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80回国会衆議院1977/04/20

大蔵委員会 第22号

発言数
26
登壇者
7
会派数
5
開催日
1977/04/20

会議録

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 これより会議を開きます。  この際、昭和五十一年分所得税の特別減税のための臨時措置法案起草の件について議事を進めます。  本件につきましては、先般来理事会等においてしばしば各党間の御協議を願っていたのでありますが、その協議が調い、お手元に配付いたしましたような草案を作成した次第であります。  まず、本起草案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。  本案は、最近における社会経済情勢に顧み、中小所得者の所得税負担を軽減する等のため、おおむね次のように昭和五十一年分の所得税を減額し、これを昭和五十二年において還付する措置を講じようとするものであります。  すなわち、第一に、減税の対象となりますのは昭和五十一年分の所得税であります。ただし、利子配当所得の源泉分離課税に係る税額、割引債の償還差益の源泉分離課税に係る税額、付帯税等を含めないことといたしております。  第二に、減税額は、本人六千円、控除対象配偶者または扶養親族一人につき三千円の額で計算した合計額とし、還付される額は昭和五十一年分所得税額を限度とすることといたしております。  第三に減税の方法でありますが、給与所得者については、転職した者、退職した者等特殊な者を除いて、原則として本年六月または七月に勤務先から還付することとしております。その他の者、すなわち確定申告をした者等については税務署から還付することとしております。  なお、昭和五十二年六月二日以後に昭和五十一年分所得税について確定申告書の提出、更正または決定などか行われる場合には、特別減税額を控除して税額を算出することとしております。  第四に、特別減税を受けることができる者が死亡したときは、相続人がその権利を承継することとしております。  第五に、特別減税額に係る国に対する請求権は、昭和五十二年六月二日以後に申告すべき者にあっては、昭和五十一年分の所得税につき更正または決定をすることができる日まで、その他の者にあっては特別減税額に係る還付金を昭和五十一年分の所得税の還付金とみなして取り扱い、その請求をすることができる日から五年間行使することができることといたしております。  以上が、本草案の趣旨及び内容であります。     —————————————  昭和五十一年分所得税の特別減税のための臨時措置法案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 別段御発言もありませんので、この際、衆議院規則第四十八条二の規定により、内閣において御意見があれば発言を許します。坊大蔵大臣。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 この法律案につきましては、政府といたしましては諸般の事情に照らしてやむを得ないものと考えます。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 お諮りいたします。  この起草案を委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案として決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 次に、内閣提出、昭和五十一年分所得税の特別減税の実施のための財政処理の特別措置に関する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。坊大蔵大臣。     —————————————  昭和五十一年分所得税の特別減税の実施のための財政処理の特別措置に関する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 ただいま議題となりました昭和五十一年分所得税の特別減税の実施のための財政処理の特別措置に関する法律案につきまして、その提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  昭和五十一年分の所得税の特別減税の財源措置につきましては、過日の六党合意により政府において対処することとされましたが、その後政府において検討の結果、特別減税実施のための特別措置として、昭和五十一年度の特例公債の本年三月末現在における発行残額のうち、特別減税の財源を確保するのに必要な金額を限り本年五月三十一日までに発行するとともに、昭和五十一年度の租税収入の予算額を上回る増加、歳出の不用及びこの公債発行に係る収入等により昭和五十一年度に新たに発生する剰余金を特別減税の財源に充てることとし、このため必要な立法措置を講ずることとした次第であります。  以下、この法律案の内容について御説明申し上げます。  まず、財政法第六条第一項は、各年度の歳入歳出の決算上の剰余金の二分の一を下らない金額を翌々年度までに公債または借入金の償還財源に充てなければならないこととしておりますが、昭和五十一年度の剰余金についてはこの規定は適用しないことといたしております。  次に、昭和五十一年度の特例公債について、その本年三月末における発行残額の範囲内で、特別減税の財減を確保するのに必要な金額を限り、本年五月三十一日までの間においてこれを発行することができることとしております。また、この公債に係る収入は昭和五十一年度所属の歳入とすることといたしております。  以上が、この法律案の提案の理由及び内容であります。  何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。     —————————————

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 これより質疑に入るのでありますが、質疑の申し出がありませんので、本案を討論に付します。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。愛知和男君。

愛知和男自由民主党

○愛知委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、昭和五十一年分所得税の特別減税の実施のための財政処理の特別措置に関する法律案に賛成の意見を述べるものであります。  委員各位におかれましてはすでに御承知のとおり、過日の六党合意により、ただいまの特別減税法案に係る所要の財源措置については政府において対処することとされていたところでありますが、減税法案を委員長提案するに当たり、その財源についても同法案の中で措置するのが施策の一貫性から申しましても、また大蔵委員会の立場といたしましても、望ましい姿であったと考えるものであります。  しかし今回、種々の経緯もあり、財政措置については政府から提案されたわけでありますが、減税法と一体をなすものとして本日減税法案と同時に審議されますことは、まことに適切な処理であると考えるものであります。  さて、減税に要する財源につき、本法律案におきましては、まず第一に財政法第六条第一項の規定、すなわち、各年度の決算上の剰余金の二分の一を下らない金額を国債の償還財源に充てなければならないこととしている規定を五十一年度剰余金に限って適用しないこととして、剰余金すべてを減税財源に充て、さらに不足する分については、五十一年度特例公債の発行残額があることにより、その範囲内で必要な金額を限り、五十二年五月三十一日までの出納整理期間内において五十一年度特例公債の発行ができることとしているものであります。  施策の実施には財源の裏づけが必要であることは言うまでもございませんが、今回の特別減税の財源を確保するためにこのような財政法上の特例となる立法措置を講ずることは、いわば異例の措置ではありますが、今日の財政の状態を初め諸般の情勢を考慮いたしますと、ほかに適切な措置を見出しがたいので、必要やむを得ないものとして本法律案に賛成の意を表明するものであります。  しかしながら、今回の特別減税がいわば異例の財源措置を講ずることによって初めて可能となった事実を銘記しなければならないと考えるものであります。今後ますます厳しさを増す財政事情のもとでの国の施策のあり方につき、貴重な教訓を残したものと存ずるのであります。  政府におかれましても、財政体質の改善、合理化に一層の努力を傾注し、財政の健全化を強力に推進されんことを強く要請いたしまして、本案に対する私の賛成討論を終わります。(拍手)

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 山田耻目君。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 私は、日本社会党を代表して、ただいま提案されました昭和五十一年分所得税の特別減税の実施のための財政処理の特別措置に関する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。  不況下のインフレ物価高によって勤労国民の生活は圧迫され、少しばかりの賃金引き上げも帳消しとなっていることは、従来の例か端的に示しているところであります。しかもその上に、名目所得上昇に伴う所得税負担の増加が実質増税となって生活難に追い打ちをかけていることも事実であります。このようなインフレによる課税最低限の実質的低下と実質増税に対して、低所得者層を中心に減税を実施し、生活防衛政策の一環にしようとするのが今年度の所得税減税要求でありました。  今回の三千億の追加減税の実現は、かかる意味からいって十分とは言い切れませんが、それなりに大きな意義を持つことも否定できません。すなわち、三千億の追加減税を税額控除、しかも一括戻し税方式で行うことは、低所得者層に効果の大きい減税方式として、所得控除の引き上げ方式よりもより適切であり、その上に、今日の財政政策上の一つの課題となっている景気対策の面でも一定の効果を持つものになっているのであります。  これは、今後の減税政策のあり方について制度的な再検討を考える布石と位置づけられているのであり、特に低成長経済のもとでは、自然増収に制約があり、減税財源の確保が問題になる現状では、より公平、公正な減税方式を採用していくことが必要であることから、それへの検討の足がかりを得たものとも言い得るのであります。  減税の仕方として、税額控除がより公平なやり方でありますが、低所得者層中心の減税を考えていけば、当然課税最低限以下の層に対する配慮も必要になり、それは今後の大きな課題として残されたことでもあります。今回の追加減税の対象を前年度納税者としたことによって、昨年の収入額が四人家族のサラリーマンでは百八十三万円から二百一万五千円の間の層に一つのメリットが及ぶ結果となっているのでありますが、このように、非納税者の中でも社会保障の対象外に置かれている中間層の対策を講じる時期を迎えていると言えるのであります。  一方、公平な税制の観点に立てば、納税の公平も欠かせないことで、応能負担原則の適用が一層求められております。租税特別措置による減免税制度は、それ自体が公平に反するもので、抜本的整理を行うことが必要でありますが、同時に、大企業、高額所得者、資産所得者など、負担能力のある層に税源を求めることであります。低成長経済のもとで福祉政策の充実を図るためには、税制の所得再配分機能を高めていかざるを得ないことは明白であり、それが今後の減税要求の最大の意義となってきているのであります。そのことが、今回の場合には減税財源の具体的提示となってあらわれ、従来のような単純な減税要求との質的相違があったわけで、減税財源のいかんによってはその意義も半減するといってもよい性格のものであります。それを一言で言えば、不公平税制の是正によって減税財源を確保することであり、それが政府に与えられた責任でもあったのであります。  ところが、本法案の内容は、五十一年度発行予定の特例国債に財源を求めており、これは赤字財政からの脱却という財政課題に逆行するものであり、容認できないのであります。また特例国債を発行する間は、前年度剰余金を、財政法第六条第一項の規定にかかわらず、その全額を償還財源として繰り入れていく方針を、政府自身確約しながら、みずからの手でほごにするということは許されないことで、政治不信の一つの要因ともなりかねないのであります。  国債発行期限を五月まで延長したのも、特例国債依存を極力抑えようとするための便法であったことなどから見ても、政府の対応は安易にしてかつ危険な方策と断定せざるを得ません。これがまず第一の反対理由であります。  第二には、野党が提示した具体的財源対策を無視したことであります。  五野党共同案の財源対策の内容は、いずれも現実的なものだけを提示したわけで、実行できない理由はないと言ってもよいのであります。しかも、減税額が三千億円にとどまったことから、なおのこと現実的な財源対策になったのであります。給与所得控除を八百五十万円で頭打ちにすること、利子配当所得課税の実施時期を繰り上げること、会社臨時特別税を復活すること、交際費課税を強化して限度超過額に一〇〇%課税すること、金融保険業などの貸倒引当金の引当率を一挙に千分の五まで縮小すること、加えて、第二種の有価証券取引税の税率を引き上げることなどで、三千億円の減税財源に倍する財源が得られるのであります。これらの増税対策は、税負担能力の点や、さらに需要の縮小をもたらさないという景気政策の両面から見て、政策的妥当性を持つものであります。  特に、税収額の大きな利子配当所得課税の強化については、政府の昨年秋の方針では、五十三年一月実施ではなく、本年度後半からをもくろんでいたはずであります。これらの増税案は、税制の公平化を図り、所得の再配分機能を強めるものであって、決して個人消費の減退を引き起こして、景気対策上マイナスと言える性格のものではあり得ないのであります。  また、法人税の関係でも、会社臨時特別税は高収益を上げた企業からの増徴であって、負担能力は十分であるし、貸倒引当金の実態は、第一勧業銀行の例で見ると、一千億円近い引当金のうち、目的使用されたのはわずか四千八百万円にすぎず、きわめて少ないと言わざるを得ません。政府が現行千分の八の引き当率を漸次引き下げて千分の五にするとの方針を、本年度から一挙にその水準に縮小しても何ら障害は起きないのであります。企業課税の強化は望ましくないとの考え方は、現在の景気の実態で民間の投資が起きないのは最終需要が喚起されないことによるものであって、そのため企業の手元資金には余裕があること、また負担能力のある企業に課税することを無視した考えで、現状には当てはまらないのであります。これが第二の反対理由であります。  第三には、不公平税制の是正に向かって一歩でも前進しようとの姿勢が見られないことであります。  五十三年度に不公平税制を是正するとの合意がありますが、現時点で実施できることは着手すべきであって、そのためには、さきに指摘した五野党共同の財源案を一部でも取り入れるべきであり、そのほかにも医師の社会保険診療報酬課税の特例の廃止、高額所得者に対する付加税の創設、富裕税の新設あるいは退職給与引当金の縮小など、いわゆる現実的と言い得る、今年度中にもその意思があれば実行できる政策が多くあります。省令改正にゆだねられている減価償却期間の耐用年数の延長などは言うまでもありません。これらの改革を行えば、減税財源はもとより、公債発行額も減額できるのでありますが、政府にはその意欲を見ることができません。  最後に強調しておきたいことは、今回の減税実施の大きな意義は、歳入法案を審議する当委員会か、十分な資料づくりと税務行政の改革を展望する重要性が一層高まっていることを示したことであり、それは高成長型、資本蓄積型税制を生活優先に、福祉充実型税制に転換するために減税、増税の両面にわたる根本的検討を緊急課題としたことであります。この点から見て、政府の姿勢に大きな欠陥のあることを指摘して、私の反対討論を終わります。(拍手)

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 貝沼次郎君。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました昭和五十一年分所得税の特別減税の実施のための財政処理の特別措置に関する法律案について反対の討論を行うものであります。  以下、主な理由を述べます。  その第一は、本法案が三千億円の減税上積みについての与野党間、幹事長・書記長会談の合意事項の基本的認識を逸脱していることであります。  つまり、さきの合意事項は、減税方式については、税額控除方式として議員立法で定め、財源については、政府に一任というものであったのであります。この財源について政府に一任という項目は、福田総理が今国会の本会議や予算委員会で、減税するために赤字国債の増額はしない、また、会談の当事者である大平幹事長が大蔵大臣時代に、今後剰余金があれば全額赤字国債の減債資金としたいという趣旨の発言を受けているものであり、本法案のように剰余金の流用や赤字国債の発行による安易な財源対策を規定したものではありません。この意味において、本法案は、国民的要望を受けて決まった与野党合意事項を軽視するものであり、容認することはできないのであります。  第二は、政府の経済運営や減税の財源対策が余りにも安易過ぎるということであります。  本年度は始まって以来まだ一カ月も経過していないのに、自然増収が見込めないとして歳入見積もりに悲観的な決定を下すことは、政府が景気回復に対し熱意がないことを示すとともに、不況下で苦悩する国民に心理的ダメージの追い打ちをかけることになります。  また、行うべき財源対策としては、税の自然増収が望めるように景気回復を早めることを初めとして、われわれが減税財源として提示した給与所得控除の頭打ち、利子配当所得課税の強化、交際費課税の強化、金融保険業の貸倒引当金の縮小など、不公平税制の是正や予備費、経費の節減など多くの努力すべき項目があるのであります。こうした努力を放棄したり、努力すべき方途を明確にしない本法案には反対せざるを得ないのであります。  第三は、本法案が財政法の基本をゆがめ、財政運用の節度を失うことであります。  わが国の財政法は、私が申すまでもなく、単年度主義、均衡財政を基本としております。この点から言うならば、まず、今回の政府の措置は、一方では赤字国債を発行しながら、もう一方では剰余金を確保しようとする実に不可解なものであります。もし、税の自然増収による剰余金があるならば、それは当然赤字国債の減債に充てることを第一とすべきであり、均衡財政を守ることにつながるものであります。したがって、今回の措置は財政法の拡大解釈であると断ぜざるを得ないのであります。  また、五十一年度の赤字国債を五十二年度減税財源に充てることは、五十一年度財政特例法が五十一年度の一般会計歳出の財源に充てるため発行できるとの規定を破るものであります。  しかも、赤字国債の発行期間を年度中の三月三十一日から出納整理期間内の五月三十一日までとすることについて、われわれは反対をしたのでありますが、政府はこの措置の趣旨が、税収の確定がおくれるので、その過不足を調整するためのものであるとして設立させたものであったのであります。しかし、本法案は、設立の趣旨を破棄するばかりでなく、財政単年度主義にも反するものであります。  このように、政府の御都合主義による財政運営は、財政法の基本精神を踏みにじり、節度を失った財政が国民に与える被害は多大であることから考えると、国民軽視と言わざるを得ないのであります。したがいまして、私は、本法案について反対せざるを得ないのであります。  以上、私の反対討論を終わります。(拍子)

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 永末英一君。

永末英一民社党

○永末委員 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま上程いたしております昭和五十一年分所得税の特別減税の実施のための財政処理の特別措置に関する法律案に対し、反対の討論を行います。  もともとこの法律は、昭和五十一年分所得税納税者に対し、五十二年度所得より特別減税をするためのものでございます。しかしながら、この内閣提出の法案作成に当たる政府の態度はまことに不適切でございまして、政治の動きに対してまことに鈍感である。いや、鈍感を装って自己の作成いたしました政策並びに予算にすがりつこうとしている態度でございまして、それは、この元法でございます特別減税のための臨時措置法案がただいま大蔵委員長の発議になり、そして内閣の意見聴取を求められました際、坊大蔵大臣はこれに対しまして、やむを得ないものと考えますと申し述べました。このやむを得ないものと考えるという趣旨は、いやだがやるということでございまして、いろいろな予算委員会以来のいきさつ上その政治的な結論として、内閣を支えております自民党もまた合意の上で今回の特別減税が実施せられることになり、そしてそれは大蔵委員会の一致した意見により、大蔵委員長の発議になってあらわれたのが先ほどの法律であります。だといたしますと、それに対する内閣の意見は、喜んでやるということでなくてはならなぬのに、やむを得ないものと考えますでは、まことにその態度不適切であると言わなければなりません。  もともと、私どもは、この特別減税の財源は五十二年度中に一般国民に負担のかからぬ方法で政府がこれを求めるべきであると考えてまいりました。そして、そのでき得ることの案につきましても、いろいろなことを提示してまいりました。ところが、政府はわれわれの案を一顧だにせず、今回提案されたような内容を盛られたのであります。しかも、われわれの主張によって財源を求めるならば五十二年度予算は修正をせられるべき問題でございましたが、恐らくは、政府は予算の修正に手を触れることをいやがり、このような内容の法案をまとめたものと思います。  しかし、問題は、この減税を受ける国民が、いかに政府か真摯な態度でいろいろなところに目を配り、租税負担の不公正を改め、行政の内容について改革を行い、そうしてその結果を国民に分け与えるという意味で減税を実施するのである、実はこういうことが必要であったのでございますが、この法をとらずして、この法案に盛られたような安易な道をとったことはまことに遺憾であると言わなくてはなりません。この特別減税によって政治に対する国民の信頼をつなぎ得ると考えました私どもの意思は、ここにおいて画餅に帰したと言わざるを得ません。  内容を精査いたしますに、第一に、政府は、その財源として五十一年度の剰余金を充てようというのでございますが、これは財政法六条によって、公債の償還財源に剰余金の二分の一以上を充てようとしている趣旨を否定するものでございまして、これでは、赤字国債の処理等につきましてわれわれが非常に将来を心配しておりますその心配がすでにあらわれたと言わざるを得ません。政府の都合によって法律を変えて、そうして借金をなくする態度をごまかそうというのでありましては、いや、不熱心であるということであってもならぬのでございまして、こういう処理の仕方につきましては、国民は安心して減税を受ける気にならないと言わなくてはならぬと思います。  第二の、五十一年特例公債の発行を財源とする。この問題は、そのことの本質におきましては、結局のところ、特例公債でございますから赤字公債で減税をする、こういうことになります。現代の負担を後代の国民に押しつける、こういうことは、いま減税を今年度で受けようとする国民の本意とするところではないとわれわれは考えます。  以上の理由によりまして、私どもは、政府は行政努力を五十一年度内に行って、そうしてこの財源を求める努力をすべきであると考え、本法案に反対をいたすものであります。(拍手)

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 荒木宏君。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいま議題となりました昭和五十一年分所得税の特別減税の実施のための財政処理の特別措置に関する法律案について、反対の討論を行います。  反対理由の第一は、本法案が国債の早期償還の原則に反する点であります。  国債の大量発行が常態化している今日、財政健全化のためにその早期償還はきわめて重要であります。だからこそ、剰余金の減債基金繰り入れを二分の一以上と定めるなど、早期償還の法律的措置が講じられているところであります。政府の償還計画が単に償還予定表にすぎない事態のもとにおいてはこの点は特に重要であると言わねばなりません。しかるに本法案は、財政法の第六条第一項を適用せず、償還財源確保の原則に反するものであり、認めることはできないのであります。  第二は、本法案が赤字国債解消の方針に反する点であります。  この点の重要性は言うまでもありませんが、財政健全化の立場からすれば、国債未発行枠の使用については極力抑制すべきであります。しかるに本法案は、当該年度の必要不可欠な歳出に充てるための国債発行を認めようとするものではなく、次年度の財源捻出のためのものであり、前記財政原則に反するものとして、容認できないところであります。  第三に、本法案は政府の国会における公約に違反するものであります。  政府は五十二年度追加減税の財源として赤字国債は発行しない旨今国会で明確に答弁するとともに、その財源に関しては、五十二年度の年度間を通してその確保に努力する旨を明確に答弁したところであります。しかるに本法案は、赤字国債の発行による繰越剰余金をその財源とするものであり、明らかに公約違反であり、かつ五十二年度全体の歳入歳出の見通しを見きわめないまま本法案による措置をとることは、その点からも容認できないところであります。  第四に、本法案はさきに成立した自民党を含む六党首脳会談の結果にも反するものであります。  六党会談において、追加減税の財源確保は政府の責任においてなされることを前提とし、その具体的な内容に触れておりませんが、合意に至る経過において、わが党はもとより多くの野党は、不公正税制の是正をその基本とし、とりわけ赤字国債をその財源としないよう強く主張したところであります。前記政府答弁もその経過を踏まえてなされたものであり、本法案はその意味で六党首脳会談の合意の趣旨にも反しており、容認しがたいところであります。  最後に、わが党は、政府が今後とも赤字国債の発行の縮減に努め、不公正税制の是正を進めるよう強く要求するとともに、追加減税法案の実施に当たっては、その職務に従事する国税職員の労働強化を招かないよう、事前に十分理解と協力を得るため最善の努力を尽くすべきことを求めて、反対の討論を終わります。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 これより採決に入ります。  昭和五十一年分所得税の特別減税の実施のための財政処理の特別措置に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 次に、航空運送貨物の税関手続の特例等に関する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。坊大蔵大臣。     —————————————  航空運送貨物の税関手続の特例等に関する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 ただいま議題となりました航空運送貨物の税関手続の特例等に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  わが国の貿易が拡大を続ける中にあって特に航空運送貨物の増加には著しいものがあります。このような情勢にかんがみ、航空運送貨物に係る税関手続を電子情報処理組織を使用して迅速かつ的確に処理するため関税法等の特例を定めるとともに、電子情報処理組織を運営する航空貨物通関情報処理センターの設立等に関し所要の規定を設けることといたしまして、ここにこの法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案につきまして、その大要を御説明申し上げます。  第一に、電子情報処理組織による税関手続について申し上げます。  納税申告その他の税関手続は、現行法では原則として書面によることとされていますが、これを電子情報処理組織を使用して行うことができることといたしております。  また、電子情報処理組織を使用して税関手続を行う場合の関税等の納付について、振替納税制度を導入することといたしております。  第二に、電子情報処理組織の運営を行う航空貨物通関情報処理センターについて申し上げます。  センターの資本金は、電子情報処理組織を共同で利用する政府及び民間が出資することとし、その設立には、通関業等に関して専門的知識を有する者が発起人となり、大蔵大臣の認可を要することといたしております。  このほか、センターの運営の適正を期するため、その監督、役職員の守秘義務等につきまして所要の規定を設けることといたしております。  以上、航空運送貨物の税関手続の特例等に関する法律案につきまして、提案の理由及びその大要を申し述べました。  何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ります。  次回は、来る二十二日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時三十六分散会      ————◇—————

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