大蔵委員会 第9号
- 発言数
- 115 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1977/03/15
会議録
○小渕委員長 これより会議を開きます。 関税暫定措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 きょうは、関税暫定措置法の質疑の中で非常に重要な石油の安定供給、この問題に絡んで中東に対するわが国の経済協力、約束だけはしてくるけれども非常に実行がないという問題が指摘をされております、これは川崎委員も指摘になったことでありますが、その問題。それからわが国の石油に対する政策として基本的に石油に関税をかけるということが果たしてどういうことだろうか、とりわけOPEC諸国の値上げに関連をして国内の石油価格が上がってくるという問題もありますので、それに関連をしてきょう質問をしたいと思っておるわけでありますが、何分予算委員会の分科会も同時に行われておりますので、質問等の時間の都合もありますから、私のこのような質問の趣旨に沿って村山委員の方からまず質問をさしていただきたいと思います。
○小渕委員長 村山喜一君。
○村山(喜)委員 佐藤君の質疑に関連をいたしまして、二十分間ほど石油の問題だけにしぼって質問をしたいと思います。 そこで、まず石炭石油の特別会計の石油勘定の内容でございますが、探鉱投融資の規模が五十一年度は八百五十億円。それが五十二年度は六百倍円に減少をしておる。そういうようなことから見まして、備蓄関係はどういうふうになっているのか、その内容についてまず説明をもらいたいと思うのでございます。 そこで、備蓄の問題としては、共同備蓄株式会社をつくってやるという方向でございますが、これはワンプロジェクト、ワンカンパニーという形でこれから進めていこうということでございます。聞きますると、ことしの二月に新潟の方に一つはできた。しかし、こういうような形の中で今後備蓄を推進をしていくということになりますると、それはことし幾つできるかという見通しの問題でございます。その際に、洋上タンクの備蓄という問題は、その融資なりあるいは利子補給の対象としてなるのか、この点をまず通産省にお伺いをしておきたいと思います。
○古田政府委員 わが国のエネルギーの安定供給確保のために備蓄増強施策を強力に推進したいというふうに考えておるところでございますが、この備蓄増強対策は、昭和五十四年度九十日を達成するというのを現在の目標としております。このための諸施策を講じておるところでございますが、その施策は、第一が、先生ただいま御指摘になりました共同備蓄会社構想の促進でございます。それから第二が、石油会社が備蓄いたします原油の必要資金手当て及びそのための利子補給という形になっておるわけです。それから第三に、共同備蓄会社及び石油各社が行います備蓄施設の建設費のための融資を促進するというふうなことです。 長期的な目標は、ただいま申し上げましたように、五十四年度九十日達成ということでございますが、このための共同備蓄会社は、先ほど先生からも御指摘ございましたように、第一号が新潟地区ですでに発足しております。これから先どういう形で進展するかにつきましては、各企業ごとにそれぞれの地点について研究を進め、関係者との協議を続けている段階でございますので、その推移を見きわめまして、私どもとしても対処したいというふうに考えております。
○村山(喜)委員 あなたは、私の質問には三分の一ぐらいしか答えていないわけですよ。というのは、探鉱投融資規模が五十一年度は八百五十億円であった。これがことしの計画では六百億円に下がっているのはどういう理由ですかということも聞いているのです。 それから、備蓄関係のそういう財政投融資まで含めたすべての額はどれだけになるのですかということも聞いているのです。それも明確にお答えをいただきたい。
○古田政府委員 第一の探鉱投融資の規模についてでございますが、昭和五十一年度に八百五十億円の投融資規模を予定していたわけでございますが、景気の停滞等によりまして企業の探鉱意欲は減退しているわけでございます。その関係で実際の投資額は現在の見通しではこれを下回ります六百億円程度というふうなことが予想されております。五十二年度につきましては、このような最近の投融資実績を勘案しまして、厳選したプロジェクトについての投融資を行うということで、五十一年度の実績見込み並みの六百億円ということで投融資規模を決めたということでございます。 それから第二の備蓄増強対策予算につきましてでございますが、総額が五十二年度につきまして二百四億円ということになっておりまして、これは五十一年度予算額の百一億円に対しまして約二倍という形になっております。主要な項目について申し述べますと、石油備蓄増強対策補給金、これが百四億円でございます。それから共同備蓄会社の出資金、これが九十六億円でございます。その他、石油備蓄施設安全対策調査費補助金及び石油備蓄技術調査費が含まれております。
○村山(喜)委員 それで、具体的に洋上タンク備蓄というのもそういう利子補給なり備蓄の出資関係の対象になりますか、なりませんか。
○古田政府委員 現在、ただいま御説明しました備蓄対策費で考えておりますのは、五十四年度九十日備蓄の達成ということで考えておりまして、これは実際は従来方式の陸上に備蓄基地をつくりましてタンクを建設するという方式で考えております。ただ、将来につきましては備蓄基地の選定がだんだんむずかしくなっていくというふうに事情も踏まえまして、新しい備蓄方式の研究を、先ほど言いました石油備蓄技術調査費の一環で行っているわけでございますが、そういう形で五十五年度以降の問題としまして、私どもとしましては研究しているという段階でございます。
○村山(喜)委員 これは検討課題ですね。 そこで大臣、三点ほど、これは国務大臣としての所見並びに担当大臣としての所見をお伺いしたい。 それは第一点は関税率審議会の答申、これは内容が二つございまして、二年間は暫定的に一キロリットル当たり百十円の引き上げを認める、ただし総合エネルギー対策とその負担のあり方の抜本的検討を政府が積極的に取り組むことという条件つきでございます。珍しいそういう答申でございます。ということは、関税率審議会は大蔵大臣の諮問機関でございますから、そういう答申を受けられて、大臣はどういう立場でこの問題を処理しようとお考えになっているのか、これが第一点です。 第二点は、備蓄のコストはだれが負担をするのかというのがいろいろ問題があるようでございまして、アメリカの場合には、戦略的な備蓄については政府が責任を持ってやるのだということも決められているようでございます。そういうものは日本の場合にはどうなるのか、この点を国務大臣としてお答えをいただきたい。 第三点は、来たるべきエネルギー供給不安の時代をどういうふうに生き抜いていくべきだとお考えになっているのか、との点は事務ベースの問題ではございませんので、福田内閣の有力な閣僚であります大蔵大臣の御所見をお伺いしておきたい。
○坊国務大臣 お答え申します。 政府は、関税率審議会答申の趣旨及びエネルギー対策の重要性にかんがみ、今後の総合エネルギー対策につき抜本的かつ総合的に検討を行うこととしております。そのために、本年三月に総合エネルギー対策推進閣僚会議を設置いたしましたほか、総合エネルギー調査会におきまして各界からの学識経験者の御参加を得てエネルギーに関する諸問題の御審議をお願いしております。これらの審議結果、その検討を踏まえまして、今後のエネルギー政策のあり方及びその進め方等について遺憾なきを期したいと考えております。 第二の石油備蓄のコストはどうかというお話でございますが、石油の備蓄は緊急事態によりわが国への石油の供給が不足する場合において石油の安定的供給を確保し、わが国における石油の消費に支障の生じないようにするために行っておるものであります。したがいまして、そのために必要な施策に要する経費を原重油関税により賄うこととして、備蓄のコストを石油価格に反映することによりまして、最終的には石油消費者に負担をしてもらうということが適当だ、かように考えております。 第三の問題でございますが、わが国にとってエネルギーの安定供給の確保は今後のわが国経済、社会の円滑な発展のためきわめて重要な課題であるということは痛感いたしております。このような認識に立ちまして、引き続き石油資源の探鉱開発を推進するとともに、国産エネルギーの活用、原子力開発の推進、新エネルギー技術の開発を図るほか、石油備蓄の増強、節約指導の徹底等を図っていくべきことと考えております。また、エネルギー問題の解決には国際間の相互理解と協調が不可欠であるので、この面における努力も続けていく必要があると考えております。
○村山(喜)委員 まあ模範答弁でございますからけちはつけません。具体的な問題はまた佐藤委員の方で追及があるだろうと思いますので、私は次の問題に移ります。 きょうの新聞を見てみますと、為替レートが一ドル二百八十一円というふうになっているようでございます。そこで私はこの問題に関連をいたしまして、この一月一日からOPECが値上げをいたしました。サウジアラビアとそれからアラブ首長国連邦は五%、残りのイランを初め十一カ国は一〇%のアップということでございます。この中で平均は、日本に持ってきた場合には七%ぐらい上がるだろう。そうすると、原油の価格が七%上がるということは千六百円ほど価格が上がるということになる。そこで、為替レートが十円下がった場合には為替差益は幾ら出ますか。
○古田政府委員 現在、値上げ後の原油価格を基準として考えますと、レートが一円違いますと製品価格で八十四円ないし五円の差が生じてまいります。
○村山(喜)委員 そうなりますると、為替レートが十円高になりますると八百四十円ぐらいの差益が出る。一月のものが二十日間かかりまして日本に着いてくる。今日の価格はそういうような意味において二百八十一円ですから、一月上旬もので計算をするならば、当時は二百九十三円程度レートがしておりました。そういうことから考えると、十二円ほど安くなるということになりますると、差益は大分出てまいりますね、大臣。値上げは、一キロリットル当たり百十円の値上げです。そこでそれを加えましても、値上げをしなければならないのは、そのOPECの値上げの分の値上がり率を石油の販売価格にそのとおりやるということは、不当に石油業界がもうかるということになるわけではございませんか。だから石油業界は国内における販売価格にそのOPECの値上げ分を反映させ、あるいは百十円の今回の関税分の値上げを加えても、計算をしてみれば四%以下の値上げで十分採算がとれるというふうに私は計算をしているわけですが、その適正な価格というのはどういうようになるのか、通産省はどのように指導をしていらっしゃるのですか。
○古田政府委員 OPECの原油の価格引き上げに対処しまして、国内の石油会社がことしの三月一日あるいは四月一日以降値上げをしたいということで新しい価格を打ち出しているわけでございますが、この幅は二千円ないし二千四百円という形になっています。 この中に、それぞれ会社ごとに原油の引き上げ幅の影響が非常に違いますので、織り込んでおります原油の上昇額は非常に区々になっておりますけれども、大体千二、三百円から千七、八百円ぐらいの間でその中に織り込まれているわけであります。 〔委員長退席、小泉委員長代理着席〕 ただ、その織り込みます場合に、それぞれの石油会社は最近の為替レートを基準としまして新しい原油価格の計算をしておりますから、それなりに為替レートが円高になっている点はそれぞれの石油会社が打ち出しております新しい石油製品価格の中に織り込み済みであるというような形になっております。 なお、ごく最近の為替レートは、先生御指摘になりますように、さらに下がってきておりますけれども、為替レートの製品価格への反映につきましてはその都度都度の短期的な動きを織り込むというよりも、むしろある程度ならした形で考えていくというのがむしろ妥当ではないかというふうに私どもとしては考えております。 それから石油会社の石油製品価格の引き上げに関しましての私どもの方針でございますが、先ほど先生が御指摘になりましたように、五%引き上げ国と一〇%引き上げ国がございまして、この影響は各社ごとに非常に区々になっております。そういうことで、当面私どもとしましては、石油会社がそれぞれのユーザー、需要業界との交渉を進めていくということでその推移を見守りたいというふうに考えておるところでございます。
○村山(喜)委員 時間がありませんので簡単にお願いしたいと思いますが、上期の為替差益は石油業界は四百四億円もうかっているわけですね。それで下期の場合も同じようなことになるであろう、もっと多くなるだろう、こういうようにわれわれは見ております。そういうような点から、OPECの値上げがあったから、やれ関税の値上げがあったから、税率の引き上げがあったからという形で消費者に転嫁される、これはやはりよくないと思うのです。そういう価格の形成については十分配慮を願いたいと思います。注文を申し上げておきます。 それと、川崎代議士の方から先般質問がありました中で、日韓大陸だなの共同開発の問題に関してメジャーに対する融資等は否定をされましたが、五十年六月の公団法の改正によりまして貸し付けの相手方として新たに「外国の政府機関」、ですからたとえば韓国のそういう石油公団ができる、そういうようなものに対しては石油等の採鉱及び採取の事業を行うものについては認める、こういうことになっておりますね。ですからこの問題は、私はやはり法律の解釈としてはそういうものは貸し付けの対象になる、ただしその場合には生産原油の引き取り権のあるものについてということになるであろうというふうに思うのでございますが、この点は明確にしておかないと今後の審議の問題に非常に重要な関係がございますから、その公団法の改正の内容から見て法的には可能である、実際はやらないということになるかもしれませんが、その点を明らかにしておきたいと思うのです。その点はいかがですか。
○古田政府委員 昭和五十年六月に行われました石油開発公団法の改正によりまして、外国の政府機関等に対します直接貸し付けを行うことができることとなったわけでございます。この業務は産油国がナショナルリザーブとして保有しております鉱区をみずからの国営石油会社が探鉱、開発する場合に、石油開発公団が日本への原油供給を条件としまして、それを見返りとしまして資金供給を行うということで決められた規定でございます。韓国に対します直接貸し付けにつきましてはこの業務がいま言いましたように国営石油会社等政府機関への貸し付けということになりますので、韓国がこの貸し付けを受けるためには、石油開発のためのみずから直接探鉱活動を行う国営石油会社をつくる必要があるということになるわけでございます。さらにこのような会社がみずから探鉱開発をする、韓国がそういう会社をつくりまして直接探鉱活動をするということになりましても、日本へ石油を供給するということが公団の直接貸し付けの前提ということになっております。これは石油開発公団法第一条の目的との関係でそういうことになるわけでございます。したがいまして、現在の状態で考えますと、韓国は現在産油国でもございませんし、近い将来に外国に輸入するだけの石油の生産量を確保するというふうな見通しも定かでございませんので、現実問題としましては、石油開発公団の直接貸し付けの対象とはならないと考えております。
○村山(喜)委員 その点だけは、大蔵大臣、いま通産省はそういう態度でございますが、やはり公団法の第一条から見て誤解がございますので、法的には私はその解釈はできると思うけれども、実質的には貸し付けをするようなことはない、これはわれわれ国民の資金でございますから、そういう通産当局の考え方は、大蔵大臣としてもそのとおりお考えでございますね、確認だけしておきます。
○坊国務大臣 通産省の見解と同じであります。
○小泉委員長代理 佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 今度の関税暫定措置法の改正の非常に大きなウエートは、私は石油関税、とりわけ原重油関税の引き上げにあると思うのであります。その中で出てくることは、関税の額を引き上げることも重要でありますけれども、その政策の中身としては、何といっても当面原重油を安定的に供給する、備蓄の問題もその一端でありますし、その他の関係から言っても原重油を安定的に供給をするということがその政策の基本だと思うのであります。 そこで、これは大方大筋については川崎委員からもお話がございましたが、いろいろアラブ諸国、中近東諸国の日本観というのを見てみますと、日本は口先だけで約束はしていくけれども、どうも実行がその後伴わない、こういう不満が非常にあるやに私たちはいろいろな文献で見るわけであります。そこで、七四年に小坂特使が行ったときの経済協力あるいは七三年に三木特使があるいは中曽根通産大臣が当時中近東に約束した経済協力等々、約束したものが一体どのくらい実行されてきているのだろうかということについて少し検討してみたいと思うのであります。 冒頭に、いま私が前提として申し上げました、どうも中近東諸国から日本を見てみると、日本は約束だけはして石油石油と言うけれども、その実行の度合いが足りないのではないかという批判を外務省としてはどういうふうに受け取られているのか、まずその辺からお伺いをしておきたいと思います。
○大鷹説明員 お答え申し上げます。 わが国は従来から中東諸国の経済、社会開発に対しては適切な経済技術協力を実施するよう努めておりますけれども、いまおっしゃいましたように、中東諸国との友好関係を一層深める目的のために、昭和四十八年の十二月から四十九年の一月にかけて、三木、小坂両政府特使及び中曽根通産大臣が中東諸国を訪問されました。そのときに八つの国で、これは円借と民借と合わせまして合計七千百億円、そのうち円借が約二千四百億円でございますけれども、この約束をされました。その八つの国を申し上げますと、エジプト、シリア、ヨルダン、アルジェリア、モロッコ、スーダン、イラン、イラクでございます。プロジェクトの選定等についてはまだ協議中のため交換公文締結に至っていない若干の例を除きますと、現在までに六つの国、すなわちエジプト、ヨルダン、アルジェリア、モロッコ、スーダン、イラクの国で十一件、合計しまして円借で千二百九十五億円、民借で千九十億円について、これは円借についての交換公文の締結をすでに終わっております。政府といたしましては今後とも関係諸国との協議を続けて、まだ交換公文が締結されておらない分につきましてもなるべく早くそれを実行したい、こういうふうに思っております。
○佐藤(観)委員 その中身については後でもう少し詳しくお伺いします。 アラブ諸国、中近東諸国から、いま私がお話ししたように、どうも日本は約束だけはしているけれども、その後の実行、トレースが非常に悪いということが出ているのですが、その批判に対して、総体的な話で結構ですから、外務省としてはどういうふうにお受け取りになっているのですか。
○大鷹説明員 いま申し上げました政府の円借の案件につきましては、実行されてないものが額としてはまだ相当ございますけれども、これは先方のプロジェクトの選定が終わらないために交換公文が締結されていないというような事情がございまして、現在わが国も協力しましてプロジェクトの決定に努めておるわけでございます。 そういうことでございますので、先方から約束だけはしても実行しないではないかという批判はないというふうに考えております。
○佐藤(観)委員 たとえば三木特使が四十五年の十二月の十日にアラブ首長国連邦に行って、技術協力として、アスファルト方式による砂漠の緑化につき技術援助を考慮、こういう約束が外務省の資料に出ているわけでありますけれども、この技術協力はある程度進んでいるんですか、どういう状況なんですか。
○大鷹説明員 これは進んでおります。昭和五十年の七月に、日本砂漠開発協会というのがございまして、それとアラブ首長国連邦の間でアブダビのスレイマット地区に六ヘクタールの緑化試験農場を建設いたしまして、三年間専門家を派遣して農場の維持、管理を行うという内容の契約を締結しております。そして、五十年末から農場の建設を開始いたしまして、これに対しては国際協力事業団の専門家三名が現地に赴いて五十一年の十月から実験を開始いたしております。
○佐藤(観)委員 それと、やはり三木特使が約束してきたことでありますけれども、サウジアラビア、ここにはかなり多くの経済協力が約束されているわけであります。この外務省の資料を見ますと、協定書というのですか、議定書というのですか、これに署名というのはあるわけですよね。しかし、その後が一体どうなってくるかというのが非常によくわからないのですね。 たとえば中曽根通産大臣が四十九年の一月にイラクへ行って経済協力、技術協力をしております。たとえば経済協力では、円借款及び民間信用合計十億ドルの借款を平均金利五・二五%で供与し、LPGプラント、精油所等の建設に協力すること、イラク政府は日本に対し十八年間に九千万トンの原油、LPG、年間少なくとも百二十万トン及び石油製品が供給されるよう措置をとること、こういう経済協力がなされているわけですけれども、これは実施の状況はどういうふうになっていますか。
○大鷹説明員 お答えいたします。 いまイラクの方は昭和五十年の九月に肥料プロジェクトについての円借二百十八億円でございますけれども、供与の交換公文を結んでおります。 さらに五十二年の一月、すなわちことしの一月にハルサの火力発電所プロジェクトに対して円借、これは百四十五億でございますけれども、これの供与の交換公文を締結しております。
○佐藤(観)委員 それで、交換公文の交換まではわかるのですよ。その後の実行についてはどうなるのですか。もちろん、それは資材を発注したり何したりかにしたりするのでしょうけれども、その後のトレースがどうも——交換公文まではおたくの資料にもずいぶん書いてあるのですよ。その後の実施というのを見るとどうも——どこどこに開設をしたとか、それは非常に大きなプロジェクトですから、そう簡単にはすぐ書けるようなことじゃないですけれども、たとえばいまイラクの場合に、四十九年の話ですからもう少し進んでいてもいいんじゃないかという感じがするのです。交換公文後のことが、皆さん方の資料を見てみますと、交換公文の締結までは来たけれども、その後、非常に技術的なことも入りますから、こういう表に書くにはなかなかむずかしいかなとも私は好意的に受け取ったのですが、その点はいかがでございますか。
○大鷹説明員 交換公文を締結しますと、その後、日本で言いますと海外経済協力基金、それから先方のしかるべき機関との間で借款契約、ローン・アグリーメントと言っておりますけれども、ローン・アグリーメントを締結しまして、そしてその契約、アグリーメントに基づいて借款の実行が進められるわけです。 〔小泉委員長代理退席、野田(毅)委員長代理着席〕 それで、肥料の方については恐らく実行がかなり進んでいるのじゃないかと私は思いますが、手元.に資料がございませんので、進行状況ははっきり申し上げられませんけれども、ハルサの方はことしの一月に交換公文を締結したばかりですので、まだ実行の段階には至っていないと思います。
○佐藤(観)委員 それから四十八年にエジプトやアラブ諸国と、三木特使がエジプトの運河拡張について約束をしていますね。これは直接石油ということじゃありませんけれども、スエズ運河というのはいろいろな意味で非常に大事なわけです。これなんかについても実施状況というのを見てみますと、交換公文署名まではわかるのですよ。その後は果たしてどうなっているのかな、交換公文まではいったけれども、その後が、資金の問題なり技術の問題なり、そういったようなことでいかないものだから、どうも日本は口だけ約束してということに言われているんではないかというふうに見るわけなんですけれども、その点はいかがでございますか。
○大鷹説明員 いまおっしゃいましたスエズ運河の件につきましては、これは非常に順調に進められておりまして、これは日本の五洋建設が担当してやっておるわけですけれども、実行条件が非常にいいので、もう少しほかの日本が請け負ってない分についてもやってくれないかという話があるくらいと聞いております。
○佐藤(観)委員 プロジェクトが非常に大きなプロジェクトですから、アラブ諸国の方が期待感が非常に大きいことも私は一面ではわかるような気がするわけです。その意味で必ずしも事が正確に伝わらない、期待が非常に大きいだけに完成が非常に遅いではないかというふうな感じを持たれている面も私はなきにしもあらずだと思うのです。その意味では、外務省その他関係のところがそれなりのトレースをしてあればいいのですけれども、私はそういった意味では日本が口だけで約束していって後の実行が伴わないというようなことが起こらないように、ひとつ今後とももう少しプロジェクトごとに別の機会に詰めてお伺いをしたいと思います。外務省、結構です。 それから、先ほど村山委員からも御指摘がありましたけれども、日石が最後に、四月一日から関税分を含めましてキロリットル当たり二千円、六・二%の値上げということが出たわけであります。それで資源エネルギー庁としては、日石が六・二%、出光、共石が七・五%と、関税分を含めてでありますけれども、時期が一カ月ずれますが値上げを発表しております。これは事実上、今後の交渉を見なければわからないわけでありますけれども、一体どのくらいに額として落ちつき、産業界に与える影響はどのぐらいなものだというふうに、一応石油の事実上の担当局として見ていらっしゃいますか。
○古田政府委員 先発六社が二千四百円、三月一日から実施したいということで値上げ発表を打ち出した。さらに、後発十三社のうち、残りが四月一日から値上げを実施したい。この場合二千円前後ということで、各社ごとに若干区々になっておるようでございます。これがどういう形で落ちつくかということにつきましては、最近の景気動向との関係、それから石油の需給動向との兼ね合いといったふうなことで、石油各社と需要業界とがこれから交渉を進めていくことでございまして、現在のところ予測は非常にむずかしいということではないかと思います。ただ、全体としましての影響を考えますと、わが国の昨年の原油の輸入構成比を見ますと五%値上げ国からの輸入が四二%、残りが一〇%値上げ国からの輸入ということでございます。この影響は、ならしますと原油価格七ないし八%アップということで、大ざっぱに言いますと十七億ドルぐらい、レートにもよりますが、大体五千億円程度のコストアップ要因になっているかと思います。したがいまして、いずれにしましても、この間に円高による相殺要因が若干働きますが、ある程度の石油製品価格へのはね返りということは、逐次実現していかざるを得ないというふうに考えますが、各業界に対します影響はその仕上がり状況といいますか、現実に形成されます価格の動きを見て、今後さらに検討を進めてまいりたいというふうに考えております。 〔野田(毅)委員長代理退席、保岡委員長 代理着席〕
○佐藤(観)委員 そこで、OPECの値上げも二本立てならば、それを受けて、民族系の石油会社と外資系の石油会社とが、値上げもそのOPECの値上げの低い方をどのぐらい入れているかということによって、あるいは過去の累積の損益というのですか、繰越損益というのですか、によって値上げの幅も二本立てになってきているわけですね。これについて、行政指導の範囲というのは、実に非常にむずかしい、法的にもいま裁判にかかっているような問題ですから、非常にむずかしいわけでありますけれども、ちょうど石油業界というのは日本のビール業界みたいなもので、強いのと弱いのとの差が非常にあり過ぎる、したがって、弱い者に合わせれば強い者はますます強くなってくる。さりとて中間に抑えれば、弱い者はそれ以上上がれないし、経理状況もよくはならない。さりとて強い者に合わせていったら弱い民族系はついていけないというようなことで、非常に矛盾のある構造になっているわけですね。これを踏まえて、値上げの方向なりあるいは幅なりというものについて、資源エネルギー庁としてはどのような指導をしていくつもりなんですか。
○古田政府委員 今度のOPECの値上げが二重価格というきわめて変則的な姿になりましたために、各社に与える影響も非常に区々になっているわけでございます。一般的に言いますと、エクソン、モービル等アメリカ系の外資グループに対しましては非常に五%原油の割合が高いので有利な姿になっております。それに対しまして、民族系、それからシェル等イギリス系の外資会社はその割合が低いというふうな形になっているわけでございますが、この各社ごとの事情を反映しまして、引き上げ幅も非常に区々な姿になっております。しかしながら、最終的な石油製品価格は日本の市場の中で一物一価の原則というものはどうしてもとっていかざるを得ないだろうというふうに思いますので、結局それがさらにはね返りまして先生御指摘のような外資系あるいは民族系の格差をさらに拡大していくというふうな姿になるのではないかということは、私どもも恐れている点でございます。 現在、石油製品価格につきましては、いま言いましたように各社ごとの事情が非常に違う。それから景気動向全体が低迷しておりまして、需要業界も必ずしもよくないというようなことがございますので、通産省としまして積極的に指導していくということではなしに、関係者間の協議で方向が出てくるのを注視しているところでございます。 ただ、その結果、外資系、民族系の格差問題につきましては、これは従来からとってきた政策方向でもございますが、民族系の体質強化策のために構造改善とかあるいは再編成の推進というふうなことは不断に続けていく必要があるのではないかというふうに考えている次第でございます。
○佐藤(観)委員 それで大蔵省にただしておきたいのでありますけれども、もう多く背景は申し上げませんけれども、こういうような状態でOPECの値上げ、これから長期的にどういうことになっていくか。一九九〇年代でほぼOPEC諸国も増産をしなくなるのではないかという見通しが、民間なり——あるいはこの前私がアメリカに行ったときのエクソンの筆頭副社長も大体一九九〇年というので数字を見ておりましたが、そういうような状態の中で大半というか九九%輸入しなければならない、日本の産業の血であるこの石油に対してさらに重い負担をかける、関税を重くしていくということについて、皆さん方の方としては、したがって二年間、これからいろいろと協議をするんだということになると思うのでありますけれども、OPEC諸国の値上げとその他の石油の置かれている状況というのは、もう皆さん方先刻御承知のとおりだと思うのですね。それを踏まえてなおかつここで原重油の関税を上げていくということは、どうも、消去法的な意味ではわからないわけではないのですけれども、より積極的な、そんなに石油に——私は石油業界の代弁をするつもりはないのですが、政策論として産業の血とも言うべきこの石油に関税をかける。なお一層、いま申しましたように民族系と外資系との格差というものはますます開いていくというときに、さらにそれに過重な負担をかけていくというのは、どうも私としても余りすっきりしたいい政策だというふうに思えない。その財源の問題、また若干後でまたお伺いしますけれども、その点もう一つお答えを願いたいと思うのです。
○旦政府委員 ただいま先生の御指摘になりましたような御意見は、今回の原重油関税の審議に当たりまして関税率審議会におきましてもあったところでございます。しかし、結論といたしましては御提案申し上げているようなことで、二年間の暫定期間として必要最小限度の引き上げを図る。その間エネルギー政策それから費用負担について抜本的な検討をしていただくということで、あくまで暫定的な措置として決定をいたした次第でございます。 ただ、今回の引き上げ幅は何と申しましても一キロリットル百十円ということで非常に少ない金額でありまして、一方、備蓄、それから海外における石油の探鉱の費用の必要性は非常に緊急なものでございます。 〔保岡委員長代理退席、委員長着席〕 したがいまして、この措置によりまして、この特別会計の活動によって海外における石油の新たな発見ということが促進されますならば、その目的はかなり達せられたものであろうということでございまして、根本的な問題は今後にゆだねられている次第でございます。
○佐藤(観)委員 そこで主計局の加藤さん、いらっしゃいますから、ちょっと問題が大き過ぎて答えにくいかと思うのですが、結局石油の備蓄なり探鉱開発なり自主開発なりということをやっていくためにどこかが金を出さなければいかぬわけですね。この場合には、現在の場合にはとりあえず石油に関税をかけて、そこから大半を道路財源にしたりその他に使うということでありますけれども、いま旦局長からもお話があったように、備蓄もそう待っていられないし、自主開発もある程度やりたいということでありますから、そうなってくると、一体財源は、考えられるのは一般会計から持ってくるかあるいは支出の方の、システムとしては現在のようにしておいて、道路財源を減らしていくか。道路財源を減らすということについてはもう少しバックグラウンドがありますので、ひとつこれも考えてみたいと思うのでありますが、いずれにしろ考え得ることと言ったら、もし関税をやめるならば一般財源に頼るか、現状のままにしておいて、そして道路財源を削っていくか。そうそう道路道路——公共事業の中に占める道路の率が高過ぎるじゃないかという批判もあるわけでありますし、われわれもそう思っておりますので、道路財源を減らしていって、その分だけ自主開発なり備蓄に充てていくかということも考えられるのじゃないかと思うのですね。これから関税率審議会なり総合エネルギー調査会等で審議をされていくことでありますから、主計局次長といえどもなかなか答えにくいかと思いますけれども、長い経験からひとつその方向性について御意見をお聞かせを願いたいと思うのであります。
○加藤(隆)政府委員 非常にむずかしい問題でございまして、おととし、去年、ことしと三回、この石油関税の問題が出たわけでございます。御指摘のように、財政事情の面から見て非常に重要でかつ緊急に迫られているわけです。ガソリンの問題もいろいろ考えたわけでございますが、来年五カ年計画が切れまして、ガソリンの方も暫定二年の増税中であるわけです。それからあちらの方は総合交通体系という問題を抱えて、地下鉄だ、モノレールだ、道路だけでなくてそういう議論もこれからやっていかなければならない段階にあるわけです。それからエネルギーの方も、石炭、石油のみならず原子力の問題があるわけです。こちらの方も総合エネルギー体系で、要するに総合と総合のぶつかり合いで、経済の状況を見ますと、オイルショック以降非常に異例な状態にある。抜本的な恒久策を検討するような段階にないというような認識を持ったわけです。そこでやむを得ず、佐藤委員がいま御指摘のように消去法みたいな発想で、通産省の方も総合エネルギー調査会でいろいろな財源を探索された結果、結局現実的には現在ある関税に依存せざるを得ないのじゃないか。それから昨年の七月時点の外国比較によりますと、一バレル大体ヨーロッパは九ドルくらいかけているわけですね。わが国は三ドルなわけです。関税で確かに取っている国は日本とアメリカしかございませんが、古い税金はいい税金というようなこともあって、現実的に考えれば財政事情の緊急性をにらむと、とりあえずはいまある制度を活用せざるを得ないのじゃないかというふうに考えたわけです。 将来の問題は、ただいま申しましたように、わが国にとってエネルギーの問題というのは致命的な問題になるわけですから、費用負担をどうするか、石炭の問題、だんだんと細まっていくのかどうなのか、あるいは石炭は海外炭の問題も出てくるわけです。それから石油の問題はいまの探鉱、備蓄の問題を抱えているわけです。それから原子力が非常に大きなコストがかかる可能性が強いわけでございます。全体の総合エネルギー体系、総合交通体系、二年でどこまで検討ができるか、私としては率直に言って現段階で余り自信がないのですが、通産省の方で総合エネルギー調査会に基本問題小委員会をつくられて、各界の有識者、いままでと考え方を変えて非常に幅の広い検討の場をこしらえられた。各省もそれに参画する。それから内閣の方では御承知の閣僚会議をつくられて取っかかる。一応このただいま御審議を願っております関税の暫定税率引き上げを契機にいたしまして、ことしの一、二月から政府がそういう両面で検討の場ができたということで、将来の問題、率直に申してまだ私自身が勉強不足で何ら方向を見出しておらない段階で、まことに不勉強で恐縮なのでございますが、そんなような経緯を申し上げてお許しをいただきたいと思います。
○佐藤(観)委員 この問題がまさに今度の問題の中心じゃないかと私は思うのですが、時間もそうありませんので、大臣、最後にお伺いしておきたいのであります。 これから総合エネルギー調査会なり基本問題小委員会ですか、そういうところでいろいろ審議をされるわけでありますから、当事者として初めから物を言うのはなかなか言いにくいかと思いますが、いま加藤次長からもお話があったように、背景として総合エネルギー体系と総合交通体系を持っているわけで、しかし、まだ詰めた話ではないのでありますが、国際競争力を考えてみますと、石油にそれなりの重い税金をかけてそこから生み出してくるということは、安い商品をつくるということが必ずしもいいことじゃありませんけれども、しかしやはり日本というのは貿易立国でありますから、国際競争力というものは技術的にも経済的にも非常に重要なことだと私は思うのです。その意味で産業の血ともいうべき石油にそういった負担をかけるということは日本の将来にとって非常に好ましいことではないのじゃないか。さりとてすぐ、じゃ一般財源と言うても、これは皆さん方のやり方ではいま八兆五千億円も赤字を出している財政ですから、なかなか口だけで一般財源と言えばすぐ事が済むような事態にないということは私も十分承知をしているわけでありますが、しかしいずれにしろ私は貿易立国としての日本を考える場合に、その産業の力を蓄えていくという観点から言っても、これは備蓄の問題にしろ自主開発にしろ、あるいはどういった観点から言っても、それらの財源については、石油にかけて石油から取って手前でやれという話ではなくて、やはり何か外で考えていくというのが、大半を輸入に依存する日本のとるべき政策なのではないだろうか。 さらにいろいろ細かに詰めていきますと、いま加藤さんのお話のようになって、かなり自己撞着に陥ってしまうわけでありますが、その辺のところ、少なくも将来の見通す責任も大臣としては持っているわけでありますから、その辺のことについては、どういう方向が好ましいのではないかかということについて、余りはっきりしたことは言われないと思いますが、御意見がありましたらお聞かせ願いたい。
○坊国務大臣 大変重大なる問題の御指摘でございまして、おっしゃるとおり石油対策に使うお金を石油から取っていくということにつきましては、これはよほど考えなければならないことである。五十二年度の予算編成に際しましても、この問題については大変熱心なる議論が闘わされたということでございまして、そこで、ただいま加藤次長言われましたように、これは大変むずかしい問題だが、しかし何かやはり抜本的と申しますか基本的な方針を決めていかなければならぬ問題だ。しからばその具体的内容を申し上げろ、こう言われましても、私にも、まことに残念でございますけれども、いまどういう方法でやっていこうかという具体的な対案は頭に持っていないというわけでございますが、ただ今度とりました措置だけについて考えてみますと、今回の原重油関税引き上げの卸売物価指数への影響は、試算によれば〇・〇四%程度であり、これがわが国の輸出競争力に与える影響は、現在だけでございますが、きわめて少ないものであるというふうに考えております。したがって、原重油関税引き上げのわが国の貿易に与える影響は、まあ今日はそれほどのものではないというふうに考えておりますが、重大問題の御指摘、これは今後とも鋭意考えていかなければならない問題かと心得ております。
○佐藤(観)委員 終わります。
○小渕委員長 本会議散会後再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時三十一分休憩 ————◇————— 午後二時三十四分開議
○小渕委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 午前に引き続き質疑を続行いたします。坂口力君。
○坂口委員 大臣、きょうの各新聞等にも大きく報道されておりますように、日本製カラーテレビに対する米国のITCの記事が大きく出ております。いわゆる関税大幅引き上げ勧告の記事が出ておりますが、これは日本の関税ではなしに、海を越えたアメリカのことでございますので、今日のこの法案審議とのかかわりの中で議論をするのはどうかと思いますけれども、しかし同じ貿易という土俵の中での問題でございますので、あえて一言だけお聞きをしておきたいと思うわけでございます。日本側の貿易に対する姿勢というものもございますが、関税というものを一つの保護貿易の道具として考えているともとれないことはないわけでありまして、アメリカ側がこういう態度で、もしこれをカーター大統領が採用してこの線に沿って実施をすることになったといたしましたら、これは日本といたしましても非常に大きな打撃を受けることではないかと思うわけであります。大臣としてこの問題をどういうふうにお考えになっておるか、まずお聞きをしておきたいと思います。
○坊国務大臣 けさの新聞記事でございますが、これはまだ米国では決定してない、勧告が行われたということでありまして、カーター大統領があのとおりのことをやったらどうするか、こういう御質問でございますが、いまこういうときに、これをカーター大統領が受けとめたらどうするかということにつきましては、まだそういうような事態に対しまして日本の国も腹を決めておりませんし、さようなことを申し上げることはこの際ちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
○坂口委員 通産省の方、これに絡みまして何かもし情報等でもあれば、ひとつつけ加えてください。
○日下部説明員 お答えいたします。 本件につきましては、きょうの新聞に出ておりましたように、向こうの時間できのうの段階で一応勧告が出たわけでございますが、ただ具体的に理由や何かを全部書いた形での勧告というのはまだこれから数日あるいはより以上の日数がかかった後で大統領府に提出されるということになっております。それからその後六十日の期間内に大統領が何らかの決定を本件についてしなければいけない、そういうのがアメリカの法制でございます。 そういう手続で向こう側はやっていくかと思いますので、われわれといたしましてはいま結論だけしかわかっておりません、とにかくどういう理由でそういう勧告が出されたかという理由がいずれ公になるわけでございまして、その段階で、私どもとしてはそれを十分検討した上でしかるべく働きかけをしていく必要があるというふうに考えております。
○坂口委員 福田総理が今度アメリカにお行きになるだろうと思うわけでありますが、正式に決定はされていないかもわかりません。その中で世界貿易、特に日米間の貿易に関しては多くの意見が交わされるであろうことは予想するにかたくないわけであります。総理大臣の言葉にもありますように、ただ二国間のことというよりも、世界経済の中で二国間がいかに協調をしてリードをしていくかということが話題になるだろう、こういう答弁をしておみえになりますから、多分私もそういうふうな形で話が進むのではないかと予測をするわけでありますけれども、本日新聞に出ましたこの問題はこれから正式な決定をされるべきことであって、現在まだ進行中の進行形の中の問題だからというので大臣は答弁することをお避けになったわけであります。しかしこれから、これはアメリカに限らず日本においても関税というものの取り扱いがこういった形で、非常に複雑な世界経済の中で上げ下げが行われるということになってまいりますときに、いわゆる自由貿易というものが、その根底が非常に大きく崩れてくるとも思われるわけであります。そういった面で、もし大臣が、アメリカに行かれる総理に対してこの関税の立場から何かおことづけをなさるようなことがあれば、一言言っておいていただきたいと思います。
○坊国務大臣 総理が常に言われておりますように、日米の間の輸出入の関係というもの、これは大事なものでございますけれども、日米間だけの問題ではなくして、全世界における貿易というものは大変大事な問題でありまして、そのためには基本といたしましては、自由貿易という原理の上に立ちまして、アメリカはもちろんのこと、EC諸国もちろんのこと、あるいは南方の諸国ともそういうような立場に立って、そして世界の貿易を拡大していくということが今日の日本にとっては一番大事なことである。そこで、日本の輸出入につきましても、輸入については、これは今日御審議を願っておる予算やその他の政策を実施することによりまして、日本の景気を上げて経済を成長せしめていくことによって国内需要をあおっていくというようなこと、また輸出については、これはテレビのような集中豪雨を降らすといったようなことでなくして、相当日本もそういう面においてはみずから気をつけてまいるというようなことによりまして、世界の貿易と申しますか、国際取引というものを円滑に進めていくことが、与えられたる今日の大きな使命であろうというふうに私は考えます。
○坂口委員 そこで、きょうのこの税制の関税の問題に入っていきたいと思うわけでございますが、いまも大臣が言われましたように、世界の景気というものが非常に厳しい中で、ややもいたしますと保護貿易主義というものが台頭しがちな昨今であることは言うまでもございません。そこで、日本に対するいろいろの風圧がありますけれども、いま大臣が述べられたように、たとえばカラーテレビ等のように集中豪雨的なと言われましたが、集中豪雨的なやり方というものは、やはり日本自身も慎んでいかねばならないというお考えには私も賛成でございますが、そういう世界経済の状況下において、今回この関税の問題改正案が日本でも出たわけでございますけれども、日本が石油関税を引き上げるということは、上げ幅というものにつきましては、けさからもいろいろ討議がありましたが、幅としてはそんなに多くない、こういう御答弁でございました。確かにそれほど大きな幅ではないかもわかりませんが、しかしこの上げるということが、私は国際的にも大きく影響をするのではないかと考える一人でありますけれども、その辺はどういうふうにお考えになっておりますか。大蔵省と、よければ後で通産省の方もお答えいただきたいと思います。
○旦政府委員 御指摘の今般の一キロリットル百十円の引き上げにつきましては、ただいま御指摘のありました点につきまして私どもも非常に心配をいたしたのでございます。その辺につきましては、外務省とも相談いたしまして、アラブ産油国に対する影響いかんというようなことも検討したわけでございますが、何分にも引き上げの幅が非常に少ないということと、それから第二には、これを財源といたしまして、現在日本が負っております、国際的な義務であります石油の備蓄を推進ていくということでございますので、そういうような国際的な義務を果たすために万やむを得ない手段であったということで御了解願えるのではないかということで踏み切った次第でございます。現在までのところ産油国から今回の引き上げにつきましての御意見は承っていないのが現状でございます。
○古田政府委員 わが国の場合は、原油の九九・七%を外国から輸入しております。したがいまして原油に関する関税を引き上げましても、国産品に代替されるというふうな問題は生じないわけでございます。そういう関係で、特にこれが貿易制限的な措置というとらえ方にはならないのではないかというふうに考えますし、特に今回の措置が差別的な性格を有するものではないというふうなことで、OPEC諸国との関係につきましても、私どもとしましては、問題にならないのではないかというふうに考えているわけでございます。 それから、上げ幅につきましても百十円ということで、これは全体の物価への影響等考えますと、非常に微少なものであるというふうに考えている次第でございます。
○坂口委員 いまおっしゃるように、この石油の備蓄あるいは開発という問題が小資源国日本にとって非常に重要な問題であることもよく理解されます。それからエネルギー政策の柱にどうしても置かなければならないという理由もわかるわけであります。しかし、今回のこの関税の引き上げという政策の選択というものが、たとえ国内的に合意されたとしても、その国内も、実際にはいろいろむずかしい面もあったようですが、国際的には、こういう政策の選択というものを果たして好意的に見てくれるであろうかという問題が一つやはり残ると思うわけです。百十円という上げ幅が非常に小さいということを先ほどから強調されるわけでありますけれども、しかし九九・七%外国に依存しなければならない日本でありますから、百十円とは言え、積み重ねていけば、これはかなりな額になることは事実であります。もちろん、本年になりましてからも、あるいはまた昨年後半からも、OPECを中心といたしまして値上げの問題等がいろいろ議論をされているわけでありまして、そういう議論の中でこの問題が出ましたときに、何か一つの引き金として、日本にもこういうことがあるじゃないかという理由の一つにされる可能性も私はなきにしもあらずと思うわけであります。 こういったことをあれこれ考えてみますると、今後に非常に大きな問題を残すことになりはしないか。その額は、いまおっしゃったように、私もこれが非常に厳しい額だと思う一人ではございません。しかし、百歩譲って、その額よりも、上げるというそのことが、国際経済の中に、国際貿易の中に一つの将来に対する心配の種を残すことになりはしないか、こう思うわけですが、いかがですか。
○旦政府委員 ただいま御指摘のような点はまことにごもっともな点であろうかと思います。私どもがこの件を審議いたします際に、関税の審議会におきましても、先生が御指摘になりましたような御意見が多々出された点でございます。ただ、先ほど申し上げましたように、百十円増税いたしましたのは、いまから十四年前にやはり百十円、たまたま一致するわけでございますが、百十円を増税いたしました。そのころは石油がまだ非常に安いころでありまして、十四年後に同額の百十円を増税いたしたわけでございますが、これは御案内のように、石油価格が四倍になりました数年後に上げたわけでございまして、したがいまして、そういう意味でも非常に些少な引き上げであった。ただ先生の御指摘のように、額の問題ではなくて、そういう上げたということ自体が国際的にどういう反響を及ぼすかということにつきましては、今後なお産油国等の反応などを見まして暫定的に二年間引き上げるということでございますので、抜本的にエネルギー対策のあり方を見直す際に、それらの国々の反応もあわせて考えてまいるのが筋ではなかろうか、かように考える次第であります。
○坂口委員 今回の引き上げが、いわゆる石油関連の中で赤字だから、すなわち石炭石油特別会計の中で非常にこれが赤字になっているから、その石油関連の中で赤字というものを解決していこう、こういう発想のもとになったと思うわけであります。しかし、日本の貿易全体の枠の中で見ますと、少なくとも昭和五十一年度、もう間もなく終わろうといたしますが、国際貿易としては黒字幅になっている。この国際貿易の中としてとらえることなく、ただ石油というエリアの中だけでこれをとらえて上げるという行き方を、私は将来禍根を残すことはないかということを心配して言っているわけであります。昼までにも、佐藤議員の質問にもございましたが、国内におけるガソリン等の税金によりまして道路等がどんどん整備をされている。これらの問題も絡んでそちらの方から少し埋めるべきではなかったかという議論もございますし、この議論も無理な議論ではなくて、やはり一理ある議論であると思うわけです。けさの御答弁によりますと、エネルギーの方はエネルギーとして将来計画を持っているし、それからまた道路交通等の問題は新しい計画もまた持っているので両方にまたがっていくことは非常にむずかしいというような御答弁でありましたけれども、しかし、この国際経済とそれからいま、先ほどから指摘いたしましたような問題点を考えてみますときに、やはりこういったことも取り上げるべきではなかったかという気も私の心の片すみでするわけであります。この点いろいろ議論の末決定されたことだと思いますが、大臣としてはどのような考え方で処理なさった上で決定されたのか、決定過程においてこういう議論をどう位置づけられたのかということをお聞かせいただければお聞かせいただきたいと思います。
○坊国務大臣 この問題につきましては、午前中に佐藤委員にもお答え申し上げましたが、御意見のような議論が予算編成中にも相当強く行われまして、それらの御議論に対しまして慎重に検討してまいったのでございますが、この五十二年度の予算編成に際しましては、とにかくさしあたっていまとりました百十円の引き上げというようなことに落ちついたわけでございますけれども、私はこれをもって能事終われりということには考えておりません。今後基本的な考えを打ち立てていかなければならないという気持ちを強く抱いておるわけです。
○坂口委員 それでは少し話題を変えたいと思いますが、農産品の問題について、これも最近いま大きくなっている問題の一つでございます。ECの方が十品目につきまして日本の輸入拡大を主張しているわけでございますけれども、この対応の仕方も非常にむずかしい問題の一つだと思いますし、しかし、むずかしいけれども決定をしなければならない問題の一つであると思うのです。この十品目の内容を見せていただきますと、酒、たばこ類というものと、それからお菓子のたぐい、チョコレートその他が入っております。かん詰め等も一部入っております。特に酒、たばこ類とそれからお菓子、かん詰め類、合わせて十品目ということになっておりますが、日本の国内にも影響のかなりある側面もございますし、この問題に対してはどう処理をされようとなさっておるのか、現段階の時点で結構ですから、お答え願いたいと思います。
○旦政府委員 昨年の秋以来のいわゆる日ECの貿易問題に関連していろいろな要求が出てまいったわけでございますが、工業製品につきましては、先生御案内のとおり今日までいろいろな解決策がとられたわけでございます。先生のいま御指摘になりましたECからの農産物に関します要求品目は、品目のとり方にもよりますけれども、九品目あるいは中身を分けますと十品目ということになりまして、その品目はバター、ナチュラルチーズ、それから豚肉の調製品、チョコレート、ビスケット、ワイン、ウイスキー、ブランデー、葉たばこというような品目が挙げられておるわけでございます。これらの品目につきましてその関税引き下げあるいは関税割り当て制度をとる、あるいは酒税の軽減をするというような点につきまして種々討検がなされておるところでございます。 翻って、ECとの貿易の収支を見てみますと、昨年で日本の対ECの貿易バランスは三十六億ドルの日本の出超でございます。しかし、農産品だけをとってみますと、ECからは日本は約四億一千万ドル輸入いたしておりまして、逆に日本が輸出しておりますのは一億三千万ドル程度のことでございます。したがいまして、農産品だけとりますと、日本の大きな入超ということになっておるわけでございます。しかも、これらの農産品につきましては、先生御案内のとおり日本の競争力というものは必ずしも強くない。しかも中小企業あるいは農家の皆さん方にも密着した品目でございますので、その扱いにつきましては慎重に検討いたさなければいかぬと思っておる次第でございます。 これらの要求のうち関税の引き下げあるいは関税割り当て制度の問題につきましては、現在ジュネーブで行われておりますガットのMTNと申しますか、関税の交渉の枠組みの中で、当方といたしましては相互主義に基づいて今後協議してまいるのが筋であろう、かように考えておるわけでございます。その交渉の際には、先ほど申し上げました、それらの関係業界の実態を踏まえ、また関係各省と十分御協議しつつ、他面国際的な協調という見地も十分尊重しつつ具体的に検討してまいりたいという考えでございます。
○坂口委員 これも現在進行中の話に立ち入って聞くことはどうかと思いますが、この十品目の中で、種類によっては向こうの要求にある程度こたえていいというものもあるのか。やはりこの十品目の示され方、あるいはその背景を考え合わせて二国間でのこの問題の処理は、いまのところとにかく待ってくれというのか。その辺はどうなんですか。
○旦政府委員 このECとの間の農産品の協議につきましては、ただいま申し上げました九品目が初めてではございません。御案内のとおり昨年の十一月に日本側が書面で回答いたしました中には、たとえば飼料用の肥脂粉乳というようなもの、あるいは牛肉の検査基準の問題等につきまして、若干の譲歩をいたしておるのでございます。それに加えまして、最近、日本専売公社はイタリアからの葉たばこの買い付けを当初予定いたしておりませんでしたけれども、日本とECとの関係改善の見地も考慮いたしまして、この二月に輸入をすることに決定いたした経緯がございます。そういうことで、われわれは農産品につきましてもかなり誠意を見せてきたわけでございます。そういうことでございますので、現在までのところ、今後どうするかということを言う段階ではございませんけれども、少なくとも関税につきましてはそういうことで、ガットの場で相互主義に基づいて協議していくのが筋だというふうに考えておる次第でございます。その他の品目につきましてどうするかということは、今後関係省とゆっくり、じっくり詰めてまいりたい、かように考えております。
○坂口委員 エネルギー庁もお越しいただいておりますね。この石炭石油対策特別会計の概要を見せていただきますと、かなり多岐にわたりましての事業内容がございます。私どももこの石油備蓄ということの必要性というものを全然認めていないわけではなくて、これだけ日本の経済を支えている石油でございますから、ある程度の必要も認めなければなりませんが、ただその石油備蓄にかかわって公害問題でございますとか立地条件でございますとか整備をしなければならない問題がたくさんある。この辺のところについてどうするのかという問題点指摘をいままでしてきたわけであります。その他この石炭対策等につきましてはどうしてもやらなければならない項目がこの中にも含まれております。ぜひそういったことは積極的に続けてやっていただくことに私たちも賛成でございます。 先ほども少し申しましたとおり、総合的なエネルギーという立場からまいりますと、いままで進めてこられた備蓄増強対策でありますとか、あるいは石油の先に対する投融資でありますとか、こういったもののほかに新しいエネルギー源に対する開発等に対しても、もう少し新しい芽をこの中に出していただいてもいいのではないか、こう考えますが、その辺のところはこの簡単なパンフレットの中にはあらわれていないけれども、実際は出ているのか、あるいはそういうようなところまではいっていないのか、その辺ひとつお答えを願いたいと思います。
○古田政府委員 石油政策というよりもむしろ全体の総合エネルギー政策の推進に関するものでございますが、これにつきましては、昭和五十一年の十二月に総合エネルギー政策を政府として閣議決定いたしまして、それに基づいて現在は進めておるわけでございます。その大きな柱としまして、一つは石油依存度をできるだけ切り下げていこうということがあります。同時に他方、石油にかわる新しいエネルギー源として、たとえば原子力開発とかあるいはLNG計画の促進といったふうな課題も大きく掲げているわけでございます。それらの進行状況等を勘案いたしまして、さらに国際的な石油情勢等も踏まえまして今後のエネルギー政策をどういうふうに持っていったらいいかという点につきまして、現在総合エネルギー政策の抜本的見直しということで、政府として体制を整えて新たに問題の検討を始めたところでございます。通産省としましては、総合エネルギー調査会の中に基本問題懇談会がございますが、それを強化拡充をいたしまして検討してまいります。それから通産省の中に同じく総合エネルギー政策の推進本部も設けてスタートしております。さらにこれに関連いたしまして、政府としましてエネルギー政策の推進に関係いたします閣僚会議も発足させるというふうな形で、これから先二年間をめどとしまして全面的な再検討をするということになっております。したがいまして、先生ただいま御指摘いただきました問題につきましても、これから先の検討の幾つかの項目の中での一つの大きな課題になっていくのではないかというふうに考える次第でございます。
○坂口委員 最後に物価の問題でございますが、先ほどどちらからお答えがあったのでしたか、お答えの中に、物価に対する影響というものは考えなくてもいいというような発言がございましたけれども、しかし百十円とは言いながら、関税の上昇ということはこの百十円の額にとどまらず、その波及効果等考えますと、やはりこれは影響を及ぼさざるを得ないのではないかと考える一人でありますけれども、先ほどこのお答えをいただいたのは通産省でございますか、百十円が物価に対して心配ないとおっしゃったのは。心配ないとおっしゃる根拠をもう少しひとつお聞かせいただきたいと思います。
○古田政府委員 現在石油につきましては先生御存じのとおり、一月一日からOPECの原油価格の引き上げに直面しているわけでございます。このOPECの原油価格の引き上げは、サウジアラビアと首長国連邦が五%、その他が一〇%引き上げるというふうな形になっておりますが、これのわが国に及ぼす影響は、わが国の原油の輸入構成からしますと七ないし八%というふうに見られております。それを金額に換算して考えますと、会社ごとに影響の差はありますが、大体千七、八百円ぐらいに該当するわけでございます。このOPECの引き上げが率として非常に高いものでございますから、これにつきまして私どもの方で国内製品への価格の転嫁が行われ、さらにそれが他の産業の製品価格へも波及していくというふうな間接的効果も一含めて考えました場合に、卸売物価で〇・七ないし〇・八%程度、消費者物価で〇・三%程度の影響があるというふうに考えておる次第でございます。これはただいま申し上げましたように、OPECの原油価格引き上げがわが国に及ぼす影響についての試算でございまして、千七、八百円ぐらいのレベル、水準に対しての試算でございますが、これとの関係でいきますと、関税引き上げ百十円は、比率でいきますと非常に小さいのもになるのではないかというふうに考えた次第でございます。
○坂口委員 最後に、大臣にお願いをし、また決意を聞かせていただきたいわけであります。 いま出ました物価に対する影響でございますけれども、百十円というその額が、いま通産省からお示しになったような数字で、そう大きな影響を与えるとは思わないと、こういう御答弁であったわけですが、先ほども申しましたように、この百十円というその物理的な額だけを計算をしていけばそういうことになるのかもしれませんが、やはり何とかして値上げをしようという動きのある中でのこの関税の引き上げというのが、そこから波及効果を及ぼしてほかに大きな影響を与えることもこれは考慮に入れておかなければならない問題だと思うわけであります。そういうふうな意味で、この関税の引き上げによって、このことが一つの引き金となって、石油全体に値上げのムードを引き起こすとか、あるいはまたこのことが石油製品の問題に波及をするとかというような、少なくとも口実になるというようなことが起こっては、これは日本の経済にとりまして一大事であります。特に、ようやくこれから経済を回復せしめていこうというやさきのことでもございますし、慎重には慎重を重ねていかなければならないときであると思いますので、ぜひそういうことが起こらないような態度を大臣として、これは財政担当の大臣としてもしっかりひとつ注意をしていただきたいと思いますし、またこれは大臣の範囲外にも及ぶことでございますけれども、経済担当大臣としての御決意もひとつ承って終わりにしたいと思います。
○坊国務大臣 さしあたっての波及というものは私もそれほど大きなものではないと思いますけれども、それがルーズに考えて、それでいいのだということは決して考えてはならない、でき得る限りとにかく、石油を備蓄したり石油を安定せしめていくために石油から原因を生ずるところの財源によってのみ賄っていこうということについては慎重に考えていかなければならない、かように考えます。
○小渕委員長 高橋高望君。
○高橋委員 事前に用意いたしました、いろいろお尋ねしようと思いましたことを、前に委員の方が大分御質問なさいましたので、少々変えさせていただきますのでどうぞよろしくひとつお願いをいたします。 私は改めてガットの新しいラウンドに関連してお尋ねをしたいと思います。 私たち、とかく日常でもそうなんですが、かなり大事な意味内容のあることを一つの言葉で表現しているうちに中身が変わってきていることが間々あります。そういう点からいきまして、私大変プライマリーなお尋ねになりますが、よく一口に発展途上国という言葉を使われますけれども、いま私たちの国であるいは行政の段階で発展途上国という表現をなさるときに、どういう地位の国を指しているのか。たとえばGNPではかるのか、あるいはその他いろいろな状況があろうかと思いますが、一口に発展途上国とおっしゃるのにはどういう地位の国を指すのか。私なりに考えてみますと、たとえばガットの十八条では生活水準が低くて開発初期の段階にある国だ、こう定義づけております。しかし、東京宣言の内容の中にも、発展途上国に対する取り扱いという中で、先進国は発展途上国に対して相互主義を期待しないとか、あるいは同じ発展途上国の中でも後発の発展途上国については特別な配慮が与えられなければならないことを認めるなどというような内容があったかと思いますが、こういう点を考えていった場合に、具体的な基準がはっきりしない面では実務面ではなかなか問題が出てきているのではないかと私は思う。 そこで、改めて発展途上国ということについてのいまのお考え方、どういうふうなお考え方をなさるのかをお伺いいたしたい。外務省の方にお願いしたいと思います。
○松田説明員 お答え申し上げます。 御指摘の点は大変むずかしい点でございまして、かなり以前からいわゆる開発途上国の定義ということは国際的にも非常にむずかしい問題で、議論をいたしてまいりました。 結論を先に申し上げますと、一律に開発途上国を客観的に定義づけるような基準は設け得ない、これが現状の結論になっております。たとえば一九六五年にOECDの閣僚理事会が検討グループを設置いたしまして、いろいろ勉強させました。そこで、たとえば国民所得であるとか、出生率であるとかあるいは農業の比率であるとかいろいろなクライテリアを使ったのでありますが、結局客観的には基準となり得ませんでした。そこで自己選択制度、すなわちみずからが自己の経済の内容にかんがみ、発展途上国と思う国に名のり出てもらいまして、それをそうではないと考えている・国、すなわち先進国が援助していく、そのような国際的な仕組みができている次第でございます。 また先生は後発発展途上国についても御指摘ございましたが、まさにその点が一つの問題でございました。ところがこちらの方はいろいろ非常にレベルの低いという意味においてある種の基準を設けることが可能でございました。すなわち一九七一年の第二十六回国連総会においては、決議二七六八をもってLLDCすなわち後発開発途上国の基準として三つの基準を認定いたしました。それは一人当たりの国内生産額が百ドル未満、第二に文盲率が八〇%以上、第三点、国内生産における製造業の割合が一〇%以下、この三つの条件を満たすものを後発開発途上国として当初二十五、その後四カ国追加いたしまして二十九カ国を現在指定しているわけでございます。 またガットそのものも、十八条にまさに先生御指摘のとおりの表現はございますけれども、これをしてもどの国がその国に当たるかどうかという客観的基準にはなりませんで、一つの概念規定でございます。ガットのただいま行われております御指摘の東京ラウンドにおきましても、やはり一つの自己選択制度ということで律している次第でございます。
○高橋委員 自己選択制度でそれに対してチェックをする、そういうしきたりになっているというお答えだと思います。そうであると、私が考えられることは、いま後発発展途上国に見られるような一つの数字で出せる場合はようございますけれども、そうじゃないようなときには、そろそろ従来の発展途上国というものに対する一般的な考え方にもう少しつけ加えなければいけないんじゃないか、逆に言えば、たとえば資源を持つ国と持たない国、有資源国と無資源国とではおのずから先進国がこれに対して取り扱う態度も変わってくるのではないか、こんなふうに思いますが、その辺についてはいかがでございましょう。
○松田説明員 少なくともガットという枠組みの中では、御指摘のような資源の有無ということで世界貿易を律することはちょっとむずかしかろうかというのが現状認識でございます。 すなわちガットと申しますのは、自由、開放、無差別という原則のもとに戦後生まれまして、その枠組みの中で世界自由貿易が発達してまいりました。その中には富める国、貧しい国、あるいは石油のある国ない国ございますけれども、それは援助であるとかそういった面では非常に影響が出てまいりますけれども、物の流れという面ではルールを変えるわけにはいかない。たとえば一つの同じ物をある国が他国から輸入する際に、そのよって来る国がどの国かによってその品物の価値が変わるわけではなくて、その品物それ自身によって商業価値が決まり関税がかけられていくということになりますものですから、やはり無差別という原則は、ガットの枠組みの中の世界貿易ということに関します限りは、資源の有無とは別個に一つの基準として成立せざるを得ない、このように考えております。
○高橋委員 お話はわかるのですけれども、現実の問題として資源のある国が世界経済に対してかなりの影響力を及ぼし出しているという事実があると思います。この辺から考えていけば、少なくとも新しい立場に立ったときには、この資源に対する配慮というものが新しい国際ラウンドの展開の中ではそろそろ準備をされなければならないところへ来ているのではないかと思いますが、この辺については重ねていかがでございますか。
○松田説明員 二つに分けてお答えさせていただきたいと存じます。 第一点は、御指摘のように資源すなわち富というふうに考えます場合には、一般貿易のルールとしては差別はなかなかむずかしいのですけれども、ただ、ガットは、先ほどから申し上げております自由無差別とはいいながらも、先ほどの十八条あるいは第四部に見られるように例外規定としての途上国への配慮もございますが、そのような配慮をする段階にあって、すべての途上国を一律にではなくて、若干段階をつけて、非常に貧しい国と先進国に近づいている国、あるいは非常に資源を持っている国とは少し考え方を変えてはいいではないかという議論が従来からございまして、東京ラウンドの中でもいろいろな分科会を設けて仕事をしておりますが、その一つのフレームワークグループというところでは、まさに御指摘のような問題の可能性を追求しております。 それから、もう一つの側面は資源の流れという点でございます。これは、たとえばOPECの石油金融に見られますように、有資源の国が自己の選択で輸出を規制することの可否という問題も国際経済上大きな問題でございます。石油以外のその他のもろもろの資源についても、資源を求める国に対して自由に流れるようなルールが欲しいではないかという側面からもいま議論をしております。したがいまして、先生御指摘のとおり資源ということを念頭に置いて東京ラウンドがいかなる仕事をしていくか、あるいはすべきではなかろうかという点につきましては、いま申し上げましたように貿易ルールの面と資源確保の面、二面から仕事をしておりますことを申し上げたいと思います。
○高橋委員 とかく日本人の一つの癖として、何か決められたものに対して非常にまじめに遵守する、あるいはそういうものに対しての柔軟な解釈力が乏しいということが間々あって、何かのときに、あら、しまったというようなことを後で味わわされているケースがたくさんあると思うのですね。そういう意味からいきましても、これはお願いというのか希望事項になりますが、どうかひとつこういった意味でガットに対する取り組む姿勢をそろそろ新しい要素を盛り込んでいただくようにお願い申し上げたい。また、その御準備を当局にそろそろし始めていただきたいということをお願い申し上げるところでございます。 続きまして、東西貿易についてちょっとお尋ねをしたい。私のこの場合の東という意味は、コメコンに入っているというか、その枠内の国というふうに御解釈いただいて結構だと思いますが、この東西貿易間の傾向についてお尋ねをしたい。 と申しますのは、六〇年代には東西間貿易というのは年平均伸び率が世界貿易よりも上回っていたと思います。この辺から、もうすでに従来の東西という感覚をある程度枠組みを超えた何かの胎動が始まった。この傾向が私は七〇年代も続いていると思いますが、今日の情勢、この東西間の貿易の状況はどのような数字が出ておりますか。
○西村説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生の御質問、コメコン加盟の国との間の貿易、東西貿易全体が七〇年代に入ってどのようになっているかということでございますが、御指摘のとおりソ連、そして東欧諸国でございますが、この間の貿易は七〇年代に入りましてもきわめて順調に推移しております。ちなみに数字を申し上げますと、七〇年のソ連、東欧諸国とのわが国の貿易は、わが国の輸出でございますが、四億四千八百万ドルということで全体の二・三%程度でございます。それから輸入につきましては五億九千二百万ドル程度で、三二%程度を占めております。この輸出で四億四千八百万ドル、輸入で五億九千二百万ドルという数字が、七六年、昨年の数字でございますが、輸出では二十八億ドル、輸入では十三億六千万ドルというふうにきわめて大幅な増加を示しております。特に昨年は、わが国の全体の輸出が二〇・五%増加でありました中で、わが国のソ連、東欧諸国への輸出は二七・三%増、特にそのうちの主要な部分を占めますソ連に対しましては三八・五%増、かなり上回った実績を示しております。これに反しまして輸入は、わが国の輸入が全体で一一・四%増加を示しております中で、輸入につきましては九八・六%と前年をちょっと下回るところ、やや停滞をいたしております。
○高橋委員 私の想像どおり順調に推移しているように思われますが、そうであれば当然のことながらガットの中で抱えている問題あるいはコメコン内部でのいろいろな問題が出てくると思いますが、こういった問題を踏まえて、国全体の姿勢として東西貿易についてどのような姿勢を今後おとりになるか、この辺についてお伺いをしたいと思います。
○西村説明員 わが国といたしましては貿易立国を国是といたしておりますたてまえ上、いかなる体制の国とも互恵平等という立場で今後ともこれらの国との貿易を拡大していく必要があろうと考えております。
○高橋委員 ただ、私が申し上げたいのは、先年ソ連に参りましてソ連のGKNTのメンバーと会談をしておりましたときに、非公式ではございましたけれども、ソ連企業に対する投資の話を持ちかけられたことがございます。私は、ソ連という国が自由経済圏であるわれわれから投資を求めるというのは、一体見返りなどはどういう形で行われるんだということを伺いましたときに、小さな声で、ソ連でできる製品を日本で売る権利をその会社に与えれば配当のかわりになるんではないかというようなことを、非常に非公式ではございますけれども、ソ連のある立場の方が私に答えたことがございます。 そういう点を考えると、ただ単に貿易立国だからというような割り切り方だけで済まされるようなそういうなまやさしい相手ではないと私は思いますので、重ねてそういう点を踏まえて、どうもガットの中での動きのようなわけにはいかないであろうと私思いますので、重ねてこの辺をひとつお伺いしたいと思います。
○西村説明員 ただいま先生のお話しのソ連の企業と一緒に投資をというお話でございますが、私、それは初耳でございまして、いまのお話でもきわめて非公式にというお話であったかのように承りましたが、私どもの方には具体的にそのような話はまだ聞かされておりません。もしそのようなお話がありました場合、よくいろいろな観点を検討させていただきたいと存じます。
○高橋委員 私が申し上げたいのは、とかく経済にあずかるメンバーの方が物事の回転も早うございますし、後から政治なりあるいは政策なりが追っかけていくという形の中では、絶えず日本が比較的損をしているケースが多いので、どうぞ関係の課長の方々にこの辺について遺憾のないように、貿易の拡大に伴っての御配慮をひとつお願い申し上げたい。よろしくお願い申し上げます。 では最後に、全然話題を変えましてお尋ねをさしていただきます。 それは石油資源の開発に絡めて石油備蓄を進められる、これは当然のことだと思います。しかしながら、私たちが石油危機を痛感させられたのはもうすでに三、四年前、四十八年あるいは四十九年にすでに大問題がわれわれの生活の中に入ってきた。以後、伺うところによると、この三月の七日、八日にまた新しい総合エネルギーの問題に対しての対策の委員会をおつくりになったということを伺って、この期間内に外部から見ると何ら前進的な手が打たれてなかったんじゃないか、大変失礼な言い方ですが、そういう感じがいたしますけれども、これについて通産省いかがでございましょう。
○古田政府委員 石油危機が起こりましたのは昭和四十八年の暮れでございますが、それ以降——その前からももちろんエネルギー政策はいろいろな形で強化拡充し推進してきていたわけでございますが、その後も引き続まして、石油の安定供給の確保、それから石油以外の新規エネルギーの開発の促進といったことを強力に進めてきている次第でございます。 石油の開発につきましては、石油開発公団の事業を中心としましてその促進に努めることになっておりますし、それから、石油備蓄の促進につきましては、昭和五十年度以降五十四年度までの間に九十日備蓄の達成をするということで、五十年度以降すでに新しい施策を打ち出してきているわけでございます。 それから、そのほかの石油以外のエネルギー源につきましては、原子力の拡充あるいはLNGプロジェクトの具体化といったふうな形でその促進に努めている次第でございます。 ただ、最近になりまして、国際的な石油情勢が非常に流動的になる、それから中長期的に見まして石油の需給関係がかなり厳しくなっていくのではないかというふうな見通しがございます。それから、原子力にしましても、LNGにしましても、当初予定のように実際のプロジェクトが進行していないことも事実でございます。その辺の情勢の変化を踏まえまして、新しい事態に対処する具体的な方策をさらに検討し、方向を打ち出していきたいということで、政府としまして総合エネルギー政策の再検討のための体制を整える、こういうふうな形になっております。
○高橋委員 問題はタイミングというか、こういう緊急を要する問題であり、慎重な審議も必要であるし、いろいろそのタイミングの問題はございましょうけれども、とにかく私たちの判断では、この三月の上旬までやってこられたいろいろの審議会あるいはそういった一連の動きが、もう一度審議会からやり直さなければならないというような事態、まことに国民感情としてはさびしいというか、ずれた御展開のように思われるのですが、この辺は、いかがでございますか。
○古田政府委員 先ほど御説明いたしましたように、石油危機以降世界的なエネルギー情勢が非常に大幅に変化しておるというふうなことでございまして、その新しい体制に即応するためにどのような方向を打ち出していくべきかということを政府として検討し、方向を具体化していきたいということでございます。 この政府としての検討に関連しまして、たとえば通産省としましては、総合エネルギー調査会の基本問題懇談会の拡充強化によってその場での審議をお願いしている、こういう形になっております。
○高橋委員 私がお尋ねしたいのは、いろいろ御苦労なさっていらっしゃることはわからないではないのですけれども、現実の問題として、展開がおくれてそれによって何か国全体の手当てがおくれることからする国民全体の政治に対する信頼感あるいは官庁に対する信頼感という形を壊されることは私は非常に不幸だと思うのです。たとえば、備蓄基地を今度お考えになる。これは当然のことながら九十日分以上のものは持ちたい。これも私わからぬじゃない。ところが、現在の国民の理解の中で、本当にそういうものをつくる必要があるのかどうかしらというところまでわからないままに、備蓄自体に対して恐らく反対運動も起こる地域も私出るのじゃないかと思う。そういう点をお考えになれば、いまのはやり言葉じゃございませんけれども、パブリックアクセプタンスということについて通産の御当局がこの石油問題に対してどういうふうな取り組み方をなさるのか。ただ単に、備蓄タンクの設置について過疎の市町村に補助金を出すといった程度だけで済まされる問題か。国民合意を求めるためにも、もう少し積極的なというか、ある場合には危機感を訴えるといったような思い切った国民への訴えというものを通産当局はなさるべきじゃないか、こう思うのですが、いかがでございましょうか。
○古田政府委員 今般の総合エネルギー政策の見直し作業におきましても、先生がただいま御指摘になりましたパブリックアクセプタンスといいますか国民的な合意をどのようにして取りつけるかというのが最大の問題の一つであるということが、議論として出てきているわけでございます。そういうことで、先ほど御説明いたしました総合エネルギー調査会の基本問題懇談会の中にパブリックアクセプタンスのための分科会を設けて、そこで具体的にこの問題をどのように進めていったらいいかということをお諮りしたいということで準備しているところでございます。
○高橋委員 くどいのですけれども、そういう時期はもう過去のことじゃないかと思うのですね。いまここまで来て、四十八年以降三年、四年と経過したいまごろになって、そして国民の方の御理解をいただくような行動あるいはPRをなさるというような感覚が、私は一人の国民としてはなかなか納得できない。いわんや、伺うと、小委員会をつくって云々とおっしゃるけれども、まだそんな程度なのかしらという気が正直言って私いたします。この辺については、そろそろ政治自体も、行政自体も、ある場合にはかなりの積極性の中で御展開いただかないと問題が解決しないことがあるのじゃないか。小委員会をつくるとかやれ審議会がどうだとかいったことよりも、より国民合意を得るための方に行政全体の動きを活発にさせていただきたい、お願い事項になろうかと思いますが、大臣を含めて、この辺について一層の御決意をお固めいただくことをお願いして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○小渕委員長 荒木宏君。
○荒木委員 このたび引き上げが提案されております原重油関税が財源になりまして石石特会から石油開発公団に金が出ていくわけでありますが、だんだんの論議を伺っておりまして、解散企業も含めて休眠企業が九社、投資額を私が計算いたしますと百七十四億円強ということになっておる。十年間全体で千二百億といいますから十数%でございますか。相手は石油だからあるいはリスクが伴う、一発当たれば元がとれるとかいろいろな見方があるのですけれども、しかし何といってももとは税金であります。しかも、四十二年の総合エネルギー調査会の答申では、六十年には三〇%に、自主的に賄えるように持っていきたいという答申がありましたけれども、しかし自給率の方は依然として効果が上がらない。その後の推移を見ると、途中の石油ショックその他も含めて、むしろ積極的な評価さえできるという状態でありますが、こういったことについて、十年一節と言いますが、通産省の方では、直接の所管官庁として見直しといいますか反省といいますか、そういった点についてとるべき手だてはないのか、御意見を伺っておきたいと思います。
○古田政府委員 昭和四十二年十月に発足して以来、石油開発公団は海外及びわが国大陸だなの探鉱開発の促進のために投融資活動を続けてきたわけでございますが、昭和五十一年度末で探鉱関係の投融資の残高が約二千九百億という見通しになっております。対象としております企業は、探鉱投融資関係で三十八社、このほかに開発資金の債務保証を行っております会社が二社ということで、四十社ということになっております。 現在までのところ、この四十社のうち十社が石油の発見、生産に成功しておりまして、この成功率は六%ということになっております。この成功率六%という数字は世界平均の二・七%という数字に比べますと比較的高いということで、石油開発公団の事業自体は、国際的な水準ということで考えますと、効率的に行われてきたということは言えるかと思います。ただ、その中にもちろん、探鉱しましたが石油の発見に至らずして休眠状態になっている会社というのもあるわけでございます。それで、現在その休眠企業数は七社ということになっております。 私どもとしましては、今後ともできるだけ、地質的な有望性が高くプロジェクトとして成功の可能性の強いものを取り上げて、石油開発公団の事業が効率よく進められて、当初目的としましたわが国原油輸入量のうち三〇%を自主開発原油で賄うという目的を実現する方向に努力したいというふうに考えておる次第でございます。
○荒木委員 個別的な事例を挙げますと、いろいろ言われております中に、たとえばジャパン石油というのがあります。これは相当大口ですね。出資が三百七十五億ですから、五百八十億のうちの約六割を占めている。融資も八百五十八億余りでありますから、これも相当なものですね。ところが、話によりますと、四十七年にBPがその権利を提供しようと言ったときに、西ドイツのある企業が四億ドルならどうかといったような相場をつけたのが、ジャパン石油で七億八千万ドル。それで後の採算がうんと取れればいいわけですけれども、ここへ先ほどのような投融資がなされて、しかもその後アブダビ政府の事業参加があり、税金、手数料の引き上げがあって、五十年度の決算はかなりの赤字でしょう。そういうふうに聞いているのですが、これをそろばんに乗せるにはまだなお相当な金をつぎ込まなければならぬということを言われておるわけですけれども、こうしたことなかりせば、今度の原重油関税の引き上げの推移もまた違ったのではないかという見方も出るような、相当の大口投融資対象の余り芳しからぬ結果ということになっていると思います。 私はいろいろな見方があると思うのですよ。いまの時点をとってみれば五十年度三百億の赤字と言われるけれども、長い目で見てくれという意見もありましょう。しかし、ある意味では国際的な相場も出ており、また多少の両三年の見通しを立てて推移をながめておったならばこのようなことは避け得たのではないか、こういう見方も十分成り立つと思うのです。そういう意味から、本来なら、石油開発公団の業務について行政監察の洗礼を一度受けてはどうかというふうにも私は思っておるのですけれども、しかし、行政管理庁の方も手不足で仕事は多い、なかなか手は回らない、それは所管省のまずもって大蔵省と、こういう話になりますから、先ほど通産省のお考えを伺いましたから、主計局の方に、こういった具体的な事例を踏まえて、見直し、反省、考え直すべき点はないのかということを伺っておきたいと思います。
○加藤(隆)政府委員 ただいま通産省が具体的な数字で申し上げましたのですが、私どももこの点については非常に検討の重要性を指摘しておるところでございまして、先ほど、どうせ政府の方は、石油産業というのはリスクが大きい、長い目で見なければいかぬとか、そういうことを言うだろうと先におっしゃられてしまったのでありますが、われわれも、いろいろ検討いたしますと、石油の問題というものはやはり非常にリスクが多くて、どうしても長い目で見なければいかぬ。さはさりながら、成功率は国際的に見ても、国際的には二・七%ぐらいというのがわが国の場合六%であると、年に約二千三百キロリッター、大体一カ月分ぐらいは取れるようになっているとは言いますが、御指摘のような点は確かにあるわけでございます。 そこで私どもといたしましては、プロジェクトの選定を一体どういう考え方でやっているのかというような点を第一に重視しております。それから第二点には、公団の融資は御承知のように国と民間が折半でございますから、民間の方の利潤動機に基づく経済法則が働くわけでございます。そういうような点を、成功率を高めるようなインセンティブという方向へどうやったら持っていけるのか、これは各企業の経営の改善ということにもつながってくるわけでございますし、国としてはどういうことができるかということになるわけでございますが、やはりプロジェクトの選定をしっかりやらなければいかぬのじゃないか。 それから、金庫番といたしましては、たとえば三社が解散したわけでございますが、成功払い融資制度をとっておることによってこれは償却してあるわけでございますが、そういうような事業のやり方の点等、それから財務管理の点、企業の経営努力というような点で、通産省にその都度いろいろと細かく説明を聞きまして検討はいたしております。結果は何と申しましても一般的な企業から見ればこういうようなことになっておりますが、やはりリスクが大きい企業であって、長い目で見なければいかぬという点はあろうかと思います。
○荒木委員 私は、四十七年のあの閣議了解がなされた経緯から見ましても、これは事業の性質、含まれる危険性、そういったことだけに解消するのは相当問題があるのではなかろうかと思いますから、いまされた答弁、私どもはまた別の観点をいろいろ考えておりますけれども、しかしそういったことが十分実行されるように、その面での強化ということも期待をしておきたいと思うのです。 当初の政策関税から財政関税といいますか、財源を確保するといった意味の関税の性格変化ということが見られるわけですが、少し別の側面で、今度は国内産業との関連で、先ほどECとの農産物の御質問が出ております。私はちょうど選挙区に繊維の産地を控えておりまして、業界の状況はもう申し上げるまでもないと思うのですが、繊工審の提言を受けまして、表現を借りますと「秩序ある輸入」ということで、需給の協議会あるいは貿易部会、それを受けて調査委員会、こういう提言がされておりますが、通産省の方からそういった提言にある仕組みがいつ、どのようにして働く手順になっているか。また、その提言の中には、国内産業に及ぼす影響を見て二〇%の税率の引き下げ、あるいは緊急関税の発動等、こういった対策をとることも指摘をされておるのですが、同時にそこに至る手順といいますか、そこへ至るさまざまな手だてについての工夫、検討ということも要請をされておるわけでして、いままで関係業者のこういった輸入対策の要望については、一口で言いますと、大体言葉ありて行動がなかったと言ってもよかろうかと思うのです。特に輸入の量や金額の足取りだけ見て、実際の国内の業界の体質、それの現状ということの機動的な相関的な判断というものが十分でなかったわけですから、私はそういう意味では非常に不満が高まっておると思うのです。 以上のようなことを踏まえて、仕組みの発動、それの実際効果ある手順についてひとつ実のあるところを通産省の方から聞かしていただきたいと思います。
○保延説明員 御指摘のように、繊維工業審議会の提言が去年の十一月にございました。そこにおきましては、いまお話しのようないろいろな輸入秩序化のための方策が列挙されておるわけでございますけれども、提言が出ましてからわれわれといたしましては直ちに検討を開始いたしておりまして、まず第一に、輸入を含む需給問題を審議するために、繊維工業審議会に新たに需給貿易部会というものを設けております。これは去る二月三日の審議会におきまして設置を決議いたしたところでございます。それからさらに、明日でございますが、この需給貿易部会の第一回の会合を開催することにいたしております。ここにおきましては、提言にもございました需給貿易部会の調査小委員会の設置を取り決める予定にいたしております。さらに、同時に最近におきます繊維の需給貿易の動向の検討もいたす予定にいたしております。 それからなお、メーカーそれからインポーター、消費者等の関係者間で一般需給見通しも作成いたしまして、需給の安定に資するということを考えておりまして、これのために繊維需給協議会につきましても近日中に開催することといたしておりまして、現在準備を進めております。こういった体制が整いまして、これを機動的に活用いたしまして適宜適切な輸入対策を講じたいというふうに考えておるわけでございます。 最近の繊維の輸入につきましては、去年は十六億ドルということで、一昨年に比べますとやや高い水準になったわけでございますが、これにつきましては、一般景況のやや回復ということがございまして、八月までちょっと高くなりましたけれども、それ以降は景気の沈滞ということもございまして、繊維の国内不況を反映いたしまして減少に転じておりますが、現在は比較的落ちついた動きをいたしております。この当面の先行きの見通しといたしましても、最近の成約状況等を見ますと減少しておりますので、当面輸入急増というふうな事態は何か大きい事情の変化がない限りないのではないかというふうに思っておるわけでございます。 しかし、繊維につきましては御承知のように現在非常に深刻な不況下にあるわけでございます。これと輸入との関係でございますけれども、いま申し上げましたように輸入は鎮静化いたしておりまして、一般的に輸入制限ということになりますと、輸入が急増いたしまして、それによって国内の産業が非常な打撃を受けるというふうな事態またはそのおそれがないとなかなか国際的にも発動しにくいということがあるわけでございます。したがいまして、当面の対策といたしましては、輸入の動静をウォッチいたしておりまして、輸入がふえそうだというふうな場合には、先ほど申し上げましたような需給貿易部会の調査委員会または需給協議会等で十分その実態につきまして検討をいたしまして、または需給協議会におきましてはインポーターも入っておりますので、メーカーとインポーターの現状認識等のすり合わせを十分に行いまして、おのずから輸入が抑制されるようなコンセンサスを得るというふうな効果も期待しておるわけでございます。 そういった形で、当面は輸入の秩序化に貢献するような形でやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○荒木委員 ウォッチシステム、一つの働きはすると思うのです。ただ、従来からそういうことが言われておるのですけれども、しかし、これが波打ち際の動きということが主になって、国内の業界との関連、ここのところが必ずしも十分じゃないという声を私はよく耳にするのですよ。なるほど、風は大分弱まってそよ風になっても、体が弱っていれば相当こたえるのですから。また、いまのそのウォッチの効用ということを大いに期待される答弁があったのですが、大体カバレージが七割から七割五分くらいですか、だから、これも、顕微鏡までいかなくても、できるだけ実態に近いような把握の効果が上がるような仕組みを一層期待したいと思うのです。 そうした繊維の関係、あるいはまたアメリカとの間ではオレンジ、果汁ということも話に上っておりますが、これは大臣の地元でもかなり有力な産業であると思うのですけれども、こうして柑橘類あるいは繊維類の国内産業を育成するという観点からの関税政策、その基本大綱といいますか、関連をして大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○坊国務大臣 大変デリケートな問題でございます。いずれにいたしましても、これからの石油を確保し、なお日本の国のそういった産業を円満に成長、発展せしめていくことは大変なので、二つの命題が必ずしも一致しないというようなものでございますが、これを世界経済の上においてどう調整、実現していくかということが一番大事なことだと思いますので、それにつきましては今後とも鋭意日本の国のために、また世界の貿易のために努力をしてまいるというつもりでございます。何分よろしくお願い申し上げます。
○荒木委員 最後に、税関で働く職員の問題を一言局長に伺っておきたいのです。 大阪税関で昨年の十二月十八日約七十名近い職員の人たちに処分が出されました。私は時間の関係もありますから、処分の当否、事実関係、そういったことについては別の機会に譲りたいと思います。また、いま当局との間で問題になっておりますことに関連することも一応別途な機会ということにいたしまして、処分の理由の説明を当局の方から被処分者にそれぞれなさるというお話があったにかかわらず、いままでのところ、たしか四名しか履行されていないというふうに聞いておりますので、その点に限って、どういうふうになさるおつもりか、十分得心のいくように説明を求めるという要望が出ておるようでありますが、局長のお考えを伺って質問を終わりたいと思います。
○旦政府委員 先生がただいま御指摘になりましたのは、昨年の十二月に国家公務員法上の処分といたしましては戒告の二名でございますが、その他のいわゆる矯正措置を含めますと、六十七名の方々にそういう措置をいたしたのでございます。その後、ただいま先生の御指摘では四名ということでございますが、一月の二十日から一月中に四名の方にその説明をいたしております。その後調べましたところ、三月十四日現在までにさらに十二名の方々に対しまして説明が終わっておりますので、合わせて十六名の方々に対して説明が進んでおる次第でございます。何分にも二月には税関の人事定期異動がございますので、人事課の方もなかなか忙しいという事情もございました。それからまた、職員の中には御説明していると、われわれとしては一人二、三十分ということで御説明したいと思っておりますが、一時間、二時間という長くかかる方もございますので、だんだん時間が長引くというような点もございまして、現在までのところそういうようなことで進行しておるわけでございます。なお、職員の方におきましても、人事課にはほかにも仕事がございますので、簡明に進めさせていただいて早期にこの説明を終了いたしたい、かように考えておる次第でございます。
○小渕委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 ————◇—————
○小渕委員長 この際、印紙税法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、去る二日質疑を終了いたしております。 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 印紙税法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小渕委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○小渕委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブを代表して山下元利君外五名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。山田耻目君。
○山田(耻)委員 印紙税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、今後、経済取引の推移等に応じ、免税点の引上げについて十分配意するとともに、取引規模に即応した適切な税負担を求めるよう、階級定額税率の最高価格帯の見直しを行う等、税率構造の合理化について更に検討すべきである。 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、提案の趣旨を簡単に御説明申し上げます。 この附帯決議案は、免税点の引き上げと階級定額税率最高価格帯の見直しを中心に税率構造の合理化を図るべく、政府に対し、十分な配慮と検討を要望するものであります。 御承知のとおり、印紙税法におきましては、手形や受取書を初め、物品切手あるいは特定の契約書等について、その少額のものを非課税とするため、それぞれ免税点が設けられておりますが、現行の免税点は昭和四十二年以降今日まで十年間、一部を除きそのほとんどが据え置かれたまま現在に至っているのであります。今回を含めて、二度にわたる増税ないし負担の調整が、その間における所得や物価水準等の推移に見合うものとして行われたとするならば、同様の理由で、免税点についてもまた、それ相当の配慮があってしかるべきものと考えられるのであります。 政府においては、今日までの経過を踏まえつつ、免税点制度の趣旨にもかんがみ、今後、経済取引の推移等に応じて、その見直しを行い、印紙税の納付が取引の阻害とならないよう十分配意すべきであります。 また、今回の改正案では、階級定額税率について、最高価格帯に金額区分を増設して、税率を引き上げることにしておりますが、それ自体のねらいは一応理解するとしても、この程度の措置で、最近の大型化している取引の実態に十分即応できているかどうか、質疑の過程でも指摘がありましたように、全く議論の余地なしとは言い得ないところであります。 政府においては、今後、課税状況等について、その実態を的確に把握し、取引規模に即応した適切な税負担を求めるよう、階級定額税率の最高価格帯の見直しを初め、税率構造の合理化につきさらに検討を加えるべきであります。 以上、各位の御賛同をお願いいたしまして、趣旨の説明といたします。
○小渕委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 お諮りいたします。 本動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小渕委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。坊大蔵大臣。
○坊国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って十分配慮いたしたいと存じます。 —————————————
○小渕委員長 次に登録免許税法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、去る十一日質疑を終了いたしております。 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 登録免許税法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小渕委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○小渕委員長 次に、先刻質疑を終了いたしました関税暫定措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 関税暫定措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小渕委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小渕委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○小渕委員長 次に、所得税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法及び国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 これより両案について政府より提案理由の説明を求めます。坊大蔵大臣。 ————————————— 所得税法の一部を改正する法律案 租税特別措置法及び国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○坊国務大臣 ただいま議題となりました所得税法の一部を改正する法律案並びに租税特別措置法及び国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 初めに、所得税法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。 政府は、最近における社会経済情勢に顧み、今次の税制改正の一環として、中小所得者を中心に所得税負担の軽減を図るため、現下の厳しい財政事情にもかかわらず、初年度三千五百三十億円、平年度三千百六十億円の減税を実施することとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。 第一は、人的控除の引き上げであります。 すなわち、基礎控除、配偶者控除及び扶養控除について、それぞれ、現行の二十六万円から二十九万円へと三万円引き上げることといたしております。これにより、昭和五十二年分の課税最低限は、夫婦と子供二人の給与所得者の場合で二百一万五千円となり、現行の百八十三万円に比べ、一〇・一%引き上げられることになります。この引き上げ率は、政府の昭和五十二年度の経済見通しによる消費者物価の年度平均上昇率八・四%を上回るものであります。 第二は、福祉政策等の見地から、障害者控除等特別の人的控除について、基礎控除等一般の人的控除と同様に、その控除額をそれぞれ三万円引き上げることといたしております。 すなわち、障害者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除をそれぞれ二十万円から二十三万円に引き上げるとともに、特別障害者控除を二十八万円から三十一万円に、老人扶養控除を三十二万円から三十五万円に引き上げることといたしております。 また、年齢七十歳以上の控除対象配偶者につきまして、老人扶養控除と同様、新たに三十五万円の特別の配偶者控除を認めることとしております。 以上のほか、勤労学生控除の適用要件である所得限度額を四十六万円から五十二万円に引き上げる等、所要の改正を行うことといたしております。 次に、租税特別措置法及び国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。 政府は、最近における社会経済情勢に顧み、今次の税制改正の一環として、利子配当課税等の適正化及び交際費課税の強化を行うとともに、その他の租税特別措置の整理合理化を行う等、所要の措置を講ずるほか、国税収納金整理資金の経理を合理化することとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。 まず、租税特別措置法の一部改正について申し上げます。 第一は、利子配当課税等の適正化であります。 すなわち、利子配当所得に対する源泉徴収税率を一五%に軽減する特例を廃止して二〇%の本則税率を適用することとするほか、源泉分離課税を選択した場合の税率を現行の三〇%から三五%に引き上げ、また、割引債の償還差益に対する源泉分離課税の税率につきましても、現行の一二%から一六%に引き上げることといたしております。 第二は、交際費課税の強化であります。 すなわち、交際費の損金算入限度額の計算の基礎となる資本等の金額の一定割合を千分の〇.五から千分の〇・二五に引き下げるとともに、損金不算入割合を八〇%から八五%に引き上げることといたしております。 第三は、その他の租税特別措置の整理合理化等であります。 すなわち、企業関係の租税特別措置につきまして、製品安全検査用設備の特別償却制度及び高精度工作機械等の特別償却制度を廃止し、公害防止用設備の特別償却制度の償却割合を二分の一から三分の一に引き下げ、また、価格変動準備金の積立率を、通常のたな卸し資産にあっては二・七%から二、四%に、非上場株式等にあっては〇.九%から〇・八%にそれぞれ引き下げ、海外市場開拓準備金についてその名称を中小企業等海外市場開拓準備金と改めるとともに、資本金一億円超十億円以下の法人に適用される積立率を引き下げる等の整理合理化を行うことといたしております。 また、登録免許税の減免措置につきましても、外航船舶の所有権の保存登記に対する軽減税率を引き上げる等の整理合理化を行うことといたしております。 さらに、昭和五十三年度の自動車排出ガスに係る保安基準に適合する乗用自動車の早期普及のため、物品税の暫定軽減措置を講ずるほか、少額国債の利子非課税制度を少額公債の利子非課税制度に改め、その適用対象に公募地方債を加えるとともに、中小企業構造改善計画を実施する商工組合等の構成員の機械等の割り増し償却、開墾地等の農業所得の免税、老年者年金特別控除、住宅取得控除制度の適用期限を延長する等、中小企業関係、農林漁業関係、福祉関係、住宅関係等の租税特別措置について、それぞれ実情に応じ所要の改正を行うことといたしております。 次に、国税収納金整理資金に関する法律の一部改正について申し上げます。 現行の国税収納金整理資金に関する法律におきましては、毎年度の歳入に組み入れるべき国税収納金等の受け入れ期間の末日は、翌年度の四月三十日と定められているのでありますが、四月三十日が日曜日その他の休日に当たるときは、当該受け入れ期間の末日を、その翌日の五月一日とする改正を行うことといたしております。 以上、所得税法の一部を改正する法律案並びに租税特別措置法及び国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し上げました。 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○小渕委員長 これにて両案の提案理由の説明は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ります。 次回は、明十六日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時十八分散会 ————◇—————