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80回国会衆議院1977/04/13

大蔵委員会 第20号

発言数
302
登壇者
26
会派数
5
開催日
1977/04/13

会議録

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 これより会議を開きます。  昭和五十二年度の公債の発行の特例に関する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。池端清一君。

池端清一日本社会党

○池端委員 どうも連日御苦労さまでございます。  私は、昨年七月二十八日に出されました財政制度審議会の建議に即して一、二お尋ねをしたいと思います。  財政審は、昨年七月の建議の中で、「わが国財政が直面している最大の課題は、できるだけ速やかに大量の国債に依存している財政から脱却を図ることにある。昭和五十二年度は、この課題の解決にとってきわめて重要な年になるものと考えられる。」また「総予算の約三〇%、経常予算の約一九%を国債財源に依存するというわが国財政の現状は異常なものと言わざるを得ない。」このまま推移するならば「財政のみならず国民経済にとって憂慮すべき事態となることが予想される。」こういうふうにきわめて厳しい態度でわが国の財政の現状を指摘しているのであります。  昨日の参考人の意見陳述でも、ある参考人は、今日の日本の財政状態は、国際的に見ても、あるいはわが国財政史上から見ても、まさに異例、異常な状態である、こういうふうに言われております。  このような状況のもとにあって、政府としては、五十二年度予算の編成に当たって、この財政審答申をどのように受けとめられ、どのように予算案に反映されたのか、その辺の事情についてまずお尋ねをしたいと思うのであります。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 五十二年度予算におきましては、歳入面において、当面の経済運営の方向と矛盾しない範囲において増収措置を講ずる一方、歳出面においても、施策の優先順位の厳しい見直し、一般行政経費等の抑制、補助金の整理合理化、定員、機構の抑制等に努め、公債依存度を前年度より引き下げて、二九・九%から二九・七%としたところでございます。  しかしながら、歳出面では、景気の回復、福祉充実に資するため、適度の財政規模を確保する必要がありまして、また歳入面では、中小所得者を中心とする所得税減税を行うこととした等、いろいろの事情によりまして、特例公債発行額が前年度より増加いたしました。これを縮減するという最初の目的を実現するに至らなかったものでございます。  今後の財政運営の道程は一層困難さを増しておりますが、今後とも既存の制度、慣行の見直しを含む歳出の一層の効率化、租税や公共料金の負担水準の適正化等に努め、特例公債の依存から早期に脱却をいたしたいと考えております。

池端清一日本社会党

○池端委員 ただいまもお答えがありましたけれども、確かに五十二年度の一般会計予算の国債依存度は二九・七%と、前年度よりも〇・二%微減をいたしておるわけであります。しかし、五十二年度の国債発行高は八兆四千八百億円、五十一年度の発行高よりもさらに一兆二千億も増額をされておる。しかも、赤字国債に至っては、いまもお話がありましたが、削減どころか、五十一年度よりもさらに三千億円もふえている、こういう状況であります。その結果、わが国の国民は、赤ん坊からお年寄りに至るまで、五十二年度一年間で一人平均七万七千円の借金をしょい込む、こういう勘定になっているわけであります。  政府は、口を開けば、困難な財政状況のもとで国債依存度を縮減した、こういうふうに言われるわけであります。しかし現実の姿は昨年よりもさらに増額をされている。私は率直に申し上げたいのでありますが、国民はこういうコンマ以下の数字を政治に求めているのではないと思うのであります。  したがって、重ねてお尋ねをしたいと思うのでありますが、財政審の建議では「国債発行額の抑制、とくに」こう強調されている。「とくに特例公債発行額の縮減に着手すべきである」、こういうふうに建議は述べているわけであります。政府にその姿勢の転換を強く迫った、こう見ていいと思うのであります。この建議について、それを尊重する立場で五十二年度の予算編成が行われたのかどうか、その点の事情について重ねてお尋ねをしたいと思うのです。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 編成の過程の話でございますので私から御説明させていただきたいと思いますが、ただいま御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましては、この建議の趣旨に沿いまして鋭意特例公債を縮減すべく努力いたしたわけでございますが、まことに残念ながら、この答申に指摘されていますように財政再建の第一歩を踏み出すことができませんで、非常に申しわけないと思っておるわけでございます。  いささか言いわけめきますが、経済の動向から考えまして、景気の浮揚、国民生活の安定、福祉の充実という要請の中でいかに財政の健全化を図るかという非常にむずかしい問題に直面いたしまして、私どもといたしましては、昨年の七月末に概算要求のいわゆるシーリング枠から着手いたしまして、一般的事務費は一〇%、政策経費は一五%というようなことで各省に協力を呼びかけまして、各省の自主的な経費の優先順位の洗い直しを基盤にいたしまして、九月から十二月にかけまして鋭意努力をいたしました。確かにまだまだ努力が足りなかったと思いますが、公債費なり交付税なりその二つを除いた経費でごらんいただきますと、一七・四%の全体の伸びの中でそういうようなものは一三%台になっております。ただ社会福祉やなんかの方は一七、八%台の伸びを図るというような、片っ方では経費の見直しをやりながら経費の重点的投入には留意をいたしたわけでございます。補助金などにつきましても、使命を終わった補助金、効果の薄い補助金、零細なもの、こういうようなものについてわれわれなりの努力をいたしまして、七百億ばかりの節減を図ったつもりでございます。定員につきましても、定員の縮減計画を拡大いたしまして縮減を図ったところでございます。機構などにつきましても四十三年の一省一局削減以来初めて局の設置は抑えたわけでございます。  いずれにいたしましてもまだまだ努力が足りない。御指摘のような非常な財政難に直面しておるわけでございまして、何とかこれを工夫をこらし努力を払って、五十二年度の予算が成立し、関係法案が成立いたしましたら、直ちにまた心を新たにいたしまして、そういう課題に取り組みたいと思っておるわけでございます。

池端清一日本社会党

○池端委員 この委員会での政府側の答弁をいろいろ聞いておりますと、政府の答弁は実に便宜的といいましょうか御都合主義的だというふうに率直に感ぜざるを得ないわけであります。  たとえば税制の審議をいたしますと、これは税制調査会の答申を待ってと、税制調査会にいろいろ御検討をお願いしているということで、税制調査会を隠れみのに使っているわけなんです。ところがこの問題等については、財政制度審議会のこの建議なるものは、私は今年度は全くほごにされていると言っても言い過ぎではないと思うのであります。こういうふうに、同じ政府の諮問機関であると思うのでありますが、これに対する対応の仕方というものが一貫性がないといいましょうか、便宜主義的である、こういうふうに思うわけであります。私は、財政制度審議会が絶対でありオールマイティーだなんというふうには決して思っておりませんし、その構成その他にもいろいろ多くの問題点はあると思っております。思っておりますけれども、少なくともやはりこの諮問機関の答申あるいは建議というものは尊重されてしかるべきではないかというふうに思うわけであります。この点についてまたお尋ねをしたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 大蔵省といたしましては、財政審あたりの建議、御意見等につきましては、これをできるだけ尊重いたしまして、その線に沿いまして財政の運営をやってまいる、そういうような考えから、予算の編成にいたしましても税制の改正にいたしましても、そういう方向で努力をいたしております。しかしながら、現実の政策と申しますか、なかなかそのとおりにはまいりませんし、また国会の皆さんからも今度の財政問題につきましては大変強い御注文なども受けまして、ここがまた政党政治、議会政治としてはそれを尊重しなければならない当然の立場もございまして、審議会などの御意見に対しましてそれをそっくりそのままというわけにはなかなかまいりませんのでございます。ただしかし、われわれが草案をつくるに当たりましては、これを骨組みとしてやっていこうという気持ちは実に強く堅持いたしておるのでございますが、実際、政治におきましてはさようにまいらないということもひとつ御理解を願いたいと思います。

池端清一日本社会党

○池端委員 次の問題に移らせていただきますが、このように大量の公債の依存を余儀なくされた原因といいますか、わが国財政史上からもあるいは国際的に見ても異常、異例な今日の状態、その原因は一体那辺にあるのか、この原因は一体どこにあるというふうにお考えでしょうか、それをお尋ねしたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 わが国財政が特例公債を含む多額の公債に依存せざるを得ない状況になっておりますのは、まず第一は、オイルショックを契機とする未曽有の経済困難に陥ったため、租税収入が五十年度以来大幅な落ち込みを示しました。  それから第二は、歳出面では景気の回復と国民生活の安定に資するために必要な財政支出をある程度その規模を確保する必要があるということでございますが、それで五十年度以降歳入、歳出に大幅なギャップを生じてきたことによるものであると思いますが、この大量の公債依存、特に特例公債への依存からできるだけ速やかに脱却するために高度経済成長時代の制度、慣行の見直しを含む歳出の一層の効率化、租税や公共料金の負担水準の適正化等に引き続き全力を挙げてまいりたいと思っております。

池端清一日本社会党

○池端委員 大臣は、一月三十一日の本会議における財政演説においてもいまと同じ演説をされておるわけであります。「五十年度以降、大量の公債への依存を余儀なくされた原因は、未曽有の不況のため、歳入面では租税収入が五十年度に大幅な減少を来し、」云々ということを言われているわけであります。確かに直接の原因は、いま言われたように石油ショックとそれ以後の不況によるものであるということは私も否定はしないわけであります。しかし石油ショック以後の不況に際して、これほどの赤字を出して傷口をこれほどまで広げたその原因というのは、やはり石油ショック以前の財政運営に問題があったのではないか、こういうふうに思うわけであります。一連のインフレ政策をとるあるいはまた例の列島改造政策、こういうようなものによって経済の投機化と財政の放漫化をもたらした、そこに原因を求めていかなければならないのではないかというふうに思うわけであります。こういうようなインフレ政策や放漫財政ではなくて福祉型の財政に転換すべきであったのに、依然として高度成長型の財政をとっている、こういうところに問題があるのではないかというふうに私は思うのでありますが、大臣の御所見はいかがでしょうか。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 財政審のレポートの十ページにも書いてございますように、「現下の財政の異常な状況は、」「単に近年の激しい経済変動の反映であるばかりでなく、高度経済成長を前提とした従来の財政運営の問題点が、この経済変動を契機に表面化したという側面をも併せ持っている。」という御指摘がございまして、まさに池端委員の御指摘のとおりだと思います。前段の「近年の激しい経済変動」のところでございますが、主要国の公債依存度を見てみますと、オイルショック以降の各国の財政当局がいずれも財政赤字に悩んだわけでございます。数字で申し上げますと日本の場合五十年が二五・三、アメリカが一三・八、イギリスが一八・四、西独が二一・二、フランスが一二・二といずれも大きな財政赤字に見舞われたわけでございますが、わが国の場合まことに残念しごくなのでございますが五十一年が二九・九、五十二年が御指摘の二九・七と余り減っていないわけでございます。アメリカの場合には一三・八で翌年一八・一になりましたが、本年の場合一六・三、西独の場合などは二一・二から一三・五まで赤字を縮小しておるわけでございますが、これはいろいろ国民経済あるいは国民生活を取り巻く歴史的な環境が違うという言いわけもできるわけでございますけれども、われわれとしては努力が足りなかったのではなかろうかと思うわけです。  それから第二点の単にこういう経済変動の反映だけではないという点でございますが、高度成長の場合に確かに財政が実質GNPなり名目GNPの伸びを上回って伸びられたわけでございますが、今後それをどういうふうにもっていくか。それを福祉財政というお言葉で言われるとちょっと理解ができないわけでございますけれども、もっと効率の高い合理的な経済運営というような意味合いにおいて生産性を高めながら同時に福祉を充実していく。そういうような両方をやっていかないとこの問題は解決しないのじゃないだろうかと思いますが、御指摘のような確かに二点の問題のうちで後の方の従来の制度、横行の見直しが足りない。それから高度成長下の非常に恵まれた条件にいつまでもしがみついているような点がある点は否定できないと思います。ただこれは財政当局だけでできる問題ではないわけで、国会も国民もみんなひとしくこのよその主要国に比べまして財政が困窮していることを理解していただきまして御協力、御支援をいただかないとなかなか克服はできないだろうと思うわけです。

池端清一日本社会党

○池端委員 大臣の答弁は後段の部分が抜けているわけですね。いま加藤次長の言われたことで私も了解いたしますけれども、単に石油ショックその問題に原因を求めるのではなしに、それ以前の財政運営にも大きな問題があるということを財政審でも指摘しているわけでございますので、その点を十分御留意願いたいと思うわけであります。  そこで財政審は幾つかの具体的な提案を行っております。その一つは行政改革の実施についてであります。この行政改革実施の問題については先ほどもちょっと触れておられましたけれども、五十二年度予算ではどのようにこの問題を措置されたのか、それを明らかにしていただきたいと思います。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 行政改革という言葉は非常に広い意味でございますが、われわれなりに理解いたしまして五十二年度の編成におきましてやったことを申し上げますと、先ほども申し上げましたが、各省庁の部局の新設は一切これを認めないことにいたしまして、各省の協力を得てこれを貫いたわけでございます。  先ほど申しましたように一局削減を四十三年に行って以来部局の新設を行わなかったのは初めてのことでございます。それから第二点は、特殊法人につきまして五十年十二月に十八法人を対象とする整理合理化に関する閣議了解が行われまして、これに基づきまして八郎潟新農村建設事業団、電力用炭販売株式会社の二つを廃止するための法案を今国会中に提出中であります。それから国家公務員の定員につきまして、新しく第四次の定員削減計画を策定いたしまして定員の削減を行うとともに、いろいろの新規の財政需要に対しましては極力振りかえで対処するというようなことをやったわけでございます。

池端清一日本社会党

○池端委員 いまもお答えありましたけれども、たとえば常に指摘をされておりますむだの典型というものに公団や特殊法人の問題があるわけであります。まさに冬眠状態にあるいろいろなこういう団体については、今年度はわずかに電力用炭販売株式会社と八郎潟新農村建設事業団の二つの廃止が提案されているにすぎない、実に私はびほう策にすぎないと思うわけであります。大蔵省はこの問題についてもっと徹底的なメスを入れる、そういうお考えがあるのかどうか、これについてお尋ねをしたいと思います。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 自民党の方でもこの問題についてはかねて非常な力を入れておられまして、通称園田委員会、それを引き受けられました山中委員会というのがございまして、行政管理庁と打ち合わせながら現在も作業をされているやに聞いております。私どもといたしましては行政管理庁と相談しながら、五十三年度におきましてもどういうふうにこれを前進させるかということにつきまして、予算が成立し関係法案が成立いたしました次第早急に着手いたしたい、現在もいろいろ個別の勉強は準備作業としてやりつつあります。

池端清一日本社会党

○池端委員 次に、財政審の建議では既定経費の見直しの問題について触れているわけであります。具体的には「既定経費の見直しやその効率的執行よりも新規経費を獲得することに大きな関心を示し、いたずらに予算の伸びや全体に占めるシェアの大きさを競う傾向があること、等、予算をめぐる従来からの風潮は、この際、是正していかなければならない。」このように述べているわけであります。  先般の当委員会におきましてもわが党の只松委員が福田総理に対して、アメリカのカーター政権にならってわが国でもゼロベース予算、全面洗い直し予算を行うべきではないかという質問をいたしましたが、これに対して総理は常にこのゼロから検討しているのだというような答弁がございました。しかし現実には、この財政審の建議にもありますように、前年実績にプラスアルファを積み増すという、いわゆる増分主義とよく言われておりますが、増分主義が一つの惰性として定着をしている。そしてこの予算の伸びを競い合う、こういう風潮が今日の実態ではないかというふうに思うわけであります。古い高度成長期の支出が残っていては新しい政策も実行できませんし、財政がいたずらに膨張するだけであります。したがって、支出面での思い切った洗いかえが必要であると思いますし、昨日の参考人の意見陳述でも、五年に一遍ぐらいの全面見直しは必要ではないか、こういう貴重な御意見も出されておりましたのですが、これについてはどのようにお考えでしょうか。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 五十二年度の予算編成方針の中にもただいまのゼロベーシスバジェットのような編成方針が書かれておりまして、われわれとしては根っこから見直すということは努力をいたしたつもりでございますけれども、御指摘のようにまだまだ不十分だと思います。問題は、消費的な経費の場合にどうしても増分にとらわれやすい、なかんずく社会保障関係経費がガンなんでございまして、どうしてもそういうようなものは去年までのレベルというのはもう当然のことになってしまうわけなんです。増分だけが意味がある。公共事業関係興のようなものは、皆減、皆増とわれわれ言っておりますが、今年の百億は毎年また別のプロジェクトを完遂できるわけでございますから、絶えず根っこから見直しになっているわけです。もっぱら消費的経費に問題がございますが、御指摘のような点まだまだ不十分でございまして、われわれとしては、ゼロベーシスレビューというようなのを従来からアメリカで言われておりまして、そういうような勉強も目下いろいろしておりますが、さらに努力をいたしたいと考えております。

池端清一日本社会党

○池端委員 実は、本日の委員会に財政審の桜田武会長にもおいでを願っていろいろお聞きしたいと思ったのでありますが、いろいろな御多用なことのゆえでおいでいただけませんでした。  そこで政府に聞くというかっこうになるわけでありますが、実は先般すでにこの委員会でも問題が出されておったかと思うのでありますが、日経連の桜田武会長が、桜田私案の形で昭和五十五年までの財政収支見通しをまとめて公表されました。大蔵省は、もうすでに三月三日に財政収支試算を公表して、五十五年度には特例公債ゼロの方向を、まあこれは願望を込めて明らかにいたしておるわけでありますが、この桜田私案によりますと、こう言っておるわけであります。「政府や官庁が作る中期計画は、希望的数字または政府が公約した数字から脱し切れず、来年度または来々年度に無理な数字を掲げて辻つまを合わせることになる。」こういう手厳しい批判をしておるわけであります。そして「経済界は高度経済成長終焉後三年経過したに拘らず、高度経済成長ボケから覚めていない。」こういう前提のもとで五十五年度にも八兆円の国債発行が必要になる、またそのうち二兆円は特例公債で、政府の目標である赤字国債ゼロの財政再建は五十五年度においても達成できない、こういうような見通しを述べているわけであります。  これは桜田私案、私の案という形をとっておりますけれども、桜田氏は財政制度審議会の会長でもあります。したがって、この私案の意味するところは大きいと言わなければならないと思うのであります。大蔵省見通しに厳しい一石を投じたこの桜田私案に対する大蔵省当局の見解を率直に承りたいと思うのであります。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 桜田私案は、二月の中旬に桜田さんが日経連の調査部を動員されてつくられたということで承知いたしておりますが、われわれの場合と違いますのは、われわれの場合は企画庁の五十年代前期経済計画のフレームを使ったわけでございますが、桜田さんの場合の前提なり方法論をつまびらかにいたしておりません。したがって、数字について比較をいたしまして云々するということは適当でないと思うのです。  ただいま御指摘のように、この前紙に書いてございますが、この表というのは警戒警報だ、与党も野党も労使もこの表のようにならないように良識を発揮し、国の財政を軌道に乗せるべく不退転の努力を望みたい、こういうところに会長の真意があるのではないかというふうに理解しております。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 いま加藤次長がお答え申し上げたとおりでございますが、桜田武さんは大蔵省の財政審の会長を長い間やっていただいております。また日本の財界におけるまことにユニークな先覚だと思っておりますが、その桜田さんが、今度の財政収支試算につきまして、特に桜田私案というものを出されている、そしてそれを世間に問われたということは、これは私どもに対しまして非難というよりも、おまえらしっかりしなければこういうような姿になってしまうんだぞということを非常に慈愛のむちを持ってしりをひっぱたいてくれたものだと私は考えております。私はこの桜田私案を拝見いたしまして、この桜田さんの非常に愛情の込もった私どもに対する一喝を、あたかも禅の坊さんに一喝を食らわされたというように私は受けとめまして、身の締まる思いがいたしております。ぜひとも桜田さんのその御親切な温情に報いなければならないということを覚悟いたしております。

池端清一日本社会党

○池端委員 また改めて最後に大蔵大臣の決意をお聞きしたいと思うのでありますが、ひとまずこの問題はおきまして、本年の一月に出されました財政審の建議、ここでは「長期的な観点から、公債の消化問題も含め、公債政策の基本的な在り方について、早急に検討することが必要であると考える。」こういうふうに述べられておるわけであります。国債の消化問題も含めて、すでに中期国債等も発行されておるわけでありますが、また一部に、一部というよりも、これはかなり有力な意見として、国債発行に歯どめをかけるためには国債発行条件と流通の自由化を中心とする国債管理政策の確立が急務である、こういう意見もいま有力な意見として出ておるわけでありますが、これらの問題についての大蔵省の検討の状況なり見解についてお尋ねをしたいと思うのであります。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 お尋ねの国債管理政策というものは、そもそも昭和四十一年に国債が発行されましてから当然にあるわけであります。それはやはり時代の進展あるいは経済の進展に伴いましてさまざまな対応策を講じてきたわけでございます。その中にも、たとえば国債を別枠の非課税対象にして売れやすくするようにするとか持ちやすくするというような問題も含めまして、かなり広範な管理政策というものはやってきたわけでございます。現在問題になっておりますのは、何と申しましても大量発行下の国債ということになりました場合に、それはいままでの管理政策でいいかどうかという御批判からきているものが大部分であろうかと思います。  そこで、私どもは、実は、国側というか、発行する側の立場から申しますと、国債というのは、当然に金利が安い方が国債費も安く上がりますし、財政当局としては、どちらかというと調達資金が安い方がいいということが言えましょうし、それから、持つ方から見れば、そういう条件の悪いものでは国債を持つ意味がない、あるいはほかのものの方がもっと有利であるからそちらにいくということで、消化面等の問題もございます。したがいまして、財政当局が自分の立場から、常に財政の面から考えた立場を頭の中に入れながら、大量な国債をいま発行しておるのでありますから、それをいかにして消化し、円滑な流通を図っていくかという面と兼ね合わせたところに管理政策というものの持っていき方がある。これは非常にむずかしいところでございますが、そういう点から見まして、特に国債の発行条件が、どちらかというと財政当局の考え方に少し引っ張られておりはしないかというような御批判もあります。私どもとしては、大量発行下において国債の消化というものは、何と申しましてもいま先生の御指摘のような発行条件、そういうものが一般の債券に比べまして魅力のあるものとして登場するのでなければ、これは発行者としてもうまくないんじゃないかということに問題がしぼられてくるのだろうと思います。したがいまして、私どもはこの数年間、大量発行下における国債の発行条件というものに相当の力を入れて、その弾力化と申しますか、自由化というか、そういう方向に努力してきたつもりでございます。現在環境も非常によくなってきておりますので、きょうの新聞あたりでは、国債が大変条件がよくなってきたので、あるいは国債の利下げが行われるのではないかというようなことまで言われているぐらいでございますが、これは、五十年の十一月に国債並びに長期金利の改定をやりました際に、従来国債とほかの債券との間に開いておりました利回りの差をかなり縮めまして、国債が他の債券に対して持っておりました格差を縮めたわけでございます。そういうようなことで、これは技術的な問題でございますけれども、将来といたしましては、国債がさらに消化しやすく、また流通しやすくなるための環境づくり、そういうものをいろいろとやっていかなければならないということは、私どもとしては当然に頭に入れておるわけでございます。  そこで、最後でございますけれども、自由化をして弾力化をすればすべて答えは満点が出てくるかというと、必ずしも私どもはそう考えておりませんのは、やはりそこに、国債というものは信用ある銘柄として国民に持ってもらわなければいけないものでございますから、その条件というものは、市場の実勢と申しましても、乱高下をするような状態に置いていくということは、持つ国民側からとりましても大変不安定なものだということになりますし、信用のある銘柄としての国債というものは、国の立場において価格の安定というものがある程度必要ではないかというふうにも考えますし、先生が御指摘になっておられます、自由化をすれば結局発行の歯どめになるのではないかというほどの乱高下をいたしますと、これは、今度は逆に言えば、国債の市場性というものに対してほかの債券と違った立場における国債というものが私どもの頭にありますので、その価格の安定という点とどういうふうに結びつけていくかということを考えていかなければいかぬ。したがいまして、国債管理政策と一口に申しましても、いろいろな角度での問題がいわば積み重なっておるというのが正直なところでございます。  したがいまして、いま経済環境がかような状況でございますので、債券市場は、環境の方から見れば、比較的いい環境にございます。しかし、将来の環境の変化に対応してどうしていくかというような問題、こういう深刻な問題も含めまして、私どもは国債管理政策のより深い対応の仕方というか、そういうものに対して時間をかけて勉強しているというのが現状でございます。特に、御指摘のように、景気が上向いてきたというような場合の対策なんということは、現在はわりに波風がございませんけれども、そういうときの対応の仕方というのは大変むずかしい問題でございます。いま一生懸命勉強しておるところでございます。

池端清一日本社会党

○池端委員 証券取引審議会という審議会がございますね。この審議会では、昨年の十一月に内部に基本問題委員会というものを設置されて、安定成長期における公社債、株式市場のあり方について調査審議をする、そして本年夏ごろまでにはその報告をまとめるという話を聞いているわけであります。  そこで、との基本問題委員会での討議の方向といいましょうか、展望といいましょうか、あるいはまたそこで出されてくるブループリントの日程表のプログラムといいましょうか、そういう問題が一体どうなっているのか、この点について少しくお尋ねをしたいと思うのであります。

安井誠大蔵省証券局長

○安井政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、証券取引審議会におきまして基本問題委員会を十一月に設置いたしまして、その後三月に至りますまでは月一回ずつ、四月からは月二回ずつの審議を続けていっているわけであります。  この委員会を設けました理由と申しますのは、先生も御指摘いただきましたように、安定成長期と申しますか、日本経済自身が転換期と申しますか、変わってまいりましたときに、公社債市場あるいは株式市場のあり方を一遍基本的に見直してみる必要があるのではないか、しかもそれはただ単に当面の問題を片づけるということではなしに、中期あるいは長期的な立場からひとつビジョンをかいてもらったらどうだろうかということを考えたわけでございます。  たとえば、非常に卑近な例を申し上げて恐縮でありますが、日本の社債というものを考えてみますと、種類は実は二つしかないのであります。期限が十年ものと七年ものしかないわけであります。ヨーロッパやアメリカの例を見ますと、五年ものもあればあるいは三十年ものの社債もあって、非常に多様化しているわけであります。したがいまして、たとえば昭和四十九年の後半のあの金利が高かったころに電力会社が出しました電力債というのは、九分五厘の利札をつけて、しかもそれが十年ものの債券を出しているわけでありますから、恐らく十年以内には、そんな高い金利では非常な負担になるだろうと思います。しかし、外国では、たとえば西ドイツであれば、こういう金利の高いときにはもっと短い社債を出すとか、あるいは普通の銀行借り入れにむしろ移行して社債は出さぬというようなこともやるわけでありますけれども、日本はそれが行われていないわけであります。それからまた、社債の利率を見てみましても、日本ではAA格とかA格とかB格とか、大体四つばかり金利の幅をつけているのでありますけれども、それも一番金利の安い、つまり優良だとみなされる社債が八・六%でありまして、公募される社債の中では一番格づけの悪いB格というのは八・九であります。つまり、四つ種類があってその間のレーティングの差というのは〇・三しかない。恐らく欧米の市場ではこういうことは考えられない。日本の経済も、さっきの円建て外債等のことでおわかりいただけますように、非常に国際化しているわけでありまして、もちろん日本独自の制度にはそれなりの社会経済的な経緯というものがあるわけでありますので、それなりによく機能してきたと思うのでありますけれども、果たしてこういう形のままでいいのかということは、私どもとしては非常に疑問に思ったわけであります。  したがいまして、この基本問題委員会の運営に当たりまして、委員の方とも御相談して、三つばかりのことをお願いしたわけであります。  第一は、当面の問題を片づけていただこうということは考えない、中長期的に見てそのビジョンを立ててほしいというお願いが一つであります。  それから二番目は、それの審議をするためには委員の方は学者の方だけに限っていただき、それで議論していただく。現在委員長が東京大学の経済学の館竜一郎先生でありまして、あと六人の委員もすべて学者の方であります。これは、実務家の方が委員会に参加されて学識経験者として非常に貴重な御意見をいただくのでありますけれども、往々にしてこの実務家の方の中には個別企業の利益と天下国家の利益とを間違われる方もあるわけでありまして、どうもこういう中長期的な議論をするときにはむしろ学者だけの方がよかろうということが第二点であります。実務家の方には専門委員という形で、議決権のない委員として若手の方に御参加いただいて、実態をよく御説明して、方向に誤りがないようということをお願いをしているわけであります。  三番目は審議の期間でありまして、大問題でありますから時間をかければ切りがないのでありますけれども、とにかく目標を一応八月に置こうではないか。それで審議を始めてみますと、どうも次から次にいろいろ問題を出されるものでありますから、四月からは月二回にしよう。しかも学者の委員にお集まりいただける時期を調整いたしますと土曜日しかないということで、どうも週休二日の世の中なんでありますけれども、土曜日に月二回審議を三時間ぐらいやる。八月には、最後にまとめるときには、これも予定をつくったのでありますけれども、四、五日どこかへ泊まり込んで、最後に議論をしてもらって、とにかくその際まとめていただくというような、非常に詰めた審議のお願いをしているわけであります。  現在審議の内容は、公社債の発行市場あるいは流通市場につきまして、私ども事務当局からも問題点を提起し、専門委員の方々から全く実情に沿った実態をあからさまにお話しを願って議論を続けておるというのが現状でございます。

池端清一日本社会党

○池端委員 それでは、大臣にひとつまたお尋ねをするわけでありますが、いろいろいままで質疑、やりとりをいたしましたけれども、私は現在の赤字財政を脱却する道としては、税制と支出の面で思い切った改革が行われなければならない、こう思うわけであります。具体的には昨日の参考人の意見にもございましたけれども、先ほども触れましたが、支出面では従来のような増分主義というものを廃止して思い切った洗いがえをする、これが必要だ。それから第二には、やはり行政改革の実施、不要な部門の整理、こういうことが必要ではないか。三つ目には何といっても、この委員会でもいろいろ議論されておりますが、不公平税制の是正を断行すること。そして四つ目には国と地方との財政関係というものを改めて、財源や権限を思い切って地方自治体に移譲して、国が、そういう硬直したような状況ではなしに、十分に機動性を発揮できるような体制にもっていくというような課題が今日緊急の課題であって、これなくしては赤字財政を脱却することは不可能に近いというふうに思うわけでありますが、大臣のこれらについての見解を改めてお尋ねしたいと思うのであります。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 大変大きな問題でございまして、しかしながらそのお考えに対しましては私は全面的に賛成でございます。  いまの財政を健全財政に持っていくという目標を達成するためには、いずれにいたしましても歳出の面、歳入の面、これに対しまして思い切った一つの改革を加えていかなければならない。先ほど御提唱になりました増分主義といったようなものを抜本的に考えていくということも、これは私は大変大事なことであろうと思います。それで先ほど加藤次長が触れましたが、今日までの高度成長下におけるいろいろな行き方、そういったようなものについては、これは本当に思い切った措置でもって改革をしていかなければならない。歳入の面におきましては、自然増収を頼りにしておって、それはとうていやっていけるものではありません。  さような意味におきましては、これはやはりこれから近い将来を目指しましてある時期には相当なる税制の改正ということをやっていかなければならない。その税制の改正は、いつも申し上げておりますとおり、すでに中期税制としていま勉強をしていただいておりますが、その中から日本の今日の事態に沿うべき税制体系というものをつくっていかなければならない、私はかように考えておりますが、いずれにいたしましてもそういったようなことをやっていくためには、これはとうてい一政府でもってやっていけるものではない。私はどうしたってこの議会制度、日本の今日やっておる議会制民主主義というものの上に立ちまして、そして皆さんの御検討、御批判によりましてまずさしあたって考えていかなければならないのは、税制というものはとにかく国費を調達をするという目的がございますが、それをスムーズに調達するためには税制そのものが公正でなければ、これは国民の信用をかち得るわけにはいかない。そういったようなことについて真剣に考えていかなければならない。  しからば、税制の公正とはどういうことかと申しますと、これは先般の一兆円減税に絡んで野党の方々も御主張になっておられました租税特別措置等、これの全面的な見直しということも非常に大事なことでありまして、その精神は私どもも尊重していかなければならぬ。しかし、税制の不公正なものは私はあえて租税特別措置法の中にあるものが全部、これが不公正であるということは考えない。それと同様に、租税特別措置法以外にも私は現行税制には不公正なるがゆえに改正しなければならないものがないということではない。私はもう少し視野を広げて考えますならば、租税特別措置法だけではない。日本の税制の全体系の中にはやはりたくさん、私は不公正なものが——かつては不公正でなかった、しかしながら経済情勢だとか、あるいは日本のこのごろの経済の姿というものから考えてみますと、不公正のものが私はないとは言えないと思います。そういったようなものに広く視野を広げていきまして、そしてその税制というものについても、大いに、本当にいまの事態に即応すべき体系をつくっていくというようなことを通じて、健全財政を図っていくということが一番大事なことで、私はこれが今日与えられた財政における最も大事な課題だと考えております。

池端清一日本社会党

○池端委員 時間でございますので、最後に一点だけお尋ねをして終わりたいと思います。  坊大蔵大臣は就任直後ひそかに東京多摩にある故高橋是清蔵相の墓前にぬかずいて健全財政の確立を誓った、このように伝えられております。また、先日の当委員会における高橋是清翁の国債漸減主義に対するあの発言、非常に迫力があって私は感動を覚えたものでございますが、言うまでもなく高橋翁は昭和初期のあの長期的な不況を克服するために国債を導入し、やがて一転して、大量の国債は悪性インフレを招くということで、国債漸減の方針を打ち出し、当時の軍部とまさに正面衝突をする、こういう事態にまでなったわけであります。  当時の大蔵省の事務次官の津島壽一氏は、その伝記においてこういうふうに述べられております。「昭和十一年度の予算案は、健全財政を堅持する大蔵省と軍事費増加を主張する軍部、とくに陸軍との間に激烈な抗争議論が行なわれ、難航を続けた。その予算閣議の如きも空前絶後とも言うべき長時間にわたる紛糾を見た歴史的なものである。結論としては大蔵省の方針は堅持された」と、この伝記に述べられております。  高橋是清翁は、みずからの生み落とした大量の国債の累増によって破局に瀕した日本のこの財政の生命線を守る、そのために軍部の圧力をはねのけて、やがてはそれがもとで青年将校の凶刃に倒れる、こういう事件に至ったわけであります。  まさに、わが国国債発行の歴史にはこのようなとうとい犠牲が記されていると言っても言い過ぎではないと思うのであります。そして、それ以後、日本は果てしないインフレと戦争への道を突き進む結果になったと思うのであります。  こういう歴史を顧みて、坊大蔵大臣は、麻薬とも言うべき国債からの脱却に不退転の決意を持って臨まれる、いまもお話がございましたけれども、改めてその決意についてお尋ねをして、質問を終わりたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 お言葉を承りまして、ありがたいやら恥ずかしいやら、私の気持ちは大変複雑なものがございます。と申しますことは、高橋是清翁が大蔵大臣になられたころは、日本の財政があるいは今日以上に苦しい時代であったかもしれない。私がくしくもこの大任についたときは、これまたまことに苦しい時代であります。  しかしながら、同じ大蔵大臣といいましても、いかにもピンからキリまであるものでありまして、高橋是清翁と比すべくもない、富士山と上野の山までいかぬような者が大蔵大臣であるということについては、大変恥ずかしい思いがいたしております。  私は、いまも思い出すのは、いまお話しになりました、当時の陸軍の飽くなき要求に対しまして、高橋是清翁は本当に富士山のごとくその前に立ちまして、断固として飽くなき要求に対してこれを退けて立っておられた、私は若い新聞記者として、是清翁のその姿を思い出します。その時代からすでにもう半世紀近くたちますが、その半世紀の間に直接けいがいに接した政治家の中でだれが一番偉かったと端的に聞かれたら、私は端的に高橋是清翁であったということを申しますが、その高橋是清翁が本当に老躯を張って、そして陸軍の前に立ちはだかっておった。その高橋是清翁が、あの非業の最期を二・二六事件において遂げた。その遂げた後は、まるで日本の財政の赤字公債というものは、私は雪だるまがコロコロ転がっていくというような姿をこの目で見てまいりましたが、それを思いますと、高橋是清翁がもしもああいうことにならなかったならば、あるいは日本の歴史の推移というものが少し変わっておったのではないか。  ただしかし、いまからながめてみますと、高橋是清翁がやったことということは非常に大きな意義のあることをやっておりますが、価値評価なりいろいろな功罪ということを考えてみますと、これは必ずしも——高橋是清翁がもしも生きておって、あの戦争が仮に起こらなかったら、それは日本の国民は幸せであったかもしれないし、また、あの戦争によって一大転機を遂げたということも、これは日本の国の歴史の一断面であったと私は思います。そういうようなことを考えてみますと、評価とかあるいはその功罪とかいうことについては、いまにわかにこれがどうだったということを申し上げるだけの勇気もございませんけれども、しかしあの熱意とあの信念でもって日本の財政に当たられたということにつきましては、本当に私はあのつめのあかでもせんじて飲まなければならない、つめのあかをせんじて飲もうにもございませんから、そこでお墓へ参ったようなわけでありますが、そういうふうに考えております。  ただしかし、私がここで心得なければならないということは、高橋是清翁のやったことが、たとえば将棋や碁の名人が残した棋譜がございますね、そういったような棋譜だとかあるいは歌舞伎の役者が団十郎以来の型と申しますか、おはこといいますか、そういったようなものがある、それが今日そのまま踏襲されて、そうして大変評判をかち得ておりますが、政治に対するわれわれの動きというものはそうであってはなるまいと私は思う。それはやはり時代時代の違いというものがございますから。だから、高橋是清翁のやられたことについては私は敬意を払っております。しかし一挙手一投足それに見習ってやっていくというようなことではよろしくない。しかしながら、そのやられた精神また高橋是清翁の真っすぐ進まれたその動きというものにつきましては、私は本当に、もって範として、そしてこの赤字公債の脱却ということだけはやっていきたい、かように考えております。

池端清一日本社会党

○池端委員 終わります。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 坂口力君。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 財特の質問に入らせていただきます前に、少し外れますが、一つだけ大蔵大臣にお伺いをしておきたいと思います。  それは、この数日来、連日新聞にも出ておりますが、いわゆる円高の問題がございます。  いよいよ一ドル二百七十円ラインというところに参りまして、だんだんと議論も高まってまいりました。日銀の方は、極端な相場の乱高下を避けるための市場介入というのはランブイエ精神にも反しないという立場をとっておみえになるようでございますが、これは大臣としての御所見をまず一つだけお伺いをして、次の問題に入らせていただきたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 日本の円高が去年の暮れから始まりまして、ことしになり、この三月下旬あたりから今日まで、全くウナギ登りと申しますか、そういうようなかっこうでもって円高の傾向が高まってきております。  これの原因は、やはり日本の貿易収支の傾向、これが円高を招来しておる一番大きな原因だと思います。こういったようなことにつきましては、円高というものは、一面においてはこれはともかく悪いことではない。しかしながら他面におきまして、今日日本の国の財政経済政策を行い、また世界と協調して、手を握って、世界経済に貢献して、歩調をともにして栄えていこうというような面から考えますと、これは手放しで喜ぶべき問題ではもちろんないことは私もよく承知いたしております。  この問題に対しましてどういう態度をとっていくかということにつきましては、いまお話ございましたけれども、あえて強いてこれに対して介入をしていくというような態度はとっておりませんけれども、それなら、それじゃどうにもこれはしようがないじゃないか、このままどんどんいけばどうなるかということにつきましては、これはよほど慎重に考えていかなければならない。いま基本方針を、これなるがゆえにこれを変えていくというようなことは差し控えていくべきものだ、かように私は思っております。いまこの事態に際しましてどうするか、こうするかというようなことについては日本銀行ともよく協議をいたしましてやってまいりたい、かように考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 そういたしますと、現在の状態では乱高下という定義の中にまだ入れるべきではない、こういう御見解だというふうに聞かせていただいてよろしゅうございますか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 とにかく上がっておるという、このことはもう目を覆うべくもない事実でございますが、いましばらく日銀の出方等も見守ってまいりたいと思います。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 それでは財特の方の質問に入らせていただきたいと思います。  つい先日この委員会でいただきました日本銀行調査局から出ております「調査月報」がございます。この中に最近におきます米国の金融政策運営についてというのがございます。これを読ませていただきますと、アメリカの金融政策、最近の動きというものをあらあら知ることができるわけでありますが、ここに書かれておりますことを見ますと、アメリカの金融政策というものは非常にマネーサプライを重視をしている。ただ、しかしながら、マネタリストの主張するような安定的な関係が十分に存在すると意見が一致しているわけでは決してなくて、中にはむしろこれに対する反対の意見すら存在する、こういうふうな状態はあるけれども、その中でアメリカの金融政策はマネーサプライを重視することをなおかつ現在もやっているし、今後もこの方針を貫いていくようだということがあらあら書かれているわけでございます。  日本も今後の金融政策の中にこのマネーサプライというものをどのように位置づけていくかというのは、もちろんアメリカと日本との環境も違いますし、いろいろ違いはございますが、しかしこの考え方につきましてはやはり一つの方針を持って進んでいかなければならないと思うわけでございます。そういう意味で、このマネーサプライということをどのように重視をし、今後いくのかということについてひとつお聞きをしたいと思います。

徳田博美大蔵大臣官房審議官

○徳田政府委員 お答えいたします。  マネーサプライにつきましては先生御指摘のとおり、アメリカあるいはヨーロッパ諸国ではいろいろとそれについての研究を進めておりまして、アメリカではそのようなM2の伸びというものを金融政策運営上の一つの指標としておりますし、特に西独におきましてはM2の動向についてかなりウエートを置いた運営のやり方をとっているわけでございます。日本におきましてこの点につきましては、日本銀行、金融政策当局においてもいろいろ検討を重ねているわけでございますけれども、ただ、先ほど先生の御指摘のようにマネーサプライと経済の実体との関連につきましては、必ずしも一義的な関係が日本の経済の場合にはないわけでございまして、もちろん物価その他の関連から申しますと非常に大事な指標でございます。本来西独あたりではマネーサプライはデフレーター・プラス・実質成長率ということを一つの目標にしているわけでございまして、そのような点から見ますと、やはりマネーサプライ特にM2の動向につきましては、経済政策、金融政策の運営上非常に重要な指標と考えておりますけれども、わが国の当面の金融政策といたしましては、その動向を非常な関心を持って見守りながら、しかし現実にはそのマネーサプライそれ自体では必ずしもなく、そのほか金利の動向であるとかあるいはコール市場の動きであるとか、金融市場全体の動きを見ながら各方面の金融政策を弾力的に運営してまいりたい、このように考えておるわけでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 そういたしますと、マネーサプライというものの重要性は認めるけれども、これを一本やりで一つの指標としていくには問題がある、まあ重要な指標の一つではあると、こういうふうに御答弁いただいたというふうに理解してよろしゅうございますか。

徳田博美大蔵大臣官房審議官

○徳田政府委員 マネーサプライの増加要因につきましては、御承知のとおりいろいろな要因がございまして、市中金融機関の貸し出しであるとかあるいは政府の公共的な支出であるとかあるいは国際収支とか、いろいろな要因があるわけでございます。したがいまして、マネーサプライ自体を政策的な意図だけで動かすということはかなり困難なことでございまして、経済政策全体にかかわる問題でございますので、したがいまして、マネーサプライを、先ほど申し上げましたように重要な指標として関心を持って見守りながら各般の政策を弾力的に運営してまいりたい、このように考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 さらに、このアメリカの金融政策運営の内容を見せていただきますと、御承知のように、このマネーサプライの長期目標値というものを発表いたしておりますし、また、二カ月間の短期目標値というようなものもアメリカの場合に公表をしているわけなんですね。この辺を考えますと、このマネーサプライというものをいかに重視しているかということがわかるわけでございますが、日本の場合に経済環境がかなり違うとは言いますものの、しかしこれだけ、特に近年、この数年の間重要視してくるようになった限りは、それだけのやはりまた理論的裏づけも持ってやっていることであろうと思うわけでありますが、この長期または短期の目標値というものを公表する、こういう制度まで導入をしていることについてどういうふうに評価をされているか、お伺いしたいと思います。

徳田博美大蔵大臣官房審議官

○徳田政府委員 アメリカにおきましては御指摘のとおりマネーサプライについての一定の目標値を導入して中央銀行の政策運営の目標としておりますし、先ほど申し上げましたように、西独についても同じような考えをとっているわけでございますけれども、ただ、日本の場合には金融市場の構成であるとか、そのほかマネーフローの姿というのが欧米諸国とは大分違っておりますので、日本の場合にはそのような一定の目標値を公表してそれをフォローしていくという乙とは必ずしも適当ではない、このように考えておりまして、先ほども申し上げましたように、重要な指標としてそれを参考にしながら、経済の実勢、金融の実勢に合わせて各方面の政策を運営してまいりたい、このように考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 重要視の程度にはそれぞれの差があるということはわかりましたが、日本の場合にも約三〇%に及びますところの国債発行を続けていきます限り、これはマネーサプライに影響が及んでくることは当然でございます。五十五年までの国債の方の計画も発表をしておみえになるわけでございますが、このマネーサプライに対する長期展望と申しますか、それについて何か現在までおまとめになったものがありましたら、ひとつこの際に御発言をいただきたいと思います。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 ただいま徳田審議官から御説明申し上げましたように、マネーサプライというのは、実は、これは経済の一つの動きの結果出てくるものでございます。国債が発行されましたら、直ちにそれがマネーサプライの増加に必ずしもつながるというわけでもございません。ある場合には強化につながり、ある場合にはニュートラルであるというようなことでございます。したがいまして、いまの五十五年度までの財政収支の見込みの中で、それがマネーサプライとの関係でどういうふうになるかという点は、各年度の、先ほど徳田審議官も申し上げましたが、複雑な経済の絡みの中で決まってくるところの結果でございますところのマネーサプライを結びつけて試算するということは、非常に困難なことだと思います。  いま私ども考えておりますのは、マネーサプライというのは、一つの結果ではあるけれども、結局それは経済のある時点における重大な指標であるということを頭に入れ、参考としながら、それから先の経済政策あるいは国債の発行あるいは経済の運営、そういうものをハンドリングしていくという形において使っていきたいという考えでございますので、いま五十五年度試算に合わしたところのマネーサプライは、どのくらいのものであるのがいいのかということを端的に申し上げる段階にはまだ至っておりません。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 マネーサプライというものを一つの影だ、結果であるというふうにお話しになりましたが、一つの経済的な動きの中の結果と見るか、影と見るか、それともその結果が次の経済の一つの連動のもとと見るかということは、これは見方によって非常に違うと思いますし、また見方によりましては、一面それは結果であり、その結果がまた次の原因になっているというふうにこれは見ることもできるわけでありまして、ただそれを結果であるというふうにして見過ごしていいのか、それとも経済的な環境は違うけれども、アメリカや西ドイツと同じように、もう少しこれを重視して見ていく方法はないのか。その辺のところはこれからのむずかしい経済的な動きというものを預っていく大蔵省として、やはり日本は日本の経済環境の中でこの動きというものを重視してかかる必要があるのではないか。西欧と同じような、まねをしろということを申し上げているわけでもありませんし、これだけを重視をしろということを私も言うものではありませんけれども、しかし今後の経済の一つの大きな指標として、日本は日本なりの環境の中で、その位置づけというものを新しく確立していくべきではないかということを申しているわけでございます。  もう一つ、ついでにお聞きをしたいと思いますが、日本におきます今年に入りましてからのマネーサプライの動きをちょっと表で見てみますると、最近の二月、三月のものはちょっとわかりませんが、一月でありますと、狭義のマネーサプライで前年同月比一一・二%、それから広義のマネーサプライで、M2で一三・一%というふうな数字が出ております。先日、日銀の方にいろいろお話をお伺いをしましたときに、この結果は景気が非常に冷え込んでいるということを示す何ものでもない、こういう発言を、これを個人的な話での発言でございますが、しておみえになったわけでございますが、大蔵省としてこれをどのように感じているかということが一つ、まずそれを先に答弁してもらいたいと思います。

徳田博美大蔵大臣官房審議官

○徳田政府委員 マネーサプライがどのようにして増加するかということにつきましては、先ほど申し上げましたように金融機関の貸し出し、それから政府の支出、国際収支が関連してくるわけでございます。したがいましてマネーサプライにつきましては、先ほど先生の御指摘のように、経済の結果でもあるし、また、これからの経済の動きを左右する両方の面を含んでおるわけでございまして、そういう点から見まして、マネーサプライの重要性につきましてはわれわれも十分に認識しておりますし、また、経済諸指標との関連についてもいろいろ勉強を重ねているところでございます。  御指摘のように、最近マネーサプライの伸び率が、M2であらわした伸び率につきましてはかなり低い水準になっておりまして、五十一年の四—六、七−九あたりは一五%でございましたが、二月には一二%に落ちておりますし、これから四—六、先行き、場合によっては一一%台になるということも予想されているわけでございます。これはやはり景気の回復過程がなお非常に緩やかであるということの反映であると考えておりまして、われわれとしてもこのようなM2の動きを慎重に見守りながら諸般の対策を講じてまいりたい、このように考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 次に進むつもりだったけれども、もう一つだけこのマネーサプライがらみでお聞きしておきたいと思いますが、アメリカあるいは西ドイツと日本の場合に非常に条件が違うということをおっしゃったわけですが、一番大きな違いというのは、どこが違うからこのマネーサプライというものに対する重要視の程度が違ってくるというふうにお考えになっているのですか。

徳田博美大蔵大臣官房審議官

○徳田政府委員 アメリカあるいは西独と日本との基本的な経済構造であるとか金融構造の違いというのがいろいろ背後にあるわけでございますけれども、特にアメリカあるいは西独におきましては金利も自由化されておりますし、為替管理その他も自由化されておりまして、また証券市場、金融市場それぞれかなりバランスのとれた発達をしているわけでございます。特にアメリカにおきましては、そういう直接金融と間接金融とのお互いの交流あるいは証券市場の動きというものも非常に日本と違っておりまして、いろいろと量的な面での金融政策を行う基盤が日本と大分違っております。そのような点も、やはりマネーサプライに対する政策当局のあり方の違いとなってあらわれてくるのではないか、このように考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 このマネーサプライをふやさないようにするためには、国債の場合、当然銀行の手持ち国債というものをふやしていかなくてはならないわけですが、昨日も参考人にいろいろお伺いをいたしましたけれども、やはり異口同音、銀行関係あるいはその他代表の方がおっしゃるのは、先ほども議論が出ておりました市場環境の問題でございました。市場実勢に従って発行量が自動的に決まっていくような市中消化原則というものを考えていかなければならないと思うわけでありますが、昭和五十五年度末ですね、ことしを入れていまから四年ということになりますが、この五十五年度末における全国銀行の国債保有額というものは大体どのぐらいになるというふうにお考えになっていますか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 大蔵省として試算したものがございませんが、先般の委員会で日本銀行総裁から日銀の試算として言われたものは、約十三兆であろうと思います。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 これは私の方の矢野書記長が予算委員会で実は質問をいたしておりまして、これに幾つかの条件がございます。全国銀行の資産の増加額というものを毎年一三%と見る、市中消化の比率を昭和五十二年度予算ベースで見て八八・二%、全国銀行引き受けのシェアを七〇・五%、それから日本銀行の買いオペを一三%、こういう前提条件のもとで試算をするとということで日銀総裁から答弁があったわけであります。われわれの方の試算でいきますと大体一五%という数字を出しているのですが、総裁からの御答弁は一三・二%という数字が出ているわけでございます。若干私どもの計算したものと数字の違いがございましたけれども、日銀総裁のおっしゃったのを中心にしまして五十五年度末における一三・二%というこの数字をどう評価されますか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 大変むずかしい御質問でございまして、私どもは、たとえば現時点におきまして金融機関が持っておる国債の量というものと、経済環境なりあるいは国債の適正量とかいうものを考えてみました場合、実はさまざまな見方がございまして、いまのように環境が他に投資をする、あるいは他に運用する目当てがないと申しますか、金融機関の資金というものは御存じのように遊ばしておるものはないわけでございます。国債でなければ他の債券に運用しておる、あるいは貸し出しに出しておるとか、何かそういう形で使っておる、要らないものは日本銀行に返すという形になっておるわけでございますから、そういう形で持っておる国債というものは、現時点において、環境から見て、かなり金融機関にとってみれば国債の価格が上がっておりますだけに運用の面から見れば魅力あるものであろうと思います。したがって、それをいま直ちに処分しなければならないというような状況にはないのではないかと思います。したがって、経済の伸展のぐあいによりましてその一三・二%の重荷というものが果たして金融機関にとってその時点においていかなる重みをなすか、あるいは役割りをなすかということはにわかには判定できないと思います。  ただ私どもは、これだけの大量の国債が五十五年度におきましても発行されるわけでございますから、結局要点は何かと申しますれば、そういう国債が流通性を持ち市場性を持ち、そして公社債市場というものが育っておるならば、そのものを銀行が他に転用しよう、あるいは他に売却しようとするときのその受けざらができておれば、その評価はあるいは全く変わってくるわけでございます。したがって、いま日本銀行はいろいろな前提に立って試算をいたしております。たとえば成長通貨以上のものは買いオペはいたしませんというような条件とか、いろいろインフレに対する歯どめ等から見た日本銀行総裁の御説明があったわけでございますが、これから先も経済の伸展に基づきまして、あるいは、これは希望的な観測でございますけれども、国債が思ったほど発行されなくて済むということもあり得るかもしれない。市場の発達の仕方によれば、また他の条件によれば、国債はそんなにきらわれないでちゃんとした商品として扱われるということであれば、金融機関としての運用の問題、借金としてそれほど一三%というものが重荷であろうかどうかというのはにわかには断じがたいと思います。何遍も申し上げますが、そういうことも踏まえて私どもは公社債市場の育成が先決である、そのために国債をどう位置づけるかということは先ほどから申し上げている管理政策の一環として重要なことだと考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 おっしゃる公社債市場の育成、市場の条件によっては変わり得るというその条件のことでございますけれども、先ほどからも御議論がございました、現在とられております国債管理政策、これは発行に際して国債の種類を限定いたしておりますし、また利回りの低位固定化というものもございます、あるいはまた銀行中心の国債割り当て発行それから売買の禁止という問題は、これも先日の委員会で問題になりまして、そういう禁止はしていないという御答弁があり、いやそうじゃないという議論があったところでございます。それから取引所市場における価格維持政策というものもございますし、管理価格による日銀の買いオペというものも当然あるわけでして、この辺がんじがらめの国債管理政策というものが続いている。こういう政策が続いております限りいまおっしゃるような市場の整備というものをむしろおくらせるという逆の方向すら向いていると思うわけですが、この点いかがでございますか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 管理政策の基本の中に、実は市場性を持たせると同時に価格の安定ということを一方において——これはコントロールでなくて価格の安定ということが国債においては求められておる。また出た以上は国債が一番信用のある債券の銘柄としてこれからも存在しなければいかぬということがございますので、一朝一夕にすべて裸になってしまうというような形がいいかどうかという点は問題であろうかと思います。  特によく歯どめ論にお使いになる議論の中に、自由化しておけば国債がどんどん暴落をしていく、いわゆる利回りが上がっていく、そういう状態だと、財政当局はそんなに高い金利を払うなら国債を発行するのをやめるという歯どめがきくのではないかということがございますけれども、そういう議論に対しましては、私どもはそんなに暴落させるような国債を出すこと自身に問題があるし、またそういうことは余りないであろう、いわば持っておる人がどんどん値が下がっていくような形だったら売りをやめるだろう、いやそこのところが自由化の本領だという水かけ論みたいなものがございますけれども、私どもはやはりいま安心して持ってもらっておる国民の各層に対して、国債が安心した商品であるというイメージを与えていくことが国債個人消化あるいは市中消化の一つの柱だと思っておりますし、要するに多様化をいたしまして、この前割引国債を出しました際にもそういう価格の問題についてかなり気を使ってやってきておるわけです。  御指摘のようないろいろがんじがらめの管理政策ということにつきましては、それは見方かもしれませんけれども、完全に裸になることがいいかどうかは別問題といたしまして、順次時間をかけて不必要な管理あるいは邪魔になる管理はなるべくやめていく、そうして公社債の一番中心となって国債が生きていける、また喜んで持ってもらえるということが大量な国債を発行していく当局の責任であろうと私ども思っております。そういう意味において公社債市場の育成ということを言っているわけでございますが、安心した市場ができれば資金が集まってくるわけでございます。そして魅力ある商品であれば買い手が出てくるわけでございます。そういう形で資金を呼び込んでくるということは、いまの日本の個人の金融資産の中で預貯金が五〇%近くを占めておるという状況は、先ほど徳田審議官が申しましたいわゆる個人金融資産の中身につきましても欧米とは違うわけでございます。そういう背景を背負っておる限りにおいては徐々に間接金融から直接金融へあるいはいわゆる金融から債券市場への転換を図っていくためのいろいろな手だては時間をかけるということも必要であり、同時にいい条件のものをできるだけ考えていくことが市場づくりのために大事なことだと考えておりますので、がんじがらめにしようと私ども思っておりませんし、先生もそういうお気持ちでおっしゃっておられると思いますけれども、時間はある程度かかるだろう、それでこそ初めてりっぱなものができるのだと私は考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 先ほどもちょっと申しましたが、昨日の参考人の中でも全国銀行協会の連合会会長の中村さん、それから社団法人の公社債引受協会の会長の中山さん、ともどもに発行条件あるいは公社債市場の育成ということを挙げておみえになるわけであります。個人消化も含めてぜひこの辺のところを早急に改革を加えてほしいという切なる言葉がございました。政府の昭和五十年代前期経済計画の中にもいまおっしゃったように「間接金融中心の金融の流れが多様化する素地が形成されてきているので、直接金融の拡大を図ることが重要な課題となっている。」ということが一つ、それから「引き続き公社債発行条件の弾力化を進め、また、その消化層の拡大、個人株主の増大、証券発行の多様化等を図ることにより、資本市場の発展を期する。」ここにも書いているわけです。いま時間がかかるとおっしゃったわけでありますが、その時間なんですけれども、百年も時間だし五年も時間だし、これはまことに幅の広い言葉であって、とり方によってはいましばらくは変えぬぞということにもなるし、いやいや近い将来において変えていくんだということにもとれるわけであります。先ほどの御質問の中にもございまして、現在そういった公社債市場のことにつきまして審議会等でずいぶん議論をされているというお話も聞かせてもらったわけでありますが、大体めどとしてはどの辺のめどで公社債市場を整備し弾力化をしていくというふうにいま計画をお持ちでございますか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 何年というようなことを気長に考えているわけではもちろんございません。ただ、先生御承知のように、日本で公社債市場の育成ということを叫ばれてから何十年かたって今日にきておる。ところがやっといま初めて何か公社債市場らしきものができた、でき上がりつつあるということを考えますと、かなりいろんな意味での客観的な条件があったのだろうと思います。いま機は熟しておりますし、また大量発行下における国債というものを、発行当局から見ましてもそれをりっぱな商品として育てていかなければならぬという意欲に私どもは燃えておるわけでございますから、研究をすると同時に実行できるものは端からどんどん実行に移していくという意味においては、いますでに実行に移す段階も間近に迫っておるとわれわれは考えております。  そこで、先ほど証券局長から申し上げました基本問題委員会のほかに理財局自身も研究会というか実は勉強会みたいなものを、これはいわば現場の実戦部隊というか、そういう連中のエキスパートを集めて月に一、二回猛烈に現実に即した議論をやっております。そういうものから生まれてくるものはどんどん実行に移していこう。それから、将来金利改定のチャンスがあれば、その際に国債の金利というものを見直してみるということ、これはもちろん環境、あるいは先ほど申し上げましたような諸条件を背景にした上のことでございますが、決して気長に考えておるわけではございません。いま何兆という国債を出しておりながら研究の方は気長にやろうというようなことでは平仄が合いませんので、実戦的な研究をやっておるということでございまして、その研究はあるときに結果を待ってそれを移すということじゃなくて、議論の最中でもいいものはそこで締めてみる、そういう形で進めております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 そういたしますと、先ほど私はがんじがらめという言葉を使いましたけれども、政府がおやりになっている現在の国債管理政策なるものについては、これは何年という年の尺度ではなしにむしろ月の尺度で変化を加えていく、現在も加えつつあるというふうにお考えになっている、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 こういう公の席でございますから、月の速度とかこういうことになりますと、私どもはまたそこに追い込まれてしまいますといけませんので、はっきりしたお答えは申し上げかねますけれども、気持ちの上においてはとにかくりっぱなものにしたいという気持ちのあらわれを私がいま申し上げたわけでございます。時間とか月とか年とかいうことの問題でお考えいただくと——これは別に逃げ口上でもございませんが、私の気持を率直に申し上げれば、できるものから実行していく。それが、ある場合には少し時間がかかり、ある場合にはもっと早くなるかもしれない、こういうことでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 まことに率直な御答弁と申しますか、一面率直であり、われわれが申したら一面まことに歯がゆい答弁でもあるわけですけれども、この問題は切りをつけて次に進ませていただきたいと思うのですが、大臣、いま議論いたしておりました公社債市場の整備あるいは弾力化の問題、これについて事務当局からいろいろの結果をお聞きになっていると思います。大臣はどういうふうなプログラムで進んでおるというふうにお考えになっておりますか、お聞きをして次に進ませていただきたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 支障なく順調に進んでおります。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 そちらの方は順調に進んでおるようでございますので年内にひとつ御決着を心から希望しておきたいと思います。  それで経企庁の方には、大蔵委員会におきましても予算委員会におきましても、現在の景気の見通しでございますとか、あるいはまたもう少し中期的な展望等についても何度かお聞きをしてきたわけでございます。いままで私がお聞きした限りにおきましては、今年度の六・七%の経済成長率はそれこそ順調に経過をしていて万々言うことはない、こういう御答弁であったと思います。きょう改めてお聞きしたいと思いますのは、五十五年度までの大蔵省としての国債を中心としたプログラム、プログラムと申しますか、今後の進め方それから恐らくこうなるであろうという結果が出ているわけでありますけれども、これに合わせての経済動向、中期的な展望として大蔵省から出されておりますものの側面ですね。     〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕 やはり経企庁としてもある程度の御相談は受けておみえになると思いますが、今度大蔵省の出した計画は大丈夫このままいくだろう、こういうふうにお考えになりますか、ちょっとこれはむずかししかろう、こういうふうにお考えになっておりますか。いかがでございます。

柳井昭司経済企画庁長官官房参事官

○柳井政府委員 経済計画で示しておりますところの物価とかあるいは失業率というようなそういったいろんな指標なり数値につきましては、今後の中期的な経済運営の目標といたしまして、経済情勢の推移に応じまして各種の政策手段を講じながら達成を期していくという、そういう性格のものと考えておるわけでございます。したがいまして、経済計画におきましては、その目標までの経路につきまして一義的にどうこうというふうなことで決めているわけではございません。大蔵省からお出しになっております財政収支の試算につきましては、これは経済計画で示しておりますところの五十五年度のマクロの経済なりあるいは財政の姿に基づきまして幾つかの仮定を置いて一般会計に引き直して機械的に計算したもの、こういうふうに私たちは了解しているわけでございます。したがいまして、計画の立場から言いますれば、五十五年度に至るところのその過程、経路というものはともかくといたしまして、計画の諸目標を達成するためには、五十五年度の一般会計の姿はおおむねこの試算で描いているような、そういうところに落ちつくのではないかというふうに考えておるわけでございます。五十五年度に至る今後五十二年あるいは五十三年以降の経済の見通しにつきましては現段階で確定的なことを申し上げることは非常に困難でございまして、また経済の行き先に対しましても私たちも楽観しておるわけではございません。ただこの五十一年度の経済審議会の推進報告によりましても、五十一年度の経済の姿につきましては需要項目に若干の差はあるもののほぼ計画どおりの路線になっておる、こういうことで、今後政策のよろしきを得ますれば計画で描いておったような線に達するのではないか、こういうふうな御報告もいただいているわけでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 名答弁でございまして、これ以上のことを大蔵大臣以下大蔵省の面々の前で言っていただくことも無理かと思いますので、これだけにしておきます。  年金局の方お見えになっておりますか。——先ほど少し議論がとぎれましたけれども、国債消化に絡みまして、個人消化というものをどうしてもふやしていかなければならないという議論を少しやりたいと思ったわけですが、少し時間が足らなくなってまいりましたので、その辺のところの議論は割愛をして進めたいと思うわけでありますけれども、先日、社会経済国民会議が、いわゆる公的年金というものを目減りのない生涯資産としてしっかり位置づけるべきだというような提案をなすっているわけであります。まさしく私もそのとおりだと思うわけでありますが、こういった国民全体の生涯資産というような、こういう年金のようなものがやはりしっかりと位置づけられてくるということになれば、国民の全体的な国債あるいは社債に対する動きというものも変わってくるのではないかと考える私は一人であります。  そういう意味で、私はたとえば一つ年金というようなものを取り上げましたときに、この年金の行く末というものが非常に大きな関心を呼んでいることは事実であります。二、三日前の新聞を拝見いたしますと、いわゆる国民年金というものの今後の、いかに財政的にむずかしいかという側面がかなり強烈に出ていたわけでありますが、この財政的に非常にむずかしくなるということも私どもはよくわかるわけでありますけれども、しかし一方においてこれだけの共通の財産というものができますよということをまずはっきり示すことがより大事ではないかと思うわけであります。そういう意味で、現在どこまでその年金等の計画が進んでいるか、ひとつ簡潔にお願いいたします。

高峯一世厚生省年金局年金課長

○高峯説明員 年金制度を順調に運営いたしますためには、被保険者なり国民の方々が年金制度に対して信頼を持っていただくということが非常に重要なことはおっしゃるとおりでございまして、現行の年金制度におきましては、四十八年以来物価スライドというのが導入されております。それから厚生年金、国民年金につきましては、五年ごとに再計算をいたしまして経済推移に合わせて水準を上げていくということを図っておりまして、国民が安心できるような年金水準を今後とも維持できるように努めてまいりたいと考えております。  制度全般の問題につきましては、これも御存じかと思いますが、厚生大臣の私的な諮問機関といたしまして年金制度基本構想懇談会というのが昨年から発足いたしておりまして、そこでいろいろ御検討いただいております。その結論を踏まえまして信頼できるような年金制度を進めていきたいと考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 特に年金の中で、若い人たちの受けます年金とそれから現在の老齢福祉年金とは若干違うわけでありますが、大臣、予算委員会等でも老齢福祉年金等を含めました福祉年金のことにつきまして御質問もしたわけであります。この受給者も非常に数がふえているということも事実でございますし、これに多くの金が今後も要ってくるということは事実でございます。老齢福祉年金としての数はふえていくのではない、減っていくわけでございますけれども、ほかの面での年金の受給者というのはふえていくわけです。そういった面で、年金全体から見れば非常に額がふえていくことはわかるわけでありますが、この老齢福祉年金そのものにつきましては数はふえていかない、年々歳々減っていくわけであります。  そういうふうな意味からいきますと、この辺の手当てというものを今後どうしていくかということと、それから少し話をはしょりますけれども、国債のこともこれあり、今後もし増税というものをやらなければならないことになれば、やはり増税というものとこういうふうな福祉の面との絡みというものを明確に国民に示していかなければならないだろうと思うのです。ただ国債なら国債の返還が非常に厳しいから、財源がないから、だから増税をいたします、こういうふうなことでは国民は納得いたしませんし、もちろん国債の返済ということもありますが、あわせてやはり政治の構造というものを変えていくという、その辺のプログラムを示すことが重要ではないかと思うわけでございます。  そういう意味で私はこの年金の問題を少しここにはさんだわけでございますけれども、これからの税制のあり方、これはここでもすでに幾度か議論をされまして、消費税等も、これはどうしても重要な一つとして考えていかなければならないという意見も出ましたし、あるいはまた不公正税制の改革ということも真剣に取り組んでいかなければならないという大蔵大臣の真摯なお言葉もあったわけであります。改めて私はそのことに触れようとは思いませんが、私どもの考えておりますところの増税は、何はともあれ不公正税制の改革に着手をということであるわけでありまして、大蔵大臣の頭の中にあります構想と私どもの考えておりますところの違いは若干あるかもしれません。しかしこういう事態を迎えました以上増税をしていかなければならないということにつきましては、私どもも考え方は一にするわけであります。ただしその場合に、そのやり方と、それからもう一つはその後における青写真というものを示して、今後のあり方というものを国民に示さなければならないのではないか、こう考えますが、いかがでございますか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 もちろん日本のこれからの租税体系をつくるということにつきましては、これは一人で密室でつくるというようなことではとうてい実現を見ないと思います。ある程度の原案といいますか、皆さんに御批判を願うべき一つの粗い体系というものは、これは財政当局がいろいろな御意見を承った上でつくらしていただくということでございますが、それのためにも何か青写真といいますか、そういったようなものは出していかなければならない。そういったようなめどにつきましては、できるだけ速やかに、ことしの秋ごろにも何かそういうめどを立ててまいりたい、かように考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 ぜひそのめどを早くお示しいただきたいと思うわけであります。  最後に、もう一つだけお聞きをしておきたいと思いますが、これは先日、日経新聞の社説で、今後の国債管理のあり方等を含めて、一つの提案として、一定の金額に限って物価スライドつきの貯蓄国債を発行してはどうかというような提案が載っていたわけでありますが、目減り補償というようなことを中心にいたしましたときに、こういうふうな方法も一策ではないかと私は思うわけであります。国債もいままでの限られたものではなしに、こういう変わったものも国民に示していくということは、これは小口の預貯金者を守るということとあわせて大事ではないかと思いますが、こういったお考えはございませんか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 二つ御指摘があったとおもいますが、目減りの関係は、これは政府が何遍も申し上げておりますように、預貯金も含めまして、物価騰貴というか、そういう目減りが起きないような経済に持っていくことの方が先決なので、それにスライドするという考え方については、一貫して私どもとしてはそういうものをとり得ないという御説明をいたしてきております。  いまの個人消化のための新しい国債という意味におきましては、先般、ことしの一月から初めて新しい中期割引国債というものを発行いたしたわけですが、これはその際にもいろいろな種類の国債を考えたわけでございます。その中で、とにかく一番適当なものということで取り上げたのが中期割引国債でございましたが、貯蓄債券的なものというのは実は戦争中にもございまして、そういうイメージにも若干つながるという面もございましたが、さらにもう少し研究しなければいかぬということで、とりあえず私どもといたしましては国債の個人消化のための多様化を図っていかなければなりませんけれども、中期割引国債が新しく出されたばかりでございますので、これが本当に定着するかどうかということをある程度見きわめた上で、新商品というものを考えていくというのが順序ではなかろうかというふうに考えております。貯蓄債券的なものというのは当然に私どもとしても何回か考えておりますし、いまも検討を続けておる新しい商品の中には当然にそういう性格のものがあるわけでございますが、実現性の問題につきましてはさらに勉強をいたしていきたいと考えておるところでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 大臣、私もいますぐどうですかと申し上げているわけでもありませんし、ほかにも方法はあると思うわけでありますけれども、やはり国債の多様化ということにつきましても昨日の参考人の意見にも、これは引き受ける側の参考人の方から出ておりましたし、この新聞を見せていただいて、なるほどこれはこういうふうなことも、一定の額で一定の量でと申しますか、全部するわけにはまいりませんが、考えていくべき一つの道ではないか。そういった多様性の中で、現在の国債の状態というものを一日も早く解決していくということでなければならないのではないかと考えたわけであります。  大蔵大臣の並み並みならぬ国債に対する御決意というものはもう何回かお伺いをいたしましたし、敬意を表しているわけでございますけれども、しかし決意だけではなかなか減っていかないわけでございまして、そういう意味では具体的にこういうふうな方法もどうであろうかという御提案を申し上げているわけでございますが、ひとつ大臣のその辺のところをお聞かせいただいて、ちょっと早目でございますけれども、終わりにさせていただきたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 御提案の趣旨は、これから勉強をさせていただきます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 では、どうもありがとうございました。

山下元利自由民主党

○山下(元)委員長代理 午後二時に再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十八分休憩      ————◇—————     午後二時六分開議

山下元利自由民主党

○山下(元)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  委員長の指名により、暫時私が委員長の職務を行います。  午前に引き続き質疑を続行いたします。永末英一君。     〔山下(元)委員長代理退席、委員長着席〕

永末英一民社党

○永末委員 大蔵大臣にお伺いいたします。  過般の施政方針に関する質疑の中で福田総理は昨年の経済は順調であったという御発言をしておられる。大蔵大臣も同じ御見解でしょうか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 昨年の経済でございますが、昨年の春、一、二月のころは相当のテンポでもって景気も回復し成長してきましたが、夏以来中だるみ傾向が起こりまして、その後緩慢なる歩みを続けておりますけれども、基調においてはこれが失速してしまうというようなことでなく歩みを続けてまいっております。

永末英一民社党

○永末委員 これは景気のカーブともう一つは物価に関連した質疑であったと思うのです。ところで昨年の経済というのは、財政上から申しますと膨大な国債を抱えた財政でやっておった。そういうところから感じますと、どうも福田さんの頭の中に、赤字財政で国債を多額に抱えているやり方、そのことに対しての顧慮は余りないんじゃないかというぐあいに伺ったわけです。ちょうど三月三日に大蔵省が予算委員会に提出いたしました資料でも、昭和五十年から五十五年にわたる財政収支試算表でございますが、ケースA、Bに分けて試算してございます。いずれにいたしましても、国債は五十五年もなくならないというお見込みをしておられる。しかし、これは五十五年でしまいでございますが、一体国債というものはどういう見通しを立てて見通しておられるのでしょうか、それをひとつ伺っておきたい。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 今後の財政見通しにつきましては、昭和五十年代前期経済計画に基づきまして五十五年度までの一般会計の収支状況を試算いたしまして、財政収支試算(五十二年度ベース)という形でお示しをいたしております。  財政収支試算を見ますと、わが国財政の再建は一層困難の度を加えたように見えますが、政府といたしましては、財政収支試算を一つの手がかりとしながら今後とも既存の制度、慣行の見直しを含む歳出の一層の合理化を進めるとともに、租税や公共料金の負担水準の適正化等に全力を尽くしまして、経済計画で述べられているとおり、五十年代前期には何とか特例公債に依存しない財政をつくり上げたいと考えております。

永末英一民社党

○永末委員 なるほどこの試算表には、昭和五十五年度は特例公債ゼロと書いてあるわけですね。しかし、特例公債でやろうと建設公債でやろうと公債に色はついておらぬわけでありまして、公債そのものの性格、処理の方法とか法的基礎は違いますけれども、借金であることは間違いない。しかも五十五年度には六兆七千八百億円という数字が書いてあって、特例公債だけゼロになったらいいのでしょうか。国債そのものをゼロにする努力をしながら財政を運営していくというのでしょうか、それとも特例公債だけゼロにすればそれでもう財政は健全になった、こういう構えでやられるのでしょうか。いずれでしょう。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 特例公債も四条公債も、これはいずれも歳入がたっぷりあれば発行する必要のないものでございますが、特例公債はその中でもまさに歳入欠陥というものをこれによって補うという目的でもって発行される公債でございます。建設公債はいずれも借金には違いありませんけれども、一つの投資と申しますか、一つの具体的な目標というか資産というか、そういったようなものを新たにつくっていくために借金をするということでございますので、そこで私どもといたしましては、何しろ端的なる歳入欠陥を埋めようという特例公債はこの際できるだけ早くこれを発行することの要らないように、つまり特例公債に依存しない日本の財政をつくり上げてまいりたい、こういうふうに考えておる次第であります。

永末英一民社党

○永末委員 国民の目からいたしますと、その国債による収入が投資的経費に使われるのかあるいは赤字を埋めるために使われるのか、そこに問題があるのではなくて、やはり借金が残るということでございます。私は京都でございますけれども、京都の歌に「富士の高嶺に降る雪も 京都先斗町に降る雪も 雪に変わりはない」というような歌があるのでございまして、借金政策を続けられるかどうかということに問題がある。いま特例公債に関する法案を審議いたしておるのでございますが、いま大臣のお話を聞きますと、特例公債をなくするところに重点がございますが、借金は五十五年度以降まだ続くのですね。しかし、その中で五十五年度でゼロにしているというのは、気構えとしては特例公債はなくしたい、こういうことなんでしょうね。いかがです。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 五十五年から先のことにつきましては、とにかく五十五年までのことは日本の五十年代前期経済計画という一応の、一応ですよ、一応の手がかりというものができております。ところが、五十五年から先につきましてはまだそれができておりませんから、ここで詳細に申し上げることができませんけれども、いずれにいたしましても、財政は公債で賄うということは、これが建設公債であろうと、赤字公債はもちろんのことでございますが、公債で賄うことの要らないようにこれを持っていくべきだと思います。しかし、少なくとも初めのうちは、何と申しましてもまず赤字公債というものから脱却をしてまいりたい、こういうことでございます。

永末英一民社党

○永末委員 一昨年から始まりました赤字公債がことしで三年目でございますが、しかもその赤字公債の額も急激に増大をいたしておる。しかし、これが過去二年間消化をされてきたのは、わが国の経済が不況であって、言うならば私企業の資金需要がそう激しくない。したがって、その間、個人の貯蓄が金融機関に吸収せられている分で消化をせられてきておると言われております。  さて、いまお話しございましたように、五十五年度には赤字公債だけはなくしたい、こういうことは、それまでに景気は回復するのだ、させるのだというお見通しなんでしょうね、赤字国債をなくするというのでありますから。どうですか。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 景気の問題も非常に関係はございますが、あの試算というのは、企画庁の五十五年までの経済のフレームを前提にしてやっておるわけでございます。実質七%弱の成長と、それから名目的には物価が大体六%くらいというような感じで想定したGNPを前提にしたものでございますから、途中年次で景気の問題は確かにございますが、一応経済計画のフレームを前提にいたしまして、それに自動的に、機械的に一定率の係数をつくりまして計算したものなので、景気の問題が非常に赤字公債の脱却には関係ございますが、くどくなりますが、あのフレームを前提にした計算になっているわけでございます。

永末英一民社党

○永末委員 いろいろな試算表でございますから、フレームをつくって当てはめておられますけれども、公債金収入の中で特例公債と建設公債を分けられるメルクマールというものがよくわからぬのであります。どういう標識をつくられたのですか。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 ただいまごらんになっております表の下から三行目か四行目に公債対象経費というのがございますが、それを公債の総額からお引きいただきますと、残額とほとんど同じ数字が特例公債の金額になっております。

永末英一民社党

○永末委員 現在の公債消化は、資金運用部と国債引き受けのシンジケート団をつくって、大体一・幾ら、八・幾らくらいの割りでやるわけですね。こういう方式をずっと続けられますか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 国債の消化は市中消化を一応大原則といたしておりますので、この基本的な体制は崩さないでまいりたいと存じております。なお、資金運用部資金の引き受けにつきましては、その消化を補完する意味で、資金運用部資金の資金の状況を勘案しながら、同時にその年々の状況で決めていく、こういう形になっております。

永末英一民社党

○永末委員 その市中消化でございますけれども、これはその多くのものが都市銀行、まあ銀行が多いと思います。証券などをのけて、個人が買っているのは比率としてはごく少ないわけでございます。最近郵貯が伸びて預金の伸びが鈍化をしてくる。しかもその預金の伸びの中で引き受けた国債との比率をとれば、これは相関しているかどうか知りませんけれども、その相関だけの数字をとりますと、半分近くは国債に食われて固定しておる。そうしますと、資金の流動化というものが預金面についていいますと非常に窮屈になってきている。そういう傾向がどんどん続くならばきわめてこの引き受けが困難になるのではなかろうか、こういう見通しがあります。いまやっておるやり方を続けまして、そして先ほど景気のことには加藤さん触れなかったのでありますけれども、預金の伸びが余り思わしくない事態が続きますと、粗っぽい言い方で言えば、新しく吸収された預金が国債のみに吸収されて、銀行本来の預金の使用にはならぬ、こういう形が出てくる。それがまた濃くなってくる、こういう傾向になると思われますが、大蔵省の見解いかがですか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 経済の環境がいろいろ変化しております段階で、いま先生のおっしゃるように将来景気がよくなってきたときに、民間資金の需要が強くなる、そうするとクラウディングアウトの問題が出てくるとか、あるいはまたいろいろな金融機関の手持ちの国債がどんどんふえていくとポジションが悪くなる、これをどうする、こういういろいろな問題があるわけでありますが、そういうような問題を詰めて、この五十二年度を見渡す限りにおきましては、いまの経済成長のテンポ、政府が考えておりますテンポでまいります限りにおいては、そういうヒッチが起こるというような状況とは考えられないと私ども考えております。ただ、観念的にはいろいろそういう問題が出てくる。  それから、現在におきましては、御高承のように、国債の流通市場における流通条件がきわめてよくなってきておりますので、この国債をいまの環境において持つということは、他の債券よりもむしろ有利な資金運用ということがまさに言えるわけでございます。それほど国債がいまは非常にいいわけでございます。  ただ、それではおしなべていいのかということにつきましては、これはこれから先の、私どもがどういうふうに市場を誘導していくかということにもかかるかと思います。それから将来の問題としての、いわゆるクラウディングアウトの問題、これはやはり日本銀行の金融調節あるいは財政運営の上における経済への影響、そういうものとの総合的な観点の上に立って、その時点においていろいろな対症療法があると思いますが、観念的にはそういうクラウディングアウトが短期的に起きないと言い切れるかどうかということについては議論があるところだと思います。しかし、私どもは五十二年度にそういうものが起きるとは考えておりません。

永末英一民社党

○永末委員 クラウディングアウトの問題に関連をしまして、現在銀行が保有しております国債のあり方が問題になっておりますが、大体において銀行が国債を保有しますと、次年度以降に日銀の買いオペの対象になりますから、そう重たい買い物ではなかった。さて、昭和四十一年から四十九年まで足し算をしますと、九七・一%が買いオペの対象になっておりますから、この金は動いておりますが、五十年以降は非常に買いオペの分量が減っておるわけですね。五十年以降の数字をお示しください。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 五十年のオペの数字でございますが、無条件オペが五千七百一億と相なっております。五十一年度の方は、概算で恐縮でございますけれども、八千六百億という見込みでございます。

永末英一民社党

○永末委員 前年度に引き受けてもらったものとの対比では、何%ずつになるのですか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 いわゆるオペレーション率と称しておりますが、これで見ます限りにおきましては、五十年度は三七・三%、五十一年度は四月から十二月までで二七・〇でございます。なお、御参考までに四十年から四十九年度末までの累計で申し上げますと、このオペレーション率は九九・九ということです。

永末英一民社党

○永末委員 私が伺いたいのは、四十一年から四十九年までは、年度が変われば少し年度年度には波がありますが、しかし九九・幾らというと、ほとんど買いオペの対象になっておるから、国債を保有しておるために銀行が重圧感を感じるということはなかった。しかし五十年度は、いまのお話によりますと三七・幾ら、五十一年度は四月から十二月までで二七・幾ら、こういうことになりますと、粗っぽい言い方で言いますと、過半数以上ですね。それを銀行がまだ持っておるという状態、そこへまた特例公債を含めてですが、八兆か幾らのものが出ていくわけですね。そうすると、それはまた先ほどおっしゃったように、シンジケート団に割りつけて、買えということになりますね。ますます重さが重くなる。買いオペというのは、どんどん四十一年から四十九年までやられたような形でやることを五十年度以降はやめられたのですか、まだやろうとされておるのですか。その辺の御方針を伺いたい。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 買いオペのやり方につきましては、申し上げるまでもなく、金融調節の重要なる手段としまして、そのときどきの金融情勢に合わせて資金調節をいたす、こういう考え方に変わりはございません。したがいまして、財政の方はやや中期的と申しますか、ある期間をとってみれば均衡するはずでございますので、買い切りオペの残高と申しますか、ネットのところは、成長通貨の増加額に大体見合ったところになる、こういうことにいままでもやってまいっておりますし、今後もそういう方針で金融当局は考えていくべきである、こう思っております。

永末英一民社党

○永末委員 そうしますと、民間に資金需要が起こってくれば買いオペをやるが、そういうことが起こらなければこのままで推移する、こういう御方針ですか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 民間の資金需要と公共債の金融債を引き受けるというところの競合問題、これにつきましては、時期的な調節は必要であろうかと思います。しかしながら、財政の方は、ある期間をとれば、これは財政支出になってまた民間の預金に戻ってくる、均衡するものでございますから、したがいまして、オペのネットの増加額はやはり成長通貨に見合ったところになる。いま御指摘の、民間の資金需要が起こったときに、それと財政の方の揚げ超、散超のぐあいとの調節というものは時期的にはずれるだろうと思います。そのずれにつきましては、もちろん時期的な買いオペは行うことに相なろうと思いますが、長期的に見れば、買いオペは成長通貨に見合った額というのがめどに相なろうと思います。

永末英一民社党

○永末委員 その成長通貨に見合うということは、どういうことをやるのですか、そこをちょっと説明してください。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 ただいま成長通貨と申し上げましたのは、日本銀行券の発行の増加額を頭に置いております。したがいまして、最近のところは大体発行額の残高の一割あるいは一割ちょっとという増加を続けておりますが、その程度がめどになろうかと思います。

永末英一民社党

○永末委員 対前年同月比一割以上の増加がずっとございますね。その傾向はわかりますけれども、どういう場合に買いオペを実施するのですか。つまり、そこに変化がなければ、需要が多くない、あるいは要求がないという場合には、たとえば五十年度でいけば三七・幾らを逆算しますと六二・幾ら、それから五十一年度で言えば、その前の年の分について言えば七二・幾らというものを銀行が保有しているままでしょう。それを持たしたままずっといく、こういう御方針なんですね。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 オペをやりますやり方あるいはタイミング等は、いまの先生の御指摘の国債の発行の状態等もその一つではございますけれども、全体の金融市場の資金過不足の状態を頭に置いてやるわけでございます。結果的には、先ほど申し上げましたように、そのオペの純増額以外の部分、これは金融機関の資産として残ると申しますか、金融機関が保有することになる、こう考えております。

永末英一民社党

○永末委員 その残りが少なければ問題がないのですがね。つまり、目に立つところは、五十年度、すなわち赤字国債が出始めてから、残っている部分の方が多いわけですね。そうしますと、そういう方針として、これから発行する国債の中で、過半数以上を銀行に残していくのか、それともこれは吸収するのかという政策が私は問題になろうと思うのです。それで私は伺っているわけです。残りには違いございませんが、普通残りといいますと、十のうち一とか二とかなら残りですが、十のうち六とか八とかが残っていたのでは、残りと言うでしょうか。大体議会というものは過半数で成立するわけでしょう。過半数の方が残っているなんて言いませんね。野党の方が少ないのです。与党の方が多いのですね。そうしますと、銀行にたくさん残すのが政策なんだな、こういう感じを私は受けるのですが、やはりそれは残りですか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 金融機関の資産の保有形態がどういうことになりますか、これはこれから先の資本市場の問題等もあると思いますので、私が御答弁できる範囲をいささか超えている部分もあるかと思いますけれども、金融機関に即して申し上げますれば、現在金融機関の総資産の中で、公共債、これは公共機関への貸し出しも含めましてのウエートは現在上がってまいっておりますけれども、都市銀行で一〇%、地方銀行で十数%というようなことでございまして、かたわら産業資金その他の民間資金需要の方が大変落ちついておりますので、金融機関の資金繰り等の面ではただいま順調に推移していると思います。  今後の問題につきましては、これは景気動向あるいはそのときの財政がどういうふうになるかということでございますから、過半数が残るとかどうとかいうことはちょっと私予測しがたいのでございますけれども、金融調節的な角度から申し上げますと、オペレーションというのは、不足資金額、成長通貨に見合った額を長期的にはめどとしてやってまいる、これは金融当局としてはそういう態度であるべきだと思っております。

永末英一民社党

○永末委員 いま市中における資金需要、産業の発展度合いが落ちついておるという話でございましたが、いままでの大蔵大臣や総理大臣の説によりますと、要するに景気回復しなければいかぬというわけですね。だから、公共投資を中心として景気刺激をするために国債を組んでやるんだ、財政の足らぬところは赤字でやるんだということでしょう。そうすると、景気が回復するというのは資金需要が起こるわけですね。われわれがいまやろうとしているこの国債、赤字国債を含めて、それは刺激をやるだけであって、実際の景気回復というのはもっと多くの資金需要、間接金融システムですから銀行にそれが集中する、その場合に、私ども素人が心配しますのは、銀行が国債で多くの部分をくくられているとどうにもならぬ。そうしますと、その国債を日銀が買いオペをするか、それともその国債を何らかの手段で市中に放出することを認めるということになりますね。その辺をどうしようとされるのですか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 同じようなことを申し上げるようで恐縮でございますけれども、財政の方はある期間をとればバランスをするはずでございます。財政の支出によって金融機関へ資金が戻ってくるということになりますが、御指摘のように急激な資金需要が起こってくるということになりますと、時期的には競合するという問題が起こり得ることは確かだろうと思います。そういう時期的な調節につきましては、日本銀行の季節的なオペレーションは、国債、政保債だけではございませんで、ほかの金融調節手段、オペレーションのほかの、何と申しますか、種と申しておりますが、ほかの有価証券を使っての金融調節、手形等を使っての金融調節、あるいは微調整などは貸し出しでもいたします。そういう市中金融機関の資金調節につきましては、そういう時期的な調節の手段もございます。そういうところで無理な競合等が起こらないように時期的には調節をしてまいるということは従来と変わりはないと考えております。

永末英一民社党

○永末委員 大蔵大臣、公債というのは続けるべきものなんですか、なくしたいものなんですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 それは理想の姿を申し上げれば、やはり国の財政というものは収支が相償うということであろうと思います。しかしながら、いろいろな場合、いろいろな時期、また国内経済の動向、たとえば景気が非常に落ちておる、何とかこの景気を上げていきたいというようなときには、五十二年度の予算で考えましたとおり、公共投資というものが需要創出の効果が一番大きいとわれわれは見まして、そしてその公共投資をやる。その公共投資の財源としては、これは公債——ただ健全財政でもって税収だけでやろうと思いましても、なかなかそこまで手が届かないといったような場合には、私は公債財源でもって公共投資をやっていこうということで、公債はいついかなる場合にもこれは出すべきものではないとか、そういうことじゃない。そのときどきの事情によって判断をしていくものだと思います。概して、やはり国の財政というものは収支相償うということがいいと思いますが、しかしそれにこだわって、雨が降ってもかさをささない、雪が降っても外套を着ないというようなことではなかろうと思います。

永末英一民社党

○永末委員 ただいまの大蔵大臣のお話では、やはり言外に、公債というものは必要に応じてやらなくちゃならぬものだ、こういうお考えのように思うのですね。ところが、先ほど挙げました五十五年度までの財政収支の試算表を見ましても、五十五年度には国債費が予算の一割以上に上っているわけですね。  私、伺いたいのは、大体十年を償還期限としておりますけれども、建設国債のごときは、十年たったらまた十年、また十年と、五回にわたって合計六十年まで引っ張られるようなことになっておる。それから特例公債の方は、一応十年で償還するという償還表は議会に示してもらっておるが、一体なくするつもりでやっておるのか。もうわれわれのこれからの予算の中には国債費がだんだん年々ふくれ上がって、そうしてなくさないのだ、だから、雨が降っても降らなくてもいつも長ぐつははいているのだ、こういう形でやっていくのか。あなたはこれから十年間も大蔵大臣をやりはしませんよね。だから、昭和五十一年、五十二年度の財政を扱った日本の政治家どもは後代の人のために一体何をしてくれたか、国債費を払うために一生懸命に税金を払っておるということを残したのでは、これは後代の人に申しわけございませんわね。そういう意味合いで、そういう基本的な方針を伺っている。  あなたの、必要に応じて国債を出さなければならぬというお考えはわかりましたが、これはだんだんたまってくる。ごくわずかならよろしいですけれども、あなたらのおつくりになったやつでも、もうあと三年たてば予算の一割以上は国債費というのは、なお増高の徴候こそあるとわれわれは思いますし、それがもし増高していくならば、これはえらい経済を後代の人に押しつけることになる。  そこで端的な質問としては、国債はなくするおつもりで進められるのか、続けられるおつもりでやられるのか。建設国債と赤字国債と分けてひとつお答え願いたい。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 御指摘のように、私はこれからあと五十年も百年も生きておるということはございません。しかし国の財政というものは、これは天壌とともにきわまりなかるべしというようなことは申しませんけれども、私は永遠性を念願したいということでございます。と申しますことは、私はそんなに生きておりませんけれども、私の子供も孫も友人も、ひいては日本国民というものはこれから永遠に栄えて生きていってもらいたい、そういうことを私は考えております。だから、日本の財政経済というものはそういったような線に沿った財政経済でなければならない。かような意味におきまして、先ほど来申し上げておりますとおり、公債の役割りなり公債の使命というものは、その事情、その場合によりましていろいろあろうと思いますけれども、概して申し上げますならば、歳入が足りないからこれを赤字で埋めていこうという赤字公債というものはできるだけなくしていきたいという考えを持っておりますので、そこで繰り返し繰り返しかたくななことを申し上げておる次第でございます。

永末英一民社党

○永末委員 大臣の気持ちはわかりましたが、財政当局は建設国債を大分発行して、歴史がございます。これはどうするつもりですか。ずっと六十年ワンサイクルで、還暦を迎えつつフェニックスのごとく生きていかそうというわけですか。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 四十一年に四条公債を出しますときにそういう御議論があったわけでございますが、戦後いまの財政法ができて、四十年まで公債を出さなかった理由があるわけでございますね。戦争でやられまして、財政を税金の範囲で賄っていくという姿勢をとっていくことが、経済に対して安定的に運営できるんだという考え方が背後にあったわけでございます。四十年ごろにいよいよ日本も公債政策を財政が装備できる段階に来たというので、財政新時代という考え方で積極的に公債政策を導入したわけでございます。  諸外国の例を見てみますと、きのうも御質問があったわけでございますが、日本とかドイツというのは公債について建設公債方式をとる。フランスなんかは均衡財政をやる。税金の範囲で財政を賄っていく。アメリカやイギリスは公債に色をつけないでおよそ収支差を借金で賄っていくというような、公債政策についていろいろなタイプがあると思うのですが、わが国の場合には、財政法四条の精神は経常歳出は税金で賄う、ただ公共事業等については公債を導入してもよろしい、したがって公債をゼロにする必要はないと思うわけです。  結局御質問は二つあると思うんで、ゼロにするのかどうかという点と、それが幾らでかくてもいいということなのかということと両方あろうかと思いますが、前者についてはそういう意味で基本的に五%とか一〇%とかなかなかめどは一義的にありませんが、公共事業なり出資金の範囲では公債政策を使っていくということは決して間違ったやり方ではないと思うわけです。その次には量をどうするかということになろうと思うのですが、これは景気循環によって、あるときは多くあるときは少なくという運営がいいのではなかろうかというふうに考えたらどうかと思います。

永末英一民社党

○永末委員 公債を買い入れますときに証券会社を通じまして個人が買います。それは期限が十年で利率も八・二二七%となっておるわけでございますが、一方金融機関がおっつけられるものがある。これは買いオペでございますから、買いオペのときにそのときの取引所の市場価格で売るというので個人と利回りが違いますね。どういうぐあいにお考えですか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 市中消化の場合に、個人と金融機関の最初のいわゆる応募者利回りと発行条件は全く同じでございます。

永末英一民社党

○永末委員 買うときは同じだけれども、個人の方が、同じように売るのも自由にできますか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 これは取引所で全銘柄を上場いたしておりますので、その取引の価格というのは毎日出ておりまして、取引のボリュームからいきますと三%か四%程度が取引所取引で、あとは店頭取引ということでございますが、価格は結局取引所で扱われる値一つでございまして、その値によりまして個人の売買も市中から買います場合も同じでございます。

永末英一民社党

○永末委員 政府は個人に国債を持たせようという方針なんです。先ほど中期割引国債を出したのはその施策の一つの意図のあらわれであるというぐあいに伺ったのでありますが、つまり国債は先ほどのお話で、なくなるのではない、残る。赤字国債だけはなくしたい。そうするとわが国は国債というものが残る。それならその国債をどうやってやるか。これは金融機関が持っておる国債は持っておることに意味があるのではなくて、やはりそれは金融機関の扱う資金運用のために利するものであるというのが国債の本来の意味合いだと思うのですね。個人は財産として持つでしょうね。そうしますと、個人がこれを財産と思うについては、財産と思わせる利点がなくてはならぬということになろうと思います。個人も金融機関も発行のときの条件は全く同じで、それを売却するとき全く同じだというと余りありがたい財産でないということになると思いますが、それはそれとして、これから国債時代が続くなら、新時代はもう大分たちましたけれども、国債を持たせるつもりですか、持たさぬつもりですか、一体どっちですか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 第一点の、いま国債を個人が持った場合と金融機関が持った場合にその差異はないではないかとおっしゃったのは、これは実は差異がございまして、個人に対しましては別枠三百万円までの非課税措置というのがございます。これは金融機関にはございませんからまずそこで違っておりますし、ましてマル優を活用いたします限りにおいては六百万円まで非課税でございます。そういう恩典がございますと、いわば利回り計算で税引きの計算でいけばかなり魅力のある国債と言えないことはないということをまず申し上げておきます。  そのほかに、最近は国債の個人消化のためにいろいろな便法を加えておりまして、これは別枠非課税にいたしますと、それだけ登録をしておきませんと措置がとれません。ただ登録脅しておくと売買に円滑を欠くというので、登録をしたままで担保金融が受けられるというような制度を設けたり、個人に対しましては個人消化のための魅力ある措置をいろいろ加えておるわけでございます。  それでは国債を個人に持たせるということは将来にわたって一体どうかということでございますが、国債はいま御指摘のように少なくとも六十年間は途中期限前償還等をいたしましても回っていくわけでございます。したがってこの世に存在する国債は相当長期にわたってあるわけでございます。ましてや個人が国債を持つわけですから、そういう個人の持っておる国債に対する市場をわれわれとして大事にしないといけないということ、これは国債管理政策の中の一つの大きな柱でございます。けさほどから御議論になりました国債の市場管理というものも、やはり個人消化その点において余り価格に乱高下があったりすることは避けなければならないとかいう配慮が必要であろうと思います。したがいまして、私どもは出しました国債がきらわれるようなものであってはいかぬし、個人に大いに持ってもらうことは、インフレ論争からいきましても非常にニュートラルだと言われている個人消化を私どもとしてはあくまでも大切にしていくべきであろうと考えております。したがって国債は持っていただきたいということで、新しい国債までわざわざ考え出し、また今後も国債の多様化を図っていくという意味はそういう意味でございます。

永末英一民社党

○永末委員 経済が安定をしてくれば、別の言い方で言えば経済の成長率がある一定率で動くということになり、国債によって受ける利子がそれを上回っておるということになれば、これは一国民にとりましてはきわめていい財産になりますね。そういう場合に、たとえば中期割引国債が出たのでございますが、これも三千億円発行するという話でございますが、その前の通常の国債の場合でも分量が限られてその中で売り出すわけです。だから大蔵省が頭で考えている中では、個人分は最大限これだけという枠がありますね。大体個人分はこれだけ、逆に言いますとあとは持たさない、そういうわけですか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 そういうものはございませんが、市中消化を原則とするという当初の国債の発行の際に、一体個人がどれだけぐらい持ってくれるであろうかということはなかなか測定しにくい状況であったのでございますが、いろいろ議論の末に一割程度を国民個人が持っておられる、あとの九割ぐらいは市中消化ということで金融機関その他の機関投資家というようなあんばいをしてまいったわけです。これは実は十年間、先ほど御指摘のように発行量の少ない間はどちらともなくそういう姿が存在したというか、見込みのように一割と九割ということでございましたが、最近国債の大量発行に伴いまして市場の流通価格あるいは発行価格の関係が国債もかなり魅力的なものだということが認識され始めましてから、一割以上の売れ方を実はしておるわけでございます。まして、そこへ新規の個人向けの商品というか国債を出したわけでございますから、それは一割と九割というものが一割以上の割合になっていくであろうということはいまの趨勢から言えば言えるわけですが、それじゃ個人消化に全部取ってかわるというような、そういう大げさなものにはなかなかなりかねると思います。ただ、日本人の個人の金融資産は、先ほど申し上げましたが五〇%近いものが預貯金でございます。それを欧米流の形でいけばもう少し債券に振りかわってもいいということを考えますと、個人消化というのはまだかなり私は期待でき得ると思いますが、それが全部国債であるかほかの債券であるかということは、これは今後の国民の選好によるものではなかろうかと思っております。  中期債を三千億といたしましたのは、やはり戦後初めて割引債という形で国債を発行いたします。これはかなり、一種の試験的なと申しますか、トライアルなケースということでとらえてみれば、余り初めから突っ走るのはどうであるかということと、その他個人消化本来の促進を図っていかなければならない状況でございますので、一応のめどとしてしばらくそういう状況で定着化を図ってみたいということでございます。何か頭打ちをして、そこでここまでが個人分というふうに決めてかかる必要はないし、またかかっておるわけではございません。

永末英一民社党

○永末委員 銀行保有の公債につきましては、言うならば日本銀行がぎゅっとにらんでおって、枠を示さなければ買いオペにも乗ってこないし、いわば金融政策で何ともなる。個人に一遍持たしますと売りたいときに歯どめがないというので、ばっと売りが出ますと国債の実勢価格が下がってしまう、そうしますとえらいことになるというので余り枠は広げないという見方がありますが、そうではございませんか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 いま商いが非常に大きいときと小さいときとございまして、もし売りだけが激しく大きいときには乱高下いたす可能性がございますので、取引上はそういう大きな売りがございます場合に、証券会社が一応それに買い向かうという形で後日それを徐々に売っていく、こういうやり方で取引を散らしておりまして、これはどこの国でもやっているいろいろな売買仕法の一つでございますが、要するに、そういう形によって国債というものの価格の安定化ということを一つは図っておる。これは決して取引に対するゆがみではなくて、むしろ個人投資家に対して国債に対する不安感を除去するという意味においても意味があるわけでございますが、そういう形で決めました価格、これはもう唯一の市場価格でございますから、それによって店頭取引も行われておりますし、金融機関の取引もそれで仕切られておる、こういう形をいまとっておるわけでございます。したがいまして、何か売らさないというような、余り売られると困るから買わさない、そういうようなことを考えておれば個人消化というものはとても図れるものじゃございませんので、そういうものは私どもは全く念頭にないわけでございます。

永末英一民社党

○永末委員 先ほど大蔵大臣、この特例公債を出すのは、やはり景気回復のためだ、こういうお話でございますが、大蔵大臣のお見込みどおり、景気回復の兆しがだんだん見えてきて上り坂になってくる、そうしますと一斉に資金需要が起こりますね。そうすると流通金利が上がります。金を借りたい方が多いわけですからね。流通金利が上がると利回りの低い国債は売れなくなる。どうしますか、そういうとき。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 だから、そういったようなときには弾力的にやっていこう、こういうことでございますから、市場を整備するということと発行条件を弾力的にやっていこう、こういうことでございます。

永末英一民社党

○永末委員 私が心配するのは、だからそういう場合には前に銀行に重く持たしておった公債をオペレーションをかけて買い上げるとか、あるいは日銀がほかの銀行の持っている手形を買うとかというようなことをやる。するとその分だけ資金が出ていきますね。これが通貨の増発になるというおそれを抱くわけでございまして、弾力的にと言われた、いい言葉でございまして、どっちへ弾力的かよくわからぬのでありますが、景気回復期にこういう赤字国債を銀行に持たしていることが大きな通貨の増発になるおそれをはらんでいるということをわれわれは心配しておりますので、赤字国債についてはきわめて慎重にならざるを得ないのでありますが、その点もう一遍国民にそんなことはないんだという説明がつくならやってください。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 赤字国債でございましても建設国債でございましても先ほど同じだとおっしゃったことでございますが、要するに、これは非常に粗っぽい言い方でございますが、経済が上向いてくれば、タイムラグがございますが、税収が上がれば国債を減らしていくということができるということで帳じりが合うわけでございますが、その間におきまして、銀行が持っておる国債を仮にみんなが一気に売るというようなことは、これは金融機関としては自分の資産をまさにみずから暴落させることになりますので、そういう行為をすぐさまとるとは考えられません。ただ、貸し付けに回した方がいいか、国債のまま持った方がいいか、あるいは国債を売らないでほかの債券を売った方がいいか、これは恐らくそれぞれの金融機関のポジションあるいは資産内容の運用の仕方において決まってくることだと思います。しかしながら、全体的に民間資金需要が強くなってくるというときにその資金の需要に応じて金融機関が動くということは、これは当然であろう。それに対して受けざらとしての市場というものを育てておく必要があるだろう、そのために私どもは公社債市場の育成をいま一生懸命考えておるわけでございます。  それと同時に、先ほど銀行局長が申しましたように、さらにその動きの上に、日本銀行が経済の全体の姿を見ながら金融調節をやっていくわけでございます。場合によっては、あるいは成長通貨ということの上に立ってオペレーションをやるということも考えられます。そういうようなことの総合的な上に立って経済運営をやっていくわけでございますから、金融機関がいま持っております国債が重荷になってしょうがなくて、これががんのようなものだというふうにだけ考えてしまう必要はない。  それから、先ほど私が申し上げましたように、いまの場合には国債はかなり魅力的な資産として——きのうの参考人の方は一般論を申されましたけれども、金融機関は現実においてはこれはかなり魅力ある資産運用として国債を持っておると言っても過言ではございません。したがって、そういうことを私どもはいろいろ考えながら、究極的には国債の健全な市場をつくっていくために日夜努力していく、それ以外にはないと考えております。

永末英一民社党

○永末委員 国債が現在でも魅力的なものであり、またそれを一層魅力的なものにするために公社債市場の育成を心がけているというお話ですが、地方団体が似たように財政困難になって地方債を発行している。縁故債、特にそれは地方の地方銀行を主軸にして縁故でおっつけておる。これが国債ほど流通性がないわけですね。ほとんど何にもないということでおっつけておる。いまの景気が回復し出しますと、一般の企業に資金需要が起こりますが、地方にも起こります。しかも、地方はすべてこれほとんど中小企業ですね。ところが国債の場合には、いまのように何ほどか公社債市場の対象になり得てそう重荷でなくなるんだ、こういうお話でございますが、地方債の場合には、いまの場合国債ほど流動性がないわけでございます。これはまさしく地方銀行を主軸にした零細地方金融機関の重荷になっている。これらについてもやはり国債と同じように配慮をしなければならぬ段階が来ておると思いますが、大蔵大臣、どういう御方針で臨まれますか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 地方銀行と地方金融機関に対しまして、地方債の引き受けが資金的なウエートの中でかなり上がってきておるということは御指摘のとおりだと存じます。  ただ、この中小金融機関はそういう関係で一昨年度、五十年度におきましては資金ポジションが若干悪くなりました。しかしながら、もともとかなりのローンポジションのところでございますから、それが一部悪くなったというぐらいでございまして、五十一年度におきましてはまた資金ポジションは改善されてまいっております。ただ、個々の金融機関、地域地域によりましてかなり状況性の違いがございまして、おっしゃるようになかなか資金繰り等の面で民間賃金と公共債の流す資金との関係で問題が出てくる時期がございます。そういう点につきましては、御指摘のように、特に地方金融機関は中小企業その他を主力の取引先にいたしておりますので、これが個々に日本銀行等におきましての割引額その他で時期的な調節を、不自由が起こらないようにしてまいる、こういう方針で考えております。全体としましては、いまのところそういう差し迫った状況にはなっていない、こう考えております。

永末英一民社党

○永末委員 地方債そのものの取り扱いについては何ら考慮を払わない、こういうことですか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 地方債の取り扱いの問題につきましては、特に縁故債につきまして流動化するのにどういう方法を考えたらいいか、これは非常に技術的な点もあろうかと思いますが、条件あるいはその他発行方式等につきましてどういう方法にしたらいいかということを専門家の間で具体的にいま検討をされておるところでございまして、私どもその検討結果を待ちたいと考えております。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 いまの公募地方債の方は、ことしから国債と同じように別枠非課税三百万円の中に入れるようにいたしまして、個人消化を図るようにいたしましたので、これはかなりはけるようになると思います。

永末英一民社党

○永末委員 最後に大蔵大臣からお答え願いたいのですが、一番心配をいたしております赤字国債について、この額がふえてきた場合には、先ほど触れましたが、景気回復期における政府の施策でございますね、したがって赤字国債をこうやって特例法によってお願いするけれども、いやしくも成長通貨の増発をやってインフレにはさせないのだというその御決意のほどを承って質問を終わりたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 大変むずかしい、そこが一番むずかしいところだと思います。景気を引き上げていくために需要創出効果の一番大きい公共投資をやる、その財源は公債、公債を消化していかなければならない。需要創出効果が入ってくるということは資金に需要が向かってくるということでございまして、公債は消化させていかなければならない、それからまた、民間の資金需要というものにはこたえていかなければならないということでございますので、そこのところが私は日本の今日の経済、税金その他にもございますけれども、それを運営していく一番のむずかしい点であって、ここが一番眼目だというふうにひしひしと感じております。

永末英一民社党

○永末委員 坊大蔵大臣の腕のさえを期待しております。  質問を終わります。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 大原一三君。

大原一三新自由クラブ

○大原(一)委員 たくさん質問されて、同じような質問になるかもしれませんが、最初に、せっかく加藤主計局次長お見えになっておるわけでありますので、予算の専門家でありまして、日ごろ大変予算編成について努力をしていられるわけでありますが、一つだけお伺いしたいと思いますのは、今度のアメリカのカーター大統領のゼロべースバジェット、御質問に出たかと思いますけれども、十年前にケネディ大統領が同じような発想で、多少ニュアンスは違いますが、PPBSというのをやりましたけれども、その成果は余り見るべきものがなかったということでありますが、今回のカーター大統領のゼロベースバジェットというのは非常に素人わかりがするわけであります。埼玉大学の助教授の野口先生の話によれば、これは州でございますけれども、ジョージア州知事時代に三百の行政機関中二百七十八の機関を廃止して行政経費を二分の一に削減した、これは本当かうそか知りませんが、そういうようなことが書いてあるわけであります。もしこれが実際とすれば大変ドラスチックな予算編成の仕組みであったと思うのでありますが、これにも関連するわけでありますけれども、予算委員会におきましてわれわれの方の代表が時限制の原則ということを言っておるわけであります。たとえば予算を伴う法案につきましては五年間ぐらいに全部切らなければいかぬという話、これは特に補助金や補助金を伴うもの、さらに行政機構の改革等には大変有効な手管ではないかと私は考えるわけであります。そうすることによって財政の硬直化を五年に一回ずつ洗い直していく。その間は一定のプロジェクトの範囲内においてわりにラフな予算を組んでいくけれども、五年ごとに積極的な洗い直しをしていくということになると思うのであります。主計局の仕事もこういうふうなものがもし現実のぺースに乗るならば大変楽になるんじゃないかと思うのでありますが、本件についてどういうふうに考えられるか、あるいはまたこれを具体的にわが国で採用するについてどういう問題があるのか、加藤次長の御意見をまず承りたいと思います。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 予算のいろんな編成の方式といいますか、こういうようなものは各国の財政当局が非常に苦労しながらいろんな手法が編み出されているわけでございますが、ただいま大原委員が言われましたのはアメリカの例でございますが、ケネディのときにPPBS、今度カーターのときにゼロベーシスバジェットというような御指摘でございますが、ゼロベーシスバジェットというのはカーターが言い出したわけではなくて、もっと前から予算局で言われておりまして、われわれの場合を言いますと、根っこから見直しというような言葉でわれわれも日ごろ使っているわけでございますが、五十二年度の場合に予算編成方針の中でもそういうような編成方針が書かれていて、われわれなりに経費の削減に当たっては努力をしたつもりでございます。カーターの言うジョージア州の経験というのは、いろんな本があるわけですが、読売新聞から出ておりますカーターの伝記によりますと、実はそういう機構改革は言っただけやれてない。たとえばゼロベーシスバジェットの場合もデシジョンパッケージについての弊害が出てきたというようなことが紹介されておりますが、デシジョンパッケージというのは、要するに知事がお任せしてしまうわけです、非常に仕事量がふえるものですから、どうしても全体を知事がコントロールできなくなるという弊害が出てくるというようなことが紹介されております。私どもは、ゼロベーシスバジェットについて書いた本もいろいろあるものですから、取り寄せて勉強などいたしておりますが、しかし精神は、経費は根っこから見直すというのは正しいだろうと思うわけです。  それから時限制の原則というお話があったわけですが、これは英語ではサンセットロー、太陽が沈んだらやめるというようなことで、その使命を終えればやめる。これもわれわれの場合に、補助金の整理合理化の問題で新規の補助金を設定する際、最近は大体五年というような約束で新規補助金を設けるようにしております。それから過去の補助金についてもいろいろ検討した結果、大体補助金を設けた意味が達成されつつあるなというような場合には向こう三年間のうちにやめよう、毎年の予算編成のときにそういうふうに終期を打つというような整理もやっております。  やっている、やっているということでちっともよくなっていないじゃないかという御指摘もあろうかと思いますが、どうもいろいろ考えると、税金の場合も予算の場合も同じですが、人間の考えることは大体同じようなことなので、英語で言うと目新しく聞こえますが、そういういろいろな手法はわれわれなりに日夜苦吟しながら考えておるわけです。さはさりながら、御指摘のような問題点は、特に当面の財政状況を考えるとさらにいろいろな面から検討しなければいけない問題だろうと考えております。

大原一三新自由クラブ

○大原(一)委員 英語で言うと確かにかっこういい聞こえがしますけれども、しかしかつての財政硬直化問題の打開ということ、さらにまた——たしかこの予算の洗い直しの問題はもう長い努力が重ねられておるわけでありますけれども、国債問題との関連において予算の立て方の問題、洗い直しの問題というのは、やはり古くて常に新しい問題だと思います。その意味でわが国の予算硬直化打開の手法として、この辺で新しい展開をする時期に来ておるのではないかという考え方から私、質問したわけであります。  ところで、話を国債に移しますけれども、国債管理政策という言葉が、昔からあったのでありましょうけれども、最近耳新しい言葉に聞こえるわけでありますが、国債管理政策なるものはいかなる定義づけをしたらよろしいのでございましょうか。局長、お願いします。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 国債管理政策という言葉は便宜的に使っておりますが、定義というものが公式にあるというふうには私どもは考えておりません。ただ国債管理政策という意味は、国債に関する政府のあらゆる施策を含めて、いままでやってこられたものも国債管理政策の一部であるし、今後あるであろうものも一部であるというふうに考えて、ごく漠然とした形で使われております。  ただ御議論の中で、最近こうではなかろうかと考えられる問題というのは、国債の大量発行が行われるようになってから国がその国債に対していかなる施策、いかなる措置、考え方を持っておるか、そのことをひっくるめていわゆる国債管理政策、こういうふうに言われているのではなかろうかと私ども観念いたして、そういう観点のもとで御答弁を申し上げておる、こういうことでございます。

大原一三新自由クラブ

○大原(一)委員 先ほどからも御指摘があったのでありますが、国債管理政策というのは——最近の国債の急増、大変著しいものがあるわけでございまして、それに対応して証券界さらにまた金融界に対するショック、影響というものも非常に大きいものがあるわけであります。私、ざっと計算してみたのでございますが、昭和四十二年度末の国債というのは一兆五千九百億しかなかったのでありますけれども、五十一年度二十二兆五千億円、残高でございますが、十四倍に急増をしております。したがって、公社債の残高を五十一年末で見ますと、国債が金融債を上回ってきたということですね。五十年末は金融債の方が多かったのでございますが、国債残高が急増して金融債を上回って、大体三〇%のシェアを国債が占める。金融債が二五%、事業債が九%。これは大変な証券界、金融界に対する影響であろうと私は思うのであります。  先ほどもお話がありましたけれども、こういう状況の中で金融機関に対する資金の圧迫、最近は調子よく貯蓄超過経済で金融が緩んでおるという実態の中で、先ほどわりに甘いといいますか、楽観的な御発言があったのでございますけれども、四十六年、五年前でございますが、全国銀行べースの預金の増加額が十兆九千億、それに対して国債引き受けが四千百億でございまして、三・八%だったのですね。ところが五十一年、歴年でございますが、これを見ますと、預金の増加十一兆七千億、四十六年と預金については余り増加額が変わらないわけでありますが、国債の方は三兆九千億という数字でございまして、預金の中から国債を持っていかれる部分が三三・七%、構成比は十倍にふえておるわけでございます。そういう状況の中で、もちろんこれは、先ほども御指摘ございましたが、買いオペは成長通貨の範囲内ということですから、日銀に全部買い上げていくというわけにもまいらないわけでございますので、当然成長通貨の範囲内、一〇%ないし一二、三%が買いオペの伸び率になろうと思いますから、その残りの分は金融機関への資金の圧迫要因になろうということだと思います  ところで、こういう状況の中で国債が発行されていくわけでございますが、いろいろ先ほども御指摘ございましたけれども、個人消化というのがやはり非常に低いわけでございます。現在一〇%内外の発行に対する個人消化割合というような数字になっております。国債所有者別にこの国債比較を見ますと、これは発行じゃございませんで残高でございますが、いかにも日本の個人所有割合というのが低うございます。最近の数字、ちょっと古いのですが、八・八%ぐらい。一番高いのはフランスで、国債残高の四三%を個人が持っておる。アメリカで三二%ということでございますが、この一番大きな要因は何でございましょうか、御指摘を願いたいと思います。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 一つは、日本には郵便貯金という一つの特別なものがございまして、フランス式に言えばこれが国債の個人消化にかわるものだと言われておるわけでございます。諸外国の個人消化の状況というものは必ずしも日本の場合に当てはまるとは言えませんが、少なくとも日本におきましては、いまいわゆる事業債等の個人消化の状況等を見回してみますと、電力債等では約六五、六%ぐらいというのが個人消化でございます。しかし、一般的に言いますれば、有価証券に対する投資というのは、日本人の個人の金融資産の中では、わりにシェアが低いのでございます。諸外国では、大体これが高いところでは三〇%近くまでいっておるわけですが、日本の場合は有価証券は一〇%ちょっとぐらいでございます。その中でも株式がいままではかなり多い。日本の場合は大部分が預貯金でございます。したがって、いままでの日本の金融、経済の背景と申しますか、そういうものからくるものが起因しておる。いわば日本人の場合には、預貯金に個人の大部分の資金が集まっておる、これがだんだん最近では長期債券の方に向かっている、こういうことでございますので、これから先の個人消化ということの方がむしろさま変わりになってくるであろう、こういうふうに私ども考えております。

大原一三新自由クラブ

○大原(一)委員 お説のとおりだと思います。これから先の個人消化、これがこれからの公社債市場の育成問題に関連して、一番大きな課題だと思うわけでございます。  ところで、先ほど、郵便貯金は国債みたいなものだとおっしゃいましたのがちょっと気になったのであります。ドイツにも公的貯蓄機関がございますが、確かにそのシェアが非常に大きいわけであります。そういう関係で、国債の個人消化割合がやはり低いですね。二〇%かそこらしかいっていないということは、確かに郵便貯金が国債の市場を侵しているというような感じもないことはないわけであります。  そこでお伺いしたいのですが、公社債市場の育成という場合に、いま大蔵省がやっていらっしゃるように、引き受けシ団との御相談によって国債の引き受けをお願いしているような国はほかにどういうところがございましょうか。     〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 恐らく日本独特のものではないかと考えられます。しかし、それはなぜ日本独特かと申しますと、日本の場合はどちらかと申しますと、先ほどから申し上げておるように、直接金融市場というのが非常に狭い。その中に登場してくるものは、特に金利バランスと申しますか、こういうものがとれておりませんと、市場を非常に撹乱する要素を持っております。あるものだけが資金を調達したいためにべらぼうな金利をつけてかき回すということがあると、非常に市場が撹乱する。外国の資本市場というのは、もっと非常に発達が早く、しっかりしておりまして、特にアメリカあたりはその点、たとえばSECの報告などにもございますように、何か事件が起きましても、それを市場が消化するという強靱な力を持っております。日本の場合は、事件が起きると、途端にそれが非常に大きな、必要以上の撹乱要素になるということで、市場に対して非常にナーバスになっておるというか、そういうこともございますし、同時に機関投資家とかそういう限られた資金運用機関、そういうものとの調整をよく図っていくということが前提に立っている独特のものだと私は考えております。

大原一三新自由クラブ

○大原(一)委員 諸外国に余り例のない引き受け発行方式がとられておるというわけでありますけれども、これは株式を含めまして、日本の証券市場の未発達ということが原因にあろうと思います。それは高度成長期に、間接金融方式で、借りたらもうかるという過去の経済の仕組みがそうさしたわけでございますけれども、これは思い切って、諸外国の例におけるように、証券市場を通じて国債を流していく、その証券市場のいわば自動調節機能によって国債の金利並びに国債発行の枠を決めるという仕組みがこれから日本にとれるかとれないか、やはりこれからの金融当局の非常にに大きな課題だと思います。その点について、せっかく安井証券局長がおいでになっているのでありますが、御意見を承りたいと思います。

安井誠大蔵省証券局長

○安井政府委員 いまお話しの、アメリカあるいはヨーロッパのように、国債を発行時において証券市場を通じて全部消化していく状態になれるかどうかということでございますが、まさに先生御指摘のように、高度経済成長下におきましては、何と申しましても間接金融偏重といいますか、間接金融の方にウエートが置かれた金融システムができ上がっておるわけであります。それが将来安定成長期に移りますと、恐らく変化はしてまいると私思いますけれども、どのような形で変わっていくかということは、実は私どももまだ模索をしている状況であります。したがって、いま証券取引審議会の方には、こういう安定成長期における公社債あるいは株式市場のあり方をどう考えるかということを、経済学者の委員を中心に御審議をお願いしているわけでありまして、その御審議を願いますときに、いま先生の御指摘のような問題点も当然取り上げられて、いまの日本の現状でその辺まですぐに飛んでいけるものか、あるいはもう少し時間をかけなければならないものか、あるいはそれに達するためにはどのような条件を必要とするかというような問題点が、議論が煮詰まってくることを期待しているわけでございます。

大原一三新自由クラブ

○大原(一)委員 一遍にこれをやっていくということは大変なことでありますけれども、いままさに金融緩和時期にありますし、さらにまた国債の急増という時期に直面して、このような金融環境の中において、やはり考えるのに一番適した時期ではないかという感じを持つわけであります。  そこでお伺いしたいのでありますが、どうもこの国債につきまして、証券関係と金融関係に生けがき論がありまして、なかなかこれはうまく調節ができないというような実態もございます。もちろん銀行さんとしては、発行の八八%を引き受けておるのですから、国債について言い分があるのは当然だと思うのでありますけれども、この八八%引き受け、一二%が証券会社という話は別にいたしまして、現在銀行がお持ちになっている国債を、なぜ銀行の店頭で売らせることができないのか。これは証券界の方から反対がありますけれども、この点は銀行局長いかがでございましょう。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 銀行の資産運用としての、国債を含めまして保有する有価証券、それは私たちの立場から申し上げますれば、流動性が高くあってほしいものだと思います。ただいまおっしゃいました引き受け国債の窓口販売問題というのは、先生もすでに御存じのように、非常に長い歴史のある、問題のあるところでございまして、今後関係者間でいろいろ議論が詰められていく必要のあることではないか、こういうふうに考えております。

大原一三新自由クラブ

○大原(一)委員 やはりこれも早急にお決めにならなければならない問題ではないかと私は思うのでありますが、証券局長にお伺いしたいのでありますけれども、五年ものの中期国債、これは大変売れてしょうがないということでありまして、一月に千億、今度五十二年度で三千億ということで、私これは余りにも枠が少ないと思います。もちろんこれは、六十八円七十五銭、税引き後で六・六四%で、マル優外で買った国債の八・二%、税引き後で五・七九、現行法でございますけれども、それよりも大変分がいいわけでございます。これは先ほど御質問がありましたが、わずかに三千億というのはいかにも枠が少ない。一兆円ぐらいお出しになって、こういう国債を突破口にして、国債を証券市場へお出しになるということを思い切っておやりになっていただきたいと思うのですが、そういう時期はいつなんでございますか。これはどうも銀行と証券との間の生けがきが災いいたしまして、せっかく売れる国債が市場へ出ていっても、売れる国債の枠が非常に少ないということは、この時期に際して大変残念だと思うのであります。この点について、どなたの局長がよろしいか、お願いします。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 せっかく出しました中期割引国債が非常に売れているということでございますから、大変私どもとしてはうれしいことでございますけれども、これが誕生いたしますまでに、やはり一番個人消化に適するものを国債の多様化の一環として出していこうというときに、大蔵省としてもかなり時間をかけて検討いたしたわけでございますので、まず売り出す場合には必ず売れるようなものでなければならぬが、しかしこれは初めて出す多様化の一つの試みでございますから慎重でなければならない。したがって、その定着を見守るということは常識的に考えられることでございます。ただ私どもは、その三千億ということは一つのめどでございますが、そのほかにこれから先もまだ国債の多様化という形でいろいろなことを考えていくべきであると思っておりますので、一方においてその定着度を見ながら、一方においてはさらに多様化の方策を模索する、こういうことをいまから先も続けていきたいと考えておりますので、必ずしもいま売れればどんどんたくさん出していくというようなことだけが果たしていいかどうかということについては、慎重にいたしておるところでございます。

大原一三新自由クラブ

○大原(一)委員 売れればどんどん売っていただきたいという言い方は、要するに、証券市場の育成という考え方から言いまして、何が何でも銀行が引き受けなければならぬという仕組みが問題ではないか。そういう諸外国にない現在の公社債発行の仕組みの中で、やはりその突破口として中期国債、これを大いに生かしていただいて、活用していただくことがその証券市場の育成、公社債市場の育成に大いに役立つのではないかという考え方から御質問を申し上げたわけでございます。  ところで、きょうの朝日新聞ですか、公社債金利の問題が出ております。東京証券取引所の債券市場で十二日、上場国債の最長期もの、十年ものの価格が前日比十銭高の九十八円八十銭となりました。発行価格を五銭上回りまして、したがって流通利回りが発行利回りを、大したことはありませんけれども、〇・〇〇〇一%下がったということであります。したがって、八・二二七応募者利回りに対して流通利回りが八・二二六九、いままで政保債や公債、公募地方債、事業債、利付金融債等に比較して応募者利回りと流通利回りが逆転関係にあったのでございますが、大体これで足並みがそろったわけでございます。  こういう状況の中で、金融は一方で緩和されておる。公定歩合は三月の十二日に引き下げになった。銀行局長のお話ですと、公定歩合はやはり六カ月ぐらいかからぬと、連動率、最後までいかないのだというお話でございますけれども、どう見ても、事業債の八・六九、公募地方債、ウエートは大したことがないのでありますが、八・六九というのは高過ぎるわけでございますね。それで国債に対する飛びつきも盛んに出ている状況の中で、ここらでやはり長期国債の長期金利の引き下げということから、事業債を初めとする——利付金融債についてはまたいろいろ問題があるのかもしれませんが、少なくとも事業債につきまして、利下げの時期に来ておるのではないかということでございますが、その点、銀行局長いかがでございましょうか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 全般的なことを申し上げますれば、ただいま御指摘のように、長期金利につきましては、債券市場の動向というのが非常に重要な判断の要素になると存じます。したがいまして、三月には事業債につきまして〇・二ポイントの条件変更が行われたわけでございます。また、最近の市場の動向も御指摘のような姿になっております。したがいまして、この市場の動向が基調的なものかどうかということを見きわめる必要はあろうかと思いますが、こういう動向を頭に置いて関係者の間で検討するというような雰囲気が醸成されつつあるのではなかろうかというふうに存じます。  全般的にはそういうことでございますが、そういうところから、いま関係いたします長期プライムレートというようなものは、こういう市場関係に依存をしておるものでございまして、人為的にどうする、こういうことではない。やはりこの債券市場の動向を見ながら自然と関係者間で相談が行われていく、こういう性質のものではなかろうかと考えております。

大原一三新自由クラブ

○大原(一)委員 これからの市場の問題を考えていきますと、先ほど人為的というお話がありましたが、現在の金融環境を見ますと、私は人為的だと思うのであります。むしろ私が言っておりますのは、公社債市場を経由して国債を発行すべきであるということ、そしてそこの市場で形成されるところの金利に順応して、国債も五年もの、十年ものに限らないで、七年ものがあっていいと思うのでありますが、それに順応して弾力的に国債が発行される必要があるということ、そういう前提から言いますと、いま少し金利の自由化ということをお考えになっていい時期ではなかろうか。しかもその突破口として、これら長期債がやはり問題になりますということを申し上げているわけでございますが、そういう大きな見地からこの公社債の市場の自由化、金利の自由化をおやりになる考えはございませんか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 公社債市場の自由化というのはなかなか簡単な問題ではないように私は思います。それでございますので、いまの長期債の金利の実勢から見ますと、いままさに先生のおっしゃったような傾向を示しつつあるということは確かでございますが、それとても、たとえば事業債に例をとりましても、資金需給関係の下げというものが、ある場合においては非常に凹凸がございまして、発行者側が、さらに金利が将来下がるであろうという手控え、あるいは下がるということが値が上がるわけでございますから、もうちょっと下がるならば、その高くなったところで売ろうという売り控え、そういう形のものが出てまいりますと、金利というものは極端にさらに実勢よりも強く下げの力を持ってみたり、あるいはそれが逆になってみたりというような動きがございます。私どもは、ついこの間、事業債が〇・二%下げたばかりでございますので、今後の状況をもうちょっと見きわめてみたいというのが全体の流れの中で言えることではなかろうかと思います。  自由化ということにつきましては、日本の場合に、債券に限らず金融、金利の自由化というものは本当に自由化、どこかにやはり一つの壁があるように思われますのは、なかなか即断にいかないという面が一部にございますので、そういうものを消化していきませんと、なかなか理想的なものには近づきにくいのじゃなかろうかという感じ、ちょっと抽象的でございますが、おわかりいただけるだろうかと思います。

大原一三新自由クラブ

○大原(一)委員 金利の自由化と言うと聞こえはいいんでありますけれども、いまおっしゃったことは、郵便預金金利を初めとする銀行預金金利との絡みがやはり一番大きな問題だと思います。いずれにしましても、こういう国債多発時代に、余り人為的に国債を操作し過ぎるということは、金融市場に対する影響その他、先ほどから申し上げましたが、必ずしも好ましくないんではないかということを私は考えるわけであります。それがためには、やはり公社債市場、証券市場の思い切った育成強化策がないといけないんじゃないかということを考えるわけであります。われわれはいままで直接金融方式に余りなじまないで、間接金融方式というようなことをとってきたわけでございますけれども、現在のわが国の企業の自己資本の比率その他、大変なひずみが出ておるわけでございます。そういう意味から、株式市場をいきなりというよりも、せっかく国債多発時代に即応して、もう少しこの面を突破口にして、金利の自由化なり証券市場の育成強化を図っていく方向づけが少なくとも必要ではないかと私は考えます。  そういう意味におきまして、大変ぎすぎすして申しわけないのでありますけれども、この新聞を見ますと、五月発行分から利下げするには抵抗があります、こういうふうに書いてあります。大蔵省がおっしゃったかどうか知りませんが、「国債の条件改定は市場の実勢次第」であるということでございますが、どういう条件が整備されましたら、国債を含む、特に事業債の利下げが行われるとお考えになりますか。いつごろにそれがなるのでございましょうか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 やはり事業債の金利がさらに下がるというような傾向、その辺から始まっていくのではなかろうかと思いますが、せっかくこういうときに国債の弾力化というか、そういうものを図ったらどうかという御意見に対しましては、これは長期債全体の引き下げといいますか、それは五十年の十一月に長期債の引き下げが行われましたときに私どもが経験いたしましたのは、そういう金利の動く段階のときに、従来ともすれば国債の金利がほかの金利に比べて低過ぎる、いわば魅力がなさ過ぎるというようなものを、微調整でございますけれども、調整していったというようなことで、やはり金利が動く段階において国債が他の債券との比較金利において魅力あるものに近づいていくという、そういう動き方をするのが一つの方法であろうかと思います。  そういう意味においては、ある時期が参りますならば、これはやはり国債が一番最後になると思いますけれども、そういう金利の動向を見守って決められていくべきで、その際に、先ほどから大臣がおっしゃっておられますように、発行条件と市中流通条件がだんだんと有機的に機能していくようなものになっていけば、理想的な姿にいくのではないか。それには何回かそういう形の動き方をしていく必要があるのではないか。いま御指摘のような、時期というのは、いま事業債においてはぼつぼつとあらわれつつあるというような状況だろうと思います。

大原一三新自由クラブ

○大原(一)委員 時間がありませんので、次の問題に移ります。  証券市場の育成強化ということは、いま債券市場全般についてお伺いしたのでありますが、五十一年五月十一日の証取審の「株式構成の変化と資本市場のあり方について」、読ませていただきましたが、いろいろの問題がたくさん出されております。法人の株式の持ち合いの行き過ぎ、これは確かに日本の現在の柱式保有の特色であろうと思いますが、企業間の関係強化のため、商取引先との連携確保のため、安定株主対策等、証券市場というよりはむしろ企業政策的な意味において株の持ち合いが行われているということでございます。  ところで、今度独禁法におきまして、資本金百億、純資産三百億以上の持ち株はいけないという規制が行われるということでありますが、銀行につきましても一〇%を五%、保有割合を下げるということでありますけれども、この点について証券局長はどのようにお考えでございますか。これと同時に、外国においては会社法で株の持ち合いを禁止している国があるそうでございますけれども、そこまでお考えになっているかどうか。やはり現在の証券市場の育成のためには、そこまでドラスチックな考え方をとらないと、同じような硬直化現象をもたらすのではないかと思いますが、局長、いかがでございますか。

安井誠大蔵省証券局長

○安井政府委員 いまお尋ねの第一点でございますが、昨年の証取審の答申の中にございますような幾つかの提案の中に、法人間の株の持ち合いを制限していったらどうか、法人が交互に株を持ち合えば、ある意味では水ぶくれのような形にもなり得るわけでありますから、それは是正したらどうかという御提言があったわけでございます。これは現に法制審議会、法務省の所管でございますけれども、法制審議会の商法部会で現在案も練られております。具体的な方式についても何らかの形で商法上手を打つべきではないかという議論がされておるわけであります。  それからお尋ねの第二点の、独禁法の改正の問題でございますが、詳細には存じておりませんけれども、この株式の保有制限が行われるにいたしましても、その比率が下がったにいたしましても、相当期間の経過期間というものがあるように承っておりますので、いま、仮に金融機関の持っている株式が直ちに五%の保有制限にかかりますれば、それだけの株式が一時に市場に出るわけでございますから市場の混乱要因になろうかと思いますけれども、それの経過期間はたしか十年だったと思いますが、その間にそういう制限が行われるとすれば、それほど市場に対する影響はなかろう、かえってそういうものから、そういう機会に個人株主の増大ということがもし図られるものならば非常に結構なことではないか。証券市場のためにあるいは株式市場のために望ましいことではないかという感じを持っております。

大原一三新自由クラブ

○大原(一)委員 私は、むしろ、先ほどのような法人株式の持ち合いの行き過ぎ、株式の空洞化を排除する意味で、この独禁法の規制なんというのは、かえってこれはチャンスではないかと思うのであります。しかも、それは十年でなくしていくというのですから、証券市場に対する影響度はそれほど大きくないと思うのであります。  ところで、私はよくわからないのでありますが、日本の株式数でございますね、これが少ないのではないかという感じを持つわけであります。といいますことは証券市場の育成云々ということであれば、要するに個人株主の少なさというものがやはり日本の株式保有の実態であるとすれば、むしろ、いろいろ計算してみたのですが、よくわからないのでありますが、株式数は四十二年に比べて五十一年度は一・九八%しかふえていないのであります。二倍になっております。時価総額が六・四倍、したがってダウはこの割ったものでありますから三倍ということになります。GNPは三・七倍でありますが、株式数が一・九倍しか伸びていない、二倍しかないということは、やはり証券市場の未熟さ、未発達さということが原因にあるのではないかと思うのですが、その点はいかがでございますか。

安井誠大蔵省証券局長

○安井政府委員 御指摘のように、この時価総額が六倍になりながら、株式数が二倍にとどまっているわけであります。その結果、一株当たりの株価が高くなっているわけでありまして、これが、先ほど来御議論ございました個人株主数の減少、つまり市場に浮動株として出てくる株式数が少なくなっていることとどの程度まで関係があるか、ちょっと私ども明快にお答えをしかねるわけでありますけれども、株価水準というのがどの程度がいいかということは別問題といたしまして、株式の投資時価に対する利回りが、日本の場合がたしか二%を割っていると思いますので、アメリカの場合たしか三%程度の利回りに対して、投下資本に対する収益率が下がっているのも、この株価が高いことが原因ではないかというような感じがいたしているわけであります。

大原一三新自由クラブ

○大原(一)委員 証券局長、大体同じような感じをお持ちだと思うのでありますけれども、どういたしましてもこのわが国の企業の自己資本比率の少なさということ、これは毎年低下していきまして、五十年は一三・九%だということは、行く末はゼロになっちゃう可能性があるんですね、上がったときがないんでありますから。確実に下がっておるということ。これは、安定成長時代と言いながら、企業にとっては、資本構成からいうときわめて不安定成長時代に突入したと言うべきだと私は思うんであります。そういう意味で、現在、個人の金融資産の中で株式の保有割合が預貯金に比べて一・六%から三%ということはいかにも低過ぎる。どこか証券市場に基本的な欠陥があるんではないかということを私は感じるわけであります。  時間がございませんので最後の質問に移りますが、預金のインフレヘッジ、つまり預金の目減りのインフレヘッジとして、先ほど言いました企業の自己資本の充実ということのほかに、証券市場が発達するということは——いわば個人の預金の目減り、インフレが一〇%、定期預金六・五%、三・五%毎年損していって、二十五年のうちには百万円がゼロになるという、こういうインフレ目減りも、証券市場の未発達がある程度責任を持たなきゃならぬと思うのであります。外国におけるように株式保有が多ければ、いわゆる企業の含み益が個人のゲインとして還元されていく仕組みができる。そういう意味で一番大事なのが、私は投資信託であろうと思うんです。  投資信託は、いわゆる機関投資家が、百万円持っていても土地も買えない、株も買っても危ないという個人にかわって、利回りのほかにゲインを確保してくれるということになれば、これは英米方式のようにだんだん証券投資に個人の金融資産の割合が移っていくであろうと考えるんでありますが、その点わが国の証券投資信託のいままでの道行きを見ますと、やはり大変立ちおくれが目立っております。何かこの辺について基本的な欠陥はないのかどうか。  たとえば、これは昭和四十一年から五十一年のファミリーと普通型オープンの平均でございますが、ファミリーで二・二倍、それから普通型オープンで一・九倍の伸びになっておりますが、ダウ平均の時価は三・一倍。機関投資家が運用しておるのに、一般株式をこう平均して買った方が三・一倍と何か得になるような仕組みになっておって、せっかくのファンドを投資信託から回したものはその倍率が一般のダウ平均より低いというのは、運用に欠陥があるのか、それともどこに欠陥があるのかよくわからないのでありますが、お教え願いたいと思います。

安井誠大蔵省証券局長

○安井政府委員 投資信託、特に中でも公社債投信でなくて株式投資信託というのが、ちょうど預貯金あるいは公社債から株式投資へ移る中間の投資対象として非常に望ましい姿ではないかということは、先ほどお触れになりました昨年の証券取引審議会の意見書にも述べられているとおりであります。  で、この証券投資信託がなぜ伸びないか。最近でもまだ、全体の個人の金融資産の中に占める比率は、伸びております公社債投信を含めましても、わずか一・四%でありまして、昭和四十年末にはこれが三・五、三十五年末には四・三あったわけでありますから、いま仰せのとおりに、投資信託というのが望ましいと言われておりながら、むしろ減少しておるということは事実であります。  その理由はどこにあったかということでありますが、これはもう御承知のとおり、昭和四十年前後の一番株式不況のときに投資信託を持っておられた場合に、株価が下がったことが原因になりまして、単位型の投資信託につきまして、償還額が額面割りをした。つまり三年なり五年なり投資信託を持っておりながら、一万円投資したものが返るときに一万円を割ってしまったということがあったのが一番大きな原因であろうと思います。したがいまして、昭和三十八年から五十一年までの伸び率を比べてみましても、証券投資信託は、三十八年のころに比べますとわずか二倍しかふえていないわけでありまして、その間に利回りがむしろ安定していた貸付信託の方は十倍に伸びているわけでありまして、その間に大変な差が出てきているわけであります。  それで、投資信託の運用、なぜ投資信託がそういう状態になったかということが当時から証券業界では非常に問題であったわけでありますが、投資信託の場合には、株価が下がってまいりますと、株主といいますか投資信託の所有者が、その投資信託を証券会社に持ち込んで解約をするわけであります。解約をいたしますと、今度は解約された証券会社の方は、その量が多くなってまいりますと、その投資信託の中の解約されたときの資金源として、投資信託が持っておる株式を市場に出さなければいかぬ、その資金調達のために市場に出す。つまり株価が下がる、投資信託は売り込まれる、売り込まれるとその投資信託の解約した株がまたもう一遍市場に出てくるということで、いわゆるスパイラル現象が起きたわけであります。  当時、昭和三十九年前後でありますと、株式投資信託が持っております株式の時価比率、つまり全体の株式、上場株式でありますけれども、時価を一〇〇にいたしまして、株式投資信託が約一割前後持っていたわけであります。株式の売買高の中に占める投資信託の比率も約一割に近かったわけであります。で、私どもといたしましても、あるいは証券業界といたしましても、いま一番気にしておりますのは、この一両年の株式投資信託の伸び方は非常に高いのでありますけれども、少なくとも、三十九年前後の逆スパイラルのようなことを、あの当時池の中の鯨ということを言われたそうでありますが、それになることだけはどうしても防がなければいかぬということで、ある意味では相当顧客の方の御要望があるにもかかわらず、その投資設定額を抑えながら徐々に広げていくことを考えたらどうかというふうな方針で進めていることは事実であります。現在五十年ないし五十一年で時価比率が大体二・五%ぐらい、売買高比率は五%ぐらいでありますから、まだ余り心配し過ぎることはないと思いますけれども、業界の方でもそういう議論が出ておるわけであります。  最後にお話のございました、ダウ平均で投資信託を買えばダウ並みに上がるのにそれ以下ではないかという御議論、まことにごもっともな御議論でありまして、アメリカでも最近投資信託が、どうも投資信託の運用者に任せておくよりはあそこのスタンダードプアーの選定している株価形成の基準となる株式だけに投資したらどうかというような議論もあるわけでございますけれども、私ども調べてみますと、一つは一番大きな違いは、最近は株式投信につきましても株式の運営比率を背のように高めていないのであります。現在株式に対する株式の投資比率が約五割ぐらいだったと思います。かつて三十九年ごろ八割五分であったわけでありますが、これがやはり一つの歯どめになる。このために、逆に今度は上がるときは必ずしもダウほど上がらないのでありますけれども、株価が下がったときには投資信託の方が強くなっているわけでありまして、その辺、いま御指摘のように、将来私どもも株式投資信託というものを投資資産として伸ばしていきたいという気持ちを持っているわけでありまして、これは将来の話でありますから、十分業界の方とも御相談をしながら慎重に進めてまいりたい、かように考えておるわけであります。

大原一三新自由クラブ

○大原(一)委員 ありがとうございました。終わります。

山下元利自由民主党

○山下(元)委員長代理 只松祐治君。

只松祐治日本社会党

○只松委員 戦後、インフレ政策がずっととられまして、連日審議をいたしておりますように、公債は今年度で三十一兆円も発行される、また生活に追われ、不安に陥っておる国民は三百兆円近い預貯金をしておる、こういう状態の中で、日本は資本主義でありますから、特に日本の資本主義を担っておる大法人、このいろいろな状態をながめますと、私は残念、あるいはその会社が不健全、あるいは見方によっては不可思議、こういういろいろな面を見出すわけでございます。そういうものの一つに、公債問題とも関連いたしますので、物価変動会計について私はきょうはお伺いいたしたいと思うのです。  物価変動会計は、昭和二十五年と二十八年から九年にわたって二回か二回半といいますか、一応の評価がえが行われました。しかしこれはきわめて不十分でありまして、特にそのとき、土地は自由でよろしい、こういうことであったわけです。大臣、よく聞いてください。そういうことで土地は六%余りしか評価がなされなかった、こういうふうな状態であります。あとは事務当局にお尋ねいたしますが、まず最初に大臣に、いままで行った物価変動会計はわが国では十分であったかどうか、その点だけお答えをいただきたいと思います。

安井誠大蔵省証券局長

○安井政府委員 ただいままでの日本の企業会計制度におきまして物価変動を取り入れたと見られますのは、御承知のような資産再評価をしたことでございます。この資産再評価の場合には、先生御指摘のように、償却資産につきましてはたしか第三次再評価までいたしまして、ある程度の強制もいたしておりましたので、昭和二十九年ごろだと思いますが、一応再評価が当時までは済んだわけでありますが、土地につきましては、再評価をいたしますと再評価税がかかるということから、ほとんどの企業において土地の再評価が行われていないわけであります。その後、昭和二十九年以降は償却資産については再評価が行われておりませんし、むしろ商法は評価益の計上を禁止しておりますし、また土地になりますれば、本来再評価の対象にならなかったわけでありますから、昔のままの価格がついておるというのが現状でございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 大臣、後論議を進める意味におきまして、十分であったかなかったか、そのお答えだけまず聞いておきたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 十分でなかったと思います。

只松祐治日本社会党

○只松委員 そこで、具体的にお尋ねをいたしますが、このように恒常的に起こっておるインフレのもとで、現在の証券取引法上のディスクロージャー制度では企業の実態を必ずしも十分に明らかにはしていません。これは、たとえば投資者保護という面から見れば欠けておるわけであります。こういうことは、財務諸表がいままでの伝統的ないわゆる取得原価主義会計に基づいて作成されてきたためであろうかと思います。これに関連して、最近、物価変動会計、あるいは俗にインフレ会計とも呼ばれておるわけでございますが、問題になっておりますが、これはどのようなものであるか、ひとつお答えをいただきたいと思います。

安井誠大蔵省証券局長

○安井政府委員 御指摘ございましたように、企業会計が、取得価格主義と申しますか、企業がその資産を取得いたしましたときの価格を帳簿価格として記帳するという、取得原価主義と申しますが、とっているわけであります。したがいまして、二つ問題が出てくるわけでありまして、一つは、建物であるとか機械であるとかいう償却資産にいたしますと、取得したときから償却が終わる、つまり耐用年数が経過するまでの間に、本来であれば償却というのはその耐用期間が過ぎましたときにその建物なり機械が再取得できる、同じものが再び手に入れられるだけの金額の償却をしなければ企業としてはタコの足を食うことになるわけでありますが、この間に物価が上昇いたしますと、償却が十分でないということになるわけであります。したがいまして、利益が過大に表示される、償却すべきものの金額が十分にされないという問題が出ておるわけであります。これは昨年の経済白書の中でも指摘されていた問題であります。  もう一つは土地でありまして、これは日本の場合に非常に問題になるわけでありますけれども、戦前、戦後のインフレ、それから最近、四十七、八年ごろの土地ブームという二つを経まして、戦前、戦後の価格の上昇の方がはるかに激しかったと思いますけれども、土地の価格が取得したままの価格になっておる。ある企業においては明治時代に取得した土地の価格がそのまま帳簿価格として計上されておる。そのために、御指摘のような企業の実態を正確にディスクロージャーをしておるかと申しますと、いささか問題があるわけであります。  したがいまして、最近、この問題、日本だけではなくて、特に外国では、土地の価格の方はそれほど問題にされていないのでありますが、償却資産につきましては何らかの手当てがやはり要るであろうということから、物価水準に合わせて価格変動を会計の中に取り入れてやったらどうかということの議論が行われているわけでございます。たとえば、具体的なやり方、いろいろ議論があるようでありますけれども、償却資産やたな卸し資産等につきまして、GNPデフレーターなどを使いまして一般の物価変動率で取得価格を直していくという一般物価水準変動会計というのと、もう一つは、建物や機械ごとに、そういう対象の資産ごとに、価格の変動が違うわけでありますから、個別にその価格をそれぞれの対象物に対応して物価水準を変えていく個別価格変動会計という、二つのやり方があるようであります。各国ともそれぞれ研究をしたり、あるいは一部実施に移したりしておるのが現状でございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 検討したり研究ではなくて、物価変動会計、アメリカではすでに七六年の十二月から行い、またイギリスにおきましても、七八年、来年の七月から実施する、こういうふうになっております。そのほか、諸外国におきましてもいろいろ検討等をいたしておるようでございますが、そういう状況はどのようになっておるか、ひとつお答えをいただきたいと思います。

安井誠大蔵省証券局長

○安井政府委員 アメリカの場合でございますが、例の証券取引委員会に有価証券報告書というのを提出している会社が約一万二千ぐらいあったかと思いますが、そのうち大会社約一千社を対象にいたしまして、帳簿上に直接に取得価格を変えなさいというやり方ではなくて、SECに提出いたします報告書の中の財務諸表の脚注、つまり下の注記欄でありますけれども、そこに償却資産であるとかたな卸し資産であるとかにつきましてはそれの取りかえ時価が幾らになるか、それに基づく減価償却費が本来であれば幾らになるのだ、つまりそれと損益計算書等に計上されている償却費とを対照いたしますれば、償却不足がどれだけあるかというようなことを脚注として表示させるようなやり方をとられているわけであります。  それから、イギリスでは幾つかの委員会で議論された後、来年の七月以降、どういう順序になるかは細かく決まっていないようでありますけれども、大会社から順次財務諸表自体に物価変動会計というものを取り入れるような考え方になっているようであります。  日本におきましても、会計学会であるとか、あるいは公認会計士協会であるとかでも議論されておりますし、公認会計士協会がメンバーとなっております国際会計士協会でございますか、そこでもこの物価変動会計が議論されているということでございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 もっと時間があれば、ほとんどの世界先進各国の話を聞きたいし、私も論議したいのですが、きょうは私は時間がございませんので、できればそういうものを資料としてひとつ御提出をお願いをしたい、このように思います。  次に、日本におきましては、ただいま申し上げておりますように、とにかく物価の上昇というよりも、インフレーションというものが非常に大きい、消費者物価を千倍と見る者もありますし、これは見方がいろいろあるわけでございますが、二千倍だ。いや私の、たとえば浦和市の上木崎里山というところを見ますと、農地解放当時の買い上げ価格は坪一円でございました。ところが、今度政府が発表した公示価格、一平米七・八万、坪で二三・四万円になります。実際上は、これは四、五十万円しております。そうすると、一円のものが四、五十万倍になった、こういうことにもなるわけでございます。それからある法人では、名前を挙げても差し支えございませんが、坪、簿価十円、そのままにして、百万坪の土地をなおかつ現在持っておる、こういう依然とした状態にとどまっておるわけでございます。したがって、日本における物価変動会計の導入は、もう非常に強いといいますか、必然性があるといいますか、これは必ずやらなければならない。さっきから言うように、諸外国は、先進国ではほとんどやっておるわけでございます。こういう状況の中で大蔵省は、現在までほとんどこれに手をつけておらないのは怠慢のそしりを免れないわけでございますが、どういうふうに考えておるか、お答えをいただきたい。

安井誠大蔵省証券局長

○安井政府委員 御指摘のように、日本の場合のこの土地につきましては、諸外国に比べて著しく価格が違っているわけであります。私どもの手元にあります資料でも、一坪でなくて一平米でありますが、一平米当たり十円で、約一千万平米、これは三百三十万坪でありますから約一千万平米になるわけであります。したがいましてこれがわずかな金額表示しかされていない。その土地が、この固定資産税の評価額でも一万一千円になっている土地もあるわけであります。そういたしますと、帳簿上では約三百三十億からの表示上の減少といいますか、本来ならば三百三十億、多く表示されるものがされていないという問題もあるわけでありまして、この辺先ほどからお話もございました、たとえば自己資本比率の問題にいたしましても、一三・九というふうに言われておりますが、土地を正確に評価をし直しますれば、なかなか計算の仕方はむずかしいのでありますけれども、一三・九という比率は三割、三〇%を超えるという試算もあるわけでありましてこの辺私どもとしてはディスクロージャー、企業の財務内容を正確に表示するというディスクロージャーの点からはどうしても検討しなければならない問題だと考えております。  それで大蔵大臣の諮問機関に企業会計審議会というのがございまして、最近、昨年来御議論をお願いいたしておりました例の半期決算報告書の審議も終わりましたので、その審議会でもこの議論が出てきておりますので、この企業会計審議会でいまの時価変動会計の問題を取り上げて御議論をいただいたらいかがなものかなというふうに考えておるわけでございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 御議論いただいたらいかがなものかなではなくて、ひとつぜひそれは取り上げてやってもらいたいと思います。しかし、単なる御議論では困るわけでございまして、ひとつ目安をつけて私はこういうものはやるべきだと思いますが、おおよそいつごろを目安に——こういうふうに諸外国はやっておるわけですから、私は、日本一の官僚機構と言われています大蔵省あるいは世界一の官僚国家日本と言われておる大蔵省でそれができないはずはない、ぜひ急いでやっていただきたいと思いますが、いつを目安にやられるか、ひとつお答えをいただきたい。

安井誠大蔵省証券局長

○安井政府委員 先ほど大蔵省の怠慢であるというおしかりを受けたのでありますけれども、こういう問題を審議会でお諮りをいたします際には、十分私どもの方も各国の資料を正確に集めましてこの御議論をいただかなければならないわけであります。また、その御議論をいただいた後、どのような形で処理することが望ましいのかということにつきましても、これも関係各方面の意見も聞かなければならないわけでございます。私どもといたしましてはこういう問題は時間をかけて何もしないということはとうてい考えられないわけでありまして、極力この審議会の先生方との接触も始めておりますので、五月ごろにはこの審議を始めていただき、審議期間がどのぐらいになるかは審議会の方にお任せをすることになるわけでありますけれども、そう二年も三年もかかることではないと考えておりますので、なるべく早くこの結論を出していただいて、アメリカ式の脚注方式がいいのか、あるいはオランダで現にやり、イギリスなどでやっておりますような財務諸表そのものを直すやり方がいいのか。その辺いろいろ影響するところが多いものでありますから、極力急いで結論を出していただくように審議会の方にお願いをいたしたい、そのための準備を十分してまいりたい、かように考えているわけでございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 審議会で取り上げるということだけは明らかになりました。ぜひひとつやっていただきたいし、時間も急いでやっていただきたいと思います。  ついでに、その内容として、もうすでに局長の答弁の中に一部ありましたが、私は繰り返し言っておりますが、日本の法人自己資本比率というものは非常に低い。全部で一三・九%、大企業では一二・九%、そのうち株式は四・三%にしかすぎないわけです。こういう状態で日本の資本主義というものが維持される、あるいは株式会社が存在するということは、私は一番最初抽象的に言ったように異常だと思うのです。ある意味では不可思議にさえ思うわけです。そこで、土地を再評価だけしても三〇%近くなりはしないか、こういう答えがちょっとあったわけでございますが、土地を再評価した場合に自己資本は幾らぐらいになるか。それは私は当然に自己資本の充実につながっていくと思います。ほかのものもさることながら、一番大きな問題として、ほとんど触れられておらない土地の再評価を行った場合には幾らぐらいになるか、ひとつ重ねてお聞きをしておきたいと思います。

安井誠大蔵省証券局長

○安井政府委員 土地の再評価をいたしますとすれば、現在企業の所有している土地ごとにその時価を算定する。これは公示価格から見るか、あるいは固定資産税の評価額から見るか、いろいろやり方はあろうかと思いますが、それを全部個別に当たった上で、しかもその企業の取得価格が、最近買った土地もありましょうしあるいは明治時代から持っている土地もあろうかと思いますので、その価格がそれぞれの企業でばらばらであろうかと思います。私が先ほど三〇%を超すのではないかということを申し上げました試算は、かって固定資産税の評価の際に、大分前になりますが、たしか十年ぐらい前だったかと思いますが、法人の所有している土地の固定資産税の評価額とその法人の持っている土地の取得価格について一応の推計をした資料があるわけでありまして、それをもとに現在まで伸ばしてみますとそのぐらいになろうか。それはその年によりまして三五になったり何かしておりますけれども、三〇を下ることはまずないのではないか。  いま御指摘のように、これはあくまでも名目的に土地の評価というものを変えるわけでありますから、実質的な自己資本の充実策ではないと私は思います。ないと思いますけれども、少なくとも株主がこの株式を購入するとき、その企業の財務内容が正確に把握されるという点におきましては非常なプラスになると思いますし、また経営者の方もいま自己資本比率が低いことを、只松委員御指摘のように、本来相当経営者が認識しなければならないにもかかわらず、恐らく経営者の頭の中には、土地を売れば相当な利益が出る、つまり土地は過小評価であるということに対する甘えもあろうかと思うわけでありまして、この意味から言いまして、ディスクロージャーの適正化の点からこの再評価問題、時価変動会計の問題は取り上げていかなければならない問題の一つかなというふうに考えているわけでございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 私が申し上げるまでもなく、法人の自己資本比率は、アメリカでは五三・七%、イギリスでは四三・四%、敗戦国の西ドイツでさえ三〇%です。ところが、さっき言いましたように、大法人では一二・九%、こういう状況ですから、これを正常な姿に戻すといいますか、また帳簿上そういうふうな投資家にもすべて明らかにするといいますか、ぜひひとつやっていただきたいと思います。  しかし、これをやると同時に、本来ならば当然に税制上の問題も問題にならざるを得ないわけです。私は、きょうは時間がございませんのでこの問題はまた他日論議をいたしますけれども、大臣、単なる簿価上の問題だけではなくて、税法のときからずっと論議をいたしてきておりますように、私は、この自己資本率を高める、このことによって別な意味で法人からの税金というものがいただけるといいますか、増徴ができる、こういうことも数字上すでに計算をいたしております。ぜひひとつそういう点もあわせてまた大蔵省の方において御検討いただきたいと思います。きょうはこれを行うという答弁をいただきましたので、その点だけにとどめまして、税制上もひとつ御検討をお願いしたいという要望をつけ加えまして、私の質問を終わります。

山下元利自由民主党

○山下(元)委員長代理 川口大助君。

川口大助日本社会党

○川口委員 当初予定しておりました時間が大分短縮になりましたからお尋ねの内容も若干変わってまいりますので、御出席いただきました方々にあるいはお尋ねをするようなことがないかもしれません。あらかじめ御了承をいただきたいと思います。  まず、大臣の所信表明によりますと、今回の力点は三つあるわけであります。一つは、インフレなき経済の発展、財政の健全化及び世界経済への貢献の三点、これを強調なされておるわけでありまして、私はその点について具体的にいろいろお尋ねをいたしたいと思っておったわけでありますが、ただいまのような状態でありますので一時それは後に譲るといたしまして、どうしてもこの三つの問題を円満にまた円滑に遂行をするにつきましても、要は国、地方を通じまして行財政の秩序が確立され、かつまた適正、円滑な運営というものが期されなければ、当然それらの達成はできないものと私は思うのであります。  そこで、大臣に所信をお伺いする前に、それでは一体地方の状態がどうなっているのか、つまり土壌の整備がないと、いかにりっぱな種を植えましても花は咲かぬのであります。そういう意味で若干この地方の問題につきましてお尋ねをして、最後に大臣の御見解をお伺いしたい、こういうふうに思うわけであります。  まず、五十年度の決算の報告書によりますと、秋田県の関係でありますが、四十八ページに、男鹿市椿の漁港の局部改修の監査結果が出ているわけでございます。この監査の内容につきましてひとつお尋ねをいたしたいと思うのです。

松田賢一会計検査院事務総局第四局長

○松田会計検査院説明員 先生ただいま御指摘の椿漁港の修築工事でございますが、これは秋田県が事業主体となりまして、同漁港の防波堤十五メートル、これを新設するというものでございます。  五十年の七月に契約いたしまして十月に完了したとなっておりますが、本院では、五十一年の六月に会計検査を実施いたしました。検査に当たりましては、もちろん設計書あるいは工事の施工途中の写真あるいは資料等、さらにまた県の竣工検査の内容、そういったものを検討いたしました上で現場検査をいたしたわけでございます。その際、簡易な強度を測定する方法がございますが、それで検査いたしましたところ、どうも強度が相当不足しているのじゃないかというふうに見込まれております。そこで、その堤体からコアを十本取りましてこれを試験いたしました。その強度試験をいたしましたところ、この検査報告にも書いてございますが、百五十キログラム・パー・平方センチメートルの基準の強度に対しまして平均が半分程度ということになっておりまして、著しく強度が低くて工事の施工が不良である、そういうように認定したものであります。

川口大助日本社会党

○川口委員 そういう内容のようですが、これに対し県では反発をしているわけです。この反発は、県が監督指導に当たった、あるいはそういう意味もあろうと思います。これは当時東京都のほとんどの新聞に出ましたわけでありますが、県では、抜き取り調査をしたコアというのですね、コアについても、どうも会計検査院が指摘をしたそのコアは本物であったかどうか疑わしい、しかも骨材の打ち込みやモルタルの注入の確認あるいはモルタルの流動性検査、こういうものの一連の検査を実施しており、そういうことはあり得ないことだ、何かいかにも会計検査院の言いがかりであるかのような弁明を出しておるのですが、これに対していかがお考えになりますか。

松田賢一会計検査院事務総局第四局長

○松田会計検査院説明員 私どもの検査は防波堤そのもののでき方について検査したわけでございます。採取したコアは、これはセメント協会研究会に委託しまして強度試験をやったわけでございます。物自体の施工としては非常に不良であるという判定を下しました。県の方で私どもの試料が十分じゃないのじゃないかとおっしゃられるのですが、これは現地の調査官がこの試料をとって検査するに至ったもとは、県の方の検査に使ったというコアが非常にその堤体に対しては通常とるべきコアよりも小さいもの、そして短いもの、こういうものを提示されたわけです。こういうもので検査したのでは十分な検査はできないはずだ。これは向こうの試料で判定したわけです。したがって、こちらの方は、それが十分じゃない、しかも簡易な検査をしたところが強度が出ないものですから、それで十本のコアをとりまして、これはもう普通の正規の二十センチくらいの大きさ、長さ三十センチくらいのコアを十本とって調べたその結果でございます。そういう県の方の申し入れは、私どもとしてはまことに意外でございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 そこで、私どもも会計検査院の検査というものは正しいものだと思っておるわけですが、たまたまこの新聞に、会計検査院では不正だと、こう言っておる、県では手抜き工事でないと、こう言っておるというふうになってまいりますと、いろいろな疑問や不審が出てくるわけでございます。  そこで、不審や疑問を晴らしていかなければならぬ、こういうふうに思うわけでありますが、そういう意味でさらに引き続いて私はお伺いしたいわけでありますが、この件に関しまして検察庁では捜査をしておるはずでありますが、検察庁で捜査をした内容等につきまして御発表願いたいと思います。

松田賢一会計検査院事務総局第四局長

○松田会計検査院説明員 ただいま先生のお話の検察庁の関係、それがどういう関係でやっておるか、恐らく使途の関係か何かだと思いますが、私どもの方は補助金のついた工事をそのとおり施工できておるかどうか、このものについて検査した結果、それが十分でないという判定をしただけでございます。それ以外のことは承知しておりません。

川口大助日本社会党

○川口委員 きょうは法務省からお見えになっておりませんか。——それでは法務省の方で、秋田地検が一応これに対する捜査なり調査をしておるようでありますが、その内容等について御発表願いたいと思います。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 ただいまお尋ねの男鹿工事事件につきましては、格別捜査をしておるという報告は受けておりませんが、この工事を請け負ったと思われる三和興業をめぐります疑惑事件につきましては、秋田地検において、警察から送付を受けた詐欺事件ということで現在捜査をしております。

川口大助日本社会党

○川口委員 私は十分存じ上げておると思ってお呼びしたわけでありますが、私の方から申し上げますと、この会社は三和興業というのですが、実は大変な会社でありまして、工事はそのように不正をしておる。そのほかに労働者の休業手当のピンはねあるいは雇用調整給付金の不正あるいはまた多額の脱税を行っておるわけであります。  そこで、それでは国税庁の方に伺いますが、たしかこれは昭和五十年だと思いますが、十月十四日、この会社に対しまして脱税の疑いで秋田地検に告発しておるわけでありますが、この告発しておる内容等につきましてお聞きしたいと思います。

山橋敬一郎国税庁次長

○山橋政府委員 お答えいたします。  先生御指摘のとおり、本件につきましては、仙台国税局が法人税法違反事件といたしまして昭和五十一年の三月に秋田地検に告発をいたしております。同年五月に起訴されまして、同年八月に秋田地裁において有罪判決が下されまして、すでに確定しているというふうに承知しております。  公訴事実によりますと、本件法人につきましては、男鹿市に本店を置きます港湾運送とか総合建設等を目的とする会社でございますけれども、架空労務費とか架空外注費を計上するなどの方法によりまして所得を取得しておったものでございまして、四十八年三月期から五十年の三月期までの三事業年度分の逋脱所得の合計額は一億一千三百万円、こういうふうなことになっております。

川口大助日本社会党

○川口委員 私は一々名指しをいたしませんので、関係個所でひとつ御答弁願いたいと思うのです。  そこで、脱税の判決が下ったというわけでありますが、脱税をしたその金の使途ですね、使い道、その点はどういうふうになっておったでしょうか。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 秋田地検におきましては、この脱税のいわゆる使途につきまして、逋脱税の事件の公判立証に必要な限りにおきまして裏づけ捜査を行った、かように報告を受けております。

川口大助日本社会党

○川口委員 これは言えないですか。使途が明確でないと、犯罪というのですか、脱税というものの犯罪構成というものにはならないのじゃないですか。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 ただいま、脱税事件の公判立証に必要な限りにおいて裏づけを行ったと申し上げましたが、そのとおり、公判でも有罪になっております。

川口大助日本社会党

○川口委員 使途の内容について御発表願えませんか。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 先生御承知のとおり、脱税事件と申しますのは、いわゆる逋脱額に対するその事件ということでございまして、逋税額と申しますのは、期末、期首のそれぞれの保有財産から必要経費を差し引きまして、それがいわゆる所得ということに相なるわけで、それと確定申告額との差額、これが逋脱額ということになるわけでございまして、必要経費であるとの主張が積極的になされていない限りにおきましては、使途の一々の明細までは確定する必要はないというふうに理解して捜査処理を行っている、こういう状況でございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 逋脱したというその内容ですが、それは総額幾らですか。脱税額が幾らになっておるのですか。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 起訴事実の概要は昭和四十七年から四十九年の三期にわたりまして計四千三百万円の法人税を逋脱したという事実でございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 その四千三百万の使途ですが、その点について御調査ございませんか。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 先ほど申し上げましたとおり、逋脱事件の立証に必要な限り使途を解明して公判を請求したということでございまして、逐一細部にわたるまでの裏づけがなされているかどうかは詳細な報告を受けておりませんのでわかりませんが、恐らく、逋脱事件の一般の処理方法に従いまして捜査を行ったものと考えますので、細部の詳細までは把握していないというふうに考えます。

川口大助日本社会党

○川口委員 お答えがないので、やむを得ず私の方からこれは具体的に申し上げてみなければならぬというふうになるわけでありますが、私はなぜここでこういうふうな質問をしたかというと、税金をごまかして、その税金を何に使ったか、こういったところが知事やあるいは特定の国会議員にこれを贈ったんだ、そういう答弁になっておるのですよ。ですから、それを私は明らかにしていただきたい、こう思って聞いておるわけです。その点について御連絡はないのですか。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 三和興業の事実上の代表者と思われる被告人鈴木実が検察官の調べあるいは質問てんまつ書におきまして、約七、八百万円の金を地方の政財界方面の関係者に寄付として提出したという上申書を提出しているという報告を受けております。

川口大助日本社会党

○川口委員 その内容をひとつ明らかにしていただきたいということなんです。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 ただいま申し上げましたとおり、検察当局からの報告によりますれば、地方の政財界の関係者に五、六百万円の寄付をしたという上申書であったということで、内容の詳細までは当局として把握しておりません。

川口大助日本社会党

○川口委員 じゃ、これは私から具体的に申し上げましょう。知事に対しては、昭和五十年四月の選挙に知事その他に三百万寄付したことになっているのです。それから科学経済研究会、この会に対して年二百万ずつの会費というふうになっておるわけです。そこで、私がその一問一答を控えてまいりましたが、「次に科学経済研究会とは地元出身佐々木義武先生の後援会で、この後援会には年二百万円ずつ会費を納めています。私の家に領収証があったはずです」「領収証とはこれですか」「はいそうです」というので、四十九年七月二十八日、五十年三月七日、それぞれ百万円というふうになっているわけです。しかしこれは会費ですから、法律の定めによって政治資金の届け出をしておればそれは私は問題がないと思うのであります。ところが、「前の二年度も同じ様に年二百万円ずつ会費を納めています」これは私の調査では顧問料に相なっておるわけであります。そして「その他同代議士が昭和四十八年に海外視察に出たときせんべつとして二十万円、昭和四十九年度大臣に就任されたときに百万円のお祝を差上げた」こういうふうになっておるわけです。この点について御報告がございませんでしたか。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 冒頭に、三和興業をめぐる数々の疑惑につきましては、現在警察から送付を受けました詐欺事件とあわせて検察庁において捜査中でございますというふうに申し上げましたので、具体的な案件にかかわることでもございますので、どうか答弁は猶予させていただきたいと思います。

川口大助日本社会党

○川口委員 どういうことですか。ちょっと後の方が聞き取れませんでしたが。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 大変失礼しました。  お尋ねの案件につきましては、ただいま秋田地検におきまして警察とも協力の上捜査中である、こういうことでございますので、具体的案件にわたる事案ということなので御答弁はできるだけ差し控えさせていただきたい、こういうことでございます。どうか御了承いただきたいと思います。

川口大助日本社会党

○川口委員 それは先ほど国税庁のお話ですか、もうすでに公判で判決が決まっておるわけですが、しかもこれは記録が公表されまして、私もその記録を筆記してまいったわけです。それでもまだ言えないのですかね。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 確定したと申し上げましたのは三和興業に係る脱税事件でございます。現在捜査中と申し上げましたのは詐欺事件を含むそれ以外の事件のことでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 それじゃ、一応変えましょう。  国税庁の方へお伺いいたしますが、この経費の際にも国税庁の調べがついておるわけですね。前は省略しますが、「経費になると思っていたのに、なぜ裏の資金から出たのですか」というものを、仙台国税局の収税官吏、大蔵事務官川口正意、この方が調書をとっているのですが、それは「陣中見舞の場合領収書を貰えませんし、また相手に迷惑をかけたくないという気持もあって、裏から出たものです」と答えているわけです。  そこで国税庁に聞きますが、そういうふうに所得があったというふうにわかったわけでありますから、それに対して税の処置はいかがなさっておりますか、伺いたいと思います。

山橋敬一郎国税庁次長

○山橋政府委員 お答えいたします。  具体的に個別の問題について課税関係がどうなったかということにつきましては、個別案件に関する事柄でございますので、御答弁するのは差し控えたいと思いますけれども、ただ、一般論といたしまして、政治家個人がどういう名目のいかんを問わずいわゆる政治献金を受けた場合には、所得税法上の扱いといたしましては、雑所得として、収入金額から政治活動のために支出した費用を差し引きまして所得金額が生じておれば、その所得金額に対して課税されることになっておるわけでございます。われわれといたしましては、個々の収入に関するところの情報を入手した場合におきましても、その情報のみならず、国税当局におきましてすでに把握している各種の情報、資料を総合いたしまして調査の要否を判断いたしまして処理をしているわけでございます。先ほど先生御指摘のように、政治家には後援会等の政治団体がある場合が多いわけでございますけれども、政治団体は通常人格のない社団でございますので、政治献金を受けていても、そのこと自体で課税問題は起きないという形になりますし、また、政治家個人が選挙に関しまして受けた収入で、いわゆる公職選挙法の規定に基づく報告がなされておりますものは、その適用者が法人、個人のいずれでございましても非課税というふうに税法上の扱い方はなっておるわけでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 私は一般的な話を聞いておるのじゃなくて、個人の名前を挙げながら具体的に聞いているわけです。したがって、この場合はどうであったか、こういうお答えを私は求めているわけです。

山橋敬一郎国税庁次長

○山橋政府委員 お答えいたします。  具体的の個別の案件の課税の内容あるいは申告の内容につきましては、いわゆる守秘義務という観点から、私たちはそのお答えを実は御容赦願っておるわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたのは、一般的にいわゆる政治家が他から収入を受けた、あるいはいろいろな金品を受けたという場合それが課税上どういうふうな取り扱いになるかということを申し上げたわけでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 これは自治省に伺いますが、これはぼくも調べてあるのですが、政治資金の届け出もしくは選挙時の収支報告、こういうものが知事の場合あるいはいまの国会議員の場合、ございましたか。

前田正恒自治省行政局選挙部政治資金課長

○前田説明員 お答え申し上げます。  政治団体の収支報告書の要旨が公表されております官報によりまして調べたところでございますが、お尋ねの科学経済研究会、こういう政治団体の収入について見てみますと、四十七年以降毎年千数百万円の収入額が報告されております。ただ、この収入額のうち寄付として報告されたものはございません。全額が寄付以外の収入ということになるわけでございます。お尋ねの三和興業から会費として届け出がなされているかどうかというふうな御質問ございましたけれども、寄付として報告されておりませんが、会費等として収入総額の中に入っているかどうかという点については、先生も御承知のとおり、現行法では寄付以外の収入につきましてはその明細を明らかにする義務がないことになっておりますので、この収支報告の上でこの点は明らかにならないというたてまえになっております。  それから県知事の選挙運動費用の収支報告でございますが、これにつきましても調べましたところ、選挙運動費用の収支報告上は、三和興業からの寄付は届けられておりません。また、知事の政治団体につきましても寄付として届けられておりません。

川口大助日本社会党

○川口委員 私は何も糾弾、究明するというのではなしに、この会社、つまり失業保険のピンはねをやったり調整給付金をごまかしたり、手抜き工事をやったりそういうふうなことをして、会計監査を受けながら、それに対して県では大変弁解のようなことをしている。しかも、私の調べによりますと、その当時の工事に当たった監督者がこの会社に天下りになっていま営業部長として勤務しているわけですよ。したがって、会計検査院が監査に行ったときは、その当時の監督者は会社の人になっておるというふうな関係等もありまして、その当時の監督者の立ち会いができないような会計監査というものをやっているわけです。しかもこの問題は、いま言ったとおり国税庁の告発によってこの裁判は行われた。裁判の判決文の一部を読んでみますと、脱税によって不正に浮かした所得は、知事や特定の国会議員に対する寄付、弁解の余地のない悪質なものである、という判決が出ているのです。ですから、自分の手で告発をしてそういう判決を得ておるわけでありますから、当然これによって——領収証のあるのは四十九年、五十年ですよ。しかし、この公判の中には、四十七年、四十八年にも二百万円ずつ年にやったんだ、そのほかにもせんべつもやったし、大臣のお祝い金も出したのだ、こういうことであれば、当然それは調査の対象になるのではありませんか。この点はどうですか。関係の課長からそれぞれ答弁を願います。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 先ほども申し上げましたとおり、三和興業に係る事件につきましては、現在秋田地検において捜査中でございますので、近くしかるべき措置がなされるべきものと考えております。

川口大助日本社会党

○川口委員 国税庁の見解はどうですか。

山橋敬一郎国税庁次長

○山橋政府委員 お答えいたします。  先ほども申し上げましたように個別具体的な問題についてどう調査をする、あるいはどう処理をするということはお答えいたしかねるわけでございますけれども、国税当局はいろいろな情報、資料というものを絶えず収集いたしておりまして、政治家課税というものの充実を期しているわけでございます。  御指摘の問題につきましても、情報、資料として十分検討の上、その処理をしているものと考えておるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 関連。いまの山橋次長の答弁はちょっとおかしいと思うのですよ。いま川口委員が御指摘のように、おたくの方で告発しておいて、一審の判決が出ている。そして、その中で被告はだれだれに金品を贈ったということを言っているわけですよ。その贈ったのは本当かどうかということを確かめ、それが政治資金規正法上の金になっているのか、あるいは先ほど御説明があったような雑所得になっているのか、このことがはっきりしなければ被告の言ったことも本当に正しかったかどうかわかりませんし、国税庁としても、もらった方の人間が今度それをどういうふうに処理しているかをはっきりしなければ、やはり課税の公平は期せられないのじゃないですか。はっきりこれは公判で公になっている問題ですから、個別の問題といっても、この場で当然明らかにすべきであるし、いまの川口委員とのやりとりを聞いていると、疑惑がますます深まってくるわけですね。これは国税庁として、被告が出したという側についてその金銭が一体どういう処理になっているかを公表する義務があるのじゃないですか。

山橋敬一郎国税庁次長

○山橋政府委員 お答えいたします。  査察事件に関連いたしましていろいろな調査の過程において簿外支出というようなケースが出てくることはしばしばございます。しかしながら、私たちの事務の処理といたしましては、その簿外の経費がどういう形で流れたかということをできるだけ突きとめてその処理を行うわけでございますけれども、その突きとめた結果の資料をどういうふうに使うか、またそういう課税関係をどういうふうに今後処理していくかということにつきましては、御質問ございましたけれども、実は個人の個別の課税の問題に関係する問題でございまして、その金品のみならず、総合的にその個人の所得の状況がどうであったかというような点につきましての申告審理あるいは調査の形になろうかと思います。     〔山下(元)委員長代理退席、野田(毅)委員長代理着席〕 したがいまして、先ほど来申し上げておりますように、個別の課税、その個人全体の課税の問題にかかわる問題であるというふうなことから、御答弁を差し控えさしていただいているわけでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 まあ気持ちはわかるような気もします。しかし、ちゃんと判決の中に、特定の国会議員に対する寄付、弁解の余地のない悪質なものであるというふうに論ぜられているわけですよ。そういう場合に、内容的には申し上げられないけれども、少なくとも一応調査の対象にしてやったというぐらいの答弁はあってしかるべきものだと思ったのですが、全然やってないのですか。その辺のところをもう一度明らかにしていただきたい。

山橋敬一郎国税庁次長

○山橋政府委員 お答えいたします。  査察事件の結果出てきましたいろいろな情報、資料につきましては、われわれは十分な関心を持ってその資料を活用してまいっておるわけでございます。何も査察事件のみならず、そのほかいろいろな会社関係の調査によって出てきた資料もあわせまして政治家課税の充実を期しているわけでございます。  ただ、この個別の問題につきまして、あるいは特定の個人につきましてどういう調査をやっておるか、やっておらないか、その調査の内容はどうであったか、こういうことにつきましては、ひとつ答弁を御容赦願いたいというふうに申し上げているわけでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 とにかく私どもはいま何日間も赤字国債の論議をしているのですよ。どうして税の徴収を高めようか、どうして妥当な支出をしようかという論議をやっているのですよ。そういう場合に、取り立ての本家である国税庁が、私どもから見ると何かこわいものには手を出さないようなそういう態度に見られて、これで果たして本当にまともな税の徴収に当たっているのかというふうな疑問点さえ残るわけであります。  そこで、さらに角度を変えまして、それではこの裁判の中で被告が言っておるこの内容について、国税庁としてはそれは信頼に足るものと受けとめておるかどうか、あるいは虚偽のものとして受けとめておるかどうか、その点だけをお答え願いたいと思います。     〔野田(毅)委員長代理退席、山下(元)委員長代理着席〕

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 裁判についてのお尋ねでございますので、法務省の方からお答えさしていただきます。  被告人の供述につきましては、それなりの相応の信憑性の確認は行っておると思いますが、本件の場合につきましては、いずれにしても逋脱事件としての証拠としては必要かつ十分ということで、その事件の方は完結いたしまして判決も確定しておるわけでございます。それ以外の、いわゆる三和興業事件をめぐる疑惑につきましては、また別な角度から別なメスを入れているという段階でございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 だから、私は三和興業のことはいま聞いていないのです。たまたまその三和興業を告発したことによって出てまいりました、脱税がまだある、そのために脱税者がまだいる。つまりそれは所得ですね、あるいは大臣の就任のお祝い、せんべつ、こういうものは税の対象になると思うのですよ。そういうものについて取り調べを、取り調べという言葉は悪いですが、税の対象として調査をしなかったかということを聞いているわけです。

山橋敬一郎国税庁次長

○山橋政府委員 先ほど来申し上げておりますように、いわゆる政治家課税に関する問題であろうかと思いますけれども、政治家課税に関する問題につきましては、当国会におきましてもすでに再三御質問をいただいているわけでございます。われわれといたしましてはこの政治資金課税の問題につきましてはいろいろな情報、資料を集積をいたしまして、その集積に基づきまして調査の要否を判定いたしまして、その課税の充実を図っておるというのが現在の姿勢でございます。したがいまして、先生御指摘の査察事件に関連をいたしますところのいろいろないわゆる政治資金についての資料というものも、われわれといたしましては、重要な資料といたしましてそれを集積をいたしまして、適正な政治資金課税の充実というふうな方向で努力をしておるというふうにお答えいたしたいと思います。

川口大助日本社会党

○川口委員 つまり、後援会の会費であるとかあるいは寄付であるとかいうものについては私はわかるのです。しかし、せんべつとかあるいは大臣の就任祝いというものは個人の所得じゃないのですかね。それは別個のものじゃないですか。

山橋敬一郎国税庁次長

○山橋政府委員 お答えいたします。  せんべつあるいは就任祝いというふうな形で個人の受け取った金品というものが課税上どういうふうな考え方になるかということでございますけれども、政治家という立場でそのせんべつあるいは当選祝いというふうなものを受け取った場合、あるいは全くの私人として受け取った場合というふうに、いろいろなその金品の授受の経緯あるいは受け取った場合の動機というふうなものによって、いわゆる何所得になるかということを判断すべきものというふうにわれわれは考えておるわけでございます。したがいまして、本件につきまして、政治家という立場でその金品を受け取ったということになれば、政治資金にかかわるところの収入金額であるし、それから必要経費を引いたものはいわゆる雑所得という形で課税の対象になるというふうに考えるわけでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 どうも納得いたしかねるわけですが、大臣に聞きますが、大臣の見解はどうですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 税の執行に関するような問題でございますので、私よりも第一線に近い国税庁の方がはっきりとしたお答えができる。一般的なことなら私も知らぬわけではございませんけれども、これは具体的なことだとおっしゃるものでございますから、私は国税庁のお答えしていることが妥当なことだと思っております。

川口大助日本社会党

○川口委員 大臣、どうも妙ですね。きのうの答弁は、どうも一般的な話じゃ困るから、具体的なものならいつでも答弁するというふうにおっしゃっておるのじゃないですか。きょうは具体的な話を聞いているわけですから、お答えを願いたいと思うのです。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 きょうは川口さんが、具体的な話だ、こうおっしゃっておりますから、一般的なものとしてお答えしたら、そうじゃない、具体的なものだ、こういうことで御質問なさっていらっしゃいますから、私はやはり具体的な税の徴収をやっております国税庁の答えが私よりは明確であろうと思いますので、国税庁にやらせます。

川口大助日本社会党

○川口委員 こういう内容——政治献金はあってもいいのです。寄付金もあってもいい、せんべつもあってもいい。しかし、その金は全部脱税やいわゆる政府の金をピンはねしたようなものを政治献金に充てておる、またそれを平気でもらっておる、そこのところにぼくは問題があると思うのですよ。しかも、業者は何と言うかというと、ぼくはどんなことがあったっていいんだ、知事と国会議員がついているんだ、こういうふうに豪語しているわけですよ。会計監査委員の指摘を受けると恐らく指名の取り消しぐらいにはなると思うのでありますが、現在も——ある時期は指名の停止を食ったかもしれませんが、監査を受けたのが昨年の八月ですか、もうすでに指名を受けているはずですよ。それだけ癒着になるいわゆる大きな力がそこに働いておるというふうに考えるから、またそこに対して県民は大変な疑惑を持っておるわけです。ですから、県民の持っておる疑惑を晴らすことが、佐々木代議士にとっても知事にとっても必要なことじゃないかと思うのですよ。そういう意味でぼくはここで聞いているわけでありますが、どうもあいまいなお話でありまして、これ以上進めても無理なようでありますから、この件についてはやめます。  次に、自治省にいま一つ、いやなことですがお聞きしたいと思うのです。  先ほど言ったとおり、いまつめに火をともすような思いで徴収をしておるし、予算の執行にも当たっておるわけでありますが、これは残念なことに秋田県庁のことで恐縮ですが、研修旅費というものをでっち上げまして、つまり旅行に行かない者を行ったようにして旅費の水増しをしながら不正な請求で取っているようなことが県会で問題になっているわけです。  もっと具体的に申し上げますと、県の農業技術総合研修センターというのがあるのですが、そこで農業近代化ゼミナールの高度営農リーダー研修というのがありまして、他県に研修をして帰る、こういうのがあるのですが、この場合に、実際は架空の人の名前で、一人も該当者がいないということなのです。こういう結果が出まして、知事も県会で謝罪をしているようでありますが、この件について自治省ではどういうふうにお考えになりますか。

鹿児島重治自治省行政局行政課長

○鹿児島説明員 お答え申し上げます。  お尋ねの件につきましては、私どもは具体的な事実を確認いたしておりませんが、架空な事実に基づいて旅費を支給したということでございますれば、これは違法な支出だと言わざるを得ないと思います。

川口大助日本社会党

○川口委員 法務省に聞きますが、これは捜査の対象になるようなものでしょうか。具体的なことを申し上げないとあるいははっきりお答えできないかもしれませんが、とにかくごまかして旅費を取っておった、こういうことなのです。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 一般論で大変恐縮でございますが、いずれにいたしましても、ごまかして金を取るということになりますれば詐欺罪ということに該当するかと思います。

川口大助日本社会党

○川口委員 これは自治省に。いま地方財政が非常に苦しいので平衡交付税の増額運動か何かやっているのですが、こういうふうなことがその県の実態にあったとすれば、自治省ではどういうふうな御指導をなさいますか。

鹿児島重治自治省行政局行政課長

○鹿児島説明員 行政の適正な執行につきましては、私どもといたしましては、まず基本的には、自治体でございますから議会なり監査委員なりというものが自主的に監査監督をいたしまして自制すべきもの、かように考えております。

川口大助日本社会党

○川口委員 大分いやなお尋ねをしたわけでありますが、とにかく、先ほども言ったとおり非常に苦しい国家財政なのです。歳入も苦しいのです。したがって、それが国、地方を通じ適切に運用される、そして財政秩序が守られる、このことが非常に大事だと思いますので、大臣も、予算が通りさえすれば景気が上がるのだ、インフレがおさまるのだ、こういうことではなしに、行政効果がどういうふうに及んでおるかというふうなことも、行政効果の判定などをいたされながら財政の健全な運営に努力されることをお願いして、この問題についてのお尋ねはやめます。  次にお伺いしたいのは赤字公債の問題でありますが、私ども再三大臣の答弁を聞いておりますと、赤字国債は昨年の二九・九%から二九・七%に抑えたのだと大変手柄顔に言っておるわけでありますが、この二九・七%に抑えたという意義は一体どういうことですか。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 手柄顔に申し上げているわけではなくて、非常に残念であるという言い方をいたしておるわけでございます。  それで、その意味でございますが、五十一年度の二九・九を最高水準にする、そこからともかく少しでもいいから下げる。本当はもっと下げたかったわけでございますが、そういう意味でそこに財政節度がある、そういうふうにわれわれとしては考えておるわけでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 ということは、本年度は二九・七%で抑えるということですか。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 昨年の場合は予算編成方針にも総合予算主義という考え方が打ち出してございましたが、本年の場合はそういうことが書いてございません。ただ考え方としては総合予算主義の考え方のもとにということはあろうかと思いますが、さらに昨年に比していろいろ条件がむずかしくなっております。ただいまのところは当初予算の二九・七ということを維持したい、そういう考え方でございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 どうもひっかかるのです。私はことしは二九・七%に抑えたのだ、これでやっていくのだという説明に伺ったのですが、ただいまは二九・七%で、あしたはわからぬということですか。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 あしたはわからないということではなくて、当初予算においては二九・七である。昨年の場合には総合予算主義ということを予算編成方針にうたっておりましたが、そこは本年はうたってないということを申し上げているつもりでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 ですから今後はどうなんですか、本年度は。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 ただいまのところは当初予算の数字を維持したい、そういうふうに考えているということでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 新聞等によれば、どうもいまの予算だけでは刺激にならぬ、思うような数字が出てこない、そこで近く自民党ではどうしても一兆円程度の補正を組まなければならぬというふうに政調会長が言ったというふうに新聞に載っているわけです。ですから、大臣も自民党員でありますから自民党とは関係がないとは言わせないわけですが、補正予算を組む際の財源は赤字国債になるのじゃないかというふうなことがにおわされておるわけであります。そうしますと、いま当初予算でわれわれに二九・七%にしたのだ、赤字公債そうしたのだと言っても、さっぱりわれわれは今年度の赤字国債というのはこれだけなんだという頭で審議することにはならぬわけでありますので、この点は一体どういう……。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 まだ予算も参議院にあるわけでございます。そういう段階では補正予算のことを云々するということは非常に穏当を欠くと思うわけでございます。  それから景気の問題はわれわれは先般の四項目におきまして上期七〇%という線でやっておるわけでございます。目下鋭意暫定予算によって、本予算が成立しましたときにすぐ準備に取りかかれるようなそういう前段階の作業をやっておるわけでございます。新聞にはいろいろ記事が出ますが、私どもの内部では何ら作業をやっておりませんし、ただいまの上期集中というようなことを第一重点に考えておるわけです。ともかく予算がまだ成立していないときから補正予算を云々するというようなことはないわけでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 穏当を欠いているのはだれですか。ちょっといまわからなかったのですが……。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 私どもがもしそういうことを考えてあるというふうに委員がお考えであったら、われわれの態度が穏当を欠くわけでございますからそういうことはあり得ない、そういう意味でございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 それではそれは未知の問題でありますからやめますが、建設国債についてのお考えを聞きたいのです。  盛んに建設国債と特別国債とは性格が違うのだ、建設国債につきましてはある程度発行しても許されるのだ、こういうふうなお考えのようですが、財政法第四条の考えはやむを得ない場合には建設国債もよかろうということだと思うのですが、その点の考え方はどうですか。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 財政法第四条の本文の方は健全財政の原則をうたっておると思うのであります。ただし書きで書いてあるわけでございます。したがってやむを得ないということは法文上、文理上は出てこないと思うわけであります。法律の領域の問題としてそういうことがあろうかと思います。  それからもう一つは、経済政策といいますか財政政策といいますかそういう実質的な議論の方で考えてみまして、先ほど申しましたフランスのように均衡財政がいいんだ、税金の範囲で財政を賄っていくのがいいんだ、そういう考え方をとっていく財政当局もございますが、大部分の先進国においては公債は財政政策の有効な手段である、ただ使い方を誤ると国を破滅することになりかねない、そういう認識で公債政策を運用しておるわけでございますから、実質論といたしましては公債政策というのはあっていいことだと思います。財政法の方でも解釈としてはやむを得ないというふうにはあの法文は読めないと思います。

川口大助日本社会党

○川口委員 それでは建設国債というのは予算上何%ぐらいまでよいというふうにお考えですか。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 これは建設公債の歯どめ論といたしましてかねていろいろ議論がありまして、私どももいろいろ文献その他勉強を尽くしてきておりますが、基本的に考えまして一義的にどこがいいということは言いかねるというふうに申し上げざるを得ないわけでございます。  いろいろ理論がございまして、GNPの伸び率と公債の金利などから計算の仕方を開発している学者もございますが、一義的に普遍妥当的な率を申し上げるというようなことはなかなかできないのじゃないだろうか。地方財政におきましては、御承知のような起債方針ということで公債費の標準的財政規模に対する公債費の割合で余りその割合が多くなる団体に対しては、一々起債の際に自治省に問い合わせさせたりあるいは単独債の起債を認めなかったりいろいろなそういうやり方はやっておりますが、経験的にいろいろな議論はできるかもしれませんが、理論的には出てこないものだろうと思います、抽象的にはもちろんございますが……。

川口大助日本社会党

○川口委員 五十五年度までは特別国債はゼロにする、しかし建設国債はなくならぬというふうにいまなっているわけです。したがっていまの皆さんの見通しからいうと昭和五十六年、七年、八年ぐらいには予算に占める割合というのはどの程度になるというふうにお考えですか。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 これは大変むずかしい問題でございまして、五十五年度以降の経済情勢がわかりませんとなかなか出てこない問題だろうと思います。ともかく五十五年の段階で一五・五になっておりますが、かつては四・五というような率も四十六年度の当初予算ではあったわけでございます、あるいは四十一年度の公債政策を導入した際は一六・九、いろいろな数字がございますが、経験的に言ってどの辺が妥当であるかというのはそのときどきの経済情勢が絡んでくるだろうと思います。

川口大助日本社会党

○川口委員 経済情勢も絡んできますが、建設国債といってもこれはやはり償還しなければならぬわけですからね。われわれの子孫のためにも公共的な施設を残すのだからそれは払うのが当然だという考え方になるかもしれませんが、うっかりすると、屋敷は買ったわ家は建てたわ、その借金は全部息子に行った、息子の収入ではとてもじゃないが借金の利息も払えないというふうなものを残されたんじゃ息子は迷惑なんですよ。そういうふうに考えてまいりますと、少なくとも五五・五%以上にはなるわけであります。そうするとその分だけはどうしても私どもの子孫のつまり歳出を拘束するわけですよ。歳出を拘束して公共事業が残ったわ、しかしその公共事業というものは果たしてその当時の時代にマッチするものかどうかわからないことになりまして、その時代になったら弾力財源は何にもないというふうなことになってしまうことは、必ずしも親切な行政ではないと私は思うのです。そのためにたとえ建設国債だとしてもある程度の歯どめなり限度を考えて、それをオーバーしないようにやっていくというのがいまの私どもの努めじゃなかろうかと思うのですが、いかがでしょうか。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 御指摘のとおりでございまして、国債費は財政硬直化の最大のガンでございますから、そういう意味においては、公債はできるだけ少ない方がいいわけでございますが、片っ方では、失業の問題だとか倒産の問題だとか、そういうような問題もあるわけでございます。したがって、いかなる事態においても、公債がない方がいいんだというようなわけにはまいらないと思うわけでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 これは見解の相違になりますので、議論になりますから、お尋ねでないから議論になると困るのでありますが、ただ私の考えを申し上げますと、私も地方財政を預かった経験を持っているわけです。地方財政は、会社と違いまして、会社はもうけてから使うことを考えるわけですが、地方財政のような場合は、国家財政も同じでありますが、昨年度の所得がわかれば、ことしの税がわかるわけです。収入がわかるわけです。     〔山下(元)委員長代理退席、委員長着席〕 去年の年間の国民所得は幾らであった、そうすると、ことしの税金はわかるわけです。ですから、普通の株式会社と違って、入る金がわかって使う金を考えればいいわけです。そういうふうに考えますと、オイルショック以後の財政の立て方に若干放漫性があったんじゃないか、頭の中では景気の不況が来るというふうに考えておっても、歳入の見積もりについては依然として従来の高度成長のその頭が抜け切れずに、歳出も膨張させましたし、歳入についても見積もり過大があったんじゃないか、それが、いまのいわゆる不健全財政になった原因じゃないか、こう私は思うのであります。でありますから、私は、これを直すためにはどうしても、歳入もさることながら、歳出の洗い直しというものが必要だと思うのであります。  私のつたない体験からいたしますと、私も市長に就任した当時は赤字財政を引き継いだのです。しかし、そのときに、これは二年目になるとやりにくくなると思いましたから、いわゆるゼロ査定をやったわけです。私、当時、はなはだ卑近な例で申しわけないのですが、大体臨時職員が四百何人おりまして、古いのになりますと、十何年間も臨時職員であったのです。全部それを本採用しました。そのかわり、いま定年制を入れておりますが、その当時、いまから約十七、八年前でありますが、五十七歳、生年月日が来たら辞表を出すという定年制をしきまして、そしてそこに秩序をつけ、かつまた補助金等についても四百六十件ぐらいあったはずであります、それを英断をもっておよそ三分の一に減らしました。したがって、わずか四千万程度の補助金の削減が、事業になりますと、補助金と起債がつきますから、三倍に使えるわけです。そのために、従来は市役所の職員は、陳情に来ると、断るのが上手なのがりっぱな課長だということであったわけでありますが、とにかく、仕事ができるというはずみがついて、そのはずみが市政の拡張をもたらしたといま私は思っているんです。  でありますから、私は大臣に言いたいのですが、二年目、三年目になるとなかなか手をつけられないのです。就任のときに思い切って洗い直しをして、従来の高度成長から低成長に変わったその認識で、この予算の編成に当たらないと、私は、どうしてもこれはずるずるべったり、どこまで行っても赤字公債の発行はなくならぬというように思うのであります。  時間がなくなりますから、私はやめますが、どうかそういう意味で歳出、歳入につきましてひとつ丹念に洗い直しをしながら、一日も早く赤字財政を脱却して、健全な財政にして本当の意味の正しい経済発展を図られるように心から私は願って、やめます。どうもありがとうございました。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 川崎寛治君。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 特例公債の問題に入ります前に、円高の問題をちょっとお尋ねしてみたいと思います。  先般福田総理は実勢に任せる、介入しない、こういうことでまいりましたが、そのことも大変円高を促進する一つの材料になっている、こういうふうに思います。  そこで、今日の円高の基調というものをどうごらんになるか、大蔵大臣の見解を伺いたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 ただいまのこの円高は昨年の十二月の半ばごろからですか、そういう兆しがありまして、それがこの三月の末ごろですか、ウナギ登りになった。そうして先週、今週になりまして、さらにこの上昇の度合いが、円高の度合いが強くなってまいった。それで、その原因について考えてみますと、やっぱり日本の国際収支が非常に強い、堅調であるということが一番大きな原因になっておるのだ、かように考えます。  そこでこの円高の傾向につきまして、どういう措置をとっていくかということでございますが、為替につきましては、今日までこれに対して人為的な介入といったようなものは差し控える方針でもってやってまいっております。そういう方針を今日変えるというつもりはございません。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 倉成経済企画庁長官は、昨日二百六十円台にもし入るとするならば、その相場は高過ぎる、困る産業も出るだろう、こういうふうに言っておるわけですね。これは大蔵大臣なり日銀総裁なりお互い、つまりそこらのめどを意思を統一して話し合った上での発言というふうに考えてよろしいですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 今日、これは相談したとかしないとかいうものではありませんが、日本の国の為替相場に対する方針がこういうことになっておる、こういうことを申し上げておきます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 方針がそうなっておるということは、そうすると、倉成経済企画庁長官のきのうの発言は同じ見解だ、こういうことですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 倉成長官の御発言については、どういうことをおっしゃられたか、私はつまびらかにしておりません。要するに、乱高下がありますと、これはやはりよろしくありませんから、これに対してはそれは何か介入の必要もあろうと思いますけれども、いまのはじりじりと上がってきておる、こういうことでございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 国際金融局長にお尋ねしますが、きのうの倉成長官の発言というものについて、大蔵省として同じような見解をとりますか。

藤岡眞佐夫大蔵省国際金融局長

○藤岡政府委員 昨日の倉成長官の発言は私もよくは存じておりませんけれども、ただいま大蔵大臣から申し上げましたように、特定のレートを想定したり、あるいはそこへ持っていこうというふうな為替介入政策はいまとっておらないわけでございますので、乱高下を防止し、相場の急激な変動をモデレートにするというための介入はたまにはしておりますが、基調的には実勢に任せるということでやっておるわけでございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 通産省にお尋ねしますが、土光経団連会長は、その前の日、十一日ですか、円高政策は政府ではなく個々の企業が考えるべきだというふうに発言をしておるようであります。しかし、すでに日本経済全体二極化現象があるわけでありますが、この中で大変苦しい産業というのは、もう現に出ておるわけですね。この問題について、今日の円高の基調、あるいは上光経団連会長などの発言について、通産省としてどう考え、どう対処しようとしておるか、見解を伺いたいと思います。

名取慶二通商産業省貿易局輸出課長

○名取説明員 最近の円高レートが産業にどういうふうに影響しておるかという点につきましては、円高のレートが継続いたしますと、輸出企業の採算上に問題が生ずるということが当然考えられるわけでございますが、その影響の程度につきましては、業種によりいろいろ違ってくると思われますし、また、現在の円高傾向が今後どの程度の期間継続するかということによっても異なってくるかと思われますので、一律にはなかなか判断しがたいところでございます。ただ、繊維、雑貨、陶磁器といったふうな一部の業種につきましては、現在でもすでにある程度成約の減少など影響が出始めている模様でございますので、通産省といたしましては、目下主要な輸出品目について、円高傾向が持続した場合の影響がどうなるかという調査を行っているところでございます。この調査の結果を分析いたしまして、何らかの対策が必要と認められる場合には、それぞれの業種に応じた対策を検討してまいりたいというふうに考えております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 この問題、なお一層追及しようとは思いませんけれども、ただ、今日の為替レートだけでこれは推移してはいけないと思うし、いま、調査をされる、こういうことでありますが、雇用の問題にかかわる問題でありますから、十分慎重な、そして適宜適切な施策というものが行われなければならない、こういうふうに思います。経済企画庁を除いて、いずれの経済指標をとってみましても、特に内需の拡大、そういう問題については伸びておらないわけですね。でありますから、内需の拡大であるとか、あるいは、春闘の時期でもありますが、賃上げの問題であるとか、あるいは資本輸出や援助の拡大、これはアジア開銀の問題でも議論をし合ったところでありますけれども、そういう問題について財政当局として的確な施策を、通産省もでありますが、とるべきである、こういうふうに思いますが、大蔵大臣いかがですか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 この問題につきましては、先ほど来お答え申し上げましたように、御意見のとおり、これはよくこの事態に注目いたしまして、誤りなきを期したい。ただ、方針としては変えるつもりはございません。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 では、次に移ります。  先ほど川口委員からも追及があったわけでありますけれども、五十年度に二六・三%の国債依存度、五十一年度は三千数百億未発行ということになれば、二九・九%というのは数字が変わるわけでありますが、発行予定額でいけば二九・九%、それから五十二年度が二九・七%、こういう国債依存度の財政欠陥を招いた原因、これはもう繰り返し繰り返し議論をされておるのでありますが、重ねて大蔵大臣にこの原因を伺いたいと思います。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 池端委員のときに御指摘がございましたように、財政制度審議会で二つの要因を挙げております。一つは、石油危機を契機といたします経済の激変というものが、日本のみならず主要国の財政に打撃を与えたわけでございますが、これが一つと、もう一つは、高度成長の非常に恵まれました環境の中で培われました制度、慣行に対する、新しい目からする改善というものがおくれておる、この二つ、だろうと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 そこで、その主要国についても指摘があるわけでありますが、アメリカが一九七七年度の予算で一三・九%、英国が七六年で一六・八%、西独は七七年で一三・五%、こういうふうに依存度は日本よりはるかに低いわけですね。そこで、田中内閣の当時に、この問題についてはわが党はずいぶんこれらの点を指摘したわけです。西ドイツと比較をしてみましても、西ドイツの物価よりも日本の方が安定しているんだと——それは、七二年にドイツが経済安定法を制定した、そのときに、これらの問題については当時本委員会においてもわが党の委員諸君が指摘をしたはずなんです。なぜ西ドイツが今日このような状態にあり、日本がいま次長が指摘をしたような二つの条件で今日の事態を招いたか、その点について御見解を伺いたいと思います。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 これは非常に広範の問題を含んでいるのだろうと思うのでございますが、たとえば、基本的には人口の年齢構成が非常に日本の場合には若いわけでございます。いろいろなことをやらなければいかぬ。それから、社会資本水準が、われわれの場合には木を素材にいたしまして、自然災害が非常に多いわけでございます、明治以来の百年間に軍事費に取られた分というものは蓄積がその分だけ行われてないとか、したがって社会資本の蓄積が西独に比べて非常に低いとか、あるいは国土が、西独の場合には周辺に取引をできるような国が非常にたくさんあって、海を越えて貿易をやるというようなことは少ない。貿易依存度は西独に比し日本は低いといいますけれども全部海を越えていくわけですが、西独の場合には陸地続きで日本の貿易と意味が違うわけです。それから日本の場合には資源も非常に少ないとか、そういういろいろな広範な問題が絡んで、オイルショックの衝撃の受けぐあいが西独の場合とわれわれの場合と違っていたのではないだろうかと、そういうふうに思うわけです。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 いや、だから、あなたが先ほど制度審議会の挙げておる理由として二つ挙げたわけでしょう。それに絡む問題としてぼくは西独の場合と比較したわけです。あなたは全然別の、別というか、それは関連をしておりますが、広範だということで言っておられますけれども、建築の問題であるとかあるいは戦争政策の問題であるとかと、こう指摘してきたわけです。その戦争政策、つまり富国強兵という明治以来の政策が遠因としていえば大きな一つの社会資本を充実させ得なかった根本原因であるということについては一致します。その点はそのとおり賛成です。じゃ戦後の中においても、特に二つの点に関係して言えば、西ドイツにおける、石炭と鉄鉱石をある程度持っておるということ、あるいはオイルの問題にしても、石油の自主開発は公団方式で国家管理でやってきておる、そうした点がオイルショックに際しても衝撃を少なく済ました。それらの点はこの過程においても列島改造なり高度成長の中でわれわれは絶えず指摘をしてきたわけです。それから、ドイツの経済安定法に対しましても、高額所得者や会社法人に対する付加税をやりなさいということを、これは繰り返し社会党は主張してきたわけです。そして、その付加税をかけたものをプールをして経済安定基金にしていくということについて指摘をしてまいったわけです。ところが、それは必要ないんだということが田中内閣がとってきた政策である。そして高度成長の仕組みをそのまま継続してきた。であれば明らかに政策の失敗である、私はそう思います。だから、さっきの二点に関連して言えば政策の失敗だということで、大蔵大臣、お認めになりますか。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 いろんな見方があると思うのですけれども、ドイツと日本を比較して公債依存度は確かに日本の方が高いわけですが、そのほかのいろいろな経済的なパフォーマンスで比べた場合に、日本がそう卑下をすることはないので、われわれの生活は非常によくなっているわけですし、失業者だってちまたにあふれるというようなことではないわけです。確かに中小企業も倒産は非常に多いわけですし、苦しんでいる人たちも多うございますけれども、それは、日本の経済のパフォーマンスというのは現時点に立ったってそんなに卑下をすることはないと思うのです。ただ、公債依存度で考えてみた場合に、その背景に歴史的なものだとかあるいはもっと広い文化、文明論的なものがあるかもしれない。それは率直に、そういうものは抜きにして、よりよくするためにいろいろ自虐的に問題をとらまえるというような性癖がわれわれにございます。だけれどもそれは、前進のためにあるいはプラスになることかもしれないので、そういう意味で厳しく反省をしているわけで、決して西独の経済的パフォーマンスに比べて日本が全然だめだということではないと思うわけです。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 まあどういうふうに自虐的なのか、あれですが、私は西独がよくて日本がだめでという、そういう比較をしているんじゃないのです。要するに国債に関して言えば、西独が国債依存度が低い。だから、日本が国債に依存をする、つまり国債を大量に発行するという明治以来の歴史を振り返れば、戦争や恐慌の際にそれを乗り切るために絶えず出しているわけですね。そういう歴史的な経過というものを振り返るならば、午前中に坊大臣も大変熱情を込めて語られた、最後の結論のところは少しおかしくなったのですけれども、そういう歴史を振り返らなければいけないわけでしょう。そうしますと、歴史を振り返るならば、あの時点でわれわれが指摘をした点が否定をされたということが、今日国債の大量発行をせざるを得ないという事態を招いた。つまり、絶えず戦争のときに大量発行をしておるわけでありますが、今日のオイルショックという問題を考えるならば、昭和三十五年の池田内閣によります所得倍増政策というものからオイルショックに至ります経過は、やはり戦争を放棄した日本でありますけれども、一種の貿易戦争というか経済戦争であったわけです。だから、私はそのつけがいま回ってきておる、そういうふうに考えるべきだと思います。いかがですか。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤(隆)政府委員 経済を取り巻くあるいは財政を取り巻く環境には日本の場合ハンディキャップが非常に大き過ぎるというような点もあると思うのです。石油ショックあるいはその前のドルショックの衝撃の受け方が日本の場合非常に大きい、しかもその基盤になる経済的な環境というのはハンディキャップが非常に大きいというようなことで、いろいろな点から公債の依存度も西独の場合に比べて大きくならざるを得ないのではないか、これはわれわれは決してよしとしていないわけでございまして、何とか歳入歳出両面の努力を積み重ねながら改善をしていこうというふうに考えておるわけでございますが、そういう点ではそう見解の差というものはないんじゃないかと思われます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 そこで大蔵大臣にお尋ねします。  自由民主党は、参議院選挙を前にいたしておりますし、この国会に独禁法の改正案を提出するところに踏み切ってきたわけですね。そこでこの独禁法の改正という問題は、三木内閣誕生のときに社会的不公正の是正のまず第一だ、こう言って打ち出してまいりました。これが独禁法の改正であったわけです。そのことは社会的なコンセンサスであったと思うのですね。そうしますと、独禁法の改正というのは、企業の売り惜しみ、買い占め、その狂乱物価というものの中から出ました、日本の社会のすみずみに生まれてきた不公正をなくそうという、一つの大きなてことしてこれが構造政策として出てきたわけですね。そうしますと、いま加藤次長と少し話し合ってまいりました点にかかわってくるのでありますが、後ほど主税局長にお尋ねをする問題にかかってくるのでありますけれども、つまり企業家はこの過程の中で大きな利益を得ているわけです。そのことについてはお認めになりますね。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 私は独禁法につきましては十分勉強しておりませんからしさいには存じませんけれども、要するにいまのこの経済体制におきまして、独占、寡占の弊というもの、これは否認できない事実である。そういったようなものを是正していこうということで決められたものだと思いますが、とにかく今度のこの経済困難というものを乗り切っていくためには、企業の体制の上においても財政の上においても、いろんな角度からその不公正というものは是正をしていくことが何よりも大事な条件だと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 肝心なポイントは外しておるのでありますけれども、そこで主税局長にお尋ねをしたいのですが、国債整理基金特別会計を設置しましたのは明治三十八年、一九〇五年、日露戦争の直後ですね。それ以来国債の整理ということをやってきているわけであります。先ほどもちょっと触れましたけれども、国債の大量発行というのはいつも戦争、恐慌、こういうものとかかわっておるわけです。そうしてこの国債の整理にいたしましても、利払いの費用の確保ということのために大部分が間接消費税でやられてきたのですね。だから明治以来のこうした大量国債発行、その後の整理のための消費税という、この歴史については主税局長お認めになりますね。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○大倉政府委員 お言葉でございますけれども、戦前比較的間接税のウエートが多かったということが、直ちに公債の発行が多く、かつ国債整理のための歳出を必要としたからであるというふうには必ずしも私は考えておりませんで、それはやはりそのときどきの経済情勢なり納税者の感情なりというものをあわせて、結果として直間比率のようなものが決まっておるんではないかと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 いや、国債大量発行の後の始末として必ず消費税を大量にという歴史は繰り返しておるのですね。どうですか、大蔵大臣。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 これはわが国の税制史について詳しく読むべきでありますが、まだそこまで読んだことはございませんけれども、戦時中から戦後の公債を処理するために間接税を起こしたということでは必ずしもないんじゃないかと私は思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 いや、私は日清、日露戦争以来ずっと見てきましたけれども、絶えず消費税を大量に出しておる、これは一遍きちっと洗い直せばいいですよ。  そこで私は主税局長にお尋ねをしたいのは、本委員会で前の税制改正の問題、特例公債の問題を通して、絶えず消費税、特に付加価値税をどうするか、こういう議論については消費税、法人税ですね、増税せざるを得ないでしょう、でありますから、税制調査会にお諮りをして、十月、委員の交代の前に出していただいて、そして決めますということを答えてきているわけですね。そこで、これは特例公債の消化の問題も後ほど触れていたしますが、仕組みとして、つまり私がお尋ねをし指摘をしたい点は、いま本国会で特例公債、そして増税の問題を議論しておるわけです。ところが増税についてはそこでは方向が出ないのですよ。十月の税制調査会の結論を待たなければというお答えになるわけです。そうしますと、私は端的にお尋ねしますが、五十三年度は消費税、付加価値税、そういう問題の踏み込みはありませんねと伺いたいのです。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○大倉政府委員 それは大変むずかしい御質問でございまして、実は私どもが最初に希望しておりましたのは、できることならば昨年の暮れごろにとにかく一応の方向を出していただきたいなあと思っていたわけでございますが、諸般の事情でそれがずれ込んで、ただいまのところ、ことしの秋までには何かの方向を出していただきたいとお願いをしているわけでございます。その場合に六月末なり十月の初めにいただけるものが果たしてどの程度具体的なものかというのは、実は私自身にもまだ見当はついていないわけでございまして、複数の案になるとか、あるいはもっと抽象的なものになってしまうのか、あるいは複数であっても非常にしぼられた案までたどり着けるか、そこは私自身がまだ見当をつけかねております。  そこで、そういう状況で一体五十三年度に何ができるかということになりました場合に、それはやはり税調で何分の方向は出していただきたい。その方向の中で五十三年度に予想される経済情勢で何を適当とするかということで考えてみるよりいたし方ないのではないか。五十三年度の経済情勢が経済の力がかなり戻っていくというのであれば、それはそれなりに負担の増加をお願いする素地ができたということで、しからば提示されるかもしれない幾つかの組み合わせか、あるいはごく少数の組み合わせの中で、どれを取り上げて御論議を願っていくかというふうに物が決まっていくのではないか。したがって、いまの段階ではむしろ五十三年度がどうなるか、どういう年になるかわからない状況でございますので、五十三年度に何をやるとか、やらないということはお答えのいたしようがない段階ではないかと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 そう答えられるだろうと私は思っておりました。ところが、五十五年度は特例公債発行ゼロです、こう言うのですね。そうでしょう。そこのところは増税が必要なんです、三%、こうくるのですよ。結論は出す。そして来年度、こう言われますよね。去年、ことしと大量国債を発行した。いけないのではないか。どうしてなくしていくか、どうして健全財政に持っていくかという議論をしているわけでしょう。ところが来年度の見通しがつきません、こう言う。  そうすると、この委員会で議論をするのは、つまり税制調査会が十月かわる前に出した結論というものに基づいて政府が出してまいりますのを細切れで、今度は来年の国会で議論するわけですよ。細切れというのは、この特例公債をどうするか、税をどうするかという議論をしているときに、一緒に議論をするのではなくて、これはこれで通してしまう。国会が特例公債の議決をするということをやれば、これで出していけるわけですから、公債を発行して泳いでいく。  一方の税の方の問題については、これと関連をするはずなんだけれども切り離して、しかも現在これと関連をして議論すべきときに、いま意思としては、去年の暮れにと、こういうことだったのだけれども、できなかったから、こう言われますが、私はやはり開かれた予算の編成なりあるいはこれからの国民の参加というものを考えますときには、そうした制度上の問題をどう合わせていくかということがなければいけないと思うのです。それでなければ、本国会というのは行政府の事後承諾機関になるわけです。形は出しましたからこうなるけれども、しかし、実際の姿としては、事後承諾の機関になる。私はそれではいけないと思うのです。五十五年度まで見通したものを出しているのだから——それはただ強制力がないのだと、きのう加藤次長はだれの質問でしたかに答えておりましたね。財政収支試算についても、それは強制力がないのです、こう言われた。しかし、答えるときにはゼロにするのですという答えをするのです。だから、それがどうつながるかということについて、大蔵省としては国会における議論を前進させる、国民の参加を求めていく。特に付加価値税などという新しい方向に入るとしたならば、それが本国会の中では議論ができずにおいて、抽象的な検討中というだけの答えであって、来年の国会で出てくるなどということであってはならない、こう思うのです。だから私は、五十三年度は出ませんね、こういうふうに伺うわけです。  これは繰り返しても答弁は同じだろうと思います。だから大蔵大臣、その点そういうふうな議論の進め方というのを、つまり新しく制度を変えていくという議論をいたしますについては、国会が事後承諾機関にならぬためにはどうした一らいいか。あなたも大蔵委員会で長いこと御苦労なさった大先輩です。私は本委員会は初めてですけれども。しかし、やはり国会というもののあるべき姿を追求してまいりますためには、われわれ自身も努力しなくてはならぬし、そういう方向というのがきちんとされなければならない、こう思うのです。  最後に審議会の議論をいたしますけれども、審議会というのが隠れみのであってはならぬ。つまり国民の参加ということで、戦後の民主主義として、行政府の独裁をチェックする機関として、戦後この審議会制度があるわけでございますけれども、そういう審議会というものが隠れみのであってはならぬ。しかし実際には、いまはできておりません、こういうことで、後になって出されてまいりますならば、隠れみのの役割りをしておることになるのじゃないか、こう私は思うのです。大蔵大臣、その点ひとつあなたの御見解を伺いたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 審議会を隠れみのにするなどというつもりは毛頭ございません。とにかくしかし、案をつくるに当たりましては、今日まで熱心に審議会で勉強をしてもらっているわけです。その勉強をしてもらっているものを中断してしまうというようなことは、作業上も大変なことで、私はさようなことはあるべきものではない、こう思いまして、審議会で勉強をしてくれたものは、何もそっくりそのままとるとかとらぬとかいうことでなく、審議会の勉強というものは何もコンクリートな案をつくってもらうというようなことでなく、一応のめどを立ててもらうということであろうと私は思います。例年税制を大蔵委員会でいつも審議をお願いしておるわけでございますが、やはり秋から冬にかけまして、翌年度の租税改正というものは、そこにかける。その前には、むろん私ども与党でございますから、与党においても検討いたしますし、野党の政審会においても非常に御勉強を願っておるということでございますので、ただひとり独善的にやっていこうというようなつもりは私は毛頭ございません。また、その審議会を隠れみのにしてやっていこうなどというつもりは毛頭ございません。いずれにいたしましても、国会の勢力が今日のごとく伯仲しておるとか伯仲していないとか、伯仲はしておる、そういうようなことにかかわらず、日本では議会政治が行われておるのでございますから、これに対しまして十分御批判、審議を願うということでなくてはこれはとてもいけないことであると考えております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 税調が五十二年度の税制改正に関する答申を出しましたのは五十二年の一月十一日なんですよ。もう予算編成の真っ最中なんですよ。だから、これは隠れみのになるじゃないか。あなた方は、手続上のタイムテーブルが合えばいいという考え方ではいかぬ。当然、国民が議論できる、国民が判断できるそういうものがあってしかるべきだと思うのですよ。出した翌日、政府案が決まるなんということであれば、これはもうまさに事務当局のベースでこの審議会は進んでおったということになるわけです。  私はこのことをくどくど言おうと思いませんけれども、主税局長は先ほど、昨年の暮れやりたいと思ったのだ、こう言いましたが、私は、十分国会でそのことを議論し、そしてそのことが来年度の予算要求、それから大蔵原案、政府案決定、こういうふうな経過をたどる、つまり国民が十分議論ができる、そしてそのことを踏まえながらそれが具体化されていく、そういう方向に行くための方向づけというものをぜひやってもらいたい、こういうふうに思います。これは、議論しておっても時間があれですからこれで置きますが、そういう方向でお願いしたいと思うのです。  そこで、主税局長にお尋ねしますが、きのうの本委員会における参考人の御発言の中に、中村全銀協の会長が只松君の質問に対しまして、利子配当課税の是正は総合課税の方が公平である、こういう答弁をされたわけです。これまでの経済効果なり役割りなり、それらについても全銀協の会長の立場で触れておられますけれども、ただ、その中で、総合課税の方が公平である、だからそういう方向に行くことを認めておるわけですね、しかし、税務当局、銀行間の徴税上の諸問題を整理しなければならない、こういうふうに中村会長はお答えになっておるわけでありますが、この利子配当課税の是正の問題については、本委員会でも絶えず議論が繰り返されてきております。でありますから、この国税庁と銀行間の徴税上の整理、そういう問題がすでに進められておるのかどうか、そして大蔵省としてこの問題については来年度はそういう方向に向かって改正をするという方向であるかどうか、伺いたいと思います。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○大倉政府委員 お答えいたします前に、先ほど来の御質問に関連しまして、税制調査会の審議の途中ででも、国会でいろいろ御論議をいただく機会があり、また国会を含めて広く税制調査会の外でのいろいろな御論議をできるだけ税制調査会の審議に反映することが望ましいということは、私、否定するつもりは全くございません。その意味で、いつか申し上げましたように、非常に中途半端な段階であえて印刷にして、資料にして審議経過というものをお出ししているというあたりの私どもの気持ちもおくみ取りいただきたいとは思っております。  それから、具体的な答申が予算編成の直前になってしまうという点につきましては、これは実は考え方が二つあるのかもしれませんが、従来から、税制調査会からいただく答申というのは、各年度の答申につきましては非常に具体的な答申をいただく癖がついております。その場合にはやはり経済見通しなり、大体の予算のフレームの見当なりがついておりませんと、何千億の減税がよかろうとか増税として何千億というところまでは、税が独立して、三月も四月も前に決めてしまうわけになかなかいかないという点もございます。それは、税制調査会からいただく答申をもっと数字の入らないものにしてしまえという御議論がないではないわけでございますけれども、なお、今後の運営の問題として、ただいまの川崎委員のような御意見も拝聴しながら今後勉強をさせていただきたい。非常に具体的な答申ということになりますと、どうしても時間的には予算編成の直前ということにならざるを得ないなという点もそれなりに、従来はそうであったという点で御了承をいただきたいと思います。  ただいまの利子配当課税の問題でございますが、これは率直に申し上げまして、そういう発言が出るところまでよく来たなという感じでございます。私は、長年続いた源泉分離一本というものを総合課税に持ち込んで——源泉選択が非常に不公平だというふうにいまは言われておりますけれども、そもそもそれは源泉分離一本というものから総合へ移るプロセスで初めて出てきた制度でございまして、その当時、私、担当課長でございましたけれども、そのころの全体の雰囲気から申せば、金融機関側から総合課税こそがフェアであるという発言がやっといま出てきたということでございますが、それらをあわせまして、金融機関ともよくよく事務的な相談を始めなくてはいけない、やっと一緒に相談する雰囲気ができてきたというのが現状でございまして、これを具体的に一体どういう手段があるか、同時にしかしどうしても郵便貯金の問題にぶつかる、それをどうさばくか、大変な難問でございますので、ああいうお答えがあったから二月か三月で物事が片づくというものではございません。しかし、方向として明らかにその方向に向こうも向いてきてくれたという点は、私非常にありがたいことだと感じております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 それじゃ次に、特例公債の問題に入りたいと思いますが、これは、どなたでしたか、午前中、先ほどの質問に、引き受けシ団は日本独特のものだ、こういう御答弁があったわけでありますが、十一年前公債を議論しましたときに、日本社会党は御用金調達のこういうあり方というのは間違いだという点を指摘したわけです。古い、前々からおります諸君は多く参加をしておるのじゃないかと思うのです。あらゆる機関を通じて売らせよ、それから流通市場の整備をやれ、市場実勢価格に従って売買せよ、この点は十一年前の議論の際に日本社会党が指摘をしてまいったわけであります。そしてそのときに、当時の福田大蔵大臣は、御指摘のとおりです。早急にやります、これが当時の大蔵大臣の答弁であります。これは議事録をひっくり返せばわかることなんですね。ところが今日までこれがなされないで来た。なぜ、大蔵大臣がそういうふうに答弁しておるのを事務当局はサボってしないできたか、その理由を伺いたいと思います。  その前に、まず大蔵大臣が答弁したことを認めるかどうかだな。それを認めておかぬと後議論にならぬから。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 私、手元に議事録がございませんで、その辺は後ほど確認させていただきますが、先の方の答弁だけ先に進めさせていただいて、後でお答えいたします。  国の債券を発行いたします場合に、これは外国でも日本でもそうでございますが、いわゆるシンジケート団を組んでそれが円滑に消化されるという形に持っていくというのは、別に日本独特でもなくて、むしろ外国でもそういうことをやっておるわけです。そういう意味におきまして、国債の発行の際に、その流通段階で支障のないように、それからまたその市場が円滑に動くようにというためにいろいろな手当てをしなければならないということは、当然当時の大臣もおっしゃったことであろうと思います。  ただ、引き受けシ団を編成するという、日本のようないわば非常にまとまったシ団というものを抱えまして、これをずっと続けてくるというかっこうのものは外国にはございません。シンジケート団を組織するということは、毎回シ団のメンバーが変わったりというような形をしておりながら、外国でも日本でもいわゆる普通債券においてそういう形をとっております。したがいまして、なぜ、日本の場合にそういうことが今日まで続いておるかと申しますれば、何と申しましても、国債の安定的な発行、市場の価格の安定的な維持という面を考慮いたしまして、それで今日まで来たのではないかというふうに考えておりますが、それが当時お約束したことと何か違反しているというふうには私どもは承知いたしておらぬわけであります。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 いや、そのシ団云々については、当時の福田大蔵大臣もそのとおりですとは言っておらぬわけです。後の政策ですね。後の具体的なその点については御指摘のとおりです、こういうふうに言っておるわけですから、そのことを指摘しておきたい、こういうふうに思います。  それで、個人消化を進める議論については、先ほど大原委員あるいは池端委員からもいろいろと質問があったわけであります。五十一年度における市中消化は六兆二百二十五億円で、そのうち証券界の引受分というのが割引国債を除いて九千五百二十九億、引受率一五・八%というふうに思いますが、そうですか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 証券会社の引受分でございますが、五十一年度の収入金ベースで一六・八でございます。額面ベースで一七・二でございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 そうすると、これは五十一年度の引き受けシェアよりも約六%ぐらい多いわけですね。つまり、そのことが可能な状態であるというふうに見てよろしいと思うのですが、個人消化をより進めてまいりますためには、五十二年度はシェアの改定をやっていないようでありますけれども、この個人消化を進めるために五十二年度においてこれ以上に消化をふやすという方向であるのかどうか、そういう方向であるべきだというふうに思いますが、いかがですか。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 五十一年の一月から新しく中期割引国債が登場いたしまして、これは純然たる個人消化でございますが、それを一応年度間で三千億というふうに考えております。これを伸びにいたしまして、いま私どもの見ておりますところでは、従来の一割をオーバーする個人消化というものが図られるということは、見込まれるわけでございます。これは最近の情勢が、個人に対して国債のいろいろな利点と申しますか、他の債券に比べてのいろいろな利点が認められてまいりましたところによるかなり急速な個人消化の浸透ということが役立っておりますが、ただ、いまのようなペースでもってどんどんと伸びていくというふうには必ずしも考えておりません。これは私はある時期には少しペースダウンするのではないかと考えております。  そこで、いまの引き受けの進め方は、毎月毎月シ団の世話人会というのを開きまして、そこで大体の翌月の消化分を決めていっておるというような状況でございますが、いまの傾向では、かなりまだ個人消化の需要が伸びておるということを御報告を受けておるところでございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 池端委員も質問しておるわけでありますけれども、証券取引審議会の基本問題委員会に今後の国債の管理政策を五月の下旬から六月の上旬に集中的に審議をしてもらおう、こういう方針を決めたということなんですね。これは税調のさっきの議論ともまた絡んでくるのですよ。つまり、国会における特例公債の議論が終わったら審議会の方でお願いをする。いまの審議会が自主的にやられるかどうか、そこが一つあれですが、どうも特例公債の法律をここで議論をしておるときに、それに関連する問題が時期を外してやられる。なぜこれは前にお願いできぬのですか。五月の下旬にやるのでしょう。国会が終わるのは五月二十八日ですか、そうしますと、国会が終わったらそれから始めましょうということだ。事務当局としてそういう審議会のあり方というものについて、お忙しいでしょうけれども、しかしこれはやはり前にやる。そして、国債の管理政策というのは大事なんだ、大量発行時代の中においてどうするか、われわれは十一年前に指摘をした。しかし、それが実行されなかった。いまの時点で議論になってきておる。なぜ法律案を議論するときに提起してもらえないのか、その方向づけというものを具体的に出していただいて一緒にあわせて議論をする方向ができないのか。先ほど来の質問に対しましても、これから慎重に、こうお答えになるのですよ。全部そうでしょう。全部これから慎重に検討します、まだ出ておりませんということで、終わったら、たったっと動き出すのですよ。そういうあり方というのは私は間違いだと思うのです。だから、そういう運営については、ひとつ委員の皆さんにも御相談をしていただいて、今後は法律を議論するときには、その前に関連するいろいろな問題について御苦労願う、そしてそれをあわせて議論ができるような方向に持っていっていただく、そのことを私はお願いしたいと思うのです。これは聞いても無理かな。

岩瀬義郎大蔵省理財局長

○岩瀬政府委員 これは必ずしも私の言うお話でもないように思いますが、証券局長がおりませんけれども、必ずしも国会が終わってすぐ、それを待ってということではございませんし、また、予算の前に終わりますと、今度はうまく予算の前に合わせたというような御議論もありまして、なかなか三百六十五日のうちの開き方が、先生のようにごらんいただくと、なるほどそういう見方もあるなという気もいたすのでございますが、そんなに私ども悪知恵を働かせて審議会を開いておるわけではございません。  ただ、私どもの方でも国債管理政策というものをいままでほったらかしにしておったわけでもございませんで、胸を張るわけにはまいりませんが、かなりのことをやってきておるわけであります。ここでまたさらに続けていろいろなことをやるに当たりまして、研究会というのを十一月から発足させておりますが、これとても研究会をいつまでに終えるのかというような御質問もこの間ございましたようなことでもございますので、先生のような御注意もございますから、なるべくそういうお疑いをいただかないように処理いたしたいと思いますが、そこはひとつまたかなり御寛容な態度で見ていただきたいというふうに存じます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 ついやさしく言うとそういうふうになるので困るのです。  それで、私は最後に財政制度審議会と税制調査会のあり方の問題について、これは国務大臣としての坊大蔵大臣は特にこの点について責任を持ってお答え願いたいと思うのです。  財政制度審議会というのは、財政法の附則第八条に基づいて大蔵省の中に設置をされておるわけですね。そしてこの財政制度審議会というのは「国の予算、決算及び会計の制度に関する重要な事項を調査審議させるため、大蔵省に財政制度審議会を置く。」こういうふうになっておるわけです。ところが税制調査会は総理府設置法の中にあるわけですね。そして税制調査会令というのがあるわけでありますが、「税制調査会は、内閣総理大臣の諮問に応じて、租税制度に関する基本的事項を調査審議する。」そして「調査会は、前項の諮問に関連する事項について、内閣総理大臣に意見を述べることができる。」こういうふうになっておるわけです。その意味においては税制調査会の方がはるかに権限は大きいわけですね。しかし、財政制度審議会は税制をも含む広範な財政制度全般を議論願うことになっておるわけだけれども、法制上は明らかに税制調査会の方が強い機能を持っておるわけでありますが、ただ先ほど来言っておりますように、国民の参加というふうなこと、つまり民主主義の発展というふうな問題を考えますならば、このあり方についてはここで再検討が必要ではないだろうか、こういうふうに私は考えます。  そこで、もう時間が余りありませんので具体的にお尋ねをしますと、この委員の選び方にも違いがあるのです。それは、財政制度審議会には、大蔵省出身の、OBの神戸銀行取締役会長であるとかあるいは日銀の副総裁であるとかあるいは東海銀行の会長であるとか医療金融公庫の総裁であるとか学者ですね、国民の代表は残念ながら参加してないのです。それは法制上のことを前提にしてこういう委員の選び方になっておると思いますけれども、これではいけないんじゃないか。これは大蔵大臣の考え方でできるわけなんですから。税制調査会の場合ですと、たとえば総評の事務局長の富塚君などが委員として参加をしておるわけなんです。  今日、予算の編成権がどうのこうの、修正権がどうのこうのということもこの国会では議論になりましたけれども、国民の参加ということを考えますならば、私はこの財政制度審議会の委員の選び方にも当然国民の代表、労働者なりあるいは中小企業者なりそうした人たちの代表というのが参加をして、国の財政制度を検討していく、そのことに当たるべきである、こう思います。でありますから、七月が委員の一部改選の時期だ、こういうふうに聞いておりますが、そのことについて、大蔵大臣これは確実にあなたの手でできることなんでありますから、委員を改めますときにあなたの決意とまで大げさに言いませんが、考え方を明確に述べていただきたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 財政制度審議会は御指摘のとおり「国の予算、決算及び会計の制度に関する重要な事項を調査審議」することとしておりまして、委員といたしましては、財政制度及び財政運営の問題について学識または経験のある者を委員に選任しているところでございます。これは財政法附則第八条、御指摘のとおり。現在この審議会の構成は、言論界から六名、学界から五名、経済界から五名、その他民間有識者、官界出身者から七名とバランスの一応とれた組織、仕組みになっております。同審議会からは毎年有益な公正な御意見をいただいておるところでございまして、現在委員の人選を改める必要があるとは私は考えていないのです。なおしかし、御指摘の趣旨も含めまして国民各層の意見を幅広く反映できるように努力をしてまいりたい、かように考えております。私は厚生省におったときに社会保障制度審議会、社会保険審議会ですか、そういった審議会等で大変御厄介になりましたが、あれは三者構成とか、たとえば支払い側あるいは保険者、被保険者側それから学識経験者側といったようなことになっておったように記憶いたしておりますが、この財政制度審議会は、そういったような何々を代表する個別の利害関係と申しますか、そういった関係を調整するような審議会とはこれちょっと性格が違うということでございまして、大変露骨なことを申しまして気にさわるかもしれませんけれども、労使というような観点から委員の選任を行うことは必ずしも適当ではない、この審議会の性質上そういうことに考えております。  それから税制調査会につきましては、これは内閣の税制をやっていただいておりますけれども——地方税が入っておりますか、総理大臣の諮問機関ということになっておりますので、私からこの会について申し上げることは差し控えたいと思いますが、また総理大臣の方からお聞きして……(川崎(寛)委員「税制調査会は聞いていない」と呼ぶ)そうですか、それはどうも失礼いたしました。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 私は、社会保障制度審議会などとは違うんだという形で、要するに第三者的な学識経験者だけでいいんだ、こういうお考えでこれまでやってこられたと思うのですよ。しかしそれではいけないんだと思うのです。税制調査会の方はタックスペイヤーとして各階層、こういう考え方が委員の選び方にも出てくると思うのでございますけれども、しかし財政制度審議会の方の委員というのは大蔵省のOB、それから特に銀行関係という人たちが多くのメンバーになっておるわけなんですね。そうしますと、この国債の管理政策の問題あるいは特例公債の問題等につきましても、銀行の発言力というものは、つまり今日の日本の財政の財源の三分の一を公債で賄っておるわけなんです、そこの意見というのは非常に強く出てくるわけでしょう。だからこれは客観的な第三者ということは言えなくなってきているわけなんです。  そこで、今日、こういう大きな時代の転換の時期なんですから、これまでのあり方というものについては当然再検討すべきだ、そして国民の各階層の中から、つまり経験者というのは幾らでも出てくるわけなんですから、そういうことで選ばれるようにぜひひとつ再検討してほしいということを重ねて要望いたしまして、終わります。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 次回は、来る十五日金曜日午後五時理事会、午後五時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時三十分散会

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