商工委員会エネルギー・鉱物資源問題小委員会 第1号
- 発言数
- 5 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1977/05/26
会議録
○橋口小委員長 これより商工委員会エネルギー・鉱物資源問題小委員会を開会いたします。 エネルギー・鉱物資源問題に関する件について調査を進めます。 まず、橋本資源エネルギー庁長官からエネルギー問題について説明を求めます。橋本資源エネルギー庁長官。
○橋本(利)政府委員 お手元に「エネルギー問題について」という資料をお配りしてございますが、先生方も大体御承知のようなことばかりでございますが、わが国のエネルギー事情につきまして、その問題点を簡単に整理してございますので、この紙の順序に従いまして一応御説明申し上げたいと思います。 まず、一ページでございますが、「我が国エネルギー需給構造の特質と問題点」というところで、わが国といたしましては将来ともに適正な経済成長を続けていく必要があるとしておりますが、その理由といたしまして、今後なお増大する労働人口に対する完全雇用の機会を与えていく——大体一年間に数十万人から百万人程度の新卒者が職を求めるわけでございますが、そういった人を含めて完全雇用を維持しなければならない、それから、老齢化社会に向かう中で国民福祉の充実を図っていく必要がある、さようなことを考えますと、完全雇用あるいは国民福祉の充実という観点に立ちましても適正な経済成長の持続ということが必要である、このためにはどうしてもエネルギーの安定供給の確保が必要になっていくということでございますが、そのようなエネルギーにつきましてわが国ではいろいろな基本的問題を抱えておるということでございます。 まず、わが国の輸入エネルギーへの依存度は約九割、中でも輸入石油への依存度が七三%というふうになっております。一次エネルギーの中での輸入エネルギーへの依存度はアメリカの場合は一五、六%でございます。それからドイツが五二%弱で、フランスが八一%弱であります。そういった先進工業国の中で日本の場合は九割近いということでございます。それから、石油への依存度も日本は七三%でございますが、アメリカは四一%です。これは御承知のように天然ガスあるいは石炭両方合わせまして五〇%以上依存いたしておりますので、石油の依存度は四一%です。それからドイツは四六%、これも石炭に対する依存度は四六%でございます。イギリスが五〇%、石炭に対して三二%。こういうことでございますので、先進工業国が大体石油に対する依存度が五〇%程度ということになっておりますが、日本の場合は七三%で、非常に高いということでございます。 このような事情にありまして、いろいろな不安定要因があるわけでございますが、まず、一九八〇年代末から一九九〇年代にも予想される石油増産限界の到来ということでございまして、これもすでに御承知のことかと思いますが、いままで人類が発見した石油の量は一兆バレルと言われておりまして、その一兆バレルのうちすでに三千四百億バレルを消費しており、残るものが六千六百億バレルで、これが通常石油の寿命が三十二、三年だと言われておる数字でございます。しかし、これも単純に計算しているだけでございまして、六千六百億バレルあれば三十年もつというものではないと思います。 それから未発見のものがあり、状況によればあとまだ一兆バレルくらい発見できるんじゃなかろうかと言われておるわけでございますが、この未発見の一兆バレルにつきましては、極地域だとかあるいは深海底だとか、発見できても開発の非常に困難な、あるいはコストが高くならざるを得ない地域に賦存しているんじゃないかといったような見方がされております。そういったところから、石油増産に限界が来るんじゃなかろうかと言われているわけであります。特に、ここ二、三年の傾向を見ますと、新しく発見されるのが年間百五十億バレルでございますが、それに対しての生産と申しますか、消費が二百億バレルで、毎年五十億バレルずつぐらいすでに食いつぶしていると申しますか、発見量よりも生産量が多くなってきているといったようなところも出まして、八〇年代の末からは石油にも増産の限界が来るんではないかと言われておるわけであります。 それから、産油国の動向などから来る石油供給不安ですが、これも御承知のようにわが国の輸入地域は中東地域に八〇%近く依存しておるわけでございます。そういったところから来る不安定性と、それから三番目に書きましたのは、石油を初めとするエネルギー価格の決定が国内経済情勢とは無関係に海外で行われる。特に典型的なのはOPECでございまして、OPECといたしましても経済委員会などで検討した上で値上げ幅を決めておるようではございますが、一般的に申し上げると政治的な決定がなされておる。それをわが国初め世界の消費国は自国の経済の中で吸収していかなくちゃいけないといったような問題がございます。このような事情に対しまして石油代替エネルギー源の開発とか緊急時に対応する備蓄を進めておるわけでございますが、必ずしも順調に進んでいない。 それから、二ページの3のところでございますが、「一方、エネルギー局価格時代への移行」とありますが、いままで豊富低廉な石油を使って経済成長を遂げてきたわけでございますが、今後エネルギーは高価格時代へ移っていく、それに応じましてわが国の産業構造の成立基盤に基本的変化が生じてきておるということでございまして、典型的な例はアルミの製錬でございます。これは電力消費が非常に多い産業でございます。しかも、現在の電力が重油火力によってその八割以上供給しておりますので、石油価格の値上がりということはそのまま電力料金の上昇につながっていくといったようなことで、日本の産業構造自体にも変化を及ぼしてきておるということでございます。 特に、先ほど来申し上げておりますように、エネルギー資源のほとんどを海外に依存しているといったようなことから、海外で価格が上がればそのまま国内に持ち込まれる。しかも、その価格を、国内の産業と申しますか、日本の経済力として吸収していかなくちゃいけないという問題がございますが、一方、貿易立国としての活力も維持していかなければならないというようなところから、こうしたエネルギー高価格時代へ移行するということに応じて、それに対応した産業構造のあり方というものを求め、またはその実現を考えていかなければいけないということになろうかと思います。 それから、IIとして、「内外エネルギー情勢」でございますが、1が「石油需給の情勢」で、その(1)に書きましたのは、いわゆる石油危機の後長い不況がございましたので、それだけ石油需要も減って、それに応じて一時需給も緩和しておったわけでございますが、景気が次第に回復するに従いまして石油需給もタイト化しつつある。特に、御承知のように、ことしに入りましてからOPECが一〇%アップ、五%アップの二重価格制をとっておるといったようなことで、そういった面からの混迷というものもございます。 それから、(2)は、先ほど申し上げました八〇年代後半から九〇年代にかけては増産の限界に来るということであります。 それから、(3)は、自由世界でも石油供給の確保のためにいろいろと自主開発を進めておりますが、アラスカとか北海といったところが代表的な例だと思いますが、これにもおのずから量的な限界がございますので、世界の埋蔵量の六〇%近くを占めておるOPEC諸国にやはり今後とも依存せざるを得ないということでございます。しかし、OPECの中でもサウジアラビアだとかアブダビだとかいった一部の国を除きましては埋蔵量にやはり限界があるということで、増産を期待することはむずかしいわけでございます。また、その増産可能なサウジアラビア等におきましても、余剰石油収入の価値保全を条件とする——要するに、もっと増産してほしいのであれば、あり余ってくるいわゆるオイルダラーについて目減りしないように価値保全を先進消費国で考えてくれないと増産に応じられないといったようなことも言っていおるようでございます。 それから、四番目のアメリカでございますが、アメリカは石油にしろ天然ガスにしろかなり豊富な国でございますが、だんだんその生産が減少してきております。それに応じまして輸入石油の依存度を高めてきておる。特に、従来はカナダ、ベネズエラあるいはメキシコといったような近くの国から輸入しておったわけでございますが、最近は中東原油への依存を高めてきておる。ということは、日本との競合も発生するわけでございますが、特に中東原油の需給がタイト化する傾向にある。今回のカーターの新政策によってどのように変化が出てくるかということは、これはまた次の問題になろうかと思います。 それから、五番目に書きましたのは、このような中で、わが国の石油輸入に対して一部の先進諸国から問題視されておるということでありますが、特に、IEA等におきましては、日本が全量を輸入しながらその消費量が大きい、もっと考えてみたらどうだといったような、ある意味においては日本の経済成長に対する反感と言っては言い過ぎかもしれませんが、そういったものに対する感触もその裏にあろうかと思います。 それから、各国でも石油の依存度を低減しようとする動きがいろいろとあるわけでございますが、必ずしもうまくいっておらないということでございます。 3に書きましたのは、そういった中でIEAだとかCIECといった国際機関を通じて、このエネルギー供給にどう対応していこうかという動きがあるわけでございますが、まず、IEAにつきましては、IEA全体として輸入石油依存度の低減目標を算定しようということで作業をやっておりますが、当初この春ということでございましたが若干作業がおくれているようでございます。 それから、最近IEAの一部の国で、重油火力を原則的にやめて石炭でやったらどうだというような動きも出てきております。 それから、アメリカでも長期エネルギー計画改定作業が行われておるわけでございますが、これが四月の二十日のカーター新政策という形で表に出ておるわけでございます。 それから、四ページに、「一方、核拡散防止の観点から、米国を中心に、原子力関係施設及び技術、特に濃縮、再処理についての国際的な規制の強化の動きがあり、」とありますが、これはその成り行きいかんによりましては核燃料事業等への影響が懸念されるということでございます。 それから、国際経済協力会議、いわゆるCIECでございますが、これは昨年の二月から毎月パリで、産油国その他非産油国も含めまして会議を開いてきておるわけでございます。近く閣僚会議を開いて結論を出すというところまで来ておりますが、なかなか妥結点が見出せないというような点も多いようでございます。 IIIといたしまして、「我が国エネルギー政策の現状及び今後の方向」でございますが、1に書きましたのは、すでに御承知のように一昨年の十二月に総合エネルギー対策閣僚会議で「総合エネルギー政策の基本方向」というものを決定いたしておりますが、それは1が「輸入石油依存度の低減と原子力等石油代替エネルギーの多様化」で、2が「石油の安定的確保」で、3が「省エネルギー化と新エネルギー開発の推進」で、こういった新しい基本方向というものを、一昨年の八月の総合エネルギー調査会答申の「エネルギー需給バランス」を参考としまして決定を見ておるわけでございますが、こういった方向に対しまして若干の問題点を四ページの下の方から書いております。 原子力発電あるいはLNG導入といったものが必ずしも目標どおりに順調に進んでおるとは言いがたいということでございます。そういたしますと、石油依存度を昭和六十年には六三%台まで引き下げようということで努力いたしておるわけでございますが、代替エネルギーの開発がうまくいかない場合には、いわゆるエネルギーの谷間と申しますか、石油の増産限界、しかも二十一世紀に期待される新エネルギーが実用化されるまでの間、これは何年ぐらいになるかわかりませんが、片方で従来の石油にかわるべき新しいエネルギーが出るまでの間エネルギーの谷間に入らざるを得ない、その場合日本としては非常に強い直接的な影響を受けるのじゃないかということでございます。 それから、第二の問題点は、石油依存度の低減ということで努力いたすわけでございますが、それでも昭和六十年度において現在の計画では四億八千五百万キロリットルの石油輸入になるわけでございますが、果たしてここまでの数字が確保できるかどうかということが第二の問題でございます。 それから、第三には、二次エネルギーとしての電力でございますが、電源立地がおくれており、一方で電力需要が非常に増加してきておるといったような関連もございまして、ここに書きましたように、北海道、中部、中国といった一部の地域では電力不足を来すおそれがあるということでございます。 それから、第四に書きましたのは、これは石油危機以降非常に特徴的なことでございますが、昭和四十八年度から五十年度にかけましては実質GNPは二・八%の伸びを示しておるのでございますが、一次エネルギーの需要はマイナスの四・二%となっており、この現象をどういうふうに見るかということが、すでに御承知のようにわれわれは現在見直し作業に入っておるわけでございますが、いわゆる弾性値の見方につながってくるわけでございます。 いままで日本の場合は経済成長に対するエネルギーの弾性値は一ということであったわけでございますが、一昨年のエネルギー調査会の答申ではその弾性値を〇・九五に引き下げて、それだけ省エネルギーをすると申しますかエネルギーを節約していくという方向を出しておったわけでございますが、この四十八年から五十年にかけては、むしろ弾性値がマイナスと言ってはおかしいのでございますが、二・八の実質GNPに対してエネルギー需要はマイナス四・二となっている。これは非常に不況が長かったので、特にエネルギー多消費産業の不況が影響しているのじゃなかろうかと思いますが、非常に特徴的な数字が出ておるわけでございます。 後はずっと個別エネルギーごとに、「原子力開発」あるいは「LNG」、「石炭」というふうに整理してございますが、時間の関係もございますので省略させていただきます。 最後から二枚目の八ページのところに、これから総合エネルギー政策をどういうふうに進めていったらいいかということで幾つかの項目を入れてございます。 一つは「エネルギー問題に関する国民的合意形成の確立」でありますが、いままで、一昨年八月の総合エネルギー調査会の答申に基づきまして、また、それを参考といたしまして閣僚会議で基本方向を決めたということは先ほど申し上げたわけでございますが、こういった基本的方向を実行に移すに当たりまして、いままで十分でなかった点が少なくとも二つあるのじゃないかと思います。 その一つは、そういったエネルギー問題に対する国民の理解と協力を得るという点において非常に欠けるところがあったのじゃなかろうかということでございまして、特に、エネルギーにつきましては、当面の問題よりも今後十年、二十年といった先のことを考えまして——エネルギーの開発には非常に長いタイムラグがございますので、そういった現状に甘んじて将来十年後二十年後のことを考えないと非常に大変なことになるといったような問題がございます。これはわれわれが国民的合意の形成を図るに当たって非常にむずかしいポイントでございまして、現状において特に支障がないのじゃないかといったようなところからエネルギーの危機に対する認識に差があると思うのです。これはわれわれの責任でもあるわけでございますが、そういった点が大きな反省点として考えられておるわけでございます。これは国民的合意形成をどういうふうに確立していくかということが一つの大きなポイントになるかと思うのでございます。 それから、二つ目の大きな問題は資金問題でございまして、これは御承知のように財投計画というのは毎年度予算と一緒に作成されていくということでございまして、言ってみればその都度主義になっておるわけでございます。ところが、エネルギーといったような、金もかかり、リスクも多い、しかも時間もかかるといったようなものにつきましては、その資金について、特にその財源等につきましてある程度計画的にやっていかないと、いかにりっぱな見通しあるいは方策を考えましても結局それは実行に移されないことになるということから、(2)といたしまして「エネルギーの資金問題」ということを書き上げたわけでございます。 (3)といたしまして「省エネルギー対策の充実」、それから(4)といたしまして「国際協力の推進」がありますが、これは従来からも言われておることでございます。こういった方策を講ずることによりまして日本のエネルギーの安定確保を図っていきたいということでございます。 ただいまも少し触れましたように、現在総合エネルギーの需給バランスについて見直し作業に入っております。ことしの三月から作業に入っておりまして、いま申し上げましたように、資金についてどういうふうに考えていくか、あるいは国民の合意を得るためにどのような方策を講じていくかといったような問題のほかに、六十年あるいは六十五年における需給バランスをどういうふうに考えていくかといったようなことも総合エネルギー調査会の中で検討していただいておるわけでございまして、六月の初めごろ、十日までには一応の総合エネルギー調査会における需給部会の中間的な案ができ上がりますので、これをたたき台にして、さらに総合エネルギー調査会で検討いたしまして、それに即応した資金対策といったようなものを考えていきたい、そしてできれば来年度の予算から、おそくとも再来年度の予算からは完全実行に移されるように作業を進めておる、こういうことが現状でございます。 ざっとした説明でございますが、以上で終わらせていただきます。
○橋口小委員長 以上で説明は終わりました。 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○橋口小委員長 速記を始めてください。 これより懇談に入ります。 〔午前十一時三十九分懇談に入る〕 〔午後零時十五分懇談を終わる〕
○橋口小委員長 これにて懇談は終わりました。 本日は、これにて散会いたします。 午後零時十六分散会