大蔵委員会 第13号
- 発言数
- 271 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1977/03/23
会議録
○小渕委員長 これより会議を開きます。 所得税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法及び国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川崎寛治君。
○川崎(寛)委員 いま国民は、流した汗が報われる、苦労したら苦労しただけのかいがあるということを求めておると思うのです。それは非常に変化が多いだけに、変化の多い中でどうして生活の安定を確保していくか、またそれにこたえていくのが政治の課題であろうと思います。ちょうどいま入学試験が一段落して新しい入学期というものを迎えてきておるわけであります。それぞれ子供たちは新しい勉強の場所に張り切って行こうとしておる者もおる、あるいは失意のどん底におる者もおるわけでありますが、予算委員会やあるいは文教委員会等でも大変問題になっております私立大学の医学部、歯学部の裏口入学というか、裏口入学の莫大な入学金というもの、この問題はずいぶん大きな問題として取り上げてまいっております。海部文部大臣は、こういう入学金問題の実態というのは教育基本法違反であるというふうに断定をいたしました。まさにそうであろうと思います。私は、きょうは税法との関係で少しこの問題を取り上げ、どうしたら本当に解決をしていくのかということについて大蔵大臣を中心にひとつ質問を進めてまいりたいと思うのです。 検討いたしますに当たってまず文部省にお尋ねしたいのですが、三月十七日に文部省が裏口入学金の実態というものを五十一年度について発表されたというふうに新聞の報道で見ておるわけでありますが、四十九年に裏口入学金の自粛という通達をいたしましたが、これは全く効力なし、むしろそのひどさは目に余るものが出ておるわけであります。そこで私は、この税法との関係をいろいろ議論するに当たりまして文部省にお尋ねしたい点は、医学部、それは国立、公立、それから私立の医学部、歯学部の入学者でありますが、その入学者、できればこの二、三年欲しいのですけれども、医師の子弟の割合がどういう割合になっておるかまず伺いたいと思います。何人入ってなんということはみんな知っておりますし、私立の医学部が裏入学金を何ぼ取ってなんということはすでに報道されておりますから、時間の関係上そういうことは要りません。
○五十嵐説明員 お答え申し上げます。 まず医学部の方で保護者が医師である者の比率でありますが、国立は二〇・一%、公立は一九・六%、私立は六六%でございます。それから歯の方につきましては、保護者が歯科医師ないし医師である者は、国立につきましては一二・七%、公立は二二・八%、私立、これは一部調査漏れがございますが、十二大学におきまして四五・六%ということでございます。
○川崎(寛)委員 これは何年度ですか。
○五十嵐説明員 歯学部につきましては五十一年度でございます。それから医学部につきましては、多少古うございますが、四十八年度でございます。
○川崎(寛)委員 ですから、医学部につきましてはもう少し新しい年度をとればもっと率は変わってくるのじゃないかと私は思います。 そこで寄付金の性格ですが、文部省はこの寄付金の性格をどういうふうにごらんになっていますか。
○塩津説明員 お答え申し上げます。 任意の寄付金であるというふうに考えております。
○川崎(寛)委員 任意の寄付金という場合に、入学のための寄付金つまり入学金でありますか。
○塩津説明員 入学に伴う任意の寄付金であると考えております。
○川崎(寛)委員 それではその入学に伴う任意の寄付金になぜ段階があるのですか。
○塩津説明員 学校によって種々のようでございますけれども、成績による段階等が多いようでございます。
○川崎(寛)委員 つまり成績に伴って段階があるということは、そのことが入学の条件になっておると判断してよろしいですか。
○塩津説明員 入学の条件となるということは教育の機会均等の精神から好ましくないということで、先生先ほど御指摘のとおり四十九年の通達でもそれから実際にも指導いたしておるところでございますが、あくまでも基本的性格は任意の寄付金でありますけれども、入学に伴うというところが遺憾ながらたてまえと若干違うところがあるのではないかというふうに考えております。
○川崎(寛)委員 それでは受け取った学校の方の寄付金の使途はどういうふうになっておりますか。
○塩津説明員 総体的に申しまして、五十一年度のまず医学部でございますが、施設費のために使いましたのが二十学部、設備費に使いましたのが十八学部、経常費に使いましたのが十二学部、それから借入金の返済が三学部、こういうふうになっております。これは延べではございません。一つの学校で両方に使ったときには両方へ換算してありますから、合計しまして総学部より多くなっております。 それから歯学部でございますけれども、施設費として使いましたのが十三学部、設備費が九学部、経常費が十二学部、借入金返済が二学部、こういうふうになっております。
○川崎(寛)委員 国税庁にお尋ねしますけれども、いまこのように寄付金の使途を分類をして文部省側がお答えになりました。そうしますと、税法上の問題というのはいまのお答えからずいぶんいろいろ出てくると思うのです。先ほど文部省の方が寄付の段階があるということは入学のためだ、こう言っておられた。入学のためですから、これも所得税法の問題もまたいろいろ解釈が出てくると思いますね。それが一つ。入学金を出した方の父兄の金の性格というものが出てくるわけですね。それから、受け取った学校の方の使途がいま言ったような使途になるわけですから、そうしますと、当然これはいろいろな場面が出てくる。これは私これからずっと詰めたいと思うのですが、昨年も国税庁と大蔵省は、この実態に対して大変問題があるということで、こういう不公正な状態にもっと徹底的にメスを入れたい、こういうことで取り組む方針を決めたというふうに新聞等では読んでおるわけでありますが、こういう入学金の使途というものを見まして、これを国税庁としてどういうふうに判断をし、どういうふうに調査をして進めてきたか、お答え願いたいと思います。
○山橋政府委員 お答えいたします。 ただいまお話しの問題は、寄付金を出した側の問題と寄付金を受け取った学校側の問題と、二つの側面を持っていると思われます。 寄付金を出したいわゆる父兄の方の問題でございますけれども、寄付金を出したことそのものが直ちに課税上の問題を生ずるわけではないと考えております。ただ、私たち税務当局といたしましては、その寄付金の資金の出所が適正であるかどうか、換言いたしますれば、寄付金が過去の課税漏れの所得から出されていないかどうかということに注目をしておりまして、資金出所に疑問があれば、必要に応じて所得調査を行うということもあり得るというふうに考えております。 なお、所得税法上に寄付金控除という制度がございますけれども、学校に対する寄付につきましては、入学に関してするものはその対象とならないという定めになっておりますので、現在いろいろ問題になっておりますこの入学の寄付金は寄付金控除の対象にならないというふうにわれわれは考えておるわけでございます。 さらに、受け取った学校側の方の問題でございますけれども、学校法人は収益事業による所得のみが課税の対象になっておるわけでございまして、寄付金を受け入れることは、税法に言いますところの収益事業には該当しないということで、学校の受け取った寄付金については、それが課税の対象になるということにはならないというふうに考えております。ただ、先ほど使途をいろいろお話ございましたが、学校が職員とか役員等の給与にその一部分を充てるというふうな場合には、その段階で源泉徴収の課税の問題が起きてくる、こういうふうに考えております。
○川崎(寛)委員 そこで、税法上の問題というのは私は三つあると思うのですね。つまり、父兄、金を出した方と、受け取った方の学校の問題、それから親と子の間の問題、こういうふうに三つあるわけですね。いま親と子の関係については次長は触れられておりません。後ほどお尋ねしたいと思うのですが、金を出した方をAとする、金を受け取った学校をBとする、それから子供をCとする。そうしますと、AとBの場合に、いま入学のための寄付金は控除の対象でない、こういうことでございましたが、それが今度は施設や設備のためだ、こういうことになりますと、所得税法の七十八条二項でこれは税額控除を受けるわけですね。だから私はこの問題はあると思うのです。私どもは具体的に実際どれがというあれは持っておりませんけれども、ただ、聞くところによると、こういう措置も行われているというふうに聞いておるのです。だから、校友会であるとか後援会であるとかいうふうなものに入れますね。しかし実際には段階がある。実際には段階があるから、文部省から答弁をいたしましたように、性格としては、はっきり言えないけれども、これは入学のためだという判断を文部省はしておる。しかし、税法上の扱いになりますと、いま国税庁の次長は入学のためのあれだというふうに単純に割り切っておられる。しかし、そうではなくて校友会なりあるいは学校に対する後援会なりというものにやれば、施設、設備のためということで所得控除を受ける。その実態はありませんか。そういう点については見過ごしてきておるのかどうか。
○大倉政府委員 税法上は、川崎委員よく御承知のように七十八条の二項の柱のところで「学校の入学に関してするものを除く。」と明文で除いております。したがいまして、問題は解釈上、その寄付が設備拡張のための寄付であるのか、入学に関してする寄付であるのかということになろうかと思いますが、国税庁から補足が必要であればしてもらいたいと思いますけれども、税法の考え方からいたしますと、入学の時点という特定の時点だけをとらえるのではなくて、新入生だけを相手にして設備拡張と称して寄付を集めるのならば、それは入学に関してする寄付と考える方が立法趣旨からして妥当ではないか。そうではなくて、学校が体育館を増設したいとか建物を改築したいということで在校生もOBも皆さんを相手にして寄付をお集めになる、それは設備のための寄付、ごく大ざっぱに申せばそういう角度で解釈問題として考えたらどうであろう、そのように私としては考えます。
○川崎(寛)委員 施設、設備が大変医学の進歩という中で機械なりそういうものを更新していかなければならない、設備が要るということは私も十分理解できるのです。それはまた教育行政上の問題は問題として考えなければいけないと思いますが、いま主税局長御答弁のように、入学をしたときの新入生に関して言えば、これは施設のためだとか設備のためだという名目は成り立たない。先ほど文部省側から回答のとおりでありますから、もし校友会なりあるいは後援会なりというものを通して擬装の形で所得控除というふうなことを受けておることがあるとしたら、これは私は許されないことだ、こう思います。だからその点について大蔵省なり国税庁なりのこの問題についての基本的な姿勢というものをお示し願いたいと思います。
○山橋政府委員 入学に関してその入学というものと密接に関連のある形でその寄付金がもし収受されておれば、税法上は入学に関するものというふうに解釈をせざるを得ないわけでございます。したがいまして、その限りにおきましてはわれわれはそれを寄付金控除の対象という形で認めるわけにはいかないというふうに考えております。その形がよしんば後援会という形をとろうと何という形をとろうと、その形式いかんにかかわらず入学に関して行われる寄付である限りはそのように考えるべきものというふうに考えております。
○川崎(寛)委員 じゃ、二番目は先ほど御答弁のありました受け取った学校側ですね、学校法人側でありますが、これはいま文部省から答弁がありましたように、入学金の使途というのは施設費、設備費それから経常費こういうふうな方向に分かれてくるように出ておりますね。そこでさっきの議論とまた少し食い違っておるのですよ、議論としては矛盾があるわけです。ここで先ほど源泉徴収の給料の問題がございましたが、経常費というのがある、あるいは借入金の返済になっておるというふうな点から見ますと、これはやはり受け取った学校法人がそういうものの費用の一部に充てていると理解できるというふうに私は考えるのです。そうしますとその点は当然課税の問題が出てくるというふうに私は考えるのですが、いかがですか。
○山橋政府委員 お答えいたします。 先ほど申し上げましたように、学校法人は収益事業による所得のみがいわゆる課税の対象でございます。しかしながら、この寄付金を受けること自体は、いわゆる税法でいう収益事業に係る収入であるというふうには見られないわけでございまして、したがいましてその収入自体に対する課税の問題は起きないかと思いますけれども、その支出の段階におきまして、もしそれが経常費という形で、たとえば役職員の給料等の増額等に回されるというふうな場合には、源泉徴収課税の問題が起きるわけでございまして、われわれといたしまして日常の事務の中で、この学校法人等に対する源泉監査ということはしばしばやっているところでございます。
○川崎(寛)委員 それでは第三番目の親と子の関係、これは相続税法上でいけば、二十一条ですね、教育の費用というのは贈与税とみなさない、こういうことになっておるわけであります。おりますけれども、一千万を超す、あるいは三千万だとか、場合によっては一億だ、それが必要と認められる経費というふうには、私は理解できないと思うのです。これは世間がそうだろう、こう思います。つまり、世間の常識を超えておる問題ではないか、こういうふうに思いますが、これを贈与とみなすのかどうなのか、伺いたいと思います。
○大倉政府委員 御質問の御趣旨は私なりによくわかるつもりでございますし、そのまま放置していい問題ではないと個人的には感ずるわけでございますが、税法上の問題といたしまして、親が学校に対してした寄付を入学する子供に対する贈与というふうに構成するかどうか、そこにはやはりかなりむずかしい点があろうかと思います。 ただいまの御質問の中にもございましたように、寄付を受けまして設備を拡充いたしましたり、あるいは経常費に充てましたりしておりますのは、学校法人の側でございますので、やはり直接の受益者は学校法人の側である。そのことによって子供さんが入学が可能になったという、実際の間接的な受益と申しますか、それがないとは決して申しませんけれども、やはり入学金を出したことがすなわち父兄から入学する子供さんへの贈与であるというふうに構成することは、これはなかなかむずかしいのではないか。さらにくどくど申せば、贈与であると構成するためには、そのための受益度が寄付をしなかった方、あるいはもっと少ない寄付をした方よりも多くなくてはいかぬとか、いろいろな物差しがまた別途必要ではないか。入った限りは同じように教育を受けるわけでございましょうから、やはり本件は寄付をした側から直接に受益を受けるのは学校の側である、子供に対する贈与として構成するのは無理ではなかろうかというのが、ただいまのところ率直な感じでございます。 〔委員長退席、野田(毅)委員長代理着席〕
○川崎(寛)委員 ただ、相続税法の二十一条の三の二には、「扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与に因り取得した財産のうち通常必要と認められるもの」というふうにちゃんと規定があるわけですから、そうしますと、その規定というのはつまり「通常必要と認められるもの」でしょう。それから「生活費又は教育費」というふうに、そこのところは特定の便益を受けることは想定してないわけですよ。ですから、この相続税法の二十一条の三の二を素直に読めば、私はいまの状態というのは正常だとは思わないのですよ。大蔵大臣、いかがですか。正常ですか。
○大倉政府委員 ちょっと、大臣からお答えいただきます前に。 御質問の中にございました相続税法の規定は、私の先ほど申し上げました表現によりますれば、お父さんなりお母さんが子供さんにじかに金を渡される、それは贈与でございますから、それを贈与税の対象にどこまで入れるか。たとえば岡山県に親御さんがおられる。東京に子供さんが入学しておられる。毎月毎月、下宿代とか生活費で五万円なら五万円送金される、それは贈与でございますが、しかしそれは生活なり教育のために通常必要な範囲では贈与税を課さないということでございまして、先ほど私が申し上げたのは、入学金というのは子供さんにいくというふうな構成がむずかしい。それは学校の方へいく、それは子供さんは贈与を受けていないんだというふうに考えてお答えをしておるわけでございます。
○川崎(寛)委員 大分苦しい解釈を、私はしていると思います。入学金というのもこれは教育費ですから。入学金というものも教育費です。文部省、どうですか。これ、教育費でしょう。
○塩津説明員 教育費です。
○川崎(寛)委員 文部省は教育費だと言っているのですよ。その教育費というものに対する考え方が、大蔵省は自由自在に変わるのですか。
○塩津説明員 入学金も教育費に入ると思います。
○大倉政府委員 同じことを繰り返して恐縮でございますが、一千万円なり三千万円という金が親御さんから学校に渡った。それは入学する子供さんがそのために入学できたということは言えることが多いのだと思いますけれども、それを子供さんが一千万円の贈与を受けたんだというふうに構成するのには、税法上なかなか問題が多かろうということを申し上げておるわけでございます。
○川崎(寛)委員 しかし、いずれにしても教育費であることには変わりはないわけでございまして、サラリーマンが一生かかっても得ることができないような、そういうものが、形態が学校に直接いっているから、こういうことでいま解釈をしておられますけれども、私は世間的というか国民の常識からしますと、やはりこれは改めなければならない状態ではないだろうか、こういうふうに思います。これらの点については、社会の厳しさが出てくる中でどうしてもこれは改善をされなければならぬ、こういうふうに考えます。 そこで、文部省としてこれらの点を改善していくために、どうお考えでありますか。
○塩津説明員 教育の機会均等に反するという疑いのあるものでございますので、四十九年度に先ほど申しましたとおり通達を出して自粛を求めておるところでございますが、今年度はさらに全医学部で構成しております医学部協会と、それから全歯学部で構成しております歯学部協会に検討を促しまして、そこですでに医学部においては三月五日、歯学部協会においては三月七日に当面の自粛措置についての通達を各大学に発するとともに、今後この問題を構造的に分析し、解決していくためのそれぞれ特別委員会を設置いたしまして、早急にそこで基本的解決に向かって努力するということでございますので、私どもはその努力を促しつつ、その推移を見守りつつ、さらに適切な措置を打ってまいりたい、かように考えております。
○川崎(寛)委員 大蔵大臣、いまのこういう実態を財政の責任者としてどういうふうにお考えになるか。冒頭、医師の子弟が医学部で七割、これは四十八年ですけれども七割、歯学部で四五・六%、こういう回答があったわけでありますが、つまり過半数以上が医師の子弟であるというのは否定できないいまの実態です。 そういう状況を見ますときに、そういう医師の階層が、これだけの無理な入学金を、いま毎年毎年つり上げているわけですけれども、そういう状態が続いているわけです。私はこれはまさに正常ではない、こう思いますが、医師の優遇税制と私は無関係ではない、こう考えます、その点、大蔵大臣いかがですか。
○坊国務大臣 いまお述べになられました問題は、社会問題、教育問題等から考えまして絶対に好ましい問題ではない、何とかしてそういったようなことは是正していかなければならない問題だ、かように私は考えます。 ただ、税に関して申し上げると、これは大蔵省で相談したものでも何でもありません。私に答えろと、こういうお言葉でございますから、私は私の考えを申しますと、入学に当たりまして、入学金だとか、いまの寄付金だとかいったものを納めるのは、子供が持っていくか親が持っていくか、そういうことは関係ありませんけれども、一体これを持っていく者はだれか、それを納付する者はだれかということを考えてみますと、これは入学する子供にはそれだけの経済能力がもともとあるわけではありませんから、保護者の立場にある親あるいは扶養義務——扶養義務というのはそんなに無制限なものじゃないと思いますけれども、保護者の立場にある親が、これはやはり子供が入学するに当たって、子供でなしに親がストレートに入学金を学校に納めるというふうにやっておるんだ。これは納付義務者がだれというようなことは別に制度上私は規定してなかろうと思いますけれども、要するに、保護者の立場にある親が、子供を学校に入れてもらうためにストレートに学校へ持っていくというふうに考えますと、これはその間に親と子の間の贈与の関係が起こらない、こういうふうに私は現在解釈している。しかし、千万円も三千万円、五千万円といったような金がそういうようなことで学校へ納められておる、この事態は、これは何としてでも改めていかなければならない。しかし、これを税制によって処理していくということはなかなか困難なことであろう。 そこで、これはやはり、人様に押しつけるわけじゃございません、税は税として考えていかなければなりませんけれども、教育問題として、また社会問題として本当に真剣に考えていかなければならない問題である、私は私個人の考えとしてそういうふうに考えております。
○川崎(寛)委員 この問題は、いま文部省から今後の改善の方向について基本的な立場が述べられましたが、私は私学というのは、学問の自由というものを守る立場からしますと、金は出すけれども介入してはいけないという問題も一面はあると思います。一面あると思いますけれども、ただ今日の異常な状態を改めることについては、よほど勇気を持ってやらなければいけないだろう、こう思います。 先ほどの機会均等の面で言いますならば、国立が二〇・一%、公立が一九。六%、そして私学に行けば医学部は六六%、これは明らかに医師の子弟が多く医学部を押さえておる、押えるというか占めておるという実態からいたしますと、今日のこういう状態というのは改めていくことが大変大事な問題だろう。そして、そういう入学金を必要としないという状態にしますためには、この医学部の拡充と施設なり設備なりの拡充という問題について国が努力をしなければならない面は非常に多いだろう。と同時に、また国公立をふやすことによってそういう悪循環を断ち切っていくということのためには進めなければならない面もあるだろう、こう思います。 でありますから、これらの点について医学教育というものを前進させるために、では大蔵大臣として今後の方向をどう進めようとするのか、あるいはこの問題について大蔵省としてどういう検討をしようとしていくのか。これは主税局の担当ではないかもわからぬですけれども、大蔵大臣ひとつ答弁してください。
○坊国務大臣 税の扱いとしては、今日のところ、私がいま申し上げました(川崎(寛)委員「税のことを言っているのではない」と呼ぶ)それで、教育の問題、それから社会問題といたしましては、これは大蔵省が真っ正面から取り組んでいく問題ではなかろうと思いますけれども、関係の各省、これは主として文部省だと思いますが、そういうところとよく相談をいたしまして、そしていまのこの現象を何というても、おっしゃるとおりに私は感じます。だから、そういったようなことができるだけないように持っていくのが当面の政府の指導、政府がそういったような方向に一緒になってやっていくべき問題だ、かように思っております。
○川崎(寛)委員 もう一度、しつこいようですが、文部省がこの問題改善のためにこれからいろいろ検討して方針を出すと思います。われわれもそれなりに検討したいと思います。だから、いまの大蔵大臣のお言葉からしますならば、文部省がそういうものを出してきたら、それに対して大いにこたえるという、文部省を少し応援し過ぎるかな、という財政責任者の姿勢だというふうに理解してよろしいですか。
○坊国務大臣 いまどういうことをお考えになっておっしゃっておるのか(川崎(寛)委員「文部省が言ったことに」と呼ぶ)あなたがおっしゃっておるのが、私は頭が悪いからそこまでよくわかりませんけれども、それはどういうような案を出してくるかということによりまして、いま文部省が出してきたものなら何でもかんでも、そういう方向ならもう何でもかんでも御承認申し上げるというわけにはこれはまいりません。財政には財政の行き方というものがおのずからございますから、私はどういう御意思でおっしゃったのかわかりませんけれども、財政の立場はございます。そこのところの政策には調整ということが大変必要なことだと思いますから、これ以上はお答え申しかねる次第でございます。
○川崎(寛)委員 私学振興のためには大いに努力してほしいという要望を申し上げておきたい、こう思います。 そこで、私、税制との関係、つまり社会保険診療報酬課税の特例の問題と関連をしてちょっと先ほど申し上げましたが、四十九年の十月に税制調査会が答申をいたしました。この税調の「社会保険診療報酬課税の特例の改善に関する答申」というものの中には「診療報酬の七二%を必要経費とする現行の課税の特例は、かつては、医師に一定の所得水準を保障するため、単価を補てんする役割をもって出発したが、現時点では、むしろ、以上のような各種の観点からの社会保険医に対する特別の配慮としてとりあげることができよう。」今日、私立医学部のあるいは歯学部の過半数以上を医師の子弟が占める、こういう状態は、所得水準の保障という当初の考え方からいたしますならば、明らかに今日はもうそれとは違う現実であるということを私は指摘せざるを得ない、こういうふうに思います。 そこでこの問題は大蔵大臣にお尋ねしたいのですが、先般三千億円の減税をいたすことになりました。いずれ本委員会で議員提案の法案を審議することになるわけでありますが、その際に、各党の書記長、幹事長会談で約束といいますか、合意をいたしました点は、五十三年度に不公正税制については改正を大いにやるという一項目があるわけですね。そこでその一項目があります不公正税制の是正という大きな課題、これはいままでの皆さん方の答弁にも、これまでこうしてきましたというのはありますけれども、この医師の問題については税制調査会も繰り返し言ってきておるわけでありますから、書記長、書記局長、幹事長会談の合意に基づいて、当然租税特別措置法の中の大きなテーマでありますこれについては五十三年度に改正する方向に努力する、いかがですか。
○坊国務大臣 税制を公正にしていかなければならない、これは立法上もそれから運営上も常に公正にしていかなければならないということは、私は、税制に与えられた一番大事な——むろん必要経費の金額を集めるということは大事でございますけれども、そのほかに、国民に信用してもらうためにはやはり公正であるということが一番必要なことだと思います。さような意味におきまして、いやしくも財政当局は絶えず税制の公正化ということを考えております。五十三年度にはやはり相当な程度の税制の改正ということが行われなければなるまいと私は思いますが、そのときにも、公正にやっていこうということは一番大事な目玉であろうと私は思います。そういった際に、いまおっしゃられました医師課税というようなことは、これはもう真っ先に検討していかなければならぬ問題であるということは痛感いたしております。 ただ問題は、これは御承知のとおり大変複雑なる税制でございまして、それを公正化するために今日——これは私が大蔵省へ入る前のことでございますけれども診療費課税というものは医療全体に非常に関係の深い問題であるから、そこでこの医療全体というものを十分検討して、その実相と申しますか、これをよく追求いたしまして、そしてこの診療費課税、医師に対する課税というものを公平にやっていこうということを去年の四月閣議において決定されて、その後厚生大臣のもとに何か専門家会議といったようなものをつくられて、そこで検討しておられるというふうに私は聞いております。その検討も、これは政府の閣議において決めたことでございますから、これを無視してしまうわけにもまいらない。その検討の歩みと申しますか、その経過と申しますか、そこの進捗状況といったようなものもよくこれをにらみ合わせつつ、この問題を解決すべく取り組んでまいりたい。 私は元来、この税制につきましてはどうしたって、不公正と言われておるその不公正の税制をできるだけ速やかに改定していかなければならないということを強く主張した人間でございますが、今日も私は人後に落ちぬと思っております。ほかの方々がどういうふうにお考えになっておるか知りませんけれども……。ただしかし、現実の問題といたしまして、今日大蔵省、財政当局として、これを閣議で決めたそういったようなルールも何も無視してしまって、そうしてやっていこうというようなことになると、かえって混乱を生じてしまう。この実情を見きわめながら運んでまいりたい。厚生省に対しましても私は、このことをぜひ促進してもらいたい、こういうことを申し上げておるような次第であります。ぜひ御趣旨に沿ってまいりたい。そのときはぜひよろしくお願いいたします。
○川崎(寛)委員 大蔵大臣の昭和四十九年三月六日の本委員会におけるこの問題についての御発言、私は詳細に拝見しました。大変強い意思、意見を持っておられるという点は十分に承知いたしておりますし、またいまのお言葉で私は信用いたします。 そこで、ただ、いまも大臣が言われましたように、大変複雑な状態になっている。そのことをどうほぐしていくかということが問題であろう、こう思います。 そこで、自民党内閣のこれまでの姿勢、ずっと昭和二十六年以来やってくれば長い議論になりますからそういうあれはいたしませんが、三木総理が昭和五十年三月十九日、本委員会で山田君の質問に対して答えておりますのは、「国民医療の見地から、適正な診療報酬のあり方というものを見直して、その上に立って私はこれを実行したい。むろんこれは来年度の予算編成に間に合わすことは明らかでございます。」これはもう食言なんです。明らかに食言なんです。あの人はずいぶん簡単に何でも約束をしましたから、いまさらそれを一つ一つあげつらってみてもしようがありませんけれども、ただ、五十年の三月十九日、本委員会で、来年度の予算ではやるんですと断定したのですね。それが五十一年四月の閣議決定では、いまお話しのように、これは逆戻りしちゃっている。しかも、その逆戻りが単なる逆戻りでないと私は思っているのです。これはもう大変大きなかんぬきをかけた、こう思います。本委員会における冒頭の所信表明に対して山田君が質問をしたのに対して、まあ大臣になってみたら、「薄々知らぬじゃなかったのです。知らぬじゃなかったけれども、一つの大きな前をふさぐ難関ができておったわけなんです。その難関があるのを横へ回るとか何とかというようなことではとてもやれるわけじゃない。どうしたってこの難関はできておるんですから、何とかして突破しなければならない。」こういうふうに言っておられますけれども、難関があるということをはっきり言っておられるわけですね。 そこで、今後厚生省と大蔵省の問題に入るわけでありますけれども、この昨年の四月二日の閣議決定というのは、「社会保険診療報酬課税の特例措置について、その取扱いを閣議決定したところであるが、医療問題全般とのかかわりの重要性、複雑性にかんがみ、厚生大臣のもとで医療問題に関する専門的学識経験者の意見を体系的に聴取するための具体的措置をとり、」「適切な措置を講ずるものとする。」本当にくどくど回った閣議決定をしておるわけです。その前の年の三月に三木総理は本委員会で約束をしたことなんかもうすっかり忘れてこの閣議決定をしておるわけでありますけれども、この閣議決定に基づいて、五十一年の九月に専門家会議ができましたですね。武見太郎氏が議長。そうしますと、私は大蔵省にお尋ねしたいのですが、この専門家会議の結論が出なければ税制調査会が出しておる答申すら前に進まぬ、こういうことになったのですか。
○大倉政府委員 その点は私どもはそのように考えておりませんし、厚生省にも、この閣議決定に基づきましてできました医療問題専門家会議の結論をできるだけ急いでいただきたい、その結論が非常に時間がかかるということであるならば、それはあえて結論が出るのを待たずに何らかの税制上の措置を講ぜざるを得ないかもしれないので、できるだけ急いでいただきたいということを申し上げておるのが現段階でございます。
○川崎(寛)委員 厚生省にお尋ねします。この医療問題専門家会議というのは昨年の九月発足をし、いままで四回会議をやっておるようでありますけれども、聞くところによると二年か三年かかるというふうな話です。本委員会でずっと議論しておりますように、増税を三%やるんだ、こういうふうにきておりますが、こっちはそれで進める。この問題は厚生省の方は二、三年かかるでしょう、こういうふうな話でありますけれども、いま主税局長は、しかしこれにはとらわれないというふうに答えておられる。そうしますと、厚生省として、大蔵省の税制調査会の方と厚生省の専門家会議というものとの間のクロスの仕方、議論の進め方——その前に、まず何年くらいかかるのか、こういう方向にあるかというのが一つ、それから税制調査会というか大蔵省の方との詰めの仕方というものをどう考えているのか、伺いたいと思います。
○中野説明員 お答え申し上げます。 先生のお話にございましたように、昨年九月来四回ほどの会合を持ち、現在ヒヤリングを積み重ねておるという段階でございます。もちろん最終的には税制の問題は大蔵省当局の御判断にまつべき問題でございますけれども、厚生省といたしましては、諸般の情勢にかんがみまして、この専門家会議の結論と申しますか、それをできるだけ急ぎまして御要望に沿ってまいりたい、かように考えておるわけでございます。なお、意見というふうなものをスタートのときに明確に言ったわけではございませんが、おおむね二年程度というふうな暗黙の理解はあるということを申し上げておきたいと思います。
○川崎(寛)委員 ただ、税調の方も大分トーンがダウンしておりまして、医療問題専門家会議が検討しておるので早く出してくれ、こういうことを五十二年度のこれでは言っておるわけでありますから、その点はやはりそこを見ておる、こういうことになりますね。その点は先ほどの主税局長の答弁としますとちょっとニュアンスが弱い感じがしておりますけれども、これはいずれにしましても、本委員会でもまた繰り返しやっておりますように、また大蔵大臣も大変強い意思を持っておるわけですから、ぜひ不公平をなくすという意味においても——私は、医師の技術料なりそういうものは正当にきちんとしなければならない、合理化し、近代化しなければならない、こう思います。ですから、それはそれとしてやりますと同時に、不公正な税制の典型としましてはこれを改めますために勇気が必要ではないだろうか、こういうふうに思います。大蔵大臣はその使命を担っておると思いますから、ぜひひとつ強い意思でこの難関を切り抜けるためにがんばってほしいと思うのです。 そこで私は委員長に提案をしたいと思うのです。この議論というのは本委員会でもずっとやってまいりました。あるいは、中川一郎君が大蔵次官当時、議員立法なんだから議会も、こういうふうな言い方も彼は政府側で答弁もしておるわけでありますけれども、私は、議会側もやっぱり責任がある、こう思います。先般の三千億の減税という修正の問題にしましても、国会が責任を持つという一つの形が具体的にあらわれてきておる。それが議員立法にもなるわけであります。そこで私が委員長に提案をしたいことは、税制に関する小委員会というのが本委員会にあるようでありますけれども、特に医師の優遇税制を中心としました不公正税制の是正に関する本委員会の委員会というか小委員会というか、そういうものをぜひひとつ理事会で相談をしていただいて設置をしてもらいたい。本委員会もこの問題の是正に対して国民の期待にこたえる。そして、租税特別措置法というのはそれぞれ根拠法があるわけですから、そうしますと全体の法体系の問題もあるわけですし、ただ単にいじればいいという問題でもありませんから、ぜひひと、本委員会にそうした小委員会を設置をして取り組んでいくという方向にお進めいただきますことを委員長にお願いしたいと思います。
○野田(毅)委員長代理 後刻理事会で協議をさせていただきます。
○川崎(寛)委員 終わります。
○野田(毅)委員長代理 川口大助君。
○川口委員 まず大臣にお尋ねします。 私、国会一年生でありますので、議会のルールもしきたりもよくわからぬのでありますが、しかし、大臣の本会議における答弁というのは若干お粗末でございませんか。
○坊国務大臣 一生懸命にやったつもりでございますが、御批判は十分参考といたします。
○川口委員 私も三月四日党の代表で本会議で質問の機会を与えられまして総理と大蔵大臣に質問したわけであります。ルールがわからぬと申し上げますのは、大体、質問することに決まりましたら、大蔵担当から自発的に参りまして、一体どういう内容をお尋ねになるのか、あるいはこの答弁はだれがしたらいいのかというような細かな打ち合わせがあったわけであります。私も初めてでありますからそれに自分としては懇切丁寧に自分の意思を述べたつもりであります。大蔵大臣にも二つほどお尋ねをしましたし、また、総理も答弁のしやすいように、私は七項目に分類いたしまして、項目は七つございますというふうに前段お断りしてお尋ねしたわけでありますが、大蔵大臣は、壇上へのこのこ参りまして、総理大臣と全く同じでありますとそれっきりもう帰っちゃったわけですね。これが一体いまおっしゃられるような誠意ある答弁でしょうか。
○坊国務大臣 私に、議会の答弁は、時間が大変大事な時間なんだから、できるだけ重複を避けて、そして簡単であるべしというようなことがございまして、私は、そういうことがございましたので、そこで、総理の答弁をずっとお聞きしておったのですが、これはどうも私に残された答弁は、私の聞き漏らしも無論あったと思いますけれども、余りない、かように考えましたので、そこでああいうお答えを申した、こういうことでございます。
○川口委員 そういうことがあると思いまして私はあらかじめ原稿も渡してあるわけです。十分目を通されたと思っておった。確かに若干のてにをはは本会議の質問の際には訂正をいたしましたが、内容的には変わっておらぬのであります。 特にその際、私は大蔵大臣に対して、大蔵大臣のおっしゃった言葉を引用して、たとえば私どもが大蔵大臣に予算編成前にわが党の要望を持ってまいりました際には、大蔵大臣は、どうも仕切りがなくて立ち上がった相撲のようなもので準備が万端じゃない、こういうふうにおっしゃった。また、この席では、どうも急行列車に飛び乗ったようなものだ、さっぱりどうも準備がないというふうなことをおっしゃいましたので、私はその一つを例にとりまして、本会議場で、五十二年度の予算というものはそういう状態であるので、果たして健全財政というものなり、あるいはまた税の見直しなり、高度成長から低成長に変わった、そういうものに対する配慮を十分できなかったのじゃないか、大蔵大臣どうだ、そういういとまがあったのか、こういうお尋ねと、ただいまいろいろ論議がありました医師の優遇税制について、特にあなたに私はお伺いをしておるわけであります。その点については総理からは全然お答えがなかったわけであります。 本会議というものはどうも再質問がございませんので、まあそれっきりでございましたが、その後、初めての質問の機会でありますので、この際私は、いま一度本会議における答弁について、もっとひとつ懇切にやっていただけないものかというふうに思うのであります。 特に総理は、連帯と協調ということを口にしたわけでありますから、連帯と協調の基礎は何であるかというと、お互いが理解し合うということなんです。自分の話を、自分の考えをできるだけ相手に伝える、それによって連帯と協調というものが保たれるものでありますが、どうもそういうふうに答弁を、再質問がないことをいいことにして、わざわざ壇上まで出てきて言っている発言は何かというと、同じでございますと言ってそのまま帰っちゃうわけですね。出てくるくらいであったならば、時間がなくとも一言か二言、簡単な言葉の表現で結構なんですよ、こう思います、こうでした、というくらいのことが答えられなかったのは非常に残念でありますので、いま一度お気持ちをお聞かせいただきたいと思うのであります。
○坊国務大臣 国会の審議の時間というものは非常に大事なものでございまして、もしも一言ずつでも総理とダブったら避けるべきだということを私は考えるに余りに急であったということをこの際申し上げまして、御了解を得たいと思います。
○川口委員 以後、私の意のあるところを十分おくみ取りいただきまして御答弁くださるようにお願い申し上げます。 そこで、私は税の問題に入ります前に、やはりいま国の財政というのは大変危機にあるわけです。政府ももちろんこれが打開のために努力をしているわけでありますが、われわれ議員もまた、それに、できるものは協力をして、一日も早く財政というものを軌道に乗せる努力をしなければならぬ、こういうふうに思うのであります。 そういう点から今回の五十二年度予算というものを見ますると、どうもその努力が少し足らなかったのじゃないか、こういうふうに思いますので、本会議の話は終わりましたが、改めてその点について大臣の御意向をお伺いします。
○坊国務大臣 最初引用になられましたが、実は福田内閣が成立いたしましたのはたしか十二月二十四日だったと思いますが、御承知のとおり、そういうころには本当に予算編成の列車が出発して疾走しておるときだったわけです。そのときに福田内閣が組閣をしまして、私が入った。私は、本当に率直な話が、疾走中の汽車に飛び乗ったような形で、しばらくは腰がすわらなかったということを申し上げておりました。そんなことなら大蔵大臣に就任しなければいいじゃないかというおしかりもあるいはあるかもしれませんが、そういう時期であった。そこで私は、本当に真剣に、一生懸命に、はなはだ行き届かぬ人間でございますけれども、大蔵事務当局、そうしてわが党の政調会、それから私と今日までいろいろおつき合いを願っておる専門家等と真剣に話し合いをいたしまして、そうして私の考えましたのは、この五十二年度予算においては何を眼目としてひとつやっていこうかという見当を定めまして、私はその見当を、すなわち景気の浮揚の問題、財政の健全化の問題それから日本経済というものを国際経済の中においてどう歩調をともにして世界経済に貢献していくかということに見当をつけました。そうして、私は微力ではございますけれども、全力を挙げて五十二年度の予算をつくった、こういうことでございまして、自分がいま考えてみて、それは私のやったことでございますから、あそこもこうやればよかったとかいうことはたくさんございますけれども、いずれにいたしましても全力を挙げたつもりでございます。
○川口委員 とおっしゃいますことは、とにかく大変差し迫った段階で大臣を引き受けたけれども、思ったことは一応この予算の中には全部盛り込んで編成をした、こういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。
○坊国務大臣 さように私は考えてまいったのでございます。
○川口委員 そこでお伺いするわけでありますが、この歳出の問題につきましては、いずれ財特法の審議等もございますそうですから、予算全体の分析につきましては別の機会に譲りたいと思います。 ただ、私は、やはり健全財政にするというふうになりますと、私どもの常識では入るをはかって出るを制す、こういうことに努めなければならぬと思うのであります。入るをはかるということは、これは歳入の見直しであります。出るを制すというのは、これまた歳出の見直しというふうになるわけでありますが、一体その歳入についてどれほどの見直しをしたかということが私は疑問なのであります。特に税の問題租税特別措置法の問題なども、私もここでいろいろ論議の内容もお聞きしておりまするし、また、いま医師の優遇税制の問題についてもいろいろ聞きましたが、健全財政を求めるには何か努力が足りなかったのじゃないか。どうもこんなことを言っては大変おしかりを受けるかもしれませんが、とてもじゃないが間に合わなかった、しかし、何とかつじつまを合わせたというのがこれは本音じゃないかと思うのですが、そうじゃございませんか。
○坊国務大臣 当面する日本の国の財政経済の中におきまして、私は、歳入歳出を通じましてぎりぎりの最も適切であるという予算を編成したつもりでございます。
○川口委員 私も若干地方自治体に携わってまいりました。また、小さい会社もやっております。大体、会社などでも予算をオーバーする、二十八兆円の予算に対して三十兆円の借金の残額がある、こういうふうな会社で銀行へ参りましても、これはなかなか金を貸してくれません。自治体の場合でありましても、大ざっぱに言えば、税金と交付税を足した二〇%以上をオーバーすると、これは再建団体の指定になるわけです。そういう意味から言うと、いまや大蔵大臣は国の管財人のような立場かと思うのであります。管財人の立場は、これは場合によっては情け無用ぐらいの気持ちを持たないと、なかなか財政の立て直しはできないと思うのであります。それが、先ほど来答弁を聞いておりましても、まあ大体と言ってみたり、総理と同じでありますと言ってみたり、そういうものをお聞きしますと、どれほど財政に対して真剣に取り組んでいるかという意向が、残念ながら私にはくみ取れないのであります。 私は、本会議場で医師の優遇税制について聞きましたのも、いま川崎先輩とのいろいろの質疑応答の内容でも私はわかりますが、それだけに、閣議の決定もあることでありますので、本会議であなたの意思を私は議事録に残しておきたかったんです。ところが、御答弁にならないという状態でありますので、私は大臣が本当に真剣に再建団体に取り組んだのかという点が非常に疑問でありましたがために、このようなお尋ねをしておるというふうに御理解を願いまして、今後ともひとつ特段の御精進をお願い申し上げたいと思うのであります。 それで、大変重複いたしましてなんですが、医師の優遇税についていま一度大臣に私の立場でお尋ねをいたしますので、一体決意のほどはいかなるものか、くどいようでありますが、いま一度私に対するお答えをいただきたいと思うのです。
○坊国務大臣 先ほど来お答え申し上げたとおりでございますが、御要望でございますので、それではもう一度お答え申し上げます。 医師の優遇課税と申しますか、診療報酬に対する課税の特別の措置というものは、昭和二十七年か八年、そのころに診療費というものをこれは上げなければならないという議論が起こった。それで、これはたしか吉田内閣のときだったかと思いますが、そのときに、診療報酬のベースアップはなかなか困難である、そこでひとつ税によってこれを調整しようというようなことを考えられて——これは大蔵委員会における議員立法でしたね。私はまだほんの一年生のぺいぺいのときでございましたが、それを行った。だから、そのときには、診療報酬というものは上げなければならないものを上げない、それを税によって調整をするという、そういう挙に出たわけなんですが、その後、いかにもそういったような方式による調整というものはおかしいじゃないか、二八%、七二%といったようなことを制度として決めていくというようなものはおかしいじゃないかということが一点ございます。 それから、その後、診療報酬というものを毎年毎年相当程度上げてきた。これはお医者さんの方の側から言えば、これは上げたんじゃない、スライドしたんだ、こういうお話でございますが、その都度その都度、毎年、これはどうしてもこの不公正な行き方というものは変えなければならないということを少なくとも私は主張してまいりました。だけれども、大蔵委員会におきましても国会におきましても、これはなかなかいろいろな御議論か非常に——私と同じような考えを持ってくだすっておる方もむろん与党、野党を通じておられましたけれども、それが一つの大きな潮流とはなりかねるというようなことでこれは今日まで来ておるわけでございますが、私は今日財政当局者にはからずもなっておりますけれども、私はやはりこの税制というものは変えなければならないということは常に考えておりまして、決して変心いたしておりません。 ただ問題は、この診療報酬に対する税をどう改めていくかということにつきましては、診療報酬そのものの実相といいますか、真相といいますか、これをはっきりとさせなければならない。それをはっきりさせるためには、医療全般について、医療の中における診療報酬ということでこれを検討していかなければならないということを去年の四月とか九月とかに閣議で決定をいたしまして、そしてその後、現に厚生大臣のもとに先ほど御答弁がありました審議機関、専門家の協議機関といったようなものをつくられて、そこで真剣に検討しておられる。 〔野田(毅)委員長代理退席、山下(元)委員長代理着席〕 それで、私どもといたしましては何としてもこの不公正を是正した税制を立てなければならぬと思っておりますけれども、私も政府当局者の一人であって、閣議においてそういったような機関をつくったということならば、その機関を無視して私が一人走るというようなことになると、これはもう混乱してしまうというようなこともこれありまして、ぜひともその審議会、相談会における審議というものを促進してもらいたい、こういうことを申しておるようなのが現状でございますが、どうしても不公正税制を改める、これは常に改めていかなければならないと考えておりますが、その中の最も大事な問題であろう、私はかように存じております。
○川口委員 わかりました。お気持ちはわかりましたが、結局、お気持ちがありましても行動が伴わなければこれは実施できないわけでありますから、その行動につきましても、大臣の根強いあれを私は信頼いたしたいわけであります。いろいろ困難もあり、かつまた、閣議の決定もございますので困難があると思いますが、そこはひとつ大臣の熱意と誠意で、手直しをするものはして、一日も早く期待に沿うようにしていただきたいというふうに要望申し上げます。 そこで、いま一つの経済の流れが変わりまして、総理も言っておりますが、高成長時代から低成長時代に変わるのだ、予算の組み方も変わってくるのだ、こういうふうに言っておりましたが、先日私、ここの税に対する参考人のお話をお聞きしまして、これまた一年生でありますので、大変ゆゆしく思った点があったわけでございます。それはどういうことかというと、いまの税制調査会のメンバーにはどうも憲法学者やあるいは人権を擁護する立場に立った委員が入っていないのだ、そのために、どちらというとエコノミストでありまして、経済が優先しまして、人権を守るための論議が少ないのだというお話が出たわけであります。これはやはり私はゆゆしき問題だと思うのであります。税もいわば、これはわれわれの健康にして文化的な生活を営むための一つの手だてでありまして、目的ではないのであります。したがって、目的はあくまでも国民の健康で文化的な最低生活を保障するということにあるわけでありますから、それを侵すようなことではこれはうまくないと思うのでありまして、そういう意味で、税制調査会にいまお話をされましたような委員を今度は加えるか、さもなければ、いままでの委員はどちらかというと高度成長時代に即応した委員であったから、今度低成長時代に即応するような委員の方と差しかえをなさるような、そういうお考えがないかどうか伺いたいと思います。
○大倉政府委員 先日の参考人の御意見は、私も詳細な記録を拝見いたしまして、ある参考人の方から、政府の税制調査会の御審議の中で、個別の立場の人たちからする権利擁護という姿勢が乏しいのではないかというような御批判があったと承知しておりますが、私は若干、それにおやっという感じがして、その記録を見ておりました。 審議は非公開でございますが、私としては従来の経緯でそういう印象を必ずしも持っておりませんでしたものですから、ただ外からごらんになってそのような御批判があるとすれば、それはやはり大事なことでございましょうから、適当な機会に税制調査会に、国会での御審議の模様は詳細に御報告しておりますので、参考人の方の一部からそのような御批判がございましたということは御報告するつもりでございますが、まあお立場はお立場でいろいろな御批判はもちろんあると思いますけれども、私どもは長年事務方を務めさせていただいておりまして、非常にきめ細かく個別の立場も入れての御審議が重ねられておるという印象を持っておりますので、いま直ちにこの人選が適当でないというふうには実は率直に申して考えません。 ただ、いずれにいたしましても、調査会の委員の人事は内閣人事でございます。調査会にもそういう御批判があったということは御報告いたしますし、次回の改正の機会にいろいろな従来の国会の御審議を伝えまして内閣の方で慎重な人選をしていただくというようにさせていただきたいと思います。
○川口委員 私自身も委員の皆さんの経歴等は存じ上げておりませんので、だれが適任でだれが不適任だかわからないのでありますが、ただ少なくとも一部の人とはいいながら教授と名のつくような方々からそういう御批判があるということは残念でありますから、そういう御批判のないような取り扱いをぜひお願い申し上げたいと思います。 次に大臣にお伺いしますが、よく税に関する裁判でいろいろ判例、判決の中に税に対する裁判官の意見が付されるような場合がありますが、大臣はそういうものは関心を持ってお目をお通しでございましょうか。
○坊国務大臣 まことに申しわけございませんが、余り読んでおりません。
○川口委員 私、なぜ大臣にそういうお話をしたかと申しますと、実はこれも参考人の御意見でありましたが、税制調査会の責任者である方も残念ながら判決のそういうものを読んでおらぬということであったわけであります。これは、読む読まないの是非は一応おくとしても、素朴な国民から見ると、税を担当しておる大臣が、あるいは税をいろいろお調べになる調査会の最高責任者がそういうものに無関心であったという印象は必ずしもプラスじゃないと思うのであります。大臣は別といたしましても、特に税制を専門に扱っている税制調査会がそういう裁判所の判例をよく目を通さないというふうなことはいかがなものであろうと思いますが、この点について大臣はどうお考えですか。
○坊国務大臣 税制、財政を預かっておる私にいたしましても、それから税制の調査委員の方々にいたしましても、あらゆるものについて目を通して勉強していくということが大変大事なことでございますけれども、しかし何しろ守備範囲が相当広い——これは弁解するつもりは毛頭ございません、相当広いものでございますから、全部にわたりまして広く目を通すということを要望せられましてもなかなかそこが満足にいかない。しかし大変な御注意でございますから、私は今後はそれにもよく目を通してまいりたい、かように思っております。
○川口委員 そこで、いろいろ今回提出してあります租税特別措置法についてお尋ねをいたしたいわけでありますが、この問題も質問者が大分多数でありますので、あるいは重複するような点があるかもしれませんが、私は私なりの立場でお尋ねをいたしますので、よろしくお答えを願いたいと思うのであります。 いま特別措置というのはどのぐらいありますか。
○大倉政府委員 項目の数え方がなかなかむずかしいのでありますが、私どもなりのルールを立てまして資料としてお出ししたことがある項目数で申し上げますと、総項目が、今回の政府案による改正後の姿でございますが、百八十三項目でございまして、そのうち所得税関係が四十八項目、法人税関係が九十一項目、登録免許税関係が三十三項目、その他が十一項目というように整理いたしております。
○川口委員 そのうち今回お手をつけられた、と言うと表現があれですが、改正をいたしましたのは何項目ぐらいございますか。
○大倉政府委員 先ほど申し上げましたのは改正後の姿でございまして、改正前に比べまして廃止をいたしましたものが所得税関係三、法人税関係二、その他一、計六項目、それから縮減をいたしましたものが所得税関係四、法人税関係二十七、登録免許税関係六、計三十七項目ということになっています。
○川口委員 縮減いたした項目は、一つ一つ拾うのは大変でしょうが、概括でもいいのですが、どういう考え方で、いかなる基準で縮減の金額とか率とか、そういうのをお定めになりましたか。
○大倉政府委員 これは実は、ちょっと時間をとって恐縮でございますが、五十一年度改正の方から御説明しなくてはならぬかと思いますが、従来、租税特別措置は、三十年代から四十年代の前半にかけまして産業関係、企業関係の特別措置がかなりふえてまいったことは事実でございます。四十年代の中ごろになりまして、私どもなりに、内部留保の充実とか国際競争力の強化という方面の使命はほぼ終わりつつある、今後は環境の整備とか、そういう方面に重点を移していかなくてはならぬであろう、そのためには、最近歳出で言われておりますような考え方でございますが、いわゆるスクラップ・アンド・ビルドをやったらどうか、新しいものを新しい要請に応じてつくるならば、既存のもので役目を果たしたものは逐次整理をするということにしてくれないかという方針をとりまして、約十年近くを経過いたしました。その間、全体として租税特別措置による減収額の国税総収入に占める比率を漸次縮小いたしてまいったわけでございますが、五十年度に非常に大幅の歳入欠陥に当面いたしまして、今後財政再建のためにあらゆる努力が必要になる。そのためには、世の中で不公平と言われている税制については全部洗い直しをしてかからないと、歳出面における合理化と税制面における不公平と言われるものの縮減、合理化をして、そういう努力をしながら将来ある時期で負担の増加をお願いするということで納税者の皆様の御納得を得るよりほかに方法がないではないかということで、一昨年の八月からその作業に入っていただいたわけでございます。一昨年の八月から暮れまで四カ月かけましていわゆる不公平と言われる制度を全部洗い出していただきまして、これを政策税制というものとそれ以外のものとに区分をしていただきまして、まず政策税制とされたものにつきましてできる限り段階的に縮小をしてまいりたい。 〔山下(元)委員長代理退席、保岡委員長代理着席〕 そのときに税制調査会の中では、これを一遍全部やめてしまったらどうか、あるいは一つ一つを吟味しておると、それなりに政策を大事にしておる方はそれこそが日本経済のためだと思っておられるわけだから、個別にやったのでは切りがなかろうから、全廃してしまうか一律に切ってしまうかというようなことをやったらどうだという御意見が政府税調の中でもございました。ございましたけれども、それは個別の政策に即して判断するよりいたし方ないではないか。したがって、個別の項目に即しまして、政策目的をいまの時点でつくられた当時に比べてどのように評価するか、またそれを今後どの程度縮減していくのが妥当かということで個別の吟味にゆだねるよりいたし方あるまい。しかし、これは基本的な考え方は税調答申に述べられておりますように、従来のように成長スピードが速いという時期は終わったのであるから、今後は分配の公平という角度からの要請が一層強まるだろう、したがって仮に政策目的をよしとしてもそれによって与えるフェーバーは逐次縮めていくべきだという方針をとりなさいという御指示を受けたわけでございます。それを受けまして、五十一年度には先ほど申し上げました項目よりもかなり多数の項目の縮減、合理化をやらしていただきました。量においても質においても約三分の一の縮減になったと私どもは思っておりますが、これが企業関係でございます。 それを受けまして、五十一年度が企業関係を中心にしておりましたので、五十二年度は五十一年度に手をつけなかった利子配当を取り上げる。一方で企業関係につきましては、五十一年度の大幅な整理の後でございますので、しかも五十一年度では期限の到来しないものも対象にして縮減を図りましたので、五十二年度では今回期限の到来するものを中心にして引き続き同じ思想で縮減合理化をしなさいという基準を示していただきまして、それに即して先ほど申し上げたような整理の案を御提出しているわけでございます。
○川口委員 私頭の整理をつけるために、どうもくどいようでありますが、お伺いします。 結局租税特別措置法というものは不公平であるわけですね。不公平なことはわかっていてやっているわけですね。今回不公平なものからやめるようにしたということは、不公平を承知の上にあえて実施したのが租税特別措置法じゃないかと思うのでありますが、それをいま不公平なものはやはりうまくなかった、仮に政策目的として正しいものであっても税をいじることによってそういうものをやるのは誤りであった、こういうふうに理解していいわけですか。
○大倉政府委員 そこは川口委員のお言葉ではございますが、少なくとも政府の税制調査会の多数意見はそうは考えておられない。と申しますのは、政策税制という分類をしていただいたものは、特定の政策の目的をよしとして考えて、そのために税を誘導の手段あるいは抑制の手段として使うものである。したがって、税を誘導の手段として使う場合には、特別措置を利用される方は税が軽減される。利用されない方との間に不公平が起こる。それば政策税制の一つの当然の結果である。しかし、利用する方と利用しない方の間に不公平があるからいかなる政策目的のためにせよ税を誘導のために使うなというふうには考えない。しかし政策目的がよしとしても、与える優遇の度合いは従来よりも縮めていきなさい、そういう考え方でございます。 一つの例を申し上げますと、たとえば少額貯蓄非課税制度というものがございます。お一人三百万円までの元本の利子については所得税を課さない。これは特別措置でございますが、それを利用されない方と利用される方の間では不公平が生ずることはまぎれもない事実であるけれども、やはり零細な貯蓄について利子に課税しないという手段を通じて各人にせめて三百万円ぐらいまでの貯金は持ってもらうという目的をよしとする限り、それは残すのだ。住宅取得控除というものもございます。これもやはり、ある時期に住宅が不足しておる、また新規の質のいい住宅を皆様に持ってほしい、それを間接的に奨励する、税でも優遇するということで設けられておる。そういう特定の政策目的のために税を一切使わないというところまでの判断はない。したがって、すべてやめてしまうということの結論は得ておらない。 しかし、くどくて恐縮でございますが、与える優遇の度合いというものは、いままでのようにどんどん自然増収があって、橋もかける、料金も上げない、減税もするということができた時期が終わったのだから、ある時期に増税すらお願いしなくてはいけないかもしれないのだから、減税による軽減の度合いというものはその経済情勢が許す限り段階的に、現実的に縮めていきなさいというのがいまの政府の調査会の考え方であるように理解いたしております。
○川口委員 私はいまのお話はよくわかるわけです。ただ最近不公平の問題が出ているのは、特に企業に対する特別措置じゃないかと思うのですよ。だから今回も主として企業に対する特別措置をいじっているわけですね。企業に対しても同じような考え方ですか。
○大倉政府委員 失礼いたしました。私、別に意識して企業関係を抜かしたつもりはございませんでしたが、たとえば海外投資損失準備金というのがございます。これは政策税制でございますし特別措置でございます。したがって税制の本来の立場から申せばこれはいわばよけいなつけ足しでございますけれども、やはりいまの日本の置かれた事情からいたしますれば、何らかの形で税の面でも海外投資を促進するという政策目的を捨て切るわけにはまいるまいではないか、つまり、海外投資を促進するために別途の手段もございます。現に輸銀資金を使うとか、あるいは経済協力であれば協力基金の資金を使うとかいうこともやっておりますけれども、同時にやはり投資に安定性を持たせるために税の方でも側面的に援助をするというその政策目的を捨て切るということまでにはいっておらない。しかし積立率を縮減するという形で、先ほど私が申し上げたフェーバーの度合いを縮めていくという努力はいたさねばならない。同じようなことはたとえば各種の特別償却についても申せます。公害防止特別償却というものは、それは公害防止施設をつくった方が早目に償却をできるという恩典でございますが、これまた政策税制でございまして結果的には不公平でございますが、しかしそれは公害防止のために設備をつくるということは税の面でもある程度援助していいではないかと思っている限りは全廃はしない。しかし今回御提案のように償却の率は切っていく、改正前が二分の一でございますが、今回提案いたしておりますのはこれを三分の一に縮減いたしましてフェーバーの度合いというものは縮めていく。その場合に、企業関係の特別措置についての縮減の度合いが一番きつくございまして、中小企業関係とか農林漁業関係とか生活環境関係とか、そういうものにつきましてはむしろ、そういう全体のバックグラウンドがありながらなお縮減しないでそのまま延ばしているという項目が、今回の政府案でもかなりの数に上っております。したがいまして政策全体としての物の考え方はおのずから今回の改正案でもおくみ取りいただけるのではなかろうか、そのように考えております。
○川口委員 調査会のお考えはわかりましたが、私は、主税局としてこの特別措置によって政策効果というものをどのように御判断なさっておるか、また御判断のそういう努力をしておるか、伺いたいと思います。
○大倉政府委員 これは伊藤委員でございましたかにお答えをいたしたのと重複するかもしれませんが、個別の措置につきましてその政策効果を計量的にお示しするということは非常にむずかしいものが大部分でございます。先ほど申し上げた例をそのまま使わしていただきますと、公害防止の特別償却がある、だからその施設をつくったということが言い切れるかどうか。つまり公害防止の特別償却の制度をつくった後で公害防止用の施設が何百億ふえたかという結果はわかりますけれども、それがふえたことが環境庁の規制が強まったからふえたのか、税で援助したからふえたのか、そこをきちっと割り切って御説明するということは非常にむずかしかろう。海外投資損失準備金も同様でございます。私どもの方に御要望なさる方は、この準備金を縮減されちゃうと私どもはもう海外投資をする元気がなくなっちゃいますからぜひ残してくださいとおっしゃいますけれども、さればといって、準備金があったから海外投資をしたのかなというと、それはやっぱりそうではない、現地の事情もあり、採算の問題もあり、すべての事情を勘案して投資はなさっておるはずなんで、この準備金がなくなったら海外投資はなくなってしまうというのは、それは極端に過ぎる。しかしこれあるがゆえに安心をなすって、若干のリスクを冒して投資をなさったという面もまた否定できないだろう。しかしそれが量的に、たとえば年間十億ドルの海外投資のどの部分が税のために出ていったのかということになりますと、これはちょっと自信を持ってお示しできる数字が出てこないと申し上げざるを得ないかと思うのであります。
○川口委員 私のお聞きする仕方が悪かったかと思うのですが、政策効果は必ずしもプラスの面ばかりじゃなかったのじゃないかと言いたかったわけです。いま例に出されました公害の問題につきましては、むしろ私どもは、公害という問題は原因者負担の原則があるんだ。ところがそれを税の軽減ということで補助的な立場、補助金的なもので原因者負担の原則を崩してしまったのではない・か、こういう問題があると私は思うのですよ。それから輸出の振興につきましても、それが効果があったかどうかわかりませんが、とにかくそれによって国際収支のバランスを崩しまして、場合によってはインフレの要因になっておるかもしれぬ、私はこういうマイナスの面もあると思うのですよ。ですから主税の立場、せっかくつめに灯をともしながら税を取っているわけですから、その税を軽減していくわけですから、そういう立場に立っていま私が言ったような政策効果というふうなものをお考えになったことがございませんでしょうか。
○大倉政府委員 これは川口委員のおっしゃる趣旨も私なりによくわかります。率直に申し上げますと、縮減するときには私どもは攻める立場でございますから、おっしゃるようなことを申して攻めるわけです。それで、守る側はいま私が御答弁申し上げたようなことを言って守るわけですが、いろいろな状況判断の結果、私どもとしてこの時点では最善という答えをいつも求めているわけでございまして、現在御提案している縮減の度合いなり縮減のやり方なり、これは私どもとしてもいまの時点ではここが限度であり、これが最適ではないかと考えて御提案いたしております。
○川口委員 いま攻める、守るのお話が出ましたが、私はむしろ攻めるのではなく守ってきたのではないかと思うのですよ。高度成長時代によっしゃ、よっしゃということでこれをみんな認めてしまって、主税では泣く泣くこれを実施したというふうなものではなかろうかと私は思ったわけです。 さてそこで、攻める側の立場から私はお伺いしますが、利子の分離課税です。この点につきましても、これは大体皆さん専門家でありますからわかるように、シャウプの税制改革の際も、この分離課税についてはうまくないもんだ、特に高額所得者が銀行というものを隠れみのにしながら脱税の行為につながるようなことがあるというふうに、むしろシャウプの税制改革では厳に戒めたような問題だと思います。今回これも残念ながらどうも全廃ということにはいきませんでしたが、これは五十五年度までこのまま据え置くということになっておるようですが、それでは攻める方の立場から言うと若干手ぬるいものじゃないかと思うのですが、いかがなものでしょう。
○大倉政府委員 これは野党共同のお申し入れの中でも、政府案の三五ではなくて四〇まで上げたらどうか、あるいは実施時期をもっと繰り上げたらどうかという御提案がございました。政府案は三五に引き上げかつ五十五年までは安定させるということでございますが、これは決してそこへ逃げ込むつもりではございませんけれども、税制調査会で非常に時間をかけて御議論をいただきまして、やはり現実に個人の金融資産の選択に不測の混乱をもたらすということは適当でない、しかも本件は五十年度改正で五年間といって決めてスタートしたものをその途中で直そうとしているんだから、最初に決めた五年間の残りの期間は今回の引き上げ後の姿で安定させるべきである。これは答申そのものに即してごらんいただければかなり詳しくそういう趣旨を答申しておられます。やはり私どもとしましては経済全体に与える影響や特に個人の金融資産の選択に不測の混乱をもたらすことがないようにということも大蔵省全体として考えざるを得ないわけでございまして、それらを考えました上で現在御提案いたしております三五%というものが、確かに終局的な総合課税という目標に到達する一つのステップにしかすぎない、あるいはそれがお立場からすれば微温的に過ぎるという御批判があるかもしれませんが、私どもとしては現在の状況のもとではこれが一番いいやり方ではなかろうかと思って御提案しておるわけでございます。
○川口委員 どうも時間が余りないので十分お尋ねができずに残念です。私は、これは貯蓄奨励の観点からやっておるわけでありますが、日本のような場合はこれは政策効果を測定するのは困難だと思いますが、欧米なんかに比べますと貯蓄率が高いわけです。特に社会政策がおくれておりますから、病気になった際どうする、老後はどうする、住宅を建てるのにどうする、こういうことでやはり日本は貯蓄率が相当高いわけでありますから、私はあえて貯蓄奨励という意味でこういうものを残しておくということはいかがなものかと思うのでありまして、ひとつできるだけ早く総合課税の方に移行すべきであるというふうに提言を申し上げるわけであります。 どうも時間がなくて、今度は項目別になってしまいそうでありますが、交際費の損金算入の割合、これももう一〇〇%にしてもいいんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○大倉政府委員 ただいままでの制度で企業の支出いたしております交際費の中でいわゆる大企業につきましては大体六割から七割がすでに課税対象に入っております。中小企業、一億円未満の会社につきましては大体支出額の六分の一ぐらいが課税対象になっているわけでございます。これは中小企業につきましては何と申しましても御承知の四百万円の基礎控除という部分がかなり有効に働いて結果的にその支出額に対する課税割合がかなり低いという状況であろうかと思います。 そこで共同お申し入れの中にございました一〇〇%ということをやってよろしいかどうか、これは率直に申しまして私どもに若干のためらいがございます。絶対にいけないとまで申し上げるつもりはございませんけれども、やはり交際費というものは本来は企業体として販売促進費の一つの形でございまして、経費として損金性のあるべきものであろう、ただそれを逐次課税を強化しておりますのは、使われ方がいかにも社用消費と言われるような使われ方あるいは乱費ということにつながっていまのようなことになっておる。したがって本来経費であるという考え方を捨て切らないままに一〇〇%課税するということには若干のためらいがあるということを申し上げておきたいと思います。
○川口委員 それでは話を先に進めます。どうも時間がありませんで恐縮ですが……。 いま地方財政も火の車になっているわけです。これもシャウプ税制改革の際は従来の中央集権から地方分権の方へ体制を変えるんだ、こういうことで相当地方自治体というものを一義的に考えてきたと思うのであります。ところが地方の主たる財源は住民税であり固定資産税であった、法人税、所得税は国の方であったために、高度成長によって税の形が中央に集中するような形になったと思うのです。でありますから、財政的にも中央集権という形がいやでもおうでもできちゃった。そこに私はいまの地方自治体の実態があると思うのでありますが、そういう税の配分が果たして現在妥当かどうかということが論議されると同様に、事務の国と地方とのバランス、これも果たしてこのままでいいのかどうかという問題があるわけであります。 したがって私はこの際、税の体系についてもあるいはまた事務の分量等についても、これは私自治省の方を呼ばなかったから申しわけありませんですが、ひとつ事務と税の国と地方とのバランスについて根本的に検討する余地がないかという点についてお尋ねをしたいと思います。
○大倉政府委員 実は行政事務の配分につきましては、私は全く専門家でございませんので、明確なお答えをできる立場にございませんけれども、少なくとも個人的には、一度基本的に国と地方の間、地方の中でも府県と市町村の間の再配分の問題というのをよけて通れないところまで来ているのではないか、そういう感じがしておりますが、それとあわせて、いわゆる財源配分についても新しい目で見直さなくてはならないという要請が当然ある。ただ、その場合に、川口委員の御経験からもよくおわかりいただけると思いますけれども、交付税でない方の、いわゆる固有財源はどうしても偏在の問題が出てまいりますので、偏在の問題と、どうさばくのか、それが一番むずかしいというのがただいまの私の印象でございます。
○川口委員 むずかしいことはわかるわけでありますが、そのむずかしいのをどう打開するかというのが今後の課題であると思いますので、どうぞひとつよろしく御検討願いたいと思います。 そこで、時間がありませんので項目的に若干申し上げまして、いずれ税の公平の問題につきましては、先ほど大臣からもるるお話がありましたが、やはりどうしても国民の同意を得られるような税体系、こういうものがなければならぬと思うのであります。特に、いまの税の不公平の感じというものは、国民相互間にもあります。また、個人と企業との中にもありますし、国と地方とでもあるわけであります。でありますから、この際、国の財政立て直しという見地に立って、ひとつ根本的な抜本的な税の見直しをして、国民の同意を得られるような体制を築いていただきたいと思うわけであります。 そこで、要望でありますが、夫婦の共かせぎの税金の問題であります。正直申しまして、これも担当者からるる説明を聞きましたが、私はどうしても納得ができないのであります。好きこのんで共かせぎをする人は余りないのでありまして、やはり生活に困って共かせぎをする。それに対する税の措置というのは、少し温情味が足りないのではないかというような感じがいたします。 それからいま一つは、妻に対する税の優遇の扱いであります。これはやはり夫婦一体論というのはあると思うのでありまして、内助の功というものがなければならぬわけであります。現に遺産相続等の場合においては三分の一という有利な相続の体制になっておりますが、毎年の所得税の中における控除の割合というのは、子供も全部同じ、ならしの今度は二十九万ですか、そういうかっこうでありまして、何かここでひとつ妻というものに対する措置を考えていただきたい。 次に、教育費の控除であります。これも先ほどいろいろと川崎先輩等の話がありましたが、いまや中学、高校というふうになってまいりますと、高校でありましても、もはや義務教育というようなかっこうでありますから、必要経費というふうになると思うのであります。こういうものに対する控除についてもひとつお考えを願いたい。 次に、年金に対する非課税であります。一生をすり減らすような形で働いて、細々の年金をちょうだいする、その年金にも税金がかかる、何とかならぬものかという要望がございます。 さらにまた、いま一つは、これは大変技術的にむずかしいと思いますが、個人の必要経費がもっと認められるような税の体系というものにならないものか、こういう点であります。 また、先ほど申し上げました地方を強化する地方税の新しい対策というようなものを、今後税制改正の中で十分ひとつ盛り込まれるような配慮をお願い申し上げたいと思います。 なお、さらにこれもまた一つの提言になるわけでありますが、いま土地の含み資産というものが相当なものになっていると私は思うのであります。ですから、この土地の含み資産に対する課税の均等、これも必要だと思いまするし、かつて行いました法人の超過利得に対する税の問題であります。こういう問題につきましても、ぜひひとつ御検討をお願い申し上げたいと思います。 最後に、せっかくおいでいただきましたから、自治省にお伺いしますが、軽自動車税の月割り課税の問題であります。これにつきましては市町村で若干異なりますが、大体市町村の税の徴収経費というものは二%から三%であるわけですが、この軽自動車税の月割り課税は、一割以上の徴税費がかかっておるわけであります。大型の場合は県税でありまして、これは県内における移動の場合の月割り課税をやっておらぬのでありますから、市町村の場合も、せめて市町村内における移動の場合の月割り計算はやめていただいて、それはひとつ所有者と新所有者との中で解決するような方途を講じていただくことができないものか。秋田市の例をとりますると、現在大体八千件から七千件ぐらいの件数がございますので、大変な事務負担になっておる、こういうことですので、ひとつお考えをお聞かせいただきたいと思うのです。
○吉住説明員 軽自動車税の徴税費のコストが割り高であることは、川口委員御指摘のとおりでございます。私どもといたしましては、何とかそういう徴税の簡素合理化をいたしたい、そういう観点から、実はこのたび御提案申し上げております地方税法の一部を改正する法律案の中で、御指摘のような同一市町村内における軽自動車の移動につきましては、月割り課税をいたさないという方向で御提案を申し上げておりますので、よろしく御審議を賜りたい、かように思っております。
○川口委員 終わります。
○保岡委員長代理 午後一時三十分に再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十七分休憩 ————◇————— 午後一時四十二分開議
○小渕委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 午前に引き続き質疑を続行いたします。貝沼次郎君。
○貝沼委員 私は、租税特別措置法及びその他につきまして質疑を二、三行いたいと思います。 そこで、税の問題と言えばやはり一番関心があるのは、その税制が公平になっておるか、あるいは不公平になっておるか、こういう点だと思います、一それでいろいろな調査の結果、アンケートその他出ておるものをながめましても、現在の税制に対しては非常に不公平であるという批判が高いわけでございます。こういったところから、この不公平税制をどのようにして改めるかということが、実は私ども大蔵委員に課せられた重大な問題だと思うわけでありますが、先般の予算委員会におきましても、三月九日の与野党合意のもとにあの修正が行われ、そのときにこの不公平税制の是正ということが一項目挙がっております。これにつきましては五十三年度予算でできるだけ反映をさすというふうになっておるわけでございますが、この問題について政府はどのように具体化、実現をしていこうとお考えになっておるのか、この点について大臣にまずお伺いしたいと思います。
○坊国務大臣 御指摘のとおり租税で一番大事なことは公正であるということであることはもう痛感いたしております。先般来いろいろの野党の皆さんからも御要望があって、そして合意に基づいて税制の追加減税をやるということになったのでございますが、そのときにもその点が非常に重要視されました。私どもといたしましては、そのときの御意向というものを尊重いたしまして、今後とも鋭意不公正税制を是正をしていこう、こういう覚悟でおりますが、しからば不公正税制と言われておりますこの租税特別措置につきまして、どういうところをどういうふうにこれを修正、訂正していこうかということについては、目下税制調査会を中心として熱心に検討をしていただいておる過程でございまして、いま具体的に何をどうするというところまではまいっておりませんことをひとつ御了承願いたいと思います。
○貝沼委員 税制調査会で検討した結果を待って、作業なりあるいは考え方を進めるという答弁だと思いますが、税制調査会に出す場合も、たとえば悪名高い、こうこうこういうような制度についてはどうすべきであるのか、そういう具体的なものとしては出しておりませんか、その点どうでしょうか。
○大倉政府委員 前回の委員会また本日午前中に他の委員にかなり詳しくお答えいたしましたので、できるだけ重複を避けたいと思いますけれども、世上不公平と言われておりますすべての項目をまず拾い上げていただきまして、それを政策税制という部分と政策税制以外の税制という部分に区分していただくというのが一昨年の八月以来の作業の第一段階であったわけでございまして、現在の各種の税法及び特別措置法に書いてございますもろもろの措置を、政策税制とそれ以外にどのように分けて議論が進められておるかということについては、すでに資料として当委員会に御提出申し上げてございます。したがいまして、政策税制という分類になっておりますものにつきましては今後とも、五十一年度の大幅な縮減合理化に引き続きまして、同じ思想で逐次縮減を進めてまいりたいというのが税制調査会の御指示でございますし、私どももそのように考えて今後とも努力をいたしたいと思っておりますが、五十一年度の大幅改正の際に税制調査会の方とも御相談を申し上げたわけでございますけれども、何分にも項目の数が非常に多いという点と、もう一つは、一つ一つを取り上げますと非常に技術的である、あるいはきわめて専門的であるという面がございますので、ただいまのところ税制調査会では、基本的な考え方を示すから、その考え方に基づいてたとえば五十二年度にはどの項目をどうするかということを関係省でよく意見調整をして、それで具体的な措置に移りなさい、税制調査会としては適宜その中間的な経過を聞き、あるいは最終的な政府案に至った段階での具体的な内容を聞くけれども、いまの税制調査会のメンバーが具体的な項目のそれぞれについて、これは何%であるべきだとか、あるいはこの対象機械はこうであるべきだとかいうところまで踏み込むことはむしろ適当でないというようなお扱いになりまして、五十一年度改正以降は基本的指針をお示しいただき、各年度の具体的に取り上げる項目は関係省間の意見調整をまずやって、それを中間的に報告を聞き、問題があればさらに指示を与え、そうして政府案の決定のときに具体的に報告を受けるというようなやり方に逐次変わりつつございます。ある時期までは個別の項目を一々御審議願っていたこともございますけれども、最近は改正対象の幅が広がってまいりましたものですから、具体的にはそのようなやり方でやらしていただいております。
○貝沼委員 その説明よくわかりますが、具体的な内容までは税調は一々示さないというふうになりますと、税調が基本的な考え方を示した後、事務当局としてかなり作業があると思うわけであります。したがって、税制改正を考える、要するに予算の原案をつくる段階でこれは相当議論をしていかなければならない問題だと考えます。そうすると、大体もう八月とか九月ごろから恐らく入ると思いますが、そのためには答申がやはりかなり早く出てこなければならない、こういうふうに思いますが、この税調の答申はいつごろ出るとお考えでしょうか。
○大倉政府委員 五十三年度につきましてただいま私が漠然と予想しておりますのは、本年の十月早々にただいまの委員の任期が切れますので、その段階でいわゆる中期税制について、中期的な方向についての何らかの答申をできればいただきたい。その後で、五十三年度の具体的な問題を御審議願いますのは、これは好むと好まざるにかかわらず、物理的にも新しいメンバーの税制調査会で御審議を願いまして、一番望ましいのは年内に政府案の編成を終わることでございますから、そちらから逆算いたしますれば、十二月の上旬ごろには五十三年度の、私どもの申します年度答申というものをいただかなくてはならない、そう思います。 それがまず日程でございますが、先ほど私が申し上げましたある程度の指針をいただいてと申しますのは、実はその答申をいただく段階、その時期を申していたわけではございませんで、もう年度答申の審議を開始されますときに、私どもとしては、たとえば資料としましては、今回この年度で期限切れとして延ばすのか縮めるのかやめるのか、措置をしなくてはいけない項目はこれだけございますという一覧表をお出しして、大体の方向を御議論願う、そこから関係各省とも折衝に入るということでございまして、関係各省との折衝は、項目が多いこともございますし、また逐次整理が進んできておりますので、なかなか切りにくい一番ハードコアの部分が残ってきておるということもございますし、非常に時間がかかります。五十二年度の改正で申し上げれば、もう九月ごろから私どもの局内の職員は関係省との接触を始めております。ほぼ三、四カ月を費やして毎年度の具体的な特別措置の整理、改廃の作業にたどり着くというような日程になっております。
○貝沼委員 その点はわかりました。 それから、この租税特別措置の設置とかあるいは改廃、これが問題になるわけでありますが、ただ単にこれは気に入らぬからやめようとか、あるいは気に入るから残そうとかという考えではなしに、この租税特別措置の設置あるいは廃止についてやはりきちっとした基準というものが私はあると思うわけでありますが、この点についてはどういうふうになっておりますか。
○大倉政府委員 私どもなりに税制調査会にお願いして、基準となる考え方をお示しいただいておるわけでございますが、しかし、それはしょせんはある程度抽象的な基準にならざるを得ないわけでございます。たとえば既得権化、慢性化を排除すべしということは、それは創設以来どのくらい年数がたっておるかということを考えますときの一つの抽象的基準の根元がそこにある、あるいは政策目的とそれによって結果的にもたらされる負担の不公平とのバランスを考えるときに、従来以上に負担の公平という角度を重く見るべきであるという指針をいただいておる。それは、午前中も申し上げたのでございますが、仮に政策目的として、たとえば海外投資を促進する、それを税制である程度誘導するということをよしとしても、しかし期限が来る都度その与えられる特典の幅は見直して縮減を図っていくというふうに具体的には適用をしてまいる。したがいまして、指針として与えられておりますものは、物の考え方としてはかなりはっきり与えていただいておりますけれども、それを具体的な措置のそれぞれに適用して、さて一割カットがよろしいか、あるいは五割カットができますかという問題は、これは関係省と私どもとの意見調整にいわばまずはお任せいただいて、その結果を御報告していくというようなやり方に現在はなっております。
○貝沼委員 私も何かそういう基準があるはずだと思って、ずっと前からの税制調査会の答申などをあさってみたわけでありますが、そうすると昭和四十年、四十三年度の長期答申とかこういうところでかなりはっきりと基準が示されてありました。いまお話がありましたように、政策目的自体の合理性の判定とか、あるいは政策手段としての有効性の判定、付随して生ずる弊害と特別措置の効果との比較考量とかいうような言い方であるように思いましたけれども、こういうようなつくるときの基準というものが、果たして現在の租税特別措置、措置法にあるものでもいいですけれども、こういうものが全部満足をしておるかどうか、このことは私は非常に問題だと思うわけです。つくったときはある程度満足しておっても、やはり時間がたつに従って条件というものはいろいろ変わってくるわけでありますから、そういうようなことを考えたときに、果たして現在あるものに満足しておるかどうか、この点が非常に問題だと思うわけでございます。 そういうようなところを基準にして考えるならば、これは税調にただ基本的な方向づけをしてもらって、それをながめて判断するまでもなく、事務当局そのものが一番よくデータを知っているわけですから、これはもうそろそろ見切りをつけるべきであるというような判断があるように思うわけでございますが、この点についての考えはいかがでしょう。
○大倉政府委員 私どもとしても、できる限りただいまおっしゃいましたような気持ちで、いまございますものについての洗い直しを進めてまいりたいと思っているわけでございます。 ただ、一言だけあえて申し上げますならば、関係の各省は、それぞれ自分の負わされました産業政策なり環境政策なりあるいは社会政策なりを実現していくために、税制上で何らかの措置を講じてほしいということを非常に強く要望することもこれまた事実でございます。結局、関係省と私どもとの間の、けさほどの表現をそのまま用いますれば、攻めと守りの結果が、政府全体として、ことしはこのぐらいが妥当かというところに落ちついてまいるわけでございまして、やはりいかなる政策の場合におきましても、その政策を直接担当している方は、これこそが日本経済を救う決め手であると思い込んでやってこられるわけでございますから、そこを、そう言うな、もう長いことやっているではないかということを毎年毎年私どもの間でまじめな議論を繰り返しながら、毎年度の改正にたどり着くという経過をたどるわけでございます。
○貝沼委員 それから、この租税特別措置法の第一条には「当分の間」、こういうふうに非常に漠然とした期間というものが定められておるわけでありますが、「当分の間」というのはいつのことを言うのでしょうか。租税特別措置法ができてからずっと続いておるのもあれば、すぐなくなるのもあれば、これはすべて「当分の間」、その言葉だけで行われておるわけでありますが、これについての考え方はございますか。
○大倉政府委員 これは、むしろ直接には法制局がお答えすべき問題であるのかもしれませんが、基本的な考え方としましては、やはり各税法を、いわば通常、私どもは本法と申しますが、本法に取り入れてしかるべしという判断が熟するまでの間、当分の間の措置として本法と別の法体系で特別の措置を規定していくもの、それらをばらばらの措置法でなくて、一つの特別措置法という一本の法律にまとめておいた方が制度全体を理解する上に役に立つのではないか、そういう趣旨から特別措置法という名前の一つの法律をつくり、その中に、当分の間、特別措置法に盛られているものを本法の特例とするという仕組みをつくられた。その中での各条文につきましては、全体が当分の間という性質であるということを受けて、さらに、でき得べくんば各条項ごとに適用期限をつけていく、したがって、本来的な考え方としては、適用期限を付したものは、適用期限が到来すればまず一遍やめる、その上で新しい角度から見直すべきとしておられる制度であるように思います。ただ現実には、適用期限を企業関係は大体二年間というルールで決めるように各省の協力をお願いしておりますので、ある場合にはそれがかえってあだとなりまして、二年ではなかなかやめられないというので、期限が短いがために、かえって何度か更新されてしまうという弊害も一般的に言うとないではないなというのも率直な感じではございますが、さればといって、いま適用期限を一律に延ばすというのは、やはり具体的措置の縮減合理化を図る上では、かえってマイナス効果しかございませんので、なおここしばらくは、企業関係は二年、農林関係などは五年というような適用期限を付した上で、期限が到来いたします都度見直す機会を持つということで私どもの作業をやらしていただいたらどうか、そのように考えております。つまり、法律全体としては、当分の間の特例を集大成した一つの法律である、その中の個々の条項については、できる限り適用期限を付するというような仕組みになっておるように理解いたします。
○貝沼委員 それから各租税特別措置、おのおの政策目的なり、それをやらなければならない目的というものがあるはずでありますが、そのものによっては、はっきりと目的がわかりづらいようなものが実はあるわけですね。たとえば特別償却なんというのは何が目的になっているのかはっきりわかりませんけれども、こういうような目的というものがはっきり定まっていないと、検討するときに非常にややこしいんじゃないかと思うわけですが、この点はいかがでしょうか。
○大倉政府委員 そこは、実はお言葉ではございますが、特別償却は現行の法制では目的がかなりはっきりと書かれている部分ではなかろうかという気がいたします。 一時ございまして、私どもいろいろ議論をしてやっと廃止をいたしました合理化機械の特別償却という制度がございましたけれども、現在はもうそれはございませんで、現在の特別償却は、やはり公害防止用施設でございますとか、あるいは備蓄用でございますとか、特別償却、割り増し償却すべてを含めまして、それなりにいまの法律、政令、省令、告示というもので御判断いただきますと、かなり、何のための設備を相手にしておるかということは、個別、具体的に規定をしていくという制度になっているように私としては実は考えております。非常に一般的に、設備を更新して力をつけてほしいというような制度としてできておりますのは、むしろ中小企業者の機械の特別償却、これは非常に一般的な決め方をしておりまして、個別の要件もほとんどございません。きわめて一般的な軽減でございますが、その他の特別償却は、ちょっとお言葉を返すようで申しわけございませんが、いまのシステムではかなり具体的に、何をねらっておるのかということはわかるようになっているんではないかと考えております。
○貝沼委員 この租税特別措置を検討する場合に、先ほどから、目的なりあるいは既得権化、慢性化といった問題を判断しながらやらなければならぬということでありますが、たとえば自動車の排出ガス規制の問題であります。これは今回も出ておりますが、昭和五十三年度の自動車排出ガス規制適合車の早期普及を図るため同規制に基づく運輸省令において定められる保安基準に適合する乗用自動車の物品税について、その課税標準を昭和五十二年度において一台につき二万円減額、それから五十三年四月一日から八月三十一日までの間においては一台につき一万円ということだと思いますが、こういうような租税特別措置は私は非常に疑問に思っておるわけであります。この問題は、当初五十一年というものが目標であったのが五十三年まで来たわけでありますが、このこと自体にまず疑問がある。この点はどうしてこういうふうに延びたのでしょうか。
○大倉政府委員 規制そのものが当初一般に期待されていたのよりも少し遅くなってしまったのではないかという点につきましては、申しわけございませんが、ちょっと私、お答えできる自信がございません。環境庁からお答えをすべき問題であろうかと思いますが、税制でこれを受けとめます場合には、五十一年度規制車につきましてかなりの優遇措置が物品税、また地方税の方で講ぜられたということは御指摘のとおりでございます。今回は、俗に最終規制と言われております五十三年度規制がいよいよ実施に移される。ただ私どもは、私どもだけの立場から申せば、いわば従来になかったような新しい規制が実質的に始まった、五十年度はともかくとして、五十一年度にさらにきつい規制が一般的に始まった、そのときに、規制適合車しか生産できないという時期よりも前に規制適合車を売り始めるという努力に対しては税制上も援助をしていいではないかということで踏み切りをして、かなりの優遇を与えることで法案を通過させていただいたわけでございます。 今回の最終規制というのは、もはやこれが最終規制であるから、その規制開始の時点以後は、それに合格しない車は一切つくれないのだから、なおかつここでもう一遍恩典を与えるという必然性がどの程度あるかということをずいぶん議論いたしたわけでございますが、やはり環境政策として、最終規制を完全に行う、そのためには規制車しかつくれないといういわゆるリードタイム終了の前に規制に適合する車を早くつくって消費者に提供するということについてはそれなりの恩典を与えてほしい、いままでほどの大きな恩典でなくてもいいけれども、やはり政府としてもこれを支援するという立場だけは崩さないでほしいという環境庁からの強い御要請がございまして、結果的に、先ほどおっしゃいましたような恩典を今回の改正案に盛り込んでございます。 ただ、その恩典の幅は、従来の課税標準で四分の一、ある時期を経た後八分の一というものに比べますと、今回は課税標準から二万円という定額を引くだけ、後の時期では一万円を引くだけでございますから、実際の通常の大きさの車の場合で計算をしてみますと、従来の恩典に比べますと、恩典の幅が大体八分の一ぐらいに圧縮されておるというふうに考えておりますので、まあ政策目的を全く否定し去らないという限りにおいて恩典の幅は極力縮減するという全体の考え方には一応乗せたつもりでございます。
○貝沼委員 それなんですけれども、要するに五十三年の四月から五十三年規制の車、それにどうしても間に合わない分について八月三十一日、それから、それ以降においては従来の物品税、四月以前に今度は五十二年度中にそういう低公害車といいますか、モデルチェンジをやった車ができた、それを売り出した、こういう場合は、公害対策上非常に有効であるから物品税をまけましょう、こういうことですね。その前半においては二万円、後半においては一万円というふうになっておるわけですが、この物品税をまけるということは、結局それだけ値段が安くなればユーザーに幾らかメリットがあるということですが、物品税をまけるということと値段ということは、どうしなければならないという取り決めは何もないわけですね。したがって、物品税を安くしたからそのまますぐ自動車が売れるということには、私はなるかどうかわからないと思うわけです。それがそのまま普及につながるかどうかということは、売れるか売れないかということであって、つくった、つくらないということではないと思うのですね。したがって、こういうようなことを考えたときに、果たして物品税二万円あるいは一万円安くすることが、適合の自動車の普及に対してそれほど効果があるのかどうかということですね。 そこで、ひとつ伺っておきたいのですけれども、たとえばいま八分の一になったわけですから、ざっと計算して百万円ぐらいの車で三千円ぐらいと言われておりますから、前の制度でいきますと二万三千円程度と言われておりますが、そういうような優遇をした場合、果たしてこれが政策の目標に対してどれだけの効果があったのか、この点についてお伺いします。
○水野説明員 確かに先生のお話のように、二万円なり三千円なり物品税が軽減になった場合に、その車が直ちにその金額だけまかるという制度的な保証はないわけでございますが、その規制適合しない車に比べましてそれだけ安く売れるということは、販売上やはり相当なメリットとして働くわけでございますから、車をお買いになる方に対して、販売政策に当たりましては相当な効果があると私どもは聞いておるわけでございます。昭和五十一年度規制に際しましての先ほどの四分の一、前回四分の一軽減を実施したわけでございますが、その後の車の販売状況を見てまいりますと、五十年度、五十一年度の八月の期間、猶予期間中までにおきましては、規制適合車の販売割合がかなり高くなっておるわけでございまして、最終的な五十一年八月ごろになりますと、七〇%以上のものが適合車の方が売れる。その分だけはいろいろな技術的な適合措置のために価格が高くなっている、あるいは燃料の消費も多くなっている車ではございますが、販売の割合としては七割、八割という相当高い割合で売れておる、こういうところからいたしますと、やはりそれなりの効果はかなりあったのではないかと私ども考えておるわけでございます。
○貝沼委員 これは私は必ずしもそれだけによらないのじゃないかという感じがするわけですね。というのは、オイルショックがありまして、それからガソリンが非常に高くなって、そういった面もあって買った人が多いと思いますが、この場合は、たとえば先ほど申し上げましたように大体どれだけのユーザーに対するめんどうを見ておるかというと、ざっと計算して二万三千円ぐらい、これはかなり出す方としてはこたえるのですね。ところが、今度は三千円でしょう。先ほど八分の一と言っていますから三千円。百万円の自動車一台に対して三千円の恩典がある。それで自動車がばっと売れていくという保証というのはあるのですか。どうなんですか。
○水野説明員 確かに今回の措置といたしましては、課税標準が二万円の軽減でございますから、税額としては三千円程度でございます。しかし、各メーカーといたしましては、これを一台、一台出すというわけではございませんで、やはり一万台なり十万台出す。こういう適合車をそれだけ出せばそれだけ物品税の軽減の額は大きくなるわけでございまして、全体としての車種として、これを出せばこの程度の販売政策がとれる、これによって他社に対抗できるとか、ほかの規制に適合しない車に対してこれだけの競争力を持てるという、全体として恐らく販売政策を組み立てることと思われますので、一台ごとの金額といたしましてはその程度ということではございますが、全体としてはやはり私どもそれなりの適合車普及のための効果はあるものと考えておるわけでございます。
○貝沼委員 そうですが。私は自動車を自分で月賦を払っていますからわかるのですけれども、要するに会社がどんなに得しようと、買う人は関係ないのです。買う人は、自分がどれだけ安い車が買えるかどうかということなんですね。いまの話ですと三千円なんですね。三千円安くしてくれるからこれは買った方が得だと思ってユーザーがそんなに飛びつくかということですね。これは買う人がいなければ普及はしないわけですね。会社がどんなに宣伝しようが、どんなにいい車だと言おうと、つくろうと、買う人がいなければ普及はしないわけでありますから、だから会社全体として一台三千円でも大きな金額になるということは、余り意味がないのじゃないかと思うのですね。この点いかがですか。
○大倉政府委員 物品税に即して御判断いただきますと、貝沼委員のおっしゃるような角度からの御批判は確かにあろうと思います。ただ、同時に地方税で自動車取得税でも同様の措置をいたしておりますので、いわばユーザーに直接響くと申しますか、その分野は取得税、それからメーカーにやる気を起こさせるというところは物品税というような組み合わせで考えたらどうかというのが今回の御提案の一つの考え方ではございます。
○貝沼委員 この法律の政策目的、これが普及にあるわけですね。ですから、いま局長がおっしゃいましたように、メーカーがやる気があるとかないとかということは、ここには別にないのですね。それから、やる気があろうがなかろうが、これは期限が来たら全部そうならなければならぬわけであります。ただ、この法律の目的というのは、そのやる気があるとかないとかにかかわらず、できるだけ早くそういう低公害の車が出回るようにしたいというのが念願なんですね。そういうようなところから考えると、私はこの法律で求めておる、ような普及効果というものはさほど期待できないのじゃないか。ゼロと言っては言い過ぎでしょうけれども、恐らくほとんど関係ないのではないかと思うわけであります。そうなってくると、この法律というものは、これだけ税制の公平を阻害し、しかも悪評高い租税特別措置の名のもとにやるということはいかがなものか、こう思っているわけですね。そんなに無理をしてまでつくらなければならない法律ではないのではないか。もっとすんなりとやる方法、税制によらずほかの政策をもってやる方法は、幾らでもあるのではないか、こう考えるわけでありますが、この点はいかがでしょうか。
○大倉政府委員 確かに政策効果と比べた場合に、ただいま御提案しております物品税だけの部分で一〇〇%期待できるだろうかという点についての御批判は十分拝聴いたします。ただ、政策目的は、やはりおっしゃいますように、ある時期まで来ればもう適合車しかつくってはいけない、その場合に、その時期までじっと待たないで、できるだけ早くつくって消費者にそれを使ってもらう、そういう意味で私、やる気という表現を使ったわけでございますが、メーカーにそういう気を起こしてもらうというための手段としてどうであろうか。非常に効果があるためには、実は一台二万円ではなくて、従来のように課税標準の四分の一というようなものの方が効果が出るという考え方もあるかもしれませんが、そこはやはり特別措置によるフェーバーはできる限り縮めていきたいというもう一つの要請との間で、どこかで接点を求めたいという気持ちで、このような案になったわけでございまして、ひとつ私どもの置かれております立場もぜひ御理解いただきたい、そのように思います。
○貝沼委員 それから、今度はその期限が来まして、また業界なりその立場の方から、やはりちょっと無理だからもうちょっと延ばしてくれとか、そういうようなことはないとはどうも断定できないのですけれども、私はあってはならないと思いますが、そういうときに対する態度は固まっておりますか。
○水野説明員 現在の規制措置は五十三年規制、NOxでございますと〇・二五グラム、これが最終規制値であるというふうな内容になっておるわけでございます。これに対しますところの各メーカーの対応措置といたしましては、現在までのいろんな研究結果によりますとまずまず対応できるんじゃないかというふうな全体としての空気でございます。でございましたらもう優遇措置も必要ないんじゃないかというようなお話もあり得るわけでございますが、その規制の開始前にできるだけ早く普及していただくという意味で優遇措置を講ずるわけでございますが、規制そのものに対する対応体制はほぼ達成できるようなふうに私ども聞いておりますので、そういう御要望が出てくるということ自体まず余りないのではないかと私ども考えておるわけでございます。
○貝沼委員 大臣、こういうように一つ一つ細かく見ると、これが果たして租税特別措置として必要不可欠のものである、こういうことが言えるかどうかというのが実はまだまだあるわけですね。それで私は、初めにこの租税特別措置の洗い直しという問題はもう一つ一つ厳格に、しかも事務当局が詳しいデータを持っているわけでありますから、ただ答申に頼るだけでなく、もちろん答申の意見は尊重しなければなりませんけれども、もっと勇断をもってこれをやらなければ、これからの税制を進めていく上で非常に弊害になるのじゃないか。ことに徴税に関しては税金の不公平感というものが非常に阻害するわけでありますから、こういう点でひとつよく洗い直しの検討をしていただきたい、こういうことでございます。ちょっとお考えをお願いします。
○坊国務大臣 御指摘の点非常に重大な点と思います。租税特別措置と税制の公正の接点を求めるということが非常に大事なことでございますので、御指摘の点等に対しましてはよく頭に入れまして今後やっていきたい、かように思います。
○貝沼委員 それからもう一点お尋ねしておきたいと思います。 それは貸倒引当金、この要綱の中にも出ておりました。本来これは法人税でございますが、この金融保険業の貸倒引当金については繰入率を千分の八から千分の五に引き下げるという改正が今度あるようでありますが、都市銀行の貸し出し残高に対する実際の貸し倒れ残高の割合、こういうものは一体どれぐらいになっておるのか、この点についていかがですか。
○大倉政府委員 都市銀行につきましては、全国銀行財務諸表分析の数字によりますと、五十年度下期の貸出金総額が五十二兆六千二百八十五億円でございまして、これに対して貸倒引当金を七千五百九十億円、これは期末で持っております。この間の貸し金償却額は十五億円でございまして、貸倒引当金に対します比率は千分の〇.〇三ということになっています。
○貝沼委員 千分の〇・〇三という数字でございますけれども、実際こういう法律の上では非常に高い率になっているわけですね。 そこで、国税庁が二月五日に発表した五十一年九月期の決算で、大法人では六カ月決算、一年決算ともに金融業が上位を占めておるわけであります。これはもう御存じのとおりいろいろなデータで出ておるわけであります。それで、金融保険業の貸倒引当金を甘く見るということは、ある程度これは必要かもしれませんけれども、しかし余りにも実態とかけ離れておる。こういうことは非常に疑問が残るところでありますから、こういうところに対してはもっと厳しい実情に即した対策をとるべきではないかと考えるわけでありますが、この点はいかがでしょうか。
○大倉政府委員 この点は、貸倒引当金は、制度といたしましては政策税制以外の税制という分類に入れながら、なおかつ法令上の繰入率が実情に比して緩きに過ぎると思われる部分は引き続き圧縮に努めるべきである、そういう立場から、四十七年以来ずっと縮減を続けてまいっておりまして、大体四十七年の千分の十五に比べますと今回改正を予定しております千分の五というのは三分の一まで圧縮してきたということになるわけでございます。方向としてはおっしゃるような方向で私どもも努力をしてまいったつもりでございますが、なおそのスピードがもっと速くならないかとか、あるいはもっと最終のゴールを引き下げるべきではないかという御意見があることは重々承知いたしております。 ただそこで一点申し上げておきたいのは、今国会で当委員会で村山委員からも御指摘がございましたが、貸し倒れの実績というものについてどう考えるかという点が、だんだん繰入率を下げてまいりますと、いよいよ現実の問題として出てまいろうかと思います。先ほど申し上げましたように実際に貸し倒れとして償却しております金額は非常にわずかでございますが、それはやはりよきにつけあしきにつけ金融機関は取引先をなるべく倒してしまいたくない、何とか手当てをしてつぶさずに持っていきたいということがございまして、それは国税庁が税務上これはどうにも取りようがないから償却してよろしいという判断になったものが償却額として現実に出てきておる。私がこういう場所でそういうことを申し上げるのは非常に影響があり得るのでいままで抽象的にしか申し上げていないわけでございますけれども、やはりここ一、二年の実情を見ますと、本当のところは貸し金の中身にかなり問題が出てきつつある、そのように思います。それを銀行検査のときにどこまでいわゆる分類資産として整理して銀行を指導していくかという問題とあわせまして実績というものをどう判断していくかという問題が一つあるようには思いますので、その点は、村山委員にお答えいたしましたのは、たとえば銀行検査で第四分類としているような貸し金は、これは貸し倒れ実績に計上すべきものにほぼ等しいものと考えて実績率を比べてみたらどうなるかとか、ここから先はかなりきめ細かい吟味を加えてみませんと、これは実際に相手が本当に破産してしまったから取りようがないというものだけが償却額として出ておるという、そこだけで問題すべてを判断してよいかどうか、その点が現実の問題としてここから先には出てくるであろうということだけは一言申し添えておきたいと思います。
○貝沼委員 時間がないようでありますから、預金保険制度もあるわけでありますし、余りにも率が離れ過ぎておる。千分の〇・〇三と千分の五とか八とかという数字でありますから、これは余りにも離れ過ぎておる。そこで指摘をしたわけでございます。 最後に一問だけお尋ねしておきたいと思いますが、交際費の問題であります。 交際費がもう二兆円を超えたということは国税庁の調査でもはっきりしておるわけでありますが、この交際費については非常に内容について問題があり、どうしてもこれを強化しなければならないというのが社会的な要請であります。先般の国税庁の国税局調査課の試算によりましても使途不明金の中に交際費というのがかなり占めてきておる、こういったところからこの交際費課税に対して当局はどう考えておるのか、さらにこの交際費のやり方について諸外国におきましては、たとえば英国であるとかあるいはドイツであるとかアメリカであるとかというようなところではかなり細かい点に至るまで取り決めをしておるわけでありますけれども、日本の場合こういうものに対してどういうお考えをお持ちなのか、これについてお答えを願いたいと思います。
○大倉政府委員 交際費課税を法律上どのように強化してきておるかということば貝沼委員よく御承知のとおりでございますので繰り返しませんが、税法上でこのように本来経費として認めてもいいものを、ある程度を超えれば経費性を否認して課税してしまうという制度を持っているのは日本だけでございます。それは日本の場合に何と申しましてもほかの国よりもより多くいわゆる社用消費というような実態があって、それが社会の批判を招いているということからゆえんするものであろうと思います。 ただ、私もある期間外国に勤務いたしておりましたけれども、まことにいいことではないと思いますが、外国の企業がだんだん日本の企業のまねを始めて、同じようなことを始めておるということもございまして、各国でも交際費課税についてかなり神経質になりつつあるという点もまた疑い得ないようには思いますけれども、少なくともいまの税法上の制度としましては、各国とも企業が自分の営業を遂行するために支出したものがちゃんと立証できればそれは経費として認めるのだという、仕組みはそうなっております。問題は実行上どのような立証を求め、どのような認定をしておるかということになるわけであろうかと思いますが、なお必要がございますれば国税庁からわが国での実態につきましてはお答えをいたしたいと思います。
○山橋政府委員 お答えいたします。 ただいまのお話の中にいわゆる企業使途不明金、この中には交際費に相当する部分が相当あるというお話でございますけれども、確かに企業の調査を行っている段階でいわゆる使途不明金というものが発見されるということは事実でございます。使途不明金とはその字のとおりでございまして、その企業がその使途をどうしても明らかにしない、またわれわれの調査でもどうしてもそれを明らかにできなかった、こういうものでございまして、税務上はやむを得ずその支出を損金と認めずに当該企業に対して法人税を課するということにしているものでございます。このような支出というものは好ましいものでないというふうに考えておるわけでございまして、従来から企業に対する調査に当たりまして根強い説得あるいはその調査の徹底という方法によりましてその解明に努めておるわけでございますけれども、今後ともその努力をさらに続けてまいりたい。しかしながらこの問題の解明につきましては企業側の協力というものもまた非常に必要であるということも事実でございます。
○貝沼委員 終わります。
○小渕委員長 只松祐治君。
○只松委員 私はこの前から大蔵当委員会の運営、あり方についていろいろ申し上げました。この前、大臣からも率直なお言葉があったわけでございますが、さっきも始まる前に見せましたように、これは記者の取材方法もあるのでしょうが、参議院ではずばりとした答弁が出ておる、当衆議院の大蔵委員会においてはどうも抽象的な言葉で、前向きの答弁が出ない、こういう傾向が私は見受けられると思います。きょうはそういう点については深く触れませんが、ぜひひとつ率直な答弁、抽象的、形式的な答弁は結構でございますから、率直な答弁、しかも、お互いここまで与野党伯仲した段階でございますから、腹を割った具体的な前向きな答弁をひとつお願いしたいと思います。 そこでまず私は最初に、最も具体的な問題をきょうはお聞きをしたい。 いま新憲法下に、男女平等ということになりました。とかくまだ男の方が強くて男性が封建的である、女性の方が弱いのじゃないか、こういう意見が横行といいますか、言われがちでございますが、大臣は男女平等は必要なもので正しいものである、こういうふうにお考えになりますか。いかがです。
○坊国務大臣 さように考えます。
○只松委員 そういたしますと、当然に男女に法律は平等にこれまた施行されなければならない、当然にこれは税法も男女は平等に施行されなければならないと思いますが、そうお思いになりますか。
○坊国務大臣 男女によりまして社会的にやっている仕事というものについては、これはおのずから分野がございまして、それでそれぞれが適当であるという方面で活躍するという意味におきまして、これは私はおのずからその意味において変わっておるということは認めなければなりません。しかしそれに対しまして、それだからといって不公平に扱っていくというようなことは、それとこれとは全く別でございまして、公平、公正に扱っていかなければならない、かように考えます。
○只松委員 いや、ずばりと私が申しましたように、男女は法のもとに平等であるべきだと思いますが、大臣はどうお思いになりますかということです。抽象的な言葉や言いわけは結構でございます。
○坊国務大臣 法はあらゆる人間に対して平等であるということが、これは原則であります。
○只松委員 当然だと思います。これは民主国家、近代国家においては男女は法のもとに平等だし、いずれにも平等に課さなければならない。ところがこの税法の中において、男女不平等なものがあるわけです。これがいままで一回も国会において論議をされない、あるいは不平等のまま放置されておる、こういうものがあることを御存じでございますか、どうですか。
○大倉政府委員 従来、国会での御議論では、税に関してお話が出ましたのはむしろ女の方の地位を男の方と同じにすべきである。妻の座の確保、あるいは夫婦の扱いの平等というふうな御議論が非常に多かったというふうに理解いたしておりますが、ただいまの只松委員の御指摘は、恐らく現在の所得税法の中で女であるか男であるかということで区別されているものが一つあるではないか。寡婦控除は一体どう考えておるのだということではないかと思いますが……。
○只松委員 聞かぬ先まで答えられては困るのですが、そういうふうにいま問わず語りにおっしゃいましたけれども、私もいままで家庭内職の問題、いろいろ御婦人の立場の平等についてたびたび論じてきました。それは当然でございますが、いま言われましたように、寡婦という問題はいわゆる未亡人あるいは女だけの問題ではない。男の場合も寡夫、男やもめというのはたくさんいるわけです。当然に法のもとにおいて平等で、女の寡婦控除というものがあれば男の寡夫控除というものがあるのは当然です。ところがこれがないというのは男が逆に差別されておる、こういうことになると思うのですが、大臣どうですか。
○坊国務大臣 大変むずかしい問題です。未亡人に対して寡婦控除があって、男やもめに対しては控除がない、これはおかしいじゃないか、こういう御意見ですね。それは私は非常に不公平に扱うということでなしに、世の中で労働をやって生活をしていくということについては、先ほど最初に私が申し上げましたとおり、女性よりも男性の方が、頭は別にどうと言うておりませんが、体力が非常に労働に強いというようなことから考えますと、御主人を失った女性に対しましては、やはり女性も食べていかなければなりませんが、働かねばならないというような場合に、未亡人なるがゆえにこの控除をする必要が、あるいは男やもめよりは必要性が多いんじゃないかというようなことが考えられて、そして現行の制度が行われておるのじゃないか、これは単なる私の考えに過ぎませんけれども、ここらのところにつきましては専門家からお答えをさせていただきたいと思います。
○只松委員 それも大変御認識の違いといいますか誤りでありまして、たまたま私はこの問題を、私の友人が病院に入っておりましたので見舞いに行きましてこういう話を実はしたのですが、それには実はちょうどいい手紙が来ている。これを見たらどうだというのです。これはある新聞社の方が私のところの県会議員にあてた手紙です。これはプライバシーにわたりますから必要な面だけ読みます。「〇〇君の抱えている最大の問題点は、現在妻君は別居しており」中略「炊事、洗たく、掃除はお手伝いを雇って近所のおばあちゃんがやっていますが、子供たちにとって母親が別居しているという事実は穏やかではありません。」ここにありますように、くつ下と女性は強いと言われて、女性の別居なり蒸発というのは非常に多い。後に数字その他列挙いたしますけれども、そういう事態を考えると、女性も職場で働くようになった。これは当然のことです。そうしてまいりますと、別居というのは、これは新聞や週刊誌によりますと、大蔵官僚は余りにも徹夜が多くて、大蔵官僚の中の離婚が多い、こういうことも盛んに書かれておりますね。こういうことを考えましても、法のもとに男女平等であるならば、こういう社会の実態に即応する法というものも改めていく、あるいは前進させていくということは当然だと思うのです。 そこで寡婦あるいは寡夫がどのくらいあるかといいますと、詳細に各年齢別にいくと大変時間がかかりますが、男性で五十九歳までで十九万九千三百人が死別、離別で三十一万三千二百人、六十四歳までとりますと死別が三十万六千五百人、離別で三十四万一千九百人、総計いたしまして男子の死別百六万九千三百人、それから離別が三十八万四千四百人、これだけあるわけであります。これは昭和五十年度の国勢調査からの推計です。相当膨大なものです。女性の場合はもっと多くて、死別が五百五十一万六千七百人、離別が九十一万二千八百人、これだけあるわけです。その中で寡婦控除対象者というのはぐっと低くなってくるわけですが、とにかく男子の方が再婚する率が多いといいますか、いろいろなことで少なくはなってきております。しかしなおかつやはり百五十万近い死別、離別者、男やもめというのがある。そしてさっき私がほんの一例を読み上げましたように、家庭内に女の人がいなくなると、お手伝いさんを雇ったりなにしたり大変な目に遭うし、大変な費用がかかっておるということは、私が言わぬでも、御想像だけでもおわかりだと思う。そういうことになれば、物事が平等ならば、男にも寡婦控除というものが適用される、これは当然だと思うわけでございます。そういう実態の中で寡婦控除が一体どのくらい適用されておるか、ひとつ当局からまず御説明をいただきたい。
○大倉政府委員 これは五十二年度予算ベースでございますが、現行法によります寡婦控除の控除対象人員は三十八万人というように推計いたしております。
○只松委員 三十八万人で、寡婦控除の金額、階層別も私は大体いただいておりますが、およそ金額は幾らになりますか。
○大倉政府委員 三十八万人を基礎にいたしまして一人当たり控除額を掛け合わせまして、さらに上積み税率を推定いたしますと、減収額としては百二十億円程度ではないかという推計をいたしております。
○只松委員 約六百四十万人からの中で寡婦控除適用者が三十八万人、そして金額にして百二十億円。男性の場合は全体で百四十万人前後でございます。ただ男性の場合は働いている人が多いだろうと思いますので、女性の場合はこれは寡婦控除適用者が一七・九%、これに相当するわけです。男性は大体どのくらいあるとお考えになりますか。
○大倉政府委員 実は先ほど来御指摘の御数字は国勢調査の方から正確におとりいただいた数字だと承知いたしましたが、この方々が一体課税最低限の上下にどう分布しているだろうかということは申しわけございませんがちょっといままで調べたことはございませんので、少し時間をいただきましてある程度のサンプル調査でもいたしてみたいと思います。女の方の場合よりは課税最低限の上におられる方の比率がかなり多いのであろうということは申せるように思いますが、どの程度かというのはちょっと時間をいただきまして何らかの方法で調べてみたいと思います。
○只松委員 これも国勢調査の死別者、離別者の人口配分から見まして私は適用者が大体三〇%前後ではないかと思います。女性で一七・九%、二〇%足らずですから倍までいっても三〇%前後だと思います。私はこれをたまたま試算してみてくれないかということであなたたちの方に試算をしてもらったのです。これは五〇%で試算された。五〇%で試算してきた場合に三十三万人ぐらいになるわけですね。一人当たり二十三万円、その場合減収額が百十億円、こういう形になる。私はしかし五〇%ない、大体三〇%前後だと思う。ぐっと下がってきますよ。したがって金額にしても私はそれほどのことではないと思うのです。いま一銭でも欲しい大蔵当局としてはこういう減収になるものを現段階であえてするということはなかなか容易でないだろうと思いますけれども、私は税の一般論でも多少やりますがこういうふうに明確に、これはたまたま男性——先ほど男が少し強くないかと大臣おっしゃったけれども、強いと思われている面の男性に対する不公平であるからこれだけ明確にあってもいまみたいな答弁に終始される。これが弱くは決してないと思いますが、弱いと言われている女性の場合にこれだけ明確な不公平な税制があれば大きな社会問題になってくる。しかし決して私はいま男性は必ずしも強くなくて、さっき読み上げましたように離別されたりあるいは別居されたり蒸発されたりしておる家庭の男性というのは非常に困っている。当然に私は寡婦控除を適用すべきだ、こういうふうに思います。 その前に世界で大体寡婦控除を適用してない国があるかどうか、どうです大臣。これはよっぽど特殊の国を除いて全部しておるのですから、ありますか、どうです。
○大倉政府委員 お話が私どもの担当者の方にございましてから急遽調べましたのでございますが、現在わかっております限りではイギリス、西ドイツ、フランスともに寡婦控除があり、それは同様に男やもめにも適用になるという仕組みのようでございます。アメリカには寡婦控除自身がない、扶養親族世話費控除という形で処理されている。日本のような寡婦控除という形はないということのようでございます。
○只松委員 各国によって税の制度がいろいろ違いますし、取るものは取って支払うものは支払ったりいろいろやっております。しかしいま幾つか述べられましたように男やもめ、寡夫に対する控除的なものは大体あるのですよ、ないのは日本だけなんですよ。しかも国会で論議されなかったのはわが国だけなんですよ。これは初めて国会で論議をしておるわけです。またこういう社会情勢下において男やもめ、いわゆる寡夫の控除とするか手当とするかいろいろありますけれども、日本の現行税制のもとにおいては寡婦控除に対応する寡夫控除というものが大体ふさわしいのじゃないかと思うのです。ことしの税法からというのは多少無理があるかもしれませんが、ぜひひとつ来年の制度から取り入れてもらいたい、こういうふうに思いますが、どうですか。
○大倉政府委員 御指摘を受けましてから私どもなりにいろいろ勉強を続けております。決して申しわけをいろいろ申し上げるつもりはございませんけれども、従来から日本に女の方に寡婦控除があって男の方にはそういう議論がなかったという背景はそれなりに大臣が申し上げたような背景があったのかもしれませんし、またある時期に扶養控除額が基礎控除額や配偶者控除額よりも低かったときに配偶者のいない一人目の扶養控除というふうなことである程度おこたえをしてきた、それがいまや四十九年改正以来扶養控除額がそろってしまったのでそっちでのおこたえもなくなったという現状を踏まえてみますと、新しい角度からいまの御提起は私どもなりにひとつ前向きに考えてみたい、税制調査会にもお諮りいたしたいと思いますし、次回所得税法の改正の機会がありますまでに何らかのお答えを出しまして御審議を仰ぎたい、そのように考えます。
○只松委員 事務当局からただいまのようなお答えがありましたので、ひとつ大臣の方におきましてもぜひ一層の御努力をしてもらうようにお願いして、この項は終わりたいと思います。
○坊国務大臣 前向きに考えていきたいと思います。
○只松委員 次に、当面の税制や将来の税制について若干お伺いをいたしたいと思います。 前回私がお伺いをいたしましたときにきわめて抽象的なお話であったわけですが、そのときにも私は繰り返しこの五十五年度までの年次別指標がA案B案と出る前にこれに近いことを言ったわけでございます、必ずこういうことになりゃしませんかと。公債は五十兆円を超すでしょう、これは大変なことになりますよ、また公債がこんなにふくらんでいくと当然に大増税というものを行っていかなければならないのではないか、こういうふうに私は申し上げたわけです。ところがそのバックグラウンドであるいまの経済状態はどうか、国内、国際ともどうかと言いますと、これも大臣は福田総理のもとで大蔵大臣を務めておるのですから、総理の考えに従っていく、そのときに私は総理は資源有限時代だ、こういうふうに繰り返し施政方針でお述べになりました、こういうことを言った。資源有限時代ということは、経済の立場から言えばこれはいわゆる高度成長は誤りであって、低成長の時代だ、こういうことだと思うのですが、そうお思いになりませんか。
○坊国務大臣 高度成長の時期は去りまして、もう一遍それに戻るということは私は困難であろうと思います。したがいまして、これからの経済というものはあんな高度成長ではない、それに比べましてはきわめて低い成長でもって安定して、まあそれでもやはり成長をしていかなければならない、こういう事態にあろうと思います。
○只松委員 国の内外の情勢を考えますと、いまの大臣のお答えのとおりだと思います。とするならば、経済成長が低成長ならば税収の伸びも低成長といいますか、大きな伸びは見込めない、少なくとも現行の税体系のもとにおいて大きな伸びはそう考えられない、私はそう思うのですが、どうですか。
○大倉政府委員 確かに従来のように年々多額の自然増収を期待し得るという時期は終わったと考えざるを得ないと思っております。
○只松委員 しかし、たとえばこの試算だけから見ましても、昭和五十年度で税収が十三兆八千億、五十二年度で十八兆七千九百億、ところが昭和五十五年度は三十五兆五千八百億、こういうふうにいわば異常な増収というものが見込まれておるのですが、この基礎はどこから出てきたのですか。
○大倉政府委員 これはお手元にございます収支試算の備考に書いてございますが、税収は五十一年二月にお出しいたしました前回の財政収支試算の五十五年度の所要税収というのをそのままとらしていただいております。ところで前回の五十五年度の所要税収と申しますのは、これは五十年代前期経済計画の中で、五十五年には四十八年度から五十年度平均の国民所得に対する、ここで申します意味の租税負担率が三%ポイント程度上昇するという計画を前提にいたしまして、それを一般会計の歳入に置き直しますときに、従来の経験からいたしまして一般会計ではこの三%ポイント程度の中の二%をいわば引き受けると申しますか、そういう計算をいたしまして、五十五年度の数字を予想される国民所得から逆に先にはじいてしまったわけでございます。したがって、積み上げて必ずここまでいくであろうという性格の数字ではございませんで、これだけの負担率の上昇を加味した計画から一般会計に翻訳すると、この程度の税収がなくてはならないし、それがなければここにあるような実質百兆円の公共投資とかあるいは振替所得を一〇%程度に引き上げるとかというような、歳出は歳出なりの伸びを行いながら、なおかつ五十五年度で特例債を出さずに済むという姿にはなれないのではないか、つまり積み上げてどうなるかということでなしに、ここまでどうしても欲しいと申しますか、これだけないとほかのことはうまくいかないというような数字で先に三十五兆五千億の方が出てまいっております。
○只松委員 一言で言えば望ましいといいますか、願望といいますか、いまおっしゃったように、これが五十五年に税収ができなければわが国の国家財政は大変なことになる、こういうことだと思いますね。大臣、この案はそういうことじゃないですか。
○坊国務大臣 そういうことでございます。
○只松委員 とするならば、いわばこの努力目標に向けて、大蔵当局、大臣以下事務当局は努力しなければならない、こういうことになりますね。これに努力しないで、三十兆円ぐらいの税収しかなかったということになれば、これは大変なことになるわけです。とてもこういう五十四兆——公債も六十兆以上超してしまう、こういういろんな問題が出てきますね。国家財政は破綻してしまいます。 しかしここで問題になってくるのは、大体私はこれを計算しておりませんから誤りがあればあれですが、新聞をちょっと適用いたしますと、新聞のあれによっても弾性値が一・八二にこの場合見られておる。ところが昭和四十年から四十九年の高度経済成長期でも弾性値は一・三五、こういう程度にしか過ぎなかった。いわゆる高度経済の成長期に一・三五の弾性値しか見られなかったのが、いま冒頭に私が確認をいたしましたような低成長の時代に、一・八二の弾性値を見込むということは絶対に私は不可能だと思うのです。とするならば、ここに大きな魔術があるか、何かいろんな問題があると考えなければならない。その魔術とは一体何かといえば、私はこの前大臣にどうですと言ったら、大インフレーションを起こしますか、それとも大増税を行うか、こういうことにならざるを得ない。ほかになかなかいい道がない。たまたま、きょうの読売だけが一社スクープをしておる。きのうの参議院で大倉さんがお答えになった中で「増税、柱は一般の消費税」こういう形で出ております。この記事なり議事録を読んでおりませんから詳細にどういうふうにお答えになったかわかりませんが、まあしかし私が考えるとしても大体こういうことだろうと思う。しかしこのほかに考えなり方策があれば別だけれども、こういうことしか私はないだろうと思う。法人税を上げていくか、この中で消費税を上げていくかということだと思うのですが、大要においてこの考えに間違いはないかどうか。大臣も同席して同調したと書いてありますが、大臣どうです。
○大倉政府委員 大臣からお答えいただきます前に、ただいまの御質問にございました、これまた所要弾性値と申し上げるのが適当だと思います。予想される弾性値でなくて、所要弾性値としては、これは端数の問題はございますが、私どもとしては一・八三というふうに計算いたしておりますけれども、まさしく過去の経験からいって、そのような弾性値でいまの税制のままで税収が出てくるという予想をすることは、どう申し上げましょうか、きわめて非現実的であって、何もしないで三十五兆五千億になるとはとうてい思えない。したがってこの試算が示しております姿は、ほかの項目をこのように実行したいとするならば、やはりある時期に何らかの増税をどうしてもお願いせざるを得ないのではないか。これは実は昨年お見せしました財政収支試算も同じ姿でございました。ことしの方がやや困難の度を加えていることは事実でございますが、昨年この収支試算を手がかりにいたしまして六月に税制調査会に詳しく御説明をいたしまして、非常にむずかしい仕事であり、また言葉は悪うございますが、人のいやがる増税ということを御審議願わざるを得ない、ひとつ増税審議会として、これからいまある税制を全部洗い直していただきたいというお願いをしたわけでございます。それ以後昨年の年末までずっと御審議が続きまして、その審議の経過につきましては別途当委員会に部会長報告という形で資料をお出しいたしてあるわけでございます。 昨日の参議院の大蔵委員会では、同様に財政収支試算から見ると何らかの負担の増加を避けられないと考えられるがどうかというようなところから御議論が始まりまして、いま私が申し上げたようなことをお答えしたと記憶いたしております。 その場合に具体的にどこで増税を考えておるのかという御質問がございまして、それにつきましては衆議院の当委員会でお答えしておりますように、現在昨年六月からの審議をお願いしておりますという経緯と、また部会長報告でその経過についてはおくみ取り願いたいということを申し上げました。そこで、方向は出ておるのかという、正確にそういう表現だったかどうかちょっと記憶が確かでございませんが、どっちの方向なんだということが出てまいりまして、それは部会長報告は実は一部会と二部会がばらばらに出ております、一部会というのは所得課税を担当していただいております、二部会が資産課税、消費課税、流通課税を担当していただいております、いわばそれぞれの分野でいまそれぞれの受け持ちの税目を掘り下げた勉強をしていただいている中途でございますので、部会長報告の冒頭にもございますように、なお今後掘り下げた検討が必要であるし、また両部会あわせた審議が必要であるというので、これからの問題になっているわけでございます。つまり一部会の方だけで答えが出てしまうとか二部会の方だけで答えが出てしまうというものではございませんで、やはり今後どういう時期にどういうやり方でやるかは、まだ私自身がはっきりと頭が整理できておりませんけれども、とにかく一部会、二部会の合同部会なり総会なりというところで、所得課税の方ではこういう考え方が出てきた、資産課税、消費課税の方ではこういう考え方が出てきたが、さてそれをどう組み合わせるのか、どういう選択を求めていくのが一番いいのか、それはこれからの御審議にまたざるを得ないと思いますということを申し上げたわけでございます。 そのときに、具体的に申し上げますと、一部会は何と申しましても所得税と法人税ということになる、二部会はその他すべてのいわば間接諸税ということになる、しかし、一部会の中で理論的には所得税が基幹的な税であるから今後負担の増加を求めるとすれば所得税に求めることが一番合理的である、これは審議報告にもございますけれども、そういう御意見はございます。ございますが、しかし、政治的f私かそういうことを申し上げるのはいかがかとは思いますけれども、政治的あるいは社会的に所得税の増税、それは法律上の増税ということが、それは言うべくしてなかなかできないというふうにもしなるとすれば、やはり法人税か、一部会の方では法人税、二部会の方では間接諸税ということになり、それをどう組み合わせていくかということにならざるを得ないのではないでございましょうか、そこまでは確かに申し上げたわけでございます。
○只松委員 いま局長から話しがありましたように、ことしは政府の当初三千五百億の減税がまた上積みが三千億されているわけですから、所得税の増税ということはなかなか望めない、これは私どもまた再確認をしておきたいと思う。そうすると当然に法人税と消費税が、あるいはまた別なところから抜本的な税改正というものが必要になると思います。大臣、どうです。
○坊国務大臣 いま主税局長がお答え申し上げましたとおり、これからの日本財政というものは本当にむずかしいところへ来ております。しかし、この五十五年には何としても赤字財政から脱却していきたいと思いますならば、弾性値その他から考えましてこのままではこれはとうていむずかしいということを考えますと、どうしても租税収入等の増収ということを図らなければならない、こういうことでございます。しかし、この事態にこれもなかなかむずかしいことでございますが、そのむずかしいところをいかに克服していくかということが、これはどうしても日本に課せられた大きな問題だと思いまして、主税局長申し上げましたとおり、税制調査会の中期税制の検討を熱心にやっていただいておる。ところが、その中で一体——むろんいろいろな材料を全部一部会、二部会等において爼上に上せまして、直税は法人税、所得税、それから間税は一般消費税、そういったようなものだとか、あるいは資産課税といったようなあらゆるものを爼上に上せていただいて、その中でどういうふうな租税体系を実行していくかということは、これは材料から一つの料理をつくり上げる、うまくあんばいして料理をつくり上げるということになるわけでございますが、その料理をつくり上げるに当たりましては、これは何と申しましてもやはり国民の選択を待たなければならない、すなわち議会政治が行われておるのでございますから、国会における御審議、御選択ということになって、初めてこの目的を達成する軌道に乗せることができるのであって、今日のこの財政経済の時代、またこの政治の分野等から考えまして、何と申しましてもそういったような角度からこれはひとつ真剣に御検討願って選択を願う、こういうことにならざるを得ない、何分よろしくお願い申し上げます。
○只松委員 これはいつからおやりになりますか。
○大倉政府委員 繰り返しで恐縮でございますが、税制調査会は昨年六月以来十二月にかけて鋭意御検討いただいております。その審議経過は資料としてお出しいたしてございます。今国会終了次第できるだけ早い時期から精力的に審議を再開していただきたいと考えておりまして、税制調査会の段取りといたしましてただいま私かお願いしたいと思っておりますのは、ことしの十月上旬にただいまの委員の任期が切れますので、ただいまの委員の任期の切れるそのときまでにはある程度の方向性を打ち出していただけないか、なお検討中というのでは、なかなか五十三年度というものを目標にして間に合わない危険があるので、どこまで具体的なものになるかは、それは御審議の結果いかんでわかりませんけれども、何らかの方向性を打ち出すようにしていただきたいというお願いをするつもりでございます。同時に、ただいま大臣がお願い申し上げましたように、やはり国会で本問題について、税制調査会が国会の御審議を敏感に受けとめられますように、私どものお願いといたしましては、資料としてお出しいたしております従来の審議につきまして国会での御論議もいろいろいただければまことに幸いだ、昨日の参議院の委員会ではむしろそのことをお願いするためにいろいろ前段でごちゃごちゃと申し上げたわけでございます。
○只松委員 時間がなくなってきましたから、ひとつできるだけ簡単なお答えをお願いしたいと思いますが、十月までに結論を出したい、そういうことだろうと思うのです。たとえばこの試算だけから見まして、五十年度から五十一年度に増収したのが概算で約二兆三千億、それから五十一年度から五十二年度二兆六千億、ところが来年、五十二年度から五十三年度にかけては五兆一千億、それから五十三年度から五十四年度に約五兆五千億、五十四年度から五十五年度にかけて六兆五千億、こういうふうに増税が見積もられておるわけですね、この試算でいきますと。そうすると、いままで大体二兆円前後の自然増収であったのが来年度は五兆一千億ここに増収を見込まれておるということは、衣の下からよろいが見えたじゃありませんけれども、この試算でいきますと、来年度から大増税というものを行っていかなければ、先ほどから私、申し上げたように、国家財政には大変なことが起きる、こういうことがこの試算からは出てくるわけですね。試算はあくまで試算だとおっしゃっていますから、それはそれにしたところで、とにかく一応の大蔵省の考え方あるいは政府の考え方としては来年度から大幅な増税、これだけ、五兆円を突破するものを行っていかなければ国家財政は維持できない、こういうお考え方を示されておる、こういうふうに見て間違いございませんか。
○大倉政府委員 なるべく時間をとらないように簡単に申し上げたいと思いますが、昨年度も申し上げたのでございますけれども、三十五兆五千八百という方がまず決まりまして、それをGNPにパラレルにいわば機械的に割りつけたものが各年度の数字でございますので、各年度が一種の財政計画として歳出、歳入とも必ずこの数字に合わせなくてはならない性格のものでないという点はぜひひとつお聞き取りおき願いたいと思いますけれども、それにいたしましても五十三年、五十四年、五十五年度を通観いたしまして、ただいま只松委員がおっしゃいましたように、ある時期にかなりの幅の増税をお願いしないとこういう姿にはならない。しかもそれは増税の時期が早いことが可能であれば、その方が幅ば少なくて済むということもまたおっしゃるとおりでございます。ただ、問題は五十三年度という年が経済的にどういう年になるか。五十二年度から五十三年度へどういう成長経路をたどるか、それによりまして五十三年度に予定されます自然増収額も大幅に振れるわけでございますので、この試算を一応のめどといたしましても、なおかつ五十三年度にどうしてもこれだけの増税が必要だというふうにいまの段階でアプリオリに出てくるという性格のものではございません。 しかし、一般論として申しますと、経済の体力が早く回復してくれて、ある程度の負担の増加に耐え得るという状態になってくれるならば、むしろ、早い時期に納税者の皆様の納得を得ながら増収の手だてを講じた方が事柄の処理はそれだけ幅が小さくて済む。後ろへ押していけば押していくほど処理しなければならない事柄のむずかしさの幅がいよいよ深くなり、大きくなるという点はこれは御指摘のとおりだと思います。
○只松委員 経済の動向によって税収もいろいろ違ってくることは事実ですが、一挙に五兆にも上ったということは、単なる試算だけではなくてやはり一応の考え方がある。また、いまもおっしゃったように早ければ早いほど、通常三%前後の増税とこう言われておりますけれども、それが低くて済む、こういう考え方であります。 大臣、事務当局のいまの答弁は大体そういうことですが、そう言っては失礼ですけれども、福田さんや田中さんのときには自分が内閣を引っ張っている、あるいはおれが大蔵を全部引っ張っているといいますか、そういうことで、ここで責任を持った答弁をずばりずばりとなさっておりましたから新聞記者もよけいにどんどん来るし、大蔵委員会も権威があって大蔵委員会で発言されたことは、大臣のことはほとんど記事になっておりました。何といったって歳入委員会というのは私が繰り返し言っておりますように最高の権威があるので——後から三千億の問題を聞きますけれども、三千億の減税にしたって本来は大蔵委員会でやるべきですよ。しりぬぐいの法案だけ大蔵委員会でするなんて、そんなばかなみっともない話は本来ないんですよ。恐らく田中さんか福田さんが大蔵大臣だったらこういうことはさせなかったでしょうよ。もう少し大臣ひとつ責任を持った答弁というものをしてくださいよ、いいですか。来年度からいま事務当局が言っているようなそういう形の増税、私たちから言えば増税、大蔵当局から言えば財政の立て直しというものを行う腹であるかどうか、どうです。
○坊国務大臣 もちろん私は微力でございますけれども、日本の財政を立て直すためには全力を挙げてやってもらいたい、こういう決意をいたしておりますけれども、いまそれじゃ元気を出してどういう税をどうするということにつきましてはまだその段階に——只松さん非常に御不満であろうと思います。御不満であろうとは思いますが、私は具体的にどういう例をどういうふうに組み合わしていくかということについては、まだまだそこまで私の考えは到達いたしておりません。
○只松委員 だから個々の税制はまだ言っておりません。ただ、いま言ったように基本的に財政を立て直す、いわば私たちから見ればそれは増税だと言っているのです。あなたが言っているように、公債はできるだけ減らしていきたいということになれば、これは増税なわけですよ。だからそういう角度からの——とにかく税制の中身は言っていますね。改正に来年度から着手する腹であるのかどうかということを聞いているわけです。
○坊国務大臣 要するに、いまの経済というものがどうなっていくかということも一つ大きなファクターでございまするから、その経済において、その中においてでき得る限りのことをやっていく、こういうことでございます。
○只松委員 時間がありませんから、押し問答したってしようがありませんから、次に移ります。 三千億の減税が上積みがなされました。これは本来ならば歳入委員会において扱うべき問題だと私は思います。ところがこれは政治的に扱われまして、予算委員会によって扱われて、それに伴う法案審議だけ後で当大蔵委員会でつくれというんですね。しりぬぐいみたいなことですよ。私は、こういうことがあってはならないと思う。やはり税というものは歳入委員会、大蔵委員会で扱い論議すべきだ、こういうふうに思いますが、大臣どうです。
○坊国務大臣 もちろん大蔵委員会でやっていただくということにこれはなったわけですが、その過程を申しますと、六党が、まず五党の方から強い御要望がございまして、それに対しまして与党幹事長が御相談にあずかって、そうしてこの三千億の追加減税というものが合意された。そうしてそれの実行に当たりましては、ひとつ大蔵委員会で御検討願って実現をしていただきたい、こういうことになってきたわけでございます。私も自由民主党の一人として、与党から大蔵財政当局に出てきておる人間でございますから、ことにまたいまの日本の政治というものは、何といっても議会政治でございます。政党政治でございます。五党が合意してつくったということでございまするから、今度のこの扱いというものに対しまして、私個人といたしましては若干の意見もありますし、財政当局として決めたものが変わるということについては、私にはいろいろ感懐もございます。ございますけれども、いま日本は議会政治が行われておるのです。政党政治が行われておるのです。私自身の主張をあくまでも固執していくと言ったんじゃこれは話になりません。そういうような意味におきまして、今度六党が合意されてつくられたものに対しましては、これは合意の趣旨を生かしていくためにやっていくのが、これはまた財政当局としての私の所管でもある、かように考えております。
○只松委員 いま審議しております法案は、四人家族で控除額二百一万、ところが今度三千億が上積みされましたから、大体約二百二十万ぐらいになりますね。そういたしますと、今度のこの六党の協議事項といいますか、今年限り、こういうことになっておりますね。それで大蔵大臣も了承されたわけですね。ところが、あなた議会政治議会政治とさっきからおっしゃっておりますけれども、ことし二百二十万にしたのが、幾らことし限りとこう書いておったところで、来年になって、一遍うまい物を食ったといいますか、二百二十万になったのを来年二百十万に下げろと野党が言うといいますか、来年までに解散すれば別だけれども、いまの政治情勢では来年の国会まで、一年で解散ということはあり得ないでしょう。だれかが死ねば別として、とにかくいまの与野党の比率が変わらない限り、予算委員会においてまた野党が多い、こういう中で、幾らことし一年と決めておったところで、二百二十万となったのを二百十万に下げると思いますか。そういうあなた子供だましみたいな、そう言っては失礼だけれども、それに乗られたわけだが、来年下げますか。そういうことも含んで、時間があれば——ただ次に、二十九日に福田総理との論戦ができますから、私はそこでやりますけれども、少なくとも一遍二百二十万まで上げたのを、野党の強い中で、来年二百五万にしたり二百十万にしますか。どうです。私はそういうことは野党はしないと思いますよ。またすべきではない。また今度の、余り先取りしちゃよくないけれども、本委員会の終了に当たっての附帯決議にも、中小所得者に対しては来年度以降も努力をする、こういう申し合わせというものがつくわけですよ。いいですか。こういうことに関してあなたは、個人的には不満だけれども従わざるを得なかった、こういうふうにお答えになっていますけれども、しかし、これは大蔵当局を預かる、財政を預かる、税制を預かる人間として、私は、そういう展望というものを踏まえてずっといった場合には、不見識と言っちゃちょっと言い過ぎでございますけれども、軽きに過ぎた、政治情勢というものはそういう甘いものではない。ことし二百二十万になれば来年は二百二十五万なり二百三十万になる。また当然だと思う。野党は努力しますよ。そういう点についてどうお考えになりますか。
○坊国務大臣 私は今度の六党の合意の趣旨というのは、これは六党がそういうふうにお決めになったのですから、これを信頼もいたしますし、その方針に従ってやっていく。それから課税最低限等につきましては、これこそこれからの日本経済がどうなっていくかということ、これが一番大きな作用をすることだ、かように考えております。いまのところは私は六党の合意というものに全幅的な信頼を置いてやっていくつもりです。
○只松委員 だから私は、子供だましと言っちゃ失礼だけれども、甘いと言っているわけですよ。議会制になれば、一遍国民に対して一定限度のものをちゃんと約束して二百二十万にしたならば、それを下げることがあり得るはずはないと言っているのですよ。来年になってみなさい、私の言っていることは正しくちゃんと出てくるから。いいですか。政治家はそんなことは政治情勢の中で、一年先や二年先ぐらいは見通さなければだめですよ。それはそれにいたしておきますが、ぜひひとつそれを一点としてそういうこともよく考えてやっていただきたい。 それからいまのいわゆる所得控除方式と税額控除方式が、今度の場合竹に接いだと言われておりますが、やられたわけですね。こういう税体系を相当崩したといいますか、異質のものを取り入れた。だからこういうことでも私は、当委員会で論議して、抜本的な税体系が必要でないかということを繰り返して言っているのですが、これは抜本的と、こう考えるかどうかは別にして、相当違った形の税体系を入れたわけです。 たとえばイギリスにおきましては、一九七二年十月タックスクレジット制度に関する提案というものを大蔵大臣が議会に提案をしておる。これを御存じですか。大蔵大臣、どうです。事務当局はいいよ、あなた方は勉強して知っているのだから。これを先に聞きます。
○坊国務大臣 まだ見ておりません。
○只松委員 これは、イギリスの税体系に対してほとんど毎年グリーンペーパーというのを出している。その中で抜本的に改正されたものを出している。いろいろなことでこれは実施にまだ至っておりませんけれども、一つの方向を大蔵大臣が議会に対して出しているわけですから、さっき私が論議いたしましたこういう指標ともっと違う重みを持ったものです。これなんか、いまの日本の税制度とは抜本的に違うものを提案しているわけです。そういうふうに日本の行き詰まったいまの財政制度、税制、こういうものをしていく場合には、よほど思い切ったものをしなければならない。たまたま今度の場合は、そういうふうにいままで絶対だめだと言われておった税額控除方式、これは広い意味の税払い戻し方式ですね、これを取り入れられたわけです。そういうことを考えながら、どうです、さっきから言っている大増税ということを私は前提に言っているのですが、このことについて、木に竹を接いだようなこの方式についてどういうふうなお考えをお持ちになっておるか。したがって、そういう税制の改革について、これと関連してやはりそういうふうに、英国のここまでせいと私は言いませんけれども、考えなければならない、こういう考えをお持ちであるかどうかお聞かせいただきたい。
○坊国務大臣 いまの日本の所得税の体系は所得控除方式をとっておるということは只松さん御存じのとおり。その所得控除方式をとっておるところへ税額控除方式というものを卒然としてこれを持ってくる、そしてそれを恒久的にやっていくということになりますれば、これは木に竹を接いだという表現は適当か適当でないかは別といたしまして、そういうことになる。そこでこの所得控除方式、もしも税額控除方式というものをずっとやっていくということになれば、これは所得控除方式と税額控除方式と一体うまく結びつけてやっていくのかどうか、あるいはまた所得控除方式でいくのか。私は、税額控除方式と所得控除方式とは将来においてどっちがいいか悪いかというようなことについては、相当これは抜本的に考えていかなければならない問題であろうと思います。そこのところをどう持っていくかということも今後の大きな解決しなければならない問題だと、かように考えております。
○只松委員 やっと私は大臣から久しぶりに抜本的にやる考えもあるということを聞いてあれですが、やり方の中身については、きょうはもう時間がなくなりましたし、また私たちの御意見を申し上げたいと思いますが、ひとつぜひ税体系を抜本的に変えていただきたい。 で、そのあり方というものを概念的にだけ私は最後に申し上げておきたいと思いますが、日本で言うならば国税庁、社会保険庁、こういうもの——いわゆる持てる者あるいは支払い能力ある者、取る者からは取る。それから与えるものは与えていく。ただ控除だけではなくて、外国では児童手当だ何だといって手当としてずっと支給していますね。こういうふうにいわゆる国税庁と社会保険庁が一体になっていく。社会保障制度国家、社会保障を重視する国家になれば、当然に、そういう国税庁だけが一つの権限を持つ、こういうことではなくて、やはりそういう形のものが構想されなければならないのです。いいですか。これはもう世界の一つの潮流になりつつあるし、なるわけなんです。このイギリスのタックスクレジット制度というのはもっとそれを進めておるわけですけれども、しかし私はそこまでいかぬでも、やはり取るべきものは取るし支払うべきものは支払っていく、ここにまた政治のメリットというものも出てくると思うのです。ぜひひとつそういうことを頭に置きつつ今後の税制改革に大きくいまから——多少数量を申しましたけれども、数字的にも大増税を行っていかなければならない、税制改革を行っていかなければどうにもならない、こういうときに大蔵大臣をお引き受けになっておるわけですから、ひとつ近代的な税制度を確立されるよう要望いたしまして私の質問を終わりますか、大臣の御所見を最後に承っておきたい。
○坊国務大臣 税制というものは、国費を調達するために国民の方々から税を出してもらうというのが、私はそもそもの本来の意味であろと思います、しかし、だんだんとそうでなくなって、機能が非常に複雑なものに——いまおっしゃられました富の再配分と申しますか、所得の再配分と申しますか、そういったようなことも租税の担っておる大きな使命だと私は思っております。そこらのところを十分考慮に入れつつ近代税制というものをつくっていくということが大事なことだと、かように考えております。
○小渕委員長 佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 きょうの私の質問に入る前に、主税局の責任になると思うのでありますが、去る二月七日に予算委員会が始まったときに、わが党の石橋書記長が福田総理大臣と論戦をいたしました。そのときに、租税特別措置の毎年出されます予算の見積もりではなくて、決算ベースで一体現実にどれだけ減収になっているのか、この資料を出すようにということを要求したわけであります。それに対して福田総理大臣自身が「お出しいたします。」ということが議事録にはっきりと残っているわけでありますけれども、本委員会で租税特別措置法が審議をされる今日に至ってもまだこの種類の資料が提出をされていない。これは一体いつ出てくるのですか。
○大倉政府委員 そのときに総理から「お出しいたします。」という御答弁をいたしまして、三月三日に、これはコピーでございますが、このような資料を予算委員会にお出しいたしました。予算委員会にお出しいたしますにつきましては、予算の理事の方に御相談をいたしまして、これでよかろうという御返事をいただきましてお配りいたしましたので、いまお手元にございませんければ、コピーでございますが、これをごらんいただきます。
○佐藤(観)委員 私たちも何年もこの租税特別措置法を論議しているわけでありますけれども、毎年論議の前に予算ベースにおいて恐らくこのぐらいになるだろうという減収額が出てくるわけですね。それに対して、少なくも二年前しか事実上わからないと思いますが、二年前の予算に対して実績はどれだけだったか、その場合に、たとえば利子配当課税の特例の場合に、予算ではこういうことだったけれども、実際には利子配当が幾らぐらい行われたので、それによってこの税法を使うことによっての減収額がどのくらいであるかという、つまり皆さん方のところに出されている租税特別措置による事項別減収額、平年度の累年比較というのがございますね、その累年比較のたとえば配当所得の課税の特例、これが五十年には五百億という数字が挙がっていますけれども、この五百億という数字が出るに至るまでのもとの数字があると思うのです。ただこれは五百億と書いたわけではないので、五百億に至るまでの、一体その課税に相当するものはどのくらいの額があって、そこで租税特別措置法を使うことによって五百億という数字が出てきたと思うのでありますが、そのもとの資料を石橋書記長は要求をしていたものである。いまの主税局長のお話では予算の理事の方でそれを了解をしたからということでありますので、同じ党なり向こうの理事会でありますから、私は非常に遺憾でありますけれども、それ以上は言いません。けれども、累年比較が出る以上は実績のもう一つもとになる計算の基礎があるはずなんです。これをひとつぜひ出してもらいたいと思うのでございますが、いかがでございますか。
○大倉政府委員 そのときは予算委員会でございましたので政府委員が細かなことをいろいろ申し上げる機会がないままに終わったわけでございますけれども、後刻予算の与党の理事の方に私どもが、資料要求で懸案になっているのはこれこれでございます、ほかに公明党の矢野書記長の御質問で似たような項目もあったわけでございまして、その中で、企業関係は、これは利用状況をできるだけ把握いたしまして決算ベースでの数字、これも推計が入りますけれども、それはできます、しかし、利子配当は、ちょっといまの資料の備考の一にも書いておきまして御了承を得たわけでありますが、「なお、利子配当課税等の所得税の租税特別措置については、実績を推定するに足る資料がないため、その把握は困難」でございますということを申し上げまして、それではやむを得ないから企業関係だけ出しなさいというお扱いをお決めいただいたわけでございます。 利子配当関係は、御審議の参考に資するために、予算ベースで非常に大胆な推計をいたしまして減収見込み額を毎年出しておりますけれども、これは実績と申しましても、たとえば利子で申せば、正直なところ非常にわずかの方しか申告はしてくだすっていないわけで、一体どれくらいの所得の方がどういう貯金をしておられるかという統計がいま全くないわけでございます。金融機関にもないわけでございます。したがいまして、実績で一体幾ら減収になったかということのつかみようがないということを御説明申し上げまして、今後とも利子配当というものにつきましては実績が本来幾らの課税であるべきものが幾らの課税でとまったかということを責任を持ってお示しするだけの基礎データがないという点だけは、これは泣き事で申しわけないのですが、ひとつぜひ御理解いただきたいと思います。
○佐藤(観)委員 私のいまの利子所得、配当所得、これは一つの例であって、それはそれでおのおのの項目について事情はあることは私もわからぬわけではないわけです。しかし、いまの大倉さんの答弁は、その他の項目がすべてそのような幾つかの仮定を置いた上での結論ということですか。
○大倉政府委員 減収額が非常に大きいものとしましては、やはり少額貯蓄の非課税、これはある程度実績がフォローできます。それからお医者さん、これは私どもなりの推計をいたすよりしようがございません。あとは登録免許税関係がございますが、これは実績で計算はできると思いますけれども、御要求の主体が企業関係のいわゆる企業優遇と言われる特別措置というものと利子配当というところに集約的に出ておるということのようでございまして、登録免許税の個別の措置まで決算ベースでお出しするというところまでまだ用意をいたしておりませんが、これは、かなりの時間をいただきますれば、その御要望がございますれば、また理事会と御相談しながらお出しすることを勉強いたしたいと思います。
○佐藤(観)委員 ぼくはこんなに時間を使うつもりはなかったのですけれども、予算委員会に出した分厚い資料の中のB−26というところがありますね。これで一応とにかく累年比較という形で、毎年の実績ベースと申しますか決算ベースというかの数字だと思うのでありますけれども、これはそう理解してよろしいのですか。
○大倉政府委員 このB−26は、毎年予算ベースで五十二年度なら五十二年度をもう少しいろいろな角度からアナライズしたものを別途お出ししておりまして、予算ベースの数字を御審議の参考までに累年でまとめたものでございます。これは決算ベースの数字ではございません。
○佐藤(観)委員 きょうの午前中も論議になったと思うのでありますけれども、税調に出した資料で各項目に条項が分かれていて、そしてその制度の概略があって、これ別に一体幾ら決算ベースで減収になっているのかというのは出ないのですか。もちろんいま利子配当で局長が言われたように推計によらざるを得ないところもあることは私も承知をしますけれども、すべて推計だと言いますと、たとえば東京都の資料が——これもいろいろ数字の調べ方があるのでしょうけれども、利子配当の場合に政府は二百二十九億円と言っておりますが、東京都の数字は八百六十一億円、このくらいだと全然数字が違うと言ってもいいと私は思うのですね。そういうことでありますので、なるべく予算ベースで出される項目別に決算ベースでどういうことになるのか、恐らくこれは抽出によるところの類推ということにもなってくると思うのでありまして、もう一つ前の段階じゃないと、予算委員会ならそれでもある程度通るかもしれないが、大蔵委員会ではちょっとこれでは、いつも論議するけれども、ははあそんなものですかと言うだけでそれ以上深い審議に入れないわけですね。私はこのことでこんなに時間をとるつもりはなかったのですけれども、そういう懸案事項でありますので、ひとつ次回にはそういった意味でできる限り実績に合った数字を、類推しかできない部分についてはいたし方ないと思いますが、ぜひお出し願うように申し上げておきたいと思います。
○大倉政府委員 毎々とこの委員会で非常に御論議の対象となりますいわゆる企業関係の特別措置につきましてはB−6、B−7、それからさっき追加的にお出ししました三月三日というものでほぼ御審議にたえ得るのではないかと私どもとしては考えているわけでございますが、そのB16、B−7、それから先ほどの追加資料で抜けているものの大きなものと申しますと、結局は利子配当でございます。あとは登録免許税関係でございますから、登録免許税関係を実績ベースでということが御要望の主体でございますならば、それはまた理事会でのお扱いを受けまして、ある程度の時間をいただきました上でお出しいたしたいと思いますけれども、その御要望の趣旨は登録免許税のことでございましょうか。(佐藤(観)委員「いや全体を」と呼ぶ)全体とおっしゃいましても利子配当という肝心なところの実績が出ないものでございますから、そこを空欄にしたままの集計をしてみてもどうも佐藤委員のおっしゃる御趣旨には沿いかねるのではないかということを申し上げておるわけでございます。
○佐藤(観)委員 利子配当のことは、確かに申告をしない方がいるわけですから、私も事情はわからぬわけではないのです。その他の項目が、ただ先ほどの資料も準備金は準備金で一括ですね。それから特別償却は特別償却で一括だということになっているわけですね。確かに個々にやれと言うと、幾つも幾つも準備金を持っている、あるいは特別償却もいろいろな形の特別償却を持っているということで、それが総合して今度法人税がかかってきますから、その面では個々にと言うと実際に減税額がどこまで正確に出てくるか私も若干疑問を持たぬわけではないのです。皆さん方の方ではとにかく項目別に分けて出して、いわゆるB−15の資料でも一応分けて出しているわけですから、それなりの推計できる基礎の数字があると思うのであります。ですから利子配当にこだわらずに、その他の「環境改善、地域開発等の促進」とか「資源開発の促進等」とかこういった項目について準備金なりその他の特別控除、特別償却といったものの数字が五十二年度の減収額という資料に書いてある、その算定の基礎を出してもらいたいというのが私の要望なんです。それは総体の額の中では利子配当が大きな部分を占めているのは私もわかるわけですから、それはそれで結構ですけれども、その他の項目でそれなりの数字が出ているのを、ただ数字だけ見てああそうですが、これはこうですかということでは審議は深まらないだろうし、実態としてもわれわれとして把握しにくいので、もちろんいろいろの意味で推計が入ることもわかりますが、その推計の基礎の数字を出してもらいたいということです。
○大倉政府委員 失礼しました。御質問の御趣旨がちょっとわかりませんで私とんちんかんなことを申し上げたかもしれませんが、それにつきましては先ほど申し上げましたB−6、B−7で準備金ごとに業種別の利用状況あるいはまた資本階級別の利用状況をお出しいたしてございますので、予算ベースで推計いたしますときには、そのような一番新しい実績に基づきまして制度改正を織り込みながら伸びを見まして、たとえば価格変動準備金でございますれば、お手元にある実績から来年は何%増という推計をしてそれに法人税率を掛けたもの、それが予算ベースの減収額になるわけでございます。準備金系統はほぼ全部そういう推計をするわけでございますので、実績をごらんいただきまして、それからいま申し上げたようなどういうやり方かということを申し上げて、そこでひとつ御審議いただけるのではないかということで従来から処理させていただいておるわけでございます。B−6、B−7でございます。
○佐藤(観)委員 時間が非常に貴重ですから、そう深くは入りたくないのですが、確かに企業関係のものはここに大分出ているけれども、それ以外に非常に細かいものもあるわけですね。額としては大したことはないものもあるわけです。その辺のところは一体どうやってはじいてきたのかというのが、われわれとしても何年もこれをやっていてもいまだに余り解明されていないわけです。そこで税調に提出した資料で条項別に全部項目が書いてありますけれども、ひとつそれに従って——もちろんかなり細かいものもありますし、いま申しましたように幾つも幾つも使っている企業は単純にこれによって幾ら、この項目で幾らというふうに言えないものもあるかと思いますが、ひとつそういった意味で、より審議を深める意味においてさらにもう一段細かい項目別のものをできれば出してもらいたい、こういうことです。 時間がこんなにかかるつもりがなかったものですからちょっと先を急ぎますけれども、先ほど財政収支試算のお話がありまして、これは非常に重要なことでありますから、もう一度この財政収支試算なるものの政治的な責任は一体どこにあるのか、どこまであるのかということをひとつ大臣にお伺いしていきたいのであります。その前提として、今度の五十二年度の財政収支試算というのはどのような形で政府機関の中で討議され、決定されてきたのか、その点についてまずお伺いをしたいと思います。 〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕
○加藤(隆)政府委員 後段の方の御説明をさしていただきますが、昨年の場合と全く同じでございまして、経済企画庁の前期経済計画、あのフレームを踏まえまして五十二年度の数字で置きかえた。つながり方はGNPの伸び率に機械的につないでいく。政府内の議論でございますが、企画庁との間で、数字は去年と動かしておりませんので、打ち合わせる必要もないのでございますが、われわれなりに主計、主税、理財関係局で担当官が集まりまして議論いたしまして、それを企画庁につなぎまして議論をいたしたわけでございます。 それで、前段のお話で大臣の御答弁の前にちょっと言わしていただきたいのですが、企画庁の方の五年の経済の見通しがあるわけでございますね。その中で一般会計の収支をどういうふうに位置づけるかということをやっているわけでございます。したがって、私から申し上げるのはおこがましいですが、政治的責任云々というのは、まあ財政面の責任ということかもしれませんが、経済全体との絡みになるわけです。したがって、責任とかなんとかということではないような感じがするんじゃないかと思います。一つの展望であって、財政計画ではないわけです。毎年の歳入歳出の予定を示す、いわゆるドイツやEC諸国がやっておりますような財政計画ではない。経済の展望の上に立って、その中の一局面である一般会計の収支をそこから翻訳して計算したものである。もちろん財政運営上の手がかりにいたそうとは思っておりますが、そういうような一つの、言うならば名前のとおりの試みに計算したものであるという、そういう性格だと考えております。
○佐藤(観)委員 大分逃げ道をつくった答弁でありますけれども、たとえば経済企画庁がつくる昭和五十年代の前期経済計画、これはある程度の経済展望というか、見通しというか、一応フレームワークをつくっているということで済むと思うんですね。しかし、この財政収支試算は、いやしくも閣議決定がされて、具体的な柱は五十五年までにとにかく赤字国債はゼロにしようというのが一つだと思うのです。もう一つは、それに合わせるためには一体税収なり税外収入をどのくらいにしないと歳入歳出が合わぬかというのがこの試算の意味だと思うんですね。その意味において、所得税、租税特別措置法の審議でありますから、税収面、つまり歳入の方だけはかなり審議をされましたけれども、どうも私がいままで話を聞いていると、五十五年には赤字国債ゼロにするんだという前提で皆さん質問されているわけですね。 それで、いま加藤次長からお話があったように、あくまでこれは見通しというのか、一応計算をしてみたというだけのことなのか。閣議決定までされたものが果たしてそれだけの意味なのか。この政治的な責任、特に五十五年度には赤字国債をゼロにするというのは、まあ福田内閣がそれまで続いていることはちょっと考えられませんが、少なくも担当する自民党の内閣というのは、歳入面において五十五年度赤字国債ゼロにする、そういうゼロが結果において三千億残ったとか五千億残ったとか細かい話は別にしまして、少なくも五十五年度には赤字国債をゼロにするということは、政治責任を負う性格の財政収支試算なんですか。その点は大臣、どうです。
○加藤(隆)政府委員 ちょっと訂正させていただきたいんですが、これは閣議決定はしておりません。大蔵省限りで御提出したものでございます。経済計画の方は閣議決定がなされております。
○佐藤(観)委員 ちょっと私も勘違いして、五十年代前期経済計画は昨年の五月十四日に閣議決定されていますが、そのフレームワークで試算をしているわけですね。閣議決定はしていないけれども、財政を預かる大蔵省がそれなりのものを出したということになりますと、いま申しましたように、五十五年度赤字国債ゼロというのは果たして政治的な責任を負われる性格のものなんですか。大臣、どうですか。
○坊国務大臣 大蔵省で一応の試算をやったものでございますから、私はいいかげんには考えておりません。これは重々責任を感じつつ、五十五年度には赤字国債、赤字財政から脱却したい、かように考えております。
○佐藤(観)委員 繰り返してお伺いしますけれども、いまの大臣の御答弁は、そのときは坊大蔵大臣かどうかわかりませんが、細かい数字のことは別といたしまして、そういった意味で、これから向こう三年間の予算は、少なくも五十五年度赤字国債ゼロということに向かって、自民党内閣が続く限りはそれなりの政治的な責任を負う性格のものであるというふうに理解してよろしいですか。
○坊国務大臣 少なくとも、大蔵大臣はそうあるべきだと思います。
○佐藤(観)委員 なぜ私がそういうことをお伺いするかといいますと、いままで私も、今日までの審議をずっとお伺いしておりますと、どうもこの財政収支試算なるものの性格がはっきりしませんと、大倉さんに増税だ、増税だという宣伝を聞かされている、これがどうもPRに使われているように私には聞こえてならぬのであります。それで、片面では赤字国債をゼロにするのだというフレームワークをきっちりしておりませんと——われわれも増税そのものはやり方によっては賛成せざるを得ない面もあると思います。ですからそのことを原則的に反対をしているわけではありませんけれども、とにかく赤字国債を五十五年はゼロにしていくのだということをまず片面でコンクリートしておいて、そのためには、確かに大倉さんもたびたび言われておるように、五十三、五十四、五十五年というのは、単年度だけとってみればこの数字のようにぴちっとなるものではなくて、これはいわゆる三つに、三年間で残りを割ってみる、あるいは経済成長を一五、一二、一二というふうにしてみる、二つのケースを考えて出されたものでありますから、単年度のことは若干違いが出てくると思います。しかし局長が言われるように、余り初年度を低くすれば後の年度にこの過重な負担がかかってきますから、その辺も考えなければいかぬわけでありますので、単年度のことは別といたしまして、そういった意味で、少なくも、大蔵省がお出しになったこの財政収支試算というのは、赤字国債を五十五年にはゼロにするということだけは片面で固めていく、そのためにはあと残りの、たとえばケースAでいった場合には税収だけでこれから八十八兆七千百億円、これは専売納付金も入れてでございますが、税収だけで五十三年度以降八十八兆七千百億円が必要になってくるわけですね。そういうふうに固めていきませんと、先ほどの議論でも大変だ大変だ、これから増税の時代が来るんだ来るんだというPRだけをどうも聞かされているような気がしてならぬのであります。大倉さん、そういうふうに理解しておいてよろしいですね。
○大倉政府委員 私が当委員会で何人かの委員の御質問にお答えいたしましたのは、これは五十五年度までに実質公共投資百兆円という政策と、振替所得を国民所得比で一〇%まで引き上げるという政策と、なおかつ五十五年度には特例債依存から脱却するという政策と、その三つを同時達成するためにはこれだけの税収が必要であり、そのためにはある時期に増税をお願いせざるを得ないのではないかという姿を示したということを申し上げまして、同時にまた、これだけの増収を期待できるような増税ができない、あるいは適当でないという場合に、なおかつ特例債依存から脱却するためには、それは実質投資百兆円という社会資本の充実をペースダウンしていただくか、あるいはあえて振替所得の国民所得比を一〇%近くに持っていくというそちらをペースダウンしていただくか、そういう選択として増税問題をお考えいただくよりしようがない。 もう一つの選択としては、それは理論的には五十六年以降も特例債を残すということはあり得ましょう。しかし、大蔵大臣が先ほど来強い決意で、それはそこを柱にしたいとおっしゃっておられるわけでございますし、この数字を見ましただけでも、それだけの増税が可能であるといたしましても、五十五年度にはすでに国債発行額に対して国債費の比率は七割でございますから、それを漫然と五十六年度以降も特例債発行を続けていくということでは、本当に、ごく近い時期に国債発行額が国債費と同額になってしまうという慄然たる姿を示しておるわけでございますから、それはやはり福祉か、社会資本か、負担かという選択、非常に厳しい、いやがられる選択を求めざるを得ない姿を示しておるのだ。決して、私は自分の仕事のためのPRにこれを使っているような気持ちは毛頭ございません。しかし、非常に厳しい選択であるということだけはあえて問いかけなくてはいけないのではないかというものだと思います。
○佐藤(観)委員 そこで中期財政試算の中身、それから公共投資のこのパーセンテージが達成できるか、振替支出のそれができるか、あるいは政府の固定資本形成がこれから、百兆円という中身が少し道路に寄り過ぎているのじゃないかとか、そういうようなことはいろいろありますが、これは財政特例法のときにゆっくり審議するといたしまして、いま大倉さんが言われたように非常に厳しい情勢にあることは少なくも財政をやっている者についてはお互いに共通の認識であるわけですね。その際に、やはり増税をしなければいかぬ、これは歳入を合わせるために当然のことになってくるわけでございますが、その前提として、当大蔵委員会でもずいぶんと論議をしてきました数々のいわゆる不公平税制、これをひとつ、とにかくわれわれが不公平という指摘をしているものについてもう少し是正をしなければ、全体的な増税ということに国民的な合意はできないのではないか。貸倒引当金にしろあるいは退職給与引当金にしろ、そのほかいろいろな指摘があったわけでありますけれども、その他の租税特別措置、果たしてこんなの効果があるのかないのかという議論もあった中で、少なくも今日までたびたび議論をされた不公平税制と言われるものについてまずその地ならしをしなければ、その次の段階の一般的な増税というのはできないのではないかと私は思うのですけれども、その点について、大臣いかがお考えでございますか。
○大倉政府委員 その点は繰り返し申し上げておりますように、私どもなりに一番先にそこに問題意識を持ちましたからこそ、中期税制の審議は昨年六月でございますが、いわゆる不公平税制の見直しというものは一昨年の八月から手がけていただいておるわけでございまして、私どもの努力が足りないというおしかりはそれは甘んじて受けますけれども、何もやっていないということだけはひとつ御勘弁願いたいと思います。
○佐藤(観)委員 私は何もやってないとは言ってないのですよ。少なくもまだまだ当委員会でかなり指摘があるわけですね、それについて非常にやり方がなまぬるいのではないか。私もこの前予算委員会でやったように、金融保険業の貸倒引当金についても非常に巧妙なやり方で、今度は何か千分の五になったように一見見えるけれども、一見ですよ、皆さん方の法律案は千分の五というふうになっていますけれども、ただし書きがあって千分の八から千分の五に持ってくるには、そこに行くまではとにかく積み増しだけはさせないということですから、貸し出し残高がふえない限りは千分の八は事実上維持されるわけですね、貸し出し残高が事実上ふえない限りは維持される、こういうような巧妙なやり方をしている。このことは触れません。大倉さんがそう言うなら私は一つだけ触れておきたいのは価格変動準備金です。これは今度は全然手をつけていないわけですね。これはどうなっていますか。
○大倉政府委員 五十一年度に引き続き繰入率を縮減いたしております。ただ、その程度の差が不十分であるという御指摘かと思います。
○佐藤(観)委員 それは、今度さわったというのは、将来にわたって最終的にはゼロにする、こういう前提ですか。
○大倉政府委員 これはやはり関係省もございますことでございますから、私がいま直ちに将来ゼロにするつもりであるということを申し上げるのは差し控えさしていただきたいと思いますが、昨年も縮減し、本年も縮減しておるということで私どもの気持ちは御理解いただけるのではないか。本年の縮減の度合いにつきましては別途申し上げましたように、五十二年度の経済情勢全般を考えますと昨年と同じ考え方で特別措置は整理縮減に努めたいと考え、項目としてはかなりのものを拾い上げましたけれども、その幅は景気に悪影響を及ぼさない程度にということを考えざるを得なかったという面もまたあるわけでございまして、やはりそのときどきの経済情勢を見ながら漸進的に縮減をしていくということの方が妥当なやり方ではないかというのが政府側の考え方でございます。
○佐藤(観)委員 前に大倉さんが財政収支試算についてとにかく大変だと言われることはわれわれもわかっておるわけです。非常に強調して、とにかく大変だと言われることはわかっている。それに合うように全体をやっているか。もちろん経済を失速させないようにすることは非常に大事です。しかし、いままでのインフレ下の中で留保されてきた資産についてやはりなるべく早いうちにこれを吐き出してもらわなければ、いま申しましたように次の全般的な増税にいけないと私は思うのです。なぜ価格変動準備金について私は最終的にゼロにしていいかといいますと、たな卸し資産というのがいまこのインフレの中でマイナスになるということは事実上あり得ないのですね。これだけ慢性的なインフレが進行している現在、一般的に価格が下落するというのはほとんど考えられない、たとえば下落をしたとしてもこれは十分会計法上評価がえということができるわけでありますから、もし下落をしたとしてもそのときには損金で可能なわけですね。そういう道があり、いまや学説としても、これは利益性の留保積立金であるということは、定説になっているわけですから、その意味ではいま八千百八十四億五十年度の積立金がありますけれども、もう少し早いベースでこれは取り崩してもいいのではないか。そうしないと、大倉さんが言う、前の段階でとにかく大変だ大変だと言うのと実際にやっていることとはどうも合っていないのではないか。私は、その意味では租税特別措置法なり法人税のかなり優遇部分についての洗い直しは足りないと断ぜざるを得ないわけでありますけれども、いかがでございますか。
○大倉政府委員 時間の関係がございますから余り技術的なことを申し上げるつもりはございませんが、期末の時価との関連で申しますと、いわゆる後入れ先出し法を採用しているような企業には価格変動準備金は認めておりません。しかし、それは非常に技術的な問題でありますから、別の機会にまた御質問があればもっと詳しくお答えいたしたいと思いますが、一般的に申しまして、やはりたな卸し資産というものが期中に全く価格低落はしないで済むであろうかと申しますと、それは一概には申せない。特に現在の積立率で申しましても、いわゆる価格変動の著しい物品というものは昨年も本年も率はそのままにいたしておるわけでございます。したがって、一般の物品について——物品と申しますより、たな卸し資産あるいは株式等につきまして逐次積立率を縮減しているわけでございます。 ただ、おっしゃいました中で一つ、過去の留保を吐き出させるべきであるという点について私としてはいまの情勢のもとでは若干ためらいがございます。それははっきり申し上げておかなくてはいけないのかと思います。貸倒引当金の縮減につきましてもその考え方がありますので、所要の経過措置を講じさせていただきたい。と申しますのは、これはおしかりを受けるかもしれませんが、会計上の引当金なり準備金というものは現金が引き出しに入っているわけではございませんで、これは資産として運用されておるわけでございますから、留保を吐き出して課税をするということはそれなりのショックを与えるわけでございますから、私どもは、一般論としましては、石油ショック以後今日までの過程の中で、これはお気にさわるかもしれませんが、大企業というものは傷んでおる、相対的には日本が一番うまくやっておって、家計の傷みが一番少ない、私はそう考えておりますから、いまの段階で大企業の留保を吐き出す、それが財政再建に一番早くつながるというふうにはどうも考えておりませんので、それは物の見方の違いかもしれません、なお十分御論議をいただきたいと思います。
○佐藤(観)委員 その辺が不況下といいながらかなりもうかっているところもあるということを考えてみるならば、問題は、私も一挙にこの八千百八十四億をゼロにしろと言っておるわけではないので、やはり何年間かの経過措置は必要だと思います。しかし、今度の率では少なくとも五十五年に赤字国債ゼロに持っていこうという全体のスピードから言うならば余りにも遅いのではないか、このスピードでやっていたら、とても他の一般的な増税に国民的な合意がいくところまでいかないのではないかと思うのです。これも大体大倉局長さんの答弁で局長側の話は尽きていると思いますので、いつまで論議していても非常に時間がかかりますから、きょうは大変時間が過ぎてしまっているので、次の問題へ行きたいと思います。 私は去年の五月の二十日に税の小委員会で質問をして、考えておくようにということを言ったのでありますが、それは住宅取得控除の適用の拡大の問題です。もう多くを申し上げませんけれども、私の主張は、五十坪以下なら建て増しをしたものについても認めるべきではないか。とにかくそれなりの苦労をなさって、お子さんができたということで建て増しをしているものについて、一番最初の段階では、古い家なので、この住宅取得控除が創設されてなかった、使ってなかったという方については、たとえば十坪建て増しをした場合にはその分だけ認めてもいいじゃないか。それから、住宅取得控除の場合には中古の家を買った場合には認めてくれないという運用になっている。それから三番目に、せっかく営々として家をつくって一年ぐらい住んだけれども、現実にはサラリーマンの悲哀で転勤させられてしまう。せめて奥さんぐらいが残っていられれば住宅取得控除も効きますけれども、全部親戚なり知人に貸していかなければならぬという場合には、いまの法律では言うまでもなく本人が居住しているということが条件になっていますので、住宅取得控除が適用にならぬ。私は、これも売っちゃうなら話は別だけれども、せめて所有権が移転しないものについてはこれも認めていくべきじゃないかということを前回に主張しているわけであります。これについては税務署によっては、会社の転勤等というような場合には若干運用の面で認めているところもありますけれども、そういった意味でこのような国民に非常に直接的に関係の深い住宅取得控除についてはさらに運用を拡大していくべきじゃないかということを昨年の五月二十日に質問したわけでありますが、さらに全体的な建設省の住宅供給政策とも関連をして研究していくということだったわけであります。いつもおたくの方で検討する、検討するということは、どうもやらないということのようでありますけれども、ことしの予算として住宅取得控除は一体どのくらい減収になると見ているのか、そして、もし私が言うようなものにまで適用した場合に一体それほど大きな財源が要るというふうに考えているのか、その点についてお伺いをしておきます。
○大倉政府委員 幾つかのお尋ねがございましたが、住宅取得控除によります減収額は五十二年度平年度予算ベースで三百十億円と推計いたしております。これを御質問にございました中古などに適用を広げた場合にどの程度の減収の増加になるかということでございますが、貝沼委員にもお答えをいたしましたように、やはりこれは政策税制であり特別措置でございますので、税で優遇するために用いている政策目的というのは何であろうかということについて私どもなりに納得して、その上で初めて御提案もし御審議も受けることになるはずの性格の措置である。そこで建設省からは、五十二年度改正に関しましても中古住宅に適用を広げてほしいという御要望がございましたけれども、それはひとつ私なりにいまの住宅政策で中古住宅を取得することの意義づけ、位置づけをはっきり教えてほしい、それがいまや住宅政策としては大事なんだ、中古を買うことを誘導するというのでなければ税の軽減をするわけにいかないのじゃないか。これまた言葉が悪くて恐縮でございますが、税が軽ければ軽いほどいいということではなくて、特定の政策のために誘導的に税を使うということである以上は、建設省としていまの段階では中古に買いかえることが大事なんだということをひとつ私に納得いくように教えてほしい。それで私が納得がいくならばそれなりに具体的な案を詰めていこうではないかということを申し上げておるわけでございまして、納得がいくならばもちろん考えますという意味で検討の対象でございますけれども、新築の方は安くなる、中古を買っても安くならないから安くしろということだけで処理できるとは私は考えておらないわけでございます。 御質問の中にございました居住の期間がどの程度であるかという点は、ちょっと申しわけないのですが、実は居住用財産を売った場合のお話ではないかと思うのでございますが、そうではございませんでしょうか。住宅取得控除のことでございますか。——先礼しました。新築住宅を取得して、それから三年間になっているけれども住んでいる間だけですよというその部分でございますね。(佐藤(観)委員「転勤になっちゃう、三年しないうちに」と呼ぶ)これは法律に明示している部分でございますので、居住の用に供している年分まではいけるわけでございますが、変わってしまわれた翌年まで引き続き控除を適用するということは、いまの法律ではできないわけでございまして、それは国税庁でさばくわけにはまいりません。そこで立法事項としてどう考えるかでございます。それば一つは、これはいかにも税務当局の考えそうなことであるのかもしれませんが、新築住宅といって建てて入ってすぐほかの人に渡してまた建ててということで利用されても困る。(佐藤(観)「そんな余裕あるわけがないじゃないですか」と呼ぶ)それはお金のある人の話でございますから。まあいろんなことを考えて議論してつくっているわけでございまして、それはやはり本来の政策目的から見て、その新築住宅に本当に御自分がお住まいになるための住宅ですねということをこういう規定で裏から書いていると申し上げるのが一番いいのかもしれません。ですからそれは、自分が住むつもりで建てたのに別の理由でほかのところに行かなくちゃならなくなったというのを何か救えないかという御趣旨のように承りましたから、たまたま今回は期限到来で二年間単純延長の法案になってしまっておりますけれども、その適用期間内になお実態的にどこまでそういう問題を取り込んで考えてよいのか、そういう問題としてひとつ勉強はさせていただきたいと思います。
○佐藤(観)委員 勉強さしていただきますというのは去年もそう言ったんですよ。おたくは、局長じゃないけれども山内さんが言ったんだ。そしてまた一年たっちゃった。 それで、いまの大倉さんの答弁を聞いていますと、非常に冷たいんですな。非常に冷たい。冷たいということは、住宅取得控除というのは、空き地にどんどん家が建っていく、建築業者を奨励しているわけじゃないわけですよ。苦労してとにかくためて頭金はできた、そういう人にやっと家が来た、そういう御苦労に対して若干なりともマイホームの持ち家政策として税で優遇というか、税はわずかでありますけれどもめんどうを見さしてもらいましょうというのがこの趣旨だと私は思うのであります。これは大工さんとか建築業者を奨励しているのじゃないのです。ですから私は、新築に限ることは立法の趣旨からいって非常に狭過ぎると思うのです。これは苦労してとにかく家を持った方にせめて幾らかでも税でお役立てをしましようということであって、大倉さんが言うように中古家屋は、何もそこに誘導するのじゃなくたって、いまこれだけ物価が上がってきますと、土地を含めて新しい家を買うつもりで貯金していたけれども、とてもこんなことじゃこのインフレ下ではできないから、しようがないから、マイホームを持ちたいがために中古でがまんをしていこうかというのが現状なわけですよ。 それから転勤の場合だって、そんなあなた新築の家ばかりつくってどんどん転勤していくなんということは考えられないし、まして私が言っているのはアパート業とかなんとかの人に適用しろと言っているのではなくて、せめてとにかく過去蓄積をしたことによってマイホームをつくって、残念ながら一年で転勤になってしまった。これは自分の意思じゃないのですから、会社の都合でなってしまったわけですから、そういう方についても、所有権が移転すればこれは話は別だと思うのでありますけれども、所有権がある限りは、だれか他人に貸して行く場合でも、少なくとも、頭金なり何なりを払って建てられたことは事実でありますから、そういう場合の適用を広げるべきじゃないか、こういう租税特別措置ならもう少し適用の範囲を拡大してもいいのじゃないか、これはずいぶん全国にこのたぐいの例があるわけです。 ところが、どうも大倉さんのあれを聞いておりますと、とにかく新築の家が一軒でもふえることがいいんだというふうにとれるわけですよ。でもこの立法の趣旨は、マイホームを持つのに非常に時間もかかり値段も高い。いま一年に三万円までですね。それで三年間でしょう。最高やったって九万円ですから、しかも五十坪以下と決められているのですから、そんなにでかい家が建てられるわけじゃないんで、そういうものについて若干なりとも税でお助けをしましょう、こういう趣旨だと思いますから、当然これは建て増しの場合でも五十坪以下の場合ならこれを適用すべきだし、残念ながら中古の家しか購入できないような方にも、これこそまさに税が手助けをすべきであるし、家を建てられたけれども残念ながら会社の都合で転勤になった、家族も全部一緒に行かざるを得ないというような方についても適用するというのが私は温かい政治だと思うのです。大蔵大臣どうですか。時間もありませんから次に行きたいと思うのですが……。
○大倉政府委員 ちょっと私の先ほどの答弁で一つ漏れておりましたので。 その点は佐藤委員十分御承知の上での御質問のようにいま伺っておりましたが、単身赴任の場合には取り扱いでいいことになっておりますが、家族ぐるみで行ってしまったときに、なおかつ将来こっちへ戻ってくるということをどうやってうまくつかまえるかというようなことでございまして、それは先ほど申し上げましたように、なお研究の余地があるかどうかは勉強させていただきたい。 それから、政策の趣旨につきましては、どうも私は、これが冷たいとかなんとかいう問題ではなくて、やはり住宅政策としては、やたらに大きな家でなくて、しかしかなり質のいい家を新しくふやすということに力点があってできたのではないか、家を買った方に税で補助金を出そうという趣旨でできておる制度ではないように私は思いますけれども、しかしそれはそれで一つの新しい御提案として考えてみさせていただきたいと思います。私はどうも家を買った方に税という補助金を出すのだというためにできている制度のようには思いません。
○佐藤(観)委員 また論争していると非常に長くなるので、これもまた機会を見て小委員会等でやりたいと思います。 もう一つ、非常にいま件数が多くなって問題になっているのは、いまアパートなんかに住んでいる、ところがたとえば田舎の方に土地がある、その土地を売ってそのお金でマイホームを建てるという場合に、これは例の居住用の財産、住居を売った場合の三千万円の特別控除というのは受けられない、いまの法律ではそうなっているわけですけれども、これも私は、とにかく田舎にある土地あるいは自分が買っておいた土地、それを売られて、他の地域に会社の都合とかその他の都合で建てられるという場合には、こういう方々はそれによって利益が実現したわけではないわけですから、他のところにある土地を売って場所を動かしてつくられるわけですから、無制限というわけにいきませんので、たとえば土地が百坪以下とか、建てられた家屋の床面積が五十坪以下とか、そういった方には、この三千万円の居住用財産の特別控除ですか、これはもちろん法律改正が必要でありますけれども、広げていく必要があるのではないか。これは恐らく大倉さんに言わせますと、そういう土地を持っている方は幸福な方で、土地がない方と比べれば、そこまで税が優遇する必要があるかということを言われるかと思うのでありますが、横だけ比べれば確かにそういうことは言えましょう。しかし自分の田舎にある土地を売って建てられる方というのは、そこでもうけたわけじゃないわけですよ。ですから、これはやはり現実にかなり件数が多くなっているように私も聞いておりますので、こういったことも考えていくべきではないかと思いますが、いかがでございましょうか。 〔山下(元)委員長代理退席、保岡委員長代 理着席〕
○大倉政府委員 これは、また時間がなくて恐縮でございますが、やはり二つの角度からお答えをいたさなくてはならないのだと思います。 一つは、まさしくおっしゃいました資産価値が変わったわけではないという面、それに着目いたしますと、昔ございました買いかえ制度のような感じになってくると思います。ただ、資産価値が変わらないということでずっと買いかえで引っ張っていくことが、個人の場合には特に執行上非常に問題が多いということで特別控除に切りかえた経緯は十分御承知だと思います。そこで、特別控除になりました後で、これは自分が長年住んでいる家を手放さざるを得ないという状況で買いかえがなおかつない、それであれば通常のディセントな敷地、建物を売った場合に生ずるであろうキャピタルゲインぐらいまではひとつ課税対象から除外したらどうかということで三千万円になっているわけでございますが、これは、一般的に土地のキャピタルゲインについての課税がここ数年来逐次非常に強化されてきておりますいまの流れの中で、土地のキャピタルゲインの中から、そのキャピタルゲインを用いて新たに居住用家屋を建てる場合には、これは課税強化という全般の網の中から外へ除外していこう、確かに一つのお考えであるのかもしれませんが、どうも一般的に、キャピタルゲインというものは発生した時点では少なくともかなり強目に課税しなくてはおかしいという全体の流れからいたしますと、そのキャピタルゲインによって得た資金の使途が何であるかということで特例を設けていくということにはなお若干のためらいがあると申し上げざるを得ないような気がいたします。ここ数年の土地税制の動きを背景にいたしましたいまの時点では、その資金の使途が、これはいいではないかというような角度からキャピタルゲイン課税からだんだんとまた除外をしていくということが、果たしてほかにどのような問題を巻き起こしていくのか、それらをあわせながらもう少し考えてみたい、いま直ちにわかりましたというところまでなかなか踏み切れないというのが私どもの正直な気持ちでございます。
○佐藤(観)委員 そのキャピタルゲインの問題は、やはりこれは三千万円で押さえるわけでありますから、それ以上超えたものについては何らかの処置をする。とにかく大倉さんの考え方では、その売却の土地がどう使われるかによって課税を変えるのはおかしいという発想ですけれども、私はそうじゃないと思うのですよ。その売ったもので自分のいわゆる居住用の家屋をつくる場合に限るということ、だから家屋がどでかいものではこれは政策的に合いませんから、私は例として土地は百坪以下、建物については床面積が五十坪以下とか、いわゆる住宅取得控除等の大きさに合う程度のもの、そうしてその取得価格も坪当たりたとえば三十五万円なら三十五万円で限るとか、それから、確かに買いかえ資産の交換のときに問題になったのは、余り長くなっちゃって税務署が執行上困ってしまうということがあったので、たとえばこれは土地を売ってから一年以内に家を建てるというような条件を付して、前に質問したように、住宅取得控除との関連において、マイホームを建てるということから言って、田舎の土地を売ったって、それ以上キャピタルゲインが出てきて非常にもうかるというものではないわけですね。それは資産として自分の住居になるわけでありますから、たとえば三千万なら三千万で切って、それ以上出たものについては課税するというのはいいと思いますけれども、やはりこれも私の言い方は、買いかえ資産の交換の特例を一部復活したらどうかという形になると思うのです。形といたしましては。ただそれにはいろいろ条件がつきますよということでありますけれども、ひとつこれも検討してもらいたいと思うのであります。 最後に一問だけ、ちょっと事務的なことでありますけれども、重要なことで聞いておきたいのですが、御存じのように、いま総評が申告書について宮城方式、新宮城方式というので、宮城方式は生活費を経費としてもっと認めなさいという申告書の書き方をしている。新宮城方式というのは源泉徴収自体が違法であるということで、源泉徴収税額を戻せという申告書の書き方をしております。こういう申告書の書き方について私の仄聞するところ、これはもう税務署の方としてはただ受け取るだけ受け取っておいて、あと還付の通知なりあるいは充当の通知は——還付の通知というのか更正の通知ですね、正確に言いますと。更正の通知なりあるいは充当の通知はもう出さないで、とにかく受け取るだけにしてしまおうという動きがあるやに聞いているのでありますが、私の調べた限り、少なくもそういったことは通則法なり所得税法の施行令によってもできないと思うのでありますけれども、そういうふうに理解しておいてよろしいですか。
○山橋政府委員 お答えいたします。 先生のおっしゃったいわゆるサラリーマン減税闘争にかかわる申告書は本年も相当多数提出をされているようでございますけれども、現在確定申告が終わったばかりでございまして、税務署では現在申告書の検算、整理を行っている段階でございます。したがいまして、どのような種類の申告書がどの程度出たかということはわれわれはまだ実態を把握しておりません。いずれにいたしましても、税務当局といたしましては個々の提出されたものを十分内容を審査いたしまして、法律に照らした適正な処理をしたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○佐藤(観)委員 次長、私はそういう一般論で言っているのじゃなくて、現実にいままで、昨年もいわゆる宮城方式あるいは新宮城方式という形で現実に申告書が出されているわけですね。その処理について、ことしからは、後の更正通知書なり充当通知書を出すのは非常に大変だからやめちゃえ、これはもう受理するだけでいいんだというふうに聞いているわけで、ことし現実にどういうふうに出るかは確かに次長の言われるとおりのことかと思いますけれども、過去出されたものを例にとるならば、そのような、いま私が例に申し上げましたように、経費部分について欄外で出すとか、あるいは源泉徴収の総額を還付するような請求書を出すとか、そういうようなものについて更正の通知書なりあるいは充当の通知書その他の手続を省いてしまってやることができるかどうか、現在の国税通則法ないしは所得税法の施行令等によってそういう解釈ができ得るかどうか、またそういう施行ができるかどうか、その点をお伺いしているのです。
○山橋政府委員 お答えいたします。 ただいま申し上げましたように、現在確定申告書の中身についてはまだ正確に把握しておりませんけれども、先生のおっしゃいましたように、その確定申告書の内容につきましてもいろいろ千差万別のものが出ているようでございますけれども、本来確定申告書は所得税法にのっとりまして法定の事項を記載していただかなければならない、こういうたてまえになっているわけでございます。その記載事項にもし欠缺があるというふうな場合には、その欠缺の程度によりましては、所得税法にのっとった確定申告書ではないと評価をすべきものもあろうかと思いますし、また、行政庁に対するところの陳情を確定申告書の用紙を用いて行ったと判断する場合も出てくるだろうというふうに考えますけれども、いずれにいたしましても、これはその申告書の中身を見てケース・バイ・ケースにわれわれとしては判断すべきものであろうかと思います。現在その中身の審査まで入っておりませんので、どういう取り扱いを最終的にするかということは、今後の検討にまちたいと思っております。
○佐藤(観)委員 もう少し詰めたいのですが、時間がありませんので、確認をしておきますけれども、いままで確定申告書が出されて、それに従ってこの人は充当する金額ゼロないしは還付する金額ゼロという更正通知書なり充当通知書というのを出さないで、税務署側は受け取っただけだというような例は過去にありますか。
○山橋政府委員 過去にはございません。
○佐藤(観)委員 そのことだけ確認をして、最後に一つだけ、これは私の地域だからというわけじゃありませんけれども、去年大変な災害がありまして、それで非常に雑損控除が多いということで、名古屋の国税局は、住宅、家財に対する損害額の簡易計算の方法というのを出されたのですよ。これは非常に親切で、被害割合の判定基準表、住宅、家財の部とか土地の部とか、簡易計算によるあなたの損害額というのを非常に懇切丁寧に——それでも実際にはなかなかむずかしいですが、少なくもなるべく皆さんにわかってもらおうということで名古屋の国税局は出されたのですよ。たしか去年は、例を出して恐縮ですが、四国の方も大変な被害に遭ったのですが、私の調べた限りは、こういった、一般の人がなるべく書きやすいように簡易計算の方法なるものをつくったところはないので聞いてみると、これは名古屋国税会議という組合と局とが話をして、なるべく納税者に利便になるようにというのでつくったのだそうでありますけれども、そういった意味で、納税というのはなかなかむずかしいわけですから、なるべくこういったこともぜひ考えてもらいたい。名古屋の国税局だけがこれはやったことなんですが、ぜひ今後とも奨励をしてもらいたいこともあわせて申し添えまして、私の質問を終わります。
○保岡委員長代理 村山喜一君。
○村山(喜)委員 私は、税については権威者だと言われる大蔵大臣にいろいろ質問をしてみたいと考えておるわけです。答弁しにくいような問題は、優秀な官僚たちが控えておりますから、そちらの方にお譲りをいただいても結構でございます。 まず、サラリーマン減税の問題でございますが、この給与所得控除という概念が、これは必要経費の概算控除なんだ、それから二番目には、勤労所得としての担税力が弱い、第三番目には、捕捉率の調整の意味もあるんだ、こういうような形で、最高は四〇%、最低一〇%のそういう控除制度というものがいま大きくなってきたわけです。ところがこれが、大蔵大臣も御承知のように、中小企業者のいわゆる勤労所得控除もサラリーマン減税の控除と同じような形にいまなっておりますね。というのは、いわゆる法人成りと言われる中小企業者もあるいは青色事業申告者の場合でもこれは専従者完全給与控除制度がとられる、あるいは事業者自身についてもみなしで所得がとられる、こういうような控除方式がとられておるわけです。 〔保岡委員長代理退席、委員長着席〕 そうなってくると、給与所得控除の概念規定の中で勤労所得としての担税力が弱いというのが要素に入っているのが性格が変わってきているのではないだろうか、私はそういうように思うのです。捕捉率の問題ですね。というのは、クロヨンという言葉があるように、問題が提起をされておりますように、サラリーマンの場合には完全に捕捉をされる。ところが、その他の職業の場合には完全に捕捉をされないというような問題等があるわけですが、これらは今後の税制改正の中で、サラリーマン減税というのは、単なるサラリーをもらっている給与所得者だけではない、中小企業者のいわゆる勤労性の所得の場合も同じように取り扱っていくんだという思想としてこれからやっていかれるつもりでございますか、どうですか、この点を初めにお伺いをしておきたいと思うのです。
○大倉政府委員 大変にむずかしい御質問だと思うのでございますが、給与所得控除の性格づけにつきましては多年重ねて御論議をいただいておりますが、毎度申し上げておりますように、ある程度定性的な説明はできるといたしましても、それを定量的にどの部分がどれに該当するということはなかなか言えない、そこに限界があるというものであろうと思います。 ところで、現実に現在の所得税法のもとで、いわゆるサラリーマンだけでなくて、青色申告をしておられる方の家族専従者、それは事業主からは経費として差し引かれ、受け取った側は給与として扱われる。したがって、給与所得控除が適用になる。また、事業主自身につきましては、これは租税特別措置ではございますけれども、いわゆるみなし法人課税というものを選択なさいますと、御自身にみなす法人から報酬を払う、その報酬部分がまた所得税の課税上は給与所得として扱われて、給与所得控除が適用になっていくという問題がございます。また、白の事業所得者につきましても事業専従者控除、これは一律でございますけれども、これを受け取った側はまた給与を受け取ったとして課税するということでございまして、給与として課税をする、その限りにおいては給与所得控除が適用になるということで、いわゆるサラリーマンでない方にも給与所得控除が適用される余地がかなり広がってきておる。その点はもう御指摘のとおりだと思うわけでございます。 そこで御質問の最後の、今後所得税の軽減を考える場合に、それはサラリーマンのことだけではなく、ほかの人も考えてやるのかというふうに、私伺いましたが、やはり中小所得者の負担の軽減という場合には常に、中小所得者のそれが事業所得であるか給与所得であるかという前に、中小所得者として物を考えていく、恐らくは大臣からもそのようなお答えがあるのだろうと思います。 ただ、これだけ給与所得控除の率が上がりましたので、今後の改正で給与所得控除の率を、特に下の方の収入階層についてさらに引き上げるということは、これはなかなかむずかしい問題でございますし、ある程度は減税の骨格を決めるような問題でもございますから、私として断定的なことを申し上げるのは避けるべきだと思いますけれども、私の個人的な感じといたしましては、給与所得控除の率というのは、いわばもうずいぶんいいところに来たな、これ以上率を上げるという必然性は余りないのではないか。もし私が御質問の趣旨をはき違えていないとすれば、むしろ中小所得者全般の負担軽減ということで、サラリーマンだけの軽減−サラリーマンだけの軽減という場合には、これだけ範囲が広がる前には給与所得控除のアップということで考えられていた歴史的な背景がございますけれども、やはり今後は中小所得者全体を考えながらの必要に応じての負担軽減という角度で問題が取り上げられることの方が多いし、恐らく現実的ではないかなというふうに感じます。私の個人的な感じを申し上げました。
○村山(喜)委員 大臣、どうですか。
○坊国務大臣 主税局長がお答え申し上げたとおりで、私から特につけ加えるところはございません。
○村山(喜)委員 私はやはりこの問題は今後の税制の中で考えなければならない大きな問題を含んでいると思うのです。というのは、捕捉率調整の問題をとらえてみましても、どうも悪循環に陥っているような気がしてなりません。 それと、税制上の申告納税制度を推進するという意味から、青色事業者の場合にはそういうような恩恵措置がとられたわけでございますが、白色申告事業者の場合との対比においても問題があるのではないかという多くの指摘は、この際考えてみなければならない問題点だということを指摘をしておきたいと思います。 そこで、必要経費の問題でございますが、個人の資産というものを分けてみますと、事業用資産と生活用資産とがあると思うのですが、その中間の段階のものもあると思うのです。先ほど佐藤委員の方からも話がありましたように、たとえば生活用資産が災害を受けますね、そうなると、いわゆる雑損控除という方式がとられるわけです。その場合には足切りがありますね、一〇%と。ところが、事業用資産については足切りがございませんね。そういうことから、事業用資産の場合には任意の取り壊しまで必要経費というふうに見るわけですね。そうなってまいりますと、事業所得者の場合には、必要経費というものをいろいろな形で見ることができる。ところが給与所得者の場合には、その必要経費というのは、これは概算控除方式でございますから、もう見てあるのだということで、そこにまた争いが出てくるような気がするのでございますが、そういういわゆる個人の資産というものがそのような形の中で処理をされる場合に、たとえば大工の道具、これは事業用資産というふうに処理をされるわけでございますか、それとも、これは中間の、いわゆる事業用資産に類するものとして処理がされているのですか。そこら辺の取り扱いはどうなりますか。
○山橋政府委員 お答えいたします。 実際の取り扱いの問題でございますけれども、大工の所得には、事業所得とされるものとそれから給与所得とされるものがございます。事業所得とされるものにつきましては、その所得金額というのはその事業に係る収入金額から必要経費を控除した金額とされているわけでございますが、大工道具代も事業所得の必要経費とされるということになろうかと思われます。 それから大工の所得のうちで給与所得とされるものにつきましては、その所得金額はその給与にかかる収入金額からいわゆる給与所得控除を引いた金額でございますので、大工の道具代でございましても、給与所得控除以外にそれを別途控除することはできないというふうに考えております。
○村山(喜)委員 税法の解釈はそのとおりだろうと思うのですが、そうなりますると、その資産から所得が生じている場合に、その限度内において控除をするという方式をとるということですか。
○山橋政府委員 お答えいたします。 たとえばその大工の所得が全額給与所得であるというふうに認定をされますれば、それは給与所得控除の範囲内でその経費を見るという形になろうかと思います。また全額が事業所得であるということになりますれば、その事業所得の計算上の必要経費としてそれを見るという形になろうかと思います。また一部事業所得、一部給与所得という場合もあろうかと思いますけれども、その場合にはその収入金額が何%が給与所得で何%が事業所得というふうな、その割合によりましてその経費の案分ということが行われるという形になろうかと思います。
○村山(喜)委員 具体的には大工道具を持って雇われたという形、自分の道具持ちという形で給与所得を受ける、あるいは協同組合みたいなものをつくりまして、そちらの方から必要な大工道具を支弁されるという形で、しかも給与もその協同組合の方から支給を受ける、こういうような事業協同組合の場合には、大工道具というのは協同組合のものでございますから問題は発生しない。自分で大工道具を持ち込んで仕事をする場合に、その大工道具の税法上の処理についてはどういうふうになりますか。
○山橋政府委員 お答えいたします。 ただいまお答え申し上げましたように、もしその大工さんが雇用関係にあって、その収入というものが給与所得であるというふうなことでございますれば、その大工道具につきましては給与所得控除の範囲内で引かれる、こういう形になろうかと思います。
○村山(喜)委員 そういう雇用の形態は、契約によって成り立った場合にはどうなりますか。それは事業所得として、その中から経費として落とせるということになりますか。
○山橋政府委員 お答えいたします。 これは一般的に申しまして、大工さんのいろいろな雇用関係といいますか、契約関係は、たとえば請負契約というのがございます。請負契約の場合には、通常私たちといたしましては事業所得というふうに考えております。したがいまして、大工道具につきましては、その事業所得の必要経費という形でその経費に認められる、こういう形になろうかと思います。
○村山(喜)委員 たとえば会社なりに雇用された場合には、自分が持ち込んだものは給与所得の中からそういうような必要経費として控除することができますか。
○山橋政府委員 お尋ねの件が会社との雇用契約であるという形でございますれば、その収入は給与所得でございますので、給与所得控除の範囲内でそれを見るという形になろうかと思います。
○村山(喜)委員 給与所得の範囲内ということになりますると、事業所得の場合と差がありますか、ありませんか。
○山橋政府委員 お答えいたします。 大工道具の具体的な量とかあるいは金額とか、それぞれいろいろな場合があろうかと思います。それによって違ってくると思いますけれども、給与所得控除の場合にはいわゆる給与所得控除の範囲内でしか認められない。事業所得の場合には、その事業所得に必要であるというふうに考えられる範囲内においてその必要経費が認められる、こういう形になろうかと思います。
○村山(喜)委員 給与所得控除の中身が必要経費の概算控除という中でその問題は見られるから、これはやはり給与所得のその控除額の中で見てあるんだということになりますね。そうなると、一般のサラリーマンが洋服を着て会社に通う、そういうようなものと同じものだという取り扱いになる、こういうことに解釈していいですか。
○山橋政府委員 お答えいたします。 大工さんの場合の大工道具というのは、その給与所得を得るために必要不可欠といいますか、そういう性質のあるものだと思いますけれども、しかし給与所得ということでありますれば、その必要経費は給与所得控除の範囲内でこれを見る、こういう法制上のたてまえになっておりますので、その範囲内でその経費を引く、こういう形になろうかと思います。
○村山(喜)委員 だから、給与所得者と見られる場合には給与所得控除以外には見られないわけです。それで請負契約の場合には、これは事業所得だから必要経費として、その費用なりあるいは損失を見ることができる、こういう取り扱いになるわけですね。それは矛盾はありませんか。
○山橋政府委員 お答えいたします。 税法のたてまえが、事業所得の場合には収入金額から必要経費を引くというたてまえでございます。給与所得の場合には給与所得控除という概算経費控除的な制度があるわけでございますので、制度上はそのような扱い方になろうかというふうに考えておるわけでございます。
○村山(喜)委員 私は大工の道具の問題を一つだけ取り上げましたけれども、雇用かあるいは請負かという形態によって事業用資産、あるいはそれは給与所得の必要経費の概算控除だ、こういう形で取り扱いが区別をされておるわけですね。そこら辺の上から、自分が必要な大工道具を持ち込んで雇用関係にある場合には、その道具代というものを給与の上にプラスして給与が決まっておるのであるならば給与所得から控除することも認められるけれども、その持ち込んだ場合と持ち込まない場合、会社側が持つ場合と自分が持っている場合とは労働条件の差が出てきますが、その場合も給与が同じである場合にはおかしな現象が出てくるように実際の取り扱いではなるというふうに思うのですが、そういうような事例はございませんか。
○山橋政府委員 お答えいたします。 そのような議論といいますか、苦情も現在まで私たちの方には耳にしておりません。
○村山(喜)委員 われわれのところに来ておるのは、大工道具というのは大工が生産の手段として、事業所得者であろうがあるいは給与所得者であろうがこういうようなものはそれを得るために必要な資産であり、それはやはり必要な費用として落としてもらいたいという要請が来ているわけです。それは当然減価償却等の問題も含めて落とすべきではないか、こういうような意見がございますので、この点は検討を煩わしておきたいと思います。 そこで大蔵大臣、ずっと意見を聞いておりますと、いろいろな立場からもっと減税をしろ、もっと特別措置を考えなければならぬという意見が非常に強いようでございます。しかしいま税金をもっと引き上げなければならないというときに当たっておる。その中で、一体大蔵大臣は、いわゆる課税所得というものに食い込んでいるいろいろな措置、特別措置やいろいろな措置がございます、こういうものに対して、どういうようにするんだということを基本的にお考えであろうか、こういうことについて私はお伺いをしてみたいのです。たとえば、資産所得の場合、利子所得があります。いろんな組み合わせ方式がありますが、利子所得の場合に、元本が一人について千四百万円までは少額貯蓄だ、こういうことの取り扱いになりますね。一人で千四百万。それに加えて、証券の投資信託の収益分配金も非課税措置ですね。そうなっておりませんか。それで、これは税法の中で元本が一千四百万円までは少額貯蓄だ。そこまで税法の中で、そういう資産所得にかかわる利子所得等を優遇しなければならない必然性というものが今日あるのでしょうか。この点はどういうようにお考えになりますか。
○坊国務大臣 いま御指摘の所得等に対する措置というものは、これは検討を要することだと私も思います。今日、非常に財政が苦しく、健全財政を図っていかなければならないときに、そういったような問題については、まじめに考えていかなければならぬ問題だと思いますけれども、ただ、卒然としてこれをやめるとか、あるいは非常に激変させるとかということをやりますと、そのことによって、激変をするということが混乱の基となるようなこともございまして、取り急いでこれをやっていこうということには——私は、順序をもちまして、そのために順次今日までもそれをやってまいったというようなことでございまして、余り激変をさせるということについては、これは慎重に考えなければならない。いろんな環境等もありまして、そういうふうに考えております。しかし、何もやらぬというような考えではございません。
○村山(喜)委員 所得税の課税単位の問題をどういうふうにお考えになっていらっしゃるのだろうかということなんですが、いま、日本の所得税の構造というものが、単位が個人主義でございまして、世帯単位ではないということから、いろんな形で節税をするという形の中で、分散が行われておるわけですね。そういうような状態の中で、独身者、世帯持ちであっても同じ累進構造の税率で、したがって、世帯持ちには不利に働く税制だ、こういうふうに言われておりますが、そういうような問題の指摘に対して、主税局長はどういうふうにお考えになっているのでしょうか。たとえば納税者の配偶者の給与収入が七十万円以下の場合には配偶者控除が認められて、その収入は納税者の課税所得に含める必要はないわけですね。そしてまた、源泉分離選択にかかわる利子や配当所得が仮にあっても、それも妻のものに名義がなっていた場合には、納税者のその申告に付加する必要はない、こういうようになっているのだと私は思うのですが、そういうようなものの上から考えていった場合に、いまの所得税の課税単位というものは、いまのままでいいんだろうかという問題が出てくるわけでございますが、これらの問題についてはどのような検討をしていらっしゃるのか、この点についてお答えいただきます。
○大倉政府委員 過去に税制調査会におきまして、ある時期にかなり集中的に課税単位の問題を御議論願ったことがあります。ちょっと何年でございましたか正確に記憶いたしておりませんが、そのために税制調査会に属して.おられます学者の委員にわざわざ外国の調査に出かけていただいたこともございました。ただ、その結果の御報告は、現在二分二乗方式、あるいは共同申告方式と申す方がより正確かもしれませんが、そのようなものをとっておる国でも、なかなかやはり独身と夫婦者との間の負担のバランスが問題になってきて、結局は複数税率表のようなものが出てきたり、なかなかうまくいかないのだ。結局は所得の稼得者単位の方が、しょせんはたどりついていく形としてはむしろいいのかもしれないというニュアンスの御報告をいただきまして、いわばそこで審議がちょっと中断のような形になっておるというのが現状であると申し上げてよろしいかと思います。 それから、いわゆる二分二乗を採用するかあるいはフランス式にN分N乗を採用するか、それは単身者の特別税率をつくらないという前提でございますと、確かに単一世帯の累進負担が緩和されるわけでございますが、単身者の特別税率を別途つくると、結局またもとに戻って同じようなことになってしまうということでもあるようでございます。それから、そこまで行かないで、いまの稼得者単位の税制、日本の所得税のもとで奥さんなり配偶者なり、まあ奥さんというとまた男女がありますから、配偶者なりその扶養親族なりの独自の所得があるときに、これをどこまでならば扶養親族として認めたらよろしいかという問題、これは、一番理論的には配偶者なり扶養親族の所得が大きくなるにつれて配偶者控除なり扶養控除の額を漸次消去していく、つまり、いまの政府案で申しますれば、二十九万円の配偶者控除と決めてあるけれども、配偶者が十五万円所得があるならば、それは配偶者控除は十四万円しかありませんよというやり方が実は一番理論的にはすっきりしているのではないか。ただ、それはいかにも実務上もう持ち切れないということで、いまのようにその所得限度というものを決めて、そこまでの所得であれば、もうえいやっと言って、配偶者控除は全額認めるということになっておりまして、その意味では、そのボーダーラインをちょっと超すと配偶者控除が飛んでしまうという段階が一つあり、もう一つは配偶者なり扶養親族がサラリーを得ている場合には、その御自身の課税最低限との間にまたもう一つ段階がある。御自身が課税される場合には、大体は扶養親族にならないわけですが、課税はされないが扶養親族にならないという段階と、課税もされない、扶養親族にはなったという段階といろいろに出てきてしまって、刻みのところで言うと、どうもあっちとこっちがバランスがとれないなという問題がどうしてもつきまとっていることは御指摘のとおりでございます。ただ、それを非常にクリーンに直していこうとしますと、やはり漸次控除額を減らしていくという方式しかいまのところちょっと思いつかないわけでございますが、それはかなり複雑で実務もなかなか大変だということで、そこまではいけない。しかし、おっしゃるような問題がいろいろ意識され始めている。特に給与所得の定額控除が大きくなりました結果、パートの奥さんの収入がかなり多くても奥さんは課税されない、しかも配偶者控除があるということが出てきて、いわゆる内職収入との間でいろいろ問題が出てきたということは、私どもなりに新しい問題が出てきたなという意識はしておりますが、いまのところなかなかはっきりした解決案は見つかっていないというのが現状でございます。
○村山(喜)委員 法人税の所得の概念の中で純資産の増加説という説が従来の本体をなしておる。所得税法上の所得についてもやはり同じような立場に立った考え方で問題の処理を図っていく段階にあると言われておりますが、この点はいかがですか。
○大倉政府委員 これがまた非常にむずかしい御質問でございまして、いまの法人の課税所得の計算の仕方というものは、いろいろな規定を総合して考えますと、純資産増減的な計算に一番近いのではないかなと私も思います。ただ、個人の所得の場合には、事業所得者と申しましても、どうしても生活関連部門との間でいろいろやりとりがございます。端的に青色申告をなすっている方のいわゆる店と奥との仕分けというような問題がどうしてもつきまとうわけで、そのときに店分の純資産増減的個人所得計算というのは一つの方向であるのかもしれませんが、非常に完全に記帳がされる、また店と奥との区分がだれが見ても紛れがないようになるという状態を前提にいたしませんと、現実の個人営業の形態をいろいろ見た上では、やはり総収入金額、これに伴う必要経費、それに資産損失を別途考えるといういまの行き方でないとなかなかさばき切れないのじゃないかなという感じもいたしますが、どうも私もちょっと自信がございませんで、いまあちら側におります専門家の顔を見ながら答弁しておりますが、(笑声)どうもそういうことではないかなと思います。
○村山(喜)委員 この問題は、大体同じような方向へ向かっていくのが正しいんじゃなかろうかと私は思うものですから、ちょっと御所見をお聞きしたわけです。 有価証券の譲渡所得の問題なんですが、これは所得税法の九条の一項の十一号によりまして、原則的には非課税だ、こういう措置がとられていることは大蔵大臣も御承知のとおりでございます。それを直さなければキャピタルゲインの課税というものはなかなかむずかしかろうと私は考えるわけですが、イギリスは一九六五年、カナダは一九七二年、フランスは一九七六年に税制の改正をやりまして、キャピタルゲインの課税をやる形になっておるというふうに聞いております。アメリカの場合には、これは大臣が予算委員会で答弁をされたと思いますが、未実現の利得は税法上の所得とは見ないという考え方で、アメリカではまだとられていないようでございますけれども、聞くところによりますると、公平負担の原則の上から見まして、この問題についても問題があるなあという指摘がなされて論議がされておる、こういうことでありますが、キャピタルゲインの課税の問題は、評価益を納付能力の増加を伴う経済的な利得の発生というようにみなして、そして課税をするということになるんでしょうけれども、この場合に、日本の税制の中で有価証券というものが今日大きな金融資産として取り扱われるようになってきた、このことに着目しながら、たとえば現先市場で取り扱われている有価証券の金額のトータルが四十五億とか、あるいは公社債市場における取り扱いが七十五兆円とか言われるような、そういう時代に入っておるときに、私もやはりこのキャピタルゲインの課税という問題は検討をして、所得税法の九条一項十一号の有価証券の譲渡所得の問題とも関係がありますから、それらを含めて検討をしなければならないきわめて大事な時期に来ているのだというふうに思うのであります。資産の移転の際に、それまでに生じたキャピタルゲインに対する課税清算をやろうというシャウプ勧告の考え方というものがずっと後退をして、日本の税制の中では今日ほとんど生かされていない。それはそれなりの時代の動きがあったと思うのですが、こういうふうに日本の税制が抜本的に検討されなければならないときに当たりまして、純資産の増加説の上に立って課税を捕捉していくということになりますと、こういう視点から、改めて税制の問題については検討をし直すべきではないだろうかという気がするのでございますが、大蔵大臣はどういうふうにお考えでございますか。
○坊国務大臣 大変新しい問題であり、かつ技術を伴う問題でございますので、まず事務当局からお答えさせます。
○大倉政府委員 御指摘を私なりに二つの面に分けましてお答えいたしたいと思いますが、一つはやはり資産増加と、それを未実現であれ何であれ、そういう角度から負担を求めるという感覚があっていいのではないかと、そういう角度が一つ御質問の中にあるように思います。一般的にキャピタルゲインを未実現の段階で所得課税をするということにつきましては非常に問題が多いし、政府としてなかなか踏み切れないという趣旨のことを総理大臣も大蔵大臣も予算委員会でお答えしておるように思いますけれども、所得課税としてではなくて、資産課税というジャンルで何かそういうことが考えられるのかどうなのか、それは具体的に申せば非常に多額の資産、純資産を持っておられる方に富裕税のようなものを考えてみたらどうかという御提案に場合によってはつながる問題提起ではないかと思います。富裕税につきましては、それなりに執行の困難さとかいろいろな問題が指摘されてもおりますけれども、ただいま税制調査会に昨年十一月十二日に一つの検討材料の中に入れまして問題提起をいたしてございますので、もう少し税制調査会での御審議の推移を見守らせていただきたいと考えております。 もう一つの側面は、実現したキャピタルゲインとして有価証券の譲渡益についての課税を取り上げないと、やはりこの時期に、そこをいまのままでいいというわけにはいかないのではないかという御指摘のように承りました。これは実は私どもも基本的にはおっしゃるような気持ちでございます。それで所得税法では原則的に非課税という規定を置きながら、これこれこういうものは課税ですよというふうな仕組みになっておる。その中に継続的取引でございますとか——継続して有価証券を売買するという所得でございますか、それから買い占めでございますとか、あるいは事業譲渡類似、一番最近追加いたしましたものとしては、ゴルフ場の会員権というようなものがあって、逐次非課税という原則の中で課税の対象として取り上げるべきものが追加されてきたという経緯はございますけれども、もう少し突っ込んで課税すべき範囲を洗い直すべきではなかろうか。一般的に全部課税の方に切りかえていくということにつきましては、これはやはり完全な把握の体制ができるかできないかという利子所得の総合課税の場合と同じような非常な難問がございますので、それを待たずに、むしろ原則非課税というシステムの中でも、いまのここまでは課税しなくてはいけないという範囲をもう少し広げて考えるべきではないだろうか。 そこで、率直なところ、昨年の秋以降、利子配当課税を強化したいということで関係局に相談を持ちかけますのと並行いたしまして、いまのキャピタルゲイン課税の強化ができることならやるべきではないだろうか、勉強してほしいということを頼んだわけです、先方の担当局長も、御承知の男でございますから、まともに受けとめまして勉強をしてくれたわけでございます。ただ、残念ながら、今回の改正につきましては具体的な成案を得るに至らなかったのでございますが、もう少し時間をいただいた上で何らかの、漸進的ではあれ、解決法をお互いに見出すように勉強しようではないかということに私と彼との間はなっております。 その場合に、最大の問題としていま言われておりますのは、昔から言われておりますことでもございますが、資本市場に対して非常に不測の影響を与えることがないようにという配慮、これはやはりどうしても必要だろうと思います。それから、原則課税ということにはなかなかいけないというその裏には、やはり個人株主が非常に減ってしまっておる、非常な小口の投資家というものに無用の恐怖心を与えないというような、きわめて現実的な物の考え方というものも必要だろう。ただ、有価証券市場が全体としてシュリンクしてしまうというようなことは、これは制度改正がたとえば発表になったとかあるいは記事になったというときの心理的な問題はともかくとして、ある時期を経過すればそんなことはないんじゃないのかな、そこをもう少し勉強しようではないかということでございますが、それにつきましては、村山委員のおっしゃいましたように、現に少なくともたてまえ上は課税している国でちゃんと資本市場が成り立っているんではないか。いや、それじゃ一体どうやってその国は課税しているのか、税法が現実にどう動いているのかということもひとつなるべく早い機会にもう少し具体的に勉強をしてみて、それが日本の市場の場合にうまく適合できるという自信を持ったいい解決策を二人で探そうではないかということになっております。具体的な案がいまだにお出しできないのはまことに申しわけないのでございますが、もう少し時間をいただきまして、いま私が申し上げたような方向で努力をさせてみていただきたいと思います。
○村山(喜)委員 不公正税制というそしりがあるその背景には、やはり総合所得課税の原則というものが骨抜きになっている、そしてフローの面についてはこれは課税がたやすくされるけれども、ストックの分に対する課税が不十分である、こういうところに国民の税制に対する不満があるんだと私は思うのです。そして、やはり税制の体系というものが、課税対象の大部分が流動性に乏しい不動産を対象にして課税を強化するという方向しか考えられていない。そういうような面から、私は、やはり有価証券の譲渡所得に対する課税なりあるいはキャピタルゲインの課税という問題は、今日的な資産の構成の内容に関する問題であり、これはやはり課税を公正にやるという立場から問題をもっと突き詰めて、税調あたりで検討された結果をこの大蔵委員会にも出していただいて、そうして公正な課税が行われるような措置をおとりを願いたい。こういう考え方は、大蔵大臣、いかがでございますか。
○坊国務大臣 先ほど来申し上げておりますが、中期税制におきましては、税制の材料というものもできるだけ爼上に出してそこで研究をしていくということでございますから、そこで、その土俵場におきましておっしゃるような御意見、それを十分頭に入れながらこれを研究していただくというふうに持っていきたい、かように考えております。
○村山(喜)委員 帰属所得の問題ですね、家賃、地代、こういうような問題は、日本の場合には従来は資産やサービスの生む利益は所得としては考えない、こういうことでございました。固定資産税では考えられておるわけですが、そういう所得税の中で問題を考えることはお考えになっていないのか。この点を私たちはやはり国民の公正な税制の上から見まして——田中さんのように大邸宅に住んで、そうしてそれを自由に使って、それから生まれるところの利益というものを享受していらっしゃる人もおる。中には、三畳間に二人とか住むような状態の住居の狭い中での生活を余儀なくされている人たちもおるわけです。この場合に、国税庁の場合は、たとえば会社が支給をする家がある、それを無料で提供した場合には、それだけの所得があるものとして課税をすることになるでしょう。その点はいかがですか。
○山橋政府委員 お答えいたします。 現物給与という形で課税の対象になろうかと思います。
○村山(喜)委員 したがいまして、自分の持ち家なりあるいは自分の土地を持って豪邸に住んでいる人たちの場合には、私はある程度——諸外国、特に西ドイツやオランダや北欧の国々にはそういう制度が、帰属所得についてはまだ現実に税制として残っておる、こういうことも聞くのでございますが、日本の場合にこういう帰属所得の取り扱いを税制の中でどういうふうにお考えになるのか、お答えをいただきます。
○大倉政府委員 ただいまの問題は、所得税の理論的な側面としては研究に値する問題であるということで、終始、問題意識としては持たれているわけでございます。ただ、複数の税目を持っております場合には、まさしくおっしゃいましたように、固定資産税という負担が別にあったり、それからまた今後の問題として、先ほど話題に出ました富裕税というようなものが考えられたりするということになりますと、やはり納税者一人がいろいろな負担をするということとあわせて考えるべき問題になるのかもしれません。つまり、所得税が単一租税であるという場合には、それはインピューテッドインカムというものも取り入れてこないとおかしいという考え方が確かにあると思うのです。ただ、複数租税であって、固定資産税はまた別途にその資産を保有しているという考え方で課税するものではございますけれども、そういう課税を負担している、そのほかにさらにインビューテッドインカムをまた所得課税するかということになりますと、やはりそれは全体の負担の配分としてどう考えたらよろしいかという別の角度がもう一つ出てくるのかもしれない。それからもう一つは、かなりアカデミックに説明しないとわからない話でございまして、いまの日本で、所得税でそれは所得に上積みしてこれだけ税がございますよと言って、ああそうかというわけになかなかならないかもしれないという面もございますので、いま申し上げたようないろいろな角度を取り入れながら、今後なお論議の対象にはなるべき性質のものだ、そのように私としては受けとめております。
○村山(喜)委員 これはなかなか取りにくいだろうとは思いますが、検討の課題として御研究を願いたいと思います。 時間の関係がございますから、あと一点だけお伺いしておきますが、これは、災害を受けた場合、住宅ローンを借りましてちょうど返済中の罹災者、その場合にはローンの返済がまだ済まないうちに家が流失をしてしまった、そして復旧の費用をまた負担をしなければならない、こういう問題が二重の災難として出てくるわけですね。 そこで、これは昨年の災害のときにいろいろ当事者間で検討をいたしまして、そういう流失をしたような場合には、ローンの返済金はすべて貸倒引当金の対象物件として処理をしてもらいたい、これは当時銀行協会の方に申し入れをして、そうして協議をしたようでございます。その場合に、そういうようなことで返済扱いにしなければまたローンを借りることができない、こういうことになりますと、返済不能という処理の形をとった場合には、それだけの利益を譲渡されたという形になって、譲渡税がかかるという問題が税法上は出てくる、こういうようなことから、五百万のローンの残高があった場合には五百万円の贈与を受けたものとして課税をされたのではかなわぬ、何とかここら辺を税法の上でもしてもらいたいというような要請がありまして、これは検討課題ということになっておったと思うのですが、こういうような場合はどういう処理が適当であり、なされたのか、このお答えをいただきたいのが一つでございます。 それからもう一つは、これは主税局で検討をしておるという話でございました。というのは、がけ下に家があって、そして立ち退き勧告を受けている。そこで、自分の持っている他の土地を売って住宅を建設した場合には、先ほどの佐藤委員の質問ではございませんが、そういうような場合には特別の措置を講ずることが必要ではないか、こういうことで、ではそれはどこが認定をした場合にはそういうようになるだろうか、市町村が認定をしただけではだめだ、国土庁が認定をした場合には、それはそういう政策上必要であるということで移転を要請されることになるのだから、この問題についてもひとつ検討をしてみましょうということで、当時主税局の方では話をされたやに私はここにメモを持っているわけでございますが、こういうような場合はどのような措置をおとりになるつもりであるのか。まだ災害はことしはやってきませんけれども、去年と同じような大災害が発生をした場合に、私は所得税の場合も純資産の増加額に伴う課税というのが原則であるべきである、その場合に災害等が発生いたしまして資産を喪失するというような場合にいろいろな対策を講じなければならない、こういうことから問題を提起しているわけでございまして、そのようなことに対してどういうふうに大蔵省としては考えるかをお答えいただきたいのです。
○大倉政府委員 御質問の前段のローンを返済の途中で災害を受けた、その場合に、家屋が滅失等いたしますれば、それは雑損控除か災免法かどちらかの適用はまずございますが、そのほかに、銀行側がこれを返済不能という処理をした、そうなれば、銀行が明らかに返済不能の処理をして、もう何らの請求権を持たないというのであれば、それは銀行にとっては貸し倒れになると思います。それから今度は税務の側で、一般論としては、債務免除を受けますればそれに相当する贈与を受けたということにはなりますけれども、しかし、その場合にも、相続税法の八条で「債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、当該債務の全部又は一部の免除を受けたとき。」というときには課税対象から除外するということがございまして、おっしゃるような事例は当然この規定を適用していいのではなかろうか。つまり、災免なり雑損で、こっちは損を見ているのだから、こっちは受贈益があったなんて言わなくても、それはいいのではないかというように私としては考えます。国税庁の方でも恐らくその取り扱いをしてくれると思いますが、なお確認が必要であれば次長からいたしたいと思います。 後段の問題は、実は前々から御指摘がございまして、検討を続けていることは事実でございますが、どうもいまのところ、こうしていただけば適用できますという結論が出ておりません。なかなか現行法ではむずかしい。ちょっと申しわけございませんが、ただいままでの検討ではそういうお答えしかできない状況でございます。
○山橋政府委員 ただいまのお話は、主税局長のお答えしたとおりでございまして、そのような応答の趣旨をつけて現地の名古屋国税局の方には通知をしているところでございます。
○村山(喜)委員 いまの立ち退き勧告の問題ですね、これはやはりそういうような状態の中でがけ下移転住宅の問題が集団でなされる場合には補助金まで出されて移転促進が図られているわけですね。だから、税法の上におきましても、そこに住んだらまた災害か発生をするおそれがあるから立ち退きをしなさい、これが市町村の何ではなくて国土庁あたりでそういうような一つの基準を出した場合には、やはり災害を受けて立ち退きをしなければならないというような事情等もあるわけです。もう間もなく梅雨時期がやってまいります。検討中であるそうでございますから、それに間に合うように事前の準備をしておく必要がことしもあるだろうと私は思いますので、前向きの形で結論をお出しいただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○小渕委員長 これにて、両案に対する質疑は終了いたしました。 次回は、来る二十五日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十分散会