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80回国会衆議院1977/03/11

地方行政委員会 第2号

発言数
278
登壇者
21
会派数
6
開催日
1977/03/11

会議録

地崎宇三郎自由民主党

○地崎委員長 これより会議を開きます。  地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。  高村坂彦君。

高村坂彦自由民主党

○高村委員 十八年ぶりの国会返り咲きでございまして、ふなれでございますので、いろいろへまがあるかもしれませんが、お許しをいただきます。貴重な時間をお与えいただきましてありがとうございました。  まずもって、質問に先立ちまして、今回の地方財政対策につきまして、自治大臣以下関係の方々の非常な御高配によりまして、地方財政の窮迫、危機がまずまず突破ができるということになりまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。六団体が強く要望しておりました交付税率の引き上げ、また地方団体金融公庫の二つは実現を見ませんでしたが、それに見合う内容の実現をお図りいただきまして、恐らく各関係者としても理解をいたしておると存じます。このこともお礼を申し上げなければならぬと思います。  実は私、御質問申し上げるのですが、福田総理大臣も言明しておられますように、八月までには行政改革をするということを言っておられますが、この行政改革というのは、第一線で仕事をいたしております、特に市町村なんかでは、総合行政等の点から申しましても、非常に関係が深いわけでございます。私、市長をやって痛感いたしましたことは、市民と申しまして、それはまた県民であり、また国民でございます。したがいまして、国の政治、行政、県の行政、市の行政というものが一体となって、初めて住民の幸福が図られるわけでございますから、その間に矛盾があったり、あるいはちぐはぐがあったりいたしますというと阻害されるわけでございます。実はそのことを私は相当痛感いたしました。したがって行政改革をされるに当たりましても、そういった点を十分ひとつ御配慮願いたいということでございますが、ちょっとくどくなりますが、私が市長をやっておりまして痛感いたしましたことを、当時私が市長随想として書いたことがございますが、これは地方の第一線で働いている者がどういうふうに苦労をしているかということを御理解いただく意味におきまして、一言お聞き取りを願いたいと思います。  これは私、昭和三十九年にたしか書いたと思いますが、こういうことを書いてあるのです。「市町村優先の行政」をやってもらいたいということでございますが、   昭和三十八年十二月二十七日に、地方制度調査会が行政事務の再配分について内閣総理大臣に答申した中に「行政は、住民の身近かなところで、住民の意思を反映しながら、住民の批判と監視のもとに行われなければならない。また、行政は相互に関連を有する事務が、地域において総合的に処理されることが、その能率のうえからも、住民の利便のうえからも必要である」「この行政の民主的処理と総合的処理を確保するためには、市町村を優先さすべきである。このことは、憲法及び地方自治法の精神にも合致する。」と述べています。   私は、この答申位現在の行政の急所をついたものはないと痛感しています。民主主義の下においては、政治も行政も、国民本位、住民本位で行わなければならないことは当然であります。そのためには、出来るだけ国民の身近かなところで行われることが望ましいことも異存がない筈であります。しかるに、今日の政治の実際は、地方の実情を十分知らない中央で決定せられ、それも割拠主義で縦割りの行政の弊が甚だしく、総合的の配慮が欠けています。徳山市の場合を考えましても、約十六億の予算の中で、人件費や公債の元利払いなどを除いたいわゆる投資的経費などに使われる費用が約六億円位でありますが、そのうち、市長独自の考えで出来る仕事は、約壱億円足らずしかありません。補助金その他政府から市が貰う金は殆んどヒモ付きであります。どの仕事にいくら、どの費用にいくらというように決って参りますから、市で勝手に他に使うことは許されないのであります。もしも、その国から来る費用をヒモ付きでなく、一括して市に交付せられますと、最も市の実情に合うように、最も効率的に、最も市民の福祉に役立つように知恵を絞り工夫を凝らして実行出来るのであります。勿論、それには若干の弊害も起りましょうし、国全体の政治のバランスの点からも問題があるとは思いますが、それにしても現状は、今少し、市町村の行政を優先させ、その裁量に委ねることが、民主政治の本領を発揮せしめ、真の住民の福祉を向上せしめる所以であると思われてなりません。   このことは、市政のバランスの点からもいい得ることであります。わが徳山市としては農村・漁村・市街地、社会福祉、環境衛生、経済産業、教育文化などなどに均衡の採れた仕事をしようと思っても中央政治によってきめられ、不均衡な、市政を余儀なくさせられるのであります。そうした意味で、市町村行政を優先させ、市町村の権限をなるべく拡大して住民の身近かなところで、住民の意思を反映しながら、住民の批判と監視の下に行政を行うことが望ましいという、地方制度調査会の答申が、政府で採り上げられて、その線に沿った改善が一日も早く行われることを切望いたしている次第であります。 これは三十九年の二月十日に書いた何でございますが、その後私は、実は全国市長会の若干の役員等もしておりましたが、昨年の六月に全国市長会で、低経済成長下の都市政策に関する提言というものをつくりまして、発表いたしております。自治省等にもお届けしておると思いますが、これは私特別委員長としまして、保革どちらも入りまして三十一名の市長さんが参加され、大学の教授等学識経験者も多数参加されまして、約一年かかってまとめたものでございます。これにもまたいま申しましたような点から、いろいろな点を提言をいたしております。これもぜひひとつごらんいただきまして、行政改革につきまして、参考にしていただきたい、かように考えます。  それから実はこういうことをやっておりましても、地方としても、ただ中央に総合行政ができないからといってほうっておるわけではないのです。いろいろなばらばらで来ましたものをまとめて総合的な効果を上げるために、市町村長はみな非常な苦労をいたしております。そのことにつきましてどんな苦労をしておるかということを若干御披露申し上げて御参考にさせていただきたいと存じます。  実は私も少年の非行対策とかあるいは総合農政とかいろいろなことでやりました。ところが、市がやっている行政自体がまた第一線にいくとばらばらになっているわけですね。これもやはり何とかしなければいかぬというので、私がひとつモデル地区というものをつくりました。そのことをちょっと御披露申し上げまして、第一線でどんなことがやはりまちまちになっているかという御参考にしていただきたいと思います。これはたしか昭和三十九年に第一回につくったのでございますが、「市政モデル地区の目標」として私がやはり市民広報で住民に訴えたものでございます。お聞き取りいただければありがたいと思います。   そもそも、わたしが、市政モデル地区指定を行なったネライはなんであったかというと、その第一は、市行政の統一性を実現したいということでありました。稲、野菜、果実などの勧業行政・伝染病予防、成人病対策、環境衛生、栄養指導などの衛生行政・体育、青少年の育成、成人教育などの社会教育行政などが、国、県の出先機関や市役所の部局、課間の横の連絡がふじゅうぶんで、各自バラバラに行なわれて、行政の統一性が欠けていることが今日の行政の大きな欠陥であります。そこで、モデル地区では農業改良普及所、市役所、農協その他の行政機関が一体となって、指導、協力する姿をつくりあげ、行政の総合統一性を実現する契機としたかったのであります。   その第二は、実情に即した市政を行なうことであります。とかく、お役所しごとは、ひとりよがりに陥りやすく、大いに活動はするけれども、実情を無視したり、住民の意思に添わないため、から回りに終わって、ほねおり損のくたびれもうけとなる事例も少なくないのであります。こうしたむだをなくして、地域の実情にピッタリした市政を行なうために、その地区の実態をよくは握したいと考えたのであります。とくに、近時、都市周辺の農村は急激に変化しつつありますから、その最近の実態を認識することによって、実効ある周辺対策を発見しようと考えたのであります。   その第三は、住民総ぐるみの市政の実現ということであります。住民の理解と積極的、自発的な参加、協力がないと、市政の実効を期待することは困難であります。それが自治行政の本義であると信じます。この理想的な姿をモデル地区で実現してみたいものと考えたのであります。称して「住民総ぐるみの市政」というのであります。 以下、いろいろ書いてありますが、そういうふうに第一線ではいろいろ工夫をいたして、国なり県なりあるいは市自体のばらばら行政というものをいかにして統一したものにして実効を上げるかということに骨を折っておるわけでございますが、先ほど申しました全国市長会でもそうした苦心をした市長が集まりまして、とにもかくにも一年かかってまとめたものでございます。そういうものを十分御検討いただきまして、中央でひとつ、行政機構の改革も行政改革の中に恐らく含まれると思いますが、そういうことについてぜひお考えいただきたい。こういった問題について自治大臣のお考えをお伺いいたしたいと存じます。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 ただいまお言葉にございました市長会の提言、私もすでに一読をいたしまして貴重な指針と心得て念頭に置いておる次第でございます。  ただいまこの行政調査会の答申を引用なさったわけでございますが、住民に密着した行政は住民の身近なところでその監視のもとに執行される、これが望ましいことは当然でございまするから、基礎的な地方公共団体でありまする市町村にあとう限り責任と権限をおろしていきたい、こういう方針でこれからも努力をいたしてまいりたいと存じます。  モデル地区のことについていろいろお教えをいただきました。縦割り行政の弊害を是正するということも非常に大事なことでございますから、これまたそういう方向で機会あるごとに努力をしてまいりたいと考えております。

高村坂彦自由民主党

○高村委員 御答弁いただきまして、大体そういった線で考ようというお言葉でございまして、ぜひそういうふうにお願いいたしたいと存じます。  実は、いまでも中央でいろんな行政を統制しようということで、これは法律のたてまえ上そうなっておるんだと思いますが、総理府でやっておられますね。たとえば青年の問題あるいは婦人の問題、最近は婦人の問題も入ったようでございます。あるいは交通安全対策室等もできておるようでございます。人事局もできておるようでございます。しかし、たてまえはそうかもしれませんが、実際申しますと自治省が地方の実情に一番明るくていらっしゃるので、総理府でそういうことをおやりになるよりも、いろんな行政のめんどうを見たり運営の指導をされたりしておられますので、そういう問題をできれば——昔は中央集権的な弊害がありました、これは権力でやりましたから。内務省が総理府的なことをやったのですね。これは弊害もありましたけれども、今日はもうそういう時代ではございませんから、むしろそういった各省のいろんな地方に対するものが縦割りでいくのを、中央でやる場合に、自治省にやってもらった方がなじみもあって、地方としてはいろいろな点で身近に感じてうまくいくんじゃないかというふうなことを、私第一線におりまして感じたわけでございますが、行政改革についてそういう点を御考慮いただけないものでございましょうか。これは大臣にひとつお考えを伺えればありがたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 これは改めてこんなことを申し上げるまでもないことでございますが、総理府設置法に、総理府は行政事務を一体的に遂行する責任を負う行政機関である、そしてその中に、各行政機関の施策、事務の総合調整ということを書いておるわけでございまして、ただいま総理府がその仕事に当たっておるわけでございますが、各省庁にまたがる行政が総合的に実行されるべきは当然でございます。その点が不十分であってはいけませんから、自治省といたしましても当然強い関心を持っておるわけでございます。  そこで、いろいろな施策を総合調整して実施するという責任は、これはそもそも地方公共団体が持っておるべきものでございましょうから、それに関連をしていまモデル地区等についてもいろいろお教えをいただいたわけでございますが、そういう意味で地方公共団体の御意見も十分聞きまして、御指摘の方向で努力をしてまいりたいと考えております。

高村坂彦自由民主党

○高村委員 これはたてまえもさることながら、実際ぼくはこれは運営上でもある程度できると思いますが、しかし制度の上でそういうことが持ち込まれれば一番いい、これは希望として申し上げておきます。  それから、私は実は市長になりまして間もなく、自治省にお願いして市の行政を診断してもらったんです。これはわれわれ市長になって、しろうとでございますから、全国的ないろいろな視野から名医が脈をとるようなかっこうで見てもらおうというわけで、たしか六、七名おいでいただきまして、一週間にわたって市の行政を見てもらいました。いろいろな御指摘をいただきまして、私どもそのとき非常に得るところがあったわけです。大体指摘をいただきましたことは、全部実現いたしました。  しかし、そのときある市の行政をずっとごらんになると、先ほど私が申しましたように、中央官庁の縦割り行政の弊害というものもそこでわかるはずなんですね。そのとき私はあの診断は五十点だったと言ったんです。私どもの方はずいぶん間違ったところを指摘してもらって直ったけれども、中央はそれに基づいて少しも反省しなかったじゃないかということを、これは冗談半分に言ったんですが、そういう点で、たしか赤澤自治大臣のときであったかと思いますが、地方庁に対して今日のそういった問題で行政機構をどうしたらいいかと意見を徴されたことがあるのです。私どもも出しました。それはもういろいろな機関があって、こういうように分かれていなくてもいいじゃないかというものもあるわけですね。出先もあります。そういう点を出しております。それはおとりになったばかりなんです。その後何ら措置をされておりませんが、恐らくそれも資料が自治省にはおありと思いますから、こういう問題も十分ひとつ御検討をいただいたらありがたいんじゃないかと思います。これはお願いいたしておきます。自治省は地方の状況を一番おわかりでございますから、もう余り申し上げませんが、とにかく今日の行政は、地方でいかに努力しましても、おのずからそこに限界がございます。したがって、やはり中央で地方のそういう総合行政をやるのにやりいいようにひとつお願いいたしたいということでございます。  時間の関係もございますから、次に警察行政につきましてお尋ねをいたしたいと存じます。  まず第一は、先般経団連ビルが占拠されたという事件がございました。一部には非常な衝撃を与えたと思います。こういうことがどういう背景でどうなったのかということは、新聞等にも書いてございますが、十分わかっておりません。こういうものを事前に防ぐとかあるいは事後処置をどうするかとかいうことにつきまして、これは必ずしも大臣、公安委員長からでなくて、担当の方でよろしゅうございますが、ひとつお示しをいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 経団連会館事件、ああいうような事件を事前に防ぐ方策、またその努力ということでございますが、あれはすでに報道等で御存じのように、四名の右翼分子によって敢行されたものでございます。新聞等でいわゆる新右翼、こう言っておりますが、右翼には従前の考え方に基づく右翼、これを既成右翼と言っておりますけれども、そのほかにいわゆる新右翼というのが出てまいっておるわけであります。これはいわゆる新左翼が爆弾闘争あるいは浅間山荘の事件というようなことを行い、さらに海外におきましては、先年のクアラルンプール事件というようなものを敢行したわけであります。この点につきまして新左翼が文章あるいは書物等で彼らの主張をいろいろ述べておりますが、これに刺激されまして、右翼の陣営におきましても、新左翼が命がけで事件を敢行する、たとえば三菱重工事件の場合には犯人が逮捕されると服毒自殺をした事例がございますが、ああいうふうに左翼においても命がけでやる人間がおるということに刺激されて、右翼の中でも、目標は違いますけれども、手段、方法においては新左翼と同じようなことをやるべきである、こういう考え方を新左翼との交流の中で持って出てきたというのが、この新右翼でございます。したがいまして、その成り立ちから言いましてごく最近のことである、またその数もいわゆる組織されたものではなくて、一匹オオカミ的な分子がそういう考え方を持って行動しておる、こういうことでございますので、その組織性あるいは行動の計画性ということにおきまして、いわゆる既成右翼と大変差があってつかみにくいという点が一つの問題点でございます。  われわれ警察におきましては、こういうものにつきましても、いろいろの既成右翼とのつながり、これの査察の中から彼らの端緒をつかんで対処しておるわけでございますが、今後は一層そういう点に力点を置いて、事前に彼らの企図を発見するように努めてまいりたいと思うわけでございます。  今回の事件につきましては、犯人の一人は過去にも放火事件を犯しておるというような者でありまして、出所後の彼らの行動につきましては十分注意しておりましたけれども、いままでのところいわゆる言論に終始しておりまして、今回の事件を行うような徴候を事前に察知し得なかったという点については大変残念に思っておりますが、今後とも一層力を入れて未然防止に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。

高村坂彦自由民主党

○高村委員 次にお尋ねいたしたいのは、暴力団の問題についてでございます。  警察当局は永年にわたって取り締まりを進めてこられたのでありますが、昨年後半から、たとえば関西地方において人通りの多い白昼の繁華街で暴力団組長が拳銃で殺されたり、一方、関東においても拳銃による殺人事件が発生したりして、社会に大きな不安を与えているような実情でございます。また、最近暴力団は経済不況の長期化や警察の厳しい取り締まり等によりまして、新たな資金源を求めて活動が活発であるように聞いており、暴力団の情勢は予断を許さないように存じますが、これらのことにつきまして、最近の暴力団の勢力とその特徴、暴力団同士の抗争事件や拳銃など武器を使用した事件の発生状況、抗争事件や拳銃発砲事件の背景等につきましてお知らせをいただきたいと存じます。

鈴木貞敏警察庁刑事局長

○鈴木政府委員 お答えいたします。  御質問は三点あったと思うわけでございますけれども、最近における暴力団の勢力とその特徴という問題でございますが、先ほどの中にありましたように、警察といたしましては、全国におりまする約十一万の暴力団に対する取り締まりというものを最重点におきまして、各都道府県警察が努力しておるところでございますけれども、現在の全国の暴力団の勢力でございますが、昨年末で約二千五百団体、構成員にしまして十一万人ということでございます。これはピークでありましたのが昭和三十八年でございまして、その際は五千二百団体、構成員にいたしまして十八万四千名ということでございましたが、それと比べますと、現在のところ約半減しておる、数の上からはそうなっております。  また、最近の暴力団の特徴といたしまして挙げられることは、一つは数府県にわたりまして活動を行っているような大規模な広域的な暴力団、この数が全暴力団の団体数中に占める割合が非常にふえておるということが一つの特徴でございます。この傾向は今後も続くのではないか、いわゆる大同団結的な傾向が今後も続くのではなかろうか、こういうふうに予想されます。  それから二つ目の特徴といたしましては、資金源の獲得活動が非常に多様化しておるということでございまして、暴力団は賭博であるとか覚せい剤、のみ行為、こういったいろいろの違法行為によりまして資金源を獲得するというのが通常でございますけれども、最近は社会経済事情を敏感に反映いたしまして、特に覚せい剤の密売、これが非常にふえておる。また、いわゆる総会屋であるとか、金融業の分野に進出するということによりまして、資金源を獲得する、こういうふうにそのときそのときの情勢に対応した資金獲得活動が多様化しておるということが二つ目の特徴として言えるかと思います。  また、三つ目の特徴といたしまして、拳銃発砲事件あるいは拳銃の不法所持事件、これが非常に多くなっておるというのが挙げられるかと思います。また、第二の御質疑にございました暴力団同士の対立抗争事件、あるいは拳銃など武器使用の実態でございますけれども、これも数字の面で申し上げますと、昨年一年間の暴力団の対立抗争事件が六十六件ございました。これは五十年に比べますと、件数からしますと、約四分の一減っております。すなわち二十三件減っておるわけでございますけれども、このうち銃器を使用した事件が四十一件ございまして、対立抗争事件中に占める銃器使用事案の比率が年々高くなっておるということでございます。この面は、社会の平穏という面から見ましても大変ゆゆしい問題でございまして、今後を通観いたしましても予断を許さない状況にあるというのが実情でございます。  また、これら暴力団同士の対立抗争事件あるいは拳銃発砲事件の背景でございますけれども、いろいろの要因が考えられまして、一概にこれだという決め手は申し上げられないわけでございますけれども、主な原因として考えられるものを挙げますと、一つは経済不況等に伴いまして、資金源をめぐるトラブルが非常に増加しておることが一つ。それから、暴力団の内部事情の変化に伴いまして勢力争いが増加しておること、これが二つ目として挙げられるかと思います。こういった事情が背景にありますために、暴力団員のささいなけんかであるとか口論等が、対立抗争事件あるいは拳銃発砲事件に発展しておるというふうなことではなかろうか、こういうふうに考えられます。  以上でございます。

高村坂彦自由民主党

○高村委員 いまお伺いしたところによりますと、暴力団の勢力は、警察等の非常な御努力によって減少しておるということでありますが、その中において大規模広域暴力団が勢力を増しつつある、また資金獲得活動が多様化しておる、拳銃事件や不法所持事件が多発しておるといったようなことがうかがえるわけでございますが、まず今後の暴力団絶滅対策、取り締まり状況、こういったことについて簡潔にひとつお示しをいただきたいと存じます。

鈴木貞敏警察庁刑事局長

○鈴木政府委員 おっしゃいましたように、警察としまして暴力団に対する取り締まり、まさに長年にわたり、また強力にこれを推進しているところでございますが、依然としてその根は深いという実情でございます。したがいまして、警察といたしましては、この暴力団組織を根絶させるということを目標にいたしまして、取り締まりの重点の一つは、首領格それから幹部、こういった者を中心にいたしまして、組員の根こそぎ反復検挙を繰り返していくということが一つ。拳銃と武器の徹底した摘発、これが二つ。三つが資金源を封圧していく。こういう三つの点を根本的な施策の中心に据えまして、全部都道府県警察を挙げてこれに取り組んでまいりたいということでございます。  また、拳銃発砲事件であるとか対立抗争事件が多発しておりますので、御承知のとおり、五十年の秋以降、第三次頂上作戦というものを実施しておりまして、その間四回にわたりまして全国の一斉集中取り締まりを行うというふうなことで、実は昨年末までに暴力団組員七万三千名を検挙しておるというふうな状況でございます。広域的な暴力団も非常にウエートが高くなっているということで、全国的な立場から、都道府県警察それぞれ力を合わせて、総力を挙げて徹底した取り締まりを今後とも続けてまいりたい、こういう覚悟でございます。

高村坂彦自由民主党

○高村委員 最後に、これは国家公安委員長としてお尋ねいたしたいと思いますが、交通安全対策でございます。これは、所信の御表明の中にも述べていらっしゃいまして、私承りまして、非常に警察が努力をされて、非常な成果が上がっているということを、私は本当に同慶にたえないと思います。ただ、それにいたしましても一年間にまだ六十万人の死傷者が出ている。これは考えようによっては大変なことなんですね、小さい県が全滅しているのですから。交通戦争というものの、一般は余り大きく扱っておりませんけれども、私は、国民の安全と申しますか、人間尊重というか、そういう点から大変なことだと思います。しかし、所信の御表明の中にありましたように、昭和四十五年は約百万の死傷者があった、それが昨年は約四十万人減った、これは大変なことなんです。非常に自動車がふえる中において、それだけの成果を上げられた。恐らく世界でもこのくらい急激に変化したところはないんじゃないか、これは非常な成果だと思います。実は私、昭和三十二年でございましたか、アメリカへ参りました。ロサンゼルスへ参りましたところが、非常なモータリゼーションで自動車が非常に多く走っておりました。もうげたのようになっているのです。レストランに自動車を乗りつけて御飯を食べる、あるいは演劇も自動車で見るといったようなことでございましたが、そのとき聞いたのは、アメリカ建国以来戦争で死んだ者よりも、そのときすでに交通事故で死んだ者の方が多いということを聞いたのです。びっくりしました。私も市長をやっておりまして、徳山、十万ぐらいの都市で三十人も死者があって、七、八百人もけが人が出ているのです。これはもう大変なことなんですね。住民の幸福ということを考えた場合に、これはもうよけて通れない。四十年ごろからずいぶんいろいろな宣伝もやりましたけれども効果がないのです。私は四十五年の一月四日に、いまでも覚えておりますが、新聞記者諸君に集まってもらいまして、ぼくは今年から交通安全気違い市長を宣言するんだ、こう宣言しまして、気違いとはどんなことをやるのだ、とにかく戦争が始まっているので、いまからいろいろなことを考えてもしようがないからおっ取り刀で飛び出すんだと言って、私は黄色い帽子をかぶって交通安全のたすきをかけまして、公舎から市役所への往復を歩いてやりました。数年児童等を捕捉しながら回ったんです。そういたしますと、学校の先生が始めたんです。ママさんが始めました。また市の職員が、係長以上が全部朝と晩に立つようになりました。非常な成果が上がりました。これを当時の総理大臣であった佐藤榮作氏に話しましたら、えらいほめていただきまして、それから山中貞則氏がたしか総務長官でしたが、すぐ話をされまして、それから国全体としても非常に本気になってやりました。総理がそういうことを言われたものですから、全国から恐らく数千人の人が徳山の交通安全を見に来られました。それが動機というのでもございませんけれども、とにかくもういろんな施設もどんどんやる。私は、これだけの被害があるのだから、効果があることなら銭金を惜しむなということで相当経費も使いました。その翌年から減っているのです。これは何も私がやったからというのではないですよ。けれども、とにかく市民総ぐるみ運動になった。たとえば住吉中学校というのがもう二千四百日交通無事故をやっております。二千日たったときには私も呼ばれてやりましたが、そのくらい気違いになった。これは警察が非常に協力されました。協力と言っては語弊がありますが、非常によくやられまして成果が上がったのですが、私はこういった大問題は警察が中心でやることは当然でございますが、総理府に交通安全対策室もありますけれども、ひとつ大国民運動をやったらどうか、所信の御表明の中では、四十五年のピーク時の死者数を半分以下にしたいということを言っておられますけれども、これはできればないようにするぐらいの意気込みで、一大国民運動でも起こすというぐらいにやられるだけの値打ちのある問題じゃないか、かように考えますが、やり方その他いろいろございましょうけれども、ひとつ御決意のほどをお伺いいたしたいと存じます。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 国民の念願であります交通安全の確保ということにつきましては、警察が今日まで関係機関あるいは各種団体の協力を得まして、努力を重ねてまいったところでございます。その成果を評価していただいておることに対しましては、ありがたくお礼を申し上げる次第でございますが、今後の目標といたしましては、第一には、歩行者あるいは自転車利用者の保護ということを重点に、各種の施策を進めてまいりたい。お言葉にございましたように、四十五年の死者数の半分以下に抑えてまいりたいというのが第一の目標でございます。  第二は、安全で住みよい生活環境を確保するということでございまして、この点につきましては第二次の交通安全施設等整備事業五カ年計画を軸にいたしまして推進をいたしてまいりたい。この点につきましては、国民に対する安全教育の徹底ということに努力を重ねておるわけでございますが、お言葉にございましたように、さらに積極的な国民一般の自主的な御協力を得まして、ぜひともこの目標を達成しなければならない、かように決心をいたしておる次第でございます。今後もよろしく御鞭撻をいただきたいと思います。

高村坂彦自由民主党

○高村委員 これをもちまして終わります。

地崎宇三郎自由民主党

○地崎委員長 中西啓介君。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 中西啓介でございます。時間も余りございませんので、二、三点だけきわめて素朴な質問を申し上げたい、そんなふうに思います。  まず、私なんかまだ当選三カ月でございましてよくわかりません。わかりませんのでひとつ、いたわりの気持ちで御答弁をお願い申し上げたい、かように思います。  まず一つは、地方交付税のあり方を、いまは所得、法人、酒、この三税の中から一定の割合で出しておるわけですが、これを国税総額から割り出すというふうなことはできないものであろうか、その御質問にひとつお答えいただきたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 御指摘いただきましたように、ただいま地方交付税のリンク税目は、国税三税の中で一番大きなウェートを占めております所得、法人、酒の三税でございます。国税全部に交付税の税目をリンクしたらどうかという御意見もございます。傾聴すべき意見だと私どもも考えておるわけでございますが、いろいろいままで検討されましたところによりますと、やはり国、地方の財源配分、これの一環でございます、それの根幹をなす方式でございますので、やはりそういった意味で非常に大きなウエートを占める税目であるとともに、地方の税源としても適当だと思われるような税目、こういったものをセレクションをして、この三税ということになったように承っておるわけでございます。こういった点は昨年も地方制度調査会等でまた御検討を賜ったのでありますが、さしあたりこの三税が適当であろう、こう言われております。ただ、将来、たとえば全国的な大税制改正等がございまして、たとえばでございますが、一般消費税的なものが出てくる、こういうような事態が生ずるとすれば、そういったものを対象税目にするかどうか、これは十分検討の価値があろうといったような意味の御答申を賜っておるような次第でございます。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 第二点は、いまの会計年度の改定、たとえば私の選挙区は和歌山市でございますが、和歌山市の第四次上水道拡張工事、これは例年実際に動き出すのは補助金の支出される九月ごろからになるわけです。だからどうしても毎年毎年繰り越し事業になっていくわけでございますが、それと、国庫支出金だとか交付金、補助金、こういうのが出るのが早くて九月ごろでございますから、アメリカ並みにいまの四月から九月に変えればどうであろうかというふうに私は思うのですが、ここら辺どんなふうな御見解をお持ちでございましょうか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 私も先生と同様、就任三カ月でございまして勉強中の者でございますから、お教えをいただきたいと思います。  私の選挙区も雪の降る場所でございますので、御指摘のあったのと同様の訴えをしょっちゅう聞いておるわけでございます。それからまた、国、地方の会計年度をたとえば九月にずらすことによって、公共事業の実施に支障なからしめるべきだという御議論もあるわけでございますが、いずれにしても、この現行制度が非常に長い間にわたって定着をいたしておりますので、なかなかこれを急に変更することが困難であろうかと思いますが、十分今後検討をすべき問題だと心得ております。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 ひとつ十分御検討いただきたいと思います。  第三番目の御質問でございますが、地方債はいま許可制でございます。もちろん現在の金融事情から見てやむを得ない面もあろうかと思いますが、一件ごとに許可する方式ではなくて、地方自治という言葉の意味からしても、起債の限度額を法制化して、いわゆる一定の枠内で自由裁量に行えるような方式に変えられるようなことにできないのだろうか、そんなふうに私、感じるわけでございますけれども、そこら辺いかがでございましょうか。自主的な運営をやりたいということです。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 地方債の許可制度問題でございますが、許可制度そのものを廃止をいたしまして地方団体の全く自由にするかどうかという問題が第一にあろうかと思いますが、この点につきましては、ただいまも御指摘がございましたようなただいまの金融情勢、それから財政状況、こういった点から勘案をいたしまして、なかなか許可制度を全廃をしてしまうということについては非常に問題が多かろうかと、こう考えておるわけでございます。  たとえて申しますと、民間資金等を確保する見地から考えましても、なかなかの消化難の時代でございますので、財政力の強い団体だけに資金が集中をする、こういうことも考えられるわけでございます。しかしながら、もう一点御指摘の中にございました意味は、できるだけそういった一定の枠的な制約の中においては地方団体の自主性、これを尊重して自主性を高めていく、こういう制度の検討をすべきではないか、この御指摘は全く私どももごもっともだと思っておるわけでございます。ただいまの地方債の扱いにつきましては御承知のように、枠配分方式というものをとっておるのでございまして、たとえば市町村分の起債等につきましても、一定のルールで算定をいたしました額を県に枠配分というかっこうでお渡しをして、その具体的な市町村別の配分、事業別の配分、これはお任せをする、こういったようなやり方もとっておる分野があるわけでございます。何分にも地方債の中には、この充当の範囲とかあるいは充当率とか資金区分、こういうもののおのおの違っておる分野のものがございますので、これはそれぞれそういった種類ごとに扱わざるを得ないのでありますが、たとえてみますと、一般公共事業、こういったようなものについては枠配分方式で差し支えがない。また市町村分については、ある程度単独事業も含めまして都道府県ごとの枠配分をやっていく、こういう扱い方をいたしておるわけでございまして、こういう点につきましては、ますますその範囲を広げて自治体の自主性に沿うように運用をしてまいりたい、こう考えておる次第でございます。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 それでは、もう時間もあと五分に迫ってまいりましたので、最後にきわめて素朴な御質問をさしていただきたい。  四十八年末から低成長時代に入ってきたわけです。国や地方とも非常に財源対策が今後重要にしてきわめて緊急な課題になってきたわけです。  そこで、今回の二兆七百億円の穴埋めは、これはある程度苦肉の策といいますか、やむを得ないというふうに私も素人ながら感じるわけですが、地方交付税法第六条の三の二項に、引き続いて地方財政が著しく不足する場合には、地方行財政の改正または税率の変更を行うものとする、こういうふうに定められておるわけです。ここら辺で野党の方々は、違法性があるんじゃないかというふうな御見解をお持ちのようでありますが、私は、違法性あると言えばあるし、しかしこれをそのとおりやれば、出血多量で人命がなくなるというふうなことにもなりかねませんので、まあまあ仕方がないような感じもいたします。しかし、いつまでもその易しのぎの借金政策を続けていくということは、政府・自民党のいわゆる自主財源確保をうたってきたところに私は責任があると思うのです。そういうことで、今後のその財源確保の見通しといいますか、具体的な策があればお伺いもしたいし、この財源確保にちらちらと私の耳なんかにも聞こえてくるのは、非常に悪評の高いいわゆる付加価値税がささやかれておるわけです。これを実施するような考え方はあるのかないのか、そこら辺もあわせてお伺いをしたい、こんなふうに思うわけです。何しろもう地方財政のあり方はダイレクトに地域住民に影響してまいるわけでございますから、ひとつその素朴な御質問にお答えをいただきたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 ただいま地方財政が直面をしております事態は、交付税法の六条の三の二項にまさしく該当する状況だと考えておりますから、法律の定めに従いまして交付税率を変更する、あるいは行財政の制度を改正しなければならないわけです。  交付税の税率を変更するということは、ただいまお言葉にありましたように、高度成長から低成長経済へ移行しようとしておる今日のこの変動期においては、必ずしも適当でございませんので、御高承のような制度の改正をもってこれに対処せざるを得なかったわけでございます。  地方財政の抜本的立て直しという問題につきましては、遠からざる将来に日本の経済が安定成長の時期を迎えるでございましょう。その時期におきまして、  地方を通ずる税制の抜本的な見直し、改正ということを実行すべきときが必ず参りましょうから、その機会に地方財政の運営が健全な姿で行われるようにという方向で根本的な改正を実行しなければならないと信じております。  財政の均衡を回復いたしまするために、国民の御理解を得て、相当程度の租税負担率の引き上げをしなければならないと、かように政府は考えておるわけでございますが、どういう方法でこれを実行するか、既存の税の増徴によるか、あるいは何らかの形で一般的消費税を導入すべきかというような事柄は、これから検討をする問題でございまするし、これは国税の問題でございまするので、私がこの時点で意見を申し上げるのは必ずしも適当でないと考えておりますが、いずれにいたしましても、ただいま申し上げたような方向で、新しい環境のもとにおけるこの地方財政のあり方いかんという点につきましては、地方制度調査会あるいは税制調査会の御意見も承りまして、いまから慎重に鋭意検討を始めたいと思っております。

中西啓介自由民主党

○中西(啓)委員 ありがとうございました。

地崎宇三郎自由民主党

○地崎委員長 小川省吾君。

小川省吾日本社会党

○小川(省)委員 地方財政が慢性的な危機的状態になって久しいわけでありますが、自治省はこの間、真剣といいますか、大わらわになって当面を糊塗するような借金依存の地方財政対策を進めてきたわけであります。本年の地方財政対策で、大蔵省との間で五%を掲げてある程度粘った点は評価できるわけでありますけれども、最終的には、結局大蔵の主張に対して屈服をいたしてしまったわけであります。  そこで、まず大臣にお伺いをしたいわけでありますが、大臣の更迭がありましょうとも、行政の継続性や一貫性という観点から、前大臣が国会に対して約束をされたことは当然生きている、こういうふうに私は思っているわけですが、お認めになりますかどうか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 行政の継続性ということは、これはなければならないことと考えております。

小川省吾日本社会党

○小川(省)委員 福田前自治大臣は、事あるごとに、地方財政については五十二年度から抜本的な改正をするという約束を委員会の席上で常にお述べになってまいったわけであります。大臣は本会議で、今回の措置が制度改正だと言われた。いまも中西委員の質問に対して制度の改正だというふうに言っておりますが、私どもは前福田自治大臣の主張されてきたことは、六条の三の二に基づくところの、いわゆる交付税の制度の改正かあるいは率の変更を意味する改定だというふうに受けとめてまいったわけであります。そういう点に立てば、大臣は制度の改正だと言われるけれども、制度の改正ではない、率の改定に準ずるような、結果的には近いような形での措置であって、これは明らかに六条の三の二に対する違反ではないかというふうに思っておりますが、いまの御答弁では納得しかねますので、もう一回お答えをいただきたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 今回実行いたしました制度の改正は、もとより恒久的な制度の改正ではございませんけれども、どのようなことが制度の改正であるかという点につきましては、法律は相当広い選択の余地を残しておるものと理解をいたしておるわけでございます。今回やりましたことは、実質的には交付税率を三・六%引き上げたのと効果において少しも異ならないことをやったわけでございまするし、交付税を一兆三百五十億円増額いたすわけですが、そのうちの四千二百二十五億円につきましては、償還の始まりまする五十五年度以降八年にわたって、交付税特会が借金を払います都度、それに見合うものを臨時地方特例交付金で埋めていく。毎年毎年八カ年にわたって実行するということをあらかじめ法律で明定をいたすわけでございますから、そういう意味でこれは制度の改正である、こう理解をいたしておるわけでございます。

小川省吾日本社会党

○小川(省)委員 そういう強弁をなさいますが、何か法制局に伺ってそういう解釈でよろしいというふうなことを得たようでありますが、私どもは明らかにこれは法違反だというふうに思っております。これは交付税を審議する際にさらに突っ込んだ論議に入らしてもらいますから、きょうはこれでとどめておきますが、明らかに強弁な答弁だというふうに私どもは思うわけであります。  そこで、実は三千億の減税が与野党の合意で成立をいたしました。喜ぶべきことであります。そこで伺いたいのは、五十一年を基準にして税額控除だから交付税には影響ないとか、あるいはいろいろ言われておるわけでありますが、地方交付税に対してこれが当然影響をしてくるのではないか、まずこの点が一点、住民税に対する関連性はどうなるのか、この点が第二点、あと一点は、社会保障受給者に対する二カ月の繰り上げをいたしましたから、共済年金受給者に対しても七月を六月にしようという考え方であったわけですから、当然これが繰り上げになって四月に遡及をされるものだというふうに理解をしておりますが、それでよろしいかどうか、三点についてお伺いをいたします。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 今回の三千億減税に伴います交付税関係につきましてお答え申し上げます。  まず第一に、今回の修正は御承知のように歳入予算の変更を行わないで修正をする、このように承っておるわけでございます。したがいまして、五十二年度の地方交付税の額は、国の歳入予算に見込まれました三税の三二%を基礎にして算定してございます。そのほかに臨特等がございますけれども、それが動きませんので、五十二年度の地方交付税の額はそのまま確保される、こういうことに相なるわけでございます。なお、もし年度内に国が補正予算を行う、税を減額修正する等の手段も合わせまして補正予算を行う、こういう場合には、当然地方交付税にも影響が出てまいりますから、そのときには地方団体に実害が及ばないように、当然地方団体としても所要の補正措置を講じてもらう、こういう含みでおるわけでございます。  それから、税関係でございますが、これは住民税への影響は税額控除方式でございますので、明年度の地方税、住民税、これには直接の影響が生じない、こういうことになるわけでございます。  共済関係につきましては公務員部長から答えさしていただきます。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 お答え申し上げます。  今回の各種の公的年金の改定時期の二カ月繰り上げに伴いまして、地方公務員の共済年金にかかわります改定につきましても、この措置に準じまして二カ月繰り上げて、四月から実施をするということで現在法案を準備いたしておる次第であります。なお、この中身につきましては、近く御提案申し上げます公務員の共済の年金改定法案の中に織り込みまして御審議を賜ることにいたしておる次第でございます。

小川省吾日本社会党

○小川(省)委員 一応わかりました。歳入をいじらないわけですから現時点では影響はないわけですが、当然どこかの時点で歳入をいじるわけですから、地方に対する影響のないように遮断をする措置をぜひこれは強く要望をいたしておきたいと思います。  次に財政局長だと思うのですが、一つほうっておけない問題が一点ありますのでお伺いをいたしたいと思うのであります。  従来、自治省が給与費についていろいろ干渉されてきたわけですが、私どもは事あるごとにそれに対する追及をいたしてまいったわけであります。最近、定期昇給の復元というふうな問題について自治省が干渉をしている、口をはさんでいる、こういうようなことを聞くわけであります。定期昇給制度というのは、法律に基づいた給与条例に基づく、給与問題の根幹にかかわる問題であります。定期昇給が財政が不如意だからということで延伸をされて、これが復元をされるということは当然でありまして、これに対する制裁が何らかの形でなされるなどということはとうてい許されることではないはずであります。しかもそれがラスの低いような団体であって、国公に準じたような改定措置がやられてきているような団体、もしも極端に大幅な給与改定をやるとか、あるいは多額のプラスアルファをしたとかいうことであれば、何らかの介入があるということはわかるけれども、定期昇給の復元などで制裁措置や介入措置がとられるようなそんなでたらめなはずはないと思いますけれども、制裁措置はとらないというふうにお約束できますか。これは財政局長ですか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 御案内のとおりの財政のむずかしい時期でございまして、昨年度あたり各団体とも給与費の適正化、合理化、こういう面については大変な努力をしていただいておるわけでありまして、昨年は、国家公務員と地方公務員との給与の格差等の問題もずいぶん議論をされたところでございます。  このような財政健全化の努力、これはただいまの地方財政の状況では、やはり総体的には継続をしていただかなければならぬ事態で、決して地方財政は好転をいたしまして財源の余裕ができた、こういう事態ではない事態である、このように私ども考えておるわけでございまして、ぜひとも経常的経費につきましては、人件費をも含めまして、すべての経常的経費についての節減合理化、この努力を続けていっていただきたい、こういう一般的な指導は私どもあくまで貫いてまいらなければならぬ事態だと思っておるわけであります。  具体的に各団体がどうするかこうするか、こういう点につきましては、これは各団体の自主性にお任せをすることでございますので、私どもが強制的に介入をしたり云々というようなことはございません。ただ、特別交付税そのほかの配分におきまして、たとえばプラスアルファ等の支給をいたしております団体、こういうものについて特別交付税の配分の際に考慮をする、こういったようなことは、当該団体の財政状況のあり方、こういうものを勘案をして行うべきものだと考えておりますので、そのような見地は続けてまいりたい、このように考えておるわけでございます。

小川省吾日本社会党

○小川(省)委員 一般的な指導で、いわば経常経費の節減合理化を図れということをやられることは、私どもも理解をするわけでありますが、定期昇給制度という根幹にかかわる問題、国の公務員、あなた方の給料が定期昇給が延伸になったという話も聞かないけれども、そういう状態でやっているのに、特交などで制裁的なことを加えるというのはあり得べからざること、定期昇給を復元するなどということは、これは根幹の問題を正常に復するわけです。節減合理化をやるのもそれ以外であって、定期昇給というのは給与制度の根幹ですから、特にはぐらかさないで、プラスアルファというふうにやるのならば云々と私は言ったのであって、プラスアルファに対し特交で何とかというのは、それはそれの問題としてわかるけれども、定期昇給制度に対して特交削減などという措置が許されていいはずがない。私はいまそのことをお聞きしたわけですから、それについて答弁してください。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 定期昇給制度そのものが正しく運用されます面におきましては、もちろん私ども何も申し上げることはございません。ただ、ただいまの状況で、たとえば昨年度給与における節減措置を行ったので、それを補てんをするという意味かどうかわかりませんが、一斉昇給、一斉昇短、こういうようなかっこうで昇給制度が扱われる、こういうことになれば、これは正しい昇給制度の枠をすでに超える措置になるのではなかろうか、このように考えられるわけでありまして、これはよっぽど財政に余裕がある、こういうことでなければなかなかとりにくい措置ではなかろうか、このような判断をとらざるを得ないわけでございます。

小川省吾日本社会党

○小川(省)委員 私は定期昇給と言ったので、一斉昇短云々を言ったわけじゃないのです。ですから、定期昇給については適正に運営をされることが望ましいということですから、そういうことで受けとめておきたいと思います。定期昇給制度については、それが適正に運用されている限りは云々すべき問題ではないというのが正しい理解であるというふうに私も思っておりますから、そういう御答弁として受けとめておきたいと思います。  大蔵においでをいただいておりますけれども、二点ばかりお伺いをしたいと思うのであります。  自治省との接触の段階で、特に地方団体金融公庫の創設に対して固執をして反対をされたようであります。私どもとしては、六団体同様に納得ができないわけであります。当然地方団体金融公庫は創設をすべきだったと思うわけでありますが、なぜ反対をされたのか、その理由を納得のいく説明をいただきたい。私どもは地方財務局の機能の問題、あるいはまた金融統制ができなくなるからというふうな問題なんではないかというふうに思っておりますが、その点はどうなのか、それが一つ。  それから二つ目としては、地方債が多発をされるわけであります。当然市中の金融と競合するような状態になっておりますが、五十二年度も非常に借金依存財政で地方債の多発が予想されるわけでありますが、これの消化に対して、金融機関に対する指導と責任をお持ちいただけるかどうか、この二つの点についてお答えをいただきたいと思います。

鈴木達郎大蔵省理財局地方資金課長

○鈴木説明員 お答え申し上げます。  公庫改組の議論の過程で、私どもが申し上げておりました議論は二つに分けられると思いますが、第一点は、公庫の改組に伴いまして新たな資金が必要になりますが、その資金の調達方法についてでございます。構想によりますと、従来公営公庫の資金は政府保証債によって調達されておりますけれども、それに加えまして、特別に公募債というものを発行するという構想でございます。特別公募債という形はまだ従来公営公庫では出されていないものでございます。私どもの議論で申し上げましたのは、現在地方債というのは、御承知の縁故債という形で、地元の特に地銀を中心といたします金融機関が地方公共団体に融資いたしますが、その金がまたその団体の公金預金なりあるいは地元企業の預金なりという形で地元に還元してくるという、この地域の金融のサイクルの中で大変うまく回っております。そういうものを遮断いたします公庫の発行します特別公債というものにつきましては、地銀を中心といたしまして、非常にその消化に難色を示しておったわけでございます。それが第一点。  それから仮に、そういった特別公募債のようなものを金融機関に頼らずに消化するということになりますと、その消化というものはきわめて不安定になりますし、金利も高くなりますし、安定的に多額の資金調達ということはちょっと無理ではなかろうか。特に地方債資金というものが安定的に確保されなければならないという前提に立った場合に、そういった資金調達というものはなじまないのではないか。この資金調達の面で申し上げましたのが第一点でございます。  第二点につきましては、公庫改組のそもそもの発端というものが、いかに縁故債の消化をスムーズにするかということにあったわけでございまして、五十二年度につきましては、御質問のございました縁故債の消化云々のことでございますけれども、一応政府資金を増額したり、あるいは公営企業金融公庫の資金を増額するというような措置を構じまして、昨年度よりも縁故債の額を減少いたしております。金融機関の常といたしまして、やはり実績主義が物を言いますので、前年に比して非常に多額の縁故債の消化ということになりますと、かなりのあつれきもあったかと思いますけれども、五十二年度につきましては縁故債の額が減少いたしております。  それからもう一つは、従来非常に縁故債の消化が困難だと言われているような大都市周辺の市に大変多い起債につきまして、たとえば義務教育でございますけれども、全額政府資金でもってカバーするというようなことで、縁故債の需要がないようにしているというような配慮を加えるとか、それから自治大臣と大蔵大臣との間の覚書で、縁故債の償還に責任を持って努めることになっておりますけれども、いずれ予算ができました段階で、銀行局長を通じまして、各金融機関等に協力の依頼もいたします。それから金融環境といたしましても、景気の回復過程にはあるものの、従来のような急激に民間の資金需要が出てくるという局面ではないという理解もいたしておりますので、五十二年度の縁故債の消化につきましては、目下のところそう心配ないのではないかというふうに考えておる次第でございます。

小川省吾日本社会党

○小川(省)委員 縁故債が減少したといってもまだ二兆五千億ぐらいあるわけですね。そういう点で、地方六団体を初めとして地方団体金融公庫の創設の声が強い。自治省がこれを受けて、当然大蔵に対して強く主張したように開設希望の声は強いわけですから、ぜひひとつそういう点をかみしめていただいて、地方団体の金融の円滑化というふうな面も含めて、大蔵省は再度御検討いただきたいということを申し上げておきたいと思います。  次に、幾つかの基本にかかわる問題についてお尋ねをしてまいりたいわけでありますが、まず自治大臣に、福田内閣の閣僚の一員として国務大臣であるあなたに対して、実は御質問をいたしたいと思っております。  日中平和条約を早期に締結をしなければなりませんが、共同声明の線に沿ってあなたは閣議の中で努力をしていただけるのかどうか、まず伺いたいと思います。  あなたは北京にいる小川大使のお兄さんであります。私も若い日、北京の留学生の官舎の中で、小川大使とは一つかまの飯を食べて薫陶を受けた一人として、彼の努力に対して敬意を払っておるわけでありますが、そういう意味が直接関係があるかないかは別といたしましても、ぜひあなたも国務大臣の一人として当然努力をすべきだろうと思いますが、決意のほどを伺いたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 日中平和条約を早期に締結しなければならないというのが政府の基本方針でございまして、この点につきましては鳩山外務大臣の外交演説におきましても、「両国とも、その早期妥結の熱意において一致しております。政府としては、本条約が、両国国民に真に納得のいく姿で早期に締結されるよう、最善の努力を払ってまいる考えであります。」これが政府の方針でございますので、私自身もこの方向に沿いましてあとう限りの努力をする決心でございます。

小川省吾日本社会党

○小川(省)委員 ぜひひとつ閣僚として、他の閣僚より以上の御努力を要望いたしておきたいと思います。  次に、消防職員の問題についてお伺いをいたしたいと思います。  所信表明の中で、大臣は、消防行政について一層の推進に努力をする、消防活動の強化に一層の努力を注ぐと述べられております。しかし私は、この実効を上げていくために一つの欠落をしている点があるというふうに思っています。不可欠な要素が一つ見逃されている点があるというふうに思っているわけであります。消防職員の士気の向上や活動の意欲をそいでいるのは、消防の職員の処遇の問題が余りにも悪いということでありますが、その要因をなしているところは、実は消防職員の団結権の禁止がいまだに法律の中に残っているというところにあるわけであります。消防職員も当然ILO八十七号条約の批准された一九六五年の時点で、団結権の保障をされたはずであります。団結権禁止を解かれたはずであります。ILO八十七号条約の例外規定は、日本の場合、警察と自衛隊のはずだと思うわけであります。地公法第五十二条の五項は、ILO八十七号条約に背反をし、一九六五年以降は消防職員のところは死文化をしたはずであります。この「消防職員」の四文字はとうに削除されるべきはずだったのであります。地公法第五十二条を改正して、当然のことでありますが、消防職員の団結権を認めていくべきだと思いますが、これに対してどう取り組まれていくつもりか、大臣ですか、消防庁長官ですか、お答えをいただきたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 このILO八十七号の批准に当りまして、ILOの結社の自由委員会で、二度にわたりまして日本の消防は「警察及び警察と同視すべき若干の職務」と見なされる、こういう結論を出しておるわけでございまして、この事実を前提としてわが国がILO条約の批准をいたしたわけでございます。以来、消防職員の団結権を認めざるまま今日に至っておるわけでございますが、四十八年に条約勧告適用委員会でこれと異なる見解が出されたことにかんがみまして、第三次の公務員制度審議会では全会一致で、当面、現行の制度による今後のILOの審議状況に留意しつつ、さらに検討するという答申をいただいておるわけでございます。  政府といたしましては、公共部門におきまする労使関係の当面しております重要問題が解決した上で、慎重に検討をいたしたいと考えておるわけでございまして、答申の処理につきましては、公務員問題連絡会議でただいま検討していただいておるわけでございます。当面、消防に団結権を認めるということに踏み切るつもりはございません。

小川省吾日本社会党

○小川(省)委員 何か軍隊や警察に類するというふうなお話がありましたけれども、私は消防が軍隊、警察に類するというふうにはだれしも見ている人はいないと思うのです。銭形平次や黒門町の伝七親分が江戸火消しを指揮したという話を聞いたこともありませんし、消防庁が三億円犯人の追及をしたなどということもないわけでありますから、そういうふうなお話をされても通らないと思うのであります。いま世界のILO条約加盟国百三十二国のうちで消防職員の団結権を認めていないのは、日本とキプロス、スーダン、ナイジェリアの四国だけであります。私は浅学にして、キプロスだ、ナイジェリアだ、スーダンだといって、世界地図の上で即座にどこにあるのかよくわからないほどでありますが、大臣はわが日本国がキプロスやスーダン、ナイジェリアと同程度の国だとお考えですか。

林忠雄消防庁長官

○林(忠)政府委員 この消防職員の団結権に関する政府の態度は、いま大臣が御答弁したとおりでございます。その理由は、消防が警察に類似する職種であるということは、先ほど大臣が御答弁申し上げたとおり、ILOで条約批准のときに、結社の自由委員会で二度にわたって認められていることでございます。そこで、日本の場合非常に木造家屋が密集しておりまして、ちょっとした火災がすぐに大火になる危険がある。地震におきましても、たとえば関東大震災のような場合に、地震による圧死者よりも火事による焼死者の数が十倍にもわたる、こういう特殊な家屋事情のもとにおきましての消防というのは、他の国の消防と比すべくもない特徴があるというふうに考えられておりまして、そこにはやはり指揮命令系統の一貫した、まあ言ってみれば軍隊ないし警察、そういったような組織が、特に日本の場合要求されるということは、これは疑いもないことではなかろうかと存じております。  それから、いま先生の御指摘のキプロス、ナイジェリア、スーダンというお話がございましたけれども、これは特に消防職員の団結権を否定する国が、これに日本を加えた、先生の御指摘の四つでございますが、公務員一般に団結権を認めていない国は、さらにアメリカ、スペイン、ポルトガル、トルコというように十五もございます。労働者一般に団結権を認めていない国、これは非常に極端でございますけれども、これでもILOの批准国の中には一つございます。それから、警察職員に団結権を認めていなくて、消防が警察に属しているところがやはり二つもございます。こういつて数え上げてまいりますと、やはり現在結果として消防職員に団結権を認めていない国は二十四も存在をいたします。しかもこの中で、日本のような木造家屋が密集しているという特殊事情の場合、よほどこの問題については慎重に考えなければならない。そこで政府としては、当面この公務員制度審議会の答申に即した考え方で今後も進めてまいりたい。ただ先生の御指摘いただきましたように、消防力を強化するための職員の勤務条件の改善とか、待遇の改善ということについては、今後もあらゆる努力を払ってまいりたいと存じております。

小川省吾日本社会党

○小川(省)委員 実は私は大臣の答弁も、それから林長官の答弁でも納得しがたい点があるわけです。指揮命令系統は、消防という職種の立場上、当然要請をされることでありますし、第三次公務員制度審議会がILOの審議を見守りつつ慎重に検討していく、そういう線で努力をされるのならいいんですけれども、余分なことが余りつき過ぎるんですね。ILOの会議の中では二回にわたって認められたというのは、日本の政府代表が苦し紛れに言ったことが世界諸国の潮笑の中で認められたというようなことであって、かろうじて政府の主張が通ったというような、本当に苦し紛れのあれだったわけですね。そういうことなんですから、第一二次公務員制度審議会の線に沿って、ILOの審議も見守りながら努力をしていくというような御答弁をいただかなければ私は納得できないのですが、そういう線で努力をしてもらえるんですか、取り組んでいかれるんですか、どうですか、もう一回御答弁をいただきます。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 御論旨は十分理解をいたしましたが、先ほど来申し上げておりまするように、いましばらく慎重に検討さしていただきたいと存じます。

小川省吾日本社会党

○小川(省)委員 国会答弁の慎重にじゃなくて、本当に慎重にひとつ検討してもらいたいと思うんです。国会答弁の慎重にというのは、何もしないということですからね。何もしないということじゃなくて、ぜひひとつ取り組みを図っていただきたいということを要請をして、また別の機会に取り上げさしていただきたいと思います。  次に、自治体病院について伺いたいと思うのです。自治体病院に意を注いでおられることはわかるんですが、どうも意の注ぎ方が十分ではないんじゃないか、こういうふうに実は思うからであります。  地方財政の悪化の中で、四十八年ですか、自治体病院の不良債務をたな上げをしたわけですね。その時点で私どもも賛意を表してまいったわけでありますが、その後の地方財政の実情の中で、相変わらず自治体病院の財政状況というのは悪化の、一途をたどっているわけであります。特に緊急医療の必要性が地域の中で叫ばれておりますが、そういう点がさらに病院の財政状況を悪化をしかねない状態にもなっておるわけであります。そういう意味で、再度不良債務をたな上げするというか、いわゆる特例債の返済を延長するというか、そういう措置をとらなければ、病院としての生きる道がないのではないか、こう思っております。特に自治体病院が地域の中核病院としての役割りを十分に果たしておるというふうにも思っておりますので、私は特にそういう点で、その自治体病院の果たしている使命の重要性の上に立って、自治体病院の財政の悪化というものに対してどう今後さらに取り組みをされるのか、お伺いいたしたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 ただいま御指摘をいただきましたように、最近も自治体病院の経営難が続いておりまして、大変憂慮をいたしておるところでございます。  御指摘のように、昭和四十年度末における不良債務、これをたな上げをいたします再建措置をとらしていただいておるわけでありますが、これはあくまでも昭和四十八年度そのときの当面の措置として行ったものでございまして、その後もやはり非常に経営困難な状況が続いておる、これに対する対策が必要である、こういうように私どもも考えまして、鋭意検討をしておるところでございます。  この問題には、やはり何と申しましても基本的には、診療報酬のあり方、それから医師の確保対策、医療機関の適正配置問題、こういったような基本的な問題がございます。なかんずく、診療報酬のあり方等につきましては、大きな問題があるわけでございまして、関係省庁とも十分な協議を行う必要がございますし、またこの成り行きを見守る必要があろうかとも思っております。こういった総合的な問題の解決とあわせまして、その後起こりました赤字について再びたな上げ措置そのほかの健全化対策をとる必要がある、このように考えておるわけでありまして、鋭意検討を続けさしていただきたい、このように考えておるわけでございます。

小川省吾日本社会党

○小川(省)委員 いろいろなほかの問題があるけれども、再度たな上げの措置をするとか、いろいろ検討したいという答えでありますから、了承をいたします。ぜひひとつ詰めた検討をお願いをして、自治体病院が生きられるような、その使命を果たしている自治体病院が経営が継続をされていくような形の中で御協力をお願いをいたしておきたいと思います。  次は、国民健康保険の財政問題についてお伺いをいたしたいと思うのであります。  実は、地方に行ってまず最初に出てくる、市町村にとって頭の痛い問題の筆頭に上ってくる問題であります。特に罹病率の高い、経済的に弱い者が被保険者の大多数でありますから、厚生省の施策に大きな問題があるわけでありますが、ぜひひとつ大臣としても、これは閣議の中で取り上げていただいて、政府全体の問題として取り上げていかなければ、国民健康保険の財政対策ということだけではどうも解決をしない問題なんではないかというふうにも思っております。特にそういう意味で、老人医療費を、いわゆる保険におんぶをしているような状態を変えて、老人医療費の独立を図るというふうな点や、あるいは他の保険の退職者が即座に国民健保に加入をするということじゃなくて、退職者保険等の充実をやはり期していくことが必要だと思いますが、そういうことで地方財政の見地から、閣議の中に持ち上げていただくべき問題ではないか、こういうふうに思っているわけでありますが、御見解いかがですか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 この問題は長い間にわたる問題でございまして、私どもも絶えず心を痛めておるわけでございます。  ただいまの御提案は一つの御見識であると存じます。私も関係閣僚等に対しまして、絶えず注意を喚起もいたしまして、ただいまの御提案も含めて、何らかの抜本的な対策が講じられますように努力をするつもりでございます。

小川省吾日本社会党

○小川(省)委員 財政局長、大臣がそういうお考えでありますから当然、と言って放置をしておいていいという問題ではないと思うんです。実際に各自治体が一般会計から繰り出してしかも赤字であるという状態と言って野方図に保険税を上げられないわけでありますから、そういう点で当面どういうふうに対処をして指導をしてもらえるわけですか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 国民健康保険につきましては全く御指摘の状況でございまして、私どもも大変心配をいたしておりますし、また改善について努力をさしていただいておるところでございます。  ただいま御指摘のような老人医療の問題、それから退職者保険の延長問題、こういう抜本的な改正がぜひ必要でございますので、大臣もお答えをいただきましたが、たとえばことしの予算措置に際しましても、去年の七月十日に事務次官から厚生省の方にその旨の早急な解決、こういうことを申し入れもいたしておるわけでございます。なおまた、厚生省の方でも、総合的な老人保険医療のあり方あるいはこの退職者医療制度の問題、こういうものを一応五十二年度を目途に鋭意検討をしておるからもう少し待ってくれ、こういうような連絡もいただいておるわけでありまして、その早急な解決について強く希求をいたしております。  しかし、そればかりを待っておるというわけにまいりませんので、これも厚生省に強くお願いを申し上げたのでありますが、さしあたって五十二年度における国保財政の逼迫に対しましては、臨時財政調整交付金、これをせめてうんとふやしてくれ、こういうお願いをいたしたわけでありまして、結果的には去年より三八・八%増、九百四十八億円、こういった臨時財政調整交付金が一応増額をされておるわけでありまして、当面五十二年度はこういったことでしのがざるを得ないかと思うわけでありますが、五十三年度以降の基本的な改正、これを急いでくれ、こういうように督励をしてまいりたいと考えております。

小川省吾日本社会党

○小川(省)委員 いまの局長の御答弁ですが、厚生省があるわけですから、ぜひひとつ地方の自治体の財政状況を見守りながら、厚生省に対して継続的に絶えずそういう点を喚起をしながら、厚生省の対策の充実を図ってもらうように繰り返し主張をしていっていただきたいというふうに思っております。  続いて、地方公務員の短期共済の問題がいままさにパンク寸前であります。この問題についてお尋ねをしていきたいと思います。  財政局というのは行政局のいろんな問題についてはどうもつれないのではないか、冷淡過ぎるのではないかというふうに思っております。私は、特に地方公務員共済の問題については、当然財政局が大蔵と詰めた交渉をする際にやはり持ち上げていかなければ解決しないような問題だというふうに思っておるわけであります。何といっても公費負担をやっていかなければ、これは国公共済にしてもそうなんですが、地共済の場合には、何としても公費負担を導入をしていかなければ、現在の危機的状態は解消できない、こういうふうに思っておるわけであります。そういう意味で、パンク寸前にある地方公務員共済の、とりわけ短期給付の問題をどうするかということでありますが、その点についてどう取り組まれていかれるか、まずお尋ねをしたいと思います。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 地方公務員の共済組合の短期給付の問題でございますが、先生ただいま御指摘をいただきましたように、昭和四十九年度を境といたしまして昭和五十年度から次第に悪化してまいってきておることは事実であります。私どもも、これまでの経緯を振り返りまして非常に憂慮いたしておるところでございます。  御案内のとおり、地方公務員の共済組合の短期給付につきましては、社会保険制度の一環として行われておるものでございます。したがいまして、これに必要としております経費につきましては、使用者であります国または地方団体と職員とが折半で負担をいたしておるところであります。この地方公務員共済の短期のいわゆる使用者負担分、いわゆる地方公共団体負担分につきましては、地方財政計画で措置をとっていただいておるわけであります。したがいまして、共済組合の短期給付に要しまする費用につきまして、国庫負担をそれ以外に導入していくということにつきましては、社会保険制度全体のバランスからして非常に大きな問題があることは事実であろうと思うのであります。  しかしながら、御案内のとおり、この点につきましては従来から衆参両院の地方行政委員会におきましても附帯決議をちょうだいいたしておるところであります。また四十八年度の政府管掌健保におきましては、政府管掌健保というものの性格の特殊性から見まして、給付の一〇%分につきまして国が定率補助をしておるというふうなことも事実あるわけであります。こういうことにつきまして私どもといたしましては、これらの点を十分配意をいたしながら、国家公務員共済と並びまして、今後この問題につきまして十分それらの動き等を見守りながら検討していかなければならない問題だろうと思っておるわけであります。  ただ、御案内のとおり、五十一年度におきましてはこの財源率が異常に高くなります団体につきましては、法定給付のみで千分の百を超すというような団体も生ずるに至ったものでございますので、千分の百を超す団体につきましては財源率を千分の百にとどめまして、それを超える必要分につきましては市町村から補助をしてもらう。その補助につきましては特別交付税でこれを援助していただくという方法もとりながら現在対応いたしておるところでございます。

小川省吾日本社会党

○小川(省)委員 公費負担を何としても導入をしていただくように、自治省全体として腹を固めてもらわなければならぬと思うのですが、私は、財政局もそういう問題についてぜひひとつ責任を感じてもらいたいというふうに思うのです。公務員部長や行政局長に任せておくだけではなくして、財政局が大蔵との折衝の中にも出していくくらいの気持ちにならなければ解消していかない問題でありますから、ぜひそういうことで財政局も意を注いでいただきたい、こういうふうに思っています。  そこで、いま千分の百を超える財源率のところについては特別な措置を講ずるということで、現在も四団体かそこらめんどうを見てもらっているわけでありますが、私はこの千分の百を超えるというのが実はおかしいと思うんです。何か健康保険の千分の四十が共済の千分の五十だということなんですが、私はそれがわかりません。少なくとも千分の九十を超えるところぐらいにはそういう措置をとっていただかないと、なかなか大変なんじゃないか、こういうふうに思いますので、そこのところをもう一回ひとつ答弁をしてもらいたいと思います。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 ただいま先生から御指摘ございましたように、昭和五十一年度におきましては財源率が千分の百、すなわち掛金率、負担率それぞれ千分の五十を超える団体につきましては、特別交付税で特別な措置をお願いをいたしておるところであります。引き続きまして私ども昭和五十二年度におきましても、法定給付のみで財源率が千分の百を超えます団体につきましては、財政局にお願いをして、五十一年度と同様の措置をとっていただきたいというふうにただいま財政局にはお願いをいたしておるところであります。  なお、いま御指摘ございましたように、組合健保においては、職員の負担率が千分の四十で上限を設定いたしておるのに対しまして、地方公務員の場合には千分の五十というのは、千分の十高いではないかという御趣旨であったかと存ずるのであります。この点につきましては、御案内のとおり組合健保の場合には、組合員の基礎給だけを掛金率の基礎にしておるのではないわけでありまして、いわゆる標準報酬制度をとっておりまして、基礎給のほかに、時間外手当あるいは特殊勤務手当、宿日直といいますような付帯給付も合わせてその上限率を千分の五十と設定をいたしておるわけであります。公務員共済におきましては、いわゆる本俸のみをとっておりますので、私どもといたしましては、この健康保険との差といいますものを割りかえますと、付加給付のみで約一・二五に当たるわけであります。それを千分の四十に置き直しますと、大体千分の四十九・八ということで、公務員の場合、千分の五十にすることによって、大体これで組合健保とほぼバランスがとれておるのではないかというふうに理解をいたしまして千分の五十といたしておるところであります。  もう一点、地方公務員共済につきましては、この制度のたてまえあるいはあり方から見まして、国家公務員共済に準じた制度となっておるわけでありますが、国家公務員共済におきまして、昭和五十二年度におきまして私ども伺っております限りでは、林野共済につきまして法定給付で千分の百を超すことに相なるようであります。この林野組合につきましては、千分の百を超える部分につきまして国の方で補てん措置をとるということを昭和五十二年度からおやりになるということも伺っておるわけでありまして、こういう意味で、私ども現在千分の百ということにつきましては、いま申しましたような組合健保とのバランスあるいは国家公務員共済とのバランス上一応設定をしておるものであります。  なお、私ども、今後この点につきまして、短期給付のあり方全体の中でこの問題をどうするかということにつきましては、現在社会保障制度審議会あるいは社会保険審議会等でもいろいろ御議論を賜っておるところであります。この審議会等の審議の動向等も十分伺いながら、なお引き続き長期的に検討してまいりたいというふうに存じておる次第でございます。

小川省吾日本社会党

○小川(省)委員 上限率の問題でありますが、私どもは四十五ぐらいというふうに思っておりますが、いま四九・八に相応するというような御答弁がございましたので、そこのところのあれがわかるような資料をぜひ提出をしてもらいたい、こういうことを要求をいたしておきます。提出してもらえますか。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 必要な資料を準備いたしたいと思っております。

小川省吾日本社会党

○小川(省)委員 ぜひひとつ、私どももどうもこれは四十五ぐらいに相当する、ですから、そういう意味では、法定の財源率が千分の九十ぐらいを超えるものは、当然何らかの措置をとらなきやならぬじゃないかというふうに思っておるものですから、ぜひその辺のところをはっきりわかるような資料を提出してもらいたい。  最後に、時間がわずかしかありませんから、一言だけ大臣に御答弁をいただきたいわけであります。それは、今国会に実は地方自治法の改正案を出してくるかどうかという問題であります。地方事務官の地方公務員への身分移管の問題でありますが、長年取り上げてまいりまして、衆参の地方行政委員会が一致をして、五十一年三月三十一日までに地方公務員に身分の移管をすべきだという決議を、国会の決議として上げましたし、総理も、またあるいは現総理であるところの福田さんも、行政管理庁長官のときにはお約束をされてきたことが、衆参両院の国会決議というのが、実はおろそかにされているわけであります。何としても早急に解決をしなければならない問題であります。地方自治施行三十年などと言っているけれども、三十年もの間、当分の間を残して、地方自治三十年だなどと言えるわけはないわけですね。当分の間を三十年も残し続けて、地方自治三十年などと言って、もろ手を挙げるわけにもいかない問題でありますから、しかも両院の決議がまさに無視をされているような状態で来ているわけでありますから、大臣は、地方事務官の身分移管の問題を取り上げた自治法改正案をこの国会に出す努力を継続してくれるかどうか、この点について一言だけ御答弁を受けたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 御決議の趣旨に沿わなければならないということで、長い間にわたって努力を続けておるわけでございます。今国会に法案を提出すべく、いまなお努力を継続いたしておるわけでございますが、なかなか意のごとく運んでおらないというのが現状でございまするけれども、なお一層努力を重ねてまいりたいと考えております。そのように御了承ください。

小川省吾日本社会党

○小川(省)委員 これで質問を終わりますが、まだ時間が一分ぐらいありますから……。  なかなかうまくいかない情勢にある、こういう点は私どももある程度わかるわけでありますが、両院が決議をした、しかも時の総理までが約束をされた事項でありますから、ぜひひとつ、この決議というものを、国会の意思というものを尊重されるような方向で、最大限の努力をしてもらいたい。最近ではどうも行政局等の努力も足らぬようでありますから、ぜひそういう点で、私ども国会も、両院決議を上げたわけでありますから、努力をするのは当然でありますけれども、ぜひひとつそういう線に向かって、自治省全体としての努力を継続していただくことを要請して、一応時間が来たようですから質問を終わります。

地崎宇三郎自由民主党

○地崎委員長 新村勝雄君。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 初めてでございますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  最初に大臣にお伺いをいたしたいのですが、大臣は一つの問題について、人によって答弁を変えておられるという事実があるわけであります。一つの問題について人によって答弁をお変えになるということがおありなのかどうか、お伺いいたします。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 これはまことに恥ずべきことでございますから、さようなことはいたしておるつもりはございません。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 大臣は、三月一日の本会議における私の地方税法及び地方交付税法の一部改正の趣旨説明に対する質問に対しまして、私の質問は、直ちに地方交付税法中の交付率を改正すべきである、これをいつどのような形で改善されるのかということをお尋ねいたしますというふうにお尋ねをしたわけでありますけれども、これに対しましては全く具体的なお答えがなかったわけでありまして、将来善処をするというようなお答えであったわけであります。慎重に検討してまいりたいということで終わったわけであります。ところが、三日の予算委員会における別の委員に対する答弁では、来年度におきまして、これは状況いかんによりますので必ずというお約束はできませんけれども、ぜひ来年度において交付税率の引き上げという方向で処理したいというふうにお答えになっておるわけであります。私に対する答弁とこの予算委員会における答弁とでは、かなり違いがある。これはかなり具体的におっしゃっているわけです。その間わずかに一日しか時間がないわけでありまして、これは全く同じ質問に対して人によって答弁を変えておられるというふうに私は見ておるわけでありますけれども、その辺の事情をひとつ御説明を願いたいわけであります。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 事柄の性質上、いろいろな角度から慎重に検討すべきは当然でございます。ただ、申すまでもなく、一日も早く地方財政に対処するための抜本策を講じなければなりませんので、これが実行できる時期の早からんことを望んでおるわけでございまして、その時期は、経済が安定成長の軌道に乗りまして、経済の前途にも見通しがつく、そういう時期におきましては、先ほど来申し上げておりますように、税制の抜本改正ということにも着手しなければならないと存じますし、政府は五十五年を目標に財政の均衡を回復しなければならない、その手段として税制の改正、租税負担率の引き上げということも考えておるわけでございますから、これは一日も早いにこしたことはない、できれば五十三年にも、そういう環境が熟してまいりましたならば実行をしたい、こう申し上げたわけでございます。必ずしも五十三年に必ず実行しますということは申し上げなかったと存じますが、目標が五十五年でございますから、そうのんきなことを申しておれないわけです。状況が許しますならば五十三年度においてもぜひ実行したいと申し上げたわけでございます。慎重にと申し上げたのは、当分ほうっておくというような意味ではないわけでございます。決して後ろ向きの答弁を申し上げたわけではございません。私としましては矛盾したことを申し上げたつもりはないのでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 それはよくわかるのですけれども、それならばなぜ私に対してもそういうふうに親切丁寧に御説明をなさらなかったかということであります。私に対しては全く抽象的に一言で片づけられておるわけでありまして、ほとんど同じ時点に、同じ問題に対して、人によって差別をするということは、これは大変残念でありますけれども、その点をひとつもう一回御答弁を願いたい。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 これはお気持ちを損ねたということでありますと、まことに申しわけないことでございますが、本会議で答弁をいたします場合には、相当緊張いたしますので、一字一句書いたもの、これは記録にも残ることでありますので、書いたとおりに申さなければならぬかと思います。書いたものを実は朗読をいたしたようなわけでございます。むろんそれに先立って原稿を点検いたしたわけでございますが、先ほど来申し上げましたような意味において、私の念頭にありますことと書いてあることの間に別に矛盾はないと存じましたので、あのような答弁を申し上げたわけです。私の考えておりますことが御理解をいただけなかった、まあお気持ちを損ねたということでありますと、ひとつその点は御寛容をいただきたいとお願いをするわけでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 これからひとつ御答弁の内容と同時に、できる限りわかるように親切丁寧な御答弁を賜るように特にお願いをいたしたいと思います。  まず最初に、私は地方自治の問題について若干の考えを申し上げて大臣の御見解をいただきたいわけでありますけれども、地方自治についてその施策や運用を論ずる場合には、自治体政治を国の政治の中でどういう位置づけをするのかということが問題だと思います。その基本的な考えについてまず問われなければならないわけであります。地方自治については憲法にその基本的な考えが明示され、戦前とは全く異なる性格、位置づけが与えられたわけであります。そして新しい出発をいたしまして、それ以来三十年を経過をいたしました。その間、日本の経済社会の変化によって自治の内容は大きく変化をいたしました。その中で最近の諸情勢は、自治体の果たすべき役割りをなお一層求めていると考えられるわけであります。住民や自治体当局はもちろんのこと、国の側においてもいままでのような、地方を国の下部機構と考えるような安易な気持ちでは自治を発展させることはできないと考えられるわけであります。住民の価値観も社会構造も変わったのでありますから、政府におかれましてもこれに対応する新しい姿勢がなければならないわけであります。地域の人たちは、時代の変化とともに自治の重要性をよく認識をしておりまして、進んで各自の果たす役割を求めているわけであります。積極的に自治を発展させようとする意欲が地域には盛り上がっておるわけであります。もちろんそこには権利を主張し、いろいろの要求も出されるわけでありますけれども、決してそれは無秩序なあるいは暴力に訴えようとするものではこれは絶対にないのでありまして、いままで経験したところのない多くの困難と闘いながら、新しい状況の中で新しい秩序を求めて努力しているわけであります。ところが国の方では、こういう住民の成長した意識に対する十分な理解ないしは対応が欠けているのではないかと思われる節が多々あるわけであります。ぜひともひとつ住民の創造力や前向きのエネルギーを生かすような行政を国の立場から展開をしていただきたいわけであります。財政政策だけ変えればいいということではなくて、自治体住民に対する国の政治姿勢をひとつこの際根本的に再検討をしていただきたいわけです。国が上で地方が下、国が地方を支配するというような思想、そういう思想はないでありましょうけれども、形は少なくともそうなっているわけでありまして、これらを再検討願いたい。文字どおり対等の関係に立って、行政秩序を再編するぐらいの発想の転換が必要なのではないかと思うわけであります。大臣の所信の表明の中にもそういう抽象的なお言葉はありますけれども、具体的にこうしていくんだというようなお考えが示されておりませんけれども、ぜひひとつ新しい転換の時代に対応する国の姿勢として、大臣にできれば具体的にこれから変わりいく地域あるいは住民の意識にこう対応していく、そして住民のエネルギーをこういうふうに引き出していくのだという御提案なり発想があればひとつお示しをいただきたいわけです。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 地方自治は、申すまでもなく民主主義の基礎でございますから、地方公共団体の行政、財政が自主的に自立的に運営されなければならない、これが望ましい。そういう方向で、反省をすべき点がございますれば反省をしなければなりません。改める点はどしどし改めていかなければならない、このように考えております。そういう方向でひとつ努力を重ねてまいりたいと存じます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 ただいまの御答弁で大臣の御決意はわかったわけでありますけれども、日本では従来、自治が国家目的を達成するための手段として考えられた長い時代があったわけであります。国力を増強するために、下部機構である自治体を整備をして、すべての力を国に集中をさして、国に奉仕をするものとしての自治というような考えが長い間支配していたと思います。そのような時代はもうすでに終わったわけでありまして、自治という営みが国政に奉仕をするという手段としてではなくて、自治そのものが目的として追求をされなければいけない、そういう時代であろうと思います。そういう点で、戦前のように国是として富国強兵が推進されたという時代から完全にこれは切りかえをして、国民の生活、幸せを守ることが国の最高の使命である。また同時に、それは地方自治の使命でありますけれども、そういう認識をなお一層持っていただかなければいけないと思うわけです。それとともに中央に従属させられて、奉仕をさせられてきた自治体が、完全に自主性、自立性を回復して、自分たちの地域政治は自分たちで運営していくという住民自治の考え方、これがいまだれでも否定することのできない原則として公認されていると思うのですけれども、そしてまた、自治権が憲法体系の中の重要な一環として存在を主張することになったわけだと思います。国の下部機関としての、そしてまた国に監督を受けるそういう存在ではない。支配されてきた地方自治体が基本的な自治権を認められ、国が上で自治体は下であるという考え方は完全に否定されなければならないわけですけれども、これが実際の御指導の面で、あるいは実態がそこまでいっていないというふうにわれわれには見られるわけであります。大臣も言っておられますように、国と自治体は原理的には対等の立場であるはずであります。そしてお互いに協力をして住民の幸せを守っていく、そういう基本的な使命を持っておるわけであります。大臣が言われたように、国と自治体は車の両輪のごとくでなければいけない、またそうでなければ本当に機能しないわけであります。地方自治制度三十年の歴史は、必ずしも自治権伸長の歴史ではなかったと私は思うのでありますが、大臣は、地方自治は紆余曲折を経ながらというふうにおっしゃっておりますが、まさにそのとおりでありまして紆余曲折があったわけです。しかしこれは多くの障害に直面をしながら、ときには後退し、またその障害を克服をいたしながら前進をしてきたわけです。この紆余曲折の道程は、これは決して住民が自治に不熱心であったから、あるいはまた運営にふなれであったという理由ではないと思います。歴代の政府は自治権を、ややもすれば抑えるという方向でいままで推移してきたのではないか。中央のコントロールに地方を服さしておこう、そういう一貫した方針がとられたのではないかというふうにわれわれには見られるわけです。これに対して住民は、自治を守ろう、そういう立場から国の政策と住民の意思とがお互いにぶつかり合った闘争の経過というと大げさですけれども、そういう経過があったのではないかと考えられるわけです。たとえば自治警察の廃止であるとか、教育委員の任命制の後退であるとか地方自治体の権限の縮小というような、自治権を制限しようとする一連の経過があった。そういう中で住民は一生懸命自治を守るために努力をしてきた。いままでの三十年はその経過であったと思うわけです。そういう中央支配の自治行政をこの際は何としても、時代の転換と同時に国の姿勢も、そしてまた住民も新しい自治の時代を切り開く、そういう決意が必要ではないか。特に地方行政を指導される大臣の発想の転換というか、そういうものが必要ではないかと思うのです。福田内閣の一員、閣僚でいらっしゃるわけですから、これは政府対地方という立場から考えれば、やはりときには地方と対立をする場合もあるでしょうけれども、閣僚の一員であっても自治体の立場で自治を守っていく、地域の利益を守っていくというお考えにひとつ立っていただきたいわけでありますけれども、その点をお伺いをいたします。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 新しい地方自治制度が施行をされまして三十年になるわけでございますが、紆余曲折を経つつ今日では国民の理解のもとに定着し、だんだん発展をしてきておると存じます。先ほど来の御論旨は全面的に同感でございますから、これから先も地方自治を健全に伸ばしてまいりますためにあらゆる機会に努力を重ねてまいりたいと存じます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 地域においても、地域の状況あるいは構造が高度成長その他によって大変に変化をいたしております。それと同時に、住民の意識も地方自治に対する関心も飛躍的に強くなってきたわけであります。その力というか、いままでの地方自治に対する一つの反対の立場の勢力なり考え方、その力がいまや地方に多くの革新自治体を生み出しているわけであります。中央に直結をし、大資本本位の政治に追随をする保守首長に対して、革新首長は住民直結の施策を打ち出して、各地で大幅に進出をしておるわけです。もう住民直結の考え方は、現在では保守革新の別なく地方自治の原理としてだれもが承認をしておるところであります。中央に顔を向けていたのでは自治の自殺行為と言わざるを得ないわけでありまして、住民本位の政策はそこでは生まれてこないわけです。国の支配下における地方行政から住民による住民自治へという流れが、戦後一貫した歴史の方向であったわけであります。それとともに、自分たちの手によって自治を進めようとする意識の変革が進んだと思うわけでありまして、その結果、地方団体には革新の首長が多数ふえたわけでありますけれども、この革新の首長が非常にふえてきたということについて、それからまた住民意識が変化してきたということについて、またそういう事態に対して大臣としてはどう対応なさっていこうとなさるか、それをお伺いしたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 近年地方自治に対する地域住民の関心というものは確かに仰せのとおり大変強まってきておると存じます。私どもといたしましては絶えずそういう地域住民のニーズというものをくみ上げることに努力をいたしまして、これが地方行政の上に反映されますように努力をしてまいりたい、かように考えております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 地方自治というのは分権の考え方ですね。これが徹底しなければ地方自治に対する本当の理解はできないと思います。わが国の急激な工業化によって、人口の都市集中や農山漁村の過疎化など、かつてない経験をする中で、地域の構造は大きく変わってまいりまして、住民要求の多様化、市民意識の成熟ということが進んだわけであります。そしてまたその中から市民運動の台頭などの状況が生み出されておるわけであります。こういう地域における急進的な事態が新しい展開を見せているにもかかわらず、国の政治が一向に時代の要請にこたえていないと考えられます。それは依然として旧憲法的な中央集権的な考え方、これが依然として日本の政治には支配的であるというふうに考えざるを得ないわけであります。たとえば、確かに、憲法にも規定されておりますし、制度的には地方自治の制度は整備されておるように見えますけれども、実際には、法令の解釈にいたしましても、中央政府が一方的に解釈をしてそれを地方に指示をする。地方には法令に対する解釈権があるはずでありますけれども、なかなかこれが発揮できない。通達によって一方的な法令の解釈がまかり通る、そういうことが実態であります。また財政危機についても、これはもうあらゆる機会に多くの人たちから言われているように、中央集権によって地方に対する支配が続いておるわけですね。ですから、経済機構も政治機構も、一つの時代が終わったわけだと思うのですけれども、それがなかなか転換ができない。経済の分野では、たとえば独占禁止法というようなものがありまして、これがまた不十分だから改正をされようという機運になっております。ところが、政治の分野における中央集権というものが、一向に分権化への方向がとれない、また、中央政府におかれましても、そういう発想の転換がなかなかできないというところに問題があるのではないかと思います。そういう点で、この際発想の転換が強く要望されると思うわけであります。  時代の大きな流れは、何といっても、集中から分散へという時代になっていると思います。経済におきましてもそうであります。したがって、政治においても、やはり集中から分散への転換がこの際ぜひとも要望されると思うわけです。経済的には、自然に任せておいたのでは独占の弊害があらわれるので、独占禁止法などでこれを排除しようとするわけですけれども、政治におきましては、何といっても中央政府、特に地方自治の問題では大臣がそういう考え方の転換をなさって、口先だけではなくて、地方と国とは対等なんだという認識を本当に実践をされるということが絶対に必要ではないかと思います。現在のように、権限、財政力ともに中央に集中をしているという中では、大臣がおっしゃるように、本当に地方自治が発展する条件がないようにわれわれは考えるわけであります。この際、政治姿勢の転換をなさると同時に、制度的にも中央集権から地方分権へという方向転換をぜひともなさる必要があろうと思います。  中央の皆さんは地方の声の届かないところで仕事をなさっておるわけですから、地方の第一線の実感、体験というものがなかなかおわかりにならないのではないかと思います。しかし、いまや保守、革新という問題ではなくて、中央集権から地方分権へという時の流れ、それからまた要求、これは大きな世論になっておると思います。中央集権というのは、重ねて申し上げますけれども、これは一種の独裁体制だと思います。そういう構造と条件の中では民主主義というのは絶対に発展することはないわけであります。ぜひとも大臣におかれては、現在の世相、時の流れ、これらを御認識なされて、抽象的な訓示をなさるだけではなくて、具体的に制度の面、財政の面あるいは指導運営の面で自治体の自主性を尊重する、そしてまたそれを伸ばしていく、育てていくという発想にお立ちになられますように特にお願いをしたいのですけれども、その点をもう一回お願いいたしたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 国と地方公共団体、対等の立場で車の両輪のように相補っていくべきでございますし、現行の諸制度、法律、根本的にはそういうたてまえになっておると存じておりますが、制度の運用の面で足りない点は絶えず反省をしていかなければなりませんし、あるいはまた行政事務の再配分、これに伴います財源の再配分というような点につきましても絶えず見直し、改善の努力をしてまいりたい、そして先ほど来御発言の御趣旨に沿ってまいりたい、このように考えております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 現在の国と地方との関係はあくまで上下の関係だけでありますね。われわれ地方首長の経験があるわけでありますけれども、地方と国との間には有機的なつながり、あるいは政策を調整する機関なりそういう場が全くないわけであります。そして、ときに地方の要望を中央政府にお訴え申し上げる、あるいはまた特定の事業なり政策なりについて補助金をお願いする、そのたびに一々頭を下げて中央にお願いをするわけであります。頭を下げるのはいいのでありますけれども、そういう国と地方とが断絶をしておって、国と地方とをうまく調整する場がない、機関がないということだと思います。これは国の組織の違いはあるでしょうけれども、西ドイツ等においては、自治体の代表が連邦議会の上院の構成分子になっておって、そういう組織を通じて地方と国とがうまく一体となって、お互いの政策の調整なり財源の配分なり、そういうことをやっておるということを聞いておるわけでありますけれども、日本にはそういうものが何もないわけであります。地方制度調査会というようなものがありますけれども、あれは政府の諮問機関でありまして、国対地方の話し合いの場ではないわけです。  ですから、この際お願いをするわけですけれども、これは制度上の大きな問題だと思いますけれども、国と地方が一つのテーブルに着いて、お互いの政策調整なり財源の配分の問題なり、国と地方の基本的な政治の問題について話し合うそういう場、そういう機関をおつくりになって、そして地方の状況をよくおくみになる、また地方も中央の意図なり政策なりをそこで理解をする、そういうような国と地方とが話し合う場をつくる必要があると思うのですけれども、そういう点についてのお考えはございませんか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 国と地方の連絡調整を図りますために、ただいまお言葉にございましたように地方制度調査会もございます。また全国知事会あるいは地方行政連絡会議というのが知事並びに国の出先機関によってつくられておるわけでございまして、当面これらの機関を通じて国、地方の調整を行っておるわけでございます。  西独の例を引いてのお話がございました。まだ十分研究もいたしておりませんが、あらましのことは承知いたしておるわけで、これは一つの参考になると存じますが、当面は現行の制度を活用いたしまして、国と地方の連絡調整を図ってまいりたい、このように考えております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 地方六団体というものがございまして、確かにそれがパイプにはなっていると思いますけれども、これはあくまで地方団体が組織をして国に陳情をする一つのルートとして考えておるわけです。あくまで地方は国に頭を下げてお願いをするという方法しかないわけでありまして、一つのテーブルに着いて意見を交換するということは、制度的にもそういう道が全くふさがれておるわけですね。ですから、陳情あるいは請願という形、これはまことに旧憲法的な発想、考え方でありますけれども、そういうことではなくて、国と地方とが同じテーブルに着いて話し合える、そういう場がぜひとも必要ではないかと思うわけでありまして、今後ひとつその御検討をいただけるかどうか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 御提案は、現行の制度を根本から変革する非常に大胆な御構想であると存じますので、ひとつ今後慎重に研究をさせていただきます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 それでは、これから具体的な幾つかの問題についてお伺いをしたいと思いますが、すでに話が出ましたけれども、ことしは各方面の熱心な要請にもかかわらず地方団体金融公庫の新設は見送りになりました。そして地方債のうち消化引き受けに最も困難をきわめる縁故債が、昨年よりは減っておりますけれども、しかし額としてはかなり巨額であります。これが二兆七百四十六億円も予定されておりますが、この巨額の資金が果たして円滑に調達できるかどうかについては大変疑問があるわけです。特に、弱小自治体における縁故債の消化は大変むずかしいわけです。これは私の貧しい経験から申し上げましても、小さい団体の首長は、その時期になりますと自分が金融機関に行って、金融機関を回って頭を下げなければならないという事態があるわけです。これは二、三年前のことでありますけれども、現在はそれよりもはるかに厳しい状況になっておると思います。最近の新聞報道によりましても、縁故債の消化は決して楽観を許さない、地方銀行では公社債をいまから売って、資金のポジションを改善をしてその時期に備えておるというようなことも言われておりますけれども、そういうように、自治体にとってもまた地方の金融機関にとっても、縁故債の消化というのはかなり、限度とまでは言わないにしても、むずかしい段階になっているのではないかと思います。そしてまた一部には、これに関連して地方債を日銀の担保にする、あるいはまた買いオペの対象にするというような御意見もあるようですけれども、そうなるとまたこれは別の問題が出てまいると思います。日銀ということになればインフレの要因にもなりますし、これはそういう便宜的な方法がかえって別の財政上の問題を生ずるのではないかと思うわけです。  それからまた、地方縁故債が地方の主要金融機関ではなくて、農協とか信用組合とか、そういうところにまで動員をかけなければ調達できないという、そういう事情があるわけですね。これらについて特に弱小自治体が縁故債をスムーズに消化できる特別の措置をお考えになっておられるか、またこれは特別に御配慮をいただかなければいけない問題だと思いますけれども、この点についてお伺いをしたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 地方債の消化、なかんずく縁故債の消化が、最近縁故債がふえましたこともございまして、なかなかむずかしくなってきておりますのは御指摘のとおりでございます。したがいまして、これに対する円滑な消化対策、これに対しましていろいろ配慮をいたしておるところであります。最近地方団体の中で中小金融機関やら農協、こういったようなところまで借り入れをいたしておるという事実ももちろんございます。それから縁故地方債の引き受け手段に中小金融機関等が新たに参加する、こういう事態もあるわけでございます。こういった事態は多方面、非常に多くの方面から資金調達をする、つまり資金調達の多元化を図る、こういう面からは基本的には結構なことだと思うわけでありますが、しかしまた半面、こういった弱少金融機関でかなり金利が高くなる、良質な地方債資金が得られにくい、こういうような問題もあろうかと考えておりまして、できる限り非常に高金利のものにわたらないように配意をいたしておるところでございます。  特に御指摘をいただきました弱小地方団体でございますが、これはいずれにいたしましても地元銀行等の引き受けもなかなか困難でございますので、こういった点に対しては国としても特別の措置を講じる必要がある、こういうふうに考えたのでありまして、この点が、そのような弱小機関にかわりまして一括して資金調達をする公営企業金融公庫の改組、こういった方式で解決ができないかという提案をことしはいたしたのでありますが、残念ながら問題がまとまりませんで、そのかわりに、このような弱小団体に対してはできる限り政府資金をふやしていく、あるいは公営企業金融公庫の調達資金の範囲を広げまして、これで対応するという措置をとらしていただいたわけでございます。  そのほか消化対策につきましては、ただいま御指摘がございました一定の規格にはまります地方債につきまして、日銀の適格担保を設定をする、こういう面について積極的に検討してまいりたいと思っておりますし、またことしの国税の改正におきましては、民間個人消化を促進するために、地方債の市場公募債の個人引き受け分につきましては、税法上の特マル優の制度を新設をしていただくとか、こういったような措置も講じさせていただいておるわけでございます。  なお、こういった点を通じまして今後とも地方債資金の円滑な消化については十分あらゆる手を打ってまいりたかと思いますし、また非常に消化が困難になりました具体的な例が出ました場合には、大蔵大臣と自治大臣とが覚書を取り交わして約束をいたしておりますが、両省こぞりまして適正な具体的な手段を打っていく、こういうようなことで対処してまいりたいと思っておるわけであります。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 日銀の適格化ということは、これは縁故債の消化ということからは結構だと思いますけれども、それがインフレ要因あるいは通貨増発の誘因にならないかどうかということですね。それから、地方で実際に資金を調達をする場合に地域によってかなり金利の差があるということです。同じ県内でも県都と末端の、末端というか小さい団体との間には金利差がかなりあるわけです。現にあるわけですね。小さい団体は、同じ縁故債でも高い金を借りなければいけないということがあるわけですよ。そういうことに対する国の御指導なり、これは自然の経済界の問題ですけれども、やはり弱小団体は高い金を借りなければいけないということに対する何らかの対策あるいは指導、そういうものができないものかどうか、これをお伺いしたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 まず日銀の担保適格にいたしました場合のインフレとの関連でございますが、適格担保になりましたからといって、それがすぐに買いオペの対象になるかどうかという問題につきましてはこれは一応別問題でございまして、資格はあるわけでございますが、買いオペ玉を日銀がセレクションしてまいりますときには、おのずと国債そのほかの順番があるようでございます。まあ全部日銀が実質上の引き受けになるようなかっこうになればもちろんインフレの懸念が出てまいるわけでございますが、地方債の場合は必ずしもそこまでの状況には立ち至らないのではないか、地方債の一部が担保適格にされることによって、地方銀行そのほかの引受機関が引き受けやすくなるというメリットの方が先に立つのではなかろうか、こう考えております。  それから、二段目の後段の方でございますが、御指摘のように、同じ金融機関から金を借りましても、大きい団体、小さい団体で若干金利の差がある、これは事実でございます。しかし、まあこういったことは、金融情勢の実質金利のあり方等の関連もございますので、必ずしも私どもの方として、地方債はすべて幾ら幾らの金利でなければならぬという統制的な考え方をとっていくということは考えておらないのでありまして、また、そのような実質統制をやりましても、なかなか実効は上がらないのではないかと考えております。ただ、金融情勢等を地方団体にもよく周知徹底させまして、各種のPRを通じまして、大体平均的にはこんなものですよ、これ以上高ければ余りほめたことじゃありませんよといったような行政指導、こういうことはもちろんいたしておりますし、それから、何にも増して、やはり弱小団体では資金の調達がむずかしゅうございますから、できる限りそこには政府資金を入れるとか、あるいは公営企業金融公庫の金を回すとか、あるいは共済そのほかの縁故資金、良質の金を回すとか、そういう資金配分の面を通じて、弱小団体には高利の金利負担のものが多額にならないように、私どもとしては起債の配分の際に考慮をしていく、こういうことを考えておるわけであります。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 もう一つお伺いしたいのですが、それは国から地方に金がまいりますね、それがおくれるということですよ。それも、補助金ならばまだいいのですけれども、御承知のように、国は地方に対してたくさんの仕事を言いつけております。委任事務がございます。この委任事務に対する経費が当然かかるわけでありますけれども、その委任事務に対する経費、国が出すべき負担金、国の負担金でありますが、これの交付がおくれるんですね。かなり前よりは改善をされておりますけれども、福祉関係のいろんな費目がございますけれども、この費目に対する地方の行政は、新年度四月からずっと開始をしておるわけです。人件費を初めとしていろいろな費用がかかるわけです。ところが、これに対する国の負担金が、全部とは言いませんけれども、中には、四月から始まっているにもかかわらず、十二月にくる、あるいはまた翌年の一月、二月あたりに入金するという例があるわけです。これでは、仕事はさせておきながら金は払わない、払わないわけじゃありませんけれども、仕事はさせておいて、金の払いが非常に悪いという一面があるわけですよ。これについて、よく御調査を願いたい。ただでさえ苦しい地方なんですから、国の立てかえまでとてもできないと思います、いまの財政は。ところが、実際に末端を調べてみますと、そういう例がかなりあるのです。これは実態についてお調べになっておりますかどうか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 ただいま御指摘をいただきましたように、国の諸支出金の遅延ということがございますので、各省にできるだけ早く出してくれるように毎回督促をいたしておるわけでありまして、最近は、御指摘をいただきましたように、かなり直ってきておるのではなかろうかと思っております。  ただいまの時点でどういったものが具体的におくれておるか、調査をいたしておりませんが、地方団体等の意見も聞きながら、具体的にそのようなものが出てまいりました場合には、また具体的にその各省に向かって早い支出をお願いをしていく、こういうふうに時宜に応じた措置をとってまいりたい、こういうふうに考えております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 それは福祉関係の一件の金額が少ないというところに多いようですね。それから、特に保育所の建設に対する補助金、これは年度が終わってしまって翌年の五月、出納閉鎖ぎりぎりになって入っていくというような例もあるわけですね。こういう点は、細かいことのようですけれども、国の政治姿勢という立場から、地方に仕事をさせるからには金もきちんと払うという、政治姿勢の問題としてひとつお改めを願いたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 御指摘よくわかりましたので、そのように努力をさせていただきます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 それからもう一つですが、消防に関して、先ほど団結権の問題は出ましたので重ねては申し上げませんけれども、消防の整備の問題で、むろんこれは起債に依存する面が多いのですけれども、消防に対する起債というのは、政府資金が全然ないのですね。これはどういうわけであるのか。消防に対しては原則として政府資金はつけない、縁故資金しかつけないというような方針のようでありますが、そうしますと、消防の整備については、地方団体としては大変支障があるわけですね。資金が思うようでなければ、仕事をしたいけれども延ばすというようなことにも自然になりますが、なぜそういう方針をとっておられるのか、お伺いします。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 地方債の資金でございますが、それぞれの性質、目的等に応じまして、各種の資金の割り振りをいたしておるわけでありますが、消防施設の場合には損保資金、生保資金、生命保険、損害保険の関係の資金があるわけでございますが、そのようなものを資金に当てておるわけでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 それはわかっているのですけれども、それでは消防ということに対する差別ではないか、なぜ国家資金を回さないのかということなんですよ。その事実はわかっているのです。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 資金の構成でございますが、必ずしもこの資金が回っておりますからといって、みな利率の高い資金というばかりでもございませんので、その間の均衡はいろいろ配慮をしておるわけでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 国家資金が一番いいことは間違いないのです。期間の点においても利率の点においても間違いないと思いますね。ですから、これから国家資金を回してもらえるかどうかということをお伺いしたいのです。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 この面で国家資金が一番いいと決まっておるわけでもないわけでございまして、ただいま申し上げました資金につきましては、利率が五分七厘といったようなものもあるわけであります。これは政府資金よりずっと安うございます。消防施設関係は、車両そのほかで耐用年数の問題等もございますので、つっくるめますと、こういった資金充当で妥当ではなかろうか、このように考えておるわけでありまして、前々からそのような措置がとられてまいっております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 それでは、それでしようがないですね。  それからもう一つは、ちょっと右翼の問題についてお伺いしたいのですが、最近右翼の動きが活発化しているようですけれども、右翼の組織の実態はどうなっているのか、これをひとつできるだけ詳しくお教えをいただきたいと思います。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 右翼の動きが活発になっておるという御指摘でございますが、確かに、昨年一年間警察において右翼事件を検挙いたしましたのは二百七十一件、人数において五百三人ということになっておりまして、この数は戦後における最高である、こういう意味で右翼活動が活発になっておるということのあらわれでもあるわけでございます。  ところで、右翼の組織がどうなっておるかということでございますが、右翼という言い方にもいろいろあるわけでございますけれども、一応私たちが頭に置き、かつ仕事をする上においてこれを見ておるというものといたしましては、組織の数におきまして全国で約五百五十団体、人数で約十二万人ということになっております。  右翼の中にも、組織全体の概数はそうでありますが、ただいま申しましたような昨年一年間に大変事件を起こした、こういうのはそのすべてがそれぞれに事件を起こしているというのではありませんで、右翼の種類と申しますか行動様式とか成り立ちとかということで特色がございますので、これまた限界はいろいろ問題があると思いますけれども、大ざっぱに言いまして、たとえば戦前からありました右翼の系列といいますか思想的といいますか、そういうものを引いておる右翼団体というのが一つございます。これは現在のところ日常的な事件というのはほとんど起こしておりません。それから二つ目は日常活動を活発にやる、街頭宣伝その他をやっておる、一応行動右翼と称しておりますが、これが事件を起こすのが一番多いわけでございまして、先ほど申しました数字も大体この分類によって、この分野の種類の右翼団体によって行われておるということでございます。それから三つ目は任侠右翼といいますか、暴力団の系列を引いておるものというのがあるわけでございまして、これまた、行動右翼に準じて事件を起こす、こういうような団体がございます。四番目は啓蒙右翼と申しましょうか、啓蒙宣伝に力を入れておりまして、民族主義的あるいは反共主義的な主張を大いに啓蒙することでありまして、これは事件としてはまずない、事件を起こさない、こういうのがございます。  最後に、先般経団連会館事件を起こしましたいわゆる新右翼、これは名前の示すとおり最も新しい種類のものでございまして、この一両年そういうのが出てきておるわけであります。これは組織としてかたまったものではありませんで、一人一党といいますか一匹オオカミと申しますか、それぞれに主張しておる。ただこれ以外のものを既成右翼と仮に言いますと、既政右翼との違いといたしましては、手段方法におきまして、いわゆる極左暴力集団、新左翼とも言われますが、これと大変似ておる。つまり現体制を打破する、その手段方法として暴力を肯定する、こういう点においては極左暴力集団と全く共通しておるわけであります。ただ極左と違います点は、それによって彼らが達成する目的というのは、極左の方は日本における革命あるいは世界革命というものを目標にしておりますけれども、新右翼の方は現在の体制を打破した後に戦前の体制と申しますか、ああいうような体制を復活するということを目標としておるという点が違っておるところでございます。  ということでありまして、ただいまこの種事件が起こりましたので、引き続き模倣的に、あるいは他のそれぞれのいま申し上げました右翼がこれを刺激と受け取って同じような事件を敢行することのないように、ただいま鋭意これに対する事案防遏のために努めておる、こういうところでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 終わります。

地崎宇三郎自由民主党

○地崎委員長 この際、本会議終了後再開することとし、暫時休憩いたします。     午後零時五十四分休憩      ————◇—————     午後二時四十一分開議

地崎宇三郎自由民主党

○地崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について質疑を続行いたします。斎藤実君。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 私は、小川自治大臣の所信表明に対しまして、基本的な問題について若干お尋ねをいたしたいと思います。  大臣は所信表明の中で、本年は、「地方自治制度がスタートしてから三十周年に当たる意義深い年であります。」と述べておられますが、周知のように地方財政は未曽有の危機下にありまして、憲法で保障された地方自治は名のみの状態と言っても過言ではありません。財政面のみならず、地方行政の面でもいまは問題が山積をいたしております。大臣は現在の地方行財政の現状を一体どのように認識し、把握されておられるのか、まずその点からお伺いをいたしたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 三年連続して大幅な赤字を出しているという状況でございますから、これはきわめて不健全な状況である、こう申し上げざるを得ないと思います。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 大臣から三年連続の赤字が出ているということで非常に不健全だという御答弁がございました。大臣も所信表明の中で「自主と責任を基本として地方行政を行うことができまするよう、地方自治の基盤の一層の充実を図ることが今後の地方自治の課題である」というふうに言われております。私は、政府がとろうとしておる明年度の施策で実際に地方自治体が自主と責任において行政運営ができるような仕組みと実情になっているかどうかということに対してきわめて疑問を持っております。あるいは責任を持ってやれる行財政の基盤が確立されているのかどうか、地方自治体は一体そういう環境にあるかどうかということについて、私はさらに大臣が具体的にどう認識されているかについてお尋ねをいたしたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 地方公共団体が自主的に、自律的に健全な行財政の運営ができまするようにしなければならないと考えておりますが、そういう観点から見て足りない点はたくさんあると存じまするし、改善を要することは多々あると存じております。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 健全な運営あるいは改革すべき点が数多くあるというふうにいま御答弁がございましたが、私は具体的な問題としてお尋ねをいたしたいと思います。  一昨年以来地方財政は二兆円以上の赤字を出してまいりました。また、来年度も二兆七百億円の財源不足を生ずるわけでございまして、これに対しては地方債の増発と交付税の増額という財政措置がとられました。しかしながら、大臣もいま申されておりましたように、三年連続二兆円を超す赤字ということになれば、当然交付税法に基づいて交付税率を引き上げてしかるべきではないかと私は思います。かかる観点からすれば、今回の地方財政措置は地方交付税法の趣旨を逸脱したものであり、違法ではないかと私は考えます。また、このような施策で地方団体の自主と責任ある行政ができると考えておられるのかどうか、お伺いをいたしたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 交付税率の引き上げはもとより望ましいことでございますが、交付税率の変更ということは国と地方の長期にわたる財源配分の問題になりまするので、今日のような経済が一つの転換の時期に差しかかっておる変動期においてこれを実行するということは困難でございますので、これにかわる措置として御高承のような措置をとったわけでございます。これは実質的には交付税を三・六%引き上げたのと同じ効果を持つ措置でありまするし、また、そのうち四千二百二十五億円につきましては昭和五十五年度以降八カ年にわたって毎年臨時地方特例交付金を繰り入れる、こういうことをあらかじめ法律で明定をするわけでございますから、これは一つの制度の改正である、このように私どもは考えておりまするので、法律に違反しておるとは考えておらないわけでございます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 大臣から法律に違反していると思わないという答弁がございましたが、大臣も答弁の中でお答えになっておりますように、現実に三年連続二兆円を超す赤字ということが出ております。国と地方の財源の問題についていま御答弁がありましたが、地方自治体と国とは、これは一体な関係にあるとは言いながら、力関係では町村の力あるいは財政の力というものは格段の差がございまして、なおかつ超過負担、あるいは住民の多くの要望にこたえなければならないということで、こういう不況の中で地方自治体が厳しい財政下の中で苦しんでいるわけでございまして、縁故債あるいは地方債にしても非常に地方団体が苦労していらっしゃる。国はどうかといえば、やはり産業あるいは金融その他財政を一手に握っている巨大な団体でございまして、国が赤字だからあるいは地方自治体もがまんをしてくれという考え方、これは私は納得できませんし、むしろ、三年連続赤字の場合は当然交付税率を引き上げるべきだということが地方交付税法にはっきりとうたわれておるわけでございまして、大臣が法律違反ではない、法律改正、交付税率を引き上げたと同じような効果を上げているではないかということと、地方交付税法違反ではないかということとは別問題だろうというふうに私は考えるわけですが、再度御答弁願いたいと思います。     〔委員長退席、木村武千代委員長代理着席〕

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 地方債につきましては政府資金あるいは公営企業金融公庫の資金、市場公募資金、いずれも相当大幅に引き上げておりまするし、小中学校義務教育施設整備事業債は全部政府資金で引き受けるというようなことも実行いたしておりまするし、あるいは大蔵省と協力いたしまして、民間金融機関の引き受ける地方債については協力消化の促進を図っていく、かような措置をとっておるわけでございます。交付税の引き上げとあわせまして、今日の地方財政の当面しておりまする困難を相当大幅に改善することができる、このように信じておるわけでございます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 私はもう一遍大臣の所信表明の中からお尋ねをいたしたいと思いますが、確かに地方自治体が「自主と責任」というふうに大臣も言われておりますし、本年度はそういう措置をとったかもしれませんけれども、来年度は一体どうなるんだということ、あるいは経済の変動によって税収がまた予定どおり入らなくなった場合は一体どうするんだという懸念を私は持っております。したがって、地方自治体が自治と責任を持って住民の期待にこたえられるような対策が抜本的にならなければならないというふうに私は思うし、大臣もそのことはおっしゃっておるわけでございます。また、国と地方は「車の両輪の関係にある」というふうに大臣は述べられておりますが、この大臣の言われる「車の両輪」とは具体的にどういうことをおっしゃっておるのか、まずお尋ねをいたしたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 車の両輪と申しますことは、互いに相補って、国も地方の行財政も両方とも円滑に動いていくようにする、このような意味に理解しております。     〔木村武千代委員長代理退席、委員長着席〕

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 私も、国と地方は相対立するものではなくて、やはり相協力をして住民の期待にこたえるというふうに理解しております。しかし、大臣の言われるように、国が赤字だから地方も借金をしなさい、また五十二年度の地方財政施策をとってみても足して二で割る式の、形だけの両輪論であると私は思う。本当の車の両輪というものは、地方団体が、大臣の言われた自主と責任を持って行政運営ができるような行政なり財政の仕組みを確立することにあると私は考えるわけでございますが、大臣いかがですか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 まことに仰せのとおりでございまするから、経済が安定成長の軌道に乗りました暁におきましては、文字どおり抜本的な改革をしなければならないと考えております。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 大臣の御答弁の中で、経済が安定すれば抜本的な対策を講ずるという御答弁がございましたが、なおそれに関連をいたしましてお尋ねをいたします。  現在の地方行政にとって一番重要なことは、地方団体が、住民の行政需要にこたえて十分にその役割りを果たすことができる体制をつくることではないかと思います。そのためには地方行財政の基盤が確立されていなければならないと考えます。その意味からも、さらに具体的にお尋ねをいたしたいと思います。  その一つは、直轄事業の負担金でございます。最近では事業量が非常にふえておりまして、このために特に事業を実施している地方団体とそうでない地方団体との間に財政的なアンバランスが生じております。こういう矛盾した直轄事業負担金は廃止すべきであると考えるわけでございますが、お答えをいただきたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 御指摘の直轄事業負担金につきましての問題でございますが、いろいろ御意見がございますことをよく承知いたしております。ただこれも、たとえば建設事業について考えてみました場合に、先生御案内のように一定の公共事業については国と地方との負担区分が定められておりまして、地方団体が行います事業についても国が一定率の負担をし、地方とお金を持ち寄って仕事をやる、こういう仕掛けがとられております。同じような性格で同じような公共事業を国がやる場合に、やはり地方に持ち寄るべき負担、これがあることは、この負担区分論の両面から考えてみましたときにはやむを得ないことではなかろうかと思うのであります。ただし、直轄事業の場合は大変事業の量が大きゅうございますので、したがってその負担区分の率は地方に軽く国に重く、こういうことを考えていくべきだと思いますし、また維持管理費等につきましての地方の負担、こんなものについては、できる限りこれを軽減していく、こういう方向で処理すべきものではなかろうかと考えておるわけでございます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 局長、直轄事業はあくまでも国の施策でやる、あるいは国の施策に基づくものでございまして、それを地方に負担金を強要するということはとうてい私は納得いたしかねます。その上、事業の計画変更についても地方自治体と十分に協議をされていないことが自治体の強い不満となっておるわけでございまして、この直轄事業負担金は当然この辺で廃止をすべきであると思うが、いかがでしょうか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 直轄事業の負担金につきましては、先ほど申し上げましたようにいろいろ基本的な問題点がございますので、廃止論ももちろんございます。そういう点につきましてはなお慎重に検討させていただきたいと思っております。  それから、ただいま御指摘のように、事業変更そのほかの内容について、地方団体に連絡をしないことが確かにしばしばございます。これが地方団体の憤激を買っておる事例もあるわけでありまして、こういうことのないようにこれは所管の各省には強く申し入れをいたしておりますし、また直してまいりたいと考えております。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 直轄事業の負担金については十分調査をして、廃止の方向で検討するという御答弁でございますので、次に進ましていただきます。  次にお尋ねをいたしたいことは、超過負担の問題についてでございます。この超過負担については、たびたび委員会等で論議もされ、問題になっていることでございますが、超過負担については単価差あるいは対象差、数量差などがありまして、その定義は必ずしも一定してないようでございますが、地方団体の超過負担は地方財政を圧迫する大きな原因でございまして、地方団体の悩みはまことに大きいものがございます。地方六団体が調べたところによりますと、六千三百四十億円の超過負担を抱えておると言われておる。政府は、五十二年度において二百五十六億円の解消措置をしたと言っているわけです。この数字を見る限りでは非常に少ないし、また焼け石に水の措置ではないか、政府が地方団体の自主と責任と言うのであれば、少なくともこの超過負担の解消にもっと積極的な姿勢を示すべきではないかと私は思います。この点についてどのような解決策をとる考えなのか、明確に示していただきたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 御指摘をいただいておりますように、超過負担問題、これが国と地方の財政秩序を乱すものでありまして、ぜひとも絶対にこれを直さなければならぬ、このように私どもも強く認識をいたしておるところでございます。  ところでことしの措置でございますが、ただいまも御指摘がございましたように、従前の超過負担解消でございますと、単価差のみを中心にいたしまして、超過負担解消と取り組んできたのでございますが、ことしは補助金制度の改善という意味も含めまして、いわゆる対象差、数量差、こういう面にも、若干ではございましたが踏み込むことができたわけでございまして、たとえば長年懸案でありました門、さく、へいのたぐいを補助対象に取り入れるとか、あるいは人件費中、公務災害補償費等、こういったものを補助対象に置きますとか、いわば対象差の是正でございます。それから警察施設、公営住宅、保育所、こういった関係の基準面積を増加をした、これは数量差の問題にかかわるかと思いますが、このような措置も含めまして、事業費ベースでは四百九十五億円、約五百億程度の超過負担解消の措置をとらしていただいたわけでございます。もとより、ただいま御指摘ございましたように、六団体調査では、六千三百億という数字が出ておりますが、これは六団体も言っておりますように、いわゆる単純調査でございまして、細かな内容分析はできているわけではないのでございますけれども、なおかつ超過負担問題が地方財政を圧迫する現実の問題としてあるということは私どもも認識をしておるわけでありまして、地方団体側の主張もよく聞きながら、なおかつこれは関係各省の了解を得なければなりませんので、地方団体側と関係各省とひざを突き合わして話をしていただく、こういう措置もとりながら、この是正に今後とも鋭意努力をしていきたい、こう考えておるわけでございます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 いま財政局長から、いままで単価差だけであったのを数量差、対象差にも若干是正をし、措置をしたという答弁がございましたが、これはきのうきょうの問題ではなくて、もう長年にわたる論議をされている問題でございまして、地方自治体が深刻な財政問題の中で超過負担というものをきわめて大きくとらえておるわけでございます。いま答弁がありましたように、若干の措置をしたというふうに答弁がございましたが、政府が解消措置を行ってきたといっても、現実にいま答弁でお認めになったように、解消はされてはいないわけでございます。地方六団体と国との見方、考え方、見解が非常に違い過ぎるわけでございまして、この見解を統一するために、国だけではなくて、地方団体の代表と国の代表と一遍これは何らかの形で話し合いをする場をつくったらどうか。たとえば超過負担調査会といったものを設けて一緒になってその解消に当たるべきだと私は思う。そうでないと、地方団体は地方団体、国は国ということでばらばらにやっておりまして、これはぜひそういう形で一緒になって具体的に調査を進めて、そこで話し合いをして、短期的なりあるいは中期的なり、長期的の一本化した何らかのテーブルに着いて、話し合いをする機関を設けたらどうかと私は思うわけでございまして、その点についてのお考えを伺いたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 いままでの超過負担解消のやり方は、御案内のように自治省、大蔵省、それから関係各省、こういうところで実態調査をいたしまして、その結果を分析をしたものについて直す、こういう行き方をとってまいったのでございますが、ただいま御指摘のように、地方団体側それから国側個々の認識の食い違い等がありまして、なかなかすっきりした形が出ない、これは御指摘のとおりでございます。そこで、両方の話し合いと理解を求める方策が必要であることは論をまちませんが、ただいま御案内のように、地方六団体で地方超過負担解消対策特別委員会というものをつくっておられまして、六千三百億を計算をされたところでございますが、これで内容分析等を行っていただいております。そこで、私どもといたしましては、そこに関係各省の方も御出席をいただき、私どもも出席をして、お互いにひざを突き合わして理解を深めていく、こういう方策で事柄を解決をしていく、これが一番妥当ではなかろうかと思っております。別に何とか委員会というようなものの正式機構をつくりましても、そこでの対立的意見、これが突き合うばかりではなかなか解決の方策に向かわないかと思いますので、ただいま申し上げましたように、地方六団体側の特別委員会、それに関係各省の方もぜひ出席をしていただいてお互いに意見を交換をして直していく、こういう対策を今後進めていきたいと考えておるわけであります。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 大臣に私はお尋ねをいたしたいのですが、この超過負担の問題について、これは大臣として本気になって解消策に取り組んでいただきたいということを私は申し上げたい。いままでたびたび国会でも、予算委員会でも、超過負担というのは何回となく論議をされてまいりました。また、全国の地方団体からの深刻な陳情というものをわれわれ受けているわけでございまして、本当に腹を据えて思い切った抜本策を立てなければ、これはもう本当に大きな問題になるだろうと思います。そうでなくても国を相手取って地方団体が訴訟を起こしてはおりますし、あるいは住民が監査請求をするなんという動きも過去にありましたし、非常に大きな問題でございます。いままで政府の態度は、当面の被害者とも言ってもいい地方団体を除外をして、国だけで超過負担の実態調査をしてきた。だから、積極的に地方団体の要望にこたえる解消策を国はとらなかった。したがって、地方団体だけで調査をしてきたわけでございまして、私は先ほど申し上げましたように、この地方団体の会合に国の代表が出ていってやるというのじゃなくて、やはり一緒に行って現場を見たり、あるいは調査をしたり、それで話し合いをしたりするという、国と地方団体が一体となってやるような、そこからこの解消策が出てくるのではないか。地方団体の会議の中に国の役人が出ていく、そういうのではなくて、やはり文字どおり地方団体と国とが一体となってこの超過負担の問題に取り組むという姿勢が、この問題を解決する大きなポイントになるのではないか、私はこう思うわけでございますが、大臣の御見解を承りたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 従来も努めてこの問題につきまして地方団体の意見も聞いてまいりましたが、一層積極的に地方団体の要望、意見等をも聞きまして、ひとっこれは不退転の決意で推進をしていかなければならない、このように思っております。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 大臣から不退転の決意でこの超過負担に前向きに取り組むという御答弁がございましたから、次に移らしていただきます。  次は、機関委任事務についてお伺いをいたします。機関委任事務は、中央集権の象徴というべきものであるというふうに私どもは認識をいたしております。制定当時と今日とを比べてみますと、昭和二十七年には二百三十七あったものが、今日では五百二十四と二倍以上になっておるわけでございまして、これが、地方自治体が自主と責任をもって行う行政という立場から見れば、この機関委任事務は整理しなければならないのではないか。これは地方団体の大きな負担になっている。したがって、この際、この機関委任事務を見直して整理をすべきではないかと私は考えるわけでございますが、大臣の御見解はいかがでしょうか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 機関委任事務のことごとくとは申しませんが、ほとんどが地域住民の福祉に直接結びつく事務でございます。住民に密着した行政というのは住民の身近なところで解決されなければならない。同時にまた、地方公共団体の行っておりまする各種の行政との関連で総合的に実行されることが望ましゅうございますから、機関委任という形をとりまして、国の事務ではありまするけれども、地方団体に協力をしてもらうということをやっておるわけでございますが、しかし事柄の性質によりまして全面的に地方にゆだねることが適当であるものにつきましては、これを整理していかなければならない、このように考えております。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 大臣、私はこの機関委任事務の実態につきましては、私も直接見たり聞いたり調べてまいりました。実情は自治体独自の仕事は非常に少なくて、二割ないし三割程度でしょう。後は国の仕事の下請という状態で非常に大きな矛盾が出てまいりまして、大臣、現場で機関委任事務を具体的に見てまいりますと、どう見ても国の仕事を六割も七割も地方団体の人がやらなければならぬという非常に不合理な問題でございまして、これは何とかしなければならぬ。私どもが第三者的な立場で見ても、あるいは地方団体の現場の方々の声を聞いても、これはもう本当に整理すべきではないか、こういうふうに考えるわけでございますが、具体的にどういう整理をされるのか、あるいはいつ廃止をされるのか、具体的なお考えがあれば伺っておきたいと思います。

山本悟自治省行政局長

○山本(悟)政府委員 お答え申し上げます。  確かに御指摘のとおり、機関委任事務というものがふえつつあるということは、そのとおりでございます。ただ、御案内のとおり、機関委任事務というのは、法律またはこれに基づく政令によりまして初めてできることでございまして、やはり行政事務というものが全体としてふえてきているというような事情から、それをどういうかっこうで執行するのが最も適当かというようなところから、機関委任というものもふえつつあるというのが実情であろうと思います。したがいまして、ごく最近におきましても、公害関係の事務あるいは国土利用計画といったような事務、そういったものにつきましてもやはり一部機関委任事務がふえている。ただし、地方団体の仕事というものもふえている、こういうような状況にあるのが実情であろうと思います。ただ、御指摘のとおり、ずっと昔からの法令によりまして、そのままのかっこうで、惰性といたしまして機関委任という形式がとられているというようなものも見られるわけでございまして、こういったようなものは、やはり一つの行政事務の改革といいますか、そういったようなものの一環といたしましても考えていかなければならない、かように思っているわけでございまして、具体的には新規の法律の制定あるいは改正といったようなときにおきまして、なるべく機関委任事務というような形態をとらず、地方団体そのものの仕事として住民の身近なところでやっていただく、こういうことがとれないか、こういうことで、私どもといたしましては政府の中で主張をいたしておる、こういうことになっておるわけでございまして、全体としてふえてきたことは御指摘のとおりでございますが、法令に伴いましての事務の執行としてのふえ方というのもあるという点もひとつ御理解を賜りたいと存じます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 私は、地方が当然行うべき仕事まで国が権限を握っている必要がどこにあるのかということを言いたいわけです。国は権限を地方に委譲できるものは委譲して、地方自治体の本旨に沿った制度の運営を図るべきではないかということを申し上げておるわけでございまして、大臣、ひとつこの点について基本的にどうお考えなのか、伺いたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 いま例を引きました公害の問題にいたしましても、これは事柄の性質上、地方公共団体に協力をしてもらわなければできない仕事でございましょう。同時に、国も関心を持たざるを得ない仕事であろうと存じます。先ほど申し上げましたように、全くこれを地方にゆだねてしまっていいと考えられる種類の事務、さようなものは逐次地方におろしていくべきだ、こう考えておるわけでございます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 これまでの論議を通じまして、地方自治体が実際に自主と責任ある行政を進めるためには、現在の中央集権的な国と地方の行財政の仕組みを抜本的に改めなければならないというふうに私は考えますし、大臣もいま地方自治の置かれている現状について非常に厳しく認識もされておりますし、改革すべき点については積極的に改革をするという御答弁もたびたびございました。私はそういう意味で、福田総理が八月までに行政改革の成案を得ると国会で答弁をされました。福田内閣の閣僚である小川自治大臣に私はお尋ねをいたしますが、この地方行政にとって、国と地方との事務及び財源の再配分の問題も、当然これは行政改革の重要な一環として取り上げられなければならないし、当然取り上げられるべきだろうというように私は考えますが、自治大臣のこの行政改革の柱に、国と地方との事務及び財源の再配分の問題もこれは含めるべきであると私は考えますが、大臣、いかがでしょうか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 仰せのとおりでございますので、行政事務の再配分につきまして、八月までに成案を得たいということで、ただいま検討を始めておるところでございます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 それでは、ぜひひとつ抜本的な行政改革の実を上げられるようにお願いをいたしたいと思います。  次に、私は中期財政見通しについてお伺いをいたします。  大蔵省が三月三日の予算委員会で、昭和五十五年までの国の歳出と歳入を試算した中期財政の見直しを提出をいたしました。これに関連して、地方財政も当然同様の中期試算の改定を出されるだろうと思いますが、いつごろにお出しになる見通しか、改定についてどのような基本方針で臨んでおられるのか、二点についてお尋ねをいたします。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 これは国の収支見通しとの整合性ということを考えつつ、ただいま作業をいたしております。目標といたしましては、昭和五十五年度において財源不足が生じないようにするということでございますが、ただいま鋭意作業中でございまして、来週早々には決定できると存じております。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 次に、五十二年度の地方税の伸び率の見通しについてお尋ねをいたします。  政府の地方財政計画では、税収の伸び率を一八・二%、特に法人関係を二四%と見込んでいるわけでございます。こういう見方では非常に楽観的な見方であると思うわけでございますが、非常にこういう景気の低迷しているときに、高いこのような見込みは非常に危険だと思うし、歳入欠陥を生ずるおそれがあるのではないかというふうに私ども心配しているわけでございますが、見込みが外れ、歳入欠陥を生じた場合どういう処置をとられるのか、あるいはこの経済見通し、税収の伸び率を一八・二%あるいは法人関係を二四%と見込まれた基準についてお尋ねをいたします。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 これは去る二月三日に決定をいたしました政府の経済見通し、あるいは今日までの徴税の実績ということを考慮して決定をいたしておるわけで、御指摘の数字をはじき出しますについては、たとえば電力料金の引き上げでございますとか、たばこの価格の改定とか、いろんなことを取り入れておるわけで、この点につきましてはただいま政府委員からお耳に入れまするが、この見通しにはなはだしい狂いができました場合には、地方財政の運営に支障を来さないように、申すまでもなく必ず責任をもって処置いたすつもりでございます。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 五十二年度の地方税収入見込みにつきましての御意見でございますが、大臣からただいま申し上げましたように、税収見込みは政府の経済見通し及び課税実績等を基礎にして算定いたしております。  大きく伸びております要因は三つあるわけでございまして、一つは、御指摘の法人関係税の増が二四・二%である。それから、たばこ消費税の価格改定が五十年の十二月に行われまして、その平年度化が地方税については五十二年度に出てまいります。その分で約五一%強の増がございます。第三番目は、電気料金の改定に伴いまして、電気税、ガス税等の収入が約四六%強伸びております。この三つが大きな要因でございます。  法人関係税につきましての見込みでございますが、二四・二%という税収の伸び率は、法人税の二六・二%増にいわば対応しておるわけでございまして、まず第一に、明年度の経済見通しから勘案いたしました申告所得の伸び等が一七%程度見込まれております。そのほかに、五十一年度中の課税実績が計画上の収入見込みよりも若干の増収があるというふうな、いわば若干げたを履くような状態になりますので、それらを重ねて見込みますと、現段階の経済見通しからいたしますれば、私どもは適正な税収見込みであろう、かように考えておるわけでございます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 五十二年度の予算は一般会計で二十八兆五千百四十二億、前年度比で一七・四の伸びが示されております。景気浮揚型予算でございまして、私はこの中で特に心配するのは、予算の中で公共事業の伸びは二一・四%、過去十年間の公共事業の平均伸び率一五・一%を大きく上回っているわけです。確かに予算が通れば公共事業については早期発注あるいは補正予算の効果も出てくるだろうということで、果たして息の長い景気回復ができるかどうかということは、なかなか私はむずかしいんではないかと思うのでございます。確かにこの公共事業費の効果ということは、すぐ出てくるものもあるでしょうし、あるいはすぐ出てこないものもある。この本年度の予算の中で、公共事業費の三分の一は土地の買収費でございまして、これは景気上昇につながる需要効果というものはなかなかむずかしいんではないか。あるいは環境問題、超過負担、裏負担の問題その他で、事業を執行することができないという制約も出てくるのではないかというように私は心配するわけです。ですから、最終的に政府の見通しの六・七%の実質成長を確保するということは安易に言うべきではないし、当然法人税あるいは地方税の落ち込みというものが予想されてかかるべきではないかという意味で私は申し上げるのでありまして、十分ひとつその点を考慮に入れて、歳入欠陥が生じた場合にはひとつ具体的に対策を立てていただきたいということを申し上げておきたいと思います。  さらに御質問いたしますが、公営企業会計についてお尋ねいたします。  五十年の公営企業決算によりますと、累積欠損が七千九百六十六億円で、前年度に比べて千五百四十九億円、二四・一%の増加になっております。私は、公営企業経営の実態やその使命から考えて、企業経営の健全化はますます重大な問題でございまして、そのためには抜本的な対策をとらなければならないときに来ておるのではないかと考えます。この点についてどういう施策を考えておられるのか、お尋ねをいたしたい。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 公営企業の累積赤字が多額になってまいっておりまして、経営が困難になっております現状は御指摘のとおりでございます。この中で交通事業につきましては、地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律でございますか、あれに基づきまして、再建債を発行して再建に努めておりますし、病院事業は、四十八年度の状況でやはり赤字たな上げ債を出して再建をしてもらっておるわけでございますが、その後やはり経営状況きわめて厳しゅうございまして、なお赤字が累増の傾向にある、こういうことを心配をいたしておるわけでございます。水道事業につきましては、一時非常に赤字が出てまいりましたが、最近料金改定等の問題もありまして、その後収支は若干改善の方向にございます。特に、先ほど申し上げました病院事業、交通事業、これを取り巻く環境が厳しゅうございますので、これに対して適切な措置が必要だと考えておるわけでございますが、一つには企業環境の改善、それから経営の合理化、これをやっていただきますとともに、やはり一般会計との負担区分、これも直すべきところがあればそれを適正に直して措置をしていく、こういうことが必要だろうと思っておりますし、また病院の関係につきましては、診療報酬等の基本的な問題が根っこにございますので、こういう問題の解決を厚生省に急いでもらうように働きかけながら、それに応じた対策、こういうことを考えていかなければならぬのではないかと思って、現在検討しておる最中でございます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 私は、公営企業は、いま局長から答弁ありましたように、問題なのは交通、水道、病院、全くそのとおりです。この主な三企業については、もちろん企業の努力もございますが、外的条件が経営悪化の主な要因になっていることは、これはもう事実でございまして、したがって、いままでのように後追い的な利子補給であるとかあるいはその他の対策では、経営の健全化はとうてい私は無理だろうと思う。したがって、この固定資本と経常経費とを分けて、固定資本については補助制度の拡大等積極的な施策をとるべきではないかと思うが、いかがでしょうか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 確かに御指摘のような点があるわけでございまして、たとえば交通事業等におきましては、資本会計におきます財政援助、これが特に地下鉄等においては必要ではなかろうかと思っております。それから、病院事業につきましても、固定資本に対する財政援助、これは現在一定の負担区分を設けまして、一般会計から補助させる、その財源については交付税で措置をするというような措置をとっておるわけでございますが、こういう点の適正な見直し、こういう点についても検討を重ねてまいりたいと考えております。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 特に地下鉄については、これは建設費の二五%が補助になっておりますが、大都市の地下鉄については、これは道路並みとは言わなくても、自治省だけではいかないかもしれませんけれども、もう少し補助率のアップといいますか、固定資本についての補助制度をもっと拡大するという意味で、これは積極的にひとつ取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 運輸省、建設省、そういったところとも十分連絡をとりながら、積極的に進めてまいりたいと考えております。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 次に、消防行政についてお尋ねをいたしておきたいと思います。  消防行政は、国民の生命、財産の安全という面から地方行政の大きな役割りの一つでございます。五十一年の消防白書によりますと、市町村の消防費の平均は三・六%にすぎません。のど元過ぎれば熱さを忘れるで厳しい地方財政の現状では、市町村において消防力の増強のためにどの程度の財源対策が講ぜられるか、私は非常に疑問に思っております。市町村において消防費をさらに充実するように積極的な指導なりあるいは財政措置等をすべきだというふうに考えるわけでございますが、大臣いかがでしょうか。

林忠雄消防庁長官

○林(忠)政府委員 確かに御指摘のとおり、このような地方財政状況のもとにおきましては、市町村側においても、起こるか起こらないかわからない災害のために金を投資するよりも、来年小学生が何人ふえるということで学校をつくるという方向につい金を使うという傾向は否定できないわけでございます。しかし、災害というのは一たん起こりましたら、それこそ住民の生命、財産に関する問題でございますので、消防庁といたしましては、こういう地方財政の苦しいところにあっても、消防力の充実、それに対する設備投資を惜しんではならないということで、機会をとらえて指導してまいっておるわけでございますが、現在の消防力の充実の度合い、これは基準に対しまして一〇〇%とはまいりませんけれども、数年前に比べて相当向上してまいっていること、それから年々消防の予算、いま三・数%と御指摘ございましたけれども、これは町村全体の財政のうちのその部分でございますが、消防の立場で見れば、やはり平均の伸び率近い伸び率を示し、さらに熱心なところはそれを上回って充実してもらっていること、それから国からの補助金も、今回、国の予算の伸び率とほぼ匹敵する伸び率をいただいておりますが、こういうものに対する消化意欲というのも、さっき申しましたような事情で、やや衰えがちなのを、いろいろ機会を見まして進めていきますことによって、これも順調に消化してまいっていること、そういう観点から見ますれば、現在の市町村の消防に対する充実の意欲は、こういう財政状況のもとにしてはと申しますか、決してそれほど低下しているとは思いませんが、しかしこれは一たん気を緩めますと、こういう状況のもとに御指摘のような心配になる懸念が十分ございます。われわれもさらにここで一層踏ん張りまして、市町村の消防施設充実のために指導を続けてまいりたい、こう考えております。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 私は、消防行政は住民のために大きな役割りを果たしているわけでございまして、やはりこの財源対策をどう講ずるかということが大きな問題だろうと思うし、したがって、消防力増強のために目的税の創設をすべきではないかというふうに考えるわけですが、御見解いかがですか。

林忠雄消防庁長官

○林(忠)政府委員 実は、この議論はもう数年前から相当各方面において強い要望その他もございまして、こちらも何度か真剣な姿で検討してまいったわけでございます。  目的財源というと、大体それを対象にされるのが火災保険、火災保険料の一部を市町村税として、それはもう消防施設へ使う、これが定説のように言われたわけでございますが、この問題につきましても、火災保険に町民全部が入っているのならばいいけれども、一部しか入っていない場合、その者の負担だけで全部に恩恵を及ぼす施設をつくることは不合理だとかいう理論的な弱点もございまして、いまだに実現を見ておりません。しかし、消防施設の充実というのは御指摘のとおり、大変重要なことでございますので、引き続きこの問題についてはさらに検討を重ねてまいりたいと考えております。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 時間も参ったようでございますが、私は、先ほどの論議を通して小川自治大臣が、日本の地方行政の置かれている立場をきわめて前向きに認識をされ、自主と責任をもって行政を行えるような仕組みに取り組んでいくというたびたびの御発言がございましたし、私もぜひともこの厳しい経済状態の中で、地方自治が健全な発展を遂げるために、さらに一層の施策を大臣に要望申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

地崎宇三郎自由民主党

○地崎委員長 山本悌二郎君。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 諸先輩が大変りっぱな御議論を展開されております。民社党の山本悌二郎ですが、当選して間もない、三カ月と先ほどありましたが、私も同じでございまして、時間の範囲で一般的に大きな項目で四つ、また個々にわたってお伺いをいたしたいと思うのであります。  先日、都道府県及び市町村の昭和五十年度の決算が公表されましたけれども、これによりますれば、単年度の収支で、都道府県はほとんどの団体が赤字団体に落ちている。市町村でも四五%が赤字を出しているというような実態なんでありますが、その意味で、地方財政の危機というのは大変深刻だということは、先ほどから皆さん方が御指摘をなさっているとおりですし、また自治省も認めているところでありますが、特に市町村における経常収支の比率が八三・四%に達している、これも異常だと思います。この破局的な傾向、そしてこれはまた来年度も変わらないじゃないか。二兆七百億という財政欠陥があるのですが、自治体は、この危ない綱渡りをしながらいかなければならない。地方自治のこれ以上の停滞を打破するためには、この財政危機をもう一遍見直していかなければならないのですけれども、抜本的に改善する手だてはないものだろうか。その意味で私は地方財政に関して、特に最近地方財政の硬直化をしているものに対する、自治大臣の御見解をお伺いしてまいりたいと思うのであります。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 非常に長く続いておりまする不況の結果として、一面では税収が落ち込んでおる。反面におきまして給与費あるいは公債費というような義務的経費がだんだんかさんでおるということで、今日の地方財政がまことにむずかしい状況に立ち至っておるわけでございますが、当面の問題といたしましては、給与費等を含めて一般行政経費の節減をしてもらう、同時に、地方公共団体にあとう限り安定した財源を付与していく、こういう方向で対処していくほかはないと存じまするが、先ほど来申しておりまするように、経済が安定をいたしました暁には、行政、財政両面にわたりまして抜本的な改正を実行しなければならない、こう考えております。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 それでは、財政硬直化の最大の原因というのは、やはり私は、一つは人件費のいたずらな膨張にあるのではないかとも考えるわけですけれども、この人件費の膨張しておる要因というのは何であるかということからお聞きしたいと思うのです。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 人件費の問題でございますが、第一には、去年は違いましたが、最近給与費の改定につきまして、かなり高い給与改定が続いたということ、それから社会情勢の変化に伴いまして、地方公務員の数もかなりふえてきたということ、それから第三には、最近、国家公務員との比較をいたしましても、かなり地方公務員の方が給与単価が高い、こういう指摘もされておるわけでございますが、そういう給与管理、運営が、一部において適正を欠いたといったようなこと、こういったようなことが寄り集まって給与費の総体を大きくしていったのではなかろうかという認識を持っております。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 私は、この人件費問題は、自治体と国側、双方に大きな責任があると思います。まず自治体の責任としては、住民や議会の監視の行き届かないところで、たとえばやみ給与の取引あるいはプラスアルファ、前にはよく言われましたけれども、渡り、三短、六短などというようなルーズな運用問題があると思いますし、これをやはり是正しなければだめではないだろうか、その実態はどんなふうですか、お聞かせいただきたいと思います。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 ただいま御指摘がございましたように、地方公務員の給与につきましては、給与決定原則に反した給与の運用、あるいはその結果大変高くなってまいりました給与水準をどうするかという問題であろうかと存ずるわけであります。私どもといたしましては、地方公務員の給与につきましては、地方公務員法に定めるところによりまして、いわゆる給与決定原則に基づいて、地域住民の理解と納得のいただける給与の実現というものが必要であろうというふうに存じておるわけであります。御案内のとおり、昭和五十年あるいは五十一年、両年度を通じまして相当数の都道府県あるいは市町村におきまして、適正化の措置が講ぜられたわけでありまして、その御努力は一応私どもといたしましては評価をいたしておるところではございますけれども、なお給与水準あるいは制度の運用面につきまして問題が残されておることも事実でございます。引き続き各地方団体での御努力を期待をいたしておるような状況であります。  なお、昭和五十年、五十一年度において、地方団体においてこのような状況を踏まえましての適正化の措置の実態でございますが、まず五十年でありますが、五十年で都道府県と市町村をあわせまして、一号下位に切りかえました団体が二十七団体、昇給延伸をいたしました団体が二十二団体、給与改定の実施時期を国と異にいたしました団体が十二団体ということになっております。市町村を見てまいりました場合には、給与改定を見送りました団体が十三団体、国の改定率以下といたしました団体が四百五十五団体、昇給延伸を行いました団体が三百二十二団体、改定実施時期を国と異にいたしました団体が三百八十七団体ということになっております。昭和五十一年度分につきましては、まだ最終的な数字を私ども確認をいたしておりませんが、昨年の十二月三十一日現在で各都道府県あるいは市町村からいただきました報告によりますと、都道府県及び指定都市で、給料表の切りかえにつきまして措置をとられた団体が三団体、昇給延伸をいたしました団体が四団体、その他もろもろ、たとえば渡りの是正でございますとかあるいは高齢者対策というような諸般の措置をとられました団体が二十一団体ということになっております。市町村では、給与改定を見送りました団体が七団体、国の改定率以下といたしました団体が百九十九団体、昇給延伸をした団体が七十七団体、渡り是正が六十三団体、高齢者対策あるいは初任給の是正の措置をとりました団体が百三十八団体というふうな状況になっておるわけであります。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 一方、国の責任ということになりますと、先ほど斎藤委員の方からも話がありましたが、やはり私は、無秩序な機関委任事務の増大ということだと思うのです。自治体に多くの事務委任を負担させるということだと思います。先ほどお話もありましたが、昭和二十七年以降今日まで何と四百七十九件も増大しているということだと思いますが、この辺は先ほど御答弁がありましたから避けておきますけれども、今後これを是正していく気持ちは十分あるわけでございますね。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 五十年、五十一年を通じまして、相当の地方公共団体で給与の適正化が実行されておるわけで、これは高く評価いたしておりますが、まだ制度の運用面でも、給与の水準におきましても十分でない点がございますので、今後引き続いてそういう努力が払われることを期待いたしておるわけでございます。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 人件費の抑制を各自治体母徹底させるためには、毎年ラスパイレス指数というのを公表しておりますが、私は、地方公務員の給与水準の是非は、結局終局的に雇用者側である住民の判断にゆだねるべきであるという考えです。政府が自治体の給与の高低にまで口を出しているということ、本来そのことは自治体の本旨に反する行為ではないかと思うのですが、いかがでございましょうか。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘がございましたように、地方公務員の給与は当該地方公共団体において決定されるべきものであるということは、言うまでもないところだと存じております。ただ、それは法律の定める給与決定の根本原則に即して行われるべきものであろうというふうに私ども存じておるわけであります。そういう意味におきまして、自治省といたしましては、地方団体に対しましては、地方公務員法に定めるところによりまして、必要な限りにおきまして適切なる助言あるいはまた技術的援助を行っておるというのが実態でございます。  なお、ラスパイレス指数の公表の問題でございますが、これは御案内のとおり五年に一回行われております統計法に基づきます指定統計、並びにそれを補完する意味で毎年行っております補充調査の結果を公表いたしておるわけでございますが、それと関連いたしまして、地方公務員の給与事情を明らかにして、各地方団体の給与管理あるいは地方公務員行政の参考に資していただくという意味で公表いたしておるわけでありまして、もとより個々の地方公共団体の給与決定につきまして介入するとかいうような趣旨のものではございませんことを、御了承賜りたいと存ずるわけであります。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 そのとおりだと思いますけれども、しかし、ラスパイレスというのは一つの指標であって、万能視されるものではない。特に国家公務員との単純比較だけで、自治体が必要な有能な人材を確保する適切な給与水準になってないということだと思うのですけれども、政府は適切な給与水準とはどんなものを考えているのか、御所見を伺いたいと思います。

石見隆三自治省行政局公務員部長

○石見政府委員 御指摘ございましたように、最近地方行政がきわめて複雑化、多様化してまいっておりまして、そのために地方公共団体におきましても有能な人材をぜひ確保しなければならないということは、十分理解をいたすところでございます。ただ、国家公務員もあるいは地方公務員も、御案内のとおり、ともに公共の事務に、しかもきわめて類似した事務に従事するものでございます。したがいまして、国家公務員の給与は、御案内のとおり全国の民間企業の平均的な給与水準と同一水準に保たれている、いわゆる人事院勧告によって、民間企業との全国平均的な給与水準に保たれているということを考慮いたしました場合には、法に定めております給与決定原則から見ましても、地方公務員の給与というのは国家公務員の給与に準じていただくというのが法の趣旨であり、あるいはまた十分の理解と納得をいただける妥当なものではないかというふうに存じておる次第でございます。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 そこで、先ほども議論が出ましたけれども、もう一つ地方財政の危機の中で議論がされておりますが、やはり超過負担の問題だと思います。まあ何年もかかって議論をしておりますけれども、なかなからちが明かないということだろうと思いますが、ということは、一つは超過負担の定義が余りはっきりしていないのじゃないだろうかということなんですが、いかがでございましょうか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 超過負担の厳密な意味の定義でございますが、これは数年前から当地方行政委員会等においても御議論があったように承っておりますが、非常に厳格な意味で超過負担と申しますと、いわば単価差に該当するものでございますか、これはもうだれが見ても明らかな国の財政秩序違反行為、こういうように断定して差し支えのないものだろうと考えられております。そのほか、通称対象差及び数量差、こういうものが超過負担の実態としてあるわけでございますが、これはまあ補助金政策の内容とも関連をいたす点がございます。つまり、どこまで補助の対象にするか、どこまでの規模を補助の対象にするか、こういう考え方でございますので、これはその当時の補助政策、補助方針がそのように決まっておるのだという前提に立てば、厳密な意味の超過負担からは除外されるべきものだろうと思います。しかし、振り返ってそのような補助基準がいまの時世に照らして適正なのかどうかという批判は当然受けなければならぬ問題だと思うわけでございまして、そのような意味で対象差、数量差、これが時代の推移に応じた適正なものであるように、この面も私どもは含めまして解消、是正、こういうものの対象に取り上げていきたい、このように考えておるわけでございます。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 議論が尽くされたところでございますから、特別私もこれ以上は申し上げませんが、何と言っても、それでも来年度予算の中で四百九十五億解消措置を講ずるということでありますから、額の高低には多少不満がありますけれども、単価差のみならず、対象差を新たに認めたという点で一歩前進だというふうには思いますが、ぜひひとつこれは地方行財政の救いというか、そういう意味でも解消の道を開いていただきたいと思っております。  そこで、行財政の改革の面に少し移りたいと思いますけれども、事務や財源の再配分の問題が、やはり一番大きな問題になってくると私は思っておるのですけれども、先ほども議論の対象になっておりましたけれども、地方自治団体というのが、三割自治、三割自治と言われてきた。ところが、三割にも満たないものが非常に多いということだと思うのですが、一体この三割自治という構造的矛盾というものをどうお考えになっているか、大臣からお聞きしたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 通常三割自治と言われておりますことにつきましては、内容的にはいろいろの事柄があろうかと思いますが、一つは地方財政中に占めます自主財源の大宗である税収入、この比率が三割台、四割に満たない、こういう点をとらえて地方財政の自主性のなさを慨嘆をする、こういうことだろうと考えております。そういった意味では、まさしく税制の構造上、地方に与えます自主財源の大宗である地方税の総量、これをもう少し拡充をしていくべきである、こういう要請が第一にあるわけでございます。しかしまた、一方税制ですべてを解決をしようといたしましても、税源の偏在という現実の事態がございますので、税制だけで全部を賄うことができません。そこで、それを補完をするものとして地方交付税というものが存在をいたしておりまして、この二つが地方団体が自主的に使える金、一般財源、こういうかっこうで付与されておるわけでございます。  現在、地方税と交付税とを合算をいたしますと、税収入といたしましては、国税が七、地方税が三という比率ではございますが、交付税をこれに算入をいたしますと、ほぼ税源の配分が五対五、こういう配分状況になっておるわけでございまして、この意味からのみとらえれば、地方団体が自主財源のあり方、これを考えてみた場合に、必ずしも国と比較をいたしまして著しく不均衡であるとは言えないのではないか、こう考えておるわけでございます。  しかしながら、一方国、地方通じましての税収入の総量、御承知のように現在租税負担率が分配国民所得に対応いたしまして、五十二年度では一八%台、こういうような状況でございまして、諸外国等の収入状況に比べましても、比較的には非常に少ない。一般的に財源が枯渇をいたしておる、こういう状況にありますこと、それからなお国と地方との事務を考えてみました場合に、圧倒的に地方団体の扱う事務が多いということ、こういった点を前提に置いて考えますならば、経済状況が安定をいたし、税制の大改正等が行われるケースにおいて、できる限り地方税の占めますウエートを高めていく、こういうことが大事なことなのではなかろうか、このような認識を持っておるわけでございます。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 もう一歩進めます。  昨年の三月の二十九日に地方行政委員会で、前の自治大臣であります福田大臣にわが党の折小野先生が御質問をなさって、それに答弁をしているのですが、五十二年度をめどにして行財政改革をする、これは何遍も、先ほども話がありましたけれども、約束をしているのですが、自治大臣いかがでございましょう、もう一度御確認の意味で御答弁をいただきたいと思うのでありますけれども。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 五十二年度をめどに制度の改正をするということを答弁申し上げたと承知しております。  五十二年度において抜本的な制度の改正は、遺憾ながら実行できませんでしたけれども、なおかつ地方財政の当面しております困難を相当緩和するに足る制度の改正が実行できた、かように信じておるわけでございます。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 それでは、信じております。  先ほども話がございましたけれども、戦後の公務員制度の鬼っ子ともいわれて何遍も廃止の声が起こりながら、結局各関係省庁の意見がまとまらないで、三十年にわたって長い間存続してきました、今度もおやりになるつもりでいられるようですけれども、この地方事務官制度、いかがでございましょう。これも大臣の御決意をお伺いいたしたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 長い間の懸案が今日なお解決できないということは非常に遺憾でもございますし、私たちの努力の至らざる点を反省もいたしておるわけでございます。今国会においてはぜひとも法案を提出したいというつもりで関係省と鋭意折衝を今日なお続けておるわけでございますが、正直に申し上げまして、はっきりした見通しがあると申し上げられないのが現状でありますけれども、これからも必ずこの問題が解決をいたしますようにあとう限りの努力をしてまいりたいと思っております。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 もう一つお伺いいたしますが、これは当面の処置として補助金の整理でございます。全国知事会が指摘しているように、零細補助金のうちの整理統合あるいは合理化すべきものがかなりあるのではないか。われわれの試算では、七十三項目、六十一億にも達しているというのでありますけれども、このうちで同一類似目的の各省別の補助金、そういうものの統合、また出先機関の合理化というようなものに対してどうお考えになっているか、お伺いしたいと思います。

矢崎新二大蔵省主計局主計官

○矢崎説明員 お答え申し上げます。  補助金制度は、御承知のように国の各般の行政施策を実施する手段といたしまして有意義なものであるというふうに考えておりますけれども、各種の補助金の中でも目的を達成したと認められるものとか、あるいは社会経済情勢の変化に伴いまして実情に合致しなくなったものといったようなものにつきましては、常に見直しを行いまして、財政資金の効率的使用あるいは行政運営の合理化といったような観点から整理、合理化を推進していく必要があるだろうというふうに考えております。こういった考え方から従来からいろいろの努力を続けてきておるわけでございまして、五十二年度の予算編成に当たりましても、既定の補助金等につきまして全体についてこれを洗い直しをいたしました。目的を達成したと認められるものとか、あるいは社会経済情勢の変化に伴って実情に合致しなくなったと認められるもの、あるいは零細、非効率な補助金で問題があるといったようなものにつきまして廃止あるいは統合といったような整理、合理化をいたしております。それからまた存置する補助金につきましても、内容を個々に見直しまして、極力減額をして節減を図っていくというふうな努力をやっておるわけでございます。こういったようなことによりまして、一般会計におきまして合理化を図りました件数としては九百七十一件、それから廃止、減額等の整理、合理化を行いました金額は約七百億円ということになっておるわけでございます。また、補助金等の目の数、件数でございますが、これも十九件の純減というふうなことになっておるわけでございます。  なお、御指摘の中にございました統合メニュー化の推進につきましてはこの件数の中で百三十件を統合いたしまして、六十一件に縮めてくるというふうな努力も織り込んでおるわけでございまして、こういったような方向につきましては今後とも引き続き努力を続ける必要があると思いますので、今後の予算編成の過程におきましても常に補助金の中身をよく見直しまして、実情に即した適正な行政が展開できるようにさらに努力を続けていきたいというふうに考えている次第でございます。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 この辺で赤字財政問題もそろそろピリオドを打ちたいと思いますけれども、それにいたしましても地方自治団体の中でも必ずしも赤字ばかりではない。黒字の団体もあるわけです。これはかなり、たとえば栃木県、静岡県、香川県その他あるのですけれども、皆さん相当の努力をされておるわけですね。黒字財政で生き抜いてきているという市町村を見ましても、大変苦しいけれどもやりくりをいろいろやっておる。国の恩典を受けなくても自力で生きていけるという道も考えておる。いろんなことを見ますと、本当に涙ぐましいと思うのです。そういう意味では行政面でもあるいは人件面でも相当の努力をしておるわけですが、自治省としてもこういう団体のこういう生き方をうんと指導しながら、他の団体にも指導していくという考えはないのかどうか、お聞きしたいと思うのです。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 御指摘のとおり、みずから血のにじむような努力をして健全性を保っておるという団体が幾つかございます。そのような事例は、ただいま私ども財務調査官制度を実は持っておりますが、そういうところでよく知悉をいたしておりますので、地方団体のお問い合わせがあったとき等々の機会をつかまえましてそのような事例を御紹介申し上げる、さらにそういった団体の財政体質を指数表等によって分析をいたしまして、そのようなものを参考としてお知らせする、こういったような事柄を通じて県財政の健全性確保のための指導を親切に行ってまいりたい、このように考えておる次第であります。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 実は私、これを何で知ったかというと、週刊誌で知ったのですよ。だからそういうものを、たとえば非常に苦労されて黒字にさせている団体というものがどういう内容で一生懸命やっておるのかということをもっと皆さん方に知らせた方がいいんではないだろうか。むろん、それはよくわかります。いま黒字であってもすぐ赤字に転落するような町村もたくさんあるわけですけれども、しかしそれだけの努力を各自治団体でやっているということを、もっと実情を政府側の方もよく見きわめて公表するというか、ほめてやるというか、助成するというか、何かやって皆さん方に知らせた方がいいんじゃないだろうか。大体、地方自治団体といえば皆赤字だとばかり思っておる。それが通念になっておる。そうでなくて、みずから努力をして黒字にしておるということも、これは認めてやらなくちゃいけないと私は思うのです。  それでは引き続いて第三問に入りますけれども、警察行政についてお尋ねをいたします。  けさほど高村先生からかなりの御質問がありましたけれども、私も最近頻繁に起きております、あの経団連事件を初めとする右翼の一連の事件、それからまた暴力団の争い、そういうものを見るときに、これは本当にこのまま放置できないなというふうに痛切に感じているわけですけれども、第一に右翼の実態と動向について、先ほども御答弁がありましたけれども、もう一度詳しく教えていただきたいと思います。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 右翼の実態と最近の動向ということでございますが、先日、三月三日の経団連会館事件によって右翼の動向についてはクローズアップされたわけでございます。ただ右翼は従前いろいろと事件を起こしておりますが、一番多いのは、何といいましても日常的に街頭宣伝活動ということで、スピーカー等によりまして軍を使って宣伝活動をやっておりますが、その過程で各種の事犯を起こすという場合が一番多いわけでございます。昨年一年間で件数において二百七十一件、検挙人員におきまして五百三人というのを検挙いたしておるわけで、この数は戦後いままでの中では最高の数ということでありまして、右翼の行動が日常的に違法性を帯びる行動が多くなっておるということをあらわしておると思うわけでございます。  ただ、質的にこれを見ますと、この内容で一番多いのは公務執行妨害、つまり立ち入ってはならないところにまで接近してくるということに対する警察官の規制に対する抵抗、暴行ということでありますし、また騒音を街頭宣伝で発する場合に、これを制止、規制をする警察官に対する抵抗、暴行といったようなものが一番多く、次には道交法違反、道路上にビラをまく、あるいは発煙筒を投げるというような形での道交法違反、次にはビラを張ってはならないところに張るというようなことで、これは軽犯罪法違反ということであります。  したがいまして、数は戦後最高という昨年の結果でありますけれども、質から申しますと、経団連会館事件と比較いたしますと、あの事件が異質に凶悪であるということでございます。  そこで、右翼がああいうような異質な、従前やっておった事件とは違った、いわば極左暴力集団が浅間山荘事件あるいはクアラルンプール事件等で行いますような、それに質的に匹敵するような凶悪な事件を敢行するということになった背景あるいは事情ということでございますが、今回あの事件を行いました右翼は、世間的に新右翼の事件と言われておるわけであります。  何が新右翼かといいますと、既成右翼に対する概念でございますけれども、新左翼という言葉がございますが、新左翼のうち警察問題、治安問題になりますのは極左暴力集団でありまして、それに対応する言葉として新右翼という言葉が使われておると思いますが、この両者の関係は、現在の体制を打破する、その手段、方法として暴力をも是認をする、肯定をする、こういうことでありまして、この点につきましては、新左翼も新右翼も共通をしておるというところが新右翼と言われるところであります。右翼と左翼と違うところはどこかと申しますと、新左翼はいわゆる彼らの言葉で言うわが国における革命を目指しておる、そのためにいまのような手段、方法をやるんだということでありますが、右翼の方は革命ではありませんで、わが国の体制刷新、いわば敗戦以前のわが国の体制というものをここで復活するんだということを言っておるわけでありまして、そのことを昭和維新の実行というような言葉で言ったりするわけであります。  ところで、今回のいわゆる新右翼による経団連会館事件といいますのは、既成の右翼がやっておるものとは大変違うわけであります。既成右翼といいますのは、全般的に言いますと、わが国におけるいま申しました新しい現在の体制を打破いたしまして、昭和維新を実現するということであります。その右翼の中には戦前の系統を引くものもありますし、あるいはまた日常的に街頭宣伝で行動するものもありますし、また単に啓蒙宣伝に終始をして違法行為は行わないというものもありますし、また暴力団との関連で暴力団が単に名前を変えたという程度のものもありますし、暴力団が右翼に実質的にも肩がわりをしたというのもあるというように、いわゆる既成右翼を一括して申しますと種々あるわけでありますが、そのうち新右翼はただいまのようなものであります。  ただ新右翼といいますのは、いま申しましたように、この一両年そういうような傾向が出てまいったわけでありまして、確立されたといいますか、組織がしっかりしたものではありませんで、一人一党的な個人の離合集散という形で動いておるというものであります。  以上、数量的と申しますか、数でとらえてみますと、私たちが右翼として警察的観点から一応見ておるといいますか、関心を持っておる対象は、団体の数におきまして五百五十団体、人数において十二万人というのが概数でございます。そのうち日常的にわれわれがその動きについて関心を持ち続けなければならないという組織は、数において約五十団体、人数において二万一千人というのが全国の概数でございまして、先般の経団連会館事件を敢行するというようなことから、新右翼的な人物自身が、これにおくれをとらないために行動を起こすということになる心配もありますし、また一般の既成右翼につきましては、ああいう事件のやり方については全般として批判的であります。しかしながら、一般に大変クローズアップされたという意味におきまして、既成右翼もまた負けじとばかりに、これに触発されて事を起こすことを考えるおそれもあるという意味で、目下鋭意こういう点についての関心と警戒を払っておるところでございます。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 先ほども質問がありましたから、もう重ねていたしませんけれども、一つだけお尋ねします。  新左翼も新右翼も含めてですが、過激分子の取り締まり状況、それと資金ルートをもう一度お聞かせいただきたいと思います。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 右翼については取り締まりの状況を申し上げたわけでありますが、極左関係で申しますと、昨年一年間で検挙した人数は概数において八百人でございます。極左関係は、御存じのように、日常的に一番起こす事件は内ゲバでございまして、これの最高の場合に内ゲバ殺人となるわけでございます。この内ゲバの関係で昨年百五十二人を検挙いたしております。また、もう一つは爆弾事件でございます。昨年爆弾事件を実行した者あるいは実行すべく爆弾をつくっておる段階で、つまり爆弾を実際に破裂させる以前の段階で検挙した者を含めまして、爆弾事件の関係では十九人を検挙いたしておるところでございます。その他を含めまして八百人という概数でございます。  資金の関係でございますが、これは一番どの組織におきましてもわかりにくいところ、解明のむずかしいところでございます。右翼団体について申しますと、大体組織をつくっているものにつきましては、会費とか入会費とか寄付金、賛助金といったようなことで、一般に暴力団がやるような手法で資金を集めるという場合も相当多いわけでございます。  極左の方は、大学の自治会とつながりがございますので、そこから資金が入ってくるということがございますが、総体的に申しますと、学園紛争が激しかったころは、極左暴力集団の多くの部分を学生で占めておりましたが、現在は学生でない者の比率が大きくなっておりますので、彼らが一定の職について得た収入の中から何割かをこの活動に拠出をする、また特定のことをやるときにはアルバイトをして資金をかせぐ、こういうようなことでございまして、極左の関係で申しますと、今日豊かになったせいもありますが、資金の有無というものが彼らの行動を制約する制約度と申しますか、活動の中における資金の持つウエートというものは、この十年ぐらいの間に大変低くなっておりまして、ちょっと働けば資金は何とかなる、こういうような状況にだんだんなってきておりますので、われわれとしましては、そういう点も含め、一般の関心を支えといたしまして取り締まりを強化していくということが対処の一番の決め手であるというように考えておる次第でございます。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 そこで、これは右翼とも大いに関係がありますけれども、特に暴力団の関係で、最近暴力団の対立抗争が激しくなっている中で、輸入の拳銃、それからモデルガンに手を加えた改造銃というような犯罪がふえている。このモデルガンの法規制をするために銃刀法の改正をしよう、こういうことなんだと思いますが、ここにきょうは本物ではございませんが持ってまいりました。そこで、どういうふうな規制の仕方をしたいのか。昨年一年間に押収した拳銃が千六百十八丁、その八五%が暴力団のものだと言われているわけですね。私はこんな趣味は余りないのですけれども、非常に興味があるものですから。もう一丁でかいのを出します。こういうたぐいのものが出ているのですね。これを見れば全く本物そっくりなんですよ。  そこで、御専門の方にお伺いするのですけれども、どこを直してどういうふうにしようというのか、まずそこからお伺いをいたしたいと思います。

吉田六郎警察庁刑事局保安部長

○吉田(六)政府委員 お答えいたします。ちょっとそれをお借りいたしたいと思います。  これらの銃の中には改造ができないものも入っております。この銃でございますが、これは張り合わせたものでございますので、本当に弾を撃ちますと爆発するおそれがあるということで、これは問題はございません。  この銃種は、一応自主規制されてできておる銃でございまして、改造防止構造ができておりますので、これも改造がきわめて困難であると考えられます。  それからこの銃は、まさにおもちゃとしてつくられた銃でございまして、本当の銃はこういうものはございません。したがいまして、これは改造不能でございます。こういう銃は、したがいまして余り手をつけなくていいというように観念いたします。  それからこの銃でございますが、これは自主規制によるSmマークのついている銃でございますけれども、現在一般に市販されておりますのはSm2というマークの銃でございまして、これをさらに改造しがたいように改造防止機能が入っております。したがいまして、Sm2というのはこれよりもうちょっと進歩したものでございますが、それは改造がきわめて困難であるということで、そのままでいいというように私どもは判断しております。  このものは、これを切りまして後ろからたたきますとこの超硬合金が飛び出しますので、これは拳銃として改造が可能でございます。  問題はこのラーマという形式の自動拳銃でございますが、これは現に大阪で二十丁ぐらい改造されております。したがいまして、これは改造防止機能がややむずかしいものでございますけれども、こういうものにつきましては、できれば張り合わせのものにするとか、あるいはこの中のスライドでございますが、これをもう少し薄くするとか、いろいろなやり方がございますが、そういうようにいたしますと、これは改造ができないようになるということで、若干手を加えれば、これも市販されてもそう問題はなくなるというように私どもは考えております。  それからこの大きいものでありますが、これはいまのところ何も改造防止機能は入っておりません。したがいまして、ここに撃針をつけますと、単発ならば容易に改造ができるものでございます。機関銃としてはちょっとむずかしゅうございますけれども、一発ずつ飛ばす分には改造がきわめて容易であるというように私どもは考えております。したがいまして、これにつきましても拳銃に似たような改造防止装置を施す必要があるというように私どもは考えております。  以上でございます。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 皆さんごらんになったとおりで、非常に本物まがいなものがかなりあります。そこで、改造の内容というものもわかったようなわからないような、実際よくわかりませんけれども、結局は銃身を取りかえれば弾が出る、こういうことでございますかね。そういうおもちゃを実は売っておる。そこで、これを直そうということで、法の改正をしようということなんでしょうけれども、一部の業者は大変反対をしておる。なぜ反対をしておるのか、その辺もお聞かせを願いたいし、また、ただ携帯規制だけしてそれで十分だというようなことだけで済まないのじゃないだろうか。こんなふうにも私考えているのですけれども、この二点について。

吉田六郎警察庁刑事局保安部長

○吉田(六)政府委員 今度の改正の背景をちょっとかいつまんで申し上げますと、昭和五十年には千四百十一丁の拳銃を押収いたしております。また昨年は千五百九十九丁の拳銃などを押収いたしておりますが、これらの押収された拳銃を使っておるものは、九割近くが暴力団でございます。しかもこの二カ年間を見ますと、いずれも五十年が千二十六丁、五十一年は千二十七丁がモデルガンから改造された拳銃でございまして、これは警察で押収したものだけでございますので、私どもいろいろな観点から推測いたしますと、毎年少なくも五千丁以上のモデルガンが改造拳銃などの素材に使われているというように考えております。  そこで、これらに対しまして、必要最小限の規制をかけるということがそういう点から必要ではなかろうかということで、御審議をお願いいたしておるわけでございますけれども、業界の反対、これは全部の業者ではございませんが、約半数の業者が反対いたしております。それは、自主規制をやっているのに、さらに法律で規制することはないじゃないかというのが一つだろうと思います。それから、法律で今度いよいよ正式に規制されますと、非常にめんどうな規制がかかるのじゃないかというような心配もあろうかと思います。それからまた、いま全く規制のございません長物、小銃、機関銃のたぐいでございますが、これが新たに規制されますと、そういうものをつくるのに経費がかさむという面も若干あろうかと思います。しかし、いずれにいたしましても、かなり誤解も含まれているというように私どもは考えておりますので、そういう誤解のないよう業界と円満に話していく必要があろうかということで、私どもは努力してまいりたいと考えております。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 内容はよくわかりましたし、それからこれからの方向もわかりましたけれども、とかくこの種の業者もかなりあるわけですし、特に中小企業にもあるので、その辺はひとつ規制で痛めるだけではなくて、いまほど部長から話がありましたように、よく話し合ってやっていっていただきたい、こういうふうに思います。  しかし、同時にまた、私は最初に申し上げましたように、非常に懸念をしているのは、本物まがいなこういうものが余り出回ることに対して、本当は賛成ではないのであります。プラモデルのようなおもちゃならともかくも、いまお見せしましたように、本物そっくりという、そのものというようなものでありますから、いっちょ間違えば自分自身も非常に危ない。銃身さえかえれば飛ぶのじゃないかなどといって火薬を詰めますと爆発するという可能性がありますので、どうかひとつこの点は十分な御指導をしてもらいたいということをつけ加えておきます。  それでは第四点の、最後になりましたけれども、消防庁にお尋ねを申し上げます。  先ほども小川委員の方から話がありましたけれども、二月の上旬に自治労が主催をいたしまして、消防職員の協議会の全国懇談会というのに三十一県から約百名の消防官が参加をしたという記事を私は見ました。また、つい最近ですけれども、サンケイ新聞が千人アンケートの中で、消防職員の団結権に対して求めたところが、約七割が肯定をしているという実態ですね。先ほどの議論もありましたけれども、消防職員は地公法五十二条で警察官とともに団結権は禁止されているのですけれども、この点に関してどう考えているのか、もう一度お伺います。

林忠雄消防庁長官

○林(忠)政府委員 現在、消防職員につきましては、御指摘のとおり地方公務員法で団結権が禁止してございます。これとILO八十七号条約との関係で、公務員労働界では以前から非常にいろいろな点の問題がございましたし、ILOにおきましてもいろいろな論議がなされておるわけでございますが、それらを集大成しまして、現在のところでは、第三次公務員制度審議会で、この問題につきましては当面現行制度による、そして、わが国の公務員労使関係の重要問題が片づいた後にさらに慎重にこれを検討する、こういう形になっておるわけでございます。  そこで、実際問題といたしましては、わが国の木造を主体とした家屋、こういったものを考えます場合に、現在、消防職員に関する制度は、現行制度がわが国に最も適合しているとわれわれは考えておりまして、自治労の動き、その他御指摘のような点もございますけれども、むしろわれわれはその点、憂慮しておるわけでございますが、この現行制度を維持していくのがいま最も適当であるというふうに考えておる次第でございます。  なお、サンケイ新聞の世論調査なるものもサンケイ新聞で拝見いたしましたけれども、これは質問の仕方その他によってずいぶん結果が違ってくるのであろうと考えておりまして、現在、こういった問題に関して一般の方々がどう受けとめられるかということについてもできるだけ機会をとらえて、たくさん資料を集めたいと存じておる次第でございまして、サンケイ新聞のあの千人調査だけで、別にびっくりはいたしておらぬつもりでございます。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 それでは、組合が指導をすれば、懇談会、協譲会程度のものはつくってもよろしい、こういうふうに理解をしていいのですか。

林忠雄消防庁長官

○林(忠)政府委員 組合側で独自の見解に基づいていろいろな活動をなさることにわれわれの方から干渉するわけにはまいりませんけれども、結果が、消防職員の間にある種の動揺を来すようなことがあってはという意味で憂慮しておる次第でございます。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 与えられた時間が参っておりますから、もうこれ以上は追及いたしませんけれども、私は非常にあいまいだと思います。いけないならいけないとはっきりした方がいいし、いいならいいとはっきりした方がいいし、無論、それは先ほどから話がありますようにいろいろ問題があります。ありますけれども、その統制もとれないというところに問題があるのだろう、こう私は思いますけれども、そういう意味で、特に消防というのは特殊業務だ、そういうことで、やはり私は、ある意味での消防庁長官の考え方というものをきちっと、あるいは自治大臣の考え方というものをきちっと出していただかないといけない、こう思っております。  時間でございますからこれでやめさせていただきますが、いろいろな面にわたりまして御質問申し上げました。多くの先輩がそれこそ三十年にわたって議論をしてきておる地方行政問題、そしてまた赤字問題で非常に御苦労をなさっておるわけでありますが、三十年たったらそろそろいい方にお互いに持っていくという努力をしていただきたいということを最後につけ加えまして私の質問を終わらせていただきます。

地崎宇三郎自由民主党

○地崎委員長 三谷秀治君。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 現在の地方財政の状態が交付税法の六条の三の二に該当する法律的な要件を備えておるということはしばしば大臣もおっしゃっております。そこで、なぜ交付税率を上げないかといいますと、いろいろな遁辞を設けていらっしゃいます。制度改正を行ったとおっしゃっている。この制度改正というのは、大臣、これは少し詭弁に類するものですよ。この内容を見ますと、交付税特会で借り入れた四千二百二十五億、五十五年以降償還するたびにそれに見合うものを臨時地方特例交付金で解決する、これを法律で予定しておくという意味で制度の改正である、こんなことをおっしゃっているんだ。この措置が臨時的な措置であるということは疑う余地はない。現に自治大臣と大蔵大臣の覚書を見ましても、「五十二年度限りの異例の措置である。」と書いてある。異例なものである。臨時的なものである。応急的なものである。ですから、将来におきまして国が特例交付金で解決するというのはその異例な措置の解決策であって、制度の改正じゃないですよ。そういう解釈はとれません。これが制度でありますならば五十年度にも制度改正をやったんだ。五十一年度にも制度改正をやっている。それが制度改正であると言うならば、交付税法六条の三は空文化してしまう。そういう牽強付会の議論でやるべきことをやらないことの責任を回避されてはだめだと思う。引き続き著しく財源不足が生じた場合の解決策を法定しておるのであって、「引き続き」という文意は継続的長期的という意味なんですよ。これに対応する制度改正というものも継続的な仕組みである。これはだれが読んでも同じことなんですよ。しかも交付税率の改定に代置されるだけの制度改正でなければいかぬわけでありますから、いまの臨時的な措置が制度の改正であるから地方税法、交付税法に違反をしないという強弁は説得力がないものであります。これについてもう一度大臣の意見をお聞きしたいと思う。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 税率の改定に代置されるだけの措置でなければならないというお言葉でございますが、これは実質的には交付税率を三・六%上げたのと効果において変わらない措置であると考えております。また制度の改正といいますことは、必ずしも長期にわたる改正でなければいけないということではない。その点につきましては法律は相当広い選択の余地を残しておるものと理解をいたしておるわけであります。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 制度と措置とは別ですよ。措置というのは応急的な臨時的な手当てなんです。制度というのは継続的に仕組まれた制度なんです。法律的の定めなんです。この点から見ますと、今日の臨時的な措置というものが制度改正であるから、交付税法の趣旨に沿ったものであるという政府側の強弁は、だれが聞いても合点ができるものじゃありません。  いま三・六%の問題が出ましたが、これは後でお尋ねします。  そこで、交付税率の引き上げができないのは国も財源が足りないからとおっしゃっている。しかしこれは憲法に言う地方自治の本則に反することなんでしょう。地方交付税法によりますと、「地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化する」こうなっている。あるいは地方財政法を見ますと、「地方財政の健全性を確保し、地方自治の発達に資する」こうなっている。ですから国の政策上の財源がどうとかこうとかという問題これは別個の問題なんでしょう。租税特別措置によります大企業の巨額の税の減免を廃止するなり、あるいはまた不要不急の予算の削減をするなり、それは財源措置としては政府の選択権に属するものであって、いかような手段をおとりになってもいいけれども、それはもっぱら政府の政策上の方針に属する事項であります。そのかかわりで地方自治権や財政自主権を侵すということは、いまの地方自治の本旨から見まして許されないことなんです。この点についての所見をお伺いしたい。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 申すまでもなく地方財政は国の財政に従属すべきものではございませんから、私は国の方に現金がないからという点を強調するつもりはございません。むしろかような変動期、一切が流動的であって経済の帰趨も見定めがたいという時期において、国と地方の財源配分を長期にわたって固定することが困難でございますので、やむを得ざる手段として今回のような措置をとった。決して満足な措置だとは考えておりませんので、抜本的な改正が可能な時期が到来いたしましたならば、ぜひともこれを実行しなければならないということを先ほど申し上げたわけでございます。当面のやむを得ざる措置として実行いたしたわけで、また先ほど来申し上げましたように、必ずしもこれが違法な措置であるとは考えないわけでございまして、一つの問題があるルールに従って処理されるような仕組みを制度と解しますれば、五十五年度以降毎年必ず臨特を入れる、こういうことをあらかじめ法律で明定するわけでございますから、これは一つの制度であると理解できるのじゃなかろうか、こう考えておるわけであります。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 交付税率の引き上げに代置される措置といいますのは要するに地方財源を保障するという措置でありますから、それにかわる制度改正といいますと、事務の再配分もあり、財源の再配分もある。それができない場合には交付税率の引き上げをやるというのが法律解釈に基づく正確な判断だと私は思うのですよ。臨時的な措置、ことし限りの措置をとって、それを将来にわたりまして国が負担するものだから制度改正、来年はどうなるか、来年はわかりません、これは制度とは言えやしません。これは全くの臨時の措置にすぎません。その臨時の措置を盾にして、制度改正をやったんだから違反ではないとおっしゃる。これはちょっと私どもは了解するわけにはいきません。そして今日のような過渡期あるいは転換期だからとおっしゃいますけれども、だからこそ、引き続き三年間という一定の期間というもの、かなり長期にわたる期間というものがこの改定の条件として今日まで共通の認識として取り運ばれてきたわけなんです。急にことし財源不足になったから変えるんだというのじゃありません。三年間にわたりまして財源が足りなくなってきておるから、だからこれは改定を必要とするのである。これが今日までの統一見解なんです。三年間の経過があるわけでありますから、この間におきまして当然改善すべきものは改善するということが行われるのがあたりまえであって、転換期だから過渡期だから——転換期、過渡期でなければ税率の引き上げは要りません。普通に正常にいっておれば税率の引き上げなんというのは起きてくる心配はないのだから。この点におきましても一つの遁辞が使われております。  それから、財源問題だけでこの問題を考えることは正しくないとおっしゃった。そのとおりなんですけれども、しかしいま経済の転換期、過渡期とおっしゃいますことは、要するにこれは財源問題なんだ。経済的にまだ安定していないからどれだけの財源があるかわからないから、その配分についてはなお検討を要するという立場なんだ。財源問題に違いない。しかし、財源問題で交付税率の問題をすりかえてはいかぬと思っております。もともと国と地方を通じます財源の配分というものは国が七、地方が三になっている。しかも事務、事業の配分は国が三、地方が七になっているわけですから、逆比例になっているわけです。これがそもそも初めから存在している矛盾であります。  そこで、いずれにしましても、これは地方財政の七割は地方を通じて出ている。しかし、三割しか財源がないわけですから、四割の財源は国から地方に移転されているわけです。その移転されておりますものが交付税であり国庫補助負担金であり、地方譲与税であるわけなんです。それで、交付税率の引き上げといいますのは、要するに地方の一般財源を引き上げること、そのことを意味しているわけなんです。ですから、財源の問題じゃない。もちろん交付税率を引き上げますと国庫補助金の原資が減ることは考えられます。しかし、そのことは別個の問題です。これについては、補助金によって政府の政策的な方向に自治体を誘導するやり方を検討するとか、あるいは補助金の財源を国の施策全般を通じて真剣に検討する。その中で出してくるべき問題でありまして、交付税率の引き上げ、すぐさま財源問題と考えるべきものではない。歳出純計を見ますと七割が地方から出ている。しかし、自主財源は三割しかない。四割は国から移転しているわけであります。その移転している内容の構成を変えることなんです。この変えることの重要性は自主財源、一般財源を強化する。要するに、地方自治財政、自治権を強化する、そういう面からこれが必要なんだというのが私どもの主張なんだ。これについて御意見をお聞きしたい。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 地方の自主財源を強化しなければならない、私どもそのように考えておるわけでございますが、たとえば何らかの方法で新税を創設するということをやりましても、税源が全国的に偏在をいたしておるわけでございますから、やはり交付税というものがなければならない。何を考えますにも、今日のこの際というのはどう考えましても適当な時期ではないと考えざるを得ないわけでございまして、経済が安定の軌道に乗りまして、これから先もなお六%、七%も成長をするわけでございますから、相当の自然増収も期待できるという時期になりました際、国、地方を通じての財政制度全般の見直しが行われるに違いない、行わなければならないと考えておる。そういう機会に交付税のあり方あるいは交付税率の問題も根本的に検討をして、かつ実行に移したい、こう考えておるわけであります。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 大臣、あなたいまここにきて、いまは適当な機会でないとおっしゃっておる。いつが適当な機会なんですか。交付税率の改定の問題はここ二、三年言っているのじゃないですよ。もう七年も八年もやっておるのです。高度経済成長期におきましても、この問題が出てきている。この委員会の附帯決議が毎年のようについてきている。地方制度調査会の勧告も出ているわけだ。いまのような過渡期、転換期とおっしゃいますけれども、要するに、不況の時期ではなくても、好況期におきましてもこれが改定されなかった。ですから、いま転換期だからどうとかこうとかおっしゃるが、そうでない時期はどうかといいますと、そうでない時期はそうでない時期のような理屈を立ててこれをおやりになっていない。要するに、地方の自主財源というものを交付税法に基づいて改定をする、豊かにする、そういう措置が一貫してサボられてきた。ですから、いまはそういうふうにおっしゃっていますが、好況期におきましてはそうでなかった。そのときそのときに適当な遁辞を設けて、地方の一般財源の増強について不熱心な態度をおとりになってきている。それを今度の場合はとことんのところにきましたから、一時的な措置を制度である、制度であると言って、法律違反の責めを免れようとされておる。この態度に私は問題があると思っているのです。  そこで、大臣にお尋ねしますが、あなた二月二十六日ですか、予算委員会でこうおっしゃったのです。地方制度調査会の答申の趣旨を尊重してあとう限りの措置をとったんだ、こうおっしゃっておる。私も長年地方制度調査会の委員をしておりましたが、五十一年十月の地方制度調査会の起草委員会の報告は、こういう措置を答申しておりゃしませんですよ。何を根拠にしておっしゃっておるのですか。この一番近い時期の地方制度調査会の起草委員会の報告書というものは、「国と地方との経費負担のあり方」として、執行者が全額負担するという原則を強調しております。つまり、地方自治体が支出をするものは地方自治体が執行者でありますから、これが経費そのものを負担するんだというたてまえ、それには当然財源の保証が要ります。そういうことを強調しております。そのために国庫補助負担金を徹底的に整理して、地方一般財源に振りかえることを主張しておる。これが地方制度調査会の主張なんです。この具体策としましては、交付税の引き上げがいいと言っております。さらには地方交付税の性格を明確にするために、直入方式を導入すべきであると言っておる。これが今日の地方団体や地方制度についての学識経験者、関係者などの共通の認識になっておる。ところが大臣は、地方制度調査会の答申の趣旨を尊重してあとう限りの措置をとったとおっしゃっておる。このおとりになった措置というのは、この答申とは全く逆のものだ。何を根拠にしてそういう認識をされておるのか、お伺いしたいと思います。——大臣に聞いているんだ、政治上の問題だろう。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 地方制度調査会からはしばしば答申をいただいておりますが、いずれも地方財政の健全化を実行すべしという御趣旨の答申であると信じております。答申を尊重して今回の措置をとったと申しますことは、現に政府がとろうとしております措置が、終局において答申の趣旨に沿うものである、その線に沿って最大限の努力をした、こういうつもりで答弁をいたしたと存じております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 よくわかりません。現に政府がとりつつある措置が趣旨を尊重するものである、こうおっしゃっておりますが、それは余りにも主観的な判断でしょう。地方制度調査会の答申というものはかなり細かい具体問題にまで触れているわけです。大ざっぱないかようにでも解釈できる問題ではない。その点からしますと、政府がとりました今般の措置は答申の趣旨に沿うものではないということを言っているのです。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 答申の意を体してできるだけ財源を確保するために努力をしたということでございまして、従来いただいておる答申にはきわめて具体的なこともたくさん並んでおります。実行し得たこともございまするし、遺憾ながら実行し得ざる点もあるわけでございますが、全体としての御趣旨そのものは常にこれを尊重するという方針で臨んできておるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 だんだんと要領を得なくなってくるのですね。交付税率の引き上げというのは国会も地方団体も強く要望しております。地方制度調査会も繰り返し答申をしております。ですから国民的なコンセンサスを得た事項であると言っても差し支えがない。そして引き続き三年間を経過したわけであります。しかも不足額は二兆円を毎年度におきまして超えるわけでありますから、これは速やかに交付税率の引き上げをやる。それができなければ何らかの自主税源を地方に渡す、これが制度改正、あるいは事務の配分を改めていく、これも制度改正、そのことを交付税では言っているのです。臨時の借金をしてきて、その借金を国が将来払うということで制度改正だ、そんな制度は来年度に適用できるものではありません、ことしだけの臨時の措置です。その臨時措置をもってして交付税の規定というものに背いていない、反していない、こう強弁されている。これはなかなか、私ども合点ができるものではありません。制度というものは継続的な法律的な規定なんでしょう。その場その場でかく絵のことを言っているわけではない。その絵をはめていく枠のことを言っているのでしょう。その枠の改正は一つもないわけなんだ。しかも交付税率の改定もなされていないわけなんだ。だから予算委員会から、交付税法に反しておるのだという議論がしきりに出ている。この議論に対してもう少し納得のいく説明をしてください。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 さしあたって当該年度の交付税の総額を確保する。これはもとより恒久的な制度ではございません。しかし繰り返しになりまするが、法律はこの点で相当広い選択の余地を残しておると信じまするのでこれは法律違反ではない、こう考えておるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 さしあたり足りないものをどこかから借りてきてでも片をつける、だから交付税法の違反ではない、そんなことをおっしゃっておれば、引き続き著しく財源が不足した場合にはという規定は無意味になってしまうのですよ。この点は私ども納得ができません。しかし繰り返しお尋ねしたって同じことでしょうから、これは問題として残しておきます。  そこでもう一つは、交付税率は上げなかったけれどもそれにかわる十分な措置をとったとおっしゃっている、総理もおっしゃっている、大臣もおっしゃっている。十分な措置とは何かといいますと、さっきもおっしゃっていましたけれども、二兆七百億の不足額のうち、政府が交付税の増額と呼んでおる一兆三百五十億の半分を国が負担するのだ、こういうことなんですね。これを交付税率に換算しますと三・六%に相当する、こういうことらしい。しかしあとの半分はどうするのだ、あとの半分は依然として地方の借金として残ってくるわけなんでしょう。しかも不足額の折半したあとの一兆三百五十億円は全額建設地方債として発行されるわけなんです。交付税の基準財政需要額の算入費目を交付税から外して起債に振りかえた。五十一年、五十二年と連続して同じ措置がとられましたが、今後もこの方式がとられるとしますと、これは交付税制度の重大な改悪ではありませんか。従来交付税に算入しました費目を交付税の算入から外してしまってその費目を起債の中に加えた、しかもその起債は全部建設債でありますから、公共事業費の受け皿になってしまっておる。御承知のように地方交付税といいますものは、計算の仕方は費目別にしますけれども、使うのは一般財源として何に使ってもいいわけです。いわゆる自主財源なんです。それが特定財源化されてしまっている。こういう措置についてどのようにお考えでしょうか。要するに交付税の基準財政需要が大幅に削減をされておる。ですから返済なし融資が交付税率の三・六%の引き上げに相当するなんということをおっしゃっていますけれども、それに倍する金額が交付税の算定対象から外されて、交付税が事実上減額されてきている。これについては一体どう考えるのか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 交付税の基準財政需要額に絡む問題でございますので、お答えさせていただきます。  これからの財政のあり方、いままでの財政のあり方等を考えてみます場合に、建設事業に充てます経費の財源を一般財源で充てるのか地方債で充てるのか、これにはいろいろ御議論のあるところだと思います。ただいまのように全般を通じまして、国、地方を通じまして税収の総額が不足をしておる、しかも公共投資、これは推進をしていかなければならぬ、こういうような事態でございますと、ある程度建設事業費の財源を、この施設の効果は将来に残りますので、公債をもって賄って、その公債償還費に対して将来適実な財源措置を講じていく、こういう行き方も一つの財政のあり方ではなかろうかと思うわけでございます。したがいまして、去年あたりから公共事業の裏負担に対しまして地方債の充当率を高めてまいっておるわけでございますが、この地方債の償還につきましては、マクロといたしましては将来この償還費を地方財政計画の歳出に立てていきますことによって所要財源を計算をし、その財源を確保をする、ミクロのやり方といたしましては、個別の地方団体につきまして、このように振りかえました建設公債の償還費を基準財政需要額に算入をして、交付税措置をもってその償還費を考慮していく、こういう考え方も財政のあり方としては成り立ち得るのではなかろうかと思うわけでございます。  先ほど御指摘をいただきました一般財源、何でも使えるものを削減をして起債に振りかえた、こういう御説もあろうかと思いますが、これは昨年大変御議論になりました四千五百億の例の赤字公債、これに相当いたしますものは、まさしく先生いまおっしゃいましたようなそしりを免れ得ないものだと私も考えるわけでございまして、ことし五十二年度はそのような四千五百億に相当するような赤字公債の分は全部排除をいたしまして、完全な建設公債分だけの財源振りかえに限った。その振りかえました公債の償還費については、マクロ、ミクロとも将来とも財源措置を考慮をしていく、これは一つのやり方ではなかろうかと思っているわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 後の財源措置の問題、償還の問題じゃないのです、それはまた後でお尋ねするのですが。いま一般財源として交付税というのはあるわけなんでしょう。これは何ら使途を特定されないわけです。これが交付税の特徴なんです。ところがそれを特定財源にしてしまうのでしょう。そうしますと交付税の性質が変質してしまう。そういうことが行われてもいいのか。つまり事実上の交付税の改悪が暗黙裏に行われてきている、そこが問題ではないか、こう言っているのですよ。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 従前、公共事業費等の建設事業費の財源内容として、先生御承知のようにほぼ三割程度が地方債、残りの七割程度が交付税、全般的にそれで当たっておりました。ところが、交付税の配分をいたします場合には、この七割の配分が公共事業等の存在の実態とぴったりリンクをするように配分をすることがなかなか困難でございますので、事業費補正等の方法をとりまして交付税の配分をいたしました。この場合は事業費補正が交付税をひもつきにするものではないかといったような御批判を賜ったこともございまして、そんなことはございません、これは財源措置の一つの方法でございますということをお答えを申し上げたこともあるわけでございますが、こういった財源措置をいたします場合に、先ほど申し上げましたように、建設事業費に充てます財源を公債によるのか、ただいまの一般財源によるのか、これは十分議論をするべき問題であろうかと、御意見はいろいろあろうと思いますが、思うわけでございます。ただいまの実態として、国、地方を通じまして一般財源として扱い得ます財源が非常に枯渇をしておる。地方財政はたくさん金が要る。この不足額は何としてでも補てんをしなければならぬ、こういう事態に立ち至りましたときに、ただいまの必要な建設事業費の裏負担を公債をもって充てて、これを将来の一般財源で償還をしていく。このような制度を導入をしても財源を確保する方が適当なのではないか、このような考え方に立っておるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 それはあなた、国の立場からだけおっしゃってはだめでしょう。国が希望する公共事業を地方がそのままやる意思があるかないかということは、これは地方自治体の選択権の問題です。ところが、その事業をやらなければ財源が来ないわけなんです。だから一般財源というものを特定財源にしてはいけないわけなんです。元来事業費補正なんというものはそういう性質のものですから、問題があるわけなんですよ。要するに、こういうものを使って、地方行政のあるべき姿ではなくて、開発事業の実績に基づいて配分をするというような方向にだんだんと交付税を向けてこられた。そこでいまのような議論が出てくるわけなんです。交付税というのは、元来言いまして、明確なことは地方の固有の財源、一般財源なんです。その一般財源はどこまでも地方自治体が自主的に使う権利があるのであって、国が定めた特定の事業でなければ使ってはならぬ、こうなってきますと、もはやこれは一般財源じゃない。交付税ではなくなってしまう。そこのところを一体どうされますか。こういう状態を繰り返し繰り返し続けていくことが妥当なのか。去年の場合は、これは緊急避難的なものとして私どもは見てきましたけれども、これを繰り返し繰り返し図に乗ってやられますと、これは交付税そのものが変わってしまう、変質してしまう。これはなかなか認められません。そういうことは今日の交付税制度の基本にかかわる問題であって、そう便宜的にやってはならないものだと私は考えております。大臣、いかがでしょうか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 今回の措置もこれは一つの緊急避難と御理解をいただきたいのでございます。将来経済が安定いたしますれば一般財源も増加していく、そういう時期が必ず来るに違いない、こう信じておるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 毎年毎年御都合のいい緊急避難を次次繰り返されてはたまったものじゃありません。限度があります。程度もあります。ですから、こういう処置は私どもは認めることができない。要するに交付税の引き上げ、税率の引き上げをしないためにいろいろな矛盾が出てくるわけです。いろいろな無理が出てくる。そこで大蔵と自治との覚書がありまして、確かに四千二百二十五億の元本償還金については国が負担することを法定すると明記してある。借入金の残額の五千百七十五億の返済金負担緩和については覚書に何の記入もありません。五十一年の覚書を見ますと、五十一年の両大臣の覚書には、借入金のすべてについて、借入金の返済について協議の上必要あると認めるときはその負担の緩和につき配慮を行う、こう書かれております。ことしは五千百七十五億については何の記入もないわけです。この覚書を文言どおりに読みますと、五十一年の場合は将来返還を緩和するが、五十二年の場合は半額については国が負担するけれどもあとの半額については国は関知しないと解されますが、この点はいかがでしょうか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 これは覚書がなくとも当然同様の措置をとるものと、私どもも大蔵省も理解をいたしておるわけでございます。地方財政計画に計上して調整することになるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そうしますと、昨年はそれについての覚書が交わされましたが、ことしは覚書は要らない、しかしそれは覚書にひとしい合意に達したものであるということが確定されているわけなんですか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 当然地方財政計画に計上して解決をするということにつきまして、覚書はございませんが、両省の間に明確な合意が存在しておるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 地方財政計画に計上するということはどういう処置になるのでしょうか。交付税の基準財政需要額に計上するということなんでしょうか。それですと交付税の原資の増大を図らなければ、出るものはどんどんふえていく、入ってくるものは限定されている、これじゃ少しも地方の負担は軽減されませんが、どのように処置されますのか。当然のことながら年度ごとに必要需要額を算出したものにこの償還金が上乗せされて、全額国の資金でもって償還されるものと私は理解しておりますが、そのように理解されていいわけなんですか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 結論的には、ただいまおっしゃいましたように、そのことも含めまして、償還金も計上した結果の当該年度の財源不足額でございますね、昭和五十四年度とか五十五年度とか将来のことになりますが、この償還費を差し引いた後の財源不足額、この不足額に対して適切な財源措置を必ずしていく、こういうことでございます。財政計画上その償還額を含めた財源過不足の計算をいたしまして、もし財源不足が生じれば財源不足が出ないように完全な補てん措置を講じたい、これは当然のことだと思っております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 その当然のことですけれども、財源なんというものは伸び縮みができるのです、必要財源なんというものは。削ったり足したりできるわけなんですよ。ですから毎年度の必要需要額を算出してそれに償還金を上乗せする、その責任を国が負う。地方の財源が非常にゆとりがあれば別という意味なんでしょう。そうでない限りは国が負うということなんですか。そのように理解していいわけですか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 結論的にはそのとおりでございます。必要な財政需要額は必ず私どもは算定をいたします。これをめちゃくちゃに切り込まれるというようなことはございません。歳入の方でそれだけの償還額が出ますから、交付税の総額がそれだけ落ち込んできますから、その差額を計算をする、こういうことですから、その需要は必ず見込みます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 起債の性格にも重大な変化が起きてきている。五十年度においては一兆六百三十二億円の減収補てん債、これは全額一般財源として使われておる。五十一年度は一般財源として使えるのは、いわゆる赤字債だけなのです。三分の一の四千五百億、これは一般財源として使うことができた。五十二年度におきましては全額建設債となってきている。つまり、全額国の公共事業の受けざらとしての性格が固定されてきて、どんどんこれは起債の内容も変化してきている。この三年間の起債の扱いの推移を見ますと、政府が地方財政に膨大な借金を押しつけながら、それをだんだんと特定財源化する、使途を特定をする、地方財政を国の政策目標に一方的に動員をする、こういう性格が強まってきている。ですから、自治体の自主権、裁量権というものがこの処置の中で一年一年失われてきておる。こういうことでは、財政難を利用した地方自治権の侵害ではないかという疑問が起きてくるのは当然であります。これについての大臣の所見をお聞きしたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 先ほども申し上げましたように、こういった事態において、公共事業を初めとする建設事業の財源を何をもって充てるかという問題が基礎にあるわけでございまして、その面について、地方債をもってさしあたり充て、その償還費を将来一般財源で付与をしていく、こういう方式に切りかえたということが一点でございます。そのことをもって、特定財源に切りかえてしまったので、完全に自主性を阻害をしてしまうのではないか、こういう御質問でございますが、ただいまの地方財政の運営そのものは、先生も御案内のように、多くの場合、公共事業といえども住民の福祉のために役に立つ貴重な事業でございますので、できるだけこれを受け取り、消化をしていく、その上に単独事業を加えて、これを補完をしつつ財政運営をしておるのは先生御案内のとおりでございます。  そういったものが円滑に運営をされるということが、住民福祉のためにも地方財政運営のためにも一番望ましいわけでございまして、そういう受け取り方をして事業を実施をしていくということは、当該団体にとっても好ましいことだろうと思います。  それからまた、地方団体も、公共事業等を実施をいたします場合にでも、それをどのような事業費目について受け取るのか、またどのような量を受け取っていくのか、こういう点については当然自主裁量の権能があるわけでございまして、そういった公共事業と単独事業と相補完をさすということによって、行政の実態が行われておることは、先生御承知のとおりでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 あなたはひもつき財源というのを正当化されようとしている。一番基本の問題というのは、地方の自主財源、一般財源を尊重し、これを保障するということです。ですから、地方自治体がどういうふうに解釈するか、公共事業をどんどん積極的にやっていこうというふうに考えるか、あるいはいまの起債の比率がすでに限度を超えるような自治体がふえてきているわけですから、そういうものは好まないと考えるか、それは地方自治体の裁量権であって、財源処置としては、一般財源として保障するということが基本であるということですよ。その基本を便宜的な方法でゆがめてはいけない、それをゆがめようとされてきていることは正しくない、こういうことを申し上げておるのであります。これについて大臣の——大臣に聞いているのです。首藤君、君はいつの間に大臣になったのだ。これは政治上の問題で、事務上の問題じゃないのだ。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 一般財源を付与するということ、これはもとより大事な問題でございますが、公共事業の裏負担を一般財源でやるかやらないか、これは地方公共団体の事情によってそれぞれ異なるものではなかろうか、こう理解をいたしておるわけであります。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 それだけですと半分しかおっしゃっていないのですよ。それは地方自治体の判断によるものである。しかし、それをやらなければ交付税算入の金が来ないとなってきますと困るということなんです。そこを問題にしている。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 一般財源を確保していく、これが第一義であることは間違いございません。そのとおりでございますが、一般財源の総量をどこまで確保するか、もっと具体的に申し上げますと、建設事業費の財源、これは一般財源もあり得ますが、いまの地方財政法でも、公債を発行するということもあるわけでございますから、そこを含めて、建設事業の財源のどこまでの量を一般財源で確保していくか、これは問題点があるわけでございまして、一般財源に当たりますものの総量が非常に少ない事態においては、地方債を活用する、こういう事態もやむを得ないのではないか。そのかわり、それで活用いたしました地方債の償還費、こういったものについては、将来とも、マクロにおいてもミクロにおいても財源措置を確保していく、こういう体制をとることもまた一つの方法ではないか、こう申し上げておるわけであります。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 建設事業を地方団体がやるために起債をしたいという判断をすることは自由であって、その場合は起債が認められる。しかし、この場合そうじゃないのです。やりたくないと思えば交付税算入の金がもらえない、やることにしなければ起債が認めてもらえない、そこのところに問題がある、こう言っているのです。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 事業を実施をいたしまして、具体的に地方債を発行すれば、その償還費が具体的に出るわけでございますから、それについては措置がございます。事業を実施しないで地方債を発行しなければ、その分の特別の需要は出ないわけでございますから、その点は問題なかろうかと思うわけでございますが、先生御指摘のことは、建設事業の中に相当分まで入って一般財源の総量があるべきだ、そこまでを完全に確保しろ、そのことについてはおかしくなっているではないか、こういう御説であれば、それはそのとおりでございます。  ただ、申し上げておりますように、こういう財源の乏しい事態では、相当程度公債を活用していく、それで施設の整備そのほかを図っていく、これも一つのあり方としてあり得べきことではなかろうか、こう申し上げておるわけであります。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 それを地方自治体の自主権に任せるということなんだ。それが地方自治だし財政自主権だと言っているのですよ。しかし、これはもう時間が大分たちます。交付税の審議がありますから、よく研究しておいてください。これはこのままではまだ私どもは首肯ができません。そういうたくさんの矛盾を抱えて、税率の引き上げを合理化されようとしてきておる、そこが問題だという指摘をきょうはしておきます。  そこで、地方債が急激にふえています。これは五十一年度に比べますと五・三%の伸びですが、五十一年度が前年当初比で六九・四%伸びたわけでありますから、その異常な伸びに上積みしたわけですから、これは非常な膨張です。ですから、五十年度当初に発行されました予定額が、わずか二年間で二倍近くふくれました。これは本来交付税で処置すべきものを地方債に振りかえたからそうなったのです。そのために、地方の借金がどんどんふくれてきた。地方債のうちで、地方財政計画に計上されるものが三兆百七十四億になっておりますが、地財計画に占めます比率が一〇・五%です。ですから、地方債の大量発行によります公債費の負担が大きな重圧になってきている。地方債残高が五十一年の末で普通債だけで十一兆五千億ですか、企業債を入れますと二十兆を超すでしょう。自治省の中期財政展望によりますと、今後五年間の公債費比率は平均一〇・五%になっておる。そうしますと、地方財政全体が政府の言います負債の危険の警告線を突破することになりはせぬか、この点どうなんです。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 ただいま御指摘をいただきましたように、五十一年度、五十二年度と、いわゆる財源振りかえに当たります地方債が増加をいたしましたために、公債費がふえてくる、このままの事態が続けば御指摘のとおりになる、これは望ましいことではございませんので、なるたけ早くそういった事態から脱却をする、公債依存率をできる限り下げていく、これはもう望ましいことだと考えております。  ただ、先ほど申し上げましたように、五十一年度にとりましたいわゆる赤字地方債に相当しますようなもの、四千五百億でありますが、これは去年も大変おしかりをこうむりましたので、ことしは廃止をして、なるほど額はふえましたが、質は建設地方債ということで質のいいものに限った、−こういうことでございます。  なお、この増加をいたします償還費は、先ほども申し上げましたように財政計画上財源措置もいたしますし、当該団体に対して償還費を交付税を通じて措置をいたしますので、いわゆる公債費比率の算入、つまり危険ラインに達します算入、この場合には、元利補給つきの地方債、こういうことになりますので、ノーカウント、こういうかっこうになるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 地方債の膨張を憂慮するのであれば交付税の措置をやるべきだ、この議論になってくる。しかし、これはまあおいておきまして、そこで公債比率の問題ですけれども、先般大阪府下の市町村の公債比率が非常に上がってきておる。三十市中、十七市が五十年度で一五%を超過しておる。四十八年−五十年の三年間平均で見ますと、一八%台が四市です。一九%台が三市になっている。二〇%台が一市ですね。この起債の半分以上が義務教育施設費なんです。この場合に、起債制限から除外をするという答えをもらいましたが、具体的にはどのような措置をとってどのような除外をされるのか、これをついでに聞いておきたい。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 ただいまお話ございましたように、大阪府下等人口急増地域における市町村で、人口急増のための義務教育の施設のための地方債、この償還費で公債費が上がってきておる、この実態がございます。この点については配慮を加える必要がございますので、具体的な措置としては、人口急増地域のこのような義務教育債については元利補給の制度がございます。交付税制度でもその償還費を見ております。その見ます分については、先ほど申し上げましたように元利補給つきの起債でありますから、公債比率からノーカウントにする、差し引く、こういう措置をとることにしておるわけでございまして、その結果大阪府下での公債比率による地方債の制限、こういうものはなくなるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 それは具体的な比率が明らかになっているのじゃないのですか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 具体的なやり方は、いま申し上げましたように、元利償還について財源措置のついておりますものを現債額及び公債費から差し引きます、そういう計算をいたします。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 全額を……

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 減額いたします。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 全額をね。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 はい。その結果、大阪周辺の市でも大体平均いたしまして公債比率が三ないし四%は下がる一いま十何%とありますのが、大体三%から四%、団体によって違いましょうが、ともかく元利補給つきの起債は公債費比率の際の計算から除外をする、こういうことでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 もう一つ聞いておきたいのですが、政府資金によります地方債の引き受けの割合が三六・六%で五十一年度より若干高くなっている。しかし、五十年当初の政府資金引き受け率は六〇・三%でしたから、これと比べますと非常なこれは減少になってきている。そこで、六〇%に満たない部分については民間資金と政府資金の利差を負担する、こういうことになっている。しかし、そういう措置がよしんばとられたとしましても、国債、地方債合わせまして十三兆五千億余の公債が発行されるわけです。しかも国債が優先的に金融機関に割り当てられますから、地方債の消化がきわめて困難になるだろう、このことを地方団体では心配しておりますが、この消化についての責任が持てるかどうかです。これを聞いておきたい。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 御指摘のように、地方債はその性格上なるたけ政府資金を充てるのが一番望ましいのはそのとおりでございますが、政府資金が枯渇をいたしまして——交付税特別会計の借り入れ等の問題もございますが、枯渇をいたしまして、従前のように六割は確保できなくなっております。しかし、ことしはできるだけこれを増加をするということで、ただいま御指摘のように去年の三〇%から三六%余りまで増加をいたしました。残りの縁故債でございますが、純粋な縁故債の総額は二兆円を若干切るという状況に、昨年よりは減少をさしたわけでございます。  この消化につきましてはいろいろ問題はあろうかと思いますが、ただいまのところ完全に消化ができるという確信を持っております。また、具体的に消化ができない事態が生じました場合には、大蔵省とも約束をいたしておりますが、両省協議の上しかるべき措置をとる、政府資金の振りかえをやるとか、あるいは融通についてのいろいろな手配をしてもらうとか、こういうことで完全消化を図ってまいりたい、こう考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そうしますと、消化に困った自治体は、自治省に来れば大蔵省とも相談をして、実際上それの消化の責任を持ってやるということなんですね。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 そのとおりでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 もう一つ、ついでに聞いておりますが、財源調整の問題です。これは非常な矛盾が出てきております。たとえば大阪の場合で恐縮ですけれども申し上げますと、五十一年度でありますが、これが財政需要額と収入額の差、財政の収入の超過額が二十一億九千九百万円、これだけ超過している。ところが、財源調整が五十九億行われる、こうしますと基準財政需要額の確保ができない、これだけの財源調整をやられますと需要額に食い込んでしまうわけです。こういう制度についてどのような措置をおとりになりますか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 財源調整と申しますと多分こういうことだろうと思いますが、ただいま御指摘のように超過額が二十一億に落ちました。これは去年、ちょっと数字を忘れましたが、百数十億ありましたものがそれだけに落ち込んだ。しょせんこれは財源超過額でございますから、通常の交付団体の場合に比較をすればそれだけ財源が多いわけですけれども、その多かった財源がいままでこれだけあったのに、これが急に縮んだ、それはやはり実際の財政運営上きついだろう、こういうことでこの財源超過額の減少分の約三分の一、このぐらいは新たに財源措置をいたしましょう、こういう措置をとったわけでありますから、基準財政需要額に食い込む事態はないと思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そうしますと、財源調整は依然として続けていく、しかし、超過額が少ないために財源調整分の額が多いわけです。財源調整が五十九億なんです。義務教育費と道路譲与税を含めまして五十九億。ところが基準収入額の超過額が二十一億なんですから三十億ほど財源調整をやられると足りなくなってしまうのです。この場合にどういう処置をおとりになりますかと聞いているのです。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 ですから若干誤解があるのじゃないかと思うわけでございますが、財源調整と申しますのは、いま申し上げたように、交付税計算上出ました財源超過額、これが激減をしたわけでございます。激減をして交付団体にまではならなかったのですけれども、非常に超過額が激減をした。もともと超過額でございますから、交付税制度から考えれば、いわゆる交付団体並みのベースでいえば知らぬ顔しておってもしかるべきと申しますか、ところがいままでそれだけ超過額があって生活をしておったのに超過額が減ってきたから財政が苦しいだろう、だからこの激減を緩和する類身で超過額の減少分の一定部分を財源措置をいたしましょうということでありますから、この五十何億と二十一億とは直接の関係はございません。財政需要額に食い込むということもございません。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 その一定の部分というのはどの程度の部分なのですか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 これは不交付団体の財源超過額が減少する、それが著しい、こういう事態のときに、最近調整しておるあれでありますが、大体三分の一程度です。超過額の減少分の三分の一程度は激変緩和の意味で地方債そのほかの発行、市町債の発行でございますが、財源調整をしよう、こういうことでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そうしますと、五十一年度におきましては、大阪府もそれで処置するということなのですか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 いままでもそうでございましたので、大体そういう方針でまいろうと思っております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 時間が来ましたのできょうはここまでで終わっておきます。またいずれ近い機会にお尋ねさせてもらいます。

地崎宇三郎自由民主党

○地崎委員長 川合武君。

川合武新自由クラブ

○川合委員 大臣の所信表明に対しまして質問をいたします。  私は、自治省は中央官庁でございますけれども、ほかの中央官庁とは違う性格を持っているのだ、こういうふうに思います。すなわち、自治省の任務は地方団体の意思をくみ取って、そしてこれを各省庁の行政に反映させる、これが自治省の任務だと思っております。ことに国と地方との間に不信感がつのっております昨今でございます。自治省の役割りは非常に重大だと思います。私は国と地方との相互信頼を打ち立てることがわが国の政治、行政の一番大きな問題だ、こういうふうに思います。したがって自治省の役割りはまことに重大だと思います。  ところで、自治省の現状は果たしてこの使命にこたえているかどうか、残念でございますけれども疑わしい点があるような気がしてならないのでございます。地方自治三十年、地方団体は依然として権限の乏しいのをかこっております。また財政難を嘆いております。自治省はこの地方自治体とともに悩み、そして苦悶する、これは自治省の務めであり、そしてまた地方自治への前進を図る、これは自治省の生命だと思います。こう思いますときに、自治省の現状は全しであるか、十分であるか、かようなことを感じつつ自治大臣に質問をいたします。  まず第一は、地方財政に対する考え方の基本でございます。地方財政計画も地方交付税法改正案も、明年度の地方の財源不足額は二兆七百億円であるという前提、基礎に立ってつくり上げられておりますが、この数字はなるほど自治省、大蔵省の合意によって計算されたものでありますから、権威はあるかもしれないけれども、考えてみるに、この数字は中央官庁側のつくった数字ではないか。従来からの自治省側の、ベースでの計算であって、地方団体側の独自の資料は取り入れられていないのではないか。単独事業費の伸び率、これを考えてみた場合に、地方団体側の具体的計画をこの中にくみ取って計算されているのか、まずその点をお伺いいたしたいと思います。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 地方財政計画上の歳出を策定いたしますのに当たりまして、ただいま御指摘のように自治省は地方団体とともに悩み、ともに苦しむ、こういう立場で私ども歳出の見積もりをいたしておるわけでございますが、この内容につきましては、策定の際に当たっては、地方六団体等とも十分連絡をとりながら、御意向も配慮しながら策定をしておるつもりでございます。ただ単独事業につきましては、先生御指摘のように、地方団体それぞれが持っております額を積み上げて計算をする、こういうわけにまいりませんので、これは標準的な規模と申しますか、二手に分かれますが、一つは国が五カ年計画そのほかの計画を立てておって、その中に一定の単独事業の算入等が見込まれておりますもの、こういう特定の事業についてはその実額を用いますし、それからそのほか一般の単独事業のあり方については国全体を通じてましての公共投資等の伸び率、こういうものを想定いたしまして、その伸び率を下回らない範囲において枠を想定する、こういうかっこうで策定をしておるわけでございます。

川合武新自由クラブ

○川合委員 いま公共事業費の伸び率と、それに関連して単独事業を考える、こういうお話でございましたけれども、どうも私どもはそれが気に入らない。それも必要でございましょうけれども、しかし地方自治の基本からいって、単独事業、これを伸ばさなければならない。いまおっしゃいましたけれども、なかなか地方団体の方の実情が、数字がつかめないというような意味のことをおっしゃいましたね。それはどういうわけでございましょうか。

首藤堯自治省財政局長

○首藤政府委員 それぞれの地方団体におかれては、それぞれの立場からおおむね長期計画をお持ちでございますけれども、これもいわば長期計画でございまして、実際上どの程度単独事業を完全に実施する見込みがあるのか、これは単独事業でございますので的確につかむことは非常にむずかしいわけでございます。したがいまして、単独事業の総枠といたしましては、国の公共投資の伸び率等、これを参考にしながらそれを下回らない程度は地方の単独事業も伸ばしていく、こういう想定のもとに一定の枠を想定するということでございます。  なお、そのほかにも、実はことし講じております臨時市町村道整備特別事業、こういったようなものにつきましては昨年新設をいたしましたが、地方団体におかれても非常に喜ばれまして、ことしもなお増大するようにという御希望があったりいたしましたので、これは二千五百億に増加をして計上する、こういったような特別の措置は講じております。

川合武新自由クラブ

○川合委員 自治省が地方団体に示される方針、これは国の公共事業はこうだ、だからこれについていけば大体地方団体は間違いないぞというような点においては非常に親切に方向を示されているような気がいたします。ですけれども、本来の地方団体は単独事業、私はそこに意味合いもあると思います。地方団体の全体の財政計画、それをもう一遍考え直して、そして地方財政計画作成に当たって、地方団体側も、六団体に意見を聞かれた、こういうふうにおっしゃいましたけれども、もっと積極的に企画立案に参画させる、そういうような仕組み、そういうような努力、新しい考え方というものを工夫できないか、こういうふうな感じがいたしますけれども、大臣、どんなものでございましょうか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 五十二年度の地方財政計画策定に当たりましても、六団体の意見は十分聴取いたしておりまして、その要望に沿う方向で策定をいたしておるわけであります。今後も地方公共団体とあとう限り密接な連絡をとってまいるつもりでございます。

川合武新自由クラブ

○川合委員 失礼な言い方かもしれませんけれども、どうも私どもの率直な感じが、自治省がいろいろと地方団体に指導された、そしてまた親切に、国の方針はこうだから、これについていけば大体間違いないぞというような意味においての指導はされておる。しかし、どうも地方団体自身も中央依存の癖がついちゃった。この癖をつけさせたのは、どうも自治省じゃないかという気もするのです。地方団体を、萎靡沈滞していると言うと地方団体に失礼かもしれないけれども、そんな気もする。またそうさせたのも何か自治省の長年の、中央統制型とまでは言いませんけれども、繰り返しますけれども、中央の方針はこうだ、これに従っていけば大体間違いないぞ、こういうやり方というものが地方団体に癖をつけさせている、こう思うのです。  ですから、いま大臣のおっしゃいました、地方団体の意見もよく聞いている、こうおっしゃいます。またそのとおりかもしれません。しかし、もっと具体的に、来年は地方団体がこういうことをやりたい、こういう希望を持っている、こういう熱情を持っている、そういう計画を具体的に企画立案させて、そして自治省の地方財政計画をつくる場合に参画させる、こういうような仕組みももっと工夫されてもいいんじゃないか、この点を申し上げておるのでございますが、大臣、いかがでございましょうか。御努力いただけませんでしょうか。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 ただいまのような御指摘をいただきましたので、一段と工夫の余地がないかどうか検討をいたすつもりでございます。

川合武新自由クラブ

○川合委員 また、この財源不足に対してまして、自治省は単年度の交付税措置、地方債の増発、こういうことで始末をつけられておる。ですけれども、この考え方、この政府の姿勢を改めて、そしてこういう財政難のとき、財源不足のときこそ地方税源の充実を最優先して考えるべきじゃないか。むしろチャンスと言うと語弊がございますけれども、しかし地方税源の充実によって地方財源の不足を基本的に考え直していく、こういう絶好の機会でもあるような気もいたします。ですから、なぜ国税である所得税や法人税の地方への移譲を図るべく努力されなかったのか、あるいは地方税におきましても抜本的な非課税措置の整備、たとえば利子所得等に対する課税、有料高速自動車道路に対する課税など、こういう点をなぜやらなかったのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。

森岡敞自治省税務局長

○森岡政府委員 地方財源の確保のために、ことにこの時期において地方税源の抜本的な拡充を図るべきではないかという御指摘でございます。確かに、地方財政の観点から申しますと、私もそのように思うのでございますけれども、しかし、さらにわが国の経済全体の成り行きなども考え合わせますと、この際、一般的な増税を行って地方税源を拡充することは、その時期ではないという御意見がかなり強うございます。また、国から地方への税源移譲を通じて地方税源を拡充するということ、これはかねがね私ども強く主張してまいっておる問題でございますけれども、これもやはり、この時期におきまして中央、地方を通ずる税源配分を根本的に変えるということになりますと、なかなか現実問題として困難な時期に直面したわけでございます。その間のいろんな御意見は、税制調査会の答申にも示されておるところでございます。そのようなことから、大臣が予算委員会等を通じて申しておられますように、やはり経済全体がある程度の安定成長の軌道に乗りました段階、その段階におきまして中央、地方を通ずる抜本的な税制改正を行い、その一環として地方税源の思い切った拡充を策していくということが方向ではなかろうかと思います。  なお、御指摘のありました利子所得に対する住民税の課税の問題、あるいは有料高速道路に対する負担の問題につきましては、せっかく努力をしたのでございますけれども、やや時間的な制約もございまして、今後の問題に持ち越しております。一層の努力を重ねたい、かように思います。

川合武新自由クラブ

○川合委員 大臣にお伺いしたいと思うのですが、三年も地方財源が不足しておる、こういうときでございます。交付税の税率を上げること、もとより私どもこれに賛成でございます。しかし、さらに地方税源の充実、これも基本的に図るべきだ。いつも同じように交付税制度の中で借りたり返したり、こういうばかりでなく、ぜひ地方税源の充実に向かって大臣、もっとがんばっていただきたい、こう思いますが、お考えを伺いたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 地方税源の充実には引き続いて努力をしてまいりたいと存じます。  ただいまお言葉にありました利子配当所得に対する課税あるいは有料道路に対する課税等も、そういう趣旨から、実現は見ませんでしたが、今後とも引き続いて努力をしてまいりたい、こう考えております。

川合武新自由クラブ

○川合委員 次に、指定都市に関してお伺いをいたしたいと思います。  指定都市五十万のこの数値の根拠でございますけれども、これはどういう根拠でございますか。

山本悟自治省行政局長

○山本(悟)政府委員 御質問のとおりに、指定都市の制度を、現在地方自治法によりまして人口五十万以上の都市という中から指定することになっておるわけでございます。人口五十万という線の出てまいりましたことにつきまして明確な立法理由というのは当初からございませんが、指定都市制度以前の特別市の制度、あれも五十万であった。それが引き続いて特別市制度が廃止されるとともに指定都市制度に移行してまいりましたので、やはり都市としての規模、能力といったようなことをもとにいたしまして、指定都市制度というものができておりますので、五十万程度以上のところということに沿革的にもなっているというぐあいに存じているわけでございます。  いずれにいたしましても、指定都市制度というのは一定以上の規模と能力を有する市につきまして、普通ならば都道府県の権限とされているものを一部市に移すという事務配分の問題としてできている制度でございますので、そういった意味での都市としての能力、規模というものの判定基準といたしまして人口五十万というのが設けられている、かように存じております。

川合武新自由クラブ

○川合委員 私たちは地方団体の自立性、自主性の強化と住民の自治意識の向上を図る、こういう基本的な立場から、市町村にできるだけ事務を移譲すべきだ、こう思っておりますが、大臣もこの点については異議はございませんでございますね。御同感でございますね。  しかも現在は過密、過疎の問題を解消するために地方都市を振興させなければならない、こういうときになっておると思います。地方都市の整備、振興のためには、何よりも地方の自主性と特性が生かされなければならない、こういうふうに思います。この観点に立つならば、もっと指定都市をふやすべきである。と申しますのは、無論これは現在の指定都市以外の都市での話でございますが、現在の指定都市以外の都市でも、三十万以上の都市あるいは県庁所在地の都市、こういうところを、これは言葉が変でございましょうけれども、いわば第二次指定都市というようなことにして、現在の指定都市の事務全部とまではいかないかもしれない、しかし幾ばくかの事務をこれらに移譲する、こういうようなことは考えられませんでしょうか、お考えを伺いたいと思います。

山本悟自治省行政局長

○山本(悟)政府委員 確かに市町村の規模に応じまして行政事務権限の内容を異にしてもいいではないかと、いろいろと御意見のあることはそのとおりだと存じます。また現在におきましても、たとえば保健所行政というようなものでございますと、これは政令で指定ということになっておりますから、大体三十万以上くらいのところが指定になっているというようなこと、あるいは建築行政につきましては人口二十五万以上が指定になる、こういったように個々の行政事務につきまして、団体の規模、能力に応じまして権限の配分が行われているという事例はあるわけでございます。  その際、さらにただいま御指摘のような他の事務につきましても、そういった考えをとることができるじゃないかという御意見のあることをよく存じております。また一方、一つの県という単位の中でそれぞれの行政の権限の配分が違うのがどの程度までいいのかといったような、府県制度との関係というようなこともございますので、やはりよくよく検討を加えていかなければならない事項というぐあいに考えているところでございます。

川合武新自由クラブ

○川合委員 たとえば都市計画関係の事務なんかは移譲すべきじゃないか、こういうふうに思います。むしろ昨今はこれが何か逆行しておるような気もいたしますけれども、その都市を発展、整備させるという、その都市にとって都市計画というのは言うまでもなく基礎的なものであるし、そしてまたその都市の文化とか伝統あるいは産業、それに立脚した個性ある社会建設のためにも、この都市計画関係は、ただいま申しましたような第二次指定都市と申しますか、なるべく移譲するという意味において、指定都市を、現在五十万以上とされておりますのをもっとふやすという方向で検討さるべきじゃないか、こう思いますけれども、都市計画関係につきましてはいかがでございますか、お尋ねをいたします。

山本悟自治省行政局長

○山本(悟)政府委員 現在の都市計画法におきます事務配分でございますが、都市計画の決定につきましては、市街化区域と市街化調整区域に関する線引きといったことは都道府県知事、そのほか臨港地区でございますか、流通業務地区に関する都市計画、こういったこと等は都道府県知事、そのほかの都市計画については市町村がやるというようなことになっているようでございます。実際の都市計画事業の施行ということになりますと、市町村が知事の認可を受けてやるのが原則でございまして、都道府県は市町村が施行することが困難または不適当な場合に建設大臣の認可を受けて事業の施行をする、こういうのがたてまえになっているようでございます。  考え方といたしまして、都市計画というのはその都市にとりましての一番の基本の計画でございまして、一番身近なもの、そういう意味におきましては事業そのものをなるべくその市町村自身が決め、その市町村が実行するということがより適当であることは御説のとおりでございまして、考え方としてはそのとおりに存ずるわけでございますが、現行制度におきましても、ただいま申し上げましたように比較的県全体にかかる広域的なものあるいは大規模なものというものを県の方に引き上げているというような状況になっているようでございますので、なおよく検討をさせていただきたいと存じます。

川合武新自由クラブ

○川合委員 次に直接民主制度に関してお伺いをいたしたいと思います。  住民自治の立場を一層強化する、こういう必要があると思います。最近住民の知的水準が上がっておりますし、また公害、環境問題等に見られるような住民要求の増大、こういう実態を見ました場合に、現在の議会制度を無論中心としつつ、直接請求制度を加味して間接民主制度を補強する、こういう必要があるのではないか、こういうときになっているのではないか、こう思います。たとえばある事案に対して一定数の住民の署名などが行われました場合には、議会の議決のほかに、住民による投票制度を導入して住民の合意を図るべきじゃないか、こういうふうに思いますが、自治省の考え方についてお伺いいたしたいと思います。

山本悟自治省行政局長

○山本(悟)政府委員 確かに住民の意識も高まっており、また行政に直接参加したいという意見も多くなっていることをよく存じているところでございます。実は昨年六月に地方制度調査会から自治意識の向上に関する答申をもらったわけでございますが、この中にも住民投票制度の拡張ということにつきまして指摘があるわけでございます。ただ同答申におきましても、住民投票制度というのは代表民主制に対する補充的な制度として考えるべきだというような制約といいますか、問題点の指摘もあるわけでございまして、ただいま御指摘のように、特定の事項なり事業なりにつきまして住民の意思を聞くといたしまして、どういう範囲にどういうようなものについてそれが当てはまるのか、こういった点につきまして地方制度調査会等におきましてもいろいろ議論のあったところでございます。考え方といたしましては、大いに論議をし、いい方法というものを見つけていかなければならない事項というぐあいに思っているわけでございまして、鋭意検討を進めているところでございます。

川合武新自由クラブ

○川合委員 次に消防庁関係、大地震対策についてお伺いをいたしたいと思います。  大地震対策でいま緊要なのは、必要なのは、避難対策だろうと思います。避難対策に対して、骨子で結構ですが、どういう方策を持っておられるか、またどういう方策で指導をされているか、お伺いをいたしたいと思います。

田中和夫消防庁次長

○田中(和)政府委員 特に震災時でございますが、震災時は、出火防止あるいは初期消火によって大火災にならないようにということが関東大地震の教訓でもあるわけでございますけれども、一たん大火災になりました場合には、どうしても広域避難体制と申しますか、そういう体制をあらかじめ確立しておかなければいかぬ、こう考えるわけでございます。  そこで消防庁といたしましては、そういった地域に対しまして、避難地の指定あるいは自主防災組織によります計画的な組織的な避難体制というようなものを指導いたしております。なお、避難路の確保のために、自主防災組織に対しまして、百トンの耐震性の水槽、これは現在五十一年までに約八百基東京その他の都市に配置されておりますが、それと可搬式動力ポンプ、そういったものを補助を行いまして、そういったものの育成指導、自主防災組織による避難路確保、公共消防等が十分に活躍できない、そのために避難路が確保されないというような事態が予想されますので、そういった指導を行っているところでございます。

川合武新自由クラブ

○川合委員 私はかつての関東大地震の場合における本所被服廠跡のあの火攻め、ああいう惨事だけは再現してはならない、再びあってはならないと思う。御承知のように四万人の人が一挙に焼け死んだ、一遍に、一ところで焼け死んだ、ああいう惨めなことだけは再現してはならない、こう思うわけでございますが、当時の本所被服廠跡のあの避難の人々が集まっている写真が残っておるわけでございます。これは恐らく火の手が迫ってくるその直前の写真だろうと思いますが、それを見ますると、将棋を指している人がいる、将棋の好きな人は将棋を指している、あるいはサイダーを売る人が出てきている、こういう写真でございます。要しまするに、あの広い本所被服廠跡に逃げてきたから、もうこれで安心だというふうにみんな思っていた、それが急に四方から火の手が迫ってきた、こういうふうにわれわれは聞いているわけでございます。この惨事は、現在ならば体制さえ整えれば防げる。すなわち航空機によって上空からの避難誘導をすれば、当時は無論航空機がございませんでした、実際に余り航空機の時代ではございませんでしたが、現在ならばこれができる。無論もうもうたる煙の中で避難誘導を行うのでございますから、たとえば赤外線装置その他の準備も必要でございますけれども、しかしいまならば、いまの技術、いまの体制ならば、準備さえすればこれは可能だと思いますが、この上空からの広域避難について消防庁はどういう考え方を持っておられ、またその準備があるのかどうか、伺いたいと思います。

田中和夫消防庁次長

○田中(和)政府委員 御指摘のように、安全な避難誘導のために大震災のときに空中から誘導するということは、これはぜひとも必要なことであろうと思います。そこで、現在ヘリコプターがございますので、そのヘリコプターにテレビカメラを搭載いたしまして司令本部に電送する、テレビ電送システムと申しますか、そのテレビ電送システムにつきまして補助制度を創設いたしまして、東京と大阪に過去一台ずつ配置してございます。今後そういう方向で努力してまいりたい、こう考えておりますが、なおいま、さらに先生から御指摘のように、煙の中で火災の状態を的確に把握するというための赤外線による偵察法といいますか、それにつきましても現在研究所で研究中でございまして、実用化できる段階になればそれもあわせて採用いたしたい、こう考えております。

川合武新自由クラブ

○川合委員 広域避難場所の問題でございますけれども、これは輻射熱などのことを考慮した避難場所、そういうものは設置されておる、いまこういうふうには聞いております。しかし、何せそこへ行くのに道のりが非常に遠い、こういうことも実情だろうと思います。そこで第一次の避難場所、まずとりあえずの避難場所をつくって、そうして広域避難場所へさらに必要に応じて誘導する、こういうことが必要であり、そしてそのためには上空からの避難誘導はぜひ行わなければならない。いまの次長の話ではまだ私の申し上げている避難誘導とはちょっと違うような気もするのですが、自衛隊の航空機、こういうものも十分に活動してもらって、そしていま最も必要な避難対策を確立していただきたい。消防、自衛隊との連携の準備、これは大地震が来て急に飛び出していってやれるものでもないと思います。先ほど次長の言われた赤外線装置の問題一つ見ても、そら来た、それというのでいきなり飛び出していってやれるものでもない。十分なる連携の準備、日ごろの体制の整備が必要と思います。さらにこの避難誘導の方策の樹立について積極的に推進をされることを要望をいたします。  次に、災害対策基本法百九条の緊急措置について自治大臣にお尋ねをいたしたいと思います。  この災害対策基本法は自治省が起案したものであり、しかもこの地方行政委員会で審議議決されたものであるから、その意味においても、この災害対策基本法百九条の緊急措置についてお伺いをいたしたいと思います。  この条文は、御承知のように大震災のようなとき、そういうような非常の事態のときに、国会の機能がとまってしまった、そういう場合に、非常に厳しい、厳格な条件のもとではありますけれども、緊急政令、政令でもって必需物資の配給、価格の統制、そしてモラトリアム、こういうものを規定できる、こういうことになっておるわけでございます。しかし、この法の規定はなるほど非常なる異常な事態、すなわち関東大震災級のような、ああいう大地震が起きた場合に、初めて政令をつくって緊急措置を講ずることができるのだ。なるほど、法律の条文はそうなっております。しかし考えてみるならば、大地震のような混乱したとき、すなわち国会の機能がとまってしまうようなそのとき、そのときには行政官庁といえども大混乱であって、政令制定には非常な手間を取るのではないか、こう思うわけですけれども、こういう点について、この災害対策基本法百九条の緊急措置について、自治省、消防庁何か——起案をしたこの自治省でもあるのだが、これについて何らかの準備をされておるのか、お伺いをいたしたいと思います。

田中和夫消防庁次長

○田中(和)政府委員 いま災対法百九条の緊急措置についての御意見があったわけでございますが、いま先生も申されますように、この処置というのは全く非常事態、非常災害によって、国の経済や公共の福祉に重大な影響があるというような場合で、しかも国会が閉会中だというときに、大幅な私権制限を行う。生活物資の統制とか、物価の統制とか、金銭債務の支払いの延期とかいうような、いろいろな大幅な私権制限を政令で行い得るという規定であるわけでございまして、その災害の態様がいろいろでございますので、あらかじめこういう場合にはこういう処置、こういう場合にはこういう処置というような状況を想定して対応を決めておくということはきわめて困難ではなかろうか、こう考えておるところでございます。なお研究いたしてみたいと思います。

川合武新自由クラブ

○川合委員 具体的な文言は、それは確かにいまからつくっておくということはむずかしい、できないかもしれませんけれども、しかしこういう形になるのだというものはいまのうちからつくっておかなければ間に合わないのではないか。また、考えてみるに、政令の案は、形はこういうふうになるのだというふうなことをいまのうちから国民に予備知識として与えておくことは、むしろ必要ではないか、こういうふうに思いますが、次長どうお考えですか。

田中和夫消防庁次長

○田中(和)政府委員 ごもっともな御意見でございますけれども、たとえば生活必需物資というものを一つ考えましても、その具体の災害の場合に何が一番困るかというような問題、あるいは物価、賃金の統制をどの程度する必要があるのか、あるいは金銭債務の支払いの延期まで、あるいは権利の保存期間の延長まで考える必要がどの程度あるのかというのは、賃金なり物なりの具体の対象によって、またその程度、それらがみんな具体の非常災害の態様によって変わってくると思われますので、大体政令に書いてございますような中身がこの私権制限の内容であるわけでありますけれども、その中の品目までずっと書いてというような、たとえばそういうようなことは実際問題としてなかなかむずかしいのではないか。なお、研究させていただきたいと思います。

川合武新自由クラブ

○川合委員 最後にお尋ねをいたしますけれども、災害対策基本法に規定する「非常災害に際し、緊急措置に関する計画」また「非常災害に際し一時的に必要とする緊急措置の大綱」こういう規定がございますね。これはできておりますか。

田中和夫消防庁次長

○田中(和)政府委員 いま仰せの緊急措置に関する計画というのは、非常災害が発生いたしました際に被害状況等に応じた的確な応急対策等を実施するためのものでございますので、しかしその大綱につきましてはあらかじめ決めておくことの方がより望ましいと考えますが、現在までのところはこの緊急措置の大綱といったようなものはつくられておりません。しかし、震災対策に関しましてはその緊急措置の大綱に準ずるものというような形で、大都市震災対策推進要綱というものがつくられておりまして、その中で災害応急対策が定められております。また、その場合の緊急災害対策本部の運営要領についても現在検討中でございます。しかし御指摘の緊急措置の大綱あるいは緊急措置に関する計画そのものはまだつくられておりません。

川合武新自由クラブ

○川合委員 中央防災会議は昨年は何回開かれましたか。

田中和夫消防庁次長

○田中(和)政府委員 本部会議としては、五十年が二回、五十一年が一回でございます。そのほかに主任会議と申しますか、事務的な会議が五十年が八回、五十一年は六回開かれております。

川合武新自由クラブ

○川合委員 災害対策基本法が生まれてからもう十数年はたっているわけでございますが、まだ非常災害に際し一時的に必要とする緊急措置の大綱もできていない、こういう状況であると伺いました。そしてまた中央防災会議もそう活発に開かれているとは言えない状況のように承りました。いま大地震対策の樹立を求められておることは、これは一般の国民の全部の希望であると思います。自治大臣は、消防担当大臣として大地震対策樹立の中心であると思います。なるべく速やかに中央防災会議を開くように要請をされ、そして非常災害に際しての大綱を樹立していただきたい、こういうことを要望いたしたいと思いますが、大臣のお考えを伺いたいと思います。

小川平二自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○小川国務大臣 今日の状況は日本のどこで大震災が起こっても怪しむに足らない状況であると聞いておりますので、さような際の対策につきましては万全の措置を実行していく必要があると存じます。ただいまこの十一条二項二号の計画等についていろいろ貴重な御指摘をいただいたわけでございますが、これからも鋭意努力をいたしまして、いかような事態になりましょうとも十分対応できるような体制を整えますために努めてまいりたい、こう考えております。

川合武新自由クラブ

○川合委員 質問を終わります。

地崎宇三郎自由民主党

○地崎委員長 次回は、来る十五日火曜日午前九時五十分から理事会、午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時三十一分散会

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