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80回国会衆議院1977/02/16

大蔵委員会 第3号

発言数
92
登壇者
11
会派数
4
開催日
1977/02/16

会議録

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 これより会議を開きます。  この際、昭和五十一年度の水田総合利用奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案起草の件について議事を進めます。  本件につきましては、先般来理事会等で御協議願い、お手元に配付いたしましたような草案を得ました次第であります。  まず、本起草案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。  本起草案は、昭和五十一年度に政府から交付される水田総合利用奨励補助金について、税制上、次の軽減措置を講ずるものであります。  すなわち、第一に、個人が交付を受ける同補助金については、一時所得の収入金額とみなすとともに、転作に伴う特別支出費用等は、一時所得の必要経費とみなすこととし、第二に、農業生産法人については圧縮記帳の特例を設け、当該法人が交付を受ける同補助金については、交付を受けた後二年以内に、事業の用に供する固定資産の取得または改良に充てる場合には、圧縮額を損金に算入することといたしました。  なお、本特例措置による国税の減収は約三億円と見込まれます。  以上が、本草案の趣旨及び内容であります。     —————————————  昭和五十一年度の水田総合利用奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 この際、本案は歳入の減少を伴うこととなりますので、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣において御意見があれば発言を許します。坊大蔵大臣。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 この法律案につきましては、稲作転換の必要性にかんがみ、あえて反対いたしません。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 お諮りいたします。  この起草案を委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案として決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 次に、農業共済再保険特別会計における農作物共済及び果樹共済に係る再保険金の支払財源の不足に充てるための一般会計からする繰入金等に関する法律案を議題といたします。  まず、政府より提案理由の説明を求めます。坊大蔵大臣。     —————————————  農業共済再保険特別会計における農作物共済及び果樹共済に係る再保険金の支払財源の不足に充てるための一般会計からする繰入金等に関する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 ただいま議題となりました農業共済再保険特別会計における農作物共済及び果樹共済に係る再保険金の支払財源の不足に充てるための一般会計からする繰入金等に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  昭和五十一年度におきまして、東日本を中心とする異常低温、西日本各地における暴風雨等により、水稲、麦、リンゴ等の被害が異常に発生したことに伴い、農業共済再保険特別会計の再保険金の支払いが著しく増加するため、同特別会計の農業勘定及び果樹勘定の支払い財源に不足が生ずる見込みでありますので、一般会計から、農業共済再保険特別会計の農業勘定に四百五十二億六千六百六十一万円、同特別会計の果樹勘定に五十八億四千二百七十三万千円を限り、繰り入れることができることとするとともに、同特別会計の農業勘定における積立金を同勘定の歳入に繰り入れることができることとしようとするものであります。  なお、一般会計からの繰入金につきましては、将来、農業共済再保険特別会計の農業勘定または果樹勘定におきまして、決算上の剰余が生じた場合には、再保険金支払基金勘定に繰り入れるべき金額を控除した残額をそれぞれ一般会計に繰り戻さなければならないことといたしております。  以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。  何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。     —————————————

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢田広君。

沢田広日本社会党

○沢田委員 早速質問に入りたいと思いますが、提案されました書類を拝見いたしましても、この別表にありますように、昭和四十八年度までは債務ゼロというように、農業共済の経営としては、問題点は中にはあるといたしましても、おおむね健全な返済を行っているという事実を前提としながらこれから質問をしていきたいと思います。     〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕  まず、大蔵大臣が、いま日本の経済や景気、不況あるいは公共事業、いろいろ問題を取り上げておりますけれども、日本の貿易関係から見ても、農政というものが今日の日本の経済の中において非常に重要な一面を担っていると私は考えるわけでありますが、この点についてどういう理解をなさっておられるか、その点の御見解を承りたいと思います。これは大蔵大臣としてお伺いをいたしたい。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 大蔵大臣への御質問でございますが、私、農林省としまして前置きとしてお答えを申し上げたいと思います。  従来の高度成長の過程において農業の体質が非常に脆弱化した、こう言われておりますが、高度成長の過程におきまして、農地の壊廃の進展あるいは農業労働力の流出その他の要素によりまして、農業関係の体質が弱化されたことは確かでございます。しかしながら、農業というものは国の経済の基本にあるものであるし、また言葉をかえて申し上げますならば農業は民族の苗代である、こう言われておるわけでございます。そういう観点からいたしまして、私たちとしましては農業生産の向上、農家所得の確保それからまた食糧の安定的供給とういう観点からいろいろと農政を展開いたしておるところでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 実はそういう考え方が大蔵大臣にあるのかどうかということが問題なのであって、農政局長にあるぐらいなことはわかり切っていることなんであります。問題は、大蔵大臣が日本の農業をどういう立場で受けとめているのか、そしてその受けとめたことによって、予算の編成なりこういう共済の問題について農業というものにどのように対応していったらいいか、その姿勢を実は伺いたかったわけなのであります。  続いて次にいきますが、現在の農業従事者の生活条件はどういう水準にあると見ておられるのか、これを大蔵大臣にお伺いいたしたいと思うのです。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 いまの日本経済におきまして、高度成長で、鉱工業生産というものがいかにも日本産業の中心といったような姿になってきておる。そういった経済におきまして、農業というものは、ただそろばんをおいてその経済から見れば、確かに、経済性と申しますか、そういったようなものは、ほかの鉱工業に比べまして大変——大変と言うとおかしいのですが、低い地位にあるということは、これは覆うべくもないと私は思います。  しかしながら、一国の経済なり一国の文化なりというものは、ただ単にそろばんをおいた経済ということだけでもってはかるべきものではないと私は思います。さような意味におきましては、農業というものは、食糧を一に農村、農民、農業に負うておるということで、これはいかに大事なことであるかということを考えてみますと、いま石油が大事だ、何が大事だ、こう言っておりますけれども、本当を言ったら——それは石油も大事です、これは軽視するわけにはまいりません。まいりませんけれども、最後の最後にはこれはやはり食糧というものが一番大事である、こういうふうに私は考えます。  さような意味におきまして、日本の国の農業というものは、これは国民生活の上からも経済の上からも片時も忘れてはならないものであり、またもう一つ、ちょっとこれは横道にそれますが、今日までの日本には農村なり農業から非常に日本に貢献した人材が大変大ぜい出ておるというようなことも考えますと、いまどなたか、質問者言われましたように、まさに農村というものは国民の苗代であるということを私も痛感しておる。何を隠しましょう、私も、坊というから坊主のようにお考えかもしれませんけれども、私は百姓の小せがれでございまして、農業のことはよく存じ上げておるものである。さような意味におきましてこれはどうしても農業というものを軽視してはならないということは骨の髄までしみ通っております。どうぞひとつよろしく。

沢田広日本社会党

○沢田委員 改めて、社会党の沢田広です、御記憶をいただきたいと思います。  昭和四十五年を一〇〇にいたしまして、消費水準は四十九年が、農家の場合一二七でした。端数は省略します。五十年は一三三でありました。昭和五十一年九月は一一五と下がってます。これは大蔵大臣もひとつ記憶にとどめてください。それから昭和五十年の農家所得の状況を見ますると、純粋な農業所得は八十九万、農外所得が百八十四万。それが五十一年の一月になると純農の所得は五十一万、農外所得が百四十四万、こういうふうに下がってきている実態なんです。ですからいま言ったお説のようなものを具体的に受けとめてみて、それからこの農業共済の問題も、単に法案を提案するんじゃなくて、それをどうやったらば再生産に結びつくかという立場でひとつ提案をしてもらうということが欲しかったということを念のためつけ加えながら、次の質問に入ります。  次に、農業基本法に農業共済の基本があるわけなんでありますが、ごらんになったことがございますか。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 見たことはございますけれども、いま詳しくは覚えておりません。

沢田広日本社会党

○沢田委員 では私から申し上げます。「国は、災害によって農業の再生産が阻害されることを防止するとともに、農業経営の安定を図るため、災害による損失の合理的な補てん等必要な施策を講ずるものとする。」このように国の義務が明記されております。ですから本来ならば、この農業共済というように貸付金というような形じゃなくてある程度の補助金を出してその上に上積みしているものなんでありますけれども、本質的に見ればこれは国の固有の義務である、そして農家の再生産なり農家経営の安定を図るために国が見ていく、そういうことが農業基本法の大本として第十条に示されているわけなんです。これを受けて農業災害補償法が生まれているわけなんでありますから、これを知らないというのではどうも提案に値しないと思うのであります。残念なことだと言わざるを得ないのですが、次の問題にいきます。  基本法の精神から、共済制度が果たして合理的なものであるかどうか。基本法で言えば、国は災害によって再生産が阻害されることを防止する、そして農家経営の安定を図るために災害による損失の合理的な補てん等必要な施策を講ずるという義務がある。その義務について、大蔵大臣はどうういうふうにお考えになっておられますか。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 農業基本法の第十条は、先生おっしゃいますように、「災害による損失の合理的な補てん等必要な施策を講ずる」となっておるわけでございますが、農業は御存じのとおり自然を相手にする産業でございますから、一たび災害が発生いたしますと、農家経済にとって非常な打撃を与える。と同時に、それがひいては国民経済全体にとっても重大な問題を与えるわけでございます。そういう意味合いから、農林省といたしましては、農業災害に関する施策につきましては十分意を用いておるつもりでございますが、特にその施策の中心となりますのが農業共済制度でございまして、今回の災害にも、御存じのとおり千五百八十四億円の共済金の支払いをいたしたわけでございます。そのほか天災融資法による天災資金を台風十七号では九十三億円、冷害では六百億用意をいたした。また自作農維持資金につきましては、台風十七号につきまして三十億円、冷害として三百六十五億円の自作農維持資金を公庫から貸し出すことにいたしたわけでございます。なお、農地、農業用施設等に関する災害復旧事業につきましては、この制度の激甚災害法の適用をいたしておりますが、それによりますれば、ほとんど大部分、私の記憶では九〇%程度まで国の補助がいくという形に相なっておるわけでございまして、災害につきましてのもろもろの対策につきましては、私たちとしても十分意を用いて処理をいたしたつもりでございますし、また今後とも、災害によります被害のアフターケアにつきましても十分意を用いてまいりたいと考えておる次第でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 国が責任を負うものと共済制度は同じだと思っておられるわけですか、その点お伺いいたしたいと思います。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 共済制度は、制度の仕組みといたしまして保険という形をとっておるわけでございます。このとき水稲につきましては、御存じのように、通常部分の災害につきましては、これは農家が負担していただく、異常災害部分については国がその掛金を見るという形に相なっておるわけで、全部が全部国がめんどうを見るという形には相なっておりません。

沢田広日本社会党

○沢田委員 災害補償法の趣旨は、不慮の事故の損失を補てんする、そして農業経営の安定、生産力の発展のために資する、こうなっておりますが、いまの発言と違うんじゃないですか。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 農業災害補償制度は、仰せのとおり「農業者が不慮の事故に因って受けることのある損失を補填して農業経営の安定を図り、農業生産力の発展に資することを目的」といたすわけでございます。共済金支払いの原因となります共済事故につきましては、制度発足以来農業事情の変化に対応いたしまして、その都度改善を図ってきておるわけでございますし、そして御存じのとおり先般の七十七国会におきましても法律改正によりまして共済事故の範囲の拡大を図ってまいっておるわけでございます。したがいまして今後共済事故を拡充する必要が生じた場合には、農災法の趣旨、目的との関連を十分考慮しながら慎重に検討してまいりたいと考えておる次第でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 以上の三つの問題を総合いたしますと、農業基本法にある国の責任の分担というものがある。そして国は、災害によって「再生産が阻害されることを防止する」という義務が法律で明示をされている。そして「農業経営の安定を図るため、災害による損失の合理的な補てん等必要な施策を講ずる」ことの義務が命ぜられている。同時に、それを受けて災害補償法では不慮の事故の損失の補てんに当たらなければならない、このことも義務づけられている。こういうことになるから、その意味において共済制度はその一部分のものであって、言うならば全体を表示したものではない。本来ならば、以上の二法によって国が負うべきものを農民のある程度の負担によってこの共済制度で補てんをしている、逆に言えば。そういうことに理解をしてよろしいですか。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 先ほど申し上げましたように、災害につきましては、共済制度あるいは天災融資法あるいは自作農維持資金あるいは農地、農業用施設の関係災害復旧、そういうことの全体的な施策を講じておるわけでございまして、農災制度につきましては、先ほど申し上げましたように、三〇%は、要するに言葉をかえて言いますならば、通常の被害の範囲内においてはやはり農家がこれを負担していただく。それを超えます異常部分につきましては、これは国が全部負担するという組み立てに相なっておるわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 それじゃ、前段の方は了解されて、足切りの問題についてだけは否定をされた、こういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 災害につきますもろもろの制度を用いましての災害対策は、いま私が申し上げたようなことでございます。  共済制度につきましては、先ほど申し上げましたように、三〇%部分につきましては先生のおっしゃるように足切りをいたしておる。これは一筆単位方式の場合でございますけれども、一筆単位方式の場合には三割を足切りいたしておるわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 これ以上は、時間がなくなりそうですから、結論的に言って、国が農業基本法で定めた法律の義務というものをもう一回ひとつ検討していただきたい。それから災害補償法に定められている不慮の事故の範囲というものは非常に広範であるということをもう一回理解をしてもらいたい。現在共済制度でやっていることと、必ずしも農業基本法と災害補償法第一条で定められている法律の趣旨というものとは同義語ではない、すべてではない、オールマイティーではない、こういうことにはなるんだろうと思うのです、常識的に言ってみても。ですから、その点については特に要望として、原則的にこれはもっと農業経営の安定、生産力の発展といういわゆる非常に広範な立場で、視点でとらえていくべきものなんだということを、特にこれは要望して次に入ります。  次に補償の目的についてお伺いをいたします。  いま私が質問しようとしないうちにお答えをされたんですが、補償とは当然個人の責任あるいは個人の失敗等があるときその部分は相殺される、まあこれは常識だと思います。また現在の立法のたてまえだと思います。しかし、わが国の食糧事情の中では、特に補償の充実はきわめて必要なものであります。いわゆる足切り三〇%ということは余りにも酷ではないかと思うのであります。  そういうふうに考えてみまして、いま御答弁になりましたけれども、この三〇%の根拠、これは一筆当たりの場合ですが、根拠と、引き上げについて国の負担というものについて配慮できないのかどうか。三割の足切りをする、三割以上でなければ補償対象にしないということでは、農民の所得水準の低下あるいは現状の農家あるいは農業意欲の増進、そういう立場から見て余りにもひど過ぎないかと私は思うのでありますが、その点についてどうお考えになっておられるか、お伺いをいたしたいと思います。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 一筆単位方式の足切りを三割とした理由は何かという御質問でございますが、いわゆる足切り制度につきましては、軽微な被害については農家が農業経営上自家保険するという考え方に立っておるわけでございます。同時に道徳的見地といいますか、私たち道徳的見地と言っていますが、そういうものを防止するという観点からも、ある程度の足切りを行うことが必要なのではないか。しかしながら、この問題につきましては、おっしゃるように補償内容の充実という観点からきわめて重要な問題でございますので、今後とも長期的視点に立って慎重に検討いたしてまいりたいと考えております。  なお、農単方式の場合におきましては、選択の場合は二割でございますし、半相殺農家単位方式の場合は二割でございますし、それから今回の制度改正で新たに設けました全相殺農家単位方式では足切りが一割という形に相なっておるわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 せめて今回の場合においても——今度改正された場合は一番上が二百七十円、今回の制度でやった場合は二百二十円、余りにも差があり過ぎるという気がいたします。一キロ当たりでありますが……。しかも、一万五千五百七十円、これはウルチ玄米一等から四等平均です。六十キロ当たりの包装代、それから運搬費込みであります。包装代は百七十一円、運搬費百一円、これをわざわざ差し引いて、一万五千二百九十八円を正味価格にして、それに〇・九を掛ける。わざわざ一割引く。一割引いて、それを六十キロで割って二百二十九円四十七銭と出てきた。そして、さらにこの九円四十七銭という端数を切り捨てて二百二十円、余りにもこれは計算の根拠としてみみっちいというか、ひど過ぎるというか、やり方として、農民の共済制度にしても——ほかの税金だったらこんな税金の取り方もしないだろうし、みな切り上げるでしょう。二百二十九と出てくれば、どう常識にしても二百三十と出るでしょう。それを、二百二十九・四七と出たものを二百二十で切るというようなことが、果たして妥当だと思われますか。しかもその九割——これは五十二年度からは改正されましたけれども、五十一年度分についてだけは少なくともこの〇・九をやめるとか、二百二十九・四七を二百二十に切り捨てるのをやめるとか——これを丸くして二百二十とはどういう根拠なんですか、ちょっと説明してください。

船曳哲郎農林省農林経済局保険管理課長

○船曳説明員 二百二十円の積算を申し上げます。  これは、いまお話のございましたように本年度から適用される新しい制度ではなくて、従来の制度によるものでございます。五十年度の政府買い入れ価格一万五千五百七十円、それから包装代の百七十一円と運搬費の百一円を引きまして一万五千二百九十八円、これが一俵当たりでございますので、それを六十キログラムで割りまして一キログラム当たりを出し、そして九割を掛けて二百二十円、こういう計算でございます。  これは最高価格でございまして、農家はあと事業の効率的運用、それから農家の自主的判断というような観点から十円刻みで八段階制の幅の中におきまして自主的に選択する、こういう仕組みに相なっているわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 私の言うのは政府の思いやりといいますか、考えの発想といいますか、農民に対する生かさず殺さずという態度といいますか、そういうものの発想の出発点についてもう少し考え方を変えていただきたいという材料として出したわけです。一万五千二百九十八円、何も包装代、運搬費——これはたとえば削ってもいいですよ。それにわざわざ〇・九を掛けて、それで二百二十九円四十七銭と出たら、丸くして二百二十円と切り捨てるという発想は、世の中通る話じゃないじゃないですか。丸くするという常識でいったならば、二百三十円とするのが常識じゃないですか。その点についてはここで議論しても仕方がないかもしれませんけれども、もしこの金が出ていく場合に、せめてその程度の思いやりあるいは配慮というもの、それが政治じゃないかと思うのです。それは事務官僚はそうで、その冷たい感覚でいいのかもしれません。しかし、政治家なり大蔵大臣なり、あるいは農林大臣は来てませんけれども、政治家としてこういうことが世の中通ると思いますか、大臣。大臣はこういうことについてお知りでなかったかもしれませんが、こういうことでわれわれが世間にいったならば、政治家というのは冷たいんだなと、そういうことにならないでしょうか。どうですか、大蔵大臣。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 ただいまのお話、非常に強く胸にこたえております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 次の問題に入ります。  畑作の特別措置法についての方に入りますが、畑作の特別措置法についても、若干その前にも関係があるのでありますけれども、現在のところでやっているのは主としてナシだとかリンゴだとか、あるいは桃であるとか、こういうような果樹に限定をされております。私は、不慮の事故の損失の補償というもので考えていきました場合に、日本の食糧全般を総体的に達観をしてみた場合に、この中身の範囲というものは、ビニールは今度の法律で入るようですが、ビニールでつくっている中身は補償の対象に入らない。これはおかしな話じゃないかと思うのです。せっかくビニールも、これでみますと、七分五厘、よくても五分、七分ぐらいの利息で近代化資金、農林漁業資金で借りてくる。そして、それが雪でつぶされたりあるいは台風でつぶされたりすれば、その災害の補償になった場合には三割の足切りをされて、そしてその残りで借金は借金で返していかなくちゃならない。まことに冷たい。農家は疲弊のどん底に入ってしまう。そういう立場に立って、まずビニールの中の作物を補償の対象に入れることはできないかどうか、これがまず第一点。  それから、ホップなど、長野だとかなんかでつくっているホップ、これはビールの会社など何かの下請でつくっているものなんだ。そういうものについては企業責任というものをある程度明らかにしていくという考え方はないのかどうか。たとえば、台風が来てホップがつぶれてしまったといった場合には、農家損という形にするんじゃなくて、どこのビール会社の下請でつくっているのかわからぬけれども、農家に七割なら七割、八割なら八割を補償するという、そういう補償体制というものをやはり災害補償法の中で企業責任としてつくっていく発想はないのかあるのか、その点、これも政治的な判断ですから、ひとつ大蔵大臣からお聞きをいたしたいと思うのであります。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 畑作共済と園芸施設共済の問題でございますが、私たちは、これの対象としまして、施設と施設内の作物という両方をとらえて考えていく必要があるというふうに思っているわけでございます。現在、畑作物共済につきましては、四十九年から試験実施を行っておるわけでございまして、これにつきましては、その実際上の本格的実施に入りますのは、若干後になりますが、五十二年度からは試験実施成果を取りまとめ、本格実施制度の検討会を行って、五十三年には法案を国会に提出いたしたいと思っておりますが、その場合の園芸施設の本体及び被覆物、それから園芸施設の付帯設備、たとえば暖房施設でありますとか、換気施設でありますとか、灌水施設、それから施設内の農作物を対象として考えていくのが適当ではないか、このように思っておりますが、なおそういうふうな共済対象をどうするかということは、それぞれの関係者の意見も十分考慮して検討してまいるというつもりでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 時間の関係で次に行きますが、ホップ、トマト、こういうものはトマトジュースあるいはホップはビール、そういうようなものの政策については、これは国の責任ではない。企業の下請によってつくっているものでありますから、そういう立場についての企業側の責任を農業の災害補償法の中にただし書きを入れて、いわゆる企業側の下請でつくっている作物については企業側の責任である程度補償義務を負わせる、そういう発想を考える余地はないかどうか、その点お伺いをいたします。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 ホップでございますとか、お茶等の主要な……。

沢田広日本社会党

○沢田委員 トマトと私は聞いているんです。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 トマトにつきましては、これは野菜でございますから、野菜の共済をどうするかという問題になるわけでございます。野菜につきましては、御存じのとおりその品目が非常に多種にわたっております。それからもう一つは、一般に作付面積とか収穫量が一定しない。たとえば、産地につきましても、作付面積につきましても、なかなか把握が困難である。あるいは価格変動も大きいというふうなことで、共済制度に仕組むことは非常に困難な点が多うございます。しかし、七十七国会において、改正法を審議の際に、両農水委から附帯決議がついておりますので、また各方面からの要望も非常にございますので、五十二年度からは主要な生産県を対象に露地野菜の栽培状況でありますとか、被害発生状況等を調査いたしますと同時に、学識経験者から成ります研究会を開催して、その制度の可能性について検討することを予定をいたしております。  なお、ホップ等の地域特産物につきましては、四十五年から共済需要や被害率等について調査をしておりますが、それぞれの作物の特性から共済制度に仕組むにはいろいろと問題点が多うございますので、今後なお調査検討を続けていきたいと考えておる次第でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 これは企業の下請でつくっている場合の方が多いわけでありますから、十分にその点検討されるよう要望しておきます。  次に農業用機械、私が調べた結果、動力用耕運機が二百四十九万台、耕運機、トラクターが三百七十八万台、刈り取り機が百二十一万台、米麦の乾燥機が百四十五万台、コンバインが二十九万台、田植え機が六十一万台、がけ崩れあるいは台風で横倒しになって損害を受ける、あるいは雪でこういうものが故障をしたために損害を受ける。これも災害補償法の対象にはなっていない。農家は大変な費用をかけてこれを買うわけです。ところがいろいろ災害を受けても、これらが対象にならない。これでは再生産の費用にも及ばないということにもなるわけです。ですから、こういうものも異常災害によって不慮の事故が起きたという場合には、当然災害の対象に含めていくという構想がなければ農家の再生産というものには対応していかないのじゃないか、このように思うのですが、いかがでしょうか。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 コンバインの共済引き受けはできないのかというお話でございますが、私たちコンバインの事故につきましてこれを保険の制度に乗せ得るのかどうかという問題が基本的にあろうかと存じます。  したがいまして、現在の段階では組合の任意共済におきまして任意の農機具共済という制度がございまして、それに加入をして共済を行うという制度に相なっておりまして、任意共済でございますから、掛金の国庫補助を行う等はいたしておりません。先生の御趣旨もございますが、これを保険制度の上に乗せることについては、私は非常なむずかしい問題があるのではないかと考える次第でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 農業災害補償法の趣旨は、不慮の事故の損失の補てんをする、農家経営の安定と生産力の発展である、こういうふうに書いてある法律の趣旨をもう一回読み直して配慮していただきたいと思います。  次の問題に入ります。  次に、公害対策基本法、「国民の健康で文化的な生活を確保する」、公害は事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる水質の汚濁あるいはいわゆる環境汚染、環境とは人の健康または生活環境にかかわるものである、生活環境とは財産あるいは動植物あるいはその生育環境、こういうことであると法律で規定されております。  そこで、私はいま申し上げたいと思いますことは、原因不明のカドミウム米等については、十分その点が対象になるのではないかと思うのでありますが、その点の見解を承りたいと思います。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 カドミウムによります水稲の汚染は人為的なものが多うございまして、一般には「農業者が不慮の事故に因って受けることのある損失を補填」することを目的とします農業災害補償制度になじまないのではないかと思いますが、しかし、すでに実務上、豪雨でありますとか、長雨等によって鉱山の有毒物が河川に流入したということによります鉱毒の害は、これは風水害に含めることとされている前例がございますが、そのように自然災害によって不可避的に水稲がカドミウム汚染をしまして、その結果減収となったような場合には農作物共済の対象になるものもある、こう考えられますので、各損害の発生原因等も十分見きわめまして、ケース・バイ・ケースで判断をしてまいりたいと思っております。     〔山下(元)委員長代理退席、委員長着席〕

沢田広日本社会党

○沢田委員 次に、時間の関係で急ぎますが、現在の補償では、牛と馬と豚、これに非常に差をつけておられるのでありますが、いまさらこの原因を聞こうと思いませんけれども、とにかく牛は五割、馬は四割、豚は今度の改正を含めましても三割三分、これを現在の日本の食糧事情等を考えてみますと、牛は三百六十四万頭余であります。馬は四万二千九百頭です。豚は七百六十八万四千頭です。鶏は二兆四千二百十六万三千羽です。ヤギは十一万、羊は一万二千です。こういう状況の中で、なぜ牛が五割で、馬が四割で、豚が三割で、鶏やヤギや羊は対象にならないのか、その点の見解と、その差をつけた理由を伺いたい。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 確かにおっしゃいますように、農作物共済につきましては国庫負担率が五九・六%、それから蚕繭共済については五六・六%でありますし、家畜共済については五〇%となっておるわけでございますが、家畜共済の掛金国庫負担割合につきましては、さきの法律の改正によりまして、牛については二分の一にいたし、種豚につきましても五分の二に引き上げて、新たに共済目的に追加した肉豚についても三分の一の国庫負担を行うことにいたしたわけでございます。そういう意味合いにおきまして、種豚だとかあるいはまた肉豚の扱いが冷たいではないかというお話もございます。私たちとしましては、新しい制度の発足でございますので、こういうふうな取り扱いといたしておりますが、国庫負担割合をさらに引き上げることにつきましては、今後における畜産の動向等を見ながら慎重に検討してまいりたいと思っております。  なお、ヤギとか羊というふうなものは共済制度は実はないのでございます。これにつきましてはそういう制度がございません。しかし、共済需要があり、それの保険設計が可能であれば考えてもよろしゅうございますが、現在のところ共済需要がない実情に相なっております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 ちっとも回答にならないのです。なぜ牛が五割で、馬が四割で、豚が三割なのか、それを説明してほしい、こう言っておるわけです。馬が四万二千九百でどこに市民生活とつながりがあるのか。農業経営として四万二千頭しかいない。豚は実に七百六十八万頭もいる、そして市民生活に必要欠くべからざるものである、そういう状況の中で、なぜ片方が三割で片方が四割でなければならないのか、その理由を一般国民にわかるように説明してほしい。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 肉豚は昭和五十二年度から新たに家畜共済の共済目的にしたわけでございまして、実は家畜共済の種豚が初めて共済の対象になりましたときの国庫負担の率が三分の一であったわけでございまして、その種豚も出世をいたしたわけでございますが、肉豚につきましても、それにならって三分の一ということがございますが、その改善といいますか、引き上げにつきましては、今後とも十分に検討してまいりたいと思っております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 もう時間がないので困った。本当に国会というところは困りますね。時間の制限で結局あとができないのですが、最後に二つだけ続けて質問して終わりにします。  いわゆる災害共済というものをやっていく場合には、適正な規模というものがあると思うのであります。いわゆる小さ過ぎても、災害が起きたときには赤字が多くなる。また大き過ぎれば経営費が膨大になる。そういう立場から見て、適正規模についてどのように考えておられるかということが一つ。  それから金融の関係というか、その集まった金の運用について特に二つ、私はこの機会に農協資金についてのいわゆる中央における管理体制、私の聞くところによれば、いろんなところでその金融引き締めの段階においてころがし不動産屋のえさになったり、あるいはそういうような状況によって農協資金が不当にこげつきを起こしているという事態も聞き及んでおります。こういうものの監督なり監査なりそういうものがどのように行われているのか、その点について、これと関連をいたしましてお伺いをいたします。  なお、最後に、数字のことですから念のため申し上げておきますが、いま局長が言われましたのは——私が五十年度、この政府が出されましたものを計算いたしますると、千二百三十二万六千トンが昨年度の収穫量でありました。でありますから六十二万七千トンが減収トン数であります。それを二百二十円に換算いたしますと、千三百七十九億四千万円になるわけであります。ですから、いま言われている金額を全部払ったとしても大した金額にはならない。ですから、あえて三割の足切りをしなくとも、政府の現在の農家、この付表の経営体系からいったならば、それほど足切りをしなくとも十分対応できる。たとえば二割にしても十分対応できるのではないか、このように思われます。  以上三点についてお伺いをし、もう一点だけ申し上げますが、生命保険に集まっている金は十一兆円あります。十一兆円ある運用資金を、大蔵大臣はどういうふうに考えられておりますかわかりませんが、関連して聞くのでありますけれども、いろいろの貸付先は、重工業であるとか化学であるとかそういうところへ行っております。しかし、いま国民が望んでおりますのは、救急医療病院であるとか救急医療センターであるとかそういうところです。生命保険もそういうところへ貸しておけば、五億にすれば三千カ所全国でできるわけです。そうすれば命も助かるし、保険料も助かるわけ。それを重化学工業へ貸したって、命は助からない。かえって命を落とすわけ。そういう意味において、生命保険の十一兆円の運用資金の管理、監督について大蔵大臣はどのように考えているか、最後にお伺いをいたしまして質問を終わりたいと思います。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 最初の三点につきまして私の方からお答えを申し上げます。  共済制度の効率的、能率的な運営あるいは危険分散の適正化という観点から、どの程度の単位がいいのかというお話でございますが、私たちとしましては大体郡単位ぐらいな単位が適当なのではないかというふうに考えております。したがいまして、第一次の広域合併計画に引き続きまして、昭和五十年度に第二次広域合併計画を策定して、組合等の広域化について強力に指導を行っておるところでございます。  第二番目の、いろいろ農協の問題でございますが、農協の貸し出しにつきましては御指摘のような問題がございます。したがいまして、これを防止しますために、農林省としては、直接には農協の事業に対する検査、指導を担当している都道府県に対しまして、再三にわたり土地関連融資の抑制、貸し出し審査体系の整備、それから担保物件たる土地の評価の見直しということの指示を通達いたしておるわけでございますが、予算的には、五十年から新たに農協の信用事業を対象といたしまして特別検査を行う都道府県の経費に対し助成をいたしておるところであります。また、本年度からは農業協同組合の経営改善特別指導事業という事業を起こしまして、それぞれの都道府県におきます単協の経営の特別な指導を行うということにいたしております。そういう措置を講じまして、農協の不良貸し付けを改善する、同時に経営の改善を行うという考えでございます。  それから第三点の数字の点は、ちょっと私もわかりにくいのでございますが、私たちといたしましては、先ほど申し上げましたように通常の部分の災害につきましては、これはやはり軽微なものでございますから、農家の負担で処理をしていただく。その範囲が三割がいいのかどうかという問題につきましては、それはおっしゃるように少なければ少ないほど農家にとってはいいわけでございますけれども、同時にまた保険としての危険も多いわけでございまして、その辺の両者をどの程度に調和するかという問題ではなかろうかと考えておるわけでございます。したがいまして、長期的な問題として十分慎重に検討いたしてまいる考えでございます。

副島有年大蔵省銀行局保険部長

○副島説明員 最後の質問についてお答えをいたします。  生命保険の資産、昨年の九月末で、先生先ほど十一兆とおっしゃいましたが、いま約十三兆八千億に上っております。この資産は契約者から受託をされたということでございますので、一方では保険料の引き下げや配当の増額等によって契約者の負担を軽減するために、安全かつ効率的に運用しなければならないという半面、先生おっしゃったように国民福祉に直接貢献し得るような、たとえば医療あるいは教育等の方面への運営も十分行えるよう考慮して指導をしておるわけでございます。御指摘の人命救助機関への融資につきましては、いま申し上げました生命保険資金の適正に留意しつつ、今後ともでき得る限り配慮していくよう指導していきたいというふうに考えております。  なお現在の生命保険各社の毎年度の決算剰余金の一部を医療財団等の法人に寄付を行うよう、これも指導しております。  以上でございます。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 関連質疑の申し出がありますので、これを許します。山田耻目君。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 沢田委員の質問の中で、キロ当たり補償金二百二十九円四十七銭、それを切り捨てた理由はどうなのかと、高度な政治判断で大蔵大臣に聞かれたのですが、あなたは胸を打たれる質問であった——それじゃ回答にならないのですよ。いま農業共済の法律の一部改正を審議しておるときですから、私は、政治家として、特に一国の関係の大臣として、所管大臣の農林大臣と相談をなさって、これは善処されてしかるべきではないかと思うのですが、ああいう質問のやりとりだけでは委員会審議としてはふさわしくないと思う。余り従来、こういう審議はなかった。だから、あなたの胸を打たれたということが結論ではないから、大蔵大臣としての結論をひとつ御答弁いただきたいと思います。——あなたじゃない、大臣に聞いておるのですよ。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 ちょっと計算方法その他について御説明申し上げますが……

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 あなたはいいです。あなたに聞いてないですから。私は大蔵大臣の坊さんに聞いているのだから。坊さんの返事を問うておる。あなたはそういうことを言っちゃいないのだから。あなたに聞いてないのです。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 大変私の胸を打ったということは、これはもうはっきりと申し上げますが、その胸を打たれた私が、いろいろこれも技術もございましょう、この政策を実現していくということについては。真剣に検討もし、農林省とも相談をしてまいりたい、かように考えております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 御相談いただくということは、私は結構と思います。ただ常識的に二百二十九円四十七銭を九円四十七銭ぶち切って二百二十円にする、こういう計算というのは余り見ることができないですよ。やはり切り上げですよ。だから常識の政治をやってくれないと、国民に共感を求めておるいい政治とは言えないのですよ。だから、あなたが真剣に検討なさると言うならそれで結構ですから、検討なさって結論を出してください。しかも、その私が申し上げたような、沢田君が聞いていたような期待にこたえての結論を出していただかないと、私はこの質疑は成就したものとは思えません。その意味では、この法律が議了した後ということになっておりますけれども、議了はしないことにいたしますよ。だから、少なくとも明日中には御相談いただいて、結論を出していただきたいと思います。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 私からちょっと御説明をさせていただきたいと思うのでございますが、二百二十円と言いますのは、先ほど保険管理課長から御説明をしましたように、政府の買い入れ価格から包装代とか運搬賃とか——これはそういう損害を受けたわけですから、その部分の包装、運搬賃は引くようなわけでございます。それから、それに九掛けをしておるではないか、これは前の制度としましては九掛けをいたしておるわけでございますが、今度の制度改正以後は九掛けをいたしておりません。それはすでに是正といいますか改められておるわけでございます。  そこで、残ります問題は、九掛けをしたら二百二十九円になるのを切り捨てたではないかという問題でございます。実は、農家が選択をします共済金額、これは農家は選択いたしますときに、一つは自分として掛金をどれだけ負担するか、それから同時に、災害が起きたときにどういう程度の共済金をもらうのが自分自身として一番好ましい状態であるかという二つの要素があるわけでございます。そこで農家としましては、十円刻みで八段階に分かれてずっと決めておるわけでございまして、その中で、それに見合って今度、掛金がずっと決まっておるわけでございます。したがって、その一番下を選ぶかあるいは一番上を選ぶか、あるいは中間を選ぶか、こういう問題に相なるわけでございます。それは農家の選択に任されておるわけでございます。  そこで、私たちとしましては農家のその選択の程度がどの程度であるか、たとえば二百円のところに集中をしておるのか、一番上が二百十円であるのかという、そういうところを見まして十円刻みにしておるわけでございます。したがいまして、農家の需要を満たす最高限度はどこであるかという問題でございまして、それが九円を切り捨てたから直ちに農家に被害を及ぼしたということではございません。農家の選びます共済金額は二百二十円にいずれも達してないという形の実情があったわけでございまして、そういう観点からまあ二百二十円と、こういうふうに定めたわけでございまして、決して他意があってそういうことをやったわけではございませんので、その点をぜひ御了承いただきたいと存じます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 あなたのおっしゃることは、農家の選択がそれを求めているというふうに聞こえますけれども、それはこうした災害を受けたときのキロ当たりの補償が農家は多いほどいい。しかし、それは二百二十九円七十四銭という段階に出たときに九円七十四銭というものをぶち切って二百二十円の補償ということになると、一般常識から見て、そのことは受けがたいという立場を沢田君は明らかにしておるわけですよ。その点について大蔵大臣は、さっき申されたように農林大臣とよく協議をして検討したい。私はその検討に対して、結果に対して結論を求めておるように得さしめていただきたい、こういうことを申し上げておるので、あなたが言っておられるようなことは全く事務的な手続の問題です。いまその点をここで議論をしたのではございませんから、その点は別といたしまして、大蔵大臣が先ほど申しましたように、十分農林大臣と御協議いただいて、慎重に検討を願いたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 お話が非常に胸を打った。胸を打ったから、そこで私は、ひとつ検討させてもらいたいと、こう申し上げておる。そこで、もし胸を打たなければ、これは検討も何も私はすると申していない。そこのところはお察し願いたいのですよ。その検討の結果について、かくあらねばこうだとおっしゃることは、私は考えると、相談もすると、それは胸を打ったからそう言っているのですよ、その後を、結果を期待されたのじゃ、それはちょっと、そこは考える余地を与えていただきたいと、こういうことなのです。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 どうもあなたと局長との考え方が少し食い違っているし、私は局長に答弁を求めたのじゃない。一人勝手にしゃべっているのですから、それは私は別に聞く耳は持たなかった。ただ、あなたもおっしゃっているように、政治家として判断を願いたいと……。あなたの答弁は、慎重に検討して、気持ちはわかった、胸を打たれた、担当大臣とよく相談をして、結論を私に報告するというのですから、私はそれで了解している。いまの局長の言葉はなかったものとして、私は聞かない。そういう理解でやってください。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 宮地正介君。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 財政の効率的活用と健全なる機動的運営は、国民生活を守る上からも、また財政を預かる当局としても、大蔵省の重要な責務であろうと私は思います。  最近の天候の異常現象については、各地の大雨あるいは干ばつ、寒波あるいは海況異変など、まさに国民経済への影響は深刻なものになりつつあります。気象庁もすでに昭和四十八年四月、「近年の世界の天候について」と題して警告を発しているのであります。その中で、わが国の今後の天候の見通しに触れ、寒冬あるいは冷夏、干ばつ、集中豪雨には特に注意を促しております。この気象庁の出しております中におきましても、「日本においては全国的な、または地域的な寒冬が現われやすく、北日本・東日本の冷夏、西日本の干ばつも起こりやすい。また集中豪雨も南北流型の時に多くなる傾向がある。」そして、結びに結論して「気象の影響を受ける度合の大きな産業に関する計画および政策は、従来よりも大きい中の気候の変動が生じ得ることを十分考慮に入れてたてる必要があり、過去において温暖化により好影響を受けていた産業は、とくに今後の気候変動に留意する必要がある。」、このように気象庁も警告をしているわけであります。言うなれば、昨年の冷害あるいは豪雨、ひょう害、こういうものは当然予想をしていたとしても過言ではない、私はそう思うのであります。  そういう意味で、今後、農業に限らず、漁業など国民生活の食糧の確保あるいは農漁業の従事者の皆さんに対する共済制度についても、きめ細かな運営は重要な問題であると思うのであります。そういう意味で、今後積極的に多種にわたって、国民生活の食糧の確保など、そういう観点あるいはこれからのそういう天災の可能性というものを十分くんで、私は、財政の中心として握っておる大蔵省が、関係当局のリーダーシップをとって、その働きをしていかなくてはならない、こう思うわけでありますが、大臣の見解と決意をまず伺いたいと思います。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 お答え申します。  現行の農業共済制度は、昭和二十二年に発足して以来すでに三十年の歳月を経ておりますが、この間熱意ある関係者の協調と不断の努力を基礎として、そのときどきの農業及び農村を取り巻く情勢の変化に的確に対応するため、幾多の制度改正を図ってきたところであります。さきの第七十七国会におきまして、現下の共済需要に対処するため農業災害補償法の一部改正を行い、改正された制度が五十二年度から実施に移されようとしていることは御承知のとおりでございます。農業共済制度三十年の歴史は、この制度が内容面でも運用面でも時代の要請にこたえる柔軟性を有していることを物語っており、このことによって、いまや本制度は、農業災害対策の一環として深く定着し、農業経営の安定と農業生産力の発展という所期の目的に沿ってその効果を発揮していると考えます。  わが国の食糧生産をめぐる環境が厳しいことは御指摘のとおりであります。特に、二百海里時代を迎えて厳しい国際環境に直面しているわが国の漁業についても農業共済制度に準じて漁業共済制度の拡充を図るべきであるとの御趣旨であるが、そもそも現行の漁業共済制度は、昭和三十九年に農業共済制度をモデルとして発足して以来今日に至っているのでございます。漁業共済制度は、農業共済制度に比べ歴史が浅い上、漁業の特殊性もあって、いまだ十分に定着したとは言えない状況にありますが、四十九年の漁業災害補償法の一部改正において義務加入制、共済てん補方式の選択制等を導入したことにより、その後の共済引き受けは順調に伸びているところであります。  いずれにいたしましても共済制度は、農業、漁業を問わず、災害対策上重要な機能を営んでいるものでありますから、御指摘のあるところでもあり、今後ともこれらの共済制度が農漁業の実態に即し所期の機能を十分発揮できるよう努力を続けてまいりたいと思います。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 限られた時間でございますので、棒読みをしないで、大臣の決意をしっかりとやってもらいたいと思うのです。いま私が質問したことは、要するに、大蔵大臣が財政主導型の一番の中心でありますから、関係当局とよく連絡をとり合い、そのリーダーシップをとる決意が大臣にあるかないかと、これを聞いたんです。それをまず答えてもらいたい。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 微力でございますが、全力を尽くしたいと思っております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 初めからそう言っていただけば時間が助かったわけであります。  次に、これも大蔵省に聞きたいわけでありますが、本法案の中におきまして、特に、審査をする上において重要な農業共済再保険の末端における事務を担当しております損害評価員が約二十万人いるとも言われております。また共済連絡員、これも約二十一万人おると言われております。ところが、この方々の年間の一人当たりの手当が何と国庫補助九百十円掛ける三分の二、約六百円であります。御承知と思いますが、損害評価員というのは、冷害などの災害になれば、田畑に出ていってお隣のいろいろその状況、これを評価する重要な仕事であります。真っ黒になってやるわけです。また、共済連絡員というのは、共済細目表の配付とかあるいは新制度のパンフレットの配付、大変な仕事をしているわけであります。ところが、年一人九百十円、五十二年度予算で四〇%アップしたといっても約千二百七十円、国庫補助がそれの三分の二であります。これは、現在の経済環境から見て、まさに不適当な金額であることは国民のだれが見ても明らかなことであります。そのためにどういうような方法が行われておるかと言えば、結局、連合会の積立金を崩して組合に交付したり、あるいは業務勘定の積み立てを崩して上乗せをして、一人当たり四千円なり五千円という額にしてやっていただいておる。そういうやる人たちも農業従事者なのです。私は、そういう意味からも、まことにこれは大蔵省として——先ほどから大蔵大臣が食糧問題、農業には真剣に誠実に当たると言っているけれども、現実はまことにむごい結果に終わっているわけであります。私はぜひ現在の経済環境に見合った適当な手当に引き上げるべきである、このように思うわけでありますが、大臣の所信を伺いたいのであります。

高橋元大蔵省主計局次長

○高橋(元)政府委員 農業共済団体に対します事務費の補助ということでございますが、現在、五十一年度の予算では、事務費の補助の系統だけで約三百九十七億、全体の農業保険費の四二%ぐらいになっております。  その中で、いまお示しのありました損害評価、それに要する経費がどうなっておるかということでございますが、農業共済制度は、御案内のとおり、共済加入者の相互扶助ということを制度のたてまえといたしておりますので、法が予定いたしております制度といたしましては、損害評価などに要する経費につきましては加入者負担であるという前提であろうかというふうに承知しております。しかしながら、事務の重要性ということにかんがみまして、従来から損害評価員の手当のほか実測費という事務費の、これは旅費等でございますが、それに対する助成もやっておりましたし、それぞれの年々に改善に努めてまいりました。  いま仰せのありましたように、損害評価員の手当または連絡員の手当は、従来は相互扶助と申しますか、組合負担と申しますか、そういう趣旨から加入者負担で賄ってきておったわけでございますが、四十九年度からこれらにつきまして助成の対象にするということにいたしまして、四十九年以降逐年この単価の引き上げをしてきております。いまお話もございましたので、今後とも国の助成のあり方について勉強をしてまいりたい、その点については農林省当局ともよく相談をいたしたいというふうに考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 いまのはいわゆる職員の給与の面をお話しになっているのでありまして、これを詰めてまいりますと時間がありませんので、いずれにしても、大臣の言っておる食糧問題あるいは農業従事者への温かい心があるならば、ぜひ思い切った英断をしていただきたい、これを要望しておきたいと思います。  次に、今回の法案の中におきます農業災害補償制度における共済目的の中で、私は果樹共済についてぜひ適用範囲を拡大してもらいたい。特に私は梅について要求をしたいのであります。  これは、昨年の五月、集中的なひょう害が、皆さん御存じのように、都心四十キロ圏にある埼玉県の越生町というところ——ここは越生梅林のまさに観光地であり、梅酒をつくる重要な梅の産地であります。そこにおきまして集中のひょうが降りまして。被害面積約五十四ヘクタール、総額にして約一千九百八十七万円、ところがこの共済の範囲にありませんから、当然何ら国からの援助もまた補助もない。県としてはわずか六十八万六千八百円を県補助したにすぎない。  梅というのは、御存じのように傷がつきましたらこれは梅酒にならない。傷がつけば梅干しになってしまう。汗水たらして肥料をやり、そうして一生懸命つくった梅栽培農家の皆さんが、結果的には赤字になっているのが実態であります。私は、そういうような実例からもぜひ果樹共済の中に梅を入れていただきたい。  また、最近、農林省としても畑作物の共済、これはたとえばお茶などであります。園芸施設共済、これはイチゴなどであります。こういうものについて試験の実施中である、こういうふうに聞いております。しかし、御存じのようにイチゴなどにつきましても、同じ四十キロ圏にある埼玉県の吉見町、川島町、これらも大変なイチゴの栽培地、恐らく皆さんも埼玉ダナーとして食べた経験があると思う。ところが昨年は根腐れ病で大変大きな被害を受けております。また、皆さんが飲んでいるお茶のほとんどはこの近辺での狭山茶であります。この狭山茶にしても凍霜害という、いわゆる霜降りなどによって大変な害を受けておる。私はそういうような農業従事者を本当に守るためにも、真剣に、現在試験実施をしている問題について早期にその実行に当たっていただきたい。そのいまやっておる経過と今後の見通しについて農林省に伺いたいと思います。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 果樹共済の共済目的は温州ミカン、ナツミカン、リンゴ、ブドウ等の九種類が対象に相なっておりまして、梅につきましては対象になってございません。梅につきましては、昭和四十七年度までに三カ年間生産県に委託をしまして、実は被害率等の基礎調査を行ってきたわけでございます。  一般的に申し上げまして、梅は収量変動が非常に大きい、それから地域的果樹で危険分散がなかなかむずかしい、それから比較的被害発生の頻度が大きい、それから損害評価の方法が確立されていない。問題点ばかり申して恐縮ですが、そういうふうな実は問題点がございます。したがって、さらに被害率算定のための補完調査を進めていきます一方、先ほど仰せのございました共済需要というものにつきまして、これを十分見きわめまして、共済の対象果樹とすることについて真剣に検討をしてまいりたいと思っております。  それから第二番目の畑作物共済、園芸施設共済でございますが、昭和四十九年度から試験実施を行っておるわけでございます。園芸施設共済につきましては、園芸施設の本体、被覆物、園芸施設の付帯施設、それから施設内の農作物を対象にして試験実施を行っておるわけでございます。  畑作物共済、園芸施設共済について本格実施に移るためには、おっしゃるような共済目的の範囲をどうするかという問題が非常に重要な問題でございます。したがいまして、こういった問題を含めて補てんの内容について種々検討を要する問題がございますために、五十二年度におきましては試験実施成果の取りまとめ、本格実施制度の検討を行いまして、五十三年に法案を提出し、五十四年に本格実施という、そういうスケジュールを立てておるわけでございますが、これはどうしても、どんなに早めても昭和五十四年度になると甲われます。五十二年度から本格実施制度の仕組みについて検討を行うことを予定しておるわけでございまして、その際には、これまでの試験の実施経過でありますとか、あるいは関係地域の意見も十分に考慮しまして、検討を進めたいと思っておる次第でございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 どうか、机上論の問題でなくして、現地では実際にそういう大きな被害で農業従事者の皆さんが大変な所得の減少として苦しんでいるわけでありますから、ぜひ現地にそのような調査などに行って、本当に心の温まるような農政をしていただきたい。時間がありませんので、このことを要求したいと思います。  ただいま農林省の所管の特別会計に関連した法律案の審査をいたしておりますが、この際、漁船再保険とも関連しているとも思われますので、現在国民の大きな課題になっております経済水域二百海里の問題に少し触れ、水産庁に御質問をしたいと思います。  御存じのように、三月一日からは米国が漁業専管水域二百海里の設定に踏み切ります。また、近近ソビエトもそのような方向にある、このように言われております。そのために、いま北洋漁業をやるわが国の漁民の皆さんの死活問題として重大な問題になっております。私どもも過日、八戸港の漁民の皆さんと現地の実情調査をしてみました。こういう大変な状況であります。「水産都市八戸・開港以来の危機」まさに死活の問題になっているのであります。その状況をつぶさに現地で聞いてまいりますと、北洋漁業基地八戸漁港では水産関係者が、何と一万人が打撃を受ける。そのために中小企業の倒産、失業というものがこれから十分に考えられる。特に機船底びき網などの北転船等の関係では壊滅状態になるのではないか。サケ・マス漁業は九〇%の打撃を受けるのではないか。あるいは沖合い底びき網も四〇%だけが残るような状態である。イカ釣りの日本海関係に至っては四〇%に減少して、八戸港の水揚げでは、五十年と比較いたしますと、何と二十四万九千六百トンも減少すると言われており、その金額にしても二百五十一億六千万に上るのではないか。また、その漁業の皆さんの苦しみだけでなくて、魚がとれなくなれば当然水産加工の中小企業の業者が大きな打撃を受けるわけでありまして、それも二六%減、約二百四十五億円の大打撃を受けるというふうに言われているのであります。  私はそういうような状況を考え、当然いま水産庁が中心となって日米問題あるいは日ソ問題、御苦労されております。しかし、いまそういう中小企業の業者あるいは漁民の皆さんの御苦労を考えますと、これは大変な問題でございます。水産庁の皆さんの今後の救済対策の方向について水産庁にお伺いしたい。また、財源を、原資を握っている大蔵省が国家的問題としてこの問題に乗り出さなければ、現在の水産庁の予算は農林省の予算のわずか七%であります。これでは幾らいい施策ができても絵にかいたもちであろうと思います。水産庁に救済対策の方途を伺うとともに、最後に大蔵大臣にその財政的な救済というものを真剣に考えていただきたい。その決意を伺って、私の質問を終わりにしたいと思います。

片桐久雄水産庁海洋漁業部国際課長

○片桐説明員 最初にちょっとお断りいたしますけれども、現在は水産庁長官、海洋漁業部長はソ連との漁業交渉の予備的な打ち合わせに当たっておりますので、かわって私が答弁させていただきたいと思います。  アメリカの二百海里漁業水域については三月一日から実施されるということで、昨年の六月以来数回にわたってアメリカと交渉いたしまして、最近になりまして実質的合意をいたしました。先週の二月十日に日本とアメリカの長期的な漁業協定に仮調印するとともに、その長期的な漁業協定が国会の批准を受けて発効するまでの間のつなぎの措置として、政府間の暫定的な取り決めも調印いたした次第でございます。  それから、わが国への漁獲割り当て量がどうなるかというのは最大の関心事でございます。これにつきましては現在のところ、アメリカが日本とかソ連とか韓国とかそういう外国全体に割り当てる漁獲総量が先週公表になったわけでございますけれども、そのうち日本がどれだけ割り当てられるかということにつきましてはまだ決まっておりません。今週中には決まるのではなかろうかというふうに思っております。先週公表されました外国に対する総漁獲割り当て量から判断いたしまして、日本への漁獲割り当て量は、現在のところ、昭和五十一年に日本がアメリカの二百海里内で約百三十万トン強漁獲実績がございますけれども、これに対比いたしまして五十二年の漁獲量は約二割弱削減ぐらいのところでおさまるのではなかろうかというふうに判断いたしておるわけでございます。当初、アメリカの原案では三割ないし四割の削減を受けるのではないかということで非常に心配をいたしまして、いろいろ科学的な資源評価の根拠等を持ち出しまして交渉してまいりましたけれども、現在のところ二割弱ぐらいの減少でおさまるのではないかというふうに考えております。  それから、もう一つの大きな問題は入漁料の問題でございます。これも当初のアメリカの原案では約三十数億円の入漁料を納めなければならないということで、これは漁業者に対する大変な負担であるということでいろいろ交渉してまいりましたが、最近入漁料の水準についての最終決定がございまして、これによりますと約二十億円ぐらいの入漁量を納めなければならないという見込みでございます。  日米漁業交渉の結果に対しまして漁獲量の削減、入漁量の納入、こういう問題が出てまいるわけでございますけれども、これにつきましては、できるだけ業界自身が経営合理化というような努力をしましてこの影響を吸収するように指導に努めてまいりたいというふうに思っております。しかし、こうした業界のみの努力によって対応できないという面もございますので、まず入漁料につきましては、できるだけ価格上昇に反映させないで漁業者自身による経営努力によってこの入漁料納入というショックを吸収してほしいというふうに考えておりますけれども、その間のつなぎの措置といたしまして何らかの政府の助成措置というものを講じてまいりたいということで現在予定いたしております。しかも、この入漁料納入は今年度内、二月ないし三月に納入しなければならないというものでございますので、五十一年度予算で、予算の流用というもので何とか措置をいたしたいというふうに考えております。  それから、漁獲量が二割弱ぐらい削減されるという問題でございます。削減された場合にある程度漁船の勢力も削減する、減船をするという必要性も出てまいりますけれども、これにつきましては業界が自主的に減船をする場合の必要な資金として農林漁業金融公庫の資金枠を七十三億円ほど予定いたしてございます。また、こういう減船によって遊休化する漁船を有効に活用する。それからもう一つは、新しい未利用の資源を開発するという観点から、そういう資源開発調査のための予算というものも約九億円ほど予定してございます。  そのほか、先生御指摘の水産加工業、それから関連産業、こういうものについても今後影響が及んでくるというふうに思われますけれども、これについてもその実態を十分調査いたしまして、対策を検討してまいりたいというふうに思っております。  それから、日ソ漁業交渉につきましては、これから始まるわけでございますけれども、ソ連が昨年の十二月十日に二百海里漁業水域宣言というものを実施いたしまして、今後の漁業交渉はきわめて厳しいものがあることが予想されます。こういう状況に対応いたしまして、国会の審議状況等見ながら鈴木農林大臣がモスクワに行ってイシコフ漁業大臣と会談するということも現在検討を進めておるところでございます。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 二百海里問題につきましては、今後の事態の推移も注目しながら、農林省と相談をいたしまして適切なる措置に出たい、かように考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 よろしくお願いします。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 荒木宏君。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 時間が限られておりますので、共済財政の基本論議は別にしまして、この法案に関連して農林省に二、三の問題について主としてお尋ねしたいと思います。  一つは共済の目的、対象の問題です。果樹共済の対象については、先ほども梅のお話が出ておりましたが、それだけではなくて、スモモ、サクランボ、それからパイナップルあるいはビワ、それぞれ対象に加えてほしいという要望が出ておるわけです。先ほど一応の答弁は伺ったのですが、しかし、これはいま初めて論議になるんではなくて、御承知のように本院でもこの論議がいままで繰り返され、すでに昨年の五月わが党の津川議員がその点の質疑をしましたところ、担当政府委員から答弁があって、その答弁がいま伺ったのと全く同じと言っていいと思うのです。なるほど危険分散がむずかしいとか、あるいは収穫量に変動があるとか、そういった問題があるので基礎調査をやった、追加調査もやった、なお現地で学識経験者の検討会もやっている、年がかわり国会がかわって同じことを伺って同じ返事がくるのでは余り意味がないんではないか。この点で検討の経過、すでに昨年の答弁では現地検討会は五十年度からやっているというのでしょう。ですからその検討経過を踏まえて結論を出す時期、それからぼつぼつその方向が出ておると思いますから、そうした農民の要請を受けて解決をする方向に進んでいるのかどうか、そこのところをひとつ局長から伺いたいと思います。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 果樹共済の対象果樹の拡大につきましては、いろいろと保険設計に必要な被害率やあるいは共済需要の調査を行いまして、準備が整い次第追加をするという方針でやってきたわけでございます。御指摘の梅、ビワ、桜桃につきましては、いろいろ調査をしてまいりましたが、一般的に言って御指摘のような困難な問題があることは確かでございます。しかし私たちとしましては、今後さらに被害率等の補完調査を進めます一方、共済需要を十分に見極めまして、共済の対象とすることにつきまして真剣に検討してまいりたい、かように考えておる次第でございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 問題があることは、もうすでに答弁でもかねがねおっしゃっておるのですね。また実際特産物として考えてみますと、ある程度地域も限られている、また危険分散のむずかしい点もそれはありましょう。しかし、そのためにこそ基礎調査、追加調査あるいはもう五十年度から現地検討会があるわけでしょう。ですからそのときに、党としても、そういった個々の部分を見ればそうだけれども、総合共済ということも一つの方法として、全体ひっくるめるということもあるのじゃないかということも言っておるわけですから、真剣に実現の方向で検討は続けていただきたい。いつごろめどは出るのですか。去年も検討、おととしも検討、これは基礎調査から合わせると、四十七年からだからもう五年でしょう。ですからぼつぼつ決着をつけて要請にこたえる時期と方向をもう少し明示をしていただきたい。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 果樹共済の問題につきましては、四十九年から確かに試験実施を始めましていろいろな検討を続けておるわけでございますが、五十二年度におきましてはその三年間やってきました試験実施成果を取りまとめまして、本格的な実施制度の検討を一年間やる必要があるというふうに思っております。五十三年には法案の国会提出、法案が成立しましたならばそれの普及を推進をいたしまして、五十四年度から引き受けを開始するということを考えているわけでございます。したがいまして、御指摘の果樹共済の共済目的をどの範囲とするかということにつきましては、私たちは真剣に検討して、できるだけ早く結論を出すように努力をいたしたい、かように考えておるわけでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 それでは、質問もかなり詰めて伺ったですから、それとあわせて局長、五十二年中に結論が出ますか。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 ちょっと、まことに失礼いたしまして、私いま畑作共済のスケジュールを申し上げましたのですが、訂正をさしていただきまして、先ほど御指摘のありました梅、ビワ、桜桃等につきましての共済目的の拡大につきましては、できるだけ早く結論を出すように努力をいたしたいと思っております。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 いまちょっと局長が取り違えて答弁された畑作の方は、これも先ほど論議ありましたけれども、沖繩のサトウキビ、北海道のてん菜、大豆、小豆、インゲンマメ、バレイショ、具体的にそうしたことについても、施設園芸作物と同じような扱いにされるのですね。いまちょっと答弁で触れられたから確かめておきたい。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 畑作物共済と園芸施設共済は同時に扱いたいと思っております。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 それでは、先ほど伺ったできるだけ早くというのは、質問で年度を切って聞いたわけですけれども、それに答えて答弁されたので、それに期待することにしまして、次は保険の限度額の問題です。  家畜共済で、たとえば牛は十七万四千円ということになっています。これは四十九年が十五万五千円でしたから若干引き上げになっていますけれども、いまの市場価格から見てまだまだ低い、こういう声が非常に強いのですが、一体どのぐらいの市場価格に見ておられるか。大体六掛けと見て十七万四千円ですから逆算すれば見当がつかないことはないのですけれども、実際の価格をどのぐらいに見ていらっしゃるか。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 五十一年度におきます乳牛の雄につきましては、十七万四千円ということで限度額を決めておりますが、右の限度額はそれぞれ過去三カ年の平均共済価格の七〇%ということで算定をいたしておるわけであります。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 過去の共済の価格が基礎になっておるようですが、しかし畜産の動向の実態と余りにも離れるようなことになっては保険の意味が非常に薄くなるのではないか。現在、市場の、実勢価格、産地価格は、一番低いところで、初妊牛で大体三十六万から五十六万というふうに言われております。ですから平均をとっても四十六万になるわけでして、その半分と見ても二十二、三万ですから、低いという声は、これは実勢から見て当然かと思うのですが、この点について引き上げの措置をとる必要があるのではないかと思いますが、どうでしょうか。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 家畜共済の掛金の国庫負担の対象となります共済金額の限度額は、乳牛、肉用牛、馬及び種豚等の別に、それぞれ御存じのとおり平均的な資質を持つ家畜を標準として、家畜の価格の変化に応じて定めるということに相なっておるわけでございまして、現実を見てみますと、家畜共済の加入農家が選択しております共済金額の平均は、一般的にはその限度を下回っておるわけでございます。したがいまして、現在のところ、家畜共済の運用上特に支障を来しているというふうには私たち考えておりませんが、今後とも家畜価格の動向でありますとか、あるいは農家の共済金額の選択の状況等を十分勘案いたしまして、適正な限度額の設定に努めてまいりたい考えでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 余り低いと当てにせぬようになるんじゃないですか。ですから、私さっき伺ったのは、いまの市場価格をどのぐらいに見ていらっしやるか、これを伺ったので、ちょっと別の答弁されたのですけれども、局長、どのぐらいと思っていらっしゃいますか。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 いろいろ牛でもりっぱな牛がありますし、そうでない牛もございますので、一概にはなかなか申し上げにくいのでございますが、私たちとしましては、七掛けした限度額が十七万四千円というところが標準的なものじゃなかろうか、こう思っておりますが、それが低いという御指摘でございますれば、先ほど申し上げましたように家畜の価格の動向でございますとか、あるいは農家の選択といいますか意向といいますか、そういうものを踏まえまして適正な限度額の設定に努めてまいりたいと思っております。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 御参考までに申し上げておきますが、デイリージャパンの二月号に、昨年の十二月乳牛の産地相場が出ておりますけれども、北海道でホルスタイン種系が三十八万から四十三万、それから同じくそれの純粋が四十五万から四十九万、高等登録が五十万から五十八万、宮崎の方も少し金額が低いですけれども、大体同じぐらいのレベルなんです。局長言われるように、確かに優種もあればそうでないものもあります。事前にちょっと伺ったら二十五万くらいというお話があったのですけれども、これは聞いてみると廃牛の値段だと言うのですよ。ですから、適正な価格に努めたいという答弁がありましたから、ひとつ再検討されることを期待します。  最後に、国庫補助の問題で家畜共済、先ほど論議がありました。特に補助率が低いという指摘がありました。局長の方からは、これの見直しをするような趣旨の答弁があったように聞いたのですけれども、五十年度実績で四四%で、その後改定されてまだ五〇%にならないということですから、これは引き上げていく必要があるというふうに思うのですけれども、この点についてもう一度局長の答弁を伺って、財政に関係しますので、これは大臣の御答弁も伺いたい。それで質問を終わりにしたいと思います。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 家畜共済の掛金国庫負担率をもっと引き上げるべきではないかというお話と承りますが、畜産の振興の重要性、あるいはまた最近におきます畜産経営の実態にかんがみまして、共済掛金の国庫負担を牛については二分の一、種豚については五分の二に引き上げたわけでございまして、肉豚につきましても三分の一の国庫負担を新たに今回は行うことにいたしたわけでございます。したがいまして、馬も含めましてこの国庫負担金の率の引き上げにつきましては、今後におきます家畜の動向等を見ながら、関係方面とも十分連絡をとって、将来の問題として慎重にに検討してまいりたいと考えておる次第でございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 大臣、伺ったのは、農作物共済それから果樹共済、これを引き上げろという要求があるのですが、いずれも五〇%以上になっていますね。家畜共済だけ少し上がったけれども、まだ四九・何%ですね。これは低いから上げたらどうか、こういうことでございます。

坊秀男自由民主党大蔵大臣

○坊国務大臣 農林当局ともいろいろ相談をしてまいりたいと思います。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。  次回は、来る十八日金曜日午前十一時五十分理事会、正午委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後八時三十六分散会

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