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80回国会衆議院1977/05/13

大蔵委員会 第26号

発言数
219
登壇者
17
会派数
5
開催日
1977/05/13

会議録

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 これより会議を開きます。  昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  これより両案について政府より提案理由の説明を求めます。坊大蔵大臣。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。  この法律案は、国家公務員共済組合法等の規定により支給されている年金につきまして、その額を引き上げることとするほか、最低保障額の引き上げ、公共企業体の職員であった期間の組合員期間への算入等、所要の措置を講じようとするものであります。  次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。  第一は、国家公務員共済組合等からの年金の額を改定することであります。すなわち、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法、旧国家公務員共済組合法及び国家公務員共済組合法に基づく年金のうち、昭和五十一年三月三十一日以前に給付事由が生じたものにつきまして、このたび、別途、本国会で成立いたしました恩給法等の一部を改正する法律による恩給の額の改定措置にならい、昭和五十一年度の国家公務員の給与の改善内容に準じ、年金額の算定の基礎となっている俸給を増額することにより、昭和五十二年四月分以後、年金額を引き上げることといたしております。  第二に、六十歳以上の短期在職者及び昭和三十二年三月三十一日以前に退職した長期在職者等の受ける年金で、その年金額の算定の基礎となっている俸給が一定額以下のものにつきまして、恩給における措置にならい、昭和五十二年八月分以後、その俸給を三段階を限度として引き上げることにより年金額の改善を行うことといたしております。  第三に、恩給における措置にならい、公務関係年金及び長期在職者等の受ける退職年金等の最低保障額を昭和五十二年四月分以後引き上げるほか、公務関係年金等の最低保障額につきましては、同年八月分以後、さらにその額を増額する等の措置を講ずることといたしております。  第四に、長期給付の算定につきまして、一定の要件のもとに公共企業体の職員であった期間をいわゆる資格期間として組合員期間に算入する等の特例を定めることといたしております。  以上のほか、掛金及び給付の算定の基礎となる俸給の最高限度額につきまして、公務員給与の改定状況等を考慮し、現行の三十四万円を三十六万円に引き上げることといたしておりますほか、恩給における措置にならい、日本赤十字社の救護員で職員に相当するものの抑留期間の算入等所要の措置を講ずることといたしております。  以上が、この法律案の提案の理由及びその概要であります。  何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 石井運輸政務次官。

石井一自由民主党運輸政務次官

○石井(一)政府委員 ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  この法律案は、公共企業体の共済組合が支給しております退職年金等につきまして、このたび別途本国会に提案されております恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置に準じて年金額を引き上げるとともに、退職年金等の最低保障額の引き上げ等の措置を講ずるため、所要の改正を行おうとするものであります。  次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。  第一に、公共企業体の共済組合が支給しております退職年金等のうち、昭和五十一年三月三十一日以前に給付事由が生じたものにつきましては、恩給等の改善措置に準じ、その年金額の算定の基礎となっている俸給を昭和五十一年度の国家公務員の給与の改善内容に準じて引き上げることにより、昭和五十二年四月分から年金額を引き上げることといたしております。  また、旧国家公務員共済組合法の規定による退職年金等のうち、長期在職者等に支給する年金につきましては、恩給等の改善措置に準じ、その年金額の算定の基礎となっている俸給が一定額以下のものについて、その俸給をさらに一段階ないし三段階上位の俸給に引き上げることにより、昭和五十二年八月分から年金額を引き上げることといたしております。  第二に、旧国家公務員共済組合法等に基づく退職年金等の最低保障額につきましては、恩給等の改善措置に準じ、昭和五十二年四月分から止き上げるほか、六十歳以上の者等に支給する遺族年金の最低保障額につきましては、昭和五十二年八月分から、その額をさらに引き上げることといたしております。  第三に、旧国家公務員共済組合法に基づく殉職年金等につきましては、恩給等の改善措置に準じ、その扶養加給の年額及び最低保障額を昭和五十二年四月分から引き上げるほか、最低保障額につきましては、昭和五十二年八月分から、その額をさらに引き上げることといたしております。  このほか、戦地勤務に服した日本赤十字社の救護員であった者の抑留されていた期間につきまして、恩給等の改善措置に準じ、その期間を当該救護員であった期間として取り扱うこととする等所要の措置を講ずることといたしております。  以上が、この法律案を提出する理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 これにて両案の提案理由の説明は終わりました。     —————————————

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢田広君。

沢田広日本社会党

○沢田委員 最初に大蔵大臣にお伺いをいたしますが、日本の社会保障制度そのものについてまずお伺いをしておきたいと思うのです。  ILO百二号並びに百二十八号等に示されております基準、そもそも共済年金というような制度あるいは厚生年金、国民年金を含めまして、それぞれ若干のアンバランスがあることはすでに御承知のとおりであります。言うならば発生のもとが違うのでありますけれども、すべての国民が等しく、一定のナショナルミニマムといいますか、ある一定の生活を保障していける体制というものを、世界各国の水準に照らしてどういう条件に日本があらねばならないか、そういうことについて、大蔵大臣としてこれからの方向としてはどういう水準で保持していくことが望ましいと考えておられるのか、その辺まず第一にお伺いをしておきたいと思うわけであります。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 これらの年金につきましては、一応の各国の水準をとってみますとまずまずのところへいっておるのではないか、かように考えます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 まずまずというのは、個別なものではなくて総称して言われているのだと思うのでありますが、その中にも若干アンバランスがあることは否定されるとは思わないのでありますが、総体的にこれをどの水準で、結果的にILO百二十八号に合わせていくという努力を今後もなされるおつもりといいますか、その決意はあられるのかどうか、これは大蔵大臣の所管事項ばかりじゃございませんので、その他の所管事項ももちろんあるわけですけれども、閣僚の一人として、しかも財政当局を担う者の立場として、どういうふうにお考えになっておられるのか、その点ひとつお伺いをしておきたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 多少の制度問題がございますので私からあらかじめ御説明をさせていただきたいと存じますが、わが国のただいまの年金制度の給付水準につきましては、ILOによりまして定められておりますところの一般の被用者年金の水準の基準なりあるいは現実の各国の年金制度なりと比較をいたしまして、その内容あるいは給付の高さ等につきまして現在すでに遜色がないのみならず、国際的に見ればむしろ上位の方に位するような制度を持つに至っておるということは、ただいま大臣から御答弁申し上げましたとおりでございます。  ただ、まだ制度が十分に成熟をいたしておりませんので、一部にはそういう高い水準の給付がまだ十分受給者の数等におきまして実現されるに至っておらないという点はございますけれども、この制度も次第に社会の老齢化に伴いましておのずから成熟をしてまいるわけでございまして、成熟に伴いまして、たとえば加入者の負担等も漸次上昇してまいることになるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、この水準の実質を将来にわたって維持しながら、健全な財政の裏づけをもちまして、国民が安心して頼れる年金制度を将来にわたって確保、維持してまいりたいということが現在の課題であると存じております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 ゆうべでありますか、年金の官民格差是正へ大蔵省検討と書いて、給付年齢引き上げというような記事が出ておりましたが、これは事実であるのかどうかお伺いしておきたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 新聞の記事がどのようなところから出ましたのか私どもはわかりませんけれども、共済年金につきましてただいまの支給年齢それから退職後の併給制限のことが触れてあったと存じますが、この二点につきまして、これを改正する目的をもって内部的にでも検討を行っておるという事実は全くございません。  ただ、私どもは共済年金の制度はそれといたしまして、制度全体にわたる根本的な検討を行う時期であると思い、数年前からそのような検討を審議会等を通じて行っていただいておりまして、そこで挙げられておりますいろいろな問題点の中に、たとえばそのような問題もその一つとして検討対象という意味で挙げられていることは、これはまた事実でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 参考までにちょっとお伺いしておきますが、これは労働の衛生学に関することで、担当ではないかと思うのでありますが、身体的能力と精神的能力において、大体年齢層に基づいてどの程度の段階に来ると能力が落ちていくか。これは労働科学研究所その他の方々が研究をされた結果の発表であります。もちろん精神的能力の方が落ちるカーブは少ないことはもとよりでありますが、いわゆる現業関係、身体的な能力において落ちる年齢というのは四十五歳、しかもこれは成功をしている人と成功をしていない人とは大分違いがあるようであります。うまくいかない人の場合は四十三歳ぐらいから老齢化現象が激しく進んでいく。これは御存じなのかどうか、その点ひとつお聞きをしたいのであります。それから、しかも成功してタフさと知恵というものを持っている人においても、大体五十二、三歳がカーブの切れ目になってきている、こういうふうな一つの身体的能力というものが出てきております。精神的能力においては、確かにうまくいっていない人は四十四、五歳から精神的能力で老化現象を起こす、成功者の場合については六十一歳ぐらいがピークになっている、こういうことがいわゆる衛生工学的な立場からいろいろと出てきているわけであります。  年齢と労働医学といいますか、そういうものとの関係を考えてみて、ここに新聞に出ておりますことが検討されているという言い方をされながら、そういうふうにもし引き下げるような、お互いに足の引っ張り合いをしながら日本の社会保障制度というものを考えるような姿勢は許されるべきではない、こういうふうにも思うわけでありますが、その参考資料として以上の数字を申し上げて、その考えている方向というものについてお聞きをしておきたい、こういうふうに思ったわけであります。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 ただいまお示しの資料につきましては、まことに不勉強で存じておりませんけれども、ただ御指摘のいまの内容につきましては、私どもが一般に世上観察いたしますところと符合しているのではないかと存ずる次第でございます。  いまの支給開始年齢の問題につきましては、現在の公務員の雇用の実態がどうであるかということとあるいは非常に関係があろうかと思うのでございますけれども、たとえば共済年金の受給者の新規の平均年齢は、恐らく最近の実績では六十歳に近づきつつあるのではなかろうかと思っております。世上の労働慣行のようなものが、緩やかではございますけれども、定年延長と申しますか勤労期間の延長の方に動いているという事実はまた事実としてあると存ずるのでございます。  ただしかし、私どもの共済年金制度の検討と、ただいま申し上げましたことは直接関係はございません。これはこれで、制度全般の問題といたしまして、他制度とのバランス等も考えながら、十分今後慎重に検討いたすべき問題であると思っております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 国鉄の関係でついでに聞いておきますが、国鉄は五十七歳まで退職年齢を延ばしました。しかし実際に退職をしていく人たちの傾向というのは、五十四歳なり五十五歳というような傾向において退職していく率の方が高い。なぜであろうか。どういうふうにお考えになっておられるか。私の方が述べる前に、国鉄側としてはどう判断をされているのか、その点ひとつお伺いをしておきたいと思います。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○杉浦政府委員 御指摘のように、昭和四十九年度末をもちまして、従来のいわゆる退職勧奨年齢の五十五歳を二年延長いたしまして五十七歳にしたわけでございます。私どもの予想し、また国鉄の予想したところでは、かなりそれで五十七歳までがんばるであろうというふうに予想したわけでございますが、現実の姿は、いまおっしゃいましたように従来どおりの五十五歳でおやめになる方が六割以上を占めておるのが現状でございます。  なぜこういう実態であるかということにつきましてはいろいろな要因があろうかと思いますが、従来の長い慣行である五十五歳というものを目指しまして、五十過ぎからそれぞれの職場のそれぞれの方が次の第二の人生というものを設計しておる。そうした第二の人生の設計につきましては、むしろ早目にやめて早く次の出発をしたいというような気持ちもあったのではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 以上のような点で、たとえば、私は現業にいる者の声を聞くわけでありますが、製かん職場にいる者は難聴になる、かじ職場にいる者ば恐らく相当な高温の中で塩をなめなめ仕事をしなければならない、あるいはハンプにいる者は走っている車に飛び乗っていかなければブレーキはかけられない、そういう状況の中で仕事をしているわけでありますから、当然いま言った六十歳なんというような年齢でそういう作業ができることは不可能に近い。だからやめたときにはどういうことを言うかと言えば、結果的にはそういう労働職から離れて、用務員でもいい、あるいは病院の下足番でもいい、あるいは掃除夫でもいい、ともかくいままでの労働の苦痛から離れたい、こういうのが本音ではないか、こういうふうに思うわけなんでありまして、そういう点の認識については、国鉄なりの現場を見ている者の立場としてはどう把握されているか、その点まずちょっとお伺いしておきたいと思うのです。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○杉浦政府委員 国鉄の職種は非常に多岐にわたっております。現業のところが非常に多うございまして、ただいま御指摘のような線路保守その他かなりの重労働というような職種もかなりの数を占めておるという点は事実でございます。したがいまして、新しい職場というものにつきまして早目に検討するということもあるいはあるのではないかというふうに思うわけでございますが、詳細につきましてはなお十分に調査いたしませんと、よく事情がわかりません。

沢田広日本社会党

○沢田委員 全然別の問題に入りますが、大正十二年にできました軍人恩給の問題についてちょっとお伺いしておきたいと思うのであります。  公務員の恩給問題を論ずる場合、あるいはまた自民党の加藤紘一ですか、速記録では「加藤(紘)」とありますから加藤(紘)、こう言っておきましょう。そういう議員が質問されたことに関連をしまして、恩給の出発というもの、これは明治八年太政官達をもって公布された陸軍武官傷痍扶助及ヒ死亡ノ者祭粢並二其家族扶助概則、こういうものが明治八年に発足した。同年に海軍退隠令が出て、明治二十三年に軍人恩給法の制定を見た。文官については明治十七年に官吏恩給令というものが太政官達によって制定された。そして明治二十三年に官吏恩給法に発展をして大正十二年に恩給法の制定になった。こういう歴史の恩給というもの、それでいまや百分の二の恩給納金というものを納めてそれぞれが来たわけであります。  こういうふうな経緯をたどってみました場合に、この前もこの委員会で質問をしたことでありますけれども、公務員は無定量の業務、無制限の業務、こういうような一つの任務をしょっていた背景というものを持ち、それだけの制約を受けながら仕事をしてきた、そういう一つの要素もあっただろう。また一つは、いわゆる藩閥政治の一つの名残としての士農工商的な発想のいわゆる封建制というものもあったであろうということは言えると思います。これが昭和三十四年まで、国鉄の場合は昭和三十一年まで続いたのであります。これが一応簡単に言った恩給の歴史だと思うのであります。  この軍人恩給は、マッカーサーによって途中で停止をされたわけであります。ところがサンフランシスコ条約によって新たに復活をした。敗戦ということによって恩給法は一時停止になった、いわゆる御破算になったという事実もあったと思うのです。ところが、この軍人恩給がサンフランシスコ条約によって昭和二十八年復活をされて、いわゆる戦傷病者戦没者遺族等援護法、こういうような名称とともに復活をしたわけであります。  こういう経緯にかんがみて、これらの点はうま過ぎるということの部類に入るのですか。それともどういう趣旨に立ってこの軍人恩給というものの成立の要因はあるということになるのですか。たとえば、加藤(紘)議員の論から言えば、これはどういう論拠で成り立つということになるのか、その点ひとつ当局から御説明をいただきたいと思うのであります。

手塚康夫総理府恩給局恩給問題審議室長

○手塚説明員 先生、ただいま恩給の歴史についてお話しいただいた点、全くそのとおりだと思います。確かに軍人恩給が、終戦という特殊な事態がございまして評価が変わり、連合軍の覚書もございまして二十一年に廃止され、独立という機会もあり、それの見直しということもございまして二十八年に復活した。そのいきさつはいろいろございますが、いまの制度においてはいろいろな見方がございますが、当時やはり国家補償の最たるものとしてございました一つの国の約束として、戦地に送り出し、不幸にして亡くなられた場合には国がその後めんどうを見る、あるいはけがをされたら将来のめんどうを見る、あるいは相当年限務めた場合にはその苦労もある程度補償しようという約束だったわけであります。それが当時の社会情勢によって廃止をされた。それがためにきわめて困窮な状態に追い込まれた遺族の方等もおられた。その点にかんがみまして、戦前そのままの形ではございませんが、二十八年に復活ということになったのだというふうに私ども理解いたしております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 私はそういうことを聞いているのではなくて、加藤(紘)議員の言う論拠から言うと、いわゆる官尊民卑という言葉で表現をされて、これはマスコミが言っているのかもわかりませんけれども、そういう言葉で言っている受給者二百五十万人、全体で二百九十万人ぐらいいるのですか。普通恩給百三十三万人、そのうち軍人が百二十四万人いるわけですね。扶助料で、百二十一万人いる中で軍人が百十一万人。傷病の関係で十四万人、これは全部軍人だけですね。これの支給されている金額は、百分の二を掛け、あと勤続年数に百五十分の一を加算していったという仮定本俸をつくっているわけです。この仮定本俸をつくっているのは、当時、戦前ですから、一円とか、二円とか、五円とか、そういう金額であったことは事実ですね、その五円であったという金額を今日仮定本俸に引き直して支給をしていくいきさつというものはどういうことになっているのか、その点の経緯をやはりはっきりしてもらわないと、これはいま言った加藤(紘)議員の疑問に答える道にならない。ですから、その点もはっきりしてもらわなければならないのですね。なぜ六十九万なら六十九万の金額が出てきているのか、そういう根拠をひとつ明らかにしてください。

手塚康夫総理府恩給局恩給問題審議室長

○手塚説明員 恩給は、共済年金も同じでございますが、一つには最終俸給、それから一つには在職年数、この二つの大きな要素でもって恩給年額を算出しているわけでございます。  先生は、そのうちの仮定俸給の経緯を簡単に説明しろということでございますので、軍人恩給について言いますと、仮定俸給、まあ当初から仮定俸給ではございませんでして、大正十二年に現行の恩給法ができましたときに、恩給はその階級、それから在職年数に応じて定額的に恩給年額を定めていたわけでございます。これが大正十二年の恩給法ができる前にも実は金額がいろいろな法律で定められたわけですが、それを引き継いで、そのときに多少改善した形で定めておるわけです。  その定め方は、当時の軍人の実俸給を基礎にしまして、大将ですと当時七千五百円が実俸給でございましたが、それを最低在職年の十一年の場合にほぼ三分の一の二千五百円というものを定額的に恩給年額として定める。片や下の方にまいりますと、たとえば二等兵、兵でございますと四十三円二十銭という額でございました。これの三分の一というとえらい低いことになりますが、実はこれについては百五十円という定額を定めております。これをずっと見ますと、大将はそういうことで三分の一ですが、下の方は、いわゆる上薄下厚ですか、かなり高い金額を恩給年額として定めております。これは一つには兵の給与自体が、やはり営内居住というようなこともございまして低く定められている、それを基礎にしたのでは退職後の恩給の基礎としては不適当だというふうに判断されたんだと思います。  これが昭和八年になりまして実は実俸給の方は若干下がったのですが、俸給年額は、仮定俸給年額はほぼそのままでございますが、ただ八年に方式を変えまして文官と同じ形、恩給年額そのまま定めるのではなくて仮定俸給年額を定めて、原則としてその仮定俸給年額の百五十分の五十を基礎にいたしまして、一年を超えるごとに百五十分の一という文官について適用する方式を軍人についても仮定俸給という形で取り込んだわけでございます。その形が自来終戦時まで続いておりまして、終戦時にこれが廃止になったということであります。  それで二十八年に復活する際には、この終戦時廃止の際の金額に対応する文官の実俸給の金額、これとの対応を考えまして、文官の方の実俸給で算定しておりますその俸給がどのくらいに相当するようになっているか、上がっているか、それに対応して二十八年にそれぞれ、兵の金額なら四百五十円でしたか、上げて定める、そういう形で復活の際に定めました。以後は文官と同じく通し号俸の仮定俸給に乗せて、その仮定俸給を、最近であれば公務員給与にならって増額しておりますが、その仮定俸給に乗せて恩給年額を算出する、そういう方法をとっているわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 では、これは別の分野か、同じでも結構ですが、軍人恩給を支給している今日的な課題といいますか、趣旨というものはどういう位置づけを持っているのですか、その点ひとりお答えをいただきたいと思います。

手塚康夫総理府恩給局恩給問題審議室長

○手塚説明員 これは先ほども多少触れましたが、一つには、やはり国家補償という観点から、かつて国の約束としてそういったものを出すというふうに言っていたわけでございまして、確かに恩給だけが年金制度を持っているという時代もあったわけでございますが、そういう考え方は別にいたしまして、当時そういう年金制度を約束した。たとえば軍人で短い方であれば、実は帰られてまた別の職業につかれて、そこでまた稼得があるということもございますが、亡くなった方の遺族であるとかあるいは負傷をされた方のような場合にはやはり稼得能力を損じているわけでございます。そういった方に対してはそれ相応に生活のできるように補償をしていかなければいけないのじゃないか。また、そうでない方につきましても、一定期間たとえば戦地で苦労されてきた、その期間に見合った補償、これは行っていくべきではないか、そういうふうに考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 この問題ばかりやっているわけにいきませんが、ちょっと一番最後の、苦労されてきた実績にこたえると言われた言葉、それはどういう意味ですか。

手塚康夫総理府恩給局恩給問題審議室長

○手塚説明員 これは、実は加算年のことを頭に置いて言ったわけでございますが、通常戦地へ五年行きまして、五年だけですとこれは年金権に達しません。ただ、戦地などに行った場合には、その一カ月に三カ月を加えるというような加算制度がございます。そのために、実は五年行っていても十二年の年金権に達している人がいるわけでございます。  実は、最低保障等で、現在五年の場合には五年として扱っている点はございますが、そういった年数評価が同じ一年をより多く見ているというような点もございますので、そういった評価を加えつつそれに応じた年金を出していきたいと思っておるところでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 では簡単な質問にしておきますが、これは内地においても軍人に劣らず相当苦労されていた方々もおられただろうし、あるいは北支、南支において軍属あるいは国鉄関係で言えば派遣という形で、これは継続にはなっておりますけれども、そういう形で従軍していた方もおられると思います。あるいはもっと、町の中で、B29によって、一生懸命消火作業中に死亡された方々もいるわけです。そういう苦労された実績からというのは、ある意味においては当時の全国民が恐らく苦労されてきた実績になるのじゃないか、その差はどういう線引きをされているわけなのでありますか、その点お伺いしておきたいと思います。

手塚康夫総理府恩給局恩給問題審議室長

○手塚説明員 これは、私どもの方から申しますと、恩給法という性格からの範囲づけをいたさなければいけないわけでございまして、もっと広く国としての線引きというふうに質問を受けますと、私ではちょっと答弁しにくいわけでございますが、恩給法の体系からいきますと、これはあくまでも恩給公務員の年金として、たとえば官吏の場合でも下の雇用人等は対象としてなかったというようなこともございまして、そこで線引きをされている。軍人の場合も、正規の召集を受けた軍人は対象としておりますが、軍属等は対象としていないというごとになっております。  そういった制限、これはずっと昔から来ているものですから、先生お挙げになったような個々のケースについて比較をしてどうだと言われますと、個人的にはお気の毒だと思うようなケースも多々あるのは事実でございます。ただ、制度としてはやはり公務員に関する年金法である、そういう制限をおのずから持っているという点が一つの重要な制約であるというふうに考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 相当無理があるということであるし、アンバランスがあるということの事実さえこの点はわかれば、次の問題に入っていきたいと思います。  次に、さきの国会におきまして、附帯決議がされているわけであります。八項目について附帯決議がなされているわけでありますが、特にその中の八項で「公共企業体職員等共済組合に関する制度について、学識経験者等により調査審議する機関の設置について検討すること。」こういうふうに附帯決議がされております。  これは二つの視点があるのでありますが、一つには、この附帯決議についてどう処置をなさってこられたかという質問がまず一つあるわけです。それからまた、法制上といいますか、たてまえ上の問題として、この審議会というものの立場がどうあるべきかということについては私なりの意見がありますが、まずこの附帯決議の進行状況について、国鉄なり電電なり専売なりについては、これを受けてどういうふうにやってきたのか、一言ずつお答えをいただきたいと思うのです。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○杉浦政府委員 各公企体のそれぞれの立場を一括いたしましてお答えを申し上げたいと思います。  前回の附帯決議を体しまして、私どもといたしましては、公企体に審議会を設けることの検討を続けてきたわけでございます。各公企体の所管省である大蔵、郵政、運輸あるいは法制局あるいは総理府等々の関係の役所に相談をいたしまして、この御趣旨を実現するための制度的な仕組みをどうしたらいいかということにつきましていろいろと検討をいたしました。  問題といたしましては、この公企体の所管が三つの役所にまたがっているというところに非常に難点がございまして、現在に至りましてまだその検討の成果を見ていないわけでございます。今後も引き続き検討をしたいと思っておる次第でございます。  第二点の、この審議会としての法律的あるいは制度論的な意義づけの問題でございますが、私ども従来行っておりますものは、各省あるいは各公企体間の格差是正あるいは国共等との格差是正という問題につきまして鋭意検討をいたしておるわけでございますが、それらの具体的な第三者機関的な場といたしましては、各公共企業体のそれぞれの総裁の諮問機関である運営審議会というものがございまして、この運営審議会におきまして労使それぞれの立場からの御議論が行われております。  それから、もう少し土俵を広げまして、全体的な場といたしましては、社会保障制度審議会というのがございまして、この審議会に公企体法の改正の都度御諮問をいたしましていろいろと御検討を願っておるというのが実情でございますし、また、各種公的年金の調整問題につきましては、総理府にそうした調整機関も設けまして検討を続けておるというのが従来の制度論的な状況でございます。  先ほど申しましたように、公企体が三省にまたがっておりますので、公企体全体にわたりましてこれを一本にまとめて議論するということが非常にむずかしいわけでございますが、実際問題としてそういうことで調整を図っておるということが実態でございます。  なお、附帯決議の趣旨につきましては、今後とも十分検討を前向きに進めたいと思っております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 抽象的な答弁ですが、時間の関係がありますので、特に鋭意努力してもらうことをお願いを申し上げて、もし時間があれば、またもう一回戻りまして若干私の方から述べさせていただきたいと思います。  続いて、これはやはり加藤紘一議員から出てきている問題に関連をしまして、どうしてああいう数字が出てきたのかということで、若干この内容を詰めてみていかなければならぬだろうと思うので、さっきの軍人恩給とも関連をするわけですが、国鉄共済年金の平均額を私が調査をしましたときには、国鉄は昭和三十一年まで千分の二十いわゆる恩給納付金を納めていた。そうして昭和二十七年当時には千分の五十であった。そうして、昭和二十八年の十月においては千分の四十九ですから、二十を加えると六十九納めていた。それから昭和三十一年の七月段階では千分の六十三を納めていた、こういうことになるわけです。公務員の場合は、昭和三十四年まで結果的に千分の二十を共済組合掛金以外に納付をしていた、こういう歴史的な過程があるわけです。それで、昭和三十四年に打ち切られたときに、さっきの仮定本俸と同じような、当時三十四年というと三万円ぐらいのベースですか、あるいはそういうような状況にあった。一方の厚生年金については、昭和十七年に始まったときには千分の三五の二分の一だったと思いましたが、その程度の金額にしかすぎなかった。そうすると、片っ方は千分の七十、片っ方は千分の三五の二分の一こういうような基準で出発したところに一つ今日のアンバランスが生まれた原因があるのではないかと思うのでありますが、その点の経緯と、その解釈についてお伺いをしておきたいと思うのです。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 共済組合関係におきますところの掛金負担の沿革につきましてはただいま御指摘のとおりでございます。  厚年につきましては厚生省からお答えをいたします。

高峯一世厚生省年金局年金課長

○高峯説明員 厚生年金の保険料率でございますが、制度発足当時の昭和十七年の六月は千分の三十二、三・二%でございます。以後逐次増加してまいりまして、現在は千分の九十一、九・一%でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 それで国鉄の退職年金の平均を見ますと、現在十五万五千六百三十九人退職者がいるわけですが、平均をしますと百六万七千二百二十八円ということになります。これも平均勤続年数は三十二年であります。四十九年度のときには七十九万五千五百八十三円でありました。遺族とか廃疾は一応除きます。それ以外に、これは自治労というか、自治体関係を見ますと、これの四カ月分ですから、これは県の分ですが、千四十二人で三十三万ですから、大体二十二万ぐらいです。     〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕 それから五十二年一月分の支給区分でいきましても同じような数字であります。それから学校関係の分で見ますと、これは恩給の退職年金、県の退職者の年金と恩給の支給状況、この場合でも三十三万が一人当たりの平均給与額ですから、百三十三万ぐらいになっております。  それから、この加藤(紘)議員が言われているような金額はそれぞれのいろいろな調査を見ましても出てこない。どういう階層の人を対象にして、政務次官は恐らく職員でなくなってしまうのですから、そうなると部長クラスなのか、一等級の一号俸という関係の職員なのか、その辺の出てきた数字の根拠はどこら辺を皆さんとしては受けとめておられるのか、その点ちょっとひとつ御答弁をいただきたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 二つの点につきましてお答え申し上げたいと存じます。  まず、既裁定年金の平均水準の問題でございますけれども、昭和五十年度末の厚生年金の平均水準が年額六十六万八千円でございますのに対しまして、共済年金の平均額は百五万一千円でございます。この間に五七%の差、一〇〇対一五七という関係があるわけでございます。ただ、この場合には厚生年金の受給者の平均の加入期間を見ますと、これは二十一・八年加入された方の平均受給額でございます。一方の共済年金の受給者について見ますと、これは三十年加入者の平均受給額でございます。したがいまして、加入期間におきまして相当の差異がございまして、これが年金額の差異を生じた主たる理由であると考えております。  次に、年金額について非常に高い者がどうやって発生するのかという御質問でございますが、現在の共済年金制度におきましては、御承知のように年金計算のもとになります最終俸給の本俸額には頭打ちがございます。ただいまの制度では三十四万円が頭打ちでございまして、これを超えて本俸を受けておりましてもそれは年金の計算基礎にならないわけでございます。また年金の最高限度にも頭打ちがございまして、最終の本俸額の、最終のと申しますのは一年平均の意味でございますが、本俸額の七割が限度となっております。したがいまして、現在の共済年金制度のもとにおきましては受給し得る年金の額にはおのずから制限があるわけでございまして、その一番長期間在職した場合、つまり四十年間にわたって在職した場合で、かつ最終の本俸額がいまの上限の三十四万円に達しておられる方の場合で年間の年金としての受給額は二百八十五万円程度でございます。それを超えます部分につきましては前の恩給の制度の影響が残っている場合でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 現在の厚生年金の関係は昭和五十一年度の改正で千六百五十円掛ける、これは二十八年勤続と仮定をしますと二十八年プラス十三万六千四百円に千分の十掛けて二十八年分、それに妻がいる場合に六千円、そうすると九万三百九十二円、これが昭和五十一年度改正の厚生年金の支給額の基準である。そうしますと、これの年額で十二カ月分ということになると、大体百八万円ぐらいに、常識的にモデルということになりますかどうかわかりませんがなる。こういうことになると解釈できるのですが、その点はいかがです。

高峯一世厚生省年金局年金課長

○高峯説明員 御指摘のとおりでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 それで、結果的にはこうならない原因というのはどこにあるかというと、いまの説明がされたようにその出発当時の非常に低いベースのときのいわゆる二十八年分の平均給与という標準報酬をそのままスライドしていかなかったところに原因があるのではないのか。このまま九万三百九十二円にすべての人が適用されないということでしょう。その点いかがですか。

高峯一世厚生省年金局年金課長

○高峯説明員 年金額の計算の基礎となります標準報酬につきましては、過去の分につきましては再評価をいたしております。したがいまして、低い水準のものは標準報酬の伸びに応じまして再評価をしておりますので、その点の影響によって低いということはない仕組みになっております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 そうすると、現在まで四十六年の当時から四十七年、四十八年とこの官民格差というふうに出てきております数字は、昭和五十一年度には八十七万に厚生年金は引き上げられてきて、漸次近づきつつあるわけですが、これをほぼ同じ額にするために必要なのは、この基礎額である千六百五十円というようなものを上げるかあるいは千分の十を千分の十五とするかどっちかにもとがあるのだと思うのでありますが、その辺の配慮というものはできないのかどうか、その点ひとつお伺いしておきたいと思います。

高峯一世厚生省年金局年金課長

○高峯説明員 厚生年金が共済年金に比較しまして現在の平均受給額が差がございますのは、先ほどの話にございましたように厚生年金の成熟度がまだ達しておりませんで、平均資格期間が二十年ちょっとでございます。それが三十三年ある人たちの平均と比較いたしますと、どうしても年金額は低くなるということがございます。  いまおっしゃいましたように、年金の計算方式を変えるかどうかという問題でございますが、厚生年金につきましては諸外国の民間労働者に対する年金の水準、そういったものを加味いたしまして、いろいろな点で検討いたす必要がございますので、いまおっしゃいましたような考え方でどうなるかということは実は私どもまだ算定しておりません。厚生年金の水準をどうするかにつきましては、現在、大臣の諮問機関でございます年金制度基本構想懇談会でも御検討いただいておりますので、その線に沿って改善をいたしたいと考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 今度は大蔵省関係にお伺いするのですが、年金というもののあり方なのであります。加藤(紘)議員もこう言っているわけですが、これを敷衍しまして分離課税にするという方法を考えることはできないかどうか。いわゆる併給の問題があるわけですが、併給の問題を解決する唯一の道は分離課税にあると思うのであります。これは同じ一つの制度のたてまえの中では併給できない、これはそのとおりなんです。たとえば三公社の中で継続するということはあり得ない。公務員の中で継続するということは、たとえば学校の先生をやって市役所へ行ったからといって年金をもらうというわけにはいかない、こういう一つのプールは厳然として存在するだろうと思うのです。  そこで、これを解決する道は年金を分離課税することである。税率をどう定めるかについては別問題です。これは私はここで議論してない。いわゆる分離課税にするという制度をつくることによって、いま言っているいわゆる併給の問題について、新しい職場についた、そして新しい職場で新しいものをどうもらうか。国鉄なんかの場合は年金プラス給与で大体もとの給料をというのが大体相場になってきておりますけれども、それがどうなるかは別問題として、一応新しい職場についた給料はあくまでも勤労所得として整理をしていく、年金は年金として処理をしていく、こういう一つの立て方というものがこれからの時代に即応していく道につながらないか。それが問題の解決——片方は二千三百万の中だからダブる率が多い、片方は八百万なりの人間なんだからダブる率が少ないんだ、その分が不平等なんだというのが加藤(紘)議員の言わんとしていることなんです。しかし、たてまえとしては、要するに同じプールの中で併給ということはあり得ない、これはそのとおりだと私も思うのですよ。ですからそれを合法化していくためにはやはり分離課税をする。これも自民党を代表して質問に立たれたのだと思うのですから、与党である自民党が私も言っていることに賛成されれば、これは結果的に、あとほかの党の皆さんがどう言われるかわかりませんが、もし全党が一致して分離課税という形になれば併給ということは可能になる。ですからそういうことについてどうお考えになっておられるか、ひとつお聞かせをいただきたいと思うのです。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○大倉政府委員 ただいま御質問の御趣旨を、あるいは私間違えておるかもしれませんが、まず税の立場から申し上げますと、御承知のように現在企業からの退職年金もいわゆる公的年金も全部給与所得として課税をいたすことになっております。これを分離課税するかどうかという問題になりますと、まさしくそのものの示すように毎年所得となる性質のものでございますから、これを何年かに一度生じた退職金でございますとかその他現行の所得税本法で分離課税としておるようなものと同じように考えるというのにはなかなか問題が多いのではないだろうか。分離課税することが併給制度の解決に役立つかという問題につきましては、ちょっと私いますぐにお答えをいたしかねるような気がいたします。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 税の問題につきましては主税局長からお答えいたしましたが、年金の併給の問題につきましては、ただいまの制度では各種の並列しております年金グループがございますけれども、原則は、その年金のグループから一定年限をたちました後に外へ出てまいりますと年金の支給が開始されるということが原則でございまして、これはたとえば共済の制度から外へ出てまいりまして、厚年あるいは国年の方に参りますと、資格年限を充足しておりますれば年金の支給が開始されます。  ただこれは、たとえば逆の場合で、厚生年金のグループから一定年限に達しました後に表へ出まして国民年金のグループに行く、あるいは場合によっては共済のグループに入るといった場合にも同様に年金の受給は開始される制度になっておるわけでございます。唯一の例外が、厚生年金におきますところの在職老齢年金制度でございます。したがいまして、この問題は、課税の問題と申しますより、現在の段階では公的年金制度の相互間の調整をいかなるふうにとるのがよろしいのかという角度から検討いたす問題であろうかと思います。また、今後の公的年金制度につきまして種々基本的な検討が行われておりますので、そういった場での根本検討にまつ性質の話であろうと存じております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 税金の税率のことは別にと言って私言っておるわけですね。たとえば退職金は一千万までの免税点があって、分離課税をやっていますね。同じように、じゃ年金というのは勤労所得かというと、性格上勤労所得でもないと思うのですね。いわゆる過去に働いてきた——どう位置づけるかは、これは別ですよ。どう位置づけるか、三つの解釈があると言われているわけですから、いままで過去の賃金が少なかった分を補って足されたものが共済年金だ、自分も掛金を積んでいたのですから保険みたいなものなんだ、言うならば、過去の自分で支払いをして半分ずつ折半で積んできた分を後払いでもらった分なんだということの一つの解釈がありますね。それから明治の時代には、恩典的なものだったんだ、恩恵的なものなんだという発想もあったわけですね。それからあるいは今日の義務的なものなんだ、最低生活を保障していくときの義務的なものなんだと、まあ発想はこの三つの論があるわけです。  そのことは一応さておいて、年金というものをその年度働かずしてもらうのですから、実際に労働が伴わないでもらうのですから、勤労控除というものが伴うか伴わないかという点については議論が出てくるところだろうと思うのですね。ですから、年金というものについては、税率をどうするかは別として、分離して扱うというのが本来のあるべき姿ではないのか、たてまえとしては。そして、どう税金をかけるかについては、これは別の立場で考えるというのが筋道なんじゃなかろうか。たとえばそこで、じゃ年間七十万なら七十万、百万なら百万所得があれば、そこの年金と合わして二百万が年間所得だ、そして勤労控除でかけるというのは少し邪道じゃなかろうか。まあ邪道と言うかどうかわかりませんけれども、少し税制上不合理じゃないか、こういうふうに思う。その点、ちょっとお答えをいただきたい。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○大倉政府委員 年金、恩給を給与所得として課税上取り扱う、これは法律でそう規定しているわけでございますが、一番基本にございます考え方は、やはり恩恵的に過去勤務についての補充的な支払いという点をかなり重視して、そういうようにかなり長く続いている制度でございますから、そのような処理を税法上しているというように考えるのが素直であるかもしれませんけれども、全く勤務関係のないところから出てまいります公的年金につきましても、現行の税法ではこれを給与所得として課税することにしておるということは、まあこれは言葉が適当でないかもしれませんが、いわば公的年金を受けられる方の負担を、結果的にそれなりに軽減している。まさしくおっしゃったように、勤務がない段階で毎年受け取られるものに給与所得控除というかなり大きな控除があるということは、結果的にその負担をかなり軽減するシステムになっておるということは申せるかと思いますが、その点を考え合わせました上で、さらに、年金は年金額の大小だけで税負担を考えた方がバランスがとれるかということになりますと、これは私どもとしては、他の所得では二百万あって年金も五十万受け取られる方と、他に全然所得がなくて五十万の年金を受け取られる方と、それはやはり分離課税でない方がむしろいいのではなかろうか。年金自身の負担の問題につきましては、それは老齢者年金控除という特別の控除がございましたり、あるいは勤務関係がないものであっても給与所得控除を適用するという結果になるように給与所得課税をしておったりという、そちらの方での配慮がなされているというのが現在の仕組みではなかろうかというふうに考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 勤労が伴わないということについては、そのとおりでしょう。ですから、勤労控除を当てはめるということ自身に矛盾があることも事実でしょう。たとえば軍人恩給にしてみてもその他にしても、勤労が伴わない。だとすれば、一応それを合法化していくということは、一つの——これは私の方は逆な意味で言っているわけですが、これは分離することが正しいのじゃなかろうか。税制は別だ、税金のかけ方は別だという。どうかけるかはこれからの問題として考えればいいのじゃないか。問題は、年金というものを分離課税にという方法にすることによって、今日までのいろいろな問題を制度化していくといいますか合理化していく道につながるのじゃないか。あるいは併給という問題も解決をしていく、こういうことにもつながる。併給の問題も解決を、たとえば年金は年金としてもらっていい、そして働いたら働いたで勤労所得として取る。その税金をどう取っていくかということは別問題だ、あるいは年金は年金としてどう取るかは別問題だ。そういうふうな税制の立て方が、本来あるべき姿に近づくのじゃなかろうか。その税率というものを決めちゃってかかると、これは誤解を生じやすい。いわゆる所得というもののあり方として、そう分けるのが正しいのじゃなかろうか。時間の関係がありますから、簡単にひとつお答えをもう一回——御検討いただけないかどうか。そのことがこの問題でいろいろと出ているものを解決していく一つの大きな突破口になるのじゃないかというふうに思うのですが、勤労所得と一緒に合算するというところに、やはり併給の問題が問題になるのだし、あるいはいろいろな矛盾も起きてきているわけですから、年金を分離するということを退職金と同じような意味で考えていくということは可能なんじゃなかろうかと思うのですが、いかがでしょうか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○大倉政府委員 お言葉ではございますけれども、どういう所得を得るかということは、これは年金制度の方の問題としてお考えいただきたいし、結果的に給料もあり、年金もありという方と、年金だけがあるという方との課税をどうしたらバランスがとれるだろうか、毎年の課税として、という角度で考えますれば、これはやはり総合して所得を算定して税負担をしていただく方がよりベターではなかろうかということを依然として私は考えますので、その御議論の過程で公的年金の分離ということについては、勤務関係が直接にないのに所得控除を与えるのは、制度として若干問題がありやしないかという点はそうであるかもしれませんから、それは結果的にいま負担軽減になっておりますから、いま直ちにこれを給与所得から外して別の所得として構成するということも、なかなか簡単にはいかないのではないかという気もいたします。退職所得というのは、やはり何年かの勤務に関連して補充的に支払われるものが一度に来るもので、超過累進の率を考えればこれは分離課税にした方がいいという思想で出ておるわけでございまして、年金というのはその名のとおり、毎年継続して出てくる所得でございますから、それを退職所得と同じような考え方をとることは、いまの所得税の考え方からはなかなか出てきにくいのではないかというふうに考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 若干すれ違いの議論になっておりますけれども、これから後の質問者を通じて、勤労所得であるという議論についてもやはり問題があるだろうと思うのでありまして、その辺の取り扱いは分離課税が一番合法的ではないかというふうに私は考えているわけであります。  続いて、では次の問題で、これも加藤(紘)議員が盛んに言っておりました整理資源の問題であります。  これは先ほども私が述べましたように、大正十二年以来ですか、恩給納金というものを納めてきている先輩各位あるいは同僚というものが、昭和三十一年ないし昭和三十四年で打ち切られた。その打ち切られたものを現在軍人恩給と同じような、軍人恩給と同じでありませんけれども、それを仮定本俸に引き直していった場合の金額がいわゆるこの整理資源といいますか整理財源という名目に変わってきている、こういうふうに理解をして、いままで失った損害、さっき国の約束だと言われているのでありますが、その国の約束を守るための整理財源が支払われている、こういうことにいま受けとめているのですか。そうすると、これはいつごろまで続くのであろうかということと、そういう解釈でいいのかどうかということと、その二点をひとつお答えをいただきたいと思うのです。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 御質問に対します的確なお答えになるかどうかでございますが、私どもの共済年金の制度の方で整理資源と申しておりますのは、昭和三十四年度におきまして共済年金制度が発足をいたしました。その際に、従来の恩給制度、旧法の共済制度が打ち切りとなったわけでございます。しかしながら、新しく発足いたしました共済年金制度に加入する人々は、当時、すべて恩給公務員等として、過去の勤務期間を持っておりましたので、この恩給公務員としての既得権なり期待権なりをどう処理するかという点でいろいろと議論があったところでございます。その制度的な結論は、従来の既得権、期待権は尊重いたしまして、それらの方々が将来共済年金の受給資格を得られますときに、従来の恩給公務員等としての勤務期間につきましても、恩給の算定方式に準じましたところの計算方式で年金を算定いたす、給付をいたすということで、この恩給制度の切りかえができたのでございます。しかしながら、恩給制度におきましては国庫納金の制度がございますけれども、これは積み立てはいたしませんたてまえでございますから、全く積立金を持っておりません。したがいまして、この積立金が全くないところに給付の負担が生じますので、この差額につきましては、当時の施行法の五十五条によりまして、これを国の負担とすることに定めたわけでございます。この積立金のない恩給の負担を償却するための財源という意味で整理資源という言葉を使っている次第でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 そうしますと、これはいつごろなくなるのかということについてちょっとお答えいただきたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 これは理論的には昭和三十四年前の在職期間を有しておられた方々、それらの方々が恩給を受け取られる限り、昔の年金を受け取られる期間につきましてはすべて旧恩給をお受けになるわけでございます。したがいまして、これらの方々が全部おられなくなる時点まではその負担は続くわけでございまして、さらにそれが遺族に転給をいたしますと、その半分につきましてさらにその期間継続をするということに相なります。それは現在の恩給費の将来と非常に類似した傾向で推移するものと思っております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 そうしますと、これはインフレが続けば続くほどその整理資源はふくれ上がっていくことになるわけでありますし、また同時に、考えてみただけでもちょっと恐ろしくなるような年代まで、昭和三十四年にちょうどやめた人を考えてみれば、その人があと二十年平均年齢で生きているとすれば、ちょうど定年でやめて二十年生きると仮定すれば、もう六十四年、それに奥さんの遺族年金ということになりますと、それでも八十年ぐらいにはなくなるのじゃないですか。もっと続きますか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 実は、昭和三十四年までに退職をなさった方ではないのでございまして、昭和三十四年までに公務員として就職をなさった方につきましてこの恩給期間が残るわけでございます。ただ、これが将来非常に莫大な金額になるのではないかという御指摘でございますけれども、実際には過去の持っておられました恩給期間は年々短くなってまいります。そこで新規発生の過去の恩給期間というものはだんだんと減少をしております。現在の共済年金制度がスタートいたしましたときは、むしろ年金の給付はほとんど全部過去の恩給分と申してもいいぐらいでございましたので大部分は整理資源でございましたけれども、その割合はその後着実に低下をしてまいっております。将来とも年金の給付に要しますところの整理資源の額の割合はずっと低下をしてまいります。ただ金額につきましては、一方で公務員のベースアップ等もございますので、そうにわかに減少するということにはならないと思っております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 そうしますとこれは昭和百年ぐらいにまでなりそうですが、いずれにしてもそういう誤解の生じないような言葉を使った方がいいのじゃないかと思うのですね。整理資源でも、これは言われてみれば間違いのない言葉かもわかりません。いわゆる過去に納めた納付金の分をそのままちゃんと清算をしていった金額がそういう金額になるんだ、軍人恩給ではないのですけれども、そういう計算指数を明らかにしていくことによって誤解を解いていくという努力はやはり必要なことではないかと思います。  続いて遺族年金の問題にちょっと触れておきたいと思うのですが、あなた方をいま殺してしまうつもりではありませんけれども、いま皆さん方がお亡くなりになった場合、もらえる年金というものは二分の一ですね。小さい子供さんがいる人もいるでしょうしいない人もいるかもしれませんが、いないと仮定をして、皆十八歳以上になっている。十八歳がいいか二十歳がいいかこれも議論がたくさんされているところですけれども、いずれにしても遺族年金二分の一だ。常識的に考えて、生活をしていくのに御主人が亡くなられて生活を二分の一に縮めることができるかどうかということを具体的にお考えになられたことがありますか。その点をお伺いしてみたいのです。ふろを半分にするわけにいかないし、電球を半分に減らす、百ワットを五十ワットにして薄暗く暮らせというわけにもいかないし、部屋を半分にぶっ切るというわけにもいかない。二分の一というのはどこから出てきた根拠かわかりませんけれども、長い伝統があるようですが、やはり一人であっても二人であっても——昔は二人口の方が一人口より安く済むという言葉があったのですが、そういうことになると一人の方がより一層経費は高くなる。大体独身者の方は夫婦者の七割掛けぐらい経費はかかる。これはいろいろな生活状態の中から出ている指数です。それらをどういうふうにつかんでこの二分の一をがんこに一生懸命つかんでおられるのか、それをお聞かせいただきたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 最初の御質問の整理資源という言葉等がわかりにくいのではないかという点は、確かに整理資源という用語はよく御説明を申し上げないとなかなか御理解いただけない用語でございます。法律上はこれは追加費用という言葉を使われております。私どもも予算の解説では整理資源の繰入額を幾らということはお示しをいたしておりますけれども、そういう誤解を受けないよう今後とも努力をいたしたいと存じております。  次に遺族年金の問題でございますが、遺族年金が本人年金の五割になっておりますのは、大正時代の恩給制度以後の日本の各種の公的年金を通ずる原則でございまして、諸外国の年金制度でも五割のものもあり、あるいはこれよりもよろしいものもございます。近時遺族年金の水準の問題についていろいろ御議論もございまして、私どももかねていろいろと検討をいたしております。ただわが国の遺族年金制度としてこれをとらえます場合に外国と違います点は、遺族年金の受給資格の点でわが国の制度は緩やかでございまして、たとえば何年以上結婚期間がなければいけないとか、何年以上制度に加入していなければいけないとか、あるいは何歳以上でなければならないとか、外国の遺族年金にありますところのいろいろの制約がない非常に緩やかな受給資格になってございます。したがいまして、この遺族年金の水準の問題につきまして検討いたしますときには、こういう制度問題につきましてもあわせて検討する必要がある。ただ現実に遺族の方々でお困りになっておられる方々がおありのことも事実であるということから、昨年度の制度改正におきまして新たに寡婦加算制度というものを設けまして、真にお困りの方々について手厚い年金が給付できるように制度の改正を配慮したところでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 もう時間がなくなりましたので、最後に二つだけ一緒に簡単に質問をしてお答えをお願いいたします。  まず政務次官に短期共済のことについて一応再確認をしておきたいと思うのでありますが、短期共済の関係は公務員及び三公社いずれにとりましても財源的に非常に厳しい状況になってまいりました。そういう状況の中で、現在三十一日を限度といたしましてそれぞれ組合員の御了承をいただきながら若干の負担増を求めて今年度の急場をしのいだわけでありますが、やはりこれには限度があると思うのであります。ですからある一定の限界を超えた場合は何らかの措置を講じなければならないと思われるわけであります。先般も高鳥政務次官のお骨折りをいただいたわけでありますけれども、お骨折りをいただいたことをこの機会に改めて確認をして、短期共済の危機をこの前確認されましたような方向でこれから善処をしていただく時期に来ているのではないかと思うわけでありまして、その点の見解を改めてお伺いをいたしておきたいということが一つです。  それからあと大蔵大臣に最後にお伺いをしておきたいと思います。  私いまここに持ったのは「賃金総覧」でありますが、モデル賃金というのが一つあります。いま日本の年金の問題を論じているわけでありますけれども、景気のいいときには市役所に来る人もいなかった、公務員のなり手がなかった。高度成長のときには民間企業、民間企業ということで不動産業その他にたくさん人が集まった。人の物はよく見えるという話がありますけれども、そういう時代があったわけです。そして今度は景気が不況になってきたならば、公務員がいいんだということでいま公務員に集まってきている。そういう一つのサインカーブの中に公務員というものは低水準なレベルを営々と続けてきている。それが日本の歴史であったと思うのです。  そういう意味において、モデル賃金などを考えてみましたときに公務員がそういう賃金水準に達しているかどうかを考えてみますと、これはボーナスと賃金と両方言ってみますが、ざっくばらんに言いますとマスコミ関係の方には申しわけないかもわかりませんが、前年度ボーナスの最高は放送・通信などマスコミ関係が六十六万円、次いで六十万円台に不動産六十五万円、銀行・証券が六十一万三千円、生命保険の六十一万円です。賃金の面でいきますと、筆頭は損保の四十四万円、これは部長クラスですね。それから銀行、電力の四十一万六千円、商事会社の四十一万四千円、造船の四十万六千円、マスコミの四十万四千円。賃金のモデルでいきますと、昭和五十一年度大体三十歳から三十五歳の関係で見まして二十一万円ですよ。公務員で三十歳で二十一万円の給料をもらっている人というものは、現実問題としてなかなかいないですね。そういう分の総合的な判断をやはり日本の経済全般の中から判断していくことも必要な分があるんじゃなかろうかと思うのです。  だから、公務員のあるべき姿というものを、人事院はきょう来てないかと思いますけれども、そういう意味において、大蔵省なりあるいは大蔵大臣というものも、全体的な日本の経済の仕組み、業界の仕組み、そういうものの中における年金制度がどうあるべきか、あるいはまた、そういう立場に立って、年金制度というものをどう考えていくことが一番正しいか、そういうふうな配慮が一つ望まれていくべき要素があると思います。あるいはまた、そういうものについてある程度のコントロールを考えていきながら年金制度の掛金を考えていく、こういうことも、同じ金額でなくて、あるいは給与に応じた比例制も当然考えていく必要があるということをこの数字は物語っているのではないかと思うのです。  以上二点をお伺いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

高鳥修自由民主党大蔵政務次官

○高鳥政府委員 短期給付の掛金率の問題につきましては沢田委員からいろいろと御指摘をいただいておるところでありまして、私自身が関係者との折衝の間に御要望のありました点につきましては十分対処をしてまいりたいというお答えを申し上げているところでございます。これら一連の経過を踏まえまして、また、今後の医療保険制度の抜本的な検討等々もあわせまして、十分遺憾のないように対処をいたしてまいりたい、このように考えております。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 職域各分野における給与と申しますか、それからまた、その時によりまして非常に経済状態が分野によって違ってきておるというようなことは、給与なり年金なりを決めていくに当たりまして考慮をしなければならぬ問題だ、かように考えます。では、それをどうすればいいかは、いま卒然として私はこの複雑なる問題をお答え申し上げるだけの用意は心の中にありませんけれども、大変有効と申しますか、有意義なる御意見を承りまして、これはよくかみしめてまいりたい、かように思います。

沢田広日本社会党

○沢田委員 以上で終わります。

山下元利自由民主党

○山下(元)委員長代理 本会議散会後再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三分休憩      ————◇—————     午後一時二十三分開議

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  午前に引き続き質議を続行いたします。山田耻目君。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 共済年金の国公、公企体について質問をいたします。  午前中同僚の沢田委員から多くの質問点が出されまして御答弁いただいておりますが、ただ、あの程度の答弁で、官民格差がこれだけある、特に官の年金優遇というのは整理資源、私も年金問題を扱って十余年になりますけれども、追加費用という言葉は何回も使ったけれども、整理資源という言葉は今回初めて聞くわけです。その整理資源が膨大な金額があって、それがお手盛りで公務員年金には上積みされておるのがこの官民の開きをつくったのだ、国民にわかりやすく知らせるために報道関係はそういう立場をとったのだと思いますけれども、社労委員会において加藤君が質問をして、新聞、テレビ、週刊誌と一斉に取り上げた、そのはね返りが実はきょうの共済年金審議をするこの委員会では無視して通れないわけです。私のところには、私が党の年金委員長をしている関係もありまして、方々から電話がかかってくるのです。一体おまえたちは社会党のくせに、野党のくせに、自民党や政府官僚と一緒になってそういうお手盛り年金をつくっているのか、言語道断である、こういう電話、手紙がたくさん来るのです。私は、一々そうした方に私から弁解はしませんけれども、正式の大蔵委員会で十三日に審議をいたしますから、その審議を通してその中身は明らかにしてまいりたいと思う、決して社労で取り上げられたように、報道されておるように、ああいう格差は存在をしません、こういうことを私は言って、この委員会を見てください、こういうふうにいたしておるわけです。  そこで、時間も多くございませんが、きょうはここに一つの中心を置いて、二、三点伺ってまいりたいと思います。  午前中の沢田君の質疑に対して、部分的にはその違いの実態というのが見えてまいりました。何といいましても、一つは組合期間の長短の中に原因があると思われます。厚生年金は昭和十七年に始まった。しかしそのときには、これは純粋な労働者年金でございまして、俗にブルーカラーというのでございますか、それが昭和二十九年に、ある意味では強制加入的な性格を帯びながら、ホワイトカラーの人たちも含めて、厚生年金は発足されてまいりました。歴史と言えばここなんです。公務員なり公共企業体の職員というのは、お話がございましたが、恩給絡みで来ております。それが公企体の場合は三十一年七月から、公務員の場合は三十四年から、恩給と年金が一本化されてまいります。恩給時代には、これもお話がございましたが、千分の二十という恩給掛金を掛ける、これは国庫納付金として扱われてまいりました。それに古くから共済制度を持っておりました国鉄の共済年金、その掛金も掛けておる、こういう二本立ての旧法の時代をずっと通してきておる。  こうした公務員、公企体年金というのが、申し上げたように三十一年七月、三十四年にそれぞれ一本になっていきました。過去の恩給分についてはそれを通算していく、こういう取り扱いがされておりますから、昭和二十九年、強制加入的な一つの条件を備えて発足した厚生年金とは出発が違う。それが今日、厚生年金受給者の組合年数というのが、昭和五十年で二十三・三年、二十三年と三月です。公務員の場合は三十二・七年、約三十三年です。ここに十年の違いがございます。この違いが、指摘されておるようなあの年金額の違いになっている。この違いを認めない、この違いはおかしいというのならば、私はよく比喩的に言うのですけれども、学卒初任給と退職時の人たちの月給とが同じという論理になっていくのだよと。保険システムだから掛金を掛けてくる、その掛けた長短によって裁定額は異なってくる、この違いが一つは歴史の浅い民間の年金額と公務員の年金額との違いである、こういう説明があの段階でよく述べられていたならば、それが報道されていたならば、国民は今日のような誤解をしなかったのではないだろうか。まず一点、私はそう受け取っていますが、この受け取り方に間違いがあるのかどうなのか、これをひとつじっくりと説明をしていただきたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 ただいま御指摘のございました、厚生年金と共済年金との実際の年金受給額の差の生じた理由といたしまして決定的なものは両者の加入期間の差ではないのかという点につきましては、私どもも事実そのような加入期間の差が大きい点が両者の年金額の現実の差の恐らく相当の部分と申しますか、大部分を説明するものであろうと考えております。  仮に厚生年金受給者間の年金額の比較を考えてみましても、ちょっと私どもいろいろ試算をいたしまして、基礎の数字の手に入りぐあいに制約がございましたので、二十年厚生年金に加入していた人と二十九年厚生年金に加入していた人とではどれだけの相違があるかという点で試算をいたしますと、約六〇%近い年金受給額の相違がございます。共済年金につきまして同様の試算をいたしましても、やはりほぼ同じ程度の受給額の差ができるわけでございます。  その点から、非常に大きな金額の差の生じましたゆえんのものは、厚生年金が現状におきましてはまだ十分に成熟をいたしておりませんので、退職して年金受給者になられる方の平均の加入期間が一般の共済年金に比べまして短いという点が非常に重要な点でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 それなら松下さん、厚年同士の中の長短の開きも当然として起こっておるし、厚年対共済年金の組合期間の開きによって起こっておるいまの差というのは、それぞれ歴史も違いますから、それも多少は加味されるでしょうが、それだけの差が出てくるのは当然という表現が当たりますかどうかわかりませんが、これは不自然ではない、こういうふうに理解されているわけですね。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 そのように理解をいたしております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 そこで、これも沢田君が午前中しておりましたが、数字的に年次別に整理してみたいと思います。  昭和三十四年——昭和二十九年に強制的に厚生年金はホワイトカラーまで入って発足したと申しましたが、このときの掛金率は千分の三十。それを折半いたしますと一般の勤労者の掛金は千分の十五、それが三十四年まで続いてまいりまして、三十四年のこの掛金率を今度は公企体の国鉄と比べてみたいと思います。国鉄は、昭和三十四年、本人負担千分の四十三、厚生年金千分の十五。三十五年、翌年、国鉄は同様四十三、厚生年金は十七・五。四十年——これは大体五年で長期財源の見直しをやりますから、四十年、国鉄の場合は本人負担四十七・五、厚生年金二十七・五。昭和四十四年、国鉄四十七・五、厚生年金三十一。四十六年、国鉄四十九・五、厚生年金三十二。四十八年、国鉄四十九・五、厚年三十八。四十九年、国鉄四十九・五、厚年同じく三十八。五十一年、国鉄は五十三・五、厚生年金四十五・五。五十一年の段階で〇・八%の開きを見せています。ところが、四十四年、六年ころまでは約半分よりちょっと多い程度の掛金しか掛けていない。その掛金率も安く、そうして組合年数も短い。三分の二程度である。当然保険システムでございますから、掛金というものと年金裁定額というものとはストレートに結びつきはしませんけれども、長期財源の算定の基礎には重大な役割りを果たしております。掛金も非常に少ない。今度は逆に、厚生年金に対しては国の補助は二〇%、国鉄に対しては一五%、そういう一つの金額が国庫補助として出ております。いまの年金算定の基準が組合期間が長い、短いでこれだけの差が出たとして不平等を国民に盛んに喧伝をしてしまったということになりますと、国庫が補助し助成をしていくこの金額も、国鉄とか地方公務員共済は一五%でございますから、この方からむしろ国庫助成を平等にしてくれ、不平等では困る、こういう意見が私は出てくるのではないかと本当は心配しているのです。  こういう二つの比較対象の立場からどのようにお考えになっておられるか、お伺いしたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 ただいまの掛金の推移につきましては、御指摘のとおりの経過をたどっております。  ただ、この厚生年金の掛金の定め方は、いわゆる制度の発足と申しますか、二十九年の大改正の当時から段階的保険料の徴収と言われるやり方でこれを徴収してまいろうという設計にいたしてあるわけでございます。すなわち、制度の当初におきましては加入者は大ぜいございますけれども、まだ受給者の発生は先のことになりますので、制度の普及を助ける趣旨から低い掛金率を設定いたしまして、時間の経過、制度の普及、成熟とともに段階的に保険料を引き上げてまいろうという基本の考え方によりまして、ただいま御指摘のような保険料の段階的引き上げが行われたわけでございます。  これに対しまして、共済組合の場合には、恩給期間の通算ということもございまして、成熟が早いということもあり、共済年金制度の発足の当初から平準保険料を基礎といたしまして保険料、掛金の率を決めてまいるという方式を採用いたしておりますので、制度のスタートのときから相当の水準の掛金の徴収をいたしましたが、その後今日までの上がりぐあいは、財政再計算によりましてその都度保険数理に基づく計算をいたしますけれども、それほど段階的に急激には上がっていかないわけでございます。そこで、現段階では両者の掛金率はたまたまかなり接近したところに設定をしておるわけでございますけれども、沿革的に見ますと、共済年金の場合には一般的には多額の掛金負担を加入者がいたしておりますので、それだけたとえば積立金等も全体としては多額に上るというようなことになっているわけでございます。  なお、次に国庫負担の問題について御指摘がございました。この一五%と二〇%という問題は公的年金の非常に基本的な問題でございまして、いろいろと沿革的な事情もございます。一方のある種の年金につきまして負担率の改定が行われますると、それが他の公的年金の国庫負担率に影響を及ぼしてまた変動を生じたというような事例も過去にはございます。現在の負担率の差は相当の期間を経過した差異になっているわけでございますけれども、なぜそういう差があるのかというのはなかなかむずかしい問題でございます。両方の年金の給付の内容でございますとか考え方でございますとか、そういったものにその差異を求める議論もございます。また、年金制度の財政力と申しますか、そういったものに差異を求めるという御議論もございます。やや個人的感じにわたるかもしれませんけれども、私の考えておりますことの一つは、やはり厚生年金の制度は年金といたしまして最も基本的な制度でございますけれども、これに対しまして共済年金の制度は、基本におきましては一般の社会保障の性格を持った年金でございますが、同時に、公務員というあるいは公企体職員という一つの職域に適用される年金の性格をあわせて持っておるという点に一つの理由が求められるのではなかろうか、いわば厚生年金の上に企業年金が乗っかっております事例があるのと同じような意味におきまして、厚生年金的性格プラスアルファの職域年金的なものが乗っかっておるのではなかろうか、そういたしますと、厚生年金に対する国庫負担の考え方の上に、企業年金分につきましては御承知のように負担がない年金でございますので、あるいはそういった性格の差がこの職域年金の中にあらわれていると言うこともできるのではなかろうかと思うわけでございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 おっしゃっていること、よくわかりません。この点についてはもっと明確にその根拠を示す時期が来ておると私は思うのです。たとえば国民年金の三三%というのは、これはある意味では雇用者、被雇用者という関係が国民年金にはございませんから、それはわからぬことはありません。ところが、私学年金、農林年金は一八%でしょう。国家公務員、地方公務員、公企体共済年金は一五%、私学年金とか農林年金は一八%、厚生年金は二〇%、これは国民はそういうことを知りませんから、こういうことは専門家同士でこの委員会で話す程度の問題でございまして、そこで終わってしまう。しかし、本当に年金問題を国民のものとして議論をするのだったら、あるいは国民の関心を本当に納得できる状態まで引き上げていってあげるのなら、この問題はちょっとむずかしいから根拠がよくわかりませんということだけでは、松下さん、国民にかわって税金を使っておる大蔵省としては、その予算見積もりの根拠はきわめて不自然だ。だから、この違いを明確にしていくということは、ぜひとも、きょう直ちにできなければ、そういうことも年金問題については十分配慮していかなくちゃならぬ。そこに当然つけなければならない差がなければ平等にしなくちゃいけない。それは裁定金額に差がある、これは不平等だということを組合員期間の長短の年限も考えないで言いっ放しにする政治家もいるのですから、そういうことによってかえって国民の認識に混乱を与えて大変な一つのおしかりを受ける、そういうのは私はきわめて不愉快なのですが、このように一五、一八、二〇という三つの段階に分けて、同じ国民をなぜそのような差別で年金財源を見ていくのか、この点については根拠を明確にしないといけないと私は思います。それができなければ全部平等にすべきだ、こういうことを私は考えているのですが、その考え方というのは間違いでしょうかね。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 あれこれと申し上げましたために大変わかりにくいお答えになりまして恐縮でございます。私、国庫負担率の差につきましては、沿革的な事情あるいは理由のほかに、制度内容に基づくいろいろの理由が考えられまして、決して全く理由なしにあるいは不条理にこの現在の差が現実にあるというふうには考えていないわけでございますが、ただ、その差の生じますゆえんのものをよく整理してまだ申し上げられませんでしたので、大変恐縮に存じております。  この問題につきましては、私どもも共済年金の基本的な検討ということで一昨年以来勉強いたしております勉強事項の中の一つでございますので、私も今後ともこの問題をさらに詰め、検討いたしまして、よく御理解のいただけるような考え方をお示しできるようにいたしたいと思っております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 それをひとつ早く検討していただいて、明確にしていただいて、またこの委員会でそれは十分議論をしまして、その差が出ることの根拠が希薄ならば一本にしていくという立場も加えて検討していただきたいものだと思っております。  それからもう一つ、誤解が出ておる中で私も気になっておりますのは、いま厚年の掛金が本人負担四五・五、国鉄の掛金は五三・五と言いました。私がこの違いを述べましたのは、これだけの違いでなぜ六十七万と百二十二万という差が出ておるのか、こういう問いかけに対して不十分なお答えだったというのが新聞紙上に出たり週刊誌に書かれたりテレビでやられたりしたものですから大きく国民の疑惑を招いておるのです。たしか五十年、五十一年には千分の八程度の開きを残して国鉄共済の方が高いのですけれども、昭和三十四年には約三分の一の掛金しか掛けていない。逐次ずっと整理されてここまできたのですが、私はこの掛金率の中身をどうしてくれというのじゃございませんが、最終の五十一年の掛金を比較して、年金の裁定額をすぐ並べて、こんなに差が出ておる、掛金に開きはないじゃないか、こういう新聞記事は非常に多いのです。だから私は、掛金はそういうふうに長い年月、歴史を経て逐次厚年も高まってきたけれども、出発当時は三分の一程度に低かったという一つの前提は消えていた、だれも述べられていなかった。  それからこれは沢田君が話しておりましたが、二十三年で六十七万、これが五十一年には八十七万二千円になって、これは二十八年の組合期間を経ると百八万になる。ほぼ共済と接近をしてくる。二十八年で百八万。ところがこれを国鉄は、五十二年には三十五年ぐらいの勤続になりますが、この三十五年の勤続にいまの厚生年金を引き直してみますと百二十四、五万になるのじゃないかと私は思います。そうなりますと、いまの制度で官民の大変な差があるということの指摘が当たるだろうかどうだろうか、この点についてはどのようにお考えになっておられますか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 最初の掛金の御指摘でございますけれども、御指摘のように掛金の差と給付額の差とは本来直接関係のない問題でございます。それはなぜかと申しますと、よく御承知のとおり給付額は基準となるべき俸給の額に動続年限に見合いましたある率をかけて出てまいりますが、同時に掛金の方も一定比率の掛金に勤続年限を乗じた分は本人は負担をいたしておるわけでございます。したがいまして同一の掛金率でございましても勤続年限の短い人は負担の総額が小さく、かつ受ける給付の額も小さい。勤続年限の長い人は全体として大きな額の負担をいたしまして受ける給付の額も大きいということで、これは保険の設計上当然のことでございます。  次に、共済年金と厚生年金がしからば制度として給付の水準に本来差があるかどうかという御質問でございますけれども、実はこの点が非常に技術的に比較のむずかしい問題をいろいろ含んでおりますために、間々誤解を受けることになるのではないかと存じます。  それは両方の年金は設計の仕方が違っておりますので、年金計算のもとになります、たとえば片方では平均標準報酬と申し、片方では最終の本俸額と申しておりますが、これらも仮に同じ経歴の人でございましても違った数字が出てまいりまして、それが基準になるわけでございます。またそれに掛けてまいります勤務年限に応じました率もそれぞれとり方が違っております。さらに物の考え方としまして、厚生年金は定額部分に月数を掛けたものと給与比例部分に月数を掛けたものと二つの組み合わせになっておりますのに対して、共済年金はいわば給与比例部分だけになっておるというような違いもございます。  そこで仮に同じ経歴を持っておる二人の人について、片方は厚生年金であり、片方は共済であればどれだけの差があるのかという非常にたやすそうに見える設問にお答えするのは、実はなかなかむずかしいのでございます。ただ、やや達観的に大ざっぱなことを申しますと、仮に同じ経歴の人が両方の制度を適用してみたとしました場合に、勤続年数が比較的短い場合には現在の制度におきましても厚生年金の方が給付の水準が高く出る傾向がございます。しかしながら勤続年数が長くなるに従いまして共済年金の方が給付が高くなる傾向がございまして、どこからというその境目のところが計算むずかしくて私もつかみ切れておりませんけれども、非常に長期に在職しておられる方にとりましては一般に共済年金の水準が高うございます。それは、共済年金の物の考え方が先ほど御説明申し上げましたような職域年金でございますから、一つの職場の中に長年にわたって忠実に勤務された方を優遇するという考え方に立っておりますために、そういうものが出てくるわけでございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 おっしゃっているように、制度が同じでございませんから、確かにそれを同じレベルに乗せてその差を出せと言えばむずかしいと私も承知しております。ただこういう制度の相違う年金制度、それを持っておる日本のあり方に対して、高成長、大変景気のいい時代ならこういう議論は余り出なかったのではないだろうか。やはり低成長、減速経済体制に入って一般の民間企業の人たちも苦しい、まして国民は苦しい、そういう中で福祉国家の理論もかなり広まってきております。その中心は年金に基礎を置いておりますから、そういうこと等でこういう議論が大幅に関心を強めるようになったのだと思いますから、やはり制度上の問題もこのまま放置することは私はいけないのじゃないかと思うのです。  おっしゃっていたように、民間の厚生年金は社会保障という立場から出発をしておることは私もあなたもこれは同意見です。ただ公務員の場合、共済年金の場合は恩給の絡みがずいぶんあって、そこにやはり職域年金的性格を持っておるし、だから共済組合法の一条、二条には明確に出ておるわけですね。いわゆる公務員なり地方公務員なり公企体なりの勤務規制まで出ておるのです。そしてもしもこの官吏服務紀律なりあるいは企業体の職務規律に違反をした場合には懲罰を与えて一部なり全部年金は支給しない、こういう罰則規定もあります。これは社会保障じゃないのです。社会保障というものはそういう罰則はございませんから、厚生年金にはないのです。この制度上の違いというものは大きく出ています。私なんか、その昔違法な争議行為をしたということで首を切られて、十九年七カ月で一文も年金はもらえない。こういう一つの罰則によって、長年掛けてきた掛金も今日の有効な効果を私には一つもあらわしてくれてない。そういうこともありまして、やはり共済年金制度というのは、そういう制度が今日あることも事実です。この共済制度と厚生年金制度、これらの一本化について、近い将来検討を加えていかないと、国民間の大きな問題になると私は思うのです。  少なくとも、共済年金も社会保障制度の一環である、こういう立場を考えていくならば、共済組合法の一条、二条の改正も考えなくちゃいけない。制度上も同じにする。そうして、社会保障的な年金と国家が見ておる国民年金、これとの二本立てで将来日本の年金制度を考えていくということに手をかけていかなければ、いまここであなたといろいろやりとりしておって、社労で言われているような本質的な差はない、いわゆる官を優遇し、民をべっ視しておるというふうな考えはない、結果も出てこない、そのことを幾ら言ってみたって、この制度の違いが存在をする限り、私はこの議論は長く残りそうな気がします。こういう制度上の体系を整理する、その気持ちというのはどうですか、お考えの中にあるのかないのか、あるいは検討のための努力をいましておるのかしておらないのか、こういう点についてお答えいただきたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 公的年金制度の非常な基本に触れますところの御意見でございますので、先ほどから拝聴いたしておりましたが、まず現在の共済年金制度、ただいま共済組合法をお引きになりましたけれども、さらにその源は、御承知の国家公務員法の百七条でございますが、相当年限忠実に勤務をいたしました職員のために年金制度を別の法律で定めるという規定がございまして、その点からも職域年金の性格を持った制度をつくるという姿勢がうかがわれるのでございます。  そのような沿革を持ちました年金制度でございますので、これが将来におきまして、直ちに一般的な制度の中にそのまま一体化できるかどうかという点につきましては、検討を重ね、また議論を重ねて、加入者全体のコンセンサスが得られるような十分の手続がこれは必要になる問題であろうと思っております。現在は厚生年金の上に企業年金が乗った姿の年金に当たるものが共済年金だと大ざっぱに申し上げてよろしかろうかと思いますけれども、その上積み部分を、これをどうするかという点は、加入者の既得権等の問題もございますし、また制度の根幹に触れる問題として慎重な取り扱いが必要であると思います。  ただ、私どもも、現在共済年金制度自体につきましても、先ほどお答え申し上げましたように、種々基本的な検討をいたしておりまするし、また厚生省の側では、その他の民間の公的年金制度の基本につきましていろいろだだいま懇談会を設けて検討中でございます。これらの両方の検討の結果が、将来さらに総合されまして検討を深めるということになっていくと思いますけれども、私、いまの段階では、おっしゃいましたような方向につきまして、そちらの方へ持っていくということに踏み切るところまではまいっておりません。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 考え方なり精神的には私の言っておることに御賛成のようですが、具体的に詰めていく段階では、いろいろと権利継承の問題とかたくさん出てきますから、そういうことの作業はかなり渋滞をしておる、進んでいかない。しかし、そうしたものを含めて、なお引き続いて検討しながらそうした制度の一本化についての結論を将来にわたっては得ていきたい、こういうあなたのお気持ちのように受けとめてよろしゅうございますか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 制度の一本化が目標だというふうにまでは私は踏み切ることができませんけれども、制度の一本化も含めまして、現在のいろいろな分立しております公的年金の調整をどのように将来図っていくことが一番いい年金制度に到達する道であるかということの勉強はぜひいたさねばならないと思っております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 どうも、こういうやりとりを大蔵委員会はしておるから、社労のようにああいう直截な議論になって、そうして国民はやんやの拍手をしておるわけですよ。そういう一つの古い時代のからから新しい時代に向かって進むということをしょっちゅう大蔵大臣坊さんもおっしゃっているし、福田総理もおっしゃっているのですよ。転換をしなくちゃいかぬ、そういう時期に来ておるときに、松下さんのようなお答えをいただいていたのでは、大蔵委員会が存在する価値は、年金問題を大蔵委員会で扱うなという意見まで出ているのですよ、共済年金は。あれは社労が専門家だからあそこでやらせい、何か私たちは無能呼ばわりをされているのです。こういう無能呼ばわりをされるように答弁を渋っておるのは、大蔵省、政府、あなた方じゃないですか。私はやはり制度上欠陥があって国民が不信を持ち、疑惑を持っておる時代に入っておるのだから、一日も早く結論を得るように全力を尽くして大蔵省は取りかかりますと、こういうふうなことくらいはこの時期には言ってほしいものだと思うのですが、言えませんか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 ただいまの御質問の御趣旨でございますと、共済年金の制度についていろいろと問題が指摘されておるではないか、これを放置しておくのかどうかという御質問と受け取っておりますけれども、私どももその点につきましては、公務員の各位の年金制度でございますので、国民の疑惑を受けるということがないように十分御説明にも努めるとともに、内容につきましては常にこれを見直しをいたしまして、改善すべき点をいち早く改善をする、りっぱな制度に持っていくという考えでございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 あなたも私が言った気持ちはおわかり願えると思うし、このままの状態では制度上の問題でも国民は承知しなくなりますよ。だから、それら含めて十分検討していただくという注文を私は厳しくつけておきますから、その点を御理解いただいて御努力願いたいと思います。  私は、いまの共済の年金の中でも、一本化ということにしますと、これは国の行政の中にかなり思い切った大胆な施策が実施されなければ、社会保障という立場の一つのものを織り込んだ成果は得られないと思います。  ところが、いまの共済年金で、実際には、沢田君も言ったかと思いますけれども、団体交渉の対象事項のような議論が片側で育っており、片側では運営審議会に労使の代表が出て、そこで議論をし合っておるという具体的な運営もいたしております。また、公企体共済を見てまいりますと、たった数年前までは、国鉄、電電、専売公社、それぞれが持ち回りの窓口で、その公共企業体共済のいろいろな事務審議をいたしておったような状態です。きわめて前時代的なやり方をしておる。それは余りいいことじゃないということで、ここ数年、運輸省が直接の窓口になってこれらの調整をやっておるようですが、言えばそれぞれの単位共済が独立をして、もちろん独立結構ですけれども、そこの中でお互いに一つの、共通性というものとは別に、独自性を強く出していこうと、これが一つの共済年金制度の中にあるとすれば、私は、いまの団体交渉事項になるという判断に立てば、その立場というものは正当だと思うんです。しかし、それを私たちがいつまでも推進をしておるんだったならば、一元化、一本化ということは不可能でございます。  そこで、私は、二、三年前から附帯決議をいつもつけてお出ししておる、公企体共済の整備、運営について審議会を持ってほしい、三省にまたがりますからこの審議会は総理府に設置をしてほしいという主張をしてまいりましたし、附帯決議にも、そこまで明確には書かれておりませんけれども、審議会を設置しなさい、検討しようというふうな附帯決議がつけてございます。一体、こういう時代になって、まだああいういまのような状態に置いておかれようとするのか。私が言っているように速やかに公企体共済の審議会を設置する、この決意にお立ちになるのかどうか。ここらあたりぐらいは、いまの制度間の運営の問題ですから、松下さん、はっきりと明確にひとつ答弁していただきたいと思います。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○杉浦政府委員 山田先生のお話、昨年も一昨年も私はお伺いいたしまして、検討いたしますということで過去過ごしたわけでございます。いままで検討を続けておることは事実でございまして、関係の省といろいろと話をしておるわけでございますが、いま先生御指摘のように、私ども運輸省が法令上の窓口にはなっておりますけれども、実際の所管は三省にまたがっておるという複雑な事情でございまして、一つの省に審議会を設置するということが実際問題としてなかなか皆さんの合意が得られないというままに現在に至っておる状況は、全くそのとおりでございます。  各種の共済制度、これをいろいろな面、角度からの検討をするやり方としては、小さい範囲から、大は全体の共済あるいは厚年を含めての考え方まで、いろいろな意味での土俵の大きさが違うと思います。そうした中で、先生がおっしゃいますように、公企体の関係だけを一つのグループとして、これを何とか制度的な改善策としての審議会を設けるべきであるということも、私ども十分理解をいたしておるわけでございまして、附帯決議の線に沿いまして努力をいたしてきたわけでございますが、今後とも、特に大蔵省とも相談をいたしまして、一層前向きな姿勢で、この審議会の設置の問題を十分検討してまいる所存でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 やると言うの、やらぬと言うの。前向きで検討するというのは、去年もその答弁、おととしもその答弁、あなたの前向きというのは十年ぐらいかかるのです。私は、この段階に来て逃げたらいかぬ、もっと積極的に前向きで処理しなさいということを前提にいま申しておるのです。だからそれは、大蔵省と相談するのも結構ですよ、あるいは郵政省と相談するのも結構です。だが、何を相談するのか。いわゆる一本化することを検討することを相談するのか、ことし制度運営審議会を設置する、そのことを相談するのか、いまのあなたの答弁では私はわかりません。はっきりと設置の方向で相談をする、こういうふうに私は聞き取りたいのですけれども、そう聞き取っていいものかどうか。あなたの答弁をいま一度聞かせてください。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○杉浦政府委員 設置の方向で検討したいと思います。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 大蔵省も、いまの杉浦さんから話のありましたように、設置の方向で昭和五十二年度検討をなさって、来年のこの委員会には成案を得てお示しをいただく、附帯決議をつけておきますから、御回答をいただくということをお約束できますか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 設置の方向で運輸省と検討いたしまして、設置をされました暁には、極力審議を促進するようにいたしたいと思います。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 その点はわかりました。ありがとうございました。何年がかりだったでしょうね。  (笑声)  そこでもう一つは、公企体の中で最近とみにその苦しい実情を訴えておりますのは国鉄の共済です。これは国鉄の経営自体がもう収拾のつかぬような経営実態でございます。そこで運賃値上げを去年思い切ってやったら、お客さんが大変減っちゃって、収入は予定どおり伸びない、こういうことで、国会審議を経なくて済む料金関係を引き下げたらどうだ、こういうふうなことまで相談し合っておるほど、経営実態は苦しいと私は見ています。ところが、当初申しておりました国の負担分、公企体一五%ということになってはおりますけれども、実は一文も出していない。公経済であるから企業で持て。だから、保険システムでございますから、雇用者負担の国鉄企業の出す金、被雇用者負担の組合員が出す金、それにプラスして国鉄という企業が一五%上積みで出している。景気のいいときなら、私はそれが共済財源にはね返ってくるとは思いませんけれども、こういう状態になってくると非常に苦しいのだと思います。  そこで、この国庫負担分を区分を明確にして、一五%という国庫負担分を企業にしわ寄せをしなくて、国が直接共済年金に払い込む、支払う、こういった立場をとっていただく、民間の厚生年金等に措置しておる国の措置と同様の取り扱いをしてほしい、そう思うのですけれども、そういうふうに国庫負担の財源措置をおとりになる気はございませんか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 公企体共済のいわゆる公経済主体としての負担につきましては、従来からいろいろと議論のあるところでございます。ただ、この問題は長い沿革的な経緯がございまして、各公企体につきまして、その制度の沿革なり、あるいはそれらの事業主体がいろいろな法律によって国とみなされるようなそういう立場において経済活動の主体となって収支均衡という一つの伝統的な原則の上で事業をやっておる点から申しますと、この原則について方向転換をしていくということには非常にむずかしい問題があると思います。ただ、ただいまも収支均衡の原則に立ってと申しましたけれども、実際に独立採算制に乗ることができないような実情にある企業体があることもまた事実でございます。その点についてまで無視をする考えは私どもは全くございませんけれども、ただ、私どもの考え方といたしましては、それらに対する対策は、そういう困難に陥っております企業体を全体として、もちろん経営努力なり収入の適正化なりということもございますけれども、必要な場合には国の助成も行いまして再建をしていく、再建をいたすことによってさきの公経済主体としての負担につきましても問題が解消する方向で対処していくということで考えてまいっておりますし、また、ただいまもその方向でいろいろと努力をいたしておるところでございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 時間がございませんから、これは、いずれ国鉄の運賃値上げを運輸委員会がやりますときに連合審査をやりますから、大蔵委員会も出て、こうした関連する公経済の国鉄と、そして負わしておる一五%、この関連もその段階で少し詰めてみたいと思いますので、きょうはこの程度にとどめておきます。  ただ、さっき整理資源という話がございましたが、一応法律的には追加費用になっております。この追加費用を国鉄共済の場合に見てみますと、昭和五十年には千二百一億。五十一年、五十二年は、資料は示されておりませんが、恐らく千三百億を超えていくのではないかと思います。国鉄共済の実態を見てみますと、在来の国鉄で恩給掛金を掛けたりあるいは共済年金の掛金を掛けたりする組合員以外に、本来国が見てやるべきだった軍人期間の通算まで国鉄年金に持ち込んでおる、あるいは満鉄とか外地鉄道、特殊法人の人たちも国鉄年金とは全然無関係な人たちですけれども、国鉄に就職したら全部年限を通算してあげる、あるいは旧法時代の雇用人の身分通算を国鉄共済の中に引き継がせておる。こういう問題を、本来国家政策を国がなさなければならないのを、年金関係については国鉄共済にやらせておる。その財源を国が負担する、当然なことです。負担をしてくれなかったら、いまの現職の職員が掛けておる掛金で賄えということは、人のふところで自分が買い物をするということになりますから、そういうことは許されません。当然それを国が見るということで追加費用が出てきたのだと私は思っておるのです。それが昭和五十年で千二百一億になっておる。ところが実際に繰り入れた金額は昭和五十年で八百八億です。三百九十三億は未繰入額です。この繰り入れしない額の累計を見ると昭和五十年で千六百八十一億も繰り入れていないのです。これを年金財源におんぶさせていけば年金加入者は猛烈な抵抗を起こします。これら残っておる残額を含めて追加費用については当然国が負っていかなければならぬ。負ってくれなければ労働組合の皆さんたちは裁判をやる、行政裁判を起こす、財源が苦しいですから、そういう決意も持つようになってきておりますが、当然、追加費用としては国が措置する、こういう法律上のたてまえになっておるので、この点は将来にわたってなお続いてくる問題でもございますが、当面の問題として追加費用については当然国が措置する、そして残っておる残高についても一日も早く解消するように、国鉄共済と御相談いただいて償還の計画も立てていただく、こういう立場をどう理解なさっておるか、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○杉浦政府委員 追加費用の問題につきましてはおっしゃるような数字で、昭和五十年度をとりますと八百八億ということで、この時分は毎年千分の五ずつの上乗せということで経過したものでございます。五十一年度から年金財政の見直しを行いまして、千分の十ずつの上積みというふうに千分の五をプラスいたしまして、現在引き続き上積みを続けておるところでございます。  しかしながら、いまも御指摘ございましたように、国鉄の年金財政の方も国鉄財政に右へならえという形で非常につらい状態になってまいっておりまして、五十二年度の予算では若干赤字が出るというような予想もされておる状況でございます。したがいまして、こうした実態に対処するために、これは異例なことでございますが、三月にもう一回収支計画策定審議会を開催いたしまして、ここに諮問をいたしまして、当面の国鉄年金財政のあり方につきまして現在鋭意検討をしておるというところでございます。その結果を待ちまして私ども対処したいと考えておる次第でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 国鉄が苦しいのはあなたもよく御存じでございますから、これ以上重ねて申しませんが、掛金はいま千分の百七でしょう、もっと高いですね、組合負担の方だけで五三・五ですから。恐らく、年金グループは八つございますが、最高なんですね。しかも来年度赤字が出るかもしれない、こういうことが懸念されておる。私、赤字が出ると思いますが、それが、当然国が負うべき追加費用が未払いのために赤字を出すという結果を招来したら、私はとても承知できるものではないと思います。そういう点もひとつ念頭に置いていただいて、こうした追加費用が累積残を残していかないように配慮いただくように、これはお願いをしておきます。  それから、時間がありませんので、最後に一つだけ聞くわけですが、きょうも午前中の議論にもその沿革は出ておりましたが、公務員は退職時さかのほって三年間の平均で年金の基礎号俸をつくっております。公企体共済は退職時の最終月が基礎号俸になっております。そのために公企体共済の方が年金制度は有利である、こういう判断にお立ちになったものだと思いますけれども、支払うべき退職金百分の百に対して三%減額をして百分の九十七支払っております。これが公務員基礎号俸の三年間平均の中から出てきた沿革です。ところが公務員共済組合法が改正されまして、最近は一年。その一年も、四月一日で退職をすればその年のベースアップをかぶりますから、かなり有利になります。ほとんど最終月の基礎号俸の金額と差がなくなる。ところが公企体の方は、四月一日にやめる人も若干出ておりますけれども、三月三十一日でやめる人も半数近くおります。この人たちに対しても依然として退職金は百分の九十七です。基礎号俸を三年間平均でとった時代からこれだけ変わってきたのに、なお退職金を百分の九十七しか支給しないという根拠は何であろうか。これができたときの根拠は明確です。申し上げたとおりです。これがなくなってからも百分の九十七の退職金しか払っていないという根拠は一体何か、これを示していただきたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 退職金の基本の減額の措置と年金計算の措置をあわせまして、二つの制度の間のバランスがとれているかどうかという問題でございますので、それにはやはり実際に支給される実情がどうなっているかということをいろいろと検討いたしました上で、そのバランスはどうかという判断に参るわけでございます。この問題につきましては、私どもも検討課題だという気持ちを持ちながら今日までまいっておりますけれども、今後、いまの御質問の御趣旨もございますし、実際の両制度のバランスがどうなっているかという実情を見ながら、この対応策を考えてまいりたいと考えます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 そこも非常に歯切れが悪いし、四十八年でございましたね、公企体共済に通算年金制度を導入した。このときに、この通算年金制度をとるか、確かに私の言っているように、三年が一年になったから百分の九十七はおかしい、百分の九十九にいたします、どちらをとるかと私に責められたのですよ。私は通算年金制度をとります。そのとき、昭和四十八年に百分の九十九が至当だとおっしゃったあなた方が、あれから何年経ちます、五年経つのですよ、私が言うまでは何一つやろうとしない。こういう行政の態度がますます混乱を深めていくのですよ。だから、今日、両制度間のこの差別の違いというものが存在するとするならば、私はそれを具体的に指摘をしてほしいし、あるとすれば、最高三十四万が三十六万に今回法律改正が出ておりますが、これが公企体共済の場合は青天井になっております。青天井になっておるということは、理事以外は組合員です。だから、そこで青天井にしておりますけれども、給与の実態というのはほとんど差はないと判断いたしております。ありますのは、専売にしても電通にしても国鉄にしてもある病院。共済病院の経営について病院のお医者さんとか院長さんとかはかなりの高額の月給をもらっています。私はこういう事例だけを取り上げて責めると、そういう公企体の病院は解散をしなければなりません。医師がそこで働くことを拒絶いたします。こういう実情は公務員の最高給与の実情と比較をしてみて私は理解できる問題点ではないかと思う。そういう差異があるから、三年を一年にした。その理由はわかって、当時百分の九十七にしたものをいまだ放置しておるということが、私は納得できません。これは、さっきの審議会設置ははっきり答弁をいただいたので理解しましたけれども、この退職金の減額支給については速やかに検討を願って、そして本委員会においてお答えをいただく時期を私がつくりますから、あなた方の具体的な検討をぜひともお願いしたいと思います。そのときに、そうしなければ、差別をつけなければならぬという理由があるならば、その理由を明確に示していただきたい。これはお願いしておきます。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 各公企体の主管省ともよく連絡をとりまして、早急に検討をいたします。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 終わります。ありがとうございました。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 坂口力君。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 今回の共済年金の議論ほどいつになく意見が大きく出たことはございません。先般、自民党の加藤議員が取り上げられまして一石を投げかけられたわけでありますが、私が考えておりますことと、議員がお考えになっておりますことと、その内容につきましてはいささか違いがあるかもしれませんけれども、一石を投じられたというそのことにつきましては私は評価をしておる一人でございます。  それにいたしましても、いつも歯切れのいい大蔵省の答弁が、どうもけさからお聞きいたしておりますと、お話がいささか回りくどいと申しますか、よく言えば非常に丁寧でありまして、聞いております者にはいささかわかりにくいという感じがするわけであります。どうもこういったところに何となく口ごもった、言いづらいものがあるのではなかろうかというような錯覚を覚えるわけであります。いままでの批判もそういったところから、大蔵省は隠していたのではないかというような議論になってきていると思うわけです。大蔵省の方は決して隠していたのではない、こうおっしゃるかもしれませんけれども、しかしはっきりとおっしゃったというほどではないわけであります。  私どもも昨年この社会福祉トータルプランをつくりますときに、いろいろ資料もちょうだいをいたしましたし、お話も伺ったつもりでございますけれども、この間の事情というものは今回ほどつまびらかにわかってはおりませんでした。そういった意味で、私は一石を投じられたと思うわけであります。私は事実がどうあるかということと別にいたしまして、その疑惑を招くようなことがそのまま続けられていてはいけない。やはりはっきりと皆さんにわかっていただけるような形にする努力というものも必要ではないかと思うわけであります。  一つは、たとえば単純な話でございますけれども、この共済年金のことを、たとえば追加費用のことについて計画をなさるのは何課でございますか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 各省それぞれの共済組合に対して、前年の実績を翌年の予算で計上するという形で追加費用の繰り入れをいたします。そこで各省から計数をいただきまして、主計局の共済課で算定をいたすわけでございます。     〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 いまお答えいただきましたとおり、主計局の共済課で要求をなすって、そしてその査定もまた主計局でなさるわけでありますから、局長さんなり次長さんは自分のところで、ほかの方からも回ってくるかもしれませんけれども、その要求なりあるいはまたその査定というものもなさるということになりはしないか。そういったところにも、決して私は疑っているわけじゃございませんし、主計局長並びに次長さんの人格、手腕ともに信じておりますし、決してだからといってどうのこうのということを私は申し上げるつもりではございませんけれども、しかし、そういうふうなからくりがあるということはうがった見方の生ずる可能性もある、そういう危険性はなきにしもあらずだと思うわけであります。ですから、今後この年金問題を天下に示して、各年金間の格差というものを是正し、そしてよりよい年金をつくっていくためには、その辺のところも明らかにして誤解のないようにしていかなければならない、こう考えるわけでございます。  けさからもいろいろと議論がございましたが、いま現在私の手元に国鉄の共済組合収支計画策定審議会の答申をお預かりしたのがございます。これを見せていただきますと、国鉄におきます年金の非常な苦しさがにじみ出ているわけでありまして、これから国鉄一体どうなさるのであろうかという心配をするわけでございます。私どもあらあらの数字しか存じておりませんけれども、国鉄で最近、年々歳々二万人を超える方が退職をしておみえになりますし、どうもこのままでまいりますと、いまから十年を待たずして国鉄の人一人が退職者一人を抱える、そういう時代がこれで来ることになるわけであります。果たしてこのままでいいのであろうかという疑問をいままでも持っておりましたが、この審議会におきましてもその辺のところをいろいろと御議論になっております。  その中に今回議論になっておりますいわゆる追加費用につきましても、明確にその数字が出ております。最近の審議会の答申を見ますと、これでいきますと、五十一年には九百九十三億円でありましたものが、五十五年には二千十三億円追加費用としてここに投入をしなければならないという数字が出ているわけであります。このことについて、これは恩給の延長であるといういままでの経緯というものがございますし、私もそのとおりであるし、いままでの経緯というものはやはり尊重していかなければならないと考える一人でございます。しかしいままでの経緯は経緯として、その内容は、たとえば厚生年金ならば厚生年金と、そして国鉄なら国鉄の共済組合とはここが違うという違う点だけは明らかにして、そして今後のことを考えていかなければならぬ。うやむやにしておくことはいけないと思うわけであります。  過去勤務債務の内訳というのがございますけれども、その中で新法施行前の過去勤務債務は、これは四十九年三月末でございますが八百三十六億円で、全体の二・七%であります。恩給公務員期間の吸収による増加額というのは九百四十一億円で三・一%、これを合計しまして五・八%になります。これに対しまして年金改定による増加額というのが一八・一%ございますし、ベースアップによる増加額というのは五二・三%、これは額にしまして一兆五千九百九十五億円ということになります。パーセントでこの年金改定による増加額とベースアップをプラスいたしますと、約七〇・四%になります。厚生年金の方でこれに匹敵するところは、いわゆる後代の若い人たちがこれを負担してきている部分に当たると思うわけです。ここのところに国費が導入されているところの違いというものが明らかにある。このことはやはり認めていかなければならないと思うわけです。しかしこのことに対するよしあし、これがだからだめだということを私申し上げているわけではありませんで、現在までの経緯からいってそうなっているということを申し上げているわけであります。このことを踏まえて今後どうするかという議論をここから明確にして起こしていかなければならないと思うわけでございますが、何か御意見ありましたら承っておきます。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○杉浦政府委員 主として追加費用に関するもろもろの問題だと受け取っておりますが、特に国鉄に関する数字につきましては、いま先生お読み上げになりましたような非常に困難な事情に立ち至っております。この過去勤務債務の内訳につきましてなお詳細な分析はなかなかできませんが、おっしゃいましたようにベースアップによるものと年金改定によるもの、こういうものが非常に多くの部分を占めている。ただ、この分類によりますと、こうしたものもやはり法施行前の期間のものがかなりあるということでございまして、その部分につきましては法律の規定によりまして、追加費用として国鉄自身が負担をするという仕組みになっておるわけでございます。先ほど申し上げましたように、昨年この追加費用の金額につきましては、従来千分の五ずつの上乗せをしておったものをさらに倍加いたしまして、千分の十ずつの上乗せにふやしたところでございます。しかしながら五十一年度あるいは五十二年度の予算におきましても、当初の予想から大分狂いまして、五十二年度の予算では若干の赤字が出るというような情勢に立ち至っておるわけでございまして、この追加費用を中心といたしまして、今後非常に危機に面しております国鉄の年金財政をどうしたらいいかということを、異例でございますがこの三月に収支策定審議会に諮問をいたしまして、現在鋭意検討をしておるという状況でございます。私どもも重大な関心を持ちましてこの策定審議会の答申の結果を検討いたしまして、今後対処してまいりたいと思っております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 本日当局の方からいただきましたメモによりますと、五十五歳到達者が全員退職するものと仮定したときの退職人員でございますけれども、昭和五十二年から五十七年までの間に八万五千四百人になる予定であります。それから五十八年から六十二年までの間に十二万四千五百人。それから後の六十三年から六十七年、この間に四万三千二百人、こういう数字を出していただきました。  大体私どもいままで調べましたのとよく似た数字ですが、これでありますと、五十五年度には約三十万人、まあ二十九万何がしかの年金受給者になるはずであります。そういたしますと、このままでいまおみえになります皆さん方だけでこの掛金をしていかれるということになりますと、現在の五・三五%からこれは一〇%には引き上げないと賄い切れないということになろうかと思います。鋭意検討をしているというお話でございますが、これはいま検討しているのではいささか遅きに失しているという感じがいたします。現在のところどうですか、大まかな方法として、今後どうしていこうと思っておみえになるわけですか。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○杉浦政府委員 先ほど申し上げましたように五年目ごとに計算をし直ししておるわけでございますが、昭和五十年に収支策定審議会で計算をいたしまして、昭和五十一年度から新しく掛金並びに追加費用、国鉄負担金の割合を増加したばかりでございます。この段階での計算によりますと、少なくとも昭和五十五年度までは何とか黒字基調で進むであろう、したがいまして責任準備金も漸次ふえるであろうというような想定をいたしたわけでございますが、その後の情勢の変化といたしましては、たとえば退職年限の引き上げ、五十五歳を五十七年にしたわけでございますが、これが実際はなかなか五十七年に至りませんで、五十五歳でおやめになる方が多いというような情勢の変化がございました。それらをもう一回現時点で再計算をいたしてみませんとなかなか将来の数字が出てまいりません。  いずれにいたしましても、こちらで資料でお出しいたしましたように、今後十年間に約二十万人ぐらいの方が退職されるということでございまして、十年間ぐらいたちますと組合員一人が退職者一人を養うというような事態になることは明らかでございます。そうした事態も踏まえまして十分に検討をしませんと、これはえらいことになるということは認識をしておるわけでございまして、収支策定審議会の結果を待っておるわけでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 何回この審議をいたしましても、またどれほど計算をいたしましても金はふえてくるわけではないわけでありまして、結局のところは国鉄に働く人たちの掛金をふやすか国鉄の負担金をふやすか、さもなくばこの追加費用をさらにふやすか、この三つに一つしかないわけで、あるいはまたそれぞれに割ってふやすとか、それ以外に方法がないわけです。  国民年金にいたしましても厚生年金にいたしましてもいろいろと検討をいたしまして、そうして何とかしてもう少し年金をふやしたい、そういう強い希望もありますし、またそういう努力もされているわけでありますけれども、いまから二十年先あるいは三十年先を考えますとどうしてもふやすことができないというのでいま行き詰まりになっている現状であることは私が言うまでもないわけでありますが、そういったことを考えますと、やはりこの年金というものは非常に息の長いものでありますから、十年先あるいは二十年先を考えていかなければならないわけであります。五年刻みぐらいではすぐこれは来てしまうわけで、少なくとも十年なり二十年なり先を見込んだ計算をしなければならないと思うわけであります。  いまあなたにこの問題を詰めましても答弁の出る問題ではございませんから、これ以上申し上げるのはよしたいと思いますけれども、ところで大臣、ことしの予算委員会におきまして、私、補正予算の審議のときでございましたが年金問題を少し取り上げさせていただきまして、厚生大臣それから大蔵大臣また総理大臣にこのことを率直に意見を申し上げ、現状の御説明等も申し上げたつもりであります。そのときに厚生大臣としては、この年金の見直しというものを何とかことしの秋ごろまでには着手をしたい、そして総理大臣も、五十三年度には何とかして年金制度に新しい決着をつけたいというような御発言、そういう意味の御発言をなすったと私記憶をしているわけでございます。御記憶いただいていると思いますが、いま国鉄のこの年金の問題を取り上げましたけれども、これは一国鉄だけにとどまりませんで、共済組合全体もしかりでありますし、またこのことはやがては厚生年金、国民年金にも波及してくる問題でございます。そういうふうな意味で、この年金を今後どうするかということにつきましては非常にいろいろの議論も出ておりますが、抜本的な改正をしていく以外にこうしたことを救う道がない、そしてまたその改正の過程でいままでの不公正というものを是正していく以外に方法がない、こう私どもは考えているわけでございますが、改めて聞くのもあれでございますけれども、一遍大臣の御所見を伺って議論を次に進めたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 私も御意見には全く同感でございます。福祉政策の柱となるものは何と申しましても医療保障とそれから所得保障、この二つであります。この二つともに今日非常な混乱と申しますか、十分な姿を整えて十分な効用を発揮していないということは、これはもう覆うべくもない事実です。  それで私はこれらのもの、恐らくはこういったような日本における諸制度は自然発生的に相前後して生まれてきたというようなことであって、初めから一つの計画に基づいて、政策による計画によってできたものではない、必要に応じて自然発生的にこういったような制度が生まれてきた、それが実にばらばらに実施されておるというところに今日のまことに混乱した状態があろうと思う。その中の一つをとって、これを改正していくということでは十分ではない。何と申しましてもこれはひとつ御意見のとおり抜本的に根本的に改正をしていかなければならないというふうに考えておりますが、さて仕事がそれだけ広範になってくるものでございますから、なかなか容易にこれを実行することが期待できないのでございます。しかしこれはばらばらにやっておったのではどうにもならぬと私は思います。本当に決意を固めて、これを抜本的、根本的にやるというこの決意を持って難局に当たっていかなければならない、かように考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 大臣のその御決意をぜひ新しい予算編成のときには現実に移していただきたいと思うわけでありますが、いま大臣もおっしゃいましたように、それぞれの年金に歴史と経緯がございます。したがって、これを抜本的に改正していく、一本にまとめていくということにつきましては、いろいろの困難がつきまとうことは私もよくわかるわけでありまして、また、これが一遍になし遂げられていけないこともわかるわけでありますけれども、しかしそれであるだけに、これをまとめていく不断の努力というものはしていかなければならないと考えるわけであります。国鉄ならば国鉄だけの問題として考えておりましても、これはどういたしましても解決のつかない問題でございます。国庫負担をするならば、それをほかの分野にも広げていかなければなりませんし、各個人の、若い人たちの負担もまたふやしてもらうべきはふやしてもらわなければならないわけであります。しかし、これをふやしていただいたといたしましても、それに対するだけの年金というものができ上がれば、これは若い人たちにも納得をしていただける問題であると思いますし、そのことは幾らでも合意に達することのできる問題であると私は思うわけです。  しかしながら、年金の一本化ということが叫ばれましてからもう久しいにもかかわりませず、かけ声だけで一向に進んでいかない。なぜ進んでいかないのかということに思いをいたさなければならないと思います。大臣もそのむずかしさというものを御指摘になりましたけれども、これはいままでの経緯というものにとらわれることなしに、やはり前進をさせなければならない。  そう考えますと、いろいろの年金に属している人たち、あるいはまたそれを統括している省庁、そういうところが話し合いを進めなければなりませんし、その中でも特に恵まれている年金を抱えているところ、またその人たちが率先をして年金の一本化ということに一歩を踏み出さないと、この問題は解決できないと私は思うわけであります。そういう意味で、この共済年金等を預かっておみえになります大蔵省あたりは率先をして一本化に取り組まれるべきじゃないか、私はこう考えますが、先ほどの御答弁をお伺いをしておりますと、一本化とは言いづらいけれども、一本化も含めてという、まことに幅の広い、含みのある御答弁でありましたけれども、一遍にはいかないと思いますが、しかしその方向のもとに大蔵省あたりがやはり率先をして旗を振ってもらう必要がありはしないかと私は思います。もう一度お答えをいただきたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 公的年金の相互間の調整の問題は、年金制度のみならず、わが国の社会保障制度の基本に触れる非常に重要な問題でございます。また御指摘のありました各年金間のいろいろな関係の問題が現実にございます。これをどのようにして改善し解消していくかというのには非常に幅の広い検討が必要でございますけれども、ただいまの御指摘の一本化というお考え、あるいは制度間の相互のとりあえずの調整というような考え方、それらを含めまして関係省庁とも協力しながら、私どもも検討を進めてまいりたいと思っております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 次長さんにさらにお聞きをしたいわけですが、いま追加費用の問題が大きな社会的な問題にまでなりつつあるわけでありますが、私は先ほども申しましたとおり、いままでの経緯からいたしまして現在までのところこれはやむを得ないという意見を持っている一人でありますけれども、しかしそれはそれとして、今後もこのままこれを継続していくということについてはやはり考え直さなければならない面がある。いままでの経緯というものは十分認めながらも、さりとてこのままでいいと私は考えるものではありません。その点はどうお考えになりますか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 追加費用の問題のうちで、ことに制度発足前の期間にかかる追加費用問題についての御質問であると存じます。  この問題は、国家公務員の場合には三十四年度以前の恩給制度、旧法の共済制度の後始末をどうつけるか、それは事業主としての国が自分の責任においてつける以外に方法がないということで方針を決めまして、その決めた方針に基づくこの後始末と申しますか、現実の事後処理という形で現在まで及んでいることでございます。したがいまして、この大部分の問題につきましては、恩給制度等のもう過去に終わりまして、つまり、一応役割りを果たしました制度の後が残っておるという問題でございますので、これを何らかの形で、たとえば根本的に改正をするというような点は、これまでの制度の安定の点からいって問題があろうと存じます。ただ、いろいろの現在の年金制度ともあわせまして今後制度全体の改善を図ってまいります中で、過去の期間にかかりますいろいろな問題につきましてもこれを改善する余地が全くないかと申しますと、それは現在でもなお恩給制度というのは年々若干ずつの改正もあるというような状況から考えますれば、それはないとは申せないと思います。そのことも含めて検討いたしていくべき問題だろうと思います。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 私は、いままでの共済年金制度を後退させろということを言っているわけでは決してありませんし、また、いままでの既得権を取ってしまえということを言っているわけではありません。追加費用のことが問題になりました絶好の機会でありますから、このときにこそ議論を深めて、そして全体の年金充実という方向に向かわしめなければならない。そして各年金間の格差というものを取っていく方向にやはり制度改革というものを進めていかなければならないということを私は主張して、それに対する御意見を求めているわけであります。  厚生大臣は、厚生省でいわゆる基本年金構想というものがあるということをおっしゃったことがございますが、この基本年金構想なるものが、現在ここで議論されております共済年金等も含めた形でされるものなのかどうかということについては私もよく存じませんけれども、私ども公明党としての考え方といたしましては、国民基本年金構想というのを持っております。これは実は一昨年から昨年にかけまして一年間いろいろ考えて練り上げたものでございますが、この私たちが考えております国民基本年金構想と申しますのは、これは現在ありますところの各被用者年金における期待権だとかあるいは既得権というものは尊重しながら、これらは所得比例年金等として存続するというたてまえで、実は国民基本年金をここに私たちは提案をしているわけであります。ですから、いままでの既得権、期待権というものはそのままで生かしながら、なおかつそこに共通部分を設けて、そうして、私どもこれを二階建て年金と、こう言いやすく呼んでおりますけれども、そういう形で一本化をしていく以外に方法がないのではないか。いろいろ考えましたけれども、それ以外に方法はないと実は思っているわけであります。  ですから、たとえば共済年金にお入りになっている人とほかの人と一本化しました場合に、共済年金は五十五歳からもう年金を受ける資格があるわけでありますし、厚生年金は六十歳からでございます。私ども新しくつくります国民基本年金というのは六十五歳からもらえるようにしよう、こういう考え方でありますから、そこに十年間の開きがございます。その場合に、もしもそういう一本化をいたしましたとしたら、現在まで共済年金にお入りになっていた人は、もう五十五歳からいままでどおりにこの年金をもらえる、そして六十五歳になりましたら基礎年金部分に一部を切りかえて、ところが基礎年金部分というのは、全体としてそう額を多くするわけにいきません、現在でいきますと大体五万円くらいにしかできないと思うわけでありまして、そうしますと、その五万円部分は基礎年金に切りかえて、その上にさらに多い部分の二階建てとしていままで多くお払い込みになった部分だけはプラスアルファとしてお出しをしていく、そういう形でいままでの既得権のある方はひとつまとめていってはどうか、そして新しくどんどん入っておみえになる方については、それこそ一本化した年金の中でいってはどうか、こういう現在までの既得権を損なわずに、しかも今後一本化をしていこうという方法を考え出しているわけでございますけれども、ぜひこの辺のところをお考えをいただきたい。  別に、私ども自分たちの主張しておりますことだけを押しつけようという気持ちなどはさらさらございません。一つのたたき台としていただくために私どもはここにお示しをしているわけでありまして、そういうふうな考え方の中で、この共済年金なるものもぜひひとつ御検討をいただきたい、こう思いますが、いかがでございますか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 共済年金とその他の公的年金との関係につきましては、厚生省におきまして各種の公的年金の基本問題を検討いたしておりますけれども、その場におきましても共済年金の問題も含めて議論をされるということでございます。また、私どもの共済年金の側では審議会がございまして、そこでこちらの側は他の厚生年金等の年金の動向なり問題点なりを見ながら共済年金自体の制度の根本に立ち返りまして検討いたそうということでいろいろ勉強いたしておることも、お答えを申し上げましたとおりでございます。そのようないろいろの構想を勉強してまいりますに当たりましては、それは従来の制度がこうであるから今後もこの範囲内でしか物が考えられないという狭い立場で私どもも自分を限ってしまうというつもりはないのでございまして、いまの御提案になっておられます国民基本年金構想につきましても、私どもも今後とも十分詳細に勉強させていただきまして、年金、共済を含めました今後の年金制度のあるべき姿についての議論を重ねてまいりたいと思っております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 共済関係は大蔵省管轄でございますし、もちろん厚生年金や国民年金は厚生省管轄でございますし、それから農林年金の方は農林省管轄でございますし、また地方自治体とか、いろいろばらばらになっておりまして、各委員会で年金問題もやられているわけでございますが、それぞれ年金にかかわりのありますところの各省庁間で、そういった何か一つの方向を向いていこうというような話し合いとかそういうようなことはあるのですか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 ただいままでのところ、この制度の基本に立ち返っての基本的、根本的な検討をいたそうという努力をいたしておりますのは、厚生省の系統、私どもの国家公務員の共済年金の系統でございます。しかし、その他の公的年金をも含めまして現在の各制度間にそれぞれどのような問題があって、それをどうやって調整をすればよろしいかというやや技術的な問題にもなりますけれども、そういう現実問題に対処いたしますためには、関係各省で公的年金制度調整連絡会議という集まりをつくっておりまして、随時担当者が集まりまして必要な調整措置について勉強いたしております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 ぜひそういうふうな方向で、まとまる方向に向いてほしいと思うわけです。何回かこの年金問題をやりましても、鋭意検討いたしますということばかりで、いつまでたちましてもこれは解決できないわけなんです。  先ほど国鉄の問題を取り上げましたが、国鉄だけじゃありませんで、厚生年金あたりも、あと三年ぐらいいたしますともうどうにもならない、一本化の話をしようにも、なかなかできない状態になってくると私は思うのです。ですから、とにかく一本化の方向に向けて話し合いができるとしたら、この二、三年のうちでしかできないと私は考えているわけでして、このことは予算委員会において厚生省の年金局長さんにも申し上げましたら、年金局長さんも、私もそのとおりだと思うというような御答弁がございました。どうしましてもこの二、三年の間に少なくとも解決の方向性だけは示さなければならない段階に来ていると思います。そうした中で、共済年金あるいは公企体の年金というものが一つの手本になりますれば、これを中心にしてほかの年金もこれにあわせて引き上げていく、そういう議論になるかもしれません。いまこれが一番恵まれているわけでありますから、私どもはそう期待をするわけでありますが、もしそうなるとするならば、当然のことながら国庫負担あるいはまた個人の負担も多くならざるを得ないことは言うまでもないと思います。  私どもは私どもなりに大体昭和五十一年から二十年間の計算をしてみますと、国民基本年金で月々最低限度五万円ずつ。だから、いままでたくさん掛金をしておみえになりました方は、これにプラスアルファということになりますからふえるわけでありますけれども、基本として五万円という年金をそこに設定をして計算をしてみますと、二十年先の昭和七十年までの間に百二十三兆三千五百十億円という金が必要になります。これについて現在のような掛金をしていきますと、そこから得られます金は八十二兆二千五十億円、これぐらいなものになるわけです。これは十八歳以上の人、五十年度ぐらいのお金の値打ちで大体月々千円ぐらいの掛金というような計算でございます。これはもちろん被用者、それからそれに対する事業者の分も含めてでございますけれども、したがって、これに対して三分の一は国庫補助をここに導入をしていかないことにはいけないということになります。国庫補助を導入していくということになれば、現在問題になっております追加費用に匹敵するものを各年金につぎ込むということになるわけでありまして、これは財政上逼迫しております折から、大蔵大臣としては急にそういうわけにはいかぬぞという御意見になろうかと思いますけれども、しかしこういうふうな一つの行き方も合意としては得られるのではないかと思うわけであります。  そこで最後に大蔵大臣、先ほど全体の方向性に対しての合意というものを御賛同いただいたわけでありますけれども、年金に対する国庫負担も年々歳々ふえてまいります。老齢福祉年金の方は人数が少なくなっていきますからこれはふえてはまいりませんけれども、一般の年金の方は年々歳々ふえていくわけであります。これは掛金としていただくか、それとも税金からもらうか、どちらかになるわけですけれども、私どもの考え方は、皆さんの掛金もさることながら、全体の三分の一くらいの額の国庫負担は将来もしてもらう方向でいきたい、こういうふうな計画を立てているわけでありますが、大蔵省としてこの年金問題について厚生省等とお話し合いになるような機会はいままでありましたか。あればどういうふうな話し合いがされたということを教えていただきたいと思いますし、いままでなかったけれども、今後そういうふうな話し合いをぜひ進めていきたい、こういうお考えがありましたらその御決意もあわせてお伺いをしたいと思いますが、いかがでございますか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 これは年金制度の根幹に触れる最も重大なるところだと私は思います。掛金主義でいくか、あるいは税金主義でいくかということについてのそこをどうあんばいするかということが決まれば、もう問題が大分片づいたということでございますけれども、なかなか簡単にはいかぬ。私はかつて厚生大臣をしておったときにもそういうことを考えましたが、今度大蔵大臣に就任して以来、そういったような根本問題に実はまだ触れて厚生大臣と話したことは正式にはございません。しかし、厚生大臣も腹の中ではそういったようなことについては本当に真剣に考えなければならないことであるということは、申すまでもなくお互いの胸の中を往来しておると私は信じております。  いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたとおり、抜本的に改正をするというためには、そこいらのことも相談をせねばならぬことでございますから、私はこの問題に取りかかるに当たりましては、最も重大なる解決をしなければならないことだということをかたく胸の中へ取り入れまして、そういった問題を一つ一つ片づけてまいりたい、かように考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 経済問題ですと、経済閣僚会議というのをやられまして、いろいろ意見交換をしておみえになるわけでありますが、年金にかかわりのあります各大臣間で、ぜひこういった問題を至急にお話し合いをいただけたらと思うわけです。年金閣僚会議みたいなものを厚生大臣が指導していただいて——大蔵大臣が指導していただくへきものではないかもしれませんが、いずれにいたしましても金を握った大蔵省でございますから、金にかかわることでございますので、ぜひ大臣からお声をかけていただいてそういうお話し合いのきっかけをつくっていただきたい。皆が心の中で思っていただいているだけでは全然前進しないわけでありまして、お心の中で思っていただいていることだけは、きょうお聞きしてよくわかったわけですが、ぜひそういう行動に移していただく一つの引き金を大蔵大臣に引いていただきたいと思いますが、いかがですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 いずれにいたしましても、福祉政策の問題として取り上げなければならぬ問題であるということでいま叱咤激励していただいたことは、私は大変ありがたいと思っております。そういう方向でまいりたいと思います。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 最後にいたしますが、主計局の次長さん、最初に小さな問題でございますが、申しました。主計局の中で要求をし、そこで査定をする、言葉が当たっているかどうかわかりませんがそういう感じを受けるわけでございます。少しやっかみで見られる可能性みたいなものはあると思いますけれども、その辺の全体の機構上の整備というものはお考えになっておりますか。もしもお考えになっておりましたらで結構でございます、お答えいただいて終わりにしたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 最初のお答えが少しはっきりしなかったかと存じますが、各省の要求に対しまして共済課におきましてこれを査定するという制度になっているわけでございます。ただその法案の主管も大蔵省でございますので、御指摘のような気持ちをお持ちになる方があるかもしれません。私どもとしましては、そういうことがあるだけに極力自戒をいたしまして、公正な仕事をしてまいりたいと思っております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 これで終わります。

山下元利自由民主党

○山下(元)委員長代理 永末英一君。

永末英一民社党

○永末委員 きょうは共済年金に関する質疑でございますが、坊大蔵大臣が七カ国首脳会議に出席をされましたので、その帰国直後でございますから、いささかその御感触を伺っておきたいと思います。  七カ国首脳会議は、これに出発前、福田総理は経済だけの問題だ、こう言っておられました。この委員会でそういう発言がございました。しかしこの七カ国首脳会議が終わりますと、翌九日にはベルリン関係諸国会議が四カ国で行われました。十日からはNATOの首脳会議が行われる。これらはすべて彼ら西側諸国の安全保障にかかわる問題である。七カ国首脳会議は、ことに経済がテーマであったと言われるのでありますけれども、この後で出ました宣言の中では、「われわれのうちで欧州経済共同体加盟国である国は、共同体の枠組の中において努力する意図を有する。」こういうことが一項入っているわけです。そうしますと、何かわれわれだけがアジアから行きまして縛られたのではないかというような感じを持つわけでございます。  そういう角度からこの宣言を見ますと、いろいろな疑問点もまた出てこようか、いや国民のために明らかにしなくてはならぬ点があるのではないかと思いますので、まず最初に、いまのような感覚でこの首脳会議の意義を私は見るのでありますけれども、大蔵大臣は総括的に、出席をされて会議にどういう意義があったとお考えでしょうか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 七日、八日の会議に出席いたしまして、会談は実になごやかで、なごやかといったってどうでもいいということではない。問題については非常に深刻なる論議が闘わされた。ただそれに非常に興奮をしてやりとりをするというようなところはございませんでしたけれども、とにかく集まった七カ国が、今日世界における不況と申しますか、経済の沈滞と申しますか、それから南北の大変な格差と申しますか、いずれにいたしましても、いまの世界経済は非常な窮境にあるというものを、この七カ国がまず指導するというと大きなことでございますけれども、とにかく先頭を切りまして、世界経済を立て直していこうじゃないかというような気持ちが非常に強く底流に流れておった、こういうふうに私は感じました。  そこで、いろいろな議論の末でございますが、とにかく小異を捨てて大同について目的を達成しようというような気持ちに終始しておった、私はかように考えます。その一例を挙げますならば、これは福田総理が提唱いたしたことでございますけれども、今日の世界における経済、これを引き上げていくというためには、何といっても資源有限が大変迫ってきておる時代における世界経済というものは、保護貿易というふうな方向に陥っていきますと、まさに世界各国の経済の縮小を来たしてくることである。この際こそは自由貿易に徹して、でき得る限り世界の資源を世界の民族と申しますか各国のために最も有効に活用していくということが大事なことである。そこでともすれば保護貿易に陥ろうとしておる傾向が見えますけれども、さようなことはぜひとも払拭いたしまして自由貿易に徹していこうではないかというような非常に強い決意を福田総理は提唱しましたが、これに対しては必ずしも直ちに満場一致というわけにはまいりませんでした。ドイツだアメリカだというものはもうそのまま聞いておりました。反対はしないということでありましたが、ある国のごときはこれに対しては大変な、頭からおれは自由貿易には反対だ、こういうことは言いません、言いませんけれども、これを制約するといったような——もっともその国だけのことから見ればそれは決して理由のないことではないと私は思いましたけれども、そういったこともたび重なるやりとりのうちにはついに自由貿易については一同異議なく合意をした、こういうようなこともございまして、とにもかくにもいろいろなことについてはひとつできるだけ連帯と協調でもって世界経済に対処していこうということだけは合意された、かように私は考えております。

永末英一民社党

○永末委員 連帯と協調というお話でございますが、この文書をよく読んでみますと、これらの討議を通じこの文書をまとめるに当たってわが国がこれらの諸国に対してこれこれはやりますというようなことを約束したのではないかと思われる点がございました。その点をひとつ明らかにしておいていただきたいと思います。  付属文書の「世界経済の見通し」の中で、いわゆる石油ショックの結果赤字が非常に出てきておるということを分析し、黒字国と赤字国との調整の必要性が大きいということを全参加国は認めました。そうして国際収支不均衡の調整に貢献するためには新たな政策をとることを約束した。こうなっておるのでございますが、わが国は黒字国でございます。貿易収支だけでございます。しかし、お話の中にございましたように、たとえばヨーロッパにおきましてもわれわれが自動車を輸出しているところで自動車を生産している国ではこれに対していろいろなことを言っていることも事実でございます。  さてこの文句でもってわれわれ日本国は国際収支不均衡を正すためにどういうことをしようということを言われたのですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 会議を通ずる一般の考え方といたしましては、国際収支において非常に強いポジションを持った黒字国は、できるだけその国のインフレ、物価高といったようなことを避けながら、国内の需要を刺激して引き上げていくことによって世界の貿易に貢献すべきこと。それから弱い国はまずみずからの力、しんぼうにおいてできるだけ安定をさせるような態度をとっていく。つまりここのところは日本がかつて総需要抑制という強い試練を乗り切ってきたといったようなことを、ポジションの弱い国にとっては言っておるのだと思いますが、そういったようなことをやることによりまして、幾らほかの国が力を入れましても御本尊が真剣にならぬ限りはこれはどうにもならぬ。だから強い方の国はいま申し上げましたような態度でいき、弱い国はそういったようながまん精神と申しますかきわめて堅実なる態度をとっていくように持っていかなければいけないといったようなことがこの会議全体を通ずる、それはそうだ、そうやらなければいかぬという空気が強くわき出ていたということを私は考えます。  そういったようなことに相なりますれは、これはやはり黒字の国もよしひとつそれなら、世界には御案内のような、IMFにいたしましてもあるいはGABにいたしましてもそういったようないろいろな機構ができております。そういった機構を媒体といたしまして、それらの国に対して救援と申しますか協力というかそういったような手をかけていくこともおのずからできてくるということでございます。ところが、何かこういう場合にはこうやるべきだ、こうおまえの国ではやってもらいたいのだといったような直接約束をするとか、あえてどういうことをやらなければならぬとかいったようなことは、会議に臨んだ私には、そういったような場面、何かオブリゲーションを課せられるような情勢は、実情は全然見受けられなかった、かように考えております。

永末英一民社党

○永末委員 いわゆる工業国あるいは先発国と申しますか、それが自国の経済を発展させるために、しかも国際的にポジションのいい国の場合、まず内需を振興して、そして余り売りまくらないように、こういうようなことがことし一月に日本で行われました日米欧委員会の席上でも出ておりました。しかしいま大臣のお話しになりましたように、そのことと発展途上国、それはそれで努力をせよということではなくて、その相互間の関係も話が出ているはずであると思います。それはただ単にIMF等の国際機関を通ずればおのずから出るということではなくて、あなた話が出なかったとおっしゃったけれども、国際収支不均衡の調整に貢献するために新たな政策をとることを決定したということになると、たとえば日本の場合には貿易の自主規制をやるがごときお話は出なかったのでしょうか、もう一度明らかにしておいていただきたい。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 答弁します。  実は原則としてはどうしても自由貿易でなければいけない。ところが日本がたとえばテレビだとか自動車だとかそういったような特定のものを——日本がとは言いません、特定の商品を特定の場所に特定の時期にいわゆる集中豪雨的に出していくことは、そこにおのずから保護貿易というものの考え方を触発していくことに相なるおそれがある。そういったような場合にはかえってその原理原則であるところの自由貿易に対してそれは一つの障害になる、これは日本としても考えなければならぬことであるということは福田総理もそう言っておりました。そういうことで、何か義務づけられてどうするということではなくて、とにかく目的は自由貿易であるからそれを伸張せしめていって盛んならしめていくというためには、ある部面におきましてはこれはひとつ縮小、自粛をしていかなければならないというようなことはありますけれども、それをよそから強制せられて、そしてこれをみずから縮小していくというような考え方ではないということでありまして、いずれにいたしましても、目的達成のためにはある場合にはシャクトリムシが縮まなければならぬようなときあるいは場面というものは考えなければならない、これは私もそういうふうに考えております。

永末英一民社党

○永末委員 「国際収支ファイナンシング」という項に次のようなことがございました。すなわち、石油輸入国の赤字額は、四百五十億ドルにも及ぶのだという分析をいたしまして、それを受けて、「このような赤字は、石油消費国間においてそれぞれの国の継続的資本調達能力に対応する形で配分される必要がある。」これはどういうことなんですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 その話は確かにありました。ありましたが、黒字国がために黒字でもって赤字国を救うというか、協力するというか、配分するというようなことは、これはまさに慈悲的、慈善的にそういうようなことをやったのでは、とても世界経済の立て直しはあり得ない。そういうことから考えまして、たとえば日本の場合は、できた黒字というものを——さらに日本は御承知のとおり貿易国でありまして、原材料を海外に仰いで、それを日本で生産加工して、輸出する、こういうことなのでございますけれども、日本の産業がそうやって立っていくためには、原材料を産油国あるいはその他の資材を持っておる国から買わなければならない。買えば、そこの日本へそういうものを積み出した国は、それだけ日本の支払いによって輸入力ができてくるということでございます。そうすると、その輸入力が活用されて、ほかの生産国からいろんなものを輸入することができるというような一連の流れにおきまして経済を、つまりたまった黒字はそういうふうに活用していく。ただ、世界経済を直していくのに、慈善行為、慈悲行為といったようなことではいけない。しかしながら、非常な最貧国だとか、何とかして国力を立て直して、経済を立て直していこう、先ほど申しましたみずからセルフヘルプの根性に燃えておる、その意欲に燃えておるような国に対しましては、無償に近い融資だとかあるいは無償の融資だとか、そういったようなものも当然行われるであろう。それは、世界のいろいろな金融機構がございますが、これを媒体として行っていくということは、これは会議において合意されたことです。

永末英一民社党

○永末委員 同じく「国際収支ファイナンシング」の項で、「長期的資本輸出の流れの増大を促進すべきである。」こういうことで合意が見られておるのでありますが、わが国もまた長期的資本輸出というものに重点を置かれる政策を今後おとりになる、こう理解してよろしいか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 そういう場合もしばしば生じてくると思います。

永末英一民社党

○永末委員 「貿易」の項によくわからぬようなことが書いてございますが、「われわれは、正常でない慣行や不当な行為が国際貿易、金融及び通商から排除されるべきであると考えており、現在不正な支払の禁止についての国際的合意に向けて作業がなされていることを歓迎する。」わが国はこれで何か指摘を受けたのですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 わが国は指摘は受けておりません。これは例の多国籍企業のことにつきまして、一項目あったわけなんです。そういったようなことは、これはわが国は別に何をしたかにをしたということではありませんで、お互いにこれはかようなことの今後なかるべきことを期してやっていこうじゃないか、こういうことでございます。

永末英一民社党

○永末委員 わが国もまた近年多国籍企業の母国の位置を占めておる例もございますし、また他の国からダンピングの疑いをかけられておる事例もございます。そういうことはここに入っておりませんね。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 わが国のことに関しては入っておりません。

永末英一民社党

○永末委員 それでは、本日かかっております共済年金について伺います。  首脳会議はこの辺にいたします。あとは大蔵大臣の所管ではございませんから、エネルギー問題等も聞きたいのでございまするが、それはまた別の大臣等に聞くことにいたします。  さて、国家公務員共済組合というのは数が多いようでございますが、幾らあるのですか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 国家公務員共済組合の数は二十五組合でございます。ただ、長期経理を持っておりますのは、そのうちの二十組合がまとまりまして、一つの連合会をつくっておりますので、連合会とほか五組合でございます。

永末英一民社党

○永末委員 連合会は別にしまして、それぞれの単位共済組合と申しますか、一番大きな加盟員数と一番少ない加盟員数はどうなっていますか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 一番加入者の多い組合は郵政省の組合でございまして、長期組合員が三十一万五千人でございます。一番小さな組合は造幣局の組合でございまして、長期組合員は千七百四十人でございます。以上は昭和五十年度末の数字でございます。

永末英一民社党

○永末委員 これらを通じてこの共済組合のために働いている職員がおるはずでございますが、それはそれぞれの母国である各省から、出向という言葉が当たるかどうか知りませんが、そこの職員であって共済組合の仕事をしている者と、共済組合に雇用されて働いている者と二つあると思うのですが、この数は明らかにしていただけますか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 御指摘のとおり、職員は二つに分かれております。まず、各共済組合に直接雇用されております共済組合職員の数ははっきりいたしておりまして、昭和五十一年度末では三千百五十九人でございます。ただ、各省の職員で共済組合の事務に従事しておる者がいるわけでございますけれども、これらは実は各省それぞれの厚生関係の事務を担当いたしますと同時に、あわせて共済組合の仕事もいたすというような両方兼務のかっこうで勤務をしておるような職員がわりあいに多数ございますので、実は統計数字からこの種の人たちの人員を拾い出すことがなかなかむずかしいのでございます。  現在、私どもは昭和五十年の八月時点でできる限りの実態を調査したことがかつてございますけれども、おおむねその結果から見ますと、各省の職員で共済事務に従事しておる方々は約五千人くらいであろうと存じております。

永末英一民社党

○永末委員 いわゆる兼任だとみなされる人は、各省の仕事をしなければならない配置だが、共済組合の仕事があるので、それをやっておるのか。もともと共済組合としてはこれだけの仕事をしなければならぬ、しかしながら単独でそれを雇用することができないから、各省に勤務している人がそれに当たっておる、そうしてそのペイは、給与等は一切その省庁がこれを受け持っておる。これはどっちの発想なんですか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 共済組合は法制上別個の人格ではございますけれども、共済組合でいたしております仕事自体は、同時に各省職員でありますところの共済組合員の福祉なり年金なりということに直接関係のある仕事をいたしておるわけでございます。そういう点から申しますと、今度は各省は各省で自分のところの職員のための、たとえばレクリエーションでございますとか、そういう福利厚生的な事務も持っているわけでございます。したがいまして、形式上人格は異なりますけれども、実際には同じ各省職員に対する広い意味での福利厚生の業務であるということから、特に国家公務員共済組合法の十二条に規定がございまして、「各省各庁の長は、組合の運営に必要な範囲内において、その所属の職員その他に使用される者をして組合の業務に従事させることができる。」という規定になっておりまして、この規定に基づきまして公務員が共済の事務を担当をしておる例があるわけでございます。

永末英一民社党

○永末委員 その専任で職員になっておられる人の年金関係は、どういう処置をしておられますか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 これは、特例がございまして、共済組合連合会職員のための共済年金制度がございます。

永末英一民社党

○永末委員 専任でない方は先ほど法令の根拠を言われましたけれども、それらの人々は、あなたの御説明ですと、いわば職員局員みたいなものであって、当然職員の福利厚生についてしなければならぬ主務がある、共済組合の行っていることもその中だから、直属長の命を受けてその仕事をしておる。しかし、それはどうなんですか、省としてなすべき仕事と共済組合の仕事と二つやっているのですか、もっぱら共済組合の仕事を命を受けてやっておるのですか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 それは、個々の実態によりましていろいろの態様がございます。私が先ほど約五千人ぐらいでしょうかと申しましたのは、それらの両方の仕事にまたがってやっております人たちにつきましては、大体五割以上共済の仕事をいたしておられると認められる方々を拾い集めまして五千人と申し上げたのでございます。

永末英一民社党

○永末委員 そうしますと、共済の仕事に関係のある者は五千人よりたくさんおるというわけですね。仕事のうちの半分以上は共済の仕事をやっておられる方を探せば五千人。だから、ちょびっとやっておるとか、こうなりますと、いまの率でいきますと一万人以上おる、こういうことになりますか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 調査がございませんので、はっきりとしたお答えをいたしかねますが、いろいろ実務の経験のある者にいま聞いてみますと、それほど多くはいないのではなかろうかと申しております。

永末英一民社党

○永末委員 わが党は、行政改革というものを目途にしながら、行政内容を一義的に明確にすべきであるということでいろいろ調査を続けているわけでございますが、共済組合の仕事に必要なら共済組合の職員、本省の仕事に必要なら本省の職員、こう分けてやることがこの共済関係の仕事についてはできないのですか、できますか、どうですか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 共済組合の仕事には、長期の仕事、短期の仕事とございます。たとえば短期の仕事は、職員の医療に関する問題でございまして、こういう点から、常時職員と接触し、いろいろな情報にも通じ、また連絡がある必要がございます。また、長期につきましても、職員の在職中のいろいろと長期にわたる経歴その他に密接に関係がございます。したがいまして、仕事のやり方の効率の点から申しましても、ただいまのように各省庁の中であわせて共済組合の業務の一部を担当するというやり方をいたしました方が、総体的に人手も少なくて済み、また、間違いも少ない、能率が上がるというふうに考えております。

永末英一民社党

○永末委員 連合会は別にしまして、それぞれの二十五にわたる単位共済組合は、年間どれくらいの経済量を動かしているのですか。一番多いのと  一番少ないのと言ってください。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 最大の規模を持っております郵政省の昭和五十二年度予算について申し上げます。長期の経理についてでございますけれども、組合員の掛金、それから国の負担金、整理資源その他積立金の利息、配当等の収益を全部合計いたしますと、収入の合計が一千四百二十三億円でございます。これに対しまして、この収入から組合員であった者の受給者に年金あるいは一時金を支給する等の支出をいたしまして、その残余は積立金として年度末に積み立てるということでございますので、収支のしりといたしましては、いまの同額の一千四百二十三億円の支出、これは積立金繰り入れを含めて支出がございます。  それから、一番小さな造幣局について申し上げますと、この収入支出の合計は八億二千五百万円でございます。

永末英一民社党

○永末委員 先ほど医療関係の話が出ましたが、それぞれの共済組合とそれぞれの健康保険組合とは非常に密接な関係になっておると思いますが、法律的にはどういうぐあいにやっておられますか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 共済組合が行っておりますのは、私ども短期給付と俗称いたしておりますが、医療関係の業務は、健康保険組合の業務を共済が代行しておるという観念に立ってございます。したがいまして、制度の基本的な骨格につきましては、健康保険組合と共済組合の短期給付とは同じことをやるわけでございます。ただ、掛金等につきましては、それぞれ財政事情によって各共済組合で決定いたしておるわけでございます。

永末英一民社党

○永末委員 この二つの組合の財産関係は明確に分かれておりますね。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 それは完全にはっきりと分かれております。

永末英一民社党

○永末委員 共済組合というのは全体でどういう施設を持っておりますか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 まず第一に、保養所、病院といったような施設を持ちまして、職員の病気療養なりあるいは健康回復なりという業務をあわせ営んでいるわけでございます。そこで、国家公務員の共済組合が設置をいたしております保養所、宿泊所について申し上げますと、五十一年度末現在で二百三十九施設ございます。それから、病院、診療所の数は、同じく五十一年度末で五百六十七施設を持っています。

永末英一民社党

○永末委員 共済組合連合会というものはどういう人員で構成されておりますか。それから、その予算規模をお知らせ願います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 連合会の定員でございますけれども、五十年度末現在で一万二百八十二人でございます。それから連合会は傘下の組合の長期業務をまとめてやっておりまして、その長期経理の収入、支出につきましては、収入額が三千四百二十三億円、これは五十二年度の予算でございます。それから支出を差し引きまして残りを積み立てに出すという経理をいたしております。

永末英一民社党

○永末委員 いまの人員、それからいまの予算等は、ほかの単位組合とは全然ダブらないものですね、どうなっておりますか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 それは重複がございません。

永末英一民社党

○永末委員 この連合会というものは各省の職員というものを出向の形で兼務しておりますね。それと専任の者とどうなっておりますか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 連合会の職員は全部連合会の専任の職員でございます。

永末英一民社党

○永末委員 連合会は施設を持っておりますか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 連合会が所有して運営しております保養所、宿泊所等は八十二カ所全国にございます。また、病院、療養所等は合計で三十九カ所ございます。これらが連合会の所有施設でございます。

永末英一民社党

○永末委員 厚生省の方が来ておられると思いますが、厚生年金の場合、加入人員は何人であって、その予算は幾らであって、それからいま話されたような施設、保養所、宿泊所ないし病院、診療所、この数をお知らせ願います。

片山巖社会保険庁年金保険部厚生年金保険課長

○片山説明員 被保険者数につきましては、五十一年十二月末におきまして二千三百九十九万七千四百三十九人でございます。  それから予算規模でございますが、歳入合計で五兆一千二百九十五億八千九百六十四万三千円、歳出規模では二兆三千二百三十六億九百七十八万円でございます。  施設につきましては、全部で五十三施設ございまして、病院十施設、会館等が六施設ございます。それから老人ホーム等が三十三施設、スポーツセンターが四施設、こういうことでトータル五十三施設ございます。

永末英一民社党

○永末委員 先ほどから整理資源、追加費用の問題がございますが、この性格をこの際明らかにしていただきたい。  先ほど次長のお話では、企業に企業年金あるごとく、公務員にも職域年金のごときものがあってしかるべきだという思想がここに入っているようでございまして、しかし企業年金のある企業なんというのはちょびっとですわね。日本の企業の中ではないのが山ほどあるわけでございます。そうしますと、企業年金のない場合の一般労働者というのは厚生年金だけしか頼るべきものがない、こうなってきます。その場合に、企業に企業年金があるから公務員にも職域年金があって当然だというのは、私は発想において少し出発点が間違っておるように思います。  しかし、もう一つの観点は、整理資源というものは、もともと恩給という制度をやめたので、それの後始末と申しますか、それでやっているんだ、こういう思想がある。これは二つが混乱しているように思うのですが、整理してひとつ御見解を伺いたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 前段で御指摘がございました職域年金と申し上げましたのは、私の考えでは、現在の新しい共済年金制度自身の性格はいかなるものかという問題につきまして、これは社会保障的な年金制度の性格とあわせて職域年金の性格を持つ年金でございますということを申し上げたのでございます。     〔山下(元)委員長代理退席、委員長着席〕  それから、後段の御質問の整理資源の問題は、今度は実は新しい共済年金の制度が発足する前の話でございまして、共済年金制度発足前の勤務期間でございますから、新しい保険数理による年金制度の対象となりません期間につきまして、それぞれ当時の公務員が持っておりました恩給法上あるいは旧法の共済法上の当時の権利を尊重してこれに対処する、そのことに必要な資金として国が負担をする費用でございます。したがいまして、前段は共済制度発足後の問題、後段につきましては発足前の問題というふうに御理解いただきたいと思います。

永末英一民社党

○永末委員 前の問題ということになりますと、いわゆる旧恩給法によって恩給をもらうべき資格のある者がこの世からいなくなれば、整理資源なるものはもう出す必要がない、こういうことになりますね、該当者がいなくなりますから。そのときもなお、先ほど言われた前段のもの、共済の年金の性格上職域年金的性格があるんだからということになりますと、恩給受給資格のある者が死に絶えても、死に絶えるという言葉がひどければ、いなくなられてもなおこれは続くんだということになりますが、その点はっきりしていただきたい。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 それはいま申し上げましたように、整理資源と共済年金の性格は全く別のものでございますから、恩給受給権のおありの方がおられなくなれば整理資源はそこでゼロになるわけでございます。と申しますのは、私は職域年金と申しましたので、何か特別のプラスアルファが国庫から出ているようにあるいはお受け取りになる方がおられるかもしれませんが、そういうことではございませんで、共済年金制度発足以後の年金の所要額につきましては、すべて国と本人とそれから今度は使用者としての国、この三者が保険数理に基づいて分担をする制度でございまして、そこにそれ以外の国からの費用の投入はないわけでございます。

永末英一民社党

○永末委員 時間が参りましたので、質疑を終了いたします。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 荒木宏君。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 公的年金制度の制度間の格差問題について、いわゆる官民格差の問題が提起されておりますが、比較の問題でありますから、私は、この比較が正しく行われていないという面があればこれは正さなければならない、同時に制度それ自体に問題がありとすれば、従来の経過、沿革を十分配慮しながら検討の必要がある、これは申すまでもないことだと思うのです。  それで、先ほど来同僚委員の質疑の中でも明らかにされておりましたが、共済年金と厚生年金とは成熟度に差異がある、あるいはまた掛金の額、率が異なっている、こういう指摘がありました。それ以外にも一人当たりの積立金の額が違うとか、あるいは婦人比率が異なっているとか、さらにはまた賃金曲線、カーブが違うとか、いろいろあろうかと思うのです。思うのですが、いずれも個々の項目の比較でございまして、それぞれ従来の歴史的な沿革の上にさまざまな要素の組み合わせで発達をしてきておるのですが、そうした意味で、私は、全体として実態を見るということもきわめて大事なことではないかと思います。  指摘されております論は、厚生年金と共済年金につきまして、トップとトップを比較する、あるいはまた標準と標準を比較する、こういった手法が用いられておりますが、この標準の置き方というのは、年金の額の階層分布の姿によってもかなり違ってくるのではないか、こう思うわけですね。  そこで、大蔵省にお尋ねしたいのですが、国公共済、公企体共済で、ブラッケットのとり方はいろいろありますが、年金受給者の階層別分布を調査されたことがあるかどうか、どういう姿になっているか、これをまず初めに伺いたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 年金受給者を受給金額の階層によって区分をいたしました統計はつくってないそうでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 自治省の方では、五十一年の七月ですが、退職年金受給者の生活実態調査結果、アンケート調査で回収率八〇%以上になっておりますが、文部省や警察庁、関係各方面の協力も得て、階層別の分布の実態の調査をされております。  これによりますと、九階層に分かれておりまして、一番下位が五万円以下、それから後は二万円刻みで、全部で九つに分かれておりまして、一番上は十九万円以上という刻みになっております。その中で、下位の三つの階層ですね。九つあるうちの下位の三つの階層、五万円以下と五万円から七万円、七万円から九万円、これが約七〇%に近い。つまり、三分の二の年金受給者の人たちが下位の三つの階層の中に入っている。平均が出ておりまして、これは七万七千円ということですから、ちょうどこの平均の階層帯を含むそれ以下の人たちが三分の二ということになっておるのです。言うなれば、東京タワー形といいますか、下の方がずっと広がって、上がぐっと突出しておるという姿が描けると思います。先ほどの御説明ですと、厚年の場合には、期間が短いときには高い、こういう話がありましたから、それだけでは軽々に判断はできないし、また、皆さん調査していらっしゃらないということですから一義的に言うことはできませんが、比較的低ピラミッド形といいますか、おわん形といいますか、こういうふうな姿になっておるようにも思えるのですが、いかがでしょう。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 共済年金の年金額の計算につきましては、まず下の方といいますか、比較的最終俸給の低かった方々、あるいは勤務年限の短かった方々につきましては、昭和四十九年以降いわゆる通年方式という計算のやり方を導入いたしております。これは厚生年金の計算方式に準じた計算のやり方でございまして、報酬比例部分のほかに定額比例部分がございますために、比較的低い層の方々には有利に結果が出るわけでございます。それで、全体の受給者の中で恐らく六割ぐらいは通年方式による年金額を受給しておられますので、その意味では、公務員の共済年金は最終俸給に比例しているのではなくて、下の方は持ち上げられて高くなっているわけでございます。それから今度は上の方でございますが、上の方は最終俸給を無制限に基礎にするのではございませんで、最終の俸給額に上限を画しております。頭打ちを置きまして、それよりも俸給の高い人は、幾ら高くても一定の額以上には年金計算の基礎としない。現在の制度でございますと、その額は月額三十四万円でございます。したがいまして、上は三十四万円を基本にした年金額で頭打ちとなる、低い方は通年方式でかさ上げになるということでございますので、現在の共済年金の上下の開きは、そういう意味では上薄下厚と申しますか、内部での格差は縮小いたしておると考えております。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 それは次長、だめです。自治省が昨年調査して発表して数字がきちっと出ておるわけですよ。いまおっしゃった六段階に分けての是正の方法の改定があったことはよく承知しておりますよ。しかし、皆さんの方は、頭に描いて、そしてデータもなしに結論づけておっしゃっているのでしょう。たくさんの人の協力を得て、一つの役所がきちっと期間をかけて調査をした姿が出ている。私は自治省がやっていて大蔵省がやれぬはずはないと思うのですけれども、どうですか、こういう問題指摘があるのですが、調査を一遍きっちりやりますか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 私どもも年金受給者の実態につきましては関心のあるところでございますので、どういうやり方にいたしますか、実態については調査をいたしてみたいと考えております。  ただ、制度自体につきましても、そのように上下の格差が縮小する設計になっておることもこれまた事実でございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 それで、いま私は大体三分の二が標準ゾーン以下の受給者だ、こう言ったのですけれども、それが十分年金に対する期待が満されているかといいますと、同じく年金生活者の生活費調査というのを自治省はやっておりますが、これが十二万六千円です。ところが標準の給付が七万七千円ですから、もちろん年金の考え方についていろいろな御意見があることは従来から伺っておりますけれども、しかし、少なくともそうした生活費の実態から見て低い数字が出ておるということは、先ほど申しました東京タワー形の分布図と照らし合わせてみますと、もし共済年金と厚生年金の間に、言われるような格差ありとすれば、それは高級職員の皆さん方の年金の受給がまず第一にそこに指摘される。もちろん、いまおっしゃった標準報酬の制限があること、これはよく承知しておりますけれども、しかし、一方、ぐっと突出をしたという形になっておる、大部分の三分の二の人たちは標準以下だ、しかも生活費に対しては充足度は十二万六千円対七万七千円、そうなりますと、もしそれありとすれば、それはやはり一番上の高く高くそびえておる、そういうところに当たるということになるのではないか。だとしますと、私はそういった部分の再検討ということは、やはりこれは問題提起されておる世論の検討という上からも、皆さん方にもいろいろ考えていただかなければならぬことだと思うのです。  その一つの例として、昨日も本院の逓信委員会で同僚委員が指摘をいたしましたけれども、本年の一月十七日に電電公社の局長さんが四人そろって理事におなりになった。十八日にはそろって理事を辞任された。つまり、これは政務次官おわかりになりますね、一日理事、最終日ということですからね。私はこの制度がいままで、先ほど申しました生活要求に対して低い年金額をカバーする意味で、それぞれの分野でいろいろな要求があって、経過を経てきたということは十分承知しておるのです。ただ、全体の姿として、そんなに雲の上までとは言いませんが、うんと突出しておるところで、問題指摘されておるときに、なおかつそういうことがあるということについてはいかがであろうか。これはトップの部分ですよ。つまり高級公務員と言われる、高級官僚と言われる人たちのそういった扱いについてはどうであろうか。職場の中での、年功に敬意を表するという年功序列的な考え方が因襲として入っておるというふうな意見も聞いておりますけれども、しかし職場のそういった問題と、それが後年金になってはね返るという問題とは、必ずしも私同じではないと思うのです。そこで、この問題が実務的にというよりも政治的に、ひとつ高級公務員の一日理事というような問題をいまの私が申し上げましたような意味での一つの検討の分野として、これは政務次官にお伺いをしたいのですが、このままにしておいていいかどうか、率直に政治家としての御答弁を伺いたい。

石井一自由民主党運輸政務次官

○石井(一)政府委員 現在官民の格差と一男が非常に指摘をされておりますときに、特に厚生年金受給者の、あるいは一般の国民の立場から見まして、いま御指摘のような点があちこちにあるというふうなことは大変大きな問題だと私は考えます。ただ、その事実関係につきまして、ただいまの御指摘がある一部の官庁における特異な例であったのか、あるいはまたこれは非常に慣習化しておるのかというふうな問題について、慎重に検討する必要があるというふうに私は考えます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 くどいようでありますが、高級官僚の問題として申し上げておりますので、それは政務次官も十分おくみいただいておると思いますが、電電公社を含めて、連絡窓口を運輸省の方で引き受けておられますから、その意味でひとつよく調査をしていただいて、適切な処置をお願いしたいと思うのです。  さて、整理資源の問題でありますが、従来恩給分については恩給法の改正に右へならえのような形で改正が行われてきたのでございますけれども、これは何か特別な意味といいますか、仕組みといいますか、つながりといいますか、どういうふうな関係があったのでしょうか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 昭和三十四年度に現在の共済年金制度が成立いたします前は、一般の官吏につきましては恩給制度でございます。そして昭和三十四年度前に退職をされた方はそのまま恩給の受給者として今日に至っているわけでございます。その後に退職をいたしました方々は、共済年金による年金と、それから旧恩給に相当する部分の年金と、いわば二つを合わせて受給をしておられるわけでございますけれども、三十四年前の恩給期間.に対応する期間につきましては、この両方の方々の間に特段の差異がないはずのものでございます。したがいまして、この両者のバランスから、恩給の改正がございますと、共済年金の受給者として退職されましたが恩給期間を有しておられるという方の恩給期間につきましても、これとのバランス上同様の改正を行っているのでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 先ほどの御答弁で、この恩給部分と共済部分とは性質が別だ、こういう趣旨の御説明があったように聞いたのですが、この恩給部分に見合う財源としての整理資源というのは、その性質から言いますと、共済給付の負担分と、それからいわゆる恩給費とどちらの方に近い性質のものになるのでしょうか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 これは恩給費に近い性質のものでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 そういたしますと、この公的年金あるいは恩給その他こうしたいわゆる社会保障の仕組み全体として見まして、整理資源を仮に縮減するなり、これをなくしていくなりして、一方恩給費の方はそのままにしておくということになりますと、その点の制度間のバランスと言いますか、平等と言いますか、そういうふうな扱いはどういうことになるのでしょう。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 恩給の制度とバランスをとりまして、共済年金発足前の恩給期間に係る年金の制度も改正をしてまいっているわけでございますので、両者は同じ足取りで推移をしているわけでございます。一方が残りまして一方がなくなるという性質のものではないわけでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 そうしますと、皆さんのお考えでは、整理資源に手をつけることは、同時に恩給費にも手をつけることになる。つまり両者連動と言いますか、そういうふうなお考えをとっておられるわけですか。(「同一なんだよ」と呼ぶ者あり)連動と言いますか、同一と言いますか、その両者の関係については別々に扱い得るものなのか。あるいは一緒でなければならぬのか。その点もう一度。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 整理資源は、法律の規定に基づきまして政令でその対象を決めましてこれを予算に計上して繰り入れをいたしておるわけでございまして、たとえば財政当局が任意に政策的な判断によりまして、来年はこれを減らそうとか、来年はふやそうとかいう性格のものではございません。制度がまず先に決まりますと、その制度に伴いまして交付するに必要となりました財源を後追いで実績について国が補てんをしているものでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 そうしますと、皆さんのお考えとしては、仮にその指摘されておりますように整理資源の問題を検討しようとすれば、同時に即、恩給そのものも検討しなければならぬ、こういうことになるわけですか。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 ただいま、むしろいろいろと御議論をいただいておりますのは、三十四年に発足しました後の共済年金制度につきまして、これを他の各種の公的年金制度との対比におきましてどういうふうに今後持っていくかということの検討を行うべきであるという御議論をきょうもいろいろといただいているわけでございます。整理資源に着目をいたしまして、恩給制度とは関係なしに、たとえば整理資源だけ整理をしていくべきであるという御議論は私は伺っておりませんし、またそうすることは制度上成り立たないのでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 公的年金制度をどうしていくかという問題はもうずいぶんと論議が重ねられておりますし、財源率の問題あるいは積立金運用の問題もすでに年金制度基本構想懇談会でも皆さんの方でいろいろお取り組みもあるようですし、私どもの党はもとよりですが各党ともいろいろ見解も出しておられるようですから、時間の関係で改めて別の機会に譲りたいと思います。  ただ私は一言申し上げたいのは、この旧令による制度あるいは恩給の制度それ自体を見ましても、まだ落ちこぼれといいますか、あるいは従来の経過で国会にずいぶん熱心な陳情を続けておられる方々が少なくない。たとえば日赤の救護看護婦であった方々もそうでありますが、代表が参議院に見えました。それから修正案あるいは特別法なりが出されたことも御承知のとおりだと思います。  この点で総理府にひとつ伺っておきたいのですけれども、恩給法の改正附則の四十一条の二に「公務員に相当する救護員」、こういう規定があります。従来伺っておったところでは日赤の救護員の方は公務員ではない、こういうふうな御説明を伺っておったのですが、この四十一条の二で「公務員に相当する救護員」という規定が置かれておるのは一体どういう趣旨なのですか、簡単に御説明いただきたいと思います。

手塚康夫総理府恩給局恩給問題審議室長

○手塚説明員 日赤の救護員の方々はあくまでも公務員ではございません。ここで公務員に相当すると言っておりますのは、いわばわれわれの方のの公務員というのは恩給公務員を指しております。したがって、公務員である人が過去に日赤期間を有している場合に、その日赤期間、戦地勤務の期間を通算するという方法をとっておるわけでございますが、そのときにうちの方の恩給公務員に相当するものあるいはその期間に限定しているわけでございまして、したがってこれは簡単に言えば婦長以上が判任官相当ということになりますので、それを指し示す意味でここに公務員に相当するものとなったわけでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 念のためにお断りしておきますが、私はこの制度がかつて十年余り前でしたかとられたことについては、それなりの一定の検討があったと思うのです。ですが、いま御説明のところによりますと、恩給公務員という以上、公務員でないのにその期間恩給公務員として扱うわけでしょう。なるほど婦長さんは待遇は判任官ということになっております。しかし明治四十三年の勅令二二八号によれば一般の看護婦の方も待遇は兵卒に準ずということですけれども、その余の身分関係、基本的な身分関係については全く差異がないわけですね。ランクが違うというだけなんです。そうしますと、恩給法の中ではすでに兵の身分を有する方にも一定の処置がなされておるということから見まして、いま言いました勅令の規定による救護員の皆さんの身分、そしていまおっしゃった恩給公務員として通算されておるということ、一般の兵の場合にも対象になっておるということをいろいろ見ますと、むしろ実態は同じような苦労をされて、皆さんも国会でいろいろ陳述があったのを聞かれたと思うのですけれども、また大臣も心情的には理解ができるという趣旨の答弁もされておったようですけれども、このままにしておいていいのかどうか、これは繰り返し繰り返し論議をされておるところなんです。その点について、ゼロのままでいいのか、それとも、扱い方としてはいろいろ法制上もあることはよく承知しておりますが、何らかの処置をとろうというふうに方針をお出しになっておるのか、そこのところをひとつ伺いたいと思います。

手塚康夫総理府恩給局恩給問題審議室長

○手塚説明員 その問題、きわめてむずかしい面を持っておりまして、ただいま先生が提起されましたが、実は一番問題になりますのは、公務員期間を全く持たない日赤救護員の方、この方々が戦地で苦労された、実際には兵と同じような運命にも遭った、そういう点について、不幸にして亡くなられたとか負傷された場合には援護法で国家補償の観点から見ているわけでございますが、現行法について全く何もないではないかという点が実は一番いま大きな問題になっているわけでございます。私どもの方で、恩給法という枠でなかなかできない。ただいまの点も公務員である人に過去日赤救護員の期間があればこれを通算して計算しますが、決してこれは公務員とみなしているわけではございません。われわれ公務員採用の場合に、過去の民間経歴でも有用だと認められる場合には、それを加味しまして初任給を高く格付けしております。それと同じような発想でもってその期間を計算上通算するという方法をとっておるわけでございます。したがいまして、婦長以上というような身分で切っておかしいではないかというのは、確かに恩給法は古いものですから身分という一つの制約がございますが、たとえば日赤の方でたまたま公務員になった方で婦長でない看護婦の期間はどうだと恩給で言われますと、もっと端的に、役所で同じ机を並べて同じような仕事をしていた役人の方あるいはその期間といったものを、実は恩給法では見ておりません。そういったものとのバランスもございましてこれはなかなかむずかしい問題である。  ただ、先生もおっしゃいましたように、総務長官もやはり心情的に戦地での御苦労をよくわかるし何か報いる道はないのかというようなことで、実は恩給法の適用ということに限らず、現在広く研究を進めている段階でございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 そうすると、何らかの措置をとるということで検討しているわけですね。

手塚康夫総理府恩給局恩給問題審議室長

○手塚説明員 これは私どもの立場がちょっとつらい立場でございまして、私どもは制度として持っておりますのは恩給法でございます。ですから、恩給法でどうにかなり得るかということももちろん検討するわけでございます。ただはっきり申して、それにはかなり大きな枠といいますか、なかなかそれを越えることができないような限界というものがあるわけでございます。したがって、これは大臣から、いわば指示ということになりますが、そういったものに閉じ込もらずにもう少し何かの道はないのか、そういうことを研究せよと言われておるわけでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 最後に一言。  一方そういった落ちこぼれがある反面、今度は給付の方で逆にシビアな面がある。それはたとえば職員団体の活動で懲戒処分を受けた場合の資格喪失というふうな問題になりますけれども、これについて、厚年の場合には支給についてこういったなにがない。社会保障、保険というふうなことで職場秩序の面が給付に影響するというのは少し筋が通らないではないか、これは間々指摘をされてきたところなんですが、この点についてもたしか御意見は本委員会でもいただいたかと思うのですけれども、時間がありませんから、そういう基本的な問題提起にあわせて、処分は各役所によって基準が違いましょう。年代から見ましても、昭和四十一年ごろに公務員の労働基本権については全逓中郵の判決がある。それが御承知のその後の変遷を経て、ついせんだっては、今度は最高裁の裁判官のメンバーが変わって、それと逆の結論が出てくるようなことになった。つまり、十年足らずの間にいろいろ変わる。年金制度のようにずっと長期に向けて成熟を目指していくような制度に、五年、十年の間にくるくる基準が変わるようなことを、物差しを持ち込んでもいいのかどうか、それが一つ。  それから役所の中でも、同じように職員団体の活動に対する扱いとして、最高裁判所は、時期はちょっと忘れましたが、和解をいたしました。もう処分はなかったことにしよう。また同じ大蔵省の中でも、全財務の方では一部和解があるのです。ところが、関税局所管の全税関の方は、いや判決をとるまで聞かぬのだ、こう言って、この間もおみえの政務次官にお伺いしますと、これはとことん行くんだ、こういうお話で、時期によっても違う、同じ役所の中でも部署によって違う、そういうことを、形式としては懲戒処分という一つの範疇に入るものではありながら、持ち込んでもいいのかどうか、これは共済年金の性質との関係も含めてひとつ御答弁を願いたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局次長

○松下政府委員 ただいまの御質問の点でございますが、厚生年金は社会保障制度たる年金そのものでございまして、これに対して他の事由による給付の制限ということは本来なじまないわけでございます。共済年金は、一方におきまして社会保障的年金であると同時に職域的年金の性格を持っておりまして、これは国家公務員法なり共済組合法の規定から出ているものでございます。したがいまして、両方の性格を兼ね備えているわけでございますけれども、職域年金の性格から申しますと、これは相当年限忠実に勤務した者がやめられたときに年金を給付するのだという法律の規定にもございますように、やはり職場でのビヘービアと申しますかがある程度給付に反映するということは、この年金の性格から出てくるところでございます。それをいかなる形でとらえるかというのには、とらえようがいろいろございましょうけれども、現在の制度は、それを、たとえば懲戒処分によって解職しました場合に、年金権の喪失ではございませんけれども、たしか二〇%を限度として支給額を削減することができるということになっておりまして、これは職域年金の部分につきましてこの給付に制限を加えよう、社会保障的性格は残しておこうということから定まっているものでございます。  さて、懲戒処分そのものの内容につきましては、これはそれぞれの人事当局がそれぞれのケースで慎重に判断して決めることでございますので、共済制度の側からいたしますと、それを算定の基礎といたすという制度といたしているわけでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 承服できませんが、時間が来ましたのでこれで質問は終わります。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の両案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブを代表して野田毅君外五名より、それぞれ修正案が提出されております。  この際、提出者より趣旨の説明を求めます。野田毅君。     —————————————

野田毅自由民主党

○野田(毅)委員 ただいま議題となりました両修正案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。  御承知のとおり、これら共済年金関係の二つの法律の施行期日は、原案では「昭和五十二年四月一日」と定められておりますが、申し上げるまでもなく、すでにその期日を経過いたしておりますので、両修正案は、それぞれ施行期日を「公布の日」に改めるとともに、これに伴いまして、所要の措置を講じようとするものであります。  何とぞ御賛成くださいますようお願い申し上げます。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     —————————————

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  初めに、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。  まず、本案に対する修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いて、原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 起立総員。よって、本案は修正議決いたしました。  次に、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案について採決いたします。  まず、本案に対する修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いて、原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 起立総員。よって、本案は修正議決いたしました。     —————————————

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 ただいま議決いたしました両案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブを代表して山下元利君外五名より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際、提出者より趣旨の説明を求めます。山田耻目君。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、提案の趣旨を簡単に御説明申し上げます。  本附帯決議案は、公務員関係の共済組合制度につきましては、その勤務の特殊性等にかんがみ、引き続き検討すべき諸点を取りまとめ、その実現を期するよう政府の一層の努力を要請するものであります。  個々の事項の趣旨につきましては、先ほどの委員会審議において論議がなされ、また、案文でほぼ尽きておりますので、案文朗読により趣旨説明にかえさせていただきます。    「昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案」及び「昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案」に対する附帯決議(案)   政府は、国民相互間の信頼感を確保し、共済組合制度の充実を図るため、左記事項を実現するよう、なお一層努力すべきである。  一 共済組合の長期給付に要する費用の国庫負担分については、厚生年金等の負担と異なつている現状にかんがみ、公的年金制度間の均衡を考慮して、すみやかに適切な措置を講ずるよう検討すること。また、短期給付に要する費用の負担についても、組合員の負担上限について配意しつつ、適切な措置を検討すること。  二 国家公務員共済組合等及び公共企業体職員等共済組合からの年金について、国民の生活水準、国家公務員及び公共企業体職員の給与、物価の上昇等を考慮し、既裁定年金の実質的価値保全のための具体的な対策を早急に進めること。  三 公共企業体の共済組合の長期給付の財源方式については、他の公的年金制度との均衡を考慮して、負担区分を明確にして、健全な年金財政の実現に努めること。  四 遺族年金については、受給者の生活の安定に資するため、さらに、給付水準の引上げに努めること。  五 旧令、旧法による年金額の改善については、引き続き一層努力すること。  六 国家公務員共済組合及び公共企業体職員等共済組合両制度間の差異について、早急に是正するよう検討するとともに、国家公務員等退職手当法第五条の二に規定する公共企業体職員の退職手当について、すみやかに改善措置を講ずるよう検討すること。  七 家族療養費の給付については、他の医療保険制度との均衡を考慮しつつ、その改善に努めること。  八 共済組合の運営が一層自主的、民主的に行われるため、運営審議会において組合員の意向がさらに反映されるよう努めること。  九 公共企業体職員等共済組合に関する制度について、学識経験者等により調査審議する機関の設置については、早急に検討すること。 以上であります。  何とぞ御賛同賜りますようお願い申し上げます。  終わります。(拍手)

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  お諮りいたします。  本動議のごとく両案に対し附帯決議を付するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。坊大蔵大臣。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましては御趣旨を体しまして十分検討いたしたいと存じます。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 石井運輸政務次官。

石井一自由民主党運輸政務次官

○石井(一)政府委員 ただいま附帯決議のありました事項につきましては、政府といたしまして御趣旨を体し十分検討いたしたいと存じます。     —————————————

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 この際、連合審査会開会申し入れに関する件についてお諮りいたします。  すなわち、現在運輸委員会で審査中の国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案について、運輸委員会に連合審査会開会の申し入れを行いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、連合審査会開会の日時等につきましては、運輸委員長と協議の上、公報をもってお知らせいたします。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時五十三分散会      ————◇—————

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