと、こういうような財源不安定なときは、もう普通ならば必ず引き締めなければいけない、事業なんかもぐっと引き締めていかなければいけないし、税収もうんと、過大見積もりをできるだけしないようにやるのが当然なんです。ところが一方において、今度の予算というものは公共事業をどんどんやって、そして景気をよくするという一つのあれを持っている。この自治体の財政を何とかしっかりしょうというのと、政府のあれに従って公共事業をどんどんふやして、少しぐらい危険だけれども予算を見ようじゃないか、税収を見ようじゃないか、それによってこういうもののばらつきというものがここに明らかにあらわれてきているのですね。 それで私は、自治省の考え方からいくと、最初に私が言いましたようにむしろ税収もなるべく少なく見て、そして後年度には赤字がなるべく出ないようにきちっとした引き締めをやるべきだ、こういうふうに思っておりますけれども、今度の予算は必ずしもそうではない。どうしてそういうふうになったかというと、いま言ったように景気をよくしなければいけないということなんですね、それが予算にあらわれているのです。 これは新聞の切り抜きですけれども、たとえば徳島県では、年度後半からの景気は回復する、あるいはまた広島県でも、景気回復を見込んで思い切って見積もった、あるいはまた岡山県も、最大限の見込みで、これが狂うと赤字が避けられない、こういうふうな非常な期待を込めたかなり危険な数字がここに出ているのです。私は、もしこれが狂ったら地方財政というのはとんでもない危険にさらされるのじゃないか、こう思って非常に心配しているのですが、果たして景気がよくなるかどうかということ。この前の一般質問のときも、倉成経済企画庁長官とやり合いましたけれども、必ずしもこういう期待どおりにいくとは私はとても考えられない。たとえばこの間の設備投資の工事ベースによるところの中間報告、これを見ましても政府の期待する一二・二%、これに対してこの集計はわずかに二・五%しか設備投資が伸びないだろう、こういうふうに言われているのですね。これは支払いベースじゃなくて工事ベースですからね。これを見ますとこういうふうに景気がよくなるということはちょっといまの段階で考えられないのじゃないか。いまこの地方財政に、府県のあれに見積もられている伸びというものは、これは高度経済成長時代の伸びとほとんど同じです。そういうような伸びが、今度のこれでもって低成長だと大臣も言っているときに、果たして見られるだろうか、こういうことが私は非常に心配なんです。いまでも大変な状態の地方財政なのに、これがもし大幅に狂ったならば、収拾の方法がつかなくなるじゃないかという危険性が非常に強く感じられるわけです。地方財政だけではなくて、国の予算全体が先行きの景気がよくなるだろうという期待を現実に引っ張り出してきて、そしてそれを現実のものとして予算を組んでいる。とらぬタヌキの皮算用というあれがありますけれども、まさにこれは皮算用予算で、タヌキ予算で、年度が過ぎてしまったら化かされておった、こういうことになりかねない、非常な危険性を持っている、こう思うのです。本当にこういうふうに景気がよくなるということを、大蔵省や経済企画庁じゃなくて、あなた方はこの間から聞いておりますと、国の経済成長率に合わしてつくったのだ、本当に取れるかどうかというあれではないと言って、首藤財政局長もこの前言っておりましたけれども、そんなことではやはり困ると思うのですよ。やはり大蔵省は大蔵省、経済企画庁は経済企画庁として、自治省としては果たしてこの地方財政というものを確実に実行できるかどうか。このことに対するかなりな見通しを持っていなければいけないと思うのです。去年出した収支試算表、物すごく大幅に、少しどころではない、大幅に狂ってきて、あれと同じことがまたことしも新しく出した試算表から大幅に狂うということになれば、これはとめどがつかなくなる。どこまで落ちていくかわからない地方財政になってしまうじゃないかという危険性がありますが、景気の見通しに対して、自治省としての考え方はどうですか。
○小川国務大臣 きわめてごもっともの御指摘と思いますが、私どもといたしましては、さきに成立いたしました補正予算、あるいは景気浮揚のために年度内にとられましたもろもろの施策、あるいは最近の公定歩合の引き下げ、それから公共事業の拡大というような施策が必ず効を奏して、経済安定の方向へ、景気は立ち直る方向に向かっていくに違いないと信じておるわけでございます。 地方公共団体に対しましては、こういう状況下で一般行政経費の節減あるいは財源の重点配分というようなじみな財政運営をやるように常々指導してきておるわけでございますが、景気の回復ということに対して、地方公共団体がそれぞれ相当強い期待を抱いておる結果が今回のような予算になっておるものと理解をしております。
○佐藤(敬)委員 期待をするのはいいですけれども、期待を現実と錯覚して、期待してこのぐらいあるだろうというものを現実に取り入れてやって、それが狂ったときには大変なことになる。ここのところが心配なので、これは後でやりますけれども、心配なのでいま申し上げておるわけで、これはやはり私どもの見通しとしては必ずしも景気がいま政府が考えておるようによくなるとは思われない。ほとんどの専門家が、よく評論している専門家でもって、当初はぱっと線香花火みたいになるだろうけれども、必ず中だるみみたいな、ことしと同じような結果になるのではないかというあれがほとんどです。ある人は、この間も言いましたけれども、土光経団連会長なんか、これは底抜け経済だ。これは話八割にしても、底にひびの入った経済くらいであるだろうと思うのです。なかなかそう簡単によくならない。特にいま私、ちょっと申し上げますけれども、たとえばこれは山形県のことばかり言って、もし山形県の人が知ればまことに気の毒ですが、三三・六%という大幅な地方税の増を見ております。しかし、この間、東北地方の農政局長が集まって農家所得を調べたところによりますと、東北地方はおしなべて大体一〇%の農家の所得減になっているのですね、この間の冷害、ああいうもので。ことしもこの大雪害があり、さらに長期の天気予報によりますと、どうも冷害らしい。こういうような状態になってきますと、農村地帯のど真ん中にある山形県というものが、この税収というものを、これは法人税がどのくらいあるかわかりませんけれども、こういうふうに大きく見れるかどうか、こういうのにも非常に危惧を感じるのです。これも余り長く言えませんけれども、ここのところが今度の地方税というものの非常に大きな問題点だと私は思いますので、この点をかじ取りを間違わないようにひとつ指導していただきたいと思います。 それから税に関しましてもう一つ申し上げますが、今度の税法改正に国保税が十五万から十七万に上限を引き上げるように出ておりますね。この前の国保税を十五万に引き上げたときも、私ども社会党が、根本を直さないでただ税を高くするということは困る、だからよくひとつやりなさいということを、厚生省なんかと折衝して根本的な改革をやるようにという意見を申し上げましたけれども、今度これが十五万が十七万になりました。恐らく来年あたり十九万か二十万に必ず引き上げられると思うのです。どんどん一年おきに、もう十万が十二万になり、十五万になり、十七万になり、二十万になる。そのたびにまず国保税の世帯平均が大体二万から四万ぐらい、高いところで上がっている。ついこの間、三年ぐらい前まで四万ぐらいだったのです。もっと低かったかもしれません。ところが、これが十五万になって——私、いま自分のところの農村地帯の一つの郡をみんな調べてみましたが、六万ぐらいのところから、それが世帯平均の保険税が大体十万を超えている。少ないところで十万ちょっと足りないけれども、十万を超えているところがあるのです。今度これが上限を十七万に引き上げると、これはもう確実に十二、三万ぐらいに一世帯平均当たりが上がっていきます。これは場所によって違いますけれども、農村地帯ならほとんどそうです。高額の所得者がいないから、上限を上げるということは、これは累進課税ではなくて下限をどんどん上に上げていくことなんです。貧乏な農村の世帯平均が十万を超えるということは大変な問題なんです。交付税を少しぐらいよけいにしたり、あるいは所得税をちょっと減税したり、そういうものとは比較にならないほど大きな増税になっているのです。公共料金を上げます。いやなら汽車に乗らなければ払わなくてもいいけれども、これは税金ですから必ず払わなければいけない。しかも毎年毎年二万、三万、四万という形で非常に大きな税金の伸びがあるのです。いまや国保税というものは農家の被保険者にとっては最大の重税です。過酷な重税になっているのです。これを直さなければいけない。しかし、これを私どもがいま十七万にするのを抑えると、国も金を出さない、保険税も取れないとすれば、地方が金を出さなければいけなくなる。地方にも金がないとすれば破綻するしか手がないのです。しかし、このままで毎年毎年どんどん上がっていったら、必ず国保会計というのは破産すると私は思います。 いま健保改正がこれから問題になるようです。あれも同じです。何も根本的なメスを加えないで、ただ金が足りないから保険料を上げろ、今度三十二万から三十八万になるようですけれども、これを繰り返していったならば大変なことになる。毎年二五%から三八%ずつ医療費が上がっていっているのです。恐らく五十二年度の国民総医療費は十兆円になると思います。それを全部こういうのでカバーしていくということになりますと、とてもこれは負担に耐え得るものじゃない。人間の命を救うところの医療保険というものが、逆に人間の生活をつぶしてしまうことになる。だから、これをただ上げるだけではなくて、何とか厚生省ともっと話し合いをして、根本的にこれをやらなければだめだと思います。もしそれをやる意思がないとすれば、私ども野党はほかの党と相計らって、健保と同じようにこれを否決しなければいけないと思います。これは非常に困ることでありますけれども、否決でもしなければ、あなた方は根本的なものにメスを加えようとしない、こう考えるしか手がない、私はそう考えております。 まず第一にやらなければいけないのは老人医療を切り離す。これは非常に大きな問題になっています。薬づけ診療をやめて薬価基準をもっと下げる。少なくともこういうことをやって、この医療負担というものを低くしなければ、とても十七万というのを認めることはできないと私は思うのです。大臣はどうお考えですか。
○小川国務大臣 これはまことに長い間の問題でございまして、税を払う人の負担ももとよりでございますが、地方財政を圧迫する大きな要因になっているわけでございます。御指摘のように、ただ税を引き上げていきさえすればいいという問題ではございませんから、やはり現行の制度の根本に改善を加えていくことがどうしても必要だと考えておりますので、ひとつ御鞭撻のもとにその方向で一生懸命関係省と折衝をするつもりでおります。
○佐藤(敬)委員 国保には非常に大きな問題があると思うのですよ。というのは、これは所管の問題です。実際にこの国保をやっているのは厚生省なのです。自治省は窓口で財政的なものしか取り扱っていない、そこに非常に大きな問題があると思います。しかし、しりは必ず地方自治体に、市町村にはね返ってくる。市町村の管轄は自治省です。厚生省の管轄だから自治省は知らぬというような態度をとらないで、もっと積極的にやってもらいたいと思うのです。ひょっとすると、自治省も市町村と同じようにこの国保の被害者だと考えているかもしれないと私は思っている。こういう考えではいつまでたっても伸びていかないと思います。国保は行政的に見ると一番力の弱い市町村がやっている。三千や五千ぐらいの市町村でさえも国保をやっているのです。保険事業を三千や五千の市町村でやること自体が間違っていると私は思います。けれども、それにしても、力の弱い市町村だけでやっているので、君子危うきに近寄らずで、知事や県は全然これに立ち入ろうとしない。私は市長をやっているときに、とてもこれでは困るから、現行法のうちでやれるところの一部事務組合を全県的につくってやったらどうかと言ったけれども、絶対に乗ってこないのです。幾ら市町村が騒いでも、それが政府に対するプレッシャーにならないで、いつまでたってもこういうような状態が改善されないのではないかと私は考えておりますので、ぜひひとつこの際大臣にがんばっていただきたい。国会では何にも問題にならない。去年の十五万に引き上げるときでも、国会では国保の問題についてただの一人も質問しないのです。しかし、私どもが地方に出ていきますと、最大の問題はこの国保の問題なんです。どうして末端の市町村の声がこの国会に届いてこないのか、この断絶はどこにあるのか、このことをよく考えまして、自治省が中心になって、市町村の財政を立て直すためにもひとつがんばっていただきたい、こういうふうに思いますが、御所見をひとつ。
○小川国務大臣 私自身も非常に長い間にわたりまして、選挙区へ帰る都度非常に切実な訴えを聞いて今日に至ったわけでございます。今日この立場になりましたから、力が足りませんが、ひとつ大いに努力してまいるつもりでございます。
○佐藤(敬)委員 交付税のことについてちょっとお伺いしますが、この交付税については、もうすでに至るところで質問を受けたでしょうから、内容については申し上げません。ただ、一番問題になっているのは、今回の措置が、政府の方は交付税法によるところの制度の改正である、こういうふうに言っています。私どもは、これは制度の改正ではない、ここのところに一つの論点があると思います。しかも、これが制度の改正であるとすれば、これは来年度も同じような方法が必ずとられると私は思います。恐らく再来年も同じ方法がとられるでしょう。ただ、その間に増税があるとか景気が非常によくなるとかして税収がよくなる、そういう問題があれば別ですけれども、しかしここ一、二年の間にそういうような状態が来るとは思われませんから、少なくともここ二、三年はそういう状態になるだろうと私思います。そうしますと、この間の大臣の答弁から見ましても、まずことしと同じような方法がとられていく、こう思います。 ところが、これもこの間の答弁でお伺いしましたけれども、ことしは地方財政にそごを来さないように万全の措置をやった、こう言っているのです。ところが、ことし万全の措置をやった、来年もまたそごを来さないように、また再来年もそごを来さないように、その年その年ではそごを来さないかもしれないけれども、これが二年たち三年たってずっと年度が続いていくと大変なそごを来すのです。これは今度出したところの中期の収支試算でもよく出ています。一つは、どんどん起債がふえていく、そしてそれの償還費がどんどんふえていくのですね。そしてだんだん硬直化する。これは交付税の特別会計でも同じです。新しい試算がどういうふうになっているかわかりませんが、私が本当に簡単に計算したものですが、これでいきますと、昭和五十五年になりますと、恐らく公債の償還額が三兆五千億ぐらいになるのではないか、こういうふうに思います。そうしますと、これはもう大変なもので、幾ら政府からつぎ込んでも、公債費がこんなに三兆円も五兆円もになれば——政府の試算では二兆八千億ですから、私の試算が決して無理なものではないのです。こんなに膨大な金を返さなければいけなくなる。なぜかというと、一年一年のその場しのぎをやっている。なるほどその場はしのげるかもしれませんけれども、長い間は決してしのげないで、こういう破滅的な状態になるわけです。ここのところが非常に大きな問題なんです。ことし一年きりでこの状態が解消されて、来年は必ず交付税法第六条の三の二項に乗せてきちっとしたのをやる、ごまかしはしないというような保証でもあれば別ですけれども、その保証がなくて毎年これを続けていくということになれば、もう遠い将来じゃない、ここ二、三年の間に崩壊するというような危険性があるので、私どもは絶対にこれを認めることはできないのです。大臣はやはりこれを制度の改正だ、こういうふうに思いますか。
○小川国務大臣 これは繰り返し御答弁を申し上げておるところでございますが、それは強弁である、ごまかしであるという御批判をいただいておるわけで、私どもとしましては、これは確かに恒久的な制度の変更ではございません。五十二年度限りのものでございますが、なおかつ制度の改正である、このように信じておるわけでございます。一日も早く景気が立ち直り、経済が安定することを期待して政府はもろもろの施策を実行に移しておるわけでございますが、それが一日も早く到来することを私たちは期待をいたしておるわけで、そういう際に、現行の税制の根本的な見直しをする、国、地方を通じて三%の租税負担率の引き上げをするというのが、国の収支見通しあるいは地方の収支見通しがそういう想定をいたしておるわけで、これはもちろん税の増税あるいは新税を起こすということですから、国会の御賛同を得なければならない問題でございますけれども、これが実行に移された暁には、あるいは交付税の税率そのものを変更しないで済むということも可能性の問題としてはこれはあり得ると思っておりますし、いずれにいたしましても、かようなことが実行できるような経済の環境が出てきてまいりました時点で、文字どおりの抜本的な改善を実行したい。その時期が一日も早からんことを期待しておるわけでございます。
○佐藤(敬)委員 あなた自身いろいろな場所で答弁して、高度経済成長で景気が何かよくなることはないんだ、こういうふうにはっきり言っているんですね。私は、そのとおりだと思います。これからは、もう安定成長であるか低成長であるかわかりませんけれども、一挙に景気がよくなって、いま大臣が言われたように、交付税の税率を上げなくても十分賄えるような時代は来ないと私は思うのです。だから、私どもも景気がいいときでも、あのときでも財政が苦しんでおった。今度また苦しむに決まっておるんです。その最大の原因は、地方に七の仕事をやらしておいて、三しか金をよこさない。ここなんだ。その配分というものを考えなければ、いつまでたってもだめだと思う。まして、この低成長の時代にこの三のままの財源配分でもって、地方が悠々とやっていけるような時代なんて来るはずはないのです。しかし、この論争は別にしまして、先ほど言いましたように、どこまでもあなた方が今回の交付税に対する措置というものを制度の改正である、こういうふうに主張するとするならば、私どもは、この予算を通すわけにはいかないと思う。この交付税法の改正法を通すわけにはいきません。これは、政府の施政方針演説に対する各野党の代表質問あるいはまた予算委員会におけるところの各党の総括質問、あるいはまたこの前のこの地方行政委員会における各党の質問、自民党の方々の質問を聞いてさえもこれに対しては非常に大きな不満と反対の意思を表明しております。したがって、地方行政委員会でもって、われわれがこれをスムーズに通すというわけにはいきません。恐らく、各野党一緒になって、これを否決しなければいけないと思います。必ずそうなると私は思います。そうすると、あなた方は、最後に奥の手を使って、市町村や県をゆすって、市町村や県が困るからこれを早く通してくれと言って、盛んにわれわれに圧力をかける。この前もそうだった。しかし、今度はそうはいかないと私は思う。今度は、そうはいかないと思います。これが来年もまた続けられたら、もう地方団体だって来年から立っていかなくなる。地方団体も多少苦しいかもしれないけれども、がまんして、ぜひともこの交付税というものを正当な軌道に乗っけてもらわなければいけないと私は思います。このままでいけば、確実にこれは否決される、こう思います。政府がもう一遍これに対して一考を要するところではないかと思いますが、これについて、大臣はどう思いますか。
○小川国務大臣 今回実行しようとしております措置が、決してもう胸を張って大きな顔のできる措置だとは考えておりませんし、抜本的対策だとも存じておりませんが、こういう状況下におけるやむを得ざる措置であった、同時に、これは法律に違反する措置ではない、こう信じておりますので、まげてひとつ交付税法の改正は通していただきたいと、お願いを申し上げるわけでございます。
○佐藤(敬)委員 あなた方は考え方を変えなければいけないと思うわけです。去年までの国会ならばあなた方のとおりで、もうこれは何ともならなくてそのまま済んだと私は思います。しかし、いまは保革伯仲の時代、ましてこの委員会は逆転なんです。一兆円減税さえも通るような時代で、予算が聖域でなくなってきた。このことをよくひとつ考えていただかなければいけない、こういうふうに思います。保守だと言われております新自由クラブの方々でさえも、こういうやり方はいけない、こういうふうに言っているんです。恐らく、自民党の方々もこれはごまかしだ、内心ではこういうふうに考えていると私は思います。こういう状態の中で私どもはこれを通すわけにはいかない、考え方を変えてもらわなければいけないと思います。考え方を変えてもらって、頭の切りかえをすれば、これを乗っけることはそうむずかしいことじゃないと私は思いますよ。このままでは必ず否決されますよ。通すわけにはいきません。もう一遍考えてみる気はありませんか。
○小川国務大臣 これはもう考え抜いた末の窮余の措置でございますから、願わくは御理解、御同情いただきたい、こう考えておるわけです。なかなかこの際根本的にやり方を改めるというわけにもまいりかねるわけでございますから、どうぞひとつそのように御了承を願いたいと思います。
○佐藤(敬)委員 漢詩に、いまだ覚めず池塘春草の夢、階前の梧葉すでに秋声というのがありますが、桐一葉落ちて天下の秋を知らなければいけませんよ。頭の切りかえをすればそうむずかしい問題じゃない。あなた自身でさえも大蔵省に対してこの方法じゃだめだから、はっきり交付税法にのっとった措置をやるということを強硬に主張したじゃありませんか。それがついに大蔵省の壁を破れないで、こういう状態になったのです。だから、議会と、この委員会と一緒になって大蔵省を破ろうじゃありませんか。このままでいけば必ず否決されますよ。あなたに来年は絶対にこの方法をとらないで交付税法六条の三の二項に全く疑問なく合うような、こういうはっきりした措置をとるとここで言明できますか。
○小川国務大臣 法律の趣旨に沿って、来年度もまた大幅な財源不足が見込まれるというようなことでありますれば、地方財政の状況を緩和するための措置をとらなければならない、これは当然でございます。しかし、来年度において交付税率そのものを引き上げる、こういうお約束は、これはいまの時点で申し上げかねるわけでございます。
○佐藤(敬)委員 夢を見ちゃいけませんよ。来年から大幅な増税でもしなければ、経済が急に好転してこのままで地方財政がいけるというような見通しを持っていますか。そんな見通しはだれも持っていないと思うのです。そうすれば、来年もまた同じことを繰り返さなければいけない。それがさっき言ったように、積もり積もって、わずか三年くらい後になれば、三兆五千億も四兆円も返さなければいけないような大変な事態になるのですよ。地方財政は崩壊しておるじゃないですか。自治大臣のあなたが決心してこれをやろうとしなければどうしてできますか。地方財政が立て直ってしまえばだれもやらないのです。むしろこういうふうに国も地方自治体もみんな何ともならない状態になった、このピンチこそ地方財政を立て直すところの最大のチャンスだと私は思うのです。それをやるのがあなたなんです。そのあなたが、この地方財政の状況を見ながらいまだにただわかりません、あしたはあしたの風が吹く、こういうような答弁じゃ安心してやっていられないじゃないですか。私は一番先に、非常に適任だ、有能な自治大臣だと申し上げましたが、いまでもそう思っています。どうかひとつこれをがんばっていただきたい。もう一遍重ねて申し上げておきますけれども、しっかりした見通しを立てるか、でなければこれを修正するか何かしなければ、必ずこれは否決されます。私はまだ野党の皆さんと話し合っているわけじゃないけれども、野党の皆さんが私よりももっとひどい——ひどいじゃ語弊がありますけれども、もっと大きな声でもっと強くこの措置を批判している。お互いにいまここで話し合わなくたって、これは必ず否決されます。否決されてもいいですか。
○小川国務大臣 地方財政の現状につきましては私も本当に心痛をいたしておるわけでございます。遠からざる将来にどうしても抜本的な改正を実行しなければならないと考えておりますが、今回の措置はこれはやむを得ざる措置でございまして、考え直せという仰せでございますけれども、私といたしましてはこれは考えた末、大蔵省と困難な折衝を続けた末にここに立ち至っておるわけでございますから、この場で考え方を変更いたしますとは申し上げかねますので、どうぞひとつ御了承をいただきます。
○佐藤(敬)委員 時間になったので終わりますけれども、いたしかねますだけじゃこれは恐らく済まないことになるだろう、こう思います。交付税の実際の審議はこれから行われるわけですから、そのときまでひとつよくお考えになっていただきたい、こう申し上げまして終わります。ありがとうございました。
○地崎委員長 山田芳治君。
○山田(芳)委員 まず最初に、やはりさっき佐藤委員からもお話がありましたように資料をもう少し国会議員、少なくとも地方行政委員の各位には配付をひとつしていただきたいと思うのです。私はきのう夕刊を見て早速地方財政収支試算をもらいまして、ゆうべ計算機を使っていろいろ計算しました。これからこれに基づいて質問をいたしますが、たとえば後でも質問をいたしますが都道府県の、これも佐藤敬治委員が触れたここにあります五十二年度予算額、これもわれわれは新聞やあるいは自治日報という新聞、これを送ってきていただくので、こういう資料を見ながら——われわれは手元で資料を持っているのですが、こういう資料をいただかないのですね。要求すれば確かにくれます。しかし、こういうのは先ほども話があったように、保革伯仲をしている当委員会、自民党の先生方は遅滞なくいただいているのかどうか知らないのですが、私ども勉強する人間としてみればやはり資料が欲しいと思うのです。やはり建設的な意見があれば野党は一緒にやれると思うのです。特に地方行政などというのは、地方団体のために与野党を通じて一緒に建設的な意見で前向きの提案をし、ともに闘う、こういうことでなければならないと思うのですが、きのうの問題にしても、いま話しがありました都道府県予算額調べ等も新聞を見て初めてわれわれがわかる、改めてこの資料をいただきたいということで政府委員室を通じていただく、こういうことではちょっとわれわれ勉強が足らないという点も——野党は勉強しないと言われるけれども資料をいただかないではなかなか勉強しにくい、勉強するくらいなら資料要求するのはあたりまえだということでしょうから要求はしていますけれども、せめて地方行政委員には地方財政、地方行政あるいは消防、警察等にかかわるものについては、新聞社等にお配りになると同時に地方行政委員会の委員ぐらいにはお配りをいただきたいということをまず要求を申し上げるわけでありますが、いかがでしょうか。
○小川国務大臣 御指摘をいただいてまことにこれはお恥ずかしいことでございますから、多少とも御審議の参考になりますようなものは、十分注意いたしましてその都度お手元に届くように即刻命ずるつもりでございます。
○山田(芳)委員 広報課もあるわけでありますから、広報課を通じて、政府委員室を通じて、各委員にぜひひとつ今後はお配りをいただきたいということを強く要求をいたしておきます。 第二番目に、ここに都道府県展望という雑誌、これは都道府県の知事会で、大臣が会長さんと質疑応答しておられるわけですね。この第六ページ等には、知事会の会長は奥田奈良県知事ですが、われわれと同じようなことを言っておるわけでありますが、何といっても知事会の会長でありますから大臣を今度の地方財政対策で評価をしております。私は評価するところもあるし、評価できないところもあると思いますが、対談ですから評価をしているのでしょうが、それに対して大臣は、一応今度の財政対策は評価するという知事会の発言に対して、そうは言うけれども「国会が開かれますれば、何でこんななまぬるいことをやったということで、いろいろ御批判も出るのじゃないか」というお答えをしておられるわけですね。先ほどから非常に厳しい追及がなされているわけでありますが、大臣みずからも、今度の地方財政対策は十分でないという点について、内心は十分でなかったというふうに考えておられるということがここに出ておるのだと思いますし、またその後の十一ページ等を見ますと、これは地方税源の問題やあるいは法人事業税の外形標準の問題との兼ね合いにおいて、こういったいろいろの議論のある問題について抜本的な対策というものは、「五十三年にはぜひ実現をしたいものだと思っております。」と、こう答えられているわけですね。 そこで、これをかりて私はまず最初に質問をいたしたいのは、たしかに前内閣の三木さんもあるいはその前の田中内閣の当時も、地方、国を通じた行財政の抜本的な改革を行うということをしばしば言われてきている、これは私の本会議の答弁についても、また当委員その他の委員会の質問についても、行財政の抜本的な改革を行わなければならない時期に来ているということを盛んに言われる。本当にそれができると思いますか、やる気があるのでしょうかということをまずお伺いをしたいのですが、それはいま不況のときだから手がつけられないのだ、少し税が上向きになってきたときには行財政の抜本的改革に着手するのだ、こういうお話があるのですが、大臣、本当にそれをおやりになる意思があるのか、また気持ちがおありになるのかということを聞きたいのです。私は、そういう気はあるけれどもなかなかできないのではないかというふうに思うのであります。私としては、小川大臣が自治省の大臣として地方行財政の責任者として、福田内閣の中でぜひひとつ抜本的な対策をやってほしい、また大臣個人としても、何か地方行財政について後世の歴史に残るような一つをやってほしいという気持ちは私は持っております。しかし、現実にはなかなかできないのではないですか。この点、まず大臣の所信を伺いたいと思うのですが、どうでしょう。
○小川国務大臣 今日のような状況のもとでは、これは抜本的な改正、改善ということは困難でございます。したがいまして、今回のような措置をとらざるを得なかったわけでございます。これが実行できるような環境というものは必ず到来すると信じておりますから、その際にはどうしても根本的な改善をやらなければならない、こう考えております。
○山田(芳)委員 そういう環境というのは、どういう環境を想定されて大臣はそう言われておるのでしょうか。
○小川国務大臣 経済の動向、帰趨そのものがなかなかはっきりと見きわめがたい状況でございまするし、これは地方財政の改善をいたしまするために税財源の充実を図らなければならない。やはりそのためには何といいましても現行の税制に根本的な改正を加えることが必要でございましょう。こういう不況下で一般的な増税というようなことは不可能でございまするけれども、景気が立ち直りました暁には、どうしてもこのことを実行しない限り、国の財政も地方財政も非常にむずかしい状況に立ち至るに違いございません。ですから、そういう時期が到来いたしましたら、どうしてもこれはやらなければならない。私の在任中にそういう環境が熟してまいりますれば、是が非でもこれは実行するつもりでございますし、絶対できるはずがないという御意見でございますが、必ずしも私はそうは考えておらないわけであります。これが実行できなければ国の財政も地方財政も破綻してしまう。財政が破綻して国民の生活が安泰であり得るはずはございませんから、どうしてもこれは実行しなければならない、必ずできると信じております。
○山田(芳)委員 景気の動向の問題を言われたわけでありますが、いつどういう形になるかということはこれはわかりませんが、少なくとも景気がよくならない限りできないという形の御答弁であったわけでありますが、非常に地方財政が危機であるという中でこそ抜本的な試案等を発表する時期なのではないか、私は逆にそう思うわけであります。もちろんそれができる、できないという問題は、一にかかって政治情勢もあるでしょうし、経済情勢もあろうと思いますけれども、やはり将来に向かって地方行財政のあるべき姿はどうかということは、常に平生から考えていかなければならないことだ。それが私は国務大臣としての、自治大臣としての責務であるというふうに思うわけであります。そういう意味で地方制度調査会とか、そういうような場所等を通じて、本当に将来に向かっての地方行財政のあるべき姿、まさに戦後、地方自治法が施行されて三十年という一つの時期を迎えているわけでありますから、こういう時期にこそ将来の、直ちに着手できないにしても、こうあるべきではないかというような国、地方を通じた抜本的な行財政制度の見直しというものを行うべきだと私は考えておるわけでありますが、その点については大臣いかがでしょうか。
○小川国務大臣 こういう経済の変動期、転換期には抜本的な改正ができない、適当でないと信じておりますが、いまお言葉にありますように、安定成長下における地方行財政のあり方はどうあるべきかという問題につきましては、かねてから地方制度調査会にお願いをいたしまして御審議を煩わしながら、私どももなかなか結論的なものはまだ得られないわけでございますが、絶えず研究をいたしております。今後もその努力をいたしてまいりまするので、どうぞひとつ適切な助言も賜りたい、御鞭撻もいただきたいと思っております。
○山田(芳)委員 大臣の考え方は大体わかりましたが、地方の財政その他についての問題をもっと大胆にひとつ大臣からお聞かせいただけると思ったのでありますが、今後の問題としてこれはそういう場所、場所においてひとつわれわれは提案をしていきたいというふうに思います。 さて次に、先ほども若干触れましたが、都道府県の予算の調べがありますので、これに基づいて若干自治省の見解を伺いたいと思うのであります。 昭和五十二年度の都道府県の予算の総額はここにございますが、十六兆七千五百五十二億六千八百万であります。そのうちの地方税が五兆六千三百二十七億六千八百万ということになっております。都道府県の地方財政計画上の地方税の収入見込みは五兆を転げてでありますから、もうすでに都道府県の予算だけで六千万円をオーバーをいたしておるわけであります。その中にはいろいろな要素があります。たとえば東京都の一兆五千億という税収は、これは都民税の法人税分で二十三区に配分される分が五千億のうちの四四%と言われますから、約二千億入っておると言われております。また超過課税が約八百億程度あるのではないかと私は思うのでありますが、合わせても三千億というものがオーバーしている。それに加えて、岐阜とか石川とか宮城とかは暫定予算であるというふうに言われておりますから、税収は必ずしも十分出していない。こういう要素を考えても、これはもうすでに地方財政計画を三千億、四千億オーバーしているという点が一つ問題点がある。 それからその次に、交付税であります。交付税が二兆八千百六十九億五千四百万だと計上されております。ことしの交付税は五兆七千億でありますから、大体都道府県分に傾斜配分されるであろうというのが自治省の見解でありますから、三兆円弱であろうと私は思います。そうなると、税が六千億くらいありますから、都道府県はそれの二〇%分というのが、交付税に計上すれば税がそれだけ減らなければならぬはずなのでありますが、それを考えてみても、二兆八千億という数字は、これを税をもし減らすならば、当然二兆九千億、いわゆる三兆円弱という数字が出ますから、もう交付税の都道府県へ配分される額というのはほとんどここで見られている、こう見なければいかぬ。 地方債でありますが、地方債一兆四千五百九十三億、今度の一般会計分が三兆円であります。五十年度の決算を見ますと、都道府県の地方債一兆四千億でしたか、六千億だったか忘れましたが、五十年度の決算を見ると、大体市町村と府県とは同じくらいの地方債の発行額になっております。そう見ると、三兆円のうち一兆四千五百億というのは、五百億くらいは余分があるかなという感じでありますが、一方歳出の公共事業を見ますと、二〇%を超えている、地方財政計画そこそこ組んでいるし、恐らくこれの九五%の裏負担は、地方債でめんどうを見る公共事業の部分については、特定のものは八〇%もありますが、そう見ると、まあいいところ組んでいるなという感じがするのだが、これは当初予算だ、恐らく人件費は五%分しか組まれていない、恐らく人事院勧告等は二けたになるかどうかわかりませんけれども、これからの春闘の情勢いかんでありましょうが、これでは済まない、こういうふうに考えると、非常に目いっぱいの予算を組んでいるのではないか。すでに地方財政計画を超えているではないか。また人件費を見ますと、六兆九千億をすでに都道府県で組んでいる。今度の人件費の地方財政計画というのは御承知のように九兆五千億ですね。これで大体これの市町村及び大都市分を含めますと、もうすでにこれは恐らく四兆数千億になると思います。五十年の決算から類推すると、ここに数字はありませんが、恐らく市町村や指定都市や市を含めると、四兆円を超えると思うのです。そうすると十兆円以上、十一兆円くらいの人件費がすでに組まれておるのではないだろうかというふうに思うのであります。私がいろいろ試算をし、決算から見た数字から言って、これはマクロ的に見ておるわけでありますから、詳細に検討すれば、個々の問題はあるとしても、総体的に見て、五十二年度の当初予算というものは、地方財政計画をすでに現実にオーバーしておるし、財源も目いっぱいに組んでおるというふうに私は思うのでありますが、自治省としては、これに対してどうお考えになっておるかということをまずお伺いして、あと細かい質問をしたいと思いますが、私がいま申し上げた歳入の面については目いっぱいだ、人件費は、すでに地方財政計画を超えておる、こういう状態の中で地方財政の規模それ自身を含めて一体どういうふうにお考えになっておるか、まずお伺いをしたいと思います。
○首藤政府委員 五十二年度の都道府県における当初予算の現在の編成状況、これを分析してのお話だと承ったわけでありますが、おおむね御指摘のとおり、当初予算に対処する各県の態度としては、公共事業等の執行によりまして景気の刺激をやらなければならぬ、こういう感じをお持ちのようでございまして、目いっぱいに組んでいらっしゃる、概算そんなことだろうと思います。財政規模の伸びも、当初予算対比でございますが、一四・八%という伸びを示しておりまするし、公共事業関係は約二〇%の伸び、単独事業も約一九%の伸び、こういう予算の編成でございますので、御指摘のような積極的な予算の編成が大勢であったのではないか、こう考えます。
○山田(芳)委員 そうしますと、これから三回くらい補正予算等が当然予想されているわけでありますが、ほとんど財源的には洗い尽くしたといいますか、もう予算に計上し尽くしたという感じを私は持つのでありますが、自治省としてはどうでしょうか。
○首藤政府委員 例年に比べまして財源を洗いざらいかき出して積極的な予算を組んだ、こういう感じは否めないのでありますが、そこは各都道府県それぞれ年度間を通じての財政運営に対処する態度は初めからお決めになって、それに応じて対処していかれた、こういうことだろうと思いますので、今後の補正なり追加なりの予算の幅が狭くなってくる、こういうことでやりくりをお考えになっていらっしゃるのではなかろうか、個別の団体については、ちょっとわかりかねますが、そういう感じでございます。
○山田(芳)委員 それではついでにお伺いをいたしておきますが、いわゆる一兆円減税が六千三百億という形で決着がついたわけですが、五十二年度の地方財政に及ぼす影響についてはどういうふうに考えておられますか。
○首藤政府委員 今回の追加減税の措置でございますが、これは先生御案内のように、国の方の予算で歳入予算を修正する措置をとりませんので、地方交付税に対する影響はそのまま遮断ができるわけでありまして、ただいま予算計上額の地方交付税を支出をしてもらえる、こういうことに相なると思います。ただし、これは年度内を通じましての国の予算編成の見込みとして、たとえば三・四半期あたりになりまして歳入全部が足りなくなって歳入の補正をやらなければならぬというような事態がもし生じますれば、そのときには交付税に影響が出てまいりますから、その場合には交付税に対して減額の要素が出てこないように、しかるべき措置をわれわれとしては強力にお願いをする、実現をする、こういうようにしたいと思っております。 それからもう一点は、今度の国の減税によります措置が地方の住民税に影響するかどうかという問題でございますが、これは御案内のように、税額控除という形式をとりますならば、基礎の所得計算個々には影響を及ぼしませんので、明年度の住民税には影響を及ぼすことはない、このように考えておるわけでありまして、今回の減税措置で地方財政が、当初見込みました五十二年度のあり方については、影響は出てこないものと、このように考えておるわけであります。
○山田(芳)委員 住民税のサイドから一言お伺いをしたいのでありますが、三千億の所得税が減額をされるということになると、その分が来年度の住民税の総額に影響をしてくるのでありますが、三千億であれば、大体七百億程度ではないだろうかと現行の制度で考えるわけですが、これは地方住民税それ自身を動かしておりませんから、所得の動きがどうなるかによって変わってくると思いますが、その三千億の減収分に対する来年度の地方税、住民税に及ぼす影響はどういうふうに考えておられますか。
○森岡政府委員 今回の追加減税が、税額控除という形で行われます限りにおいては、住民税には全く影響がございません。基礎控除、配偶者控除、扶養控除のそれぞれの金額は、所得税と住民税とで異なっております。そのようなことから税額控除で行われます限りでありますれば、全く影響ございません。
○山田(芳)委員 そうしますと、問題は、たとえば所得税は今年度は二百一万円まで課税最低限度がある、住民税は百四十何万円かになっておる。税額で控除されていけば、これは課税最低限が減っているわけですね。それに比例して住民税の減税というものがなされないという形になると、住民税と所得税の課税最低限度のアンバランスの問題というのは、どういうふうにお考えになりましょうか。
○森岡政府委員 現在までの税制における課税最低限の比較は、それぞれ所得控除という形で所得税も住民税も制度ができておりますから、それを前提にした課税最低限の比較でございます。政府原案による所得税の課税最低限は、約二百一万五千円、住民税の課税最低限は百四十一万八千円でございます。税額控除がどういう形で行われますか、その辺のところは国会の与野党の御審議にかかっておるわけでございますので、この辺のところは私どもつまびらかにいたしませんが、何らかの形で税額控除の金額が決まりますれば、それを逆算いたしました標準世帯の課税最低限は確かに二百一万五千円より上がると思います。ただ、この問題につきましては、いろいろ与野党の間で、恒久的な措置であるのかないのかというよりも、むしろ単年度限りの措置というふうな御意見もあるやに伺っておりますので、その辺のところを見定めませんと、課税最低限の恒久的な比較には相ならない、かように考えておるわけでございます。
○山田(芳)委員 次に、昨日出された地方財政の収支試算表と大蔵省が三月三日に発表しました財政収支試算表と比較しながら質問をいたしたいと思います。 まず第一点、大蔵省の財政指数表を見ますと、五十二年から五十三年に税収は約二〇%を伸ばしておりますね。十八兆七千九百億がことしの税収の現予算の現計額でありますが、五十三年度は二十三兆九千四百億、約二〇%を超える伸びであります。一方、昨日出されたところの年次別内訳表のケースAの方を見ますと、一般財源が十六兆五千二百億に対しまして、十九兆二千億、二八%の伸びですね。 そこで私は少し計算をしてみたのでありますが、昭和五十二年は十兆円ですね。これは一体どのくらい税が伸びるというふうにごらんになっているか聞きたいのですが、二〇%伸びるとすれば十二兆円。十二兆円だとするならば、十九兆二千億でありますから、七兆二千億足らない。交付税は今回一兆三百五十億を足したからこそ五兆七千億になっておりますが、四兆円台ですね、三二%分は。 そこで国税の二十三兆九千四百億の八割が三税だというのが大体の常識でありますから、二十三兆九千四百億に八割を掛けて三二%を出しますと、六兆一千二百八十六億という数字が出ます。六兆円くらいだということになるわけですね。そうすると、これの交付税の伸びは、五兆七千億に比べても一・〇七%という伸びであります。したがって、先ほど来年度は交付税の税率を上げませんというお話があったけれども、どう見たって交付税率を上げなければならないという試算表になっているんじゃないだろうかと私は思うのでありますが、要調整額一兆一千八百億を幾ら地方債に持っていくとしましても、国の試算でさえ前年度の国債を下回っていこうという考え方をとっているわけですね。御承知のように、下回っていこうと考えております。国の公債金収入は、八兆四千八百億から八兆三千九百億に下げようとしているのでありますから、それはとても地方債にこれをかぶせるいうことはできない、このようにまず考えるわけであります。 そういうことをこれから論議をしていきたいと思いますが、その前にこの試算表について、二、三の点をひとつお伺いをしたいと思うのです。 ここの年次別内訳表の一般財源の内訳というものをお示しいただけるのかいただけないのか、まずその点をお伺いしたいのが一点。 それから、大体地方財政計画というのは、国の予算の規模よりも多いのでありますが、五十三年度になると、地方財政計画の方が、国の財政計画よりも下回っておるんですね。五十三年度三十三兆四千二百億、国の方は三十三兆四千五百億、国の方が多いのです。こんなことは私は財政計画を圧縮し過ぎているんじゃないだろうかと思うのが第二点。 それから先ほど大臣の言われたように、交付税について一体どういうふうな考えをしているかは、要調整額のところがどうなるかという問題だ、こう思われるのでありますが、この点はどうか。 それから先ほども言いましたように、国は税収を二〇%に置いているのに、一般財源を二八%程度しか伸ばしていない。ここにいま言った地方財政計画の規模の方が国の予算の規模よりも低い点があるのだろうと思うのですが、この四点ばかり、まずこの年次別内訳表の疑問点についてお答えをいただきたい。
○首藤政府委員 まず一般財源におきます税と交付税の内訳でございますが、これは内訳がございますので、後ほど御連絡をさせていただきます。 それから、規模の問題でございますが、これは歳入歳出とも、この収支試算によります一定の想定によって積算をいたしておりますものですから、五十三年度においては、若干の国との伸び方の乖離、こういうものが出ておるわけでございますが、ことしの地方財政計画にもございましたように、最近の国の財政の伸びの比率は、国債費の伸び、それから地方交付税関係のいままで操作をしました関係の伸び、こういう特殊要因が入っておりますので、それが形式的にもかなり影響して強い伸びになってきておる状況もございます。実質的な事業の伸びそのほかについては、経済計画等に合わせた伸びを想定しておりますので、両方地方財政を特に圧縮したというようなことはないつもりでおります。 それから不足額でございますが、この不足額は私どもの方は財源不足ということで、素直にそのままの額を出しております。国の方はこの不足額に相当するものを財政特例債で発行するものという前提に頭から立ちまして埋めておりまして、その公債費等の計算もしてあるわけでありますが、私どもはこの不足額は毎年度御議論がございますように、何としてでも補てんをする。考え方は六条の三の二項等の趣旨も十分体してこの財源不足に対処をしていく、こういう前提で素直に不足額を出しておる、こういうことでございます。
○山田(芳)委員 私はそうおっしゃられると、公共投資なんかは国の一五・五よりも約一%下回っている一四・六というような数字があったり、振替支出につきましても、国を下回っているという、非常に財政規模を圧縮をする、歳出の面で圧縮をしながら、結局非常に一般財源なり交付税、交付税も一般財源ですが、税収等が入りにくいということが前提になっていて、少し意識的に地方財政計画を圧縮をするという方向がこれで打ち出されているんじゃないか。 むしろ逆に、先ほど私が都道府県の予算を一つ見ましても、すでに地方財政計画の人件費を超えているんですよ。先ほど私申し上げましたように、いま人件費は九兆何千億しか組んでないのに、当初予算の人件費というのは、人事院勧告が出れば、四%や五%追加しなければならない追加要因を持ちながら、すでに十兆円を超えておるというような状態になっているということを見た場合に、むしろこれは圧縮をしないで、地方財政規模というものの是正を図るべきではないかというふうに思うのですが、どうでしょうか。
○首藤政府委員 御指摘のように、現在組んでおります地方財政計画も、実際の決算とはかなりな乖離がございますから、これは時宜に応じて是正をしていくべきである、私どもそう考えておるわけでございます。 ただ、この場合の収支試算は、いわゆる政策的な意味を加味をいたしませんで、現在の状況のまま、GNPの伸びあるいは租税の伸び、こういったものに従って試算をしたらどんなかっこうになるかという意味での収支試算にすぎないわけでございまして、これがたたき台になって毎年の財源措置が講じられてまいりますが、その際、具体的に各年度ごとの措置については、たとえばことし臨時市町村道を伸ばしましたとか、こういう措置もとりましたが、そのような政策的配慮はその都度加えていきたい、こう考えております。
○山田(芳)委員 それではひとつさっきの議論に戻りまして、五十三年度の一般財源の十九兆二千億という数字、五十二年は十六兆五千二百億、このうちには十兆円の地方税があるわけですが、十九兆二千億の中で、税は十兆円がどのくらい伸びると御試算になっておられますか。
○森岡政府委員 ケースAで申しますと、五十二年度が十兆四千九百十七億ございますが、それに対しまして、約十三兆、端数を切り捨てます、したがって二四%の増というふうに見込んでおります。
○山田(芳)委員 国の税収が十八兆七千九百億が二十三兆九千四百億、恐らくこれは二〇%の増だと思うのですが、何で地方が二四%の伸び率という想定になるんでしょう。
○森岡政府委員 ただいま御指摘のありました国税の伸びは約二七%強でございます。これはこの財政収支試算におきましては、税収につきましては五十五年度の金額を旧試算の金額に固定をいたしまして、五十二年度の予算あるいは地方財政計画の数字からGNPの伸び率に対応して伸びていくという前提で計算しております。したがいまして、御案内のように国税の租税負担率二%、地方税の租税負担率一%、五十五年度までに引き上げる、こういう前提ではじいておりますので、このようなかなり高い伸び率になっておるわけでございます。
○山田(芳)委員 私間違えましたが、確かに二七%の伸び率ですが、来年二七%も国税が伸び、地方が二四%も伸びるというには相当これは景気の回復というか、あるいは現行制度のままでそれだけ伸びるというふうにお考えになっておられますか。
○森岡政府委員 率直に申しまして、現行制度のままでこう伸びるということは恐らく考えられないと思います。五十五年度までに先ほど来申し上げました租税負担率の引き上げを内容といたします税制改正を前提として収支見込みをはじいておるということでございます。
○山田(芳)委員 そうすると、税制改正を何らかの形で考えていかなければならないという前提に立っているということがまずはっきりしたわけですね。そうなると、これは大臣さっき抜本的な改正というようなものは余り考えられないとおっしゃったわけですよ。 それからもう一つ、十三兆円だと仮定をいたしますと、あとは六兆円ばかりのものがどうしても出てまいりますね。これは交付税というので大体先ほど言いましたようにそれで合うわけですが、なお要調整額一兆一千八百億というのがございますね。これは従来起債と交付税に振りかえて半半、こういう形になっておる、半々ともし仮定して、六兆七千億ぐらいにいたしますと一七%の増という形に相なるわけですね。そうなりますと、どうしてもこれは六兆一千億では足らなくなってまいります。したがって、交付税率をどうしても上げなければ数字が合わないという問題か、いま言った税制度を基本的に改めていくという考え方のいずれかに立たなければならないか、あるいは両方やらなければならないかというような抜本的な物の考え方に立たないと、来年度の地方財政はこの試算表によるとやっていけないというふうに思うのですが、大臣いかがです。
○小川国務大臣 この収支試算は仰せのような考え方に立脚をいたしておるわけでございます。抜本的改正ができないと申し上げましたのは、五十二年度のことを申し上げておるわけで、いまの御議論は五十三年度についての御議論でございます。
○山田(芳)委員 私は将来のことを申し上げたので、話が食い違っておるようでありますが、私はそういう意味でこの試算表というものは租税負担率の、国民に対する負担率というものを前提としてなされなければ、二十数%という数字がずっと上がっていくこの税収を国の場合も地方の場合も見た場合に、税制の改正あるいは交付税を何とか上げなければならないということの数字が出ている。しかも、私は、先ほどちょっと財政局長さんと意見が食い違っていますが、どうも財政規模を抑える方向においてこの試算表ができているのじゃないか、地方財政規模というものはコンスタントに二割くらいのギャップ、乖離があるのですから、本来ならもっと五十三年にいけばこれはありそうだということは、もう当然出てくるというふうにこの数字を見ましても私は考えるわけでありますが、そういう意味で抜本策を、抜本策といいますか税制度全体あるいは交付税率の問題含めて、来年は本格的に取り組まなければならないということをここでこの数字が示しているということは大臣確認されてよろしいですな。 〔委員長退席、大西委員長代理着席〕
○小川国務大臣 そのとおりでございます。仰せのとおりでございます。
○山田(芳)委員 それならば一歩進めて、大臣としては来年度そういうふうな抜本策を考えなければならないという数字がここに出ていることを明確にされたのでありますから、具体的に言うのにはいろいろの委員会なり、いろいろ議論をこれからしなければならぬだろうけれども、考え方として一体どういう方向へ持ってそういう制度の改正の抜本策を考えておられるか、もし大臣が日ごろお考えになっていることがあったらお漏らしをいただきたい。
○小川国務大臣 五十三年度以降におきまして三%の租税負担率の引き上げを実行しなければならない、そういう前提でこの試算ができておるわけでございますが、しからば現存の税を大幅に増税をするという解決で行くのか、あるいは何らかの新しい税を創設するのか、何らかの形の一般消費税のごときものを設けるべきであるのか、それはこれから税制調査会の御審議等煩わしまして研究する問題でございまして、私自身こうすべきだという構想のようなものはただいま持っておらないわけでございまして、これから勉強をし、またいろいろ御高見も承りつつ進めていく問題でございます。 〔大西委員長代理退席、委員長着席〕
○山田(芳)委員 私は、やはり自治大臣としては、それは確かに大臣の意見が全部認められるというふうにはならないかもしれません。これはいろいろな面で内閣においても意見が調整されるだろうと思いますが、大臣としては少なくともこう思っているのだというものがなければ、地方自治に関与するところの人たちや、われわれを含めてひとつ大臣の手腕を期待をしていく——所信表明に述べられているように、三十年を迎えた今日において、地方の行財政というものを抜本的に見直すべき時期が来ている、そういう前提に立つならば、やはり大臣としては、こういうふうに少なくとも考えているという、何も付加価値税を導入したいというようなことを申しておるわけではありませんが、大臣としてのいわゆる所信といいますか、見識と申しますか、それはひとつこの委員会でお示しをいただいていいのではないだろうかと思うのですが、どうですか。
○小川国務大臣 自治大臣として何らかの見識を持っておるべきが当然だという御指摘で、まことにお恥ずかしいことでありますが、これは要するに所得課税、資産課税あるいは消費税、適当な組み合わせで解決すべきでございます。実際の問題として所得税、法人税を増税する、いろいろの困難が伴う問題だと存じますし、付加価値税というようなものも、わが国において早期に導入するということにつきましては、いろいろの困難があろうと思います。したがいまして、こういう方法で行くべきだという結論をなかなか得がたいのが現状でございまして、大事な問題について何らの見識を持っておらないということはまことにこれはお恥かしいことでございますが、こうすべきだという私の所信をこの場で申し上げるわけにはまいりかねるわけでございます。ひとつ御容赦をいただきたいと思います。
○山田(芳)委員 まことに遺憾であるので、大臣は非常に税にお詳しいということを自治省の幹部の皆さんから伺っておるので、税についてはひとつ大いに語ってもらえるかと思ったけれどもはなはだどうも残念だ。地方財政についてはそれほどお詳しいとは思わぬけれども、税については見識をお持ちだと伺っておったのですが、この答弁でははなはだ残念で質問をもうやめますけれども、私は交付税の点についてのいろいろな細かい点はじっくり時間をいただいて、数字的にまた交付税のときに申し上げますから、きょうは大きなところだけしか申し上げません。 最後に、一つお伺いいたしたいのは、御承知のように五十年におきましては交付税会計が預金部資金から一兆一千百九十九億八千万、五十一年度においては一兆三千百四十一億円、五十二年においては九千四百億という借金をしておるわけですね。それで一方、この交付税においては交付税の会計で、将来交付税の会計から返していかなければならぬ借金を借りている。また地方の特例債、地方債、いわゆる財政特例債という形で多額な、交付税から振りかえられたところの地方における起債が、特例債等があるわけでありまして、それの元利償還金が、交付税で措置をするという形になっている額が莫大になっております。先般、自治省からここにいただいた資料を見ましても、一千億を超えるところの元利償還金が五十二年度にすでに計上しなければならない。こういうふうに交付税会計自身が借金を背負ってそれを返さなければならない。また、その決められた交付税の中から、既応の借金分をその中から返していかなければならない。そのこと自身が基準財政需要というものを圧縮をしているということになるわけですね。そういう面から言っても、交付税率というものはどうしても上げなければならないというふうになっていると思うのですが、財政局長さん、どうでしょうか。
○首藤政府委員 ただいま御指摘のように、交付税会計そのものにも借金があり、それから地方団体それぞれが起こしております地方債についても交付税で償還費を見ていかなければならない借金がある、御指摘のとおりでございます。これは二つとも地方財政計画の策定をやります際に、所要の需要額ないしは所要の歳入の減少額として計算をして差し引き、それから普通のペースであたりまえにやった場合の歳出を立てまして、その差で幾ら財源不足が出てくるか、こういう計算をいたしまして、その不足額は必ず完全に補てんをする決心、覚悟でいるわけであります。したがいまして、交付税の総量は、その処置をすべき額だけこれは必ずふえてくる、またふえてこなければ収支のつじつまが合わないわけであります。ふえてくることになります。そして一方、実際のミクロの配分の際には、個別の地方団体ごとにいままでの財源を、振替債の償還費を基準財政需要額に見ていく、こういう措置をとろうと思っておりますので、その償還額を見ることが他の需要を圧縮する、こういうことはない、またそういうことはさせない、こういうつもりでおるわけであります。
○山田(芳)委員 それはちょっとおかしいんじゃないでしょうか。たとえば元利償還金というものが一千億ふえたと仮定いたしますね。その交付税率というものが特定している限りにおいては、もしその元利償還金がなかりせば、その一千億というものは他の基準財政需要額に充てていけるということになるんじゃないですか。
○首藤政府委員 ただいま申し上げましたように、そういった歳出も含めて財源不足額を計算いたします。さしあたり五十五年までの見通しでは、収支計画でもごらんをいただきますように、五十三年、五十四年、恐らく金が足りなかろうと思いますが、そういう要補てん額には必ずその歳出を見込んでいく、こういう措置をとりますから、実際の運営上は支障が起こらないように措置をしたい、措置をする、こういう意味のことを申し上げたわけであります。
○山田(芳)委員 それは財政規模というもの、それは確かに財政計画では収支合っているのですよ。だからその基準財政需要額の見方を、われわれは圧縮と言いますが、財政局長さんは普通に見てもそれは間に合うようになっていると、こうおっしゃるけれども、たとえばこの過去の借金の元利償還の交付税措置分がなかりせば、もしそのとき借金してないと仮定をしますと、それが交付税で処置されていたと仮定すれば、たとえば昨年の一兆二千五百億の交付税で落として起債に振りかえた分のものが、もし交付税の率が上がって交付税が来ていたと仮定すれば、その償還金は要らないわけですわね。だから、その分だけ本年度の基準財政需要額の総体に割り振られるんではないかという質問をしているのですが、そうではないのですか。
○首藤政府委員 ただいまの状況が三二%の交付税率を基礎にして、一般財源に余裕がある、こういう事態であればあるいはそうなるかもしれませんが、ただいまのところは、たとえばことし一兆三百五十億ですか、これだけの交付税の措置をしました。その措置をしました根っこには、そういった償還財源、公債費、こういうものが基礎になって、それを基準財政需要額の中に算入される。その結果、それだけの額が足りなくなって、それを補てんする、こういうことでありますから、もしそれがなかりせば、一兆三百五十億が、九千三百五十億か幾らか知りませんが、そういうことになっていたのではないか、そういう意味のことを申し上げたわけであります。
○山田(芳)委員 ですから、そういう借金、一兆三百五十億が九千億になり、八千億になるということをするためにも交付税率を上げていかないと、将来に問題を残しているというふうに言えるわけではないのですか。
○首藤政府委員 それは御指摘のように、交付税率の引き上げで対処するのが一番望ましい方法であることは疑いを入れません。ただ、ことしは、先ほどから大臣も申し上げておりますような事情でこのような措置をとらさせていただいた、こういうことでございます。
○山田(芳)委員 最後に大臣にお伺いしますが、今度の措置が自治省当局としては精いっぱいで、違法でないという主張、もちろんそうせざるを得ないので、されることはそれは結構なんだけれども、来年度こうやって見ますと、この一兆一千八百億の、少なくともこの財源をどうするかという中期試算表というものを出されているわけです。この中から、国の試算表で見て交付税をはじいてしまうと、もうほとんど伸びがない。六兆一千億、ことしは五兆七千億ですから、四千億しか伸びない。こういうものでは、これは来年話にならぬです。ところが、先ほど佐藤委員の質問に、交付税率を上げるということについては明言ができないとおっしゃったけれども、いまの私から申し上げた数字、このままにしておいたら六兆一千億なんです。七%しか伸びないのですよ。しかも所要額は一兆一千八百億あるのです。五千億にすれば一七%に伸びるので、今度の式で半々として五千億なら、六兆七千億くらいになりますか、半々で。そうすれば、やはり税率をどうしたって伸ばしていかなければならぬということは当然だと思うのですよ。来年もまた要調整額だから、半分に割ってまた交付税会計に預金部資金から借りるということは、よもやもうお考えにならないはずだし、来年はもう交付税率は絶対に上げますと言わなければいかぬという数字が出ているのじゃないかということを私はいま数字を……。まあ、またいずれゆっくりやります。内訳を見た上でやらせていただきますけれども、そういうふうに言うべきではないのですか。
○小川国務大臣 税率を変更いたしまするか、あるいはこれを変更しなくとも、増税を実行いたしますれば交付税の所要額を確保できるという状況になってまいりまするか、これはいまの時点では、いずれによるかこれは申し上げにくいことでございます。
○山田(芳)委員 時間をいただいて、ちょっと一言……。 そうなると、先ほどの二七%も伸ばして、伸ばした額が、私いま言った八割の三二%、三税の三二%が六兆一千億しかならぬですよと言っているのだから、もうこの二七%という国税の伸びというのは税制改正を前提にしているという、さっきの森岡局長の話だからいま申し上げたのであって、いまのような答弁はちょっとおかしいんじゃないでしょうか。
○森岡政府委員 ただいま御指摘でございますが、先ほど申し上げましたように、これは五十五年度までに国の財政の場合にはいわゆる特例公債から脱却するという前提で組まれておるわけでございます。ですから、それを各年度のGNPの伸びでスライドさせて計算しておるわけでございますから、まさに、一応の各年度について見ますると、収支試算ということでありますので、国税につきましても、明年度税収が二七%伸びるような税制改正が可能かと申しますと、それはやはり、明年度の問題としてはそう簡単に決着がつくものとは私も考えません。五十年代前期において十分な措置を講じたい、こういうことであろうと思います。
○山田(芳)委員 若干問題点がありますけれども、交付税の質問のときに譲りますから、本日はこれで終わります。
○地崎委員長 小川新一郎君。
○小川(新)委員 私は、きょうは一般質問でございますので、いろいろな角度から大臣にお尋ねしたいと思います。 最初に、最近問題になっております塾の問題できょうは少し地方公務員との関係で学校の先生のあり方をお尋ねしておきます。よろしいでしょうか。 現在、全国で約五万あると言われております学習塾については深刻な社会問題となってきております。去る三月十二日に文部省が発表した「児童生徒の学校外学習活動に関する実態調査」速報によりますと、小中学生五人に一人、二〇・二%、約三百万人が学習塾に通っているわけです。高校進学を控え、中学生は全体の三八%、都市部では二人に一人が通っているわけでございますが、その学習塾の先生のうち一七%が現職の教員すなわち先生である。なぜこういう先生方が塾の先生をやっていらっしゃるのか。これは給与が低いのかそれとも生活が大変なのか、またはエネルギーがあり余って塾の方で学校本来の教育をやるという情熱に燃えているのか、またどういう立場に立ってということが出てきたのか。地方公務員の給与問題で、一般公務員と学校の先生の公務員給与、そういった面はどれぐらい違いがあるのか。こういった面を踏まえた上で議論をしませんと、ただ単に学校の先生が塾の先生をやっていることはけしからぬと言うわけにいきませんので、こういったことが好ましいのか好ましくないのか、その点からまず自治大臣の御所見を承りたいと思います。
○小川国務大臣 今日非常に多くの生徒が塾に通っておるという状況、これは決して健全な姿ではないと、教育行政は私の所管ではございませんが、常識的に考えておるわけでございます。
○小川(新)委員 それは好ましくない。では、現職の学校の先生が塾の先生をやっていることは好ましいか好ましくないか。
○小川国務大臣 これは公務員法との関係で申しますると、地方公務員法の三十八条、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営み、あるいは報酬を得ていかなる事業もしくは事務にも従事してはならない、こうなっておりますので、先生が塾で教えるという場合には任命権者、県費で負担しております教職員については、市町村の教育委員会の許可を得ませんといまの三十八条の規定に違反をする、こういうことにならざるを得ないと思います。
○小川(新)委員 だから好ましいか好ましくないか。
○小川国務大臣 これは好ましいことだとは申しかねると思います。
○小川(新)委員 文部省は好ましいと思うか、好ましくないと思うか。
○加戸説明員 お答えいたします。 今回の調査いたしました対象は、進学塾あるいは補習塾あるいは学力のおくれを取り戻す塾とか塾の目的、あるいは形態も一人で行います塾を初め大規模な塾、その他たくさんございます。そういったいろんな塾の形態あるいは塾の規模、あるいは教員の従事する勤務形態、そういったものを総合勘案しなければ一概に判断は申しかねるわけでございますけれども、たとえば進学目的等の大規模な塾に特定の学校の先生が参るというようなことが好ましいかどうかという観点、特定の現象にしぼって申し上げれば、私ども必ずしも好ましい形態とは考えておりません。
○小川(新)委員 好ましくないということは、学校教育にどういう影響を与えるのですか。
○加戸説明員 公立学校の教員につきまして申し上げさせていただきますと、本来の職務の遂行、学校の授業に全力を挙げて専念していただく、そういうのが本来の筋合いでございますから、そういう意味合いにおきまして、たとえ勤務時間外でございましても、そういった塾の教師を持つことによりまして本来の勤務に何らかの悪影響が生ずることのないように、私ども期待しておるわけでございます。
○小川(新)委員 給与の面で一般公務員と同資格、いろいろな面であなた方がよく引き合いに出すラスパイレスだとか、いろいろ国家公務員と地方公務員との給与の問題を比べるように、学校の先生と一般公務員との給与の問題でどれくらいの差があるのか、簡単で結構ですから言ってください。
○石見政府委員 お答えいたします。 ちょっと手元に計数的な資料を持ち合わせておりませんので、数字でもってお答えをいたしますことは御容赦願いたいと存じますが、御案内のとおり、教職員につきましては最近、給与改善措置が行われておりまして、給与水準は一般的には、教職員については一般職員よりも高いというのが実態だと存じます。ただ一般職員の場合には、御案内のとおり時間外勤務手当等もございまして、教職員につきましてはそういうものがございません。したがいまして、そういうもの全体を含めてどうなるかというのはちょっと問題があろうかと思いますけれども、一般的には給与水準は教職員の方が高いということは言えようかと存じます。
○小川(新)委員 文部省にお尋ねしますが、そういう塾などでいろいろとアルバイトされてかせがれておるお金は平均一人幾らぐらいになるのですか。
○加戸説明員 今回の調査におきましては、たとえば教員の中の国立であるか私立であるか公立であるか、あるいは大学、中学、高校、小学校、そういう形での分類別の細かいデータをとっておりませんし、また各教師の収入が幾らになるかという観点からの調査はございませんで、子供たちが塾に幾ら払っておるか、そういう経費だけの調査にとどまっております。したがいまして、いま御質問の点に関しましては十分な把握はいたしておりません。
○小川(新)委員 こんな社会問題を、あなた方の方で調査で提起しておきながら、そんな不完全な答弁じゃ子供や親や社会、国会に与える影響というものは大変なものじゃないですか。私どもは、子供を預っておる親の立場、日本の国の教育の立場、いいか悪いかをいま真剣に議論しなければならない立場に立っておる者の一人として、何もそれがいいとか悪いとかここできめつけようとしておるのじゃない、その実態を明確にして、教育の指針を明確にしていかなければならぬという立場に立ってあえて地方行政委員会で質問しておる。あなたもここへおいでになるからには、大臣にかわってお答えできるだけの信託を受けて来ていらっしゃるのだから、他委員会だと思ってわからないからという答弁じゃ困るので、その点明確に出していただきたいと思うのです。 大臣、これは私が言っておるのじゃないですよ、誤解しないでください。読売新聞に出ていた。ちょっと読んでみます。 学校の先生は、さすがに頭がいいねえ、かなわないねえと、友人がしきりに感心していた。何のことかと思ったら、文部省が実施した塾の調査で、塾の先生の一七%が、学校の教師の内職だとわかったのだという。だって、これは能率のいい商売だぜと、友人は説明する。まず、自分の本来の職場である学校では、授業を適当に済ませ、落ちこぼれる子供の親には、塾にやらないとついていけないとおどす。一方、公立では不安だと子供を私立にやりたがっている親には、受験勉強は塾でなければだめだと、やはり塾通いを強力に勧める。塾の月謝も安くはないのに、先生の言うことだからたいていの親は従って、子供を塾にやるが、受け入れ先の塾は、その教師自身ではないにせよ、同僚たちの内職先だ。つまり、本業に手を抜けば抜くほど、副業収入はどんどん増え、懐がうるおう。こんなに笑いのとまらぬ商売は、ほかにない……。あのまじめな先生方がまさかそんな詐欺師めいたことをと思うが、友人はこうも言う。だいたい教員は雑務が多く大変だというので、定数を増やした。安月給で生活が苦しいというので、給与を人材法で普通公務員より高くした。では教育に打ち込んでもらえるかと思ったら、いささか違って内職に打ち込んでいらっしゃる。本業をないがしろにするから、自分が公立校の教師であるくせに、公立校に不信感を持ち、塾に通う子供の親で、一番多いのが医師、二番目が教師。公立の教師は子供を私立校に通わせるともいうではないか。日教組の主任制反対は、こうした教師のたるみの実態にメスを入れられるのが怖いからだと、思いたくもなる……。知っている範囲の先生たちは、まじめな人が多い。友人のいうようなひどい教師は、もし実在するとしても、ごく一部だろうと思う。しかし、良貨は悪貨に駆逐されがちなのが世の常だ。変な誤解を避けるためにも、塾の先生といった内職はおやりにならない方がいい。先生、そう思いませんか。 こうなっている。これを聞いてどう思いますか。
○小川国務大臣 私もまことに同感でございます。
○小川(新)委員 そこで大臣、地方公務員法または特別な教職員の法について、塾の先生をやめさせるという何らかの行政指導か、もしくは実態に即したような、一部一七%の先生方がおやりになる、それも、しかも届け出ればいいんだ、しまいには競争になって、あれがやっているんだからおれもやるというようになってどんどんふえていったら、これはえらいことになると思うんです。一部、一握りの先生方のために、多くのりっぱな、まじめに子供の教育に生涯をかけて情熱を燃やす先生方も同一視して見られることは余りにも気の毒であり、かわいそうだ。地方公務員法やその他に照らし合わせて、この教師の塾のアルバイトをやめさせるという考え方、適切な手段、その実態についてどう処置をとられるか、お尋ねしたいと思います。
○小川国務大臣 これは、届け出というお言葉でございましたが、任命権者の許可を得なければならないことになっておるので、これについては恐らく許可を与えておるのだろうと理解をいたしております。教職員の指導の問題は、実は所管にこだわるわけではございませんが、文部省の仕事になっておりますので、文部省参っておりますからひとつ……。
○小川(新)委員 お願いします。
○加戸説明員 お答えします。 先ほど申し上げましたように、塾にもいろいろな形態のものがございますし、それから教員がその塾の仕事に携わる場合にもいろいろの形態がございますので、いま先生御指摘のような問題を画一的に指導をするということはむずかしゅうございますが、少なくとも各都道府県段階におきまして、たとえばいまの兼職兼業の許可の問題に関しましても、予備校、塾等につきましては不許可の方針をとっている県もございますし、都道府県あるいは市町村教育委員会がそれぞれの実態に即しまして判断をいたすわけでございますので、このような本務の遂行に支障を生じないかどうか、あるいはその仕事につくことを許可すること自体が、教員の職に対します一つの名誉といいますか、信用を傷つける結果とならないかどうか、そういった総合的な観点から公正、適正な手続をとって措置していただくということが望ましいと考えますので、そういった趣旨で、私ども都道府県あるいは市町村教育委員会に対しまして指導してまいりたいと考えております。
○小川(新)委員 そういたしますと、現状のままで、ただ注意を喚起するだけで事足れりということでございますか。何にもその先はやらないのですか。
○加戸説明員 現状のような形で行われております実態が果たして適正なものであるかどうか、その大前提がございます。そういう意味におきまして、地方公務員法あるいは教育公務員特例法といいますこれらの法規制の観点に立ちまして、教職員が本務を十分に遂行した上で、副業としていかなる職業につくことを認めるかどうか、そういった判断の仕方につきましては私どもも十分適切な指導をしてまいりたい、そういう意味での改善を期待したいということでございます。
○小川(新)委員 適切な指導というのは、どういうことを適切な指導というのかちょっと私理解に苦しむのです。あなたは文部大臣じゃないからそこまでの答弁はできないと思うが、自治大臣、福田内閣の国務大臣として、文部大臣ではございませんが、地方公務員との兼ね合いもございますし、教育問題という大所に立って閣僚会議にこの問題を提出して、少なくとも教職にある者は好ましくないということは大臣もおっしゃっているし、文部省も好ましくないと言っているのだから、言えば、この実態がどうだの大前提がどうだのと言っておりますが、大臣としての御決意なり、閣僚の一人としてどうかひとつ適切な御指導を賜らなければならぬという決意に立っておりますので、ひとつお願いいたします。
○小川国務大臣 教職員の指導は文部省が行っておるわけでございますが、この問題は地方公務員たる教職員のモラルの問題でございまするし、地方公務員法との関連でも確かに一つの問題であると存じまするから、文部省とも協議いたしまするし、現状を改善いたしまするために、必要でありますれば閣議において発言をいたしたいと存じます。
○小川(新)委員 大変ありがとうございます。 次に、国の予算修正権について、去る二月二十三日、衆議院予算委員会会で公明党の矢野書記長の再質問にこたえる形で私は政府に質問いたしましたし、大臣からも御答弁をいただいております。そのときの答弁では、予算の修正権というものは款と項、この項の新設もあり得る、こういう福田内閣の見解に立って、大臣は議事録を見ますとこういうふうに私の質問に対してお答えになっております。ちょっと議事録を読ましていただきますと、これは大臣がお答えになっておりますが、「地方議会におきましては、いま御指摘のような地方自治法の条文がございまして、これによって公共団体の長の予算提出権と議会の修正権との調整が図られて今日に至っておるわけでございます。したがいまして、この原則そのものは今後とも堅持さるべきだと思っておりますが、具体的な予算の議決に際しましてどの程度の修正をすれば議決権の侵害になるかということは、そのときどきの地方自治体の判断にゆだねらるべきものだと考えております。」これは大臣のお考えが広範囲に法文を超えた、そのときどきの議会の判断ということになってきたんですね。また次に小川国務大臣は、「この問題につきましての先般来の当委員会における論議の過程で政府の示しました見解は、どのような修正が予算提案権を侵害することになるかは個々のケースに即して判断すべき問題である。これが二月八日の答弁と承知しております。二十三日には、憲法の規定から見て国会の予算修正は内閣の予算提案権を損なわない範囲内で可能と考えられる。そこで予算提案権につきまして、国であると地方公共団体であるとによって扱いを異にすべきではございませんから、この問題については政府の答弁と同様の扱いがなされてしかるべきだと考えております。」ということは、政府が項の新設をやった場合には、地方公共団体の首長の予算の提出権を損なわないという——地方自治法第九十七条第二項では、「議会は、予算について、増額してこれを議決することを妨げない。但し、普通地方公共団体の長の予算の提出の権限を侵すことはできない。」というふうに決められておりますね。それがそのときどきの当該地方公共団体のケース・バイ・ケースで予算の侵害にならないということになりますと、これは非常に幅ができてきたという考え方になりますし、それからその考え方からいきますと、車の両輪論で福田総理が言っていることは、常々、国が右の車輪であれば、地方公共団体は左の車輪である、だから国も地方も一緒になって進んでいくのだというのが、地方、国の行財政に対する総理の基本的な発想、考え方ですね。だから財政においても、地方公共団体が赤字であれば、それだけを埋め合わせるわけにはいかないのだ。だから、交付税にしても、たとえば自主財源の問題にしても、国が赤字で困っているときには、地方もそれなりに悩みをともに分け合っていくという車の両輪論になってくるわけでございますが、この予算の提案権を損なわないという問題になりますと、国と地方とはまたおのずと性格が少し違ってくるのだと私は思うのでございます。 そこで具体的にお尋ねしますが、款と項と目、たとえば教育費は市議会であれば款であります。そうすると、その中の項は小学校費、そしてA小学校とかB小学校とかC小学校とかいうのは事項別明細書の目になりますね。そういたしますと、大臣よく聞いていただきたいのですが、従来の解釈では、A小学校の建設費二億円を全額削除する、これは首長の予算の提案権を損なうものですか。
○山本(悟)政府委員 予算の議決につきましていろいろと、ことに増額修正につきまして経過のあることは御案内のとおりでございます。昭和十八年の改正の際等は、増額修正はできないという明文の規定が設けられ、戦後直ちにその禁止規定は削除になり、削除になったのではなお不案内であるということで、昭和二十二年の自治法の一部改正におきまして、増額修正はできるということを明文を置きますとともに、ただし首長の提案する権限を侵すことはできない、こういうことで一方的に解決をいたしまして今日まで運用がされてきたわけでございます。その際、予算は御指摘のとおり款、項というのを議決科目と称し、目、節は説明科目である、こういうような言い方をいたしておるわけでありまして、先般来国会におきまして問題になりましたのもほぼ同じような考え方に立ちまして、一体、項というのはどうだろうかということが問題としていろいろ御議論になったわけでございます。その経過は、ただいま先生お読みになりましたとおりの質疑、答弁がございましたことも存じておるわけでございまして、基本的には、大臣申しましたように、特別の事情がない限りにおいては、国におきます考え方と地方におきます考え方とは同一レベルでやっていくべきである、かように存じております。したがって、従来は款、項を変えることは絶対に提案権の侵害になるという感じが強うございましたけれども、やはりこういった情勢と国の解釈というものを踏まえまして、項等につきましてはやはりそれぞれのケース・バイ・ケースによって判断してしかるべきではないか、かように思っておるわけでございます。 ただいまの具体の御質問がございました削除の問題、減額修正という場合におきましては、何らの制限はない、かように存じます。
○小川(新)委員 これは非常に大切なお話をいまお話しくださっていますね。ケース・バイ・ケースで款、項の増設も増額もいいということになりますとね。そうすると、A小学校の建設費二億円を削除し、B小学校の増築費一億円を計上する、これはいままでの見解だと予算提案権に対する侵害になりますか、なりませんか。
○山本(悟)政府委員 具体の問題といたしまして非常にむずかしいところでございます。私がただいま御答弁を申し上げたところは、実は款までは触れておりません。国会の御議論におきましても款は触れられていないと思います。款は非常に大きな項目でございますので、款自体は新設ということはちょっと考えられませんが、項の問題として御判断を賜りたいと存じます。 修正して新しい項を起こす、あるいは同じ項の中でも、いま学校の問題でおっしゃいましたが、全然予定されていない学校を改築することにするというのはどうか、これは従来はなかなか論議の存するところでございます。非常に狭い解釈の方でいけば、いままでたとえばABC三校を出しておったのを、D校を加えることはそもそもおかしいじゃないかという議論までございます。それがすべてそのとおり行われてきたかということは、いろいろな団体でいろいろな事情で行われておりますので、全部が全部統一されているということにはなかなかなっていないで運営されてきたと思います。その意味で、ケース・バイ・ケースと申しますか、長の提案権と議会の修正権との調和をどこでとるかということで、実際上その調整が図られてきたというように思っているわけでございますが、そういう点から申せば、この間の国としての解釈の示し方、それを踏まえた上での地方としての解釈の示し方、こういうものをあわせ考えれば、非常に狭く解釈するという考え方は、調整される場合にだんだんなくなっていくのではないかと存じます。
○小川(新)委員 そうしますと、これは非常に大きな解釈の幅を持たせた御答弁が出たわけですね。いまのぼくが言っているのは款じゃないのですよ。項でもない。目ですね。もっと下の目をいじくることでも、事前に予算書に載っていないものであれば、いままでの自治省の通達である昭和三十九年三月十六日付の各都道府県知事あて行政局長通達に従うと、これは予算の侵害になるとなっているのですよ。あなたのいまの御答弁では、各市町村や都道府県でそのようなことが行われていることがあるかもしれないというようなことになって、これはケース・バイ・ケースだ、そんなふうに理解してしまったら、これは大変なことになりますよ。地方公共団体ではこんがらかってしまいますよ。私が言っていることは、款項目節、この目のことでさえも、あなたの御指導、要するに自治省の局長通達では予算権の侵害になるぞと指導しているにもかかわらず、その上の項の新設もあり得るという国に合わせる、こうはっきり大臣がおっしゃっているではないですか。これは大臣は大事なことをおっしゃった。「国であると地方公共団体であるとによって扱いを異にすべきではございませんから、この問題については政府の答弁と同様の扱いがなされてしかるべきだ」こう言えば、項の新設だって首長の予算の提案権の侵害にならないということになれば、その以下の目については、もう絶対に自治省が違反だなんて言えないですよ。これは大変なことになってしまいますよ。こうなったらみんなやりますよ。だからもしもそうなら、このただし書きを取る。そして「(昭三九、三、一六自治行三七のうち)1歳入歳出予算(1)新たな款項を加えることは、長の発案権の侵害になると解する。(2)事項別明細書にない事項をとりあげた結果既存の款項の金額に影響を及ぼすものであれば、当該あらたにとりあげられた事項については、長の発案権の侵害になるものと解する。」と書いてあるのだから、一番上の款の額は動かさなくても、項のところで予算の額が動いた場合には、明細書にないもので増額した場合には、いま私が言ったA小学校の建設費二億円を削除して、B小学校というものを新たに起こすわけですが、起こしたこの一億円というものは、款項目の目の分でさえも違法であるという見解が出るのであれば、これは非常に幅の広いことになってしまうのだから、改めて大臣の御答弁に従うならば、地方自治法の改正をしなければならぬですね。もしくは、昭和三十九年の自治省局長通達を撤回する、こうならなければならないのじゃないですか。
○山本(悟)政府委員 基本的に、国の予算増額修正に対します先般の予算委員会におきます政府としての見解も、政府の予算提案権を侵していいということにはなっていないと存じます。したがって、その基本的な考え方は、地方自治法にございますただし書きの規定もまさにそのとおりのことでございまして、その線には何ら差異はない。しかし、どういうものをもって侵すと見るのか見ないのかということについての判断は、私どもも従来よりも、こういった国としての解釈が出たわけでございますので、そのことを踏まえながら考えていきたい、こういうことになるわけでございます。したがって、三十九年におきますところの自治法改正に伴いますところの基準を示した通達、これも基本的原則を書いたものといたしまして、こういった国会での御論議等も踏まえまして、ひとつ実際に合うように考えてまいりたいというぐあいに存じております。
○小川(新)委員 そうすると、実際に合わせるということは、どこが予算を提案した首長の権限を侵害するかというラインですね、このラインが新たに問題になっているのです。たとえば地方自治体では、そのラインの問い合わせが来るわけですから、いままではあなた方が出した三十九年のものに従って、予算の修正だのいろいろなことを基準にしてきたのだけれども、国の新しいそういった見解が出たのだから、これに対して合わせるのだから、いままでよりも弾力的に物を解釈するのですよ。このラインではございませんよというものを改めてお出しにならないと、自治大臣、いろいろと混乱するやに思うのでございますが、この点いかがでございますか。
○小川国務大臣 九十七条二項の規定を非常に厳しく解釈をいたしました通達がかねて出ておることは御指摘のとおりでございますが、先般政府がこの問題につきまして、平たく申しますれば、弾力的な解釈を示したわけでございますから、さきに出しました通達のコメントと申しますか、そのような形で、ひとつ地方議会におきましてもこの問題に相当幅のある解釈ができるような措置をいたしてはいかがだろうかとただいま考えております。
○小川(新)委員 これは非常に勇断のある発言ですね。昭和三十九年以来、どこで地方自治体の予算の提案権の侵害を押さえるかという問題について、保革伯仲になった国会において、憲法で保障されておりますところの予算の修正の問題が予算委員会で議論され、しかも新しく項の新設もあり得るという政府の見解が出たので、これに当然準じていく地方自治体の問題として、いままでの行政通達よりも一段と緩やかな指導をこれからなさると理解していいわけですか。
○小川国務大臣 そのときどきの事情によりまして、いわゆるケース・バイ・ケースで、必ずしもさきに出した通達を文字どおり厳格に守らない場合もあり得る、そういうことも差し支えがないというような趣旨のコメントを出したらいかがだろうかとただいま考えておるわけでございます。
○小川(新)委員 でも、そういういいかげん——いいかげんと言うんじゃありませんけれども、少なくとも地方議会で予算案を審議して採決に当たって混乱を起こすような、少なくとも自治省にそれに対しての問い合わせが殺到するような通達では、これはまずいと思いますね。はっきりした通達が出ないと、これは個人の予算を審議するのじゃございませんから。地方公共団体、議会というものもございますし、その議会の中でいろいろと御審議をいただいてやる問題を、自治省がどうだこうだと勝手なあれでは困るんで、そのときどきにおまえのところはこうでもいいよ、こっちはこうでもいいよ、好き勝手にやれとは言わないだろうけれども、左だ右だと揺れ動いて、非常に振幅度の激しい予算の物の考え方から出た採決を行っているということになれば、これは地方行政の根幹に関する問題になってしまいますから、これもはっきりした方がいいと思います。
○山本(悟)政府委員 御指摘のとおりでございますが、また同時に、それだけにケース・バイ・ケースというものはむずかしい中身を持っているであろうと思います。現実にも地方議会と理事者との間で調整が図られてきているわけでございますが、そのときの一つの原則といいますか基準ということで通達はお示しをしておったわけでございますけれども、そういうことに対しましては、ただいま大臣から申し上げましたように幅広く考えていきたいということでございます。ただし、あらゆる場合を想定して、完全にそういう提案権というものがないのと同じようなことになってしまうのもやはり法の趣旨ではなかろうと思いますので、その辺のところをどういうぐあいに解釈していくかということは、やはりある程度はケース・バイ・ケースで判断せざるを得ない、かようにも思うわけでありまして、その辺のところは、ひとつこれからも考えさしていただきたいと存じます。
○小川(新)委員 きょうは非常にむずかしい問題を提起しております。こういう問題はやはり一般質問でないと出せませんので、きょうは時間をいただいて十二分に審議をいたしましたが、大臣及び自治省の考え方がよくわかりましたので、ひとつその検討した線で出していただいて、国と地方とのバランス、車の両輪論というものが行財政の面で明確になっていくのが七〇年代の地方行財政の抜本改正で、何も古いものにこだわることはないのですね。国の政治にしても地方政治にしても、その根幹は何かと言えば国民であり住民である。その主体たる国民、住民の幸せを願うて議会が存在し、首長があり、国家が存在し、総理があり、閣僚があるという立場に立てば、いままでの行きがかり的メンツや、そういう法的解釈がすべて万能であるという解釈でない、これが保革伯仲した衆議院予算委員会における新たな問題の提起となって口火を切ったのでありますから、勇断を求めるにやぶさかでないと思います。きょうは非常に前向きの御答弁ををいただきましたので、私はこの問題はこれで打ち切らしていただきます。きょうは財政の問題でもっとお聞きしたいのでございますが、これはまた後ほどいつでも聞けますので、きょうは一般質問でございますので、ふだん聞けない厚生省とかそういった関係でお尋ねしたいと思います。 消防庁に救急業務のことに伴ってお聞きしたいと思いますが、消防法第二条に基づく医療機関は厚生省令で定めて告示することになっておりますが、これらの告示医療機関の数は現在どのようになっておりますか。
○林(忠)政府委員 お答えいたします。 昭和五十一年四月一日現在で私的、公的合わせまして四千七百七十一という厚生省の調べになっております。
○小川(新)委員 全国的にはわずかに増加傾向にありますが、早くから救急業務に力を入れてきた東京都においては、昭和四十四年、四十五年をピークにして次第に減少してきている。このような救急医療に対する協力辞退が相次いでいるということは、消防庁としてはどのように考えられておりますか。
○林(忠)政府委員 いま東京都の数をおっしゃいましたが、現在手元にちょっと東京都の数がございませんけれども、全国的には前年の四千七百五十三カ所に対して十八カ所ふえております。救急に対する需要、救急に対する装備、救急の出動回数、これも逐年数%から一〇%に近い伸びを示しておりますので、全国的には救急に対する協力体制なり、救急体制というものが逐次整備をされてきつつあるという傾向にあると私たちは感じておりました。 東京都の場合、減ったということでございますが、もしそうであるならば、やはり大変憂慮すべきことだと思いますけれども、単に数が減っただけでありまして、あるいはそれを補完すべきそれぞれの機能が充実していって、出動件数なり受け入れ体制なにり支障がなければ、私は差し支えないと思っておるのでございますけれども、こういう事態のものでございますから数もできるだけ減らないように、言ってみればそれに対する、そういった協力をするという体制を医療機関側にももっと強く認識していただくよう、これは東京都と具体的によく打ち合わせをして、その辺の実態を調べ、適切な対策をとりたいと思っております。
○小川(新)委員 私は、消防の第一線の救急医療に携わっている方々がどのように御苦労なさっているか、十七回も二十回もお医者さんを回っても断わられて、最後に患者はたらい回しによって死んだという事例も出ているときに、減るということはもってのほかですね、東京都は。ふえないこと自体が問題であるにもかかわらず減る、しかもいまの御答弁は余りにもそっけない御答弁でございまして、いつでもどこでもだれでも文化国家として、夜間であろうと休日であろうと、しかも専門的な病院に、突発する事故に対して生命の尊厳を確保するのは救急医療体制だ。それが東京都では、人口一千万を超えた大都市が減ってしまった。しかもそういった実例がないならいいけれども、新聞紙上をにぎわしておりますね。 そこで私はそういった問題、救急医療機関に対してまず第一に、現行の自由申し出制、緊急医療機関について申し出制を改めて、緊急需要に応分の対応ができるような、応急的処置と傷病者の選別の機能を担当する第一次救急医療機関と、専門特殊医療等担当する第二次緊急医療機関とに区分して行政機関で指定すべきであると思う。これはどうしてそういう問題が出てきたかと申しますと、後ほど御説明いたしますけれども、情報センターが確立していないために、お医者さんがいたとかいないとか、どうだとかといろいろな複雑な問題がある。ところがこの救急の体制に携わる消防の方々が応急処置ができないのですね。応急処置をやっていいという法律はないわけですね。どうしてなんでしょうか、こういう問題は。だから私はいまのように区分帯を設けろ。しかも、いまの医師団やそういった人たちが反対しておりますのは、素人が応急手当がやれるかということです。血がじゃんじゃん出ていて血どめをしてくると、こんなことしてどうするのだ、骨が出たから骨の処置をやると、こんなやり方ではだめだ、悪くなったらおまえの責任だ、こういうように現場の救急医療に携わっている消防官が言われなければならない。少なくとも現場から病院に行くまでのわずかな時間、その間の応急処置が法的に確保できるように訓練し、少なくともでき得るように——それは確かにやっています、見かねて。止血はします、添え木も当てます。しかしそれに対する責任問題やらいろいろな問題があって、医師団側から強烈な反撃を受けている。でありますから私は、いま言ったような専門的な分野に分けることが一つと、もう一つは、これを担当する担当官に応急処置を講じてもよろしいという法的な根拠、そういうものを明確にして十二分に自信を与えて、自分たちの仕事に誇りを持てるような仕組みにさせるべきだと思うのです。いかがでしょうか。
○林(忠)政府委員 医療体系の方の御指摘の整備の問題は厚生省の方からお答えしていただきたいと思います。 搬送に当たります消防側の苦労、先生の御指摘のとおりでございまして、私たちもかねてその苦労には敬意を払い、その素質の向上にも努めているわけでございまして、現実に救急出動していく方々には相当長期間の講習を施しまして、そういった、いま言ったような応急処置その他ができるような素質の向上には努めてまいり、またそういう人たちも大変ふえてまいっております。それでも根本的な解決は、いま先生の御指摘になりました、法的に医療行為と申しますか、応急処置ができるようにするということは、大変この問題をスムーズに解決するために必要なことだと存じますので、その辺ではひとつ主管省の御意見を伺っていただきたいと思います。
○古賀説明員 医師法十七条におきましては、医師でなければ医業をしてはならないというふうに規定されておることは、先生御承知のとおりでございます。応急処置を含めました診断、治療等の医療行為を業として行うことができますのは医師に限られておりますので、救急患者の搬送を本来の任務といたします救急隊員が医療行為を行うことは原則としてないというふうに考えるわけでございます。しかしながら、先生御指摘のように、搬送患者の生命、身体に対する現在の危難を避けるためにやむを得ないと認められる事情のもとにおきまして、止血、人工呼吸等の応急処置を行う場合には、一般には反復継続の意思を持ってするものとは考えられませんので、医師法第十七条違反とはならないと私どもは考えておるわけでございます。
○小川(新)委員 大臣、医師法第十七条違反にはならないけれども、好ましくはないのです。お医者さんとのトラブルが起きるのです。これを何とかしていただきたいのです、何とか。
○小川国務大臣 実は不勉強でございまして、そういう問題があるということをいま御指摘を受けて初めて知ったのです。なるほどこれはまことに困ったことだと存じまするから、ひとつこの御発言のありましたの契機に、主管省とよく相談をいたします。
○小川(新)委員 わかりました。ひとつお願いいたします。 次に、東京の山谷とか大阪のあいりん地区の住民の場合は、医療機関に応じたがらないために救急隊が非常に苦労なさっておりますが、救急医療対策の一つとして、これらの面を配慮した整備、これはできないのでしょうか。
○林(忠)政府委員 実際問題としていま御指摘のような事態があり、東京消防庁あたりでも困惑しているという事態はかねがね聞いております。これにはいろいろ事情もあるようでございまして、一挙に法的な義務づけその他でもって解決するということもなかなかむずかしい面もあるようでございますが、何せとにかく人の生命の問題でございますので、さらに東京消防庁とよく打ち合わせ、知恵をひねって、そういう点についての解決を図りたいと存じます。
○小川(新)委員 きょうは一時から本会議がございますので、私の持ち時間一時までですが、少し早目に終わりますので、御答弁の方も簡単で結構ですが、これ一問で終わります。 これは「公営企業」という雑誌です。この雑誌の、これは二月号です。この四十四ページ、時事通信社内政部次長渡辺博光さんという方が「焦点ボケた地方財政の決着」という小論文を出しておりますが、私はこれを見て非常に残念に思うことは、自治省がまず掲げた今回の予算に伴う二つの柱があった。一つは地方交付税交付金の税率を上げること、もう一つは公営企業金融公庫の改組をすること、この二つが柱だ、こうるる述べてきまして、まあ作戦を誤ったと。地方交付税交付金の税率アップ、これはどうしてもとれないのじゃないかということで金融公庫の方に持っていった。ところが、この金融公庫の改組については猛烈な大蔵省の反対があって、自治省としてはついに交付税交付金の税率アップも見送られ、しかも金融公庫の改組についてもついに見送られてしまった。この中にいろいろと大臣がこう言った、議会運営委員がこう言った、ああだこうだということが書いてあります。これは後でお読みいただければわかりますが、これは自治省の名誉のためにも、こんなことではないんだ、ここに書かれているような事実はもうさらさらない、こんなやり方でもって昭和五十二年の大事な地方財政の根幹を定めたのではないという反論をなさるのかなさらないのか、ひとつこの御決意を聞いて、私はきょうは残念でございますが、皆様のためを思って私もこれで時間を割愛してやめますから、この「公営企業」という雑誌の中には、まことに痛烈無比、これでもかというほど自治省無能呼ばわりではないけれども、大蔵省、大蔵官僚にこてんぱんにやられた内容が書いてあります。これは普通のそこらの雑誌なら私は文句は言いませんが、財団法人公営企業という権威のある雑誌の中に、しかもこういった記事が書いてある。これはもう財政局長あたりが、首藤さんあたりが堂々とこの反論を、楽しみに私は待っていますから、これをよくお読みになって、ひとつお約束だけしていただきますから、それで私の質問は終わりますから、これは首藤さんにお答えいただきたいのです。どうですか。
○首藤政府委員 私、不勉強で、その本のその項目をまだ読んでおりません。よく拝見をいたしまして、いろいろ考えてみたいと思います。
○小川(新)委員 そういう答弁だから私はまた食いつきたくなってしまうのですよ。少なくとも「公営企業」、やはり公営企業金融公庫の改組の問題やらいろいろな問題、当然これは首藤さんお読みになったと私は理解して質問しているのですから、お読みにならないなどというのは、まことに不勉強であるとは言いませんけれども、注意が足りないのではないかと御指摘をいたしておきます。では、ひとつお読みになって、この次の私の質問のときに御答弁をいただければ結構でございます。どうもありがとうございました。
○地崎委員長 本会議終了後再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時五十二分休憩 ————◇————— 午後二時三十四分開議
○地崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について質疑を続行いたします。加藤万吉君。
○加藤(万)委員 地方行政委員会に初めて参加をいたしました。私は、大臣それから政府委員の方、与野党含めて、地方行政委員会では一つの土俵で話し合う場をできる限りつくりたい。大臣と私は二度目でございますが、所管が労働省のときには一緒にお話し合いをしたつもりでありますし、今度は自治大臣として、できる限り一つのコンセンサスを持ちながら、この委員会において地方行財政についての審議を通じ、その発展を図りたい、こんな気持ちでいっぱいでございます。そういう立場から大臣に、政府側のすべての人を代表するというような意味でお答えを幾つかいただきたいというように思います。 地方行財政について今日大変価値観の違いとか、あるいは市民、国民が求めている課題がかつての地方自治というものに対するものと相当違いがあるということは各位の先生方が御指摘になったところでございます。私もしばらく野にありまして現実に地方自治を見てまいりますと、その価値観の違いあるいは求めているものの、私どもの判断と市民との違いというのを非常に痛切に感ずるのであります。特に私どもの選挙区で一番大きな都市は相模原市でありますが、ここの市民の平均年齢は二十八歳でございます。こうなってまいりますと、かつて市役所と言われた中に入る地方行政あるいは地方自治に対する要望というものと、この二十八歳の平均市民が求める地方自治に対する課題というものは大変なずれがあるのであります。こういう形が一つには市民参加という形になって地方行財政にあらわれてきているのではないかというように私は思うのですが、いま各地である市民参加という問題について、大臣から、この評価をどのようにとらえていらっしゃるか、私どもの認識とできる限り一致をさせるという意味も含めて、評価についてまず御意見をお聞きしたい、こういうふうに思います。
○小川国務大臣 地方行政は、申すまでもなく地域住民のニーズにこたえると申しまするか、要望を反映して行っていかなくてはならない、これは当然でございまするから、今日までいろいろな場合、たとえば地方公共団体が長期計画を策定するというような場合に、ある段階で直接地域住民の声を聞くという形、公聴会等の形でやっておるところもございまするし、あるいはアンケートで市民の要望を聞くというようなことをやっておるところもあると聞いております。近年はそういう方向で努力をしておる公共団体がだんだん多くなってきておると存じますが、やはり地方公共団体の意思決定そのものに住民が直接参加をするという形は、今日の議会制度、いわばこれは間接民主主義とでも申しますか、との関連で、よほど慎重に考えていかなければならない問題じゃなかろうかと思っております。
○加藤(万)委員 市民参加という形が、かつてたとえば教育委員会の公選制であるとか、直接的に参加できるシステムというものが次第に後退をしている。これは事実大臣もお認めになるところだと思うのですが、いま大臣がおっしゃいました市民参加というものが、間接民主主義のただ代議員制による政治体制、それを補完する処置だというふうにお考えになっているとすると、実は少しずれるのであります。市民参加という問題は、確かに当初は代議員制による政治体制、地方自治体制に対する補完的な機能を果たしていますが、いまはそうではなくして、それより実は一歩前に出ている。たとえば地方自治体というものを市民が英知と創造によってつくり上げていく、そのために市民参加という課題がとらえられつつあるわけです。ですから、市民参加というよりもむしろ市民がつくり上げる、そこの課題まで実はシステムとして市民が望んでいる、こう実は私は考えているわけでございます。 これは外国の例を引いて大変失礼ですが、フランスでいま選挙が行われておりますが、フランスで自主管理社会という問題が地方自治体で大変問題になり、国全体でもやはり問題になっている。自主管理社会とは一体どういうことだろうかということを私ども考えてまいりますと、それは参加ではない、自分たち自身でそういう社会体制というものをつくり上げていこう、そして国の機能との関係では調整をしていこう、コントロールしていこう、こういう方向に先進諸国と言っては失礼ですが、こう向いているのではないか。やはり近代国家においては、地方自治というものはもはや代議員制によって補完し切れないさまざまな条件を抱え込んでいる、多様性にいたしましてもあるいは価値観にいたしましても。したがってそれを行政の中で生かしていくには、参加ではなくして、すでに、自主管理社会のシステムをどうつくり上げるかという、そこまで実は地方自治体というものに対する期待と機能を求めてきている。ここの認識の中で一体今日日本ではどうすべきか、どうある姿が正しいのか、こう話を発展をさせていきませんと、これから幾つか質問します課題に対しての共通の基盤ができてこないのであります。 私は市役所という言葉が余り実は好きではないのです、市町村役場という言葉が。というのは、私どもは子供のときですから、どうもやはり市役所あるいは町役場といいますと、赤紙だとか友だちが死んだ通知だとかあるいは勲章を下げた偉い人がという観念が抜け切れません。戦後の地方自治ができて三十年、それぞれの自主的機能というものを認められはしたものの、やはり市役所という観念というものは、それを延長するかのような形で中央の下請機能的な役割り、一時的には確かに直接参加する教育委員会制度であるとかいろいろな行政の機能の変革はありましたけれども、それの後退が目立つに従って戦前的な機能、いわゆるお上の代官的要素、こういうものがどうもちらつき始めているのではなかろうか。そのことが財政の面でもあるいは行政の面でもあらわれてきているのではなかろうか。私はこれからの地方自治体の機能というのは、市役所ではなくして、一種のコミュニティーホール、それにオフィスがついている、どうも日本語としては余りいい言葉がないのですが、コミュニティホールにオフィスがついている、そういう角度でとらえ、また行政の誘導政策というものを展開をすべきではないか、こんな感を強くするのですが、この点についての大臣の所見をお聞きしたいと思います。
○小川国務大臣 フランスの制度についてお話を承ったわけでございますが、私もまことに不勉強でありますが、フランスの地方行政というのはむしろ相当官治的な色彩の強い制度だと聞いております。あるいはそういうことの反動として、いわゆる住民パワーというようなものが台頭してきておるのかもしれないという感じをいま受けたわけでございますが、そういうお言葉がありましたのを契機に、少しくフランスの制度も掘り下げて勉強してみたいと思っております。 私どもは、申すまでもないことですが、地方の行財政の運営が自主的、自律的に行われるように、そういう方向で努力をしてまいりたいと思っておるわけでございます。役所とか役場とかいう名前は、御指摘を受けてなるほどと思いますが、いかにも古めかしい名前だという感じがするわけで、何かこれにかわる適当な名称があれば、これは望ましいことだと思っております。コミュニティーホール、少なくとも今日の市役所、町村役場というものが、雰囲気としてはそういうコミュニティーホール的な雰囲気になるようなそういう形で行政が行われるということは、非常にこれは望ましいことだと思っておるわけでございます。
○加藤(万)委員 今日までこの委員会で私はずっと各党のそれぞれの皆さんの御質問、政府側の答弁を聞いておりまして、行財政に対する抜本的な改革を行うと、こう言っておるのですが、その行財政の抜本的な改革というものが、いまある土俵の中での改革、そういう感を実は率直に言って深くしてしているわけであります。私はいままで大臣に所見をお聞きをいたしましたのは、いわばコミュニティーホールに象徴されるような従来の土俵でない土俵、そこに向かっていまの行政をどう改革をしていくのか、そういう展望の中で抜本的改正という問題をとらえてまいりませんと、いまの機能の中で、たとえば地方債の問題であるとか、地方税率の引き上げであるとか、そういう課題の中での範疇の話、これはもちろん重要ですけれども、それがさらに突き進んでいってどういう形になっていくのか、こうなってまいりませんと、当委員会としていわゆる共通の土俵といいましょうか、私はそれに向かうためには出発点で十歩進もうという人もあれば、二歩進もうという人もあるだろうと思うのですが、その差は埋められると思うのです。しかし、そういう新しい地方団体、地方自治体あるいは地方行政、そういうものを求めていこう、その中にいまの抜本改正の展望というものを配置をしていく、こういう形になりませんと、私は共通の問題が生まれてこないのではないかと実は思うのです。たとえば本会議で総理に対する各党の質問が地方行財政についてもございました。その際に、たとえば単年度会計の問題を通算会計にしたらどうか、こう話をした方がございましたが、それに対する総理の答弁は、いや、九十年来わが国がとっているシステムなのでこれを改革することはできない、こういうお話でございました。あるいは各委員の方が、財源が三割で行政が七割地方自治体は持っている、したがって、この地方税の配分関係を変えなければいけないのではないかという質問と同時に、いま一つは、日本の税の取り方についてこの際思い切って地方で取って国税——こういうお話もございました。これは現行の体制からいけば率直に言って不可能な条件だろうと思うのですが、しかし将来いわゆる行政に必要な財源というものはその団体に任していく、移譲していく、そういう展望、いわば仕事があるところには仕事だけの金は与えて、それを国がどういう形で補完をしていくのか、こうなってくると、これは従来の地方自治体の行政あるいは財政の枠内での抜本改正ではなくて、新しい土俵をつくり上げるための抜本改正、こういうことになるわけです。現行のシステムをどうしていくかということになるわけですね。国民の地方自治体に対する期待というものが、参加から創造の地方自治体、言葉が適切ではございませんけれども、コミュニティーホール的なものに地方自治体をしていこう、しかもそれは自主管理社会、自分たちでつくり上げていく。よく最近里づくりという言葉が出てまいります。昔の里はいわゆる中央の機能、機構というものに別に従属する形ではなくして、そこ自身で自主的な活動が展開をされた、そういう新しい土俵をつくるための抜本改正といいましょうか、それを展望した抜本改正、そこに当委員会の意思を統一する、ないしはそこに目標を置きながら当面どう出発しようか、こういうことになってまいりますと、そこで意思統一ができるならば、恐らく共通の土俵の中での当委員会のまさに円滑な運営といいましょうか、あるいは大蔵省に対する問題あるいは総理に対するわれわれの期待、要求というものも統一されて展開されて、きわめて有効な機能を発揮できるのではないか、こう思うのですが、この点に対する大臣の見解をまずお聞きしたいと思います。
○小川国務大臣 お話全体を通じまして、お考えがよく理解ができるわけでございます。私たちももとより同じ気持ちで今後仕事をしてまいりとうございますし、いろいろお教えもいただきたい、こう考えております。
○加藤(万)委員 今度の大臣の所信表明の中で車の両輪という言葉が出てまいりまして、各委員の方も、両輪ではあるけれども、実際は片方の車輪が非常に大きくて、片方の車輪が小さくして、その小さい方がぎしぎしして、いわゆる赤字財政で困っている、したがって、車の両輪説というのはどうもという御指摘がございました。揚げ足をとるような言葉で失礼ですけれども、車の両輪といいましても実は前輪、後輪もあるわけですね。一般的には左右を指しますけれども。私はいま中央と地方というものを見た場合に、行政の面でも財政の面でも、どうも前輪駆動で、後輪が地方自治体、そういう感を強くするわけです。すなわち、高度成長期における国の地方に対する行政の主導、財政の主導、いわばエンジンは前についているわけですから、そのエンジンに引きずられて、地方自治団体が後についていった。ところが、この前輪のエンジンが故障を起こして、石油ショック以来混迷状態にある。後についていった後輪はまさに国の財政のしわ寄せ、あるいは従来あった政策のしわ寄せをまともに受けて、前輪にシャフトがつながらずに、衝突をしようとしている。この形が、いま地方自治体に対する、言うところのしわ寄せという形になってあらわれているんではないか。したがって、前輪にエンジンがあるならば、やはり後輪にもエンジンがある、それ自身がいまの高度成長期における国の政策の間違いを自分で直すことができる、そういう自力、力を持っている、これが地方団体における自主財源の確保という形だろうと私は思うのですね。ですから、大臣が車の両輪のごとくと言われるのは、国の秩序としてそうある、あるいは国の経済政策としてそうあるというとらえ方だけにおられるとするならば、私は間違いだろうと思うのです。私が言いましたように、いや車にも前輪、後輪というものがある、そして、その後輪の位置にいま地方自治体があることも含めて車の両輪という言葉をお使いになるならば、そこでまた私、大臣と意見が一致をするわけですが、いかがでしょうか。
○小川国務大臣 これは子供の自転車の前輪と後輪というような意味で申したわけではないのでございまして、荷車の右左の輪という意味で申したわけでございます。これは国と地方公共団体対等の立場で互いに相補っていくというのが本来の姿でなければなりませんし、地方公共団体が国に従属をして不当なしわ寄せを受けるというようなことがありませんように、及ばずながら私どももこれからも努力をしていきたいと思っております。
○加藤(万)委員 私は、いま二つの点について大臣にできる限り意思統一をしていただくという意味で御質問したわけです。一つは、日本の地方団体に対する私どもの将来的展望というものをしっかりと踏んまえてもらいたい。同時に、いま地方自治団体が当面している問題というのは、国の行財政の前輪駆動型、しかも、それは大変なエネルギーを持ったあり方が今日の地方自治体をつんのめらしてしまうような状況に追いやっている。したがって、この二つの点があるということをまず前提に置きながら、これからの財政の問題を含めあるいは行政の改革を含めて対処をする、こういうことでぜひとも私どもと意見の一致をしていただきたい、こういうふうに思います。 そこで、具体的な問題に入りますが、そうだとするならば、今年度の地方財政計画を見まして、そういう立場で判断をするとするならば、国が不況の脱出ということで公共事業を重視をする、こういう形の中でこれまた従属的な形で地方財政計画の伸びの中における公共投資の拡大に非常に重点が置かれているというのは、やはり前輪駆動型のものに追従をする、従来あったものの失敗の中の手直しが重点ではなくして、不況という課題から脱出をしようという政府の主導型に沿った地方の財政計画に偏ってしまったのではなかろうか。公共投資の全体の伸びが大変強いものですから、私どもよけいその辺を心配をするのですが、いかがでしょうか。
○小川国務大臣 国の財政あるいは地方財政が今日の非常に困難な状況に立ち至りましたのは、これは申すまでもなく、長い間の不況の結果として税収が大幅に落ち込んだということ、あるいはまた経済が低成長時代に移行しつつある、そういう状況から出てきていることでありますから、いろいろ御議論はあるところでございますけれども、この際、公共事業によって景気の浮揚を図っていこう、こういう方針をとっておるわけでございます。地方公共団体においてもこの点については御理解をいただいておるわけでございまして、多くの地方公共団体がきわめて積極的な予算を組みまして、公共事業も大幅に伸ばしていこうとしておる、これが現状だと理解をいたしております。
○加藤(万)委員 政府のねらいは、公共事業を拡大をして全体の産業のフル的な活動にそれぞれを役立たせ不況の脱出を図ろう、ここにねらいがあるわけですね。しかし、現実に地方自治団体でもし求めるとするならば、そういう不況の対策の中から出るものではなくして、前段に述べましたようないわゆる高度成長から来る環境の問題、公害の問題あるいは教育の問題、そういう観点から公共事業を伸ばしてもらいたい、そういうものに対する投資なら何ぼでも受け入れよう、逆に言うならば自主的な単独事業としてのもの、単独といっても国の行政とかかわり合いのないものはないと思いますけれども、そこに重点を求めているわけですね。したがって、国がいま不況からの脱出を求めようというものは、それが産業の操業度を高める、あるいは産業投資を呼び込む、そういうための公共投資というものに国としては考えておるわけです。 ですから私は、これからどういう事業が各地方自治団体で行われていくか、しっかり見守らなければならないと思いますけれども、そういう形にもし公共投資が行われていくとするならば、いま地方自治体が望んでいる公共投資とは全く違った方向に実際はなっていくはずです。ですから、一般論として、公共投資は地方自治体も望んでいます、これは、共通の認識はできると思う。しかし公共投資と言っても、そういう角度の違い、問題の時点の違いというものをしっかりと見ていただきませんと、私はやはり、かつての高度成長のときと同じように、国の政策指導の中における公共投資だけに終わってしまうんじゃなかろうか、こう思うんです。 私は、ぜひここには大臣から歯どめをかけ、しかも地方自治団体が望んでいる公共投資の方に、これから行われるだろう起債についても、あるいは国の補助事業についても、そこに焦点を合わせるようにぜひとも指導を強めていただきたい、こう考えますが、いかがでしょうか。
○小川国務大臣 申すまでもありませんが、公共投資、住宅はもとより、上下水道、そのほか環境の保全につながるもの、住民の福祉に直接つながるものがいろいろあるわけでございまして、この点はただいま御指摘を待つまでもなく、仰せのような方針でやっていくつもりでございます。
○加藤(万)委員 結局私は、従来の国がとってまいりました、既存の制度あるいは地方団体の財政運営のパターンとか、そういうものの延長の中で問題を解決しようとしても、結局のところ、今年度における財源不足が招いたように、五十三年度も五十四年度も同じ運営とパターンである限りは、不況からの脱出はできないと思っているんです。したがって、今年度を一つの契機にして、そこからそういう運営や財政のパターンを変える手だてをぜひともつかんでもらいたい。抜本的な、全面的なということはむずかしいでしょう。この解決策というのは、いろいろな方がいろいろな角度で述べていらっしゃいます。たとえば、国からの税源の移譲であるとか課税の強化であるとか、あるいは事業税の外形課税の導入であるとか、資産課税、間接税の見直しだとか行政の見直し、いろいろあるでしょう。たくさんある、そこもやりましょう、ここもやりましょうと。私は、実際は解決をする、抜本改正に至る窓口すら見つからないような気がするんですね。 先ほどわが党の質問にもありましたけれども、四年間に四人の大臣がかわられるというような、こういう事態の中では、大臣を信頼をして、それではここから窓口を開いて、これから何年かの間に地方行財政の抜本的改革をというのは、率直に言って期待が持てない、そういう気持ちなんですね。そうすると、たとえばそれは短期間でもいいけれども、この期間内に幾つかある解決点のうちで、一つだけは突破できた。たとえば小川自治大臣がいらっしゃる間にここに窓口が開かれたから、次にどんな大臣をお迎えしても、今度はここを直していけば、次の抜本改正に至る道が生まれてくる。 そこで私は、今度自治大臣になられて、幾つかある解決策のうちのどこを大臣自身のオリジナル的なもの、ないしはそこに重点を置いて、ここだけはとにかく突破していこう。幾つかある解決点のうちのどこを大臣は、一番重心を置かれてやろうとされていますか、これを聞きたいんです。
○小川国務大臣 解決を要する問題は、山積をいたしておるわけでございます。多年の懸案に属するもので、今日なお実行できないものもいろいろあるわけで、午前中も地方事務官の問題についておしかりを受けておるようなわけでございますので、何から着手してよろしいやら、問題山積という状況でございます。ぜひこのことだけは解決せよという、ひとつ示唆を賜ることができれば、まことに幸いと存じます。
○加藤(万)委員 福田総理が、私は経済の神様だとは言いませんけれども、経済を得意として、日本のいまの不況からの脱出を図ります、これは政府自身の一つのオリジナルを国の政策の中に生かしていこうというとらえ方だと思うんですね。私は、自治大臣をお受けになったときに、大臣自身も幾つかの解決しなければならぬ問題があるけれども、ここだけは一点突破をしてみせる、このくらいの決意を示していただかなければ、それじゃ当地方行政委員会の私どもも、大臣のその所信に基づいて、あるいはその体制に基づいて協力していこうという、そういう意気込みがわいてこないんじゃないかと思うんですよ。くどいようですが大臣、幾つかある解決点の一点だけでいいんですから、私はここを突破口にしてやりますという決意がございませんでしょうか。
○小川国務大臣 これは当面の一番大きな問題でございますが、昨日国会に提出いたしました財政収支試算、五十五年度までに財源の不足を回収するという目標、これが達成できまするように、私は五十五年まで自治大臣をやっているとは存じませんけれども、その礎をぜひひとつ築いてまいりたい。ことしは正直のところ、抜本的な改正ということができなかったわけでございますが、せめて来年度におきましてその端緒を開いていくために全力を傾注してまいりたい、かように考えております。
○加藤(万)委員 均衡予算に持っていくことを重視をしながら、これからの一つ一つの問題、それは結構だと思うんです。そのためには、今日のような地方債のあり方でよろしいのか、今日のような交付税のあり方でよろしいのか、そういう角度から、そこを基点にしながら、すべての判断の基礎にぜひともしていっていただきたいと思うんです。そうでないと、私ども、はかる目盛り、バロメーターがないんですね。 午前中にわが党の議員が地方税の財源問題について、地方税の伸びを一八・一%にとらえているのは少し高過ぎるのではないか、いわんや山形においては三十数%云々という話がございました。私は、全くそのとおり同感なんです。従来の政府のこの地方税の伸びは、今日国の経済政策それぞれの指数を基本にしながら、地方税はこの程度伸びるだろう、こう予算に組んでいらっしゃいますが、先ほど公共投資のときに私はお話をいたしましたけれども、あの公共投資の誘導政策をもってして政府は六・九%、経済の成長率を——公共投資だけではございません、今日の公定歩合の引き下げもございますし、六・九%と見込んでいるわけですね。 六・九%が生まれた一番中身をさらに洗ってみますと、民間の在庫投資、民間の設備投資、これを大変見込んでいらっしゃるわけです。その見込みが、結果的には地方税の場合には事業税となって、事業税の伸びが二二%ですか、こういう形ではね返ってくる、こういう見方なんですね。私が調べた限りでは、いま政府側がいろいろデータをつくられる一番基礎になっている各社の経済リサーチ、これを見ましても、いま手元に各社のものが幾つかありますけれども、たとえば山一証券、野村証券、三菱総研、日経センター、三井銀行、住友銀行、その他十三社ほどのそれぞれの指数、五十二年の一月末まで出ていますが、これを見て、民間在庫投資の伸びが、政府が言っている六三・六%、ここまで至るであろうという社は十三社のうちにたった四社しかない。ほとんどは六三%どころか三七%前後、あるいは伸びても四五%前後、こういう数字なんですね。結局、今日日本の在庫は非常に多いですから、需要と在庫とのギャップを埋めるだけで五十二年度の経済指数は展望がいっぱいで、さらに在庫投資をふやして景気を拡大するという方向はほとんど望めないというのが各社の経済指数なんですね。 いま一つは設備投資です。設備投資は、これは大臣御承知でしょうけれども、いま日本の企業、相当優秀な企業でも操業度は八七%ぐらいですね。私が所属する化学産業に至っては、たとえばアンモニア、尿素などは四〇%を切っております。平均的に見ても操業度は大体八〇%前後。日本のこれからの六・九%を償うための生産設備投資は、いま政府の見込みにはとてもいかないのですね。政府の見込みの設備投資の伸びは六・九%ですか、そうですね。名目で一二・二%ぐらいでしょうか。とてもいかない。そういう経済的な側面を重視をしたと言いながら、民間サイドで見る限り、やはり成長の度合いについてもそれから設備投資についてもあるいは民間在庫投資についても伸びが見込めない。したがって、いま自治省が見込まれている地方税の中の法人事業税の伸びというのはとても見込めないというのが一般的な判断なんですね。くどいようですが、午前中の佐藤議員の質問に引き続いて、一体こういう指数をもってしても、大臣は政府の統計によってこの伸びを確保することは間違いない、こうお認めでしょうか。いかがでしょう。
○小川国務大臣 経済の動向につきまして積極、消極いろいろな御意見があり、観測があると存じます。ただいま加藤先生からいろいろお教えをいただいたわけでございますが、私どもは去る二月に決定をいたしました政府の経済見通しというものを一応の基礎といたしまして、昨日提出しました収支試算等も策定をいたしたわけでございます。今日まで政府が景気浮揚のためにいろいろなことをやってまいりました。さきに成立した補正予算あるいはそのほか景気立て直しのために講じてまいりましたもろもろの施策あるいは五十二年度予算、最近の公定歩合の引き下げ等で必ず景気は立ち直っていくと期待をいたしておるわけでございます。法人税収につきましては、この政府の経済見通し並びに最近における課税の実績ということを基礎にいたしまして、そのほかいろいろの要素を取り入れて策定をいたしたわけで、お申しつけでありますればこの算定、数字をはじき出した根拠について政府委員からもう一度御説明をいたしますが、私どもはこの見積もりが甘過ぎるという判断はいたしておらないわけでございます。
○加藤(万)委員 政府の物価安定政策会議でも相当の有識者、委員の方々は、それは危険であるという指摘が幾つかされているわけですね。誘導政策があれば経済の成長六・九%へ持っていくということは可能だと、こう言いますけれども、たとえば公定歩合を〇・五%下げたって、どうですか、定期預金の利子を下げないために民間の資金は移動しないでしょう。きょうも新聞では盛んに書いていますよ。公定歩合を下げたって、設備投資に回りませんよ。私はそういうことに謙虚に耳を傾けるべきだと思うのです。それなしにやるものですから、結果的には地方の法人事業税の減収があり、それが今度はまた地方債の発行に回っていき、それがまた地方の財源を硬直化していくという、こんな悪循環に立ち至っておるわけですね。私は経済の側面から、地方税の税収入の伸びは甘いのじゃないか、こう言ったわけです。あるいは佐藤議員は、実際にある地方自治体の感覚から言ってもそれはちょっと無理じゃないかと言っているわけですね。五十二年度の各地方自治体の決算が出ていませんけれども、五十年と五十一年との決算比較でいったならば一二、三%、よくても一四%ぐらいじゃないですか。確かにきょういただきました資料で、当初予算比は府県段階、特別都市で二〇・三%、しかし決算段階での——私どもの地域なんというのは比較的地方財政が強い都市ですけれども、それでも一二、三%しか見てませんよ、実際の財政当局者は。そうしますと地方税の伸びをこれほどに見るというのはやはりどうしても危険だというように私は思うのです。これは先ほどの私どもの議員の言葉とあわせてぜひ受けとめてもらって、私どものサイドで進言をしたことを受け入れて、手直しができるもの、あるいはその辺は十分な配慮を払いながら善後策を講じていただきたい、こういうように思います。 それから次に外形課税の問題について御質問をしますが、外形課税の是非についてはこれまた大変多く論じられているところであります。経済の変動にリンクする税体系をできる限り改めて、地方自治体の一般財源の安定を期そう、そういう意味の一つの発想として外形課税がある。同時にまた企業が稼働している限り、それに対する行政のサービスというものをやめるわけにいかないわけですから、その企業がどのような決算状況であろうと地方自治体の負担というものはある。そこから外形標準課税をぜひ認めてもらいたい、こう言っているわけですが、最近環境庁が汚染賦課金を、四月一日からだったですか、五十二年度、東京、名古屋は据え置いて実施をする、公害対策審議会が答申案を出しましたね。これは大ざっぱに言いますと、汚染賦課金というのは、従来はいわゆる外形課税とはもちろん少し税体系は違いますけれども、どの企業に対しても一律的な賦課金方式だったわけですね。それをブロックに分けて、いわゆる工業の密度が濃いところ薄いところ、それによってパーセンテージの差をつける。同時にそれによってそのブロック内でその金を使い、やや公益的な汚染防止とか公害防止にその資金を使おうという、そういう答申ですね。私はここで言いたいのは、実は汚染賦課金の場合には、従来国が一本立てで取っていたそういう賦課金というものを、地域とその条件において変えてきたというところに、実は外形標準課税と共通なものがあるというように思うのですよ。いわゆる外形標準課税の場合には、申し上げるまでもありませんが、御承知のように国のサイドでその企業の採算、決算の度合いに応じて税を取る、税が取れない場合には云々、こうなるわけですね。まあ頭割り、均等割で、地方自治体の事業税の問題は均等割でやる。外形標準課税を求めている側は、そのものにかかわり合いなく、その地域で行政サービスとして必要なものは取るという方式を求めているわけです。一方、政府側では、汚染賦課金の場合にはいわゆるその地域の汚染の度合いに応じて強弱をつけて取ると、こうなったわけですね。自治省の場合には比較的積極的に外形標準課税の問題をとらえているようですが、このことに、汚染賦課金に刺激をされるわけではありませんけれども、そういう角度でいま一遍政府部内での話というのはできないでしょうか。
○小川国務大臣 これはお言葉にありますように、事業の活動と行政サービスとの応益関係に着目した物税でございますから、これは本来の姿に近づけていきたいということが一つ。もう一つは、府県がこの税に大きく依存しておりますために、景気の変動に対して非常に敏感であるから、この際安定した税収を得たい、こういうことでいろいろ研究をいたしたわけでございます。税制調査会の御意見も求めたわけでございますが、直ちに実行すべしという御意見もあり、先ほど来お話のありましたこの深刻な不況でございますから、この不況に与える影響ということも慎重に考えなければいけないという御意見もあり、結論的には、もう少し時間をかけて検討せよというお話になっておるわけでございますが、私どもとしてはこれを実現いたしますためにこれからも関係方面に働きかけ、理解を深める努力をいたしましてやっていきたい、こう考えておるわけでございます。
○加藤(万)委員 そうしますと、自治省としてはきわめて積極的にこの外形標準課税の導入という方向で、これから政府部内あるいは税制調査会に諮問を求めていく、こういう態勢であるというふうに理解してよろしいでしょうか。
○小川国務大臣 できるだけその方向で努力を続けてまいりたいと思います。
○加藤(万)委員 各地方自治体、そういう体系を望んでいるようですし、先ほどの環境庁のそういう答申も出ている折でもありますから、地方の実態に即応できるような、地方自治体が自分で、それだけで財源が確保できるようなそういう方向にぜひ大きく踏み込んでもらいたいということをお願いしておきます。 次に、地方債の問題について、これまた大きく皆さん御論議がありました。地方債の場合大変膨大な金になっているわけですから、それぞれ財政硬直化が目立っていることはもう御承知のとおり、しかも元利償還の金が年々歳々かさんでいくわけですね。本年度は六%、一兆七千三百二十億円これに充てる、こういうことでございますから、地方自治体にとっては大変な課題です。そこで、その一つの策として、政府はことし同和政策に対する元利償還期限の延長ということを行われましたね。十二年を十五年に延長する。私は残念ながら前のことはまだ余りしっかり把握をしておりませんから、こういう政策は同和政策に限らず、いままでの間、元利償還計画を他の分野でも延期をしたということはあるのでしょうか。
○首藤政府委員 地方債の償還年限をできるだけ、それをもってつくりました施設の耐用年数に合わしていくという努力をすることは望ましいことでありますし、また正しいことだと実は思っております。しかし、これには別向きの制約も実はございまして、たとえば政府資金、ただいま大体二十五年の償還でございますが、これを延ばしてまいりますと資金総量がたくさん要るわけでございます。ただいまのように政府資金が大変枯渇をいたしております時期、充当率が非常に下がっておる時期、こういうときには、償還期限を延ばすという一つの希望がありますとともに、なかなか実態それにまいらないという事態もあるわけでございまして、まあ資金総量等とも見合いながら、できる限り期限の延長、耐用年数の範囲内での延長ということには、資金の質を良質にするという意味で努力をしてまいりたいと考えております。
○加藤(万)委員 同和対策事業の地方債償還期限の延長、これの対象になる金額はどのくらいですか。 それから、従来、私の聞く範囲では、たとえば病院等についても償還期限の延長を行ったという話も聞いておるわけですが、これらの幾つかの実績があったらお聞かせをください。
○首藤政府委員 同和対策債の総額は五十二年度で、ことしの地方債計画によりますと九百八十億、この程度でございます。 それから、従前とも、先生御指摘のように毎年度病院、水道そのほか各面にわたりまして逐次この償還期限の延長をここ数年、いま細かく資料を持っておりませんが、図ってまいっております。ことしも幾つかのものを持ち出して折衝いたしたのでございますが、先ほど申し上げましたように、資金総量が非常に少ない中で、ことしは政府資金を三〇%以上も地方債に増額をする、こういう措置をともかくとってもらったわけであります。これをもう第一義にして要求をしたわけであります。したがいまして、資金総量の関係から、これ以上の分野についてことしは償還期限を延ばしていくということがかなわなかった。今後はいろいろ努力をしていきたい。こういう筋でございます。
○加藤(万)委員 確かに五十一年度二九%から三六%に伸びたわけですから、そこは認めますよ。しかし、総体で六〇%の資金が政府資金で賄えるようにしなければ、自治体はもう大変ですよ。まあ今度の場合にはそれに至るまでの利子補給をされるようですけれども。 会計法上減価償却比率というのがありますね。これはどこでも年度末決算をやられる、あるいは税申告をやられる場合に減価償却というのを民間サイドでやりますね。法にも決まっていますように、その耐用年数と償還期限、一般的には一致をしなければおかしいですね。民間で決算をする場合には、御承知のように耐用年数、それぞれ減価償却率をかけていくわけですね。それが必ずしも資金の返還、償還とイコールにはなりません。しかし、おおむねその建物の耐用年数、減価償却比率に基づいて大体資金需要を民間の場合には立てるわけです。政府の資金で二十五年ですね。縁故債だったら十年でしょう。あるいは公営企業債は十八年ですね。いま鉄筋の建物、減価償却何年かかってやるでしょう。あるいはいわゆる、言うところの課税対象から、この建物は償却額ゼロだ——最後の基準額だけは残しますけれども。それをするまでには少なくとも二十年、鉄筋だったら三十年から三十五年ですよ。これに対応していかにこの地方団体の場合の元利償還計画がきついものかということがおわかりになると思うのですがね。少なくとも私は、いま国が一方で税法上行っている耐用年数、そして税法上行っている減価償却の年数、それに合わせてあるいはそれに並ぶ程度のそれぞれ縁故債による事業、建物、あるいは公営企業債にいたしましても、それに並べて償還期限を策定をすべきではないか。資金の総量がないと言われればそれまでです。しかし、資金の総量よりも、実際にはその建物がその時限でゼロにならないわけですから——これは話が少し横道にそれますけれども、私は、国の財政が収支計算だけで貸借対照表がないのが非常に残念なんです。貸借対照表があれば出てくるのですよ。単年度会計、しかも本会議でも問題になりましたように収支計算だけですからね。貸借対照表があれば、しかも会計年度が単年度でなくて通年会計ならば、そこが出てくるのですが、いかんせん単年度会計ですから、その面からこれが拘束されているのかもしれませんけれども、少なくとも単年度会計の中でもそこまで元利償還計画を延ばすべきではないか。物によってはもちろん違います。しかし、少なくとも、いま言っているように縁故債でつくったもの、公営企業債でつくったものが十年、十八年などというのは、まさに短期ですよ。輸出入銀行の返済計画だって十年などということはありませんよ。十年といったら国民金融公庫ぐらいなものじゃないですか。大型の政府サイドで貸している償還計画、たとえば住宅金融公庫あるいは輸出入銀行の借入金、全部十五年、十八年、二十何年でしょう。それから見てもいかにこの元利償還の期間が不合理なものかということがおわかりになると思うのですが、いかがでしょう。最小限そこまでに合わせるべきではないかというように私は思うのですが。
○首藤政府委員 御指摘の御趣旨は非常に示唆に富むわけでございまして、私どももそのこと自身に対して御反論申し上げる気は毛頭ないのでございます。 御承知のように、ただいま政府資金は資金運用審議会の議で一応二十五年、最高三十年のケースもございますが、そういう条件に決められておりまして、これは資金総枠の関係からいろいろ延長方をお願いをしておりますが、毎年幾つかは実現をしておりますが全部は到達をしない、こういう状況であるわけでございます。 それから縁故資金関係の方は、七年物、十年物、こういうものがいろいろ多うございますが、これは、銀行等との話し合いがつきますれば、耐用年数の範囲内で借りかえをやっていくということは可能でございます。その点については私どもも財政の実態に応じて必要な配慮をいたしておるわけでございます。いずれにいたしましても、耐用年数近いところまで償還期限があってちっともおかしくない、これはおっしゃるとおりでございますけれども、ただいまの資金状況、実情等から、できるだけ延長を図りたい気は持っておりますが、この程度のところにとまっておる、なお努力をしていくべきものだ、このように私どもも観念をいたしておるのであります。
○加藤(万)委員 政府資金が国債関係の発行の吸収に回ってまいりますから、民間サイドで縁故資金、これは大変ですよ、地方自治体は。確かに貸しかえという制度もあります。しかし、貸しかえをしたところで総体的な借金は拡大するだけですからね。いまの民間の資金需要から言っても、この際、同和対策事業の九百八十億円の三年延長だけではなくして、幾つかのそういう事業のうちで、地方団体ができる限り資金需要が緩和できるような策をもっと積極的にとるべきではなかったか。いま財政局長の話を聞いておりましても、やはり国の資金総量が全体的に少ない、したがって、政府資金を三〇%から三六%に上げることに実は最大の努力をしたのだ、これは当初申し上げましたように率直に言って枠の中の話なんですよ。そうでなくて、その枠も拡大はするけれども、同時にいままでの財政運営のパターンというものを一つ抜け出そうとするならば、私は急激に全然違ったことをやろうとしてもそれは無理だと思うのですけれども、少なくとも片方に国税の徴収のための一つの税法があるわけです。あるいは減価償却とか耐用年数とかを掛けた一方の税を徴収する法律というのはあるわけですから、それにリンクする形で地方債をこういうふうに変えていけば、それほど抵抗なくしてしかも従来の財政運営のパターンを一つ破ることができるのじゃないか、こう私は思うのですが、いかがでしょう。
○首藤政府委員 このたび延長を図るように決めていただきました、あるいはいままでも努力してまいりましたのは、御案内のとおり資金運用部資金の融通条件、これが主体でございます。いわゆる政府関係資金の融通条件、これの年限をどれだけにするかという問題でございますので、先ほど申し上げたように私どもは延長に絶えず努力をいたしておりますけれども、総枠との関係もあったりいたしまして、資金運用審議会で決めることでございますから、努力をいたしましたが、やっとここまで到達をいたしました、今後も努力をいたします、こう申し上げておるのでございます。 その他の民間資金の点につきましては、償還年限を幾らにするということをこのようなかっこうで決めておるわけではございませんので、その償還条件が銀行との話がつくならば、借りかえをやって、耐用年数の範囲内で借りかえを続けていく。大体年六%払いぐらいの条件のものが多うございますから、最後に借りかえをしていく、これで耐用年数に近く措置をしていく、こういうことはわれわれでできることでございますから、われわれとしては十分措置をしてまいりたい、こう申し上げておるわけであります。前段も努力をしないとは申し上げていないのでございますが、相手のあることでございますし、できる限りの努力をした結果がこうである、こう申し上げているわけでございます。
○加藤(万)委員 貸しかえが民間需要の関係から言ってそう簡単にはできないのです。できる場合もありますよ。しかし、貸しかえができても今度は次の資金の借り入れの場合にそれはチェックされるわけでしょう。そういう意味では、国の法律の中できちっと定めてやる、このことが必要だと思いますから、一層この辺が充実ができますように、いまの答弁に基づいて大蔵省とも折衝を進めてもらいたいというように思います。 私の持ち時間が来たようですから、最後に一点だけ超過負担の問題についてお聞きをします。 超過負担に対するこれまたたくさんの課題があります。一つだけ見解をお聞きしたいと思うのですが、公立文教施設の整備費、なかんずく、私どもの場合、どこでもそうですが、学校教育のための用地の取得に大変困っているわけですね。義務教育の、施設については三分の二ですが、用地の取得については御承知のように三分の一ですね。しかもこれが単年度会計の関係上三分の一ずつの分割の形で、実際には四月一日から入学をさせるその学校用地ないしは施設、そういうものに対する国の補助金は、就学が終わった後三分の一ずつ。ですから、地方自治団体としてはその間自分で資金の立てかえをし、国からの補助金があった場合にはそれで償還をする、こんな形になっているわけですね。会計年度を通年制にしろとまでは私は言いませんけれども、少なくとも暦年制にしていけばこの弊害が一つ直るのじゃないでしょうか。いまの日本の会計法上そういう形はとれないのでしょうか。 同時に、いま一つ、この学校用地の取得について三〇%の足切りという問題がありますね。現実の用地の価格と国の補助の対象になるべき価格に大変な差が起きて、それが超過負担になっていることは御承知のとおりなんです。地方財政の中でもこの文教施設については大変なウエートを占めるところですから、この改善についていまお考えがあるかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○首藤政府委員 義務教育施設に対します補助金でございますが、これは長いいきさつがございまして、先生御案内のように、建物には補助がございましたが、以前は土地はなかったのでございます。それを私ども、人口急増地域やら何やらでは非常に大変だということで、文部省にもずいぶん申し上げましたし、大蔵省にもお願いをしましたし、これは主管は文部省でございますが、やっと踏み切っていただいて、三年前でございましたかにこの制度ができまして、ただいま御指摘のようにまだ足切りとかなんとか、こういう制度がございます。もっと充実させていただくように私どもとしては毎年、これは文部省にも注文をつけておりますし、また大蔵省にもお願いを申し上げておるわけであります。ただ、そのままの状況で、十分でない補助金でほうっておいたのでは地方財政は動きませんので、私どもは一方でその充実をやっていただきながら、片一方では地方債で、実際に買収をするときの資金には困らないように措置をいたしますし、また人口急増地域のそのような地方債については、その元利償還費を交付税に見ていく、こういった措置もあわせとりながらこの問題を追っておるわけでございます。御指摘のように、それに対する補助制度そのものの拡充は私どもも大いに望んでおるところでございますので、明年度以降も文部省及び大蔵省には強くお願いしてまいりたい、こう思っております。
○加藤(万)委員 終わりますが、特に過密地帯においてはこの経費が大変なことになっておるわけですね。しかも、地方債がつくといっても、それを実際に使用できるのはもう用地取得後。ですから、その間はほとんど地方団体がしょい込む、こういう形になっていることは御承知のとおりなんです。私どももできる限り、これは義務教育ですから、高校に対する、最近建物に対する補助まで出るようになったという条件の中では、義務教育に対しては全額その対象にすべきであるし、同時にまた、施設と同じように三分の二の補助にしていくべきが当然の施策なんですね。私どももそういう方向で努力をいたしますけれども、ぜひ自治省側においても大蔵省への一層のアタックをお願いして、特に過密の都市においては大変な財政負担であることを心にしっかりとめておいて対策を立てていただきたい。お願いをいたします。 ————◇—————
○地崎委員長 この際、昭和五十二年度地方財政計画について説明を聴取いたします。小川自治大臣。
○小川国務大臣 昭和五十二年度の地方財政計画の概要について御説明申し上げます。 昭和五十二年度の地方財政につきましては、昭和五十一年度に引き続いて厳しい状況にありますが、国と同一の基調により、歳入面におきましては、中小所得者の地方税負担の軽減に意を用いる一方、地方税源の充実強化を図るとともに、財源不足を補てんするための措置をとること等により地方財源の確保を図るものとし、歳出面におきましては、景気の着実な回復に資するため、住民生活向上の基盤となる公共事業等の推進及び社会福祉施策の充実等に重点的に財源の配分を行うほか所要の地方行財政の合理化を図る必要があります。 昭和五十二年度の地方財政計画はこのような考え方を基本として策定いたしております。以下その策定方針及び特徴について申し上げます。 まず第一に、最近の経済社会情勢の推移にかんがみ、地方税負担の軽減合理化を図るため、個人住民税の各種所得控除の引き上げ、個人事業税の事業主控除の引き上げ、料理飲食等消費税、電気税等の免税点の引き上げ等を行うとともに、地方税源の充実強化を図るため法人住民税の均等割りの税率の引き上げ等の措置を講ずることとしております。 第二に、所要の地方財源を確保するため、臨時地方特例交付金を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるとともに、同特別会計において資金運用部資金から借り入れを行うことによって地方交付税の増額を図り、あわせて財源不足に対処するための地方債を発行する等の措置を講ずることとしております。 第三に、地方債資金を確保するため、政府資金、公営企業金融公庫資金を充実し、民間資金による地方債の消化を円滑にするための措置を講ずるとともに、金利負担の軽減に資するため、所要の措置を講ずることとしております。 第四に、地方交付税、地方債等の合理的な配分を図ることにより、景気の着実な回復を図ることに配意しつつ、地域住民の福祉充実のための施策を重点的に推進するとともに、生活関連社会資本の充実の要請にこたえるための諸施策を実施することとしております。このため、公共事業及び地方単独事業を増額するとともに、社会福祉施策、教育振興対策等の一層の充実を図ることとし、また、人口急増地域及び過疎地域に対する所要の財政措置を講ずることとしております。 第五に、地方公営企業の経営の健全化を図るため、引き続き病院事業及び交通事業に再建を推進するとともに、公営企業債の増額を図ることとしております。 第六に、地方行財政運営の合理化により財政の健全化を図るとともに、国庫補助負担制度の改善等財政秩序の確立を図り、あわせて地方公務員の給与改定その他年度途中における事情の変化に弾力的に対応するよう配慮することとしております。 以上の方針のもとに昭和五十二年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は二十八兆八千三百六十五億円となり、前年度に対し三兆五千七百七十億円、一四・二%の増加となっております。 以上が昭和五十二年度地方財政計画の概要であります。
○地崎委員長 次に補足説明を聴取いたします。首藤財政局長。
○首藤政府委員 昭和五十二年度地方財政計画の概要につきましては、ただいま自治大臣から御説明いたしましたとおりでありますが、なお、若干の点について補足して御説明いたします。 明年度の地方財政計画の規模は二十八兆八千三百六十五億円で、前年度に比較しまして三兆五千七百七十億円、一四・二%の増加となっております。 次に歳入について御説明いたします。 まず、地方税の収入見込み額でありますが、道府県税五兆三百八十四億円、市町村税五兆四千五百三十三億円、合わせて十兆四千九百十七億円でございます。前年度に対しまして一兆六千八十七億円の増加となっております。その内訳は、道府県税については七千七百五十八億円、一八・二%の増加、市町村税については八千三百二十九億円、一八・〇%の増加となっております。 なお、地方税につきましては、住民税所得割等について一千百六億円の減税を行う一方、住民税法人均等割り、娯楽施設利用税等の定額課税の税率の引き上げにより三百六十九億円の増収を見込むこととしております。 地方譲与税につきましては、総額三千二百六十七億円となっております。 次に地方交付税でありますが、国税三税の三二%に相当する額に昭和五十年度分の精算額を加算した額四兆六千九十七億円に臨時地方特例交付金一千五百五十七億円及び資金運用部からの借り入れ九千四百億円等を加算いたしまして、総額五兆七千五十五億円を確保いたしております。 国庫支出金につきましては、総額七兆四千九百五十八億円で、前年度に対しまして一兆三百三十二億円、一六・〇%の増加となっております。これは、生活扶助基準の引き上げ、児童保護、老人医療等の公費負担の充実等社会福祉関係国庫補助負担金、公共事業費補助負担金、義務教育費国庫負担金の増等が主なものであります。 次に地方債でございますが、普通会計分の地方債発行予定額は、三兆百七十四億円でございまして、前年度に対しまして一千五億円、三・四%の増加となっております。この中には、地方財源の不足に対処するための建設地方債一兆三百五十億円が含まれております。 地方債計画全体の規模は五兆五百六十二億円で、前年度に対しまして二千五百五十二億円、五・三%の増加となっております。 地方債計画の基本方針といたしましては、景気回復を指向しつつ、住民生活に直接の影響を持つ事業を重点的に推進するとともに地方財源の不足に対処することといたしております。 最後に、使用料及び手数料等でありますが、これは最近における実績の増加率及びその適正化等を考慮して計上いたしております。 その結果、歳入構成におきましては、地方税が前年度の三五・二%に対し、一・二%増の三六・四%となり、これに地方交付税及び地方譲与税を加えた一般財源は前年度の五六・九%から五七・三%へと歳入構成比率が増加し、反面、地方債は前年度の一一・五%に対し一〇・五%と一・〇%低下しております。 次に歳出について御説明いたします。 まず、給与関係経費についてでありますが、総額は九兆五千二百四十四億円で、前年度に対しまして九・三%の伸びを示しております。これに関連いたしまして、職員数については、教育、警察、消防、社会福祉、清掃関係の職員を中心に約二万八千五百人の増員を図ると同時に、国家公務員の定員削減の方針に準じ、約五千八百人の定員合理化を行うこととしております。 次に、一般行政経費につきましては、総額六兆三千百九億円、前年度に対しまして七千七百七十九億円、一四・一%の増加となっておりますが、このうち国庫補助負担金等を伴うものは三兆三千四十八億円で、前年度に対しまして四千二百十四億円、一四・六%の増加となっており、この中には、生活扶助基準の引き上げ等を図っている生活保護費、児童福祉費、老人福祉費等が含まれております。 国庫補助負担金を伴わないものは三兆六千一億円で、前年度に対しまして三千五百六十五億円、一三・五%の増加となっております。この中では、社会福祉関係経費を充実するほか、公害対策関係経費として四百三十五億円、災害等年度途中における追加財政需要等に対する財源留保として三千五百億円を計上いたしております。 なお、内部管理的な一般行政経費は極力抑制するとともに、物件費等について経費の節減を行うこととしております。 公債費は、総額一兆七千三百二十億円で、前年度に対しまして三千三百二十三億円、二三・七%の増加となっております。 次に、維持補修費につきましては、補修単価の上昇等の事情を考慮するとともに、一般行政経費と同様経費の節減を行うこととし、前年度に対しまして二百七十三億円の増額を見込み、四千三百八十三億円を計上いたしております。 投資的経費につきましては、総額十兆三百八十四億円であり、前年度に対しまして、一兆五千六百三十一億円、一八・四%の増加となっております。これは、経済の現況にかんがみ、公共投資の充実を図った結果であります。直轄、公共、失業対策の各事業は国費とあわせて執行されるものでありますが、明年度においては、公共投資充実の方針のもとに一八・六%の増加となっております。 一般事業費及び特別事業費のいわゆる地方単独事業費は、総額四兆四千八百五十五億円で、前年度に対しまして、六千九百七億円、一八・二%の増加となっております。この単独事業の中には、前年度に引き続き地方債をもって措置する市町村の単独道路整備事業二千五百億円が含まれております。また、廃棄物処理施設二六・五%、人口急増対策二三・〇%、過疎対策一六・二%増等生活関連施設の整備充実を図るほか、治山、治水二一・九%増等国土保全にも努めることとしております。 また、公営企業繰り出し金につきましては、地下鉄、上下水道、病院等国民生活に不可欠なサービスを供給している事業について総額五千五百二十五億円を計上いたしております。 その結果、歳出構成におきましては、給与関係経費は三三・〇%で、前年度に対し一・五%の減少となっておりますが、反面、投資的経費は前年度三三・六%から一・二%増加し、三四・八%となっております。 以上をもちまして、地方財政計画の補足説明を終わらせていただきます。
○地崎委員長 以上で説明は終わりました。 ————◇—————
○地崎委員長 次に、内閣提出に係る地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。小川自治大臣。 ————————————— 地方税法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○小川国務大臣 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨につきまして御説明申し上げます。 明年度の地方税制につきましては、地方税負担の現状と地方財政の実情とにかんがみ住民負担の軽減及び合理化を図るため、個人の道府県民税及び市町村民税の所得控除の額、個人事業税の事業控除の額並びに料理飲食等消費税、電気税及びガス税の免税点をそれぞれ引き上げるとともに、地方税負担の適正化、地方税源の充実強化等を図る見地から、法人の道府県民税及び市町村民税の均等割、娯楽施設利用税、鉱区税、狩猟免許税、入猟税並びに入湯税の税率の引き上げ、非課税等の特別措置の整理合理化等を行う必要があります。 以上が、この法律案を提案いたしました理由であります。 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。 その一は、道府県民税及び市町村民税についてであります。個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、住民負担の軽減を図るため、課税最低限の引き上げを行うこととし、基礎控除の額及び配偶者控除の額を二十万円に、扶養控除の額を十九万円に、老人扶養親族及び配偶者のいない世帯の一人目の扶養親族に係る扶養控除の額を二十万円にそれぞれ引き上げることといたしております。また、障害者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額についても、それぞれ十八万円に引き上げるとともに、特別障害者控除の額を二十万円に引き上げることといたしております。 なお、障害者、未成年者、老年者及び寡婦についての非課税の範囲を、年所得八十万円までに拡大することといたしております。 また、法人の道府県民税及び市町村民税につきましては、均等割の税率をおおむね一・一倍ないし三・三倍に引き上げることといたしております。 その二は、事業税についてであります。個人の事業税につきましては、個人事業者の負担の軽減を図るため、事業主控除の額を二百二十万円に引き上げることといたしております。 その三は、不動産所得税についてであります。不動産所得税につきましては、住宅金融公庫等から貸し付けを受けて建設する分譲住宅等に係る課税標準の特別措置等の整理合理化を図るとともに、心身障害者を多数雇用する事業所の事業用施設に係る減額措置の適用期限を延長する等の措置を講ずることといたしております。 その四は、娯楽施設利用税についてであります。娯楽施設利用税につきましては、ゴルフ場に係る標準税率を千円に引き上げるとともに、利用物件の数量を標準とする場合のパチンコ場、マージャン場及び玉突き場に係る標準となる率をパチンコ場にあっては二百五十円に、マージャン場にあっては七百五十円に、玉突き場にあっては千二百円にそれぞれ引き上げることといたしております。 なお、利用料金課税及び定額課税を行う場合における娯楽施設利用税について制限税率を設けることとし、標準税率に一・五を乗じて得た率を超える税率で課することができないことといたしております。 その五は、料理飲食等消費税についてであります。料理飲食等消費税につきましては、大衆負担の軽減を図るため、旅館における宿泊及びこれに伴う飲食の免税点を四千円に、飲食店等における飲食の免税点を二千円に、あらかじめ提供品目ごとに料金を支払う飲食の免税点を千円にそれぞれ引き上げることといたしております。 その六は、鉱区税、狩猟免許税及び入猟税についてであります。鉱区税、狩猟免許税及び入猟税につきましては、その税率をそれぞれ二倍に引き上げることといたしております。 その七は、固定資産税についてであります。固定資産税につきましては、変電所等の用に供する固定資産に係る課税標準の特例措置等の整理合理化を図るとともに、石油コンビナート等災害防止法に基づいて設置される流出油防止提について非課税とする等の措置を講ずることといたしております。 その八は、電気税及びガス税についてであります。電気税及びガス税につきましては、住民負担の軽減を図るため、電気税の免税点を二千四百円に、ガス税の免税点を四千八百円にそれぞれ引き上げるほか、亜炭等七品目に係る電気税の非課税措置を廃止することといたしております。 その九は、特別土地保有税についてであります。特別土地保有税につきましては、一定の廃棄物処理施設の用に供する土地等について非課税とするほか、非課税の対象となる土地について災害その他やむを得ない理由により納税義務の免除に係る期間内に非課税土地として使用することができないと認める場合には、市町村長が定める相当の期間を限って、納税義務の免除に係る期間を延長することができることといたしております。 その十は、自動車税、軽自動車税及び自動車取得税についてであります。 まず、自動車税及び軽自動車税につきましては、昭和五十三年度規制適合車の標準税率を、昭和五十二年度に限り、昭和五十一年の地方税法等の一部を改正する法律による改正前の標準税率とすることといたしております。 次に、自動車取得税につきましては、昭和五十三年度規制適合車について、その税率を、昭和五十二年四月一日から昭和五十三年三月三十一日までの間に取得されたものにあっては百分の〇・二五を、同年四月一日から同年八月三十一日までの間に取得されたものにあっては百分の〇・一二五をそれぞれ現行税率から控除した税率とすることといたしております。なお、電気自動車につきましては、現行の税率の軽減措置の適用期限を昭和五十四年三月三十一日まで延長することといたしております。 その十一は、入湯税についてであります。入湯税につきましては、鉱泉浴場所在市町村における環境衛生施設等の整備の促進を図るため、税率を百五十円に引き上げることといたしております。 その十二は、事業所税についてであります。事業所税につきましては、公害防止事業団から譲渡を受けた共同利用建物について新増設に係る事業所税を非課税とする等の措置を講ずることといたしております。 このほか、地方税制の合理化を図るため所要の規定の整備を行っております。 以上の改正により、昭和五十二年度におきましては、個人住民税七百八十七億円、個人事業税四十四億円、料理飲食等消費税百八十六億円、電気税及びガス税その他八十九億円、合計千百六億円、平年度千四百二十二億円の減税を行う一方、法人住民税の均等割等の税率の引き上げ、非課税等の特別措置の整理合理化等により三百六十九億円、平年度八百八十八億円の増収が見込まれますので、差し引き七百三十七億円、平年度五百三十四億円の減収となります。 以上が、地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○地崎委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。 引き続き、本案について補足説明を聴取いたします。森岡税務局長。
○森岡政府委員 ただいま説明されました地方税法の一部を改正する法律案の主要な内容につきまして補足説明を申し上げます。 時間の関係がございますので簡略に申し上げたいと思いますので、御了承願いたいと思います。 まず、道府県民税の改正でございますが、第二十四条の五の改正は、障害者、未成年者、老年者、寡婦の非課税限度額の引き上げでございます。 三十四条第一項第六号から第九号までの改正は、障害者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額の引き上げの改正でございます。 第三十四条第一項第十号及び第十一号並びに同条第二項及び第三項の改正は、基礎控除、配偶者控除、扶養控除、老人扶養親族及び配偶者のいない世帯の一人目の扶養親族に係ります控除額をそれぞれ引き上げる改正でございます。 なお、この引き上げによりまして、住民税の課税最低限は、夫婦子二人の給与所得者の場合、現行の百三十万九千円から百四十一万八千円に引き上げられることに相なります。 次に、五十二条第一項の改正は、法人等の均等割の標準税率の引き上げでございます。 次は、事業税の改正であります。 第七十二条の十八第一項及び第二項の改正は、個人事業税の事業主控除の額の引き上げであります。 次は、不動産取得税の改正であります。 第七十三条第八号の改正は、不動産の取得とみなされる家屋の改築の対象範囲について是正を行おうとするものであります。 次の七十三条の四第一項第九号の二から七十三条の二十四までは不動産取得税の非課税、課税標準の特例に関する規定についての改正でございます。 次に、娯楽施設利用税の改正でございます。 七十八条第一項の改正は、ゴルフ場に係る娯楽施設利用税の標準税率の引き上げであります。 七十八条第二項の改正は、利用料金課税及び定額課税を行う場合における娯楽施設利用税についての制限税率の規定の設定であります。 七十八条第三項の改正は、利用物件の数量を標準として娯楽施設利用税を課します場合の標準となる率につきましてパチンコ場、マージャン場、玉突き場についてそれぞれ定額税率の引き上げを行う規定であります。 次は、料理飲食等消費税の改正であります。 第百十四条の四第一項及び第二項並びに第百十四条の五第一項の改正は、料飲税における免税点の引き上げでございます。 次は、鉱区税の改正であります。 第百八十条第一項の改正は、税率を現行の二倍に引き上げる改正でございます。 次に、狩猟免許税の改正であります。 第二百三十七条の改正は、税率を現行の二倍に引き上げる改正でございます。 次は、市町村民税の改正であります。 第二百九十五条及び第三百十四条の二の改正は、道府県民税と同様であります。 第三百十二条第一項及び第二項の改正は、法人等の均等割の標準税率の引き上げであります。 次は、固定資産税の改正でございます。 固定資産税の第三百四十八条第二項第六号の二の改正から第三百四十九条の三第一項までは、同税における非課税、課税標準の特例に関する規定の改正であります。 次は、軽自動車税の改正であります。 第四百四十五条の二第三項及び第四項の改正は、同税における月割り課税に関する規定の改正でございます。 次は、電気税及びガス税の改正であります。 第四百八十九条第一項の改正は、電気税の非課税規定に関する改正でございます。 第四百九十条の二の改正は、電気税の免税点の引き上げの改正でございます。 次は、特別土地保有税の改正であります。 第五百八十六条第二項の改正は、同税におきます非課税規定の改正でございます。 第六百一条第一項の改正は、現在非課税措置の対象とされております住宅用土地等を徴収猶予の適用対象に加えようとするものであります。 第六百一条第二項及び第四項の改正は、納税義務の免除に係る期間の延長制度について改正を行おうとするものであります。 次は、軽油引取税の改正でございます。 第七百条の六第三号の改正は、軽油引取税の課税免除の対象範囲に関する改正であります。 次は、入猟税の改正であります。 第七百条の五十二の改正は、税率を現行の二倍に引き上げる改正でございます。 次は、入湯税の改正であります。 第七百一条の二の改正は、税率を現行の百円から百五十円に引き上げるものでございます。 次は、事業所税の改正であります。 第七百一条の三十四第五項及び第八項第二号と、第七百一条の四十一第五項の改正は、非課税及び課税標準の特例措置に関する改正であります。 第七百一条の五十一の二の改正規定は、譲渡担保の目的で事業所用家屋を譲渡する場合のうち一定の場合について、納税義務の免除をしようとするものであります。 次は、国民健康保険税の改正であります。 第七百三条の四第四項の改正は、課税限度額の引き上げであります。同条第十項の改正は、同税の課税額の算定に当たりまして、被保険者でない世帯主に係る所得割額、資産割額及び均等割額は課税額に算入しないものとする改正であります。 次は、附則の改正であります。 附則第九条の二の改正は、沖繩電力株式会社に係る事業税の標準税率の特例措置の適用期限の延長の改正であります。 附則第十条第二項の改正から附則第十一条の二までの改正は、不動産取得税の課税標準の特例に関する規定の改正でございます。 次に、附則第十二条の二の改正は、昭和五十三年度規制適合車に対して課する自動車税の標準税率を昭和五十二年度に限り、昭和五十一年の地方税法等の一部を改正する法律による改正前の税率としようとするものであります。 次に、附則第十五条第四項の改正から附則第三十条の二までの改正規定は、固定資産税、軽自動車税の課税標準の特例、減額措置に関する規定の改正規定でございます。 次に、附則第三十二条第一項の改正規定は、政府の補助を受けてバス事業を経営する者が取得する一定の一般乗り合い用バスに係る自動車取得税の非課税措置の適用期限を二年延長しようとするものでございます。 附則第三十二条第三項の改正は、昭和五十三年度規制適合車の取得に対して課する自動車取得税の税率の軽減を行う改正規定であります。 附則第三十二条の三第二項及び第三十二条の三の二の改正は、事業所税に関する非課税ないしは課税標準の特例措置に関する改正であります。 以上でございます。 ————◇—————
○地崎委員長 次に、内閣提出に係る地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。小川自治大臣。 ————————————— 地方交付税法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○小川国務大臣 ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。 最近における地方財政の状況にかんがみ、地方交付税の総額の確保に資するため、昭和五十二年度分の地方交付税の総額について特例措置を講ずるとともに、昭和五十五年度から昭和六十二年度までの各年度における一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計への臨時地方特例交付金の繰り入れに関する規定を設けるほか、各種の制度改正等に伴って増加する地方団体の財政需要に対処するため、普通交付税の算定に用いる単位費用を改定する等の必要があります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 まず、昭和五十二年度分の地方交付税の総額については、現行の法定額に、一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れられる臨時地方特例交付金千五百五十七億円及び同会計において借り入れられる九千四百億円を加算した額とするとともに、借入額九千四百億円については、昭和五十五年度から昭和六十二年度までの各年度に分割して償還することとしております。 さらに、後年度における地方交付税の総額の確保に資するため、昭和五十五年度から昭和六十二年度までの各年度において、総額四千二百二十五億円の臨時地方特例交付金を一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れることとし、これにより当該各年度の地方交付税の総額を増加させることといたしております。 次に、昭和五十二年度の普通交付税の算定方法については、児童福祉、老人福祉対策等社会福祉施策の充実に要する経費の財源を措置するとともに、教職員定数の増加、教員給与の改善、教育施設の整備等教育水準の向上に要する経費を増額し、また、市町村道、下水道、清掃施設等住民の生活に直結する公共施設の計画的な整備を進めることとするほか、過密対策、過疎対策、消防救急対策、防災対策等に要する経費を充実し、あわせて投資的経費については、財政対策債の発行を取りやめたことに伴い包括算入に係る投資的経費を復元するほか、所要の経費を措置することといたしております。さらに、昭和五十一年度の財源対策のため発行を許可された地方債に係る元利償還金を基準財政需要額に算入するため、財源対策債償還費を設けるとともに、道府県民税及び市町村民税の所得割に係る基準税額の算定につき、精算制度を導入することとしております。 以上が、地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○地崎委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。 ————◇—————
○地崎委員長 次に、内閣提出に係る警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。小川国務大臣。 ————————————— 警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○小川国務大臣 ただいま議題となりました警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 国家公務員等について傷病補償年金が設けられること及び警察官の職務に協力援助して災害を受け長期にわたり療養する者の実情にかんがみ、協力援助者災害給付制度に傷病給付を創設して重度の障害を受けた協力援助者に対する給付の充実を図ろうとするものであります。 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。 その改正内容は、警察官の職務に協力援助した者に対する災害給付として、負傷または疾病が治っていない場合の廃疾に対する傷病給付を新たに設けることとするものであります。 なお、以上の改正は、本年四月一日から実施することといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○地崎委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時十五分散会 ————◇—————